衆議院

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第19号 平成15年5月30日(金曜日)

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平成十五年五月三十日(金曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 村田 吉隆君
   理事 阪上 善秀君 理事 下地 幹郎君
   理事 竹本 直一君 理事 谷畑  孝君
   理事 田中 慶秋君 理事 中山 義活君
   理事 井上 義久君 理事 土田 龍司君
      小此木八郎君    梶山 弘志君
      小池百合子君    佐藤 剛男君
      桜田 義孝君    砂田 圭佑君
      高木  毅君    林  義郎君
      平井 卓也君    増原 義剛君
      森田  一君    山本 明彦君
      吉野 正芳君    渡辺 博道君
      小沢 鋭仁君    奥田  建君
      金田 誠一君    後藤  斎君
      島   聡君    鈴木 康友君
      中津川博郷君    松野 頼久君
      山田 敏雅君    河上 覃雄君
      福島  豊君    工藤堅太郎君
      赤嶺 政賢君    塩川 鉄也君
      大島 令子君    金子善次郎君
      宇田川芳雄君
    …………………………………
   参議院議員        木俣 佳丈君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   経済産業副大臣      高市 早苗君
   経済産業副大臣      西川太一郎君
   経済産業大臣政務官    桜田 義孝君
   政府特別補佐人
   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  小山  裕君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局
   経済取引局長)      上杉 秋則君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局
   経済取引局取引部長)   楢崎 憲安君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房長) 北畑 隆生君
   政府参考人
   (経済産業省産業技術環境
   局長)          中村  薫君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局長
   )            今井 康夫君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・
   燃料部長)        細野 哲弘君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁原子力
   安全・保安院長)     佐々木宜彦君
   経済産業委員会専門員   鈴木 正直君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  大島 理森君     砂田 圭佑君
  松島みどり君     吉野 正芳君
  山本 明彦君     高木  毅君
  川端 達夫君     島   聡君
  大幡 基夫君     赤嶺 政賢君
同日
 辞任         補欠選任
  砂田 圭佑君     大島 理森君
  高木  毅君     山本 明彦君
  吉野 正芳君     松島みどり君
  島   聡君     川端 達夫君
  赤嶺 政賢君     大幡 基夫君
    ―――――――――――――
五月二十九日
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第九〇号)(参議院送付)
 下請中小企業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)(参議院送付)
 小規模企業共済法の一部を改正する法律案(内閣提出第九二号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一一二号)(参議院送付)
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第九〇号)(参議院送付)
 下請中小企業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)(参議院送付)
 小規模企業共済法の一部を改正する法律案(内閣提出第九二号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――
村田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省大臣官房長北畑隆生君、経済産業省産業技術環境局長中村薫君、経済産業省製造産業局長今井康夫君、資源エネルギー庁資源・燃料部長細野哲弘君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君、公正取引委員会事務総局経済取引局長上杉秋則君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君及び内閣官房内閣審議官小山裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
村田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥田建君。
奥田委員 おはようございます。民主党の奥田建でございます。
 本日は、審議議題であります公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案について質問をさせていただきます。ちょっと難しくて、法律名を聞いてもぴんとこないものですけれども。
 たまたまですけれども、四年前に、基準・認証制度の改正のときにも質問をさせていただきました。今回は、その改正をもとに、事業参入といいますかその障壁を取り除く、認可制の検査事業なんかをしっかりと、そのとき決めた基準をもとに登録制に変えていくということで、大きなその流れに対しては、大きな問題点といいますか批判というものはないんではないかなというふうに思っております。
 ただ、これが今政府の中で、公益法人全体を大きく見直そうという動きの中で、ここの部分だけの改正というのは、小出しの部分になるのか、あるいはまた大改正の前にちょっと小改正をしておけというような一つのアリバイ工作のようなものなのか、ちょっとその辺は質問の後半の方で内閣府の方に、公益法人全体の方に移りますけれども、今回は、最初は経済産業省関係の質問ということで行わせていただきます。
 今回の、参入障壁を、ハードルを低くするという部分で、法根拠のもとでは十一の事業、検査事業といったものが対象になっております。もう御存じのとおり、安全の審査であるとかそういった中で各法人が持っている仕事では、数百のものから、多いものでは二千万件を超えるというような多様な検査業務がありますけれども、確かに今でも営利法人の参入というのはあるわけですけれども、この中で、登録制になって本当に民間参入が大きく推進されると大体予想されるものは、数万件の検査件数を抱えているものにかかってくるのかなというふうに思います。
 資料で見ますと、電気事業での検査業務、あるいは前の審議でもありましたけれども、揮発油等の検査業務、そして計量関係の検査業務といったところが大きく門戸が開かれる部分の中心になるかと思います。
 ここで、公益法人全体の話とも重なるんですけれども、公益法人には税制の優遇措置といったものがついております。今、営利法人も入っていますけれども、ここで営利法人の方々がどんどん同じ仕事、検査業務をしていくということになると、同じ仕事の上で、税制の上で格差が出てくるというような事態が、今でも生じておりますけれども、さらに問題になってくるかと思います。公益法人の業務の門戸の開放とともに、今度はまた新たな問題となってきますこの二二%の公益法人の税率、そして営利法人の三〇%の税率といったものの格差について、これからどのように対処していくべきか、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
 公益法人につきましては、一つは、営利を目的としない公益に資する活動であること、二つ目は、主務官庁の設立許可及び指導監督があること、三つ目は、解散時の残余財産が構成員に帰属しないこと、こういった性格に着目をいたしまして、普通法人のようにその全所得について無制限に法人税を課すことは必ずしも適当でない、こういう考えのもとで、収益事業についてのみ課税するなど、一律に税制上の優遇措置が、二二%とおっしゃられましたけれども、講ぜられてきたところであります。
 しかしながら、その後、公益法人の行う事業が非常に多様化をしてまいりまして、民間企業との競合関係にある事業に対する課税についてアンバランスが生じているのではないか、こういった御指摘が出てきているのは承知をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、公益法人制度の抜本的改革については、現在、内閣官房行政改革事務局を中心に検討が進められているところでございますけれども、その中で、このような点も含めまして、公益法人に対する優遇税制のあり方、これについて検討をされることになっておりますので、当省としても、その結果を踏まえまして今後しっかりと対応していきたい、このように思っております。
奥田委員 私どもの民主党でも、公益法人、その前には特殊法人があり、独立行政法人、そして審議会、あるいは国会関係の、こういう政府関係機関等の改革についてはやはり大きな問題意識を持って論議しておるんですけれども、一応党の方の方針といったところをお伝えいたしますと、一部の公益法人に国からの税の優遇措置そして補助金あるいは委託事業といったものを通じて、ある意味で、一部に癒着があったり、あるいはKSD事件等のように公益を目的としていたものが一部の人に私物化されたような存在となって、社会に害を及ぼす一つの社会悪を生じるといったような事態を重く見ておりまして、その実態解明というもの。
 そして、政府でも問題視しておりますけれども、法人格の付与というところに、許認可というものではなくて準則主義、まず法人化というものはこれは緩やかに認めて、その上で公益性の判断といったものを活動実績に基づいてから判断をして、そしてその後に優遇措置というものを考えてはどうかというのを大きな考えとしております。これは、今政府案の大綱や推進会議での参考人やあるいはお話というものを聞いておりましても、そこの部分はそんなに大きな差はないんじゃないか。
 ただ、余りにも、二万六千以上という大きな法人があって、そこを一気に制度を変えてしまうということは大変な社会混乱を招くということで、どこの時点で、やはり穏やかな一つの周知期間をどう設けたらいいんだろうかとか、あるいは認定基準を少しでも、認定基準と言っちゃだめなんですね、そういう優遇措置についての措置基準というものをどういうふうに明確にあらわしていくかというようなことがやはりまだ残った仕事という形になっておるかと思います。
 これはちょっと細かい話にもなるかもしれませんので官房長の方でも結構なんですけれども、今、実際に、簡単なといいますか、ある程度標準化された検査業務というのがあって、例えば電気であれガスであれ石油であれそういった検査業務の中に、現在でも、公益法人が入っている部分と営利法人が入っている部分とどちらもが同じ仕事をしている部分というのは存在しているわけですけれども、今この営利法人そして公益法人の中で、例えば電気の、家庭の検査でも結構です、一つの検査をしたときに価格差というのは実態として生じておるのかどうか、その点を教えていただきたいと思います。
中村政府参考人 お答えいたします。
 平成十一年度の基準認証一括法案においては、公益法人の要件を撤廃して、営利法人等が自由に参入できるとして、原則として料金、手数料等についても大臣認可制でなくて各機関が自由に決めるということにしております。
 したがいまして、全般的に役所が料金の傾向を把握しているわけではございませんが、例えば、電気用品安全法に基づく適性検査の手数料体系について見ると、検査機関ごとにまちまちではありますけれども、同じ手数料体系をとっている財団法人の電気安全環境研究所というものと、株式会社のコスモス・コーポレイションというものなどを比べてみると、営利法人の方が大体一割ぐらい低い手数料を設定している。そういう形で参入を図っていっているということが実態です。ただ、個別によっては高いものもあれば低いものもありますけれども、総じて言えばそういう傾向があるというふうに思います。
奥田委員 ぜひとも、法律の方が先にできるわけですけれども、そういった公益法人での標準価格と申しますかそういったもの、やはりそれを行政が高いか安いかということの判断というのは大変難しいものもあるかとは思いますけれども、やはりほかの競争産業の中である価格のように、価格動向といったものにもしっかりと関心を払っていただきたいですし、後から出てくるとなると、どうしてもお客さんをつかまえるために一つのダンピングみたいな形の商取引が生じたりして安全といった部分がおろそかになったりということも予想されたりもしますので、その点の指導監督といったところをしっかりとやっていただきたいと思います。
 また大臣の方にお尋ねしますけれども、少し、経済産業省所管の部分だけで結構ですから、今の所管で、今省庁再編の後に八百八十八の所管公益法人があるということを聞いておりますけれども、そういった中で一つの、政府の現在の公益法人の見直しの大きな方針といったものも出されております。そういった方針、あるいは公益法人の指導基準といいますか指導要綱と申しますか、そういったものに準じてどのような見直し作業を行っているのかということの御報告をいただければと思います。
高市副大臣 例えば、公益法人の整理統合状況について申し上げますけれども、今先生おっしゃいましたとおり、平成十三年十月一日現在で八百八十八法人なんですが、平成九年には九百九法人でございました。これがピークだったわけでございます。例えば、平成十三年に九法人、平成十四年には十五法人が解散いたしておりますが、これは、公益法人本来の目的を達成したことによる解散、そしてまた経済社会の高度化ですとか多様化などで事業ニーズが減少したということに伴う解散、それから公益法人同士の統合ということによる整理統合でございます。
 ですから、経済産業省といたしましては、毎年事業計画書ですとか事業報告書の提出を義務づけておりまして、定期監査の実施によりまして法人の事業活動を把握し、公益法人本来の目的がもう達成されたと考えられる法人に対して自主的な解散を検討させるなどの指導を適宜行っております。
 そういうことで、整理統合等進んでいるわけですけれども、そのほかにも、情報公開、これを徹底していこうということで、これはその都度政府から基準が出ましたり、または小泉総理からの指示もございまして、情報公開の方も進んでおります。
 そしてまた、天下りや給与水準といったことに関しましても、閣議決定に応じましてきちっと指導を行っているところでございます。
奥田委員 例えば自主的な解散を、いつの時点からということでまた数は違うかもしれませんけれども、そういったものの実績というものがわかりましたら御報告いただきたいと思います。
高市副大臣 数字でよろしゅうございますね。
 当省所管の公益法人の解散法人数ですが、平成八年に六法人、平成九年に四法人、平成十年に七法人、平成十一年に七法人、平成十二年に十三法人、平成十三年に九法人、平成十四年に十五法人ということでございます。
奥田委員 今は目的の役割を終えた、あるいはほかの省庁でも指摘されている休眠状態の公益法人といったようなものがそういった対象になったのかと思いますけれども、経済産業省自身での指導というのはどういうふうにあるかということで、もう少し詳しい部分で教えていただければと思うんです。
 例えば、総務省から出されている公益法人の年次資料というかなり厚い、データとして多くのデータが書かれているものがありますけれども、こういったものをずっと見ておりますと、天下りの問題には対処しているかもしれませんけれども、経済産業省をほかの省庁と例えば比べてみますと、役員報酬の部分なんかではやはりまだ統計としては非常に高い数字が出てくる。
 例えば、有給常勤役員の平均年間報酬額というものを調べたものなんかがありますけれども、経済産業省所管では、一千二百万以上の常勤役員では三百六法人、二千万以上の役員もその中で十五法人存在するということで、これは省庁別にずっと整理してみますと、かなり高額理事の方というのが多いということになっております。
 仕事の内容なんかと精査しないとその評価というのは正確にはできませんけれども、この報酬額というのは公益法人という性質のものの報酬額なんだろうか。また、この中で、公益法人にもいろいろありますから、政府と密接な関係があるのかないのかというところまで私は見ておりませんけれども、そういった高額報酬の問題。
 あるいは、すべての公益法人に指導されておりますけれども、公益法人の目的となっています本来の事業費規模、これに二分の一の予算を使ってくださいよということ、あるいは、人件費など管理費は二分の一に抑えてくださいという指導、あるいは、営利を目的とします部分の収益事業、この事業費は半分以下にしてくださいといった、公益法人の性格から考えると至極当然で、まだ緩やか過ぎるんじゃないかと思うくらいの指導であります。
 こういったことに対して、経済産業省所管の公益法人の中で、本来の事業費規模二分の一以上を達成していないものは四百十九法人、半分が本来の事業目的というものに事業費を半分以上使っていない。あるいは、管理費割合というところでも、大体、管理費が反対に五〇%以上法人の年間収支の中でかかっているというところが、肥大化したようなところだと思うんですけれども、三十四法人。そして、収益事業費の部分でも、収益事業が二分の一以上あって、営利法人と変わらないんじゃないですかというような法人が五法人、統計の上で出てきております。
 望ましい公益法人の姿というものから少し逸脱しているこういった部分に関しての指導というものはどういうふうになっているか。またあるいは、大臣、副大臣の着任してからの御経歴の中で、ちょっと目を覆いたくなるような例があったというようなことがあれば教えていただきたいと思います。
高市副大臣 まず、経済産業省所管の法人の中で、平成十三年度の決算におきまして、収益事業の規模が総支出の二分の一以上の法人が一法人存在しておりました。この法人に対しましては指導を行いまして、その後、改善に取り組んでおります。
 それから、給与水準の御指摘もございました。これは、平成八年に、公益法人の設立許可及び指導監督基準において「当該法人の資産及び収支の状況並びに民間の給与水準と比べて不当に高額に過ぎないものとすること。」となっておりまして、先ほど御指摘のあった平均年間報酬額についても把握をいたしておりますが、閣議決定に基づきますと、適切な水準になっていると考えております。
 また、公益法人の中で国と特に密接な関係のある法人と表現されるもの、例えば検査委託を受けているですとか、三分の二以上の収入を補助金に頼っているですとか、再分配型の法人でございますが、これは八十六法人あるんですけれども、こういった特に密接な関係のある法人に関しましては、平成十四年三月に政府部内で申し合わせがございまして、これは公務員制度改革大綱に基づく措置なんですけれども、これらの法人については公務員の水準と比べても不当に高額に過ぎないよう指導することとされているんですが、この平均年間報酬額が二千万円を超える法人が一法人ございまして、この引き下げについて指導いたしまして、この法人は給与水準を引き下げることといたしました。
奥田委員 特殊法人なんかでもあるんですけれども、皆さん、政府の言う民間の給与水準というのは、何か学歴か何かをもとにしてやっているようなもので、私もどこから民間給与水準を出すというデータの出し方というのは詳しくは承知しておりませんけれども、そこから出てきたものは、一部上場企業の優良企業の平均年収ベースみたいなふうにしか見えないので、それを当てはめろとまでは今は言いませんけれども、ぜひとも本当の民間実態の給与というもの、やはりそれを見ながらやっていただきたいと思います。
 仕事の上で大きな付加価値があって、それが営利企業で、税金もしっかり納めながらやっている仕事で高給の者には何にも言いませんけれども、私どもも含めて、公僕という中である者が、競争社会の中で成功している人たちの給与水準を平均値に持ってくる、そういうことは、一般の社会の人が見れば、何だと。
 例えば、銀行の、今りそなとかそういうところで、給与水準を下げる、公的資金投入のときは三〇%カットだと。だけれども、どうしてああいうのに、三〇%カットじゃなくて平均幾らになるんだ、職員はこれだけで総額が幾らの人件費になるんだ、そういうところを言わないと、べらぼうに最初から高かったものを下げたって、一般の人にしたら、年収五百万ぐらいの人にすれば、まだおれたちより高いじゃないか、何だあいつらはと。そういったことが幾らもありますから、そういうのは、統計や報告のごまかしというのは幾らも言葉やそういうものを選べばできるということで、そういう点もしっかりとチェックをしていただきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたけれども、内閣官房の方にも来ていただいております。
 今、一応高市副大臣の方から政府指導の事柄についての対応というものを聞かせていただきましたけれども、今、公益とは一体なんだろうかというような、結論のちょっと出しにくいそういう難しいことまでは聞きませんけれども、今政府部内で行われている検討作業、ある意味で時間切れになって、時間延長の中で取りまとめをしておることかと思いますけれども、こういった中で、公益法人制度の改正、改革における大きなざくっとした問題点あるいは論議の中心となっている部分を教えていただければと思います。
 それともう一つ、もう最後の質問になりますので、あわせまして、こういった資料の中には、省庁の許認可でできたはずの公益法人でありながら、所管不明法人というのがかなりの数出てきております。そういった所管不明法人というのがどういうものなのか、どういう経緯で出てきて、今どういう対応をとろうとしているのか、ちょっとその点もあわせてお答えいただければと思います。
小山政府参考人 お答え申し上げます。
 公益法人制度の抜本的改革でございますけれども、民法三十四条に基づく公益法人制度、これは明治二十九年に民法が制定されてから、百四年にわたりまして抜本的な見直しが行われてきていないということもございまして、その運営や指導監督、ガバナンスのあり方などについて、しばしば批判が見られているところでございます。
 その主な問題点として挙げられるものといたしましては、現在の公益法人制度におきまして、法人格の付与と公益性の判断というものが一体となって行われている、この結果、時代の流れとともに公益性が失われたというような状況が見られる場合でも、なかなか法人格を取り消すことができない、したがって、そういった法人が税制等の優遇措置をそのまま受け続けている状況があるということが一つでございます。
 また、現在は、公益法人制度におきましては主務官庁により許可制をとっておる関係でございますが、そこでは、公益性とは一体何かといった判断基準等も不明確であるために、しばしば行政が主導権をとったような法人というものが見受けられるんではないか、その結果いろいろな問題が出ているのではないかという御指摘もあるところでございます。
 そのような問題点を踏まえまして、昨年の三月に、民間非営利活動を我が国の社会経済システムの中で積極的に位置づける、それとともに、公益法人について指摘される諸問題に適切に対処するために抜本改革に取り組むということを閣議決定したわけでございまして、現在、その検討作業を行っているところでございます。現在、改革の基本的枠組み、あるいは今後のスケジュール等につきまして検討を進めているところでございまして、近いうちには政府としての基本的な考え方をお示しできるのではないかと思っております。
 それから、所管不明法人についてのお尋ねでございました。
 正確には私どもの所管事項ではございませんので、あるいは若干未整理のところもあるかもしれませんが、私どもが聞いておるところでは、この所管不明法人というのは戦後の混乱期等におきましてできた法人で、その所管の主務官庁というものが明らかでない法人がかなりあるということから、現在の総務省の官房の管理室が中心となってその対応に努めているということでございまして、かなり作業は進んでいるというふうに聞いております。
 以上でございます。
奥田委員 私の持っている資料は、作業が全然進んでいないという資料でしかありませんので、ぜひともお願いしたいですし、途中経過は資料を見たらわかります。法人格をどうやって与えるのかとは分けて、やはり税制のところが中心議題になっている、そういったような話を聞きたかったのであって、せっかくお出ましいただきましたので、持ち時間も少なかったですけれども、その中ではちょっと残念かなと思っております。
 私自身も、この二万六千以上の公益法人、最初に聞いたときは寒けがして鳥肌が立ちましたけれども、そして常勤職員、これは役員、理事も入れれば五十万。非常勤も入れれば五十五万八千。年間収支が、トータルしますと二十兆五千億にいく、そういった大きな事業をやっておるわけでございます。
 考え方を変えれば、ある意味で、いろいろな民間団体、市民団体、こういった団体ができているということは社会の成熟度が高いという見方もできるかもしれませんけれども、一部の中の、不祥事を起こすそういった団体を見ておりますと、性善説と性悪説で言えば、法を自分たちのいいように解釈して自分たちのいいように使ってしまうというような、やはり本来の法の目的と外れた法人が多くあるということも確かだと思います。
 ぜひとも、今の抜本改革の方針を決めた後に、たくさんの法人がありますけれども、一度総ざらえで再点検と、同じ登録でも、もう一回登録し直すというくらいの検証作業というものが今の公益法人問題にはやはり一番大切なのではないかということを思いますので、ぜひとも精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
村田委員長 後藤斎君。
後藤(斎)委員 大臣、法律の方に入る前に、幾つか確認をしていきたい事項がございます。
 まず初めに、せんだっての委員会でも、関東圏における電力の対策本部を、大臣みずからが本部長になり、つくってまいりました。その後のいろいろな動きにつきましては新聞報道等々で承知はしておりますが、いろいろな、新聞でも書き方がそれぞれ違い、思惑的なものもあるんではないかなと。ただ共通して言えることは、当面、六月の電力不足は回避ということで各紙、一致はしているんではないかなと思うものの、実際の数字的なものを見させていただくと、まだまだ大変厳しい状況が続いていると言わざるを得ません。
 きのう、きょうのように大変暑い六月になりますと、多分、予備力がマイナスになるかもしれませんし、数日前のように若干涼しいとプラスになるかもしれませんが、大臣、その後の電力需給の、六月というよりも七月、八月に向けて、この間どんな形で対応され、そしていろいろ地元の合意形成も、原子力発電所の部分で、少しずつですが進んでいるというふうなお話もございます。それも含めて、この夏に向けての見通しにつきまして大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
平沼国務大臣 後藤先生にお答えさせていただきます。
 最近の新聞報道で、ある意味ではちょっと楽観的な報道が続いているわけでありまして、きょうも私は閣議後の記者会見で、これは、経済産業省が発表をした、そういうものに基づいて出ている記事ではない、こういうことは明確に申し上げさせていただきました。
 これはもう後藤先生もよく御承知のように、過去の最大の、ピーク時でございますけれども、電力の需要量というのが六千四百五十万キロワットでございまして、今、火力発電所を休止中のものを立ち上げたり、他電力会社からいろいろ融通をしていただいたり、また定期検査のものを延ばすというような形でかき集めましても六千万キロワットでございます。今稼働しているのは、東京電力の中の十七基のうち一基にしかすぎません。
 そういう意味では、依然として厳しい状況が続いておりまして、私どもとしては、休止中の原子力発電所に関しましては、やはり立地の地域の皆様方に、一つ一つその安全性というものを確認し点検してその上で御了解をいただいて、そして一つでも多く再起動する、こういうことで努力をさせていただいているところであります。
 それから同時に、もうこれは既に五月八日に、今御指摘のように省内に関東圏の電力需給本部、私が本部長にならせていただきまして、そして節電も含め、あらゆる可能性を網羅して、そして七月、八月のピーク時に絶対に電力の断絶を起こさない、こういう形で今努力をしているところでございます。
 そして、当委員会でも各委員の先生方からも再三再四、私に対してのそういうお話がございました。私も、地元の皆様方の御要望と御要請またタイミング、そういった中で、私も現地に出向いて地域の住民の方々にお話をさせていただき、そして安全性が確立されたものから一つ一つ立ち上げていく、こういう努力はさせていただきたいと思っております。
 今、それぞれ福島、新潟県に起動の可能性のあるものもございますけれども、こういったことも最終一つ一つ安全性を確認して私どもは努力をする。同時に、節電も皆様方に呼びかけて、そして電力の断絶をなくすこと、これが最大の眼目ですから、頑張らせていただきたい、こう思っています。
 それから、後藤先生のちょっとお許しをいただきまして、この場をおかりして、昨年のH2Aのロケットで打ち上げました次世代の無人宇宙実験システム、USERS、これがこの九時五十分に無事帰還をし、これを回収した。これは非常に大変いいニュースでございまして、これによりまして、微小重力の問題ですとか超電導、こういったことの実験をここずっとやっておりましたのが、日本も初めてのケースで、打ち上げた衛星から無事おりてきて回収した。このことは、ちょっと大変恐縮でしたけれども、発表をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)
後藤(斎)委員 最後のところは後でちょっと中小企業のものも若干触れさせていただきますが、日本のいろいろな技術の非常に塊みたいなものがこれから波及することを本当に望むものでもありますし、先ほど大臣がお答えいただいたように、需要、供給、それぞれの角度から、本当に現場の皆さんを含めて御努力されていることはよくわかります。
 だからこそ、私は一点だけ御要請をしておきますと、もう総論の需給だけではなく、具体的にどうするかと以前にも御指摘をさせていただきましたが、そこの部分に入り込んで、節電のPRをする、ないし個々の数字の積み上げはまさにミクロ的な部分の供給をすべて足し合わせたもので、一つがだめになれば連続してだめになってしまうということがないようにぜひお願いをしたいと思います。
 次に入りたいと思います。
 これも、来週から大臣も御同行なさると思いますが、エビアン・サミットがございます。行かれますですね、大臣。行かないんですか。では総理がということで、済みません。
 その中でも、以前もイラクの石油ということでこの委員会でも大臣のお考えをお聞きしましたが、この復興問題がエビアン・サミットで重要なテーマになろうとしております。ただ、私は、これからのエネルギー、特に石油の輸入、供給の問題を考えるときに、イラクの石油開発に我が国がどうかかわるかということが大変大きな、ある意味では節目になるのではないかなというふうに思っています。
 それは、従来からこの委員会でも、また経済産業省でも検討なさっていますように、中東依存度をどう下げていくかということがエネルギー政策の大きな課題であったはずでございます。イラクの石油が再開をすると生産量が大変ふえ、需給が逆に、数カ月前の議論ではない、大きく緩和をされ、OPECの需給コントロールが全くきかなくなって原油価格が今度どんどん安くなるという多分一つの要素もございますでしょうし、天然ガスの問題やほかの再生可能エネルギー、これは八月までにおまとめになるであろうエネルギー基本計画の部分にも私は影響すると思うんですが、このイラクの復興の中で、イラク石油開発、それをどのような形で我が国のエネルギー政策にいい方向に生かすのかどうかという部分での現時点での大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
平沼国務大臣 イラクの復興というのが現実的な問題になってまいりまして、本日の朝の閣議におきましても、日本としてもイラクの制裁というものを全面的に解除する、こういう形でいろいろな面でのイラクとの関係が深まってくる、このように思っております。
 その石油資源開発につきましては、主権を有するイラク国民によってその方針というものが決められるのが大前提だ、こういうことではないかと思っています。
 これは後藤先生ももう御承知のように、イラクというのは世界の中で第二位の石油埋蔵量を有しておりまして、そういう前提を考えますと、イラク原油が国際石油市場に復帰するということは、国際石油市場に新たな供給源が提供されることにより、我が国における中東地域内における多角化の選択肢、こういうものが拡大するということは事実でございます。したがいまして、中東依存度がふえるということを別問題としますれば、選択肢がふえる、こういう意味では望ましい方向ではないかと。
 ただ、今御指摘のように、OPECがこのイラクの戦争の終結状況を踏まえまして、例えば減産に踏み切る、さらにこういう形で新しいものが出てくるというと、いろいろな局面が出てくると思っています。しかし、そういう中で、我が国としては、中東ではありますけれども選択肢が広がるという面では、そういう意味では私どもとしては悪いことではない、こういうことを考えております。
 ただ、長期的に見ますと、中東に偏るということはエネルギーの安全保障上、これは日本にとってはやはり難しい問題だ、こういうふうに思っております。我々としては、やはり天然ガスへの比重を高める、こういうことも国策としてとらせていただくようになりまして、そういう意味では、サハリンの一号、二号、あるいは例えばロシアとの、サミットで小泉総理もプーチン大統領とサンクトペテルブルクでも会談をする、そういう中でロシアとのパイプラインのことも議題に上ると私は思っておりますけれども、そういう、中長期的にはやはり安全保障上の問題で、他地域あるいは天然ガス、そして今御指摘の新エネルギー、そういったものを私どもは積極的に選択をしながら、そして現状のイラクに対しては、その復興に最大限、でき得ることから協力をして、そういう中で選択肢の一つをふやしていく。
 こういうことも、私はエネルギー政策上必要なことだと思っておりまして、そういう観点で私どもは取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。
後藤(斎)委員 ありがとうございます。
 二十八日の経済財政諮問会議の中で、大臣は、前年度予算ベースで翌年度の予算を編成する現行システムは予算配分を大胆に変更できないということで、複数年度の予算管理も含めて御提案をなさったということでございます。私も、以前から幾つかの予算分野ではそうあるべきだという考えを持っておったので、大変心強く思います。
 先ほど大臣が、衛星の回収の問題でお話をいただきました中で、私は、日本の中小企業が持ついろいろなノウハウや、それと大企業との連携、産官学、いろいろな総合施策を経済産業省でやっているものの、その予算ということでいえば、中小企業対策予算というのは一千八百億前後で、補正で担保しながら、常に自転車操業しているということだと思っています。
 せんだって、中小企業白書が、四十周年という記念すべき白書を読ませていただきました。大変いろいろな角度から、我が国経済における中小企業の地位、そして経済再生に果たす役割ということで、金融の問題を含めて多角的に、ある意味で非常に活用がこれからできるおまとめをされているというふうに評価をしたいと思います。
 この中でもありますように、中小企業の経営者が大変な御努力をされている。高度成長のときよりも、むしろこういう低成長、減速成長になったときには、大企業に行きたいという人が行けなくて中小企業にその人材が来るといったものの、なかなかそれも達成できていないということもきちっと現状評価をされております。
 特に、中小企業の経営者の方、この委員会でも何度もお話が出ましたが、ある意味では、数字できちっと整理をされたもの、やはり貸し渋り的なもので、中小企業からの資金需要が大変減っている、そして、経営者も、銀行から拒絶をされると資金需要を縮小する傾向にあるというものが数字でも出ております。そして、政府系金融機関は、貸し渋りが続いている中でもコンスタントに資金供給を続けている、少なくとも数字上はそう見えます。
 特に、これから六月に向けて、ある意味では、中小企業もボーナス時期になります。特段の新しい施策というものは今すぐどうこうということはございませんが、平成十五年度予算でも、幾つか新しい新機軸も含めて、信用保証協会の充実もあわせて対応されておりますが、これから六月末くらいに、中小企業の経営者も、ある方は、個人の資産を担保にして運転資金を借り、それを社員の方のボーナスにしているという会社も、私の知る範囲では幾つかございます。それが本当に正しいかどうかというのは、経営上、プラスマイナスあると思いますが、これから一つの山であります六月に向けて、金融支援も含めてどんな形で対応なさっていくのか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
平沼国務大臣 六月、ボーナス時期を控えて、中小企業の皆様方は大変毎日厳しく一生懸命努力をされているということは承知をしております。
 さなきだにデフレが進行しておりまして、そして売上高の減少、こういうことにも直面をされております。既往の借入金の返済がそういう中で非常に大きな負担になっていることも事実でございまして、御指摘のように、この六月を控えても、中小企業の資金繰りというのは厳しいわけであります。
 こういう中で、当省といたしましては、これまでもセーフティーネット保証あるいは貸付制度の整備に努めてきておりまして、本年四月末までの実績といたしましては、これは後藤先生も数字は御承知だと思いますけれども、二十八万件、そして五兆九千億の融資、保証をこれまで行ってきました。
 また、先般、補正等で十兆円の枠を確保させていただきまして、非常に大胆でそして柔軟なセーフティーネットも構築いたしまして、こういった急場に今間に合うように、どんどんこれは実績が上がってきているところでございます。
 例えば資金繰り円滑化借りかえ保証制度、これはずっと継続中ですけれども、二月十日から受け付けを開始いたしましたけれども、これは三カ月で既に十一万八千件で、そして一兆八千五百億。さらにこれはどんどん伸びている。このことは、こういう六月を控えても非常に私どもはいいことだと思っております。
 また、こういう厳しい中にあって、今、全国に六百七十八の金融機関がございますけれども、そういう中で、特に四百三十七を指定いたしまして、そして、これによって中小企業向けの融資残高の八割はカバーできるわけでございますけれども、そういう当面する厳しい中小企業の皆様方に対しては、例えば中小企業保険法の改正を行って、金融機関の店舗ですとかの統合廃合、金融機関が非常に厳しい状況、そういう中であおりを食らってはいけませんから、今申し上げました四百三十七行を指定しまして、そして広範なセーフティーネット、これを構築して、これまでのところでも四万四千件、そして七千三百億の保証を実施しています。
 こういった形で、今申し上げたような制度というものが継続してございますから、そういった中で、私どもとしては、柔軟に、そして円滑に厳しい六月期の資金繰りが行われるように、政府系金融機関挙げて支援をしていかなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
後藤(斎)委員 大臣が最後にお話しになられたように、政府系金融機関のあり方も含めて、ぜひタイムリーにフォローしていただきたいと思います。
 これは、せんだって、りそなに二兆円の公的資金が投入されたということで、中小企業の経営者の方、むしろ、中小企業白書の四十ページにありますように、大企業の貸出残というものが大きく、特に大手行が減っているというこの現状を踏まえて監視をしていただきたいというふうに思います。
 時間がどんどんなくなっていますので、本論に入りたいと思います。
 先ほど、奥田議員の方からも、平成十一年の基準認証一括法の部分から触れられました。この方向性はまさに、私も、以前この仕事に携わった一人として、正しい方向が、少しずつですが、芽が出てきたなというふうにも評価をしたいと思います。
 ちょうど、十二年の四月一日から、公益法人に限らず民間企業の参入を可能とする制度改正が対応されて、ほぼ三年が経過をいたしました。あわせて、この三年をたった中で、多分、検査、検定の質の向上であるとか、検査手数料の軽減、競争を通じて促進をされたと思いますが、まず、制度改正、平成十一年に基準認証一括法でされた以降の新規参入の実績、そして手数料等どのような変化が行われたのか、簡潔に御答弁をお願いいたします。
中村政府参考人 お答えいたします。
 十一年の基準認証一括法におきましては、六本の法律、電気事業法の一般電気工作物から始まりまして、揮発油の品質確保法、それから消費生活安全法に基づく検査、それから電気用品の特定電気用品、それからLP法の特定液化石油ガス器具の、それからガス事業法のものということで六本制度がございます。
 これらのうち、現在末で新規参入が行われておるものが、電気事業法に基づきます一般電気工作物の調査業務については四十九組合、二営利法人、それから消費生活安全法に基づきましては一営利法人と一公益法人、さらに、電気用品安全法に基づく電気用品の適合性検査につきましては三営利法人と三外国法人が参入してきております。
 また、他方、揮発油の委託分析業務、それからLPガスのガス器具の適合性検査、ガス事業法の特定ガス用品の適合性検査については、新規参入は行われておりません。これは、先ほど指摘がありましたように、マーケットの規模等々によるものと思われます。
 それから、改正後、手数料その他にはどのような変化があったかということでございますが、一般論としては、料金はとっておりませんけれども、新規参入のあったうちの一番大きな一般用電気工作物の調査業務についてあれしますと、平成十四年度末であったものが――十三年度の調査単価の平均で、対前年度比で一七%下がったという結果が出ております。ただ、これは公益法人とあれと分けたものでございませんので、一般論で。
後藤(斎)委員 今お答えいただいたように、それぞれ法律に基づいた検査業務、確かに市場規模が大変小さいもの、経済産業省からいただいた資料ですと、大体一千五百万くらいから、一番大きい、先ほど局長も触れられました電気事業法の一般用電気工作物の調査が二百七十一億円ということで、一千五百万だと、数社が入って競争しても大変難しいものかなという感じはしますが、ただ、今回のこの法律が、実際自由な民間参入が実現をし、検査、検定ビジネスとして、競争を通じて安全性や保安上のベースは確保してもらうのは当然でありますが、ユーザーの方にそのプラスのメリットが働いていくということが最終的な目標ではないかなというふうにも思っております。
 ですから、先ほど指摘がありましたように、法人税が、公益法人が二二、営利法人の方が入られると三〇ということで、このバランスというものをこれからどうするかというのは先ほど大臣から御答弁をいただきましたので、あえてこれにはお答えは結構でございます。
 ただ、私は、一般電気工作物の調査にしても二百七十一億という市場規模でありますし、ただ、実際入っている方を見まして、営利法人が二つだけ、あとは公益法人とそれぞれの都道府県の組合の方が対応なさっているということで、正直言って余り、基準認証一括法の部分では、数はふえてはいるものの、競争条件が整備をされているかというのはこれからよくチェックをしていかなければいけないというふうにも思っております。
 大臣、多分もう時間がないというペーパーが来ますので、最後に一括してお答えをお願いしたいんですが、この法律が改正をされ、法令行為で、登録がだれにでも明確になっていくというものは大きく前に進んだ事項だと思いますが、実際、新しい、新規の方が入られたり、市場規模が小さいところに無理無理例えば新規参入が入ってということは想定をしにくいと思うんですが、今回の見直しで、この安全や検査をするレベルが低下をすることは絶対あってはならない、そのために、その基準をもちろん明示するということでもあると思います。
 それが登録時に検査を、チェックをきちっとするということだけではなく、その後のフォローをどうするかということ、それと価格や質がどうなっているかというもの、質については定量的にはもちろん把握はできないものであると思いますが、その点も含めて、大臣、今回の、この新規参入が促進をされ、制度改正の効果が出るような体制づくりをすることも含めて、この法律改正の持つ一番の方向性というものを大臣の方から御説明いただきたいと思います。
平沼国務大臣 本法律案は、公益法人が国から委託、推薦等を受けて実施する検査、検定等の制度に関しまして、行政の裁量の余地のない登録制度へ移行するため、所要の法律改正を行うものである、そういうことでございます。
 こうした措置は検査、検定等に係る制度において、公益法人に対する国の関与を一層明確化するとともに、公益法人に限らず、一定の能力を有する者の参入にも資するものである、このように考えております。
 この結果、登録機関の間で競争原理が働くようになることによりまして、事業者のニーズに合致した価格あるいはサービスの提供が行われることによりまして、ひいては自由な発想を生かした民間検査ビジネスの活性化にもつながる、このような期待を持っているわけでございます。
 本法案というのは、検査、検定等に係る指定、認定制度を登録制度に移行して、今申し上げたように国の関与というのを明らかにすることにあります。そしてその登録機関というのは、一定の技術的な能力を有すること等の要件に適合していることが求められておりまして、これらの要件を満たさない申請者については、当然のことですけれども登録を受けることができないとされております。
 今回の改正においては、登録機関が行う検査の内容を定めた技術基準については変更しておりませんので、従来と同等の安全性のレベルを維持することとしております。
 さらに、仮に登録機関の行う検査等が適正に行われていないとき、あるいは登録後に登録機関が登録案件を満たさなくなったときは、国は必要に応じ立ち入り検査を行うとともに、当該機関に対して適合命令あるいは改善命令を出すことができることとされておりまして、登録機関がこれらの命令に従わないときには、当然でございますけれども登録を取り消すことができるようにしております。
 こうしたことによりまして、政府といたしましては、これらの措置を適切かつ機動的に講ずることによりまして、御指摘の安全性の面につきましては万全を期していく、こういうことでございます。
後藤(斎)委員 ぜひ事後チェックも含めて対応をお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございます。
村田委員長 土田龍司君。
土田委員 おはようございます。公益法人に係る改革という法案でございますが、ちょっと私は、改革という言葉に値しないんじゃないかなと。公益法人の中の改革であって、本来、改革というのは制度を変えることを改革というわけです。我が国にとってこの公益法人のあり方、どういうふうにすべきか、国民生活を守るための必要な事業を行わなきゃならない、あるいはそのために公益法人をつくることがいいのかどうか、公益法人に補助金を出すことがいいのかどうか、どういった方法で我が国の制度としてやっていくかということを変えるのが改革でございまして、この程度のことは改革と言わないんです。小泉内閣は改革が大好きでございまして、何か言うとすぐ改革だ改革だと言うんですが、公益法人の本質にかかわる問題、これを変えなければほとんど意味がないというふうに私は最初から直観しておりました。
 ですから、余り大した改革でないし、本当に、どうでもいいとは言いませんけれども、大事なことだと思いますけれども、それほどのものじゃないというふうに私は思っております。後ほどその公益法人のあり方について質問いたしますけれども、まず、幾つか感じたところを質問させていただきたいと思っております。
 今回、純粋な民間会社が参入をして、公益法人と一緒になって競争しながらやっていくわけでございますけれども、今後、公益法人の役割を、あくまで民業の補完である、民業がメーンであって、公益法人は、もうからないところとか余り人がやらないようなところをやるというような方向性に行くべきであると思うんですが、どういうふうに考えられますか。
北畑政府参考人 営利企業と公益法人の関係についての御質問でございますけれども、平成八年の公益法人の設立許可及び指導監督基準、それから平成十年に関係閣僚会議幹事会申し合わせに基づく公益法人の営利法人等への転換に関する指針というものがございまして、これに従って、具体的な、適切な対応をとってまいりたいと思います。
 具体的に申し上げますと、委員御指摘のとおり、営利企業と事業を競合し得るような状況になった場合には、委員御指摘の補完的関係ということでございますけれども、例えば営利法人等がカバーし切れていない地域あるいは業種、技術分野、こういったものを対象にするということによりまして、公益法人の事業の公益性を高め、営利法人と補完的な関係になるように改善を図るよう指導していく、こういう方針で臨んでおります。
土田委員 次に、公益法人が検査、検定ビジネスをして、純粋な民間会社と同じような業務をやるわけですね。それならば、公益法人も今のままでなくて、株式会社に組織転換したらどうか、こういう考え方も当然あるかと思うんですが、これについてはどういうふうに考えますか。
北畑政府参考人 ただいまの、お答えいたしましたとおり、第一には補完的な関係に持っていくという指導をいたすわけでございますけれども、こういった指導によりましても改善が図られないといいますか、民間営利企業と競合し得る、競合するという状況になった場合には、先ほど申し上げました平成十年の申し合わせに基づきまして、公益法人の当該事業の廃止、当該事業の営利法人等への転換あるいは営利法人への譲渡、こういったことを含めて事業の見直しを指導していく、こういった方針で望みたいと思っております。
土田委員 今回、法令に明記された、一定の要件を満たすものであれば登録を受けることができるとなっているわけですね。公益法人が申請を受けて登録を行う場合に、民業の補完であるんだ、そういったことを審査する必要があるんじゃないかと思うんです。
 あくまで民業の補完であるという前提のもとに、登録理由を公開するということも考えられると思うんですが、これについてどう考えますか。
中村政府参考人 二つの側面からこの問題はあると思いますが、まず一つの側面として、この法律については、検査、検定に係る指定、認定制度を登録制に改め移行する、登録要件を法律上明確にして公益法人に対する国の関与も含めて透明性を増すものであります。
 この登録制においては、検査、検定等を行う機関が一定の技術的能力等を有する等の要件を満たしている場合には、公益法人であるかどうかということにかかわらず参入は認めるという形になっております。
 他方で、公益法人のあり方の問題としては、先般官房長が説明しましたように、平成八年に閣議決定された公益法人の設立許可及び指導監督基準においては、事業内容が、社会経済情勢の変化により、営利企業の事業と競合し、または競合し得る状況になっている場合には、公益法人としてふさわしいと認められる事業内容の改善等に向けた措置を講ずることとされており、公益法人に対する立入検査等に、同指導監督基準に照らして措置を講ずべき事態が生じている場合には適切に処理していくということになっております。
 また、議員が指摘されました登録理由の公開については、先般の、昨年三月閣議決定におきまして、公益法人に対する国の関与等を透明、合理化するための措置として、各省は、指定、登録の理由等についてインターネットで公開することとされており、当省としてもかかる措置を講じたところでございます。
土田委員 次に、優遇税制の件です。
 今回の改正によって登録制度になることによって、公益法人と民間会社と同じ市場で競争するわけです。いわゆる同じ土俵でこれから戦っていくわけでございますけれども、公益法人には優遇税制が認められております。ところが、民間会社、株式会社の方はそれがないわけでございまして、同じ土俵でやりながら不利な条件を強いられるということになると思うんですけれども、これについてはどういった対応をしますか。
北畑政府参考人 公益法人につきましては、その法人の性格から一定の税制上の優遇措置が講じられているのはもう委員御案内のとおりでございます。ただ、その後の社会情勢の変化によりまして、公益法人の行う事業が多様化した結果、民間企業と競合関係にある事業というものが生じ、それに対する課税についてアンバランスが生じているのではないかということにつきましては、そういう御指摘があるということは十分承知をいたしております。
 現在、公益法人制度の抜本的改革につきまして、内閣官房行政改革事務局を中心に検討が進められております。この中で、御指摘の公益法人に対する優遇税制のあり方につきましても検討をするということになっておりまして、当省といたしましては、その検討結果を踏まえまして対応してまいりたいと考えております。
土田委員 その検討結果というのは、いつごろ出る予定なんですか。そうしたときに、同じ土俵では戦えないので、今回法律が改正されるわけですね。そういった不利な条件下で、できないんじゃないかと話しているんです。いつごろ答申が出るのか、そしてその不利な条件をなくすためにはどうするかということをもう一度お答えください。
北畑政府参考人 内閣の方でお答えいただくべき性格かもしれませんが、私どもが聞いている範囲で申し上げますと、この検討はかなり時間がかかる、一年程度、あるいはそれ以上かかるのかもしれないというふうに聞いております。
 公益法人の税制のあり方につきましては、本来は公益法人というものが営利を目的としない活動を行う法人であるということ、もうこれは委員御承知のとおりだと思いますけれども、主務官庁の設立の許可、指導監督があること、解散時の残余財産が構成員に帰属しないといった営利法人とは異なる性格に基づいてこういった税制が講じられておるわけでございまして、こういった本来の趣旨と、社会情勢の変化によりまして民間企業と競合関係が生じてきてそこの部分についてアンバランスがあるという委員御指摘のような指摘、この関係をどう整理するかということだと思います。
 私どもとしては御答弁しづらいわけですけれども、内閣での検討の結果をもう少し待ちたいということでお許しをいただきたいと思います。
土田委員 次に、補助金の件なんですが、税制の優遇措置だけではなくて、国は公益法人に対して補助金や委託費を出しているわけですね。その総額は幾らかという質問がまず第一。
 それから、経済産業省所管の公益法人だけでも年間二千億円でしたっけ、支出されている。国の補助金や委託費のあり方について、必要性について、どのように考えておられますか。
北畑政府参考人 私どもの所管の公益法人についてでございますけれども、二百二十二法人に対して補助金、委託費の合計額が二千五十六億円ということでございます。公益法人全体では年間の収入合計が一兆三千七百二十億円でございまして、このうちの二千五十六億円という比率になります。
 それから、公益法人に対する補助金、委託費のあり方についての御質問でございますけれども、公益法人を対象に委託費、補助金を出すということではなくて、あくまでも、委託費、補助金が必要な場合にどこに出すのが適切かという判断をいたしておりまして、委託費、補助金が本来必要かどうかということを厳格に見直すという点がまず大前提でございますが、そういった上で政策上必要だと認められた国からの補助金、委託費につきまして、それを実施するのが、まず国あるいは独立行政法人がやるというのが原則でございますけれども、これが執行上の理由その他から適切でないといったときに、公益法人に知識、ノウハウがあり効率的、効果的に実施できると判断する場合には、こういった公益法人に委託費、補助金を出す、こういった考えで処理をしておるところでございます。
土田委員 これは一応やはり大臣に聞いておきたいんですけれども、今の答弁の中で、年間一兆三千億円の補助金が出されている。国家予算の中から一兆三千億円の……(北畑政府参考人「二千五十六億円でございます」と呼ぶ)いや、それは経済産業省でしょう。国家としては、国としては一兆三千億が出されておる。この今の答弁で、必要かどうかという問題ではなくて、どういったところに使うのかが議論されているわけですが、本来必要かどうか、公益法人に出す一兆三千億ものお金が。このあり方について、大臣、どう考えておられますか。
北畑政府参考人 私の答弁、ちょっと不適切でございましたので、答弁を変えさせていただきます。
 一兆三千七百二十億円というのは、委託費、補助金の額ではございません。私どもの所管の八百七十四法人の年間収入額、これは会費収入、事業収入を含めた額でございまして、この一兆三千七百二十億円のうち、補助金、委託費が占めている部分が二千五十六億円ということでございまして、政府全体で一兆三千億補助金、委託費を出しているということではございません。もう少し正確に御答弁を……(土田委員「政府全体は、では幾らですか」と呼ぶ)政府全体、ちょっと把握をしておりません。
土田委員 金額はともあれ、こういった巨額のお金が出されている。これについて大臣の答弁をお願いします。
平沼国務大臣 公益法人のあり方で、やはり一般の営利企業ではできないところ、そして、いろいろな必要性がある、そういう判断の中で、今巨額だという御指摘がありましたけれども、そういう費用が支出をされていると思います。しかし、これは、やはり国民が納得いく形で本当に精査をして、そしてしっかりと管理をしてやらなければならない、これは基本的にそうだと思っています。
 そういう意味で、今それだけの必要性があって、そしてそれが出ている、こういうふうに判断しておりますけれども、さはさりながら、こういう時期、国民の皆様方が今の経済状況の中で厳しい思いをされています。しかし、その公益法人の中には、経済を活性化する、あるいは新しい技術をつくっていく、あるいは新しいそういう流れをつくる、こういう活動もしているわけですから、私どもは、そういう中で、必要なものはやはりきちっとやらなければいけませんけれども、不必要なものは厳正に管理をする、こういう基本姿勢が私は大事だ、こういうふうに思います。
西川副大臣 今の大臣の御答弁の細かな部分を、ちょっと私補足をさせていただいてよろしいでしょうか。
 今大臣がお答えになりましたとおりでございますが、細かな具体的なことで申しますと、その二千五十六億円は人件費は一切出ておりません。役員報酬等は一切出ておりません。今後もこれは出さない予定であります。
 政策ニーズの高い研究開発でありますとか、中小企業支援でありますとか、専門的人材の養成でありますとか、そういうところに使っておりますので、これは私は必要なものであるというふうに考えておるわけでございます。
土田委員 いや、必要かどうかというのは当然のことでして、必要だから出すんでして、国家財政の中で一兆円を超えるようなお金がそこだけに必要かどうかという話なんですよ。それは当然大事なことですから予算措置をしなきゃなりませんけれども、そういった仕組みを変えることが改革だと言っているんですよ。今回のなんか改革じゃないですよ。
西川副大臣 さっきから官房長も御説明をしておりますが、委員にぜひ御理解いただきたいのは、一兆三千億というのは八百を超える、九百に近い我が省所管の公益法人のすべての収入でございます。事業収入でございます。我が方の補助金は二千五十六億、一兆というのはそっちの……(土田委員「国全体として公益法人に幾らの」と呼ぶ)それはちょっとわからない。
土田委員 さっきから聞いているんだもの、だって。資料がなけりゃしようがないけれども。
西川副大臣 すべてのことについては、ちょっと時間をいただいて、調べて後ほど御答弁します。(発言する者あり)
土田委員 五千八百億円だそうです。そのうちで経済産業省が非常に大きな割合を占めている。
 次に、天下りの問題なんですけれども、公益法人に対して再就職といいますか天下りが必要以上に行われているんじゃないか。いわゆる利用されているんじゃないかという気持ちがあるんですが、まず、経済産業省所管の公益法人への天下りの人数について伺い、そして、天下りの実態について是正する気があるのかどうか、これもお尋ねしたいと思います。
北畑政府参考人 当省所管の公益法人における当省出身者の数についての御質問でございますけれども、平成十三年十月現在の調査でございますが、百七十七法人に二百二十九名の常勤理事が就職をいたしております。
土田委員 後半の答弁が抜けていましたよ、官房長。その人数はわかりました。この天下りの実態について是正する気が政府はあるのかどうか。
平沼国務大臣 公益法人のそういう天下り、役員の選定については、あくまでも当該公益法人の評議会あるいは総会または理事会などの意思決定機関の判断によるものでございますけれども、公益法人への退職公務員の再就職については、こうした公益法人の民間法人としての性格を踏まえつつ、政府としては、御承知のように、次の二つのルールというのが閣議決定されているところであります。
 一つは、平成八年の九月に閣議決定された指導監督基準では、理事のうち所管する官庁の出身者が占める割合は、理事の現在数の三分の一以下とする。それから、平成十三年末に閣議決定された公務員制度改革大綱では、退職公務員の役員就任状況について適切な情報開示に努めること。
 また、当省所管のすべての公益法人につきましては、理事全体に占める当省出身者の割合はそういう指導基準を満たしていると思っておりまして、公務員制度改革大綱に基づいて、退職公務員の役員就任状況を公表しています。
 しかし、いずれにいたしましても、やはりこういう天下りというものは、非常に世間からもいろいろな御指摘があります。そういう中で、こういう厳しい中で、私どもは、そういう閣議決定に従って、そして国民が納得できる、そういう体制で臨んでいかなければならない、こういうふうに思っているところであります。
土田委員 公益法人は、主務官庁の許可なくしては設立できないということになっているわけですね。主務官庁の監督に服しているというところが天下りの温床になっているんじゃないか。
 特殊法人、独立行政法人、こうした公益法人、天下りの非常に大きな部分を占めているわけでございますけれども、今回の公益法人の件で、一番議論が進んでいると思うんですけれども、主務官庁制の廃止、こういったことをおやりになる気はないのか。議論が出ているだけじゃなくて、公益法人そのものに関連することなんですが、これについてはどう考えますか。
平沼国務大臣 公益法人の主務官庁制につきましては、自由裁量による許可主義をとっていることから、法人設立は簡便でないこと、それから、同一法人に対しても事業分野ごとの主務官庁の指導監督があり極めて煩雑であることなどの弊害が既に指摘されています。
 現在は、こうした点を踏まえまして、内閣官房において公益法人制度について抜本的な見直しに取り組んでいるところでございまして、当省といたしましても大変重要な課題と認識しておりまして、取りまとめられる方針に従って、この問題は積極的に取り組んでいかなければならない、このように思っております。
土田委員 先ほど、北畑さんの答弁の中に、検査の質は維持されていくんだというような話がありましたけれども、今回、株式会社が参入してくるわけでございますけれども、検査料のダンピングが行われないか、あるいは検査の質が落ちないか、そういったことが懸念されるわけでございますけれども、ダンピングというのは、値下げすることによって競争相手を排除する、そのための心配がないか、この点についてはどうでしょうか。
中村政府参考人 まず、質の点でございますけれども、今回の法案は、いわゆる今までの検査、検定に係る指定、認定というものを登録制に改めるということで、技術基準等々を緩めるということではございません。
 この登録制度につきましては、したがって、要件を満たさない申請者については登録を受けることができないこととされておりますし、また、その後おかしなことがないかということにつきましては、立入調査をするなり、それから必要に応じて改善命令、どうしても従わないときには登録の取り消しということができるような形になっております。そういう意味で、安全面についてはこれからも、確保について万全を期してまいりたいと思います。
 それからダンピングについてでございますが、私ども、ある程度競争が強化されてコストパフォーマンスがよくなるということを期待しておる、そういう意味で、値段が下がることは期待しておりますけれども、いわゆる原価割れであるとか不公正な取引になる場合には、公益法人を含めていわゆる独禁法のというか公正取引対象になりますものですから、そういうものを見ますし、公益法人がおかしなことをやっているということであれば、当然、指導の対象になるというふうに考えております。
土田委員 最初の、質の問題なんですけれども、そういったことは想定しないといいますけれども、お金が動く可能性があると思うんですね、お金を渡して少し検査を甘くしてもらうということは当然考えられるというふうに思うんです。競争が激化していく、そして、お金によってある程度の検査基準を、基準以内であっても、甘くしていくということは当然あると思うんですが、この点についてはどう考えますか。
中村政府参考人 仮にそういう、検査する人間が例えば相手方から金品をもらってしまったとかいうことであれば、当然、事後監督、是正措置の対象になります。また、法人に対して従業員がそういうことをないしょでやれば、当然それは背任等の問題になってくるというふうに考えておりまして、我々、そういうものに対してきっちり、当然、登録制をしいておりますから見直す、それで是正措置をやる。要件の中にも、公正にやることということが入っておりますので、その点は万全を期していきたいというふうに思っております。
土田委員 最後の質問になりますけれども、国がやることは国がやる、民間がやることは民間がやるという、その官と民の役割を明確にして、今後、思い切った公益法人改革を期待しているわけです。
 冒頭言いましたように、改革というのはそういうことであって、小さなことをやることは改革じゃございません。国家としてはどうやるかということでございますので、今後、公益法人をどうしていくのか、これについては大臣の決意をお尋ねしたいと思います。
平沼国務大臣 公益法人制度につきましては、民法制定以来、実に百年以上にわたって抜本的な見直しが行われていないわけであります。今日の社会経済性に即した見直しを行うことは当然重要なことだ、こういうふうに思っておりまして、先ほど来御答弁しておりますけれども、内閣官房において抜本的な改革に取り組んでいるところでございます。私どもといたしましても、その取りまとめられる方針に従って積極的に取り組んでいって、そして国民の御納得を得られるような、そういう改革にしていきたいと思っております。
 最後に先ほどの、国全体の数字でございますけれども、五千七百九十九億円でございますので、御報告させていただきます。
土田委員 以上で終わります。
村田委員長 塩川鉄也君。
塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 今回の公益法人改革の法案で、改正対象の多くを見ますと、検査法人等について、指定制度、認定制度から登録制度に変えるという趣旨のものであります。その趣旨についてのいろいろな説明では、いわば行政裁量を排除するということと聞いているわけですけれども、では、現行の指定制度や認定制度では、現行におきましては行政の裁量によって不公正な運用がされていたのか、その点について大臣にお聞きします。
平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
 公益法人が国から委託、推薦等を受けて行っている検査、検定等の事務事業につきましては、従来から、現行の指定、認定制度のもとで、法律から政省令等に委任された指定、認定基準に基づきまして、行政として透明かつ公正な運用に努めてきたところであります。
 一方、公益法人に対する行政の関与を一層透明化するとの観点から、かかる指定、認定制度につきましては、今般、登録制度に移行することとしておりますけれども、これにあわせまして、行政の裁量の余地を可能な限り排除するとの観点から、登録基準につきましては、行政により制定される政省令ではなくて、国会の審議を経た上で制定される法律において規定すること、このようにいたしました。また法律上も、「要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。」と規定して、行政の裁量の余地を排除することとしたものでございます。
 したがいまして、今回の改正により導入される登録制度においては、公益法人と国との関係は一層明確化されるとともに、国の裁量の働く余地のない制度となる、このように私どもは理解をしているところでございます。
塩川(鉄)委員 一層透明化するのとあわせて裁量の余地をなくするということですけれども、これで実態が変わるということであれば今までは裁量運用していたということになるわけで、裁量運用していないということであるならば、今回の改正というのは、国民の目から見れば、実態は変わらずに看板のかけかえをしたというふうにとらざるを得ない。
 公益法人改革などの一連の議論というのは、やはり国民の皆さんから天下りの問題などについての厳しい批判があった、こういうものに正面からこたえるかどうかということが今問われていると思います。いただいた資料でも、どの公益法人にも満遍なく天下りがあるわけで、今回の法改正で、何か国民が納得するような天下りについての規制というのが行われるのか、この点をお聞きしたいと思います。
平沼国務大臣 本法案は、昨年三月に閣議決定をされました公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画に基づきまして、公益法人が国から委託、推薦等を受けて行っている検査、検定等の制度を、繰り返しになりますが、登録制度に移行するものであります。この登録制度は、議員御指摘の天下りの是正といった観点からではありませんけれども、登録要件を法律上明確に規定することにより、国の裁量の余地をなくすことをその目的として導入を行うものであります。
 また、昨年三月の閣議決定においては、登録制への移行のほかにも、例えば、公益法人の役員報酬に対する国の助成は基本的に一律廃止といった措置を講じることとされておりまして、政府として、かかる措置を着実に実施してまいる所存でございます。
 さらに、経済産業省といたしましては、平成十三年末に閣議決定された公務員制度改革大綱に基づきまして、所管の公益法人に対して、国所管のすべての公益法人について、国家公務員出身者である役員の官職の公表、さらには、国と特に密接な関係にある公益法人については、役員の報酬、退職金が国家公務員の給与、退職金の水準と比べても不当に高過ぎないように是正することについて指導、要請を行っております。公益法人が再就職の安易な受け皿となることがないように努めてきたところでございまして、引き続き、天下りの問題も含めて努力を続けていきたい、このように思っております。
塩川(鉄)委員 今回の法案を見ても新たな天下り規制のようなものは行われていないわけで、結局、この法案というのが、指定、認定制度を登録制度に変えるだけで、いわば看板をかえるものだ。本来、国民的な関心でもある天下り規制などに手も打たれないというものであれば、私は、やはりそもそも改革の名前に値しない、そういうことを強く指摘せざるを得ません。今求められているのは、国民や中小企業の暮らしをしっかり支援するための取り組みであり、公益法人の役割もこの点で問われているわけであります。
 そこで、公正取引委員会に聞きますが、トラック事業の公平な競争の確保のために、事後チェック体制を強化する手段として公益法人が活用されています。地方貨物自動車運送適正化事業実施機関として公益法人であるトラック協会がその任に当たっているわけですが、今トラック業界は不況下の仕事の激減と運賃引き下げ競争で深刻な事態にあります。
 先日の参議院での委員会審議の際に、我が党の西山登紀子参議院議員がトラック業界の現状を示して、荷主の責任にメスを入れた改正が必要ではないかと質問したのに対し、竹島委員長から、下請関係で荷主と運送事業者の関係を仕切るというのはなじまないので、荷主と運送業者との間について特殊指定するという方向で独禁法の適用を進めていきたいという答弁があったことに関心を寄せております。
 ここで言う特殊指定というものはどういうものなのか、この点をお聞きします。
楢崎政府参考人 御説明いたします。
 独占禁止法上不公正な取引方法が禁止されているわけでございますけれども、不公正な取引方法は、具体的には、二条九項の規定によりまして、公正な競争を阻害するおそれがあるものとして公正取引委員会が指定する行為でございます。そして、公正取引委員会が指定する行為につきましては、あらゆる業界に対して適用される不公正な取引方法を指定しているものとしていわゆる一般指定というものがございますけれども、この一般指定のほかに、特定の業界、特定の分野ごとに具体的に不公正な取引方法を定めるものをいわゆる特殊指定というふうに言っているわけでございます。
塩川(鉄)委員 ここで運送業者としている範囲ですけれども、これは陸運だけではなくて、海運や航空運輸なども含まれるという意味なんでしょうか。
楢崎政府参考人 先ほど御説明いたしましたように、不公正な取引方法が行われている蓋然性が高いような業種、分野といったものについて特殊指定というものがなされるわけでございますので、我々として、今荷主と運送業者との関係で不公正な取引方法があるというふうに指摘されているのは、例えば貨物自動車運送業あるいは内航海運業といったものを念頭に置いて作業を進めているところでございます。外航海運とか航空は今念頭に置いてはございません。
塩川(鉄)委員 もともと、この特殊指定をされる場合には、優越的地位の乱用行為が行われる蓋然性が高い分野と認識していることが前提にあるわけですけれども、公正取引委員会として、貨物自動車運送業、内航海運という話がありましたけれども、現状をどのように認識しているのか、具体的にどのような問題があるのか、この点をお聞きします。
楢崎政府参考人 私ども公正取引委員会の方でトラック業界とか内航海運等を調査しているわけでございますけれども、そこは、荷主と運送業者との関係を調査してみますと、やはり大企業、大規模事業者と中小の運送業者との間の取引があり、また取引依存度というものが非常に高いというふうな傾向がございます。
 そうした、取引依存度が高いといったところから、荷主から不当な行為を要求されてもそれを受け入れざるを得ないというふうなことが指摘されているわけでございまして、例えば荷主とトラック運送業者との関係におきましては、代金の減額の要請が約四〇%ある、あるいは著しく低い対価での取引の要請が三七%ある、あるいは商品の購入要請が約二〇%ある、あるいは協賛金の要請といったものも十数%ある、こういうふうな、私どもの調査、アンケート調査への回答といったものはこんな状況になっているところでございます。
塩川(鉄)委員 もう少し具体的に聞きたいのですが、例えば、代金の減額が具体的にどんなことが行われているのかということと、あと物品の購入要請、購入強制、これがどんなことが具体的に現場で行われているのか、事例で紹介していただきたいのですが。
楢崎政府参考人 少しオペレーターとの関係等を、内航海運の例なんかによりますと、例えば、オペレーターA社から、荷主から損害を受けられたといったことで、合理的根拠が明らかにされないままに協力金を要請されたとか、あるいは、一たん定められた運賃を決算対策で赤字になるといったことから減額を要請されたとか、さまざまな事例がございます。
塩川(鉄)委員 従来、いろいろな問題がある分野があった場合にはガイドラインを指定してきたわけですね。運送を含めた役務については役務ガイドラインというものがあるわけです。
 そうしますと、今回の特殊指定と言われているものはこのガイドラインとどう違うのか。要するに、より効果があるからという趣旨だと思うんですが、ガイドラインと特殊指定の違いについて説明をお願いします。
楢崎政府参考人 公正取引委員会はさまざまなガイドラインをつくっておりますけれども、ガイドラインは、あくまでも独占禁止法の解釈を、公正取引委員会の解釈あるいは運用方針を示したものでございます。したがいまして、ガイドラインに違反するからといって、直ちに独占禁止法違反になるわけじゃない。ガイドラインに照らして独占禁止法違反かどうかを判断する、そのための材料としてガイドラインをつくっているわけでございます。
 一方、特殊指定は、先ほど申しましたように、独占禁止法の規定に基づきまして不公正な取引方法を具体的に公正取引委員会が指定するものでございます。したがいまして、特殊指定に違反する行為は独占禁止法の不公正な取引方法になるということでございまして、法的拘束力を持つ規範性のあるものということで、ここが一番の点でございます。
 それから、特殊指定をつくりますと、当然、私どもとしてそういう特殊指定が遵守されているかどうかというふうな調査を定期的に行ったりしますので、規制の実効性といったものが上がっていくのではないかなというふうに考えております。
塩川(鉄)委員 従来、特殊指定をしているような分野がありますね、百貨店ですとか。こういったところで特殊指定がされたことによっての効果がどのように見えたのか、そういう実態についてはおわかりになりますか。
楢崎政府参考人 例えば、百貨店業における特殊指定といったことで、手伝い店員の派遣とかさまざまなことを規制しているわけでございますけれども、百貨店業におきまして、各社、コンプライアンス体制をつくるということ、あるいはチェック体制をつくっていくといったことで、特殊指定に沿った形で業界取引を考えていこうといったことでコンプライアンス等がつくられることもありまして、そういう不当な行為を抑止する効果といったものはかなりあるのではないかなというふうに考えてございます。
 また、教科書業における特殊指定というものがあるわけでございますけれども、教科書の誹謗中傷等の行為を厳しく規制がされているところでございますので、違反の抑止あるいは未然防止といった観点からはそれなりの効果があるものというふうに考えてございます。
塩川(鉄)委員 実際に特殊指定をして、具体的に列挙し、それに違反するような行為であれば独禁法違反というふうになるわけですけれども、どういう具体的なものを列挙するように考えているのか、不公正な取引方法をどのように列挙するのか、今お考えのところを聞かせてください。
楢崎政府参考人 一つは、こういった特定の業界において優越的地位にある場合をどういうふうに考えるかというのを、少し、優越的地位にあるかどうかという物差しといいますか基準といいますか、そういったものをできれば明らかにしたいというふうに考えてございますし、また、先ほど御説明いたしましたように、業界等で問題にされている行為といったものを今我々も調査しているところでございますし、これからももう少し実態把握をして、例えば、不当な減額でございますとか、商品の購入強制でございますとか、人員の派遣とか、そういった、今現実に問題となっている行為を具体的に規定したいというふうに考えてございます。
塩川(鉄)委員 荷主と運送業者との関係について特殊指定を行うということですが、これはいつから実施する予定のものなんでしょうか。
楢崎政府参考人 特殊指定というのを検討するというきっかけは、下請法の対象にサービス、運送業も入れるといったことでございますけれども、それで、下請法の対象とならない荷主と運送業者との関係を特殊指定で定めていこうということでございますので、国会でこれから御審議されるでございましょう下請法の改正法案の施行との関連におきまして特殊指定をつくっていきたいというふうに思ってございます。
塩川(鉄)委員 そうしますと、下請代金法の改正が施行するのとあわせて実施をするというふうに考えてよろしいんでしょうか。確認。
楢崎政府参考人 基本的に、そんな方向で考えてございます。
塩川(鉄)委員 今、特殊指定について、荷主と運送業者との関係で指定する話を聞いたわけですが、もちろん運送業界での元下関係だけではなくて、実際には荷主に大きな責任が問われていく。このことは、参議院の審議の中でも大いに議論になった点であります。
 そういう点では、荷主に限らず、要するに発注元とそれを受ける取引業者との関係というのが全体としてやはり今大きな問題が生まれているんじゃないか。例えば、ビルメンテナンス業界みたいなところでも、元下関係ももちろん問われなければならないけれども、発注元の価格の引き下げというのが一番大きいというのが業界としての共通の認識であります。
 ですから、荷主と運送業者の関係以外で特殊指定をする考えというのはあるのかどうか、今の段階での取引委員会の考えを聞かせてください。
楢崎政府参考人 今回、サービス業における下請取引といったものについて下請法の改正をお願いしているところでございますけれども、仮に成立し施行されるということになりますと、下請取引の問題について我々も実態を調査いたしますけれども、そういった調査の中で、発注者との関係といったところに問題があれば、それが下請の方に転嫁されてくるということになりますので、我々も、下請法の運用を通じまして、発注者といいますか、ユーザーとの取引のところにつきましても実態把握に努めてまいりたいというふうに思います。そして、そういう実態把握の中で特殊指定をする必要性が特に認められるということであれば、荷主との関係だけじゃなくて検討していくことも当然あり得るものと思っております。
塩川(鉄)委員 今回、下請代金法に基づいて適用範囲が大きく拡大をする、役務全体に広がるということでは、三十万社ふえ、倍になるということが言われているわけです。そういう点でも、これをしっかりと執行する体制が今問われてくるわけですね。
 この点では、もちろん中小企業庁、何よりも公正取引委員会がそういった体制強化に努めなければいけないわけですけれども、役務のそれぞれの適用となる業種、業界を所管する官庁においてもこれについての責任が問われてくると思います。
 従来からも、造船業については、かつての運輸省の所管という形で調査の権限などが与えられていたわけですね。そういう点では、ほかの省庁についても、当然のことながら新たに適用されるわけですから、そういった調査権限をしっかり発揮してもらわないといけない。
 こういう点で、体制の強化なり、こういった執行上の強化ということで、今、公正取引委員会として考えていることがあれば示していただきたいと思います。
楢崎政府参考人 下請法が改正されて施行されるということになりますれば、当然、我々、下請取引検査官の増員も必要でしょうし、また検査官自身の新しい分野、我々製造業のところについてかなりノウハウを持っているわけでございますけれども、サービス業のところの新しい分野でございますけれども、そういった分野における取引についての専門性あるいは能力向上といったものを高めていく必要もございます。
 それと、先生から御指摘のように、公取あるいは中小企業庁だけで運用するんじゃなくて、やはり所管省庁、所管官庁におきましても調査権限があるわけでございますので、公正取引委員会、中小企業庁、所管官庁、調査の協力体制といったものをぜひ築いていきたいというふうに思っております。
塩川(鉄)委員 そういう点での一番の力となる下請検査官の増員も必要なわけですが、これは、来年度などについて、下請検査官の増員、専任ということでは、公正取引委員会の考えがあるんでしょうか。同時に、ほかの、新たに役務が拡大するその業を所管する官庁において下請検査官を配置するような話というのは、公正取引委員会としては把握されているんでしょうか。
楢崎政府参考人 具体的に何人増員するというふうなことを今ここで申し上げることはできませんですけれども、また他省庁におきましても、それぞれの立場におきましてどういうふうな体制を講ずるかといったことが検討されるんじゃないかなというふうに思っております。
塩川(鉄)委員 今、新たに下請法の適用となる業種を担当する省庁に聞いても、下請法の執行に当たっての体制についてはなかなか自分の方から言い出せない、どっちかというと、人ごととまでは言わないけれども、公正取引委員会の方から言ってもらえれば増員などについて考えてもらえるんじゃないかという点では、実際に業種が倍になっても、それをしっかりと執行する体制が整わないというのが今の現状だと思うんです。
 そういう点でも、下請検査官の増員なども必要なわけですが、どうでしょう、下請検査官をほかの省庁でもきちっと確保するという点で、大臣。
平沼国務大臣 今、こういう厳しい中で、公務員の定員というのは非常に厳しい状況であります。当省といたしましても、例えば特許庁におきましても、必要なところに対しては我々は増員要求を行って対処してきております。
 ですから、今回の法律の改正によりまして新しい分野も入ってきて、そういう中で一定の人員の増というのは必要性が高まってきていると思っておりますので、私どもも、公取と相談をしながら、厳しい中ですけれども、最大の効率が出るように努力もしながら、増員のことも私どもは視野に入れてしっかり頑張っていかなければならない、こういうふうに思っています。
塩川(鉄)委員 トラック事業法の昨年の改正において、今、過労運転防止などの対策が安全対策として強化をされました。同時に、競争の公正の確保ということで、その運用体制の強化を図る、その一環として、先ほど申し述べたような、適正化事業実施機関として、トラック協会が実際に事業所を訪問して調査をするですとかいうことが行われているわけですね。
 そういう点でも、これはあくまでもトラック事業の規制緩和の中での公正性の確保という観点ですけれども、私、そういう意味では、元下関係においての下請取引の是正という立場では、下請検査官のような形できちっと行うと同時に、こういった事業者団体の中で積極的な役割を果たす必要もあるんじゃないか、トラック協会なりが公益法人としてふさわしい責任を担うという点での取り組みが求められていると思うんですけれども、この点、公正取引委員会としてはいかがでしょうか。
楢崎政府参考人 例えばバイイングパワーの問題で、量販店等大規模小売業者と納入業者との関係の問題がございますけれども、業界全体としていかに独禁法を遵守していくかといったことを、各企業が個別にコンプライアンスをつくるだけじゃなくて、事業者団体、百貨店協会とかチェーンストア協会とかにおきましてもそういうコンプライアンスというものをつくりまして、各構成事業者に呼びかけて遵守を求めるというふうな取り組みがございますので、こういった新しい分野におきましても、業界団体の役割といったものはかなり大きな地位を占めてくるんではないかなというふうに思いますし、我々もそういった活動を側面から支援していきたいというふうに考えております。
塩川(鉄)委員 その点の取り組みをお願いします。
 最後に、経済産業省所管の公益法人であるプラントメンテナンス協会についてお聞きします。
 これは大臣あてにも質問状が届けられているかと思いますが、私の方にもそのコピーをいただきましたけれども、このプラントメンテナンス協会の実情について訴えのあった質問状、これにどのように対応されたのかお聞きします。
今井政府参考人 お答え申し上げます。
 プラントメンテナンス協会が三月二十六日の理事会で新任理事を選任いたしましたけれども、この登記を法律に定められた期間内に行っていなかったという、私どもにもファクスをちょうだいいたしました。
 理事の変更登記につきましては、民法で定められておりますが、期間は二週間以内になされることになっておりまして、同協会がこれを遵守していなかったことは大変遺憾でございます。当省より、早急に理事の変更登記を行うよう協会に対して指導いたしまして、必要書類を法務局に五月二十八日に提出したところでございます。
塩川(鉄)委員 理事の承認について登記をしていなかったという問題ですけれども、過去にもこの協会は同じようなことを行っていたんじゃないでしょうか。ことし一月の経済産業省の監査でも、定款の変更の登記を期限内に行っていないということを指摘していると思いますが、その点いかがでしょうか。
今井政府参考人 御指摘のように、私ども、ことしの一月に三日間監査をいたしまして、立入調査をいたしました。そこで、会計上の問題、それから各種の定款、規則類の問題等につきまして監査の結果を取りまとめまして、先方に、この協会に指導文書の形で伝えております。
 その中に定款の変更登記が、民法に定めます、今御説明いたしましたように二週間以内に登記されていなかったということがございましたので、この点についても、この二月の段階の指導文書で先方に指導したところでございます。
塩川(鉄)委員 同様の違法行為が繰り返されている、関係者の告発があるまで見過ごしてきた、そういう点での主務官庁としての公益法人に対する監督責任が問われると思いますが、大臣、その点いかがでしょうか。
平沼国務大臣 日本プラントメンテナンス協会、本年一月に当省が同協会に対して実施した定時監査等におきまして、各種規程類の整備あるいは運用などに関する問題点が多数確認をされたわけでありまして、当省としては翌二月にこれら問題点の改善を文書で指導したところでございますけれども、今後とも、協会がしかるべき対応をとるように私どもとしては厳しく対応していきたい、このように思っています。
塩川(鉄)委員 看板のかけかえでない改革を強く求めて、質問を終わります。
村田委員長 大島令子さん。
大島(令)委員 社会民主党・市民連合の大島令子でございます。
 まず、公益法人の法人税のあり方について、公正取引委員会にお伺いをいたします。
 例えば、電気事業法に基づく安全管理審査事業に指定されている法人は、公益法人が一つ、名称は発電設備技術検査協会、そして営利法人が五社でございます。現行の法人税法では、財団法人の発電設備技術検査協会は軽減税率が適用されまして、残りの五社は三〇%の法人税であると思います。
 公益法人と営利法人が競争して事業をする上で、イコールフッティングにするべきではないかと思いますけれども、公正取引委員会はこのことに対してどのような見解をお持ちか、お答えください。
上杉政府参考人 お答えいたします。
 公益法人の優遇税制についてのお尋ねでございますけれども、従来公益法人が専ら行っていたような業務につきまして、それ以外の非公益法人も参入を認める、こういう場合に、公益法人と非公益法人が同一の市場で競争することになるわけでございますが、その場合に、公益法人のみに税の軽減措置が適用されるということになりますと、競争条件が歪曲されることになるということで、私どもの観点からは、競争条件のイコールフッティングを確保するという観点から、公益法人の優遇税制を見直す必要があるというふうに考えているところでございます。
大島(令)委員 平沼大臣は、きょう初めの奥田議員の質問に対して答弁で、しっかりと今のような答弁を踏まえて優遇税制を見直すことに対して対応していきたいというふうに述べられましたけれども、見直しのために、大臣はお立場上、何をどういうふうに具体化して見直していくのか、考えがあればお答えいただきたいと思います。
平沼国務大臣 公益法人というのは、営利を目的としない公益に資する活動である、二つ目は、主務官庁の設立許可及び指導監督があること、三つ目は、解散時の残余財産が構成員に帰属しないこと、そういった性格に着目をいたしまして、普通法人のようにその全所得について無制限に法人税を課すことは必ずしも適当でない、こういう考えから、収益事業についてのみ課税するなど、一律に税制上の優遇措置が認められてきた、こういった背景がございます。
 しかしながら、その後、公益法人の行う事業が多様化をいたしまして、民間企業と競合関係にある事業に対する課税について、御指摘のようにアンバランスが生じているのではないか、このような指摘があると承知しております。
 いずれにいたしましても、公益法人制度の抜本的改革について、現在、先ほど来御答弁しておりますように、内閣官房行政改革事務局を中心に検討が進められているわけでありまして、その中で、このような点も含めまして、公益法人に対する優遇税制のあり方について検討されることとされておりまして、私どもとしては、その結果を踏まえまして、今後厳正に、しっかりと対応していく、そういう基本的な考えでいるわけでございます。
大島(令)委員 大臣、その結果というのはいつごろ出ると聞いていらっしゃいますか。
北畑政府参考人 現在内閣の行政改革事務局において検討が進められておるわけでございますけれども、さまざまな検討すべき事項があるということでありまして、一年程度はかかるのではないかと言われております。
大島(令)委員 では、次の質問に移ります。天下りの問題についてです。
 公益法人は、官僚の天下りの温床となっているとよく指摘されております。何かルールのようなものがあっての天下りなのか、これが一点目の質問です。それと、退職国家公務員の役員就任状況は、経済産業省所管の公益法人、約八百八十八あると聞いておりますが、役員で何%ぐらい占めているのか。三点目が、補助金と委託費を出す公益法人に元官僚がなぜ必要なのか。この三点、御答弁をお願いします。
北畑政府参考人 退職公務員の就職に関してのルールでございますけれども、公益法人の役員の選任は、あくまで当該公益法人の評議会、総会あるいは理事会など意思決定機関の判断によるものでございますけれども、このうち、公益法人への退職公務員の再就職につきましては二つのルールが閣議決定されております。
 一つは、平成八年九月に閣議決定されました指導監督基準でございまして、これにおいては、理事のうち、所管する官庁の出身者が占める割合は、理事の現在数の三分の一以下とするということが定められております。また、もう一つのルールは、平成十三年度末に閣議決定されました公務員制度改革大綱というものでございまして、これは退職公務員の役員就任状況について適切な情報開示に努めること、このように定められております。
 それから、当省所管の公益法人における当省出身者の数についての御質問でございますけれども、平成十三年十月一日現在で当省所管の公益法人が八百八十八ございます。常勤理事合計が千五百三十四名でございます。このうち、当省出身者は、百七十七の法人につきまして二百二十九名が就職をしております。常勤理事全体に占める割合は一四・九%でございます。
 補助金、委託費の出ておる公益法人に公務員がどうして必要かという御質問でございますけれども、あくまで決定は、民間法人であります公益法人の意思決定によりまして、能力、識見その他を見て選定したものと考えております。
大島(令)委員 では、質問でございますけれども、財団法人発電設備技術検査協会、ここの常勤常務理事に近畿通商産業局の資源エネルギー部長がなっております。もう一つ、財団法人電気安全環境研究所、ここも常務理事に今度は関東通商産業局の資源エネルギー部長がなっていまして、大体同じ常務理事というポストに出先の局の資源エネルギー部長さんが天下っておりますけれども、こういうのを見ますと、ここの常務理事は指定席ではないかというふうに思われるわけなんですが、北畑官房長、たまたまなんですか、どう思われますか。
北畑政府参考人 個別の部分についてまで詳細に把握しているわけではありませんけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、公益法人は民間法人でございまして、そこの意思決定機関で選任をされるということでございますので、能力、識見、経験等を見た判断であろうかと思います。
大島(令)委員 では、官房長ではなく、済みません、次の質問に移ります、官房長に質問してもちょっとかわいそうな気がしますので。ちょっと時間がありますので、ほかの質問に移ります。
 機関登録の基準について質問します。
 検査、検定というのは、公正中立性の確保が重要であると思っております。今改正で新規参入の営利法人も機関登録できるようになります。機関登録申請者が関係する事業者に支配されないための基準に、役員または職員の割合が二分の一を超えないということですとか、社員がならないとか、三つほど条件がございます。
 その中で、今回の経済産業省所管の中で関係する九つの法律に基づいた検査、検定、あと審査の指定法人があるわけなんですが、このうち支配要件がないのが計量法と電気事業法のうちの一般電気工作物の調査義務、これは機関登録の基準として支配要件がないわけで、あとは二分の一ということでございます。
 現在、公益法人の指導監督基準によりますと、特定企業の関係者は三分の一以下と定められていますが、今回支配要件として二分の一を超えないということでございますが、これは基準が緩和されているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
佐々木政府参考人 電気事業法関係の一般調査について御説明申し上げます。
 一般用の電気工作物の調査制度におきましては、一般家庭の屋内配線の安全性に係る調査の実施義務を電気供給者に課しております。電気供給者は、この調査を登録調査機関に委託することができることになっております。
 今先生御指摘の支配関係に係る公正性の要件は、検査、審査を受ける義務が課せられている者と検査、審査を実施する者との間に支配関係が存在することによって検査、審査の公正な実施が妨げられるおそれがある場合に、そのおそれをあらかじめ排除するために設けることにしておるわけでございますが、この一般調査の制度におきましては、一般家庭の需要家は調査を受ける義務は課せられておりません。調査を実施する者である登録調査機関と調査を受ける者である一般家庭の需要家との間にこうした支配関係を生じることは考えられないと考えております。したがいまして、支配関係に係る公正性の要件を規定する必要はない、こういうふうに判断しております。
大島(令)委員 今の質問と答弁は食い違っていますね。私の質問は、支配要件があるところに関して、なぜ、公益法人の指導監督基準によると特定企業の関係者は三分の一以下と定められているのに今改正案では二分の一になっている、これは基準が緩和されているのではないかという質問なんです。これが、今保安院長が答えられた電気事業法に基づく一般電気工作物の調査義務と計量法のみは支配関係が関係ないからフリーですよという答弁なんです。
 もう一度、これは産業技術環境局長、答弁してください。
中村政府参考人 お答えいたします。
 今回の法案におきましては、登録機関の公正性、中立性を確保するために、登録申請者が受検事業者によって支配されていないという状況が必要であるという認識のもとに具体的な基準をつくったわけでございます。
 一般的に、登録機関の業務執行上の意思決定は役員の過半数によってなされる、要するに、通常の場合二分の一と考えられることから、登録申請の役員に占める受検事業者の役員、職員が二分の一を超えてはならないというふうに規定しており、これにより、参入の段階において、受検事業者に支配された状況にある登録申請者が排除されるというふうに考えております。
 なお、他方で、公益法人の設立認可及び指導監督基準におきましては、理事のうち特定の企業の関係者が占める割合は理事現在数の三分の一以下とすることとされておりますけれども、ここで言っております特定企業とは、同一の企業というふうに考えられており、複数の受検事業者との関係で支配関係を排除しようとしている今回の登録基準に関しましては、御指摘との参考にはならないというふうに考えております。
 以上でございます。
大島(令)委員 そうしたら、同一の業界の関係者の占める割合というのは何割までいいんですか、今回の登録機関の基準としましては。
中村政府参考人 逆に申しますと、公益法人の方の指導監督基準は、要するに特定の企業が三分の一以下であるということと、もう一つは、同一の業界からの関係者が占める割合は理事現在数の二分の一以下というふうにされております。したがいまして、要するに、関係業界からのあれは二分の一以下にしろというのが公益法人の方で決まっており、こっち側は検査、検定機関のあれについても二分の一にしてあるということであります。
大島(令)委員 そうすると、業界として検査、検定株式会社をつくるときに、A、B、C、Dとかいろいろな同じ業界の会社があるとしまして、A社から二分の一役員を送りまして、B、C、Dの会社から二分の一で、業界団体で新しい検査、検定会社をつくることも可能なわけなんですね。もう一度。
中村政府参考人 それはできません。
 ここに書いてありますのは、要するに特定業者から来ている人が役員の過半数を占めてはいけないと書いてございますから、そういう意味で、今先生が言われたものは二分の一を超えると思います。
大島(令)委員 では、検査機関にメーカーの職員が出向している場合、職員の割合が二分の一を超えてはいけないということになっているわけなんですが、この場合はどうなんでしょうか。
中村政府参考人 お答えいたします。
 今の法律上の要件は、まず事業者が親会社になってはいけないということと、登録申請者の役員に占める事業者の役員または職員の割合が二分の一を超えない、それから登録申請者が事業者の役員または職員を兼ねてはならないというふうに規定されておるところでございますので、そういうことでございます。
大島(令)委員 ちょっとわかりにくいんですけれども、要は、どのようにして検査、検定機関の透明性を高めて、受検業者と検査実施機関の分離を図って、公正、厳格な検査を担保するかということが質問の趣旨なんです。そのための登録機関の基準が、これは甘いのではないかとか、業界の癒着が起きるのではないか、そういうふうな趣旨なんです。そのことに対しての御答弁をいただきたいんです。
中村政府参考人 今回の法律は、いわば事前に登録の段階の基準につきましては今言ったような基準で機械的な要件を定めて、具体的な支配関係、要するにおかしなことをやった場合には、事後に発見して事後でチェックしていく、改善命令をかけていくという形でございます。
大島(令)委員 だから、製品産業保安とか、製品の安全性を検査、検定していくのに事後チェックでいいのかという問題なんですよ。
 例えば、ジェットバスの問題で人が亡くなっていますよね。そういうこともあるわけですから、今度の法改正によって民間機関が検査、検定機関に参入できるわけで、そのときに、支配要件ということで、新しい検査機関に親会社が二分の一まで役員を送っていいと。株式会社の議決権も二分の一なので、親会社に支配されるのではないか、ということであれば、公正な検査、検定あるいは審査ができないのではないかという疑問に対して、明確に、いや大丈夫だとか、いや心配だとか答えていただければいいんです。
中村政府参考人 要するに、二分の一というのはあくまで登録の段階の基準でございまして、我々としては、入るときとしてはこれで十分だと。ただ、後で問題が起こるかどうかということについては、我々は十分事後チェックをするというふうに考えて、これで安全性は確保されるというふうに考えております。
大島(令)委員 そういう答弁ですと、今度、民間の検査登録機関が参入するということは、以前よりも安全性に対しての緩和になるというふうに解釈できるわけなんですよね。そのことに関してはどうなんですか。
中村政府参考人 今回の法改正は、あくまで経済産業省につきましては登録制にするということで、もう既に一つの法律を除いては営利法人にも門戸は開かれておるところでございます。その結果、安全性に問題が生じたということはございませんし、我々も、今後とも安全性に問題は生じないというふうに考えております。
大島(令)委員 しかし、置きかえただけではなく、こういう法律ができれば新規の参入会社も出てくるわけですよね、大臣。そこの先を心配して質問をしているわけなんです。
 例えば、発電設備技術検査協会、これは電気事業法に基づきまして、電力会社の使用前安全管理検査ですとか溶接安全管理検査、定期安全管理検査、こういうのをやるところなんですが、ここの役員に、検査を受ける中電の取締役副社長ですとか九州電力の常務取締役とか、あと、こういう発電設備をつくっているメーカーの株式会社東芝、株式会社日立製作所、三菱重工業株式会社、こういう人たちが検査、検定機関の公益法人の理事に名前を連ねているんです。
 これが三分の一だからとか二分の一だからいいとか悪いとかいう問題ではなく、自分たちが受検事業者となる、そういう立場の取締役の人が審査会社の役員に名前を連ねている、このことが私は、公正、厳格な審査ができるのか、そういう疑問で質問をしているわけなんです。もう一度お答えください。
佐々木政府参考人 今先生から具体的に、発電設備技術検査協会についてのお尋ねでございましたので、私からお答えさせていただきます。
 確かに、御指摘のように、二分の一というルールで今先生がお話しになった電力会社などからの役員が入っておりますけれども、こうした方々は、実際に検査の現場における知識あるいは検査の方法の改善等で極めて有効ないろいろな御意見もいただいておるわけでございます。
 現実にこの検査協会の職員自身は、公正に行うということは、その業務の遂行上のルールもきちんと定められているところでございまして、二分の一のルールのもとできちんとやっておりますので、ぜひ、そこは御理解いただきたいと思います。
大島(令)委員 二分の一とか三分の一とか、そういうことが問題ではなく、やはりその業界が、受検事業者と審査とか検定、検査をする会社が癒着する、そういう構造を最初からつくってはいけないということを私は言っているわけなんですね。そういう役員に名前を連ねておけば、いろいろな形で会い、接触し、会議をするわけですから、はたから見れば、何か違う担保をつくっておかなければ、やはり業界の癒着ではないかと指摘されてもそれは仕方がないと思うわけなんです。だから、何%だからいいとか悪いとか、そういう問題を私は言っているわけではないんです。
 政府は、一つの目安として三分の一とか、今度の法律では支配要件、二分の一を超えてはいけないとかいう目安を法律に明記しております。今までは省令でしたけれども、今回は法律の中に書いてありますけれども、そういうことを言っているわけじゃないんですね。だから、そういうことを考えて、次は採決になりますけれども、大臣、今後このような問題に関してどういうふうに思いますか。
平沼国務大臣 重要な御指摘をいただいていると思っています。
 公益法人というものに、これまでが独占というような形だったものに、やはり官ができるもの、民ができるもの、こういう形で活力を与える、こういう大前提があるわけであります。そういう中で、要件が緩和されていて安全性が担保できないんじゃないか、こういう御指摘と、それから、そういう母体があって、そういう人たちが役員の構成で入っていると癒着があるんじゃないか、こういうことですけれども、一方においては、こういう特殊な分野というのはやはり知見と専門性、経験というものは非常に大きな意味があると思っています。
 ですから、そういうものを生かしつつ、我々としては、国としては、御懸念のことが起きないように、しっかりと事後チェックもしますし、立入検査もしますし、そういうことによって全体が一つの、官ができるもの、それから民が参入できるものは参入できる、こういう一つのコンセプトでしっかりと運営をさせていただきたい、このように思っています。
大島(令)委員 あと一分残っておりますので、申し上げます。
 今、電気事業法に基づいての例を取り上げましたけれども、電気用品安全法ですとか消費生活用製品安全法に基づいての指定法人があるわけでございます。ですから、事故が起きてからではいけないということで、事後チェック体制もするということでございますが、そういうことをきちっと、起きないような形でやはりやっていただきたい、そういうことを申し上げて、質問を終わります。
村田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
村田委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。赤嶺政賢君。
赤嶺委員 私は、日本共産党を代表して、公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案に対する反対討論を行います。
 公益法人改革というなら、この間の国民的批判にこたえて、政官業癒着の解消、天下りの禁止、組織や事業、財務の健全性、透明性の確保などに役立つ改革を実施すべきです。
 ところが、本法案は、公益法人改革をうたいながら、製品安全や産業保安に関する検査機関等について、指定、認定制度から登録制度に変えるという形式的なものであり、天下りなど、公益法人あるいは検査機関などの実態を何ら変えるものではありません。これでは、単なる看板のかけかえにすぎず、公益法人改革の名に値しないと言わざるを得ません。
 また、本法案は、国の関与を最小限とし、事業者の自己確認、自主保安を基本とするという規制緩和の議論から派生したものです。安全規制に関する規制緩和に対して我が党は、製品安全や産業保安を安易に自主検査にゆだねることは、国民の生命と安全を守るという国の責任を放棄するものとして厳しく批判してきました。これまでの規制緩和に対する総括も反省もないのでは、結局は、国の責任を後退させ続けることにつながるという懸念を指摘しておきます。
 以上、反対理由を述べて、討論とします。
村田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
村田委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
村田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
村田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、下地幹郎君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、保守新党及び宇田川芳雄君共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。鈴木康友君。
鈴木(康)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、国と公益法人の関係の透明化・合理化等を図るため、本法施行に当たり、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 公益法人に対して、国が委託費や補助金等の交付を行っている事務・事業については、今後とも継続した見直しを行うとともに、やむを得ず公益法人に事務・事業を行わせる必要が新たに生じた場合には、スクラップ・アンド・ビルド方式等により、可能な限り増加の抑制に努めること。
 二 引き続き、国の関与を受けて事務・事業を行う公益法人については、主務官庁及び公益法人の双方において、情報公開の徹底を図り、より一層の透明性、効率性、厳正性の確保に努めること。
 三 国家公務員の総定員管理制度等を通じ、行政の簡素化・効率化を進める一方で、徒に公益法人の設立・利用が行われることのないよう、官民の役割分担の明確化を図ること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
村田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
村田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
平沼国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいります。
 ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
村田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
村田委員長 次に、内閣提出、参議院送付、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、下請中小企業振興法の一部を改正する法律案及び小規模企業共済法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。
 なお、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案につきましては、参議院で修正議決の上送付されたものでありますので、まず政府から趣旨の説明を聴取し、引き続き参議院における修正部分の趣旨について説明を聴取いたします。福田内閣官房長官。
    ―――――――――――――
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
福田国務大臣 ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現行の下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法は、物品の製造及び修理に係る下請取引の公正化及び下請事業者の利益の保護を図るため、下請代金の支払い遅延等の親事業者の不当な行為を規制すること等を内容としておりますが、近年の経済のサービス化、ソフト化の進展に伴い、役務の委託に係る下請取引についても取引の公正化を図ることが重要な課題となっております。
 このような下請取引をめぐる状況を踏まえ、役務の委託に係る下請取引の公正化を図る観点から、プログラムの作成等役務の委託に係る下請取引を下請法の対象として追加する等の措置を講じることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、下請法の適用対象となる委託取引として、情報成果物作成委託、役務提供委託及び金型の製造委託を追加することとしております。
 第二に、親事業者の遵守すべき事項として、親事業者が下請事業者に対し、自己の指定する役務を強制して利用させてはならないこと等を追加することとしております。
 第三に、公正取引委員会が勧告をした場合において、必要に応じ公表することができるよう、関係規定を整備することとしております。
 第四に、書面の交付義務等の違反行為に対する罰金の上限額を三万円から五十万円に引き上げることとしております。
 なお、これらの改正は、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
村田委員長 参議院経済産業委員会における修正案の提出者参議院議員木俣佳丈君。
    ―――――――――――――
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案の参議院修正
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
木俣参議院議員 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案に対する参議院の修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、発注書面の交付時期について、「直ちに」交付しなければならないこととされている規定を「遅滞なく」交付しなければならないことに改める改正規定を削除するとともに、「ただし」書きとして「発注書面に記載すべき事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その記載を要しないものとし、この場合には、親事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。」とする規定を追加することとしております。
 第二に、親事業者が下請事業者に対し製造委託等をした場合は、「下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に、あるいは役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした後に、給付をやり直させること。」によって、下請事業者の利益を不当に害してはならないとする規定を、親事業者の遵守事項に追加することとしております。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
村田委員長 平沼経済産業大臣。
    ―――――――――――――
 下請中小企業振興法の一部を改正する法律案
 小規模企業共済法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
平沼国務大臣 まず、下請中小企業振興法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現在の中小企業をめぐる経済環境は、デフレ状態の継続に加え、製造業の海外展開の進展など厳しい状況が続くとともに、サービス経済化の進展など大きく変化してきております。
 このような状況のもとで、国内における産業基盤を維持し、より付加価値の高い製品、サービスを生み出していくためには、企業間の連携協力関係の強化が不可欠であり、その重要な担い手である下請中小企業の振興を図ることは、喫緊の政策課題であります。
 これまで下請中小企業振興対策につきましては、本法に基づき、製造業を主たる対象に経営基盤の強化、取引のあっせん等の措置を講じてまいりましたが、昨今の状況変化に対応して、サービス業等を対象業種として追加するなど振興対策の拡充強化を図る必要があることから、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、下請事業者の定義に、委託を受けて情報成果物作成、役務提供等を業として行う中小企業者を追加することにより、サービス業等に係る下請中小企業を振興の対象とすることといたします。
 第二に、下請中小企業が経営基盤の強化を図るために作成する振興事業計画に関し、多様かつ柔軟な支援が可能となるよう、その作成主体に関する制限となっておりました業種指定制の撤廃及び団体資格要件の緩和等の措置を講ずることといたします。
 第三に、支援策の内容におきましても、売掛金債権担保保険に関する中小企業信用保険法の特例を講ずることにより、振興事業に関する下請中小企業の資金繰りの支援を拡充することといたします。
 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 引き続きまして、小規模企業共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 小規模企業共済法は、小規模企業の個人事業主や役員が事業の廃止、役員の退任等の事態に備えるための小規模企業共済制度を定めているものであり、経営基盤が脆弱で経営環境の変化の影響を受けやすい小規模企業者にとって、廃業時、退任時に生活安定資金や事業再建資金を支給する本制度の果たす役割はますます大きくなってきております。昭和四十年の制度創設以来普及も進み、今日では、在籍者数が約百三十五万人、運用資産額も約七兆六千億円に上っておりますが、金利水準の低下や株価の低迷等により、資産運用の利回りが低下するなど制度を取り巻く資産運用環境が近年厳しさを増しております。
 このような状況を踏まえ、本制度の長期的な安定を確保するため、共済金額の見直し等を行う必要があることから、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、資産運用環境の変化に即応できるよう、共済金額等について、政令で定めることとしております。
 第二に、小規模企業共済制度をより安全で効率的に運用するため、その任に当たる中小企業総合事業団の役員に対し、忠実に職務を遂行する義務を新設するなど、運用責任の明確化を図ることとしております。
 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、この二つの法律案について、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 以上であります。
村田委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
村田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、参議院送付、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案審査のため、来る六月六日金曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る六月四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十分散会


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