衆議院

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第29号 平成27年7月8日(水曜日)

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平成二十七年七月八日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 松野 博一君 理事 西村智奈美君

   理事 浦野 靖人君 理事 古屋 範子君

      青山 周平君    池田 道孝君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      大隈 和英君    加藤 鮎子君

      木村 弥生君    小松  裕君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      谷川 とむ君    豊田真由子君

      中川 俊直君    長尾  敬君

      丹羽 雄哉君    橋本  岳君

      比嘉奈津美君    堀内 詔子君

      牧原 秀樹君    松本 文明君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      阿部 知子君    小川 淳也君

      大西 健介君    岡本 充功君

      中島 克仁君    山井 和則君

      足立 康史君    井坂 信彦君

      牧  義夫君    輿水 恵一君

      角田 秀穂君    中野 洋昌君

      高橋千鶴子君    堀内 照文君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      永岡 桂子君

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 林崎  理君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         樹下  尚君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            古澤 知之君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  二川 一男君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           鈴木 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  三浦 公嗣君

   参考人

   (日本年金機構理事長)  水島藤一郎君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月八日

 辞任         補欠選任

  新谷 正義君     池田 道孝君

  松本  純君     大隈 和英君

  三ッ林裕巳君     青山 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     三ッ林裕巳君

  池田 道孝君     新谷 正義君

  大隈 和英君     松本  純君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六七号)


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、社会福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本年金機構理事長水島藤一郎君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官林崎理君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長樹下尚君、金融庁総務企画局審議官古澤知之君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子君、厚生労働省医政局長二川一男君、社会・援護局長鈴木俊彦君、老健局長三浦公嗣君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。白須賀貴樹君。

白須賀委員 御声援、ありがとうございます。自民党の白須賀貴樹でございます。

 まず初めに、このような質問の機会を頂戴いたしまして、心から感謝を申し上げます。

 最初に、私の昔話から始めたいと思うんですが、私は、実は二十のときに父親を亡くしまして、その後、歯科大学の学生だったので、自分で学費を稼いだりしなくてはいけないので、さまざまな仕事をしました。その中の一つが、ホームヘルパー二級の育成講座、養成講座を立ち上げました。千葉県野田市の愛宕というところで学校を開かせてもらって、たくさんの方に受講してもらったりしたんです。

 そのときに、私の講座を受講してもらったヘルパーの受講者の方々、二割ぐらいは男性の方でした。それも五十代ぐらいの、少し中年の男性の方々が多くて、その方々と話をしますと、やはり御両親の介護の面倒を全部妻に任せているので、少しでも自分がその力になりたいとか、あと、自分が母親に大分迷惑をかけてきたから少しだけでも親孝行したい、そのような思いで受講された方々がほとんどでございました。

 そして、その方々からよく相談があるのが、自分は仕事が忙しいから、少しだけでも親孝行したいんだけれども何ができるだろうと。そういうときに私は、まだ弱冠、歯科大学の学生でございましたが、生意気ながらアドバイスをさせてもらって、たったの三分で親孝行ができる、おうちに帰って、お父さん、お母さんが使われている入れ歯を洗ってくれと。ただ洗うと、下の陶器の洗面台に落とすとプラスチックなので割れちゃうので、水を張ってもらって、そこで洗ってもらって、その後ポリデントとかそういった消毒剤に入れてくれと。

 入れ歯には細かい傷や穴があるので、そこに細菌がすみ込んでしまう。そして、お口の中の細菌は、例えばちょっとかりかりっとやった先につく一ミリグラムぐらいで約十億の細菌がすんでいます。その細菌を寝ている間に間違ってのみ込んでしまう。胃に落ちてしまえば胃酸で敵を殺せますけれども、肺に落ちてしまうと、その細菌が広がってしまって、いわゆる誤嚥性肺炎が起きてしまう。これがやはり七十歳以上の死因の第三位の中にいつも毎年入っているので、入れ歯を洗浄してあげることも、結果的にお父さん、お母さんの肺炎予防になって、健康増進になって、三分で終わるから、これは毎日続けてあげてください、そんなアドバイスをした思いがあります。

 やはり、社会保障の分野、介護の分野と、バファリンの半分は優しさでできておりますから、そういった社会保障というのは優しさの積み重ねで起きているものだということを私はまず前提としてお話をさせてもらったところでございます。大臣が笑ってくれないところはちょっと寂しかったんですけれども。

 では、今回の社会福祉法人の改革の話の方に入らせていただきます。

 また私のちょっと古い話で申しわけないんですが、私自身、社会福祉法人を立ち上げました。それも、例えば業者さんとかに書類を任せて設立だけやったのではなくて、実は、一から全部、電話帳ぐらいの厚さのある申請書類を全部自分で書いて社会福祉法人を一から設立させてもらいました。

 社会福祉法人の設立というのは、皆さんは余り聞いたことがないと思うんですが、まず最初に設立するときには、何かをやりたい、例えば私の場合だったら保育園をつくりたい、そのときに、同じ思いの人間を地元の中で、手を挙げてもらって集めなきゃいけません。いわゆる理事メンバーという形、最初の立ち上げのメンバーを集めなければいけません。

 私の場合は、流山青年会議所というJCの仲間に声をかけまして、そのJCの仲間から、どういう保育園をつくりたいんだ、いろいろな意見を合わせながら、例えば、野田や流山のところでは太鼓が有名なので太鼓を子供たちに教えたいとか、また、子供のちっちゃなころから英会話を教えてもらいたいとか、さまざまな意見を取り込んで、そして準備委員会というものを立ち上げて、そして、その理事の中から寄附行為をする代表の人、つまり代表理事が私になりまして、そのときには、寄附行為をするときにはその代表理事が法人に寄附をするんですけれども、結果的に数千万円のお金を寄附することになります。

 そのときに、その寄附がしっかりと行われるように、実は、その理事の中から保証人をつけなければいけません。そして、理事メンバーは六人以上、そしてまた監事が二人という条件があるんですけれども、これはいろいろなローカルルールでずれるかもしれませんが、その六人の中には、三親等以内の親族はたった一人しか入れられません、自分以外に一人しか入れられません。

 私の場合は、うちの家内を入れました。家内は同じ大学の歯科医師で、保育園をやりたいということで、保育士の資格も取りに行って、施設長の資格も取って、そして、保育園をやりながら歯医者をやっていましたので、本人がもう園長の資格があったので理事に入れさせましたけれども、彼女は私の保証人になることができない。

 つまり、残りの四人の赤の他人の方に保証人になってもらわなくちゃいけない。しかも連帯保証ですから非常に大きな足かせなんですけれども、それでも私のことを信頼してもらって、そういう方がついてもらって、そしてその中で、僕たちがみんなで議論したその保育園とかその法人の理念とか信念をしっかりと書き込んで、それを県へ持っていって、市と県とをすり合わせて、その県の職員が、私のその情熱を第三者委員会のところでしっかりと説明をしてもらって認可をいただくという形が、社会福祉法人の考え方なんです。

 ですから、社会福祉法人の成り立ちというのは、その地域地域の本当に信頼をしていただける方がやはり理事長にならなくちゃいけない。私がそれに足りていたかどうかはよくわかりませんが、そういう形で信用してもらって、そしてまた自分たちの思いもしっかりと書いて、一から人を集めて、そして寄附行為をして、初めて社会福祉法人は成り立ちます。

 ですから、本当に、ある新聞等とかでは社会福祉法人に対して余りいい書き方をしてくれていない、余り言うとまた問題が起きちゃいますけれども、余りいい捉え方をしてくれていない新聞等もあるときもあります。でも、違うんですね。最初の立ち上げは思いがやはり強くないと、これはつくり上げることができないことが一つ。

 そしてまた、例えば株式会社とかが保育園の方に参入していて、社会福祉法人だけが優遇されているとかいろいろなことが言われておりますが、例えば社会福祉法人が万が一解散するときには、その持っている資産は全部国庫に寄贈されます。でも、例えば株式会社が解散するときには、これは株主の方に分配されます。これは決して、もう寄附した時点で返ってこない、行ってこいの金だ、出したままの金だという状態で社会福祉法人というのはつくり上げるんです。

 ですから、どうか、この場にいる方々の共通認識で、まずは、そういった皆さんの善の思いで社会福祉法人というのは成り立っているということを認識として持っていただきたいと思います。

 そしてまた、社会福祉法人というのはさまざまな種類があります。特養から始まって、保育園もそうですし、そしてまた障害者の方々の団体を支援したり、生活困窮者の方々を支援したり、本当に広い範囲の、そして、一くくりで社会福祉法人と言われておりますから、大きなところから小さなところまで、さまざまなものが混在しております。ですから、そのことも重々皆様方にも御理解をしてもらいたい。

 そして、まず最初、資料の方を見ていただきたいんですけれども、「特別養護老人ホームの内部留保について」という、この資料でございます。これを見ていただきますと、ざっと言いますと、発生源内部留保が一施設当たり三億一千三百七十三万、そういうふうに出ております。恐らく、この資料とこの数字が新聞等を含めてひとり歩きしております。つまり、社会福祉法人一つに対して三億円以上の内部留保、余剰金がある、そのような誤った知識がひとり歩きしている状況でございます。

 これに対しては、まずこの統計を見ていただきたいんですけれども、この二の内部留保額の調査結果の括弧のところ、これは特養千六百六十二施設に対しての数字なんです。皆さん、社会福祉法人は二万弱あるんですよ。その二万弱あるうちのたったの千六百六十二施設の、しかも特養だけをロックオンしてこの数字をたたき出しています。これは、はっきり言って、全くもってナンセンスな数字だと思っております。

 そしてまた、この内部留保の査定の仕方が、土地建物も含めてトータルでの内部留保という形になっておりますから、例えば、これは例え話で、十億円を持っている法人があって、内部留保を使いなさいよと言われました、では、施設もだんだん手狭になったから隣の土地を買って建物を建てて、そして内部留保を使いましたと思いきや、土地建物も評価に入りますから、内部留保は一円も変わっていないわけですよ。これが本当に内部留保という言い方になりますか。

 ですから、この数字の出し方からして、全くもってこの三億というものは、私は議論に値しないと思っております。

 そのためにも、私は、今回の改革というのはどうしても必要なんです。なぜかといったら、この内部留保というか今持っている法人の資産、それが建物であったり土地であったり、これは絶対に運営するに当たって必要なもの。そしてまた、その建物がないとそういった法人の運営ができませんから、修繕費とか建てかえのお金。そしてまた、特養とかそういったものは三カ月先に報酬が振り込まれるところがありますから、最低でも三カ月分の運転資金。でも、例えば七月とか十二月はボーナスがありますから、そこで二カ月分ぐらい支払いますので、できれば五カ月から半年分ぐらいの運転資金は法人に持たせなきゃいけない。そしてまた、ある意味、例えば地震等があったときに対応できるようなある程度のお金。さまざまなものを必要経費としてみなした後、初めて本当に余剰の分のお金が出てくるはずなんです。

 ですから、今回の改革で、しっかりと財務諸表をつくらせて、そしてそれも、日本全体の統一されたルール、スタンダードな基準をつくることによって初めて日本全体の社会福祉法人の、本当に、本当に余っていると言われている分のお金の積算が出るはずなんです。

 これが出るまでは、申しわけないですけれども、財務省さんと厚労省さんが、財務省は社福に、おまえ、お金が余っているだろう、厚労省の方は、いえいえ、そんなに余っていないんです、実際は。この不毛な議論に終止符がつけられるんです。

 ですから、どうしても今回の改革で、財務諸表の全国的なスタンダードな基準をつくらせて、そしてそれに照らし合わせて本当の意味での最終的な金額とか数字を出させる、これがまず第一、一つ目にどうしても今回の改革で必要なことだと思っております。

 二つ目が、いわゆる法人というものは、私もそうですけれども、社会福祉法人をやっている身として、公的なお金が入りますから、それに対してやはり国民の方々が今回不信を持たれたんですから、当たり前ですけれども、それに対する説明、透明性を向上させなきゃいけない。そのためには、やはり法人のガバナンスの強化というものが必要なんです。

 ですから、今回の社会福祉法人の改革の目玉は、まさに、財政に対して、つまり財務に対して諸表をしっかりつくって、それをちゃんと公表ができる環境にする、そしてまた法人のガバナンスを強化する、この二つがどうしても必要になってきます。

 ただ、そこで皆さん、考えなきゃいけないことは、ちっちゃな法人に対する対応です。

 大手に対しては、私のところもそうですけれども、公認会計士と契約しておりますから、その方に全部任せております。でも、小さなところはそういうことができるでしょうか。

 ですから、今回、こういうガバナンスの強化や、透明性を上げたり、財務諸表をつくったりすることは非常に大切なんですが、小規模の法人に対するそういった手当てはどういうことを考えているか、まず最初に質問させていただきます。お願いします。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法案におきましては、社会福祉法人の公益性それから非営利性を徹底する観点から、今御指摘のように、経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上を図ることといたしております。

 具体的には、議決機関として評議員会を必置といたしまして、理事等の選任、解任、役員報酬の決定、理事、理事会に対する牽制機能を付与する、これが一点でございます。それから、一定規模以上の法人でございますけれども、会計監査人の設置を義務化する。そして三点目といたしまして、ただいまも御指摘ございました財務諸表、それから業務運営に係る情報、これを国民が入手しやすいようにインターネットに公表する。こういったことを法律上位置づけているところでございます。

 これに当たりまして、今御指摘ございましたように、社会福祉法人の事業規模はさまざまでございますので、法案におきまして、小規模な法人に対する一定の配慮を行っているところでございます。

 具体的には、まず、評議員会につきまして、評議員の定数は原則七人以上でございますけれども、小規模の法人につきましては、施行後三年間は四人以上でよい、こういう経過措置を講ずることといたしております。

 それから、会計監査人の設置の義務化でございますけれども、先ほど申し上げましたように、事務体制それから監査費用に係る負担能力、こういったものを考慮いたしまして、これは一定規模以上の法人を対象とする、こういうことにいたしております。

 またあわせて、小規模な法人も、ガバナンスの強化、透明性の向上、これに確実にかつ円滑に取り組んでいただく、これが大事でございますので、まず自治体や社会福祉協議会の協力を得まして、評議員の確保の関係でございますけれども、ふさわしい人材を紹介する、こういったことを通じて、評議員の確保を支援する仕組みを構築する、こういったことを予定いたしております。

 それから、透明性の確保の件におきましても、ホームページがみずから設定できないような法人もございますので、自治体、所轄庁のホームページを利用して、こうした財務諸表等の公表を可能とする。こういったようなさまざまな、運用面も含めました支援措置を講じているところでございます。

白須賀委員 ありがとうございます。

 社会福祉法人の中には、最初に話したとおり、障害者の方々を支援している、そういったところも含めて、あと生活困窮者のところも含めて、非常に、本当に規模が小さくて、ぎりぎりでやっているところがたくさんありますので、どうかそういった小規模の法人に対する御配慮は、深く深く、よりもっともっと考えていただいてもらって、支援をしていっていただきたいなと思っております。

 次に、今度は逆に、大規模の方です。大規模の方の法人に対しても、ちょっと一定の配慮はいただきたいんです。

 どういうことかというと、大きなところは市町村をまたいでいます。また、県もまたいでおります。そうすると、私の公認会計士がいつも、市のいわゆる福祉課の課長さんとかそういった方々と大体もめるのが、おらが市ではこのやり方だ、東京でそんなやり方でもうちはそんなの認めないとか、有資格者である公認会計士の方々が、いや、これはこうですよと言っても、いや、うちではそういうのは絶対に認めませんよとか、いや、これはだめですよと。

 その方が異動になって、二年後、三年後にまたその市の同じ課長の方が来たら、いやいや、これはだめですよ、前の方がそう言っていましたよと言っても、いやいや、それは今はこれをこうしてくださいとか。ローカルルールがはびこり過ぎて、法人のさまざまな会計監査も含めて、今回の改革でしっかりと、公認会計士を含めて、そういう第三者機関も含めて有資格者の方が見たものならば、そちらの方があくまでちゃんとしたスタンダードな基準になって、あくまでローカルルールというものはあってはいけない。

 これはダブルスタンダードになりますので、どうか全国的な統一をしてもらわない限り、これは全く改革の意味がなくなると思うんですが、いかがですか。

鈴木政府参考人 社会福祉法人が適正な運営を確保していく、その上で、今御指摘のありましたように、所轄庁による指導監査、これについては非常に重要な役割を果たしていると思います。

 これはやはり効率的、効果的に行われなければならない、こういう観点で、今御指摘ございましたように、指導監督につきまして、いわゆるローカルルール、具体的には地域によって異なる規制ですとか、あるいは、場合によっては過剰な規制、その結果、社会福祉法人に過剰な負担が生じているんじゃないか、こういった御指摘を私どもいただいているところでございます。

 したがいまして、今回の改革に当たりましては、この所轄庁によります指導監督、これについて、効率化と機能強化を図る、そして統一性を確保する、こういったことをやってまいりたいと考えております。

 まず、効率化と機能強化でございますけれども、これは法人の財務会計につきまして、先ほど申し上げましたように、一定規模以上の法人には会計監査人の監査を義務づける、それから、それ以外の法人につきましても、公認会計士さんなどによります確認を受ける、こういうものを指導する、これによりまして、外部機関によるチェックを積極的に推進していく。

 そして、所轄庁の方の指導監督に当たりましても、公認会計士など、財務会計に関する専門家の活用を促す。

 こういったことを通じまして、指導監査全体につきまして効率化し、機能強化を図っていくということを考えているところでございます。

 それからもう一点大事な、統一性の確保でございますけれども、御案内のように、所轄庁の指導監督は法定受託事務でございまして、したがって、所轄庁は、国が定めた基準に基づいて指導監督を行う必要がございます。これが必ずしも統一されていないという現状だと思いますので、今後、法人運営や経営に関します指導監督基準、この一層の明確化を図りまして、指導監督がこの基準に従って行われるように、これを徹底してまいりたいと思っております。

 以上を通じまして、所轄庁におきまして、公平で効果的な指導監査が行われるように努めてまいりたいというふうに考えております。

白須賀委員 ありがとうございます。

 今回の社会福祉法人の改革というのは、あくまで社会福祉法人いじめじゃいけないんです。よりよいものに、そして透明性を上げて国民の方々にも十分理解していただける、そういう改革にしていかなければいけないと思いますので、ともにもっと知恵を出し合いながらさまざまな議論をしていきたいと思います。

 次に、介護福祉士と介護人材確保に関しての質問をさせていただきますが、我が国の状況をここにいる先生方はもう優に御存じだと思いますが、やはり、二〇二五年には団塊の世代の方々が皆さん七十五歳以上になられますから、ますますそういう介護のニーズとかさまざま上がってきます。逆にまた、二〇二五年に皆さん七十五歳以上になられますと、我が国の労働者人口もやはり七百万人ぐらい減少してしまいます。

 そうしますと、ここは厚労委員会ですけれども、本当に冷静に考えなきゃいけないのは、我が国の国力を維持するための労働者の方々の確保と、そしてまた社会保障である介護や医療やさまざまな分野に必要な人員の数、そしてサービスに対する質や量を確保するための労働力の確保、この二つを同時にクリアしていかなければいけない、非常に難しい時代が我が国はやってきます。

 そうなりますと、ありとあらゆる方々の労働力を、さまざまなところにダイナミックに機動的に配置していかない限り、この国の労働力はもたないんです。

 そうしますと、やはり介護や医療や福祉の分野というのは、どうしても人の手がかかわる、マンパワーがどうしても必要な分野です。ですから、今回のこの介護の分野でも、当たり前ですけれども、労働力の確保というものは大問題なんです。

 そのときに、例えば、フルタイムで、全員正社員で、その場で介護をやらなければいけないという状況はどうしても考えにくい。そうなると、七十五歳を超えられた方でも、自分の体力的に二時間でも三時間でも、介護のお世話もできるし、まだ働けるよという方々や、家庭の主婦の方々で、子供が小学校に行っている間の四時間、五時間だけでも、パートでもアルバイトでも入って仕事をしていきたい、そういったさまざまな分野の方々をやはり介護の分野に袖を広く集めていかない限り、労働力の確保というのは本当に難しいと思います。

 でも、労働力の量が確保できても、質が担保できない可能性がある。そのときに、やはり中心になって指揮をしてリーダーになる人間がいなきゃいけないんです。それはどうやっても、私は介護福祉士さんに担ってもらいたい。ですから、介護福祉士さんというこの分野の職業を、私は、介護の中のリーダーという職業に変えていきたいんです。

 そのためにはどうすればいいか。これはやはりブランド化していかなきゃいけない。そのためにも、やはり国家試験もしっかりと受けてもらって、そしてまた、これからのエリートだという意識も持ってもらって、そして、その中で、しっかりと、集まってきたパートやアルバイトの方々にちゃんと指揮命令ができる、そういったいい意味での、ピラミッドという言い方は変ですけれども、そういった指揮系統をつくっていかないと。

 そしてまた、それを整備するまでにはあと十年ちょっとしかないので、私は、介護福祉士さんに対する期待と、そして責任と、さまざまな思いを今回この改革に当てたいと思っております。

 そこで、少し質問に入りますが、介護人材を十把一からげに考えるのではなく、介護福祉士の位置づけを含め、人材層ごとにキャリアパスや支援策を考えるべきだと思いますが、どうでしょうか、お願いいたします。

鈴木政府参考人 今先生御指摘のように、今の介護現場では、従事されている方々の専門性、役割がさまざまでございます。したがって、限られた人材をしっかり活用していくためには、介護福祉士の位置づけの明確化、それから人材層ごとにその将来展望やキャリアパスが見えるようにしていくこと、これがまことに重要だと思っております。

 したがいまして、介護人材の類型化、機能分化をしっかり図っていくとともに、人材層の役割や能力、これに応じて適切な人材の組み合わせ、養成のあり方、そして最終的には良質なチームケアが提供できる体制の構築を図る、こういった手順で進めていくべきであるというふうに考えております。

 こうした考え方に立ちまして、今般の法改正におきましては、まず、介護人材のキャリアパスにおきまして、介護福祉士さんを中核的人材と位置づけまして、その資格につきまして、養成施設の卒業者に対して今国家試験は義務づけられておりませんけれども、この義務づけを漸進的に導入することにいたしております。これによりまして、介護福祉士の資質と社会的評価の向上を図る、こういうことを狙っているところでございます。

 また同時に、今年度予算におきましては、地域医療介護総合確保基金、この活用によりまして、介護人材のキャリアアップのための研修の受講支援、それから、人材の機能分化に向けました調査研究も含めました検討、こういったものを進めてまいりたいというふうに考えております。

 こういったさまざまな取り組みを通じまして、多様な人材層の状況、ニーズに応じて、従事している方が将来展望を持てる環境整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

白須賀委員 ありがとうございます。

 最後に、もう二〇二五年まで十年しかありません。どうか、この場の先生方におかれましては、みんなで知恵を出し合ってすばらしい社会保障制度をつくっていきたいと思います。

 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 今回の社会福祉法等の一部を改正する法律案でございますけれども、社会福祉法人制度についての制度創設以来となります大変に大きな制度改正であるというふうに認識をしております。現場からも、御不安の声も含めていろいろな声が上がっております。しっかりとこの委員会を通じて議論をしてまいりたい、このように思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 先ほどもお話が出ましたけれども、本改正案の大きな柱は、社会福祉法人のまずはガバナンスをしっかり改革していく、そして財務規律を確保していく、私はこれが二つ大変大きな柱だというふうに思っております。いずれも大変に重要なテーマで、しっかり前に進めていかないといけない、このように考えております。

 特に、財務規律の点につきましては、今回、社会福祉法の第五十五条の二というところで、内部留保を明確化する、これについて福祉のサービスへ再投下をする計画を立てる、こういう新しい仕組みが導入をされております。

 近年、社会福祉法人については、何か不当に内部留保をため込んでいるんじゃないか、こういう報道等いろいろな指摘があるわけでございますけれども、経営実態を見ますと、私はさまざまだなというふうに思うんです。

 率直に、地元で社会福祉法人のいろいろな、保育園の方とか、障害者サービスの方とか、もちろん特養の方とか、さまざまな方がいらっしゃいますので、お伺いをしますけれども、その経営の実態もさまざま、これからどのぐらい建てかえていくのかという投資の計画もあり、中小零細のところもあり、また、そもそも赤字で経営に大変苦しんでいる、こういうところももちろんいらっしゃいます。

 今回の計画の中では、再投下の計画を立てる上で、何が事業継続に必要な財産で何が内部留保なのか、これを立て分けをする、そういう基準を決める、こういう恐らく制度設計がこれからなされていくんだろうな、このように思うんですけれども、この制度設計をしていくに当たっては、多様な経営実態がうまく反映できるような、何か一律に、ここからは内部留保で、ここからは必要な資産だ、こういう乱暴なやり方ではなくて、やはりさまざまな実態が反映できるようなものにしなくてはいけないというふうに思っております。

 また、実際に所轄庁が認定をしていくことになると思うんですけれども、やはり、経営の専門家の観点であるとか、経営をしていく上で本当にこれが必要なのかどうか、こういう視点も必要かと思いますし、真面目にしっかり社会福祉事業を営んでいこう、こういう方が、何かこの制度で経営が不当に圧迫されるような仕組みにしてはいけないんだろう、私はこういうことを考えております。

 そこで、この仕組みの今後のあり方について、具体的な運用の点でどのように考えていかれるのかということをまず確認したいと思います。

鈴木政府参考人 社会福祉法人につきましては、先ほどから御指摘がありますように、事業活動を通じまして得た利益、これを蓄積する形で相当程度の余裕財産を保有しているんじゃないか、そういったいわゆる内部留保に関する問題が指摘されたところでございます。

 しかしながら、いわゆる内部留保につきましては、法律上確立した定義がございませんで、また、仮にその余裕財産が存在するとした場合に、それをどういうふうに使うのかといったような処理の対応についても制度上明確なルールが設けられていない、これが現状でございます。

 一方で、社会福祉法人は非常に公益性の高い非営利法人でございますので、こういった公益性、非営利性に照らしますと、この内部留保につきましては、現在の事業を安定的に経営するために必要な財産は適切に確保した上で、それ以外の財産については、やはり社会福祉事業の拡充などに再投下をして地域社会に貢献する、こういったことが求められるのであろうというふうに考えております。

 こうした考え方に立ちまして、今回の法案では、内部留保につきまして、社会福祉法人が現在の事業を継続するために必要な財産額を控除いたしまして、再投下可能な財産額を明確化いたしまして、計画的にこれを社会福祉事業の拡充等に再投下する、こういった仕組みを設けたところでございます。

 この場合の、現在の事業を継続するために必要な財産でございますけれども、これは、一つは、まさに今現在の事業に活用されている土地や建物などの資産、それから二点目といたしまして、この事業をこれからずっと続けていくために必要な建物の建てかえあるいは大規模修繕に必要な資金、それから、緊急の支払いなどに対応するための手元流動資金、こういったものを基本といたしまして、具体的な算定方法を、今先生御指摘ございましたように、明確に定めていく必要があるだろうというふうに考えております。

 御指摘のように、社会福祉法人の事業内容とか規模は多様でございますので、ただいま申し上げました事業継続に必要な財産額の算定につきましては、やはりその実態を踏まえた、合理的で適切な算定方法として定める必要があるだろうというふうに考えております。

 この基準につきましては、やはり専門的、技術的な見地から十分な検討を要するものでございますので、法案が成立いたしまして制度施行までの間に、有識者の知見も含めまして検討を進めまして、適切な基準を策定してまいりたい、こういうふうに考えてございます。

中野委員 ありがとうございます。

 今回、運用で非常に肝となってくる点だというふうに思っているんです。ここの制度設計を誤ってしまうと非常に多くの社会福祉法人の皆様の経営の問題にもなってまいりますので、しっかりと現場の実態が反映されるものにしていっていただきたい、このようにまずはお願いを申し上げます。

 続きまして、ガバナンスの点について質問をさせていただきます。

 今回、一定規模以上の社会福祉法人については外部監査を活用する、こういうことがございます。

 私は、この外部監査の活用というのは透明性の確保の観点からも非常に重要なことである、このように思いますけれども、実際に社会福祉法人の経営の状況を見ると、むしろ、資産額がどちらかというと大きいところは、確かに、委託をして外部監査をしてもらってしっかりと見ていただく、これはできると思うんですけれども、資産額が少なくて事業規模が小さい法人、こういうところを見ていくと、なかなか経営が苦しくて、赤字経営だったり、こういう方々が多くいらっしゃるんじゃないかなというふうに思うんです。

 今回、仕組みを見てまいりますと、外部監査の活用というのはあくまで大規模な法人だということでございまして、こういう小さな法人は引き続き所轄庁が監査をしていくことになるのかなというふうに考えておるんですけれども、例えば、むしろこういう小さな法人に対して、経営の専門家のような観点から何か指導を受けるとか、適切な指導ができるような支援体制、こういうものも含めてやはり考えていった方がいいのではないか、このように私は思うんですけれども、いかがでございましょうか。

鈴木政府参考人 社会福祉法人が財務規律を確立する、そして運営の透明性を確保する、こういった観点から、やはり適正な会計処理というのは、法人の規模にかかわらずこれをきちんとやっていくことが重要だということが基本認識でございます。

 その上で、ただいま御指摘ございましたように、小規模の法人につきましては、やはり人材的にも経済的にも厳しい状況がございます。こういったことを考慮して必要な支援を行っていかなければならないというふうに考えております。

 具体的に申しますと、例えば、公認会計士さんあるいは税理士さんによります財務会計に係る確認体制をきちんと整備して、支援しやすいようにしてあげる。それから、社会福祉法人は監事を必ず置くことになっておりますけれども、この監事に公認会計士または税理士を登用することを指導する。

 こういった法人みずからの取り組みをできるだけ進めていただくことによりまして、所轄庁による監査自体を効率化して、余り法人に御負担をかけないようにしていく、こういった全体としての取り組みも必要だろうと思っております。

 それから、小さな法人につきまして、財務会計のいろいろな書類をそろえていくというのはなかなか御負担の面もあろうかと思っております。

 そういうことで、この改正法案の中では、財務会計に関します全国的なデータベースを構築するということにいたしておりますけれども、この構築に当たりまして、財務諸表など統一されたフォーマットをきちんとつくって、これを、小さな法人でも簡易に、迅速に作成できるような形で配付する、そういったことで法人におきます財務諸表の作成や確認を支援する、こういったような支援を予定しているところでございます。

中野委員 やはり小規模法人の数もかなり多いと思います。こうしたところに対する支援というのをしっかりと手当てしていくことは非常に大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、地域公益事業についてお伺いをいたします。

 今回の制度改正のまた大きな柱の一つとして、地域公益事業を実施する責務規定を社会福祉法人に対して、社会福祉法第二十四条第二項、ここで置いている。もちろん、高い公益性のある法人でございますので、こうした趣旨は十分に理解をいたしますけれども、やはり社会福祉法人の方からもいろいろな声が上がっていることも事実でございます。

 例えば、私の兵庫ですけれども、県内で見ましても、そもそも赤字だというところも結構ございます。また、内部留保どころか、どちらかというと資本が欠損をしているような、本当に経営が、本体事業だけでも精いっぱいなんだ、こういうお声も非常に強くて、職員の給料も上げたくても上げられない、地域公益事業をやれと言われてもなかなかやるようなゆとりはとてもないんだ、こういうお声も私は受けたわけでございます。

 法人によってさまざまな状況があるという中で、今回、地域公益事業の責務規定を置いた趣旨というものを改めて確認したいというふうに思います。

鈴木政府参考人 我が国の社会、人口の高齢化ですとか、あるいは地域社会、家族の変容に伴いまして、福祉ニーズがやはり多様化、高度化をいたしております。そうしますと、既存の制度では十分に対応できないような方々、これに対する支援の必要性がやはり高まっているというふうに考えております。

 こうした中で、社会福祉法人の位置づけというものを考えてみますと、これは、いわゆる社会福祉法に列挙をされております社会福祉事業を実施するというだけではなくて、地域の幅広い福祉ニーズに対応した公益事業、これを行うものとして社会福祉法に位置づけられているという法人でございます。したがいまして、社会福祉法人は、営利法人などの他の事業主体では対応が困難な福祉ニーズにやはり対応することが求められるということだろうと思っております。

 そうした観点から、今般の改革におきましては、社会福祉法人に対しまして、日常生活あるいは社会生活上の支援を必要とする方に対して無料または低額な料金によって福祉サービスを提供することを責務として位置づけたということでございます。

 これは責務でございますので、義務ということとは異なりまして、それぞれの法人の財政状況に応じて、お金をかけて行うもの、かけずに行うもの、さまざまな状況に応じて努力をしていただければよいという趣旨での責務でございます。

中野委員 また、今回の責務規定で私が実際に伺った声が、国や自治体が本来行うべき行政サービスもある、社会福祉法人が地域の中でニーズに応じてそれぞれやっていくものもある、こうした規定ができていくことによって役割分担がちょっとどうなっていくのか不安なんだ、こういうお声もございました。ありていに言うと、公共サービスが低下をしてしまうんじゃないか、こういうふうなお声もあったわけでございます。

 私は、今回、そういった制度の趣旨ではないというふうには思っているんですけれども、改めてこの点についてお伺いをするとともに、社会福祉法人、そして国や地方公共団体、こうしたものがどういう役割分担の中でさまざまなサービスを提供していくのか、この考え方についてもお伺いをしたいというふうに思います。

鈴木政府参考人 先ほど申しました、社会の変化それから家族の変容に伴いまして、地域の助け合い機能がやはり縮小しているということは否めないと思っております。そういうことで、福祉ニーズが多様化、複雑化しております。

 これにきちんと対応していきますためには、国とか地方公共団体によります福祉サービスや支援の制度化、こういったものに加えまして、やはり社会福祉法人やNPO、ボランティアなど多様な民間主体が、国や自治体と協働しながら、それぞれの役割に応じてきめ細かな活動を行っていく、これによって全体として地域の福祉ニーズに対応していく、こういった役割分担が大事だろうというふうに考えております。

 この中で焦点は、今回の地域公益活動の責務化に伴いまして、国や自治体の公的責任が後退するのではないかという御懸念をいただいているわけでございますけれども、やはり国と地方公共団体というものは、国民と住民全体の観点から、福祉の支援の必要性に応じまして、社会福祉法人がやっております公益的な取り組みも含めまして、適切に制度化や予算事業化を行う、これが国や自治体の役割だろうと思っております。

 今般、社会福祉法人の責務を設けたことによりましても、こういった国や自治体の責務、責任というものは、いささかの変化もございませんし、また後退するものでもないというふうに考えております。

中野委員 明確な御答弁、ありがとうございました。

 続きまして、社会福祉施設職員等退職手当共済制度、この点についても質問をさせていただきます。

 この制度につきましては、職員の待遇改善ということで、退職手当の掛金に公費助成というものが行われております。もともと、国、県から三分の一ずつ補助ということでございましたけれども、障害者総合支援法等に関する施設や事業についてこれが今回廃止をされる、こういう中身になっておりまして、これについてもやはりいろいろな御懸念の声を私もいただきました。

 障害者福祉サービス、特にこういう施設は小規模なところも多いと思います。経営も非常に大変なんだ、こういうお声もいただいておりますし、こうした仕組みを廃止することによって経営に大きな影響が出てしまうんじゃないか、こういうお声もいただいたわけでございます。

 今回の公費助成の見直し、こういうものがどういう影響を経営に対して与えるのか、どういう御認識をされているのか、また、これに対してどういう手当てをされているのか、これについてもお伺いをしたいというふうに思います。

鈴木政府参考人 御指摘のございました退職手当共済制度でございますけれども、これは職員の処遇の向上に重要な役割を果たしておりまして、やはり安定的に運営し維持していくこと、これが必要だと思っております。

 一方で、先ほど来申し上げておりますように、福祉の世界にも多様な事業主体が参入をいたしております。そういたしますと、公平の観点から、社会福祉と他の事業主体のイコールフッティングの観点から、この制度についても見直してまいったところでございます。

 具体的には、平成十八年の改正におきまして、介護関係の施設、事業につきまして、ただいま御指摘のように、公費助成を廃止したということでございます。その際に、障害分野はどうするのかということが課題になってまいりましたけれども、結論から申しますと平成十八年は公費助成を維持したわけでございますが、維持したところの理由につきまして、相当程度、当時と現在では状況が変わっております。

 具体的には、当時、まず、障害の施策におきまして、制度自体の大きな枠組みの変更を検討中だということでございました。したがって、公費助成は維持するということでございましたけれども、御案内のように、現在では新制度への移行も完了いたしております。

 それから、当時、やはり障害の世界で社会福祉法人が事業の中核であったわけでございますけれども、現在では営利法人が相当ふえておりまして、社会福祉法人と同程度の割合になっております。

 こうしたことから、障害者総合支援法に関する施設、事業についても、今回、介護と同様に公費助成の見直しが必要だろうということで、公費助成を廃止することといたしたわけでございます。

 これに当たりまして、今御指摘がございましたように、法人の運営に大きな影響を与えないように配慮する必要があると思っております。このため、公費助成の廃止につきましては、既に退職手当共済に加入を現在している方、この方については引き続き公費助成を維持する、施行日以降新たに雇われることになった方から公費助成を廃止するといったような息の長い経過措置をつくることにいたしております。

 また、当然、新規加入に係る方については掛金の負担が法人に増加をいたすわけでございますけれども、これにつきましては、この制度見直し後の経営実態を適切に把握した上で各種の報酬改定を行うことといたしておりますので、その中で引き続き安定した法人運営の確保はできるだろう、こういうことで考えているところでございます。

中野委員 やはり、大きな制度改正でございますので、さまざまな御懸念がございます。丁寧な周知徹底、また、さまざまな配慮をしていくことが必要だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、大臣にお伺いをいたします。介護人材の処遇改善とキャリアパスについてでございます。

 法改正の大きな柱の一つとして、福祉人材を確保する、大変に大事です。特に介護の問題、二〇二五年に向けて約三十万人を十年間で継続的に確保しないといけない。非常に大事な局面に入っていると思います。他方で、やはり介護人材は、なかなか処遇が、お給料が安いであるとか、いろいろなことが言われておりまして、なかなかずっと働き続けられない。

 こういう処遇の改善、あるいは、将来もビジョンを持って、希望を持って働き続けられるようなキャリアパスの構築、さらに加速化して力を入れていく必要があると思いますけれども、これについて最後に大臣の御決意を伺いたいというふうに思います。

塩崎国務大臣 今先生御指摘のように、介護にあって、もちろん障害もそうですけれども、介護人材の確保あるいは定着から、このキャリアアップの仕組みをしっかり整備して処遇改善の取り組みをしていくということが極めて大事だというふうに思っております。

 二十七年度の予算におきましては、地域医療介護総合確保基金というのを御用意させていただいて、新たに介護人材の確保の対策として九十億円を別途この中に公費として確保いたしまして、スキルアップのための研修の受講支援とか、研修を受講する職員の代替職員を雇用した場合の人件費の補助であるとか、都道府県が行う格段の取り組みを国として支援するということとしておるわけであります。

 二十七年度の介護報酬決定において、介護職員の職責や職務の内容に応じた賃金体系等の整備と、それから介護職員に対する研修機会の確保の双方を行う介護事業者に対して、一人当たり月額一万二千円相当の介護職員処遇改善加算の拡充を行うことによってキャリアパスの整備を促すということは、もう何度も御説明をしてまいったところでございます。

 さらに、介護人材のキャリアパスにおいて、介護福祉士を中核的な人材として位置づけるということ、それから、今般の改正法案において、介護福祉士の資格について、養成施設卒業者への国家試験の義務づけを漸進的に導入するということによって国家資格の取得方法の一元化を図って、その資質とそれから社会的な評価、この評価がとても大事だと思いますが、この向上を図るということにしております。

 これらの取り組みを総合的に実施することによって、介護人材のキャリアアップの支援と処遇の改善を着実に推進し、福祉分野における人材の確保をしっかり図ってまいりたいというふうに思っております。

中野委員 以上で終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、山井和則君。

山井委員 三十五分間、質問をさせていただきたいと思います。

 きょうは本当に多くの傍聴の方々もお越しをいただきまして、立ってまで傍聴をしてくださっております。そういう中でも、今回の社会福祉法人改革、現場にも大きな影響を与えるわけですし、関心の高い分野でございます。

 今、白須賀議員、そして中野議員の質問を聞かせていただきました。問題意識というのは私も非常に近いものがあるなというふうに思っております。ただ、これから慎重審議をしていくわけですが、現時点では、この法案は問題点の方が多いのではないかというふうに私は感じております。

 その理由は、一つは、やはり、誰かもおっしゃっていましたけれども、一部の何かもうかっている福祉法人、施設を取り締まるために、大部分の本当に赤字やぎりぎりで歯を食いしばって頑張っているところまで一緒に規制の網をかけてしまうとか、そういうやり方というのは非常に雑で乱暴過ぎるんじゃないかということ。

 さらに、何よりも、ことしの四月に介護報酬と障害福祉報酬が引き下げられました。介護報酬は、消費税アップ分を差し引くと史上最大の引き下げです。また、障害福祉報酬も、消費税増税分を差し引きすると史上初のマイナスの報酬改定になっているんですね。

 そういう中で、この法案審議のそもそも前提として、現場の障害者福祉施設や介護施設は、人手不足も含めて今本当に大変な御苦労をされています。私も地元で毎週末、障害者の施設や介護施設の方々と話をしておりますが、本当にもう苦しんで、困って、そういう苦情ばかりであります。やはり、非常に現場が苦しんでいるという、へとへとになっているという現状認識が今回の社会福祉法人改革には私はないのではないかと思っております。

 このことについては後半で質問したいと思いますが、ちょっと不本意ながら、漏れた年金情報問題を前半で質問させていただきたいと思います。

 なぜ私が不本意と言うかというと、ニュースで御存じかと思いますが、昨日、何と二千四百四十九人もの方に、コールセンターや年金事務所が間違った説明をしていたということが明らかになりました。

 つまり、コールセンターや年金事務所に、私の年金情報は漏れていませんかと不安に思って相談に行かれた。大丈夫です、漏れていませんと。コールセンターの人や年金事務所の人が、御安心ください、漏れていませんと言った。ところが、後日、ごめんなさい、間違っていました、漏れていましたと。

 こういうことが、きょうの配付資料にありますが、七月六日、おとついの十一時五十七分、テレビのニュースで流れたわけです。数百件、とんでもないですよ。不安に思って相談に行って、大丈夫です、御安心ください、漏れていませんと。ところが、実際は漏れていた。

 おまけに、このことを把握した日本年金機構は、マスコミに漏れないようにこっそりとおわびに戸別訪問をし、そして、このニュースが流れたから、何人に誤った説明をしたんですかと言ったら、言わない。何人ですか、ニュースで流れているじゃないですかと言ったら、担当者は、一人ではありません、複数ですと。

 何十人なんだ、何百人なんだ、わかりません、一人ではありません、複数ですと言うから、複数といったら二人とか五人とか七人かなと思って、きのうも私、社福法の質問の準備をしたかったけれども、何人なんだ、何人なんだと一日じゅう言わせていただいたら、やっと出てきたのが、何と二千四百四十九人ですと。皆さん、二千四百四十九って複数と言いますか、普通。たくさんでしょう、多数でしょう。

 おまけに、この時点においても、二千四百四十九人に間違った説明をしましたという記者会見を日本年金機構も厚生労働省もしていないし、一枚も説明の紙ももらっていませんし、謝罪もしておられません。つまり、隠蔽されてきたんです。

 こうなったら、残念ながら、ここで質問せざるを得ないじゃないですか。ペーパーが出て、何人が間違って、謝罪しましたと記者会見を皆さんがされたら、私たちもそれはそれで半ば納得するところがあるかもしれません。しかし、発表しない、ペーパー一枚もない、謝罪もしない。これはどういうことですか。

 水島理事長、二千四百四十九人も間違った説明をしていたということを水島理事長はいつ知ったんですか。

 もう後半の閣法の審議がありますから、端的に全部答えていってくださいよ。いつ、二千四百四十九人に漏れていることを水島理事長は知ったのか。そして、戸別訪問は何日から何日までかけてやったのか。そして、おわびに行くときには、ちゃんと間違った説明をしていましたというおわび状を渡したのか、それともおわび状を渡していないのか。水島理事長、お答えください。

水島参考人 お答えをいたします。

 まず、このような事態を招きまして、大変国民の皆様に御不安を与えたことに関しまして、心からおわびを申し上げる次第でございます。

 その上ででございますが、二千四百四十九名については七月六日に知りました。

 それから、戸別訪問を行った日でございますが、六月二十七日の土曜日からでございますが、おおむね一週間で戸別訪問を行っております。

 それから、おわびの際に文書を出したのかということだったと思いますが、これは、口頭でその旨おわびを申し上げ、皆様に御送付申し上げておりますおわびの文書も同時にお渡ししたということでございます。

山井委員 ちょっと納得できないのが、六月二十七日から一週間ということは、七月三日金曜日までの一週間で二千四百四十九人回られたということですが、では、二千四百四十九人という人数はおいておいて、こういう間違って説明した方がいるから謝罪の戸別訪問をするということは、水島理事長はいつお聞きになりましたか。

水島参考人 まず、六月中旬でございますけれども、誤った説明を行った方がいるおそれがあるという報告を受けました。その報告を受けた際に、まず徹底的に調査をしなさいということと、それから、もしそういう方がいらっしゃれば、戸別に訪問をし、直接おわびを申し上げ、御説明を申し上げるようにという指示をいたしました。

山井委員 不可解なのは、これは大不祥事ですよ、相談に来た方あるいは面談に来た方や電話した方に間違ったことを言ったということは、年金情報を漏らした人に二重の失礼を働いたということですから。だから、理事長としたら、そんなことがあったんだったら、それは何人なんだ、五人なのか、五十人なのか、五百人なのか、千人なのかと、普通は思いますよね。

 そのとき何人と聞かれたんですか。何人そういうミスがあったと聞かれたんですか、水島理事長は。

水島参考人 その時点では、対象の方が何人ぐらいいらっしゃるかということは把握ができませんでした。

山井委員 これは、七月六日にテレビのニュースで流れた、その日に二千四百四十九人と水島理事長は知ったというのは、私はおかしいと思うんですよ。

 なぜならば、六月二十七日から一週間、七月三日には戸別訪問は終わっているんでしょう。戸別訪問が終わっているんだったら、件数はわかるに決まっているじゃないですか。戸別訪問は終わっているのに、水島理事長はこの人数を知らなかったんですか。それはおかしくないですか。

水島参考人 まず、対象者の方の抽出でございますけれども、二十二日に百一万人の方が確定をいたしました。その中から、その方々に関する事跡を調べることがまずスタートでございました。二十三日からでございますが、どういうようなお答えをしているかということについて、お客様業務システムというものが私どもにございまして、お客様との関係についての、どのようなお話をしたのかということについて事跡を管理するシステムでございますが、そこから対象者をまず抽出いたしました。その抽出をしたものにつきまして、それはある意味では機械的に行っておりますので、それを事務所に配付しております。

 そのリストをもとにして事務所で具体的な内容を確認いたしまして、そして対象者であるということを確認した上で、私どもからおわびのお手紙がございます、それは一旦やはり事務所に引き抜いて渡しております。渡した上で、そのお手紙を持って、対象者の方であるかということも、おわびも兼ねながら、こういうようなことになって申しわけありません、こういうことでございましたということを御説明しながら、最終的に人数を確定していったということでございまして、その結果、七月三日でございますが、最終的に二千四百四十九名が、人数が固まったということでございます。

山井委員 さっきの答弁と違うんじゃないですか。さっき、二千四百四十九人と知ったのは七月六日とおっしゃっていたけれども、今の答弁だと、戸別訪問を終えた七月三日の日に二千四百四十九人という人数が固まったということでいいんですか。

水島参考人 私が報告を受けたのは七月六日でございます。七月三日に二千四百四十九という数字がおおむね固まったと六日に聞いたわけでございまして、土日を挟んでおりますが、その間に最終的な確定のチェックもしていたようでございまして、最終的に私に報告があったのは七月六日でございました。

山井委員 これは全員回ったと。それで、全員と面談できたんですか。そして、面談できていない人は何人なんですか。セットで聞きますと、面談できていなくて、まだ、あなたに説明した内容が間違っていましたよと伝わっているか伝わっていないかわかっていない人は、何人おられるんですか。

水島参考人 御本人にお目にかかりまして、御説明をさせていただきまして、謝罪をさせていただきました方は二千百七十七名でございます。

 そして、二百七十二名の方に関しましては、そのときにお会いできておりません。したがいまして、この方々には、訪問したというメモ等を置きまして、再度訪問をするというようなことも検討したいというふうに思いますが、この方々にはまずおわびのお手紙はお送りさせていただいておりまして、その上で、基本的には、お目にかかって再度御説明をするということにしたいと思っております。

山井委員 ということは、二千四百四十九人のうち二百七十二人は、まだ、年金事務所やコールセンターで私は大丈夫と言われた、にもかかわらず、何であなたの情報は漏れていますよというわび状が来るのか、要は説明がなされていないということじゃないですか。

 それはやはり問題じゃないですか。何でその二百七十二人を放置しているんですか。

水島参考人 この方々に関しては、すぐ翌日から御説明にお伺いするように努力をいたしておりまして、順次、お目にかかれたかどうかということについては報告をとっておりますが、現状、何人お目にかかれたかということについては今手元にございません。

山井委員 これは、国会でもこれだけ質疑になっているわけですから、余りにも無責任じゃないですか。二千四百四十九人の方に間違った説明をして、おまけに、それからかなりの日数がたっているのに、二百七十二人の方には、間違っていましたという謝罪すらまだできているかできていないかわからない。余りにもひどいんじゃないですか。

 おまけに、七月六日には二千四百四十九人とわかっていたと言うけれども、理事長、こんなことがわかったら、公表して謝罪しないとだめじゃないですか。これは結局、報道されなかったら隠し通すつもりだったんじゃないですか。だから、おわび状も紙で渡さなかったんじゃないんですか。

 もし報道されなかったら、ずっと隠し通すつもりだったんですか。おかしいと思いませんか。これは隠蔽したんじゃないですか。

水島参考人 私どもといたしましては、間違ってお答えをした方にお一人ずつお伺いをして、事情を御説明して、おわびを申し上げるということをやってまいりましたし、現在もやっているわけでございます。

 このことに関しまして、隠蔽をするとか、そういう気は全くございません。お客様に対して、いかに早く御説明をし、御安心していただくか、事実を御認識いただくかということに努力をしてきたということでございます。

山井委員 マスコミに出るまで、二千四百四十九件、こそっと回って誰にも言わないというのは、そういうのを隠蔽と世の中では言うんです。

 そうしたら、これは確認ですが、二千四百四十九人、コールセンターに電話して間違った説明を受けた人だけじゃなくて、年金事務所の電話じゃないですよ、年金事務所に行って面談をして、面談した結果、あなたは漏れていませんと間違った情報の説明を受けた人もいるんですか。

水島参考人 いらっしゃると思います。

 ただ、現在、コールセンターで御説明したか、事務所で御説明したかということについての区分を現時点で持っておりませんので、大変申しわけございませんが、その数については申し上げられません。

山井委員 これは本当に年金行政の根幹を揺るがす問題ですよ。百一万人の大不祥事を起こした。だから、不安があったら電話してください、年金事務所に来てくださいと。みんな全国で押し寄せたわけですよ、年金事務所、そしてコールセンターがつながらないぐらい。やっとつながった、やっと年金事務所に行った、あなたは漏れていません、大丈夫ですと言われたら、実はその情報は間違っていました。これはひど過ぎる。

 塩崎大臣、塩崎大臣は、こういう説明誤りがあって、おわびして回っているということはいつ知りましたか。さらに、二千四百四十九人だということはいつ知りましたか。

塩崎国務大臣 残念ながら、私が一報を聞いたのは、テレビ報道のあった日の夕方だったと思います。

山井委員 人数を聞いたのはいつですか。

塩崎国務大臣 それは、その翌日の火曜日、七日の朝、私は二千四百四十九名ということと経緯を概略聞いたところでございます。

山井委員 監督官庁は厚生労働省なわけでしょう。おまけに、年金事務所も今回のコールセンターも、可能性としては国民の年金保険料が使われる可能性が高いんですよ。一カ月で、千本、三億円。国民の保険料を使ってやっておきながら、またそこで間違った説明もする。

 塩崎大臣、では、七月六日、テレビ報道の後、漏れている、間違いの説明をしたというケースが起こったときに、塩崎大臣はどういう指示をされたんですか。即人数を発表して謝罪会見をする、記者会見をする、そういう指示をされたんですか。塩崎大臣はどういう指示をされたんですか。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、テレビ報道の数字と最終的に明らかになった数字が違うのに明らかなように、まず私が指示をしたのは、真相をしっかりと把握した上で、報告をすぐ私にするようにということでございました。その上で、どのようにするかということも、しっかり対応を考えていかなきゃいかぬということも同時に申し上げたところでございます。

山井委員 私は塩崎大臣の監督責任は大きいと思いますよ。先ほど言ったように、七月三日の時点では二千四百四十九人という数字が固まっていた。七月六日には理事長も二千四百四十九人というのは知っていた。にもかかわらず、塩崎大臣、なぜすぐに数字を出させなかったんですか。この七月六日の晩、何をやっていたんですか。

 結局、何でこれが出てきたかといったら、七月七日に民主党の部会で私たちが怒りまくって、出せ、出せ、出せと一日言いまくって、そのあげくに出てきたんじゃないですか。

 でも、本来、こういう不祥事の数字をすぐに公表させるのは、塩崎大臣、あなたの責任じゃないですか。今回のことに関して、わかってからも全く数字を出させる努力も塩崎大臣はしていないじゃないですか。私は、大臣失格だと思いますよ。何で野党が追及して数字を出させないとだめなんですか。何のための厚生労働大臣なんですか。監督責任を果たしていないじゃないですか。

 塩崎大臣、こういうニュースが出たら、みんな必死になって、何件間違っているんだと不安に思っているんですよ。なぜ、塩崎大臣、この時点で、何人なんだ、すぐ発表しなさいというふうに言われなかったんですか。

塩崎国務大臣 今申し上げたように、正確な数字を一刻も早く私に上げろということを六日の段階で申し上げたわけでありまして、今先生おっしゃっているとおり、問題意識は全く同じでございます。

山井委員 そのときにはもう日本年金機構は数字を持っているのに上がってきていないじゃないですか。大臣として全く信頼されていないからじゃないですか。何で民主党の会議に出てくるんですか。おかしいじゃないですか。

 そういう意味では、私は、今回、本当に塩崎大臣の監督責任が全く行き届いていないし、だから年金機構からもこういう重要な情報も上がってこない。塩崎大臣の責任は大きいと思いますよ。

 だから、先日も言ったように、ボーナスを塩崎大臣はお受け取りになりましたが、これは結局、きょうの配付資料にもありますように、塩崎大臣、大臣でなくなったら返納できないんですよ、大臣の給料とボーナスというのは。この配付資料五ページにあります。

 ということは、塩崎大臣、前回は、検証委員会の結論を見てから、返納するかどうか、返納方法は検討すると言ったけれども、これは政務三役の方も含めてですけれども、内閣改造が十月にある可能性がありますから、内閣改造にもしなった後だったら返納できないんですよ。

 塩崎大臣、ということは、検証委員会の結果は九月末まで、内閣改造があるかどうかわかりませんが、それまでに出すということなのか、それとも、内閣改造の時点までに結論が出ていなかったら、政務三役の方も含めて、その時点で結論を踏まえずに返納するかどうかを判断するということですか。どうするんですか。

塩崎国務大臣 検証委員会のことにつきましては、もう何度も御答弁申し上げているように、極めて大きな問題であり、また国民にとっても重要な問題であるがゆえに、徹底的な検証をお願いしたいということを申し上げたことが第一点。

 第二点は、同じように、国民にとっての重要な話であるので、スピードが大事だということも甲斐中委員長に明確に申し上げて、それを今議論していただきながら検証を重ねているわけでありまして、そのタイミングについては、これは甲斐中委員長みずからが委員の皆様方と御相談の上でお決めになるというふうに理解をしております。

 けじめの問題については、私はもう既に申し上げているとおりであって、この検証の結果なども踏まえた上で、適切に、やはり一定程度たったところでこれはとらなければいけないというふうに思っているということは答弁済みでございますし、また、今お話しのような、さまざまな起こり得るであろうことについては私たちの頭の中にも入っておりますので、そういうことを踏まえた上で、国民に対する信頼回復の大事な手だての一つとして、けじめについても明らかにしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

山井委員 だから、逆なんですよね。六月一日に漏れた年金百二十五万件が明らかになったのに、一カ月以上たっても全くけじめもつけていない。そういうゆるゆるで大臣が仕事をしているから、こういう不祥事が次から次へと起こるんじゃないですか。

 今回のこのことも、二千四百四十九人に間違った説明をしたことも、今まで隠し通して説明もしていなかった、記者会見もしない。先ほど水島理事長はおわびを冒頭されましたが、監督官庁の責任者として、塩崎大臣も、この二千四百四十九人の方に間違った説明をしたことを謝罪すべきではないですか。いかがですか。

塩崎国務大臣 当然のことながら、監督官庁、そしてまた年金機構は厚生労働大臣の監督のもとで年金事業をとり行っているわけでありますので、今回の、二千四百四十九名の皆様方に間違った、誤った説明を機構がしたということに関しては、監督者として大変申しわけなく、心からおわびを申し上げたいというふうに思います。

 それから、先ほど来お話がありますように、最終的にどういうけじめをつけるのかというのは、一定程度全体像がわかって、ここまでの事態でこのようなことが起きたのか、そこの責任はここに所在があったのかということが恐らく検証委員会から出てくることだと思います。それを踏まえた上でけじめを考えるというのがやはり常識的な発想であって、一カ月たって何もしていない、ゆるゆるだというお話でありますが、あえてそのことについてはコメントいたしませんけれども、私は、やはり全体を一定程度把握した上で、どうするかということについては考えていきたいというふうに考えているところでございます。

 通常、責任者としてのけじめのつけ方というのは、大体中身がわかったところで明らかにするのが常識的な対応かなというふうに思っております。

山井委員 大臣、今謝罪らしきことをされましたけれども、私はおかしいと思うんですよ。これは国会で今私が言ったから謝ったんですか。では、私が言わなかったら謝らないんですか。謝罪というのはそういうものじゃないでしょう。

 だから、私は大臣に言いたい。

 今の時点においても、二千四百四十九人に間違った説明をしましたというペーパー一枚出てきていないんですよ、ペーパー一枚。

 塩崎大臣、きょう、記者会見してください。二千四百四十九人の方々への説明が間違っていました、理由はこうです、経緯はこうでした、そして塩崎大臣がちゃんと、監督官庁として申しわけありませんでしたという記者会見をやってください。

 追及されたから委員会でちょこんと頭を下げる、そういうものじゃないんですよ、国民に対する謝罪というのは。国民の税金や年金保険料を使ってこの対策をやっているんですから。

 塩崎大臣、記者会見をちゃんとやって、ペーパーでちゃんと何が起こったのか説明してください。当たり前でしょう、そんなことするのは。

 塩崎大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 一番大事なことは、この二千四百四十九名の方々に、直接御自宅にお邪魔をしてお会いをした上で心からのおわびを機構の方から申し上げるということが大事で、先ほどお話があったように、まだ二百七十二人の方々にはお会いできていない。

 この方々に対しては機構からもちろん戸別にもう訪問はしているわけでありますが、残念ながらお会いできていない方々には、私が聞いている限りでは、メモを残し、名刺も添えて、おわびの気持ちをお示しして、おわび状をまた同時に送っているということでございますが、最後のお一人になるまで、この二千四百四十九名の方々については、まず、実際に誤った説明をしてしまったわけでありますから、混乱を招いたわけでありますから、この方々に個別に説明と謝罪を行うということをやり切るということが一番大事だというふうに思っております。

山井委員 違いますよ。国民の税金と保険料を使ってやっていることでミスをしているんじゃないですか。どれだけ恥ずかしいことをやっているかわかりますか。

 これは本当に、終了五分前と来ていますけれども、私の質問時間を返してほしいですよ。

 社福法をあと三分だけさせていただきます。

 塩崎大臣、今回、私、言いたいことが社福法について山ほどありますが、もう一言一言言いませんが、配付資料の二ページ。

 今回、介護報酬が大幅に下がって廃業した件数、そして、処遇改善加算をどれだけとったか、また、処遇改善加算をとれなくて障害者施設や介護施設で賃金が上がっているところ、上がっていないところ、さらに、賃金を上げられないときには特別事情届出書を提出する、さらに、その賃上げの実態、こういう、今、障害者施設や介護施設が今回の介護報酬引き下げの後どういう経営状況になっているかということを踏まえないと、この法案の審議が十分にできないんです。

 早急に出していただきたいということとセットで、さらに今回、四月に介護報酬が大幅に、障害者報酬も引き下げられました。その結果、今回調査することで、廃業がふえたり、賃金が十分に上がっていなかったり、経営が苦しくなっているという結果が出た場合には、三年待たずに介護や障害者報酬の引き上げ、あるいは補正予算、そういう措置を講じていただけないか。

 さらに、何か骨太で次の報酬を下げようとかいう議論が始まっていますけれども、そういう厳しい現状が明らかになったら、塩崎大臣から、次の三年後の報酬に関しては、次は上げるということを明確に言っていただきたい。そのことも含めて答弁ください。

塩崎国務大臣 この四月から介護報酬の改定が行われて、その影響がどう出るのかということは私ももちろんいろいろなところで聞いているわけでありまして、いずれにしても、今後どうするかということに関して、今御説明申し上げますが、その結果を見て適切に判断をしてまいりたいと思っております。

 処遇改善加算をどのぐらいとっているのかということが、今一つ御質問がありました。この加算の請求状況とか介護事業者の動向については、介護給付費実態調査によって把握をするわけでありますけれども、改定直後の集計につきましては、システム変更をいろいろやらなきゃいけないものですから、通常は十月ごろの発表ということになるわけであります。

 しかし、今回は、概況を把握するために、関係団体等に対して、一人当たり一万二千円相当の処遇改善を実現するために今回創設した処遇改善加算の取得率について照会を行ったところ、全国老人保健施設協会、ここでは、七三・四%の施設が届け出を行っておられます。全国老人福祉施設協議会の調査は、八三・九%の届け出が行われているという調査結果でございました。

 また、関係団体への照会とは別に、改定後三カ月が経過していることから、処遇改善加算の届け出状況については、国民健康保険中央会に集計作業を依頼いたしまして、先行して概況を把握したいというふうに考えております。現在、鋭意作業を行っておりますけれども、今週中には状況を把握したいというふうに考えております。

 それから、処遇改善加算の特別事情届出書についてでありますけれども、処遇改善加算に関して、経営が悪化した場合の特別事情届出書を出すことはもう御案内のとおりでありますけれども、直近の提出状況について、都道府県に調査を実施し概況把握をしたいというふうに考えておりまして、これも結果は今週中に状況把握ができればというふうに考えております。

 さらに、倒産の話にお触れになられましたが、介護事業者の状況についても、改定後三カ月が経過をしておりますので、実態把握で特に重要な請求事業所数の状況について、国民健康保険中央会に集計作業を依頼して、この事業所数について先行して概況を把握したい。これは中島先生のときにもお話が出たかと思いますが。

 また、請求事業所数の内訳については、都道府県に調査を別途実施いたしまして、直近の廃止届け出件数、それから新規指定件数について把握をしたいと思っておりまして、これについてもやはり今週中には状況を把握したいというふうに思っております。

 このように、でき得る限り直近の状況を把握しながら、今後の歩むべき方向性を考えていきたいというふうに考えております。

渡辺委員長 申し合わせの時間が経過しておりますので、質疑は御協力をお願いいたします。

山井委員 新たな質問はしませんが、ちょっと答弁漏れがあります。

 だから、それの結果厳しい状況が明らかになったら、三年待たずに報酬を上げろとか補正予算とか、それについては答弁されていないですよ。

塩崎国務大臣 今申し上げたような、さまざまな調査結果を踏まえた上で適切に今後の方向性については検討するということを冒頭申し上げました。(山井委員「今後の何を検討とおっしゃいましたか」と呼ぶ)今後のとるべき方向性については適切に判断をするということを冒頭に申し上げております。

山井委員 時間が来ましたので終わりますが、本当にこの社会福祉法人改革のことは、現場は今、報酬引き下げで人手は不足する、賃金は十分に上がらない、私の知り合いの事業所ももう今年度で廃業だとか、大変な状況になっております。そういう厳しい状況について実態把握した上で、しっかり丁寧に慎重に審議をしていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 民主党の中島です。

 本日は社会福祉法等の一部を改正する法律案の質疑ではございますが、今の山井議員の質疑、年金情報漏えい問題、漏出問題ですね、また一昨日あのような問題が出てきた。監督官庁であります厚生労働省、そして厚生労働大臣、本当に、自助努力というか、そういった姿勢が私はやはり見えない、そのように思いますし、また、このような問題が出てきた以上、やはりこの問題についても集中審議等が必要かなと思いますが、委員長、御検討いただけますでしょうか。

渡辺委員長 理事会で協議をいたします。

中島委員 山井委員の最後の質問でもございましたように、介護人材の確保が本当に喫緊の課題の中で、先日、一般質疑の中ではございましたが、私からも、四月以降、これだけのマイナス改定の中でどれだけの事業所が倒産してしまったのか、一般の民間の東京商工リサーチが、前年比から六割増しの倒産件数、これは本当に驚くべき数字だというふうに申し上げ、先ほど大臣から山井委員への答弁の中で、さまざまな機関にこれから、今週中には、処遇改善加算をとってあるところを含め、結果が出るんじゃないかというような答弁をいただきました。

 本来であれば、これだけのマイナス改定、そしてこれは三月の時点でも、私は何度も何度も指摘をさせていただきましたが、昨年の経営実態調査、収支差率を見れば、収支差率五%未満の各事業所がございますが、四割ぐらいの事業所が赤字になってしまうことがもうそもそもわかっていたわけですから、我々が言ってようやく重い腰を上げるのではなくて、やはり最初からこのような実態調査、計画性を持って丁寧に見定めていく、そのような姿勢が本当に必要だったのではないかなというふうに思います。

 また、今週中に結果が出るということでありますので、その結果を踏まえながら、この件についてはフォローさせていただきたいと思います。

 もう一点、前回の質疑の最後の部分で、障害福祉事業所、就労支援A型、B型を含め、小規模な障害福祉事業所もたくさんあるわけであります。今回、実質プラマイ・ゼロの障害福祉報酬となっておりますが、本体部分はマイナスになっています。

 これも、介護事業所と同様に非常に厳しい事業所がたくさんあるということでありますので、介護事業所、処遇改善加算をとっている事業所、特別事情届出書を出しているところを含めて、障害福祉事業所についても、もう三カ月たっているわけですから、独自の調査をお願いしたいと思いますが、改めて大臣、その具体的に調べる方法、やっていただけますかどうか、お尋ねいたします。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、介護事業関係の施設などでの、例えば処遇改善加算の取得届け出の有無などを含めて、先ほど申し上げたようなことについては、当然、障害福祉についても調査をするということでございますが、とりあえず簡便な調査をやって概略をつかむということを申し上げているわけでございます。

 それは、この間議論させていただいたときに、私もやはり、フルスペックで十月まで待つというようなことは余りにものんびりし過ぎている話であって、そんな状況じゃないだろうということで、私からも、わかることは早くわかろうということを申し上げた上で、今後の進むべき道を考えていくというのが普通じゃないかということを申し上げたところでございます。

中島委員 障害福祉事業所についても、やはり丁寧な小まめな調査、フォローアップが大変重要だというふうに思いますので、今答弁いただきました。

 そして、先ほど山井委員の質疑の中でもございましたが、調査した結果、一体どのような結果になったらどのような対応をするのか。先ほど、三年後の介護報酬を待たずに補正予算等で対応していくのか、その結果を見ながらというふうな答弁でありましたが、先日お示しした東京商工リサーチの結果、前年比六割増し。では、結果、百件倒産していた、千件倒産していた、一体どの時点でどのような手を打つのか。

 前回も言いましたが、これは倒産してしまってからでは遅いわけです。どのような傾向の中でどういう判断をするおつもりなのか、やはりそこはしっかりと示していただかないと、ふたをあけてみたらもう後の祭りだというようなことになった場合、誰が一体責任をとるのか。その件について、大臣、御答弁いただきたいと思います。

塩崎国務大臣 前回、先生と御議論させていただいたときに、三月請求分の数値が四月に上がってきておりまして、そのときの事業所数というのを見ると、一千件ふえているということがございました。

 それは、減ったところもあればふえているところもある、要するに参入もあれば退出もあるということでありますので、これはやはり全体で、どういう動きがあって、結果どうなっているのかということを見てみないと、片道ベースの話だけでは全体像を把握するわけにはいかないので、仮にいろいろな動きがあったら、なぜそれが起きているのかということもしっかりと、わかる範囲内ではありますけれども、精いっぱい調べた上で、それぞれについて打つべき手があるなら打たないといけないということではないかと思います。

 今申し上げたように、やはり調査をして結果が出てきて、その数値だけで、簡便な数値だけで全てが把握できればよろしいですけれども、そうじゃないということになれば、やはりもう少し中身がわからないと分析もできない。分析ができないでやれば、先生はお医者さんですから、やはりしっかりとした検査と診断のもとに治療というのはあるんだろうと思うので、そこのところはしっかり中を見ながら、よりよい道を選んでまいりたいというふうに思います。

中島委員 大臣からも先日も答弁いただいていたわけですが、やはり私、東京商工リサーチの調査結果は非常に衝撃的だったんです。今現在利用者さんがいる事業所が、私がヒアリングした結果は、ちょっともう厳しい、ただ、現状で利用者さんがいる限り今すぐやめることはできない、苦しい中でも事業を継続させなきゃいけない、そういう事情の中にあって、私は、恐らく一年もしくは一年半後ぐらい、まあ来年ですね、以降閉鎖する事業所がふえるんじゃないかというふうに思っていたのが、もう既にこれだけ、前年比からいけば六割増し。

 そうなってきますとやはり驚くべき数字であって、まさにこれは、大臣はよくトレンドという言葉を使われますが、どういう傾向を見て、一歩手前で手を打たなきゃいけないか、そういうことが非常に大事になる。それで、山井委員から先ほど、三年後を待って手を打つのか、その前に補正予算等々でどうやって手を打つのかということが非常に重要になってくるわけです。

 これも何度も何度も申し上げておりますが、私は、この後質問をいたしますが、決して効率化、適正化という観点が重要じゃないと言っているわけではないんです。ただ、その中身が空っぽの中でどうやって効率化、適正化を図るんだ、やはり順番が違うんじゃないか。これでもし地域に根差した介護事業所が本当にどんどんどんどんなくなってしまうような現状を招いてしまったら、それを再整備するのにまた倍、三倍のお金がかかってしまう可能性があるわけですから、ぜひここは丁寧かつ慎重にトレンドを見定めながら、手前で手を打つ、そのような認識をしっかりと持っていただきたいというふうに思います。

 たくさん通告してあるわけですが、順番がちょっと前後してしまいまして、今回の改正案について、それに関連した、きょうは質疑初日ということでありますので、今回の社会福祉法人改革、非常に私は大事な観点だという認識を持っております。

 社会福祉法人が創設をされて六十年余り、大きな改革がないまま、その間に介護保険の創設、さらには障害者施策の変化、少子高齢化、時代背景などによって、社会福祉法人を取り巻く環境は多様化、複雑化してきていて、社会のニーズも大変多岐にわたってきた。

 そういった実情の中で、昨今では、これも先ほどから話がございますが、内部留保の問題等、ガバナンスの問題が非常に問題視されているというような、うわさというふうに私は思いますが、ひとり歩きをして、まさに、今後、地域包括ケアシステムや地域完結型医療・介護、その構築のために社会福祉法人が果たす役割は非常に大きくなる、さらに大きくなるという観点からいきますと、今回のガバナンスの強化であり、経営、運営の透明化、これをしっかりとたてつけていくという観点は私は一定の評価をしたいというふうに思っております。

 ただ、先ほども申し上げたとおり、今回の改正案の柱の一つでもあります福祉人材、介護人材の確保は、先ほど来言っておりますが、全体的に不足をしていて、これは障害もそうです、養護、保育もそうです。さまざまな分野で、福祉人材、特に介護人材の問題は喫緊の課題というふうに言われておるわけです。

 その原因といえば、やはり処遇改善、福祉人材や介護人材の方が置かれた処遇が非常に厳しい状況にある、平均の賃金を見ていても十万円ほど少ない、そういう状況をどう打開していくのか。

 今回は、処遇改善加算、月一万二千円の加算をされたというふうにおっしゃいますが、これも先ほど山井委員から質問がありました特別事情届け出、全体の経営の状況によっては一時的に給与水準を下げてもいいというような状況になっている。この届け出状況についても今週中に結果が出るということですので、その結果を見定めながら、また質問をさせていただきたいというふうに思います。

 先ほど冒頭にも言ったように、きょうは総論ということで、社会福祉事業、地域においても、これは都会においても同様のことが言えると思いますが、ここ一、二カ月、派遣法や、まさに先ほど質問もございました年金情報流出問題、その一方で、私は、社会福祉事情、まあ医療、介護も含めてでありますが、大変気になる情報というか報道がなされていたこと、これも社会福祉法人を取り巻く環境に関連いたしますので、その件について質問をさせていただきたいと思います。

 資料の四枚目。六月の初旬に、日本創成会議が高齢者の地方移住を提言しました。これは、東京圏の七十五歳以上の高齢者が今後十年で急増するとして、医療、介護の施設や人材に余裕がある地方四十一地域に高齢者の移住を促すというもので、そして、この件について、高齢者の地方移住、この内容を盛り込んだまち・ひと・しごと創生基本方針を政府は六月三十日に、骨太の方針、成長戦略とともに閣議決定をした。

 この東京圏からの高齢者の移住について、これは閣議決定の前ですが、菅官房長官は、地方での人口減少問題の改善や地域の消費需要の喚起、雇用の維持、創出につながると評価するコメントをされております。その後、この内容を含んだまち・ひと・しごと創生基本方針を閣議決定したわけですが、大臣にお尋ねをいたします。大臣も、菅官房長官と同様に、この高齢者の地方移住を評価されるとお考えになるんでしょうか。

塩崎国務大臣 日本創成会議が行った提言のことを今先生はお触れになられたわけでありますが、二〇二五年に向けて、東京圏で医療・介護ニーズの高まる七十五歳以上の方が急速に増加するという見込みであって、今回のこの創成会議の提言は、こうした状況の中で、医療・介護提供体制の確保が重要な課題であるということを説明しているというふうに認識をしております。

 私どもとしては、厚労省としては、住みなれた地域で必要なサービスが確保されるように、地域包括ケアシステムの構築を進めるというのが既定の路線であって、それぞれ、先生だったら山梨、私だったら愛媛、そういうところで、やはり住みなれた地域で暮らしていく、そのときに、介護も医療も一つながりでしっかり地域ごとに包括ケアが提供できるように、こういうことをやろうとしているわけでありまして、一方で、今回指摘されているような動きというのは、御希望される人の中で、元気な高齢者が地方へ移住をして、移住先の地で社会的関係を築きながら年を重ねていくというのも一つの選択肢だということを言っているんだろうなと。

 CCRCというのがアメリカにあって、これもまた元気なうちに地方に行かれるということがベースだというふうに聞いておりますけれども、そんなようなことで、官房長官の記者会見での発言というのも、高齢者の方が、本人が希望したらという大前提で移住をされる、移住先で地域のコミュニティーとの関係を新たにつくるということが地方創生に資するのではないかというふうに発言をされたんだろうと思いますので、そういう意味であれば私も同じ考えだというふうに思うわけです。

 いずれにしても、厚労省の一大テーマであります地域包括ケアシステムの構築、これを基本にしながら、大都市圏を含めて必要な医療、介護の基盤整備をしっかりと政策手だてをフル活用しながら進めてまいりたいというふうに考えておりますし、また、それぞれの自治体がそれぞれの地域に責任を持っておられるわけでありますので、そこをしっかり我々厚労省も支援していくということではないかと思います。

    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕

中島委員 今、行きたい人は地方に行けばいいみたいな話をされましたけれども、それをと言いますが、こういう提言、日本創成会議が提言するのはいいんです、これは消滅都市のことも日本創成会議が提言をした。しかし、これを政府が閣議決定して、そして大臣も今、菅官房長官と同様の趣旨だとも言えるというような発言をされましたが、それは厚生労働大臣として大変無責任だと私は非常に思います。

 その理由についてこれからちょっと質問をいたします。

 資料の五枚目。六月の中旬に政府目標として発表された、二〇二五年時の望ましい病床数の推計値。政府は、団塊の世代が全て七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年時点で、全国の医療機関の入院病床数を現状の百三十五万床から一割削減できると推計をして、御丁寧に、これも先日質問したんですが最後お答えいただけませんでしたけれども、各都道府県の削減推計まで示したわけです。

 地域における医療病床数に関しては、昨年成立した地域医療介護総合確保推進法によって、まさにこの四月から地域医療構想を各都道府県が策定することになっているわけです。今まさにそのことが始まったばかり。

 大臣に確認をいたしますが、これは内閣官房が公表されたということですが、大臣はこの数字が発表されることを御存じだったのか、知っていたのにこれを公表するのを容認されたということでよろしいんでしょうか。

塩崎国務大臣 先生御案内のように、これは内閣官房で、医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会、ここが、今後の医療、介護の提供体制について議論するために、厚生労働省が三月に、これからの地域医療構想のガイドラインというのを都道府県にお示しをしましたが、それに基づいて一定の仮定を置いて計算したものでございまして、私もそのことについては知っておりました。

 この地域医療構想は、もう先生御案内のように、各都道府県において本年の四月から策定を開始して、三年以内にということになっておりますが、今回の内閣官房の推計というのはその参考になるものであって、今後、各都道府県は地域の実情を踏まえてより詳細な推計をみずからが行うということになるわけでありまして、それに基づいて地元での議論を重ねて地域医療構想をつくられるということになるわけであります。

 厚労省としては、各都道府県において、地域の実情を踏まえた地域医療構想、いわゆるビジョンでありますけれども、これが策定できるように、研修会を開催するとか、さまざまな形で都道府県の取り組みをバックアップしていかなければならないと考えているところでございます。

中島委員 大臣も容認されていたということで、これも大変無責任だというふうに私は思います。(塩崎国務大臣「容認とは言っていない。知っていたと言った」と呼ぶ)知っていたということは容認ということじゃないですか。(塩崎国務大臣「計算ですから。試算ですから」と呼ぶ)知っていたということです。

 まさに、先ほども言ったように、地域医療構想をこの四月から各県が、大臣は今参考にと言いましたけれども、なぜこの時期に、そのような上からかぶせるような、こうでなきゃいけないよみたいなものを出すのでしょうか。これは、三十日に発表した骨太の方針の中にもこの内容は含まれているわけですよ。

 地域医療構想は、各地域がそれぞれの事情の中で、これからどう機能分化して、救急や一般病床、慢性病床、その他もろもろ勘案して、まさにこれから地域の実情を踏まえてつくろうとしているそのさなかに、このタイミングで、まさに私はどさくさに紛れてだというふうに思いますが、しかも骨太の方針にもこの内容が含まれている、この時期でのこの発表は地方への、各自治体への足かせになるんじゃないですか、大臣。

塩崎国務大臣 これは内閣官房にお聞きをいただいた方がよろしいかと思いますけれども、この専門調査会は、社会保障制度改革推進本部のもとに設置をされていて、医療・介護情報の活用方策を検討する観点から、医療供給体制のあり方などについての検討をするという場でございまして、三月の厚生労働省のガイドラインを踏まえた上で、この内閣官房の専門調査会の、言ってみれば作業を進めていく上でこのような試算をされたというふうに考えているわけです。

 足かせになるかどうかというお話を今されたわけでございますけれども、これは一定の仮定を置いて行われたものであって、何度も申し上げますけれども、都道府県はまさに地域の実情というのをわかっているわけで、専門調査会はあくまでもざっくりと計算をしてみたということではないかと思うので、ビジョンは、それぞれの都道府県が実際の医療の状況、介護の状況などを踏まえた上で詳細な推計を行うので、これから議論が始まるわけでありまして、私の地元でもこれからだということで、今、県庁を中心にいろいろやっていただいております。

 医療・介護提供体制の改革については、地域医療構想の実現などによる切れ目のない医療、介護の提供、あるいは地域医療構想と整合的な医療費水準の検討など、政府一体となって取り組んでいく必要があるわけで、こうした観点から、今回、厚生労働省を初め関係省庁と連携しながら、この専門調査会において推計をし、公表したものだというふうに承知をしているわけです。

 我々としては、この専門調査会は、総理を本部長とする、厚生労働大臣、私も本部員を務める、先ほど申し上げた社会保障制度改革推進本部のもとに設置されたものであって、あくまでもこれは、関係省庁が連携をしながら、地域にふさわしい医療・介護提供体制の構築をするためにこの本部もありますし、専門調査会もそこへのインプットをするというためにある。

 しかし、一番大事なのはそれぞれの都道府県でビジョンをみずからつくるということなので、これはあくまでも調査会が一つの推計を示したということで、一つの参考にしながらみずからのプログラムをつくっていく、ビジョンをつくっていくということをぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思うわけでございます。

中島委員 地方がそれぞれの実情を地域医療構想にすることが大事だと今答弁なさいましたけれども、まさにそのとおりだと思うんです。だから、この時期の内閣官房からのこの公表は、もちろん、大臣からすれば、そんなつもりはありません、足かせになんかなりませんと言うかもしれませんが、これを発表された各自治体の受けとめ方は相当なものですよ。

 先日も私言いましたが、私の地元山梨県の場合は二五%削減とされているわけです。全体で二割以上削減は二十七県とされていまして、私の地元山梨の場合は九千二百床から六千九百床、二千三百床の削減というふうに推計されたわけです。山梨県で一番大きな病院でも六百床クラスの病院が二つ、それ以外は公立病院を含めて百床前後の病院ばかりなんです。この推計値を各自治体は大変なショックで受けとめているわけです。二千三百といえば、幾つもの病院がなくなってもいい、なくなるかもしれないというような推計値なわけです。

 大臣も先ほど答弁なさったように、この推計値は、医療・介護情報の分析・検討ワーキンググループにおいて、そのガイドラインに沿って内閣官房が出したということですけれども、足かせにはならないと言うのであれば、しっかり厚生労働省として、これは内閣官房がある推計を出した、決してそういうものではありません、そんな説明をするぐらいだったらこんな発表するなと私は思いますが、しっかりと丁寧に各自治体に、先ほど大臣が答弁なさったような内容を説明する必要があると私は思います。

 地域にはそれぞれ事情がある。これも言うまでもありませんが、中山間地域や、一つの病院が受け持つ範囲がかなり広範囲になってしまったり、公共交通網の事情や、まさに今回の社会福祉法人を取り巻く環境でもある介護サービス体系や高齢化率、人口減少率もさまざまあるわけです。政府が一様にガイドラインをつくってこの時期に示すというのは、私は、間違いなく現時点では各自治体にとっての足かせになっているという認識をしっかりと持っていただきたい。

 そして、私は、この前の話で、高齢者の地方移住に関しても、一方では、そういうつもりはないとおっしゃいますが、これだけの病床削減を示しておいて、一方では、高齢者の地方移住を、その内容を盛り込んだものを閣議決定して政府が認めているわけです。

 高齢者が移住すること、私の地元の山梨県北杜市にもたくさんの方が来られております。そのことを否定しているわけではありませんが、一方でこれだけの病床の削減を提示して、そして高齢者の方、当然ながら疾病リスクも高い高齢者の方々を、先ほど大臣はこの件について、行きたい方は行っていただくとおっしゃいましたが、この提言の内容は、これから二〇二五年、さらにはその先に東京圏では介護施設、介護サービスが非常に厳しくなるということを前提に話をしているわけですよ。

 大臣も先ほどお答えになりましたが、一方では、地域包括ケアシステム、住みなれた地域で最後まで安心して暮らしていける地域包括ケアシステムの構築、さらには地域完結型医療・介護、そのあり方を今まさに構築しようとしているときに、ある意味、東京圏では地域包括ケアシステムも地域完結型医療・介護もその構築はもう手を上げた、そのようにもとれる内容であるわけです。

 この件については、やはりしっかりと厚生労働省として、厚生労働大臣として、内閣官房が勝手に出したとか、そういうつもりはなかったとか、そういうことではなくて、しっかりとグリップをきかせて、地方に対して不安をあおるようなことをするべきではないというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

塩崎国務大臣 東京都が地域包括ケアをギブアップしたとかそんなことは決してなくて、舛添さんは、しっかりやっていくというふうに言っておられると私は認識をしています。

 それから、政権を御担当されての経験をお持ちの方々はわかると思いますけれども、さまざまな立場からさまざまな議論が行われることが結果を厚みのあるものにする可能性もあるわけであって、今回のこの試算は、内閣官房の推計は、例えば都道府県間の患者の流出入、こういったものは見込んでいないんですね。

 したがって、もう何度も申し上げますけれども、山梨の、二千床ぐらい減るというお話でございますけれども、これも今後、山梨県が地域医療構想を策定する中で、医療供給体制のあり方については決め込んでいくのは都道府県、山梨県でありますから、そういうことをしっかりと踏まえた上で、それぞれが地域医療構想を十年先を展望してやっていただく。

 それぞれ県内でいろいろな議論があると思います。それは医師会の方々と意見交換をしても、そこにたどり着くには相当な道のりがあるぞということを聞いているわけであって、あくまでも、我々としては、さまざまな議論を重ねていただいて都道府県にお決めをいただくというのが最終的な姿だというふうに思いますので、民主主義の基本はやはり議論を尽くして合意を得ていくということが大事でございますので、協議の場をそれぞれの都道府県で設けていただきますから、そこで徹底的な議論をしていただくということだと思います。

中島委員 本当に無責任だと私は思います。都合のいいときには、地方が決めることだと。

 だけれども、こういうてんでばらばらな、私はさっきどさくさ紛れと言いましたが、本当にこれは時間差みたいに、日本創成会議が提言をして、その一週間、二週間後ぐらいに一割削減を内閣官房が発表して、それからまた二週間後に、まち・ひと・しごと創生基本方針、地方移住を含めたこの方針を閣議決定してしまったんですよ。

 冒頭にも言いましたが、これは順番が全くばらばらで、一体どういう方針でやろうとしているのか。まさにこれは厚生労働大臣が、先ほども言いましたように、しっかりとグリップをきかせて、地方に対しても、都合のいいときばかり地方でどうぞやってください、でも、しっかりとこういう方針でいきましょうとやはり旗を振っていただかないと。そして、政府がどんな成長戦略を、何でもいいんですが、打ち出しても、そこはちょっと待てと言うぐらいのしっかりとした大臣の意思が必要だというふうに思います。

 あくまでもこの大前提は、やはり介護人材の確保であったりとか、そういった地方の医療環境が大前提になっていく中で、そのめども全く立っていないわけです。地方移住もそうですが、介護従事者だけではなくて、在宅医そして訪問看護師、そういった確保が前提の中で初めて成り立つわけであります。

 先ほど大臣は、行きたい方が地方へ移住する、そういうことだというふうに思いましたが、行きたい人は勝手に行くんですよ。それは行きますよ。でも、これは、閣議決定したことで、東京圏の事情は非常に厳しいんだ、ある意味誘導だというふうに思います。

 全くちぐはぐな対応に対して、やはり大臣にはしっかりとしていただきたい、そのようにも思います。

 そもそもこの地域医療構想も、医療費の非効率の指標が病床数、高知県の例で挙げるように、病床数が多いということが医療費の非効率につながっているというふうに言われているわけですが、前に阿部委員も御質問しましたけれども、やはり日本の国民皆保険のもとで、さまざまな文化の中、いろいろな環境の中で、必ずしも病床数、まあ一つの要因かもしれませんが、それが非効率、医療費の増大につながっているかどうか。

 これは、実際に病床数が多くて医療費が高い地域、そこで介護給付がどうなっているのか、逆に、病院がない、ベッドがない自治体で、医療費は確かに効率性を保っているかもしれないけれども、逆に介護はどうなっているんだとか、まさに医療と介護、その包括的な見方の中で検討していかなければいけない。

 そういった中で、政府が各自治体に足かせになるような無責任な発表を無頓着にするべきではないということを御指摘させていただきます。

 きょう、本題の福祉法には入れなかったわけですが、全体的な総論として非常に重要な背景だと思います。これは先ほど、社会福祉法人、多岐にわたると言いましたが、さまざまな論点があると思いますし、介護人材確保に関しては二本柱の一つ、今回、介護福祉士の確立をしていくという前提で、その辺についても私は評価したいと思うんですが、一方で、以前も指摘をいたしました厚労省がやっている……

渡辺委員長 中島君に申し上げます。

 既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

中島委員 介護キャリア段位制度、この問題点についても、また次回、指摘をさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 民主党の西村智奈美です。

 社会福祉法等一部改正案、きょうは短い時間ですが、質問させていただきます。

 社会福祉法人制度は成立から六十年以上が過ぎているということで、恐らくは創設以来の大改革になってくるのではないかというふうに思います。戦後、本当に、福祉的なニーズが急増する中で、憲法二十五条と八十九条の真ん中で何とか工夫によって生み出された制度でありますけれども、今や社会福祉法人自体が二万に迫る数があり、そこでサービスを受けていらっしゃる方も非常に多いということからいたしますと、やはりこの法案は相当慎重に質疑を行って、当事者を含めていろいろな方から意見を聞く必要があるというふうに思います。

 そこで、冒頭、まず伺いたいのは、社会福祉法人の今日的な意義と申しましょうか、そういったことについて、先ほど私は六十年以上前とは少し事情も変わってきているのでというふうなことは申し上げたんですけれども、これについて、まず大臣、率直にどんなふうにお感じになりますか。ちょっと質問時間が短いので、手短にお願いします。

塩崎国務大臣 今、西村先生からお話ありましたように、これはできてから六十年ということで、いわゆる社会福祉サービスの中身自体も随分変わってきて、ニーズも変わってきている、複雑化もしているということ、そしてまた、多様な事業参加者がおられたりするということが一つ。

 それから、社会福祉法人の運営に対するさまざまな指摘があって、同じ公益法人の中でもいろいろな濃淡がある御意見がいろいろなところで聞かれるということもございました。そして、透明性の跛行性というものも公益法人と呼ばれる中でもありましたし、また一方で、公益性のある福祉事業をやっている方の中でいわゆる社会福祉法人ではない営利企業の方もおられる、こういうこともあります。

 そして、公益法人改革というのがございました。この公益法人の改革の中でいろいろな改革が行われましたけれども、そもそも、さっき申し上げたように、公益法人と一般的に呼ばれる中にもいろいろな種類がありますけれども、これにも跛行性があって、いろいろな指摘が実は十八年の公益法人制度改革以降、社会福祉法人に関しても言われてきた。

 そうなると、恐らくこの委員会のメンバーは皆コンセンサスがあると思いますけれども、社会福祉法人自体は大変大事だというふうに思っていらっしゃると思います。

 何が大事かというと、やはりまずは公益性と非営利性というもの。公益法人たる社会福祉法人、つまり税を軽減してもらうという大事な、減免をしている、かからない税すらある、それはほかの事業体とは全く違うわけでありますから、公益性、非営利性をもっと徹底しないといけないのではないかという観点。

 あるいは、そうであればあるほど国民に対する説明責任というのを果たさないと、税の使い方としていかがなものかということ。

 それから、地域社会への貢献。先ほど地域包括ケアシステムの話がありましたけれども、やはりこの社会福祉法人が、そういった地域包括ケアの中でもそうですが、どういう貢献をこれからの社会福祉法人はすべきなのか。

 こんなことをやはり考えていくのが大きな三本柱かなというふうに考えております。

西村(智)委員 福祉の担い手として、やはり公益性それから非営利性、先ほど大臣おっしゃったように、そこをしっかりと確認しながら六十年以上存在し続けてきて、そして、これだけ多様で、これだけ規模の違いもいろいろあってという中での社会福祉法人ですから、先ほどもどなたかの質疑にもありましたけれども、やはりこれをいい形で発展させていくといいますか残していく、そして引き続き住民へのサービスを提供していっていただく、こういう体制にしていくことが私も必要だというふうに思うんです。

 それで、ただ、やはり制度の特殊性から、行政と民間が力を合わせて一つの福祉サービスとしての担い手であったということは確認しておかないといけないというふうに思うので、改めてちょっとここは確認のため伺いたいと思うんです。

 今回、退職手当の公費助成が廃止をされるという中身になっております。公的助成が廃止されるということで、社会福祉法人の立ち位置と申しましょうか、行政と力を合わせて福祉の担い手となっていくというその立ち位置に変わりがあるのかないのか、変更が加えられるのか加えられないのか、端的に伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 これは先ほど局長からも答弁申し上げましたけれども、退職手当共済制度につきましては、職員処遇の向上に大変大事なわけであります。したがって、今後とも安定的に運営をするということは変わりません。

 一方で、先ほどお話がございましたとおり、平成十八年に、障害福祉サービス分野における前回改正時に、介護関係施設、事業については公費助成を廃止した一方で、障害者の関係のところにつきましては公費助成は維持をした。

 これは、一つは、まだ制度が安定化していないといったことがあったりしておりましたが、障害者の関係施設における制度がまだしっかり完了していない、あるいは、介護関係施設、事業と同様に、他の経営主体とのイコールフッティングの観点から、公費助成の見直しがここまで来ると必要ではないのかという観点、そうしたことから、障害者総合支援法に関する施設、事業等については今般公費助成を、これまでに入っている方々に対しては引き続き公的助成を維持しますけれども、今回、イコールフッティングにするということでまいりたいというふうに考えているところでございます。

西村(智)委員 答えていただいていないんですが、行政と民間が力を合わせてこれからも福祉の担い手であり続けるという社会福祉法の考え方、これについては変更がないということでよろしいですね。

塩崎国務大臣 公益法人改革の際に、公益とは何か、誰が定義するんだということが最大のテーマだったと思います。明治以来、民法で、公益は所管官庁が公益とするものが公益だという官主導でやってきましたが、ここで公益法人改革をしたということは、やはりこれは必ずしも所管官庁が公益だと認めたものだけが公益ではない、それはまた別の論理で、税の認定などで決まってくるということもあるんだということで、今先生お話しのとおりで、官と民が一体となって公益を実現するということが、今回の社会福祉法人についても同じことが哲学としては流れていくというふうに理解をしております。

西村(智)委員 何か、コインの表側について質問すると、裏までぐるっと回ってきて、ようやく表に来て答弁をもらえるという、非常に答弁が長いので、大臣、短くお願いいたします。

 それで、私は今回の社会福祉法の改正の中でやはりどうしても気になるのが、働く人たちの処遇の問題なんです。先ほど山井委員からも質問がありましたけれども、障害福祉報酬が引き下げられ、介護報酬が引き下げられ、いずれも引き下げられている中で、残念ながら、例えば介護、それからこれは私の関心事からも申し上げますと、例えば保育士の方ですとか、なかなか賃金が上がっていっていません。

 この間さまざまな努力を、私たち民主党政権のときにもしてきたにもかかわらず、なかなか上がっていっていない中で、今回、いわゆる内部留保というものを透明にしようということで、いろいろなことが盛り込まれました。

 社会福祉充実計画をつくって、そこでいわゆる内部留保を公益事業として回していく、そういったものもつくれと。かなりこれは負担になってくるところもあるとは思うんですけれども、それは今ちょっとおいておくといたしましても、やはり、人件費を抑えて内部留保に回すというようなことが万が一にもあってはいけないと思うんです。

 やはり人材確保という点からも、積極的に職員の処遇改善に充てる、そういう運営が求められるわけで、そのときに、例えば社会福祉充実計画の策定のときにそういったものが盛り込めないかということをいろいろ考えてみたり、それから社会福祉充実残額、これは、いわゆる内部留保から差し引くことになります控除対象財産、こういったものを差し引くんだということなんですけれども、控除対象財産というものが一体どういうものなのかということについても、実はこの法案の中にはほとんど書かれていない。ポンチ絵の中で、大体こういったことですよというような、文字としては見えてくるんですけれども、私は、やはりここを一律にやるべきじゃないというふうに思います。

 つまり、人材の処遇の改善に充てるということにしっかりと着目した上で計画をつくっていけるようでなければならないし、また、控除対象財産についても、人件費まで根こそぎ取るというような控除の仕方ではいけないというふうに思うんですけれども、この点については、大臣、現時点でどういうふうに考えておられますか。

塩崎国務大臣 今回、内部留保については、必ずしも厚生労働省の中から出てきた話ではなくて、世の中とか財務省とか、そういうところから出てきたところがございましたけれども、私どもは、社会福祉事業を営むに当たって最も大事なのはやはり人材、何しろ人が相手の大事な福祉事業でございますので、職員の処遇改善とかそういうことについては、経常的な運営の中で取り組まなきゃいけないことだというふうに思っておりますし、再投下可能な財産がある、つまり、俗に言う内部留保があるというところについて、今回の法案においても、社会福祉充実計画において、職員の処遇改善を含む社会福祉事業の充実に優先的に再投下するということを検討することとしておりまして、社会福祉事業の中での人材投資、これが第一優先順位のグループに来るということでございます。

 それから、控除対象財産の考え方については、これは後ほど、法律ができてから省令と通知などで具体的にお示しをするということになっていて、三つの大きなジャンルはお示しをして、社会福祉法に基づく事業に活用している不動産、それから再生産に必要な財産、必要な運転資金、そういうものでございますけれども、公益性、非営利性に照らせば、やはり、今の事業を安定的に経営するために必要な財産は間違いなく確保をしていく、その中には当然人材というのもあるということだというふうに思っています。

 今回の法案では、いわゆる内部留保から控除するわけでありますけれども、再投下可能な財産を明確化する、これを初めてやって内部留保の定義というものをつくるわけで、社会福祉事業の拡充等に計画的に再投下をするためにこれをアイデンティファイするということだというふうに理解をしております。

 現在の事業を継続するために必要な財産については、もう細かくは申し上げませんけれども、今申し上げたような三つの種類を基本として、社会福祉法人の実態を踏まえて、制度の施行までに専門的な見地から検討して、さっき申し上げた省令、通知でお示しをしていくということだと思います。

西村(智)委員 この法案のもう一つのポイントは、やはり透明性をより高めていこうということだと思います。

 ただ、いろいろなデータ等々、また社会福祉法人の当事者等々の方からお話を伺いますと、やはり負担になるということは相当懸念されるわけですし、私もちょっとそこのところは心配です。

 以前、厚生労働省は、平成二十六年の五月に通知を改正して、平成二十五年度分の貸借対照表と収支計算書の公表を義務化していますね。このときにどういった配慮を当時とったのか、あわせて、それに引き続く現在の公表状況についてはどういうふうに把握をしているか、この点について伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 財務諸表の公表についてでございますが、通知で義務づけ時の配慮措置ということについて、全ての社会福祉法人に対して、平成二十六年五月に、財務諸表などをインターネットによって公表するということを求めました。

 社会福祉法人の事業規模などはさまざまでございますので、財務諸表等の公表については、法人の負担を考慮して一定の配慮を行っておりまして、具体的には、法人自身のホームページにおいて公表するほかに、所轄庁、監督の自治体ですね、これのホームページを利用して公表するということを方法として可能にいたしたところでございます。

 それから、どういう法人がどのくらい公表しているんだということでありますけれども、最新のデータであります平成二十四年度の財務諸表の公表状況について、ホームページ、広報誌、いずれかによって公表を行っている法人の割合は五二・四%となっておりまして、そういう状況でお出しをしていただいているということでございます。

西村(智)委員 五二・四%ということですから、これはやはり相当厚生労働省の方でサポートをしないと一〇〇%には行かないのではないかというふうに思うんですね。

 ちょっと話が別の方に行きますけれども、実は民主党政権のときに、公益法人それからNPO法人等々に対する寄附税制を拡充いたしまして、NPO法人だけではなくて、社会福祉法人それから学校法人、公益財団法人もそうですが、そういったものも寄附控除が受けられるという、その対象にしたんです。新しい公共という名のもとでしたけれども、新しい公共というと、とかくNPO法人の方にばかり目が行きがちだったんですが、やはり社会の中で公益的な活動をしているという意味では、これは、さまざまな公益法人、それから学校法人も社福法人もあるということで、対象にしました。

 そのとき、「新しい公共」推進会議の中で、情報開示・発信基盤ワーキンググループというのが随分長い時間をかけて、法人の情報を、NPO法人でしたが、どういうふうに提供するかということで、随分検討した結果出た報告書をもとに、内閣府の方で、NPO法人への寄附、これに対する寄附税制の対応として、情報提供はこういうふうに行いましょうというふうにまとまって、今それを実行されていると思うんです。

 ちょっと社福法人とも関係しますので、内閣府に参考に伺いたいと思うんですけれども、この点について、情報提供は今どういうふうに行われていますか。

林崎政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘ありました点ですけれども、特定非営利活動促進法第七十二条におきまして、内閣府及び所轄庁でございます都道府県、政令市、こちらは、NPO法人に対する寄附等を促進するため、NPO法人に関するデータベースの整備を図り、国民にインターネット等を通じて迅速に情報を提供できるよう必要な措置を講ずるものとされているところでございまして、この規定を受けまして、私ども内閣府が運用しております内閣府NPOホームページにおきまして、法人の事業報告の公開あるいは寄附税制に関する情報提供を行っているほか、パンフレット等による情報提供も行っております。

 また、所轄庁と私どもとの間でブロック会議を定期的に開催しておりまして、所轄庁とともに、NPO法人や寄附者に対しまして、寄附税制の普及に向けた周知、広報を図ってきているところでございます。

西村(智)委員 ポータルサイトをつくってもらったんですね。今でも動いていまして、検索すると、どういう活動内容で、例えばどういう自治体でというところまで指定すると、ぱっと一覧表が出て、活動内容とか、たしか貸借対照表なんかもそこで見られるようになっていたというふうに思うんです。

 そこで、厚生労働省に伺うんですけれども、大臣に伺いたいと思うんですけれども、社福法人もせっかく寄附税制の対象になりました。どういう情報提供の仕方になっているのか。所轄庁や法人では、さっきホームページ等々の掲載率が五二・四%とおっしゃいましたでしょうか、非常に悲しくなるような状況なんですけれども、せっかく寄附税制ができたんだから、やはりどこかできちんと、こういったものもポータルサイト的に見られるようにするべきではないか。

 それは、社福法人に対する寄附を募るということにもなるし、またある意味、透明性を高めるということにもなるし、やはり何かそういう試みをやる必要があって、しかも、もう既に議論に出ていますけれども、本当に赤字の社福法人もある、それから小さいところもある、とはいえ、数百人規模の社福法人もあるという、本当にばらばら、ばらつきのある中で、多少工夫は必要だというふうには思うんですけれども、やはりそういうふうに所轄庁が一括して情報提供する仕組みを厚生労働省がサポートしてつくる必要がある。これは、透明性を高める今回の法案への対応という意味でも必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 先ほど寄附税制の話がございまして、この優遇税制を受けるには、やはり法人の財務諸表などが誰にでも見られる、そういうことが必要だというふうに思います。

 現在、通知によって、社会福祉法人のホームページや所轄庁のホームページなどで社会福祉法人の財務諸表の公表をするように求めておりますけれども、法律上の義務がかかっていなかったということでございますので、今回の法案では、平成二十八年度から財務諸表を公表することを義務づけることとしておりまして、財務諸表の公表が適切になされるように厚労省としてもしっかり指導してまいりたいと思っています。

 先ほど先生おっしゃったように、社会福祉法人もさまざまで、この間、私は立川の方まで行きましたけれども、千人以上の職員がおられるという大きな法人でしたが、規模はさまざまであります。

 今回の法案における情報の開示については、みずからの法人のインターネットによる公表はもちろんやっていただければやっていただきますが、所轄庁等のホームページを利用する公表を活用するというのも可能とすることを検討して、また国において、今回の法案では、社会福祉法人の活動の状況等に関するデータベース、今、民主党政権のときにつくったものがあるというお話がありましたけれども、そういった整備を図ることとしておりまして、国民に社会福祉法人の運営状況を迅速に情報提供できる環境整備を図らなければならないというふうに考えております。

西村(智)委員 義務を課して指導するという発想ではなくて、私は、やはりそこは、小規模な法人であれ、きちんと情報提供ができるように厚生労働省としてサポートしてくださいと言っているんですよ。上から押しつけるやり方ではなくて、そこはきちんとサポートしてくださいと。

 また、所轄庁の方で、例えば、そういった社福法人の一覧を載せていないところも結構あるんですけれども、それもたしか厚生労働省の資料でありましたけれども、やはりシステム構築に時間がかかるとか、システム構築に時間がかかるということは、それだけお金もかかるということだと思うんですが、そういうことも含めて、厚生労働省の方でぜひサポートをしていただきたいということを要望いたします。

 それで、ちょっと話題をかえますが、生活困窮者自立支援法がいよいよ今年度から本格施行ということで、私たちが政権時代に特別部会の中でずっと議論して骨組みをつくった法律ですので、ぜひうまいこと滑り出してもらいたいというふうに思うんですけれども、小さい規模あるいは全く畑違いのところの事業をやっているところでは、例えば自立支援法の中の任意事業あるいは中間的就労、こういったことをやっていただくことというのはなかなか難しいと思うんですが、例えば一定規模ある社会福祉協議会とか、こういったところは、任意事業とか、それからやはり中間的就労とか、こういうところはがっつりと入ってやってもらいたいというふうに思うんですよ。

 伺いたいのは、昨年度行われておりました生活困窮者自立支援法のモデル事業、これを一体どういうところが行ってきたのか、その主体がどうなっているのか、ちょっと内訳を簡単に伺いたい。

 それから、先ほど申し上げましたけれども、例えば低額の宿泊所、無料の宿泊所、こういったところ、住居の提供というのは自立支援の中でも本当に基本中の基本になるところなんですけれども、こういった事業をやっているのはNPOが七割で、社福が一割以下ということなんですね。だから、もうちょっと社協に頑張ってもらいたい、私はそういうふうに思うんですけれども、大臣、この点、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 生活困窮者自立支援制度は、まさに生活保護にならない前にどれだけサポートができるかということだと思いますけれども、このモデル事業で、例えば自立相談支援事業については、自治体直営というのは二八%で、委託が六四・六%で、自治体みずからじゃなくて、委託をしているというのが多い。委託の中で、さっきお話がちょっとありました社会福祉協議会への委託というのが六割、社会福祉協議会以外の社会福祉法人への委託が九・八%、残りはその他ということだろうと思いますが、そのようになっております。

 御指摘のとおり、生活困窮者自立支援制度はこの四月から施行になりましたけれども、社会福祉法人には、これまで培ってきたノウハウを、この分野でもしっかりとやっていただきたいし、任意事業もございますし、それから中間的就労の話がさっき出ましたが、そういうこともあります。

 厚労省としては、各事業の運営主体の選択というのは自治体となるわけでありますけれども、自治体がこれを適切に判断できるように、全国の実施状況や法人選択に当たっての留意点をお示ししているわけでありまして、このほか、直ちに一般就労につくことがなかなか難しいという方々に支援つきの就労の場を提供する、先ほど申し上げた中間的就労については、社会福祉法人に実施主体としてかなりの期待がございます。関係団体を通じて、積極的に社会福祉法人に取り組んでいただくように要請もしているところでございます。

西村(智)委員 時間ですので最後の質問にしますが、指導監督なんです。

 所轄庁による指導監督が、これは指導監査要綱というのが平成十三年に制定されているんですけれども、この間、あらぬ疑いをかけられてきたその一つの背景は、この指導監査が、先ほどもどなたか言っておられましたけれども、ローカルルールがあるんじゃないかとかいうこともやはり一つの背景、だから、私は、そこはきちんとそういった疑いを払拭していくような取り組みが必要だし、そういう法改正でなければいけないというふうに思うんですね。

 これは、都道府県や市がやることとはいえ、法定受託事務です。国が法定して、それを都道府県や市にかわってやってもらっている仕事なんです。だから、これはやはりある程度標準化したルールがあるべきだというふうに私は思います。それが制度への信頼性を高めることにもなるというふうに思うんですけれども、この点について大臣はどんなふうに考えていますか。

塩崎国務大臣 今、場所場所で違う指導監督が行われているというようなお話がありましたけれども、社会福祉法人の適正な運営を確保するためには、やはり指導監督の強化というものが当然必要だと思っております。

 一方で、所轄庁による指導監督については、地域によって異なる規制とか必要以上に厳しい規制に基づくものがあるとの指摘もございまして、法人の自主性を阻害し、福祉ニーズに柔軟に対応しようとする際の支障に、邪魔になっているというような意見もあることは私もよくわかっていますし、また、ある意味、自治体との関係が少し深過ぎるんじゃないか、そういうことで、いろいろ、本来のあるべき姿と少し違うかなということも言われるときがあったかと思うわけであります。

 今回の改革では、所轄庁に、指導監督に当たって公認会計士など財務それから会計に関する専門家の活用を促すなどを指導し、機能強化を図る、それから、指導監督基準の一層の明確化を含む見直しも行って、所轄庁による指導監督を基準に従ったものとするように徹底してまいりたいというふうに思います。

 でき得る限り客観的な、自主的な社会福祉法人の運営がみずからのガバナンスによって行われるという改革と両々相まって、恐らく、本来あるべき社会福祉法人の活動というのが行われるということで、ガバナンスや透明性の改革とセットで指導監督もおのずと、所轄庁と社会福祉法人との関係とかも明らかになって、正常化されるんじゃないかというふうに思います。

西村(智)委員 終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 維新の党の井坂信彦です。

 本日は、社会福祉法の一部改正案について質疑をさせていただきます。

 ことしの予算委員会で、私も、社会福祉法人の内部留保の問題、それから福祉人材の処遇改善、いわゆる賃上げについて質疑をさせていただきました。今回の法改正は、まさにこの二つの問題を正面から解決しようとするものであり、しっかり審議をさせていただきたいというふうに思います。

 二年前の厚生労働省の調査で、特養一施設当たり三億円の内部留保があるんだ、あるいは全国で合計二兆円の内部留保があるんだということが報じられました。その後、事は単純でないということはいろいろ議論になったわけでありますが、今回の法改正では、この内部留保を、事業の継続に必要な財産と、そしてそれ以外の、本当の意味での余っている余裕財産に分ける、こういうことになっております。私は、この事業の継続に必要な財産とそれ以外、ここの線引きがどうなるかで本法案の性質、性格が大きく変わる、大事なポイントだというふうに思っております。

 そこで、まずお伺いをいたしますが、この余裕財産を明確化する際の、事業の継続に必要な財産額、法文、法律の文章を見ても、まさにこれしか書いていない状況であります。これはさすがに、法律に余りにも詳しく、細々書く必要はないと思いますが、しかし、継続に必要な財産だけではなくて、もう少し詳しく書く必要があるというふうに思いますが、大臣のお考えをお伺いいたします。

塩崎国務大臣 今までいろいろ、内部留保についてさまざまな御指摘が、内部留保の定義なしになされてきたということで、あらぬ誤解も含めて、いろいろ混乱した議論が行われてきたというふうに理解をしております。

 今回の法案で御提起申し上げているのは、今お話をいただいた条文にもございますが、再投下可能な財産額、いわゆる社会福祉充実残額と今回呼んでいますが、この算出をするに当たって、純資産から控除する財産額を、今御指摘いただいた法律の第五十五条の二の第一項で、現に行っている事業の継続のために必要な財産の額と規定をしておりまして、これによって控除対象財産の範囲は限定的となっているわけでございます。

 ただし、その内容については、会計処理のあり方など、あるいは技術的な事項というものが入っているわけでございまして、これらについては省令に委任をすることとしているわけで、この省令の中には、例えば社会福祉法に基づく事業に活用している土地とか建物などの不動産、あるいは建てかえのための財産、そしてまた運転資金、そして基本金、それから国庫補助等特別積立金などを規定していくという予定にしているわけでございます。

井坂委員 いただいた議員向けの説明資料にも、今大臣がおっしゃった四点は明記をしてあるわけであります。

 私は、これ以上細かく書く必要はないというふうに思いますが、一方で、事業の継続に必要な財産ということだけを法律で定めると、これはやはりいかようにもとれてしまう。今大臣が端的におっしゃった四点ぐらいは法律に書くべきだ、逆に、そうしないと、今大臣が答弁された範囲では、しばらくはそれでいいのかもしれませんが、時代が変わるとまた線引きが甘くなって、結局、この二兆円の内部留保、あると言っていたけれども実はほとんど全部必要な財産でした、余裕の財産はありませんでしたというような甘い話にもなりかねないと思うわけであります。

 今大臣がおっしゃった四点ぐらいは法定しませんか。

鈴木政府参考人 先生の御指摘、趣旨としては大変理解できると思いますが、一方で、法規定上の問題があろうかと思います。

 法規定は、御案内のように、規範性を持った表現でございますので、要するに、詳しいところは省令に委任いたします。

 省令に委任している考え方といたしましては、やはり、「事業を継続するために必要な財産」ということで、一つは会計技術的な問題。どのように定義をし、どのように算定方式を定めるか、これは至って技術的な問題でございます。これは、公認会計士さん等々に議論に御参画いただいて、ある意味、極めて学術的に決めていかなければならないものだろうと思っております。

 それから、大臣が三点ほど繰り返し申し上げている事項につきましても、福祉各制度で、例えば資産要件をどういうふうに決めるのか、それから費用負担の制度、具体的には補助金の有無というものもまたいろいろ時代、場所によってさまざまでございますし、それから、事業継続に当たって支払うようないろいろな費用についても、支払い時期が前払いなのか後払いなのか、こういったさまざまな技術的な事項がございます。

 そういうものを法規範として必要十分な形でしっかりこの範囲で決めなければならないということで精査をしてまいりますと、「事業を継続するために必要な財産」という表現になるわけでございまして、あとは学術的な観点も含めてこれをいかに正確に省令等で書くかということでございます。

 これは、こういう表現であるからといって、省令で何でも自由に決められるということではございませんで、規範性を持った「事業を継続するために必要な財産」という言葉の中できちんと範囲が特定されていく。

 ただ、それは、法律上特定しようといたしましても、今申し上げましたような非常に会計技術的な問題あるいは福祉各制度にわたる問題もございますので、これらの法令一般の通例といたしまして、省令にこれを委任しているということでございますので、補足説明でございますが、御理解を賜りたいと思います。

井坂委員 事業の継続に必要な財産ということで、本日、もう一点お伺いをしたいと思います。

 ある法人で、内部留保を実際数えてみました、それから、その法人の事業の継続に必要な財産額を今おっしゃったような実際の計算をして調べてみました、すると、事業の継続に必要な財産額の方が、数字上の、計算上の財産額の方が多くて、実際の内部留保はそこにも達していませんでした、要は足りませんでした、こういう法人も今たくさんあるというふうに思うわけであります。

 こういう場合、どういう扱いになるのか。要は、必要な財産額よりも実際の内部留保が少ない法人の場合はどういう扱いになるのか、通告どおり大臣にお伺いをいたします。

塩崎国務大臣 事業の継続に必要な財産額を下回る事態ということでございますが、社会福祉法人が他の事業主体では対応できないさまざまな福祉ニーズに対応していくということで、事業の継続に支障がなくて、なおかつ再投下可能な財産がある場合は、社会福祉事業の拡大等に活用していただくべきであるわけでありますけれども、社会福祉充実計画については、再投下可能な財産額を直ちに社会福祉事業の拡充等に再投下することを求めるものではないわけで、例えば、将来の新たな施設の整備のための準備金など中期的な計画を認めることとしておりまして、経営状況が変化した場合には、ここは柔軟に、社会福祉充実計画の変更を認めることとしているわけです。

 このように、社会福祉充実計画は、社会福祉法人が保有をいたします財産の使途を明確化し、国民に対する説明責任を果たすことを目的としているものでございます。その運用に当たっては、中期的に安定した法人運営に配慮をして、柔軟に対応していくこととしていくところでございます。

井坂委員 私がこの質問で心配をしているのは、余裕財産がない法人は社会福祉充実計画なんといってどんどん使うお金がないわけですから、そういう心配をしているのではなくて、今後、事業の継続に必要な財産というのが厳格に決められるわけですよね。その必要とされる財産すら持っていない法人が世の中の半分ぐらいあるんだと思うんですけれども、そういう場合はどうするんですかという問題であります。

 事業の継続に必要な財産を持っていないということが数字上明らかになってしまう法人は、放置をされるんでしょうか。

鈴木政府参考人 今般の法案の中でやろうとしておりますことは、まさに、余裕財産があった場合にそれを処理するルールが全く法制度上ない、それによって、ある意味、根拠がないと言ってしまってもいいかもしれませんけれども、そういったことも含めた御批判を社会福祉法人が受けている状況を改善したいということが大きな動機としてあったわけでございます。

 一方で、先生おっしゃるように、事業継続に必要な財産額というものを基準で決めますと、そこに達していないという法人も出てくるのは事実だろうと思います。ただ、それがどの程度の法人があるのかというのは、きちんと基準を決めまして、全法人に計算をしていただかないとやはり出てこないことではないかと思っております。

 また、一方で、仮にそういう法人があったといたしますと、今回の社会福祉法の中では、その法人に対して直ちにどういうことをしなければならないといったような措置が決まっているわけではございません。

 これはむしろ、社会福祉法人特有の問題と申しますよりは、一般の法人の問題でございまして、どんなような法人でも事業継続に必要な財産というのは留保していなければならない、そうでないと持続的な事業が展開できないわけでございます。

 仮に、社会福祉法人においてそういった、継続的に事業が展開できないような財産保有額しかないということになりますと、これはまた、今回の改革とはまた別途の観点から、財務状況が健全なのかどうか、事業のやり方が果たして本当に効率的なのかどうかということも含めまして、一つは所轄庁の指導という観点もございますし、あるいは、私どもで、福祉医療機構で経営相談でございますとか、場合によっては貸し付けとか、そういったようなさまざまな支援もございますので、そういったものを検討していく、こういったような問題ではないだろうかというふうに考えてございます。

井坂委員 最初に線引きを厳格にということを申し上げました。これは、線引きが甘いと、本当は余裕財産のはずなのに、何か、事業に必要な財産だということになってしまう。ところが、細かい計算をきっちりやって線引きを厳格にすれば、今度は、そこに達していない法人というのは、要は本当に必要な財産を持っていない、数字の上では事業の継続が財政上できない法人ということになるというふうに思います。

 その場合に、もちろん、この法律は余ったお金をしっかり数えてそれをどうするのかという法律でありますから、ここに入っていないことが直ちに問題だとは申し上げませんが、しかし、今回、そういう計算で内部留保を厳格に、必要なものとそうでないものを分けて、必要なものすら持っていない法人というのは相当あるというふうに私は思います。そこは、今おっしゃった、何か融資や相談ということで済む話じゃないというふうに思うわけであります。

 予算委員会で私も議論をいたしましたが、収支差が、いわゆる毎年の利益が八%あるんだ、だから、今回、基本のところは四・四八%介護報酬下げということをしたわけでありますが、しかし、それでも、平均よりも経営が厳しいこの半数近い法人というのは、別に全部の法人が収支差八%あるわけではありませんから、今回の四・四八%引き下げで相当厳しい経営状況になっているというのは、ほかの党の議員さんも指摘をしておられたところであります。そういう法人は、今後まともな積み立てもままならないというのが実態ではないかというふうに思います。

 そこで、ちょっと一点お伺いをいたしますが、前にもこれは一度申し上げたことがあるんですが、事業の継続に必要な財産が確保できない、要は積み立て不足が明らかな法人に関しては、まさに今参考人が別途とおっしゃったように、別途手だてが必要ではないかというふうに考えます。

 例えば積み立て不足加算のようなものが考えられないのかということについてお伺いをしたいと思います。

三浦政府参考人 介護保険のことについてお話を申し上げたいと思います。

 介護保険は、御案内のとおり、介護保険法上、介護サービスに要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるということになっております。その際に、いわゆる内部留保の多寡というものを直接考慮するものではないというふうに考えておりまして、加算ということになりますと、実際に行われている介護の内容やあるいは介護の体制などを勘案して報酬上位置づけて現在まで来ているというところでございますので、その内部留保を直接勘案した加算というのはなかなか慎重な検討が必要なものではないかというふうに考えております。

井坂委員 その議論も担当の方とは随分させていただいているんですが、確かにこれまでは、介護保険という場合は、やはり介護のサービス、提供するサービスに応じて介護報酬をという、これが基本だったと思います。しかし、今、処遇改善加算ということが当たり前のように行われておりますが、この処遇改善加算というのは、別に何か処遇改善をしたからといって、実際に本当にサービスの提供の量がふえるなどといったことはない、要は経営の補填的な意味合いの介護報酬ということであります。

 そういう意味では、処遇改善加算もある種介護報酬の基本を逸脱している、私は必要だと思いますよ、必要だと思いますが、今おっしゃった通り一遍の考え方からは逸脱をしている。私は、この積み立て不足加算のような考え方も逸脱の度合いは同じぐらいではないかというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。

三浦政府参考人 処遇改善加算についてお尋ねがございましたが、処遇改善加算そのものは、御指摘ございましたように、月一人当たり一万二千円相当の処遇の改善ということを一つ目的にしているものでございますが、その算定に当たりましては、例えば、介護従事者に対する研修の体制をとっていただく、あるいは働きやすい環境をつくっていただく、それを通じて、私どもとしては、サービスの向上、質の向上というものも当然それに伴って生じるものだというふうに考えております。

 そういう意味では、やはり利用者の皆様に還元されるべきサービスの評価として報酬を算定しているものではないかと考えているところでございます。

井坂委員 仮に、積み立て不足で事業継続ができないなんということは、これはあってはならないことですが、こういうことが起こったら、サービスの向上どころか、これまでやっていたサービスの維持ができなくなるという大問題でありますから、そういう意味では、ぜひ、積み立て不足のところをきちんと手当てするということは、これはまさに、おっしゃったように、別途、柔軟に考えていただくべき、これは数字ではっきりしてしまう話ですから、事業の継続に必要な財産を持っていない法人ということではっきりしてしまう話ですので、別途考えていただきたいというふうに思います。

 次に、内部留保から事業継続に必要な財産額を除いたものが余裕財産というふうにされて、そういう余裕財産を持っている法人は、社会福祉充実計画をつくって、この余裕財産を社会福祉事業やあるいは公益事業に投下すること、使うことが今回義務づけられるという法改正であります。

 しかし、大臣にお伺いをしたいんですが、私はやはり、二年前に、一施設当たり三億円の内部留保がある、全国でそれが二兆円だということが報じられて、非常にセンセーショナルな事件になった裏側には、当然の要請として、こういう余っているお金は本来であればまず国庫返納するべきではないか、あるいは、技術的にどうしても国庫返納が難しいのであれば、取り崩して翌年以降の公費投入を減らす原資とすべきではないか、こちらがまず検討すべき方向性ではないかと考えるわけであります。

 これは、必要な財産を除いた本当の余裕財産ですよ。内部留保全部を国庫返納とかそういう話じゃなくて、厳格に必要財産を除いた本当の余裕財産というものがあるのであれば、これをまた無理やり使わせるというのが筋ではなくて、国庫返納あるいは翌年度以降の税投入の軽減、こちらに使うのが筋ではないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 社会福祉法人といえども、株式会社などと同じように、経営の自主性が認められた民間法人であるわけですね。サービスを提供した対価として得た報酬などから経営努力などによっていわゆる利益が生ずる、法人の目的に即してそれは使うべきということだろうと思います。

 社会福祉法人は、社会福祉法に基づいて、社会福祉事業と幅広い公益事業を行う法人として位置づけられていることは井坂先生御存じのとおりでありますけれども、幅広い公益事業を行う法人として位置づけられていることから、再投下可能な財産を保有している場合には、社会福祉事業等の拡充によって地域に還元をすべきではないのかというのが適切な使い道かなというふうに考えているわけであります。

 なお、いわゆる利益の一つの形態としての内部留保について、国庫への返納などを行わせるということは、経営効率化のインセンティブを阻害しないか、それから、持続可能な経営に支障を及ぼさないかということも、つまり中期的な運営がみずからの裁量でもってきっちりできるようになるかということを考えなければいけないことにもなろうかと思いますので、まず国庫に返納すべきということについては、さまざま議論があるのではないかというふうに思うところでございます。

井坂委員 大臣が今おっしゃった、国庫返納とかそういうことをやると持続可能な経営に支障が出るというのは、どういうことなのか、イメージが湧かなかったんですけれども、どういう支障があるんですか。

塩崎国務大臣 今回、内部留保というのは、定義をするわけですね。それで、その中に、再生産に必要な財産とか、あるいは必要な運転資金とか、それから社会福祉法に基づく事業に活用している不動産などとか、これはこれから定義をするわけでありますが、言ってみれば、この差し引きで出てきたものが内部留保。

 これを、多いがゆえに国が没収するというのは、必ずしも、民間である社会福祉法人がいろいろやりくり算段した上で、計算式で出てくる社会福祉充実残額と今回呼ぶ内部留保になるわけでありますので、それを、では、どういう裁量的な運営、経営の仕方でやっているのかということを全く捨象して、残ったものだけを見て、多いから国がいただきたいというのは、なかなかこれは、民間の法人たる、縛りはもちろんかかりますけれども、社会福祉法人の活動としてはいかがなものかなというふうに思うわけで、それぞれ経営努力というものでこの額は決まってくるわけです。

 物すごく、とてつもなく大きい額でというお話をされるかもわかりませんけれども、それは額の多寡ではなくて、どういう努力であるいは経営方針で内部留保ができるのかということをさまざま考えなければいけないので、それは、もともと入ってくるものが多過ぎるから余っているのかもわからないし、あるいは、使うべきものを使っていなくてたまる一方だということもあり得るわけであります。

 これは、今回のガバナンス改革をやるというのは、今申し上げた、例えば再生産に必要な財産、これから計画をしているものをどう定義づけるのかというのは、今までだったら、例えばごく少数の理事長さんや理事だけで計画を立てている、ところが、これが余り実現可能性がないものだったり、いろいろなことがあり得たわけですけれども、こういうところのガバナンスもしっかりやって、多くの人たちの目が入った中で、自主的な経営で社会福祉法人としての活動をしてもらって、その結果出てくる内部留保でありますから、それについてどうするのかということは、やはり社会福祉法の中で考えていくのが第一義的に大事なんじゃないかというふうに思うところであります。

井坂委員 大臣がおっしゃったお話は、それは財政が豊かな時代であれば、私だって、基本的には、民間の団体で、そんなにぎりぎり、余ったからというような話は本当に筋のいい話だとは思わないです。しかし、今、国全体の社会保障の財政が大変厳しくなっていて、それがゆえに全体を一律マイナス四・四八%引き下げのような、介護報酬ですけれども、そういうことをやって、実際、それによって日々の運営、経営もままならないような赤字の法人が一方でたくさん出ている。

 要は、国も大変、多くの法人も大変、その中で、こうやって真面目に計算をしたら余裕財産がありますねという法人があったときに、それをまた何かに使う、しかも、こういう計画をつくらせて、役所がそれをチェックして無理やり使わせるというようなことではなくて、これは、だって、余った財産のそのもとは、やはり公金の投入であったり、あるいは税金の免除であったり、民間の法人といっても社会福祉法人はそういう特殊な側面があります。

 ですから、そうやってできた余裕財産を、豊かな時代なら再投下もいいですけれども、今、ほかが足りない、足りない、足りないと言っているときに、余っているのをただ無理やり使わせるではなくて、普通は公金に戻すのが筋ではないですか、また、そういうことをしないと、結局これは使ってしまう、また全体でお金が足りなくなって、また全体を一律介護報酬下げみたいなことになりませんか、こういう問題意識で申し上げております。

 大臣のおっしゃることも筋としてはわかるんですが、しかし、今の財政状況、また、赤字の法人がたくさんある、こういったところを見たときに、本当にそういうお考えでいいのかというふうに思うわけであります。

 最後にちょっともう一問お伺いをしたいのでありますが、余裕財産を社会福祉事業に再投資するとおっしゃるわけでありますが、この場合、私は、やはり真っ先に福祉人材の処遇改善に使うべきではないかというふうに考えます。

 先にお伺いをしたいんですが、余裕財産を福祉人材の処遇改善に使うべきだと思うのと同時に、もし余裕財産がある法人であれば、これはまず、処遇改善加算なんかをとっていただくよりも前に、そちらできちんと処遇改善をしていただく、これが筋ではないかというふうに思います。

 お伺いをしますが、余裕財産を持つ法人はこれまでどおり税金からの処遇改善加算も相変わらず受けられることになるのかどうか、お伺いをしたいというふうに思います。

三浦政府参考人 現時点での状況を御説明申し上げますと、処遇改善加算の算定要素といたしましては、先ほど申し上げました経済面といいましょうか、報酬面での引き上げということと同時に、例えば職場環境ですとか、あるいは研修を通じた質の向上ですとか、そういうところに取り組んでいただくということが要件になるわけでございまして、そういう意味で、そのほかの要素というものがその加算の要件になっているわけではないという現状でございます。

井坂委員 大臣に最後にお伺いをしたいと思います。

 現状は今のような御説明がありましたが、私が申し上げた、余裕財産があって、それを真っ先にどうしても使うんだったら、今はもう一番問題になっている処遇改善に使うべきだ、余っている財産があるのに、それはそこに使わずに、税金からまた処遇改善加算をもらうのは、ちょっとこれはどうなんですかというふうに思うわけでありますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 福祉サービスの拡充への再投下ということについていろいろ御意見が今あるわけでありまして、社会福祉法人が社会福祉事業の実施を主たる目的とする法人であるがゆえに、社会福祉事業への投資を最優先に検討するということで、その次に、社会福祉法に基づいて、いわゆる地域公益事業に投資をするというような、こういう順番になっているわけでありますけれども、優先する社会福祉事業への投資の中で、増大する介護や保育のニーズに対応していくために施設の新設とか増設や新たなサービスの展開が大事であることはもちろんですけれども、同時に大事なのは、先ほども申し上げましたけれども、処遇の改善を含む人材への投資ということだというふうに思います。

 社会福祉事業の中でも人材の投資というものは優先順位として真っ先に来るものの一つだろうというふうに思いますし、職員の処遇改善は質の高いサービスを安定的に供給する上でも極めて重要で、財産に余裕があるか否かにかかわらず経常的に運営の中で取り組む必要があるというふうに考えているのと、先ほど申し上げたように、社会福祉法人といえども、やはりこれは民間の法人であるという、この一線は忘れてはならないので、どうして、では、先ほど介護報酬が……

渡辺委員長 大臣に申し上げますが、もう既に申し合わせの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

塩崎国務大臣 多過ぎるかもわからぬという話があるような話もありましたけれども、そこのところを考えなきゃいけない根本的な哲学の問題がそこにはあるというふうに思いますので、引き続き議論をさせていただきたいというふうに思います。

井坂委員 終わります。

渡辺委員長 次に、牧義夫君。

牧委員 牧義夫でございます。

 きょうは社会福祉法の一部改正についての質問を行いたいと思っておりますが、その前に、質問通告にはございませんけれども、先ほどちょっと山井議員の方から年金のお話があって、私なりに、それを聞いていて、このまま看過できないなという問題意識を持ったものですから、ちょっと時間をおかりいたしまして、理事長はもう既にお帰りになっておりますけれども、監督官庁である厚労省のトップである大臣としての思いを、この問題を根本的に解決しようという基本的な姿勢が果たしてどうなのかという疑問を抱かざるを得ないものですから、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。

 二千四百四十九名の間違った情報を提供してしまった人のところに自宅を順次訪問して、謝罪をして回ったということについて、七月六日に大臣がこの報告を受けたという先ほどの答弁でございましたけれども、その報告を受けて、大臣はどのようにまずはお感じになったのか。もう本当にたくさん頭を下げて回って、御苦労さんだったね、そういうお話なのか。

 我々、選挙をやる者としては、文書を勝手に送りつけたり、どこかに動員をかけて人を集めるよりも、戸別訪問を一軒一軒した方が相手に誠意が伝わるんじゃないか、そういうふうに感じるのは我々だけかもしれません。

 本当に、戸別訪問して、大臣はその報告を受けて、御苦労だったねという思いなのかどうなのか。率直なところをまずお聞かせいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 私は年金機構から報告を受けたのではなくて、年金局から報告を聞きました。

 これを聞いたときにまず思ったのは、六月一日に公表をした今回の個人情報流出事案であり、私のところに上がってきたのは、五月の二十八日に一報があって、実際の中身については五月の二十九日に、個人情報が入っているという話が来ました。どうも聞いてみれば、一番最初にNISCから注意があったのは五月の八日。二十日、私のところに上がってこなかった。

 そのときのことも非常に砂をかむような思いで、私は、何ということだと思いましたが、今回も同じように、実は六月の中旬から存在自体が、誤った説明をしたという存在自体がわかっていた。にもかかわらず、年金局にも、私にももちろん上がってこなかった、このことに重ねて驚愕をいたしまして、私は直ちに、実態がどうなっているのか、一報をすぐにして、この事実だけでも公表をしておくべきだったんじゃないか、私はそう思うということを厳しく申し上げたところでございます。

 私としては極めて遺憾な限りでありまして、なぜこういうことが繰り返されるのか、全く理解できないという思いでありましたが、しかし、最終責任は私でありますので、こういうことが起きない組織につくりかえるのが私の使命だという思いをさらに深くしたというところでございます。

牧委員 情報がきちっと逐次上がってこないということに大臣なりに憤りを覚えて、厳しく指導をしたのはいいんですが、私が聞きたかったのは、今回、この間違った情報を提供した人たちのところにおわび行脚をしたという情報も、また七月六日になって、これがほぼ終わったところで知らされたということですけれども、それについて、もう前からちゃんと情報を上げろと言ってきたじゃないかという思いはなかったんでしょうか。

 それともう一つは、戸別訪問したこと、そのこと自体の価値判断というのは、どういう価値判断だったんでしょうか。

 それを私がなぜ申し上げるかというと、そもそも、この情報の流出についての一義的な被害というものがどういうものになるのか、まだこれから順次いろいろなことが明らかになっていくんでしょうけれども、もう一つ懸念されたのは、この情報流出に乗じて、よからぬ人たちがよからぬことをたくらんで、これによる詐欺被害というのも起きるんじゃないかということを懸念したわけで、だからこそ、機構は直接電話をすることはありませんよ、文書でもって通知をするんだということだったんじゃないんでしょうか。それを、戸別訪問は、それはいいんでしょうか。このテレビの報道で、年金機構からは、これは直接、家を訪ねてくるんだというメッセージがもう既に発せられてしまったんですね。

 このことについて大臣は、報告を受けてどう思ったかということを私は聞きたいんです。

塩崎国務大臣 今回、きょう御説明申し上げたように、戸別訪問をしてみないと、電話なり窓口でどう言ったかわからないで、一軒一軒回って、それで該当する方にはおわびを申し上げるという作業を二十七日からやっていたというふうに私は聞いておりますが、それも、なぜ私に、私たちに、年金局にも伝えてこなかったのかということに関して厳しく、正直、理事長にも直接私は指摘をしました。

 訪問することの問題点のことについて今先生からお話がありましたが、実はこれは、公表した六月一日以降、銀行の口座変更をされた方、それから住所変更をされた方で確認がとれない方については全て、一軒残らず訪問をしました。当然、その際には身分証明書を見せてやって、電話とメールは行きません、書面しか行きませんと言いながら、それはしかし、これは個別に直接お話を聞かないと、銀行口座を変えられたということがもし知らないところで行われていたというようなことがあれば、これは本当に年金の債権そのものが行ってしまうわけでありますから、そういうことが絶対にないようにするために個別にお一人お一人当たるようにしてきたということは、それ自体は私は正しいやり方ではないかというふうに思います。

 いずれにしても、これは一人残らず、あと二百七十二人についてはまだ直接お話が聞けていない、ないしは家族とも確認がとれていないということでありますので、これについてまず確認作業をして謝罪も申し上げるというのが私どもとしてまずやるべきことだろうというふうに考えているところでございます。

牧委員 私は、これは大変重要な判断を機構は勝手にやった、それを後になって大臣に報告した、そういうふうに言わざるを得ないと思います、うなずいておられますけれども。でも、最終責任者は大臣でありますから、その指導力をもっと発揮していただかなければ、これはとんでもないことになりかねないと私は思うんです。

 これはもう実際にテレビの報道で、機構は説明を誤った人の自宅を順次訪問して謝罪しています、こういうふうに全国に流しているわけで、あ、機構の人がいつ自分のうちを訪ねてきてもおかしくないな、これは老人はみんなそう思いますよ。このことによって何らかの二次被害が起きたら、誰が責任をとるんですか。

 そのことに思いをいたさなかったのかどうなのか、私はその辺の感度を非常に疑うわけで、だからこそ、今、通告にはないことで大変恐縮でありますけれども、一言申し上げさせていただきました。

 そして、このことについて本当によもや二次被害がないように、きちっと手を打っていただかなければならないと思いますので、貴重な時間でありますけれども、あえて触れさせていただいた次第です。後に回していい話じゃないと私は判断したものですから。来週になったらまた国会がとまっているかもしれませんし、そういうこともあり、あえて今申し上げさせていただいた次第でございます。(発言する者あり)はい、静ひつな環境でやりますけれども、ふだんはジェントリーに質問させていただいておりますが、事こういうことについてはやはりきちっとしていただきたいという思いでありますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

 それでは、本題に入らせていただきたいと思うんですけれども、先ほど井坂議員からも内部留保等々についての質問がありましたので、重複は避けたいと思いますが、そもそもこの社会福祉法人については、さまざま、いろいろな報道があったということも事実であります。同族経営で放漫経営をしているところが多いんじゃないかとか、あるいは、理事長の職をお金で売買するような、そんな不逞なやからもいるんじゃないかと。

 私も、これはごく一部の、一握りの話だとは思います。一番最初、冒頭、与党の議員の質問からもありましたように、その質問によると、やはり、そもそもこういう事業を起こす人たちというのは、もともとが社会にしっかり貢献していきたいという高い志の中でこういう事業を立ち上げるわけですから、余り性悪説に立つような言い方はしたくはないわけでありますけれども、ただ、一部そういう不逞のやからがいるということでありますので、基本的には、よりコンプライアンスをはっきりさせておかなければ、そういう善意でやっている人たちに迷惑がかかってしまうという意味では、今回の法改正というのは私は非常に意味があると思います。

 特に今回、法改正、大きく二つの柱があると思います。こういうガバナンスの強化と、もう一つは人材確保の促進ということだと思うんですけれども、人材確保の促進については、これは言うまでもなく人材が足りないという状況の中で当たり前の話ですけれども、一番目のガバナンス強化について、これをあえて今回法改正できちっと盛り込むことについての社会的な背景、この必然性について、これこれこういうふうだからこれが必要だったんだという基本的なところを、まず大臣の認識をお聞かせいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 これは先ほど少しお話が出ましたけれども、昭和二十六年に制度化された社会福祉法人でありまして、それぞれの地域で、この時代、ずっと一貫して社会福祉を地域で充実して、中心的な担い手として頑張ってくれたというふうに思うわけであります。

 ただ、そうはいいながら、時代は変わって、福祉サービスの中身も変わり、またプレーヤーも変わり、さらには社会福祉法人に対する運営の問題点についての指摘もかなりあって、なおかつ、公益法人改革というのが行われていながら、この社会福祉法人については十分それが行われてこなかった。ですから、評議員会なども、形はあってもいろいろな不明確なことも指摘をされることが間々あった。内部留保についてもそうですし。

 大概のところはもちろん、つらい中で頑張っていただいているところがたくさんですし、私がよくお邪魔をする、例えば児童福祉の中でも、児童養護施設などをやっているところは大変内部留保とは縁遠い話のところでございます。

 そういうことを考えてみれば、やはり正々堂々と胸を張って社会福祉の活動ができるように、公益性、非営利性というものを明確にしながら、透明性も説明責任もきっちりと果たしながら、そして地域への貢献を社会福祉法人として堂々とやれるような、そういうところにして、ですから、みずからに厳しいものもたくさんやらなきゃいけないんだろうと思います。

 したがって、最初、抵抗する話も間々ありました。私も大分怒られるようなところもありましたけれども、しかし、それは長い目で見たら、そういうふうにきちっと説明がつく方が皆さん方に御理解をいただけるし、公的な資金が入っての例えば介護とか障害者、いろいろありますから、そういうものの使い方としても、やはり説明責任を果たしながらしっかりしたガバナンスの中でやるということが最も大事だというふうに思いましたので、今回のような形で法案を出させていただいて、改めて社会福祉法人が非営利そして公益性の高い、いい活動ができるようにしていきたいというふうに思っているところでございます。

牧委員 基本的な思いは私も全く同じです。この間の派遣法の議論のときに、特定派遣事業者、私は優良な事業者もあるんだよということを再三申し述べたんですけれども、残念ながらなかなかその思いが届かずに、特定の事業者の中の優良なところはこれからどういう末路をたどるのか、非常に心配をしておりますけれども、それとこれと違って、今回は、今まさに大臣がおっしゃったように、もっともっと胸を張ってみんなやってもらうためにガバナンスの強化、透明性を向上させるということは、私は全くそのとおりだと思います。

 これが、派遣法のときと違って、本当に弱いところ、小さいところの事業者にとって、私は、どこがそんなに負担になるのかなと思うんですね。透明性を確保することがどうして負担になるのか、私にはわかりません。私は、今通り一遍の話を聞く限りでは、これは規制強化しても別に弱い者いじめではないと思うんです。

 その上で、例えば一定規模以上の法人への会計監査、これも、一定規模というと、何かざっと聞くと全体の一割ぐらいだという話ですけれども、これは質問しているとちょっと時間が足りなくなるのではしょっていきますけれども、一割程度で本当にいいのかどうなのか、対象をもうちょっと広げるべきじゃないかということが一つ。

 それから、さっきの大臣の答弁、先ほど来の一連のをずっと聞いていて、余りぎりぎりぎりぎり詰めるとやはり続けていくインセンティブがどんどん落ちてしまうんじゃないかという懸念も、それもわかります。わかりますが、例えば役員報酬の基準ですとか、これは自主的に基準を作成してそれでよしとするのか、あるいはもっときちっと明確なものを定めるのか、その辺のところも私はもっときちっとすべきだと思っております。

 それから、先ほど井坂議員の質問にもありましたけれども、内部留保の明確化ですね。一体全体どこが、どの部分がその事業を継続するための引き当てに該当するのかということをもう少しきちっと私は定めるべきだと思うんです。

 ちょっとはしょって三つ言いましたけれども、大臣の所見をお知らせいただければと思います。あるいは事務方でも結構ですよ。

鈴木政府参考人 三点お伺いいただきました。

 一点目の、会計監査人の義務づけのレベルでございます。これは今先生おっしゃったことで、審議会の段階で出ていた話といたしましては、収益で十億円以上、負債で二十億円以上というところで一つの線引きの考え方が議論上示されております。

 そうしますと、全体の社会福祉法人のうちの約一割ということでございまして、これは法案が成立した後に具体的、専門的に検討した上できちんと決めていくことになると思いますけれども、それを決める上では、やはり法人側の例えば事務処理体制、それから、会計監査人にお仕事をしていただく上でも経済的な対価を払わないといけません、そういったものも考慮に入れた上で線引きをしていく必要があるだろう。

 会計監査人を義務づける以外の法人については全く自由かというと、そういうことではございませんで、先ほども御答弁申し上げましたけれども、例えば公認会計士さんのチェック、こういったものをきちんと入れていただいて、それと所轄庁によります指導監査というものが相まって機能強化を果たしていって、効率的に適正な運営が確保されていく、こういった体制を全体として目指していくことになるだろうというふうに思っております。

 役員報酬につきましても、先生御指摘のとおり、法人が自分で決めてそれで済ませるということではありませんので、今回の法律の中では、民間事業者の役員の報酬とか従業員の給与、それから社会福祉法人の経理の状況などその他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めなければならないというふうに法律では決まっておりますので、これをきちんと具体化した基準をまた国において策定し、法人に遵守をしていただくということになるだろうと思っております。

 内部留保の明確化につきましては先ほど来御答弁を繰り返しているところでございますので、そういうことで御理解を賜りたいと思います。

牧委員 わかりました。

 いずれにしても、先ほど来からもお話があるように、いろいろな社会福祉法人をめぐる報道も残念ながらあります。これはごく氷山の一角にせよ、これが新聞、テレビの報道を通じて、社会福祉法人というのはやるともうかるぞというような間違ったメッセージが発せられてしまっては残念なことでありますので、その辺のところはきちっと払拭をしていかなければいけないと思うんです。

 ただ、実際に、同族経営による私物化だとか放漫経営だとか、こういった事例というのももちろんあると思いますし、また、私も直接ある人から耳にした話なんですが、暴力団関係者ですとかあるいはいわゆる企業舎弟と言われるような反社会勢力がこういったことに介入をしているという実態についても私は話を聞いております。

 実際に、自分のところの法人がそういうよからぬところから乗っ取りをかけられて大変困っているという相談を受けたこともございます。警察にも当時相談をいたしましたけれども、警察としても、最近はいろいろ取り締まりが厳しいので、そういう人たちも表立って自分たちがそういう組織の構成員だということを出さないケースが多いので、なかなか取り締まりの決め手を欠くというようなお話がございました。

 その辺の実態について、厚労省はどういう認識を持っているんでしょうか。

鈴木政府参考人 今先生の御指摘がありましたいわゆる反社会的勢力が社会福祉法人の経営に関与していけるかどうかということにつきまして、私ども、現場の実態は所轄庁からいろいろと報告を受けております。現時点におきまして、そういった反社会的勢力が具体的にかかわった事例というのを具体的に私ども承知しているわけではございません。

 ただ、一方で、反社会的勢力ではございませんけれども、社会福祉法人の例えば売買、売買といってもいろいろな形態があろうかと思いますけれども、そういったものが取り沙汰されているというのは報道に取り上げられているとおりでございまして、そういったものを国民の疑惑を招くことなくきちんと適正化していくという観点からも、やはり今回のガバナンスの強化は必要であろう。

 そういった不適切な事例は、やはり理事なり理事長さんが個人的に専横でもって重要な財産を処分したりポストを売買したりということが間々見られますので、理事会の権限をきちんとする、あるいは牽制機関としての評議員会をきちんと位置づける、こういったことを初めとする今回のガバナンスの強化というのがやはり非常に重要であろうというふうに考えております。

牧委員 同じ質問ですが、警察はどんな認識をお持ちでしょうか。

樹下政府参考人 警察といたしましては、社会福祉事業の法人経営に関しまして、暴力団等による違法行為があれば厳正に対処するとともに、社会福祉法人等から個別の相談がなされた場合には、その内容に応じまして適切に対応していくこととしているところでございます。

牧委員 警察としては精いっぱいの答弁だと思いますが、恐らく、いろいろな実態を把握されているんだとは思います、私のところにもそういった相談があるぐらいですから。ただ、そこが本当に反社会勢力なのかどうなのかという最後の決め手の部分で、なかなか決め手にならないところが多分たくさんあるんだろうな。そういう隠れみのに社会福祉法人がなってしまってはいけないわけで、今後、より厳しい取り組みをお願いさせていただきたいと思います。

 こういった社会福祉法人に対する貸付事業というのを福祉医療機構もやっているわけですけれども、福祉医療機構としても、平成二十四年から暴力団排除条項を導入したというふうに聞いております。

 これはちょっと、平成二十四年というのは随分遅いなという気がするんですけれども、世間一般、金融の世界ではどんなふうになっているんでしょうか。

古澤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の暴力団排除条項につきましては、平成十九年六月の犯罪対策閣僚会議幹事会申し合わせということで、企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針、この指針で、企業は契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入することが望ましいとされたところでございます。

 これを踏まえまして、金融庁では、平成二十年三月でございますが、監督指針を改正し、金融機関に対し、暴力団排除条項の導入を含む反社会的勢力との取引の関係遮断のための体制の整備を求めたところでございます。

 それを踏まえまして、平成二十年十一月、全銀協の方から、融資取引の契約等に盛り込むべき暴力団排除条項の参考例ということを公表いたしまして、各金融機関は、これをもとに順次同条項の導入を進めてきているところでございます。

牧委員 今の報告のとおり、いわゆる民間の金融機関はもう既に、ずっと前から取り組んでいるわけです。福祉医療機構についてはかなり後手に回ったなという感がありますけれども、ただ、私が先ほど指摘したように、いろいろな反社会勢力との関係があるという認識をWAMが持っているからこそ、後手には回りましたけれども、こういう排除条項を導入したんだと思います。

 貸付事業に限らず、いろいろな助成事業もやっておりますので、福祉医療機構もきちっとその辺のところを研ぎ澄まされた感性で見ていっていただきたいなということを申し述べさせていただくと同時に、これはちょっと皮肉な話で、今回の法改正で社会福祉法人のガバナンスが強化され、透明性が向上すると、それだったら別に機構じゃなくても普通の民間の金融機関が、これは取りっぱぐれのない融資だと思うんですね、いろいろな保険の請求もできますし。

 そういう意味で、福祉医療機構の役割そのものが終わってしまうのではないかなという懸念もあるんですけれども、厚労省は基本的にどんなお考えなんでしょうか。

鈴木政府参考人 今御指摘の点につきまして、今回の社会福祉法の取り組みを通じまして透明化が図られるということで、民間金融機関が、その結果、社会福祉法人に対する融資が行いやすくなるというところについては、私どもも同じ認識を持っております。

 ただ、一方で、しからば福祉医療機構の必要性がなくなる、ないし低下するかと申しますと、これは一応、社会福祉事業の特殊性というのがやはり一方であるわけでございまして、具体的には、各種報酬を初めといたします公定価格制のもとにおいて事業収入を確保しているということでございますので、やはり国の福祉施策との密接な連携のもと、融資の可否とか貸し付け条件、こういったものを機動的に設定をする必要がある。これは必ずしも民間金融機関で機動的にできるかどうかというものであろうかと思います。

 それから、従来から御答弁申し上げておりますけれども、長期、固定、低利の融資を実施いたしておりますので、そういう面でも、まだ福祉医療機構の存在意義というのはあろうかと思います。

 さらに言えば、融資だけではなくて、経営相談でございますとかそういったノウハウ、そういったものと一緒に、総合的な、ある意味での融資も含めましたサービス、支援を提供しているワンストップの機関でもございますので、そういった総合的な観点からの福祉医療機構の存在意義というのは、引き続きあるのではないかというふうに考えております。

牧委員 わかりました。

 時間がありませんので、介護人材確保の方に移りたいと思います。

 処遇改善については、これもいろいろ質問したいんですけれども、時間がないのでまた機会を改めたいと思いますが、一つ、せっかく法務省も呼んでおりますので、ちょっと聞きたいことがございます。

 外国人技能実習制度活用で、今回、一つ、職種のカテゴリーが、介護の人材にカテゴリーを広げるという話を聞いております。

 まず厚労省として、どんな人材を考えているのか、そして、この制度導入によってどんな期待をしているのか、厚労省からまずお話を聞かせていただきたい。

 それから、法務省の方には、今まではいろいろな、物づくりですとか農業ですとか、そういった人材に限ってきたと思うんですけれども、これを新たな、人を相手にする、こういった介護の事業に技能実習生の枠を広げるということに至ったその理由についてお聞かせをいただきたいと思います。

 まず厚労省から。

鈴木政府参考人 技能実習制度の中での職種追加について、介護を追加するかどうかという問題でございます。

 これは、介護職種の追加の前に、今、技能実習制度そのものにつきまして、御案内のように、いろいろな改善を図らなければならないということで、所要の法案を政府として提出しているところでございます。

 まずそういった改善が図られるということを前提にした上で、基本的に、技能実習につきましては、人手不足に対する人材の確保というよりは、相手国に対する技能の移転という制度の本旨に従って、きちんと検討した上で、職種を追加するならば追加をするという結論を出していく必要があるだろうというのが厚生労働省のスタンスでございます。

 その中で、特に、先生おっしゃったように、介護を入れるかどうかという検討になりますと、対人サービスでございますので、例えば日本語の問題でございますとか、あるいは実習体制をどういうふうにきちんと現場で確保していただくかという問題とか、いろいろ介護固有の要件もございます。

 したがって、技能実習そのものの改善方策に加えて、介護固有に対応しなければならない要件がどういうものがあるのか、それによって、国民の皆さんの御懸念なり不安をどういうふうに払拭していくのか、こういった手順を踏んで結論を出していくべき問題であるというふうに認識をいたしております。

渡辺委員長 既に申し合わせの時間が経過しておりますので、簡潔に答弁をお願いいたします。

佐々木政府参考人 介護分野に技能実習生を拡大するという経緯についてのお尋ねですが、「日本再興戦略」改訂二〇一四におきまして、「現在は技能実習制度の対象とされていないものの、国内外で人材需要が高まることが見込まれる分野・職種のうち、制度趣旨を踏まえ、移転すべき技能として適当なものについて、随時対象職種に追加していく。」という趣旨から、この介護分野の検討が始まったものでございます。

 法務省といたしましては、制度の趣旨が徹底されるということはもとよりですけれども、対人サービスに係る技能実習においては、やはり日本語によるコミュニケーション能力は重要と考えておりまして、今後、厚生労働省において行われる制度設計と連携して、適切に対応してまいりたいと考えております。

牧委員 この件については、ちょっといろいろとまだ言いたいこと、同床異夢みたいなところがありますけれども、時間が来ましたので、これで終わります。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。

 そもそも社会福祉事業は、公定価格で報酬単価が決められており、余裕など生まれるはずはありません。

 本法案は、本来国や行政が責任を持つべき福祉の制度の公的な支えを社会福祉法人の慈善事業に置きかえようというものであり、退職手当共済の公費補助の削減とも相まって、関係者、国民の中に怒りと不安が広がっております。

 私の事務所にも、きょう持ってまいりましたが、この数日間だけでもファクス、郵送等で五百通近く、緊急要請ということで、多分皆さんのところにも届いていると思うんですが、一言欄もびっしり書かれているわけであります。福祉の公的責任を後退させるものだとか、施設経営が立ち行かなくなるとか、ただでさえ深刻な人手不足に拍車がかかると。

 きょうも、傍聴人もたくさんおいででございます。そういう中での質疑だということを述べて、幾つか質問したいと思います。

 初めに、四月十七日付、社会・援護局福祉基盤課長名で、各都道府県や市の担当者宛てに「社会福祉法人の「地域における公益的な取組」について」という通知が出されていると思います。内容について、趣旨を簡潔に述べていただきたいと思います。

鈴木政府参考人 御指摘の通知は、社会福祉法人が、社会福祉事業の中心的な担い手としての役割を果たすということのほか、営利法人などの他の事業主体では対応できない地域の幅広い福祉ニーズに対応する法人である、こういったふうに位置づけられているということを踏まえまして、所轄庁に対して、地域における公益的な取り組みの積極的な実施を所管する社会福祉法人に対して促すように依頼した、これが内容でございます。

堀内(照)委員 文書の中では、規制改革実施計画も挙げまして、一定の事業規模を超える法人に対して、法令等での義務づけに先駆けて社会貢献活動の実施を要請するとか、法整備を待つことなく、社会福祉法人の本旨に基づき果たすべき社会的使命として云々かんぬんということで、今回の法案の中身を先取りするようなことも既に通知で出されている。

 国会で審議もしていないのになぜこんな通知が出されるのか、ちょっと大臣にこれはお答えいただきたいと思うんです。

塩崎国務大臣 社会福祉法人におきましては、地域における公益的な取り組みについて、従来から、法人の規模とか経営実態に即して自主的に実施をされているというふうに理解をしております。

 今般の改革の背景にございます、福祉ニーズの多様化、複雑化に伴い、営利法人など他の事業主体では対応困難な福祉ニーズに対応する必要性が高まっていることを踏まえると、現行の法体系のもとでも、地域における公益的な取り組みについて、社会福祉法人の本旨に即して積極的に取り組むことが求められていると考えられておりまして、今回の通知においては、その自主的な実施を促したものだというふうに思っております。

堀内(照)委員 本当に、だったら法改正は要らないわけですし、それから、通知の中では、閣議決定された法案の二十四条二項まで挙げて、やっているわけなんですよ。これは本当に国会軽視も甚だしいと言わなければならないと思います。

 内部留保の明確化ということがここでうたわれて、福祉サービスへの再投下、社会貢献へ活用せいということでありますが、そもそも、社会福祉法人の内部留保というものについて明確な定義づけというのができるんでしょうか。

鈴木政府参考人 まさに今御指摘ございましたように、現行の法制のもとにおいては、社会福祉法人の内部留保について、それがどういった内容のものであるかという定義は置かれていなかったところでございます。

 そこで、今回の法案につきましては、社会福祉法人が多額の内部留保をある意味抱え込んでいるというような御指摘もあって、これに対して、きちんと社会福祉法人自身が自分のところの内部留保がどのぐらいあるのかということを説明できる手だてが法制上なかったわけでございますので、これをきちんと明らかにする必要があるだろう、そういう意味で、社会福祉法人が国民に対する説明責任を果たすということにもつながるだろうということで法整備をいたしたわけでございます。

 今回の法案の中では、まず、内部留保そのものにつきましては、貸借対照表上の純資産の額ということで、これをいわゆる一番広い内部留保と捉えまして、それから、たびたび御議論いただいておりますように、社会福祉法人が現在の事業に必要な財産額を控除いたしまして、ある意味、余裕財産ということで語られておりましたけれども、法律上は社会福祉充実残額ということで、これを新規事業への再投下可能な財産額と捉えて、社会福祉事業等の充実に再投下するルールをまた法律上も明らかにしたということでございます。

堀内(照)委員 今の話はちょっとおかしいと思うんですね。今回の社会福祉法人改革の議論の発端は、内部留保の大キャンペーンだった。

 きょうも議論がありましたけれども、二〇一三年、厚労省が委託した明治安田生活福祉研究所の報告があるわけです。今、法制の中では確かにないとおっしゃったけれども、法制だけじゃないんですよ、ないのは。ここの報告でも、これまでの内部留保の必要額や算出方法について具体的に示している文献は見当たらなかった、本調査研究では、過去の文献にはない新たな算式や用語、概念を設定せざるを得なかった、データの制約、外部分析の限界などから一部に精緻さを欠いたところがあるというのがこの報告です。

 それから、昨年七月の社会福祉法人の在り方等に関する検討会の報告書でも、「そもそも内部留保を蓄積しているといっても他の社会福祉事業に投資されている部分は既に活用されており、残りについても将来の施設の建て替え費用として合理的に説明可能な部分が多いことなど、必ずしも内部留保の額だけで一律には論じられない」としているわけですね。

 だから、法案には内部留保なんという言葉はあるんですか。それから、ポンチ絵、説明資料なんかでもいわゆる内部留保ということしか表現されないわけで、明確に内部留保と言えないから、いろいろ、今答弁があったようなことで、今回は社会福祉充実残額をいわゆる内部留保の中から導き出すということになっているんじゃないんですか。

鈴木政府参考人 まさに今御指摘いただいたように、一般的に、定義をはっきりさせないまま、内部留保が多いとか少ないとかいった御議論があって、社会福祉法人の運営に対していろいろな議論が起きてきたということでございますので、これはやはり制度としてしっかり、いわゆる内部留保と言われていたものがどういう定義内容のものであるのか、それをきちんとした上において、法人が事業を継続していく上で本当に必要な財産の額と、それからそれ以外の額、これがきちんと明らかになるようにルール立てをしなければならないだろう、これが今回の改正法の問題意識でございます。

 今御指摘のありました途中段階で民間の研究所が出しました額、これは、特別養護老人ホーム一施設当たり三・一億円ですとか一・六億円とか、いろいろなことが言われておりましたけれども、まさに今御指摘のありました研究所のコメントにもありますように、これは甚だ不十分なものでございます。

 今回の法案化に当たりましては、こういったものにつきまして、きちんと専門家に集まっていただき、現場の方々にも集まっていただいて相当何回も議論いたしまして、そういった不十分なことがないように、本当に社会福祉法人が事業継続に必要な額とそれ以外の額が明らかにできるような基準というものを法制上つくろうということで、今御提案いたしております法律の形で出させていただいたということでございますので、これまでいろいろな不十分な形で御議論のあったものにつきまして、法律が成立をいたしましたらば、きちんとしたデータの形で客観的にこれが議論できるようになるだろうというふうに考えているところでございます。

堀内(照)委員 ですから、これは内部留保と呼んではいけないと思うんです。いわゆると言うならまだわかる話であって。

 社会福祉充実残額というのをどのように算出するのかということは、通告はしていましたけれども、いろいろと先ほども答弁が、この間もありました。簡単に言えば、純資産から必要な財産、経費を引いて算出をするんだと。ただ、どれだけのものが必要経費と認められるのか、控除の対象となるのか、これもまだ未定なんだと。

 これ自体もとんでもないと私は思うわけですけれども、建てかえや改修の費用、それから手元の流動資金、これは、事業所の規模や内容、特に重度の障害の方を抱えておられる事業所では利用を休まれる方が多いと利用料がやはり入らないわけですので、本当に千差万別だと思うんですね。そういったこと全ての実情を反映した基準や計算式ということは本当にできるんでしょうか。

鈴木政府参考人 まさに今回、いわゆる内部留保というものから事業継続に必要な額をきちんと控除する、この基準をしっかりつくってまいらなければならないと思っております。その中で、今御指摘のありましたように、社会福祉法人、事業の内容、規模、さまざまでございますので、そういった運営の実態をきちんと反映した形で基準をつくってまいりたいと思っております。

 これは、法律段階では、先ほど御答弁申し上げましたように、現在の事業を継続するのに必要な額ということで、法規定としては必要十分な規範性を持っておりますので、あとは、かなり学術的な面も含めまして、会計技術的に、あるいは専門家の目でも見ていただいて、きちんと詰めていかなければならない問題である。したがいまして、この法律の成立を受けて、施行までの間に、今御指摘のあった実態をきちんと踏まえた基準となるように、これは専門家も含めて十分議論をした上で基準を策定してまいりたいと思います。

堀内(照)委員 その実態が踏まえ切れるのかという懸念があるわけです。基準ができて、それで一律に線が引かれるということになれば、乱暴なやり方だと言わなければなりません。

 法案では、社会福祉充実残額が生じれば、社会福祉充実計画をつくり、所轄庁の承認を得て事業を行わなければなりません。この残額なんですが、理論的に言えば、極端な話、一円でも残額が生じたら計画というのは立てなければならない、事業を行わなければならないんでしょうか。

鈴木政府参考人 現在御提案を申し上げております法律規定上の理解を申し上げれば、今御指摘のあったとおりでございまして、社会福祉充実残額が一円でもあれば、社会福祉充実計画は策定をしなければならないということでございます。

 そうしますと、そんな僅少な残額があったものについて、計画を立ててこれはどうするんだというのが御関心の点だと思いますけれども、一方で、充実残額が僅少な法人においても、充実計画の内容につきましては無理のない内容で策定できるように、これは、法律上一概にこういった内容でなければならないといったことまで決めているわけではございませんので、当然、充実残額の状況に応じて、法人が無理がない再投下計画をつくるということで法律をつくっているわけでございます。

堀内(照)委員 これは、先ほどの答弁の中でも、今すぐ実施するものでなくても、実際には後年実施の計画のものでもいいんだとか、それから費用のかからない事業もあるんだという説明もあるわけですけれども、しかし、今、多くの社会福祉法人は、経営的にも、そしてマンパワーという点でも本当にぎりぎりのところで頑張っているわけで、計画を立てる事務作業だけでも大変なわけなんですね。そうした実情を本当にわかっているのかなと思うわけであります。

 それから、充実計画はおおよそ五年程度の中期的なものを見込んでいるとお聞きしました。そうすれば、例えば、計画を立て事業が始まる、その翌年とか翌々年、途中で今度は残額が生じませんでした、そうなったらその事業はどうなるんでしょうか。

鈴木政府参考人 法律の規定上は、社会福祉充実残額に変更が生じまして、充実計画に位置づけられた事業の継続が困難な場合、これは、所轄庁の承認をもって計画の変更、終了をすることができるということになっております。

 実際に、社会福祉充実計画につきましては、当然、策定するに当たりまして、事業の安定性とか継続性、こういったものも考慮しながら、今御指摘がありましたように、中長期的な観点から実施事業を検討するということになっております。

 それから、その中では、特に地域におきまして、複数の社会福祉法人あるいは他の事業主体と連携して事業を行うということも当然検討の視野に入ってくるわけでございまして、こういったことを含めまして、持続的な取り組みに配慮して計画策定を行うということであろうというふうに承知をいたしております。

 特に、計画の策定に当たりましては、地域住民の意見を聞くということにいたしておりますし、それから所轄庁の承認という行為もかんでおるわけでございまして、事業の継続性という観点からは、そうした仕組みをきちんと働かせることによりまして、計画に変更が生じた場合にも、直ちに非常に困難な、懸念のある事態が起きないようにしていくということで法律の仕組みを用意しているつもりでございます。

堀内(照)委員 安定性を考慮するとかいろいろ言われましたけれども、結局、そうなると、事業所は、目の前で困った人を放っておけずに、自腹を切ってでも事業を継続せざるを得なくなるか、それか、本当にもう無理だったら、打ち切って利用者が犠牲になるか。それから、他事業所との連携とおっしゃいましたけれども、そうなったら、ほかの法人に迷惑がかかるわけですよね。ほかの法人への負担が重くなるんじゃないか。

 これは、幾らその残額があるからといっても、そういう事業を法律で義務づけるということになると、本当に事業所に大変な負担を強いる、そして、進めようという事業も、本当に安定した事業としてできるんだろうかというふうにやはり思うわけであります。

 社会福祉充実計画を策定する際、地域協議会による論議や所轄庁での承認が必要になりますけれども、こうしたことが事業所の自主性を損なうことにはならないのかという懸念もあります。

 私の部屋に先日、障害のお子さんをお持ちの親御さんが見えられまして、その方は、奥さんが亡くなられて、とりわけ自分が亡くなった後、子供がどうなるかということが心配だ、その点ではグループホームの建設をと思うわけだが、この法案ができれば、一生懸命集めた寄附金やバザーなどの資金がいわゆる内部留保とみなされてしまう、施設建設用の費用を集めても、一旦いわゆる内部留保としてくくられてしまうと。

 幾ら、その後、社会福祉事業等投資額に使うのが優先されるんだといっても、地域協議会での議論を経て、寄附などが目的外に使用される可能性というのは排除されるんでしょうか。

鈴木政府参考人 今回の法律の仕組みは、まさに今、懸念があるということで御指摘いただいたような事例に対して、きちんと制度的な保障を行うというものであるというふうに考えております。

 具体的には、今回の法案にありますように、事業継続に必要な額がルール化されて客観的に出るというルールがない、その結果、さらに新しい事業をするために留保していた金額というものについても説明がつかない。これは、ある意味で、今申し上げたのは現状でございますけれども、それに対しまして、法人が今の事業をきちんと継続していくために必要な額、そして、まさに御指摘がありました例えば新しいグループホームの建設も含めまして、社会福祉の充実を法人として図っていくために必要な財産の額、こういうものがきちんと計画の中で特定をされて、これが逆に地域住民の方にも説明ができるようになる、これが今回の法律の効果だというふうに思っております。

 そういうものをきちんと地域の理解を得ながら策定していく、これは法人のひとりよがりではいけませんので、そういうものを地域の理解を得て策定していただく、そのための手続として地域協議会があるわけでございまして、地域協議会がそういった法人としての福祉の発展に阻害になるといったようなことはないものと考えております。

堀内(照)委員 そうしますと、地域のニーズがこうあるんだということで、必ずしもグループホーム以外にも、これだけ寄附金が集まったんだったら、こういう事業にも使ってくれよということにもなり得るということじゃないですか、それは。違うんですか。

鈴木政府参考人 議論としておっしゃるようなことが全くないかというと、そういうことはないと思いますけれども、しかし、基本的に、例えば今の御提示の事例でいきますと、寄附した方の発意といいますか、意思というものはやはり尊重されるべきでありまして、それとともに、法人がきちんと地域に対して説明もするわけでございます。その中で、地域のニーズと寄附者の発意というものが全く合わないといった事例が果たしてどの程度あるのかということは実際的に考えていかなければならないと思います。

 やはり地域においてきちんと一定の必要性があるということで、ある意味での公的な器としての社会福祉法人に役立ててほしいということで寄附をいただくわけでございますので、そうしたプロセスについてきちんと地域で説明を展開していただく、地域協議会というのはその一つのツールでございますけれども、そういうことをしていただければ、今先生がおっしゃったような御懸念のような事態というのはないのではないかというふうに考えております。

堀内(照)委員 寄附者の発意や自主性というのが損なわれる、これは本当に絶対にあってはならないということを指摘しておきたいと思います。

 この法案は、社会福祉充実残額が生じた事業所にだけ社会貢献を求めているのではありません。二十四条二項にあるように、全ての社会福祉法人に努力義務として求めているわけであります。

 それで、ちょっと先ほど飛ばした質問に戻るんですけれども、大臣に伺いたいと思います。

 先ほどもちょっと議論しました、内部留保があるんだ、余裕があるなら社会貢献せよというところから始まった今回の問題でありますけれども、今見てきたように、内部留保といっても、実際には企業のような内部留保ではないわけであります。そこで、今回は、社会福祉充実残額という新たな概念までつくり出してやるわけですが、その上、そういった残額もない法人にまで社会貢献を課そうと。

 内部留保論から始まった議論でありますけれども、前提が違ったものになっていると私は思うわけです。それにもかかわらず、社会貢献せよという結論だけは変わらずにある。これは本当に道理がないと思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 社会福祉法人は、社会福祉法に列挙をされております社会福祉事業のほかに、地域の幅広い福祉ニーズに対応する公益事業を行う法人として社会福祉法に位置づけられている法人であって、今回、公益性、非営利性を備えた法人本来のあり方を徹底する観点から、この本旨を明確化して、責務として位置づけるということになったわけでございます。

 今般の見直しにおいては、全ての社会福祉法人について、地域における公益的な取り組み、日常生活あるいは社会生活上の支援を必要とする者に対して無料または低額の料金により福祉サービスを提供することでありますが、この公益的な取り組みの実施を責務として位置づけた上で、再投下可能な財産を保有する法人に対しては、当該財産を計画的に福祉サービスに再投下する仕組み、いわゆる社会福祉充実計画、この中でこうした地域における公益的な取り組みを促すこととし、なおかつ、再投下可能な財産のない法人については、追加的な費用が生じない取り組み、例えば居場所づくりであるとか福祉に関する情報提供であるとか、こういった費用が生じない取り組みを含めて、地域における公益的な取り組みを行うことを責務として課して、その実績などの公表を求めることとしているところでございます。

堀内(照)委員 法的に義務づけるものではないとはいえ、積極的に努めなければならないと、かなり強い努力義務が課されています。一方で、財務状況や社会貢献の事業の実施状況も公表されるわけで、社会的な目にさらされれば、やはりそうした事業の実施というのが迫られる、そういう圧力にもなるということもあると思うんですね。

 それで、今、居場所づくりとか情報提供とか、そういうものもあるんだということをおっしゃられたわけでありますけれども、そういう残額のない法人がこういう事業をやろうと思ったら、本当に困難があると思うんです。

 そういう居場所づくりや情報提供なら費用がかからないだろうということでありますが、しかし、では、地域促進、交流促進のために場を提供しますといっても、場所だけ貸すというわけにはいかないと思うんです。やはりそこに人をつけなければなりません。情報提供も、いろいろそういうものをつくる人手がやはり要るわけです。そうした事業にかかる人件費の費用負担というのはどうなるんでしょうか。これは結局、私は、施設の持ち出しになるんじゃないかと。

 社会福祉法六十一条一項では、国などが社会福祉法人に財政的な援助を求めないとしているわけでありまして、本来業務に従事するために基準があり配置をされている人員を、他の事業、しかも法律で国が努力義務として課す事業で使うということは、この六十一条一項に抵触するんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

鈴木政府参考人 まず、大臣からも御答弁を申し上げましたように、この地域公益活動につきましては、基本的に義務ではなくて責務でございます。したがって、法律上の概念としては努力義務であります。したがって、その帰結といたしまして、それは法人の事業状況、財務状況に合ったものを努力として実施していただければいいということでございまして、とにかくこういうものをやれというような義務ではございません。まず、前提としてそういうことがございます。

 その上で、今先生御指摘のように、例えば居場所づくりあるいは情報提供といっても、事業そのものにはお金はかからないけれども、それに附帯する、例えば人件費ですとか多少の経費はかかるじゃないかという御指摘だと思います。

 それは論理的に言えばおっしゃるとおりだと思いますけれども、しかし、そういうものにつきましては、基本的にどの法人につきましても、情報提供の事業、あるいは地域に自分の施設を開放しての居場所づくりというのは、努力の一環としてやっていらっしゃると思います。そういうものをきちんと地域住民に対して説明できる、こういった手だてを今回の法律で位置づけたということでもございますし、繰り返しになりますが、それはあくまでも法人の体制あるいは財務状況に合わせて適切な実行手段を選択いただければいいということでもありまして、義務ではございません。

 したがいまして、今御指摘のありました社会福祉法の六十一条一項一号の原則につきましても、これは基本的に国が財政の肩がわりを今回の仕組みによって求めるものではございません。先ほども御答弁いたしましたけれども、行政として、支援が必要とされる方々に対していろいろな支援の制度化あるいは事業化を適切に果たしていく、こういった責任についてはいささかの変更もないと考えておりますので、そういった面におきましても、六十一条一項一号との抵触問題というのは生じないものというふうに考えております。

堀内(照)委員 法人が自主的にやっているものと、今度は法的に根拠を持つ事業になるということがやはり大きな違いだと思うんです。

 費用がかかる事業ともなれば、なおのこと、ほかの社会福祉事業で得た報酬を他の事業に回すということにもなって、これは明らかに報酬の実質的減額にもなるし、本来の社会福祉事業の後退にもなると思います。

 きょうは最後に、こういった法案の中身を先取りするような事業が幾つかの県で進められております。埼玉では、彩の国あんしんセーフティネット事業ということで、事業開始から半年たったことし三月十日現在、二百九件の相談支援を行って、百三十件で実際に経済的援助、現物給付が行われているといいます。相談の中身は、稼働世帯だけれども失業して生活に困窮している、そういった方からの相談が多い。制度につなぐまでの間の支援を行っている。

 社会福祉法人が自主的に制度のはざまを埋める活動を行い、実際に困っている人を支援すること自体は、私は、積極的に意義があると思うんですが、二つ問題があると思います。一つは、本来行政が取り組むべき制度の活用が、社会福祉法人の慈善事業に取ってかわられている。二つは、その費用負担が社会福祉法人のものであるということ。

 主な相談経路というのを見ますと、七十四件が行政から、七十八件が市町村の社協からと断トツなんです。百三十件の現物給付というのも、参加する社会福祉法人が拠出する基金から十万円を限度とした現物支給が行われている。

 本来は、生活福祉資金やそのつなぎ融資など、公的な制度というのがあるはずです。そういうものを活用できるにもかかわらず、本来そこで対応すべき行政が社会福祉法人に丸投げしているという格好であります。

 これはまだ社会福祉法人の自主的な取り組みの範囲ですが、今度の法案が通ると、こういうことが法律で規定された事業として始まるのではないかと私は危惧を覚えるわけであります。

 目の前の困った人を救う、制度のはざまになっている事例に取り組むというのは、これまでも、今ありましたように、社会福祉法人が自主的に進めてきたところであります。そうやって、制度のないところから運動で新たな制度をつくらせてきたという歴史があるわけです。

 大臣にお聞きしたいんですが、そのはざまを今度は残額を活用して無料、低額で社会福祉法人に担わせる、そういうことを法定していく。これでは、はざまのニーズについては恒久的に社会福祉法人の慈善事業に肩がわりさせるということになるのではないか、新たな制度をつくり、公的に支えていく道を閉ざすことになるのではないかと思うわけです。ましてや、埼玉の例のように、今ある制度、公的な制度の分まで肩がわりさせるなんということになれば、それこそ国の責任放棄だと思うわけですけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 全て行政がやるという国柄では私はないと思います。

 今日、社会の変化、家族の変容に伴って地域の助け合い機能が縮小している中で、多様化、複雑化する福祉ニーズに対応していくためには、国や地方公共団体による福祉サービスや支援の制度化等に加えて、社会福祉法人、NPO、ボランティア等さまざまな民間主体が、国や地方公共団体と協働しながら、いわゆる公益というものを皆で定義しながら、それぞれの役割に応じたきめ細かな活動を行っていくということが極めて重要だというふうに思います。

 社会福祉法人は、社会福祉法に列挙されている社会福祉事業のほかに、地域の幅広い福祉ニーズに対応する公益事業を行う法人として社会福祉法に位置づけられている法人であって、先ほども申し上げましたけれども、今回新たに規定をいたしました社会福祉法人の責務は、こうした社会福祉法人の本旨を明確化したものであって、もとより福祉ニーズに対する公的な責任を転嫁するものでは決してないというふうに考えるところでございます。

堀内(照)委員 もう終わりますけれども、あり方検討会の報告では、社会福祉法人の役割について、制度のはざまのニーズ、市場原理では満たされないニーズがあるとか、政府の失敗の補完機能、市場の失敗の補完機能なんという言葉も出てくるわけです。

 この間、介護保険や障害者施策が典型ですけれども、福祉の世界に契約や市場原理を持ち込んで福祉がカバーする範囲を狭めておきながら、そこからこぼれたものを社会福祉法人の慈善事業に肩がわりさせようというのが今度の法案だ。私は言語道断だと厳しく指摘をして、質問を終わります。

渡辺委員長 次回は、来る十日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時六分散会


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