衆議院

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第18号 平成27年5月29日(金曜日)

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平成二十七年五月二十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君

   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君

      井林 辰憲君    大岡 敏孝君

      大串 正樹君    加藤 鮎子君

      神山 佐市君    木村 弥生君

      小松  裕君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    鈴木 隼人君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      谷川 とむ君    豊田真由子君

      中川 俊直君    長尾  敬君

      丹羽 雄哉君    橋本  岳君

      比嘉奈津美君    堀内 詔子君

      牧原 秀樹君    松本 文明君

      三ッ林裕巳君    宮路 拓馬君

      村井 英樹君    阿部 知子君

      小川 淳也君    大西 健介君

      岡本 充功君    中島 克仁君

      山井 和則君    足立 康史君

      井坂 信彦君    牧  義夫君

      輿水 恵一君    角田 秀穂君

      中野 洋昌君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君

    …………………………………

   議員           井坂 信彦君

   議員           浦野 靖人君

   議員           西村智奈美君

   議員           山井 和則君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      山本 香苗君

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            生田 正之君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  坂口  卓君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  香取 照幸君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十九日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     鈴木 隼人君

  加藤 鮎子君     宮路 拓馬君

  松本  純君     井林 辰憲君

  三ッ林裕巳君     神山 佐市君

同日

 辞任         補欠選任

  井林 辰憲君     松本  純君

  神山 佐市君     三ッ林裕巳君

  鈴木 隼人君     大岡 敏孝君

  宮路 拓馬君     加藤 鮎子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)

 労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案(井坂信彦君外五名提出、衆法第二二号)


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案及び井坂信彦君外五名提出、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省職業安定局長生田正之君、職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君、年金局長香取照幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川俊直君。

中川(俊)委員 自由民主党の中川俊直です。

 きょうは、質問に入らせていただく前に、私は、まず冒頭、野党各党が、民主、維新、生活の党でしょうか、共同提案をしていただいたということで、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案を出していただいたことに本当に心から敬意を表したいというふうに思っているんです。

 私は、対案がない中での批判とかレッテル張りという方向性ではなくて、しっかり国会という開かれた場で堂々と対案を出していただきながら審議をしていくということは、本当に議会人として非常に必要なことだというふうに思っています。

 私自身、実は今の立場になる前に政治記者クラブでキャップをやっておりまして、一九九七年当時は野党記者クラブのキャップをやっておりました。当時は民主党政権ではなくて新進党政権ということで、これが壊れまして、最終的に民主党が、民友連を踏まえて民主党になったという過程をキャップとして見てきたわけなんです。

 余談なんですけれども、同僚では、当時の野党記者クラブのキャップで民放政治記者では、民主党の笠浩史先生などとも一緒に肩を並べて仕事をさせていただいておりました。

 こういったときに、やはり私は、改めて見させていただいて、つくづく思っていたのが、その民主党が結党した九八年の年に金融国会というのがありました。未曽有の金融危機を救えということで、当時民主党は菅直人代表だったと記憶をしていますけれども、このときに、金融再生法案、早期健全化法案というものをしっかりと与野党で出し合って、自民党の方も野党の案に乗って、しっかりと議論をしていこうというような形でそういった議論がなされてきたわけでもあります。

 こういった中で、当時の野党の立場で、いろいろと菅代表が、本当に、とにかく金融問題は政局にしないんだということを当時多くのメディアが批判したということがありますけれども、私は、何といっても、やはり野党は対案を出していただくということが本当にすばらしいことだというふうに思っておりますし、そういったところに敬意を表しつつ、きょうは冒頭、質問通告もさせていただいておりますけれども、おおむね四つのテーマについて御質問をさせていただければというふうに思っております。

 そのときに、多分、塩崎大臣などは政策新人類というような仲間でいらっしゃって、当時の民主党の枝野幹事長ですとか、また石原伸晃議員ですとかと一緒になってそういった法律をつくって日本を救ってきたという方向性もありますので、開かれた場で大いに野党のお立場のお考えも伺わせていただいて、そして後ほど政府の方からもお考えを伺わせていただいて、そういった形での審議を進めていきたいというふうに思っておりますので、本日は御指導賜りますようによろしくお願いをしたいというふうに思っております。

 実は、今回の民主党、維新また生活の党の共同提出された法律というのを私なりにもいろいろと見させていただきました。そんな中で、やはりどうしても、四点ばかりのテーマから、何点か、本当に疑問に思うこと、どういうふうに考えていらっしゃるんだろうということがありましたので、その辺について、まず冒頭、お伺いをさせていただければというふうに思っております。

 まず一つは、職務に応じた待遇の確保の趣旨、そういったものについてお伺いをさせていただきたいというふうに思っているんです。

 まず、野党提出の法案におきましては、題名や目的規定など、さまざまな箇所に「労働者の職務に応じた待遇の確保」という文言が規定をされています。

 そんな中で、具体的な措置を講ずることを求めている規約、例えば野党の皆さんが第四条とか第六条の趣旨を明らかにするためにも、これらの文言の具体的な定義また考え方を整理する必要があると私は考えるんです。

 本法案において、職務に応じた待遇の確保とはどのような意味なんでしょうか。同一の職務であれば年齢や経験にかかわりなく同一金額の賃金が確保されるべきとの趣旨と理解してよいのか、法案の提出者の方にお伺いをさせていただければと思います。

井坂議員 御質問ありがとうございます。

 職務に応じた待遇の確保ということについてお尋ねがありました。

 現行法では、例えばパートタイムの労働者の方については、パートタイム労働法で、均等及び均衡待遇についての規定が定められております。パートタイム労働法第八条及び第九条にそれぞれ書かれております。また、有期雇用労働者の方に関しても、均衡待遇ということが法律上はきちんと、労働契約法第二十条ということで定められております。しかし、これら法律上の規定があるにもかかわらず、正規労働者とそして非正規労働者の方の、賃金水準初め大きな差がある。また、雇用の安定性など、実態として大きな格差が存在をしているというふうに我々は認識をしております。

 このような雇用形態による格差が社会における格差の固定化につながることが懸念されていることに鑑みまして、今回出させていただきました法律案では、こうした実態面での格差の解消を目指しているところであります。

 職務に応じた待遇の確保という中身でありますが、例えば事業主による正規労働者と非正規労働者の待遇に係る給与、教育訓練、また福利厚生などの制度の共通化を推進することなどによって、雇用形態が異なる労働者についても待遇の違いが不合理なものとならないこと、すなわち職務内容や職責に応じた待遇の確保を図ることを法律で目指しているところであります。

 以上です。

中川(俊)委員 ありがとうございます。

 そうしたら、やはり、年齢や経験などにはかかわりなく、とにかく同一金額の賃金ということを確保されるということでよろしいということなんでしょうか。

井坂議員 職務に応じたということで考えておりますので、年齢や経験が違っても、本当にやっている職務が同じであれば、基本的には賃金の水準は同じにするべきだというふうに考えておりますが、ただ一方で、経験が違うときに、では、新人の方とベテランの方がおられて、その方が同じ職務についているということがあれば、これは同一労働同一賃金という考え方であればそうなってしまいますが、しかし、マネジメント上の問題で、本当に経験あるいは能力が違う方は、これはやはり普通違う職務につく、あるいは違う職責がきちんと職務定義で規定をされる、これが本来望ましい姿ではないか、こういうふうにも考えているところであります。

中川(俊)委員 ちょっと私も何か腑に落ちないこともあるんですけれども、このことは後ほどまたお伺いをさせていただいて、次に、職務に応じた待遇を実現する範囲についてもお伺いをさせていただきます。

 野党提出の本法案の趣旨として、同一の企業内に限定することなく、将来的には広く企業横断的に職務に応じた待遇が確保されるべきとの考えがあると理解していいわけですよね。

 そういった中で、では、きょうは資料でも提出させていただいて、フリップも用意させていただいているんですけれども、ヨーロッパと日本の比較ということで提示をさせていただいているんですけれども、ヨーロッパというのはやはり職務給というのが広く普及をしていて、また、産業別に組織される労働組合と、例えばその使用団体との団体交渉を行って、産業別に設定される協約賃金が広く適用されているとよく言われております。

 一方、我が国日本というのは、企業別労働組合が特徴の一つにされて、例えば賃金などの労働条件というのは、企業ごとの労使間の交渉を通じて決定されることが多いと言われています。

 こうした中で、個別企業ごとの労使交渉ですとか、さらには労働条件決定の仕組みのまま、どのようにして企業横断的に職務に応じた待遇を実現していくのか。それとも、労使交渉、労働条件決定というものの仕組み全体を変えていくべきだというふうに考えていらっしゃるのか。法案提出者の方々の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。

山井議員 中川先生、御質問まことにありがとうございます。

 今の御質問についてでありますが、私も以前、スウェーデンに二年間留学して社会保障政策を研究したことがありますが、おっしゃるように、やはりヨーロッパ、EUの諸国と日本においては、結局、産業別賃金になっているのかということで、大きな違いがあります。

 そういう意味で、本法案においては、まずは、企業横断的ではなくて、企業内においての均等、均衡というものを図っていきたいというふうに考えております。

 しかし、先生おっしゃいますように、今後、企業横断的な同一労働同一賃金ということも検討していかねばならないと思っておりますので、そのことに関しては、雇用形態による職務や待遇の相違などに関し調査研究を行うということになっておりますし、この法案を成立させていただきましたら、労働政策審議会においても、しっかり労使で議論をしていきたいと思っております。

 ぜひ御理解いただきたいのは、私もこの間、数十人の派遣労働者の方と直接お目にかかってお話をしましたが、例えば、育児休業は正社員の方は四〇%がとれるけれども派遣の方はたった四%しかとれないとか、交通費出ない、ボーナス出ない、退職金出ない。

 中川先生御指摘のように、やっている職務が違うんじゃないかという素朴な疑問もあるわけですけれども、私も、いろいろな派遣労働者の方にお伺いしたら、自分と同じ仕事をやっている方が正社員なら二倍の賃金をもらっているとか、さらに、最近ふえているのは、派遣労働者が正社員の方を指導している、仕事の。にもかかわらず、指導されている側の正社員の方が給料が二倍高いとか、やはり明らかにこれは差別的取り扱いあるいは不合理な取り扱いではないかということが余りにも多いと思っておりますので、ぜひこの法案の趣旨を御理解いただきたいと思っております。

中川(俊)委員 いろいろと教えていただいて、ありがとうございます。

 私、ちょっと一点、その上でお伺いをさせていただきたいんですけれども、野党共同案というものは、例えば雇用の流動性を高めようとするものなのか、それとも、維新のお立場でいったら、私、足立委員の質問とか聞かせていただいていても、競争というものもある程度はやはり日本型労働慣行なんだからいたし方ないというようなお話も聞いている中で、一体どういうふうにお考えでいらっしゃるのか。流動性を高めようというふうに思っているのか、民主党さんの方でも流動性を高めようと思っているのかという、雇用の流動性ですね。

 そういったものについて、ちょっとお二方から御見解をお伺いさせていただけないでしょうか。

井坂議員 ちょうど足立委員のお話が出ましたが、足立委員の質問と私の質問を聞いていただいても、同じ党でも幅があるなというふうに感じていただくことがこの委員会では多いのではないかというふうにも思います。別にそれは悪いことではなくて、今回、私どもも、民主党さんそれから生活の党さん、呼びかけに応じていただきまして、共同提案をしていただきました。共同提案をしたからといって、背景の理論やイデオロギーまで全てびしっとそろっているべきかどうかというのは、私は、そこまでではないのかなというふうにも思っているところであります。

 その上で、私どもの考え方は、御指摘もいただきましたように、やはり今の日本の労働市場はもう少し流動性があった方がいいのではないかというふうに考えております。

 ただ、いずれにいたしましても、この同一労働同一賃金法を出させていただく中におきましては、これの結果、あるいはこれの前提として、流動性が高くあるべきか低くあるべきかということは、私は、これは全く関係なく、やはり、同一あるいは似たような職務は同一あるいは似たような賃金、待遇、こういう原則がまずあった上で、その上で、日本の雇用、労働社会が流動化をするのか、あるいはさせないような制度をつくっていくのかという話だというふうに思っております。

 以上です。

山井議員 非常に重要な御質問を、中川先生、ありがとうございます。

 私は、雇用の流動化というものは、やはりさまざまな国際競争の中等で高まらざるを得ないのではないかと思っております。

 ただ、本法案の中では、やはり非正規労働者が、願わくば、希望する方は正規雇用労働者になれるように、そういう施策に取り組むということが財政上の支援も含めて明記をされております。

 それで、このことに関しては、雇用が流動化すること自体が問題というよりは、今、井坂議員からもお話がありましたように、流動化した際にセーフティーネットがないということが一番重要であります。

 御存じのように、今、日本では、四十代、五十代で正社員から離れた場合、なかなか安定した雇用にはつけない、そういう現状がやはりあるわけであります。そういう意味では、世界の派遣労働の共通原則、EUでも韓国でも、臨時的、一時的な派遣労働であるということと均等待遇が原則である、これがやはり世界の共通ルールであると思っております。

 しかし、今回の法改正においては、均等待遇、同一価値労働同一賃金が十分でないままに期間制限を取っ払うことから、要は、安いからといってどんどんどんどん派遣への置きかえが進むのではないかという懸念があるわけです。

 そういう意味では、改めて申し上げますが、雇用の流動化、時代の流れとともに不可避な面はあるかもしれませんが、いかにセーフティーネットを整備するか。それとともに、希望する方は正規労働者になれる、そして、大前提として、この法案を成立させていただいて、均等待遇というものを実現する、そのことが必要だと考えております。

中川(俊)委員 ありがとうございます。

 流動性については、お二方、若干ちょっと違うのかなというような感じがいたしました。私は、今の観点からいったら、自民党の方では、維新の皆さんの方がお考えはちょっと近いのかなというのを、若干の印象として聞かせていただきました。

 その上で、先ほど山井委員の方からもちょっと御指摘があった件なんですけれども、同一賃金同一労働、これを現実的に日本に導入するとなれば、日本の労働組合のあり方が本当に問題になってくるというふうに私は思うんです。だって、ヨーロッパは、先ほど言った業種別、地域別の労働組合になっているわけであって、それを進めていくために、日本の労働組合をどのような方向に進めていくのか。

 だって、今まであった日本型の労働慣行の破壊を意味するようなことをずっとおっしゃっているわけなんで、その辺について、組合の皆さんにもコンセンサスを得て、説明ができるのか、その辺も踏まえての御見識をちょっとお伺いさせていただければと思うんです。

井坂議員 済みません。立ち上がるのが遅くなりまして、申しわけありません。

 組合のあり方、そしてその将来というお尋ねかと思います。

 我々は、この同一労働同一賃金という法律を出し、また、これが日本の労働社会で実現されたからといって、直ちに何か組合のあり方が変化、変容を迫られるというふうには今のところは考えておりません。

 もちろん、企業横断的な同一労働同一賃金というものを今後さらにもう一段進んで目指すときには、当然、今の企業別の組合という形ではなかなかそういうふうにはならないですから、ヨーロッパ型の考え方もやっていかなければいけないのかもしれませんが、少なくとも、本法案の段階は、日本の現状、日本の組合のあり方も含めた現状で十分実現可能な範囲にとどめて法律を書かせていただいておりますので、これを出したからといって、特に今後の組合のあり方が大きく変わるというふうには考えておりません。

中川(俊)委員 ありがとうございます。

 山井委員の方からもよろしければお願いします。

山井議員 非常に重要な御指摘、ありがとうございます。

 私は、やはり、派遣労働者の均等待遇というものが実現していない大きな理由の一つが、派遣労働者は組合がほとんどなくて、入れないんですね。ですから、違法状態があったとしても、それを是正する、言っていくすべすらないということがあります。

 そういう意味では、今後、派遣労働の方々が何らかの形で労働組合に入っていけるように、あるいは今までの組合が派遣労働の方々を組合に入れていくように、そういう取り組みというのがどうしても必要だと思います。

 今、派遣の世界では、先ほど言いました賃金、待遇の格差のみならず、例えば食堂を使わせてもらえないとか、あるいは派遣さんと呼ばれて、名前すら呼んでもらえないとか、もっと言えば、正社員の女性は免れるけれども、派遣の女性は、いざ宴会になったら、正社員の上司の横に行って酌をせねばならないとか、余りにもひどい格差があります。

 やはり、こういうことも、今、中川先生御指摘のように、労働組合というものに派遣の方々も入れるようになれば、余りにもそういうアンモラルというか、人権上の差別、不合理的な取り扱いというのも私は減っていくのではないかと思っております。

中川(俊)委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間も大分たってきているので、駆け足で次の質問もさせていただければと思っています。できる限り、通告させていただいたことをお伺いさせていただければと思っています。

 いわゆるパートタイム労働法では、一つがまず職務の内容、二つ目が人材活用の仕組みが正社員と同じ場合に、パートタイム労働者の待遇について正社員との差別的な取り扱いが禁じられているわけでもあります。

 本法案では、待遇の決定において、人材活用の仕組みの違いを一切考慮すべきでないとの考えなのか。また、その場合、全国転勤や海外勤務などを求められる労働者であっても手厚く処遇することはできず、かえって労働者の不公平感というものを生じさせる可能性もあるというふうに考えるんですけれども、その辺で問題がないかということについての御見解をお聞かせいただければと思います。

井坂議員 人材活用の仕組みが違うことによって評価が変わることを許すのか許さないのかという御質問だというふうに思います。

 御指摘がありました現行法上のパートタイム労働法でも均等及び均衡待遇の規定が定められておりますが、これらの規定においても、具体的な業務の内容だけでなく、責任の程度とか、あるいは配置の変更の範囲なども考慮することとされておりまして、我々が提出をいたしました本法案においても、同一の職務という評価の中にそうした要素が入ることを否定するものではありません。

 いずれにしましても、本法律案では、調査研究として、雇用形態による職務の違いの実態なども調査をすることを具体的に求めておりまして、こうした調査の結果も踏まえて、同一労働同一賃金の確実な、しかも現実的な実現が図られるものというふうに考えております。

中川(俊)委員 ありがとうございます。

 私自身が、同一賃金と同一労働というものを議論するに当たって、やはり、本当に三つの賃金に格差があるというふうに思うんです。

 一つは、正社員と非正規雇用による賃金格差もそうです。二つ目は、本体と下請による賃金格差という問題もあります。さらには、同じ企業の中で年功序列による賃金構造格差というふうに今の日本の社会というのはなっているわけであって、これも、老いも若きもみんな賃金も一緒だというふうになっていくのかという意味では、どのように整合性がとれていくのかということが本当にこれから大事なんだというふうに思うんです。

 一言で同一賃金同一労働をしますよと言っても、言うはやすしであって、では、これから本当に年功賃金制というものを、野党共同提案というのは、もうこれからは一切合財、同じ仕事をしたら老いも若きも同じ給与ですよという方向になるのかということが、どうしてもここが疑問が拭えないので、改めてその辺のお考えをお聞かせいただければと思います。

井坂議員 先ほども少し申し上げましたが、我々、同一労働同一賃金法というふうに出させていただいておりますけれども、委員が御指摘のような、老いも若きもみんな同じ仕事で同じ賃金、こういう非現実的なことを申し上げているわけではありません。

 先ほど申し上げたような、さまざまなほかの要素の入る余地も否定もしておりませんし、また、少し先ほどの繰り返しになりますが、本当に老いも若きもが同じ仕事を、例えば一番わかりやすい工場のベルトコンベヤーのラインでも、本当に全く同じ作業をして、しかも別に責任の程度も同じだ、こういうことになるとさすがに同一労働ということになるかと思いますが、実体の企業では、やはりベテランの方はより幅広く、また重い責任を負う職務につくのが当たり前ですし、また、そういう人員配置をするのが当たり前だというふうに思っております。

 全く同じ職務を本当に老いも若きもしていれば同一賃金にならざるを得ませんが、しかし、やはり経験、またさまざまな能力が増すごとに、ジョブ型であれば、きちんと職務が幅が広くなり、また責任が重くなりということで、職務そのものが上がっていく。こういう人事配置がどの企業でも行われているのが普通だというふうに考えておりますので、一概に同じ仕事だから老いも若きも同じ賃金ということにはならないというふうに私は考えております。

中川(俊)委員 私も、やや苦しい御答弁だなということをどうしても思ってしまうんですけれども、いろいろと伺わせていただいて、時間配分の関係上、今度は政府の方にもお伺いをさせていただければと思います。

 とにかく、失われた二十年という間に、本当に日本経済というのは閉塞状況にありました。こういった中で、私たちの周り、とりわけ三十代、四十代というのは、一回本当に正社員になりたかったんだけれども、非正規のスパイラルに陥ったという方も、実際問題、数多く見てまいりました。

 私は、現実的に言うならば、その全てにわたってというわけではなくて、まさにそういった方々が再チャレンジをしていく、キャリアアップできていく、そんな社会をやはり目指していくべきだというふうに思っていますし、先般、衆議院の本会議でも高鳥委員の方からもありました、平成二十四年の当時民主党政権のときに附帯決議が盛られて、この改正案をさらによりよいものにしていこうということで今般の審議も議論をされているわけであって、そういった中で、まさにそういうスパイラルに陥っている方々をしっかりと救っていく、このことが大事なんだろうというふうに私は思っています。

 そこで、政府に、労働者派遣制度の持つ役割と課題について、改めてお伺いをさせていただければというふうに思っております。

 多様な働き方の一つである派遣という働き方が担う役割と現在の課題をどのようなものと解しているか、御見解をお伺いさせていただければと思います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のように、多様な働き方を進めていくということが非常に重要な課題の中で、この労働者派遣制度というのは、労働者側のニーズとしましても、やはり労働者の方が希望する日時であったり、場所であったり、あるいは自分の専門知識を生かして就業するということを希望されるわけでありますので、そういったニーズに応じる。あるいは、企業側のニーズとしても、企業側で必要とされる知識であったり技術、経験を有する、対応できる人材をやはり迅速的確に確保したいという企業側のニーズ、この労使双方のニーズに需給システムとしてしっかり対応していくということが、この労働者派遣制度の役割だと思っております。

 こういった役割をさらに引き続き機能させていくということと、今議員の方から御指摘があったような柔軟で多様な働き方を実現していく上でも、しっかりこの派遣制度を機能させていくということが重要でございますので、今回、この労働者派遣制度でも、非常にわかりやすい制度にするとか、あるいは労働者保護の観点からの義務づけをするといったようなものも含めて、しっかり対応してまいりたいと思っております。

中川(俊)委員 私たちも本当に真摯にお伺いをさせていただきながら、野党の中には生涯派遣法案ではないかというような御批判ですとか、二十六業務の派遣労働者の方が三年後に一律雇いどめされるなど、かえって雇用が不安定になるとかというさまざまな指摘をいただいているわけでもあります。そういったところもしっかりと、私たちも明確に、政府の方も答えていただきながら、やはり次の方向性というものをしっかりと議論をしていかなくてはいけない。

 今回の改正案というのは、決して、規制緩和ですとか、生涯派遣というものを押しつけるといった批判は当たらないと私は本当に思っているんです。派遣労働者の待遇改善に資するものであるというふうに本当に思っています。

 最後に、もう時間になりましたので、今回の改正案は、私は、ぜひ本当に必要なものだと思っている、今の負のスパイラルの方々にどんどんと新たなチャレンジをしていっていただくためにも必要なものだというふうに思っているんですけれども、労働者派遣事業を今後どのように進めていきたいのかということを、最後に塩崎大臣から御決意を語っていただければというふうに思っております。

塩崎国務大臣 これは繰り返し申し上げてまいったように、やはり新しい時代にふさわしい、働く側の多様なニーズと、それから、企業側も多様な働く方々に参加をしてもらって最大限のアウトプットを出すということで、一人一人の暮らしを豊かにし、なおかつ経済も豊かになり、企業も豊かになるということを達成するために、私たちは今回の法律を改正案として提案をしているわけであります。

 その主眼は、先ほどお話がありましたが、いわゆる正社員になりたいという方にはその可能性を開いていくということで、可能性を増すための手だてというものを新たに幾つも入れられるということであり、また、派遣の状態がむしろ今の自分の人生にとっては必要なんだという方にとっては、さらに今よりも上の仕事ができるように、キャリアアップを図れるようなそういう手だても御用意をさせていただいて、働く人の権利も守り、そして企業にとってもよりよい人材が来ていただけるようにしていくということを実現していくことによって、これからのグローバルな戦いの中で日本経済が隆々といけるように、それは一人一人の国民の生活がよりよいものになるということにつながることだというふうに思います。

中川(俊)委員 ありがとうございます。

 私は、きょうのいろいろな質問を聞いていて、本当に野党の皆さんも、そういった意味ではしっかりと考えて、踏まえての質疑をしていただいたということで、心から感謝を申し上げます。

 一方で、本当に日本型の労働慣行というものの破壊につながらないかとか、世界各国とのグローバルの時代の中で、全てにわたって同一賃金同一労働というのは、これは本当にこの資本主義国家のあり方としていかがなものなのか、そういった疑問が私はどうしても拭えないという中で、やはりこれは与野党を超えて、失われた二十年の中で本当に負のスパイラルに陥っていらっしゃる、そういった方々に新たに本当にしっかりと雇用という中でキャリアアップしていただけるように、そういった方向性をともに目指していただきますように私もお願いを申し上げて、私の質問にかえさせていただきます。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 この五月から新しく厚生労働委員会に所属をすることになりまして、今回、この委員会では初めての質問ということでございます。厚生労働委員会は、本当に、私どもの生活に非常に密着をする大変大事な法案を数多く抱えた委員会でございますので、しっかりと質問をしてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

 本法案につきましては、参考人質疑も行われました。非常に活発な議論が続いております。大変に議論もいろいろな論点で深まってきたんじゃないか、このように私はこの審議を通じて感じております。

 私、派遣法の質問をするのは実は今回が初めてというわけではございませんでして、さきの臨時国会で本会議でも質問をさせていただきました。そのときにも改めて感じましたのは、やはり派遣法の制度自体は大変複雑なものがございまして、どうしても一般の方にはわかりにくい、なじみにくい、そういう部分もございます。改正の趣旨というものが必ずしも正確には伝わっていない、そういう側面もあるというふうにも感じております。

 今までの議論と一部重複する部分もあろうかとは思いますけれども、本会議で私がさせていただいた質問をさらに掘り下げていくような、また、改めて改正のポイントがよくわかるような質問をぜひさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず一点目に、派遣労働者のキャリアアップについて御質問をさせていただきます。

 今、ちょうどほかの委員会で議論になっておりますのが、十八歳選挙権の法案というものがまさに議論になっておりまして、若い方々の意見、こういったものをもっと政治に反映させていかないといけない、こう感じておるところでございますけれども、公明党には青年委員会という委員会がございまして、全国各地で若い方の市民相談というか、いろいろな御意見を、生の声を聞いていこう、こういうことで私も活動をしてまいりました。

 非常に痛感をいたしますのが、失われた二十年、長引くデフレ不況という話、先ほど中川先生のお話でもございましたけれども、こういう中で、賃金が全然上がっていかない、こういうお声を上げられる方というのは非常に多いな、こう痛感をいたします。賃金が上がっていかないということは、すなわち、自分の将来の展望がなかなか描けない。例えば、結婚はしたいんだけれども、賃金が安いままでは結婚をして家庭を持つというのは大変難しい、こういう悲観的に思われる方もいらっしゃいます。

 私、非常に大事だなと思いますのが、昔は、とにかく若いうちは頑張ろう、頑張っていけばその努力が報われるんだ、こういうお話がよくあったかと思うんですけれども、では、今の、賃金が全然上がっていかない、こういう状況がある中で、果たして、頑張ったら報われるんだということで本当に若い人たちが意欲を持ってやっていけるのか、こういう素朴ないろいろなお声を伺うときに、こういうことを感じたこともございました。最近の若い人はなかなかこらえ性がなくて、こういうことをおっしゃる方もいらっしゃいますけれども、高度経済成長のときと違って、努力をしていけば自分がキャリアアップをしていって、それが確かに賃金やいろいろな形で成果が得られる、こういう先が見えない中で、では頑張れるのか。私は、それはなかなか頑張れないんじゃないか、こういうことをやはり思うわけでございます。

 こうした派遣労働者の方あるいは非正規雇用の方、いろいろな現状の中で悩んでいる方のお声は伺ったことがございますけれども、やはり、将来のキャリアパスというものがしっかり描けるようにしないといけないんじゃないか。例えば派遣労働者の方や非正規雇用の方でいえば、本当は正社員になりたいのに、こういう不本意派遣あるいは不本意非正規の方、こういう方がどんどんキャリアアップをしていく、こういう方を減らしていく、こういう取り組みをもっともっと力を入れていかないといけないな、このように痛感をしておる次第でございます。

 もう少し具体的に申し上げますと、では派遣労働者の方の賃金というものを見てまいりますと、賃金カーブ、これを見ますと、非常に横ばいだなというふうに感じるんですね。経験年齢が上がっていっても賃金が上がっていかない、こういう上昇しない傾向にある。今、データを見ますと、派遣社員として引き続き働きたいという方も四割近くいらっしゃるというデータもございます。他方で、やはり四割近い方は正社員になりたい。

 派遣として働きたい方もいる、キャリアアップをしたい方もいる、こういう中で、派遣労働者の賃金カーブがこのように上がっていかない、こういう形であれば、なかなか皆様が希望を持てない、こういう現状も私は非常に理解をするものでございます。

 まず冒頭、大臣に、基本的な御認識の部分というか、派遣労働者の賃金カーブというのがなかなか上昇していかないのはなぜなのか、そして、これをもっと上昇させていくような取り組みにはどういうことをしていけばいいのか、大変基本的な部分ではございますけれども、改めて大臣の御認識を伺いたいというふうに思います。

塩崎国務大臣 先ほど、職務給、職能給という議論がございましたが、どちらかというと派遣で働いていらっしゃる方々の賃金というのは職務給に近いものだということは、おとといの委員会でもたしか申し上げたというふうに思いますが、これが一つの理由で、それは年齢に関係なく、職務給というのは、同じ職務であれば同じ賃金になるということでありますので、なかなか変わらない。ですから、年齢を重ねれば上がっていくみたいな、ベースアップ的な発想というのがないということなんでしょう。それが職務給の特徴だと思うんです。

 それともう一つは、やはり、これは何度も申し上げておりますけれども、派遣の方々には、あるいはこれはパートとか契約の方々はもっとそうですけれども、キャリアアップする手段が少ない、チャンスが少ないということでなかなか上がらない。つまり、それは職務給的なお給料でありながら、賃金でありながら、キャリアアップするチャンスがないということですから、ずっと同じところに行ってしまう可能性が高くなっちゃう。

 そこで、今回は、我々としては、均衡待遇を派遣でもしっかりと充実をするとともに、キャリアアップを推進する観点から、教育訓練等に関する派遣会社の責任を強化する。つまり、キャリア形成支援制度というものを持っていなければ派遣元としても許可をしないということにして、できる限り能力アップをしていくチャンスを派遣の方々に与えるということで、賃金を含む待遇改善を図れればなというふうに思っているところでございます。

中野委員 大臣、大変明確な御答弁ありがとうございます。やはりキャリアアップというのが大事なんだ、将来のキャリアパスをしっかり描けていけるような支援をしっかり行うことが大事なんだ、この委員会でもるる議論されてきた部分ではございますけれども、そのための措置をしっかりと講じた法改正なんだということを改めて私は強調させていただきたいと思うんです。

 そのための大きな柱が、キャリアアップ措置を派遣元の事業者に義務づけた、これは非常に、大変に大きな前進だというふうに私は思います。派遣労働者の皆様にとっても、これが大変に大きな変化になっていけばいいな、そうしていかないといけない、こういう思いでございます。ただ、では、この具体的な措置の中身がどうなんだ、こういう議論というものは、本委員会においてもるるされてきたわけでございます。

 今回の法律を拝見しますと、法律の第三十条の二で、新たに派遣会社に対してキャリアコンサルティングあるいは計画的な教育訓練を義務づける、こういうことになっておりますし、これが派遣事業の許可をとる上での要件にもなっている、このようにお伺いをしております。

 ただ、本委員会でも指摘があったかとは思いますけれども、具体的に、では、どういう措置を講じればいいのかというところがなかなかはっきりしない、法律を読んでもそれは出てこない、こういうことでございます。

 私も、もともと行政の現場で働いておりましたので、当然、許認可業務ということもやったことがございます。ある業を許可するときの許可の要件をどうするのかというのは、実は非常に難しい問題でございまして、余り形式的に過ぎると実体が伴わなくなってしまう。他方で、中身をしっかり見るよということであれば、では、何を基準に判断されるのか、余りはっきりしない。非常に審査にも時間がかかってしまう。

 ですので、許可要件をどのように設定するのかというのが、この法律の改正の狙いを実現するためには非常に重要なのではないかというふうに思います。

 この法律の条文上は出てこなくて、省令に落とすというふうに、その他省令で定めるのが許可要件になっておりますけれども、恐らく、省令で定める部分もございますし、省令を定めた上で、具体的な通知であるとかいろいろなものをつくっていかれるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、この許可要件、では、具体的にどういうものを今後記載していくのか、これについて厚生労働省にお伺いをしたいというふうに思います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 今委員の方からお尋ねございましたように、今回、新たに派遣会社に対してキャリアコンサルティングでありましたり計画的な教育訓練を義務づけるということとともに、キャリアアップ措置についての許可条件を許可基準ということにしていくということでございます。

 御指摘がございましたように、今回、派遣法の第七条のところに許可基準ということを定めておりますけれども、そこの二号のところの許可基準を使いまして、このキャリア形成の関係の許可基準を形成していこうということで考えております。

 具体的には、今御紹介しましたように、この許可基準の中に、新たに、キャリア形成支援制度を有することというような形で追加していこうということで、省令を含めて考えてまいりたいと思っておりますが、まさに今委員の方から御指摘がありましたように、どこまでのそういう具体化の部分をしていくかということについては、今後、労政審の方でも御議論いただくということになろうかと思います。

 ある程度の形とすると、やはり義務づけの部分との兼ね合いもありますので、このキャリア形成支援制度の内容としましては、体系的、計画的な教育訓練というものが用意されているかどうかというようなことであったり、あるいは、キャリアコンサルティングを行う体制がちゃんと整備されているかというようなことを規定するというようなことを現在想定しているところでございます。

中野委員 やはり、具体的な中身を詰めるのが非常に難しい課題になってくるというふうに思います。しっかり議論をしていっていただきたいと思うんです。

 他方、私、もう一点、これはぜひお願いをさせていただきたいのは、許可要件としてこれを備えないといけないというものは、もちろん最低限設定をしていかないといけないんですけれども、それができればそれでもうよしというか、もうそれで、以上終わりでいいんだ、こういうわけではなくて、やっておられるキャリアアップ措置がもっともっとよくなっていくような、そういう促しというか、そういう後押しというものがやはり必要となってくると思いますので、一旦、許可の要件としてこれを備えないといけないんだというところを設定していただいた上で、これをさらに効果を高めていくような施策の後押しというのは、引き続き、これで終わりではなくてやっていっていただきたい。これはしっかりとお願いをさせていただきますので、ぜひ御対応していただければというふうに思います。

 もう一点、では、キャリアアップ措置の実効性があるのか、こういうことについても、私は、本会議でも、その実効性を担保してくれ、こういうお願いをさせていただきました。その答弁の中でも、キャリアアップ措置の効果がどうなるかというのは、施行後の状況を勘案して、実効性の担保等についてもしっかりと留意をしていきます、こういうことで御答弁をいただいているんです。しかし、十分留意をしていくという御答弁はいただいたんですけれども、もう少し具体的にお伺いをしたいなというふうに思っております。

 キャリアアップ措置を講じているかどうかについて、では具体的にどのように御確認をされていくのか、あるいは実効性の担保の部分についてどのように行われていくのかという、もう少し具体的な想定されている取り組みをぜひ教えていただきたいというふうに思います。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のように、キャリアアップ措置ということの実効性を担保することが非常に重要でございます。

 それで、まずもって、今回、派遣制度につきましては、派遣事業者全体を許可制にするということがございますので、許可制にするということの背景をもってして、キャリアアップの取り組みに対しての派遣事業者の対応ということを厳しく見ていかなければいけないという姿勢で臨みたいということでございます。

 そのために、まずはどういう形で現場の確認をしていくかということになってこようかと思いますので、やはり、私どもとしましては、この実施状況をきっちり把握していくということが重要になってくるんだと思っております。

 そのために、こういった措置の実施状況を毎年行政への事業報告という形で求めるというようなことをしつつ、私どもが都道府県労働局で派遣事業者を指導監督する中での立入検査というような際に、やはり義務履行をしていないと考えられる派遣会社に対しては厳正に指導を行うというような形で、しっかり実効性を担保してまいりたいと考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 届け出制を新たに許可制に強化をしてというお話もございました。

 実際に、ある事業が適正に営まれているかどうかというのは、以前であれば許可のときに本当に厳しい要件を課してということであったと思うんですけれども、やはり、事後的にどの程度チェックをできるのかということが非常に大事になってくるというふうに思います。しっかり報告をとる、また指導監督あるいは監査のような部分も含めてしっかりやっていかれる、こういうお話でございましたので、これは、本当にここの部分をしっかりやらないと、いかにこの法律を仕組んでも実効性が担保できない、こういうことになってしまいますので、それはしっかりとお願いをしたいというふうに思います。

 質問の順番がちょっと変わるんですけれども、ちょうど許認可のお話になりましたので、ちょっとその関連の質問をさせていただきたいと思うんです。

 今回、新たに特定労働者派遣事業について届け出制から許可制に一本化をする、こういう大変な規制強化でございます、これをするということになりました。昨日の参考人質疑でも、私は、さまざまな方がこの点はかなり強調をされていたと感じます。全体の八割が届け出の事業者だというお話もあったかと思います。悪質な違反も大変にふえている。これを今回非常に規制を強化する、こういうことでございます。

 とはいえ、派遣法の改正の中身を説明したときに、届け出制を許可制にするんだということがどのような意味を持つのかというのはなかなか実は伝わりづらい部分でもございまして、改めて、これによって具体的に派遣労働者の方に何がよくなっていくのか、こういうことを、確認の意味も込めてですけれども、わかりやすく御説明をしていただければと思います。

坂口政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、今回、派遣事業者を全て許可制にするということでございます。

 今委員の方からありましたように、許可制にするということですから、許可を申請して、それで許可を認めるかどうかという、まず入り口でしっかりチェックをするということもございますが、この許可については有効の期間を定めておりますので、一定の期間ごとに、許可を更新するかどうかという必要性が出てくるということでございます。

 そういうことで、今回、許可制にすることによって、そういった適時適時の都道府県労働局による定期的なチェックも可能になるということもございますので、全ての派遣事業者がその健全な事業運営を行うということでしっかり要件を満たしているかどうかということを、その都度、健全化と質の向上が図れているかという観点からチェックができるということがございます。

 あと、同時に、先ほどキャリアアップ措置のところでも申し上げましたように、そういった許可制にしているということを背景にしたもろもろの派遣会社に対しての義務づけの措置ということに対して、許可の取り消しも含めたしっかりとした対応、指導ということが行えるということが、今回の許可制にしたことのメリットかと考えております。

中野委員 その上で、私が少し確認をしたいのが、許可をしてチェックをする体制というのが果たしてどの程度今整っているのかというところが気になるわけであります。

 これは、最初の許可というのはたしか経過措置があって、猶予期間の間に許可をとる、こういう形になると思います。先ほど、更新をするからその間にしっかりチェックができる、こういうお話もございましたけれども、労働者派遣事業を営む方の数というのは非常に多い、何万社もあるわけでございまして、では、これを本当に、新規許可業務のときにしっかりキャリアアップの措置がとれているか、こういうものが果たしてチェックできていくのか、あるいは、それがしっかりできていないときに指導監督というものが果たしてしっかりと行われていくのか、こうしたチェック体制が整っているかというものは非常に気になるところでございます。

 そこで、現在どの程度の体制でこのチェックをしているのか、あるいは、今後こうしたものをより強化していくような必要も私はあると感じているんですけれども、どのような方針で臨まれるのか、これをお伺いしたいと思います。

坂口政府参考人 今委員御指摘のように、派遣事業者に対しての許可のチェック、あるいは指導監督のチェックということが必要になってくるということで、現在も、許可に当たっては、許可要件を満たしているかどうかというような実地調査を行ったり、あるいは指導監督についても、やはり現場現場でということになります。

 そういうことでございまして、今委員が御指摘されましたように、全体を許可制に一本化するということで、この許可審査業務も非常に増大するということで、相当負荷がふえてくるということは事実でございます。

 お尋ねのように、現在もいろいろ私どもも可能な限り努力はしておるんですけれども、実際こういった業務を行う需給調整指導官という職員がございますけれども、その職員が、今年度も例年以上の増員を図るというようなことは頑張ったんですけれども、五百十一名というような定員の体制で今対応しているという状況でございます。

 先ほど申し上げましたように、全体のこの役割の重要性もふえてくるということもございますので、しっかりとした必要な指導監督の体制が確保できるように、厳しい行財政改革の中ということも踏まえつつでございますが、私どもとしましても、最大限、必要な定員の確保ということにしっかり努めてまいりたいと思っております。

中野委員 少し細かい話になりましたけれども、どういう体制で許認可をやっていって、どうチェックをしていくのかというのはやはり一番基本的な部分になってくると思いますので、ここにしっかり力を入れていただきたいと思います。

 少し時間がなくなってまいりましたので簡潔に御答弁をいただければと思うんですけれども、先ほど中川先生の御質問でもさまざま議論になりました、均等・均衡待遇についてお伺いをさせていただきます。

 実は私、前回の本会議でも、均等・均衡待遇を含めて、こういうことも含めて検討して、派遣労働者の処遇というのをもっと改善していくべきだ、こういう質問をさせていただきましたので、今回の改正でそれの関連する条文が加わった、これは私は非常に高く評価をしたいというふうに思っておるんです。

 他方、先ほどの議論でもるるございましたように、いわゆる均等・均衡待遇、同一労働同一賃金と呼ばれることもございますけれども、ヨーロッパとか諸外国でやっているようなケース、では、これがそのまま日本に適用できるのかというと、やはり働き方が違う、労使の賃金の今までの雇用慣行というか賃金慣行、こうしたものも全く違う、こういう状況の中で、いわゆる同一価値労働同一賃金といった、同じ職務であれば同じ賃金であるといったようなものが、日本で均等・均衡待遇といったときに、全く同じ概念では実はないんじゃないかというふうに私は感じておる部分もございます。

 職務給が余り普及していない我が国における均等・均衡待遇というものは一体どのようなものであるのかというのを政府がどうお考えであるか、ぜひ確認をさせていただきたいと思います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 今議員がおっしゃいましたように、ヨーロッパの諸国の対応ということをそのまま直ちにこちらの方に移していくということはなかなか難しいのかなと思っております。

 そういった中で、先ほど来お話もありましたけれども、均等待遇ということも、やはり職務や人材活用の仕組みなどの要素ということでパート法の話とかもありましたけれども、そういったことの要素が同じであれば同一の待遇を保障するというようなことが、私どもとしても均等待遇かなということで考えております。

 ただ、そういう状況の中でも、やはり日本の場合は職務給が普及していないということでの職能給が一般的ということで、そういった状況の中で直ちに均等待遇を実現するということについてはいろいろな課題もあるということで、今回、法案の中にも検討規定も盛り込ませていただきながら、今回強化する均衡待遇も含めての取り組みを進めてまいりたいということでございます。

中野委員 先ほどまさにお話が出ました調査検討の規定という部分でございますけれども、諸外国の事例を調査するというふうにも聞いております。そうして見ると、いわゆる年功序列のような賃金体系をとっている国というのはヨーロッパとかでは余りないというふうに思うんですけれども、どのような調査研究を行って、労働慣行であるとか雇用慣行、これが大きく異なる日本に適用する場面においてどう参考にしていくのかというのは、私は結構難しい問題じゃないかなというふうにも思っておるんです。この点についてはいかがお考えかというのをお伺いしたいと思います。

坂口政府参考人 今委員からも御指摘がありましたし、先ほど私も申し上げましたように、この職務給、職能給というような諸外国との違いがある中で、諸外国の制度をそのまま適用、こういう制度があるねということで、ではその制度をそのまま移しかえるということはなかなか難しいのかなと思っております。

 ただ、そういった中でも、私ども、まだまだ情報が不十分な部分がございまして、諸外国でもそれぞれの事情、背景もさまざまであろうかと思いますし、それから、いろいろ制度的には諸外国でも均等待遇が盛り込まれているということであるにせよ、例えば、いろいろな例外があったり、あるいは運用面でもいろいろな取り扱いをしているのではないかということも、個々の国によっての違いというようなこともあろうかと思いますので、そういった部分も含めて、いろいろ諸外国の状況も含めて調査をすることによって、我が国に置きかえる場合にどういう工夫ができるかというようなことも含めての調査ということが、諸外国の調査でも勉強できるのかなということで考えておるところでございます。

中野委員 ありがとうございます。

 確かに難しい課題だなとは思うんですけれども、とはいえ、難しいからといって、この問題は避けて通る問題かというと、やはりそうではないというふうに私は思っております。

 先ほど、中川先生の質疑の中でも井坂先生も山井先生もおっしゃられていることを私はさまざま伺いまして、やはり、均等・均衡待遇という問題、今の日本の働き方をどうするかということも含めて、大変に大きなテーマを投げかけている問題なんだろうというふうに思っております。

 いずれにしても、私が思いますのは、今置かれている派遣労働者の方々のいろいろな意味での処遇というものは上げていかないといけない。それは、正社員の方と比べて、やはりこれを少しでも近づけていく努力というのは絶対に必要だろうというふうに私は感じております。では、一足飛びに、均等、均衡に直ちにということにはハードルがある、こういうことも他方で理解はいたします。

 今回、これも今までも質問が出ていた中身ではございますけれども、改めて、この均衡待遇の部分で、努力義務から配慮義務へ格上げをした。私は、これは大きな前進であると思いますし、やはりこれをてこにして派遣労働者の方の処遇の改善というものをしっかりと進めていかないといけない、こう思っておりますけれども、今回の法改正で、この派遣労働者の処遇の改善についてどう進んでいくことになるのかというのを最後に改めてお伺いしたいというふうに思います。

坂口政府参考人 今委員の方からも御指摘いただきましたように、均衡待遇も含めた処遇の改善をしっかり図っていくことが重要だということで、今回の改正法案の中にも幾つかの対応を盛り込ませていただいておるところでございます。

 今委員の方からも御紹介がありましたように、派遣で働く方の均衡待遇ということを推進していくということでございますので、そういった形では、派遣会社の方に対して、しっかりと派遣先の労働者に対する情報が来ることがやはり必要であるということがあります。

 そのためには、やはり派遣先のさらなる協力も不可欠ということでございますので、先ほど御紹介がありましたように、今回の改正法案では、派遣先について、新たに、賃金水準に関する情報提供、あるいは一定の教育訓練、福利厚生施設等の利用に関する規定について配慮義務というような形で設けて、前進をしていこうということでございます。あわせて、派遣会社、派遣元の方に対しても、派遣労働者に対しての説明義務というようなことを課すことも含めて、しっかりこういった対応を進めてまいりたいと考えております。

中野委員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、足立康史君。

足立委員 維新の党の足立康史でございます。

 きょうは五十分も頂戴をしまして、恐縮です。浦野理事とのコミュニケーションミスで、本当はもうちょっと少なくてよかったんですけれども、五十分いただきましたので、せっかくの時間ですのでしっかりと質問させていただきたいと思います。

 まず、先般来の質疑の中で、与党合意についていろいろわあわあ言いまして、公明党の皆さんには大変失礼をいたしました。

 公明党と自民党の合意について、何だこれはということを申し上げましたが、実は、高橋千鶴子委員が、いや、あれは公明党じゃなくて民主党なんだと。言っていること、わかりますか。そういう御示唆をいただきまして、あ、何を言っているかわからないですね。いずれにせよ、民主党を初めとする野党がいろいろと発言をする中で、与党がいろいろ御苦労されているということを改めて高橋委員から教えていただきました。

 いずれにせよ、申し上げたいことは、委員会の場でいろいろと申し上げることはあるかと思いますが、私が申し上げたい最大の根本のところは、自公政権と民主党政権が一回、二回と交代をする中で、そのあおりを大変この労働分野の法律は受けてきたということを、やはり私は明確に、なかなか行政の方々はそれは言えませんが、我々は政治家でありますから、政権交代の中で政策がどのように影響を受けてきたかということについてはしっかりとテーブルにのせていくということが今後のためにも必要である、このように思ってやっていることでありますので、何とぞ御理解をいただきたいと思います。

 その民主党政権の長妻プランについて、改めてちょっと確認をしておきたいことがあります。

 参考人質疑がございました。長妻・山井プランを通じた二十六業務に係る解釈厳格化、経団連の高橋参考人は、大変な混乱が当時生じたということで御紹介をされ、関連雇用が百万人から五十万人に減ったんだ、こういう御紹介がありました。

 私もその数字についてはその場でも高橋参考人に改めて確認をしましたが、これは、政府としては、二十六業務に係るいわゆる適正化プラン、長妻プランの影響、これが派遣の雇用者数にどういうふうに影響したと評価をしているのか。これはぜひ政府の見解を教えていただきたいし、もしこのまま二十四年改正の労働契約申し込みみなし制度が施行された場合に、どの程度の影響があると政府は評価しているのか、ぜひ大臣の方から御答弁ください。

塩崎国務大臣 まず、労働者派遣事業報告におけるいわゆる専門二十六業務に従事した派遣で働く方の数というのは、平成二十一年の約九十万人から、平成二十六年の約四十九万人へと減少しているわけでございます。

 派遣で働く方の数というのは、景気や雇用、それから失業などの情勢のほかに、多様な働き方を希望する働く側の方々の意向とか、もちろん経営者側の意向もあって、さまざまな要因に影響を受けるものでありまして、この要因は一概にははかりかねる、あるいは一つで原因を全て語るというのはなかなか難しいのかなと思いますが、この間のいわゆる二十六業務に従事した派遣で働く方の数の減少というのは、平成二十二年二月実施の専門二十六業務派遣適正化プランも影響しているとの指摘があることも承知をしているところでございます。

 それとともに、いわゆる二十六業務における期間制限に係る行政指導件数が減少したことから、その観点で、一定の効果はあったものとは考えるところでございます。

足立委員 この行政指導件数が減少したというのは私も事務方から聞いているんですが、これは、二十六業務の解釈が収束するというか安定していったからなのか、厚生労働省の行政指導の姿勢が変わったのか、どっちですか。部長で結構です。

坂口政府参考人 私どもとしましては、現行の法律をしっかり適正化を図らせる、図っていただくということを派遣会社に求めていくということが重要でございますので、指導そのものの姿勢をたがえていくということはございませんが、やはり、この適正化プランということを契機に期間制限の違反についての周知徹底の取り組みということを通じながら、行政指導の件数が徐々に減少してきたということも含めて、一定の効果があったものということで考えておるところでございます。

足立委員 ちょっと腑に落ちないのは、もしそうであれば、このまま続けていけば、二十六業務の線引き問題は解消、要は、減ってきたのであれば、収れんというか解決していくと御認識ですか。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 この問題につきましては、先ほどの適正化プラン、平成二十二年の二月に実施したわけでございますけれども、その後の平成二十四年の派遣法改正の国会の御審議の中でも、やはり引き続きこういった問題については御議論がなされたということかと承知しております。

 そういった状況の中では、今申し上げたような、私どもとしても、行政としての取り組みということでの適正化ということを図ってきたわけではございますけれども、やはり、いわゆる専門二十六業務を除いて期間制限を設けているという制度の中で、いわゆる専門二十六業務の専門性ということ自体が時代によって変化するとか、あるいは、この対象業務に該当するかどうかということについて、これは労使双方にとってわかりにくいという課題は、私どもとしても一生懸命やってきたところではございますけれども、そこが払拭されたということはなかなか言えないのではないかという御議論もあり、当時の国会での附帯決議もあったということでございますので、我々とすると、そこのわかりにくさという課題については完全に払拭できているわけではないかと思っております。

 ただ、我々としましては、現行法の施行ということでございますので、適正な指導監督であったり、できるだけわかりやすくそういったものの御理解を進めるという取り組みは引き続き努めておるところでございますけれども、繰り返しになりますが、全体としてのそこのわかりにくさというところの全ての払拭ということには至っていないということで認識をしております。

足立委員 坂口部長、申しわけないんですが、ちょっとこだわるようですけれども、いわゆる行政サイドの御答弁としては無理からぬところもありますが、正直、私の理解は、行政指導の件数が減っていったというのは、必ずしもその二十六業務に係る事態が解消に向かっているという数字ではなくて、むしろ、長妻大臣がおられるときに、長妻大臣のイニシアチブで長妻プラン、長妻・山井プランが実施された。そのときは、皆さんも仕方ないから、ある程度、行政、エンフォースメントするわけです。しかし、やればやるほど、タマネギをむいてもむいても中身が出てこないという状況で、行政サイドが行政指導の手をやはり緩めざるを得なかった。

 もちろん、私がアバウトなことを申し上げると、細かくは違うかもしれませんが、政治と行政の大きな構図はそういうことであって、そして今般の法律改正につながったと思いますが、部長、どうですか。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 先ほども大臣、私からも御答弁しましたように、この適正化プランによる影響ということも、そういう指摘があることも承知はしておりますけれども、繰り返しになりますが、私どもとすると、先ほどのような、全体像をどう見るかということはございますけれども、一定の効果はあったものということでは考えておるということでございます。

 ただ、平成二十四年の国会での附帯決議ということもありますので、制度的な問題あるいは指導監督の問題を含めて、そういった附帯決議を尊重しながら私どもとしてはしっかり取り組むという姿勢で行政としては臨みたいということでございますし、臨んできたということでございます。

足立委員 私の理解は、繰り返しになりますが、先ほど大臣から御紹介があった九十万人が四十九万人、これはまさに民主党政権の、二十六業務の実態を踏まえない政策の打ち出しの結果、四十万人を超える雇用が失われた。全てではないにせよ、そういう可能性がこの数字から読み取れるし、少なくとも経団連の高橋参考人は、それを一対一でつないで陳述をきのうされたわけでありますので、これは私は、労働政策史上、重たい事実としてやはり記録にとどめておかねばならない、このように思っています。

 そして、一〇・一ペーパーは私の絡みもあるのでもう取り上げませんが、ただ、どうしてもこの場で確認を大臣にしておきたいのは、やはり、大量の派遣労働者が失業するという文言です。

 大臣は、不適切、誤解を招く、こうおっしゃいましたが、既に、先ほどあったような行政指導の結果を含めて、九十万人から四十九万人に実際に数字が変動しているわけでありまして、四十万人の雇用が失われているわけでありまして、その先に一〇・一の労働契約申し込みみなし制度が施行された暁には、これは大変な影響がある、大量の派遣労働者が失業するおそれがある。別に、するかどうかわかりませんよ。しかし、大量の派遣労働者が失業する可能性があるということは否定できないと私は今でも思っています。

 大臣は、不適切、誤解を招くとおっしゃったが、今私が申し上げた認識、この制度が一〇・一で施行されれば、多くの派遣労働者が、要は長妻プランで行政指導したときと同じように、あるいはそれと同じようなレベルで多くの派遣労働者が失業するおそれ、可能性があると私は思いますが、大臣、どうお考えですか。

塩崎国務大臣 現行の労働者派遣法では、派遣先での受け入れについては、いわゆる専門二十六業務を除いて最長三年という期間制限を設けているわけでありますけれども、専門二十六業務の専門性が、もう何度も言っておりますけれども、時代によって随分変わるということ、それから、対象業務に該当するかどうか、派遣で働く方とか派遣先、派遣会社、それぞれいろいろな解釈があってわかりづらいことが課題だということは何度も言っているわけでありまして、厚生労働省では、専門二十六業務に関する疑義応答集を厚生労働省ホームページでも公開しておりまして、周知徹底に取り組んでいるわけでありますけれども、どの業務であっても、その業務に該当するか否かというのはやはり曖昧な部分が残っている。

 それから、業務単位の仕組みを維持するままではこうした課題を完全に解決することはできないんじゃないかというふうに考えておりまして、このため、派遣先が意図せずに違法派遣を受け入れて、労働契約申し込みみなし制度が適用されてしまう可能性はやはりあるというふうに考えているわけでございます。

 こうしたことから、現行の期間制限については、平成二十四年の法改正のときの附帯決議を踏まえた上で、労使双方にとってわかりやすい期間制限に見直すことが必要だというふうに考えているわけでありまして、いわゆる一〇・一ペーパーでは、やや断言調にこういうことを書いたということが不適切だったかなというふうに考えているところでございます。

足立委員 二十四年改正時の附帯決議で、わかりやすい制度。この二十四年改正時の附帯決議に規定するわかりやすい制度を受けて、ちゃんと見直せというのを受けて今回の法改正に、全てでないにせよ至っているわけでありますが、ぜひちょっと事務方に教えていただきたいのは、この法律を検討する際に、今の法案のような形で、今大臣からも御紹介があったような法改正、これは一つの出口、一つの議論だと私も思います。ほかにも選択肢を検討したのかどうか、その政策立案の経緯について御紹介ください。

坂口政府参考人 今、足立議員の方から御紹介ありましたように、平成二十四年の労働者派遣法の改正法案で附帯決議が付されております。その中で、「いわゆる専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わる現行制度について、派遣労働者や派遣元・派遣先企業に分かりやすい制度となるよう、速やかに見直しの検討を開始すること。」ということがうたわれているわけでございまして、こうした背景を含めまして、私どもとしまして、検討会あるいは労働政策審議会の中で、わかりやすい制度となるように御議論を進めていただいたということでございます。

 その中では、今回の改正案の中にあります個人単位、それから派遣先の事業所単位の期間制限をするということのほかに、専門二十六業務の内容を見直すこと、範囲を絞り込むということについても検討を行ったということでございます。

 その上で、最終的には、平成二十六年一月二十九日の労政審の建議で、今回の改正法の内容に沿った形のものが適当だということで、二十六業務か否かにかかわりなく適用される共通ルールを設けるということで御建議をいただいて、今回の改正案のような仕組みということで御提案をしているということでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 更問いですが、その業務、二十六業務というものを絞るなり明確化するなりという選択肢がどういう理由でついえたのか、もう少し補足をいただけますか。

坂口政府参考人 その点につきましては、全体の議論の中で、トータル、セットの期間制限のありようということでの御議論もされていましたので、完全に明確な形ということではないわけでございますけれども、議論の過程の中では、先ほど来出ているいわゆる二十六業務ということについての特定、専門性ということが時代で変化する、あるいは、対象業務によってもいろいろ該当するかどうかというようなことがやはりわかりにくいということで、なかなかその絞り込みについても限界があるというようなことの議論があったことも踏まえながら、こういった点が結論として導き出されたということで承知しております。

足立委員 わかりました。

 だから、要すれば、業務で区分するということがもともと難しいんだということがやはり改めてわかったわけでありまして、難しいにもかかわらず、一連の経緯でこの二十六業務の運用が長年されてきたわけでありまして、ある種、こういうのをタブーというのかもしれませんが、長妻大臣はタブーに触れてしまった。そういう意味では、私は長妻大臣をいつも悪く言っていますが、悪いばかりではなくて、今回の法改正に至ったことまで含めて考えれば、問題提起にはなっているという評価もできるわけであります。

 したがって、本来はもうちょっとスムーズに新しい制度に移行させていく、それが政治家の責任だと思いますが、一旦爆発して、現場も大変な混乱をして、それを修正する形で落ちつくというのは余りうまいあり方ではありませんが、ハードランディングではあるが、事ここに至って、全体を俯瞰すれば一つの問題提起にはなっていたのかな、こういうふうに思うわけであります。

 私は、ここでも何度か質問等させていただいているように、一定程度この法案の内容は理解できるところがあるわけでありますが、よく野党の皆さんというか、党内でもそうですし、民主党の皆さんとも、あるいは高橋委員初め共産党の皆さんともいろいろ話をしていて、なかなか派遣法が物議を醸しているのは事実です、物議を醸しているのは。

 その中で、私、よく山井委員に言うんですね。これは山井さんの責任ですよと。長妻大臣と山井政務官、政府に入っていらっしゃって、当事者ですよね。だから、本当に責任者です。だから、私は、何かここで山井委員が偉そうに質問する立場じゃないと。大臣もきっとそうお感じになっていらっしゃると思いますが、私は心からそう思っていましてね。

 それで、山井委員に、その責任を認めなさいと。当時の民主党政権が政策の間違いを認めるのであれば、私は、もうちょっとゆっくり、要すれば十月一日の施行延期法案を出して、だって、もう十月一日まで日がないんだから、施行延期法案を出せば、もう少し丁寧にこの派遣法の議論をする時間がとれるんじゃないか。

 三度目の正直なのか、二度あることは三度あるなのかわかりませんが、山井委員から、ぜひ聞いてくれと。自分が、自分たちが間違いを認めたら、施行期日延期法案で対処できないかと。大臣、どうですか。

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

塩崎国務大臣 山井議員からはそういうような御発言をまだ聞いていないわけでありまして、できたら、ぜひ聞いてみたいような気もいたしておるわけでございますが。

 いわゆる労働契約申し込みみなし制度については、平成二十四年の改正時にいろいろな議論があって追加をされたというふうに理解をしておりまして、施行については、当時の国会での議論によって、改正法の施行から三年後ということで決まったものでございます。

 その施行については、さらに延長するということは、同制度によって図られるはずの労働者の保護が図られなくなるという側面もあるわけでございますので、やはり予定どおり、ことし十月一日からの施行をお願いできればというふうに思っております。法律的には十月一日からの施行ということになっておりますので、そのとおりでお願いを申し上げたい、こう思っております。

足立委員 御答弁、大変よくわかりました。ありがとうございます。

 大きな、今の長妻プランの話はこれで終わります。

 きょう、いただいている時間でもう一つ。

 私は、今までの話は、参考人質疑における高橋参考人の意見を受けてお話をさせていただきました。次のテーマは、大久保参考人の御意見。大変傾聴に値するものだと私は思いました。

 リクルートワークス研究所の大久保所長は、派遣法には、相反するもの、相入れないものが、両立しないものが含まれている、増改築を繰り返しながらと、こう表現をされ、その具体的な例として、臨時的、一時的ということを法文に書く一方で既に日雇い派遣を禁止しているとか、あるいは、常用代替はしないんだと言いながらできるだけ正社員化を進めていくんだとか、あるいは、派遣切りだと非難しながら生涯派遣だと非難すると。

 こういうように、一体何なんだ、この法律はと大久保参考人はおっしゃったわけでありますが、大臣、これはどんなふうにお聞きになられましたか。

塩崎国務大臣 大久保参考人はいろいろなことをお述べいただいたというふうに思っておりますが、全体としては今回の改正案を御評価いただいているのではないかというふうに認識をしているところでございます。

 今回の労働者派遣法の言ってみれば目的を考えてみると、派遣事業の適正な運営を確保するということがまず第一、派遣労働者の保護を図るということが第二ということで、派遣労働者の雇用の安定を図る、実現していくということが目的ではないかというふうに思います。

 これまでも、経済産業構造の変化などに応じて、派遣で働く方の一層の保護と雇用の安定を図りながら、働く方々の多様なニーズに応じた働き方の実現を目指してたび重なる改正を行ってきたところであって、それぞれの規定というのは、一貫して、今申し上げた法律の目的、二つの目的を大きな意味で達成するために設けられてきた規定でありまして、全体として見れば相反するというものではないんじゃないかなというふうに思っているところでございます。

足立委員 今大臣がおっしゃったように、しっかりと法律を整理し解釈をしていくということが本当に大事である、このように私は思っています。

 そのときに、一つ気になるのが二十五条ですね。これは別に今に始まったところではありません、従来からある条文でありますが、いわゆる二十五条の「運用上の配慮」。この法律を施行、運用するに当たって大臣が配慮すべき事項として、「労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行」、これを考慮する、こう書いています。

 この考慮というのは、非常に平板な言葉ですが、どういう意味でしょうか。

塩崎国務大臣 第二十五条に「考え方を考慮するとともに、」というのがございますが、現行の労働者派遣法において、厚生労働大臣は、長期雇用慣行を文字どおり考慮しながら制度運用する必要がある旨を規定したものだというふうに考えているところでございます。

足立委員 本当に、いわゆる雇用慣行という、先日も私はここで指摘をしましたが、「労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行」、こういう言い方はほかの法律にはありません。まさに派遣法に規定をされているわけでありまして、附則の二条二項にも全く同じ言葉が出てまいります。

 これは事務方で結構ですから教えていただきたいのは、この雇用慣行、ここでるる書いてある、雇用慣行という四文字じゃないですよ、雇用慣行までのこの文章、これはどういう慣行のことを意味していて、そして、附則二条二項に「損なわれるおそれ」と書いてあるのは、どういう事態、具体的にどういうおそれなのか、ぜひ御答弁ください。

坂口政府参考人 今委員の方から御指摘ございました、今回の改正法の附則の第二条第二項に今御紹介していただいたものがございます。

 これは、既存の、当初出しておりました検討規定が、三年後を目途にという形での検討規定がありましたけれども、その規定に加えて、一定のケースについて速やかな検討を行うということで盛り込んだ規定でございまして、今御紹介ありましたように、その中にも、先ほどの形と同じように、「労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行」という言葉を使って条文を書いているというところでございますが、御指摘の雇用慣行につきましては、いわゆる長期間、長期雇用の慣行ということを想定しているというところでございます。

 また、続けて、「雇用慣行が損なわれるおそれ」ということにつきましては、正社員が派遣労働者に置きかわる、いわゆる常用代替が常態化するというような状況を想定しているというところでございます。

足立委員 今おっしゃった長期雇用、日本的雇用慣行とかつてよく言われたものでありますが、今も厚生労働省にとってはこれは守るべきものなんですか。

塩崎国務大臣 附則の第二条第二項についてのお尋ねでございますが、政府としては、一人一人がそれぞれのライフスタイルや希望に応じて社会で活躍の場を見出せるよう、柔軟で多様な働き方が可能となることを目指しているわけでございます。

 今回の労働者派遣制度の見直しも、その実現に向けた重要な取り組みの一つと考えておりまして、雇用慣行で示されている、損なわれないようにしないといかぬと言っているのは、今申し上げたようなことを想定した上で、それに沿ったような労働市場が続いていくということが大事だというふうに考えているところでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 大変丁寧に御答弁いただいたわけですが、お聞きの委員の先生方、御理解いただけると思いますが、やはり日本の雇用政策は、今大臣あるいは坂口部長がおっしゃったようなところが私は実は肝だと思っていまして、派遣法ができた当時にもてはやされていたいわゆる日本的雇用慣行、まあ、民主党の皆さんが大事にされているかどうかわかりませんが、大事にされているようなそういう慣行、これを礼賛する時代があったわけです。

 しかし、今まさにいみじくも大臣がおっしゃったように、むしろ雇用形態にかかわらず、要は、終身雇用というのはある一つの雇用形態です。そうですね。終身雇用というのは一つの極端な雇用形態です。もちろん、逆に全ての方がそういう働き方に縛られることも、これは労働者にとっても幸せなことではないし、経営から見てもそんなことはあり得ないわけでありまして、労働側、使用者側、双方にとって、そういう画一的な働き方、これがドミナントであるということは決して望ましいことではないと私は思っているわけです。

 以前、派遣法ができた当時は、やはりそういうものがまず大きくあって、そういうものを損なわないことが派遣法を運用する最低限の条件だということで多分法案ができたんだと思います。

 しかし、今や、まさに今大臣から御答弁をいただいたように、派遣労働者もしっかりと保護をしていく必要がある。正社員だけを保護して、派遣労働者は正社員の邪魔をしないようにするだけのことではなくて、正社員という働き方、終身雇用という働き方もあっていいし、派遣という働き方もあっていいし、有期という働き方もあっていい。

 そうしたさまざまな雇用形態について、労働者が、その雇用形態にかかわらず、意欲や能力に応じて多様な働き方をみずから選択して、自分の持てる能力を十分に発揮していく、そして充実した職業生活を営むことができるような、そういう労働社会を私は目指していくべきだと考えています。

 大臣、同じ思いだと思いますが、大臣に同じ思いだと思いますと言うのも僣越ですが、私が今申し上げたようなことについて、もし御見解があられましたら御教示をください。

塩崎国務大臣 これは先ほど申し上げたとおり、一人一人、人間は個性を持って生きているわけで、その人生設計もいろいろあるわけでありまして、ですから、それぞれのライフスタイルとか生き方、働き方、そういうことに関する希望やスタイルというのを持っておられるんだろうと思います。ますますもって、これまで以上に持っておられる人がふえている。

 ですから、そのそれぞれの方が、社会の中でそれぞれしっかりと自分の働く場とか生きる場とかそういうものを持ち得るようにしていくために、私たちのつくる法律がそれを可能にするようにしていくということが大事なので、やはりそれぞれ多様な働き方をできるようにしていく、そして、その中で働く人たちをきちっと守っていくということが大事なんだろうというふうに思います。

足立委員 ありがとうございます。

 そういう今御答弁いただいた観点からいえば、附則二条二項の規定は若干誤解を招きかねない表現かなという私の感想だけ申し述べておきたいと思います。

 あと、残る時間で三点目。

 きょうも、井坂委員を初めとして、同一労働同一賃金法案の御審議をいただいているわけでありますが、私は、ずっとこの一連の議論を拝見していて、一つだけ、大臣を初め皆さんにちょっと御教示をいただいておきたいことがあるのは、いわゆる待遇、均等待遇、均衡待遇と言っておりますが、この待遇とは何だということですね。

 まず、厳密な意味で、派遣法に書いてあるところの均衡待遇の待遇、これはもう何度か出ていると思いますが、一応、再度、改めて簡単に教えていただければと思います。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 この待遇ということでございますけれども、今回の派遣法の中でも、待遇という言葉そのものは使っていないわけでございますが、第三十条の二で、均衡を考慮した賃金決定でありますとか、均衡を考慮した教育訓練及び福利厚生の実施その他というようなことで使っておりまして、議員御指摘の待遇ということでいけば、給与、勤務時間に加えて、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用など、雇用主の労働者に対する取り扱いということを指すということで考えております。

足立委員 これは見出しは関係ないのか。待遇という言葉は使っていないんでしたっけ。ちょっと確認だけ。待遇というのは、派遣法に待遇の二文字は出てこないんでしたっけ。

坂口政府参考人 失礼いたしました。

 見出しの待遇ということはございました。全体の、用語としての定義のような形のものがないという趣旨で申し上げましたが、中身的には先ほど申し上げましたような取り扱いを指すということでございます。失礼しました。

足立委員 ありがとうございます。

 今まさに御紹介をいただいたように、いわゆる均衡待遇、均等待遇といってこの委員会でも議論をしている待遇というのは、賃金とか福利厚生とか教育訓練、私の言い方は正確じゃないかもしれませんが、いわゆる企業経営の枠内で、雇用者が、被雇用者、労働者を雇用管理していくに当たってのさまざまな点を待遇、それが均衡であるかどうかということが議論されている、こう思うわけです。

 よく、世の中で派遣を取り上げるときに、あたかも世の中の格差全体が派遣という働き方に象徴されているようにマスコミも取り上げることがありますが、私、世の中でよく言われている格差、格差は企業の待遇が問題だから起こっているというふうに、何かあたかも労使の争いのような形で取り上げることに従来から実は違和感を持っています。

 どういうことかというと、要すれば、広い意味での労働者の格差、労働者の間に生まれている格差があるとすれば、それは、企業経営によってもたらされている格差と、それから、社会保障制度等の、企業経営ではいかんともしがたいような制度上のゆがみ、これによってもたらされていると私は考えています。

 ちょっと、通告の十番、十一番をひっくり返した方がいいかもしれません。ひっくり返しますと、例えば社会保険というものを取り上げたときに、社会保険制度のある種の課題があって、それがいわゆる労働者の格差の拡大に影響しているということがあるとお考えか、ないとお考えか。あるとすれば、どんな影響か。御教示ください。

香取政府参考人 御答弁申し上げます。

 例えば年金制度について申し上げますと、先ほど、派遣法は派遣労働者の雇用の安定と云々という話がありましたが、やはり国民の老後生活の所得保障という考え方に立って制度設計がされております。

 お話しのように、働き方も多様化していますし、さまざまな就労形態ができたことで、さまざまな被用者性を持った方が出てきた。そういう中で、現行の制度ですと、例えば労働時間四分の三以上とか、そういった形で被用者年金の適用基準がつくられていますので、いわばそういう労働実態の変化に対して社会保険制度側が、その制度の趣旨、目的に沿って適切に制度改正がこれまでできてきたかという御議論はやはりあるんだろうというふうに思っております。

 実際は、さまざまな雇用形態の多様化の中で、被用者性がありながら被用者保険の適用を受けることができない人たち、従来ですと、そういった方々というのは、補助的な労働とか学生のパートとかそういう方だったわけですが、最近は、一家の主たる生計維持者で非正規の方というのもかなりふえてきていますので、そうなりますと、そういった実態に合わせて被用者保険の適用の考え方というのもやはりそれは考えていかなければいけないということだろうと思います。

 また同時に、どうしてもどこかで線引きをしていますので、百万とか百三十万とか、線引きをしますので、その前後で何らかの形の就労調整や、あるいは雇用する側がそれで、いわばその適用の回避をするための調整をするといったような形で、やはり、使用者側それから労働者側、双方に労働選択のゆがみというのが実際に生じてしまうということがあるんだと思います。

 この点は、私どもも随分、従前から御議論がありまして、民主党政権時代の税・社会保障一体改革でも短時間労働者の適用拡大というものは議論してまいりましたし、その後の、この政権に移った後でも、さらなるその適用拡大をすることによってそういったものをできるだけ解消していくという方向性は、さまざまな審議会の答申、あるいは総理御自身の答弁の中でも申し上げておりまして、そういった方向で、できるだけそういったものをなくしていくということで考えたいと思っております。

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

足立委員 今、丁寧に香取局長の方から御紹介をいただきました。

 これは厚生労働委員の皆様にはもう釈迦に説法なテーマでありますが、でも、これが実は大変大きい。私も経営者ですから、私が実際にやっていて、スタッフの最大の関心は実は社会保険だったりするわけでありまして、今まさに香取局長がおっしゃったようなテーマこそ、実は、いわゆる格差として働く方々が悩んでいらっしゃる。例えば、局長は年金局長でいらっしゃるから、年金について言えば、いわゆる無年金、低年金といった問題があるということ。

 香取局長、もう一言ぜひいただきたいのは、今、こういう形で労働市場がどんどん変わっていっています。労働市場が変わっていくのに対して、やはり、今おっしゃった例えば四分の三の労働時間の問題とか、それから、先ほどあった百三万、百三十万、そういった制度の隘路というか、いろいろなものがそこにあるわけでありまして、社会保険制度の見直しが労働社会の実態についていけなければ、そのはざまに陥る労働者の方が当然生まれ、それがいわゆる格差として報道されるということが今繰り返されていると私は思っています。

 厚生労働省のそういう制度改革、一体改革で一定の取り組みはされていることは承知をしていますが、労働市場の変化に社会保険のありようはついていかないといけない。私は、どんどんどんどん離されていると。

 行政の立場からはお答えしにくいと思いますが、ついていけていますか。

香取政府参考人 努力をしております。

 今のお話については、一昨年、二十五年の八月に、安倍政権のもとで社会保障改革国民会議というのがございましたが、その中で、これは年金のところの記述ですが、国民年金の被保険者の中に被用者性を有する被保険者が増加している、本来被用者として必要な給付が保障されない、あるいは保険料が納められないというゆがみを生じている、このような認識に立って、被用者保険の適用拡大を進めていくことは必要である。さらに、みずからが主たる生計維持者となっているパートタイム労働者の割合が約三割に達している、若年の非正規労働者の四割が正社員への転換を希望しているといったようなことで、非正規雇用の労働者についても被用者としての保障の体系の中に入れていく必要性は高まっているということを明確に述べておりますので、こういった方向でさまざまな改革を進めていきたいと考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 まさに今御紹介をいただいたようなことで、私は、格差というものはもっと広くちゃんと議論すべきで、何か派遣労働というようなあり方の、特に派遣法に基づく世界で違法に、特に特定派遣で違法な派遣元が少なからずあって今回の改正に至っているわけですから、そういう違法に行われている派遣契約、その事例を取り上げてあたかも格差の根源であるかのような、ある種レッテル張りは絶対にやってはいけない。むしろ、我々は正面から格差というものに、あるいは社会保険、労働社会のあり方、そういったものにしっかりと向き合って、本来どこが問題なのか、話を矮小化するのではなくてやっていく必要があると思っています。

 今局長の方から、国民年金の中に被用者性がある方がふえてきているという御指摘がありましたが、私は個人的には、私たち国会議員も実は結構問題でありまして、形の上では経営者のような顔をしていますが、制度的にはともかく、実態的には若干被用者性がありまして日々苦労していることだけ申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 維新の党の井坂信彦です。

 連日、大臣も本当に、派遣法の質疑、お疲れさまでございます。

 本日は、水曜日に続きまして、私、ちょっと水曜日は時間が足りなくて、最後が尻切れトンボになってしまったんですが、引き続きさせていただきたいと思います。

 最後に自民党の大岡議員との質疑を少し取り上げさせていただきまして、このやりとりは非常に優しく言って大変誤解を招く、問題のあるやりとりじゃないかということだけ申し上げました。当日は議事録もお配りをしておりませんでしたので、答弁者の方も正確な答弁はいただけなかったというふうに思いますので、本日は配付資料で、その当日の大岡委員とそれから坂口参考人とのやりとりを全文書かせていただいております。

 これを見ていただきますと、今問題となっているいわゆる専門二十六業務の方が急に期間制限がかかって三年で派遣先に行けなくなるじゃないかと、今野党側から再三問題視をされているわけでありますが、これに対して自民党の大岡委員が、この二十六業務の中にはテレビ関係が四つもあります、テレビ関係からはこの二十六業務で三年後に切られるから大変だ大変だという声が聞こえてこないんだ、なぜかといえばということで、このピンク色にラインを引いているところをごらんいただきたいんです。

 「今回の派遣法改正前に契約された合法な契約は有効である。つまり、この二十六業務に関する合法な契約があれば、テレビの大道具さんであろうと小道具さんであろうと、今後も期限の定めなく派遣を続けられる」、こういう御認識でおられるわけであります。そして、「建物でいえば既存不適格」、「新法が遡及適用されることなく、派遣期間の上限が適用されない」ということでよろしいですねと質問をされたら、坂口参考人が、「御指摘のように、」ということで、「派遣期間の上限なく派遣される方もあり得る」、こういうふうに答弁をされているわけであります。

 確かに、よく見れば、「あり得る」ということで、そういう人も中にはいるよという答弁にはなっておりますが、私は当日このやりとりを聞いていまして、あっ、既存不適格で大丈夫なのかと率直に思いました。実際、大岡委員も答弁を受けて、「当然のこととして遡及されない、この事実は丁寧に説明をしていただきたい」ということで、こういうやりとりになっているわけであります。

 これは本当に、非常に優しく言っても大変紛らわしい答弁で、問題だというふうに私は思っております。

 改めて正確にお伺いをいたしますが、これは通告どおりです。既存不適格のような扱いで、法改正前の派遣元に有期雇用されている専門二十六業務派遣労働者は、法改正後も期間制限なく同じ派遣先で働き続けられるのかということに対して、参考人の答弁を求めます。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のございました大岡委員の御質問に対しての答弁について、言葉足らずで誤解を招いてしまったということもあり、申しわけございません。一層丁寧な答弁に心がけたいと思っております。

 まず、全体としましては、改正案の施行日前に締結された労働者派遣契約につきましては、経過措置によりまして、その労働者派遣契約の期間が終了するまでは、改正前の業務単位の期間制限の適用を受けることとなるということでございます。

 具体的に申し上げますと、いわゆる二十六業務に係る労働者派遣契約の一回で締結できる期間というのは、大臣告示によりまして、専門性のある業務については三年まで、それから、そのときの答弁の例示で挙げさせていただいた駐車場管理業務等の特別の雇用管理が必要な業務については、三年を超えることが可能とされておるというところでございます。

 そういった中で、ことしの八月一日に例えば専門二十六業務について三年間の労働者派遣契約を締結したということになれば、三年後の七月三十一日までは可能ということになりますけれども、その段階で、今度は新法の適用を受けるということでございますので、新たな期間制限が、この二十六業務についても、今後の改正法ではかかってくるということでございます。

井坂委員 正確に御答弁いただくと、まさに今のようなのが実態だというふうに思います。

 参考人に続けてお伺いをいたしますが、言葉足らずでというふうにおっしゃいましたが、私はもう少し問題があると思っておりまして、大岡委員は、かなり具体的に、テレビ業界の話から入って、しかも、大岡委員がおっしゃっているのは、今後も期限の定めなく派遣を続けられる、要は、これまでと同じように、専門二十六業務、現行法と同じようにずっと同じ派遣先に行き続けられるんですよねと、明快にこういうふうに尋ねておられるわけであります。

 お伺いをいたしますが、私も議事録を見て、何で駐車場が出てきたんだというふうに思ったのは、まさにおっしゃったように、関係ない駐車場ではたまたまそういう例外的な話が、三年という契約の頭がないから、そういうところではあり得るのかもしれませんが、まさに質問者がおっしゃっていたテレビ関係で、こういう上限なく派遣契約が結べて、そして結果的に期間制限なしで同じ派遣先に通い続けられるという専門労働者は存在するんでしょうか。お伺いをいたします。

坂口政府参考人 続けておわび申し上げますが、委員御指摘のように、大岡委員への御答弁の中で、例えば駐車場管理というようなことの例を挙げたということが逆に混乱を招いたということで思っております。

 先ほども申し上げましたように、一定の労働者派遣契約の一回で締結できる期間についての制限がない業務というのは、駐車場管理等の一定の業務ということに限定されておりますので、放送関係の業務については限定がされないということでございます。

 したがって、合法的に結ばれたものが新法の施行後に更改される、更新されるということになれば、期間制限の適用を受けるということでございます。

井坂委員 つまり、テレビ関係では、必ず三年で契約の更新がやってきて、そこから先は、必ず新法適用で、同じ派遣先にずっと働きに行き続けることはできなくなる、これが事実だというふうに思います。

 さらに申し上げれば、駐車場管理あるいはビルメンテナンス、こういう例外的な、派遣契約の三年上限がないことも許されているこういう専門職であっても、では、実際許されているからといって、こういう上限のない派遣契約というのが一体どれぐらい存在をするのか、お伺いをしたいと思います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 これは、平成二十四年に実施したアンケートの調査ということになりますけれども、駐車場管理等の業務でありましても、派遣先との派遣契約期間につきましては、一年以内と答えた割合が九七・二%を占めているということで承知しております。

井坂委員 つまり、もう三年どころか、こうやって例に挙げられた駐車場管理ですら九七%が一年で契約のまき直しになって、そこから先は新法適用で、結局、駐車場管理の労働者だってずっと働き続けられる方なんかはほとんどいないということが現実であります。

 私は、委員長にもぜひ今回のこの議事録のやりとりを見ていただきたいんですけれども、テレビの話を聞いて、しかも、ずっと働き続けられますねと聞いて、そのとおりですと答えて、そのとおりだったら説明してくださいねと委員が念押しをしている、こういう流れでありますが、私は、正確な答弁は、こうおっしゃっていただくべきだったというふうに思います。

 テレビ関係の専門業務派遣労働者で、法改正後も期間制限なく同じ派遣先で働き続けられることはありません、あるいは、駐車場やビルメンテナンスでは、理論上はあり得るが、実態としてそのような無期限の契約はほとんどありません、既存不適格で法改正前の専門二十六業務派遣労働者が守られる、こういう事実はありませんというのが正しい答弁だというふうに思います。

 なぜ聞かれてもいない駐車場、そしてさらには、ほとんど実態のない無期限の派遣契約みたいな例を出してわざわざこういう答弁を、しかも与党に対してこういう答弁をなぜ選んでされたのか、お伺いをしたいと思います。

坂口政府参考人 その点につきましては、今回の制度的な面ということで、経過措置の制度的な面、それから、労働者派遣契約の期間についての、先ほど御紹介しました大臣告示の存在ということも含めて、あわせて全体像を御紹介するということで御答弁をさせていただいたということでございます。

井坂委員 最後に、このやりとり、大臣に所感をお伺いしたいと思います。

 前回、私は、これはうその答弁じゃないかというふうに申し上げました。議事録、確かに明確にうそを言っているわけではないというふうには思います。ただ、全く聞かれていない分野のこと、さらには実態上あり得ない契約のことをわざわざ表に出してきて、私は意図的に誤解を与える答弁だったのではないかというふうに感じるわけでありますが、大臣、一言だけコメントをいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 今先生がおっしゃったとおり、坂口部長が言っていること自体の論理にこれだけ見ると問題は余りないように見えますが、まず、「御指摘のように、」と受けたところが、印象的に大岡委員が言ったことが全て正しいということを感じさせたというところがあったんだろうと思うんです。

 いずれにしても、正確なところをきちっと言わなきゃいけなかったんだというふうに思いますので、今後、改めてまた正確な答弁に努めるということを徹底したいというふうに思います。

井坂委員 ありがとうございます。

 この専門二十六業務の問題、特に新法になって、これまではずっと同じ派遣先に勤めることができていた、そこそこのお給料も得ることはできていた、こういう方々が、今回、新法では三年という個人単位の期間制限がかかってしまう、この問題、今まさにこの委員会で一つの争点になっているわけであります。

 この問題、やはり、まず大臣にこれは通告どおりお伺いをしたいのが、どうされるんですかということであります。

 専門二十六業務で期間制限なくこれまでやれていた有期の方、無期の方は今後も大丈夫ですが、大半は有期の方ですから、有期の専門二十六業務の方は、今後、法改正後、軒並み三年で派遣先をかえなければならなくなる。その際に、若い方であれば、また次に同等のお給料が得られる派遣先も見つかるでしょうが、事、中高年の方になってくると、現実的にはなかなか次の派遣先が見つかるのも難しいだろうというふうに思います。

 こういった中からまた失業者が発生するのではないか、こういう懸念が今委員会の議論の中でも浮上していると思いますが、この点に関して、大臣、我々の懸念に対してどのようにお考えになりますでしょうか。

塩崎国務大臣 先ほどの二十六業務の労働者派遣契約についてのお話の中で、先生も御指摘になられたように、一人一人の契約期間を見ると、前回も申し上げましたけれども、かなり短い派遣契約をローテートしていっているということが、同時に今回、ここの議論の中で随分浮き彫りになってきたと思うんです。そういうことだったわけでありますけれども、そういうことであるのは、やはり二十六業務の中で、今お話があったように、駐車場とか、期限の制限がないといっても、こういう短いのが多いんだ、一年以内がかなりの部分を占めているというお話がありました。

 したがって、全体としてまず言えることは、かなり派遣の方々は、実態として、派遣契約自体にそう長いのはないということがわかったということだろうと思います。それは二十六業務の期間制限がない方々でもこうだということが同時にわかったと思います。

 いわゆる二十六業務の派遣で働く方であっても、雇用契約は今申し上げたとおり有期雇用の方が多くて、雇用が不安定であることから、今回の改正では、これらの方が派遣労働に固定化をされないということをやはり考えながら雇用安定措置を講ずることとしているわけでございまして、中高年の方についての取り組みをどうするんだという御指摘でございました。

 これについても、今回の改正によって失業をすることがないように、派遣会社に、今申し上げた、繰り返して申し上げますけれども、雇用安定措置の実施を、指導をしっかりしていくということと、仮になかなか難しいというときには、当然のことながら、ハローワークやその他の手だてによって、きめ細かな就職支援というものをやっていかなければいけないというふうに考えているところでございます。

井坂委員 やはり政府のお立場がはっきりしないのが、こういうところにも出てきているというふうに私は思います。

 派遣労働を固定しない、そういうふうにもおっしゃいますが、ただ、一方で、派遣で働き続けたい人もたくさんいるんだというふうにいつも答弁をされます。そして、派遣で働き続けたい人には、しっかりと高い待遇、賃金を確保、あるいは、むしろ上がるような手だてまで講じながら、機嫌よく派遣で働き続けていただくべきだ、こういうふうにもおっしゃりながら、こういう専門二十六業務のような、本当に専門性を持って、同じ派遣先でずっと働き続けたいと思っておられる方はどうなんですかとお尋ねすると、いや、派遣への固定はよくないからぶった切るんだ、こういう答弁になる。

 私は、やはりここは非常に矛盾をはらんでいる、本法改正の矛盾をはらんでいる部分ではないかというふうに思うわけであります。

 派遣で働き続けたい、しかも、高度な専門性を持って、同じ派遣先で機嫌よく働き続けたい、こういう方も派遣の固定化はよくないから切る、こういうお考えでしょうか。

塩崎国務大臣 切るということを申し上げていることは決してないわけであります。ですからこそ、雇用安定措置を、今回、三年に関しては義務にする、今までの努力義務から義務に格上げをするということをやっているのは、まさにそのことでございまして、私どもとしては、できる限り雇用は安定的でないといけないということが基本であるわけでございます。

 一方で、先ほど来申し上げているように、もともと派遣契約自体に長期なものが余りないということが、これは今までの慣行としてそういうふうになっているので、二十六業務の方々が安定している、つまり、期間制限がないがゆえに安定していたと考えるのは必ずしも正しくないのではないかと思っておりますし、やはり本来は、派遣は、まあ、人によるわけでございますけれども、臨時的、一時的な働き方というのが原則というのが、これは労政審でも、政労使で一致している考え方だと思います。

 したがって、私どもは、三年で終わりという意味では決してないわけで、三年を区切りとして考える、立ちどまって考えるということをし、固定化をしないようにしていくということで個人単位の期間制限も設けているわけでありますので、その中にあって、できる限りの雇用の安定を図るためにはいわゆる雇用安定措置を強化していくということが大事だというふうに申し上げているわけで、前から申し上げているように、現状のいろいろな法律の仕組みよりもさらに安定化をするようにしていくということが私としては大事だと思っているわけであります。

 だからこそ、さらにこの雇用安定措置を、今まで努力義務だったのを義務にして、全体として、ほかの手だても含めて、つまり、その方の価値を上げることが、短い派遣契約をより長くするためには、やはりこの人だったら長くてもいいかなというふうに思ってもらえるようにしていくことが大事なので、それは不断の努力をしていかなきゃいけませんし、これは正規雇用の皆さんでも、評価という意味では同じことだろうというふうに思っております。

井坂委員 雇用安定化措置ということで、最後はそこに答弁が大体行き着くことが多くなるわけでありますが、しかし、専門二十六業務の方に関しては、大臣おっしゃるように、雇用が安定しているかといえば、雇用契約も更新、更新ですし、派遣先との派遣契約も、さっきの駐車場管理のように一年未満で更新、更新ということでありますから、確かに、正規雇用、正規労働者のような安定性、それには劣るというふうに思います。

 ただ、契約の更新、更新とはいえ、雇用契約、派遣契約、ずっと更新をし続けて、実態としては専門性を生かして長く同じ場所で働き続けることができる、またできていた、これも多くの場合、事実だろうというふうに思います。だから、契約の更新が多いから不安定なんだ、不安定だから、あってはならない働き方だから切るんだ、こういう話ではないというふうに私は思うわけであります。

 もう一つ申し上げたいのが、不安定な働き方だからといって切る、切った上で、いや、雇用安定化措置があるとおっしゃいますが、しかし、切ってそれを救う。いや、切らなければずっと本当に同じところで働き続けられるわけでありますから、それも、安定化措置があるから切ってよいという理由にはならないというふうに私は思うわけであります。

 おっしゃるように、全てがそういう安定雇用で長期の契約ということになればいいですけれども、実際は、そういう契約の更新、更新、ただし実態として同じ契約先で働けている、こういう方を、不安定だからあってはならないんだ、こういうのが続いてはならないんだといって、今回、一律に個人単位の期間制限をかけているわけでありますが、そこには、私は、やはりこの場合においては問題があるというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 井坂委員は切るという言葉をお使いになっていますけれども、私どもは、決してそれが、今回の期間制限が雇用を切るということになるためのものと考えているわけでは決してなくて、むしろ固定化防止をするということで考えているところであります。

 やはり、先ほど来申し上げているように、派遣契約そのものが短い。これをずっとやっていって、期間制限がないから大丈夫なんだというふうにおっしゃるのは、必ずしも私は安定的な雇用であるということにはやはりならないと思いますし、一方で、派遣労働者として使っていらっしゃる方の方は、この方に来てもらいたいということであれば、やはりそれなりの、これは一般の方々でも同じように評価をすると先ほど来繰り返し申し上げておりますけれども、そうすれば、何とかこの人材は使いたいなという人ももちろんいるんだろうというふうに思います。

 ですから、そこは、先ほど来申し上げているように、まず第一に、期間制限をかけるといっても、無期雇用の場合には、派遣も期間制限の対象外になるわけでありますから、やはりこの方をどうしても使いたいというお考えをお持ちの方がもし派遣先でおられるならば、派遣元とよくお話をして、無期にするために、むしろこの人が絶対に欲しいんだということであれば、そういう働きかけも十分あり得ることでもあろうかというふうに、常識的に考えれば、あるんだろうというふうに思います。

 やはり、一人一人の職業能力というか力というものをどう評価するかということによって雇用は全て決まってくるわけでございますので、その中にあって、私どもとしては最大限、繰り返し申し上げて恐縮ですけれども、この三年の、立ちどまる区切りが来たときには、当然、派遣元の責務として雇用安定措置を実行するということが義務になってくるわけでございますので、やはり、そこを通じて雇用の安定化というものを図るということが、私どもとしての、この派遣の中でのやるべきこととして、最大限のことではないかというふうに思っております。

井坂委員 大臣のお答え、確かにそういう方もおられると思うんです。専門職二十六業務の方で、非常に優秀な方、仕事も頑張られる方、派遣先の人も、この人にずっと続けてほしいという方がおられたら、そういうシナリオもあり得るというふうに思います。

 その場合は、場合によっては派遣先の会社がいよいよ正規雇用で社員として迎えることだってあるでしょうし、あるいは、大臣がおっしゃったように、派遣元業者に働きかけて、ちょっと、無期でやってくれたらずっとうちに引き続き来られるから無期で雇ってやってよということもあると思います。

 ただ、それはやはり相当、大臣がおっしゃったような、この人ならということであって、多くの場合は、派遣先が正規雇用をするというのは、これはやはり派遣先にとってそれなりにハードルの高いことだというふうに思いますし、派遣元が無期雇用する、これも派遣元にとってはそれなりにハードルが高いことだと思います。それをしてまでなお、ここの関係を続けて、この派遣労働者をずっとここに派遣し続けたい、あるいは派遣を受け入れ続けたい、そういう、両者がハードルを越えてまで続けたいと思っていただける方であればそうなりますが、しかし、そうでない方もたくさんおられて、だから、そういう派遣のまき直しで、現状、二十六業務でずっと続いているんだというふうに思うんですね。

 そういう方が、今回のルール改正で、それは大臣がおっしゃるようになればいいですけれども、でも、そうならない方が大半だというふうに思うんですが、今私が申し上げた、派遣元あるいは派遣先がハードルを越えてまでこの関係を続けたいと思うほどの物すごい、どうしても来てほしい人でない場合、大臣が今おっしゃったことは当たらないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 私が申し上げたのは例外だというのは、それはわからないことだと思うんです。井坂先生はそうおっしゃいますけれども、私は必ずしもそうではないのではないかなというふうに思います。

 やはり皆さん、働く人を、一人一人、誰でもいいといって派遣を受け入れているわけでも私はないというふうに思いますし、先ほど来お話が出ているテレビのお話とか、そういうのはやはり、一人一人、それぞれの才覚というか、そういうものを期待するがゆえに安定的に来てほしいなと思うので、そう思っていただけない限りは同じ派遣が続くとは思えない。そうなると、さっきの問題の、短い派遣契約でなぜそういうふうに今送り込まれているのかということも同時に考えていかなきゃいけない。

 いろいろな働き方として、この雇用安定措置から出てくる選択肢というのはあるわけでございますので、これをフル活用していくということで安定性を確保する。そして、原則は、やはり派遣を受け入れる側と派遣の方のお一人お一人の力との関係でこの雇用は決まってくるということなので、今の私どもが提案している方が不安定だということには必ずしもならないというふうに私は考えております。

井坂委員 この議論を初め、今回、派遣法の審議、質疑をさせていただいておりますと、提案者側、大臣側は、やはり雇用安定化措置ということに対して非常に高い信頼と実効性を期待しておられて、私どもは、あるいは野党側は、そこに余り期待は持てないのではないか、実際世の中でこの法律が動いたときに、そんなに立法した側が意図するようにうまくはいかないのではないかという、ここに一つ大きな見立て、見通しの違いがある。だから、いつも議論が多少すれ違うんだというふうに思っております。

 雇用安定化措置についてお伺いをしたいんですが、確かに、これは義務化をされています。一から四まで、必ずどれかをやらなければいけないし、やり続けなければいけないということなんだろうというふうに思います。

 派遣先への正社員雇用の依頼、これは、正社員で採ってくれればいいでしょうけれども、なかなかないことだというふうに思います。

 また、派遣元での無期雇用、これは誤解があるんですけれども、無期の派遣労働者になればいいというのではなくて、派遣元で、派遣社員じゃない無期の、いわば社内スタッフとして無期雇用しなければいけないということで、これも事実上、ほとんどそんな例はないだろうというふうに思います。

 そうすると、三つ目の、では、次の派遣先を紹介しなさいよ、しかも余り遠方で無理なのはだめですよということでありますが、これも、ではどこまでが合理的な選択肢として許されるのか大変曖昧な部分で、結局、派遣先は紹介しているんですけれども、なかなか本人がうんと言ってくれないんですわということで済まされてしまう可能性が私はあると思います。

 さらには、四つ目のその他の措置というのは、例えば、自社雇用を維持したまま、ただその派遣社員に教育訓練を施し続ける、こういうことが想定されているわけですが、派遣元の業者が、行き先のない派遣社員をただ自社に置いてひたすら教育して給料を払い続ける、これもなかなかないことだというふうに思います。

 これは義務が課されておりますけれども、必ずとにかくどれかをずっとやり続けて、例えば派遣先に行くのか、派遣元で無期雇用するのか、あるいは本人が納得する次の派遣先にちゃんと再派遣するのか、どれかができるまで延々やり続けなければ義務違反ということでよろしいでしょうか。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のように、この雇用安定措置につきましては、選択肢があるわけでございますけれども、その実施の状況においては個々の事例ごとに判断するということになろうかと思いますが、今申し上げられましたように、派遣会社の方で雇用安定措置を講じたにもかかわらず雇用の維持を図れなかったというような労働者が存在した場合には、やはり行政としては指導をしていくということでございます。

 ですから、そういった雇用維持の努力をしていただくように行政としてはお願いを申し上げて、指導していくということでございます。

井坂委員 実態は、次の派遣先の紹介が主になると思いますが、形上、紹介を一つ二つして、派遣社員が、いや、ちょっとその派遣先は私は無理ですわと言って断ったときに、もううちは派遣先を紹介できる玉もないから、ほかの派遣会社へ行ってくれないかみたいな話をしたときは、これは義務違反になるんでしょうか。

坂口政府参考人 今の点につきましては、先ほども委員の方からも御紹介がございましたけれども、新たな派遣先の提供ということについて、合理的な形での派遣先の提供ということを派遣会社の方がしたかどうかということもございますし、合理的な範囲内での派遣先の提供をしたにもかかわらず派遣労働者の方がどういう形で拒否されたかというようなことも含めての対応ということを、個々の事情に応じて判断するということになろうかと思います。

井坂委員 今回、許可制に非常に規制が強まったんだという答弁が再三ありました。また、雇用安定化措置の議論をすると、きちんと義務化をして、そしてこの義務を果たさなければ許可取り消しも含めて厳しく指導するんだから雇用安定化措置は非常に実効性があるんだ、こういう説明をされているわけであります。

 お伺いをしますが、指導とはおっしゃいますけれども、では、こういう義務違反が一回あったから許可取り消し、こういうことは実際にあり得るんでしょうか。

坂口政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、行政としましては、雇用安定措置の実行を派遣会社にしていただくために行政の指導ということをしっかり行っていくということでございますが、お尋ねがございましたように、その指導に従わないということで直ちに許可の取り消しに移るということにはならず、やはり指導をしっかりしていくということがまず第一だと思っております。

井坂委員 許可の更新の際に、前の許可期間の間にこういう雇用安定化措置の義務違反がどれぐらいあったかとか、その実態はどうだったかとか、そういったものはきちんとチェックをされて、それが許可の更新の可否判断材料になるということはありますでしょうか。

坂口政府参考人 その点につきましては、この雇用安定措置、今回新たに設けさせていただくということで御提案をしておるものでございます。

 それで、今委員御指摘のように、許可の更新時のチェックというためには、雇用安定措置が実施されているかどうかということを私どもとしても確認する材料を収集するということも必要になってこようかと思っておりますので、そのために、例えば、労働者派遣法の規定に基づく事業報告の報告事項ということにすることもその一つの方法かと考えておりますが、今後、その点については検討させていただきたいと思っております。

井坂委員 実際は、非常に合理的な派遣先を本当に提供したのかどうか、大変曖昧な部分が残ると思います。合理的なのを紹介したのに本人が受けなかったから、もうこれ以上これから先はやる必要はないんだということが非常に多く起こってくるというふうに思います。

 また、これが明確な義務違反であればわかりやすいですけれども、こういう曖昧な、しかも、それをされた当の派遣労働者の方が、いやいや、あなた、雇用安定化措置義務違反でしょう、ちゃんと私に次の派遣先なり雇用先なり自社無期雇用なり、何かしなさいよと言って強く交渉できる派遣労働者がどれだけいるかというと、やはり実態は私はそうではないと思います。

 大体、多くあるシナリオは、相手先の依頼なんか到底無理、自社雇用も無理、次の派遣先をとりあえず形ばかりは紹介しますが、いや、これが気に入らないんだったら、もううちは何もないから、後は御自身で考えてくださいというような形になるのが一番多いシナリオではないかなというふうに私は思うわけです。

 この多いであろうシナリオを、そんなに雇用安定化措置が実効性があるんだ、あるんだとおっしゃるのであれば、やはりこういうシナリオは許してはいけないのであって、ここをどう潰していくかというのがこれまでの答弁の前提だというふうに私は思うわけでありますが、大臣、お考えはいかがでしょうか。

塩崎国務大臣 これも繰り返し申し上げているように、雇用安定措置は、当然のことながら、派遣元が履行しなきゃいけない義務として今回特に強化をしているわけであって、なおかつ、これはもう先生今御指摘のように、全て許可制ということでやっていく中で、今までにはなかったこういう義務を課せられた中にあって、例えば、誠実にその義務を履行していないということが明らかな場合には、当然厳しくこれは指導監督をしていかなければならないというふうに考えているわけで、それこそが今回の、働く派遣の人たちを保護することの強化というのはそういうところにも出てきているわけであります。

 ネガティブな面を強調されたい、御懸念の気持ちはよくわかるわけでありますけれども、やはり、雇用というのは、使用者と働く側がいて、使用者が最終的には決める。それを、弱い部分をどう補強するかということで、我々は、さらに今までよりも補強する中で雇用の安定を図っていこうということをやっているわけでございますので、ここのところはしっかりと、私どもとしても、この新しい体制の中で雇用の安定化を図っていきたいというふうに思っているところでございます。

井坂委員 時間が参りましたが、本当に残念だなと思いますのは、別に私は、きょうの議論の中で、この二十六業務の雇用安定化措置の話で、何かネガティブな部分を殊さら針小棒大に申し上げたつもりはないんです。派遣会社の気持ち、あるいは派遣先の気持ちで普通に考えたらこういうシナリオになる可能性が一番高いのではないか、私は本当にそう思っております。

 逆に、本当に残念だなと思いますのは、御自身がつくられた法律が実際に世の中で動き始めたときに、その法律の上で、派遣元、派遣先、派遣労働者、どういう考えでどう動くんだろうか、その結果何が起こるんだろうかということを、何か本当に心配とかをされることがないのかなということは本当に残念に思います。

 また来週議論をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、牧義夫君。

牧委員 さきに提出されました労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案、いわゆる同一労働同一賃金法について、提出者の皆さんに質問をさせていただきたいと思います。

 これまで派遣法の議論の中で、短時間労働ですとかあるいは有期雇用等々、さまざまな労働法制のお話も引き合いに出されてまいりました。しかしながら、この日本の労働法制からぽっかり抜けた大きな穴、これが同一労働同一賃金の考え方じゃないかなと思います。日本の常識は世界の非常識ということなのかなと思うんです。

 これは特に派遣労働者に限った問題ではありませんけれども、本法律案を政府の派遣法改正案と同時に審議することになりましたその意義について、まずお聞かせをいただきたいと思います。

浦野議員 お答えをいたします。

 いわゆる非正規労働者の中でも、パートタイム労働者についてはパートタイム労働法に均等待遇及び均衡待遇についての規定があり、有期雇用労働者については労働契約法に均衡・均等待遇についての規定がある中、派遣労働者については、派遣先の労働者の賃金水準との均衡を考慮するなどして派遣労働者の賃金を決定するよう配慮しなければならないという、いわゆる配慮義務にとどまっており、この点は政府の改正案でも不十分なままです。

 このような状況で労働者派遣法の改正が行われると、派遣労働が単なる安価な労働力として用いられることが拡大するおそれがあり、この同一労働同一賃金推進法を成立させ、派遣労働についても均等・均衡待遇を目指していく必要があると考えたところであります。

牧委員 ありがとうございます。

 まさにおっしゃるとおり、現行法では、パートですとか契約社員には均等・均衡待遇が明記をされておりますけれども、派遣だけが、今おっしゃったように、均衡の配慮義務ということ。非常に低いレベルにとどまっているわけですね。

 パートですとか契約社員についても、法律どおり実際に社会で均等・均衡待遇が実現しているとはとても私には思えないんですけれども、その辺の実態の認識についてお聞かせをいただきたいと思います。

井坂議員 御質問のとおりで、法律上は、パートタイム、それから有期雇用労働者は均等あるいは均衡待遇が書かれているわけでありますが、しかし、これらの規定があるにもかかわらず、やはり正規労働者とそれから非正規労働者の賃金水準初め、待遇には大きな格差があります。雇用の安定性も、実態としては大きな格差が存在をしているというふうに認識をしております。

 このような雇用形態による格差が社会における格差の固定化につながる懸念を持っておりまして、本法律案では、こうした実態上の格差の解消も目指すために、雇用形態にかかわらず、その職務に応じた待遇を受けることができるという基本理念のもとに、雇用形態による職務や待遇の違いについての調査研究を実施し、そして、正規、非正規の労働者の待遇に係る制度の共通化、これを推進する。さらには、労働者の採用や登用等の雇用管理の方法の多様化についても推進していく。こうした複合的な施策を実施することによって、実態としても、こういう正規と非正規の格差を縮小していくことを推し進めていく法案となっております。

 以上です。

牧委員 ありがとうございます。

 まさにその実態としての実効性を担保しなければ、今までどおりの、この現行法で均等・均衡待遇が明記されていても、実態としては中身が伴っていない、ましてや均衡の配慮義務というだけでは全く実効性がないということで、その辺の実効性をきちっと担保するという意味で、私は、今の答弁をお聞かせいただいて、非常に有意義なお話をお聞かせいただいたと思います。

 ただ、いろいろこういった委員会の議論を通じて政府の側の答弁を聞いておりましても、これまでも、同一労働同一賃金の考え方そのものについては、重要だというお話を必ず聞くわけでありますけれども、そういう答弁は聞くんですけれども、これは、我々も聞いていて、この理念には何も反対する必要も全くないわけで、理念には全く賛同するわけであります。しかし、残念ながら、理念だけの議論に終始してしまっているというのが現状であります。

 ここで提出された法案が単なる基本法あるいは理念法ということであっては、また同じことの繰り返しになってしまうと私は思いますけれども、もう一歩あるいは二歩踏み込んで、この法律が実現をすれば、いかなる形で実効性を持たせることができるのか、そのポイントについてお聞かせをいただきたいと思います。

浦野議員 本法律案においては、同一労働同一賃金について理念を定めたのみならず、現実的に実行可能な具体的な案として、雇用形態による職務や待遇の相違についての調査研究の実施や、正規、非正規の労働者の待遇に係る制度の共通化の推進、労働者の採用、登用等の雇用管理の方法の多様化の推進などの施策の実施を定めているところであります。

 また、派遣労働者については、特に、法施行後一年以内という期限を区切って、派遣先に雇用される労働者との間の均等待遇の実現を図るための法制上の措置を講ずるべきことを規定しています。

 こうした施策については、同一労働同一賃金の実現を目指すための現実的かつ必要最小限のものと考えており、同一労働同一賃金の理念を否定しないのであれば、本法律案にも御賛同をいただけるものではないか、こう考えております。

牧委員 ありがとうございます。

 日本の雇用慣行というのは、これまでの議論の中にもしばしば出てまいりましたけれども、業務の内容によって賃金が決まるというジョブ型ではなくて、会社に所属し続ければ、年功序列というか、賃金が上がっていくという、メンバーシップが今でも主流だと思います。

 だからこそ、政府の答弁を聞いておりますと、能力や経験が違うのに、同じ業務というだけで同じ賃金というのは日本では理解を得られない、この答弁に終始をするわけでありますけれども、果たして、日本でこの同一労働同一賃金を実現するのは現実的なのか、あるいは非現実的なのか。その辺の基本的なお考え方をお聞かせいただきたいと思います。

井坂議員 総理の答弁などで、能力や経験が違う人が同じ賃金というのはおかしいんだという答弁が繰り返されているわけでありますが、先ほど中川委員との議論の中でも少し申し上げたことですが、能力、経験が明らかに違う人が全く同じ仕事ということ自体にも、本当はマネジメント上の問題がある、日本では余りその辺を、細かく職務を分けないですけれども、実際、ジョブ型雇用というのが広まっていくと、やはり、能力、経験が全然違うのに同じ職務ということは、本当はそこにも実際の雇用現場の問題があるというふうにも私は思うところであります。

 ただ、いずれにいたしましても、この法案自体は、能力や経験の違うところまで同一賃金という、そこの格差を埋めるということは一切書いていない法律でありまして、この法律自体は、正規と非正規の格差、今一番明らかに問題となっているここの部分をまず縮めましょう、ここの部分をひたすら書いている法律でありますので、そういう意味では、同一労働同一賃金といいましても、会社をまたいだ同一賃金とか、あるいは年齢や経験や能力もまたいだ同一賃金とか、そこまではこの法律は一切求めておりません。

 正規と非正規との間の同一賃金ということで、皆様にぜひ御賛同いただきたいというふうに思っているところであります。

牧委員 ありがとうございます。

 そういう御説明をいただければよくわかるわけで、文字どおり、しゃくし定規に、字面だけ捉えて、全く、本当に同一労働であれば同一賃金みたいな誤解がまだまだ世間にはあると思いますので、その辺の御答弁を今いただいた次第であります。

 次に、政府の派遣法の改正案においても、過去二回の廃案を経て、今回からこの同一労働同一賃金に向けた調査研究が加わったわけでありますけれども、国に調査研究を義務づけている今回の法案と政府案との違いについて教えていただきたいと思います。

浦野議員 政府提出の改正案の附則第二条第三項においては、派遣労働者と派遣先の労働者との均等待遇、均衡待遇の確保のあり方について検討するための調査研究に関する規定が設けられております。

 しかしながら、この調査研究は、均等待遇、均衡待遇の実現を目指すためのものとは位置づけられておらず、また、調査研究等を踏まえ具体的な措置をとることも言及されていない、調査研究の期限についても言及をされておらず、実効性については甚だ疑問が残ります。

 これに対し、本法案は、職務に応じた待遇の確保などを目的としており、調査研究についても、具体的な事項を挙げ、重点的に行うべき点についても言及をして、また、施策の実施のために法制上、財政上または税制上の措置を講ずることや、特に派遣に関しては、一年以内に法制上の措置を講ずることを明示しております。

 なお、安倍総理が、三月十二日の衆議院の予算委員会においても、「諸外国の制度や運用状況等に関して、まずは調査研究に取り組んでいきたい、」と答弁をしておりますけれども、二カ月後の五月十二日の衆議院本会議においても、ほぼ変わらない、「調査研究を進めていく必要があると考えています。」という同様の答弁を繰り返しております。まだ結果が出てきていない。

 調査研究は、目的と期限を明確にし、速やかに行われて初めて成果を出せるものと考えておりますので、御理解をよろしくお願いいたします。

牧委員 今のお話にあったとおり、総理にもぜひしっかりとその約束を守っていただいて、調査研究の結果をより具体的な成果として結びつけていただきたいという私なりの希望も申し添えておきたいと思います。

 最後に、先ほど、パートですとか契約社員には均等・均衡待遇が明記されているというお話をしましたけれども、実効が全然伴っていないというお話をさせていただきました。

 やはり単に法律に書き込んだだけでは同一労働同一賃金は進まないと考えます。日本でこの同一労働同一賃金を実現するために、それでは、どのような工夫、どのような具体策というものが考えられるのか、そのお考えを開陳していただきたいと思います。

井坂議員 同一労働同一賃金を推進するための具体策といたしまして、本法律案では、労働者の雇用形態による職務や待遇の相違についての調査研究、これを第五条に書きまして、そして、正規、非正規労働者の待遇に係る制度の共通化の推進ということで第六条一項に書きまして、さらに、派遣労働者は特出しをして、均等待遇の実現をするための一年以内の法制上の措置ということで六条の二項に書きました。さらに、労働者の採用、登用などの雇用管理の方法の多様化を推進すると七条に書きまして、そして、職業生活を営むための教育、いわゆるキャリア教育のようなことの推進、これも八条に書かせていただいております。

 これらの施策を複合的に、そして重点的に推進することで、労働者がその雇用形態、正規であるか非正規であるか、派遣であるか契約であるかパートであるか、こういう雇用形態にかかわらず充実した職業生活を営むことができる社会の実現に資することにつながり、同一労働同一賃金が推進できるものと考えております。

 なお、さらに、我が党といたしましては、能力、経験、勤続年数で賃金が決まる日本型、メンバーシップ型の雇用ではなくて、職務で賃金が決まるジョブ型雇用契約、そういうジョブ型の雇用契約を推進していくことが今重要であるというふうに考えております。

 派遣に関しては、もう既にジョブ型雇用契約でありまして、同一労働同一賃金のこういった新しいルールのもとで派遣という働き方が行われることによって、ジョブ型雇用契約の推進の一助にもなってくる、このようにも考えているところであります。

 以上です。

牧委員 ありがとうございます。

 この日本の社会の中で、労働市場の中、あるいは労働環境の中で、多様な働き方があると思いますけれども、その中で派遣という一つの働き方の選択肢がこれからもしっかりと、健全に、維持して育成していくということであるのであれば、ぜひとも、こういった法律の裏づけをもって、これからも働く皆さんに対する選択肢をしっかりと育成していっていただければという希望を申し添えて、この法案の十分な審議を経て、速やかに可決されますことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山井和則君。

山井委員 五十分間質問をさせていただきます。

 本当に、答弁がころころ変わるし、不正確だし、このままでは幾ら審議をやっても深まっていかないのではないかと私は思っております。

 特に、けさから多くの同僚議員が質問をさせていただいております、専門業務の有期の方々の問題を取り上げさせていただきたいと思います。

 配付資料の二ページ目にもございますように、今回の法案、規制緩和と規制強化がまざった部分でありますが、一番の規制強化というか、強烈な部分は何かといいますと、専門業務は今まで期間の制限の定めなく働くことができていた、しかし今回、法改正によって専門業務が撤廃されて一律に上限三年が入ることによって、三年後に解雇、雇いどめになってしまうということです。

 このことについて、実際、きょうも傍聴にお越しになっておられますが、五十歳のある女性の専門業務の方は、既に先日、派遣元から、あなたは今回の法律が施行されたら九月一日から三年後に雇いどめ、解雇になるということを、まだ法律も成立していないのに通告されてしまっているわけです。

 塩崎大臣は、先ほども質疑の中で、三年後に解雇されるとかそういうことは想定しておりませんとおっしゃっていますが、あなたが責任者として今通そうとしている法律によって、想定していないじゃなくて、既に、私が知っている中でも二人、三年後には解雇になって、今の職場にはいられなくなりますという通告がされているんですね。

 私は思うんですけれども、二人の方にそういう、大手の人材派遣会社から行っているということは、これは恐らく二人だけのはずはないんですよね。多くの方々に対して今も、この法律が成立したら三年後にあなたは雇いどめ、解雇になりますということが、私たちが審議をしている真っ最中にもその議論が始まろうとしております。

 それと、私、先ほど非常にひっかかったのは、井坂議員のこの問題に対する質問に対して塩崎大臣が、ネガティブな面を強調したい気持ちはわかるがとかと言って、何かあたかも井坂議員がこの問題を大げさに言っているかのような、そういう答弁をされました。

 私は、逆じゃないかと思うんですよね。この法改正によって、三年後に解雇される方が出てくる、あるいは既に三年後の解雇を言われている人がいる、そういうことというのは、これはネガティブな面というより現実なんです。実際起こっているんです。

 私は、別に、もちろん話をつくっているんじゃないんです。それが証拠に、きょう、あちらの真ん中に、先週解雇を通告された方が来られました。実際来られました。なぜならば、塩崎大臣が、正社員になれる、派遣会社の無期雇用になれるとおっしゃるから、本当にそうなのか、国会でどういう議論がされているのかと。現場感覚と大きくずれているんですね。それで、結局、その方は五十代ですから、非常にこれから厳しくなるんですね。

 それともう一つ、私、井坂議員の質問に対して非常に問題だと思ったのは、五月十五日の、先ほどの議事録ですよね。大岡議員に対して坂口部長が、あたかもこの四十万人問題、三年後派遣切り問題は生じませんというごとくの答弁を、五月十五日、初日にされているんですよ。

 そして、井坂議員が、ちょっとおかしいんじゃないですかと追及したきょうは五月二十九日、二週間たっているんですよ。二週間たって初めて、追及されたら、いや、実はこれは確かに、多くの有期の専門業務の方々は結局三年後に雇いどめ上限になってしまいますということを、事実上の修正をされましたけれども、二週間、事実上間違った答弁でずっと通していたわけですよね。やはりこういうことを考えても、私はすごくこれは問題だというふうに思います。(発言する者あり)

渡辺委員長 静粛に願います。

山井委員 それで、塩崎大臣、まず最初にお聞きしたいんですが、そういう、三年後に専門業務の方々はもう雇いどめにしますよ、解雇しますよという告知が派遣会社から実際始まっている、この事実についてどう思われますか。

塩崎国務大臣 新しい法律のもとで、どういう仕組みになって、どういうふうになるのかということを正確に踏まえておっしゃっているような感じは、私は今お話を聞いてみると、しないところでございますが、いずれにしても、まだ法律も通っていないうちにそのようなことを言う派遣元というのは、余り好ましいことではないなと私も思うところでございます。

山井委員 いや、別に、今言おうが通った直後に言おうが、現実は一緒なんですからね。そういう事態が起こっているということに関しては、つまり、今言うか法案が通ってから言うかという問題じゃないんですよ。根本的には、この法改正によって、このままいけば専門業務で無制限に勤め続けられるかもしれない方が解雇されるという問題に関して、塩崎大臣はどう思われますか。

塩崎国務大臣 個別のケースでございますので、今、何年同じところでお勤めになっておられるのかとか、つまり、努力義務の対象の方なのか、それとも、今度義務化される三年の派遣となる方なのかということもよくわからないので、いずれにしても、しかし、三年だとすれば、雇用安定措置というものがあるわけですから、そのことを触れずして解雇だのようなことは、これはおかしい話だというふうに思います。

山井委員 いや、これは、おかしいとおっしゃいますが、実態はもう動いているんですよ。おかしいじゃ済まないんですよ。人の人生が、残念ながらもう狂い出しているわけですよ、人生設計が狂いますからね。

 そこで、塩崎大臣が雇用安定化措置と強調されますから、お聞きしますが、その方は五十代の女性です。正社員に雇ってくれということを今回も今までもおっしゃっていましたけれども、もうだめだと言われました。正社員には、直接雇用は無理だということを言われました、派遣先からも派遣元からも。

 塩崎大臣、五十代の女性の方々、正社員や派遣会社での無期雇用、簡単にできると思われますか。

塩崎国務大臣 これは何度も申し上げているように、雇用というのは、やはり雇う方と雇われる側があってそこの間で決まることでありますので、年齢で決まるということでは必ずしもないというふうに思います。

山井委員 全く現実はそうじゃなくて、三十五歳定年説あるいは四十歳派遣労働定年説と言われるように、四十歳を超えるとがくっと派遣の先が減って、五十代はなかなか新しいのは見つからないんですよ。これはもう派遣のイロハ、常識です。

 塩崎大臣、改めてお伺いしますが、では、五十代の女性、正社員や派遣会社の無期雇用になれる可能性は高いと考えておられるんですか、一般論として。

塩崎国務大臣 それは個別のケースですので、一般論で語ってみても余り意味があるとは思いません。

山井委員 個別じゃありません。五十代の女性が専門業務で雇いどめになるときに、雇用安定化措置で正社員あるいは派遣会社の無期雇用になれる可能性は高いと思われますか、低いと思われますか。この法案のまさに最も重要な質問です。

塩崎国務大臣 それは、どういうお仕事をやっていらっしゃって、言ってみれば、その人ならではのどういうお力がおありになるのかとか、いろいろなことがやはりあると思いますので、一般化をすることはなかなか難しいというふうに思います。

山井委員 塩崎大臣、そこは正直にお答えください。

 では、例えば三十代の派遣の女性と五十代の派遣の女性の実態、新しい派遣先はどちらが見つかりにくいですか、それとも変わりませんか。どういうふうに現状認識をされていますか、塩崎大臣は。

塩崎国務大臣 何度も申し上げますけれども、それは、その人ならではのお力があったり、いろいろなことがありますので、一概に一般化をすることはなかなか難しいというふうに思います。

山井委員 何かもう、塩崎大臣の答弁を聞いていると人ごとですね。

 これは、生身の人間が、実際、五十代、四十代の女性の方々が、三年後に雇いどめするという通知が始まっているんですよ。これは想定の話じゃないんですよ。実際そういう事態が起こっているんですよ。

 はっきり言いますが、四十代、五十代の派遣労働の女性の方が今の派遣先を切られたら、新しい派遣先を探すのは大変なんですよ。こんなのは派遣労働のイロハじゃないですか。それも塩崎大臣は答弁しないということですか。

 では、正社員になれなかった、派遣会社の無期雇用もされなかった、そういうケースは当然想定されますよね。たくさん想定されると思います。その場合、その方はどうなるんですか、この法案では。

塩崎国務大臣 先生、雇用安定措置の中で四つの選択肢があることはもう御存じのとおりでありまして、どれを選ぶかはいろいろですけれども、今お話しの、派遣先への直接雇用がうまくいかなかったということで、なおかつ派遣元での無期雇用というのも難しいということであれば、新たな派遣先の提供か、その他安定した雇用の継続を図るための措置として、今後、労政審の中で考えていただくことになっております。教育訓練あるいは紹介予定派遣などを今は想定しておりますけれども、労政審の中で御議論いただいて、このメニューをお決めいただいて、その中でしっかりと義務を果たしていただいて派遣元が責任を果たすということだと思います。

山井委員 正社員に派遣先でも雇ってもらえない、派遣会社の無期雇用でも雇ってもらえないとなれば新しい派遣先ということですが、五十代の女性の方々が、新しい派遣先、それは、より待遇や給料がいいところが見つかるんですか。私は、より悪いところにならざるを得ないんじゃないかというふうに思いますが、塩崎大臣は、新しい派遣先を紹介するときに、よりよい待遇や賃金になる可能性が高いか低いか、どう思われますか。

塩崎国務大臣 今も、それはそれぞれやはり実際にどういうことになるかということで決まってくるので、御本人の得意とされる、力のある分野が何かとか、あるいは相手のニーズはどうなのかとか、そういうことが当然個別ケースでございますので、一概には私は言えないというふうに思うわけでございまして、適切な待遇というのが確保されるように私どもとしてもウオッチをしていきたいわけでありますけれども、一般論はなかなか難しいというふうに私は思います。

山井委員 何か本当に、塩崎大臣の答弁を聞いていると人ごとですね。

 私も、何十人もの派遣労働者の方々にこの間お目にかかり、毎日、朝から晩までいろいろな派遣労働者の方の話を聞いていますよ。そうすれば、誰から聞いても、四十代より五十代の方が派遣先を見つけるのは一般的には大変だということぐらい、そして、五十代で新たな派遣先を探すのが難しいことぐらいわかりますよ、普通。今の大臣の答弁を聞いていたら、そのことも大臣は認識されずに人の人生にかかわる法案を出されている。私は、本当にそれは納得ができません。

 例えば新しい派遣先というのであれば、塩崎大臣、五十代の女性の方で実際私がお目にかかった方は、日雇い派遣しかもう紹介してもらえなくなったという方がおられます。では、雇用安定化措置で、日雇い派遣を紹介するということは許されますか、許されませんか。

塩崎国務大臣 それは、これまでの契約から見て合理的な範囲かどうかということだろうと思いますが、先ほどの、どういう派遣先を提示するかということでありますけれども、これは、今回修正をしたように、賃金とか待遇とか、これが著しく低下するようなときは雇用安定措置として認められないということになります。

 なおかつ、これは何度も申し上げますけれども、期間制限がない二十六業務の方が安定的な雇用状態にあるかどうかということを期間制限という観点だけで見ても、それはなかなか難しいんじゃないかということを何度も申し上げてきているわけであって、先ほど申し上げているように、私たちが考えるよりもはるかに短い派遣契約のもとで働いていらっしゃって、それを繰り返し契約更改をしながらやっていらっしゃるわけですから、いつでもそれは、三カ月とか半年とか、そういうところでどうなるかは、それは派遣先の判断がどうなるかということで決まってくることであります。

 そこのところをまるでリスクフリーかのようにおっしゃって今お話を組み立てておられるように聞こえるわけでありますが、今の状態が安定的だという前提でお話をされるのは必ずしも私は全てを語ることにはならないのではないかなというふうに思います。

 ということでございますので、私どもとしては、ちゃんと、まずは私どもが新たに義務化をする雇用安定措置をきっちり合理的な範囲内でやっていただくということが義務であり、それを全く外れた脱法的な運用を行っているということであれば、何度も申し上げているように、これは厳正な指導をしなければならないということになるわけでございます。

山井委員 私たちは何も専門二十六業務の方々が安定的だとは言っていませんよ。不安定ですよ。問題は、その四十万人の方々がさらに不安定になるリスクが高まるんじゃないかということを言っているわけですよ。

 塩崎大臣、お答えいただきたいんですけれども、合理的な範囲ということですが、繰り返します、専門二十六業務の四十万人の方々が三年の上限期間が来て雇いどめになったときに日雇い派遣を紹介されるということは、合理的の範囲内ですか、範囲外ですか。

塩崎国務大臣 ですから、既存の契約がどういうものかというものにもよりますけれども、常識的に、安定的にずっとこれまで来ておられたということであれば、合理的な範囲内とはなかなか考えにくいというふうに思います。

山井委員 改めて確認します。

 四十万人の方々に、日雇い派遣をこの専門業務だった方々に派遣会社が提供するということは、それは雇用安定化措置違反で指導の対象になるということでよろしいですか。

塩崎国務大臣 今申し上げたとおり、これまでのその方の契約がどうだったかということに照らして見なければいけませんけれども、常識的に考えれば、日雇い派遣に一足飛びになるというのは合理的な感じは私はしないということを思います。しかし、それはケース・バイ・ケースでもあるということは申し添えておきたいと思います。

山井委員 いや、最後、ケース・バイ・ケースとおっしゃるんでしたら、答弁がひっくり返ってしまったわけですけれども、ということは、四十万人の専門業務の方々が日雇い派遣を紹介されて、それで雇用安定措置義務を果たしていますとなり得るケースはあるということですね。

塩崎国務大臣 何度も申し上げますが、合理性があるかどうかということは、今までの契約がどういうものであったかということに係るわけで、今までが日雇い契約も含んでいるような契約であるということであれば、それは合理的な範囲内かもわかりませんが、先ほど申し上げたように、比較的安定的な派遣契約のもとでやってきたという方が突然日雇い派遣になるということであれば、それはなかなか合理的と考えるのは難しいんじゃないかということを申し上げているわけでございます。

山井委員 確認します。

 今まで日雇い派遣でなかった専門二十六業務の方々が今度三年後に雇いどめになったときに、日雇い派遣を紹介したら、それは雇用安定化措置義務違反で指導の対象になるということでよろしいですか。

塩崎国務大臣 それは、今申し上げたとおり、今まで日雇い派遣ではない方が日雇い派遣になれば、それは合理的な運用を、義務の運用をしているとは思えないと考えます。

山井委員 繰り返しますよ。そうしたら、その指導の対象になるということでよろしいんですね。二十六業務の人たちに対して日雇い派遣を、それで働くことじゃないですよ、紹介すること自体が、雇用安定化措置義務違反で指導の対象になるということでいいですね。

塩崎国務大臣 繰り返し申し上げますが、これまでの契約が日雇い派遣であれば、それは合理的に考えてもその範囲内と考えますが、そうじゃないのに、突然、日雇い派遣になるよといって、雇用安定措置の一つだといって新たな派遣先の提供というのは、それは今回の法律に照らしてみてもなかなか合理的とは考えにくいというふうに思います。

山井委員 では、賃金、時給が二割、新たな派遣先の紹介で下がる、これは合理的と言えますか。二割、どうですか。

塩崎国務大臣 それはやはり個々のケースによると思います。

山井委員 ということは、二割賃金が下がっても雇用安定化措置義務を果たしたということになるわけですが、そうしたら大きな被害じゃないですか。今のままだったらずっと同じ賃金をもらえていたかもしれないのに、雇用安定化措置だといって賃金が二割下がったら、雇用不安定になっているじゃないですか。二割ダウンでもケース・バイ・ケースだというのはおかしいんじゃないですか。全然、雇用安定しませんよ。二割ダウンしたら人生設計変わりますよ。

 おまけに、三年ずつ雇いどめに遭うわけですから、二割ダウン、二割ダウン、二割ダウンしていたら、人生設計立たないじゃないですか。二割ダウンでも雇用安定化措置義務を果たしたことになるんですか。

塩崎国務大臣 二割だったらだめで一九%だったらいいとか、そういうことは今言っても余り意味がないので、ここはやはり、どういう考え方で派遣元が義務としての雇用安定措置を果たすか、このことが大事なんですね。

 したがって、そういう具体的な数字を挙げられて、これは適当か不適当かということをお聞きになっても、それは、リーマン・ショック真っ最中のときにどうかとか、いろいろなことがやはりあると思うんです。ですから、そこは先生、考え方をよく吟味をしていただいて、おかしなところをぜひ言っていただいたらと思うので、具体的な、二割か、一八%が一五%というようなことを、それだけ取り出して言っても、なかなかやはりそれは判断が難しいんじゃないかというふうに思います。

山井委員 それは、雇用安定化措置と言いながら、二割賃金が下がっていいというんだったら、派遣当事者にとったら雇用不安化措置じゃないですか。

 これは実際、私もきのうお目にかかった二十六業務の方は、三年後に、この法案が通ったら切られてしまう、もう心配で夜も眠れないと。両親を抱えて、今四十代で、シングルで、とにかく人生を安定させるためには、幾ら正社員になりたいと言っても無理だから、せめて専門業務は無期限だからということで、パソコンインストラクターのキャリアを十年間磨いてこられた。

 なぜならば、正社員になれないということであれば、セカンドベストで、老いた両親二人をシングルの自分が養っていくには、専門業務でちょっとでも派遣の中では安定的な働きをするしか老いた両親を支えられない、そういう思いで十年間、パソコンのインストラクターとしてスキルを磨いてこられたんですよ。それはほかでもない、専門業務だけ期限が無制限だからなんですよ。

 そういう人生設計を立てておられたのに、今回、その方も三年後には確実に切られることになってしまいます。その方は、はしごを外された、人生設計が狂ってしまうということをおっしゃっておられるわけです。

 塩崎大臣、こういう専門業務だと無制限で安定的だからということでスキルを磨いて専門業務をとってこられた女性の方々、男性の方々、たくさんおられるんです。そういう方々が、今回の法案は絶対阻止してほしいと。先ほど言ったように、日雇い派遣になるかもしれない、二割賃金が下がるかもしれない、そういうふうな雇用安定化措置が、今よりもよくなるという答弁が塩崎大臣からは全くないわけですよ。

 塩崎大臣、こういう今まで専門業務だからということでスキルを磨いてこられて必死に頑張ってこられた派遣労働者の専門二十六業務の方々は、どういうことに今回なってしまうんですか、お答えください。

塩崎国務大臣 期間制限だけでこの法律は成り立っているわけではなくて、働く派遣労働者の皆さん方の、言ってみれば保護をしよう、守っていこうということをやるために、今回、例えば全面許可制にいたしました。そのもとで、まず許可業者になるためには、人材の育成をきっちりやる、そういう制度を持っているかどうか、持っていなければそれは許可もしないというのが今回の制度であります。

 それで……(山井委員「そんなことは聞いていません」と呼ぶ)まさに質問にお答えをしつつあるので、もう少し聞いていただきたいと思いますが、今お話があったように、十五年間腕を磨いてこられたこと、それは大変立派なことであり、それはそれとして私はそのとおりだというふうに思います。

 しかし、今先生がおっしゃっていることの一つ私たちが先ほど来ずっと申し上げてきているのは、期間制限がないということが安定した雇用になっているかどうかということとは別問題であるということも申し上げてきたわけでありまして、派遣契約が三カ月、六カ月で更改をせざるを得ないということは、絶えず三カ月、六カ月の節目ごとに、この派遣契約が続くかどうかということはゼロか一という選択肢なんですね。したがって、派遣契約そのものの短さということも考慮に入れてみれば、期間制限がないというところだけで安定的だというふうに言い切ることはなかなか私は難しいと思う。

 そこで、では、どうやったら安定的な雇用になるかといったら、個人個人を強くしていく、これしかやはりないんだろうと思うんです。ですからこそ、私たちは、今回、キャリア育成支援制度というものを持っていなければ許可業者にもならないし、それをきちっと履行していなければ指導対象にもなるし、そういう中で、なお今まで以上にパワーアップをしていただく中で雇用を獲得していただくということに資するようにしようじゃないかというのが今回の法律だと思うんですね。

 したがって、これは何度も申し上げますけれども、雇用というのは雇用する方とされる方があって、最終的には雇用する方が最終判断をするわけでありますから、我々は、雇用される側が最大限チャンスが与えられるように、私たちは法律を今改正して、今までよりもきちっとした人材として派遣元にも派遣先にも見ていただけるような、そういう仕掛けをしっかりと入れ込んでいこうということでやっているのが今回の法律改正であり、また、個人の期間制限を設けているのも、もともとこれは山井先生たちが特におっしゃっていた、固定化をさせない、一生派遣はだめだということをおっしゃっていたことに対しての一つの我々の答えでもあるわけでございます。

山井委員 直接関係のない、長々と答弁はやめてください。失礼ですよ。

 それに、全然、私は今の二十六業務の方々が完璧に安定しているなんて言っていませんよ。ただ、頑張れば三年以上、五年、十年働ける可能性があるんですよ、今の制度だと。それが今度は、幾ら頑張っても三年で切られてしまうわけです。(発言する者あり)

渡辺委員長 静粛にお願いします。

山井委員 昨日の参考人質疑の中で、維新の党の参考人の大久保さんに私はこの質問をさせていただきましたら、大久保参考人はこうおっしゃいました。確かに、四十代、五十代の専門業務の方々は、これから正社員あるいは派遣会社の無期雇用といってもなかなか難しいと思います、リスクがあります、だから、この専門業務の方々の三年上限が入ることに関しては別途対策が必要だと思いますということを昨日参考人質疑で答弁されました。

 塩崎大臣、この四十万人の方々が三年後に雇いどめ、解雇になるという、これは深刻な、人生がかかった問題です。今おっしゃったような机上の空論で全く現実を踏まえていない、そんな答弁でやっていって、はっきり言って、これによって失業される方、本当に生活保護になる方、一歩間違うと命を落とす方も出てくる危険性はありますよ。

 塩崎大臣、別途、この四十万人の方々に対する救済措置をどうするかということを早急に提示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 それは、今回の法律改正がお答えだというふうに考えております。

山井委員 ということは、全く雇用安定化が図られなくても、ばっさりと三年で切ってしまうという、そんなことは許されませんよ。法改正が人の生活や失業を誘発するなんということは許されないと思います。

 このことはこれからも質疑を深めていきますが、きょうの質疑で私は改めてびっくりしたのは、この法案の問題点、野党は理解しているけれども、本人が全くわかっていないじゃないですか、派遣労働の現実も。

 それでは、もう一点。今までから議論しております、無期雇用の派遣労働者を正社員として求人する問題について質問させていただきたいと思います。

 配付資料四ページにありますように、既に大手の人材派遣会社が無期雇用の派遣労働者を正社員として求人しておりまして、非常に応募者が多いということになっております。

 さらに、五ページ目も見てください。企業名は隠しておりますけれども、あるインターネット関係の会社です。五ページ、六ページ。

 そして、この会社に勤めておられた女性の方と、昨日、私、一昨日もお目にかかりましたが、求人のときには正社員と言われた、派遣とは言われていなかった、しかし、実際入ったら派遣労働であったと。

 そして、七ページ。七ページの会社もインターネット関係の派遣会社ですが、正社員と言われて、派遣労働とは言われていなかった、しかし、実際働いてみたら、どう考えてもこれは派遣じゃないですかと。

 私はこのことを半年前から言い続けてきておりますけれども、これはずっと、私たちが思っている以上に広まってきております。

 このお二人のうちの一人は、契約書にも正社員と書いてあったとおっしゃっています。さらに、ホームページにも正社員と書いてあったとある方はおっしゃっていますし、深刻だと思ったのは、もし正社員と言われなかったら、もし最初から派遣の仕事だと言われていたら、私はこの会社には就職しなかったということもおっしゃっておられました。

 まさにこれは職業安定法違反。ここにあります、十一ページ。四十二条、労働者の募集を行う者は、労働者に誤解を生じさせることがないよう、平易な表現、的確な表示に努めねばならないに抵触するおそれがあると私は思います。

 そこで、おとつい、塩崎大臣は、この問題に関しては早急に解決策を提示するということを言われました。私は提案したいと思います。有期であれ無期であれ、派遣労働者は正社員として求人広告を出すことはだめである、こういう通達を私は出すべきだと思っております。解決策、いかがですか、大臣。

塩崎国務大臣 先ほどお配りになっている、会社の名前はよくわかりませんが、ここには正社員とも派遣とも何も書いてないで、行ってみたら派遣だったということがわかったということですかね。(山井委員「面接で正社員だと言われたということです」と呼ぶ)

 ということは、まだそれは契約前の話だろうと思うんですが、それは、派遣ではないということを、言わずに派遣だということになると、やはり誤解を招く求人広告だというふうに言わざるを得ないんだろうと思うので、これは職業安定法の四十二条に抵触するおそれがあるのかなというふうに思います。まあ個別ケースですから、もちろん断定は私はいたしませんが、そんなような印象を今受けました。

 そこで、先生がおっしゃっている正社員の問題、あるいは、これまでは無期雇用派遣というのが先生からお話をいただいていたケースだったというふうに思いますが、何度も申し上げますけれども、労働関係法令上、いわゆる正社員という定義はまずないということを確認した上で、職業安定法第四十二条の規定に違反するか否かの判断は、やはり個別ケースでいろいろ考えざるを得ない。

 しかし、私どもは、一般に正社員の中に無期派遣労働者は含まれないと世の中には理解をされていると考えられること、それから、実際にわかりにくいという声もいただいていること、一方で、もちろん、無期雇用の派遣の方を正社員とお互いに呼び合ったりしている人たちも実際に私も見たところでありますから、いろいろある。しかし、そういうわかりにくいという声があることは先生御指摘のとおりだというふうに思います。

 それで、そのために、この改正法の施行をする際には、改正法によって今回、無期雇用派遣労働者というのを定義づけしておりますけれども、これについて募集をするときは無期雇用派遣という言葉を使用して、正社員という言葉をこの改正法の施行の後は使用しないということとする旨を派遣元指針に規定して、指針に基づいた指導などを行っていくことについて検討してみたいというふうに思います。

山井委員 何かよくわからない答弁ですが、二点あります。

 何でこの法律が施行されたらなんですか。既に、実際、さまざまな求人でトラブルが起こっているわけです。何でこの法律が施行されたらなんですか。この法律とは別途、もうこういう現実があるんですから、今すぐ、先ほども言ったように、無期派遣であれ、正社員ということを求人広告に明記してはならないという通達を出してください。

塩崎国務大臣 今回、先ほど申し上げたように、改正労働者派遣法第三十条の二というところに、「無期雇用派遣労働者(期間を定めないで雇用される派遣労働者をいう。以下同じ。)」こういう定義を初めて入れ込んだわけでございます。

 一番紛らわしいケースとして先生が繰り返し繰り返しおっしゃっていたのが、無期派遣労働者を括弧で書いて正社員と標榜するのはけしからぬという御指摘をいただいてまいりました。

 したがって、そういうところが、何度も申し上げているように、正社員という定義がないものですから、我々が政策上推進をしているのは派遣は入らないということをずっと言ってきているわけで、これはキャリアアップ助成金もそれを前提にしてつくられているということですから、我々の正社員の定義は政策上ははっきりしているわけでありますけれども、しかし、今回、先生からの御指摘で、無期派遣労働者についての問題点を繰り返し御指摘になられました。

 そして、それは、今回我々の御提起申し上げている法律の中でも無期派遣労働者というのは初めて定義づけをするわけですから、ここをやはりはっきりしてもらうということを徹底するためには、今申し上げたように、無期雇用派遣という言葉を、無期派遣労働者について募集をするときはそういう言葉を使ってもらって、正社員という言葉を使用しないということを派遣元指針に規定して、指針に基づいて指導を行っていくことについて検討をするということを今申し上げたところでございます。

山井委員 全く理解できません。

 今既に紛らわしくて、例えば私が聞いた話でも、それこそきのう会った二人の方、二人ともが、正社員と言われて入ったら派遣労働者で、それでは話が違うということでやめたと。

 いっぱいもう既に今問題が起こっているんですよ。すぐに、今おっしゃった、無期派遣労働者を正社員として求人広告することはだめだ、職業安定法四十二条違反だということを通達を出してください。出してください。なぜそんなにおくらせるんですか。半年前から議論をし続けて、もう半年間、私ははっきり言って半年でも遅いと思っているんですよ。ぜひ、すぐにその通達を出してください。大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 何度も申し上げているように、正社員という定義がない中で今のような混乱が起き、そして、無期派遣労働者についての定義もこの法律でもって新たに初めてするわけでございますので、私どもとしては、この改正法を受けて、このようなことはルールとして私たちは指針に書き込んでいこうということを御提起申し上げているので、今はケース・バイ・ケースで考えざるを得ないというところであるわけであります。

 そこのところは、法律で定義がはっきりしたものについて、先生が御指摘になっていた問題でもございますので、そこのところを明確にしていきたいというふうに考えておりますので、ぜひ御理解賜って、一日も早くこの改正案を御審議の上で通していただくとありがたいなというふうに思います。

山井委員 私も民主党政権時代に政務官をやっておりましたが、本当、塩崎大臣の発想が私は全く理解できません。

 問題が発覚したら、そして、今でもそういう問題が起こって、就職したのにやめている人が出ているというのを半年前から議論して、それが問題だと認めながらも、まだそれを、法施行ということは九月までですか、今五月でしょう、六、七、八、放置する。わかっていながらも放置する。この姿勢を私は全く理解ができません。

 なぜ、そんなにやる気がないのか。なぜ、派遣労働者の方々の苦しみをそんなに理解されないのか。なぜ、派遣労働者を守ろうとする気がないのか。私は本当に理解ができません。問題だということがわかっていながら、なぜ動かないんですか、すぐに。本当にわかりません。

 あと、昨日の参考人質疑で、派遣ネットワークの関根さんから、今回の法案が、正社員の道を開くどころか、閉ざす法案だという重要な御指摘がありました。

 きょうの配付資料にもお配りしておりますように、ドイツでは、日本の今回と同じように、派遣の上限を撤廃する改革を行った。そうすると、五年間で派遣労働者が二倍にふえました。五年間で二倍。

 今、日本では百二十六万人ですから、一歩間違うと、派遣労働者の数が大幅に、日本でも二百万人台にふえる危険性があるわけです。

 こちらの十二ページに表がありますが、これについて、塩崎大臣、派遣労働者をふやすんじゃなくて正社員の道を開くということをおっしゃっていますけれども、逆に、大幅に派遣労働者がふえて、そして正社員の求人が減る可能性があるんじゃないか。私が何回聞いても、塩崎大臣、わからない、わからないということをおっしゃるんですが、私はやはりその感覚が理解できません。人の人生を変える法改正を出しながら、派遣労働者がふえるのか、正社員がふえるのかわからない。私は、そんな無責任な法案を出すのは意味がわかりません。

 これは、塩崎大臣、日本でもドイツのように大幅に派遣労働者がふえて、正社員の求人が減るんじゃないですか。いかがですか。

塩崎国務大臣 ドイツでは、いわゆるハルツ改革の一環として、二〇〇三年に労働者派遣の期間制限が撤廃をされました、確かに。

 そのときは、欧州の病人と呼ばれたのがドイツであって、経済は最悪でありまして、失業率がそのときは非常に高かったわけでありまして、近年は失業率が下がって、派遣労働者が増加をしているということはよく承知をしているところでございます。

 一般に、派遣で働く方の増減というのはさまざまの要因があって、それは何が本当の原因でふえたかということはよくわからないわけでありますが、一つは、どのくらいふえたのかということをちょっと御参考までに申し上げると、今の日本の派遣労働者の雇用者全体に占める割合は二・三%でございます。ドイツがふえたとおっしゃっていますが、これは就業者ベースではありますけれども、一番直近で我々が持っている平成二十四年の数字では二・二%であります。ふえたことは事実です。それは山井議員がおっしゃるとおりですが、それが全就業者の中に占める割合はどうかというと、二・二%だということも申し添えておきたいと思います。

 それと、期間制限を撤廃したということでありますが、今回の改正案は、日本独自の仕組みであります業務単位の期間制限について、予測可能性が低いことなどの課題があったことを踏まえて、期間制限を撤廃するのではなくて、正社員から派遣への置きかえが生じないように三年を上限とする事業所単位の期間制限を設けた上で、派遣で働く人の派遣労働への固定化を防ぐために、同じ職場への派遣については三年を上限とする個人単位の期間制限を設けることとしているものであって、欧州の病人と先ほど申し上げたような状態にまでいっていた雇用状況が悪化していた中で、失業者対策の一環として期間制限を撤廃したドイツとは状況が全く異なるということも申し添えておかないといけないと思います。

 なお、ドイツで期間制限の上限を法律に規定する旨の連立合意が確かにございますが、そのことはよくわかっておりますけれども、いまだ法制化はされていないというふうに認識をしております。

山井委員 二〇一一年にそれは改めて期間を短くするということに方針転換したことによって、やはり、上限を再び設定した二〇一一年からは派遣労働者の数は減っているわけですね。

 私は、今回の法案、非常に根本的にうそがあると思うのが……

渡辺委員長 山井君に申し上げます。

 既に持ち時間が経過しております。質疑を終了してください。

山井委員 正社員の道を開くと言いながら、正社員の数が減って派遣労働者が大幅にふえる可能性がある、そのリスクのことを全く語ろうとしない、やはりそのことは大きな大きな問題点だと思います。

 四十万人のこの専門業務の方々が三年後に雇いどめになる問題、さらにこれは正社員の求人が大幅に減る問題、そういう問題をしっかりと誠実に答えてもらわないと、幾らこの審議をやっても、誠実な答弁がもらえなかったら審議をやっていることになりませんから、しっかりと誠意ある答弁をお願いしたいと思います。

 終わります。

渡辺委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民主党の大西健介でございます。

 この間、一〇・一問題とか、今の二十六業務の雇いどめのおそれとか、あるいはさっきの、派遣だけれども正社員とか、個別の問題が議論されてきたので、もう一回大きな話をしてみたいというふうに思っています。

 それは、厚労省としてどういう働き方を望ましいというふうに考えて、どっちの方向に進んでいるのか。その方向性と今回の法改正というのが本当に合っているのか。そして、非正規もいろいろなものがありますけれども、その中でも私はやはり派遣というのは問題があると思っているんです。それはなぜ問題なのか、こういうことをちょっと大臣と議論させていただきたいと思っています。

 きのう、参考人質疑がありました。参考人の御意見、私も非常に興味深く聞かせていただきました。大久保参考人は、こんなふうに言っておられました。派遣法は、改正に改正を重ねて、増改築をしてしまったために、中に相反するようなことが含まれていて、非常に複雑で、わかりにくくなってしまっていると。私も、この御意見というのは一理あるなというふうに思ってお聞きをしていました。

 しかし、そうはいっても、私は、今回の法改正で政府として何を主眼にしているのか、これはやはりはっきりさせておくべきだというふうに思うんですね。確かに派遣法というのはいろいろな方向性のことが入っている、でも、今回の法改正はここに力点を置いているんだということをはっきりさせるべきだと思うんです。

 この点においては、民主党政権のときの派遣法改正、これはもうはっきりしていたんです。これは、派遣労働者の保護を図る法律であるという法の趣旨を明確にするために、法律の名称にも「派遣労働者の保護等」という、それまで入っていなかった文言をわざわざつけ加えたということであります。

 しかし、翻って、では、今回の法改正で政府は何を意図しているのかなと私もずっと考えていたんですね。そのときに、ある記事を見て、ああ、なるほど、そういうことなのかなというふうに腑に落ちました。

 きょうはその記事を資料としてお配りさせていただいております。これは月刊人材ビジネスという業界誌のことしの新年号の巻頭言なんですけれども、タイトルをごらんいただきたいんですけれども、「「労働者派遣法」から「人材サービス業法」へ呼称を変えても良い時期ではないか?」と。中を見ますと、要は、労働者派遣を間違いだと言っているのではありませんが、労働者の保護等が優先され過ぎてサービス産業としての育成がおろそかになることを心配しています、名は体をあらわすといいます、呼び方のもたらす影響は小さくありませんというようなことが書いてあるんですね。

 私は、これが派遣業界の人たちの本音なんじゃないかと思うんです。

 今回の法改正というのは、まさに、これまで派遣労働者の保護と言ってきたけれども、そうじゃなくて、人材サービス産業をもっと発展させていくためのそういう法改正なんだ、そこに力点があるんじゃないかというふうに思っているんです。

 さらに言えば、今回、これは名前が悪いから国会でもめるんだ、ですから名前を変えたらどうだと、特定秘密という名前が悪かったから、平和安全法制等をやろうと言っているのと全く同じ理屈なんです。

 私は、大臣、この記事を見ていただいて、人材ビジネス業法に変えましょうよというこの御提案、これについての大臣の御感想をお聞きしたいのと、それとあわせて、今回の法改正というのは派遣労働者の保護を図ろうとするための法案なのか、それとも、派遣業界の業界の環境整備をしようという法案なのか、どっちに力点がある法案なのかということを改めて問いたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 大きな話をする先生の御姿勢、私としても大変歓迎をしたいというふうに思います。

 今お話ございましたように、目的は何かということでありますが、先ほどもう既に答弁の中で申し上げたことがございましたけれども、大きく分けて二つあるというふうに申し上げたと思います。それは、労働者派遣事業の適正な運営の確保、つまり事業者の規制、それと派遣労働者の保護等を図ること、この二つが大きな目的であって、それによって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的としているというふうに、先ほどもおおむねそのような意味合いのことを申し上げたというふうに思うわけであります。

 それは、業法であることは間違いないので、業を規制する、その規制を通じて働く人たちの権利も守っていこう、立場も守っていこうということを申し上げているので、どちらが大事かというと、それは両方大事であって、規制がなくて守ることはなかなかできない。つまり、それは、何度も申し上げているように、雇う側と雇われる側のパワーバランスを考えたら、明らかに、最終決断はやはり雇用する方がお決めになるわけですので、そうなると、やはり立場の弱い方については守るということを私たちはやらなきゃいけないというふうに思うわけでございます。

 今、人材サービス業法への呼称変更をしたらどうだということについての考えを述べよ、こういうことでございますが、人材派遣というのをそもそも英語で何と言うのかなと、この間、実は、私も考えずにジュネーブに行って、ILOの事務局長とお話をする際に少し困ったんですが、エージェンシーワーカーですねということだったので、幾つか呼び名はあるようでありますけれども、その一つがエージェンシーワーカーという言葉でありました。

 エージェンシーワーカーと何で言うのかなと考えましたけれども、それは、やはり直接雇用ではないということで、エージェンシーが介在をしているということではないかなと思うので、そういう言葉が欧米でもあるということがよくわかりました。

 したがって、労働者派遣法という名前が人材サービス業法よりもいいか悪いかという問題については、私どもは、呼称よりも中身の方が大事かなというふうに思っているところでございます。

大西(健)委員 さっきも言ったように、大久保参考人が言われるように、この法律というのはいろいろなものを含んでいるんですよ、相矛盾するものも含めて。だけれども、我々の政権のときに法改正したときは、少なくとも派遣労働者の保護を目的にして、それをはっきりさせるために名前まで変えたんです。ところが、今回はどっちに力点を置いているのかということを聞きたかったんですけれども、結局は、どっちも大切なんだみたいな話なんですね。

 同じような話なんですけれども、大久保参考人は、こんな話もされていました。派遣で働く人の中には、正社員になりたい人もいれば、派遣のままで働き続けたい人もいる、その両方の方を考慮するようなことを考えてほしいと。これも一理あると思います。

 ただ、大久保参考人が派遣で満足している人の例として挙げたのは、結婚を機に正社員じゃない働き方をしたい人、あるいは旦那さんの転勤についていって仕事をやめたので、とりあえず派遣になって、そしてまたその先を考えようという人、こういう人が満足が高いんだと言っておられました。なるほどな、そうだと思います。

 でも、他方で、連合総研の調査によれば、非正規労働者の三人に一人が、自分の賃金収入が世帯収入の半分以上を占めている主たる稼ぎ手という実態があるわけです。

 私は、女性の多様な働き方が重要ではないとは言いません。もちろん重要です。しかし、私たちが今、より保護しなきゃいけないのは、そういう多様な働き方よりも、主たる稼ぎ手でありながら、正社員になりたいけれども、してもらえない、そして生活が苦しい、こっちをより保護すべきなんじゃないですか。私はそう思うんですよ。

 塩崎大臣、どちらも重要だなんという、そういう答えは要りません。私たちは、多様な働き方も重要だけれども、正社員になりたくてもなれない、そして経済的に苦しんでいる、そういう人をまず保護すること、これを先に考えるべきだと私は思いますけれども、いかがですか。

塩崎国務大臣 これはもう何度も繰り返し御答弁申し上げてまいりましたけれども、私もいろいろな方々、派遣で働いていらっしゃる方々とお話をしていますけれども、やはり、正社員になりたいという方、正規雇用にしてほしいという方がおられる一方で、正社員にはなりたくないと積極的に思っている働き盛りの男性も私も何人もお会いをしました。

 そういうこともあるので、私たちはやはり両方を考えて、派遣じゃなくてやはり正社員だという方のためにはパワーアップをしていただくことが最短コースでありますので、近道を行っていただくためには、今回、キャリア形成支援制度というものがないと派遣元にもなれないよということにして、その中でちゃんとやるべきことをやって、一人一人の派遣で働く方たちの力をつけていただくということが大事なので。

 それはいろいろな方がおられて、女性、必ずしも大事じゃないとは言わないけれどもとおっしゃいましたけれども、しかし、派遣で働いていらっしゃる女性で、派遣でないと困るという方もたくさんおられるということもまた事実なので、私たちは、あらゆる、やはり多様なお考えの方々に応えられるだけの柔軟性を持った制度にしておかなければいけないんじゃないかなというふうに思うんです。

大西(健)委員 どちらも重要なのは当たり前なんです。でも、多様な働き方、多様な働き方と政府はよく言われるんですけれども、今問題は、さっき言ったように、三人に一人が主たる稼ぎ手である、非正規の。ですから、そういう人たちが正社員になれない、低い処遇で甘んじなきゃいけない、そして生活が苦しい、これが格差社会の要因じゃないですか。こここそ、まずやらなきゃいけない。

 では、その上で、非正規雇用について厚労省がどこを目指しているのか。これはたしか参考人の中にもそういう意見がありましたし、我が党の厚労部門会議でも連合の方も言っていました、厚労省は一体どこを目指しているのかよくわからないと。

 そこで、きょうちょっとお手元にお配りしましたけれども、実は、これは民主党政権のときだと思いますけれども、平成二十四年の三月、望ましい働き方ビジョンというのを取りまとめているんです。私は、これがまさに厚労省として目指す望ましい働き方なんです。

 これをよく見ていただきたいんですけれども、「非正規雇用をめぐる問題への基本姿勢」、「1期間の定めのない雇用、」「直接雇用が重要であり、どのような働き方であっても、」「均等・均衡待遇をはじめとする公正な処遇を確保することが重要である。こうした雇用を実現するための環境を整備すべきである。」これが基本ですよ。これを基本にやってもらわなきゃ困るんです。これは、私たちの考え方にも合致しています。

 これを出したときのプレスリリースには、こう書いてあります。「厚生労働省は、このビジョンを今後の非正規雇用対策の指針として、政労使の社会的合意を得ながら、強力に取組を進めていきます。」というふうにあるんです。

 大臣、これが厚労省が目指す望ましい働き方なんじゃないんですか。これに変更はないですよね。確認させていただきたいと思います。

塩崎国務大臣 安定局長の研究会でこういう御主張をされたということはよく理解をしているわけでありますが、やはり政労使というのが、ILOでも、それから労政審でも、三者構成、そしてまた労使自治ということに凝縮されているのは、片一方だけの意見だけではなかなか通らなくて、やはりきっちりと話し合いの結果で物事が決まるということなんですね。

 したがって、方向性としてこれは働く人たちの思いということで、こういう研究会が言ったということは、それはそうかもわかりませんが、私どもとしては、それは働く側の論理としてはこういう考え方が多いということはよくわかっているわけでございますが、結果としてどうなるのかというのを私たちは絶えず考えた上で、最終的に国民合意ができたものとして法律をおつくりして、御審議を賜って、国民の代表たる国会で法律を通していただくということにならなければ、実際の労働政策にはならないんだろうというふうに思うので、そういうことで、私たちは、この考え方は考え方として大事だというふうに思いますが、最終的にこのとおりになるということではないのではないかなというふうに思うわけでございます。

大西(健)委員 さっきも私言いましたけれども、これはプレスリリースに、厚生労働省は、このビジョンを今後の非正規雇用対策の指針として、強力に取り組みを進めていくと言っているんですよ。これは厚労省の指針じゃないですか。非正規についてはこの方針でやっていきますと言ったのに、いや、あれはちょっと、労働側の人たちの意見で云々云々という、そんなことじゃないですよ。これは、厚労省として決めたビジョンというのは、今も堅持されているのかどうなのか。これは厚労省としての公式見解をペーパーで出してください。

 委員長、お取り計らいをお願いします。公式見解。これを変えていないのかどうなのか、これは今も生きているのかどうなのか。ぜひ公式見解。

渡辺委員長 質疑してください。もう一度。

大西(健)委員 もう一度。これは公式見解ですよね。守られていますよね。今も変わっていないですよね。これはもうやめたんですか。変えたんですか。破棄したんですか。維持されているかどうか。

塩崎国務大臣 非正規雇用についての考え方としては、この考え方が安定局長の研究会として示されているということにおいては、これはこれであるんだろうと思いますけれども、なお、私もきょう初めて見たものでございますので、正式なものかどうかは改めて確認して、お答えを申し上げたいと思います。

大西(健)委員 いや、厚労省としての望ましい働き方ビジョンを大臣が初めて見たというので、ちょっと今びっくりしましたけれども、私はてっきり、厚労省としての望ましい働き方ビジョンに沿って、いろいろな法改正をしてきたものと思っていました。

 では改めて、今回の法改正がそのビジョンに沿っているのかどうなのか聞きたいんですけれども、この点、私は、平成二十四年の八月に改正された労働契約法と比較するとわかりやすいと思うんです。

 というのは、労働契約法の改正のときには、無期転換制度という、ある種の出口規制を創設して、雇いどめ法理の法定化と相まって、原則として有期労働契約はできるだけ無期化させていこうという方針を明確にしました。

 さらに、有期労働契約で雇用されていたとしても、その均等・均衡処遇については、第二十条というのをつくって、「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」というのを定めた。それで、公正な処遇の確保に向けた規制の強化を図った。つまり、有期労働契約については、これはまさにこの望ましい働き方ビジョンに沿った改正を行っているんです。

 では、対して、今回の労働者派遣法の改正がどうかというと、派遣先の業務に応じた従来の規制のあり方を根本的に変更することで入り口規制を思い切り緩めておきながら、その代替的措置というのは何も講じていない。さらには、何回も問題になっている均等・均衡処遇も定めていない。有期労働契約のときと比較すると、まさに今回の法改正というのは、厚労省が基本とすべき望ましい働き方ビジョンに沿った改正になっていないんじゃないですか。

塩崎国務大臣 今回の労働者派遣法改正案は、何度も申し上げておりますけれども、正社員を希望する派遣で働く方、この方については正社員への道が開けるようにする、みずからの働き方として派遣を積極的に選択している方についてはその待遇の改善等を図るということにしているわけでありまして、こうした改正の方向性は、それぞれのライフスタイルや希望に応じて社会での活躍の場を見出せるよう柔軟で多様な働き方が可能になるという、望ましい働き方に合致したものだというふうに考えております。

大西(健)委員 私が何度も言っているのは、厚労省自身が決めた望ましい働き方ビジョンに今回の法改正は沿っていないんですよ。労働契約法のときには、ちゃんとそれに沿った改正をしている。

 私は、この望ましい働き方ビジョンで重要なポイントは、さっきも紹介しましたけれども、直接雇用が重要だと言っているんです。参考人の意見陳述にもありましたけれども、派遣労働者というのは非正規労働者全体に占める割合はわずか六%です。でも、わずか六%だけれども私はそれでも派遣が問題だと思うのは、これは間接雇用なんです。ですから、雇用と使用が分かれている間接雇用だから問題だというふうに思うんですね。

 この点、塩崎大臣の先輩の厚労大臣、舛添大臣が平成二十一年の二月二十四日の予算委員会、そのときの新聞記事を資料でお配りしておきましたけれども、こういう答弁をしています。企業の中で一番嫌な仕事をアウトソーシングしたわけですよ、人に首切りさせる、それが派遣なわけです。

 私は、派遣労働の本質的な問題の一つというのはここにあると思っているんです。つまり、直接雇用の場合では、長年一緒の職場で働いてきた仲間に対して、やめてくださいと言うのは結構つらいことです。ところが、派遣だったら、派遣会社に一本電話すれば済むんです。この間接雇用というのが、派遣というのは首切りという嫌な仕事を人にやらせる仕組みであって、だから、派遣というのはほかの非正規よりも首を切られやすい仕組みなんだということを、大臣、お認めになりますか。

塩崎国務大臣 間接雇用の問題点というお尋ねかと思いますが、雇用契約上の使用者と業務の指揮命令を行う者が異なる、これがいわゆる間接雇用であるわけでありますが、一般論として、直接雇用に比べて、一番目に、中間搾取とか強制労働が行われやすい、それから、雇用主責任が不明確になりがちだ、さらに、受け入れ先の正社員の代替となりやすい、こういった問題がかねてから指摘をされてきているわけでございます。先ほどのエージェンシーワーカーと言われているのも同じ、直接雇用をしていないということだと思います。

 このため、職業安定法では、間接雇用を原則禁止するということにしております。労働者派遣法において、まず、許可、届け出を行った事業主にのみ労働者派遣事業を行うことを認め、そして、派遣元と派遣先の責任を明確化する。と同時に、常用代替防止を図るという、先ほどの懸念をされる三つの問題点に呼応した形の手だてをこの労働者派遣法の中に入れ込んでいる。こういうことで、こうした問題点への対応をしてまいってきているということだと思っております。

大西(健)委員 何にも答えていないんですね。

 やはり舛添さんのこの言葉というのはすごいと思いますよ。人に首切りさせる、それが派遣なわけです。この言葉を大臣、受けとめてほしいんです。

 それから、今大臣の答弁にもありましたように、雇用者の責任が不明確になるんですよ。だから間接雇用は原則禁止なんです、今大臣が答弁で言われたように。だから、派遣というのは例外なんです。だから、その例外をどんどん広げるような法改正を私はしてはいけないと思っているんです。

 このことに関連して、ことしの一月、厚労省の派遣法担当課長が、人材派遣業界の賀詞交換会で、派遣労働は物扱いだったと挨拶した、これが大きな問題になりました。この発言自体は、みずからの責任を棚上げにする言語道断な発言だと思いますけれども、ただ、これは一面、派遣労働の本質的な問題を私は言いあらわしていると思っています。

 次の資料をごらんいただきたいんですけれども、これはうちの事務所でつくってみたんです。

 正社員の人件費は人事部で管理されている。ところが、派遣の費用というのは物件費として扱われて、会社によっては購買部で管理されている。その意味では、まさに、正社員は人事部で人として扱われ、派遣社員は物として扱われるという現実があるということも、私はある種の事実だと思います。

 そして、人件費というのは固定費、よく言われる固定費、経営上もなかなか削れない。ところが、物件費は変動費だ。派遣社員の雇用に要する経費というのは、経理上は仕入れ費用や外注費用に当たる変動費なので、削りやすい。

 ここでもやはり派遣というのは削られやすい、こういう構造があるというふうに私は思うんですけれども、大臣、そうお思いになりませんか。

塩崎国務大臣 今先生が、正社員の場合には人件費、派遣の場合には物件費ということで、これの、言ってみればインプリケーションについてのお尋ねかというふうに思います。

 派遣先が派遣元に支払ういわゆる派遣料金、これが物件費かどうかというのは、あくまで経理上の仕分け、会計の問題だと思います。実際に派遣で働く方の雇用の安定性にどのような影響があるかについてお答えをすることは、ここからはなかなか難しいのかなというふうに思います。

 なお、今回の改正法案では、派遣労働の雇用の不安定性という課題があることはそのとおりだということは繰り返し申し上げてきているわけであって、これに対応するため、派遣で働く方の一層の雇用の安定と保護を図るための見直しを数々盛り込んでいるということでございます。

大西(健)委員 何か、正面から答えていただけないので残念ですけれども、私は、やはり、物件費になっている、だから固定費じゃなくて変動費なんだ、また、削られやすい、ここにも削られやすい要因があるというのは現実だと思うんですね。

 経理上、今言ったように、仕入れ費にやはり分類されるわけですよ。そうすると、ほかにどういうことが起こるかというと、派遣社員を多く受け入れるほど、納める消費税の額が少なくて済むことになるんです。

 新聞の記事をお配りしておきましたけれども、次の資料五という新聞記事です。「消費増税で派遣誘発」「企業の「仕入れ」扱い 控除」と書いてあります。

 企業が納める消費税というのは、売り上げにかかった消費税から、仕入れ時などに支払った消費税を差し引いて納税する。派遣会社に支払った派遣料金の中に消費税分が含まれていて、それは派遣会社が消費税を国に納めるという仕組みになっているんですね。

 もちろん、派遣料金にちゃんと消費税分がきちんと転嫁されていれば実は余り問題はないんですけれども、実際には、立場の弱い派遣会社が消費税増税分を派遣料金に上乗せしなかった場合には、企業からすると、消費税の負担はふえないのに控除だけ受けることができるということになってしまうんです。

 実際に、過去、三%から五%に消費税を上げたときに、このことによって派遣がふえたんじゃないかということをこの新聞記事は指摘しています。

 そこで、ぜひ大臣に聞きたいのは、過去、消費税が上がったときに派遣労働者がふえたという事実があるか、それから、消費税率引き上げが派遣労働者数の増加に与える影響というのを厚労省としてどう考えておられるか、これについてお答えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 消費税が派遣労働に与える影響という御質問だというふうに理解をいたしました。

 消費税率が五%に引き上がった平成九年の場合、派遣がふえたのかどうか、こういうことだったかと思いますが、派遣で働く方の数は約三十四万人でございまして、前年同期は約三十万人でございましたので、約四万人増加した格好にはなっているわけでございまして、当時、派遣で働く方の数というのは趨勢的に右肩上がりであったことも申し添えておかなければいけないというふうに思います。

 何度も申し上げるように、消費税だけで派遣の人数が変わるということは余り考えにくいので、影響がどれだけあるかというのはなかなか難しいと思いますが、派遣で働く方の数というのは、今申し上げたように、まず景気がどっち向きなのか、雇用あるいは失業情勢がどっち向きなのか、それから、働く方々の中の御希望がどうなのかという労働者側の御意向、そういった本当にさまざまな要因によって影響を受けるものであって、消費税率引き上げの影響を、一概にここで、派遣労働をふやすか、減らすかというようなことで申し上げるのは、なかなか難しいというふうに考えております。

大西(健)委員 私も、それだけでというのはなかなか難しいと思いますが、この記事にも、例えば、一番下の段ですけれども、税法に詳しい青山学院大学の三木教授は、八%への引き上げの影響について、五%への引き上げ時にも間接的に派遣増加に影響を与えた、今回も云々というふうに書いてあります。そして、さっき言ったように、やはり仕入れ費とか外注費として派遣労働者を雇用する費用が経理上分類されているということがこういうところにも影響しているんじゃないかということを私は思っています。

 ぜひ厚労省でも、しっかりこの辺、精査をしていただきたいなというふうに思っております。

 さらに、きのうの参考人質疑、私は本当にいろいろないい御意見があったと思うんですね。幾つも気になる意見があったんですけれども、これもやはり大久保参考人の発言になるんですけれども、大久保参考人がこう言っておられました。法改正によってどれぐらいの人が正社員に変われるかというと、それは限界があるだろうというふうに発言されました。

 その理由として、派遣労働というのはジョブ型で、一方で、今はまだ日本の正社員はメンバーシップ型なので、企業の人事管理の中では、ジョブ型の派遣労働者を正社員に登用するのは難しいのではないかというふうに述べられました。それは、なるほどな、非常に理屈が通っているなと思ってお聞きをしました。

 これに関連して、次の資料をちょっとごらんいただきたいんですけれども、資料の一番最後のページ。

 これは先ほどの月刊人材ビジネスという派遣業界の業界誌ですけれども、非正規従業員から正社員に登用された実績を就業形態別に比較をしている。右の一番下に表が載っていますけれども、これは、この数字が大きい方が、より正社員になったということなんです。これを見ると、実は契約社員の方が一番、正社員登用実績が高くて、派遣から正社員というのは、パート、アルバイトよりも低い、こういう結果が出ているんですよ。

 この数字というのをどう理解したらいいかということなんですけれども、この月刊人材ビジネスの別の記事には、こういう解釈が書いてありました。これは、事業主にとって契約社員というのは、正社員と雇用形態や処遇は違うけれども、我が社のメンバーだとみなされている。ところが、派遣社員は、そのメンバーシップから外されている。

 山井委員の質疑も、たしか、派遣さんといって名前も呼んでもらえないと。要は、メンバーシップの一員だという意識がない。それに比べると、契約社員は、処遇とかは違うんだけれども一員になっているから、まだ正社員登用されやすいんだけれども、派遣というのはメンバーシップの一員と見られていないから、これはなかなか正社員になれないんじゃないか。

 まさに大久保参考人も、今回、雇用安定措置とは言っているけれども、派遣先の直接雇用、これは実際には、ジョブ型の派遣労働をメンバーシップ型の正社員にするというのは、現実的な感覚からすると難しいんじゃないかということを指摘していますけれども、この点、大臣、どう思いますか。

塩崎国務大臣 今、正社員の実態から見て、派遣労働者が正社員に登用されることについての数が、パート、アルバイト、契約社員から見ても低いじゃないか、こういうお話がございましたが、御指摘のとおり、派遣労働者の正社員登用というのは十分進んでいないのが現実でございます。

 それは率直に認めなければいけないと思っていますし、その改善を図るということが、実は今回の改正法の大きな主眼でもあるわけであって、派遣元に対して、今回、派遣先への直接雇用の依頼などの雇用安定措置というものを新たに設ける、それから、計画的な教育訓練等のキャリアアップ措置等の義務づけ、それから、派遣先に対しても、正社員募集情報の提供等の正社員化に資する措置を義務づけるとともに、キャリアアップ助成金で正社員化のインセンティブを高めているところであります。

 では、なぜ、なかなか派遣が難しいのかということの背景には、いろいろなものがやはりあると思います。

 例えば、前も申し上げましたけれども、実は、時給でいくと、派遣が非正規の中では一番高い。そうなると、契約、それからパートという順番に低くなってくるわけでありますけれども、先ほどお示しをいただいたところからの正社員になる登用率が高い、低い、確かにあります。さっき申し上げたように、派遣から正社員になる数字がまだまだ全く不十分だということもわかった上で申し上げれば、そういう賃金の構造というものもあるということも一つ念頭に入れておかなきゃいけないのかなというふうに思っているところでございます。

大西(健)委員 この資料の真ん中ぐらいに、これは派遣業界の専門誌ですよ、「派遣先企業における正社員転換の難しさを裏付ける結果となった。」と認めているわけですよ。やはり派遣から正社員がいかに難しいかということが一つと、それから、その要因はいろいろあるのは大臣おっしゃるとおりですけれども、私が今申し上げたように、ジョブ型の派遣社員がメンバーシップ型の正社員になるという道が現実は非常に難しい。私は、大久保参考人の指摘というのは重く受けとめるべきだというふうに思います。

 最後に、参考人の一人、自由法曹団の鷲見弁護士が、現行法に定める業務単位の派遣受け入れ期間制限が、実は、直接雇用を促進する機能を持っていたんだということを述べられていました。

 つまり、業務単位の受け入れ期間制限のもとでは、派遣先は、原則一年、最長三年の受け入れ期間の制限を超えると、その業務では派遣労働者を一人も使用できなくなる。例えば、製造ライン等で、百人単位の派遣労働者を使っているような場合に、一旦派遣労働者をゼロにしなきゃならない。そのために、多くの派遣労働者が直接雇用の申し込みを受けた事例が多数見られる、鷲見弁護士が今まで経験した中でもそういう事例がいっぱいあったというふうに言っていました。

 厚労省は、業務単位の受け入れ期間制限が直接雇用を促進する機能を持つことをお認めになるか、また、これまでのそのことをどう評価しているかについて、大臣の御答弁をお願いします。

塩崎国務大臣 先日行われた参考人の質疑の中で、現行法の業務単位の期間制限は、期間制限に達した際に業務自体はなくならないことから、その業務に従事していた派遣で働く方の直接雇用の契機になる旨の御指摘があったということだと思います。

 しかしながら、この業務単位の期間制限につきましては、いわゆる二十六業務は、これは全体の約四割を占めているわけでありますけれども、期間制限の対象外とされているほか、二十六業務に該当するかどうかがわかりにくいことから、二十四年の改正時の附帯決議でも見直しの検討を求められておって、個人単位と事業所単位というわかりやすい制度に見直すこととしたわけであります。

 なお、期間制限の仕組みを見直した場合においても、期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合には、本年十月に施行される労働契約申し込みみなし制度が適用されることとなっているところでございます。

大西(健)委員 いや、聞いたことと全然違うことを答えるんですよね。

 今言われた鷲見弁護士は、実際に自分が経験したとおっしゃっているわけですよ。だって、たくさんの派遣労働を使っていて、一人でも期間制限を超えたら、そこで一旦ゼロにしなきゃいけないわけですから、それが直接雇用の契機になる。これは、私はなるほどなと思いましたよ。これさえ何で素直にお認めにならないのかというのは不思議でならないわけですけれども。

 時間が来ていますので、もうこれで終わりにしますけれども、本日私が申し上げたように、改めて、厚労省として目指すべき望ましい働き方というのは何なんだ、それをもう一度確認しました。それは、皆さん自身がお認めになった、望ましい働き方ビジョンなんです。それは、期間の定めのない雇用であり、直接雇用であり、均等・均衡待遇の確保なんですよ。

 だから、その上で、間接雇用である派遣労働というのはやはり問題ですよねということをきょう私はるる申し上げました。

 派遣は、あくまで臨時的、一時的なものであるべきであって、派遣をふやして固定化する、そういう法改正には断固反対であることを申し上げて、私の質問を終わります。

渡辺委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 民主党の阿部知子です。

 私は、まず冒頭、大臣にお礼を申し上げたいと思います。

 けさ、大臣は、記者会見で、せんだって来問題になっております一〇・一ペーパー、これが派遣労働者の立場や人権に対して非常に配慮のないものであったということを、私が謝罪されたらどうですかと申し上げて、大臣は真っ正面からそれを受けとめて、けさ方、謝罪の記者会見をしていただいた。

 この派遣問題、特に派遣で働く労働者の皆さんを、一つの職場で仲間とみなすか、あるいは異分子とみなすかというのは非常に違うことですし、そこが人間の根幹ですから、大臣が、まずこの審議に当たってその点をきちんとわきまえていただいたこと、私は、なかなか謝罪できない人が多い中にあって本当によかったと、まず冒頭申し上げます。

 その上で、一つ目の質問ですが、きょう、井坂委員が坂口さんと幾つかの御質疑がありましたけれども、大臣に伺いたいのは、あの質疑を聞かれて、やはり坂口さんの答弁というのは事実に対して不正確であった、このことをお認めになりますか。答弁として不正確であったと。駐車場の例を出して、それは二十六業種の中の極めてレアなケースで、それをもって遡及して、二十六業務の人がこれからも期間制限なく働けるかの印象を与えてしまったという意味で、不正確、なおかつ不的確であったと。どうでしょう。

塩崎国務大臣 大岡議員とのやりとりの中で、坂口部長が誤解を招くような説明をした、不正確な説明に受けとめられたということは、私も、そのとおりだったかな、あの流れの中ではというふうに思っておりまして、正確性を期した答弁をさらに努力するということが大事だというふうに思います。

阿部委員 私は、いろいろな立場と考えはありますが、事実を過不足なく伝えるというのが審議の前提ですので、その点についても、今の大臣の姿勢はよしとしたいと思います。

 三点目。その上で、大臣が水曜日に私に御答弁いただいた中で、明らかに誤った答弁がございます。これをきょう訂正していただきたいので、資料の最後につけましたので、ごらんになっていただきたい。議事録をつけさせていただきました。

 質疑の内容を簡単に御紹介しますと、先ほど話題になった坂口政府参考人と大臣の御答弁にそごがございまして、私がお尋ねしたのは、派遣元無期雇用が派遣先でも無期になる、無期、無期と私は並べましたが、その方たちの割合はどのくらいあるでしょうと。これは、坂口政府参考人は、調査しておりませんし、わかりませんという御答弁でありました。それはひどいわねと私は申しましたが、大臣はこのことについて、先生お尋ねの、無期で、二十六業種は無期ですけれども、期間の定めなしというのは一・一%でありましてというふうにお答えになりました。

 私が、無期、無期なのはどのくらいと。大臣は、無期で期間の定めがないのは一・一とお答えですが、これは事実とは異なりますよね、大臣。御答弁ください。

塩崎国務大臣 これにつきましては、その際にたしか平成二十四年のアンケートを使ったわけでありますが、実は一・一というのは、二十六業種だけではなくてトータルの数字で、なおかつ、二十六業種の話がずっと続いていた後で先生から無期、無期の話を言われていながら、二十六が全て無期ではございませんので、二十六業種という意味でのお話かなと思って誤解をいたしまして、なおかつ、二十六、これは全部ずっと書いてあるんですけれども、その上に総数というのがあって、私はその総数の数字を読み上げて、実は中身は、傾向としては変わっていないものですから、それで申し上げてしまったんですが、その総数は、実は二十六以外を含めた総数。それで、二十六プラスそれ以外の相手の期間の定めなしという派遣契約期間のものが一・一%ということでございまして、大変申しわけないと思います。

 ただ、例えば二十六業種の中で大変多い事務用機器操作、これが多分一番多いと思いますが、これとて五四・三%が三カ月以内となっておりまして、この間申し上げたのは、総数でいくと、三カ月以内の派遣契約は四二・一%だったんです。ですけれども、一番多い事務用機械操作だと五四・三が三カ月以内の短い派遣期間を契約更改しながらやって、ですから、三カ月以内ごとに、契約が更新されるかな、どうかなということを考えなきゃいけない状態にあるんだということを申し上げたかったので、大変申しわけない。

 改めて整理をして、二十六業種、その中の無期だけを取り出してみるのは多分このアンケートでは難しいのではないかなというふうに思いますが、改めて、ここの中でわかる範囲内で、二十六とそれ以外、そしてトータルと、それぞれの期間が別のものを御用意してお届けしたいというふうに思います。

阿部委員 大臣が、派遣労働の短期に契約を繰り返すことの不安定さということをお伝えになりたかったという趣旨はわかりますけれども、大臣の御答弁には二つの大きな誤りがあるんですね。

 一つは、無期で、二十六業種は無期ですけれどもと。二十六業種だって無期雇用じゃないんですね。これはもう明らかに事実と異なるんです。そして、今御説明にあった一・一%というのは、全部の職種の中で無期契約を派遣先としているのが一・一ですから、この二つは大きく誤っていると思います。

 私は、このことから何を見るかというと、先ほどの坂口政府参考人の答弁も極めて曖昧だし、不正確だと思うんです。大臣も、善意はわかります、不安定雇用の繰り返しだということを伝えたかった、その思いは私は大事だと思いますので理解いたしますけれども、労働法制というのは、私もふなれですから思いますけれども、言葉一つが非常に難しいし、特に派遣労働というのは迷路のようなややこしい中に入っております。そういう審議であればこそ、一〇・一ペーパーを問題にいたしましたのも、事実を共有しよう、エビデンスベーストといいますから、そこから、いろいろな意見があってもいい、スタンスがあってもいい、だけれども、事実が共有できなければ審議の前提がないじゃないかというのが私の指摘したい部分であります。

 大臣、委員会が始まってから、一〇・一ペーパー、井坂さんの本会議質問、そして井坂さんと坂口さんの先ほどの答弁の問題、今、大臣の善意であれ誤解が四つも五つも、もっとあると思うんですね。私は、こうやってどうしてこの権威ある厚生労働委員会が、厚生労働委員会は花形委員会だと思います、そこで何でこれだけ単純ミスといいますか、とても起こり得てはいけないことが起こるのか。私は、その背景に、やはり行政サイドの焦りがあると思います。

 よいものをつくらなければ、結局、派遣労働者の実態も把握できないまま、無期、無期はどのくらいというのも、それから、後ほどお尋ねする賃金についてもデータはまだいただいていません、何度も投げて、私の質問時間前に来るかと思っても来なくて、こういうのは私、審議の前提にならない、本当に悲しく思います。

 大臣は、この間、どうしてこんなに、ちょっと走ってはがたん、がたん、がたんと突っかかってしまうのか、このことについて大臣の御認識を教えてください。

塩崎国務大臣 私どもの脇が甘いということは認めないといけないと思っています。

 一方で、ぜひ、こういう細かい数字を、今さっき私も繰り返して申し上げましたけれども、少し前もって準備をさせていただいて答えられればありがたいなと思っておりますが、いずれにしても、全体的にもう少し準備を私どももした上で、しっかりした答弁をすることを心がけなければいけないというふうに思います。

阿部委員 委員長、今の大臣の御発言を聞いていただけましたでしょうか。

 私は、実は、これは質問予告もしてございました。井坂さんも、本会議質問も予告をしてあったし、でも、大臣の答弁が勘違いであったと。きちんとした時間をとって、データを出して審議したい、これは大臣のおっしゃるとおりです。

 くれぐれも、委員長は、この委員会の運営に当たって、今の大臣のお気持ちもしんしゃくして、私たちがきちんと正しいデータで、そして誤解のない論議をできるように委員会運営をお取り計らいいただきたいですが、いかがでしょう。

渡辺委員長 理事会で協議いたします。

阿部委員 失礼ながら、そんなことは理事会で協議するようなことではありません。委員会の審議の、失礼ですが、前提です。だって、いつもいつも間違った答弁や誤解の答弁や事実と異なるものであれば、委員会なんか成り立たないじゃないですか。委員長、申しわけないけれども、そんなことまで理事会で協議ではないと私は思います。委員長の達見、それだけの権威はあると思います。

 前提ですから、今のお話は心得ましたとおっしゃっていただきたいが、どうでしょう。

渡辺委員長 委員会運営につきましては、やはり理事会で協議することが大前提でありまして、私は、委員長として、理事会の合意というものが大事だ、そのように思っております。

阿部委員 済みませんが、一〇・一ペーパーでも申し上げたのは、私は、与野党合意云々以前に、ちゃんと事実に基づいたデータが出なければ共有できない。意見の差はあってもいいんです。当たり前です。なければおかしい。立場も違う。だけれども、私が申し上げたのは、その審議の前提のデータの扱い方だけなんです、逆に言うと。それが与野党で協議したりすることになってしまったら、とんでもないです。与野党で協議して、もし多数決でそんなことはもういいよとなったら、それで進むということですか。

 委員長、恐縮ですが、何度も私はこんなことをやりたくないけれども、委員長の基本スタンスですから、事実に基づいた協議が、審議が行えるよう委員会として努力します、そのとおりでよろしいですか。

渡辺委員長 委員会は、まずは適正なデータを出していただいて、それに基づいて審議する、それは当然のことであります。

 ぜひとも、厚生労働省においては適切なデータを出していただくよう、私の方からも要望いたします。

阿部委員 ありがとうございます。

 では、本論に入らせていただきます。

 私も、きょう、ずっと委員会の審議を聞いておりまして、実は、塩崎大臣は、今回の派遣法改正によって、一つは、派遣はあくまでも臨時的、一時的で、常用代替防止をしなきゃいけない、そのポストが常用で、常用労働者の雇用をとるようなことがあってはいけないという意味の常用代替防止と、あわせて、今回の改正は、人に着目して、派遣労働者の保護を図るものであるという思いに立たれていることはわかりました。

 では、果たして大臣のその思いの実効性を担保する法改正であるのかどうかということでお話をさせていただきますが、大臣が、派遣労働者を保護するためにとお考えなのは、主には二つであると思います。一つは雇用安定措置、いま一つはキャリアアップという、大体この二つを繰り返しおっしゃっております。

 さて、雇用安定措置についてですが、四点ございます。恐縮ですが、一つ一つ確認をして、答弁をいただきたいと思います。

 もしも三年の期限でその職が続かないというような事態が今後起こった場合には、一番目は、派遣先への直接雇用を依頼するというのがございます。

 私は、この直接雇用の依頼をするには、二つの問題があると思います。先ほど大西委員がお述べになりましたが、これが業務単位であれば、三年たって、その業務はもう派遣の人を受け入れることができないというのが、業務単位の期間制限です。業務単位の期間制限とは、三年たったら、その業務にはどんな人であれ派遣は受け入れられない、だから誰かを正社員にしなきゃいけないということです。これが業務単位の期間制限です。

 これを人に変えました。人に変えた途端、同じ仕事が、Aさん、Bさん、Cさんでもよくなります。すなわち、業務単位の期間制限が持っていた、おのずと三年たったら正社員を入れなきゃいけないという役割が低下していますが、先ほど大西さんと少しやりとりがありましたが、私は不十分だと思います。

 この認識について、いかがですか。業務単位であれば、その業務は三年以降は人を正社員に置かねばならないということですよね、大臣。どうですか。

塩崎国務大臣 正社員という言葉がふさわしいかどうかは、少し違うのではないかというふうに思いますが、まず、業務単位の場合の、三年たったときにどうなるかということで、今、正社員でないと無理じゃないかというお話ですが、直接雇用ということはあり得るということですね。

 一方で、今までの業務単位の規制では、係をかえれば派遣の人がそのままいられるということになっていたということも事実で、それがために、今回は、事業所単位の期間制限と個人単位の期間制限で、両方とも入れるということで、一つは常用代替を回避するように、もう一つは個人単位で、三年ごとに御自身のキャリアを言ってみれば考えるということだと思います。

阿部委員 大臣、ここが今回の改正の最も問題であり、最も論議のあるところなんですね。

 大臣は、この業務が派遣を受け入れられないなら場所をかえればいいみたいな答弁でしたが、そうではなくて、今までの常用代替の防止、並びに、この業務については、正社員というのは私の表現がよくないですね、直接雇用にするというのは、必ずそのポジションは、この仕事は直接雇用の人しかやれないんですよ。そのことによって、誰かが直接雇用になれるんですね。

 でも、今度は、三年で人を、Aさん、Bさんにかえ、Cさんにかえれば、三人とも派遣なんですね、かわる人も。ここが一番大きな改正点なんです。

 そうであると、大臣がせっかく直接雇用にしたいと思っても、チャンスが少ないんです。そのチャンスが極めて少なくなる、直接雇用の。おわかりになると思います、よく考えてください。だって、この業務にはもう派遣は置けないんですよ。そうしたら、誰かを直接雇用にするしかないんです。それが、三年単位の期間制限なんです。

 大臣、もう一度、しつこいようですが、でも、私が一番問題にしているのはこの点です。それから、二十六業務の人が一番不安に思っているのもこの点です。人に着目したからいいというふうに大臣は心底思われているんだと思いますが、実態はそうではありません。いろいろな業務があって、ここも三年たったら、どんな人もその業務は派遣でやれないんです、直接雇用でしか。それが今までの法律であります。人をかえて、みんな派遣で、だから全員派遣とか生涯派遣とか言われてしまうんです。

 大臣、この私の趣旨、おわかりですか。

渡辺委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

渡辺委員長 速記を起こしてください。

 塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 今までは係をかえればまた同じ人が派遣でいけるというふうなことがあり得たわけですけれども、今回は、正社員なりがやはりほかのところから来て、同じ業務は担わなきゃいけないということになって、それは、外から来るか中から来るかはまた別問題で、基本的には多分中から来るというのが普通かなというふうに思います。

 ですから、一方で、今回は、御案内の意見聴取というプロセスを強化して、説明義務と周知義務というのをやって、その業務の中でどういうふうに派遣を続けるかどうかという問題については、意見聴取という、言ってみれば労使の自治を導入して、導入というか今もありますが、この説明義務と周知義務は新たに義務づけているわけでございますので、そこのところで歯どめをかけるということに私はなると思います。

阿部委員 まず大臣、もう一回言いますが、この業務をやっている人が三年になったら、この業務についてはもういかなる形でも直接雇用しかだめなわけですね。

 今大臣は、会社の中から持ってくることもあるでしょう、でも、外から持ってくることもあるでしょうとおっしゃったでしょう。そうしたら、外から持ってくる人は、ここで直接雇用になれるんですね。一つでもチャンスはふえるんです、この業務が三年以上派遣でやっていけなければ。いいですか、中から採ろうと外から採ろうと、外が例えば十対一でもいいです、そこで正社員になれるんです。同じこの派遣の人は、またこっちの係に行くということもあるかもしれません。でも、ここに直接雇用のジョブチャンスをふやすというのが業務単位の見直しなんです。

 もう一方の、大臣の御答弁の多数派組合のお話は、これはあくまでも常用代替防止の、そして多数派組合の大半は、三年たってもそれでオーケーというような、ある意味でルールにもチェックにもならないんですよ。それは私も井坂さんも何度も申し上げたと思います。常用代替防止の仕組みは、正社員にとっての一つの保護であっても、派遣労働者にとっては保護はないんです、多数派の組合の意見を聞くというのは。それくらい固定しちゃっていると言ってもいいでしょう。

 そうすると、派遣労働者に残された、より多くの直接雇用になるチャンスは、業務単位の見直しなんですよ。ここの業務にもう派遣は置けないとなることが、チャンスは少ないかもしれないけれども、生まれるんですね、チャンスが。この点、大臣、本当によく理解していただきたいんです。

 私は、私もさっき申しましたが、自分が決して労働分野に強くない、そして、これをずっとこの法案が始まってから、何が問題か、何が問題か考えて、最後にたどり着いた結論、きのうの鷲見さんという弁護士さんがおっしゃったので、そうかと思ったところです。大臣が今それを自覚されなくても、私はまた次に、私だって時間がかかりましたから、大臣にも考えていただきたいです。でも、本当にここが大事なポイントなんです。

 そして、次、二点目、新たな派遣先の提供。これは、大臣も経済にお詳しいからよくおわかりでしょうか、経済次第なんですね。新たな派遣先を提供したくたって経済が悪かったらそうもいかないよとさっきどこかでやじがありましたが、私はそのとおりだと思うんです。

 きょう、お手元の資料の二枚目を見ていただくと、リーマン・ショックのときにいかにたくさんの派遣労働者が解雇されたか。パートやアルバイトに比べても、正社員に比べても派遣は解雇率が高いというグラフが示されております。これももう大臣も御存じだと思います。経済次第で派遣先というのは揺れるんです。その不安定さをもろにかぶるのが派遣労働者なんです。

 だから、大臣は善意でこれは派遣先の紹介ということを今度は義務づけましたとおっしゃるけれども、義務づけられた派遣だって、正直言って困っちゃうと思います。

 大臣、私の今申し述べたこの二点目の問題意識をわかっていただけますか。いかがでしょう。

塩崎国務大臣 雇用が経済次第だということはユニバーサルに言えることで、これは派遣であろうと何であろうと同じことだというふうに思います。

 一般に、派遣労働は直接雇用の労働者に対してやはり非常に弱いわけでありますので、今回、いろいろ御批判をされますが、例えば雇用安定措置とかキャリアアップ措置、こういうものも、やはり今までと比べてどうなのかというところをよく見ていただかなければいけないのであって、改悪をしているということであれば、そこは議論の余地があるところだというふうに思うわけで、リーマン・ショックのようなときにいろいろなことが起きたことは私もよくわかっていますが、それは経済をどうするかということも政権としてもしっかり考えていかなきゃいけないことだというふうに思います。

阿部委員 私が改悪だと申しているのは、業務単位の見直しから人単位に変えたことです。これについて、大臣、私はきょう宿題にしましたので、引き続いて討議をさせていただきます。

 三点目、派遣元での無期雇用。大臣のお手元のペーパーの一枚目、御説明にある、派遣元での無期雇用って何でしょう。説明をお願いします。

塩崎国務大臣 いわゆる派遣会社の派遣労働者ではない職種としての無期雇用ということでございます。

阿部委員 大臣、御自分で御答弁されていて、それって何だろうなと思われませんか。

 では、具体例で教えてください。リーマン・ショックのときに、たくさんの無期雇用の人も派遣先から契約を切られたんですよ。こういう派遣元の仕事で、派遣元で無期雇用になった人はいたでしょうか。リーマン・ショックのときに、仕事がなくなった、じゃ、いいよ、派遣元で無期雇用にしてあげようなんという例はあったでしょうか。調査したでしょうか。なかったら、これは非常に非現実的です。だって、派遣業をやっている人が、派遣以外の人を抱えてどうしますか。何をやってもらいましょう。どのくらいの必要がありますか。極めてレアじゃないですか、いかがですか。

塩崎国務大臣 これだけでいこうと言っているわけではもちろんないわけでありまして、派遣元で無期雇用されないということは決まった話でもないので、幾らでもそれは、大きい会社であれば数もあるでしょうし、経理だとか、いろいろな形であり得るというふうに、だって、社員として会社を回していかなきゃいけないということがありますから、そこはいろいろあり得るというふうに思います。

阿部委員 大臣、本当に経済をよく知った大臣がそんなことを言うとは思えません。会社だってもう人はいるんですよ。そして、景気が悪いからみんな派遣先から切られて、その人たちも引き受けられる会社があったら、私は、よっぽどそれは余力のある、よっぽどですよ。普通、どこだって厳しいから、自分の会社だって、派遣元の会社だってダウンサイズするんですよ。当たり前じゃないですか。

 では、これも宿題にしましょう。大臣、本当にリーマン・ショックのときに、派遣元が雇用を吸収して無期雇用にして、自分のところで派遣以外の仕事をつくった、そんな例は調査で浮かんできたでしょうか。

 私は、きょう実は派遣労働者の賃金についてお尋ねをするはずでした。でも、きのうからずっとデータを待っていて、厚生労働省、そば屋の出前みたいに、今行きます、今行きますとずっとやって、この質問の瞬間まで来ないんですよね。

 委員長、お願いがあります。

 私は、審議時間を大切にしたいです。でも、資料をいただかないと、お約束した資料もいただけないと、やれません。派遣労働者の賃金実態、特に、二十六業種などが始まって二十年、三十年とたって、もともとのその人の賃金が上がっただろうか。だんだん下がっているんですね。この点について次回質問させていただきますし、本当はこの場で欲しかった資料であることを申し添えて、終わらせていただきます。いい審議ができるよう、よろしくお願いします。

渡辺委員長 承りました。

 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本です。本日も質問の機会をいただきました。

 委員長、私からもお願いしたいと思います。

 水曜日の金曜日、中一日だから出せないと厚生労働省は言われますけれども、であれば、やはりきちっと資料が出てから審議をするのが筋だと思います。

 そういう意味で、私のところにも、前回水曜日の質疑で、三十条の適用事例の説明であったり、また、マージン率の公表についての考え方であったり、そしてまた、公表されていないマージン率の、数字だけですけれども、なぜあんなにマージン率が高いのか、その内情を調べると言われたんですが、これについても出てきていない。そば屋の出前という話がありましたけれども、資料を出す資料を出すと言われても、水曜日で金曜日だからとても出せない、こう厚労省は言われるわけでありますから、こうした実態を踏まえたときに、本当に十分な質疑ができるのかということを懸念しています。

 どうか委員長、こういう実態であるということを踏まえて委員会の開催をぜひ御検討いただきたいと思います。

渡辺委員長 資料については、速やかに提出するように要請をいたします。

岡本(充)委員 とにかく、資料が出てこない。どういうふうな実態なのか、前回もお話をしました。

 マージン率はひどいものがあった。労働者の皆さん方に、一万円の派遣料金をもらっておきながら千数百円のお金しか渡さない、残りの八千五百円以上のお金をピンはねしているというこの実態は、ピンはね率といっても余りに高過ぎる。先ほど中間搾取という話がありましたけれども、これは搾取にほかならないわけですよ。

 一万円の料金をもらって千三百円しか払っていない、残りは全部派遣元の会社がもらっている、そして働かせているというこの割合は事実だったわけですから、やはりこの内容を踏まえて、中間搾取をさせないと先ほど大臣は言われたわけですよ、こういう実態じゃないかと疑いたくなるような数字をしっかり検証する必要があるというふうに私は思っています。

 その中で、では、マージン率を公表するかどうかという話、ちょっとこれだけ触れておきたいと思います。

 お配りをしている資料の一ページ目、労働者派遣法の二十三条には、前回の質疑でもありましたけれども、「あらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。」と書いていますが、これは誰に対してとは書いていないんですよ。大臣は関係者に対してだと言われますが、これは誰に対してとは書いていない。

 そして、なおかつ、これは当時の立法の趣旨ではなくて現時点で、二ページ目、二つ目のパラのところの真ん中の右の方ですけれども、「派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める割合(いわゆるマージン率)などの情報公開を義務化」と書いている。政府が言うところの情報公開は関係者だけに知らせればいいんですか。違うんだと思います。私が見に行っても見られる、私でも知れる、もしくは、調査をしたい、そうした学者の方も調べることができるというのが公開なんですよ。

 一方で、これはどういう実態になっているかというと、少しめくっていただいて五枚目、今現状のホームページ上どうなっているかというと、「マージン率などの情報提供」と書いて、「派遣料金の明示」に変わっているんですね。公開から明示に変わっている。それから、「情報提供が義務化されます。」と書いていながら、そこには公開という文字が抜けている。何でこういうようなダブルスタンダードでやっているのか。

 もっと言えば、よく立法の趣旨、立法の趣旨と副大臣は言われますけれども、課のときに言われましたね。どういう答弁をされたかというと、最後から二枚目のところ、山本副大臣はこう言った。我々としては、きちんと、ここの直接の権限を有するものとして厚生労働省令で定めるものというものを課相当ということをこの国会の場で申し上げさせていただいていますと。

 国会で申し上げている立法の趣旨が重要だという話をされた一方で、二十四法改正のときの当時の立法の趣旨はどうなっているかというと、一枚目です、長妻大臣も、それからここにいらっしゃる牧当時の副大臣も、小宮山大臣も、皆さん、マージン率、情報の公開の義務化と国会で答弁しているんですよ。なおかつ、厚生労働委員会、前回の委員会でも、大臣は、ディスクローズですから、行って見るということは可能だと思いますと言った。大臣すら勘違いしていたんですよ。事実、勘違いしていたから、後で答弁を修正されたんだと思います。

 そういう意味で、これまで累次にわたって役所は公開だ公開だと大臣や政務に説明をしておきながら、一方で、こそくなことに、公開という言葉を抜いて別のホームページには載せている。どうなんですか、これは。立法の趣旨、こう言われるのであれば、当然公開じゃないですか。

 どれだけピンはねをしている会社がどれだけいるのか、そして内容がどうなのか、きちっとわかるように、中間搾取をさせないためにも、法律に書いてあるとおり、義務化で公開をさせるべきだと思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 平成二十四年の改正法によります改正事項の中で、いわゆるマージン率の公表というのが入っているわけでありまして、これについて、過去の答弁で情報公開を義務づけとしているところでございますけれども、これは、当時の答弁等においても、派遣労働者や派遣先等を対象としているところでございまして、広く一般に公開まで求めているものではないと考えてまいったところでございます。

 今回の改正の検討を行った労政審において、その見直しの是非について議論をされたところでございまして、平成二十四年の十月に施行されたばかりであったことから、これはこの間申し上げたと思いますけれども、建議において、施行状況についての情報の蓄積を図って、見直しについて引き続き審議会で検討を行うことが適当とされております。

 今後、平成二十四年改正の附則には施行後三年を目途とした見直し規定がございまして、労政審においても、施行状況の蓄積を図りつつ、審議会で検討することを求められていることから、この見直しについての議論を行う審議会においての重要な論点として検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。

岡本(充)委員 下を向いてカンニングペーパーを読まずに、大臣、冷静に考えてください。

 情報公開という言葉を使って立法趣旨を説明しているんですよ。趣旨説明で話しているんですよ。

 なおかつ、三枚目、私の事務所から探しました。当時、二〇一〇年十月に民主党の厚生労働部門会議でこれを配って説明している。情報公開を義務化。その次のページもそうです。肝は労働者の待遇改善だ。そのためにマージン率の情報公開。

 情報公開というのは、政府が言うところの情報公開法はどういう定義だというと、第三条に、何人にも開示請求権はあるとしているんですよ、何人も。

 今大臣が言っているのは、何人もじゃない、関係者しか開示請求権がないと言う。これは政府のダブルスタンダードじゃないですか。どっちなんですか。何人もなんですか、関係者だけなんですか。情報公開というのは、どちらなんですか。

山本副大臣 どちらかと言われましたら、立法の趣旨からいいますと、関係者だけになります。

岡本(充)委員 これは時の共産党の志位委員長にも答弁しているんですよ。誰が質問者かはちょっと紙面の関係上書いていませんが、そのときの質問をされた人だって勘違いしていますよ。しかも、大臣だって現に勘違いしていたじゃないですか。

 そういう意味で、役所はこういうレクを繰り返してきた。そして、国会でも、立法者の趣旨と言って、公表させる、情報公開だと言っていて、今になって変えるその理由がわからない。どうして情報公開が関係者だけに変わったのか、きちっと説明をしていただきたい。

 この当時は、情報公開と言っている。答えは二つしかない。一つは、厚生労働省の指す情報公開とは、関係者しか情報開示請求権がないという理解か。

 ちょっと聞いてください、副大臣。手を挙げるのはまだ早い。一つしか言っていません。

 いいですか。だから、関係者しか情報開示請求権がないと厚生労働省は考えるのか、それとも、このとき言っていた情報公開という立法の趣旨は変わったのか、どちらですか。

山本副大臣 立法の趣旨は変わっておりません。当初から、先ほど委員の方がお読み上げになられましたけれども、労働者派遣法第二十三条第五項のところにおきましては、「関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。」となっております。

 ここにおきまして関係者という定義はございませんけれども、この立法の趣旨に鑑みれば、関係者というのは、派遣労働者やまた登録者といった派遣労働者になろうとする者、派遣先や派遣先になろうとする者であるというふうに解釈されているわけであります。決して変わっているわけではございません。

 そして、ほかの法律の方から引っ張ってこられていますが、それぞれの法律、それぞれの趣旨がございますから、ここにおきましての関係者というのは、立法のときから、今申し上げたような形の、広く一般に公表するという趣旨ではないという形でなされております。

岡本(充)委員 それはおかしいですよ。

 「あらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして」、ここまでなんです、関係者がかかっているのは。事項に関して情報提供しなければならない対象はここに書いていないんです、条文上。

 それからもう一つ。

 情報公開という言葉に対して、繰り返しになりますけれども、では、厚生労働省が使っている文言と、いわゆる情報公開法に言われるところの情報公開という文言の定義が違うという理解なんですか。一緒のはずですよ。

 法令上の言葉、もしくは国会での答弁。先ほど大臣は、労政審で言ったんだからいいと言いますけれども、国会で既に立法者の趣旨として示している。副大臣だって、これが課だと言ったときの答弁、最後に載せさせていただいたとおり、このときも、国会で答弁しているんだから、これが趣旨なんだ、文言ではなくて私たちの立法の趣旨を理解してくださいと言われたじゃないですか。

 そういう意味でいえば、まさに国会で繰り返し、政府として、マージン率を派遣会社に公表させる、もしくは情報公開をさせる、こう言ってきているのは事実なんです、何度にもわたって。

 一回だけなら、確かに、そのときの話が間違っていましたということがあり得るかもしれないけれども、年をまたいでこれだけ答弁をしてきたら、それはおかしければ、それまでの間に訂正するべきだ。それをやらなかったということは、事務方は、国会に対しては情報公開だと言い、一方で、労政審に対しては、そちらでは、いや、関係者だけですからと言って、二枚舌を使っていたということの事実ですよ。

 そういうことではけしからないと言っているわけですから、どちらかちゃんと整理をして答えてもらわないと質疑が続けられないから、きちっと整理をして答えてください。

山本副大臣 平成二十四年の改正におきまして、派遣元にいわゆるマージン率の情報提供を義務づけたのは、派遣労働者等の関係者が適切な派遣元事業主を選択できるようにする、ここに主眼があるわけです。ですから……(岡本(充)委員「そんなこと答弁していない」と呼ぶ)今答弁しているじゃないですか。聞いてください。

 そういう形で、適切な派遣元事業主を選択できるようにするということに主眼を置いているから、二十三条のところの関係者というところにおきまして、その趣旨で先ほど御答弁申し上げたわけでありまして、決して、当時と今と違うということではないと思います。

岡本(充)委員 立法者の趣旨として、こういう答弁を繰り返しているんですよ。文言でぎりぎり言うのなら、大臣が言われるように、あれが課と読めるのかという話をした話と同じです。あのときには、副大臣は、書いてある文字ではなくて、立法者の趣旨として私はこうやって答弁しているじゃないですかと言っておきながら、今度は、こっちは、立法者の趣旨ではなくて文言だと言っている。

 そうではなくて、私は、繰り返しになりますけれども、立法者の趣旨としてこう答弁をしてきたわけですから、一方で、その当時であれ、その直後であれ、労政審においては関係者だけなんだと言っていたというのは、これはまさに二枚舌だと言っているんです。

 したがって、もし、情報公開という定義を変えたというのならわかります。そうでないならば、合理的な答弁になっていませんから、答弁を整理してもらわないと、実際に情報公開をするべきなのか、しないべきなのか、これではわからないじゃないですか。情報公開をしなくていいと言っているのなら、このときの答弁を変えなきゃいけない。今の話で、情報公開をしなければならないのであればしてください。どちらですか。

山本副大臣 当時の長妻大臣も、本会議におかれまして、マージン率を法案で義務として課していますと。これによりまして、派遣労働者がよりよい待遇の事業所を選択することができるようになりますということなんです。

 派遣労働者の方々に対してきちっと情報提供をするという、ここが主眼なんです。法律上、私たちは法律にきちんと基づいてやらなくちゃいけないわけでありまして、情報の提供と書いてあります。

岡本(充)委員 では、一方で、ホームページに情報公開の義務化と書いているじゃないですか。情報公開の義務化と今でも書いているんですよ、ホームページに。情報公開の義務化と書いてある。

 この情報公開の義務化というのは、では、うそだということですか。

山本副大臣 公開と書いてあることによって、誰にとまで書いていないわけであります。

岡本(充)委員 繰り返しになります。

 であれば、何人も開示請求権がないということですね。情報公開と言っているということは、何人でも開示請求権があるということです。その定義が違うのか、合っているのか、どちらですか。情報公開という言葉は、何人も開示請求権があるのか、開示請求権は限られるのか、どちらですか。

山本副大臣 おわかりでおっしゃっていると思うんですが、情報公開法の法律の規定は規定として、ここに書いてあるものと一緒になるものではないと思うんです。

 ですから、きちんと、労働者派遣法に基づく規定におきまして情報を提供させていただいているわけでありまして、関係者に対して情報を公開しているということでございます。

岡本(充)委員 それは情報公開とは言わないんですよ。情報公開というのは、何人も開示請求権があるという定義だと思っていますが、では、もう一回確認しますけれども、情報公開というのは、関係者だけに示すことを情報公開というということですね。確認です。

山本副大臣 繰り返し申し上げますが、労働者派遣法に基づいて私たちはそういう行為をとらせていただいているわけでありますから、情報公開法は情報公開法の対象によって変わるものでありまして、この法律をこの法律、ごっちゃになっておっしゃっていらっしゃるんですけれども、ぜひ御理解いただきたいと思います。

岡本(充)委員 それはおかしいですよ。情報公開という定義は一体、だって、ホームページも情報公開を義務化と今でも書いているんですよ。情報公開を義務化と。だから、もしそうだとすれば、情報公開とはこれは書けないんです、当然のことながら。関係者に対して提示だという話をやはり言わなきゃいけない。

 それから、立法者の趣旨として、やはりこれは、この当時の答弁、いや、もしそうだと言うなら、それこそ、関係者の皆さん方にまた聞いていただければいいと思いますけれども、立法の趣旨としてこういうものを配り、そしてなおかつ、ペーパーとしてもこういうものを当時配っていたという事実はあるわけですから。当然のことながら、情報公開を義務化と皆さんが思うのは当たり前の話なんです。

 公開するのは、情報公開ということは、開示と公開は意味が違うんです。公開と開示は違うんです。公開と開示は違いますね、意味が。情報を開示というのならわかる、情報を公開というのは意味が違う、そう私は言っているんです。

 したがって、当然のことながら、この文章に従って開示をするか、もしくは、情報公開という言葉を、厚労省の解釈として情報公開法と違う解釈をしているというのか、どちらか。どちらかだけ、余り長く答弁していただかなくていいです。お答えください。

塩崎国務大臣 先ほど来、岡本先生から情報公開法の話がありましたが、確かに、情報公開法には、第三条に「何人も、この法律の定めるところにより、」というふうに書いてございます。

 先ほど来、山本副大臣から申し上げているように、二十四年改正のときに、この法令上の関係者ということが今問題になっているわけでありますけれども、この定義は、先ほど申し上げたように、定まったものがないということでありますが、立法趣旨に鑑みれば、派遣労働者や登録者あるいは派遣労働者になろうとする者、派遣先や派遣先になろうとする者であると解釈をされているわけでありますけれども、先生御指摘のように、確かに不明朗なところがあって、この点については、平成二十四年の十月に施行されたばかりであったので、労政審でも、去年の十一月に、見直しをしっかりやって、この情報の蓄積を図って、今後どういうふうにするかということを考えていこうということになっているわけであります。

 先生が御疑問になっていらっしゃるところについては、確かに、何人もとは書いてないのは、何人もと書いてあるのは情報公開法の方の話であって、こちらの法律では、今申し上げたようなところが対象だということで関係者を理解しているというのが現状でございます。

岡本(充)委員 それはダブルスタンダードなんですよ、やっぱり。だから、何人もと言っている以上は、私は、開示と公開は違うと言っているんです。開示と公開は違う。

 したがって、これは、立法者の趣旨として、政府の一貫性として、もっと言えば、役所のレクとして、これはやはり、この当時は情報開示だと言ってレクをしていたはず。だから、こうやって累次にわたって答弁しているんですよ。これは重要な部分ですよ。二十四年法の重要な部分ですよ。(発言する者あり)

渡辺委員長 静粛にしてください。

岡本(充)委員 そういう意味で、これはダブルスタンダードだ。

 ちょっと、その答弁では、とてもじゃないけれども質問を続けられない。

 これは、だって、おかしい。当時、公開と言っていたんです。開示と言っていたんなら別です。公開と開示は違うんですから、そこをきちっと整理してもらわないと答弁にならないと思います。

 ちょっと、同じ答弁を繰り返されても時間が過ぎるだけです。公開と開示が違うことは、委員長、わかっていただけると思います。したがって、私が言っているのは、公開するのであれば、当然、何人もなんです。公です。だけれども、開示は、確かに関係者だけの可能性はある。公開と言っていた。

 これは、変わったんなら変わったでいいんです、次の質問に入るんですから。だから、そこは、変わったんなら変わった、公開から開示に変わったんだというなら別です。そうでなければ、政府として、もしくは、情報公開法でいうところの情報公開という定義と、厚生労働省が使っている情報公開という定義が違うか、このどちらかしか答えはないと思います。どちらですか。長々と答えなくていいので、答えてください。

山本副大臣 先ほど来より何度も答弁させていただいておりますが、二十四年改正法の施行準備段階時の労政審におきまして、このところの議論にもなっております。

 その際にも、一般的に、公表と書くと、例えば、派遣に入ることを全く考えていない人に対してまで情報を提供する義務のようになってしまうのですが、本来は、派遣に入ろうとしている人、今入っている人、派遣先など、要は、派遣就労に関係する者に対してやれば基本的に足るという義務なんです、そういう形で施行の準備もなされているわけでございまして、ここの意味は、先ほど来より申し上げさせていただいていますように、ちゃんと、関係者という限定した形で情報提供と法律上なっているわけでありますから、そこのところが違うんです。ぜひ御認識を改めていただきたいと思います。

岡本(充)委員 条文に書いてないじゃないですか。関係者に知らせるなんて、対象を書いてないんです。

 開示と公開が違うということが認められないんだったら、これはちょっと、とてもじゃないけれども質問を続けられないです。

渡辺委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

渡辺委員長 速記を起こしてください。

 答弁が気に入らないからといって審議が行われないということは、これまた許されないことだと思います。少なくとも答弁しているわけです。それに対してやはり、一貫して答弁をしておりますので、ぜひとも質疑者は続けてください。

岡本(充)委員 開示と公開が違うんじゃないかと言っているんです。開示と公開は同じ意味ですか。

山本副大臣 済みません、開示というのはどこから出てきているんでしょうか。

岡本(充)委員 関係者に開示をすると言っているんでしょう。関係者に公開すると言うんですか。

山本副大臣 何度も、関係者に対して知らせると。情報の提供を行うという形で、開示とは申し上げておりません。

岡本(充)委員 では、関係者に知らせると公開は違うんですか。

山本副大臣 関係者に知らせるということで……(発言する者あり)

渡辺委員長 静粛に。静粛に。

山本副大臣 先ほど来、何人にも知らしめるということと関係者に知らしめるというのは、それは違います、対象が限定されるわけですけれども。そこの対象が限定されているかされていないかによって言葉の使い方が異なっているんだと思いますが、そこのところは、今までの答弁と本日に至る答弁も変わりはないわけです。

岡本(充)委員 現に、議事録をつけて、変わっているじゃないですか。公開と言っているのと関係者に知らせると言っているのと、今二つ言っているわけですよ。昔は公開と言っておきながら、今は関係者に知らせるに変わっているわけですから。であれば、その意味が違うなら、これはなぜ変わったのかを答えていただきたいと言っているわけです。

山本副大臣 変わっておりませんので、理由を申し上げる必要性はないと考えます。

岡本(充)委員 関係者に知らせると今言っていて、関係者に知らせると公開は対象が違うと今言われたでしょう、副大臣。関係者に知らせるという言葉と公開は違うんですよ。違うでしょう。違うんです。

 であって、今、関係者に知らせると答弁をされているけれども、過去において公開と言ってきたんだから、それは、公開と言ってきたということであれば、どこが変わったんですかと聞いているんですよ、それを答えてくださいと言っているんですよ。

山本副大臣 おわかりでいらっしゃると思うんですけれども、我々は、関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない、これが法律上の義務だと認識しております。

 情報公開、そこのところの公開といったところが広く一般にという意味では、最初の、この法律をつくった段階から、また今の施行に至るまでも変わっておらないわけでありまして、ですから、変わっているんじゃないか、その理由を言えと言われても、申し上げようがございません。

岡本(充)委員 変わっていますよ、これはどう考えたって。情報の公開と言っている。だから、そのとき情報の公開と言っちゃいけなかった、それは情報の公開と言うべきじゃなかった、もしそうであったとすれば。

 つまり、大臣も勘違いしていたように、事務方がずっとそういうふうにレクを入れていたわけだよ。それで労政審においては別の説明をしていた、これは事実じゃないですか。これは、もし本当に違っていたのなら、そのときに修正を入れるべきですよね。それを入れていなかったということは、情報の公開と当時答えていたわけですよ、現に。そういう意味で、これは情報公開と言ってきたわけだから、これは変わったでしょうと言われたら、そのとおりなんだと。

山本副大臣 当時の民主党の皆様方の政権でこういう形の御答弁をなさっているわけであります。でも、この法律は法律として、私たちは継続してきちんと運用させていただいているわけでありまして、決してその当時と今と違うというものではございません。

岡本(充)委員 今ここにいる維新の党の牧委員も、当時こうやって答弁しているわけですよ。そういう意味では、はっきり言いますけれども、大臣だって最初ディスクローズだと勘違いしていたわけですよ、これを。そうでしょう。勘違いしていたから答弁を訂正したんです。だから、そういう意味では、こういうレクを受けてきているんですよ、歴代。これは事実ですよ。だからこういう答弁を最初に大臣もしてしまった。

 そういう意味では、情報公開という言葉と開示という言葉をすりかえている。そういう意味で、これを私はちゃんと説明してもらわないことには、先ほどの話じゃないけれども、中間搾取の話ができないんですよ。だって、八七%もピンはねしているんですよ。そんな会社がいるのに、そこを守っていていいんですか、厚生労働省として。

 こんな会社があることを、私はきちっと、どんな会社で、どういうことをしているのか、それを明らかにしろという話をしているのに、一生懸命、公開する必要がないといって守っている厚生労働省のその姿勢を私は糾弾したい。それはおかしい。労働者の保護になっていない。だから言いたい。

 もう一回、これは公開として……(発言する者あり)

渡辺委員長 静粛に。委員の皆さん、静粛にお願いします。

岡本(充)委員 資料としてきちっと出すべきだ。どこの会社がこれだけピンはねをしているか、大臣、出してもらえますね。

塩崎国務大臣 ちなみに、どういうところが八割を超えているのかということのお尋ねがあったかと思いますが……(岡本(充)委員「いや、開示をしてくださいと言っている」と呼ぶ)それも言いますよ、後で。

 二十五年度の事業報告で把握した各事業所の派遣料金及び賃金をもとに算出したいわゆるマージン率について、八割を超える企業の割合を見ると、三百人未満企業で約〇・一%、それから三百人以上企業で約〇・三%が八割を超えるマージン率ということだと思います。

 それで、今、資料として提供しろというお言葉でございますが、この間絞り過ぎだというお叱りを頂戴いたしましたが、御要望を受けて、現在、事務方に再作成を指示しております。作業中で、今、事業者への任意でのヒアリングを鋭意進めておりまして、来週初めには取りまとめができるのではないかというふうに事務方から聞いておりまして、取りまとめ次第、それは何千というわけにはまいりませんけれども、岡本先生にお届けをしたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 何が来るんですか。企業の名前が来るんですか。何が来るんですか、資料として。そこをはっきりしてください。

塩崎国務大臣 何度も申し上げておりますけれども、会社名は御勘弁をいただきたいというふうに思います。

 それで、規模、派遣労働者の職種、専門二十六業務かどうかなどをわかるように資料に明示をするように心がけるように言ってございまして、つくり直してほしいという御要望に応えたいというふうに思っております。

岡本(充)委員 繰り返しになりますけれども、開示をしない理由が私は本当にまだ納得できない。申しわけないけれども、もう一度、大臣、これまでの答弁と、そしてさまざまな機会において政府が使っている情報公開という言葉と、そして、百歩譲って、だったら、このホームページ、直ちに書きかえるべきだと思いますよ、少なくとも。今でも情報公開義務化と書いてある。

渡辺委員長 岡本君に申し上げます。

 既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

岡本(充)委員 そういう意味で、これだけの事実がある中で、それでもまだなおピンはねしている派遣企業を守ろうというその姿勢に私は大変不信感を持ちながら、本日の質問は、時間ですので終わらせていただきます。

渡辺委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 民主党の中島克仁です。

 大変問題が山積みというか、今の議論を聞いていても、問題が次から次へと出てくる労働者派遣法の質疑、きょうも議論が非常にされておるわけでございます。そして、昨日は参考人質疑、本当にさまざまな立場からの御意見を賜って、参考になった次第ではございますし、今週の火曜日には、維新の党と民主党とで俗に言う同一労働同一賃金推進法が共同提出をされたということです。

 私からは、提出者に対して同一労働同一賃金推進法をまず質問しようと思ったんですが、先ほどの阿部委員の質疑の中で、ちょっと確認したいんです。

 最も重要なところだというふうに思うわけで、今回の個人単位、組織単位の派遣受け入れ期間制限、実質的に深く先ほど質疑しておりますから言いませんが、常用代替防止のための今回の期間制限ですけれども、大臣は、認識として、これは社会でも、我々も、何を危惧しているか。

 組織単位、そして業務をかえていけば、次から正社員の道は、現行法ではまだ少なからずその道が、機能が残っている。しかし、今回の改正で、繰り返し職場をかえていけば派遣を継続できる。だから、実質上、生涯派遣、一生派遣、正社員ゼロ法案と呼ばれているわけであります。

 そのことを危惧しているわけですが、政府や大臣の答弁を聞いていると、それは誤解だとか、勘違いだとか、そのように言われているわけですが、その辺の御認識、改めて確認をさせていただきたいわけですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 何度も申し上げているように、今までは、先ほど阿部先生からも御指摘がありましたように、二十六業務は期間制限がないということで、ずっといけるということになっておりましたが、いわゆる二十六業務以外については、同じ業務では原則一年、最長三年ということでありまして、三年以上の延長は不可ということになっていましたが、係、つまり業務をかえれば、係単位をかえれば意見聴取もなく派遣の継続ができた。いわゆる一生派遣ができる状態ではなかったかなというふうにもとれないことはないような制度であったわけであります。

 それは、もともと常用代替防止という目的で事業単位の規制が期間に関してかかっていたわけですけれども、今回は、常用代替防止という目的では、事業所単位で、これは係をかえただけでいいというような類いの話ではなく、原則三年、そして、派遣受け入れを延長したいということであれば、いわゆる意見聴取の手続、それも、反対意見があればそれなりにしっかりとした手続を踏んでいかなければならないということになっているわけで、双方向のコミュニケーションを労使の間でやっていただくという民主主義のプロセスをさらに強化したということだと思います。

 そしてもう一つは、一生派遣と呼ばれないようにするためにも、三年に一度はやはり御自身のキャリアについて考える機会を設けるということで、固定化防止のために個人単位の上限三年という単一組織での規制というものを設けた。つまり、課単位では三年を超えてあり得ないということにしたわけでございます。

中島委員 先ほども阿部委員からもあったように、常用代替防止、過半数労働組合の意見があればそれを受け入れてということですが、やはり派遣先に権限があるわけですよね。そうなっていくと、正社員の道という意味からいくと、これは何度も質疑の中でも言われておりますが、キャリアアップとか教育支援とか、さまざまなことをやられておる、それを目指すということですが、一応、法のたてつけ上、継続して繰り返し正社員の道、そして派遣が継続、永続的になるという一部分もあるということはしっかりと認めた上で質疑をされた方がいいと私は思うんです。

 例えば、今回の改正案でも、先ほど、きょうもたびたび質疑されておりますが、やはり今回の改正に伴うリスクとメリット、一旦そういうことをしっかりと整理をされてから質疑された方がいいと私はきょうも聞いていて思ったわけです。

 そもそもこの改正案、昨年の通常国会の条文ミスから、そして臨時国会では大臣の間違い答弁、そして与党公明党さんからの修正案の提議、そして一月には物扱い発言、担当課長からの発言があったり、そして今回の一〇・一ペーパーの問題であったり、たびたびそういうことがあって、これは虚偽答弁なのかどうかというよりは、そもそも混乱し過ぎて収拾がつかなくなって、担当の局長もそうですけれども、正しいと思って、虚偽ではないのかもしれないです、人格をどうのこうのと言っているわけではないので別に責めるつもりはありませんが、そもそも何が何だか収拾がつかなくなってきてしまっているんじゃないかと。一旦やはり整理をされた方がいい。

 そして、これもたびたびやられておりますし、改めてなんですが、この資料の一枚目、日曜討論における自民党稲田政調会長の御発言についても、均等待遇、これは本来であれば均衡待遇と言うところを、ケアレスミスというような言われ方を先日も大臣はされておりましたが、これはケアレスミスだったらもっと悪いんですよ。なぜかといえば、これは今回の法案の最も肝の一つ。そもそもこういう観点にやはり欠けている可能性が非常に高いということもあります。

 そして、正社員の問題についても、何度も言いますが、求人広告で、無期の派遣の方、実際にそういう事例がもう起こっているわけでして、そういったことに対して、厚生労働省として、そして大臣として、ケース・バイ・ケースというのは余りにもやはり無責任だと言わざるを得ないというふうに思うわけです。

 正社員という呼び方、やはり本会議の総理の答弁でも、大臣もたびたびこの委員会でも正社員という言葉、呼び方を使っておられます。もちろん法的には定義されていないということですが、実際にそういう被害に遭われる方がいて、そして求人広告でそのようなことが実際に起こっている。

 これは、いい機会と言ってはなんですけれども、やはりこの正社員という定義、概念を一旦整理する、そして、今の社会の中で正社員という言葉がどのように捉えられているのか、そういったことを一度整理する必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 この正社員というのは、労働法制上、定義はされていないということを繰り返し申し上げてまいりました。したがって、一億三千万の国民がいる中で、いろいろな使い方をされている人がいるということを意味しているわけでございます。

 問題は、公共政策上、私たちが正社員とイメージして目指しているもの、これについては明確にし、定義も明確にする中で、助成金を、大事な税金を支払って正社員雇用を促進するための政策を導入するときの基準というものについては、当然、正社員を定義しなければいけないというふうに思っているわけであります。

 我々としては、労働契約の期間の定めがないこと、所定労働時間がフルタイムであること、直接雇用であって、労働者派遣のような契約上の使用者ではない者の指揮命令に服して就労する雇用関係、いわゆる間接雇用ではないというもの、この三つをいずれも満たすものを原則として私ども正規雇用と呼んで、キャリアアップ助成金などの基準にさせていただいているわけです。

 一度整理をしたらどうかというふうなお言葉でございますけれども、何度となくこの定義は申し上げてまいっておりますし、ぜひ、こういうことではありますが、一般の人たちの使い方について私どもが何かいきなり網をかけるわけにもなかなかいかないものですから、一つ一つ、公共政策上の法律であるとか法令であるとか、そういうような中で明確にして、できる限りそちらの方向に国民の皆さん方も行っていただくようにしていきたいというふうに考えているところでございます。

中島委員 やはり、先ほど山井委員からも話があったように、現実にそういう求人広告で被害に遭われる方が現在いるわけです。それに対してしっかりと、そして、その言い方が誤解を招く、これもやはり、今の派遣労働者に対する社会の認識と我々が思っている認識が随分乖離してきている証拠ではないかというふうにも思うわけです。

 これだけあちこちで正社員という言葉が使われて、その概念がもしかしたらばらばらになっているかもしれないということであれば、私はやはり、例えば、条文の中にはもちろんあれですが、答弁の中で正社員という言葉、そしてこの稲田政調会長の発言の中にも、三年目に正社員への道を開くと、あたかも夢を開き上げますという言い方も、これはもし、捉え方によったら、無期の派遣も含まれるんだという話になってしまって、根底がなくなってしまうわけです。やはり、その辺についてはしっかりと認識を改めて、一から見直す、そして概念をしっかりと整理していくということが必要なんじゃないかなというふうに思います。(塩崎国務大臣「はい」と呼ぶ)

渡辺委員長 塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 稲田政調会長のことがたびたび出るものですから、これは黙っているわけにいかぬなと思って、御説明を申し上げた方がいいなと思って、繰り返し申し上げると、これは前回も申し上げましたけれども、人間は誰でも単純なミスということをやるときは、時々やはりどんな方でもあると思うんですね。

 申し上げたように、今お配りをいただいた、均等待遇ですとかと言っているのは、私は単純なミスであるということをこの間御説明しました。

 それが証拠に、単純ではない、ちゃんと考えた上で言っているのは、ここで、同じ番組の中で、附則の中で、この均等待遇と均衡待遇についてきちんと調査をするという附則を設けましたとおっしゃっておりまして、政調会長自身はしっかりと理解をされた上で番組に臨んでおりましたが、残念なことに、単純なミスは人間誰でも起こしますけれども、できたらそれはない方がいいのでありますけれども、今回はそういう単純な言い間違いをされたということで、そのところは御理解を賜れればありがたいなというふうに思うところでございます。

中島委員 ケアレスミスを責めるというか、別にそこだけを取り出してということじゃないんですが、余りにも、こういうような言い方で、ケアレスミスでここを間違えてしまうということ自体が、本当に理解されているのかどうかという疑念を持つということであります。

 今回の派遣労働改正案ですけれども、さまざまな議論がされていく中で、冒頭にも言いましたが、望んで派遣をやっている方、そして望まざるして派遣におられる方、それぞれの立場でウイングを広げて雇用安定措置とかそういったことをやると言っておられますが、やはりその実効性が担保されていないんじゃないか、そういったことを懸念して、そして冒頭にも言った、一生派遣につながる、そういったことの中で審議が行われているわけであります。

 そういった中で、安倍総理や大臣もたびたびおっしゃいますが、大臣、総理は、日本が力強く成長していくために柔軟かつ多様な働き方のできる雇用環境が必要だ、派遣という働き方も多様性かつ柔軟な働き方の一つだとたびたびおっしゃるわけですが、派遣労働者の皆さんが抱えた今の現状の中で、これまたそもそも論になってしまうかもしれませんが、望んで派遣についている人も含めて、今の日本の人口減少や、そして女性の立場とか、そういったことを考えて、改めて、派遣という働き方が多様な働き方の一つだと自信を持って言えるのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

塩崎国務大臣 結論からいいますと、やはり多様な働き方の一つであるというふうに明言をいたしたいと思っています。

 それは、個人レベルでも、私自身がお聞きをする中で、派遣でないと困るという人もたくさんおられるわけで、その一方で、もちろん、正社員になりたいと思っていらっしゃる方がおられることも、直接お会いをして肌で私も感じているわけでありまして、しかし、家庭の事情や人生の中でいろいろなステージがあって、そのステージステージごとに働き方というのもあり得るわけでありますので、それに合っているという意味で、派遣の方がいいという方もたくさんおられるわけであります。

 したがって、私どもがやるべきことは、できる限り権利が守られた働き方を制度化しておく、その中で選択をしていただいて、ですから、派遣でいきたいという方は派遣でいくし、そうじゃない方がいいという方はそうじゃない方にできる限り行けるようにする。

 いずれにしても、しかし、大事なのは、やはり処遇というか所得は多い方がいいわけでありますから、いい所得を得るためにはいい仕事をするということは、やはり能力担保、すなわち人材育成をするということしか一番近道はないのであって、これをやるための仕組みとして、私ども、今回、全てを許可制にする中で、キャリア形成支援制度というものを義務づけるということをやっているわけであります。

 ぜひそういう点で、あらゆるお考えの方々が選び得る派遣制度にし、なおかつみんなが守られるようにしていく中で、日本の経済にも資するようにしていくべきではないのかなというふうに思っております。

中島委員 私は、大臣も承知のとおり、元みんなの党だったわけです。でも、今は民主党議員としてやっておりますが、みんなの党の労働政策というのは、非常に多様性を持って、流動性かつ全世代型ということで、大変耳ざわりがいい言葉なんですね。

 ただ、現実的に、先ほど大西委員の方からも話がありましたけれども、今一体何を大優先に考えなきゃいけないのか。派遣で働いている方々、本当に世帯の収入源として大黒柱でやっている方々が、これから先、不安を抱えて、そういった方々をどう守っていくのか、その観点が真っ先に来ないといけない。非常に耳ざわりのいい話、言い方の中で、そういった部分が置き去りにされている可能性があるんじゃないか。やはり理想論じゃなくて、現実論として、しっかりと捉えていかなきゃいけない。

 そういう意味で、私は、やはり派遣という働き方が、さまざま議論はありますけれども、そもそも構造的な問題があるんじゃないか。先ほど間接雇用とジョブ型という話がございましたけれども、そういった問題が本当に日本の労働文化や雇用慣行に合っているのかどうか。

 先ほど大西議員のときにも答弁いただきましたが、日本においては、昭和二十二年のときから供給事業というのは原則禁止になっていた。六〇年代後半から、アメリカの企業からある意味圧力を受けて、そんな中で、八五年に、極めて例外的に、限定的に派遣という働き方が始まった。そのときにいろいろ議論されていた、そこで危惧されていたことがまさに今起こってしまったということじゃないかと思うわけですが、大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、間接雇用は、今先生がおっしゃったように、これは職安法で原則禁止ということになっているわけでありまして、ですから、その例外として労働者派遣法というものを法体系としてつくって、職安法の精神に反しないようにするということをやっているわけでございます。

 しかしながら、それは、許可制とか届け出制という今両様ある仕組みになっていますが、事業主にのみ労働者派遣事業を行うことを認めて、要するに、許可も届け出もしていない人が勝手に派遣事業をするというようなことは許さないということをし、派遣元と派遣先の責任を明確にし、常用代替防止の政策として期間制限などを設けているわけであります。

 しかし、それでもいろいろな問題があるなということを認識した上で、派遣労働については、派遣契約の解除が雇用契約の解除につながりやすいというようなこともあって、平成二十四年の法改正において、派遣元及び派遣先は、労働者派遣契約の解除に当たって、新たな就業機会の確保や休業手当等の費用負担、これに関する措置等を講ずることとして、順々に改善をしているわけでございます。

 今回も、今の現行法よりもはるかに派遣で働く人たちの権利を守り、なおかつ、その手段として、派遣元、派遣先に対する規制を強化するということを行っているわけでございますので、今先生が御心配をされている間接雇用の原則禁止という中で、言ってみればどういう多様な働き方を、この職安法の根本精神を守りながら、適用除外の形で、別法で労働者派遣というものを行うようにしているのか。それの改善を重ねていくということで、今回、今よりもはるかに改善をするということで努力をして、今回の法律提案に至っているということだと思います。

    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕

中島委員 制度ができたのは、本当に日本が右肩上がりの経済成長の時代、そしてその後、日本がバブルも経験して、リーマン・ショックも経験して、そんな中で、これからの雇用、そして労働市場はどうあるべきかということがまさに危惧されて、正社員との賃金格差や雇用の不安定、そして職務外の仕事の強要や、さらには労働者の権利や女性の権利までも侵しかねないような、今の派遣で働く方々の状況になってしまった。

 極めて例外的、かつ、本当にそういう状況の中で例外的に抜き出して始めた派遣という働き方、間接雇用という働き方が、本当に派遣元、派遣先にとっても、どちらに責任の所在があるのか。

 私は、最後の方で労災の話をしようと思っていたんですが、また産業医としても、派遣元、派遣先に対する、労働者に対する健康管理という意味でも、曖昧さの中でさらに目に見えてこない派遣で働く方々の非常に過酷な現状があるんじゃないか、そういったことも危惧されるわけです。

 その一方で、あくまでも多様な働き方の一つというふうなことであるならば、やはり本来の多様性のある働き方というのは、あるときには派遣という働き方で働いて、そして自分のライフステージの中で、あるときから正社員に移って、そしてまた、あるときからそういう働き方にも、自分のライフステージの中で選択肢がふえるということが本来の多様性ということになると思うんですが、やはりその大前提は、今回、維新の党と民主党共同で提出をいたしました同一労働同一賃金であり、均等待遇ということであると思います。

 政府は、日本の雇用慣行の中でなかなか実現は難しいという答弁に終始するわけでございますが、維新の党の提出者と民主党の提出者にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 今回、俗に言う同一労働同一賃金推進法、共同提出をされたわけでありますが、まず維新の党の提出者にお伺いをいたします。

 均等待遇が今回の法案では入って、均衡待遇の配慮ということになっておるわけですが、今回、均等待遇はなぜ必要なのか、この法案を策定して、提出された理由についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

井坂議員 ありがとうございます。

 近年、雇用者に占める非正規労働者の方の割合が増加をしております。しかも、正規労働者と非正規労働者について、その賃金の水準に大きな差があるほか、雇用の安定性、あるいはそういった待遇に実態として大きな格差が存在しています。このような雇用形態による格差がそのまま社会における格差の固定化につながってしまうことが懸念をされているところであります。

 そこで、提案者としましては、こうした実態上の格差も含めて解消を目指すために、雇用形態にかかわらずその職務に応じた待遇を受けることができるようにする等の基本理念のもとに、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策を重点的に推進するために本法律案を提出いたしました。

中島委員 済みません、民主党の提出者にも、同様の質問、よろしくお願いいたします。

西村(智)議員 御質問いただきまして、ありがとうございます。

 提案の理由については先ほど井坂委員がお答えになったとおりなんですけれども、今、経済状況の変化に伴いまして、雇用の状況は極めて多様に、そして複雑になっております。

 同じ責任で同じ仕事をしていても、賃金体系と申しましょうか、雇用形態が異なることによって全くその待遇に差が出てくるということは、今多くの職場で起こっていることでありまして、そうした中で、働いている皆さんが抱えていらっしゃるさまざまな不条理、そして、賃金すらも現在は低下しているという状況の中で、生計を維持していくことが難しいという現状があります。これは、格差の拡大という点からも大変大きな問題だと思います。

 そういった不条理を解消していくためには、やはり均等待遇という原則を導入していくしかないということで、今回、このような法案提出に至った次第です。どうぞよろしくお願いいたします。

中島委員 ありがとうございます。

 やはり一歩踏み込んだ今回の法案だというふうに私も理解します。そして、格差是正のためにも、やはり均等待遇、その重要性というのは、提出者の方から今お話をいただいたということであります。

 塩崎大臣にお尋ねをいたしますが、今回審議されている労働者派遣法改正案は、均等待遇の義務が入っておりません。これもたびたび議論されておるわけでございますが、派遣労働者がふえる可能性が非常に高いと危惧されているこの法案の中にあって、先ほど多様性の一つだとおっしゃいましたが、均等待遇を入れずに、今回の均衡待遇の配慮のみで多様な働き方と言えるのかどうか、そして、可能性が高い改正案が今回の配慮義務だけでいいのかどうか、改めてお尋ねをいたします。

塩崎国務大臣 同一労働同一賃金の考え方が大事な考え方だということはもう何度も申し上げているわけで、方向性としては、職務給、職能給、いろいろありますが、困難な問題を乗り越えてそういう方向に向かっていくということに関しては、同じ思いでいるんだろうというふうに思っているわけでありますが、やはり世の中は、法律で定めたら世の中がそのとおりになるかというと、なかなか、経済実態がついていかないといけません。

 そういう中で、労使の考え方の違いを乗り越えながらどうやって、はっきりしていることは、非正規労働、とりわけパートやあるいは契約、まあ、派遣はパートそれから契約労働者に比べるとかなり優位に立つ賃金になっているわけでありますけれども、それでも正規から見ればはるかに低い、これではそれこそ、不本意で、正規雇用になれないで派遣など非正規で働いていらっしゃる方が生活で御苦労されるというのは、やはり一日も早く解決をしなければいけないというふうに思っておりますので、今回三党でお出しになった法案については、この間も足立先生に御答弁を申し上げたように、しっかり正面から受けとめて考えてまいりたいというふうに思っております。

中島委員 これもたびたび答えられておることですが、今の大臣の答弁を聞いて、改めて、維新の党の提出者の方、民主党の提出者の方に、今の答弁に対しての意見をお聞きしたいと思います。

井坂議員 法律を変えたからすぐに実態が変わるわけではない、まさにそのとおりだというふうに思っております。

 パートの法律を見ますと、既に法律には均等待遇が書かれているにもかかわらず、正規労働者とパートとの実態上の格差が厳然としてある。今回我々が提出した法案ではそこを縮める措置もいろいろ書かせていただいておりますが、まして派遣になりますと、均等どころか、均衡の配慮義務と、法律に非常に低いレベルでしか書かれていない。法律上の格差、さらに実態上の格差と、大きく正規労働者との格差が残っているわけであります。

 こうした中で、これを放置したまま多様な働き方といっても、待遇のいい方から悪い方に転んでいく方がどれだけいるのか、また、待遇の悪い方から待遇のいい正規労働者になりたいと言ってもなれない現実がある中で、この選べない多様な働き方というのが一体どれほどの意味があるのかという、非常に大きな問題意識を持っております。

 以上です。

    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

西村(智)議員 ありがとうございます。

 多様な働き方の前提は、私は、やはり職務に応じた均等待遇が保障されることがなければいけないというふうに思っています。

 均衡待遇、今回の労働者派遣法の中でも配慮義務にとどまっているという点では同じなんですけれども、均衡待遇といいますと、どうしても正規と非正規のバランスへの配慮というところにとどまってしまいます。

 そうしますと、先ほど申し上げたように、同じ仕事をしていて、同じ、例えばクレームを受けたりという、その責任の重さがあって、時には新入社員に指導したりというトレーナーの役割も果たしているにもかかわらず、雇用形態によって待遇が全く違うという問題は解消されていかないわけですので、そこで幾ら多様な働き方といっても、それは、私は前提が整っていないというふうに思います。

中島委員 ありがとうございます。

 やはり、多様な働き方、本当に耳ざわりのいい言葉であるわけですが、本当に多様性のある、そして、今の若い方々にそういったものを求め、耳ざわりのいいことを言うのであれば、しっかりと同一労働同一賃金、均等待遇というものがなされた上で進めて、まあ、安易に使わない方がいいなというふうに私も思います。

 改めて維新の提出者の方と民主党の提出者の方にお尋ねをいたしますが、この提出された同一労働同一賃金推進法案が成立したら、どのような効果が社会に見込まれるのか、派遣労働者の待遇がどのように改善されるとお考えになるのか、さらに、大きな目線で、日本の労働市場に具体的にどのような変化が生まれるというふうにお考えになりますでしょうか。

井坂議員 本法律案の効果ですけれども、まず、雇用形態による職務や待遇の違いについての調査研究をしっかり目的と期限を持って行う、その上で、正規、非正規の労働者の待遇、これは、実際、制度を同じ社内で共通化するとか、そういったことをしっかり推進していく、そして、採用や登用のときにも雇用管理の方法をきちんと見直していく、こうした具体的な施策の実施を法律で求めているところであります。

 我々提案者といたしましては、こうした具体的な施策の推進により、雇用形態によるいわゆる正規と非正規の間の待遇の格差を縮小する、これは実態上の格差も縮小をしていく効果があり、さらには、本当の意味で労働者の希望に応じた就労が実現することを期待しているものであります。

 以上です。

山井議員 中島委員にお答えをいたします。

 二点あります。

 一点目は、今も答弁がありましたように、一年以内に均等待遇を実現する法制上の措置を講ずる。やはり、この種のことはさまざまな議論もありますけれども、しっかりと期限を区切って実行していく、このことが重要だと思います。

 さらに、この法案においては、派遣労働者のみならず、パート、有期、派遣労働者、この三点の非正規雇用の方々の待遇改善を図るということが書いてありますし、そのための財政上の支援もするということが明記されておりますので、この法案が、与党の方々、他党の方々の理解も得られて成立しましたら、来年の四月に向かって、非正規雇用の方々全体の待遇の改善にも進んでいくと思います。

 先ほどの塩崎大臣の答弁、少し私たちと認識が違うと思いますのは、塩崎大臣は、少し派遣をやって、またほかの働き方に行ってと、多様な働き方がいいということをおっしゃるわけですけれども、そこは私は違うと思うんです。

 私も多くの派遣労働者の方々のお話をお聞きしてまいりましたが、一度派遣労働者になるとなかなか正社員になれない、そういう非常に深刻な問題があるわけで、今、新卒の方の約四割が非正規雇用でありますけれども、一旦非正規雇用になった方がなかなか正社員になれないという現実があるわけですね。

 そういう意味では、格差を固定化させないためにも、このような同一労働同一賃金法というものをしっかりと、与野党を超えて賛同いただいて成立させる必要があると考えております。

中島委員 ありがとうございます。

 維新の党の提出者に最後にちょっと一点だけ聞きたいんですが、今回の同時に審議されております労働者派遣法、雇用安定措置とか、先ほどの期間制限の部分でも、やはり、派遣から正規へ、その移行が本当に担保できるのかどうかということが危惧されておるわけですが、今回の同一労働同一賃金推進法によって、正規への転換も含めて、希望する雇用形態に就労しやすくなるという理解でよろしいんでしょうか。

井坂議員 今回、パートが一番いい例なんですけれども、実際、法律にはっきり均等と書いても、なお実態上の格差、また非正規から正規への転換というのが難しいという実態はあるというふうに認識をしております。

 その実態がなぜ起こっているのか、ここをまずもう一度目的意識を持ってしっかり調査をする必要があると思いまして、今回、法律の中にも入れてあります。また、その目的も法律に明記をして、非正規から正規への転換が特にしっかり行われるようにとわざわざ特出しで法律にも書いてありますので、そのように、この法律が成立した暁には運用されていくというふうに期待をしております。

中島委員 ありがとうございました。

 おっしゃるとおりで、非正規三分野で、パート、有期には均等待遇が盛り込まれているわけですが、実態上は、実質そうなってはいない現状もある。そういった意味で、そのことも評価して、今後、本当に均等待遇がなされるように、日本の雇用慣行の中で取り組まれていくということで理解をいたします。

 これからも審議は続くと思いますし、多様性という言葉が本当に耳ざわりがよくて、そのことの中で派遣労働者の方々が今置かれた現状、やはりそれを改善していくための同一労働同一賃金、維新の党と民主党が共同提案をされたということは大変意義深いと思いますし、これからも、労働者派遣法の問題点とともに、同一労働同一賃金の確立、大変重要だということが理解できました。

 ありがとうございます。時間ですので、質問を終わります。

渡辺委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 まず最初に、山井委員が繰り返し指摘をしている、派遣だけれども正社員として募集をかけている派遣会社のホームページについて、大変気になりますので、ちょっと確認をしたいと思います。

 職業安定法四十二条「募集内容の的確な表示」、労働者に誤解を生じさせることのないように平易な表現を用いるなど的確な表示に努めなければならないと。指摘されている広告は、「正社員(無期雇用派遣労働者)」と明記してあり、普通、誤解はしないかとは思いますが、しかし、誰が考えても適切ではない、適切とは言えない、そう思います。

 大臣の答弁も、確かに、正社員という定義自体が確定したものではないから違法とまでは言えないけれどもということを何度も何度もおっしゃっている。だけれども、誤解を招くおそれまではやはり認めたと言っていいのではないかなと思うんですね。

 そこで、お答えいただきたいのは、違法とは言えなくても、誤解を受けやすい表示としてホームページなどに対しても指導はできると思うが、どうか。そして、一般論でいいんですけれども、職業安定法に基づいて指導、是正措置などの実績があれば伺います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 企業等のホームページの表示でございましても、労働者の募集を目的としておりまして、かつ募集に応じる方の誤解を招くおそれがある場合につきましては、職業安定法第四十二条に照らしまして、指導や助言の対象となり得るものでございます。

 こういった指導等につきましては、私ども、ホームページ等のみならず、労働者の募集に応じた方からの苦情などを契機に、こうした実態も確認をするというようなことも通じまして、個別の事情に応じて明示内容を具体的にすることなどの指導助言を行っているところでございます。

 ただ、一般論ということも含めてでございますけれども、こうした指導の実績ということにつきましては、統計としては把握はしておりません。

高橋(千)委員 きのう確認をしているんですけれども、四十二条違反というか、四十二条に照らして指導した件数はないけれども、別な案件で職業安定法で指導したものがあると伺っていますが、お答えください。

坂口政府参考人 四十二条の関係は今お答え申し上げたとおりでございますけれども、別途、この求人の労働条件の明示等で、安定法の五条の三等で、業務内容等の労働条件を明示しなければならないといった規定もございまして、こういったものについて、架空の求人広告等を行っている場合に指導を行ったという実績はございます。

高橋(千)委員 六十五条の虚偽広告、これに当たっている、一件あると聞いていますが、違うんですか。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 六十五条の八号に虚偽広告の罰則規定がございまして、今委員が御指摘されたように、それが疑われるという形での指導を、先ほどの五条の三の事案等々の背景として、その条文も背景に指導したという実績はございます。

 ただ、六十五条の八号を契機として、我が行政としての送検という事例はないということでございます。

高橋(千)委員 わかりました。

 今確かめたかったのは、自社のホームページだから何を書いてもいいということではないんだということを確認したかったわけであります。

 ですから、場合によっては、今、五条の三の条件の明示ということで指導したというふうなお話だったけれども、罰則まではいかなかったということだったと思うんですね。だけれども、現実にそういう事例がある。

 きょう山井委員が紹介したものも、正社員とさえも書いていない。ですから、当然誤解を生むし、口頭では正社員と言っているとか、そういうことは多々あるであろう、またこれからも起こり得るであろうということを考えたときに、今までは苦情ベースで対応していたということであったけれども、やはりもう少し前のめりに、特別な調査ですとか、そういうことをきちんと指導できますよ、していきますよということを発信するべきではないかという立場で発言をさせていただきました。

 そこで、私がさらに気になったのは、その同じホームページをよくよく見ますと、確かに私たちがイメージする正社員そのものなんですよね。つまり、通勤手当も出るし、昇給もある。各種社会保険は完備である。派遣の仕事がないときでも、正社員だから給与を支払いますという説明も見つけた。キャリアアップの訓練もやっている。

 これが本当かどうかというのは、私、それを今言う材料は持っていません。でも、問題は、なぜ派遣の仕事なのに正社員としての処遇が、今言ったような処遇ができるのかということに興味を持ちますよね。そうすると、就業場所に「当社指定派遣先」とあります。なるほど、あらかじめ派遣先が決まっていて、仕事もコンスタントにあるとなれば可能かなと思ったわけですね。

 ここから先は一般論になりますけれども、当社指定派遣先、決まっている、これは場合によっては専ら派遣になりませんか。

坂口政府参考人 今委員お尋ねの専ら派遣という問題でございますけれども、これは、現行の労働者派遣法の第七条第一項第一号に許可基準を定めております。許可を受けようとする者が行う労働者派遣事業については、専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものではないことということを定めておりまして、これが、今委員御指摘のいわゆる専ら派遣という問題かと思っております。

 委員、今、一般論ということでお尋ねでございましたので、そういう一般論としてのお答えをさせていただきますが、派遣会社が、例えばいろいろな求人広告等も含めてですけれども、就業場所を当社指定派遣先としているというケースでございますけれども、ただ、こういうような記載だけということになりましたら、当該派遣会社が行う全ての労働者派遣について、派遣先が特定の、あるいは同一の派遣先であるということまではこの記載だけでは言えないかと思っておりまして、必ずしもこれだけでいわゆる専ら派遣に該当するというところまでは言えないかということで判断をさせていただきたいと思います。

高橋(千)委員 そういう場合もあるんじゃないですかと聞いています。必ずしもこれがそうだと言っているんじゃないです。当たり前じゃないですか。

坂口政府参考人 それはおっしゃるとおりでございまして、この専ら派遣ということになりますと、こういった記載とあわせまして、いろいろ、事業者が、定款等で事業目的がそういった状況になっていないかとか、派遣先の確保のための努力が客観的に認められないかというようなこともあわせて判断をして、我々としては指導に当たっていくということでございます。

高橋(千)委員 私たちが事実上これは専ら派遣じゃないのと思っているのが、グループ派遣ですよね。これは、規制が、前回の平成二十四年法で八割以下とされました。

 実際、違反として指導された実績はどのくらいですか。

坂口政府参考人 今御指摘の、二十四年の法改正で入れられたグループ派遣という問題でございますが、こちらの方は、一事業年度で、あるグループ企業内の派遣会社が当該グループ企業に派遣する割合を八割以下に制限しているというものでございます。

 今お尋ねの指導実績でございますが、平成二十六年度の指導実績でございます。労働者派遣事業に係る文書指導件数全体、二十六年度は八千七百八十八件でございましたけれども、グループ企業派遣の八割規制である労働者派遣法第二十三条の二の違反として文書指導を行った件数は三百五十六件でございます。

高橋(千)委員 三百五十六件の文書指導があったということで、やはり多いなと思いますよね、始まったばかりであるにもかかわらず。

 結局、正直言って、八割以下というのは、グループ会社に八割までは認められるわけですから、これはかなり専ら派遣に近いんじゃないかということを私たちは指摘してきました。

 大臣に聞きます。

 何でこれが問題かというときに、起こっていることは、結局、派遣先企業が自分たちの子会社をつくってそれをバックさせる、自社に派遣させる、そういう形をやっている。だから、要するに正社員ではなく派遣社員にしてしまうわけですから、それによって人件費をカットできるし、社員を出向させる、これはある意味リストラ策でもあるわけなんですよね。そういうことに使われてはならないという視点で規制されていると思います。

 この認識を共有できるでしょうか。また、この趣旨は徹底されるべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 労働者派遣事業は、職を求める方々と人員を確保したい企業という、この二つのニーズが結びつけられて労働市場でマッチングが行われるということで認められているわけであります。

 一方で、先生御指摘のいわゆる専ら派遣とかグループ派遣とか呼ばれている行為というのは、こうした労働市場一般を対象にしておらずに、会社の中の人事部的なもので、公的な機能として一般に認めることは適当でないという趣旨から規制をかけているものでございまして、御指摘もこういう趣旨を踏まえてのものであると考えております。

 こうした制度趣旨に関しては派遣元への説明会などあらゆる機会を通じて周知していくとともに、規制に違反する者に対しては、やはりこれは厳しく対応してまいらなければならないというふうに考えております。

高橋(千)委員 第二人事部とかと言われますよね。厳しく対処していくというお答えでありました。

 要するに、さっき答弁があったように、専ら派遣は一般派遣業の許可要件になっているものですから、許可の段階でもしもそういうのがあれば振り落とされているわけです。ところが、今度は届け出だけだった特定派遣が許可制になるということで、非常にこれが、ちょっと紛らわしいというか、当てはまる事案も出てくるのではないかということを危惧しております。

 ですから、既存の特定派遣事業者は三年間の経過措置がありますけれども、許可を目指す事業者であれば、当然この点もきちんとチェックをされて、三年を待たずに指導されていくべきだと思いますが、伺います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 先ほど御紹介しました一般労働者派遣事業の許可基準での専ら派遣の許可基準につきましては、今後の改正を行った後も維持する予定でございます。

 その前提で、今委員が御紹介いただきましたように、今回の法律では一律許可制ということで、これまでの特定労働者派遣事業者からも、一定の経過措置期間はありますけれども、許可申請が出てくるということが予想されます。これまた委員の方からの御指摘のとおりかと思いますけれども、そういった特定派遣の事業者、これは小規模であったり、いろいろ専門的な労働者を派遣しているというような形態もとっておりますので、実際、今委員御指摘のように、事実上の専ら派遣ということをしているおそれということもあるのではないかということかと思います。

 私どもとしては、やはりこういった点については注視して、許可の可否等を判断するに当たっても、あるいはその事前に当たっても、十分に確認を行って適切に対応してまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 これは確認をいたしました。

 次に、きのうの参考人質疑、先ほど阿部委員や大西委員もお取り上げいただきましたけれども、自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士が、現行の派遣期間制限と改正案との違いについて大変わかりやすく発言をされました。

 また、二十七日の私自身の質問で、業務単位だった期間制限が個人単位と事業所単位になったのはなぜか、この問題を指摘したところであります。

 それで、資料二枚目に現行と改正案、新旧対照表をつけておきましたけれども、現行の四十条の二の一項で、業務単位の派遣受け入れ期間をまず書いている。そして、四十条の三並びに四によって、直接雇用と正社員化を促進する機能があると指摘をしました。

 現行四十条の三は、派遣先は、一年以上受け入れている派遣労働において、同じ業務で新規の労働者を雇う場合は、希望した派遣労働者を雇用するようにという努力義務であります。一方、四十条の四は、同じ派遣労働者を期間制限を超えて受け入れるためには、直接雇用申し込みをしなければならないという義務規定であります。これは資料にはありませんが、三十五条の二で、期間制限に抵触する日を派遣会社が通知するというスキームになっています。まさにこの規定を根拠に、直接雇用申し込み義務、黙示の雇用契約をめぐっての訴訟、あるいは行政への申し立てなどが闘われてきたわけです。

 改めて、この三十五条の二、四十条の三、四の趣旨を確認したい。また、なぜ今回削除されているのか、伺います。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 今お尋ねの、まず、現行法の第三十五条の二の規定でございます。第二項でございますけれども、これは期間制限の、業務単位の規定と相まってということになりますけれども、派遣元が、派遣可能期間を超える場合に継続して労働者派遣を行わない旨を派遣先及び派遣労働者に通知するという規定でございます。

 それから、四十条の三でございますけれども、こちらの方につきましては、先ほども委員の方からも御紹介ありましたとおり、派遣労働者、これは派遣元から継続して一年以上の役務を受けている派遣先でございますけれども、こちらの方での一定の雇い入れということについての努力を促すという規定でございます。

 それから、第四十条の四でございますけれども、これは、先ほど御紹介しました第三十五条の二の通知を受けた場合に、派遣労働の受け入れ期間の上限に達する派遣先が、期間制限違反となる日以降も継続して同じ派遣労働者を受け入れようとする場合に労働契約の申し込みを義務づけたもの、いわゆる派遣先の期間制限違反というものを未然に防止するためという規定でございます。

 今回の規定でございますけれども、まず、第四十条の三につきましては、今回の改正におきましては、特定有期雇用派遣労働者の雇用という形で、第四十条の四ということで、引き続き、特定有期雇用派遣労働者の雇い入れについての努力義務を規定するということにしておりますが、今御紹介いただきましたとおり、第三十五条の二の第二項と第四十条の四については規定を削除するということにしております。これにつきましては、今回の改正法によりまして派遣先の期間制限のあり方というものが変わるということから、現行の期間制限を前提ということでのこの規定については削除をしたというものでございます。

 なお、派遣先の期間制限違反につきましては、先ほども四十条の四の規定の趣旨は派遣先の期間制限違反を防止するということでお答え申し上げましたが、労働契約申し込みみなし制度というものが派遣先の期間制限違反につきましては適用されるということで、こういった点についても考慮して、今回削除ということでございます。

高橋(千)委員 部長、趣旨を聞いたわけです。私、条文の内容は自分がしゃべっているわけですから、何のためにこの条文があるのかということを言ってほしかったわけですよ。

 常用代替の防止なんだ、だから、ずっと派遣を雇いたい、そう思うんだったらちゃんと直接雇用しなさいよ、それを法律が定めている、そういうことじゃないんですか。

坂口政府参考人 四十条の三につきましては、派遣先での雇い入れの努力の義務ということを趣旨としておりますし、四十条の四につきましては、派遣先の期間制限違反の防止ということを趣旨としておるというものでございます。

高橋(千)委員 余りにも心がこもらなくて、残念でたまらないわけなんですけれども。

 今の、最初の四十条の三については、要するに、新しい労働者を雇うんだったら今まで働いていた人を雇いなさいよというこの規定は、四十条の四ということで、特定有期雇用派遣労働者のところに書いていますよと部長は答弁されました。

 でも、厳密に言いますと、これは、現行法は派遣先に責任を求めていますよね。新しい法律は、派遣事業者、派遣業者を介さなければできないので、権限がさらに弱まっています。あわせて指摘をしたいと思います。

 それで、問題は削除した理由なんですけれども、みなし規定が入って、みなし規定の方が強いわけですよね、直接雇用申し込み義務よりも、そもそも申し込んでいたとみなすというわけですから。ですから、当然、この法律ができたときも私たちもそう理解をしていました。

 昨年の十一月十一日の参議院の厚生労働委員会でも福島みずほ議員が取り上げていらっしゃいますし、ことし二月六日の参議院決算委員会では、我が党の吉良よし子議員が同じ質問をしています。つまり、なぜ削除をしたんですかと。

 大臣、大変よく記憶されていると思うんですよね。パネルが正確じゃないとかいろいろ言ったものですから、記憶にあると思うんですね。そのときに、大臣はこう明確に答弁されました。四十条の六のみなし制度によって違反を防ぐことにしておりまして、これは実はことしの十月一日から施行になります、派遣で働く方の保護が後退するということは考えておりませんと明言されております。今思うと、これは二月六日ですから、既にあの一〇・一ペーパーは出回っていたわけであります。

 でも、大臣は、そういうことで、みなし規定がちゃんと働くんだからこの規定は要らないよ、それを包括するんだよという趣旨でおっしゃったんだと思うんですね。

 だけれども、現実にはどうかということで、今、改正案がそれを追い越して九月一日に施行になるわけです。専門業務は廃止される。事実上、期間制限がなくなり、期間制限がなくなったから、偽装請負する必要もなくなるわけです。許可制だから、違法派遣も、よっぽどブラックでない限り、ありません。そうなると、みなし規定の効力は極めて限定的なものになります。そういうことを、一〇・一ペーパーを見るとあからさまに書いてあるんですね。

 だからこそ、同条項を、今私が指摘した四十条の三、四十条の四、そして三十五条の二、これをきちんと残すべきではないでしょうか。

塩崎国務大臣 参議院でのやりとりはよく記憶をしております。

 現行法の三十五条の二の第二項及び第四十条の四、先ほど来、部長の方から説明しておりますけれども、派遣先の期間制限違反を未然に防止する趣旨の規定であって、今回の改正法によって派遣先の期間制限のあり方が変わることから、現行の期間制限を前提としたこれらの規定については削除をするということにしたわけであります。

 ただいま高橋先生の方から少し異を唱えられているわけでございますけれども、改正法による個人単位と事業所単位の二つの期間制限は、派遣労働への固定化防止、常用代替防止の観点で極めて重要な規定でございまして、現行法第四十条の四に規定する雇用契約申し込み義務ではなくて、みなし規定の適用によって、より強力に履行の確保を図っていけるというふうに思いますし、そのようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 私は、どちらかということは言っていないんですね。どちらも残せばいいと思います。みなしも、効力が弱まる、限定的とはいえ、全然働かないとは思っておりません。残した以上は何かあるかもしれません。しかし、あえてこれを残すべきだというのは、やはり派遣労働者に着目したものがないんですよ。

 確かにこれは、条文上は、派遣先が雇用申し込みをすると書いています。でも、それをしてくれないじゃないかと。私は希望しますということを、派遣労働者はこれまで訴えてきました。しかも、その最大の決め手が抵触日を通知するということなんですよ。これも全部カットをしてしまったわけで、あと残されているのは過半数労働組合。自分たち当事者ではない派遣先の労働組合、これで派遣労働者の権利を代弁することは全然できないわけです。

 だから、私は本当に、唯一、本来持っていた、これをもって頑張ってきた派遣労働者個人が持っている権利、この直接雇用申し込み義務、これを残すべきだと重ねて求めたいが、いかがでしょうか。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 この点につきましては、重ねてになりますけれども、今も大臣が申し上げましたとおり、今回、派遣先の期間制限違反ということについて仕組みを変えたということでございまして、そういった前提となる期間制限のあり方が変わった上で労働契約の申し込みみなし制度が適用されるということでございますので、私どもとしましては、これらの規定については削除ということで臨ませていただきたいということでございます。

高橋(千)委員 やはり違うと思うんですよ。だって、削除したのは、みなし規定をつくったときの民主党政権のときなわけですよ。そうでしょう。そのときに、個人ごとの期間制限になるなんて考えていなかったですよ。全然趣旨が違いますよ。今言ったのは後づけじゃないですか。

坂口政府参考人 確かに、労働契約申し込みみなし制度が改正されたのは二十四年でございますので、その改正のときにということではないということは委員の御指摘のとおりでございます。

 ただ、先ほども申し上げたとおり、これらの雇用申し込み制度の規定の前提となる期間制限のあり方そのものが、今回は、業務単位の期間制限から、個人単位あるいは事業所単位という形での期間制限の規定に大きく変更するということで、そういった期間制限のあり方が変わっているということも踏まえまして、私どもとしては、規定の削除ということでお願いしたいということでございます。

高橋(千)委員 やはり、法律をつくったときに、労働者の権利としてみなし規定をつくり、これが本当に働くんだと、三年待たされましたけれども。そう思っていたのに、何か後から違う考え方ができて、みなしが働くからいいよと思って削除したものが全然違うことになっちゃった。これは本当に許されないことだと思うんです。

 重ねてこれは再考を求めたいし、ぜひこれは修正も含めて各委員の皆さんにも呼びかけたい、このように思っております。

 そこで、ちょっと資料の一枚目に戻っていただきたいんですけれども、個人の派遣期間の制限について、これはこの間もやったわけなんですけれども、課をかわれば三年を超えても同じ派遣労働者が就業を続けることができる、これを丁寧に書いているわけですね。派遣会社は、Aさんのキャリアアップを考え、キャリアコンサルティングや教育訓練を実施する必要があります、それで、庶務課だったAさんが経営戦略課に異動しますという、例えばの絵ですよ。それから、Aさんは庶務課のまま三年を超えることはできないけれども、Bさんだったら働くことができますよ、こういう絵なんですよね。

 考えてみたら、部長、誰がこれを決めるんですかね。このAさんのキャリアアップ、同じ課じゃだめだから次の課に移す、経営戦略課がいいと誰が決めるんですか。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 Aさんというのはこの派遣会社の派遣労働者ということでございますので、Aさんのキャリアアップ、あるいは、こういった、どこにということにつきましては、派遣会社たる派遣元の方が判断するということになるということでございます。

高橋(千)委員 これは絶対無理があるんですよ。派遣会社がどうして、経営戦略課があいているよとか、わかるんですか。Aさんが、私、キャリアアップしたいからほかの課に移りたいですともし言ったとして、普通、派遣先が決めるじゃないですか。でも、そうすると特定になるんですよ。

 この間、私、特定につながりませんかと質問しました。そうしたら、坂口部長は、個々の派遣労働者について、一定の同じ職場での課についての継続的な就業を制限するということでございますので、今の期間制限がね、派遣先が、ではAさんがいい、Bさんがいいというようなことを指定することを規制しているということではないということでございますのでと、私が言っていることは違うというふうな答弁をしているんです。

 でも、おかしいですよね。私は、これは、期間制限イコール特定だと聞いていませんよ、つながるんじゃないかと聞いているんです。当たり前じゃないですか。そんなのわかり切っていますよ。だけれども、これは文脈からいうと、Aさんがいい、Bさんがいいと派遣先が指定してしまったら、これは特定なんでしょう。違いますか。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のように、派遣先が、Aさんがいい、派遣労働者はBさんがいいということになれば、これは派遣先の方が特定目的行為を行っているということになるということでございます。

高橋(千)委員 確認しました。

 特定をしないで、派遣先が、Aさんがいい、Bさんがいいと言わないで、どうやってこれが成り立ちますか。

坂口政府参考人 その点につきましては、これはそもそも、派遣契約で派遣先と派遣元が、例えば庶務課のこういった仕事について派遣労働者を何人という形で契約を結ぶということでございますので、そういった結ばれた派遣契約を前提に、派遣会社の方が、その派遣会社の雇用する派遣労働者の中から誰を選ぶかといって、誰を派遣労働者として派遣先に配置するということで派遣元の派遣会社の方が判断をして、派遣労働者を決定するということでございます。

高橋(千)委員 これは絶対納得できません。誰に聞いたって、派遣先から言われましたと言っていますよ。これは当たり前なんですよ。

 これまで係単位だったと説明してきたじゃないですか。もっと細かい単位ですから、これは当然、特定しなかったらできませんよ。まして、さっき大臣はおっしゃいましたよね、派遣先がずっとこの人を使いたいと思ったら、派遣元でと。これは派遣先にお願いする逆になっちゃう。これは特定しているんですよ。

 大臣、意味わかっていますか。

塩崎国務大臣 指定するということを申し上げているわけではなくて、そういう心意気があるということはあるかもわからないと言っているだけであって、それは、制度としてはそういう格好ではないということはよくわかっております。

高橋(千)委員 心意気があるということで、これがやはり本音だと思うんですね。

 現実にはもうみんな当たり前にやられているんですよ。それをもっときちんとやりたいというのが、ずっとこの間言われてきたことじゃないですか。これはどう考えたって、この絵は特定しなければ成り立ちませんよ。そうじゃないと言うんだったら、その根拠をこの委員会に示してください。

坂口政府参考人 その点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、労働者派遣契約で、派遣先と派遣会社、派遣元の方がどういった派遣就業をやるかということを契約の中で結ぶということでございます。そういった上で、派遣元の方が、派遣契約で決められた派遣就業の内容に沿って、誰を配置するかということを判断して派遣するということでございますので、これは制度的に担保はされているということで私どもとしては考えております。

高橋(千)委員 具体的に、今だって、係、係と言っているわけですから、特定行為はやられていませんよ、問題ないですよということを具体例でちゃんと出していただくように委員長にお取り計らいをお願いいたします。

渡辺委員長 資料の要求ですか。

高橋(千)委員 そうです。資料の要求です。これは法案審議に大きくかかわります。

渡辺委員長 では、ぜひとも、資料の要求ということですので。出せますか。(高橋(千)委員「協議と言ってください」と呼ぶ)

 理事会で協議いたします。

高橋(千)委員 お願いをいたします。

 次に、二十六専門業務が廃止になることで三年後に解雇されるおそれがあるという指摘が、山井委員から繰り返し指摘をされまして、昨日の関根参考人からも指摘がありました。

 これは、平成二十二年、二〇一〇年に、適正化プラン、長妻・山井プランなどと言う方もいらっしゃいますが、そのときにも、適正化を進めれば派遣切りにつながるという激しい議論が自公からありました。

 私、これを繰り返していれば、やはり悪法を正すことができないと思うんです。実態が悪いことを、実態に合わせて法を緩和する、それはやはりまずい。適正化をちゃんと図れといったことでリストラが進むというのだったら、それは厚労省が求めた話ではなかったはずなんです。

 実際はどうだったのか。是正指導を受け直雇用になったところもあり、本来そうあるべきではないのかと思いますが、伺います。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘の平成二十二年三月及び四月に、専門二十六業務の派遣適正化プランによりまして集中的な指導監督を行ったところでございます。その結果の集計の状況でございますけれども、是正指導された事業主におきまして、その対象となった派遣労働者の方につきましては、パーセンテージで申し上げますと九七・六%が雇用が維持されている、こういう結果となっております。

高橋(千)委員 雇用が維持されているというお答えだったと思います。是正がたしか四件だったと思います。

 それで、この適正化プランの第一号事案が、スタッフサービスから日赤の献血業務に派遣されていた廣瀬さん、前にもこの委員会で私、二月に取り上げたことがございますが、きょうもいらしていますけれども、先ごろ和解が成立をいたしました。一番の願いだった職場復帰はかなわなかったけれども、一連の派遣法違反と直接雇用の職員との同一業務が認定をされて、和解の席上で上司が謝罪と長年の貢献に感謝の言葉を述べた、これは非常に価値があった、後に続く価値があったと思うんですね。

 大事なことは、廣瀬さんの闘いを通して、当時の派遣社員が直接雇用となって、派遣から直接雇用になったことで産休をとった社員もいるそうです。違法を正すのは、違法を避けるための解雇を助長することであってはなりません。解雇を恐れて違法を見逃したり、違法を合法にするなど、もってのほかであります。

 大臣に伺います。これは通告していませんが、感想でもよろしいですので、違法を合法でなく、きちんと適正化し、よって労働者の保護につながる道を行くのが厚労省ではありませんか。

塩崎国務大臣 突然でございますが、適正化プランに関連してのお尋ねでございますけれども、それは当然、違法があれば正していくというのは、厚労省としてやるべき道の基本でございます。

高橋(千)委員 違法を正していく、そうですね。それで、もう一つ言ったのは、今正すことによって、逆に、それを避けようとしてリストラがあったりとか、そういうことがあってはならないよね、そこをきちんと労働者の保護の立場でストッパーにならなきゃいけないということを言っているわけです。

 では、具体的に伺います。これはちゃんと通告していますからね。

 二十四年法のときは、専門業務は実は、安定しているからということで優先雇用義務が削除されました。要するに、同じ業務で新しい人を雇うのであればまずこの人をという、これが削除された。しかし、実際には一般派遣にこれからなっていくわけです。みんな一緒になっちゃう。そのときに、既に期間制限を超えています、また、あるいは偽装専門業務である状態なんです、既に。それが全く法改正によって免罪されてはならないわけなんです。

 今残っているのは、現行の四十条の五、優先雇用義務は残っています。そして、直接雇用申し込み義務、まだ今残っています。これは本当に残して、その趣旨を生かしてきちんと労働者の保護に向かうべきだと思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 今の現行の四十条の四と四十条の五のことをおっしゃっているんだろうと思いますが、これらの規定は、今回の改正法において期間制限を見直すということになるわけでございますので、それに伴って削除をされることになるわけであります。改正法の施行日前に締結された労働者派遣契約については、その派遣契約の期間が終了するまでは改正前の期間制限の適用を受けることになるために、これらの規定も引き続き適用になるということでございます。

 一方で、これらの今の二つの規定というのは、現行の期間制限を前提とした制度であるために、経過期間終了後もこれらの規定のみ残すことはできないというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 残す話はさっきしました。確かにそのとおりです。だけれども、今できるでしょうと言っているの。現実に何年も働いてきている。偽装専門業務だったら、これは期間制限違反ですよ。あるいは、ちゃんとした専門業務であったら当然優先雇用するべきですよ。そういうことでもっと努力をしなさい、そういうことを厚労省が働きかけるべきではありませんかと聞いています。

坂口政府参考人 それは、現行法の四十条の四、四十条の五という、直接雇用申し込み義務、優先雇用の義務ということはございますので、私どもとしては、この制度の趣旨についてしっかり周知を図り、その制度がきっちり運用できるようにということでしっかり取り組んではまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 制度に縛られていたら、何か、もう削除するんだから何もできないとか、厳密に言うとそれに当てはまらないからできないとか、厚労省はそういうことだけが仕事ではなかったと思います。

 昨年十一月に実は私は徳島にお邪魔して、トヨタの系列の子会社である光洋シーリングテクノの労働組合の方たちにお話を聞く機会がありました。この組合は、二〇〇六年に偽装請負を告発して、丸八年かかって組合員の四十三人全員が正社員になったんです。ほとんどが若い人たちでしたので、そのうち二組が結婚しました。四十三人の中に二十人の子供が生まれたそうです。まさに安定雇用の意義を実感したところであります。

 しかし、この偽装請負問題だって、文書指導が〇三年度九十一件から、〇五年度は三百五十八件と非常に多くなって、派遣と請負の線引きである三十七号告示が厳し過ぎると。本当は派遣で雇って指揮命令をしたいんだけれども、それが要するに禁止だったものだから請負にやっていた。それで、少しはその線引きをどうにかしてくれなんということが随分言われていた。つまり、今の専門業務の付随業務みたいなことがわかりにくいということが随分指摘をされたわけなんですね。

 だけれども、そのとき、光洋シーリングテクノの問題を報じた二〇〇六年八月十九日の徳島新聞では、当時の大臣、川崎二郎大臣ですが、偽装請負に対し是正を求めていくのは一貫した姿勢、経済界とはできるだけ非正規でなく正規雇用をという議論もしていると述べている。ですから、そういう姿勢を今求めているんです。

 製造業派遣が解禁され、最初の期間制限が来るという二〇〇九年問題、このとき、厚労省は、「いわゆる「二〇〇九年問題」への対応について」という文書を出しています。そのときに、こう書いているんですね。「労働者派遣は「臨時的・一時的な業務」に対応するための仕組みです。恒常的な業務については、労働者を直接雇い入れることにより対応することを検討してください。」

 こういう指導が今求められているのではないでしょうか。

坂口政府参考人 今委員から御指摘ございましたように、過去につきましても、いわゆる偽装請負等の事案に対して私どもも対処してきたところでございます。

 三十七号告示をめぐってもいろいろな御要望等もあって、当時もQアンドAというようなものも出しながら、わかりやすい内容という形にしつつ、事業者の遵法に向けての周知ということについても私どもも努力してきたところでございます。

 私どもとしましては、引き続き、そういったいわゆる偽装請負に対しての対処、あるいは現行の派遣法の制度の遵守ということをしまして、派遣労働者の方の雇用の安定ということについてしっかり対応してまいりたいと思います。

高橋(千)委員 お願いをいたします。

 こうして規制が問題になるときに必ずこういうことが起きるわけです。でも、そのときにやはり毅然とした対応をとることが大事だということを重ねて指摘したいと思います。

 それでは次に、現在、民間職業紹介事業の許可をとっているのはどのくらいあって、派遣会社も随分多いと思うんですけれども、どのようになっているでしょうか。

坂口政府参考人 お答えいたします。

 平成二十六年三月末現在でございますけれども、有料の職業紹介事業所数につきましては一万七千三百十五事業所でございます。

高橋(千)委員 後段の質問が答弁がなかったんですが、多分数えていないということでしょうかね。わからない。うち、派遣会社は。

坂口政府参考人 申しわけございません。今、手元に兼業の事業所数がございませんで、申しわけございません。

高橋(千)委員 これはずっと言い続けていることなので。大分かぶっているはずなんですよね。それはお認めになると思うんです。

 それで、資料の四枚目を見ていただきたいんですが、昨年の九月から、ハローワークの求人情報を民間人材ビジネス等にもオンライン提供を始めました。

 では、現在、どのくらいの事業者が利用しているんでしょうか。また、提供される情報量はどのくらいなんでしょうか。

生田政府参考人 お答えいたします。

 まず、ハローワークの求人情報のオンライン提供は昨年九月からスタートしておりますけれども、職業紹介事業者・学校等という区分で六百七団体、それから地方自治体で二百十九団体でございまして、計八百二十六団体が利用されております。

 それから、提供されている情報量でございますけれども、直近のことしの三月一カ月分について申し上げますと、新規求人件数の三二%、十五万八千件、これが職業紹介事業者・学校等でございまして、合計でいいますと三十三万三千件、六八・四%でございます。

高橋(千)委員 今、注釈がなかったんですけれども、まだテスト期間ですよね。それで八百二十六団体で、十五万八千件。三割といえども、それだけの情報量が民間人材ビジネス会社にも流れているということは、私はこれは非常に重要な問題ではないかなと思うんですね。

 ハローワークに求人票を出している企業は、ハローワークだから出しているというところは当然あると思うんですね。だから三割なのかなと思うんですけれども、提供を望まないところをどのように確認しているのかを伺います。

 また、当然、求人するときは、正社員募集です、そういうつもりで出しているわけですよね。それが、介在する派遣会社が自分たちの仕事になっちゃうみたいな、派遣社員がむしろ安くつきますよみたいなことは絶対あってはならないわけですよね。その点、どのように担保されているんでしょうか。

生田政府参考人 お答えいたします。

 まず、ハローワークの求人情報のオンライン提供につきまして、ハローワークで公開している求人のうち、求人事業主の方がオンライン提供に同意して、さらに同意した対象だけに提供するという整理になってございます。

 求人情報のオンライン提供を受けました職業紹介事業者の方が、求人事業主に対しまして、例えば労働者派遣など、求人事業主の直接雇用でないような形態への転換の働きかけを行った場合につきましては、オンライン提供を停止するということを利用規約に明記しておりまして、これに従いまして、適正、適切な制度運営を図っているところでございます。

高橋(千)委員 派遣となってはならないということがきちんと言われたと思うし、同意をとるということだったと思います。

 今、派遣会社のホームページを見ますと、圧倒的に正社員という言葉が躍っています、正社員への転職支援ということで。結局、当然、ハローワークから情報が来るわけですから、優良情報を扱っています、ハローワークからの御紹介です、これは圧倒的に信頼度が増しますよね。

 今度は、求人情報だけではなく求職情報もこれからやるんだということで、資料の最後のところを見ていただきたいと思うんですが、求職情報ですから、個人の、仕事をしたいという方の情報ですよね。これはID化をして、求職情報サイトに入って、提供される。ハローワークに申し込んだつもりが、派遣会社から、どうですかという話になる。こういう仕組みになるんでしょうか、伺います。

生田政府参考人 お答えいたします。

 ハローワークの求職情報のオンライン提供につきましては、今年度中の提供開始に向けて今準備を進めております。これにつきましては、個人情報の保護に十分留意した形で、御本人に不利益にならないような形で行うということを考えてございます。

 具体的には、提供を希望する求職者の情報につきまして、氏名、連絡先等の個人情報を除いた上で、新たに立ち上げる求職情報サイトに掲載するというのが手始めでございます。その上で、一定の要件を満たしてID等を発行された民間の紹介事業者の方が、掲載された求職情報を閲覧する。その上で、連絡をとりたい求職者がいる場合は、このサイトを経由して求職者にアプローチをする、案内等を送信する。案内を受けた求職者の方が、仮にその民間の職業紹介事業者の方を使いたいというふうに希望する場合について、求職申し込みを行うという仕組みを予定しております。

高橋(千)委員 確かに、最初の段階で、求職サイトに行ってもいいですかということを同意をとるということは聞いています。だけれども、どれだけのことが起きるのかというのは、本当によくわかっているだろうか。

 結局、派遣会社だって、みんな一社じゃないですよね、グループですよね。いろいろな形で個人の機微な情報が回って、かつ、優良情報ですよ、お墨つきですよみたいな感じになったら、これは本当に危険ではないかと思うんですけれども、どのように考えていますか。もう少し。

生田政府参考人 求職者情報の提供につきましては、確かに慎重に対応する必要があるというふうに思っております。

 現在、制度設計について検討しておりますけれども、求職者の方に不利益になることのないような形でやっていきたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 私は、とてもじゃないが、これはやめるべきだと思うんですね。

 これは、真ん中に資料をつけておりますけれども、再興戦略の中で、「民間人材ビジネスの活用によるマッチング機能の強化」ということで打ち出された、そういうことが背景にあるんだと思うんです。

 しかし、大臣に伺いたいんですよ。やはり、派遣なのに、公的職業安定機関を介したことで、正社員への転職支援、こういう宣伝になっているわけですよね。最初に、誤解がないように、職業安定法四十二条のことからきょうの議論を始めたわけですよね。だけれども、公的職業安定機関が優良求人情報のお墨つきを与えて、派遣労働に誘導することになってはならない。本当にこれは慎重にやらなきゃならないし、やめるべきではないか。少なくとも、始めたばかりの求人情報の実施状況をきちんと検証してから求職情報の方は検討するという形で、今年度中と言っていますけれども、これはちょっと待つべきだと思う、やめるべきだと思う。

 大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 新たな制度として、労働市場全体で求人、求職のマッチング機能を強化するために、民間職業紹介事業者に対して、ハローワークが開拓した求人情報のオンライン提供を始めたわけでございます。

 このために、民間職業紹介事業者が、派遣求人を含め、求職者が希望するオンライン提供求人とのマッチングを行うこと自体は制度の趣旨に沿ったものと考えているわけでございますが、今年度中に開始予定の求職情報提供の設計、この求職のことについて今先生御心配をいただいているわけでございまして、委員御指摘のとおり、求人情報の提供の実施状況を十分踏まえた上で行っていくべきだというふうに考えているわけでございます。

 なお、現在、民間職業紹介事業者が直接雇用の求人に対して労働者派遣などの形態への転換を働きかけた場合には、利用規約違反として、求人情報のオンライン提供を停止するということにしているわけでございます。

 求職情報の提供においても、求職者保護の観点を踏まえ、厳正な対応を行うことを検討してまいりたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 確かに、派遣を呼びかけたりしたら違いますよということは書いています。規約違反であると今もお答えになりました。

 でも、絶対そういうことは起きると思うんですよ。絶対そういうことは起きる。だって、これは、再興戦略、3に書いていますけれども、「民間人材ビジネスの活用によるマッチング機能の強化」ということで、「最大限に活用する。」と書いているわけですね。要するに、この再興戦略は経済的な視点から書いているんですよ。そうでしょう。結局、民間人材ビジネスがいかに、こう言っては失礼ですが、もうけるかという視点から書いているんですよ。労働者の保護ではないですよ。

 これは三月の予算委員会でも指摘しましたが、失業なき労働移動との呼び声のもとに、パソナの竹中平蔵氏が提唱して、キャリア支援だと称して派遣会社に助成金、これはおかしいじゃないかと私は指摘しました。キャリア支援も派遣会社にお金を出して、そして求人もハローワークからもらい、求職情報まで、個人のまでもらって派遣会社丸もうけ、こういう構図になっているじゃありませんか。

 もっと言えば、今回、ブラック企業根絶に政府が乗り出します。一方では、残業代ゼロをやり、過労死を生むのでは困るからと労働基準局の体制を強化するというんですね。その体制強化をする人員は、ハローワークを民間人材ビジネスに開放することで余剰人員を回せると提言しているんですよ。

 本当に、求人という最初の入り口のところで企業をきちんと指導する、それがハローワークの役割じゃないですか。これを全く無視して、派遣会社でいいんだとどんどんやって、そこで生まれる過労死を生むような状態に、そこにだけブラック企業根絶だなんて言ったって本末転倒ですよ。

 とことん労働者がないがしろにされて、世界で一番企業が活動しやすい国をつくる、これは絶対反対であるということを申し述べて、きょうは終わりたいと思います。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両案審査のため、来る六月二日火曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る六月二日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十四分散会


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