衆議院

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第6号 平成26年4月2日(水曜日)

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平成二十六年四月二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 富田 茂之君

   理事 塩谷  立君 理事 鈴木 淳司君

   理事 宮下 一郎君 理事 山際大志郎君

   理事 渡辺 博道君 理事 田嶋  要君

   理事 今井 雅人君 理事 江田 康幸君

      青山 周平君    秋元  司君

      穴見 陽一君    安藤  裕君

      石崎  徹君    越智 隆雄君

      大見  正君    勝俣 孝明君

      熊田 裕通君    佐々木 紀君

      白石  徹君    田中 良生君

      田野瀬太道君    武村 展英君

      辻  清人君    冨樫 博之君

      中川 俊直君    中谷 真一君

      中山 展宏君    根本 幸典君

      福田 達夫君    細田 健一君

      宮崎 謙介君    宮崎 政久君

      村井 英樹君    八木 哲也君

      山田 美樹君    枝野 幸男君

      岸本 周平君    郡  和子君

      近藤 洋介君    辻元 清美君

      三日月大造君    伊東 信久君

      木下 智彦君    丸山 穂高君

      國重  徹君    佐藤 正夫君

      三谷 英弘君    小池 政就君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   経済産業大臣       茂木 敏充君

   総務副大臣

   兼内閣府副大臣      関口 昌一君

   経済産業副大臣      松島みどり君

   内閣府大臣政務官     伊藤 忠彦君

   経済産業大臣政務官    田中 良生君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (内閣官房地域活性化統合事務局長代理)      富屋誠一郎君

   政府参考人

   (内閣官房地域活性化統合事務局次長)       田中 博敏君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 濱  勝俊君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局参事官)            小野  尚君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 青木 信之君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 平嶋 彰英君

   政府参考人

   (文化庁文化部長)    川端 和明君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           新原 浩朗君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     加藤 洋一君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通保安審議官)     寺澤 達也君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河村 延樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           森   清君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           佐々木 良君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 上田 隆之君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    北川 慎介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           田村  計君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局公共交通政策部長)     藤井 直樹君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            吉田 雅彦君

   経済産業委員会専門員   乾  敏一君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     中山 展宏君

  菅原 一秀君     安藤  裕君

  福田 達夫君     田野瀬太道君

  細田 健一君     熊田 裕通君

  宮崎 謙介君     村井 英樹君

  宮崎 政久君     中谷 真一君

  岸本 周平君     三日月大造君

  辻元 清美君     郡  和子君

  三谷 英弘君     佐藤 正夫君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     菅原 一秀君

  熊田 裕通君     細田 健一君

  田野瀬太道君     中川 俊直君

  中谷 真一君     宮崎 政久君

  中山 展宏君     穴見 陽一君

  村井 英樹君     宮崎 謙介君

  郡  和子君     辻元 清美君

  三日月大造君     岸本 周平君

  佐藤 正夫君     三谷 英弘君

同日

 辞任         補欠選任

  中川 俊直君     青山 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     福田 達夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)


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     ――――◇―――――

富田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案の審査に資するため、去る三月三十一日に、二十名の委員が参加し、中心市街地活性化の代表例とされている滋賀県長浜市の中心市街地の視察を行いました。

 この際、参加委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。

 最初に、長浜まちづくり株式会社の吉井コーディネーターから、長浜市の中心市街地について、衰退した中心市街地が再生し、来訪者二百万人を達成するまでに至った道のり、長浜市におけるまちづくりの三つの流れ、商業と観光をかけ合わせたまちづくり事業等の説明を聴取しました。

 続いて、中心市街地の表参道、黒壁地区において、季の雲ゲストハウス、三谷旅館、曳山博物館、黒壁ガラス館等の、歴史的建造物や伝統的な町家を修繕活用した施設や、空き店舗を活用した施設を初めとする、古き町並みを維持した中心市街地の様子を実際に視察いたしました。

 次に、長浜ロイヤルホテルにおいて、藤井市長や大塚商工会議所会頭、高橋長浜まちづくり株式会社代表取締役など、中心市街地活性化事業の関係者の方々との意見交換会を行いました。

 まず、藤井市長からは、株式会社黒壁によるガラス文化を中心としたまちづくり、官民の連携による商店街の再生、認定を受けたばかりの第二期長浜市中心市街地活性化基本計画等についての説明を聴取いたしました。

 続いて、大塚会頭からは、第一期長浜市中心市街地活性化基本計画のもとで行われたさまざまな事業や、今次の中心市街地活性化法改正案への期待等について、また、高橋代表取締役からは、市民運動を源流としている長浜市のまちづくり運動、まちづくりにおける人材育成及び若い世代への引き継ぎの必要性等についての説明を聴取いたしました。

 その他、出席者の方々からは、商店街の後継者問題、空き店舗対策、まちづくり会社の資金調達における優遇措置の必要性等について伺いました。

 その後は、まちづくり会社に出資する人のインセンティブ、まちづくり会社の経営の実情、まちづくりに女性の視点を生かす工夫、まちづくり会社の活動による経済効果等について活発な意見交換が行われました。

 終了後に、平成二十一年度以降、ものづくりと地域コミュニティーをコンセプトに、にぎわいを創出する事業を新しく始めている神前西地区において、工芸品の工房や販売店舗等を視察いたしました。

 以上が、今回の視察の概要であります。

 なお、視察に当たりまして御協力いただきました関係の皆様方に深く感謝の意を表しまして、御報告といたします。

    ―――――――――――――

富田委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房地域活性化統合事務局長代理富屋誠一郎君、内閣官房地域活性化統合事務局次長田中博敏君、警察庁長官官房審議官濱勝俊君、金融庁総務企画局参事官小野尚君、総務省大臣官房審議官青木信之君、総務省大臣官房審議官平嶋彰英君、文化庁文化部長川端和明君、厚生労働省大臣官房審議官新原浩朗君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官加藤洋一君、経済産業省大臣官房商務流通保安審議官寺澤達也君、経済産業省大臣官房審議官河村延樹君、経済産業省大臣官房審議官森清君、経済産業省大臣官房審議官佐々木良君、資源エネルギー庁長官上田隆之君、中小企業庁長官北川慎介君、国土交通省大臣官房審議官田村計君、国土交通省総合政策局公共交通政策部長藤井直樹君及び観光庁観光地域振興部長吉田雅彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

富田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤洋介君。

近藤(洋)委員 おはようございます。民主党の近藤洋介です。

 本日は、中心市街地活性化法の改正案につきまして質問の機会をいただきました。委員長、理事の皆様に感謝を申し上げます。

 まず、茂木経産大臣にお伺いをいたします。

 委員長のお許しを得て資料を配付させていただいておりますが、資料の一ページ目をごらんいただければと思うわけであります。この資料は日経新聞の一月三十一日付の記事の抜粋でありますけれども、総務省が発表した住民基本台帳調査によると、東京圏への人口集中が加速しているということが明らかになっております。

 この記事をごらんいただければと思いますが、二〇一三年の一年間で、東京、千葉、埼玉、神奈川のいわゆる東京圏内は、前年と比べて二万九千人を超える人が他県から流入をして、合計で九万六千五百人の転入超過、すなわち流入がふえている、こういうことであります。

 特に激しいのは東京都でありまして、東京都は、グラフが出ておりますけれども、七万百七十二名ふえております。前年と比べて大変多くふえている、東京都の増加が突出をしておるわけであります。

 四十七都道府県でふえている県はわずか九県。しかも、大阪圏の大阪府、兵庫、京都、奈良県は、三年ぶりの、要するに人口減になってしまった。例えば滋賀県なども久方ぶりに減少に転じたといったことが記載をされております。

 私の地元の山形県も四千名程度減っている。大臣の御地元の栃木県も、関東でありますけれども、千四百六十三名の減少ということであります。

 景気回復、アベノミクス効果ということでありますけれども、少なくとも人口動態に関する限り、このアベノミクス効果は東京圏に際立って効果が出ている。他方で、地方ではどんどん流出がふえている。東京ひとり勝ちの構図が加速していることが明らかになっているわけであります。

 大臣、この都市部への人口集中の加速というのは、私は、きょう議論する中心市街地の活性化においてもやはり非常に大きな影響を与えるのではないかと思うわけであります。担当大臣として、この東京への人口集中の加速化の現状についてどうお受けとめになられているか、まずお答えをいただけますでしょうか。

茂木国務大臣 我が国はこれまで、若年層の進学であったりとか就職の機会を中心として、地方から大都市へと人口が流入をしておりまして、昨年におきましても、委員御指摘のように、特に東京圏におきましては約九万七千人の転入超過ということになっております。将来推計におきましても、大都市圏への人口集中のトレンドは大きく変わらないと見ております。

 日本におきましては、一九六〇年代、高度成長期から集団就職であったりとかそういったことが続いてまいりまして、一九七二年に「日本列島改造論」、こういったものも発表されるわけでありますけれども、なかなかそのトレンドに歯どめがかからない。当時は、表日本、裏日本、こんな言い方もされていたわけでありますけれども、日本海側への機能の移転等々も図られたわけでありますけれども、その反転がなかなかできない。

 そして、一九八〇年代になりますと、東京一極集中、こういう言葉が生まれるようになりまして、私も一九八八年に「都会の不満 地方の不安」という本を書きまして、五万部近く売れたんですよ、なかなか。これも、人口そして経済機能がやはり大都市部に集中をして、東京圏においては、人はいる、経済は活性化しているんですけれども、その分生活機能というのは非常に圧迫をされて、生活コストが高くつく、こういう不満が生まれる。一方で、地方においては、住空間とかはあるんですけれども、経済機能がどんどん衰退をして、将来に対する不安がさらに大きくなる。こういう問題を指摘させていただいたわけでありますけれども、こういった状況は基本的には変わっていないと思っております。

 アメリカやヨーロッパを見ますと、こういった人口であったりとか経済機能の一極集中というのは余り見られない。どちらかといいますと、日本であったりとか韓国、もしくは新興国的な現象がこのまま続いているような形であります。

 これに対しましてさまざまな施策を御案内のとおりとってまいりまして、キーワードになりましたのが国土の均衡ある発展ということで、全国総合開発計画、さらには都市圏におけます大学等の設置制限、さらには工業の再配置計画に取り組んできたわけでありますけれども、大きな流れを変えるということには至っておりません。

 恐らく、これ一つでこの流れが全く逆転するような妙案というのはないのかもしれないな、こんなふうに思っておりますし、同時に、例えば自分のさまざまな可能性を求めて大都市に出てきたい、こういう若者の意思であったりとか流れを一律にとめることが本当にいいことなのか、こういったことも考えなければいけないと思っております。

 なかなかこれは、経済産業省だけというよりも国全体でやはり取り組むべき問題だ、こんなふうに考えているところでありまして、今回の中心市街地活性化法の改正におきましても、国土交通省の施策等と連携しながら、地域の中心街における経済活力の向上を通じた地方都市全体の活性化をもたらして、ひいては地方へと人口が戻ってくる効果、こういうのを生み出していきたい、こんなふうに考えております。

近藤(洋)委員 大臣、ありがとうございます。

 大臣と問題意識は全く同じ思いだ、こういうことは確認できたと思うんです。

 もとの岩手県知事で総務大臣も経験をされた増田寛也さんが、中央公論に「二〇四〇年、地方消滅。」という論文を書かれて、「壊死する地方都市」というなかなかショッキングな見出しで、論文も書かれておるわけであります。ここには、要するに、二〇四〇年、人口二、三万ぐらいの中小都市はほとんど壊滅するのではないかといったこと、加えてあともう一つ、実はこの中の論点は、千葉県あたりも、都市においても大変な状況が起きてくるという警鐘が鳴らされているわけであります。

 私は、大臣がおっしゃったとおり、新興国は大都市に人が集中する、世界を見ても新興国はそうである。ただ、日本は先進国になったにもかかわらず、いまだに首都東京の人口がふえ続けている。これはちょっと特異な現象なんだろう、こう思うわけであります。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、これは国民としては喜ばしいことでありますけれども、これも一つ間違うと、その日本独特の東京一極集中をさらに加速しかねない。

 仕事は東京だべといって、皆、東北地方の人たちも東京に流れ込もうという、既に復興があるにもかかわらず起きつつある現象が見えつつある中で、大臣がおっしゃったように、まさにこの中活法も、地方の顔、地方の軸である中心市街地を活性化するということはそういう流れに一つ歯どめをかける、また、東京のみが大きくなってきた今の日本の構造を、やはり本当の意味での成熟型社会に変える一つのきっかけになればという思いでこの法案の審議をさせてもらえれば、こう思うわけであります。

 そこで、もう一回大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、この中活法でありますが、古くは大店法の改正、見直しから、日米構造協議等々で大規模店舗規制の見直し、そして、まちづくり三法が制定をされ、平成十八年に現在の姿になった。私も、平成十八年の審議、経産委員会で質疑にも立たせていただきました。議席を預かって十一年、何とかの一つ覚えではありませんが、ずっと経産委員会に所属をしているものですから、この審議も十八年にかかわってきたわけでありますけれども、これまで、この中活法、百十九の自治体、百二十二の計画で認定をされてきたということであります。

 ただ、残念ながら、目標の達成率は三割に届いていないという、アンケートというんでしょうか、自治体の答えも出ております。さまざまな経緯を踏まえてできた中活法でありますが、残念ながら、自治体側の評価は、計画が動き出しながらも、目標達成にはこの程度しかいっていない。いろいろ項目によって目標のばらつきはございますけれども、三割程度ということであります。

 これは、私も、あげつらって批判をするつもりはありません。難しいことは百も承知であります。中心市街地の活性化というのは大変難しい、古くて新しい課題であることは承知しております。しかし、結論からいうと、全体的に成功していないということが言えるかと思います。

 大臣としては、目標達成率が低迷している要因、原因はどこにあるか、もう一つ、全体的に、この中活法の十八年からの状態について、改正に当たってどのように評価、総括をされているのか、まずお答えいただけますでしょうか。

茂木国務大臣 詳細については、できましたら田中政務官の方からお答えをさせていただきますが、まちづくり三法、最初につくりましたときに質問バッターの最初に立ちましたのはたしか私だったんじゃないかな、こんなふうに思っております。

 これは、さまざまな省庁にまたがる中心市街地の活性化を一体として進めていく。当時から、大店舗、大型店の問題もありました。同時に、町並みといいますか、これがモータリゼーションに対応できていない、駐車場が分散していたり少ないという問題、さらには、いわゆる経済全体が低迷をする中で、まちづくりを、中心市街地の活性化だけをやってもなかなかうまくいかないのではないか、こういう指摘もあったところであります。

 ただ、いろいろ分析してみますと、では、大型店が郊外にあるところがだめな中心市街地になって、大型店がないところがうまくいっているかというと、必ずしもそうではなくて、皆さんが御視察をいただいた長浜、黒壁の町でありますけれども、比較的あそこは近隣に大型店は多いんですけれども、うまくいっている事例。黒壁、そして石畳の町を、秀吉以来といいますか、うまく使って活性化に資している例にもなってくるのではないかなと思っておりまして、それぞれによってさまざまな取り組みは違うと思っております。

 やはり、今まで広がり過ぎてしまった中心街というのをもっとコンパクト化していかなければならない。そこの中でどうにぎわいを取り戻すか。江戸の町も、やはり、江戸をつくっていく過程において相当にぎわいというのを考えて、単に商工機能であったりとか政治機能ではなくて、にぎわいというものをつくってきた。

 花見も江戸時代からですから。奈良時代は梅の花で花見をやっていました。平安時代になってようやく日本も桜ということで、中国が梅とか桃だったんですけれども、日本も平安時代から桜で花見をするようになる。ただ、これは上流階級の本当に一部の楽しみでありまして、本当に一般の庶民が花見を楽しむようになりましたのは、八代将軍の吉宗のころに江戸の町に桜を植える、こういったことから始まっているわけであります。この桜の花見に象徴されるように、何か人を呼び込むような機能、こういったものをそれぞれの地域で工夫するということも極めて重要だと思っております。

近藤(洋)委員 桜が江戸時代からというのは知りませんでした。ありがとうございます。

 もし、政務官、総括で御報告をいただければ、簡潔にお答えいただけますか。

田中大臣政務官 お答えいたします。

 委員御承知のとおり、これまで百十九市、百二十二の計画が認定されてきたところであります。

 しかしながら、これまでの二十年間、我が国が置かれた厳しい経済状況ですとか、あるいは人口減少、少子化進展、また、商業施設、病院など公共施設の郊外移転、さまざまな要因がありました。

 それに加えまして、中心市街地活性化に対します民間投資が十分でなかった、また、コンパクトシティー化の取り組みも十分でなかった。また、郊外への住宅地の拡散に伴いまして、中心市街地の商業者顧客となるべき住民の居住地域が集約されなかったということもあります。さまざまな要因があります。それ以外にも、中心市街地と居住地域を結ぶ公共交通ネットワークの整備が不十分である。こうしたものも相まって、中心市街地における空き店舗ですとか空き地の増加に歯どめがかかっていない、これが現状であります。

 こうした状況を踏まえまして、民間投資を喚起する、こうした中心市街地の活性化を図っていくということであります。そして、その中で、経済産業省としましては、中心市街地活性化法を改正して、まずは効果が高い民間プロジェクトを絞り込んだ上で、従来より手厚い支援を重点的に行っていきたいと考えております。

 また、国交省とも連携をとってまいります。国交省から提出されています都市再生、居住及び地域公共交通ネットワーク整備に関する改正法案、これと一体となって、地域のまちづくりを総合的に強力に支援して、推進してまいりたいと考えております。

近藤(洋)委員 ありがとうございます。

 そこで、今政府側からも御答弁があったように、この中心市街地の活性化、まちづくりというのは、中小企業庁、また経済産業省において、法案の所管は経産省でありますけれども、やはり国土交通省、また場合によっては農林水産省、当然、総務省、病院等々のことを考えれば厚生労働省も含めて、各省がさまざま連携をしなければいかぬ、こういうことだろうと思います。

 そういう問題意識の中で、平成十八年の法律は、総理大臣が認定の認可をおろす、そして本部も、地域活性化統合事務局に中活本部をつくり、統合事務局が事務局を担う、こういうことだったと思うわけであります。

 そこで、統合事務局にお伺いしたいのですが、これまで、平成十八年新法以降、この地域活性化のために、認定中心市街地活性化計画のために一体どれだけの国費を投じてきたのか、お答えをいただけますでしょうか。

富屋政府参考人 お答えを申し上げます。

 認定されました市が内閣総理大臣に毎年度提出をする実績報告調書というのがございますが、これによりますと、平成十九年度から平成二十四年度までの認定基本計画に位置づけられた取り組みに対する交付金や補助金等の国費の合計額、ただし、特別交付税による措置を除きますが、その合計額は約四千七百億円でございます。

近藤(洋)委員 資料の二ページ目をごらんいただければと思いますが、これまで、平成十九年から二十四年度までの、今御答弁があったように、累計で四千七百億円、各年の額は、平成十九年は三百七十六億円、そして二十四年度は九百三十八億円、年によってばらつきはありますが、九百億円から七百億円程度の金額が投じられてきたということであります。これは地域活性化統合事務局が把握をしている認定された計画に対しての額ということであります。

 この話はまた改めて伺いますが、きょうは国土交通政務官にお忙しいところ来ていただいております。先ほど来お話があったように、やはり国土交通省はある意味で私はまちづくりを担う中核官庁だと認識しておるわけでありますけれども、中心市街地活性化においても国交省の役割は極めて重要、こう思いますが、政務官の御認識はいかがでしょうか。簡単にまずお答えいただけますか。

坂井大臣政務官 まさしく委員御指摘のとおりだと思っておりまして、今までも、基本計画を作成して中心市街地活性化に取り組む自治体に対しまして、施設の整備を助成することなどを通じて支援をしてまいりました。

 例えば、道路、公園等の市街地の基盤となる公共施設の整備などに活用される都市再生整備計画事業、これらについて見ましても、認定を受けた中心市街地活性化基本計画の区域におきましては、通常四〇%という交付率の上限を四五%にかさ上げして支援、応援をさせていただいているところでございます。このかさ上げ措置を活用しておりますのは、認定を受けている百十九の自治体のうち六十七に上るということでございます。

 このように、国土交通省といたしましては、これまで、経済産業省等の関係各省と連携のもと、自治体における中心市街地活性化に向けた取り組みへの支援、またその一定の役割を果たしてきたものと認識をいたしております。

近藤(洋)委員 本法案の改正では、その認定要件をさらに緩和して、今までどちらかというと、これまでの中活法の対象というのは人口二十万人とか三十万人とか、多くても十万人クラスの市が多かったわけですけれども、もう少し裾野を広げよう、五万人規模、三万人規模の市でも対象に広げよう、こういう法案の改正になっているわけです。この趣旨は私も賛同するわけでありますが。

 さて、国交省に続いてお伺いしたいんですが、今政務官にお答えいただいたように、認定がされると補助金がかさ上げされる、国交省も役割を果たしてまいりました、こういう話でありました。

 お手元の資料の三ページ目でありますが、中心市街地再生の推進、国交省の振興方策ということで四つの主な政策が書かれております。暮らし・にぎわい再生事業、まち再生出資業務、身の丈再開発、そして、旧まちづくり交付金であった都市再生整備計画事業、大きく分けて四つの事業がある、こういうことであります。

 そこで伺います。

 これは中活法の認定区域だけではなくて結構なんですが、いわゆるまちづくりの、中心市街地再生のために、国交省の振興方策として、平成十八年以降、どれだけの国費をこれまで投じてこられたのか、累計及び直近の数字をお答えいただけますでしょうか。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、中心市街地におきまして公共施設とかにぎわい施設の整備をするというふうな都市再生整備計画事業に対しまして、それを推進する地方公共団体に対しまして予算的な支援を行っております。これらの予算措置のほとんどは社会資本整備総合交付金となっておりまして、先ほど委員が挙げられました四つの事業の中で、予算のほとんどは社会資本整備総合交付金という形で措置させていただいています。

 この交付金は個別事業ではございませんで、複数の事業を記載した計画全体に対して交付するものであること、また、計画に記載された事業のうち中心市街地関連予算に該当するものをいわば切り出していくという地方公共団体の一定の作業が生じますので、そういった切り出して報告することの負担も考慮いたしまして、現在、国交省では、この事業に対しまして、中心市街地関連予算を切り出して把握はしてございません。

 内閣官房地域活性化統合事務局におきまして、中心市街地関連予算全体を公共団体に調査して把握されているということも踏まえまして、今後、内閣官房と連携しながら、地方公共団体の負担も考慮しつつ、どういった把握ができるか検討をしてまいりたいと思います。そういう意味では、今の時点では数字を把握してございません。

近藤(洋)委員 これは、きのうも質問レクのときに伺ったんですけれども、数字を把握していないんです。私はやや驚きなんです。

 と申しますのも、四ページ目の資料、都市再生整備計画事業の活用状況という、これは国交省の資料でありますが、累計予算額のところも、平成二十二年度から、百二十九億円というところだけあって、そこから先は金額がないんですね。出ていないんです。

 要は、今御答弁のとおり、社会資本整備総合交付金、全部一緒くたの交付金に束ねられたので、その中の内訳であるまちづくり系の事業にどう使われたかはわからない、こういうお答えでございました。そういうことですね。

 それは、予算計上としては、河川の事業もあるし、道路の事業もあるでしょうから、社会資本整備総合交付金として計上されるので、まちづくりとして内訳がどうなっているか、どう使われるかわからぬ。というのは、予算上はわかります、でも、どう使われたかについては、私は、当然フォローしてしかるべきだと思うんです。

 何となれば、今回、改正法案を提出しているわけです。これは、あくまで経済産業省の所管する法律ではあるものの、しかし、内閣官房が総理大臣認定の計画をこれまでやってきて、経済産業大臣の認定ではなくて政府全体で取り組むという平成十八年の改正は、政府全体で取り組む、したがって総理の認定である、したがって内閣官房に事務局を置くと。内閣一体で取り組むというこの事業が成果が余り出なかった、したがって今回改正するということなわけです。

 そうすると、まず、総括の中で、国交省として、予算が少なくとも幾ら使われてきたのかぐらいの基本的なところは当然把握してしかるべきではないかと思うのですが、なぜ把握をされなかったのか。自治体の事務が煩雑だというだけの理由で把握されなかったのか、もう一度、把握しなかった理由をお答えいただけますか。

田村政府参考人 お答えを申し上げます。

 いわゆる都市再生整備計画事業に対する交付金という形でお渡ししておりますのは、年度間の流用でありますとか事業間の流用というふうなものにつきまして、公共団体の自由裁量、裁量の度合いを高めるというふうなことで交付金化をしていったものでございます。もともと交付金で措置した趣旨はそういったことでございます。

 そのときに、やはり公共団体の事務負担ということも、もともと予算執行する段階での事務負担を考慮してこういった制度的なたてつけにしたんですけれども、御指摘のように、実際、ではどれだけの国費を投入して、どういった効果があったのかということにつきましては、きちんと把握していくということも大事なことでございますので、内閣官房が調査をされている数字等がございますので、そういったところと連携しながら把握をするということで、検討をしてまいりたいと思います。

近藤(洋)委員 政務官、せっかくお忙しいところ来ていただいているので、言っている趣旨はおわかりいただけると思うんですね。国交省、御答弁のように、重要な役割を担っているんです。

 私は、この交付金制度は、私の地元でも随分お世話になっていますし、まちづくり交付金もそうだし、社会資本整備総合交付金もそれぞれ活用して、さまざまなものをつくらせていただいております。それはそれで地域の自主性を重視してという趣旨はわかります。ですから、何でもかんでもひもつき補助金でということではない交付金の制度の趣旨はわかる。しかし、使った後のフォローですね、フォローをきちんとする。そうでないと、一体この事業がどういう効果があったのかということがなければ、新しい政策はできないと私は思うんですね。

 重要な役割を国交省が担うというのであれば、それはもちろん経済産業省も同じなんですけれども、経産省の予算も、どういう使われ方をして、どういう役に立ったのか、その効果はどうだったかというのは当然ですが、残念ながら、予算規模でいうと、国交省の方が圧倒的に多いはずなんです。ですから、そこは、経産省においても、予算の執行、そして効果はきっちりフォローしてもらいたいと思います。

 国交省が法案提出に当たってどれだけ使われたかという内数も把握していないというのは、正直言ってちょっと驚きの事実でありますし、これはきちんと、検討ではなくて把握するということを政治家の意思として表明していただきたい、こう思うんですが、政務官、いかがでしょうか。

坂井大臣政務官 委員御指摘の内容につきましては、大変ごもっともと私も感じるところがございます。

 しかし、ある意味、これは今の交付金の制度そのものの根底にもかかわるところでございまして、自治体の裁量をある程度自由にというところがありますと、当然、使った後どうしたんだということを徹底的に調べたり、また御報告をさせたりということがその自由度を阻害するのではないかという意見も出かねない、このようにも思っております。

 これは私個人の意見でございますが、重要だと思いますので、各所とも連携をしたり、また制度そのものの制度設計なども考えながら、委員御指摘いただいた、把握をせよということでございますが、それに対して真摯に対応していきたいと思っております。

近藤(洋)委員 政務官、もうおわかりいただけると思うんですけれども、使った後、何に使ったかということを調べるだけですから、決して自治体の自由度を縛るものではありません。ここは御理解いただけると思うんです。むしろ、それを把握することで、よりよい事業をつくる。これはやはり調査なくして政策なしでありますから、国交省のよい政策をつくるためのプラスになる、そして自治体にとってより使い勝手のいい事業をつくるプラスにもなる、そして各省連携の議論の土台にもなるということですから、ぜひお願いしたい、こう思うわけであります。

 続いて、中心市街地活性化支援策ハンドブックという冊子を見ても、支援メニューは大変あるわけですけれども、各省にまたがるものがそのまま紹介されたりしているわけであります。

 政府において、地域活性化統合本部が関係閣僚会合をこのほどつくられたという話を伺っております。資料の五ページ目、関係閣僚会合をつくり、連絡調整会議をつくり、政策対応チームをつくっているという全体のスキーム図であります。

 関係閣僚会合は、官房長官が議長役で、副議長は地域活性化担当の新藤大臣、そして茂木経産大臣も当然枢要メンバーであり、内閣官房、総務省、文科省、厚労省、農水省、経産省、国交省、環境省といった各省の大臣の会合がスタートして、二回開かれた、こういうことであります。

 この会合は、別に中心市街地活性化だけではなく、もっと幅広い意味での地域の活性化を議論する、こういうふうに伺ってはおりますけれども、この中で、モデルとなる地方公共団体をつくるということが示されております。

 次のページをごらんいただければと思います。六ページ目でありますが、地域活性化モデルケースを募集する、こういうことのようであります。「テーマ一 超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成」「テーマ二 地域産業の成長・雇用の維持創出」こういうことでありますが、こう見ると、今回やる中活法の改正の議論とこの地域活性化モデルケースがどう関連していくのかなと。ちょっとよく整理が私の頭の中でできていないものですから、このモデルケースというのは一体どういうものであって、いつまでに何カ所ぐらい選定をして、どういう意義づけなのか。これは、統合事務局、簡潔にお答えいただけますか。

富屋政府参考人 先ほど御指摘のございました地域活性化の推進に関する関係閣僚会合でございます。これは二回開いておりまして、三月二十五日に二回目を開催しております。

 その際に、今御指摘のございましたモデルケースの募集要領について、一応これは決定したという形になっておりまして、二つのテーマ、「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成」と「地域産業の成長・雇用の維持創出」について、さらに幾つかの型に分けてモデルケースを募集して、現在公募を行っている最中でございます。この作業につきましては、四月二十一日に公募を締め切りまして、五月中に、有識者で構成されますワーキングチームの評価を踏まえて、選定をしたいと考えております。

 御質問の選定数でありますが、これは、応募数ですとかその応募内容等にもよりますので、現段階で幾つというふうにはまだ決めておりません。

 いずれにいたしましても、これは、ある程度の数を選びましたら、関係府省のさまざまな関係する施策等によって最大限の支援を行いながら、さらには民間とか大学等の協力も得ながら、先進的なプロジェクトとして、成功事例として、いろいろ努力をした結果を見える化していくというような作業をしていこうと考えております。

 また、これらモデルケースを通じまして、さまざま、国と選ばれた自治体とがやりとりをしながら浮かび上がってまいりました課題を解決するために、一つは税ですとか財政上あるいは金融上の支援等について、必要なものが出てくれば、二十七年度以降の予算とか税制改正の中で努力して実現をしていくとか、さらには、浮かび上がった課題の中で制度を変更するような必要性があれば法律改正も含めて制度改正を検討するといったような考え方についても、閣僚会合の中で一応合意をされているということでございまして、方向感としてはそんなところでございます。

近藤(洋)委員 茂木大臣、ぜひここは大臣にお答えをいただきたいんですけれども、このモデルケースの話も、悪いとは思いません。チームをつくって、各省ばらばらの施策を中央官庁が支援しましょう、統合事務局が窓口でやりましょう、これは別に、やるなとは言いませんし、やったらいいと思います。

 ただ、私はあえて、大臣も、五万部も売れた本を書かれたぐらいの、地方の不満、都市の不安ですか、大変見識のある方なので、ぜひお答えいただければと思うんですけれども、私は、この地域活性化統合事務局というのは、何となく、受け付け官庁に終わっちゃっているような気がしてならないんです。

 結局、地域活性化統合事務局というのは、例えば、中活法に基づく受け付けをする、特区法で受け付けをします、それぞれの法に基づいた受け付けだけをする役所になっちゃっている。

 本当の役割というのは、大臣、中央省庁再編においてなくなった役所があります。それは何か。国土庁でありました、国土庁。この国土庁という役所は、かつて、大臣がおっしゃったように、まさに全国総合開発計画、全総をつくってきた。下河辺さんという立派な方がいらっしゃって、田中角栄総理のもと、全国総合開発計画を累次にわたりつくり、そして全国の国土計画、地域計画をつくってきた、まさに経済企画庁と並ぶプランニングの官庁ですね。これが省庁再編の中で実は国交省の中の一部局になってしまった。

 その結果、かつて国土庁は、それこそ農水省や経産省や、さまざまな官庁の一つ高みに立って、上に立って国土のプランニングをしていたのにもかかわらず、残念ながら今や国交省の中の一部局になってしまったがゆえに、国土全体というか、地域づくり、まちづくり全体のプランをする官庁が今霞が関になくなっちゃったんです。

 人口減少社会の中でどうプランをするかという政策を、農水省と建設省の争い、その中に、経済産業省、厚労省、そして総務省、さまざまなものを取りまとめてやる機能が本当は必要であって、それは実は、今の統合事務局がやっているような、モデルケースをまた募集して何かやりましょう、また特区もやりましょうというような受け付け官庁ではない、私はこう思うんです。

 大臣、いかがでしょうか。そういう機能を統合事務局に持たせるべきだと思いますし、そうでないと、なかなかこの中心市街地活性化も、本当の意味での解決にならない。もうちょっと骨太な政策をつくらせなきゃいけないんじゃないか、こう思うんですが、重要閣僚の一員としていかがお考えか、お答えいただけますでしょうか。

茂木国務大臣 まず、私の本の名前でありますけれども、「都会の不満 地方の不安」という本でありまして、国会図書館にもありますので。

 その上で、御指摘のように、国土庁は一定の役割というのを果たしてきたと思っております。全総、新全総、三全総、四全総と、非常に注目された全国の総合開発計画をつくってきて、最終的には五次までいって、それが現在の国土形成計画というのにつながっている。最初のキーワードは、均衡ある国土の発展ということで、全国レベルでどう地方を立て直していくか、こういう観点から書かれた。

 実は、経済産業省も、一九八三年にテクノポリス構想、こういうのを打ち出しまして、なかなか最初は何のことかよくわからなくて、最初の問い合わせは、うちの県の警察は一番情報化が進んでいるから、テクノポリスの第一号はうちにしてくれ。ポリスを、都市と警察と間違って問い合わせがあるぐらいな状態であったんです。

 いずれにしても、そういった全国レベルで工業の再配置を行ったり、新しい国土形成をする、こういう時代から、なかなかそれがさまざまな要因によって難しいという中で、地方の自主性を大切にするという方向に変わってきまして、そんな意味で、国土庁という、ある程度全ての調整権限まで持った省庁から、今のような内閣官房の地域活性化統合事務局という形になっているんだと思います。

 モデルケースをつくっていくということ自体が、もう全国レベルで大転換をするというよりも、いいものをつくって、それを全国でまた参考にしていただきながら、さまざまな成功事例が生まれてくればいいという考えでありまして、省庁の機能としてどうすべきか、これは今後の検討課題である、こんなふうに考えております。

 恐らく今、こういった地域活性化のモデル事業をつくっていく。同時に、産業競争力、こういう観点から、地域ブロックごとに地方の産業競争力協議会、こういったものも開催いたしまして、地域の経済力とか競争力をどう高めていくか、こういう視点からの検討も行っていく。同時に、そういった地域の顔であります中心市街地をどう再生していくか、幾つかの側面からアプローチをしないと、一つのアプローチだけではなかなか解が見つからない難しい現状に直面をしている、このような認識を持っております。

近藤(洋)委員 難しい一局面に、まさに大臣おっしゃるように直面しているからこそ、私は、総合調整機能のような機能が内閣にやはり必要なんじゃないかということ、これは引き続き内閣委員会でやらせてもらいたい、こう思います。

 あえて言えば、列島改造論の中核を担ったのは、大臣が御答弁いただいたように、まさに経済産業省、当時の通産官僚たちだったということでありますから、やはり経産省は、そういう意味も含めて大きな役割があるんじゃないか、こういうことを申し上げたいと思います。

 続いて、税の話をお伺いしたいと思います。

 資料の八ページ目でありますが、私、正直申し上げて、今回の中活法の中身は、裾野を広げる意味のあることだ、こう思いますし、それぞれの支援措置も必要な措置があるんだろう、こういう認識に立ちますが、ただ、どうもパンチに欠ける。そのパンチに欠ける最大の理由は税制だと思うんです。

 この税のところで、四十八条。これまで地方税の、活性化促進の減税、免税措置というのは私は重要だと考えるわけでありますけれども、地方税の不均一課税に伴う措置の項目が削除されちゃっているんですね。削るとなっているんです。大事なところ、税制の措置のところが、なぜかどんと削られている。これは一体どういうことか。なぜか。この理由をまず簡潔にお答えいただきたいと思います。

寺澤政府参考人 お答えします。

 御指摘のありました、現行の不均一課税というのは、まず対象事業が、例えば商業施設はだめだ、あるいは商業基盤施設であっても対価を取ったらだめだということで、民間投資を軸とした中心市街地活性化においては使いにくい仕組みになっています。

 また、財政力指数の縛りもあって、一定の財政力がある市町村は支援対象外ということで、現在百十九の市町村が認定を受けているんですけれども、このうち四十七市はこれを使えないということで、対象事業も市町村も非常に狭くなっている。

 結果として、平成十八年の中活法改正以降、実績は二件にとどまっています。さらに、二十四年度以降、このための予算措置は講じられていない、こういう状況にございます。

 こうした実情を踏まえまして、支援措置のめり張りをつけるという観点から、今回の法改正に際し、この措置を廃止するということとさせていただきたいと考えているところでございます。

近藤(洋)委員 でこぼこをつけるということですけれども、これはへこみしかないわけでございまして、やはりプラスの部分もなきゃいかぬ、こういうことだろうと思うんです。

 今回の法改正の趣旨には、民間の投資を促進するということも書いてあるわけです。民の投資を促進するためにやはり大事なのは、先日も、私も地元の米沢の商工会議所とか長井の商工会議所からいろいろ聞くと、やはり固定資産税の話が出てくるんです。中心市街地活性化のためには固定資産税をある程度減免してもらわないと、商店街の活性化、新規投資というのはなかなか進まないという声は切実な声として出ているわけであります。

 これは順番をどちらにしようかと思っているんですが、まず先に総務省にお伺いしようと思います、審議官に来ていただいておりますけれども。地域活性化の観点から、固定資産税というふうにどんと言うと地方税収となるのは百も承知でお伺いします。しかし、地域活性化全体を考えると総務省にとっても重要なことだろうと考えるわけでありまして、こういった固定資産税の減免が一番効果が高いのではないか、私はこう考えるわけでありますが、総務省、いかがお考えでしょうか。

平嶋政府参考人 お答えを申し上げます。

 今の固定資産税の件でございますけれども、固定資産税の減免ということを国の制度でやるか、それとも地方公共団体が自主的にやるかというところをやはり区別して考えなければいけないのかなと思っております。

 国の方で何らか固定資産税について制度的な特例措置を設けるということにつきましては、今先生からお話がございましたように、地方財政は大体十一兆円の赤字を抱え、財源不足を抱えて、地方消費税の増税もお願いしているという状況でございます。

 さらに、地方六団体からは、地方税の税負担軽減措置については整理合理化を図ってくれ、特に、固定資産税の非課税、課税標準の特例は抜本的に是正を図ってくれ、こういうような御要望がございます。

 そういうことでございますので、固定資産税の特例措置を国の段階でやるということについては、これをやりますと、利益のある企業の場合、固定資産税を下げた分の中から法人税の納付額がふえるという問題もございます。資産の用途や主体に相当の公益性がある場合ということに限って講じるというのが大体原則となってきておりまして、法人税のように経済効果の面からの特例措置というのは、国の段階では余りやっていないということでございます。

 そういうことでございますが、では、地域の活性化のために地方公共団体が固定資産税の特例措置を使うのはいけないのかということに関しましては、それは、地方公共団体において、地域の経済の活性化のために必要であれば、特例措置について、まず自主的な判断のもとで自主的な減免を御検討いただくのが筋ではないかというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

近藤(洋)委員 なかなか自主的な判断でいかないから今に至っているわけでございまして、審議官の御答弁はよく私は理解をします。理解はしますが、しかし納得はできない、こういうことは申し上げなきゃいかぬと思うんです。やはり、ここは議論しなきゃいけない。

 本当の意味で地域に民間の投資を促す、特に、地方の都市の固定資産税、中心市街地の固定資産税の問題、ここに何らかの手をつけないと、なかなか民の投資といっても進まないのではないか、こう思うんです。これは本法案の次の世界ですけれども、ここは、使われていないからこの文章を削ったということですけれども、ではこれからどうする、こういうことだと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

茂木国務大臣 地方の中心市街地に民間の有望な投資を呼び込む、こういう観点から考えますと、やはり、出店のコストというのを下げていかなくてはいけないと思っています。

 大きく二つの側面があると思うんですけれども、一つは、やはりテナント料です。例えば、東京のテナント料と地方都市のテナント料を比べて、若干は地方都市の方が安いですけれども、やはり経済効率とかを考えたときに、まだ私は高過ぎると思っています。比較的うまくいっている商店街、こういったところは、かなり思い切った、地権者によりますテナント料の引き下げ等々を行っているところもありまして、こういったことは地方にも考えてほしい。

 もう一つは、税負担の問題なんです。やはり、税負担が大きいということも出店コスト上は大きな課題であるということでありまして、固定資産税の軽減、こういったことを求める商店街また関係の皆さんの声も大きいということで、経済産業省としては、平成二十六年度の税制改正要望におきまして、登録免許税と固定資産税の軽減措置を要望したところであります。登録免許税につきましては軽減措置が実現をしたわけでありますが、固定資産税につきましては、市町村の基盤財源であることなどの理由から、要望が残念ながら認められなかった、率直にそれが事実であります。

 ただ、この取り扱いについては、引き続き大きな関心を経済産業省として持っていきたいな、今後、この改正法案の施行状況であったりとか、さらに中心市街地の関係者の皆さんの御意見をいただきながら、中心市街地の活性化の主要な施策の一つではないか、こういう観点から、課題として検討を進めていきたいと思っております。

近藤(洋)委員 ぜひ主要な政策課題の一つとして取り組んでいただきたい、こう思うわけであります。

 もう一点、最後にお伺いしたいんですが、この法案には、中小企業基盤機構の無利子融資の拡大、こういうことが盛り込まれています。これは新規の融資という話なんですが、現実問題、地方都市、地方の市町村に参りますと、これまで、例えば第三セクターやまちづくり会社なり、さまざまなところに基盤機構が融資をして、ショッピングセンターをつくっているケースというのはもう既に幾つもあるわけであります。私の地元にも幾つかあります。

 ただ、問題は、残念ながら、こういう状況の中で、まちづくり会社なりまちづくり公社が、機構から十億なり二十億なり融資を受けて、そしてテナントを貸しているんだけれども、まさに大臣がおっしゃったように、このテナント料が高くて、もう採算が合わない。残念ながら、そのお店がどんどん撤退しているというのが現実であります。

 先日も、大変残念なことですけれども、私の地元で、まちづくり公社が運営しているところの大きなテナントが、地元のいい会社、スーパーでありましたけれども、民事再生法申請、こういうことになりました。テナント料がやはり高かったということも大きな要因でございました。

 このテナント料をどうするかというのはやはりあるわけで、この既存の融資、無利子で二十年、長期の融資でありますけれども、しかし、何ともならないという状況であります。

 債務を棒引きせよとは言いません。これはなかなか難しいと思います。しかしながら、新規融資という前に、今ある既存の商店街、今ある地方の中小都市の現実は、今の融資をどう対応していくかということも現実としてあるわけでありまして、これに対して、例えば債務の繰り延べ等々何らかの措置を講ずるということもやはり必要ではないかと思いますが、時間ですので、この支援措置の拡充について事務方にお伺いをして、私の質問を終えたいと思います。

北川政府参考人 お答え申し上げます。

 中小基盤機構が行っている高度化融資でございます。これにつきましては大変厳しい事例があると私ども承知してございまして、高度化融資は県を通じて行っておるわけでございますけれども、県が事業者に対しまして、元本部分の償還猶予あるいは償還期限の延長、こういった条件変更を行うことを判断する場合には、私どもといたしましても柔軟に認めてきているということでございます。

 あわせて、償還能力の向上を図ることは必要でございますので、中小機構から事業者に対してアドバイザーを無料で派遣しまして、事業の改善ということも行っております。

 さらに、二十六年度予算におきましては、地域商業自立促進事業といたしまして三十九億円を計上いたしまして、共同店舗を含む、先ほどお話がありましたキーテナント、こういったものも対象にしながら、空き店舗への新たな店舗の誘致、こういうことを支援していきたいと考えております。

 このようなことをもちまして、まちづくり会社あるいは第三セクターが事業の改善、発展を行いまして地域住民の需要に応えられるよう、引き続き支援してまいりたいと考えております。

近藤(洋)委員 時間ですので、終わります。

富田委員長 次に、三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月大造です。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、一昨日は、我が滋賀県長浜市に御視察をいただきまして、ありがとうございました。

 吉井コーディネーターのすばらしい御案内のもと、平成二十一年から中活の基本計画に取り組まれているということなんですけれども、実はその前の、先ほど委員長から御報告がございましたが、昭和五十四年の郊外への出店を機に危機感を持たれて、市、そして商工会議所、さらには商店街の皆様方が中心になられて、青年会議所OBの方々が長浜21市民会議を立ち上げられて、昭和六十二年からの黒壁の事業も八人で創設され、出資され、スタートされた、こういうことを伺ってまいりました。まさに町衆の心意気を感じてきた次第です。

 また、その後、実は私の滋賀県内には長浜以外に三つ、中活に取り組んでいる自治体がございますが、この三つの自治体を回りまして、都市再生課、都市計画部等々の方々と意見交換をして、きょうのこの質問に臨ませていただいております。現場からの問い合わせや提案等々も建設的に行ってまいりたいと思いますので、どうか御答弁をよろしくお願いいたします。

 なお、視察に来ていただいてあれなんですけれども、一点、皆さんが残念だなとおっしゃっていたことは、時間がなくて、もうちょっとお土産を買っていっていただきたかったとおっしゃっていましたので、ぜひ再度御来訪いただき、たくさん買っていただいたり、また、その他にもいいところがたくさんありますので、ごらんいただければと思います。

 まず一点、総括的な観点で大臣に質問したいと思います。

 先ほど近藤委員から、これまでの目標達成状況について、芳しくなかった点についての見解をただされておりましたけれども、私からは、少し私なりの考えを述べて、大臣の見解を伺いたいと思うんです。

 中活に取り組む自治体は百十九市、百二十二の区域で今行われているということなんですけれども、悩みが三つに収れんされるんじゃないかと思います。

 一つ目は、人材、後継者。これは長浜でもおっしゃっていました。二つ目は、空き地、空き家、空き店舗対策。三つ目は、やはり民間事業者との協力ですね。利益を求める民間事業者との連携に多くの悩みを抱えていらっしゃるという実態がございます。悩みについては、人材、空き地、空き家、民間事業者との協力。

 ポイントも三つあると思っていまして、一つ目は、若者、女性、外国人の方々にいかに来訪していただくのかということ。そして、単なる来訪、一時集客だけではない、観光、イベントだけではなく、いかに居住していただくのかということ。居住ですね。三つ目は交通。とりわけ、歩いてめぐれる環境づくり。実は、長浜に伺ったときも、いい町を我々はゆっくり散策していたんですが、途中で車が入ってきてよけたり、危ない危ないという声が出たりということがございました。

 若者、女性、外国人。観光、イベントだけではなくて居住。さらには、歩いてめぐれる交通。この三つのことがポイントではないかと考えるんですけれども、これまでの中活施策の総括、評価について、このポイントも含めて、大臣からまず御答弁をいただきたいと思います。

茂木国務大臣 三日月委員がおっしゃった今の問題点であったりとかポイント、全く私も同じ考えを持っております。

 長浜は何度も私も訪問させていただいておりまして、本当に、全国的にもモデルになるような、どちらかといいますと、中心市街地の視察のために行く人の方が多いんじゃないかと思うぐらいすぐれた町だ、こんなふうに考えております。

 中心市街地の活性化は、一九九八年の市街地整備と商業活性化、つまり、今まではばらばらだった経済産業省と国土交通省の事業を一緒に進めようということから中心市街地活性化法を制定いたしまして、二〇〇六年には町中居住や都市機能も含めた総合的な対策を講じるために同法の見直しを行ってきたところでありますけれども、一定の効果は出ている、例えば歩行者の通行量であったりとか居住人口において、地域に差はありますけれども一定の改善は見られるものの、では小売の販売額はどうなっているか、こういった指標を見たときには達成率が低いというのが現状である、こんなふうに考えておりまして、さまざまな原因が指摘されております。

 経済全体が、日本はこの二十年間、バブルが崩壊して以降、デフレで非常に厳しかった。それから、人口全体が、特に地方においては少子高齢化が進むという問題もある。そして、やはり人の流れというのが、例えば病院とかの公共施設が郊外に出ていくことによって変わる等々の問題がある。こういう課題があるんだと思っています。そこの中で私も、例えば、青年会議所の方々とも当時一緒にやっていましたから、若者、女性、そして外国の人を、よそ者も含めてどう呼び込むか、こういう議論を随分やらせてもらいました。

 そういった中で、民間投資を進めていかなければだめだ、ですから中心市街地におけます民間投資を進める。しかも、中心市街地を見ていても、広過ぎるところがあるんですね。これですと、なかなか十分な投資は二キロの商店街では無理だろう、もう少しやはりコンパクトシティー化していく必要がある、こういう視点もあると思っております。

 それから、人口。もともと中心街に住んでいたわけであります。ところが、例えば今の六十代以上の人でいいますと、当然、子供が三人、四人いる。そうすると、次男、三男は中心街の家にいられませんから、結婚すると郊外に当然出ていく。それも、その郊外に出ていった人がばらばらに住んでいますから、集客といった意味では、なかなかうまく塊みたいなものが捉えられない、こういう問題もあるわけであります。

 さらに申し上げると、中心街の中もそうですが、中心街と郊外の言ってみると顧客になるような人を結ぶ交通機関も、結局モータリゼーションは発達したんですけれども、一方で公共の交通機関の発達というのが極めておくれている。北欧などの、中心市街地が比較的うまく機能している町を見てみますと、かなり公共の交通機関もうまく使いながら中心街と郊外を有機的に結びつける、こういったこともやっているわけであります。

 今回の法改正におきましては、民間投資の喚起を通じた中心市街地の活性化を図るために中心市街地活性化法を改正して、効果が高い民間プロジェクトに相当絞り込んだ上で、その絞り込んだプロジェクト、いいプロジェクトについては今まで以上に手厚い支援策をとっていきたいと考えております。

 同時に、国土交通省の方で提出されております都市再生、居住及び地域交通ネットワーク整備に関する改正法案と一体になりまして、今委員からも御指摘いただきました課題にしっかり応えられるような政策体系をつくってまいりたいと考えております。

三日月委員 ありがとうございました。私がこれから聞きたいことを全部答えていただきましたので。

 ポイントは、やはりコンパクト化とネットワーク化じゃないかと思っています。

 一点紹介すると、例えば長浜市も、市長もおっしゃっていましたけれども、一市八町で合併されたんです。六百平方キロメートル以上あるんです。琵琶湖の大きさとほぼ同じ。そうすると、それだけの広大な合併した市が中心市街地に投資していくことの合意形成の難しさ、これは長浜市以外にもたくさんあると思います。そういったところに、例えば、先ほど大臣から御答弁いただきましたけれども、より重点的な、そういう広大な市において、市の活性化につながる計画をつくり実施する自治体については、より重点的かつ効果的な支援を行っていくという方策も必要だというふうに私は思います。

 きょうは、総務省、警察庁、厚労省、文化庁に来ていただいております。

 今、大臣の御答弁の中にもありましたが、中心にあってほしいものが郊外に移転すると、その結果、中心が廃れてしまうということがあり、この点、今回、経済産業省と国土交通省でいろいろな法改正による中心市街地活性化のメニューが示されておりますが、他の省庁がいかにこの中心市街地活性化のために御努力いただいているのか。何をやり、何ができたのか、そして今後の課題をどのように考えていらっしゃるのかということについて、総務省は先ほどつるし上げを受けていただきましたので、せっかくの機会ですので、まず厚労省、続いて警察庁、そして文化庁、この順番でお伺いしたいと思います。

新原政府参考人 お答えをいたします。

 私ども厚生労働行政の分野でも、社会保障制度改革国民会議の報告書の中で、医療、介護、生活支援サービスを地域で提供するためにコンパクトシティー化を図ることについて提言されております。医療機関が郊外に集中して、仮に中心市街地の医療が確保されないというような事態が生じることがあれば、これは医療の提供体制上も非常に問題だと私どもも思っております。

 私どもが持っております医療法という法律がございます。この中では、都道府県が医療機関を誘導する制度として、中心市街地も含めてですけれども、都道府県が医療計画というのを策定することになっておりまして、そういう中で、地域の実情に応じて医療を確保できるようにということが定められるようになっております。

 こういうところも含めて、あるいは委員御指摘の都市再生特別措置法、今国会に提出しているものでございますが、これは国交省と経産省でやっているというふうに言われましたが、私どももこれはかなり、医療の関係で、策定段階で御協力させていただいております。この中では、都市部に誘導するために、医療機関について容積率の緩和などをやっております。病院を建てかえるときはどうしても、中心市街地ですと手狭になるという議論がございます。容積率の緩和などは非常にきくのではないかと思っています。

 いずれにしましても、国交省と連携を強化し、あるいは経産省と協力しながら、引き続き努力をさせていただきたいと思っております。

濱政府参考人 お答え申し上げます。

 中心市街地の活性化に向けまして、警察としても、道路の危険の防止、交通の安全と円滑を図る観点から、例えば、公共交通の優先型の信号機の設置、あるいはバスレーンの整備、イベントの際の交通規制の実施といったことで協力をさせていただいております。

 また、今後の話でございますけれども、今回の改正法におきまして道路占用許可の特例措置が盛り込まれておりますけれども、市町村が作成する基本計画に同特例措置を記載する場合でございますが、都道府県公安委員会に対して事前に協議がなされる、こういうことになってございます。

 したがいまして、このプロセスを通じまして、今後、道路使用許可、これは私どもの行う道路使用許可でございますけれども、その手続につきましてもより円滑に進められるというふうに期待しているところでございます。

 いずれにいたしましても、今後とも、関係機関と密接に連携しながら、中心市街地の活性化に向けて必要な協力をしてまいりたいというふうに思っております。

川端政府参考人 お答え申し上げます。

 文化施設というのは、人々が集い、ともに生きるきずなを形成するという文化拠点として、地域の活性化に重要な役割があるということは、当然そういう認識でおります。

 特に、劇場、音楽堂等につきましては、委員にも御尽力いただいた記憶がございますけれども、二十四年度に劇場、音楽堂等の活性化に関する法律というのをつくっていただきまして、翌年度からは、文化施設が行う公演、人材育成、普及事業など、さまざまな活動を支援するための補助制度を拡充するという取り組みをしてまいりました。

 また、平成二十五年度には愛知県豊橋市の中心市街地活性化エリアに穂の国とよはし芸術劇場ができましたけれども、そういった、この法律のスキームを活用して整備された文化施設も幾つかございます。

 文科省としましては、今後、このような施設整備に関する支援制度、活用事例につきまして自治体に情報提供するとともに、そもそも文化施設は今までも中心市街地にある場合が多いわけでございますけれども、引き続き、そういった文化施設に対する活動の助成を強化してまいりたいというふうに考えてございます。

三日月委員 ありがとうございました。元気よくいきましょう。

 今いろいろとそれぞれの省庁から御報告いただきましたが、中心市街地活性化のためには、道路交通、そして医療福祉機関の町中立地、さらには文化施設の中心での立地というのがやはり大事だと思うんですけれども、いろいろと御努力いただいていることは承知しておりますが、例えば長浜市、先般視察に行ったところでは、病院が平成八年に郊外移転をされてしまっているということもあります。

 したがって、もう遅きに失しているところもあるのかもしれませんけれども、各省庁におかれては、何ができるか前向きに検討する。要望があったから、それができるかできないかを判断するのではなくて、何ができるか前向きに検討するという視点で、例えば中活のために、地域活性化のために何かできることはありませんかということで前のめりに御検討いただき、かつ、内閣官房におかれては、ワンストップで自治体からの相談を受けられる体制づくりをぜひやっていただきたいということを申し上げたいと思います。

 先ほど大臣の御答弁に民間という言葉がありましたし、近藤委員の質問にも、民間の活力、活性化というキーワードがたくさん出てきたと思います。

 松島副大臣に伺います。

 民間が事業主体になる開発が中活のためには大事だと思うんですけれども、今回、より重点的かつ効果的な施策を用意しました。この法律にのっとって、これから準備組合を立ち上げ、協議会を立ち上げて、いろいろと協議して合意形成がされます。そうすると、計画ができるのが、実施に入っていくのが来年度、再来年度。平成二十七年度、二十八年度からようやくこの法律に基づく計画がスタートするということも想定されております。

 その段階で、さあ事業がなくなりました、予算が減らされましたということになっては、民間を巻き込んだ事業を動かしていくことに支障が出かねないという懸念があるんですが、一定、中期的な時間がかかるということについての、中活支援制度の安定もしくは拡充といったことに対する御見解、また御決意を伺います。

松島副大臣 お答えいたします。

 先ほど三日月委員がおっしゃいました長浜の例で、八人の町衆の心意気が、これを長年かけて、こうやってつくってきたというお話がありました。地域の方々の同意を得て、特に商店の方というのは一国一城のあるじですから、その方たちの意見をまとめてどうしていくか。本当に、計画を立てるのにかなり時間がかかると思います。

 でも、この法律の趣旨というのは、民間事業者が市区町村や地元関係者と何度も協議を重ねて事業計画をつくっていく、そしてその事業計画を市区町村の中心市街地活性化基本計画に盛り込む、これがポイントでありますし、そうしたことによってさらに内閣総理大臣の認定を受ける、内閣総理大臣の認定を受けた場合に政府として重点的な支援をしていくことになっております。それは、かなり、おっしゃるとおりの年月がかかると思います。

 現在の中心市街地活性化法の中におきましても、第六十七条でこのような条文があります。国及び地方公共団体は、財政収支の状況を踏まえつつ、認定基本計画の達成に資する事業に必要な資金の確保に努めなければならないというふうに規定されております。

 ですから、私ども経済産業省は、これまでも毎年度予算要求を行い、必要な資金の確保に努めてまいりました。それは今後とも同じ考えで、基本計画にせっかく盛り込まれた事業が着実に実施されるように、平成二十七年度以降もしっかりと、予算の確保というか、拡大に努めてまいりたいと考えております。

 先ほど、御地元で長浜以外にも挑戦しようというところがあると伺いました。ぜひ励ましていただきたいというか、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。

 なお、私は去年の夏、比叡山とか三井寺とか、松尾芭蕉が眠る義仲寺、西の方は大分行きましたが、長浜市は残念ながらまだ行ったことがございませんので、滋賀県の湖の東の方にまで足を延ばしてみたいと思っております。

三日月委員 お待ちしております。東の方、北の方だけではなくて、南の方にも草津、守山、栗東、野洲とすばらしいところがありますので、ぜひお足を運んでいただければと思います。

 せっかくの機会ですので、ちょっと一点、実務的なことをお伺いするんですが、中心市街地活性化の中心をどうするかということ。

 例えば、百貨店、デパート、駅のように民間が持っている、民間が事業をするところが中心になっていることが多いんですけれども、今回の法改正で、より重点支援の制度を設けることとされているんです。この中心市街地の中心をさらに元気にしていくためには、民間所有の施設であっても、やはり踏み込んだ支援措置、例えば、老朽化している施設を建てかえる、もしくは駅のリニューアルをする、民間事業者が持っているところにより踏み込んだ支援措置を設ける必要があるのではないかと考えますが、お願いします。

寺澤政府参考人 委員御指摘のとおり、民間投資が鍵でございます。そのために、今回の法律改正とあわせまして、民間事業に対しても直接補助ができる、そうした補助金を創設させていただくということにしています。また、投資促進税制であるとか、あるいは登録免許税の引き下げとか、税制面でも民間投資を応援したいというふうに考えております。

三日月委員 せっかく今前向きな御答弁をいただいたので突っ込んでお伺いしますけれども、では、今つくられた補助金は駅をリニューアルするために使えますか。そして、今お答えいただいた補助金は、百貨店、滋賀県でいえば平和堂というスーパー、デパートがあるんですけれども、この建てかえのために使えますか。

寺澤政府参考人 個別案件についてはなかなか即答するのは難しいのでございますけれども、例えば、地元の百貨店の建てかえというのが当該中心市街地の活性化のためにどうしても必要だ、しかも波及効果が大きい事業であれば、先ほど申し上げた補助金の対象になります。

 駅について、私もちょっと実例はよくわからないんですが、駅舎自身というのはちょっと違うかなと思うんですけれども、駅ビルとかが当該中心市街地の本当のコアにあって、活性化のために必要だ、波及効果も大きいというものであれば、概念的には対象になり得る。

 いずれにしても、個別具体的な事案に即して判断させていただくということになると思います。

三日月委員 民間所有のものの例えば設備更新に、公のお金をのべつまくなしにまけばいいということではないんです。今審議官からお答えいただいたように、中心市街地活性化のために波及効果も大きい、絶対必要だといったところに絞って、より効果的な事業には民間所有、民間投資であったとしても公的支援を出していける、そういう枠組みをつくっていくことがこの中活のさらなる効果促進につながっていくと思うんです。

 これまでは、民間なのでできませんという線引きがあって、概念的にはできるんだが、実質的になかなかそういったところに回っていかないということがございました。ここも、より踏み込んだ対策、例えば中活の中で特A、A、B、Cとランクづけをして、この中活の計画に、より効果的な事業についてはそういった支援ができるというようなこともぜひ御検討いただきたいと思います。

 そしてもう一つ、先ほど、やはり交通が大事だというお話がありましたが、交通というのも民間事業者が相並び事業を営まれております。そうすると、例えば、今度、地域公共交通活性化、再生のための法律も国土交通委員会で審議が予定されておりますけれども、競合する事業者間の利害調整というのがかなり難しくなってきます。

 同じタクシー会社、同じバス会社でドル箱路線を持っていて、それを住民の方々のために再編しようとしても、それぞれが譲らない、引かないということがあると思うんですけれども、中活のために、例えば地域公共交通活性化のために民間事業者の利害調整ができた場合、協力していただいた場合には、優先的に、重点的に、バス車両購入補助を出すだとか、路線補助を充てるだとか、より拡充するといったような補助の仕組みというものを検討してはどうかと思うんです。

 現状はどうなっているのか、認識はどうなのか、国土交通省に伺います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 先ほど委員御指摘のとおり、国土交通省におきましては、本通常国会に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部改正法案を提出しているところでございます。

 この法案は、地方公共団体が先頭に立って、民間の交通事業者その他関係者の合意のもとに地域公共交通のネットワークを再構築するという取り組みを、コンパクトシティー化、さらには中心市街地活性化、そういった地域戦略との連携、調和を図りつつ推進しようとするものでございます。

 これを進めるに当たっての一番コアになります制度というのが、今申し上げました再構築の計画策定でございます。これは自治体が中核となって策定いたしますけれども、関係する民間の交通事業者の方々の同意を前提に作成することになります。

 先ほど委員御指摘のとおり、複数の事業者の方々の利害の調整というのが当然必要になってまいります。私どもは、困難でありますけれども、こういう調整を進めるということをぜひ後押ししたいと思っておりまして、平成二十六年度の予算におきましては、地域公共交通の再編を実施するための計画の策定経費というものに対する補助制度を新たに創設しているところでございます。

 今後、この法律の推移を見きわめました上で、今委員御指摘のような、複数の事業者の調整のもとで再編を進めること自体を促す、こういったことについての支援のあり方についても検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。

三日月委員 ぜひ検討を深めて、そして早期に施策をつくり、実施してください。これは、この中活を含め、地域活性化、地域再生の肝になると私は思います。

 あと三点、ちょっと具体的なことをお伺いいたします。

 空き家、空き店舗対策、これは、長浜市に視察に行ったときも、随分御苦労もいただき、御努力されていることを伺いました。中活の区域内の遊休資産の有効活用というのが私は計画の成否を握っていると思うんですけれども、所有者の事情によってなかなか活用されない。これはなぜなのかというと、一旦貸してしまうと返してほしいときに返してもらえないといったことを不安に思われて、なかなか流動化が進んでいかないということなんです。これは時限でもいいので、一定年数を区切ってもいいので、区域内の、遊んでいる、休んだままの資産を、家を、土地を、店舗を使ってもらう、そういう制度を例えば税制優遇等々でより強力につくる必要があると私は思うんです。

 一部、政府の中で、ディスインセンティブ、要は、持ち続けていると高い税金を払わされるよ、そういう制度も検討されていると聞いていますが、これは事業を実施する市町村にとって極めてなかなか使いにくい、後でハレーションや対立のもとになってしまうのでなかなか難しいというお話もございました。ディスインセンティブではなくて、インセンティブでこの制度をつくっていく必要があると思うんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

寺澤政府参考人 委員御指摘のとおり、空き店舗問題というのは、非常に重要な問題で、かつ難しい問題でございます。全国の商店街における空き店舗の比率は、二〇〇六年度の九・〇%が二〇一二年度には一四・二%にふえた、こうした状況の中で、一つの問題は、貸すことに対する不安があるということだろうと思います。

 実は、空き店舗を仲介する役割としてまちづくり会社が機能を果たしているんですけれども、今回の法律改正においても、そうしたマッチング事業をちゃんと位置づけて、より安心して家を貸せる、あるいは店舗を貸せる、こういう仕組みを入れようと思っています。また、町全体、町ぐるみでの取り組みが非常に重要なことだろうと思っています。

 そういう意味では、今回も、重点的支援の対象となる事業については、地元が地権者も含めて積極的に協力するということを前提にして重点的支援をする、こういうことがきっかけとなって町ぐるみで共通認識が醸成されるということを期待したいと思います。

 インセンティブでございますが、私どもは、先ほども御説明したんですけれども、空き店舗に投資をしよう、新しく店をつくろう、そうした民間投資を促す観点から、今般、投資減税とか登録免許税の引き下げということで、空き店舗に投資をしよう、そうした動きを応援していきたいというふうに考えている次第でございます。

三日月委員 熱意はわかりますが、ちょっと施策としてまだ弱いなという印象が拭えません。

 先ほど、総務省といろいろと御協議いただいていることも伺いましたが、全ての地域の全ての空き店舗とは言いません、ただ、中活の中にある、そして事業に活用される土地や店舗について、貸します、直します、建てますといったところに、例えば先ほど出てきた固定資産税の減免措置であるとか、やはり、より踏み込んだ、より大きな支援措置が要ると私は思うんです。後ほどまた、関連してお伺いいたします。

 一点、評価指標についても伺います。

 これは、先ほど大臣からもお話がありましたように、歩行者だとか商業の売上高だとか、そういった指標で中活の目標を立てられ、またフォローアップされているということを承知しているんですけれども、こういう御提案があります。

 例えば、そういう指標もいいんだけれども、中活はやはり公的な支援なくしてあり得ないとするならば、この公的な支援の金額と、その結果、一定年数たった後に得られる税収とを比較検討して評価するという仕組みがあってもいいのではないか。すなわち、補助金を投資として、上がってきた税収を成果として評価する指標を導入してみてはどうかという御提案があるんですけれども、この点についての御見解をお伺いいたします。

富屋政府参考人 お答えを申し上げます。

 中心市街地活性化基本計画に基づきます市町村の取り組みを効率的また効果的に推進するためには、基本計画の目標について、地域住民も含めて関係者にわかりやすい指標を設定して、これを的確にフォローアップしていくということが重要でございます。

 現時点では、そういった目標として、居住人口、歩行者の通行量、小売販売額、空き店舗数といったようなものを設定している計画が多いわけでございますけれども、計画の進捗状況を客観的に評価できる指標として、地域の実情に応じて適切な指標が設定されていくということが重要だと認識しております。今御指摘の税収面での効果といったことも含めて、地域の実情に応じて適切な指標として設定されていきますように、私どもから市町村にもそういった考え方について周知をしてまいりたいと思います。

茂木国務大臣 私は非常にいい提案だと思いますね。経済がよくならなければ中心市街地がよくなったということになりませんから、やはり、税収、それは当然その時々の経済で動きますけれども、そういった指標を見ながら施策の効果をはかっていくということは極めて重要だと思います。

 中心市街地の問題点は幾つかあると思うんです。例えば温泉街と中心市街地が一緒のところでよくあることなんですけれども、真ん中に川が流れています。ホテルは全部リノベーションしているんですよ、表側は。ところが、川を背中にしているんですね。表玄関はきれいなんですよ。ところが、ホテルに入ったお客さん、宿泊客は川沿いに反対の旅館を見るんですよ。そうすると、裏側はリノベーションしていないから、とても汚い景観が映る。自分のホテルだけきれいにしても、表だけきれいにしても、温泉街全体としては全くきれいにならない。こういった、もう少し広い視野で物事を考えてもらう。

 それから、先ほど、中心街にあります商業施設に対する、さまざまな形での補助なりができないかと。私は、個々の施設になりますと法律の問題がいろいろありますけれども、事業全体で見ればやれることはたくさんある、こんなふうに思っております。

 ただ、その一方で、余り公的なものに対する依存症になられては困る。やはり、主役というのは町に住んでいる方々であり、先ほど町衆の話があったわけでありますけれども、地権者も含め、どこまでそういった人たちが頑張れるか、それをあくまで国としては全面的に応援していく。

 地方には、かつては旦那衆というのがいたんですね。この旦那衆というのは、もともと梵語、サンスクリットでダーナですから、お布施なんですね。社会奉仕をする人が旦那なんですよ。どこかのお店でどんちゃん騒ぎをしているのが旦那じゃないですから。やはり、町を考える、こういう人間をつくっていくということが極めて重要だと思います。

三日月委員 ありがとうございます、大臣。その旦那衆の思想をより多くの方が持っていただけるような制度をつくっていくということは大事だと思いますし、おっしゃったように、民間事業が主役ですから余り公的な支援に依存してはいけないというのはそのとおりなんですけれども、ころっと最初に回す、こういう支援というものをぜひ充実させていくべきだというふうに私も思います。

 また、温泉街の話は、どこの温泉街を想定されたかはわかりませんけれども、やはり、表だけでも直さなくちゃいけないという経営の苦しさ、こういったところにもぜひ、我々国会としても思いをはせながら制度づくりをしていかなくてはいけないと思いますので、頑張っていきたいと思います。

 その上で、人材のことについて伺います。

 先ほど大臣から御答弁いただいた、税収といった指標も導入してみようというお話がありましたけれども、これは相当、現場の方がまたやる気になっていただけると思います。現場の方からの提案なんです。まちづくりだとか中活を担う人材によって成否が決まる。長浜でも、吉井さんという、極めてわかりやすかったですよね、お人柄もよくて。短時間で、何が課題なのか、何が魅力なのかということについて、本当にわかりやすく教えていただきました。

 この中活を担う人材をもう少しそれぞれの町で共有してみてはどうか、交流していただいたらどうかという御提案があるんです。

 例えば、まちづくり会社をつくったことのある人、民間事業者との交渉を成功させた経験のある人、交通政策に詳しい人等々、どこにどういう御経験を持ち、どういう能力を持たれているかということについてもう少しわかれば私たちもありがたいんだけれどもな、そして、そういう方に来ていただいたときの、例えば人件費の半分でも応援していただける仕組みがあると、より積極的になれるんだけれどもなというお悩みや御提案をいただいているんですけれども、そのことがひいては、中活を担う、まちづくりを担う方々のスキルアップにもつながっていくと思うんです。

 観光でも、観光カリスマということでいろいろなことをやっていただいていると思うんですけれども、この人材の交流制度、また支援制度をどのようにお考えになるか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 まさに委員御指摘のとおりで、各地の成功している中心市街地はほぼ、必ずすぐれたリーダーがいらっしゃいます。長浜も、吉井様というすばらしい方がいらっしゃいました。こうしたいろいろな知見、ノウハウがあり、かつ調整能力を持った人材を育てるということは、中心市街地の活性化にとって必須だろうと思っています。

 そうした観点から、経産省としてもこれまでまちづくり人材の育成に精力的に取り組んできているところでございまして、昨年度も、将来の中心市街地活性化のリーダー候補二百四十二名に対する研修事業を行いました。また、本年度予算にも、こうした事業を展開するために一・九億円の予算を計上させていただいています。

 また、御指摘がありましたように、専門的な知見を持った人材を派遣する、あるいは呼ぶ、そうした事業についても補助制度を設けて人材交流を促しています。

 また、内閣官房の地域活性化統合事務局においては、まちづくりに限らずですけれども、地域おこしのスペシャリストを地域活性化伝道師という名前でデータベース化して、専門家を必要とする地域に派遣する、こういう仕組みを持っております。

 このように、人材育成、そして専門家を派遣する、さまざまな仕組みがございますので、それを最大限活用しながら、次世代の人材を育てていきたいというふうに考えている次第でございます。

三日月委員 ありがとうございます。

 その研修はすごく役立っているとおっしゃっていましたよ、それぞれ交流するのに。専門家の派遣、これも有効だと思います。

 ただ、自治体同士が話をして、おたくは、まちづくり会社を立ち上げたときにこういう経験があるんですか、そういう人がいるんですか、うちにも三年間来てもらって協力してほしい、でも、ちょっと、その方に見合う人件費を全て出せないんだけれどもというようなことがあって、なかなか話が成立しない。したがって、自治体同士が話をして人材交流をしたときに、例えば一定割合の人件費を負担することも短期的な効果を生むということで、いいのではないかと思うんですけれども、ちょっと御見解を伺えますか。

寺澤政府参考人 個別具体的にケースは見なきゃいけないんですけれども、おっしゃるように、ある地域で町おこしに成功した専門家を、その経験を生かしてほかの地域に派遣する、これは非常にニーズが高いわけでございます。それについて専門家を派遣するための支援はできますし、また、そうした人材をデータベース化するということで、どういう人に頼んだらいいかということを情報面でもサポートしていきたいと考えています。

三日月委員 情報面だけではなくて、財政面でのサポートをぜひ一緒にやっていきたいと思います。

 最後に、特例通訳案内士制度について、きょうは観光庁にも来ていただいていますので、伺います。

 今回の法改正の資料に、中心市街地において活動が認められる特例通訳案内士制度といった規制の特例等の措置を講じる、国交省と連携と書いてあって、ただ、どれだけの効果があるのかな、どれだけの需要があるのかなということについて、疑問を呈される方もいらっしゃるんです。

 私は、冒頭申し上げたように、中活のためには、若者、女性、男性もですけれども特に女性、そして外国の方々により多く来ていただいて、町をめぐっていただくということが大切だと思うんですけれども、この特例通訳案内士制度という特例、これは、どの程度活用され、どのぐらいの効果、需要があるのかということについて、観光庁から御説明、御答弁をお願いします。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 通訳案内士制度でございますけれども、平成二十五年四月一日時点で全国で一万六千七百七十九人が登録されておりまして、全体の約四分の三は都市部にいらっしゃいまして、地方は四分の一ということでございます。訪日外国人旅行者の地方への旅行の増加、それから、日本の文化や自然を体験するプログラムなどの旅行形態の多様化、ニーズの多様化がございます。したがいまして、必ずしもこれに応え切れていないという実態がございます。

 このような状況を踏まえまして、委員御指摘の今回の制度の意義でございますけれども、需要が必ずしも大きくない地域であっても、外国人旅行者を呼び込むことで、活性化を計画する市町村において効果的に通訳案内士の特例制度を活用できるよう措置したものでございます。例えば、中心市街地活性化に取り組む団体などが町歩きガイドを行ったり、その地域の留学生がガイドを行うなど、地域が有する活力を生かして、その地域の魅力を伝えていくガイドサービスを提供していただくことなどを想定してございます。

三日月委員 もう少し魅力がわかるように、元気に御説明をいただければと思うんですけれども、おっしゃるとおりなんです。その地域に限定して報酬をもらって案内ができる特例通訳案内士、そういうものを設けて、研修もやって、例えば地域にいる留学生がそういったところに活用されることも可能だということなんですよね。

 より周知に努めていただいて、ぜひ活用していただいて、これから東京五輪も含めて多くの来ていただく外国人の方々への案内、その案内によってさらに町の観光そして活性化といったものにつながっていくような制度づくりということが必要だと思うんですけれども、最後に大臣、これまでの質疑を踏まえて、ちょっと御感想なり御所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

茂木国務大臣 先ほどの近藤委員、そして三日月委員と、大変貴重な御提言をいただいたと思っております。

 中心市街地の活性化の問題にはこれまでも取り組みをしてまいりまして、なかなか難しい課題も抱えている中で、これから、民間のいいプロジェクトに対してより重点的な支援を行うと同時に、中心市街地の周辺の居住であったりとか、それを結ぶ交通ネットワーク等々も重層的に組み合わせるような対策をとっていきたい、こんなふうに考えております。

 今回の法の見直しは、言ってみるとこれが最後だ、ここでできなかったら中心市街地はもう浮かび上がれない、それぐらいの思いを我々も、また地方にも商店街にも持ってもらって取り組むことが重要だ、こんなふうに考えております。

三日月委員 終わります。ありがとうございました。

富田委員長 次に、石崎徹君。

石崎委員 本日は、お時間をいただきまして、まことにありがとうございます。私の地元も非常に中心商店街が多い地域でございますので、こうした機会をいただきましたことを本当に心から御礼申し上げます。

 昨日、四月一日から消費税率が八%に引き上げられました。先日も、転嫁措置対策ということで、米倉涼子似の松島先生のポスターを拝見させていただきましたけれども、ぜひこの転嫁措置の問題、まだマスコミでもニュースにはなっておりませんけれども、引き続き政府全体として取り組んでいただけたらというふうに思います。

 きょうは、消費税対策も込めてのプレミアムつき商品券というのを、新潟市が政令市合併十周年記念ということで五月から導入する制度なんですけれども、資料を用意させていただきました。これは、一万円の購入で一万一千円分の商品券がもらえるということでございますけれども、消費税増税の影響をいかに緩和していくかという観点から出てきたものでございます。

 法案の中身に入る前に、こうした地元の、消費税対策を込めた商店街の振興対策ですとか、あるいは集客、売り上げ向上につながるような施策に対して、経産省として、にぎわい補助金という制度があるというふうに思いますが、こうした制度、商品券発行を含めて、地域商店街活性化事業としてにぎわい補助金を用いた支援ができるのかどうかにつきまして、まずは質問をさせていただきたいと思います。

松島副大臣 新潟市で五月から始まります、新潟市合併十周年記念のプレミアムつき商品券と伺っております。

 にぎわい補助金というのは、一つの商店街ですと上限四百万円、五つ以上合わさると八百万円、そして、新潟のこの例のように十以上の商店街が一緒になりますと千二百万円、これを一〇〇%補助、地元負担なしという、使う方から見ると非常にありがたい補助金だと思うんです。しかし、残念ながら、プレミアムつき商品券の丸ごと、つまり現金相当に当たるものを出すことはできません。

 ただ、商品券の印刷費、広報費、さらに商品券を受け取ったお店から回収して精算する業務、そのために事務費がかかる、こういったところはこのにぎわい補助金で手当てをさせていただくことにしておりまして、新潟の場合も、助成金額全体千二百万円の中で、印刷費五百万円、広報費三百万円、運営費三百万円、そういう形で御活用いただくことになっております。

 現金的なプレミアム商品券の場合はこういうような状況なんですが、ただ、いろいろ商店街から、お客様へのプレゼントということの要望が非常にありますので、抽せん会や福引などの景品として地元産品を出すような場合につきましては、ことしの一月二十四日締め切りだった平成二十四年度第四次公募分から支援対象としておりますので、これが、がらがらっとくじ引きをやって、例えば新潟のお米あるいは新潟の海産物を景品にするというときにはお使いいただける、そういうようなわけでございます。

石崎委員 ありがとうございます。

 にぎわい補助金、第四次募集の交付先といたしまして、一千二百万円の補助、ありがとうございました。広報等の支援ではありますけれども、非常に地元といたしましては助かる制度でございますので、引き続きこうした制度を継続していただきたいと思います。

 しかしながら、利用申請に当たりましては、やはり小さな商店街ですと、この申請書類、いろいろと細かな数字を要求されたり、なかなか手続は手間がかかるという声をいただいてございます。このあたり、手続の簡素化、あるいは、これは補正予算でございますので、今後、恒久的な制度といたしまして御検討いただけたらと思いますけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

茂木国務大臣 新潟は、万代橋も含め、本当にすばらしい風情のある町だ、そんなふうに私は思っております。

 申請書類は、このにぎわい補助金に限らず、簡素化をしていく必要がある。実は、先日、商店街連合会の方からもこういった御要請をいただいております。できる限り商店街の皆さんには事業に集中してもらう、申請書類を書くことではなくて事業に集中してもらうということが必要だと思っております。

 同時に、申請書類の工夫も必要でありまして、そういった書類を書く中で、きちんと事業のイメージを商店街関係者の皆さんにも膨らませてもらうといったことも必要なのではないか。単に申請書類を出すということよりも、事業としての精度を上げる、こういったことは重要だと思っております。

 また、補助事業でありますけれども、どうしても予算制度の問題があります。よい事業、効果のある事業については継続していく、こういった方向で考えたいと思います。

石崎委員 大臣、ありがとうございます。新潟にもお越しいただいたということで、非常に心強い限りでございます。

 次に、中活法そのものに対しての質疑をさせていただきたいと思います。

 私も、このバッターに決まってから、週末、いろいろな商店街の方からいろいろと直接お話を伺ってまいりました。先ほど大臣から旦那衆という話がございましたけれども、私自身は旦那衆ではございませんけれども、新潟も非常に数多く旦那衆がおられまして、例えば、新潟は昔から花街がございまして、古町の地域ですとか、下本町、沼垂地域とか、挙げれば切りがないんですけれども、こうした地域の皆様方、歴史とか文化もあわせて武器にしていきたいという要望を持ってございます。

 最近、バックパッカーというよりもフラッシュパッカーという方が出てきたようでございます。きょうは、非常に有名な観光地を持っていらっしゃる先生方が多いわけでございます。そうした有名な観光地の写真というのは、インターネット上、世界どこでも手に入れられるんですが、例えば地方都市の商店街の裏路地とか、そういったところの写真というのは行ってみないと撮れないということで、こうしたものを写真におさめてインターネットで発信するというのが一部外国人では今人気になっているようでございます。

 こうした方を呼び込むためにも、この法律の中の重点施策に書いてございます通訳案内士、これは今、国家試験でございまして、合格率が一五%と非常に難しい制度というのをこれから緩和していくということで、非常にいい法改正だというふうに思います。

 こういった点、この通訳案内士制度の緩和以外にも、今後、地域の歴史、文化を、町歩きしながら商店街の方と発信していけるような制度を引き続き御検討いただけたらというふうに思ってございます。

 その話とはまた別ですけれども、地元の新潟市でいいますと、先ほど郊外化、モータリゼーションの話、いろいろございました。郊外にあった地元新聞社の社屋を中心部に持ってきたり、民間主導で今コンパクトシティーというのを進めているところではございます。この中心市街地活性化法とあわせて、国交省関連の法改正も行われるということでございますが、商業のみならず居住者の観点から、暮らしの拠点となる住居、病院あるいは介護施設、こういったものを町中に誘導していくとともに、そこに至るまでの公共交通を充実させることが重要であるというふうに考えてございます。

 この点につきまして、今国会に、国交省から都市再生特別措置法、地域公共交通活性化法の改正案が提出されてございますけれども、この中活法改正案とともに三法一体となって取り組んでいくべきだというふうに思いますけれども、そのあたり、いかがお考えでしょうか。御質問させてください。よろしくお願いいたします。

田中大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、町中居住の推進ですとか、病院、介護施設等の整備を一体的に行っていくということは大変重要なことだと考えております。

 平成十八年以来、中心市街地活性化法においてこうした都市福祉施設の整備、町中居住の推進は、逐次、支援を進めてきたところであります。中心市街地に来訪者をふやすために民間投資を一層活性化させるということももちろん重要な目的であります。しかし、やはりそれだけではなくて、中心市街地の周辺に居住人口を集積する、また中心市街地とその外側をつなぐ公共交通インフラの再編を行う、こうした周辺地域を巻き込んだ都市全体の活性化を進めていくということです。

 その中で、国交省からも、都市再生特別措置法の改正案、また地域公共交通活性化再生法の改正案が出されたところであります。経産省関係のこの中心市街地活性化法の改正と一体としてこれを進めていきたいと思っております。

 そして、早速ですけれども、政府部内においては、この連携として、具体的には本年一月二十八日に地域活性化の推進に関する関係閣僚会合というものを既に設置しております。今後、この法の施行に当たってのモデルケースとなるような地域を選定して、この三法を初めとした支援策を一体的に進めていこうということであります。あわせて、モデルとなった地域については、その取り組みですとか工夫を他の地域でも取り入れることができるように、周知も徹底して進めていきたいと考えております。

石崎委員 ありがとうございます。

 にぎわいを取り戻すためには、先ほど先生方からいろいろ御質問がございましたけれども、やはり居住人口の増加という観点が重要だと思いますが、介護施設、病院、こういったものが商店街の近くにあれば、にぎわいもあわせてふやしていけるということで、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 今政務官から具体的に御説明がございましたモデル地域ということでございますけれども、どの地域もこのモデル地域になれるように精いっぱい取り組んでいきたいというふうに思いますので、いろいろと地域の優良な成功事例、ぜひ国からも後押しをしていただきながら取り組ませていただきたいというふうに思ってございます。

 もう一つ、今回の改正案の柱の一つでございます民間投資を喚起する新たな重点支援制度の創設につきまして、少しお尋ねをさせていただきたいと思います。

 地元新潟市を歩いてみますと、例えば主婦の方ですとか、学生、若者、こういった方々が新しいアイデアを使って新規に商店を開いたりしているところもございますし、あるいは地域のコミュニティー協議会、PTA、婦人会、老人会、こういったものが一体となって、コラボ屋というのが地元にあるんですけれども、地域でいろいろな若者との交流を広げていく、こういった活動をやっているところもございます。

 また、これは地元にはないんですが、和歌山の方だったと思うんですが、ソーシャル商店街ということで、もう廃れてしまった商店街に例えば障害者雇用をするようなNPOに入ってもらって、そこでいろいろと障害者雇用の現場をつくっていく、そういった形でいろいろなNPOが集まって商店街が盛り上がっていくというような例もございます。

 女性、若者、NPO、そして学生、そして地域の皆様方のいろいろなこうした活動をぜひこれから後押ししていくべきだというふうに思いますが、そのあたり、この重点支援事業の認定に当たりましていかがお考えでありますでしょうか。

松島副大臣 今、石崎委員から新潟の非常にいい事例をいろいろと教えていただきました。

 この法律の重点支援事業というのは、つまり経済活力向上事業というものでございますけれども、ここにおきまして、例えば中心市街地への来訪者数にどのように影響を及ぼすか、どのように増加していくかというような効果について数値目標を設定して、波及効果の大きいものを特に支援していくとか、そういうことを考えております。

 過去の事例でございますけれども、経済産業省の補助金によりまして施設整備を行った成功例の中に、例えば北海道の富良野市、ここは人口が二万三千人しかいないわけですが、御承知のように観光客が多い。そこで、中心地にフラノ・マルシェという商業施設を経産省の補助金で設けました。それは開業三年で既に来場者は百八十万人を超すという成功ぶりなんです。

 ここは、土産物とか農産物直売所、そういうのをいろいろ並べて、テークアウトショップはある。しかし、工夫していてなるほどと思いますのは、その施設の中に飲食店を入れていない。つまり、飲んだり食べたりするときは、そこから出て従来の地場のお店に立ち寄ってもらう、そういうことによって周りにもいい影響を及ぼしていく、こういうのが成功事例ではないかと考えております。

 今回の法改正では、例えばテナントミックス、つまり、中心市街地の中に空き家がある、先ほどから、空き店舗、空き家の対策が大切だということが随分出てきておりますが、単に埋めるということだけではなくて、せっかくこの商店街はいいお肉屋さんはある、いい八百屋さんもあるんだけれども、床屋さんはないとか、何がない、ではそれをマッチングしよう、呼んでこようというところ。

 もちろんその中で、今御指摘ありましたような、若い人が新しい業種に飛び込んでくれる、そういう情熱のある人がぱっと見つかればいいんですが、そうでない場合にそのマッチングをするためにも、例えばタウンマネジャーという人の人件費を、先ほどもソフトの部分で面倒を見る人の補助はできないかというのがありましたけれども、あります。このタウンマネジャーという方の人件費を補助するとか、そういう人が、イベント開催とかあるいはまちづくり会社の事業、いろいろと仕組みを考えていく、その中でたけた人に対する補助金の仕組みも設けているところです。

 さらに、規制を緩和という意味で、先ほど話が出ました特例通訳案内士の資格。それ以外にも、道路にオープンカフェを。日本でなかなかオープンカフェというのがない。ヨーロッパに行って、どうしてあんなにみんな、涼しい、寒いときでも外へ出てあれをしているのかと思ったら、単に日光を求めているだけでなくて、道路の幅が広かったり、それが許可されている。日本でも、場所によっては許可してもらうという、そういう規制緩和措置も働きかけていくことによりまして、施設整備だけでなくて、ソフトの取り組みもしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。

 なお、先ほどお話ございました補助金を獲得するとき、そしてまた、こういうことへ知恵を出すときにも、新しい制度をスタートさせまして、全国商店街振興組合連合会を初めとして、中小企業の四団体がまとまって設立しました株式会社全国商店街支援センターというのがございます。ことしの三月末、ついこの間から、商店街に専門家を派遣して、この場合は、今言いましたようなマッチングもそうですけれども、各種補助金、こんな補助金をとったらどうだ、そしてまた、申請書を書くのが難しかったら手伝いをする、そういうこともしておりますので、御活用いただければと思います。

    〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕

石崎委員 ありがとうございました。

 今、松島副大臣がおっしゃられましたように、直売所、これはいろいろな地域でやってございます。新潟でも、例えばうちの商店街、新潟西商工会というところで、地元学生が中心となって、個々の農家ですとか商店と地域を結びつけながらやっていく、これは一般的にはファーマーズマーケットと言うようでございますけれども、こうした点、ぜひ国として引き続き御支援をいただけたらというふうに思います。

 今、オープンカフェのお話がございましたが、これは今回、一部、要件緩和ということであったんですけれども、使用許可のところは警察庁の所管ということで、地元の商店街の方からいろいろ言われるのが、この使用許可の方が面倒くさいということでございますので、ぜひ警察庁も一体となって、オープンカフェが開きやすいようにやっていただけたらというふうに思います。

 また、今あわせまして、全国商店街支援センターのお話がございました。よく地元の商店街の方からもまたこれも言われるんですけれども、指導的なことをやる方もいるんですが、表面的な支援にとどまっているということで、ぜひ、現場に入り込んで一緒になって取り組んでいけるような制度を、このセンターが中心となって、既存もやっているところもあると思いますが、ぜひ現場に入り込んでの御支援をいただけたらというふうに思ってございます。

 続きまして、これも地元の、ある若い、成功している商店の方から言われたんですが、全国の優良な商店街あるいは個別の商店、こういったものを、例えば、経済産業大臣賞、総理大臣賞を含めて、表彰するようなコンテスト形式の支援策も重要じゃないか。そうした成功した商店街が日本全国のいろいろな商店を牽引していくというのも、非常に効率的ですし、いいんじゃないかというふうに思うんですが、いかがお考えでしょうか。

    〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕

松島副大臣 その表彰制度はあるんです。無名なのかもしれない。無名だとしたらまずいなと思っているんですが。

 実は、ことしの三月三日にも表彰式を行いました。これはどういう制度かといいますと、がんばる中小企業・小規模事業者三百社というのを、以前はものづくりだけだったんですが、これを、ものづくりだけでなくて、サービス、小売分野にも広げて、その三百。それは、商店街でいうと個店、一つ一つの店ですね。

 それとセットにしまして、全国の三十の商店街を選んで表彰するという、これをやりまして、私も表彰式に出てまいりました。これは、経済産業大臣も出まして、経済産業大臣賞というのが、がんばる商店街三十選。茂木大臣が自筆で、言葉を選んで、中国の難しいのからとっているんですが、自我作古、我よりいにしえをなすというふうに読むようなんですが、中国の宋史に出てくる用語がガラスのところへ書かれたもの、もらった人は割と張り切ってくれる感じでした。

 その三百選も、そして商店街三十選も、分厚い冊子にしまして、どういう取り組みをしているかということもわかるようにいたしました。授賞式を行いましたホテルで、パネルの展示とかその商店街の産品をアピールするとか、そういうことをやりました。

 ただ、はっきり言いまして、委員も御存じなかったのは当然で、書いてくれないんですよね、新聞が、マスコミが。私も大分アピールしようと思ったんですけれども、ごくごく限定的な専門紙しか取り上げてくれない。

 はっきり言って、経済産業省というのは、表彰ものが物すごくたくさんあるんです。それぞれ、おもてなしの経営だとか、あるいはダイバーシティー、いろいろなタイプの人を、女性もお年寄りも障害のある人も外国人も使っている会社とか、表彰式をやるんですけれども、なかなか取り上げてもらえないで、世に知られない。これが知られることによって、本人の励みにもなるし、ほかのお店や商店街、会社も、その事例を学び取ることができる。もっとPR活動にもしっかりと力を入れてまいりたいと思います。

石崎委員 ありがとうございました。

 なかなか新聞が取り上げないということでございましたけれども、ぜひこれらをもっと大々的に盛り上げていただけたらというふうに思ってございます。

 また、先ほど固定資産税の質問がほかの先生からございました。要求官庁に対しての要望ということで、経産省として今年度の税制改正では認められませんでしたけれども、地元を回っていましても、この固定資産税の問題、特に、郊外にある大規模小売店と比較しても、やはりまだまだ格差というか不平等があるんじゃないかということで、この中心市街地の固定資産税の税制要望、ぜひことしも継続して、来年度に向けて要求していただきたいというふうに思ってございます。

 最後の質問でございます。

 今、新潟市も、第一期の中心市街地活性化基本計画の期限が終了いたしまして、ただ、今、第二期への移行をしていないというところなんです。いろいろ話を伺ってみますと、既存の国交省の他の制度で間に合うとか、いろいろな原因があるんですが、何よりもやはり、五年間という短い計画期間内ではなかなか新規目標を達成することが難しいというようなお話がございました。

 今後、二期目、三期目、全国のいろいろな自治体も同じだと思いますが、エントリーをしていく場合に、第一期に実現できなかったプロジェクトを再度継続して計画に盛り込むといったことをぜひ認めていただきたいんですが、そのあたり、いかがお考えでしょうか。

富屋政府参考人 お答え申し上げます。

 現在の基本計画の計画期間は、基本方針においておおむね五年以内ということにされておりますが、この基本計画の実施に当たりましては、市町村が的確にフォローアップを実施するということにされておりまして、計画期間の終了に当たって実施したフォローアップの結果に基づいて、市町村として、引き続き中心市街地の活性化の取り組みが必要と判断する場合には、改めて、その時点で、中心市街地の実情とか課題を踏まえて、新たな基本計画を策定するというようなことを想定する仕組みでございます。

 仮に、第一期の計画で位置づけられていた事業で実現できなかったものという今の御質問でございますけれども、第二期計画の認定、実施に当たりましても、第二期計画の目標実現のために必要であると判断される場合には、それをしっかり第二期計画に位置づけまして、支援をしてまいりたいと考えております。

石崎委員 ありがとうございます。

 地域、そして若者、女性、そしてNPO、いろいろな団体がございます。こうした方々の声を踏まえて、国として全力で応援していただきながら、中心市街地活性化を全国津々浦々で図っていきたいというように思いますので、どうか御支援よろしくお願いいたします。

 本日は、ありがとうございました。

富田委員長 次に、佐々木紀君。

佐々木(紀)委員 自由民主党の佐々木紀と申します。

 質問の機会をいただき、感謝を申し上げたいと思います。

 私も先日、長浜市を視察してまいりました。中心市街地の活性化も、やればできるなという実感を得てきたところであります。ぜひ、少しでも多くの自治体に、諦めないで中心市街地活性化に取り組んでほしいな、そういう思いを込めて質問をさせていただきたいと思います。

 まずは、基本的なところからお伺いをしたいと思うわけでございますけれども、中心市街地活性化の意義についてお伺いをしたいと思います。

 よく、中心市街地活性化といいますと、今さら商店街を活性化させる意味はあるのかというようなことを言われることもあります。中心商店街の元気をどうやって取り戻すかということだけに議論を集中してしまいますと、このような批判も出てくるのではないかと思います。

 確かに、商業機能だけに着目をしますと、郊外型の商業施設、便利ですから、一定の住民の支持もあろうかと思いますし、また、インターネット通販や通信販売、そういったものも普及している現状を考えますと、中心市街地活性化の取り組みというのは、単に、中心市街地で商売をする商業者への利益誘導にならないようにしなければいけないと思います。

 実際、ではそのほかのどういう利点、メリットがあるかということを考えたときに、以前、郊外に住んでいて、自動車を運転できなかった高齢者の方の話を聞いたことがあります。月に数回、タクシーで町中に出て、食品等の買い出しをして、病院へ行って、銀行へ行って、市役所へ寄って用足しをして、またタクシーで帰るんやというようなお話を聞いたことがありました。

 もし、中心市街地が元気だった昔であれば、公共交通ネットワークが整っていて中心商店街が活性化していれば、郊外に住む人の利便性も高まって、住民の交流もふえていくはずであります。まさにコンパクトシティーが実現できるわけであります。

 また、中心市街地は、今でこそ少子高齢化やモータリゼーションのあおりを受けて衰退の一途をたどっていますけれども、以前は、その地域の顔であり、その地域の伝統や文化の発祥、発信の中心でありました。中心市街地を活性化させることは、地域の伝統文化を継承し、町の個性や品格、誇りといったことを表現することにもつながるかと思います。

 なぜ中心市街地を活性化させなければいけないのかという、基本的なところについて、その理由と意義をお伺いしたいと思います。

富屋政府参考人 中心市街地活性化についての意義、位置づけについての御質問でございます。

 まず、中心市街地活性化法の目的でございますが、これは、中心市街地が地域住民等の生活あるいは交流の場として重要な役割を果たすものであるという基本的な認識のもとに、その活性化を図って、中心市街地における都市機能の増進であるとか経済の活力の向上を総合的かつ一体的に推進するということが法の狙いだと思っております。

 今御指摘いただきましたように、中心市街地活性化というのは、単に疲弊した商店街の活性化のみを目的とするものではございませんで、現在的な課題としては人口減少であるとか高齢化等の、我が国の社会経済情勢が大きく変化する中でコンパクトなまちづくりを図るための都市構造の再構築というものを図りながら、地方都市全体の活力の向上を図るための一環として捉えていくことが重要だと認識をしております。

 このような認識に立ちまして、中心市街地が、地域における社会的、経済的あるいは文化的活動の拠点となるにふさわしい魅力ある市街地が形成され、ひいては都市全体の再生、再構築につながるように、引き続き省庁の縦割りを超えて中心市街地の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。

佐々木(紀)委員 ありがとうございます。

 御答弁いただいたように、中心市街地の活性化というのは大変多岐にわたって、その分、支援メニューも複雑なわけであります。自分たちがこうしたいといった目的に対してどの施策を活用できるか選んでいくということも相当難しいわけでありまして、そこを容易にするために制定されたのが中心市街地の活性化に関する法律、中活法であろうかと思います。

 中活法、これは例えるならばファミリーレストランのようなものではないかなと思っております。例えば、カツ丼を食べたいときに、そば屋に行くか豚カツ屋に行くか悩む。しかし、ファミリーレストランに行きますと、メニュー表が出てきて、見ますと、小うどんつきのカツ丼セットがあれば、これが本当は食べたかったんだよということに気づくこともあります。あるいは、カツ丼を食べたいという明確なものがなくても、洋食が食べたいと思ってファミレスに行けば、店員さんがいろいろアドバイスしてくれて、自分の好きなものにたどり着くわけであります。

 同じように、中心市街地の活性化についても、これまで自治体が町をこうしたいといっても、これまでは独自で、どこどこ省のどの支援メニューを使えるかということを探し出さなければいけなかった、大変労力がかかったわけでありますけれども、この中活法を使えば、町をこうしたいというビジョンを示せば、こういう支援メニューを使ったらどうですか、セットメニューとか、あるいはいろいろアドバイスをしてくれる大変ありがたい制度なわけであります。

 事実、先日、長浜市を視察したときに、長浜まちづくり株式会社の担当者の方は、中活法を活用したおかげで複数の事業を同時並行的に実施できたと大変評価されておりました。中活法の効果を最大限に引き出すためには、各省庁の支援メニューを集めて、省庁縦割りの弊害を取り除き、省庁間の連携不足を解消する必要があります。

 そこで、実効性のあるワンストップサービス体制を構築するためにどのような対策をとっているか、政府の見解をお伺いしたいと思います。

富屋政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、中心市街地活性化法の目的でございます。省庁の縦割りを超えて、中心市街地活性化に係る、各般の多岐にわたる施策の連携を図っていくということが法律の狙いかと思います。

 かかる観点から、国の支援体制としては、中心市街地の活性化に関する各施策を総合的かつ一体的また効果的に推進するために、内閣に、中心市街地活性化本部、これは総理をヘッドとして全閣僚が入った本部をつくりまして、そこでさまざまな施策を展開する。その事務局を内閣官房の私どもが引き受けております。

 このような位置づけを踏まえまして、内閣官房として、関係省庁としっかり連携をして、中心市街地の活性化に取り組んでおるわけでございますけれども、御質問との関連で申し上げますと、ワンストップサービスというお言葉をいただきましたけれども、私ども事務局の中に、それぞれ地域ごとのブロック担当というのを置きまして、中心市街地だけでは実はないのですが、地域活性化に関するさまざま諸施策について、地元からの御相談について、ワンストップでその御相談を受けるというような体制を構築して、縦割りの弊害ということに対して、何らか効果的な対応ができるようにということで努力をしておるところでございます。

佐々木(紀)委員 御答弁ありがとうございます。

 先ほどの先生方の御質問の中にもありましたけれども、内閣府が窓口になって積極的に取り組んでいるんだということではありますけれども、受け付けするだけの役所にならないでほしいという指摘もありました。ぜひ、前面に出て、いろいろな省庁間の連携の間に入って進めていただきたいと思います。

 そういった中で、地域活性化モデルケースというものがございます。

 先ほどの近藤委員の質問の中にもありましたけれども、中活法の取り組みと大変似ている制度にも思うわけです。モデルケースを選定する意義と、中心商店街活性化という政策課題の位置づけについて答弁を求めたいと思います。

富屋政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、地域における地域活性化に向けた取り組みに対して、国として横断的、重層的な支援を行うために、地域活性化のプラットホームを構築するということで、一月に地域活性化の推進に関する関係閣僚会合というのを行っております。

 三月二十五日に開催されました二度目の会合におきまして、地域の直面している課題として、二つのテーマにつきまして、総合的に改革する取り組みを行うモデルケースというのを選定することを決定して、今現在公募をしているところでございます。

 このうちの一つのテーマが「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成」でございまして、これにつきまして、まさに中心市街地活性化というのはその中の一つの重要な施策でございます。

 ただ、中心市街地活性化のみでは、現在直面している持続可能な都市、地域の形成という課題に十分かというとそうでもないということで、今、この審議でも何度も出ておりましたが、国交省が行っているようなコンパクトシティーとか公共交通の活性化の取り組みですとか、あるいは地域包括ケアシステムの構築というような厚労省の取り組みですとか、さまざまな各省の施策がございます。

 そういった施策の中の幾つかのものを選んで政策としてパッケージ化をして、それによって課題の解決に取り組んでいくというような御提案をいただいて、その中の優良な提案をモデルケースとして選定して、各省連携して、縦割りを排除しながら支援していって、成功事例を導いていくというような考え方でございます。

佐々木(紀)委員 確かにこの中活法の成果についていろいろな御意見があると思いますけれども、ぜひ、その中でも比較的うまくいっている地域を選定して、モデルケースとして発信していただきたいというふうに思います。

 話は少しかわりますけれども、基本計画の要件の緩和についてちょっとお伺いをしたいと思います。

 中活法の改正では基本計画の要件を見直そうということであります。そろそろ一期目の申請した自治体が五年間の期間を終えようというところもありますけれども、なかなかその成果が上がっていないところも中にはあります。

 その理由は幾つかあろうかと思いますけれども、一つは、そもそもの基本計画が総花的でフルセット型になっていたという指摘もあります。要件を緩和して効果の高いプロジェクトに絞り込んで、選択と集中を行って効果が上がりやすくするということかなと思っております。

 また、これまで自治体が申請自体を負担に感じてためらっていた小さな町というのも、今回、絞り込んだことで、要件を緩和したことで、申請もしやすくなるのではないかなということも考えますけれども、この要件を緩和した狙いについてお伺いをしたいと思います。

富屋政府参考人 お答え申し上げます。

 中心市街地の活性化の基本計画の認定要件につきましては、法に基づいて閣議決定されます基本方針の中で詳細に定めているところでございます。

 現行の基本方針では、市町村に対しまして、四事業、具体的に申し上げますと、市街地を整備改善する事業、病院等の都市福利施設を整備する事業、町中居住の推進のための事業、商業の活性化のための事業、この四種類の事業を原則全て実施することを求めております。

 しかしながら、中心市街地におきましては、例えば既に相当程度居住機能等が集積している場合がございまして、こういった場合、既存のストックの活用で十分で、中心市街地活性化の目標実現の観点から必ずしも新たな整備を必要としないというようなケースもあろうということでございまして、今回の法改正とあわせまして基本方針も改正をして、既に十分なストックがあるなど、四事業のうち一部事業で新たな事業を要しないというような中心市街地につきましても、必ずしも四事業全てを新たに実施しなくてよいというようなことで基本方針に書き込むというようなことを関係省庁と協議してまいりたいと考えております。

 これによりまして、御指摘の小さな町、これはなかなか四事業全てそろわないということで、中心市街地の計画の認定自体が余り多くないんですけれども、そういったところに裾野が広がるということも期待されると思います。

佐々木(紀)委員 ありがとうございました。

 ぜひ、小さな町でも申請にチャレンジをしていただいて、意欲のある自治体は認定できるような形にしていただきたいというふうに思います。

 少し話はかわりますけれども、通訳案内士の特例についてお伺いをしたいというふうに思います。

 先ほど来も委員の先生から御指摘がありました。三日月委員は果たして需要があるのかという指摘もありましたし、石崎委員も大変いい制度だという評価もあったわけであります。

 報酬を得て通訳案内を行うことができる特例通訳案内士の制度でありますけれども、そもそも通訳案内士というのは難しい国家試験に合格して資格を取得するわけでありまして、今回のように市町村が行う研修を受講するだけで資格を得られる中心市街地特例通訳案内士制度というのは、国家資格である通訳案内士の就業機会を奪うことにつながらないか、また質は確保できるのかといったことを懸念しているところでありますけれども、それについて答弁を求めたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えさせていただきます。

 委員からお話がありましたとおり、報酬を得まして通訳ガイドを行う場合、観光庁が実施しております試験、外国語に加えまして日本全国の地理、歴史等に関する試験に合格して通訳案内士の資格を取得する必要がございます。

 それに対しまして、今回導入いたします中心市街地特例通訳案内士制度は、市町村が行う当該地域の地理、歴史、文化等に係る研修を受けた方に対して、当該中心市街地内でのみ報酬を得て通訳ガイド事業を実施することを認める制度でございます。

 御懸念の点につきまして、通訳案内士につきましては現在全国で約一万七千人程度いらっしゃいますが、地域によって非常に大きな偏りがございまして、通訳案内士が不足している地方もございます。

 それで、この通訳案内士の特例制度を使う場合には、まず、市町村が基本計画に事業を位置づける必要がある。すなわち、不足している地域であって、計画に位置づけていただく必要があるということで、既存の一般の通訳案内士の方と共存していくことは可能だと考えております。

 それから、質の確保につきましては、市町村が行う研修内容につきまして基本計画に記載されておりまして、それは、内閣官房に申請された際に、内閣官房から観光庁を初めとする関係省庁に協議がされますので、その研修内容について吟味されて、質の確保がなされると考えておるところでございます。

佐々木(紀)委員 ありがとうございます。

 導入する必要性は理解できます。ただ、国家資格である通訳案内士と混同する可能性もございますので、ぜひ名称を、もてなしガイドとかにしていただくとありがたいな、そういう意見もあるということだけ述べさせていただきたいと思います。

 最後、時間もございませんので、私は、先日、長浜市を視察させていただきました。そのときの感想を最後に述べさせていただいて終わりたいと思います。

 今でこそ年間二百万人もの観光客が来る長浜市ではありますが、以前は、日曜日の一時間の通行量は人が四人と犬一匹とやゆされるほど疲弊をしていたそうであります。ここまで中心市街地の活性化に成功した背景には、こういう町にしたいというビジョンを示したリーダーシップを発揮した人がいて、それに賛同し協力した住民、そして民間事業者がいて、資金調達もうまくいったからであります。

 一番大事なことは、そこに住む住民や当該自治体が、このような町をつくりたいと熱望し、みずからが主体的に行動して協力してまとまるといったことが必要なのではないかと思います。国はあくまでもサポーターであって、国が支援するから取り組むみたいな消極的な姿勢や、あるいは、全体の利益よりも自分の利益を優先するようではうまくいかないというふうに思います。

 長浜市の件も定住者の対策など課題はありますけれども、まちづくりにかける情熱、これを燃やし続けることが大事なんだということをすごく実感した有意義な視察でございました。

 時間が参りましたので質問を終えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

富田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時三十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

富田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。國重徹君。

國重委員 公明党の國重徹でございます。

 本日は、中心市街地活性化法の改正法案の質疑となりますが、午前中に四人の委員の先生方が御質問されましたので一部重複することがあるかもしれませんけれども、重要な質問ということで御容赦いただければと思います。

 今、郊外だけではなくて、インターネットショッピングがすさまじい勢いで伸びております。

 インターネット通販は、一九九八年には六百億円の市場規模にすぎませんでしたけれども、二〇一三年度の市場規模はどうなっているのか。IT分野の市場調査会社の推定によりますと、二〇一三年度のネット通販市場、BツーC、CツーCの取引額の合計ですけれども、十五・九兆円。この十五年で何と二百六十五倍に伸びております。

 このネット通販市場は、スーパーマーケットやコンビニ、百貨店、これを大きく上回る見通しです。一般医薬品のネット販売の解禁などもあって、これからさらに拡大していく見通しとなっております。人口減少が進む日本において、郊外のみならずインターネット通販が伸び続けていけば、需給バランスの中で、店舗過剰状態となって、中心市街地がますます苦戦していくことが予想されます。

 また、中心市街地をレトロな商店街にした場合、先日視察させていただきました長浜市の商店街、これは全国で有数の成功した事例だと思いますけれども、単にレトロ商店街にした場合は、一見さんの客を相手にした観光振興という側面では成功したとしても、地元住民のための生活インフラが不十分で、リピート客が少なくて、中心市街地、中心商店街の活性化という側面では失敗しているケースも間々あるというふうに聞いております。

 まず、大臣に総論的な質問をさせていただきます。

 現行法における中心市街地活性化基本計画について、平成二十四年度末までに計画期間を満了した市町村、四十四市、四十四計画、百四十五指標の事後評価を見ますと、目標が達成された指標は三割に満たない、また、計画当初より数値が悪化した指標は四割を超えております。

 この原因をどのように分析されているのか。中心市街地の厳しい状況を打開するために抜本的な対策が必要と考えますが、この分析結果を本改正案にどのように反映させているのか、大臣にお伺いします。

茂木国務大臣 まず、ネット通販でありますけれども、私が楽天の三木谷さんと最初会ったときには、まだ社員十数人でした。それがここまでの企業に成長している。やはり、委員御指摘のように、ネット等々を通じたそういうショッピングというのは大きく拡大してきているわけであります。

 一方、地方の商店街であったりとか商店にとっても、これまでなかなか商店街でしか、限られた商圏でしか販売できなかったものが、ネットを通じて全国に、さらにはパリであったりとか海外にも販売できるということで、これからは、そういった商店街においても、地方の商店においても、新しいツールも使っていくということが極めて重要である、そんなふうに考えております。

 それで、委員御指摘のように、これまでの達成率は三割という状態でありまして、この目標達成率が上がらなかった主な要因としては、特に小売の販売額といった経済活力に係る評価指標の達成率が低いという指摘があるところであります。

 これは、これまで約二十年間、我が国が置かれました経済状況、デフレが続く、こういった中で、また人口減少、高齢化が進む、さらには商業施設、病院などの公共施設が郊外移転する、こういった要因に加えまして、中心市街地活性化に対する民間投資が十分でなかったこと、かつコンパクトシティー化の取り組みが十分でなかったことが一つ挙げられると思います。

 それから二つ目には、郊外への住宅地の拡散に伴いまして、本来、中心市街地の顧客であるべき住民が地方に分散したまま居住をしている、こういう形態でありまして、また、居住されている方と中心市街地を結ぶような交通ネットワークの整備が不十分だった、こういった要因があるのではないか。

 こんなことが相まって、空き店舗であったりとか空き地の増加に歯どめがかかっておらず、今の中心市街地の厳しい状況になっているのではないか、こんなふうに考えております。

 こういった現状、反省も踏まえまして、今回の法改正におきましては、まず、経済産業省として、民間投資の喚起を通じた中心市街地の活性化を図るために法改正を行いまして、効果が高い民間プロジェクトを絞り込んで、従来より手厚い支援を重点的に行っていく。また、その一方で、国土交通省は、今回、都市再生、居住及び地域公共交通ネットワーク整備に関する法改正を行うということでありまして、これらを一体にして、まちづくりを総合的に進めていきたい。

 中心市街地に民間の有力なプロジェクトを呼び込む、その一方で郊外の居住と中心市街地をしっかりとネットワークで結ぶ、こういったことを一体として進めてまいりたい、こう考えております。

國重委員 ありがとうございました。しっかりと私も進めてまいりたいと思います。

 次に、補助金制度等の他力本願的な発想が、核心をついた事業に取り組むことにつながらずに、中心商業地の活性化策が効果を上げなかった最大の理由であると。受益者負担の原則を明確にして、行政は制度構築や遂行を支援する役割に徹することが、中心商業地の振興政策の再生、効果のある実施のために必要であるとの指摘もございます。

 この指摘について、経済産業省としてどのように考えるのか、見解を伺います。

寺澤政府参考人 お答えいたします。

 いろいろな意味で厳しい状況にある中心市街地に対して民間投資を後押しするという観点から、補助金についても一定の役割はあると思っております。

 委員にも御視察いただきました長浜でも、長浜の地元の人たちが補助金を本当にうまく使っているということをごらんになったと思います。他方で、委員御指摘のとおり、補助金依存になってはよくない。長浜の事例を見ても、町衆の力で地元の人たちがお金を出すということで、単に補助金じゃない取り組みをしていたと思います。

 私自身も、今回、重点支援する際に、対象事業というのは、波及効果が高い事業であるとともに、地元がしっかりコミットしている事業に絞り込んで支援をしたいと思います。地元のコミットといった場合、例えば、地権者の協力が得られているとか、あるいは地元の事業者とか市民がお金も出しているとか、あるいは市町村も資金負担をしている。そうした具体的なコミットメントを見て、そういうところがあるものに絞っていきたいと考えております。

國重委員 ありがとうございます。

 先ほども、地元住民の生活機能がやはり重要になってくるという問題意識がございましたので、今、地元住民の方の強いコミットメントというお話もございました。そういう感じでしっかりと推し進めていただければと思います。

 次に、市町村が基本計画案を作成して、内閣府と相談、協議をしてから認定の有無が決せられることになりますけれども、市町村が基本計画案を作成してから認定されるまでの期間というのが長い。一年から三年ほどかかるケースもあって、市町村にとって非常に負担に感じているところもあるというふうに聞いております。

 ずさんな計画案を認定するわけにはいかず、一定の時間がかかることはやむを得ないというふうに思いますけれども、時間がかかる背景の一つに、基本計画案を作成するに当たっての市町村のノウハウが欠けているといった点も挙げられます。

 認定までの期間が長期化して、市町村、地元住民の方の熱くなったやる気を冷まさないように、そがないように、基本計画案の作成に必要な事前情報をこれまで以上に国が提供するなど、認定するまでの期間を短縮化する工夫をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

富屋政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、基本計画についての御質問でございますが、中心市街地の活性化を効率的、効果的に実現するためには、基本計画の策定に当たって、中心市街地の現状と課題というものを客観的に把握して、行政、民間、住民等で問題意識を共有していただいた上で、課題解決に向けてどのような取り組みを重点的に進めていくかということについて関係者の合意形成を図ることは重要でございます。

 したがいまして、関係者の合意形成というものに時間がかかるわけでございまして、現実には、市町村におきまして検討を開始してから国による計画認定に至るまでかなり長期を要しているものがあるという現状も認識をしております。

 私どもといたしましては、これまでも積極的に情報提供に努めてきたつもりではございますけれども、今回の法改正に合わせまして、改めて、計画策定ノウハウに乏しい市町村を特に念頭に置きまして、きめ細かな情報提供を行うとともに、ブロック別の総合コンサルティング機能というものを持っておりますので、それも活用いたしまして、積極的な情報提供を行ってまいりたいと思います。

國重委員 よろしくお願いいたします。

 次に、町に買い物に来る人たちというのは、単なる商品の購入だけではなくて、その町の雰囲気とか町並みを味わいに来ている人たちも多くいると思います。先日、長浜市の中心市街地の視察に行った際も、そのことを強く感じました。これはネット通販等にはない魅力でございます。規制の多い町に、新たなことにチャレンジする経営者が集まりやすい状況をつくり、人を呼び込む必要もあります。

 本改正案では、道路法との関係で、中心市街地においてオープンカフェ等、道路を使用したイベントを企画した場合の道路占用許可の特例を定めております。もっとも、ここで言う道路占用許可と道路交通法に基づく道路使用許可は異なり、これまで、オープンカフェ等のイベントを企画しても、道路使用許可について警察との交渉が難航していたとの声も聞きますが、本改正案の特例を踏まえた今後の道路使用許可についての警察庁の所感を伺います。

濱政府参考人 お答え申し上げます。

 警察庁では、これまでも、御指摘のオープンカフェ等のイベント等に伴う道路使用許可の手続の円滑化を図るために、都道府県警察に対して、もう既に二度やっておりますけれども、指導通達を発しておりますし、全国会議の場で具体的な指示もさせていただいております。その結果、許可申請の事前相談を受け付けるとともに、申請手続の簡素化を初めとする各種の弾力化に取り組んできているところでございます。

 今回の法律改正との関係でございますけれども、改正案におきまして、御指摘のような道路占用許可の特例が盛り込まれておりますけれども、市町村が作成する基本計画に同特例措置を記載する場合には、都道府県公安委員会に対して事前に協議がされる、こういうことになってございます。

 したがいまして、このプロセスを通しまして、今後、道路使用許可の手続につきましても、より円滑に進められるというふうに期待をしております。

 今後とも、関係機関と連携しつつ、中心市街地の活性化に向けて必要な協力をしていきたい、このように思っております。

國重委員 円滑な遂行、運営、よろしくお願いいたします。

 次に、平成二十五年六月十四日に閣議決定された日本再興戦略には、「地方都市においても、街なかへの集約化による都市構造の再構築を行い、人口が減少する中でも住宅・医療・福祉等の機能を街なかに誘導し、都市の活力の維持・向上を図る。」とあります。

 また、平成二十六年一月二十四日、総理は、施政方針演説において、「中心市街地に生活機能を集約し、あわせて地方の公共交通を再生することにより、町全体の活性化につなげてまいります。」と述べております。

 厚労省は、少子高齢化が進む中心市街地で病院や介護施設を町中に誘導させていくために、今後どのように取り組んでいくのか。立地するインセンティブをつける等、国交省と連携をしてこれまで以上の工夫をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いします。

新原政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもの厚労行政の分野でも、社会保障制度改革国民会議の報告書で、医療、介護、生活支援サービスを地域で提供するためにコンパクトシティー化を図ることという提言をされておる状況でございます。私どもの認識も、医療機関が郊外に集中して中心市街地の医療が確保されない事態が起こるとすれば、これは医療の提供としても問題であるというふうに理解をいたしております。

 それで、一つ、私どもが所管をしております医療法という法律がございますが、この中で、都道府県が医療機関を誘導させる制度として、中心市街地も含めて、各地域の患者のニーズに応じて、都道府県が医療計画を策定できるようにしております。これが一つの方法かと思います。

 ただ、午前中の質疑にもあった長浜市民病院の移転のケースもそうなんですが、私どもが承知している移転の多くのケースというのは、地域住民のために機能強化を図りたいと。この長浜市民病院のケースでも、平成八年に総合病院化するので規模を大きくしなければいけなくて、土地が確保できずに外に出ているんですけれども、その問題というのは非常に大きいと思っております。

 それで、私どもも協力をして、今国会に国交省から都市再生特別措置法の改正法案が出ております。これには町中で整備する医療機関について容積率の緩和という規定が入っておりまして、自治体の方でかなり自由にそこは調整できるようになっております。そういうことをやっていくことによって、できるだけ建てかえるときに中心市街地に残せるようなことも含めて、国交省と連携して努力を行ってまいりたいと思っています。

 以上でございます。

國重委員 厚労省もしっかりと、また各省と連携して、今のことをしっかり進めていっていただきたいと思います。

 次に、金融庁にお伺いします。

 地域の金融機関の社会的使命の一つとして地域活性化が挙げられると思いますけれども、本改正を機に、地元の地銀や信金がまちづくりにより一層参画していくことが重要と考えます。

 金融庁として今後どのように取り組んでいかれるのか、見解と決意をお伺いします。

小野政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、地銀、信金等の地域金融機関は、地域経済とともに支え合いながら発展していく関係にあるため、例えば、地域において中心市街地の活性化等の前向きな取り組みに対しても資金供給を行うとともに、資金供給者としての役割にとどまらず、地域の中小企業に対する経営支援や地域経済の活性化に積極的に貢献していくことが強く期待されるところでございます。

 このような観点から、金融庁といたしましては、金融機関に対しまして、適切なリスク管理のもと、目きき能力やコンサルティング機能を高め、成長分野などへの新規融資を含む積極的な資金供給を行うこと、中小企業の経営改善、体質強化の支援を本格化していくことの二点を強く促しているところでございます。

 また、金融機関に対しまして、地元の地方公共団体や経済団体、他の地域金融機関等と必要な連携を図りながら、地域経済の活性化の取り組みに積極的に参加することを促しているところでございます。

 このような一環として、昨年の十月に、金融機関による先進的な取り組みや、広く実践されることが望ましい取り組みを事例集として金融庁が取りまとめまして、金融機関や借り手等の取り組みの一助、参考とすべく公表し、周知を行っているところでございます。

 その中には、例えば、中心市街地の衰退等の課題を抱えていた地域を支援するためのプロジェクト事業への新規融資、あるいは、新たなまちづくりに必要不可欠な公民連携による中核施設の建設に対しまして、プロジェクトファイナンスの手法を応用して支援を行った事例などがあるところでございます。

 金融庁といたしましては、金融機関に対し、みずからの創意工夫を凝らし、こうした地域の中小企業等に対する経営支援や地域経済の活性化につながる取り組みを進めるよう、引き続き促してまいりたいと存じます。

國重委員 次に、特例通訳案内士についてお伺いします。

 通訳案内士の方は現在一万六千人、うち稼働率は四分の一と聞いております。

 先日、長浜市の中心市街地の視察に行った際にも、個別的に後で懇談をしたんですけれども、外国人の方はどれぐらい来られるんですかとお聞きしましたら、年間二百万人来られるうちの大体七、八千人ぐらいと言っていました。通訳案内士の方、人数は足りているんですかと聞きましたら、通訳案内士の方は全然いらっしゃらないというようなことを言われまして、どうしているんですかと聞きますと、留学生の方にお願いをしていますと。ただ、留学生の方は期間限定で日本に来られていますので、ずっと頼むわけにもいかないということで、困っております、これからインバウンドが重要なので、やはりここにも力を入れていかないといけないというふうにおっしゃられていました。

 今、通訳案内士の方が一万六千人いるということですけれども、その現状、活動の実態を踏まえた上で、今回の中心市街地の特例通訳案内士のニーズについてどのように分析されているのか。また、特例通訳案内士を新設するに当たって、通訳案内士の方からもさまざまな反対とか懸念の声が上がったと思います。例えば、特例通訳案内士というのは本当に一定の質、レベルを確保できるのかとかいうような懸念の声もあったと思います。

 これらについてどのように配慮して、通訳案内士との活動領域をどのように調整するおつもりなのか。観光庁に見解をお伺いします。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、通訳案内士は、現在、全体の約四分の三が都市部に偏在をしてございまして、一方で、訪日外国人旅行者も地方に旅行することが増加をしております。また、日本文化や自然を体験するプログラムなど、旅行形態も多様化しておりまして、委員御指摘のとおり、ニーズは多様化してございます。したがいまして、これに必ずしも応え切れていないという実態については御指摘のとおりでございます。

 これにつきましては、このような状況を踏まえまして、委員御指摘の活動領域につきましては、需要が必ずしも大きくない地域であっても、外国人旅行者を呼び込むことで活性化を計画する市町村において、効果的に通訳案内士の特例制度を活用できるように措置したものでございます。

 また、委員御指摘の質の問題につきましては、通訳案内士の皆様からは、特例ガイドが提供する外国語での案内の質につきまして懸念の声が出ていることは承知してございます。この点につきましては、中心市街地活性化基本計画の中で研修の内容等をしっかりと確認するとともに、特例ガイドを導入する地方公共団体において責任を持って研修を実施していただき、また、特例ガイドの質を担保することに留意をしてまいりたいと考えてございます。

國重委員 ありがとうございます。

 先ほど来、警察庁、厚生労働省、金融庁、観光庁にお伺いしましたけれども、今回の中心市街地の活性化というのは、経産省だけがやっても活性化にはつながらないと思います。しっかり各省庁連携して進めてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 次に、中心市街地の核となるのは、商店街の一軒一軒の各店舗でございます。ただ、空き店舗が増加するなど、商店街の元気がなくなりつつあります。中小企業庁として商店街活性化を今後どのように進めていくのか、お伺いします。

田中大臣政務官 委員御指摘のとおり、商店街を取り巻く環境は、少子化、人口減等によって引き続き厳しい状況にあります。また、商店街自体も、後継者不足による空き店舗増加、こうした構造的な問題を抱えている現状にあります。

 そのため、平成二十六年度当初予算におきまして三十九億円を措置しました地域商業自立促進事業によりまして、空き店舗を活用したインキュベーション施設の設置ですとか、新たな店舗の誘致、商店街の新陳代謝の促進策、こうしたものを支援していくということでございます。

 また、二十五年度補正予算に盛り込みました商店街まちづくり事業、地域商店街活性化事業、こうしたものによりまして、地域商店街での施設整備、あるいは消費喚起のための各種のイベント実施、こうしたものも支援することとしております。

 さまざまな施策を盛り込んで、商店街の活性化を今後とも図ってまいりたいと思います。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 最後になりますけれども、地方都市が活性化するためには、雇用を十分に確保することも必要となってまいります。経済産業省として、今後、企業立地を促進するなど、地方の雇用を確保するための取り組みをより一層支援していくべきと考えますが、これについての見解をお伺いします。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地方都市の活性化のために企業立地を促進いたしまして地方の雇用を生み出していくことが必要なのは、まさに御指摘のとおりかと考えております。

 経済産業省といたしましては、地元を熟知しております地方自治体と連携をいたしまして、企業立地促進法に基づいた地域への企業立地を推進しているところでございます。

 具体的に申し上げますと、企業立地促進法に基づきまして、地方自治体が基本計画を定めることになってございます。そして、その基本計画の中には、産業機能を集積させるべき区域と業種を定めることになってございまして、その定められた区域に対しまして各種の支援を講じるというようなことでございます。

 さらに、こうした支援に加えまして、地域の基幹産業は中小企業でございますので、中小企業政策をあわせてしっかりと取り組むことによりまして企業立地を促進いたしまして、地方都市の活性化を図ってまいりたいと考えているところでございます。

國重委員 どうかよろしくお願いいたします。

 以上で本日の質疑を終了いたします。ありがとうございました。

富田委員長 次に、木下智彦君。

木下委員 日本維新の会、木下智彦でございます。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。中心市街地活性化法の改正について質問させていただきます。

 きょう、午前中からお昼を過ぎて、ほとんど同じようなトピックで話が展開されているということで、私も同じような内容になってしまいますが、しばし御辛抱いただいて、いろいろと御回答いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 まず最初に、この法案なんですけれども、日本再興戦略で定められているコンパクトシティーの実現というところで、国交省さんが中心になってやられていますけれども、政府全体としてやっていく、その中心的な役割を果たす中心市街地を活性化していくというふうな理解をしているんです。

 先ほども國重委員から質問がありましたけれども、そうはいいながら、中心市街地に資本を集中していくことが果たしていいのかどうかといったところも一つ課題に挙がっているのかな。というのは、今までの質問を聞いていても、それから、これはよくまとまっているなといつも思うんですが、調査局がまとめられている問題点にも書いてあるんですけれども、今、インターネットショッピングなども売り上げが相当伸びてきていて、ニーズも高まっている。それ以外に、郊外型の大規模店舗も非常に各地で人気を博している状態で、それはそれでニーズがあるんじゃないかというところ。

 そうはいいながら、午前中に佐々木委員からも質問がありましたけれども、交通弱者、車を持っていない人たちはそういうところにはなかなか買い物に行ったりできないとか、インターネットが思うように使えない人たち、そういう人たちのためにも中心市街地はそれなりに活性化しなきゃいけないんじゃないか。

 その辺の問題も全部含めて、コンパクトシティーの実現という中で、今回の法案というのはどういう意味を持っていて、しっかりと今の問題点がクリアできるように考えられているということ、これは国民にしっかりと示すべきだと私は思っているんです。

 その点について、まずちょっと、総論になりますけれども、大臣に御見解をいただければと思います。

寺澤政府参考人 委員御指摘のとおり、少子高齢化が進む中で、これまで非常に効率的とされていた、モータリゼーションの中での郊外にいろいろなものが拡散するというのが、逆に今は非効率になってきている。そうした中で、高齢者が住んでいくためにも、生活するためにも、あるいは自治体がいろいろなサービスを提供するためにもコンパクトシティーは必要だろう、地方の持続可能なまちづくりのためには必要だろう、これは昨年の日本再興戦略に盛り込まれたところでございます。

 そこで、コンパクトシティーを目指すに当たって、そのど真ん中にあるのが中心市街地。コンパクトシティーは、いろいろな機能を居住も含めて町中へ集めていこうと。そうしたときに、ど真ん中の中心市街地が例えばゴーストタウンだ、これだとコンパクトシティーにはならないということなので、コンパクトシティーのど真ん中にある中心市街地の活性化は極めて重要だろう。この点は日本再興戦略の中にも盛り込まれています。

 具体的には、簡単に申し上げると、民間投資が伸び悩んでいるという問題がございますので、午前中から御説明しているような、インパクトのある事業に絞り込んで、思い切った支援策で民間投資を後押しする。また、それぞれの自治体がいろいろな創意工夫をやっていくための規制の特例ということで、通訳案内士の特例であるとか、あるいは道路法の許可の特例を盛り込む。

 さらに、午前中もございましたけれども、より多くの市町村がコンパクトシティーに取り組むという中では、これまでの中心市街地の認定の数は相当限りがあったものですから、この法律改正を機に認定の基準を見直して、より幅広い、市町村によるコンパクトシティーに向けた取り組みを応援していきたいと考えている次第でございます。

木下委員 ありがとうございます。

 お話を聞いていて、非常に理解できるところはあるんです。そうはいいながら、やはりそうなったときに一番重要なのは、本当の意味でそれぞれの施策の効果があるのかどうかということだと思います。これは、先ほど来、各委員からの質問の中にもあったところです。

 そこで、先ほど御紹介いただいた道路の占用許可のお話であるとか、あとは特例の通訳案内士のお話であるとか、その辺を、同じような話になりますけれども、質問させていただきます。

 先ほど言いました道路の占用許可といったところで、目的としては、オープンカフェの設置などが簡単にできるようにしたいというところで、先ほど来、私は呼んでいないんですけれども、警察庁の方から御回答がありました。これをこの法案の中で特例として認めていけるようにしよう、これはすばらしいことだなと。話を聞いていると、警察が許可するまでに時間がかかってしまい、思ったようにスピーディーに対応ができていない、もしくは地元からの要望が酌み取られるまでに時間がかかってしまうというようなことがあるので、こういったところで特例として定めていこうというのは理解できるんです。

 ただ、これは法律案で特例にしなければならないのはわかるんですけれども、これを特例として書かなければいけないというのが私は物すごく悲しいなと。結局、地元がそういうふうに道路を使いたい、それがある程度、本当の意味で町の活性化、利益につながるんだとなったときにスムーズに対応ができる、そういう中身になればいいなと。ただ、法律の中では特例として書かなきゃいけないというところの悲しさが私はあるのかなと。

 実は私は、特例として、短期間とか、イベントがあったときに使いますよというふうな形がある程度想定できると思っていますが、本来、中心市街地を本当に活性化するんだったら、もっと思い切ったことをやるべきだというふうに思っているんですね。

 私の海外にいたときの経験でいうと、イギリスなんかは、ケンブリッジの駅周辺は中に車が入れないようにしています。オックスフォードもそうだったですかね。そういったところが割と世界じゅういろいろなところにある。それで、それなりにというのか、すごく発展していたりする。

 やはりそういったところまで、例えば、事前に配っていただいた資料の、概要と書いてあるところに、そういうことも考えられるというようなことを私は書いてほしいんです。そこまで突っ込んでやらないと、本当の意味でこの中心市街地というのは活性化しないんじゃないかなというふうに私は思っています。

 それ以外にも、私はこの仕事をする前に東京でサラリーマンをしておったんですけれども、近くに自由が丘という駅がありまして、あの周辺は、私が学生のときは割と学生の町だったんですけれども、今は、お子さん連れ、ベビーカーを押して歩いていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるんですね。休みの日になるとすごくたくさんの人がいらっしゃる。でも、あそこは全部中に車が入れるんですね。道はすごく狭いし、私が車で通って危ないのでプッと鳴らすと、車道を横切っている人たちとか、はみ出している人たちがこっちを向いて、すごく嫌な顔をするんですよ。

 何でかというと、車が通る道なんですけれども、もうほとんど人が歩くためにあるようになっているのに、制度が追いついていない。もしくは、あそこの中だけ車が入るのを制限したりするべきだと私は思っているんです。あそこがそういうふうになればもっと人が集まってくるんじゃないかなと思っておりまして、その経験があって今回はちょっとお話しさせていただいているんです。今までの質問を聞いていて、各委員の質問が悪いわけではないんですけれども、そこまで思い切ったことを政府として例示していくというようなことも、もっと突っ込んでやっていただきたいなと思っているんです。

 その辺について、御見解がありましたら、大臣でも、どなたでも結構ですが、お話しいただければと思います。

佐々木政府参考人 お答えさせていただきます。

 道路法につきまして、今回、法律上の特例措置を設けさせていただいたわけでございますが、これは道路法に、道路の敷地外に余地がないためやむを得ないものであるという場合でないと占用を認めないと、はっきり書かれておりますので、ここについては法律で手当てする必要があったということでございます。

 先ほど来御質問があった道路交通法につきましては、道路交通法上は、公益上または社会の慣習上やむを得ないものであるときは使用を許可しなければならないという規定が既にございます。したがって、法律上の措置が必ずしも必要ではなかったために今回は法律の手当てをしておらない。先ほど来警察庁から御答弁いただいておるとおり、円滑な運用に努めていただけるということでございますので、今回はこういう法律の手当てとした次第でございます。

木下委員 法律のお話としては、しっかりとしたお話だったと思うんですね。それはわかるんです。

 それはわかるんですけれども、先ほど國重委員もおっしゃっていましたが、やはり、この法律を本当にワークさせるようにするためには、今までの決まりというのを飛び越えていくような総合的な施策が必要になってくると思っているので、そこについてどういうふうにお考えかということを私は聞きたかったんです。その辺については何か御見解等ございますでしょうか。

寺澤政府参考人 委員御指摘のように、いろいろな創意工夫というのがあると思います。これは霞が関の方で一方的に決めるわけではなくて、むしろいろいろ自治体の方からおもしろいプランを出していただく。広大な歩行者天国をつくることも一つの案でございますし、いろいろな提案を出していただきたい。

 今般、内閣官房、官邸主導で、地域活性化プラットホーム、これは主要省庁はみんな入っています。おもしろい提案、モデルとなるような提案があれば、モデルケースとして採択し、各省が力を合わせてそこの実現に協力する、そこでもし委員のおっしゃっているようなものも含めて成功すれば、ほかでもまねをしようとなる、こういう広がりを狙っているものでございます。

 そういう意味では、ぜひ委員の地元も含めて、この地域活性化プラットホームにいろいろなおもしろい提案を出していただければ幸いでございます。

木下委員 ありがとうございます。

 それもわかるんです。余り突っ込んでもしようがないんですけれども、要は、そういったことを想起させるようなまとめを、逆に言うと政府から、こんなこともできるんだよということをもっと出していただければなということでございますので、その辺、御理解いただければと思います。

 時間がないので、どんどん先へ行かせていただきます。

 次は、これも同じように各委員がお話しいただいておった特例通訳案内士についてなんです。

 ほとんど同じような話になりますけれども、特例通訳案内士、今の全国的な資格認定といったところを見てみると、一万七千人ぐらいいらっしゃる、そのうち実際にワークしている人が二五%ぐらいしかいない。資格は持っているけれども七三・六%は未就業だ。持っていて働いていらっしゃる方も、専業でやっている方は一〇%程度だというお話。収入も半数が年間で百万円程度だということで、果たしてこの資格制度自体が本当にいいのかどうかという部分が議論すべきところなんだろうなと思っています。

 ただ、余りそれを突っ込んでしまうと本則からちょっと逸脱していくので、今は情報だけをお話しさせていただきました。そうではなくて、これを本当に地域で、特色のあるところで仕事ができるようにしようということで、今回の特例というふうな話につながっているんだろうと思っているんです。

 では、特例というところで切って見てみたら、今回のこれだけではなくて、今までに、奄美諸島であるとか、沖縄であるとか、福岡であるとか、そういったところで特例もしくは特区という形で、こういう通訳案内士制度を特例的に認められているということだったんですけれども、その現状、何人ぐらいいて、例えば、収入の程度がどれぐらいなんだとか、それを生業として働いていらっしゃる方はどれぐらいいるのかとか、そういうことがわかれば教えていただければと思います。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 総合特別区域などの特例ガイドについての御質問でございますけれども、現在、総合特別区域法に基づく特区などで特例ガイド制度が導入されておりまして、既に研修を終了した特例ガイドが順次活動を開始している地域もございます。

 平成二十六年三月三十一日時点で全国七地域で特例ガイドが導入されておりまして、現在、二百四十四人の方が特例ガイドとして当該地域で登録を済ませ、活動を始めていると聞いております。

 御指摘の収入等につきましては把握してございませんけれども、地元の地域、市などでその活躍が報道されたものなどもございまして、活動を始めているというふうに承知しております。

木下委員 これからだということだと思います。

 ちょっと戻って、国全体でやっている通訳士、ちなみにちょっと調べてみたら、大臣の御出身のところからは、二〇〇九年度の数字でいうと十二人しかいない。資格を持っている人たちは、ほとんど首都圏で働いている。では、本当に働いているのかというと、なかなか働いていない、実際にこれで仕事をしている人は少ないということだったので、よりニーズに合った形に、効果的にやるためにはこういう特例はいいんじゃないかなというふうに私は思っているんですけれども、果たしてそれだけで本当にいいのかなと。

 要は、例えば、皆さんもそうだと思うんですけれども、私なんかが海外に行きましたときに、言葉が通じなくても一生懸命頑張っていろいろなことをして、買い物をしたり、コミュニケーションをとったりして、その楽しさというのが旅行の一つになる。そうはいいながら、ちょっと観光ガイドをつけて、そういうときには通訳の人に入ってもらったりとかもしますけれども。そういう意味では、この制度自体がどうこうという話ではないなと私は思いつつも、もっと日本の国民全体でコミュニケーション能力を高めていくということが必要なのかなと。

 ニーズが英語だけではないんですけれども、韓国語とか中国語とかもあるんですが、少なくとも英語教育という部分では、これから先、我々日本がしっかりと、子供の教育も含めてやっていかなきゃいけないということが一つ。

 それから、オリンピックがあったときに、これから先、必ずいろいろなニーズが出てきます。そのときに、この資格を持っている人じゃなく、例えば学生さんがちょっとアルバイトで案内をしたいといったときに簡単にできる、そういう社会構造をつくっていくべきだと私は思っているので、この制度にとらわれることなく、もっと幅広くそういう機会が生まれるようにしてほしいんです。

 それからもう一つ、どんどん話しますけれども、申しわけございませんが、ここの制度の中で一つ問題なのが、特例で案内士になった人は地域を限定されて、ほかの地域では働いてはいけないというふうに条文の中には入っていまして、これは本当にそれでいいのかなと。

 というのは、一遍旅行に来ました、すごくいい案内をしてくれました。そうしたら、次は来年、この近所に桜のきれいなところがあるから、桜のきれいな季節に来たらいいですよと。では今度も、あなたは非常によかったので、またあの地域で案内してくださいと言われたりすること、本当であれば、それによってリピーターもふえてくると思っているんですね。ただ、この中では、ほかの地域ではなかなか難しいということなので、そういったところも考えた制度にしていただきたいなと思います。これはもう答弁は結構ですので、よろしくお願いいたします。

 次にお話をさせていただきますと、この法案の全体的な効果について。今は施策の効果について質問させていただいたつもりなんですけれども、全体的な効果といったところで、改正前の法律ではなかなか効果が得られなかった、だから改正するんだということなんですけれども、この中でいろいろと書いてあるところを見ると、要は、中心市街地への来訪者を増加させるなどの効果が高い民間プロジェクトを認定する制度を新たに創設するというような形で書いてあるんです。この効果が高いというのは、誰がどうやって判断するんですか。これが私は一番重要なことだと思っているんです。いかがでしょうか。

寺澤政府参考人 御質問があったのは、重点的に支援を行うという特定民間中心市街地経済活力向上事業の認定に関する御質問だと思います。

 この認定は、この法律に基づいて経済産業大臣が認定を行うという形になっています。

 次に、基準はどうなのかということでございますが、この基準は大きく言って二つございます。一つは波及効果があるもの、もう一つが地元がちゃんとコミットしているもの、この二つの基準で認定していこうと考えています。

 後者のコミットというのは、先ほど空き店舗対策でもちょっと申し上げましたけれども、例えば地権者の協力を得られている、地元の事業者とか住民がお金を出しているとか、市町村も金を出している、そうしたことで地元のコミットというのは見ていきたいと思います。

 波及効果の方は、委員御指摘のような、就業者とか来訪者とか小売業の売り上げがきちっと波及効果があるという水準まで達するかどうか、そうした具体的な目標を設定し、それに基づいて認定していきたい。この具体的な目標についてはこれから内閣官房、関係省庁と議論しながら決めていきたいと思いますけれども、十分な波及効果があると言えるものであって、意欲的で、一方では現実的な、そうした水準をこれから見出していきたいと考えている次第でございます。

木下委員 そこは法律の枠組みなのでしようがないのかもしれませんが、まず一つ重要なのは、明らかな基準というものを示すこと、恐らく、国としてできることというのはそこしかないんじゃないか。先ほど来出ていましたが、おととい長浜に行かせていただいて思ったんですけれども、やはり地元の方々の意欲というのが一番重要で、どんなに計画がしっかりしていても、その地域の人たちがやる気がないとなかなかこれは成功しないんだと思うんです。

 だから、逆に言うと、今までのところでもたくさん認定されている地域がありますけれども、この人たちみんなが頑張っていなかったというふうには言いたくないですけれども、なかなかうまくワークしなかった、絵に描いた餅になってしまったという状態では困ると思うんですね。法律だけでそこを規定して、頑張ってくださいと言ったからといって頑張れるものではないとは思うんですけれども、そこが一番大きな問題というところではないか。

 そこで、話が少し変わってしまいますが、あと、この中に書いてあるところで、大店法の立地手続説明会という、普通は大きな店をつくるときに地域の住民に対する説明会みたいなものがあるんですけれども、その義務が免除されると書いてあります。この免除をされるのはなぜなのかということを説明いただければと思います。

寺澤政府参考人 中心市街地の活性化を図るためには、魅力ある商業施設が必要になってくるというのは当然だと思います。そうした場合に、中小のお店だけではなくて大型小売店舗が来るということは、地元の地域の中心市街地の活性化にとってとても重要な場合があり得ると思います。そうした、地元が望むような大型小売店舗の中心市街地への進出を円滑化するために、補助金であるとか税制措置、あるいは金融措置ということに加えて、手続の簡素化ということを盛り込んでいるところでございます。

 特例がないと、最低八カ月ぐらい待たなきゃいけない。事業者からすると、いろいろなところに投資機会がある中で、どうしてここに投資するんだ、八カ月も最低で待たないかぬのかということでは、ますます横に行ってしまう。だから、地元が望んでいる場合にはその手続を短縮するということのための特例でございます。

木下委員 ありがとうございます。

 簡素化するためにこういうことをやられていると。うまく回れば非常にいいなと思うんですね。思うんですけれども、今の、地元が望むところというところが、先ほど来の話が続きますけれども、私はポイントだと思っております。

 本当に地元が望んでいるものであれば、それはワークするんですよ。ただ、計画をつくるのは地方の議会であるとか行政が主導的にやって、ある程度利益が期待できるような一部の人たちだけが計画をつくり、この法案を逆手にとって、例えば地方の首長であるとか地方議会が地元の業者と結託して、これは説明会を開かなくてもどんどんできるんだよ、地元で望まれていることだから計画はちゃんとつくってねと、お役人さんがきれいな計画書をつくってどんどんやってしまって、本来的に地域の人たちが積極的に参加できるような計画ではないという状態が起こってはならないと思っているんです。

 ですから、これをどうこうしろという話ではないですけれども、しっかりと、そういうことがないように目を光らせていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 いよいよ時間がなくなってまいりましたが、もう一つ、細かい事務的なところを聞かせていただきます。

 それは、経産省が出されている概要の最後のところに書いてあるんですけれども、「基本計画を作成しようとする市町村の規制の解釈に関する疑問等に対し、国が回答する制度を創設。」というふうに書いてあります。

 これは聞くと、要は、法律のグレーゾーンになるようなところ、特例がいろいろ出てきますので、そこの部分がどういうものなのかということを、実際にこれを適用する人たちが質問できるようにしてやろうと。去年やりましたグレーゾーン解消制度といったところにつながるような話だということで、前にこれは聞かせていただいたので二度目になるんですけれども。わざわざこんなことを書かなきゃいけないというのが悲しい話で、当然書く必要はあるんでしょうけれども、やはり行政側はそういうことをやるのが仕事なわけですから。ここへ書かなきゃいけないというのが私は非常に寂しいなと思っております。これは御答弁されずでも結構でございます。

 では、次に行かせていただきます。

 これは午前中に近藤委員もお話しされていましたが、今回の法案の中で、改正することによって、地方税の不均一課税に対する基準財政収入額からの控除といったところ、その条文が丸まま抜けているというところなんです。

 この話、なぜ抜けているのかといったことをいろいろと聞かせていただきました。きょう総務省からも来ていただいていますが、まずは経産省から、なぜこの条文を抜くことになったのかということをいま一度御説明いただけますでしょうか。

寺澤政府参考人 御指摘の不均一課税について、現行の不均一課税は対象事業が非常に狭くなっていて、商業施設も使えない、商業基盤施設も対価を取ると使えないということで、民間投資を引っ張るという意味では非常に使いにくいということになっています。

 また、対象市町村も、財政力指数が一定レベル以上だとこの対象外ということで、現に、百十九の中心市街地の認定を受けた市町村のうち四十七は対象外ということで、対象範囲が非常に狭く、その結果、過去、改正以降は二件しか実績がない、二十四年度以降は予算措置もされていないという状況でございますので、そういう実情を踏まえて、施策のめり張りをつける観点から、今回の法改正を機にこれを廃止させていただくということで御提案している次第でございます。

木下委員 ありがとうございます。

 同じ答弁になるかもしれませんけれども、総務省からいま一度御説明いただけますでしょうか。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 中心市街地活性化法等に基づきます地方税の不均一課税を行い、そして減収補填措置を講じる、このことについては、税負担の公平性をどう確保するかという課題、それから、減収分を地方の共有財源である地方交付税で補填するという課題がございます。

 平成十年に閣議決定されました地方分権推進計画におきましては、共有財源である地方交付税を用いた特例的な財政措置であることに鑑み、従来から行われてきたものは適用期限が到来した際にその必要性、対象要件等を見直すとされたところでございまして、これまで随時見直しを行ってまいりました。

 中心市街地活性化法に基づく措置は平成十年度に創設されたものでございますけれども、適用実績が低調であったことから、経産省さんと協議の上、今回の法改正に合わせて制度を廃止することとしたところでございます。

木下委員 ありがとうございます。

 今、経産省さんと協議の上、廃止、大まかな理由を言うと実績がないから。これはなぜ実績がないんですか。私はこれが重要なポイントだと思うんです。

 なぜ実績がないのかということと、もう一つは、なかったら、逆に言うと、これは削るのではなくて、ある程度実態に即した形で、内容をもう一度吟味して、実際に使えるような条文として対案を出すべきだと私は思っておるんですけれども、経産省さんは、総務省さんとお話しされるときに対案を出されていますか。

寺澤政府参考人 私どもとしましても、この不均一課税の対象を広げるべく、過去、累次にわたっていろいろチャレンジをしてきたというわけでございますけれども、この不均一課税の一般的な考え方は先ほど総務省からも御説明がございましたが、一般的な考えがある中で、中心市街地活性化のためだけに特別な取り扱いは難しいということで、現実問題として拡大できなかったということでございます。

木下委員 いろいろチャレンジをされていたというふうなことだと。これは大きな問題だと私は思っているんです。この法案の中だけの話ではないのかもしれませんけれども、実際に実績をつくれるような形に、この条文の部分だけでも整備していただきたいなと思っているんです。

 私の理解は、なぜ実績がないかというと、課税の減免であるとか不均一課税を行うことができるのは、公益上その他の事由によって課税を不適当とする場合、それから、必要がある場合、それからもう一つ、不均一課税の措置による利益が大きいといったときにこの条文の部分が適用されるんだと思っているんです。それで考えてみると、今まで認定した中心市街地は、実際に利益が大きかったところが少ないから実績がなかったんじゃないかなというふうに私は思っているんですね。

 そこは経産省さんが頑張っていただきたい、大臣がリーダーシップをとって引っ張っていっていただきたいと思うんです。ただ、一つ、もう一度注文させていただきますが、その周りで、足を引っ張っているとは言いませんが、総務省さんも頑張っていただきたいんですよ。

 この条文も、私は、ここだけを抜いてしまったというのは本当に悲しくてしようがないんです。ぜひ、本当に実績を残せるような措置をこれからも引き続き考えていっていただきたいなと思います。

 最後に、大臣、その辺も含めまして、一言お願いできますでしょうか。

茂木国務大臣 いろいろ御意見を伺っていまして、例えば、通訳案内士がなぜ使われていないかとか、そういう議論も、要するに日本に来る外国人が少ないんですよ。ようやく一千万人を超えたんですから。また来たいと思うような魅力ある地域をつくらない限り、通訳案内士が幾ら頑張ろうと思ってもそれは無理なわけでありますから、そういった本質のところから変えていかなくちゃいけないんだろうと思っています。

 語学インテリジェンスの話もありました。何で日本では、英語も含めコミュニケーション能力が上がっていかないか。これは江戸時代から、例えば、当時は蘭学でありますけれども、杉田玄白の「解体新書」、これは結局、西洋の進んだ技術とか知識を日本に入れるための語学だったんですよ。明治以来の英語もそうです。こういう知識習得のための語学から、コミュニケーションの手段としての語学に変えていかないといけないんだと思います。

 中心市街地そのものもそうだと思います。生態系は変わっていないんですよ。まるで、レヴィ・ストロースが「悲しき熱帯」で描いたアマゾンの部落みたいな状態なんですね。新しい生態系をつくっていくために、効果が高い民間プロジェクトを重点的に支援する。新生態系に進化させていく、こういったことが極めて重要だと考えております。

木下委員 ありがとうございます。

 私の思いを総括していただくような御答弁を最後にいただきました。どうもありがとうございました。

富田委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私、丸山からも、引き続き、中活法の改正法案につきまして審議させていただきます。

 まず第一に、今回の法案は改正でございます。これまで活性化計画の制度を含めましてずっと実施されている中で、先ほど来、朝から委員の方々から御指摘ありました、依然として各中心市街地がなかなかうまくいかないと。具体的には、事業者数も減っているんじゃないか、販売額も、空き店舗も、シャッター街で、どんどん少なくなってきているというお話があります。

 肌感覚としても、私は大阪選出の議員でございますけれども、大阪といえどもかなり南の方で、ほとんど和歌山、県境でございまして、本当に少子高齢化がますます進んでいて、お年寄りの方ばかりで、若い方は大阪市内、もっといけば東京の方にどんどん行ってしまうというような状況でございますので、自分の家の近くの商店街もそうなので肌で感じているところでございますけれども、この辺の認識についてお伺いしたいんです。

 先ほど来の政府の皆さんの御答弁を聞いていますと、マクロ経済的には少子高齢化が進んでいるということと、インターネット通販等、産業構造が大きく変わってきているということ。重ねて、これまでの法案としては、民間投資がなかなか伸びない状況、民間の活力を生かせていない状況があるということ。さらには、顧客が分散化している現状がある、それに対しては交通の整備ができていないという、幾つかの論点を問題点という形で挙げていただいております。

 今回の法案に関しましては、特に民間投資をどうやって伸ばしていくかという点につきましては、これまでのものに対して上乗せでやられるというのが見えるんですけれども、一方で、お答えいただいたきょうの答弁の中で、住宅地などの郊外と中心市街地を結ぶ交通の整備がなかなかできないというところも御指摘がありました。このあたりに関しまして、今回の法案では見えにくいところがございます。

 同じ質問をお聞きしても、また同じ答えになってしまうと思いますので、特に、これまでの委員の皆さんの御質問を受けて私がお聞きする中で、さらに少し詳しくお伺いしたい交通の整備等を含めまして、そのあたりを少し政府の側から御答弁いただきたいと思います。

松島副大臣 おっしゃるとおりに、丸山委員の肌感覚の実態のとおりでございまして、これまで、最初に平成十年にこの法律をつくって、さらに十八年に基本計画の認定を含む見直しをやってまいりました。

 現状の認識といたしましては、平成十八年の改正を受けて指定されたところの十四都市が、二〇一一年度、つまり平成二十三年度に認定基本計画が完了いたしましたが、その十四都市の状況を見てまいりますと、事業所数が二〇%減っている、年間小売販売額が三〇%減っている。一体何をやってきたのかという気になるような数字であります。

 本当に、委員言われたとおりに、この問題点、なぜこうなったかというと、民間投資が十分でなかったり、人が分散して住んでいた。この反省のもとに、今回の法律改正で、経済産業省としては、民間のビルその他、中核となるところにお金をしっかり入れるということ。また、例えばマンションをつくって、一階に商店、あるいは医療機関、診療所など、そしてその上に住宅、そういうようなときでも経産省としても応援していくということです。

 もう一つおっしゃった、まさに交通ネットワークの問題、こちらは、もう御承知のように、今回、国交省から出されています都市再生、居住及び地域公共交通ネットワーク整備に関する改正法案、この改正法の方で措置していただく。

 そういう二つでやっていこうと思っております。

 今、少子高齢化というのは、ある意味では、お年寄りがふえると、郊外に住んでいることが嫌になる。かつて、若いときだったら、郊外で広々とした庭があるのがいいなと思っていたのが、都会に、都心に、それぞれの都市の拠点となるところの町中に居住して、庭はなくてもいいから商店が近い方がいいとか、そういうこともふえてくると思いますので需要はある。それに対しての交通のネットワークというのは、国交省の今回の措置の中でやっていただくということになります。

丸山委員 今回こちらの経産委で審議させていただいている中活法の改正案、そして国交委員会でやることになるネットワーク法も含めまして、どうしても今までの延長線上のものであって、現状を変えるに至らないんじゃないかなというのはもう皆さんお感じになっているところだと思います。

 役所としては、恐らくこれ以上というのは難しい。いろいろな御意見もありますし、いろいろな立場もありますので、大きく変えるというのはなかなか難しいんですけれども、茂木大臣もマッキンゼーにいらっしゃったので、外資系ではよく使われるというふうに私は聞いておりますけれども、いわゆるブレークスルーといいますか、現状を打破できるような、やはりもう少し根本的な部分にも踏み込んでいかなければいけないんじゃないかと思います。

 具体的には、うちの地方もそうなんですけれども、まさしく先ほど来、朝からあるような、いわゆる大型のショッピングモールが駅前とはほど遠い場所に建ちまして、そのこともあって、それができて以来、お客さんがどどんと商店街の方では減ってくる。そして、問題は、さらに違う部分にまた新しいショッピングモールが来て、そのショッピングモールも閉店に追い込まれて移ってしまうという、非常に、どうなんだろうな、これがずっと続くのかなというような現状が続いているわけです。

 これはいろいろ、研究の話もあるとは思うんですけれども、海外の話なんかを見ても、同様の現象が起きている国があるというふうに勉強会等で聞いたことがございます。

 例えばイギリスなどでは、同じような状況が起きている中で、逆に、現状のような、中心市街地になるべく持ってくるようにインセンティブを商店に課すとか、税制上の優遇だけじゃなくて、さらにもう少し高目の規制といいますか、具体的には、大型のショッピングモールを出す場合には、まずできる限り中心市街地につくる、そしてもっといけば、難しくても、さらにその隣接地に出店可能かどうかをまず検討して、そして不可能な場合のみ郊外での立地を許可するという形なんですね。端的に言えば、そういう抑制の段階を図っていくことで、大型店の出店を郊外にというのをなるべく抑制するような制度がなされている国もあるということでございます。

 先ほど来のブレークスルーという話を考えますと、この延長線上、今までのままではどうしても、恐らく五年後、十年後に同じような法改正をしなければならないんじゃないかと考えるところなんですけれども、このような抜本的な政策につきまして、政府の方でどのように見解をお持ちでしょうか。

茂木国務大臣 イギリスは、一九九六年にシーケンシャルアプローチ、シーケンシャルですから順序立てたアプローチということでありまして、御指摘のように、大型小売店舗を立地するときには、まずは中心市街地、その次に中心市街地の隣接地、そして地区センター、ローカルセンター、それ以外、こういった順番で立地を検討する、こういうアプローチをとることによりまして、大型小売店舗の中心市街地への誘導に一定の効果があった、こういう評価もあります。

 ただ、その一方で、私も現地に行って聞いてきたんですけれども、そうはいいながら、では中心街に十分な商業用地がないじゃないか、それを用意しないでただ立地だけ制限されても困る、こういう意見もあるわけでありまして、そういった両側からのアプローチが必要だ。

 実は、委員も御案内のとおり、今、日本も、二〇〇六年の改正におきまして、大規模な集客施設につきまして、それまでの六つの用途地域を三区分、つまり、近隣商業地域、商業地域、準工業地域に制限いたしまして、第二種住居地域、準住居地域、工業地域では地区計画決定をしない限り立地できない、こういう形をとったわけであります。

 また、今国会に提出されております都市再生特別措置法改正案では、市町村の策定した立地適正化計画に基づいて、誘導区域への都市機能の立地を促進するとともに、誘導区域外への都市機能の立地に対しては一定のコントロールを行う仕組みとなっております。こういったアプローチは重要だと思います。

 ただ、よく考えなくちゃいけないのは、本当に大型店が郊外に出店したために中心市街地がだめになっている問題なのか、こういったことはよく考えなければいけない。長浜なんかは、周りに大型店があるのにうまくいっているんですよ。

 ところが、名前は出しませんけれども、大型店が周りにないのにうまくいっていない中心市街地はたくさんあるんですね。さらに言うと、景気が悪いからだめなんだ、よく、景気が悪かったからこの二十年間、中心市街地はだめなんだと言われていますけれども、例えば某県のある都市では、一部上場企業が六社もあるんですよ。ところが、中心市街地は低迷している。駅には電車が一時間に二十八本とまります。ところが、駅前の商店街も衰退している。

 これは、では、景気が悪いから、大型店が出てきたからで済ませればいいのか。ほかの要因も含めた、やはり委員がおっしゃるようなブレークスルーということが必要なんだと思います。

丸山委員 その点は私も同意させていただきます。まさしく大型ショッピングモールだけの問題ではないと思います。ただ、一つ大きな問題点としてこれはございますので、駅前の土地が得られるかどうか、一番の中心市街地が得られるかどうかは非常に難しい問題だと思います。

 次の質問につながるんですけれども、地元を回っていて、商店街の活性化、特に再開発、計画も出て、結局うまくいかなかったところも地元ではあるんですけれども、そういったお話を聞くと、どうしても、地権者との関係だとか、使用者の分離のお話、またはもっといけば、うちは地方なもので、そもそも下水道等のインフラの整備がうまくいっていなくて、トイレをつくるのもえらい大変で、そういった意味でなかなか無理だよというお話だとか、いろいろな弊害の点が出てまいっております。

 細かいところまで言うと、いろいろな問題点があっていろいろなアプローチがあるという話なので、本当はもうちょっと制度的な部分も含めまして、先ほどの質問の大型店の出店の話も制度的な規制という話なんですけれども、一方で、土地所有の問題等、このあたりにつきましても制度的な優遇が必要なんじゃないかと私は感じております。

 税制的な優遇を今回幾つか入れられましたけれども、土地所有の話に関しましては、どのように政府の方で見解をお考えでしょうか。この辺の、制度的優遇について対応策を伺いたいと思います。

寺澤政府参考人 ちょっと最後の質問が聞き取れなかったんですけれども、もし正確に理解するとすれば、委員御指摘のように、中心市街地の活性化がうまいこといっていない場合というのは、大抵は地元が一体になっていない、コンセンサスができていないということがほとんどです。逆に、月曜日に視察しました長浜を含め、比較的うまいこといっているところは、地元が一体となって、町全体としてまちづくりをやっている、こうしたことになっているかと思います。

 そういう合意形成というのは本来地元がやるべきことなので、私ども政府でやれることは限りがあるのでございますけれども、例えば、今回の法改正で民間中心市街地商業活性化事業というのを導入し、これはいろいろなソフト事業を認定し支援するんですけれども、そのソフト事業を通じていろいろな勉強会をやってもらう。地元の関係者が集まって勉強会をして、合意形成をしてもらう、あるいはいろいろな研修をしてもらう。研修の中で、委員も御指摘があったような、例えば所有と使用の分離。

 成功例として高松の丸亀町商店街があるんですけれども、あれは地権者がまちづくり会社に定期借地権を設定して、まちづくり会社はそれでビルを建てた、テナントミックスをした、そうした事例がございます。そうした成功事例などもしっかり勉強してほしいと思います。

 また、今回、重点支援の対象として経済活力向上事業というのを導入したんですけれども、認定の対象としては、地元のコミットメント、地元のやる気があるということを大きな要件にしていますので、そういう要件を示すことによって、地元におけるコンセンサスビルディングというのを促していきたいと思っています。

 なお、税制についてのインセンティブでございますけれども、空き店舗とか中心市街地に対して民間投資をしていただける、そうした事業者に対しては、思い切った投資減税であるとか登録免許税の軽減措置ということでしっかり応援していきたいと考えております。

丸山委員 先ほど来、寺澤審議官は、合意形成は地元でやることだ、そして、先ほどほかの委員からの質問で、自治体の方からおもしろい提案を出していただきたいという御答弁がありました。

 これは難しいところだなと私は思っていて、地元でお話を伺う中でも、私も寺澤審議官と同じ気持ちももちろん強うございます。地域でできることはできる限り地域でやってもらって、いいアイデアがあるならば、それをできるだけ国でバックアップするのが理想的な形でございます。

 一方で、商店街の皆さんのお話を聞いていますと、いや、そんなん言うけれども、できひんでと。では何ができないんですかと言うと、まず、若い人もおらぬ、どんどんどんどん店も閉まっていくので後継ぎもおらぬこともあって、そもそも人がおらぬし、次に、人がおっても、そんなアイデアが出てくるような人がおらぬから、外から引っ張ってくるにも、どうやって引っ張ってきたらええかすらわからへんねん、ずっとずっと、活性化以前のときからやろうやろうとしているけれども、現状があるという声をどこへ行っても聞くんです。

 おもしろい提案がというのはわかるんですけれども、また、地元で合意形成を図ってくれというのもわかるんですけれども、そういった声に関しましてどのように、特に多分、先ほど来御答弁のように、人が一番のキー、核になるところだと思うんですが、そういった声、地元の人に対して、切り捨てるんじゃなくて、少し政府の側からも、プラスアルファ、歩み寄るといいますか、カバーできるような御答弁や、むしろ支援策も含めまして、どうやっていけばいいかというところの御提案をいただければと思います。

松島副大臣 確かに、どうやればいいのかとか、やる気のある旗振り役がいなかったり、多くの商店街がそういう状況にあると思います。

 私ども経産省で、一つ事業といたしましては、研修事業、最近でいいますと野村総研とか三菱総研が請け負って、以前は中小企業基盤整備機構が請け負うことが多かったんですけれども、経産省がお金を出して、まちづくりのリーダー、将来、これから頑張るぞという中心市街地活性化あるいは商店街のリーダーの候補者、直近でいいますと、一年間に二百四十二人がここで勉強する。

 切磋琢磨してどんなことを勉強するのかというと、かつての成功事例を教えてもらったり、金融機関とのつき合い方だとか、いろいろな空き店舗によそから来てもらうときの見つけ方、口説き方、そういうようなこと、あるいは法改正のポイントや補助金の申請書の書き方、そういうことも含めた研修も行っております。

 午前中、私も一つ答弁したんですけれども、やはりみんな励みになると。こういう講習、研修も大事だけれども、よそでうまくいった事例のことを知りたい、勉強のきっかけを知りたいという方が多いと思います。そしてまた、うまくいったときにいろいろな形で表彰されるのが非常に励みになるという形で、経産省はことしは三月三日に、がんばる商店街三十選というのを選びまして、茂木大臣から直接御説明いただいてもいいんですけれども、茂木大臣が達筆を振るった四文字、自我作古、我よりいにしえをなすという意味のようなんですけれども、大臣がそうやって表彰するのは物すごく励みになるんですよね。そしてまた、それを飾っておいて、周りに、こうでねということになる。こういうことをもらった人たちが、またほかの人に伝えていくということが大事じゃないか。

 そして、経済産業省はいろいろ表彰制度が多いんですけれども、ほかに、キャリア教育アワード、私も表彰に行きましたときに、長野県佐久市の岩村田本町というところ、ここは、阿部真一さんという人がリーダーになって、この人は中小企業政策審議会のメンバーの一人でもありますけれども、引きこもりがちな子供たちを商店街が集めて、例えば夏祭りのヨーヨーだとか金魚すくいだとか、つまりお金みたいなもので商店街、商店だったらこういうことをするみたいなことを勉強してもらいながら、キャリア教育をやりながら、そして町の人たちをたくさん集める、そんなことをやっております。

 元気のいい、一人がやる気があって、旗振り役がいると元気になっていく、そういうところを全国に広めたいというか、経産省、中小企業庁の施策あるいは成功事例というのがホームページにも載っていますので、そういう機会にぜひ勉強してもらいたいな、刺激を受けていただきたいなと思っております。

丸山委員 がんばる商店街七十七選、あと新を出されているのももちろん存じ上げています。

 何も私も答えがあってお聞きしているわけじゃない、むしろ何かあればそれはすばらしいんですが、ないからこそ積み上げていくしかないんだというのは重々理解しているところなんです。積み上げていく中で、いいところがあって、それをまねできるように。

 少し次の質問につなげていくんですけれども、これまで見ていると、前回の十八年の中活法の改正のときには、当時私も経産省におりまして、当時はやった言葉というか、よく出た、総花的という言葉がいろいろな政策上出てまいりまして、この中活法の改正のときにもたしか、総花的な基本計画、いろいろなところに広げ過ぎているので、それを見直して選択と集中をしていく、先進事例を出して、それに追随してうちもやろうというところをふやしていくために、まず先進地域をつくるんだという提案がございました。

 今回ももちろん、まず最初の、効果が高いプロジェクトに絞り込むということで、特定民間中心市街地経済活力向上事業という形でおやりになるということなんですけれども、一方で裾野の拡大も政策に加えておられまして、具体的には基本計画の認定要件の緩和ということなんですけれども、このあたり、選択と集中の一方で裾野の拡大というのが相反するようにも聞こえかねないんです。

 このあたりのデマーケーションといいますか、分けられた理由だとか、そのあたりを詳しく説明ください。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 中心市街地活性化法の目的といたしましては、省庁の縦割りを超えて、中心市街地活性化に係る各省の施策の連携を図り、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することでございます。

 このような観点から、現行の基本方針におきましては、市町村に対しまして、四事業、具体的に申し上げますと、市街地を整備改善する事業、病院等の都市福利施設を整備する事業、町中居住の推進のための事業、商業の活性化のための事業、以上四種類の事業を原則全て実施することを求めているところでございます。

 したがいまして、引き続き、中心市街地活性化に関連する多様な事業をパッケージで、総合的かつ一体的に推進していくことは重要と認識しております。

 しかしながら、個々の中心市街地におきましては、例えば町中居住の推進のための事業に関して、既に相当程度居住機能等が区域内に集積していることから、中心市街地活性化の目標達成のためには必ずしも新たな整備を要せず、既存ストックの活用で十分であるような場合もございます。

 こうしたことから、今回の要件緩和といたしまして、地域のニーズ、過去の取り組み成果等の地域の実情を的確に考慮いたしまして、目的実現のために、四事業のうち一部事業で新たな事業を要しない中心市街地につきましては、必ずしも四事業全てを新たに実施しなくてもよいこととする柔軟な対応を検討しているところでございます。

 これによりまして、これまで、多くの新事業を計画、実施することが困難なため、基本計画の認定申請をちゅうちょしていた市町村におきましても、積極的に中心市街地活性化に取り組むことが可能となると考えております。

 以上でございます。

茂木国務大臣 非常に精緻な答弁をされたのでわからない部分もあるかと思うんですけれども、要するに、四科目合格しないと卒業できない。今まで二科目とっています、その人は残りの二科目を受けて、そこが合格すればいいですよということによって、卒業の門戸を広げて、その人が卒業した後、さまざまな仕事につけるチャンスを広げる、これが裾野の拡大です。

 それに対して、今回の重点施策につきましては、何しろ一科目さえすぐれていればいいんだ、すぐれた能力を持っていれば、それをあなたは伸ばして、一生それで頑張っていきなさいと。音楽の才能があるとか、運動の才能がある、こういうのをどんどん伸ばしていくという観点からの事業でありまして、基本的に、そういった意味で、同じ学生であっても見ている項目が違うというか、将来どうしていきたいかという考え方が違うというのが基本にあるんだと思っています。

 それから、先ほど来、人材の話とか、やる気の話が出てくるんですけれども、私は、ちょっと英語になるんですが、やはりコミットメントの方がいいと思うんですね。

 結局、どこまで関係者みんながまちづくりや中心市街地の活性化にコミットするか。商店街で幾ら頑張っている人がいても、地権者が全く違うところに住んでいて、その町のことに関心がない、テナント料を下げることにも全然関心がない、こういったことでは、幾らやろうとしても中心市街地の活性化というのはうまくいかない。

 お店がある、高齢化して代がわりをする、なかなかお子さんが継げないということだったら、ほかの人でもいいから誰か、そこで事業をやりたいという人は世の中にいるんだと思います。そういった人を町ぐるみでというか探してくる、こういった努力も必要だと思っております。

 何しろ、始めたことを新しくするというのは難しいんですね。先ほど松島副大臣が、我よりいにしえをなすと。あれは宋の時代の言葉でありますけれども、唐の太宗が貞観政要という本を書きまして、そこの中で、創業はやすく守成はかたし、こういう言葉を残しているんですね。

 やはり、代を継いで事業をやっていくというのは難しい。中心市街地の経営もそうなんだと思います。ただ、これからやり方によって重点施策で十分伸びていく地域はあるし、またそういうものをつくっていかなきゃいけない、そんなふうに私は思っています。

丸山委員 大臣の御答弁、わかりやすく御説明いただきました。いずれにしろ、選択と集中だと。まず、計画の重点地域を選択と集中をしていく。重点支援するところと、そしてなおかつ裾野を広げるといいつつも、一方で、各計画ごとに選択と集中をしてくれというために緩和するんだということで、すごくわかりやすい御説明をいただきました。

 一方、ずっとお話を伺っていて思うのは、先ほど卒業要件の例を挙げていただきました。認定においても、計画を出してくる地方自治体やら民間の協議会さんなりにある程度の要件を出してこられて、そして最終チェックにおいても、最終フォローアップ報告において、達成はどうだとかいう形で目標値を御確認いただいているのは非常に大事なことだと思うので、それはやっていただきたいんですが、一方で、では政府はどうなんだと言われたときに、少し答弁に困るかなというふうに思います。

 というのは、再興戦略等でも例えば企業の数を、具体的な数を決めて挙げられるとか、今般であれば金融政策も物価目標という形で明確に置かれて、最近の政策はすばらしいなと。目標を置くことでやはり主体的になります。まさしくコミットメントするということになると思うんです。

 一方で、今回の法改正において、どれを数値目標に置くかは議論があると思うんですけれども、基本計画の申請数なのか、目標達成割合なのか、それとも全体的な空き店舗の数か。いろいろ数値化できるものはあると思うんですけれども、何かしら政府としてやはり客観的な目標がなければ、地方にやってくれ、やってくれ、やってくれだけになってしまって、政府のコミットメントという意味で薄くなるんじゃないかな。地方側にばかり課してしまって、では政府としてはないのかという御批判もいただくと思うんですけれども、そのあたりはどのようにお答えになりますか。

寺澤政府参考人 お答えいたします。

 委員から御提案があった、例えば基本計画の申請数とか、空き店舗の数の改善とか、目標達成割合とか、さまざまな目標というのはあり得るんですけれども、この中心市街地活性化法の基本的構造は、あくまでも市町村に計画を出していただくということでございますので、例えば申請の数について政府から、あらかじめ幾ら幾らということを決めてやるのはなかなか難しい。

 いろいろな目標は創意工夫であり得ると思うんですね。市町村ごとに、うちはこの目標、ここはこの目標ということなものですから、必ずしも一つの目標を全ての市町村が採用するわけではないということでございますので、上から何か目標を決めるというよりは、それぞれの市町村から手を挙げてもらっていろいろな目標を出していただいて、それをしっかりとフォローするということでございます。

 他方、先ほどから述べています重点化支援、経済活力向上事業については、それなりの波及効果とかコミットメント、やる気ということが必要でございます。それについては絞り込む必要があるので、一定の目標は今後詰めていきたいと考えております。認定に当たっての目標は決めていきたいと思います。

丸山委員 特に、重点支援の方の向上事業に関しましてはこれから詰めていくということでございますので、よろしくお願いいたします。またお伺いしたいと思います。

 次に、時間がないので進めていきますけれども、特に、地域にどうやってアイデアを出していただくかというときに、これまでのスキームも同じでございますけれども、中心市街地活性化協議会の位置づけというのは地域の御意見をまとめる上で非常に重要なスキームでございます。一方で、これはうちの地元もそうなんですけれども、非常に開催回数が少なかったりして、うまくいっていないんじゃないかとか、形骸化しているんじゃないかという御批判があると思うんですけれども、このあたりは政府として、活動実態や状況をどのようにお考えなのか。そしてなおかつ、うまくいっていないのであれば、何か改善策等は政府の側からはないんでしょうか。よろしくお願いします。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 現行法におきまして、中心市街地活性化協議会は、市町村に対しまして、市町村が作成しようとする基本計画、認定基本計画の実施に関し必要な事項について意見を述べることができると規定されておりまして、地元関係者が議論できる法的枠組みとして整理されております。

 他方、現実の活動状況につきましては、年に一回も開かれていない、あるいは、年に一回といった協議会が約四割にとどまっております。

 また、役割につきまして、基本計画記載事項の進捗管理、基本計画策定に関する意見具申との回答が約六割を占めておりまして、事業間の連絡調整との回答が約二割にとどまっております。議論としては低調なところがあるというような指摘もなされていると認識しております。

 中心市街地活性化協議会は事業の推進主体ではありませんが、まちづくりに関係する者を幅広く集められるという特徴を生かし、さらに議論を活性化し、その決定事項が現実の取り組みに反映されるよう、地域独自の創意工夫を積極的に喚起していくことが重要と考えております。

 このため、今後、基本方針の見直しに当たりましては、中心市街地活性化協議会の役割を改めて明確化するため、市町村から基本計画案の提示がない場合であっても、基本計画案の策定に向けた協議を積極的に行うこと、あるいは、市町村に対して中心市街地活性化協議会への参加を要請し、基本計画案や認定基本計画の見直しの提案を行うための協議を積極的に行うこと等といった趣旨を明記することを関係府省と協議してまいりたいと考えております。

丸山委員 何も回数が全てではないと思いますけれども、先ほどの話だとゼロ回というところもある、ゼロ、一が四割ということでございますので、これは非常に自主的な問題でもあると思いますので難しいところではございますが、このあたりは政府としても、引き続きだと思いますが、どうやったら活性化していくかというのはお考えいただけるようお願いします。

 時間もなくなってきましたが、最後の質問をさせていただいて、終わりたいと思います。

 先ほど来各委員から御質問が多くございます、私も気になっている中心市街地の特例通訳案内士制度についてお伺いしたいと思います。

 これは人数がどうこうというよりは、具体的に、うちの地元で御案内いただくときにどうかなというのを少しイメージしてみたんですけれども、うちの地元に泉佐野市という、関西国際空港があるところがございます。恐らくそこで中心市街地となりますと、もう本当に海側の、関空がある、泉佐野駅という一番大きな駅があるところになるんですけれども、その商店街や周辺が恐らく中心市街地になるだろうという想定だと思うんです。

 一方で、そこで、海外から来られた、例えば関空に来られたお客さんを案内士さんに案内してもらう中で、恐らく観光客の方は、少し先ほど木下委員からもありましたけれども、そこだけにとどまらず、近隣市町村も含めまして、一方で、泉佐野市の中でも、例えば温泉なんかはもっと山手の方、車で二十分か三十分ぐらいのところにあるんですけれども、あとは重要文化財のお寺だとかも結構距離がございます。

 現在の改正法案のスキームであれば、案内士の方は中心市街地の中でしかできないということでございますけれども、こうすると、つまり、市街地を出てしまったら、あとはさようならという形で、非常に使い勝手の悪い制度になりかねないんです。いわゆる面で市街地を捉えるんじゃなくて、できれば幾つかの点も含めてもっと使い勝手のよいようにしないと、うまくいかないのが目に見えるように懸念されるんですけれども、このあたりはどのようにお考えいただけるのか。何とか工夫できないのかも含めまして、最後に、政府の側の御見解をいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えさせていただきます。

 ただいま委員から御指摘のありました、今般の法改正で創設されます中心市街地特例通訳案内士制度は、市町村が行います当該中心市街地の地理、歴史、文化等に関する研修を受けていただいた方について、当該中心市街地内でのみ報酬を得て通訳ガイド事業ができるというものでございます。

 この制度は、増大する訪日外国人旅行者を中心市街地に呼び込んで地域の経済を活性化していただく、そういう手段の一つを提供させていただくというものでございまして、他方、当該中心市街地エリアの外につきましては既存の通訳案内士というものを御利用いただくなど、通訳案内士、一般の制度と、この新しい特例の案内士、それぞれの特色を生かしていただいて、効果的に御利用いただければというふうに考えておる次第でございます。

 よろしくお願いいたします。

丸山委員 もう時間がないので終わりますが、旅行に来られた方にはずっと同じ案内士さんがおつきになるのが普通だと思いますので、途中で、中心市街地だけを案内されてバイバイというのはちょっとおかしな制度だと思います。この辺はやはり現状に即した制度にしていただくよう強くお願いいたしまして、私、丸山穂高の質疑を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

富田委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。

 質疑の時間をいただき、ありがとうございます。

 本日は、朝からずっとこの質疑が続きまして、日本維新の会、木下委員、丸山委員に続き、私も中活法の改正案に関する質問をさせていただくわけなんですけれども、くしくも、木下委員も丸山委員も私も大阪選出の議員でございまして、かつ、先ほど丸山議員の冒頭に、丸山議員は大阪府でも南側、和歌山との県境ということでしたけれども、私は北の方でして、京都との県境でございます。大阪市から電車に乗れば確かに三十分以内のところなんですけれども、大阪市内からはちょっと離れたところという感が否めませんで、少子高齢化、そして商店街、中心市街地の問題というのは、本当に迫るものがございます。そういったことで、三人目ともなりますので、個別というよりも、ちょっと具体的にお答えいただきたいんですけれども。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 大阪府高槻市の基本計画につきましては、平成二十一年十二月に認定を行い、平成二十七年三月までを計画期間といたしております。現在、大学等キャンパス整備及び生涯学習地域拠点整備等、着実に取り組みが進められているところでございます。

伊東(信)委員 それで、高槻市の地方議員、府議会議員、市議会議員にヒアリングすると、今の進捗状況のペーパーをいただくわけですね。駅がございまして、駅の北側はこうなっている、南側はこうなっている、駐車場はこうなっている、各お店はどうなっている、終わりました、今進行中ですというような報告を受けるわけなんです。お隣ですので、そこの商店街とかのお店の皆さんなり、商工会議所の皆さんなり、地域的に商工会議所も各商店会も連絡がありますのでヒアリングしますけれども、余りぴんときていないところもあるんですけれども、政府の総括としてはどうなんですか。

 今御報告いただいたんですけれども、評価としては、進捗状況としてはうまいこといっている、活性化できている、そういった評価なのでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 目標指標等の成果についてでございますけれども、二十四年度のフォローアップでその数値について検証いたしております。

 歩行者通行量につきましては、取り組みの進捗状況が順調であり、目標達成可能であると見込まれるということでございます。具体的に申し上げますと、基準値、平成十九年が五万七千六百四十二人ということでございますが、目標値六万二千人につきまして平成二十四年度の最新値は五万九千九十二人ということで、目標達成可能であると見込まれるということでございます。

 また、小売業年間商品販売額につきましては、同じように、取り組みの進捗状況が順調であり、目標達成可能であると見込まれるということでございます。具体的に申し上げますと、基準値、平成十九年が八百六十五億円、平成二十六年の目標値が八百七十億、平成二十三年の最新値が九百二十八億というような状況でございまして、目標達成可能であると見込まれるということでございます。

伊東(信)委員 先ほどの丸山議員の質疑の茂木大臣の答弁の中で、四科目のうち四科目ともというところから、一科目でも飛び抜けたものがあるというところがありました。今までだと、市街地の整備改善、都市福利施設の整備、町中居住の推進、商業の活性化の四点が調わないと認可されなかった。今、たまたま、たくさんある中の高槻市の事例で、このようにうまいこといっているという評価であれば、この四科目ともよかったのではないかなというような解釈になってしまうんです。

 もう一度確認ですけれども、まずは、この一つでも認可されるようになるわけですね。これは、今までの反省を踏まえてというわけではないのですか。適正に高槻市の事例はどんどん成功事例に向かっていっている、そのような解釈からだとするとちょっと矛盾しているような気がするんですけれども、いかがでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 計画認定要件の緩和でございますけれども、これにつきましては、基本的にその四事業を原則全て実施するということでございますけれども、例えば町中居住の推進のための事業に関して、もう既に相当程度の居住機能が区域内に集積をいたしまして、中心市街地活性化の目標達成のために必ずしも新たな整備を要しないといったような場合がございますので、そういった場合につきましては、既存ストックの活用が十分であればというような認識でございます。つまり、目標実現のために、四事業のうち一部事業では新たなものは必要ないというふうなことで、今検討しているところでございます。

伊東(信)委員 高槻市の府議会議員とかの話をヒアリングしたのをそのままフィードバックさせていただきますと、現在では、まだ、市町村と経産省、国交省の連携自体がいま一つしっくりきていないように感じるというぐあいにお聞きしたんですけれども、そういうことではないということなんですか。今のお話を聞いていると、それがうまいことコラボしているというぐあいに聞こえるんです。

 もう一度確認ですけれども、何回も確認して済みません、この連携がきっちりといっているということですか。もう一遍お願いします。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十四年度のフォローアップということを行っておりまして、その際には、先ほど申し上げましたとおり、目標達成の見通しにつきまして、かなり達成可能というような数値が出ておりますので、そういった意味で、連携も含めて、成功事例の一つであろうかと思います。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 お隣の市ですので、それに関して何か批判したり、けちをつけたりするというわけではないんですけれども。

 申しわけないことに、長浜市のときに私はちょっと行けませんで、資料をいただいて読ませていただいただけなんですけれども、長浜市自体は、ちょっと関連しているというか、知っている病院がございますので、何回も訪れたことがあるんです。

 漆黒の町ということで、年間二百二十万人が来られるということなんですけれども、いわゆる観光事業として成功していると解釈していいと思うんです。ただ、大きな何かランドマークになるような名所があるわけではなく、これからの来場者のアップというところで、若干、今うまくいっている間に、次の手をどうしようかということも議論なり検討をしているという話も、私自身もちょっと聞いているんです。

 私の地元の枚方市なんですけれども、四月一日に中核市に指定されました。言うまでもなく、三十万人以上の都市が中核市に指定されまして、枚方市は四十万人を超えていますので中核市に指定されたんですけれども、だったら駅前は栄えているかというと、実は残念ながらほど遠い実情でございます。

 駅前の商業ビル、近鉄さんとか、いろいろあったんですけれども、それはもうほぼ閉鎖されまして、今、新たなるそこの土地の活用、もう売却地は決まって買い取ってくれた企業があるんですけれども、TSUTAYAさんが買い取ってくれて、その運用ということなんです。

 徒歩圏内に大学病院がございます。関西医科大学の枚方病院と、関西医科大学自体もありまして、私の足で歩いて十分ぐらい、うまいこといけば五分ぐらいかな。お年寄りの方は、やはり優に十分ぐらいかかりまして、その間、動線が、地下道があるわけでもなく、屋根のある歩道があるわけでもなく、うまくコラボレーションができていないわけですね。そうなると、やはりまちづくりということなんです。

 実際、中核市として指定された枚方市、四、五駅離れたところに樟葉という駅がありまして、そこに大きなくずはモールというモールができまして、そちらにやはり集中している状況です。

 この中で、中心市街地の活性化に関するこの改正法案というのは非常に重点的なところを占めると思うんですけれども、こういった、先ほどの丸山議員のおられた和歌山に近いところ、私のところは京都に近いところ、大阪八百八十万都市といいましても、北から南まで非常にさまざまな問題を抱えています。

 この四点の整備から一つになったということにまたこだわりたいんですけれども、長浜市のように観光、それで枚方市の場合、どうしても少子高齢化していますので、住宅地なのか商業地なのか、市によって、まずは一つ伸びるところをつくってください、その目標を設定してくださいというような施策なのでしょうか。

松島副大臣 直接のお答えになるかどうかわかりませんけれども、今言われた枚方、先生のお地元に関西医科大学がある、つまり教育機関がある。と同時に、関西医科大の病院がある。これは一つの大きな資源として、これを核とするまちづくり、そしてまた、中心市街地の活性化ということに大いに役立つものだと考えております。

 例えば、大きな病院ではございませんけれども、中心市街地活性化の先進事例というか、成功事例としてよく挙げられる、四国の香川県高松市に丸亀町商店街というのがあるんですけれども、町中居住の推進の重要な部分として、高齢者向けの住宅と診療所を一つの建物内に配置いたしまして、それが基盤である、そういうような町中居住の住環境を整備したりしている。

 あるいは、先ほどもちょっと私も触れたんですけれども、経済産業省が真ん中の商業施設に補助金を出すというときに、別に大きなショッピングモールとかスーパーだけである必要はなくて、例えば、大きなマンションのうち、一階、二階は商店、それからクリニック、先生の方がプロでいらっしゃいますけれども、内科、眼科、外科とか整形外科とか、もう一緒にあるようなフロアがある。そのような形で、それが拠点となって人が集まってくるという形で、もちろんこれを目玉として掲げることは十分可能であると思います。

 そして、おっしゃいましたような、枚方市は十分都会ですけれども、本当に地方の拠点都市などでも、ほかにそれほど産業がなくても大きな病院がある場合、周りからいっぱいそこへ来られる。そうすると、お見舞いで、病院の前のお花屋さんとかお菓子屋さん、さらに、病院にお見舞いに行った方、あるいは病院に通院している人が帰りがけに外の飲食店で御飯も食べるということで、それを中核としたまちづくりということは、大いにこの中で想定できると思います。

伊東(信)委員 きのうの通告の時点で松島副大臣と何かしら打ち合わせをしたつもりはなかったんですけれども、なぜかこの間の質疑以来、何か通じ合うものがございまして。実は、中核市枚方の都市ブランド力向上の中に、健康医療都市、教育文化都市という計画がございまして、このペーパーも何もお渡ししていないんですけれども、本当に不思議なことです。

 丸亀のお話もしていただいたわけなんですけれども、実は私のイメージしているところは、例えば千葉県の亀田病院に代表される総合医療ネットワーク、IHNと言うんですけれども、一つの病院が基点となりまして、医療と介護と在宅を全部集中させてコンパクトシティーをつくるということですね。

 実際問題、私も医療をやりながら思いますが、連携というのはなかなか簡単ではないんです。もちろん、私の方は医療ですから、医療側から提案していきますと介護の方々も在宅の方々も提携はしてくれますけれども、私が相談を受ける限り、介護の方から病院への連携が難しかったりとか、施設の方から病院への連携が難しかったりとか、なかなかうまいこといっていない例が多くて、その中で、千葉県の亀田病院に代表されるIHNの構想というのは、医療体制の整ったコンパクトシティーの方が、少子高齢化社会に向けて非常に特色あるまちづくりになっていくのではないかなと思います。

 枚方市も中核市移行を契機にこういったブランド力を向上させていくわけなんですけれども、まだ枚方市自体にIHNの提案をしているわけではありません。この場合、自治体がつくっている病院、県立病院であったり国立病院であったり。それよりも、どうしても私立病院でなければ経営的にうまくいかない部分もあるんです、全部それがいいとは言いませんけれども。ただ、こういった医療を中心としたコンパクトシティーという方が特色のあるまちづくりになると思います。

 この四つの中に医療に関するところもあったと思うんですけれども、経済産業省としては商業の活性化都市ということを重点的に進めていくようなんですが、以前からの私の質疑の中で、やはり各省庁横串を通してということなんですけれども、先ほど松島副大臣の答弁の中に、病院があって、その周りに町ができていく、商業化されていくというところがあったんです。

 こういった医療を中心としたまちづくりに関して、今の私の意見を含めて、いかが御感想をお持ちでしょうか。

寺澤政府参考人 どうしても一般的にイメージする経済産業省の中心市街地の活性化というのは商店街だけじゃないかという印象もあるかと思いますけれども、それは、特に平成十八年の前回の中心市街地活性化法の改正の際に、やはりそれだけではよくないという国会の御意思で、それまでは市街地整備と商業の活性化だけだったんですけれども、それに加えて、都市福利施設、病院とか介護施設の整備とか、町中居住の推進等、この四つをやっていきましょうということが前回の改正の趣旨でございました。

 それを、四つ全て新しいかどうかはともかくとして、今後とも、中心市街地としてはこの四つの要素が重要だということで考えております。したがって、中心市街地は商店街だけではなくて、商業もあれば病院もあれば居住もあればもろもろある、それで魅力ある中心市街地をつくっていきたいということでございます。

 枚方がもし病院を中心に考えていくならば、それは非常に有効な方法だと個人的には考えます。

伊東(信)委員 実は、観光もちょっと考えたくて、大阪にはUSJというところがありまして、日本で有名なところでしたら、千葉ですけれども、東京ディズニーランドが関東圏にはございまして、枚方にはひらかたパークという遊園地がございます。ところが、数年前には、十年にもなっていないんですけれども、年間に百四十九万人来場者数があったのが、今六十万人とか八十万人と半分ほどに減ってきているわけなんです。

 遊園地自体も、各地方にテーマパークができて、奈良の方であったりとか大阪の狭山の方であったりとか、潰れていったり、なくなっていったりするものもあるんです。ただ、枚方市駅がございまして、ひらかたパークがあるのが隣の枚方公園という駅なんですけれども、では、公園の周りがにぎわっているかというと、そうではないんです。これは単純に、来場者数が半分になったから、それだけで片づけていいのかなと。

 先ほど茂木大臣はいろいろなことを答弁の中でおっしゃっていただきました、いろいろな要素があると。きょう質疑を朝からしている各議員そうなんですけれども、各議員とも何かしら、これはこうしたらいいという答えがあるわけではないんですね。ただ、やはり中活法ということに関して、根本たるところに反対する議員もなく、日本活性化のため、商業活性化のために皆さん同じ思いであるわけなんです。

 やはり経済産業大臣である茂木大臣が、何かしら答弁の中でいろいろなアイデア、いろいろな知識を出されていっているわけなんですけれども、こういった大阪の北の、うちの枚方市であるとか、もっともっと地方を引っ張っていただきたいと思っているわけなんですけれども、いま一度その辺の御決意というかお話を聞かせていただければと思います。

茂木国務大臣 ユニバーサルスタジオもすばらしいと思うんですけれども、ディズニーランドがあれだけ客を呼ぶ、名前が東京ディズニーランドというのが大きいと思うんですね。千葉ディズニーランドだったらなかなかあそこまでいかなかったんじゃないかなというところもあるんですけれどもというふうに、観光の評論家の方はよくそういう話をされるところであります。

 恐らく、今後のまちづくりとか中心市街地の活性化というのは、全体的に人口動態というものを考えなくちゃいけないんじゃないかなと思っています。

 奈良時代は、日本の人口は二百万から二百五十万と言われておりました。江戸時代になりましてこれが千二百万になり、元禄時代になりますと二千八百万になる。ちょうど第二次世界大戦が終わった一九四五年の日本の人口が七千二百万、それが一億二千万を突破するまで高度成長期で広がってくるわけです。

 そうすると、もともと町の真ん中に住んでいた人たちが、次男、三男、長女、次女と生まれますから、そこの中心街にいられませんから、だんだん郊外に広がって住むようになった。ところが、今、人口減少社会に入っているわけであります。そうなりますと、同時にインフラも老朽化をしてくる。そうすると、どんどん人口が拡大する時代のまちづくりというのを変えていかなくてはならない。

 もう一回コンパクトシティーに戻していく。しかし、周辺部に居住している人もいるわけでありますから、その顧客と中心街をつなぐような交通ネットワーク、こういったものもつくっていく必要があるのではないかな。

 まずは、中心街を活性化するために、効果が高い民間プロジェクトに対して今まで以上に絞り込んだ重点的な施策をとっていく。同時に、郊外との結びつき、こういったものを深めるための施策を国土交通省の方でもとるということでありまして、これを有機的に組み合わせることによりまして、今の人口動態に合ったような形の新しい地方都市の姿、こういったことを考えていくことが必要だと思っております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 時間もそろそろなくなってきまして、先ほどから特例通訳案内士の話が出ているんですけれども、通告にはないんですけれども、通告の中に出てきた質疑に関連しているんです。

 大阪はやはり広いよと、その中で大阪市にやはり集中しているところがございまして、あべのハルカスができて、ちょっと前にグランフロントができて、やはりそこはにぎわってきている。大阪城公園もございまして、その大阪城公園でもいろいろなイベントがございます。大阪観光局というのができまして、何とか二百万人の来場者を確保しようということでただいま頑張っているところなんです。

 そんな中でKIAという社団法人がございまして、そこがやっている事業としまして、例えば英語が得意な人間、韓国語が得意な人間、はたまたブラジルの言葉が、スペイン語がしゃべれる人間、それぞれがバッジをつくってバッジをつけておこうと、大阪市内で。そのバッジをつけていたら、観光客の人は、ああ、この人は英語に関してはしゃべってくれるんだな、イタリア語に関してはしゃべってくれるんだなとか、そういった試みを大阪ではもう始めています。

 ただ、今回の国の取り組みとして、多分、大阪で大阪観光局が後援してやっている事業ですので、そういったところもまた出てくるかもしれない、話が入ってくるかもしれないんですけれども、いわゆるインバウンドのことというのは、日本のこれからの経済の発展のためには欠かせないものだと思っています。

 地域の中心市街地の活性化としましては、まず住んでいる住民のためのもの、そして日本の国内から観光客を呼ぶ、そして海外からも呼ぶ、こういった三つの柱でどんどん進めていかないと、一つのことだけだったら、また何年かたつと、総括の中で、もっと大きな視野を持っておけばよかったかなという反省になってしまえば、せっかくの今回の法案も無意味になると思いますので、大臣がおっしゃっていただいた、いろいろな視野を持ってやっていくということというのは非常に賛同いたしたいと思います。

 今回のこの法案、冒頭申し上げましたように、この法案の精神自体に反対する者はいないと思いますので、もう本当にこれが各地域の活性化になればということを切にお願いいたしまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

富田委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 茂木大臣、初めて質問させていただきますが、茂木大臣は雄弁であり、能力のすばらしい大臣とお聞きしておりますので、通告にないことも時々聞くかもしれませんが、その際はぜひ御指導をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。

 それでは、中心市街地活性化法等々について御質問させていただきたいと思います。

 私の地元は福岡県なんですけれども、久留米という町がありまして、その久留米でも、やはり中心市街地がかなり衰退をしているということでいろいろなまちづくりをやっているんですけれども、実はなかなかうまくいかないというのが現実であります。

 三月にちょっと久留米に行ってきました。以前、久留米には、六ツ門というところに総合的なショッピングセンターがあったんです。ところが、三月に行ったらもうなくなっていまして、何かまた工事を始めていた。大体十年前にたしか活性化でつくったものだったんですけれども、それが結局なくなっちゃいまして、また新たに建てている。久留米の方に、どうしてそうなっちゃったんですかとお尋ねをしたんですけれども、端的に言えば、計画どおりいかなかったということだろうと思います。

 実は、それに多くの投資をしてきました。十年前に約二十九億円かけてそういう広場をつくったんですけれども、十年で閉鎖をして、どうなっているかというと、今度はそこにまた建て壊して、百五十五億円かけて総合都市プラザというのを今建設中なんです。恐らくこういうケースが多々あると思います。

 ちょっと通告と順番がずれるかもしれませんが、それはお許し願いたいんですけれども、結局、何でこんなふうになるかというと、地方は自分の財源がなかなかないので、国がいろいろな施策をつくったときに、その施策に合うように手を挙げさせていただいて企画をつくってくる。その一番は、大体、数値目標というのがありますと、実は身の丈に合っていない数値目標をつくってくる。そのことによって、採択を受けてやるんですが、結果的には、先ほど私が申し上げたように、身の丈に合っていないものですから、うまくいかないというケースが多々あると思います。北九州でもたくさんあるんですね。

 そこで、これはまず最初に内閣府にお聞きをさせていただきたいと思いますが、今回の場合でも、平成十八年に改正された中活法で数値目標が今度ある程度明確に各項目出てきた、ところが、調査室に調べていただきますと、手元にも資料をお渡ししておりますけれども、現実には目標どおりいっていないというデータがあります。最初の目標の大体二九%ぐらいしか達成をされていないという現実がある。

 そこで、お尋ねをしたいんですけれども、この数値目標、中心市街地活性化、いわゆるまちづくり、商店街にしてもそうなんですが、単純に数値で評価をすることが本当にできるのかどうなのか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。

関口副大臣 中心市街地の活性化に当たっては、計画目標に向かって官民の関係者が連携して効率的に事業を実施していくことが大変重要であり、このため、評価指標については、まず関係者にとってわかりやすく、また客観的な評価が可能となるように、定量的な指標が設定されているところであります。

 もう委員もわかっているかと思いますが、評価指標の例ですと、歩行者の通行量とか事業者数、そして小売販売額とか空き店舗数、居住人口などを主に例として挙げておりますが、評価指標については、市町村の独自の指標も含め、地域の実情に即した適切な指標を設定することが大変重要と考えており、計画の進捗状況が適切にフォローアップされるように、基本方針の改正においても検討してまいりたいと思っております。市町村独自の指標も含めて考えてまいりたいと思っております。

佐藤(正)委員 それで、内閣府の中の中心市街地活性化本部というところが判断をされるというようにお聞きしておりますけれども、要は、霞が関の机上論で、数字だけを見て、図面だけを見て、これでいいですよというのは、実はうまくいっていないんですよ。ここがすごく大事です。

 それから、例えばいろいろな商店街もそうですけれども、今言った、来客が何人いるかとか、どれだけ人が通っているかとか。笑い話じゃありませんが、数が少ないときにどんなことをしたかというと、一人の人間が何回も何回も往復してカウントするとか。これじゃだめなんですよ。数値だけでやるとどうしてもそういうふうにしてしまって、現実には、一人の人間が十回往復したって一人ですからね。購買力もないんですよ。

 そういうところを考えると、内閣府の中において今、中心市街地活性化をいわゆる横串を刺してやっているというんでしょうか、しかし現実は見えていないんじゃないかな、私はこう思えてならないんですけれども、その辺はどうでしょうか。

関口副大臣 佐藤委員の御指摘も十分わかっております。計画目標に向かって数値目標をどういうふうに定めるかも含めて、例えばアンケート調査の満足度とか、定量的な指標という話も先ほどさせていただきましたけれども、定性的な指標も含めてとか、市町村が独自にこれから指標も含めて考えていく、我々もしっかりと後押ししながら頑張っていきたいと思っております。

佐藤(正)委員 そこで、例えば経済産業省であったり国交省であったり総務省であったり、まちづくりというのは大体全部絡んでくると思うんですね、いろいろな部分が。例えば経済産業省だと、これまでの実績もあるし、いろいろな経験もあるでしょうし、いろいろなアイデアもあると思うんですね。

 となると、今言うように、数値目標だけでやるまちづくりは恐らくなかなか難しい。商店街とかまちづくりというのは、全国どこも一緒の金太郎あめのまちづくりじゃないはずなんですよ、みんな違うと思うんですね。

 九州だと、大分に豊後高田というのがありますけれども、そこは昭和の町、本当に古びた商店街ですよ。しかし、昭和の町という、昭和のいわゆる扇風機があったりとかそういうことだけなんですけれども、そこに人が集まってきたりするんです。

 私も、地方議員を長くやっていたものですから、県議時代に商店街を随分見て回りました。商店街で、これはすごいな、立派にやった、成功したというのはなかなか見つかりません。しかし、やらなきゃいけないのはわかっています。だから、これがすばらしい特効薬だというのはないんですよ。それは全部地域によって違うから。そういうところを内閣府は真摯に、これは失礼な言い方ですが、もっと耳を傾けて、施策を、横串を刺すようなことをやられた方がもっと町が活性化する一つの手だてになるのではないかな、私はこのように考えております。

 そこで、茂木大臣、茂木大臣もいろいろな商店街を見られたと思います。今私が言ったのは、九州の豊後高田です。それから、十四、五年前に伺った長野の小布施というところも、実は商店街を見に行ってきました。当時は宮崎にシーガイアというのがありまして、シーガイアが二百億円ぐらいお金をかけてホテルなどを建てた。ところが人が来ない。小布施は、何十億だったと思いますけれども、シーガイアよりもたくさん人が来る。ここにヒントが実はあるんだろうと思います。

 そういう商店街を大臣も随分見てこられたと思いますが、こういうのがあったよというのがあれば、ちょっと教えていただきたいと思うんですけれども。

茂木国務大臣 余り、どこがいい悪いという評価は難しいんですけれども、高松の丸亀商店街であったりとか青森の新町通り商店街であったりとか、これはコンパクトシティーのはしりとも言われておりますけれども、さまざま特徴のある商店街というのはあるんだと思います。

 そして、委員御指摘のように、全てを数値目標ではかれないものでありまして、一つのお店を見ても、単に来客が多いとか売り上げ、収益が高いだけじゃなくて、客層がいいかとか、その店の料理がどうだとか、評判、さまざまなもので決めていかなければならない。

 もちろん、国の施策として進めるものでありますから、一定の数値的な目標、こういったものもとっていく必要はあると思うんですけれども、より定性的な部分であったりとか、それぞれの特徴というのをしっかり捉える、こういったことは極めて重要だと思っております。

佐藤(正)委員 なぜ大臣に聞いたかというと、さっき東京ディズニーランドがいいと言われたので、多分どこか出てくるのかなと思ったんですが、出てこなかったですね。

 要は、今言うように、数値目標だけで地域活性化は図れないということなんですよ。そこをしっかり持った政策をやらないと、商店街だけではなくて、国がつくってきたFAZ法、これも経産省に係るのかもしれませんが、倉庫と展示場とテナントビル、それから港と連合したFAZ法によってお金を出しましょうとやって、大阪も失敗、もう全国どこも失敗。

 それはなぜかというと、東京の中でこういうものを決めましたよと言うけれども、地域は全然ばらばらなんです。でも、その枠にはまらないとだめだから、その中で投資をする。ところが、よく地方で言われるのは、それは国のお金を持ってきているからと言われるんです。商店街も同じなんです。

 いろいろな補助制度があります。補助制度の中で、先ほど言ったいわゆる数値を出しますと、自分のところの町よりも背丈の高いことを出して、結果的にどうなるかというと、計画どおりいかないから、地方にはその分、負担だけが残っていくんですよ。これがさっき私が申し上げた久留米なんですよね。久留米と同じなんです。最終的にはゴーストタウン化していくんです。

 今回の改革案でも、これまで中心市街地活性化をやってきて、これが足らないとか、これはやめた方がいいとかいうものが実はあるんだろうと思いますが、今回のものを見ると、余りそれはない。あえて言うなら、規制緩和で、ここの委員会でもあったと思いますけれども、通訳のこととか道路使用許可とかだけなんですね。もっと本当にやりたい、民間の人がやりたいとなれば、規制を改革、これを変えてほしいという声が本当はたくさん出てこなければ、そんなに町は、お金を投じてもできないと思います。それは、さっき大臣が言ったように、お金ではなくて質もあるでしょうし、その町によって違うでしょうし、そんないろいろなものが、複合的に町というのは活性化していくんだと思うんですね。

 ですから、私が言いたいのは、何度も何度も繰り返しますけれども、数値目標だけでは決してはかれないということだけはしっかり論点化をしていただいて、経済産業省もそうですし、国交省もそうですし、それぞれのところからしっかり話を聞きながら政策をしていただきたい。

 そこで、今回、今申し上げた二点の規制緩和をしてほしいというのが出ましたけれども、内閣府にお尋ねをしたいんですが、それ以外にも、何かこういう規制を改革してもらったら町は明るく活性化するよというようなことはなかったんですか。

佐々木政府参考人 お答えさせていただきます。

 現行法におきましても、認定を受けました中心市街地におきまして九つの特別の措置が設けられておるところでございますが、今回の法改正に当たりまして、中心市街地活性化に取り組んでおられます市町村、まちづくり会社、民間事業者の方々の御意見を伺いまして、今回、今委員から御指摘のありました道路法の道路占用許可の特例と通訳案内士法の特例を創設することとした次第でございます。

 今後とも、中心市街地の活性化に向けて新たな取り組みが日本全国で展開されていくことになると思いますが、その際にまた新たな規制緩和ニーズというものも生じてくるだろうと考えております。

 経済産業省といたしましても、今後とも、中心市街地活性化の施策全体を所管しております中心市街地活性化本部事務局とともに、中心市街地活性化に取り組む関係者の皆様の御意見を伺いながら、新たな規制緩和ニーズに応じて、さらなる規制緩和を検討してまいりたいと考えておるところでございます。

佐藤(正)委員 二つしかなかったんですか。

 中心市街地活性化というのは、やり出してからもう長いですよ。長い間に、やはりそれぞれの知恵が出てくると思うんです。今の御答弁ではよくわからなかったんですけれども、今回出ているこの二つしか、地方から、また民間から声がなかったんですか。あれば、どういうものがあったかというのをちょっと教えてもらえますか。

佐々木政府参考人 お答えさせていただきます。

 今般、ヒアリングした際に、先ほど来御指摘のある道路交通法の許可につきましても、緩和という要望が寄せられたところでございます。この点につきましては、道路交通法の方は、法律上の手当てをしなくても、運用で円滑に許可を出すということで、警察庁の方から先ほど御答弁もいただきましたので、法律改正の必要は今回は必ずしもないということで、法律上の措置はしていない。

 他方、道路法につきましては、法律に無余地要件というのが明記されていて、今回法律で書かないとできないものでございましたので、措置させていただいたということでございます。

佐藤(正)委員 道路法はわかるのですが、それ以外に何かなかったんですか。来たけれども、やはりこれはなかなか難しくてできなかったというのはないんですか。

佐々木政府参考人 済みません、それ以外については、今回特に伺っておらないところでございます。

佐藤(正)委員 特になかったと。あるはずなんですよね。

 今商店街は、シャッター通りとかいろいろあります。その商店街の中でも、例えばアーケード通りの商店街があるとすれば、昔は、さっき大臣が言われたように、人口が多かったから、一つの店舗が大きい、面積が広い、それで二階建てとか三階建てとかあったんです。ところが、今や店舗は一つの大きな面積だと借り手がいない、そこで商売してもなかなか採算が合わないというようなケースがあるんです。そして、今民間がやっているのは、その大きな面積のビルなりを一つの商店街とみなしてリノベーションするんですよ。

 例えば、シャッターを横に並べたら六枚あるとする。二メーターのシャッターが六枚、十二メーターぐらいの間口がある、もしくは二十メーターの間口がある。そういうところに今度は真ん中に通路をつくって、両サイドに小さなお店をつくるとか、こういうのをやると、実は、建築基準法も関係してくるだろうし、消防法も関係してくるだろうし、こういうことが動き出すと起こってくるんですね。

 そういうことは全く聞こえてこなかったんですか。これから恐らく、そういうまちづくり、いわゆる古い建物になって、もうかなり古くなってきた。しかし、これを商店街の中で壊して、新たなものを建てるのではなくて、その古い建物を利用して、そこに一つの商店街をつくるとか、こういうニーズが実は出てくるんですよ。

 こういう商店街づくりをやっているということは、どこかで聞いたことはないですか。

茂木国務大臣 まちづくり三法を一九九八年に最初につくりまして、二〇〇六年に改正をしたわけでありますけれども、私も当初のころからかかわってまいりました。そして、これは一つの省庁では完結しない。経産省、国交省、さらには厚生労働省であったり、道路の問題であったり、警察もありますし、さまざまな省庁を巻き込んでやってまいりましたけれども、恐らく、佐藤委員がおっしゃるようなアイデアが実際あったのかもしれません。それが実際にまだ具体的な形になっていないというところにも私は問題があるんだと思います。

 そういう発想が私はあっていいんだと思います。そして、そういう発想で自分として事業をやりたい。そのために、地権者の方ももっとコミットしてもらわないと困る部分があるんですけれども、そういうのが出てきて、それが建築基準法であったりとかさまざまなものに触れるということであれば、運用の改善でできるものはやりますし、法改正が必要なものは、中心市街地の活性化が必要なので、法律を守ること、いつまでも同じ法律であることが重要ではありませんから、そういった方向で考えたいと思っております。

佐藤(正)委員 そうなんです。そこで地権者との問題が出てくるんですよ。

 例えば、地権者、中心市街地、中心地ですよ、その町の中でいうと、実は固定資産税の一番高いところなんですよ。空き店舗があっても、固定資産税が高いから家賃を高くしなきゃいけないんです。

 今私が申し上げたところも、実は、その家主さんと、それを計画しているデザイナーとか設計事務所とか若者がみんな集まっていって、そこで地権者と話をして、家賃をとにかく最大限下げてもらったんです。下げてもらった中を、今度、分割していくんです。分割していくとまた安くなるんです。そのかわり敷金は取らない。そこに一つのコミュニティーをつくってやるというまちづくりを今やろうとしている。

 今大臣が言われたとおり、地権者との問題が物すごく大きいんです。そこをクリアしなきゃいけない。とりわけ、商店街となると、下と上、土地の持ち主が上物と違うケースもたくさんある。それから、又貸しということもあるんですね。もう本当に、ありとあらゆることがある。

 総務省はお見えになっておりますか。そうなると、そこで一番問題になるのは、地権者がいつも言うんです、貸したいんだ、けれども固定資産税が高いから家賃を下げられないと言うんですよ。ここは本来、固定資産税を下げて、そこにお店が来るなり若者が集まるなりして、そこで今度はビジネスが起きれば、当然物も買いますからお金が落ちるんですね。目先の固定資産税だけを考えたって、今言うような本当の中心市街地の活性化には僕はならないと思います。

 そこで、総務省の方にお尋ねをするんですが、固定資産税を下げる、こんな要望は総務省には来ないのでしょうか。

関口副大臣 今度は総務副大臣として答弁させていただきます。

 午前中の質問にもあったかと思うんですが、なかなか、総務省という立場になりますと、地方のパートナーという立場を含めて、地方税、特に市町村の基幹税になっておる固定資産税は、そうした意味で、今、地方財政というのは約十一兆円の巨額の財源不足を抱えて大変厳しい状況になっているというのが現状であります。地方六団体からは、地方税における税負担の軽減措置等については、税負担の公平の確保の見地から、より一層の整理合理化を図ることが今求められております。

 また、地方税法による固定資産税の特例措置は、資産の用途や主体の公益性等に着目して講じられており、法人税とは異なって、経済効果の面からの特例は原則として講じないことが従来からの方針でございまして、慎重に今対応してきているところであります。地域の経済の活性化を目的とした固定資産税の特例措置については、そういう意見もよく聞くのでありますが、まずは地方団体の自主的な判断が尊重されると考えております。

 中心市街地の活性化については、これを促すために、地方税の不均一課税に対して地方交付税の減収補填措置が講じられておりますが、その適用実績というのは低調であったというのを踏まえて議論してきたところであります。

 総務省としては、今後とも、所管省庁とも御意見をよく伺いながら、地方団体の意見も踏まえつつ、議論をしてまいりたいと思います。

 十分な答えではなく、申しわけありませんでした。

佐藤(正)委員 いつも総務委員会でお世話になっております。

 十分な答えじゃないんですよ、本当に。本当に中心市街地はうまくいっていないですよ、実際。総務省は地方が元気になれと言っているんですよね。元気になれと言いながら、元気になろうとする妙薬がもしあったら、旗振り役をやっていただかなきゃいけないと思いますよ。

 今言う、家主さんとお借りする方。商店街は何でそうなっているか。借り手がいないからどうしようか、セブンイレブンか何かに入ってもらおうかな、入ってもらった、しめしめ、そして我が息子にはもう商店街なんかしちゃだめよということが繰り返されているんですよ。だからなかなか発展していかないんです。

 これは経済産業省や国交省ではできないものでありますが、ぜひ一体となって、損して得とれ、これは本当に大事なことですので、総務省にはぜひ強く要望をさせていただきたいと思います。

 それと、この委員会などでもいろいろ議論になったんだろうと思いますけれども、コンパクトシティーと中心市街地活性化、どう見てもリンクするんです。

 要するに、人が集まってこなきゃいけない、しかし人口は減っている、そうするとどうするのか。当然、人口のふえているときは、さっきも言われていましたけれども、郊外に移って、郊外に建て売り住宅だ何だかんだで、みんな建てて住みました。ところが、その方々がもう七十ぐらいになっている。そうすると、今度はもっと利便性のいいところに住んでもらわなきゃいけない。

 そして、コンパクトシティーをつくっていこうとすると、当然、中心地が一番買い物から何から便利がいい、そうなっていくはずなんですが、いかんせん、一回土地建物を自分で買うと、なかなかそこから出ていくということが難しいんですね。でも、何か今いろいろな施策で背中を押していけるようになってきました。

 そうすると、国交省が言われるコンパクトシティーと、内閣府がやろうとしている中心市街地の活性化、このコラボは今どのように考えていらっしゃいますか。

坂井大臣政務官 今後、本格的な人口減少、そして高齢化の時代を迎えることから、都市全体の構造を見直して、今おっしゃっているとおり、生活サービス機能の計画的配置と人口密度の維持によるコンパクトなまちづくりを進めていかなくてはならないと考えておりまして、コンパクトなまちづくりを進めるために法案を提出させていただいているところでございます。

 国土交通省では、福祉や商業などの生活サービス機能、都市機能を中心に発揮する都市機能誘導区域というものと、それから人が住んでいただく居住誘導区域ということで、この二つを組み合わせてコンパクトシティーを成り立たせていこうということを考えておりまして、この中心市街地というのは、その都市機能の一番重要なところを担う地域になっていくということでございます。

 今後も、コンパクトシティーの考えのもと、中心市街地活性化に取り組んでまいりたいと思っております。

佐藤(正)委員 ということは、人、物、お金を集約するという意味では余り変わらない。政策的にも、各省庁のやろうとしている根幹、これは目標を一個掲げてみんなでまっすぐ突き進む、そういう連携をとっていただける、とらなきゃいけないと思っていますし、ぜひそうやっていただきたい。

 となると、地価の高いところ、固定資産税の高いところだったらどうするか、固定資産税は下がらないとなったら、今度は容積率を上げるしかないですね。容積率を上げてやれば、例えば四〇〇%の容積率を五〇〇%にすれば、一〇〇%分実は土地代が安くなる、利用できるということになるわけですよ。そういうところはコンパクトシティーの中ではないんですか。

坂井大臣政務官 今提出している法案の中におきましても、福祉、医療施設等で、市町村が誘導用途について容積率等を緩和するということができるような仕組みを取り入れさせていただいております。

佐藤(正)委員 要するに、さっきから言いますけれども、土地を持っている人が有効活用して、そして人が集まるようにするためには、一番わかりやすいのは固定資産税を下げることであったり、容積率を上げたりすること。

 それ以外に、あとは工夫がありますよね。さっき茂木大臣が言ったように、いろいろな工夫があると思います。これから、そういう事例が出てくると、必ず波及していくと思うんですよ。若手の設計事務所が今そういうことの全国展開をやっています。町のリノベーション、商店街のリノベーションをやろう、こういう仕組み、こういうことでやって、若い人たちが集まってきて、商売ができますよ、こんなまちづくりを今やろうとしているのがあります。またこれは機会があれば御紹介もさせていただきたいと思います。

 そこで茂木大臣にお尋ねをするのは、茂木大臣の最終的な中心市街地、まあ、モデルというか、こんなのがいいなというのはありませんか。

茂木国務大臣 なかなか一概には難しいところでありますけれども、私は、地方はそれぞれ歴史、文化、引き継いできている資産というものがある、そういった地域資源が有効活用される、こういうことが極めて重要なんだと思っております。あとは、やはりそこの地域に住んでいる方がみずからまちづくりに参加をする。

 我々としては、固定資産税の問題、これからも大きな課題だと思って、総務省を初め関係省庁とも議論をしていかなければいけないと思っております。

 一方で、例えば佐世保の商店街、これを見てみますと、あそこはたまたま地権者の数が少ないんですね。ですから、地権者数名で下げようということをやりますと、そこで一気にテナント料が下がって、魅力あるお店が入ってくるということも起こったわけでありまして、そういったコミットメントというのはほかの中心市街地の地権者に求めていきたいなと。

 さらに申し上げると、委員が御指摘されたようなさまざまな規制にぶち当たるぐらいな計画をつくってほしいなと。恐らく、容積率の問題ですと、今駐車場はあいていますからカバーできてしまうんですね。極端に言いますと、カバーできてしまうぐらいの問題ではないかなと私は思っておりまして、もっとすごい事業計画で、今の規制ではとても対応できない、こういった事業計画が具体化するということが重要なんだと思っています。

佐藤(正)委員 もう時間がなくなりましたので。駐車場と容積率というのはちょっと違うんですけれどもね、本当は。

 確かに、佐世保も僕は行きました、そういう予定があって。ただ、佐世保は、毎回イベントをやっているんです。ずっとイベントをやっているんです。悪いところは、瞬間だけやって、あとはやらない。また瞬間だけやって、やらない。だから人が固定化してこないんです。佐世保はずっとやっている。これも一つのアイデアだと思いますし、人を引きつけるものだと思います。

 もう時間がなくなりましたが、もう一点だけ。中心市街地活性化とは違いますが、県の信用保証協会についてです。

 これまでも何度も取り上げられたそうですが、実は、県の信用保証協会に至っては、都道府県の天下り先の指定席なんですよ、もうずっと。それで、ここをどうにかしなきゃいけないんですね。ところが、なかなか難しいというのもよくわかりますが、全国の都道府県議会のいわゆる行政改革プロジェクトチーム、ここが、県のOBが県の出資団体に行く場合は基本的には退職金は払わないということを決めているんです。ところが、実は都道府県の信用保証協会を見ますと、もうずらっと固定化されています。

 そこで、経済産業省としてもそこは指導をしていただきたい。こういう行革プランもありますから、そういうのも踏まえてやっていただきたいし、今度、総務省でも地方の天下りについての法案が閣議決定されておりますので、それもしっかり見ていただければ、今のこのような固定化された天下りシステムは改善されると思います。

 その辺について、どのようなお考えがあるのか、お尋ねをしたいと思います。

北川政府参考人 お答えを申し上げます。

 信用保証協会への自治体公務員の再就職の件でございます。

 この件につきましては、中小企業庁としても、従来から強い問題意識を持って対応してきております。長期にわたって、あるいは固定的、継続的に、地方自治体出身者が理事長などトップのポストにつくという状況についても適切であるとは考えておりません。

 このため、中小企業庁といたしましても、信用保証制度は多額の国費を投入して運営しているということでございますので、国民の信頼性を確保するという観点から見直しが必要である、こういう認識のもと、対応を行ってきてございます。

 具体的には、まずは昨年六月に、全国五十二の知事、市長、これは保証協会役員の任命権者でございます、これに通達を出しまして、理事長等の候補となる理事につきましては、公募等の透明性の高い選定方法を通じて適切に任命するということを求めております。

 さらに、地方自治体出身の理事長等の継続期間が長期にわたっている二十六協会を選定しまして、適切な協会運営がなされているかを確認するため、立入検査を実施しております。これは三月末までに終了しておりますので、こうしたことを踏まえまして、ガバナンス強化という観点から、必要な方策を今検討しているところでございます。

 引き続き、各信用保証協会の健全な運営の確保につきまして、しっかりと対応していきたいと考えております。

佐藤(正)委員 時間が来ました。

 信用保証協会については、退職して、天下りして、退職したら退職金がまた数千万、年俸が一千六百万ぐらいある。これは都道府県によって違いますけれども。そのお金があったら、中小企業、中小零細企業にどれだけの融資ができるのか、どれだけの保証ができるのか。そこを考えていただければ、おのずと答えは出ると思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。

 終わります。

富田委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 結いの党の小池政就です。

 きょうは朝からどうもお疲れさまでございます。

 私も、きょうは隣の外務委員会とはしごでありまして、隣がかなりぴりぴりしていたものでありますから、ちょっとこっちでほっとさせていただきました。ただ、個人的には、みんなの党の佐藤さんが来たのでかなり緊張していたところでありますが、矛先がこっちに向かなくてよかったなと思っております。

 きょうは内容的には予想どおり、ディスカッション的な審議ということでありまして、委員の皆さんからいろいろな事例が紹介されたりというところでございますが、私の方からは、まずこの法案の大きなところ、意義ですとか方向性でありますとか、そういうところから少し確認させていただきたいと思います。

 まず、大臣にお聞きいたしますけれども、今回の法案は中心市街地を活性化していくということでございますが、各地の中心市街地を活性化していって、それが全体としてどのようなものに結びついていくのか、日本全体としてどのようなところに資するということを考えているのか、そのような大きなビジョンというものをちょっとお聞かせいただけますでしょうか。

茂木国務大臣 非常に難しい質問であるんですが、ちょっと、こんな答えをさせていただくとイメージが湧きやすいかもしれないです。

 これまで日本は、長引くデフレ、そして過度な円高という中で企業も三重苦、四重苦と苦しんでまいりましたけれども、ここに来て企業収益は改善傾向にあり、それが賃上げにつながり、それが消費の拡大を生んで、さらなる投資を生む、今はまさにこういう経済の好循環をつくることに政府として取り組んでおります。

 中心市街地も、人口の減少の問題、高齢化の問題等々に直面しているわけであります。個々の中心市街地が企業と同じように、全部同じ戦略でやれるわけではありません。それぞれの特徴を生かしながら中心市街地が活性化するということは、そこでのさまざまな商品も売れるということで地域資源が今まで以上に有効活用される、それによって、そこに住んでいる人たちの所得が上がったり、生活レベルが向上して消費が拡大する、それによってまた中心街にさらなる投資が生み出される、こういった好循環を各地域でつくっていくことが今求められていると考えております。

小池(政)委員 おっしゃるとおり、かなり難しい質問だと思いますし、定性的にはそういうビジョンということにはなるかと思います。ただ、この観点がないと、例えば、個別の中心市街地の活性化、また、そこでの定住人口を上げるということは、全体的に人口が上がらなければ、ほかで人口が減って郊外の過疎化がまた進んでいくということにもつながってしまったりするわけでございますから、マクロ的な政策との整合性ということがやはり大事なのではないかなということを考えております。

 そこで、内閣府が包括的な取りまとめという役割かと思いますので、ちょっとお聞きさせていただきます。

 今までも話が出ていました都市計画でありますとか、公共交通でありますとか、それから人口動態とかも含めて、やはり構造的な問題に対してもかなり関心を持って、またそこに対して注意してこのような取り組みというものをなしていかなくてはならないと思うんですが、そのような観点から今回の取り組みをどのように考えているんでしょうか。

伊藤大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 三月二十五日に開催されました第二回地域活性化の推進に関する関係閣僚会合におきまして、地域の直面している例えば超高齢化、人口減少社会における持続可能な都市、地域の形成等について、都市や地域の構造等を総合的に改革する取り組みを行うモデルケースを選定するということを決めさせていただきまして、これは二つのテーマで選定させていただくことといたしました。

 そのうちの一つのテーマは「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成」、そしてもう一つのテーマは「地域産業の成長・雇用の維持創出」でございます。

 このモデルケースに対しまして、中心市街地活性化政策以外の関係省庁の関係施策等を含めて最大限、特にどうやっていくかと申しますと、地域の首長さんと各省担当の課長による膝詰めの調整を行って計画を具体化していくようなことと、そしてまた民間、大学等の協力も得て、先進的なプロジェクトとして、プロジェクトそのものの見える化についても協力しながら進めていこう、こういうことを今考えておるところでございます。

 以上です。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 そこに少し関連するかとは思うんですが、今回の法案の、各自治体が出してくる計画について、また目標値については、総理がそれを認定して実行に移すということであると思いますが、そのときの審査のプロセスでありますとか、基準でありますとか、その目標値が正当であるというような基準は、どのようなものを持っていらっしゃって取り組みをなされているんでしょうか。

富屋政府参考人 基本計画の目標の審査についてのお尋ねでございますが、まず、基本計画の目標につきましては、市町村が計画策定に当たりまして、中心市街地活性化にかかわります民間、住民等の関係者と密接な意見交換、協議を行った上で、関係者共通の目標として設定していただいておるものでございます。

 この評価指標につきましては、基本計画の目標の進捗を的確に把握できますように、活性化に取り組む関係者にとってわかりやすく、また客観的な評価が可能なものであることが重要でございますので、そのような指標が地域の実情に応じて適切に設定されますように、私どもとしても、そもそも認定の手続の前から、いろいろな形で助言等を行いながら調整してまいります。

 今のお尋ねの、審査の基準ということにつきましては、目標そのものについての基準を具体的に置いておるわけではございませんが、当然、計画が出てまいりまして、認定に当たりましては、市町村とさらに密接な意見交換等を行いまして、この計画、目標の実現に基本計画で位置づけられました事業の実施が相当程度寄与するのかどうか、そういうことの合理性が認められるかどうかといったことを、目標と具体的に行われる事業との関係を判断しながら、審査といいますか、認定の作業に当たっているということでございます。

小池(政)委員 助言等を受けながらヒアリングベースでそのようなものを決めていくという話だったと思いますが、では、具体例として、経産省が取り扱っていらっしゃいます、例えば小売の売り上げの増加とかいうことがありますけれども、あれも、目標設定については、どのような例えば相談とか取り組みの中から、この目標値が妥当じゃないかというような結果が得られているんでしょうか。

富屋政府参考人 お答え申し上げます。

 今の小売の数字ですとか、通行の人数ですとか、幾つかの指標がございます。

 私どもが幾つか、基本方針でこういった指標がございますと例示させていただいている中の一つに小売がございます。それはやはり数字としては比較的計測が可能で、かつ継続的に比較もできるということで、それと、中心市街地の具体的な事業内容、計画と目標値が適正な形で、合理的な説明をもってなされるような計画であればそういった指標が適当であるというような判断を各地でさせていただいて、そのような計画になっているというふうに承知しております。

小池(政)委員 ちょっと、具体的なところはよくわからなかったんですが。

 それでは、このような計画、目標について、継続性という観点からはどう考えているかなということでありますが、この計画が五年で最初から最後まで完結するというようなことを前提とされているのか、もしくは、十年、二十年、三十年と、長いスパンで見たときのワンタームという形でもこれを認めておられるのか。そのような観点というものをちょっと示していただけますでしょうか。

伊藤大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 基本計画の計画期間は、基本方針において、基本計画に記載された具体的な取り組みの効果が発現する時期等を考慮して、おおむね五年以内を目安に適切に設定することとされております。

 基本計画の実施に当たりましては、市町村は的確にフォローアップを実施することとされておりまして、計画期間の終了に当たっては、実施したフォローアップの結果に基づいて、市町村として、今後、中心市街地活性化の取り組みいかんを判断されるものと考えております。今後の取り組みが必要と判断される場合には、その時点で、状況を踏まえまして、新たな計画を策定していくものと考えるものでございます。

 このように、中心市街地の活性化の効果的かつ効率的な実現のためには、個々の地域の実情に応じまして、適時適切な進捗状況を評価いたしまして、必要に応じて計画の見直しを行いながら、かつ一体的な取り組みを着実に推進していくことが重要であると考えているところでございます。

 先ほど申し上げましたような、これから公募させていただきますモデルケースなどの場合でございますと、そこで浮かび上がったさまざまな課題を解決するために、例えば、法律改正を含む制度の改正を検討するとともに、必要な財政上、金融上の支援等につきましては、平成二十七年度の予算、税制改正等を通じて実現し、フォローアップもしてまいりたい、こう考えているところでございます。

小池(政)委員 結果の出る時期も踏まえて、大体五年くらいという話でありましたから、それが一つの計画ということを前提とされているということであります。

 ただ、今回の視察で私たちが伺った長浜市でも、三十年の取り組みでようやくここまで来たというお話でもありまして、全体のビジョンの中でこれをどう位置づけるかというような観点というものも私は必要だと思っております。ただ一方で、おっしゃるような評価の取り組み、仕組みということも大事だと思いますので、私はその双方が必要ではないかなということを思っております。

 また、このような取り組みにおいて、先ほどもちょっと話をさせていただきましたが、当然、中心市街地の取り組みといいますのは郊外とか隣接自治体にも影響があったり、また彼らの取り組みというものも当然自分たちにも影響があるわけでございまして、隣接する自治体が同じようなことをやれば、残念ながら、双方、思ったような結果が得られないかもしれないわけでございます。その点の調整というものはどうされているんでしょうか。

伊藤大臣政務官 委員御指摘のとおりでございますが、当然のことながら、点を面にして、面全体の調和がとれまして、それぞれの役割があるとすれば、その役割を十分引き出していくことができるようにすることが全体としての地域の活性化だというふうに私どもも認識いたしております。

 先ほど申し上げました公募中のモデルケース等に関しましても、関係省庁と連携いたしまして、中心市街地以外の郊外への関係省庁の持っております施策や、隣接の市町村との連携を推進する施策等を含めまして、双方的に最大限支援をしてまいろう、こう考えているところでございます。

小池(政)委員 今まで私が幾つか確認してきたところがしっかりされないと、例えば、全体像が曖昧であったりとか、それから、結局、国が行うことも地方のヒアリングベースで、それを個別にサポートするということでありましたり、また継続性も担保されないということだと、今までは、地域によってそれぞれ特色も違うし、やり方も違うし、だから国として横串を刺さなければいけないんじゃないかという話もありましたが、私は、今のような問題点というものが続くのであれば、むしろ分権を進めていった方がいいんじゃないかなということを思うわけであります。

 それも、広域の自治体等に対して権限、財源、税等についてこれを譲り渡して、彼らでそれを進めてもらうという方がよっぽど責任の所在というものもはっきりとしますし、当事者も緊張感を持って行うんじゃないかなということを考えておりますが、そういう取り組みということも必要だと思います。

 では、今までの分権のお取り組みということをこれからどうされていくのかということと、今回のような法案の取り組み、これは継続して、また五年たったらまた延長して、そういう形でこれからもやっていくつもりなんでしょうか。

    〔委員長退席、江田(康)委員長代理着席〕

伊藤大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 当然、分権ということも地域との関係の中でこれまでも行わせていただきましたが、でき得る限り自主自立できるようにしてさしあげる、そして地域が活性化していくようにするということの点では、この中心市街地もそうでございますが、分権を進めていく過程にあっても、このことはしっかりと進めてまいりたい、こう考えるところでございます。

 今委員から御指摘がございました五年の経過の話でございますけれども、そもそもこの中心市街地活性化法が制定されましたのが平成十年でございまして、そのときは、地方自治体が基本計画を策定して国に提出するだけでございました。これが出されたのが六百六でございました。その後、平成十八年の法改正ではこれを認定するという形にいたしまして、それが全てで百九でございました。その後、さらに二回目の認定を受けようと考えたのが、三十三の市町がやろうということでございます。

 今申し上げましたとおり、最初は国は基本計画の策定だけでございましたけれども、その後、認定を進めさせていただくことによって、さらに、無論、協力させていただいて、地方自治体が主役となって地域の活性化をどうしていくのかということについて進めていく方向でこれまでもやってきたわけでございますが、この中心市街地活性化法につきましても、一度基本計画を作成した市町村がそれまでの評価を行って、その時点で当該地域の実情、課題を踏まえて新しい基本計画を作成していくという、まさにPDCAのサイクルを確立することによって、政府の権限を強めるつもりは毛頭ございませんが、関係府省が連携して、総合的に、地方自治体が自主的に行う地域の活性化に取り組むことに我々も協力していくことで、より一層活性化が進むようにしていこう、こういうことで我々は考えているところでございます。

小池(政)委員 国がやるということは、ちょっと大臣にお聞かせいただきたいんですが、やはり、個別の取り組みがどうなるかということの観点とともに、例えば、地域ごとの積み上げが必ず全体として、国としても資するような、そのような取り組みというものを国がある程度指導したり、それを目標づけるということが必要だと思っております。

 今回、コンパクトシティーということを目的としておりますが、経産省でありますからエネルギーの観点とかで、例えばそれによって省エネが進んだということであれば、これは地域の取り組みがほかをマイナスにすることもなくて、カニバリゼーションみたいなことが起きるわけでもなくて、それは全体としてやっていけばよくなっていくわけでもございますし、それから出生率を上げるとか、そのような取り組みというか目標値の設定とか、そういうものも必要なんじゃないかなと思っております。

 今のは単なる例でありますけれども、そのような観点についてはどう思われますか。

茂木国務大臣 昨年の六月に取りまとめました日本再興戦略におきまして、病院であったりとか公共施設、商業施設といったさまざまな都市機能を集約したコンパクトシティーの実現、これを目標として定めたところであります。

 人口が減少時代に入っていくということになりますと、人口が急拡大した時代のまちづくりとは当然違ってきまして、コンパクトシティー化して、都市機能はできるだけ町の真ん中に集めながら、居住空間と都市機能を有機的にネットワークで結びつける、こういったことが重要になってまいります。そこの中で、そういったコンパクトシティーをつくることによりまして、エネルギーの総量であったりとかそういったことも抑制が可能になる、省エネルギー対策にも資する、こんなふうに考えております。

 シューマッハーが「スモール・イズ・ビューティフル」の中で、最も望ましい時代は中世のヨーロッパと言っておりまして、これはエコシステム上そうだということなんですね。

 では、その規模はどれくらいだったかということなんですけれども、確かに当時もハンザ同盟の大きな商業都市なんかもあったわけでありますけれども、千から数千人ぐらいの人口で一つの町をつくっていた。これは、いざというとき、もし攻め込まれたときに、城壁の中にその人口が収納できる。ちなみに、モスクワのクレムリン、町の真ん中でありますけれども、ロシア語で城塞のことをクレムリンというんです。そういった町の規模というものもエコシステム上は関係してくる。もちろんもっと大きな町もありますけれども、全体的には人口が減っていく中で、コンパクト化を進めるということは省エネの観点からも重要だ。

 エネルギー基本政策、ここの中では、分散型エネルギーシステムの導入促進、そして省エネルギーの強化等々を定めているわけでありまして、これは国としての方向でありますから、中心市街地活性化基本計画においてもこの点をしっかりと位置づけていくように、関係省庁と調整したいと考えております。

    〔江田(康)委員長代理退席、委員長着席〕

小池(政)委員 また教養のある話をありがとうございます。やはりこの委員会でいいなと思ってしまいました。ありがとうございます。

 法案の中身にちょっと移らせていただきますが、今回、今まで四つあった認定要件というものを緩和しているということでございます。それは当然、それによって対象となる自治体をふやそうということかとは思いますが、大目標に対して認定要件の緩和というものがどのような形で影響するのか、資することになるのか。どのようなことをお考えでしょうか。

松島副大臣 委員がおっしゃいましたように、これまでの基本方針ですと四つ、市区町村に対して、市街地を整備改善する事業、病院等の都市福利施設を整備する事業、町中居住の推進のための事業、さらに商業の活性化のための事業と、四つとも新しくこういうことをするということを打ち出さなければならなかった。

 先ほどうちの大臣がうまい例えをされたんですけれども、四科目受験して全部受からないといけない、でも、実際にはそのうちの一つか二つはもう既に科目を取得している、もうそれは満ち足りている、そうしたら残りのものだけに新しくチャレンジすればいいんだという説明をされたんですが、つまり、もう既に一つ二つのことは終わっている場合には、ほかの残りだけ、具体的なことを書いて手を挙げればいいということにいたしました。

 そうすることによって、小さな市町村ですと全部一遍に手を挙げるのは大変なので、これでハードルが下がる、そういう意味で裾野が広がる。これまでこのような中心市街地活性化に取り組む市区町村というのは今百十九市町村あるんですけれども、それよりは増加する、手を挙げやすくなる、そのように考えております。

小池(政)委員 全体像はどうなるかということはちょっとわからなかったわけでありますが、何か補足とかありますか。いいですか。全体的に、今回緩和したことによってこう変わるというようなこともぜひ持っていただきたいと思います。

 フィードバックの話なんですが、第二期に移る際に、第一期は対象になったけれども、今回それを、一旦お休みなのか、やめたのかわかりませんが、申し込んでいないところはたしか八市ぐらいありまして、静岡の浜松市も入っているわけでございますが、そこら辺のフィードバックは今回の法案にどのように影響しているというか、それが関連しているかということをちょっとお聞きしたいんです。

 それから、予算につきましても、平成二十五年の当初予算が十億円で、補正ではなぜかいきなり四十五億ついて、二十六年は本予算で七億になっているわけでございまして、その波というのも、何でこういう波になっているのかもちょっとよくわからなくて、そのようなフィードバックであったりとか、今回の法案の中で、そこら辺を踏まえたどのような狙いがあるのかということについて、お伺いできますでしょうか。

寺澤政府参考人 確かに、一期計画が終わって二期計画につながらない、そういう中心市街地が幾つか散見されます。

 理由はさまざまでございますけれども、一つの理由は、先ほど話題になった、四つの事業を全てまた新しくされるのは難しいという声もございました。それは、先ほどからあります、認定要件の四つの要件について全て新しくなくてもいいじゃないかという方向につながっています。

 あともう一つ、支援策の魅力ということからしまして、民間事業に対して直接支援する補助金というのは、かつてあって、一度廃止された、それがなくなっている中で魅力が乏しくなった、こういう御指摘がございました。

 これを今般、重点的支援の一環として民間に対する補助金を戻すということなので、魅力も高まるということで、今後は二期についても手を挙げてくるという事例がふえてくるのではないかと期待しておる次第でございます。

小池(政)委員 成功例だけではなくて、一期目で結果が出なかったところ、そこからの意見というものをぜひしっかりと受け取って、使い勝手の問題でありますとか、そもそも計画自体に無理があったとか、たった一点の、取り組みが失敗した、そのリスクが大き過ぎて、結局、五カ年のそのような計画どおりにいかなかったとか、そういうところ、それを聞いて、これに反映させていただきたいと思います。

 また、今度は、各省庁ごとにいろいろな取り組みもなされておりまして、そこら辺の重複等についてのマネジメント、これは内閣府だと思いますけれども、これがどうやってされているかということでございます。

 例えば、地域経済活性化支援機構、官民ファンドでありますけれども、この中にも、地域経済に資する企業に対しての支援というものがあります。これは今まで実績がほとんどないわけでありますが、ただ、二十五年の補正予算ではなぜかまた三十億ついているということでございます。それから、今までも話がありました、国交省につきましても同じようにまちづくりの取り組みをやっている中で、ただ、それは午前中の審議ですと、そこだけを切り取って金額は出せない、だから結果の検証もできないという話でありました。

 そのように、ちょっと各省ばらばらでそのような取り組みがなされているようにも見受けられるわけでございますが、そこら辺のマネジメントはどうされているんでしょうか。

伊藤大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 何度もお話を申し上げて恐縮でございますが、中心市街地活性化法のそもそもの目的、一番大事なところは、省庁の縦割りを超えて、中心市街地活性化に係る各般の施策の連携を図って、本物の中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進するところでございます。

 かかる観点から、市町村は、一つには、市街地を整備改善する事業、二つには、病院等の都市福利施設を整備する事業、三つには、町中居住の推進のための事業、そして、商業の活性化のための多岐にわたる事業を基本計画に盛り込んでいるところでございます。

 このような基本計画を内閣総理大臣に申請を行っていただきまして、内閣総理大臣は、認定しようとするときには、このような多岐にわたる事業について、当然、多岐にわたる関係省庁、機関の長に対しまして協議を行って、同意を得ることとなっているわけでございます。

 このようなプロセスを通じまして、関係省庁の市街地活性化の施策について、総合的に、一体的に、そして無駄なく合理的に中心市街地の活性化を図っていけるように、もって、安倍内閣が申しておりますところの地域の元気をしっかり創造し得るようにこれから推進してまいりたい、こう考えております。

 以上でございます。

小池(政)委員 総合的に、合理的にということでございますから、各省庁の行っていることをしっかりと把握して、それに対しての検証ができる、そのような取り組みというものをしていただきたいと思います。

 最後にちょっと、時間がなくなりましたので一点だけ。

 きょう、隣でぴりぴりしていたのは、原発の協定の審議でもございまして、外務委員会が所管でありますけれども、原発ということでも、茂木大臣からもちょっとお話を聞かせていただきたいと思っております。

 原発の輸出といいますのは、どのような形であれ、日本の民間、ひいては国民負担のリスクというものが高まるわけでございまして、例えば、メーカーとして現地に輸出したとしても、今、アメリカで三菱重工が賠償請求を受けているような、民民の契約の中で大きな事故の賠償を求められたり、また、これからUAE、トルコに対しては、トルコは自由化されていますから、そのような中で発電事業者としてのリスクも持つようにもなる可能性があるわけでございますし、また、将来的には、事故が起こった際に、その賠償のスキームによりますが、日本にもはね返ってくるということから、そのようなリスクを踏まえた上で、果たしてこの原発の輸出をどのように考えていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。そのリスクについてお聞かせいただきたいと思います。

茂木国務大臣 その部分だけお答えさせていただきます。

 まず、一般論として、原子力発電施設において万が一事故が起こった際の責任につきましては、企業の契約内容や、当該施設が所在する国の原子力賠償に関する国内法に照らして判断される、こういうことになってまいります。

 原子力の損害賠償に関する条約は、パリ条約、ウィーン条約、それからCSC、三系統あるわけでありますけれども、いずれの条約におきましても、原子力事業者の無過失責任、つまり過失の有無にかかわらず責任を負うことと、責任の集中、これは事業者が負うということでメーカーが負うものではない、こういったことがそれぞれ規定されております。

 そこの中で、お話のありましたトルコでありますが、原子力損害に関するパリ条約を締結しておりまして、同条約では、当該国において原子力事業を行う者への責任集中等が定められております。こうした規定を踏まえて、現在、トルコ政府におきましては、原子力損害賠償に関する法律を整備しているところである、このように承知いたしております。

 一方、UAEでありますけれども、改正ウィーン条約を締結したほか、既に原子力賠償法を制定しておりまして、アラブ首長国連邦の中で原子力事業を行う者への責任集中等が法的にも定められているところであります。

 仮に、日本の企業がみずからの判断として、原発の建設ではなくて、原子力発電の運転事業そのものに参画し、万が一事故が発生した場合には原子力事業者としての責任を負うことになると考えられますが、日本政府が賠償に係る何らかの財政負担を背負う、こういったことには政府としてなることはない、このように考えております。

小池(政)委員 また議論させてください。

 ありがとうございました。

富田委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 中心市街地活性化法改正案について質問いたします。

 中心市街地活性化法は、御案内のとおり、まちづくり三法の一つであります。まちづくり三法というのは、都市計画法のゾーニング、土地利用規制により大型店の出店場所の適否を市町村が判断し、立地場所が決定した後の大型店については、大店立地法により交通渋滞や騒音等、周辺の生活環境保持のための配慮を求め、中心市街地活性化法で町の中心部のにぎわいを取り戻そうというものであります。

 二〇〇六年の都市計画法改正は、大規模集客施設の適切な立地の確保を図るとして、大規模集客施設、床面積一万平米超が立地可能な用途地域を六つから三つへ限定することや、非線引き白地地域等では大規模集客施設は原則立地不可とする、規制強化される地域において大規模集客施設の立地を認め得る新たな地区計画制度を創設するなどを行ったわけであります。

 関連してということで、最初に都市計画法について質問いたします。

 二〇〇六年の都市計画法改正の成果というのはどうだったのか、この点について国交省にお尋ねいたします。

坂井大臣政務官 平成十八年の都市計画法では、大規模集客施設について立地可能な用途地域を限定した上で、立地しようとする場合は地区計画を策定するなど、都市計画手続を経ることにより地域の判断を反映した適正な立地を確保する等の都市計画制度の充実を図ってまいりまして、大規模集客施設について、改正法施行後は立地件数が減少するとともに、商業地域等への立地割合が増加するなど、地域の判断を反映した大規模集客施設の適正な立地を図る上で一定の効果があったものと考えております。

塩川委員 一定の効果があったというお話でございました。

 今、国交省としては、改正都市計画法について、一定の成果が上がった上で、何らかの課題があると考えておられるのか。その点についてお聞かせください。

坂井大臣政務官 今のところ、十八年の都市計画法改正で求めてきたところに関しましては一定の効果がありますし、その上、今後それぞれの地域において必要があれば、面積要件の引き下げや準工業地域等での立地制限等、各地方自治体において制限を課せる都市計画手法もあるということでございますので、こういったことも含めて、地方自治体等々とも相談しながら進めていきたいと思っております。

塩川委員 一万平米以上の大規模集客施設の郊外への出店が減少したということです。

 国交省にお尋ねいたします。

 延べ面積で一万平米を超える大規模商業施設について、改正都市計画法施行の二〇〇八年から二〇一二年までの間で規制強化されました用途地域であります第二種住居地域、準住居地域、工業地域における大規模商業施設の立地件数はどうなっているか、及び原則立地不可とされた白地地域や市街化調整区域における大型店の立地件数の推移はどうなっているのか。この点について教えてください。

田村政府参考人 お答えいたします。

 平成十八年の都市計画法の改正は平成十九年十一月三十日ということで、法施行後となる二十年から二十四年、二〇〇八年から二〇一二年までの五年間について申し上げます。

 まず、御質問の、建築物全体の延べ床面積が一万平方メートルを超える建築物につきましては、新たに立地制限が適用されることとなった用途地域別に、第二種住居地域で十八件、準住居地域で十件、工業地域で十七件。それから、市街化調整区域で十四件、非線引きの都市計画区域の白地区域では七件。合計で六十六件、五年間平均では約十三件となってございます。

 なお、十八年の都市計画法の改正に係る制限対象として、店舗等の床面積一万平米で見た場合は、おのおの、第二種住居地域で一件、準住居地域で一件、工業地域で二件、市街化調整区域で十件、非線引きの都市計画区域の白地で一件、合計十五件で、五年間の平均では三件となってございます。

塩川委員 今言ったように、規制強化の地域、あるいは原則立地不可の地域でも出店例があるわけであります。もちろんこれは、床面積をどうとるかで数字は変わってくるわけです。延べ床面積で聞いた場合と、あと、小売商業の面積について、当然いろいろとり方がありますから。ただ、大規模集客施設という都市計画法の改正の中身でいいますと、一万平米というのは売り場面積でいうと大体七千から八千の間ぐらいというふうに言われておりますので、私の方で資料をお配りいたしました。

 表二が、二〇〇七年十二月から二〇一三年十二月までに大店立地法に基づく届け出のあった大型店のうち、店舗面積五千平米超の新設大型店の用途地域別の一覧であります。

 ここで見ていただきますと、網のかかっている部分ですけれども、先ほど言いましたように、店舗面積で八千平米の上というとり方をしている部分です。そうなりますと、この八千平米を超える規制強化された用途地域での出店数というのが、合計で、括弧にしてある方ですけれども、第二種の住居地域では二十一件、準住居地域は十三件、工業地域は二十八件、また、原則立地不可とされている市街化調整区域が十八、白地地域が十四ということになっております。原則禁止となったはずのエリアでの郊外への出店が続いているということが、ここにも見てとれるわけであります。やはり、そうはいっても郊外への出店の傾向が高いということは言わざるを得ません。

 そういう点で、国交省にお尋ねしますが、中心市街地への出店よりも実際には郊外への出店が多いという傾向、これ自身は二〇〇八年以降においても変わりがないんじゃないのかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

田村政府参考人 郊外への立地の傾向ということでございますけれども、いろいろとり方があって申しわけございませんが、店舗面積ということで、実際の売り場の面積ということだと思いますので、この数字よりももう少し実際の床面積だと大きいところから規制はかけていると思いますが、傾向的に見ますと、郊外への立地は法改正後は抑えられておりますし、中心市街地への立地というものは傾向的にはふえている、立地件数としてみればそういったことかなと理解しております。

塩川委員 配付資料の上の方の表一、ショッピングセンターの立地別新設状況というところがあります。これは日本ショッピングセンター協会の公表資料をもとに作成したものですが、この区分そのものはショッピングセンター協会の区分ですから、厳密な法令上に基づいてということではありません。

 中心地域と周辺地域と郊外地域ということでいえば、二〇〇八年から二〇一二年、中心地域が一七%だとすれば、周辺地域が二七%、郊外地域が五七%ということで、実際に過去をさかのぼってみても、郊外地域中心の出店の傾向というのは基本的に変わっていないんじゃないのか。もちろん、大規模集客施設はショッピングセンターだけに限られるものではありませんが、傾向として、こういった郊外への大規模集客施設の出店傾向は変わりがないんじゃないのか。

 そういう点でいいますと、この都市計画法改正の趣旨に必ずしもそぐわない事態というのが今なお続いているのではないのか、このように思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

茂木国務大臣 これは詳しいデータを拝見しないとわからないんですが、先生にお示しいただいた表の一、我々が中心市街地のあれでいわゆる大型店と捉えているのとは違うようなショッピングセンターがかなり入っていると思います。それは恐らく、九〇年代は主流ではなかった、そういったものが二〇〇〇年以降かなり出てきまして、それが郊外に立地するといった形でこういった数字になっているのではないか。

 直観的にはそういうふうに思いますけれども、もう少し細かい細部のデータがないと、これについてコメントするのはなかなか難しいと思います。

塩川委員 そういう点でいいますと、私も探したんですが、こういう形のものしかなかったという点では、改正都市計画法に一定の成果があったということであれば、その検証をぜひしっかりやっていただきたいと思っておりまして、そういう点でも、今言ったように、中心部よりも実際には郊外の方が多いんじゃないのかということは今の傾向としても感じるわけです。そういったことについての国交省としての検証をぜひ行っていただきたいと思うんですが、その点、いかがでしょうか。

坂井大臣政務官 委員の御指摘に沿って、できる限り情報を集めて、話を聞きながら検討したいと思っております。

塩川委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 その点でいえば、自治体が非常にいろいろ努力しながら都市計画法の手法に基づいて大型店の立地の誘導などに取り組んできておるわけですけれども、なかなか苦労しているというのも実態だろうと思います。

 例えば、先駆的なのが福島県ですけれども、それはちょうど改正都市計画法の二〇〇六年の議論を行っているのに先んじる形で、福島県が条例もつくりました。商業まちづくり条例ということで、二〇〇五年の十月の制定ですが、ここでは、売り場面積六千平米以上の小売商業施設を特定大型店に指定して、広域的な視点から立地調整を行うとともに、出店する大型店に地元貢献を求めるというところがポイントの一つだったわけであります。

 しかしながら、六千平米以上という要件を課したわけですけれども、実際には、施行後で見ますと、バイパス沿いに大型店が出店する、それも六千平米ぎりぎりの、田村市の白地地域では五千九百九十一平米の大型店が出店するとか、あるいは喜多方市においても郊外のバイパスで五千九百三十一平米という面積とか、あるいは福島市でも五千九百九十七平米といった形での大型店が出店し、それが連担して出店する。ですから、トータルで見れば万を超えるような大型店の出店という状況が現に生まれてしまったということもあったわけであります。

 そういう点でいえば、もともとコンパクトシティーということで取り組みが行われた一つが青森市だったわけですけれども、青森市では、浜田地区というところにイオンタウン青森浜田というのができたということで、経営実態としては一体であるにもかかわらず、道路が入って、道路で隔てることによって大型店が立地をするということですから、結果として、建物を道路で隔て、売り場面積を分割した形で規制を逃れるという形の立地なども現にあったわけであります。

 そういうさまざまな事業者の取り組みがあるものですから、そういう前例も踏まえた上で、岩手県においては特定大規模集客施設の立地誘導条例というのを二〇〇七年に制定して、二〇〇八年十月から施行され、運用されているわけですが、青森の例のような条例回避の可能性が出たことを受けて、施行規則を全面的に見直して、公道を挟んでいても一体的な利用となっていれば規制対象にする、こういう取り組みなども行ってきているわけです。

 そういう点でいいますと、実際にはなかなか、何か一つつくればそれで済むという状況じゃないということもあるわけですから、こういった現場の、自治体でのまちづくりの苦労の状況というのは国交省としてはしっかりと把握しておられるのか、そういう声、要望というのは聞いていないのか。その点はいかがですか。

坂井大臣政務官 各地域、地方自治体が御努力をされているということはいろいろとお聞きいたしておりますけれども、その細かな事例に関しましては、私自身が今存じ上げないものもございましたのであれですけれども、各地域それぞれの努力があって、そして、先ほど申し上げましたけれども、それがあるために地方自治体がいろいろと制約できるというのが生きているという評価もさせていただいているところでございます。

塩川委員 実際にはイタチごっこみたいな状況になっているわけですから、そういう意味では、私は、そもそもの都市計画法でのゾーニングのさまざまな手法についてのルールづくりについて、都市計画法のルールづくりを見直すことも必要なのではないのかというふうに考えたわけです。

 私たちは、二〇〇六年の法改正のときに都市計画法の改正に賛成いたしました。その際に、やはりこういった点でのしっかりとしたルールをつくるべきだという点での修正案を提出したわけであります。その修正案は、やはり、今のこういった自治体の独自の取り組みが、そうはいいながらもイタチごっことなっているという状況の中で、改めて重要じゃないかなと思っているわけです。

 例えば、一万平米という規模要件そのものも、あの時点では三千平米という切り方をしたわけですけれども、引き下げたらどうか、そういった修正案を出したわけです。そういった規模要件を見直すということなどはお考えになりませんか。

坂井大臣政務官 先ほど委員が示された数値等もございましたし、また、我々も情報を集めるというお話をさせていただきましたが、まずはヒアリングをして、しっかりと情報を集めた上で検討させていただきたいと思います。

塩川委員 あわせてお尋ねしたいのが、二〇〇六年の法改正のときに、我が党としては、大規模集客施設の立地が制限される用途地域に準工業地域も追加した方がいいということを提案したんですけれども、この準工業地域においての出店の件数というのは教えていただけますでしょうか。

田村政府参考人 お答えいたします。

 建築物全体の延べ床面積が一万平方メートルを超えるものにつきまして、平成二十年から二十四年までの五年間で、準工業地域では百十一件の立地となっております。

 また、法令上の制限対象である店舗等の床面積一万平方メートルという意味では、同じく五十件となっております。

塩川委員 これは、線の引き方で数が違ってくるのはあるわけですけれども、延べ床の一万でいえば百十一件という話でありました。そういった準工業地域も含めて規制対象に加えるべきではないかと思いますが、この点はいかがですか。

坂井大臣政務官 委員の御指摘もありましたので、先ほど申し上げているとおり、しっかり現地の情報をヒアリングして、情報を集めて、検討させていただきたいと思います。

塩川委員 商店街など商工団体からは、二〇〇六年改正作業の際には、準工業地域も規制強化の対象に入れるべきだという議論があったわけですが、実際には不動産協会などの要望もあって、反対の声もありということで三大都市圏とか指定都市が除かれるという経緯もあったわけですから、こういう点についてもぜひ検証していただきたいと思っております。

 そういう点で、私はやはり、都市計画法のゾーニングというのは手法としては当然活用されるべきものだと思いますけれども、現行、日本におきましては、都市計画区域というのが国土面積の二七%、市街化区域は四%程度ですか、そういうふうに限られているという点でいいますと、土地利用規制というのが郊外に行くほど緩い、そういう仕組みになっている。ここの点について、そもそも、見直し、改めるときではないかなと思うんです。この点についてはいかがですか。

坂井大臣政務官 一つ一つの件に関してはしっかりと情報を集めさせていただきたいと申し上げたいと思います。

 一応、地方公共団体にこの立地規制の制度に対してのアンケートをさせていただいておりますが、これは平成二十四年十一月から十二月ということでございますけれども、そのときに、各地方自治体においては、おおむね現行制度を続けていただきたいというような要望もあったということもお聞きいたしておりますので、ですから、委員がおっしゃられた細かな話は、これからまた改めて情報を集めさせていただきたい、このように思っております。

塩川委員 きょうの議論の中でも英国の事例なども紹介されました。まずは中心部で、それの周辺で、もし郊外にというのであれば、しっかりとした、公共交通機関などを含む多様なアクセス手段を確保しましょう、こういった手法というのが紹介もされたところですし、そういう点でいえば、人口減少時代であるならば、こういった対応こそ必要だろうなと思っております。

 次に、大店立地法について茂木大臣にお尋ねいたします。

 大店立地法は、「需給状況を勘案することなく」と、商業調整を禁止する条文が入っております。この点について自治体から意見が上がっております。

 例えば岩手県ですけれども、先ほど紹介しました条例づくりの議論を行っています岩手県の特定大規模集客施設立地誘導審議会の専門検討委員会の報告書の中には、県が策定する条例には限界があるとして、その一つに商業調整の禁止を挙げております。これは二〇一三年七月の報告書ですけれども、大店立地法十三条の商業調整の禁止によって、中心市街地、既存商店街を守るといった趣旨の条例を制定することは難しいとしているということです。

 大臣にお尋ねしますけれども、こういった大店立地法による商業調整の禁止というのが自治体の独自の取り組みを行う上での制約要因となっているんじゃないのかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

茂木国務大臣 まちづくり三法ができまして、それによって大店立地法にかわるわけです。それで、それまでのいわゆる地域的な需給調整のやり方をゾーニング規制といった形にしまして、さらには、二〇〇六年の改正によりましてさらにこの規制を強化するという形で、先ほど来答弁がありますように、大店の立地が二〇〇七年以降、三分の一に減少する。

 私は、先ほどのショッピングセンターの立地のをもう一回見てみたんですけれども、多分、私が間違っていなければ、二〇〇〇年ぐらいからホームセンターとかができ出すんですよ、家具センターとか。別にこれは中心市街地の商店街とそんなに、それは一部の家具屋さんとか植木屋さんとは競合しますけれども、しないところが結構出てきたのがこのぐらいの時代じゃないかなと思います。国土交通省が後で調べるなら調べていただければいいんですけれども、こんな極端な変化にはなっていないのではないか、傾向としてはやはり、大型店の立地というのはかなり規制を実態的にされるような状態になってきたんじゃないか、そんなふうに思っています。

 それから、都市計画の話も私のあれではありませんけれども、恐らく、日本は山が多いですから、山まで都市計画でやる必要はないのでこういったカバー率になっているのではないかなと思っております。

塩川委員 農地のあり方も含めて、本来はきちんと、一体的にということが基本ですから、当然、二〇〇六年のときにはそういう議論があって、一定のかかりがするような仕組みをつくったわけですけれども、そのことも含めて、大臣の御意見もありますから、それも含めた分析、検証をぜひ国交省の方ではやっていただきたいと思います。

 そうはいっても、やはり私は、商業調整の禁止というのが自治体の身の丈に合ったまちづくりをつくる上での選択肢を狭めるものになっているというふうに思いますし、必ずしも、海外の事例を見れば、商業調整を全面的にだめだと言っているわけではなくて、手法の一つとして活用している例もあるわけですから、国の制度として手を縛るようなやり方というのは見直すべきだということを申し上げています。

 それから、この間、長浜の視察も行きました。中心市街地の活性化ということで大変御努力されているという話を伺ってまいりました。また、北関東では高崎市に伺いまして、第一次の基本計画の話も伺い、そういう中での御苦労もいただいたところです。

 そこで商店街の役員の方のお話も伺ったんですが、高崎の場合には、もちろん人口がもう三十七万と、周辺も合併して大きくなったわけですけれども、非常に商業の集積のある町でもあります。駅の西口にイオンの出店が報道されておりまして、地元商店の代表の方は、中心市街地へのイオン出店については、にぎわいの回復につながればと期待しているということもお話を伺いました。

 この間、高崎市は、中心市街地の基本計画に基づいて、高チャリと言われる、自転車で回遊できるような、こういうような自転車を各地に配置するですとか、もちろんオープンカフェを活用するですとか、周遊、回遊できるようなそういったまちづくりという点での取り組みをしてきているわけですが、ただ、イオンの出店というのが、第一種特例区域ということもあって、事前の大店立地法上の届け出も必要がないとかというところも含めて、なかなか計画全体が地元にわからないというんですね。

 だから、私は、そういう点でいっても、基本計画に整合的な活性化策を図る上では、新規出店する大規模集客施設、大型店について、地元との協議の場をつくることを含めた、しっかりとした、基本計画に沿った中心市街地活性化の取り組みになるような話し合いの場を設定するなどの工夫がぜひ必要じゃないかなと思うんですが、この点、大臣は何かお考えがございますでしょうか。

茂木国務大臣 需給調整については、先ほど説明申し上げたように、ゾーニング規制といった形に変えさせていただきました。

 ただ、大型商業施設と地域の商店街の方々がさまざまな意味でまちづくりについて意見交換をする、さらには理解を深める、こういったことは極めて大切なことだと思っております。

塩川委員 長浜で伺ったのは、もちろん、観光関係のいろいろな物販のお店がふえているのは確かなんですけれども、生鮮品の店がやはり少ないままなんですよ。地元の努力で、シルバー、プラチナの皆さんに頑張っていただいて生鮮品のお店を出したというのがあるんですけれども、それぐらいで、さらにふえるという状況じゃないんです。

 そうすると、町中居住を進めようと思っても、生鮮品のお店がないというのが大きなネックになっているという点でいいますと、そういった形での立地をどういうふうに進めるとかというのは、もっと知恵を出さなくちゃいけないところだろうと思っております。それは高崎市も同様に、生鮮品の店がないというのは共通しているところじゃないでしょうか。そういった点について、しっかりとした事業者の協議の場を整えていくような取り組みに、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。

 この間、大型店の出店動向について言えば、郊外への出店も進めるというのはありますけれども、例えば、イオンモールなどのIRリポートなどを拝見すると、郊外出店も引き続き進めるけれども、同時に中心部への出店というのを進めよう、こういうことを掲げているわけですから、そういう意味でも、法改正の中身というのが、そういったディベロッパーの意向の反映という部分も当然あるのかもしれません。その際に、やはり地元商店街や地元自治体、住民との共存共栄が図れるような工夫をぜひ行っていただきたいと思います。

 それで、高崎市の関係で一問。

 大雪被害、二月の大雪でアーケードが壊れました。地元市の方での助成もあって撤去は行っているわけですけれども、今後どうするかということがあります。その点で、中小企業庁では、こういった大雪によるアーケードの被害について、経産省として被害状況をどうつかんでいるのか、また、どのような商店街のアーケードへの支援策を考えているのか。この点について教えていただけますか。

北川政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の大雪におきましてアーケードが壊れた、また大きな被害が各地で起こったと承知してございます。このアーケードの改修あるいは撤去というものにつきましては、補正予算で措置しております、安心、安全な生活環境を守るための商店街施設の整備を行う商店街まちづくり事業、これは補助事業でございますが、これにおきまして支援を行っております。

 具体的には、本年二月十四日の大雪に係る被害状況を踏まえまして、まず、この補助事業、募集期間は当初十四日までだったのでございますが、これを二月二十八日まで延長いたしまして制度を使えるようにいたしまして、関東経済産業局から、被害を受けた自治体あるいは商店街に対してその周知を行ってきております。

 こうした取り組みによりまして、二件採択が出ておりまして、群馬県前橋市の立川町大通商店街振興組合、それから栃木県日光市のフラワーズプラザ商店街振興組合からアーケードの改修や撤去についての申請がございまして、採択を経まして活用されるという方向になってございます。

 この二商店街に加えまして九つの商店街から相談を受けておりますけれども、その中で、委員御指摘の群馬県高崎市の高崎中央銀座商店街につきましては、現在、関東経済産業局から高崎市及び商店街に連絡をとっているところでございます。現在、商店街側で、補助事業の活用も含めまして、アーケードの撤去や改修を今後どのように進めるかということを検討中というふうにお伺いしております。

 この補助事業につきましては、八月十五日までを公募期間としておりますけれども、この事業実施ニーズに的確に応えるために、四月三十日、そして六月二十七日と、早期採択のための先行的な締め切りを設けております。

 今後とも、自治体との連携を図りながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

塩川委員 ぜひ、きめ細かな対応を要望するものです。

 最後に、特例通訳案内士制度についてお尋ねいたします。

 きょう、一日の審議の中でも議論されているところで重なるところもありますが、確認でお尋ねいたします。

 今回の法案では、中心市街地において活動が認められる特例通訳案内士制度といった規制の特例措置を講じることになっております。この間、一連の特区制度などによって地域限定の特例通訳案内士制度が発足しているわけですが、国交省にお尋ねしますけれども、やはり、通訳案内士が多数いるような都市部というのは、通訳案内士の方がいるわけですから、本来、新たな特例通訳案内士制度の必要性がそもそも薄いのではないのか。

 そういう点で考えたときに、中心市街地の区域内だけでは広域的な観光のニーズにも応えられないということもありますので、特例の制度というのは本来の通訳案内士制度の補完的な役割を果たすものではないかと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

坂井大臣政務官 おっしゃるとおりでございまして、通訳案内士を補完する形で、地域の実情に応じて、その地域をきめ細かく案内できる通訳ガイドを養成するというのが特例ガイドの趣旨でございますので、その趣旨を十分生かせるような制度というもの、また運用というものを心がけていきたいと思っております。

塩川委員 それと、名称の問題についてです。

 通訳案内士制度と特例通訳案内士制度では、仕組みやレベルももちろん大きく異なります。通訳案内士というのは、制度でいえば、業の独占もあり、名称の独占もあるわけです。そういう点ではしっかりとした資格制度としてあるわけですから、そこが特例の通訳案内士制度と区分できるような名称の使い方ということは工夫すべきところではないかなと思っております。

 ですから、通訳案内士と特例通訳案内士が混同されることがないような名称の使用についてぜひ具体化を図っていただきたいと思いますが、この点についてぜひお答えください。

坂井大臣政務官 特例ガイド制度と通訳案内士制度による混同が起こりませんように、外国人旅行者に提示する証明書で使用される名称等で工夫をしてまいりたいと考えております。

塩川委員 その点では、具体的に、特例通訳案内士の場合には特例ガイドとか、そういう文言を使うということをお考えになっているのか。その点について最後に。

坂井大臣政務官 おっしゃるとおりでございまして、例えば、奄美特区でありますと奄美群島特例ガイドということで、こちらを大きく表示して、わかりやすく、見やすくしていきたいと考えております。

塩川委員 終わります。ありがとうございました。

富田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、来る四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


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