衆議院

メインへスキップ



第3号 平成13年3月9日(金曜日)

会議録本文へ
平成十三年三月九日(金曜日)

    午前九時三十四分開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 赤城 徳彦君 理事 大村 秀章君

   理事 実川 幸夫君 理事 橘 康太郎君

   理事 玉置 一弥君 理事 樽床 伸二君

   理事 河上 覃雄君 理事 山田 正彦君

      今村 雅弘君    岩永 峯一君

      木村 太郎君    木村 隆秀君

      倉田 雅年君    佐藤 静雄君

      坂本 剛二君    菅  義偉君

      田中 和徳君    中馬 弘毅君

      中本 太衛君    西川 京子君

      西野あきら君    林  幹雄君

      福井  照君    古屋 圭司君

      堀内 光雄君    松野 博一君

      松本 和那君    山本 明彦君

      阿久津幸彦君    井上 和雄君

      大谷 信盛君    川内 博史君

      今田 保典君    手塚 仁雄君

      永井 英慈君    永田 寿康君

      伴野  豊君    細川 律夫君

      前原 誠司君    吉田 公一君

      井上 義久君    鈴木 淑夫君

      山岡 賢次君    大森  猛君

      瀬古由起子君    日森 文尋君

      保坂 展人君    小池百合子君

      二階 俊博君    森田 健作君

    …………………………………

   国土交通大臣       扇  千景君

   国土交通副大臣      高橋 一郎君

   国土交通副大臣      泉  信也君

   総務大臣政務官      山名 靖英君

   国土交通大臣政務官    今村 雅弘君

   国土交通大臣政務官    岩井 國臣君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    坂東 自朗君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整

   備局長)         板倉 英則君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  大石 久和君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  安富 正文君

   国土交通委員会専門員   福田 秀文君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月九日

 辞任         補欠選任

  木村 太郎君     山本 明彦君

  堀内 光雄君     岩永 峯一君

 吉田六左エ門君     西川 京子君

  川内 博史君     井上 和雄君

  佐藤 敬夫君     永田 寿康君

  前原 誠司君     手塚 仁雄君

  山岡 賢次君     鈴木 淑夫君

  大幡 基夫君     大森  猛君

  二階 俊博君     小池百合子君

同日

 辞任         補欠選任

  岩永 峯一君     堀内 光雄君

  西川 京子君    吉田六左エ門君

  山本 明彦君     木村 太郎君

  井上 和雄君     川内 博史君

  手塚 仁雄君     前原 誠司君

  永田 寿康君     佐藤 敬夫君

  鈴木 淑夫君     山岡 賢次君

  大森  猛君     大幡 基夫君

  小池百合子君     二階 俊博君

    ―――――――――――――

二月二十七日

 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)

三月七日

 新産業都市建設促進法等を廃止する法律案(内閣提出第八号)

同月九日

 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)

 高齢者の居住の安定確保に関する法律案(内閣提出第一〇号)

同月二日

 公営住宅の建設促進等に関する請願(木島日出夫君紹介)(第三八四号)

 公共事業の生活密着型への転換に関する請願(大幡基夫君紹介)(第四七四号)

 同(瀬古由起子君紹介)(第四七五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)

 新産業都市建設促進法等を廃止する法律案(内閣提出第八号)

 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)

 高齢者の居住の安定確保に関する法律案(内閣提出第一〇号)




このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案及び新産業都市建設促進法等を廃止する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣扇千景君。

    ―――――――――――――

 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案

 新産業都市建設促進法等を廃止する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

扇国務大臣 おはようございます。

 ただいま議題となりました踏切道改良促進法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。

 交通事故の防止及び交通の円滑化を図るために、政府といたしましては、昭和三十六年に制定されました踏切道改良促進法に基づき、踏切道の立体交差化、構造改良あるいは踏切保安設備の整備を進めてきたところでございますけれども、本法に基づく踏切道の改良は五カ年間に改良すべき踏切道を指定して行われるものでございますが、対象とすべき踏切道の数が膨大に上るため、昭和四十一年度以降、七度にわたって改正され、改良すべき踏切道を指定することができる期間が延長されてまいりました。

 このような措置により、踏切事故件数は逐年減少傾向を示しておりますけれども、平成十一年度においても依然として四百六十五件の踏切事故及び二百九十二名の死傷者を生じており、引き続き強力に踏切事故防止対策を講じる必要がございます。また、交通遮断量の著しく高い、いわゆるボトルネック踏切が全国に約一千カ所ございます。それによりまして、その早期の解決が緊急の課題となっているところでございます。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することといたしました次第でございます。

 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。

 第一に、踏切道の改良措置を講じる期間を平成十三年度以降さらに五カ年間延長することといたしております。

 第二に、地域の実情を反映した踏切道の改良を進めるために、都道府県知事が関係者の意見を聞いた上で国土交通大臣に対して本法に基づく踏切道の指定をすべき旨の申し出を行える制度を創設することといたしております。

 第三に、踏切道の改良の円滑かつ確実な実施を促進するために、鉄道事業者と道路管理者が協議して立体交差化計画または構造改良計画を作成する際に、その協議が調わなかった場合の措置として鉄道事業者または道路管理者からの申請に基づいて国土交通大臣が裁定する制度を創設するものといたしております。

 以上が、この法律案を提案する理由でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜りますようにお願い申し上げたいと存じます。

 次に、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 新産業都市建設促進法等につきましては、昭和三十七年の全国総合開発計画で打ち出されました拠点開発構想を具現化した法律であり、制定以来、四十年近くを経過し、国土の均衡ある発展と国民経済の発達に相応の成果を上げてきたものの、この間の我が国をめぐる社会経済環境が大きな変化をしたことによりまして、近年、その意義が失われつつございます。

 こうしたことから、平成十一年三月、第二次地方分権推進計画において、法律の廃止を含めた抜本的な見直しを行うことが既に閣議決定されているところでございます。

 また、平成十一年九月に国土審議会の意見を求めた結果、平成十二年十二月、内閣総理大臣に答申され、現行計画の終期である平成十二年度末をもって新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律を廃止するとともに、法律の廃止に伴う影響等諸問題に対する適切な配慮が必要であるとの意見をいただいたところでございます。

 この法律案は、このような閣議決定及び答申を踏まえ、上記三法を一括して廃止するとともに、法律の廃止に伴う激変緩和のために経過措置を講ずるものでございます。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することといたした次第でございます。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明を申し上げます。

 第一に、新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法及び新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律を廃止することといたしております。

 第二に、上記三法の廃止に伴う経過措置として、地方公共団体が平成十三年三月三十一日までに着手した事業について、地方債の発行及び利子補給並びに国庫補助負担率のかさ上げを今後五年間継続して実施すること、また、平成十三年三月三十一日までに設備を新増設した者について、地方公共団体が不動産取得税、固定資産税の不均一課税をした場合に、それに伴う減収額の一部を地方交付税により補てんすることといたしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。

 以上が、法律案を提案する理由でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜りますように心からお願い申し上げます。

赤松委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市・地域整備局長板倉英則君、道路局長大石久和君、鉄道局長安富正文君、警察庁交通局長坂東自朗君及び総務省大臣官房審議官瀧野欣彌君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中和徳君。

田中(和)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の田中和徳であります。

 ただいま大臣より、提案理由及びその要旨についての説明がありました二法についてお尋ねをいたしますので、明快な答弁をよろしくお願いいたします。

 まず初めに、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案についてお伺いをいたします。

 本法律は、いわゆる新産法、工特法、財特法という三つの法律を廃止するものですが、一昨年三月に閣議決定された第二次地方分権推進計画や昨年十二月の国土審議会答申を受けたもので、経済社会上の環境の変化などを十分に検討した上での結論と思っております。

 しかしながら、地域指定を受けている全国の二十一の地区では、この三つの法律の存在を前提にした進行中の事業が官民を問わず多数あるでしょうし、三法の廃止が景気浮揚の阻害要因にならないような配慮が必要であることは言うまでもありません。

 そこで、平成十二年度末までに着手した事業について、地方債の発行や利子補給あるいは国庫補助率のかさ上げを今後五年間継続して実施するといった激変緩和措置を講じた上で制度を廃止するとの法律案を提出されたわけでありますけれども、制度廃止後の地方産業振興策についてどのように真剣に考えておられるのか、お考えをまずお聞きしておきたいと思います。

板倉政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの新産業都市それから工特制度の廃止後の地方産業振興策のあり方についてでございますが、御案内のとおり、昨年の十二月の国土審議会の御答申におきまして、新産・工特制度廃止後の地方産業振興政策のあり方について触れていただいているわけでございまして、この提言の中におきましても、かつてのように国が音頭をとりましてインフラを整備して工場を誘致するというような手法から、最近の地方分権の大きな流れの中で、地方が主体となって計画をつくり、そういった自主的な取り組みに対しまして国が支援する、そういった方向の中で、地方公共団体の判断と責任において行う方向が望ましいということをお触れいただいているところでございます。

 その際、国の役割でございますけれども、地方の自主的な発展を後押しする観点から必要な環境整備を行うということが一点。それから二点目としまして、地方の自主的な施策に対する調査の実施及び情報提供といった側面的な支援が必要であるということを御提言いただいているところでございます。

 そのような観点から、国の役割につきまして、第一の環境整備につきましては、大学、研究所等で実施されている先端的な研究開発や新事業創出促進法等に基づくベンチャー支援といったようなこともこれまで既に実施してきているところでございます。

 それから第二の、調査の実施とか情報提供につきましては、平成十三年度予算案におきまして、私ども、地方の特性を生かした先進的な取り組み事例を公募いたしまして、その中からいいものを採択いたしまして、一年間お取り組みいただいた上で、それを事例集として取りまとめまして、それを全国の自治体に周知徹底して、参考に供していただくというような啓蒙活動をやることなど、こういった調査を活用することによりまして今後の地方産業振興政策に真剣に取り組んでまいりたいと思います。

田中(和)委員 ただいま御答弁をいただきましたけれども、厳しい経済情勢の中に、全国的にいろいろと不況を中心とした社会的課題が新しくまた起こっておりますし、今答弁をいただいたように、ぜひひとつ実を上げるような真剣な取り組みを地方の自治体とも十分協議をしながら、また商工団体の御意向もひとつ真剣に受けとめて頑張っていただきたい、このように思います。

 次に移ります。

 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案についてのお尋ねをしてまいります。

 昭和三十五年に踏切道改良促進法が制定され、翌三十六年に施行されて以来、既に四十年が経過し、自来今日まで踏切事故防止総合対策が実施されてまいりました。

 昭和三十五年当時は全国で七万一千七十カ所の踏切がありましたが、改良とあわせてローカル線などが廃止された鉄道ルートもございまして、現在は約半分になり、三万六千八百三十三カ所が残存しております。改良工事の実績としては、この四十年間で五千三百三十カ所、ここ五年は年間約百十カ所のペースで工事も進めております。残存数のうち、平成十一年度より新しく基準が設定された、いわゆる市民生活上重大な影響があり改良の優先度の高いボトルネック踏切は千カ所ということであります。

 会長をお務めになられた中馬弘毅先生も本席におられますし、また我が党のメンバーとして活躍された先生方も本席に多数おられますけれども、実は私も、自由民主党都市問題対策協議会のメンバーの一人として、いわゆるあかずの踏切対策について解決策を提言するなど、問題解消のために真剣に取り組み、汗を流してまいった者の一人であります。また、多くの同じ思いの議員が真剣に取り組んでおりまして、そのかいもあってか、党内や国会内での都市政策の重点施策としてあかずの踏切問題がにわかに注目を集め、私も同行しましたけれども、先日、森総理みずから石原東京都知事とともに都内大田区に現地視察に出向かれたところでございます。

 しかし、その反面、川崎市という人口密度の高い大都市で、私の地元でありますけれども、長い間まちづくりにかかわり、立体交差化事業が遅々として進まない状況を嘆き、公共事業実行の難しさを実感してきた者の一人として、果たしてこの法律で本当に実効性が上がるのか、かけ声倒れになるのじゃないか、今でも実は危惧の念を持ち続けてこの質問に立っているのが、私の率直な気持ちなのでございます。

 ここ十年間で現在約千カ所あるボトルネック踏切を半減させ、二十年間でおおむね解消する方針と伺っておりますけれども、改良に向けて、具体的にどのような目標を立てて取り組むのか、タイムスケジュールを確認しておきたいと思います。

 また、ボトルネック踏切対策が都市政策上の喫緊の課題であるとすれば、千カ所を十年でやり抜く、このぐらいの決意があるべきだ、僕はこのように思うんですね。扇大臣が不在でございますから、その着実な進展に向けた、推進に向けた副大臣の決意をお聞きしておきたいと思います。

 なお、実は先日、当委員会での所信表明に対する我が党の赤城委員の質問に答弁された扇大臣は、その中で、私もそばで聞いていたんだけれども、少なくとも十年間でこの千カ所のボトルネック踏切を解消すると、気前のよい、すばらしい発言をされたんでございます。私自身も大変喜んだんですが、どうも後で考えると、これは十年間で約半分、五百カ所の言い間違いかな、このようにも思うわけでございますが、この問題は後で引きずるといけませんので、確認をしておきたいと思います。

 そして、今回の法改正では新しく、都道府県知事が国土交通大臣に対して改良すべき踏切道として指定するように申し出を行える制度を設け、また、鉄道事業者と道路管理者が改良計画を作成する際に協議が成立しないケースは、国土交通大臣が裁定を行う制度を導入する、こういうことになっておるんでございます。しかし、従来より、大臣が指定を行う際には、当然地元自治体や鉄道事業者の意見を十分に把握した上で判断してきたと思いますし、関係者間の利害の調整の役割も、国が積極的に果たしてきたと思うのであります。とすれば、何らこの新しい対策は抜本的な解決策にはならないんじゃないかな、このようにも思っているんです。

 そこでお伺いしますけれども、鉄道事業者と道路管理者の間で、改良計画に関する協議が成立しないことを理由に踏切の改良が実現しなかったこと、あるいは大幅に遅延した事例が具体的にあれば、お聞きしておきたいと思います。また、今回のこの二つの新設制度が本当に踏切道改良促進に向けた特効薬になるのかどうか、国土交通省のお考えも聞いておきたいと思います。

 以上であります。

泉副大臣 あかずの踏切の問題については、先生初め多くの都市選出の先生方を中心に御尽力をいただきまして、今日までも解消に努めてまいったところでございます。

 扇大臣が千カ所というふうに申し上げましたのは、正確に申し上げますと、この十年間で半分というのが正確な答えでございます。ただ、大臣としては、その意気込みを申し上げたのではないかと思うところでございます。

 先生お話しのように、全国に約三万二千カ所の踏切がございますが、私どもの定義によるボトルネックの踏切というのは、約千カ所存在をいたしております。先生の神奈川県でも百四十六カ所という、大変、全国三番目のあかずの踏切があるという状態でございます。このことによりまして、交通渋滞、都市活動に大変大きな支障を生じておりますとともに、環境問題等にも少なからざる影響を与えておるというのが実態でございます。この解消を、これまでの整備よりもさらに一段と進めさせていただこうということが、今回の法改正の基本的な考え方でございます。

 これまでの経緯からいたしましても、沿線住民に居所を移していただくような問題がありますとか、かなり時間がかかる、あるいは事業費が大規模である、こうしたことからなかなか解消できなかったところを、先ほど申し上げましたように、一層の推進を図るための手だてをとらせていただきました。平成十二年度末に現在の法律が期限が切れますので、五カ年計画が切れますので、十三年度予算から改めて取り組ませていただきたい。約三千億の予算を計上させていただいておりまして、大幅な予算増額、そして、ソフトの部分におきましても、地方の考え方が十二分に生かせるように、そしてスピードアップが図れるように、支援制度も取り入れた仕組みを御提案させていただいておるところでございます。国土交通省としては、これまでに倍します綿密な計画のもと、一層の促進を図っていく所存でございます。

 後半にお尋ねになりました裁定制度等につきましては、政務官の方からお答えを申し上げさせていただきます。

今村大臣政務官 ただいまの御質問でございますが、今までにこの踏切の改良計画、特に鉄道事業者と道路管理者との間の協議がなかなか難航して長期化した例、幾つかございます。その主な理由は、当該計画箇所の地形でありますとか、交通のいろんな事情、そういったものが主な原因でございます。

 例えば、具体的に申しますと、田中議員の御地元の例がわかりやすいかと思いますので申しますが、東急の武蔵小杉と日吉の間の元住吉一号踏切、この立体化計画、これは昭和六十三年の七月に踏切道改良促進法に基づいて立体化の指定を行ったわけでございますが、鉄道事業者は道路を地下にしてくれ、道路管理者は鉄道を地下にしてくれ、あるいは高架にしてくれというやりとりがありまして、これでいろいろ議論したわけでございますが、最終的には、平成九年四月に、約九年かかって合意ができました。これは、車庫に行く分につきましてはそのまま平面ということでやったわけでございまして、こういった事例はたくさんまだほかにもございますが、できるだけ誠意を持って取り組んでいきたいと思います。

田中(和)委員 御答弁をいただいて、大臣の発言の意欲的な部分については理解をいたしますけれども、文字どおり、ひとつ前向きに、真剣に取り組んでいただいて、五百カ所と言わずに、ひとつさらに積み上げられる実績をつくっていただければと思っております。

 今村政務官から、本当に、私の地元に触れてお答えをいただいて、大変ありがたかったんですが、これらの事例、全国的でありましょうから、ぜひひとつ真剣に取り組んでいただいて、促進にこの新しい方策を生かしていただきたいと思っております。

 ただ、時間の関係でどうしようかなと思ったんですが、一言だけ御要望しておきたいと思うんですが、実は、東急東横線の元住吉の駅のところは話がついたんですけれども、そばに引き込み線があるために、その部分が残るんですよ。ですから、地元の人にとってみれば、完全な立体化になり得ないんですね。東急さん側の事業としてやられるわけでございますから、そういう意味では、なかなか行政がどこまで要望でき得るのか難しい部分もあるんですけれども、完璧な計画になっていないんですね。できれば、もう一回役所の方でもひとつ調査していただいて、頑張っていただければありがたいな、こう思っております。これは要望だけで結構でございます。

 続いて、時間の関係がありますので、少しはしょってまいりますけれども、このボトルネック踏切というのは、実はなぜ残ったかという理由に、やはり一カ所当たりの費用が高くつく。今日の地方財政が従来にも増して逼迫していることを考えると、なおさら事業実施は困難を極めていくんじゃないかな、このように思うんですね。

 私はいろいろと調べたんですけれども、ボトルネックという言葉そのものが平成十一年度あたりから行政上使われ始めているわけですから、行政側も、まだ実績も過去の調査もはっきり言うと不十分なんです。ですから申し上げるんですが、予算の確保をどのようにしていくのか、これはよほど考えていかないと厳しくなる事態ですから。ただ、公共事業だって、市民待望の公共事業、このような立派な公共事業があるわけでございますから、ぜひひとつ、どのように事業資金の確保をされる決意か、まずお伺いします。

大石政府参考人 踏切改良に関する今後の予算確保の見通しについてお尋ねでございます。

 御指摘ございましたように、ボトルネック踏切を初め全国に改良すべき踏切が多数残されてございます。先ほど御答弁させていただきましたように、今後、一千カ所のうち半分を十年間で改良するということになりますと、このボトルネック踏切の解消だけでも、全体として約六兆円必要でございます。半分ということになりますと三兆円でございます。また、立体交差化全体で申しますと、三千八百カ所ほどを整備する必要があると考えてございまして、これに要する費用は約十二兆円という試算を持っておるところでございます。

 そのために、平成十三年度予算におきましても、対前年比三四%増という予算を事業費として確保させていただいておるところでございます。約三千億でございますが、これらの財源確保のためには、安定性にすぐれ合理的で公平だと言われております道路特定財源をきっちり確保することによりまして必要な予算確保ができるという見通しを持ってございます。

 踏切改良につきましては、道路局最重点課題でございますので、必要な予算確保に努力してまいりたいと考えております。

田中(和)委員 三兆円という金額は、こういう時代ですから大変大きな数字だと思うんですけれども、とにかくこれは特化してやっていかないとできないんですね。私はたまたま都市部の議員ですから、単独立体は余り賛成じゃないんですね。というのは、必ず周りの踏切が宿題に残ってしまいます。ですから、大変な事業なんですけれども、やはり連続立体化で臨んでいかなければ仕方がないだろう、こう思うのでございまして、なおさら今の財源の問題、私も努力をさせていただきますので、ぜひひとつよろしく確保にお力をいただきたいと思うのでございます。

 それからもう一点、私の地元のことを例に引きながら申し上げていくんでございますが、川崎市では、実は今、京浜急行の大師線にこの事業がかかっているんです。でも、かかっているというだけで、歳月流れども全く手がついておりません。平成五年で都市計画決定をして、実は十四年度中に完成という予定だったんですが、全く何も始まっていないんです。これは、いろいろな事情があるのでございますけれども、過去に、川崎の細長い地形を縦に貫く南武線、JR線でございますが、このごく一部を工事が完成しておるのでございますが、あとほとんどすべてが残っているんですね。結局、踏切は百三十九カ所が残って、そのうちボトルネックだけでも二十五カ所もあるんですよ。

 これは、何が原因かということはもう皆さんの方が、政府側の方がよく御存じなんですけれども、今、鉄道各企業に一〇%お願いをして、国と地方が四五%ずつ負担をしているんですね。確かに国の方も知恵を絞っていただいて、企業の負担分を国がとりあえず貸してさしあげたり、あるいは企業が地方自治体の分を、四五%、とりあえず資金を融通したり、いろいろとしていただくような方策がとられてきたんですが、しかし、それでも、後年度の負担を考えると、実は地方自治体が並行して二本、三本のルートを着工するに至らない、手を挙げることができないという実情が実はございます。

 そこで、相当無理なことを承知でお願いをしなければならないと思っておりますが、インセンティブを与えるために、地方自治体の負担分四五%をひとつ国で肩がわりをするなり、何らかの財政措置を考えられないのか、そして促進をすることができないのか、こんなことを実はあえて申し上げますので、ひとつ前向きな御答弁をお願いしたいと思います。

今村大臣政務官 ただいまの御意見、本当に地方の交通事情でお困りの皆様というのは、大変重要な御指摘だというふうに思っております。

 しかしながら、一応事業の中身として、街路事業等を中心に連続立体交差化ということをやってまいるわけでございますが、一応そのルールとしては、負担率が道路事業者の負担の半分ということで来ているわけでございまして、このルールを変えるのにはなかなか骨が折れるとは思っております。

 ただ、私の範囲ではございませんが、起債措置あるいは地方交付税措置等をやってまいりますと、これは御参考までに申しますが、例えば都道府県の場合は総事業費の約一割強、一〇・八%、そして政令市の場合は約三六%ということで、実質的にはかなり地方の負担は少ないという面があることは一応私も御意見申し上げておきたいと思います。

 今後とも、またもちろん国としても努力してまいります。

田中(和)委員 確かに、検討に検討を加えてもなかなか難しいという話は承知して私もお願いをしておるわけでございますけれども、これは何か知恵を絞らないと、実は計算していくと、四十年で一カ所だけなんですよ、川崎も。一工区と言った方がいいんでしょうか。計算していくと、百年たったって幾らもいかないんですね。相当残っちゃうんです。ですから、先ほどの十年の話がどうも絵にかいたモチになるんじゃないか、こういう気がしてならないためにあえて申し上げているので、ぜひひとつ知恵を絞っていただきたい、こう思います。

 それから、確かに長期にわたる事業でございますから、当然現場の次善の策というのか、とりあえずの策が必要でございます。当然、遮断機を上げたり下げたりを頻繁にやるということも大切なんだけれども、ITの時代でありますから、特にエレクトロニクスのレベルアップが図られているわけですから、もっとダイヤを考えたり、あるいは発車するタイミングの調整をしたりできるんだと、私は何度も他の委員会でも質問して申し上げたんですが、検討を急がなければならない。簡単に言うと、遮断機のおりている時間を、もちろん安全を前提としながら短くしなきゃいけない。

 それからもう一点、神奈川県で、先般、昨年の七月でしたが、八十三歳のおばあちゃんが死亡するという大事故があったわけでございます、痛ましい事故でございましたけれども。これは、踏切の間が、たくさんのルートが入っているために、広くて渡り切れなかったんですね。ですから、私は、踏切のあの遮断機のところに、何分で来るんだとか、こういうタイムスケジュール的なものを表示するような工夫が必要じゃないかな、こう思っておるのでございます。

 もう一つ申し上げておきたいのは、実は、あの遮断機に信頼性が少し欠けておりまして、私も経験がないわけじゃないんですが、あのバーの下をくぐってどんどんと走り抜けていく、早朝などサラリーマンの皆さんの風景を見ているんですね。もってのほかでありますけれども、現実の話でありますから、遮断機がおりているときは絶対だれも通さない、こういう構造も考えなければならないと思うんです。

 そして、時間の関係でもう一つ最後に検討を願いたいと思いますので、警察庁にお伺いをいたします。

 実は、日本の踏切というのは、信号機がセットになっているものは、青信号のときは、遮断機が上がっていれば車も人も通れる、こういうことになっているんです。ところが、現実には、遮断機に信号がついているのは、ほとんどレアケースでございまして、少ないんです。ですから遮断機の前で、下がっているなら通らないんですが、上がっているときは、通るときに安全確認のために一時停止をやっているんですね。

 ところが、我が党の原田義昭議員が中心になって真剣に研究をしておられるんですが、主要国の調査だけですけれども、韓国と日本だけのルールのようでございまして、ほとんどは、遮断機が上がっているときはすっと通り抜けているんですね。これは本当にむだじゃないか、このように私も思うわけでございまして、一たん停止をしなくてもいいように、道路交通法第三十三条だそうですけれども、法律改正できないものかな、こう思っているんです。

 実は、環境の上でも当然効果があるわけですが、省エネの上でも、ガソリンの節減という部分では、二百万から三百万キロリットル、お金にして二、三千億円の節約になる、こういう試算もあるわけでございまして、ぜひひとつ、この点についてどのような検討が、可能性があるのか、お答えをいただきたいと思います。

安富政府参考人 最初に、先生の方から、遮断時間をいかに短くするかということについてのいろいろな御提案がございました。我々としても、遮断時間の短縮化を図るということで、現在、警報時間の制御装置というものを導入して、全国で約二千数カ所やっております。今後とも、我々としても、警報時間制御装置をぜひ積極的に推進していきたいということで、平成八年度から補助対象として積極的に進めておりますので、これを積極的に進めていきたいと思っております。

 それから、あと、いろいろな御提案がございました。例えば、歩行者に列車の到達するまでの時間を表示する装置、あるいは、踏切遮断中に進入できないようにする構造にできないか。これはいろいろな技術的な課題が幾つかあると思いますが、一方では、かえってまた安全上問題がないかどうかということも含めて、我々、これからいろいろな総合的見地で検討していきたいというふうに考えております。

赤松委員長 警察庁坂東交通局長。時間が来ておりますので、短目でお願いします。

坂東政府参考人 お答えいたします。

 踏切における交通事故というものは、御説明がございましたように、減少傾向にはございますけれども、例えば、平成十二年中に百二十八件、交通事故が発生しておりますけれども、そのうち死亡事故は五十四件に上るということでございまして、他の一般の交通事故に比べて致死率が極めて高い。つまり、踏切における交通事故、一たん起これば重大事故につながるといったような傾向にございます。

 また、こうした事故は、安全確認を十分に行わずに漫然と踏切に進入したことによるものが多いといったような実態もございますので、こうした踏切における交通事故の発生状況を踏まえながら、踏切の一時停止の解除につきましては、踏切保安施設、あるいは委員御指摘のような踏切信号機等の整備状況、さらには国民の意識等を踏まえながら、引き続き検討させていただきたい、このように考えております。

田中(和)委員 終わらせていただきます。ありがとうございました。

赤松委員長 次に、河上覃雄君。

河上委員 公明党の河上でございます。

 三十分でございますから、早速質問に入ります。

 これまでの立体交差化及び構造改良の指定状況を見ていますと、どうも期限末の一、二年間に集中をしているという実態がございます。もちろん、さまざまな事情があると思います。その指定がおくれる理由の大きな要因の一つとして、鉄道事業者と道路管理者の調整が済んだものから指定をしているのではないのか、この点が指摘されるところでございます。

 今般、このような実態を踏まえて、改善案といたしまして、都道府県知事の申し出制度あるいは裁定制度の導入というものが盛り込まれるわけでございますが、この改正によって、従来と比較をいたしまして、この指定状況はどのように変化をすると見込まれていらっしゃるか。

 加えて、国土交通省の取り組み姿勢ということが非常に大事であると私は思いますが、その観点から、特に都市部のボトルネック踏切を向こう十年間で半減する、この目標を設定されているわけでございますので、国土交通省としても、渋滞による経済的損失や環境への影響、これらに対します対投資効果を算出して、早急な整備の必要性を指定予定地域に提示するなど、積極的なかかわりを持つべきであろう。そうしなければ、なかなか変化をしないのではないのか。

 こうしたきめ細かい国土交通省の対応というものが、指定の申し出制度の創設によって都道府県知事による申し出が反映され、指定を早めることにはなるのではないのか、こう思いますが、まずこれに対する御見解をお尋ねしたいと思います。

泉副大臣 今回の法改正は、いわゆるボトルネックになっておる踏切の改良を促進しようということが第一の目的でございまして、そのための支援策を幾つか考えさせていただいたということにあると思っております。

 いわゆるボトルネック踏切を初めとします踏切による交通渋滞、これは都市部の経済活動、市民生活に重大な支障を与える、環境問題についても言わずもがなでございますが、こうした認識が最近とみに高まってきておる。この観点から、私どもとしても、ぜひこの解消策を図りたいと考えておるわけでございます。

 これは一つの試算でございますけれども、ボトルネックによる渋滞がもたらす経済的な損失はどれくらいになるのか、こうしたことを計算いたしますと、年間に約五千七百億円ぐらいに達するという一つの計算をしておるところでございます。また、これは必ずしも道路と鉄道の交差の解消というものから試算したわけではございませんが、道路同士の立体交差というところの、一つの結果から見ますと、従来の走行速度が九キロであったものが、立体化したことによって三十八キロまでスピードアップができたという例もございます。こうしたことが市民生活への影響、あるいは経済活動の促進、環境への負荷を下げるといった事柄につながってくると我々は考えておるところでございます。

 今回の法改正によりまして、約千カ所のうちの半分を十年間で改良いたしたい、そうした目標のもとに、今後五年間のスケジュールをつくってまいりたいと思っておるところでございます。

 踏切解消のための立体交差事業というのは、道路事業においては、これまでも事業の経済効果を含むある種の指標を用いた客観的な評価を実施してまいりましたが、今後ともこうしたことを、具体的な数値ができるだけ出せますように評価基準を決めまして、整備効果が広く市民の方々にわかっていただけるように周知をさせ、関係者の積極的な努力とともに、市民の応援を仰げるように努力をしてまいるつもりでございます。

河上委員 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、連続立体交差事業につきましては、鉄道事業者による立てかえ制度の創設、あるいは鉄道事業者に対する融資制度の創設、さらに用地買収を実施する土地開発公社等に対する融資制度が創設されることになりました。鉄道事業者による事業の立てかえ費用及び利息というのは、地方公共団体の起債により、翌年度から五カ月以内に返済することになる。

 ところで、踏切の改良が進まない理由の一つに、地方公共団体の厳しい財政事情がある。さらに、鉄道事業者の経営難というのも指摘されているところでございますが、これらの制度の創設によって、鉄道事業者と道路管理者の協議というものが促進される、そのように考えていらっしゃるのか。私は、ある意味では非常に重要で、お金もかかることであると思いますが、今の仕組み、制度もさることながら、さらに手厚い財政的な支援というものが必要ではないか、そうしないと有機的に動いていかないのではないかと思いますが、この点はいかがでしょう。

泉副大臣 これまでの踏切改良事業の経緯、またもう一つ、今先生のお尋ねにはございませんでしたけれども、地方の実態を踏まえた踏切改良事業というものを推進する、道路管理者あるいは鉄道事業者との思惑の違いみたいなものを調整しなければなかなか先に進まない、こうしたこれまでの経験を踏まえまして、今回の法改正をお願いしておるところでございます。

 これで完璧なものであるというふうには言い切れないと思いますが、国土交通省といたしましては、新しい制度をつけ加えますことによってさらに前進を図れる、それが、今御指摘のございましたような鉄道事業者と道路管理者との協議が調わない場合の国土交通大臣の裁定制度、あるいはまた鉄道事業者に負担を一部肩がわりさせて事業の促進を図るというような支援制度という制度を新しく設けさせていただく背景になったわけでございます。

 なお、今後五年間、この法案を通していただきまして、実行する過程でさらに問題点が生ずるならば、次の段階でまた検討をさせていただくことは必要になるかもわかりません。

河上委員 副大臣が御答弁なさったように、いろいろな課題等問題があると思います。さりとて、十年間で半減をさせるという大きな目標、そして五カ年ごとに計画を立てるわけでありますから、その五カ年の中で前のベースよりも三%、五%アップしただけでは、法改正そのものの効果というものが十分発揮できなかったということになるわけでありますから、ぜひともこういう実績等を踏まえながら、今後さらに精緻な御検討をお願いしたい、このように考えるところでございます。

 もう一つ、踏切道調整連絡会議の充実強化を図る、こういうことになっておりますが、この充実強化策の具体的な内容というのはどんなことなんでしょうか。そして、これもあえて申し上げますが、これを強化しますとどういう効果があらわれるのか。その点、ちょっと教えてください。

大石政府参考人 お尋ねの踏切道調整連絡会議は、平成八年に「踏切道の拡幅に係る指針」というものに基づきまして設置が規定されたものでございます。踏切道に係る円滑な調整を図るため、踏切道を含む道路の拡幅計画の報告、踏切道に係る諸問題の整理、調整等を行うものとして、各地域ブロック単位ごとに地方運輸局及び地方整備局が共同で設置して運営しているものでございます。

 しかしながら、この調整会議には鉄道事業者が参画していなかったといったようなことがございまして、円滑に進める観点から、十分に機能してきたかどうかについては若干疑問視されたところでございます。そのため、今回、この法改正に合わせまして、踏切道調整連絡会議の充実強化を図ることといたしました。

 改めて鉄道事業者に参画していただくだとか、あるいは都道府県公安委員会にメンバーに入っていただくなどの調整機能の強化を図っていくことを考えているところでございます。これによりまして、都道府県知事の申し出制度等が創設されることと相まちまして、今後、各都道府県を初め関係機関との調整が円滑に進むものと考えてございまして、本来の趣旨でございます踏切道の改良促進が一層図れるよう、本会議の運営強化を図ってまいりたいと考えております。

河上委員 そうしますと、この調整連絡会議の目的は、従来の中身と余り変わりないということですね。ただし、鉄道事業者を入れること、都道府県関係者を入れること、これはまあ周辺部分でしっかりと意思の疎通を図り、合意をしていく、こういうことですね。

 もう一点申し上げておきたいと思いますが、今までは地方運輸局あるいは地方建設局、これが双方で参加していた。今度、国土交通省ですから、地方整備局になった。ぜひとも、旧来の地方運輸局と地方建設局の従来の考え方がそのままそこで激突などしないように、複雑になるばかりですから、どうぞ事前にしっかりと、これから出発したところでありますから、まだまだ詰めるところはあると思いますが、国土交通省の地方整備局としての一体的な考え方をきちっと持った上で調整連絡会議に臨んでいただくこと、これはつけ加えておきますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、鉄道事業者と道路管理者の協議が成立しない場合、改良計画の円滑な作成を促進するために、大臣による裁定制度を導入することになります。裁定に当たる事例のイメージはどのようなものなんでしょうか。さらに、鉄道事業者と道路管理者との費用負担及び工事の施行方法を定めたいわゆる道路と鉄道との協議事項に関するルール、三つございますが、これらのルールを厳格に適用するということになるのでしょうか。私が地元で調べたところによりますと、単独立体交差事業において協議が成立するケースのほとんどは、地方自治体がほぼ一〇〇%費用負担をしている、こういうこともございますが、この点についてはどうでしょう。

大石政府参考人 裁定制度が適用される事例にはいろいろなものが考えられると思います。広範な計画上の問題から具体にわたる施行の問題等にわたると考えられております。今まで鉄道事業者と道路管理者の間で、例えば単独立体交差化する際に、建築限界の設定範囲の問題、あるいは保安設備の移設場所をめぐって調整が難航した場合等がございました。裁定制度は、これらの工事の内容について両者の対立を調整するということ、あるいはそれについて裁定するということが考えられると思います。

 踏切道改良に関する鉄道事業者と道路管理者との費用負担については、個別事業ごとの調整の円滑化の観点から、いわゆる運建協定、昔の運輸省建設省協定でございますが、などの一般的なルールが定められておりまして、これは受益者の負担の限度において負担していただくという考え方に基づいたものになってございます。単独立体交差事業につきましては、踏切の維持費等の相当額を鉄道側が負担し、その他を道路管理者が負担しているというところでございます。

 具体的な例で申しますと、よくあるケースといたしまして、例えば道路が四車線、それから一種自動踏切の複々線の事業のようなところでございますと、約二千四百万円を鉄道事業者側で負担していただきまして、残余を道路管理者側で負担するといったようなルールとして適用しているものでございます。その観点から、先ほど先生が御指摘されたような実態と見えているかもわかりませんが、現実にはそのような費用負担の関係になっているところでございます。

 個々の事業におきます費用負担につきましては、以上のような原則に基づきまして、鉄道事業者と道路管理者がそれぞれの踏切の実態に応じて適切に調整されていくことが重要であると考えております。

河上委員 踏切の拡幅等の構造改良事業におきまして、協議が調わず裁定に持ち込まれた場合、その裁定に際してどういう基準を準用なさるのか。そもそも、基準はおありになるのか。申請のまま裁定を下すことになるのか、それとも、踏切の除去を目途として、まず立体交差を推進する立場からの裁定を下すことになるのか、この点についてお尋ねをしたいと思うんです。

 なぜこういうことを申し上げるかといいますと、極めて狭い踏切の直前まで立派な都市計画道路が完成しているケースなどが最近は多々見受けられるわけでありまして、その裁定いかんによっては、再び新しいあかずの踏切をつくるおそれがあるんじゃないのか、こういう危惧を持つわけでございまして、その意味から、私は今の点について御答弁をお願い申し上げたいと思います。

大石政府参考人 裁定制度につきましては、踏切道の改良の円滑かつ確実な実施を促すことを目的として導入される制度でございまして、そのような趣旨で運用していきたいと考えてございます。

 協議が調わないケース、いろいろなケースが考えられまして、一律に基準を設けるといったようなことになじむのかどうかについて、我々も現在のところ、確信が持てる状態になってございません。裁定を行う際には、このように、踏切道の改良の促進という趣旨にのっとりまして、両者の意見を十分聴取した上で適切な判断を下すこととなるわけでございますが、その際、公平、中立の立場から判断を行うことは当然のことであると考えてございます。

 先ほど申しましたように、裁定制度を設けた趣旨というのは、踏切道の改良の円滑かつ確実な実施であるということをよく考えまして、適切に裁定制度が運用されるよう努力してまいりたいと考えております。

河上委員 御答弁の中身はわかりましたが、またいろいろ工夫を凝らしていただきたい、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 それから、平成十一年四月一日現在、鉄道との平面交差箇所は三万二千三百五十九カ所。このうち、市町村道と交差するものが二万八千三百十一カ所でありまして、実に八八%を占めるわけでございます。一般国道の指定区間六十五、指定区間外が三百五十二、都道府県道三千六百三十一でありますから、八八%が全部市町村道にかかる、こういう実態でございます。

 しかし、地方自治体が踏切を改良しようとする場合、踏切の統廃合を理由といたしまして近接の踏切を廃止することを条件とされる場合が多くある。そういう観点から、地元住民との協議が円滑に進まない状況等がございます。これらの解消に向けまして、何らかのやはり工夫が必要なのではないのか。そうしませんと実体的に推進されにくいわけでありますので、何か工夫はないのかという極めて抽象的な質問で恐縮でございますが、ぜひともお答えいただきたいと思います。

安富政府参考人 先生御指摘のように、踏切道の拡幅に当たって、一部の鉄道事業者において、踏切の統廃合を進めたいという観点から、近隣の踏切の統廃合を条件とするというものが非常に多く見られたということがございます。そういうことから、実は、平成八年に「踏切道の拡幅に係る指針」というのを定めまして各事業者、道路管理者に通知しておりますが、この中で、いわゆる歩道がないものであるとかあるいは二車線までのものといった一定の踏切道については、必ずしも近隣の踏切道の統廃合をしないでも拡幅が進められるように措置したところでございます。

 ただ、そうはいいながらも、この通達の趣旨が必ずしも十分行き届いていないということもありまして、今なお円滑に進んでいない事例もございます。そういうことから、平成八年の指針の趣旨の徹底を図りたいというのがございます。それからさらに、先ほど来出ております踏切道調整連絡会議というものを使いまして、道路管理者と鉄道事業者の円滑な調整を図っていくということを強化していきたい。

 さらに、今回の法改正では、都道府県知事が指定の申し出を行うことができる、さらには、鉄道事業者と道路管理者が踏切の統廃合等の問題で協議が調わない場合には、国土交通大臣による裁定制度を導入するといったようなことを措置しております。

 そういう意味で、これらを有効に活用しながら、踏切道の拡幅について円滑に実現するように努めてまいりたい、こう考えております。

河上委員 今局長から御答弁をいただきまして、わからなくはないんですけれども、現実的に私の地元の相模線という単線が十二カ所、これを廃止したいという鉄道側の要請で市長さんがお受けになっていらっしゃる。まだなかなか進んでいないわけでありますけれども。さまざまなその箇所箇所によって状況は違うと思います。いろいろございますが、これをしっかり手当てしようとすると、大変な大きな問題も出てくると思いますし、これは御答弁いただかなくて結構なんですが、こうした事情がいっぱい各地域であるんではないのか。その一つとして、今私が申し上げましたように、住民とのなかなか円滑な話し合いが進まないという状況、実態があるということを強く御認識いただいて、何らかの工夫というものをさらに考えていただきたい、このように思うところでございます。

 立体交差化はかなりの期間を要する事業でございます。緊急的なあかずの踏切対策として、それでは警報時間制御装置等の整備は今後どの程度の規模で推進されようと予定されているのか、お答えいただきたい。

安富政府参考人 踏切道の渋滞緩和策としましては、立体交差というのが抜本的な対策になるわけでございますが、これは極めて時間もそれから費用もかかるということで、いわゆる遮断時間の短縮化を図っていくということが非常に重要になってきております。このため、御指摘のような警報時間制御装置というものが有効であろうということで、現在までに既に鉄道事業者においてもその重要性を認識して、これまで約二千四百カ所ほど整備が進んできております。

 さらに、国としても、この警報時間制御装置をより整備していきたいということで、平成八年度からこの装置について補助対象としてその整備を積極的に進めようということにしております。ちなみに、平成十二年度補正予算では十八カ所、平成十三年度の予算では十六カ所について補助金を交付するということで整備を進めておりまして、今後とも、事業者の希望に従って、引き続き警報時間制御装置の整備を促進して、交通の円滑化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

河上委員 あと五分でございますからもう一問だけにさせていただきますが、平成十三年度予算で相模鉄道本線が連続立体交差事業の新規着工準備箇所に挙げられております。この相模鉄道本線の踏切道関係につきまして、今後のスケジュールそして計画等についてお尋ねをいたしまして、質問を終わりたいと思います。

板倉政府参考人 相模鉄道本線の連続立体交差事業のスケジュールについてのお尋ねでございますが、相模鉄道本線の星川―天王町駅周辺は、先生御案内のとおり、保土ヶ谷区役所等が立地します横浜の地域拠点でございます。しかしながら、朝夕のピーク時には、一時間中四十分以上遮断される踏切が八カ所もございまして、鉄道によりまして分断された市街地の一体化が大きな課題となっております。そういった意味で、連続立体交差事業の実施が地域の町づくりにとりまして大変待望され、私どもとしましても、それを実施することによって大変大きな効果を発揮する地区だというふうに認識している次第でございます。

 平成十二年度に連続立体交差事業補助調査を実施いたしまして、鉄道高架施設の概略設計を行いますとともに、関連事業計画を検討しているところでございます。

 また、御指摘のように、平成十三年度予算案におきましては、新規着工準備の採択箇所として計上しているところでございまして、今後、平成十三年度中に都市計画決定のための本格的な調査を行いまして、事業化に向けた作業を鋭意進める予定と伺っております。

 国土交通省といたしましても、同事業につきまして、事業の促進が図られますよう支援してまいる所存でございます。

 以上でございます。

河上委員 これで終わりますが、前段も触れましたように、法律施行後もなおさまざまな工夫が必要だと思いますので、ぜひとも御検討いただきたいことを最後にお願い申し上げまして、終わります。

赤松委員長 以上で河上覃雄君の質疑は終わりました。

 続きまして、阿久津幸彦君。

阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。私の方からは、踏切道改良促進法改正案について本日は質問させていただきたいと思います。

 本来、踏切行政は地方がイニシアチブをとって行うべきであると私は考えております。しかし、この法案には地方分権の観点が欠けており、その点が最大の問題点であると考えております。一方、地方分権が進むまでの間にボトルネック踏切など緊急性のある改良事業に取り組むための法律にするのであれば、その目的、すなわちボトルネック踏切の半減等を明記すべきであると考えております。その意味で、本法案は、即十分なものであるとは言い切れない面があります。

 そこで、まず初めに、地方分権の観点から見た踏切行政のあり方について伺いたいと思います。

 本来、踏切行政は地方がみずからのイニシアチブで行うべきものであると考えますが、見解を伺いたいと思います。

泉副大臣 市民生活、地方に住む方々の生活に大変大きなかかわり合いを持つ踏切の問題でございますので、先生のお考えも確かに重要なことだと思います。そうしたことを受けとめまして、今回の法改正の中でも地方からの申し出制度を設けたのもその一端でございます。

 従来から、交通安全基本計画や踏切事故防止総合対策などにおいては、都道府県別の踏切道改善促進協議会を設置しまして、自治体が中心となって総合的な踏切対策を推進してきたことは御承知のとおりでございまして、国としましても、緊急性の高い踏切道の改良については、踏切道改良促進法に基づく踏切を指定しまして、地方と一体となって進めてきたわけでございます。

 ですから、地方の問題というとらえ方と同時に、国としてやっていかなければならない役割もございますので、そうした観点から、今回の法律改正をお諮りいたしておるところでございます。

阿久津委員 私は、今の御答弁からは、地方分権が本来は理想の姿なんだというふうには感じ取れなかったんですけれども、泉副大臣、アメリカではどこでも、踏切行政というものは国がやるんじゃなくて地方、州に任せて、あるいはもっと下の地域に任せてやっているわけですね。アメリカでできているものがなぜ日本できちんとした地方分権という形で踏切行政ができないんでしょうか。

泉副大臣 最も大きな問題は、事業費が大変大きくかかるということに起因すると私は思っております。地方だけで処理できる、あるいは鉄道事業者、道路管理者だけで処理できる問題であれば、先生の御指摘もあるいは一つの考え方だと思います。

 しかし、ボトルネックと言われる踏切が一千カ所あって、膨大な事業費を必要とする中で、どこからやっていくかというようなことを考えましたときに、国としての関与は当然あってしかるべきではないでしょうか。国土交通省はそうした考え方に基づいてこの法案を提案させていただいているところでございます。

阿久津委員 よく地方分権のあり方の例で出される話があるんですけれども、十年ちょっと前まで、地域のバス停を百メートル動かすのに一々運輸省の許可が必要だったということ、これは特に前の細川総理大臣が引用されていたんですけれども、今はもちろんそういうことは行われていないと思うんです。このことについて何か御感想はございますか。

泉副大臣 今先生御指摘のように、停留所を移すについてもある種の手続が必要であった時代が確かにございました。これはある意味では、利用される市民の方々の立場に立った考え方でもあったと私は思います。知らない間にバスストップが別な場所に移っておる、あるいは路線が変更されておるというようなことが起こることは利用される市民の方々に御不便を与えるということで、そうしたルールを決められた時期がございました。

 しかし、その後、国の関与の度合いが、そこまでやる必要はないのではないか、またバスの事業管理者等も、利用される市民の方々の立場を十分に理解する、必要な情報を流すというようなことができるようになって、時代の変化とともに国のかかわり合いが後退したと申しますか薄くなったと申しましょうか、そうした制度改正が行われたものであると理解をいたしております。

阿久津委員 泉副大臣、国の関与が後退したなんて言わないでくださいね。流れは地方分権ですから。

 それで、今のお話をつなぎ合わせると、地方分権が進むまでの間に踏切事故の防止とか交通の円滑化のための緊急的かつ重点的な踏切道の改良の実施という観点でこの法案を行うのであれば、それはそれで意味があると私は思っております。

 そういうことで、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 国土交通大臣が改良すべき踏切とその改良方法をあえて指定することの意味ないし必要性とは何でしょうか。

泉副大臣 先ほどの御答弁の中で、後退という言葉が必ずしも適切でなかったかと思います。意義を述べましたのも、どういう表現をさせていただこうかとちょっと逡巡した結果でございますが、そうした時代の要請の中で、国と地方、あるいは事業者との関係が変化をしていった、そういうふうに私の真意を御理解いただきたいと思います。

 今お尋ねがございました、国土交通大臣が指定する意義ということについてでございますが、交通事故の防止あるいは交通の円滑化の観点から特に緊急的に改良を必要とするものについては、先ほど申し上げましたように、限られた予算の中でどうやっていくか、全国統一的な基準によって国が公平にかつ中立的な立場で優先順位をつけて国民の皆様方におこたえする必要がある、そうした観点から、この法律の中に指定という考え方を導入させていただいたわけであります。

 先ほどもお答えをいたしましたように、連続立体交差事業を初めとする踏切道の改良は莫大な資金を必要といたします。鉄道事業者と道路管理者との間の協議が難航するというようなことも想定をされておるわけでございますので、国の立場、リーダーシップによってこうしたトラブルを解消していくという役割を果たすべき立場にあると考えておるわけでございます。

阿久津委員 結局、補助金の問題なのかなというふうに思うんですね、国がどうしてもやらなければならないというのは。地方分権がきちんと進んだ上で地方に財源が移譲されてあれば、本来、やはり踏切行政というのは地方に任せるべき問題だと私は思っております。知事が指定するので何でいけないのか。知事とか市町村長の方がよっぽど、どこの踏切が危険とかどこが渋滞になりやすいとかわかっていると思うんですね。これは、国がずっと中央で今までの権限を抱えているところに、今の日本の発展が行き詰まってしまった原因の一つが少なくともあると思うのです。地方分権推進ということは、ぜひ肝に銘じていただきたいというふうに思っております。

 これまで指定箇所、改良方法をどのようにして決定してきたのか伺いたいと思います。先ほどちょっと触れられてもいらっしゃるんですが、この決定の仕方の部分で、優先順位の付与等において客観性は本当に保証されているんでしょうか。

大石政府参考人 改良の必要な踏切道につきましてこの法律に基づきまして指定を行う場合には、踏切道におきます交通量、踏切事故の発生状況その他の事情を考慮いたしまして、省令で定める客観的な基準に照らしながら、国土交通大臣が交通流動や周辺市街地への影響等を見きわめた上で、立体交差化または構造改良等の改良方法を定めて指定を行っているところでございます。

 例えば立体交差化の場合ですと、交通遮断量が一万台時・パー・デー以上あるかどうか、当該道路が一般国道であるかどうか、道路や鉄道の工事に関連した立体交差化が必要であるかどうかといったようなことが判断の基準要素でございます。

 また、構造改良で申しますと、交通遮断量が二千台時・パー・デー以上であって、かつ連続しております道路と幅員差が一メーター以上あるかどうか、交差角度が非常に悪くて渡りにくい踏切になっているかどうか、あるいは縦断勾配がきついかどうかといったようなことにつきまして、それぞれ基準値を設けまして判断をしておるところでございます。

 また、指定に当たりましては、交通事故の防止及び交通の円滑化の観点から総合的な整備効果を検証いたしまして、早急に改良の必要な踏切道につきまして適切に順位づけをしているところでございます。最近では、先生御承知のとおり、新規採択箇所につきましては、すべてベネフィット・パー・コスト、BバイCの数値を計算いたしまして、公表もいたしておるところでございます。

 なお、指定いたしました踏切道につきましては、告示をし公表いたしておるところでございます。

阿久津委員 例えば死亡事故などが起こったりする踏切があると思うんですけれども、事故防止とか安全対策の基準というのは具体的に定まっているんでしょうか。

安富政府参考人 具体的な保安設備の指定基準の中で、例えば踏切遮断機あるいは踏切警報機の設置ということについて、例えば三年間で三回以上または一年間で二回以上の事故が発生し、踏切遮断機によって事故の防止に効果があると認められるものといったような形で、事故の発生の度合いに応じても基準を設けているものがございます。

阿久津委員 死亡事故等を防止するための基準で、アメリカでは、アクシデント・プレディクション・フォーミュラというのを採用しているんですけれども、このアクシデント・プレディクション・フォーミュラというのは御存じでしょうか。

安富政府参考人 申しわけございません、残念ながら存じておりません。

阿久津委員 これは、例えばトランスポーテーション・リサーチ・レコードとかという雑誌にも出ているんですけれども、簡単に申し上げれば、事故が起こりやすいところを数値化して示している、そういうフォーミュラなのです。

 もちろん、アメリカの中でも州によっては今なお、何人死んだからここに踏切をつくろうやというやり方でやっているところもあるんですけれども、最近ほとんどの州がアクシデント・プレディクション・フォーミュラというのを使って、事故防止の基準にして、かなり改善が認められているんですね。ぜひ、この辺も客観的な基準づくりということで御努力をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

安富政府参考人 先生の御指摘を受けまして、我々もその点、いろいろ勉強していきたいというふうに考えております。

阿久津委員 本改正案について地方分権の観点からいうと、本当にまだまだ不満な部分がいっぱいあるんですけれども、ただ、進歩しているというか、そういうところも幾つか見受けられますので、本改正案に地方分権の趣旨はどのように反映されているのか、ちょっとダブっちゃうところがあるのかもしれないんですけれども、お答えいただければと思います。

泉副大臣 地方分権の趣旨がどのように反映されておるかというお尋ねでございます。

 先ほどお答え申し上げたことと重複する部分もございますが、踏切道の改良というのは、地域住民の生活に大変影響する、環境も含めまして、日常の踏切を渡る時間等を含めまして生活に多大な影響があるということから、地域のニーズをいかように反映させていくかということから、踏切道の改良を推進する必要があるという考え方でございます。

 今回の改正案というのは、関係市町村の意見を聴取した上で、都道府県知事による申し出を踏まえ、それに基づいて国が改良すべき踏切を指定することができるという段取りを組み込ませていただいておりますのは、まさに地方で生活の方々に立脚した物の考え方、まさに地方分権の一つのあらわれであると国土交通省としては考えておるところでございます。

阿久津委員 今インターネットで検索すると、踏切行政についての市民の不満というのが結構簡単に掌握できるんですね。

 例えば、今出ている不満の一つとしては、拡幅などの構造改良を行う際、近接踏切の廃止を前提にしているため、地域の意向が反映されないといった事例が今なおあると聞いているのです。地域の実情に応じた制度運営は保証されているんでしょうか。

安富政府参考人 踏切道の拡幅につきましては、先生今お話しになりましたように、一部の鉄道事業者が統廃合をどんどん進めたいという強い意欲のあらわれではございますけれども、近隣の統廃合を条件として拡幅を認めるといったような措置を講じている場合がございます。実は、これは我々の方にもいろいろな不平不満という形で上がってきております。

 そういうことから、実は平成八年に「踏切道の拡幅に係る指針」ということで、一定の踏切道については統廃合は条件としなくて拡幅ができるということを、指針という形で通達を出しておるわけですけれども、やはり事業者としては、統廃合を何とか進めていきたいということがございまして、現在においてもまだ条件という形でやっている例がございます。

 したがいまして、今回、先ほどの平成八年に出しました指針、「踏切道の拡幅に係る指針」の趣旨の徹底を図るということ、それから、道路管理者、鉄道事業者の円滑な調整を図る、各地域の連絡調整会議で特に踏切道あるいはその周辺の道路との計画の整合性を図っていくとか、そういう形での調整を図る、さらには、先ほども申しましたように、都道府県知事による申し出制度、あるいは道路管理者、鉄道事業者との協議が統廃合をめぐってなかなか調わないという場合には、国土交通大臣による裁定制度といったものをいろいろ活用しまして、そういう踏切道の構造改良といったことが円滑に進んでいくように、我々としても努力していきたいと思っております。

阿久津委員 地域の声ということでいえば、実は、私の選挙区は中央線の延長線上の八王子市でございます。八王子市で私も車に乗って踏切のところでよくとまってしまうことがあるんですけれども、朝のラッシュ時にスピードの違う列車がたくさん行き来するんですね。例えば、特急と普通の快速と、まごまごしていると貨物列車まで朝のラッシュ時に通ったりするんです。

 先ほどちょっと警報時間制御装置のお話をされたので、ちょっと伺いたいと思うんですけれども、この警報時間制御装置についてもうちょっと詳しくお話しいただいて、かつ、この導入計画というのが今どうなっているのかをお答えいただければと思います。

安富政府参考人 警報時間制御装置と申しますのは、先生今おっしゃいましたように、遅い列車と速い列車が、通常の踏切ですと、ある一定の場所に来ると、そこに列車が到達したということで警報機が鳴り出すという仕組みなんですが、遅い列車の場合にはその地点から踏切に到達するまで結構時間がかかってしまう、ところが速い列車だとすっと入ってしまう。そういうことがございますので、速い列車の場合にはもちろんある程度の距離を置いて警報を鳴らさなきゃいけないんですが、遅い列車の場合、もうちょっと踏切に近いところで警報を鳴らすというような形で、きめ細かく時間制御を行って、できるだけ遮断時間を短くしようという装置でございます。

 現在、これについて、先ほども言いましたように、事業者が従来からある程度整備を進めてきておったわけですが、平成八年度から補助対象として我々としてもこれを積極的に進めていこうということで、現在、補助対象に加えてその整備を図っているところでございます。具体的に年何カ所というようなことではございませんが、予算の範囲内でできるだけたくさんやっていきたいというふうに考えております。

阿久津委員 これはもちろんわかればで結構なんですけれども、今いわゆるボトルネック踏切を対象にどのぐらい設置されているんでしょうか、この警報時間制御装置というのは。警報時間制御装置というのは、ボトルネック踏切に対してはどのぐらい――わかればで結構です、これは突然の質問ですので。

安富政府参考人 具体的な、ボトルネック踏切の中でどれだけ整備されているかということ、今手持ち資料がございませんので、ちょっと調べてみたいと思っています。

阿久津委員 ボトルネック踏切の解消の決め手はもちろん連続立体交差なり立体交差にあると思うんですけれども、ひとつ、より緊急性の高い改善策としては、警報時間制御装置というのは非常に効果があるんではないかというふうに期待をしておりますので、ぜひ早急な導入に向けて御努力をいただきたいというふうに思います。

 続きまして、いわゆるあかずの踏切、ボトルネック踏切の問題について集中的にお話を伺いたいと思います。

 都市住民の悲痛な嘆きを聞いたことが、大臣、ありますでしょうか。JR東日本のホームページによりますと、踏切事故の六割は、いわゆるあかずの踏切等で待ち切れず遮断機をくぐることなどによって事故になってしまうというふうに聞いております。

 本法律の制定が昭和三十六年でしょうか、制定されてから既に四十年の歳月がたっているにもかかわらず、あかずの踏切問題は解決にほど遠い状況にあると思うんですが、その理由は一体何でしょうか。今までなぜ解決できなかったのか、お答えいただきたいと思います。

大石政府参考人 あかずの踏切がなかなか解消しない理由は何なのかという御指摘でございます。

 あかずの踏切の大部分が大都市部分に集中いたしております。その踏切の解消のための立体交差化事業は、鉄道沿線の住民の移転が必要となるなど、関係者間の利害調整に多大の時間を要するものでございます。

 また、それぞれの事業が非常に規模の大きい事業でございます。先ほど副大臣からお答え申し上げましたように、箇所ごとの予算の確保が非常に難しいといったようなこと、あるいは狭隘な空間での施行を余儀なくされているなどのことから工法の選択に非常に幅が狭いものがございます。したがいまして、長期間の工期を要するといったようなことが課題となってございます。

 また、地方費の負担あるいは予算の確保等もその課題の一つでございます。

 このため、これらの課題に対応することといたしまして、本法律の改正によりまして事業のスピードアップを図りたいと考えているところでございます。

阿久津委員 平成八年から十二年度までの、前の法律のときに、大臣が指定をする際に、あかずの踏切問題を指定の際の念頭にはっきりとした形で置いていたんでしょうか。それとも、全体の中の一つみたいな形でとらえていたんでしょうか。

大石政府参考人 先ほどお答えいたしましたように、踏切の遮断時間、それは時間でありますとか交通量で換算されるものでございますが、そういったものが指定要件となってございます。当然、あかずの踏切はそういった数字が極めて悪いものでございますので、考慮の対象であったことは当然でございます。

阿久津委員 そうすると、数字の上であかずの踏切というのは当然念頭に置いた上で、これまでもやってきたんだけれども、なかなかうまくいかなかったということだと思うんです。

 それで、ボトルネック踏切、いわゆるあかずの踏切問題に対処する上で、本改正案が有する意義とは何でしょうか。本改正案であかずの踏切を本当に解消できるというふうにお考えでしょうか。

泉副大臣 今、先生が、過去の成果を踏まえ、本法案の改正で解消できるか、こういうお尋ねであります。

 これまでも、国土交通省としては、精いっぱい取り組んでまいったと申し上げなければなりません。これは、今日まで、都市住民を中心とする多くの方々が、ある意味では列車の本数が少なかった、またある意味では自動車の発生交通量が少なかった、そういうときからこの踏切問題に何らかの対応をすべきであるということが、そもそものこの法律案のスタートだったと私は思います。

 解消を図る一方で、御承知のように、都市部における鉄道の交通量が飛躍的に伸びておりますし、特に通勤通学の重なる早朝の時間帯などはそうだと思いますし、発生交通量もまた格段に飛躍をしておる。そういう中で、都民の方々のお困りになる状況に一層拍車がかかってきたというのが実態だと私は思うんです。

 しかも、国民の要望が一段と高まってくるという中で、依然としてこの踏切問題の解消がなかなか果たされないのではないかという御指摘を先生はなさっておるんだと思うんです。それは私どもも冷静に受けとめなければならないことでありますし、そうした国民の思いを受けて、この法律案の改正に取り組ませていただいておるわけでございます。

 たびたび申し上げますように、七万カ所を超えた踏切、昭和三十六年の時点から、三万二千カ所にまで減少しておるということは、我々の努力、あるいは市町村を含めました地域の方々の努力の成果であると、ぜひ先生にも御認識をいただきたいとまず思います。

 今後、今回の法改正によりましてすべて解決できるかということになりますと、先ほど来申し上げておりますように、千カ所のうちの五百カ所が当面の目標でございますので、この目標を達成すべく、我々としては全力で取り組んでまいりたい、このように思っておるところでございます。

阿久津委員 そうしたら、今の目標についてちょっと詳しく伺いたいと思うんですけれども、まず初めに、ボトルネック踏切の定義というのは何でしょうか。それで、全国で何カ所あるんでしょうか。一応確認したいと思います。

大石政府参考人 ボトルネック踏切の定義は、二種類の数値で判断をいたしております。

 一つは、踏切の遮断時間でございます。一日のうちのピーク六十分のうち四十分以上遮断しておる、そういう踏切が一つでございます。

 それからもう一つには、遮断量でございまして、交通量が、五万台の車が一時間とめられることと、それから五万時間、一台の車がとめられることと等価とみなすという、台時という考え方でございますが、一日当たり五万台時以上遮断しておる、そういう踏切がボトルネック踏切でございまして、全国で、先ほど来お答えいたしておりますように、約一千カ所でございます。

阿久津委員 よくわかりました。

 それで、この改正法案を見ると、ボトルネック踏切とは言うんですけれども、そのボトルネック踏切という言葉が出てこないので、不安になりますのでちょっと伺わせていただきたいんですが、この中で、本改正案の中で「国土交通省令で定める基準に該当する踏切道」というふうにあるんですけれども、この国土交通省令で定める基準に該当する踏切道とは、どんなものを指し、幾つあるのでしょうか。

大石政府参考人 先ほど指定基準の御説明を申し上げましたが、立体交差化の場合ですと、一日に一万台時以上といったようなこと、あるいは一般国道であるかどうかといったようなことが省令の基準になってございます。

 また、構造改良につきましては、一日当たり二千台時でありますとか、あるいは前後の道路との幅員差が一メーター以上、あるいは交差角度が非常に悪いだとか、段差があるだとか、勾配がきついだとかといったようなものが省令の要件でございまして、そういった条件に該当する踏切は、全国で約一万一千弱というように想定いたしております。

阿久津委員 ちょっとわからないのが、ボトルネック踏切ボトルネック踏切と言うんですけれども、この法案を見る限り、その対象がボトルネック踏切になっていないということですね。つまり、今の国土交通省令で定める基準に該当する踏切道というのは、イコールボトルネック踏切ではないですね。ちょっと確認したいんです。

大石政府参考人 そのままイコールにボトルネック踏切ではございません。しかしながら、この約一万七百でございますが、その中にはほとんどボトルネック踏切が含まれているものと考えております。

阿久津委員 ちょっと今のは答えにならないと思うんですね。

 先ほど、七万から三万二千に踏切が少なくなったと。私はある意味で、大変かどうかは別にして、進歩だと思うんです。その三万二千のうち、絞り込みが一万一千なんですね。つまり、今、私流に解釈すれば、地方分権の大きな流れの中で進んでいるんだけれども、緊急にやらなければならない、この五年間のうちにやらなければならない、どうしても改良したい踏切ということで絞り込んでいるはずなんです。絞り込んでいるのに、三万二千から一万一千という、たった三分の一に絞り込んだ上での対象でしかないんですね。

 つまり、対象がぶわっとぼやけてしまっているのが今回の法律だというふうに思うんですけれども、どうしてこれは、はっきり言ってボトルネック踏切に対象を狭めないんでしょうか。あるいは、先ほど一日当たり一万台時という基準で、三千八百カ所の立体交差化の基準が示されたと思うんですけれども、せめてその基準に狭めて書く等、法案に盛り込まれないんでしょうか。

大石政府参考人 先生の御指摘は御指摘として、私は傾聴に値する御意見だと思います。

 ただ、ボトルネック踏切以外にも、例えば、前後に医療施設等ができまして、その踏切を通ることが余儀なくされるというようなケースでありますとか、あるいは、都会のようにネットワーク状に道路が形成されている場合ならいいんですが、そうでなくて、その踏切を通らなければならないといったような状況の都市等がたくさんございます。それはボトルネック踏切の定義に該当しない、そういう交通量であるかもわかりませんが、地域の方々からは改良を非常に急ぐといったような声が出てくるケースもございます。

 したがいまして、私、先ほど一万七百カ所と申し上げましたが、立体交差で考えたいと思っておりますのがそのうち約三千八百、それから構造改良で足りるといいますか、構造改良で対処できると考えられますものが約三千五百、それから保安施設を整備することによって対応できると考えられるものが三千四百でございますので、あかずの踏切対策は、どちらかというと構造的に対応していくものでございますから、一万七百カ所からは相当な絞り込みがなされているものと考えております。

阿久津委員 であるならば、なぜこの法案にボトルネック踏切という文言を入れるなり、緊急に改良しなければならないという優先順位を明らかにするようなニュアンスが反映されていないのかというのが、私は実は非常に不満なんですね。

 それで、これは今までと同じような文章なんですよ、続いている法案ですから。今までと同じような法案の書き方で、これまで四十年間できなかった改良が突然できるわけがないと思うんですね。

 それで、なぜボトルネック踏切の解消を法案ではっきり示せないのか、泉副大臣、ちょっとお伺いしたいんです。

泉副大臣 法律用語としてボトルネックという言葉がなじむのかどうか、私、今ここでお答えするだけの知見を持ち合わせておりません。片仮名が最近法律に入ってきておるわけでございますので、全く不可能だとは思いませんが。

 その言葉を法律の中に書き込むかどうかは別の問題といたしまして、ただいま道路局長からるるお答えをいたしておりますように、いわゆるボトルネック踏切を中心に今回対処をしていきたい。そしてまた、先ほど来先生御指摘の地方分権というものの考え方から、市町村の御意向を踏まえて、どこが重要かということも十分反映できるような仕組みをとらせていただいておりますので、御指摘のような点にも十二分におこたえできるものではないかと思っております。

阿久津委員 そうしたら、大臣、この新しい、延長する法律で、大臣はボトルネック踏切を初めとする、半減というふうにこの説明ペーパーに書いてありますよね、都市部におけるボトルネック踏切約千カ所対策の実施、十年間で半減というふうに書いてありますね。これをしっかりとできるというふうに断言できますでしょうか。

 当面五年間という形になりますけれども、そこの間で着実に五年間分のことは実行するんだ。まあ、十年間で半減で、千カ所ですから、五百カ所の半分二百五十とは言いませんけれども、それに近い形はお約束をいただけますでしょうか。お答えいただきたい。

泉副大臣 法律案を提案させていただいています以上は、そうした目標を実行できますように、当然、国土交通省としては、ある意味では義務を背負うというふうに思っております。

 しかしながら、財政事情の問題でありますとか、あるいは地元調整の問題でありますとか、我々が予見できないような事柄が起きてきた場合には、その目標が達成できないこともあるいは生じるかもしれません。しかし、今日の、法案を御審議いただく過程におきましては、その目標達成に全力で取り組む覚悟でございます。

阿久津委員 しかしながらの後がちょっと不安を感じないわけではないのですけれども。でも、非常に前向きの御答弁をありがとうございます。

 それで、だめ押しというか、この実行に向けたタイムテーブルというか、プログラムというのは、現段階であるんでしょうか。もうちょっと詳しく言うと、あかずの踏切半減を今宣言されたわけですね、目標ということで。まあ何が起こるかわからないですけれども精いっぱいやると言い切ってくださったわけです。その中で、それを実行していく、それを担保するタイムテーブル、計画表みたいなものが、現段階であるんでしょうか。

大石政府参考人 現段階であるかという問いにストレートに答えるとすれば、現段階ではきちっとした計画になるものはございません。

 しかしながら、今後、本法律を受けまして、例えば、踏切事故の防止の総合対策を定めるでありますとか、あるいは、現在我々は、道路整備の五カ年計画、平成十四年度までの五カ年計画が進行中でございますが、その十四年度までの五カ年計画の中にも盛り込んでございますけれども、新たにつくることとなる五カ年計画の中では、当然のことながら、この法律の趣旨を受けまして、踏切道対策を重点的に書き込んで行くことによりまして、その担保を図りたいと考えているところでございます。

阿久津委員 先ほどの泉副大臣の答弁も踏まえた上で、しっかりとしたタイムテーブルをおつくりいただいて、ぜひ国民に公表していただきたい。私にも、資料として、これを、できた段階でいただきたいと思いますので、資料請求をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 もう少し詳しく質問をさせていただきたいと思います。

 指定された踏切の改良は、鉄道事業者、道路管理者にとって義務的なものなのかどうか、それとも単なる努力目標なのかどうか、お伺いをしたいと思います。

安富政府参考人 本法に基づき指定を受けた踏切道につきましては、指定をする際に、指定された期日までに計画を提出し、これに従い改良を実施することを通知しておりまして、これはそういう意味で法的義務を負うことになるものであり、単なる努力目標ではございません。

阿久津委員 計画の作成及び実施義務というふうに考えてよろしいのでしょうか。だとするならば、いつまでにその義務を果たせばよいのか、大体のデッドラインみたいなものはあるんでしょうか。

安富政府参考人 先ほど申しましたように、指定をする際に、具体的に、指定された期日までに計画を提出して、これに従って改良を実施するということをうたっております。したがいまして、そういう意味で法的義務を負うことになります。

 なお、念のため申しますと、従来は、仮に、法的義務を履行しないという場合に、それを強制する措置というのがこの法律の中には具体的にはございませんでした。したがいまして、今回、裁定制度の創設ということで、もし協議が調わないという形で計画の策定がおくれるというようなことになった場合には、これは国土交通大臣が裁定をするということによって協議が調ったということになりますので、そういう意味で、今まで以上に具体的な実施というものが進んでいくというふうに我々は考えております。

阿久津委員 ちょっと不安があるんですね。というのは、計画の作成及び実施義務というのは大体理解ができるんですけれども、いつまでにその義務を果たさなければならないのかというのが、大体の見通しでも、通例ということでも結構なんですけれども、ないのでしょうか。つまり、それがないと、まず裁定まで踏み込む前の話で、やはりずるずると行ってしまうことが予想されるので、そこのところ、済みません、ちょっとくどいようなんですが、もう一回お答えいただきたいと思います。

安富政府参考人 これは当然、踏切の種類によって違いますが、連続立交ですと相当の長期間になるということもございますが、例えば、保安設備でありますと数カ月、あるいは構造改良でありますと一年とか、そういう期間がございますので、大体常識的にそういうところがございますので、そういうものをめどに我々としてはやっていきたいと思っています。

阿久津委員 どうもありがとうございます。

 それでは、裁定との関係についてちょっとお伺いしたいと思うのですけれども、裁定の申請は鉄道事業者、道路管理者にゆだねられた形になっているんですが、裁定申請が行われないまま、指定事業がたなざらしになるおそれはないでしょうか。

安富政府参考人 本法に基づきまして立体交差または構造改良の指定というのがなされました踏切道については、鉄道事業者及び道路管理者が協議によって改良計画を作成していくということになるわけでございますけれども、通常、その協議が調わない場合に、両者そろって改良計画の作成を行わないということは我々としては考えられない。どちらかに問題があるからなかなか協議が調わないということであって、今回の法改正では、どちらか一方が裁定を申請すれば直ちに大臣としては裁定行為に入っていくということにしておりますので、両方が踏切改良については指定されたけれどもつくりたくないということがあれば別ですけれども、通常はそういうことではなくて、いずれか一方の裁定申請によって行われますので、両方から申請がなくてたなざらしになるというようなことは我々としては想定していないところでございます。

阿久津委員 今のお答えではちょっと弱いかなというふうに思うのですけれども。

 私は、この裁定にはある種の実施義務があるというふうに思っているのですけれども、これは間違いでしょうか。

安富政府参考人 あくまで裁定自体については国土交通大臣が裁定できるということで、道路管理者や鉄道事業者からの裁定の申請に基づいてやるということでございます。

 その前に、先ほど言いましたように、指定された踏切道の改良については、道路管理者、鉄道事業者、いずれも実施する義務がございますので、本来はそれをやらなきゃいけない。ただ、問題は、協議がなかなか調わない。それはどちらに原因があるかというのはいろいろあるかと思いますが、その際は、どちらでもいいですから裁定を申し出てください、そうしましたら我々としては直ちに動きます、こういう制度にしているということでございます。

阿久津委員 やはり何度聞いても、今のお答えだと、確かに指定の部分での実施義務みたいのはわかる。それがきいているから裁定においても大丈夫なんだというふうにとれるんですけれども、であるならば、今までの法律でたなざらしになってずっと行われないようなことはなかったはずなんですね。つまり、ある種のデッドライン、締め切り期日までに協議がまとまらなければ裁定を申請しなければならないというような、実施義務みたいな形まで踏み込んで解釈がされないと、私は、この法律をつくってもやはり結果としていろいろな問題で進まなかったというのが多分に起こってしまうのではないかと思うのですが、感想があれば。

安富政府参考人 先生のおっしゃることは御意見としてはよくわかるわけですが、今までは、いわゆる裁定制度もないという状態でございました。したがいまして、協議をしても、片一方が、一言で言うとかたくなで、なかなか言うことを聞かないということになりますと、それでもってなかなか事業が進まないという状態が続いてきて、法律的には、その段階で我々としてもそれ以上の措置ができないということだったわけですが、今回はこの裁定というのがございますので、少なくとも改良を進めるという意欲がある限りにおいて、これは当然、道路管理者も鉄道事業者も、場合によってはそのどっちが意欲があるかという問題はございますけれども、協議が調わない事情によるかと思いますが、そういう義務づけでやはりやっていかなきゃいけないということがございますので、裁定の申請があるものというふうに考えておりますし、また、実際の運用としましても、当然のことながら、我々としてはこの裁定制度の効果的な運用を図っていくということは目指しておりますので、踏切道の改良の円滑な実施を確保するという観点で、鉄道事業者あるいは道路管理者、両方に対していろいろ指導していきたいというふうに考えております。

阿久津委員 ちょっと幾つか数字に関することを伺いたいと思うんですけれども、過去五年間に踏切道改良促進法に基づいて立体交差化を指定された踏切数は幾つありますでしょうか。

大石政府参考人 踏切道改良促進法に基づく立体交差化の指定は、平成八年度から平成十一年度までの四年間に四十九カ所でございます。

阿久津委員 どうもありがとうございます。

 そのうち、ボトルネック踏切数は幾つありましたでしょうか。

大石政府参考人 申しわけございませんが、この四十九カ所の中に幾つボトルネック踏切があったのかについては、この段階では承知いたしておりません。

阿久津委員 先ほど、平成十二年度以前、つまり前の法律以前にも、ボトルネック踏切みたいな概念はなかったけれども、細かい数字というんですか、渋滞がどれぐらい、台数がどのぐらい起こっているとか、一時間にどのぐらい遮断機がおりているとか、そういう数字はあったということですから、この四十九カ所の立体交差を全部調べていけば、これはわかると思うんですよね。これは何度も資料請求しているんですけれども、出てこないんです。

 ちょっときょうは、もう余り時間もないので、大臣もいらっしゃいましたので大臣の方にも質問させていただきたいので、ここはこれ以上申しませんけれども、ぜひこれは数字で、資料請求しますので出していただきたいんです。それは、やはりボトルネックにどれぐらい国土交通省が意気込みを持って取り組むのかに通じることだと思うんですね。

 これは本当にラフなこちらの見積もりなので、公式的な数字としてはちょっと失礼があるかもしれないんですけれども、私の方で推定した、過去五年間、平成八年度から十二年度の間に立体交差を指定されたものが四十九カ所あるんですけれども、そのうちボトルネック踏切と見られるのが大体五つから六つぐらい、ちょっと資料にもよるんですが、多ければ七個から八個ぐらい、どちらにしてもせいぜい一、二割だというふうに推定しているんです。

 つまり、本法では、説明ペーパーで幾ら緊急的かつ重点的な踏切道の改良の実施とうたい、ボトルネック踏切対策と称して十年間で半減するという目標を掲げても、法案の中できちんと対象の絞り込みを行わなければ、八割から九割は緊急的かつ重点的とは言えない踏切事業に使われてしまうという懸念がやはりどうしてもつきまとうのですけれども、この点について、ちょっと扇大臣、まだ無理かな、いかがでしょうか。

泉副大臣 今御指摘のように、いわゆるボトルネック踏切以外に使われるおそれはないかという御心配でございます。

 私どもは、先ほど来お答えを申し上げておりますように、まさに住民生活に一番大きな影響のあるところから片づけていきたいという思いでこの法律を出させていただいておるわけでございます。したがって、先生の御指摘の問題については、今後、実施の上においてそうしたことがないように留意をしてまいりますが、そのことを申し上げて、我々の意図するところをぜひ御理解いただきたいと思います。

阿久津委員 泉副大臣、先ほどの決意もぜひ扇大臣にも伝えておいてくださいね。

 それから、ここで、扇大臣がお忙しい中お越しいただいたので、どうしても聞きたかった一つを聞きたいと思うんですけれども、簡単な質問なんですね。あかずの踏切問題の解決に向けた大臣の決意を伺いたいんです。

扇国務大臣 せっかくお話しの質問の継続性があろうと思いますけれども、おくれて入ってきましたので、あるいは重複する部分もあろうかと思いますけれども、私は、国土交通省としまして、このあかずの踏切問題というのは本当に大事なことだと思います。なぜかと申しますと、根底には、日本の国内の物流というものが世界的なレベルに到達できるかどうか、二十一世紀、物流というものが世界に伍していけるかどうかというのが日本全体の大きな問題になっております。それは、高速道路を完備さすということだけではなくて、民間の物流のためにこのあかずの踏切というものをいかに解消していくか、これが大きな問題になっているということ、そういう認識のもとに私は、どうしてもこのあかずの踏切の解消をしていく。

 そして、御存じのとおり、踏切が全国に三万二千カ所ございますけれども、そのうち、ピーク時四十分以上遮断しているというあかずの踏切が約一千カ所あるのをもう既に御報告があったかもしれませんけれども、そういう意味では、私どもは、踏切道の改良促進法、これが御存じのとおり、過去、整備五カ年計画に基づいて踏切の立体交差をしていこうということになっておりますけれども、御存じのとおり、私どもは、四十分以上の踏切が一千カ所あるということで、年間で少なくとも約五千七百億円の経済的損失をしている。それなればどうするかということで、立体にしますときに、立体にすることによって踏切の両側に立ち退いていただかなきゃいけないおうちもあるいは出てくるかもわからない。

 けれども、そういうことも含めて、私たちは、冒頭に申しました日本の物流の原点というものを確立するために、この踏切のボトルネック解消というものは国土交通省の大きな政策の一つとして取り組み、なおかつ、目標を挙げて私どもはこの踏切の解消に努めていくというふうに、踏切の解消の目標をきっちり定めて出しておりますので、今副大臣から既に御答弁があったかもわかりませんけれども、私どもは、その目標に向かってボトルネックを、交通渋滞をもたらすために、何としても解消していくということのために多くの予算もちょうだいし、なおかつ地方自治体にも御意見を聞いて、官民一体となって私たちはこのボトルネック解消に大きな政策の重点を置いているということを御理解いただきたいと思います。

阿久津委員 私も、このボトルネック踏切の解消というのは、特に都市部に住む住民にとっては本当に大切な問題で、命にかかわる問題と同時に、先ほど、時間的なロスによる損失の話も実は関係者の方々からあったんですけれども、これを解消しないと、世界の中で、日本の首都東京とかあるいは三大都市大阪とか、日本はやはり自慢ができないと思うんですね。これについては、本当に今の扇大臣の決意のとおり実行していただきますようよろしくお願いいたします。

 それで、先ほど、数値目標も、ボトルネック踏切の半減を目標とするということをきちんといただいております。また、その後、実施計画もしっかりしたものをつくるんだという御答弁もいただいております。これは、扇大臣みずから、この実行をきちんと監視して、かつ、いろいろなところでこの問題についても啓蒙していただくような発言もしていただいて、ぜひ実現していただきたい、そのように思います。

 それで、実は先ほど何度も繰り返した問題なので、そんなにはもうやりませんけれども、ちょっとこの法文だけで言うと、ボトルネック踏切を必ずしも対象とするような文章になっていないのです。これはもう私からのお願いだけにしますけれども、できればボトルネック踏切解消を重視する旨を本改正案に明記していただきたいということを最後に一つだけお願いしておきたいと思います。

 終わりになりましたけれども、私は、本改正案は、いわゆるボトルネック踏切の解消を明記していない点で、その部分においては不十分なものだと思います。

 それは、第一に、本法案が最適な予算配分を保証するものではないという点にあります。現在、国土交通大臣の指定対象となる踏切数はおよそ一万カ所、そのうち立体交差化指定の対象となる踏切が三千八百カ所と言われております。さらに、その中で緊急的かつ重点的な踏切道の改良の実施が求められている、いわゆるボトルネック踏切が約千カ所あるわけでございます。

 最適な予算配分の実現という観点から見るならば、少なくとも、立体交差化の対象となる踏切交通遮断量一日当たり一万台時以上の踏切のうち、踏切交通遮断量一日当たり五万台時以上であるボトルネック踏切の改良が優先されるべきであることは言うまでもありません。また、ボトルネック踏切の解消が緊急的かつ重点的であることは、国土交通省自身も再三認めているというふうに思われます。

 しかし、そうした点がなぜ本改正案には全く反映されていないのか。あかずの踏切問題は、ここ二、三年に顕在化した問題ではありません。ボトルネック踏切という概念がつくられるはるか以前から、都市住民はあかずの踏切によって多大の損失を受けてきたのです。この法律がそうした問題点に全く手をつけないまま指定期間を延長されるのであれば、不急、不必要な踏切改良に貴重な国費が支出されてしまう危険性を私は指摘せざるを得ません。

 第二に、本法案と地方分権との関連であります。将来日本が実現すべき財源の移転をも含めた真の地方分権社会においては、踏切行政は、地域の実情をよく踏まえている地方がイニシアチブをとって行うべきものであると考えます。ただ、そうしたいわゆる将来的な問題とは別に、現在における踏切改良の重要性、特に都市部におけるボトルネック踏切、あかずの踏切問題の緊急性を考えるならば、国が踏切行政に関与し、踏切道改良の促進を図るという本法案の趣旨に対しては、私は一定の理解を示すものであります。

 しかし、そうであるならば、地方分権の趣旨からして、法律の目的を可能な限り明確かつ具体的に限定し、中央の裁量の余地をできるだけ狭める努力を行うべきであることは言うまでもありません。その意味で、本改正案にボトルネック踏切の解消を目的として明確に盛り込むことが、地方分権に至る過渡期の法律としての本法案に求められることなのです。そうした立法上の配慮が全くうかがえない点が本改正案の第二の問題点だと思います。

 国土交通省は、あかずの踏切問題の解決に向けた強い決意を本改正案に明記するべきである、そのことを再度訴えて、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

赤松委員長 以上で阿久津幸彦君の質問は終わりました。

 次に、鈴木淑夫君。

鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。大臣、副大臣、お忙しい中をお越しいただきましてありがとうございます。

 私も、この踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を中心に質問をさせていただきたいと思います。

 申すまでもないことでございますが、日本経済はここへ来て先行きが少し怪しくなってきておりまして、ことしに入って一月の生産が前月比三・九%も落ちる、二月と三月の予測指数を加えますと、一―三月が約二年ぶりに前期比マイナスになりそうだと。失業率は、四・九%という、去年の八月は一時四・六まで下がっていたのが、最悪になっている。株価もそういうことで一万二千円台に下がったままだ。先行き大丈夫だろうかという情勢であります。

 そういう中で、予算案が、十三年度当初予算が出てまいりまして、衆議院を通過して向こうへ行ったわけでございますが、衆議院における予算案の審議に際しましては、私ども自由党を初めとする四野党は、歳出の組み替えの要求を出したことは御存じのとおりだと思います。

 何本かの柱がありますが、大きな柱の一本は、やはり消費が出てこないためになかなか景気が立ち直らないということですから、消費に直結していくような歳出項目をもう少しふやさなきゃいけないんじゃないか、こういうことで、雇用対策、福祉等にお金を回す。もう一つは、公共事業について、やはり効率性、緊急性、採算性等の観点から見直しをすれば、一口で言って地方に、ばらまきとは言いませんが、効率性の低い、緊急性の低い地方の公共事業の方に偏っていやしないか。それらに比べれば、大都市圏における交通の渋滞というのはゆゆしき問題である、また、環境問題、防災問題も緊急の対策を要する問題だ、したがって、もう少し大都市圏の交通、防災、そして環境問題に対する公共事業をふやすべきじゃないか、こういう観点からの組み替えを野党四党そろって出したわけでございます。

 そういう観点から考えますと、この踏切の改良促進法というのは、考え方としては私ども野党四党の考え方と方向がそろっているわけでございまして、国を挙げてぜひこれを実効あるものにしていかなければいけない、こういう大事な法案だというふうに私は思っております。

 特に、大臣、このたび運輸省と建設省は一緒になって国土交通省になった。踏切の問題というのは、これまででありますと、運輸省と、それから建設省と、所管がばらばらなものだから、何かと地域住民も、両方を見ないと話は進まぬということでございましたが、今度はこの法律で、扇大臣、国土交通大臣お一人が全体を掌握していく、こういう改正案になっておりますので、これまた大変結構だというふうに思っております。

 私事にわたって恐縮でございますが、私は芦花公園に住んで、生活圏が世田谷の方でございます。そうすると、あの辺は京王線にしろ小田急線にしろ、斜めに走っている世田谷電車にしろ、みんな東西に走っているわけです。南北に行こうと思うと、今度はみんな道路なんですね、環八や環七。ここは、少しずつ直っておりますが、そこらじゅうにあかずの踏切があります。新幹線のフル規格着工するお金のちょっとぐらいをこっちに回してもらえないものか、立体交差化をすれば本当に経済の効率は上がるだろうに、あの時間ロスを金に直せば大変なことだ、こういう思いでおりますので、ぜひともこの法律を機会に効率的な緊急性の高い立体交差化の公共投資というものを大都市圏で大いにふやしてもらいたい。

 そういう点では、もし大臣もそういうお考えであれば、私どもももろ手を挙げて賛成して、ともに推進していきたいと思っておりますが、大臣、いかがでございましょうか。

扇国務大臣 今、鈴木先生おっしゃいますように、大都市圏、特に渋滞がひどくて、今東京のお話をなさいましたけれども、本当に東京の中は物流のコストが高いということは御存じのとおりでございます。

 先生が今、東京都は特にとおっしゃいましたけれども、時速三十キロという表示はございますけれども、現実的に、東京都内は三十キロで走れるところはわずかしかございません。東京の平均時速は十六・八、大体十七キロしか走れないんですね。そうしますと、東京都内二十三区で約十七キロのスピードしか出せないということは、一年間に四兆九千億の経済効果の損失を招いている、こういう数字がきちんと出ているわけでございますから、今先生がおっしゃいますようなボトルネック解消も、東京都に活力を与える、また物流をよくすることによって、物価の値下がりあるいは物流のコスト削減ということに大きな役割を果たしていくというふうに考えておりますので、大変大事なことだと思っております。

 また、特に、ボトルネックの踏切の上位十都道府県というのがございますから、十全部読んでいるわけにいきませんけれども、今先生がおっしゃいました東京都は三百五十九カ所のボトルネック踏切がございます。これは、ピーク時に四十分以上遮断しているのが五百九十あります。そして、踏切の交通遮断が一日五万台以上というのが五百三十ございます。そういう意味での数字でございますけれども、今申しましたように、踏切数の上位十都道府県、一位が東京、今申しました三百五十九、二位が大阪府の二百二、三位が神奈川県の百四十六、これがワーストスリーでございます。

 ですから、私はこの数字をもってしても、今先生がおっしゃいました、今までは国と、少なくとも運輸省当時は地方部局単位でこれは相談をし、措置しておりましたけれども、今回は踏切道の整備連絡会議というのを、都道府県の知事さん、そして都道府県の公安委員会等の地域の関係者を加えて、この委員会を充実させてまいりました。ですから、国の決意をどうしても地方自治体の皆さんにも、住民の皆さんにもわかっていただいて、御協力いただきたいという意味で、私どもはこれだけの決意をして対策に当たっているわけでございますので、少なくとも、今先生おっしゃいますように、全体のボトルネックの三五%を東京が占めている、大阪は二〇%、その意味では、私はこれが大きな都市対策にもなろうと思います。

 何よりも、危機管理のときに、東京が大地震なんて、新聞や雑誌に書かれて、私はまだそんなことを言って扇動するつもりもございませんけれども、この大東京の中でということを考えますと、道路整備、ボトルネックを解消するということも、私は大東京の危機管理にも資するものである、どうしても急がなければならないということを考えておりますので、今先生御指摘のとおり、私はどうしてもこの対策をとっていきたい。

 特に、私は国土交通省として先生にお願いしたいことは、この踏切対策の、都市部の交通混雑の解消のために一・一七倍の予算を今回は盛らせていただきましたので、ぜひ皆さん方の御意見に即した、日本の国の二十一世紀型の交通網のあり方の大事な要点の一つとして、このボトルネックの解消を挙げていきたいと私は思っていますので、ぜひ御協力を賜りたいと思っております。

鈴木(淑)委員 大変力強い大臣のお話をいただきまして、私も心強く存じました。

 まあ予想はしていましたけれども、千カ所のボトルネックのうちの三百五十が東京だと、そうだろうとは思っていたけれども、大変なものですね。大阪を入れますともう半分以上、五五%だ。

 大臣の今のお答えの中で、特に大切だと思いますのは、この立体交差の問題というのは、即防災、危機管理ですね、東京に住んでいる人のための防災、危機管理と表裏の関係でございますから、ここはもう私どもは、地方のむだな公共事業を見つけたら、こういうところへ持ってこなきゃいけない。それが即効率的な公共対策として、景気に対してもプラスになるし、赤字を余り拡大させないで効率的な公共投資をする道にも通じると思います。その点では、大いに意を強くしたところでございます。

 ところで、私は、そういうことで大いに促進していかなきゃと思っていますが、そしてまた、今度の法律案、改正のねらいはいいと思うんですが、どうもまだ本当の、立体交差をする地域の住民の声が、うまく計画段階からくみ上がるようになっていないんじゃないかという疑いを持っています。

 これまでの制度ですと、二人も大臣がいたこともありますが、その二人の大臣が、鉄道事業者と道路の管理者、自治体ですね、その辺で協議をして大体決まっていくわけですね。そうすると、その立体交差に関連している地域の商店街、町会、あるいは一般市民の声を吸い上げる正式のルートが必ずしもない。やはり何か上の方で決まっているという感じが非常に強い。それを、上が決めたものを、これおまえたち言うことを聞け、言うことを聞いたら補助金これだけつけるという、まあ在来型の、官僚リード型、官が民をリードしていくという、例の高度成長期にはうまくいったけれども、もう直そうよと言っている、そういう観点がここにもあるように思うんですね。

 それで、お伺いしますが、今度のこの法改正で一体どういう点が改まって、そのゆえにどこまで民意を、住民の意向をうまく反映する仕掛けになったんでしょうかね。これは細かい話に入りますから、もし大臣あれでしたら、政府参考人にお願いします。

安富政府参考人 先生今御指摘ございましたように、踏切道の改良をする際に地域住民の意見を反映させるということは非常に重要だというふうに考えております。

 我々としても、今回の改正において、やはり踏切道を取り巻く地域固有の事情に熟知している都道府県知事が、国土交通大臣に対して、改良すべき踏切についてその指定の申し出を行える制度というのを今回導入いたしました。都道府県知事がその指定の申し出をする際に、関係市町村にも意見を聞くということを法律上明記しております。

 そういう、関係市町村の意見を聞くという形で地域住民の意見を吸い上げるとともに、次に、法律の問題ではございませんが運用の問題として、現在国の地方部局単位で設置されております踏切道調整連絡会議というのがございますが、これについて、都道府県知事あるいは都道府県公安委員会等地域の関係者もこのメンバーに加えることによって、都道府県単位で充実強化していくということを考えております。

 そういうことの中から、ぜひ、地域、関係市町村の意見を聞く際、あるいはこの連絡調整会議の運用に当たって、我々としては、地域住民の意向を十二分に吸い上げていくということができるように、関係者を十分指導していきたいというふうに考えております。

鈴木(淑)委員 今の御説明によると、これからは、都道府県の知事が、関係者、すなわち市町村、鉄道事業者、道路管理者だから自治体ですか、そういう人たちと十分調整連絡会議を開いて、そして大臣に向かって指定するよう申し出ることができるようにしたという御説明でした。

 しかし、それは前進ではあると思いますけれども、私の目から見れば、知事と市町村と事業者と道路管理者といったら、まだ上の方なんですね。その人たちが本当に、その地域の商店街あるいは町会、あるいはそこを、あかずの踏切でいらいらしながら走っているサラリーマンたち、こういうところからちゃんと意見を吸い上げる仕掛けにはなってない。つまり、そういうことを聞きなさいよという指導はするでしょうね。だけれども、これは法文上は、そういう地域住民を入れる協議会をつくりなさいみたいなのはないんでしょう。だから、私は、まだこれでは本当の地域の住民の声は上がってこないんじゃないかなという気がしております。

 ちょっと具体的なことを言って恐縮ですが、私が住んでいるところ、小田急線の立体交差化がだんだん進んできているんですね。最後に残った大物が下北沢なんですよ。あそこは物すごい勢いで商店街が発達して、戦後の池袋や新宿に発達した商店街の上等なのみたいなのがだあっとなっているんですね。そこに井の頭線と小田急線とこう来ているものですから、駅が置いてきぼりになった形で周りが発達していますが、大変不便です、あそこは。商店街をうろついている間はいいけれども、鉄道との関係が大変に不便なんですね。

 それで、あれを思い切って再開発しようという意向は、地元の住民、商店街あるいは住んでいる人たちは非常に強いんですね。だけれども、私が聞いてみると、その人たちと上の部分、国、知事、小田急さん、それから道路関係者との間の断絶があります。どういう断絶かというと、鉄道業者あるいは道路業者は今知事さんと一緒に、国を相手にもう非常に大事なところに来ているんですからそっとしておいてくださいみたいな話になっちゃって、形の上ではそっとしておかれちゃ困る段階、もっと今こそ住んでいる人の意向をくみ上げてほしいよという段階で、そっとしておいてほしいというふうにこれまではなっていましたね。もう少し早い段階から怖がらないで地域住民の意向を入れていく。今の段階では地域住民の意向を入れてかき回されちゃかなわないと思っているのかどうかは知りませんが、何か切り離して、都知事さんと小田急さん、京王電鉄さん、それから道路業者さん、そこだけがやっていますね。何かもう少し住民の意向を吸い上げる、開かれた地方自治、地域住民の自治みたいなのと直結する仕掛けは考えられないものでしょうかね。

扇国務大臣 これは先生御承知のとおり全国にもわたるわけでございますけれども、国土交通省になったのは、まさに根幹はそこにあると私は思うんです。先生がおっしゃいましたように、今まで、鉄道は鉄道、道路は道路、縦割りで仕事をしておりましたけれども、今度国土交通省になって、今一番試されていることは、本当に縦割りがなくなるかと。

 今おっしゃった踏切一つとってみても、立体にするのかあるいは電車と道路の連結をどうとっていくのか。しかも、昨年、大深度地下法を通していただきました。そうすると、地下四十一メートルで、大深度で、今度は上に立体にしないで地下に潜るのか、あらゆる方法が考えられるものですから、それらすべてを、鉄道と道路と地域と、そういうものが立体的に話し合える、まさに話し合いも立体的になる、これが私は国土交通省の大きなメリットであろうと。今まではばらばらに話し合って、それを持ち寄ってどうこうと言っていましたけれども、今度は三位一体になって最初からの話し合いに入れる、スケジュールが大幅に促進していく。そのかわり、最初の話し合いは、今までよりも時間がかかっても、地域の皆さんの了解を得られるためにはそこは丁寧にやろう、そこは時間がかかっても、話し合いさえつけば一気呵成にいくということでスピードアップができる、しかも三位一体で話し合えば、スピードアップできればコストダウンもできるじゃないかと。

 そのための、国土交通省の縦割りをなくすことが試されることの大きな一つも、今度のボトルネック解消の立体的な対策ということで、事業も立体的、話し合いも立体的、こういうふうにお考えいただいて、ぜひ私どもは、そういう国土交通省、そのための地方整備局も、一つの地域だけではなくて、全国の地方整備局が八つの地域、ブロックでですから、県をまたいだ工事も一緒に話し合っていこうというふうになっていますので、今回は国土交通省、しばらくこの縦割りをなくすことに私も最大限の努力をしておりますので、ぜひ御協力賜って、全国が希望の持てる二十一世紀の、道路交通行政等々を含めた行政をとっていかなければならないと私は思っていますので、ぜひ御協力も御理解もいただきたいと思います。

鈴木(淑)委員 大変頼もしいお話で、まさに中央省庁再編の大きなねらいが、運輸省と建設省を一本化することによってまさに立体的に行政を進めていただいてむだを排除する、全国においてそういう形でプロジェクトを進めていただきたいというふうに思います。

 ただ、私がさっき言いましたのは、そこのところはもう大臣は意欲を持ってやっておられると僕は思うんですが、そういう立体的になった、一本化された国土交通省が都道府県知事と話し合い、それから関係者と話し合いと言うんですが、関係者の中に地域住民がいないんですね。道路業者と鉄道業者なんです。何とか地域住民を引っ張り込んでいただけないか。さっきも言いましたけれども、地域住民には、今大事な話し合いを国土交通省と知事と関係の鉄道と道路と、そこに市町村が今度は入ることになるんですが、でやっているところだから静かに静かにと言うんですが、これを直してもらわないと、ここも立体的にしていただかないと。

 ここで一つまた具体的なことを聞いて恐縮なんですけれども、今まさに大臣おっしゃいましたように、立体交差というと、今までは鉄道を上に上げちゃうのが立体交差だと思っていたわけですね。だけれども、鉄道を上に上げちゃうと、実はうるさいですよ。景観を害するんです、まちづくりからいえば。高いところを走っちゃいますからね。他方、トンネルの技術はかなり進歩してきておりますでしょう。大深度に至ってはかなり安くなってきています。そうしますと、交差も、連続立体交差という概念がありますね、この法律の中に。続けざまに地下へ入れちゃうという手がありまして、小田急の残っちゃった一番大事な下北沢周辺のところは、続けざまに地下へ入れちゃった方が、安いし、景観もいいし、それから何よりも防災上いいよという議論も他方にあるようです。

 ですから、私は、今まで何となく何が何でも上へ上げちゃうということが、そっちの方が安かったんでしょう、だから鉄道業者がどうしてもそっちを言うんですが、ちょっと技術的な条件が変わっているようですから、どうぞ、御指導に当たって、先入観にとらわれないでコストをちゃんと分析して、それからコストにはあらわれない、しかし大事なことが環境、防災というところですから、これをも考慮して、この際は、地下化による立体交差、これも大いに検討していただきたいものだと思いますが、いかがでございましょうか。

扇国務大臣 地下化に関しましては、先ほども私、大深度地下法を通していただいたということを申しまして、私は、あらゆる方法が論議されるであろうと思いますけれども、その前に、先生がおっしゃいました、住民が何としても話し合いに入れないのかというお話がございましたけれども、これは明快に、連続の立体交差事業をやる場合に、これは少なくとも都市計画法上のきちんとした決定が必要なんですね。ですから、都市計画法でこれを決定する場合には都市計画決定の際の条件がございまして、これは住民にも公告縦覧するということが都市計画法上明記されているわけでございますから、都市計画決定をしますときには住民の皆さん方に縦覧しなければならないという法律上の規定がございますので、住民の意見を入れないということはないということもぜひ先生に御理解をいただいて、そういう縦覧の機会があったときには、より住民の皆さんに御参加いただく、そして意見を言っていただくということをぜひこれは御認識賜って、住民の皆さんと一緒になって御意見を賜りたいと思いますので、そのことはよろしくお願い申し上げます。

鈴木(淑)委員 大臣がおっしゃるとおり、縦覧という形で住民の意見を吸い上げる形にはなっていますが、しかし大臣、もう御存じだと思いますが、縦覧というのはいよいよ最後の段階で、これをひっくり返そうと思ったら、ねじり鉢巻きの住民運動を起こさないとひっくり返せないですね。

 だから、私の申し上げていることは、もう大臣よくおわかりだと思いますが、前の段階でもっとかませろ、前の段階でもっと意見を吸い上げるように、これの運用上でもいいです、あるいは、法令で決める何とか調整連絡会とかいうのは大臣の一存でできますから、そこに地域の住民代表をもっと積極的に入れる。少なくとも、今、下北沢の町会の人たちは疎外感を持っています。疎外されている感じを持っている。聞かせてくれと言うのに、なかなか接触できないという感じを持っておりますね。ぜひそこは改めていただきたいと思います。

 それから、最後に、ちょっと時間がありますから、やや立体交差とは、似たような話なんですが離れていることで、しかし、先ほどから大臣が口にしておられる、大深度の話がありますね。

 私は東京生まれの東京育ちでありまして、ずっと東京の西の方に住んでおる人間ですから申し上げるんですが、東京というのは、鉄道は東西にしか走っていないですね。中央線、京王線、小田急線、それから、ちょっとつないで井の頭線とか世田谷線とか、大体東西に走っているんです。ところが、南北は道路しかない。地上の道路、環七にしろ環八にしろ、これは大混雑ですわ。だから、この辺に住んでいる人たちは、例えば羽田空港に行こうと思ったら、東西に走っている電車で環状線に行って、ぐるっと回って羽田へ行くんですよ。物すごく時間がかかる。一直線に南北に鉄道が通っている、あるいは渋滞していない道路があれば、ほんの二十分かそこらで羽田には行っちゃうんですね。そういうところにいる人は一時間かかる。

 こういうことじゃいけませんという議論は、御承知のように以前からありまして、最初は、環八なら環八の上に高架鉄道を通そうとか言っていた。それは金はかかるし、大体スペースがないとかいって、もう何年も議論して、とんざしているわけですが、扇大臣がおっしゃる、大深度掘削技術がすごく発達してまいりました。東京の交通渋滞を解消し、そして防災上、環境上の問題も解決して、東京における経済活動の効率、暮らしの効率を飛躍的に上げようと思ったら、やはりこの際は、いよいよ本気になって、国土交通省も音頭をとって、大深度のトンネルを真剣に考えるべき時期に来ているんじゃないでしょうか。

 もちろん、トンネル掘ってどうするの、自動車走らせるの、あるいはHSSTみたいな割と安く速く走るのを走らせるのとか、そういう問題はあると思います。しかし、これこそ住民の知恵、業者の知恵、それから区の、自治体の段階等の知恵を全部集めていくべきだと思うんですが、何か順位からいうと、この構想は一番びりの方なんですね、調査費がつかないぐらい。

 ぜひ公共事業にめり張りをつける。公共事業は、さっき言いましたように、効率性、緊急性、採算性から考えて大事なところに投入する。とにかく財政赤字が大きくなっちゃって、限られているんですから、もうむだなところをやらないで、いいところに絞るというときに、やはりこの大深度の問題というのはかなり重要な課題として出てくるんだと思います。

 公共事業の議論をしていると、過疎地域の方、お気の毒だという方についつい頭が回っちゃうんですが、しかし、ここまで大都市圏の暮らしが地方に比べて悪くなっちゃった。特に交通、災害防止、渋滞で悪くなっていった。この大深度という問題についても、扇大臣、実行力を振るって推進していただきたいと思います。

扇国務大臣 鈴木先生から本当に大事な点を指摘していただいたんですけれども、私は昨年、なれない建設大臣をさせていただきましたけれども、大臣になりましたときから皆さん方に申し上げておりますことの一つに、二十一世紀、国際都市というものはどうあるべきか、国際という看板をつけたら、その都市に必要不可欠なものは何だろうかという勉強をさせていただきましたし、また、それが私、二十一世紀の国のあり方の大事な根幹になろうと思っております。

 ですから、私は、日本全土のグランドデザインをつくらせていただきたいということで、学者もあるいは経済界も、皆さん方の知恵をいただきながら何カ月か研究してまいりましたけれども、日本全土の、今おっしゃった公共工事というものはどこにどうあるべきか。そして二十一世紀、日本全土で国際都市は幾つあればいいのか。では、国際都市の条件はどうだ。

 それは、アメリカやヨーロッパのように、国際空港が必ずあって、そして国際港があって、そういう連結があって初めて国際都市の看板をつける条件が整う。そして、都市の美観とかそういうことはもう当然ですから、都市の交通網、先ほども申しましたから言いませんけれども、では、国際都市にはどうなんだ。アメリカ、ヨーロッパは、国際空港から十分以内にハイウエーに乗って主要都市に行ける道が九〇%台できている。日本はまだ四四%にしかすぎない。それでは、私は、東京も国際都市の看板をおろさざるを得ないような二十一世紀になるのではないか。

 ですから、今先生がおっしゃいました大深度地下法も皆さん方に通していただいて、私はまず言っているんですけれども、お江戸日本橋といいますけれども、日本橋を外人に説明して、御案内しようと思っても、どこにあるかわからないんです。橋の看板は高速道路の下の、暗いところに、日本橋というはるかな看板が、懐中電灯を持っていって照らさないと見えないぐらい、上の高速道路で日本橋は見えないんですね。それでは、東京の美観というものは損なわれている。だったら、あれも大深度地下にできないんだろうか、そういう、いわゆる都市の基盤整備というもの自体の図面がない。

 ですから、私は、大きなことを言うようかもしれませんけれども、公共事業のむだ遣いをなくすということに関しても、今のように、日本全土のグランドデザインがないから、あっちと言われればあっち、こっちと言われればこっちでは、日本が国際社会で立ち行かない。そのためには、都市基盤整備の基本的な、日本全土のグランドデザインをつくらせていただいて、今おっしゃっているような、大深度地下にできるところはなるべく大深度にして、そのかわり、上のあいたところは緑を持ってくる、公園を持ってくる、ヒートアップ現象というものを解消していく。

 例えば川でも、みんな埋め立てて高速にしてしまいましたけれども、一本の川があれば、両サイド百五十メートルずつ、三百メートルは温度が一度下がるというデータが出ているわけですから、川の回帰ということも二十一世紀の都市づくりの大きな課題だと私は思っていますので、そういうあらゆることのグランドデザインをなるべく早く、しかも一つに限らないで複数出して、先生方、国民の皆さんの御意見で、これはいい、あっちはいいというふうに御意見を賜れるようなメニューをお出しできる用意を私たちはさせていただきたいと思っていますので、ぜひ今後もお知恵を拝借したいと思います。

 ありがとうございました。

鈴木(淑)委員 大都市圏の交通、防災、環境に重点を置いた公共事業、これはもう非常に喫緊の課題であるし、効率性も高い。他方、指摘されているような、やはりむだを含んだ、効率性の低い公共事業もある。これからは、公共事業全体が悪いんだなんという議論をはね返して、中身を組みかえてむだを排除して、国土交通省、自信を持って推進していただきたいと思います。その限りで、私ども自由党も大いに頑張りたいと思います。

 ありがとうございました。

赤松委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十六分開議

赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。瀬古由起子さん。

瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。

 新産業都市建設促進法等を廃止する法律案に対する質問をいたします。きょうの質問は、基本的には大臣にぜひお答えいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 新産・工特法は、地域格差の是正、雇用の安定、工業の発展などを目的としたものでありましたけれども、実際には、大企業のための産業基盤整備であり、真にその地域の経済の発展を図る基盤整備ではなかったと私は考えています。

 それは同時に、地域格差の是正どころか、地域で基盤整備をしても企業立地が不十分なまま推移をしていたり、また指定された地域では、逆に産業、地域の空洞化が進行しております。地方自治体には莫大な借金を押しつけて、公害で多くの住民の命と健康が奪われてまいりました。

 この法律は、もはや目的を完全に失っていると言っても過言ではありません。余りにも遅きに失したとはいえ、両法を廃止するというのは当然のことでございます。

 九六年度から二〇〇〇年度を期間とした第六次基本計画が、九六年の十二月、内閣総理大臣によって承認されて、新たに二十八兆四千九百二十一億円の投資目標で引き続き産業基盤整備などに投資されることになったわけです。

 この計画に対して、当時のマスコミ等でも、新産・工特は必要なのか、時代の役割を終えた政策には終止符を打たなければならない、こういう批判が起きていたのは当然だったと思います。しかし、政府はそのときに耳をかさなかったわけです。

 今では国民のほとんどが知らないようなこの計画、事業が、真剣な反省なしで漫然と続けられてよいはずはありません。私たちは、少なくとも、なぜあの九六年の段階で廃止しなかったのか、廃止すべきでなかったのかと考えているわけですけれども、その点、大臣、いかがお考えでしょうか。

扇国務大臣 最初に申し上げておきます。

 瀬古先生にもずっとお答え申し上げたかったんですけれども、同じ野党同士で参議院の予算に呼ばれておりますので、時々失礼しなきゃいけないことはお許し賜りたいと存じます。

 今御質問ございました新産法のお話でございますけれども、今、九六年には、もともとあのときに廃止すべきではなかったかという瀬古先生の御質問でございますけれども、九六年から今日まで、時代の流れを考えますと、私は、今先生がおっしゃいましたように、今回はそれを見直して廃止していくというのが原点でございますので、冒頭にそのことだけを申し上げながら私は入りたいと思います。

 もともと、御存じのとおり、この基本計画を五年ごとに見直しつつ、そのときの時代の要請に合った改善を行いながら、各指定地区におきまして、国、関係地方公共団体あるいは地元住民等の関係者が積極的な建設整備に努めてきたというのが現状でございますので、九六年以来今日まで、私たちは推進してまいり、またその中でも見直しをしようということで今回になったということも、ぜひ瀬古先生にも御理解賜りたいと思います。

 しかしながら、今先生がおっしゃいますように、制度創設以来、もう既に四十年近く経過いたしておりますので、産業構造の変化あるいは経済の成熟化、グローバル化といった社会経済環境の変化に伴いまして、新産・工特制度が念頭に置きました基礎素材の産業シェアが低下するなど、国が主導してこの拠点開発を行うことによりまして工業を育成することを目標としていたこの制度創設時における意識は、今日は、今瀬古先生がおっしゃいますように、失われつつあるのではないか。

 そういう認識に立ちまして、このような背景のもとに、私どもは、平成十一年三月の第二次地方分権推進計画におきまして、制度の廃止を含めた抜本的な見直しを行うということが既に閣議決定しているところでございますので、少なくとも、平成十二年十二月、国土審議会から、激変緩和措置を講じつつ新産・工特制度を廃止すべきであるとの内容の答申をいただいておりますので、私どもは、このたび新産・工特制度を廃止することにし、そのための法律案を出させていただいています。

 九六年から今日までの歩みというものを考えて、今日の廃止の決断に至ったという点を御理解賜りたいと存じます。

瀬古委員 私たちは、この新産・工特法の問題点は明確に指摘して今日まで取り組んできたということは、しっかり今の経過の中で明確に批判をしてまいりましたので、その点ははっきりさせていただきたいと思います。

 では、一つ一つこの間の経過を見ますと、とりわけ自治体に残した傷跡は大変深いものがあります。この誘導策によって地方自治体は大変大きな打撃を受けている場合もあります。国の誘導策によって、例えば、大企業を誘致するのに土地代を半分にするとか、それから税金をまけてやる、大企業に至れり尽くせりの誘致をやった結果、今日、財政破綻も、大変深刻な事態も生み出しております。過大な水需要計画のツケが市民負担になって、今も市民を苦しめているという事態も幾つか起きております。

 大企業というのは、もうからなければ、自治体の財政も、地方の雇用や経済がどうなろうとも、労働者の首を切る、リストラを進める、下請の中小業者を切り捨てて海外へ行ってしまう。こういう事態も今起きているわけですね。商店街もつぶれて、もう本当にどんどん店をしまっているという状態。私は、全体的には深い総括が必要であろうというふうに思います。

 特に、最近、これは本会議でも問題になりましたが、宮崎県のシーガイアが倒産した事例でもわかるように、同じく、全国の国土乱開発、こういうものをつくり出した幾つかの法律があるわけです。例えば総合保養地域整備法、リゾート法と言われているものなんですけれども、これなども当然、今回提案の法律の廃止に伴って考えるべきだし、廃止の対象とするべき内容だというふうに思っております。

 国土総合開発法の廃止、国土関係法律の総点検が今改めて必要じゃないかと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。

扇国務大臣 全国各地で、リゾート開発ということで、多くの国民の皆さんに休養と、そして次へのエネルギーをつくっていただこうと、リゾート法によってあらゆるところに憩いの場ができ、あるいはいやしの場ができ、そういうことも本当に一時はそれでよかったのですけれども、さて、それを維持するということになると、地方自治体等々で、第三セクターでつくったものもございますし、そういう意味では、現在の景気の冷え込み、あるいは多くの国民の皆さん方の志向が、同じ値段なら海外に行った方がよりいいんだというように、国民全体の志向というものが変動してきたということも私は大きな要因の一つになっておると思います。

 少なくとも、地域振興立法におきましては、それぞれの背景あるいは目的、そして国の役割及び対象とした地域の特性が異なっておりましたから、その当時はそれぞれの特異性のあるものが私はできてきたんだと思いますけれども、目的や地域の特性等に応じた地域の振興が行われたにもかかわらず、その多くは、そのときの、当時の議員立法で制定されたものでございますけれども、今申しましたように、現段階では、国民の意思を尊重してその執行に努めるというのは当然のことでございます。

 けれども、今なお、これらの法律の中で、いわゆる条件の不利な地域の振興立法につきましては、ほとんどが時限立法でございますから、そういう意味では、それぞれの法律の終期、終わる期限が来ているわけでございますので、その終期に際しましては、社会経済環境の変化に対応して、その意義あるいは必要性、そして振興方策あるいは目標の達成度等について、国会や審議会等の場で論議をされて、今先生がおっしゃいましたような見直しが必要なのかどうか、どの点がいけなかったのかということも、国会論議の中で御審議いただく。

 現行の地域振興立法は、現時点でそれぞれ存在意義を有し、必要なものであると私は思っておりますけれども、法律に基づく施策の推進に当たって、私どもは、少なくともその相互の整合性を図りながら進めていくことは当然必要なものであると認識しており、今後は、新たな国土計画の理念、あるいは国土計画全体、あるいはその体系自体はどうあるべきかということを検討する中で、地域振興立法のあり方も御審議の中で検討してまいりたいと思っております。

瀬古委員 今大臣は、当然進めていくべきだと思うけれどもと。この前提をまず外していただいて、今改めて全体的に問われているという点では、抜本的な見直しが求められていると思いますので、その点、いかがでしょうか。

扇国務大臣 私は、今日までの法律に対してのみんなの努力、これは国も地域も、そして住民の皆さん方の国民的な夢であったと思いますので、それがどの程度かということは、やはり、ある程度、評価制度というものがどの法案にもあってしかるべきだと思います。私は、こういう委員会でお互いに、現状と、そして地域性も把握しながら検討してみるということが、まさにその評価に値すると思っていますので、ぜひその認識を、委員会で御審議していただきたいと思っております。

瀬古委員 私どもは、委員会でも国会の場でも何度も指摘をしております。そして同時に、それぞれの地域に行きますと、本当に悲惨な状態、地方自治体の抱える財政難の実情だとか、そういう問題が山積みしている。目の前でそれが展開されているわけですから、やはりきちんとその事実を踏まえて、抜本的な見直しをぜひ図っていただきたいというふうに思います。

 さらに、新産・工特は、もはや都道府県の開発計画から姿を消しております。それにもかかわらず地元の自治体が四十年近い以前の制度にしがみつかなきゃならないというのは、指定を受けている限り、国庫補助率のかさ上げだとか利子補給など財政上で有利な状況があったからでもございます。それだけに、今回廃止に伴う関係自治体への財政的な影響、これを最小限に抑えるということも必要だと思いますけれども、その点、どのような措置をとられるんでしょうか。

板倉政府参考人 新産・工特制度の廃止に伴う地方公共団体の財政的な影響についてのお尋ねでございますが、関係自治体は、先生が御指摘のとおり、新産・工特法に基づきまして補助率のかさ上げ等の各種支援措置を活用しながら、これまで各種の事業の推進に取り組んだところでございます。直ちにこの支援措置が打ち切られるということになりますと、関係自治体の財政運営に少なからぬ影響を与えるわけでございまして、さらに、既にこれまで計画に基づきまして進めてきております各種事業の円滑な実施にも支障を来すことが予想されるわけでございます。

 昨年暮れの国土審議会におきましては、こうした観点から、新産・工特制度の廃止後も、一定期間、激変緩和的な考え方で、制度の廃止に伴う影響等諸問題に対する適切な配慮が必要であるということを答申されているわけでございます。

 私どもは、これを受けまして、国土審議会と一緒になりまして、新産・工特制度のあり方をどうするかということで、関係二十三都道府県すべてにアンケート調査を三度にわたって実施し、また三度にわたり現地調査も実施したわけでございます。それから、代表者からヒアリングをしたり、産業界の方々あるいは一般の皆様方にパブリックコメントもいたしまして、各層各界の意見を十分に承ってきたところでございます。

 このたびの法案におきましては、そうした各界から寄せられたさまざまな御意見を踏まえまして、自治体が平成十二年度末までに着手した事業につきましては、地方債の発行及び利子補給並びに国庫補助率のかさ上げを今後五年間継続して実施すること、それから、自治体が不動産取得税、固定資産税を不均一課税した場合には減収額の一部を地方交付税により補てんすることといった内容の激変緩和措置を盛り込んでいるところでございまして、制度廃止に伴う自治体への財政的な影響は最小限に食いとめられるものと考えております。

瀬古委員 総務省に来ていただいていますのでお聞きしたいんですけれども、今回のこの法律に基づいて、例えば人口の見通し、それから水需要の見通しなど、いろいろ組み立てられたんですけれども、実際にかなり過大な需要見積もりがされている。その結果、例えば水の需要計画が大きくあって、開始した途端縮小しなきゃならないという事態を抱えたまま地方自治体が今日あるということで、財政状況がかなり深刻になっているという問題も少なくありません。

 この法律廃止に当たって、今回の事業が文字どおり国の政策として行われ、そしてその結果、事業終結、この法律を廃止するということになりますので、少なくとも、こうした地方自治体が抱えている例えば水道の企業債など、その当時企業債を使っているわけですけれども、高い金利の企業債をそのまま引き継いでいるという状況もございます。それがかなり地方自治体を圧迫しているという事態がありますので、こういう企業債などの低利の繰り上げの償還だとか借りかえ、こういったものを、地方自治体の財政負担を軽減するという立場から、今回この法律を廃止するというけじめの中できちんと援助していくということが必要ではないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

山名大臣政務官 今委員がお述べになりましたように、計画どおり企業誘致等が進まなかったために、特に工業用水道事業の経営が極めて厳しい、そういった地方公共団体もあるわけでございまして、この厳しい経営環境の中で、従来より工業用水道事業債につきましては、特に公営企業金融公庫資金をもって起こしました企業債につきましては、一定の借換債で措置してまいりました。

 平成五年度からの金利七・五を平成十年では七・三に変更し、さらに平成十三年度からは、この対象企業債のいわゆる利率要件、これを七・三から七・〇%以上と緩和したところでございます。とともに、工業用水道事業につきましては、いわゆる資本費要件、償還あるいは利息分の資本要件が高いところ、これにつきましても、従来は二倍ということだったんですが、それを平成十三年度からは一・五倍、こういうことで要件の緩和もしたところでございます。

 こういう厳しい中で、もっと緩和しろ、借換債ということで頑張れという御指摘だと思うんですが、御承知のように、一方で借りかえが増大をいたしますと、長期そして安定した資金を供給するという公営企業金融公庫の持つ本来の原則といいますか、そういう前提、機能というものを損なうおそれもございますので、特にさっき申しましたように、金利が高い、特に資本費が高い、そういうものについて一定の限定を設けて対応せざるを得ない、こういうところも御理解をいただきたいと思っております。

 今後とも、公庫のそういった機能維持に留意しながら、特に工業用水道事業の経営の健全化のために公営企業借換債の拡充に努めてまいりたい、このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

瀬古委員 一応国の政策としてこの法律があって、そのもとで地方自治体が行ってきた結果、かなり深刻な事態になっているということをしっかり認識いただいて、ぜひ積極的な施策を講じていただきたいというふうに思います。

 では、踏切道の改良法について質問いたします。

 地方公共団体の負担が過重負担、特に大都市周辺において連続立体交差を進めるときに、関連する側道などの経費を含めますと、地方自治体が大変負担が重くなってまいります。そして、小さい市町村であるにもかかわらず、たまたまそこが交通の要所であるというだけでその地方自治体が負担をかぶる、こういう仕組みになっているわけですね。そして、市町村では、国の負担をもっと何とかふやしてもらえないかということで、この立体交差を進める場合の地方自治体の負担が大変ネックになっているという問題がございます。

 かつて、この国の負担分が三分の二だったことがあったそうですけれども、今現在二分の一になっています。少なくとも、もとに戻す、国の負担分をうんとふやしていただく、こういう方向でこの立体交差化を進めるという点で検討できないのかということなんですけれども、いかがでしょうか。

扇国務大臣 今改めて立体交差の必要性をお時間をとって申し上げるまでもなく、瀬古先生も御認識の上だろうと思いますので、基本的な理念に関しては省きます。

 今おっしゃいましたように、立体交差を行う場合、道路管理者等が負担する事業費の二分の一、これを何とか、地方公共団体に対しての補助ということを増額していただきたいという御要望でございましたけれども、道路事業の補助率のかさ上げにつきましては、一般的には、地理的な条件が不利な地域の道路整備等に限定してございます。

 例えば、今まででございますと、沖縄とかあるいは離島、奄美等々が、一定の条件、不利な地理的条件ということでこれを大幅にふやしたという補助率のかさ上げというものはございますけれども、この沖縄とか離島、奄美以外では、今の段階では補助率のかさ上げは、このような考え方に立ってするとすれば、今おっしゃっていました一般的な地方自治体に対しては、現段階ではかさ上げの理由にならない、理由にならないといいますか、指定地域から外れるということになっておりますので、そういう意味で、私は大変難しいことだと思っています。

 けれども、逆に、今度国土交通省になりまして、具体的には、今までと違いまして、連続立体交差の事業を対象に、鉄道事業者が道路管理者等の負担分を立てかえて事業を実施する制度、これも今までなかった制度ですけれども、こういうこともできる。また、それを実行する上に、事業化する上にこういう制度も導入しようということで、新たにこういうことも考えておりますし、立体交差事業に係る予算を十三年度は大幅にふやさせていただいております。

 さっきも私がお答えしていたのを聞いていただきましたけれども、そのような状況で、私は、何もこの二分の一だけに固執することなく、また別途、二分の一ではないけれども、違う面で新たな二十一世紀型の補助ができるというふうに御勘案いただいて、御協力賜って、私たちも、より広く、有効な予算の執行を行ってまいりたいと思っております。

瀬古委員 鉄道事業者が立てかえるといっても、最終的には地方自治体が返さなきゃいかぬ。今現在でも大変な状況にあるわけで、そういう意味では、何らかの対応をしないと、幾ら立体交差と叫んでも実際にはなかなか進まないという事態が事実としてやはりあるということは御認識いただきたいと思うのです。

 さらに問題になっておりますのは、この連続立体交差を進める場合に、国土交通省が、連続立体交差と区画整理、再開発、まちづくりを一体のものとして進める、それがなければ、なかなか立体交差も認めないというか、認めないというところまではいかないけれども、後回しになっていくという事態があるのです。特に小さい市町村の場合は、連続立体交差の費用負担でも大変なのに、さらに、そのまちづくりの、その地域の再開発の組み立てもしなきゃいかぬ、お手上げだといってあきらめざるを得ない事態がたくさん出てまいります。

 そういう意味では、確かにまちづくりと連続立体交差とが連携すればよりいいものにできるかもしれないけれども、当面、連続立体交差は連続立体交差、まちづくりはまちづくりと分けて、規模の小さい単位でやれるという方法も、余り機械的に一緒にならなきゃだめだぞというやり方は問題があるんじゃないかと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。

板倉政府参考人 連立をする際に、区画整理とか再開発をあわせて実施することを条件としているのではないかというお尋ねでございますが、先生御案内のとおり、連続立体交差事業につきましては、複数の踏切を一挙に除却することによりまして、都市内交通の円滑化を図るとともに、分断された市街地の一体化を実現し、都市の活性化を図る重要な事業でございます。

 その連立事業は、事業規模も非常に大きくて、周辺のまちづくりに与えるインパクトも大変大きいということで、私どもとしましては、できれば連立事業と周辺のまちづくりを一体的に行っていただきまして、その相乗効果というものを周辺にあまねく及ぼしていただきたいという希望を実は持っているわけでございます。そういうことで、連続立体事業の実施の機会をとらえまして、これと一体的にまちづくりを進めていただくことが私どもとしまして望ましいと考えておるところでございます。

 ただ、先生がおっしゃいますように、この連立を採択する条件として、まちづくり、あるいは区画整理とか再開発といった面整備の実施を義務づけているということはございませんで、これは、御指摘のとおり、地方のそれぞれの地域の実情に応じましてベストなまちづくりの手法、面整備に限りませんで、地区計画とか駅前広場の整備とか、それぞれ地域の実情に即して一番ふさわしいと思われる手法を選択していただきましてお取り組みいただければよろしいかと思っております。

瀬古委員 最後に、踏切事故をめぐる問題についてお聞きいたします。

 踏切道改良促進法は、交通事故防止と交通の円滑化に寄与することを目的としております。全体として、法制定当時に約七万カ所あった踏切が、現在では三万二千カ所になったし、それなりに改良も進んでまいりました。また、踏切事故防止総合対策による対策も講じられてきたと思います。

 しかし、踏切事故の実態はどうかといいますと、ここ数年は微減の状態で推移しているのです。抜本的になくならないわけです。障害物の検知装置だとか門型の警報機の設置のない踏切は指定対象として整備をするということになりましたけれども、その促進は鉄道事業者にあまねく任されているという状態がございます。そういう意味では、もっと国が責任を持ってこうした踏切の保安施設などについても積極的な計画も立てた対応が必要ではないかと思うのです。

 第七次の踏切事故防止総合対策に盛り込む、こういったものなども含めて、国として一定の、この期間までに安全対策を進めるんだ、こういう計画的な推進が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。大臣にお願いしたいのです。

扇国務大臣 私どもは、今瀬古先生がおっしゃいましたように、踏切の事故防止、これは大きな課題であると思っております。

 今までの踏切の事故等々の件数を見ますと、本当に何とかしなければいけないし、これを重要視して政策の中に入れていかなければいけないというのは、先生がおっしゃるまでもなく、私どもも対応に努力しているところでございます。

 国土交通省としましても、平成十三年度予算におきまして、従来の保安設備の安全性を一層向上させました。今先生がおっしゃいました高規格の保安設備の中では、大型の遮断捍あるいは門型の警報機、そして障害物検知装置等々の整備につきまして補助をしてまいりたいと思っておりますし、その補助対象も広げてまいりました。従来は、補助対象、普通の大きさのもので一機二千万円程度、国が二分の一、地方三分の一、事業者六分の一のスキームでしたけれども、これも私たちは今度大幅に補助対象として追加していくという意味で頑張っていきたいと思っております。検知器の設置というものも、全国で合計で八千七十九あるわけでございますけれども、JRが五千百五十、そして大手民鉄が二千四百九十七、そういう意味では大きな数字が残っておりますので、私たちは、これらを対象として鋭意二十一世紀型にしていきたいと思っていますので、ぜひ御理解もいただきたいと思います。

瀬古委員 どうもありがとうございました。

 終わります。

赤松委員長 川内博史君。

川内委員 民主党の川内でございます。

 本日は、かねてから歯切れの大変にいい御答弁で大変に敬服をいたしております扇大臣、連立与党のスタアであり、また国民的にもスタアである、そういう大変立派な大臣に御質問させていただけるのは幸せでございます。大臣、参議院とのかけ持ちでお疲れのこととは思いますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず、扇大臣は、大臣であり、また保守党の党首でいらっしゃいます。五日の衆議院の本会議で、私ども野党が共同提出をいたしました森内閣不信任案に対して、保守党はもちろん不信任案に反対をするという立場をとられたわけであります。

 否決後、今日に至るまで、与党の中では森総理に対して辞任を求めるいろいろな動きというものが毎日毎日、新聞をあるいはテレビのニュースをにぎわしているわけでありますが、このような自己矛盾とも言えるような状況の中で、連立のパートナーである保守党の党首として今後の展開をどのようにお考えになっていらっしゃるかということをまず御答弁いただきたいと思います。

扇国務大臣 今、先生がおっしゃいました、あの五日の不信任案に対しては、我々与党三党、連立をしておりますので、野党の皆さん方が共同提出されました不信任案に対しては拒否をさせていただきました。

 なぜ拒否か。少なくとも、あの当時、あの時点で、不信任案というものが通ったら、野党の共同提案で、通した後我々はこうするんだというメニューを、国民の前にも私たちにもお示しいただきませんでした。もし通そうというのであれば、不信任案を通した後は、野党組んで、だれを党首にして、総理にして、日本の国をどう引っ張っていくという、その示唆がなければ、ただ倒せばいい、子供の何とか合戦というのが運動会でよくありますけれども、倒せばいいということではなくて、その後、どういうふうに国を引っ張っていくかということが見えなければ、単に国民を混乱させるだけであります。この二十一世紀初頭から、経済の不安、株安、そしてあらゆる不祥事等々起こっております今の日本の状態は、私、危機的状態だと思っています。その危機的状態を脱するには、ただ不信任案で倒せばいいというだけではなくて、倒した後はこうしますという、それを見せていただかなければ、これは私は残念ながら否決せざるを得ないというのが大きな理由でございます。

 まして二十一世紀、世界の中で日本がどう立ち行くかということが今一番試されている。この二十一世紀初頭の十年が、日本が浮上できるのか、あるいは沈没するか、その大きな分かれ目であろうと私は思っておりますので、野党が結束してお出しになった不信任案ではございますけれども、後が見えなかった。

 では、通った後は、民主党がどなたを総理になさるのか、あるいは共産党と一緒に手をお組みになるのか。蛇足ではございますけれども、民主党さんの中でも、御存じのとおり、この間の、国の根幹である国旗・国歌法案でも全く真っ二つに分かれておりましたし、憲法問題で言わせていただければ、党首の鳩山由紀夫代表は改憲派であり、あるいは少なくとも菅さんは論憲派であり、横路さんは護憲派である。

 私たちはずっと、皆さん方の御意見も、いいところがあれば入れようと思って見ています。けれども、その足並みがそろっていない以上は、やはり私たちは、今の連立できちんと、国の不安定な期間をつくらないで、現状の危機を乗り切るためには、現状を国民の前に示しているわけですから、野党の皆さんの案には残念ながら賛成できなかったということでございます。

 ただ、賛成できなかったことは明快でございますけれども、では、今の森内閣と連立与党の体制がそのままでいいのかというと、私は必ずしもそうでもない。私たちもそれぞれ、三党で連立しておりますけれども、お互いが切磋琢磨して、いかに二十一世紀のあるべき姿というのを出さなければ、私たちは、今連立にのうのうとしているわけではございません。

 ですから、森総理がやっていくとおっしゃるのであれば、私は、男だから命をかけると言ってくださいと。そして、支持率が低くても、おれは命をかけて日本を救うんだという趣旨を見せていただければと。私は、与党の中には総理になっていただきたい有資格者というのはいっぱいいらっしゃると思うんです。けれども、今が国難であると認識する上は、政治家になって総理になる以上は、命をかけるというような姿勢を私は国民に示していただきたい。

 森総理がもう一度言ってくださることも結構、また新しい人が、若い人が、おれたちもするよと言ってくださることも結構。ただ、自由民主党の中でのお話でございますから、連立与党の保守党の党首としては、与党の中の動きを拝見させていただきながら、国難を克服できる日本のリーダーを私たちは叱咤激励したいと思っている現状でございます。

川内委員 大演説を聞かせていただいて、我が党に対しても言いたい放題言われたわけでありますが、そこで、ちょっと大臣、反撃をさせていただきたいと思います。

 自民党の中のことであるから見守りたいというふうにおっしゃられた。しかし、きょうの新聞によると、昨晩、野中広務先生と料理屋で会談をした際、森首相退陣後の後継首相になるよう扇大臣が要請をした、国のためにどんと命をかけてやる人が必要だと、野中氏に後継首相になるよう促したというふうに記事が出ておりますが、これは事実でありますか。

扇国務大臣 私、言いたい放題言ったのではなくて、御質問にお答えしたつもりでございます。御質問がそういう御質問でございましたから、その点、勝手に申し上げたのではないので、御質問に真摯にお答えいたしておりますので、お願いいたしたいと思います。

 ただ、マスコミのことをおっしゃいましたけれども、マスコミは文を書く本人の主観が入っておりますので、そのことに関して私はお答えする責任はございません。新聞を書いた人にお答えいただければいいんですけれども。

 私は、昨晩ではございませんけれども、野中先生とお会いしたことは確かでございます。そんなことは隠す必要は何もありませんから。けれども、私は、野中さんがポスト森にふさわしいと言ったわけではなくて、先ほど申しましたように、今の日本の政治危機、あるいは国家的危機をだれが背負って立つのか、森さんにきちんと再選宣言していただければいいことだし、今申しましたように、自由民主党の中には、多士済々、いろいろな経験者もいらっしゃるし、若手で、日本の国の二十一世紀型の総理候補と外国の新聞に載った方もいらっしゃいます。ですから、私は、そういう意味では、野中先生もその責任の一端がおありになるんじゃないんですかと申しましたら、野中先生は、いや、もう私は年寄りでねとおっしゃいますから、年寄りだったら先行き短いんでしょう、短い命を、命をかけてというのが男でしょうと。

 そういう一般的な会話というのは、それはあることでございまして、そのことをどうこう問われる必要はないのです。やはり、男性が日本の国をしょって立つという限りは、命をかけてという人、だれか宣言する人が出てくださいよと、そうしたら、いや、私は何人組かの一人で、森さんをつくったときの五人とか四人組の一人だから、そんなことはとおっしゃるから、つくったんだったらつくった責任もあるから、最後まで責任をとるのが男でしょうという会話です。

 そういうこともありますということでございまして、これは、あえてお聞きでございますから一端を申しましたけれども、あなた以外にはないと言ったことはございません。

川内委員 私ども野党の提出した不信任案に反対をするということは、私も何となく大臣の御答弁で理解をできるような気もするんですが。

 与党の中のことは与党でやるんだということで、今や扇大臣は政界の黒幕のようにいろいろな動きをしていらっしゃるようでありますが、大臣、日本国憲法の六十八条を御存じですか。

扇国務大臣 何でしたっけ。言ってください。

川内委員 私も読まないと思い出せないものですから、読ませていただきます。

 大臣、覚えておいてくださいよ、日本国憲法の六十八条。とても大事なことが書いてあります。「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。」と書いてあるんですね。扇大臣は森総理に任命をされたわけですよね。それで、内閣は連帯して国会に対して責任を負うというふうにも、別な条文に書いてある。

 扇大臣が、今大変な国難であると。それは私も認識は一致しています。とすれば、この非常に厳しい状況を乗り越えて二十一世紀の日本をどうつくっていくかというときに、まず扇大臣が職を賭して、森総理に、私もやめるからあなたもやめなさいと。(扇国務大臣「そんなこと言う必要ないじゃないですか」と呼ぶ)なぜ言えないのですか。あなたは内閣の一員で、森さんから任命されているわけですよね。その森さんから任命されたあなたが、森さんを内閣総理大臣として不適任だとお思いになっていらっしゃるのであれば、現に今おっしゃいましたよね。(扇国務大臣「不適任だと思っていません。言いません」と呼ぶ)では、なぜほかの人にいろいろな話をされるんですか。

扇国務大臣 話を混同しないでいただきたいんです。私がさっき申し上げたことをよく聞いていただきたいんですけれども、今先生も、私に、大臣として答弁しろ、時には保守党の党首として答弁しろと使い分けられるんですね。私が今話をしましたのは、大臣の席とか党首の席を超えて、政治家同士として話し合うということは当然のことでございます。先生もそうだと思います。違う政党の人とでも、政治家として今の国をどうすべきかというのは、個人的に話し合うのは自由でございますから、それを新聞に書かれたからといって、それは大臣として無責任ではないかということではない。私は、森総理御本人にも言っています。御本人に私は任命されたから、森さん頑張ってくださいよ、あなたは頂点なんですから、やりたいようにちゃんと政策もやってください、実行してください、私たちはお手伝いしますと何度も私は森総理に申し上げております。

 私は、森総理が不適格だなんて一言も言った覚えはございません。ただ、私は、皆さん方が、野党、新聞、マスコミが、低支持率だ、やめろやめろと新聞に書かれて、総理も元気がなくなると困るから、やりたいことをやってくださいと。

 ですから、森総理がもう一度命をかけてやるんだと宣言できるのであったら、自民党同士であるから、野中先生からも森さんにそう言ってあげてください、そういう男でなければ日本の国を引っ張っていけないでしょうということで皆さんを叱咤激励しているので、大臣の席を離れて総理をやめなさいなんて、一言も、どこにも私は言ったことはございませんから、お間違えなきようにお願いいたします。

川内委員 そうしますと、扇大臣は先ほどは、連立の枠組みを維持するために不信任案を否決するんだというふうにおっしゃいましたよね。森総理を支えるということは、先ほど、冒頭の大演説の中にはお言葉がなかったんですけれども、しかし今は、森さんがやるのであれば支えるというふうな言い方に変わっていらっしゃる。

 結局、どっちなんですか。森総理を支えるんですか。

扇国務大臣 よく聞いていただきたいのです。私は、あなたが今おっしゃったようなことを言ったことは一度もございませんし、そうではなくて、私が今、きょう答弁に立っているのも、森内閣だからあなたは御指名になったのであって、私は今大臣としてお答えしているのですけれども、特に党首としてはというお返事もありますから、私は、連立与党の党首としての、連立の必要性というものを先ほど申し上げました。

 けれども、今は私は森内閣として、けさも、この間、不信任案があったり、そして逮捕者が二人、三人出たときも、閣僚懇で森総理に、二人も逮捕者を出して今は一番大変なときだけれども、私たちは森内閣を支えますから、みんな一致結束して国政に邁進しましょうねと私が提案いたしました。それで森総理が、扇から発言があったけれども、最初に私がそれを言うべきでありました、保守党の党首としてそういうお言葉をいただいたので、ありがとうございました、こういうときだけれども一致結束していこうということで、きちんと私たちは内閣の結束がございますし、連立与党としては、与党としての連立のかなめを、きちんと扇のかなめを果たしておりますので、それはきちんとできているということを御認識賜りたいと思います。

川内委員 確認だけさせてください。森総理を支えると。

扇国務大臣 御本人が意思を発表されるまでは、私たちも森総理をきちんと支えておりますし、支えていきます。

川内委員 御本人が意思を発表されるまではという余計な文言がまた今ついたわけですけれども、結局、そこまでは支えると。そこまでは支えるということは、もうその時期が近いというふうに扇大臣は思っていらっしゃるということですか。

扇国務大臣 大事な国会の委員会でございますから、私は、本当に国民が聞いていて元気の出るような討論をしたいと思います。

 だれが総理大臣になろうと、マスコミと野党の皆さん方で、足の引っ張り合いをしたのでは、国民は希望が持てません。アメリカでも、新大統領ができたら六カ月間はみんなでハネムーンのように、たとえ新しい大統領への投票が反対であっても支えるという国民性というものが私は成熟した民主主義であろうと思っておりますので、皆さん方やマスコミで総理を引きずりおろすということは、おっしゃることは自由でございますけれども、私たちがおりろと言ったことは一遍もございません。

川内委員 私は引きずりおろそうなんて言っていないですよ、今の質問の中で。あなたは森総理を支えるのかと聞いているのですよ。意思の表明があるまではとか、余計なことをおっしゃるから。

 森総理を支えるのかと。支えますと言えばいいじゃないですか。

扇国務大臣 支えているから、こうして御答弁に出ております。支えなかったら、とっくに辞職しております。

川内委員 微妙に言い方が変わるので。

 森総理を支えます、支えるんだと。支えるんですかと聞いているわけですから、支えるか支えないか、どっちかじゃないですか。

扇国務大臣 支えているから、こうして御答弁に立っております。

川内委員 それでは、どこまでも支えていただけるように頑張っていただきたい。そうでなければ扇大臣は即刻大臣を辞任すべきだというふうに私は思っておりますから、御忠告を申し上げておきたいというふうに思います。

 それでは、質問通告では踏切道から入ることになっておりますが、ちょっと変えまして、まず新産業都市建設促進法廃止の法律から質問させていただきたいと思います。順番がちょっと変わりますが、よろしいでしょうか。

 昭和三十七年に決定をされた全国総合開発計画を具現化するために制定された法律がこの新産・工特法であるわけですが、これまでの約四十年の間に指定地区において整備されてきたものの評価、これをどのようにお考えになられるかというところをまずお聞かせいただきたいと思います。

高橋副大臣 ただいまの新産業都市建設・工業整備特別地域整備の各制度は、三大都市圏以外の地域から工業発展のポテンシャルを持っております地域を開発拠点としまして位置づけ、そこに集中的な投資を行って地方に工場を誘致し、雇用の受け皿を確保しようとするものでして、おっしゃるとおり、昭和三十七年の全国総合開発計画において提唱されました拠点開発構想をベースとして創設された制度でございます。

 この新産・工特各指定地域におきましては、国、関係地方公共団体、地元住民等の関係者が積極的な建設整備に努めてきました結果、例えば、三大都市部を上回るペースで新産・工特地区の市町村道路舗装率が改善されるなど、交通、産業基盤等のインフラの整備は着実に進展してまいりました。

 また、その結果、新産・工特地区におきます産業集積も着実に進展しまして、新産・工特地区と三大都市部との所得格差が着実に縮小するなど、新産・工特制度は、地区により進捗状況に差がありますものの、総じて見ますと、国民経済の発達、地域間格差の是正に大変寄与してきたところでございます。

 しかしながら、産業構造の変化、経済の成熟化、グローバル化といった社会経済環境の変化に伴いまして、新産・工特制度が念頭に置いておりました基礎素材産業のシェアが低下してきたなど、国が主導しておりました拠点開発を行うことにより工業を育成することを目標としていた制度創設時代における意義は、今日、失われてきたと理解しております。

川内委員 今の高橋副大臣のお読みになられた答弁書をつくられた部局はどこですか。

板倉政府参考人 国土交通省都市・地域整備局でございます。

川内委員 都市・地域整備局。その都市・地域整備局がこの法律を所管しているわけですね。

板倉政府参考人 さようでございます。

 従来は、省庁再編前は、国土庁地方振興局が所掌しておりまして、今度の省庁再編によりまして、国土庁の地方振興局、それから大都市圏整備局と旧建設省都市局が一つになりまして、都市・地域整備局という局ができております。

川内委員 私は、冒頭、この法律の評価はどうでありましたでしょうかということを聞いたわけで、自分のところが所管している法律を自分のところで評価するというのは、これは評価と言わずに自画自賛というわけで、全く評価に値しないと私は思います。

 改定が続けられてきたこの法律に反省点があるとすれば、どのようなところだったんでしょうか。聞いた御答弁での中では、非常に有意義だったということを繰り返し繰り返しおっしゃっていたようでありますが。

板倉政府参考人 私ども、この法律を立案するに当たりまして、私どもの審議会でございます国土審議会というのがございまして、そこの審議会の活動の中で、各地方公共団体、関係自治体が都道府県にしまして二十三ございますけれども、それらのすべての都道府県に対しまして三回にわたりアンケート調査を実施する、それから現地調査も実施する、あるいは、産業界あるいは一般の方々に対するパブリックコメントという形で幅広く国民各界各層の方々から御意見を伺っております。

 例えば、二、三ちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、私どもが一昨年十一月に行った第一次の都道府県アンケートによりますと、私どもの審議会から出した、どれほどこの新産・工特が効果があったかという問いに対しまして、二十三都道府県すべてから効果があったと。まあ、関係県でございますので、そういう評価になろうかと思いますが。

 中身をちょっと申し上げますと、例えば、新産・工特の中で内陸型と言われておりました松本・諏訪地区のある長野県でございますが、ここは、新産・工特でつくりました工業団地の九八・八%が、造成済みのものが売却されておりまして、なおかつ、造成済みの団地のうち九一・四%に企業が立地している。非常に優秀な成績をおさめられておりまして、この新産・工特の制度の成果というものを非常に高く評価されている。

 あるいは、熊本県を例に出させていただきますと、この地域では二百二十件の企業が立地しておりますけれども、その大半が、先生御案内のとおり、情報とかハイテク関連の企業でございまして、そういう意味で、そういう関連の企業が立地したことを大変喜んでおられるというようなこともございまして、関係自治体からは高く評価されているところでございます。

川内委員 相変わらず自画自賛が続いたわけでありますが。

 実は、私の地元は鹿児島であります。鹿児島についてはこの新産・工特地区に指定されていないので、国土交通省の方が「新産・工特制度による成果について」というこの一枚紙のペーパーを私のところに説明に持ってきまして、随分自慢をしていらっしゃったので、鹿児島についてはどうかなと思って数字を調べてみました。

 「新産・工特制度による成果について」。支援の成果、インフラ。市町村道舗装率、新産・工特地区は、昭和四十三年度から平成九年度にかけて舗装率が七四・八%に上がった。公共下水道普及率、これは五四・三%まで普及をした。港湾の貨物取扱量については、昭和四十三年度から平成十年度を比べると約三倍にふえている。

 どうだ、大変効果がありましたよというような説明の資料を持っていらっしゃったんですが、鹿児島について同じ数字を調べてみると、市町村道舗装率は、鹿児島県は八二・八%。新産・工特地区が七四・八%だから、指定されてなくても舗装率は高いわけですね。公共下水道普及率が、鹿児島県の場合、新産・工特地区より若干低くて五二%。港湾の貨物取扱量については、新産・工特地区が三倍ですが、鹿児島県は約六倍にふえているわけです。

 だから、新産・工特地区に指定したから発展したんだ発展したんだとお手盛りで評価されるのは、それは、自分たちのやった仕事については、評価されたい、したいと思うのは当然でありますが、私が聞いているのは、何か反省点はありますかということを聞いているわけで、これだけ成果がありました成果がありましたと言っても、数字で比べた場合、指定されていないところでもこれだけ成果を上げているわけですから、もうちょっと謙虚になられてもいいんじゃないかなという気がするわけであります。

 そこで、国土交通省は、新しく省庁再編で大きな役所になって、まだまだ一体化は進んでいないんだろうというふうに思うわけでありますけれども、こういう政策の評価について、客観的に評価をする局なり部なりをしっかりとつくって、一つ一つの法律に基づいて行われる事業が、その成果をお手盛りでなく客観的に評価できるようにすべきではないかというふうに思うわけでありますが、大臣、いかがでしょうか。ちょっと質問通告をしていないんで、参考人でも結構です。

板倉政府参考人 仰せのとおり、各種事業、各種施策につきまして、客観的でかつ透明性のある評価をするという必要性は、私どもも全く同感でございます。私どもの組織で申しますと、大臣官房の中に政策統括官という組織がございまして、そこに専門的な評価を行う評価官というのが何人かスタッフとしてついておりまして、現在、その評価のマニュアル、そういったものを鋭意検討中でございます。そういったものが整備されれば、国土交通省所管の施策あるいは事業につきまして、客観的な評価が進められるものと考えております。

川内委員 大臣官房の政策、そんな人いますか。

板倉政府参考人 国土交通省政策統括官というのが正確な官職名だそうです。

川内委員 政策統括官、ここが国土交通省全体の政策について客観的な評価をこれからしていくんだという理解でよろしいんですか。

板倉政府参考人 さようでございます。

川内委員 しかし、これを見たところ、随分スタッフも少ないようですし、巨大な官庁になられた国土交通省ですから、より政策の透明性とか客観性を考慮しなければならない時期にこれから入ると思いますので、この辺のスタッフの充実というものを今後さらにしっかりとやっていただきたいということを要望させていただきます。

 続けて、この新産・工特地区の廃止案についてお尋ねをさせていただきます。

 この法律を廃止した後、もちろん経過措置をとるというふうには出ているわけでありますが、経過措置の後、ほかにどういう方策を考えていらっしゃるのか。あるいは、もう地域の独自性に任せて、国は余計なことをしても余り効果はないということがこの法律ではっきりしているので、もう今後余計なことはしませんということになるのか。今後の計画について若干お聞かせをいただきたいというふうに思います。

高橋副大臣 お答えいたします。

 このたびの新産・工特制度の廃止に当たりましては、地方公共団体が平成十二年度末までに着手した事業について、地方債の発行及び利子補給並びに国庫補助率のかさ上げといった激変緩和のための措置を実施することといたしております。

 また、国土審議会の答申では、新産・工特制度廃止後の地方産業振興は、原則として地方公共団体の判断と責任において行う方向でありますけれども、国は地方の自立的な発展を後押しする観点から、必要な環境整備を行うことといった側面的な支援を行うべきというふうに国土審議会からの御提言をいただいております。

 それで、一極一軸型の国土構造を多軸型の国土構造へ転換しまして地方の振興を図ることは、引き続き堅持すべき政治課題というふうに認識しているところでございまして、地方分権や行政改革等の諸改革に対して行われる、地方の時代と言われる昨今でございますから、国土計画、地方計画全体の見直しの中で、これからの時代に合った地方の振興方策について鋭意検討していきたいと思っております。

川内委員 鋭意検討をしていきたいということは、経過措置の後の具体的な方策についてはまだこれからだという理解でよろしいでしょうか。

板倉政府参考人 今副大臣のおっしゃられたとおりなのでございますが、先ほど副大臣が申されましたように、これからの地域産業の振興策につきましては、地方分権という大きな流れの中で、やはり自治体の創意工夫、地域の実情に合った振興策というのが求められるという観点から、私ども、平成十三年度予算案におきまして、地域における先進的な取り組みというものを公募いたしまして、その中で非常にすぐれた取り組みであるというようなものを集めまして、事例集にいたしまして、それを全国の自治体に周知いたしまして、そういった観点から新しい地方産業の振興策を模索していきたいというふうに考えております。

川内委員 だから、聞いたことに答えていただきたいんですけれども、具体的なことについてはまだこれからなんですねと確認しているわけですから、そうなのか、いや、もう既に次の法律を用意しているのか。

板倉政府参考人 今申し上げましたような調査の実施等を通じまして、これからの地域産業の振興策のあり方については、具体的にはこれから検討させていただくということでございます。

川内委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。地方独自のアイデアとか創意工夫に基づいた産業育成を後押しする、財源的に後押しをするのか、あるいは人的に後押しをするのか、いろいろな方法があろうかと思いますけれども、地方のことは地方にすべて任せるというだけではなくて、やはりみんなが知恵を出し合って、三人寄れば文殊の知恵ですから、ぜひこれからも頑張っていただきたいというふうに思います。

 それから、さっきの政策統括官というのが、ぶり返して申しわけないんですけれども、この国会便覧で大臣官房のところに書いてなくて何で北海道局の後ろに書いてあるのか、どうしてもよくわからないんです。なぜ大臣官房のところに書いてないんでしょうか。それ、だれかわかりますか。

板倉政府参考人 名簿の位置を最後にしてあるという事情は私どもつまびらかではございませんが、少なくとも、その政策統括官というのは、十三局ある各局長それから官房長と全く同格の組織でございます。

川内委員 わかりました。ありがとうございます。

 それで、この政策統括官が指揮する方たちが国土交通省の政策についていかなる評価をしていくかという具体的な仕事の流れ、例えば、きょう、今議論をしておりますこの新産・工特法案とか、あるいは踏切道改良法案とか、こういうものについて、自動的に政策統括官の評価を得た上で国会へ出てくるのか、それともこの政策統括官がどのような仕事をするのかということに関してちょっと興味があるので、教えていただきたいんですけれども。

板倉政府参考人 先生御指摘の詳細につきましては、後刻、改めまして、先生に直接御説明をさせていただきたいと思います。

川内委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして、踏切道の改良促進法改正案についてお尋ねをさせていただきます。

 昭和三十六年に法律が施行されて、今日まで既に七回の期限延長の法改正が行われておるわけでありますが、総論的に、これまでの踏切道の改良の実績についてまずお尋ねをさせていただきます。

安富政府参考人 踏切道の改良促進法が施行されました昭和三十六年から現在までの間に、同法に基づきまして指定しました立体交差化が二千九十九カ所、それから構造改良が三千八百九十三カ所、保安設備の整備が二万七千五百六十三カ所実施しておりますが、いずれも現在のところ九十数%程度の完成ということで達成してきております。これによりまして踏切事故も漸次減少しているということで、その実績は上がっていると我々考えております。

川内委員 踏切道改良実績について、今、大変な実績を上げてきたという御答弁であったわけでありますが、これもやはり、ボトルネック踏切がまだまだ解消できていない現実があるわけでございまして、その辺についても御答弁の中で触れていただくべきではないかな。ただ、やったぞ、やったぞということで御説明をされるというのはどうなのかなという気がしますが、まあ、それはいいです。

 これからいよいよそのボトルネック踏切の解消に向けてこの法律を改正して頑張っていこうという意気込みは伝わってまいりますが、その際に、どうしても役所というところは、単年度主義で、予算を消化しやすいところから手をつける傾向にあるのではないかということをまず御指摘申し上げておきたいというふうに思うわけであります。

 私が何を申し上げたいかというと、立体交差化等によって大きな経済効果が見込まれる地域なり踏切なり、立体交差化していくという難しい仕事へまず積極的にお取り組みを、もちろん今でも取り組んでいるとおっしゃるでしょうが、なお一層のお取り組みが必要なのではないかというふうに思うわけであります。

 対費用効果というふうに申し上げましたけれども、いわば経済効果でありますけれども、これまで改良してきた踏切については、こういう経済効果あるいは対費用効果などを判断の材料にしてきていたのかどうか。また、今後は、どう精密化した指標を用いて事業を推進するおつもりであるのか。この踏切を幾つかまとめて高架化すればこれだけの経済効果があるのだというような具体的な数値を示して御見解を承りたいというふうに思います。

高橋副大臣 今先生の御指摘の点につきましては、けさほど来も多くの委員の方々から指摘されたところでございまして、物流効果、今先生が経済効果とおっしゃられましたが、またそれは地域の生活環境の改善にもつながりますし、そしてまた安全性にもつながっていく大事なものと、ボトルネックの踏切の解消ということは位置づけております。

 今先生は触れられませんでしたが、日本じゅうで一千カ所ボトルネックの踏切解消をしなければならない地域がございますが、例を挙げますと、東京でも三百六十、大阪でも二百というような箇所がございまして、そういうふうな点を十年間で五百カ所減らそう、これでデザインプランをつくろうというのが大臣の意向ですし、今各省庁挙げて努力しているところでございます。

 これはやはり、国土交通省、先ほど、ばかでかい役所ができてという御指摘で、ちょっと御注意いただきましたような面もございますが、これも、鉄道と道路と一緒にできる役所ということをお考えいただきますと、この踏切のネックの解消ということには非常に有効に作用できる、また皆さんのトラブルを解決できる役所と御理解いただきたいわけでございます。今、大臣と副大臣が参議院の予算委員会へ行っておりますので私自身資料を持っておりませんが、記憶の範囲でそう申し上げます。

 我々の意欲は決して人後に落ちない。そして踏切が解決されるということは、先ほどの討論におきましては大深度というふうな問題も、大深度法も通ったことですから、立体交差の上において非常に有効な手段だろう。こういうふうな点を含めて、これからいろいろと研さんしてまいります。御理解いただきたいと思います。

川内委員 高橋副大臣の意欲と決意というものは私にもひしひしと伝わってまいります。ぜひ御努力をいただきたいというふうに思うわけであります。

 参考人の、役所の方々にお伺いをしたいのですけれども、私、この法律の勉強をするに当たって三菱総研さんにちょっとお尋ねをしたところ、三菱総研さんの交通システム部というところが出した「連続立体交差事業の波及効果と地域活性化」という論文を入手いたしました。三輪哲夫さんが書かれている論文で、時間便益とか走行便益というような概念で、非常に難しい数式を用いて、連続立体交差事業を行った場合に、投下したコスト、それから見返りの効果、便益ですね、これを全部お金で換算して、これが一以上になれば連続立体交差事業の非常に有望な対象箇所であるというような論文を読ませていただいたのですけれども、こういう考え方で優先順位をつけて取り組んでいかれるというふうなお考えがあるのかないのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。

大石政府参考人 まさしく先生の御指摘のような考え方で今事業の新規採択を行っております。平成十年度からは事業の新規採択時に評価システムを本格的に導入いたしておりまして、例えば、事業種別ごとに異なるわけでございますが、踏切改良事業でございますと、走行時間の短縮便益、それから走行経費の減少便益、それから交通事故の減少便益等を計算いたしまして、これをもとに事業が採択に値するかどうかを判断しているものでございます。

 今先生から御指摘がございましたこの三輪さんの論文につきましては私どもも見させていただいておりますが、我々が現在とっております便益の調査を行う際に、東京大学の中村先生に御指導いただきながら種々の評価項目を入れてございますが、ほとんど三輪さんの指摘と一致してございました。違うのは一カ所だけでございました。そういう意味で、民間の方々が御主張されているような指標も参考にさせていただきながら、我々内部にそれを取り込んでおるところでございます。

 具体的には、午前中の質問にもございましたが、相模鉄道本線の連続立体交差事業を新規に採択いたすことといたしましたが、これは、費用便益比が、BバイCが二・一ある、総費用が二百六十六億なのに対して総便益が五百五十八億も出るというようなことが試算されております。この試算結果に基づきまして本事業を採択しようと考えたものでございますし、また、この評価は新規採択時に記者発表もさせていただいているところでございます。

川内委員 御丁寧に御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 交通が非常に混雑をして、渋滞が日常的に起こっている、慢性化しているというようなところであればあるほど、恐らくそこを立体交差化すればそれだけの経済効果も見込めるのだろうというふうに思いますので、ぜひそういう観点で、今御答弁をいただいたような観点でお取り組みをいただきたいというふうに思っております。

 こういう観点で、どんどんボトルネック踏切を解消していく、約十年間で半減を目指すということでありますが、それに要する費用はどのくらい見込まれるのか。また、そのうち、特に遮断時間の長いところについては緊急に整備を要するというふうに思いますが、この点についての見解をお伺いしたいというふうに思います。

 また、ボトルネック踏切の解消のための工事中、これも、ふだんから渋滞をしているところを工事するわけですから、さらに渋滞に拍車をかける、工事が終了するまでは渋滞をするというようなことが考えられるわけでありますが、この点についての対策もお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

大石政府参考人 ボトルネック踏切の今後の解消の進め方についてお尋ねでございます。

 ボトルネック踏切は、ピーク時の遮断時間が四十分以上あるいは五万台時以上遮断するという、特に遮断時間の長い踏切でございますので、緊急な整備が必要だと考えてございます。先生からもお話がございました。午前中から答弁させていただいておりますように、今後十年間で約半分を改良するという目標を設定させていただいたところでございます。

 これらのボトルネック踏切の解消を図るための立体交差化事業には、今後十年間で三兆円相当の事業規模が必要だと見込んでおります。このための予算確保も必要だと考えてございます。

 また、工事の方法についても御指摘がございましたが、ボトルネック踏切の解消のための工事には、一時的に仮線の敷設などにより周辺道路の交通規制が必要となりますが、都市部における社会経済活動への影響を最小限にするため、その施工方法等につきまして関係機関と十分調整し、できる限り工期を短縮するなど、必要な措置を講じてまいりたいと考えているところであります。

川内委員 ありがとうございます。

 次に、今回の改正のポイントとして、大臣の裁定制度の導入というのがあるわけでありますが、改良計画の作成に当たって、鉄道事業者と道路管理者との間の協議においてさまざまな点で大変な調整が必要になるということから導入をされたものというふうに理解をしておりますが、これまでの事例の中から、具体的に、こういう場合にこういう裁定をするのだというような形で御説明をいただきたいというふうに思います。

安富政府参考人 これから踏切の改良計画の作成に際して、道路管理者と鉄道事業者の紛争といいますか、どういうことが出てくるかというのは、いろいろな場面があるかと思います。

 一つの場面としては、例えば立体交差化の具体的な構造をどうするか。例えば、先ほどもちょっとお話がございましたが、高架にするのかあるいは地下にするのかといった問題。あるいは、どこまでやるのか、線増も含めてどうするのかといったような問題。さらに、ちょっと細かい話になりますが、踏切道の拡幅をする際に、鉄道事業者としてはぜひ近隣の踏切道を統廃合してほしいというようなことがございますが、そういう際にどこまで統廃合をするのか。あるいは、統廃合なしで拡幅をするのか。いろいろな事象がございますので、それらについて、我々としてはいろいろな状況をかんがみながら、具体的に申請があった場合には裁定をしていきたいというふうに考えております。

川内委員 今の御答弁では、その裁定の内容についてちょっとよくわからなかったのですが、道路局の路政課というところが出している道路行政セミナー二〇〇〇年七月号に「踏切道改良による交通の円滑化」という論文がございますけれども、これによると、「渋滞解消等のために緊急に改良を実施しようとする道路管理者と、改良によるメリットが管理費の減少だけであり緊急性が少ないと考える鉄道事業者の間で、意識のずれがある」ために、踏切道改良が進まなくなっている状況もあるというふうにレポートをしてあるわけでありまして、さらに、鉄道事業者がなかなか重い腰を上げないというか、ぐずぐずするというのは、やはり財政上の理由というものが多く挙げられておりというのがその後ろに書いてあります。

 そうすると、鉄道側費用負担割合の見直しというようなことが裁定の内容に含まれるのかどうかですね。

安富政府参考人 基本的に、連続立体交差あるいは単独立体交差をする場合の道路管理者と鉄道事業者の費用負担というのは原則が決まっております。

 例えば、連続立交ですと、各都市ごとに平均しますと一割というような形ですが、それから単独立交については、当然、受益する部分だけというような形で費用負担が決まっていますので、根本的なところはそれでいくと思いますが、細かいところで、具体的な工事のやり方等で、その費用問題についてもいろいろ問題が生ずるということであれば、そういう点についても両方から十分意見を聞いた上で裁定をしていくということになると思います。

川内委員 原則としてという言葉をお使いになられましたけれども、やはりお金の問題というのが一番大きいと思うのですよ。

 先ほど、経済効果の面から十分に分析をして相模鉄道の例を道路局長お挙げいただいて、BバイCが二・六になる、大変な効果があるからこれはもう積極的にやるのだというようなお話があったわけでありまして、そういう意味では、そういう経済効果の大きい場所について鉄道事業者等がなかなか調整に応じないというような場合には、その原則を曲げる、費用負担一割というものを曲げる可能性があるというふうに理解してよろしいでしょうか。私は曲げた方がいいと思っているのですよ。だから言っているのですから。

安富政府参考人 具体的にどういう状況で鉄道事業者が費用負担の関係でちゅうちょするというか、そういうことは我々としても十分聞いた上で、ただ、原則は一応決まっておりますので、その原則に従って、どういうそれぞれの地域の特殊事情、その事業の特殊事情があるかということを判断していくことになるんじゃないかと思っています。

川内委員 私の質疑の持ち時間が終了いたしました。

 ここで原則を曲げることがあると言ってしまえば、後はもうずるずるになってしまうでしょうからあれですけれども、ぜひ頑張って、渋滞解消あるいは地域の町づくりに貢献をしていただきたいというふうに思います。

 泉副大臣もせっかくお見えいただき、鹿児島のウオーターフロント開発では大変お世話になっておりまして、ありがとうございます。またよろしくお願いします。

 どうもありがとうございました。

赤松委員長 以上で川内博史君の質問は終わりました。

 次に、日森文尋君。

日森委員 社民党の日森文尋でございます。

 大臣がいらっしゃいませんが、私は通告どおり、踏切道改良促進法をお尋ねしたいと思います。

 最初なんですが、これは何度も主張されていますが、一千カ所あるボトルネックの踏切を五百カ所ぐらいに減らしたいという十年間のスパンでの計画が一方ではあって、もう一方では、今回改正されるというか延長される法律は一応五年の時限になっている。法律自体は昭和三十六年以来ずっと五年刻みで来たわけですけれども、計画自体は十年のスパンでつくられている。ここは整合性が一体どうなっているのか。十年間のスパンで半分にしましょう、こう言っているにもかかわらず、それを実行するための法が五年の時限になっている。それについてちょっと理解しがたい点があったのです。

 とりわけ連続立体なんかの関係ですと、国土交通省のお話ですと、つくるのに平均すると大体十四年ぐらいかかると。それくらいかかるわけですね。にもかかわらず五年の時限になっているということについて、最初に御説明いただけますか。

安富政府参考人 この法律での踏切道の改良、これは、連続立体交差だけではなくて、構造改良あるいは保安設備の整備といったことも含めてでございますが、この踏切道の改良につきましては、一定期間ごとに、法に基づく踏切道の改良の進捗状況を検証しつつ、施策の実効性あるいは経済性について検証しようということで、特に緊急に整備する必要があるということで、ある程度集中的に一定の期間を定めて実施するということになっております。

 それともう一つ、実は、この期限設定につきましては、交通事故の防止対策として交通安全基本計画、それから、これに関連します踏切事故防止総合対策というのがございますが、これらの計画が五年計画でございますので、この踏切道改良促進法もそれらの実施手段の一つとして位置づけられているところでございまして、この計画期間に合わせて五カ年ということになっているものでございます。

 ただ、先生おっしゃいますように、立体交差事業自体については、関係者の調整、あるいは工事の事業規模が非常に大きいということもございまして、なかなか五カ年で事業を完了しないということはもちろんございます。

 このようなことから、国土交通省としては、一つの政策目標として、今後十年で約千カ所のボトルネック踏切を約半分にするという目標を掲げておりまして、この目標に向かって、本法案等を活用して、優先度の高いものから順次五カ年ごとに指定していくという考え方に立っておるわけでございます。

日森委員 これはちょっと質問通告はなかったのですが、今、交通安全の基本計画とか踏切事故の総合対策は内閣府ですね。聞きましたら、第七次というのは来年から始まるというのですよ。今第七次の概略だとかということは明らかになっていないのだ、これから検討してつくるのだと。

 今局長は、そこといわばセットで実行する部分としての法律だというふうにおっしゃられたのですが、余りリンクしていないのではないかという気がしたのですね。現実のところどうなのかということが一点。

 それからもう一点は、これは何度も質問に出ていますけれども、そうすると、この五カ年間で解消すべきボトルネック踏切、数などは、優先順位も含めて、これはもう早急に決めていくということでよろしいのでしょうか。

安富政府参考人 例の交通安全基本計画につきましては、実は来年度から、十三年度から実施することになっていまして、我が方としても、三月十六日に閣議報告の予定をしております。

 そういう意味で、この踏切道改良促進法と平仄を合わせた形で、五カ年という形で交通安全基本計画及びそれに基づく踏切事故防止総合対策を実施するということでございます。

日森委員 ぜひ整合性を持って積極的に進めていただきたいと思います。

 二点目に、これも各委員さん御指摘になりましたけれども、財政の問題、やはり大変心配しています。

 十年間で三兆円かかるというお話がございました。三兆円かかる、しかし、今現実に自治体の財政は厳しいというお話がございました。それはもうだれも異存のないところで、それから鉄道事業者の方も決して楽じゃないということがあって、なかなか調整ができないとかいうことがあるのだと思うのです。

 そういう意味では、午前中御答弁あったかもしれませんが、これからの財政見通し、どうやって踏切改良促進のための財源を確保していくのか、それから、現行の負担割合、これについて検討していく考えはあるのかという点について、まずお聞きをしたいと思います。

 それから同時に、保安設備も補助金が出てそれぞれつくられていて、それはそれで大変歓迎すべきことなのですが、実際には、中小私鉄になりますと、補助金でつくられた保安施設、保安設備、これを維持管理するのに大変な金がかかる。どんどん数がふえていくわけですから、そのメンテナンスの金はどんどん膨れていく。それが大変な重荷になっているという声も実際あるわけです。

 メンテナンスまで国の助成を入れるのかということになると、ちょっと待ってくれという話があるかもしれませんが、何か工夫をしていかないと、それでなくても中小私鉄は厳しくなっているのです。しかも、京福電鉄の例なんかもありますよね。事故なんかも起きている。それはもう本当はATSを入れたいけれども金がない、近代化資金でも無理だという話になっているわけです。

 ここら辺の工夫について、何か検討する余地があるのかどうか、お考えをお聞かせください。

板倉政府参考人 連続立体交差事業の地方の財政負担等の問題についてのお尋ねがございました。

 連続立体交差事業というのは、先生もう十分御案内のとおりでございますが、複数の踏切を一挙に除却することによりまして、都市内交通の円滑化を図るとともに、分断された市街地の一体化を実現し、都市の活性化を図る重要な事業であると私ども思っているわけでございます。

 そこで、国側の財政措置といたしましては、十三年度の数字をちょっと簡単に申し上げますと、踏切関係道路予算といたしまして、対前年度比で一・三四倍の二千九百六十三億を確保し、うち、連続立体交差事業につきましては一・一五倍の千三百二十九億を確保しているわけでございます。

 こういったことに加えまして、先ほどから御議論いただいているところでございますが、この連続立体事業というのは、事業期間が非常に長いということと、それから事業規模が大きいということで、特に事業のピーク時に差しかかりますと地方負担が非常にふえるということで、それをできるだけ軽減したいという観点から、平成十三年度予算におきまして、鉄道事業者による立てかえ制度、そして、それに対する低利の融資制度を創設したところでございます。こういった制度の活用によりまして、地方公共団体の事業者負担の平準化をできるだけ図りまして、連立事業の集中投資を可能にしていきたいという工夫を一ついたしております。

 それから、鉄道事業者の負担の問題でございますが、この負担の考え方は、先生御案内のとおり、建運協定というものがございまして、鉄道側と都市側の負担ルールを決めているわけでございます。

 その際の、鉄道事業者の負担の考え方でございますが、一つは、踏切がなくなることによります維持管理費の減少、それから、事故がなくなることによる便益、そしてもう一つは、高架下を貸し付けることによる便益というものに着目いたしまして、私どもは、受益者負担の考え方に立ちまして、鉄道事業者に相応の負担を求めるということで事業を実施しているわけでございます。

 そういうことで、現段階でこの負担割合を変えるということはなかなか難しいのではないかということで、できればこれを維持させていただきたいと思っております。

 いずれにしましても、先ほど申しましたような制度改善等も十分活用しながら、この連立事業に真剣に、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

安富政府参考人 踏切保安設備の整備についての助成制度についてのお尋ねがございましたので、お答えいたしたいと思います。

 現在、踏切保安設備の整備につきましては、経営状態が良好でない鉄道事業者に対しましては、国が二分の一、それから地方自治体が三分の一を限度として補助するということになっていまして、実質上、新設の場合は事業者負担六分の一という状況になっております。

 ただ、先生おっしゃいますように、踏切保安設備の更新については、現在、近代化補助で更新についての補助をしておりますが、これは原則、国、地方がそれぞれ五分の一ということで、五分の三が事業者負担になるということで、ここら辺についてはなかなか厳しいという声も我々も聞いておりますけれども、この財政状況厳しい折でございますので、いろいろな支援制度を活用しながらこの安全対策に鉄道事業者として取り組んでいく、我々もその支援制度の拡充については今後検討していきたいというふうに思っております。

日森委員 自治体負担、事業者負担、これを減らせば国の負担がふえるという格好にしかならないわけですけれども、ぜひいろいろな工夫を凝らして、これはいろいろな委員からも要望があったと思うのですが、ぜひ進めていただきたいと思います。

 三つ目に、今度の改正案、延長されると新しい制度も導入されるわけですが、これに従って、第三条で定める踏切道の指定基準、例えば二万台以上渋滞しちゃうよとか、四十分以上あかないよとか、何か今条件がありますね。この条件を見直すということ、これについてお考えはあるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

安富政府参考人 先生御指摘のように、現行の指定基準は、それぞれ、立体交差化、それから構造改良、保安設備の整備といった改良の方法の種類に応じまして、具体的に踏切交通の遮断量であるとか道路構造の状況、あるいは事故発生の状況等を考慮した基準が定められております。

 今回の法改正にあわせまして、我々として、現在指定基準の見直しを考えておりますが、例えば踏切道内に歩道がない、あるいは歩道が狭小な踏切道については新たに拡幅ができるような指定基準にするとか、あるいは先般から言っております大型遮断桿とか門型警報機といった高規格化された保安設備についても整備の指定の基準に入れるとか、そういうことを今予定しているところでございます。

日森委員 一定基準がないともちろん指定できないわけで、その基準も、緩和すると数がずっとふえちゃうということがあって、なかなか厳しいところだと思うのです。ただ、ちょっと基準を見ていて、おもしろかったと言うと怒られますけれども、事故発生、事故が二度以上起きると基準を満たすような、何かそんなものがありまして、これは踏切も死人が出ないと改善の余地が出てこないのかというふうに、ちょっとうがった見方もしたのですけれども、一回見直してみて、本当に必要のないような基準だとか、あるいはもうちょっと緩和してもいいような基準について、これはお願いですけれども、ぜひ法の改正と同時に行っていただけたらと、こんなふうに思っています。

 四つ目は、これも午前中に恐らくお話が出たと思うのですが、今度新しい制度で、都道府県知事からの申し出制度というのが創設をされました。

 協議の対象は、鉄道事業者、道路管理者、関係市町村長ということになっているのですけれども、例えば、この踏切を直すと周りの踏切を廃止するとか、統廃合の問題も出てくる。一番影響を受けるのは、その改良された踏切を通る人はもちろん利益を受けるわけですが、その結果として踏切が廃止をされたりということになって、そこに住んでいる地域住民が逆に不利益をこうむるという結果も出てくると思うのです。

 そういう意味では、その指定をする段階で、地域住民の意見をどう担保していくのかということが当然必要になると思うのです。それについては具体的に触れていないのですが、国土交通省としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

安富政府参考人 踏切の改良に伴います地域への配慮についてでございますが、特に今回の改正において、近隣踏切道の統廃合状況等、踏切道を取り巻く地域固有の事情を熟知している都道府県知事が、国土交通大臣に対して指定の申し出を行える制度を導入するということにしておりますが、その際、関係市町村に意見を聞くことというふうにしております。それからまた、現在、踏切道調整連絡会議というのがございますが、これも、都道府県知事、都道府県公安委員会と地域の関係者を加えることによって、充実強化していくということにしております。

 この二つの制度の追加といいますか、運用の追加によりまして、今後、踏切道の改良、おっしゃるとおり地域住民の生活に大きな影響を与えるということになりますので、そこに住んでおられる方々の意見を吸収していくことは非常に大事だと思っております。

 そういう意味で、我々としては、一つは、関係市町村がちゃんと地域住民の意見を聞くということをやっていただきたい。あるいは、連絡調整会議において具体的にいろいろな事案が出たときには、その関係住民の意見を聞くこともいろいろ考えていくというようなことで、これらの実際の運用に当たって、関係者を指導してまいりたいというふうに考えております。

日森委員 これは、ちょっと一般論で、お答えいただかなくても結構だと思うのですが、情報公開法ができますね、四月一日から。国民の知る権利をきちんと保障しようということになっていくと、その情報公開と当然セットで、参加ということが求められてくると思うのです。

 それが基本であって、そうすると、実は公共事業全般にも言えることなんですが、これはどこかでしゃべったことがあるのですが、実は計画段階からちゃんと情報を公開して、関係住民あるいは関係者の参加を得て、それをきちんと整理してつくっていくということがあれば、先に行って余り出口でごちゃごちゃもめるとかいうことがないような気がするのです。

 ヨーロッパとかアメリカというのは実に当たり前にそういう制度があるようなんですが、この国は残念ながら、入り口のところで余りちゃんと住民参加をさせない。させないと言うとおかしいけれども、住民が参加できるようなシステムが整っていないわけですね。こういうことが大変問題になっていると思いますので、これはもう踏切だけじゃなくて、国土交通省がおやりになるお仕事全般の、その入り口論をどうやってきちんと整理をしていくかということで御検討いただけたらというふうに思っています。

 続いて、時間がありませんので、ちょっと細かい話で恐縮なんですが、三種、四種という踏切ですね。一種、二種は大分設備が整っているのですが、三種、四種になると非常に保安設備なんかも十分でないということがあります。そこには、緊急発報信号とか発煙筒、こういうものが設置をしてあるのですが、仮に三種、四種のそういう踏切に車が突っ込んで脱輪してしまったりすると、その運転者、私は直接経験がないのですが、友人なんかでそういう人がおりまして、脱輪して、いつ列車が来るかもしれないと思っただけで、気が動転して対応ができなくなっちゃう。非常ボタンがあったり、さっき言いましたように発報信号や発煙筒が置いてあるということすらもう全然頭の中に入ってこなくて、動転したまま、中には車を置いていなくなっちゃうなどという人もいて、それが大変大きな事故につながっていくようなケースがあるというふうに聞いています。

 そういうときに、事故の当事者が動転するのは仕方がないのですが、すぐにわかるような形でこういう装置を置いておくような、あるいは表示をわかりやすいところにしていくなり、それが踏切ごとではなくて、何か統一してそういうことを工夫できないかどうか。大変細かい話で申しわけないのですが、お聞かせいただきたいと思います。

安富政府参考人 今、三種、四種のお話がございましたけれども、現在一種踏切で、障害物検知装置あるいは踏切支障報知装置、非常ボタンですね、そういうものが設置されているものもございます。この非常ボタンの場合に、従来より、蛍光剤の塗布であるとか、あるいは夜間照明でちゃんとわかるようにするとか、あるいは交通安全運動期間の機会にそれぞれ運転手に周知を図るとか、いろいろなことをしてきておりますけれども、ここら辺は今後とも続けていきたいと思います。

 ただ、先生おっしゃいますように、今一種についてはある程度、そういう障害物検知装置でありますとか、それでもまだ一種踏切全体の四分の一ぐらいしか置かれていないという状況でございます。三種、四種についてもそういう設置が望ましいわけですけれども、そういう一種踏切の対応で、なかなかそこまで回らないという点がございます。

 先ほどの発煙筒、そういうものについては、よく事業者に、場所がどこにあるかということを一般の人がよくわかるような表示の仕方というのを工夫するように、また指導していきたいと思っております。

日森委員 関連して、さっき脱輪の話をしましたけれども、大きな踏切、一種、二種では、脱輪をすると、障害物検知装置というのが置かれていて、全部じゃないのでしょうけれども、主要な踏切には置かれていて、それが自動的に検知をされて危険を察知することができるということになっているのですが、三種、四種にはほとんどそういうものが設置をされていない。今お答えになったとおりなんです。

 ただ、障害物検知装置をこういう踏切にも設置しなさいなんていったら膨大な金がかかるわけで、当然鉄道事業者も自治体も嫌だというお話になるのでしょう。だから、もう少し安価で取りつけやすいような、例えば脱輪を検知するような装置について、工夫して設置をするようなことができないのかどうか。それについてお答えいただけますか。

安富政府参考人 先生おっしゃいますように、三種、四種踏切にも適用可能な、安価な検知装置、そういうことについてはまだ現在我々として十分承知しておりませんけれども、そういうものが何らかの形で工夫あるいは開発といいますか、そういうことができると非常に事業者としても助かると思いますので、いろいろな観点から検討してみたいと考えております。

日森委員 どうぞよろしくお願い申し上げます。

 これも恐らく質問が出たかと思いますけれども、この指定のあり方というか、指定を決めるまでの時間が大変かかり過ぎる。これはいろいろな委員さんが御指摘されていました。私も、まさにそのとおりだと思っているのです。

 一九九六年の第十三次構造改良、指定されたのは三年後の一九九九年、第十五次の立体交差化についても、これも三年後の一九九九年に指定される。五年間の法律で、さあ受け付けますといって、指定が決まるのは三年たってからだ、こういうことが現行法の中ではあった。大変遅過ぎるのじゃないのかという気がしてならないのです。ボトルネックがそうですね。ともかく十年間で半分減らしちゃおうとかいう計画があるのですから、それは、法令が始まって三年たたないと指定ができないような対応では極めて不十分だ、こう言わざるを得ないのじゃないかと思っているのです。

 先ほどのお答えで、制度を変えて、いろいろ工夫して、なるべく早く指定ができるようにしたいというお話がございましたけれども、改めてその辺の御見解について伺いたいと思います。

大石政府参考人 先生から御指摘がございましたように、五カ年内に整備すべき踏切の指定が遅いのは事実でございまして、私どももこのようなことは避けていかなければならないと考えてございます。

 現実には、鉄道事業者と道路管理者の事前調整を了している場合に指定してきた経緯がございます。そういったことになっているのは事実でございます。しかしながら、五カ年ごとにすべての踏切改良が完了しているわけではございませんで、新規指定はなくても、法が続く限り事業は進んでいっているものでございます。

 しかし、今般、法律改正によりまして、都道府県知事による指定の申し出制度や国土交通大臣による裁定制度が導入されたことによりまして、鉄道事業者と道路管理者の調整状況に拘束されることなく、地域にとって真に改良が必要な踏切道の指定を速やかに行うことが可能となりましたので、これからは、この制度を活用し、早期の指定を行い、追加指定なども含め、事業化に照らして適時適切なタイミングのよい指定を行っていけるように努力してまいりたいと考えております。

日森委員 確かに、この制度で指定が早くなるということを歓迎はしたいと思うのですが、実際にそうなるかどうかというのは大変心配があるのです。

 今までの制度の中でも、なかなか指定が決まらなかった、九年間たってやっと指定ができた、道路管理者と鉄道事業者で調整ができていったなどという話も伺いましたけれども、結局、何年もそういう作業を続けなきゃいけない。今度の制度になると、その作業を県と市町村とでおやりなさいという話になって、裁定制度がありますけれども、結局下に、調整しなさいという仕事を落としただけじゃないのかという気もするのですよ。

 まとまらなければまとめてあげるよということなんですが、では、大臣の裁定というのは一体どういう場面でどういうふうに行われるのか。そういうガイドラインも何もまだ決まっていないわけでしょう。ケース・バイ・ケースで対応するということになると、実際、県や市町村が調整のための苦労をするだけで、今まで国土交通省が苦労していたことを下請に出したという感じがしないでもないのですが、その辺はどうなんですか。

大石政府参考人 午前中の御質問にも、地方分権時代に、もっと地方の意向を尊重すべきではないかというような御意向がございました。むしろ、国土交通省あるいは国土交通大臣が何らかの関与をすることがよろしくないのではないかといったような趣旨の御質問もあったように記憶がございます。

 しかし、私たち、今回のこの法律改正は、地方に任せてしまおう、我々は知らないというようなことをつくり出そうということで行っているものではございませんで、地域の声をよく聞いて、国土交通省として責任を持って判断すべき部分は国土交通省としてやっていくという姿勢を示すものでございます。下に押しつけて逃げることなく、真に必要な踏切改良が進められるよう、国土交通省挙げて努力してまいりたいと思います。

日森委員 おっしゃるとおりでございまして、金は出すけれども口を出さないという分権の基本的な姿勢に従って、最初に戻りますけれども、負担割合とか、それから原資をきちんと拡大をしていくような努力をしていただくことが一番の調整の早道、そんな気もしていますので、改めてこの場でもお願いをしておきたいと思います。

 時間が少なくなりましたけれども、踏切のバリアフリー化。余りお聞きにならないかもしれませんが、踏切をバリアフリーにしようというのは一体どういうことかというふうにお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、車いすでも、踏切を通らないで通行できればいいのですが、実は必ずしもそういうところだけじゃなくて、むしろ東京都内だけでもボトルネック踏切が三百幾つもあるという状況ですから、障害者、特に視覚障害者、この方々も踏切を利用せざるを得ないのですね。例えば視覚障害者の団体などからは、踏切に点字ブロックをつけてくれないかという要望も具体的にあったりするのですよ。随分改善はされてきているけれども、まだまだ障害者が使う踏切とはほど遠い状況にあるわけですね。

 そういう意味で、国土交通省として、バリアフリーと言っていいのかどうかわかりませんが、こういう障害者に優しい踏切ということについて御検討されたことがあるのでしょうか、お聞きをしたいと思います。

大石政府参考人 先生からお話がございましたように、前後の道路に歩道があって踏切の箇所だけに歩道がないといったような踏切が全国に二千三百も存在いたしております。歩行者の円滑な移動と安全を確保するために踏切道に歩道を整備することは、バリアフリーの観点からも必要不可欠なことだと考えております。

 特に、踏切内の視覚障害者誘導用ブロックの設置につきましては、同趣旨の意見を視覚障害者団体等よりいただいておるところでございまして、現在、このような意見も含めまして、高齢者や身体障害者の方々の意見を伺いながら、バリアフリー化のための道路構造の運用指針の作成を急いでおるところでございます。この運用指針に基づきまして、視覚障害者を初め道路利用者の方々の意見を反映した道路空間のバリアフリー化が進められるよう努力したいと考えております。

日森委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 質問の最後になりますが、私、埼玉に住んでおりまして、埼玉県から資料をいただきました。ボトルネックの踏切が三十七カ所県内にあるそうです。もう既に連続立体かなんかで工事が進んでいるところもございますけれども、これから、私も、できるところでは協力しながら、なるべく指定を受けて改良していくための努力は続けていきたいと思いますが、現在行われている埼玉県内の連続立体の工事、この進捗状況について具体的に最後にお聞かせをいただいて、質問を終わりたいと思います。

板倉政府参考人 お尋ねの埼玉県内におきます現行の計画に基づいて指定された踏切の立体交差化に関する現状でございますけれども、埼玉県内で立体交差化を実施すべき踏切道として指定された箇所が四カ所ございまして、このうち、越谷市の二カ所、東武鉄道伊勢崎線第八十一号踏切道及び第八十四号踏切道につきましては、これは埼玉県が事業主体となって進めている東武鉄道伊勢崎線連続立体交差事業によりまして、十一年度に立体化が完了しております。

 同じく、上里町におけるJR高崎線七本木踏切道につきましても、街路事業により十一年度に立体化が完了しております。

 残る蓮田市のJR宇都宮線鴻巣街道踏切道でございますが、平成七年より街路事業により実施をいたしておりまして、今年度は、用地買収を終えまして、立体化工事に着手したところでございます。今の見通しでは、平成十六年の完成を目途に事業を推進していくというふうに伺っております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

日森委員 どうもありがとうございました。

 質問を終わります。

赤松委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 速記を起こしてください。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後三時四十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時二十分開議

赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより両案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 まず、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について採決をいたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、赤城徳彦君外七名より、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合、保守党及び21世紀クラブの八会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。樽床伸二君。

樽床委員 ただいま議題となりました踏切道改良促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合、保守党及び21世紀クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

 それでは、朗読いたします。

    踏切道改良促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 踏切事故の防止及び交通の円滑化のための緊急的かつ重点的な踏切道の改良を実施するよう努めること。特に、全国に存在する約一千箇所の交通遮断量の著しく多い、いわゆるボトルネック踏切を、今後十年間で半減することを目標に、当面五年間着実に実施できるよう努めること。

 二 踏切保安設備の整備の一層の促進を図るため、政府は、適切に鉄道事業者を指導すること。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立総員。よって、赤城徳彦君外七名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣扇千景君。

扇国務大臣 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案、それにつきまして、本委員会におかれまして熱心に御討議をいただきまして、また、ただいま全会一致をもって可決していただきましたことを深く感謝申し上げたいと存じます。

 今後、審議中における委員会各位の御意見あるいは御高見、そして、ただいまの附帯決議において提起されました、交通遮断量の著しく多い、いわゆるボトルネックの踏切対策の重点施策など、課題につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 なお、ここに、委員長初め各位の御指導、御協力に対し深く感謝を申し上げるとともに、この審議中に、共産党の瀬古先生の部分で、私が年代と賛成を間違えた部分がございますので、その点もおわびして削除していただいて、そして、皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。

 本当にありがとう存じました。(拍手)

    ―――――――――――――

赤松委員長 次に、新産業都市建設促進法等を廃止する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び高齢者の居住の安定確保に関する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣扇千景君。

    ―――――――――――――

 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案

 高齢者の居住の安定確保に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

扇国務大臣 ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。

 住宅金融公庫は、従来より、国民の住宅建設に必要な資金を融通することにより、国民の住生活の安定に大きく寄与しているところでございますけれども、官民の適切な役割分担のもと、国民の住宅取得を促進し、良質な住宅ストックの形成を図っていくためには、諸般の改善措置を講ずることが必要であります。

 この法律案は、このような観点から、今国会に提出されました平成十三年度予算案に盛り込まれている特別割り増し貸付制度の延長、住宅融資保険制度の改善等所要の改正を行うものでございます。

 次に、その要旨を御説明申し上げたいと存じます。

 第一に、国民の住宅取得能力を引き上げ、居住水準の向上を図るために、特別割り増し貸付制度の適用期限を平成十八年三月三十一日までの五年間延長することといたしております。

 第二に、住宅取得者への円滑な資金確保を図るために、金融機関の貸し付けに住宅金融公庫が保険を行う住宅融資保険制度について、保険金のてん補率の引き上げ等を行うことといたしております。

 第三に、住宅市街地における共同建てかえ、マンション建てかえを円滑化するために、高齢者に対する融資については、死亡時に一括償還する方法を導入することとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。

 また、次に、高齢者の居住の安定確保に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げたいと存じます。

 我が国におきましては、急速な高齢化の進展に伴い、高齢者が急速に増加することが見込まれる中、高齢者の身体機能の低下に対応したバリアフリー化された住宅ストックの形成が急がれております。また、高齢者世帯の増加の大部分を占める高齢者単身・夫婦世帯は、民間賃貸住宅市場において入居を敬遠される傾向があり、高齢者が安心して居住できるよう市場環境の整備を進めていくことが重要な課題となっております。

 この法律案は、このような状況を踏まえて、民間活力の活用と既存ストックの有効利用を図りつつ、良好な居住環境を備えた高齢者向け住宅の効率的な供給を促進するとともに、高齢者の入居を受け入れることといたしている賃貸住宅の情報を広く提供するための制度の整備等を図ることにより、高齢者が安心して生活できる居住環境を実現しようとするものでございます。

 次に、その要旨を御説明申し上げます。

 第一に、高齢者の賃貸住宅への円滑な入居を促進するために、高齢者の入居を受け入れることとしている賃貸住宅の登録制度を創設するとともに、登録を受けた賃貸住宅の家賃に係る債務を高齢者居住支援センターが保証できることといたしております。

 第二に、民間主体が都道府県知事の認定を受けて供給するバリアフリー化された高齢者向け優良賃貸住宅について、国、地方公共団体等が補助等による支援を行うことといたしております。

 第三に、地方公共団体等が高齢者向けの優良な賃貸住宅を供給する場合に、国等が補助を行うことができることといたしております。

 第四に、バリアフリー化された賃貸住宅を高齢者の終身にわたって賃貸する場合に、借地借家法の特例として賃借人が死亡したときに終了する旨を定めることができる終身建物賃貸借制度を創設することといたしております。

 第五に、高齢者がみずから居住する住宅について行うバリアフリー改良に対する住宅金融公庫の融資について死亡時に一括償還する方法を導入するとともに、高齢者居住支援センターがこのような償還方法による融資に係る債務を保証できることといたしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。

 以上が、この法案の提案理由及びその要旨でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますように重ねてお願い申し上げて、御報告をさせていただきます。

赤松委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十三日火曜日午前十一時理事会、午前十一時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十二分散会




このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.