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第8号 平成16年4月7日(水曜日)

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平成十六年四月七日(水曜日)

    午前九時六分開議

 出席委員

   委員長 根本  匠君

   理事 今井  宏君 理事 江渡 聡徳君

   理事 櫻田 義孝君 理事 塩谷  立君

   理事 井上 義久君

      赤城 徳彦君    今村 雅弘君

      遠藤 利明君    木村  勉君

      小島 敏男君    小杉  隆君

      河本 三郎君    佐藤 信二君

      菅  義偉君    平井 卓也君

      平沢 勝栄君    藤井 孝男君

      増原 義剛君    松島みどり君

      河上 覃雄君    塩川 鉄也君

      坂本 哲志君

    …………………………………

   経済産業大臣       中川 昭一君

   経済産業副大臣      坂本 剛二君

   経済産業大臣政務官    菅  義偉君

   政府参考人       

   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       青木 宏道君

   政府参考人       

   (経済産業省商務情報政策局消費経済部長)     小川 秀樹君

   経済産業委員会専門員   鈴木 正直君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月六日

 辞任         補欠選任

  小西  理君     平沢 勝栄君

同月七日

 辞任         補欠選任

  小野 晋也君     赤城 徳彦君

  河野 太郎君     河本 三郎君

  平沢 勝栄君     渡辺 博道君

  宮路 和明君     木村  勉君

同日

 辞任         補欠選任

  赤城 徳彦君     小野 晋也君

  木村  勉君     宮路 和明君

  河本 三郎君     河野 太郎君

    ―――――――――――――

四月五日

 容器包装リサイクル法の改正に関する請願(牧義夫君紹介)(第一三〇二号)

 同(浜田靖一君紹介)(第一三二七号)

 同(内山晃君紹介)(第一三四八号)

 同(木村隆秀君紹介)(第一三四九号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一三五〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一六号)

 特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一七号)

 不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一八号)


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     ――――◇―――――

根本委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、民主党・無所属クラブ所属委員に対し、事務局をして御出席を要請いたさせましたが、御出席が得られません。

 再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

根本委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 内閣提出、商品取引所法の一部を改正する法律案、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案並びに不正競争防止法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省大臣官房商務流通審議官青木宏道君及び経済産業省商務情報政策局消費経済部長小川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

根本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。河上覃雄君。

河上委員 おはようございます。

 中小企業三法に引き続きまして、本日は、ただいまお話がございましたように、国民生活に多大な影響を及ぼすだろう法案の審議に入るわけでございますが、野党第一党の欠席を大変遺憾であると思っておる次第でございます。

 きょうは私だけになりそうでございますので、ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思っております。

 今回の改正が、市場の信頼性や利便性の向上など幾つかの要点があると承知しておりますが、委託者保護の観点からいえば、大きな前進につながるものと評価をいたしております。

 第一に、本年末の委託手数料の自由化を控えまして、商品取引員間の競争が激化することが予想されます。こうした中、委託者資産の保全制度を強化する措置、健全な商品取引員をさらに伸ばし、そうでない商品取引員には市場から退出を促すという業界の健全化の効果があると思いますし、また、商品取引員に対する財務要件の厳格化につきましては、各商品取引員の取引量に応じた純資産額の保有が義務づけられており、一般投資家に対する過度な勧誘を抑止する効果もあると思っております。

 このように、今回の改正案には商品先物業界の構造改善を促すための所要の措置が組み込まれているものと評価できるわけでございます。

 第二に、商品取引員に対する勧誘規制の強化の点でございます。

 商品先物取引のトラブルの実態を見ますと、望まない勧誘を受けまして、年金生活の高齢者や収入のない一般の主婦などが、商品先物取引の仕組みやリスクを十分理解しないままに商品先物取引を開始し、多大な損害をこうむるケースも多いと承知をいたしております。

 ちなみに、平成十年の商品先物取引額は七十三兆円でございました。これに対しまして、平成十五年は二百十九兆円と三倍に達して、急速に拡大をしているわけであります。

 そして、この拡大に呼応しながら、商品先物取引のトラブルも著しく増加傾向にございます。国民生活センターに寄せられました苦情やトラブルの相談件数は、平成十年から増加傾向をたどりまして、平成十四年には八千三百五十件、平成十五年には、下がったものの、六千六百四十五件と、看過しがたい状況下にあると思います。こうした苦情やトラブルの多くが、外務員の執拗な勧誘、そして、具体的な事例を見ましても、極めて悪質、巧妙なものが多いわけでございます。

 今回の改正におきまして、こうした問題点を踏まえまして、商品先物取引の仕組みやリスクについての説明の義務づけ、適合性原則の強化を盛り込むとともに、再勧誘の禁止などの不適切な勧誘の禁止についても法定し、商品取引員に対する勧誘規制の強化を図ったことは、大いに理解できるところでございます。しかしながら、これらの勧誘規制がトラブル発生の防止に効果があると期待されておりますが、大事なことはその実効性を上げることにあると私は考えます。

 そこで、何点か確認のために質問をいたしたいと思います。

 まず第一点目でございますが、今回の委託者保護のための勧誘規制の強化の趣旨、及び、これらの規制の実効性についてどのように経済産業省としては担保をなされるのか、この点について伺います。

坂本副大臣 不適切な勧誘によるトラブルは大変ふえておりまして、それの勧誘規制の強化を今回の改正で図ったわけでございます。

 今先生いろいろお話ししたとおりの内容でございますが、改めて申し上げますと、従来の書面の交付に加えまして、説明を義務づけまして、違反した場合は顧客の損害を無過失で賠償する責任を課するということになっております。

 また、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行ってはならないとする適合性原則、これを法律上の義務と明記いたしまして、違反した場合の行政処分を強化しております。行政処分の中身としては、業務改善命令は従来もございましたが、それに加えまして、六カ月以内の業務停止命令及び許可取り消しを可能とするというふうになっております。

 さらに、商品先物取引の勧誘である旨を告げることを義務づけるとともに、一度断った者に対して再勧誘することや迷惑な仕方での勧誘を、法律で明確に禁止するとしております。

 これらの規制の実効を確保するため、運用ガイドラインを策定、公表し、それに基づいて厳正な執行を行うことと考えております。

河上委員 ただいま、ガイドライン等をつくりまして徹底をするというお話をいただきました。

 それでは、以下、法案の内容に合わせまして、今御答弁いただきましたガイドラインの方向性につきまして具体的にお尋ねを何点かいたしたいと思っております。

 まず一つは、再勧誘の禁止、迷惑勧誘の禁止、商品先物取引の勧誘であることの明示の義務づけといった不適正な勧誘の禁止につきまして、その実効性を担保するためにどのようなガイドラインをお考えなのか、お答えください。

青木政府参考人 ガイドラインの実務にわたる部分でございますので、事務方の方からお答えを申し上げさせていただきます。

 再勧誘の禁止の運用ガイドラインでございますけれども、顧客に対するアプローチから勧誘の段階のそれぞれの進展に応じまして、できるだけ具体的に遵守すべき事項を明らかにしていきたい、このように考えております。

 その内容でございますけれども、今後検討してまいりますが、現時点では、例えば次の内容を織り込むようなことを考えております。

 まず何よりも、勧誘に先立ちまして、冒頭に商品先物の勧誘であるということをはっきり告げる、そして、勧誘を行うことについてお客様の意向をきちんと尋ねなければならないということを確認させようと思っております。

 当然、これに対して、勧誘を断りましたお客様に対して引き続きまたは再度勧誘を行えば、これは再勧誘禁止の違反に当たるということでございます。ここで言います再勧誘禁止といいますのは、例えば、一度電話を切ってもう一度電話をするといったようなこともございますし、引き続きその電話で執拗に勧誘を進めるということも再勧誘の禁止に当たる、このように思っております。

 また、その時点で勧誘を受けることに同意をした顧客に対しまして、いよいよ勧誘説明に入るわけでございますけれども、その冒頭に、先ほど坂本副大臣からもお話ございました、商品先物の仕組み、リスクに関する基本的事項を説明するといったようなことを義務づけたいと思っております。

 この説明を聞いて、例えば、もうハイリスク取引は嫌だということで断った顧客に対して、引き続きまたは再度勧誘をするということも、これまた再勧誘禁止に違反をする、該当するということでございます。

河上委員 一点ちょっと落としてしまいましたが、今のお答えに加えまして、次の御答弁の冒頭で結構ですがお答えをいただきたいと思いますが、改正法二百十四条の六号に迷惑を覚えさせる形での勧誘と規定しております。これは具体的にどのような行為を想定なさっているのか、これについても、次の質問であわせてお答えいただきたいと思います。

 次の質問でございますが、商品取引員の顧客に対する説明義務についてお尋ねをいたしますが、商品取引員の説明義務違反に対しては損害賠償責任を課すこととしております。これは顧客にとってどのような効果があるのか、また、商品取引の外務員はどのような事項についてどのような説明をしなければならないのか。この点はガイドラインで明らかにされることになると思いますが、どのような内容なのか、お答えをいただきたいと思います。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず初めに、迷惑を覚えさせる仕方での勧誘でございますが、これにつきましてもできるだけガイドラインで具体化をしていきたいと思います。現時点で考えられます行為といたしまして、例えば、夜間や早朝の電話や訪問による勧誘をすること、あるいは長時間に及ぶような勧誘をすること、こういった行為は原則として迷惑勧誘に該当する、このように考えております。

 それから第二点目の、説明義務に関することでございます。

 まず第一点目の、損害賠償責任を定めることの法的効果でございますけれども、現在、説明義務違反をめぐる損害賠償訴訟、これを見てまいりますと、原告となります委託者側にとって、商品取引員が説明義務を負うこと自体、これを立証するのに大変難儀を感じております。これが裁判実務上大変大きな負担となっております。したがいまして、今回の改正案におきましては説明義務を法定いたします、そして、これを怠った場合には無過失の損害賠償責任を課すということになります。したがいまして、その結果、委託者側といたしまして、法律で定めます内容の説明がなされなかった事実、それだけを立証すればいいということになりますので、顧客側、委託者側の立証負担は相当軽減されるもの、かように考えております。

 また二点目の、説明義務のガイドラインでございますけれども、これにつきましては、勧誘から契約に至る各プロセスにつきまして、商品取引員がどのような内容をどのように説明するのか、そして顧客の理解をどのように確認するのか、そういった具体的な手順と方法を明らかにしていきたいと考えております。

 内容については今後子細に検討してまいりたいと思いますけれども、例えば勧誘説明に際しまして、まず、商品先物取引の仕組み、それからリスクに関する基本的な事項を説明しなければならないということでございます。

 特に、商品先物は現物の、例えば株なんかと違いまして非常にハイリスクでございますので、例えば仕組みという点につきましては、少額の証拠金、担保金でございますけれども、これでそれをはるかに上回る多額の取引を行うということ、それから、リスクにつきましては、取引によって当然損失が生じるおそれがあるわけでございますけれども、その損失の額が証拠金を上回る可能性があるといったようなことを具体的に説明させるということだろうと思います。この説明の後に、さらに勧誘を受ける意向を示しました顧客については、その時点で、その説明内容を十分理解しているということを書面でまず確認させようと思っております。

 そして、この書面確認後、顧客に対してさらに、商品先物取引の具体的な内容、あるいは、どういう行為が商品取引員がやってはならないことか、あるいは、困った場合にどういうところに相談をすればいいのかといったような点について親切な説明をさせようと思っております。この説明後、顧客がこの説明の内容を理解しているということを改めて書面で確認する、こういったような事項を盛り込むことを現在考えているところでございます。

河上委員 続きまして、適合性原則の強化についてお尋ねをいたします。

 適合性原則は、「顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行つて委託者の保護に欠け、又は欠けることとなるおそれがないように、商品取引受託業務を営まなければならない。」と、改正法二百十五条に規定されております。

 この原則を徹底するためには、どういった場合に適合性原則に違反するのかを明確にする必要があると思います。具体的にはどのような内容のガイドラインをお考えなのか、お尋ねをいたします。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、今回の改正案におきましてはいわゆる適合性原則を法律上の義務と明定をいたしました。したがいまして、その実効性を上げるためには、できるだけその解釈の基準というものを明らかにしていく必要があると思います。

 私ども、大きく二つの段階があると思います。第一は当初の勧誘段階での問題でございます。二つ目が取引開始後の問題でございます。

 まず第一点目の、当初の勧誘行為につきましては、例えば一定年齢以上の高齢者に対する勧誘というのは原則は行ってはならない、こういった原則を打ち立てて、その例外はできるだけ具体的な要件を定めたい、こういうふうに思っております。また、その具体的な要件に当たるかどうかというのも、各社の厳正な社内審査手続のもとに勧誘を認めるということでございまして、ポイントは、できるだけ具体的な要件をするということ、それから、会社そのものをその審査に巻き込むことによりまして、一外務員の問題ではない、仮に問題があったときにはその会社の責任をしっかりと追及できる、こういったシステムを組みたいと思っております。

 二点目の、取引開始後の行為についてでございますが、特に未経験の委託者の場合に非常にトラブルが発生しているという実態にかんがみまして、一定期間、例えば三カ月とか、いろいろあろうかと思いますが、習熟期間を設定いたしまして、その期間は原則として取引量を一定基準以下とするといったようなもの、そして、具体的に定める場合に限り、先ほど申し上げましたような、厳正な社内審査手続のもとにその例外を認める、こういったような内容を盛り込むことを現在考えておるところでございます。

河上委員 今回新たに加わりました説明義務や適合性原則の強化につきまして、その実効性を担保するためには、それぞれに、違反した場合の厳正な制裁措置が必要だと思います。これらの義務に違反した場合にはどのような行政処分が課せられるのか、お答えください。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正案におきましては、説明義務を、今申し上げましたように、新たに法定をいたし、また、適合性原則を法律上の義務として明定をいたしました。この結果、これらに違反した場合につきましては、従来は業務改善ということでございましたが、それに加えまして、六月以内の業務停止命令、あるいは、最悪の場合は許可の取り消し、こういった厳しい行政処分を課すことができるようになりました。

 私どもといたしましては、説明義務違反あるいは適合性原則、こういった法律違反の事実を把握した場合には、法に基づき厳正な行政処分を行ってまいりたい、このように考えております。

河上委員 もう一つ、商品先物取引業界には、商品取引員の自主規制機関といたしまして日本商品先物取引協会が、苦情相談や委託者と商品取引員との間のトラブルの解決に取り組んでいらっしゃいます。

 今回の法改正においてさまざまな委託者保護の強化のための措置を盛り込んでおりますが、これにあわせて、商品取引員及び外務員の法令遵守を徹底する上からも、日商協の自主規制についても抜本的に強化をいたしまして、委託者の保護のさらなる強化を図るべきではないか、私はこう思いますが、この点につきましてはいかがでございましょうか。

菅大臣政務官 委員おっしゃるとおりであるというふうに思っています。

 今日までもこの日商協は、自主規制機関として設立されてそういうようなものを行っていますけれども、今度の法律改正によって、さらにこの自主規制の一層厳格な執行、さらには外務員の資質向上のための研修、試験制度の拡充や、これに違反した場合、登録取り消しを含む制裁の機動的発動、さらには委託者からの苦情相談体制を強化するとともに、あっせん・調停委員の増員など、あっせん・調停体制を強化する、このことを徹底して行ってまいりたいと思っています。

河上委員 かなり実務的な側面からお尋ねをしてまいりましたが、商品取引所法の最後に当たりましてぜひ大臣から御答弁をいただきたいと思いますが、我が国の商品先物市場は、諸外国に比べまして個人の参加割合が非常に高くなっております。こうした状況が商品取引員の営業姿勢と相まって、商品取引員との間でトラブルを発生しているものと思われます。

 そもそも商品先物市場は、一義的には、商品の生産、販売や原燃料として使う実需家、いわゆる当業者が当該商品の価格変動のリスクをヘッジしたり、取引の指標となる公正な価格を形成するためのものであると思います。健全な商品先物市場にしていくためには、こうした当業者や機関投資家がもっと参加する市場を目指すべきであると考えますが、我が国の商品先物市場に対します現状の評価、そして将来像についてお答えいただきたいと思います。

中川国務大臣 おはようございます。

 委員御指摘のこの商品先物市場、実は我が省関連ではございませんけれども、私の地元が農業地帯なものですから、豆等の商品先物に実は非常に関係というか、農業者を含めて非常にそういうものに昔から、戦前からと聞いておりますけれども、いろいろなかかわりがあるということは、地元の出身の者として実は前から関心を持っていたところでございます。

 委員冒頭御指摘のように、マーケットであると同時に非常にトラブルが多いということも、実は私自身もいろいろと聞いていたわけでございまして、しかし、今、最後御指摘のあったように、これはやはり直接の関係者、当業者が事業発展のために、また安定化のために必要なマーケットであると同時に、また、投資家が健全な投資ができるようにしていく、この健全なマーケットの育成、先物市場の育成ということは非常に大事なことだろうというふうに思っております。

 そしてまた、各国いろいろな、アメリカ初めいろいろな国にも似たようなマーケットがございますけれども、御指摘のように、個人の比率が非常に高いということは、先ほどの高齢者とか個人に迷惑な勧誘とか、そういう問題も事実として起こっているわけでございますから、今法律改正を通じまして、法律上、その健全なマーケット育成のために、より義務あるいはまた処罰を含めてやっていくと同時に、御質問で重点が置かれましたように、今後設定されるガイドライン、この運用の中できちっとしたルールというものをより確立していって、健全な商品先物マーケットを育成していきたいというふうに考えているところでごます。

河上委員 ありがとうございました。

 次に、二点ほど、特定商取引の関係についてお尋ねをいたしたいと思います。

 マスコミ報道で数多く取り上げられておりますように、近年、悪質な訪問販売、マルチ商法による消費者被害が深刻な問題となっておりまして、対処が急務だと思っております。こうした中で、今回の改正が、悪質事業者を取り締まるための行政規制の強化と個々の消費者の被害救済を支援する民事ルールの整備の二つを柱として、網羅的かつきめ細かい内容になっておりますことは、大変評価できるわけでございます。

 消費者保護を重要政策課題に掲げております我が党といたしましても、本改正を早期に実現いたしまして、いち早く実施に移すことが重要であると思います。その際、特に重要なのは消費者に対する普及啓発という観点でございまして、政府、自治体を初め関係機関が協力して推進することが大切だと思っております。

 先ほども申し上げましたが、高齢者をねらった点検商法、若者をねらったアポイントセールスに加えて、最近ではマルチ商法が大学内に大きく広がっているとも聞いておりますが、こうしたところへの注意喚起も不可欠であろうと思っております。

 そこで、経済産業省としては、今回の改正を踏まえまして、消費者啓発に対してどのように取り組んでいかれる御決意か、お答えをいただきたいと思います。

坂本副大臣 先生おっしゃるように、このトラブル防止のためには、国民一人一人が自衛のためにその知識、理解を深めて、賢い消費者となっていくことが大事でございます。

 このため、経済産業省としては、関係省庁、地方自治体と連携し、若年層や高齢者に重点を置いて、学校教育や成人式、敬老会等のイベントなど、さまざまな場を活用して情報提供に積極的に取り組んでおります。特に最近、大学において悪質なマルチ商法によるトラブルが急増していることを踏まえ、文部科学省に要請し、全国の大学、短大に対して注意喚起の通達を発出したところであります。

 今後とも、本法案の成立を受けて、新制度の周知を含めた普及啓発活動を改めて強力に行いたいと考えております。

河上委員 ありがとうございました。

 もう最後になりますが、クーリングオフ妨害を一点だけ御質問させていただきたいと思います。

 訪問販売においてクーリングオフ妨害も多いと聞いております。今回の改正によりますと、クーリングオフ妨害を行った事業者は、再度の書面交付によって妨害行為を解消し、その時点から改めてクーリングオフ期間が進行する、このようになっているわけでございます。

 しかし、もともと、妨害行為を働くような悪質事業者というのは、書面の再交付に当たって、例えば、クーリングオフが可能と書いた書面を他の書面と一緒にぐちゃぐちゃにして渡して消費者がわからないようにする、このクーリングオフ期間の八日間、これが過ぎるのを待つといったぐらいのことは平気でやりかねないというおそれもございます。

 今回の法改正の実効性をさらに担保するためには、こうした巧妙な手口を何らかの形で阻止することが必要だと思いますが、お答えいただきたいと思います。

坂本副大臣 この契約は特別なので解約はできませんよといったようなうそをついてクーリングオフを妨害するような、この制度の趣旨を損なうような極めて悪質な行為、これが間々あるんですね。

 それで、今回の改正では、先生おっしゃったように、事業者が虚偽説明や威迫の行為を行い、消費者がクーリングオフできなかった場合、あるいは、事業者がクーリングオフが可能であることを示す書面を交付した後、消費者は改めてクーリングオフができること、このようにしております。

 そこで、御指摘のように、悪質な事業者による脱法行為を許さないことが大変重要ですが、このため、クーリングオフ妨害をした事業者が再び書面交付をする際には、クーリングオフが可能である旨を口頭で告げることをあわせて義務づけることとしております。これによって新制度の実効の確保を図りたいと考えております。

河上委員 これで終わりますが、今お尋ねをいたしました二法につきましては、冒頭も申し上げましたように、国民生活に多大に影響することにつながるものでございますし、ぜひとも、実効効果を上げる、ここに力点を置いていただきましてお取り組みいただきたいことをお願い申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

根本委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時四十分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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