衆議院

メインへスキップ



第5号 平成13年3月16日(金曜日)

会議録本文へ
平成十三年三月十六日(金曜日)

    午前十時二分開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 赤城 徳彦君 理事 大村 秀章君

   理事 実川 幸夫君 理事 橘 康太郎君

   理事 玉置 一弥君 理事 樽床 伸二君

   理事 河上 覃雄君 理事 山田 正彦君

      今村 雅弘君    木村 太郎君

      木村 隆秀君    倉田 雅年君

      佐藤 静雄君    坂本 剛二君

      七条  明君    菅  義偉君

      田中 和徳君    中馬 弘毅君

      中本 太衛君    西野あきら君

      林  幹雄君    福井  照君

      古屋 圭司君    堀内 光雄君

      松野 博一君    森  英介君

      山口 泰明君   吉田六左エ門君

      阿久津幸彦君    井上 和雄君

      大谷 信盛君    川内 博史君

      今田 保典君    佐々木秀典君

      永井 英慈君    伴野  豊君

      細川 律夫君    前原 誠司君

      吉田 公一君    井上 義久君

      山岡 賢次君    瀬古由起子君

      藤木 洋子君    山口 富男君

      原  陽子君    日森 文尋君

      保坂 展人君    二階 俊博君

      松浪健四郎君    森田 健作君

    …………………………………

   国土交通大臣       扇  千景君

   国土交通副大臣      高橋 一郎君

   国土交通大臣政務官    今村 雅弘君

   国土交通大臣政務官   吉田六左エ門君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  篠崎 英夫君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長

   )            風岡 典之君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整

   備局長)         板倉 英則君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  三沢  真君

   政府参考人

   (住宅金融公庫総裁)   望月 薫雄君

   政府参考人

   (住宅金融公庫理事)   邊見敬三郎君

   政府参考人

   (住宅金融公庫理事)   山口 完爾君

   国土交通委員会専門員   福田 秀文君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十六日

 辞任         補欠選任

  中馬 弘毅君     森  英介君

  林  幹雄君     七条  明君

  松本 和那君     山口 泰明君

  佐藤 敬夫君     佐々木秀典君

  細川 律夫君     井上 和雄君

  大幡 基夫君     山口 富男君

  保坂 展人君     原  陽子君

  二階 俊博君     松浪健四郎君

同日

 辞任         補欠選任

  七条  明君     林  幹雄君

  森  英介君     中馬 弘毅君

  山口 泰明君     松本 和那君

  井上 和雄君     細川 律夫君

  佐々木秀典君     佐藤 敬夫君

  山口 富男君     藤木 洋子君

  原  陽子君     保坂 展人君

  松浪健四郎君     二階 俊博君

同日

 辞任         補欠選任

  藤木 洋子君     大幡 基夫君

    ―――――――――――――

三月十五日

 公共事業の生活密着型への転換に関する請願(木島日出夫君紹介)(第七〇四号)

 不況打開、国民本位の公共事業と建設産業の民主的転換に関する請願(細野豪志君紹介)(第七七六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)

 高齢者の居住の安定確保に関する法律案(内閣提出第一〇号)






このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び高齢者の居住の安定確保に関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長風岡典之君、都市・地域整備局長板倉英則君、住宅局長三沢真君、厚生労働省健康局長篠崎英夫君、住宅金融公庫総裁望月薫雄君、同理事邊見敬三郎君及び同理事山口完爾君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福井照君。

福井委員 おはようございます。自由民主党の福井照でございます。

 私は、今議題となっております二法案と、そして現下の緊急課題であります景気浮揚の観点から御質問申し上げたいというふうに思います。

 まず大臣に、我が国におけるこれまでの住宅の整備に対する歴史認識及び今後のビジョンいかんということで御質問させていただきたいというふうに思います。

 ちょっと語らせていただきたいと思いますが、なぜ我が国の住宅がかくも悪いのかということにつきましては、我が国の国づくり、まちづくりの文脈から読み解くことができるというふうに考えております。明治以降のいわば遺伝子の刷り込みというものがあると思うんです。

 我が国のまちづくりは、明治二十一年、一八八八年、東京市区改正条例の公布に始まるというふうに言われております。それまでは、明治十七年ぐらいから、元老院におきまして、東京を帝都にするあるいは商都にする、どういうものをどういう順番でつくるかということについて随分議論されたようでございますが、結局、東京府知事の、道路、橋梁、河川はもとなり、道路、橋梁、河川は根本である、一方、水道、家屋、下水は末なり、枝葉末節であるというコンセプトで日本のまちづくりが始まったわけであります。つまり、住宅は枝葉末節であるというところから始まったわけであります。

 ちょうどその百年後、一九八八年、我が国のまちづくりの百周年記念のシンポジウムがございました。そこで、私どもの大先輩でありました井上孝先生、建設省の先輩で前参議院議員の井上孝先生と全く同姓同名の東大名誉教授の井上孝先生、残念ながら、去る二月二十一日にお亡くなりになりましたが、井上孝先生が、この百周年記念シンポジウムでキーノートアドレスをされておられます。基調講演をされておられます。

 ここで先生がおっしゃったのは、次のようなことでございました。

 明治二十一年以降、百周年を経て、結局家屋が末の末であった、つまり、住宅が末の末であったということを嘆くのみであると。よほどの決心がなければ、東京市区改正条例公布二百周年、つまり二百年を記念するシンポジウムにも同じ嘆きを繰り返さざるを得ないのではないかということを強くお嘆きになっておられたのを今のように思い出しております。井上孝先生は、ちょうどラベルの作曲したボレロのように、このフレーズ、道路、橋梁、河川はもとなり、水道、家屋、下水は末なり、家屋は末の末なりということを何回も何回も反復して、同じことだけれども、胸にとめておかなければならないということをおっしゃっておられました。

 今、私たちは、そういうふうに町がつくられてきたということを必ず胸にとどめておかなければならないというふうに思います。それが我が国の、この時代を生きている私たちの責務であるというふうに思います。

 二十世紀は、恐らく百年後、二百年後、いや三百年後の日本の将来から見ても、最も経済的に豊かであったと言われる世紀であろうというふうに言われております。その世紀に残したものが、この程度のインフラであり、この程度の町であり、この程度の国であるということについては、私たちは悔い改め、そして何とかしなければならないというふうに思います。

 今、政治に対する不平不満、国民的な白けが問題になっております。それは洞察力の欠如、ビジョンの欠如、リーダーシップの欠如というのが原因ではないかというふうに言われております。

 ちょっと導入が長くなりましたが、大臣、我が国におけるこれまでの住宅の整備に対するそういった文脈においての歴史認識及び今後のビジョンということで、我が国のトップリーダーであらせられます大臣として、お披瀝をいただきたいというふうに思います。

扇国務大臣 おはようございます。

 皆さん方の御熱心な審議に心から敬意を表しながら、きょうもこうして日本の住宅の基本的な政策のあり方等々を今福井先生からお話をいただきましたけれども、福井先生はもともと旧建設省の御出身で、このことに対しては御造詣が深い、私よりもむしろ詳しくていらっしゃると思っております。

 今責任者としてこうして立っておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思いますことは、今までの歴史は、今福井先生がおっしゃいましたような経過は持っておりますけれども、私は、二十一世紀が幕あけをしたその時点で、我々の住宅政策等々は、二十一世紀は二十世紀と違ってどうあるべきかということは、私たち、きょう皆さん方とも、こうして先生方と先日来御審議いただいておりますときに、明るい二十一世紀の希望というものを持って、しかも欧米先進国並みの広さだけを求めるものではない、品質の確保、あるいは新たに超スピードで、世界に例のないスピードで高齢社会を迎える日本の住宅に対する対応策というものにどう対応していくのか、そういう基本的なことが、私どもに課せられた、今大きな転換期、また政策を立案するときの大事な要点であろうと私は思っております。そういう意味では、今福井先生がおっしゃいました過去の歴史はともかくとして、私は、今新たに、二十一世紀型の住宅のあり方というものに対しては、できる限りの対処をしていこうと。

 しかも、私たちは、広さ中心だけではないと今申しましたけれども、少なくとも一戸当たりの住宅の規模は、九八年でございますけれども、先生御存じのとおり、全国の平均値は九十二平米と、欧米にちょうど肩を並べられるところまで来たなと思います。これは個々の差がございますから、平均では、一応レベルとしてはそこまで来たなと思いますけれども、一般の皆さん方、特に大都市においてはまだそういう感じをお持ちじゃないというのは、日本の地形上やむを得ない。

 また、集中している大都市においては、狭いけれども職場の近くに住みたいというお気持ちは、私はわからないではございません。少しでも通勤時間を少なくすれば家族と触れ合える、子供と触れ合えるということで、それは皆さん方が、選択の余地としてはいろいろ御事情があろうと思いますけれども、一応は平均値としてはそこまできたというのが今の現状であろうと思います。

 けれども、今、広さがやっとここまできたからいいかということではなくて、先ほど私が申しましたような、高齢者への対応、少子化への対応ということで、第八期の住宅建設五カ年計画におきましては、広さのみならず、御存じのとおり、バリアフリー化を目標に挙げました。そのバリアフリー化も、目標とするだけではなくて、目標値も決めました。二〇一五年までに少なくとも四割をバリアフリー化しようという目標値も明示いたしましたので、これは確実に実行してまいりたいと思います。

 また、あわせて、福祉との連携を推進するという面におきましては、高齢者の賃貸住宅に関しましては、少なくとも五年間で十一万戸の優良な賃貸住宅を高齢者向けに建設しようということも、きちんと数値を出して目標を立てました。あるいは福祉の面でも、そしてバリアフリー化をしたソフトの面でも、二十一世紀型の住宅というものの促進に我々は努力していきたいと思っていますので、そういう姿であるということを御報告申し上げます。

福井委員 ありがとうございました。

 次なる質問の部分のお答えもいただいたような気もしますが、高齢者の居住ニーズについて御質問させていただきたいというふうに思います。

 おととい大臣の方から、大臣は三世帯住宅にお住まいだということで、大変すばらしいと思います。

 関東大震災の後、同潤会アパートというのを建てまして、ちょうど表参道にもありますけれども、その同潤会アパートは、同じ間取りをずっとつくったのではなくて、一人用、二人用、そして御老人用、四人家族用ということで、しかもコミュニティースペースもある、そのミックスしたアパートで関東大震災で被害に遭われた方を収容させていただいたという歴史もあるわけです。

 それから、日本語の手話で、幸せというのは、長いあごひげをこうやってなでますが、その語源は、中国の古老があごをゆっくりなでまして、余は満足じゃ、余は幸せだというふうに思っていらっしゃるという姿が語源だそうでございます。その中国の古老の目の前には大家族がいらっしゃって、その町の人々、その国の人々全体が、時々はけんかしながらでも幸せに暮らしているというのを見て初めて幸せだと思うことが日本語の手話の幸せという語源だという、私たちアジアの住まい方、生きざまの原点を考えて、その原点に立った上で、今般のこの日本、高齢者の居住ニーズについてどのようにお考えかということについて御質問させていただければというふうに思います。

扇国務大臣 今、居住のニーズはどうあるべきか、またそれをどのように受け入れるかということですけれども、今福井先生から私も初めてこの幸せというのを聞きましたので、これからはこういうふうにできるような社会をつくっていきたいと思っております。

 先ほども私申しましたように、急速に高齢化が進んでおりますので、少なくともバリアフリー化、あるいは今先生に言っていただきましたような同居、それから子供の近くに住むという近居、そういう意味での多様な住まい方への対応というものをしていかなければならない。また、福祉の面と連携しながら、昨日もお答えしたのですけれども、厚生労働大臣等々とも福祉を加味した住宅というものをつくっていかなければならない。また、そうすることが、よりお年寄りが長生きしていただいて、希望を持って、しかも安心して住んでいただけることに大きく寄与するものと私は認識しております。

 このためには、これまでも、御存じのとおり、住宅金融公庫の融資の活用あるいは公共賃貸住宅の供給等々、できることはニーズへの対応をしてまいりましたけれども、今般は、これに加えまして、住宅の取得資金の贈与に関する特例に関して、また建てかえや増改築を適用対象に加える等、二世帯の住宅の整備の促進にも資するということで、これは私、昨年の、当時の建設大臣就任以来から申し上げてきたことでございますけれども、今度、大方の皆さんの、各党の税調等々の御相談をいただきまして、こういうことを法案として出せるということに至ったことに対しては、私は本当に喜んでおります。これが二十一世紀型であろうと思っております。

 高齢社会で、年をとるだけではない、豊かに、そして安心をして暮らしていただけるという原点のために、そして今の経済状況を喚起する。六十五歳以上の人たちが一番預貯金を持っている。けれども、一緒に住むということで、二世帯同居ということで、その資金を建て増しにもあるいは新築にも使っていただける。今までは新築以外は適用されなかったわけですけれども、増改築にも使えるというところが今度の二十一世紀型のこの制度であるということはぜひ御理解賜って、皆さんにお喜びいただいて、皆さん方のニーズにこたえ得るようなものであるということをぜひ御認識賜りたいと思います。

 バリアフリー化等々は先ほど既に申しましたので省きますけれども、そういう意味での新しい二十一世紀型の住宅の促進のための後押しができる、また底上げができるということで、私たちは努力してまいりたいと思っております。

福井委員 ありがとうございました。

 元建設省職員として申し上げるならば、私たちは現場主義でございまして、極端に言うと、現場で起こっていることだけが真実という態度でやってきたつもりでございます。今大臣が率いていらっしゃる建設省の職員も、そして県庁、市役所の土木建築部関係の職員も、住宅金融公庫を初め公団公庫の皆さん方も、本当に毎日一生懸命、こうやって国会質問があると徹夜して答弁をつくらせていただいて頑張ってきておりますので、役所はいかぬとか、もちろんお役所仕事は改めなければなりませんけれども、いわれない批判に対しての対処をぜひよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

 次に、高齢者の安心と景気浮揚という二つの観点から、中心市街地の活性化ということで御質問させていただきたいというふうに思います。

 大切な場になっているはずの地方都市の中心市街地、東京でも大阪でも名古屋でも、商店街が日本の辞書から消えて、閉店街とかシャッター通りとかいう言葉が辞書に載るような、そんな時代になってきております。まさに危機的な状態であるということで、アメリカでも一九八〇年代の後半からDIDと呼ばれるもの、そしてイギリスでタウン・センター・マネジメントと言われるものを、すぐ日本が輸入して、地方都市中心市街地の再活性化ということで自民党の政調でもやらせていただきましたが、何となく昨今、国民的な運動にしようというような意気込みが薄れてきているような印象を受けますけれども、そこら辺のところ、現状と課題、そして今後の取り組みということで都市地域整備局長様からお披瀝をいただきたいというふうに思います。

板倉政府参考人 中心市街地の活性化についてのお尋ねでございます。

 私ども、この問題につきましては、都市政策上大変重要な課題と認識しているわけでございまして、平成十年七月に施行されましたいわゆる中心市街地活性化法に基づきまして、これまでのところ三百六十五市町村から三百七十二の基本計画が提出されたところでございます。

 国におきましては、これらの市町村の取り組みに対しまして重点的な支援を行うため、関係八府省庁から成る中心市街地活性化府省庁連絡協議会を設置いたしまして、関係府省庁の緊密な連携を図っているところでございます。

 また、関係府省庁共同の市町村に対する統一的な窓口といたしまして中心市街地活性化推進室を設置いたしまして、これまでに約七千件近い相談、照会を受け付けておりますが、そのほか、ホームページの開設あるいは関係府省庁統一パンフレットの配布等に努めてきたところでございます。

 国土交通省におきましては、基本計画に基づきまして、区画整理、再開発等の面整備あるいはまちづくり総合支援事業、それから道路、公園等の都市基盤施設の整備等に重点的に取り組んでいるところでございます。

 こういったハードの取り組みに加えまして、やはりこれからは商業、業務、文化、交流等のさまざまな都市活動の活性化を図るソフト施策を一体的に推進することが重要と考えておりますが、先生よく御案内のとおり、特に中心市街地に人の住まいが非常に減っておりますので、こうした一たん郊外部に散らばった居住機能を中心市街地に呼び込むということに加えまして、デイケアセンターなどの福祉施設あるいは図書館などの公益施設といった人の集まる施設をこの中心市街地に呼び込む施策が極めて重要と認識している次第でございます。

 いずれにしましても、関係府省庁と連携いたしまして、地域の特性を踏まえ、地域の創意工夫を生かした中心市街地の活性化の推進に努めてまいりますが、私どもこれまでの三年足らずの経験からいたしまして、商店街と市町村が一体となった熱心な取り組みが成果を上げているということでございますので、そういった点に着目しまして、国もそうした取り組みに重点的に支援を行ってまいりたいと考えております。

福井委員 ありがとうございました。ぜひ、なお一層よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

 次に、同じような文脈で、木密、木造密集市街地、木造賃貸住宅などが密集しております、四メーター道路もない、二項道路だけの市街地の整備について、現状とこれまでの取り組みの実績、そして今後の展望をお伺いしたいというふうに思います。

 まさに、木造密集市街地は二十世紀の負の遺産とでも呼ばれるものでございまして、大臣よく御存じの神戸の木造密集市街地が壊れまして、自分の家の下敷きになって御老人がお亡くなりになった。しかも、多分、即死ではなくて何時間か息があったという非常に気の毒な、御老人ですから二階に上がれないから一階で亡くなったというような、そういう市街地が神戸にもあったわけですけれども、木造密集市街地の解消に向けてどのような取り組みをなさっているか、住宅局長から教えていただきたいと思います。

三沢政府参考人 木造密集市街地の解消についての御質問でございますが、これにつきましては、従来からいろいろな再開発事業等の事業手法を活用いたしまして、いろいろ整備改善を推進しているところでございますけれども、現状で申しますと、我が国には防災上危険な密集市街地が、全国で約二万五千ヘクタールという推計がございますが、かなり広範に存在しているというのが現状でございます。

 このため、従来から、いろいろな事業を活用するということで、例えばそういう事業予算についても大幅に増額し、いわゆるそういう事業地区についてもかなりふやしてきているというのが現状でございます。それから、融資でも、そういうことに対応できるような、金融公庫の都市居住再生融資制度と呼んでおりますが、そういう制度を創設する。あるいは、平成九年度に密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律を制定いただきまして、これに基づいて防災再開発促進地区を都道府県が定めるということになっておりますけれども、現在まで百六地区の指定が進んでいる、こういう現状でございます。

 これは、先生御承知のとおり、やはり公共団体における重点的、計画的な取り組みというのが非常に大事でございまして、今回新たにスタートいたします第八期の住宅建設五カ年計画の中でも、そういう公共団体の取り組みを支援するという観点から、「緊急に改善すべき密集住宅市街地の基準」というのを一つの目安としてお示しいたしまして、これに基づきましてそれぞれの公共団体のいろいろな取り組みを支援していこうということで、さらにいろいろな事業制度、融資制度も活用しながら積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

福井委員 ありがとうございました。

 次に、不動産の流動化という観点から御質問させていただきたいというふうに思います。

 有楽町に西武と阪急のデパートがございますが、有楽町マリオンと言われている敷地、これを実は土地区画整理事業で敷地整備したということがございます。これをプロトタイプといたしまして、敷地整序型土地区画整理事業、道路も公園も下水道もつくらないんだけれども、その敷地を整備する、いわば不良債権をきれいにして、買い残ったというか、自分は動くのは嫌だとおっしゃっている方を少しまとめて、ビルでもアパートでも建てられるような、そういう敷地整備をすることを行政の目的にした土地区画整理事業ができておりますけれども、これまでの実績、そして今後の展望をお伺いしたいというふうに思います。

 つまり、この東京、建設業界を中心として、恐らくいろいろな会社が持っていらっしゃる不良債権がまだまだ残っているという観点で、この事業をもっと伸ばさなければならないのではないかという観点から御質問させていただきたいというふうに思います。同じく都市・地域整備局長から、よろしくお願いいたします。

板倉政府参考人 制度をおつくりになった先生からの御質問でございますので、いささか気が引けるわけでございますが。

 先生御案内のとおり、従来の区画整理は、どちらかというと新市街地を想定したものであったわけでございますが、これからは、先生がおっしゃるとおり、重点が既成市街地にシフトしていく。そういった観点から、敷地整序型土地区画整理事業は、既成市街地に散在した地上げされたような低未利用地あるいは不整形地を、区画整理の換地手法を活用しまして、集約、入れかえすることによりまして敷地を整序し、そして土地の有効・高度利用を図るということを目的としまして、ちょうど先生が建設省に御在職の平成九年に、技術的基準の弾力化を図るということによりまして創設された事業と伺っております。

 これまでの実績といたしましては、東京都区部を中心に、芝三丁目東地区、それから新宿・富久町ほか約十地区において実施されてきたところでございます。

 本事業は、民間による都市開発投資の拡大、誘導を図る上でも極めて有効な手法であると私どもは認識しておりまして、今後、事業推進のための指針を、推進マニュアルといったものでございますが、四月中にも策定することとしておりまして、現在準備中でございますが、これからも、地方公共団体及び民間事業者に対しまして、既成市街地の都市再生を図る手法、さらに民間事業者とタイアップして進める手法として大いに推奨しまして、本事業のさらなる普及推進に努めてまいりたいと考えております。

福井委員 ありがとうございました。

 できた当時から、まだ多分残っていると思いますが、二つの離れた区域同士の換地という意味では、まだ課題としては残されていると思いますので、ぜひそういう点も今後御検討いただきたいというふうに思います。

 そして、もう一つ。不動産の流動化という意味で、不動産の証券化、これは全く新しい分野をつくり出すということで、随分御議論いただいて、もう既にできております。何社かそういう会社も立ち上げて事業が動いていると思いますが、総合政策局長様からその取り組み状況をお伺いしたいというふうに思います。

風岡政府参考人 不動産の証券化につきましては、さきの与党三党の緊急経済対策にも土地の流動化の大きな柱として取り上げられたところでございます。

 先生御案内のとおり、この証券化を進めるということは、個人金融資産を不動産市場に振り向けるということで、ある意味では強力な需要の喚起ということにつながっておりますし、また、民間資金を使って優良な都市ストックを形成できる、経済対策としても非常に意味があるというふうに考えております。

 既に、制度としましては、昨年の十二月の時点でいろいろな制度がほぼ出そろいました。現在、御指摘いただきましたような形で、不動産ファンドを運用する二社が既に運用会社としての認可を受けておりますし、不動産ファンドの立ち上げに向けての準備が着々と進んできております。そのほか、数社も認可を受けるような準備をしているというように聞いております。

 私どもとしましては、こういったものを進めていくための環境整備ということが非常に重要でありまして、この一つは、不動産の流動化のための税制措置ということであります。既に、登録免許税、不動産取得税につきましての軽減措置ということで、十三年度の税制改正法案を御審議いただいているところでありまして、これを活用すること。また、流動化を図っていくためには、流通を図っていくためには上場するということが非常に重要でございますので、そういったものを進めていくことも必要であります。

 さらに、こういったものを普及するためには、いろいろな投資家の相談に乗るような不動産投資顧問業というものを育成することが必要でありますし、また、投資家にとっても事業者にとっても、どういう形で投資をできるのかという客観的な指標としての不動産インデックスの整備というようなものも必要だ。そんなことにつきまして、私どもの立場としても積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。

福井委員 ありがとうございました。

 ちょっと時間も迫ってまいりましたので、邊見理事にお伺いしたいと思います。

 事象としては日本全体のレベルからすると小さいかもしれませんが、非常に問題が構造的で、しかも不動産流動化について、不動産の流動が善であるというこの危機的な経済状況において、どうも役所的な仕事、あるいは役所が足を引っ張っているのではないかと思われる事象がございましたので、あえてお伺いしたいというふうに思います。

 不孝なことに返済が滞るような事態をお迎えになったローンを借りた方、返済の滞っていらっしゃる債務者が担保物件を任意に売却する場合に、もちろん公庫が一番なわけでございますけれども、後順位の抵当権者が抵当権の抹消に応じないケースがふえているとお伺いしております。年間千件内外かもしれません。

 一件当たりの金額は数百万から数千万という程度かもしれませんが、あえて、公庫もオーケー、そして三位、四位、五位、六位のプライベートバンクの方もオーケーなのに、もちろん年金が非常に苦しいことはよくわかっておりますけれども、年金福祉事業団の関係の方だけが抹消に応じないという事象があるということは、今般のこの不動産流動化が必要であるという景気浮揚の、政府全体で頑張っているというときにいかがかと思いますので、あえて厚生労働省の方にはお伺いしませんが、公庫の邊見理事から状況をお伺いしたいというふうに思います。

邊見政府参考人 公庫では、債務者から残債務の弁済のために担保物件を任意売却したいという申し出がありました場合には、競売処分するよりも有利な金額で売却できる、あるいは債務者の生活再建にとっても役立つと考えられる場合には、抵当権の抹消に弾力的に応じているところでございます。

 任意売却は、本来、債務者自身が発意し権利者との調整を行うべきものでありますが、実際の事務処理におきましては、債務者から公庫に対し、公庫以外の抵当権者との調整の依頼がなされることもあります。そういう場合には、公庫から他の抵当権者への状況説明などを行うことがございます。

 しかしながら、任意売却におきます抵当権の抹消は、法的な強制力がないため、公庫以外の抵当権者の同意を求めることにつきましては、おのずと限界があるということも御理解いただきたいと存じます。

福井委員 ありがとうございました。

 持ち時間が終了いたしましたけれども、大臣に、最後に、住宅金融公庫は、長期、固定、低利の安定的な資金供給、国民的なニーズにこたえていて、頑張っているということでございますので、今後とも、公庫のことも含めて、国土交通省のお引き立てをよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。

赤松委員長 次に、樽床伸二君。

樽床委員 先日来より、私ども、二人ほど質疑をさせていただいておりますので、その前回の質問の足らざるところをさらにお聞かせをいただきたいなどなど、いろいろ含めまして、通告しております質問の順序が若干前後いたすかもわかりませんが、よろしくお願いを申し上げます。

 まずお聞きしたいのですが、この住宅金融公庫の問題につきましては、公が乗り出していく、こういう部分の問題であります。少し学者的な話になって恐縮ではありますが、公が乗り出していく場合には、市場の失敗というものがあるから公が乗り出していくんだ、これが大体一般的な考え方でありますが、その反面、市場の失敗ということは常に言われるのですが、政府の失敗ということについてはほとんど余り議論はされていないというふうに思っております。

 このあたりのことにつきまして、まず政府の認識をお聞かせいただきたいと思います。

扇国務大臣 今樽床先生が冒頭におっしゃいましたように、市場の失敗と政府の失敗、これは申し上げるまでもなく、政府の失敗、市場の失敗という前に、少なくとも市場の原理というものが私は原則としてあろうと思います。

 先生御認識のとおり、市場の原理というものは、供給者が自由な競争により、あるいは需要者が消費者主権によりまして、自由な価格の設定が行われる、そういう市場を通じて資源配分が実現されるという市場原理としての基本がまずあって、そこから初めて今先生がおっしゃいましたような市場原理の失敗とか、あるいは政府の対応の失敗等々が議論されるところであろうと思いますけれども、今、市場原理に関しましては先生がお話しでございましたから、重ねて申し上げることもございません。

 しかしながら、市場原理に任せるだけでは望ましい資源配分が行われない、そういうことから、今先生がおっしゃったいわゆる市場原理の失敗が発生する。そういうことがあるために、政府には、市場の失敗に対応したセーフティーネットの整備、あるいは市場が機能を発揮する環境整備、そしてまたルールづくり、あるいはインフラ整備など、そういうものが私は期待されているんだと思います。まず市場原理の失敗というものがあって初めて政府が、もう今先生がおっしゃったとおりでございますので、私はそういうふうに動いてきたと思っておりますし、また、そうしなければ、私は、市場原理と政府原理、基本原理というものからの建前からしてもそうあるべきであろうということは、先生がおっしゃるとおりであろうと思っております。

 私たちはこれらの基本原理を踏まえまして、住宅の政策に当たっては、今までいろいろなことをしてまいりましたけれども、基本的には住宅というものは私的財産でございます。ですから、私的財産であることから、市場原理を活用して、市場を通じた住宅整備が基本というのは、これは先生が先ほどおっしゃった市場原理というものの基本でございますので、私は、住宅の弱者等に対しては、先ほど申しましたセーフティーネットとして、公営住宅の供給や、民間では供給されない、要するに長期、そして固定、そして低利の住宅金融公庫の融資など、市場を補完する、あるいは誘導するという意味で公庫の政策というものが実施されてきた、そう思っております。

 住宅の性能評価等々に関しましてはまた御質問があろうと思いますけれども、市場原理ということに対しては、そういう考え方で政府はやってきたということだけは申し上げておきたいと思います。

樽床委員 基本的な考え方といたしましては、私は今大臣がおっしゃったとおりだと思います。

 問題は、そういう考えでずっといくときに、政府は最初はよかれと思って乗り出す、最初は民間がまだ育っていないから、このまま市場原理に任せておけば、これはどうもうまくいかぬ、だから足らざるところを政府が補っていきましょうと。しかし、それは子供の成長と一緒でありまして、どんどん子供が育っていく、そうすると、いつまでたっても親が手とり足とりしておりますと、子供もろくなものには育たぬ、こういうこともあります。

 そういう過程の中で、ずっと最初のあり方を続けてきたがゆえに、逆にその結果として、悪意はないけれども、市場原理がうまく発達していくのを妨げるということに政府のあり方がなっていってやしないかということを大変強く我々は懸念をするわけであります。そうならないように、今最後におっしゃった、住宅は私的財産である、だから民間がきちっとやって、それのどうしようもないところを政府がお助けをする、こういうことから少しずれてきてはいませんかというのが我々の基本認識であるということをまず冒頭に申し上げたい、このように思っております。

 そういう点からいきますと、非常に細かい話は全部横に置いておきまして、第八期の住宅建設五カ年計画、これは平成十三年度、つまり来年度から五年間の住宅計画でありますが、こういう広い住宅をつくりますとか、それは結構なんでありますけれども、住宅の総建設戸数の目標が六百四十万戸であります。そのうち、公的資金による住宅建設戸数が三百二十五万戸を目標にしている。つまり、総建設戸数の目標の半分以上を公的資金による建設にするんだと、政府が五カ年計画でこう言っているんですね。

 民間を生かす、民間の力を強めようと言っている割には、これから始まる五カ年計画で全体の半分は公的にやるんですよということをもうここで宣言しているようなものでありまして、これは少し、今おっしゃった民業補完ということから、基本的なスタートから、この十三年度の計画のスタートから外れてはいやしないかというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。

扇国務大臣 今おっしゃったように、官が民を圧迫する、端的な言い方をすればそういうことになるわけでございますけれども、私は、国民の皆さん方のニーズというものは、民間と公庫の融資というもののどちらを選ばれるかというのは、もちろん個々の皆さん方の選択にはよりますけれども、民間では、申し込んだときのいろいろな制約というものがございます。それは昨日も私ちらっと申し上げましたけれども、民間の皆さん方に住宅ローンの融資を申し込みに行っても、会社の名前を書け、会社の資本金は幾らだ、どんな職業なんだ、そして役職は何なんだと、あらゆることで手間暇、そして何か身内を全部調べられているような、自分の体を裸にされるようなことを全部書き込まなければ借りられないというようなこともございます。

 そういう意味では、公庫のきちんとした三十五年にも及ぶ固定金利というものからすれば、やはり国民の皆さんがどちらを選ぶかというときには、どうしてもまだ公庫の必要性というもので、私は目標としてはこれだけの戸数をしますということで、しなくなればもっといいことかもしれませんけれども、今樽床先生がおっしゃったように、もう成長しちゃった、何も要らないよとおっしゃれば、私はまた考え方も変わると思いますけれども、現段階では、まだ国民の皆さんのニーズがあるという点だけは御理解賜りたいと思います。

樽床委員 細かい話をするのは余り好きではありませんが、今、長期、固定、低利、こういうお話がありました。この住宅金融公庫については、先ほどの福井委員の最後の指摘にも長期、固定そして低利、こういうお話がありましたけれども、本当にそうなのかなということを今のお話を聞いていても実は思うんですね。

 政府側の参考人でも結構なんですけれども、これはもうだれでも知っている当たり前の制度でありますが、今基本融資額では、最初の十年まで二・五五でしょう。十一年目から四%になる。もう既にここで固定でないわけですね。要するに、一段、だあんと段階が上がっているわけであります。

 例えば、三十五年が長期であって三十年が長期でない、こういうふうにはなかなか言えないわけでありまして、一年と三十五年と言われれば、それはそうだなと思うんですが、民間も三十年ぐらいまでは多少金利が高くなってもできるであろう、こういうことではないのかなと。

 一つの銀行でありますが、日本ではだれでも名前を知っている都銀では、二十年は十分いけると。二十年の場合は金利が上がるので四%を超えるけれども、二十年はいけますと。こういうことで、一年から二十年まで非常に段階的に利率は上がっていくけれども、整えている。そうすると、二十年と三十五年ということの違いが中期と長期の違いなのかよくわからない。

 さらには、低利と言いますけれども、民間も、そういうことでいくと、短期でありますと、今の二・五五よりもまだ安い金利もある。しかも、せんだっての議論でもありましたように、借りている人は、恐らく、十年以内に、安い金利のときにもう先に返しちゃおう、こういうことで、十一年目から四%になる前に返してしまうという方もかなりたくさんおられるだろう、私はこのように思います。

 こういうふうにいろいろ考えると、ちょっと言葉が出過ぎるかもわかりませんが、長期、固定、低利、こう言われるとだれしも文句を言えないのですけれども、実態が本当にそういうふうになっているのかなということについて、私はどうも前々から疑問に思っておりまして、このあたりのことについて、どのようにお考えでございましょうか。

扇国務大臣 今樽床先生のおっしゃったことは、皆さんだれしも、ああ本当だな、何となく民間と公庫と余り大差ないなというふうにお話だけ聞いていると思うんですけれども、そうではなくて、私は中立的な立場ですから公庫の宣伝をするわけでも全然ございませんが、ただ、先生がおっしゃいました十年と二十五年ということになれば、あるいは三十五年はもっと長いじゃないかとおっしゃいますけれども、私どもは平均値をとっております。

 今先生がおっしゃいますように、民間の場合はどうかということでございますけれども、民間の場合は、三年間の住宅ローンの場合は二・二五%、五年の固定で二・六五、十年の固定で三・三五ということになっていますけれども、変動の金利相場制でございますから、変動の場合の例をとってみますと、一九八〇年代は六・六六%でございました。そして、一九九〇年代は四・三九%でございます。先生御存じのとおりでございますけれども、公庫の場合は三十五年間で二・五五でございます。ただ、十一年目には四・〇になりますけれども、ずっと平均値をとっていきますと、やはり苦しいなという点は必ずあるわけでございますね。

 それと、もう一つ大事なことは、公庫の利用者は中堅勤労者が中心だということ。そういう意味でも、庶民の味方だということがあるものでございますから、そのことをちょっと言わせていただきます。

 金融公庫の、年収八百万円を下回る利用者の割合というのがございます。金融公庫の融資、八百万以下の人は八一・九%御利用いただいているのです。ところが、民間の住宅ローンでは、この八百万円を下回る人は五〇・九%でございます。そして、年収一千万円を上回りますと、公庫を利用する人たちは七・六%しかいないのですね。そして、特に一千万円を上回ったときには、民間の住宅ローン利用者は三二・一%とはっきりと数字が出てくるものですから、私は、少なくとも八百万以下の皆さん方の八一・九%が公庫を御利用いただいているという数字から見ても、金利の固定の安心さと、そして皆さん方に借りやすい、いわゆる庶民の味方という言い方が適切かどうかわかりませんけれども、私は、中堅勤労者の御利用が、特に八百万以下の皆さん方には喜んでいただいているというふうに信じていますので、その辺もあわせて御検討賜ればありがたいと思います。

樽床委員 今の点につきまして、また後ほどもうちょっと詳しくお聞かせいただきたいと思っておりますが、今大臣がおっしゃった点からいきますと、それはよくわかります。私はそれを何ら否定するものではありません。要は民間を、育つのを妨げてはいないのか、こういう視点を私は強く申し上げておるわけであります。

 確かに今は、全体の金利水準が下がっていますから公庫よりも低い、昔のようにもっと預金者も喜ぶような金利のときにはうんと高い、これは民間ですから、そういう上下があるのは私も当然知っております。そういう中で、どこでうまくベストミックスが、それは人間社会ですから、ないとは思いますけれども、そういう方向に向けていっているのかなということに対して私は疑問を呈しておるということであります。

 その一つの実例といいますか、これは結果論になるかもわかりませんが、シェアが、当初まだまだ民間が育っていないときに公的資金が全体に占める割合があった。それが徐々に減りながら、民間の割合もふえていっている。

 民間をうまく公庫が補完しているというのであるならば、それは結構ですね、このように私は申し上げたいわけでありますが、私が知っている限りにおきましては、一九七八年からの数字でありますけれども、一九七八年に住宅金融の中における公的な割合は二三%でした。それがバブルの前に、四〇%を超えるまでずっと拡大をしていっている。バブルが終わってからもまだ拡大をしていって、今は住宅金融全体に占める公的金融の割合が四六%を超える。こういうことになっております。

 民間の割合は、一九七八年には七七%近くあった、それがどんどん減って、今は五三%半ば、こういう割合で、住宅金融のシェアの中で公的機関のシェアがふえ続けている、そして民間のシェアが減り続けている、これは一つの現実であります。

 このように考えると、この数字が物語っているのは、大臣がおっしゃった、公庫を全面否定するものではないが、民間をお助けしますよという結果になっていないというふうに思わざるを得ない、このあたり、どうお考えでございましょうか。

三沢政府参考人 今先生御指摘のとおり、統計的な数字を見ますと、ストックベースでの公的な住宅ローンの貸出残高のシェアは、おおむね増加してきているというのが事実でございます。これはもう先生御承知のとおり、戦後間もなく民間住宅ローンは未成熟であったというところから、財投資金を活用して、公庫の直接融資を中心として住宅金融が発達してきたという歴史がございます。

 それで、貸出残高と、もう一つ、フローベースで見させていただきますと、各年度の新規貸出額を見ますと、正直申し上げまして、民間住宅ローンの新規貸出額というのは、年度によって非常に大きく変動しているというのは事実でございます。例えば、不況期でありますと、新規貸出額が大きく減退して、フローベースで見ると公的なローンのシェアが四割ぐらいまで上がる。逆に、非常に好況期には三割ぐらいまで下がる。そういうようなことを一つの波で繰り返しているわけでございます。

 一方、その結果として、では何で貸出残高がどんどん伸びてきているかということでございますけれども、一つは、やはり、公庫の方でたび重なる経済対策の要請に応じて公庫融資を積極的に行ってきた、こういうこともあるかと思います。もう一つは、やはり償還期間が、最近では民間でも長くなってきたと先生言われましたけれども、過去の住宅ローンは、期間というのは比較的短いものが中心で、残高の差といいますか、公庫の方は、どうしてもストックとしての残高は累積して残っていく、こういうようなこともあるんじゃないかと思っております。

 そういうことで、先ほど申し上げましたように、フローベースで非常に変動するところも安定的に供給している、そういうところにおいては、やはり本来の、市場の補完といいますか民間の補完ということを果たしてきているというふうに考えております。

樽床委員 当然、社会には景気変動がありますから、その景気にのっとって変動するのは当たり前の話であります。この景気対策についてはいろいろ意見がありますからそれは横に置いておきまして、景気対策で、あるときにどっと突っ込んで、あるときには引き揚げる、こういうことが機敏にできればそれはいいんです。そういうのに沿って変動しながらいっているんですと。それはそれで私は全然文句を言っていない。

 問題は、上がり下がりしながらもずっとトレンドとして上がっているという長期トレンドがあるんではないですか、ここが長期的に民間を育成しようということと矛盾してはいないかということを申し上げているわけでありまして、この点はいかがでございましょうか。

三沢政府参考人 どちらかといいますと、私ども住宅政策の見地から見ますので、そのときそのときの住宅取得のタイミングにきちんと対応できるのかどうか、そのときに民間が出にくければ公庫融資が出ていく、そういう姿で考えております。

 ストックベースの話は、先ほど申し上げましたように、ちょっと今までの経緯からすると公庫融資の方が償還期間が長かった、そういう意味では、残債額を累積していくというような事情もあったかと思います。

 ただ、おっしゃるとおり、トータルとして景気対策の結果としてふえてきたということは否めないかと思いますが、やはり、住宅政策の見地からは、そのときそのときタイミングよく動く、個々の住宅取得者がライフサイクルの中で住宅取得ができるかどうかというところが非常に大事でございまして、私ども、そういう観点から公庫融資の額を確保しているということでございます。

樽床委員 今のお話は、これもいろいろ意見がありますが、ケインズ政策の是非と非常によく似たお話なんですね。結局、ケインズ政策は、要は、需要がなくても普通の道でも掘って埋めれば需要が生まれる、これの言葉に代表されるそういう政策であります。これは、一時は非常によかった。まさに、あらゆる国の経済政策の基本的な考え方であったわけであります。

 しかし、昨今の中で、それに対する問題点として、人間がすべて、官が非常に合理的に判断をして、悪いときには出る、いいときには引っ込むという行動をするならば、それはそれで成り立つけれども、人間の習性として、悪いときに出て、それをそのまま減らさないで温存していく、こういうことになって現在に至ってきて、これじゃ問題だ、こう言われているわけであって、今のお話では、まさに、出なきゃいかぬときに出た、でも、出なくていいときに、やはりそのままの、若干下げるにしても、似たようなものを求め続けてきて現在に至っておるのではないかというふうに私は思います。

 ですから、個々のいろいろな形の中で、一々株価が上がった下がったで一喜一憂する必要はないとも思うし、そういうこととほとんど話は同じような話でありまして、長期トレンドとして大変問題にしておるということは、ぜひとも御理解をいただきたい。

 長期トレンドとして、これはこのままでいいとお思いですか。このずっとふえていくという形のままでいいのかいかぬのか、この辺はどうお考えでございましょうか。

三沢政府参考人 統計的な数字が長期トレンドとしてふえていくことについては、ちょっといろいろ分析の必要があるかと思います。やはり、先ほど申し上げたような要因もあるんじゃないかと思っております。

 ただ、いずれにいたしましても、もちろん、いろいろな景気対策の要請から、融資を増額したり先に出ていくということがございますけれども、それも当然、景気の情勢とかそれによってまた、引っ込むときは引っ込む、縮減するものは縮減する、そういうことでやっていくことが適当であるというふうに考えております。

樽床委員 ぜひそのような観点に立っていただいて、長期トレンドとして、民を圧迫しないということを、多くの人がなるほど圧迫していないなというふうに思うような結果を出すようにぜひとも努力をしていただかなければ我々は常にこのことを言わざるを得ない、このように思っております。

 そういう観点から一つ御質問しますが、せんだっての私どもの吉田委員の質問に対しまして、公庫の総裁が、要するに、公庫は常に抵当権設定に当たって第一順位である、だから問題ない、こういう御発言をされたと思います。私は、この第一順位であるということは大変問題ではないのか、こういうふうに直観的に思っておりますが、いかがでございましょうか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 あえて言うまでもありませんけれども、私どもの公庫融資の原資は公的資金でございます。そうなりますと、当然のように、私どもは、お貸ししたお金の債権管理というものをしっかりとやらなきゃならぬ、これはもう当たり前のことと思っております。とりわけ、先ほど来出ていますように、私ども公庫の融資は三十五年という長期にわたりますものですから、長期間にわたる担保力というものが非常に重要な要素だ、ある意味では不可欠な要素だ、こういうふうに思っておるわけです。

 そういった中で、先生これは御案内でございましょうけれども、公庫法にもそれらしい根拠規定がありまして、二十一条に、言うなれば、返済ができなくなった場合には公庫は抵当権を実行する、こういう規定になって、当然抵当権設定は前提にされておりますが、こういった規定の趣旨を踏まえまして、私ども、主務大臣の御認可をいただきまして、業務方法書におきまして原則として融資物件には一番抵当権を設定する、こういうことでやらせていただいているわけです。

 私、このことは、すべてということではなくて、実はリフォーム等の場合は、リフォーム融資、こういうものについては、先順位の抵当権が設定されているときには公庫はあえて一番を設定しないということもありますけれども、基本的には一番抵当権、こうなっております。

 これを、一番でなくて後順位でどうかという先生の御趣旨かと思いますけれども、そうなりますと、私どもはやはり、今申しましたような背景の中で一番抵当権設定ということをやっている経緯からしましても、あるいは必然性からしましても、長期固定融資というもののいわば根幹に触れてくる部分が出るんじゃないか、こんなふうに懸念いたしていまして、いわば公平性の高い融資をやるというのが我々の原則でございますので、今のところ、先ほど申しましたような、原則は一番抵当権設定ということでやらせていただいているということでございます。

 仮に、これを公庫が後順位の方になったらどうなるだろうかということを念のために考えてみますると、そのときには私ども、あわせ融資というか、民間がお貸しになるときに公庫もあわせて、今度は逆になるということもあり得るんですけれども、そのときにはやはり、民間の融資についてかなり我々は個別審査、個別チェックというものに参画していくしかないんだろう、一件一件の審査ですね。こういったことが本当にこれからの我々住宅金融、国民が求めていらっしゃる住宅金融のあり方として目指すべき方向かどうか、かえって複雑化してしまうんじゃないか、こんなこともちょっと懸念しながら、今我々は一番抵当権を設定させていただき、今後ともそれを基本に踏まえてまいりたい、こんなふうに考えております。

樽床委員 総裁のその御意見は、住宅金融公庫を預かる立場からすると、まことにそのとおり、私はそれは全くそのとおりだと思います。

 しかも、公のお金を使う。公のお金といってもどこまでが公のお金かよくわかりませんけれども、ずっと回り回ったら郵便貯金なのかもわかりませんし、そうすると銀行預金とどこが違うのだということになるのかもわかりませんから、それはちょっと置いておきますが、一般会計から四千億を超えるお金が入っていますから、税金を使っている。こういうことからいうと、やはりちゃんと返してもらわなければいかぬ。これは、公庫の立場からするとまさにそのとおりなんです。

 ただ、私は冒頭に政府の失敗というふうに申し上げましたけれども、要は、税金を使うから、それはそのとおりだ、システムとしてはそれは間違いではない、しかし、そのシステムが民間を育てることを妨害していないのかということを私は大変懸念をするわけであります。

 なぜかといえば、民間が住宅部門にもっと出ていこうとするときに、常に公庫が一番であると、それは民間が一生懸命やる意欲がなくなるわけじゃないですか。民間だったら、僕がその責任者でしたら、一番最初に公庫に行って、その次だったら、ちょっと腰が引けるなと思うのは当然であります。

 つまり、公庫の論理と民間を育てるという論理が、システム的にここで相反しているものになってはいないのか。だから、公庫のために税金を投入しているから一番順位だ、この正当性のある意見が逆に民間を圧迫してはいないのかというふうに私は思っているのですが、いかがでございましょうか。

望月政府参考人 若干言葉が適切でないかもしれませんが、私ども、公庫のためにという立場でなくて、むしろ国民の皆様方にいかに住宅金融を安定的にかつ良質な金融をするかということが我々の国民的な使命である、こういう前提に立って考えさせていただいている公庫でございます。

 言ってしまえば、私どもは、基本的には、先ほどから出ていますように、官民協調ということあるいは民業補完ということを、いささかも公庫の立場から反対とかいう立場でもございませんし、そんな気持ちは全くございません。むしろ、本当に国民の皆様方が求めている融資がどうあったらいいかという観点から、公庫の業務というものはまだまだ重いし、その重い業務をしっかりとやっていくためには今のような抵当権設定ということをやらせていただくということに相なるわけです。

 私は、そういった観点も含めながら、今般、融資保険法の改正もお願いしているわけでございまして、これになりますと、民間の御融資について、これは逆に今度は公庫の方で若干の審査といいましょうか、承認行為等をさせていただきますけれども、それについては、逆に公庫が一〇〇%保険を付保する、こういうようなこと等々の中で両々相まった本来の住宅金融の目的というものを、政策金融の目的というものを全うしていく、これが一番大事なところではないか、ここが基本ではないか、こんなことで考えていまして、くどうございますけれども、公庫のシェアを確保、拡大するためとかいうふうな思いは全くないということで御理解を願いたいと思います。

樽床委員 いや、私は別に住宅金融公庫がエゴでやっていると申し上げているわけでも何でもないのです。国民の皆様方の住宅をよくしようとそれぞれの立場で考えるのは、それは非常によろしい。でも、個々の考えはいいけれども、それは合成の誤謬といいまして、全部トータルになってしまうと、それは、その人の思いはそうであっても、結果として民業を圧迫するようなことになりはしないかということを申し上げているわけでもあります。

 そして、ちょっとお話を聞いていると、これはちょっと失礼かもわかりませんが、公庫だけが公で公共性を持っている、こういうニュアンスに若干聞き取れたわけでありますが、しかし民間の金融機関も、これは日本の経済のまさに血管、心臓部分に相当するわけですから、ある程度公共性を有している、これはだれしも思っている。だから国があれだけお金をつぎ込んでいるのでしょう。そして、ひょっとしたら、国が民間金融機関につぎ込んでいる金は、一般会計から住宅金融公庫に出ている金よりももっと莫大な金、恐らくじゃなくて、確実に莫大な金をつぎ込んでいるわけなんですよ。それで何とか民間の金融機関の公共性を維持して信用を高めていこう、このように思っておられる。

 しかも、先ほどちょろっと言いましたけれども、公庫だって結局は郵便貯金とかそういうところから来ているのでしょう、財投の話は後でまた時間があったら触れますけれども。そうすると、みんな原資は、住宅であろうと郵便貯金であろうと、国民の皆さん方が自分の蓄えを預けたところからスタートしているのは同じであって、それが民間金融機関で純粋に来るのか、政府がちょっとお墨つきをつけて来るのかの違いだけであって、公共性ということからするとほとんど変わりはないというふうに私は思っております。

 そういう点からすると、よかれと思ってやっている第一順位というものが、悪意はなくても、結果として民間が育つことを邪魔している。つまり、民業を、圧迫しているという言葉はきついかもわかりませんが、そういうことになってはいないのかというふうに、私の頭ではそのように考えざるを得ない、このように思っておりますが、いかがでございましょうか。

望月政府参考人 これはいろいろな御意見があるところと存じますけれども、一言で言って、私どもは、住宅金融公庫の融資、金融というものは、我が国の住宅政策の基本的部分を仰せつかっているという意味で非常に公共性が高い、こういう気持ちで申し上げているつもりでございます。

 もちろん、民間金融においても公共性が高いことは言うまでもございません。問題は、その政策目的を遂行する上での我々の機関としての直接的な役割、こういったものはいささかも軽くないということを申し上げているわけでございまして、そのことと民業圧迫論というのは、もうちょっと突っ込んで言わせていただきますと、これは民間がお貸しするにも、割り増し融資等で公庫が今かなりたくさん貸しているのじゃないかとかということ等々をめぐっての御意見はあり得るところと存じますけれども、これは、いろいろの経過の中で今日の姿になっているわけでして、私どもも本来的にはあくまでも民業補完という基本線を貫きながらやっていきたい。

 くどいけれども、そのためには、第一順位の抵当権というのはいかにもおかしいじゃないかという先生の御意見は御意見として承りますけれども、今の私の意見としては、先ほど来申しているように、やはり公庫の立場、原資、公的資金、今先生いみじくもおっしゃったように、税金までいただきながら低利融資をやっているという国民的な金融機能というものはいささかもおろそかにできない、こういう気持ちでおりますので、一番抵当権についてはそういう経緯の中でやらせていただいているということを御理解いただきたいと思います。

樽床委員 経緯、経緯でずっと来ていて、これまでの経緯がそれは時代に合ってきたからこれはこれで仕方がないというのであるならば、何も物は変わっていかない。常に経緯ありきであるならば、扇大臣も、二十一世紀になって、新しい二十一世紀型の行政、国土交通行政、こうおっしゃっている中で、そこの方向性を変えるのだったらどこで変えるという決断をするのか、経緯でずっと来ているのだったら、ずっと同じように考えざるを得ないというふうに思います。

 前回のときに局長が、たしか私どもの井上議員のいろいろな質問に対して、住宅については、きょう言ってあした方向が変わるわけではない、アメリカの例を参考にしても、少なくとも、準備があって、蓄積があって、十年間ぐらいかかるんです、だから、きょう言ってあしたできるものではないから、アメリカと日本は違う、このようにおっしゃったのを覚えておられるでしょうか、おとついのことですから。

 私は、まさにそうだと思うんですよ。だから、十年準備期間がかかるのだったらかかるだけ、早く方向を示して、方向転換をしないと、その目標を向いた方に早くかじを切らないと、経緯だ、経緯だといって、かじを切るのを、いや、十年かかりますからといってやっていると、いつまでたっても十年かかって、いつまでたっても変わらない、こういうことになるわけです。

 この第一順位ということにつきましては、総裁がおっしゃるのもよくわかります。私は、総裁の、国民のために住宅政策を何とかよくしよう、そういうお気持ちはわかりますが、そのお気持ちの中で、今のシステムとしてやっていると、結果として民業を圧迫することになっていませんか。

 その証拠に、それはいろいろあるけれども、公的融資の割合がどんどん拡大の一途のベクトルであって、民間の融資の割合がどんどん減る一方のベクトルである、これは長期的な流れでありますが。

 こういうことの根底には、一つには、民間が第一順位には絶対なれないというところに民間が乗り出していく元気を持つのか。持たないでしょう。そういう状況にしておいて、いや、民間が中心です、我々は補完ですと言っていたって、これは民間にしたら、それは役所に文句言えませんよ、日本の今の体質であれば。役所が言えば、お説ごもっともで、まずは聞いて、心の中でどうしようかなと、でも、第一順位もらわれぬし、なかなかしんどいな、こうなるのは決まっておるわけでありますから、この第一順位の問題は、私は、今の総裁のお答えではなかなか納得できない、このように思います。

 もう一回お願いいたします。

望月政府参考人 私、先ほど経緯ということで申し上げたわけですが、思いは、その経緯は、過去に引っ張られて、今後とも過去を尊重してそのまま無批判、無節操に繰り返すという意味では決してありません。むしろ、経緯が持っている重みといいましょうか、事情といいましょうか、それは今日でもそれほど変わらないという前提で申し上げているわけでして、ただ単純に繰り返すという安易なことを申し上げているわけでは決してないことを御理解いただきたいと思います。

 問題は、そう言いながら、一言ちょっと言わせていただきますと、これは大変難しい問題というか、先生の御意見と私の申し上げていることはちょっとかみ合わないと思いますけれども、率直に申しまして、公庫の役割、公庫融資の役割というものが、言うなれば差別なきというか、ひとしく皆さんに御融資申し上げるという窓口を開いていることとか、あるいは政策的な質の誘導だとか、いろいろなもろもろの課題を全うするための融資でございますだけに、今後とも私どもは、公庫融資が、例えばある特定の物件について民間が八割お貸しして公庫が二割というようなことは、ちょっと実は今の段階では私どもの頭にはないのでございます。言ってしまえば、フィフティー・フィフティーかあるいは六、四か、いろいろ議論はありましょうけれども、ただ、今のように九割だ、十割だというような、それはまた別の話として、果たして今後とも続けてふさわしいものかどうか、この問題は大いにありまして、この辺については民業圧迫論等々の中でも大いに検討しなきゃならぬと思います。

 くどいですけれども、そのような思いの中で、抵当権問題については、一番抵当権というものについては、今後とも私どもは大事なものというふうに我々の立場からは考えさせていただいています。

樽床委員 だから、フィフティー・フィフティーか、六、四というのは、どっちが六でどっちが四かよくわかりませんが、大体どっちでもいいんですけれども、大方針として、民間に頑張ってもらって、それを公庫はお助けしますよ、こういうことであるならば、少なくとも、先ほど総裁も、同じ順位でという意見があるがというお話がお答えの中でありましたけれども、例えば五割五割で、半々でやるんだったら、どっちもが同一順位でといって、当然どちらも責任を負うわけですから何ら問題ないと思いますが、五、五であっても、また民間が六で公庫が四であっても第一順位が公庫である、それを絶対に大事だと言い続けるというのは私はどうも合点がいかない。結果としてそれは、民業の、民がそういうところに乗り出していくことの最初の大きなハードルになっているというふうに言わざるを得ないわけでありますが、もう一回どうですか。

望月政府参考人 私ども、この問題を、気楽に、安易に割り切って、従来型でもってすべてを律していこうという気持ちを決して、この問題ばかりではなくて、基本に持っているわけではございませんで、今おっしゃったような問題についても、率直に言いまして金融機関からも時々耳にさせていただいています。ただ、今の段階で私どもがこれを踏み切るには、民業圧迫論ということはいろいろな角度から言われていることだと思いますけれども、一番抵当権の問題の前にまだいろいろ課題があるんじゃないかというふうにも率直に思います。

 くどいですけれども、私は、私どもの御融資申し上げている債権保全という観点、しかも三十五年の長期融資制度というものを大事にしていこうという考え方からしますと、やはりこれは、率直に言いまして、今の方針というものは今後とも大事だろう、こんなふうに思っていることを繰り返させていただきます。

樽床委員 これは恐らくいつまでやっても折り合わないだろうというふうに思いますが、今総裁が、ちょこちょこそういう話が耳に入ってくる、このようにおっしゃいました。総裁の耳にちょこちょこ入ってくるということは、かなりの声があるというふうに御認識をいただいた方がいいわけで、これが大体人の世の常であります。

 大臣はよくそこら辺のことはおわかりだろうと思いますが、そういう前提に立って、この第一順位の問題は大変大きな、小さいけれども、実は非常に大きなとげとなって刺さっているということの御認識は絶対に持っていただかなけりゃならぬ、このように思います。

 そういう中で、総裁がおっしゃっているように、別にもっといい住宅の整備のために公庫のする役割はあると、私はないとは言っていないわけであります、それはある部分はありますというふうに言っている。

 我々の感覚でいくと、私の意見でいくと、今まで議論が全然されていないけれども、一つあるとするならば、例えば中古の住宅の流通が非常に悪い。これは質問通告しておりませんから別に答えていただかなくてもいいんですけれども、余りよくない。

 なぜかというと、大体上物の評価というのががんがんがんと落ちるんですね。十年ぐらいたてば上物の評価はほとんどゼロ、要するに土地の値段だけの評価にしかならない、これが今の世の中の実態であります。こうなると、中古住宅の値打ちは、もうほとんどないですよ、上物はないですよと言っているに等しいわけであります。

 そういうようなところについて、例えば公庫がどういう形で中古住宅の流通に対して乗り出していったらいいのかというのは、また専門家の皆さん方がいい頭を一生懸命回していただいてお考えになっていただきたいと思うわけであります。例えばその評価の問題でも何かいい手がないのか、そういうことを公庫がいろいろ考えようとなればそれは非常にいいことですなというふうに申し上げたいんだけれども、そういうことは一切言わずに、とにかく第一順位が大事だ大事だ、それ一点張りでいかれると私はどうも心にすとんと落ちないということをぜひとも御理解いただいて、結果として我々は民業圧迫の一つの要因であるという意見を持っておることは、しかと御認識をいただきたい。

 何か大臣がお話があるようで。

扇国務大臣 今樽床先生との御論議を拝聴しておりまして、私は、一番最初に先生がおっしゃった市場原理というものに戻ることだと思います。

 けれども、私が先生に御理解賜りたいことは、平成十二年、昨年でございますけれども、六月の二十一日に住宅宅地審議会の答申が出されました。先生御存じのとおりでございます。その中で、この出された住宅宅地の審議会の答申におきまして、少なくとも官民の役割分担の基本的な考え方というものがきちんと明記してございます。これは昨年六月でございます。特にその中では、市場の環境の整備と市場の補完あるいは市場の誘導、これらがきちんと明記されて、公的な主体の役割としてという明記がございます。

 私は、今先生と総裁との御論議を拝聴しながら、両方とも言い分はそう間違っていない。ただ、そこの考え方において、公庫が認識しなければいけない、また政府として認識しなければいけないことは、この答申に出された三つの原則、私たちは、やはりこの市場の環境整備と市場の補完とそして市場の誘導ということを原則にして、この答申を重視しながら、今後の公庫のあるべき姿等々も大事にしていきたい。そうすれば、先生がおっしゃった、官が民を圧迫するということもおのずと姿が見えてくると私は思います。

 今の貴重なやりとり、私たちも期するところがございますけれども、総裁のおっしゃっていることも樽床先生はわかりながら、やはり官が民を圧迫しないようにという、そして民が成長するのを、もう戦後今日までたったんだからというお気持ちは私もよくわかりますので、私は、そういう意味では、徐々に私どももこの答申から逸脱することのないようにというふうに指導してまいりたいと思います。

樽床委員 その答申のお話、大臣からございました。まさに答申の中にも、官と民の役割分担、こういうことが明記されております。

 だから、この答申をきちっとやっていただければいいのですが、ちょっとこの答申で気になりますのは、住宅金融公庫の活用というところが、官民の役割分担よりも微妙にウエートが住宅金融公庫の活用の方に若干偏って書かれているのではないかなと、私の偏見かもわかりませんが、文章を読むとそう感じられます。今の大臣の御答弁を受けまして、私はそうではないという御趣旨での大臣のお話であったように思います。

 この答申にも書いてありますように、例えば住宅ローン債権の証券化などの支援を行うとか、いろいろノウハウを蓄積して云々とか、こういう話がこの答申にも書かれていますから、そういう方向に向けて、公庫がするべき役割があるとするならば、それをやっていただいて、そして長期的に公的融資の割合がどんどんふえていくことがないように、民間の銀行が住宅金融にどっと乗り出していけるように、ぜひとも、今回のこの法案の審議の過程を通じて、一つの契機として努力をいただきたい、このように思っているわけであります。

 次に、私どもの見解では、昨年の十二月の行革大綱の閣議決定の中で、特殊法人、整理合理化の方向に向けていかなければならない、こういう閣議決定がされてまいりました。

 そして、特に住宅に関連するものについては、私が知っているだけのほんのわずかな知識の中でも、平成七年に、特殊法人の整理合理化について、金融公庫がそういう方向で努力をせい、こういう閣議決定がなされて、そして約二年後の平成九年にも同じような閣議決定が出されて、その直後に、景気対策だということで公庫の融資を拡大します、しかも、これは臨時的措置である、こういうことで閣議決定がなされた。臨時的措置ということは、それまでの流れはそのまま生きておって、臨時ですよ、こういうことでありますね。それから、去年の十月に森総理のもとで、日本新生のための経済の発展のために、住宅金融公庫の改正案を今国会に出して、景気対策でやります、こういうことになって、そして、しかも十二月にはもう一回行革大綱の閣議決定がされている、こういうことであります。

 そういう中で、これまでの何回かの閣議決定がずっといろいろあって、その中で、あくまでも臨時でやるという言葉が真ん中にありましたから、結局は、当初からのこの整理合理化の方針については、私はまだ当然生きておるというふうに認識をいたしております。

 そのような観点から、これまでどのような努力がなされてきたのか。それがなければ、先日私どもの吉田委員が質問の冒頭に申し上げましたように、延命策に見えてしまいますよと言われてもこれはいたし方がない、このように思いますが、これまでの具体的検討課題、どういう実効があったのでしょうか。

三沢政府参考人 今お話がございましたように、公庫に関しまして四回の閣議決定がございました。

 それで、一番最初の平成七年の閣議決定におきましては二点、一点目は、民間金融機関と適切な協調が図られるように特別割り増し融資額を縮減する、それからもう一点は、バリアフリー化の推進などの政策誘導機能の強化あるいは割り増し融資の簡素化といったようなことが指摘されております。

 この七年の閣議決定に基づきまして、割り増し融資につきましては、平成五年度では千二百万だったのでございますが、これを七年度に一千万にし、さらに平成九年度は八百万までと、段階的に落としてきたわけでございます。

 その後、平成九年の九月も閣議決定がございまして、その時点でも、さらに割り増し融資については段階的な縮減を図る、それからもう一点は、住宅ローン債権の証券化を検討しろという御指摘をいただいております。

 したがいまして、これに基づいてさらに段階的な縮減を図ろうかというようなことをいろいろ検討したわけでございますが、その直後に景気対策でまた増額するということで、これを八百万まで下げたのを一千万まで戻してしまった、そういう結果になったという経緯がございます。

 ただ、これは、やはり景気対策としての臨時的な措置であるということで、十二年度末までの時限措置ということでやってきたわけでございます。それで、それが切れますので、今回これを八百万まで落とすということを前提に特別割り増し融資の延長をお願いしているというのが一点。

 それからもう一つ、ローン債権の証券化につきましては、御承知のとおり、ことしの三月に特殊法人の財投機関債の第一号として公庫債五百億円を発行するという予定で今準備を進めているところでございます。

樽床委員 一度にドラスチックにやられるかどうかというのはその時々の事情によっていろいろ違うのでしょうけれども、要約すると、ちょっとずつでもやっていますよ、ちょっとずつでも前へ進んでいるのです、こういうことですね。

 そういう観点からすると、今回の中でまた新規のものも入ってきておる、こういうことですね。ちょっとずつやっていて新規のこともやる、そういうことであるならば、新規のことをやらないで、例えば、特別割り増し融資制度を五年間延長しないで、その分は利用者に対して減税なり、そういう形で同じような効果があるように、お金を直接返すというのがいいのかどうかわかりませんが、それは減税でちゃんとどんと引きますと。例えば、そういうことをやるからもう延長はしません、新しいものはやりません、こういう発想にはならないのですか。

三沢政府参考人 ちょっとずつではないかという御指摘でございますけれども、割り増し融資額については段階的に縮減するということで、今回一千万、八百万ということでございます。

 ただ、いずれにしましても、割り増し融資額も含めて融資額のボリュームということにつきましては、当然のことながら、景気情勢とかあるいは民間住宅ローンへの民間金融機関の取り組みの状況とかを踏まえて、やはりその都度その都度検討していくべきものと思いますので、別に今回の見直しが最後ですべてであるということを申し上げているつもりはございません。

 したがいまして、今後とも適切にボリュームの話はきちんと検討していきたいというふうに考えております。

 それから、それを廃止して減税に回す方がいいのではないかということでございますが、これも先生御承知の上で聞いておられると思うので、あえて申し上げるのもあれなのですが、いずれにしても、特別割り増し融資額は最終的には借りた方から返していただくものでございまして、減税すれば渡しきりのお金ということで、かなり質が違うものでございますので、うまく比較できるものかどうか、ちょっと難しい点があるのではないかというふうに考えております。

樽床委員 本当はもっといっぱい聞きたいのですけれども、私に与えられた時間が一時間で、もうそろそろ終わりなさい、このように言われておりまして、大変残念であります。

 実は、私がきょうこういうことを非常にしつこく聞かせていただいたのは、今おっしゃった、今回限りではありません、これからももっと効率化に向けて、閣議決定の方針にのっとって民をちゃんとお助けするようなことにどんどん移行していくのですということがあるならば、今回の法律を、そういう根本的なところは置いておいて、さっと、みんなもうよろしいと。住宅のことについて反対するとこれはなかなか国民から受けが悪いとか、そういうことでさらっと流すのではなくて、あえて我々は踏ん張ってでも、そういうおっしゃっている方向でいこうとするならば、それにいくためには、どこかがちゃんと物を言って、それをちゃんと踏まえないとだめですよということを言わないと、これはなかなか方向転換ができない。こういうことで、私は、大臣をお助けするつもりできょうの質問をさせていただいたわけであります。

 最後に、時間となりましたが、一点だけ。本当はついでに質問をするようなことではありませんけれども、財投の仕組みの中で住宅金融公庫は最も大きな比重を占めている組織でありまして、住宅金融公庫の改革なくして財投の改革はない、このように私は思いますので、そのあたり、大臣、いかがお考えでございましょうか。

扇国務大臣 最後に一番重いことをおっしゃったと思います。今までのやりとりの中で、先生がお考えになったそのことに対しても私ども重く受けとめております。

 現段階におきまして、私は財投の改革というものを、御存じのとおり、もう釈迦に説法ですから多くを語りませんけれども、財投の中からの郵貯あるいは年金の全額ということから考えていきますと、市場からの資金調達という面から考えましても、本年の四月からの財投改革に先立ちまして、私どもは今度、御存じのとおり、住宅公庫の住宅ローンの債権というものを新しく証券化しようということは先ほど先生もちらっと俎上にのせていただきましたけれども、特殊法人の財投機関債の第一号として、今回は初めて公庫の公庫債というものを五百億円発行するということも、これは私は冒頭に申し上げましたけれども、二十一世紀型ということで、これの一つのことだというふうにお受けとめいただきたいと思います。これを実施することによりまして、私どもは、平成十三年度予算案におきましても、証券化に対します調達額、これを約四倍の二千億円としているということも御了解賜りたいと思いますので、財投に対しまして私たちは的確な対応を図っていこう。

 先ほどから先生が少しずつ改善しろよというふうにおっしゃいましたので、私たちもそういう方向で、今回は第一号であるということも、やはり先ほど申しましたように二十一世紀型であるということをぜひ御理解賜り、またそのことに対しまして、今後は、対象分野あるいは対象事業の見直しにつきましても、耐久性の高い住宅供給への融資の改善あるいは寄与、そういうことに対しては努めていきたいと思います。

 きょうの大変前向きな御論議をいただきまして、大臣のためとおっしゃっていただきましたが、私のためではなくて、国民の皆さんのためにきょうの審議が有効に伝わるようにと思っております。ありがとう存じました。

樽床委員 時間となりましたので終わりますが、最後に一言だけ。

 その財投の話で、結局、財投債が四十兆以上また出るわけでありますから、財投債というのは結局は形を変えた国債に近いわけでありますので、そうすると、一般会計の国債よりも多くの同じような国債が発行されるということですから、二千億と言わずに、可能であるならば、もう十兆円全部公庫債で賄えるように、そういうことになれば公庫が幾ら何を言っても何の問題もない、このように思いますので、徐々にではなくて思い切った早い改革を心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

赤松委員長 山田正彦君。

山田(正)委員 自由党の山田正彦です。

 今、日本の不景気も大変なところまで落ち込んでまいりました。御承知のとおりです。失業率も史上最大というところまでまいりましたが、その中で、各金融機関の不良債権、これを何とかしなければ大変なことになるんじゃないかと海外からかなり御指摘があるようです。

 住宅金融公庫、言ってみれば金融機関の一つだと思うんですが、ここでの不良債権、いわば支払いが不能になった部分とか、あるいは将来支払いが困難と思われるような債権とか、そういった金額について、今現在どれくらいあるのか、ひとつ公庫の総裁からお聞きしたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 十一年度末のことで申し上げさせていただきますけれども、六カ月以上延滞の債権が四千百六十三億円になっております。参考までに、これは貸付金の残高が私ども公庫からは七十四兆五千四百億円という数字でございますので、〇・五六%という状況に相なっています。

 こういった不良債権が出ているということは、基本的には私どもの経済状況が非常に悪化しているということが主な要因であるわけですが、その中で、住宅ローンを抱えている家計をめぐる環境が非常に厳しい、こういったことで、残念でございますけれども、まだ増加が懸念されるというのが率直な感じでございます。

山田(正)委員 七十四兆のうちの四千百六十三億が滞っている債権だとすれば、そんなに大きな金額とは言えないと思うんですね。

 ところで、私は弁護士もしておるものですから、いわば破産、自己破産の相談というのは現在大変多いわけなんです。東京でもこの前ありました。住宅公庫からお金を借りているんだけれども、このような状況でリストラを受けた、昨年まで払えたけれどももう払えなくなってしまった、払いたいけれども食べるためには払えないんでどうしようもないんですと。そうしながら六カ月がたった。内容証明郵便が来た。それで私のところに御相談があったので、私は公庫の方に連絡したわけです。そうしましたら、公庫の方では、それこそ木で鼻をくくったような回答しかいただけなかったんです。一年半ぐらい前の話です。

 今、自己破産といいますか、それがかつての十倍、今十一万件ぐらい出ていますか、その中で三分の一ぐらいは、住宅ローンによる圧迫、支払い困難になった、そういった事情による破産者が多い、私はそう考えておりますが、公庫としては、そういった支払いが困難になってきた人に対する対応といいますか、それはどのようにされておりますか。総裁にお願いいたします。

望月政府参考人 今先生がちょっとおっしゃった具体のケース、公庫の窓口がけんもほろろなどというお話、どういうケースかちょっと存じ上げなくて本当に失礼いたしますけれども、基本的には私ども、そういうことのないように、いわば親身な対応ということに努めさせていただいています。

 具体的にちょっと申し上げさせていただきますと、先ほど申したように、ローン破綻の方々あるいはその前の段階の延滞状況に入った方々、こういった方々に対しまして、私ども公庫の支店、あるいは事務をお願いしています金融機関の窓口、こういうところに相談窓口を設置いたしまして、まず相談にしっかり乗る、これに最大限努めさせていただいています。

 相談といっても、ただ口先の相談では決して済まないわけでございまして、当然ながらお困りの事情等々がいろいろございます。

 一般的に私どもは、そのお困りの事情等を踏まえながら、例えばボーナス併用をやっている方について、取りやめて一本の返済方法に切りかえるとか、実はこれはちょっと解説させていただきますと、夏、冬のボーナス期に何十万円か払うというふうなローン返済計画を組んでいらっしゃる方が結構いるんですけれども、そういった方々についてはボーナスが出なくなったということでもって破綻してしまうということが結構あります。

 そういった意味で、ボーナス併用返済という方式を変更するとか、あるいは、法定期間内で、実は三十五年という期間で融資申し上げていますけれども、それが三十年で借りているとか二十五年で借りているという方もいらっしゃるわけでして、そういった方々については法定期間内で目いっぱい期間を延長して再計算するとか、あるいはまた、元金均等でお返しするという約束で融資している方々については元利均等方式に変更するなどなどの変更をやっています。参考までに申し上げますと、平成十年の四月から十二年の十二月まで、昨年暮れまでですけれども、十万八千件の返済方法の変更をさせていただいています。その間において相談に乗ったものが十九万件に上ります。

 とりわけ、ちょっとこれは先走った答弁になるかもしれませんけれども、返済困窮者の中に、実は平成五年度、六年度に行いましたゆとり返済方式を利用された方々がございまして、これは、当初五年間は七十五年間の返済期間で計算した額を毎月払っていただく、こういうことでやった方々が、ちょうど六年目に入ってくるといったときに非常に返済額がふえるということがございまして、そういった方々に対しましては返済期間を十年間延長するということでございまして、これを十年からやっておりますけれども、平成十年四月以降、一万件の変更をさせていただいています。

 それから、さらにもう一言つけ加えますと、昨今のいわゆる厳しいリストラ、今先生おっしゃったような、経済が厳しい中で、倒産等々が相次いでいる中で、返済ができないという方々に対しましては、これは平成十年の十月に閣議決定していただいたのを受けまして、十年間の返済期間の延長だとか、金利の三年間据置期間を設定するなどの措置を講じまして、これも一万七千件の方々の変更をさせていただいているということをしております。

 私どもは、とにかくこの問題は、非常に厳しい経済環境の中でございますので、公庫は融資を申し上げてそれで済むというものでは決してないわけでして、また、返済をしてもらえればいいという単純な割り切りではなくて、その人の事情に応じまして、丁寧な相談に乗り、現実的な返済方法の変更に応じさせていただいているという次第でございます。

山田(正)委員 そのゆとり償還の問題を聞こうかと思っていましたら、今総裁からお話がありました。

 実は、十年間返済を繰り延べしたというんですか。というのは、従来五年間だけはほとんど利息に近い支払いで、それから急激に、例えば平成十年、十一年から支払いが大きくなりましたね。それを従来の支払いのままであと十年間を続ける、そういうことでいいわけですか。

望月政府参考人 平成五年度、六年度に、我々はスーパーゆとりと申していますけれども、特に当初五年間は返済期間を七十五年で計算して、それで出てくる月別の元利返済額をお払いいただく、そのかわり、六年目からは通常のルールに戻したもので返済していただく、こういうスーパーゆとり制度をやっておりました。これが、六年目から実は一・八倍ぐらいに月別の返済額がふえてしまう、こういう状況が出るということで、また特別の対応が必要である、こんなことでやらせていただいています。

山田(正)委員 その内容なんですけれども、七十五年の返済で来た五年間と同様の条件で十年間延ばすということですかと聞いたんです。

望月政府参考人 返済期間を十年間延ばす。だから、七十五年そのものは関係ないんです。

山田(正)委員 いやいや、支払いの元利です。

望月政府参考人 そうです。

山田(正)委員 細かい論議をこれ以上するつもりはありませんが、仮にこのままでいったとすると、十年間の支払いを延長する、期間の延長か何かわかりませんが、いずれにしても先送りされる。実際、さらにまた、これからなお払えなくなっていくであろうという潜在的ないわゆる不良債権の金額というもの、いわゆる支払い困難になるであろう金額というのは、かなり、四千百六十億どころじゃないんじゃないか、私どもは実務で破産事件をやってきてそう感ずるところがあるわけなんです。

 そういったときに、実はこの四月から民事再生法という、個人の民事再生、いわゆる住宅ローンに対しても新しい法律が適用されていくわけです。そのときに、公庫としては、各金融機関がやっているように先送りするんじゃなくて、その時点で融資残高を、もう支払えないと思う人に対しては担保価値に見合うところまで債権放棄する、そういうところまでお考えはないのかどうか、それを総裁にお聞きしたいと思います。

望月政府参考人 これは先生御専門ですので私が言うのも失礼かと思いますが、民事再生法の内容について一言申し上げさせていただきます。

 結論を申しますと、特に住宅ローンの関係で、今申しましたように、元利金の減免ということはちょっと想定されていないというふうに我々は理解いたしております。

 したがいまして、できることは、返済期間を最大十年間延長するとか、あるいは最長五年間の元金の一部据え置きを行うということでございまして、要は、民事再生法で再生計画をおつくりになり、裁判所の承認をいただくまでのそのプロセスにおいて債権者はしっかりと相談に乗る、こういったことが非常に重いんじゃないかと思っておりまして、そういった中で再生を願う、また、その間に、公庫としてのアドバイス、相談を十分にやっていく、こういう構えでおるところでございまして、くどいようですけれども、元金、利息等の減免ということについては想定いたしておりません。

山田(正)委員 いわゆるどこの金融機関でもそうですが、例えば三千五百万のローンが残っていて、担保価値が一千万しかない、あと二千五百万については、もう失業して仕事もなくて、支払い能力もない、そういった場合には、当然、民間の各金融機関でも、そういう不良債権を早く償却しなさいと。これは、ダボス会議でも、パレルモのG7でもはっきり指摘されていることなんです。

 日本の経済はまさにこれをあいまいにしてきたからこういう状況に陥ったのであって、公庫としても、今言ったように、不良債権としてもう支払いができないという債権が一千万、二千万とはっきりしているときに、いわゆる民事再生とかそういう法的手続があれば、減免に応じられないじゃなくて、裁判所の手続ぐらいは少なくとも減免に応じて債権の償却をしていく、そういう態度が必要だ、私はそう考えますが、大臣、いかがでございましょうか。では、公庫総裁から先に。

望月政府参考人 大臣の御答弁の前に一言お許しいただきます。

 先生のおっしゃっていること、気持ちとしてはわからないわけでは決してありませんけれども、ただ、私ども、やはり公庫の債権について、いわゆる減免という措置は正直言って極めて問題がある、こう思っていまして、ほとんどの方々、圧倒的多数の方々はやはり自力で返済を継続していただくというのが基本的な姿になっているわけでございますね。その間において担保物件の資産価値が急速に減っているということは、みんな共通的な事象として今見られるところでございますが、にもかかわらず、ほとんどの方々は一生懸命お払いいただいている。これがまず一つ。

 それからもう一つは、やはり公庫の融資については、税金の投入、しばしば先般から出ていますように、例えば十二年度でいえば六千億いただいているというような話もありますけれども、そういったことでもって、既に金利設定の中でもって国費をいただいている。その上に今申しましたような回収段階でのさらなる減免ということをやりますと、これは国費の二重の投入というようなことになったりして、大変過大な財政負担になってしまう。こういったことを考えますと、正直言って非常に困難である。こういうことを御理解いただきたいと思います。

山田(正)委員 今総裁はそのようなお話をされますが、もう一回、ちょっとくどいようですが、三千五百万借り入れて、価値が本当にどんどん下がってきて一千万しかない、あと二千五百万残っているとして、これをそのまま残したら絶対公庫としても回収不能なわけです、失業してもう仕事もない、ほかにも債務があるとなれば。

 そういった場合に、本来なら、これを早く償却する、いわゆる債権放棄する、その方が、借りている側にしても、そして貸している側にしても、不良債権を先送り先送りしていって、ちょうど今の日本経済みたいに、そういう形にならないように、公庫としてはそのけじめをきちんとやるべきではないのか。扇大臣、どうお考えでしょうか。

扇国務大臣 今山田先生のお話を伺っておりまして、私はまさに住専のときのことを思い出しました。

 やはり住宅ローン、苦しい中でもこれの返済を一生懸命頑張っていらっしゃる方は大勢ございますし、また、その苦しい皆さんのためには、平成十年十二月一日から、先ほど総裁からもお話ございましたように、住宅ローンの返済相談所の設置をしまして相談体制の強化をしているわけでございます。

 その強化によって、先ほどおっしゃいましたように、貸し付け条件の変更の承認状況が、一万七千百六十二件の皆さん方が、この御相談に応じていただいて、そして変更していただいた。それも私は、皆さん方に対する私どものとれる最大限の努力をしてきたと思います。

 あるいは、貸し付け条件の大幅な変更ということで、先ほども先生がお聞きになりましたように、十年間の延長ということも言いましたけれども、特に返済額がその人の収入の二五%以上になった場合という条件もつけてございまして、これは十年間の延長ということもいたしました。また、収入が三〇%以上減少された皆さん方には最長三年間の元金の据置期間の設定ということも、私はやはり、ある程度段階的にしなければ、今先生がおっしゃったように、三千五百万借りて一千万返したけれども、あと二千五百万あるじゃないか、もう返せないんだから、端的な言い方をすれば、棒引きにしろよというようなことに関しましては、まじめにお返しいただいている人との格差をつくり、かえって不公平になる。国民の皆さんの中にはそういう考えをお持ちになろうと思いますので、現段階では、平成十年からとり得る最大限の努力をし、相談窓口にきちんと御相談いただいて、変更可能だということもお含みおきいただきたいと存じます。

山田(正)委員 実際の話として、具体的に、できるだけ支払いを延期してもらうとか金利だけにしてもらうとか、最近そういう努力をしているということで、私としてもよかったかなという思いがあるわけですが、新しくできましたいわゆる個人の民事再生、その中での住宅ローンの扱い、これは大きな問題になってくるわけです。

 これも、公庫としては国民の税金なので減免にどうしても応じられないというお話ですが、まさに、裁判所を通じて客観的にその人の支払い能力、担保価値等々を考えて、こういう条件で破産に至らないように何とか救おうというのがこの法律の趣旨ですから、そういう意味では、税金だから、いわゆる財投で借りているお金だから公庫としてはそういうことはできないんだという、そういうかたくなな考え方ではなく、当然のことながら、金融機関として、いわば裁判所のそういう民事再生の再生条件については応じていく、そういう前向きの姿勢、それがぜひ必要だと思うんですが、大臣、それはいかがでございましょうか。

扇国務大臣 今、山田先生がおっしゃったことがまさにそのことでございまして、私が申しました相談窓口といいますのも、そのことを正直に窓口に御相談いただく、それぞれの、民法は民法での解釈がある、だから、こうしてほしいんだけれどもどうだろうか、そういう御相談をまず段階的にしていただくのが一番公平なことであって、もう返せないから、民事で決まったからこれはすぱっと棒引きにしろよということでは逆に不公平になろうということを私は先ほど申し上げましたので、ぜひ、こういう相談窓口を御利用いただいて、御相談に乗っていただきたいと存じます。

山田(正)委員 実際に住宅ローンで悩んでいる。そして、支払いに困っている。そして公庫も、私自身が電話しても、本当に木で鼻をくくったような返事、二件ともそういう話で、住宅保証協会の方にもう回りましたから、そちらの方とお話ししてくださいと。住宅保証協会では、淡々と競売の手続をやります、話し合いには応じられません、我々は弁済したのですからと。これが実態なんです。決して、今公庫総裁が話しているように、そういう大岡越前守みたいな取り計らいをしている、これではないのが実情なんです。ぜひ、そういう意味では、大臣もその辺は考えていただきたいと思います。

 同じく、融資の問題でもう一つ。高い金利のときの五・五%、今たしか二・六%ぐらいだと思うんですが、これを何とかそこまで下げてもらえないか、そういうお話はよく聞くことなんですが、それについては、総裁、どうですか。

 当然、今二・六で貸しているんですから、相談窓口にあった人たちに対しては、では金利は少なくとも二・六の金利でやりましょう、そういう扱いだけでもしているのか、していないのか。

望月政府参考人 お答えの前に、先ほど先生が、公庫の担当窓口の、木で鼻をくくったようなといいましょうか、冷たい対応という御指摘がございました。具体のことを本当に承知していないことを、不明を恥じるわけでございますが、職員に対して、我々組織挙げまして、くれぐれもそういったことのないようにしっかりと相談に応ずるようにということを再度確認させていただきたいと思います。

 また、おっしゃるように、保証協会に渡ったときの問題、これが多分多々あろうと思います。延滞して、私どもが機関保証を保証協会から代弁を受けて、その後保証協会が債権履行する。この間においての態度というものも、今お話ありましたけれども、これは私は、理解の中では、保証協会も、代弁したから右から左へすぐということではなくて、できるだけまたその段階でも債務者との御相談を濃密にやるという努力をしていると承知していますが、さらに入念にこの辺を私どもからも要請してまいりたい、このように思います。

 それから、問題は、過去の既往の融資にかかわる高金利口といいましょうか金利が高いものと現行金利の低い部分、こういったものを見たときに、何とかその借りかえを認めろとか、あるいは金利を何とか減らせとかいうふうな御意見でございますけれども、これもまことに冷たい言い方に聞こえるかもしれませんけれども、私ども、金融の基本原則というものを踏まえまして、かつ公平の観点ということを考えますと、ある意味では、そういうことをやりますと、もともと私ども公庫にできる機能を持っておりませんが、財源的にも手当てはありませんけれども、やはり、ある種のモラルハザードに結びつくんじゃないか。こういったことも懸念されるところでございまして、まことにいろいろな事情はわかりますけれども、過去においてお貸しした金利というものは、それを前提に長期で着実に御返済いただくということを基本にさせていただきたいと思います。これは公庫の都合ではなくて、そうでないと、そういうことをやれば、さらにまた財政負担が膨大なものになるということが当然ございます。

 ちょっと参考までに、もし仮に全部をやったとした場合、全部というのは、今まで七十四兆円融資していますが、現在の金利だと三・七%くらいでお貸ししています。それに対して、現在融資している基準金利は二・六%です。これを、極端に言えば全部を入れかえた場合どのくらいになるかというと、毎年毎年七千八百億円からの財政負担を伴う。これは参考までに申し上げますが、それ以前に、金融の基本原則からして、やはりそれについては、まことに心苦しい答弁になりますが、なかなかこれはできることではない、こう申し上げさせていただきます。

山田(正)委員 大臣もお聞きになっておったと思いますが、公庫の方は窓口でもって十分相談してそれだけやっているじゃないかと先ほど大臣は言われました。ところが、金利が五・五のものを、今貸している金利の二・六にまで下げられない、それはできません、そう言っていて、本当に公庫は、相談窓口でもって、いわゆる困っている国民のためになっているのかどうか。どうも大臣としては言えないようですから、副大臣、高橋先生に御答弁を。どうお考えでしょうか。個人的見解でも結構です。

高橋副大臣 融資の問題については、公平性も持たなきゃいけませんし、御意見の中での困った方への救済という意味もわかりますけれども、公庫としての今までの沿革、また大臣が先ほど申し上げましたような理由から、ちょっと先生の御提案というのは無理かとも存じます。

山田(正)委員 公庫も、そして政治家の我々の代表である大臣も副大臣も、本当に木で鼻をくくったような、失礼申し上げました、丁寧な御答弁だと思われますが、本当にいわゆるリストラ等々に遭った国民としては、もっともっと思いやりのある公庫の貸し付けであり、公庫の回収であっていいのではないか、その点をよくよく御認識いただければと思います。

 それから、公庫の問題で最後に一つ。

 先ほど樽床議員が、官の民に対する圧迫、そういう論議をやっておられましたので、それに関してですが、今度の法改正でもって住宅融資保険、これを九〇%から一〇〇%に変えた、この切りかえによって、公庫が民との競合、いわゆる競争をして融資を争っていくというのではなくて、民が主体としてやることに対して、公庫の、官の方が住宅ローンの保証という名目のいわゆる肩がわり、保証をやっていく、そういうことによって、かなりの部分を保証料でもって運営していくという公庫の形をとっていけば、いわゆる民営圧迫とかということは避けられるのじゃないか。先ほど樽床議員の話を聞きながら、いわゆる一〇〇%保険、これを活用してやっていこう、そういう考え方、これは大臣、いかがでしょうか。

望月政府参考人 いささかくどいかもしれませんが、公庫の業務の大きな柱に、これまでも民間の住宅ローンについて融資保険をつけるという業務をやらせていただいております。

 問題は、その業務について今回またさらなる拡充をお願いしている、こういう経緯でございますが、前提といたしまして、公庫の総裁としての考えを一言申し上げさせていただきますと、先般来しばしば御議論ありますように、公庫の担うべき住宅金融の使命、役割というものについて、私どもは今後ともやはり直接金融というものが基本であっていく必要があるのじゃないか、こんなふうに置いているわけですが、その間において、今般の融資保険制度はあわせてやっているわけですけれども、今までの九割てん補というものを一〇〇%てん補しよう、補てんしよう、こういうものでございます。これを今回あえて提案させていただいている事情は、基本的には官民協調、官民の望ましい協調路線というものを目指す一歩であることは間違いございません。

 直接的には、特別割り増し融資制度を今般五カ年間延長させていただきますが、その間において、重点化という観点から金額を減額するという部分もございます。そういった部分について、あわせてこの融資保険一〇〇%補てんをやることによって両々相まったエンドユーザーサービスができるように、こういった思いでお願いしている次第でございます。

 そうなりますと、当然ながらこの制度は、従来のスキームに新しい制度のスキームをつけ加えるということになるわけでして、我々としては、これについては今までと同様にいろいろな審査を金融機関でやっていただくわけでございますけれども、融資審査に当たっては、基本的には公庫の融資審査と同様なことを踏まえていただきたい、かように思っています。

 もちろん、個々の金融機関の独自の審査基準を満たすことは当然でございますが、プラスして、例えば月別返済額が、私ども公庫の一番大事な部分ですけれども、毎月々の返済額が、年俸の十二分の一ですけれども、収入の二〇%以下であるようにということを基本原則に置いています。そういうことはちゃんとクリアしていただくような融資についてお願いしたい。保険をつけるとか、こういうことでございます。

 そういったものを踏まえながら、基本的には、公庫と民間金融がよりよい関係で協調できればと、こういう思いを持っているところでございます。

山田(正)委員 どうも総裁のおっしゃっていることは聞いていてよくわからなかったのですが、前向きに、民官の協調という形で保険の分野を十二分に活用していただければと、そう思います。

 次に、高齢者住宅の法案の件で、今村政務官にお聞きしたいと思います。

 この住宅供給促進について、いわゆる補助金を出すということになっております。この補助金は、三分の一を地方自治体でも出すようになっておりますが、地方自治体というのは、各市町村というのは大変今財政が厳しい状況です。そんな中で、こういう制度ができた。確かにいい制度だけれども、本当に地方自治体は高齢者に対してそれだけの補助金を出せるのかどうか、今村政務官、どう思われましょうか。

今村大臣政務官 ただいまの御質問でございますが、端的に申しますと、いわゆる補助の対象としては、高齢者向けの、階段とか手すりとか廊下とか、そういった共用部分、これが大体今建築費の三割ぐらい占めると言われておりますが、そのうちの三分の一を地方公共団体が負担する、そして三分の一を国が負担するということになります。ですから、そういう意味では、建設費の一割の負担になるかと思います。これが建設費の補助。

 それから、家賃の補助もございますが、これはいわゆる地場の相場と、本人の御負担願う水準と、その差をまた半分ずつ持つという仕組みでございます。

 そういう中で、これは、例えば公営住宅を地方公共団体なりが直接建てられるとすると、実は全建設費の二分の一の負担になるわけでございます。ですから、例えば一千万円かかったとすると、直接公営住宅をつくると五百万円負担しなきゃいけない。しかし、この制度を使いますと地方自治体は百万円で済むということになります。したがって、今後、こういった民間の金も活用しながら、できるだけこういった供給をふやしていくということになれば、地方自治体としてもむしろこういった制度を活用される方がいいのじゃないかというふうに私は思います。

 そして、これにつきましても、よく地方自治体の方のニーズの把握等もしっかり行いましてこの建設の計画を進めてまいって、自治体に無理がいかないように、そしてできるだけ潤滑にこれが供給できるように、そういうことで進めてまいりたいと思います。

山田(正)委員 よくお話はわかるのです。地方自治体で高齢者のための、いわゆる身障者のためのそういう住宅を用意するところはわかるのですが、それができないような、一部できたとしても、それ以上できないようなところに、ところがどんどん世の中は高齢化が進んでいく、そうするとどうしてもそういう部分が必要になってくるが、そういったものに対して、国としては特別な交付金とか何らかのそういう措置を考えているということはないのでしょうか。

今村大臣政務官 これはむしろ総務省の範疇に入るかもしれませんが、できるだけそういった事情をよく配慮して、今後の福祉政策の一環も含めて、私たちもこれについてぜひお願いをしてまいりたいというふうに思っております。

山田(正)委員 家賃の減額の補助というのは大変おもしろいと思うんですが、家賃を補助してやるということ、これをどの程度の収入の人に対してできるのか。

 もう一つ。私、テレビで一度見ていましたら、ホームレスの女の方が、生活補助をもらわなきゃ生活できない。ところが、生活補助をもらうのに、どこか住んでいなきゃいけない。家を借りようとすると、なかなか貸してくれない。やっと借りたかと思ったら、すぐに追い出されて、結局、もう一度路上生活のホームレスでさんざんな目に遭っていく。ドキュメンタリーだったと思うんですが、福祉事務所も警察も、みんな何もできなかった。

 そんな中で、家賃の減額の補助とか高齢者に対する入るときの家賃の六カ月の保証とかというのは大変いいことだ、そう思ったんですが、そういった場合、そういう人たちに対しても、そういう保証とかあるいは減額の補助とか、そういうことも含めてできるのかどうか、ひとつ政務官に重ねてお聞きいたします。

今村大臣政務官 今回の制度は、高齢者向けの居住用住居を確保する、なかなかお年寄りには貸してもらえないということを主眼に置いていますので、ホームレスの方までは正直言ってちょっと手が及ばないというのが実情でございます。

山田(正)委員 それは確かに無理かもしれませんが、高齢者対策としてはともあれ一歩前進だ、そう思われますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 大臣に、この法案のことで。予定されている第六十六条ですかね、当該賃借人の死亡があったことを知った日から一カ月を経過するまでの間に認可事業者に対し認可住宅に引き続き居住する旨の申し出を行ったとき。これはどういうときかと申し上げますと、二人いた、御夫婦でいた賃借人の一方の配偶者がいわば亡くなったときに、亡くなって一カ月以内に申し出があったときにはその方も、終身賃貸借の件ですが、そのまま居住を続けてもいいよ、そういう法の規定だと思うんです。

 一カ月といいますと、例えば亡くなって一カ月というのは、葬式してばたばたしている間にすぐ過ぎてしまう。その間に申し出をしなければもう出ていきなさいということになってしまう。民法上の借家法ですと、申し立てをしなくてもそのまま居住できますね。そういう意味では、今回の法改正というのは同居居住者にとっては大変厳しい内容になっているわけなんです。例えば、民法の場合でも、相続の放棄等も亡くなって三カ月という期間があるわけです。亡くなって三カ月でも、実務の扱いでは、相続を放棄できることを知ってから三カ月というふうに、大体判例もそう扱ってくるようになりました。

 そういう意味では、申し出ればそのまま引き続きその家に賃貸借が継続できますよということを亡くなった後知ってから、そういうことを知ってから一月、そういうふうに解釈しなければいけないんじゃないか、そう私は考えるんですが、政務官、いかがでしょうか。

今村大臣政務官 先生御指摘のように、確かに私も一カ月というのはどうかなというふうに正直に思っております。それはもう、お通夜があったりお葬式があったり、あるいは初七日だ何だ、あるいは都会では死んでからも住宅難、お墓探しはなかなかままならないとか、そういうことで一カ月というのはすぐたっちゃうんじゃないかなという感じはいたしております。

 ただ、今回の終身賃借権というものは、高齢者の方にできるだけ貸しやすいといいますか、あるいは借りやすいといいますか、そういった面もこれは考慮しなきゃいけない、そういう意味では、先生今おっしゃいました借地借家法の規定なりあるいは相続放棄の規定は、これはある意味では非常に権利を強く認めてあるわけでございます。しかし、これを余り強く認めると、逆に、やはり貸す方がためらっちゃうんじゃないか、その辺との兼ね合いの問題で一カ月ということにさせてもらっているわけでございます。

 しかしながら、私が当初申しましたような問題点もあるかと思いますので、できるだけこれを契約の際にしっかり周知徹底させるなり、あるいは、ここまで踏み込んで言っていいかどうかわかりませんが、例えば契約の際の約款なりなんなりにそういったことを特別に盛り込んでもらうような仕組みでありますとか指導でありますとか、そういったことをして、できるだけこういった方の権利の保護といいますか、そういったものはそういった面で確保してサポートしてあげたいというふうに思っております。

山田(正)委員 これは法律ができるときで、法律の解釈として将来のために言っておきたいと思いますが、この一カ月というのは、いわゆる死亡してから一カ月ではなく、申し出れば残された高齢の配偶者の方はまたその人が亡くなるまでそのまま住めるんですよ、そういう事情を知ってから、亡くなってからというのは知ってからの意味だというふうに私としては解釈、運用すべきである、そういう意見を述べさせていただいて、この質問は終わらせていただきたい、そう思います。

 次に、家賃の滞納保証。家賃の滞納保証、六カ月間は滞納保証をしましょう、高齢者がなかなか入れない、その入れない高齢者に対して、大家さんに対して六カ月間は家賃の保証をしましょうかという法律の趣旨だと思うんです。

 普通、敷金とか権利金とか礼金、一月とか二月とかということはあると思うんです。あるいは、六カ月の家賃滞納、普通は六カ月の家賃滞納で内容証明郵便が出され、出ていってくださいという形になると思うんですが、普通、一般に明け渡しまで進まれるというのは六カ月以上たってからの場合なんですね。そうなると、実際、実務の扱いとして、大家さんとしては、本当に六カ月ぐらいの保証でいいのか、これは期間としては短過ぎるのではないのか、そういう気がするわけですが、それについては、副大臣、高橋先生、どうお考えでしょうか。

高橋副大臣 今お話のありました家賃債務保証の期間は六カ月で十分かということでございますが、この債務保証は、高齢者の入居敬遠傾向の強い民間ということをお考えいただきますと、高齢者のために賃貸住宅を提供してもらうために登録制度と一体的に設けようという趣旨でございますので、六カ月というふうに決めてきたわけでございます。

 家賃を一定期間以上滞納いたしますと、家主から、債務を不履行した、こういうことで解約、退去を求められることになりますが、大体、家がなかなかお年寄りに借りられないということは、高齢者の入居を敬遠する傾向とか、病気、事故の不安とか、家賃滞納の不安ということもございますので、滞納後二、三カ月で明け渡し請求を行い、六カ月程度で実際に退去に移るというふうなことが通常ですから、六カ月、こういうことにしたわけでございます。

 家賃滞納保証の履行の対象となった高齢者には、やむを得ない事情で困窮状態に陥っているというふうな場合には、高齢者の状況に応じて、御承知の福祉施設や公営住宅に関する必要な情報提供がされますように関係者間で緊密な連携を図っていきたい、こういうことでございまして、家賃債務保証のほか、高齢者に対する福祉サービスの面につきましては、福祉部局との連携を一層強化していきたい、こう考えているところでございます。

 具体的には、都道府県や市町村の福祉部局と指定登録機関などが適宜情報交換を行うための体制整備などの環境づくりを行いまして、今後厚生労働省と国土交通省の間で協議を進めることといたしておりまして、このことにより高齢者の入居を拒否しない住宅の登録が促進されるように期待しているところでもございます。

山田(正)委員 今副大臣から六カ月過ぎた後福祉の方で対応していきたいという回答でございまして、今の状況ではそれしかないかな、やむを得ないかなという気がしないでもありませんが、そういう形でも、何せ高齢者が入った後の対応等々も十分に検討いただければと思います。

 実は、保証する機関ですが、高齢者居住支援センターを予定しているということなんですが、高齢者居住支援センターというのは、どういう団体でどういう仕事をやっているんでしょうか。これは、同じく副大臣にお願い申し上げます。

高橋副大臣 登録制度、高齢者への家賃保証制度の概要でございましょうが、これは、高齢者世帯の入居を拒まない賃貸住宅の登録・閲覧制度の創設というふうな問題でございまして、登録された住宅を対象とする滞納家賃の債務保証を高齢者居住支援センターが実施するということになっております。

 まず、高齢者居住支援センター、これは基金の設置で国費二十億円ということでございますが、これから高齢者世帯の入居を拒まない住宅の登録を受けまして、都道府県が指定登録機関となり、情報を一元化いたしまして、そして高齢者単身・夫婦等へ周知徹底される、こういうことでございます。

 仕組みとしては、高齢者が支払う保証料及び基金二十億円をもとに、大家さんに対しまして家賃保証を実施いたします。先ほど申し上げましたように、対象住宅は登録された賃貸住宅、対象世帯は高齢者単身・夫婦世帯等、保証対象は家賃の六カ月分を限度、保証期間は、更新は可でございますが、二年間、保証料は月額家賃の二%程度、実務的には二年間分を一括払い、こういうふうな仕組みと承知しております。

山田(正)委員 私が聞いたのは、そういう趣旨じゃなかったんですが。

 いわゆる高齢者居住支援センターというのは、財団法人なのか社団法人なのか、どういう仕事をしている団体かよくわかりませんが、行政改革の大綱に従って、いわゆる公益法人、そういったものをできるだけなくしていこう、むだなものをなくしていこう、これが建前だと思うわけです。その中で、今回このような高齢者居住支援センターに保証させるということはいかがなものか。

 大臣にお聞きしたいと思うのですが、同じ保証だったら、先ほどの住宅金融公庫も保険業務をやる、保証業務をやりますと言っているわけですから、そういうところにやらせるべきなんじゃないか。そして、住宅支援センターという、財団法人か何か知りませんが、そういうものはもうどんどん廃止していかなきゃいけないんじゃないか。大臣も同じ考えだと思いますが、最後になりました、ひとつ大臣からお話しいただければと思います。

扇国務大臣 今お話を伺っておりまして、センターの話が出てまいりましたけれども、少なくとも高齢者居住支援センターは、家賃の滞納等に関します債務保証業務に加えまして、高齢者の居住の安定を図る、そういう観点からも、情報提供のサービス等々の業務を行う機関としてあるのは先生御承知のとおりで、今も副大臣から申し上げたとおりでございます。

 先生がおっしゃいました、保証であれば公庫の保証協会をというお話もございましたけれども、公庫保証協会は住宅金融公庫が行います住宅の融資の債務保証を行っておりまして、債務保証のノウハウはございますけれども、高齢者の居住に関する専門的な知識というものは十分とは言えない、そういうものを有していないというのが現状でございます。

 高齢者向けの公共住宅の管理運営や高齢者向けの住宅の調査研究等を通じましては、むしろ、高齢者の居住に関する専門的な知識あるいはノウハウ等々を有しております、これを蓄積して持っております高齢者住宅財団が行われることが効率的であり、かつ高齢者の皆さんに対しては一番適切な対応ができる、そういうことのために今回はこういうふうな扱い方をさせていただいたというのが現状でございますので、私は、両々相まって、お互いの特徴を生かしながら、より高齢者の皆さんに親切、適切な指導、そして親切な対応ができるということでの指定だというふうにお考えいただきたいと存じます。

赤松委員長 山田君、そろそろ締めてください。

山田(正)委員 もう、すぐ終わりますから。

 高齢者居住支援センターというのは、いわゆる高齢者の情報等についてというのですが、高齢者のいろいろな情報を集める財団法人、そういったものは全くむだなんじゃないか。また、公庫保証協会が保証じゃなくて、公庫そのものが保険業務をやっているから、各銀行に対する融資の保証をしていると同時に、大家さんにそういう保証をしていってもいいんじゃないか。官民のすみ分けと申しますか、そういったことからして、できるだけそういうむだな公益法人をなくし、そして公庫にそういった分野でやっていただく、そういう考えで取り組んでいただければと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。

赤松委員長 午後一時四十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時四十一分開議

赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。佐々木秀典君。

佐々木(秀)委員 民主党の佐々木秀典でございます。

 私は、当委員会の委員ではないのですけれども、機会をいただきまして、この法案審議の最後の質問者ということになりました。恐らく、これまでの同僚委員の質問、いろいろな角度からの御質問があったことと思いますけれども、重複する部分があるとすればお許しをいただきたいと思います。

 私がきょう質問の機会を得させていただいたのは、一つには、先般、私の地元は北海道の旭川市という寒冷の地でございますけれども、ここの宅地建物取引業の関係の方々、宅建協会と言っていますけれども、そのセミナーがございまして、そこに参加する機会を得ました。今度の法改正に絡んでと申しますか、不動産業界も一様に大変苦戦をしておるわけですけれども、そんな中で、住宅建設などについて、これまで公庫が果たしてきた役割、それからまた関与の深さというのは皆わかっておりながら、しかし、その運用などについて、あるいはその実態について、やはりいろいろな御注文もあるわけですね。

 そういうことも踏まえた上で、よりよい公庫のあるべき姿といいますか、あるいは議論されておりますように、民間の金融機関との役割の分担だとか、あるいはいい意味での競合、競業といいますか、そういうようなことについても考えるべきものがあるのではないか、そんな観点から質問をさせていただきたい、こんなふうに思っている次第でございます。

 したがって、まず最初に、これはもうほかの同僚委員からも質問があるいはあったのかもしれませんけれども、今の住宅ローン貸し付けの実態ですけれども、公庫の場合と国内の他の民間銀行の場合とでどういうことになっているのか。例えば昨年、平成十一年度の住宅ローン貸し付けについての総額、これは公庫とそれから国内銀行についてどうであるのか。まず、このことからお知らせをいただければありがたいと思います。

邊見政府参考人 平成十一年度におきます住宅金融公庫の貸付総額は、十一兆五千五百七億円となっております。うち、個人向けが十兆六千百九十二億円でございます。

 民間機関が平成十一年度に新規貸し出しを行いました個人向け住宅ローンは、日本銀行の統計によりますならば、十五兆九千三百九十三億円となっております。

佐々木(秀)委員 この数字でわかるように、むしろ民間の住宅ローン貸し出しの方が総額としては多くなっておるわけですね。

 従来は、この公庫が設立された当時などは、どちらかというと公庫の住宅貸し付けに対する割合というのはたしか多かったはずだと思いますし、また、いろいろな事情変更もあったことは間違いないわけですけれども、その経過として、今お示しをいただきましたように、国内銀行の住宅ローン貸し付けの方が多くなっている。四兆ぐらい多くなっているのですかね、大ざっぱに言って。こういうようにまず確かめさせていただきました。

 そこで、何にいたしましても、大変大きな大きなお金が動いているということになるわけですけれども、現在の公庫の貸し付けの残高、これがどのぐらいあるのか。それと、その中で不良債権の額、これは法律によると六カ月以上返済が滞っているものについて不良債権としての扱いになるようにもうかがわれるのですけれども、まずそれでよろしいのかどうか。そういう上で、この不良債権の額というのがどのぐらいになるのか。このことをまずお聞かせいただきたいと思います。

邊見政府参考人 平成十一年度末におきます公庫の融資残高は、七十四兆五千四百十三億円でございます。

 不良債権という御指摘でございますが、公庫も他の政府関係金融機関と同一の基準でもって公表いたしておりますが、それが六カ月以上の延滞債権ということでございます。公庫の六カ月以上の延滞債権の件数は二万八千百十八件、金額にいたしますならば四千百六十三億円でございます。これは、先ほど申し上げました融資残高に占める割合といたしましては〇・五六%となっております。

 なお、最近の経済状況の悪化を背景に、漸次増加いたしている状況でございます。

佐々木(秀)委員 いずれにしても、残高が七十四兆、本当に膨大なお金ですね。大体、年度の国の予算にはちょっと足りないけれども、それに匹敵するような額ですからね。大変な金額が使われているということになるわけですね。

 そのうち不良債権が、今のお話だと〇・五六%。比率的には、率的に言うとそう高くないのかなとも思われるわけですけれども、しかし、金額に直しますと、なかなか実額としてはこれまた大きいということになる。そして、できるだけこの不良債権は出さないように、出した場合には適切な処理をしてその回収を図ってもらわなければならないことになるわけですね。

 そこで、この不良債権の処理ですけれども、これはどんなふうにやっておられて、どんな手を用いておられるか。

 そして、特に、もう御案内のように、昨年、これは私が今筆頭をやっております法務委員会が主管でしたけれども、いわゆる破綻をした企業あるいは個人について、その再生を図り、清算をして破産をさせてしまうのではなくて、何とか立ち直りを図りたいということで、民事再生法という法律ができたわけですね。

 この民事再生法の個人部分の特例の中で、住宅ローンについても配慮されている。できるだけ、もうどうにも払えなくなっちゃった、それは抵当権が大抵ついているわけですけれども、担保権を実行されてとられちゃうとか、あるいは競売にされちゃうとかいうようなことでなくて、せっかくに苦労して苦労して苦労して自分で取得したその建物、マンションなんかもそうですけれども、その住居はなるべくその人に使わせて、召し上げないようにしたいという配慮がこの民事再生法の中に働いているんですけれども、これとの絡み、今度の改正の中でも考えられているようですね。

 そのことを含めて、この不良債権の処理、あるいはこの民事再生法との関連での措置などについてお伺いをしたいと思います。

邊見政府参考人 先生御指摘のとおり、不良債権は最初から出さないようにするというのがもちろん大前提でございます。そのためにも、私たち、融資の段階でしっかりと資金計画の相談もいたしておりますし、また適切な審査もいたしておりますが、不幸にして延滞になったという場合につきましては、公庫は、返済が滞ったといたしましても、直ちに代位弁済とか競売を行うということではございませんで、返済に懸念のある債務者の方に対しましては、公庫の支店、また受託金融機関の返済相談体制を整備いたしまして、親身になって個別に相談に応じているところでございます。

 その相談を通じまして、債務者の状況に応じて、さまざまな返済方法の変更の措置、例えばボーナス併用返済の取りやめでありますとか、あるいは法定期間内での返済期間の延長でありますとか、また元金均等返済から元利均等返済に変更するとか、こういった債務者の状況に応じまして返済方法の変更措置を実施いたしております。既に、平成十年四月から現在に至るまで、十万八千件に上る返済変更の措置を講じているところでございます。また、昨今の経済動向を踏まえまして、平成十年四月からは、ゆとり返済利用者に対する返済期間を最長十年延長するという特例措置も実施しております。既に、平成十年四月から現在に至るまで、一万件を超えた変更措置を実施いたしております。

 さらに、勤務先の倒産等によりまして返済が困難となった利用者の方には、平成十年十月の閣議決定に基づきまして、返済期間の最長十年の延長、また元利据置期間の最長三年の設定、また元金据置期間中の金利を五%を限度に引き下げる、こういったような措置を講じまして、返済負担を軽減し、返済が継続されるよう、困難者に対する特例措置を通じまして、債務者の生活を守るという観点から、柔軟な対応を行っているところでございます。

 さらに、民事再生法のお話がございました。個人民事再生法によりまして、破産するおそれがある住宅ローンの債務者が、民事再生法の住宅資金貸付債権の特則に基づいて裁判所に申し立てを行い、再生計画について裁判所の認可を受けた場合には、延滞元利金の繰り延べ、また返済期間の最長十年の延長、元金の最長五年の一部据え置きが認められることとなっております。公庫といたしましては、個人債務者が、生活の基盤である住宅を手放さずに経済的な再生を果たすという民事再生法の趣旨にのっとりまして、適切に対処していく所存であります。

 具体的に申し上げますならば、最高裁判所規則によりまして、債務者が再生計画案の作成を行うに当たって、住宅ローン債権者は債務者に対して必要な助言を行うことが求められているところであります。公庫といたしましては、返済相談の一環といたしまして、返済困難者が適切な返済計画を立案できるよう、返済期間の延長や、また元金の一部据え置きを行った場合には、月々どのくらいの返済額になるかといったような具体的な試算を行うなど、個々の状況に応じた適切なアドバイスを行ってまいる所存でございます。

佐々木(秀)委員 現在の公庫法では、二十二条で貸し付け条件の変更の規定がございます。貸し付けを受けた者が、災害その他特殊の事情により元利金の支払いが著しく困難となった場合に、主務大臣の認可を受けて、貸し付け条件の変更だとか延滞元利金の支払い方法の変更をすることができるという規定がある。恐らく、今の前段のお話は、この条文などを拡大して、よい方向で運用してきた、こういうことなんだろうと思うのですね。

 加えて、今お話しのように、民事再生法もできた、これも活用しながら個別に措置を図っていく、なるべく手放さないようにできるように配慮していきたい、こういうことなんだろうと思うのですね。

 そういうことで、あるいは期間は長引くかもしれないけれども、回収もそれによって図られる、そして債務者がせっかく苦労して手にした住宅も手放さなくて済むということは、両方にとってもいいことですから、この辺を活用しながら、これからもひとつ適切な措置をとっていただきたいと思うので、そのことを特に要望しておきたいと思います。

 それにしても、公庫は、何といっても、特殊法人ですから、民間の金融機関と違って、うんと利益を出したり、もうけたりということは必要ないわけです。これは公庫法の第一条にも目的として書かれてありますように、「国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設及び購入に必要な資金で、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的」としてつくられているわけですから、こういう目的に沿うために、私は、特に利益を上げなくてもいいとは思うけれども、そうかと言って、損金ばかり出していたのではどうしようもないわけです。ところが、実情としては、公費の投入も随分あるわけだし、なかなか利益どころでなくて、損金の方が多いのではないかということが指摘されています。

 そこで、お尋ねをいたしますけれども、この公庫の融資財源ですけれども、これはもうだれもがわかるように、財投からの借り入れが大きな大きな原資になっている。それでは、この財投の借り入れの残高が今どのぐらいあるのか。一方、公庫の業務を達成していく中で、収入と支出と両方があるわけですけれども、今、収入の主なものは年間の財投の借入額ということになるだろうと思います。

 それからまた、貸し付けたお金について返済があるわけです。この返済金の収入があるはずです。それでも足りないということで、これはまた次に支出があるわけですが、この支出との絡みになると思いますが、支出の方としては、まずローンの貸し付けがあるんです。それから、経費が要ります。職員さんが千百数十人ですか、この職員さんの給料をもちろん払わなければいけない。それから、この財投などからの借入金の返済、これは利息がかかった金ですね。利子も込みで払っているということになるわけですが、これが全部でどのぐらいになるか。どうもそれが足らないということで、国から利子補給などの名目で補助金が出ているわけです。この内容をひとつお話しいただきたい。そして、特に国からの補助金額については、昨年だけではなくて、できれば三年ぐらい、幾ら入っているか、これをお示しください。

邊見政府参考人 十一年度末におきます財投の借入金の残高は七十四兆九百三十六億円となっております。平成十一年度決算における主な収入について申し上げます。

 先ほど御指摘いただきました財投の借入金が七兆五千八百四十五億円、それから貸し付けの回収金は九兆千五百六十三億円、貸付金利息収入は二兆七千八百十二億円となっております。そして、一般会計からの補給金等でありますが、六千二百十億円となっております。

 一方、主な支出の項目でありますが、貸付金は十一兆五千五百八億円、財投借入金の償還は五兆二千二百六十五億円、財投の借入金利息は三兆千八百十五億円、それから事務費でありますが、人件費百四億円を含みます事務費が二百二十七億円、業務委託費が四百九十二億円となっております。

 先生、今お話しいただきましたが、補給金は一般会計から受け入れているわけでありますけれども、これは政策的に市場の金利水準よりも低利の融資を行うために必要不可欠なものとして受け入れているところでございまして、平成九年度が四千四百億円、平成十年度は五千六百億円、十一年度の決算は、先ほど申し上げた六千二百十億円という状況でございます。

佐々木(秀)委員 大変大きな金額が出たり入ったりしているわけです。今ざっとお伺いをしたんですけれども、そうすると、公庫の場合の収支ですが、収入と支出を比べると、支出の方がやはり大きいわけですね。だから、その分の埋め合わせとして国から援助を得ている、こういうことになるんですね。

 今お聞きをしましたら、例えば昨年で国からの補助が六千二百十億と言いましたか。十一年度、六千二百十億。大体毎年同じぐらいの金額なんでしょうか。ちょっと聞き漏らしたかな、前年度、十年度、平成九年度はどのぐらいでしたかね。

邊見政府参考人 ちょっとおわかりにくかったかと存じますが、国からいただいております補給金は、平成九年度は四千四百億円でございます。平成十年度が五千六百億円でございます。そして平成十一年度が、今申し上げた六千二百十億円となっております。なお、十三年度予算は四千四百五億円を予定しているところでございます。

佐々木(秀)委員 そうしますと、この三年間で四千四百、五千六百、六千二百。ふえていますね。一千億ぐらいずつふえているんですね。これもまた大きな大きなお金だと私は思うんです。

 例の住専問題のときに、国民の税金、公費を投入するというので大分大問題になった。それこそ、この委員会室、予算委員会でも大議論になったことを思い出しますけれども、あのときの公費の投費が五千億でしょう。それをめぐって大論議になっている。それから比べても、この公庫に投入されている国からの負担というのはばかにならない金額だということを、私どもとしてはやはり軽視できないと思うんですね。

 そういうことと絡んで、公庫のあり方の問題なんですね。質問通告してあります順序をこれに絡んで少し変えたいと思います。個別の問題がこの後あるんですけれども、その前に、今との関連で、この公庫のあり方あるいは改革の問題、これがこの委員会でも議論をされたと思います。

 実は、私の所属する民主党では大変厳しい意見が出ております。特に、行革との絡みで、特殊法人の整理統合について、しばしば閣議でも議論がなされ、決定もされていますね、大臣も御承知のように。例えば平成九年の九月の二十四日の閣議の決定では、この金融公庫のあり方についても一定の見解が示されていることは御承知のとおり。そして、私どもの民主党の中でも大変厳しい意見が出ております。

 本来、私がさっき読み上げましたように、この住宅金融公庫の存在意義、設立の必要というのは、あくまでも銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを住宅建設あるいは住宅取得に絡んで融通するんだということを旨としている。

 ところが、この業務の範囲が次第次第に拡大され、公庫法も改正されて、確かにその改正によって、国民大衆というか必要とする人々には喜ばれるような改正というのが行われたことは間違いないし、住宅建設あるいはその流動化などに貢献したということも私は否めないと思うんですね。

 しかし、同時にそのことが、本来民間の金融機関でできることを公庫がほとんどやっているじゃないか。一般に言われているところでは、住宅建設関係でも、この公庫のお金が約三〇%を超えて四〇%近く利用されている、それによって民間の金融機関、民業を圧迫しているのではないだろうかと。

 片や、これだけの公金を使ってやらなければならないというようなことを考えると、もうそろそろこういう融資業務については民間の方に任せて、公庫としては、仮に存在するとすれば、本来の目的にかなうような業務の範囲を特定する、あるいは融資の対象になる人たちを限定する。

 例えば、まさに一般の金融機関からはなかなか相手にしてもらえないというような、あるいは相手にしてもらうのには困難な、あるいは難しい問題がある、例えば低所得者に限るとか、あるいは社会的な弱者と言われる障害者の方だとか高齢者だとか、あるいは、この後で私またお伺いをしたいと思いますけれども、シックハウスに関連するような建物だとか、それを必要とするような人々に限るとかいうようにした方がいいのではないかという改革の論議がある。

 あるいは、ドラスチックな議論の中には、もう公庫の役割は終わっているんだ、だからここですぱっとやめた方が行政改革の理念にも合うんだ、こういう考えも出てくるわけなんですね。

 まず、この辺について、大臣、公庫の位置づけなどを、住宅政策との関連などでどうお考えになっているか、お聞かせいただけますか。

扇国務大臣 佐々木先生御不在だったと思いますけれども、けさからずっとこのことを民主党の先生方、樽床先生にももう延々と質問をいただきました。私は、民主党さんの御意見としても大変慎重に拝聴もいたしましたし、また、我々の対応しております政策もよく御説明したつもりでございますけれども、大事なことでございますので、重ねて答弁させていただきたいと思います。その点は、重なることもお許し賜りたいと思います。

 少なくとも私は、住宅の取得という件に関しましては、年収の数倍の借入金を必要とするという、住宅を取得することが人生にとっての大きな大事業であるということは、もう私どもだれしもひとしく意見が同じところであろうと思います。

 この住宅金融公庫を利用する皆さん方、先ほども私申し上げたんですけれども、特に年収が八百万円以下の皆さん方が大変多く利用していらっしゃる。住宅ローン、八二%の方がこの公庫を借りていらっしゃるということでございますので、中低所得者と言ったら失礼ですけれども、八百万円以下の本当にそういう人たちにとっては住宅取得のための命綱と言っても過言ではないような今までの御利用がございます。

 そして、先ほどからも、もう役目は済んだんじゃないか、官が民を圧迫することではないという御意見があることも確かでございますけれども、私は先ほども先生との意見の交換を拝聴しておりまして、そのことだけではなくて、国民の皆さんの住宅を取得したいという欲望とともに、我々が住宅着工をすることによって大きな経済効果あるいは景気浮揚に果たしてきた役割というものは私は大変大きなものがあったと思うんですね。

 ですから、平成の九年以降の五回の経済対策の中にも、住宅対策ということで、これも増額してきたという点も先ほど御紹介ございました。そのことによって、この住宅金融公庫のあり方だけではなくて、それにもたらされた、国民の皆さん方の住宅を取得することによっての家具の買いかえとか、あるいは冷蔵庫の新規とか、そういうふうな経済効果もかなりございました。

 住宅建設の経済効果というものが、生産の誘発効果としては少なくとも住宅投資の一・九倍あったということも事実でございまして、金額にすれば、住宅投資が二十一・八兆円で、生産効果というものが四十二・五兆円にも及ぶということも大きな役割。また、耐久消費財の購入等、これは一世帯当たり二百二十六万円ということでございますから、そういう意味で大きな経済効果を持ってきた。

 また、私たちは、そういう意味におきましても、皆さん方の住宅を取得したいというその欲望を満たしながら、なおかつ中低所得者に対する満足度、そしてそれによって購買効果が上がってくるということを考えますと、民を圧迫してはいけないというのは当然のことでございますけれども、民の場合は、低所得者の人たちの借り入れという割合が、先ほど私が申しました八二%ですけれども、民間の住宅ローンの八百万以下の人の借り入れパーセントは五〇・九%にしかならないのですね。皆さんが民間の方が多くなりますのは、一千万を上回る利用者は民間の場合は三二・一%、そして公庫の場合は一千万以上の人は七・六に下がるということでは、まさに中低所得者への福音になっているというふうに私は考えます。

 暫定的にと言うと語弊があるかもしれませんけれども、今までの国民の皆さんに対する公庫の寄与度ということから考えますと、年次的にはもうそろそろ考えなきゃいけないなという先生の御意見も参考にはさせていただきながら、これを激変緩和することも私はどうかなという感覚を持っておりますので、説明にかえさせていただきます。

佐々木(秀)委員 私も、いきなりなくせなどということを言っているのじゃないのです。また、大臣おっしゃるように、恐らく樽床委員からの質問でもそういうやりとりがあったことだろうと思いますけれども、これまで公庫の果たしてきた役割の重さというのを否定するわけでもないのです。そうかといって甘えていてはいけないよということなんだろうと思うのですね。

 先ほど御紹介しました平成九年九月二十四日の閣議決定の中でも、「政策金融機関は、官民の役割分担を踏まえ、民間金融の補完に徹し、業務の減量化・重点化に努めるとともに、将来にわたる財政負担を含め、財政依存の抑制に努めるものとする。」というように言われていて、特に住宅金融公庫についても四項目にわたって提言があるわけですね。

 こういうことをもちろん公庫としても十分に認識された上で、今度の改正に当たっての御説明の中でも、民間金融機関との協業といいますか、あわせ貸しというか、そういうことについても配慮をしている、工夫がされているようにも伺っているのですね。特にこのことについて今後どうされたいと思っているのか、その方策などについて少しお示しいただけますか。

望月政府参考人 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどうちの邊見理事が御答弁申し上げたことについて、ちょっと補足させていただきます。

 一般会計からの受け入れ、補給金の関係でございます。確かに、十一年度で六千億、その前は五千、四千というふうにいただいております。

 これは、もう先生はおわかりの上で御質問なさっているから、釈迦に説法というか、失礼かもしれませんけれども、公庫のいわば放漫経営とかそういうことによるものでは決してないわけでして、率直に言って、私どもが財投からお借りしている七十四兆円、お貸ししているお金、これとの金利差を補てんするものでございます。

 そういった意味で、先ほど申しましたように、数字を言いますと、十一年度でいいますならば、貸付金で入ってくる利息収入が二兆七千で、財投にお返しする利息が三兆一千、これだけでももう四千億。

 要するに、こういうものを埋めるためのものであるということを踏まえますと、言うならば、この数千億というのは、こう言っては大変失礼な言い方かもしれませんけれども、現実は公庫融資を利用なさる国民の皆さん方に対する税金投入である、こういう側面を持っておると思います。

 そういったことで、一言つけ加えさせていただきました。

 先生がお話しのように、私ども公庫、当然のことながら行財政改革の中にあることは十二分に承知いたしておりまして、累次にわたる今までのもろもろの改革決定、求められている指摘事項、こういったことについては忠実に努力させていただいているつもりでございます。

 とりわけ、今おっしゃったように、民業との関係、公庫、出過ぎじゃないかという問題等々を考えますと、累次にわたる経済対策等で私どもがかなり多目に融資させていただいておるという経過の中で、結果として、民業の圧迫といいましょうか、民に対する公庫の出過ぎという面も出ているわけでございまして、そういった意味で今般も思い切った御審議を賜っているのは、ほかでもありませんが、今年度で切れてしまいます特別割り増し融資、これをかなり大幅に減額させていただきながら、同時に、一方で、はじめてマイホームのような人に対しては配慮しようと、かなりきめ細かく努力させていただいているつもりでございます。

 なお同時に、公庫融資を減額するということについて、その結果として国民個人個人の方々が融資で難渋を喫しては困るというお声も出てくる可能性がございます。そういった意味では、同じく御審議賜っていますように、融資保険制度について、今度一〇〇%補てんするという保険制度を新しくつけ加えさせていただきまして、これなんかもある意味では民と公庫の協調関係というものに具体的に突っ込んでいけるものではないかというふうに考えております。

 などなど、私ども、もろもろにわたる改革論議については真剣に取り組ませていただいているつもりでございますし、今後ともその気持ちはいささかも弱いものではありませんということを申し上げさせていただきます。

佐々木(秀)委員 もちろん、これまでも御努力なさっていることについては私は否定はしないのです。しかし、こういう論議がある中で、今後一層意を用いて、工夫を凝らして御努力をいただかなければならないだろうというように要望したいのですね。

 今の金利の問題は、確かにそうですね。貸し付けたものに対する金利よりも、財投の方から借りている金利の利率の方が高いのは決まっているわけで、これが減らない。だからそっちの方が高い。この借金返しの金利で苦労しているというのは、いろいろなところの特会で出ているのですね。例えば林業がそうでした。国有林野の事業特会、あれもひどかったですね。とうとう三兆を超える借金が膨らんじゃった。といっても、そのかなりの部分が借金返しの利息だったわけです。

 そういうところはここで解決するわけにはいきません。これは金融財政の面でひとつしっかり議論をしないと、私は、いろいろなところにそういう矛盾が出てきているのだろうと思うので、これはまたぜひ政府としてもお考えいただかなければならないことではないかと思うのですね。そうでないと常にこういう問題、矛盾が露呈をしてくるわけですから。ここではちょっと解決になりませんから、これ以上申し上げません。

 そこで、個別の問題に入らせていただいて、先ほど御紹介したように、地元の宅建業関係の方々と話したときに出てきた話なんですけれども、どうも公庫融資のかなりの部分が水増し融資ではないだろうか。

 例えば、北海道の場合、公庫融資で、坪単価で建築費が大体七十万ぐらいまで見積もられて融資されることになっている。実際には坪単価三十万から四十万でできるものが、そこまでぎりぎりに七十万というような見積もりを出して、もっともらしくやってくる。どうもその審査が非常にぬるいのじゃないか。

 そこの中で、業者との、談合と言ったらなんですけれども、そういうようなすり合わせみたいなことをやって、そこで水増しされて得たお金を、業者は、その建築のために充てるのではなくて、建物建築のために、材料なんかにきちっと使うのではなくて、見積もりどおり使うのではなくて、そこでもっとコストの安いものを使うとか、あるいは全く別な用途に、自分の自家用車を買うのに利用したり、そういうようなものが割合不良債権化している。こういうような実態があるということについての苦情を実は聞いてきたのですけれども、こういうことが実際にあるのか。その審査などについてのチェック、このチェック機関がまことにぬるいのではないかということも言われているのですよ。

 さっき、業務委託のお金、費用ということがありましたね。確かに、公庫の業務については民間の金融機関に委託しているのですね。その民間の金融機関の担当者との問題でもあるようなのですね。ワンクッション置いているわけでしょう。そういうことと絡んで、今みたいな、言ってみれば、いいかげんなといいますか、脱法行為的なそういうことが行われているのではないか。この辺の実情はどうなっているか。それをチェックするにはどうしているのか。この辺、公庫、どうですか。

望月政府参考人 公庫の融資を御利用いただいている方々、もう圧倒的多数というか、ほとんどのものは私は適正な申し込みを行っていただいている、こういう認識をさせていただいておりますが、その一方で、今先生御指摘のようなことがあり得るなということも率直に認めざるを得ません。

 といいますのは、昨今、非常に販売競争が熾烈な地域というのが間々見られます。こういったところに限りませんけれども、そういったところなどにおいては、いわゆる値引きだとか、言うなればその結果、今先生おっしゃったような事柄が出てくる素地があるわけでございますが、大幅値引きと実際の融資を申し込む手続の間におきますそごといいましょうか、こういったことについて、私どもは審査をかなりナーバスにやっているつもりでございます。

 どこがどうということは申し上げさせていただくのはちょっと控えますけれども、はっきり言いまして、融資をお断りする案件、あるいはかなりの額を減額する案件、こういったものを個別にチェックさせていただいて、適切に処理しているというのが実情でございます。率直に言って、そういった件数が目につくということは否めないところでございます。

 中でも私ども非常に神経を使っていますのは、いわゆる悪質なケースというのがあるのですね。言ってしまえば、業者も関与して、公庫手続において、例えば申込書類をいろいろと偽造するとか、所得証明だとか、物によっては、身分を証明するようなものを偽造してみたり、あるいは本当に我々が想像する以上のことをもっともっとお考えになっている。いろいろな手口みたいなものがあるのですけれども、そういった特に悪質な事案につきましては、私ども、これは関与した業者さんも含めまして、しっかりと対応していこうということで、公庫融資手続を、一時取り扱いを停止するとか、あるいは物によっては刑事告発、あるいはまた刑事告訴というふうな法的措置に踏み込んでいるというのも全国的には何件かやらせていただいております。

 公庫では、従来からこういった不適正な申し込みというものを防止するためには、やはり数千万円、年収の何倍という融資を求める、融資を希望するというお客さんに対しては、まず本人が直接窓口に来ていただくということが絶対欠かせないことだろうということで、この数年来は、本人の来店、銀行の窓口、あるいは物によっては公庫の支店に来ていただいて直接審査をするとか、あるいは契約書の原本を確認するとか、さらには、今先生おっしゃいましたけれども、建築費がどうだとかということを考えますと、近傍類似の、いわば類似価額の比較、こういったことはかなり濃密にやらせていただいているつもりでございます。

 いずれにしましても、おっしゃったようなことが今後余り、ふえるという言い方はおかしいのですけれども、放置されるようでは、これは公庫融資に対する国民の信頼を裏切られる、この根幹に触れるという、非常にこれは大事なことでございまして、私どもゆゆしき問題という認識を常に持ちながら、神経を過敏に張りながら、しっかりした審査をさらに強めていきたいと思います。

 その間においては、当然ながら、おっしゃいましたように、業務を委託しております銀行の窓口さんの仕事、それから、そこから進達を求めて公庫の方でさらに再審査するというのもやっているのですけれども、この辺の連携も、年々歳々といいましょうか、毎年毎年、どちらかというと厳しくなる傾向に今ありまして、これがまた、ある意味では公庫は審査が厳し過ぎるとか言われる御批判もいただいていますけれども、おっしゃるように、そういう問題について何としても適正化しなければいかぬ、こういう思いを役職員一同強くしながら、金融機関にもお願いしながら頑張らせていただいている、こんな次第でございます。

佐々木(秀)委員 まさに総裁がおっしゃるように、信頼の問題だろうと私は思うのですよね。まじめにやっている人たちからの公庫に対する信頼が失われるようなことになっては、あるいはそれが阻害されるようなことになるのが非常に困る、私はそう思うので、ある意味では、そういうように見積もりなんかも不適正にして水増しで融資を得るなどということは、それは債務として残るわけだからそのまま取得してということにはならないにしても、特にそういうようなところほど不良債権化するというようなことを聞くと、これは一種の公金詐取みたいなものですから、こういうことにならないようにして、まじめな方々の御努力に報いるようにしていただきたいものだということで申し上げているわけです。

 ところで、そのために審査が厳しくなるのはある程度はしようがないとしても、もう一つ、実は公庫融資について使い勝手の悪いところがあるということも言われているのですね。

 例えば、申請から決定までに時間がかかり過ぎるのではないだろうか。これは、業務委託をしている、それを担当する銀行の担当者がだれだかわからないとか、それがしょっちゅう知らない間にかわるとか、あるいは中古住宅の融資制度については特にそうなのだそうですけれども、なかなか窓口が、申請があったその都度審査をしていくというのならいいのだけれども、一定の時期が来るまでそれをためておいてからどんとやるものだから、そんなこともあって、非常に審査がおくれてしまうというような苦情があるのですね。

 特に私の地元の旭川あたりというのは非常に寒いところで、ことしはまた雪も多いのですよ。もう随分雪が多くて、そしてことしの一月になってから、これも例年と比べると異常なのですけれども、一月、明けて間もなくの間に零下二十何度になるなどというもう本当に厳しい寒さ。こういう中では住宅建設もなかなか進みません。確かに昔と違って工法もよくなったものですから、昔は、住宅にしても建物にしてもビルにしても、冬期の建築工事などというのほとんど考えられなかったのですが、今はどんどん進んではいます。進んではいるけれども、一たん雪が降り出して、吹雪の中でなどというような工事はできっこありません。それから零下二十数度の中でこれまた工事をするなんていうのは怖くて、いろいろな危険が伴いますからできません。

 それから一方、中古住宅なんかの売買の場合になりますと、これがまたいろいろな点で建物に支障が出てくるのですね。それだけの寒さになると凍るのですよ、凍結してしまうのですよ、水道管が。そういうようなこともあり、いろいろなところに損傷が出てくるのです、雪のために傷むとか。

 そういうことを考えますと、建築の方でも、売買の方でも、やはりなるべく冬期間は避けるというか、冬期間に申請をして、雪が解けたら一斉に着工するとか、売買、動かすとか、非常に時期が大事なのですよ。ところが、審査に手間取ったりしてその時期を外してしまうということになる、そういう苦情が実に多いのですけれども、そうした地域的な事情に配慮するような方策なりということは、公庫の方では考えておられるか。あるいは、そういう業務委託をしている先に、そういうことについてきちんと打ち合わせをしながらやっておられるのか、点検しておられるのか。その辺はどうなっていますか。

山口政府参考人 公庫融資のお申し込みから融資の決定までに時間がかかり過ぎるのではないかというお尋ねでございます。それにつきましてお答え申し上げます。

 公庫におきましては、先ほどお尋ねもございました、住宅ローンの破綻を未然に防止いたしますために、また住宅の価額を、これも先ほどお話がございました、水増しをするなどの申し込みを未然に防止する、そういった観点から、住宅の取得計画や資金計画などにつきまして、一般的には、申し込みから二週間から三週間程度の期間で審査をいたしているところでございます。これは新築住宅でも中古住宅でも同様でございまして、中古住宅については特に長い期間がかかっているというわけではございません。

 ただ、中古住宅につきましては、申し込みの際に、必要書類の一つといたしまして、中古住宅調査判定書という書類、これは公庫融資の対象となるかどうかを確認するためのものでございますが、この書類を準備していただくという必要がございます。この申し込み前の書類の準備を含めまして考えますと、一部において融資手続に時間がかかっているのじゃないかという印象を招いているのではないか、こう思われますが、これらの一連の手続は、公庫利用者の方が取得される中古住宅の良質性を確認する、このために必要な手続でございまして、何とぞ御理解を賜りたいと申し上げたいと思います。

 また、銀行の窓口のお話が出ました。窓口の体制でございますが、利用者の方の利便の観点で鋭意努力しておるわけでございますが、例えば受け付け期間の末期になりますと、お申し込みが集中するものでございますから、若干通常の場合よりも時間がかからざるを得ないという実態がございます。これについても御理解いただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、公庫といたしましては、今後とも、融資審査の適正を期する一方で、全体といたしましては、公庫利用者の利便性の観点から審査の効率化に努めてまいりたい、そう思う所存でございます。

 また、御指摘のございました北海道の工事の制約、こういったことへの対策でございますが、御指摘のとおり、冬場、雪で基礎工事に支障が出てまいりますその前の秋の受け付けにおいてでございますが、業界等の要望も踏まえまして、設計審査の事前受け付けなど、そういった措置を講じておりまして、今後ともそういう実情に即しまして対処してまいりたいと思っております。

佐々木(秀)委員 いずれにしても、使い勝手が悪いと言われないように、それと、そういう地域の特性というのも十分考慮してやっていただくように。また、業務委託を受けている銀行の担当者などが、これは公庫の業務であって、それをゆだねられているんだ、自分本来の業務じゃないよなどということになったら困るんですね。ですから、その点はうんと督励していただかないと困るんですよ、ちゃんと経費払っているんだから、委託経費を、委託料を。それをぜひお願いしたいと思います。

 それからもう一点、これは手短にお答えください。中古住宅の売買の場合に、これも融資が出ますね。これは銀行間だと同時決済の方式、つまり売り手も融資を受ける、買い手も受ける、そうすると、担保に入っている、それを決済の中で担保を外してこっちへ登記を移すというようなことをやっているのに、公庫はどうもそれを認めてくれないという苦情があるんですよ。売り手も買い手も公庫から融資を受けて、それで同じ建物について、同じ住宅について決済しようとする、それなのに同時決済は認めない、まずその担保を外してそっちを解決してこいというようなことを言われた向きがあるというので、これはどうなんですか。そんなことをやっているということはあるんですか。簡単に答えてください。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の同時決済処理、その方式についてでございますが、窓口の受託金融機関との合意のもとに実行できますように、公庫といたしましては手続を設けているところでございます。

 ただ、この処理方式でございますが、これを行いますのには、売り主、買い主、そして売り主、買い主双方の仲介業者さん、それからさらには双方の金融機関並びに司法書士、こういった方が一堂に会しまして、もろもろの手続を集中して行うということになりますが、そのために半日程度の時間を要するということになっております。そういう関係当事者の諸事情によって限定的に利用されているというのが実態でございまして、今後とも実効が上がりますように、周知に努めてまいりたいと思っております。

佐々木(秀)委員 やらせないということではないということですね。

山口政府参考人 そうでございます。

佐々木(秀)委員 その辺、苦情があるんですよね。ですから、そういうことを全然制度的に認めないということなら別だけれども、そういうことは全然ありませんよというんだったら、何が支障になっているのか、それをひとつ十分に検討してください。同時決済が一番早いんだから、それがそういう不動産の流動化も促進することになるんですから。阻害要因になるはずがないんです。ぜひこれを進めるようにやってください。

 時間がだんだんなくなりました。シックハウスの問題で若干お尋ねをしたいと思いますけれども、シックハウスの問題については、これはもう時間がありませんから詳しく申し上げません。大臣初めとして皆さんおわかりのことです。

 これに対する対策、非常に重要視されてきましたね。それで、公庫でも、昨年からですか、このシックハウス症状対策のためにということで、換気扇に対する融資枠の拡大、五十万でしたか、でも、こんなものでは私はとても足りないと思うんですよね。

 シックハウスの原因というのはまだまだわかりません。その症状についてもまだいろいろ議論があるところだけれども、しかし、残念ながら、人間というのは困ったもので、憲法の二十五条には、社会的で健康で文化的な生活をする権利はあるというように書いてあるんだけれども、一方で、文化性を求めるとだんだん健康を害することになっているんですものね、大臣。そのあらわれだと思うんです、まことに悲しいことに。しかし、これを見過ごしておくわけにはいかない。

 そこで、政府としても連絡協議会をつくっているようですね。これは国土交通省あるいは厚生労働省、それぞれどんな対策を考えておられるのか。住宅局長かな。

三沢政府参考人 シックハウス問題は大変重要な問題でございます。このため、私ども国土交通省におきましては、今までも、例えば、一つは、生産者向けのいろいろなガイドラインとか、それから消費者向けのマニュアルとか、それから、公共工事の仕様書においては、そういうものが出ないようにきちっと選定基準を明記するとか、それから、昨年の十月からいよいよ本格的に施行を始めております住宅性能表示制度におきまして、化学物質の放散量に応じた内装材の等級表示をするというようなことも始めております。そのほか、相談体制の充実であるとか、先生、五十万じゃどうしようもないと言われましたけれども、公庫の割り増し等も今までやってきたところでございます。

 現在、連絡会議の中でも関係省庁と連絡しながら対策を進めることとしておりますけれども、全国の住宅約五千戸くらいにおきまして、一つは、化学物質濃度の実態調査をやろうかというふうにしております。それからもう一つは、平成十二年度の公共事業等予備費の中で三億円というものを確保いたしまして、いわゆる化学物質濃度の高い住宅を効果的に改修する技術の開発調査ということも始めております。

 さらに、これからの話といたしましては、住宅性能表示制度において、もっと化学物質濃度そのものを何か表示するような方式があるのかないのかということとか、それからさらに進んで、建築基準法の中でそういう建材とか換気設備の基準のあり方を扱えないかというようなことも含めて今検討を始めているところでございますので、今後とも、関係省庁と連携しながら、しっかりやっていきたいと思っております。

佐々木(秀)委員 実は、厚生労働省にも、健康局長に来ていただいているんですけれども、時間がなくなりましたけれども、それじゃ一言だけお願いしましょうか。

篠崎政府参考人 厚生労働省といたしましては、病態の解明、診断法、治療法などの確立に向けた調査研究、そしてシックハウスに関する普及啓発及び相談体制の充実などの施策を推進してまいりたいと考えております。

佐々木(秀)委員 済みません、ありがとうございました。

 では、時間がもうなくなりましたけれども、御紹介をさせておいていただきたいと思いますが、実は、私の地元の旭川で、産学官で共同いたしまして、このシックハウス問題に対するセミナー、これは、旭川の市長もパネラーとして入りまして、そういう中から生まれたことなんですが、産学官の共同研究で、化学物質過敏症研究住宅というものをつくってみているんですね。これは、北海道の材を使って、それから有害農薬なども全く使っていないでやっている牧場があるんですけれども、その牧場の中に研究住宅というのを建てて、ここでシックハウス病にかかっている患者さんに試験的に共同生活をしていただく。そして、これをデータにとって、どれだけ効果があるかということをやっていく。旭川は大変空気もいいし環境もいいものですから、ぜひ、そういう保養基地、保養施設をどんどんつくっていただくということにしたらいいのじゃないかな。そのことについて、また行政機関も、あるいはそういう意味での住宅建設についても、また公庫として果たしていただく役割もあるのではないかな、こんなふうにも思ったりしておりますので、そのことを御紹介し、そういうことについての御援助をぜひお願いしたいということも申し上げたいと思います。

 この法改正についても質問を予定しておりましたけれども、恐らく同僚委員からの御質問もあったろうと思います。時間が参りましたので、私の質問は一応ここで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

赤松委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 まず、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。前原誠司君。

前原委員 民主党を代表して、ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論をいたします。

 反対の第一の理由は、住宅金融公庫の業務が民間金融機関を著しく圧迫している事実が存在しているにもかかわらず、それに対して抜本的な対策がとられていないことであります。

 民間金融機関の間には、貸し倒れ懸念の少ない個人向けローン分野に対する要望が高く、住宅金融公庫が大規模な直接融資を行っていることに対して批判の声が上がっております。住宅金融公庫のような公的主体が住宅ローンについて大規模な直接融資を行う例は、諸外国を見ても余り例はなく、民間金融市場の発展の観点から、この点は早急に改善すべきであります。

 第二の理由は、住宅金融公庫の行うローン融資の業務範囲が際限なく広がるおそれのあることであります。

 住宅金融公庫法第一条では、「銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通すること」としており、業務範囲を政策的に限定する旨を規定しています。しかし、融資対象者に所得制限を設けていないなど、幅広い融資業務を行っている実態は周知のとおりであります。今後は、民間金融機関から融資を受けることが困難であるものに対してのみ融資を行うなど、業務の範囲を特化していくべきであります。

 第三の理由は、特殊法人改革に対する政府の意気込みが、本案件からほとんど感じることができない点であります。

 住宅金融公庫を初めとする特殊法人については、昨年末に閣議決定された行政改革大綱において、廃止、整理合理化、民営化などの措置を講ずるとされており、すべての特殊法人についてゼロベースから見直すという方針が明らかにされています。住宅金融公庫についても、この観点から、業務範囲の縮小、整理合理化を推進するべきでありますが、本案件の内容では全く不十分であります。

 以上三点の理由から、本案件には反対する旨をここに表明し、討論を終わります。(拍手)

赤松委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 これより採決に入ります。

 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、赤城徳彦君外五名より、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、保守党、21世紀クラブの六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。樽床伸二君。

樽床委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、保守党及び21世紀クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえます。

    住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 行政改革大綱(平成十二年十二月一日閣議決定)の趣旨を踏まえ、住宅金融公庫の業務について、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた整理・合理化に努めること。

 二 住宅金融公庫の融資については、障害者、高齢者等社会的弱者の居住の安定、シックハウス問題への対応等、政策誘導機能を重視したものとなるよう努めること。

 三 死亡時一括償還融資については、利用者が高齢者であることに十分配慮し、適確な理解の上で利用されるよう関係者の指導、制度の周知等に努めること。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立多数。よって、赤城徳彦君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣扇千景君。

扇国務大臣 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におきましては熱心な御討議を賜りました。ただいま可決されましたことに深く御礼を申し上げたいと存じます。

 今後、審議中におかれました委員各位の御高見、あるいはただいまの附帯決議におきまして提起されました、住宅金融公庫の業務のあり方、あるいは政策誘導機能の重視、死亡時一括償還融資についての指導、制度の周知等の課題につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じております。

 ここに、委員長初め委員各位の御協力に対しまして深く御礼を申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。

 ありがとう存じました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 次に、高齢者の居住の安定確保に関する法律案について議事を進めます。

 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 高齢者の居住の安定確保に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、赤城徳彦君外五名より、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、保守党、21世紀クラブの六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。河上覃雄君。

河上委員 ただいま議題となりました高齢者の居住の安定確保に関する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、保守党及び21世紀クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    高齢者の居住の安定確保に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、特殊法人等への事務・事業の委託(特殊法人等の業務の追加)等については、行政改革大綱(平成十二年十二月一日閣議決定)の趣旨を踏まえ、真に必要なものに限定するとともに、その実施に当たっては透明性の確保と業務運営の効率化に努めること。

以上でございます。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立多数。よって、赤城徳彦君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣扇千景君。

扇国務大臣 高齢者の居住の安定確保に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く御礼申し上げたいと存じます。

 今後、審議中におかれました委員各位の御高見、ただいまの附帯決議において提起されました特殊法人等の事務事業などの課題につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め委員各位の皆様方の御協力に対して深く感謝申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。ありがとう存じました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

赤松委員長 次回は、来る二十一日水曜日午後二時五十分理事会、午後三時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時五十分散会






このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.