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第1号 平成23年2月25日(金曜日)

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本国会召集日(平成二十三年一月二十四日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 田中けいしゅう君

   理事 北神 圭朗君 理事 楠田 大蔵君

   理事 後藤  斎君 理事 近藤 洋介君

   理事 平  智之君 理事 谷畑  孝君

   理事 西村 康稔君 理事 佐藤 茂樹君

      池田 元久君    緒方林太郎君

      笠原多見子君    川口  博君

      木村たけつか君    櫛渕 万里君

      熊田 篤嗣君    斉木 武志君

      柴橋 正直君    白石 洋一君

      杉本かずみ君    田嶋  要君

      高松 和夫君    中山 義活君

      橋本  勉君    花咲 宏基君

      皆吉 稲生君    森山 浩行君

      山本 剛正君    吉田おさむ君

      逢沢 一郎君    梶山 弘志君

      近藤三津枝君    高市 早苗君

      橘 慶一郎君    西野あきら君

      額賀福志郎君    稲津  久君

      吉井 英勝君    山内 康一君

      園田 博之君

平成二十三年二月二十五日(金曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 田中けいしゅう君

   理事 石関 貴史君 理事 北神 圭朗君

   理事 楠田 大蔵君 理事 後藤  斎君

   理事 近藤 洋介君 理事 平  智之君

   理事 谷畑  孝君 理事 西村 康稔君

   理事 佐藤 茂樹君

      池田 元久君    緒方林太郎君

      川口  博君    川島智太郎君

      木村たけつか君    櫛渕 万里君

      熊田 篤嗣君    小林 正枝君

      斎藤やすのり君    柴橋 正直君

      白石 洋一君    杉本かずみ君

      高野  守君    中山 義活君

      橋本  勉君    花咲 宏基君

      矢崎 公二君    山本 剛正君

      吉田おさむ君    梶山 弘志君

      近藤三津枝君    高市 早苗君

      橘 慶一郎君    西野あきら君

      額賀福志郎君    望月 義夫君

      稲津  久君    吉井 英勝君

      柿澤 未途君

    …………………………………

   経済産業大臣       海江田万里君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     枝野 幸男君

   経済産業副大臣      池田 元久君

   経済産業副大臣      松下 忠洋君

   内閣府大臣政務官     和田 隆志君

   経済産業大臣政務官    中山 義活君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   政府特別補佐人

   (公害等調整委員会委員長)            大内 捷司君

   経済産業委員会専門員   綱井 幸裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十四日

 辞任         補欠選任

  笠原多見子君     石関 貴史君

  皆吉 稲生君     川島智太郎君

  森山 浩行君     斎藤やすのり君

  逢沢 一郎君     望月 義夫君

二月二十五日

 辞任         補欠選任

  斉木 武志君     矢崎 公二君

  田嶋  要君     高野  守君

  高松 和夫君     小林 正枝君

  山内 康一君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  小林 正枝君     高松 和夫君

  高野  守君     田嶋  要君

  矢崎 公二君     斉木 武志君

  柿澤 未途君     山内 康一君

同日

 理事平智之君同日理事辞任につき、その補欠として石関貴史君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十四日

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十四回国会閣法第四九号)

二月十六日

 中小業者の暮らしと経営を守ることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第八三号)

 同(吉井英勝君紹介)(第九七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 経済産業の基本施策に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引に関する件

 鉱業等に係る土地利用の調整に関する件


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事平智之君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に石関貴史君を指名いたします。

     ――――◇―――――

田中委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 経済産業の基本施策に関する事項

 資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する  事項

 特許に関する事項

 中小企業に関する事項

 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項

 鉱業等に係る土地利用の調整に関する事項

以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

田中委員長 経済産業の基本施策に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業等に係る土地利用の調整に関する件について調査を進めます。

 この際、経済産業大臣から、経済産業の基本施策について所信を聴取いたします。海江田経済産業大臣。

海江田国務大臣 経済産業大臣を拝命しました海江田万里でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 第百七十七回国会における経済産業委員会の御審議に先立ちまして、経済産業行政を取り巻く諸課題及び取り組みにつきまして申し述べさせていただきます。

 世界では経済のグローバル化が進み、アジア太平洋地域が世界経済の成長エンジンとなりつつあります。他方、国内に目を向けると、少子高齢化の進展によって、我が国の内需だけに頼って経済を持続的に成長させることが難しくなっています。こうした情勢から、これまで関税や非関税障壁に守られてきた分野を含めて、国を開くための施策を力強く推進していくことが必要です。特に、急速な経済成長を続けるアジア太平洋地域の活力を取り込み、我が国の成長と密接に結びつけるため、世界の潮流から見て遜色のない、高いレベルの経済連携が必要不可欠です。

 去年十一月に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針に基づき、先般私みずから協議を行ってきたオーストラリアとの交渉を初め、日・EU、日韓、日中韓、東アジア自由貿易圏構想(EAFTA)、東アジア包括的経済連携(CEPEA)、日・モンゴル等の高いレベルの経済連携を目指してまいります。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)については、農林水産業に携わる方々の不安を払拭するための対策を含めた国内の環境整備を早急に進めつつ、情報収集と影響分析に取り組み、関係国との協議に臨んでまいります。特に、経済産業省は、国内環境整備の一環として、農業産業化支援ワーキンググループを立ち上げ、輸出振興や農商工連携を初めとした農業の産業化に全力で貢献してまいります。

 本年は、WTOのドーハ・ラウンド妥結に向けた重要な年です。先日出席したスイス・ダボスでの閣僚会合においては、二〇一一年を機会の窓と位置づけ、夏までの実質合意を目指すという認識が共有されました。早期妥結を目指し、あらゆる機会をとらえ、積極的に交渉に取り組む所存です。

 足元の経済情勢は、生産や輸出の持ち直しを背景に、足踏み状態を脱しつつあります。他方で、海外景気の下振れ懸念や昨今の中東情勢の不安定さに起因する、為替や原油を初めとした商品市場の動向など、景気が下押しされるリスクが存在しております。こうしたリスクに対応しつつ、我が国経済を着実な成長軌道に乗せるため、引き続ききめ細やかな経済情勢の把握に努めます。同時に、新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策を着実に実施してまいります。

 緊急的なステップワンの対応として、平成二十二年度予備費において低炭素型雇用創出産業の立地支援のため、千百億円規模の措置を講じました。これに続くステップツーでは、平成二十二年度補正予算において約八千五百億円の当省関連予算を確保し、中小企業の資金繰り支援やエコポイントなど足元の需要喚起策を盛り込んでおります。

 平成二十三年度当初予算案に盛り込まれた施策は、これらに続くステップスリーとして、新成長戦略を前倒し、加速実施するための施策と位置づけております。

 まず、成長が見込まれる低炭素関連産業の国内立地への補助制度について、平成二十二年度予備費、補正予算にも関連し、我が国が誇る世界最先端の技術に焦点を当てて当初予算案として措置しております。また、国民が省エネ、省CO2に幅広く取り組めるよう、電気自動車の購入や住宅用太陽光発電設備の導入を支援してまいります。医療の国際化や医療機器実用化等のライフイノベーション、ITの利活用促進、コンテンツやサービスを融合した新産業の育成といった新たな成長分野への取り組みもしっかりと後押しします。また、それらを支える革新的技術の開発を推進してまいります。さらに、雇用を下支えするため、新卒者と中小企業のマッチングを行うドリームマッチプロジェクトについて、引き続き厳しい状況が見込まれる新卒者の雇用情勢等を踏まえて再考し、来年度においても継続することとしております。

 平成二十三年度当初予算案に関連して、新興国を含め一体化するグローバル市場での競争の激化や需要の変化を受け、国際競争力の強化のための民主導の戦略的な産業再編を促進するため、産活法の改正法案を今国会に提出いたしました。

 世界水準の投資・事業環境を整備し、国内の投資拡大や海外流出の防止につなげることが極めて重要な課題です。昨年十一月に策定された日本国内投資促進プログラムに掲げられた施策を力強く推進してまいります。平成二十三年度税制改正法案には、法人実効税率の五%引き下げが盛り込まれております。産業界からは、法人税減税等の投資促進策を前提として、積極的な投資行動目標が示されており、税制改正法案の成立に向け、全力を尽くしてまいります。同時に、投資の拡大や雇用創出に効果的なグローバル企業の研究開発拠点等を呼び込むため、アジア拠点化推進税制が盛り込まれております。その実現のため、経済産業省としては、アジア拠点化推進法案を提出いたしました。

 このような取り組みを含め、中長期的な展望を持ち、昨年取りまとめた新成長戦略を実現させることこそ、経済産業省の重要なミッションです。新成長戦略実現会議の副議長として、新成長戦略に記載された二十一の国家プロジェクトや工程表に記載された諸施策の具体化に向け、尽力してまいります。

 まず、インフラ・システム輸出については、原子力、石炭火力、鉄道、スマートコミュニティーなど関連産業の国際競争力の強化や貿易保険などの公的金融支援の強化のほか、政務三役を中心にインドやインドネシア、ベトナム、中東を初めとした重点国にしっかりとトップセールスを行い、官民連携のもと、具体的案件の獲得を支援してまいります。

 また、環境・エネルギー大国の実現は、新成長戦略の大きな柱の一つです。環境と経済の両立を第一に、日本のすぐれた環境技術・製品を国内外の排出削減につなげ、成長と雇用の確保を実現するグリーンイノベーションを積極的に推進してまいります。

 具体的には、地球温暖化対策のための税について、税制改正法案に基づき、国民の御理解をいただきながら、着実かつ円滑に導入を図ってまいります。あわせて、我が国最先端の省エネ・低炭素技術の開発普及を進めるとともに、その積極的な国際展開を促進してまいります。さらに、再生可能エネルギーの導入促進のため、再生可能エネルギー電気固定価格買取法案及び電気事業法及びガス事業法の改正法案を提出いたします。

 昨年末のカンクンでのCOP16では、米中印等を含む新たな一つの公平かつ実効的な法的枠組みづくりに向け、一歩前進することができました。本年末のCOP17に向けて、京都議定書延長には反対という我が国の立場を堅持しつつ、二国間クレジット制度の構築等を通じて、カンクン合意の具体化に積極的に貢献することで、新たな国際枠組みづくりを進めてまいります。

 資源価格が乱高下し、国際的な資源獲得競争が激化している中、レアアース等の鉱物資源や、石油、天然ガス、石炭といった資源エネルギーの安定的な供給確保が極めて重要です。海外の資源権益の獲得支援に加え、国内において、資源を適正に管理しつつ、適切な主体による合理的な資源開発を進めるため、鉱業法の改正法案を提出いたします。

 また、原子力はエネルギーの安定供給と低炭素社会の実現を目指す上で不可欠な基幹エネルギーです。このため、安全の確保を大前提に、国民の理解、信頼を得つつ、原子力発電、核燃料サイクル、高レベル放射性廃棄物処分を積極的に推進してまいります。

 我が国経済を活性化する上で、企業数では九九・七%、雇用のおよそ七割を占める中小企業の活力を向上させることも欠かせません。税制改正法案には、中小法人の軽減税率を現行の一八%から一五%へ引き下げることを盛り込みました。また、先般の補正予算に盛り込まれた総額十五兆円規模の支援策の活用を含め、中小企業の資金繰り支援に万全を期す所存です。

 セーフティーネット保証や小規模企業向けの小口保証、創業者向けの保証については、一〇〇%保証を引き続き実施してまいります。さらに、日本政策金融公庫によるセーフティーネット貸し付けを来年度も実施します。まずは、中小企業の方々が年度末をしっかりと乗り越えていただけるよう、先般の補正予算で手当てした借りかえ保証等の支援策について、中小企業に携わる皆様に広くお知らせすることが肝要です。同時に、年度末のワンストップ相談体制の整備などにより、中小企業の相談に対してきめ細かく対応してまいります。

 中小企業の人材、技術面、事業引き継ぎや新事業展開への支援などにも全力を挙げて取り組んでまいります。特に、私が議長を務める中小企業海外展開支援会議の枠組みのもとで、各地域の経済産業局を活用し、地域の金融機関や中小企業団体も含めた関連機関と連携して、中小企業の海外市場への展開を強力に支援してまいります。

 我が国経済の持続的成長のためには、イノベーションの促進が重要な課題です。技術の高度化や複雑化に伴い、社外の技術を活用して研究開発や製品化を行うオープンイノベーションが必要となるなど、そのあり方が変化しています。こうした中、刑事訴訟手続において営業秘密の内容が公になることを恐れて被害企業が告訴をちゅうちょする事態や、アクセスコントロール回避機器による被害の拡大が生じています。知的財産を取り巻くこういった課題に対応するために、特許法等の改正法案及び不正競争防止法の改正法案を提出いたします。

 厳しい経済状況の中で、行政自身が常に自己を評価、点検し、不断の改革を行っていくことが重要です。経済産業省を初めとする政府全体で行った独立行政法人や公益法人、特別会計などの見直し結果については、既に来年度当初予算案に反映されているもののみならず、今後の制度自体の見直しにつながるものなど、今後とも積極的に対応してまいります。

 日本は自由主義貿易体制のもと、貿易立国として世界有数の経済大国に発展しました。しかしながら、この二十年ほど内向き思考となり、世界経済における相対的な影響力を少なからず減じてしまいました。今こそ、この苦境をチャンスととらえ、国民の皆様が世界に、未来に向けて力強く歩み出せるよう、これまで申し述べた諸施策を大胆かつ着実に実施してまいります。

 委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

田中委員長 以上で大臣の所信表明は終わりました。

 この際、枝野内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。枝野内閣官房長官。

枝野国務大臣 公正取引委員会の事務を担当する大臣として一言申し上げます。

 公正な競争のもとで自由に経済活動が行われることにより、社会の活力が生み出され、国民生活が豊かなものとなります。経済活動のグローバル化など、日本を取り巻く国際環境、市場環境が大きく変化していく中、市場が公正かつ活力を持ったものとなり、日本経済の健全な発展に資するよう、経済実態に即応した競争政策を積極的に展開していくことが必要です。公正かつ自由な競争を確保し、市場が適切に機能するための基盤の整備は政府の重要な役割であります。私は、その重責を担う者として、全力で職務に当たる決意でございます。

 具体的には、独占禁止法の厳正、的確な運用を図るとともに、下請法違反行為など中小企業に不当に不利益を与える行為の取り締まりを強化してまいります。これらに加えて、審査の透明性、迅速性の向上に向けたガイドラインの公表や規制制度等についての調査、提言等による競争環境の整備に重点を置いて取り組んでまいります。これを担う公正取引委員会の機能、体制の充実強化にも努めてまいります。

 また、継続審議となっている独占禁止法の一部を改正する法律案については、同法の手続面に係る公平性に関する批判を解消する観点から、審判制度を廃止するとともに、排除措置命令等を行おうとする際の意見聴取のための手続の整備等の所要の改正を行うものです。何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いをいたします。

 田中委員長を初め、委員各位には、一層の御指導、御鞭撻を賜りたく、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、平成二十二年における公正取引委員会の業務の概略について説明を聴取いたします。竹島公正取引委員会委員長。

竹島政府特別補佐人 平成二十二年における公正取引委員会の業務についてその概略を御説明申し上げます。

 公正取引委員会は、以下に申し述べる施策に重点を置いて、独占禁止法等の厳正な執行及び競争政策の積極的な推進に取り組んでまいりました。

 重点施策の第一は、厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用であります。

 課徴金減免制度などを活用しつつ、独占禁止法違反行為に対して引き続き厳正に対処し、価格カルテル事件、入札談合事件及び不公正な取引方法に係る事件二十件について法的措置をとりました。また、課徴金額は、延べ百七十八事業者に対して総額六百九十六億五百八十一万円となっております。

 さらに、合併等の企業結合事案につきましては、引き続き企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針等に基づき企業結合審査を的確に実施しました。また、新成長戦略等の閣議決定に基づき、企業結合審査の迅速性及び透明性を一層向上させるとの観点から見直しを進めてきております。

 第二は、中小企業に不当に不利益を与える行為の取り締まり強化であります。

 市場における公正な競争を確保するため、大規模小売業者による納入業者に対する優越的地位の濫用について排除措置命令を行うなど、中小事業者に不当に不利益を及ぼす不当廉売、優越的地位の濫用といった不公正な取引方法に該当する行為に対し、厳正かつ積極的に対処いたしました。

 また、法運用の透明性を一層確保し、事業者の予見可能性をより向上させるため、「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」を策定し、公表しました。本考え方を広く周知し、違反行為の未然防止を図るため、説明会等を開催することとしております。

 下請法に関する業務については、下請代金の減額、支払い遅延、買いたたきといった違反行為に対処し、十三件の勧告、公表を行ったほか、四千三百六十八件の指導を行いました。

 また、現下の厳しい経済状況のもと、取引先大企業との間で不当なしわ寄せを受けやすい中小事業者の取引の公正化を一層推進するため、中小事業者取引公正化推進プログラムにより、優越的地位の濫用規制や下請法の普及啓発活動を含めた各種施策を実施しています。

 第三は、競争環境の整備への取り組みであります。

 公正取引委員会は、規制制度等についてさまざまな調査、提言を行うとともに、独占禁止法上の考え方等を明らかにしてきております。平成二十二年におきましては、国内排出量取引制度に関して、地球温暖化対策における経済的手法を用いた施策に係る競争政策上の課題について調査、提言を行いました。また、企業における独占禁止法コンプライアンスの取り組み状況の実態等に関する調査を実施し、独占禁止法遵守の実効性を高めるための方策を報告書として取りまとめ、公表いたしました。

 以上、簡単ではありますが、業務の概略について御説明申し上げました。

 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。

田中委員長 次に、平成二十二年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要について説明を聴取いたします。大内公害等調整委員会委員長。

大内政府特別補佐人 公害等調整委員会が平成二十二年中に行った鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務について御説明申し上げます。

 第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。

 当委員会は、各大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益や他の産業と対比して適当でないと認める地域を鉱区禁止地域として指定するものとされております。

 平成二十二年に当委員会に係属した事件は二件であり、亀山市西部森林地域及び関宿周辺地域関係地域の指定請求事件は同年七月に、大保ダム関係地域の指定請求事件は同年十月に、それぞれ指定公示を行い、終結いたしました。

 第二に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する事務について申し上げます。

 鉱業法等に基づく特定の許認可などの処分について不服がある者は、一般公益や他の産業との調整を図るため、当委員会に対して不服の裁定を申請することができるものとされております。

 平成二十二年に当委員会に係属した事件は、青森県下北郡東通村地内の砂利採取計画不認可処分に対する取り消し裁定申請事件などの三件であります。

 第三に、土地収用法に基づく意見の申し出等に関する事務について申し上げます。

 当委員会は、土地収用法、鉱業法などに基づき各大臣が裁決などを行う場合には、照会に対する意見の申し出や承認等を行うものとされております。

 平成二十二年に当委員会に係属した事案は、土地収用法に基づく意見の申し出十八件であり、これらのうち、同年中に処理した事案は十二件であります。

 以上が、平成二十二年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要であります。

 なお、以上のほか、当委員会は、公害紛争の処理に関する事務を行っており、平成二十二年には五十三件の公害紛争事件が係属しております。

 公害等調整委員会といたしましては、今後とも、これらの事務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。

田中委員長 以上で両委員長の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十九分散会


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