衆議院

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第37号 平成27年9月2日(水曜日)

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平成二十七年九月二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 赤枝 恒雄君 理事 後藤 茂之君

   理事 高鳥 修一君 理事 松野 博一君

   理事 西村智奈美君 理事 浦野 靖人君

   理事 古屋 範子君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      加藤 鮎子君    木村 弥生君

      小松  裕君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田中 英之君

      田畑 裕明君    谷川 とむ君

      津島  淳君    豊田真由子君

      中川 俊直君    長尾  敬君

      丹羽 雄哉君    橋本  岳君

      比嘉奈津美君    堀内 詔子君

      牧原 秀樹君    松本  純君

      松本 文明君    三ッ林裕巳君

      村井 英樹君    阿部 知子君

      大西 健介君    岡本 充功君

      中島 克仁君    長妻  昭君

      山井 和則君    足立 康史君

      井坂 信彦君    牧  義夫君

      伊佐 進一君    輿水 恵一君

      角田 秀穂君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      永岡 桂子君

   厚生労働副大臣      山本 香苗君

   厚生労働大臣政務官    橋本  岳君

   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 木下 賢志君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 池永 肇恵君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        中島  誠君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        小野田 壮君

   政府参考人

   (警察庁長官官房総括審議官)           村田  隆君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房統計情報部長)        姉崎  猛君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  二川 一男君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  新村 和哉君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       土屋 喜久君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       安藤よし子君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  三浦 公嗣君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  唐澤  剛君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  香取 照幸君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月二日

 辞任         補欠選任

  大串 正樹君     津島  淳君

同日

 辞任         補欠選任

  津島  淳君     大串 正樹君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)(参議院送付)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長木下賢志君、内閣府大臣官房審議官池永肇恵君、子ども・子育て本部審議官中島誠君、子ども・子育て本部審議官小野田壮君、警察庁長官官房総括審議官村田隆君、厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君、大臣官房統計情報部長姉崎猛君、医政局長二川一男君、健康局長新村和哉君、労働基準局安全衛生部長土屋喜久君、雇用均等・児童家庭局長安藤よし子君、老健局長三浦公嗣君、保険局長唐澤剛君、年金局長香取照幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川俊直君。

中川(俊)委員 自由民主党の中川俊直です。

 きょうは、質問の機会を与えていただいて、ありがとうございます。

 質問につきましては、健康長寿社会形成基本法、これは議員立法での成立を目指しているものであります。さらには、戦没者の遺骨収集について、そしてAEDについての御質問をさせていただきたいというふうに思っているんですけれども、質問に先立ちまして、実は、私ももう国政へと送っていただいて二年八カ月が経過をいたします。さらに言うならば、政治記者を五年ここで務めまして、秘書を十二年、そして議会に送っていただいて二年半余りが経過をするんですけれども、私が本当に、こうした国政へと送っていただいて、議会の議論を通じて痛感していることを改めて申し述べさせていただければというふうに思っています。

 それはやはり、私は、本当にいよいよ次の世代は国会改革をやらなくちゃいけないなということを、今、実は痛感をしているわけでもあります。

 実は、日本アカデメイアの調査によると、民主党政権時代の数値なんですけれども、各国首相の例えば一年間の議会の出席日数、日本は百二十七日。さらに言うならば、ヨーロッパの方では、フランスが十二日、イギリスが三十六日、ドイツが十一日。ちなみに、例えばアメリカでは、オバマ大統領初め、議会に来るのは一般教書演説ぐらいであって、ほとんどホワイトハウスにいてやっているというような現状でもあります。(発言する者あり)

 やじってくださるのも結構なんですけれども、ただし、民主党政権時代にも、多くの議員の皆さんが、国会改革をやらなくちゃいけないということを言っていたわけであります。

 ちなみに、閣僚を見ましても、アカデメイアの調査ですけれども、財務大臣は一年間で二百七日来ている。外務大臣は百六十五日来て、これは他国に比べて圧倒的に多いというような現状でもあります。

 余談ですけれども、この国会で調べてみましたら、塩崎大臣は、何とこの国会、戦後最長幅の二百四十五日なんですが、衆議院のこの委員会室で三十二日間も朝から夕方近くまで座っていらっしゃる。参議院においては二十五日座っている。五十七日も朝から晩まで座っていて、さらに衆参の本会議があって、予算委員会があって、特別委員会にも出なくてはいけなくて……(発言する者あり)いや、今ちょっと話しているので、待ってください。これは与野党を超えて私はやっていかなくてはいけないということを申し述べさせていただきたいので、ぜひやじらないで聞いていただければと思います。

 これは私自身が議会人としての一意見で、党人としての意見ではないということで、ぜひ聞いていただければというふうに思っているんですが、その他、閣議や政府の財政諮問会議なども通じて、そういう意味では一日じゅう時間に拘束されっ放しでは、私は、厚生労働行政を担う、さらには、国益として国家をどういうふうに持っていくかという観点から、非常に国益を損ねているというふうに考えるんです。

 そういった中では、やはりこれまでも超党派の中でも議論がなされましたけれども、例えば、総理におきましては、毎週党首討論は必ず開催をするから、その上で、ふだんの予算委員会などは副長官や官房長官が担う、ほかの大臣が担う、そういったようなぐあいにやっていくべきだというふうに思っていますし、こういった委員会などを通じましても、ふだんの答弁は、あの小沢一郎先生が自自公連立政権のときに政府参考人制度をつくって、副大臣、政務官というのが配置をされたわけであって、そういった方々が基本的には答弁を担っていただいて、締めくくり総括のときに大臣が出てきていただきながら、与野党の論客の先生方と、例えばテレビ中継を入れて、開かれた形で国民にも委員会審議を見ていただくといったぐあいの国会改革というのが私は必要だというふうに思っています。

 さらに言うならば、今、ゆう活というのが今国会からずっと言われておりました。朝方の勤務にしていこうということなんですけれども、そういうのであるならば、やはり議会人として、質問通告は一日半前からやって、当日の、夜の十時とかに突然出して、徹夜で答弁をつくっていただいて朝早くから大臣に説明していくというのだったら、私たちが女性の輝く社会とかそういうものをやろうとしている中では、極めてよくないというふうに思っているので、ぜひ本当にそういう方向性をつくらせていただければと思っています。

 さらに言うならば、国会改革の観点から、例えばペーパーレスなんかにしていくと、ある試算では、衆参両院、タブレット型にしてやっていけば十二億円余り経費の節減につながるというような議論というのもありまして、そういうのを本当に、これは与野党を超えて、どちらが政権をとろうとも、やはり国益という観点から考えていって一緒になってやっていきたいなということを、私は、議会に送っていただいて二年八カ月たって、改めてこうした厚生労働委員会の審議に出させていただいて感じていますので、まず冒頭そのことを申し述べさせていただければと思います。

 その上で、実は、健康長寿社会形成基本法案について少し質問をさせていただければと思っています。

 不肖私も、超党派の議員連盟や、さらには自民党の方の議員連盟等々で事務局長などを務めさせていただいて汗をかかせていただいているんですけれども、私は本当に、議会に送っていただいてから、我が国の国民皆保険制度というのもすごく誇るべきものだと思いますし、年金制度も誇るものだというふうに思っています。

 そしてその上で、そういったもとで世界一の長寿国というのを日本は達成いたしました。男女平均が八十四歳、男性も昨年八十歳を超えて、そして女性も八十六・八歳ということで、いよいよ人生九十年時代の到来だということで、これは本当に、議会人として、また厚生労働委員会のメンバーとして大変喜ばしいことだというふうに思っているわけであります。

 一方で、そういったものが社会保障制度の持続可能性を難しくしている、そういった面での課題が私はあるのだろうということを思っているわけでもあります。

 そういった意味では、世界に冠たる我が国の社会保障制度の持続可能性を確保するためには、社会保障制度の不断の改革にあわせて、国民が、年齢などにかかわりなく健康で生き生きとした人生を全うすること、国民の健康寿命というものを達成していくことが私は重要だというふうに思っています。そして、国民の健康寿命を達成していくためには、国民一人一人の健康に向けた自助努力というものが必要だと思うし、それをしっかりと応援させていただく、喚起していく、支えるための社会環境整備を進めていくことが必要だと思っているわけでもあります。

 そこで、本日はちょっと資料を用意させていただきました。

 この社会保障に対する資料で、資料一として配付をしておりますのが、筑波大学大学院人間総合科学研究科の久野譜也先生の研究結果を引用したものであります。私も、議員立法作成に当たっては、久野先生とも本当にさまざま御議論をさせていただきながら一員としてつくらせていただいたわけなんですけれども、これによれば、タイプ一からタイプ四までというのが、ほとんど健康に無関心な層というのが国民全体では七〇%いるということであります。

 そういった意味では、久野先生は、この無関心層をいかに動かしていくかということが非常に大事だというふうに指摘をされておりまして、そうした方々を動かしていくために、健康づくりの取り組みを始めるきっかけとして、健幸ポイントを付与したらどうだろうかということを御提言されておられたわけでもあります。

 私どもも、議連を通じて、またさまざまなところで、一年半ほど前からこうしたものをさまざまな関係大臣の方にも提言として持っていっていたわけなんですけれども、この健幸ポイントというのは資料の四の一と二にあります。

 資料の四の二を見ていただくと、例えば、一年間で二万四千ポイントを付与させていただきながら、入会したよという時点でまずポイントを付与して、歩いて数値が改善して、がんばってますポイント九千六百ポイント、行きましたポイントとか、また数値が改善されて、変わりましたポイントとか、続けたよポイントで、六カ月連続でポイントを獲得したときのポイント数ですとか、健康診断も今は自治体等々で受ける数が減っているというような指摘もありますけれども、受けたよポイントで千ポイントとか、健康になったよポイントで三千ポイントといったぐあいに、ポイントを付与していくというインセンティブを強化することが大事だということを指摘しています。

 今、厚生労働省の方もこの通常国会で、医療保険制度改革法の中で、個々人の健康づくりのインセンティブの付与ということをやっていますけれども、私は本当に、このポイントというのは、いよいよマイナンバーというのができるのならばマイナンバーの中にも入れ込んでいったっていい、それで結果として医療費が抑制されれば、これは本当に両方にとって三方よしだというふうに思っているんですけれども、このポイントを活用した取り組みについてどうお考えなのか、まず厚生労働省の御見解をお伺いさせていただければと思います。

唐澤政府参考人 先生から御指摘いただきましたように、高齢化が進展いたしまして生活習慣病の時代になってまいりますと、やはりそれぞれの方が健康に関心を持っていただくということが大変重要でございます。

 御指摘のように、予防、健康づくりに取り組む加入者の方に対しまして保険者がヘルスケアポイントを付与いたしまして、健康グッズ等と交換できるようにするなどの取り組み、これの取り組みにつきましては、先進的な健保組合や市町村で保健事業として実施をされております。

 私どもといたしましては、より多くの保険者が加入者に対してこの予防、健康づくりのインセンティブを提供する、こういう取り組みを広げていくということが重要であると考えておりまして、御指摘いただきましたように、今回の医療保険制度改革法の中でも、新たに保険者の努力義務として位置づけているところでございます。

 今後、保険者のそれぞれの方で、保健事業の中で実施する場合の具体的なガイドラインを策定する、あるいは事例集を策定する、こういうことを通じまして、保険者によるインセンティブの取り組みをより一層推進してまいりたいと考えているところでございます。

中川(俊)委員 ありがとうございます。本当にそういった方向性、私は大事だというふうに思っております。

 その上で、久野先生はさらに、個人が意図しなくても自然に歩いていけるような町づくりというのができたらいいのではないかということを指摘されているわけであります。

 ちょっと資料二をごらんいただければと思うんですけれども、ドイツのフライブルグというところがあります。およそ人口二十万人ちょっとぐらいのところだというふうに記憶をしておりますけれども、これは実は一九七〇年代の写真と二〇一一年の写真がありますけれども、フライブルグでは、四十五年前より、中心市街地の半径一キロの範囲において車の進入を原則禁止して、LRTなどの公共交通、新交通などを再整備しました。その結果として、多くの人が中心市街地を歩くようになって、健康保険料の低下というのも実際問題数値で出ているそうで、さらに言うならば、今地方創生ということが言われていますけれども、いわゆる商店街などの再活性化など、多くの地域課題にもよい効果があらわれたという指摘があるようであります。

 このような取り組みは実はドイツだけではありませんで、それぞれの自治体が今、日本の中でも取り組んでいるわけでもあります。

 資料三をごらんいただければ、例えば新潟県の新潟市や見附市では条例を制定して、歩いて暮らせる町づくりに力を入れているというのを、全国の健康都市を目指していこうという首長連盟なども、本当にしっかり、六十自治体ぐらい入っているんですけれども、一緒になってそういったところをやっています。

 また、先生方もよく御存じのとおり、きょうは小松委員もいらっしゃいますけれども、小松委員の御地元の長野などでは、昭和の時代から保健補導員という取り組みを実践してきています。本当に日本一の健康県であるというふうに言われています。須坂の母ちゃんで有名な取り組みだと承知していますけれども、地域住民の方が保健補導員として、みずから健康づくりを実践するだけでなくて、地域コミュニティーの活性化や住民の健康長寿に向けたヘルスプロモーターとして活動されているという取り組みです。こうした取り組みが行われていることも、長野県が本当に健康長寿の一番だという重要な要素になっていると私も聞いています。

 そこで伺いたいのですが、このように個人の健康づくり、健康長寿を達成するには、個人の生活習慣の改善にあわせて社会環境を改善していくことも重要だと思いますが、厚生労働省のお考えや取り組み状況についてお聞かせをいただければと思います。

新村政府参考人 お答えいたします。

 現在、日本の健康寿命は世界第一位となっておりますけれども、今後さらに健康寿命を延ばしていくためには、個々人がみずからの健康により一層気をつけていくということと同時に、健康を支え、守るための社会環境の整備も重要と考えております。

 このため、厚生労働省といたしましては、平成二十五年度より開始しました第二次健康日本21におきまして、健康づくりに自発的に取り組む企業や団体などの活動を推進するとともに、そうした企業や団体の数の増加を目標に掲げまして、社会環境の整備を進めております。

 具体的には、平成二十四年度より、健康寿命の延伸につながる企業や団体あるいは自治体の取り組みを表彰する「健康寿命をのばそう!アワード」を実施しておりまして、平成二十六年度の生活習慣病予防分野では、御紹介がございました須坂市の保健補導員会が最優秀賞を受賞しておりまして、また十九団体が受賞しているということでございます。

 厚生労働省といたしましては、さらなる健康寿命の延伸に向けて、こうした取り組みを通じ、官民を挙げて国民の健康づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

中川(俊)委員 ありがとうございます。

 そうしたことを、厚生労働省さんのみならず、そういった御負担ではなくて、私自身、議員立法として、しっかりとこういった取り組みを応援させていただきたいという観点から、実は資料の五の一にあります健康長寿社会形成基本法案というものをつくらせていただきました。

 自民党におきましてはヘルス&コミュニティ議員連盟、さらには超党派の、次世代の社会保障制度を構想する議員連盟でこの法律は策定に当たったんですけれども、鴨下一郎先生を会長に、不肖私が事務局長を務めさせていただきながら、この厚生労働委員会の多くの先生方にも、例えば中島委員や井坂委員や足立委員や、また古屋委員、さらには小松委員を初め、多くの皆さんと一緒にこの健康長寿社会をつくらせていただいて、そういった取り組みを本当に応援させていただこうという観点でつくらせていただいたのが健康長寿社会形成基本法案であります。

 簡単に言ってしまうと、町づくりというのは例えば国土交通省が担っていかなくてはいけないですし、インセンティブのポイントでは、厚生労働省さんのみならず、内閣府のITの関連の本部であったりとか、さらに言うなら総務省さん、そういったところと一緒になって、横串を入れながら、とにかくこの世界に冠たる健康長寿立国たる日本を、むしろ本当に世界にも打って出るような、例えば成長分野にもなってくるという観点からは経済産業省が大事だ。

 こういったものを内閣総理大臣直轄の健康長寿社会形成推進本部に集約をさせていただきながら、そして健康長寿社会の形成の推進計画をしっかりと示していくという方向性でやっていこうとするのがこの健康長寿社会形成基本法案であって、今、それぞれの各党でもほとんどの党で調整をいただいておりますけれども、今国会が戦後最大幅ということでなかなか難しいというような現状ではありますが、私は、やはりそういった目線の中で、ぜひ皆さんとも思いをともにさせていただきながら、これは本当に、東京の稲城市を視察させていただいて私は感動したんです。

 何でもこれは自立している人たちだけを応援するのかといったら決してそんなことはなくて、例えば八十二歳のおばあちゃんが、特別養護老人ホームに、七十五歳ぐらいの、自分より年下のおばあちゃんの介護のお世話に来ているんです。そして、私に言うんです。あんたね、キョウヨウ、キョウイクというんだよ、きょう用があって、きょう行くところがあるのは、公の役に立つのは自分たちは物すごくうれしいと。

 そういうことによって稲城市は五千ポイント、五千円分のいわゆるインセンティブを付与するんですけれども、自治体には二割を超える方々がお返しになられる。そんなの要らないんだ、そうじゃないんだ、私たちが社会の役に立っているのがうれしいといったぐらいなインセンティブのポイントをやっていくことによって、結果、稲城市は、一年間で、介護保険がふえ続けているものが減って、二千万円の抑制につながったというようなデータもあるそうでありまして、ぜひこれは、もう本当に党派を超えてみんなで思いをともにさせていただきながら、成立に向けて御指導賜れればというふうにも思っております。

 そこで、塩崎大臣にもひとつお伺いをさせていただきたいと思います。「保健医療二〇三五」というビジョンも掲げられておりますけれども、本当に我々の持っている思いと共有をさせていただいているというふうに思っているんですけれども、この健康長寿社会形成基本法案へのコメントも含めて、大臣の御感想をお聞かせいただければと思います。

塩崎国務大臣 先生が御努力いただいております健康長寿社会形成基本法を、今、議員立法として何とか成立させようということで、獅子奮迅の活躍をされていることはよく聞いているところでございます。

 基本的に、今お触れをいただいた「保健医療二〇三五」と問題意識は共有をしているというふうに私も思っているわけで、今回、この「保健医療二〇三五」では、パラダイムシフトというか、今までの発想を変えて二十年先の保健医療を考えようということで、それはまさに健康寿命を考えようというのに等しいわけであって、量の拡大から質の改善へとか、あるいはインプット中心からアウトカムの評価を中心にしていくというような、全く今まで考えたことがなかったようなパラダイムでやっていかないといけないんじゃないかというようなことを、百二十に及ぶ提案をいただいたところでございます。

 健康長寿社会形成基本法案は、一人一人の主体的な健康の保持増進の取り組みとそのための社会環境の整備を求めるもので、社会保障制度の持続可能性に向けて既存の枠組みを乗り越えて考えていくということで、全く同じような問題意識だと思います。

 人口の高齢化とか医療費が拡大することによって財政問題を抱えるというのは、世界共通の課題であります。したがって、日本が、高齢先進国として、どういうモデルでこの問題を乗り切りながら健康長寿を実現していく社会をつくっていけるか、こういうことだろうと思います。日本が成功すれば世界は日本と同じようにやればいいんだということになりますから、まさに我々が先陣を切って頑張っていかないといけないと思いますので、ぜひ議員立法にも期待をし、また、「保健医療二〇三五」も、厚労省の中に推進本部をつくって、一つ一つ困難を乗り越えながらやっていこうということにしておりますので、また応援をいただければと思います。

中川(俊)委員 ありがとうございます。本当に力強い感想をいただいて感謝を申し上げます。

 次に、ちょっと時間が短くなってまいりましたけれども、私は、ことし戦後七十年という節目の年で、いよいよ政府の方も遺骨収集に力を入れていきましょうという話を、今後十年間、遺骨収集に力を入れていくという話をいただいています。

 きょう資料の七を用意させていただいたんですけれども、どうも遺骨収集というと陸地のみばかりで、海底の遺骨収集というのは、もう水葬してあるんだから引き揚げる必要はないというような声をいただくんですが、資料の中では、実は今これだけの、日本近海でおよそ五万九千人、外地においては三十万人近くの方が眠っていらっしゃっていて、私は実は選挙区が広島でして、隣の呉市は大和ができたところなんですけれども、最近、遺族会などを中心に、沈んだままでなぜ水葬になっているのか、むしろ本当にそういったものに力を入れていくんだったら引き揚げてもらいたいよというような御意見があります。

 そのような対応について、厚生労働省の方から見解をお知らせいただければと思います。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 沈没した艦船にあります御遺骨につきましては、海自体が戦没者の安眠の場所であるとの考え方に基づきまして、原則として遺骨収容は行っていないところでございます。

 ただし、御遺骨が人目にさらされていて尊厳が損なわれるような特別な状況にありまして、しかも遺骨収容が技術的にも可能な場合には、遺骨収容を行うこととしているところであります。

中川(俊)委員 政府の見解は私も十分承知をしているんですけれども、ならば、今例えば大和などは鹿児島沖三百メートルに沈んでいるんですが、そういったところに対しての水の葬儀というのを政府としてしっかりやったことがあるのかといったら、そういう目線がない中で、例えば、一緒の乗組員の方の枕元に、大和の乗組員だった仲間が早く引き揚げてくれというようなことも実際夢の中に出てきたという話も聞くんです、地元を回っておりますと。そういったところの目線も、陸地ばかりの遺骨収集ではなくて、私は、海底の方の遺骨収集にぜひ向けていただきたいというふうに思っています。

 先般、実は麻生財務大臣ともお話をさせていただいたら、麻生財務大臣も非常に賛成だと。その上で、一部、菊の御紋章なども少しそういったところの調査費でつけてあげて、そういったところの中から、一緒に海底に眠る戦没者を追悼するような形で、一部だけでも船体を引き揚げた方がいいのではないか、そういう予算とか動ける役所もぜひつくってほしいということでもありましたので、ぜひ厚生労働省の方でそういったことを検討いただきますようによろしくお願いしたいと思います。

 最後に、AEDについて御質問させていただきたいというふうに思います。

 実は私、先般感動したんですけれども、東京大学の瀧本ゼミの学生さんが、AEDの現状と問題点と今後ということについて私にプレゼンをしてくれました。突然死が一年間で七万人で、AEDがあったら命が救われたのにと。三分以内に救急救命ができれば、七万人のうちの半数の命が救われる、三万五千人が救われる。今は本当に一〇%しかない七千人だというふうな状況であります。

 私は、AEDは、とにかくスポーツ選手とかが倒れたりしたらすごく話題になるんですけれども、今国民が、町のどこにあって、さらに、どういうふうに普及していくのか、さらには、普及したってやはり教育が伴っていないと、AEDの扱い方を国民がわからないというような現状がある中で、厚生労働省の皆さん、ぜひその辺に向けての御決意というのを最後にお伺いさせていただければと思います。

二川政府参考人 先生御指摘のとおり、突然の心停止に対しまして救命率を上げるためには早期の除細動が重要でございまして、そのため、AEDの設置を進め、必要なときに一般市民の方がAEDを使用していただける、こういう体制にするということが重要だと思っておりまして、そのための普及啓発を行っているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、設置されたAEDが有効に使用されるために、全国のAEDマップについて都道府県にその活用を周知しておりますし、また、市民が設置場所にたどり着けるように、設置施設の入り口においてステッカーを表示することとか、案内表示を置くことにつきましても、そういった取り組みを行うよう都道府県にお願いをしているところでございます。

 また、教育といった面におきましては、講習会の内容をお示しし、また、重点的にここの部分をやればいいというような形での講習会につきましても周知をしております。そういった講習会につきましての補助制度もございます。

 そういったようなものを活用いただきまして、多くの方がAEDの講習を受けて、突然の心停止についての救命につながっていくようなことが望ましいと考えているところでございます。

中川(俊)委員 ありがとうございました。

 本当に政府広報も、もっと有名な方、どんどん予算をつけてアピールしていただいたりとか、公が全てにやったら膨大なものになってしまうので、AEDのパッドに企業で協賛していただけるところの企業広告を載せて、さらに、企業がそういうのをやるときに国の補助率が二〇%とかというようなぐあいに、産官学民全部連携して、一緒になって広めていくという手だてが社会保障費の増大の背景の中で重要だと私は思っていますので、その点を御指摘させていただいて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 きょうは、生活困窮者、また子供の貧困の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 これまでも私たちは、生活保護に陥るその手前で困窮者の支援をしていくセーフティーネットを積極的に推進をしていく、子供の貧困にも取り組んでまいりました。現場にも多く足を運びました。

 埼玉のこうした事業では、特養ホームを活用して、そこで保護世帯の子供たちの高校受験のためにマンツーマンで勉強を教える場を提供していくというようなことをやっております。また、川崎の生活自立・仕事相談センターにおきましては、ここは「だいJOBセンター」、「JOB」というのは仕事という意味なんですが、ここでは、仕事を失って、家賃も払えなくなる、病気になっても病院に行けない、家族も失う、借金ができる、こうした方々に、一つ一つ相談しながら、最後は就労まで持っていける、そのような事業を行っております。

 私たちも、二〇一三年、厚労部会また生活支援PTで、政府に対して、こうした生活困窮者へのきめ細かな相談体制の整備、また中間就労の場の提供、生活困窮家庭の子供の学習支援など、自立を促す法整備を急ぐように要請をいたしまして、その年の十二月に生活困窮者自立支援法が成立をしたところでございます。

 その生活困窮者自立支援法がこの四月から施行となりました。経済的に困窮する人たちを積極的に支援していく、これは国の責務であると思っております。

 また、生活困窮の問題、格差の問題につながっている子供の貧困、現在一六・三%ということで、先進諸国の中でも非常に高い貧困率となっております。

 先日、子供の貧困について詳しい首都大学東京の阿部彩教授と対談をする機会がございました。二年前に子どもの貧困対策法を成立させました。学者の側からも、非常に速いスピードでもってこの法律は成立をしたと驚いていらっしゃいました。そのとき、確かに与野党で、さまざま細部においては差異はあったんですが、子供の貧困というものは非常に深刻である、それに向き合って私たちは国としてその対策を急がなければならないという意識は共通しており、この子どもの貧困対策法が成立をいたしました。

 十八歳未満の子供約六人に一人が平均的な世帯所得の半分に満たない家庭で暮らしている、その人数は三百万人余りに上ると言われております。

 先日、四月の二日に、子供の未来応援国民運動の発起人集会で、安倍総理の方から、子供の貧困は、頑張れば報われるという真っ当な社会の根幹にかかわる問題だ、子供の未来が家庭の経済事情によって左右されることがないよう社会を挙げて取り組んでいきたいというような言葉がございました。

 初めに、塩崎大臣に、こうした生活困窮者支援あるいは子供の貧困に対して、御見解を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 全ての子供は、適切な養育を受けて健全に発達する権利があると思います。

 児童虐待で亡くなる子供たちの四割ぐらいがゼロ歳児だということでありますから、声を発することが全くできない子供たちから普通の子供たちに至るまで、やはり、生まれ育った環境に左右されないで健全な発達をするという権利を私たちは守っていかなければならないんだろうというふうに思っています。

 経済的に厳しい一人親家庭等の支援、あるいは児童虐待防止に向けた取り組みを強化するということが極めて大事であり、また、総理を先頭とした今の国民運動、これを私たちはしっかりとやっていかなきゃいけないと思っております。

 一人親家庭の自立支援として行政やあるいは民間の支援団体が提供しているいろいろな支援があるわけですけれども、それがばらばらでどうやって利用していいかわからないと。ですから、相談窓口のワンストップ化というものを進めて、支援策が確実に届くという仕組みを整備する、そして、子育て・生活支援や就業支援の強化などのサービスの言ってみれば充実をしながら、やはり一体的に提供できる体制をつくるということが大事なんじゃないかと思っております。

 また、児童虐待防止の対策につきましては、国、都道府県、市町村、この役割と責任というのがいま一つ不明確ではないか。私は、もっと明確にして、改めてこれを抜本的に見直すということが大事であって、さらに、官と民とのパートナーシップを組む、これを構築しながら、発生予防から自立支援まで一連の対策のさらなる強化に取り組んで、特別養子縁組とか里親委託などの家庭的な養護の推進も図っていかなければならないんじゃないかというふうに思っております。

 今後、新たな子供家庭福祉のあり方についての検討を速やかに開始して、次期通常国会への児童福祉法等の改正案の提出を目指して頑張っていきたいというふうに考えているところでございます。

古屋(範)委員 大変前向きな御答弁をいただきました。

 児童虐待防止、そして、それも官民パートナーシップで推進をしていこう、また、家庭的養護の推進、そして、次期通常国会には児童福祉法を改正していく、このような方向性をお示しいただきました。

 具体的な質問をしてまいりたいと思います。

 今も大臣はおっしゃったんですが、生まれ育った環境によって将来が左右されない、全ての子供が健全に育つ、その権利を有する、これは、子どもの貧困対策法の目的でもございます一番大事な点だというふうに思います。

 経済的な環境で、やはりどうしても親の年収と子供の教育のレベルが比例してしまう、これはあってはならないことだと思っております。この貧困の連鎖をどう断ち切っていくか。

 これは、公明党がまだ党ができる前に、教科書が買えなかった子たちのために教科書を無償配付していく、今では当たり前と思っているかもしれませんが、そういうところから公明党は始まってまいりました。

 昨年の八月に子供の貧困対策大綱も決まりました。一人親家庭の支援、また奨学金制度の拡充など、そこには幅広い支援が盛り込まれております。八月二十八日の子どもの貧困対策会議で、安倍総理の方からも、一人親家庭の自立支援及び児童虐待防止のための施策の方向性を取りまとめた、子供が直面する問題を解決するため、保護者に寄り添った対応を強化していく、このようなコメントが出されました。

 そこで、このひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトですが、その内容を見せていただきました。大変重要な方向が示されていると思います。自治体の窓口のワンストップ化の推進とか子供の居場所づくり、子供やその家庭が抱える問題への対応、子供の学習支援、親の資格取得支援、そのようなものが盛り込まれると聞いております。こうした施策により一人親家庭の支援が進んでいく。

 やはり、貧困のさまざまな要因が集まっているのが一人親家庭だと思います。この施策の方向のポイント、また方向性についてお伺いをしたいと思います。

 また、重ねまして、来年度の予算概算要求には二百二十三億円が盛り込まれております。さまざまなサービスとともに経済的支援が必要だと思います。一人親家庭、貧困に直面する家庭への現金給付、生活の安定を図るために児童扶養手当の拡充が必要だと考えております。

 公明党も、二〇一〇年、山本副大臣が当時中心になって公明党としての児童扶養手当法の修正案をまとめました。そのときの修正案には、一定期間経過後の支給制限規定の削除だとか、養育費支払い制度の抜本的な改革、父または母の所得による支給制限規定の削除、祖父母が児童を養育することになった場合の老齢年金との併給の見直し、このようなものを盛り込んで、当委員会に提出をいたしました。当時は民主党政権だったんですが、結局一つも、それほど大きな財源がかかるものではなくても、のんではくださいませんでした。結果、公明党提案に共産党が賛成をするという結果で否決をされました。

 この児童扶養手当の拡充について、山本副大臣にお伺いしたいと思います。

山本副大臣 今御指摘いただきましたとおり、経済的に厳しい状況に置かれました一人親家庭、多子世帯の自立のためには、大臣から今御答弁がありましたとおり、支援が必要な方に着実に、確実に支援をつなげていくと同時に、今行われている支援をさらに一層充実していくことが必要だと思っております。

 今般取りまとめましたひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトの施策の方向性のポイントですが、今おっしゃっていただきましたけれども、まず、相談窓口のワンストップ化を図っていくとともに、寄り添い型の支援の体制を整備させていただきたいと思っております。

 そして、相談に関するわかりやすい情報提供や、スマホで検索できるような支援、情報ポータルサイトを活用したり、また、八月が児童扶養手当の現況届の時期になりますけれども、このときにしっかりと集中的な相談などをあわせて実施させていただきたいと考えております。

 二点目といたしましても、いわゆる放課後児童クラブの終わった後に学習支援だとか食事の提供ができるような居場所づくりの推進でありましたりとか、また、御存じのように、一人親家庭の就業率は高いんですけれども、収入が低いといったところがございますので、少しでも高い収入に、また安定した職についていただけるようにするために、資格取得の支援を抜本的に拡充してまいりたいと考えております。

 今御紹介いただきました経済的支援の一番のかなめであります児童扶養手当のことにつきましてでございますが、一人親家庭の生活の安定と自立を促進するために、まず、やっていきたいと思っているんですけれども、財源の確保といったところもしっかりと踏まえながら、今、何をするかと具体的に御紹介できないのは大変申しわけないんですけれども、年末までには機能充実するような中身で取りまとめていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

古屋(範)委員 必要な方に必要な支援が届くような体制、そして、ぜひとも児童扶養手当の拡充をお願いしておきたいと思います。

 次に、児童虐待防止対策、また社会的養護について質問をしてまいります。

 このたび、子供の支援策のもう一つの柱として、児童虐待防止対策強化プロジェクト、これが示されました。この施策の方向性またポイントについて簡潔に御説明をいただければと思っております。

山本副大臣 この施策のもう一つの方の児童虐待防止対策の強化のポイントでございますけれども、いろいろあるんですが、子育て世代包括支援センター、これを全国展開していく、また、子育て家庭へのアウトリーチ型の支援といったものを、訪問型の支援といったものを拡充することによりまして、児童虐待の発生の予防をまず強化していきたいと思っております。

 また、児童虐待に迅速かつ的確に対応するために、国と児童相談所と市町村の役割と責任の分担、この見直しを図るとともに、共通の判断基準によりますアセスメントを通じました関係機関の情報共有、こういったことも行ってまいりたいと考えております。

 また、被虐待児童の自立支援やフォローアップといったことなども推進していくことによりまして、先ほど大臣から答弁がございましたけれども、中長期的な視点から、新たな子供家庭福祉のあり方についても速やかに検討を始めたいと思っております。

古屋(範)委員 ありがとうございました。児童虐待防止についてお答えいただきました。

 続いて、社会的養護についてお伺いをしてまいります。

 私の地元は横須賀なんですが、横須賀は、市長が非常に社会的養護の問題に一生懸命取り組んでおりまして、ソーシャル・インパクト・ボンド、民間のさまざまな投資などの力をかりながら社会的な問題を解決していこうという制度でございますが、このソーシャル・インパクト・ボンドを活用して、市が、民間団体と、それからあるいは児童相談所などに来た方などの間に入って、市がかかわりながら特別養子縁組を進めていこうという制度を今取り入れております。

 また、あわせて、横須賀では、地域の架け橋横須賀ステーションというのをつくりまして、地元の企業に職の里親というものになってもらって、さまざまな事情を抱えていることを理解した上で雇用してもらうとか、それから、社会的養護協力不動産店というのを募って、ここは、自立をしていく中で、どうしてもやはりアパートを借りるということがなかなか児童養護施設を出てから難しいということもあり、こうした企業、不動産店などの協力を得ながら、そのかけ橋を今進めております。

 先日、公明党の児童虐待防止・社会的養護PTで、「子どもの最善の利益に照らした社会的養護の充実についての提言」を大臣に提出させていただきました。

 社会的養護を必要としている子供は約四万六千人、増加傾向にございます。里親制度の普及促進あるいは啓発活動の強化、また、十八歳を超えても自立していけるための支援を充実させていく、社会的養護の地域格差の解消、こういうことが必要だと思います。

 この社会的養護について、お考えをお伺いいたします。

山本副大臣 せんだっては、御提言どうもありがとうございます。

 その中で述べていらっしゃった里親委託につきましても、我々は、しっかりと、里親委託優先の原則にのっとりまして、児相の体制強化とあわせて、質と量の体制強化とあわせて、里親の開拓、研修等を行う里親支援機関事業におけるNPO等の民間団体の活用であったり、また特別養子縁組の推進もしてまいりたいと考えております。

 また、自立援助ホームの活用等を通じました生活支援や、施設退所児童等からの相談に応じるなど、心のよりどころとなる居場所づくりを推進するとともに、今御指摘いただきました十八歳到達後の支援のあり方、これにつきましても今後検討を進めていくこととしております。

 そして、今ソーシャル・インパクト・ボンドのお話をしていただきましたけれども、このことにつきましても今調査研究させていただいているところでございますので、いい形にしていきたいと思っております。

 とにかく、子供の未来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、必要な環境整備に努めてまいりたいと思います。

古屋(範)委員 最後の質問になります。

 先日も大臣に申し入れをさせていただいたときに、さまざまな支援、やはり、自分からさまざまな福祉の窓口に積極的に行けるようであればまだ問題は解決をしていくんだけれども、それができない方々、そこには人の拡充が必要だねと大臣もおっしゃっていました。人は人でしか救うことができない、だから、人を拡充するためにはやはり予算が要る。大臣、本当にいいことをおっしゃるなと私も感心したんですけれども、そうした家庭にアプローチをしていく、アウトリーチをしていく、こうした専門的な人員の配置がまず必要になってくると思います。

 それから、相談窓口のワンストップ化。児童扶養手当の申請に来たら、そこでさまざまな問題に対して、多重債務であるとか病気であるとか、そういうことの相談にも乗ってあげる。また、社会的養護についても、里親やあるいはファミリーホーム、この比率も高めていける。できれば、三分の一にしていく目標を達成していく。高いスキルを持った職員の複数体制の整備、また人材の養成、配置、そういうことも十分な予算が必要になってくると思います。

 年末の予算編成に向けて、ぜひこの分野の予算確保をお願いしたいと思います。御決意を伺って、質問を終わります。

山本副大臣 大臣の意を体しながら答弁させていただきたいと思いますが、このパッケージをまとめるに当たりまして、本当にかんかんがくがく議論しながら取りまとめてまいりました。

 しっかり年末に向けまして財源を確保してまいりたいと思っておりますので、与党におかれましても、応援していただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。

古屋(範)委員 今大事なことは、やはり、経済の再生をしていく、景気回復をしていく、そして一方で、その中で一番弱い立場にある一人親あるいは子供の貧困の問題、社会的養護が必要な子供たち、ここにこそ光を当てながら私たちは進んでいかなければならない、このことを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民主党の大西健介でございます。

 時間が限られておりますので早速質問に入っていきたいと思うんですけれども、さて、九月に入りました。きょうは九月二日です。参議院では労働者派遣法の審議が今も続いておりますけれども、この法案の施行日、九月一日ということで、もう過ぎました。法案提出者として、大臣、まず、どうされるおつもりか、このことをお聞きしたいと思います。

塩崎国務大臣 今回の労働者派遣法の改正案につきましては、派遣で働く方について、正社員を希望している方には正社員の道が開けるように、そしてまた、派遣をあえてお選びになっている方にはその処遇改善へつなげていくこととする内容となっており、できる限り早期の施行が望ましいというふうに考えてございます。

 施行日の修正につきましては、与党から御提案をされていると理解をしておりますが、いずれにせよ、政府としては、引き続き国会での速やかな御審議をお願い申し上げたいというふうに考えております。

大西(健)委員 この法案の提出者は政府ですよ。大臣が提出者なんです。もう過ぎているんです、法案の施行日は。もっと責任を感じていただきたいというふうに思います。

 今お話がありましたように、参議院の理事懇では、既に与党側から、この施行日について、九月三十日の修正を検討したいというお話が出たというふうに聞いております。

 これは、何で九月三十日なのか。十月一日は絶対にまたがない、私はそこにこういう政府・与党の意思があらわれているのではないかというふうに思うんです。

 一方で、今、参議院の審議、しょっちゅうとまっています。何が問題になっているかなんですけれども、法律案の附則第九条の中に「なお従前の例による。」という規定がある。この規定は未施行である労働契約申し込みみなし制度は対象としないという答弁が問題になって、参議院では審議がたびたびとまるということになっています。

 そもそも、この「なお従前の例による。」といった経過措置の規定、これがどうして置かれるかというと、法令を改廃するときに、既存の法律関係を適用するとそれまでの法律関係に基づいて営まれてきた社会生活の安定性が大きく損なわれる、そういうときにこういう規定が置かれるということです。

 この点、改正法の施行前に労働契約を結んだ人というのは、現行法にある労働契約申し込みみなし制度が発効した暁には自分にもそれが適用されるんだろうということを当然期待して労働契約を結んでいるんです。その期待権というのは私は保護されるべきだというふうに思いますし、大臣も、参議院の審議において、期待権というのはあるし、それは保護していかなきゃいけないということは理解するというような答弁をされていたかというふうに思います。

 きょう、お手元に、参議院の審議において内閣法制局が提出をしたこの件に関する見解というのをお配りしていますけれども、ここにはこう書かれています。「一般に、施行されていない法令の規定の改正を行った場合に、改正がなかったとすれば利益を受けた者の期待をそのまま保護しなければならないということはなく、改正における保護を具体的にどのように行うかについては、政策判断の問題である。」と。

 百歩譲って、まさに法制局が言っているように純粋に法律論だけでいえば、未施行の規定に関して、改正がなければ利益を受けたはずの者の利益を絶対に保護しなきゃいけないということではないと思うんです。ただ、まさにそこは、法制局が言っているように、政策判断なんですよ。私は、労働契約申し込みみなし制度適用の期待権というのを保護しないという政策判断をもし厚労省がされているということならば、その政策判断が間違っていると思うんです。

 さらに言えば、先ほども指摘をしましたけれども、新たな施行日を九月三十日にしたい、与党のそういう意向だということですけれども、まさに十月一日を越えないようにして労働契約申し込みみなし制度の発効を意地でも阻止しようとしている。しかし、労働契約申し込みみなし制度というのは、三年間その適用は猶予しましたけれども、そういう制度は自公も賛成してつくった現行法の中に入っているんですよ。それをどうしても発効させたくないと。

 衆議院の審議では、いわゆる一〇・一ペーパーというのが問題になりましたけれども、結局あそこに書かれていたことはどういうことかというと、労働契約申し込みみなし制度がこのまま発効すると困るから何とかしてくれという経済界の懸念を受けて厚労省が動いている、私はここが諸悪の根源だと思っているんです。

 塩崎大臣、労働契約申し込みみなし制度、これは何が何でも発効させない、適用させない、つまりこういうことではないかと思うんですけれども、そういうことなんでしょうか。

塩崎国務大臣 このみなし制度は十月一日から施行になるわけでありますので、それは何も変わっていないということでございます。

 問題になっているのは、施行の前に派遣契約を結んだ際に、このみなし制度が十月一日から施行になるということを期待される方がおられる可能性があるということでございまして、それに関しては、お配りをいただいた内閣法制局のこのペーパーにございますとおり、法理論的には未施行のものが入ってくることはないということは、その上に、従前の例によることとされている改正前の法令の規定には労働契約申し込みみなし制度に係る規定は含まれないというのは、法解釈としての問題でございます。

 今先生おっしゃった最後に、政策判断の問題だということでありますけれども、法律としては期待権というような権利が発生しているわけではないわけでございまして、改正法の施行直前に未施行でありますこの派遣法第四十条の六については、経過措置の対象にはやはり含まれないわけです。

 今回の改正法の施行を目前に締結をした派遣契約に基づく労働者派遣につきましては、経過措置として現行の業務単位の期間制限が適用されるわけでありますが、これが二十六業務に該当するかどうかがわかりにくい、そのため法違反かどうかもわかりにくい状況であって、附帯決議が二十四年の改正時にもこういった点を踏まえてつけられたところであります。

 このため、経過措置として残存する現行の期間制限については、引き続き都道府県労働局が派遣先に対して二十六業務への該当の有無も含めて丁寧に説明することによってしっかりと指導監督を行って、法違反があった場合には、派遣先から派遣労働者に対して労働契約の申し込みを義務づける現行の制度で対応していく。

 すなわち、これは、四十条の四で言われている労働契約申し込み義務、この条文によって保護を受けるということを私どもとしては政策判断として提起している問題でございますので、法律上の問題ではないということは、そのとおりであるということを先生も今お認めいただきましたが、そういう意味合いだということでございます。

大西(健)委員 百歩譲って、法律上絶対に保護しなきゃいけない期待ではないですけれども、私はそれを保護すべきだと申し上げているんです。それで、それは四十条の四ではできない。

 四十条の六というのは、申し込みみなしという、民事上の効力を発生する極めて強いペナルティーなんです。ですから、違法派遣をやった場合にはこういうペナルティーを受けるよというのをつくろう、でも、これは非常に、極めて強いペナルティーだからこそ三年間適用を猶予してきたわけです。ですから、曖昧な部分があるならばその間にちゃんと適正化してくださいねということで、時間的に三年間も猶予してきたわけです。

 それを発効もしないうちに葬り去るんですよ、今度。今それを期待して労働契約を結んでいる人にも適用しなければ、このまま九月三十日ということでもし施行日が修正されて成立すれば、三年前につくった法律に入っていた制度が一回も発効もしなければ適用もしないうちに葬り去られる。でも、その三年前の法律は自公の皆さんも賛成して成立させているんですよ。おかしいじゃないですか。変なことだと私は思います。

 それで、一〇・一問題で始まったこの審議が最終盤で附則九条問題でつまずいているというのは、ある意味、今回の派遣法の改正を象徴しているんじゃないか。つまり、派遣労働者の保護だというふうに口では言っていますけれども、結局は経済界の利益を優先させるという厚労省の姿勢がここにあらわれているんじゃないかということを私は強く申し上げて、次の問題に移りたいと思います。

 次に、年金個人情報の流出問題です。

 先日、我が党の漏れた年金情報調査対策本部で、第三者委員会の第一人者である郷原信郎弁護士に来ていただいて、機構と第三者委員会とNISCが出した三つの報告書について御評価をいただきました。

 郷原先生は、ブログにも次のように書かれているんです。「通常は、第三者委員会である厚労省の検証委員会の方が、組織の体質や構造的な問題も含めた厳しい指摘を行うことが期待されるのが当然だ。」しかし、「厚労省の組織自体の問題についての指摘や原因分析は」この第三者委員会の報告書では「全く行われていない。」「そこには、今回の情報流出問題を、機構の問題に矮小化し、厚労省の組織に関わる問題に発展させないようにする意図があるように思える。」「厚労省の組織に関わる問題を全く指摘しないまま、当初、「中間報告」のはずだった報告書を、急きょ「最終報告」に切り替えて、慌てて幕引きをした厚労省の検証委員会は、今回の問題を機構の問題に矮小化しようとする意図の中で、形だけの「第三者委員会」として都合よく利用されたとしか思えない。」

 私は、郷原先生の指摘というのは全くそのとおりじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、今お聞きいただいてどのように思われますでしょうか。反論があれば、ぜひお願いいたしたいと思います。

塩崎国務大臣 今回の事案について第三者の目で厳しく評価をしていただくということで、事務局には厚生労働省の者は一切入れないという独立的な存在として、甲斐中委員長のリーダーシップのもとで、厚労省の問題点を含めた厳しい御指摘と再発防止策をいただいたというふうに思っております。

 正直言って、いろいろな問題点を指摘いただいたので、これをちゃんと実現してどう再発防止を図っていくかということについては、かなり大がかりに考えなければいけないことをたくさん御指摘いただきました。それは機構の問題でもあろうし、機構というのは厚労省の組織の問題でもあろうし、それからシステムやサイバーセキュリティーの問題においても、そしてまた省としてのセキュリティーの問題についても同じでありまして、事前の備えが不十分であったということを明快に指摘をされ、関係組織間に情報等の共有がなくて、組織が一体として危機に当たる体制ではなかったということも厳しく指摘をされました。

 厚生労働省自身の再発防止策として、厚生労働省の情報セキュリティー体制の整備、機構LANシステムに対する監督部署の明確化、あるいは、そもそもセキュリティーの前提となるシステムそのものをつくるところの設計から見直せということでありますから、今のシステムについてもどのようにしたらいいのかということも考えなきゃいけないということを示唆していただいていると思っていますし、情報連絡が遅いというようなことも再発防止策として提言をいただいております。

 このように、検証委員会から、厚生労働省の組織や人員配置や姿勢の問題点の指摘や、再発防止策の提言をふんだんにいただいておりまして、第三者委員会が都合よく利用されたとかいろいろ郷原先生がおっしゃっているようでありますけれども、そういった御指摘は当たらないというふうに考えております。

 この検証報告書、ダイレクトに書いている厚生労働省の話も随所に出てきていますし、行間を読めば、機構のことを言っているけれども実は厚生労働省のことも言っているということもたくさんあるわけでありますので、しっかりと行間も含めてお読みをいただければ、今のようなお話は全く当たっていないということがわかると思います。

大西(健)委員 私も読んだんですけれども、まず、すぐ読めちゃうような分量で、これだけ私たちもいつ出るのかいつ出るのかと待っていて、これかという感じですよね。

 それから、郷原先生が言っているように、普通は機構が出してくる報告書よりも第三者委員会が出している報告書の方がより厳しい、これは第三者委員会ですから、というのが普通なんですけれども、機構の方がよほど自分たちの体質だとかいろいろな問題について突っ込んで指摘をしている。先ほども言いましたように、機構が悪くて厚労省は悪くないんだというような、機構の問題に矮小化させようとしているんじゃないか。

 それから、郷原氏は第三者委員会の専門家でもありますが、第三者委員会というのは、使い方によっては、第三者委員会で調査中ですから調査中ですからと言えば言い逃れできる。まさに今までのここの審議でもそうです、第三者委員会でやっていますからと。それで、待っていて、出てきたら、第三者委員会が報告をして、そして、第三者委員会は場合によってはもう解散してしまうんじゃないか。そうすると、これが幕引きになってしまう。まさに、こういう第三者委員会というのは、責任逃れの手段に悪用しようと思ったら悪用できるんだと郷原先生は言っています。

 もう一つ、郷原先生も指摘していましたし、私たちも一番不可解だと思うのは、第三者委員会の報告書で初めて明らかになった四月二十二日の厚労省に対する標的型攻撃、ここについて、報告書はこう書いています。「仮に四月二十二日の段階で、厚労省統合ネットワークにおいて、ドメイン単位でのURLブロックを実施していれば、五月八日に発生した同一ドメインのC&Cサーバに対する機構との不正な通信は防ぐことができた。」と。まさにここが肝なんです。しかし、では、どうしてそういう対応ができなかったのかということは全く書かれていない。まさにそのことを調査すべきじゃないのか、そのことを分析するべきじゃないかと郷原先生も指摘されておりました。

 この点に関して、では、四月二十二日の標的型攻撃に対する情報はどこまで上がっていたのかということを我が党の会議で尋ねたところ、厚労省の事務方から、官房長まで上がっていたと言っているんですよ。もしそれが事実なら、官房長ですよ、省の本当に中枢にいる官房長が知っていて、では、どうしてドメイン単位のURLブロックができなかったのか、あるいは、その時点で機構に対する注意喚起ができなかったということについては全く分析がなされていない。

 この部分こそしっかり調査をして分析をすべきだというふうに思いますが、ここは調査されたんでしょうか、あるいは、していないなら今後するつもりがおありかどうか、大臣からお答えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 検証委員会で四月二十二日のことをお書きいただいて、同様の標的型攻撃があったということがわかったわけでありまして、正直、官房長までは上がっていたといえども、私には上がっていなかったという大問題もあったわけでありまして、検証委員会は厚労省の体制の不備ということも本当にしっかりと御指摘をいただいています。

 この二十二日の事案では、不審な通信先を遮断した上で、端末やサーバーについて検査を行って、その結果、個人情報等の重要情報の流出は確認されなかったということだったと聞いているわけで、この報告が官房長まで上がった、それは、四月二十二日に起きて、たしか翌日か翌々日に上がったということであります。

 しかし、検証委員会の報告にございますとおり、四月二十二日の時点でドメイン単位でURLをブロックしておけば、五月八日における日本年金機構の不審な通信の一部については防ぐことができたというふうに考えられるわけであります。

 標的型攻撃の危険性に対する意識が不足していたことは、これは甲斐中委員会から指摘されているとおり、反省すべき点であって、今後は、NISCから不審な通信の検知情報が来た場合などには、業務への影響やドメインの種類等も勘案はしますけれども、原則としてドメイン単位でのURLブロックを実施していくということを私どもは決めているわけであります。

 問題は、八日の問題であって、そのときになぜこれが生かせなかったのかということが問題だったわけであって、四月二十二日の事案とドメインが共通しているこの五月八日の攻撃、そこからの不審な通信、この事実を認識して、サブドメインのみならずドメイン単位で遮断を行ったんですけれども、その後展開される事態の予兆として五月八日に起きた不審通信の意味合いを捉えることができなかった、事の重大性を認識するに至らなかったということでございまして、五月八日時点では、一連の対応によって機構からの不審な通信はとまったわけでありまして、その後も検知されなかったために、ここで一旦、対応が図られた上で、そこで区切りがついたというふうに考えてしまったというところが大問題だったというふうに今思っているわけであります。

 検証報告書にあるとおり、標的型攻撃の危険性に対する意識が不足して、機構が危機感を持って対応できるように情報共有を図らなかったことは反省をすべきであって、これは厚労省としての再発防止策の中でしっかりと述べてまいりたいというふうに思っております。

大西(健)委員 さっきも大臣おっしゃいましたけれども、官房長まで知っていたのに自分まで上がらなかったのが大問題だと。

 では、官房長に、何で俺に上げなかったのかという話はされたんでしょうか。あるいは、どうしてそういうことに思い至らなかったのかということは、官房長のみならず、担当者にちゃんと、大臣ないしは大臣の意を受けた方からしっかり聞き取り調査やあるいは分析をされたんでしょうか。私は、まさにそこがされていないんじゃないか、あるいは、そのことが全くこの調査報告書にも書かれていないことが非常に不可解だということを申し上げているわけです。

 大臣は、閣議後の記者会見で、年金個人情報流出問題については、近くけじめをつける、厚労省及び機構に関して処分を検討しているということをおっしゃっています。

 処分の前提としては、今のように、何でそういうことができなかったのか、何で上がらなかったのか、それをしっかり調査分析して責任を明確にして処分を下すということだというふうに思いますので、近く処分するとおっしゃっているんですから、ぜひそこはきっちりやっていただきたいというふうに思います。

 次に、前回、私の質問で、百歳の高齢者に贈呈する銀杯の話をしました。このとき、こんなのは見直したらいいじゃないかという話をしたんですけれども、大臣は、ちょっと今の時点では概算要求の検討をしているので言えませんみたいな話だったんですが、お手元の資料、新聞記事をお配りしましたけれども、厚労省は今、銀メッキに変更することを検討しているそうです。そうすると一個当たり七千六百円の価格が三千八百円に抑えられて、概算要求も減額して要求しているということなんです。

 前回も私は申し上げましたけれども、長寿をお祝いすること自体は私も賛成です、だけれども、銀杯をもらってうれしいんですかねという話を私は申し上げました。これは、メッキになったらなおのこと余りうれしくないと思うんですね、メッキの銀杯をもらっても。

 資料の次のページですけれども、銀杯でネット検索すると、オークションサイトに銀杯がいっぱい売っています。それから、次のページですけれども、銀とか金の買い取りをやっているような業者が、銀杯買い取りますというのをやっているんですよ。

 だから、申しわけないけれども、もらった方も家族も残念ながらもてあましているというのが現実なんじゃないかというふうに私は思うんです。

 これなら、総理大臣からのお祝い状というのが銀杯と一緒に今までも贈呈されているわけですから、お祝い状と一緒に、例えば全国各地の名産品を掲載したカタログ、地方創生で、それにも役立つと思いますので、それを渡してそこから好きなものを選んでもらうとか、そっちの方がよっぽど喜んでもらえるんじゃないか。

 銀杯にどこまでも、メッキにしてまで銀杯にこだわる理由というのは何なんでしょうか。

塩崎国務大臣 百歳高齢者記念事業の銀杯贈呈については、先生から御指摘もございました。

 行政事業レビュー公開プロセスで事業全体の抜本的な改善との評価がなされて、有識者からは、百歳を迎える高齢者が大幅に増加をし、かつ、今後もさらなる増加が見込まれることに鑑みて銀杯の贈呈は廃止とコメントがなされたことを受けて、概算要求に向けて検討を進めてまいったわけでありまして、その検討に当たっては、昭和三十八年から、長年にわたって、国として長寿を祝うために銀杯の贈呈を行ってきた経緯があります。

 今、先生、余り欲しいと思っているわけではないという話がありましたが、国民の中にはやはり銀杯の贈呈の継続を希望する方々も当然おられるわけで、民主主義の国ですから、いろいろな方々の声をしっかりと聞かないといけないということなどから、概算要求では、記念品の贈呈は継続した上で、今後も百歳を迎える高齢者のさらなる増加が見込まれることも踏まえて、要求額の大幅な削減、これは二億七千万の予算だったものを一億五千万にいたしまして、記念品の内容を見直すことといたしまして、これについては、特に地方自治体からの意見聴取なども行って、年末までに見直しを決めていきたいと考えているところでございます。

 さまざまな御意見がございますので、しっかりとこの御意見を踏まえた上で、今は、ですから、申し上げたように、大体、単価を半分程度に変更した場合の金額で一億五千万ということになっていますけれども、その内容についてはさまざまな御意見がございますので、しっかりと御意見を聞いた上で、年末に向けて決めていきたいというふうに考えております。

大西(健)委員 先ほども申し上げましたけれども、メッキになったらさらに銀杯であることの意味が薄れると思いますので、どこまでも銀杯にこだわる必要はないと思いますので、年末の決定までに、私の意見も踏まえていただいて、よく考えていただきたいというふうに思います。

 それでは、先ほど中川委員の方からも戦後七十年で遺骨収集の話がありましたけれども、私からも、なかなか本委員会でも質問する機会がない援護行政について聞いていきたいと思うんです。

 私は、党の青年委員会の副委員長というのをしていまして、先日、我が党の青年委員会、戦後七十年ということで広島でやりました。その際に、全国から集まった仲間とともに、被爆者中西巌さんの伝承者、上田知子さんのお話を聞きました。

 広島市では、被爆者の高齢化が進む中、被爆体験証言者の被爆体験を受け継ぎ伝える伝承者を育成する事業というのを平成二十四年度から始めておられます。

 上田さんを含む一期生五十名が三年間研修を受けて、この四月から活動を開始されているということでありますけれども、私は、この制度をユニークだなと思うのは、私が話を聞いた上田さんという方は、中西巌さんの伝承者なんです。こういうマンツーマンの関係で、中西さんと一緒にいろいろなところに行って、あるいは中西さんからお話を聞いて、その被爆体験を伝承していくというマンツーマンの関係でやっておられる。三年間しっかり研修をしている。

 非常にいい制度だなと思ったんですけれども、そうすると、今回資料でお配りをさせていただいていますけれども、国の方でも、この広島市の事業をモデルにした語り部育成事業というのを来年度概算要求の中で新規に計上されたというふうに聞いております。

 大臣から、その狙いと概要について御説明をいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 語り部育成事業につきましては、戦後七十年が経過をして、戦中戦後の御労苦を直接体験した方というのが少なくなってきておりまして、そのために、三年間で戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人などの御労苦を語り継ぐ語り部の育成を行うべく、平成二十八年度予算概算要求を初めて一千万で今計上させていただいているところでございます。

 既に、実際に御経験をされた、体験をされてきた方々のお話は記録にとっているわけでありますけれども、これをどのように語り部として語り継いでいっていただける、継承していただける方々を育成していくかということを今順次やらせていただいているわけで、基礎的知識の充実をまず二十八年度、二十九年度に応用技術の習得、つまり、話法技術の習得とか本人との交流とか、それから、実践を通じたスキル向上ということで、模擬講演の実施、原爆のお話が今出ましたが、他の語り部などとの情報交換をしていくというのが三十年度で、三十一年度には、語り部活動を実際に実施して、昭和館及びしょうけい館への団体来場者に対する講演会の実施とか、特に小中学生に向けた講演会などを積極的にやっていこうということを考えていますし、実物資料を利用した小中学校等への出張授業というのも考えているわけでありますし、また、地方での展示会や講演会の実施なども計画をさせていただいているところでございます。

大西(健)委員 私、これは非常にいい事業だと思うんです。広島で五十人、この四月から始まっているんですけれども、今回一千万程度という話ですけれども、約二十五人と聞いていますけれども、本当に直接の体験者がどんどんどんどん高齢化が進んでいるということでいえば、二十五人はちょっと少な過ぎるんじゃないのかなというぐらいに思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。

 あと、前回時間切れでできなかった戦没者慰霊碑についてお聞きをしたいんですが、戦後、戦友や遺族の手で各地に建立された民間の慰霊碑というのは全国で一万三千基を超えています。昨年度、厚労省が都道府県を通じてその状況を調査したところ、少なくとも七百三十四基が倒壊するなど管理不良の状態にある、また管理状況が不明なものは五千三百八十六基と全体の四一%にも上っています。

 民間の発意で自発的に建立されたそういう慰霊碑については、原則は維持管理をその建立者でやっていただくということではありますけれども、ただ、管理不良のまま放置されるというのは当然のことながら好ましいことではない。また、慰霊碑の荒廃というのは戦争の記憶の減退にもつながりますし、多くの人が出征をし犠牲になった事実を身近に感じ続けてもらうためには、可能な限り慰霊碑というのも保存していくことが望ましいというふうに思います。

 厚労省は、これまた来年度の概算要求で新たに、建立者等が不明な管理状態不良の慰霊碑について自治体が移設、埋設等を行う場合に一定の補助を行う方針と聞いておりますけれども、この具体的な補助の内容と今後の方針について御説明いただきたいと思います。

塩崎国務大臣 今御指摘をいただきましたように、国内で民間によって建立をされた慰霊碑の管理が行き届いていないといったものが七百三十四基。しかし、今お話をいただいたように、管理状況が不明なものというのが五千三百八十六基あるわけでございまして、これを二十七年度より、管理不良のものについて実地による実態調査を実施してきつつあるわけでありますけれども、この管理状況がよくない慰霊碑が放置されているというのはやはり次世代継承という観点から好ましくない。

 そして、このために、戦後七十年を契機としまして、建立者等が不明であって状態がよくない慰霊碑につきましては、自治体の事業として移設、埋設等を行う場合には一定の補助を行うために所要の経費を、これは一千八百万円でございますけれども、平成二十八年度概算要求に計上をさせていただいたということで、地方自治体と連携しながら、管理状態がよくない慰霊碑について移設、埋設や整備がきちっとできるようにしてまいりたいというふうに考えております。

大西(健)委員 これもぜひ積極的に進めていただきたいと思います。

 時間がもうあとわずかですので、最後に、先ほども昭和館、しょうけい館というお話が語り部のところでありました。

 資料の最後につけておりますけれども、昭和館というのは、戦中戦後の国民生活上の労苦を伝えるための施設、しょうけい館は、戦傷病者やその妻などが体験した戦中戦後の労苦を伝えるための施設、また、厚労省以外にも、その下につけておきましたけれども、総務省所管の施設として、兵士、戦後強制抑留者及び引揚者の労苦を伝えるための平和祈念展示資料館というのがあります。これはいずれも、さきの大戦の先人の御労苦を次世代に引き継ぐための施設ということで、目的は共通しているんです。

 昭和館としょうけい館はいずれも九段下にあります。昭和館は地上七階地下二階の立派な建物を所有していますけれども、しょうけい館は民間の建物の一部を賃貸している。年間の賃料が約八千四十万円。ちなみに、平和祈念展示資料館、これは新宿住友ビル四十八階ということですけれども、年間賃料は約五千九百八十万円。

 この点、平成二十三年八月に閣議決定された強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針、これは最後につけておきましたけれども、この中でも、「戦中・戦後の労苦に関する資料の収集・展示を行う昭和館等の施設間の適切な連携を図る。」ということが明記されています。

 素朴な疑問として、似たような趣旨、目的の展示や資料室にそれぞれ別々に税金を投じるのは少し無駄があるんじゃないかと思います。統合してより充実した運営、展示をした方が、利用者にとっても利便が高いのではないかというふうに思います。例えば、子供たちが見に行くときに、今言ったような、さきの大戦による先人の御労苦をいろいろな側面から一つの箇所でしっかり学ぶことができた方がばらばらになっているよりいいというふうに私は思いますし、先ほど言ったように賃料も発生していることですので、ぜひこういったことをお考えいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 これは、先ほど中川先生からの御質問にもあって、水没をしている艦船にあられる御遺骨をどうするのかという問題についてもさまざまな御意見がございます。

 昭和館、しょうけい館、平和祈念展示資料館の三館というのは、趣旨、目的が異なる施設として展示を行ってきている上に、それぞれに関係者がおられるわけでございます。

 今お触れをいただいた平成二十三年八月五日の強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針という閣議決定、これは民主党政権下で行われたものでございますが、そこにも、「戦中・戦後の労苦に関する資料の収集・展示を行う昭和館等の施設間の適切な連携を図る。」先ほど引用いただきましたけれども、適切な連携を図るということになっておりまして、そういう意味において、これまで例えば合同の展示会とか講演会などを実施してきているところでございまして、子供たちにも、一ところで展示物を見られる、お話も聞けるということで、歴史を継承していくということが可能になるように工夫をしているところであるわけでございます。

 今後とも、この閣議決定にあるように、三館の連携を深めて、次世代への労苦の継承に努めていかなければならないと思っておりますが、何分にも、今お話し申し上げたように、関係者がそれぞれおられて、それぞれ御意見がございまして、三つあるのを一つにすれば済むというほど簡単な問題ではないので、先生の御意見もしっかりと受けとめながら、今後の連携のあり方について考えてまいりたいというふうに思います。

大西(健)委員 時間ですので終わりますが、さっきの銀杯にしろ、昭和館、しょうけい館にしろ、これまでの経緯があることは重々承知しております。しかし、やはり、それを踏まえた上で、また変えるべきところは変えていくということをぜひ大臣のリーダーシップでやっていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。

渡辺委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 民主党の阿部知子です。

 早速ですが、質問に入らせていただきます。

 大臣のお手元にも、また皆様のお手元にも新聞資料をつけてございますが、この八月に東京電力福島第一原発事故の事故収束現場で三人の方がお亡くなりになりました。八月の一日の事例は三十代の男性、二十一日の方は六十代の男性ですが、前者は穴掘り作業、後者は重い機材の運搬ということをやっておられた直後に、前者は気分不快、そしてすぐ搬送途中に心肺停止、後者は崩れ込むように倒れて心肺停止、突然死に近い形であります。

 この二つの事案をめぐって、東電では、これは作業起因性はない、作業とのかかわりはない、あるいは熱中症等々も考えられないということで、厚労省の方でも労働基準監督署などが出向かれて、そうした状況をヒアリングされたこととは思います。私は、これは作業との直接の起因性がない分だけ深刻だと思います、ないと言われている分だけ。今後はわかりません、労災の申請などがあるとまたヒアリングが繰り返されますので。

 七千人が毎日働く現場ではありますが、一月に二人が突然死されるということは、この方たちは皆二次下請ですが、従来、こうした方たちのこの職場に入るときの健診、あるいはここで勤めている間の健康管理などにも十分でない点があったのではないかと私は思いますが、大臣はこの二つの事案をどのように考え、また、どのように厚生労働行政の中で労働者の安全を守るために施策をなさろうとしているのか、時間の関係で、もう大臣に直に伺います。お願いいたします。

塩崎国務大臣 まず第一に、今月亡くなられた三人の方々の御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思います。

 厚生労働省では、東電の福島第一原発につきまして、これは先生の御質問で以前にも御議論いただいたところでございますけれども、労働安全衛生水準の向上のために、先月の二十六日、八月二十六日に安全衛生管理対策のためのガイドラインを策定したところでございますけれども、このガイドラインでは、作業員の健康管理について、労働安全衛生法令に基づく健康診断等の実施のほかに、おおむね三カ月以上作業に従事する者に対する保健指導、それから、健康診断の結果等から心疾患、脳血管疾患等の基礎疾患が判明した者に対する体調確認の徹底や保健指導などの実施を東京電力及び元方事業者に求めているところであるわけでございます。

 一言で言えば、もっときめ細かく、ふだんから体調をよく調べた上で働いていただくようにし、また、それをちゃんとウオッチしていく体制を確立するように東京電力並びに元方事業者に求めた、こういうことではないかなというふうに思っております。

 今後、このガイドラインに基づく措置がしっかりと実施をされるように、私どもとしても、東京電力あるいは元方事業者を指導してまいりたいというふうに考えているわけでございまして、いずれにいたしましても、事故は予防して起こさせないということが基本だというふうに思います。

阿部委員 今の御答弁のとおりではありますが、大臣も御存じのように、作業環境というのは劣悪と思います。暑い八月で、そしてフルマスクで重いものを持ち、あるいは下に向いて穴を掘るなどの作業で、従来の職場あるいは通常の職場を上回る日常の健康管理ということを今大臣御答弁いただきましたが、ガイドラインは出しただけじゃなくてチェックをしていく、そのことも十分、厚労省としても、守られているか、実際はどうか、やっていただきたい。

 こういう犠牲が起きた、これを、先んじてそういう指導があれば避けられたのかもしれないと私は思いますし、お二人の御冥福を祈りますし、本当に残念でなりません。

 そしてもう一例は、これもお手元につけてございますが、実は、砂の採掘などで出てくるその砂をバキュームカーで吸い取って他に移すという作業の、もう終わってからこのバキュームカーの清掃等々をしておりましたところが、ふたに首を挟まれて、挟まれたまま閉まってしまったということです。ふたを閉める作業をしている人からは死角に当たりました。よもやそこに人はいないと思われてやったことでしょうが、後ろで挟まれて亡くなった方は、従来はここで、このバキュームカーの外側の柵の外で安全管理をしている方でありました。

 作業が終わった安心感もあったかもしれない、片づけ段階ということもあったかもしれない。でも、私は、余りにも初歩的なこうした労働災害がなぜあの現場ではこんなに多いんだろうと。一月には、大臣に取り上げた事案は、汚染水タンクの上のふたをあけようとして、安全ベルトを締めていない、このまま転落して亡くなった事案でありました。安全ベルトをするとか、目視できないところでの作業は必ずよそからチェックするとか、これは労働現場、作業現場、建設現場のイロハのイでないと、それがなされていないとこういうことが起こるんだと思います。

 この点に関しても、先ほど大臣の御答弁のように、厚生労働省は八月二十六日に、東京電力と、東京電力は実は発注者なんですね、オーダーを出している方。そして元請は鹿島、亡くなったのは二次下請。どんどんどんどん下請ですが、東電と元請に対して、共同責任でちゃんとやってくれよというガイドラインを出されました。

 実は、大臣も御承知のように、東京電力には、元請ではないので建設現場での安全管理責任は法律的にはないわけですね。それを、ガイドラインという形、あるいは私が三月に御質問したときには、そういう指導という形でおっしゃっていますが、私は、これから三十年、四十年と続く収束作業の中で、建設現場に本当に等しいところで、発注者だからといって東電が法的に責任を負わないという体制はいかがなものかと、これも大臣にことしの予算委員会で伺いました。例えば、特定電気事業者という名前をつけて、造船や建設現場で負わされる責任と同じ分を負っていただく、そのことによって緊張感を持ってやっていただくということに私はなろうかと思います。

 建設現場や造船ではないから、そういう安全管理の義務が東電に法的に課されていない、このことの問題性を、大臣は現段階で、これは私、三月も申しました。また繰り返しています。ガイドラインくらいでやれるんだろうかと思いますが、いかがでしょう。

塩崎国務大臣 この問題につきましては、先生から御質問を前回いただいたときにもお答えを申し上げているところでございますけれども、問題意識はよく私も理解をするところでございます。

 労働安全衛生法の基本的な考え方は、先生御案内のように、労働災害防止のための措置は、労働者と雇用契約を締結している事業者に義務づけられているという形になっていて、発注者に対して必要以上に責任を負わせることはなかなか難しいということが今の法律の枠組みの解釈でありました。

 しかし、今回、厚生労働省としては、東京電力に対しても、法定事項以上の安全衛生確保措置を求めるガイドラインを八月に策定したわけでございまして、その確実な実施をしっかりと指導していかなければならないというふうに考えているわけでございます。

 なお、例えば普通の建設現場におけるゼネコンと下請で、そこで実際に働いている人たちが雇用契約を結んでいる会社の間の責任関係と、今回のように、廃炉のような全く初めてのことをやる場合の、東京電力福島第一原発のその敷地の中での実際の作業、これに対して、働く人の雇用契約を結んでいる会社の責任においてだけやればいいのかということについては、私もいささか、法的には先ほど申し上げたとおりなのでありますが、そこのところについては、東京電力が、普通の建設現場よりもやはりもっと注意をして責任を負っていかなければいけないんじゃないかと私は思っているところであります。

 ただ、直ちにやらなきゃいけない命の問題ですので、ガイドラインという形でお示しをして、これを履行していこうということで今臨ませていただこうと考えているところでございますが、問題意識は私も同じように持っているというところでございます。

阿部委員 日本は法治国家ですし、未曽有の事態です、こういう廃炉作業というか、汚染水問題もあるし、それから長く続くし。私は、都度のガイドラインあるいは指導を上回る法律の改正、例えば、事故を起こした電力会社に特定電気事業者という名前をつけて共同責任をとらせるようなことも、ぜひ政府として、厚労省として検討していただきたい。私たちも超党派の議員の会で、そういう法改正が必要ではないかという意識で検討しておりますが、あわせて政府の方でも検討いただきたいと思います。

 次に、性暴力問題に移りたいと思います。

 今、安倍政権では、性暴力あるいは性犯罪被害者の支援について、前向きな取り組みをいろいろなところで開始されておるということは評価した上での質疑であります。

 大臣も御存じのように、性犯罪あるいは性暴力というものは、なかなか被害を受けた方が訴えづらい、潜在化しやすい。例えば、性的被害の申告率というと一八・五%、これは法務総合研究所の調査。あるいは内閣府の調査でも、警察に届け出るのはわずか四・三%。すなわち、何かあっても言い出しかねるいろいろな状況がある中ですが、しかし同時に、性被害を受けたときには、例えば身体の受けた傷、それから避妊の対策など、緊急的に産婦人科医療が必要とされることも必ずあるわけです。

 今、国連の方では、いわゆるレイプクライシスセンターという名前で、レイプを受けた女性たちの危機にどう介入するかということで、さまざまな提言がなされております。レイプクライシスセンター、国連の勧告によれば、立法ハンドブックがあるのですが、性暴力の被害者が、国の費用により、妊娠検査、緊急避妊、人工妊娠中絶、性感染の治療、負傷の治療、被害後の予防及びカウンセリングを含む包括的かつ総合的なサービスに速やかにアクセスできるよう規定すべきであるということと、このようなサービスへのアクセスは、被害者の警察への被害の申告の有無を条件とするものではないと。警察に行って初めてスタートするのではなく、とにかくクライシス介入、受けて、この被害者をサポートしようということであります。

 大臣のお手元の資料の三枚目。「女性の安全と医療支援ネット」という名前でついてございます資料は、大阪にある阪南中央病院というところで二〇一〇年から開始された、SACHICOと略称するような、女性の性暴力への緊急支援ネットであります。性暴力被害者がホットラインで電話をする。そして、このホットラインはSACHICOの中にありますので、来ていただいて、産婦人科の医師が拝見すると同時に、必要ならば警察にも通報する、あるいは児相にも相談する。そして、これに大阪の産婦人科医会とウィメンズセンター大阪というNPOが協力をするという形で、日本で初めて立ち上がったワンストップ支援センターであります。

 これは、ワンストップ支援センターはいろいろ、警察が中心になるものもありますが、先ほど申しましたように、警察に行く率というのは低いですから、まず身体を守るということで極めて重要な、病院拠点型のワンストップ支援センターであります。

 ところが、現状では、この病院拠点型の支援センターというのは全部病院の持ち出しであります。例えばこのSACHICOの場合、こういうブースをつくるのにまず五百万円、それから当直の医師の手当も今病院が出しているということであります。

 大臣には、この女性の性暴力被害に医療支援が不可欠ということをもちろん認識していただいていると思いますが、その上で、今後、政府の政策の中で、どのようにこうした病院支援、医療支援をなさっていくお考えがありや、お伺いします。

塩崎国務大臣 性犯罪や性暴力を受けられた被害者の皆様方の支援を行うということに関しては、特に医療機関が果たす役割が大きいということは私もそのとおりだというふうに思っていますし、まずは医療機関で診てもらうということ、そしてお世話をしていただくということが大事だということは先生と同じ認識でございます。

 今お話がございましたのは、医療機関におけるワンストップ支援センターの設置に対して、持ち出しだということで、ではこれをどう支援するのかということについては、さまざまな考え方があり得るのではないかというふうに思っています。国全体として、やはり何らかのこういった仕組みがあるべきだということについてはそのとおりだというふうに思いますが、問題は、何で支援をどうするのか、誰の負担でいくのかということが問われるのだろうというふうに思います。

 例えば、診療報酬で評価をするという考え方もあるかもわかりませんが、しかし、診療報酬というのは傷病の診療に対する対価でありますので、診療以外のサービスを直接的に評価することはなかなか難しいという問題もある。

 一方で、ワンストップ支援センターのような、今お話がございましたけれども、病院型のものを今御紹介いただきましたが、これは内閣府で所管をしてもらっていますが、病院拠点型のみならず、相談センター拠点型などいろいろな形態が想定をされています。もちろんそれが、まずは医療機関に行くというところに結びつくことも当然多いはずでございますが、しかし、いろいろある。必ずしも病院のみに求められる機能ではないので、厚労省として、医療型ということだけで予算をつけるというのもこれはなかなか整理が難しい。

 そして、一義的には、今申し上げたように、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターについては内閣府が検討していただいていますので、厚労省ももちろん協力をしながら、そして、内閣府と連携をして、ワンストップ支援センター設置に向けてどのようなことができるのか。例えば、産婦人科医会など関係団体あるいは都道府県に対して協力を依頼しながら、そして周知をして、設置をさらに図っていくということが大事ではないかというふうに思いますが、この支援のあり方については、少し整理をして、どのような形がいいのか考えていかなければならないのではないかというふうに思います。

阿部委員 これは塩崎大臣、大臣がもっと厚生労働省として前向きに病院の機能ということを評価していただかないと、どんなタイプのにも絶対病院が必要なんです。ほかの支援センター、ワンストップでつくったとしても、必ず医療が必要になります。例えば緊急避妊措置、七十二時間以内に必要です。性感染症対策も必要です。外傷の治療も必要です。さらに、物的証拠採取をしないとその後の立証に困る。でも、それは限られた時間の、本当にそこで介入しないと、それも医療介入しないとできない。

 内閣府が今一生懸命、この間、例えばいろいろなところでモデル事業としてお金をつけてやっている。いいことです、それで広がっていますから。と同時に、これを面としてあらゆるところでやっていただくには、病院側の持ち出しに頼っていたのではやれない。まして産婦人科医は少ない、御承知のように。それでもやらねばならない仕事だからとみんな一生懸命やっています。

 この点について後ほど浦野先生もお取り上げいただけるようです、私と連携して。でも、私はまず皮切りで、大臣に現状を知っていただきたい、視察もしていただきたい。本当に重要な厚生労働省の仕事であります。

 と同時に、今のは私は緊急介入と言いましたが、心と体に傷を受けた人たちが、カウンセリングを受けたり、その後かかり続けるというケースが多いわけであります。そうすると、そのときの被害者側の治療費なども、心理相談、カウンセリングも、お金は全部持ち出しであります。交通事故であれば、加害責任が問われて、そこで加害側が払います。でも、この性被害は、自分が被害者になる、そして心の傷、体の傷を治すにも全部自分が持ち出していかなきゃいけない。

 私は、前半は病院側の持ち出しを言いました。二番目は被害者側の持ち出しであります。それゆえに政府を挙げて支援策が必要とされておりますし、大臣はそうしたことが発言できるお立場でありますから、ぜひ大臣自身が現状を深く認識していただいて、お取り組みをいただきたいが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 性犯罪被害によります精神的な被害、もちろん身体的な被害というのもありますけれども、これについての負担問題については、もちろん被害を申告すれば、先ほどお話があったとおり、警察において公費負担をしてくれることになっていますが、そうじゃないケースの方が多いんだという話を冒頭に御指摘いただきました。

 特に、精神的な被害を受けた方々について申し上げると、PTSD等のストレス関連障害というのがございますが、これについても、通院による治療を継続的に必要とする状態であると都道府県等に認定された場合は、自立支援医療の対象となって、医療費の自己負担額を軽減しているところでございます。

 今後とも、自立支援医療制度の周知を、精神的な被害を受けた部分につきましては必要な精神科医療の提供をこの制度を通じてやっていきたいというふうに思うわけでございますが、その他の負担については、今お話がございましたけれども、どういうふうに考えていくべきなのかということは、犯罪被害者の権利という観点からも考えていかなければならないのかなというふうに思います。

阿部委員 第四次男女共同参画基本計画の策定に当たって、性犯罪被害者に対する医療費、カウンセリング費用等の助成について検討するとなっております。第四次はこれから策定されて具体的に落とされていきますので、今大臣のおっしゃった御答弁の方向をさらに充実していただきたいし、警察の負担する分というのは、申告、言っても、一回の避妊薬、一万五千円ですから、その後の長いその人の人生に対しての支援が必要とされます。

 と同時に、次の質問ですが、同じ性犯罪でも、実はこのSACHICOに五年間でカルテのできた方、九百八十三人おられますが、そのうち約六割が未成年であります。性犯罪被害の多くが、子供も含めた、幼児も含めた未成年であるという実態があり、そうした場合は児童相談所などにも当然つながっていくわけであります。

 これも、大臣のお手元、私の資料の四枚目になるかと思いますが、最近挙げられたデータで、児童相談所では大変に虐待の件数がふえておって、上が市町村の相談窓口、下が児相ですが、どんどんふえる一方で、大変深刻な事態を招いている。

 そして、そこに来る相談も、ネグレクト、それから物理的な暴力、性暴力とさまざまであって、相談員のレベルの向上、あるいは質、量ともに必要な増員というか、私は質も上げなきゃいけないと思いますが、それに対して、次のページをおめくりいただきますと、児童福祉司という、児童相談所にお勤めの方の任用総称でありますが、どんな資格の方がやっておられるかというと、五つくらいのパターンがある。平成二十年と比べてみましても、人員は二千三百四十七から総員二千八百十一で五百名弱ふえているんですけれども、でも、虐待の件数は二倍近くになっているので大変に厳しい、そして相談の質も大変だということになっております。

 この児童相談所の職員の質並びに数の補強について、大臣のお考えを伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 児相の質、量ともに今逼迫をして、質というのは、つまり専門性が十分ではない。そしてもう一つございますのは、都道府県に任されているものですから、都道府県によるばらつきというのが大きくあるということも私たちは認識をしているところでございます。

 児童福祉司の対応能力の向上とか児童相談所の専門性の向上というのを、私どもとしては先般、児童虐待防止対策強化プロジェクトというのを八月二十八日にまとめておりますけれども、児童相談所の専門性を確保することが極めて重要で、法的知識を要する相談等に迅速に対応するための専門性の向上等、こういうことで検討をすることとしているわけでありますけれども、当然のことながら、児童心理とか精神医学の御専門の方による見方というのは、日本の医療の教育の中では児童精神に関する教育というのは極めて限られていると聞いてもおりますので、そういったところから、医師ではない方々の中での専門性を高めるということについても検討しなければならないと思っております。

 二十八年度の概算要求におきましては、児童相談所が弁護士等の専門家に相談しやすくするための費用とか、児童虐待にかかわる職員の資質の向上を図る研修を実施するための費用計上をしているわけでありますが、さらに、児童相談所の職員体制の強化についても関係省に働きかけてまいりたいと思っていますし、何よりも、さっき申し上げたように、全国どこへ行っても同じぐらいのちゃんとしっかりとした専門性と人数の充実がされるということをやるためには、これはかなり予算も要るわけでありますので、先生にもぜひこの辺の財源確保の問題についても御一緒に考えていただくとありがたいなというふうに思っています。

 都道府県のばらつきというのをどうするのかということについても、私どもは、先ほど古屋先生にお答え申し上げたように、児童福祉法の抜本的な見直しをやる中で、児相で働いていらっしゃる方々がほとんど燃え尽き症候群的になって御苦労されていることから、もう少し役割と責任を、国、都道府県、そして市町村、この間での分担を整理し直して、有効な対策がきちっと、今お話をいただいた子供の性被害に遭った場合などを含めて対応できるようにしていきたいというふうに考えております。

阿部委員 今大臣の御答弁にございましたように、八月二十八日の子どもの貧困対策会議で取り上げられました児童虐待防止対策強化プロジェクトというペーパーの中でも、また来年度の概算要求でも述べられておりますので、ぜひ私は、人の充実ですね。

 特に、ここで言う四号、五号という方は必ずしも、児童福祉、あるいは児童のこうした寄り添うための教育ということに、実績というか、受けておられない。例えば、市町村の職員で、あるときはほかの部署からここに来られてという方。悪いとは申しません。でも、これだけ複雑になった世の中で、子供に寄り添って、子供を本当に受けとめてやれる資質というものの向上のためにも、これらの職員のレベルアップを図っていただきたいです。

 そして、次の問題。実は、こうした問題は、児童養護施設における職員の処遇でも同じだと思います。

 児童養護施設は社会的な養護の核となるものであり、現在は、養護施設は小舎化して、グループ化して、より規模を小さくして、あるいは里親さんにお願いしてなど、家庭的な、子供にとってのマンツーマンの雰囲気を取り戻すためにいろいろ工夫はされておりますが、大臣、次のページをごらんになって、被措置児童虐待の事実が確認された事例の施設等の種別というのがあって、何を言っているかというと、児童養護施設、里親さん、あるいは緊急一時保護など、そうしたところでもまた虐待が発生してしまっている。そして、ふえている。平成二十一年は五十九だったものが、平成二十五年は八十七。

 これを見て、職員が悪い、いいではなくて、職員の処遇と、職員もまた苦しいんだというふうに思っての支援体制が私は必要だと思うんです。

 児童養護施設は私も小児科医であるので幾つも視察をしましたが、まず問題は、やはり保育士さんと同じ資格ですから、低賃金であります。賃金体系が低い。そして、小舎化、グループを小さくして当直が加わってくると、労働実態は、当直回数二・八どころか一人で月何回も当直を、子供たちがいる限りしなければならないということで、ぜひ、この実態、児童養護施設の職員の労働実態、賃金実態、調査をしていただきたい。特に私が気になるのは、当直回数が多く、疲弊してしまうということであります。

 これについて大臣に御答弁をいただきます。

塩崎国務大臣 先生御指摘をいただいたように、この児童養護施設、乳児院もそうだろうと思いますが、保育士さんの資格を持っていらっしゃる方々とそうじゃない方々がおられますけれども、いずれにしても、保育士の皆様方の賃金の問題については、私も、社会的養護の議員連盟の会長をやっておる立場でしばしば聞いてまいりました。

 待機児童対策として予算をつけたときもありましたが、そのときは児童養護の保育士さんにはその加算がつかなかったという問題もありまして、私どもとしてはそれはおかしいじゃないかということを申し上げたことがありますが、この賃金水準については、一般的に他の職種と比べるとやはり低いと考えられるために、平成二十七年度予算で、消費税財源を活用して、民間児童養護施設の保育士を含む職員給与について、プラス三%、これは改善を行って、所要の財源を予算措置しました。今後も、消費税財源以外の財源の確保に努めて、さらなる給与改善を、プラス五%ということで行いたいと考えているわけでございます。

 労働条件も、さまざま厳しい中で、今御指摘をいただいたとおりでありまして、二十七年度予算では、先ほど小規模化が進む中でというお話がありましたが、この職員配置の改善を二十七年度から、五・五対一から四対一に改善ができた。そしてまた、今後は、消費税財源以外の財源の確保に努めて、全ての児童養護施設にチーム責任者及び自立支援担当職員の配置を行いたいと考えております。こうした取り組みによって、職員の労働実態の把握に努めつつ、労働条件改善に努めてまいりたいというふうに思っています。

 また、心理療法も、やはり虐待がふえている中で当然必要でありますので、心理療法を行う必要があると認められる児童を一定数受け入れる施設には、心理療法の担当職員というのを配置して、専門的なケアを実施してまいりました。今後、消費税以外の財源の確保に努めて、全ての児童養護施設にこの心理療法担当職員を配置していきたいと思っております。

 さらには、子供の権利擁護、職員への指導やメンタルヘルスに関する研修を修了した基幹的職員、いわゆるスーパーバイザーを施設に配置し、職員へ助言、指導等を行うことにより、施設職員の資質の向上を図っているところでありますが、今後とも、こうした取り組みを通じて、虐待を受けた児童に対する適切な支援を行わなければならない。

 そのための調査をやれというお話がございました。もちろん、団体等を通ずる調査はやっているわけでありますが、さらに、どういうことが必要になるのかということについて検討して、できる範囲内で、できるだけ早く、対応ができるものがあればやっていきたいというふうに思います。

阿部委員 御丁寧な答弁をありがとうございます。

 最後の資料で、性的虐待もまたふえているということで、かなり密なケアが子供たちの心を開くということですので、大臣に引き続き格段のお取り組みをお願い申し上げて、終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 民主党の中島克仁です。

 本日は一般質疑ということで、私からも質問をさせていただきたいと思うわけでありますが、私ごとで恐縮ではございますが、きょうで、質問が通算でちょうど百回目になりました。

 これは、前にいたみんなの党、最近そんな名前はもう当然ながら出てこないわけでありますが、以前の党から通算して百回目ということで、そして、そのうち六十回、半分以上が厚生労働委員会での質問ということで、本当に多くの皆さんに支えられながら、また先輩議員に御指導していただきながらできたこと、本当に感謝しながら、きょうは質問をさせていただきたいというふうに思います。

 私からは、まず、介護報酬マイナス改定による介護事業所への影響について質問をさせていただきたいというふうに思うわけでありますが、これは、たびたび私から質問をさせていただいている内容ではございます。

 五月の末には東京商工リサーチが、ことし一月から四月までに介護事業所の倒産件数が前年の六割増し、そんなペースで増加していると驚くべき数字を発表した結果について、厚労省として実態調査をするべきだという要請に対しまして、塩崎大臣が指示をしていただいて、調べていただきました。そのことについて、指示をしていただいて調査していただいたことに素直にお礼を申し上げたいというふうに思います。

 改めて、そのような指示を出すこと、それで厚生労働省が調査をする、やはり大臣の指導力、指示することによって物事は動くんだなというふうにも実感したわけでありますし、先ほど労働者派遣法の件もございました、そして年金情報流出問題、これもやはり大臣の指導力をしっかりと発揮していただきたいなというふうにも思った次第です。

 その調査結果についてでございますが、資料の一枚目、「事業所の状況について」、廃止届け出件数や新規指定件数。これは、昨年度、平成二十六年度と平成二十七年度の推移で示されたものですが、調べていただいた結果、前年同時期に比較して、廃止件数は、昨年同時期八千百三十六事業所に対して、今年度四月から六月時点で五千百二十事業所、新規の件数が二万九百事業所から一万七千三百六事業所となっていて、廃止件数と新規件数との割合、今回調べていただいた調査によりますと、前年と比較して大きく変わっていないというような結果と報告を受けました。

 改めて、確認の意味も込めてでございますが、今回の調査の結果について厚労省としてどのように分析をされているのか、まず前提となる部分でお尋ねをしたいと思います。

塩崎国務大臣 今回、七月十三日に発表させていただいたわけでありますが、先生からの御示唆もございまして、都道府県に協力をしていただいて調査を緊急的にやらせていただいたわけでありますけれども、ちょうど介護報酬改定後三カ月が経過をしている六月までの数字ということで、概況について速報ベースの数値をまとめているわけでありまして、今お配りをいただきました。

 この内容を見ると、改定後も、介護サービスの請求事業所数は増加傾向にあって、廃止届け出の件数も昨年度と比べて増加していない。また、処遇改善加算を届け出ている事業者も増加傾向にございまして、経営悪化等によりやむを得ず賃金水準を低下させる場合に届け出る特別事情届出書というのも、各県平均で一、二件程度ということで、多くないというふうに見てとれるわけでございます。

 今回の結果を踏まえると、今のところ大きな問題は生じていないというふうに思いますが、なお、四月から報酬が改定されましたから、引き続き施行状況は注視をしてまいりたいし、また、実際、介護の現場でどのようなことが、今回の改定を含め、そしてまた社会的な変化に応じて何が起きているのかということをしっかりと注視をしてまいりたいと思います。

中島委員 大臣の答弁ですと、今回のこの四月からの報酬改定によって事業所等への影響は、影響というか、倒産事業所のようなものはふえていない。処遇改善の届け出についてはまたこの次の質問でさせていただきたいというふうに思うわけですが。

 これは資料の二枚目になります。この調査報告、七月の十三日に私、民主党の部会の中でも報告を受けたわけでありますが、その一カ月後の八月十四日に、東京商工リサーチがまた新たに、前回五月の時点では一月から四月までだったのが、ことし一月から六月、上半期の介護事業所の倒産件数の推移を再度発表したわけであります。

 これによると、ことし一月から六月、上半期の倒産件数は前年同期比約五割増。これは五月の時点では六割増となっておりましたが、八月、上半期の時点で五割増。このペースでいくと、過去最高の倒産件数を更新する勢いだというふうにされています。この要因については、五月末の発表のときと同様に、四月からの介護報酬の改定や人手不足に伴う人件費の上昇などが影響しているとされているわけです。

 厚労省の調査結果、今大臣は、倒産事業所はふえていない、新規もふえているという調査結果と、五月また八月十四日に発表された、これは東京商工リサーチだけではない、帝国データバンクもそうです、調査結果では、これは乖離が見られるわけです。

 この乖離はどう分析されているのか、どう説明するのか、大臣にお尋ねいたします。

塩崎国務大臣 調査方法が違うということがまず第一の要因ではないかというふうに思います。

 東京商工リサーチの調査というのは、会社更生法など法的手続、これを使って倒産したというケースでございまして、東京商工リサーチが把握できた倒産件数を数値化しているということで、これは一―六月ということで五割増ということになっているわけであります。一方の厚生労働省の調査というのは、先ほど申し上げたように、都道府県に今回特別にお願いをして調査をしたわけでありますけれども、廃止届け出件数について市町村分も含めた全数調査を実施しているわけで、ですから数では圧倒的にこちらの方が多いという形でございます。

 調査対象と調査時期については、東京商工リサーチの調査というのは、法人を対象としておりまして、二〇一五年一月から六月とさっき申し上げた、改定前の一―三月も入った動向を分析されているわけでありますが、一方で厚生労働省の調査は、事業所を調査対象としておりまして、今回、改定後の二〇一五年四月から六月の動向を把握したということで、特に介護報酬の改定後三カ月間どうだったんだということであります。

 このように、いろいろな違いが二つにはございまして、一概に比較することは困難であるわけでありますけれども、東京商工リサーチに改定後の四月から六月、四―六の動向というのを確認いたしました。そうしたところ、前年同期と比較をいたしますと、倒産件数はむしろ減少しているということで、今のところ大きな問題は生じていないのではないかというふうに私どもは見ているところでございます。

中島委員 大臣の答弁を聞いておりますと、帝国データバンクもそうです、東京商工リサーチもそうなんですが、これは法人単位での調査、そして厚生労働省は、各都道府県、事業所単位で調査をした届け出の結果ということでありますが、六割増し、五割増しという報道、私も七月の十三日に報告を聞いて、今のような御説明を聞いて、ある程度納得したやさきにこのような報道が出るわけです。

 一体、実態はどうなのか。今お話を聞いたように、四月―六月、東京商工リサーチのデータでも件数は減っているということであるわけでありますが、本当に実態はどこにあるのかということが非常に気になる。

 これも確認なんですが、今回の調査、廃止した届け出件数を見ているわけですが、廃止した事業所について、その廃止の理由については調査されていますでしょうか。

塩崎国務大臣 廃止の理由でございますけれども、今回の調査は、都道府県に調査を依頼して、直近の廃止届け出件数を把握いたしたわけでありまして、廃止の理由については、今回の調査の中で入れ込んで聞いてもらっているわけではございません。

 そういうことでございますので、一件一件の内容を確認していただくことがもちろん必要であるわけであります。しかし、これをお願いするというのは、都道府県に一件一件調べてくれというのもなかなか大変なので、今回は把握はしていないで、とりあえずは数字を全数で見てみようということで先生の御要望に応えるということになったわけでございます。

中島委員 今答弁いただいたように、今回、廃止の届け出件数で大枠を出していただいたということで、その廃止の理由については調べていないわけであります。

 廃止には、事業統合ともちろん廃業、二つが含まれるわけでして、さらには、廃止届は出していませんが実質廃業、事業をしていないというところも含まれるんだというふうに思います。やはり最終的には、請求事業所の実態、請求事業所の数、数値で見ていかないと、なかなか本当のところはわかってこないのではないかというふうにも思います。

 この数字を見ていきますと、これはあくまでも平成二十六年度と二十七年度の比較ということになるわけですが、これも確認ですが、同様に、二十四年度、二十五年度の数字、データはございますでしょうか。

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

塩崎国務大臣 さっき申し上げたとおり、都道府県にお願いをしてやった今回の調査でございますので、特別に各月ごとの事業所の廃止あるいは新規指定件数を把握したものでございまして、平成二十四年度及び二十五年度の状況は把握はしてございません。

中島委員 これはあくまでも昨年度、二十六年度と二十七年度との比較ということになるわけで、この数字だけ見ると、倒産事業所はふえていない、新規事業所がふえている、プラマイ、余り差異はないという結果になっているわけですが、これは、きょうはちょっと資料としてお示ししておりませんが、人手不足とか、過疎な地域においてはそもそも人口減少も伴って利用者さんが減少しているという実態から、倒産事業所の数は右肩上がりで上がっている。ここ数年来上昇してきている。やはり昨年度の、上昇した部分と比較するよりも、もっと以前のデータとしっかりと比較する必要があるんじゃないか。

 今回、何度もしつこく質問したことから、七月に調べていただいたことは大変ありがたいというふうに思うわけですが、先ほどの東京商工リサーチのデータを見ていきますと、本当に実態がどうなっていくのか。

 これもたびたび私は指摘させていただいておるわけですけれども、今年度は昨年度の事業計画でやっておりますから、その途中で閉鎖するというケースは余りないんじゃないか。もう九月になりました。来年度の事業計画をこれから立てる、各事業所が。先週末も、私、ショートステイをやっている事業所でありますが、この四月からの介護報酬、さまざまな工夫をして営業努力というか事業努力をしている中でも、やはり大変厳しい現状だと。来年の四月からの、来年度の事業計画においてはショートステイを閉鎖すると決めた事業所も一カ所ありました。

 そのような背景から、この四月の介護報酬のマイナス改定は昨年度から想定されていた中で、やはり単年度で比較するというよりは、もっとさかのぼって比較をして調査する必要があるんじゃないかということは再度指摘をさせていただきたいというふうにも思います。

 先ほども大臣、今後、その動向、トレンドを見ながらということになるというふうに思いますけれども、経過を追っていくということでありますが、東京商工リサーチを初め、民間の事業所は経過を追って調べております。

 先ほどの請求事業所、これは介護報酬の改定に伴うシステム変更によって、五月分、その経営実態のデータは当初十月になるというふうに言われていたわけですが、大分前の質疑の中で、これを前倒しして把握していく努力をすると大臣は答弁されておったんですが、民間はそのようにデータをちゃんとしっかりフォローしながら追っている。そんな中で、厚生労働省として、今回、廃止の理由も明確に調べていない。これは速報値ということでいいわけですが、もう九月に入りました。半年たった現状の中で、詳しい実態調査を今後していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 いろいろな角度から光を当てて実態を見るということは大変大事なことだと思います。ただ、調査はやはり手間もお金もかかるものですから、それとの兼ね合いで、どこまで、本当に実態を見るのに必要なデータは何だということは絶えず考えなきゃいけないので。

 先生御指摘のように、やはり時系列を追って見られるということがとても大事であることはそのとおりだと思います。

 今回、いろいろな加算をつくったり、ふやしたり、重点化をしておりますけれども、各加算の請求状況とか介護事業者の動向というのは、介護給付費実態調査というのをずっとやっているわけで、ただ、これはかなり細かく手間もかかることであるので、今回、簡便に、その事業所数だけとか、そういう形でとらせていただいて先生にお示しをしたということになっているわけでありますけれども、この介護給付費実態調査によって把握をいつもしておりますから、二十七年度の介護報酬改定後の状況についても、この調査を通じてできる限り早く把握をしていきたい。先ほど十月というような話がありましたが、それはそれでしっかりやっていかないといけないと思っております。

 処遇改善加算の効果の把握は、介護従事者処遇状況等調査というのがございまして、これにより把握をする予定で、六月二十五日に開催をされました介護給付費分科会で御議論をいただいて、十月に調査を実施するということにしております。

 介護事業の経営実態は、介護事業経営実態調査等によって把握をしていくこととしておりまして、先ほど申し上げた六月二十五日の介護給付費分科会で、より適切な調査の実施に向けた議論をスタートいたしたところでございまして、こうした調査を通じて、実態の把握に引き続き努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

中島委員 何度も申し上げませんが、やはり、この四月のマイナス改定は史上最大幅だったわけです。しかも、昨年度の経営実態調査を踏まえれば、俗に言われる収支差率、平均は八・七と言われておりましたが、五%以下、今回の報酬改定でマイナスに転落する事業所が、もちろん、加算をとる、とらないとか、そういった問題はあるかもしれませんが、実際にはその加算を人材不足でとれない、特に小規模事業所においてはそのような実態が想定されていたわけです。だとするならば、やはりこれは通常の年とは違うわけです。この四月からの最大幅のマイナス改定に伴う事業所への影響というものは、重点的に、通常ではなくて、しっかりとやるのが本筋だというふうに思います。

 さらには、私が毎週毎週、決まった事業所ではありませんが、点で行っている限り、やはり特に小規模事業所においては経営実態が非常に厳しい。そういった状況の中で、次の介護報酬の改定は三年後、診療報酬との同時改定になります。それまでこのまま本当にただトレンドを見て調査するだけなのか、調査した結果、具体的にどうなったらどう手当てをするのか、補正予算なりなんなり、具体的に対応の仕方というものをそういう実態のある事業所に示すことが必要なのではないかということは再度指摘をさせていただきたいと思います。

 さらに、処遇改善というお話もございましたが、これももう、二〇二五年問題を含めて、介護人材の確保というものが大きな課題であることは言うまでもありません。三十八万人足りないのか五十万人足りないのか、その最大の原因が、やはり全産業別に見ても十万円賃金が低いその処遇にあるということは、恐らく大臣とも共有されているのではないか。

 それで、今回、マイナス改定の一方で、処遇改善加算について、これも、厚労委員会だけではなくて予算委員会でも、同僚議員から総理に対しても、この処遇改善で、ある程度、そして政府としても、それを各事業所がしっかりととっていけるように促していくというような答弁を何度も何度もいただいているわけです。

 今回の調査によって、この処遇改善の届け出状況も出されております。資料の三枚目でありますが、この四月の報酬改定から、処遇改善加算、これは以前からの加算もあったわけですが、今回の大幅なマイナス改定の一方で、先ほど言った、処遇改善をしたんだと政府は強調されていた。実際、これは処遇改善加算(1)というところになるわけでありますが、四月の時点で五〇・七%、その後もほとんど変化がなくて、六月時点で五一・六%。

 この数字だけ見ると、現状では半分しか処遇改善加算を取得していない、半数の方が処遇改善されていないという調査結果になるというふうに見えるわけですが、政府が、大臣も強調されていたように、今回の報酬改定で、マイナス改定の一方で処遇改善するとおっしゃった、この現状が、この調査の結果で本当にされているとお考えなんでしょうか。

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

塩崎国務大臣 今お配りをいただいたのは、先ほど来お話に出ております緊急的にお調べをしたものでございますが、通常の、請求事業所を分母としたいわゆる請求ベース、この処遇改善加算全体の算定率というのは、平成二十五年十月審査分の介護給付費実態調査を見ますと約八四%でございますけれども、今回の調査において速報値として把握をいたしました、届け出可能な事業所を分母としたいわゆる届け出ベースの割合でいきますと約六八%になっておりまして、その間二〇%ポイントぐらいの大きな、一六%ポイントですか、大きな差があるわけでございます。

 これは、届け出ベースで出ております速報値の分母には、みなし指定、いわゆる病院、診療所または介護老人保健施設について、指定等を受けた場合に、居宅サービス、通所リハビリテーション等の指定があったものとみなすというのがあって、この指定を受けているものの実際には介護報酬請求はしていないという事業者も含まれてしまっていますので、請求ベースと比較して低い水準となっている。つまり、分母がでかいのが、この緊急的にとった届け出ベースの数字であるわけでございます。

 なお、今回の調査によって把握をした処遇改善加算の届け出ベースの割合は、平成二十七年三月以降、上昇傾向にもあるということでございます。

 改定後の通常の請求ベースの算定率につきましても、レセプトを電算システムで集計した介護給付費実態調査、これによってできるだけ早く把握をして、皆様方に見ていただけるようにしたいというふうに考えております。

中島委員 みなしでやっている事業所も含めて分母が大きいからパーセンテージは下がっているんだ、その可能性が高いという今のお答えだったというふうに思いますが、もちろん、この処遇改善がされて処遇が全て改善されるというわけではないのは私も理解しておりますし、しかしながら、これは今国会の冒頭の予算委員会でもたびたびこの質問、今回の、全体をこれだけマイナス改定しておいて本当に介護人材の処遇が改善されるのかどうかという問いに関しては、先ほど申し上げたように、大臣も総理も、各事業所にしっかりと処遇改善するように促していくと言ったわけでありますから……(発言する者あり)そうなんです。必ずなるんだみたいな言い方をされていたわけです。

 その結果で、もちろん、これは分母が大きい、パーセンテージは低いといいながらも、これが本当に、十月の時点で処遇の実態調査の結果も出るということでありますが、もし同じような数字だった場合に、具体的に、今、厚生労働大臣としてどのように対策を打つつもりなのか。現時点で構いませんので、お答えいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 四月から改定が行われたわけでございますので、これがどういう効果があり、どういう影響があるのかということは、子細に私どもも数字で見るとともに、都道府県を通じたり、実際に自分たちもできるだけ直接の話を聞きながら見ていきたいと思っておりますけれども、処遇改善加算の効果などにつきましては、介護従事者処遇状況等調査によって把握をする予定で、さっき申し上げたように、六月二十五日に開催された介護給付費分科会で御議論をいただいておりまして、十月に調査を実施することとしております。

 こういったものを含めてさまざまなデータをしっかりと見ながら、どのようなことが起きているのかということを踏まえて、今後どういう対応をすべきかということは考えていきたいというふうに思います。

中島委員 その辺については、先ほどの全体のマイナス改定もそうなんですが、これはこの後、日本版のCCRC構想についても少しお尋ねをしたいと思うわけですけれども、そもそも、地域包括ケアシステム、私は何度も申し上げているように、別に効率化とか重点化が悪いとは言っていないんです。ただ、それをするための人材の確保、それがない限り机上の空論になってしまう、なる可能性があるわけです。

 そんな中で、もちろん今回の処遇改善加算が全てではないのはよくわかるわけですが、これもしっかりとできないようであれば、今の介護人材の確保、先ほども言ったように、二〇二五年までに三十八万人足りないのか五十万人足りないのか、それもわからない。これもしっかりと行き届かないようであれば、その他もろもろある、介護人材がなぜ少ないのか、そういう課題に取り組めるわけがないと私は思うわけです。

 先日、先ほど言った、ショートステイが来年度閉鎖をするといった、私はたびたびそこには行っていたわけですが、そこに勤めていた二十四歳の女性、私が介護専門学校のときに授業に行っていて教えていた子です。子供のころから介護に携わりたいという思いで、そのままそのショートステイに入職しました。その彼女がやめるという話を聞いて、どうしたんだという話をしたら、この四月からの介護報酬の改定、経営の効率化で、夜勤を、全く一人ではないですが、一人で担う時間がふえたと。そのときに、認知症の高齢者の方にいらいらして、つい手を上げそうになった、そんなことは今までなかったんだ、初めてだ、そのことに大変ショックを受けて、私はもう介護をやる資格がないといった理由でやめていくわけです。

 では、それがまれなのかというと、今回の介護報酬のマイナス改定で、特に小規模、さらには入所の施設であれば、重点化ということで、もう数年前と、例えば今言ったショートステイであっても、利用者さんの中身、重点化によって高度な認知症の人や医療ニーズの高い方が入ることによって、一人の介護士さんの負担というのは相当ふえているわけです。にもかかわらず、賃金もなかなか行き届かない。

 そういう状況の中で、やはり今回の介護報酬の改定に伴う影響については今までとは違うわけです、しっかりと実態を把握していただいて、その上で、もちろん、この後少し御質問したいCCRCもそうなんですが、その発想自体は決して否定はしませんけれども、今しっかりと果たさなければいけないのは、これは介護人材だけではなくて看護師もそうです、そして医師もそうです、本当にその中身にしっかりと当てはめられるような医療人材、介護人材の確保ということが前提になければ、それがあって初めてさまざまなビジョンが描けるんだということは再度指摘をさせていただきたいと思います。

 続いて、日本版CCRCについて少しお尋ねをしたいというふうに思うわけですが、生涯活躍のまち構想、いわゆる日本版CCRC構想、これは、八回の有識者会議を踏まえて、先週、これまでの取りまとめ、中間報告が発表されました。このCCRCは、継続的なケアつきリタイアメントコミュニティーの略で、米国発祥の暮らし方というふうに言われております。

 高齢者が自立して生活できるうちに入居して、社会活動に参加をし、かつ、介護が必要になった場合も、医療を受けながら暮らし続ける仕組みを目指したものとされているわけですが、この地方移住に関しては、昨年の十二月のまち・ひと・しごと創生総合戦略に盛り込まれて閣議決定をされ、それとは別に、六月の初旬に日本創成会議が、東京圏の高齢化問題に対応する東京圏高齢化危機回避戦略として、東京圏の高齢者の地方移住を提言した。これは資料の四枚目になります。そして六月末、まち・ひと・しごと創生基本方針として、東京圏の地方移住を閣議決定したわけであります。

 これは前提となる確認であります。閣議決定された日本版CCRC構想と、創成会議が提言した、この資料四枚目にある東京圏の高齢者の地方移住の関係性についてお尋ねをしたいと思います。

木下政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員の方から御指摘ございました日本創成会議の提言、東京圏高齢化危機回避戦略といいますのは、今御紹介いただきましたように、今後、東京圏で後期高齢者の急増が見込まれる中で、東京圏の高齢化問題の対応として、一都三県の連携あるいは広域対応といった医療・介護体制の整備方策の提言とあわせまして、日本版CCRC構想の推進も含めた東京圏の高齢者の地方移住環境の整備についても提言をされたものと承知しております。

 一方、今御紹介ありましたように、八月の二十五日に中間報告をまとめましたけれども、その前に、六月末に、まち・ひと・しごとの基本方針二〇一五に盛り込まれてございますけれども、この日本版CCRC構想は、地方を希望する東京圏の高齢者、あるいは地方の方であっても、健康なうちから地方ですとか町中に移住をして、生きがいを持ちながら健康でアクティブな生活を実現して、医療、介護が必要になれば、その地域において安心して継続的なケアも受けることができるような地域づくりでございます。そして、推進意向のある自治体において進めるものでございます。

 そういう意味におきましては、地方移住を希望する東京圏の高齢者に対しまして、地方で必要な医療・介護サービスを利用するという選択肢を提供する点におきまして、東京圏の高齢化問題の対応策としても意義があるものと考えておりまして、その意味で、日本創成会議の考え方と共通の認識に立ったものと私どもは理解しております。

中島委員 時間もないのでまとめて質問させていただきたいと思いますが、これは厚労省に聞きたいんですけれども、今回のCCRC構想、当然ながら、厚労省としてこの方針に従っていくという方針だというふうに思いますけれども、一方で、これもたびたび質問させていただいております地域医療構想、ビジョンにおいて、一割削減という、どんなツールを使ってもそのように出るということを事実上しているわけです。

 そういった中で、もっと大前提である地域包括ケアシステム、これは、住みなれた地域で最期までということを前提にさまざまな整備をしている。その一方で、政府は、CCRC、私も別に、何度も言うようですが、このこと自体を否定しているわけではないんですが、地域包括ケアシステムの構築と高齢者の地方移住、さらには医療費効率化のための病床削減、効率化という名のもとの一割削減という、この政策の整合性が私は非常に疑念を持つ。そして、これを課された地方はさらに困惑しているという事実があるということを厚労省として認識しているのか。

 この政策の整合性と地方の実態というか、そういったことを厚労省としてどう考えているのか、最後にお尋ねをしたいと思います。

渡辺委員長 既に持ち時間を経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

塩崎国務大臣 厚労省としても、この八月に取りまとめられました生涯活躍のまち構想中間報告は、本年六月の閣議決定に基づいて検討されたもので、厚労省としては、高齢者の暮らし方の一つの選択肢として、関係省庁と連携しながら取り組んでまいりたいと思っています。

 それから、地域包括ケアシステムとの関係でありますけれども、移住先で地域のコミュニティーとの関係を築く中で地域包括ケアシステムの一部を支え手として担うこともあることも踏まえると、地域包括ケアシステムの構築と生涯活躍のまちは両立し得るというふうに考えているところでございます。

中島委員 ありがとうございます。

 厚生労働大臣として、しっかりと政府には言うべきことを言ってグリップをきかせていただきたい、そのように思います。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 維新の党の浦野です。

 先ほど、中島先生が冒頭に党の変遷のことをおっしゃっていましたけれども、我々もそうならないとも限らない昨今ではあります。ああ、そんな党があったなみたいなことを言う可能性もありますけれども、今はまだ維新の党ですので、よろしくお願いをいたします。

 先ほど、中島先生の前に、阿部先生が性暴力救援センターの件を質問されていました。それが今設置されている阪南中央病院が実は私の地元の病院でありまして、産婦人科もあって、小児科もあって、その地域の小児科、産婦人科の拠点になっている病院でもあります。私の子供たちも病気のときとかは阪南中央病院さんでお世話になりましたし、子供たちが入院もしたことがある。本当に、我々の住んでいる地域の医療、非常に大きな仕事をしていただいている病院の一つであります。

 これは、実は、五年前から地道に加藤先生という先生が頑張っていただいていて、こういうセンターを立ち上げていただいて、ずっと努力をされてきて、内閣府で初めて予算をつけていただいて、それを機に各地へと。どういうふうな仕組みでやっているのかというのを阪南中央病院に見に来られて、それを勉強していただいて、それが今全国に広がりつつあって、そうはいうものの、まだ今現在十九ですね。都道府県では十七で、市では二つ。病院を拠点にしている部分と、病院じゃないですけれどもセンターをつくってやっていただいている、その二種類に今は大きく分かれているんです。

 我々、要望書の中で言っていることは、相当やはり財政的な負担が大きい。これは先ほども阿部先生の言葉の中にもありましたけれども、国連では女性二十万人に対して一カ所つくるべきだというふうに言われていますけれども、到底、その数をつくるというのは、今現状全国で十九カ所しかないセンターですから、まずは都道府県に最低一つつくっていくべきだというふうにおっしゃっているわけです。

 今回、最低一カ所ずつつくっていくということに関してどういうふうに考えておられるかということをお聞きしたいと思います。

池永政府参考人 性犯罪被害者に対しては、被害直後から、医療的な支援、心理的な支援など、可能な限り一カ所で提供するいわゆるワンストップ支援センターの設置促進が重要な課題であると私どもも認識しております。

 内閣府におきましては、ただいま御紹介ございましたワンストップ支援センターの開設、機能強化を初めとする地方公共団体における体制整備を図るため、性犯罪被害者等のための総合支援に関する実証的調査研究事業というのを昨年度から実施しております。

 今年度は、この事業の予算額を大幅に増額して、先ほど十九というふうな御紹介がございましたけれども、昨年度は九でございました。それを今年度は十九の地方公共団体を対象に実施しているところであります。

 これらの取り組みを報告書としてまとめまして、調査研究対象以外の地方公共団体にも周知することによって、地方公共団体における性犯罪被害者支援体制の整備を一層促進してまいりたいと思います。

浦野委員 予算の額を聞かせていただくと、一億ぐらいだということなんですね。数は確かに、去年、ことし、ふえています。ふえていますけれども、一億という予算で、では、どこからどこまでできるのかというのは非常に難しい、もちろん、全く十分とはやはり言いがたい金額になってしまうと思います。しかも、これは、初年度に、そういうセンターをつくるときに出してもらえる費用。

 継続で出している部分もあるんですか。ほとんどが多分、初期費用だと思うんですけれども。

池永政府参考人 本事業におきましては、先進的な取り組みということですので、基本的には、継続ということではなくて、初期のモデル的な取り組みに対して出しているものでございます。

浦野委員 ですので、結局これは、初期費用だけ出してもらっても、要は継続することが大事なので、その点については全く財政的な負担は変わらないわけですよね。そこはしっかりとこれからやっていただきたいなというふうに思います。

 次の質問ですけれども、初期費用はこうやって出していただいています。加藤先生によると、やはり公設民営が一番いいんじゃないかというふうに、この五年間の経験の中でおっしゃっているんですね。

 やはり、今言うたみたいに、初期費用だけじゃなくて、運営に対する財政支援をしっかりとやっていただかないといけないと思うんですけれども、その点はどうお考えですか。

池永政府参考人 非常に重要な御指摘だというふうに考えております。

 私ども、まずは、先進的な取り組みに対して、それを展開していって、それでよい事例が広まるようにということを考えております。

 運営面の財政的なもの、大変難しい問題でございまして、そこは非常に、今後の財政等の問題もございますので、大変貴重な御指摘ということで受けとめさせていただきます。

浦野委員 継続的な支援というか、それももちろん大事ですけれども、さらに、やはり診療報酬の体系も見直してもらいたいという話もあります。

 これは、二十四時間開所しているということが大前提で、それは非常にこだわって二十四時間というふうにやっているんですけれども、通常の時間外に相談に来られる方が約六割というふうにおっしゃっていました。

 しかも、いろいろ資料を見させていただくと、実は身内、親族による性的被害というのが、僕もびっくりするぐらいの数だったんですけれども、非常に多い。ということは、やはり誰にも相談できないし、知られたくないというのが本人のほとんどの希望だと思うんですね。だからこそ、やはり時間外の、人の少ない時間帯に相談に来られるという方が非常に多いんじゃないかというふうに、これは私が勝手に思っているわけですけれども。

 そうなると、なかなか、先ほどから言っていますように、維持費というか運営費というのが非常に厳しい。だからこそ、診療報酬などで、性暴力被害のそういうセンターに対してそういった点数をふやしていくような、機能評価係数を掛けるというようなことができないのか、お答えください。

唐澤政府参考人 先生から御指摘いただきましたように、性暴力被害、先ほどのお話ですと、例えば児童虐待問題などとも非常に関連をしている大きな課題であると考えております。

 私どもの考えておりますのは、診療報酬につきましては、これは診療の対価ということになっておりまして、医療サービスの内容を評価して点数を決めていくということになっておりますので、さまざまな病気や傷病の状態の原因の方を評価するというのは、今の体系ではなかなか難しい面もございます。

 ただ、先生御指摘のように、産婦人科でありますとかあるいは精神科、こういう医療機関の果たす役割というのは大変大きいものがございますので、私どもといたしましては、現在の診療報酬の中で、精神科の医師が患者と面接して治療を行う精神療法でございますけれども、こういうものを近年高く評価をしてきております。こういうものを活用していただきたい。

 それから、御指摘のように、昼間の時間帯はお知り合いの方がいてなかなか来れないということがあると思います。そういう点で、これは二十四年改定でございますけれども、二十四時間体制の受け入れに対しまして、初診料や再診、そして時間外、休日、さらに深夜の加算というようなものをかなり充実させていただいたところでございます。

 こうしたものを御活用いただくということをお願いしたいと考えておりますけれども、さらに、先生御指摘のような診療報酬上の適切な評価のあり方につきましては、中医協におきまして検討させていただきたいと考えております。

浦野委員 ちょっと質問の順番を変えて、きょうは警察庁の方からもお見えいただいています。先ほど、これも阿部先生の質問の中にもありました、被害者が医療費の自己負担をしなくても済むような措置ということです。

 これは実際、先ほどもありましたように、そういう制度があります。ただ、結局、やはり誰にも知られたくないということで、実はこれは警察庁が予算をつけていただいていてそれをやってもらっているわけですけれども、知られたくないから、やはり警察には言いにくい、だから、やはりちょっと、なかなかひっかかるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、この点について、警察庁の見解をよろしくお願いします。

村田政府参考人 お答えをいたします。

 現在、強姦や強制わいせつといった性犯罪の被害に遭われた方に対しましては、緊急の避妊に関する経費でありますとか、初診料、診断書料、検査に関する経費等につきまして、被害者の緊急的な支援を図りつつ、特に被害が潜在化しやすい性犯罪の潜在化を防ぐため、現在、全都道府県におきまして公費負担の対象とされているところでございます。

 警察庁といたしましては、実情の把握に努めつつ、この施策が円滑に実施されるよう、引き続き都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

浦野委員 センターが各都道府県にほぼ、あるところは一カ所しかありませんから、所管する警察署のそこだけでやたらそういう予算がどんどんやはり膨らんでいってしまうというのもあって、それもちょっと、こういう制度がちゃんとあるにもかかわらず、実際に運用されている方々からこういう公費負担をお願いできないかという話が出るということは、やはり余り利用されていないんだろうなというふうに思います。

 特に、やはり未成年が多いんですよね、被害に遭われる方が。だから、その子たちにとっては、少しの負担でも、誰にも知られたくない中で自分でそのお金を捻出できるかといったらできませんから、やはりそれはきっちりと負担をしてあげて、警察としては、犯罪を防ぐ、犯罪者を捕まえるという仕事ももちろんありながら、こういう制度をつくっていただいているとは思うんですけれども、まずは、被害に遭われた方がしっかりと次の第一歩を踏み出せるような、そういった仕組みをつくっていただけたらと思います。

 実は、こういう問題が本当に非常に大きな問題になっています、こういう性犯罪の件に関するものは。例えば、今、SNSだとか、そういうネットの世界でこういう被害に遭いやすくなっているというのも現状あります。

 この間も、残念ながら、大阪で起きた中学生の男の子と女の子が殺されてしまうというああいった事件も、事件の全容はまだ解明はされていませんけれども、もしかしたら、そういう面で男の子、女の子を容疑者が連れ去ったんじゃないかというふうにも言われています。もしかしたら、そういう可能性もあります。

 私は、こういった性暴力被害に対する支援について根拠法がないということ、これもつくっていかないといけないなというふうに思っているんですけれども、このことについても答弁をよろしくお願いいたします。

池永政府参考人 犯罪被害者等のための施策に関する基本理念や基本的施策を定めた法律として、犯罪被害者等基本法というのがございます。ただ、議員お尋ねの性暴力被害者に対する支援についての個別の施策の根拠法となるような法律は、現時点では、ないというふうに承知しているところでございます。

 ただ、そういった根拠法は現在ないのでございますが、性犯罪、性暴力被害者の支援、大変重要なことでございますので、これは、第三次男女共同参画基本計画であるとか、第二次犯罪被害者等基本計画、また、ことし六月に女性活躍加速のための重点方針二〇一五というものを決定したものでございますけれども、これらに基づいて各般の施策が進められております。

 まずは、関係省庁と連携して、計画や重点方針などに基づく施策を着実に実行してまいりたいというふうに考えております。

浦野委員 これは、来ていただいていろいろと議論をする中で、僕は国が責任を持って法律をつくってしっかりとやるべきじゃないかなと思ったんです。閣法で出すか、はたまた我々が、そうじゃない、これはやはり政治の責任で、前を向いてそれをしっかりとつくるんやというので、議員立法でもいいんじゃないかというふうなことが議論の中で話が出たわけです。

 どちらであれ、僕は、根拠法をつくるというのは絶対にするべきだと思います。もし議員立法でつくるのであれば、皆さんに御協力をいただかないといけませんし、その点について政務の方から御答弁があればと思います。

山本副大臣 ちょっと突然のお尋ねで、議員立法で何らかの対応をした方がいいのではないかというお尋ねでございますけれども、そういう動きがあるということは従前より伺っておりまして、私も実はその一員としてかかわらせていただいております。

 また、SACHICOの活動につきましても、やはりこれが継続的に、恒久的になされるような体制というのはつくらなきゃいけない。内閣府も今モデル事業でやっておりますので、二年終わって三年、その後どうするんだというところがありますので、ぜひとも御党におかれましても、しっかりこの点につきまして御協力賜れればと思っております。

 これは、政府の立場というか、個人の立場で答えさせていただきましたが、よろしくお願いいたします。

浦野委員 ぜひ、党がそのときどうなっているかわからないですけれども、僕がいてる立場のところではしっかりと対応したいと思いますので、よろしくお願いします。

 これは、実はまだ全国に十九カ所しかありませんので、この委員会に出席されている先生方の地元でも、ない地域があります。多分、塩崎大臣のところにもないんですね。だから、別に答弁は要らないですけれども、少なくとも、まずはやはり厚生労働委員会に所属している先生方の地元にしっかり一つ目をつくっていっていただいて、対応していただけたらなというふうに、これは勝手に思っております。

 性犯罪というのは、本当に、日本においてももちろんですけれども、世界において非常に大きな問題ですので、これにしっかりと政治が取り組んでいくんだという姿勢をぜひよろしくお願いいたします。

 性暴力救援センターの質問はここまでです。あと二つほど質問をさせていただきます。

 一つは、幼保一元化のことについてなんですけれども、当初、幼保一元化というのは、戦後間もなくから実は議論が始まっております。幼稚園という制度、保育園の制度、この制度二つに分かれてやってきたことに対して、やはり一元化すべきだという議論はもう本当に昔から言われ続けてきて、やっとそれを具体的に進めようということで、認定こども園という制度の議論をたしか始めたはずだったんですね。

 ところが、今、認定こども園の制度ができて、幼稚園の制度が残ったままで、保育園の制度が残ったままで、実は制度自体が、一元化どころか三つにふえてしまったという非常におかしな議論になってしまいました。

 別に、今の保育園の制度、幼稚園の制度、認定こども園の制度を否定するつもりはありません。子供たちにとってどういった制度がベストかというのは考え方の違いもあるでしょうし、私は、その運営をしている方々が、その制度の枠において、子供たちのために一生懸命やっていただくというのは大切なことなので、それは構わないんです。

 ただ、もともと幼保一元化という議論が始まって、今現状こういうふうになっています。現状こうなっているのを、国として、では、幼保一元化という議論をもうやめて、この三つの制度のままやっていくのか、それとも、やはり原点に返って、幼保一元化ということは、これからも時間がかかるかもしれないけれども進めていくんだという立場なのか、その点をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 ことしの四月から実施をしております子ども・子育て支援新制度では、幼児教育、保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することとしているところでございます。

 この子ども・子育て支援新制度では、国会審議の過程で政府案が一部修正されたものの、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付でございます施設型給付を創設したこと、また、幼保連携型認定こども園につきまして、単一の施設として認可、指導監督などを一本化したこと、また、内閣府に子ども・子育て支援法と改正後の認定こども園法を所掌する体制を整備したことなど、二重行政の解消などによりまして、政府が幼保一体化により目指しておりました給付の一体化、施設の一体化、窓口の一元化が実現されているものと考えております。

 この新たな制度のもとで、子育て世帯のニーズにしっかりと応えられるように、関係府省と連携しながら引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

浦野委員 保育園、幼稚園、認定こども園を利用している人たち、それを経営している人たちと、皆さん方との認識というのは非常に大きいな、隔たりがあるなというのを今答弁で感じました。皆さん方は、何か一元化というかスリム化したと今おっしゃいましたけれども、ほとんど全員がややこしくなったとしか思っていませんので、ぜひその点はもう一度考えていただけたらと思っています。

 次に、選挙年齢が引き下がりました。十八歳までになりました。その中で、いろいろと若い人たちが自分たちの意見をもっと聞いてもらいたい、そういったことで、そういう協議体というのをつくる運動をしています。

 実は、これはスウェーデンなんかが、そういった若者協議会、政府公認のそういう団体をつくって、その中から出てきた意見を必ず政策に反映させる、そのための担当大臣もしっかりと、担当大臣というか、ちゃんとした省庁としてそういう大臣がいる、その大臣の年齢は三十代だったと思いますけれども、非常に若い大臣で、必ず若い人たちの意見を聞かないといけないというふうにスウェーデンはつくってあるんですね。

 そういうのを参考にもされているとは思うんですけれども、その方々と、十八歳に選挙年齢が引き下がる関係で、いろいろと我々も、維新の党の青年局、局長ですので、これからちょっとわからないですけれども、ちょっとややこしい時期に質問してしもうたなとは思ったんですけれども、そういった人たちの意見をしっかりと取り入れていくというのは政治にとっても非常に重要なことだと思うんですね。

 今現在、厚生労働省、私は厚生労働委員会なので厚生労働省に聞きますけれども、いろいろな審議会、そういう政策を考えるに当たって、たくさんのそういう諮問をされる会議があります。その中で、今、女性は、実はいろいろやはり、男女共同参画だ何だということで、一定の割合を必ず入れないといけないというふうに審議会は決まっています。

 それと同じように、若い人たちも一定の割合、例えば、その団体の皆さんは今三十五歳というふうにしていますけれども、日本の人口比率の中で三十五歳以下の方が何%を占めるか、そのパーセンテージによって審議会のメンバーもそういう若い人たちに入ってもらうべきではないか、そうじゃないとやはり意見が反映されないんじゃないかというふうに思うんですけれども、こういった取り組みというのは、各省庁、例えば厚生労働省なら厚生労働省で決めることもできるとは思うんですけれども、そういった取り組みをする気はありませんか。

橋本大臣政務官 一般論として申し上げれば、若い方に積極的にそういう政策形成の場に参加をしていただいていろいろ御意見をいただく、取り込んでいくということは、しがらみのないアイデアだとか新しい考えだとか、そういうものを入れていくということで、大変大事なことだと思っております。

 例えば、厚生労働省において「保健医療二〇三五」を策定させていただきました、その懇談会は、二十年後においても現役世代である方で議論しようということで、平均年齢四十二・七歳の気鋭、若手の有識者で構成をされておられましたし、また、地方創生の考えを厚生労働省として整理をした、厚生労働省まち・ひと・しごと創生サポートプランの作成検討チームというのがございまして、私がリーダーをさせていただきましたけれども、平均年齢三十四・七歳ということで、これは職員の中の話ですが、若い人材の意見も取り込んでいきたいということは、それぞれの場面場面でやっているところでございます。

 ただ、御指摘の、審議会委員の選定ということについて申しますと、今現在、若者の登用基準というものはございません。厚生労働省関係の審議会の委員数は延べ約千八百人おられまして、うち、例えば二十歳から三十九歳以下の委員の数というのは延べ二十四人、一・三%という現状でございます。どうしても、専門家としての識見を持たれたベテランの方だとか、団体の代表の方とか、そういう方が多いものですから、そういうことになってしまっているのが現状であります。

 例えば、社会保障制度を考えるという上では、やはり次世代とか若い世代に当事者意識を持ってもらうということは大事ですから、ユーチューブやツイッターみたいな情報発信をしているとか、労働政策においても、やはり若い方の雇用を考えていくようなことでヒアリングをするだとか、そうした形で意見を伺うようなことはやろうと思っております。

 政策の種類だとか内容によって、例えば私も委員も四十ちょいなわけですけれども、政党では青年局という、青年ということになりますが、一般的には中年と呼ばれてもいいような世代だったりするとか、若い方の意見を求めるというのも、どの政策においてどういう若い方の意見を求めるかということも多分いろいろあり得るんだと思います。

 委員の御指摘も踏まえながら、これからもそうした場面場面において若い方の意見を取り込んでいく、このことにしっかり取り組んでまいりたい、このように考えております。

浦野委員 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、ぜひ、先ほどおっしゃったみたいに、若い人たちが入ることにそぐわないような審議会ももちろんあると思いますので、そういったものはきっちりと考えていただいて、できる限り、やはり次世代の方々の意見をどういうふうにして政治、政策に反映させることができるかということをしっかりと考えていただけたらと思います。

 以上で終わります。

渡辺委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。足立康史君。

足立委員 維新の党の足立康史でございます。

 きょうも何から話をしようかなと思っておりましたが、本当に珍しい、民主党さんが全くいらっしゃらないという珍しい形で、後ろにいらっしゃることはありましたが、席に、部屋の中にいらっしゃらないという初めてのパターンで、ちょっと動揺しております。

 きょう、中島さんがみんなの党の話をされたり、浦野先生もちょっと触れられましたので、私も一言、党の状況についてでありますが、きょうこちらに参るのが大変ぎりぎりになりまして申しわけありませんでした。本当にばたばたしておりまして、浦野先生が、我が党もどうなるかわからぬ、こういう話がありましたが、これはもうはっきりしております。一回か二回かの選挙を経てしっかりと我々は野党第一党になっていきたいということで頑張ってまいりますので、大臣、またよろしくお願いします。

 ちょっと真面目な話、通告申し上げていることは通告の話として御質問しますが、私は前から実質国会ということを申し上げていて、本来、政府と委員で質疑をするのがもちろん基本でありますが、委員同士の討論、トップは党首討論ということでやっていますが、委員同士もぜひ討論していくような国会が将来あったらいいということを、日本維新の会のときだったかな、そういう国会改革案というのを我々は提出をさせていただいたことがあります。

 そうした意味で、私が事前に通告していることはともかくとして、きょう午前中にやった内容をまたおさらいしておきたいと思います。

 大臣、労働法制でありますが、大西さんが派遣法の状況についてがたがたと、余り細かいことを聞きませんからゆったりと聞いていただいたらいいんですが、民主党政権のときの労働契約申し込みみなし制度ですか、これが十月一日から施行されるからどうこうということをおっしゃっていましたが、これは明らかに、政策的に、大臣の思いとして、この制度はもう当然施行させないということで政府として今回派遣法改正案が出ていると私は思っていますので、このみなし制度は政府として施行させないということで……(発言する者あり)じゃないのか、間違っている。ちょっと、ぜひお教えください。

 その辺、通告していませんが、私は、改正案を提出されていて、その施行日を九月いっぱいで何とか実現したいと与党を含めて動いていらっしゃる背景には当然この制度の施行日がある、こう理解していますが、どうでしょうか。

塩崎国務大臣 今話題になっているのは、施行日前に既に締結をされた派遣契約の場合に労働契約申し込みみなし制度を適用するかどうかということだけが問題になっているので、それについては従前の例に倣ってということで、旧法をそのまま適用します。ですから、救済というか保護をする手だては、このみなし制度ではなくて、義務がかかる四十条の四というので保護しますということを言っている。

 実は、九月三十日という今与党が御提案になっていらっしゃる施行日、いつでもいいんですけれども、施行日の以降に新たに契約された派遣の場合には、当然、十月一日以降はこのみなし制度は適用され得るということでありますので、何ら、みなし制度をやめるというようなことは一切言っているわけではなくて、暫定期間のときだけ当てはまらないということがけしからぬということをおっしゃる方がおられますけれども、それは、超法規的にでもやらない限りは、今の法律の中では無理ですよということを申し上げているわけであります。

足立委員 ちょっと勉強不足で。

 すると、これは改正法が施行された後も、十月一日以降の派遣契約については当該みなし制度は適用されるということでしたっけ。ちょっと頭がついていっていません。そういうことですね。制度自体についてはそうだが、まさに移行期というかトランジションの問題として混乱がないようにしていると。

 その移行期の従前の契約、これの取り扱いについて、どすんと影響が出ないように、この施行日については九月いっぱいで何とか処理をしたいということであるということですね。私が言うとおかしいかな。

塩崎国務大臣 大前提は、このみなし制度そのものは、二十四年改正のときに三年間置いて、施行になるのは今度来る十月一日からということで、これは何も変わらないわけで、法的に十月一日から施行されるということになります。

 したがって、それ以降の派遣契約については適用されるということで、何ら変わらないわけでありますが、たまたま今既にもう契約をされていて、施行日の前にされているという場合に、この十月一日以降適用になるのかどうかということが問題になっているという理解だと思います。

足立委員 理解というか、政府はそういうことでやっているということですね。わかりました。ありがとうございます。

 副大臣、何か補足があれば。いいですか。はい、わかりました。

 それから、大臣、これもちょっと通告していませんが、労働基準法はいつ処理される予定でしょうか。それは与党の問題かもしれませんが、もし御意向があれば。

塩崎国務大臣 これは、私ども既に法律を国会に提出しているわけで、あとは国会がお諮りをいただいて、どのような扱いにするかということはお決めをいただけるというふうに思っておりますが、私どもは、趣旨説明をするときには、スタートすればそれは速やかに御審議を願いたいということを申し上げるわけであります。

足立委員 一方で、国会の日程のこともありますので、もう一言言うと、まず通常国会で審議入りするかどうかという問題と、臨時国会あるいは通常国会という議論がありますが、それは何も言えませんね。何かあれば。

塩崎国務大臣 閣議決定して出した法律でございますので、速やかに御審議をいただきたいというのが我々の基本的な考え方でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

足立委員 この労働基準法については私は大変重要な法案だと思っていまして、いわゆる成長戦略というか経済を回していく上でも、労働規制がしっかりと時代にマッチしたものになっていくということは重要だと思っていまして、野党でありますが、ぜひこれはしかるべき形で審議されることを期待申し上げたいと思います。

 きょうは、ちょっと少子化対策について、九月に入りました、だから、税制であれ予算であれ、形が、役所のいわゆる概算要求が表へ出てきていますので、若干その点について質問をさせていただきたいと思います。

 まず、少子化対策に絡んで、いわゆる所得控除制度を、要すれば、ベビーシッター関連等について所得控除の制度を検討しているという報道があります。これは事実だと思いますが、もう簡潔で結構です、その要望の概要を御紹介ください。

安藤政府参考人 ベビーシッター等に要する費用に係る税制改正要望でございますが、労働者の働き方や子育てを取り巻く環境が多様化する一方で、地域によって利用できる子育てに係るサービスに差異があるという中で、保育等の公的サービスによる対応に加えまして、柔軟な子供の預かりサービス利用を必要とする子育て家庭が存在するという状況がございます。

 このため、八月三十一日に公表いたしました厚生労働省の平成二十八年度税制改正要望におきましては、仕事と家庭を両立し、女性の活躍を推進するといったような観点から、ベビーシッターなどの子育て支援に要する費用の一部について税制上の所要の措置を要望しております。

 具体的には、ベビーシッターや認可外保育施設については、一般には運営費に対する財政支援が講じられておりませんので、これらの利用料については、給与所得の特定支出控除の対象といたしまして負担軽減を図るというものを要望しているところでございます。

足立委員 今局長から御紹介をいただきましたが、皆さん、特定支出控除というのは、知る人ぞ知る、まあ、よく御存じだと思いますが、私は最初、報道で所得控除の制度を要望されるということを読みまして、大変すばらしいと思いましたが、実は、事前にその内容を聞きますと、これは特定支出控除だ、こういう話を聞きまして、非常に落胆をしたわけであります。

 これは、ちょっと税制の全体のことを改めて通告していませんが、局長、特定支出控除というのはそもそも年間どれぐらいの方が使っている制度かというのは、ちょっとしんどいですかね。ごめんなさい、通告していないのであれですけれども、これは間違っていたら違うぞと言ってくださいね。

 ただ、私が承知しているのは、私も実は現役時代に、現役って今も現役ですけれども、経産省におるときに、教育訓練、要は、サラリーマンが資格を取ったり、今はそういう制度がもうできていますが、そういうものの費用を特定支出控除で控除できるという制度を実は要望したことがあるんです、自分が担当者となって。したがって、特定支出控除について多少経験があるわけですが、これはもともと、サラリーマンですから給与所得控除がありますね。みんな給与所得控除があるわけです。だから、改めて確定申告でそういう特定支出控除について書類をそろえて、要は、仕事のために必要な経費だということで雇い主から認定をしてもらわな基本的にはあかん。これは今回の要望も多分そうですね。だから、結構使いにくいんです。

 要すれば例外的な、給与所得控除でどすんと一括でサラリーマンは控除されているわけです、丼勘定で。丼勘定で控除されているけれども、特に教育訓練とか、あるいは、今の要望であればベビーシッターとかで支出がどんと出る方については、それが仕事に関連する限りにおいて、追加でちょっと面倒を見ましょうという制度なわけです。

 では、何人の人がこの特定支出控除を使っているのか。

 平成二十二年度分、三人です、日本じゅうで。日本じゅうで三人ですよ。間違っていたら言ってくださいね、事務方。二十四年が六人です。二十五年になって、私が先ほど御紹介をした資格取得、要は、弁護士になるために何かやっているとか会計士になるために何か勉強した、そのためにどおんと学校の費用が出た、そういうものを控除できるようになったんです。それで千六百人。すばらしいですね。二十六年、直近が二千人。これが特定支出控除の制度なんです。

 私は、これはもう言いわけにしかならないと。大変手間がかかりますし、なかなかそれは使いません、みんな。よっぽどの費用が、ではベビーシッター代と無認可保育園で一体幾ら支出するんだというところもあるので、私は局長にちょっと伺いたいのは、これは、要望されるわけですから、この制度がどれぐらい使われるであろうかという見込みがあると思いますが、試算とか見込みとかはありますか。

安藤政府参考人 要望に当たりまして試算、見込みを立てたわけではございませんけれども、制度の趣旨からいたしまして、特定支出控除につきましては、給与所得者が勤務に関連した支出について所得金額から差し引くことができるという制度でありまして、今回のベビーシッター等の経費につきましても、働くに当たりまして必要な経費として控除の対象とするということが適当であろうと考えられましたことから、既存の制度に組み入れるような形での要望として仕組ませていただいているところでございます。

足立委員 要すれば、特定支出控除というのは、項目が並んでいるわけですね、こういう費用はいいよということ。そこにベビーシッターとか無認可保育園の費用、保育料が含まれていないのはおかしいよなというのはわかるんです。だって、それは費用として、働いている方について、資格取得費はいいけれどもベビーシッターはだめよ、通勤費はいいけれどもこれはだめよということについての合理性が弱いのでその制度を修正するということであれば、私は個人的にはわかります。

 一方で、認可保育園にはたくさんのお金が入っていて、かつ、認可保育園あるいは幼稚園についてはこれから無償化の議論もどんどん、これはもう浦野理事の世界でありますが、議論されていると思います。どんどんどんどん認可の部分、幼稚園あるいは認可の保育園についての拡充の議論がばあっと拡大している中で、無認可はどうなんだ、いわゆるベビーシッターはどうなんだという議論に対して、もしそれでバランスをとるという、要は、制度が穴があいているからとりあえず埋めておくよという意味ならわかりますが、この制度で制度間のバランスをとりましょうということであれば余りに無理があると私は思いますが、いかがですか。

安藤政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたとおり、今回の要望につきましては、労働者の働き方や子育てを取り巻く環境が多様化する中で、なかなか保育の公的サービスだけでは対応できない方々がいらっしゃるというその部分につきまして、必要経費として税制で措置をしていこう、そういう発想から御要望申し上げているものでございます。

足立委員 私は、別に厚労省のこういう取り組みについて何か文句があるというわけではないんですが、要すれば、きょうはもう一つほかにもちょっと内閣府の制度について取り上げますが、何か新聞とかを読むと、ああ、そういうのに支援が入るんだなとみんな思います、私も思ったんだから。しかし、それをよくよく聞いてみるとこういうことであると、それはやはり期待値管理という点でも問題があるし、それから制度間のバランスという意味でも説明が十分じゃないのではないかな、私はこう思って、きょうはこれを取り上げさせていただきます。

 ちなみに、所得控除で有名なのは医療費ですね。医療費はどおんと所得控除が、きょうはその質問通告をしていませんのでもうやめておきますが、私は、これは財源の問題ももちろんありますが、もし少子化対策に本気で取り組むのであれば、やはり医療費控除のような所得控除制度を、要は所得税から当該出費を控除するという、所得税の本丸のところに、給与所得者のところではなくて、本丸の所得控除のところにどういう費目を突っ込んでいくのかという議論をぜひ厚労省にはしていただきたい、こう思うわけであります。

 あと、きょうは内閣府に来ていただいていますが、少子化対策について、育児だけじゃなくて結婚なんかも含めた有識者会議の提言が出た、こういうことであります。ちょっと概要を御紹介ください。

小野田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の有識者会議、少子化社会対策大綱の具体化に向けた結婚・子育て支援の重点的取組に関する検討会でございますが、去る三月に閣議決定いたしました少子化社会対策大綱において重点課題に位置づけました結婚・子育て支援の取り組みを速やかに具体化することを目的といたしまして、有村大臣のもとで有識者に御議論いただいたものでございます。

 先般、検討会におきまして取りまとめをいただきました提言におきましては、結婚支援についてその具体化を大胆に進めるべきこと、子育て支援やワーク・ライフ・バランスの推進についてより積極的に取り組みを進めるべきことなどを念頭に、具体的な取り組みの提言をいただいております。

 具体的には、結婚支援につきましては、例えば、いわゆるおせっかいさん等結婚の仲介役を集めた場を通じたノウハウや経験の共有と人材育成の支援、結婚に向けたマッチングのための効果的な情報システムを構築する自治体への支援と優良事例の共有などの取り組みについて提言がなされているところでございます。

足立委員 まさにこれも、恐縮です、九月の最初の一般質疑ですから御容赦をいただきたいと思いますが、新聞にも取り上げられていました。おせっかいさんという表現はともかくとして、そういう、昔からあるいわゆる仲人ですよね、仲人みたいなものがもっともっと役割を果たしていっていただきたいということだと思うし、最近であれば結婚相談サービスみたいなものもあると思います。

 先ほど浦野理事も地元の医療機関の話をされましたが、実は、地元の大阪の茨木市に私は事務所を構えているんですが、その事務所の下と上が結婚相談サービスなんです。そういう相談の方が建物にたくさん出入りをされていまして、社長さんとも近しくおつき合いさせていただいていますが、大変すばらしい取り組みだと思っています。

 まさに彼らは彼らで、彼らというか、彼、彼女らですが、昔でいうと仲人に相当するような機能を、サービス業としてそれを提供していこうということで、いろいろネットワークしたり市役所と連携したり、もうさまざまな本当に価値のある仕事をされていると思っているわけです。

 実は、何でこれを取り上げるかというと、たしか有村大臣のところで予算要求をされています。ちなみに、今御紹介いただいた研修の場みたいな、これは予算額は幾らですか。要望ベースで。

小野田政府参考人 内閣府におきましては、先ほどの検討会の提言を踏まえましてさまざまな予算要求をさせていただいておりますが、委員御指摘のおせっかいさんにつきましては、全国のおせっかいさん等結婚の仲介役を集めた研究、相互交流の場によるネットワークの構築経費、ノウハウの共有を図るために、結婚支援者等による連携会議の開催経費として約一千二百万円を要求させていただいているところでございます。

足立委員 いいですか、皆さん。一千二百億円じゃないですよ、一千二百万円です。私が秘書に払っている残業代、一応払うようにしたんですけれども、払っておりますが、ちょっと話題が悪いですね、それに毛が生えたぐらいの国家予算でありまして、私はこれをやるなとは言わないけれども、きょうは厚労委員会でありますが、内閣府のこの少子化社会対策大綱の具体化に向けた結婚・子育て支援の重点的取組に関する検討会の提言の一丁目一番地の二番目が一千万ちょっとでありまして、実はその前に、市町村がそういう結婚サービス業と連携したりするときのいろいろな予算がありましたね、三十億ですか。その予算も来年度は二十五億になるということであります。

 では、有村大臣のところの予算は総額で、ごめんなさい、この今申し上げているテーマの周りね。今回、保育の予算が動くのかな。動くんですね。保育の話は、僕らがカウントするときは、例えば厚生労働省の予算全体はふえていますね、それは内閣府に動かしたものを入れるとふえていますねという議論をしていますので、それをちょっとどけておくと、有村大臣のところの予算、それをどけると幾らですか。

中島政府参考人 委員御指摘のように、この四月から、子ども・子育て支援新制度の財源については内閣府に一元化でございます。基本的に、この子ども・子育て支援新制度に係ります保育所等の経費、それからいわゆる十三事業と言われている放課後児童クラブ等の事業等々を含めまして、七千二百五十億円でございます。

 ただ、これは、さらに少子化対策については、今後の量の拡充、質的向上部分については別途事項要求とさせていただいているところでございますので、基本的には七千二百五十億プラス事項要求という規模でございます。

足立委員 私、先ほど結婚に関する話をちょっと取り上げましたが、今御紹介があったいわゆる幼保一元化あるいは放課後児童クラブ、それをどけると幾らになりますか。

中島政府参考人 今委員御指摘のものをどけますと、いわゆる少子化対策の総合的推進等ということでは三億円ということでございます。

小野田政府参考人 恐縮でございます。

 三億プラス、先ほど委員御指摘いただきました地域少子化対策強化交付金がございまして、これは実は従来は補正対応させていただいておりまして、本予算という意味ではまだ計上されておりません。ぜひとも我々は恒久化をなし遂げたいと思っておりますので、その分がプラスされておりますので、本年度に比べるとかなりの増というふうに我々認識しております。

足立委員 正確に今理解をすることができました。今御紹介いただいたように、通常予算では三億、私が御紹介申し上げた三十億とか二十五億というのは補正だ、こういうことですね。

 だから、委員の皆さんにも政府の皆さんにも私は御指摘を申し上げたいのは、少子化対策、少子化対策と言っているけれども、三億ですよ。そして、一丁目一番地の二番手のこの項目が、これは新聞にも出て、こういうことをやりますと出ているんだけれども、それは一千二百万だと。私は、やはりこれが今の自公政権の現実だと思います。

 ぜひ、我々が、当初申し上げたように、政党の枠組みもいろいろ動きますが、何としても野党第一党をとって、自公政権に対して、予算の配分というものを現役世代の支援にシフトさせていくような政治を本当にやっていきたいと思っているんです。その象徴が、きょう御紹介申し上げた、ベビーシッター等に係る特定支出控除は、申し上げたように数人しか使っていない制度、今はふえても二千人しか使っていない制度。そして、予算についても一千数百万とか三億とか、そういうことを言っている場合ではないということをお訴え申し上げて、私からの質問を終わります。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 確定拠出年金法が先週採決され、参議院に送られるのがあすの本会議で確定をすることになりますけれども、今後の年金制度の見直しに関係すると思いますので、その質問で残した部分から始めたい、このように思っております。

 大臣にまず伺いたいと思うんですが、確定拠出年金法案は、老後に向けた個人の自助努力を行う環境を整備することを目的としている、このように答えているわけですよね。

 法案の土台となった企業年金部会における議論の整理によると、「おわりに」のところで、「我が国においても、老後所得保障の柱は公的年金ではあるが、私的年金の役割が必然的に高まる中で、公的年金の中長期的な給付調整が不可避であることを踏まえれば、むしろ積極的にそのあり方について普及・拡大を図る観点からの議論を深めていく必要がある。」とまとめているわけです。

 つまり、私的年金はふやしましょう、そして、公的年金は、柱のはずであるけれども、今後デフレ下でもマクロ経済スライドで削減をしていくことや、支給開始年齢の先延ばしなど、給付は今後も減っていくことが前提で、国民には自助努力で補完せよ、そういう趣旨なのかなと思っておりますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 今回御採決を賜った確定拠出年金法案は、企業年金の普及拡大を図るとともに、老後に向けた個人の継続的な自助努力を支援するということを目的にしたものでございまして、法案化に当たって議論が行われた社会保障審議会企業年金部会では、ライフコースや働き方の多様化などに対応いたしました個人の自助努力の仕組みが必要であって、公的年金の中長期的な給付調整が行われる中で、公的年金を老後生活の柱としつつ、これを補完する企業年金制度等の重要性が高まる、公的年金と私的年金を組み合わせて老後の所得確保を図るという先進国共通の傾向などの視点を踏まえて議論が行われたというふうに承知をしているわけであります。

 このように、今回の法案は、企業年金制度等を取り巻くいろいろな状況変化がございますが、それらを勘案して立案したものでございまして、御指摘のような公的年金の個別の政策を念頭に置いたものではないというふうに思います。

高橋(千)委員 中長期的な給付調整ということをおっしゃっているわけですよね。だから、企業年金は、そもそも公的年金を補完するものである。ですから、よりよい老後といいましょうか、所得保障をもう少し豊かにしたいとか、さまざまなことはあり得るんだと思うんですよ。だけれども、柱は公的年金だと言っているときに、給付調整が不可避であるということを前提に置いているのは問題だと言っているわけです。

 これは、大臣が、予算委員会の私に対する答弁の中でも、公的年金だけで賄えるとは思っていない、それは前提としていないという答弁をされました。その上で、足りない、しかも、これからだんだん調整していくんだからということがまず念頭にあって、やはり補完をしなくちゃいけないなという議論が始まっているんじゃないかということを指摘させていただいたんです。

 私が反対討論でも述べたとおり、国民年金法は第一条に憲法二十五条第二項の理念を明記しているわけですね、国の責任を明記している。そういう立場からいっても、公的年金を諦めるというんですか、そういうことはやはりあってはならないということを言いたいと思います。

 それで、きょう議論したいのは、これ以上公的年金を縮減することが何をもたらすだろうかということ、もう一つは、結果として、成長戦略である私的年金、保険の活性化や資産投入による株価対策、こうしたことにほかならないのではないかということです。

 まず参考人に聞いていきますけれども、現在、公的年金あるいは恩給が収入の全てという高齢者世帯はどのくらいでしょうか。

姉崎政府参考人 お答えをいたします。

 私どもの方で国民生活基礎調査という調査を実施しておりますけれども、この調査の中で各種世帯の所得の状況について調査をしております。

 お尋ねの、公的年金、恩給が収入の全てという高齢者世帯の割合につきましては、平成二十六年で五四・二%というふうになっておりまして、直近三年間を見てもおおむねこれと同様の水準になっているということでございます。

高橋(千)委員 今、二十六年度の数字をいただいて五四・二%、若干割合が下がっているかなというふうに思いますけれども、収入の八割以上、ですから、ほとんど年金に頼っているという方が大体七割くらい、そしてほとんど年金だけだという人が六割近いというのがこれまでも議論してきた中身ではないかなと思っているんですね。ですから、そもそも、確定拠出年金をやったときは、自助努力でふやしましょうという話なんですけれども、その自助努力の余力のない人たちがいるということではないかと思うんです。

 国民年金の受給者は三千百九十六万人、平均月額は約五万円にすぎません。厚生年金保険、老齢年金の受給平均月額も平成二十五年度が十四万八千四百九円で、五年間で見ると八千円減額している、こういう状況だと思うんです。そうすると、当然、そのもととなる標準報酬月額、つまり現役世代のお給料が少し下がってきていると思いますが、いかがですか。

香取政府参考人 お答え申し上げます。

 年金額のベースになりますのは、御案内のように、標準報酬月額ということになります。いわゆる毎勤統計の数字とは若干違いますが、年金のベースになる数字ということで申し上げますと標準報酬月額になります。

 標準報酬月額は、平成二十年度の後、リーマン・ショック等で一旦落ち込みましたが、その後微増の傾向にございまして、一番底が平成二十一年度末で三十万四千百七十三円、その後少しずつ回復しまして、二十五年度末で三十万六千二百八十二円となって、二十六年度末は、速報値でございますが、三十万八千三百八十二円、そういう傾向になってございます。

高橋(千)委員 これも資料をつければよかったんですが、この五年間の間に二度減が立っておりますね。今この瞬間は、やはりアベノミクス効果もあって若干上がったということだったと思うんですが、年金の資料の評価としては横ばいということではないかなと思っております。

 それで、昨年の十月の十五日の本委員会での質問で、年金を一番最初にもらうとき、新規裁定といいますが、所得代替率は五割を超えているけれども、年々これが下がっていくだろう、長生きすればするほど年金は減っていくという指摘を私やりました。そのときの香取年金局長の答弁は、それはもともと想定された基本的な制度の仕組みそのものという答弁をされたわけですね。私、正直、平然と答弁されたので衝撃だったわけです。ほとんどの人はそういう理解をしていなかっただろうと。

 つまり、平成十六年、二〇〇四年の改正というのは百年安心と言われたわけで、保険料ともらう年金のバランスを百年かけてとっていくんだという話の中で、その中で所得の半分は保障しますよと言っていたんだけれども、保障するのはもらう瞬間だけだった、どんどんどんどん減っていくんだということをそのときに改めて指摘をさせていただいたわけです。

 しかも、昨年の財政検証でも、経済が上向き、かつ厚生年金にパート労働者がどんどん入ってくる、それから高齢者の就業人口がどんどんふえてくる、そういう改革が前提であれば大体想定どおりということで、逆に言うと、そうならなければもう計算が成り立たないということを示していたというふうに思います。

 それで、資料の一枚目を見ていただきたいんですけれども、これは男女別の、あるいは年齢別公的年金の収入割合を見ています。これを見てみると、総体的に公的年金の収入自体が少ないということがわかると思うんですが、その上で、上が男性で下が女性ですけれども、男女の差が大きいです。男性は二百万以下が五五%、女性は百万円以下が六割強に張りついている。ですから、男女の賃金格差が生涯の年金格差になっているということはこれまでも指摘したことだと思うんですね。

 政府は、専ら、現役世代と高齢世代の格差を何とかしなければと、要するに、年金をもらい過ぎだから現役世代の負担が大きいという構図ばかりを強調します。だけれども、現役世代の中の格差、そもそも非正規労働者が今や四割と言われる現在、年金給付額のもととなる標準報酬月額、給料を上げていかなければやはりこの現実を変えられない、そう思いますが、それがまず大きな課題だと思いますが、大臣の認識を伺いたい。

塩崎国務大臣 おっしゃるとおり、給料が上がっていくということが年金にとってもプラスであるということは間違いのないことでありまして、それがゆえに、経済の活性化を絶えず図っていくということは年金にとってもプラスだというふうな理解だというふうに思います。

高橋(千)委員 まずそのことを確認していきたいと思います。尾ひれがつかなかったのでよかったなと思っておりますけれども。

 こうした中で、今年度最初の年金支給日が六月十五日でした。漏れた年金情報問題でちょっと関心がそっちにぐっと行ってしまったんですけれども、この日は、初のマクロ経済スライドが適用されたという日であります。

 そこで、資料の二枚目を見ていただきたいんですが、ことし二月十五日付の産経新聞です。この冒頭を読みますけれども、「日銀は、賃金や物価の上昇分より年金額の伸びを低くする「マクロ経済スライド」が平成二十七年度から初めて導入されることなどを踏まえ、公的年金の支給額の抑制が景気や物価に与える影響を新たに分析する方針だ。」と言っている。真ん中のところに、この間、特例水準の解消などで実質目減りをしてきたという中で、「年金生活者の消費が鈍っている可能性がある」という指摘をしていて、一番下の段の真ん中のところに、「年金生活者の消費意欲の低下も影響している」、つまり景気の伸びにですね、そういう記事がありました。

 それで、私、実は日銀に、調査をするというので、何かやっているんですかと聞きました。そうしたら、いやいや、出せるものはありませんと言われたんです。それで参考となる資料としていただいたのが、三枚目の三井住友信託銀行の調査月報というものであります。これが今紹介した記事と基本的に同じ考え方だなと思っているんですね。

 総務省の家計調査をもとに出したグラフが下にありますけれども、二〇一四年度の消費支出で見ると、勤労者世帯は〇・一%の減に対して、高齢者世帯が〇・九%も落ち込んでいる。やはり、賃金を受け取っておらず、年金で生活している高齢者の影響が見落とされていたと指摘をしている。つまり、消費がなかなか回復しませんね、その影響は年金生活者の消費動向がありますねということを指摘しているわけですよね。

 これは、考えれば当たり前というか、高齢化が進んでいるわけですから、地域の経済の担い手、買い物をする人の割合が、高齢者がふえてきているわけですよね。一割から二割というふうな指摘もあるわけです。だから、私自身、こういう問題を指摘したことはあったんですが、民間銀行のレポートでもこうした指摘が出たことというのは重要ではないかなと思っているんです。

 そこで、この認識が一緒でいいですかということを大臣に伺いたい。つまり、高齢者の消費動向がやはり景気指標に影響を与えますよねということ、それから、昨年度は、年金は実質減ということで、増税もありましたし、それはやはり影響はありましたよねということは共通の認識でよろしいでしょうか。

塩崎国務大臣 私も日銀出身なものですから、実際に聞いてみました。

 基本的には、マクロ経済政策をやっているのが中央銀行でありますから、年金の問題だけに特化して何かやるということはあり得ないだろうと思います。しかし、高齢化が進む中でどういう影響が特に個人消費を中心に出てくるのかということは、恐らくそれは絶えず研究をしているし、最近、やはりこのところ高齢化はどんどん進んできていますし、これからも進むという意味においては、確かにそういうことは中央銀行は考えていくだろうというふうに思いました。

 景気動向はさまざまな要因によって規定をされるわけであって、御指摘のような点が景気にどのように影響をしたかという点については、そう簡単に決めつけるわけにもなかなかいかぬなというふうに思うわけで、逆に、特例水準を解消してマクロ経済スライド調整を実施するなどの措置が講じられなかったら、将来世代の給付を削って現在の高齢世代の給付に充てていることにほかならないわけで、将来への不安から、今度、逆に、社会全体の消費が冷え込むというような可能性すら考え得るというふうに思うんですね。

 むしろ、年金制度というのは、現役世代からリタイアされた世代への所得移転を行うということであるわけでございますので、労働力人口が減少する中で、女性や高齢者の労働参加を促進するなどによって、分配の原資となる経済全体の持続的な成長を図ることが重要でありますし、若い世代の方々のお給料が上がる、つまりこれは経済が成長するということでありますから、ますますもってアベノミクスは重要だということで、それを機能させていかなければいけないということにおいて、さまざま、新たなことを含めて、これからさらに経済を強くするために頑張らなきゃいかぬなということを改めて思うところでございます。

高橋(千)委員 せっかく一致できるところから議論を進めていったら、いきなりアベノミクスは重要だという議論になっちゃったので、非常に残念に思っていますが、そこは分解してやはり一つずつ議論していきたいと思うんですね。

 それで、四枚目に、日銀が、本当にシンプルなんですけれども、資料をつくってくださったんです、私がしつこいものだから。

 今おっしゃったように、特例水準の解消で、一三年度の下期からマイナス一%、一四年度マイナス一%、一五年度マイナス〇・五%、マクロ経済スライド、年金改定率ということで、今年度は〇・九%でプラスが立っていますが、昨年度と一三年度がマイナスだということで、この下の表が、今得られる資料ではこれですということで出してきたのが内閣府の消費動向調査ということで、一三年度のまさに特例水準の解消でがっと下がったときからぐっと下がっているということがちょっとリアルに出てきましたねということです。

 これはカラーじゃないのでちょっと見にくいんですが、それまでは年金所得の方たちはある程度は購買力があったんだけれども、やはり実質、年金が下がってしまったことで購買力が、他の所得、給与所得のある人、事業所得のある人と比べても残念ながら下がっているねということは見てとれるということで、日銀の皆さんと認識を一致させたところなんですね。

 そういうところからまず議論をして、若い人の所得を上げることが大事だよねということと、高齢者の所得がやはり景気にも影響を与えますね、そこは一致できると思うんです。そうですよね。いいですよね、そこは。

 その上で、では、本当に間に合うかどうかという議論をしていきたいなと思うんです。

 ここを違うと反論されますか。いいですよね、ここ。大臣、進めてよろしいですか。違うと反論されますか。日銀に聞いたと大臣おっしゃっているんですから、よろしいですよね。

 ということで、進めたいと思います。

 そこで、年金給付とGPIFの関係であります。年金積立金の運用の問題であります。

 国民年金、厚生年金保険も、いわゆる確定給付型であって、運用次第で、つまり運用でうんともうけたとか、あるいはうんと穴があいたとか、そういうことで将来の給付額が減ったりふえたり、つまり連動したりということはないという理解でよろしいですか。

塩崎国務大臣 公的年金は、将来の保険料水準を固定した上で、積立金の活用を含めて、おおむね百年程度の財政均衡期間を通じて年金財政の均衡が保たれるように年金額の水準を将来に向けて調整していく仕組みというのがマクロ経済スライドということで、百年先まで見通したものということで今回仕組んだわけでありますが、この仕組みにおいて、一般論としては、人口構造とかそれから就業構造などの長期間の動向と同様に、長期間の年金積立金の運用実績、これが将来の年金額の水準に影響を与えることはあり得るわけであります。

 なお、年金額は、物価または賃金の変動に応じて改定される仕組みとなっておりまして、単年度の運用実績を理由として年金額が改定されるものではないということであります。

 年金積立金は将来の年金給付のための貴重な原資でありますから、その運用は、年金財政上必要な運用利回りを確保するという、私ども何度もここで御説明しておるようなことでございまして、法律で、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に行うこととされているわけでありますから、今後もしっかりと適切な運用に努めてまいりたいというふうに思います。

高橋(千)委員 五年ごとの財政検証をやっているわけですから、例えば就業構造に大きく変化があったとか、そういうさまざまな条件をきちんと見てやる制度になっているわけですよね。だから、それが、今大臣がおっしゃったように、単年度の運用でどうにかなることはないのだということをまず確認しました。

 それで、実はそのことをことし二月二十七日の予算委員会で総理に伺いました。というのは、総理がアベノミクスで二十五兆円もふえたんだということをおっしゃったので、もっとふえたんだという答弁でありましたけれども、年金資産がふえたというふうにおっしゃるので、そうすると年金受給者に還元されますかという質問をしました。答えはノーであって、実際には約百四十兆円の資産運用残の中に溶け込んでしまっているわけですよね。

 だから、アベノミクスで年金もふえるかのように誤解を与えてはならないということがまず言えると思うんですが、問題は、私が言いたいのは、積立金は将来約束した年金が払えるようにつじつまが合っていればいい、損していいという意味ではないですよ、つまり、とんとんであればいいという意味だと思いますが、間違いありませんか。

香取政府参考人 つじつまが合うという日本語が適切かどうかというのはちょっと申し上げかねますが、今大臣から御答弁申し上げたように、年金制度は、現在であれば、百年間の収入と支出の均衡を図り、その間の経済変動や人口変動等々を予測し織り込んで、全体として均衡がとれるというふうになっておりますので、その意味では、長期的な収入と支出の均衡がとれているという状態にあるということが重要だということになります。

 その場合に、積立金は、今のその収入、支出の関係でいえば、いわば収入、入りに相当するものになります。前にこの場でも御答弁申し上げましたが、年金制度は、そもそも、先ほど先生の御質問にもありましたように、保険料は賃金で決まります。賃金はその時々の経済の状況で決まります。賃金の水準で年金が決まりますので、給付が決まりますので、いわばどういう経済動向になるかによって年金の水準が決まってくるということになります。

 ということになりますと、積立金の運用に関しては、基本的には、その時々の経済の状況を適切に反映する、つまり、成長しているときにはきちんとその成長の果実を年金がとるということがやはり必要だということになります。そういう観点で、年金の運用については、一定の財政検証のもとで必要な運用利回りを設定し、その利回りが安全、確実に確保できるという形で運用するということになります。

 その意味でいいますと、長期的に均衡がとれているということがもちろん必要ですが、そのときに、年金の積立金の運用というのは、将来の年金給付を確保していくという観点では非常に重要な要素ということになりますので、積立金の原資及び運用益は文字どおり将来の給付の原資ということになりますので、いわばそういう観点で必要な運用利回りを確保するということを安全、確実に長期的に行っていくというのが運用の要諦ということになろうかと思います。

高橋(千)委員 おっしゃったことはそのとおりなんですけれども、この間の議論で、今予定利率が云々とおっしゃったと思うんですが、私が言っているつじつまというのは、どういう表現をすればうまくはまるかなというのでちょっと困ったんですけれども、要するに、今、積立金を極端にふやさなければならないとか、とても厳しい状況にあるとか、そういうことではなくて、長い目で整っていればいいという意味で指摘をしたわけであります。

 一九九九年十一月二十四日の厚生委員会の矢野年金局長答弁、これは自主運用に積立金を変えたときの答弁ですが、例えば、予定利率の四%を達成できなければ年金財政がおかしくなるということではないと言っている。それはどういうことかというと、物価が落ちついていれば、運用利回りが四%を達成できなくても、収支見通しは基本的には関係ない、実質的な運用利回りと賃金と物価上昇の相対的な関係が維持できれば年金財政に影響がない、それが自主運用の一つの目標になるだろうとおっしゃっている。

 だから、今、経済に合わせてということで、よく言われるのが、国債だけだと経済が成長したときは云々という話をされたわけですけれども、そういうこともあって、今のように経済が落ちついていれば、極端にふやさなければならないということではないし、四%とらなくてもいいという議論をしてきたという、これは基本は同じだと思いますが、どうですか。

香取政府参考人 同じことになるんですが、この間、GPIFの運用利回りが過去十年たしか二・数%で、例えば、世の中のほかのいろいろなファンドが四とか五とかで回っているときに、あるいは外国のファンドが五で回っているときに二は低いではないかという議論がありましたが、御案内のように、この間、日本はデフレだったので、賃金、物価はマイナスだったということがあります。

 申し上げたように、年金制度の給付は物価、賃金で決まりますので、その意味では、それに対してどれだけスプレッドがとれているかというのが問題ということになりますので、絶対的な運用水準は、ある意味では重要ではないということになります。

 他方で、例えば物価が二%で動いている、あるいは賃金が二%で成長しているときに、〇・数%の国債のみで運用するということになりますと、それは結局、いわゆる運用負けをすることになって、実質的な積立金が目減りをするということになります。となれば、ある程度成長軌道にある状況の中では、それを前提に年金の運用水準を考えるということになります。

 現在の財政検証では、賃金の名目成長率プラス一・七%、いわばその時々の経済水準に対してそれだけのスプレッドをとるという形でお示しをしておりますので、非常に成長が低い段階であれば、それを前提にスプレッドを考えるということになりますので、その意味では、例えば四なら四という絶対的な水準で運用を評価するということではないという意味では、確かに御指摘のとおりかと思います。

高橋(千)委員 そういうことなんですよ。これまではデフレの水準だったから無理にしなくてもいいわけでしょう。だけれども、これからは、必ず上がると皆さん思っているわけじゃないですか。必ず上がるから、うんと上げなきゃいけない。だけれども、それが今回のポートフォリオの国内株と外国株を五割にまでする理由になるのかということとは、やはり私は違うだろうということを言いたいわけなんです。

 ちょっと細かい話をしていたら、もう時間の紙が回っておりまして、またしても問いを残してしまったわけなんですけれども。

 ですから、長い目で見ればとんとんになればよいということを盛んに大臣はおっしゃるわけじゃないですか。つまり、リスクをとって大丈夫なのか、何兆円も赤字が出たらどうするのかと言うと、それは長い目で見ればいいんだとおっしゃる。だけれども、ふやさなきゃというときには、いやいや、経済は成長するからふやさなきゃいけないと言っていることは、ある意味、ちょっと相反していると思うんです。

 やはり、長い目で見ればいいということであれば、何も今、急速に株の方向に、あるいは、株だけではありません、きょう質問したかったんですけれども、短期運用の枠で五%、インフラ投資やプライベートエクイティーや不動産その他運用委員会の議を経たものということで、より投機的な方向に振れようとしている。そういうことに対しても、やはり問題があるのではないかと指摘をしたいと思っています。

 運用委員会の議論の中には反対意見もありました。「現行のポートフォリオと比べて、今回の変更案は明らかに大幅な変更である。 私は結果として導き出されたこの数字について、国民が理解し、納得することはないだろうと思っており、その意味において、年金制度に対する信頼を揺るがしかねないということで、反対をさせていただきたい。」こういう意見もあったわけですね。

 だけれども、この議論だって公開されていないわけですよ。議事要旨しかないということでは到底国民が理解できるはずはないだろうということを指摘して、また時間になってしまいましたので、次の機会にしたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

渡辺委員長 次に、内閣提出、参議院送付、勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

塩崎国務大臣 ただいま議題となりました勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。

 少子化に伴い若年労働力人口が減少する中で、次代を担うべき青少年が安定した雇用の中で経験を積みながら職業能力を向上させ、働きがいを持って仕事に取り組んでいくことができる社会を築くことが、我が国の経済社会の発展を図る観点からも重要な課題となっています。

 このような状況を踏まえ、青少年の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、青少年の適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずることとし、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、勤労青少年福祉法の題名を青少年の雇用の促進等に関する法律に改め、その内容を抜本的に改正することとし、青少年の適職の選択を促進するため、一定の労働関係法令違反の求人者からの求人の申し込みを公共職業安定所において受理しないことができるようにするとともに、新規学校卒業者の募集を行う企業が青少年の適職の選択に資する情報を提供する仕組みを設けることとし、あわせて、青少年の職場への定着の促進に関する取り組み等の実施状況が優良であることなどの基準に適合する中小企業についての認定制度を創設することとしています。また、国は、職業生活を円滑に営む上での困難を有する、いわゆるニート等の青少年に対して、自立を支援するための施設の整備等の必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしています。

 第二に、青少年を初めとした働く方々の職業能力の開発及び向上を促進するため、職業生活設計の策定等を支援するキャリアコンサルタントの登録制度を創設するとともに、国は職務経歴等を明らかにするジョブカードの普及に努めることとするほか、技能検定の実技試験の実施方法を見直すこととしています。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十七年十月一日としております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

渡辺委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る四日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時五分散会


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