衆議院

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第19号 平成28年5月20日(金曜日)

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平成二十八年五月二十日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 秋葉 賢也君 理事 江渡 聡徳君

   理事 小松  裕君 理事 後藤 茂之君

   理事 白須賀貴樹君 理事 西村智奈美君

   理事 初鹿 明博君 理事 古屋 範子君

      赤枝 恒雄君    池田 道孝君

      大串 正樹君    神田 憲次君

      木村 弥生君    小林 鷹之君

      笹川 博義君    新谷 正義君

      助田 重義君    田中 英之君

      田村 憲久君    高橋ひなこ君

      武井 俊輔君    谷川 とむ君

      中川 俊直君    永岡 桂子君

      長尾  敬君    丹羽 秀樹君

      丹羽 雄哉君    比嘉奈津美君

      福山  守君    牧原 秀樹君

      松本  純君    三ッ林裕巳君

      村井 英樹君    山下 貴司君

      井坂 信彦君    大西 健介君

      逢坂 誠二君    階   猛君

      鈴木 義弘君    中川 正春君

      中島 克仁君    中根 康浩君

      柚木 道義君    伊佐 進一君

      角田 秀穂君    中野 洋昌君

      真山 祐一君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君    浦野 靖人君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      竹内  譲君

   厚生労働副大臣    とかしきなおみ君

   厚生労働大臣政務官    三ッ林裕巳君

   厚生労働大臣政務官    太田 房江君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        中島  誠君

   政府参考人

   (消防庁審議官)    熊埜御堂武敬君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           藤原 章夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         宮野 甚一君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局雇用開発部長)       広畑 義久君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       香取 照幸君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    藤井 康弘君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  三浦 公嗣君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  唐澤  剛君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十日

 辞任         補欠選任

  田畑 裕明君     助田 重義君

  永岡 桂子君     笹川 博義君

  比嘉奈津美君     池田 道孝君

  堀内 詔子君     武井 俊輔君

  岡本 充功君     逢坂 誠二君

  郡  和子君     中川 正春君

  重徳 和彦君     鈴木 義弘君

  中根 康浩君     階   猛君

  中野 洋昌君     真山 祐一君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 道孝君     比嘉奈津美君

  笹川 博義君     永岡 桂子君

  助田 重義君     小林 鷹之君

  武井 俊輔君     堀内 詔子君

  逢坂 誠二君     岡本 充功君

  階   猛君     中根 康浩君

  鈴木 義弘君     重徳 和彦君

  中川 正春君     郡  和子君

  真山 祐一君     中野 洋昌君

同日

 辞任         補欠選任

  小林 鷹之君     神田 憲次君

同日

 辞任         補欠選任

  神田 憲次君     田畑 裕明君

    ―――――――――――――

五月十九日

 臨床研究法案(内閣提出第五六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案(第百八十九回国会閣法第七〇号)(参議院送付)

 臨床研究法案(内閣提出第五六号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府子ども・子育て本部審議官中島誠君、消防庁審議官熊埜御堂武敬君、文部科学省大臣官房審議官藤原章夫君、厚生労働省大臣官房総括審議官宮野甚一君、健康局長福島靖正君、労働基準局長山越敬一君、職業安定局雇用開発部長広畑義久君、雇用均等・児童家庭局長香取照幸君、社会・援護局障害保健福祉部長藤井康弘君、老健局長三浦公嗣君、保険局長唐澤剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊佐進一君。

伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。

 本日は、一般質疑の中で、貴重なお時間、質疑のチャンスをいただきまして、ありがとうございます。とりわけ自民党の皆様には、与党の時間として公明党にいただきましたこと、御礼申し上げたい。野党の皆様もありがとうございます。

 では、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 私は、きょうは五つぐらいテーマ、質問したいことがございまして、多岐にわたっております。特に政府参考人の皆様には、できるだけ要点を捉えた答弁に努めていただければありがたいというふうに思っております。

 まず、がん対策、とりわけ放射線治療について質問させていただきます。

 ことし、二〇一六年は、がん対策の推進基本計画の最終年度に当たります。これまで十年間ずっと、がんの死亡率を二〇%下げようという目標で、政府はさまざまな取り組みをしていただきましたが、なかなか、今、このままいったら達成していくのが難しいということで、十二月にがん対策加速化プランというものを作成しました。

 その中で、そもそも基本計画に書かれている理念とか基本的な考え方の中で、現状、現場の声を聞くと少しギャップがあるんじゃないかと心配しているところがございます。その点について伺いたいと思います。

 がんの治療というのは、御案内のとおり、主に三種類と言われておりまして、手術をするか、抗がん剤治療をするか、あるいは放射線治療という、この三つの治療をそれぞれ患者さんに合わせて効果的に組み合わせていくということが大事だ、これが基本計画の理念だと思いますが、このバランスが少し崩れつつあるのではないかなという心配でございます。

 放射線治療についてですが、資料を配らせていただきました。一番最初の資料、これは各国との比較です。それぞれ、がん患者のうち放射線治療をしている患者数は何%かというものですが、大体、アメリカは六六%、ドイツ六〇%、イギリスは五六%、ところが日本はその半分ぐらい、三〇%にも満たないというような状況です。

 この資料は放射線腫瘍学会のパンフレットからとりましたので、この差が今後の発展性なんだというふうに前向きにこの学会は捉えていらっしゃいますけれども、他国と比べて半分ぐらいしか放射線治療がされていないというこの状況を、厚労省はどういうふうに評価されますでしょうか。

福島政府参考人 お答えいたします。

 今御紹介がありました日本放射線腫瘍学会のデータでございますけれども、これはホームページにも公表されておるものでございますけれども、我が国が、がん患者のうち放射線治療を実施している方の割合が欧米と比較して少ない、こういうデータが示されていることについては私どもも承知をしております。

 一方、がんに対する治療でございますけれども、診療ガイドラインに基づきまして、がんの種類あるいはその進行度合いに応じて選択する必要があると考えておりまして、何を分母にしてどれだけの割合かということの評価をする必要があると考えておりまして、このデータだけで直ちに半分ぐらいという評価をすることは難しいのではないかというふうに思います。

 例えば、放射線治療機器の台数でございますけれども、人口当たりの台数でいいますと、欧米と比較しても少なくないという結果でございます。

 いずれにいたしましても、がん患者に対して放射線治療が適切に提供できるように、今後とも診療提供体制の整備に努めてまいりたいと考えております。

伊佐委員 確かにそのとおりで、どれぐらいの割合が一番最適なのかというのは、なかなかこれは評価しにくいというのもあると思います。

 いろいろな研究機関、特に海外の研究機関はいろいろな調査をしております。その中で、例えば欧州、ヨーロッパではESTROという機関がございまして、放射線治療の研究機関でございますが、ここでは、大体五〇%ぐらいが放射線治療に適する病気なんじゃないか、がんなんじゃないかというような結果を出しております。

 さっき政府の方から答弁いただいたように、治療の機器の台数は少なくないんだというふうにもおっしゃいました。問題は、現状半分ぐらいになっているこの状況、これが合理的に説明できるのかどうかということじゃないかなというふうに思っております。

 ちょっと違う観点からお話をさせていただくと、次の資料、資料二ですが、これは国立がんセンターの資料です。がんの罹患数というのは毎年どんどんどんどんふえていっていますよ、患者数というのはどんどんふえていますというところです。

 さらに一枚めくっていただいて、次の資料、資料三です。では、その中で放射線治療はどういう状況かということですが、これも、JASTROと書いているのはさっき申し上げた日本放射線腫瘍学会でございますが、この資料です。がんの患者さんがふえていけば、当然、放射線治療の需要予測というのもふえていく、その患者数もふえていくはずなんですが、実際は、二〇一〇年、二〇一一年ぐらいで頭打ちになっています。これ以上ふえていないと。

 この後のデータがありませんので、ちょっと診療報酬から計算したような、そういうデータもございます。そうすると、診療報酬から見れば、二〇一三年で放射線治療の患者数がピークになっています。そこからどんどん減って、今一〇%ぐらい減っています。二〇一四年に至って、この一年間で一万八千人減、七・二%減っていると。申し上げたように、本来、患者数がふえていくのであれば、当然同様に伸びていかなきゃいけないはずなんですが、実際そうなっていない、逆に減っていっている。この原因が何なのかというところです。

 これは、さまざまな要素があるかもしれません。例えば、専門医資格というものを二〇一一年から厳格化していったというふうに聞いています。今まで、専門医を取るためには症例数が必要だったわけですが、これを自己申告すればよかったものを、データベースに詳細を登録するというふうに変わっていったりとか。あるいは、キャンサーボードのあり方はどうなのか。つまり、どういうふうに患者さんに治療を提供するか、これを決めていく、手術のお医者さん、外科のお医者さんだけじゃなくて、放射線治療のお医者さんとか、あるいは病理診断、いろいろな方が、知見のある先生方が集まって、この患者さんにとってどういった治療が適切かというものを判断するキャンサーボードというのがありますが、このあり方がどうなのかという観点もあるかもしれません。

 いろいろな議論があると思いますが、厚労省はぜひこの実態を把握していただいて、患者にとって適切な治療をしっかりと行えるように取り組みを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

竹内副大臣 お答えいたします。

 厚生労働省といたしましては、がん診療連携拠点病院の現況報告等に基づきまして、放射線治療の実施数や治療成績など、放射線治療の現状を把握することといたしております。

 放射線治療につきましては、がん対策推進基本計画におきまして、放射線治療の専門性の高い人材の適正な配置などを検討することとされたことから、平成二十六年に、がん診療連携拠点病院の要件として、放射線治療の実績や専門的知識を持った医療従事者の配置を盛り込むなど、放射線治療を含めたがん医療の均てん化に努めているところでございます。

 また、がん診療連携拠点病院では、先生御指摘のとおり、手術、放射線診断、放射線治療、化学療法、病理診断及び緩和ケアに携わる医師等ががん患者の治療方針を相談するキャンサーボードの設置を要件としておりまして、がん患者の病態に応じたがん医療を提供することとしているところでございます。

 今後とも、がん治療の実態把握に努めるとともに、専門家等の意見も踏まえ、また先生の御指摘も踏まえながら、放射線治療を含めた適切ながん医療が提供できるように努めてまいります。

伊佐委員 今、がん登録というものが始まったばかりですので、本当に統計的、網羅的な数字というのはなかなかまだはっきりとは出てきていないと思いますが、ただ、先ほど申し上げたような、診療報酬から推定したりとか、あるいは、現場の、特にさまざま治療に携わっている専門家の方にお話を伺うと、この一割減ったという診療報酬上のものが、やはり実感としても確かに一割ぐらい減っているかなというような感覚を持っておられました。ぜひ実態把握に努めていただいて、必要な対策を打っていただきたいというふうに思っております。

 次の課題に移りたいと思います。障害者のグループホームについてでございます。

 これまで、障害者の皆さんのグループホームについては、例えば公営住宅との連携、国交省の話でありますが、公営住宅で例えば空き部屋を活用して、このグループホームに入っていただいて、どんどん活用していこうというような、政府として、グループホームとして公営住宅を積極的に活用しましょうというような取り組みを行ってまいりました。

 ところが、今、それがなかなか難しくなっていくハードル、壁というものが出てきたと伺っております。これは具体的に申し上げると、スプリンクラーの設置という話がございます。

 高齢者グループホームの火災事故が記憶にあるところでございますが、昨年の四月に消防法の施行令を改正しました。より規制を厳しくして、今までであれば、二百七十五平米以下、つまり大型施設でないものは、スプリンクラーの設置というのは義務づけられていませんでした。これを今回義務づけようということになったわけです。

 公営住宅に入っているグループホームの皆さんから伺うのは、地域で同じような生活を営む、地域で障害者の皆さんが生活できるという観点で公営住宅のあき利用というのを推進してきたわけですが、グループホームだけスプリンクラーを設置しなさい、ほかの一般住宅は必要ないというような状況になるわけです。その一室だけスプリンクラーを設置するというのは、当然工事が必要なわけですから、ほかのところにも影響していく。こうなれば、なかなか、あなたのこの部屋だけスプリンクラーをこれから工事しますというわけにはいかないので、それだったら、申しわけないけれども、この公営住宅のところから出ていってくれと言わざるを得ない、こういうような状況に今なっているという話を伺いました。

 これは猶予期間がございますのでまだ、あと、もう残された時間はそんなにございませんが、早急にどう対応していくかということが今議論されております。

 スプリンクラーの設置なんですが、グループホームに設置するときに、設置義務を免除するような例外規定も検討されていると伺っておりますが、公営住宅のグループホームでスプリンクラー設置が免除される要件について伺いたいと思います。

熊埜御堂政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘のとおり、避難が困難な障害者が主として入所されるグループホームにつきましては、消防法施行令の改正を受けて、平成二十七年四月から、原則として、面積にかかわらず、スプリンクラー設備の設置が義務づけられております。

 本日お示しいただいています資料四をごらんいただければとも思いますが、その資料四のウのところにありますように、共同住宅内の障害者グループホームについては、一定の要件を満たすものはスプリンクラー設備の設置が不要とされております。

 具体的には、消防法施行規則十二条の二の第三項に規定されておりまして、その要件は次のとおりです。

 障害者グループホーム以外の用途が共同住宅内になく、障害者グループホームの延べ床面積が二百七十五平方メートル未満であること。障害者グループホームの各住戸が準耐火構造の床や壁で区画され、各住戸の床面積が百平方メートル以下であること。居室及び通路に煙感知器が設置されていること。居室から廊下に通ずる通路が当該居室以外の居室を通過しないものであるとともに、通路に面する居室の戸は不燃材料でつくられた随時開くことのできる自動閉鎖装置つきのものであること。住戸の主たる出入り口は自動閉鎖装置つき防火戸等であって、煙を有効に排出でき、直接外気に開放されている廊下に面していること。壁及び天井の室内に面する部分の仕上げについて、住戸の主たる出入り口に通ずる通路は準不燃材料で、その他の部分は難燃材料でしたものであること。

 以上でございます。

伊佐委員 聞いていただいたとおりで、さまざまな規制がある、たくさんあるわけです。

 資料四、言及していただきましたが、この右側のウの部分ですが、いろいろずっと、これを全て満たさないと、やはり工事が必要ですね、公営住宅であろうがスプリンクラーを入れてください、工事してくださいということになります。

 特にハードルが高いのが、このウの部分の避難経路のところ、これがなかなか大変なんですと言われています。

 例えば、ほかの居室を通過しないというふうに書いてありますが、ほかの居室を通過しないということは、普通、想像すると、家があって、例えば、リビングがあります、リビングを通じて、リビングから子供部屋、あるいはリビングから和室に行くような、こういう部屋というのは、その部屋にはほかの出口がついていませんので、結局、グループホームとしては、スプリンクラーの設置がやはり必要だということになるわけです。だから、ほかの居室を通過する部屋でないというような公営住宅というのは、実はかなりレアケースじゃないかなと。

 さらに言えば、もう一つ、通路に面する扉は自閉不燃、これはどういうことかというと、次のページを見ていただくと、資料五、部屋の見取り図ですが、この黄色いところが部屋の廊下です、この部屋の廊下に出るのに各部屋から扉が今ついていますが、この扉が全部自閉不燃だ、自閉というのは、要は勝手に閉まる扉じゃないとだめだ。これは、確かに公営住宅の一番の玄関だったらわかります、鉄の扉でばたんと閉まる。ところが、これは部屋の中も自然に閉まらなきゃだめだと。不燃なので、普通の家だったらだめなんですよ。公営住宅の玄関だったら鉄の扉だからわかります。でも、ここで言っているのは、この廊下に出る一個一個の部屋が全部鉄の扉じゃないとだめですよ、こういう状況なんですね。

 結局のところ、例外規定をいろいろ考えていただいたんですが、スプリンクラーがやはり必要だ、工事が要る。団地のほかの住民の方が考えたら、やはり出ていってくださいということになりかねない状況がもうすぐ迫ってきているということです。これをもう少し実情に合わせられないのかという点でございます。

 例えば、障害者のグループホームというのは二十四時間誰かいるわけですから、こういう方が避難を助けたりできるわけです。こういった実情もありますし、もう一点は、スプリンクラーの工事をしなくても、今検討していただいているのは、では外づけのパッケージ型の自動消火設備、こういうもので何とか間に合わせられないかという検討も一応していただいておりますが、今の検討状況を伺うと、相当大きいものになるんちゃうかと。

 伺っているのは、準不燃の家、普通の家じゃないです、準不燃の家で、各部屋ごと十六リットルのものを置きなさい。十六リットルというと、想像いただいたらわかります、二リットルのあのペットボトルが八本分、これが薬剤だけなんです、この周りに機械があって、しかも天井に全部コードを張りめぐらせる、これを各部屋全部置いてくださいと。これは、申し上げたように、準不燃という話なので、普通の家だったらもっと大きいものが要るんですよ、これを各部屋に置いてくれというような議論に今なっております。

 こうした、今のスプリンクラー設置の免除の要件にしてもそうです、あるいは自動消火装置の基準もそうですが、安全を重視するというのは当然大事なことだと思います。ただ、現場の実情に合わせないと、ある程度合った、各事業者が対応可能なものにしないと、結局は意味をなさないんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。

熊埜御堂政府参考人 お答えいたします。

 先ほど御指摘がありましたスプリンクラー設備の設置免除要件を定めるに当たりましても、障害者団体など関係者や有識者との協議を重ねております。

 また、スプリンクラー設備の設置が必要となる場合に、これも御指摘ございましたが、小規模な障害者施設におきましては、通常の水道管を用いたスプリンクラー設備とかパッケージ型自動消火設備の設置が可能となるように措置しております。

 消防庁といたしましては、安全を重視しつつ、より事業者のニーズに合った製品の開発を業界団体に働きかけるなどにより、関係者の意見や現場の実情などを踏まえた対応に心がけてまいりたいと考えております。

伊佐委員 これは、猶予期間と申し上げましたが、来年度末なんです。残りもうわずかで、しかも、さっき申し上げたように、ではかわりに自動消火装置をつけましょう、この基準すらまだ決まっていない状況なんです。

 こういうような状況で、本当に、政府としては、国交省と厚労省との間でしっかりと、共同住宅のグループホームの利用、できるだけ活用しましょうということになっているにもかかわらず、今いる既存のところすら出ていかざるを得なくなるような、こういう状況になっています。

 もう一点の観点は、最悪もしそれが必要だと、できるだけ実情に合ったものになったとしても、スプリンクラーの設置あるいは自動消火装置というものを設置ということになったとしても、やはりお金が必要です。相当のお金が必要です。

 今までであれば、消防法上のいろいろな規制が強化されるたびに、ちゃんと厚労省は補助金を用意していたんです。規制が強化されると、必要な設備整備をしなきゃいけない、そのための補助金を用意していました。ところが、今回はそれがないんです。今まである予算の中で何とかしてくださいというようなことになっています。

 厚労省にお願いしたいのは、政府の方針でもあるはずなので、ぜひ規制当局、消防庁としっかりと連携していただきたいというのが一点。もう一点は、規制を強化するために必要な設備整備の補助金をしっかりと充実していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 障害のある方々が地域で安心して生活をできるように、グループホームなどの居住の場を確保することは大変重要な課題であると私どもも認識をしております。

 その際、消防法等の規制によりまして改修が必要となるケースが生じるなど、グループホームの整備を進めていく上で影響が生じてくる場合もございますが、一方で、消防法等による規制は、入居者の生命、安全を守る観点から行われているものでございまして、この整備と規制の兼ね合いといいますか、なかなかこれは難しい問題でございますけれども、私どもといたしましては、御指摘をいただきましたように、今後とも、消防庁等としっかり意見交換を行いながら連携を図ってまいりたいと考えております。

 また、こうした中で、障害福祉サービスの体制整備を進めるための、またこのスプリンクラー設備等の設置も含めた施設整備費につきましては、平成二十八年度の当初予算におきましては、対前年度で申しますと四十四億円増の七十億円を計上したところでございますし、また、今後ともこうした必要な予算を確保して、グループホームの整備等必要な体制整備を進めてまいりたいと考えております。

伊佐委員 障害者施設の設備整備で、四十四億円ですか、増額しましたというお話をいただきました。本当に厚労省の御努力というのは私はありがたいと思っておりますが、さっき申し上げたように、スプリンクラーの設置というものに果たしてそれが本当に回るかどうかというところもございますので、ぜひ前向きな検討をお願いしたいというふうに思っております。

 次の話に移りたいと思います。ジェネリックについてです。

 ジェネリックの取り組み、これは骨太の中でも目標を掲げて、今、政府はさまざまな取り組みを行っております。二〇一七年の年央にジェネリックを七〇%以上にしよう、二〇二〇年度までの早い時期に八〇%にしようというような取り組みをされておりますが、現場で今大変苦労されています。七〇とか八〇というふうに数字を決めるというのは当然大事だと思いますが、単に号令をかければできるというものではもちろんございませんで、現場で一体何が困っているか、どういうところが今ネックになっているかというもの、具体的ないろいろな悩みにぜひ耳を傾けていただきたいというふうに思っております。

 現場が困っていること、どういうことかといいますと、医師が処方する処方箋に書いてある薬を薬剤師が現場で変更する場合です。例えば、先発薬が処方箋で書かれてきました、これをジェネリックに変える。変えるとき、あるいはジェネリックだけの話じゃなくて、例えば錠剤の形を変える、錠剤からカプセルに変えるとか。変えるときに、現場で変えるのに負担があるんだという話なんです。

 まず、現場に聞くと、薬局の皆さんに聞くと、そもそも同じ成分の薬なのに種類が物すごく多いというのを伺います。というのは、例えば、ある薬が出ます、先発品が出ます、そうすると、その後でジェネリックが出てきます、そうすると、次は、先発品を出した製薬会社は、例えば、いろいろな薬、OD錠とか、OD錠というのは水を使わずに飲める薬、口の中で溶ける薬です、OD錠を市場に出していく、そうすると今度はジェネリックのOD錠が出るというようにして、同じ成分なんですけれども、大体四種類はあるそうです。しかも、六ミリグラムの薬もあれば、三ミリグラム掛ける二で飲む薬もあれば、錠剤もあればカプセルもある。いろいろな、棚の中に同じ成分の薬がだあっと占めているというような状況です。

 これが現場は結構負担になっていまして、例えば、普通に考えると、OD錠であったとしても、あるいは水で飲む薬であったとしても、OD錠であれば両方ともに使えるわけです。この人はOD錠じゃなきゃだめよ、水を飲んだら例えば誤嚥性肺炎を引き起こすというような場合であればOD錠になるわけですが、別にそういう危険性がなくてもOD錠でもいいわけです。

 まず伺いたいのは、処方された薬に対して、成分が同じである先発品とジェネリック、あるいはOD錠とか、どれを出すかというのは、現場の薬剤師にどれほどの自由度が今与えられているかということについて伺いたいと思います。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 保険薬局では、処方箋の変更不可欄というのがございますけれども、この処方箋の変更不可欄にチェックがない、これはレ点をすることになっておりますけれども、こういう処方薬につきましては、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行った上で、患者の希望に基づき、当該処方箋に記載されている処方薬にかえて後発医薬品を調剤することができることになっております。これはチェックがない場合。

 また、ブランド名でなくて一般名で処方されている場合には、処方薬と一般的名称が同一の成分を含有する医薬品を調剤することができます。

 それから三つ目に、剤型のお話がございましたけれども、処方薬の剤型に関しましては、例えば、内服薬のうち普通錠と口腔内崩壊錠、先ほどOD錠というふうにお話がございましたもの、この相互の間、あるいは散剤と顆粒剤、粉薬と顆粒剤などの場合のように、類似する剤型の範囲であれば、別剤型で調剤することが原則として認められているところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。資料六ですね。

 処方箋にレ点がついているものは、基本的には変更不可ですと。ところが、レ点がついていなければ、ジェネリックに変えたりとか、あるいは、一般名で書いているものの薬の選択とか、これは自由だということを今おっしゃっていただきました。

 薬剤師の皆さんに話を聞くと、結局、チェックがついていなくて本来変えられるはずなのに、一回ずつ疑義照会している場合が多いと。つまり、お医者さんに問い合わせているのが多いというふうに伺っています。さっきおっしゃったように、成分は同じなんだけれども、例えば銘柄で書かれてしまっている場合に、これを違う銘柄に変えたい、同じ成分なんですけれども、違う銘柄に変えるとか、あるいはさっき申し上げたOD錠に変えるとか、こういうのをやろうと思うと、一々、疑義照会、お医者さんに電話する。

 実際、薬局を想像していただくと、結構お客さんが並んでいます。たくさんお客さんがいて、その目の前で、一々、ちょっとお待ちくださいねと言ってお医者さんに電話する。それが例えばたまたま不在でつながらないと、しばらくお待ちくださいということになる。これはなかなかできないので、結局は、レ点がついていなくて自由に変えられるはずなのに、やはりもう書かれたものをそのまま出すのが一番手っ取り早いというような状況になっております。

 そこで、もう一度確認させてください。

 処方箋に変更不可の印がない限りは、先発薬かジェネリックか、あるいは通常の錠剤か、OD錠か、カプセルか、これをどういうふうに処方するかというのは、現場の薬剤師の皆さんの判断であって、法律上は疑義照会の義務はないということでよろしいでしょうか。

唐澤政府参考人 変更不可欄にチェックがない処方薬、それから一般名で処方されている処方薬、これにつきましては、処方医に疑義照会しなくても、後発医薬品への変更が可能でございます。

 それから、錠剤、口腔内崩壊錠、カプセル剤等の剤型変更でございますけれども、類似する剤型の範囲内として取り扱っておりますので、剤型を変えて薬剤料が例えば高くなってしまったりとか、効能、効果や用法、用量が異なったりとか、こういうことがない限り、保険薬局におきまして、処方医に疑義照会しなくても変更することが可能ということでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 今、はっきりと答弁いただきました。疑義照会する必要はないということをおっしゃっていただきました。

 これは、現場の負担を大分減らしていくことにつながると思います。こうした取り組みで、よりしっかりとジェネリックをふやしていくような御努力を続けていただきたいと思います。

 もうそろそろ時間になりますので、最後に一言だけ、言いっ放しで終わりたいと思います。

 冒頭、放射線治療の話を申し上げましたが、もう一つ、今回、基本計画あるいは加速化プランの中で大きなテーマになったのが、緩和ケアの話でございます。

 患者さんの心と体の痛みをしっかり和らげていくんだということですが、この緩和ケアをやるための緩和ケア研修、お医者さんあるいは医療従事者の皆さんに対する研修というものをずっと今まで頑張っていただきましたが、まだまだ実際はそこまで大きく広がっていない。努力いただいて、今、七万三千人まで研修を受けたというふうに言われておりますが、ぜひさらに目標達成に向けて積極的に取り組みを行っていただきたいとお願いを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。

 きょうは、まず最初に、先般成立しました児童扶養手当法に関することで一点気になることが耳に入りましたので、お伺いさせていただきたいと思います。

 児童扶養手当は、母子家庭や父子家庭の方に支給される手当でありますが、こういう例があったということです。

 しばしばあるということなんですが、母子家庭ですから、当然お子さんが一人か二人かいるわけですね、母子家庭で一人お子さんがいる、その方が、その状態のときに妊娠をして第二子を出産しました。ただ、相手と結婚をしているわけでも同居をしているわけでもなく、おつき合いをしているという関係で第二子が生まれました。その届け出をした際に、窓口で、子供が生まれるということは事実婚の関係にあるだろうということで、手当が打ち切られる、そして、妊娠をしたときにさかのぼって、今までもらっていた児童扶養手当の返還を求められる、こういうケースがしばしばあるということなんですね。

 確かに、同居をしていなくても養育費のようなものをもらっていたとしたら、それは事実婚ということになるのかもしれませんが、単におつき合いをしているだけであり、また将来結婚をするつもりもない、そういう場合に手当を打ち切るというのは、やはりいかがなものかなと思うんですね。

 中には、これは、しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石さんのところに相談に来られた方が実際にいたということですが、出会い系サイトなどで知り合った相手がお父さんであって、過去に自分は何回か中絶をしたことがあるので、医者からも、もう一回中絶するのは体にリスクがあるからと言われて、やむなく産むという選択をして、相手との連絡も全く一切とっていない。この場合も、事実婚だというふうに言われてしまう。

 まず前提として、母子家庭ですからお子さんがいて、さらに生まれたばかりの子供を抱えて、役所に行って、これはおかしいじゃないかというやりとりをする、そんな余裕もないわけですよね。そういう方が大変困っているということなんです。

 場合によっては、相手が例えば妻帯者で、不倫関係にあって子供ができてしまって二人目も産む、そういう状態でもこれは手当を打ち切られるということになっているということなんですが、これはやはり問題じゃないかなと思うんですよ。その家庭の、それぞれの方の状況をきちんと把握して、事実婚でもないのに手当が打ち切られるようなことがないように丁寧な対応をするべきだと思うんですね。

 一人親家庭で、相手と結婚もしないで二人目が生まれる、また三人目が生まれる、そういう状態にいるお母さんたちは、恐らくもっと別の支援も必要なんじゃないかと思うんですよ。それを、手当を打ち切ってもう切り離してしまうというのは、私は、本来、行政のやるべきことじゃないんだと思うんですね。もっときちんと相談に乗って、別の支援策も考えなければいけないのではないかと思います。

 そういうお母さんの手当を打ち切るような措置は、機械的に打ち切るようなことはしないで、きちんとその状況を確認して、必要であるということであれば、手当はそのまま継続して出す、返還も求めない、そういう対応をとる必要があると思いますが、いかがでしょうか。

とかしき副大臣 お答えさせていただきます。

 児童扶養手当は、離婚による一人親家庭等であって、もう一方の親と生計を同じくしていない児童を対象に手当を支給する制度となっております。

 その際に、お話にありました事実婚については、実は、昭和五十五年の課長通知に基づきまして、このときには、当事者間に社会通念上夫婦としての共同生活と認められる事実関係が存在するかどうかによって判断することとなっております。

 そうはいいましても、おっしゃるように、いろいろなケースが最近出てまいりましたので、この取り扱いにつきましては、平成二十七年の四月に全国の自治体に再通知をさせていただいております。先ほど御指摘いただきましたような、児童扶養手当の受給中に妊娠した場合についても、事実婚に該当するかどうか、これは自治体が判断する必要がありますけれども、その判断に基づいては、個々のケースがいろいろありますので、それをきちっと状況を踏まえて、機械的にそういうふうに判断してしまうのではなくて、受給資格者の生活実態を確認した上で判断し、適切な支給手続をとっていただきたい、このように通知を出させていただいております。

 ということで、今後もさまざまな機会を通じて、生活もいろいろなスタイルに変わってきておりますので、それに対応して、きちっと取り扱いを周知を徹底していきたい、このように考えております。

初鹿委員 ぜひ丁寧な対応をしていただきたいと思います。

 では、次の質問に移ります。

 皆さん、お手元に資料をお配りしているんですが、四月の二十日の委員会で取り上げました貧困ビジネスについてです。

 その質問の際にも私は申し上げたんですが、今度生活保護の支給日に現地に行って見てくると言いましたが、五月の二日に行ってまいりました。埼玉県の岩槻区の区役所に行きました。

 見てください、一番上の写真。マイクロバスから、青い作業着を着てスキンヘッドの人が一人出てきています。これが職員です。こういう人たちがたくさんいました。この人は非常に大きな声で私のことを恫喝したりしましたけれども。その下の写真、見ていただくとわかりますが、バスからたくさん出てくるんですね。こうやってぞろぞろぞろぞろと施設の入所者を区役所に連れていくんです。

 生活保護の受け取りの窓口は実は四階なんですが、なぜかこの施設の人たちだけは三階の会議室で支給をされる。ドアがあって、その奥が区役所になるんですが、その前の共用部分に三、四人、この作業服を着た職員が立っていて、柱の陰で一人、女性が袋を持っています。その前にこの作業服を着た職員がいて、保護費をもらってきた受給者がずうっとそこに来て、チェックをしながら封筒をそのまま受け取って入れていく。その光景をさいたま市の職員も見ているんです。

 私は、さいたま市の職員に話しかけたんです、こういうのは適切なんですかと。あんた誰ですかみたいなことを言うので、ちゃんと名乗りました。名乗って、これっていいんですかと聞いたら、課長に聞いてくれと言われまして、では課長に聞きに行きますと言って、課長に聞きに行きました。お話をしましたが、一言で言うと、非常に困っています。さいたま市自身も、市長も含めて、非常に問題だと思っているんだけれども、なかなか対応ができないということなんですね。

 ただ、私は、行って思いましたけれども、私が多分何らかの取材に来たか何かだと思ったんでしょう、この青い服を着た職員は、非常に高圧的な態度で、かなり威圧的に、何しに来たんだ、国会議員だからってこんなことをやっていいのかというような感じでどなり散らすんですね。私が課長のところに行って戻ってきたら、警察まで呼ばれていて、私が悪いことをしているかのように言われる。

 要は、職員の方も、怖くて多分断り切れないような状況なんだと思います。これを非常に問題だと思うんです。

 その後、私は、五つ施設があるんですが、全部の施設を回って、入り口で、入所者の人が出てきて、買い物に行ったりして出ていったところを何となくつかまえて、話をしてみました。全ての施設に行きましたが、大体、金銭管理をされていて、一日千円ずつもらうそうです。日曜日はありません。朝と夜は出るけれども、昼はないので、その千円で昼を食べています。そういう状況ですから、日曜日のもためておかなきゃいけないわけですから、仕事を見つけに行こうにも電車賃がないわけですね。電車で行かなきゃいけないような、割と交通の便の悪そうなところに施設があるんです。

 この三番目の写真を見てください。この施設は上下水道がないんです。管が出ていますね。川に垂れ流しをしています。そんな劣悪な環境です。この下の二つの写真もありますが、これは全部違う施設なんですが、佛岳山善弘寺と書いてあります。もともと宗永寺という名前でやっていたんですが、福島県の宗教法人を多分買収したんだと思いますが、今は善弘寺の宿坊という形でこの施設をやっているんですね。

 はっきり言って、この状態を放置していくのはいかがなものかと思うんです。

 例えば、この施設は、第二種福祉事業である無料低額宿泊所という建前で行われているんです。無料低額宿泊所というのは、法律によりますと、「生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業」と書いてあって、食事の提供や、ましてや金銭管理などというものは想定をされていないわけですね。食事の提供や金銭の管理を行うという施設であるならば、それは本来、生活保護法における救護施設や更生施設に当たるのではないかと思うわけです。

 仮に、これが生活保護法の施設で、第一種の福祉事業だということになれば、社会福祉法人じゃないと民間は設置できないわけですし、認可も必要になってくる。こういう位置づけで考えれば規制の対象になるのではないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

とかしき副大臣 お答えさせていただきます。

 私も、初鹿委員の「貧困ビジネスの現場に突撃」というフェイスブックを拝見させていただきました。現場に乗り込んでいらっしゃって、本当に先生が御苦労なさっている姿が切々とここに記されていらっしゃいまして、先生の熱意に満ちたお仕事ぶりに感服いたしました。

 まず、御質問にお答えさせていただきます。

 保護施設は、福祉事務所の措置によりまして、身体や精神に障害のある生活保護受給者等を入所させるものでありまして、この入所者はその生活の大部分を施設の中で営むということでありますので、その性質を踏まえまして、社会福祉法上、第一種社会福祉事業に位置づけまして、これは、より強い公的規制の対象とさせていただいております。

 一方で、今話題になっております無料低額宿泊事業、こちらの方は、生活保護受給者本人が、自由な意思に基づいて、事業者と契約を結んで利用する事業でありますので、これは事業者の自主性や創意工夫を生かした事業運営を重視するものでありまして、食事等の提供もしているということも含めまして、第二種の社会福祉事業として位置づけさせていただいております。

 しかしながら、今、事例で示されたように、第二種社会福祉事業におきましても、その事業の適切な運営を図り、いわゆる貧困ビジネスと指摘を受けるような、利用者への不適切な処遇を是正することはとても重要であると考えておりまして、この無料低額宿泊事業につきましては、その運営に関するガイドラインを昨年の四月に改定させていただきまして、その事業の適正化に取り組んでいるところであります。

 ガイドラインの改正によりまして、都道府県知事が、無料低額宿泊所として調査や事業の制限、停止命令ができること、これを明確化させていただきました。

 以上です。

初鹿委員 ガイドラインをつくったということなんですが、もっと驚くべきことに、この施設の中の幾つかは届け出をしていないわけですよ。ですから、第二種福祉事業にも当たらないわけです。でも、役所は、そこに入るということで生活保護の申請をしてくると受けざるを得ない。雨露をしのぐ場所がない人たちに帰れというわけにいかないと。

 私は、少なくとも、無届けであるなら、そこで生活保護をかけるということはストップをして、ほかのアパートなり別のところを探してくるように、またはケースワーカーがあっせんをするなりする必要があるんじゃないかと思います。

 無届けのところで生活保護をかけて暮らさせるということを、運用で何とか認めないようにはできないものなんでしょうか。

とかしき副大臣 お答えさせていただきます。

 無料低額宿泊所の届け出を出していない施設には、現に、生活保護受給者だけではなくて、生活困窮者の方も利用しておりますので、無届けであることをもって一律に生活保護受給者の利用を認めないことは適切ではない、このように考えております。

 ただ、一方で、先ほどお話しさせていただきましたけれども、無料低額宿泊所に該当する事業が適切に行われていない場合もありますので、ガイドラインを昨年の四月に改正させていただきました。

 あと、自立のお話もございました。

 無料低額宿泊所につきましては、自立に向けて生活を立て直すために一時的な利用を想定しております。

 ということで、無料低額宿泊所の届け出を出していない施設に入所しており、そして、今入っているんですけれども居宅生活ができると認められる生活保護受給者に対しては、これは自立をしていただきたいわけでありますから、敷金や引っ越し費用の支給などの支援を行うとか、あと、適切な住まいを確保するために、不動産業者への同行等によって民間アパートへの入居支援を行う、これは居住の安定確保支援事業ということで、平成二十八年度から事業を拡充してきておりまして、今、引き続き、自治体の取り組みに積極的に努めていただけるようにしております。予算規模は、平成二十八年度は五・三億円、前年度は二・七億円ということでございました。

 ということで、今後とも、こうした取り組みにより、生活保護受給者が適切な住環境を整えた住居に居住できるように努めてまいりたい、このように考えております。

初鹿委員 なかなか難しいということもわかるんですが、やはりこのままの状態というのはよくないと思うんですね。

 もう一つは、金銭管理がされているということですよ。保護費を全額、封も切らずに、だから、みんな、多分自分が幾らもらっているかわからないんですよ。封も切らずに全部集められて、毎日千円、ある施設は五百円というところもあるんですよ。それで自立なんてできるのかということです。

 あと、私が入所者の方々とお話をした限りだと、どうも職員がかなり高圧的なんだと思いますね。職員のことを恐れて、余りしゃべると怒られてしまうということです。ケースワーカーの方が訪問をしてきちんとケースワークをするということは、多分事実上難しくなっているんじゃないかと思います。ですから、なかなか転宅も進まないんだと思います。

 金銭管理ですけれども、中には確かにアルコール依存だとかそういう人で必要な人もいると思いますが、全員一律にやるというのは私はいかがなものかと思うんですよ。

 入所をされている方々の年齢層も、私は結構高いのかと思って行ったら、意外と若いんですよ。三十代、四十代ぐらいが非常に多くて、四十代、五十代前半ぐらいの、どう見ても働けるだろうという、しかも障害があるとは思えないような方がたくさんいました。その人たちまで金銭管理をされるというのは私は問題だと思うんです。

 せめて、金銭管理をするなら、金銭管理の計画書みたいなものと、あと理由書をきちんと添えて、それを認めた上でじゃないとさせないというようにしないといけないんだと思うんですよ。

 これは、民民の契約でお互いが合意をしているからいいなんという話にはならないと思いますが、金銭管理をする場合に金銭管理計画書のようなものの提出を求めるということはできないんでしょうか。

とかしき副大臣 お答えさせていただきます。

 生活保護受給者が、施設との契約に基づいて、交付を受けた保護費の管理を施設等に委託すること、これはあり得るものと考えております。

 ただ、この場合におきましても、本人の意思に反して強制的に保護費が差し引かれるようなことがあってはならない、このように考えております。

 このため、福祉事務所では、生活保護受給者本人から金銭管理の依頼の事実を書面で確認すること、あと、具体的に金銭管理の方法や、さらに施設から本人への定期的な報告等についての把握に努めております。

 さらに、本人の自立を促す上で、金銭管理支援を受けることの必要性を常に検討し、必要に応じて契約の解除等の助言指導等を行うようにさせていただいております。

 また、生活保護受給者の自立の助長の観点から、特に家計管理の支援が必要と認められるケースにおきましては、福祉事務所が社会福祉協議会やNPO法人に金銭管理支援を委託し、月々の生活保護費を複数回に分割して手渡しするケースもありまして、こういった細やかな取り組みを自治体に促しているという状況でございます。

初鹿委員 厚労省の立場からするとそう言わざるを得ないんだとは思うんですが、そうはいっても、やはり現場は怖いんですよ、きっと。

 ですから、本当に、法律できちんと規制をして、この事業は許可または認可なりをとらないとできない、そして、きちんとある程度の強制力を持って、違反をしている場合に停止命令が出せるようなことにならないと、なかなか現場は対応し切れないんだと思うんですね。

 ですので、やはり私は、貧困ビジネスのようなものをきちんと規制していく、そういう法律が必要だと思いますが、大臣、ぜひ私は閣法でつくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 先ほど、初鹿委員みずから出向いて現場を見ていただいて、問題点をえぐり出していただいているということは、大変私も敬意を表する次第でございます。

 いわゆる貧困ビジネスとして、生活保護受給者を狭い部屋に住まわせて、そして利用料を不当に徴収する、あるいは施設側で本人同意がないままに金銭管理をして直接利用料を天引きするといったようなことは、これは処遇の観点からあり得ない話で、問題があるんだろうというふうに思います。

 無料低額宿泊所、もともとは慈善事業的に始まっていったはずのものでありますけれども、これについての事業運営が適切になされるように、運営ガイドライン、先ほど御答弁申し上げましたように、宿泊所の設備や運営等に関する基準というのを示して、都道府県知事が事業所に対する指導監督を行っている形を明確にしているわけであります。

 またさらに、施設によって金銭管理が行われている場合には、今お話がありました、本人の意思に反して生活保護費から利用料が差し引かれることがないように、福祉事務所が、きちっと本人の同意に基づいて適切に管理をされているかどうかを確認する、これが必須だと思います。それで、本人に対して家計管理に関する支援も行い、先ほどの写真にあったような劣悪な施設に居住する受給者については、より適切な住宅への転居を支援するということが必要なんだろうと思います。

 法律を閣法でつくるべきではないのか、こういうお尋ねでありますが、先ほどとかしき副大臣から答弁申し上げましたように、貧困ビジネス対策については、事業所に対する規制だけではなくて、生活保護受給者が安心して生活できる場の確保とか、あるいはケースワークをもっともっと丁寧にやるとか、そういう支援の方をあわせて充実していく必要があるのではなかろうか。

 こうした観点に立って、これまでの取り組みの効果を検証していくことが大事で、さらに、先ほど申し上げたように、よい施設というのは本来あるはずなんですね、ですけれども、必ずしもよくない施設がばっこしているということが混在しているもので、それをどう、いい施設を応援して、だめな施設、好ましくない施設をディスカレッジするかということをどう上手に有効にやるかということが大事なんだろうということなので、先ほど申し上げたように、いきなり規制だけでいくとなると、いいところまで規制されないようにしなければいけないという問題をどう解決するかということは、なかなか簡単なことではないかもわからないということなので。

 今先生が、まさに自分で行っていただいて、現場の一つのパターンというものをよくごらんになっていただいて、本質を見抜いていただいているんだろうと思いますが、こういう実態を、きちっと自治体の意見も、今の話を聞いておりますと、言えないこともあるようでありますから、そこの本音を聞いて、それで、では一体何を国としてできるのかということを考えていかなきゃいけないのかなということで、改めてこの問題の重要さということを感じさせていただきました。

初鹿委員 民主党政権時代に私も中心になって法案をつくってありますので、ぜひそれを再検討していただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 西村智奈美です。

 今週の月曜日に、熊本地震に関連する補正予算七千七百八十億円に関する衆議院予算委員会での質疑がありました。その中で、我が党の山尾志桜里政調会長が、保育士の処遇改善のことについて質問をされました。

 私ども、三月の二十四日に保育士処遇改善法案を既に提出し、この厚生労働委員会に付託されたのが三月の三十日でございます。既に二カ月近くたっているのに、いまだに趣旨説明すらさせてもらっていない。これはもう甚だしい与党側の審議拒否であると私どもは何度となく抗議をし、そして、その審議を進めてほしいという要求をしてまいりました。いまだにそれがなされていないということはきょうは指摘にとどめさせていただき、そのときの塩崎大臣の答弁が私もどうしても気になりますので、きょうは、その点から質問をさせていただきたいと思っております。

 資料におつけしている二枚目のところが、その日の速記録になっております。

 山尾政調会長が、一億総活躍国民会議で保育士の給与を二%上げる、その内容について、民主党政権で決めたことを、全く同じことを新たにと言いかえているのではないかという質問に対して、塩崎大臣はいろいろお答えになっているわけですけれども、その中で、途中このように述べておられます。

 保育士としての技能、経験を積んだ職員について、下線を引いてあるところですが、全産業の女性労働者との差が月額四万円程度あることも踏まえて、賃金差がなくなるようさらに処遇改善を行っていくと。

 言うまでもなく、保育士の平均賃金は、全産業平均賃金と比較しておよそ十万円の差があります。

 確かに、女性労働者との差で見れば、四万円というのが数字としてはあるのかもしれません。しかし、なぜ保育士の処遇改善について議論をしているときにあえて全産業の女性労働者の平均給与の数字を比較対象として持ち出してきたのか、改めてその理由について大臣にお伺いいたします。

塩崎国務大臣 保育人材の確保のための総合的な対策を講じる中で、これまでも処遇改善について、公務員の給与改定に準拠した改善として、平成二十六年度二%、そして平成二十七年度一・九%の改善を行って、さらに、平成二十七年度には消費税財源を活用して三%相当の改善を行ってまいりました。この結果、保育士の賃金も、平成二十五年を底に上昇に転じて、着実に上昇してまいっております。

 さらなる処遇改善についても、月内に閣議決定予定のニッポン一億総活躍プランに基づいて、財源を確保しつつ取り組むこととしております。

 その内容は、従来からの課題でございました二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士として技能、経験を積んだ職員について、まずは競合他産業との賃金差がなくなるように追加的に処遇改善を行っていくこととしているところでございます。

 この他産業との賃金差をなくしていく際に、目安として全産業の女性労働者との差を用いているのは、これまで保育士の女性比率が一貫して九五%程度であることなどを踏まえているわけで、このことについては予算委員会でも申し上げたところでございます。もちろん、保育士が女性の仕事であるという固定的な考え方は解消していくことが重要でありますから、少なくともまずは四万円程度の差をなくしていこうとするものでございます。

 その際、大前提として、男女の賃金格差をこのままにしてよいとは考えていないわけでありまして、我が国の男女間の賃金格差については、縮小傾向にございますけれども、いまだ格差があります。しっかりと取り組んでいかなければならない課題であると私どもも認識をしておりますからこそ、女性活躍推進法や同一労働同一賃金に向けた取り組みを進める中で、今後、保育士も含めて、全体として男女の賃金差が縮まるように取り組む所存であって、同一労働同一賃金の発想は、もともとヨーロッパでも男女の賃金格差の解消から出てきたと理解をしているところでございます。

西村(智)委員 大臣がどういうふうに述べたとしても、この説明はやはりおかしいと思うんですよ。

 何がおかしいかというと、つまり、今回、大臣がさっきおっしゃった説明は、全産業の男性労働者の平均賃金と全産業の女性労働者の平均賃金の間に差があるということを所与のものとして、当然のものとして前提としているということ、その上にしかこの説明はやはり成り立たないんだと私は思うんですね。

 この説明を大臣が委員会でされました。聞いていた人はどう思ったでしょうか。どういうふうに思ったでしょうか、視聴者の方は。女性の全産業の平均と差が四万円であるからという説明をした瞬間に、恐らく聞いている方は、ああ、男女で平均賃金で差があるということはある意味厚生労働大臣も認めていることだよね、当然のことと認めているんだよねというふうに私はやはり受けとめるんだと思いますよ。それを大臣は、いともあっさり答弁をしてしまった。しかも、撤回もされず、総理がその後、その答弁をさらに上書きされるようなことも言っておられるわけなんですよ。

 そういう自覚が大臣御自身にありましたか。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、男女間の賃金格差については縮小傾向にあるといえどもまだまだあるわけでありますし、これは、先ほど申し上げたとおり、女性活躍推進法とか同一労働同一賃金についても同じことで、趣旨はもともと、さっき申し上げたとおり、男女間の賃金格差の問題で議論がヨーロッパでもスタートした同一労働同一賃金でもございますし、そういうことを当然私たちは安倍内閣として最優先課題として女性活躍推進法も取り組んできたわけでありまして、それも、大企業に対して義務化をするという計画を立てるということまでやって法律で縛っているわけでありますから、当然、男女の賃金格差を解消していくということは私どもの政策としてのど真ん中にあることは、もう言うまでもないわけであります。

 したがって、先ほどお話があったとおり、私が説明したとおり、まずは競合他産業との賃金差をなくすようにということで、追加的に処遇改善を行うということを申し上げているわけでありますので、何ら矛盾する話ではないというふうに思っております。

西村(智)委員 相変わらず強弁を続けられるわけですね。

 私は、あのとき山尾さんが、つまり野党の側が反論しなければ、あの大臣の答弁を聞いている人は男性と女性の労働者で賃金格差があることが普通だというふうに受けとめたのではないですかということなんです。

 これは答弁の前後を読んでみますと、女性労働者との差が月額四万円程度あることも踏まえて、賃金差がなくなるようにというふうに答弁されているわけですから、全産業の男女も含めての労働者との比較でということは何一つ語っていないわけなんですよ。

 私は、これはやはり大臣の責任として本当に重大だというふうに思います。いかに大臣が女性活躍推進だとか一億総活躍だとかいうふうに言ったとしても、この答弁が全てを台なしにした、ひっくり返した、私はそういうふうに断固抗議をさせていただきます。撤回をしていただきたいというふうに思っております。

 そもそも、大臣、これは何との比較で賃金差がなくなるようにしていくというふうに答弁をされているんですか、ここの中で。賃金差がなくなるようにさらなる処遇改善を行っていくと。女性労働者との賃金差ですか、それとも全産業の労働者との賃金差ですか、どちらですか。

塩崎国務大臣 先ほど来申し上げているように、安倍内閣は働き方改革がこれから三年間の最大の挑戦だ、こう申し上げているわけで、そういう中で同一労働同一賃金に踏み込んで、特に非正規、正規の賃金格差を解消するというのは、まさに評価をきちっとする、この評価は男女間であっていいはずがないわけであって、当然のことながら、男女間の格差、あるいは正規、非正規の間の格差、これを解消していくということが私たちのこれから大きく挑戦をしていかなければいけない働き方改革の大きな柱の一つだというふうに思っています。

 したがって、今申し上げたのが最終的に解消しなければいけない格差であって、それは男女間と、それから非正規、正規の間の格差そのもの、いずれも全てにわたって解消をしていくということが私たちの最終的な到達地であることは、総理の随所での発言からも明らかだというふうに私たちは思っております。

西村(智)委員 いや、違うんですよ。ここで言っている賃金差というのは、何と何を比較して差をなくしていくようにというふうに大臣は答弁をされたんですか。

塩崎国務大臣 先ほどもおっしゃったように、約十万円ぐらいの格差が保育士と他の全産業についてあるということは私たちもよくわかっているわけで、しかし、この賃金を引き上げるのには財源も要るわけであります。

 したがって、できるところからきちっとやっていこうというときに、まずは、先ほど申し上げたように、競合他産業との賃金差がなくなるように上げていくということを申し上げているわけであって、そこで終わりというわけでは全くないわけですけれども、しかし、財源なしの無責任な賃金引き上げ論だけ言ってみても余り意味のあることでは政治的にはないというふうに思っております。

西村(智)委員 つまり、十万円上げられないから四万円をとりあえず目指すということの中での文脈で、ここで言っている賃金差というのは、今の大臣の答弁から推察すると、全産業の女性労働者との賃金差をなくすようにというふうに、大臣はやはりそういう趣旨で答弁されたんですよ。

 ここに明らかに男女の賃金格差を大臣は認めているじゃないですか。おかしくないですか。女性活躍推進と一方で言いながら、答弁の中では男女の賃金格差を認める。そして、ここの賃金差は、全産業の女性労働者との賃金差をなくしていくようにするということなんですよ。大臣、それを否定されませんでしたよね。これは断固私は抗議をさせていただきます。このような認識の中でこれから一億総活躍プランとか実現、本当にちゃんちゃらおかしいというふうに申し上げざるを得ないですね。

 ちょっとその前に確認をさせていただきたいんですが、資料で一枚目におつけしているのは、平成二十二年に厚生労働省が作成した男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドラインというものです。

 ここで、男女の賃金格差をもたらす要因として、その直接的な要因としては、男女の平均勤続年数や管理職比率の差異が挙げられているというふうに書いてあるんです。

 このペーパーの下の方に1、2と書いてありますけれども、要は、なぜ平均勤続年数や管理職比率の差異が出てくるのかということの実態として、そもそも基準が曖昧であるために、例えば性別役割分担意識をもって制度が運用されているということ、それから、家庭的な責任を持つ労働者にとって困難な働き方を前提とした制度となっているということ。それから2では、採用、配置、仕事配分、育成方法の決定、人事評価や業務評価などの側面で、男女労働間に偏りが生じているということ、そして、それが男女間の経験や能力差になっているということ、こういったことが明確に指摘をされています。

 私、このガイドライン、非常によくできていると思う。

 その後に引き続いて、こういうふうに書かれているんですね、アンダーラインを引いています。「男女間賃金格差は男女の働き方全体のいわば結果として現れてきているものである」と。いわば結果としてあらわれてきているものであるということなんです。

 大臣、私はこの前の予算委員会の答弁は全く間違いだというふうに思いますけれども、さっきから女性の活躍促進と言ってくださっていますから、この考え方には当然賛成してくださると思いますけれども、その確認をお願いします。

塩崎国務大臣 女性活躍推進法案を私どもが提出して、皆さん方にも賛成をいただいて成立をするわけでありますし、何よりも、先ほどお話がありました勤続年数の男女差とかあるいは管理職の女性比率、これが、言ってみれば、今の男女の格差の大きな原因だということで今もお話がありましたが、そのとおりであって、だからこそ、先ほど申し上げたように、全事業主に対して、大企業に関しては、数値目標を含めた行動計画を策定するということを義務づけたわけです。義務づけたわけであります。

 民主党政権時代に、「なでしこ」大作戦というのがありましたが、これは義務づけではなくて、働きかけでいこうというアプローチを民主党政権はされたようでありますけれども、我々は断固として義務づけるということを提案いたしました。

 したがって、今のお尋ねでございますけれども、このガイドラインにおける考え方自体に私は全く賛同をいたすところでございます。

西村(智)委員 私が強調したかったのは何かというと、勤続年数の違い、それから管理職比率、これはある意味、働き方の違いによる結果として表出されているものであって、本当の構造的な問題はもっと奥の方にあって、それがここに書かれている1、2なんですよ。基準等が曖昧である、性別役割分担意識をもって運用されている制度、それから、そもそもいろいろな人事評価、訓練を与える与えない、こういったところで男女労働者間で偏りが出ている、結果として経験や能力に差が出てくる。

 こういったところを解消していかなければいけないということについて、大臣、そのとおりですよね。

塩崎国務大臣 例えば、なぜ管理職の女性比率が低いのかといった問題の背後に、今御指摘をいただいたような1とか2とか、言ってみれば、男女間賃金格差は男女の働き方全体のいわば結果としてあらわれているということがありますが、確かに結果として出てくるわけで、その一つ手前に勤続年数の男女差とか管理職の女性比率があって、特に管理職の女性比率などにこの考え方の言ってみれば一番大きな問題があらわれてきていたということであり、また、現在もあらわれているという問題があるからこそ、私たちは、こういった数値も明らかにした、数値目標を含めた行動計画を策定することを義務づけたということでございます。

西村(智)委員 確認をさせていただきましたが、五月十六日の予算委員会で、総理は、ここのガイドラインの、私が今議論した、そして大臣が今お答えになった認識とは違う認識に基づいて答弁をされているということを、きょうは指摘だけにとどめたいと思います。

 といいますのは、総理は、我が国におけるフルタイムの男女労働者間の賃金格差の要因について、管理職比率と勤続年数の差異であるというふうに答弁をしつつ、したがって、その処方箋として、女性の管理職への登用が進み、出産と子育てと仕事を両立しやすくすることなどにより、女性の勤続年数が伸びれば男女間の賃金格差は相当程度解消されることになると、何だか機械的に、今の労働条件を変えないまま、女性の勤続年数が機械的に伸びていけば男女間の賃金格差は相当程度解消されるというふうに総理は答弁されているんですけれども、これは私、間違いだと思いますよ。今大臣が答弁されたとおりです。

 だから、それはよくよく、大臣から総理にレクをしてください。認識が間違っているということは、私、指摘と、これもまた機会があれば総理にも伺っていきたいというふうに思っております。つまり、浅薄な答弁だということですね。

 それで、一億総活躍プランについて伺いたいと思います。

 五月の十八日に発表されました。資料も含めると大変大部になっていて、なかなか読むのは大変ですけれども、一億総活躍プランの中で私が特に注目をしていたのは、同一労働同一賃金がどういう記述になるかということです。私、これは本当に期待をしておりまして、五月中旬に出てくるということで、待っていたんですけれども、結論から申し上げると、期待外れ。名前だけつまみ食いされてしまったなという印象が非常に強いです。

 そこで、具体的にお伺いします。

 一億総活躍プランの七ページから八ページぐらいにかけて同一労働同一賃金についての記述がありますけれども、パートタイム労働者の賃金水準について、「欧州諸国においては正規労働者に比べ二割低い状況であるが、我が国では四割低くなっている。」というふうに書かれつつ、ちょっと間があきますけれども、「正規労働者と非正規雇用労働者の賃金差について、欧州諸国に遜色のない水準を目指す。」というふうに書かれています。

 この文脈からすると、これは、正規と非正規の賃金差について二割差以内を目指すということを意味しているのでしょうか。大臣に伺います。

塩崎国務大臣 パートタイム労働者の賃金水準というのを見てみますと、我が国ではフルタイム労働者に比べて約五七%となっているのはもうこの一連の議論の中で認識は広まっていると思いますが、一方で、例えば、イギリスを見ますと約七一%、ドイツでは約七九%、フランスはやや高くて約八九%というふうになっておりまして、欧州というだけでは国柄は見ることができずに、やはり賃金差にかなり幅が、イギリスの七一とフランスの八九でありますと、ドーバー海峡を挟んでもこんなに違うということであります。

 今回のニッポン一億総活躍プランにおきまして、正規労働者と非正規労働者の賃金差については欧州諸国に遜色のない水準を目指すということでありますけれども、これについては、個々の非正規雇用で働く方の不合理な待遇差の改善を図るということを意図しておりまして、数量的な目標を設定することを意図するということではないというふうに私どもは考えておりまして、不合理、説明がつかない格差というのは解消しようよ、こういうことが一億総活躍プランの中での同一労働同一賃金の肝ではないかというふうに私は考えております。

西村(智)委員 だとすれば、何か、正規と非正規の差を二割以内を目指すという報道が幾つか出ているようでありますので、厚生労働省としては、それに対してきちんと、そうじゃないということは打ち返しをされますか。

塩崎国務大臣 これは、一億総活躍の担当は加藤大臣なものですから、加藤大臣におかれて適切に対処をするべきものでなかろうかというふうに思いますが、もちろん、事賃金の問題であり、また働き方の問題でありますので、私どもも、考え方はしっかり、今申し上げたようなことだということを努めて説明をしてまいりたいというふうに思います。

西村(智)委員 済みません。時間を勘違いしていました。

 ちょっと時間が来ちゃいましたので、最後、指摘だけにしますが、これはただ「賃金差」と書いてあるんですね。正規と非正規の賃金差について、「欧州諸国に遜色のない水準を目指す。」というふうに書いてありますから、これは明確な数値目標ということになるんだと思うんですよ。なおかつ、不合理な差ということであれば、今まで言っていた均衡待遇、ないしは部分的な均等待遇と中身的にはそんなに変わらないと思いますよ。

 私は、やはり同一労働同一賃金にとどまらず、ILO百号条約に即して同一価値労働同一賃金、きちんと職務評価を入れていかないと、男女間の賃金格差は埋まっていかないと思います。

 特に、冒頭言わせていただいた、厚生労働大臣それから総理の答弁、男女間の賃金格差の背景や原因、その解消方法について全く認識のないもとでこのプランが進められるとすればなおのことです。そのことを指摘して、終わります。

渡辺委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 井坂信彦です。

 本日は一般質疑ということで、三つのテーマ、一つは歯科技工士の問題、二つ目が旅館の耐震工事の問題、そして三つ目に、介護職員さんを守るという問題についてお伺いをしたいと思います。

 まず、歯科技工士の低賃金について伺います。

 配付資料一枚目、これは、ちょうど一年前に私と大臣でこのテーマを議論したときの議事録であります。

 歯科技工士は五年以内の離職率が八割だ、そして、仕事の時間が週で平均六十二・二時間、これは月に直すともう平均で過労死ラインを超えている、しかも、これだけ長く働いても年間の収入は多くの人が三百万円台だ、およそ国家資格とは思えないひどい状況だということで、これは大臣も答弁でそのような実態をお認めになった上で、最後におっしゃっているのは、「一番はやはり給与というところにあらわれてきておりますので、こういった点をどう解決するのかということについて考えていかなきゃいけないなというふうに思うところでございます。」、一年前に大臣がこのように答弁をしておられるわけであります。

 この歯科技工士にどういう流れでお金が支払われるのか。国から歯医者さんには、これは保険の点数が決まって、公定価格で歯科技工料が支払われます。そして、歯医者さんから歯科技工士さんへは、これはもう民間対民間の普通の契約、市場、マーケットの中での普通の民民の契約という形で製作物に対する対価が支払われる、こういう仕組みになっております。

 現在、国が決める歯科技工料、どうやって決めているかというと、実態調査。これは、実際に技工士さんが歯医者さんに幾らでこの製作物を売っているのか、こういう実際の値段の実態調査をやって、それに専門家の意見とか団体の意見とかを加味して国は歯科技工料を決めているということであります。

 ふだんであればこういった考え方も私は否定をいたしませんが、この歯科技工士さんの、先ほど申し上げた物すごい、過労死ラインを超えて働いても、年収三百万円台。実際、私はお聞きをしますと、何でこれだけ働いて、それでこれしかお金がもらえないのかというと、やはりこれは、値下げ合戦、ダンピング競争が物すごい激しいんだと。

 これだけ長く働いていたら、これ以上値下げして、新たに仕事をとって、その分また余分に仕事をする暇はないでしょうとお聞きをしましたら、いや、違うと。今は夜中の一時まで毎日やっているけれども、それでも収入が足りないので、値下げをしてでももう一件仕事をとって、夜中の二時まで働こう、こういう状態に業界はなっているんだ、こういうことであります。

 大臣にお伺いしたいと思います。

 実態価格、要は、実態でこれだけ安く歯科技工士が働いていますよというそこを調べて、それで国の公定価格を決めていたら、これはいつまでたっても低賃金の問題は解決できないと思います。むしろ、値下げ競争、ダンピング競争、その結果の物すごい安い製作物というこの実態を公定価格が追認をしてしまう、こういう仕組みになっていやしないかというふうに思うわけであります。

 私は、やはりここまで問題が大きくなると、歯科技工料の決め方は、実際の売り値を調査してそこから決めるのではなくて、公共事業と同じように、大体これぐらいの単価を積み上げて、これぐらいは値段をとるべきでしょうという積算、あるいは、これだけ長く働いてこの値段だったらちょっと少ないから、やはりこれだけ長く働かなきゃつくれないものはこれぐらいの値段が相当でしょうという労働実態、この積算や労働実態で歯科技工料を決めるべきだというふうに考えますが、大臣、御所見を伺います。

塩崎国務大臣 私も後援会の中に技工士の方々もたくさんおられ、御主人が技工士という奥様のお話もたくさん聞いたりして、なかなか大変な仕事であるということは私もよくわかっているところでございます。

 今、井坂議員の方からお話がございましたとおり、今の仕組みは、入れ歯とかあるいは歯のかぶせ物については、歯科医療機関が患者に対して適切な歯科医療を施すというその中の一環として提供していただくべきものというふうな位置づけで、診療報酬で、義歯等の製作に要する費用、これが歯科診療報酬として技術料に含めて一体として評価をするという格好になっているわけでございます。

 これらの技術料については、予算編成過程において診療報酬改定率が決められて、その中で中医協で議論をされて設定をしているわけでございますけれども、例えば、この二十八年度の診療報酬改定においても、入れ歯、義歯に係る技術料については一%程度の点数の引き上げを行うというようなことで、適切な評価を行うという観点から、何とか全体としての底上げを図ろうということで努力をしているつもりでございます。

 一方で、今御指摘の労働実態などについてしっかりと把握をして、それに基づいて判断をすべきじゃないかということでございました。

 これは、日本歯科技工士会みずからが実施をされている歯科技工士実態調査で把握をするというアプローチをしておりまして、歯科技工士を取り巻く環境というのは、冒頭申し上げたようになかなか厳しい面がここからも見てとれるということでありますから、当然、こうした状況を踏まえて、歯科技工士の皆さん方の御意見、そしてまた、関係の団体の意見も聞いて、引き続き、きちっとした評価が適切になされるように次回の診療報酬改定に向けても検討を重ねていかなければいけないというふうに思っております。

    〔委員長退席、小松委員長代理着席〕

井坂委員 ちょっと重ねてお伺いしたいんです。

 今大臣は余りはっきり答弁をされなかったんですが、私は、労働実態というか、これだけ長く働いてこれしかもらえないんだったら、やはりちょっと単価を上げないとさすがに無理だなと。そこを真剣に、技工料の決定にその考え方を入れていただきたいと思うんです。大臣は今、医療、保健の立場で答弁されたと思うんですけれども、一方で厚生労働大臣でありますから、今回、長時間労働の問題なども政府を挙げて今後取り組んでいかれると、一億総活躍でそういうふうにおっしゃっていただいているわけであります。

 例えば、平均で週六十二時間働いて、なお年収三百万円台。これじゃ、普通に週四十時間の働きに戻しましょうといったら、技工料を上げない限り年収二百万円台になるということであります。そういう実際の数字で真剣に考えていただきたいんです。それは、一%とか、ちょっとずつ上げてはきていただいています。ただ、それは、一%上がったって三百万円が年収三百三万円になる、こういう話でありますから、そういう次元の話ではないということなので、もう一度。

 単に、価格の実態調査から技工料を決めて、ちょっとずつ上げていますよ、あるいは、市場の実態に合わせてやっていますよというレベルの話ではなくて、これだけ長く働いてこれしかもらえていないのは、これはもう考え方を根本から変えないとだめじゃないか、こういう提案をしておりますから、大臣、再答弁をお願いいたします。

塩崎国務大臣 仕組みとして、先ほど申し上げたように診療報酬で、技工士の皆さん方のお仕事に対しても、それを含めて、技術料としてお支払いをする診療報酬体系の中でやっていくということであるわけであります。

 その際に、当然これは、例えば医科の場合でも、医師のみならず看護師さんとかそういう方々の賃金がどういうふうになっているのかということはしっかりと踏まえて、データもとって、それをきちっと見ながら、最終的に診療報酬としてどうするかということを決めていっているわけで、病院にしても、さまざまな病院の種類がありますから、そういう形で見ているということなので、それが、私どもとしては、チーム医療で、歯科技工士なしで歯科が診療をきちっとできるかというと、もちろんできる先生もおられるわけでありますけれども、おおむねやはり役割分担というのはできているので、そういうところをよく考えた上でのことでございます。

 ですから、今、井坂委員がおっしゃったように、労働実態をしっかりと踏まえて、それが評価としてあらわれるようにすべきだということは、お気持ちはそのとおりだし、我々も、そういう実態も踏まえた上で、こういうことで評価をしていて、それが納得がいくかどうかというところにおいていろいろな考え方があるのかなというふうに思っているわけで、実際長時間労働になっていることについては、一週間当たりの就業時間六十一・五時間というのがこの技工士会が実施をした調査からあらわれてきているものでありますから、我々もよくわかっているところでございます。

井坂委員 民民の契約で当事者が納得していればいいという、原則はそうだと思うんです。ただ、ここは厚生労働委員会でありますし、まさに過労死ラインを平均で超える職種、業種にこの国家資格が今なってしまっているというこの実態は、ぜひ労働大臣として改善をしていただきたい。

 時間がないので提案にとどめますが、今は公定価格の話をしましたけれども、その先の、歯医者さんと技工士さんの間の値段づけ、これも七、三告示が守られているのかいないのか、ずっと国会で議論になっているわけであります。ここも民民なので、七割、三割を強制はできないわけでありますが、ただ、この契約も、一人親方みたいな技工士さんが大半ですから、自分で契約書を書いて、何かつくり直しも全部技工士の持ち出しだみたいな、そういう契約も多いというふうに聞いております。

 歯医者さんは営利企業ではないので下請法の対象外だということでありますが、下請法のような発想で、厚生労働省がちゃんと歯医者さんと技工士の標準契約書みたいなものもつくって、技工士さんが不当に損をしないような、そういう工夫もぜひ実務上やっていただきたい。これは本日は提案にとどめておきたいというふうに思います。

 次に、旅館の耐震工事について伺います。

 これは耐震改修促進法で、昨年末までに、旅館、ホテルは耐震診断を義務づけられて、そして、その診断結果を自治体に報告して、それが間もなく発表される、こういう流れになってきております。これは古い旅館なんかは耐震基準を満たさないところが多いわけでありまして、今後、耐震改修の工事を、公表されたら当然やっていかなければいけないわけであります。

 そこで大臣にお伺いをしたいのが、この耐震改修の工事をする間、旅館は閉鎖あるいは大規模な営業縮小をしなければなりません。当然、その工事の間はお客さんをとれないわけですから、ホテル、旅館というのは、労働集約型、たくさんの人、地元の人を雇って働いてもらっている産業、これを耐震改修の工事の間は一旦お休みしていただかなければいけない、その間は収入は一切ないですから、ではどうするのか。首にするわけにもいかないし、かといって、その間お給料を払い続けられるのか。

 まさに、こういうときのために、雇用調整助成金というものが厚生労働省にあるわけであります。

 お配りした資料の二枚目が雇用調整助成金の概要でありますが、これは一つだけネックがありまして、経済上の理由により事業の縮小を余儀なくされた事業主が労働者の雇用の維持を図った場合に、その費用を助成する。経済上の理由によりということが一つネックになって、実は、去年、公明党の議員が国土交通委員会でこの議論をしたときも、経済上の理由だから、耐震改修の間はこの雇用調整助成金は全く使えませんと。当時は参考人だったので、大臣ではなかったですから、参考人は法律どおりの答弁しかされなかった、こういう経緯があります。

 しかし、大臣も想像していただきたいのは、ホテル、旅館というのは、やはり観光地、多くは地方にあって、非常に小さな町や村で物すごい数の雇用をそこで生み出しているわけであります。それが今回、耐震基準以下だということで公表されて、これからようやく国の補助率も上がって慌てて工事をするわけでありますが、工事の間、雇用の維持ができません。これは、やめてもらったら地方の雇用にも悪影響。工事が終わって、では、いざまた帰ってきてもらおうと思っても、もうほかのところにみんな勤めてしまっていますから、今度はまた人を集めるのが大変。そういう意味で、本当に地方の経済に大きな影響をこのままだと与えかねません。

 もう一枚めくっていただきたいんですが、これはちょうど今回の九州の震災に対して、雇用調整助成金を特例的に柔軟に運用します、こういうことになっています。大変いいことだというふうに思います。

 見ていただきたいのが「対象となる事業主」で、ふだんは経済上の理由ということで、ここをかっちり運用されているわけでありますが、地震ということもあって、交通手段の途絶によりお客さんが来ないとか、あるいは風評被害により観光客が減ったとか、あるいは事業所、設備などが壊れて使えない、こういうときでも、これによる雇用調整に助成金を払いますと非常に柔軟に運用してくださっているわけであります。

 私、ここまでできれば、例えばですけれども、今回、耐震改修、ということは耐震基準以下だということが国土交通省に公表されてしまうわけでありますから、あそこの旅館は耐震基準以下だ、危ない、こういう風評被害もあり得るというふうな見立てで、風評被害あたりにでもひっかけて、あるいは、これも震災のときと全く一緒です、設備が使えない、こういう形での事業縮小で、柔軟に雇用調整助成金を使って地域の雇用を守るべきだというふうに考えますが、参考人、いかがでしょうか。

広畑政府参考人 お答え申し上げます。

 雇用調整助成金は、今委員御指摘のとおり、経済上の理由による休業等を対象としております。これは、この助成金が、事業主が納めた雇用保険料を原資として、事業主の共同連帯により対応する雇用保険二事業として実施していることが理由でございます。

 宿泊施設について法令違反があったために、例えば是正するための改修工事の実施命令や営業停止処分などが行われた場合はいわゆる経済上の理由には当たらないと思いますけれども、今御指摘の、営業自体が法令違反とまでは言えない宿泊施設につきまして、耐震改修促進法の改正によって新たに設けられました耐震診断結果の公表という外的な要因によって現に宿泊客が減少した場合は、これと同列に扱うべきかどうか検討が必要であると考えてございます。

 こうした点も踏まえまして、今までにない新しい事態を迎えることになりますので、御指摘のようなケースが経済上の理由に当たるかどうか、関係省庁の意見を聞きながら早急に丁寧な検討を進めてまいりたいと考えております。

 なお、先ほど委員御指摘の、地震の場合の特例でございますが、これは東日本大震災のときからこういう運用をしておることをつけ加えさせていただきます。

井坂委員 ありがとうございます。

 地震のときにこういうことをやっていただいているのは、私は本当にいいことだというふうに思います。同じように何とかうまく理由をつけていただいて、もちろん、国土交通省の政策で何でという心理的なものももしかしたらあるのかもしれませんが、しかし、やはり厚生労働省ですから、地域の雇用をきちんと守っていく、維持をしていく、そのための雇用調整助成金なんだという、この制度の本旨にもう一度照らしていただいて、何とか理由をつけて、柔軟な、そして、実際にこれが現場で使えるような運用をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 最後に、介護職員さんを守るということで、介護職員のうつ、離職対策について伺います。

 これは厚生労働省の発表ですけれども、仕事のストレスが原因でうつ病などの精神疾患を発症したとして労災を申請した介護職員が二〇一四年度までの五年間で二倍以上にふえた、こういうことであります。認定された人も三倍に増加をして、介護職が業種別の順位もトップに浮上した、慢性的な人手不足が続く介護業界の職場環境の悪化が浮き彫りになった、こういう報道が各社でされております。

 うつ病などの精神疾患の労災は、認定基準は、長時間残業や連続勤務、また、パワハラやセクハラなどがあった場合にストレスの程度を評価して、強いストレスがあれば認定をされる、こういう仕組みになっているわけであります。

 ニュースで、よく介護職員さんの方が、入所者さん、おじいちゃん、おばあちゃんに暴力、暴言、これはあってはならないことです、ニュースで時々報道されて大問題になっております。これはもちろん大問題なんですけれども、実は、逆のケースも非常に多くあるというふうに私は現場から聞いております。つまり、入所者さんが介護職員さんに暴力、暴言、またセクハラ、こういったことが非常に多く起こっている、現場では多発をしているということであります。

 これは、入所者の方が重度の認知症でおられたりとか、要は、判断能力、自分がやっていることのよしあしもわからない、こういう場合はちょっと今回は議論から外しまして、ちゃんと判断能力もある、分別も当然持っていてしかるべき入所者の方が、介護職員に暴力、暴言、セクハラ。こういうことが放置をされていれば、これはやはり、うつ、労災、また離職、これの隠れた大きな要因になっているというふうに私は思います。

 これは明らかに犯罪なんです。でも、これを理由に例えば施設がその入所者さんを、もう出ていってください、退所、お引き取り願いますとやったりとか、あるいは訴訟、訴える、こんなことをすると、それぐらいでそこまでしなくてもという雰囲気が現場に、そして業界にあるのも事実だというふうに思います。

 似たような話が、かつて飛行機の客室乗務員にありました。高いお金を払っているんだから、これぐらいで文句を言うなと言わんばかりのことがかつては機内でよく起こっていて、それに対して、平成十五年の航空法改正で、客室乗務員の職務を妨げる行為に禁止命令が出せる、そして、それに従わなければ五十万円の罰金、こういう改正があって、今はもう飛行機に乗っても客室乗務員は毅然とした対応をとっている、こういうことになっています。

 そこで、これは参考人にお伺いいたしますが、介護職員に対する入所者、これは判断力を失っておられる認知症などの方は除いて、入所者の方が暴力やセクハラを介護職員に対して行う、それに対して、介護職員さんとかその施設が、それは犯罪であるということで毅然とした対応をとれるような機運、また仕組み、こういったものをつくって、そして、うつ、労災、また介護職員の離職、これを防いでいく必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。

    〔小松委員長代理退席、委員長着席〕

三浦政府参考人 介護施設に入所された方が、故意に介護職員に対して暴力や性的な嫌がらせを行うということは、介護職員の人権を侵害する行為であると考えております。決して許されないものでございます。御指摘のように、毅然とした対応が必要なのではないかと考えているところでございます。

 施設のリスクをマネジメントしていく、そういう観点からも、入所者の方とのトラブルなどに関しての対応を適切に行うということが必要であるということでございまして、私どもとしても、事業者や介護現場の皆様方の声を伺いながら対応を進めていきたいと考えております。

井坂委員 時間が来ました。

 一点だけ提案したいのが、例えば、介護職員に対する以下の行為は犯罪であり、退所や法的対応など厳しく対応させていただきますといって、やってはいけないこと、これをしっかり書いた禁止事項承諾書みたいなもの、これを施設が独自につくるとまた角が立つので、厚労省が標準的なものをつくって、全国の施設で、契約時には入所者さんまた家族の方にサインしていただく、こういった工夫もあると思いますので、ぜひ、これは犯罪であると毅然と対応できるような仕組みづくりをよろしくお願いいたしまして、私の質疑を終わります。

 ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民進党の大西健介です。

 私も、先ほど西村委員が取り上げられた、先日の予算委員会での我が党の山尾政調会長と総理の間の保育士の処遇をめぐる激論について、ちょっとお伺いをしたいというふうに思います。

 山尾さんは、安倍政権の中に、保育は女性の仕事だ、そういう考え方があるんじゃないか、安倍政権は女性活躍どころか男尊女卑政権じゃないかというような厳しい言葉を使って批判をしたわけですけれども、そのきっかけになったのが、保育士の賃金に関して、男女合わせた全職種の平均との賃金差じゃなくて、女性の賃金を物差しに挙げた塩崎大臣の答弁でありました。

 先ほど西村委員からも質問がありましたので、ちょっと質問の順序等を変えながら質問していきたいと思うんですけれども、やはり私は、これは不適切だったと思いますし、撤回をした方がいいというふうに思っています。

 ただ、ちょっと切り口を変えて質問したいんですけれども、確かに、保育や介護の現場に男性が少ないという現実があることは、これは事実なんです。

 そこで、まずお聞きしたいんですけれども、保育における就業者数に占める男性の割合は今何%ぐらいなのか、それから、厚労省として、その現状をどう評価していて、また、例えば何割ぐらいに引き上げたいとか、そういう目標を持っているのかどうなのか、このことについて政府参考人から御答弁をいただきたいと思います。

香取政府参考人 答弁申し上げます。

 男性保育士の登録者数でございますが、平成二十七年度で五・九万人ということになってございます。これは、前年度から〇・五万人増加しております。毎年着実に増加をしております。

 一方、保育士就業者数全体に占める男性の割合ですが、平成二十七年度で約五%ということで、これは、経年的に見ても、おおむね、大体五%程度が男性職員という形になってございます。お話ありましたように、全産業平均で見ますと、男性が大体六六・六%になっておりますので、保育士は女性の割合が、比率が非常に高い職種だということになってございます。

 私どもは、待機児童解消に向けて、今、待機児童解消加速化プランを進めているわけでございますが、この中で、二十九年度末までの整備目標を上積みして、御案内のように、五十万人という数字を持っております。これに対応する保育人材はさらに九万人を確保していかないといけないということでございます。その確保に当たっては、この九万人の確保というのは非常に我々としても高い目標ですので、全力を尽くして、さまざまな手だてを講じて確保するということでございます。

 その場合は、そういう意味でいえば、男性、女性を問わず、専門性を有する方については確保していくということで考えておりますので、特に男性の割合を幾つにするという目標は持っておりませんけれども、もちろん、男性も含めて必要な人材をとにかく確保するということを最優先に努力したいと思っております。

大西(健)委員 今の御答弁だと、必要な人材を確保する、当たり前のことですけれども、その中で男性が五%しかいないという現状を変えなきゃいけない、そういう意思は余り感じられなかったんですけれども、私は、やはり五%というのは少ないというふうにまず現状を認識していただいて、例えば半々とまではなかなか難しいかもしれませんが、ふやしていくということを、何か目標を持ってやっていかないと、これは五%のままというのがずっと続いていくんじゃないかと思います。

 日経ビジネスオンラインというものの中の記事で、保育士をやめた男性のインタビューというのが載っておりました。

 私はこれを興味深く読ませていただいたのですけれども、これを読むと、後ほどお話もしますけれども、もちろん賃金の問題もあります、賃金の問題もあるんですけれども、非常に賃金が低いこととか、いろいろなことを覚悟して保育士になったんだけれども、実際に働いてみて一番ショックを受けたのは、保育士だとロリコンだと思われてしまう、こういうことにショックを受けたというふうに語っています。また、女の子のおむつ交換の場にいてほしくないとか、プールに一緒に入ってほしくないというような保護者の方からのクレームが来る。実際に受けると、精神的なショックが大きくて、自分がどんなに頑張っても結局はそんなふうにしか見られないんだ、じゃもういいやというふうに思って、最後は心が折れてやめてしまったという話です。

 考えてみると、では、小児科医の男の先生が小さな女の子を診察することを拒否されることは、当たり前ですけれども、ありませんし、また、小学校の低学年を受け持っておられる男性の教諭が、一緒にプールに入らないでくれとか、そういうこともないと思います。私は、やはり、男性保育士だけそういう話が出てくるというのは、残念ながら、保育士という職業に対する社会的な評価が低いということが根底にあるんじゃないかと。

 そして、私は男性保育士をふやすべきだと思っていますけれども、やはり男性保育士をふやしていくためには、このインタビューで答えておられる、実際に保育士として働いてやめられた方は、賃金の問題だけじゃなくて、こうした男性保育士への偏見、これが大きな足かせになっていると言っているわけですけれども、この点、大臣はどのように思われますでしょうか。

塩崎国務大臣 さっき数字をお示ししたように、近年、保育士の女性比率というのは約九五%程度でございまして、男性の実数はふえてはきているわけですけれども、割合でいくと余り変わっていない、その理由としてはさまざまなものがあるんだろうというふうに思います。

 例えば、かつて保育士が保母さんと呼ばれていたことがありました。保育園は女性を中心とした職種であるというイメージが社会全体に何となくあったということがございまして、これは実は、平成十一年に政令改正するまでは、保母という言葉が政令で使われていました。それを平成十一年に保育士という名称に変更いたしました。それから、平成十五年に、初めて法律改正によって保育士という名称を使って児童福祉法に位置づけて、それまでは政令上だけの資格だったという歴史もございます。

 保育は、男女を問わず、保育士がその専門性を発揮して実施することが大事であるわけでありまして、一般論として、多様な子供に対してさまざまな個性を持った保育の担い手が保育で接するということは子供にとっても有意義なことだろうというふうに思いますし、また、保護者支援、これが保育園の重要な役割を担っている中で、父親支援というのも課題であるわけであります。こういうことで、男性の保育士についても積極的に保育の現場にぜひ進出していただきたいと私どもは思っています。

 いずれにしても、この処遇改善に加えて、勤務環境の改善とか就業促進、再就職支援、こういう総合的な人材確保策が重要であって、それよりもさらにまた大きなフレームワークとしては、やはり、同一労働同一賃金にあらわれているように、多様な働き方ができる、そして、それがきちっと評価をされている中で多様な働き方ができる社会をつくろうということで、私どもも、働き方の未来二〇三五という懇談会を設けて、今、十年、二十年先まで見通して新しい働き方を考えようといって議論していただいております。

 これこそ、保育士も、今までのような、何となく社会全体に女性を中心とした職種であるかのようなイメージがあったことから、新しい時代にふさわしい働き方の中で、みずから望む働き方と働く場を選べるということを、男女を問わず魅力的な資格にしていくということが、保育について大変大事な問題ではないかというふうに思います。

大西(健)委員 大臣からは、男性の保育士もふやしていかなきゃいけないという御答弁がありました。

 ただ、私が申し上げた、偏見ですね、そこの部分に対しては直接的な御答弁がなかったんですけれども、さっき私も言いましたけれども、例えば医者だと保護者は嫌だなんて言わないわけです。それは、やはり医師の社会的な評価が高いわけです。ですから、私は、これは男女というよりかは、やはり保育士全体の社会的評価というのが低いことにその根本的な問題があるというふうに思っています。

 それから、今、職務環境を変えていかなきゃいけないと。例えば、先ほどのインタビューに答えていた男性、保育士をやめた人は、更衣室とかトイレも初めは男性用のものもなかった、こういうことも困ったことだったということを言っていますけれども、これは、裏返して言えば、今まで、女性の社会進出が進む中で、多くの女性が職場で直面してきた問題です。例えば、ちょっと前までは国会でも、議事堂の本館に女性用のトイレが少ないというような問題も指摘されたこともあります。

 ただ、当然のことながら、賃金の問題、これが一番大きいんです。この記事の中では次のように書かれています。「非正規の賃金の低さは、「男性が結婚しない(できない)理由」に挙げられるのに、保育士(介護士も)に対してはそれほど問題視されない。たとえ男性保育士が保育士全体の五%程度とマイノリティだとしても、人材不足だの少子化だのアレコレ騒ぐのであれば、全産業との差=十一万円を基準に議論されないのは、おかしな話だ」と。全くそのとおりなんです。

 つまり、さっきも言われたように、五%、全体でいうとわずかですけれども、実際に男性で保育士として働いている人がいるんです。その人が、結婚を機に、家族を養えないからといって寿退社しているという現実があるんです。だったら、やはりこれは、女性の平均と比べるんじゃなくて、男女合わせた全職種の平均賃金と比べるのが当然じゃないかと思うんですけれども、改めてこの点、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 これは先ほど西村委員に対して御答弁申し上げたとおりでございまして、これまで、平成二十六年度二%、二十七年度一・九%、二十七年度の消費税財源活用分で三%相当の改善を行って、着実に、平成二十五年を底に、上昇に転じてきているわけであります。

 先ほど来申し上げているとおり、従来からの課題であった二%処遇改善を行うとともに、保育士として技能、経験を積んだ職員について、まずは競合他産業との賃金差がなくなるように追加的な処遇改善を行うということで、女性労働者との差を用いているのはおかしいじゃないかということでありますけれども、女性比率が一貫して九五%程度であったことを踏まえているだけで、もちろん、保育士が女性の仕事であるという固定的な考え方は……(発言する者あり)聞いていただけますか。固定的な考え方は解消していくということが大事だということは先ほど来申し上げているとおりです。

 それで、少なくともまずは四万円程度の差をなくしていこうという、まずはの第一歩ということであるわけで、大前提として、男女の賃金格差をこのままにしていいという考えは全くないということであることは先ほど来申し上げているとおりでありますから、通過点として、まずは四万円引き上げよう、しかし、財源もなしに大きな数字を言ってみても、それは政治的に無責任と言うしかないと思います。

大西(健)委員 私の質問の趣旨がわかっていますかね。

 大臣は、まずはと言っているけれども、その前提として、女性の就業割合が九五%ということを前提にしているわけですよ。

 ただ、私は言いましたけれども、五%ではあるけれども、実際に男性がいるんですよ。その男性が、男性保育士が、結婚を機に、家族を養えないから寿退社しているという現実があるなら、たとえ五%であっても、いるんだから、そこは男女合わせた平均十一万円と比較しないとおかしいでしょうという、このロジックがわかっていただけないんでしょうか。いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 これも西村委員にお答え申し上げたとおりであって、全産業との……(発言する者あり)

渡辺委員長 静粛にお願いします。

塩崎国務大臣 全産業との格差が十万円あることは十分認識をした上で、まずは四万円の格差をなくすということを考えましょうということを、実行しましょうということを申し上げているので、安定財源を確保していこうということであって、財源もなしに大きな数字を言うのは意味が余りないというふうに思っております。(発言する者あり)

大西(健)委員 そうなんですよ。数字の話じゃなくて、山尾さんも、言ったのはまさに考え方の話で、保育は女性の仕事という考え方がその背景にあるんじゃないですかということを大きな問題にしたわけですから、ちょっと、本当に、議論していても、やはりわかっておられないんだなということがよくわかりました。

 ちょっと、時間がないので少し飛ばさなきゃいけないんですけれども、私は、例えば保育や介護の現場にも男性は必要だと思うんですよ。それは、地元の社会福祉協議会で先日意見交換をさせていただいたときに、それは福祉職の方ですけれども、やはりすごく強調されていたのは、男性のスタッフが職場にいてほしいと。例えば、知的障害者の中には、暴力を振るってしまうような人もいる、あるいは、非常に力が強くて、中高年の女性スタッフでは何ともならないときがある、あるいは、例えば、男性の児童をプールに連れていく、男性の更衣室には女性のスタッフは一緒に入れない、だから、日常的にやはり男性が必要なんだと。だから、介護やあるいは障害者福祉、また保育も一緒ですけれども、私は男性スタッフというのは必要だというふうに思います。

 ちょっと、時間がないので次に行きたいんですけれども、次に、定年後に再雇用されたトラック運転手の男性が定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは労働契約法に違反するという東京地裁の判決が先日出ました。

 これは、安倍総理も、先ほど来お話が出ているように、同一労働同一賃金というのを言っているので、その流れにも符合しているとは言えるんですけれども、ただ、一方で、政府がこれまで進めてきた高齢者再雇用制度と矛盾しているんじゃないかという指摘もあります。

 二〇一二年に、希望者全員を六十五歳まで再雇用するという形で法改正が行われました。そのとき、私も記憶していますけれども、人件費の増加を懸念する経済界からかなり激しい反対があったけれども、最終的には、賃金の引き下げなど雇用条件を変更して再雇用することで妥協が成立した。また、加えて、雇用保険から高年齢雇用継続給付金を支給するという仕組みになっています。

 つまり、現行の高齢者雇用制度というのは、定年後に賃金が下がるということを前提にしているんですね。それと今回の判決との整合性というのをどう考えたらいいのかについて、大臣から御答弁をいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 先ほどの保育の話でありますが……(大西(健)委員「時間がないから」と呼ぶ)いや、お尋ねになって、答えていないと言っているので答えます。

 先ほど西村委員に対してもしっかりと申し上げたとおり、同一労働同一賃金、働き方改革をなぜ安倍内閣はこれから三年間の最大のチャレンジとしているかというときに、男女の格差とか、あるいは、この仕事は男性、女性とかいうような考え方ではなくて、まさに、みずから選んで多様な働き方ができる社会をつくって、なおかつ、その多様な働き方がそれぞれきっちり正しく評価をされる、それがまさに同一労働同一賃金の肝であって、そこに、男女の格差を解消するということは当然の、もともとの原点として、ヨーロッパでも同一労働同一賃金は男女の格差の解消というところからスタートをいたしましたということを申し上げたとおりでありますので、考え方に問題ありと言うんだったらば、こういう考え方のどこに問題があるのかを言っていただきたいというふうに思うくらいでございます。

 今、定年再雇用の賃下げを違法とする東京地裁の判決の話と、言ってみれば、高齢者雇用政策との整合性のようなことで、おかしいかな、どうかな、こういうことでございましたが、高年齢者については、六十五歳までの雇用を確保するために、高年齢者雇用安定法、これに基づいて、定年制の廃止か、定年の引き上げか、継続雇用制度の導入のいずれかの措置を行うことを企業に義務づけ、始めたわけでございます。

 このうち、継続雇用制度を導入する場合、継続雇用後の賃金につきまして、今、賃金のお尋ねでございましたが、労使の合意でもちろん決まるものでありますが、高年齢者雇用安定法に基づく指針がございます。継続雇用されている高齢者の就業の実態、生活の安定等を考慮して、適切なものとなるように努めることを定めて、指導を行っているわけでございます。

 御指摘の訴訟、これは会社側が既にもう控訴をしているわけでありますので、私どもとしてはコメントすべき問題ではございませんけれども、今後、訴訟についてももちろん動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。

大西(健)委員 今の答弁もさっぱりよくわからないんですけれども、高年齢者雇用制度は、賃金が下がることを前提にしている。この判決は、賃金を一緒にしなきゃいけないという方向。

 私は、それがいいとか悪いとかじゃなくて、これは、こういう判決が、もちろん地裁レベルの判決ですけれども、確定していく、あるいは、同一労働同一賃金というのを突き詰めていけば、確かに、全く同じ仕事をしていて年齢で差別することが不合理ということになりかねないんです。ですから、そういうことになっていくと、やはり今後、日本の働き方、雇用の現場に大きな、いろいろな影響を及ぼしますよねと。ですから、それがいいとか悪いとかじゃなくて、これは及ぼさざるを得ないと私は思うんですね。だから、そのことを指摘しているんです。

 例えば、こういう判決が高いレベルで確定したら、例えば、定年後に仕事内容が同じなら同じ賃金を払わなくちゃいけないということになるんだったら、では、仕事内容をかえればいいんだな、定年時に運転手だった人を事務職にかえるみたいなことをするところが出てくると思います。でも、中小企業になると、違う仕事を与えることが難しくなってくるので、逆に言うと、高齢者の雇用を絞ることになるかもしれない。あるいは、高齢者雇用をした場合に、同じ賃金を払わなきゃいけなくなると人件費が膨らみますから、その分しわ寄せが若い人に行く、つまり、新規採用を抑えたりとか、あるいは若い人の労働条件を抑えたりということに行く可能性もある。いろいろな意味でこれは影響が出るわけです。

 ですから、私は、仕事内容が同じである場合、年齢による賃金の差別をなくすこと、これはさっきも言いましたけれども、同一労働同一賃金を突き詰めていけばそうなっていくわけですし、今の判決もそういう流れなわけです。だから、そうなったときに、いいとか悪いとかじゃなくて、どういう影響が日本の雇用現場にあらわれると大臣は、あるいは政府は考えているのかということをお聞きしているんですけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 労働者の味方であるはずの元民主党の先生の御発言にしてはちょっとびっくりするところがありましたが。

 六十歳を超えて給料が下がることを前提としている法律だとおっしゃいましたが、法律にはそんなことは全く書いておりませんで、高年齢者雇用安定法で継続雇用になったとしても、これは、先ほど申し上げたとおり、賃金は労使の合意で決まるものでありますから、下がるものだということを前提になんかは全くしていないというふうに思います。どう評価をされるかというのはまさに労使で決まることでありますので、そのような考えでおられるということには少し驚きを隠し得ないということでございます。

 それから、今回の判決について、どう影響があるのだろうかということでありますけれども、まず、この労働契約法第二十条に関する争点が裁判になっているわけでありまして、しかし、実は、今回の地裁の判決はまだ二つ目の判決でございます。もちろん、裁判が今複数続いておりますが、確定した判決というのはいまだにないわけでありますので、これは、これからどういうことになるのか、先ほど申し上げたとおり、よく動向を注視してまいらなければいけないと思っております。

 しかし、確かに、どういう雇用に対してこういうような考え方が影響を与えるのかということは、それはそれで大事な論点だろうというふうに思いますので、先ほど申し上げたとおり、賃金をどうするかということについては、法令に違反しない限りは、各企業の経営状況とか、働く方の生活、あるいは能力、あるいは職務における評価などを考慮して、労使が話し合いを通じて自主的に決めるわけでありますが、仕事の内容については、いろいろなことがあり得るということでありますから、働く方の従事する業務のみならず、責任の重さとか、あるいは残業とか転勤とか、こういったもの、さまざまあって、仕事内容が同じ場合に年齢による賃金の差別をなくすことによる我が国の雇用環境に与える影響というのは、一言で言うというのはなかなか、そう簡単ではないというふうに思います。

 ただ、同じ仕事をした場合に同じ賃金が支払われるというのは重要な考え方であるということは繰り返し申し上げてきているわけでありますので、今回の継続雇用制度を導入する場合の定年後の賃金の決定というのは、まさに労使の適切な話し合いのもとで、就業の実態や生活の安定などをさまざま考慮して、やはり誰もが意欲を持って働ける、つまり、多様な働き方をみずから選択できるということが大事なんだろうということを踏まえながら、これから考えていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。

大西(健)委員 答弁が長いので、本当に質問ができないんですけれども、最後に言います。

 お手元に資料を配っているんですけれども、最低賃金千円というのを最近与党も政府も言い出していますけれども、かつて、平成二十二年、石破大臣が政調会長のときに、予算委員会で、「アンチビジネス的な政策はやめてもらいたい。」と言っているんですね。それから、資料で配ったのは平成二十三年当時の自民党が配っていた政策パンフですけれども、「民主党は「雇用空洞化政策」のオンパレード」、「最低賃金千円」、こういうふうに上げているんです。本当に、何で変節したのか、ちゃんと説明してもらわなきゃいけないと思っています。

 それから、もう一つは、では、自民党が最低賃金千円を目指すことを私は歓迎します、歓迎しますけれども、やはり、最も高い東京が九百七円で、低いところは六百九十三円、これだけの開きがある。私はやはりこれが問題だと思うんですね。

 例えば、同一労働同一賃金ということでいえば、同じファミレスチェーンで全く同じ仕事をしていても、六百九十三円と九百七円のこの最低賃金の差がある。この点、私たちは、同じ最低賃金千円を目指すにしても、全国平均千円じゃなくて、全国どこでも最低千円以上というのを目指すべきじゃないかというふうに思っています。

 自民党がなぜ考え方を変えたのかということと、今の、地域の格差を是正していくということについて、お答えをいただきたいと思います。

渡辺委員長 申し合わせの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

塩崎国務大臣 結論から言えば、私たちの考え方は何も変わっていなくて、生産性向上とかそういう実効性のある根本的な政策なしに、対症療法的に、最低賃金を千円に上げると暮らしがよくなるだのような単純なことでこの経済というのは回っているわけではないということで、石破政調会長がどういうお気持ちでおっしゃったかはわかりませんが、私は、そのときに、そのとおりだとそのときも思いましたから、やはり、アベノミクスのように、根本的な構造改革をどうするかということをセットで初めて最低賃金の千円というのは意味があるというふうに思います。

 さらに申し上げれば、今、全国で同じでなきゃいけないということをお考えとして御開陳いただきました。

 最低賃金の水準というのは、地域によって物価、賃金などが異なる中で、労働者の賃金の最低限を保障するセーフティーネットとしての機能を果たすように定める必要があるわけで、そのため、決定に当たっては、働く方の生計費とか賃金、企業の支払い能力の地域差を考慮して、都道府県ごとに定めてきておるわけでありまして、民主党政権時も同じように決めてこられましたが、これを一律にしようというお話は余り私どもは聞いておらないところでございます。

大西(健)委員 いや、格差はやはり是正していくべきだと思いますし、今の話を聞いても、結局はつまみ食いをしているだけで、スローガンだけで、本気でやる気があるのかなというのがよくわかりました。

 終わります。

渡辺委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、長時間労働規制について伺います。

 間もなくニッポン一億総活躍プランが閣議決定されると思いますが、一億総活躍国民会議において、総理は、労働基準法については、労使で合意すれば上限なく時間外労働が認められるいわゆる三六協定における時間外労働規制のあり方について再検討を開始すると述べられております。

 それで、資料の一枚目を見ていただきたいんですが、これは「労働基準法の一部を改正する法律案(仮称)骨子案」と書いておりますけれども、実は、我が党が労働時間規制の法案を出したいと昨年つくった法案骨子案であります。野党の皆さんに相談をして、ぜひ野党提案ということをやっていきたいということでお示しをしたもので、いわば幻の法案でございます。井坂委員を中心に、もう少し項目の多いものをまとめていただいて、この間、共同提出をしたというところなんですけれども、私たちは、時間数をきちっと決めているところにこだわりを持っております。

 これを読んでいただきたいと思うんですけれども、「労働基準法第三十六条第一項の協定による労働時間の延長は、一定の場合を除き、一カ月について四十五時間、三カ月について百二十時間、一年間について三百六十時間を超えてはならないこと。」、これは、大臣告示基準を法定化しようとするものであります。

 今月十八日に示されたニッポン一億総活躍プランにも、労使で合意すれば上限なく時間外労働が認められる三六協定における時間外労働規制のあり方について検討すると書いているわけですよ。そうすると、それはどういうところに向かっていくのか。つまり、我々が主張しているように、告示基準を法定化するべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 高橋委員の方からお配りをいただいたこの幻の法案の骨子案、これは共産党らしい一つの考え方ではないかというふうに思います。

 長時間労働の是正につきましては、一億総活躍国民会議における総理指示を踏まえて、重点監督の対象を例えば月百時間超の残業が疑われる事業場から月八十時間超に広げるなど、長時間労働の是正に向けた執行をまず強化しようということで、昨日は、違法な長時間労働を複数の事業場で行っていた企業名を初めて公表いたしました。株式会社エイジスという会社でございます。

 さらに、ニッポン一億総活躍プランにおける、今御指摘いただきました三六協定、これにおける時間外労働規制のあり方について再検討を開始する旨の方針を踏まえて、御指摘の大臣告示で今までこの三六協定の中身についてしてまいりましたが、この告示のあり方を含めて、我が国の長時間労働を変えていけるように真剣に規制のあり方を検討して、今の三六協定がもう少し実効性のあるものにしていかないと本当の意味での長時間労働の文化を日本が変えることができないのではないかという問題意識から、今後、実効性を高めるためにどういうことがなし得るのかということを真剣に議論をしてまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 まず、企業名の公表に踏み切ったということで、これで初めてですので、まだ第一歩ではありますけれども、これはもう当然のことであると思っております。

 それで、法定化すべきではないかという問いに対して、あり方を含めてとおっしゃいました。これから検討する段階なので、当然、法定化ということを確定的な答弁をするわけはないと思っておるわけですけれども、いずれにしても、法定ではなく、例えばその次の段階に落としていくとかいろいろなことを、法規制のあり方を考えるとすれば、変えるとすれば、何段階か、何回か労政審をやる必要があると思いますが、確認をしたいと思います。

 また、そういうことを考えると、少なくとも、今、国会に提出をしている、我々が残業代ゼロ法案と呼んでいる労基法改正案、整合性がとれなくなると思うんですね。整合性をとるという作業を当然しなければならない、そう考えれば、今提出している法案は、継続審議ではなく、取り下げてやり直すべきではありませんか。

塩崎国務大臣 私どもとしては、ニッポン一億総活躍プラン、今はまだ案でありますが、これを踏まえて、我が国の長時間労働を変えるべく規制のあり方を検討する方針であることは先ほど申し上げたとおりでありまして、その過程では、当然、労働政策審議会において、当事者である労使にしっかり議論していただくという考えでございます。具体的な進め方は、今後検討を行うことにしておるわけでございます。

 現在提出している労働基準法改正案は取り下げろ、こういうお話でありましたが、結論から申し上げると、撤回するつもりは全くございませんで、やはり、確実に年次有給休暇が取得できる仕組みを創設するものでもあり、中小企業における割り増し賃金率の引き上げを定めるものでもあり、こういった時間法制、特に長時間労働抑制策を盛り込んでいるわけでありますので、働く方の健康を確保しながら、創造的な能力を発揮して効率的に働く環境を整備するいう意味において、審議を早急に始めていただければというふうに考えております。

高橋(千)委員 取り下げないということは明確に答弁されました。非常に重大だと思っております。

 三月二十五日の国民会議の場で、総理が、今の労基法の改正案に加えてこの規制を検討したいとおっしゃったわけですね。だから私は、普通に考えれば、これは絶対矛盾するだろうと思うんです。だけれども、取り下げない、矛盾しないと言うのであれば、これから国が目指す方向というのは大して変わらないんだなというふうにしか受けとめられないんです。このことを強く指摘したいと思います。

 そこで、資料の二を見ていただきたいと思います。特別条項つき時間外労働に関する労使協定の法定外時間労働の実績というタイトルであります。

 昨年の予算委員会で、長時間労働について、我が党の志位委員長がかなり時間をかけて質疑をいたしました。その中で、名立たる大企業がそろって、月四十五時間の大臣告示を全く無視して、八十時間以上の過労死ラインを超える残業上限協定を結んでいる、特別条項を、これを異常だと思わないかと聞いたのに対して、総理は、「これは、こんなにしょっちゅう残業しているわけではなくて、」つまり、特別条項で結んでいる時間ほどやっているのではなくて、「念のためにこれは結んでおく、そういう、コンプライアンスもしっかりしている」と答弁されたんですね。私は、それを裏づけているのがこの資料なのかなと思っているんです。

 つまり、四百時間超五百時間以下と結んだからといって、その五百時間ぎりぎりまで労働を実際はしているんじゃなくて、実労働時間は、右側を見ていただければわかるように、二百二十八時間五十四分というふうな形で、実際はそうじゃないんだよ、だから、言ってみれば保険のような意味なんだよというふうなことを言っているんだと思うんですね。

 だけれども、その網がかかっている部分は、特別条項を結んでいるけれども、それを超えているものがこれだけあるということの中身だということをまず見なければいけないと思うんです。

 それで、下の、丸が二つあります。総理が言ったのはこの二つ目の方なんです。「特別条項付三六協定で定める特別延長時間と比べれば、時間外労働の実績が、短い事業場が多くなっている。」実質はそんなに長くないんだと言っているんです。だけれども、その上の方です。「特別延長時間が長いほど、時間外労働の実績も長くなっている。」やはり、長く結んでいるところはそれなりに長くなっている、そういう傾向は認めなければならないんじゃないかということなんですね。

 結局、余裕を持って特別条項を結んでしまう、そうすると、過労死ラインを超えて働かせても、あらかじめ余裕を持ってやっているんだから法令違反にならないんです。これでいいんだろうかということをお聞きしたい。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたとおり、一億総活躍国民会議の総理指示も踏まえまして、月八十時間を超えるような長時間残業が疑われる企業につきましては、執行の強化をいたしまして、長時間労働の是正に向けた対策を進めているところでございます。

 八十時間を超えているような企業につきましては、法違反がないか監督指導を実施し、違法な残業がある場合は適正のための指導をしている、こういうことでございます。

高橋(千)委員 全然答えになっていないと思うんですけれども。監督官が幾らいても足りないと思いますよ。全体の規制はしないで、結局、問題があればと監督を強めていく、これではとても追いつかないと言わなければならないんですね。

 この三月二十五日の一億総活躍国民会議の場で、相模女子大学客員教授の白河桃子氏は、労働時間の取り締まりは強化されたが、逆に、三六協定を実態に合わせて月六十時間とか八十時間に上げるということが起きています、やはりふたをしないとだめなのだと指摘している。白河氏の興味深い資料がたくさんあって紹介したいんですけれども、そういうことがございました。それで、三六協定の上限規制、そしてインターバル規制などを強いリーダーシップで実現せよと迫っているはずです。

 また、日本総研理事長の高橋進氏は、長時間労働の抜本的な是正に向けては、割り増し賃金という経済的手法による誘導だけでは不十分だ、執行面での強化とともに、労使合意があれば無制限に時間外労働が許容されるといった現行の労基法の見直しなど法制面での対応が必要な段階だ、こう述べていらっしゃる。

 やはりこの立場に立つべきではありませんか。重ねて伺います。

塩崎国務大臣 今の高橋委員がおっしゃったことは私どもと同じ考え方ではないかなというふうに思ったところでございます。

 要は、その実効性がない三六協定、現在の運用の仕方や仕組みそのものでいくのでは、どうもこの日本の長時間労働の文化、慣行というのは直らない、したがって、これをどうやったら、本当に変えてそれぞれ望む働き方ができるようになるのか、あるいは、家庭での暮らし、ワーク・ライフ・バランスとよく言いますが、そういったことが実現できるのかということを徹底的に議論しようじゃないかということが総理からの指示で、私どもが今、一億で受けとめて進めている議論だというふうに思っておりますので、これは、先ほど来申し上げているとおり、働き方改革そのものでもあるので、三六協定は、働き方、つまり、これは暮らし方を変えるというのに等しいというふうに思いますので、三六協定の時間外労働規制のあり方については、本当に抜本的に考えていかなきゃいけないと思います。

高橋(千)委員 大臣、最初の答弁から何度か端々に文化、文化という言葉が出てくるんですね。私は、確かにそれもあるかもしれないけれども、それが根っこで、文化を変えればいいんだという議論にしちゃったらだめだということを言いたいんです。

 同じ会議で経団連の榊原氏は、我が国の多くの企業では、所定労働時間内に仕事を終わらせるといった意識が低い、長く職場にいることが評価されるという日本独特の文化があると述べて、意識改革の問題に落とし込んでいるわけですよ。それで、経営トップが先頭に立って長時間労働の削減を実現しているところもあるとして、夜九時には事務所の電気を強制的に消す、そういうのがいいことだと紹介しているわけです。塩崎大臣は八時と指示をしているところでありますが。

 そして、同じ会議で総理は、自分もサラリーマンをしていた若いころ、八時くらいに帰ろうとすると、もう帰るのかといった雰囲気があってやはりなかなか帰りづらい、そういう文化を変えましょうというので、働き方改革は必要だとおっしゃっているわけですね。さすが、経団連とぴったりの意見をしているわけです。

 私も、実は私立高校に勤めていたときに本当に午前様の仕事をしていたことが多かったんですが、校長先生が八時で電気を消すといって門限を切られて、もう既にやられておりました。でも、そうなるとどういうことになるかというと、簡単な話で、持ち帰り残業になるんですね。結局、それは単なるサービス残業でしかないということであります。

 資料の三枚目を見ていただきたいと思います。これは、残業代未払いを是正した結果の平成二十六年度のものであります。

 我が党はサービス残業問題を随分、先輩議員が数百回の質問を繰り返して、二〇〇一年の四月六日に厚労省が通達を出しました。非常に成果を上げているわけなんです。

 二〇一四年度の結果は、是正企業が千三百二十九企業、百四十二億四千五百七十六万円が二十万三千五百七人の労働者に支払われたわけです。平均すると一人十万円を超えているわけです。そして、驚くことに、一企業で払った支払い額の最高額は十四億千三百二十八万円。どれだけサービス残業をやらせていたんだという話であるわけですよね。実は、二〇〇一年からのトータルを数えてみますと、二千三百三億円の未払い賃金が労働者の手元に戻っている、こういう格好になるわけです。

 今言ったように、強制的に電気を消したらいいじゃないかみたいな話になっちゃえば、今でもこれだけサービス残業があるのに、もっとふえる、あるいは、残業をやっていることが見えなくなる、そういうふうに思いませんか。

山越政府参考人 私ども、今御指摘がありましたように、定期監督などで労働基準法違反については調査をし、違反がある場合は、是正をしてその改善を指導しているところでございます。そういう中で、御指摘がありましたように、二十六年には千三百件を上回る是正をしているところでございます。

 こういった労働基準監督官による労働基準法違反の監督指導の徹底に今後とも努めてまいりたい、そういう中で賃金不払い残業をなくすように努めてまいりたいと存じます。

高橋(千)委員 さっきと同じ答弁ですよね。

 結局、文化の問題に落とし込んじゃだめですよねと、確かに意識はあるけれども。

 では、大臣、どうぞ。

塩崎国務大臣 いや、それは逆さまであって、文化を変えなきゃいけないことは間違いない。それは、労使ともにそういう文化だからこういうことになっちゃっているわけで、その文化を変えるのに何が必要なのかということを徹底議論しようと言っているので、法改正なのか、あるいは政令改正なのか、省令改正なのか、あるいは執行を強化すればいいのか、そういうことを含めて全部考えていこうと言っているので、単に、意識改革だけで終わらそうといっても、意識改革そのものが起きないようなもので終わらすわけにはいかないということなので、そこの有効な手だては何かということを考えようと言っているので、言葉だけで終わらそうだのようなことを考えているわけでは決してございません。

高橋(千)委員 逆さまじゃないんですよ。文化を変えるためにと言ったけれども、この根底にあるのは、仕事がないのにつき合って、総理が言ったのはそういうことですよ、仕事がなくて八時に帰ってもいいのに、ほかの人が帰らないから帰れない、そういうことがあると。それは一部にはあるかもしれないけれども、仕事があって実際に残業しなくちゃいけないのに、それを、本人の働き方が悪いだとか、どうしても、全体として残ることが美徳だみたいな、そういうふうな話にしちゃうからだめなんだと言った。そこをきちんと認めていただいて、仕事があるという状態をどう改善していくか。それは、人をふやすということも一番大事なことですよ。そういうことを提起しているわけであります。

 それで、その中の具体の話になると思うんですけれども、ニッポン一億総活躍プランの案には、「中小企業庁や公正取引委員会に通報する制度を構築し、下請けなどの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを構築する。」と書きました。これは大事なことだと思うんです。

 二〇〇六年につくった労働時間等設定法施行通達には、「関係者の責務」として「事業主の取引上の配慮に関する責務」が明記されています。これによると、要するに、個々の事業主がどんなに労働時間等設定改善に取り組もうとしても、週末発注週明け納入などの短納期の発注や、発注内容の頻繁な変更など、取引先との関係によって長時間労働を余儀なくされている状況が見られる、だから、納期の適正化、発注事務の円滑化、発注内容の明確化などについて配慮することを責務としているんです。これはすごく大事なことだと思うんですよ。

 でも、十年前のことが本当にやられているんだろうか。中小零細企業がどんなに残業を減らそうとしても、納期に迫られればそうはいきません。断れば、あんたのところでなくていいと言われるだけです。通報すれば、どこが通報したのかすぐわかっちゃうので、できません。これが何らかの成果を上げているんでしょうか。

 今回、改めて活躍プランに書こうとするのであれば、省庁横断的な取り組みが必要です。大臣の決意を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 短納期の発注とか、あるいは不明確な発注によって長時間労働を強いられるというのは、国会質問で通告がぎりぎりとか、そういうのもよくあるので、労働基準法の適用にはならない国家公務員ではありますが、似たようなことが起きているということであります。

 今、労働時間等設定改善法施行通達にお触れをいただいてお話を賜りましたが、中小企業、交渉力が弱い産業分野で働く方々の長時間労働を是正するためには、発注者とか取引先との関係に踏み込んだ対策が必要だということで、御指摘の労働時間等設定改善法においても、事業主の責務として、取引先での労働時間に必要な配慮をすることを求めています。

 こうした考え方にのっとって、政府として、下請企業の実態をヒアリングし、ニッポン一億総活躍プランに、まず、長時間労働の背景に親事業者における下請代金法などの違反が疑われる場合には、厚生労働省から中小企業庁や公正取引委員会に通報するということで下請などとの公正な取引条件を実現することを通じて、中小企業等の長時間労働を是正する仕組みを構築する方針を盛り込んだわけでございます。

 また、トラック運送業について、運送事業者だけでなくて、荷主企業や経済団体の参画を得た協議会を全都道府県に設置をして、実態調査を実施した上で、取引慣行の見直しによる手待ち時間の削減に向けたモデル的取り組みの普及を図るとともに、IT産業について、重層的な下請構造のもとでの取引のあり方と長時間労働の一体的な改善に向けた取り組みを関係省庁や業界団体とともに進めるといった、競争政策に踏み込んだ長時間労働削減対策にしっかりと取り組まなければならないということを、私どもは今回決めさせていただいたところでございます。

高橋(千)委員 この問題は本当に難しいと思いますが、本気で取り組んでいかなければ、まさに、さっき言った、仕事があるのに、単に早く帰ろうと言うだけでは済まない問題だということで、政府を挙げて取り組んでいただきたいと思います。

 それで、さっき大臣は、国会議員を発注者に置きかえて、国会質問があるから残業があるんだというお話をされました。それはもちろんみんなが協力するべきだと思う。でも、我々も、たった今できた法案を質疑しろと言われるものですから、いつ勉強するんですかということになっております。全体で改革していかなければなりません。

 厚労省と省庁全体の所定外労働時間が三百六十時間前後だそうです。まさに過労死ラインを超えている。これは本当に変えていかなければならないし、そもそも労基法の適用除外をやめるべきだという質問を用意しておりましたが、何かそれを念頭に置いて大臣が答弁をされたのかということで、ここで言っておきたいと思います。

 あと、資料の四に、先ほどの白河氏の資料の中でちょっと紹介させていただきたかったんですが、ファザーリング・ジャパンが長時間労働アンケートをとっておりまして、まさに今質問をした、取引先や競合他社にも労働時間抑制に着手してほしいと思われますか、九五%がはいと答え、社会全体で取り組んでいただきたいということや、国にも全体的な抑制、働き方の見直しの旗振りを期待する、九割がはいと答えているので、ぜひ頑張っていきたいなと思っております。

 それで、次に資料の五、インターバル規制についてですが、これは、五月四日、日経新聞が報じました。

 ただ、線を引いているところを読みますと、四段目です、「五月にまとめるニッポン一億総活躍プランに、この制度の普及を目指すと盛り込む。厚労省は現段階で義務化を考えておらず、助成金で導入を促す。」

 さっき私、長時間労働のところでお話をしました、助成金のような誘導策では限界だということに対して、大臣は同じ意見だとおっしゃったわけでありますが、今考えているのも、結局、職場意識改善助成金の対象に入れるということ、勤務間のインターバル導入を考えるということが記事にありますけれども、そういう考え方なのかということが一つと、それから、実態調査はどのように行うのか、伺います。

山越政府参考人 先生がおっしゃいました、インターバルの措置によりまして働く方の生活時間あるいは睡眠時間を確保していくことは重要であると考えております。ニッポン一億総活躍プランにおきましてもこういったインターバル措置の考え方が盛り込まれているところでありまして、今後、私どもといたしまして、必要な支援策、そのあり方について検討してまいりたいと思っております。

 ただ、他方で、このインターバル措置でございますけれども、現在のところは、導入している企業も非常に少ない状況でございます。そういう中で、勤務間インターバルを仮に罰則つきで義務づけた場合は、企業の運営に非常に大きな影響を及ぼす可能性があるというふうにも考えておるわけでございます。

 こういうことでございますので、現在提出をしております労働基準法の改正案におきましては、労働時間等設定改善法を改正いたしまして、また、この設定改善法に基づく指針も見直しまして、インターバルの確保措置を労使で検討すべき、そういうことをこの指針に明記をすることとしております。こういう中で各企業の自主的な取り組みを促していきたい、こういうふうに考えているところでございます。

 それから、インターバルの措置についての調査についてお尋ねがございましたけれども、これにつきましては、厚生労働省といたしまして、現在どれくらいの企業においてどのようなインターバル措置が実施されているか、これを把握していることは重要であるというふうに考えておりますので、今後、このインターバル措置の導入状況に関する実態調査、これを実施することについてよく検討していきたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 ちゃんと通告していたのに、この調査は、もう少し、時期だとか数だとか、どういう職種にスポットを当てて考えているのかなということを聞いたつもりなんですが、今全然お答えがなかったのは、まだ何もないということですか。

山越政府参考人 このインターバル措置についての調査でございますが、今御答弁申し上げましたように、この実態調査、どういう内容にするかということも含めまして、今後よく検討していきたい、そういう段階でございます。

高橋(千)委員 何とも驚く答弁でありました。

 残念ながら、もうほとんど時間がないので、あとこれは言い切りにします。

 資料の最後のところに今おっしゃった指針の概要というのがあって、これを一定変えるという答弁があったわけですから、それはそれで大事なことだと思っておりますが、しかし、規制は難しいという答弁でありまして、やはりこれは踏み込んでいかないとだめなんじゃないか。

 きょう本当は質問したかったのは、そもそも労働時間とは何かということを聞きたかったわけであります。

 資料も後ろの方につけてあるんですけれども、指揮命令下にあるところを労働時間というんだというんですけれども、では、休憩時間、それも、言ってみれば当直のときに待っている時間、携帯電話を持ったまま眠って、仮眠といっても、携帯電話を持ったまま、いつ呼び出されるかわからない、そういう絶えず緊張している状態なわけですね。でも、これも一々裁判でどっち、どっちということをやらないと明確にならない。

 こういうこともきちんとやはり示していって、これも労働時間なんだとやっていかないと、幾らインターバルを、労働時間等設定法が、指針が一定改善されたとしても、いやいや、これは休んでいるんだとか、これは寝ているんだということで労働時間じゃないとなっては困るわけです。

 そういうことをきょうは問題提起したかったんですが、時間がなかったので、また次の機会にしたいと思います。

 終わります。

渡辺委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 こんにちは。超貴重な元男性保育士浦野です。

 きょう、大西先生の質疑を聞いていて、本当にそのとおりということをたくさん言っていただいて、もう一つ、さらにつけ加えるならば、やはりいわゆるキャリアパスといいますか。

 私は、将来的には保育園を継いでいく、理事長、園長になっていくということも、もちろん自分の保育園ですからわかっていたので、ちゅうちょなく保育という仕事を選びました、その当時は。大学も、そういう資格を取りに行く大学にちゃんと行きました。

 ただ、同じ大学でも、もちろん私と同じように将来的には園長になることが予定されている男性もたくさんいましたし、そうじゃない、本当に子供が好きで本当に保育士になりたくて大学に来ている、学校に来ている男性もたくさんいらっしゃいました。やはりそのうちのほとんどが今は保育士を実はもうやっていません。大学の、養成校の先生をしている人間ももちろんいてますけれども、そういう業界から離れた人も確かにいてます。

 でも、正直、我々のような、保育園を後で運営していく立場になるという人間以外は、なかなかやはりキャリアという意味でいえばないんですね。主任保育士だとか保育園長だとか、そういうのはもちろん将来はあるかもしれません。ただ、男性だからといって保育士の給与が高いわけではありません。みんな一緒です。それは平等ですから、保育士の給与は。そうなると、先ほど大西先生がおっしゃったみたいに、結婚して、では養っていけるかというと非常に難しいというので、それをきっかけにやめていく男性保育士が多分一番多いんじゃないかと、私もそれは実感として思います。

 普通の企業であれば、課長、部長とか、そういうのがありますけれども、そんなものはほとんどありませんから、給料も上がりません。

 そういう意味では、最後に質問をさせていただきますけれども、この間の予算委員会での答弁で、キャリアパスみたいな感じで給与の上乗せを四万円考えているんだみたいなことをおっしゃっていましたけれども、男性保育士はそもそも非常に厳しい状況だというのは本当に大西委員が代弁してくれましたので、後でまた保育士給与の改善についてもお話をさせていただきますけれども、冒頭、ちょっと、元男性保育士として、男性保育士と言うと今は女性なのかと言われそうですけれども、元保育士としては、ちょっと言っておきたいと思いました。

 きょうは一番最初に質問をさせていただくのは、肝がん、肝硬変。

 この間、日肝協の皆さんが院内集会を開いていただいて、その場に厚生労働委員会所属の先生もたくさんいらっしゃっていました。私、たまたま地元にその協会でいろいろ活動されている方がいらっしゃるので、いろいろ話を聞いて、毎年そういう、きょうも理事会で、請願の数が厚生労働はもう今回、今千二百件来ているということで、毎年すごい数の請願が来るわけですけれども、日肝協の皆さんも今回請願を出されて、私は紹介議員という形で毎年やらせていただいているんですけれども。

 毎年そうやって足を運んでいただいていた方が、ことしは、実は一人、来られなくなってしまいました。それは、B型肝炎で肝がんを発症して、もう今二十一回手術を受けられて、今また、このタイミングで手術を受けないといけないということになって、体力的にももうかなりつらくなってきて、今回とうとう東京には来られなくなってしまったんですね。毎年来ていただいていたんですけれども、申しわけありませんみたいなことを逆に言われて、いやいや、申しわけありませんというんじゃないじゃないですかということは私も言わせていただいたんですけれどもね。

 厚生労働省も、肝がん、肝硬変に対するそういう対策はこれまででもとっていただいてきております。徐々に徐々に拡充をしてきておりますし、党としても、日肝協の集会でも、田村前大臣が自民党を代表して、非常にいい、前向きな発言をしていただいておりましたし、その思いは、国も国会もどっちも同じ方向を向いていると思います。

 ただ、やはり、病状は進むものですので、そういった人たちが一日も早く、この方は、お母さんのカルテがもう保存期間が切れていて、カルテが破棄されている状態で、関連、母子感染だったのかどうかもわからない、そういう方なんですね。でも、そういう方々は、今は対象には、本当にB型肝炎が母子感染由来なのかどうかが確認できないということで、なかなか難しい立場に置かれている方というのも、この方もそうですし、いらっしゃいます。

 そういった全ての苦しんでいる方々にやはりなるべく早く手を差し伸べていけるような、そういった取り組みをしていただきたいと思っていますけれども、今の検討状況、確認をしたいと思います。

福島政府参考人 お答えいたします。

 肝がんの発生原因の八割がB型またC型肝炎ウイルスであるということ、そしてウイルス肝炎は国内最大の感染症であることということで、肝硬変、肝がんに移行しないということを目指して、これまで、インターフェロンフリー薬や核酸アナログ製剤、こういう抗ウイルス薬による治療に対しての医療費の自己負担を軽減する助成事業、あるいは定期的な医療機関での検査費用の自己負担を軽減する助成事業を行いまして、その治療の促進、あるいは重症化の予防ということを行ってきたわけでございます。

 肝硬変、肝がんの方への直接的なといいますか、医療費の助成に際しましては、患者団体の皆様からも強い御要望をこれまでもいただいておりますし、患者の団体の皆様方も参画いただいております肝炎対策推進協議会、この中の議論で、今、肝炎対策基本指針の見直しの作業をしておるわけでございますけれども、従来の、現状把握の調査研究を行うという表現であったものを、一歩進めまして、肝硬変及び肝がん患者に対するさらなる支援のあり方については、医療やさまざまな施策の実施状況を踏まえ検討を進めると、表現ぶりとしては一歩進めた表現ぶりにしておるわけでございます。この十八日にパブコメは終了しております。

 この検討を進めるに当たりましては、まずは肝硬変、肝がんの患者の皆さんが受けている医療内容それから医療費の実態について詳細なデータを把握する必要があるものですから、今年度、調査を行うこととしておりまして、この調査結果に基づいて、肝硬変及び肝がん患者に対するさらなる支援のあり方については検討を進めてまいりたいと考えております。

浦野委員 予算の関係でなかなか難しいことだと思いますけれども、しっかりと、半歩でも、少しでも前進できるようにこれからもしていっていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 次に、認定こども園における学校薬剤師のことについて。

 これは実は、議事録を読み返しますと、ちょうどほぼ一年前に委員会で私はこの質問をさせていただいておりました。そのときは、実態の把握もできていないという答弁でした。その後、実態調査しますということをおっしゃっていたと思うんですね。それが一体どういうふうに今なっているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

中島政府参考人 ちょうど昨年の五月十五日に委員の方から御質問いただいたと聞いております。

 御質問を踏まえまして、内閣府の方で配置状況について把握をさせていただきました。

 昨年四月一日時点、すなわち平成二十七年四月一日時点で、幼保連携型の認定こども園におきまして学校薬剤師さんを配置している率は八二・一%となっているところでございます。

浦野委員 当初僕が思っていたよりは大分しっかりと配置できているなというふうに思います。ただ、八二・一%は高い方だなと思うかもしれませんけれども、これは本当は一〇〇%じゃないとおかしいんですよね。

 というのは、設置義務、薬剤師を置かないといけないという、まず設置の条件としてそれがあるわけですから、これは一〇〇%じゃないと、実は、認可をおろしていないところは、そのままなしで、うやむやで認定こども園がスタートしているということになってしまうんですね。これは、実態の把握もしていただいて、これからいろいろとやっていただけたらいいと思います。

 私は、正直、これがなかなか進まないのであれば、この間の一年前の質問のときも言いましたけれども、もともと保育園から認定こども園に移られたような認定こども園なんかは、もともと園医さんだとかが必ずいてますので、その人たちがそういうのを担うということでいいんじゃないかということを言っていました。

 もう一つ、学校薬剤師さんの、学校保健法ですかを読ませていただきましたけれども、私の保育園はもう六十年以上たっていますけれども、正直、その法律の中には全く要らない項目がたくさんあります。だから、認定こども園というか保育園に関しては、実態が全くなじまないような内容になっている。

 私は、認定こども園に関して、こっちの法律自体もちょっと変えた方がいいんじゃないか。学校の場合は、例えば理科室に薬品がいろいろ置いてあったりとかするので、薬品の管理だとかそういうのは必要になってくると思います。でも、保育園とかはそういうこともないですから、それを同じように無理やり当てはめて、学校薬剤師を置かないといけないと言っていること自体が、僕はちょっと実態にそぐわないと思っていますので、その辺のこともどうお考えか、ちょっとお聞かせください。

中島政府参考人 お尋ねの、認定こども園の中で、保育所型の認定こども園というものについては、必ずしも学校薬剤師さんを必置しなければいけないということにはなっていないわけです。

 それで、幼保連携型の認定こども園と幼稚園型の認定こども園については置いていただくということになっているわけですけれども、委員十分御承知かと思っておるわけですが、幼保連携型の認定こども園というのは、学校及び児童福祉施設としての法的な位置づけを持つ施設だということになってございますので、学校としての位置づけというところから、学校保健安全法を準用している形になっていて、いわゆる学校薬剤師さんというものを置いていただいて、環境衛生の管理、薬物の管理等をお願いするということになっておるわけでございまして、法のたてつけとして、学校としての位置づけも有するという観点から、学校や幼稚園に準じた形で学校薬剤師というのを置くというたてつけになっているということを御理解いただければと思います。

浦野委員 法律的にはそうでしょうけれどもという話をしているんですね。

 私は、もう今は直接やっていないですけれども、幼稚園も運営していました、奈良県の方に幼稚園があるんですけれども。正直、保育園と幼稚園でどこまでそこら辺の差があるかといったら、私はもうほぼないと思っています。

 これからさらに幼保一元化の話を進めていくに当たって、法律はそうなっているからそれを当てはめるんだという議論は僕はおかしいと思っています。やはり実態に合ったものを法律としてつくるというのが本来の姿だと。要は、立法事実がないにもかかわらず、それを当てはめているわけですから、そこは運営側の人たちからしたら頭悪いんちゃうかなと思われても仕方がないような話ですので、そこは柔軟にやはり考えていただけたらと思っていますので、また検討をよろしくお願いいたします。

 続いて、保育士の給与改善。きょうも、西村先生からもありましたし、大西先生からもいろいろ指摘がありました。

 現在どういう検討状況になっているのか、こうするんだろう、ああするんだろうという話はいっぱい出ていますけれども、今どういうふうな状況になっているのかというのを少し詳しくお話を聞かせていただきたいと思います。

香取政府参考人 保育士の処遇改善でございますが、先生御案内のように、二十五年、二十六年に、処遇改善臨時特例事業ということで二・八五%の改善を行っております。二十七年度には消費税財源を使った三%の改善、そして、人事院勧告に従った処遇は、二十六年度二%、二十七年度一・九%ということで、随時改善を図っております。

 今般、一億総活躍プランということで、一昨日ですか、国民会議の案として取りまとめまして、月末に閣議決定いたす予定でございますが、この中では、従来から課題でありました二%相当分の質の改善の処遇改善、これと、これもきょう何度も答弁申し上げていますが、保育士の技能、経験を積んだ職員につきましては、競合他産業との賃金格差も考慮して、四万円程度のさらなる処遇改善ということで現在考えております。

 この具体的な中身につきましては、財源の確保ということもございますので、予算編成の過程で、予算の規模あるいは改善の方法等について詳細を詰めていくということになるわけでございますが、この問題を考える場合に、私どもとしては、もともとこの処遇改善の問題は、一つは、人材をきちんと確保していくということを考えないといけない、それからもう一つは、やはり質の確保といいますか、現場で経験を積む中で保育士としての質を上げていく、そういう二つの観点で考えなければならないと思っております。

 いずれも、一つは入り口段階できちんと、例えば保育士の資格を持っておられる方が他産業に就職してしまうということがないように、入り口で、いわば労働市場の中できちんと処遇がとれる、採用が採れるということと、やはり途中でかなりの方がやめていってしまうということで、これは人材の確保という観点でも、あるいは現場で経験を積むことによって技量を上げていくという意味でも、途中でやめていく方々にできるだけ長く勤めていただくということが必要だということで、これは、処遇の問題と、先生さっき御質問にありましたキャリアパス、キャリアラダーをきちんとつくっていくという話、あるいは、やめている方は多くの方が非常に労働環境が厳しいということをおっしゃっていますので、労働環境の改善、そういった点で考えていかないといけないと思っています。

 したがいまして、今回の二%相当の処遇につきましては、基本的には初任給も含めて全体の引き上げをするということになりますが、もう一つ、技能、経験を積んだ職員についての改善ということにつきましては、できるだけ長く勤めていただく、あるいは途中でやめないという意味でいえば、きちんとキャリアパスをつくって、それとセットで上げていく、あるいは、三年目、五年目、七年目で、例えば競合他産業との比較でどうかといったような観点も含めながら、いわばキャリアパスの問題とあわせて形をつくっていくということが必要ではないかと思っております。

 いずれにしても、全体としてどれくらいの財源が確保できるかということも関係しますので、もちろんそこに全力を注力するわけでございますが、それとあわせて形をつくって、予算編成の過程で決めてまいりたいと思っております。

浦野委員 もちろんキャリアパスを考えていただけたらいいんですけれども、先ほど香取さんの答弁の中にもありましたけれども、これはやはり初任給が大事なんですよね。入り口で学生の皆さんが何で比べてみんな保育士を選択肢から外すかというと、やはり初任給が低いですよね、もちろん全体が低いわけですから。そこをやるには、やはりベースアップという部分にもっと財源を充てていただきたいなと。

 むしろ、私は、キャリアアップとかよりもベースアップの方が、初任給を上げるという方が大事だと思っていますので、またこれからいろいろと検討、内容、逐一聞いていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 時間なので、終わります。

     ――――◇―――――

渡辺委員長 次に、第百八十九回国会、内閣提出、参議院送付、確定拠出年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案は、前国会で本院において議決の上参議院に送付したものを、参議院において継続審査に付し、今国会におきまして、企業年金連合会の業務に関する規定等の施行期日を「平成二十七年十月一日」から「平成二十八年七月一日」に改めるとともに、確定拠出年金に係る掛金の拠出規制単位の月単位から年単位への見直しに関する規定の施行期日を「平成二十九年一月一日」から「平成三十年一月一日」に改める等の修正を行って本院に送付されたものであります。

 したがいまして、趣旨の説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

渡辺委員長 本案につきましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 第百八十九回国会、内閣提出、参議院送付、確定拠出年金法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

渡辺委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

渡辺委員長 次に、内閣提出、臨床研究法案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 臨床研究法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

塩崎国務大臣 ただいま議題となりました臨床研究法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。

 臨床研究については、データ改ざん、対象者の同意の取得の不備、個人情報の漏えい等の不適正事案が発生し、欧米諸国と比較して規制が不十分であること、行政機関が十分な監督権限を持っていないこと等の問題が指摘されました。

 こうした状況を踏まえ、臨床研究を実施する場合の必要な手続、臨床研究に関する資金の提供に関する情報の公表の制度等を定めることにより、臨床研究の対象者を初めとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその実施を推進することで、保健衛生の向上に寄与することを目的として、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の主な内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、医薬品等の臨床研究のうち、特に臨床研究の対象者の生命、身体へのリスクが高い未承認または適応外の医薬品等を用いる臨床研究及び医薬品等の製造販売業者等から資金の提供を受けて実施する臨床研究について、その実施に関する手続等を定めることとしております。

 具体的には、厚生労働大臣が定める実施基準に従ってこれを実施しなければならないこととするとともに、研究実施計画を厚生労働大臣に提出しなければならないこととしております。また、これらの臨床研究の実施に起因するものと疑われる重篤な疾病等が発生した場合には、厚生労働大臣に報告しなければならないこととしております。さらに、これらに違反する場合には、厚生労働大臣が改善命令や研究の中止命令等を行うことができることとしております。

 第二に、臨床研究の信頼の確保を図るため、医薬品等の製造販売業者等の臨床研究に関する資金の提供に関する情報の公表の制度等を定めることとしております。

 最後に、この法律案の施行期日は、公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

渡辺委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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