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第2号 平成13年2月23日(金曜日)

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平成十三年二月二十三日(金曜日)

    午後零時三十分開議

 出席委員

   委員長 山本 有二君

   理事 青山  丘君 理事 岸田 文雄君

   理事 新藤 義孝君 理事 馳   浩君

   理事 田中 慶秋君 理事 中山 義活君

   理事 久保 哲司君 理事 達増 拓也君

      伊藤 達也君    石原 伸晃君

      小此木八郎君    梶山 弘志君

      鴨下 一郎君    高木  毅君

      竹本 直一君    中馬 弘毅君

      中野  清君    林  義郎君

      松野 博一君    松宮  勲君

      茂木 敏充君    保岡 興治君

      山口 泰明君    北橋 健治君

      後藤 茂之君    後藤  斎君

      鈴木 康友君    中津川博郷君

      肥田美代子君    松本  龍君

      山内  功君    山田 敏雅君

      石井 啓一君    土田 龍司君

      大森  猛君    塩川 鉄也君

      阿部 知子君    西川太一郎君

      宇田川芳雄君

    …………………………………

   経済産業大臣       平沼 赳夫君

   経済産業副大臣      中山 成彬君

   経済産業副大臣      松田 岩夫君

   経済産業大臣政務官    竹本 直一君

   経済産業大臣政務官    西川太一郎君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 根來 泰周君

   政府特別補佐人

   (公害等調整委員会委員長

   )            川嵜 義徳君

   経済産業委員会専門員   酒井 喜隆君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十日

 辞任         補欠選任

  西川太一郎君     松浪健四郎君

同日

 辞任         補欠選任

  松浪健四郎君     西川太一郎君

同月二十三日

 辞任         補欠選任

  伊藤 達也君     鴨下 一郎君

  大島 令子君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  鴨下 一郎君     伊藤 達也君

  阿部 知子君     大島 令子君

    ―――――――――――――

二月十九日

 出版物再販制の廃止反対に関する請願(松本龍君紹介)(第八七号)

 同(宇田川芳雄君紹介)(第九七号)

 同(海江田万里君紹介)(第九八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第九九号)

 同(不破哲三君紹介)(第一〇〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一〇一号)

 同(中津川博郷君紹介)(第一六〇号)

 脱原発への政策転換に関する請願(北川れん子君紹介)(第一四八号)

 中小企業・国民本位の景気回復に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一四九号)

 同(大森猛君紹介)(第一五〇号)

 同(木島日出夫君紹介)(第一五一号)

 同(児玉健次君紹介)(第一五二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一五三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一五四号)

 同(瀬古由起子君紹介)(第一五五号)

 同(中林よし子君紹介)(第一五六号)

 同(春名直章君紹介)(第一五七号)

 同(松本善明君紹介)(第一五八号)

 同(山口富男君紹介)(第一五九号)

同月二十三日

 出版物再販制の廃止反対に関する請願(岩國哲人君紹介)(第一七三号)

 同(中津川博郷君紹介)(第一七四号)

 同(吉田公一君紹介)(第一七五号)

 同(保坂展人君紹介)(第二二七号)

 同(山元勉君紹介)(第二八七号)

 脱原発への政策転換に関する請願(土井たか子君紹介)(第二二八号)

 同(保坂展人君紹介)(第二二九号)

 同(佐々木秀典君紹介)(第二七〇号)

 同(辻元清美君紹介)(第二八八号)

 中小企業・国民本位の景気回復に関する請願(大森猛君紹介)(第二三〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 経済産業の基本施策に関する件

 鉱業と一般公益との調整等に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引に関する件




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     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。

 この際、経済産業大臣から、経済産業の基本施策について所信を聴取いたします。平沼経済産業大臣。

平沼国務大臣 このたび、初代経済産業大臣に就任いたしました平沼赳夫でございます。

 第百五十一回国会における経済産業委員会の御審議に先立ち、今後の経済産業行政を行うに当たっての私の所信の一端を申し述べます。

 新たな世紀の幕あけに当たり、我が国の将来について確かな展望を描き、あすへの希望と自信を分かち合える社会を実現することが、私たちの大きな願いであります。時代を切り開くさまざまな分野での新しい挑戦に、あすの我が国の発展への大きな可能性が秘められている一方、戦後の発展を支えてきた我が国の経済社会システムは、その制度のひずみを一層顕在化させてきており、従来の発想を超えた決断と実行が切に求められております。

 私は、初代の経済産業大臣として、戦後の我が国の社会経済システム全体にわたる大転換を図っていくという行政改革の理念に沿って、新しい時代に即した行政ニーズに適切に対応するための経済産業省の新しい組織編成のもと、これから申し上げる経済産業行政の内外の課題に全力を挙げて取り組んでまいります。

 第一の課題は、自律的な回復に向けた経済運営と経済構造改革の推進であります。

 我が国の経済は、企業部門を中心に緩やかな改善を続けておりますが、厳しい状況をなお脱しておらず、また、米国経済の動向や株価の状況など、懸念すべき点も見られます。経済を一日も早く民需中心の自律的な回復軌道に乗せるため、昨年十月に決定した日本新生のための新発展政策を着実に実行に移し、今年度の補正予算の迅速的確な執行を行うとともに、平成十三年度予算案の日本新生特別枠に盛り込まれた施策の効果的な推進に努めてまいります。

 さらに、昨年十二月に、会社法制の見直しや雇用システムの改革による創造的な経済活動の促進、エネルギー、物流、情報通信等の分野での高コスト構造の是正、少子高齢化や環境制約を新たな成長エンジンに転化させるための環境整備など、新たな経済成長に向けての行動計画が策定をされました。民間事業者が成長機会を十二分に活用でき、我が国の潜在成長力を顕在化させる経済社会システムを構築するため、これらの施策を迅速かつ強力に推進するとともに、足下の問題である不良債権問題の解決についても金融、産業両サイドからの対応を加速化していくことにより、我が国経済の将来に対する内外の信認を高めるように努めてまいります。新たに発足した経済財政諮問会議においても、こうした新たな経済社会のあり方を見据えた我が国の構造改革に向けた諸課題について、幅広い議論に参画してまいる所存でございます。

 第二の課題は、IT革命への対応であります。

 経済活動のデジタル化とインターネットの急速な進展等により、産業革命にも匹敵し得る経済社会構造の転換が世界的規模で生じてきておりますが、これは我が国経済の潜在能力を最大限発揮させるチャンスであります。

 すべての国民がITのメリットを享受し、自由に情報や知識にアクセスするIT社会を創造するとともに、ITの活用による我が国産業の生産性の向上を実現するなど、我が国の経済社会システムをIT適応型に大きく改革することが必要です。このため、電子商取引ルールの整備、電子政府の実現、情報セキュリティー対策、教育の情報化、人材の育成、先端的、基盤的な技術開発、国際的なルールの整備など、総合的な取り組みを進めてまいります。

 その一環として、最近急速に普及している電子商取引にだれもが安心して参加できる法的環境を整備するため、電子取引に係る民法の特例等に関する法律案と不正競争防止法の一部を改正する法律案を今国会に提出する予定であります。

 こうしたIT革命への対応に国として戦略的に取り組むため、IT基本法に基づいて設置された高度情報通信ネットワーク社会推進本部において本年一月にe―Japan戦略が決定されたところであり、さらに、政府が迅速かつ重点的に講ずべき施策を定める重点計画が本年三月末を目途に策定されることになっております。

 第三の課題は、技術フロンティアの創造であります。

 技術革新は、我が国産業の競争力の源であり、我が国経済が持続的に成長していく原動力となるものであります。

 このため、新たに設置された総合科学技術会議の場を通じ、二十一世紀における我が国の科学技術振興の基本となる科学技術基本計画を政府として本年三月までに決定をいたします。本計画に基づき、将来の経済、産業の発展を支えるライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料等の技術分野に戦略的に資金、人材等の資源を投入するほか、我が国の研究開発システムをより開かれた効率的なものとするべく、競争的で柔軟な研究環境の整備に取り組むこととしております。また、民間の基盤技術研究への支援方式の見直しを行う基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。

 さらに、極微量物質の適正な計量を確保し、計量証明事業の信頼性を担保するため、計量法の一部を改正する法律案を提出するとともに、日欧州共同体相互承認協定の国会提出にあわせ、特定機器等に係る適合性評価の相互承認の実施に関する法律案を関係省とともに提出し、基準認証制度の国際的な整合化や相互承認の促進、知的基盤の整備に戦略的に取り組んでまいります。

 第四の課題は、環境・エネルギー制約の克服であります。

 環境・エネルギー問題への対応に当たっては、環境負荷の低減やエネルギーの安定供給を図ることはもとより、これを新たな成長要因に転換できる経済社会システムを構築していくという視点が肝要であります。

 廃棄物・リサイクル問題については、資源有効利用促進法や家電リサイクル法等の円滑な施行等を通じ、効率的な循環型経済システムの形成を進めてまいります。地球温暖化対策については、COP6の再開会合等の国際交渉に積極的に取り組むとともに、省エネルギー、新エネルギー、安全に万全を期した原子力立地、代替フロン対策、技術開発など各分野にわたる対策を着実に実施いたします。

 さらに、近年のエネルギー需要の増加、原子力立地の長期化等の情勢変化を踏まえ、今後のエネルギー政策のあり方について、総合資源エネルギー調査会において、環境保全、効率化、安定供給といった政策目標を実現するための幅広い検討を進めてまいります。そうした政策目標達成の一環として、今国会に、石油産業の一層の効率化、石油備蓄制度の強化、より効率的かつ確実な自主開発原油の確保のため、石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案を提出いたしました。

 また、本年一月六日に原子力安全・保安院が発足し、原子力安全規制及び防災に関する体制が強化されました。国民の信頼を取り戻すべく、原子力の安全の確保に邁進してまいる所存であります。

 第五の課題は、中小企業政策、地域経済産業政策の新たな展開であります。

 中小企業は、日本経済の活力の源泉であり、新たな雇用と産業を創出する担い手であります。我が国の中小企業が、現下の厳しい経営環境を克服し、我が国経済の活性化に貢献できるよう、中小企業に対する円滑な資金供給の確保、中小企業のIT革命への対応の支援、中小企業支援体制の充実など中小企業政策の推進に全力で取り組んでまいります。また、全国各地の小規模な商工会において進んでいる広域化、合併の取り組みのニーズにこたえるため、商工会法の一部を改正する法律案を今国会に提出することを考えております。

 地域経済産業政策につきましては、地方と国との適切な役割分担のもとに、地域の経済産業が、各地域の特色や強みを最大限に生かしながら、自律的に発展していくことを目指して、各般の施策を講じてまいる所存であります。その発展の担い手の一つであり、我が国の伝統的な技術や文化を今に伝える伝統的工芸品産業のさらなる活性化を図るため、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出をしたところでございます。

 最後に、戦略的な対外経済産業政策の推進であります。

 近年、世界各国では、人、物、金、情報など、さまざまな経営資源を引きつけられるよう国内の制度改革を競う一方、国境を越える事業活動に対応するため、自国に有利な形で各国制度間の調和を追求する動きが活発化しております。我が国の対外経済政策も、物の貿易のみならず、広く経済活動全般にわたって相互に自由な活動を可能にすることが我が国の発展に資するという観点から、国内経済政策と密接不可分に戦略的に進めてまいります。

 このため、WTOを中心とする多角的貿易体制の維持強化に努めるとともに、二国間、地域間協力を含めた多層的なチャネルを通じて対外経済関係を形成していくべきであると考えます。本年十一月に開催予定のWTO閣僚会合において、十分に幅広い交渉項目を備えた新ラウンドを立ち上げられるよう引き続き努力するとともに、日米関係緊密化のための官民による円卓会議の設置、日シンガポール経済連携協定の年内合意などに積極的に取り組んでまいる所存でございます。

 以上、今後の経済産業政策の基本的方向につき、私の所信の一端を申し述べました。国民各位の御理解のもと、経済産業行政の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

山本委員長 以上で大臣の所信表明は終わりました。

 次に、中山経済産業副大臣、松田経済産業副大臣、西川経済産業大臣政務官及び竹本経済産業大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。中山経済産業副大臣。

中山副大臣 このたび経済産業副大臣を拝命いたしました中山成彬でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 現下の日本経済は全体として緩やかに回復しつつも、依然厳しい状況から抜け出せずにいます。

 グローバリゼーション、IT革命、少子高齢化、環境制約の先鋭化など、時代環境が大きく変動する中、我が国の発展を支えてきた経済社会システムは完全な機能不全に陥っており、国民に停滞感と閉塞感が広がっております。我々は、変化を恐れることなく、二十一世紀の日本はどのような国を目指すのかという原点に立ち返り、新たな発展の道筋をつくるべく、敢然と改革に取り組まなければなりません。

 経済産業省としては、企業の創造的な経済活動を促進し新規産業を創出することで、停滞と閉塞を打破し、我が国経済の大きな潜在力を現実のものとしていかなければなりません。私は、平沼大臣の指揮のもと、松田副大臣、西川大臣政務官、竹本大臣政務官と力を合わせ、会社法制等の整備や雇用システム改革等、あらゆる分野における経済構造改革を着実に推進し、日本経済の新たな成長と発展を実現してまいる所存であります。

 山本有二委員長を初め、本委員会委員各位のより一層の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

山本委員長 次に、松田経済産業副大臣。

松田副大臣 このたび経済産業副大臣を拝命いたしました松田岩夫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 人、物、サービス、資本、情報などの国境を越えた移動が地球規模で拡大しており、内外経済の一体化が一層進む中、我が国の経済社会システムのあり方が、国としての我が国の競争力を左右するという認識が従来に増して求められる時代になっております。

 経済産業政策を推進するに当たりましても、常にそうしたグローバルな視点を持ち、内外の環境変化に対応した国内の経済構造改革の推進と二十一世紀の国際経済秩序の形成に向けて、積極的な取り組みを進めることが重要であると考えております。

 経済社会におけるさまざまな面での改革を果敢に進め、我が国経済を一刻も早く本格的回復軌道に乗せるべく努力するとともに、WTOにおける多角的な自由貿易体制の強化や地球温暖化問題の解決などの地球規模の問題解決に積極的に貢献してまいる所存であります。中山副大臣、西川大臣政務官、竹本大臣政務官ともども平沼大臣を支え、最善を尽くしてまいります。

 山本有二委員長を初め、本委員会委員各位のより一層の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございます。(拍手)

山本委員長 次に、西川経済産業大臣政務官。

西川(太)大臣政務官 このたび経済産業大臣政務官を拝命いたしました西川太一郎でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 二十一世紀を迎え、戦後の経済社会システムの大転換が求められる中、内外経済のさまざまな問題に総合的に取り組む経済産業省の果たすべき役割は、従来に増して高まっていると認識いたしております。平沼大臣を補佐いたしまして、中山、松田両副大臣、同僚の竹本大臣政務官ともども力を合わせ、経済産業行政のより一層の充実に全力を尽くし、二十一世紀も日本経済が健全で活気にあふれるよう、最大限努力してまいる所存でございます。

 山本有二委員長を初め、委員の皆様方の御指導、御鞭撻、御支持をお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

山本委員長 次に、竹本経済産業大臣政務官。

竹本大臣政務官 このたび経済産業大臣政務官を拝命いたしました竹本直一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 経済社会の大きな環境変化が進み、さまざまな経済主体の価値観が多様化する中、経済産業省といたしましては、新しい時代に即した行政ニーズに適切に対応していくことが求められております。中山副大臣、松田副大臣、西川大臣政務官とともに平沼大臣を支え、課題の山積する経済産業行政のより一層の推進のため一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。

 山本有二委員長を初め、本委員会委員各位のより一層の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

山本委員長 次に、平成十二年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要について説明を聴取いたします。川嵜公害等調整委員会委員長。

川嵜政府特別補佐人 公害等調整委員会が平成十二年中に行った鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要について御説明申し上げます。

 第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。

 当委員会は、主務大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認める地域を鉱区禁止地域として指定するものとされております。

 平成十二年に当委員会に係属した事件は、徳山ダム関係地域の指定請求事件等合計三件であり、これらのうち、東京都の陸域及び沿岸海域部関係地域において処分を一部保留した地域に係る指定請求事件は、昨年十二月却下により終結いたしました。

 現在係属中の事件につきましては、事業計画の進捗状況等を考慮して審理手続を進めることといたしております。

 第二に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する事務について申し上げます。

 鉱物の掘採、岩石、砂利の採取の許認可処分等については、当委員会に対して不服の裁定を申請することができるものとされております。

 平成十二年に当委員会に係属した事件は、鹿児島県砂利採取計画不認可処分取り消し裁定事件等合計七件であり、これらのうち、平成十二年中に終結した事件は六件であります。

 第三に、土地収用法に基づく意見の申し出等に関する事務について申し上げます。

 当委員会は、土地収用法、鉱業法等に基づき主務大臣が裁決等を行う場合には、意見の申し出、承認等を行うものとされております。

 平成十二年に当委員会に係属した事案は、土地収用法に基づく意見の申し出等が三十一件であり、平成十二年中にすべて処理しております。

 以上が平成十二年中における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要であります。

 公害等調整委員会といたしましては、今後ともこれらの事務を迅速かつ適正に処理するため鋭意努力してまいる所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。

山本委員長 次に、平成十二年における公正取引委員会の業務の概略について説明を聴取いたします。根來公正取引委員会委員長。

根來政府特別補佐人 平成十二年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。

 当委員会は、以下申し述べる五つの施策に重点を置いて、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法等の厳正な執行及び競争政策の積極的な運営に取り組んでまいりました。

 第一に、独占禁止法違反行為の排除であります。

 入札談合等の独占禁止法違反行為については、内外の事業者の公正かつ自由な競争を促進し、消費者の利益を確保するとの観点から引き続き厳正に対処し、価格カルテル、入札談合等十八件について勧告等の法的措置を延べ五百七十八名に対しとったほか、十二件の警告を行いました。また、十七件の価格カルテル、入札談合事件について、延べ五百十六名に対し総額九十二億三千三百七十七万円の課徴金の納付を命じました。

 第二に、公正で自由な経済社会を実現していくための基盤的な条件を整備するための取り組みであります。

 この観点から、昨年五月に、不公正な取引方法に係る独占禁止法違反行為によって著しい被害を受けている被害者等がみずからその行為の差しとめを裁判所に対して請求できる制度の導入、電気事業、ガス事業等に係る独占禁止法適用除外規定の廃止等を内容とする独占禁止法の改正が行われました。また、政府規制等と競争政策に関する研究会を開催し、国内航空事業、電気通信事業等の公益事業分野における競争を促進するための基盤の整備についての検討、提言をいただき、これを公表しました。

 著作物再販制度の見直しについては、本年春に当委員会としての結論を出すこととしておりますところ、昨年十二月に同制度の見直しに関する検討状況を公表し、同制度について国民各層から広く意見を求めたところであります。

 第三に、規制緩和後の公正かつ自由な競争を確保する観点からの施策であります。

 中小事業者に不当に不利益を及ぼす不当廉売、優越的地位の乱用等の不公正な取引方法に対しては厳正、迅速に対処したほか、酒類販売業の免許基準の緩和が進展する中で、公正な取引を確保するとの観点から、昨年十一月、「酒類の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」を策定、公表し、業界団体等に通知いたしました。

 下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法に関する業務については、下請取引の公正化及び下請事業者の利益確保を図るとの観点から、下請代金の減額等の違反行為を行っていた親事業者三社に勧告を行ったほか、千百四十社に対し警告を行いました。

 不当景品類及び不当表示防止法に関する業務については、小売業をめぐる競争環境や消費者の意識の変化に伴う価格表示の多様化に対応するなどの観点から、昨年六月に価格表示に係るガイドラインを策定したほか、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、七件の排除命令を行ったほか、三百五十一件の警告を行いました。

 第四に、IT革命の推進のための施策であります。

 IT革命の推進を阻む競争制限行為については、積極的な排除に努めるとともに、IT革命の基盤となる情報通信分野におけるインフラベースの競争促進策に係る政策提言や、企業間電子商取引における排他的取引及び協調的行為並びに消費者向け電子商取引における不当表示への対処など、これら電子商取引の公正化を進めてまいりました。また、昨年十一月には、下請法の改正により、親事業者から下請事業者への発注書面の交付等の義務について一定の要件のもとに情報通信技術を利用する方法が可能であることが明確化されました。

 第五に、経済のグローバル化に対応するための施策であります。

 海外の競争当局との協力について、米国に引き続きEUとの間の独占禁止協力協定について締結交渉を進め、昨年七月に実質的要素について相互理解に達しました。

 以上、簡単ではございますが、業務の概要について御説明申し上げました。

 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。

山本委員長 以上で両委員長の説明は終わりました。

 次回は、来る二十八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五十七分散会




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