衆議院

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第20号 平成17年6月15日(水曜日)

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平成十七年六月十五日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 河上 覃雄君

   理事 河村 建夫君 理事 櫻田 義孝君

   理事 平井 卓也君 理事 松島みどり君

   理事 鈴木 康友君 理事 細野 豪志君

   理事 吉田  治君 理事 高木 陽介君

      遠藤 利明君    嘉数 知賢君

      木村 太郎君    北川 知克君

      小杉  隆君    佐藤 信二君

      坂本 剛二君    菅  義偉君

      竹本 直一君    武田 良太君

      谷畑  孝君    西銘恒三郎君

      野田  毅君    平田 耕一君

      望月 義夫君    森  英介君

      山口 泰明君    山本 明彦君

      大畠 章宏君    奥田  建君

      海江田万里君    吉良 州司君

      菊田まきこ君    近藤 洋介君

      佐藤 公治君    高山 智司君

      中山 義活君    計屋 圭宏君

      村井 宗明君    渡辺  周君

      江田 康幸君    吉井 英勝君

    …………………………………

   経済産業大臣       中川 昭一君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   経済産業副大臣      小此木八郎君

   国土交通副大臣      蓮実  進君

   経済産業大臣政務官    平田 耕一君

   経済産業大臣政務官    山本 明彦君

   環境大臣政務官      能勢 和子君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          齋藤  浩君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 小平 信因君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            岩井 良行君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局次長)           平田憲一郎君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局水資源部長)      仁井 正夫君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局次長)          松尾 庄一君

   政府参考人

   (気象庁長官)      長坂 昂一君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  小島 敏郎君

   政府参考人

   (環境省環境管理局長)  小林  光君

   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十五日

 辞任         補欠選任

  望月 義夫君     木村 太郎君

  梶原 康弘君     吉良 州司君

  塩川 鉄也君     吉井 英勝君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 太郎君     望月 義夫君

  吉良 州司君     梶原 康弘君

  吉井 英勝君     塩川 鉄也君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)


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     ――――◇―――――

河上委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省産業技術環境局長齋藤浩君、資源エネルギー庁長官小平信因君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長岩井良行君、国土交通省総合政策局次長平田憲一郎君、国土交通省土地・水資源局水資源部長仁井正夫君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君、国土交通省自動車交通局次長松尾庄一君、気象庁長官長坂昂一君、環境省地球環境局長小島敏郎君及び環境省環境管理局長小林光君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森英介君。

森(英)委員 おはようございます。自由民主党の森英介でございます。

 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる省エネ法案に関連いたしまして、若干の質問をさせていただきたいと思います。

 今さら申し上げるまでもなく、私ども地球人類にとって最重要な課題と言ってもいい課題は、これから炭酸ガスの発生を極力抑制して、それでいてエネルギーを安定供給するということであるというふうに考えます。そういった意味合いから、化石燃料の使用を極力抑制して、そしてその代替として原子力エネルギーの利用を拡大していく、この方法しかその目的を達成する道がないというふうに私は考えております。

 もとより、それに加えまして、新エネルギーの開発ですとかあるいは省エネ対策、こういったことも並行してやっていかなきゃならないことは言うまでもないことでありまして、そういう意味において、本法案の意義というのはまことに重大、有意義な法案であると考えます。

 しかし、この法案が成り立つためにも、その大前提として原子力エネルギーの利用の拡大ということがあるわけでございまして、そういった観点から、核燃料サイクルの確立、推進ということが極めて重要であると言えます。そういった意味で、昨年末以来、核燃料サイクルに関連いたしまして、特筆すべき出来事が幾つかありました。

 まず、昨年の十一月のことでございますけれども、原子力委員会の新計画策定会議の「核燃料サイクル政策についての中間取りまとめ」で、使用済み燃料の全量再処理の方針が示されました。また、その後、十二月ころからでしょうか、六ケ所村の再処理プラントのウラン試験が始まりまして、今順調にテストが続けられております。さらに、去る五月三十日に最高裁で「もんじゅ」訴訟の判決が出まして、五人の裁判官が一致して同じ結論を出しまして、国側が逆転勝訴したわけでございます。

 振り返ってみますと、平成七年の十二月に「もんじゅ」の配管で事故が起こりまして、その後、平成十一年には東海村でジェー・シー・オーの臨界事故がありました。さらに、これに追い打ちをかけるように、平成十五年一月に名古屋高裁の「もんじゅ」訴訟で、まことに奇怪きわまりない判決でもって国が敗訴するということになりまして、言うなれば、昨年に至るまでの十年間は、核燃料サイクルの推進という観点からいいますと、まことに不幸な十年間だったということが言えると思います。

 しかしながら、先ほど申し上げましたように、昨年来、非常に明るい出来事が幾つかありまして、こういった事態を踏まえて、これから積極的に、しかしながら慎重に、核燃料サイクルの推進に向けた大いなる努力をまたふんどしを締め直して始めなきゃいけない時期に差しかかっておるというふうに考えます。

 そういった今の局面に当たりまして、政府としてもより一層核燃料サイクルの確立に向けた取り組みを強化していくことが期待されているというふうに考えますけれども、まず初めに、核燃料サイクル推進に向けた経済産業大臣の御決意のほどを承りたいと思います。

中川国務大臣 おはようございます。

 今、森委員から御指摘のように、日本はエネルギーを自前で確保できないという状況にある中で、核燃料サイクルあるいは原子力エネルギーというものを安全に、有効的に確保するということは、極めて大事なことだろうというふうに思っております。

 安全ということが大前提でございますけれども、今、森委員御指摘のように、先月の判決をきちっと重く受けとめて、その上でこれからもきちっとやっていくことが日本のエネルギー政策の上で極めて大事だというふうに考えております。

森(英)委員 ただいま大臣から、核燃料サイクル推進路線を安全に重点を置きつつしっかりと前向きに進めていくという大変力強い御答弁をいただきまして、まことに結構だと思います。

 そこで、核燃料サイクルを進めていく上で非常に不可欠な施設というか、これは使用済み燃料の中間貯蔵施設というのがどうしても必要になるわけでございますけれども、この原子力委員会の核燃料サイクル政策に関する中間取りまとめによりますと、全量再処理のケースだといたしますと、二〇五〇年ごろまでに三基から六基の中間貯蔵施設が必要であるということでございますが、その中間貯蔵施設の立地の現状について教えていただきたいと思います。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生から御指摘がございましたとおり、原子力委員会長期計画策定会議によります「核燃料サイクル政策についての中間取りまとめ」の全量再処理シナリオにおきましては、二〇五〇年度ごろまでに五千トン規模の中間貯蔵施設が順次三ないし六カ所必要というふうにされております。

 この中間貯蔵施設の整備に向けました第一歩といたしまして、東京電力株式会社及び日本原子力発電株式会社が、青森県むつ市への中間貯蔵施設の立地を計画しているところでございます。現在、青森県及びむつ市が同施設立地の可否に関する検討を進めているところと承知をいたしております。

 経済産業省といたしましても、今後必要となります中間貯蔵施設の円滑な立地が確保されますように、施設の必要性などにつきまして国民の皆様にわかりやすく御説明し、国民の皆様や立地地域の理解を得るために広聴・広報活動等に着実に取り組んでまいりたいと考えております。

森(英)委員 今長官からお話がありましたとおり、やはりこういった核燃料サイクルを推進する上で、国民、なかんずく地元の理解と支持というのが不可欠であるというふうに考えております。

 私ごとになりますけれども、私は自由民主党の中で原子燃料サイクル特別委員長という役を務めておりまして、そういった立場上、いろいろな地元からの声を耳にするわけでございますけれども、そういった意味も込めまして、若干、幾つか懸念される点について御質問をいたしたいと思います。

 中間貯蔵施設については、中間貯蔵された後の使用済み燃料の行き先がなく、中間貯蔵ではなく永久貯蔵になっちゃうんじゃないかという懸念を持っておられる方々があります。こういったことで、今後、中間貯蔵施設の立地を円滑に進めていくためには、中間貯蔵された後の使用済み燃料の取り扱いをこの際明確にしていくことが肝要であるというふうに考えます。

 中間貯蔵された後の使用済み燃料は一体どのように取り扱うのか、その計画について教えていただきたいと思います。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げました原子力委員会長期計画策定会議におきまして昨年十一月に取りまとめられました中間取りまとめにおきましては、「使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とする。」という取りまとめが行われたところでございます。

 その中で、「当面は、利用可能になる再処理能力の範囲で」、これは六ケ所再処理工場のことでございますけれども、その範囲で「使用済燃料の再処理を行うこととし、これを超えて発生する使用済燃料は中間貯蔵する」ということとされまして、「中間貯蔵された使用済燃料の処理の方策は、六ケ所再処理工場の運転実績、高速増殖炉及び再処理にかかる研究開発の進捗状況、核不拡散を巡る国際的な動向等を踏まえて二〇一〇年頃から検討を開始する。」というふうに取りまとめられているところでございます。

 したがいまして、中間貯蔵されました後の使用済み燃料につきましても、「使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用する」という基本方針に従いまして、最終的にはすべて再処理することといたしております。

森(英)委員 今、使用済み燃料については、中間貯蔵されたものも含めて、最終的には全量再処理する方針であるというお答えでございましたけれども、その方針を実現するためには、六ケ所村の再処理工場だけじゃ足りないわけでありまして、第二再処理工場の建設が不可欠であるというふうに思います。

 しかしながら、その具体的な建設計画がまだありません上に、原子力委員会の核燃料サイクルに関する中間取りまとめにおいては、現行の長計にあった「六ケ所再処理工場に続く再処理工場」の記述がなくなっておりまして、これは第二再処理工場の位置づけが以前より後退したんじゃないかというふうな印象を受けるわけでございます。

 そういったことで、第二再処理工場の実現に向けてどのように取り組んでいくか、そのシナリオについて教えていただきたいと存じます。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、昨年の十一月の原子力委員会の中間取りまとめにおきましては、中間貯蔵されました使用済み燃料の処理の方策につきましては、二〇一〇年ごろから検討を開始するというふうに取りまとめられているところでございます。

 この二〇一〇年ごろからという検討の期限につきましては、現在の長期計画ではそのように時期が明示をされておりませんので、むしろ現在の長期計画よりも踏み込んで記述をされているということでございまして、中間貯蔵された使用済み燃料の「処理に必要な施設の建設・操業が六ケ所再処理工場の操業終了に十分に間に合う時期までに結論を得ること」というふうにされておるところでございます。

 この第二再処理工場におきまして適用される可能性のございます次世代の再処理技術につきましては、既に核燃料サイクル開発機構などにおきまして、高度の安全性、経済性、核不拡散等の向上を目指した研究開発が進められておりまして、今後とも引き続きこれを推進していく考えでございます。

 中間取りまとめに示されました基本方針を十分に踏まえまして、また第二再処理工場などの検討時期も念頭に置きまして、研究開発も着実に進めながら、政府一体となりまして、第二再処理工場の検討と実現に向けた取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

森(英)委員 第二再処理工場については従来より踏み込んだ形で中間取りまとめに記述されているという御説明でありますし、また、第二再処理工場について積極的に検討に取りかかるというお話でありますが、そうは申しましても、やはり、その具体的な建設計画がはっきり示されておりませんで、実際に使用済み燃料がどこに搬出されるのかわからない状況では、立地地域の方々としては、これはどうしても永久貯蔵されるのではないかという懸念が払拭できないのではないかというふうに考えるわけでございます。

 そのような不安を払拭するために、中間貯蔵された使用済み燃料が確実に搬出されるということが必要であると考えますけれども、制度上、使用済み燃料の搬出は担保されているのかどうか、この点について伺いたいと思います。

小平政府参考人 使用済み燃料の貯蔵の事業につきましては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の許可の対象となっているところでございます。

 この法律におきましては、使用済み燃料の貯蔵の事業につきまして、貯蔵後の使用済み燃料が施設から搬出されることを前提といたしております。このため、事業許可申請書に、貯蔵の終了後における使用済み燃料の搬出の方法を記載させるということになっておりまして、これが確認をされなければ使用済み燃料の貯蔵の事業については許可がなされないという仕組みに法律上なっているところでございます。

 したがいまして、貯蔵が終わりました後、使用済み燃料が中間貯蔵施設の外に搬出をされるということは、原子炉等規制法上担保をされているところでございます。

 このように、中間貯蔵施設は、使用済み燃料を最終的に再処理するまでの間の貯蔵施設でございまして、使用済み燃料を永久に貯蔵する施設でないということは、ただいま申し上げましたとおり、法制上も明確になっているところでございます。

森(英)委員 ただいま長官から、使用済み燃料の搬出が法制度上担保されているという御説明がありました。

 若干くどいですけれども、最後にもう一度、中間貯蔵施設は、あくまでも再処理するまでの間一時的に使用済み燃料を貯蔵する施設であって、決して永久に貯蔵するための施設ではなく、貯蔵後の使用済み燃料は施設から確実に搬出されるものであるということを、大臣に御確認をいたしたいと存じます。

中川国務大臣 使用済み燃料の中間、あくまでも中間貯蔵でございまして、これは法律上も担保されているところでございますので、これは中間貯蔵であるということが大原則だということを、政府としてもきちっと方針を出しておりますので、御理解いただきたいと思います。

森(英)委員 ただいま大臣からも、これは中間貯蔵、あくまでも中間貯蔵である、法制度上担保されているという御答弁がございましたので、こういったことは、とにかくやはり、皆さん、国民あるいは住民の皆様方の理解をいただくということが大変肝要でございますので、そういった立場でもってぜひとも広報あるいは広く周知徹底していただくように、私からもお願いをいたしたいと思います。

 こういった中間貯蔵施設は核燃サイクルを推進していく上での極めて重要な一つのステージでございまして、こういったことを含めて、一日も早く本来の高速増殖炉原型炉の「もんじゅ」を立ち上げて、そして再処理プラントもきちんと稼働するようにして、日本の核燃サイクルの確立に向けてこれから精力的に取り組んでいただくことを要望させていただきたいと思います。

 若干時間を残しましたが、以上で終わります。ありがとうございました。

河上委員長 次に、大畠章宏君。

大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。おはようございます。

 きょうは、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案に対しての質疑でございます。この問題について質問をさせていただきます。

 とにかく、きのうも経済産業委員会が行われました。二十八度の設定ということでございますが、きのうは、外の方が涼しくて部屋の中が暑い、窓はあかないのかなと思っておりましたが、窓をあけることなく委員会が進みまして、非常に暑い中で、とにかく省エネあるいは環境を考えた日本のエネルギー政策等が必要だろうということを議論することは大変重要だと考えているところであります。

 そういう中でございますけれども、この日本の中で、現在、大臣を初め、また日本の政府が一生懸命省エネに努めているところでありますが、その原点が京都議定書にあることは、大臣も御存じのとおりだと思うんです。

 しかし、京都議定書は発効されましたけれども、アメリカがまだ批准していない。日本のような小さな国で、きょうは大臣は背広を着てネクタイをされておりますが、きのうは、あるいはまた別なときには、非常にラフなスタイルで、省エネというものを国民にも呼びかけている姿勢はわかったわけであります。副大臣の方は、きょうはノーネクタイで、一つの、この永田町かいわいでパターン化されている服装をしているわけであります。

 しかし、日本でこれだけいろいろ考えてやっていこうというときに、大国であるアメリカが京都議定書に対して批准をしていない。経済政策に対する足かせだというような背景もあるようでありますが、実は大臣も、アメリカに対して、日本はこれだけ一生懸命この京都議定書を守ろうとしてやっているんだけれども、エネルギー問題に取り組んでいるんだけれども、アメリカは一体何をやっているんだと。

 要するに、大臣も映画が好きかもしれませんが、「デイ・アフター・トゥモロー」という映画がありましたね。あれはまさにニューヨークが氷河といいますか氷で覆われるという終末でございまして、そういう意味では、ああいう映画をつくりながら、環境問題に全くむとんちゃくとは言いませんけれども、こういう京都議定書に全く反応を示さないということに対して、大臣も、日米問題の一つとして取り上げて、ぜひ批准を迫るべきだと思いますが、冒頭に、上着を脱がれました大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 今、大畠委員が御指摘のように、私も「デイ・アフター・トゥモロー」をたまたま見ました。余り映画を見ないんですけれども、たまたま見ました。

 アメリカが省エネにもっと協力してくださいということは、私も折に触れて言っております。アメリカはエネルギーをどんどんむだ遣いしているということは、私も率直に言っております。ですから、そういう意味で、ぜひ地球の全体のために貢献してくださいということをアメリカ政府にも私から言っているところでございまして、そこはぜひアメリカにも理解してもらいたいというふうに思っております。

大畠委員 それは努力はしていただきたいんですが、実は、日本のエネルギーの消費の仕方というのは非常に世界的にも進んでいるんですね。省エネあるいはいろいろな形で倹約しよう、もったいないという言葉も日本であるわけでありますから。しかし、大国であるアメリカが、この問題について非常に、いま一つ動きが悪い。あるいは、日本のエネルギー消費を一とすれば、アメリカは二か三ぐらいまで上がっているわけでありますから、その大国がなぜ動かないのか。私は、日本政府もアメリカに対してきちっと物を言うべきだと思うんです。

 そこで、きょうは逢沢外務副大臣がお見えになる予定だったんですが、委員会の質疑が、スピードが速いものですからまだお見えになっていないようです。

 私は、実は大臣、この質問をするに当たって、うわさでありましたアメリカからの日米規制改革及び競争政策イニシアチブに基づく日本国政府への米国政府要望書というのをプリントアウトしてみたんですね。大臣はこれをごらんになったことはございますか。

中川国務大臣 さらっと日本に対する要望書を読んだことはございます。

大畠委員 後で私は外務副大臣にもお伺いしようと思うんですが、実にきめ細かに書いてあるんですよ。まるで日本国政府が下書きしたような感じの内容が随分そろっておりまして、ブッシュ大統領と小泉総理は、規制改革・競争政策に関する分野別及び分野横断的な問題に焦点を当て、経済成長や市場開放を促進するため日米規制改革及び競争政策イニシアチブというものを二〇〇一年に設置した、ことしで四年目を迎えたこのイニシアチブは、日米間の貿易と経済関係をさらに強化する役割を引き続き果たしている、こういう書き出しで始まっておりますが、さらに、米国は、小泉総理の思い切った経済改革の課題を強く支持しており云々というのが四十九ページにわたって入っているんですね。

 これを見ると、エネルギー分野もございますし、電気通信、IT、医療機器・医薬品、金融サービス、競争政策、透明性及びその他の政府慣行について、民営化、法務制度改革、商法、流通。提言概要と詳細というので、この提言の一番最後にここまで言っているんですね。米国政府は、日本国政府に対し本要望書を提出することをうれしく思うと同時に、日本からの米国に対する改革要望を歓迎すると書いてあるんですが、大臣、こういう文書を日本国政府としてアメリカに提言しているんでしょうかね。あるいは、アメリカという国は、イギリスにもロシアにも中国にも、あるいはドイツ、フランス、インド、そういう各国にこういう要望書というものを果たして提言しているんでしょうか。

 ここら辺、大臣の御存じの範囲でお答えいただきたいと思います。

中川国務大臣 アメリカから日本に対して、貿易不均衡に対して、アメリカの理屈による不均衡是正の要望というものは、今、大畠委員御指摘のようにずっと要望が出されております。それは、ある意味では一つ参考にしなければいけないとは思いますけれども、でも日本には日本の事情がございます。と同時に、日本としても、アメリカあるいはヨーロッパ、そして中国の貿易不均衡に対しても、日本はきちっと対応していかなければいけませんし、あるいは東南アジア等々についてもやっていかなければいけない。

 ですから、これは国益のぶつかり合いですから、日本としても大いに主張すべきところは主張する、あるいはまた各国も日本に対して主張するところは主張する、これが自由貿易の一つのルールだというふうに思っておりますので、これはこれで、ある意味では必要なことだろうというふうには考えています。

大畠委員 私は、これはしかし、見れば見るほど不思議な国日本になったなと思うんですが、この資料を見ていますと、例えば、これは項目だけ挙げますが、NTT基本料の見直し、NTT東西間の交付金の廃止、それから、携帯着信料金関係についてはこういうふうにすべきではないか、電波利用料制度についてもこうして、基本的にはアメリカの企業が日本国内に参入できるようにすべきではないか、貸金業法のもと、電子通知を認可するとか、こういう法律はこういうふうに変えた方がいいんじゃないか。実にきめ細かに指摘をされているわけでありますが、私は本当に日本の国というのは独立国なのかなという感じがするんですね。ここまで他国から干渉されて、この法律はこう変えなさい、二〇〇六年の四月一日までにはここまですべきじゃないかとか、実にきめ細かに、余りにも詳細に書かれているんですね。

 だから私は、この米国政府要望書というものの内容を前うわさに聞いておりましたが、この委員会の質問を契機に調べてみたんですが、非常に内容には驚きました。

 そこで、逢沢副大臣がお見えになりましたので外務省の御見解を伺いたいところでありますが、この日米規制改革及び競争政策イニシアチブに基づく日本国政府への米国政府要望書の冒頭の下の方に、米国政府は、日本からの米国に対する改革要望を歓迎するという、これは去年もおととしも毎回文章はほぼ同じなんですが、いつも改革要望書の提言を期待するということを書いてあるんですが、日本国として、このアメリカのいわゆる要望書に対応する形といいますか、日本国からはこのような細かなことも含めて、毎年提言されているかどうかの事実をお伺いしたいと思います。

逢沢副大臣 冒頭、少し委員会に遅参をいたしましたことをおわび申し上げたいと思います。

 日米規制改革イニシアチブにつきまして、大変重要な観点から御質問をいただいたわけでありますが、大畠先生御承知のように、なぜこの規制改革イニシアチブ、お互いの対話を日米間でやっているかといいますと、とにかく両国の経済を成長させる、発展をさせる、日米の信頼関係に基づいてお互いの規制というものを適切にやはり見直していく、そういう対等の立場からこの対話を鋭意進めておるという大原則を最初に確認をしておきたいというふうに思います。

 もちろん、米国から日本に対して、今御指摘のようにさまざまな観点、角度から毎年要望といいますか発言がなされている。同時に、毎年我が国から米国に対しても、同様にあらゆる観点から米国が持つさまざまな規制、その改革に関する改善要望、これは鋭意提出をいたしているわけでありまして、例えば、その分野別事項としてどんなことを我が国が米国に対して指摘をしておるかと申しますと、分野別で申し上げますと、まず電気通信の分野、二番目に情報技術、三番目にエネルギーの分野、そして四番目に医療機器・医薬品の分野、大別をいたしますと、この四分野については厳しく日本側から米国にいわば意見、要望、要求を突きつけておる、こういう状況がございます。

 また、分野横断別事項という角度から整理をいたしますと、領事事項、あるいは貿易、投資に関連する措置、流通について、競争政策について、司法制度のあり方について、また制裁法、米国は独自の制裁法を振りかざす、そういう面もございますから、この制裁法、以上六つの分野について日本から米国に対して要望を行っておる、こういう状況にあるわけであります。

 アメリカからも日本にはいろいろございます。それは比較的大きく報道される。逆に日本からも、今申し上げたように、分野別としては四つの分野、分野横断別事項としては六つの分野を中心にいろいろ発言を毎年行っている。もう少し大きく報道が取り上げてくれればという面も感じとしては否めないわけでありますが、対等の立場でそういったことを、お互いの経済を成長させるという理念のもとに展開をしているということを、ぜひ御理解いただきたいと思います。

大畠委員 逢沢副大臣、遅参したんじゃなくてこの委員会のスピードがちょっと速くて、決して遅参したわけじゃありませんから、そのことは事実として、本当は私は半から質問する予定だったんですが、少し早めに前の方が終わったものですから、決してそう懸念されることのない話であります。

 それで、私は、今お話がございましたので、委員長、ぜひ理事会で諮っていただきたいんですが、日本国政府からどういうものがこういう文書に対応する形で提出されているのか、ぜひ委員会に提出していただきたいと思うんですが、よろしくお願いします。

河上委員長 後刻理事会で協議します。

中川国務大臣 これは大事なポイントだと思いますね。

 アメリカの不公正貿易に対するレポート、あるいは日本から見てアメリカの不公正、例のバード修正法だとか一九一六貿易法、これはもうなくなりましたけれども、だから国会でぜひこれは、日米貿易紛争ではなくて、日本とアメリカとの関係をより密接にするために、私がこういうことを言うとまずいかもしれないですけれども、ぜひ大畠委員、これはやってくださいよ、お願いします。

 委員長、お願いします。

大畠委員 大臣からも積極的な、久しぶりと言ってはなんでありますが、日本国の大臣としての姿勢が示されまして、それは歓迎するところであります。

 それで、逢沢副大臣、今、中川大臣からもお話がありましたが、その要望の中に京都議定書の批准の問題は含まれておるでしょうか。

逢沢副大臣 日本からアメリカに対して要望、発言をしていることについては先ほど整理して申し上げましたが、京都議定書の批准について、いわゆる日米規制改革イニシアチブの脈略の中で扱っているわけではございません。日米規制改革イニシアチブの要望書には、この京都議定書のことについては触れていないわけであります。

 しかし、質問にはないわけでございますけれども、温暖化対策の実効性を確保する上では、何といったってアメリカが一番多くの排出量を出しているわけでありますので、去年十月の日米外相会談、町村さんがワシントンに行かれましたけれども、そのときに京都議定書の加入に向けた再検討を正式に日本国政府として要請、要望をいたしておりまして、環境大臣等も折に触れてアメリカに対して強く働きかけを行っている。政府としてきちんと日本の考え方をアメリカに伝えておるということについては、付言をいたしておきたいと思います。

大畠委員 今回、通称省エネ法というんでしょうか、エネルギーの使用の合理化に関する法律案をこれだけみんなで論議をして、ネクタイも外して室温を二十八度まで、私だけがしていますが、私は何かそこら辺がちぐはぐになっているんじゃないかなと。日本でこれだけみんなで努力をしている中で、アメリカという国、軍事的にも経済的にも大変大きな国だし、世界のリーダーを自負しているんだと思うんですが、まさに環境問題でも、ほかの国がこういうふうな努力をしているんだったらアメリカも当然やるべきだし、ましてやアメリカから日本に対してこれだけきめ細かに、郵便事業まで入っているんですから。

 これは昨年の十月十四日の要望書の内容ですが、「本年の要望書において米国は、日本郵政公社の民営化計画が進んでいることを受け、勢いを増している日本における民営化の動きに特段の関心を寄せた。これに関して、日本経済に最大限の経済効果をもたらすためには、日本郵政公社の民営化は意欲的且つ市場原理に基づくべきだという原則が米国の提言の柱となっている。」と、ここまで強く郵政事業の民営化をアメリカが求めているんですね。

 ここまで言われながら、肝心の京都議定書、世界的に、「デイ・アフター・トゥモロー」という映画までつくるアメリカが、京都議定書の問題については何ら動かない。経済の足を縛るようなものであるという経済界からの反対で動かないようでありますが、私は、中川大臣からもお話がありましたように、日本国政府からも、公式のそういうペーパーに京都議定書の批准というものを書かないと、私も、アメリカ人と随分つき合っていますが、はっきり言わないと彼らは理解しないんですよ。前もアーミテージさんなんかと話をしたけれども、この日米問題あるいは沖縄の軍事問題についても、大畠さん、そんな考えがあるんだったらはっきり言ってくれ、我々アメリカ人は、決して、気に食わないことを言われたからといって腹立てたりなんかするというよりも、率直な意見を歓迎するんだ、いつもそうなんだという話をしているんです。

 決して遠慮をすることなく、そういう根本については、私は明確に文書として出すべきだと思うんですが、ことしはもう間に合わないかもしれませんけれども、来年の日本からのアメリカに対する改革要望書の中にはこの京都議定書の文言を入れていただけるかどうか、副大臣の御所見をお伺いしたいと思うんです。

逢沢副大臣 温暖化を防ぐということは、まさに国際的大問題であります。言うまでもなく、米国は最も多くのCO2を排出している国でありますので、その米国が積極的に行動するということは、まさしく最も大切な課題であることは言をまたないわけであります。

 そこで確認でございますけれども、今ここで議論させていただいております日米規制改革イニシアチブ、この規制改革という範疇の中に、温暖化防止、京都議定書批准についてというテーマを取り込むことができるか。お互いが持っている規制について指摘をし合う、方向としてはその規制を緩和する、撤廃する、そういう議論をこのイニシアチブの中ではやっているということの理解の中に温暖化防止というものを取り込めるか、果たしてそれは米国の規制というものなのかという議論がやはり必要になってくるんだろうと思います。

 そういう観点から、今までは、先ほど申し上げた、分野別、分野横断別事項として、それぞれ四つ、また六分野について、中心的に指摘をしてきたわけでありますが、大畠議員からそういった強い御指摘がございます。この規制改革イニシアチブの中に取り込むことが適当かどうか、もし仮にそうでないとすれば、別のテーブルを設けるということも場合によっては考えなきゃならぬかというふうに思うわけでありますが、いずれにしても、米国をこの京都議定書に戻らせる、そういう引き続きの努力は大変重要なことでありますので、積極的に取り組んでまいりたい、そのように存じます。

大畠委員 これは認識の違いかもしれませんが、環境政策、いわゆる京都議定書を批准するかどうかというのは経済政策に大きな影響を与えるんですね。京都議定書を批准している国の経済政策と批准していない経済政策というのは違ってくるんですよ。だから、アメリカの国はなぜ批准しないかというと、経済政策に足かせをはめることになるから、自由な行動ができなくなるから批准していないんですよ。それはまさに規制関係に大きな影響を与えているんじゃないですか。私はそれは御認識が違うと思うんですね。

 大臣、今、副大臣は、京都議定書というのは日米間の規制改革及び競争政策には影響しないという趣旨の御発言をされましたが、大臣の御認識はどうでしょうか。

中川国務大臣 私は大畠委員と同じ考えです。経済と環境は両立するというのが小泉内閣の基本方針でございます。ですから、経済の発展それから環境のプラス面は両立するというふうに思っておりますので、そういう意味で、私ははっきりアメリカの政府の人間にも申し上げておりますけれども、どんどん環境対策をやっていくことがアメリカにとってもプラスになるんじゃないですかということを常に申し上げております。

大畠委員 逢沢外務副大臣も、かつて商工委員会の、まさに自由民主党の中心リーダーとして活躍をされていた経歴をお持ちでございますが、ぜひこの件については、中川大臣とよく話をされて善処されますように、これはよく要望しておきたいと思います。

 さて、本題の話に戻りたいと考えるところでありますが、逢沢副大臣、ありがとうございました。これで結構でございます。何か言い残したことがあれば、一言発言して御退室ください。

逢沢副大臣 発言の機会をいただき、ありがとうございました。

 中川経産大臣からの御答弁もございました。そもそも、この規制改革イニシアチブ、二〇〇一年六月の小泉・ブッシュ日米首脳会談を契機にスタートしたわけでありまして、政府内でよく検討して、とにかく目的を達成する、そのことが一番大切なことでありますので、大畠議員の指摘を踏まえて、鋭意検討を進めてまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

大畠委員 ぜひ、基本的にそういうことを踏まえて、日本としてもアメリカに対してはっきり物を言うということをやっていただきたいということをお願いしておきます。

 さて、時間の関係で幾つかの点をまとめて御質問させていただきます。

 経済産業省に対して、昨日、浅岡参考人の御意見をお伺いしたんですが、この中に幾つか、そうだな、これはきちっとしなきゃいけないんじゃないかなという点がございましたので、それをまとめてお伺いします。

 一つは、対象外機器の業務用機器追加指定をすべきではないか、これはエアコンなどですね。それから、省エネラベルを、やはり一般住宅等にも対象として、消費者がこれは本当に省エネが進んだ住宅かどうかということも選択の中に入れられるようにした方がいいのではないか。それから、各対象機器にラベルの表示を義務づける、製品を買うときに、省エネに関してはどういう位置づけにあるんだろうかということを、価格だけではなく、消費者が選べるものにすべきじゃないか。それから、第一種エネルギー管理指定工場に関して、著しく不十分とは何か。いわゆる著しく不十分な場合にはという話があるんですが、この著しく不十分という表現では判断が明確ではない、明確に判断すべき基準を示すべきだという四つの指摘があったわけですが、これに対して、経済産業省の現在の考え方をお伺いしたいと思うんです。

小平政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、業務用機器の件でございますけれども、省エネ法におきましては、トップランナー制度の対象機器といたしまして三つの要件がございます。我が国において大量に使用される機器であること、その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機器であること、エネルギー効率の向上を図ることが特に必要な機器、この三つの要件を満たすものをトップランナー制度の対象といたしております。

 したがいまして、用途によりまして対象を決めているということではございませんで、業務用機器のうち、この要件に当たるような、例えば複写機でございますとか電子計算機、変圧器、業務用エアコン等につきましては、トップランナー制度の対象といたしているところでございます。

 現在、トラック、バス、ルーター等、これも業務用でございますけれども、これにつきましても、それを対象に追加するということで検討を進めているところでございます。

 次に、ラベルにつきましてのお尋ねでございます。住宅につきましては後ほど国土交通省の方からお答えがあるかと思いますけれども、製品についての義務づけでございます。

 省エネ法におきましては、このトップランナー対象機器につきまして、製造事業者等に対しまして省エネ情報の表示を義務づけてきたところでございまして、例えば、テレビや冷蔵庫につきましては、年間消費電力量を機器の本体、あるいはカタログに表示をいたしております。

 他方、今先生からも御指摘がございましたように、販売事業者が実際に消費者との直接の接点になるわけでございますので、その役割は省エネを推進する上で大変重要であるというふうに考えております。

 具体的に、この省エネ法、努力義務ということで、販売店、販売事業者に対しても情報の提供をお願いする、こういうことになっておりますけれども、具体的な表示の手法につきましては、省エネラベルの活用も含めまして、審議会等を通じて検討してまいりたいというふうに考えております。

 それから、第三のお尋ねでございます著しく不十分というところについて、より明確な判断基準を示すべきではないかという御指摘がございました。

 これにつきましては、この著しく不十分ということを判断するに当たりましては、この対象、当該工場と同種、同規模のほかの工場の省エネルギー対策の実施状況と比較をした上で行うことになりますので、業種や工場の規模によりまして判断が分かれてくるということになるわけでございます。したがいまして、画一的な基準をあらかじめ設定をするということは困難でございますけれども、実際の運用に当たりましては、それぞれの事業者からの定期報告の中での実績を踏まえながら立入検査を行うというようなことも踏まえまして、事業者の置かれた状況についてのヒアリングというようなことも行いながら、著しく不十分に当たるかどうかということについての判断を適切に行ってまいりたいというふうに考えております。

山本政府参考人 個別具体の住宅について、省エネの性能がどういうふうになっているかということが消費者の皆様にきちんとわかるようにすべきだ、そのことが省エネを具体に進めるために大事であるという御指摘でございます。

 実は、住宅の品質につきましては、省エネだけでなく、耐久性とか耐震性とか、そういった品質が消費者の皆様にしっかりわかるようにするということが大事でございますので、五年前、住宅の品質確保の促進等に関する法律を制定していただきまして、その中で、省エネ性能を含む住宅の性能についてきちんと表示する制度を導入いたしました。

 この住宅性能表示制度では、省エネルギー対策等級につきまして、省エネ法の現行基準でございます平成十一年度基準、これを最高等級の等級四、それから平成四年基準相当を等級三、昭和五十五年基準相当を等級二、省エネ対策を行っていないものを等級一と表示することにしておりまして、個々の住宅に関する具体の省エネ性能情報を購入者の方々にわかりやすく提供する役割を果たしております。これは導入して五年でございますけれども、年々御利用が拡大してきておりますので、この普及を通じて御指摘がありました問題意識にこたえていきたいというふうに考えております。

大畠委員 そこら辺はそれぞれ、不明なところはきちっとしていかなければなりませんし、効果的なものはどんどんやるということで、ぜひ対応していただきたいということを申し上げたいと思います。

 それから、具体的な取り組みについて何点か申し上げたいと思います。

 例えば、先日、質問するに当たっていろいろお話を伺いますと、いわゆる自動販売機、温かいもの、冷たいものがまざった自動販売機で大体四百万キロワット使っておるんですってね、全国で。十年前が三百万キロワットということで、原子力発電所三基分と言っていたんですが、百万キロふえてしまいまして、四百万キロワット。ここのところも、確かに自由競争ではあるんですが、何らかの規制といいますか、これだけみんな暑い思いしているんだけれども我慢して、委員長もネクタイをとっておられますが、そういうふうにやろうというときに、片方では自由に、いろいろ工夫はしているようですが、消費者が求めているからといって自動販売機を設置する。

 あるいはコンビニでも、いわゆる走る倉庫と言われていますよね。コンビニは倉庫を基本的に持たないで、朝昼晩でありましょうか、一日二回か三回ぐらい配送車が来て、朝晩かもしれませんが、倉庫がなくても、自動的に商品をタイムリーにやるというんですが、東京都内を走っている自動車のうち、トラックでどのくらいの比率があるか私も調べてはいませんが、このいわゆる商品供給システム、走る倉庫のシステムについても何らかの対策を、私は利便性があるからといってそのまま放置するわけにはいかないんじゃないかと思っております。

 それから、自動車の冷暖房、よくとまっているトラックで、夏あるいは冬寒いときにはエンジンをかけたまま駐車しているわけでございますけれども、そういうものの対策をどうするか。あるいは個人住宅でも、もう個室主義になっていますから、中川大臣が幼きころ住まわれたおうちはどういうおうちかわかりませんが、いわゆるトトロの世界のあの和風住宅、風が右から左から、東西南北全部風が通っていました、そういう古きよき日本の気候に合った住宅というのもほとんどなくなってしまったんですね。だから、そういうものの復活ですとか、あるいは、雨水をもっと利用してほしいというので、暑いときには一斉に夕方水まきをしようということをやっているNPOの団体もおられますし、やはり降った水は地下に戻す、そういう工夫も必要だと思いますし、さまざまな工夫をもっとすべきじゃないかという御意見を賜っております。

 したがって、この件、経済産業省並びに国土交通省の方で、できる範囲内で現在の取り組みについてお話をいただければと思います。

迎政府参考人 では、私の方からは、コンビニエンスストアの配送システムに関してお答え申し上げます。

 コンビニエンスストアにおきましては、商品の新鮮さを求める消費者ニーズに対応するというふうなことで、温度帯別に計画的な配送が行われているわけでございます。

 ただ、これは、地球温暖化対策の観点から、コンビニ各社は自主行動計画というふうなものをつくりまして、共同配送の推進やハイブリッド自動車、天然ガス自動車の導入等に積極的に取り組んでおるところでございまして、私ども、この自主行動計画の実施状況というのを毎年フォローアップしているところでございます。実際に一つの店に対して配送が行われる、何台の車が来るかというのは各社によってばらつきはありますが、着実に減っておるところでございます。

 それから、天然ガス車、ハイブリッド車の導入も進んでおりますし、あるいは荷物の積みおろしの際のアイドリング、こういったものもとめるというふうなことで、燃料消費量あるいはCO2の排出に関する取り組みがなされているということでございます。

蓮実副大臣 先生御指摘のように、私は栃木県、先生は茨城県ですから、古きよき住宅は大体同じだと思っております。

 日本の気候、夏は非常に高温多湿でありますし、冬は非常に厳しい寒さであるという特徴がありますので、冷暖房が今全国に非常に普及しております。冷暖房の効率を上げるために住宅の断熱性、気密性を高めることが必要になっておりまして、住宅の省エネ基準では、冷暖房用のエネルギー消費削減から住宅の断熱性、気密性等に関する基準を実は設けておるわけであります。

 一方、春、秋の季節やその地域の気候風土によっては、大畠先生の御指摘のように、冷暖房を使用せずに窓などの開口部を広くあけて外気を室内に取り込んだ方が省エネの観点からも有効でありますし、健康にもよいので、省エネ基準の中で通風の確保もあわせて求めております。

 このように、現在の省エネ基準でも、住宅の断熱性あるいは気密性を高めて、住宅を閉じることとあけることに上手に取り組んでおります。

 国土交通省としては、住宅の風通しをよくすることを取り入れている省エネ基準についてパンフレットを作成、配布したり、省エネ住宅の技術講習を開催するなど、広く社会の周知徹底に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

松尾政府参考人 私の方からは、自動車の駐停車中の冷暖房の取り組み状況について御説明をいたします。

 まず、トラック事業におきましては、エコドライブの一環として、駐停車中のアイドリングストップを推進し、燃費の低減を図ることが重要であるというふうに考えておるわけでありますが、そのためには、特にトラック事業におきましては、休憩中にエンジンを停止させても稼働可能な冷暖房装置を普及させるということが有効であると思っております。このため、トラック事業者が蓄熱式のマット、蓄冷式のクーラー、エアヒーターといった冷暖房装置の導入について、国土交通省と経済産業省とが連携して補助を行う制度を本年度より設けたところでございます。

 今後とも、トラックを初めとする営業用自動車の省エネを図るため、輸送事業者の省エネに対する取り組みを支援してまいりたいと考えております。

大畠委員 時間が参りましたので、能勢環境大臣政務官にはせっかく御出席いただいたんですが、また次回のときに質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

河上委員長 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 民主党の渡辺でございます。

 今、大畠委員から冒頭に、私も実はこれまた大変関心を持っておりまして、いわゆる対日要求の問題でございます。ちょっと冒頭にそれに触れて、私自身の意見も申し上げてから、質問に入りたいと思います。

 先日、「拒否できない日本」という本がございまして、たまたま本屋でぱらぱらと見て買ったわけですけれども、なるほどなというふうに思うことが、今の大畠委員の質問にもつながるわけでございますけれども、米国が毎年十月に日本に突きつけてくるいわゆる対日要求、年次要望書というもの、これが本当にここまでされるのか、ここまで言われるのかと。当初は通商の問題から始まったこの日米の問題ですけれども、今ではまさに我が国の国家の本質にまで踏み込んできている。これが変質をしたのは、いわゆる小泉総理とブッシュ現大統領がアメリカで、二〇〇一年総理就任間もなくアメリカに行かれて、それが確認をされた、あるいはそこから始まったんだというふうなことが書いてあります。

 その本に書いてあったことを、私もメモしてきたことをちょっと読み上げますと、いわゆる日本とアメリカの長年にわたる通商問題、この通商問題というのは、通商代表部が一九六二年にできたわけでありますけれども、そもそもこのアメリカ通商代表部というのは連邦議会の提案によってできた組織です。つまりこれは、我々は日本で言うところの経済産業省のカウンターパートかと思っていたら、そうじゃなくて、いわゆるアメリカの外交という大きな国益と議会を構成する議員のいろいろな選挙区事情やいろいろ背景にある支持団体あるいはロビー団体、こういう利害を調整しながら、それぞれの議員が、国の方針がなかなか動かない中で、一種の官製ロビイスト集団として組織をされた。

 その後、悪名高いスーパー三〇一条ができました。アメリカの要求をのまなかったら、アメリカ一国の主権の名において、まさに報復的内容を含む法を発動するということになった。つまりこれは、もともとが大統領府につながる行政機関ではなく、もとはといえば議員たちによる一種の利害調整、あるいは利害を主張する組織であったというようなことが触れられていました。

 そうして読み解いていくと、なるほどなと思ってだんだん理解できてくるわけなんですけれども、その中の背景にあるのは、これは、アメリカが、大変財政的に厳しい中で世界の覇権をとにかく維持しようとして突っ走ってきた。その中で、御存じのとおり双子の赤字、財政赤字と貿易赤字という二つの赤字が誕生した。その根源にあるのは、実は日本という国が非常に社会構造も市場も異質なんだ、日本異質論という中から、そのためには日本の社会構造あるいは市場を変えなければならない、そこに転嫁されたわけですね、御存じのとおり。

 これは、今考えてみますと、特に今回の環境の問題、この委員会でもかねてからずっと議論されておりますけれども、まさにアメリカの覇権主義、大国主義、ユニラテラリズムの中で、なぜこの環境に関してはアメリカが全くリーダーシップをとらないのか。日本異質論を言うならば、グローバルな視点で、今これは地球市民といいましょうか、地球上に生活する者のすべての最大の関心事であります環境という点については、よっぽど日本の方が、ここまで経済発展と環境というものを両立させながら数次にわたる危機を乗り越えてきたということは、私は胸を張ってアメリカに対して言えるんじゃないだろうかと。まさに、そこについては、私たちはやはり日本という国に対してもっと自信を持っていいのではないだろうかとつくづく思っているところでございます。

 イニシアチブという言葉を先ほど外務副大臣も使われました。これは、日米構造協議から始まって、この本の作者の名前は忘れましたけれども、私もなるほどなと思って調べてみたんです。イニシアチブという言葉は協議ではない、意訳だと。つまり、日米構造協議にイニシアチブという言葉が出てくるけれども、アメリカから見れば主導権でありまして、これはどう考えても協議という日本語には訳せない。

 ところが、この日米構造協議がスタートしてから今日まで、日米構造協議という名前を使わずにイニシアチブと向こうでは言っていると。つまり、イニシアチブというのは向こうからいえば主導権でありまして、日本側は、これは意図的なのかそうでないのかわかりませんけれども、協議という名前。何か双方がイコールの立場でいろいろなお互いの双方の利害を出しながら、意見を出しながら調整をしてきた、その産物であるというようなイメージがありますけれども、向こうからすれば本当はこれは協議ではないんですね。こちらは協議というふうに、言いかえれば善意に解釈しておりますけれども。

 このイニシアチブという言葉が果たして適切なのかどうなのか、これを協議と訳していることが果たして適切なのかどうなのかということについては、ぜひ大臣もどこかでまた研究されて、その辺はまたいずれの日にかこの委員会でも質疑の中でお答えをいただきたい。

 今もしお答えをいただければありがたいですが、これは大臣としての、アメリカとの関係について今どうお考えなのかということと突き合わせて、冒頭ちょっとできればお答えをいただきたいんです。今の感想で結構でございますし、日ごろ大臣としてお考えになっていらっしゃることを、日本国の経済産業大臣として、アメリカとの関係、歴史的ないきさつ、あるいは私が指摘したような点につきましてどのようにお考えになっているか。最初大分時間を食いましたけれども、もしお考えをお述べいただければと思います。

    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕

中川国務大臣 渡辺委員のおっしゃっていることは、私も非常に同感できる部分が多いと思います。

 まず、アメリカが日本に対していろいろクレームをつけてきていることについては、全部とは言いませんけれども、一部分、ちょっと言い過ぎじゃないかということは私も率直に思います。

 だからこそ、日本も言えばいいんです。戦略的パートナーシップ、日米同盟ということですから、お互いに言えばいいので、だから、言われてごめんなさいと言うだけじゃだめなんで、お互いに言ってパートナーシップをきちっと構築していけばいいんだろうと思っております。そういう意味で、本音で話し合いができるような日米関係をこれから構築していけばいいというふうに思っております。

 それから、イニシアチブという言葉が一方的じゃないかと。だとすれば、それはよくないことだと思いますので、日米、イニシアチブをきちっとお互いにやっていく。アメリカというのは、御承知のように、経済関係においてもWTOにおいても問題がいろいろ過去にございますので、グランドファーザークローズとかいろいろございますので、そこは日米できちっと話し合いをしてパートナーシップを構築していくことが、まさに世界第一、世界第二の経済国家、自由主義国家としての構築をしていくことが、これは中国あるいはまた途上国含めて、世界に貢献できる一つの大事な役割だろうというふうに考えております。

渡辺(周)委員 お考えはほぼ同じだと思います。日本の政治家である限りは、我が国の国益ということをまず考えて、アメリカという最大の同盟国ではありますけれども、やはり、我が国の国家たる毅然とした姿勢を持って、我が国の社会構造や日本の市場というもの、もっとさかのぼれば文化や歴史というものを守りながら、できるもの、できないものについてははっきりと明確に意思表示をするというようなことは、これは今後、余り何でもかんでもアメリカ謀略史観みたいなものに、もちろん私も取りつかれているわけではありませんけれども、やはり国益ということを考えてまた国会の中でも議論をし、またそれぞれがいろいろな考えを出し合いながら国家の発展のために尽くしていきたい、そんなふうに思うわけでございます。

 ちょっと前置きが長くなってしまいましたけれども、広い意味でのお話から、この法律に出てきます非常に具体的な幾つかの法の問題点についても、マクロ、ミクロで、こういう言い方がいいのかわかりませんけれども、ちょっと質問していきたいと思うんです。

 先般、この委員会でも始まる前に行きました今開催中の愛・地球博、愛知万博なんですけれども、これも環境というテーマで開かれています。今日まで、一応目標人員一千五百万人の集客を見込んでいるところが、大体予定どおりいっているんでしょうか、今のところの評価をちょっと伺いたいと思います。

 それともう一つ、これは今から言うのもなんですが、九月にこの愛知万博が閉幕をいたします。今年度中に当然撤去をしたり次なる跡地利用について考えられるんでしょうけれども、この愛知万博、やっているさなかに終わったときの話をするのもちょっと恐縮ですが、その後どうされるのかなと。

 つまり、これは大阪万博のときの「日本万国博覧会公式記録」というところからちょっと引っ張り出しまして、大阪万博の例えば展示館の寄贈とか売却というのが一覧表になっておりまして、これは昭和四十六年の話でございますので、私が十歳ぐらいのときですから、もうかれこれ三十数年前でございます。

 例えば、ここにありますのは、オーストラリア館というのは三重県に引き取られた。ブルガリア館というのはブルガリアのソフィア市に持っていかれました。まあ返しました。中には、びっくりするのは、エルサルバドル館とかコスタリカ館というのは、実は、私も知らなかったんですが、静岡県内にあります料理屋の休憩所として寄贈されたり売却されているんですね。中には、老人ホームだとか、あるいは自衛隊の講堂や酒保になっている。幼稚園になっているところもあるんですね。これはなかなかおもしろいなと。ちょっとこれはざっと調べたんですが、中には、西武鉄道が引き取って埼玉県所沢市のユネスコ村の一部にマレーシア館がなっているとか。

 例えば、この愛知万博が、愛・地球博が終わって、当然これをばらして撤去するには大変なコストがかかると思うんですけれども、環境をテーマにしているということでいったら、できるだけこれを廃材としないで、できるだけコストをかけないで、やはり同じような手法を使ってできれば売却すべきじゃないかなと思うんですけれども、その辺については何かお考えはあるんですか、あるいはそんな申し出かなんかは出てきていますか。

迎政府参考人 まず、来客数の方でございますけれども、三月二十五日に開幕しまして、全体で九月二十五日まで百八十五日間にわたって開催されるわけですけれども、ちょうどおととい、開幕八十一日目で来場目標者数の千五百万人の半分の七百五十万人を超えるというふうなことで、たくさんのお客様が来ていただいておるわけでございます。今後とも引き続き、来場者の視点から運営を図って、多くの方に来て満足いただけるように努めてまいりたいと思っております。

 それから、万博閉幕後のパビリオンの取り扱いにつきましては、自治体ですとかそういったところからの移設希望を踏まえながら、今後博覧会協会を中心に検討し、決定していくこととしております。

 その際、先生御指摘のように、本博覧会の理念、成果を将来に継承していくという観点から、パビリオンが各地域において有効に活用されるというふうなことは有意義なことだと考えております。また、パビリオンのまま移設が困難とかいうふうなものにつきましても、環境負荷の低減といった本博覧会の理念に沿いまして、極力、部材のリサイクルですとか、こういったものも図ることが必要であろうと思っております。

 当省といたしましても、協会を適切に指導いたしまして、こういったことが実現するように努力をしてまいりたいと思っております。

渡辺(周)委員 昨日担当の方にちょっと聞きましたら、やはり私と同じ年代ですから、当然そのころはまだ役所にもいなかったわけで、どちらかというと観客の一人として行かれた方、お若い方ばかりですから、当時のことはわからないと思います。

 例えばこういうものが、今お話のあった自治体から、希望の方には売却をする、それをどういう形で応募するのかというのはまたこれから検討されるのかもしれません。寄贈されるということももちろんあると思うんですけれども、さっき申し上げたように、私は、このパビリオン、せっかくですからできるだけ売却して、この建設にかかった費用あるいは運営にかかった費用を少しでもコスト回収できるようにやるべきだと思います。

 大体、どこの自治体も姉妹都市で、例えばそれがイタリアであったりあるいは韓国のどこかであったりと、姉妹都市なんかを結んでいるわけですから、そういうところに、例えばゆかりのあるところから手を挙げて、姉妹都市としてそこの、要はそのどこかの国のパビリオンを持ってくるという、地域活性化の中で位置づけられるのであれば理由のあるところに優先的に売却をしてあげるとか、何かそういうこともぜひしていただきたいなと思うんです。

 これは先の話ですけれども、もしそうなった場合に、どういう窓口をつくって、それからどういう基準で、あるいは売却するとしたらどういう算定根拠で判断するのか。その辺についてはどうなんですか、今からちょっとお考えになっておいた方がいいと思うんですけれども、何かもし大臣、どちらでも結構でございます。

迎政府参考人 実際のところ、例えばトトロのサツキとメイの家なんというのは、もう幾つもの自治体からぜひ自分のところにというふうなお声も上がっておるわけでございますけれども、これをどういう形の費用負担でどういう選定手順でというのは、今実施している最中でございまして、協会の方もむしろ運営に全力を挙げているところですので、今後、そこいら辺のところも適正な方法を検討して決定していこうというふうに考えておるところでございます。

渡辺(周)委員 国家的な大きなイベントとしてやりました、多額の費用をかけて始められたこの愛・地球博でございますので、いついつまでも残るように、いろいろな形でモニュメントとして、いろいろなところでこれを終わった後も活用されるように、ぜひ知恵を絞って、有効利用されるようにいろいろ御検討いただければなということをお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。

 それでは、この法律の中身についてでございますけれども、今回の法改正によって、新たに運輸部門がつけ加えられました。そしてさらには、製造業に関する、いわゆる指定工場もおよそ一万から一万三千になる。あるいは、住宅、これまでの新築から、今度は修繕、リフォームということも含めて対象になるんだということが法の柱でございますけれども、私、一つここでお尋ねしたいのは、先ほどの大畠委員の質問にも若干触れられておりましたけれども、車の分野ですね。特に、車で、いろいろな統計の数字を見ますと、残念ながらなかなか効果があらわれていないのではないかということで、この数年の予算をずっと見させていただきました。

 ここで、これは大変すばらしいな、これが普及しないかなというふうに思っているのが、いわゆる省エネ型の車の普及なんでございますけれども、その中で、今、アイドリングストップ装置というのが既に備えつけられている車については補助があるわけでございますけれども、通常車両との価格差の一部を補助するということで導入を図っているということで、平成十六年度は三億円の予算がついております。ところが、平成十七年度、今年度は、六分の一の〇・五億円、五千万円。自動車燃料消費効率改善システム導入促進事業、価格差の一部を補助することによって導入をふやそうというこの施策が、実は昨年度に比べますと三億円から六分の一の五千万円になっているんですけれども、これは非常に私は納得いかないんですが、これはどういうことで予算が減額されたのか。つまり、普及しないのかというふうな認識を持つんですね。

 もちろん、これだけ言うのではなくて、アイドリングストップ普及推進事業ということについては、二・五億円から三・四億円、九千万円ほど予算がふえているんですが、アイドリングストップ車の試乗会、アイドリングストップに関する広報活動等を実施するとともに、ITを活用した燃費データの活用等エコドライブの促進を図る。つまり、普及事業の方は、二・五億円から三・四億円に予算が増額されておりました。実際、これは、導入を促進しようという補助金については三億円が五千万円に減額されているんですけれども、この辺の理由と、普及しないというのはなぜかということについてお答えいただけますでしょうか。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもといたしましても、今先生の御指摘ございましたように、アイドリングストップ装置を備えました自動車は、普通の車に比べまして五ないし一〇%の燃費改善効果があるということで、力を入れているところでございますけれども、ただいま御指摘がございました点につきましてお答えを申し上げますと、一つは、通常の車に比べまして差額の半分を補助するという仕組みでございまして、大体一件当たりの金額からまいりますと三ないし五万円の補助ということになるわけでございます。

 実際に本年度予算が減っております一つの理由は、PR不足ということもかなりあるかと思いますけれども、実際の予算額に対しまして希望される方が大変少ないということで、実は、昨年度につきましては、かなり予算が使われずに残っているという状況がございまして、その使われなかった予算につきましては本年度に繰り越しをいたしておりますので、本年度予算は、先ほど御指摘がございましたとおり五千万円ということでございますけれども、実際に使います予算額はこれよりもかなり大きいということになっておるわけでございます。

 いずれにいたしましても、広報費をふやしております一つの理由は、やはりこれについての周知がなかなか図られない、したがって希望される方々が少ないということもあろうかということで、その周知徹底を図るということで、本年度につきましては広報のための予算をふやしておりますけれども、状況をよく見ながら、このアイドリングストップ車の普及ということが本来の目的でございますので、それに合うように、予算も随時見直しながら適切に執行してまいりたいというふうに思っております。

    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

渡辺(周)委員 たまたま、これはことしの二月の新聞に出たんですけれども、経済産業省の外郭団体省エネルギーセンターというところが、二〇〇二年の夏に、北海道の宗谷岬から鹿児島県の佐多岬まで三千七百キロを三週間かけて、アイドリングストップ車とノーマル車で日本縦断のテストをした。その結果、都市間では、停車時間が少ないために、アイドリングストップ時間七・九%、燃料削減率もノーマル車の三・四%にとどまったものの、都市部では、アイドリングストップ時間が二五・九%、燃料も一三・四%の削減率になったというようなことが紹介されていました。

 これは二〇〇二年の夏ですから、もう三年前ですね。随分昔から取り組んで、こういうデータが出て、せっかくこんなことまでして、各メーカーが、少々割高でありますけれども今アイドリングストップの車を開発している。

 しかし、残念ながら、今知られていないということではあるんですけれども、これは御提案なんですが、新車を購入する場合は、これは補助金が出るわけですね、差額に対しての補助金が出る。今おっしゃった五万円から三万円ぐらいの、いわゆる差額の二分の一が補助金として出るんですが、今、実は民間の中では、いわゆる後づけとして、新車にそもそも組み込まれているものではなくて、後から現在使われている自動車に対して後づけという形でできるんだということはもう随分開発されていますけれども、既にその辺については、実用的には問題ないというふうな、この同じ省エネルギーセンターの方で何か実証されているというような話なんですけれども、それはそういうことで理解していいのかどうか。

 それともう一つは、大体値段からすると二万円から二万五千円ぐらいの価格帯で、後づけでこのアイドリングストップの装置を、ファシリティーを要はくっつけられる。ある意味では、普通の乗用車のカーナビを購入するような感覚で、例えばそういうところが手軽に既存の、今自分の乗っている車に合えばそれがつけられるのならば、私は大分普及するんじゃないかと思うんです。つまり、新車を買う、あるいは新車に切りかえるというタイミングを見計らってなかなか普及しないよりは、今民間でもう既に進められて実証されているこの後づけのアイドリングストップの機能、これをやはり補助の対象にすべきではないのかなと思うんですけれども、その辺の検討状況はいかがなっているんでしょうか。

小平政府参考人 ただいまお話のございました後づけアイドリングストップ装置でございますけれども、従来は、スターターに劣化という影響が出るのではないかという懸念がございまして、補助対象にしていなかったところでございますけれども、その後検討の結果、その懸念の解消のめどがつきつつございますので、後づけアイドリングストップ装置につきましても補助対象とするということで現在検討しているところでございます。

渡辺(周)委員 今前向きな答弁をいただきましたけれども、つまり、もうそれはスターターとして、いろいろな車種もありますからいろいろな種類が出てくるんだと思いますけれども、例えば、つけることによって懸念されるようなことはないということで、それはもう実証されたんですか。それをもう一回確認したいと思います。

 それと、今検討されているということですけれども、それは早ければ新年度からでも、当然新車購入ではなくて後づけのものも、つまり、いわゆる装置を購入するということについても補助する対象として考えているということでいいんでしょうか。その確認です。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 懸念については、ないということが実証されたということでございます。

 それから、来年度から対象にするということで、これにつきましては、後づけでございますので、ユーザーの方々がお買いになる場合に補助の対象にするということで検討したいというように思っております。

渡辺(周)委員 予想したよりも大変明確に前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ、この普及が伸び悩んでいる中で、やはりいかに一般的にそういうものが今もう当たり前なんだということを醸成していくことはもちろん必要なんですけれども、やはり購入することについての何らかの補助がないと、これはなかなか一般の方々が装置をつけようというところまではいかないだろうというふうに思っていたわけでございます。

 一つだけちょっと例を挙げますと、これがそのアイドリングストップ。一日に十八分間アイドリングをやめてみる。家族を駅へ迎えに行って車内で待ちながら十三分間、スーパーへ買い物に行って荷物の出し入れをしながら五分間、アイドリングをやめるだけで約二百五十ccのガソリンが節約できます。一年間では約九十一リットルのガソリンが節約されて約一万円もお得になります。

 こういうふうに、アイドリングストップについての、これはエネ庁の方からいただいた資料の中に、その補助のメニューの最初に出てくるわけでございますけれども、これは、例えば車が一家に二台あるいは三台あった場合、年間で二万、三万円という形で実は節約できるんだと。

 私は、今回のこの議論は、いつもそうなんですけれども、かつての商工委員会あるいは経済産業委員会で環境問題、エネルギー問題を議論するときに、CO2の削減量の大変大きな話としてとらえると、これはなかなかイメージがわかないんですね。

 例えば、ここにこういうふうにして、じゃ、アイドリングをやめたらどうなるんだと。例えば、年間一万円もお得ですよ、事業所だったら、十台あったらこれは十万円も年間浮くじゃないか、それだったら十年やったら百万円の節約になる。例えばそんなことを、ある程度私は金額に換算して、やはりある意味では啓発をしていかないと、なかなかこれはイメージとしてわかないんです。

 これは、例えば電力会社なんかが検針なんかに来られる。例えばずっとこれをとっておくと、これはちょっと話がそれますけれども、先月はどれぐらいだった、今月はどれぐらいだったと。これは水道の使用料もそうだし、ガスの使用料金もそうなんですけれども、あれ、何で今月はこんなに高いんだ、ああそうか、こんなことに使ったからだとか、じゃ、もうちょっとこれは節約すれば何百円か浮くのになということを、やはりイメージして持ってもらうような形で上手にこれは普及をさせていかないと、我が事としてこれは皆さん余り考えないだろうというふうに思うんです。

 昔、たしかこの委員会でも、ちょうどCOP3の議論がされていたときに私もここで質問に立ちました、当時の商工委員会。そのときにこういう例を挙げたことがあるんですけれども、各新聞が連日のように京都議定書、京都のいわゆる会議が成功するかどうかとずっと特集を組んだんですね。その特集を組んでいる新聞社の旗をつけたハイヤーが、私は赤坂の議員宿舎におりましたけれども、夜になるとみんなアイドリングして待っているんですね。結局、つまり我が事じゃないんですねということの認識を一回指摘したことがあります。

 そうしたら、しばらくしてやめるようになって、議員宿舎の中にも、これは要はアイドリングをやめてください、議員会館の中にもアイドリングをやめてください、こういう標識が立つようになりまして、そのときに、やはり言っている人たちも実際自分たちが当事者になってみると、そういうことというのは頭から抜け落ちてしまうんですね。これは意識がやはり変わっていくことをとにかくやっていくことが、私はトータルで大きな影響を及ぼすんだろうというふうに思っております。

 時間がなくなりまして、最後にちょっと、いろいろ質問を用意したんですけれども、来ていただいた方には大変申しわけないんですけれども、全部質問することができません。

 一つ、これはこれまでも質問されていることでありますけれども、いわゆる運輸部門について、これから運輸部門における運輸事業者それから荷主、この双方に対して適用が今回の法でされるわけでございますけれども、ここの難しいところというのは、例えば輸送事業者と荷主の関係なんですね。

 これは当然、企業同士の契約にかかわる問題でございますから、つまり、効率的な運送を考えるといっても、これはなかなか、例えば輸送のロットを適正化するとか、あるいは巡回して配送して効率よく、一筆書きのような形でいかにコストがかからないようにするか、CO2削減するかといっても、これは相手のあることであります。運輸の事業者が幾ら考えても、これは当然荷主との契約関係もあるわけですので、そこの双方を、どうやってこれから両方を立てていくかということについて、両方の関係の中において役所がどのような形で、まさにそっちの方向に引っ張っていけるのかということについては、これはどういうふうにお考えですかね。そこをちょっと聞かせていただけますか。

平田政府参考人 お答え申し上げます。

 運輸部門におきます実効ある省エネ計画を策定できるように、どういう形で国土交通省は考えているかというお尋ねでございます。

 先生御指摘のとおり、運輸分野は我が国のエネルギー使用量の約二割を占めるという分野でございまして、この運輸分野におきます省エネ対策の推進ということは、地球温暖化対策の上からも極めて重要な課題であると私ども認識してございます。

 このため、今回の改正において新たに運輸分野を省エネ法の規制の対象として、エネルギーの使用量の多い大手輸送の事業者に対しまして省エネ計画の策定の義務を課すこととしております。

 輸送事業者によります省エネ計画の作成に際しましては、まず、どのような省エネ措置をとるべきかについて定めた判断基準を国が作成して示し、各輸送事業者においては、この判断基準を踏まえながら、みずからの実態を勘案し、実効性のある措置を省エネ計画に盛り込み、提出するということになってございます。

 具体的には、判断基準について、例えば、低燃費車の導入でございますだとか、デジタル式の運行記録計を活用したエコドライブの推進、共同輸送の実施による積載効率の向上などを規定することを予定しておりますが、具体的な判断基準の策定に当たりましては、各輸送事業者において実効性の上がるような省エネ計画を策定できるよう、関係審議会、これは経済産業省ともよく話を進めながら、意見も聞きながら検討してまいりたいと考えております。

 また、省エネ法の施行に当たりましては、輸送事業者を対象といたしました説明会を開催するなど、今回の法改正について十分な周知徹底を図るとともに、各輸送事業者におきます具体的な省エネ計画の作成に役立つようなマニュアルづくりにつきましても、検討してまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、経済産業省と密接な連携をとりながら、各輸送事業者において作成いたします省エネ計画が実効あるものとなるよう努力してまいりたいと考えております。

渡辺(周)委員 今、輸送業界に対しては、いろいろな形で説明会を開いたり、いわゆる低燃費車の導入の補助でありますとか、先ほど申し上げたような、いろいろな省エネ計画については手伝うと。

 ただ問題は、私が指摘したのは、その側だけでは実効性が上がらないですね、当然、相手方、荷主の方がいて、そこにいわゆる契約関係があるわけでございますから、そことのバランスをとって、双方が納得する形でやっていく上においては、これは当然、そこの輸送業界に任せるのではなくて、そこには何らかの形で同じ認識を持ってもらうということについてはどうされるんですかということをお尋ねしたんですけれども、何か作戦会議をして、ぜひその点について補足いただけますか。

小平政府参考人 お答えを申し上げます。

 今、先生から御指摘がございましたとおり、運輸分野におきます省エネにつきましては、荷主が、具体的にはどのような輸送方法をとるかというようなことも含めまして、かなり決定権を持っているということでございますので、先ほど国土交通省からもお答えございましたように、まずは、政府におきましては、私どもと国土交通省が協力連携をして対策をとるということでございます。

 荷主につきましては、今回の省エネ法におきまして、各事業者、対象となります事業者から省エネについての計画を出していただく、それによりまして省エネを進めていただくということで、この結果といたしまして、例えば荷主においては、省エネ責任者の設置に伴います社内体制の整備でございますとか、モーダルシフトの推進、それから自社のトラックから営業用トラックへの転換というようなことで幅広く省エネ対策を進めていただくということで、国土交通省と連携をしながら、荷主と輸送事業者が協力して省エネに取り組んでいくように、法律の適正な運用に努めてまいりたいというように考えております。

渡辺(周)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、何か納得しない答弁でございまして、ぜひその点については、これからまた質疑を深めていきたいと思います。

 用意した質問が全部できませんで、環境省の方には大変に失礼いたしました。終わります。

河上委員長 午後零時五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十時四十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時九分開議

河上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 私、まず最初に、来られていきなりであれだけれども、大臣に基本的な考えを伺っておきたいと思うんです。

 地球温暖化防止というのは、人類の将来に直結する問題ですし、中でも、地球的規模での温室効果ガスであるCO2の総排出量規制というのは、いわば死活的な緊急の課題であるというふうに私は考えております。そこは多分大臣も同じ思いだと思うんですが、京都議定書の目標達成というのは、やはり議長国である日本の国際的責務であるというふうに思うわけです。

 そこで、二〇一〇年には九〇年比六%削減ということですが、現実に既に八%ぐらいふえておりますから、一四%を削減していかなきゃいけない。そういう国際的な約束を果たすという点で、温室効果ガス、中でもCO2総排出量を規制するということが一つになってきますし、それから、省資源、低エネルギーへの社会経済構造の転換、それから再生可能エネルギーの開発普及など、これは直接経済産業省にかかわる分野でも特段の努力が大事だというふうに思っているわけです。

 そこで、最初に大臣に伺っておきたいのは、エネルギー消費の八割以上を占める産業、運輸、事業系で、原単位で減らしても総量でふえたら意味がないものですから、原単位を下げることも大事なんですが、CO2の総排出量の削減にかかわるエネルギー消費量の削減を具体的に今進めていくという特別の取り組み、努力というものが大事だと思いますので、最初に大臣の決意を伺っておきたいと思うんです。

中川国務大臣 日本は条約をきちっと遵守するということは日本国憲法で約束しているわけでございまして、そういう中で京都議定書というものを誠実に実行していかなければならない、そういう意味で、二〇一〇年にマイナス六%。これはなかなか難しいというのが率直なところでございますけれども、ただ、今吉井議員御指摘のように、八%プラスということでございますが、これは環境に優しい、CO2に優しい原発がうまく機能しなかった二〇〇三年のデータもございますので、何としてもそういうことをクリアして六%マイナスということにしていく。これは産業あるいはまた運輸、それから事業用、家庭用の建物等々、みんなで努力していかなきゃいけないのだろうというふうに思っておりますので、国民一人一人の皆さん方の御理解もいただきながら、何としてもこの目標達成に努力をしていき、またそのためにこの御審議いただいております省エネ法を実効あるものにしていきたいというふうに考えております。

吉井委員 最終エネルギーの消費部門で見れば、家庭部門は一三%で、やはり産業、運輸、民生業務というところが大口ですから、大きいところで総排出量で抑えていくという、技術開発とかいろいろあるにしても、基本はやはり総排出量で本当に抑えるのだという、ここのところを政府としてまずきちんと国際約束を果たすという決意を持って、そこから具体的な話に入っていくことになると思うんです。

 もう一遍、ちょっと総排出量で抑えるというかたい決意のほどを聞いておきたいのです。

中川国務大臣 産業用は、別にだからいいということでは決してございませんけれども、九〇年比でほとんど横ばい、若干微増でございますけれども、それに比べて運輸あるいはまた民生用がふえているということでございます。だから、みんなでやはり努力をしていくということが大事で、一億二千六百万の国民が、例えば電気のオン、オフとか、あるいはまたコンセントをきちっと外すとか、そういうことも含めてやっていくことが大事で、もちろん、吉井議員御指摘のように、大口の産業用、運輸を一生懸命やっていくことも大事でございますけれども、みんなで省エネに一人一人取り組んでいくことが大事だということで、御趣旨は多分同じだろうというふうに理解しております。

吉井委員 国民みんなで取り組む、それは努力は当然なんですが、家庭用は一三%なんですね。民生といっても民生業務部門が一五%で、ですから、産業、運輸、民生業務という大体九割を占めるところで、大どころで本当にそれをやらないことには進まないということを言っているわけです。

 資料を配らせていただいておりますが、これは東京都の超高層ビルの認定状況、高さ百メートル以上ですが、どれぐらい超高層ビルの棟数がふえているか、延べ床面積がふえているかというのが一つです。それから、その左下に、東京都内の事務所ビルでのエネルギー消費量です。それから、右の方が東京都の大手町の気象庁の局の方の年平均気温の変化です。

 要するに、これを見ても、超高層ビル、特に驚くのですが、バブル崩壊後の方がバブル期よりもはるかに早いスピードで急増しているのですね。棟数にしても延べ床面積にしても、バブル崩壊後で三倍ぐらいぐんと伸びているのですね。この状況というのは、私は、ヒートアイランド現象ということを考えていく上でも、ここのところをまずきちっと認識して、そしてヒートアイランドというものの現象はどうして生まれてくるのかとか、それから先のことを考えていくのが大事だというふうに思っているわけです。

 最初に、経産省と国交省と気象庁に、このデータについてこういう傾向にあるということをまず確認しておきたいと思います。

山本政府参考人 東京都における百メートル以上の超高層建築物の新設状況でございますけれども、最初に……(吉井委員「傾向だけ答えていただいたら、もう数字はわかっていますから」と呼ぶ)そうですか。基本的に増加傾向にあると言えます。

 直近の五カ年間、観測しますと、年平均で十四棟、延べ床面積で百二十ヘクタールということでございます。二〇〇四年度までの累計で、トータルで二百二十棟、延べ床面積で二千二百ヘクタールとなっております。

岩井政府参考人 東京都におきます事務所ビルのエネルギー使用量についてでございますけれども、東京都の調べによりますと、この事務所ビルにつきましては、延べ床面積の増加に伴いまして一貫して増加傾向にあるということでございまして、一九七〇年で五万三千百八十七テラジュールであったものが二〇〇二年には十四万三百九十六テラジュールと一貫して増加をしておるという傾向にございます。

長坂政府参考人 各地の気温を決める要素にはいろいろございまして、地球温暖化の問題、あるいは大気自身が変わる、温度の周期的な変化、それから今御議論になっていますヒートアイランド現象、こういったところが複雑に絡み合っておるところでございますが、大都市を除きまして日本の年平均気温は過去百年当たり一・〇度Cの上昇が記録されております。

 一方、人口がおおむね百万以上の大都市におきましては、その年平均気温はこの百年当たりで二・五度C程度上昇しております。とりわけ東京におきましては、過去百年当たり三・〇度Cの大きな上昇を示しておるところでございます。

 以上でございます。

吉井委員 それで、地球が全体として温暖化というのは、温室化しているというふうに思ったらいいかと思うんですが、超高層ビルの林立で気象条件が変わってくる、風が吹かないで大気がよどむとか、いろいろな問題があわせて出てきております。

 都市部で温度上昇、今お話しのとおりなんですが、言ってみれば排熱がふえるものですから、温度は上がるわ、気象条件が変わってきて、大きな温室の中で部分的にさらにビニールハウスをつくったような、言ってみればビニールハウス効果とでもいうべき現象が生まれております。しかも、経済活動や生活のためのエネルギー使用、電力消費の集中によって熱の放出というのが大量で、ますます温度が上がるという悪循環に今陥っていますね。

 そこで、環境省の方に伺っておきますが、このヒートアイランド現象についての検討等を行われた報告書の中で、人工排熱、中でも建築物、ビルが五〇%、自動車が四〇%、工場に基づくものが一〇%という数字も挙げて、今ヒートアイランド現象がどういう原因でもって深刻になってきているのかというのを検討しておられますが、原因とするところは、やはり都市の、裸の土地がどんどん消えて、そして超高層ビル等、気象条件も変えるし、それ自身がエネルギーの放出源、熱の放出源になっているというのが非常に大きなかかわりを持っているということが報告書を読ませていただいているとうかがえるんですが、この点について環境省の方、伺っておきます。

小林政府参考人 環境省でございます。

 今、吉井委員御指摘のとおりでございまして、私ども、熱汚染といいますか、大気の中に排熱なんかがたまっていくということについては、ちょうど大気汚染と同じでございますので、いろいろなシミュレーションを行っております。

 今御指摘の点につきまして少し補足をさせていただきますと、私ども、仮に、東京二十三区の陸地がすべて自然の土地であって、半分は木が生えている、こういった状態がもともとの自然の状態だというふうに仮定をした上で、現状の大気の気温というものがどうやって説明できるのかということで、シミュレーションをさせていただきました。

 その結果が、今御指摘のとおりでございまして、一つは、エネルギー消費でその人工的な熱、私どもは人工顕熱と言っておりますが、こういったものがふえるということが温度上昇の半分ぐらいの説明要因になる。それからもう一つは、これも御指摘のとおりでございますけれども、地表面が人工化して熱をためやすくなるというようなことが原因となりまして、対流顕熱と言っておりますけれども、これが増加する。これが大体説明力としては五割ぐらいという状況にあるというふうに認識をしてございます。

吉井委員 そこで、五〇%の排熱にかかわってくるビルについてですが、一つは、ビルがどんどん林立すること自体どうするかという問題はあるにしても、今あるビルでどれぐらい温室効果ガスにかかわってくるもの、CO2にかかわるもの、同時にそのビル自身が放熱ということにかかわってきますので、やはりこの点では、二〇〇二年の改正の省エネルギー法ではエネルギー使用量の多い事業者はすべて報告を求めるということになっていますね。

 そこで、経産省に伺っておきたいのですが、超高層ビルの場合、床面積は数万から数十万平方メートルのビルができているわけですが、だから電力消費は極めて多いんですね。きちんと使用電力量を、企業ごととか、あるいは大きいビルですと特高受電で受け入れますからビル丸ごとですね、中に入っているテナントは別としても、ビル丸ごとでどれぐらい電力使用量があるのか、それを具体的にどういうふうに削減するかとか、きちんとつかまないことには手の打ちようがないと思うんですね。

 経産省の方でこれは把握しておられるかどうかを伺います。

小平政府参考人 現在の省エネ法におきましては、六百万キロワット以上の電気を使用しております工場、事業場に対しまして、省エネの自主的な取り組みを促すという観点から、毎年度、電気の使用量や電気の使用効率の改善状況等に関する定期報告を求めているということでございまして、使用状況については把握をしているということでございます。

吉井委員 使用状況を把握しているわけですね。はい。

 ところが、これはエネルギー管理指定工場ということで、ビルもみんな工場という形になっているんですが、出していただいても、具体的にどれぐらい使っているかというのはさっぱりわからないんです。

 かつて、六〇年代から七〇年代、私なんか大阪の堺泉北コンビナートの方におりましたけれども、公害がひどくて健康被害者がたくさん出たときに、やはり企業ごとの総排出量規制ということで、企業も随分努力されたんですよ。どれぐらい削減するかという目標も示す、努力する。そのこと自身が、排煙脱硫・脱硝装置の開発とか、日本の企業がいわば環境機器ではトップランナーと自負しておられるような新しい、それがビジネスになって、前進もあったわけですね。

 私は、こういう点では、やはり具体的に大口使用者の個々の排出削減目標とか排出量の報告を求めて、達成状況を検証していく。これは公表しますと、市民からすると、ああ、あそこの企業はよく頑張っているなとよくわかるわけです。なかなか達成の悪いところは、これはやはり市民的な世論にさらされますから、社会的な責任からしても努力しようということに向かうわけですね。

 ですから、この点では、大口使用の個々の排出状況について、あるいはそれにかかわってくる電力使用量という形でもいいのですけれども、きちんと公表するということが大事だと思うのですが、これはやっていかれますね。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 今の先生の御指摘、定期報告される電気の使用量について公表をさせるべきではないかという御指摘でございますけれども、この報告につきましては、現在の法律上、公表を前提として届け出をさせているということではございませんで、したがいまして、一律に個々の定期報告に記載をされております電気の使用量を公表することは適切ではないというふうに考えております。

 他方、行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法に基づきまして、定期報告に記載された電気の使用量について開示請求があった場合等におきまして、定期報告の届け出を行った事業者に対しまして意見照会を行った上で、開示をすべきであるというふうに判断される場合には情報開示を行うことといたしております。

 なお、付言をいたしますと、今通常国会におきまして成立をいたしました地球温暖化対策の推進に関する法律、温対法におきましては、エネルギー起源二酸化炭素を初めといたします温室効果ガスを一定以上排出する者に対しまして、温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することを義務づけ、国が報告されたデータを集計、公表する制度を導入することといたしております。これにより、改正後の省エネ法に基づき報告されましたエネルギー起源二酸化炭素の排出量が、温対法に基づき事業者ごとに公表されるということになるわけでございます。

吉井委員 一般市民のプライバシーに近いものまで公表しろというようなあほなことを言っているんじゃないのですよ。

 実は、大臣、きのう参考人質疑のときに、日本経団連の山本さんにお聞きしたら、透明性、情報開示をきちっとやるんだと。あの方は旭化成出身の方ですが、旭化成はきちんともうCO2を幾ら出しているか公表していますと、パンフレットも私のところへきのうお示しになって、そして、もうこれからは、やはり個々の対策はよくても、企業全体として総合の誤謬に陥っちゃいけないということも言っておられるのですよ。

 実は、経産省のこれに関する、省エネに関する報告の中でも、個の対策から面の対策へということで、やはりこういうことは進めなきゃいけないと言っているときですから、その個の対策の入り口が報告できないというのは何とも情けない話で、別に、消費電力量が昔多かったけれども、これだけ節電を図っているんですと、これを報告して、何のプライバシーにも何もかかわらないのですよ。むしろ、企業としてこれだけ努力していますということのあかしにもなるわけですから、今の省エネ法は相手の了解を得ないと公表できないの何のというようなそんな話じゃなくて、やはり、それぞれの大口のところがみずからも努力する、そのことを通じて全体が総排出量の規制につながっていくという点では、これはやはり大口のところはきちんと公表に踏み切るということが大事だと思うのです。

 これは大臣の方のお考えで随分役所の中は変わっていくと思うので、ぜひその立場で大臣に取り組んでいただきたい。答弁を求めます。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 それぞれの企業が、既にみずから公表をしている企業もかなりあるわけでございますけれども、実際には、この省エネ法におきましては、工場でございますとか事業場、第一種、第二種の区分に応じましてそれぞれ報告をいただいておりますけれども、業種あるいは工場によりましては、使用電力量を公表することによりまして、実際にそれぞれの工場あるいは事業場におきます企業上のさまざまな情報を一般的に公表することによって被害をこうむること、あるいは企業上の秘密を開示することになるということを心配されるところもございますので、現在の省エネ法におきましては、そういう前提に立ちまして、報告いただいたものにつきまして個別のデータは公表しないという前提で運用しておりますので、その点につきまして御理解を賜ればと存じます。

吉井委員 それは全く、被害だ何だというのは、勝手な理屈をあなたが今考えているだけで、だから私は大臣に決断してほしいと思うんだけれども。

 例えば、都内の平均的民家の底地一平方メートル当たりの月平均電力消費量というのをエネ庁の方からデータをいただいて計算したんです。これは大体、平均、二百九十を五十平米で割るから、五・八キロワットアワー・パー・平方メーターということになるんですよね、単位が。高層ビルの底地一平方メートル当たりだったらどれぐらいかといったら、平均的電力消費量は示してもらっていますので、これは例えば六本木ヒルズなら六本木ヒルズ、東京都庁なら東京都庁で、総面積が出てくる。何階かはわかりますから、ワンフロアの面積が出てきますから、建坪で見たときの単位面積はすぐ出るわけですね。割り算しますと、いろいろありますけれども、大体百八十七・五キロワットアワーぐらいのものから、小さいもので八十三・三キロワットアワーなんです。

 だから、これは同じ面積でも、サンシャイン60の場合で家庭の十四・三倍ぐらい、単位面積当たりですよ、そのビルでは、使用量はうんと多いんですよね。それから、都庁ですと三十二・三倍も一般家庭に比べてたくさん使うんですね。それは、使うということはまた放熱につながってくるんです。熱を出すんですね。

 ヒートアイランド現象というのは、人と電力使用などの局所的な異常集中、事務所ビルと林立するところは、また物流がそこへ集中するわけなんです。だから、四〇%自動車も多いわけですね。ですから、これをどう食いとめるかとか、あるいは現実にあるものを取り壊すというのは簡単にいく話じゃありませんから、そうすると、そこの使用量をやはり個々に明らかにして、個々に努力を求めていく。これは市民的にも、ああ、ここはよく頑張っているところだとか、ここはちょっと社会的責任感が弱いなとか、やはりそういうふうにわかるようにするというのが公開という意味で、日本経団連の参考人の方が、透明性を高める、公開だと言っているときですから、ここはもう大臣の決断といいますか、お考えによってくると思うんです。どうぞ。

中川国務大臣 今御審議いただいておりますこの省エネ法、電力と熱、あるいはまた輸送の節約、あるいは建物の節約、あるいは国民的な消費者の御理解ということを積み上げていくということが非常に大事だと思いますし、他方、今エネ庁長官からもお話がありましたが、確かに吉井委員も御指摘のように、プライバシー云々は十分配慮するんだという御指摘でございますから、そういう観点からどういうふうに実効性を上げていったらいいのか。

 経団連の方、申しわけございませんが、きのうの参考人質疑は、私、細かい内容を把握しておりませんけれども、産業界の皆さんともよく相談をしながら、どういうふうにしていけば実効性が上がっていくか、目的が達成できるかということをこれからまた検討していかなければいけないというふうに考えております。

吉井委員 いろいろ検討される中の一つとして、やはり大事なことは、透明性を高める、情報を開示するともう経済界の方が言っておられるんですから、何か役所の方が先に心配して、被害がどうのこうのと妙なことを言っているばかりですから、ここは、検討していく中には、当然大口の公開を含めて検討するというふうに考えておいていいですね。もう一遍そこだけ。

中川国務大臣 実効性が上がるようにきちっと担保していきたいと思っています。

吉井委員 それではどうも公開の担保にはならないんですが、それは、そこのところをきちんとやらないと、冒頭に、総量規制ですね、排出量規制でやっていくんだということは言っておられるんだけれども、しかし、個別具体の話になったらあいまいでは物事は進まないということになります。

 それで、資料の二枚目をごらんいただきたいんですが、これは、再生可能エネルギーやらあるいはエネルギー利用の効率化などを含めて、今新しいエネルギーのあり方についてずっと経産省の考えておられるものですが、右端の米印と下に書いておきましたように、私の方に以前二〇〇〇年にいただいた資料が米印の一で、二、三は昨日いただいております。

 なお、マイクロ水力発電という表現を一応しておりますが、これは包蔵水力の方ですから、大規模な巨大ダムにして大規模な発電所にするか、あるいは分散型でマイクロ水力でやっていくかということなので、私は、マイクロ水力で考えた方が環境上もいいということで、こういう表現にしました。

 物理的限界潜在量、合わせて九十六億四千七百二十八万キロワット、これはあくまでも可能性の話ですが、これはエネ庁の方に、積み上げていったらこういうデータになると思いますが、確認をしておきます。

岩井政府参考人 お答え申し上げます。

 きょうお配りいただいております資料でございますけれども、御引用がありました、平成十二年一月に開催されました総合エネルギー調査会新エネルギー部会というところで、物理的潜在限界量ということで、導入に必要な時間の長さとか社会的条件というものを一たん捨象して、単純な仮定として一体どれぐらい入るだろうかという数字がまとまったわけでございます。

 その後……(吉井委員「このとおりですね。足したらこうなりますね。確認だけ」と呼ぶ)はい。その資料はそういうことでございますけれども、その後、新エネルギー部会ではこれ以降検討しておりませんけれども、もっと新しいデータはないかということで調べますと、新エネルギー・産業技術総合開発機構が取りまとめました報告書ですとか、日本風力発電協会が取りまとめられましたところで別の試算が出ておりますので、太陽光発電と風力発電につきましては得られる新しい試算をお示しして、それがこの資料の中に書いていただいているということでございます。(吉井委員「このとおりですね」と呼ぶ)はい。

 あと一点、「天然ガスコジェネレーション」のところは、恐らく新エネ部会のものは天然ガス以外のものも含めたすべてのコージェネレーションだと思いますけれども、いずれにしても、その資料を引用されておられるということが確認できます。

吉井委員 それで、二〇〇〇年資料の物理的限界潜在量のときは、どれぐらいの電力量になるかというのは、設備使用量とか利用率とか皆変わってきますから、こちらの方の潜在量の比較だけではなかなか簡単にいきませんので、電力量に置きかえてみますと、二〇〇〇年資料をいただいたときには八千九百八十七億キロワット時だったんです。それが、昨日いただいたもので見ますと、合計すると十二兆四千九百五十一億キロワット時。だから、十四倍に可能性潜在量としては急増をしているわけです。

 これは、この可能性を認めながら、総合エネ調の基本政策小委員会報告などでは、いや、限界があるとか、限界があるのはわかった上なんですが、問題は、可能性があるわけですから、いかにそのことに、技術開発に力を尽くすとか、それをやっていくことが本当に大事なことだと思っているんです。

 風力発電で二兆五千七百八十五億キロワット時というのは、日本の総発電電力量が現在九千億キロワット時ですから、約三倍ですね。太陽光発電で見ますと九倍になるわけですよ、現在の総発電電力量に対して。日本の原発の総発電電力量は現在三千億キロワット時ですから、風力は原発の九倍の可能性、太陽光発電は二十四倍、再生可能エネルギー全体で見れば原発の三十七倍の可能性を持っているというのが、物理的限界潜在量の持っているこの数字の意味です。

 私は、これが一〇〇%このまま生きるというような暴論を言っているわけじゃないんです。問題は、この方向に向けてどういう政策的取り組みを本当に力を尽くしていくかということが今問われているときだと思います。

 念のために、以前出していただいたものに比べると、大体、潜在量としては十四倍ぐらいにふえてくるという計算になると思いますが、これは間違いありませんね。確認しておきます。

岩井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども御答弁申し上げましたように、二〇〇〇年に出た数字と、その後出た、二〇〇四年あるいは二〇〇五年に出た数字を足した形になってございます。

 それで、例えば太陽光発電につきましては、日本の未利用地全部に太陽光パネルを置いてみたらどうなるだろうかというような形で、少し試算の前提が違いますけれども、非常に、できる限り多く見たときにそれぐらいの可能性があるというデータが試算として出されていることは御指摘のとおりだろうと思います。

吉井委員 それで、私、大臣に伺っておきたいんですが、ですから、可能性というのは物すごく高いんですね。そうすると、再生可能エネルギー、あるいは再生可能エネルギー以外のものも含めて新エネルギーと言っているものも含めてですが、やはり数値目標、非常に意欲的な数値目標を立てて進んでいくということは、私は、これは非常に意味のあることというだけじゃなしに、まさに日本の技術力を挙げて、地球の温室化ガスの問題を総量で規制し、しかし、それにかわるエネルギーの分野ではこういうものできちんと代替を図っていくという、それはかなりやはり数値目標を明確にして取り組むということがまず入り口になると思うんですね。

 この点、大臣のお考えを伺いたいと思います。

中川国務大臣 御指摘のように、日本のエネルギー事情を考えますと、化石エネルギーからの過度な依存脱却ということは、ある意味ではエネルギー戦略の根本だと思っております。

 そういう意味で、新エネあるいは再生可能エネルギーというものをもっともっと大いに活用していくということは、環境面も含めまして非常にプラスだと思っておりますので、こういう新エネのさらなる活用、日本は御承知のように割と低いんですよね、ブラジルとかあるいはオーストラリアとかあるいはヨーロッパと。ですから、そういう意味で、もっともっとこういうものについて積極的に取り組んでいかなければいけないというふうに考えています。

吉井委員 それで、やはり一つは、世界の風力発電の設備容量を見たら、現状三千四百十五万キロワット。これが実は、二〇〇〇年一月に日本が物理的限界潜在量は三千五百万キロワットであるというふうに言っておったのと大体同じぐらいなんですよ。既に世界ではそこへ到達しているわけですね。その後、風力発電について、あのころは三千五百万キロワットと言っておったのが、今は十四億七千百七十六万キロワットだ、こういうふうに見ているわけですよ。日本でも可能性というのはうんと広がっているんです。

 もちろん、当時は洋上風力はカウント外だという前提でやっておりましたけれども、そうすると、世界の進み方から見ても、日本も随分可能性があるという自信を持っていいわけですから、やはりヨーロッパ並みに、まず数値目標、もっと高い目標を掲げて意欲的に取り組む。特に、これは経済産業省に一番かかわる分野ですから、これは大臣がまずそのお立場で、技術開発を含めて、あるいは普及を含めてやっていただくことが大事だと思うんですが、どうですか、数値目標をもっと高いものを立ててやるべきじゃないですか。

中川国務大臣 数値目標を具体的に今持っているかというと持っていませんが、どんどん高めていきたいと思っています。

吉井委員 それから、やはりヨーロッパでどうして進んでいったかというのは、いろいろ要因がありますけれども、その一つは電力会社に固定価格買い取り義務制度を課していったということ、これは欧米諸国では随分それは進んでいっているんですね。

 日本は総括原価方式で、コストは全部電力料金にというふうに仕組みはできているわけですが、電力会社は逆に、営業費用がかかるのを嫌がってしまって、それで買い取りを嫌がるんですね、枠を設けてしまって。しかし、やはりここは、国として固定価格買い取り義務制度というものをきちっと確立して、そして、ではその財源をどうするかというのは後ほど私また触れたいと思いますけれども、やはりまずその方向に行かないことには、欧米諸国並みにはなかなか進んでいかないと思うんですね。それは経産大臣としてやはりお考えになるべきことじゃないかと思うんです。伺います。

岩井政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、欧州諸国におきましては、固定電力価格買い取り制度を導入している国があることも事実でございます。一方、我が国におきましては、いわゆるRPS法ということでございまして、それとは別の、電力会社ごとに導入の新エネルギーの義務量を定めるという別のやり方を採用したところでございます。

 そのいわゆるRPS法に基づきまして施行をしておるところでございますけれども、このRPS法の三年目を迎えますので、RPS法のあり方につきましてまたいろいろな議論があろうかと思いますけれども、私どもは、国会でお通しをいただきましたRPS法というやり方で、新エネルギーの電力分野における導入の促進に一層努めてまいりたい、このように考えている次第でございます。

吉井委員 RPSといっても、新エネについての志そのものは低いというのが実態ですから、やはり固定価格買い取り義務制度というものをきちんとつくって、それで進めていかないと進まないんですよ。

 再生可能エネルギーの開発や普及、発電とともに、今度は売る方、電力会社からすると買う方ですが、その個人とか企業とかグループに対して、やはり物事は規制と誘導が大事ですから、誘導という面では、再生可能エネルギーの開発補助金とか普及補助金とか、あるいは買い取りを行う電力会社にはメリットの生まれてくる取り扱い、別に私、電力会社を痛めつけてやろうなんというようなことを考えているんじゃないんですよ、それはそれで、その取り扱いをやはり誘導の面で考えていく。逆に、買い取り義務に違反するときには電力会社にはペナルティーを考えていくとか、やはり規制と誘導というものをきちんと組み合わせて、その中で固定価格買い取り義務制度、そのことによって再生可能エネルギーが本当に進んでいくという仕掛けをつくるということを今急がないと、なかなかこれは前進しないと思うんです。

 ここはやはり大臣に聞いておきます。

中川国務大臣 先ほども申し上げましたように、日本は化石燃料がほとんど自給できていないという状況の中で、省エネと、そしてまた環境面の配慮ということを大前提にしながら、これからの新しいエネルギーをどういうふうにしていったらいいかということで、新エネ、省エネ等々を大いに、日本としては先端技術を持っているという自負がございますので、日本だけではなくて、各国にもそういう技術移転をしながら世界に貢献をしていくことが日本の使命だというふうに考えております。

吉井委員 まず、この潜在量は非常に大きい、だから、再生可能エネルギーについて志が低いんじゃ、本当にだめなんですよ。大きく持ってやるには、やはり数値目標をきちっと定めることと、市民や自治体がつくった電力を買い取るということをきちっとやっていくことを進めること。

 最後に、その点では、日本はかなり財源の面では豊かに使ってきているんですよ。委員長とも一緒にいろいろな委員会でよくやりましたけれども、電源三法交付金で例えば年間大体千五百億ぐらい使われているんですが、こういう分野に使われていないんですね。それから、動燃事業団で今まで事業費として五兆六千億円使ってきているんですよ。「もんじゅ」関係で二兆円使っていまだに芽が出ないんですね。こういうものを本当に再生可能エネルギーに投じて大きな前進を図るということを政治的に決断していくということが、私は今、この法案を考える上でも一番大事な時期だと思うんですね。

 財源を含めて特段の取り組みというものが必要だという点について最後に大臣に伺って、質問を終わりにしたいと思います。

中川国務大臣 「もんじゅ」も大事だと思いますし、新エネも、再生可能エネルギー、省エネも大事だと思います。

 日本は、もとよりエネルギーが、ほっておけば、そんなにふんだんではございませんので、多様なエネルギー源を確保していくということが大事だというふうに考えています。

吉井委員 時間が参りましたので、終わります。

河上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五十分散会


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