衆議院

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第23号 平成17年8月3日(水曜日)

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平成十七年八月三日(水曜日)

    午前九時三十六分開議

 出席委員

   委員長 河上 覃雄君

   理事 河村 建夫君 理事 櫻田 義孝君

   理事 平井 卓也君 理事 松島みどり君

   理事 鈴木 康友君 理事 細野 豪志君

   理事 吉田  治君 理事 高木 陽介君

      遠藤 利明君    小野寺五典君

      大前 繁雄君    嘉数 知賢君

      北川 知克君    小杉  隆君

      佐藤 信二君    坂本 剛二君

      菅  義偉君    武田 良太君

      古川 禎久君    望月 義夫君

      森  英介君    山口 俊一君

      山口 泰明君    山本 明彦君

      大畠 章宏君    奥田  建君

      海江田万里君    梶原 康弘君

      菊田まきこ君    小宮山泰子君

      近藤 洋介君    佐藤 公治君

      高山 智司君    寺田  学君

      中山 義活君    計屋 圭宏君

      渡辺  周君    江田 康幸君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   経済産業大臣       中川 昭一君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   厚生労働副大臣      西  博義君

   経済産業副大臣      小此木八郎君

   環境副大臣        高野 博師君

   文部科学大臣政務官    小泉 顕雄君

   経済産業大臣政務官    山本 明彦君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   松元  崇君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           藤木 完治君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       小田 清一君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局労災補償部長)       森山  寛君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           佐久間 隆君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房長) 鈴木 隆史君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         石田  徹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     薦田 康久君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房秘書課長)          北川 慎介君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          北畑 隆生君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局長)            北村 俊昭君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局長)          中嶋  誠君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          齋藤  浩君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            石毛 博行君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局次長)           奥田 真弥君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局次長)           塚本  修君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          豊田 正和君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 小平 信因君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        近藤 賢二君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      安達 健祐君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     松永 和夫君

   政府参考人

   (特許庁総務部長)    澁谷  隆君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    望月 晴文君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           中島 正弘君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       滝澤秀次郎君

   政府参考人

   (環境省環境管理局長)  竹本 和彦君

   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君

    ―――――――――――――

委員の異動

八月三日

 辞任         補欠選任

  西銘恒三郎君     大前 繁雄君

  菊田まきこ君     寺田  学君

  村井 宗明君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  大前 繁雄君     古川 禎久君

  小宮山泰子君     村井 宗明君

  寺田  学君     菊田まきこ君

同日

 辞任         補欠選任

  古川 禎久君     小野寺五典君

同日

 辞任         補欠選任

  小野寺五典君     西銘恒三郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 経済産業の基本施策に関する件(特別会計、アスベスト問題等)


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     ――――◇―――――

河上委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件、特に特別会計、アスベスト問題等について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として財務省主計局次長松元崇君、文部科学省大臣官房審議官藤木完治君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長小田清一君、厚生労働省労働基準局労災補償部長森山寛君、農林水産省大臣官房審議官佐久間隆君、経済産業省大臣官房長鈴木隆史君、経済産業省大臣官房総括審議官石田徹君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官薦田康久君、経済産業省大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省経済産業政策局長北畑隆生君、経済産業省貿易経済協力局長中嶋誠君、経済産業省製造産業局長石毛博行君、経済産業省製造産業局次長奥田真弥君、経済産業省製造産業局次長塚本修君、経済産業省商務情報政策局長豊田正和君、資源エネルギー庁長官小平信因君、資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長安達健祐君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長松永和夫君、特許庁総務部長澁谷隆君、国土交通省大臣官房審議官中島正弘君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君、環境省総合環境政策局環境保健部長滝澤秀次郎君及び環境省環境管理局長竹本和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田治君。

吉田(治)委員 民主党の吉田治でございます。

 きょうの質疑の前に、経産省全体にかかわる例の裏金の問題。きょう新聞で、一面でトップで出ておりますように、組織的流用が行われているんじゃないか。私は、この問題については、この委員会で集中審議等の予定もされているという中ですので、詳しい質問をするというよりも、大臣に、いつまでにこれ、結論を出すんですか。

 外部の調査委員会に任せている、任せているという事務方の答弁ばかり。では、それはいつなのか。この国会は十三日に終わります。国会終了までに出してもらいたいと要請しましたら、いや、それはわからない。中間報告は。いや、委員の先生に聞かなければならない。もうこれは事務方に任せていられない。大臣として、御自身の、この国会の中、もしくは解散もうわさされております。大臣の、せめて大臣が大臣である間にこれには結論を出すという強い意思がなければ私はこのことは真相究明ができないと思いますが、いかがお考えでしょうか。

中川国務大臣 おはようございます。

 今吉田委員の御指摘のように、きょう、複数の新聞の一面トップに、我が省関連のいわゆる国民の皆様に大変なまた不信を与えかねない記事が出ております。後ほど詳しく申し上げますけれども、真偽のほどは別にいたしまして、まず出たこと自体に対して大変に、当委員会、国会、そして国民の皆様にまことに申しわけないと思っております。

 今吉田委員御指摘のこの企画室絡みにつきまして、細かいことは別にして、おまえ、どうするんだという御指摘でございますから、外部調査委員会をつくって、これはあくまでも内部ではある意味で限界があるというか、内部ではできない部分があるということで、こういう問題の専門の先生方に検討をお願いしております。と同時に、外部にだけ任せるのではなくて、内部でも連日、私がある意味では先頭になって、この問題も引き続き続いておりますので、徹底的にやっているところでございます。

 しかし、内部ではまた限界があるということも重々承知をしておりますので、八月一日をもって内部の検査の組織、これは組織だけじゃもちろんだめなんで、きちっと成果が上げられるような仕事をしてもらいたいということが大前提でございます。

 では、外部はいつまでにやるのかという御指摘でありますが、基本的には、外部の先生方には自由裁量、自由判断ということを大前提にお願いしているところでございますけれども、そうはいっても、いついつまでということを私の立場で申し上げられないことはぜひ御理解いただきたいんですけれども、できるだけ早くやっていただきたいということは、七月六日に辞令を交付させていただいたときにも申し上げているところであります。

 いつまで、それから、国会状況あるいはまた私自身のことも含めましていろいろ御指摘がございましたけれども、とにかく私としては、事実関係の全容究明につきましては、もう一カ月になんなんとしているわけでございますから、できるだけ早くということであります。できるだけ早くというのはいつごろかということは、私自身としての要望としては、もう一カ月が経過しておりますので、そろそろきちっとした先生方の御報告を出していただきたいと思いますけれども、きょうの新聞も、ある意味では一部報告を受けておりますし、一部については、流用かという、「か」がついておりますので、これについても徹底的に事実関係を確認しなければいけないという新たな作業も出てきております。

 いずれにいたしましても、いつまでかということでありますけれども、私の責任において、私のときに発覚したことであり、私自身を含めて、内部の徹底的な、今、謹慎状態にあるわけでありますから、私が責任を持ってこの問題を、ある意味では国会その他にきちっと御報告をし、またきちっとそれに対する対応をするということだけは皆様方にお誓いをさせていただきたいと思います。

吉田(治)委員 大臣、では、今の話を聞きますと、中川大臣が大臣の間じゅうに結論を出し、結果を出していくと。これは、政局の動向がありますので、確証はできないのは私は前提としてわかっておりますが、そのことの担保をいただいたということ。

 もう一点は、この調査は企画室の関係絡みの調査だけなのか。それとも、経産省全体について、例えば、先ほど私、中間報告と申し上げました。企画室の件は企画室の件で中間報告をする、ほかのことも調べていったら出てくれば、それは関係のらち外というのではなくて、そこも一緒に、例えば、場合によってはこれからも調査が進められるというふうに理解してよろしいんですか。

中川国務大臣 企画室のことも徹底的に、外部調査委員会では主に企画室問題でございますけれども、私は、七月六日に三人の先生方にお願いしたのは、それ以外のことも含めまして、先生方の良心と法律に基づいて徹底的にやっていただきたいということをお願いしております。

 と同時に、この企画室問題を契機といたしまして内部の徹底的な調査をしたところが、新たに二つのことがわかったわけでございます。そういう意味で、これは企画室の問題あるいはまたユニセフ絡みの問題、あるいは米州課の問題、この後ほかに出てこないことを祈っておりますけれども、万が一内部調査その他で仮に出てきたとするならば、これらは根っこは一つだ。行政の国民に対する信頼を損なうことが続発しているということで、根っこは一つだと思っておりますので、この問題はこの問題、あの問題はあの問題ということじゃなくて、全体の中でそれぞれの問題をやっていくということで、あくまでも経済産業省全体の問題として取り組んでいかなければならないというふうに思っております。

吉田(治)委員 ちょっと時間を残して、あと、やはりこれは経産省全体の問題ですので、全局から局長並びに場合によれば次長においでいただいて、この質問の続きをこの時間内にさせていただきたいと思います。

 もう時間もございませんので、あと一点、アスベストの問題。これは、環境副大臣おいでですけれども、私は、副大臣、今回のアスベストの問題は国民の大切な生命の問題だと思っているんですね、命の問題ですよ。固有名詞は差し控えますが、では、なぜああいうお方が調査委員会の委員に選ばれ、座長になり、そして結果として座長をやめざるを得ないようなことになったのか。聞けば、その業界の、協会というのは経産省の管轄だ。一声、声をかければわかる話じゃないですか、その業界の専門だったら、何をしていたか。本人の経歴書にうそがあったのか、うそが見抜けなかったのか、わかってやったのか。そして最後は、では、結果として、国民の生命を大切に考えなければならない環境省として、この責任はだれがとるんですか。本人がやめて終わりじゃないでしょう。大臣並びに担当者が自分の職を賭して、命をかけてやらなければならないことであるんですから、最後はだれが責任をとるんですか。

高野副大臣 お答えいたします。

 桜井治彦名誉教授が日本石綿協会の顧問をやっておられた、そのPRビデオに出ておられたということでありますが、その事実関係は、環境省としてもその情報を持っておりませんでした。その点についての甘さがあったのではないかということについては、その御批判は甘んじてお受けしたいと思っております。

 ただ、この先生が大変この分野での業績、学識、経験等も豊富な方でありまして、これは我々としても高く評価している。ただ、ビデオの内容につきましては、当時の科学的知見の範囲内でインタビューに答えたということでありまして、本人がこういう形でビデオに使われるということについての認識は余りなかった、本人もそういう、顧問をやっていてビデオに出たということも忘れていたというようなことが実態であります。

吉田(治)委員 詭弁ですよ、副大臣、申しわけないけれども。本人の言うことを丸ごと聞くのが環境省の仕事なんですか。

 顧問をやっていたというのは経歴書に書いていたんじゃないですか、石綿の経歴書に。そういうことも知らずして、そういうお方が権威だからとほいほい選んで座長にまでして、ビデオが出てきたら私は知りません、知らぬ存ぜぬで済めばこの世の中は簡単なことですよ。選んだ人間はだれなんですか。局長ですか、審議官ですか。その人間の責任というのはどう考えているんですか、あなたは。

高野副大臣 桜井先生の経歴の中に石綿協会の顧問というのは全く入っておりませんでした。それから、選んだのは、それは環境省全体として要するに選んだということであります。

吉田(治)委員 国民の生命がこれだけ危機にさらされている中で、環境省全体で選んだのだったら、大臣が責任をとるべきだと思いますけれども、それはあなたはどう考えますか。

高野副大臣 この問題については、だれがどういう形で責任をとるかということにつきましては、我々としても考えさせていただきたいと思います。

吉田(治)委員 考えて結論を出してくださいよ。御本人は、環境大臣は、クールビズだといってCMに出まくって、大阪の電車に出て、慈善運動と言ったら語弊があるかもしれませんが、そんなことまでしているお方が、この件は知りませんでしたという言いわけは決して許せない。

 それだけ申し上げて、質疑を引き継がせていただきます。

河上委員長 次に、寺田学君。

寺田(学)委員 民主党の寺田学と申します。

 いつもは総務畑の方にいるんですが、きょうは貿易再保険のことを主に質問させていただきますために、ちょっとお邪魔させていただきました。

 貿易再保険特別会計のことについてお伺いする前に、きょうの新聞及びアスベストのこと、いろいろあるんですが、一昨日、FTAのことに関して報道がありました。このことに関して、少しだけ質問させていただいた後に、特別会計についてお伺いしたいなと思っています。

 ちょっと基本的なことなんですが、タイとFTAの方を基本合意されたと。基本的には私は歓迎すべき方向性だと思っておるんですが、中期的には、ちょっと経産省のホームページを見させていただきますと、名称でいうとアジア経済圏の構築、そういうような、ある意味マルチ的な話をされている部分があると思います。中期的にはアジア経済圏をつくっていこう、シームレスな経済圏をつくっていこうというマルチな考えを持たれる前提の上で、短期的にはFTAを各国と、今メキシコを含めた上で五カ国ぐらい基本合意されている部分だと思います。

 基本的に、どのようにマルチとバイの部分をとらえていくかということは、FTA戦略、貿易戦略の中で非常に大事なことだと思うんですが、この東アジア経済圏をつくる上で、今回タイと基本合意しましたが、バイというのはどのような関係で影響を及ぼしていくのか。中期的にアジア経済圏をつくり上げていくときに、そもそもバイを積み重ねていくことによって最終的にマルチなアジア経済圏をつくられていくのか。そもそも、いや、バイはバイだ、マルチはマルチで独自に交渉を進めていくんだ、どのような貿易、FTA、マルチの戦略を考えられているのか、大臣の方から御答弁いただければと思います。

中川国務大臣 経済連携強化、FTAという言葉は最近我々使っていないので、トレードだけじゃなくて包括的な経済連携ということで、EPAという言葉を最近使っておりますが、バイのEPAと東アジア経済圏、あるいはNAFTA、あるいはASEAN、あるいはメルコスール、アフリカでも今そういうものが進んでいるようでありますけれども、それをマルチと呼ぶとするならば、その関係はどうかという御質問でございますけれども、日本を含めて東アジアのほとんどの国々、北朝鮮を除き、それからベトナムが間もなく入る予定でありますが、基本的にはWTOという世界がまず根っこにあって、WTOの中で、ガット二十四条とかサービス協定の五条とか、そういう規定の中に個別の経済協定を結んでもいいですよという規定があって、それに基づいて基本的にやっているということでございます。

 そうしないと、地域あるいは世界じゅうのお互いにメリットのある国だけでどんどんどんどん経済的な関係を強化してほかを排除するということになると、戦前のブロック経済ということにもなりかねませんので、あくまでもWTOという基本的なすべての国々の約束事項があって、その中で一定の限度、セクター別にやってはいけませんとか大部分をカバーするとか、そんなような、かなり抽象的ではありますけれども、そういう条件のもとでやっていこうということで、現在百を超えるいわゆるFTAみたいなものがあるわけであります。

 そういう前提で、日本は若干出おくれぎみであったのでありますけれども、貿易立国、世界との経済関係強化ということが国の基本方針である以上は、やはりお互いにメリットになるような二国間あるいはまた数カ国間と日本という経済連携強化というものが必要であるということで、シンガポール、メキシコに続きまして、フィリピン、マレーシア、そして先日タイと、タイの場合には閣僚間の、私と閣僚との間の基本合意でありますけれども、やがて首脳同士の基本合意になり、正式署名になり、国会での御承認をいただいて発効ということになっていくわけであります。

 東アジアの前に、日本は既にインドあるいはインドネシア、それから一つの経済圏であるASEANともEPAをやっていこうという作業を既にスタートしているところでございます。そういうものができ上がっていって初めて、東アジアの経済圏という一つの、次の段階に私はやっていくんだろうと思っております。

 なぜならば、例えばASEAN十カ国の中にも、ブルネイはちょっと別にしましても、シンガポールとかいわゆる一人頭GDPの大変高い国とか、あるいはシンガポールは農業がないとか、他方、農業が中心で工業国家に脱却しようとか、あるいはまたASEAN十カ国の中でもGDPが三万ドルを超えるところから二百ドル、三百ドルの国まであって、あるいはまた我々の民主主義体制とは違う体制の国々もあって、非常に多種多様であるわけであります。

 これをさらに広げていくということになると、北朝鮮は別にいたしましても、東アジアの中国、韓国、あるいはまたこれを豪州、ニュージーまで広げるのか、あるいはインドまで広げるのか、いろいろ議論はあります。インドまで広げるとスリランカはどうなっちゃうのかとか、いろいろ議論があるところでございますから、最初に東アジア経済圏がありきではなくて、今一生懸命、そういう認識はみんな持っておりますけれども、それぞれの国々が、例えばインドがASEANとやったり、あるいは豪州が東南アジアの国々とやったり、日本に対してもやろうというオファーもあるわけでございますから、そういうものの積み重ねの中で、行く行くは東アジア経済圏というものも考え、できればできた方がいいよねというようなことで、今個々の、バイの問題をそれぞれ一カ国同士でやり、しかもASEAN三カ国とやりますと、タイとやった結果が、マレーシア、フィリピンとの関係にまた彼らは関心を持つとか、また、タイの交渉をやっていてもマレーシア、フィリピンを意識した交渉に当然なってくるわけでありますから、そういうものが折り重なっていって、それぞれバイの交渉をやりながら、何となくASEAN全体、そしてひいては東アジア全体との経済連携強化のための道筋というものが浮かび上がってくるのではないかというような認識で、私はこの問題に取り組んでおります。

寺田(学)委員 基本的にバイの積み重ねをもってマルチに、あるタイミングをもってと、バイの積み重ねぐあいによってマルチへのシフトというか構想というものが具体化されてくるという御答弁だったと思います。そこら辺、具体的にお伺いしたいんですが、本論、特別会計の方の時間も少なくなってきますので、もう一点二点だけちょっとFTAに関して御質問させていただいて、特別会計の方に移りたいと思います。

 FTAをやられる上で常々言われていることですが、日本としては窓口が余りにも大き過ぎて、大き過ぎるというか多過ぎて、農水関係であるとか経産関係であるとか外務関係であるということでいろいろ分かれていて、窓口が一本化していなくて交渉がしづらい、まとまりにくいということはあると思います。昨日、質問通告をする際に、大臣、要はFTAをある意味調整して締結される窓口であられる経産大臣にお伺いするという意味で農業問題についてもお伺いしようかなと思ったところ、ぜひとも農水省に答えさせてくれというような御要望がありました。それが如実にあらわすように、何とも縦割りだなという思いがありまして、農水の方にも聞きたいところではあるんですが、基本的には、食の安全保障と食料自給率について、要はFTAを締結される一番の窓口、調整大臣であります中川さんの方にお伺いしたいなと思っています。

 農水省の方ではいろいろお考え等あると思います。自給率を上げるべきではないか、安全保障を守る上では自国の自給率を高める方がいいじゃないかというような考えはあります。ですが、一方、いろいろな方からお伺いすると、特段食料自給率が高くないことは、要は今カロリーベースで四十数%と言われますけれども、高くないことは別に、さほど問題ではないんじゃないか、食糧安全保障ということを考えれば、逆にある程度低い方がいいのではないかとおっしゃられる方もいます。そう言うと、農水省関係の方々は、いや、戦争状態になったらどうするんだという話がありますが、そもそも、日本の食糧の輸入の大手でありますアメリカであるとかオーストラリアであるとかカナダとは戦争状態に入ること自体がかなり危機的というか、そういうこと自体余り想定しづらいことではないかなと思いますし、供給国が売ってくれなくなったらどうするんだという話がありますが、まさしく大臣も通商産業をやられているのであれば、貿易ベースですべて穀物は動いている以上、相手側が売らないということがいかに相手側にとって、売る側にとって厳しいことかということも往々に考えられることだと思っています。

 ですので、私としては、食糧安全保障、要は危機的な状態のときに日本国民の方々が生きていけるだけの食べ物を確保するということにおいては、私は多国分散型の方が、食糧の安全保障、もちろん国土保全であるとかいろいろ含めて言うと国内の食料の自給率が高い方がいいこともあるかもしれませんが、事食の安全保障ということにおいては、多国分散型の方が国内の自給率を上げるよりも安全ではないかなという考え方には、少し検討の余地があると思っております。

 そういう意味も含めまして、もともと農水大臣もやられていた中川大臣のお考えをお伺いしたいんですが、食の安全保障を考える上で、自給率を上げる方が食の安全保障は担保できるのか、それとも、多国分散して自国の不況とか、要は不作とかということを免れるような形でいろいろ供給源を分散させていく方が安全保障として確立し得るのか、どちらだと考えられていますか。

中川国務大臣 御指摘のように、私は九八年から九九年まで農水大臣をやっておりまして、そのときに新しい食料・農業・農村基本法という、農業基本法にかわる農政の憲法ともいうべき法律をつくったわけでございます。

 寺田委員の御指摘の、自給率を向上した方がいいのか、あるいはまたポートフォリオ的に海外に分散して確保した方がいいのかということでありますが、私は二者択一じゃなくて両方だと思うんですね。

 カナダやアメリカやオーストラリアと戦争を起こす可能性はないだろう、私もそう思います。したがって、そういう状況でストップするということはありませんけれども、他方、食糧というのは、基本的に年一回、しかも自然相手でありますから、極めて天候に影響される。寒ければ寒いで不作になる、日照時間が足りなければそれで不作になる、水が足りなければそれで不作になるということで、これは日本だけではなく世界じゅうで不安定要因の一つだと思います。

 それからもう一つは、戦争ということはないにしても、いろいろな不安は考えられます。例えば、マラッカ海峡や台湾海峡、その他の交通の要衝に危険が生じた場合にどうなるかという問題も考えておかなければならないと思いますので、そういう意味で、対外的なリスクというものはいろいろなことが考えられると思います。

 他方、では、国内自給率よりも安くていいものであれば海外から買えばいいという今の体制を持続していいかというと、今のままではやはりだめだろう。先進国の中には、カロリーベースで四〇%そこそこというのは圧倒的に日本が低い。次がイタリアで六、七〇%、あとは、ほとんど先進国と言われている国は一〇〇%前後で、アメリカ、フランスなんかは食糧の輸出国、大輸出国の一つであるわけであります。ですから、今のままでは決してよくない。だから、短期的には四五%まで上げましょうという目標を掲げているわけであります。

 しかし、他方、ここから先は私の個人的な考えでありますけれども、今のカロリーベースの自給率だけで物を運ぶということは本当に消費者の実態にかなっているのかという問題があります。カロリーベースですから、今、どんどんどんどん穀物とか油分、いわゆるPFCが減ってきて、そして野菜とかそういったものの消費がふえているわけでありますから、消費者が求めるニーズというのは一体何なのか。

 平成五年のあの大冷害のときに、米の作況指数が七四になって米パニックが起こったわけでありますが、横にはパンとかおそばとかいっぱいあり、まして、外国から米を二百六十万トンも輸入したけれどもほとんどが売れなかった。つまり、消費者ニーズは、やはりおいしい日本のお米を食べたい、そうじゃなければ、めん類とかそっちの方にシフトしてしまって、ほとんどの輸入米が余ってしまったという、これは消費者ニーズなんですね、現実としての。

 そういうこともありますので、消費者ニーズにこたえる食糧自給政策というのは、カロリーベースも大事ですけれども、消費者が好んでいるもののニーズ、つまり、野菜とかカロリーゼロのものも含めて、今、農産物の国内の最大の出荷額は、一に畜産、二に野菜、三に米と来ているわけでありますから、その野菜を確保しないということになると、これも大きなパニックになるわけでありますから、そういう意味で、価格ベースの自給率ということも一つの指標になってくるのではないか。

 でも、これを農水省あたりに聞くと、ほかの国のデータがないので比較になりませんという答えが返ってくるわけでありますけれども、日本の場合には価格ベースで今六十数%の自給率があるわけでありますから、それらをさらに上げていくとか、そこそこの数字がある。

 それから、万が一のときの自給率ということになると、では、万が一のために食糧確保ができるということで、自給力という言葉も一方で考え方があるわけでありますから、そういう意味で、外国に安定的に頼めばいいということも一部真理でありますし、国内の自給率も今は余りにも低過ぎるから高めろということも一部真理でありますから、あわせて国民の食糧の安全保障、これは量だけではなくて、質とか安全性とか、もちろん価格もリーズナブルでなければなりませんけれども、総合的に、そういう食糧政策、国民に対する基本的な最重要の食糧政策を今農水省、政府が進めているものというふうに理解をしております。

寺田(学)委員 非常に大臣の御答弁が多岐にわたられまして、参考にはなるんですが、質問を細切れにする時間がなくなってしまいまして、非常に残念な思いはするんですが。

 基本的に、食の安全保障ということ、非常にシビアな上での安全保障のことを考えると、今の食生活、すごいバラエティーに富んだ食生活を守るという発想自体が、私はベースとして間違っているなという思いがありますので、さまざま多岐にわたると思いますが、私の考えとしては、これから、私はFTAだけに固執するのはよくないと思うんですが、全世界的なマルチでやっていく上で、早々に考え方、戦略性を一本化して、どんどんどんどん進めていかなければならないなと思っています。

 FTAの部分はそれぐらいにして、特別会計の方に移りたいんですが、今回特別会計の方を集中的に審議されて、午後から細野さんの方も電源特会の方をやられると思うんですが、今回私がやらせていただく貿易再保険に関しては、ちまたで言われております特別会計の改良点、いわゆるむだ遣いが多いんじゃないか。以前、塩川財務大臣が母屋でどうこうということをおっしゃられていましたが、そういう部分とは多少ニュアンスが違っていて、保険会計となっております。ですので、全体的に特別会計自体をゼロベースから考えてということで物事の発想を始めて、そもそも貿易再保険特会が必要であるか、言いかえてみると、要は、国が独法でありますNEXIから再保険を受けること、そういう仕組み自体が必要かどうかということについてお伺いしたいと思います。

 貿易保険というものは、私、以前商社にいたものですから、非常に大事なものであるなと思っていますし、JBICとかの融資関係ともかなり両輪のように機能することによって海外の投資及び貿易というものが進んでいくと思っております。ですので、非常に大事だと思うんですが、むだな部分がないようにいろいろ御質問したいんです。

 他国の例を見てみますと、イギリスは、政府の中に一部機関を持っていて、そこで貿易保険を管轄している。その他、アメリカであるとかカナダであるとかイタリアであるとかは、日本とほぼ同じように政府一〇〇%出資の独法をつくって、そこで貿易保険の方を受けている。今、いろいろ、短期的な部分、中長期は除いて短期的な部分は民間に任せようということをやっているみたいですけれども、全世界的な流れでいうと、国として、特に中長期のものに関しては政府一〇〇%出資の独法が貿易保険を担っている。

 日本は、それに加えて、すごく異例な形で、国がまた特別会計を持って再保険を受けている。私は、ここら辺は、なぜにその再保険を設ける必要があるのかなということは十分審議しなきゃいけないと思っているんです。

 逆にお伺いしますけれども、米国であるとかカナダであるとか、一〇〇%の独法、要は、日本でいうとNEXIだけでやっているようなところでは何かふぐあいが出ているからこそ国が再保険を受けているんでしょう。そこら辺、御答弁いただけますでしょうか。

中嶋(誠)政府参考人 日本の貿易保険制度、これは基本的に独立採算、この保険料収入を原資として、中長期にわたりまして回収金を回収して、収支相償を実現する。その中で国の再保険特会を位置づけております。

 確かに、御指摘のように、諸外国では、例えばアメリカでございますけれども、これは実施機関、日本でいえば特殊法人に当たりますが、これが保険の引き受けを行いながら、大規模な保険事故が生じて保険金をたくさん払うというような支障が生ずるような場合には国が補てんを行うとかいう例もございます。あるいはドイツのように、国がその実施機関、これは民間の会社でございますけれども、これに運営を委託しながら政府の勘定を設けまして、直接リスクを引き受けているというような例もございます。

 このように、各国それぞれの事情とか政策判断で、具体的な形態については異なっておりますけれども、いずれにしても、この貿易保険事業が民間の保険会社ではカバーできないような政治的なリスクなどを中長期にわたる収支相償の原則のもとで引き受けるというものでございますので、基本的に、国の絶対的な信用力を背景にいたしまして、国が主体的に関与した形で貿易保険事業の実施に万全を期しているというふうに理解しております。

寺田(学)委員 いや、ですから、お伺いしたいことは、日本でいうNEXIだけ、独法だけでやっているところに何かふぐあいがあって、要は、そういうケースがあったからこそ日本としては国で受けているんだ、再保険を受けているんだということがあるんでしょうけれども、何かしらふぐあいがあるんですか、独法だけでやっているところ。国の方が特別な、大規模な事故があった場合は補てんするスキームを組んでいるということなんですけれども、そういうような形では何かしらふぐあいがあるからこそ国が特別会計を設けて再保険を受けているんですか。

中嶋(誠)政府参考人 いずれにしても、基本的にはその保険の仕組みというのは、保険料収入それから回収金等によります収支相償を中長期的に実現するというわけですけれども、何か事故が発生した場合というのは、貿易保険の場合は大変多い保険金を一度に払う、例えば一九九二年ぐらいですと四千億円近い金額を一度に払うといったような事態が生じます。したがって、そういうときに、その都度何か国の方から直接補てんをするような仕組みにするのか、あるいは常に国が直接引き受けをするのがいいのか、あるいは、今の日本がやっておりますように、一義的にはエージェンシーが知恵を出して引き受けをやるんだけれども、一定割合を再保険ということで区分経理をしておいて、国の裏づけを背後に持っている形がいいのか、いろいろな形があり得ると思います。

 私どもは、最後に述べました今の日本の再保険、国による再保険という形が一番安定的に、かつ相対的には国の負担も余り不規則に変動することなく、中長期的に信頼のある制度設計ができるのではないのかというふうに考えております。(発言する者あり)

 それぞれの国は、それぞれの制度をみずからの責任で、責任を持って財政の裏づけで運用していると思います。ですから、一概にどれが一番いいとかいうことは必ずしも言えないかもしれませんが、繰り返しになりますけれども、私どもは、エージェンシーが直接引き受ける事業をやりながら、区分経理をした再保険という仕組みのもとで、最終的には国の裏打ちを持つ。そうしますと、中長期にわたる回収が、ならすことができるわけですね。ですから、国の財政負担が時期に応じて不規則に変動するよりは、今の再保険特会の仕組みのもとでやるのが相対的に一番安定的かつ信頼できる仕組みではないかという判断のもとに、平成十三年にそういう仕組みに移行させていただいた次第でございます。

寺田(学)委員 物事を判断するときには、デメリットとメリットを要は比較考量して、こちらの方がいいからということでやるんでしょうけれども、日本の特会のあり方というか、国が再保険を受けるというあり方は、私は自分の調べる限りでは非常にまれだなと思っております。

 本当に、私は、できることならNEXIだけにやらせて、しかもNEXIは政府の一〇〇%出資ですから、ほぼ国のものだということの対外的な認識があると思うんですよね。もし大きな、イラン・イラク戦争のときでもあったと思いますけれども、湾岸戦争もそうですけれども、そういうような大きな事故があったときに補てんするスキームを持っていれば別にいいと思うんです。そういうことがなぜにできないのかとお伺いしているんですが、全くもって、制度としてこのような形になっているということを御説明されても、議論というのは深まらないと思います。どうなんですか。

中嶋(誠)政府参考人 いろいろな制度設計が論理的には可能だと思いますが、仮に、例えば、ではすべて、貿易保険の全体の最終的なリスクを、今エージェンシーたるNEXIがやっておりますけれども、そのところで引き受けろというようなことになりますと、現在、国の再保険特会の方に九割の分は、リスクの分は保険料を払いながら再保険特会というのを利用しているんですけれども、今NEXIの資本金が約一千億円でございます。つまり、自分で直接そのリスクを最終的に負っている部分が全体の引受額の約一割で、資本金一千億円ということになりますので、仮に、十割といいますか、全体をNEXIが最終的にみずから直接負担しろという話になりますと、それではNEXIの資本金が現行の約十倍ぐらい必要になってくるのではないかとかいうようなことにもなってまいります。

 繰り返しになりますけれども、エージェンシーの効率的な業務運営の知恵を出しながら、最終的には国の信用力の裏づけを持たせる、これは各国共通でございます。その際に、私どもは、どうやったら中長期的に一番財政負担についてもならすような形で運営ができるのかという観点から、現行の再保険特会を利用した形が一番適当ではないかという判断で、平成十三年度にそういう制度に移行したわけでございます。

寺田(学)委員 時間もなくなってまいりましたので、もう一つの論点の方でもお伺いしたいんですが、基本的にはどちらも選択し得る、国として再保険を受けるのか、それともNEXI、独法に任せて、何かあったときには補てんするスキームを組むという形での国の信用力を担保するのか、ある程度それは選択の余地があるという御答弁だと思います。

 もう一点、ちょっと逆側からの視点なんですが、独法であるがゆえに、ある種、本省側の政策を反映させるということが、本省でやるよりは非常に難しい形にはなっていると思うんですよね。もちろん、独法をつくるということの意義、要は、行政サービスを上げていくとか、効率化するというようないろいろな意味があると思うんですが、事こういう貿易通商政策に関して言うと、エネルギー安全保障、私もちょっと会社の先輩を訪ねてドバイの方に行ったりするんですが、日本のエネルギーの安全保障はなっとらん、他国はほとんど大臣級が来るのに、今、日本の方は一民間企業の専務とかがそういうような会議に出てくるので全く迫力がない、もっと本当に国を挙げてエネルギー政策及び貿易通商政策については本腰を入れてほしいということがありました。

 JBICであるとか保険業務であるとか、そういうものがある種民間企業を誘導していって、どういうところに投資を重点的にしていくかということはやっていけると思うんですが、そういう部分においては、独法であるがゆえに、一年間に一回の評価であるとか、四年間に一回の中期見直しであるとか、そういうようなことによってしか保険業務、保険戦略というものを組んでいけない。

 私は、考え方によっては、イギリスが今そういう形でやっているんでしょうけれども、日本も平成十三年より前にはやっていたんでしょうけれども、本省が持って、もちろん効率化は進めなきゃいけないと思うんですが、本省が貿易実務、貿易戦略を、政策上のことをどんどんどんどん反映させる意味で、国で持って、もちろん国で持っている以上、国の信用力というのは担保できるでしょうし、なおさらのこと、貿易戦略を持って、貿易保険の戦略を持って通商政策を誘導する形もできると思うんですよね。そういうことに関して、私は一考の余地があるのではないかなと。十三年に独法にしておいてまた逆戻りかという話もあると思うんですが、貿易戦略を考える上では貿易保険というのは非常に大事なツールではあると思いますので、そういう形で本省の方に戻してやっていくということも考えられるのではないでしょうか。

 ちょっと大臣がいなくなってしまったので、大臣通告していたんですけれども、どうしましょうか。

中嶋(誠)政府参考人 まさに委員御指摘されましたように、今エージェンシーでやらせる場合にも、基本的な中期目標というのを経済産業大臣の方から指示をしておりまして、例えば、今御指摘があった資源エネルギーの安定供給の確保に向けて、海外資源開発とか周辺インフラ整備等に積極的に取り組んでいくこととか、あるいは、先ほど話題になりました経済連携強化に向けててん補リスクの拡大に努めるとか、いろいろな具体的な通商貿易政策を反映した目標設定の指示をしております。

 したがいまして、今、日本貿易保険は設立五年目でございますけれども、一方でユーザーの声を聞きますと、やはりエージェンシーになってから審査が迅速化されたとか、そういう意味ではサービスの向上についての大変高い評価は受けております。

 他方、やはり私どもは、御指摘がございましたように、通商貿易政策の一つの大事なツールだというふうに認識しておりますので、こういった中期目標の設定とか、あるいは個別の大きな案件につきましても日ごろから意見交換をしておりますので、さまざまな形で、大きな意味での通商、貿易あるいはエネルギー政策の中でこの貿易保険制度が有効に活用できるように引き続き心がけてまいりたいと思います。

寺田(学)委員 質問時間が終わってしまったので非常に残念なんですけれども、基本的に、もうここら辺は技術的には、貿易の再保険の特会をつくらなくても、要は再保険のスキームじゃなくてもできるでしょうし、通商政策の方をもうちょっと貿易保険を通じてやりたいのであれば、いろいろな考え方があると思いますので、ここら辺はゼロベースでいろいろ考えていただければと思います。

 質問を終わります。

河上委員長 次に、平井卓也君。

平井委員 民主党の先生方が七人質問をする間に、自由民主党として私一人質問をさせていただくことにさせていただきます。

 きょうは、アスベストの問題、各先生方がどうせ質問されると思いますので、私は包括的に、一体どのような取り組みをされているかということについて、確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。

 七月二十九日に、アスベスト問題に関する関係閣僚会合等々で、ある程度の方針が出ていると思いますが、まず経済産業省に、アスベストのこれまでの輸入量及び主要なアスベスト含有製品の用途についてお聞きしたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 貿易統計によりますと、我が国のアスベストの輸入量は、昭和四十九年の約三十五万トンをピークに減少しておりまして、平成十六年には約八千トンとなっております。総輸入量は、昭和五年から平成十六年の七十五年間、全部合わせますと九百八十八万トンというふうになっております。

 それから、その用途でございますけれども、アスベストは、その九〇%以上が、建築物の屋根、壁、天井、それから水道管などの建材に使用されております。それから、そのほか発電所、化学プラントなどの配管に用いられますシール材だとか、かつては自動車などのブレーキ用の摩擦材などの工業製品に使用されてきております。

 現状は以上です。

平井委員 それでは、アスベストに関して厚生労働省と環境省はこれまでどのように規制をしてきたのか、また、諸外国の規制と比べて非常におくれていたのではないかということも報道されたりもしております。その辺について、厚生労働省、環境省からお答えいただきたいと思います。

小田政府参考人 お答えいたします。

 我が国の主な対策について申し上げますと、有害性の高い青石綿、茶石綿につきましては、EUでは一九九三年、我が国では一九九五年に製造等禁止措置がとられているところでございます。また、白石綿につきましては、我が国では昨年十月から製造等を原則禁止したところでございますが、EUでは本年一月に入ってから禁止されているところでございます。一方、アメリカでは、現在でも十八種類の石綿含有製品の製造等が認められているところでございます。このように、我が国としましては、EU全体や米国とほぼ同時期に対策を実施してきたところでございます。

 この七月二十九日に開かれましたアスベスト問題に関する関係閣僚による会合で「アスベスト問題への当面の対応」というものが取りまとめられました。この中で、政府の過去の対応につきましては八月までに検証することとしておりますので、その中で詳細に検証してまいりたいと考えております。

竹本政府参考人 環境省におきましては、平成元年より、大気汚染防止法に基づきまして、アスベスト製品製造関係施設に対しまして、都道府県への施設の届け出であるとか施設境界での濃度基準の遵守というのを義務づけております。また、平成九年からは、アスベスト含有建築物の解体、改造の際に当該作業の届け出、また、飛散防止のための作業基準の遵守を義務づけております。また、廃棄物からの飛散防止の観点からも、廃棄物処理法に基づきまして厳しい規制を導入してきております。

 環境省としましては、一九七二年、ILO、WHOにおきましてアスベストにがん原性があると認められて以降、我が国では早くからモニタリングによる実態調査を行ってきておりまして、その結果、一般環境濃度は労働者の作業環境に比べまして低く、一般国民の健康リスクは小さいものであったと評価されたところでございまして、その上で、先ほど申し上げました大気汚染防止法を改正いたしまして、予防的見地から厳しい濃度基準を設けたところでございます。

 また、ヨーロッパにおきましては、フランス、西ドイツ、EU等におきまして一九八〇年代より規制の導入が図られてきておりますが、我が国として、他の先進諸国に比べて規制がおくれたとは一概に言えないものと考えておるところでございます。

平井委員 それでは、アスベストと中皮腫の因果関係について質問させていただきたいんですが、私自身も小学校の理科の実験ではアスベストというか石綿というか使っていたと思うので、発病するならそろそろかなというような気もしたりするんですが、何かたばこの方が五倍肺がんになる確率が高いとか、私もそんなことをちらほらいろいろなところで聞いたりするんですが、因果関係に関して厚生労働省としてはどのような調査研究を行ってきたかについて御報告を願えませんでしょうか。

小田政府参考人 お答えいたします。

 アスベストにつきましては、胸膜中皮腫との関係において、昭和四十六年の一月の労働基準局長通知で、特殊な石綿によって胸膜などに中皮腫という悪性腫瘍が発生するとの説も生まれてきたというふうな記載がございますことから、このころからアスベストへの暴露と中皮腫との因果関係については認識をしていたのではないかと考えておりますが、その後の研究等も含め、現在、国のアスベスト対策の対応につきましては政府の中において検証作業を行っているところでございまして、議員お尋ねの件につきましてもこの中で明らかにしてまいりたいというふうに考えております。

平井委員 国民の不安を少しでも小さくするように皆様方に御協力を願いたいと思います。

 先日、経済産業省が公表した「アスベストによる健康被害の実態調査の結果について」、また、調査対象となっていないほかの企業についてはどのような調査を行うか、経済産業省にお答えを願いたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 アスベストによります健康被害の重大性ということで、七月一日以降、アスベスト含有製品を製造していました企業などに対しまして、製品の生産実績、それから健康被害の実態について情報提供を要請いたしました。回答した企業は八十九社でございます。業界団体に加盟しております六十五社、そのほか業界団体の旧会員でありましたところまで含めて調査いたしまして、それが二十四社、合計八十九社ということでございますけれども、七月十五日に公表いたしましたその概要は、次のとおりでございます。

 まず、アスベストによります健康被害の総数は四百六十二名、そのうち亡くなった方はこれまで三百七十四名、うち中皮腫にかかわる方が百十四名、それから現在も治療中の方は八十八名、うち中皮腫関係の方が十三名というふうになっております。

 それから、アスベスト含有製品の製造企業以外の当省所管の企業に対しましても、七月二十五日付で業界団体などを通じまして自主的な情報開示を既に要請しております。こうした企業の開示情報を取りまとめて実態の把握を行ってまいりたいというふうに考えております。

 それから、こうした企業によります開示情報や、厚生労働省が公表しましたアスベスト疾患にかかわります事業所別の労災認定のデータ、そういうものなどの情報によりまして、アスベストによります健康被害の実態の把握が一層進むものというふうに考えております。

 以上でございます。

平井委員 それでは今度は、環境省としては健康被害の実態把握について今後どのような取り組みをなさり、また周辺住民にどのような対応をしていくのか、そのことについてお聞かせ願いたいと思います。

滝澤政府参考人 周辺住民への健康影響の実態把握でございますが、先月、七月十二日に都道府県それから指定都市等に対しまして、保健所等におきます相談事業の情報を収集してほしいというお願いをいたしました。また、一般環境経由による被害実態を把握するために、地元の尼崎市におきまして、自治体と連携協力いたしまして、中皮腫になられた方の職業歴でありますとかあるいは居住歴等の詳細な調査を進める所存でございます。さらに、この間、先月二十六日でございますが、健康影響に関する検討会も開催いたしまして専門家の科学的な助言もいただいております。

 そうした調査等を踏まえまして、厚生労働省等の関係省庁が実施する調査についても情報を共有しながら、さらに検討会における科学的助言もいただきながら、状況を広く分析いたしまして、周辺住民への対応をどのような観点から行うべきかということを幅広く検討したいと考えております。

平井委員 厚生労働省では、アスベスト規制について、二〇〇八年の全面禁止を視野に検討を始めたということでありますが、厚生労働省の今後の取り組みについて御意見を伺いたいと思います。

小田政府参考人 お答えいたします。

 石綿製品の製造等につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、青石綿、茶石綿については平成七年に全面禁止をいたしまして、白石綿につきましても平成十六年に原則禁止をしたところでございます。

 現在、石綿製品の約九八%の製造が禁止されておりますが、残る二%の製造等が禁止されない製品といたしましては、化学プラントあるいは原子力発電所等で使用されているジョイントシート、シール材、耐熱電気絶縁板等に限定されているところでございます。

 これらの製品につきましては、我が国の規格等に合った代替品の開発、あるいは代替品の安全性等の実証がいまだ完了していないという状況の中で、製造等を禁止した場合、化学プラントや原子力発電所からの有害物の液漏れあるいは爆発のおそれがある等、国民の安全の確保に重大な障害が生ずることになるというふうに考えております。

 しかしながら、石綿が重篤な健康被害の原因となり得るものであることにかんがみますと、代替品の開発あるいは安全性の実証等を可能な限り早めまして、石綿の製造等の全面禁止を行う必要があるというふうに考えております。

 このような状況から、昨年の二月に、関係団体に対しまして、禁止が猶予されている石綿含有品の代替化を促進するように要請したところでございます。さらに、本年の七月二十一日、経済産業省とともに関係の二十団体に対しまして改めて代替化の一層の促進を要請しまして、遅くとも三年後の平成二十年までの全面禁止をできる限り前倒しするように対応してまいりたいというふうに考えております。

 また、経過措置として譲渡、提供できることとされていました在庫品につきましても、先週七月二十六日に関係業界に販売の即時停止を要請したところでありまして、今後とも必要な対策に迅速に取り組んでまいりたいと考えております。

平井委員 それでは、アスベストに関しては最後に、経済産業省としてこれまでどのように取り組んできたのか、また今後どのように取り組んでいくのか、そのことについてお話をいただきたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 経済産業省といたしましては、アスベスト問題に関しまして、これまで関係法令、すなわち労働安全衛生法だとか大気汚染防止法だとかそういうものの遵守を産業界に指導するとともに、アスベスト製品の代替化の促進ということに努めてまいりました。

 今後の対応でございますけれども、先月二十九日に取りまとめられました政府の当面の対応に沿いまして、私どもとしては、三点中心に取り組んでいきたいというふうに思っております。第一は、健康被害の実態把握、先ほどちょっと申し上げましたけれども、そういう実態把握に引き続き努めていきたいという点。それから第二点は、アスベストの代替化の推進ということで、代替製品の開発のために関係者と努力をしていきたいという点でございます。それから第三点は、アスベストを製造している者、あるいはアスベスト製品を使っている者、とりわけ中小企業の方々、そういう事業転換なりを行っていく場合困難がある、そういうような場合に中小企業対策で支援をしていきたいというふうに思っております。

 いずれにしましても、経済産業省としましては、引き続き関係省庁と連携をとりながら、全力を挙げて今申し上げたようなことについて取り組んでいきたいというふうに思っております。

平井委員 アスベストに関して言えば、具体的には、これから使用されていた建築物の解体とかいろいろなことが各地方自治体でも起きると思うんですけれども、これからぜひ安全な解体の技法というか手法とか、また解体費が大幅にアップするようなケースに対する助成措置等も検討していかなければならないと思います。このアスベストの問題に関しては、省庁の垣根を越えて全体として取り組みをいただくようにお願いをさせていただきたいと思います。

 それでは、アスベストに関する質問はこのぐらいにさせていただきまして、経済産業省も、最近スキャンダルめいたことがいろいろ出て元気もなかろうかと思いますが、たまにはいいこともしているんだなというようなことも、新聞で見て私思いました。

 これは二〇〇五年七月十三日の日本経済新聞に、タイトルは「官公庁向け債権買い取り」、UFJ銀行が企業の資金繰りを支援と。私、この記事を読んで、これは大変すばらしいことを始めたな、これをもし本気で取り組んでいくのであれば、多くの中堅企業等々にとっては朗報だなというふうに直観的に判断をしました。

 これはつまり、民間企業における官公庁向けの債権の早期資金化、資金調達の多様化を促進するために、委託契約等における債権譲渡禁止特約を一部解除したという話だと思います。これに関して、新聞報道はそんなに大きくなかったと思うんですが、官庁の契約においては債権譲渡禁止特約というものが大抵は入っているというふうに聞いております。その辺の事実関係についてお話をまずいただければと思います。

迎政府参考人 お答え申し上げます。

 官公庁向けの債権につきましては、従来は債権の譲渡を禁止する特約というのがつけられてきたわけでございます。これが、平成十三年の十二月に、中小企業向けの、中小企業が売り掛け債権担保融資保証制度を活用する場合には債権譲渡の禁止の特約の例外というのを設けてきたわけでございますけれども、さらにこの中小企業の売り掛け債権担保融資保証制度以外にも、経済産業省におきましては、昨年の七月に取引先企業との委託契約等における債権譲渡禁止特約を解除いたしまして、金融機関等に対して債権の譲渡を可能とするというふうな措置をとったところでございます。

 これを受けまして、ことしの六月に、当省に情報機器の維持・保守契約を結んでいる取引先企業の債権をUFJ銀行に譲渡した。まさにこの制度を活用して債権の早期資金化を実現するという第一号案件が出てきたというのが報道に載っておったものでございます。

 今後、私どもが昨年七月に行って以降幾つかの機関、省庁でこうした解除というのが行われておるわけでございますけれども、広く政府関係の機関でこういった譲渡禁止の特約が解除されるということになれば、官公庁向けの債権を有するあらゆる企業にとっては債権の早期資金化あるいは資金調達の多様化といったことが可能になると考えておりますので、この制度の導入が今後拡大していくということを期待しておるところでございます。

平井委員 これはどんどんやったらいいと思いますね。

 とりあえず経済産業省が踏み込んだこの案件というのは、保守、機械の保守というようなことだと思いますが、余り大きな案件ではなかったと思うんですが、ちょうどこの債権の流動化の方法というのは、国のIT調達にはまさにずばっとはまる考え方です。今までは、要するに借金のない技術力のある会社でもこういう政府の案件というものにはなかなか参入できなかった。つまり、それはリスクが大き過ぎるということと、やはり人件費が先に先行してかかってしまう、開発が。つまり、そこのところの資金繰りというものが大変苦しくなるということだと思います。

 ですから、非常に技術力があり健全な中堅のシステム会社等々がなかなか国の案件に対しては応札できない、しない、してこないというようなことも、日本の国のITの調達環境の健全性ということから見れば、問題もあったと思います。しかし、もしこれをこのような形で広げていただけるのであれば、日本のITソリューション産業のすそ野を一気に広げてくれるし、その企業を育てるというような形になると思うんです。

 ぜひ、これは一部の調達というようなことに限らず、もっと広げて考えていただくように、これこそまさに経済産業省がこれから取り組まなければいけない一つの政策だと思うんですが、豊田局長、いかがでしょうか。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃるとおり、情報システムの開発については、るる御説明があった理由で、結果として資金負担力のある大きなベンダーに参入が偏る傾向が否めないところでございました。

 こうした問題を克服するために、特にITに関しては、昨年の三月に、IT関係省庁連絡会議におきまして「ベンチャー企業からのIT関連政府調達の拡大方策について」というものを取りまとめまして、債権譲渡禁止特約の解除、そして概算払いの活用の拡大といったようなものについて申し合わせを行ったところでございます。

 当省といたしましては、規模の大小にかかわらず技術力のある企業が政府調達プロジェクト、ITのプロジェクトに参入ができやすい環境をぜひともつくっていきたいというふうに考えております。そうした観点から、現在さらに、こうした概算払いの活用、債権譲渡禁止特約の解除といった対策を充実していくとともに、我が省だけでなく他省庁でも同様にお願いをするように働きかけていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

平井委員 大臣の決意もちょっとお聞かせ願ってよろしいでしょうか。

 これは本当に、毎年毎年一兆五千億ぐらいの政府のシステム投資がありながら、何でこの産業が育たないのかというふうに考えると、やはり国の発注、そしてまたその契約の内容というのを見ると、やはり中小、中堅が参加できるような状況ではないんです。ですから、大手の下請で入っていかなければいけない。国としては、今全省庁のシステムの見直しをしているので、競争入札を前提に全部進めているんですが、いざあけてみると応札がなかったりするんですよ、一社しか。大手の下に入ったりする。

 しかし、国がこういうように発注者としての目を持って、要するに、技術力とかそういうものが判断できるような、例えば今CIO補佐官とか、各省庁も発注者側の能力を上げる努力をずっとやっているわけです。もしそれが、技術力本意でそういうものをちゃんと判断できるようになって、また、こういうような債権の流動化ということになると、これは物すごくきく政策なんですよ。これは法律改正も必要なくて、大臣がこうやるんだと言えば全部できちゃう話であって、これはほかの省庁に先駆けて経済産業省が取り組むいい一つの事例だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

中川国務大臣 平井委員からお褒めの言葉をまずいただいたことを感謝申し上げます。

 今御指摘のように、これは資金回収を早くするということ、経済産業省発注の件については他省に先駆けて実際に資金も確保したという事例もあるようでございますけれども、そういう回収の時間的な短縮と同時に、前段で御指摘のように、特にベンチャーとか先端技術を駆使しているところに対して、ある意味では官公庁がそれを積極的に受け入れる、先行事例として官公庁がその相手方になるということの意味というものも大変大きいんだろうと思います。

 何となく石橋をたたいて渡る、あるいは石橋をたたいても渡らない、周りを見てから、民意を見てから判断するということじゃなくて、ベンチャー育成、中小企業育成、先端技術の育成という観点から積極的にやっていくということも、我々の政策に大いに合致するところだと思います。

 もちろん、当然リスクもありますけれども、何でもいいということでもないわけで、発注者側の目ききというものもある意味では要求されるわけで、そういう意味で、我々のサイドも一生懸命勉強したり経験を積んでいかなければいけないという、我々の方のレベルアップの期待もあるわけでありますので、御指摘のように、そういう政策の中心を担っております経済産業省としては、今後さらに一層そういう方向で取り組んでいきたいと思っております。

平井委員 大臣の前向きな御発言によって多くの中堅ベンダー等々がきょうは意を強くしたのではないかと思います。また、これが経済産業省のみならず他の省庁に波及をしていくこと、そして、私が一番願うのは、地方自治体に波及してほしいなというふうに思います。このスキームは、国だけではなくて地方自治体こそ、地域の地場産業を育てるために、そういうリスクをある程度とってやっていくという必要があろうかと思います。しかし、なかなかそういうことが今までできていなかった。しかし、このIT産業の地域の地産地消みたいなもの、これは当然これからあると思うんです。

 そういう意味で、今回経済産業省がこういう売り掛け債権担保、それから一歩踏み込んだ債権の流動化にまで取り組んでいただいたことの意義は非常に大きいと思いますし、我々もぜひこの流れを今後とも応援していかなければならないというふうに考えています。

 ぜひこれから大臣、いろいろなところでこういうやり方を各省庁にも進めていただけるように、これは日本の競争力を強化する意味でも本当にいい考え方だと思いますし、今まで国は戦略的な調達というようなことをやっていませんでした。年間何兆円も使っていながらなぜ日本の企業が育たないのか、その辺の問題意識を持ってこの問題に取り組めば、必ずや私はその明るい未来が開けると思います。

 世の中、最近悲観的な、もうどうしようもないようなことばかり言っている方が多いですが、やはりポジティブな前提で物事を進めて、その中で我々政治家は光を見出していかなきゃいけないと思いますので、どうか経済産業省の皆様方、大臣を中心にまた頑張っていただくことをお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。

河上委員長 次に、鈴木康友君。

鈴木(康)委員 民主党の鈴木康友でございます。

 きょうは特別会計の集中審議でございますけれども、特会の審議に入る前に、きょうは実は、東京新聞に、産業再生機構の支援に関して、ある支援企業の情報が事前に漏えいをしていたという報道がされております。この記事によりますと、海底ケーブル製造会社、OCCという会社でありますが、その支援の決定前に、支援計画をこの会社の大株主、企業数社に漏らしていたということであります。機構がこの事実をキャッチして経済産業省に厳重に抗議したわけでありますが、言ってみればこのことがうやむやにされたということでありまして、こういう漏えいの事実があったかどうかということについて、きょうは担当者に来ていただいておりますので、まずその点について確認をしたいと思います。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のOCCの案件でございますが、通信海底ケーブルを製造販売する事業を行う会社でございます。担当課長の立場から、円滑な事業の再生のために、それまでにも断続的に当該企業や主要株主と連絡をとっていたところでございます。

 昨年八月六日の産業再生機構の支援決定に際しての事業所管省に対する意見照会がございまして、同社が機構に対する支援要請を検討していることについて、既に主要株主が承知しているのかなと考えて、株主の意向を確認する目的で株主ととったということは、事実でございます。

鈴木(康)委員 いや、それは大きな問題でしょう。これは産業再生機構の議論をしたときも、私は、この問題が一番大きなポイントになっていたんですよ。民間企業の再生にこういう国が関与をしていいのか、公的機関が関与していいのかという大もとの問題と別に、もしやるのであれば、これは主力金融機関と連携して、いろいろな債権を整理して、そして企業を再生して、また別のところに引き受けてもらうという仕組みですから、これはもう慎重にも慎重を重ねて、事実が漏えいをしないようにということでありまして、ちゃんと機構が支援企業やその主力機関などに厳しい守秘義務を課しているとなっているんですよ。しかも、経済産業省はこれを所管している省庁じゃないですか。

 余りにも軽率だと私は思うんですけれども、もう一回答弁してください。本当に、どういうつもりでこれは事前に情報漏えいしたのか。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 事業を所管する担当課といたしまして、適切な行政判断を行うという観点から、総合的な情報収集を行っていたものでございますけれども、産業再生機構の支援対象案件に関する情報の取り扱いについては、先生がおっしゃるように、特に慎重さが必要であるというふうに私どもも認識をしております。

 本件におきまして慎重さを欠いたと言わざるを得ないと考えまして、情報の管理について改めて徹底を行ったところでございます。

鈴木(康)委員 本当にこれは驚くべきことだと思いますよ。これはもう、支援をするかどうかという検討をしていたということは、もちろん把握をされていた時期ですね。その上で、大手株主に対してさまざまなヒアリングをしたということですよね。もう一回お聞きしたいと思います。

豊田政府参考人 通常、産業再生機構が最終的な支援の決定をされる前に、担当省庁に事前照会をすることがございます。そういう意味で、八月六日に支援決定をされたわけですけれども、四日前でございますが、そういった事前説明があったわけでございます。

 先ほども申し上げましたように、担当課長としては、適切な行政判断という観点から情報を収集したわけでございますが、慎重さを欠いていたというふうには考えておりまして、情報の管理について徹底をしていきたいということで対応いたしました。

鈴木(康)委員 これは、私は、完全に守秘義務違反だというふうに思います。

 こういう事実があって、機構から厳重抗議がされたということでありますが、経済産業省としてどういう対処をしたのか、官房長、ちょっと答えてください。――いや、あなたは担当でしょう。役所としての責任を聞いているんだよ。官房長、答えてください。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもは、機微な情報を含む、特に再生機構関連とか産業活力再生特別措置法関連の情報につきましては、そういう情報が外に漏れないように日々注意しているところでございます。

 また、当事者につきましても、情報管理の重要さを徹底させて、そういうことが起こらないように、日々、例えば担当者がかわるときにそういうことをちゃんと確認するとか、研修の機会をとらえてそういうことを徹底させるとか、そういうことに努力しているところでございます。

鈴木(康)委員 この件に関して、機構から厳重抗議があったことについてどう対処したかという、その責任問題を聞いているんですよ。

 もう一回答えてください。だめだ、こんなの。(発言する者あり)

河上委員長 お静かに。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 機構からお話がございましたときには、私どもは、少なくとも官房は承知しておりません、申しわけございませんが。

 ということで、昨日、商務情報政策局の方からこういう問題があったということを聞いて、今、その内容について検討しているところでございます。

鈴木(康)委員 いや、これは大変なことですよ。産業再生機構の今回のこのスキームの一番のポイントですよ。いかに機密を事前に守るかという、我々も再三そこを論議しましたよ、本当に大丈夫なのと。インサイダー取引の材料にされないかとか、そういうことが一番のポイントになっている、そこが完全に崩れているということじゃないですか。これは、軽率だったとか安易だったとか、そんなので言い逃れできるような問題じゃないですよ。これはどうするんですか。

 次官もそれを知らなかったというんだけれども、こんな大事な問題、経済産業省として握りつぶそうとしたんですか。どうなんですか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 申しわけありませんが、次官については私承知しておりませんが、少なくとも、官房長として、私は昨日まで承知しておりませんでした。

 その件につきましては原局の判断があったんだと思いますけれども、その点については、こういう重要な問題について官房まで議論がなかったということについては、まことに、省内の情報流通管理につきましても、申しわけないことだと思っております。

鈴木(康)委員 これは本当に大事な問題であります。これはこのままうやむやにできる問題ではないと思いますので、今後の機構の案件の進め方にも非常に影響を与えますし、先日、中富さんの件でカネボウの株取引というのがありましたけれども、そのときも、インサイダーの疑惑があるんじゃないかと。いやいや、担当の人間じゃないからそんな情報は入りませんよというお答えがありましたけれども、こんな安易に情報が飛び交っているということであれば、そういうインサイダー疑惑が生じてもしようがないと思うんですけれども、これは非常に大事な問題だと思いますけれども、大臣、どう御認識されますか。

中川国務大臣 きょうの委員会の冒頭に、複数の我が省関連の記事が一面トップに出ているというふうに申し上げましたが、二番目がこれでございました。私もけさ新聞を見て、きょうの委員会の答弁の打ち合わせのときに、どうなっているんだということで長時間聞きましたけれども、もちろん……(発言する者あり)後でお答えしようと思いましたが、私も新聞で知ったところでございます。

 そこで、まず想定問答を読ませていただきます。ちょっとはしょりますけれども、それまでも断片的に当該企業や主要株主と連絡を担当課長がとっていた、去年の八月六日の機構の支援決定に際しての事業所管省に対する意見照会に当たり、同社が機構に対する支援要請を検討していることについては既に主要株主は承知していると考えて、株主の意向を確認する目的で株主と連絡をとったことは事実である。これが事務方が作成した答弁要領でございますが、こういうことを言うのは多分ルール違反かもしれませんけれども、この答弁要旨ではだめだというふうに私は申し上げたところであります。

 今、局長からも答弁いたしましたように、相手が承知しているか承知していないかは全く関係ない。承知していたら秘密漏えいにはならないのか、承知していなかった場合のみ秘密漏えいになるのかということを随分、先ほども私は言ったのであります。今も局長からは似たような趣旨の答弁があったわけでありますけれども、要は、事実関係については、担当課長からこのOCCの主要株主に対して問い合わせがあったということはもう事実として今答弁をしたところでございますので、問題は、これが秘密漏えいに当たるか当たらないか。

 鈴木委員御指摘のように、これは極めてデリケートな問題でありまして、問い合わせは支援決定八月六日の直前というふうに聞いておりますから、事実関係についてははっきりしておりますので、今後、これを法律あるいはまたその他の法令等に準じて、どういうふうにしていったらいいのかを、私としては毅然として対応せざるを得ないというふうに思っております。

鈴木(康)委員 官房長にもう一個お伺いしますが、官房長はこの件をいつお知りになったんですか。

鈴木政府参考人 昨日の夜、聞きました。

鈴木(康)委員 結局、昨日の夜まで、こういう問題が表になるまで全然、内部でこのことが隠されていたというふうに理解してよろしいんですね。もう一回答えてください。

鈴木政府参考人 少なくとも、私が聞きましたのは昨日の夜でございます。

鈴木(康)委員 大臣の御決意をいただきましたけれども、これは非常に重要な問題でございますので、きちっと対処をしていただきたいと思いますし、今後、経産省としての対応を見守ってまいりたいというふうに思います。

 それでは、きょうは特別会計の集中審議ということでございますので、私は石特会計について少し御質問をしたいと思います。質問時間が限られておりますので、少し突っ込んでお話をお伺いしたいと思います。

 この特別会計につきましては、財政制度審議会が、実はこの特会のいろいろな調査をいたしまして、この改革に対する答申を出されております。石特会計に対してはどういう指摘がされているかということでありますが、「支出状況を改めて精査し、多額の不用が発生している費目の予算計上額を抑制していく一方、歳入面において、一般会計からの繰入れの減額を進め、不用、剰余金の削減を進める必要がある。」という指摘がございます。あるいはまた、特会の問題点として、「定員及びそれに伴う人件費や事務費等の計上のあり方が整理されておらず、執行の実態も分かりにくい」、これは特会全体についての指摘でありますけれども、こういう指摘もなされております。

 こうしたことを受けて、この石特会計、今、どういうふうな改革が行われて実績を上げたのか、まずその点についてお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 特会の見直し、あるべき姿については当委員会でもいろいろ、広報費の問題とか、ああいうことの御指摘を踏まえて、私からも、経産省関連の特会全般について徹底的に見直しをし、必要でないものについては、金額あるいは事業そのものについても見直しをしなければいけないということで、今やっているところでございます。

 具体的には、財政審の御指摘あるいはまた経済産業省の中の審議会等で今鋭意御議論をいただいているところでございまして、基本的には、不用なものについてはきちっと整理をして、本来の目的を厳正に執行できるような体制にしていくように、今、省内、省外を通じて検討を鋭意させていただいているところでございます。

    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕

鈴木(康)委員 特別会計の問題は、私はポイントは二つあると思うんですね。そこで行われている事業、内容というものが、果たして国がきちっとやるべき仕事なのかどうかということ。仮にそれが国がしっかりと責任を持ってやるべきだということになれば、今度は、それがどういうプロセスで行われているか、あるいはそれが適切なコストのもとに実行されているかどうかという、その執行の面であります。そうしたことをきっちりと調べていかないと、特別会計というものが、本当にどこにむだがあるのか、あるいはどこに不要不急があるのかということがはっきりしてまいりません。

 そこで、私たちも個別にいろいろ調べてみました。そして、そのときに一つベースになるのが、この歳入歳出予定額参考書というものであります。これは石特会計の石油対策に対する細かな予算の計上の積算根拠が出ている。これは決定をしたものが個々に記されているわけであります。

 私もこれをつぶさに見せていただきました。いろいろな、さまざまな専門的な研究の委託あるいは調査というものがこの中に盛り込まれておりまして、これ一つ一つ、どういう研究や調査が行われているのか、あるいはそれが正しいプロセスで行われているのかということを調べるのは、本当に大変だなというのが率直な感想であります。

 そうした中で、石油情報システムについて、これを一つ例にとって調べてみようということで、この中の石油情報システムの部分を少し精査してみました。その点についてこれから御質問をしたいと思います。

 この石油情報システムについては、これが何でつくられるようになったかというと、この目的のところにもありますように、平成十一年に石油審議会石油部会石油備蓄・緊急時対策小委員会において、「緊急時対策のより一層の実効を期すため、平時から必要な情報を定期的に把握し、石油の供給、在庫動向等緊急時対策を実現するための情報システムの構築が求められている。」あるいは、「緊急時のみならず平時においても情報を収集整備できる石油情報システムについて運営、管理し、その運用体制の整備、システムの改善、拡充を図るとともに関連調査等を実施する。」、こうなっております。

 この目的、趣旨については、私も理解をします、これは必要なことだなと。日本にとって石油というものが非常に重要な戦略資源であるということは、論を待たないところでありますけれども、日々それがどういう在庫があって、あるいはどういう流通が行われているかを把握していくということは、私は必要だというふうに理解をします。

 ただ、果たしてそのシステムの構築並びに運用が適切に行われているかどうか、これはまた別問題でございますので、ちょっとその辺についてこれからお伺いをしたいと思います。

 役所の方からの御説明によりますと、平成十三年度に、今までの緊急時体制のシステムと平常時のシステムを合わせて合体させ、完全にゼロから新しいシステムを立ち上げたというふうな御説明を受けましたけれども、これは、全くゼロから新しいシステムを立ち上げたということでよろしいんですね。その点、まず御確認したいと思います。

近藤政府参考人 今、先生御指摘のとおりでございまして、平成十一年の答申を受けまして、平時における石油の需給の状況、それから石油輸入の状況、それから石油設備の能力といったものについてのデータをとって、これを公表していくという大きな塊が一つと、それからもう一つは、緊急時に原油処理や石油製品の生産計画といったデータをとるためのシステム開発というものを合わせて新規にスタートをさせたわけでございます。

 緊急時は、仮に緊急事態が来ない場合にはその運用費は使わないということになりますが、そういう形で、平時のものと緊急時のものを合わせて石油産業情報化推進調査という形で新規に始めたものでございます。

鈴木(康)委員 これも役所に確認をしたんですが、このプロジェクトというのは平成十三年度の四月にスタートをした。そこからどういうシステムをつくり上げようかということでありますが、その計画をつくるのがいわゆる基本設計書というものであります。

 どういうシステムで作業をさせるかという、これがベースになるものでありますが、これをつくり、そして、これに基づいて詳細設計をし、そして、それに基づいてプログラムを組んで初めてシステムというものが立ち上がるわけであります。役所からの御説明によれば、これは四月からスタートをし、そしてシステム開発が行われ、この年の十二月にはテストランを行ったというふうに御説明をいただいていますが、それで間違いございませんね。

近藤政府参考人 御指摘のとおり、年度当初からスタートをいたしまして、年末までに実際に運用ができるような形にしようということで、非常にスピードを上げて対応して準備をしたところでございまして、御指摘のとおりでございます。

鈴木(康)委員 これは専門家の方にお伺いしたんですけれども、これだけの基本設計書をつくるためにはいろいろな部署との調整も要りますし、これは大変な作業だと。しかも、これも短期間のうちにつくり上げて、プログラムを組んで、そしてそれを運用する。これは専門家から見ても、本当に奇跡に近いというか、大変な作業だなということでありましたが、本当にこれはゼロから、短期間のうちにこのシステムプログラムを立ち上げたというふうに理解をしてよろしいんですよね。

近藤政府参考人 これは関係者の間でも、非常に大きな事業でございますので、大変な作業だったというように私どもも理解をしておりますけれども、こういう、緊急時というのはいつ来るかわからないわけでございますし、非常時のものも含めてデータをしっかりと整備するということでございますので、関係者一同、相当気合いを入れて、スピードを上げて対応したというように承知をしておるところでございます。

鈴木(康)委員 そこで、ちょっとお伺いをしたいんですが、皆様のお手元の資料にも、二枚目に、これは役所の方から御提出をいただいた資料ですが、石油情報システムというものがあります。ここに、今回のシステムで使ったプログラム言語あるいはOSあるいは電算機器等々、後ほど御質問しますが、プログラムのステップ数等々ございます。

 これが出していただいたものですが、ここで一つ疑問なのは、平成十三年度にこのプログラムが新規につくられたということを明確に御回答いただいたんですが、これは何でC言語が使われているかということであります。これはプログラム界の常識ということでありますが、もう既にこのときには、C++という新しい言語を使ってプログラムを組むというのがこの業界の常識だということだそうですけれども、なぜこれは平成十三年度に古いC言語をあえて使ってこのシステムをつくったのか。

 これは、一つ予想されることは、既にベースとなるプログラムがあってそれに改良を加えるということであれば、以前C言語でつくられたプログラムをもとにそれをつくるということが考えられるけれども、新規につくるものがなぜC言語でつくられたのかと、全く理解に苦しむということでありますが、その点、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

近藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 システムの開発に当たりまして、今御指摘のように、C++を使うということももちろん可能ではございますけれども、実際にプログラムを稼働させるパソコンのOSはどういう形がいいかという場合には、受注をした企業のサイドでどういう言語を使うのが一番使っている技術者が多いか、経験があるかといったこともございます。

 今回の場合にも、入札の結果受注をいたしました企業で、C言語をシステム開発に使った実績が非常にたくさんございます。また、社内にもC言語を使用できる技術者が多くいたということで、C言語を採用したというように承知をしておるところでございます。

鈴木(康)委員 これは、実際のプログラムに関してはNEC、日本電気に発注をしているというふうに伺っておりますが、それで間違いございませんか。

近藤政府参考人 十三年度から始めまして、十三年度、十四年度、十五年度はNECでございます。それから、十六年度にも、一部の改良するところはNECでございますが、そのほかに、若干別の部分で富士通が入っている部分もあるというように承知をしております。

鈴木(康)委員 つまり、十三年度、システムを立ち上げる段階では、このプログラムに関してはNECさんが引き受けたというふうに理解してよろしいんですね。

近藤政府参考人 さようでございます。

鈴木(康)委員 そうしますと、業界の常識と言ってもいいでしょう、もう既にC++でプログラムを組むことが常識とされている中で、あえてNECがC言語で組むのがいいんでしょうね、こういうアドバイスがあったということでありましょうか。

近藤政府参考人 システム上の言語に何を使うかということについては、これはいろいろな考え方があるわけでございますが、この石油情報システムの場合には、いかにスピードを速くいろいろなものが対応できるかという中で、システム開発をする段階で技術的にも経験のある言語を使うということは、私は必ずしもおかしいことではないと思っておる次第でございます。

 その中で、実際に受注をした企業のサイドでC言語を使う技術者がたくさんいて、それが一番実績的にもあるということで、C++ではなくてC言語のままいったというように理解をしておりますが、必ずしも、C言語であるからC++に比べてオペレーションの程度が落ちるとか、そんなことではないのではないか、このように思っておるところでございます。

鈴木(康)委員 わかりました。これはもう少しまた後で調べてみたいと思います。

 次に、ステップ数について御確認をしたいと思いますが、プログラムステップ数、二十一万六千百七十四、これが今回のいわゆるプログラムの命令の数でございます。つまり、これを組むことが新規のプログラムの開発ということになるわけでありますが、この二十一万六千百七十四のステップ数で今回のプログラムがつくられているということでよろしいんですね。

近藤政府参考人 今委員御指摘のとおりでございまして、十三年度のプログラムステップ数は二十一万六千余り、十四年度で二十八万、十五年度で三十六万、十六年度で四十三万という数字で、御指摘のとおりでございます。

鈴木(康)委員 つまり、二十一万六千百七十四のステップ数を持ったプログラムがここでつくられたということであります。

 これがまた新しく十三年度に稼働したということを先ほどの御説明でも確認をさせていただいたわけでありますが、これはもう役所の方に確認をしました。新しいシステムを稼働すると、必ずバグというものが発生をするんですね。これはプログラムのふぐあいでありますが、これを稼働させながら改良、稼働させながら改良していって、徐々に徐々にバグというものが減っていくということであります。

 それは、役所の方からいただいた、これは経済産業省の方でやっています情報処理技術者の試験であります。これに、プログラムを新規に開発するとバグがこういう放物線を描いて徐々に収束をしていくという、ですから、これはもうこの業界の常識であります。こういう事実が起こるということでありますが、このバグの数をお伺いしましたところ、平成十三年度から平成十五年度までほんの数件しかバグが発生をしていないと。そして、平成十六年度は一件しかないということでございました。

 これも非常に驚くべきことでありまして、これは、悪く考えると、やはり古いプログラムをもとにつくっているということか、あるいは本当は二十一万六千百七十四ものステップ数を持ったプログラムではない、もっと簡便な、簡易なプログラムであるのではないかというようなことが類推をできるわけでありますが、なぜこの新しいシステムがこの程度のバグであったのかという根拠をお示しいただきたいと思います。

近藤政府参考人 今委員の方から御指摘のございましたように、こういうシステムを組みますとバグが生じることは、確かに御指摘のとおりでございます。

 ただ、これは、バグが幾つあるから幾つだということは、私は必ずしもそのとおりではないと思います。物によりまして、またそのシステム自身の複雑さのぐあい、それから、処理をする案件の処理量の重さ、分量の多さによっても違ってくると思いますので、今御指摘の、バグ数が少ないからこれはどうだったのかというのは、申しわけありませんが、私は、必ずしもそれだけでは何か事前にどうだったということではないというように考えておるところでございますし、むしろ、そのために関係者一同真剣になってバグを出さないように一生懸命調整をしていったんだろう、こんなふうに思っておる次第でございます。

鈴木(康)委員 いや、そんな、ではこの試験問題はどうなるんですか。これは一般的に、新規のプログラムを立ち上げると、こういう放物線を描いたバグの収束曲線というものができるんですよ。二十一万六千百七十四ものステップ数を持つプログラムをつくれば、こういう一定の法則性を持ったバグの収束曲線というのが描けるんですよ。それでは、これは後で徹底的に調べますよ。

 何でバグが出なかったかといえば、既に稼働していた完成されたプログラムがあったか、あるいはもう二十一万六千百七十四なんという新規のプログラムがつくられていなかったかのどちらかしか考えられないんですよ。もう一回答弁してください。

近藤政府参考人 今、私の説明の中でも申し上げましたように、私どもといたしましては、バグを生じないようにいかにするかということで、関係者もいろいろと努力をしているわけでございます。特に、こういう石油の情報システムというのは全国非常に多くのデータを集めるわけでございますし、特に緊急時になりますと、このデータも非常に重要な役割を果たしてまいります。そういう意味でも、バグが生じないように関係者が努力をした成果だろうと思っておる次第でございます。

鈴木(康)委員 では、もうこんなテストをつくらないでくださいよ。こんな法則性がないということでしょう。ケース・バイ・ケースで、バグが出る場合もあれば出ない場合もある、そういうことになるわけでしょう。

 では、こういう法則性はないということですね。

近藤政府参考人 今委員がお手元に持っておられます情報処理振興協会のバグのカーブというのは、恐縮でございます、私は手元に持っておりませんのでよくわかりませんが、私どものところは、関係者が相当な努力をして、これは会社の方と実際にこれを受注しましたプロの間で十分に議論をしながら対策を進めていった、このように理解をしておるところでございます。

鈴木(康)委員 わかりました。この件についてはもう少し後ほど調べてみたいと思います。

 では、続きまして、ちょっと時間もございませんので次に行きますが、今度はステップ数と予算の立て方についてお伺いしたいと思います。

 十三年度のシステム設計費が三千四百七十二万円であります。これの算定根拠となるのは、このステップ数二十一万六千百七十四であります。これは、役所の方にこのシステムを組むに当たってこの予算の算定根拠となるステップ数を出してくれと言ったら、これが出てきたわけでありますから、これがこのベースであります。これが初年度ですね。

 その後、実は追加されているわけであります。その増加は、十四年度が二十八万一千三百十三でありますから、六万五千百三十九のステップが追加されている。そして、十五年度には七万九千九百十一のステップが追加されているということであります。

 この追加のステップを組むのに、毎年、十四年度は二千五百万、十五年度は三千百万ですか、予算計上をされているわけでありますが、これはどのくらいの費用がかかるかということを算定しますと、情報処理技術者、プログラマーが、非常に低く見積もっても、大体、月三千ぐらいのステップは書ける、命令は書けるということでありますから、そうしますと、六万五千でありますと、大体二十人月ぐらいであります。

 こういう人たちがどれくらいの費用をもらっているかという、これも役所の方から出してもらったんですが、これは首都圏コンピュータ技術者協同組合の資料でありまして、大体、毎月六十万強でありますね。六十二万とか六十三万とか、年度によって多少のずれがありますが、そのぐらいのフィーが平均であるということであります。

 そういうものから計算していきますと、次年度は大体千二百万から千四百万程度で済むはずではなかったか。あるいは、その次は、七万九千九百十一を、三千ステップで、かた目に見積もっても四十人月ぐらいでできたんじゃないか。そうすると、二千八百万ぐらいの費用が妥当ではないか。

 こうしていきますと、年度、年度の予算の計上の仕方がどうも腑に落ちないわけでありますが、この点についてお伺いをしたいと思います。

近藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 今、非常に平均的なケースで情報処理技術者が幾らぐらいという御計算をされたわけでございますが、実際には、この開発を行う実際の技術者のレベルによりまして、例えば、技術水準の高い技術者でございますとプログラムを割と短くすることもできるわけでございまして、そうすると、結果としてステップ数は短くなるとか、一方、そのかわりその単価は高くなるといった事態もございます。

 なかなか一概に非常に申し上げにくいのでございますし、今御指摘の、平均値ということでいきますと御指摘のとおりかもしれませんが、私どもはむしろ、システムが処理する業務の複雑さや難しさというものに直接着目をいたしまして、全体としての価格づけを行うところをいろいろと検討してきたわけでございます。実際には、処理をする業務自体の複雑さ、それをシステムに落とし込む難しさといったものがございますので、今おっしゃったような、単に平均の計算では必ずしも適切な計算はできないのではないか、このように考えております。

鈴木(康)委員 私も、一応ここで質問するためにはいろいろ調べているんですよ。独立してきちっと仕事をしているプログラマーの方にいろいろ話をお伺いしましたら、やはりこの業界で月百万取るといったら神のごとき存在だと言うんですね。物すごい手だれのプログラマーだと。そんな人は何百人に一人いるかいないかということでありますが、そういう人でもせいぜい月百万だと言うんですよ。そういう物すごい人たちを集めたとしても、この予算は余りにも大きい。これは明らかにおかしいんですよね。

 ちょっと時間がないので、では次に行きます。

 今度はデータベースについてお伺いしたいと思います。データベースはもっとあれですよ。

 このデータベース、百十一テーブルでスタートしていますね。普通、ちょっとしたデータベースであれば、大体千テーブルぐらいのものをつくるのがよくあるケースだということでありますが、たった百十一のテーブルでこのデータベースがスタートしているんですね。このデータベースの作成に五千百三十万の作成費が計上されているんですよ。これはどういうことでしょうか。明らかにこれは、データベースの規模とこの予算の規模を比べたら、余りにも乖離が大き過ぎると私は思うんですが、いかがでしょうか。

近藤政府参考人 今先生御指摘のございました五千百万という数字でございますが、これは、データベースの改良、保守、管理を行うための電子計算機の関連の費用として、十三年度の当初予算の額として五千百万を計上いたしました。

 私ども実行をするに当たりましては、このデータベースの電子計算機の関連費用の五千百三十万と、それから、ソフトウエアの改良、保守を行うための電子計算機の予算、三千四百七十二万円でございます、合わせますと八千六百万ほどの予算をいただいたわけでございますが、これをできるだけ合理的に、効率的に運用しようということで入札を行いまして、八千五、六百万のところを、実行ベースでは三千百八十万という数字で実行をしたところでございまして、合理化に努力をしておるところでございます。

鈴木(康)委員 今、くしくも、後で聞こうと思っていたんですが、御説明いただきました。

 皆さんのお手元の資料にも、一ページ目につけてあります。当初、このソフトウエアの作成費とデータベースの作成、合わせて八千六百万の予算を計上したものを、NECが三千百八十万で受注をしたということであります。つまり、この年は、システムをつくり、そしてデータベースも新たにつくり、大変な年でありました。その予算が八千六百万。そして、実行ベースで三千百八十万であった。

 ところが、翌年を見ると、やはり五千万計上されているんですね。先ほど言ったように、ステップ数の増加は六万五千であった。そして、テーブル数はほんの二十ぐらいしかデータベースは増加していないんですよ。ほとんど変わっていないんですね。

 つまり、ほとんど何にも改良が加えられていないものに対して何でこれは五千万も予算が計上されているのかということと、それから、今度、三千八百九十二万も実行ベースでお金が出ているわけですけれども、どうも腑に落ちないんですが、ちょっとわかりやすい御説明をいただきたいと思います。

    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

近藤政府参考人 これはある意味では答弁が繰り返しになるかもしれませんが、十三年度にデータベースをスタートいたしまして、十四年度にさらにそのデータベースの改良、保守、管理をやっていきます。実際には、毎年の石油の生産量であるとか消費量であるとか需給の動向、そういったデータを追加してまいります。それから、それを運営していくためのソフトウエアの方も、毎年毎年、できるだけの改定をし、より使いやすく、スピードが速いような処理をしていくわけでございます。

 そういう中で、十三年度のものに加えまして、十四年度も、先ほどの繰り返しになりますが、ソフトウエアの改良、保守のところのちょうどこの星印と、それから各種データベースの改良、保守、管理のところの星印の予算を合わせて、予算ベースでは五千万いただきましたが、実行ベースではこれを三千九百万という形で実行したというように承知をしております。

鈴木(康)委員 データベースなんかほとんどいじってないんですよ。どうも私は何に使っているかがさっぱりわからない。十五年度から十六年度なんて、テーブル数は一個もふえていないんですね。データベースというのはほとんど改良されてないんですよ。

 もう時間が残り少なくなってきたというので、いろいろ聞きたいんですが、もう少し先へ進みます。

 皆さんのお手元の資料ですと三枚目の資料に、これは初めて十六年度になって、恐らく十五年度に特会の見直しの答申が出ていますから、少し詳しく出されたんだと思うんですが、今度は、電算機の維持管理というところで、その維持管理にかかわる主な内容と費用という、五千百四十二万の内訳を出していただきました。サーバー三台、これは四年間のリースで年間二百二十六万円を払っているということであります。

 私は、この機種は幾らかということをメーカーに問い合わせました。そうしたら、定価ベースで三台合わせて百六十万円であります。四年間のリースでいきますと、これは年間四十万そこそこですよね。これは何で二百二十六万も計上されているんでしょうか、お答えください。

近藤政府参考人 このサーバー三台という数字でございますが、サーバー三台という形であるいは十分でないのかもしれませんが、実際には、このサーバー三台に附帯をいたしまして、サーバー以外にも、停電をしない無停電の電源の装置等の周辺機器でございますとか、サーバー自身の保守管理といった費用も含まれた形でこの二百二十六万という形になっておるわけでございまして、サーバーだけを買った、ないしはサーバーだけの費用ではないというように御理解をいただけたらと思う次第でございます。

鈴木(康)委員 私も素人ですけれども、その程度のことはわかりますよ。サーバーといったって、四十万ぐらいで今だれでも買えるサーバーですよ。保守管理に一体幾らかかるんですか。月何万もかかりませんよ、これは。保守契約をしたって恐らく何千円レベルでしょう、これは。

 電源がどうこうと言いましたけれども、では、全部このリース料の根拠となっている資料を提出してください。委員長、お願いしますよ。

近藤政府参考人 今御指摘のございました点のサーバーの費用につきましても、これは私どもの、実際にこれを受託いたしております石油産業活性化センターで事前の説明会をやり、その後入札をいたしまして、最も安く提供する者を落札者として決定をしたところでございます。

 したがいまして、私どもの方は、実際には、そういう関係費用も含めてこのような費用ということで、手続を踏んだ上で契約をさせていただいた、このように考えておるところでございます。

鈴木(康)委員 納得できませんね、これは。定価ベースで百六十万ですからね。もし今入札だとしたら、恐らくもっと安く手に入るはずなんですね。資料を提出していただきたいと思います。

 それから、コンピューターの部屋の借り料というのをちょっとお伺いしたいんですよね。

 これは千七百六十四万円計上されています。これは、月ベースでいきますと百四十七万円、坪三万円で計算しても四十九坪、約五十坪なんですね。サーバーというのはこんな程度のものですよね、大型コンピューターじゃありませんから。そんなサーバー三台を五十坪の部屋に置いてあるということ自体が私は腑に落ちないんですが、これ、合理的な御説明をお願いしたいと思います。

近藤政府参考人 今御指摘のございました借料でございますけれども、これは石油産業活性化センター、PECと呼んでおりますが、そこの中にこういうものを置く部屋を置きまして、そこで空調もしながら対応しておるところでございます。今御指摘のとおりの、ちょうど五十坪の面積を使って対応しておるところでございます。

鈴木(康)委員 五十坪の部屋にちっちゃなサーバー三台だけ置いてあるわけですか。もう一回お答えください。

近藤政府参考人 今、その五十坪の中には、サーバーを置いてあるだけではなくて、実際にそれぞれのオペレーションをやっていくための必要な机、個人用の机の上のパソコン等々も含めて、この作業をするため全体で五十坪という形になっておりますので、決してサーバー三つだけを置いてあるわけではございません。

鈴木(康)委員 何人の人がこの部屋にいるんですか。五十坪のこの部屋に何人の人がいて、どういう作業をしているんでしょうか。これは、またちょっと後ほど私、見に行きたいと思いますけれども、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

近藤政府参考人 その部屋の中には、今六人程度の人間がそこで作業をしているというように承知をしておるところでございます。(発言する者あり)

鈴木(康)委員 今、六人かというお声が上がりましたけれども、我々の議員の部屋は何坪かな、五十平米ぐらいですか、そこに四、五人入って仕事をしているわけであります。五十坪にちっちゃなサーバー三台と六人というのは、私は、余りにもこれはぜいたく過ぎるというか、余りにも経費のかかり過ぎだと。だから、私は、何かこれは後づけで経費を計上しているとしか思えないんですね。

 時間が参りましたので、もう少しいろいろ質問したかったんですが、終わりたいと思いますが、実は、今回のこのシステムとデータベースのもととなる調査票というのをいただきました。これは石油設備調査という、二枚、数字を書き込んで月一回送るだけです。石油輸入調査というのも、数字を書き込んで、二枚を送るだけなんですね。この石油製品製造業者・輸入業者月報というのも、多少書き込むところがありますけれども、四枚の調査票、これを約三百数十社に送って、毎月入ってきたものをこのコンピューターで処理をしているということなんですが、実はこの程度の処理をするためにこれだけ大がかりなものが使われているということであります。

 出てきた結果でありますが、毎月、速報というぺら三枚のものが出てくるのと、統計月報にこの結果が載るんですね。ただ、この統計月報は、これも別のところでやります。財団法人経済産業調査会というところが発行していますから、PECがつくっているものじゃないんですね。生データの提供だけだと思います。それをまとめたものがこの年間の統計で、これは資源・エネルギー統計年報でありますが、このほんの一部にしかこの数字が出てこないわけでありますが、これを処理するために、毎年、初年度四億七千万、次年度二億九千万、三年度三億、十六年度、減ったといっても二億七千万の予算が計上されて、それぞれ二億以上の支出が毎年されているという、驚くべきことであります。

 私がもしそういう会社でもあったら、二億円で受注したいぐらいの仕事でありますけれども、こういう実態でありますので、一つ一つこうした委託調査や研究、私は、やるべきことはたくさんあると思いますけれども、その必要性もあると思いますけれども、本当にそれが適正なコストで正しく行われているかどうかということは、これはやはり相当チェックしないと大変だと思いますよ。

 大臣、こういう状況を見てどんな感想を持ったか、一言だけお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 私は、さっきから、言語のCとかC+とかテーブル数とかプログラムの何とかというのは全くわからないんですけれども、ただ、鈴木議員と事務方とのやりとりを聞いておりまして、とにかく適正な職務の遂行、目的に合った職務の遂行、それから、予算ですから、もともとお金ですから、この特会のお金がきちっと適切に、適切かつできるだけ安く、入札ですから、そういう形で公正に行われる。それから、説明責任をきちっとしなければならないということで、今回の特会の議論も、電源特会のあの広報の話から全体を見直しますということでやっている作業の中での御審議でございますので、これが出たからこれをこう直します、こうしましたというだけではなくて、全体を見直せということを私は命じているところでございますので、御趣旨をさらに徹底させたいと思います。

鈴木(康)委員 質問時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、ぜひ大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、私よりもっと厳しい細野さんにバトンタッチしまして、その前に吉田さんか、これで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

    ―――――――――――――

河上委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、政府参考人として経済産業省通商政策局長北村俊昭君、経済産業省産業技術環境局長齋藤浩君及び中小企業庁長官望月晴文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 次に、吉田治君。

吉田(治)委員 先ほどの質疑に引き続いて、経産省の全局長さん、長官さん、御病気の方は代理の方という形できょうこの場においでいただいて、はっきり申し上げて、来られている方の中には、おれは関係ないのに何でおれが呼ばれるんだとお思いの方も私はおいでだと思います。

 しかし、私は、国政調査権を持ち、国権の最高機関と言われているこの国会の場において、経済産業省のいわゆる裏金問題について、はっきりと大臣にもう一度、これは単に企画室、大臣官房の問題じゃないんだ、全省挙げての問題だということ、そのことの御所信をいただくと同時に、この問題の解決については、また結果については、先ほどの答弁もありましたように、中川大臣のもとでしっかりと結論を出すんだという御決意を議事録として、また全局長、長官にはっきりと聞いていただきたい、その思いでおいでいただきました。大臣、いかがですか。

中川国務大臣 先ほどもお答えしたと思いますけれども、実は、企画室の問題の前にも、インサイダーをやったとか、あるいはまたいろいろな問題があって、その後に、六月の末に企画室問題が出たので、これは既にその前に幾つかあった、ある意味ではその流れの中で大きな問題が出ましたので、これを徹底的にやると同時に、それ以外にもあるのではないかということで、一応徹底調査をした段階で二つ新たに出てきたわけであります。

 これで調査そのものが終わりではございません。今後出てこないことを期待しておりますけれども、徹底的にこれからもやっていく、やっていかなければならないと思いますし、私がいつまで、あしたになるか、いつまでかわかりませんけれども、とにかく私のときにこういう問題が一連出たわけでありますから、私の決意としては、私の在任中に決着をつけさせていただき、また国会、国民の皆様に御報告をさせていただきたいというのが私の決意でございます。

吉田(治)委員 よくわかりました。

 それを受けて、事務方のトップ、大臣官房長、どうお考えですか。局長、皆さんいらっしゃって、どういうふうに自分たちとしてはこのことに対応していくのか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 中川大臣の強い意思のもとに、中川大臣のリーダーシップを受けて、私ども事務方としても、その思いが実現するように最大限努力して頑張っていきたいと思っております。

吉田(治)委員 きょうの新聞情報等によりますと、いわゆる口座名を三人の、現職の幹部、どなたかわからないから全部呼んだということではございません。しかし、全省挙げての対応という中において、私は、ここでひとつ決意を持っていただくためにも、事務次官、局長、長官、全員一度進退伺を大臣に預ける。自分の身は全員大臣に任せて、自分の進退をかけてやっていく、それぐらいの気構えがないと、これは国民に対しても、また国会に対しても信頼回復はできない。

 この一カ月間の経緯を見ただけでも、大臣が当初お怒りになられたとおり、私たち議会も怒ったとおり、まさに事を隠していく、もとを隠ぺいしていくというふうに見られても仕方がない。その辺について、どうですか、進退伺を全員集めるというのは、大臣、そういうふうなことをお考えになられていますか。

中川国務大臣 進退伺を出させるとか出させないというのは、ある意味では形式も伴うわけでありますけれども、私は、実質的にそういう気持ちで、私自身も含め全職員がそういう気持ちでやっていかなければならないし、現時点ではそういう心構えでやっているものというふうに思っております。

吉田(治)委員 大臣官房長、大臣と同じ気持ちで、大臣と同じ考えでということでよろしいんですね。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 そういうことでございます。

吉田(治)委員 今お話ございましたように、全省挙げて対処していくと。そして結論については、はっきり申し上げて、皆様方それぞれ一生懸命頑張ってこられた。小学校、中学、高校、大学、一生懸命勉強もしてこられて、役所へ入っても寝る間を惜しんで仕事をされてきた。これはもうみんなが見ているところであります。国会が終わって霞が関を夜遅く通っても、こうこうと電気をつけて仕事をなさっている。私たちはそれを否定するつもりもありません。

 しかし、事ここに至っては、しっかりと経産省というものが、全省挙げてこの問題に、大臣に進退伺を出したというつもりで事に当たって、大臣を先頭にこのことについて対応方をしていただくということ。もう一度、大臣、御答弁のほど、御決意のほどをお願い申し上げたいと思います。

中川国務大臣 吉田委員の経産省に対する御期待と、それだけにふがいなさというかお怒り、真摯に受けとめて、先ほど申し上げたような決意で、私ができるだけきちっとした報告を私の立場でやらせていただくように努力をしたいと思っております。

吉田(治)委員 このことについてはできるだけ早急にということですけれども、外部の先生方にも委託しているということもお聞きしております。

 以上でこの問題については質疑は終わらせていただきますが、一点だけ、この後、電源特会等を含めての問題が出てまいります。私は、一つだけこの件に関して、蛇足になりますけれども、質疑をしたかったなということは、実を言いますと、電力料金というのは総括原価方式という形で積み上げていっている。どうもその原価の中に、匿名寄附というものを随分たくさん電源の立地地方自治体にしている、それまで私たち消費者というんですか、電力の需要家が払わされているという実態があるということ。このことについては、改めて日をつくって皆様方に厳しく質問をさせていただくと同時に、経産省として、エネ庁としてこれをどういうふうに対応するのか、大臣として対応していくのかということもあわせて厳しく対応していきたいというふうに思っております。

 この問題につきましては、経産のいわゆる裏金問題については、本当にゆゆしき問題でございます。これで終わりではございませんので、これからが始まりだということで、心して対応方をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 以上です。

河上委員長 次に、細野豪志君。

細野委員 民主党の細野でございます。

 きょうは特会の集中審議なんで特会について聞きたいと思っておるんですが、その前に、先ほど来話題になっております産研の問題について、午前中少し、まず質問させていただきたいと思います。

 けさの朝日新聞の記事ですが、千二百万円を過去に組織的に流用したのではないか。具体的に三つの口座があって、それぞれ三百万、九百万、七十万という形で幹部名で口座がつくられていたのではないか。そういうことが、かなりこれは確証を持って報じられているわけですが、官房長として現段階でこの事実をどう把握されているのか、まず御答弁いただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 本年六月下旬、中富前企画室長から彼が引き継いでいた預金通帳を手に入れまして、その内容分析を行ったところでございます。

 結果は以下に述べるとおりでございまして、その内容につきましては、外部調査委員会に既に七月八日に御報告をしているところでございます。

 まず、企画室が管理していたプロジェクトに関しまして、中富前室長は、彼が引き継いだ時点で残余金のあった通帳を解約し、現金化いたしました。中富前室長が通帳を引き継いだ時点では残高がゼロの通帳がございましたが、これらのプロジェクトの残金については、中富前企画室長の手に入る前に別の三つの口座に預けかえされていることが判明いたしました。これは、さっき細野委員おっしゃった三つの口座でございます。その三つの口座名はいずれもFUP研究会口座となっておりまして、それぞれ次のとおりでございます。

 一つは、平成八年十一月に開設された当時の小川官房企画室長を代表者とする口座でございまして、七十一万五千円が預けかえられ、平成九年十一月に解約されて、残高はゼロになっております。

 二番目は、平成九年十月に開設された当時の松島室長を代表者とする口座でございまして、九百万七千円が預けかえられ、平成十年七月に解約されて、残高がゼロになっております。

 三つ目は、平成十年九月に開設された勝野当時の室長を代表者とする口座でございまして、六百一万円が預けかえられ、平成十一年十月以降の資金の支出はこれでもってとまっているわけでございます。

 なお、FUP研究会名の三つの口座に保管されていた資金の使途でございますが、この使途につきましては、現在外部調査委員会で関係者に対するヒアリングを含めて徹底的に調査していただいているということでございます。

 以上でございます。

細野委員 何に使ったかはこれから調査をするということでございますが、もともとそれぞれの研究会ごとにつくられていた口座から引き落として、個人名の口座に歴代の室長が入れていたわけですね。個人名の口座へ入れていたわけですね。

 この問題について、これは相当大きな疑惑があって、何に使っているか当然チェックをすべきだと思いますが、その辺の調査は、これはもう現職の方ばかりですから、いつまでにできて、どう報告できるのか、毎回それが先延ばしになっていますので、御答弁いただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 現職が二人で退職者が一人でございます。

 それで、現在はまさに外部調査委員会で関係者を呼んで聞いておりますので、私ども直接接触して聞いておりません。したがいまして、その使途とかそういうことについては、私ども情報を持っておりません。

細野委員 いや、そんなの、だって、もともと官房の企画室の審議官が事務局でやっているんでしょう。ジェトロなんて身内みたいなものじゃないですか。呼んだらその日に聞けるじゃないですか。何をふざけたことを言っているんですか。ちゃんと、いつまでに調べるという、そういう意思がないと、事務局やっているんですから、人ごとじゃないんですよ。少なくとも国会中にこの件については報告できるというふうに答弁いただかないと納得できません。

中川国務大臣 企画室の問題は、さっきも申し上げましたが、外部調査委員会にお願いしていることについては、いついつまでにやってくれということを実は申し上げませんでした、自主性という観点から。ただ、できるだけ早くやっていただきたいということは、私の希望として申し上げたわけであります。

 内部調査、これは車の両輪だというふうに考えておりますけれども、内部調査は、これは私の判断でできると思っております。ただ、この問題は、実は流れとしては私も報告を受けておりました。ただ、中富氏に渡っていない部分の、いわゆる二次口座と言われている通帳にまとまっていたという報告は私も既に受けておりますけれども、これについて支出があって、それが何に使われたかということについては今調べている最中でございまして、現時点ではお答えできないわけでありますけれども、こういうふうに、支出については、私も実は省内でも言ったんですけれども、普通、私も個人的に通帳を何冊か持っていて、その支払いあるいは入金というのはわからないですから、そのたびに鉛筆で書いていくわけですよね。それがわかりやすいというか通常だと思いますけれども、書いていない場合もあるので、それは本人の記憶なり、周りからの証明をしていかなければいけないということで、大変作業が難航というか手間取っているわけであります。

 しかし、これは解明していかなければならない。きちっとした目的に使われているのであれば問題ないわけですけれども、万が一違うのであれば……(発言する者あり)いや、それは、だから調べなければわからないということで今調べているわけですから、それについてはできるだけ早くやっていかなければいけないということで、今は事実関係をまだ調べているという状況であるということでございます。

 では、いつまでにやるかということにつきましては、私個人としては、今国会中にきちっと内部調査部分については御報告できればいいと思っておりますけれども、中途半端な報告で、後また追加、追加ということになるのもいかがなものかと思っておりますが、私の希望としては、できるかどうか一〇〇%お約束はできませんけれども、希望としては、今国会中に国会の皆様あるいは国民の皆様に御報告したいと思っております。ただ、作業が膨大だということも御理解いただきたいと思います。

細野委員 大臣、これは、もともとあった口座を放置したというのも問題ですけれども、ここで問題になっている中富さんにしても、今回の三人の方にしても、能動的におろして新しい口座をつくっているわけですよ。これは能動的行為なんですね。だから、レベルが違うんですよね。そこをちゃんと調べて出すのは、私は大臣の責任だと思いますよ。まあ、今国会中にというふうにおっしゃったので、それは信用したいと思いますが。(中川国務大臣「できれば」と呼ぶ)はい、できればと。できることを信じておりますが。

 もう一つお伺いしたいのが、果たしてこの口座というのは一体幾つあったのかがこれでよくわからなくなっているんですね。初めは三十八と言っていたのが、私が聞いたら四十五になりました。今回言っているこの金がおろされた口座というのは、この四十五の中に含まれている通帳からおろされたのか、それとも新しく口座ができたのか、どっちなんですか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 四十五の口座の中の一部でございます。

細野委員 今の時点で、経済産業省としては、四十五以上口座はないということでいいんですか。

鈴木政府参考人 今の時点で、経済産業省としては、中富前企画室長から引き継いできた通帳として四十五の口座の通帳を預かっているところでございます。これは現在、外部調査委員会の方にお渡ししております。

細野委員 ここで、ちょっと大臣に見ていただきたいんですが、この資料。

 この間、実は、企画室がこのお金を管理していたと言われている、この間に行われている調査の数なんですね。六十三年から平成五年までのものを企画室が管理をしていたということが報告をされています。この六年間に行われた、産研から出てきているプロジェクトの数は、昭和六十三年に百六、以下、百十六、百四十二と続いて、平成五年まで全部合わせると八百四十四あるんです。

 私、産業研究所の方に直接話を聞きましたが、基本的には、研究会であるとか個人に委託しているものに関してはその人に口座をつくってもらったんだけれども、結果として経済産業省の官房企画室の室長が管理をしていたという表現をしているんですね。八百四十四、これは研究のプロジェクトがあるんですよ。このすべてを企画室がやったとは言いませんが、大臣、どう思いますか。本当に四十五だと思いますか。

 先ほど大急ぎで持ってきていただいた平成五年の、平成五年ですから全部で百五十七ですね、この中だけでも、個人名でやっている、もしくは研究会という形で法人格を持っていないものが受けているプロジェクトが、十八ありました。十八掛ける六は百です。推定をするに、少なくとも百程度の口座はあったんですよ。それが四十五になっているんですね。しかも、四十五に全部金が入っているんじゃないんですよ。入っているのは十六。空になっても四十五は残していたんですよ。あと五十程度の口座はどこか行っちゃったという話なんですよね、恐らく。この問題を大臣にしっかり認識していただいて検証していただかないと、ここでこの問題は恐らく葬り去られるんですよ。

 官房長にもう一回聞きますが、四十五以外、絶対なかったと言えますか。

鈴木政府参考人 御答弁申し上げます。

 中富前室長から私どもが引き継いだ通帳、これは四十五でございます。それ以外については、私どもはまだ今のところ、存在をきちっと認識しておらないところでございます。

細野委員 大臣、調べてください、きちっと、八百四十四。どこを外注して、しっかりそれは、特定の機関に外注していたものはそれでいいんでしょう。ただ、実際には研究機関とか個人に外注していて、企画室では金を管理していて、余らせたものが絶対あります。それを、何に使ったかはわかりませんよ、経済産業省の中でうまく流用したものが必ずあると私は思っています。この三人、出てこられたのは、何に使われたかはこれから出てくるんでしょうけれども、私は氷山の一角だと思っていますから、大臣、そこは徹底して調べていただきたいと思います。一言お願いします。

中川国務大臣 この八百四十四という研究報告書がある。私は、その一部については見ておりますし、それから、これが全部が全部、経済産業省、企画室を初めとして絡んでいるかどうかについては改めて報告を受けなければならないと思っておりますが、通帳は、この四十五の通帳については直接私も見ました。その中に、新聞に出ているFUPだれだれという名前の通帳もありました。これは先ほど官房長が答弁したように、この三人が預かった二十一の通帳にお金が残っておりましたので、それをそれぞれまとめていったということでありますが、それ以外にあるかないか。細野委員は、あるに違いないということでありますけれども、私としては、ないという報告を受けておりますが……(細野委員「いや、ないとは言っていない。預かったのはないと言っているだけです」と呼ぶ)はい。

 我々としては、ユニセフのときにも、ここで御報告したかどうかは覚えていません、公表いたしましたけれども、徹底的に調べて、ただ、一部わからない、書庫のほこりまみれの資料があるということなので、職員に土日かけてそれを徹底的に調べろと言ったら、数十年前のデータも出てまいりまして、事実関係究明に大いに役立っているところでございますので、いずれにしても、中富氏からの資料だけではなくて、省内、省外挙げてこれは徹底的にもう一度調べて、通帳を初め、この問題を改めて調べなければいけないというふうに思います。

細野委員 大臣、きちっと議事録読んでください。官房長は、中富前室長が預かった口座は四十五しかないとおっしゃいました。その前について言及されていません。自信がないんですよ。その前に使い込んで捨ててしまったのがあるのではないかという話をしています。

中川国務大臣 調べさせます。

細野委員 では、この件は引き続き調査を待ちたいと思います。

 もう一つ、官房長に確認をしたいのは、前回、私、委員会の質疑の中で、佐味室長に相当強い言葉で、あんた、やめた方がいいよということまで申し上げました。そこについては私なりに、言ったからには責任を感じていまして、その後、議事録を読んでいたら一つ気になることが出てきました。

 佐味室長は、一番初め、引き継いだときに中富前室長から千五百万円受け取って、これが一年前ですね、そして、二〇〇五年の頭になって、五百万を現金で追加で受け取ったと答弁している。ただ、そのほかのお金、すなわち、三千百万引く二千万、千百万については、私は目にしておりませんと答弁しているんですね。

 事務次官はこういうふうに会見で言っています。二千九百万円と二百万ですから、トータル三千百万になるわけで、その差額について中富室長が後任に渡している、佐味さんが受け取ったと言っているんですね。千百万、それこそ中富さんが株に使った金ですよね。これをだれが受け取ったかということは非常に重大な問題なんですよ。これはだれが受け取ったんですか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のございましたそれ以外の一千百万円につきましては、中富前室長から返還したいという申し出がありまして、その結果を受けまして、六月上旬に大臣官房秘書課長の方に提出があったところでございます。

細野委員 六月上旬ですか。六月上旬というと、もう事件が省内で完全に明らかになって、それで中富さんの処分が執行されているときに、千百万を秘書課長がもらったんですか。

 何でそんなことを事務次官が知らないんですか。何でその千百万をもらった時点で事件をきちっと解明して明らかにしないんですか。そのとき千百万を隠そうとしたんじゃないですか。何で秘書課長がもらうんですか、秘書課長は関係ないじゃないですか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 それは、中富前室長が返還したいという意向を受けて、その返還のお金を経済産業省としてお預かりしたということでございます。

細野委員 今は時間があるので、午後、秘書課長を呼んできてください。どういう経緯で受け取って、それをどういうふうに省内で議論したのかという報告を受けないと。

 大臣、いいですか、六月の初めに一千百万をもうやめた人から受け取っているんですよ。その報告を大臣は聞いていないんでしょう。

中川国務大臣 その前に、この一千百万とか二千九百万とか二百万というのは、これは自分のお金じゃないんですね、言うまでもなく。それを、通帳名義は形式的にやったにしても、実質自分のお金じゃないものを株に使ったということが大問題であって、そして御指摘の一千百万については、身内の職員にこういうことを言うのは大変つらいですけれども、六月六日に諭旨免職をしたということを聞いたのは六月の末でございますから、当然、一千百万については、その時点で返還したということは承知しておりません。

細野委員 大臣、私が問題にしようとしているのは、一千百万を本当に秘書課長に渡すと思いますか。もう警察の捜査も受けて、捜査をされて自分がもしかしたら逮捕もされているかもしれないと思う人間が、何で秘書課長に渡すんですか。前官房企画室長ですよ。だれかが逃げていると思いませんか。秘書課長ですよ。

中川国務大臣 秘書課長というのは、御承知のとおり、企画室長クラスの人事の責任者でございますし、それから、この企画室長問題は秘書課長が第一線で今原因究明等に当たっているわけでありますから、秘書課長に渡すということはある意味ではあり得るのかなと思いますけれども、そもそも、その時点で返す、しかも自分のお金じゃないものを流用して返す、それを受け取って、私に対しても報告がなかったということで、一連のすべての状況がとにかくおかしいということは間違いない事実だと思います。

細野委員 事務次官の記者会見は六月二十三日なんですよね。この間、事務次官はずっと経緯を知っているんですよね。官房長も当然知っているんですよね。六月八日に秘書課長が一千百万もらっていて、それを何で佐味さんがもらったことになっているんですか。これ、勘違いというレベルじゃないと思いますよ。きちっと調べてください。午後、秘書課長に来ていただくので、そこは一言聞きたいと思います。

 次に、ちょっと話を移していきたいと思いますが、午前中の質疑の時間も少なくなってきたので、これは大臣に聞きたいんですけれども、私は、特会の天下りの問題を大分やりました。上位、電特だけですが、七十数名天下っていて、現職のときよりみんな百万ずつぐらい給料が高いので、これは問題なんじゃないかということを申し上げました。でも、私、今回、自転車、競輪のお金を見ていて感じたのは、いや、実はこっちの方がはるかに天下りがたくさんいる。

 具体的に指摘をすると、いわゆる機械振興というもの、これは産研も入っているんですが、産研はベスト三十のうちの実は七位にしか入っていないんですね。もっと上にたくさんいるんです、いろいろな事業者が。ずっと天下りの数を勘定すると、この機械振興だけで経済産業省から百二十四名天下っています、役員だけですよ。例外はないです。自転車でこの機械振興を受けている上位三十のところに限って言うならば、受けていないところは島根県だけ。県ですから、県が直接受ければ天下っていないのはしようがない話で、二十九全部天下っているんですよ、百二十九名。もう一つの公益振興というものにも、さらに二十九名天下っています。今私が説明したのは上位三十だけ、下に相当まだあると思います。

 要するに、自転車のお金を経済産業省と自分で使って、三%なり五%なり上がりを受けて、そしてお金を、何のために、本当に公益に配っているのか、渡しているのか。やはり、これは格好の天下り先なんですよね。

 大臣、これはちょっと本当に考えていただかないと、これだけ不正が明らかになっていて、天下り先もこれだけあることが明らかになっていて、それこそ、自治体から悲鳴が上がっていますよ。もう一号交付金をやめてくれ、二号交付金をやめてくれと。うちの地元も、静岡も、幾つか競輪がありますよね。とてもじゃないけれども、こんなのは、お金は、経済産業省にお任せをできないという声が出ているんですよ。不正はもちろんですが、大臣、この天下りの問題もちょっと何とかしないと、到底地方から理解も得られないし、国民は法律を通して特殊な、国家のために役に立つだろうということでこういうギャンブルを認めているわけですよね。到底正当化できないと思いますが、大臣、どうですか。

中川国務大臣 自転車振興会のお金、貴重な一般国民からいただいたお金は、機械振興あるいは福祉というものに使われて、有益に使われているというふうに思っております。しかし、そこに天下りの問題があって、それから、今企画室を通じてというか、関与した形で振興会のお金が産業研究所を通じた、これも正規の研究委託だと思いますけれども、そこに不透明さ、また私自身も不可解さを感じているところでございますから、本来の目的を達している部分もあると思いますけれども、全体として、天下りも含めて、国民に御納得のいかない部分もあると思います。

 その部分は、総合的にいろいろな問題点が既に浮き上がっておりますし、今後も出てくる可能性もないわけではございませんので、総合的に、私としても、自転車振興会のお金のあり方、あるいは天下りのあり方、もちろん経済産業省のあってはならない今回の問題等々を含めて、最終的に判断をし、また当委員会初め皆さん方にいろいろと御審議をいただきたいと思っております。

細野委員 今回一番問題が明らかになった産業研究所は、常任の役員が二人とも天下りですね。非常勤がいますから数は多いですが、一〇〇パーです。全部は調べる時間がありませんでしたが、そういう団体は相当あるんですよね。

 大臣、今の答弁は、この天下りの問題にメスを入れる、これから補助金、交付金の使い方を見直す、そういう答弁でよろしいですね。

中川国務大臣 私のところにも、開催地の自治体から要望書というか抗議書をいただいておりまして、その中には、こういうやり方をやめてくれというような強いトーンもございます。

 いずれにしましても、天下りという問題、小泉内閣としても天下りに対しては今まで大変積極的に取り組んでいるところでございますけれども、この問題も含めて、天下り問題も含めてこの自転車振興会絡みの事業全般についても、所管は経済産業省でございますので、全体として直すべきところは直していくということで、今、何も手をつけないということは全くないという意識でこの問題に取り組んでいるところであります。

細野委員 大臣、一般論で逃げちゃだめですよ、こういう問題は。やはり、きちっとやるという意思を午後もう一度確認したいと思います。

 午後も時間がありますので、石田審議官に来ていただいたのですが、午前中はちょっと時間があれでしたので、午後また聞かせていただいて、その後、特会の質疑に移りたいというふうに思います。

 午前中は終わります。ありがとうございました。

河上委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時五分開議

河上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、政府参考人として経済産業省大臣官房秘書課長北川慎介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 質疑を続行いたします。細野豪志君。

細野委員 午前中に引き続き、少し積み残しになった部分を伺いたいと思います。

 調査委員会が立ち上がっているわけですが、その事務局をしていただいています石田審議官にきょう来ていただいていますので、まずお伺いしたいんですが、新しく三件流用が発覚をして、一件が小川室長の時代に約七十万、松島室長の時代に九百万、これはなくなっているという話でした。そうですね。その後に勝野室長の時代に六百万移されていて、これは今どうなっているんですか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 勝野室長の口座は、まだ現在生きております。

細野委員 幾ら残っているか聞いています。

鈴木政府参考人 勝野室長の残高は、当初六百一万円が預けかえられて、その後、支出が終わりましたところで三百十三万三千円残っております。

 ただ、この後、中富室長がこれを引き出しております。だから、二千九百万円の中の一部でございます。

細野委員 二千九百万の一部なんですか、それが。

 勝野さんが何らかの形で使われて、それを中富さんがまた違うところで使っている。違う方が二代にわたってそれを引き出して使っていらして、二千九百万ということは株の運用に使われていたということですね。そんなの、だって、中富室長の二千九百万のときで、その前に引き出していて、すぐわかるんじゃないんですか。何で今ごろ出てくるんですか。

鈴木政府参考人 私どもが理解しているところでございますと、中富室長が引き出しましたのは、残高が残っている口座を解約して引き出しましたということでございまして、その中の一つとして勝野前企画室長の通帳も入っていたというふうに理解しています。

細野委員 その部分は、ちょっと後で議事録精査して、疑問点があればまた改めてと思います。

 もう一つ確認をしておきたいのが、先ほど鈴木官房長の方から、一千百万に関しては、実は現職の佐味室長が受け取ったのではなくて、ことしの六月の頭に秘書課長が受け取ったという答弁がありました。

 秘書課長、来ていただいていますよね。済みません、緊急でお願いをしたので恐縮なんですが、秘書課長、六月の六日に中富さんは辞職しているわけですよね。その前後に一千百万、課長自身が受け取られているわけですね。だれからの指示で受け取って、受け取ったお金をどういうふうに処理したんですか。

北川政府参考人 お答え申し上げます。

 六月初旬に中富前室長からお金を返還したいという申し出がございまして、それで金員を預かりました。それは、預かった上でしかるべく対応していきたいと考えておったところでございます。現に、その金員は、現在弁護士にお預けしてございます。

細野委員 ちょっと課長、決してあなたに責任をなすりつけてどうこうというんじゃないので正確に答弁いただきたいんですが、中富さんはもう四月、五月のあたりで警察に調べられていて、省内でも問題になっていて、六月六日に依願退職になっているんですよ。何で課長が六月の頭に、課長自身が、秘書課でしょう、人事はやるということですけれども、受け取って、そのお金をだれに渡したんですか。あなた自身の判断で一千百万を本当に受け取ったんですか。だとしたら、それはそれで大問題ですよ。

北川政府参考人 私は、秘書課長として職員の服務を担当する立場でございますので、そういった観点から金員を預かっておりました。

細野委員 そのままで結構ですので。

 あなた自身の判断で受け取ったのか、だれかの指示なのか、お答えください。

北川政府参考人 中富前室長から官房長に金員を返還したいという申し出があったということでございましたので、私が服務担当としてその金員を預かったわけでございます。

細野委員 そういうお金があることは官房長は事前に知っていたと思いますが、官房長から、そういうお金を受け取るようにという指示はあったんですか、なかったんですか。

北川政府参考人 本件につきましては、服務担当という立場から従前から取り組んでございましたので、官房長からそのような指示があれば受け取るということでございました。

細野委員 指示があったのかなかったのかを聞いています。

北川政府参考人 指示はございました。返還の申し出があるので、服務担当として預かれということでございました。

細野委員 指示はあったんですか。

北川政府参考人 ございました。(細野委員「あったんですね」と呼ぶ)はい。

細野委員 では、官房長は知っていたんじゃないですか、受け取るとき。さっき、受け取るのは秘書課長だとお答えになりましたけれども、私が言っているのは、餓鬼の使いじゃないんだから、直接物理的に受け取るのがだれかじゃなくて、だれの責任で受け取ったか聞いたんですよ。あなたの責任で受け取っているんじゃないですか。

 しかも、あなた自身が受け取ったことを今隠ぺいして、六月の二十三日、何で、佐味さんが受け取ったと事務次官に記者会見させているんですか。何回も何回も聞かれても、いや、佐味さんが受け取ったんです、受け取ったんですと言っているじゃないですか。官房長が受け取ったんですね。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 六月二日だったと思いますけれども、中富前室長を呼んで、こういうことについて、非常に国家公務員としてあるまじき行為であると言ったら、中富前室長はそこで反省の弁を述べて、金額を返還したいという話がありましたので、それを要するに秘書課長に伝えて、こういう事態になったということでございます。

 それから、次官が記者会見で佐味室長が全部受け取ったということについては、昨日次官に確認いたしましたけれども、次官は、そのとき、用意が十分してない中でも、そういう間違った答弁をしたことについては申しわけないということを言ってくれということでございましたので、この場で申し上げたいと思います。

細野委員 二つ指摘したいと思うんですが、一つは、午前中の答弁は多分に虚偽答弁ですね。だれが受け取ったんですかというのは、これはだれの責任で受け取ったんですかと聞いたんであって、あなた自身が受け取っているのに、それを今課長が受け取ったと言ったという意味ではこれは虚偽答弁。

 もう一つ言うと、責任の所在ということで言うと、要するに、中富さんが持っていたお金が、これが佐味さんに回っていて、それがどういうお金かわからないということで、そこからお金が来て調べているというなら、まだこれは若干調査期間が必要だというようなことは理解できなくはないんです。

 でも、六月二日とか三日とかその時点であなた自身が一千百万を受け取っていて、何で大臣に報告しないんですか。現金を受け取っているんでしょう、目の前で。その人を依願退職させて大臣に一カ月近くも報告しないなんというのは、あなたが隠ぺいしている紛れもない事実をあらわしているじゃないですか。答弁できますか、その問題について。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 大臣に報告がおくれたことについては、前委員会でもその趣旨を申し上げて、大変おわびを申し上げたところでございます。この件につきましては、何遍も申すようでありますけれども、大臣から強く叱責を受けて、次官と官房長、私でございますけれども、処分を受けたところでございます。

細野委員 大臣、一千百万を官房長自身がもう受け取っていて、事務次官も知っていて、そして報告がないんですよね。それは、私は初めこの報告書を見たときには、一番初めからそういうお金があったので、そこはそのまま置いてあって、そのまま、何かこの調査委員会ですか、そちらに渡っているのでお金の流れも把握されていないのかと思っていましたよ。そうじゃなくて、ちゃんともう返せということを言って自分で受け取っているわけですよね。それを報告しないというのは、これはだれがどう見ても隠しているんですよ。本当にこれほっておいていいんですか、省として。

中川国務大臣 経済産業省として中富前企画室長に諭旨免職という処分を言い渡した、本人の意思で辞職をしたというのは六月六日でございます。後ほど聞いたところによりますと、六月六日の前後二回にわたって、つまり、元金と株の売買益というんでしょうか、二回に分けて今の北川秘書課長に渡したということでございます。

 六月六日時点で中富氏が本人の願いによってやめるという報告は受けておりましたが、インサイダーの疑いのある、それから企画室の公的なお金を自分が私用で使った、これはもう紛れもない事実でございます。それを後で聞いて諭旨免職にしたということであります。さらに、お金の受け取りがあったということを後ほど聞いたので、これは、細野委員御指摘のようなほっておいていいんですかではなくて、まさにこのことが最大のポイントの一つでございますから、徹底的に事実関係を解明したい。

 この一千二百万の出入りの事実関係も当然調べていかなければいけないと思っておりますけれども、それを踏まえて、今後、どういうふうに省内を処置していくかは、この後、早急に考えていかなければいけない。

 このように事実関係がぼろぼろぼろぼろ出てきているということでございますので、早くしたいと思いますけれども、まず徹底的に事実関係を解明していかなければいけない、処分も小出しにはしたくないと思っております。

細野委員 納得できる答弁ではありませんが、とにかく国会内にまず調査報告書を出していただくということ、その中で、どういう形でこの問題を処理されつつあったのか、隠ぺいの部分も含めて、前も言いましたが、調査をしていただきたいことと言った上で、きょうは石田審議官に来ていただいているんですが御答弁いただけないようですので、私の方からお願いだけしておきますが、中間報告を国会中に出してください。でも、解散される、そういう可能性はありますが、十三日が一応期限になっていますから、そこまでに中間報告を出していただきたい。これはなかなか責任持って答弁できないでしょうから、実質的には事務局でやっているのは我々も存じ上げていますから、そのことをお願いしておきたいと思います。

 大臣、もう一つだけ――あ、結構です。では答弁してください。

石田政府参考人 ただいまの御意見といいますか御要請でございますけれども、私、事務局を大臣の指示で仰せつかりまして、この外部調査委員会の先生方が早急かつしっかりとした真相究明ができるようにお手伝いをせよということで、やらせていただいております。

 おっしゃられたタイミングにつきましては、これはまさに大臣からできるだけ早急にまとめてほしいということで、委員の先生方に御要請をしております。それを受けて、非常に精力的な今外部調査委員会の先生方の調査が進んでいるものと承知をいたしております。

 いつまでということにつきましては、私もこれを責任持ってお答えできる立場にございませんので、きょうの議論、あるいは先般、七月の十五日ですか、この経済産業委員会の御議論も先生方の方に議事録とともにお伝えしてございますので、その辺の外部調査委員会の今後の真相究明の努力を私ども事務局としてしっかりとお手伝いをしてまいりたいと考えています。

細野委員 しっかりやってください。

 最後に、大臣に質問はしませんが、もう一つ私の率直に感じたところを申し上げて、この件に関しては終わりたいと思います。

 ユニセフの方を見ていても感じたんですけれども、あれは確かに、何かレストランの会員権に使ったということなので、これはこれでとんでもないことなのでちゃんと調べていただきたいんですが、歴代会計課の会計課長が引き継いだのか、それとも、現職の会計課長に伺うと経理審議官が引き継いでおられたというような話も聞いていますが、その方がこういう裏金をずうっと引き継ぎ続けるわけですよね。官房企画室もそうですよ。

 大臣も、民間の銀行におられたので、そんなことはあり得ないということはよくおわかりだと思いますが、私も民間企業にいまして、民間企業というのは、切手一枚、地下鉄のカード一枚、それはもう申請をして、それこそ私的に流用するようなことがあればもう本当にやめなきゃならないぐらいの責任を負わされて日々やっているんですよ。

 使い込んだ人は論外ですが、私、それと同時に、きちっと検証してもらいたいのは、それを安閑と引き続けてきた歴代のその存在を知っていた人、これも全部懲戒の対象だと私は思いますよ。要するに、そういうことが出てきたときの自浄作用が経済産業省の中に一切なかったということでしょう。ここの部分について目をつぶっているようでは、こういう公金の流用であるとか税金のむだ遣いであるとか、そういうものはなくならないと思いますよ。

 他の省庁からもいろいろな声が聞こえてきまして、経産省、いまだにそんなことをやっていたんだなと。昔は各省庁あったのかもしれないけれども、襟を正している。経済産業省の中にも、いや、とんでもないという声が、これはぼろぼろぼろぼろ聞こえてきますよ。

 やはりそういうことに本当にけじめをつけるという意味では、使い込んだ人だけじゃなくて、歴代それを見て見ぬふりをしていた、これは不作為責任ですよ。こういうところに関しても襟を正していかないと、とてもじゃないですけれども、監察官というのをつくられたということですが、これから襟を正しますでは到底通用しない、私はそう思うということを最後に申し上げたいと思います。

中川国務大臣 きょうの新聞の千二百万とか、あるいはまた本人に諭して、その結果お金を返したことはもちろん問題ですけれども、もちろん株取引も問題ですが、御指摘のように、私も銀行員の端くれを五年ほどやっておりましたけれども、人様のお金を預かっている、しかも自分名義の通帳にして預かっていた、何もしないまま次に送っていたということは、私は、極めて不透明、場合によっては、不作為というよりも作為的な、他人のお金に支配権を及ぼすことになっていたわけですから。

 当委員会でも、現企画室長が心配なので自分の口座に預けましたということは、私も答弁申し上げたように、当日の朝、あなた、それは外形的に見ると私腹と同じですよと。本人の意図はそうじゃないと私は理解をしておりますけれども、そうじゃないにしても、危ないから預金にする、預金するのはいいんですけれども、自分のもともとある口座に入れてしまったということは、これはもう批判されても仕方がないんだよということを言ったわけであります。

 今回の秘書課長が受け取った、官房長の指示に基づいてということでありますけれども、それも、受け取ったらすぐ報告と同時に適切に処理をしなければいけないということも含めて、お金あるいは切手でも、私、銀行時代は鉛筆一本でも苦労しましたけれども、しょっちゅうなくすものですからしょっちゅう怒られておりましたが、そういう感覚というのは、まさに銀行員だからということ、あるいは民間企業じゃなくて、まさに公的な仕事をやっている以上は、ますますこれは厳しさを求められるものだろうというふうに思っておりますので、決してあれだけやってこれらは見逃すということではございませんので、また調査を進めたいと思います。

細野委員 最後に決意を伺ったということで、裏金問題についてはこれで終わりたいと思いますので、これに関する方は結構でございます。ありがとうございました。

 本題の特会の方に入っていきたいと思います。

 何回か、私、質問に立っておりまして、安達部長には何度か本当に厳しい質問もさせていただきましたけれども、できれば幾つかのむだ遣いについては、今回でけじめをつけたいというふうに思っております。

 いろいろあるんですが、私が見てきた中で象徴的に、ホームページの問題と何でも電話相談室、これは毎年予算が三億円、それこそホームページは三億から四億つけられていて、実際にはその半分ぐらいの一億三千万、平成十六年度であれば使っている。電話相談室は一億三千万。これはもう膨大な予算がつけられていて、大体それを使い切っている。

 これは、十七年度の予算を今ちょうど執行する時期なわけですよね。部長にお伺いしたいのは、ことし発注をするときにどういうふうな発注の仕方を考えているのか、その中でどのぐらいこれは圧縮できるのか、少なくとも十六年度と比較しても大幅な圧縮が私は求められると思いますが、そこについてどうお考えになっているのか、まず御答弁いただきたいと思います。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の二つの事業につきましては、本委員会におきまして細野委員から問題点を指摘されたことを契機といたしまして、四月二十二日には、大臣から電源特会の広報予算の見直しのあり方について五点の指示をいただいたところでございます。

 この大臣からの御指示を受けて、これまで十八年度予算要求に向けた見直し作業を行ってきているところでございますが、効率的な事業執行による予算総額の圧縮や、企画競争の導入、スペック、単価の妥当性の検証など、現段階でも取り入れることができるものについては可能な限り本年度予算の執行にも反映させるべく努力しているところでございます。

 具体的には、原子力情報提供ネットワークシステム整備事業につきましては、その事業のあり方についてよく検証する必要があるとの認識のもと、今年度は新規コンテンツの発注を手控えることとしたほか、既存コンテンツの更新についても、その内容や回数の見直しを行うこととしてございます。また、新たに設置した公認会計士やITコンサルタント等の専門家から成るアドバイザリーチームから対価やスペックの妥当性などについて評価を受けることとしてございます。

 また、原子力なんでも相談室事業につきましても、資料購入費や質問管理システム改善費など経費全般について見直しを行うほか、この予算の中で実施したアンケート調査事業をこの事業から切り離して企画競争にかけるといった措置を講ずる予定でございます。

 さらに、これらの二つの事業は、これまで随意契約によって社会経済生産性本部に委託しておりましたが、社会経済生産性本部との随意契約は上半期限りとし、下半期からは企画競争にかけるべく準備を進めているところでございます。

 こうした措置を講ずることによって、二つの事業の十七年度の予算の執行額は、昨年度の実績と比較しても二割から三割圧縮できるのではないかと考えてございます。十八年度予算要求に当たりましても、大臣指示に基づいた予算要求とすべく、今準備を進めているところでございます。

細野委員 二割から三割という御答弁がございましたので、その言葉を信じて、また決算のときにその金額について拝見をしたいと思います。

 もう一つ、広報予算全体の枠ですが、今年度の予算が七十八億円、これも今年度の予算をどれぐらい圧縮できるか。これは当然、今年度は予算ができてからむだ遣いが明らかになっていますので、余らすということになるわけですが、それがどれぐらいになるかということ、さらには十八年度に向けて広報予算をどういう金額で考えられているか、続けて答弁をいただきたいと思います。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 電源特会立地勘定に計上される広報予算につきましては、本年四月以降の国会などにおける御指摘を受け、予算総額の圧縮、委託先の選定に当たっての企画競争の導入など、必要な対応を講ずるよう今検討しているところでございます。

 平成十七年度の広報予算の執行につきましては、契約手続の過程にあることから確定的なことは申し上げられませんが、可能な限り企画競争を導入することや、スペック、単価の妥当性の検証を行うことによって、前年度実績に比べ、全体でございますが二割程度削減が行われるよう鋭意取り組みを行っているところでありまして、今後とも引き続き事業の効率化に努めていきたいと考えてございます。

細野委員 こちらも二割という御答弁がありましたので、もう少し踏み込んでもいいかなという気はしますが、とりあえず答弁としては、私の方でお伺いしたということでとどめたいと思います。

 今、前回、前々回と指摘をしたむだ遣いについてちょっと幾つか御答弁をいただいたんですけれども、もう一つ、電源特会、そして同様の観点からできている予算としては、経産省、先ほど鈴木康友委員の方から質問がありましたけれども、石特があるわけですが、この二つの予算を見ていまして、本当にこれは特別会計というものでやっていく意味があるのかなと思うものというのは非常にたくさんあるんですね。

 我々一般会計化ということで今やっているんですが、ちょっと幾つか気になったのを調べてみたんですけれども、例えば、これは数年前に終わっちゃっているんですが、フォトン計測という事業がありまして、加工技術であるとか、何か物質を計測するときに使う技術らしいんですけれども、平成九年度から平成十何年度にかけて、電特からも出ている、石特からも出ている、一般会計からも出ているわけですね。それぞれ何か理屈をつけてつけておられるんでしょうけれども、こういう予算があります。ほかにも、ロボットの予算であるとか、あとはコンピューターの予算であるとか、一般会計からも出ているし、石特からも電特からも出ている、そういう事業がたくさんあるんですよね。

 理屈がもう通らないんですよ。一般会計がなくなったから特別会計で一部持ちましたとか、何とかエネルギーに関係あるような趣意書を書いて予算でつけているとしか思えぬような内容の事業がたくさんあるんですよね。

 これはだれに聞いたらいいんですかね。これは理屈、本当に通っていますか。何か理屈があって、一般会計から特別会計から、特別会計二つ、一般会計が一つ、三カ所から予算がついているものというのはどうやって決めているんですか。これは政府委員で結構ですが、御答弁いただきたいと思います。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘のとおり、同じプロジェクトの中で、一般会計、特別会計、それぞれあわせて計上されているプロジェクトがあることは事実でございますけれども、これは予算の要求あるいは査定の段階におきましてそれぞれのプロジェクトを仕分けいたしまして、内容的に、特別会計につきましては、その設置目的それから歳出過程に合致しているかどうかということについて精査の上、予算計上されたものであるというふうに考えております。

 ただ、ただいま先生から御指摘のございましたように、こういう同じプロジェクトの中で特会法上説明が可能であるといたしましても、特にエネルギー特別会計はエネルギー問題そのものに対応するという目的で存在しておるものでございますので、その効率化と合理化に努めてきておるところでございますけれども、これからなお一層そういうことで努力をしていきたいと思っております。

細野委員 では、ちょっと一つ具体的に聞きますけれども、宇宙における電子部品等の利用事業というのがありまして、宇宙で電子部品がどうやって動くかとかどういうふうに機能するかというのを予算がずっとつけられているんですね。石油採掘の場合は宇宙環境に類似していると書いてあるんですが、似ているんですかね。似ているんでしょう、言われているんだから。

 ただ、中身を見ると、平成十一年から始まっているんですが、初め石特で十二億ついて、一般会計で十二億ついているんですね。そこからだんだん予算が変わって、石特の割合が多くなって、足元、平成十七年度においては、石特の方は二十二億出ているんですが、一般会計では二億円になっている。一般会計は六分の一になって、石特は倍になっているんですね。

 今の小平長官の御答弁でいえば、要するに、やっていればやっているほどエネルギーに関する部分が大きくなって、一般会計から支出するに値するものが少なくなった、そういう経緯があったわけですか、この宇宙の何か実験に。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 宇宙における電子部品等の利用事業につきましては、石油掘削環境というのが、今先生の方からお話ございましたように宇宙環境と大変似ているということでございますので、石油掘削環境で適用可能な民生用電子部品をつくり出すというために宇宙環境を利用していろいろな実験を行う、そしていい製品をつくっていくということを目的にしております。

 流れでございますけれども、これはまず民生用電子部品というのはいろいろあるわけでございますが、その中から宇宙空間等に使う、要するに宇宙空間を使って評価をする、そして石油掘削に利用できるようなものをまず選び出すという過程がございます。これは、石油掘削とは直結をしない一種の一般的な評価実験ということでございますので、これは一般会計で実施をする。

 そこで選び出されたものを、今度は宇宙空間を利用いたしまして、石油掘削環境に類似した環境下で実験を行うということでさらに絞り込みをしていく形になりますが、そこで出てきました成果は直接いわゆる石油掘削環境に使えるということでございますので、特別会計で実施をしているという形でございます。

 そして最後に、そういういろいろな得られました成果をデータベース化するという作業を行っております。このデータベース化につきましては、直接が石油掘削環境に利用するということではございませんで、宇宙開発一般にかかわるということでございますので、これについては一般会計から活用するということでございます。

 一般会計と特別会計と金額に多寡がございますが、これはやはり宇宙環境を利用するという部分はどうしても金額が大きくなるということで金額に多寡があるというふうに御理解をいただければというふうに考えております。

細野委員 一生懸命説明いただいたんですけれども、初め石特と一般会計は一対一なんですね。足元は一般会計一に対して石特が十、十倍つけているんですね。毎年それで予算がずっと上がったり下がったりしてきているんです。

 では、聞きますけれども、平成十一年には一対一ですが、いきなり平成十二年に一対三に一回なっているんですね、三十五億になっていますから。この十一年と十二年で、そんなドラスチックな違いがあったんですか。ちゃんと本当に、一般会計と特別会計、分かれていますか。

 確認しますと、平成十一年は石特が十二億ですね、一般会計が十二億。それに対して、平成十二年にいきなり石特が三十六億、一般会計が十億になっています。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 初年度は、先ほども申し上げましたように、民生用電子部品から石油掘削環境に使い得るものを選ぶということで、一般会計が主で動いておりました。そして、平成十二年度に特別会計が三十五億というようなけたになっておりますが、これは宇宙環境で実験をするというために宇宙衛星をつくるという、まさにハードの部分がつけ加わってきておりますので、金額的に特別会計部分が非常に大きくなってきているということでございます。衛星に係る費用ということでございます。

細野委員 いや、さっき答弁をされたのは、だんだん実験目的がはっきりしてきて、それでエネルギーにかかわることになってきたから上がってきたという答弁をされましたよね。二年目、衛星をつくるのに、いきなりそれでエネルギーだからふやしましたという理屈は、やはりどう考えても苦しいですよ。

 大臣、こういう感じなんですよね。宇宙もやる、コンピューターもやる、ロボットもやる、基礎実験みたいなこともやる。それぞれ、私はちょっとこういうことの専門家じゃないのでわかりませんが、それなりに意味のあることもあるし、宇宙予算なんて、私、もっとたくさんつけてもいいなと思っているぐらいなんですよね。ただこれは、必要ならば一般会計できちっとやればいい話で、財源が必要なんであれば財源も含めて一般会計でやればいい話で、石特で無理くりやっているのはどう考えても苦しいですよね。へ理屈でやっているのも結構ありますよ、特に過去は。最近、若干よくなりましたが。

 そういうことも含めて、ちょっとこれを機会に、我々は今特会の見直し、一生懸命やっているんですけれども、石特と電特のあり方を検討された方がいいんじゃないか。むだ遣いの問題と、あとは理屈がつかないものが余りに多い。大臣、どうですか。

中川国務大臣 一般会計は、一般的に、特別のものを除いては大変シーリングとか財政状況が厳しい。特会の方は、その目的に合致していれば、石特のように税も特別の税があってとかいうことで、比較的一般会計に比べると財政事情が緩やかであるという現実がございます。しかし、あくまでも特別会計というのは目的に沿った形で、もちろんむだ遣いとかあるいは説明のできないようなものについて使ってはいけないということは当委員会の御指摘を受けて今やっているところでございます。

 私も、最初に見たときに、海洋開発と宇宙とどういう関係があるのかなと率直に、素人ですから思いましたけれども、今の製造局次長の説明にありましたように、やはり日本の海洋掘削技術、海洋開発技術のために宇宙での実験なり、またいろいろな部品の製造なりに役立つということでございますから、幅広にといいましょうか、その目的のためには、ちょっと関係ないようなことでも十分関係があるという今の説明のように、そういう意味で特別の目的のために、特会の趣旨、エネルギー資源の確保であるとかそのための技術開発という観点から、これはきちっと説明をし、きちっと有効に使われるという観点で、その目的に合致していればいいというふうに考えております。

 もとより、きょうの委員会の趣旨は、むだとかあるいは説明できないものについてはやめるということを前提にしての委員会でございますから、その趣旨は十分踏まえた上でこの特会の有効活用をしていきたいと考えております。

細野委員 雨が降ればおけ屋がもうかるじゃないですけれども、何でもやれば最終的に何かそういう結果に結びつくという説明はできますよ。だって、新世代コンピューターの研究をするのに電源特会とか石特をつけているんですよ。それは電力業界も電機業界もパソコンなりコンピューターを使うかもしれないけれども、それはもうみんな使うわけじゃないですか。ロボットだってそれは使うかもしれないけれども、これはもう一般的に産業を高めるためにはロボットが必要なわけでしょう。そういうのを一般会計と私はいうんじゃないかと思うんですよ。特別会計というからには、やはりかなり特化をして、きちっとそれに答えが出てくるようなものにしないと、やはり理屈が通らないですよね。

 大臣、そこの部分は、ちょっとこういうのを見ていただいて、あと、本当にエネルギー特会でこの二つを残しておくなら、少し使い方をもっと考えた方がいいと思うんですよ。

 今環境税の議論なんかも出ていますけれども、新たに環境税を設けるよりは、こういうものを使って環境負荷の低いものに投資をしていくという方法もあるだろうし、余るなら減税するという方法もあるだろうし、大臣、だって、節約していたらさらに余っちゃいますよ。この間は、節約して余ったものはちょっと使い方をあなたも考えてくださいみたいなことをおっしゃっていたけれども、あれは無責任な話で、何か新しいきちっとした使い方を提示せないかぬですよ。特会の改革の必要性をお感じになりませんか。

中川国務大臣 特会は、さっき申し上げた、より柔軟性というメリットもある、財政上の柔軟性というメリットもある。先端技術というのは、意外と今までと違う、学際的といいましょうか、きょうも朝のニュースで宇宙食に即席ラーメンなんというのをやっておりましたけれども、意外と、我々の燃料電池でも組みひもの技術をなんということから、いいものを今つくろうとしております。

 そういう意味で、ある意味で研究をするためには、幅を狭くするんじゃなくて、いろいろな学問分野、あるいはまたいろいろな伝統技術も含めてやっていくという時代に来ているんだろうなというふうに思います。そういう柔軟性に対応するためにも、本来の本当にコアの戦略目標はもちろんきちっと設定しなければいけませんけれども、そのためにやれるということで、特会のある意味では柔軟性みたいなものがあると思います。

 しかし、それは、全然関係ないむだ遣いをしていいとかいうことでは決してないのでありまして、その辺は、結果的に御批判なり御指摘を受ける場合があるかもしれません。しかし、今の宇宙技術と海洋開発のように、海底と宇宙とが何か役立つんだ、その共同的な研究が役立つんだという専門家の御判断があれば、それには私どもは前向きに対応していきたいと思います。

 しかし、あくまでもむだ遣い、あるいは余ったら何か考えてくれという答弁があったとすれば、それはちょっと誤解を招くので訂正をしなければいけないと思っておりますけれども、どうしてもそれでも余ったのであれば、それは適切に処理しなければいけないと思いますし、それから、本来の目的というものも常に見直していく。今御指摘のあった省エネなんというのはこの石特特会の一つの大きな柱になっておりますので、そういう目標を常にチェックしながら、そしてまた一つの事業事業もチェックをしながら、常に自己チェックあるいは外からのチェックにさらされながらやっていくことによって、初めて特会の目的が達成できるというふうに思っております。

細野委員 先ほど雨が降ればと言いましたけれども、風が吹けばでしたね。失礼をいたしました。風が吹けばおけ屋がもうかる、そういう特会じゃないような改革をぜひやっていただきたいと思います。

 我々も、いろいろ今特会の改革をやっていまして、やがてどこかで間もなく出せると思いますので、それをまたお示ししたいと思います。電源特会関係の方は結構です。ありがとうございました。

 続きまして、きょうは文科省の方から政務官にも来ていただきましてありがとうございます。同じく電源特会関係で、原研、原子力研究所について少し質問させていただきたいと思います。

 今、特殊法人改革を民主党でやっていまして、その中で事務次官が天下っているところというのは相当いろいろあるんじゃないかということで、ちょっと私もここの担当になりまして調べてみまして、いろいろ出てまいりました。

 時間も限られていますので早速質問に入っていきたいんですが、大臣、ちょっと一つだけ。間もなく日本原子力研究開発機構に原研というのはなるんですね、核燃サイクル機構と一緒になって。ちょっと給料を見ていまして、余り給料の話ばかりすると、おまえ、金が欲しいんじゃないかとか言われると嫌なんですが、理事長さんが月収が百二十二万なんですよ。これは立派な方なんでしょうから、高いと思いますけれども、とりあえず目をつぶるとして、理事さんが九十一万なんですけれども、これは通告していないんですけれども、大臣、数字だけ聞いてくださいね。監事の大蔵省の主計局から来られている方が、非常勤なんですけれども、これは月収四十七万七千円なんですね、非常勤で。ほかに仕事があるんです。やはりこういうのは普通の感覚じゃないんですよね。非常勤ですよ。こういうのは、やはり組織改編するときに、今度、経産省もかかわるのでちょっと目を配っていただけませんか。

中川国務大臣 そういう公的な機関、我々も含めて公的な職についている人の給与というのは、やはりもともとは国民のお金でありますし、それから、国民のために仕事をしているんですから、国民に理解というか納得というか説明が受け入れられるようにしなければならないというふうに思います。一般論ですよ、これはあくまでも。

 ですから、非常勤の原研の方が四十七万ですかをもらっているということについて、高いというふうに思う人もいるし、そうじゃないと思う人もいるかもしれませんけれども、それは個々の判断ですが、私だってそれは決して安いと思っていないわけですけれども。しかしそれは、そういう質問に対して、いや、非常勤でありながらこれだけの報酬を差し上げるだけの意味がありますよ、裏づけがありますよということを求められたら説明ができるということが、私は給与体系の前提に、特に公的な立場にいる方には求められるのだろうと思います。

細野委員 では、これは通告していないんですが、せっかく来ていただいているので、文科省の方にちょっと説明していただけますか、何でこんな金額なのか。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 原研におきまして、非常勤の監事ということで、現在四十七万七千円の給料、月給を取られておる方がおられます。この方につきましては、非常勤ではありますが、時々来るという形ではなくて、週の半分ぐらいはここに来られておられまして、実質監事としての仕事を果たされておられる方でございます。

 したがいまして、普通、非常勤と申しますと、月に一回あるいは監査会のときに出席されるというような勤務形態になっているかと存じますけれども、この方はそうではなくて、週に半分ぐらいは出勤されておられるというのが実態でございます。(発言する者あり)

細野委員 いろいろやじも出ていますけれども、ここでやっても水かけ論になるので指摘にとどめておきたいと思いますが、大臣、ちょっとそこは、新しくなるんだから、そういうところはけじめをつけていただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。

 きょうは政務官にも来ていただいているので、ちょっと資料を持ってきましたので、そちらをごらんいただけますでしょうか。原研のホームページでいろいろ資料を見ていましたら、原子力研究所には退職した原研の職員が運営をしている会社というのが結構ありまして、その資料を原研から出していただいたものです。

 二枚、それぞれ会社概要なんですが、二ページですね、一つ目から、セキュリティーシステムという会社、また東海原子力サービスという会社、それぞれ役員がずっと名前が並んでいるんですが、役員の中で右に丸が書いてあるのが原研のOBなんですね。要するに、ここに書いてある七つの会社は、合併しているのもあるんですが、常勤の役員は全員原研からの天下りの方なんです。こういう会社なんですね。

 それぞれ右側を見ていただくと売上高があるんですが、売上高の原研の占める割合というのは、大体八割からほぼ一〇〇%。原研から天下っていて原研の仕事しかほぼしていないようなそういう会社が、こういう形でたくさんあります。

 ちなみにということで、四ページで株の持ち合いの状況についても資料をつけておきましたけれども、確かに原研というのは民間企業ではありませんので株を持てないんですが、この会社同士で株の持ち合いをしていまして、ある種、互助的にやっておられるわけですね。それぞれちょっと会社を私も個別に調べてみたんですけれども、そのすべての会社が基本的には無借金です。自社ビルを持っているところもあります。百人ぐらいの会社で自社ビルを持っていたら、相当これは潤っていますよね。

 これは何でかというと、いろいろ一気に言ってしまいますが、五ページを見ると、ほとんどこれは随意契約なんですね、それぞれの契約が。それぞれ、それこそ億単位の受注を受けていますから、相当原研からお金をもらっているんですが、随意契約で行われている。こういう環境は、原子力という特殊な分野ということもあるんでしょうけれども、これはちょっと政務官にぜひお伺いいたしたいんですが、もう少し何とかならぬかなと。政務官はこういう状況についてはどう評価されていますか。

小泉大臣政務官 御質問いただきましてありがとうございます。小泉でございます。

 今御指摘にあったとおりでありまして、非常に依存度も高いということ、あるいは人事においても懸念されるところがあるというのは事実かというふうに思うわけでありますが、いずれにしましても、本年の十月に日本原子力研究所と核燃料サイクルが統合いたしまして、原子力の基礎研究から研究開発までを包含します独立行政法人日本原子力研究開発機構が設立をされるわけであります。この法人の設立、スタートに当たりましては、我々としては、業務運営の合理化、効率化、いわゆる疑問や不信を招かないような施策というものが重要であるというふうには認識をしておるところであります。

 なお、日本原子力研究所におきましては、放射性廃棄物にかかわる業務、あるいは放射線利用、原子力施設にかかわる業務といった、先ほど先生も御指摘されましたように、非常に特殊な技術、あるいは特殊な知見を必要とするものでありますので、どうしてもこういった関連会社との連携というものが強くなるということは否めない部分もあるのではないかというふうに思うわけであります。それであるがゆえに、一層契約における透明性というものを確保し、競争契約というものも拡大に努めていく責任があるというふうに思っております。

 新しくスタートします新法人におきましても、法人全体の業務運営の合理化、効率化、さらには透明性、適切さというものが確保されるように期待をしておるところであります。

細野委員 政務官が非常に丁寧に御答弁いただいて、納得できる部分と納得できない部分もあるんですが、ちょっと五ページをごらんいただけますか。よろしいですか。

 五ページの中の、例えば一つ目の原子炉の施設であるとか構内の監視なんかは、これはある意味やはり特殊な業務だと思うんですよね。同じく三つ目の大型装置の運転保守であるとか、こういうのも特殊だと思います。競争相手があれば当然コンペにすべきですが、そういうところが随契になるのは理解できるんですよね。ただ、例えば二つ目の車両の運行、これは特殊な車を運転しているんじゃなくて、普通の中の運転をやられているそうです。それこそテロリストが入ってくるような会社はとんでもないですが、その部分さえ除去できればこれは本当はもっとオープンにできるはずなんですが、原研はこの会社以外に一切運行を委託していません。全部ここです。

 さらに言うと、例えばトータル・サポート・システムというのは、原子力資料サービスというのと第五企画というのが合併してできるんですけれども、ここはOA機器の消耗品の納入やレイアウトをやっていて、原子力とは何の関係もないんですよ。ここに、原子力資料サービスに十二億円も出しているんです、随契で。全体で十五億円。ほとんどここからしか逆に納入していないんです。だから、こういうところはもっと変えていかないと、やはり原子力村の閉鎖的な世界で、なれ合いで税金が落ちているんじゃないかと言われても、私、仕方がないと思うんですよね。

 ちょっとその次に、六ページ目に、私が勝手につくったんですが、道路公団と似ているなと思ったのでこういうふうにつくったんですけれども、国交省から道路公団には天下りがありますね、債務保証もされている。道路公団から橋梁会社には天下りがある、たっぷり工事が落ちます。文科省から原研に天下って、原研から関連企業に天下って、ここもたっぷり税金が落ちる。

 オープンにできるところはオープンにする、せめてもっと入札を多くするとか、そういう意味でアクターをふやすとか、そういう努力は、新機構ができるんだから、政務官、答弁をされたからには責任を持って最後までやっていただきたいと思いますが、どうですか。御答弁いただきたいと思います。できれば自分の言葉で御答弁いただけると私も聞きごたえがありますので、お願いします。

小泉大臣政務官 失礼します。

 先ほど申し上げましたとおり、透明性を確保し、あるいは競争契約というものを拡大するということに大いに期待をしていきたいと思っております。

細野委員 いや、政務官、期待じゃなくて、省として責任を持って、そういうところはそういうふうな形での改革をしてくださいということを申し上げています。

小泉大臣政務官 先生の御意見を踏まえて私も行動したいと思います。

細野委員 最後、大臣に聞こうかと思ったらトイレに行っちゃいましたので、では副大臣、これは共管になるんですよね、今度、新しい機関になると。

 事前に経産省の方とも議論をしたんですけれども、こういう言い方をされました。要するに、全体の主管は文科省なんです、核燃サイクルのその部分の、原子力に直接かかわる、バックエンドにかかわるようなところは経産省なんですけれども、そこはやはりファイアウオールがあって超えられないんです、だからこういう問題は経産省は責任持って答弁できませんという話をされました。それではこの二つの機関を一緒にした意味、全然ないんですよね。一緒にするからには、前向きに、基礎研究も実用研究も一緒にするし、おかしな調達があれば一緒にチェックし合うぐらいの、そういう仕組みはつくらなきゃいかぬと思いますが、副大臣、ぜひ御決意を。

小此木副大臣 それぞれで専ら努めてきたところがあると思います。責任のなすり合いということでは決してあってはなりませんけれども、それぞれのチェック機能あるいは責任は持ちながらも、積極的に、縦割り、縦割りという批判が起こらないような形にしてまいりたいと思います。

細野委員 それでは、原研関係の方は結構でございます。ありがとうございました。

 最後、残す時間が十分になりましたので、私がもう一つ宿題として党内で与えられております特許特会について、簡単に聞いていきたいと思います。

 特許特会の仕組みというのは、これは当然役所の方はよく御存じなんですが、若干私なりに理解をしているところを説明しますと、特許料であるとか意匠料であるとか、そういう知的財産権に関する手数料であるとか出願料みたいなものを基本的に特許庁に入れて、特許庁が基本的に支出するものに関してはすべてその範囲で賄っている。そういう意味で言うと、基本的には入りも出も完全な独立性で成り立った特会だということでよろしいですね。

 そういう前提でできている特会なんですが、七ページでつけておりますとおり、実はこの特会にも剰余金というのがありまして、平成十四年度で言うと、歳入が一千四十億円、歳出が一千三億円、剰余金が九百三十四億円ですから、まあほぼ一年分剰余金というのが積み上がっているんですね。平成十五年度も歳入が一千四十一億円、歳出が一千四十億円、これは大体帳じりが合っているんですが、剰余金が一億円ふえて九百三十五億円ある。十六年、ちょっと剰余金が減っていますが、これはデ通サで払ったということなんですが、石特も電特も剰余金があるので、それぞれ剰余金についてはいろいろ皆さん御苦労されて理由をつけます。整備資金という形で電特も新しい概念を設けられて剰余金の説明をされたし、逆に言うと、そういう説明をしないと財政審や会計検査院からいろいろ言われるということもあるんでしょうが、この剰余金のあり方、これについてどういう正当性を持っているのか、この部分についてどういう考え方をしているのかということを、まず概略、御説明いただけますでしょうか。

澁谷政府参考人 説明申し上げます。

 特許特別会計は、制度利用者である出願人等からの手数料を収入として、権利付与に伴う審査処理等に必要な経費を賄う制度でございます。

 剰余金とは手数料等の歳入と歳出の差額ということでありますけれども、平成十五年度末現在では、御指摘のとおり九百三十五億円ございます。これは主に未着手分の審査、審判に必要となる経費に将来充てられる納付済み手数料の存在から発生するものでございます。

 もう少し具体的に申し上げますと、例えば、特許であれば審査請求時に特許庁に対して審査請求料が支払われますけれども、その年度に実際の審査に着手するまでに至らない場合、今平均、審査請求、御提示があってから二十六カ月ほど第一次処理までにかかるわけですけれども、そういった手をつけるまでにかかる時間、これは年度を当然越えてしまいますので、着手の段階で実際には使うということになりますので、未着手分はいわば繰り越しという形で残すという手続をとっております。したがって、歳出として支出するのは翌年度以降になるために発生する、こういうものでございます。

 なお、平成十六年度におきましては、御指摘のとおり、データ通信サービス契約のソフトウエア未償却残高、いわゆる残債の一括支払いを行いましたので、十六年度末においてはその分剰余金も減少するというふうに見込んでおります。

 特許庁といたしましては、現在進めております特許審査、審判の迅速化を図ることにより、特許審査等の未着手分の処理を促進する、これによりましてタイムラグをできるだけ短くする、こういうことによってこれを解消していきたいというふうに思っておりますけれども、その結果として、収支上、剰余金についても減少させていくことができるものというふうに考えております。

細野委員 では、総務部長に確認をしますが、事前にいただいている資料では、平成十五年度の九百三十五億円の剰余金の根拠というのは、これは、さっき御説明をされた前受け金が六百十六億円、賞与の引当金が十八億円で、退職引当金が三百五十八億円、そういうことでよろしいですね。

澁谷政府参考人 少し誤解がある解説だったかもしれません、この資料は。

 つまり、歳入と歳出の差というのを剰余金として、いわば出と入りの差というのをそれまで積んであったものに足して、その結果できるもの、これが期末の剰余金でございます。

細野委員 最後の八ページに詳細な資料を出していただいたんですよ。それぞれどうやって前受け金ができているんですかという詳細な資料を出していただいていて、一部省かれていますが、こういう形で全部積み上げると六百十五億円ですという説明をいただいたんです。それを撤回したらおかしいんですよね。

 加えて財務諸表までいただいていて、賞与引当金が十八億円で退職引当金が三百五十八億円だということも説明をいただいているんです。いいですか、部長。(澁谷政府参考人「はい」と呼ぶ)これを全部足すと九百三十五億円なんでしょう。

 そうすると、ここからが問題なんですが、部長、いいですか。平成十六年に六百九億円になっているんですよね。そうすると、これ、賞与の引当金とか退職引当金は変わらないわけだから、この部分が変わらないとすると、いわゆるこれは前受け金が、デ通サが減った結果、六百十六億円から二百三十三億円に、半分以下になっちゃったという計算になるんですよ。わかりますか。

 要するに、こんな根拠はむちゃくちゃで、一生懸命おつくりになったんだろうけれども、そうでしょう、九百三十五億円が六百九億円になって、退職引当金と賞与引当金が同じだとすると、前受け金は二百三十三億円でしょう、引き算ですから。六百十六億円が二百三十三億円になって、前受け金は足りなくなっているじゃないですか。どう説明するんですか。これはいただいた資料をもとに質問していますからね。

澁谷政府参考人 御質問の趣旨が、大きく下がった、その差額のところの質問ということでよろしいですか。

細野委員 いやいや、どういう根拠ですかということを聞いている。

 では、まず確認しますが、九百三十五億円の根拠は、前受け金が六百十六億円で、賞与が十八億円で、退職金が三百五十八億円でいいですね。

澁谷政府参考人 剰余金九百三十五億円につきましては、審査請求料として、実際の審査、審判に先立って支払われるお金です。一方、前受け金というものは、当庁で監査法人を使って……(細野委員「いや、内訳はこれでいいですねと聞いています」と呼ぶ)

 済みません、ちょっと確認いたします。

河上委員長 澁谷部長、それちょっともらって。おたくが出した資料だから。

澁谷政府参考人 確認いたします。

 これで結構です。(細野委員「それでいいんですね」と呼ぶ)はい。

細野委員 この数字でいいとすると、賞与引当金と退職引当金が一年間でごっそり減ることはあり得ないわけだから。そうすると、逆算すると、平成十六年度は前受け金が二百三十三億円に、半分以下になっちゃったということですね。退職引当金と賞与引当金が、特許庁が半分になったら別ですけれども、半分になっていないわけだから、そのままですよね。だとすると、引き算すると、平成十六年度は、これは、前受け金が二百三十三億円で、半分以下になっちゃった、そういう理屈ですね。

澁谷政府参考人 退職給与引当金、引当金が減らないとなると、そこに充てる原資というか、入りと出の差をそこに当てはめる必要がないわけですね。

 したがって、御説明したかったのは、審査請求手数料というのは二年前に実は値上げをしたわけですけれども、ほぼ倍に値上げをしたわけですけれども、そのときの考え方は、審査請求手数料がコストに見合っていなかったということをその理由にして値上げをしました。そこで、前受け金は、過去に取った、その当時の審査手数料で計算をしておりますので、その計算の結果と実は実際かかるコストというのが違い得る、その差が剰余金と前受け金の差というふうに御理解いただきたいと思います。

細野委員 部長、ちょっと混乱されているようなので確認をしますが、平成十五年度に賞与引当金が十八億円で退職引当金が三百五十八億円でしたが、多少の出入りはあっても十六年度もこれは変わりませんね。これはいいですね。はい。

 変わらないということは、残るところの剰余金からその二つの項目を引いたのが前受け金でしょう。――いや、違うなら成り立たないじゃないですか。

澁谷政府参考人 お答え申し上げます。

 剰余金と前受け金の差というのをもう一度説明させてください。

 前受け金というのは、未着手の案件につきまして、審査請求手数料でいただいたものがどれぐらい積み重なっているかというのが前受け金の性格です。それから剰余金というのは、その年に入ってきたお金と出ていったお金の差でございますから、その差は必ずしも退職給与引当金に充てられたとかそういう話ではなくて、そういう説明をしました。

細野委員 今の部長の説明だと、たまたま平成十五年度が前受け金と剰余金と引当金が一緒になったという話ですよ。

澁谷政府参考人 そうです。退職給与引当金が変わらないとすると、そこに充てられる新たな財源は必要ないわけですね。

細野委員 水かけ論なので、もういいですけれども。(発言する者あり)

 では、六百九億円のうち前受け金は幾らなんですか。平成十六年度末の前受け金は、これだけ詳細な資料を出していただいたわけだから、根拠があるんですから。

 追加で言うと、委員長、大臣も聞いてくださいよ。これ、特許の出願件数は六十万件から七十万件にふえているんです。ふえているんだけれども、剰余金が下がっているんです。

 では、前受け金は幾らですか。

澁谷政府参考人 前受け金というのは、繰り返しになりますが、その年に着手できなかったものが、当時幾らお金をいただいたかというのをその時々に計算して出るお金でございます。それが六百九億円でございます。それが前受け金でございます。

 剰余金というのはどうやって出るかというと、入ってきたお金と出ていったお金……(細野委員「六百十六億円でしょう」と呼ぶ)はい。

細野委員 では、部長、聞きますが、平成十五年度の前受け金は六百十六億円ですね。これはいいですね。(澁谷政府参考人「はい、結構です」と呼ぶ)それで、平成十五年度末には特許の未着手というのが全部で大体六十万件あるわけですよ、そう書いてありますから。これが平成十六年度末には七十万件にふえているということは、前受け金は六百十六億円より多いですね。(澁谷政府参考人「そうですね」と呼ぶ)多いんだったら、六百十六億円より多いということは、平成十六年度の六百九億円というのは既に前受け金を食っちゃっているという話ですね。

澁谷政府参考人 剰余金の中からデ通サの二百何十億円を支払った結果、その年に余っていたお金が減ったというのが考え方です。したがって、剰余金の中の前受け金は一部分を構成しておりまして、したがって、剰余金が減るというのは、その年にある支出があったから減った。

 もし、先生が、前受け金よりも剰余金が割り込むということは異常ではないかという質問ならば、私もそのとおりだと思います。

細野委員 だって、十五年度は全部で六十万件審査待ちのがあって、六百十六億円前受け金があるわけでしょう。平成十六年度は、いただいた資料によると、七十万件以上審査待ちのものがあるわけだから、六百十六億円よりも前受け金は多くなきゃいけないでしょう。(澁谷政府参考人「はい」と呼ぶ)剰余金が六百九億円なんだから、割り込んでいるじゃないですか。

澁谷政府参考人 六百九億円というのは、済みません、これは予算額でございまして、これがどうなるかというのは実は今の段階ではわかりません。八月末ごろに数字が出るかと思います。

細野委員 では、これぐらいにしますが、大臣、要するに、剰余金の根拠、多分頑張ってつくっていただいたんだと思うんですよ、こういう資料を初めて出したそうですから。でも、実は根拠になっていないんですよ。平成十五年度で何とか帳じりを合わせて剰余金はこういう額ですということでやっていただいたんだけれども、十六年度を見たらもう矛盾しちゃっていて、十六年度末の決算が出たって、これが百億も二百億も上がることというのは考えにくいんですから、大体収支均衡なんですからね。

 要するに、理屈が破綻しちゃっているんですよね。この部分も含めて、要するに、入ってくるものがこれだけあって、余っているものがこうあるのでこういう理屈をつけるというのではなくて、特会というのはやはり見直した方がいいんですよ。削れるものは削る、余ったものなら、日本はこれだけ困っているんだから、それこそ借金を返すのに使う、これは当たり前のことだと思うんですよね。

 もう結構です、大分やりましたから。大臣に一言いただいて、終わりたいと思います。

中川国務大臣 いろいろと今特許庁と細野委員のやりとりを聞かせていただきましたけれども、十六年度にがくっと減っているのは、ここにあるように、あくまでも予算額である。それから、データサービス料の一括前払いが二百六十億近くある。それから、細野委員からも御指摘ありましたように、待機が二十六カ月分あって、そこで去年から任期つき審査官というものを導入して、その人件費もあると同時に、六十万件から七十万件にふえたことによる処理費用がふえたということ等があって、こういうことになるんだろうと思います。

 他方、減って最後どうなるんだという話ですけれども、先ほどのエネルギー特会のように、余っているからむだではないかという議論と違って、こっちはだんだん減っていっちゃうけれどもどうなるのという御議論だと思いますけれども、特許についてはこれからも日本の先端技術を支える一つの大きな柱でございますから、この特許について、特許行政あるいは特許の特会について、世界との競争とか技術力の進歩という観点からこの特許制度というものを充実していきたいというふうに思っておりますので、必要な資金は必要なところに投入していきたいと思っておりますから、この特許制度そのものが影響がないように、目的達成するように、この制度を運用していかなければならない。そういう意味で、緊張感を持ってやりたいと思います。

細野委員 私も、特許が必要だとか、知財が必要だとかいう議論、そこに予算をきちっと割くべきだという意見は同じです。ただ、それをこういう形で特会でやって、いろいろな矛盾を覆い隠すようなやり方というのはいかがなものか、やはり特会は変えなきゃならないという思いを新たにしたということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

河上委員長 次に、近藤洋介君。

近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。国会終盤のこの時期に質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。

 午前中から質疑を聞いておりますと、私、大変失望感を禁じ得ません。経済産業省というのは、私は霞が関の中でもいわゆる一流官庁だという認識を持っておりますし、かつて城山三郎さんの書いた小説で「官僚たちの夏」という本がございました。時には強引とも思える手法で、しかしながら国を思い活動してきた通産官僚たちを描いた小説でありますけれども、あの「官僚たちの夏」に描かれた官僚は、あの答弁を聞いた限り、どうもその気概というのは随分なくなってしまったなと大変悲しい気持ちでいっぱいでありますが、そんな思いを胸にしながら質問していきたいと思っています。

 私は、霞が関の方々を全面的に否定するつもりはありませんし、ぜひ頑張っていただきたいと思っているわけですけれども、少なくとも今回の裏金流用疑惑に対する対応の仕方というのは大変残念だと、あえて冒頭申し上げたいと思っております。

 本日は特別会計に関する一般質疑でございますが、私は、最初に電源開発促進特別会計、電源特会のありようについて伺っていきたいと思っております。

 この電源特会の目的というのは、経産省の御説明によると、電源の立地対策及び電源利用対策に関する財政上の措置を講ずるために、政府の経理を明確に分けて、電力料金に上乗せした電源開発促進税制を収入源に特会をつくる、こういうことであろうかと思うわけであります。しかしながら、その使い方、この特会の使い方について、各種の補助事業について、第一にむだが多い、第二番目に本来の趣旨から外れているという指摘を同僚議員からも数々受けてまいりました。

 本来の趣旨から外れているという代表例として、私は、産業再配置促進費補助金という制度を取り上げていきたいと思います。お手元の資料を配付させていただいております。この五枚刷りの資料でございますが、この資料に基づいて質問していきたいと思います。

 この産業再配置促進費補助金制度という補助金ですが、資料の一枚目に概要等、これは経産省の資料でございますが、書いております。簡単に御説明しますと、要は、全国を三つの地域に分けまして、第一に移転促進地域、三枚目の資料をごらんいただければと思うんですが、移転促進地域という、東京、大阪を中心にする黒の地域、この黒にある地域の工場を、斜線の誘導地域、ほとんど北海道から東北、九州までの誘導地域に移転をする、移転を促進するために自治体と企業に対して補助金を出すということでございます。白地の地域は、誘導地域の除外地域と言われております。全国を三つに分けて、この黒いところ、一極集中のところから斜線のところに移転をするという補助金制度でございます。国土利用の偏在と過密過疎を解消するために、工場移転に対して各種のメニューを用意したということでございます。

 この産業再配置費補助金でございますが、次の資料四をごらんいただければと思うんですが、この補助金の執行額の推移、昭和四十七年からできた制度でございますが、これまで平成十五年までの累計でいきますと、約千二百七十一億円が交付をされてまいりました。ピークは昭和五十年の七十二億二千万円でございます。ところが、最初は一般会計から拠出をされておりましたが、平成三年から電特、電源開発特別会計から二十二億拠出されるような形に移っております。

 この推移を見ますと、だんだん全体の額は減り続けておりますが、平成十七年度予算ベースで見ますと、全体で約二十六億二千万円でありますけれども、そのうち二十三億四千万円が特別会計。一般会計から出るのは二・八億円にまで減ってしまっています。ですから、当初、昭和四十八年から始まって一般会計中心だったのが、今や特別会計中心になってしまった。実質的にはほとんど丸々特会に依存するような形になってしまったというわけでございます。

 まず最初に伺いたいんですが、この一般会計から特会になぜ比重がこんなにがらっと移ってしまったのか、理由を簡単に伺いたいと思います、経済産業省。

薦田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、この産配補助金におきましては、ここ数年、電源特会からの予算の比率が非常に高くなっているところでございます。

 これは、電源地域の場合、他地域に比べますと、例えば電源地域におけます過疎市町村の比率を見ますと五割を超えているということで、ほかの地域に比べますと非常に過疎化が進んでいるということがございまして、こういう地域への企業立地をより強力に推進する必要があったということでございます。

 電源特別会計法及び同法施行令におきましては、この電源地域への企業立地を促進いたしまして、もって電源立地の円滑化を図る事業に補助をするということになってございまして、電源地域におけます企業立地、これがやはり電源地域におけます非常に切なる願いであったということでございます。先ほどの先生がお配りの資料でもございますように、電源の補助金の場合は基本単価も若干高うございまして、より優遇されるということでございまして、地元がこれを望んでおられるということでございまして、結果的に、この産業再配置補助金では、現時点において相対的に電源特会においてより多くの額が計上された、結果的にそうなったということでございます。

近藤(洋)委員 理由は伺いましたけれども、そもそもこの産業再配置補助金というのは、別に電源関係法にのっとった補助金じゃないんですよ。後から質問してまいりますが、工業再配置法という別の法律にのっとった補助金制度であるわけですから、その趣旨で、今、電源立地云々という形で話をすりかえられましたけれども、ちょっと違うんじゃないのかと思うわけですね、そもそも根拠が違うんですから。

 いいですか、そもそも、一般会計でピークで七十二億円あったわけです、昭和五十二年は。それが今、ほとんど、三億円未満に減っちゃっている。ところが、電源特会の方だけで二十三億円ツケ回しをしている。これはやはりおかしいのではないか。明らかに、一般会計のチェックは厳しいけれども、電源特会の方は余っているからこっちに回したと見られても、これはしようがない推移だと思うんですね。

 そこで伺いたいんですが、まさにこれは塩川元財務大臣がおっしゃった、母屋でおかゆ、離れですき焼きの典型例じゃないですか。財務省に来ていただいていると思うんですが、何でこういった本来の趣旨からずれた査定をこれまで許してきたんですか。大蔵省は査定していると思うんですが、いかがですか、なぜこの状況を許しているんですか。

松元政府参考人 お答えいたします。

 この産業再配置促進費の補助金につきまして、電源開発促進対策特別会計でも措置されておるということでございますが、ただいま経済産業省の方からお答えがございましたが、この電源立地地域につきましては、他の地域に比べて相対的に過疎であるといった特徴を有しておりまして、企業立地をより強力に推進する必要がある、そういった観点から、産業再配置促進費補助金につきましては、電源開発促進対策特別会計におきましても予算措置が行われているということでございます。

近藤(洋)委員 冒頭この制度を申し上げたように、この日本地図の斜線の地域が対象になるんですよ。では、これは全部電源立地地域なんですか、この全部が。違うでしょう。電源地帯は、重なっている部分もあるけれども、全部じゃないわけですよ。ほとんど一般会計から出ていないんだから、電源対策のためというんだったら、もっと地域は限定されなきゃいけないじゃないですか。

 根拠法が違うんだから、やはりこれは明らかにおかしいんですよ。その査定を財務省が許してきたというのは、これは問題だと思います。財務省の怠慢だと思いますよ。

 そもそも電源立地勘定というのは、原子力なり火力なり電源の立地を支えるのが趣旨ですから、ここからほかの地域の工場の移転費も出すというのはこの趣旨から外れているんです。平成三年から平成十七年までの十五年間で三百五十二億円の税金、すなわち、電源特会から出ているわけですから、電源の税から、この税金がつぎ込まれているわけですよね、三百五十二億円。違った目的のためにお金が使われていると言われても仕方がないわけで、これは大問題だ。財源のあり方として大問題だと思うんです。私は工業再配置は必要だと思っていますけれども、それならば、これも、この場で数々指摘を受けているように、一般会計からしっかり拠出すべきであるということをあえて指摘したいと思うわけであります。

 さて、お金の出し方も問題なんですが、ここでちょっとお伺いしたいんですけれども、この産業再配置補助金ですけれども、この補助金を出してきた根拠も疑問に思わざるを得ない点があるんです。

 というのは、この補助金は工業再配置法という法律に基づいた補助金というふうに申し上げましたが、この工業再配置法についての資料、私が御提出した資料の二枚目、「工業再配置政策の概要」というところの資料に「背景」から「目的」云々、書いておりますけれども、これは工業再配置法という昭和四十七年にできた法律に基づいているわけですが、この法律の第三条でこう規定していますね。経済産業大臣は、産業構造審議会の意見を聞いて、工業再配置計画を定めなければならないという義務規定が書かれています。

 ところが、この工業再配置計画というのが平成十三年度以降つくられていないわけです。工業再配置計画があって、そしてその再配置計画に基づいて補助金を出すというのがこの法律、制度の補助金の立て方になっているんですけれども、そもそもの根っこの計画がない。四年間たなざらしに遭っている。にもかかわらず、計画がないのに四年間補助金を出し続けてきたということは、これは明らかに法律に、法令に違反する補助金の拠出じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

薦田政府参考人 お答えいたします。

 まず、計画ができていないということでございますけれども、これは、工業再配置計画につきましては、これまで、昭和五十二年に昭和六十年を目標年とする計画、それから平成元年に平成十二年を目標とする計画を策定したところでございまして、したがいまして、十二年に終わったわけでございますが、その時点で、十三年度以降、本来の計画をつくる予定でございました。

 ただ、その時点で見ますと、実は、この計画自体は全国総合計画等との調和を図るということになってございますけれども、国交省の方におけますこの根拠法そのものを改正しようとする動きがあったものでございますから、まずこの改正を待って計画をつくるべきだということで、これまで新たな工業再配置計画の策定を見送ってきたということでございます。

 ただ、御存じのように、今回、今国会におきまして新たに国土形成計画法というのができましたので、今後はこれに基づきまして国交省の方で新たな計画が策定されるというふうに伺っておりますので、本来は、こういうものを見ながら新たな計画を当方としてもつくっていくという状況にあるのではないかと思っております。

 ただ、全体に、新たな今回の法律、国土形成計画法を見ておりますと、これまでの国土の均衡ある発展を目指した開発というものから、むしろ地域の特性に応じた国土形成というように概念も変わっておりますので、こういうもので、工業再配置促進法全体もやはり抜本的に見直す必要があるのではないかというふうに現在考えているところでございます。

近藤(洋)委員 時間がないですから、簡潔にお願います。過去、何でやってこなかったのかということだけ聞いているんです。

 要するに、平成十三年度まで計画はあったけれども、それからの四年間やってこなかった。簡単に言えば、国土総合開発計画はまだ見直しの最中だと聞いているからやらなかったというわけですよね。

 だけれども、法律には義務規定と書いているじゃないですか。義務規定で書いているんだから、よそにらみで、よそもやっていないからうちもやっていませんでしたというのは、これは理由にならないんですよ。だったら、そういうふうに法律を変えればいいだけなんです、もし政府内で調整するのであればですよ。それを何もしないで、ただずるずるずるずる、根拠法の中で定められた根拠の義務規定をしないで補助金を拠出してきたこと自体が法令違反だと言っているんです。――いや、もう答えなくていいです。そういう指摘をしているんです。

 財務省、ちょっと質問通告はないんですけれども、財務省として問題だと思いませんか、主計局次長。根拠法で定められていることをやっていないで補助金を出している査定というのは、これは許されないんじゃないですか。

松元政府参考人 経済産業省の方におかれまして、そのときの状況におかれましてそれぞれの計画を策定されるということでございますが、ただいま経済産業省の方から御説明がございましたように、そういった状況、現在の状況におきまして、今後どうなるかということを検討しておられるということかと思います。

 いずれにいたしましても、この産業再配置促進費補助金、制度創設当時の昭和四十年代から状況がかなり変わってきておるということでございますので、こうした環境変化の中で、財政当局といたしましても予算額は減額いたしてきておるということでございます。

近藤(洋)委員 減らしているということを聞いているんじゃなくて、これが政府として、法律として問題じゃないのかということ、大蔵省はそういうことを考えて査定してこなかったのか、大蔵省主計局はこれは怠慢じゃないのかということを指摘しているんです、次長。

 これは法令違反のものを認めて、経済産業省、これは、参議院の同僚の松井議員が内閣法制局の見解も受けています。これは限りなくクロに近いという話も受けているんですよ、内閣法制局としての答弁、見識、見解も受けている話だから。そこで、そういうものに対して査定を認めてきたのは大蔵省は問題でないんですかということを聞いているんです。なぜ認めたんですか。問題はないんですか。

松元政府参考人 お答えいたします。

 現在、工業再配置計画というものが全国総合開発計画等との調和を図るべきことを定められているということでございまして、そういった中で、経済産業省におかれまして、全国総合開発計画のあり方についての議論を注視されておるということでございます。そういったことも踏まえつつ、厳しく査定させていただいておるということでございます。

近藤(洋)委員 一年、二年のことを言っているんじゃないんです。四年間そのまま放置しているでしょうということを聞いているので、やはりこれは大蔵省主計局不要論につながる話ですよ、こんなことであれば。何をやっているんだ、何を査定しているんだと。もっと言うと、この補助金だけじゃなくて、ほかの補助金もちゃんと根拠がなくて出しているんじゃないかと疑われるような事態になりますから、これは大問題だと思うんです。

 私は、日本全体で工業、企業を誘致して地域の産業力を高めること、これは大事だと思っています。それは大事です。そして、産官学で産業のクラスターをつくるということも、これも大事だと思っています。その意義は極めて大事だし、私の地元だって一生懸命、工業誘致に熱心に頑張っていますよ。私も地元の議員として、PRマンだと思ってさまざまな活動をしております。しかし、根拠のない補助金を出してはいけないと思っておりますし、この産業再配置補助金というのがやはり実態とかけ離れた形で出されているということをこれから指摘していきたい、明らかにしていきたいと思うんですね。現実のニーズと合わない制度になっているのではないかと思うんです。

 先ほど来御答弁にもありましたけれども、工業再配置法ができたのは今から三十三年前、昭和四十七年であります。これは時の首相、田中角栄さんの肝いりでつくられた制度なんですね。田中角栄氏の著書「日本列島改造論」、私、この質問をするに当たってもう一度読み直しました。大臣、これは読まれたことがあるでしょうかね。読んだことがあるかどうかだけ、済みません、ちょっと簡単にお答えください。

中川国務大臣 あのころは私も近藤委員も政治家の息子として、大変なフィーバーだったので、高校時代に読みましたけれども、ほとんど覚えておりません。

近藤(洋)委員 私は当時まだ小学生でしたから記憶はないんですけれども、ただ、改めて読みまして、これはすごいんですよ。昭和四十七年六月に初版が発行されて、手元にあるのは昭和四十七年、同じ年の十月ですけれども、十七版。四カ月間で十七の版を重ねた大ベストセラーですよね。

 中身を見ますと、本当にダイナミックな内容であります。そして、「日本列島改造論」はさまざまな政策提言をしておりますが、このあんこが、中心の目玉の政策が実は工業再配置計画になっているのであります。実は、ゴーストライターと言われている人が、これは個別名は別として、経産省の当時の幹部の方がかかわったという話もありますから、いずれにしろ、工業再配置計画というのが実はこの「日本列島改造論」の目玉の政策の一つなんです。

 ちょっと抜粋を資料のところに書いておりますけれども、資料五ですけれども、「「日本列島改造論」田中角栄著」のところに「工業再配置で描く新産業地図」「過密と過疎の同時解決」ということで、「日本列島を現在よりももっと豊かで、公害がすくなく、住みやすい国土に改造することは可能である。(略)私のいう工業再配置は、太平洋ベルト地帯への工業立地の流れをくいとめ、さらに超過密都市から地方に向けて工業を積極的に移転させるところに新しいねらいがある。いいかえれば、都市機能の一部である工業生産を東京、大阪などから追出し、これを全国的な視野に立って再配分するわけである。」略しますが、後半のところの最後の段落です。「通産省と農林省は」「農村地域工業導入促進法をつくった。こんどは、それをさらに一歩すすめて工業再配置促進法ができた。(略)「月給が半分でもいいから父さんが家にいてほしい」という出かせぎの悲劇は、このようにしてはじめてなくすことができる。」のであるというふうに書いているんですね。

 これは、この当時はなかなか立派なことですよ。しかも、月給が半分でもいいからお父さんが家にいてほしいという農村地帯の当時の出稼ぎの、私も東北人ですから、この気持ちというのは非常に何となく心が打たれるような部分もあるんですが、この当時は、確かにそれなりに、その趣旨に添ってこの法律がどんとでき上がるわけです。そして、全国総合開発計画も田中角栄さんがどんとつくって政策の体系ができるんですが、あれから三十三年であります。

 当時、公害問題があったから、迷惑料というような、工場が来ることは迷惑だということも含めて、この補助金体系ができ上がっているんですね。ところが、今や工場誘致で迷惑だなんて思う自治体はほとんどないですよ。そもそもないということ。迷惑施設でないという、時代も変わったし、実際、三十三年前と比べて今はさま変わりであって、東京、大阪は逆に言えば、副大臣は横浜ですから、横浜なんかも工場がなくてむしろ困っているんじゃないですか、逆にどんどん出ていって。横浜から出すという時代でもないんですね。時代は大きく変わっています。

 しかも、この実績を見ましても、本来、黒地の、日本地図でいうところのこの黒い地域の東京、大阪からほかの全国に移転させたケースというのは、平成十五年と十六年で一件も採択されておりません。一件もないんです。全部、増設とかそういう別の用途の形で使われている。本来の使われ方が今されていないんです、この補助金は。

 さらに言えば、受け取った自治体がこれは非常に偏っているんですね、この補助金。ちょっと口頭で申し上げますけれども、平成十四年度までで見ますと、京都府の福知山市が十九回、十三回は鳥取、高岡、千歳です。ちなみに、これは申し上げますと、福知山は京都の谷垣財務大臣のお地元であります。鳥取市は細田官房長官のお地元であります。富山の高岡は綿貫衆議院議員……(発言する者あり)失礼しました。大変失礼しました。北海道の千歳は町村さん、千歳市も一部入っているはずでございます。石川県の根上町というのが十二回、これは森先生でしょうか、ちょっと確認をしなきゃいけませんが、森喜朗先生。これは町で、森喜朗先生というのが十二回。非常に偏りが指摘されています。三千ある市町のうちの千程度ということ、今まで交付を受けたのが。そういう偏った配分もされている。

 しかも、これは電源地域でないんです。先ほど電源地域とおっしゃったけれども、重複しているところが。全然違うんじゃないですか。しかもその内容は、これも一部に非常に意味のない使われ方をしているのではないか。工場から十キロ離れた地点に研修所をつくられたりとか、これはいろいろなことがマスコミでも一部かつて指摘をされたことがあるということでございます。

 こういった制度というのはもはや必要ないのじゃないかと思うんですね。新しい工業再配置という思想は大事であるし、思想というか、地域に分散をしてそれぞれ産業クラスターをつくるということは、これは我が国にとって重要でありますが、この産業再配置補助金というのはもはや歴史的な役割をほとんど、この法律に基づいては終えてしまったのではないか。しかも、このお金の使い方も、電源特会というところから使う必要は全くないのではないか。補助金のあり方を、私はあえて言います、これは廃止したらいいんじゃないかと思うんですね、補助金自体を。この補助金自体は少なくとも一回リセットするべきだと思うんですね。リセットして、その上でもう一回再構築するということが必要だと思います。

 あえて言えば、「日本列島改造論」の四十七年にできた工業再配置法、これをずっと続けてきた、三十三年も、いつまでも田中角栄さんの残像に引きずられたこの工業再配置計画、経済産業省は一体この間何をしてきたんだとすら思うわけですよ、この法律に引きずられてきたこと自体が。この法律の廃止も含めて検討すべき時期に来ているということを御提案したいと思うんですが、ここは中川大臣、いかがでしょうか。御見識を伺いたいと思います。

中川国務大臣 「日本列島改造論」、これは大変な国民的なフィーバーで、私の北海道の、本当に原野も土地が何倍も値上がりして、その後処分に困ったということもあったわけであります。これは全国でそういうことがあったんでしょう。これは一つの弊害だと思いますけれども、しかし、全国に新幹線や高速道路等を網羅させて、そして工業をどんどん興していく、そして最後の田中角栄先生らしい、出稼ぎの悲哀をなくそうという、これはこれで当時の高度経済成長時代の国民に支持された一つの考え方だったんだろうと思います。

 そして、近藤委員も先ほどおっしゃられたように、私の地元も過疎ですから、できれば先端の、あるいは大きな工場に来てもらいたいと思います。たしか山形県なんかは大手の電機メーカーと大学とがいい連携をして、大変元気な地域もあるやに聞いておりまして、そんなようなところが全国に広がっていけばいいなと思っております。

 そういう意味で、ここにある工場を、例えば小此木副大臣の例が出ましたので、横浜から北海道へとか、どこかからどこかへという時代ではもう多分ないんだろうと思いますけれども、しかし、産業立国としてこれからもますます生きていかなければならない。

 他方、農村は農村のよさも残していかなければならない、それから、環境とか省エネとか、ああいった問題にも配慮をする、高齢化社会の中でどうやってお子さんからお年寄りまでが快適にそれぞれの地域で暮らしていくか。そういうニーズがこれから求められていると思いますので、そういうニーズに合った形での趣旨の運用、その根っこにある法律、そしてまた財源というものを、何も今だからというだけではなくて、適時適切に、常に見直していくということが大事だと思いますし、これについては、近藤委員御指摘のように、やはり抜本的に見直す時期に来ているのではないかというふうに考えております。

近藤(洋)委員 大臣、抜本的に見直す時期が来ているのではないかというお話ですね。

 だとしたらば、私、この法律自体が、全総も変わったわけですし、既に根拠となる工業再配置計画も恐らく今の御発言だと大幅に見直していくということだと思いますので、少なくとも予算要求段階でこの補助金制度はもうおやめになったらどうですか。財政再建を今しなければいけないんですね。しかも、電源特会からこれは出ているんです。趣旨が違うと思うんですよ。もはや、電源特会のこのお金を、電気料金から出ているこのお金を補助金に回す必要はないと思いますから、少なくとも、来年度予算要求の中でこの補助金制度をもう予算要求しないというぐらいの、この補助金制度をやめるというぐらいのことを考えられたらいかがでしょうか。どうでしょうか、大臣。

中川国務大臣 近藤委員の資料を先ほどから大変興味深く見させていただいておりますが、さっき昭和五十年が七十二億、これは一般会計ですけれども、トータルでこれを見ますと、平成六年が特会と合わせて多分百億ぐらいになっているんですね。ですから、そういう時代もあった。平成六年というと、もうバブルが崩壊して大変デフレでもがいている時代ですから、そのときにある意味では意味があったのかなと思いますけれども、先ほど申し上げたような理由で、多分趣旨は、角栄先生の三十数年前のときの目的とは大分変わっていると思います。

 したがいまして、経済産業省としては、平成十七年度にこの補助金の要求はするつもりはございませんし、来年の通常国会でこの法律そのものを廃止、そして時代に合った何らかの考え方を行政の中で実現していきたいというふうに考えております。

近藤(洋)委員 では、この補助金を廃止するということですね。ぜひ予算要求の中で、これはもう廃止ということを、明確な御答弁をいただきました。ぜひこういうことをしなければいけないと思います、ちょっと遅きに失したという気もいたしますし。

 大臣、角栄さんがつくられた法律はいっぱいあるんですよ。通称角栄法と言われているようなんですけれども、僕も調べたら、本当にいっぱいありました。それも見事なものであります。これは、ほとんど昭和二十年代から四十年代にかけて、例えば電源三法もそうであります。道路法、道路整備財源の特別措置法、すなわちガソリン税ですね。空港整備法、建築基準法、原子力基本法、これは中曽根さんと共同かもしれません。

 あらゆる法律、基本法というか、いわゆる百本とも言われる角栄法なわけですけれども、この角栄法というのを我が民主党は徹底的に今チェックしていきたいと思っているんです。小泉さんは自民党をぶっ壊すとおっしゃっているけれども、ぶっ壊されて解散するのは総理のお考えですから、どうかは別にしても、少なくとも、我々はその角栄法というものもしっかりチェックをしていきたい。

 経産省においては工業再配置法だと思っておりますし、大臣、平成十七年度に向けてこの法律についても見直すという御発言がございました。我々も政権準備党として、この工業再配置法は、この場で申し上げたとおり、はっきり言って必要ないという思いで立っておりますから、角栄法全体について見直し作業を進めていきたいということを、これはもう時間がないので、そのことだけ私どもとして申し上げておきたいと思うわけでございます。

 さて、特会の話に移りますが、先ほど一点だけ細野議員が特許特別会計について質問されましたので、私は、重複を避けたいと思うんですけれども、一問だけ伺いたいと思います。

 この特許特別会計も、実はこれがつくられたのが昭和五十年代後半、五十七年でしょうか、田中角栄元首相の流れを継いだ梶山静六元代議士がおつくりになった特別会計とも言われておりますね。この特別会計、先ほど細野議員の質問でも、大変まだ納得のいかない部分がたくさんございます。

 改めて一点だけ伺いたいんですけれども、この特許特別会計というのは、特許庁というものがそもそも特許庁という形態である必要があるのかということを聞きたいと思っています。これは独立法人で経営した方がいいのではないかと思うんです。二千人を超える特許庁の職員の方々のうち、経産省のいわゆるキャリアと呼ばれる事務官の方は、伺ったらたしか十五人程度と聞いております。長官以下、わずか十五人。総務部長さんもそのお一人でしょうし、総務課長さんとか、そういったごくごくわずか一部の本省からの、しかも一年ごとにころころかわる、そして長官も一年ごとにころころかわる、そのような状況でこんな全体のマネージができるはずないんですね、特許というものの制度について。

 これは、やはり独立行政法人で。しかも、知財戦略の中でちゃんと位置づけられた極めて大事な部門でありますから、ここは独立行政法人で経営した方が、先ほどの細野議員の質問に対してきちっと答えられない、ああいう不透明な部分も含めて、独法にすべきであると私は思うわけでありますが、これはぜひ政治家の方でお答えいただかないといけないと思うので、どなたでも結構です。お願いします。

中川国務大臣 たまたまことしは特許制度がスタートして百年ということで、先日記念式典をやりました。明治何年だったか、四年か六年か忘れましたけれども、船に塗るさびない塗料が特許第一号というふうに記憶しております。

 それから百年の間に、日本は大変な世界的な発明もありましたし、これからますます知的財産というものが保護されると同時に、保護によって促進されるということが、日本の産業政策よりもっと広い、国是として位置づけられなければいけないと思っております。そういう意味で、特許制度というものは、国が担保することに今まで以上に意味があるのではないかと私は思っております。

 諸外国の例を見ましても、特許制度は国がきちっとオペレーションしているわけでございますし、先日ジュネーブに行ったときも、WIPOという世界特許機関というものと、今回は別に会っておりませんけれども、WIPOとの連携というものを通じて世界じゅうにこの特許制度が必要である。

 一例を挙げますと、近藤委員も当委員会の皆さん方も御承知のとおり、先発明主義と先願主義との問題。これは、アメリカという世界で一番経済力も特許に関しても力のある国が、唯一というか、数少ないアウトサイダーとして先発明主義になっていることの問題点というものは、多くの国々が感じているところでありますので、国と民間とが一体となり、各国が連携してやってこそ初めてアメリカもやはり先願主義に直すかなという議論に今なりつつあると思いますので、財政、要するに会計の問題、特会の問題のみならず、国として特許制度に深く関与をしていくということは、世界の例をまつまでもなく、とりわけ日本の今後にとっては必要なことだろうと思います。

 もちろん、民間のいろいろないい点というものも取り入れながら、また常に制度のチェックといいましょうか、見直しというものも柔軟に迅速に対応しながらではありますけれども、基本的には私はそう考えております。

近藤(洋)委員 大臣、私も特許政策に国がかかわることについて同じ認識でございます。ただ、申し上げたいのは、やはり経営の効率性も含めて、あと戦略性も含めて、少なくともトップが一年ごとに交代するような今の人事ローテーションでは、とてもそのようなことはできない。これは、経済産業省のOBの方々でも、なかなか難しいんじゃないかということを最近私も聞いておるんですね。

 ですから、それはどういう形でもいいんですが、できれば独法の形にしてクリアにする。そして、ある程度、数年かけて、二、三年かけてトップが改革をするという形のことも必要ではないか。それが無理ならば、少なくとも長官を四年、五年やらせるという人事任用だとか、今までの役所の人事配置ではとても世界の特許の世界に追いつかないんじゃないかということを指摘したかったわけでございます。

中川国務大臣 一年とか二年とか具体的な年限は別にして、特許という極めて知的な、しかも先端分野ですから、長官初めトップも特許行政あるいは特許制度の重要性についてはきちっと認識をした上で職務を遂行してもらわなければなりませんし、これは国家国民のためというとちょっと言い過ぎかもしれない、もっと言えば世界のために役に立つ制度でありますから、特許行政、特許実務に携わる職員も、仮にも自分たちの世界だけに閉じこもるということはあってはならないので、国民のため、あるいは特許制度の本来の目的に資するように、職員一人一人もしっかり自覚を持って長官以下職務に専念をして、文字どおり国民のための、あるいはまた技術の進歩とその権利保護のために邁進してもらいたいというふうに考えております。

 一年がどうだとかなんとかということは、結果としてそういう御指摘があるかもしれませんけれども、根本的には、そういう御指摘も踏まえて、目的に対応できるような組織あるいはまた職員の自覚というものをさらに求めていきたいと考えております。

近藤(洋)委員 特別会計はやはり非常に余裕があると思わざるを得ないんですね。ですから、やはり相当ドラスチックな改革をしないと、この特別会計の問題は解決できない。民主党は民主党で対案を出してまいりますが、あえて指摘したいと思います。

 電源特会についてまた話を戻します。

 四月二十二日の経済産業委員会で私指摘をいたしましたが、福島の第一原発の件でございましたが、これはその後ようやく六月末に安全確認等が、安全確認はもう既に保安院の方はしているわけですが、福島県と東京電力との話の中で、運転が今現在再開、今しつつあるという状況でしょうか、という話を伺いました。

 そこでお伺いしたいんですが、そのときにも、四月の時点でも聞きましたが、保安院が安全との認識を示してやっと一年後に運転が再開したんですね。この間、福島県は、法的な権限がないままに、そのときの質疑のことを繰り返しませんが、法的な権限がないままに第一号機の発電所をとめていたわけであります。

 その間に払っていた交付金、すなわち原子力発電所の運転に応じた交付金である電力移出県分などの交付金、私は、これはやはり国は返還を求めるべきだと。数年間とまった部分について前年並みに、出力が落ちた、原発がとまった、しかし、国はお墨つきを与えている。そのとめたことは福島県の判断でとめた、その間の補助金は当然払うべきではないと。払うべきではないし、払ってしまったのは返還すべきだと思うんですけれども、エネルギー庁、返還を求める気はありませんか。

安達政府参考人 お答え申し上げます。

 電源三法交付金制度は、発電所の設置及び運転の円滑化を確保するため、発電所の立地地域による地域振興への取り組みに対して交付金を交付する制度でございます。

 電源立地地域対策交付金のうち、今御指摘の電力移出県等交付金相当分につきましては、発電電力量を基礎として交付額が算定されることとなっておりますが、現行の交付規則では、県の判断に基づくものも含めまして、安全性を確保するために発電所の運転を停止する場合には、平常時と同様に運転していたものとみなして交付金を交付する旨規定しているところでございます。

 こうした現行の交付規則は、安全性の確保を大前提としながら原子力発電所の設置及び運転の円滑化を図るものであることから、電源三法交付金の趣旨に反するものではなく、この交付規則に従って適正に交付された交付金の返還を求めることは、現行の交付規則にのっとれば妥当ではないと考えてございます。

近藤(洋)委員 それは伺いました。

 ただ、じゃ、安全かどうかという確認は、電力会社と自治体の紳士協定である安全協定に基づいてやっているわけですね。この安全協定というのは明文化されていないんですよ。明文化されていない、法的な位置づけも何もないんです。今の交付規則なりなんなりに、民間会社と自治体との安全協定はこういった効力を持つという規定がありますか、ないんじゃないですか。規定がないんです。明確な位置づけがないものにとっての安全確認をしているわけですよね。そこにそういう非常に不透明な部分がある。ここはやはり整理すべきだと思うんですね、現行の制度を。

 そこで、どうなんでしょうか、やはりこういう、これは電源特会のありよう、お金の出し方の問題ですけれども、やはり中央政府と自治体、国の関係について明確なルールを、電源政策についてもう一度総ざらいする必要があるのではないかと思うわけであります。

 電源特会の総見直し、この委員会でもさまざまな問題が指摘されました。そういった一環として、電源特会を総ざらいして見直して、と同時に、その電源立地にかかわる自治体と国と事業者の関係、特に自治体の位置づけを明確に位置づけるべく検討すべきじゃないかと思いますが、大臣なりどなたかお答えいただけますか。

中川国務大臣 現行制度では今部長の方から答弁いたしましたし、また近藤委員も、たしか以前にもこの御指摘があったと思います。そういう御意見があることも承知をしております。

 今後につきましては、あくまでも原子力政策を進めるという原点は、安全性の確保、それからそれを国がきちっと担保する、それから地元の御理解というものも当然必要でありますから、この三つが大前提で原子力エネルギー政策を進めていくわけでございます。

 他方、本日の委員会は、特会のあるべき姿、直すべきところは直していくという観点から、この場合にむだといっていいかどうか、ちょっと、何と言ったらいいんでしょうか、本来使われるべきお金についてはきちっとむだ遣いをしないように、本来の目的に即した形で使われるようにという観点も含めまして、この交付金制度のあり方について今後検討してまいりたいと考えております。

近藤(洋)委員 きょうは特別会計のあり方について伺ってまいりました。前向きな御答弁もいただきました。

 ただ、三百兆を超える特別会計について質問をしてまいりまして、最後に一点だけ、私どもは、この特別会計も含めて国のお金の使い方が、流れがおかしくなっているという問題意識を持っているわけです。

 その観点から、大臣、最後に一点伺いたいんですけれども、今の国会を混乱させている郵政民営化について認識を最後に伺いたいと思います、大事な話ですので。

 郵政民営化の大義として、一つの目的として、小泉総理や竹中さんは、郵貯、簡保で集めた資金が現在国債で運用されていて、それがむだな公的部分に流れている、だから、このむだなお金の流れをとめるために、変えるために、郵貯、簡保を民営化するんだ、郵政事業を民営化するんだということを理由の一つにおっしゃっていますね。

 しかし、今この法律が成立して、大臣、本当に国民のお金がちゃんと有効に使われると思っていらっしゃるのか、確認したいんです。

 というのは……

河上委員長 近藤君、時間が過ぎておりますから、まとめてください。

近藤(洋)委員 はい、やめます。

 実際に、民間金融機関は大量の国債を買っているんですよ。百三十一の全国銀行の国債保有残高は百兆円ですよ。既に民間銀行が百兆円の国債を買っているのに、それをさらに、郵貯を民営化して流れるとは到底思えないんですね。

 簡潔に申し上げます。要は、政府がやらなきゃいけないのは、民間銀行に国債を買わせているようなことをさせないでどんどん民間にお金を貸すということをさせるのが先決じゃないか。もっと大事なことがあるんじゃないか、郵便局を民営化したって全く政治は変わりませんよ、経済はよくなりませんよと本気で私思っているんですけれども、大臣は、本当にこの法案を成立させたいと思っているのか、これで経済が変わると確信していらっしゃるのか、一言だけ。

中川国務大臣 銀行も国債を買わざるを得ないという、ある意味では融資先あるいは金利の問題で国債を買っているという部分もあると思います。

 他方、郵貯の三百数十兆のお金が、より自由な判断で、必要なところに多少のリスクも考えながらやっていくということは、国民経済的には、民営化をする以上は当然目指す方向であろうと。

 私はこの法案に署名をした人間でございますから、政治家としても、また自分が署名したという人間としての責任も感じておりますので、この法案が成立するということに対して、署名をした立場からそういうことを希望している立場にあるわけでございます。

近藤(洋)委員 ありがとうございました。

河上委員長 次に、奥田建君。

奥田委員 きょうは特別会計の話が多いですけれども、経済産業省管轄ではありませんけれども、私も先日、雇用・能力開発機構、旧労働省の管轄の、独立行政法人に今なっていますけれども、やはりそちらの方でも幾らかの問題がある。郵政の問題なんかを言うより前に、やはりそういう独立法人自体に、あるいは特別会計に大きな問題があるというふうに思っています。

 一言で言えば、四千二百四十二人だかいる常勤職員の平均給与、単純に一般管理費のうちの人件費を割り算したら、一千万を軽く超えている。その人たちがトレーニングして、新しい職場に行ってもらうときには多分年収三百万円。そういったところの雇用につければそれで一つの成功とは言えるんでしょうけれども、そういった人をトレーニングしている人たちが、そんな、雇用能力のトレーニングしている人たちの何倍もの給与がある。また、ましてや国家公務員より多いんじゃないですか。そんな単純なところからも、いろいろな問題意識というのは出てくるというふうに思います。

 きょうは、アスベストに関する質疑をさせていただきたいと思います。

 毎日、アスベストの報道が出ております。先日は、関係閣僚会議という形で、それまでの事務方の意見を集約したような会議が開かれたということも聞いております。

 まず、大臣にお尋ねしたいんです。

 一体、このアスベスト問題、私自身もアスベストにかかわる仕事をしていたんです、ブルーカラーの建設労働出身ですから。ですけれども、さっきの、学校とかのアスベストを撤去していたような作業のときに、使ったアスベストの残りの問題はありますけれども、アスベストがまだその後も使われ続けていたということを知らなかったですよ。そういったことも含めて、一番大事なのは、健康被害に遭われた労働者の方、そして周辺住民での健康被害という方の救済ということがまずは大きな課題となるでしょうけれども、もろもろの問題を含めて、大臣に、このアスベスト問題、一体どこに責任の所在があって、そして、どういう行政での対応、国会にも責任はありますけれども、こういったところに不作為あるいは行政責任と外からは言われるような事態が起こっているのかということについての認識をお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 このアスベスト問題というのは、本当にここ最近になりまして連日報道され、一つの企業で何百人の従業員あるいは御家族、周辺の方々の命を奪っている、あるいは苦しんでいらっしゃる方がいらっしゃる。これは何年、何十年かのタームの話だとは思いますけれども、アスベストが体によくない、肺によくないということは、私自身、もう随分前から何となく聞いていたわけでありますけれども、青色と黒色ですか、それに加えて白色のアスベストも危険であるということで、今大変問題になっているわけであります。

 過去においてどうだったかということはちょっと私も詳しいことはわかりませんが、その責任もいずれは検証されていくものとは思いますけれども、当面は、直接の被害に遭った方々に対しての原因究明。これは、肺に刺さって中皮腫の腫瘍になっていくということだそうでありますけれども、被害者に対する救済。あるいは、今後まだ一部分使用せざるを得ない産業もあるわけでございますので、経済産業省としては、先日は金曜日に小此木副大臣が出席して、私は海外出張でございましたので、第一回が先週の金曜日に行われたわけでありますけれども、経済産業省としては、その政府の中の、アスベストをつくる部分、それを今後つくらなくするわけでありますから、一刻も早く代替する物質の開発、供給、それから使っている部分、今学校という例を挙げましたが、一部の大規模工業プラントあるいはまた左官屋さん、いろいろあると思いますので、そういう業種に対して、安全あるいは適切な経済産業行政が一日も早く確立できるように全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。

奥田委員 一言でいいんですけれども、責任の所在の部分について、少し私が聞き漏らしたか答弁がなかったかと思いますので、責任問題についてお願いします。

中川国務大臣 まだ原因究明の最中だと思いますけれども、うかつには言えませんが、政府の今後の役割というものは非常に大きいと思いますし、過去においても、これは報道しか知りませんけれども、行政の立ちおくれがあったとするならば、その責任というものは大きいものになっていくだろうと思っております。

奥田委員 経済産業省にお尋ねしますけれども、いろいろな通達など私も見せていただきましたけれども、経済産業省通達というのは案外少ないんですよね。厚生労働省にお任せしていたというような話がありますけれども、ここで出ている製品というのは、ほとんど経済産業の、工業製品ですよね。

 そういった点から、このアスベスト問題に対してのこれまでの対応、そしてこれからの対応について、簡単にお尋ねしたいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 今先生おっしゃったとおり、私どもの方から直接の通達ということは余り多くないわけでございますけれども、私ども、関係の業界に、そういう関係法令、具体的には労働安全衛生法だとか大気汚染防止法だとか、そういうものの改正のあるたびに、関係業界にそういう講習会だとか説明会だとか、そういうものを行いまして、そういう関係法令の遵守というものを徹底指導してまいったところであります。

 加えて、先ほど大臣も答弁いたしましたけれども、代替化の促進ということで、関係の業界それから関係の先生方と、どういうような代替製品があるのかというのはかなり前からいろいろ取り組んできたところでございます。

 これからのことでございますけれども、先月の二十九日に政府の当面の対応というものを決めておりますので、その中で、私どもの省の役割といたしまして、三点、健康被害の実態把握をほかの省庁と協力しながら進めていくということ、それから、代替品の開発につきまして、これも関係業界それから関係の学識経験者とあわせて、どういうものがあるのか一緒に研究をしていくこと、それから、アスベスト製品をつくっている、あるいはアスベスト製品を利用している、そういう企業、中でも中小企業の方、そういう方の事業転換なりを支援していく、そういうような対策を中心にとっていきたいというふうに考えているところであります。

奥田委員 今、政府も、省庁の縦割りの弊害を指摘されながらも、いろいろな連絡会議を持って問題解決に臨もうとしている姿はそれはいいと思うんですよ。ですけれども、それでもやはり地方からも、いろいろな通達が統一されていない、いろいろな規制基準が違うというような話も出ておりますし、一番の問題というのは、この危険性が指摘されてからまだやはり使い続けていた。

 代替品がない部分があるのは私も理解します。しかし、本当にその部分というのは、今でいえば大きなプラントとかそういったところ、一般の人からは隔離された、やはり危険物や危険な施設を稼働させるときに必要なぐらいであって、そんな代替品、例えば、国が自分たちの建物でこれから建てるものは使用しないでおこうというような通達が、一九八七年ごろですか、やはり問題になったときに行った。そういうことをせめて地方自治体に伝える、あるいは建設関係の業界に伝える、そういうことができていれば無用な拡散ということはなかったはずなんです。

 いろいろな、アスベスト、石綿の対策の全国連絡会議というのがありますけれども、そういったずっとILOの条約、勧告が出たときから活動している方々の話をお聞きすると、代替、代替と言いますけれども、自動車産業なんかでも、ブレーキパッドなんかの代替物質がないと言っていたようなときに、日本は輸出しているわけですよね、ヨーロッパに向かって。ヨーロッパの人が、何で日本は禁止しないんだ、代替物質をつくって輸出しているくせに、どうして自分の国で使わないんだと。そんな状況がはびこっていた。

 もちろん、乗り心地の部分だとか単価の部分でまだ石綿に匹敵するものがなかった状況はありますけれども、ぜひ、そういったことも、過去の検証にはなりますけれども、本気でアスベストを一般環境から根絶しようとしていたのかというと、そういうことは全く見られない。

 一九七二年、古い話になりますけれども、こういうときにも環境庁が発がん性の報告書を出している。七五年に石綿の吹きつけを禁止した。そういった流れを見ても、そのときに政府がとるべき対策というのは多々あったというふうに思っています。

 欧米の石綿の消費量を見ても、八〇年代からは急カーブを描いて少なくなってきている。日本は、ピークあるいは横ばい、八〇年からは世界一の消費国になった、今は中国に抜かれてはいますけれども。やっと二十年おくれで欧米の施策を日本がとっている。だけれども、日本が今とっても、欧米の石綿被害、労災で認定される人あるいは亡くなっていく人の数字というものを見るならば、これから日本で大きな労働災害と、そして公害と言ってもいいような石綿の拡散による健康被害が顕著にあらわれてくる、そういった時期になってくる。

 政府としても基金というような言葉も出しておりますけれども、私も大臣に最初に責任問題を問うたのは、根絶できたはずのときに拡散させた、そして健康被害を拡大させた、この責任はどこにあるんだろう、そのことを真剣に政府も業界も社会も一緒になって考えなければ、この問題の解決の糸口は見つからない、そういうことを言いたかったわけなんです。

 あと、もう一つ。ちょっと法的な問題で、下手な扱いといいますか間違った扱い方をすれば、こういった問題が、前にあった薬害エイズだとかあるいは水俣病、PCBもやはりそういった一部の問題かと思います、そういった意味で、政府の不作為と今あった知見を正しく制度の体制に運用させなかったということで大きな問題になる可能性がある。今から被害がふえてくるということを思えば、それ以上のものかもしれないということを思っています。

 法的制度の中で、今、公害健康補償の方なんかは厚生労働の委員会でもいろいろとお話がされていますけれども、PL法の中で、製造物責任、こういった中で、民間同士の訴訟かもしれないけれども、そういった訴訟が起きてきたときにどういった判断がなされるのか、私はそこのところも大変注目したい部分だというふうに思っているんです。

 ちょっとPL法の担当の部署の方から、PL法に関しての話を聞かせていただきたいと思います。

山本(明)大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員御指摘のように、これは当事者間同士の訴訟で、司法で判断されることでありますけれども、一般論として申し上げますが、通常有すべき安全性を欠いているかどうか、そして二番目として、因果関係があるかどうか、三番目として、時効によって請求権が消滅していないかどうか、この三点によって決められるというふうに承知しております。

 そして、その時効ですけれども、被害者またはその法定代理人が損害及び賠償義務者を知ったときから三年で時効になります。そして、もう一つ、製造業者等が当該製造物を引き渡したときから十年を経過したときも時効になる、この二点であります。

 ただし、今回のように、身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害または一定の潜伏期間が経過した後に症状があらわれる損害につきましては、その損害が生じたときからこの時効というのは計算する、このように承知をしておるところであります。

奥田委員 きのうお役所の方から聞いた話よりは少し前向きな話を聞かせていただきました。

 こういうことで、何でそういう心配もするかというと、アスベストというのはやはり耐火、防火あるいは断熱、防音の安い材料であって、吹きつけるときには、私たちの時代であれば、物は少し変わっていますけれども、平米単価で千円前後のものだったと思います。今、撤去するときに平米で二万円以上かかります。一つの中層ビルを持っているオーナー、公共建築物もそうですけれども、そういった方が、アスベストがもしあれば、それで三倍、四倍簡単に撤去費用がかかってしまうんです。この辺に見えるビルで、もしそういう時代のものがあれば億単位の除去費用になると思います。

 そういったものが自分の過失とかではなくて、やはり政治の不作為であるとか行政の不作為であるとか、あるいはメーカーが危険性をわかっておりながらそういった製品をつくり続けていたというようなことが立証されれば、アメリカのような訴訟社会になってほしくはありませんけれども、そういった問題が訴訟として上がってきてもおかしくない問題だというふうに思っているわけであります。

 この質問はほかの場でもまたさせてもらいますので、ぜひ、省庁も一体となって、そして地方も一緒になって、民間も一緒になって、取り組みを続けていただきたいというふうに思います。

 終わります。

河上委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 本日は、アスベスト問題について質問させていただきます。

 御案内のように、このアスベスト問題は、大変重大な被害、健康被害を与える、このことが大きな社会問題となっております。そういう中で、私、国の責任の問題あるいは企業の責任の問題、これを明確に、明らかにすることがこの解決に当たっての前提でもあり、根本的な対策をつくる上での土台ともなると考えております。

 そこで、お手元に資料を配付させていただきました。「各国のアスベスト消費量の推移」ということで作成をしたものであります。

 これを見ますと、アスベストの消費量、使用量の推移で、欧米各国はどういう数字になっているかといいますと、例えば、ひし形のイギリスにおきましては、一九六〇年がピークとなって、その後減少しております。また、三角のフランスにおきましても、七〇年をピークに減少しております。同様に、アメリカも七〇年をピークに減少しておりますが、日本を見ますと、七〇年代、八〇年代と高い水準を維持している。そういう意味では、九〇年ごろまで大量にアスベストが使用されている状況が続いているわけであります。やっと九〇年代に減少傾向に行く。

 中川大臣にまずお伺いしますが、このグラフを見ていただいて、欧米諸国の場合には六〇年代、七〇年代からアスベストの消費量が減少しています。これに対して、この日本、黒丸のところですけれども、七〇年代、八〇年代もふえる、あるいは高い水準を維持している、やっと九〇年代から減る。この違いは何なのか。欧米諸国では早く消費が減少しているのに、日本ではそれがおくれているのはなぜなのか。この点で大臣の考えをお聞かせください。

中川国務大臣 今、奥田委員からもお話がありましたが、やはりこれは検証しなければいけないので、うかつに私から言うことはできないのかもしれません。つまり、健康被害あるいはとうとい人命が失われているという観点でありますので、これは慎重な検証が必要だと思います。

 しかし、今の塩川委員のこの表にもございますように、欧米の諸国の健康といいましょうか、産業によるいろいろな健康被害に対する対応が、現時点においては、これは大変な、肺の悪性の、死に至る原因を起こすんだということがわかった以上は、九〇年代における日本の突出した使用量、欧米の急速な減少というものは、やはり結果的には、これはやり方が正しくなかった。そして、結果的にとうとい多くの人命を失わせてしまったということにつながっていったんだろうというふうに、私としては判断せざるを得ないというふうに思っております。

塩川委員 中川大臣のおっしゃるように、日本のやり方が正しくなかったと思わざるを得ないというお話がございました。そういう点でも、なぜなのかということを検証することが必要であります。

 六〇年代から危険性は指摘をされていたわけであります。アスベストの危険性、発がん性などが国際的問題になったのは、一九六四年にアメリカで行われましたニューヨーク科学アカデミー、この場でアスベストの健康影響を検討する国際会議が開催をされて、海外の経験から、アスベストを吸引すると肺にがんの一種の中皮腫を発症することを警告するという勧告が採択をされました。

 一九六四年のロンドン病院での調査結果、一九七二年の旧環境庁の指摘をした、周辺住民に被害が出ますよといった調査結果は、この六四年のときに発表されているデータなんですね。七六年に労働省が、やはり周辺住民に健康被害が出ますよということで例示をしたロンドン病院の事例というのも、同じこの一九六四年の発表をベースに行われている。

 つまり、起点となるのは、この一九六四年の国際会議の場でアスベストの被害が極めて重大なんだということが明らかになった、それが全体として、欧米諸国において七〇年代からはアスベスト消費量が減っているということにもつながってくるわけであります。

 その点、日本はどうかといえば、よく、一九七一年に特化則を設けました、アスベスト規制に踏み出しました、あるいは、七五年にアスベストの吹きつけについては禁止をしました、こういうふうに繰り返しているんですけれども、しかしながら、その間でも消費はふえる。特に、九〇年ぐらいのバブルの建設ブーム、これに乗っかるように消費がぐんと伸びる、そういう点では、高い消費が続いていたわけであります。日本における規制策が全く有効なものではなかったということがここにあらわとなっているわけであります。

 改めて、この点で、労働安全衛生の行政を担当する厚生労働副大臣にお尋ねしますけれども、やはり検証が必要だ、責任を明確にするという点で、中川大臣と同じ質問をさせていただきますが、欧米に比べて日本がその後も消費がふえている、高い水準を維持している、これはなぜなのか、現在厚生労働省としてはどのように考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

西副大臣 お答えを申し上げます。

 先ほどから委員が御指摘のように、この表を見ますと、一九九〇年以降の我が国の、これは差し引きですから、多分輸入並びに生産量に関係した問題だと思うんですが、今まで、例えば、特に有害性の高い青石綿、それから茶石綿、この禁止につきましては、一九九五年に我が国としては禁止をしております。EUでは二年早く九三年ということで、それぞれ禁止措置をとっております。また、白石綿につきましても、昨年十月から我が国の製造を原則禁止した、EUでは本年一月に禁止をした、こういうことでございまして、それぞれの禁止をした措置等につきましては、EU等と比べてみましてもほぼ同時期、一年、二年の差はございますが、対策はとってきたというふうに認識をしております。

 ただ、そのことが確かに委員御指摘のような具体的な製造並びに販売という過程でどういう結果になったのかということにつきましては、これは検証する必要があるであろうというふうに思っておりまして、私どもとしましても、政府として七月二十九日にアスベスト問題に関する関係閣僚会議の席上で、当面の対応の中で、過去の政策に対する検証を八月までにはやっていこうということで決めておりますので、そのことについて全力を挙げて、私どもとしても頑張って検証の作業を行っていきたい、このように思っております。

塩川委員 日本の場合、欧米諸国と比べて対応策に遜色がなかったという話も聞くわけですけれども、七〇年代、八〇年代は明確に違うわけですよ。海外の国々は大きく減らしている。それなのに、日本はふえたり、高い消費を続けているわけですから、そこでもう明確に違いが出ているんです。このことについてのきちんとした検証が求められているんだ、このことを改めて求めておきたいと思います。

 その上で、九五年に青石綿、茶石綿の禁止の話もありましたけれども、九〇年代以降においても、やはり実際に政府、国の責任というのは問われているわけです。石綿製品の問題についての健康被害の防止策、補償策などをきちんととるのとあわせて、石綿製品の禁止、そのためにも代替製品の開発ということが当然求められてくるわけであります。そういう点で石綿代替製品の開発が重要だったそのときに、通産省として、石綿代替製品の研究の委託を行っております。

 そこで、経済産業省にお尋ねしますが、通産省として行った石綿代替製品の研究委託先はどこになっているのか。お答えください。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 建材試験センターと石綿協会と承知をしております。

塩川委員 建材試験センターに一九九〇年と九一年に委託をし、石綿協会に九二年から二〇〇〇年に委託をしているわけですね。

 石綿協会というのは、石綿業界の団体であります。そこに研究委託を行っている。その石綿協会は、アスベスト、石綿の使用についてどういうスタンスでずっと来たかというと、石綿というのは利用価値の高い奇跡の鉱物だ、安全に使用すれば、つまり、管理を適切に行えば大丈夫なんだという立場で来ている業界ですよね。だからこそ、自分たちで製造、販売も行ってきた。

 管理して使えば大丈夫だという立場の業界団体に代替製品をつくりましょうと委託をするということ自身が、そもそも筋違いじゃないでしょうか。これで本当に、本気で代替製品をつくる気になるのか。管理すれば大丈夫だと言っている、こういう団体に本気で代替製品をつくる気が起きるのか。このことが問われてくるわけであります。

 同様に、建材試験センターそのものも、通産省と建設省のそれぞれが天下っている機関でもある。そういった点でも、業界と国との関係の問題が問われてくるわけであります。

 そこでお尋ねしますが、先ほども言いました石綿協会に、かつて通産省、経済産業省から天下りがあるかどうか、この点を確認したいと思います。

石毛政府参考人 お答えいたします。

 社団法人の石綿協会には、当省出身者は過去に三名在籍した事実がございます。

 具体的には、平成元年五月から平成十年五月、平成十年から平成十二年六月、平成十二年九月から平成十四年五月までの間、それぞれ一名が専務理事として在籍をしております。

塩川委員 一九八九年から二〇〇二年まで、石綿協会の歴代専務理事が通産省OBの天下りポストになっているというわけです。そこに研究委託を行っている。研究委託を行っている期間というのが天下っている期間とちょうど重なるわけですけれども、同様に建材試験センターも、先ほど言ったように通産省、国交省の天下り先で、歴代会長、理事長が天下りのポストになっております。

 こういった天下りの状況を見ても、役所と業界が大変親密な関係にある、このことが明らかであるわけです。これでは、政府や通産省が業界寄りと言われても仕方がないんじゃないでしょうか。業界寄りと言われる、国民の健康、安全よりも業界の利益を優先しているんじゃないかという批判を浴びるのも当然ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

中川国務大臣 石綿協会とか建材センターですかとかに経済産業省その他に在籍した技術者が行っていることは事実でございますが、業界寄りと言われても、先ほどから私が申し上げているとおり、この石綿、アスベストの問題というのは、つくっている側とそれを使用している側と両方あって、使用している側の方々の大変な被害、御家族、地域を含めて大変な被害が起こっているわけでありますから、業界寄りというのであれば、つくっている側も使っている側も両方業界として我々は関係しているわけでありますから、一方だけの業界寄りなんということはあり得ないということであります。

塩川委員 七〇年代、八〇年代の話を当初しました。こういうところできちんと減らすという形で対応策がとられていないんですよ。そこに、業界団体に通産省から天下りをしているということになれば、石綿業界の利益を代弁していると見られるのは当然じゃないでしょうか。私はその点を指摘しているわけです。

中川国務大臣 正確に調べておりませんけれども、使用している側についてもいろいろな業界があって、そことも、経済産業行政上、当然、密接というか、連絡をとり合うことは経済産業省の職務でございますから、つくっている側あるいは売る側と、ユーザー、買う側との一方だけにとりわけ関係が深いということではないということは御理解いただきたいと思います。

塩川委員 天下り先がいっぱいあるという話を大臣がされるわけですけれども、これは大手のユーザーの責任の問題も私は重大だと思うんですよ。当然のことながら、石綿の製品を使い続けることについては、健康被害が起こるという問題がありながらも、しかし一方で、石綿製品というのが安価で便利なものだから使い続けたいという要求というのは当然動くわけです。

 例えば、日本経済新聞の八月一日付でも、これは記事で紹介していましたけれども、曙ブレーキ工業というブレーキパッドをつくっている会社ですけれども、八七年に石綿を使用しない新製品を出したけれども、切りかえを完了したのは二〇〇〇年になってからだった、自動車のモデルチェンジに合わせるため時間が必要だったが、顧客側のコスト優先の姿勢もあり、すぐには普及できなかったと。これは、メーカーの立場として、そこにやはり大手ユーザーの要求もあったんだということが問われているわけですから、大手ユーザーの要求が石綿の使用禁止をおくらせてきた、こういう問題についてもきちんと解明することが必要なんじゃないですか、このように思うんですが。

中川国務大臣 まず、経済産業省と各業界とが適切な連携をとるということが大事だということはさっき申し上げましたが、天下り先がいっぱいあるねという、塩川先生らしくない御発言は、不規則発言か正規発言かは別にして、そういう趣旨ではないということを御理解いただきたいと思います。

 大手のユーザーもいっぱいあるということも事実でありますが、率直に、先ほどから申し上げておりますように、過去のことについては、先ほど塩川委員も御指摘のように、まだ検証しなければいけないことがたくさんあるわけでございまして、それを鋭意政府としても我が省としてもやっているところであります。それによって責任問題というものも出てくることもあるというふうに先ほどから申し上げております。

 他方、今後のことにつきましては、茶色、先ほどは黒と申し上げましたが、茶色と青の石綿と白とでは扱いが違っていたわけでありますけれども、白についても全面的に廃止をしなければいけない。しかし、それは、今までの予定では二〇〇八年ぐらいにならないと代替品の開発あるいは経済性その他が実体経済の中に入っていかないだろうということでありましたけれども、今後については、先ほど局長の方から我が省のやるべきことが三点あると申し上げましたが、代替品については一日も早く開発、そして実用化できるように、今後できるだけの努力をしていきたいと考えております。

塩川委員 今問われている問題の一つに、大量の在庫があるために使用禁止をおくらせてきた問題があるんじゃないのかということもあります。

 これは厚生労働の西副大臣にお伺いしたいと思うんですが、昨年の十月に労働安全衛生法の施行令の改正で、石綿を一%以上含有する十品目、これについての製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止をされたわけであります。その際に、業界団体からの要望もありました。

 例えば、石綿セメント板製造の大手企業からは、施行日前に製造された製品はその後も販売が可能となるようにしてほしい。つまり、施行日で一応製造禁止、使用禁止とうたうんだけれども、つくっちゃったものについてはぜひ続けて売れるようにしてくださいという要望があって、それを受けて、結果として、施行日までに製造したアスベスト製品についてはその後も販売が可能になるといういきさつとなっています。

 その点で、例えばということで、十品目のうちの一つに繊維強化セメント板というのがあります。これは、二〇〇四年の九月末、施行令が出される直前で経済産業省が在庫を調べました。そのときには四十四万六千二百八十二枚あった。それがこの三月の末には七万六千七百五十六枚しか在庫がない。つまり、八三%がもう販売をされているわけであります。

 そういう点では、使用禁止、製造禁止といっても、実際には、駆け込み的に大量につくって、それを売り切るまではオーケーよという対応が、結果としてアスベストが大量に消費されることにつながったんじゃないか、こういった責任というのも問われてくると思います。そういう意味でも、石綿を使い続けたい、つくり続けたいという石綿業界やユーザーの利益を優先したもので、結果として国民の命と健康が後回しにされるようなものになったんじゃないか、このことが問われているわけです。

 そういう点でも、この問題の検証を含めて、先ほど西副大臣は九〇年代の話をされましたけれども、七〇年代、八〇年代にさかのぼって、過去の行政責任についてもきちんと明らかにすべきだ。あわせて、アスベスト業界や自動車や造船などの大手ユーザーの責任問題についても徹底的に検証すべきだ、この点を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

西副大臣 お答え申し上げます。

 検証のことにつきましては、今、私はたまたま青石綿、茶石綿等のことを引き合いに出して検証ということを申し上げましたので、九〇年代というふうに御理解されたかもしれませんが、もっと古くからの状況を含めて、きちっとした検証が必要だというふうに考えているところでございます。

 経過的に使用できる在庫品の問題につきましては、その後、ことし六月に入りまして、在庫品を持っている業界団体に対して、譲渡したり提供したりということの自粛を要請し、さらに、七月二十六日、大臣の決断によりまして、在庫品を持っている業界団体に対して、これは提供を停止するようにということで指導をしたところでございます。一刻も早くということで、急遽こういう措置をとらせていただいたことを申し上げたいというふうに思います。

塩川委員 過去にさかのぼった行政責任、あわせて、メーカーあるいは大手ユーザーの責任問題について明らかにすべきだということを、改めて求めておくものであります。

 次に、アスベストに関連をする職場における労働者の方の健康被害対策の問題ですけれども、最初に厚生労働省にお聞きしますが、特に建設労働者の方のアスベスト健康被害は深刻であります。建設職人、建設労働者の方でつくる土建組合、首都圏の四土建の組合の方が調べた調査の中で、アスベストによる労災認定を受けた方が八十一人いらっしゃる、その中で既に死亡した方が五十三人もおられる。認定者の六五%が死亡というのは大変高い率で、そういう点でも、治らない病と言われる、それも命につながる、こういったアスベストの被害に対して抜本的な対策の強化が求められています。

 そこで、厚生労働省としても通達なども出されておられるとお聞きしますが、職場を渡り歩いている建設労働者の方、転々労働者というふうに何か紹介されていたようですが、そういうところでは、なかなか元請に対して労災認定を求めるのが難しいという問題があります。

 埼玉土建労働組合で御紹介いただいた方の話では、ある建設職人の方は、大成建設が元請を行う現場で働いていた方が、アスベストを吸入し、中皮腫になって二〇〇三年六月に亡くなられた。アスベストの怖さについて知らされずに二十二年も働いてきた。多くの方が実際にはそうだと思います。奥さんが組合の方からアスベストのビデオも紹介をされて、御主人と一緒に拝見をした際に、できることなら自分の胸を開いてこの肺について診てもらいたい、こういうことを訴えておられたそうであります。そういう意味では、この方自身が大成建設に殺されたという強い思いを持っておられた。

 そういう意味でも、死亡後、解剖が行われて、肺の中からアスベストが検出をされる。それを踏まえて、労災申請を受理した新宿の労基署が監督署の職権で大成建設の労災を適用させるということも行われたそうであります。

 そういう点では、労働組合の働きかけでこういう事例も幾つかあると思いますけれども、多くの働く皆さんはなかなかそういう条件にも恵まれていない。そういう意味でも、監督署の職権行使の適用も含めた速やかな労災認定を求めたいと思いますし、一人親方の方や下請事業者の方などの実態に合わせた、被害者の立場に立った迅速な対応を求めたいと思いますが、その点での対応策をお聞きしたいと思います。

西副大臣 お答え申し上げます。

 このアスベストによる被害は、アスベストを吸うという行為から発症するまで大変長い時間を要する、三十年、四十年というケースが言われているわけですが、それだけに、いつ吸ったのかという事実の確認が大変難しい。さらに、今御指摘のように、いわゆる転々労働者、職場が次々とかわっていくその労働者の場合の認定というのは、本人にその仕事に従事したという確証はあったとしても、最後にどこに勤めたのか、結局最後のところが責任を負うということになっている関係上、認定に対して本人にとっては大変難しい状況が生まれていることは事実でございます。

 このことにつきましては、従来から労働基準監督署において、被災者の労働提供形態、どういうふうな労働に従事しているか、それから、報酬が給料なのか請負なのか、そういう性格等の実態を調査した上で的確に処理をさせていただいておりますが、御指摘の最終事業所の認定、このことにつきましては、建設業の、特に転々労働者につきましては、石綿暴露の事実についての認定が困難な場合が多いということで、実は七月二十七日付で、私どもとしましても都道府県の労働局に対して指示をいたしました。石綿暴露の事実確認の方法の簡素化、それから、請求書の提出を受けた監督署による受付及び所轄監督署を特定するための調査によって迅速、的確な労災補償を行う、私どももお手伝いをさせていただくということでございます。

 今後とも、労働基準監督署における積極的な調査によりまして、労災認定のより迅速、的確な処理に私どもとしても真剣に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

塩川委員 続けて国土交通省にお尋ねします。

 厚生労働省がアスベスト健康被害の労災認定を受けた事業所を公表しました。製造メーカーの公表などは、かかわる元労働者の方や周辺住民の方の健康被害を把握される上でも重要だと思います。

 あわせて、建設業の場合は、その事務所の場所が作業現場ではございませんので、下請事業者の公表にとどまっては実態がつかめない。そういう意味でも、建設作業現場での元請事業者の管理責任こそ明らかにすべきだと考えます。

 そこで、国土交通省として、元請大手に対し下請労働者の労災認定の積極的な協力を求めるなど、ぜひとも厳しく指導をしていただきたい、この点が一点。

 もう一点、あわせて、こういったアスベストの健康被害にかかわる解体、改修工事に当たって、発注者や元請に対しアスベスト除去の費用を適正に見積もるような指導というのをきちんと行うべきだ。実際には、下請単価がたたかれて、労賃さえ出ないような問題も現実に起こっている。そういった際に、アスベスト除去の費用についてきちんと適正に見積もるんだということを、これはやはり国の責任で行うべきだ。この点、あわせてお聞きしたいと思います。

中島(正)政府参考人 まず、建設労働者の労災認定が円滑に進むようにということでございますが、実際にアスベストを取り扱う現場にいた方ないしはいた可能性があると思われる方にこういう仕組みを知っていただくということが一番重要であろうと思っています。少しでも不安のある方は健康診断を受けてやるということが重要であると思っておりまして、厚生労働省から健康管理手帳及び労災制度に関する周知を行う旨の依頼をちょうだいしまして、それを受けまして、業界団体などを通じて周知方を依頼しておりまして、具体的にどういう方法をとられるのかということの報告を国に求めたいというふうに思っております。

 それと、コストの点でございますが、確かにアスベストがある、なしで解体に要する費用が随分違うということがあるわけであります。元下関係あるいは直接発注者から元に受ける場合もそうでありますが、請負契約に当たって施工条件を明示して見積もり協議の上で明確な請負契約を締結するようにという指導をかねてから行っておりまして、アスベストの処理費用につきましてもこうした対応が必要だと思います。

 まず、大体どのぐらいかかるものだ、適正な法令に基づく処理をするとどのぐらいかかるのかというような情報提供が私どもとしてできないかなというふうなことを今考えております。

塩川委員 こういった健康被害の問題は、製造メーカーの従業員の方、周辺住民の方、また建設従事者の方にとどまらず、アスベストを使用しているような機械が置かれているような場所なども含めて、かなり広く被害が想定をされるわけです。

 私がお話を聞いた一つに、羊毛を加工するそういう工場の操作で、その機械に断熱材としてアスベストが使われているわけですね。そういった方が、機械の修理のたびにアスベストを切ったりつけたりするという中で吸引をする。今、その方が肺機能が低下をして労災を申請中であります。こういった方を含めて、アスベスト製品を身近にしていた職場あるいは職場のパートの労働者の方を含めた、これを視野に入れた調査が必要だと思います。

 この秩父市の今例示をしました方についての対応がどうなっているのかを最後に確認しまして、私の質問を終わりたいと思います。厚生労働省からお願いします。

西副大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘の個別、個人のお話については、私も詳細にお伺いいたしましたが、現在、地元所轄の労働局において石綿の使用状況等について詳細に調査をしている最中であるというふうにお伺いをしておるところでございます。

塩川委員 終わります。ありがとうございました。

河上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四十九分散会


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