衆議院

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第11号 平成14年4月19日(金曜日)

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平成十四年四月十九日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 谷畑  孝君
   理事 伊藤 達也君 理事 竹本 直一君
   理事 中山 成彬君 理事 鈴木 康友君
   理事 田中 慶秋君 理事 河上 覃雄君
   理事 達増 拓也君
      伊藤信太郎君    小此木八郎君
      大村 秀章君    梶山 弘志君
      阪上 善秀君    下地 幹郎君
      根本  匠君    林  義郎君
      平井 卓也君    増原 義剛君
      松島みどり君    茂木 敏充君
      保岡 興治君    山本 明彦君
      生方 幸夫君    川端 達夫君
      北橋 健治君    後藤 茂之君
      武正 公一君    中村 哲治君
      中山 義活君    松原  仁君
      山谷えり子君    山村  健君
      福島  豊君    土田 龍司君
      大森  猛君    塩川 鉄也君
      大島 令子君    西川太一郎君
      宇田川芳雄君
    …………………………………
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   経済産業副大臣      大島 慶久君
   経済産業大臣政務官    下地 幹郎君
   環境大臣政務官      奥谷  通君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官) 河野 博文君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・
   リサイクル対策部長)   飯島  孝君
   経済産業委員会専門員   中谷 俊明君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十九日
 辞任         補欠選任
  山田 敏雅君     山谷えり子君
同日
 辞任         補欠選任
  山谷えり子君     武正 公一君
同日
 辞任         補欠選任
  武正 公一君     中村 哲治君
同日
 辞任         補欠選任
  中村 哲治君     山田 敏雅君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七五号)
 電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案(内閣提出第七六号)


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     ――――◇―――――
谷畑委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案及び電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁長官河野博文君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
谷畑委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
谷畑委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原仁君。
松原委員 民主党の松原仁であります。
 きょうは、新エネルギーを含むエネルギーに関して、平沼大臣を中心に皆さんにお伺いしたいと思います。
 エネルギー問題を考える場合には、我が国は、大変にエネルギーに関しては歴史的に不足をしていることがしばしばありまして、かつての太平洋戦争もエネルギー危機に端を発して起こってきたということであります。したがって、我が国においては、エネルギーの安定供給というのは一番大事なことだろうと思っております。
 今後のエネルギー問題を考える場合は、この安定供給、そして海外との、国内製造業もしくは産業の競争力を考えた場合のエネルギーコスト、そして、日本が世界の中で経済的に大きな規模を持っているというふうなことを考えますと、地球環境に対して我々はどう貢献していくのか、京都議定書の件もあるわけでありまして、こういった幾つかの観点からのエネルギー問題の解決もしくは改革というものが必要であろうと思っております。
 その中で特に重要な問題は、やはり安定供給ということになるかもしれません。そういった意味では、エネルギーの安定供給を考えた場合、石油の輸入というものも極めて大きいわけでありまして、一朝事あったらどうなるかという問題が常にあるわけであります。できれば自前のエネルギー源というものも我が国は確保していかなければいけないわけであります。
 そういった中で、多様なエネルギーバランスというものもまた必要だろう。つまり、石油だけに依存するのではなく、その他さまざまなエネルギーにばらけておくということがやはり大事なことではないかというふうに思っているわけであります。
 そういった意味におきまして、この新エネルギーというのは、もちろん地球環境に対しての貢献というものも大いに考えるわけでありますが、そういったことを通して、一方において安定供給、多種多様なエネルギーバランスによって日本のエネルギー安全保障の確立を目指す。さらには、そういった多種多様な競争が結果としてコストも低減化するのではないか、こういうふうな考え方をとらまえて今後見通しをしていかなければいけないと思います。
 そういった大局的な部分につきまして、まず、平沼大臣に御見解をお伺いいたします。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 先生御指摘のように、日本は、いわゆるエネルギー資源が非常に脆弱でございまして、相当量を、ほとんどを海外に頼っているということが現状です。将来を踏まえましたら、御指摘のとおり、二十一世紀は環境の整備、いわゆる環境問題をいかに人類が克服するか、こういうことですから、そういったことにも観点を入れて、やはりエネルギーの供給源というものを安定よくバランスさせなければならないと思っています。
 そういう意味で、今後を見通しますと、化石燃料である石油、これはやはり主要な部分を占めることは間違いありません。ですから、石油の安定供給ということはしっかりと踏まえてやっていかなければならないと思います。
 今、石油に関して言いますと、非常に中東への依存度が高い、八九%近い依存度でございますから、やはり安定供給という観点からいえば、これも分散をしていかなきゃなりません。
 また、環境の面で考えていきますと、これも松原先生よく御承知のように、原子力発電というのは今電力の三〇%を受け持ってくれておりますし、また、発電時にCO2の排出量がゼロ、こういう特質もございますので、ここも安全性をしっかりと担保しながらやっていかなければならないと思っております。
 それからもう一つは、やはり新エネルギーの分野ということを推進していく。この新エネルギーというものに対しては、今、風力でございますとか地熱でございますとかその他を入れましても、日本の場合には一次起源のエネルギーのまだ一%、こういうことでございますので、インセンティブを与えてここをふやしていく、こういうことも必要だと思っています。
 そういう意味で、冒頭御指摘のように、日本の場合にはいわゆる天然資源、そしてそのエネルギーというものが国にない、そういう現実を踏まえて、バランスよく、そして効率よく、また、オイルショックなんかがあった場合にも備えて、備蓄等も含めて、新エネルギーに、環境にも配慮して、やはり総合的な対策をもってこれに対処をしていかなければならない、このように思っております。
松原委員 エネルギー庁長官にお伺いしたいわけでありますが、今、大臣の御答弁にもありました新エネルギーとしてはどんなものがあるのか、その可能性を簡潔にお答えいただきたいのと、特に、これはなかなか、まだまだ未知数ということでありますが、日本の場合は四囲が海洋に囲まれているわけでありまして、いわゆる海洋国家。これからの日本は世界最大の海洋国家を目指すべきではないかと私は個人的に思っているわけでありますが、そういった海洋国家を目指すという観点から考えると、潮力におけるエネルギーというものは特に先進的に我々はやっていくべきだと思います。そういったことも含めて長官にお伺いいたします。
河野政府参考人 いわゆる新エネルギーの内容でございますが、御案内のように、太陽光発電、これは我が国では世界最大の発電規模を誇っております。また、風力発電につきましても、今後将来性のあるものだというふうに考えております。いわゆるバイオマス、さまざまな起源のバイオマスがございますけれども、これも将来性があるというふうに期待をしているものでございます。
 我が国においては、さらに地熱、水力等も対象だというふうに考えているわけでございますけれども、今御指摘の海洋国家日本としての潮力、波力あるいは海水内におきます温度差発電、こういったものはこれから技術を開発していく必要がございますけれども、おっしゃるように、ある種のポテンシャリティーの高いものだというふうに考えているものでございます。
松原委員 そういうふうな新エネルギーというものがこれから必要になってくるわけでありますが、新エネルギーの育成というのはまさに経済的なコスト感覚だけではできない、インセンティブを与えていかなければいけない、さまざまな国の仕組みの中で新エネルギーの育成ということをしていかなければいけないと思うわけであります。
 そういった意味では、いろいろな方法論がある中で、新エネルギーの買い取り制度というものがしばしば言われております。この買い取り制度に関しては、私は、買い取り制度をした方が新エネルギーは非常に充実するのではないかというふうに思っております。
 ドイツの場合は、この買い取り制度で、ほかの国に比べてはるかに新エネルギーのエネルギー全体に占めるパーセンテージというか比率が高まっているというふうに聞いておりますが、買い取り制度が向いているのではないかということについて大臣はどうお考えか、お伺いをいたします。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 ドイツで実行されております固定価格買い取り制度、それにつきましては、御指摘のように、量的には非常に大きな効果を上げております。しかし反面、電気事業者に対しまして、発電事業者の発電した新エネルギーによる電気の全量を政府が設定する電源別の固定価格で買い取る義務を課す、こういう制度でございますため、発電事業者のコスト削減インセンティブが働きにくいという側面も実はございます。
 また、一度価格が設定されると引き下げがなかなか困難である、そういう問題がございまして、ドイツにおきましては、発電コストが急速に低下をしているにもかかわらず買い取り価格はむしろ引き上げられておりまして、これはなかなかいろいろなことがあって、最終的には国民の負担の増加につながっているという、そういう側面もあります。
 もう一方、これから、いろいろ我々としても検討しておりますけれども、RPS制度というようなものもございます。
 しかし、この買い取り制度に関しましては、そういった一つの側面がある、ただ、御指摘のように非常に量は伸びる、こういうことが言えると思います。
松原委員 買い取り制度は、価格を設定してどんどん買っていかなきゃいけないわけでありますから、そういったさまざまなマイナス点もあろうかと思いますが、そのマイナスがあろうとも、私は、特に最初はコストが高くなると思うんですよ。しかし、そういったものがどんどんと大量に使われるようになれば、将来的にはコストが下がっていくのではないかというふうにも思うんですね。
 ですから、ドイツの場合は、まだコストが高いということでマイナスの部分が、買い取りの価格が高いということでマイナスの部分があるわけですが、やがてそれがどんどんどんどんパーセンテージが上がっていくと、結局、今はドイツはまだ上がっているという話でありましたが、将来的には下がっていく可能性もある。そうすると、エネルギーの安全保障という観点からは極めて有意義になるのではないかと思うので、この買い取り制度というのは依然として一つの考え方としては頭に置いておく必要があるだろうというふうに私は思っております。
 そうした中で、今大臣の方からもRPS方式というふうなお話がありました。
 このRPS方式の場合、これは現実に、今の閣法で出てきている案では、総量を決めておいて、そして相対で取引をする、こういうふうなことになるわけでありますが、この場合、危惧することは、総量は決まっているわけでありますが、そこで相対で取引をするということになると、どうしても買う側が、だれがどう考えても強くなってしまう。買う側が強くなってしまうということが、私は、なかなか新エネルギーの育成という観点からはマイナスの部分もあるのではないかと思うんですが、この点、買う側が強くなってしまうという危惧に関しては、エネルギー庁長官はどうお考えか、お伺いいたします。
河野政府参考人 先生おっしゃいましたように、このRPS方式というものでは電気事業者に一定量の購入を義務づけますけれども、その達成に当たりましては、電気事業者が基本的には個別の取引によって調達するわけでございますから、買い手と売り手の間でどういう力関係になるかということが一つ御指摘の観点だろうと思います。
 ただ、買い手の方が有利になるか、あるいは売り手の方が有利になるか、どちらもある意味ではこの制度の導入に当たって心配をなさっている点でもございます。これは、義務量をどのようなレベルに設定するかによって変わってくるのだと思います。
 そこで、私どもは、この義務量を適正なレベルに設定できますように、総合資源エネルギー調査会の皆さんの御意見を伺ったり、あるいは関係各省の皆さんの御意見を伺ったりしながらできるだけ適切なレベルを設定する、そしてまた、制度の運用としてもそれなりの弾力性を確保するということを考えております。
松原委員 今、義務量の設定が議論の中で行われるということでありますが、この法案が出るに際してのその義務量、このRPS方式にしても義務量というのが一番ポイントになるんですが、義務量の設定のときの一つの、ガラス張りのと言うと言葉がちょっとそういうことになりますが、何というか、一つの指針というか方程式というか、こういうふうな形で義務量を設定するというものがあるのならばそれをちょっとお伺いいたしたいと思います。
河野政府参考人 今ちょっと数式のような形でお示しすることは難しいかと思いますけれども、この法案におきましては、適正な義務量の設定ができますように、まず、総合資源エネルギー調査会の専門的な意見を聞くことにいたしております。
 そして、地球温暖化対策あるいは廃棄物政策、こうした観点からは環境大臣の御意見をいただくようにしております。また、食品廃棄物、畜産ふん尿あるいは建設廃棄物、こういったバイオマスに関しましても、担当大臣から大変御熱心な御提案がございますので、農林水産大臣あるいは国土交通大臣の御意見を伺いながら設定をするというふうに考えております。
 そういったいろいろな方の情報をいただく中で適正な量を設定してまいりたいと考えております。
松原委員 今、義務量の設定についてのお話があったわけでありますが、どちらにしても、RPSの場合、この義務量の設定というのは極めて大事になってくる。
 我々が危惧する点の一つは、私は先ほど大臣にも申し上げたのですが、新エネルギーがばらけていかなきゃいけない。例えばこの案では、廃プラも含めてさまざまなものがあるんですが、現実にその中の一種類だけの新エネルギーが突出してもこれはいけないわけでありますし、特に我々が危惧しているのは、廃プラが突出するんじゃないかというふうな議論も一方にあるわけであります。
 大事なことは、その新エネルギーが、例えば潮力にしても風力にしても太陽光にしても、そういうさまざまな新エネルギーがそれなりに、人間が食事をするときにバランスよく食事をするように、それぞれが育っていくような手順をやはりこの際踏んでいくべきだろうというふうに思うので、その義務量の設定も含めそういう配慮というものはなされるのかどうか、これが一つですね。
 それと同時に、この義務量をつくる場合に、やはりお互いが妥協して安直な義務量に落ちついてはいけないわけでありまして、そういった意味では、例えば、我々はどれぐらいの目標で設定するのか、幾つかは出ていますが、まだまだそれは数値的に努力をもっと高くしていく必要があるだろう。それは、来年、再来年を高くするのではなくて、途中で幾何級数的に高くするという方程式でもいいわけでありますが、そういう意味で、その義務量の設定に関して日本としてどこまで頑張るのか、この二点、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
河野政府参考人 御提案を申し上げておりますこの法案では、第三条で、新エネルギー等電気の利用の目標を定めるということになっておりまして、それぞれの年度についても定めるわけでございますが、同時に、当該年度以降の八年間について、おっしゃるような長期的な目標を定めることにいたしております。
 この目標の定め方は、これからまた総合資源エネルギー調査会の御意見を伺いながら、また各省の御意見も伺いながら定めていくわけでございますけれども、これまでも総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会で検討してまいりましたかなり野心的な目標がございますので、そういったものを参考にしながら定めてまいりたいというふうに思っております。
 また、エネルギー源別の対応でございますけれども、このRPS方式というのはエネルギー間のある種の競争を求めておりますので、それに特段の配慮を個々にするわけにはまいらないわけでございますが、しかし、新エネルギーの振興政策としてはこのRPS方式だけが政策ではございませんので、御案内のように、太陽光発電ですとか風力発電につきましては、政府としては熱心な助成策を講じておりますので、そういったことも総合的に振興策としてとらえていただきたいと思います。
松原委員 時間がないので次に進みますが、そういう中で、いわゆるセカンド・プライシング・メソッドといいますか、入札をして、いわゆる二番目に高い価格で買い取るというふうな、相対取引ではない手法の方が、ある種、むしろ新エネルギーのさまざまな育成には向いているのではないかというふうな視点もあるわけであります。
 どちらにしても総量が決まっているわけですから、新しいエネルギーがそれより多くつくられたり少なくつくられたりというような、現実にはあり得ないような対話がそこにはあるのかもしれません。しかしながら、それがあるとしても、そこの中でそういうセカンド・プライシング・メソッドのような方程式を使った方がやはり市場原理にもよりなじむだろうし、将来的な新しい新エネルギーの産業の育成につながると思うんですが、この辺についてのエネルギー庁長官の認識はいかがでしょうか。
河野政府参考人 セカンド・プライス・オークション方式、これはイギリスでも導入された例のあるやり方でございますし、自然エネルギー促進議員連盟の先生方もこういったことを一つの選択肢としてお考えだというふうに伺っております。
 確かに一つの方法ではございますけれども、オークションをやりまして二番目に高い価格を基準単価とするということになりますものですから、RPSのような市場取引で値段を決めるという方法に比べますと、どうしても価格の高どまりという問題が出てきます。
 また、この方式は、イギリスの例によりますと、国の補助との組み合わせになっておりますものですから、そういう点でも行政コストが必要になるというような面があったかと思います。現在イギリスでは、この一月から、このセカンド・プライス・オークション方式からいわゆるRPS方式へ移行しようとしている、そういう状況にあると承知しております。
松原委員 しかしながら、このセカンド・プライス・オークション方式は、新エネルギーへの新規参入、新エネルギーをいろいろな会社がやっていますね、いろいろな事業者がやっている。その中に全く違うところが、これだったら新エネルギーだと思って参入する場合には、相対取引ではなくて、そこでいわゆる入札でできるわけですから、何か言葉がなかなか難しいのですが、新エネルギーに対して参画する新しい業者、それはセカンド・プライス・オークション方式の方が参加し得ると私は思うのですよ。その場合は、その分だけ、逆に言えば、総量よりも多く産出されて買い取ってもらえないということが起こるのかもしれません。なかなかそれは悩ましい問題がありますが。
 私は、そういった意味では、やはりこれも一つの課題として、最初はそれでスタートしても、逆に言うならば、イギリスは逆をやってしまいましたが、時系列からいったら逆でありまして、ある程度、新産業、新しいエネルギーへの、そのエネルギーに対する新規参入が可能なような社会的な状況ができてきたら、セカンド・プライス・オークション方式というんですか、これに逆に移行するぐらいでもいいのではないかというふうに私は思うわけであります。
 時間がありませんので次に話を進めます。
 私は、日本のエネルギー問題、冒頭、平沼大臣もおっしゃいましたが、日本において固有のエネルギー源があるということは極めて重要だろうという認識を持っております。そういう中で、昔から言われておりますメタンハイドレートという問題についてお伺いをしたいと思うわけであります。
 メタンハイドレートは、近年はことしの三月、カナダの北部における永久凍土において現実にその採出が成功したということで話題になったわけでありますが、このカナダの北部におけるメタンハイドレート採出の成功、このことについてどんな御認識をお持ちか、お伺いをいたしたいと思います。
河野政府参考人 先生が今御指摘なさいましたように、ことしの三月、カナダの永久凍土地帯の試験井におきまして陸上での産出試験を行ったわけでございます。これは我が国を含みます国際共同研究という形で行われまして、そういう意味でも意味はあったと思っておりますが、世界で初めて地下でメタンハイドレートを分解して、そこで生じましたメタンガスを地上に回収することに成功いたしました。そういう意味では評価をしておりますので、この作業に基づきまして、今後、開発計画をより一層着実に推進してまいりたいというふうに思っております。
松原委員 共同研究という話でありまして、五カ国でこれにかかわったということであります。日本はその中で最もお金を出したというふうな話も聞いておりまして、ある意味では、メタンハイドレートに関して先端を走っているという認識を持っていいのかもしれませんが。
 そういう中で、このことに関しての予算も、昨年が十六・七億で、ことし五十五億円になったということでありますが、予算がふえた理由を聞くわけではありませんが、このあたりにメタンハイドレートに対する期待感というものが極めて高いというふうに思うわけでありまして、将来のメタンハイドレート、特に日本の場合は、日本の経済水域の中にたくさんあるというふうに言われているわけであります。
 このメタンハイドレートが日本の経済水域においてどれぐらい埋蔵されているか、それが日本のエネルギー利用のどれぐらいの年数分というんですか量を持っているのか、この辺をちょっとお伺いいたしたいと思います。
河野政府参考人 一九九六年に、当時の工業技術院の地質調査所の専門家三名の方が書かれました「天然ガスハイドレートのメタン量と資源量の推定」というレポートがございます。これによりますと、我が国周辺海域にありますメタンハイドレートの原始埋蔵量、これは七・四兆立方メートルという試算がなされておりまして、もしこれだけございますと、一九九九年の我が国の天然ガス消費量の約百年分という量に相当するわけでございます。世界的に見ましても、このレポートによりますと、四百四兆立方メートルという試算がございまして、これは、一九九九年におきます世界の天然ガスの消費量に比べますと百八十年分という数字になります。
松原委員 そういった意味では、これは大変な資源になっているというふうに思うわけであります。
 このメタンハイドレートがいわゆるエネルギー源として使われる場合は、今は石油が世界のエネルギーの中では、原子力もありますが、最も使われているわけでありますが、メタンハイドレートがこれにかわることによってCO2というのが、日本国内においてもまた世界においても大分減るだろうというふうに言われているわけであります。
 こういった意味で、どれぐらいCO2が減るのか、これは通告しておりませんので、概略のイメージで結構でありますから、エネルギー庁長官、お答えいただきたいと思います。
河野政府参考人 ちょっと絶対量という数字をただいま持ち合わせておりませんのでお許しいただきたいと思いますけれども、メタンハイドレートは、メタンガスとして燃料に使うことになりまして、いわゆる天然ガスとほぼ同様の成分でございます。これを燃焼いたしましたときに、石炭を燃焼したときに出ますCO2を一〇〇といたしますと、石油の場合に七七ぐらい、天然ガスの場合に五五ぐらいということになりますので、メタンハイドレートの場合、それぐらいのCO2の削減効果があるという割合でございます。
松原委員 今の御答弁で、大変に地球環境保全にも意味があるという話になると思うのです。
 ちょっとまた具体的な話になるんですが、ことしの三月のカナダ北部の永久凍土におけるメタンハイドレートの採出成功、どういう技術がこの成功事例の中で突出しているのか。日本は、さっき申し上げたように、このカナダの成功事例の中で最もお金を出している国でありますから、その技術で、温水を入れるとか入れないとかいろいろなことがあったと思いますが、どの辺がこのポイントだったのか、エネルギー庁長官、お答えください。
河野政府参考人 先ほども申し上げさせていただきましたように、メタンハイドレートは、賦存は確認されておりますものの、これまでいわゆるコアのような形で地上に取り出したことはございますが、おっしゃるような、地中に熱を加えるあるいは化学的な作用をさせるというようなことで地中でガス化をいたしまして取り出すという技術を実際に応用した例はなかったわけでございます。
 今回のカナダでの実験では、地中でメタンハイドレートを分解いたしましてメタンガスを地上に送り出したという意味で、その技術的な成果はあったというふうに考えているわけであります。
松原委員 画期的な成功事例だろうと思っておりまして、このカナダの三月の、特に日本が中心になってというふうに言っていいと思いますが、採掘したことは、恐らく歴史的な大きな事柄になるのではないかという期待を私は持っているわけであります。
 そうした中で、二〇一六年に商業化の見通しということも、研究会というか、一方でうたわれているわけでありますが、この二〇一六年の商業化というのは具体的にどういうイメージを我々は持てばいいのか、エネルギー庁長官、お答えいただきます。
河野政府参考人 先ほど申し上げましたように、技術的には幾つかの可能性が見えてきているように思いますけれども、実際に、二〇一六年に向かいまして幾つかのフェーズで実用化を図っていく、そこでかぎになりますのは経済性ということになろうかと思います。
 そこで、どういう状態が経済性がいいということかということになりますと、恐らく、その時点で競合いたします例えばLNGですとか通常の天然ガスですとか、そういったものと競合してもコスト上の競争力をある状態まで持っていけるかどうかということが重要な要素かと考えております。
松原委員 私は、これ、二〇一六年に一応商業化と書かれているわけでありますので、エネルギー庁長官も忙しいのでなかなかそこまで勉強していないかもしれませんが、ぜひきちっとこれはやってほしいと思うわけであります。
 私は、先ほど冒頭に、日本はエネルギー問題というのは極めて重要であるということを申し上げました。安定供給。その安定供給の理由として幾つか挙げたのは、一極に依拠するのではなくて分散しておいた方がいいとか、それからまた地球環境の問題とか言いましたが。
 私は、メタンハイドレートの場合は、先ほどのエネルギー庁長官の答弁にもあったように、日本の近海、経済水域の中に百年分の日本の経済活動を保障するエネルギーがある。これ、一発きちっと開発すれば、もう日本はエネルギー問題では怖いものなしになると思うのです、極端な言い方をすれば。なかなかそれは難しいと言うけれども、急激に現実性を帯びてきたのは三月であります。
 そういったことを考えたときに、例えば石油であればシーレーンを守らなきゃいけないとか、そういうコストも考えると、莫大な国際貢献をして、もちろん国際貢献は必要だけれども、そういったことをしてこれを守っていくということまで考えると、コストから考えると大変なコストがかかっているわけでありまして、そういったことを考えると、このメタンハイドレートのようなものにきちっともっと特化するということは、ぱっと見るとコストは高い、それは今の石油より高いという認識かもしれないけれども、実はそうじゃないんじゃないかと。しかも、コスト云々とは別の、いわゆる安全性というんですか、日本のエネルギー安全保障の安全性を高める上では極めてポイントであるというふうに私は思っているわけであります。そういった意味では、このメタンハイドレートにもっともっと注目し、もっともっと開発を育てていかなければいけないと思っているわけであります。
 現在は、このメタンハイドレートの開発は石油開発技術センターが行っているというふうに聞いているわけでありますが、広義の石油のエリアの中に化学の世界では入るのかもしれませんが、私は、そういった意味では、このメタンハイドレートに関しては、名は体をあらわすという言葉もありますので、メタンハイドレート開発センターというものをこの際立ち上げるぐらいのことをやって、このメタンハイドレートで二十一世紀の日本のエネルギー安全保障を切り開くんだ、いわゆる石油公団の関係であった石油開発技術センターの一翼でやるのではなくて、独自にこれをやるんだというぐらいのやはり決意を持って、名は体をあらわすでやっていかなきゃいかぬというふうに思うわけでありますし、同時に、このことは、日本のエネルギー安全保障、さらには世界の環境保全という観点から極めて重要だと思うんです。
 そういった意味では、百年後または五十年後と言われていたものが喫緊の可能性も出てきている。だから五十五億ではなく、もっともっと、例えば石油公団に年間今まで五百億ぐらい出していたのであれば、かなり大ざっぱな話でありますが、五十五億じゃない、二百億ぐらい投下するというぐらいのことをしてやる価値があるというふうに思います。
 そういったことをとらまえて、総合的な日本のエネルギー対策、エネルギー安全保障、地球環境保全、そういったものを含めて、今言ったメタンハイドレート開発庁か何か、こういうものをつくることも含め、平沼大臣に、もう時間も来ておりますので、力強い御決意をいただきたいと思います。
平沼国務大臣 このメタンハイドレートは、御指摘のように、非常に可能性もありますし、三月には、そういった、土の中からじかに採取するというような技術的な進化も見られました。
 そういう意味で、私どもとしても、先ほど来出ておりますけれども、予算もふやしてやってきております。これは、御指摘のように、非常に大切なプロジェクトになると私は思いますので、これからも力強くこれを推進していきたい、このように思っております。
松原委員 終わります。
谷畑委員長 山村健君。
山村委員 おはようございます。民主党の山村健です。
 先ほど同僚の松原仁議員の方から、メタンハイドレートというような形で、今回の法案のもう一つ先へ行く話ということでいろいろ討論させていただいたと思うんですが、私も、質問通告はしなかったんですが、せっかくですから継続した形でそのメタンハイドレートということについて大臣にお伺いしたいということをお許しいただきたいと思います。
 先ほど松原議員の方からも、メタンハイドレートの開発というようなことについて非常に具体的な提言というのもさせていただいたのですけれども、今の日本は、いわゆる大臣の所属してみえる政党はどういう判断をしてみえるのかわからないんですけれども、客観的に見まして、やはり制度疲労ということが一番顕著にあらわれてきている。だからこそ、財政問題だけじゃなく、その制度疲労を正すために構造改革というキーワードのもとに改革というのを進めていらっしゃると思うんです。
 これはほかの省庁にもかかわるんですけれども、このメタンハイドレートというような、太平洋の沿岸、大陸棚に埋まっている本当に豊富な資源を上手に生かして、なおかつ、いわゆる日本の国益といいますか、日本の国益というよりアジアの国益ということを考えた観点からも、私なりの提言として、ちょっと私もう一つ別の議連で勉強させていただいているのですが、いわゆる離島振興法という法律がございますが、その開発基地等々を今の時代にそういう大陸棚に近いところの離島にまず政策的に設置して、離島の振興と、なおかつ新しいエネルギーの開発ということを推進していく。
 情報格差と言いますが、今、IT社会というのはほとんど情報においての時間的な格差がない時代でもございますので、ぜひそのようなお取り組みといいますか、まさに経済産業省が、景気対策ということ、そして今までのようなばらまきでない、地方、いわゆる過疎地の活性化ということも踏まえて、本当に省庁をまたぎますけれども、大臣の方で、そのようなお考えといいますか、これから策定していただけないかと思うんですが、いかがですか。
平沼国務大臣 このメタンハイドレートというのは非常に可能性を持っております。そして、先ほど来の御議論の中でも、日本のいわゆる経済水域の中に非常に大きな埋蔵量がある。御指摘のように、離島等大陸棚に近いそういったところに存在する。そういう意味で、今国としても、産官学のコンソーシアムをつくってこの開発に努めております。
 その中での今後の進捗状況でより具体性が帯びてまいりましたら、当然、今御指摘のような離島振興も含めてこれから十分検討して、そして精査をして、そして、その可能性というものをさらに高めなきゃいけませんけれども、そういう開発段階を経て、将来それが現実のものになる、そのときに、ではどういったところを基地にするか、それは私は、離島等も当然選択肢の一つに相なると思っています。
 ですから、そういう意味では、私どもとしては、この可能性に挑戦して全力を挙げてやっていかなければならない、このように思っています。
山村委員 ありがとうございます。
 余談にはなりますけれども、今回はメタンハイドレートというようなキーワードでそういうようなお話もさせていただいたんですけれども、これは本当に観点は違いますが、過疎地であるとか離島であるとかという、都心部から離れたところ、いわゆる分散型国家にしていこうというところと、一石二鳥、三鳥を得ようとした場合には、今回のこのメタンハイドレートの研究開発施設というものもあえて政策的に地方、しかも過疎地へ持っていく。
 そしてもう一点、これは大臣には全く関係ない話にはなるのかもわかりませんが、我々の国益という観点においては、これから与野党ともに非常に大きな議論になると思う有事法制等々を含めて、最前線の基地とかいうものも、都心を守るためにどうのこうのということじゃなく、この経済水域の一番端の部分に、いわゆる離島を丸々基地にするような考え方ということで進めていただければ本当に離島の振興というようなものにつながっていくと思いますし、もう一度、日本の国土というのが、陸地だけじゃなく、経済水域全体を見たというような考え方といいますか、変わってくると思いますので、その辺のことをこれからも閣議等々において御考慮いただければと思います。
 本論といいますか、今回の法案についての質問に移らせていただきます。
 まず、新エネルギーという言葉なんですが、いろいろな言葉がそれぞれ勝手に解釈されて使われていると思います。そういう点から、今回の法案にも盛られております太陽光発電であり、風力発電であり、水力発電等々あるわけなんですが、それぞれの定義づけ、いわゆる今回の法案のもとになった定義は、どういうものを、どの装置を、どこまでの部分を今回の法案の対象にしているのかということをまずお伺いしたいんですけれども、お願いいたします。
大島副大臣 私からお答えを申し上げます。
 太陽光発電あるいは風力発電、バイオマス発電につきましては、既に、新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法、現法に基づきまして、「新エネルギー利用等」として政令でおのおのを指定し、その利用の促進を図っているところでございます。
 そして、今先生のお尋ねの定義でございますけれども、こういった政令によりまして、太陽光発電とは、太陽電池を利用して電気を発生させること、そして風力発電とは、風力を発電に利用すること、また、バイオマス発電とは、動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるものから、原油、石油ガスあるいは可燃性の天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除いたものをバイオマスといたしまして、そのバイオマスまたはバイオマスを原材料とする燃料を発電に利用することと定義をさせていただいております。
 また、地熱発電及び水力発電は、現行の新エネ法の「新エネルギー利用等」には含まれていないところでございますけれども、一般的には、地熱発電とは、地表水が地下深部で熱せられた高圧水を地上に導きまして蒸気タービンを動かし発電をする。水力発電は、もう御案内のとおり、水の高いところから低いところへ流れる位置エネルギーを利用することで発電機を回転させ発電をさせる、こういうことでございます。
 そして、これらの発電の一九九九年度の設備容量につきましては、太陽光発電が二十・九万キロワット、風力発電は八・三万キロワット、バイオマス発電は七・九万キロワット、地熱発電は五十二万キロワット、水力発電が四千四百三十三万キロワットというふうになっております。
 また、太陽光発電や風力発電の発電電力量につきましては、一九九九年度における各設備容量をもとにいたしまして推定いたしますと、太陽光発電が二・二億キロワットアワー、風力発電が一・五億キロワットアワーと見込まれております。また、その他の発電電力量につきましては、一九九九年度の実績で、バイオマス発電が二・四億キロワットアワー、地熱発電が三十四億キロワットアワー、水力発電は八百九十三キロワットアワーとなっているところでございます。
山村委員 ありがとうございます。
 それぞれの、今回法案の中で指定されているもの、されていないもの、それをまた政令で決めるというような条文もあったと思うんですけれども、あれもこれもというよりも、特に、今挙げていただいた中で、政策的に日本は新エネルギーとして何を一番重点的に推進していこうというような思惑等がありましたらお聞かせいただきたいんですが、いかがですか。
平沼国務大臣 御指摘のように、新エネルギーとしてたくさんあることは事実でございます。今回、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電のうち、本法案の対象となるものは、太陽光発電と風力発電と地熱発電、それからバイオマス発電の全部と水力発電の一部、これを重点的にやっていこう、こう思っております。
 なぜ水力発電が一部かというと、先ほど大島副大臣からお示ししたように、水力発電というのは、大規模なものは既に稼働して相当な発電量を出しております。ある意味では十分に普及しておりますので本法案の対象としていない一方、まだ今後開発の余地がある中小規模の水力発電、こういったものをやはり重点的にやって、そしてCO2が発生しない、環境に優しい、そういったものをやっていく。
 こういうことで、たくさんございますけれども、これを重点ととりあえずさせていただき、また、潮力ですとかいろいろなものがあります。それは今一生懸命開発段階ですから、それがまた実用化になってくれば、そういったものもまた重点的な政策の中に入れていく、こういうことで今取り組んでいるところであります。
山村委員 くどいようですが、今大臣からもくろみどおりの答弁をいただいてといいますか、これから、今開発中のものであらわれてきたもの、そういったものに対しても考慮する、そしてまた、指定していくというようなお言葉をいただいて非常にうれしく思うわけなんです。
 第二問目に移らせていただきたいんですが、現状において、それぞれのエネルギー、今、総枠の設備、現在の発電量というのをお聞かせいただいたんですが、やはりコストパフォーマンスということが今回一番大きな問題になろうかと思うんです。それぞれの発電コストというものを同じ基準でちょっと教えていただければと思うんですが。
河野政府参考人 この新エネルギーの発電コストでございますけれども、発電施設がどのようなところに立地しているか、あるいは規模がどうかということによりまして、同じ種類の新エネルギーでありましてもコストにかなりばらつきがございます。
 そこで、昨年六月に取りまとめられました総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会の報告書におきます分析を御紹介させていただきたいと思いますけれども、これはいずれもキロワットアワー当たりのコストでございます。
 住宅用の太陽光発電で申しますと四十六円から六十六円ぐらい、風力発電で申しますと九円から十四円ぐらい、水力発電、これは実は大規模も含む数字がこの報告書に出ているわけでございますが、十三・六円ぐらい、地熱発電は十六・二円、そしてバイオマス発電が七円から二十一円、こういったばらつきのある数字が報告されております。
山村委員 地域等々の事情にもよるんですけれども、バイオマス発電の七円から二十一円、三倍の差があるというのは、どういうところで三倍も違ってくるんでしょうか。
河野政府参考人 例えて申しますと、バイオマス発電で農林水産省なども非常に熱心に考えてくれておりますのは木質系のバイオマスでございます。これは、例えば間伐材のようなものを集めてきて燃料として使うということになりますけれども、これは、まさに場所によりまして間伐材なりの集荷コストが相当大きく乖離をいたします。そういう意味で、非常に集めやすいところ、例えば製材所などで既に木質系の廃棄物があるようなところは安いわけですけれども、新たに間伐材を集めてくるような場所でこのバイオマス発電をやろうといたしますとかなり高いコストになるというようなばらつきでございます。
山村委員 わかりました。
 今回の法案の中で、バイオマス発電の取り扱いという観点から、いわゆる核心的な問題をちょっとここで提起させていただきますと、いわゆる新しいエネルギーを普及促進させていくために、政策的に、財政的にも支援をして仕組みをつくって進めていこうというような趣旨の法律であるわけなんですが、その目的としては、地球環境といいますか、二酸化炭素の問題等を含めて、あらゆる要素を含めての部分になると思うんです。
 単純に二酸化炭素だけという観点でいえば、ほかの要素を全部切り離せば、やはり一番現実的な選択としては原子力発電ということにもなり得るんでしょうけれども、昨今の事情を考えたときには、いろいろな要素を含めると、原子力発電というのは、これから新規のものを開設していく、政策としては十三基というような話も載ってはいるんですけれども、いかがなものかというふうなことがございます。それにもかわる新しい発電ということで今回の新エネルギー促進法案というのが出てきたと私は思っているんですが、その辺はいかがなんでしょうか。
平沼国務大臣 今御議論いただいております太陽光発電、風力などの新エネルギーは、エネルギー安定供給の確保でございますとか、今御指摘の地球環境問題への対応を図る観点から、その開発導入を積極的に推進することが重要だと私どもは思っております。
 しかし、現実問題といたしまして、こういった新エネルギーの一次エネルギーに占める比率というのは、現状では一%であるわけであります。その大幅な拡大を目指すということは、当然我々はトライして目指していかなければならないと思っておりますけれども、まだ経済性や出力の不安定性といった課題がございまして、我が国の基幹エネルギーとしてそれを位置づけるということは、まだ現状では私どもは無理だと思っております。
 したがいまして、我が国のエネルギー事情というのは、その大部分を輸入に頼らざるを得ない、そういう状況がありまして、エネルギー供給構造の脆弱な我が国においては、エネルギーの安定供給の確保、環境保全及び効率化の同時達成を図る観点からは、これはもう何回繰り返しても繰り返し過ぎにならないと思いますけれども、安全性をしっかりと担保して、原子力発電の推進にやはり当面取り組まざるを得ない、こう思っております。
 しかし、やはり新エネルギーというのも、これからの開発努力によっては、先ほどのメタンハイドレート、こういったものも非常に可能性を持っておりますし、また、サハリンの方では天然ガスも非常に大量に出る、こういう現実があります。ですから、そういったことも含めて、私どもは、エネルギーの安定供給と。ですから、今の段階では、これに全く置換する、こういう状況じゃなくて、現実を踏まえて、原子力も安全性を確保しながら私どもは推進をしていく、こういう基本方針であります。
山村委員 原子力発電については、この後国会の方でエネルギーの基本法等々が議論されるとは思うんですが、その場でまたいろいろと議論もさせていただきたいと思うわけなんです。
 問題を非常に小さくさせていただいて、今回の新エネだけに限らせていただいたときに、今大臣の御答弁の中で、新エネルギーの占める割合が一%というような数字をいただいたわけなんですが、世界各国の、いわゆる先進的に環境に取り組んでみえる国というのをちょっと例に引き出してみたときには、それぞれやはり総電力の中の一〇%というような目標値というのを掲げているところが非常に多いように思うんですが、それの十分の一というのは、一体どういうところから現状なってきているのかということをお教えいただきたいんですが。
河野政府参考人 世界の中でいろいろな国が、見かけ上、我が国よりも高い再生可能エネルギーの利用目標を定めているところがございます。
 ただ、これは、いわゆる再生可能エネルギーという場合には水力などを含めているわけでございまして、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、今回のこの新エネの導入法では、中小水力は対象としておりますけれども、既に日本でかなり普及をいたしております大規模水力は入っていないわけでございます。したがって、これを加えますと、日本のいわゆる新エネルギープラス再生エネルギーといいますか、そういった利用率、これはかなり国際的に見ても遜色のないレベルだというふうに考えております。
山村委員 ありがとうございます。
 ただ、水力発電といっても、それぞれのやり方というので、またヨーロッパ等とは違うのではないかなというふうにも思うんです。この新エネルギー、冒頭の答弁にもございましたとおり、立地によってそれぞれの特性というのがありますので、今一概には言えないのかなというふうに理解をさせていただきます。
 ただ、指標として出てくるときには、その辺のことを、例えば一%であったとしても、日本は水力を加えた場合もっと高い数字になりますというようなことも加えていただかないと、報道等々に出てきたときに何でやということになり得ると思います。特にこのIT化の中で、世界の、いわゆるグローバルスタンダードと言われるような基準というのは、これからの政策でどんどん整合性というのを持たせていただきたいように思う次第です。
 次の質問に移らせていただきますと、廃棄物発電、いわゆるバイオマス発電について、廃プラスチック発電というのを想定しているのかどうかということを具体的にちょっとお伺いしたいんですが、いかがですか。
河野政府参考人 廃棄物発電にはさまざまな形態がございますけれども、その中で、廃プラスチックによる発電も当然今後の検討対象だと思っております。この法律案の二条には定義規定がございまして、政令によって追加的に指定する可能性が残されております。その対象として今後検討してまいる考えでございます。
山村委員 ということは、今回の法案に関しては、もう頭から廃プラ発電というのは入っているという法案ではないわけですか。
河野政府参考人 法案上におきましては、第二条の「定義」に、廃棄物あるいは廃プラスチックを含みます廃棄物という規定はございませんので、政令で指定をいたしませんとこの制度の対象にはならないわけでございます。
 ただ、考え方といたしましては、その背景にあります、総合資源エネルギー調査会におきましては、廃棄物発電も対象にするべきである、そして、その中の廃プラスチック発電につきましても、CO2の排出をふやさないような考え方のもとに導入することが適当であるという考え方をお示しいただいておりますので、基本的には、こういった考え方に沿って今後政令段階で検討してまいりたいというふうに思っております。
山村委員 今回の法案の中で私が一番危惧した部分、考えさせられる部分というのが、新エネルギーというその定義づけというものもあるわけなんですけれども、もともと自然界にあるものを本当に有効活用してエネルギーに変えて、電気に変えて、我々の生活に、そして今までの、火力発電、原子力発電も含めてなんですけれども、既存の発電に対して、いわゆる自然に優しいエコエネルギーというものを促進していこうという法案だったというふうに思うわけなんです。
 それで、廃棄物発電となりますと、これは自然に優しいというよりも、もっと違った、別の観点といいますか、循環型社会をつくろうというベクトルも今あると思うんですが、循環型社会ということは、これも同じように、分別収集であったりとかそういったことを、それぞれの生活者が本当に意識改革をしていただかないと成り立たないし、もう一回資源を循環させようという考え方のもとに進んでいると思うんです。
 そこへもってきて、廃棄物、特にその中でも廃プラスチックというのは非常に熱量が高いものだから、そういうものを今度発電に利用して、そういう設備を、いわゆる設備投資してしまうと、国の方が、いわゆる電力会社になるわけですけれども、買い取りもしていただくというようなことになれば、今までの環境団体、いわゆる市民団体、市民レベルでやっと循環型社会といいますか、分別の問題にしても、面倒くさいなと言いながらもそれぞれの家庭で取り組んでみえる、それが本当に萌芽してきているこの時期にマイナスにならないのかというような懸念があるんですが、いかがですか、その辺の考え方は。
大島副大臣 廃棄物処理につきましては、先生十分御案内のとおりでございますけれども、循環型社会形成推進基本法の基本原則といたしまして、まず最初は発生抑制、そして再使用、再生利用、そして熱回収、さらには適正処分の順で優先すべきということが記されているわけでございます。
 本法案の施行に際しましても、この循環法の基本原則との整合性を図りながら、再使用あるいは再生利用を優先すべきことはもちろんでございますけれども、廃プラスチックは、その排出量の四四%が焼却処分をされております。そして、そのうち、発電に利用されているのはわずか約六%にとどまっているという状況にあるわけでございまして、このように、焼却せざるを得ない廃プラスチックであって発電利用がされていないものが相当量あるという実態を踏まえますと、本法の制定に際しましても、これを対象として含め、そして有効活用を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
 また、先生がおっしゃるような循環型社会形成推進基本法の基本原則においても、マテリアルリサイクルが優先されることになっておりますので、本制度によって廃プラスチックの焼却処分がいたずらにふえることのないように、政令策定段階あるいは設備認定段階に際しましては、環境省とも十分に連携を図りながら慎重に対応してまいりたい、こんなふうに考えております。
山村委員 今回の法案、まだ決まっていない部分もあるので、それを議論している段階ではあるわけなんですけれども、残念ながら質疑時間が来てしまいましたので、最後に、廃プラスチック、いわゆる廃棄物発電というものと自然エネルギーを活性化していこうという法案を一緒くたに論じるということはちょっと無理があるんじゃないかなというふうにも思いますので、その辺の見直しを、いわゆる政令というものにゆだねるのでなく、もっともっとオープンな形でこういう席で議論をして、これからのエネルギー政策というのをまた考えていければと思う次第です。どうもありがとうございました。
谷畑委員長 生方幸夫君。
生方委員 民主党の生方でございます。
 今度の法案ですけれども、私は、基本的に極めていい法案が出てきたな、こういうふうに思っております。
 私のところも、前、家を建てたとき、屋根に太陽光エネルギーをつけようというふうに計画をしておったんですね。最後の段階に来まして、幾らかかるかというようなことを考えましたら、政府の補助があるというのは知っていたんですけれども、補助があってもなおかつやっぱり何百万円かの、二百万円ぐらい持ち出さなきゃいかぬということで、結局最後、何だかんだ言っても、屋根に乗せるのか、あるいは家具を買うのかなんていろいろ考えたら、もうよそうということになってしまって終わってしまった経過がございます。
 それ以来、よく屋根を見ながら歩いておるんですけれども、おふろや何かをやるのがございますよね。あれはかなりの普及度があるんですけれども、太陽光の電池の場合は、余り、ほとんど普及をしていないんじゃないか。たまに新聞や何かで、新しい新規の住宅を開発したときに、それを乗っけているというようなのを売りにしている住宅開発というのを見ることはあるんですけれども、個人の住宅でなかなか乗せているというのを見たことがないんですね。
 究極的には、各家庭が太陽電池を全部乗せてほとんどの電力を賄うことができるようになれば、今はもちろん夜発電ができないというのがありますので、全部、一〇〇%賄うことは今の技術力では不可能なんでしょうけれども、将来的に蓄電装置というのが発達をしていけば、昼間余った電力をいわば貯金しておいて夜使うということになって、自分のうちで使う電力は自分で全部賄えるようになれば、極端な話、送電線も要らなくなって、極めてクリーンだし、いいエネルギーだというふうに私は思うんですね。
 いろいろ調べますと、日本はそれでも世界で一番太陽光電池が進んでいるということなんですけれども、現状、どれぐらいの家庭に普及しているのか、まずそこからお伺いしたいと思います。
河野政府参考人 私どもは、平成六年度から、住宅用の太陽光発電導入に対しての補助制度を行っております。その間、若干制度の見直しもあったわけでございますけれども、平成十二年度までに、五万二千三百五十二件、十八万八千九百九十五キロワットに対して補助をいたしました。さらに、この補助の対象ではないけれども導入された方々もおられまして、これが約四・四万キロワットというふうに推計されますので、合わせて、日本におきます住宅用の太陽光発電の導入実績は二十三・三万キロワットになるわけでございます。
 この二十三・三万キロワットの容量の住宅用の発電施設から出ます電力は、一年間で約二・四億キロワットアワーの電力が得られるということでございまして、平成十二年度の発電電力量でこれを割りますと、〇・〇三%に当たるという状況でございます。
生方委員 〇・〇三%、全住宅比ですね。全住宅比は何%ですか。
河野政府参考人 今申し上げました数字は、日本の電力会社が出しております発電電力量、これに比べますと〇・〇三%でございます。
生方委員 戸建て住宅全体の中でどのぐらいのパーセンテージの人がつけているのかという数値は把握しておられますか。
河野政府参考人 つけておりますのが概算で約五万軒、今手元に詳細な数字はございませんけれども、恐らく一戸建て住宅が二千五百万軒とかそういうオーダーだと思いますので、パーセンテージとしてはまだちょっと低いかなという気がいたします。
生方委員 今お聞きのように、二千五百万ぐらい家がある中でせいぜい五万とかそこらしか普及していないということで、もっと普及をさせなきゃいけないと思うんですが、普及のカーブはかなり急カーブを描いて普及している。その一つに、今長官おっしゃいましたように、補助制度があるからというのが大きいわけで、ただ、その補助そのものも年々額が減ってきつつあるというようなことも聞いております。
 きのう、業界の方から話を聞いたんですけれども、一応この補助制度というのは十四年までで、十五年度以降は補助金がどうなるか決まっていない、それを非常に心配しておったんですが、十四年度以降の補助金というのはどういうふうになっていくのか、現時点でわかっていることを教えていただきたいんですが。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 住宅用太陽光の補助金というのは、その設置にかかる費用の助成を行うことによりまして初期需要の拡大を図り、太陽光発電システムの市場価格の引き下げを通じまして市場の自立化を目指しているものであります。
 本補助事業は、平成十四年度をもって終期を迎えることとなりますけれども、太陽光発電の導入促進策については、太陽光発電システムの普及状況やコストダウンの状況を踏まえつつ私どもは今後検討を行っていきたい、こういうふうに思っておりまして、一応平成十四年度をもって第一段階の目的は達した、ですから、今後の動向を見て対処すべきは対処していこう、こういうふうに思っております。
生方委員 検討をぜひしていただいて、普及してきた背景には、やはりこの補助金というのともう一つ、東京電力が供給するのと同じ値段で昼間の余った電力を買ってくれる、この二つが相まって需要をふやしてきたと思うんですね。
 したがって、今業界の方で非常に心配しているのは、十四年度以降がどうなるのかという見通しが見れないと、どれぐらいつくったらいいのかも含めてなかなか計画がつけられないと。だから見通しだけでも、前向きなのか、見通しとしては、十四年で切られてしまう可能性が高いのかという点でいうと、どちらの方が可能性が高いのでございましょうか。
平沼国務大臣 非常にそういう業界や関係者の御要望が強いということはよく承知をしております。
 これは前向きに検討すべきことだと思っておりますけれども、繰り返しになりますけれども、第一段階、一応所期の目的を達してそういう普及が行われた、こういうことで、私どもとしては、今後その動向を見て、そういう必要があればさらにやるかどうか、この辺、今検討している、こういうことでございます。
生方委員 ここの分野では日本は非常に発達をしているわけで、今ドイツとかアメリカなんかが非常にこれを追いかけているという状況でございますので、比較的技術優位を持っている分野でもあるし、やはりここは慎重に育てていかなければいけない分野でもございますので、ぜひとも前向きに検討をしていただきたいという要望をいたしておきます。
 それからもう一つ、東京電力、電力会社側がこれをほとんど供給側と同じ価格で買うという約束をしていて、それを二十年間買ってくれるからこれを設置してもペイしますよというような形がいわばセールスのポイントになっているようなんですけれども、これも、電力会社の方が供給電力と同じ値段で買うというのはせいぜい三年ぐらいまで先が保証されているだけで、その先はわからないというようなことになりますと、こちらの方も先行き見通しがつかないということになると、せっかくこういうカーブで普及してきたのに水を差すことにもなってしまう。
 きょうの日経新聞に、たまたま、シャープが太陽電池のコストを半減するようなものを開発したというようなことが出ておりますので、やはりこれから先、普及するということになればメーカー側も一生懸命技術開発をしていくということで、それを、いわば先行き見通しが悪くなるような方針が出てしまいますと技術開発もおくれてしまうおそれもあるので、電力会社に対してはどのような、これは、電力会社はもう民間会社ですからあれですが、要望というか指導をしていくのか、その辺をちょっとお伺いしたいのですが。
河野政府参考人 先生御指摘のように、この太陽光発電が普及しております背景には、政府としての助成、今お話ありました制度もございますが、同時に、電力会社が自主的に購入をしてくれているという背景もございます。その価格は、各電力会社の平均で一キロワットアワー当たり約二十三円ということで、おっしゃるように、家庭用の電灯料金に匹敵する値段で買ってくれているわけでございます。
 そこで、この自主的な購入が続くかどうかでございますけれども、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会及びその下の小委員会におきましても、この太陽光発電あるいは風力などの普及をどうしたらいいかということで議論をいたしましたときに、ここには電力業界の代表の方も入っておいでになるわけですけれども、当分の間は、この制度とあわせて、余剰電力購入メニューで電気事業者の方に買い上げていただくことが望ましいという議論のまとまり方でございましたので、そういう意味では、電気事業者の方も当面はこれを自主的に購入していただけるものというふうに考えているのでございます。
 そうしている間に、私どもとしても、助成策なども含めまして、その普及を図ってコスト低減を図っていくということでございまして、先ほど御紹介のありましたような技術開発も、こういった普及策あるいは助成策がそれなりに弾みをつけているというふうに考えております。
生方委員 今度の電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案によれば、一定量を買わなければいけない。この一定量というのがどれぐらいなのかというのが一点ございます。
 それと同時に、買い上げる種類については電力会社側が自由に選ぶことができる。これはもちろん自家発電も含めて自由に選ぶことができるということになれば、当然価格の安いエネルギーを電力会社側は選ぶということになりますよね。電力会社も、もう自由化されているわけですから、自由競争の中にさらされるということになれば、できるだけ低いコストの新エネルギーを採用しようということになると、素人目に考えても一番安いのは、ごみを燃やして発電をするというエネルギーを買うのがやはり一番安い価格の新エネルギーということになってしまいます。
 バイオマスなんというと何か非常に新しそうに聞こえるんですけれども、何ということはない、ごみを燃やして、それを、今だったら地域に還元するというので、プールにしたり何かしたりというのが発電にかわるというだけで、環境的にいえば、確かにそれは再生可能エネルギーではあるんでしょうけれども、それほど大きなインパクトを持っているものじゃないわけでございますから。
 エネルギー政策全般から見ても、いわゆるRPS方式の中に、やはり一定の部分、新エネルギーとしてどうしてもこれは国として育てていかなければいけないという分野に関しては、これだけは買うべきであるというようなこととか、これを買った場合にはそれなりの措置をするとかという形で方向づけをしないと、やすきに流れるというんですかね、廃プラ発電の方にどうしても行ってしまう可能性があるのではないか、その辺についてはどういうふうにお考えになっていますでしょうか。
河野政府参考人 この法律で目標といたします購入量、新エネルギーによります発電された電気の購入量でございますが、先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、二〇一〇年に向かいまして、現在、電気事業者が扱っております電気の中で新エネルギーの電気は約〇・二%でございます。これを一%レベルまで高めていきたいというのが全体としての大きな目標でございますけれども、この具体的な数値は、この法律が施行されます場合には、総合資源エネルギー調査会の意見なども聞いて詳細に定めていくということになろうかと思います。
 その際に、競争力のあるもの、ないもの、どういうことになるかということでございますけれども、RPS制度でございますので、エネルギー間の競争が想定はされております。しかし、先ほど御紹介しましたように、この新エネルギーのコストも立地条件あるいはその他の条件によりまして相当ばらつきがございますので、どれか一つに完全に偏ってしまうということでもないというふうに思っております。
 その中で、しかし太陽光が特にややコスト的には高いことは御承知のとおりでございますので、当面、先ほども申し上げましたように、電力事業者の方の自主的な購入メニューなどと組み合わせながらこの法律が施行されるということで、今弾みがついておりますような導入が進むことを期待しているのでございます。
生方委員 二〇一〇年に一%というこの数字なんですけれども、これはもちろん、一%という数値は少ないですけれども、大変な数値だとは思うんですが、一%でいいのか。大臣としては、これは、一%は目標であるけれども、もっと多くするような施策をとるべきというふうにお考えなのか。
 一%という数字だけ見ると、百分の一ですから、国民から見れば少ないなという感じがしないでもないんですが、その二〇一〇年で一%という、これはもうこれ以上は無理なんでございましょうか。
平沼国務大臣 私は、一次起源のエネルギー、これを全部新エネルギーに入れますと、今が一%で、それを二〇一〇年に三%にしよう、そういう目標は大きな枠で持っております。ですから私は、大枠の中でもやはり新エネルギーの利用というものは、一%から三%ということじゃなくて、もっと大胆に二〇一〇年まで取り組んで、それが四%、五%になれば非常に望ましい、だからそういう方向で行くべきだ、こういうことで私は督励をしているところであります。したがいまして、今の目標も努力目標でありまして、それを超えるようなことを私どもはやっていかなければいけないと思っています。
 御議論いただいている太陽光の発電に関しましても、もう委員も御承知かと思うんですけれども、今はパネル状況であります。そうしますと、太陽が東から出て西に沈む、そうすると、中心に来たときに一番発電率が高まるわけですけれども、非常に発電効率としてはばらつきがあるわけであります。
 そういう中で、今新しい技術として現実のものとなりつつあるのは、球形の太陽発電のそういう新しい素材ができました。そうすると、球形ですと三百六十度、当然百八十度対応できますから非常に熱効率がいい。それがまた非常に微小なものでございまして、現実、これは今実験段階ですけれども、我々がふだん使っている電卓に仁丹の粒ぐらいのものが四、五粒入っていて、それで十分機能する、そういうことも今もう一歩のところまで来ております。
 ですから、そういうものが開発されてきますと、例えば窓ガラスの中に入れるだとか、あるいは今までの屋根の中にそれを、小さなものですから表面積が物すごく大きくなります。そういうことになってくると、今、例えば、二十三円電力会社から補助をしてもらい、実際は四十円以上かかっている、そういうものが大幅にブレークスルーしてコストダウンできる可能性があります。
 ですから、今は、目標としては一%ですけれども、そういったものがちゃんと現実のものになって、二〇一〇年までに実用化してくれば、私は、目標値というものは十分高めることはできる。物づくり、産業立国の日本としては、やはりそういうイノベーションでそういうことを目指していかなきゃいけない、こんなふうに思っているところであります。
生方委員 これは、普及すれば普及するほどどんどん技術革新も進んでいくというふうに思いますので。
 きのうもちょっと業界の方からお話を聞いたら、太陽光電池を入れている家庭は、やはり小まめに電気を切るらしいんですね。主婦感覚でいうと、幾らで売れるというのがやはり非常にうれしいというのです。だから、もう一方の省エネ法案の普及にもこれは利すると思いますので、ぜひとも、補助金の問題も含めて援助をまたしていっていただきたい。
 それからもう一つ、公共や産業用にもこれは一応取り入れられているんですけれども、聞くところによると、補助金が住宅用よりも安いということとか、電力の買い取り料金が安いというようなことで普及がいまいち進んでいないようなんですが、これは、住宅用と産業・公共用でどうしてこう差がつけられているのか。その辺の理由と、これから先の見通しについてお伺いしたいんですが。
河野政府参考人 公共用あるいは産業用の太陽光発電の導入支援としては、私ども、平成九年度から、地域新エネルギー導入促進対策事業、あるいは事業者の方向けに新エネルギー事業者支援対策事業、こういった形で助成をさせていただいております。さらに、新型の太陽光発電システムなどを実証する目的で、フィールドテスト事業というような形でも導入支援をさせていただいているわけでございます。
 その結果、これまで、件数としては住宅用よりは非常に少ない件数でございますが、六百六十六件、一万七千七百十八キロワットの設置がなされております。
 ただ、住宅用と違いますのは、屋根の面積にビルの場合には限りがございます。住宅では、消費電力と屋根の面積の割合が非常に、屋根の面積、高いわけでございますけれども、ビルの場合には、屋根の面積が消費電力に比べて非常に限定があるという意味で、大きなビルでの導入が難しいという面が若干あろうかと思います。
 ただ、昨年、総理の御指示によりまして、中央官庁庁舎におきまして太陽光発電設備の率先導入、国土交通省によりますグリーン庁舎計画、文部科学省、農林水産省あるいは私ども経済産業省の三省共同によりますエコスクール事業などもありますので、そういった公共施設への導入がこれから加速されることを期待いたしております。
生方委員 補助とか電力会社が買い取る料金が住宅用に比べて安いというふうに聞いているんですけれども、その辺はどうして差が出てくるんでございましょうか。
河野政府参考人 電力会社が購入いたします際の発想は、家庭でつくられた電気につきましては、電力会社が家庭にお売りしている値段と同じで買い取らせていただく、業務用の電力につきましては、業務用の施設でつくられました太陽光発電の電気につきましても、業務用で電力会社が売っている値段と同じ値段で引き取らせていただく、こういうことでございますので、一般的には、大規模消費者といいますか、業務用、工場用等は安い電気を日ごろ買っておりますので、それに見合うだけの値段で電力会社は買っている、こういう状況でございます。
生方委員 補助は特には出てはいないんですか。
河野政府参考人 先ほど申し上げましたように、地域新エネルギー導入促進事業というような形で二分の一以内の補助を、予算額といたしまして、十四年度で申し上げれば百億円規模の助成をさせていただいておりますし、また、事業者が導入する場合の支援といたしましては、これは三分の一以内の補助で、予算額といたしましては十四年度百七十億円余りの助成、これが用意されております。
生方委員 補助もあって、先ほどの話ですと、だから、買う分と同じように売るんだということで、その割にどうしてこんなに普及率が低いのかというふうに疑問を思うわけですね。家庭用よりも少ないということはないはずで、幾らビルだとはいえ、京セラさんのように全部、全面に張るというようなことだって可能なわけですし。
 やはり住宅用と産業・公共用と両方普及が相まっていかないと、私がさっき言いましたように、歩いていて、あそこも乗っている、あそこにもここもという感じで、ああ何なんだろうということで普及に弾みがつくわけで、せっかく技術優位を持っている分野ですので、これもぜひ、何でこれほど普及しないのかということも調査をしていただいて、やはり公共・産業用と住宅用と絡めて両方が進んでいくというような形にぜひしていただきたいと思います。
 大臣、その辺で一言お願いします。
平沼国務大臣 確かに御指摘のとおりだと思っております。
 そういう意味では、私どもは、せっかく第一段階、弾みがついて、まだまだ少ないですけれども、そこまで来ました、住宅用に関しては。そしてまた、公共用だとか産業用、そういったものに関しては、総理の号令もありまして、今各省庁連携してやっておりますので、さらに私どもはこれを加速するように努力をしなければならない、このように思っています。
生方委員 補助と同時に、一定割合はつけるような義務づけみたいなことも、いきなり義務づけるのがいいかどうかは別として、産業界の要望も聞いた上で、施設の何%にはつけることが望ましいとかいうような指導もぜひしていただきますように要望しておきます。
 それと、ちょっと視点を変えて質問させていただきたいんですが、今度の法案では電気利用の新エネルギーだけが対象となっていて、温暖化対策としては、熱利用の新エネルギーの開発普及という観点も大事だと思うんですが、熱エネルギーの新エネルギー対策というのは今後どういうふうにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
平沼国務大臣 太陽の熱利用でございますとか温度差エネルギーなど新エネルギーの熱利用分野についても、太陽光発電や風力発電など新エネルギーの発電分野とともに、エネルギー安定供給の確保、そして御指摘の地球環境問題への対応を図る観点から、その開発導入を積極的に推進することは重要だ、このように思っています。
 経済産業省といたしましては、新エネルギーの熱利用分野におきましても、低コスト化、高性能化のための技術開発や、自治体、事業者向けの先進的な新エネルギー導入への補助、さらには、エネルギー需給構造改革投資促進税制、政策投資銀行による環境・エネルギー・防災・福祉対策枠、こういったことを活用して支援に積極的に取り組んできております。
 当省の新エネルギーの熱利用分野の関係予算につきましては、過去五年間で倍増以上に拡大をしてきておりまして、平成十四年度の予算においても、前年度と比べて二百三十五億円増となる六百七十二億円を計上させていただき、施策の強化に努めております。
 また、雪氷熱利用やバイオマスについては、本年一月に新エネ法上の新エネルギーとして位置づけたところでございまして、今後、平成十四年度予算において、雪氷熱利用やバイオマスに係る実証試験等の予算、これは三十一億を計上して、自治体、事業者などに対する新エネルギー横断的な導入支援措置の中に雪氷熱利用やバイオマスを追加するなど、その開発導入に向けて積極的にやってきているところでございます。
 さらに、太陽熱の利用についてでございますけれども、現時点では経済的な制約により普及が十分進まないため、国としても、平成十四年度予算におきまして約六十億円の新規予算を計上して、設置費用の一部を助成して、初期需要の創出、システム価格の引き下げを図りまして、その普及を目指すことにいたしております。
 いずれにいたしましても、経済産業省としては、新エネルギー、熱利用の分野でも積極的にやってまいりたい、このように思っています。
生方委員 これは、特に電気事業者による新エネルギー等云々というような法律をつくるという意味ではなくて、今のような施策で対応していくということでよろしいわけですか。
平沼国務大臣 施策でやっていこう、このように思っております。
生方委員 最後にもう一点だけ。この運用に当たって、いわゆる翌年への繰り越しあるいは持ち越しというような、バンキング、ボローイングという制度がございますが、これを取り入れる予定でしょうか、そうじゃないのか、その一点だけお伺いします。
河野政府参考人 この制度では、おっしゃるような弾力性を取り入れることは重要だというふうに考えております。
 義務量が達成できなかった場合に、その未達分を繰り延べて取り入れる、あるいは、超過達成できた場合に、それを翌年度の義務を履行したことというふうにみなすといいますか、そういった柔軟性措置が必要だということは、総合資源エネルギー調査会の報告書でも提言されておりますので、そういった運用が可能になるように制度の詳細設計をしてまいりたいと思っております。
生方委員 終わります。
谷畑委員長 中山義活君。
中山(義)委員 おはようございます。
 エネルギーの問題、何回も委員会で私も質問してきましたが、今回も三人の我が党の委員が質問をいたしました。大体そろそろまとめに入るわけですが、その前に、よくベストミックスと言われて、どういうエネルギーを使って日本のエネルギーを構成していくか、これによって随分いろいろな形が出てくると思うんです。
 戦後すぐは水力発電に頼っていて、日本も停電が多かったわけですが、昨今は停電という言葉を忘れるくらい、子供たちもほとんどそういうことを今わからないと思うんですね。その中で、やはり、先人が苦労して今のエネルギー事情をつくり上げたということをしっかり学校教育なんかでもどんどんやっていただきたいと思うんです。
 今あるエネルギーは、空気みたいなものじゃなくて、やはりつくり上げてきたものなんですね。その辺は、やはり省エネという観点で、今後学校教育や何かでも、少年に対して、電気はむだにしちゃいけない。昔、我々は、御飯を食べても、一粒でも残すと、お百姓さんがつくったんだから絶対御飯は一粒も残しちゃいけない。これと同じようなことで、学校教育でも省エネについて、電力というのはある意味ではすごくいろいろなものに負担がかかっているんだということをしっかり教えていただきたいと思うんです。
 戦後こうやって経済が発展してきたのは、やはり日本が一番安い石油を中東から買って、それを電力に変えていた、こういうことだと思うんですね。アメリカや何かは自国で石油がとれましたから、安い石油をよそから買うわけにはいかなかった。ところが、日本は、世界で一番安い石油や一番安いボーキサイトや一番安い鉄鉱石を買って、それを製品にして売っていたのでこういう経済発展があった。その結果、やっぱりそれに対するいろいろな公害もありました。いろいろな意味で、石化エネルギーによって空気も若干は汚してきた。しかし、中国やアメリカに比べれば、日本の空気に対する、CO2に対する考え方というのはまだ正常だと思うんですね。
 私は、これから小泉さんがアメリカへ行ったときにも、本当に説得力があるような、エネルギーにもっとしっかりとした意見を持ってもらいたいと思うんです。
 例えばプルサーマル計画のときも、あれは内閣官房副長官あたりがプルサーマル計画の中心になって、各省の局長のいろいろな意見を聞きながら取りまとめてやっていたわけですよ。だけれども、プルサーマル計画が、刈羽村でああいうような住民の投票があって、そのときにやはり、あの当時九〇%近い支持率があったんですから、本当にエネルギーが大切だと思ったら小泉さんが行くべきなんですね。そういうことをすれば、京都議定書のことでもブッシュさんにもっともっと説得力があるというふうに私は思いますので、やはりエネルギーに対して総理大臣が先頭に立ってやるぐらいの意気込みがないと、今回のこの新しい法律も運用面において大変難しいことが出てくると思うんです。
 やはり目標を掲げて、日本の本来のエネルギーのあり方、電力のあり方、このベストミックスについて大臣からまず御意見を伺いたいと思います。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 我が国のエネルギー政策というのは、環境の保全や効率化の要請に対応しつつエネルギーの安定供給を実現する、これが基本目標になっております。この目標を達成するためには、石油の備蓄、自主開発の推進等により、一次エネルギーの供給の約五割を占めるこの石油供給構造の安定化を図る、このことが重要だと思っております。
 一方、省エネルギー対策の推進によってエネルギー需要の伸びを抑制するとともに、先ほど来御議論をいただいております天然ガスあるいは原子力、そして新エネルギーなど、二酸化炭素の排出量の少ないエネルギー源を中心として、石油にかわる多様なエネルギーの開発導入を推進すること、そして、環境調和型のエネルギー需給構造を構築することが私は重要だと思っております。
 また、安定供給や環境保全が損なわれないよう配慮しつつ各分野の自由化を進めて、各種エネルギー間の競合を促進して、日本は高コスト構造というふうに言われておりますので、効率的なエネルギー供給が図られる、そのことも必要な視点だと思っております。
 経済産業省といたしましては、以上のような取り組みを通じまして、バランスのとれた望ましいエネルギーの需給構造、こういったことを私どもは構築してベストミックスを達成していきたい、このように思っています。
中山(義)委員 私どもは、よく電力会社の方とお話ししたり、いろいろ苦情みたいなものを聞きますと、あるときは安定供給と言い、あるときは自由競争。特に最近は、その自由競争の中で中国と比べている。元と円とのまず価格や何かについても全然考えないで、中国の電力は安いじゃないか、日本は高いと。
 私どもが経済産業委員会で参考人を呼んだときも、大田区の中小企業の方から、日本の電力は高い、こういうお話がありました。しかし、安いということだけで考えてみれば、石炭でやるのが一番安いわけですから、どんどんどんどん、石炭の電力というか、そういうものを使うような形になってくると思うんです。
 一方、今回の問題については、やはり京都議定書ということを念頭に置かなきゃいけないと思うんですね。この法律の中に、CO2を出さない、安定供給と同時にもう一つ、電力会社には負担になるかもしれないけれども、やはり京都議定書というものが念頭に置かれて、それがこの法律案の中に貫かれなければこの法律は余り意味がないと思うんですよね。ただ安くするとか効率よくするとかという問題とは違って、これは日本の責任として、世界の一員として守らなきゃならないことがある。
 これをしっかりやることによって、小泉さんもブッシュさんにいろいろ言えたはずなんです。こういう法律をやって、しかも実効性を発揮して、アメリカや何かに京都議定書を一緒にやりましょうと初めて言えるんだと思うんですが、その辺の趣旨はこの法律に貫かれているんでしょうか。
平沼国務大臣 今御議論いただいております新エネルギーに対する法律、これはやはり第一義的には、新エネルギーというものの導入を促進して、そして京都議定書のそういう前提も踏まえて、二酸化炭素の排出量の少ない新エネルギーの分野を促進拡大していこう、こういう精神で私どもはやっているところでございます。
中山(義)委員 そうしますと、私たちは、やはりどうしても風力であるとか太陽光であるとか、こういうものに重点を置いていくということが一つと、もう一つは、先ほどお話ししましたように、プルサーマル計画一つにしても、総理大臣がやはり刈羽村へ説得に行くぐらいの気持ちがなければ、私はなかなか厳しい状況だ。そういうことをやってこそ初めて、外国人に対して、または外国の首脳に対して説得力が出てくると思うんですね。総理みずからがやはりそういう努力をしてもらう、パフォーマンスとして、外国へ行って説得をする、こういう態度が非常に必要だ、私はそう思うので、今までのプルサーマル計画についても、若干私は、やり方について不満であった、こう思うわけです。
 それから、やはり風力と太陽光、先ほどいろいろお話がありましたが、産業を育てる視点というのがすごく大事だと思うんですね。そこで、外国の例を見ていますと、やはり将来の、投資をすればこれだけの利益が上がっていくとか、そういう予測をしっかりしているんですね。今回の法律の中に、風力発電をやれば、これは企業として成り立っていくんだ、必ず将来、ずうっと永続的にこの発電が必ず日本の中で定着していく、そういうようなことがなければ産業として育たない、このように思うんですが、その辺の視点はいかがでしょうか。
河野政府参考人 この制度の導入を提案させていただくに際しましては、総合資源エネルギー調査会で二年ぐらいの時間をかけまして相当な検討をさせていただきました。その過程で、今までの政策ツールだけではいわゆる新エネルギーの導入が、私どもが一九九八年に目標にしたレベルにはなかなか届かない、どうしても追加的な対応策が必要であろうということでこのRPS制度も導入されるに至ったわけでございますので、これが一つ大きな推進役になるというふうに考えているわけでございます。
中山(義)委員 そのRPS方式でも、外国では、クレジット方式をとったり、かなり、発電をした者が結果的に損をしないようにいろいろ考えているわけでございまして、それを電力会社が買い取るときに、お互いに商売として両方が成り立つ、ここが大事でございまして、電力会社にもうとにかく押しつけてやっていくというのでは、まあ例えば東京電力さんが買い取るとすると、それが不当に高いものではやはりまずいし、やはりそこでお互いに商売が成り立つということが継続性があることだと思うんですね。どっちかがもうかるとか、買うだけがもうかるとか売る方だけがもうかるとか、これではまずいわけですよ。商売というのは両方がもうからなきゃいけないので、その辺の考え方をちょっと示していただきたいと思うんです。
河野政府参考人 このRPS方式と申しますのは、まさに市場で、言ってみれば、マーケットで新エネルギーで発電をした電気事業者の皆さんと電力会社の方々の取引が成り立つということでございますので、双方に利益のある形での取引が成り立つことを期待した制度でございます。
 ただ、その中で、やはりコストの高い新エネルギーがより多く導入されるためには、おっしゃいましたように、長期的な目標を設定することも必要でしょうし、毎年毎年電力会社にこの程度は買ってもらいたいという義務づけも必要だということで、そういう点では、新エネルギーの発電側、売り手側といいますか、そういった方々の力がつくような仕組みになっているというふうに考えております。
中山(義)委員 ただいま売り手側というようなあれがありましたが、時限立法でもいいから、やはり売り手の方が多少保護されるような形というのは、ただ、いわゆるばらまきみたいなものではなくて、買い取り制度をもうちょっと、相対で値切られたりなんかするのじゃなくて、ある一定期間は定額で買い取りますよというような、時限的なものでもいいですから、育てようという、どうやってその産業を育てていくか。要するに、風力発電をやっていく人たちが、投資をした、その投資が成り立つような、やはり助成というかインセンティブですね。私はばらまきとは思いたくないんですね。何とか、どういうインセンティブを引きながら業者を引っ張っていくか、この辺にもうちょっと何か案があれば言ってください。
河野政府参考人 新エネルギーあるいはその新エネルギーで発電されました電力の導入を促進するという方策は、もちろんこの法案はそのために提出をさせていただいております。したがいまして、この法案が一つの大きな力でございますけれども、同時に、先ほど来御議論いただいておりますような助成制度なども用意されているわけでございますので、それらを総合して新エネルギーの導入に弾みをつけたいという考え方でございます。
 また、買い取りに際しまして、回避可能原価で買うのはどうか、あるいは定額で購入義務づけはどうかという、いろいろな案があるのは承知をいたしております。ただ、この二年余りの総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会の検討では、そういった選択肢も含めまして検討し、また外国の例も勉強させていただいた結果、この方式を現在提案させていただいている次第でございます。
中山(義)委員 市場が拡大をして、もっと風力をうんとつくれるようになる、しかし需要がないといった場合には困るわけですね。これが、市場が拡大していけば、当然電力も安く発電できるわけですよ。この市場の拡大と、それから需要を喚起していくことと、非常に難しい問題があるんですが、この辺は法律の中でどういうふうに書き込まれているんですかね。すごく難しい問題だと思うんですよ。量が多くなきゃ安くならない、しかし本当にそんな需要があるかというか、その辺はいかがでしょうか。
河野政府参考人 この法律では、第三条におきまして、経済産業大臣が「当該年度以降の八年間についての電気事業者による新エネルギー等電気の利用の目標を定めなければならない。」ということになっているわけでございます。
 これは、ある意味で、その年度もそうでございますけれども、その先、四年ごとの八年間の長期的な見通しを示すということでございますので、新エネルギーの発電に投資される方にとっては、将来的にこれぐらいのマーケットがあるんだな、それもふえていくんだなということがわかっていただけるような仕組みになっております。
 また、それを基礎といたしまして毎年どれぐらいの新エネ電気を買っていただくかということにつきましては、第四条、第五条で義務づけがあるということでございますので、伸び行くマーケットを基本的に一定量保証するという仕組みになっていると思っています。
中山(義)委員 今は発電者側なんですが、今度は買い取る方も、買うと得があるというのが本当は一番いいわけですね。得がないんだけれども、では何をインセンティブに引くかというと、一つは罰金だと思うんですよ。罰金も、当然その法律に書き込まれています。
 この罰則が、例えば幾らと決まっているんじゃなくて、うまくごまかして買わなかった場合、または抜け道を何かうまくやってやった場合、その罰則は、買ったときより三倍、四倍に大きくなるとか、そういうような仕組みの罰金の方がいいと思うんですが、定額で百万円になっていますね。または懲役ですか。それは確かに、電力会社によれば、社会的に影響のあるところが懲役を食らった、またはそういう責任者がそんなとんでもない罰則を食らったということで社会的な地位は大変下がるかもしれません。
 しかし、もう一つのインセンティブとして、企業としてそれをやらないと逆に損しちゃうというような罰則のつくり方というのは、一工夫ありませんかね。
河野政府参考人 新エネ部会におきましては、そのペナルティーの議論も若干されたわけでございます。ただ、これを法制化するということになりますと、やはり刑罰の程度をどうやって法律で決めるかということになりますので、他のエネルギー関係の法律の罰則規定などとの比較においても妥当な線ということで、こういう定額の罰金制度にさせていただきました。
中山(義)委員 ですから、この法律が、COP6、つまり京都議定書や何かの、世界の環境という大きな問題をテーマにしているんだということをもっと掲げていただいて、やはりここで罰金を取られたりそういうことはすごい恥ずかしいことだというふうに逆に宣伝をするとか、やはり企業としては、社会貢献が大事なわけですよ。国も大事ですけれども、企業も社会貢献が大事だと、ここで罰則を受けることはすごい恥ずかしいことだ、こういうふうに電力会社にしっかり植えつけてもらいたい、このように思うわけでございまして、罰則を受けた企業は、今後本当は、こういう寡占をしている企業は締め出すわけにはいきませんが、かなり恥ずかしいことだというふうに考えて、そういうものをもうちょっとうまく表現していただきたい、このように思います。
 それと、やはり競争原理が働くということが大事なんですが、そうすると、競争の相手によってはちょっと大変問題があると思うんですね。私は、ごみ電、ごみ発電とか廃プラの発電はある程度大人になりつつあると思うんですよ。ところが一方、まだ風力や太陽光というのは子供で、大人と子供が相撲をとったんじゃ、どうしても子供が勝てない。中にははしっこい子供がいて、けたぐりか何かで勝っちゃう場合もあるかもしれないけれども、でも、普通からいけば、絶対に勝てない相手と戦えないわけですよ。
 そこで、廃プラ発電と同じような土俵で戦わせていいかどうか、この辺はいかがでしょうか。
河野政府参考人 RPS制度でございますので、諸外国にもございますように、発電源間のある種の競争というものが想定されているわけでございまして、また、それぞれの種類の電気につきましても、必ずしもどれが決定的に安い、高いということでない、ばらつきもございます。そういう意味で、競争を通じて、そういったそれぞれのばらつきを反映したような購入になっていくのではないかというふうに考えております。
中山(義)委員 先ほどから、廃プラの問題についてはどうも、後で省令でとか、何かあいまいな表現を盛んにされているんですが、うちの党としては、廃プラは別枠でやるべきだとはっきり申し上げておきます。これは、私どもがもし法案を出してちゃんとやるのであれば、廃プラは初めから除くとちゃんと書いてありますので。
 それからもう一つ、省令で決めると言っておりますが、今回のいわゆる新エネという範囲をしっかり、何かあいまいなものにしていると思うのですね。今回も、例えば風力や地熱や太陽光と、個別にある程度、RPS方式でも相対でやる場合にも、個別のものだというふうにやっていった方がいいと思うのですね。新エネと全部で大きくくくっちゃうとこういう問題が出てくるんですが、その辺はいかがでしょうか。
河野政府参考人 これは、諸外国のいわゆるRPS制度も勉強させていただきましたけれども、やはりエネルギー種別間のある種の競争を実現するというこの制度の趣旨にかんがみますと、電源別で枠を設けるとか特別な扱いをするということは、なかなかこの制度の趣旨にかなわないような気がいたします。
 しかし、トータルとしてバランスのいいような電源が実現するという意味におきましては、今提案させていただいております法律もその一つでございますけれども、先ほど来申し上げておりますようなさまざまな政府としての振興策もあるわけでございますので、それらを総合して、バランスよく新エネルギーが導入されることを私どもとしては期待をいたしております。
中山(義)委員 大臣にお聞きしたいんですが、私、今のお話はよくわかるんですが、廃プラとかごみ電というのは、もう地方自治体でやっているところもありますし、かなり収れんされてきているんですね。私は、やはり風力とか太陽光というのは、本当は割り当てで、電力会社にこれだけやりなさい、これだけやりなさい、これだけやるべきだ、こういう形でないと育たないような気がするんですよね。
 今言ったような、確かに自由競争の中でやるのが今後この企業が育つ一番大きな原因ですが、ある時期まではやはり割り当てで、あなたの会社はこれだけ風力を使いなさい、このくらいやりなさいという割り当てでやっていく。最終的には、その一%というものを二〇一〇年に到達させるというところで、要するに、ごみ電や廃プラが風力や太陽光を駆逐しちゃうようなことになってしまうといけないので、その割り当てみたいなものはどうですかね。そうやってちゃんと何とか育ててもらいたいと思うのですが。
平沼国務大臣 御提案している本制度というのは、電源の選択を義務対象者である電気事業者にゆだねるとともに、発電事業者側においても企業努力によるコスト削減を図ることといたしているわけです。これによりまして、市場原理を活用した効率的な新エネルギー等の普及、及び電気料金を支払う国民全体の負担の最小化、これを図ることにいたしております。
 他方、今御提案の、新エネルギー等の種類ごとに電力会社が買い取る量を決めた場合には、新エネルギー等の種類ごとの導入量が固定的に保証されるために、本制度の利点である新エネルギー間の競争がある意味では制限されることから、新エネルギー等の価格低下のある意味では誘因が損なわれまして、結果として、社会全体として新エネルギー等の導入の負担が過大となる可能性が高いために、私どもは適切ではないのではないかと思っています。
 このような考え方から、海外の同様の制度でも、新エネルギーの種類ごとに電力会社が買い取る量を決める事例はないものと承知しております。
 また、本法案の制度のもとで、電気事業者にとってどの新エネルギー等を利用することが効率的かは、その時々の技術水準や経済動向及び個々のプロジェクトの立地条件等によりまして異なるものでございまして、必ずしも、先行の廃棄物でございますとか、それからごみ電ですとかいったものが競争力があり、増加するということでもないと私どもは思っております。
 しかし、万一、エネルギーの安定供給と地球環境問題への対応という本法案の趣旨にそぐわないような状況になった場合には、適切に見直しを行って検討することも当然必要だと思っておりまして、法文の上でも三年後の見直しという規定を置いている、こういうことでございます。
中山(義)委員 今、期せずして見直しの話が出ましたが、私、実は先ほどから話を聞いていると、これは省令でとか、もうちょっとよく考慮してというお話が随分あると思うのです。そこで、やはり見直しも三年というのじゃなくて、今、外国のいろいろな例を見ながら、毎年、協議会なんかをつくってよく見直していくというような方式でないと、これは新しいことなので難しいと思うのですね。
 先ほど言ったように、例えば風力なら、あるところで風力の発電所がある、こっちもある、この風力同士で競争するというならわかるんですよ。または、太陽光が二つあって、太陽光同士で競争していくというならわかるんですが、太陽光と廃プラと競争するというのは、ちょっと同じ土俵ではないような気もするんです。
 そこで、見直しを、私、筆頭理事から命令を受けまして、これだけは絶対言えと言われたのは、毎年見直せと、こう言うんですよ。その毎年見直せという意味は、順次話をしながら、よく相談しながら、新しいことなんですから、省令を変えていくとかといったように、見直しをもうちょっと短く短くやって、本当に完成したものにしてもらいたいんです。
 先ほど来言うように、世界に伍して、日本がブッシュさんに、日本はここまでやっているんだから、あなたのところもこうしなさいということがはっきり言えるような、そういう法案であってもらいたいと思うんですよ。
 この法案、本当は世界の環境を守るという相当大きな気持ちで我々は見てこれを読み取っているわけですから、やはりこの法案を育てていって、アメリカに文句が言えるというような形でやってもらいたいので、見直しを、三年と言わず、もうちょっと、何かいつも協議ができて話ができる、そんな期間にしてもらいたいんですが、それはいかがでしょうか。
平沼国務大臣 そういう御提案を重く受けとめて、しっかりと話し合いをさせていただきたいと思います。
中山(義)委員 エネルギー庁長官、今ああいうふうに大臣に言っていただいて、やはりまだこれ、法律からいっても、検討しますというところが随分あるじゃないですか。とりあえず出発しちゃったというような感じもしないでもないんですよ。しかし私は、経済産業省の意欲も感じているんですよ。こうやって新しいエネルギーを入れてそれでCO2の排出量を少なくしていく、そういうことでこれをやっているわけですから。
 これは、電力事業者にとっては大変ですよね。もうまたまた難題というか、そういうものがね。それから、もっと値段を安くしろと言われているし、いろいろな意味でトリレンマのこの問題をどうやって解決していくか。ですから、エネルギー基本法を読むと、この三つがしょっちゅう何か難しい取り組みをされている、こういう気がするんですよ。
 エネルギー庁長官、さっき言ったように、この法律はまだ発展途上ですから、しょっちゅう見直しながらやっていくというような、それらしい答弁をしてもらった方がありがたいんですがね。
河野政府参考人 この法律上の規定、三年の検討という条文がございます。これをどうやって運用していくかについては、先ほど大臣が御答弁を申し上げたとおりでございます。
 不都合がないように慎重に運用してまいりますけれども、不都合が生じた場合に、この見直し規定も活用しながら対応してまいりたいというふうに思っております。
中山(義)委員 外国の、アメリカの例でも、RPS方式でも失敗した事例と成功した事例は結構あるんですね。成功した事例というのは、やはりこの法律をどんどんよくしていこう、こういう罰則をかけていこうとか、いろいろ、徐々に徐々にやっていった、そういう成果だと思うんです。
 そういう面では、この法律が、やはり京都議定書の大きな問題がありますから、アメリカにも影響を与えるような、この法律を持っていってアメリカのブッシュ大統領にがあんと言えるような、そういうような法律にしていただくように心からお願い申し上げまして、質問を終わります。
谷畑委員長 達増拓也君。
達増委員 まず、いわゆる省エネ法、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案の方の質問から始めさせていただきます。
 今回の法改正の目玉は、第一種エネルギー管理指定工場というものを、製造業、鉱業、電気、ガス、熱供給業に限定していたものをおよそすべての業種に広げるというところであります。
 ここで、エネルギー管理員というものを置かなければならない。エネルギー管理員については、指定された講習機関で講習を修了した者か、エネルギー管理士免状の交付を受けている者がエネルギー管理員となる。ここでエネルギー管理士というのが出てくるわけであります。
 さらに、中長期計画の作成が義務づけられるわけですが、ここにはそのエネルギー管理士が参画しなければならないということで、エネルギー管理士というものが大きく役割を果たしていくように法改正されるわけであります。
 自由党は、一般論といたしまして、こういう何とか士、そういう資格を持った人がやたらに、いたずらに拡大されていきますと、かえって煩雑になり手間もかかる、かつ、その認定をする試験をやったりするために公益法人などがまたいたずらに拡大したりする、そういう弊害があるのではないかと一般論としては懸念しているのでありますけれども、本法案に関し、エネルギー管理士についてはそういう問題がないのか。
 特に、今まで義務づけられていなかったことが新たに義務づけられるわけで、そもそも足りなくないのか、ふやしていく際にそういう無理が生じないのか、むだが生じないのか、そういう観点から質問いたします。
河野政府参考人 このエネルギー管理士制度でございますけれども、毎年約四千人の方がこのエネルギー管理士になっておいででございます。これまでの累積で約六万人以上の方がエネルギー管理士の資格を持たれたわけでございまして、今回、法律の改正によりまして、第一種エネルギー管理指定工場が今四千ございますけれども、さらにこのエネルギー管理士に関連する事業所が一千ぐらい追加されるということになろうかと思います。しかし、一千ふえたといたしましても、これまで累積六万人、エネルギー管理士の資格を取っておられる方がおいでになることを考えますと、数字的には十分ではなかろうかなというふうに思っております。
 また、この資格の取得につきましても、一定の経験を有する方の場合には、必ずしも試験によらないで研修などで資格が取得できるというような選択肢も用意をしておりますので、資格取得に過剰な負担がかからないように配慮もいたしているつもりでございます。
達増委員 指定講習機関として財団法人省エネルギーセンターが指定されているということでありますけれども、公益法人の問題、行革の観点からいろいろ言われているところでありまして、そういったところから、問題の起こらないように、問題のないようにきちんと運営されていくべきということを指摘させていただきたいと思います。
 さて次に、新エネルギー法、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法の方について質問をしていきたいと思いますけれども、定義の問題であります。
 新エネルギー等の定義、風力、太陽光、地熱、政令で定めるところの水力、バイオマス、そして六番目に、そのほかに「石油を熱源とする熱以外のエネルギーであって、政令で定めるもの」ということで、かなり何でも政令で定められるようになっております。
 そこで問題になっているのが廃棄物発電、なかんずく廃プラスチック発電でありまして、先ほどから他の民主党の委員からも、その廃棄物発電、廃プラスチック発電に関する懸念が示されているところであります。
 答弁では、「政令で定める」とあるので、今後検討していくということでありますが、議論の前提として、この文言であれば、廃棄物発電、廃プラスチック発電は排除されていない。技術的な問題ですけれども、まず、廃棄物発電、廃プラスチック発電というものは、この文言からすると排除されないという、ここは確認したいんですけれども、そのとおりでしょうか。
河野政府参考人 この法案の第二条におきまして新エネルギーの定義をいたしておりますけれども、第二条第二項の第六号で、「前各号に掲げるもののほか、」「政令で定めるもの」という形で、政令によりまして対象となるエネルギーを指定することができるようになっております。
 これまでの総合資源エネルギー調査会の報告書などをもとに私どもの考え方を述べさせていただければ、廃棄物による発電もその対象とすることを今後予定しているというふうに申し上げたいと思います。
達増委員 この新エネルギー法案、趣旨としては、やはり、風力、太陽光、地熱、水力、バイオマス等のそういった自然エネルギーを推進していくところに趣旨があるのではないか。その他政令で定めるということで、趣旨に反するようなエネルギーというものがどんどん入ってくるようではまずいと思うんですね。できるだけ法律の趣旨に従うような形の定義の条文にしていかなければならないんだと思います。
 そこで伺いますけれども、先進諸外国、こうした新エネルギー法、化石燃料だけではない新しいエネルギーを推進して、地球温暖化対策であるとか、また環境を守っていくとか、そうした観点からのこういうたぐいの法律は諸外国も定めているところなわけですけれども、廃棄物発電をこうした法律の中で支援の対象として定めている国というのはあるんでしょうか。
河野政府参考人 廃棄物を焼却いたしました際の廃熱を有効利用いたします廃棄物発電の扱いは、国によって異なっているものがございます。必ずしも一様とは申し上げられないわけですけれども、例えば、この制度と類似をしておりますRPS制度を導入しておりますイギリス、イタリア、オーストラリア、こういったところでは、廃棄物発電もこの制度の対象という例がございます。
達増委員 では、更問でありますけれども、それらの国々は、廃プラスチック発電もその法律の対象としているのでありましょうか。
河野政府参考人 先ほど御紹介をさせていただきました廃棄物発電を対象にいたしております国のうち、イギリス、オーストラリアでは、RPS制度の対象となる廃棄物から、廃プラスチックのような化石燃料由来のものを除外いたしております。
 他方、イタリアにおきましては、廃プラスチック等の化石燃料由来のものもRPS制度の対象となっているというようなことで、国により事情が異なっております。
 特に、埋立処分が可能かつ適切とされている国と、埋立処分場が非常に逼迫しているということから一定の焼却処分をせざるを得ない国と、そういった国情の違いがあるように思われます。
達増委員 廃プラスチック発電まで含めている国はイタリアぐらいしかないと言ってもいいんだと思います。
 そういう中で、我が国、今回の法改正では、廃プラスチック発電も新エネルギーとしてさまざまな支援の対象になってしまうということなんですけれども、ここがこの法案の最大の問題点の一つだと思いますので、これは大臣に伺いますが、廃プラスチック発電をこのように「新エネルギー等」に含めてしまいますと、せっかくプラスチックをリサイクルしようという運動、動きが進んでいるわけでありますけれども、これがおろそかになってしまうおそれというのがあるのではないでしょうか。この点いかがでしょうか。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 廃棄物の処理につきましては、循環型社会形成推進基本法の基本原則といたしまして、まず、発生を抑制する、それから再使用、それから再生利用、熱回収、そして五番目が適正処分の順で優先すべきだ、こういうふうにされております。
 本法案の施行に際しましても、この循環法の基本原則との整合性を図ることはもちろんですけれども、廃プラスチックについては、その状況、例えば組成ですとか汚れ等によっては再使用、再生利用が困難なものが少なくありません。
 そこで、産業廃棄物としての廃プラスチックについては、排出量の四四%が現在焼却処分をされております。また、その排出量のわずか六%のみが発電に利用されている、こういう現状にあります。このように、焼却せざるを得ない廃プラスチックであって発電利用がされていないものが相当量あるという実態を踏まえますと、本法の制定に際しましても、これを対象として含めまして有効活用を図ることが循環法の基本原則にかなうものである、このように私ども考えております。
 なお、本法の施行に際しましては、環境保全の観点からの問題が生じないように、環境省等の関係省庁と連携をして慎重に対処していかなければならないと思っております。
達増委員 この問題、まさに国会としても、慎重に、環境省の見解も聞きながら議論していかなければならないと思っていまして、そこで、奥谷政務官に質問であります。
 廃棄物問題、またリサイクルということを所管する省庁として、廃プラスチックを含めて廃棄物を発電に使う、廃棄物を燃やして発電するということについて、それを新エネルギーとして政策的にインセンティブを与える、支援していくということは、せっかくそういった廃棄物をリサイクルしていこうというふうに政策を進めている、そのリサイクル政策の方の後退につながってしまう、逆戻りしてしまう、そういう懸念はないんでしょうか。
奥谷大臣政務官 循環型社会の形成を推進するに当たりましては、基本原則といたしまして、まずリデュース、発生抑制、それから再使用、リユース、そして再生利用、いわゆるリサイクル、それもマテリアルリサイクルというものをまず優先して進めることといたしております。ですから、廃棄物の発電を含む熱回収はその次に位置づけられているものと考えております。
 この原則に従いまして、どうしても焼却せざるを得ない廃棄物については、過大な施設整備をとらないことに留意しつつ廃棄物焼却施設を整備して廃棄物発電を行うことも熱回収の有効な手段ではないかと考えております。
 したがいまして、今後、本法の政令で廃棄物発電が追加されることによって廃棄物発電が過大に進み、今議員が懸念されたことでございますけれども、当然それは我々も感じておりますが、しかしながら、先ほど御説明いたしました循環型社会の一つのシステム、これをしっかりと支えていくことがこれからの時代の大変大事なことでございますので、環境省といたしましては、廃棄物発電については、これまで焼却されていた廃棄物の利用に限るなど、一定の条件下で実施される必要があると考えておりまして、本法案に基づく施策が循環型社会形成の基本原則と調和して適切に実施されるように協力してまいりたいと考えております。
達増委員 廃棄物発電にはリサイクルとの関係のほかにも幾つか問題点がありますので、それについて伺います。
 まず、コストパフォーマンスの関係から、同じ新エネルギーということで今回の法律で支援を受ける形になる風力、太陽光、地熱、水力、バイオマスに比べた場合に廃棄物発電の方がコストが安いということになれば、企業の論理からしますと、安いコストの方を優先させていく、同じ新エネルギーの中でもコストの安い方を優先させていく、そういうことになってしまいますと、この自然エネルギーと呼ぶべき新エネルギーの方の普及にかえってブレーキがかかる危険性があると思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 本制度は、電源の選択を義務対象者でございます電気事業者にゆだねるとともに、発電事業者側においても企業努力によるコスト削減を図ることといたしております。これによりまして、市場原理を活用した効率的な新エネルギー等の普及と、電気料金を支払う国民全体の負担を最小化すること、こういうことにいたしております。
 他方、どの新エネルギー等を利用することが効率的かどうかというのは、その時々の技術水準でございますとかあるいは経済動向、そして我が国のプロジェクトの立地条件、こういったものによってそれぞれ異なるものであると思っております。したがいまして、必ずしも廃棄物発電等の特定の電源のみが競争力があるとは言えないと私どもは思っています。
 したがって、本制度のもとで電気事業者が廃棄物発電を優先的に選択して、例えば風力発電等が普及しないというようなことは、私は一概には言えないのではないかと思っています。
 ただし、万一、エネルギーの安定供給と地球環境問題への対応という本法の趣旨にそぐわない状況になった場合には、必要な見直しを検討することも当然必要なことだ、こういうふうに思っているところでございます。
達増委員 この廃棄物発電の懸念される点の三番目は、これがCO2を出してしまうということであります。
 新エネルギーに入っているほかの自然エネルギーに比べまして、物を燃やすわけでありますし、特に廃プラスチックの場合、もとをただせば化石燃料でありますからCO2が出てしまう。CO2を抑制する、排出を抑制していくという観点からも、この廃棄物発電、特に廃プラスチック発電は問題ではないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
河野政府参考人 廃棄物発電でございますけれども、廃棄物の組成ですとかあるいは汚れのような状況によりましては、再使用あるいは再生利用が困難だというものも少なくないのでございます。また、我が国の国土事情から申しますと、土地の制約のために埋立処分には限界があるという現実もございます。
 したがいまして、現に一定程度は焼却処分をせざるを得ないという状況にあるわけでございまして、廃棄物発電が、こうした廃棄物の焼却処理を必要とするものについて、その廃熱を電気にするという利用をするということでございますと、追加的なCO2を発生することなく電気を得ることができるというわけでございまして、むしろ他の火力発電を置きかえる分だけCO2の発生を抑制する効果があるというふうに申し上げられると思います。
 また、廃プラスチックにつきましては、現在、産業廃棄物である廃プラスチックのうち約四四%は現に焼却をされておりまして、その排出量の中で六%のみが発電に利用されているというような状況にあるわけでございますので、この未利用分の廃熱を利用するだけでもかなりの発電増加がCO2をふやすことなく可能であるというふうに考えております。
 なお、環境省とも相談しているわけでございまして、廃プラスチックを含む産業廃棄物発電の設備の認定に当たりましてはあらかじめ環境大臣とも協議するということが法文上も明記されておりまして、連携をしながらこの法案を適切に運用してまいることはできると考えております。
達増委員 CO2も問題なんですけれども、さらに、物を燃やしますと、ダイオキシンでありますとか有害物質が出てくる場合があるわけです。これも今、できるだけといいますか、もう基本的にそういう有害物質を出すような廃棄物の処理の仕方はやめようという方向でいろいろ努力が進んでいるところでありますけれども、そうした廃棄物発電というものは、そういう有害物質を出してしまうんじゃないかということについてはいかがでしょう。
河野政府参考人 さまざまな有害物質の中で特にダイオキシンの御指摘がございましたので、ダイオキシン類の排出について申し上げますと、ダイオキシン類対策特別措置法、それから廃棄物の処理及び清掃に関する法律、いわゆる廃掃法、これらに基づきまして、廃棄物焼却炉から排出されます排ガスあるいは排水に含まれますダイオキシン類の濃度は排出基準以下となる厳正な規制がございます。また、廃棄物の焼却炉の焼却灰などにつきましても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づきまして、ダイオキシン類を含む焼却灰などの廃棄物が適正に処理をされるような厳格な規制があるわけでございます。
 したがいまして、廃棄物発電に関しましてもこういった規制を受けるわけでございますから、適切に廃棄物焼却が行われる廃棄物発電においては、こうしたダイオキシン等の規制外の排出があるということはなかろうと思います。
達増委員 次に、ドイツ等で採用されている定額買い上げ方式について伺います。
 先ほども、コストの問題、さまざまな新エネルギーのコストの問題を取り上げたわけでありますけれども、風力等の自然エネルギー関係の方は、今コストがなかなか下がらない。これは、一気に普及して生産量が上がればそれだけコストが下がっていく、そういう規模の拡大に応じてコストが下がるということが期待されるわけでありまして、特に初期の段階ですね、自然エネルギーを促進していこうというその初期の段階においては、コストを引き下げる、量的に拡大することでコストを引き下げていくためにも定額買い上げ方式ということが望ましいと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
河野政府参考人 この制度を御提案させていただきますに当たりましては、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会で小委員会を設けまして、さまざまな選択肢について検討させていただきました。そのときに検討させていただきましたものの対象例といたしましては、固定価格買い取り制度もあるわけでございます。
 御指摘のようにドイツで導入されまして、量的には大きい成果を上げているわけでございますが、反面、電気事業者に対しまして、発電事業者の発電した新エネルギーによります電気の全量を、政府が設定いたします電源別の固定価格で買い取る義務を課す制度でございますので、発電事業者のコスト削減インセンティブが働きにくいということがございます。また、一度価格が設定されますと、これはなかなか引き下げが困難だということになっているわけでございまして、例えば、ドイツの例について申し上げますと、発電コストが下がっているにもかかわらず、買い取り価格はむしろ周辺部でのコスト上昇に伴って引き上げられているというような現象もあります。
 他方、今回とりましたこのRPS制度は、一定量の導入を義務づけいたしますから目標は達成される仕組みになっております。また、電気事業者の電源選択の自由度が高いわけでございまして、発電事業者のコスト削減努力を誘引することができるというようなことで、市場機能の発揮が期待されますので、効率的に新エネルギーの導入を進めることができるという分析でございます。
 こうしたことを総合的に勘案いたしまして、我が国においては、固定価格買い取り制度よりもこのRPS制度の方がふさわしいという新エネルギー部会の報告を踏まえて、この法案を提出させていただいたという事情でございます。
達増委員 エネルギー改革を考えていく場合には、まず環境の問題、効率の問題、そして安定供給の問題、そういう三元連立方程式を解くようなものだと思うんですけれども、こういう新エネルギーを推進するための法律をつくっていかなきゃならないという背景には、やはり環境の問題ということをかなり前面に出していかなきゃならないんじゃないか。効率については、自由化などほかにいろいろ手が打たれているわけでありますけれども、調達の方式については、効率もいいんですけれども、やはり環境という観点から、まず自然エネルギーを一気に普及させるというための定額買い上げ方式というのに検討の余地があるんじゃないかと思います。
 他方、今回の法律は、環境だけではなく、効率の観点もあって、企業の自主的なインセンティブで、企業の経営の論理の中に、そういう効率の論理の中に新エネルギー促進をうまく当てはめていこうという法律なわけですけれども、やはりこれだけでは自然エネルギーの普及というのは難しいと思うんですね。
 そこで、これは大臣に伺いたいと思うんですけれども、自然エネルギー系の新エネルギーを一気に普及拡大していくために他にどのような施策をとっていくのか、これについて伺いたいと思います。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 太陽光発電、風力発電などの新エネルギーというのは、エネルギーの安定供給の確保、地球環境問題への対応を図る観点から、その開発導入を積極的に推進することは非常に重要だと思っております。
 このために、経済産業省といたしましては、低コスト化でございますとか高性能化のための技術開発、自治体、事業者向けの先進的な新エネルギー導入への補助、住宅用太陽光、クリーンエネルギー自動車などの初期需要創出による市場自立化のための補助、さらには、エネルギー需給構造改革投資促進税制、政策投資銀行による環境・エネルギー・防災・福祉対策枠、こういったことを活用して支援に積極的に取り組んでおります。
 予算面につきましても、過去五年間で倍増以上拡大をしてきております。例えば、平成十四年度予算におきましても、三百四十四億円増となる一千四百四十九億円を計上して、こういった施策の強化を図っているところでございまして、そういった面でも一生懸命にやらせていただきたいと思っております。
達増委員 自然エネルギーの普及促進とそのための施策に関して、地熱発電ですね。地熱というのは、火山国日本、世界にもまれに見る火山の多い日本において、地熱発電というのは特に力を入れて開発を進めていくべきものだと思うんですけれども、この現在の普及状況、また、その普及を拡大するための施策について伺いたいと思います。
河野政府参考人 地熱発電は、再生可能な純国産の石油代替エネルギーでございます。安定供給性という点でもすぐれていると思われます。しかも、発電過程において二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーでございますので、導入促進が必要なエネルギーという位置づけでございます。
 電気事業用の地熱発電の我が国におきます普及状況につきましては、二〇〇〇年度末の時点で、全国で十九カ所に設置をされておりまして、出力約五十二万キロワット、年間発電電力量約三十三億キロワットアワーとなっております。これまで、経済産業省といたしましては、適地の選定などについて地元の皆さんに御協力するなどの施策を講じてきたところでございます。
達増委員 日本各地に水蒸気が地面からどんどん出ているところというのはあるわけでありまして、もう本当にタービンを回すのを待っているというようなところがあっちこっちにあるんだと思います。ただ、山のそばでありますとか人里離れたところにありまして、なかなかアクセスの道路とか、この間も、岩手県の葛根田の地熱発電所でありますけれども、アクセス道路の非常に細いところが、また火山のそばですから地震も多いわけでありまして、土砂崩れで埋まってしまいましてアクセスが断たれてしまうということがありました。
 したがって、そういう地熱発電所の立地条件を見ながら、そうしたアクセスの整備でありますとか緊急災害時の素早い復旧でありますとか、そうした総合的な取り組みが地熱発電には必要だということを指摘しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
谷畑委員長 塩川鉄也君。
塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。いわゆる新エネ法案について質問をいたします。
 まず最初に、平沼大臣に、法案の目的、効果についてお聞きします。
 今回の法案は、今多くの国民の皆さんも関心を寄せていらっしゃいます地球温暖化対策に資するものにつながるのか、また、炭酸ガスの排出削減につながるものなのか、この点をお伺いします。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 本法案は、エネルギー事業者たる電気事業者に新エネルギー等による電気の利用を義務づけることによりまして、新エネルギーの利用の促進を図るものでございます。これは、現下のエネルギー情勢等の経済的、社会的環境を踏まえまして、我が国のエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保に資するとともに、環境の保全に寄与するための措置として、新エネルギー等の利用の促進を図ることを基本的な目的にいたしております。
 新エネルギー等は、CO2の追加的な排出量が少ないことから、地球環境対策にも資するという特性も有するため、本年二月十三日の地球温暖化対策推進本部決定におきましても、このような観点から、その対策の一部として位置づけられたところでございます。このため、本法案第一条の目的規定にも、地球温暖化対策を含む環境保全に寄与する旨が明示されているところでございます。
 また、本法案第三条では、経済産業大臣が新エネルギー等電気の利用目標を定める際には、地球温暖化対策担当大臣たる環境大臣の意見もよく聞く、こういうことにしておりまして、密接に連携をしまして、そういう地球温暖化対策に邁進をしていかなければならないと思っております。
塩川(鉄)委員 地球温暖化対策に資する炭酸ガス排出抑制につながるという話をお伺いしました。
 その上で、重ねて平沼大臣にお伺いしますが、この温暖化対策に積極的に取り組んでいるドイツの事例でありますけれども、この十年間、風力発電など新エネルギー発電が急速に前進をしております。九〇年時点で風力発電の発電電力量は四千三百万キロワットアワーだったのが、九九年では五十五億二千八百万キロワットアワーとなり、総電力量の一%を超えるようになっております。これに対し、日本の風力発電は、九九年で一億五千万キロワットアワーと、総電力量のわずか〇・〇一四%であります。ドイツと比較をして日本で新エネ発電が進まなかったのはなぜなのか、この点をお聞きします。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 当省といたしましては、エネルギーの安定供給の確保、地球温暖化対策、新規産業創出等に資する新エネルギーの開発普及に従来から積極的に取り組んでまいりました。
 これまでの日本の新エネルギーの導入政策の到達点について、ドイツとの比較において日本が進んでいないのはなぜか、こういう御指摘でございますが、私は、これは必ずしも当たらないものと認識をしております。
 確かに、風力発電は、最近時点の設備容量ベースの導入実績では、ドイツが六百十一万キロワット、日本が十四・四万キロワットとなっておりますけれども、太陽光発電で見ますと、二〇〇〇年の設備容量ベースの導入実績が、ドイツが一一・四万キロワット、日本が三一・七万キロワットであり、太陽光発電については、我が国は世界一の導入量、シェアは四四・五%となっております。
 また、九八年の一次エネルギー総供給における新エネルギーに水力、地熱発電を含めた割合では、ドイツが一・七%であるのに対しまして、日本は水力の比重が高いわけでございまして、これは三・九%ございまして、全体で五・二%となっておりまして、そういう面ではむしろ日本の方が進んでいる、こういう側面もあると思っております。
塩川(鉄)委員 水力ということでいえば、日本の場合には大規模水力ですね。環境破壊につながるような、国民の皆さんから大変批判の寄せられている水力発電も含めての数字でありますし、地熱発電についても、実際の数字で、では十年後どれだけ伸びるのか、将来性についてはほとんどそれが見込めない、わずかしかふえないということが、これはエネ庁の資料の中でも出されているところであります。
 そういうふうに見ますと、風力と合わせた太陽光発電、この日本の合計を見ましても、日本の太陽光発電の総電力量に占める割合というのも〇・〇二%ですから、ドイツにも遠く及ばないというのが実態じゃないでしょうか。
 そこで、重ねて大臣に伺いますが、ドイツでは一九九一年から固定価格買い取り制度をスタートさせました。これが大きく実績を伸ばす力となっているわけです。日本でも、風力発電推進市町村全国協議会の要望書、全国で風力発電に取り組んでいる市町村の方々がつくっている協議会ですけれども、こういう要望書を経済産業省の方にも出されていると思います。この中にも、風力発電からの電気は、電力会社による買い取りを義務化すること、こういう形での共通する要望として出されているわけであります。
 自然エネルギー発電の普及拡大のためには、ドイツなど既に実績の上がっている固定価格買い取り制度こそ推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
平沼国務大臣 今後におきまして一層新エネルギーを普及拡大するための手法といたしましては、これまで、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会及びそのもとの小委員会においていろいろな角度から検討を重ねてまいりました。御指摘の固定価格買い取り制度、これも検討させていただきました。また、お願いをしておりますRPS制度、こういったことも総合的に検討したところでございます。
 固定価格買い取り制度というのは、御指摘のようにドイツで導入されまして、これは御指摘の数字が示しておりますように、量的に大きな成果を上げている、そういう側面がございますけれども、もう一方で、電気事業者に対して、発電事業者の発電した新エネルギーによる電気の全量を、政府が設定する電源別の固定価格で買い取る義務を課す制度であるために、発電事業者のコスト削減のインセンティブが働きにくいという側面があり、また、一度価格が設定されると引き下げはなかなか困難であるという問題があります。例えばドイツにおきましては、発電コストが急速に低下しているにもかかわらず、買い取り価格はむしろ引き上げられている、こういう実情もあるわけであります。
 他方、RPSの制度は、一定量の導入を義務づけるため目標の達成が確実でございまして、また、電気事業者の電源選択の自由度が高くて、発電事業者のコスト削減努力を誘引するなど市場機能が発揮されまして効率的な新エネルギーの導入を進めることができる、こういったことを総合的に勘案をいたしまして、私どもとしては、御指摘の固定価格買い取り制度よりもいわゆるRPS制度の方が新エネルギーの場合の制度としてふさわしい、こういうことで今国会に提出をさせていただいている、こういうことでございます。
塩川(鉄)委員 私は、今進んでいない新エネルギーを推進するのであれば、その入り口としての手だてが何が一番いいのかということが問われていると思うわけです。そういう点でも、普及拡大をしていけば当然コスト削減なども行われるでしょう。しかし、そのスタートの段階でこういう形の制度では十分対応できないんじゃないか。
 新エネルギーを本気で普及拡大しようとするなら、新規参入者にとってメリットのある仕組みにする必要がある。入り口から価格競争にさらされたら、新規参入者は新規参入をためらうことにもなるわけで、風力発電の事業に取り組んでいる自治体の方々などからも、将来の事業展開が見込めるような安定的な価格でぜひ買ってもらいたい、こういう現場の声にこたえるような仕組みでこそあるべきだと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
河野政府参考人 この法案は、電気事業者に一定量の新エネルギーなどの利用を義務づけるわけでございますから、新エネルギーなどを利用する発電事業者に対する需要をつくり出すことになります。発電事業者に設備投資などの事業活動に対しますインセンティブを与えることになるというふうに思っているわけでございまして、そういう意味で、新規の発電事業者の参入を促すことになると思います。
 また、この法案第三条では長期的な利用目標を定めることになっておりますので、そういう意味でも、新規に参入する方にとってこれぐらいのマーケットが見込めるということを念頭に置いた投資活動ができるのではないかと期待しております。
塩川(鉄)委員 新規参入者の参加を促すという今回の制度において、どのような参入者があるのかという問題があります。
 そこでお伺いしますが、この法案では廃棄物発電も対象となっているんでしょうか、廃プラスチック発電も対象でしょうか、お聞きします。
河野政府参考人 この法案では、第二条におきまして対象エネルギーの定義づけをいたしております。例示として出ておりますのは、風力、太陽光、地熱、バイオマス等でございますけれども、政令によりまして対象となるエネルギーを指定することになっております。
 廃プラスチックあるいはそれを含めました他の廃棄物によります発電、これはいずれも焼却処理に伴います廃熱を利用して発電をいたしますから、追加的なCO2を発生することなく他の火力発電を代替する、そういう意味におきましてCO2の削減に寄与するものでございます。したがいまして、温暖化対策にも資するということでございますし、また、国産のエネルギーとして石油代替効果があるというふうに考えております。
 このため、廃プラスチック及びその他の廃棄物による発電は、現行の新エネルギー法におきましても「新エネルギー利用等」ということで指定を受けているわけでございまして、また、従来からその導入促進を図ってきているところでもございます。本法でも、基本的には、政令によります指定によりまして対象にすることを予定いたしております。
 また、同時に、廃棄物の処理につきましては、循環型社会形成推進基本法の基本原則で、発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分、こういった順で優先すべきというふうにされているところでございますので、この法案の施行の際におきましても、この基本原則との整合性を図りながら対応してまいるということを考えております。
塩川(鉄)委員 これからやる大分先の議論までお話しいただきましたけれども。要するに、廃棄物発電、廃プラ発電も入るということですけれども、これは世間の多くの皆さんの常識とはかけ離れているというのを率直に思うわけですね。
 参考までに資料を配付させていただきましたけれども、「各国の新エネ発電導入促進策で対象としているエネルギーの比較」であります。資源エネルギー庁の資料に基づいてつくっておりますから、きょうの答弁の中でも、この中身として紹介はされておられました、廃棄物発電も含むと。その場合に、非化石燃料起源の廃棄物発電というのは幾つかの国々でありますけれども、廃プラなどの化石燃料起源ということでいえば、日本を除くとイタリアぐらいという非常に例外的、特別な例だということも言えると思うわけです。
 その上で、率直に言いますと、世間の皆さんから見ればおまけとしてくっついているように思えるこの産廃発電、この実態がどうかといいますと、続けて2の「電力分野での新エネルギー導入量内訳(二〇〇〇年度)」ということですが、廃棄物発電が二十・六億キロワットアワーで、全体の八九・八%を占めております。多くの人がぜひとも進めてもらいたいと思っておられる風力発電は一・六億キロワットアワー、七・一%、太陽光発電は〇・七億キロワットアワー、三・一%、この数字でよろしいでしょうか。
河野政府参考人 私どもの資料と符合するものと思います。
塩川(鉄)委員 その上で、今後の見通しをどう考えているのかということですが、総合エネルギー調査会の資料でも、一般廃棄物発電の現在の実績と二〇一〇年の見通しはどのくらいで持っているのか、また、産業廃棄物発電の現在の実績と二〇一〇年の見通しはどのくらいなのか、お聞きします。
河野政府参考人 昨年六月に取りまとめられました総合資源エネルギー調査会の報告書におきます新エネルギー導入目標の内訳の試算でございますけれども、一般廃棄物発電につきましては、設備容量ベースで、一九九九年度が八十四・五万キロワットでございますけれども、これが、二〇一〇年度の見通しといたしましては、二百七万キロワットまで導入が進むという見込みを示しております。また、産業廃棄物の発電につきましては、同じ設備容量ベースで、一九九九年度が五・六万キロワットでございますけれども、二〇一〇年度の見通しでは、二百十万キロワットまで導入が進むというふうに見込んでおります。
塩川(鉄)委員 一般廃棄物発電も大きく伸びますけれども、特に産業廃棄物発電が五・六万キロワットから二百十万キロワットと、二十倍に近いような大きな伸びを見せるということを見通しとして持っておられるわけです。
 そこで、それぞれの新エネ発電におけるコスト競争力は、廃棄物発電、風力発電、太陽光発電、この順番で強いと思うわけですけれども、これでは結果として廃棄物発電がシェアを占めて、かえって風力などの自然エネルギーの導入を妨げることになりはしないか、このことをお尋ねします。
河野政府参考人 電源のコストにつきましては、立地条件ですとか、あるいは設備、技術の程度などによりまして相当大きなばらつきがございます。そういう意味では、一般的に、太陽光発電のコストが他に比べるとかなり高いということはございますものの、全体としてのばらつきを考えますと、一つの新エネルギーによります電源が他を圧倒的に凌駕してしまうということには必ずしもならないというふうに思っております。
塩川(鉄)委員 立地条件云々という話がありますけれども、風力発電を考えてみますと、これは自治体の電力事業者の方にお話も伺いましたけれども、風力発電というのは、当然のことながら、立地のいい場所から押さえていくわけですよね。既に既存の民間事業者の方がいいところはほとんど押さえているというふうに言っておられました。今後の立地では、より悪い条件の場所での建設が強いられるようになっていくわけであります。そうなれば、当然のことながら、価格競争力では対抗できなくなるのは必至ではないでしょうか。
 その一方で、廃棄物発電は規模拡大が可能であります。一般廃棄物発電についても、助成制度もあります。大型のものはどんどんできる。特に、産業廃棄物発電、産廃発電、廃プラ発電は有望だと言われております。
 例えば、北海道の苫小牧に廃プラ発電所を建設して発電事業に進出を予定しているサニックスという企業がありますけれども、北海道電力よりも安く売る、このように言っております。新聞報道でも、五円ぐらいという値段ですから大変競争力がある、価格競争力がある証拠だと思います。実態は、このように産廃発電、廃プラ発電が進むということになるんじゃないですか。
河野政府参考人 今御紹介のございました具体的な会社が、実際にどの程度のコストで、またどの程度の顧客を確保することができるのかどうか、私ども、現時点においてはつまびらかでございません。
 一般的に申しまして、廃棄物発電といえども、先ほど申し上げましたように、規模などで相当なばらつきがあるわけでございまして、また、廃棄物発電それ自身は、従来焼却処理をしておりますものを電気に変えるという意味では追加的なCO2を排出しないわけでございますから、私ども、これは推進すべき対象だというふうに思っておりますので、それらを考えてみましても、廃棄物発電によりまして他の新エネルギーが圧倒的に凌駕されてしまうということには必ずしもならないというふうに考えているのでございます。
塩川(鉄)委員 廃プラ発電が競争力があるということは、新エネを受け入れる側の電力会社の方も言っていることですよね。
 新エネルギー部会の新市場拡大措置検討小委員会報告へのパブリックコメント、この中で、東京電力から産廃発電の問題についてコメントが寄せられています。
 環境負荷の削減という制度趣旨にかんがみた場合、産廃発電を市場拡大措置の支援対象に含めることは不適当と考える。電力市場における競争者として十分な経済性、市場競争力を有した事業者を支援対象とすることは、電力市場の競争中立性を著しく損なうおそれがある。
 既に産業廃棄物の燃焼による電力市場への参入が計画されており、もはや特段の措置を講ずるまでもなく我々電気事業者の対等な競争相手として成長しているのが実態だ、産廃発電を対象電力に含めるのは不適当だ、こういうふうに述べておられる。
 十分に価格競争力があって、こんなことが進められたら、廃プラ発電だけが進んで風力や太陽光発電がどんどんけ散らされるだけじゃないですか。いかがですか。
河野政府参考人 総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会の議論の過程におきまして、またパブリックコメントにおいても、御指摘のような御意見をいただいたことは事実でございます。
 ただ、廃プラスチックにつきましても、先ほど来申し上げておりますように、産業廃棄物であります廃プラスチックの四四%が現に焼却をされております。そして、その中でわずか六%が電気として利用されているにすぎないわけでございまして、CO2の排出を増加させることなく発電増加が可能だというふうに思うわけでございまして、廃棄物発電あるいは廃プラスチックを含めました廃棄物発電も一つの重要な電源選択ではなかろうかというふうに思います。
 ただ、循環型社会形成推進基本法の基本原則においてマテリアルリサイクルが優先されることになっているというようなこともございますので、本制度におきまして廃プラスチックの焼却処分がいたずらにふえることがないように、政令の策定段階あるいは設備認定段階に際しまして、環境省とも十分連携をいたしまして慎重に対処するということを考えているのでございます。
塩川(鉄)委員 それは答えになっていないじゃないですか。私は、価格競争力の問題を言っているのですよ。東電自身が、廃プラ発電というのは競争力があるんだ、こういうのを入れるのは不適当じゃないか、風力や太陽光が排除されるようなことになるということを言っているのですよ。その点についてはどうなんですか。
河野政府参考人 廃プラ発電の中で競争力を持つものもあるかもしれません。しかし、これまでの実績をごらんいただきますと、産業廃棄物の発電というのは実は非常に規模が小さいわけでございます。実用化されているレベルは一般廃棄物に比べてかなり低いレベルにとどまっております。また、御紹介いたしましたように、廃棄物発電のコストにもかなりのばらつきがございます。そういう意味では、廃棄物発電あるいは廃プラ発電がすべて非常に競争力が強いという御指摘はいかがかなというふうに思います。
塩川(鉄)委員 産廃発電、廃プラ発電の話なんですよ。廃プラ発電は高効率でしょう。だからこそ東電だって競争力があるということを言っているわけじゃないですか。
 私は、こういうのが行われることで、結局、風力や太陽光など多くの皆さんが願う発電事業がけ散らされることになりかねない、そのことを強く危惧するものであります。ですから、こういった風力発電の事業者などが排除されないような仕組みを真剣に考えるべきだと思いますけれども、いかがですか。
河野政府参考人 この制度自身が、風力発電も含めましたいわゆる新エネルギー、自然エネルギーなどの導入を、電気事業者に購入義務づけを通じまして促進するための制度でございます。廃プラ発電につきましても、先ほど来申し上げておりますように、規模によりまして相当コストのばらつきがございますので、それらと競合しながらも、風力あるいは太陽光発電につきましても導入が進むというふうに考えております。
塩川(鉄)委員 そういう実態に思えないわけですよ。廃棄物発電はどんどん進んでもいいということですね。廃プラ発電が枠のほとんどを占めても構わないということでよろしいですね。
河野政府参考人 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、この法律の趣旨にかんがみまして、電源構成に大きな偏りが出るなど、見直すべき点が出たならば、この制度自身も見直しの対象になるということでございます。
塩川(鉄)委員 価格競争を要求する今回の制度の導入では、現在行っている電力会社の余剰電力購入制度に対しても買い取り価格を下げる方向で働いて、現状からも大きく後退することになりはしないか、このことが危惧されますが、この点はいかがでしょうか。
河野政府参考人 総合資源エネルギー調査会の新エネ部会では、かなり長期にわたりまして新エネの導入策を検討してまいりました。また、現在行われております電気事業者によります自主的な買い取り制度あるいは政府の支援策、これらも含めてどの程度の新エネルギーの導入が可能かという検討をいたしました。
 そして、今の仕組みだけでは新エネルギーの導入は必ずしも十分に進まないだろうということで、この追加的な新しいRPS方式の制度の導入が提言されたものでございまして、基本的には、この制度は新エネルギーの導入を量的にも拡大するものだというふうに認識しております。
塩川(鉄)委員 そうすると、この余剰電力購入メニューはもうなくなっていくものだということでよろしいですね。
河野政府参考人 余剰電力購入メニューは、例えば太陽光発電のような一般の家庭で設置されたものを、必ずしもマーケットで売りさばくというようなことがおできにならない方も発電に参加しておられます。そういった点につきましては、新エネ部会でも、当分の間、電力事業者による自主購入が続けられることは望ましいという議論をいたしまして、その場に電力関係の委員の方も加わっておられたわけですから、先ほど申し上げましたように、当分の間、自主購入が続けられるというふうに考えております。(塩川(鉄)委員「風力発電はどうですか」と呼ぶ)
 風力発電につきましては、既にかなりの電力会社が入札方式を導入してきております。そういう意味で、入札方式が一般化していくのが今後の趨勢ではなかろうかと思います。
塩川(鉄)委員 こういう点でも、今回の制度の導入というのが、風力発電などの新規参入者、現状の事業者に対してマイナスに働くということを率直に思わざるを得ません。
 この点を大きく指摘したいということと、あわせて、資源循環の問題でも、きょうこれまでに議論のありましたように、循環型社会形成推進基本法では資源循環の優先順位を定めています、排出抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分と。私は、今回の廃棄物発電を促進することになれば、この順番の四番目の熱回収を固定化、拡大することにつながり、ごみ排出抑制にも逆行するのじゃないか、このことを思いますが、この点ではいかがでしょうか。
河野政府参考人 その点は何度か御説明させていただいておりますけれども、現に廃プラスチックあるいは廃棄物はかなりの量が焼却処分に付されております。これは国土の事情などによる背景がございますけれども、その中で電力化されている量は極めてわずかでございます。
 したがいまして、この廃棄物を焼却処分する量をふやすことなく、現に焼却されているもの、そういったものを電力化していくという努力は、CO2をふやすことなく電気を有効に使うことになるというふうに考えているわけでございまして、その点については環境省とも相談をしながら進めていくということで、先ほど環境省の御答弁もあったわけでございます。
塩川(鉄)委員 焼却量をふやすことなくと言いますけれども、現実は違うんですよ。
 例えば一般廃棄物発電ですが、群馬県の伊勢崎市の例があります。伊勢崎市では、一般廃棄物焼却に伴う廃棄物発電が行われてきましたけれども、九九年三月の議会で市長は、ペットボトルの分別収集を二〇〇〇年度から行いたいと表明していました。それなのに、その後、廃棄物発電のための火力が足りないからと、ペットボトルの分別収集の計画を取りやめてしまった。そして、今まで燃えないごみだったプラスチック類を、わざわざ燃えるごみに変更してまで熱源を確保している、こういう実態だ。
 現実は、何でも燃やす、焼却をふやす方向に働いているんじゃないですか。これをさらに促すという制度にしていくということですか。
河野政府参考人 廃棄物発電の対象になりますものは、何度も申し上げておりますけれども、現に焼却処分をされているようなものを今後も焼却する、それを、電力化するということを念頭に置いて対象化していくということで、これから環境省と相談をしていくわけでございます。
塩川(鉄)委員 いかに現実を見ていないかというのがはっきりしているんじゃないでしょうか。私は、その点で政府の姿勢そのものが問題だと思います。
 循環型社会のビジョンとシナリオという、経済財政諮問会議の循環型経済社会に関する専門調査会の報告があります。この中では、廃プラ発電の推進ということをうたっています。年間一千万トン排出される廃プラスチックについて、広域的に収集し大規模な高効率発電を行いエネルギー転換することは、埋立処分の対象量の減少にも大きく寄与する。つまり、埋め立てが減る、寄与する。つまり、埋め立てに回っていた分が焼却に回るという話じゃないですか。ということは、今よりもCO2、炭酸ガスの発生量がふえるということにつながるんじゃないですか。この点では、このそもそもの目的の地球温暖化防止に資する、炭酸ガス排出抑制につながる、これに真っ向から逆行するようなことにつながるんじゃないでしょうか。
 この点で、改めて大臣に、こういったあり方でいいのか、ぜひともこの点ははっきりお聞きしておきたいと思います。
平沼国務大臣 エネルギー庁長官から再三答弁をさせていただいておりますけれども、今、経済財政諮問会議の、その埋め立て分が減るという、そのことはその中の指摘に入っているかもしれませんが、私どもとしては、あくまでも現状の中で、既存にもう燃やしているその分を、やはりCO2も同じように出るわけですから、その分の範囲の中で……(塩川(鉄)委員「埋め立てが焼却になるわけですから」と呼ぶ)だから、今焼却しているというのは、たしか数字では、焼却するプラスチックのうち六%しか発電に回っていないわけです。ですから、その範囲の中でやればほかの火力発電の分が減るわけですから、私は、そういう意味ではCO2の削減、そういうことには結果的にはつながる。
 ですから、今回の我々のお願いをしている新エネルギーの法案の中では、そういう精神で省エネをし、そして地球温暖化に対してその防止をする、その目的にかなっている、こういうことで私どもは理解をし、お願いをしているところでございます。
塩川(鉄)委員 廃プラ発電の炭酸ガス排出というのは石油とほぼ同じ、石炭よりも少ないという程度ですから、実際に石油代替にもなっていない。そういう点でも今回の法案は大問題だ、このことを指摘して質問を終わります。
谷畑委員長 大島令子さん。
大島(令)委員 社会民主党・市民連合の大島令子でございます。
 まず、平沼大臣にお伺いしますけれども、法律第一条の目的に「環境の保全」とありまして、そして、先般の趣旨説明の中にも、地球温暖化を初めとする地球環境問題への対応の必要性の高まりにもこたえるべくということ、先ほど来の他の委員の御答弁の中にも、やはり地球温暖化の対応に必要があるんだという御答弁をされておりました。
 しかし、この法案の中に、文章として、地球温暖化問題に対処するためという文言が入れられなかった理由は何でしょうか。
平沼国務大臣 それは、一条の目的規定の中に「環境の保全」、こういう形で入っていると思っております。
大島(令)委員 環境の保全と地球温暖化対策という意味は非常に意味合いが違いまして、もう一度お答えいただけないでしょうか。
 私は、環境大臣もこの法案の主務大臣となるべき法律でなければならないのではと思っているわけです。
平沼国務大臣 もう一回繰り返させていただきますけれども、本法案の第一条の目的規定の中に、地球温暖化対策を含む環境保全に寄与する旨、それが明示されております。
 したがいまして、この地球温暖化対策、このことはこの本法の中にもしっかりと盛り込まれている、私はこのように認識しておりまして、主務大臣としてそういう形で当然だと思っております。
大島(令)委員 それでは、この新エネルギーの定義の中に、風力、太陽光、地熱、水力、バイオマスとございます。そういう意味で、法律の三条の四項で、意見交換大臣として国土交通大臣、環境大臣、農水大臣とありますが、どのように有機的連携を図っていくのか御説明ください。
平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 本法案は、エネルギー事業者たる電気事業者に新エネルギー等による電気の利用を義務づけることによりまして、新エネルギー等の利用の促進を図るものでございます。これは、現下のエネルギー情勢等の経済的、社会的環境を踏まえまして、我が国のエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保に資するとともに、環境の保全に寄与するための措置として、新エネルギー等の利用の促進を図ることを基本的な目的としております。
 新エネルギー等は、CO2の追加的な排出量が少ないことから地球環境対策にも資するという特性も有するため、本年二月十三日の地球温暖化対策推進本部決定におきましても、このような観点から、その対策の一部として位置づけられております。
 そして、御指摘の法案第三条では、経済産業大臣が新エネ等電気の利用目標を定める際には、総合資源エネルギー調査会の意見を聞くとともに、環境大臣等関係大臣の意見を聞かなければならないこと、このようにされておりまして、このため、環境大臣については、地球温暖化対策や廃棄物の観点から、農林水産大臣及び国土交通大臣については、食品廃棄物、畜産ふん尿、建設廃棄物などバイオマスの観点から、それぞれ意見を聞くことにより、有機的に密接に連携をしてまいる、こういうことでやらせていただきたいと思っております。
大島(令)委員 私がここで確認したかったのは、「「新エネルギー等」とは、」の中に、さまざまな省庁にまたがったエネルギー源があるわけでございます。そういう意味で、主務大臣が経済産業大臣だけということに関して非常に疑問を持っているわけなんです。
 特に、先ほど来の御答弁の中に地球温暖化防止のためという言葉があるならば、せめて、経済産業大臣だけではなく環境大臣も主務大臣となるべきではないかということでございます。
 もう一度改めて、なぜ入らなかったのか御説明をいただきたいと思います。
平沼国務大臣 この法律では、電気事業者に義務を課す、こういうことでございますから、一義的に私ども経済産業省、経済産業大臣が主管をする。したがいまして、今御指摘のように、幅広いいろいろな新エネルギーの分野がありますから、そういう意味では、環境大臣を初めとして関係大臣と有機的に密度濃く連携をとっていく、こういうことでございます。
大島(令)委員 しかし、環境大臣と連携を密にとるといいましても、この三条の四項には、新エネルギー等電気利用目標を定めるときに連絡を密にとるというふうに定められているわけですね。利用目標のときだけということでございますので、少し、すごい狭い分野での相談としか受け取られないわけなんです。その辺のことに関してもう一度御答弁願えますか。
河野政府参考人 第三条の利用目標を定めるということは、この法律におきまして、短期的にもあるいは長期的にも、どの程度の新エネルギーの導入を目指すかという極めて重要な条文でございます。その利用目標を定める際に、環境大臣あるいは農林水産大臣の御意見を伺うということは非常に大きな連係プレーだというふうに思っております。
 それに加えまして、また、第九条におきましては「新エネルギー等発電設備の認定」という条文がございます。これは、その発電施設が、この法律で定めます新エネルギーをエネルギー源にしているということを確認するというような手続でございますけれども、その際も、廃棄物発電も含めまして、環境大臣との協議が法律上義務化されているということでございまして、そういう意味での連係プレーも予定されているところでございます。
大島(令)委員 私は、廃プラスチック発電が新エネルギーに含まれるから環境大臣を主管大臣と入れられなかったというふうに憶測ができるわけなんです。ほかの容器包装リサイクル法ですとかリサイクル法に関しましても主務大臣が何人かおりまして、ただし、当該各号に定める事項に関してはほかの大臣も主務大臣とする、そういう法律も現にあるわけなんです。
 先ほどの平沼大臣の御答弁をお伺いしますと、電気事業者がという言葉があるから経済産業大臣だけが主管大臣だというふうに理解いたしましたけれども、実は、先ほど来、新エネルギーの中にこの廃プラスチックが入る、政令で定める事項になっているということでございますが、それが原因でこの主管大臣が経済産業大臣だけということではないんですか。
平沼国務大臣 そのようなことは決してございません。
大島(令)委員 では、外国では自然エネルギーという言葉で非常に進んでいるわけなんですが、どうもこの法律は、新エネルギーという言葉で、定義が非常にあいまいです。特に、法律第二条二項の新エネルギーの定義、この六号の「熱以外のエネルギーであって、政令で定めるもの」、この中にやっと先ほど来問題になってきた廃プラスチックが出てきているわけなんですね。どうしてこういう法律のつくり方をしたのか御説明ください。
河野政府参考人 この法律第二条の第二項におきます定義でございますけれども、これは、この法律で買い取り義務の対象といたします新エネルギーについて、まず代表的なものについて例示をする、しかし同時に、第六号におきまして、政令によって適切なものを指定することができるという仕組みになっているわけでございます。
 この政令によって指定されるものといたしましては、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会の議論を踏まえますと、廃棄物発電のようなものも政令で指定する対象として検討対象であるということを申し上げているわけでございます。
大島(令)委員 私は、法律に直接廃プラスチックという言葉が書き込まれなかった、政令を定める際に改めて議論をするというやり方は、経済産業省が、地球温暖化対策をめぐり、環境省と経済産業省の間にやはり意見の相違があるからこういう形で法律を出してきたのだと思っておりますけれども、もう一度、正直なところの御答弁をお願いします。
平沼国務大臣 これは、まず、内閣提出という形でございまして、そういう意味では、内閣の中で整合性を求めて提出をさせていただいています。先ほど環境省の政務官からも、いわゆるプラスチックの産廃の問題についても細かく御答弁がありました。
 ですから、そういう意味で、私どもが意図的に環境省を排除するためにやったということじゃなくて、内閣提出という形で、それぞれ整合性を求めて提出をさせていただいている、そのことを御理解いただければと思います。
大島(令)委員 でも、実際、容器包装リサイクル法ですとか再資源の利用の促進に関する法律は、主務大臣が複数にわたっております。どうしてなんでしょうか。力関係なんですか。
平沼国務大臣 今リサイクルのことを言いましたけれども、それは、リサイクルという、そういう形で体系が違うわけであります。ですから、それは、主務大臣が幾つかあるわけでありますけれども、これに関しては、私どもは、体系が違うからそういう形になっている、そういうことしか申し上げようがございません。
大島(令)委員 しかし、エネルギーといいましても、そのエネルギーのもとになる、例えば風力とか太陽光ですとか、もとになるものが違うわけですから、私は、何でこのエネルギーだけが経済産業大臣。例えば、ほかの法律、電気事業法ですとか、そういう法律だけでしたら構いませんけれども、新エネルギーですよ。新しい法律に関して、新エネルギーの定義がこんなに多岐にわたっているのに、どうしても腑に落ちないのが、主務大臣が経済産業大臣だけということ。
 そこから憶測しますと、やはりこの法案には、市民団体の皆さんですとかいろいろな方々から、やはり陰に隠れて廃プラスチックがある、ごみ発電がある、そういうところからこういう疑問があるわけです。質問というのは疑問をただすことも質問だと思いますので、私は先ほど来からここにしつこく質問させていただいているわけです。
 実際に、じゃ、環境省の方にきょう来ていただいていますからお伺いしますけれども、環境省としては、こういうやり方で納得されているんですか。
飯島政府参考人 先ほど経済産業大臣から御説明がございましたように、内閣として提出させていただいておりますので、環境面からのチェックも環境省としてしっかりやらせていただくつもりでございます。
大島(令)委員 廃プラスチック発電というのは、廃棄物発電だけが進んでしまい、他の自然エネルギー促進の妨げになるのではないか。環境省さんが求めているごみの減量ではなく、実はごみの増量にもつながりかねない、そういう心配から私は環境省さんの立場を聞いているわけなんです。
 私の町のごみ分別収集のカレンダーがあるわけなんですが、もう既に、廃棄物の処理に関する法律、廃掃法が成立しまして、そして二〇〇一年からは容器包装リサイクル法も施行されまして、各自治体はたくさんの種類に分別してごみを出しているわけなんです。このように環境省は指導しているわけなんですね。
 この法律が通ることによってごみの増量になりかねない、そういう危惧はないんでしょうか。
飯島政府参考人 循環型社会形成推進基本法、一昨年制定されておりまして、この基本原則の中で、先ほど来御議論があったと思いますが、発生抑制、リデュース、再使用、リユース、それから再生利用、マテリアルリサイクル、その次に熱回収が位置づけられております。この原則に沿いまして、どうしても焼却せざるを得ない廃棄物につきましては、過大な施設整備とならないよう留意しながら廃棄物発電を行っていくことは熱回収の有効な手段と考えております。
 しかしながら、今後、本法の政令で廃棄物発電が追加されることによりまして廃棄物発電が過大に進み、これまで再利用や再生利用に回っていたものが発電に回るということがあれば、先ほど言いました基本原則であるリデュース、リユース、リサイクル、これが阻害されることになります。そういうことがあってはならないと考えております。
 先ほど御指摘のございました容器包装リサイクル法では、再商品化の方法につきまして、マテリアルリサイクルが基本であると決めておりまして、この法案でその取り扱いが変更されることはないと考えております。
 なお、本法案に基づきまして廃棄物発電を実施していくに当たりましては、これまで焼却されていた廃棄物の利用に限るなど、一定の条件のもとで実施する必要があると考えておりまして、本法案におきましても、廃棄物発電の設備認定に当たりまして、あらかじめ環境大臣と協議することが規定されているところでございます。
 環境省といたしましては、本法案に基づく施策が、循環型社会形成推進法の基本原則や、あるいは容器包装リサイクル法の目的に反することのないよう、適切に施行されるよう協議してまいりたいと思っております。
大島(令)委員 私の町では、人口四万の町なんですが、ペットボトルを七百カ所で収集しまして、中間処理施設で圧縮、こん包します。そして、卵パックですとかごみ収集袋ということで再利用を図っています。
 この法案が通るときに日本容器包装リサイクル協会という財団法人が設立されまして、うなずいていますから御存じですよね、そこの指導のもとに市町村は、回収されたペットボトル、廃プラスチックですが、処理されているわけです。そこの協会の業務というのは、容器包装リサイクル法に基づく再商品化の実施を主な業務としております。
 心配しているのは、この法律の中に、政令という言葉の陰に隠れて、廃プラスチックも新エネルギーのもとになるんだということがあるから先ほど来多くの委員が指摘しているわけなんです。改めて御答弁をお伺いします。本当に大丈夫なんですか。
飯島政府参考人 容器包装リサイクル法に基づきますペットボトルなどのリサイクルにつきましては、我々は最優先するものというふうに考えておりまして、先ほど申し上げました第九条の設備の認定、あるいは、政令はこれから経済産業省と御相談して書いていくわけでございますけれども、容器包装リサイクル法の対象になるようなペットボトル等については、新エネルギーの廃棄物発電の原料になることはないと我々は考えているところでございます。
大島(令)委員 新エネ法の原料にペットボトルがならないということをいただきましたので、次の質問に入ります。
 経済産業大臣が利用目標量を設定する際の根拠になるデータは何か、お示しください。
平沼国務大臣 本法案では、新エネルギー等電気の利用目標を定めるに際しまして、総合資源エネルギー調査会の専門的な意見を聞くとともに、地球温暖化対策及び廃棄物の観点から、先ほども申し上げましたように環境大臣に、食品廃棄物、畜産ふん尿、建設廃棄物などのバイオマスの観点から、農林水産大臣または国土交通大臣の意見を聞くことにしているところであります。
 具体的に申し上げますと、例えば、一つは、新エネルギー等電気の供給の可能量、二番目として、現在までの導入実績の推移、三番目といたしましては、各新エネルギーを取り巻く環境変化等を踏まえ設定をすること、こういうことを根拠にいたしております。
大島(令)委員 総合資源エネルギー調査会は、では、どのようにしてデータを集め、新エネルギーの種類ごとに、現状や将来、普及予測のデータを集めるんでしょうか。
河野政府参考人 総合資源エネルギー調査会にはさまざまな分野の方に委員になっていただいております。学界、産業界等でございます。また、検討の過程では、関係各省にもおいでをいただいて御意見をちょうだいしたりするのが審議の通例でございます。そういう方々からの情報提供、そして経済産業省自身といたしましてもさまざまな調査をいたしまして、総合資源エネルギー調査会に提出をすることで、先ほど大臣が申し上げたようなデータを集積し、分析に充てたいというふうに考えております。
大島(令)委員 では、利用目標量設定の際には、新エネルギーの種類ごとに検討が行われるのか、お伺いいたします。
河野政府参考人 新エネルギーの種類ごとに供給可能性がどの程度あるかということも、検討の素材の一つであろうというふうに考えております。
大島(令)委員 まだ明確になっていないんですか。
河野政府参考人 総合資源エネルギー調査会がこの法律に基づきます利用目標を御審議いただくのはこの法律の制定後でございますので、その段階のことでございますけれども、今申し上げましたように、種類ごとにどの程度の供給可能性があるかという点につきましては、これまでも総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会でさまざまな知見を集めて御検討いただいておりますので、そういったことは今後も検討の対象になるというふうに思っております。
大島(令)委員 一般的には、各新エネルギーの利用目標量がまずあって、その数字を積み上げて目標数字を出すと私は思うわけなんですね。先ほど来大臣は、二〇一〇年までに新エネルギーを一%、現状は〇・二%と言いましたけれども、では、どのようにしてこれが積算されたのですか。
河野政府参考人 先ほど大臣から御答弁をさせていただきましたように、具体的なデータの種類といたしましては、例えば新エネルギーなど電気の供給の可能量も検討の対象でございますから、どのようなものが供給可能性としてどの程度あるかということも検討の対象でございます。そうしたことを念頭に置きながらこの数値を決めたわけでございます。
 ただ、この制度は、エネルギー間の競争を通じて効率的な電気の調達を進める制度でございますので、その内訳が最終的な利用目標の内訳になるというふうには限定されないものでございます。
大島(令)委員 しかし、新エネルギーの普及予測を行わなければ、二〇一〇年に一%という数字がどのようにして出てくるのか私には理解できないわけなんです。もう一度御説明ください。
河野政府参考人 総合資源エネルギー調査会では、さまざまな分野の方に御参加をいただきまして、新エネルギーの導入量の可能性を、二〇一〇年に向かいまして、現在の一次エネルギー供給量の一%から三%まで引き上げる、そのためにどんな手だてが必要かということも検討していただきました。
 その中で、さらに、電気としてどの程度の利用が可能であるか、また、むしろ目標の設定としてどの程度が適当であるかというようなことを御議論いただいて、今の目標量を、ここで御答弁申し上げているようなことを念頭に置いているわけでございますけれども、この法案が制定されました後に、さらに詳細に総合資源エネルギー調査会に御検討いただいて、この法律に基づきます最終的な利用目標量を設定することになると思っております。
大島(令)委員 電力というのは目に見えないわけですから、肩がわりをする場合もございますね、各電力会社に基準の目標量を設定するわけですから。そういうときに、例えば北海道で生産された風力によるエネルギー、沖縄では風力発電が難しいでしょうから、では、北海道電力が生産した風力エネルギー、この目標量、沖縄ではまだ設備が間に合わなかったという場合、その肩がわりというのは、料金を支払うことでやるような方向を持っているんですか。
河野政府参考人 このRPS方式と申しますのは、他の電力会社が余分に購入した場合には、調達が届かなかった電力会社が、肩がわりとして、他の電力会社が購入した分を自分の義務量に充てることができるということでございますけれども、そのプロセスは取引という形態をとりますので、今のような例でありますと、北海道電力が余分に目標を達成した、沖縄電力が目的を十分達成できなかったというようなときに、取引という形を通しまして肩がわりを実現するわけでございますから、いわば、電気の取引に伴いまして、新エネルギーを買っているということがある種の付加価値になりまして、今の例で申しますと、それに伴う対価が沖縄電力から北海道電力に支払われるというような形になろうかと思います。
大島(令)委員 今までの御答弁を伺いますと、結局、この法律は、中東に依存している日本のエネルギー事情、それを自国で、自然エネルギーなどを使って少しでも賄おうということですとか、地球温暖化防止のためという、この大きな二つの目的のためにこの法案が出されてきたと私は思っております。
 そうしますと、今のような肩がわり制度というのがある限り、電力会社が立地条件によっていろいろ努力をしなくなるのではないかということで、結局は、今経済産業省が言っているRPS方式というのは、法律だけつくってそれでおしまいで、もう後は、電力会社が勝手に、生産できなければお金を払ってやりなさいというふうに聞こえるんですが、その点はどんなお考えでしょうか。
平沼国務大臣 風力だけに限定をするということであればそういう考え方も成り立つかもしれませんが、これは、新エネルギーというのはたくさんございます。そういうたくさんの選択肢の中でそれぞれの事業者が努力をしていく、そういうことで、そのような御心配はないものだ、私はこういうふうに思っております。
大島(令)委員 時間が参りましたので、終わりにいたします。
谷畑委員長 次回は、来る二十三日火曜日午後二時五十分理事会、午後三時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十四分散会


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