衆議院

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第16号 平成13年5月30日(水曜日)

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平成十三年五月三十日(水曜日)

    午後四時三十五分開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 赤城 徳彦君 理事 桜田 義孝君

   理事 実川 幸夫君 理事 橘 康太郎君

   理事 玉置 一弥君 理事 樽床 伸二君

   理事 河上 覃雄君 理事 山田 正彦君

      今村 雅弘君    木村 太郎君

      木村 隆秀君    佐田玄一郎君

      菅  義偉君    田中 和徳君

      高橋 一郎君    竹下  亘君

      中馬 弘毅君    中本 太衛君

      林  幹雄君    福井  照君

      松岡 利勝君    松野 博一君

      松本 和那君    三ッ林隆志君

      谷津 義男君    吉田 幸弘君

      阿久津幸彦君    井上 和雄君

      大谷 信盛君    今田 保典君

      佐藤 敬夫君    手塚 仁雄君

      永井 英慈君    伴野  豊君

      肥田美代子君    吉田 公一君

      井上 義久君    山岡 賢次君

      赤嶺 政賢君    瀬古由起子君

      日森 文尋君    保坂 展人君

      二階 俊博君    森田 健作君

    …………………………………

   国土交通大臣       扇  千景君

   国土交通副大臣      泉  信也君

   総務大臣政務官      山名 靖英君

   国土交通大臣政務官    木村 隆秀君

   国土交通大臣政務官    田中 和徳君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  香山 充弘君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  安富 正文君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局

   長)           高橋 朋敬君

   参考人

   (東日本旅客鉄道株式会社

   代表取締役社長)     大塚 陸毅君

   参考人

   (東海旅客鉄道株式会社代

   表取締役社長)      葛西 敬之君

   参考人

   (九州旅客鉄道株式会社代

   表取締役社長)      田中 浩二君

   参考人

   (日本貨物鉄道株式会社代

   表取締役社長)      伊藤 直彦君

   国土交通委員会専門員   福田 秀文君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月三十日

 辞任         補欠選任

  倉田 雅年君     竹下  亘君

  坂本 剛二君     三ッ林隆志君

  川内 博史君     井上 和雄君

  細川 律夫君     肥田美代子君

  前原 誠司君     手塚 仁雄君

  大幡 基夫君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  竹下  亘君     倉田 雅年君

  三ッ林隆志君     坂本 剛二君

  井上 和雄君     川内 博史君

  手塚 仁雄君     前原 誠司君

  肥田美代子君     細川 律夫君

  赤嶺 政賢君     大幡 基夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七三号)

 自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出第五三号)




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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省鉄道局長安富正文君、自動車交通局長高橋朋敬君及び総務省自治財政局長香山充弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として東日本旅客鉄道株式会社代表取締役社長大塚陸毅君、東海旅客鉄道株式会社代表取締役社長葛西敬之君、九州旅客鉄道株式会社代表取締役社長田中浩二君及び日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長伊藤直彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉置一弥君。

玉置委員 参考人の皆さんには、大変御苦労さまでございます。時間は三十分ということで限られておりますので、要点のみをお聞きして、最終的な結論を得たいというふうに思います。

 国鉄分割・民営化以降十四年という年数がたったわけでございますが、今までの論議の中で、国鉄民営化のメリットというものが、一応税金を払うまでになったというふうに皆さん理解して、また実績も上がってきたということでございますが、片方では、長期債務の処理の失敗で、新たな十四兆円が上積みをされて、金利分としてまた処理をしていかなければいけなくなったということもあります。そして、何よりもまず、個々のJR各社の経営状態が実際にどういう見通しなのかということも、これから完全民営化していく中で一番重要なことでございまして、この辺についてお聞きを申し上げたいと思います。

 そういう意味で、まず、経営状態を含めた運賃の状況がどういうふうに推移してきたのか、この辺が一番国民にとって敏感に影響するところでございますので、その辺についてまずお聞きをしたいと思います。

安富政府参考人 JR各社の経営状況と運賃でございますが、JR本州三社につきましては、おかげさまで、国鉄改革以後、順調な経営を維持しておりまして、既にお話ししていますように、毎年法人税等千五百億円を払うまでに至っております。ただ、三島及び貨物につきましては、依然として非常に厳しい経営状況にあるということでございます。

 その間、そういう関係もございまして、国鉄改革以降の運賃改定の状況でございますが、平成元年の四月一日の消費税導入時におきまして、消費税相当分ということでJR各社では平均二・九%の改定を行っております。さらに、平成八年の一月十日に、経営状況が厳しいということもございまして、JR北海道が平均七%、JR四国が平均六・七%、JR九州が平均七・八%の基本運賃の改定を行っているところでございます。さらに、平成九年四月一日に、消費税率の引き上げ等に伴いましてJR各社では平均一・九%の運賃改定を行っております。

 そういう意味で、三島を除きました本州三社については、消費税以外の運賃改定は現在行っていないという状況でございます。

玉置委員 消費税しか上がっていませんということでありますが、片方では特急料金とかそういうのもあるわけです。それともう一つは、十四年間も上げなくて済んだということは、よほど高かったのではないかというふうに推定をすることもできるわけですが、片方では大変な努力をされているということでもあろうと思います。

 そして、私たちがずっといろいろな論議に参加をさせていただいて、職員の方々の意気込みといいますか、民営化されてからの意気込みが、やはり自分たちが生き延びていくためというか、企業としてお客様に利便性とサービス、この辺を感じていただこうという意欲がありありとあるわけでございまして、この間からの論議の中で、あいさつ一つ変わってきたということがあります。そして、非常に愛想がいい、悪いところもありますけれども。それはどこがなんて言いませんが、悪いところといいところとがありまして、やはりそれだけに社内でいろいろと論議をされてまいってきているというふうに思います。

 収益性という面で、確かに変わってきたのでございますが、これからの少子高齢化の中で、先行きの見通しはやはりいろいろあると思いますが、私どもから予測をしますと、やはり少子高齢化というのは、かなり収益に響いていくのではないかというふうに予測をしております。

 それぞれの企業でどういうふうに将来の経営予測をされているのか、この辺について、JR東日本そしてJR東海の双方にお聞きをしたいと思います。

大塚参考人 運賃改定につきましては、そもそも、国鉄改革のときにはいわゆる政府試算というのをやったわけでありますけれども、毎年度一定規模の運賃改定をしないとうまくいかないんではないかというようなことがございましたけれども、実際には、今お話のありましたように、消費税の導入あるいは消費税の税率の改定のときを除きまして、私ども、本州三社そうでございますけれども、運賃改定を実施しておりません。

 これからどうするかということでございますけれども、今後につきましても、当社といたしましては、よほど急激な物価上昇といったような、当社を取り巻く経営環境というものに、激変といいますか劇的な変化というものがあれば、これはまた別でございますけれども、そういったものがない限りは、今後とも、できるだけ今の運賃水準を維持していくということを基本的な考え方としてやってまいりたいというふうに考えております。

 もちろん、この間に、いろいろな旅行商品を初めといたしまして、お客様のニーズに合ったような、値ごろ感のある商品の提供ということにはさらに努めてまいりたいというふうに思っております。

 いずれにしましても、運賃改定をしないで済むような経営体質というのをつくり上げるのが何よりも大事なことであるというふうに認識をしておりますので、今後も、効率的な業務運営体制の確立でありますとか、コストの徹底的な縮減というようなことに努力をいたしまして、お客様の御期待にこたえられるような経営努力を重ねてまいりたいというふうに考えているところでございます。

葛西参考人 御説明申し上げます。

 私どもも、過去十四年間、実質的に運賃値上げをしないでまいりました。私どもの会社の主力であるところの東海道新幹線の特色を申しますと、この市場は、極めて価格弾力性の高い市場であり、また、自動車、航空との競争の強い、コンペティティブな市場でもございます。ということもございまして、運賃を値上げするような事態になることは、輸送量を失うということを同時に意味しますので、我々としては、今後も、でき得る限り運賃値上げはやらないでいくようにしてまいりたいと考えております。

 私どもの会社の特殊な状況としまして、分割・民営に伴う収益調整の結果として、債務を二兆円ほど余分に負担しておりますが、これは、新幹線のお客様にとってみますと、本来の経費よりも二〇%高い運賃をいただいているということになります。ということになりますと、運賃をこれ以上いただくというよりは、むしろ、債務の早期返済をするとか、あるいは効率化を進めることによりまして、経費をできるだけ身軽にしていく、その結果として余裕を生み出していきたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

玉置委員 今、葛西社長からお話ありましたように、長期債務の負担が過重になっている部分、収支状況からいくと七五%ぐらいで限界利益率の部分がある、そこにまだ上乗せをされている、こんな状況なんですね。ですから、本当を言えば、確かにおっしゃるように、二〇%、もうちょっと、普通であれば料金が安くできるということだと思いますが、ぜひそれを経営上うまくはね返していただいて、運営を続けていただきたいというふうに思います。

 私たちは、東海さんがなぜこの完全民営化にうんと言われたか、これは逆に、政府との間に何かお話があったんじゃないかというふうに思うんですが、この辺についてはいかがでございますか。

葛西参考人 ただいま御質問ございましたところにお答えを申し上げます。

 私どもといたしましては、今申し上げましたような債務の構造、これは分割・民営に伴う国民的な合意を得るために必要なことであった、その結果として、本州全体の、不採算路線も含めた鉄道網が維持されているという状況を考えますと、このもとで、何とかJR東海の健全経営を維持していかなければならないということで、債務につきましては、その債務を減らしていただくとか、あるいはつけかえていただくということではなくて、私どもの持っている収入を稼ぐ力の中で、極力早期に返済をさせていただく、それが、長い意味で安定したよいサービスを提供していくことが可能になる条件でもあるということで、お願いを申し上げてまいりました。

 この点につきましては、国土交通大臣並びに国土交通省の皆様方には、その必要性を認識され、ベストを尽くすというふうに言っていただいておりますので、私どもはそれを信頼申し上げるということで、法案については、早期に成立をお願いしたいという立場に立つものでございます。どうもありがとうございました。

玉置委員 負担を強いられてといいますか、償却していくのに、今は横ばいの経済の中で横ばいの人員あるいはプラスアルファを望んでおられるということでありますが、何かのことで、この長期債務の支払いが大変難しくなったというときには、どういう措置をされるのか。この辺について、どちらですかね、国土交通省か、あるいはJR会社の方。

安富政府参考人 将来どういう事態になるかといういろいろな予測はございますが、確かに、利用者がなかなかふえないといったような問題、あるいはいろいろなことからJR本州三社の経営がうまくいかないという事態も想定されるわけですが、我々としては、やはり本州三社が完全民営化という形で純粋の民間会社という形になった以上、長期債務の問題はございますけれども、できるだけ、各社ともそれぞれ、経費節減等経営努力をしていただく、さらには、社会情勢、時代に合った形で利用者サービスを提供することによって、何とか経営を維持していくというようなことで、それぞれ努力していただけるものと期待しております。

 そういう意味で、長期債務が払えなくなったらどうかということについては、ぜひ、何とかそういうことがないようにお願いしたいというふうに考えております。

扇国務大臣 今先生がおっしゃいましたけれども、私たち政治家もそうですけれども、やはりお互いに信頼し合うということ、そして過去の実績を見るということ、私は大変大事なことだと思います。

 きょう今日を迎えるまでに、JR各社がどれだけ努力してきたか。そして、先ほども先生自身がおっしゃいましたように、補助金を出していたものを、税を納めるまでになったというお話も御理解いただいておりますけれども、私は今日までの大変な努力というものを高く評価し、また、再びもとの国鉄の状態に仮にも戻るようなことはあり得ないということで、今度の完全民営化に踏み切ったというのが現実でございますので、私は、今後JR三社はよりすばらしい発展をしていくであろうということを信じております。

玉置委員 私も十四年前の民営化のときの審議にも参加をさせていただきまして、あのときは、まさかこんなにもうかる会社ができるとは思わなかったですね。実際に、その当時の国鉄の状況を見ると、人は大変余っておりましたし、そして売り上げは全然伸びない、なおかつ、いわゆる老朽化設備に対する投資と新幹線等の新しい投資というのが非常に大きくて、売り上げの三分の一を超えていたと思いますね。そういう状況の中で、分割・民営会社はとても無理じゃないかと本当に思っていたんですが、これが本当に見違えるようによみがえってきたということでございまして、この純民営化の方も多分そういう意味では大変うまくいくんではないか。むしろ、これから合理化のための窓口が広がりまして、特に、関連事業とかに進出する、このことをうまく使えば、今の人員とか資本力とか、そういうものがかなりうまく活用できて経営に大変大きく寄与するのではないか、こういうふうに思います。

 そこで、JR各社のこれからの関連事業進出について、片方では地域独占とかいろいろな法的な規制もあるわけですし、今自体でも、例えば駅の中に売店を設けようとすると、業者間でいろいろ結束をしてやるというのは本当は独禁法違反なんですけれども、それを平気でやっているところがいっぱいあります。こういうようなことが行われているわけですが、一種の公共事業でもあるわけでございまして、公共事業体でありますから、そういう意味では、純民営といえども、運輸という部門の、公共的な部門を担っていただくわけでございまして、そういうところにありながら、なおかつ関連事業に対していろいろと希望、また期待を持ってこれからやっていかれると思うんですが、どういう方向に行かれるのかということを、もし論議が進んでいればお聞きをしたいと思います。

大塚参考人 御案内のとおり、国鉄改革で新しいJR各社が発足いたしました折には、当然鉄道事業というのが中核になるわけでありますけれども、この鉄道事業だけではなくて、もう少し幅広くいろいろな事業ができるという形にすることによって、全体としての健全な経営というものをつくり上げていこうということが一つの改革のねらいとしてあったと思います。そういう意味では、私どもこれまでも、いろいろな生活サービス事業といいますか、いわゆる関連事業の展開というのを進めてまいりました。また、これからも、当社で申し上げますと、昨年の十一月にグループの中期経営構想というものを発表しておりますけれども、これも、生活サービス事業というものを鉄道事業と並ぶ経営の両輪として位置づけて進めていくということが必要だということにしております。

 ただ、こういうことをやるに当たりまして大事なことは、一つは、鉄道事業との相乗効果があるようなもの、あるいはグループとしての相乗効果が発揮できるようなもの、あるいは当社がこれまで培ってきたノウハウというものを活用できるようなもの、こんなものを選択して経営資源をそこに集中投入していきたいというふうに考えております。

 もう少し具体的に申し上げますと、やはり当社の場合には、一日千六百万人という大変たくさんのお客様に御利用いただいております。この御利用いただいておりますお客様、特に駅というものを中心にいたしまして、この駅の可能性というのをできるだけ引き出した経営展開をしていこうということを考えております。具体的な事業展開で申しますと、これまでもやってまいりました小売業あるいは飲食業を初めといたしまして、これからいわゆるIT時代と言われておりますけれども、音楽配信事業のようなものも考えていこうかというふうに思っております。

 その際に極めて大事なこと、私どもとしてもこれまで十分留意をしてきたことは、現在は、JR会社法第十条というのがございまして、中小企業の方たちに十分配慮するという配慮義務というのがございます。この趣旨を踏まえまして、地元との話し合いというのを粘り強くやりながら進めていくという努力をしてまいりましたし、そういう形の中で地元との調整というのも進めてまいってきたところであります。完全民営化された後も基本的にはその考え方は全く変わらない、つまり、周辺のいろいろな中小企業の皆さん方あるいは住民の皆さん方の反対というものを一方的に押し切って事業展開をするというのは、事業展開そのものが事実上なかなかうまくいかないということになるというふうに考えておりますので、そのあたりにつきましては、完全民営化された後でも十分配慮しながら進めていくということをしてまいりたいというふうに考えております。

玉置委員 もう既に百社近い関連会社があるわけでございますし、また、東海さんは二十社余りございますが、人員もかなり派遣をされております。私たちは、やはり収益を拡大していく、それから事業分野をきめ細かくタッチする、そういう意味で事業進出されるというのは非常にいいことだと思いますが、リストラをやるために企業をつくるとか、こういうことがあってはよくないというふうに思うんですが、この辺についてはいかがでございますか。

葛西参考人 お答え申し上げます。

 私どもも、リストラのための受け皿としての関連企業づくりということを考えてはおりません。

 私どもの関連事業、三つのカテゴリーに分かれると思います。一つは、鉄道のお客様の便利のための、お客様を相手とするサービス、事業、それから、駅というところで乗りおりされる、集散されるお客様にいろいろ便益を高めていただくための事業、それから三番目が、全く鉄道とは関係のない新しい事業、この三つのカテゴリーになるわけでございますが、私鉄並びにJRのこれまでの関連企業というのはすべて一、二のパターンに属しておりまして、三番目の全く鉄道のアドバンテージのないところで新しい事業をやって大成功した例というのは、今のところまだございません。

 私どもの会社は鉄道としてもやや特殊な体質を持っておりまして、都市間旅客鉄道でございますので、生活密着の、いわゆる私鉄型の関連事業をやる場所は比較的少のうございます。名古屋のセントラルタワーズが最大のものであり、あれがほとんどであるということでございますが、あの名古屋セントラルタワーズでは、あの事業を、デパート、ホテル、それにビルの営業と、三つで数千人の雇用を生み出しました。これは決して受け皿ではございませんで、地元の方々に多く仕事をしていただく場ができたということで、喜んでいただいております。

 これからもそういうつもりでやってまいりますし、また、全く鉄道のメリットを生かさずに自分だけの力で新しい事業を起こせるものであるならば、その方にもチャレンジをしてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

玉置委員 関連事業とか進出というのは非常に大事なことでございまして、多角経営の中で危機分散とか危険分散等も目的としてあると私は思いますね。それから、やはり収益率の高いところにいかに進出するかということも非常に大事だと思うので、その辺についてはそれなりの処遇をしていただいて、ぜひまた職員の方々の活用をお願い申し上げたいというふうに思います。

 それから、あと時間がだんだん限られてまいりましたので、まず大臣にお伺いいたします。

 地方ローカル線問題でございまして、この間は西日本の可部線の話が出ておりましたけれども、過疎地のローカル線が非常に経営状態として苦しい。それで、きょうどこかに資料として第三セクターの存続の数字が出ておりましたけれども、実際には、純民間の鉄道会社として赤字の地方ローカル線を抱えていっても、確かにいろいろとお荷物になっていると思うんですよね。かといって、鉄道崇拝というのは地域へ行きますとすごいですから、ちょっとやそっとでなかなかバスに切りかえてくれないということがあります。

 片方で、バスの方は、御存じのようにJRバスに関しましては、地方自治体からの補助、助成はだめだというふうに国会決議がございまして、これだけ忠実に守っていただいている決議はちょっと珍しいぐらいでございまして、その決議をずっと守っていただいているということなんですよね。

 そこで、大臣に、例えばこの難しい路線の維持に関して、最後にどうなるのかというのを判断していただかなければいけないというのがあります。そして、例えばバスになったときに、バスとしては助成、補助が今ない状態ですが、これから新たにつけていただこうという話が、もうほぼ、大体決まったというふうに聞いておりますけれども、この辺の関係をぜひ、赤字ローカル線が廃止になったときにバスにかわりますよ、あるいは、バス路線が廃止になるという話を助成をもとに復活させようということに国土交通省としてどういう対応をされるのかということを、まずお聞きしたいと思います。

扇国務大臣 今の過疎地のバス路線に関しての御質問ですけれども、先日の委員会でも、当委員会で多くの皆さん方から同じ質問をいただいて、いかに路線バス、地域の最後の足と言われます、過疎地において余計バスの事業が必要である、本当に生活の足として、今まで地方バス路線というものを苦しいながらも保持してきた、私は大変大きな、貴重な課題であると認識しています。

 ただ、今先生がおっしゃいましたように、御存じのとおり、来年の二月から実施されます、バス事業の事業規制が変更されるということで、廃止される契機ということで、皆さん大変心配もなさっておりますけれども、本年度から、国と地方の適切な役割分担のもとで、生活交通の確保を図るということが、ある程度新しい制度として創設されることになりました。

 それで、新制度におきましては、先生も御存じのとおり、今までと違って、県あるいは市町村、そして国等の関係者が一緒になりまして、新たに、地域協議会において、生活交通確保の方策について、維持を図るとともにということで、その他の路線についても、県や市町村がその確保を図ることとして、そのための地方財政措置を充実するということに変わってまいったのは、今先生がおっしゃったとおりでございます。

 私たちは、この新しい制度のもとで、各都道府県、市町村との密接な連携を図りまして、地域が必要とする生活交通の確保という点から、今まではできなかったけれども、今後は、今までと違って、どのような事業者であるかにかかわらず補助をするという、いわば路線ごとの補助制度にこれが変更されるわけでございますので、単独ではできないけれども路線ごとの補助であればできる、こういうふうに総務省とも話をいたしましたし、私たちもその協議を、今後も、制度改革ということで、国土交通省としましても、よくこの路線調整を図りながら、地域の足の確保に、何とか皆さん方の御期待に沿えるように努力していきたい。

 この方向転換が大きな課題になっておりましたし、前回の衆議院の、このJRバスに対する地方バスの補助の取り扱いということの御論議があったときにもまだ決定しておりませんでしたけれども、今回こういうことで、路線ごとであればできるということに変わってきたことで、ぜひ路線バスの確保に努力してまいりたいと私は思っております。

玉置委員 では、確認のために、香山財政局長、ぜひよろしくお願いします。

香山政府参考人 お答え申し上げます。

 JRに対する地方団体の寄附の問題につきましては、国会の附帯決議を受けまして、地方財政再建促進特別措置法の趣旨に沿った運用をさせていただいております。その場合、一般的な設置基準を超える場合は寄附は可能であるけれども、その場合はできないという法律になっておりまして、駅のホームを延長するといった施設の場合には、この判断が客観的にできますけれども、経常経費に対する補助の場合は、JR全体の経常経費との区分が難しいといった事情もございまして、経常経費に対する補助は認めないという取り扱いをしてまいったわけでございます。

 ただ、この点につきまして、制度が変わりまして、乗り合いバスの需給調整規制が廃止されたということで、今大臣からも御答弁ありましたとおり、路線ごとの収支が明らかになった上でその路線を維持するかどうかということについて地域の協議会で話し合いをするということになりましたから、その路線単位で見ますと、それを維持することが一般的に設置基準に合うものと言えるかどうかという客観的判断ができるということになりましたので、私ども、この点につきまして取り扱いを変えまして、地域の足の確保のためにどうしてもやむを得ないという場合には地方団体が補助を行うことも差し支えない、こういう取り扱いにしたいと考えた次第でございます。

玉置委員 質問時間がなくなりましたので、あと、準備しておりましたJR貨物の存続について、特に、純民営化されますJR各社の皆さん方には今までのアボイダブルコストのルールを堅持していただいて、また、整備新幹線問題もありますので、その辺とのつながりをうまくつけていただいて、できるだけ貨物線を残していただいて、やはりこれからの環境対策とか日本の物流の根幹をなすような制度にぜひつなげていっていただきたい、これだけを要望いたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤松委員長 山田正彦君。

山田(正)委員 自由党の山田正彦です。

 私どもの自由党は、特殊法人を原則なき民営化、いわゆる行革をずっとうたってまいりまして、これからもそのつもりで、殊に国鉄の改革、JRになってからは、いかにそれが効果的であったかということは、この委員会で、これまでの審議でるる明らかになってきたところです。

 それで、これから民営化について、例えば道路公団とかいろいろ出てくるかと思いますが、それに先立って国鉄の改革が昭和六十二年度になされましたが、それ以来国としてどれだけの債務を負担してきたか。まず、六十二年、改革当時、九州JR、四国JR、北海道JR、三島それぞれに運営基金を、あれは譲与したんですね。そういったものと、それから、第三セクターで切り離したときに、それぞれ国が助成し、その後も助成を続けたようですが、国鉄改革に一体どれくらい我々の歳出の中において負担していったか、それを副大臣にお聞きできればと思います。

泉副大臣 安定化基金のこと等についてお尋ねがございましたが、まず、いわゆる特定地方交通線の転換、あるいは地方鉄道新線の開業、そうしたものに対します助成、補助がなされたものは、大ざっぱに言いまして約千百三十億でございます。これは、中には、鉄道への転換交付金あるいは開業費補助、運営費補助、これは五年間でございますが、運営費補助という、鉄道分野がございますし、バスにつきましても、転換交付金と運営費補助というものがなされまして、今申し上げましたように、約千百三十億となるわけでございます。

 それから、いわゆる三島に対します経営安定化基金というものは、合計で一兆二千七百八十一億円ということでございます。

 それからさらに、最も大きな、いわゆる国鉄清算事業団の長期債務につきましては、平成十年に国会の御同意をいただきまして処理の方策が決まったわけでございますが、これにつきましては、約十六兆円の有利子債務を一般会計に承継することになりました。また、無利子の八兆一千億につきましては、これは借りた方と貸した方が同じものになるわけでございますので、免除ということになっております。

 もう一度申し上げますと、長期債務の十六兆円の有利子債務につきましては、一般会計に承継をすることによりまして処理をさせていただいておるわけでございます。これらを合わせますと、先ほど申し上げました安定化基金を除きまして、約二十四兆二千億という合計金額になるわけでございます。

山田(正)委員 六十二年国鉄改革の当時に、三島のJRに約一兆三千億、それから第三セクターで切り離したところに約一千三百億支払ったようですが、当時は、これでもう負担はしないでやっていけるんだと。いわゆる債務については、国鉄清算事業団ですか、これが二十五・五兆円受けて、資産も受けて支払っていく予定だったと思うんですが、これが平成十年に国鉄長期債務処理法をやらざるを得なくなった。先ほど言いました二十四兆五千四百億というお金、本来負担しなくていいものを負担せざるを得なくなった、これはなぜなのか、その理由はどこにあったんでしょうか。

泉副大臣 一つには、いわゆる当初想定いたしましたような経営環境ができなかった。もっと申し上げますと、国鉄が保有しておりました土地等の売却が、当時の社会経済情勢で、想定したとおりに運ばなかったということが一つありますし、また、財投の資金を借り入れておりまして、その資金に対する十分な手当てができない、いわゆる支払いができないという状況が続いてまいったことが原因であると想定されます。

山田(正)委員 今、十分な土地の処分ができなかったということですが、六十二年から平成一年、二年、三年、四年ぐらいまでは、まだバブルがはじけてなくて、土地は非常に高く売れた。それで、本来ならばこの二十五兆という債務は全部消えてしまうはずだった。ところが、それをそのとき売らなかった。売却しなかった。それでこういうふうになってしまった。我々国民がそれだけの負担を背負うことになった。これはどこに責任があるのでしょうか。泉副大臣、だれが責任をとるべきでしょうか。

泉副大臣 当時、国鉄用地を処分するというのが一つの大きな債務の処理の手段でございましたが、バブル期に地価が大変高騰した、国鉄清算事業団の一般競争入札による土地の売却が地価をさらに上昇させることになるのではないかというようなことが言われたわけであります。

 債務の償還、国民負担軽減という観点からは、早期に売却をしようというわけでございますが、騰貴をし続ける地価を抑制する、抑えるという当時の国の基本的な考え方から、六十二年十月に閣議決定された緊急土地対策要綱に基づきまして、東京二十三区等の大都市の地価高騰区域における清算事業団の土地の一般競争入札というものが見合わせられたという経緯がございます。

 このような制約のもとで、清算事業団においては、地価を顕在化させない、高騰化させないという土地処分の手法の開発導入や随意契約ということによって土地の売却の推進、いろいろな工夫をしてできるだけ土地の売却をし、精いっぱい債務の償還に充てたいという努力をしてきたものと私どもは理解をしております。

 したがいまして、当時の状況からしますと、そのときの経済社会の情勢が、いわゆる土地を売って償却に充てようとしたことに必ずしも適合しなかった、結果として国民負担の増加ということにつながってきた、このように思っておるわけでございます。

山田(正)委員 当時国鉄の改革時は、速やかに国鉄清算事業団は不動産を売却し債務の支払いに充てるとなっていたわけですが、それをそうしなかったことの、そうして国民にいわば二十四兆からの新たな債務負担を負わせたこと、これの責任は、扇大臣、どうなるんでしょうか。

扇国務大臣 責任はどうなるといいますよりも、当時、その社会情勢の、あのバブルの頂上にあったときに、果たしてこれを売っていれば、このバブルがもっと続いたのか、あるいはバブルを一遍に冷やすことになったのか、その辺の判断は、今から過去を振り返って私が言えることではありませんけれども、緊急土地対策要綱で、今副大臣が申しましたように、昭和六十二年十月十六日の閣議決定が私の手元にございます。私は、当初、今山田先生がおっしゃいますように、土地を売ってすべてきれいにしよう、清算事業団もそういう方向であったし、また国会でもそうおっしゃっていたとおりだと思いますけれども、国鉄清算事業団のみならず、一般の多くの国民の皆さんも、バブルに乗り損なって大きな損失を負ったり、また、バブルにあおられて一緒に素人が手を出してやけどをした人もたくさんいらっしゃいます。

 ですから、それが正しかったか悪かったか、だれが責任かといっても、その当時の、あのバブルの絶頂期、多くの皆さん方と一緒にバブルに乗ったこと自体も、私は、政府の政策の中の一つの、国民に対する危険な信号を出し損ねたといいますか、出しおくれたといいますか、そういうこともあったと思いますけれども、今振り返ってみて、ここに書いてありますように、「旧国鉄用地及び国公有地の処分」というところで、一項でございますけれども、「旧国鉄用地の売却については、国民負担を軽減すること及び一般競争入札を原則とすることに留意しつつ、当面の地価対策が国家的緊急課題であることに配慮し、」云々と書いてございます。「現に地価が異常に高騰しつつある地域内の用地の売却については、現に公用、公共用の用途に供することが確実と認められる場合等を除き、その地域の地価の異常な高騰が沈静化するまでこれを見合わせる。」私は、やはりこの閣議決定というものが清算事業団の計画を大いに狂わせた。また、あのときに売っていればという後悔はあろうと思いますけれども、政府がこうした経済状況を判断したことは、私は、そのときなりの正しい判断であったろうと。今考えますれば、売っておけばよかったなというのは、それはありますけれども、これは私は政府の判断だったと思います。

山田(正)委員 扇大臣の、正しい判断であったかどうかは少し言い過ぎじゃないかと思いますが。

 いずれにしても、結果としてこうなってしまった。だから、それについてとかく言うわけじゃありませんが、ただ、これから特殊法人の民営化を前に、このことはぜひ大臣、副大臣とも肝に銘じて、この背景にはこれだけの負担をしたんだと、それを考えていただければと思います。

 実は、本州の三JRについては非常に順調に来たんじゃないか。この委員会でも随分そういうふうに取り上げられてまいりました。その中で、実はJR貨物、決算書等を、ちょっと推移を見せていただきました。これでいきますと、六十二年から平成五年までは非常に順調に来ている。成績も順調に来ています。ところが、平成六年以降落ち込んできた。かなり落ち込んできました。そして、本来ならば、JR貨物そのものも本州、三島と同じように債務を九百四十四億引き受けてスタートしたわけですから、その支払いも、そのころまでは、平成五年まではやっています。それなりに来たと思うんですが、それ以後、なぜこのようになってきたのか、その理由をお聞かせいただければ。

伊藤参考人 お答え申し上げます。

 先生今お話ございましたように、最初の六年間、好景気ということもございまして黒字経営を続けることができました。ただ、その前にやはり申し上げなきゃいけないことは、国鉄時代に貨物部門というのは大変大きな赤字を計上したこともございまして、会社発足前から、大変皆様方から厳しいのではないかという御心配もいただいていたわけでございます。しかし、結果として、六年間の好景気という中で黒字経営を続けることができましたが、今御指摘のとおり、平成五年以降赤字になりまして、一番ピークにおいては百六億円にまで赤字が膨らみましたが、平成十二年度も、遺憾ながら二十六億円の経常赤字になっているということでございます。

 この原因でございますけれども、いろいろございますが、やはりバブルが崩壊して、日本経済が長引く不況下にあって、物流と経済というのは非常に密接な関係がございまして、全体の物流量が小さくなっていく中で、極めて厳しい競争状況に置かれました。そして、いわゆる運賃単価の大幅な値下げ、世の中では価格破壊というようなことで言われておりますが、それが起こり、また、御案内のとおり、阪神・淡路大震災を初め昨年の有珠山ではございませんけれども、自然災害がたび重なったことなどもありまして、収益減が予想以上に大きかったことが一つございます。ちなみに、数字で申し上げますけれども、一番最高のときの運輸収入と最低のときと、約六百億円も収入が下がったような実態にあるわけでございます。

 こういう中で、言うまでもなく、我々は現在もちろん、再建計画、部内では新フレイト21と称しておりますけれども、血のにじむような経営改善に努めてまいりました。具体的には、当時国鉄から承継したときには一万二千人という職員数が鉄道事業に従事しておったわけでありますが、血のにじむような合理化等もしまして、現在は約六千人台になっております。約二千人でありますけれども、関連会社を含め民間会社等に出向もさせております。また、この間、ベアの凍結、賞与の抑制、新規採用の停止、早期退職制度の実施、約二千人の方々にはやめていただくというようなことも行ってまいりました。

 そういうことをいたしまして、こういうことを言うのもあれですが、今やっております新フレイト21の最終年度にある平成十三年度は、経常利益を確保することは十分可能である、こういうふうに考えているところでございます。

山田(正)委員 質問に簡単に答えていただければいいんですが。

 なぜこうなったかというのは、不況の影響があってパイが小さくなったんだということは、それはどこの会社でもわかることで、そうじゃなくて、これだけ急激に売り上げが下がってきたというのは、例えばトラックとの競争に負けたんじゃないか。アメリカでは旅客よりも貨物がメーンで、大変な収益を上げている。日本の場合には、トラックの運賃が非常に世界的に割高であるというのは、高速道路料金が韓国の八倍ぐらい高い、フランス、イタリアの四、五倍ぐらい高い。そういった事情もあって、本来トラックに負けるはずがないのに、JR貨物は負けているじゃないか。これは経営努力が足りないんじゃないか。いかがでしょうか。

伊藤参考人 お答えいたします。

 先生言われたとおり、今アメリカの鉄道は、かつては大変厳しい状況にあった鉄道でありますけれども、現在、貨物を中心として大変大きな形で伸びているわけであります。ただ、やはり日本との国土の違いとか、いまだにアメリカでは石炭とか小麦とかのバルキーカーゴを運んでいるとか、それから、日本ではできませんけれども、コンテナを二段に積んで、これはダブルスタッカーと言われておりますけれども、そういう形で貨物がどんどん伸びております。

 ただ、日本においてよく言われることは、トラックがもちろん五万四千社もありまして、大変トラックとの熾烈な競争にあるわけでございますけれども、鉄道のシェアが今、トンキロベースで四%でございます。その数字から、JR貨物といいますか、日本の鉄道というのは、貨物は少ないんじゃないかという御指摘は時々あるのでございますけれども、私は、それぞれ輸送機関には機関特性というのがございまして、船には船、トラックにはトラックの特性がございます。鉄道でいいますと、やはり長距離大量輸送ということで、千キロメートル以上の距離でそのシェアを見ますと、陸上交通では三六%というシェアを占めております。それから、これも一つの例で申し上げますが、内陸の長野県に運んでおります石油の何と七〇%以上をJR貨物が運んでいるというような実態もございます。

 そういう面で、まだまだもちろんトラック等との競争の中で鉄道特性を発揮しなきゃならないところはございますけれども、今私が申し上げましたように、トータルのシェアで見ますといろいろありますけれども、頑張るところは頑張っている、こういう実態にございます。

山田(正)委員 今、長距離においてはいい成績で頑張っているということは、私も調べましたし、よくわかるんですが、近距離、五百キロ以内では非常に厳しい戦いをしてる。

 いずれにしても、私が言いたいのは、諸外国の例からしても、本来ならばトラックに運賃で負けるはずがない。ただ、今どんどん、例えば運輸収入が先ほど言いましたようにかなり下がってきている。これは不況だから下がってきた率とは全然違うぐらい大きいわけです。やはりそこにちょっと問題がありはしないかな。

 もう一点。少しずつ経営改善はされています、数字は。その中で、営業費が下がってきたのは、ちょうど、人件費がどんどん下がってきている割合とほぼ同じである。言ってみれば、特に平成九年から十三年まで、人件費の下がってきている割合と営業経費の下がっている割合がほぼ並列である。そうして考えれば、JR貨物としては何ら経営努力せずに、単なる合理化でもって何とかここまでやってきたんじゃないか、数字から見る限り。そんな気がいたしますが、いかがですか。

伊藤参考人 お答えいたします。

 トラックとの競争が厳しいという実態にあることは事実でございますけれども、それ以外の理由として、荷主企業、特にセメントであるとか石油であるとか、荷主企業が、この十年間といったらいいでしょうか、物流効率化という観点から、これはもう鉄道だけではなくて、物流の再編成、そういうことの中で鉄道の利用が、セメントとか石灰石とか、かなり下がってきたというような実態もございます。そういう面で、これは当社では車扱い輸送と言っておりますけれども、そういう要素もございます。

 それからもう一つ、トラックとの競争の中で、先生御指摘のとおり、五百キロメートルぐらいがよく損益分岐点と言われておりますが、今我々、内部的にも勉強しておりますし、また、荷主企業からこういうものができないかというようなことも御提案があるのでありますが、現在東京―大阪六時間以上かかっている列車が、仮に六時間を切るようになれば、かなりの形で鉄道利用がふえていくだろうというようなことで、これは技術開発なり旅客会社の協力も必要なのでございますけれども、そういうことも今やっております。

 それから、言うまでもなく合理化の関係ですが、先ほど申し上げましたように、早期特退制度の実施であるとかいろいろな形でやった結果、人件費の率が相当下がってきております。今年度は営業費用に占める割合がたしか四〇%を切るまでになっておりますけれども、そういう合理化努力の結果であるということでございます。

山田(正)委員 大臣もお聞きになったと思いますが、JR貨物は、トラックとの競争において、長距離が時間的に約四、五時間おくれる、これをクリアできればJR貨物は当然戦い得るというか競争に十分伍していけるという感じだと思うんですが、それには、いろいろ聞き合わせてみますと、旅客会社とのレールの共用についていろいろなトラブルがあるようです。だから、これについて、本州の旅客会社が完全民営化ということになりますとさらに問題が生じてきて、JR貨物というのはさらにまた赤字になっていくんじゃないか、そういうおそれも残しているんじゃないか、そんな気がいたします。

 そういう意味では、大臣、副大臣ともども、将来におけるJR貨物とJR旅客との調整という問題、ぜひこれは十分気をつけていただきたい。ダイヤの改正等で前みたいに運輸収入が上げられるように、監督指導をしていただければと思います。

扇国務大臣 山田先生おっしゃいますように、JR貨物というのは、今後、二十一世紀には大変重要なことであると私は思っています。車社会でどんどんCO2が出されて、二十一世紀は環境の世紀だと言われておりますので、やはり公害のない鉄道にというのが世界的な趨勢ではございます。けれども、私は、JR貨物はJR貨物なりに努力も必要だと思います。

 御存じのとおりドア・ツー・ドアで、今は、宅急便に頼みに行けば、小さな荷物であれば二十四時間受け付けてくれるところがある。JRはそれがない。そういうドア・ツー・ドアの時代に、どれが便利でどれがより早くか。そして、今五百キロとおっしゃいましたけれども、東京―大阪間、大体五百から六百キロですね。そうしますと、宅急便では、きょう渡したものがあしたには、とにかく早くねと言えばもうあしたの朝でも着くんですね。そういう時間的なものも、今先生がおっしゃいましたように、JR貨物と民営化された三社との競合と、そして、いかにそれを使って民間のスピードアップに合わせていけるか、そういうこともJR貨物としては今後努力していかなければならない。

 また、それぞれ皆さんがドア・ツー・ドアになれていますので、どこまで行ったらより便利にお預かりできるかということも、そして先日も申しましたように、今アメリカの話を先生なさいましたけれども、コンテナの大きさ一つとってみても、外国と日本とはコンテナの大きさが違う。外国から来て港に入ったコンテナをそのまま貨物に載せようと思っても、その辺も考えなきゃいけない。

 貨物というものが生き残るためには、国際競争にも適合する、また民営の貨物といいますか運送会社といいますか、その民間とも競争していく、そういうことでの、経営面そして合理化、そしてお客様への何よりのサービスはどこまでできるかということも今後の大きな課題だと私は思っていますので、見守りながら、私たちもできることは協力していきたいと思っています。

山田(正)委員 諸外国においてはまさに貨物が主流であるということと、そして、先ほど申しましたように環境に優しいということ、JR貨物にはいろいろな面で本当に頑張ってもらわなければと我々も思っているところですが、これくらいにしまして、次に、第三セクターで。

 国鉄改革のときに赤字路線として切り離された路線が、実際に三十八社、第三セクター等々において、あるいは民間が引き受けてというようにあるわけですが、現在、これらの第三セクターになったいわゆるローカルの足、国鉄改革のときに切り離された足、これについて、今どういう状況にあるのでしょうか。政務官で結構ですが。

泉副大臣 いわゆる国鉄の地方交通線から転換しました第三セクター鉄道、平成十一年度決算を見ますと、黒字会社が五社、赤字会社が三十二社というふうになっております。これらの会社は、人件費、物件費などの経費節減や、一部では、列車の増発とか駅の新設、そうしたサービス改善などで増収を図っておりますが、実態は、今申し上げましたように、かなり多くのところが赤字を計上しておるということでございます。

山田(正)委員 黒字で何とか維持しているのは三十八社中五社にすぎない。なぜこういう状況なのか。いろいろ努力しているというのは今お話を聞きましたが、原因、なぜこうなったか、どのように国土交通省としては掌握しておられるか、それをお聞きできればと思うのです。

泉副大臣 最も大きな要因として挙げられますのは、少子化あるいは高齢化といった問題がやはり一つ考えられると思います。

 また、もう一つには、地方の経済活動が予想以上に低下しておるのではないか。輸送需要が想像以上に顕在化しないと申しましょうか、そうした輸送の環境が当初の想定をかなり下回っておるという事柄であると思います。経営者の方は、先ほど申し上げましたように、利便性を高めるというようなことで、列車の増発でありますとか駅を新設するというようなことで努力をいたしておりますが、需要が想定とかなり違ってきておるということが一番大きな赤字の原因ではないかと思っております。

山田(正)委員 大臣と各委員に配ってある資料を見ていただければと思いますが、全国の第三セクター鉄道の中で、実は長崎、佐賀の松浦鉄道というのがあるんですが、ここは、長崎県の佐世保市から平戸の方に行く本当にへんぴな、さらに、人口が減っていっているという状況の中で、赤字路線として切り離された中でも大変な数字の赤字路線だったんですが、それが大変順調に黒字経営を続けてきている。それはどこにあるのか。

 これを見ていただきたいと思いますが、まず第一に、駅の数を三十九から五十七にふやした、倍ぐらい駅の数をふやしていった。そして運転ダイヤを、八十四あったのを百六十八、倍にふやしていった。したがって、人口は減っていっても、さっき言ったように総需要、先ほど、人口が減っていって思ったよりぐんと需要が落ち込んだからローカル線はだめになったんじゃないかという言い方をしましたが、実際にはそういう努力によって、あのへんぴな、二枚目にお配りしたのを見てもらえばわかりますが、それぞれの各地域の地図から見ますと、最もへんぴなところにあると言っていい、人口も最も過疎化が進んでいるところで黒字になった。これはぜひ考えていただきたいと思います。

 赤字になっている部分、下北交通とかいすみ鉄道、あるいは天竜浜名湖鉄道、そういったところを同時に見ていただきたいと思います。

 これでいきますと、駅の数もゼロか、あるいは天竜浜名湖鉄道が二つふやしたにすぎない。さらに、運転本数もいすみ鉄道だと逆に二十二も減っている。一時間待っても一本も来ない、二時間に一本とか、さらに悪循環を重ねていって、いわゆる第三セクターの赤字路線はさらに拡大していっているんじゃないのか、そう思いますが、副大臣か大臣、いかがでしょうか。

泉副大臣 今御指摘のように、松浦鉄道が大変な列車の増発あるいは駅の増設等によって当初の赤字から黒字経営に転換したということは、私どもも高く評価するところでございます。

 恐らく各経営者は、そうした事例を承知した上で、自分の鉄道会社をどうして経営していくかということに苦心をしておられることは間違いないと私は思っております。ですから、一概に駅数をふやすことが即増収につながるかどうか、それぞれの路線の状況を判断した上で、経営者が、列車の増発でありますとか駅の新設等を考えておられると私は思っております。

 しかし、御指摘のように、なお三セクで多くの赤字会社がございますので、一層の努力をしていただくことは、国土交通省としてもお願いをしていかなければならない立場であると思っております。

山田(正)委員 このままで推移しますと、さらに赤字幅が拡大して、三セクの鉄道はいよいよ破綻する、破産する。そういったときに、三セクですと自治体その他もいろいろ債務負担していると思いますが、そういった問題についてどうしたらいいか。大臣、どうお考えでしょうか。

扇国務大臣 私、今先生がお示しになりました松浦鉄道のこの数字を見ておりますけれども、駅数をふやす、しかも三十九を五十七にふやす、バス並みだなと。そしてまた、本数も八十四本を百六十八本、これは倍ですね。こんなにふやして、動いてくれる人口があればいいんですけれども。過疎地でお年寄りがほとんど利用しないというところもあるでしょうし、あるいは、過疎は過疎でも通学があったり、通勤があったり、そして隣の町から隣の町へ行くような。

 実際にこういうデータを拝見して、本数を倍にしてということがよかったな、こういうのを本当に見習うべきだなというふうには私は感じておりますけれども、それぞれの地域によってはやはり地域差があるんだろう。

 人口がこういうふうに動いていただくところは本当に見習うべきだというのは今副大臣から申し上げたとおりでございますけれども、第三セクターの鉄道の経営の安定化につきましては、鉄道事業者の経営努力、今もこうして見せていただきました。また、地元の支援によって支えられるということが基本であろうと私は思っております。

 国土交通省としましても、この厳しい財政事情のもとではありますけれども、きょうも、きのうも、おとといもこの委員会で皆さんが、地方の足ではないか、生活の必需なんだという切実な声をおっしゃいましたので、今後とも、自律的な経営を目指す事業者に対しては、近代化、そして地元に合った考えをしながら、補助制度というものを活用することによって、私たちは支援できるところは適切に支援してまいりたいと思っています。

山田(正)委員 きのうから委員会で、かなりそういった第三セクの将来というのをみんな非常に心配して聞いておられました。

 その中で、今話しました松浦鉄道の例はまさしく過疎化が最も進んでいるへんぴなところの事例で、例えば、多いときは十分間隔で一車両だけ、何車両もつないでいるわけじゃありません、それをとことこ走らせている。私も実際何度も乗ったことがありまして、そういうものを我々ももう少し考えなきゃいけないんじゃないか。

 いわゆる基金の運用をいろいろやっておりますが、そういった経営努力をしているところに対してどんどん基金の運用をさせながら、第三セクというものに甘えて経営努力もしない、そういうところに対しては、いわば思い切って経営者をかえるなり破綻させるなりしなければ将来的にどうなるのかと心配しております。

 近い将来、第三セクの鉄道についても赤字で破綻するというところが必ず出てくると思うんですが、それについて、総務省の政務官は来ていただいていると思いますが、その債務処理はどうなるのでしょうか。

山名大臣政務官 今、山田委員からお話がございましたように、第三セクターの経営状況は、経済環境の変化等によって極めて厳しい状況に置かれていることは事実でございまして、経営のまずさから中には債務超過に陥っている、こういう事例もございまして、大変憂慮しているところでございます。

 総務省といたしましては、平成十一年の五月に、第三セクターに関する指針というものを出しまして、各地方公共団体に、こういった問題について、先送りをすることなく、経営悪化の原因の検証あるいは抜本的な経営の改善策というものを検討することが必要である。

 特に、事業を存続する、こういったケースもあるわけでございますが、公的支援の追加がそういった意味で避けられない、こういった場合であっても、先ほどお話が出ておりますように、経営責任、例えて言いますと、役職員の数だとか、給与の見直し、あるいは組織機構のスリム化等々、こういった経営責任を明確にした上で、抜本的な改革への十分な取り組みが見込まれるかどうか、こういったものをきちっと検証しなければいけない。

 そして、それが財政運営上、地方公共団体に与える影響というものをあらかじめ評価し、そして把握すべきである、その上で公的支援の追加を検討すべきである、こういった内容の指針を示したところでございまして、適切な対処を地方公共団体に要請いたしているところでございます。

 したがいまして、地方団体におきましても、こういった基本線に基づきまして適切に対処をされていく、このように確信をしているところでございます。

山田(正)委員 今の政務官の御答弁ですと、いわゆるそれなりにさらに公的支援を続けていく、そういうふうに承りましたが、果たしてそれで続けていって、公的支援ということは、またさらに我々国民の税金で負担していくということになる。そうなった場合に一体どうなるか。

 これは、ぜひとも我々政治家としては責任を持って、あるいはもうどうしようもない路線は思い切って切り捨てるとか、あるいは本当にあのへんぴなところで営々と経営努力を続けてきているところは応援していくとか、そういうものが必要なんじゃないかと思いますが、民営化という意味で、最初に話しました、これ以上公的負担がないように考えていかなければいけないんじゃないか、そう思います。

 ちょっと時間がなくなってまいりました。JR九州さんにお聞きしたいと思っております。福岡からわざわざ申しわけありませんでした。

 JR九州さん、JR四国、JR北海道も一緒なんですが、今回完全民営化ができなかったということで、取り残されるわけですが、特にJR九州さん、平成十三年に上場予定で発表しておりました。ところが、こういうことになぜ至ったのか、その理由を、ほぼ北海道も四国も同じようだと思いますので、代表してお述べいただければと思います。

田中参考人 お答えを申し上げます。

 弊社も平成十三年度の株式上場を目指しておりましたけれども、昨年十一月に至りまして、基幹事業である鉄道の運輸収入の低落傾向がとまらない、これで四年連続して減少したということ、それから、超低金利が長期化しておりまして、経営安定基金運用収益が低迷している、それからまた、連結経営時代を迎える中で、グループ各社の中で経営基盤がまだ確立されていないという会社が一、二あった、こういう事情によりまして、十三年度の上場については困難であると見送らざるを得なかったわけでございます。

山田(正)委員 時間が参りましたので、社長、一つだけ最後にお聞きしたいと思いますが、将来できるだけ早く民営化して、上場し、経営を安定化していただきたいと思うんですが、いわゆる北海道、四国も含めて、あるいはJR九州だけでも結構ですが、将来いつごろには何とかできるんだ、赤字を脱却できるんだという、その意向をお話しできないかと思いますが。

田中参考人 北海道、四国のことはさておきまして、弊社、九州におきましては、これまで十四年間、一年間だけ赤字であったわけでありまして、ほかの十三年間は経常黒字を計上しているわけでございます。特に、最近の二年間は五十億円台の経常利益を出しているわけでありますが、ただ、先ほど申し上げたような先行き不透明な、特に税制の特例措置の取り扱いが本年度で切れるといったようなこと、これをぜひ延長していただきたい、こういった不透明な面があるために、上場を見送らざるを得なかったというわけでございます。

 決して赤字ではございませんので、先生、御安心いただきたいと思います。

山田(正)委員 時間が来まして、もっともっと聞きたいんですが、終わらせていただきます。ありがとうございました。

赤松委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。瀬古由起子君。

瀬古委員 私は、日本共産党を代表し、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案に対する討論を行います。

 今、JR各社は、少子高齢化社会が進展し、鉄道収入の飛躍的な伸びが期待できないとして、鉄道の安全輸送を土台から支える施設等の部門の下請、外注の促進を初め、鉄道部門の大幅な人員削減を進めています。

 一方、膨大な旧国鉄等の債務は国民に負担させながら、旧国鉄から承継した駅等の一等地を利用した鉄道事業以外の事業は、今後の成長する分野として積極的な投資等を行う経営戦略をJR各社は展開中です。

 このような現状のもとで、本法案によるJR本州三社を完全民営化し、経営を営利主義の方に一層促進させることは、ローカル線や不採算路線区間の廃止等による地域社会や駅周辺開発による商店街や旅館などの営業と生活に深刻な影響を与えることは必至です。

 本法案に反対する第一の理由は、公共輸送機関としてのJRの役割を一層後退させることになるからです。

 国鉄分割・民営化が実施されて以降、北海道の深名線百二十キロを初め、整備新幹線の開業に伴う並行在来線のJRからの切り離しを含めると、営業廃止は九区間二百十八キロに上っております。さらに、輸送分担率は、旅客でも貨物でも、JR発足以来低下し続けています。JR本州三社の子会社であるバス会社は、生活路線を次々と廃止する計画や、便数を減らすなど、地域社会と自治体に大きな負担を与えております。

 JR本州三社を旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律から除外することは、高い公共性を持つ鉄道事業、輸送事業の役割を後退させることは明らかです。

 第二の理由は、JR商法の横暴に対する規制が弱まることです。

 現在でも、JR会社法第十条によって中小業者への配慮が明記されていながら、全国各地の駅周辺の商店街や旅館などの中小業者の経営にも重大な影響を与えております。京都では、巨大な駅ビルの建設によって、周辺商店街はもちろんですが、中心部の四条河原町まで軒並み売り上げが減少する事態が続いております。

 本法案によって中小業者への配慮がJR本州三社に対して除外されれば、経営戦略に基づくJR商法の横暴を規制する法的根拠を失うことになるでしょう。

 第三に、JR本州三社の完全民営化を進めるとしながら、新たに支援措置を導入しようとしていることです。特に、JR東海は他社に比べて長期債務の負担が大きいとし、健全経営を求めるとして、新たな支援措置の検討を政府が約束しています。これは、政府自身が進めようとしている完全民営化にも逆行するものです。

 最後に、本法案で、国鉄改革の経緯を踏まえた経営を担保する措置として新しい指針を定めていますが、地域の公共輸送機関の維持、拡充や地域住民との共存を本当に目指そうとするならば、公共輸送機関としての役割や中小業者への配慮などの部分をJR会社法から除外せずに、むしろ当該部分の法的強化こそ行うべきです。

 本法案に基づく新しい指針がJR本州三社の営利主義のイチジクの葉であることは明らかであることを強く述べ、反対の討論といたします。

赤松委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 これより採決に入ります。

 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、赤城徳彦君外六名より、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党及び21世紀クラブの七会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。樽床伸二君。

樽床委員 ただいま議題となりました旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党及び21世紀クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。

 一 JR東日本、JR東海及びJR西日本は、純民間会社化後においても、施設の老朽化対応等の設備更新や運賃・料金を適切な水準に維持するよう鋭意努めるとともに、利用者ニーズに対応した適切な輸送力の確保や、輸送の安全の確保に万全を期すこと。

 二 JR北海道、JR四国及びJR九州並びにJR貨物は、早期の純民間会社化に向けて、経営基盤の確立に努めるとともに、国は、現下の厳しい鉄道経営環境にかんがみ、住民の足を守り、環境等に配慮した交通体系を推進し、その存続を図る観点から、設備投資、経営効率化に資するべく適切な支援措置を講ずること。

 三 JR東日本、JR東海及びJR西日本は、今般の法施行後にあっても、できる限り経営努力により地方鉄道路線の維持に努めるとともに、国鉄改革以降の事情の変化のある場合には、地元関係者と十分な調整を行い、代替輸送機関の確保等沿線地域の交通利便の確保に万全を期すこと。

 四 地域にとっての最後の足であるバス路線を適切に維持していく観点から、JRバスについても民営バスと同様に地方バスを対象とした補助制度の交付対象とするよう措置すること。

 五 JR各社は、関連事業分野において事業展開をするに際しては、適切な労働力の確保に努めるとともに、当該進出地域の振興、中小企業者への影響等に適切な配慮を図ること。

 六 JR各社の長期債務の償還が将来にわたり健全な経営に影響を及ぼさないよう、償還の促進に資する所要の措置を講ずること。

 七 高齢者、身体障害者等の移動の円滑化を図るため駅等鉄道施設のバリアフリー化を推進すること。

 八 JR各社においては、他のJRや一般の民営鉄道と今後とも適切な競争を行う中で、利用者利便に資する輸送サービスの提供に努めるとともに、JR間及び民営鉄道との間における連携と協調をさらに深めるよう努めること。

 九 いわゆるJR不採用問題については、現在、人道的見地から関係者間で努力が続けられているところであるが、政党間協議等の今後の対応を見守りつつ適切に対処すること。

 十 本法附則第二条第一項の指針は、JR東日本、JR東海及びJR西日本の健全な経営に配慮し、過度の規制とならないよう適切に定めること。

以上でございます。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤松委員長 起立多数。よって、赤城徳彦君外六名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣扇千景君。

扇国務大臣 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高説あるいは御高見、ただいまの附帯決議において提起されました地方鉄道路線の適切な維持などの課題につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長初め委員各位の皆さん方の御協力、御指導、深く感謝申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。

 ありがとう存じました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

赤松委員長 次に、内閣提出、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣扇千景君。

    ―――――――――――――

 自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

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扇国務大臣 ただいま議題となりました自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。

 自動車事故件数及び死傷者数は残念ながら一貫して増加傾向にありますが、自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責保険は、交通事故の被害者に対する基本補償を担保するため重要な役割を果たしてきており、政府は、この自賠責保険を再保険することによって保険会社等のリスクヘッジを図るとともに、自賠責保険の支払いに関する審査を行うことにより保険金の適正な支払いを確保してきたところであります。

 しかしながら、最近においては政府再保険制度のリスクヘッジの必要性は乏しくなってきたことから、規制緩和を実施するため、政府再保険を廃止するとともに、被害者保護の充実、政府保障事業の維持、政府再保険の運用益を活用した政策のうち必要な事業の継続、自動車ユーザー等へのメリット等が求められているところであります。

 このような状況を踏まえ、このたびこの法律案を提出することとした次第でございます。

 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。

 第一に、規制緩和を実施するため、自賠責保険の政府再保険制度を廃止することといたしております。

 第二に、政府再保険における支払い審査にかわる措置として、保険金の支払いを保険会社が行う際には、保険会社は、支払い請求者に対して保険金の支払いに関する情報を提供しなければならないこととし、また、死亡事案等に係る支払いについては国に届け出ること等保険金支払いの適正化のための措置を講ずることといたしております。

 第三に、保険金の支払いに係る紛争の公正かつ的確な解決のため、保険金の支払いに関する紛争処理の仕組みを整備することといたしております。

 第四に、被害者救済対策事業等について計画に基づいて財政上の措置を実施することとするとともに、保険契約者の保険料等の負担の軽減のための交付金を交付することといたしております。

 第五に、自動車損害賠償責任再保険特別会計の名称を自動車損害賠償保障事業特別会計に改め、保障勘定以外の二勘定を廃止するとともに、被害者救済等のための勘定及び保険契約者の保険料等負担の軽減のための勘定を設け、特別会計の運用益をそれぞれ帰属させることとしております。

 以上が、この法律案を提出する理由でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

 ありがとう存じました。

赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

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赤松委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る六月一日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時九分散会




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