衆議院

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第11号 平成14年4月17日(水曜日)

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平成十四年四月十七日(水曜日)
    午後三時三十二分開議
 出席委員
   委員長 久保 哲司君
   理事 実川 幸夫君 理事 橘 康太郎君
   理事 林  幹雄君 理事 古賀 一成君
   理事 細川 律夫君 理事 赤羽 一嘉君
   理事 一川 保夫君
      赤城 徳彦君    小里 貞利君
      小渕 優子君    北村 誠吾君
      倉田 雅年君    菅  義偉君
      高木  毅君    高橋 一郎君
      谷田 武彦君    中馬 弘毅君
      中本 太衛君    菱田 嘉明君
      福井  照君    二田 孝治君
      堀之内久男君    松岡 利勝君
      松野 博一君    松宮  勲君
      松本 和那君    吉川 貴盛君
      阿久津幸彦君    井上 和雄君
      大谷 信盛君    今田 保典君
      武正 公一君    樽床 伸二君
      津川 祥吾君    永井 英慈君
      伴野  豊君    平岡 秀夫君
      前原 誠司君    高木 陽介君
      赤嶺 政賢君    瀬古由起子君
      植田 至紀君    原  陽子君
      日森 文尋君    西川太一郎君
    …………………………………
   国土交通大臣       扇  千景君
   国土交通副大臣      佐藤 静雄君
   国土交通大臣政務官    菅  義偉君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    房村 精一君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長
   )            岩村  敬君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  三沢  真君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  田中 和徳君     北村 誠吾君
  中本 太衛君     小渕 優子君
  津川 祥吾君     武正 公一君
  大幡 基夫君     赤嶺 政賢君
  原  陽子君     植田 至紀君
  保坂 展人君     日森 文尋君
  二階 俊博君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小渕 優子君     中本 太衛君
  北村 誠吾君     田中 和徳君
  武正 公一君     津川 祥吾君
  赤嶺 政賢君     大幡 基夫君
  植田 至紀君     原  陽子君
  日森 文尋君     保坂 展人君
  西川太一郎君     二階 俊博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 マンションの建替えの円滑化等に関する法律案(内閣提出第二六号)
 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第五三号)
 首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五四号)


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     ――――◇―――――
久保委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、マンションの建替えの円滑化等に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長岩村敬君、住宅局長三沢真君及び法務省民事局長房村精一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
久保委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
久保委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀一成君。
古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。
 まずは、きょう、大臣、成田平行滑走路の供用開始前日、私も参りました。大臣の大変気合いのこもった、過去の歴史にも思いをはせながらのごあいさつ、私も同じ思いで聞いておりました。きょうも、気合いの入った御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 審議も大分進んでまいりましたけれども、私は、きょうが総括の質疑ということで、私なりに、このマンション建替え円滑化法という法文だけではなくて、やはり、長い日本のこの都市政策、そういうものの反省も込めながら、このマンション建てかえというものはもっと大きい意味を持つのではないかということで、先ほどの成田空港ではございませんけれども、都市政策、これまでの反省、そしてこの建てかえを機にどう新しい仕組みをつくっていくのか、そういう思いを込めながら質問させていただきたいと思います。
 時間が大変限られておりますので口早になるかと思いますが、まずお尋ねしたいことは、この法律は、何度も質問に出ておりますけれども、建物の区分所有法という法律に乗っかりまして、それを受けて、新法としてマンション建てかえの円滑化を図るという法システムを二階建ての二階部分に乗せた、こうなっておるわけです。
 ところが、このマンション建てかえというのは、想像するに、老人もおられる、金を持たない、あるいはリストラで先行きに大変経済的不安を持っておられる方もたくさんおられる。私も地元で、マンション建てかえではございませんけれども、区画整理、そういう方々とよく会うのですね。これからの経済的な不安というか、あるいは自分の息子がもうふるさとに戻ってこない、だから建てかえてもしようがない、だから、もうこのまま何もしないでくれという、そういう将来への不安というものがあるために、本当に進まない事業はたくさんございます。
 そういう面では、私は、この区分所有における手続の段階で、将来、マンション建てかえがあり、それは、これだけ選択肢があって、いいものになっていくというトータルのシナリオというものを早目にきちっと示しておくことが、各区分所有法及びこのマンション建替え円滑化法の趣旨を生かすことになるんだと確信するわけです。ところが、残念ながら二階建て部分になっていますので、そこら辺のところを私は心配するわけです。
 私は、そこで、まず大臣にお伺いをしたいのですが、今後行われます区分所有法の改正、一階部分の審議が進むわけでありますけれども、せっかく二階部分をつくった、したがって、区分所有法の段階で、こういうマンション建てかえの制度というものをいかに一階と二階をリンクしていくかということを法案にも生かす、いろいろな知恵をここで絞ってもらうべきじゃないか、かように思うのです。
 マンション円滑化法の成立を機に区分所有法の法体系へ、今後、今言いましたような趣旨というものをどう生かしていくかという、その点について法務当局にひとつ注文をつけられる、要請をされるというお考えがあるかどうかを、まず、抽象的でございますけれども、お聞かせを願いたいと思います。
扇国務大臣 まず、古賀議員におかれましても、きょうの成田の平行滑走路のオープニングに委員長を初め御出席賜ったこと、心から御礼を申し上げながら、貴重なお時間をこうしてまた審議に臨んでいただきましたことを、心から御礼申し上げたいと思います。
 今おっしゃいましたように、マンションのあり方、そして今日、各地区、これは東京だけではございません。全国で、現在のマンションのありよう、本来は六十年、もっとは七十年もつであろうと思われたマンションが諸般の事情で築三十年で大体改修期に来てしまった。入るときには六十年住めると思って入った方も大勢いらっしゃると思います。そういう意味では、それぞれの管理のしよう、あるいはふだんの手入れのしようによって改築年数が来てしまった。
 しかも、このマンションの改築戸数というものが年々ふえてくる。少なくとも今十二万戸、築三十年たっていると言われているマンションも、今から十年後にはこれが九十三万戸に及ぶということになりますと、今申しましたように、入った人はそれぞれ、何年ここに住める、一生私はここに住んで生涯をここで送れると思った人もいるし、今古賀議員がおっしゃいますように、私は仕事がなくなったけれどもここで一生老後も過ごすんだと思った方もいらっしゃると思いますけれども、それが、耐用年数がどんどん少なくなって改築時期を迎えてしまったというようなこともこれありで、少なくとも多くの皆さんが、果たして自分のマンションに今後どれだけ住めるのか、また、いつ改築時期が来るのか、その改築時期に来たときには果たして金銭的にどうなんだろうか、あるいは、区分所有者全員の同意が得られるのであろうかと、多くのクエスチョンをお持ちになるだろうと思います。
 そういう意味でも、私は、この際、こういう時期に適切に国土交通省としてこういうものを、皆さん方に不安を与えないように、きちんとした手続で、きちんとした法にのっとった整備というものをさせていただいておくべきであると。それが多くの皆さんの、しかも今後、十年後も不安だと思う皆さん方の、戦後の建物を見たときに、あらゆる個々のマンションの保持というものは変わりますけれども、それぞれの対応ができるように今回こうして区分所有法というものの改正をさせていただいて、皆さんに少しでも先行きの、こうなればこうなるんだ、私たちのところへ来たときにはこうなるんだということが、目に見えて法できちんと確立できるようにするということが、一番皆さん方に安心して住まいをしていただける。
 また、こういうことのきっかけによって、ふだんの管理をもっとよくしよう、少しでも持続させよう、長もちさせようということで思い立っていただければありがたいし、建てかえの決議のときに、合意形成というものが円満にいくようにという思いはだれしも同じだと思いますので、そういうことの一つのきちんとした法体系というものを整えておくべきだ。そのことに私は今はとりあえず思いをはせる。全体的な住宅計画なりマンション計画のことはまた別のことではございますけれども、今の日本の状況を考えれば、とりあえずはそれが一歩であると思っております。
古賀(一)委員 私は、このマンション建てかえというのは、後ほど申し上げますけれども、都市再生にとっても、あるいは人間の住まい方というものを本当に経済大国にふさわしくやっていくためにも、これは物すごく重要な事柄だと思うんですね。そういう面で、本当に、単なる法律の体系に縮こまらず、この際、まさに縦割りを超えた有機的な政策の連合というものをここに集結すべきじゃないかという思想で申し上げております。
 その第一歩が、法務省と国土交通省、一階部分と二階部分ということで、まず、その縦のリンクというものはもっと真剣に考えるべきじゃないかということで今質問したのですが、二階部分の大臣の答弁はそれでよしとして、一階部分の区分所有法、こういった政策課題について、省庁の壁を越えて政策的に、区分所有法も、これはどっちかというと民事調整法的な法律だと思うんですよ、それを越えて政策的に法律的にリンクしていくという気持ちあるいは方向性というのはあるのでしょうか。ぜひとってほしいと、私はお願いをするわけでございます。
房村政府参考人 御指摘のように、現代の日本においては、マンションというのは非常に大きな意味を持っているだろうと思います。
 そういう意味で、今回、当審議会で審議をされておりますマンションの建替え円滑化法と、そのいわば基礎をなします所有関係等を定めております区分所有法、この両者が相まってマンションの適正な利用あるいは適正な建てかえということに資するようにしたい、こう考えております。
 現在法務省において、法制審議会でこの建物の区分所有法の審議をしておりますが、国土交通省の方々との意見交換ももちろん行っておりますし、また、今回ここで審議されております円滑化法、あるいはこの委員会での審議経過というようなものも踏まえて、今後さらに充実した審議を遂げるように努力をしたいと考えているところでございます。
古賀(一)委員 本当に時間は短いものでありまして、あっという間に過ぎますが、この後、阿久津委員からも質疑時間の一部をとって質問してもらいますので、下手をすると最後になるかもしれませんが。
 もう一点私が非常に重要だと思うのは、今は縦の話をしましたけれども、横ですね。つまり、今回は住宅局所管法として出たんですね。せんだっては都市・地域整備局の所管法で都市再生法が出たのです。かなりダイナミックといいますか抜本的な都市計画、更地にしてもう一回考えようというようなダイナミックなものもあったのですが、私は、ああいった発想というものがやはりここでも使えるのじゃないか、むしろ、都市政策と住宅政策というのはマンション建てかえで融合すべきじゃないかという気が大変するんですね。ところが、今までの説明あるいは審議を聞いていましても、そこら辺がまだ定かじゃない。
 そこで、あえて私なりの思いを述べさせていただきたいのです。
 私、せんだって久しぶりに渋谷から先、東名に続く三軒茶屋、あそこの高速道路を何日か通りました。久しぶりに通るとわかるものでありまして、何と、首都高速の横に連なるこの町並み、六階建てがあり三階建てがあり十階建てがあり、もう首都高にこんなに迫っている。よくこの委員会でも言いますけれども、私もしょっちゅう中国へ行くのですが、上海の高速道路を通ると、向こうに五十階建てがある、四十階建てがある、ビルが林立している。高速道路の百メーター、二百メーター向こうは、もう本当に堂々たる都市に変容している。
 ところが、日本はほんの五年前、十年前までは大した国だと威張っておったのですけれども、十年前は日本にはるかに及ばないと思っておった中国の人も、今、恐らくあの渋谷かいわいを通れば、東京はこれで大丈夫なのか、アジア第一の都市だったんだろうかと思うんですね。
 それはしようがなかったと私は思うんです。戦後、都市計画も不十分であり金もない、そういう中に、農耕民族に発した日本民族が町をつくってきたわけですから。でも、これからは、あの町並みがあと三十年、四十年、あんなでこぼこの、小さいビルが連担して首都高速の横に張りついているという都市が世界的に見てどんなものであろうかと、私は大変心配するわけですね。
 そうなりますと、まさにその町並みを変えていく、一回全部クリアランスして、ここを更地にするぞという法制はとり得ないものですから、結局、このマンション建てかえというのを機に、これが本当に立派な、ビルじゃなくて、マンションじゃなくて、街区にここが変容してくると、おお、あそこにあんないいものができて、こんな優遇制度、こんな政策システムが組み込まれて、いいものならばうちもということで、そういう形で、東京のそういう仮住まいの思想でつくってきた町並みを、今後五十年、場合によっては百年かかるかもしれないけれども、変えていくしかないと私は思うんですね。
 そういう面で、今回多くのいろいろな手だてを講じられたことは高く評価しますけれども、このマンションの建てかえというものが、町の再形成、本格的なまちづくりに占める地位というかシェアから見て、これでは不十分じゃないかと私は思います。
 したがって、私が申し上げたいのは、まず都市再生法でやりましたね、いわゆる容積率の問題。こういうものも一つの仕掛けとしてマンション建てかえの強烈なインセンティブとして使い、そこに、この前も都市再生のときに言いましたけれども、この容積率の追加分を利用して、高齢化社会に対応した、例えばコミュニティーホールをつくりなさいと。それは国土交通省が推奨すればいいんですよ。そこに税制も組み込める。いろいろな手だてがあるわけですから。融資もある。そして、そういうものをやったときに初めて、いわゆるマンション管理組合も、そこにいるおじいちゃん、おばあちゃんも、よし、それならば建てかえに賛成していいじゃないかという一つの、国民の初めての、仮住まいではない本格的な住まい方の日本の価値観、あるいは都市づくりのそういう価値観というものが生まれると私は思うんですね。
 だから私は、そういう面で、端的に言いますと、例えば容積率の緩和、今言いましたような高規格介護、福祉型の住宅をこれによってつくり上げていく。それに、例えば老朽マンション建てかえ誘導型総合設計制度というものを東京都は考えてあるそうですけれども、こういったいろいろな仕組みをぶっ込んで、いい建物、いい街区、そして行く行くは、いい都市というものに再生していってほしいと思うのです。
 そういう面で、この法律はまだ住宅政策にとどまっている。それではいかにも惜しいし、それはあと五十年後に、五十年後は今より日本はもっと大変になっていますよ。あのときに何で百万戸、今はそんなにありませんけれども、二十万戸も三十万戸も年々かえていった、あのときに何で東京をいい町にしなかったんだ、あのときもまた仮住まいの思想でマンションを建てかえたのかと言われるのじゃないかと私は思うので、そこら辺の総合政策へ向けて、徹底した、都市局、住宅局、もちろん法務省、それから私がかつて担当しておりました例えば緑化もそうですよ、屋上緑化だってそうなんでして、これはもう徹底して屋上緑化というものをここに組み込む、そういう戦略をこのマンション建てかえにぶっ込むべきだと私は思いますが、大臣の強烈なイニシアチブでこれはハッパをかけていただきたい。強く期待もしますし、大臣のそこら辺につきましての決意をお聞かせいただきたいと思います。
扇国務大臣 古賀議員のかつての御経歴の経験からも大変重要なことを御指摘いただいたと思っております。
 単なるマンションの建てかえのみに、小さなことにこだわらず、もっと大きな都市政策というものも入れ、また少子高齢社会というものを視野に入れたマンションの建てかえ、あるいは地域の発展、あるいは拡大してという御指摘、そのとおりでございます。
 したくてもマンションの建てかえができない人たち、あるいは必要最低限の建てかえの円滑化ということだけにとどまらないで、今おっしゃいましたように、私たちは、総合的なまちづくりの視点に立った、あるいはマンションの円滑化とか区分所有法というものも活用しながら、今後、マンションを建てかえするには、総合的な設計制度の活用によって容積率の割合を緩和する等々言いましたけれども、それは、少なくとも、高規格の高齢者住宅の整備でありますとか、高齢者の福祉施設、それから子育て支援、そういうものは容積率にカウントしません、そういうことも今回は入れてあります。
 そういう意味では、今古賀議員がおっしゃいましたように、私は、都市計画制度と、あるいは都市再生ということとの含みを持たせた総合的な今後の都市のあり方と、そして今おっしゃいました三号線の両サイドの大変なマンションの乱立というのは、私は、ちょうどその近くに住んでおりまして、毎日そのところを実感しておりますので、そういう意味では、新たな問題として、私は、これをきっかけに、総合的な政策をしながら、高齢社会あるいは子育て支援というものを頭に入れた、そういう建てかえの円滑化を図っていく。また、円滑化を図る場合に、今最後におっしゃった緑というものを大事にしながら、その空間に緑を配置する、そしてマンションの上には緑をというようなことも総合的に勘案しながら、この法案が通った後の政策で実行していきたいと思っております。
古賀(一)委員 要は、言葉にすれば、いわゆる住宅局の総合設計制度を脱皮しまして、全国土交通省的な総合的総合設計制度というものを構築する義務があると私は思います。大臣、四省庁が一緒になって仲よくやっているんだといつもおっしゃいますので、これこそがまさに大きい官庁になった最大の責務であり、可能性だと思います。
 あと二、三点申し上げたかったんですけれども、阿久津委員が横にもう来られましたので、この点だけはっきり申し上げて終わりたいと思います。
 もう一つ、くどいようですが、きょう成田から帰ってくるときに思ったんですけれども、やはりあの成田の問題も、当初、次の時代はこうなる、用地買収で金だけじゃなくて、きょう堂本知事もおっしゃっていましたけれども、地域がこうなる、航空行政の意味づけはこうなんだというものをちゃんと示して懇切丁寧に当初説明しておれば、こうはならなかったと思うんです。
 やはりすべてが、役所が、いろいろな可能性、シナリオ、メニュー、選択肢を示しながら相手をその気にさせていくということ、成田のあの問題と、マンションに住んで困っている、心配しているおじいちゃん、おばあちゃんと全く共通する面があると私は思いますので、ぜひそういう総合的なアプローチで今後行政が対応をしていっていただきたいと再度お願いしまして、かわります。
 以上であります。
久保委員長 阿久津幸彦君。
阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。
 本法案の質疑に当たりまして、私はこれまで三つの点を中心にお尋ねをしてきました。
 一点目は、区分所有者が建てかえか修繕かを判断するための技術的な情報を公的主体が十分に提供できるかという情報開示の問題でございました。この点については、私並びに武正議員への扇大臣の答弁で、第四条二項第二号「建替えに向けた区分所有者等の合意形成の促進」の中で読み取れることをしっかりと確認させていただきましたので、これはよしとさせていただきたいと思っております。
 二点目は、マンション建てかえに係る高齢者等弱者への居住安定措置についてですが、この点につきましても、私としても十分満足のいける配慮ある答弁をいただいておりますので、これについても理解をしております。
 そこで、本日は時間の関係で提案のみ二点、私の哲学でもあります、よい物を大切に長く使うという質実の精神を日本人は決して忘れてはならないという思いも込めまして、二点、提案だけさせていただきます。
 一点目が、マンションの寿命、耐久性の向上について、ぜひ積極的にこれからも取り組んでいただきたいという点。
 それから二点目は、自民党の松野議員が中古マンションの価格が低いという指摘をされておりまして、私は大変よい指摘だったと思うんですが、そこで、マンションの中古市場の整備についてもぜひ十分に取り組んでいただきたいというふうに考えております。
 といいますのは、マンションは、住む世代の移り変わりとともに、マンションの方も、建てかえとか修繕とかによりまして再生されていく循環のメカニズムをしっかりとつくっていくことが大切だと考えております。
 そこで、一点だけ質問としてお伺いしたいと思うんですが、新築マンションに建てかえ時期の目安を含めた長期の修繕計画の作成を義務づけたらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
扇国務大臣 少なくとも、マンションの長期修繕計画、それから品確法に基づくマンションの品確、そういうものについての長期計画というのは、私は、マンションの修繕とかあるいは修理とか、そして管理、そういうものの重要性とどうしてもリンクしてくる、そう思います。それによって、中古マンションの建てかえ時期の目安というものも、個々によって、先ほども申しましたように、ふだんの手入れによって違ってくるんですね。
 人間もそうです。年に少なくとも一回は人間ドックへ入って整備している人、それでもころっと逝く人はありますけれども、それでもせめて年に一回人間ドックへ入っていると、やはり安心は安心なんですね、精神的にも。それと同じように、マンションにもやはり手入れが必要なんです。
 そして、マンションというのは、外見的には管理事務所、管理組合で目をかけるんですけれども、問題は、個々にお住みになっている中の人の使用。一番は、私たちは主婦ですから、水回りなんですね。それが一番やはり頻度が多い。区分所有者によって水回りがおかしくなってくる。でも、それは、マンションの一つの棟の中の個々によって全部違ってくるんですね。
 ですから、今申しましたように、全体の中古マンションの品確を維持するためには、管理組合できちんと修繕年数とか補修年数を決めて発表すればいいと私は思いますけれども、やはり個々の区分所有者の管理方法によって、私は、随分中身で違ってくると思うんですね。
 ですから、そういう意味では二通りの、個々の自分の区分所有の修理計画、保全計画、そしてマンション全体の外観も含めた価値の下げをとめる、いわゆる品確、保つかということの二つに分かれていると思います。
 私は、管理組合みずからの判断、そして個々の組合員のそれぞれの対応によってそれぞれが計画すればいいことだと思っておりますけれども、少なくとも、建てかえに向けて円滑に組合員の皆様の合意が得られるように、そして、私もマンションの経験がございますので、何年にはどこを修理、何年にはどこを修理という修理計画と、何年もつでしょうというのもありますし、あるいは組合によっては、突然、駐車場がオープンになっているところに、いたずらされるから予防にいわゆる監視カメラを置くとか、そういう余分なことも出てまいりますけれども、すべて、今おっしゃったような建てかえの時期の目安をする前に、まず品質の保持をする目安というものを立てて、それによって少しでも建てかえの時期を先延ばしできるようにということで、それぞれの管理組合、そしてマンション管理士というものをつくったわけですから、そういう人たちと相談しながら、私は、ぜひ品質を保ち、そして自分たちの財産の目減りをしないようにしていただきたいと思っております。
阿久津委員 いろいろと難しい問題はたくさんあると思うんですけれども、私は、建てかえ時期の目安についても今後の課題としてぜひ示せるようになればいいなというふうに思っています。そうすれば、新築マンションを買うときにも建てかえマンションに入るときにも、心の準備というものを含めて、また愛着も含めて違ってくるというふうに私は考えています。
 まだまだ確認したい点はたくさんあるんですけれども、また、これからマンション建てかえの円滑化を図っていく上で私たちが見落としていた点とかそういったものもあると思うんです。
 例えば、今ちょっと気になっているところでは、抵当権者の権利保護対策等もうちょっと聞けばよかったなというふうに思っているんですけれども、そういった中で、扇大臣が答弁の中でたびたび約束をされました相談体制の整備について、私は非常に大きな期待を寄せております。
 具体的には、先ほど申し上げた四条二項二号の「合意形成の促進」の中で十分に読むことができるというふうに思っているんですけれども、ぜひ基本方針の中に相談体制の整備の具体的内容を盛り込んでいただくことによって、建てかえ円滑化を進めていく上で、これから起こり得る不測の事態に備えていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
久保委員長 赤羽一嘉君。
赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 きょうは、連立与党三党を代表して、短時間でございますが質問をさせていただきたいと思います。
 きのうの参考人質疑でも明らかになりましたように、今回のマンション建替え円滑化法というのは、あくまでマンションの区分所有者の建てかえの合意がなされた後その建てかえ自体をどう円滑化していくかという法律であって、その決議にかかわる区分所有法が実態としてどうよりよいものになるかということがやはり大変重要であると昨日の参考人の皆様からも指摘されたところでございますので、最初に法務省に一、二点確認をさせていただきたいと思います。
 前回の当委員会でも私この点質問したことでございますが、建物区分所有法の建てかえ決議要件の中間試案の乙案について、老朽化に関するところについて、前回の質疑で法務省は、乙案には、まじめな組合が建てかえができなくなるという意図というのはないんだ、決議の前に長期修繕計画の廃止等を行えばよいのであって、要件を満たすようにすればよいのであって、このような慎重な手続をとらせることに意味があるんだとの趣旨の御答弁がございましたが、私、率直に申し上げまして、これが慎重な手続をとらせることになるのかなという疑念も少しあるんです。
 ちょっと角度を変えて、建てかえ決議自体五分の四が必要だ、ただ、長期修繕計画の変更については通常二分の一でいいと。こう考えますと、長期修繕計画は二分の一の賛成で廃止した、三分の二とかで廃止したと。ところが、いざ建てかえ決議というのは、結構五分の四というのはやはりハードル高いですから、建てかえ決議の方は決議できなかったと。こういった事態というのは神戸でもあったように聞いておるんですが、この辺について、長期修繕計画は変更してしまった、建てかえ決議はできなかった、現実の問題として非常にデッドロックに乗り上げてしまうというようなことが大変懸念されるのではないかと思うのですが、この点についての御見解を伺いたいと思います。
房村政府参考人 今回私ども乙案を提案いたしましたのは、ただいま御説明いただきましたように、マンションの建てかえを計画するときには、現に長期修繕計画等をもってきちんと管理している場合には、その修繕計画をまずどうするかということも含めて慎重な検討をしていただいた上で建てかえ決議を行っていただきたい、まさにこういう趣旨で乙案を提案したわけでございます。
 したがって、長期修繕計画をどうするかというときには、当然建てかえをどうするかということとあわせて議論をして、その見通しをつけた上で長期修繕計画のあり方を決めていくことになるだろうと思います。
 したがって、通常は御指摘のようなことはないだろうとは思っておりますが、確かに決議要件が違いますので、二分の一以上の賛成で計画は廃止したけれども、建てかえ決議になったら要件に反して五分の四の多数をとれなかったということがあり得ないとは言えないと思います。そういう場合、ではどうするんだということになりますが、これは建てかえ決議が否決されたということを前提に、もう一度、では修繕をどうするんだということを改めてそこで御協議願うということになろうかと思っております。
赤羽委員 今の御答弁にもありましたように、要するに、建てかえ決議の見通しがあった上でこういう長期修繕計画の見直し、変更があるということだから、実はそういった事例というのは起こりにくいと考えるのが常識だ、そういう御指摘がありました。
 これは、それでは、そう言っていることは、結局五分の四の決議が前提になっているわけでしょう。ということは、慎重な、第一ステージで長期修繕計画、第二ステージで建てかえ決議というような御説明はちょっと矛盾するんじゃないですか。結局、二段階のステージを踏んでいるような話なんだけれども、実は結論の五分の四というのしかないわけですよ。
 だから私は、区分所有法の中間試案の説明の中に、これは非常に慎重な審議というか慎重な段階、ステップアップを踏んでいるんだというのは、ちょっと言葉は悪いですけれども、詭弁に近いのではないかなというように私は思うのですが、その点について、どういう御見解か。
房村政府参考人 御指摘のようなお考えもあろうかと思いますが、やはり、建てかえ決議を検討するに際しても、現在長期修繕計画として、どういう状況で修繕をし、かつ積立金がどの程度あって、今後どの程度の期間こういう現状が保てる、その間の費用はどのくらいかかるというような見通しを当然十分議論していただいた上で建てかえについても議論をしていただく。必ず見直しが必要だということですから、それを飛ばして建てかえだけ一気に五分の四で決めてしまうということはできないわけでございますので。
 突き詰めて言えば、それは五分の四の多数があれば勝てるじゃないかということかもしれませんが、その過程で、今言ったような長期修繕計画についての実情を十分踏まえた議論がされることによってより慎重な判断がされるであろう、そういうことで私ども考えているわけでございます。
赤羽委員 私の理解は、先ほども述べましたように、この乙案が手続論として二段階を踏んでいるということには、その点では余り意味がないというふうに思いますので、ぜひ、これはまだ試案の段階だと思いますので、その点、今回のこの委員会の議論を踏まえてやっていただきたいと思います。
 例えば、五分の四に達しなかった、長期修繕計画を変更した、建てかえ賛成派が変更させた、ところが五分の四集まらなかったというと、大変深刻な区分所有者の中での溝ができることが考えられるんですね。そうすると、今言われるように、ではもう一回建てかえができないからゼロに戻って仲よくやりましょうということにはなかなかならないんですよ。これは、この前まで一緒のマンションに住んでいた人たちの雰囲気なのかとびっくりするぐらいこじれることが多いので、そういった実態論は国土交通省の方がいろいろ実例があると思いますので、ぜひ実態に即した形でお願いをしたいと思います。
 二点目は、これも前回の委員会で確認したんですが、団地内の区分所有建物の建てかえについて、前回の御答弁では、敷地の利用に特別の影響を及ぼすときという表現ぶりについては、現行の区分所有法の第十七条の規定ぶりに倣っているので、現行の規定の運用が確立していればこういう表現ぶりで紛れが生じなくなる、こういうことがございました。
 私は、本当に現実の建てかえに際して、私なんかは、あいまいな表現じゃないか、混乱が生じないのかということを非常に心配しておって、きのうの参考人の方に、御専門家にも質問をしたのですね。そうしましたら、ごみ置き場の位置を変更するとか、外に出るまでの通路が遠くなったとか、駐車場とかの位置が変わるとか、こういうことはよくあることであって、こういったことも、敷地の利用に特別な影響を及ぼすときということに読まれるのかどうかと。もしこういうことが読まれるようなあれでしたら、そこを理由に、この条文を理由に、全員の承認が必要になりますから、大変建てかえが進まなくなるということも考えられるのではないかと。その点についての法務省の御見解を伺いたいと思います。
房村政府参考人 この条文で、要するに、単に利用に影響を及ぼすべきときとせずに「特別の」と入れましたのは、やはり与える影響が大きく、具体的な例としては、当該建物の規模が建てかえによって拡大して、他の建物に案分されるべき容積率を侵食することによって将来他の建物が同様の建てかえができなくなる、そういうような、土地の共有者としてこうむる制限が、通常受忍すべき範囲を超えて相当に大きな不利益をこうむるということを想定しているわけでございます。
 確かに、特別な影響というと、一体具体的にどうだという御疑問が生ずるのは、私どももなかなか難しい面があろうかと思っていますが、そういった具体的な例を解説することとか、そういう裁判例による解釈によって、これはそれなりに御理解いただけるようになるのではないか。ただいま御説明いただいたような例であれば、影響はあるかもしれませんが、やはり特別の影響とは言えないというのが一般的な受けとめ方だと思っております。
 表現ぶりのことでございますので、私どもも意見を求めておりますので、寄せられた意見を参考にして今後もさらに検討を加えたいと思っておりますが、一応何とか御理解いただけるかなとは思っているところでございます。
赤羽委員 やはり、かなりそれは限定された場合と。容積率を先食いした結果、他の棟が建てかえができなくなる、こういう具体的な表現ぶりが想定されて、その法文修正に向けて、そういうことが踏まえられればいいと思います。よろしくお願いいたしておきます。
 それで、あと時間も短時間なんですけれども、きのうの参考人の質疑を通してまず思ったのは、このマンション建てかえが出てきますと、買い上げる時価が、神戸の場合でも、区画整理事業なんていって時価で買い上げるというと、時価というのは非常に幅広い都合のいい概念でして、今、被災地のど真ん中だから買った額は幾らかわからないけれども、やはり時価というのは非常に低く評価されて、それでトラブルになったとかというのが結構あったんですね。
 そういった時価についての定めとか、きのう戎参考人が言われていましたが、財産のやりくりのことなので、非常にプライバシーの高い話なので、個々の相談のケアというのがすごく大事になると。こういったマンション建てかえに伴う紛争とか、その相談といった機能をどうつくっていくかということが非常に僕は大事だと思うんです。
 これは、一つ一つ裁判所でやるという話ではなくて、簡易的な話で、どうですか、マンション紛争に係るADRみたいなことが想定できるのかどうか、また、そういう方向をどう考えているのか、国土交通省としての御見解をいただきたいと思います。
三沢政府参考人 マンション建てかえに関しましては、土地建物の権利関係とか評価等をめぐりまして相当数の紛争が発生するということも予想されるわけでございます。その場合に、専門家の知見等を活用しながら簡易迅速な解決を図るということで、いわゆるADR、裁判外の紛争解決手段というのが有効に機能する可能性のある分野ではないかというふうには考えております。
 これにつきましては、これから現実に発生してくる紛争等の実態を踏まえながら、例えば裁判外の解決が図られる紛争としてどういう種類のもの、あるいはどういう範囲のものがあるか、あるいは運営主体というものをどういうふうに考えていくのだろうか、それから手続をどういうふうに考えるか、そういった、簡易迅速な紛争の処理とか未然防止のための制度のあり方等について、やはり今後きちんと研究をしていく必要があるというふうに考えておりまして、これにつきましては今後の検討課題というふうにさせていただきたいと思います。
赤羽委員 今回の法案ができたことによって建てかえがより円滑になるために、法案だけではなかなか難しい側面もあると思いますので、ぜひ次のステージに立っていろいろ考えていただきたいというふうに思います。
 先ほどの御質問にも出ていましたが、中古マンション市場の育成というのは、私はやはり大変重要だと。というのは、今回、築後三十年ないし四十年が云々と、こういった区分所有法の一つの客観的な要件ということで出てくるわけですけれども、これは、この委員会で法務省の御答弁にもありましたが、別に老朽化ということではなくて、建てかえ決議ができない年限にすぎないという御答弁があったとおりなんですが、どうしてもこの法案が世に出ると、恐らく老朽化、三十年のマンションはもう危ないみたいな、そういう話が出てきちゃうと思うんですね。
 だから、そういう意味で、それは危ないマンションもある、しかし十分百年マンションもあるんだということが非常に認知されることが中古マンション市場ができ上がっていくことなんじゃないか。その点でも、前回の委員会で質問させていただきましたが、耐震構造診断という補助システムがあるんだから、あれをやはりみんな受けてもらって、その耐震の部分ではどうなのかとか、マンション管理の部分はどうなのかといった部分をマンションの評価に入れていくように国土交通省としてもぜひ啓蒙していっていただきたい、このように思うんですが、その点について、最後の質問として御答弁いただければと思います。
佐藤副大臣 中古市場の育成に当たっては、既存のマンションを適切にどうやって評価するかということは非常に大事なことだと思います。
 このために、今国土交通省といたしましても、マンション管理の適正化の推進に関する法律に基づきまして、適正なマンション管理を推進するとともに、中古住宅の質に関する適正な評価に向けた情報の開示や、そういうガイドラインというものをつくり上げていきたい、そう思っています。
 そして、多くの方々が、所有者の方々が、そのことを情報を見ながら議論していただく、そういうようなものをしっかりと国土交通省としてやっていきたい、そう思っております。
赤羽委員 阪神・淡路大震災の大変厳しい教訓を経て、今回、きょう、このような新しい画期的な法律が当委員会で採決される運びとなったことを大変うれしく思いまして、質問を終わりにさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
久保委員長 一川保夫君。
一川委員 私の方からも、今回のこの法案に対する最後の総括的な質問をさせていただきたいと思います。確認の意味も込めて、これまでの質問と若干重複するところがあるかもしれませんけれども。
 昨日の参考人のいろいろな御意見等を拝聴しておりましても感じたことでございますけれども、今回のこの法律の中に、大臣が基本方針を定めるとか、あるいは知事がいろいろな手続上の認可をするとか、あるいはまた市町村長がマンションの実情に合わせて勧告をするというようなことも含めて、そのほかにもいろいろとマンションの建てかえに当たって公的に関与をするようなケースが幾つか出てくるわけです。
 私は、マンションという、特殊な住戸と言うのもおかしいですけれども、集合的に居住している皆さん方がこういった建物を建てかえするに当たっては、大変もろもろの問題がたくさんあることは十分承知しております。
 現行の都市計画上のいろいろな制度をもっと規制を緩和してほしいとか、あるいはまた、いろいろな資金面なり技術面で公的な支援をしてほしいとか、物によってはもっと積極的に行政機関がこういう問題に前向きに取り組んでほしいというような反面、きのうも参考人がおっしゃっておりましたけれども、マンションの管理組合を中心とした組合員の主体性というものは常に確保していきたいと。余り公的にいろいろな規制があって、そういう中でいろいろな圧力がかかってくるということに対しては何か抵抗感があるような感じも受けました。
 そういう面では、法文上は明記されなくても、認可をするとか勧告をするとかという、その事前のいろいろな打ち合わせ等の段階で、あらゆる事業がそうですけれども、何となくプレッシャーを感じてしまうというのはよくあることでございますので、そのあたりはできるだけアドバイスをするというような形の中で円滑に物事を進めていくということが大事だというふうに思います。
 そこで大臣に、そういうことを踏まえて、本法制度において、公的な関与というものは基本的にはどういう姿勢で臨まれるのか、そのあたりをお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 昨日も参考人をお呼びになっていろいろお聞きいただいたということで、我々、現段階の、先ほども申しましたように、日本の現状を考えるときに、どうしてもこういう法案で、それこそ何かあったときに、専門的な知識がないとか、あるいは十分に多数の皆さん方の御賛同が得られないというような場合も含めて、私は、お互いの、区分所有者の意見が調整ができるようにということで、マンションの建てかえに当たって、先ほども申しましたように、高齢者ですとか資金のない皆さん方、そういう人たちに一方的な不利益を与えないようにということのために、適正な権利変換が行われるように、それこそ組合の設立でございますとか、あるいは権利変換計画の認可等、今まで必要な行政の関与というものを定めてきたとこの間も議員にお答え申し上げたところですけれども、では、果たしてそれがどこまでなのかと。参考人がおっしゃるように、なるべく行政の関与を少なくしなさいよと、これは当然のことなんですけれども。
 あるいは、危険だとか、またあるいは有害なマンションというものも、古い建物の中には資材の中でそういうものを使っているものもあるというようなこともあるいは出てくるわけでございますので、そういう区分所有者の自発的な意思によって、少なくとも、参加できずに転出せざるを得ないような高齢者、そういう人たちについては、公的な賃貸住宅への優先的な入居とか、あるいは居住安定のための必要な支援を行うというような、私は、これらの法案、今回の法案によって、行政の関与というのは、いずれも最低限にはとどめますけれども、結果的には、そのような関与をすることによって、住民が主体となった自主的なマンションの建てかえを円滑に進めていき、そして、そういう弱者の皆さん方に行政的に手を差し伸べるというようなことは、基本的にはやはりある程度あっていい、また、なければならない、その区別の問題だと思っております。
一川委員 基本的には大臣のお考えに私も賛成でございますので、そういうめり張りのきいた対応をぜひお願いしたいと思います。
 特に、建設期間中の仮住居の対策とか、そういう面では、ある程度公的な面でサポートしてあげないとなかなか対策がとれないケースも出てくるというふうに思いますし、今ほどのお話のように、社会的に立場の弱いそういう方々に対する配慮もしっかりとお願いしたいなというふうに思います。
 そこで、次に、これまでも議論が出ておりますけれども、本法制定後、これで一〇〇%物事が解決するわけじゃございません。そういう面では、区分所有法ですか、そういう法律との兼ね合いも当然出てきますけれども、マンション建てかえ問題について、積み残された課題といいますか問題点みたいなものについては、大臣はどのように認識をしておられますか。
扇国務大臣 今までいろいろな議論をしていただきましたけれども、先ほども赤羽議員もおっしゃいました、住民の合意形成がいかに難しいか。また、合意形成する中にはいろいろな個人の事情があって、老齢化あるいは資金難あるいは失業等々のそういう大きな個人的な差異がございますので、そういうものも含めて、私たちは、そのような諸課題を解決するために、今回の法案の制定に当たりましては三つの大きなことを決めさせていただいております。
 一つは、先ほどから申しましたように、この間も申しましたけれども、情報の提供ですね。いかに情報の提供が大事か。そして、相談体制、相談ができる体制の整備、そういうものもつくっていかなきゃいけないし、また、建てかえまたは修繕の判断に関する指針というものを、先ほども御質問がございましたけれども、阿久津議員がおっしゃったように、その指針を示すということも私は大事なことだ、これが一つでございます。大ぐくりにして一つでございます。
 二つ目には、補助でありますとか融資とか債務保証制度の拡充でございますとか、あるいは税法上の特例、こういうものに関するものが二つ目の大きな課題だと思います。
 三つ目には、少なくとも容積率の緩和等を伴った総合設計制度の積極的な活用など、そういう支援策を講じてマンションの建てかえの円滑化を総合的に推進する、これが三つ目の大事なことだと思っております。
 そういう意味で、この法案を私たちは提出させていただきましたけれども、その後、我々は、この建てかえの決議要件の明確化を含む区分所有法の改正も極めて重要な課題と思っておりますので、法案の動向にも留意しながら、引き続いて、先ほどもお答えになっておりました法務省とも私たちは連携をとりながらこの解決を図っていきたい、そのように考えております。
一川委員 今のお話ともちょっと関連してまいりますけれども、昨日の参考人の御意見を聞いておる中で特に気になっていることは、これも区分所有法の世界に入るかもしれませんけれども、マンション建てかえを決議するまでの間に大変な労力が要るんだと。これは先ほどちょっと古賀先生もおっしゃいましたけれども、都市計画上のいろいろなプロジェクトを進めるに当たっては、あらゆる分野ではこういうことが言えるわけですけれども、合意形成を図る段階で、ある程度具体的なものを説明できないと合意形成というのはできないわけです。その段階までに、ある程度のデザインをして、どれだけの費用がかかって、おたくの負担はどれですよというようなことが当然説明されなければならない。それは法制面あるいは専門的にも、いろいろな資金面でも、そういう専門的な能力を結集した中でそういうものを、原案づくりというか提案なるものを、中身を詰めなきゃならぬわけです。
 どうもそのあたりに対する支援策というのがちょっと見えてこないわけだけれども、そこは、国土交通省の行政の一環の中でそういうものはどういうふうに対応されていくのか。今ほど大臣がおっしゃった話は、どっちかというと決議された後のいろいろなフォローアップとしていろいろな支援策というのが出てくるわけだけれども、決議するまでに相当のエネルギーが必要だ、そういうことに対して今国土交通省としてはどういうお考えをお持ちなのか、そのあたりをお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 今一川議員がおっしゃいますように、本当に一つの大きな物体でございますので、その合意形成を図るというような難しさというのは、私は、今、大変なエネルギーが要るとおっしゃいましたけれども、そのとおりだと思います。
 そのときに私たちは、国土交通大臣として定める基本方針というものを先ほどから申し上げておりますけれども、マンションの建てかえに向けた区分所有者等の合意形成の促進に関する事項というものがございまして、その中で二つ大事なことがございます。
 それは、少なくとも、マンションを建てかえるか、あるいは修繕するのか、そういうことを判断する技術的な指針の作成。今おっしゃったとおりでございます。それをつくり、そして、合意形成のためのマニュアルの作成。これもきのう参考人がおっしゃったと思いますけれども、指針の作成とマンションのマニュアルの作成、この二つが大事なことだと思っております。
 それから、先ほども申しましたが、マンションの管理士あるいは建築士等の専門家とか、あるいはもう一つ、地方公共団体の公的機関によります情報提供、それと少なくとも相談体制の整備、これらは必ず盛り込んで、基本方針の中で実施していかなきゃいけないことだと思っております。
 もう一点は、それの調査費だとか、あるいは設計費等々に関しましては、これは建てかえの検討に要する費用として国と地方公共団体が連携して補助を行っていく、これが私は大事なことだと思っております。
一川委員 以上で私の質問を終わらせていただきますけれども、恐らくこの法律が決まれば、いろいろなマンションに住んでいる皆さん方も当然こういうことに問題意識を持って、いろいろな話題が出てくるというふうに思いますので、ぜひしっかりとした対応をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
久保委員長 瀬古由起子さん。
瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
 きょうは、大臣にお聞きしたいと思います。
 昨年成立して施行されておりますマンション管理適正化法について、これはマンション建替え円滑化法とも大いに関連するので聞きたいと思います。
 この適正化法は管理の枠組みの法整備を行ったものなんですが、その論議の過程で、私たちは、管理業者が、本来の管理の主人公である管理組合の業務、これは法的には管理事務なんですが、ここに介入するおそれがある、業者本意に管理が行われることにならないかという問題を指摘させていただきました。
 管理業者に登録すると、管理業務主任者を置かなきゃならないなどの登録業者としての資格要件が出てまいります。ところが、マンション管理業者が区分所有権を得て管理を行う場合、自分のマンションをどんどん業者が買い取って区分所有権を得た場合には、そしてその人が管理を行う場合は登録しなくていいということになっています。これではマンション管理が業者の介入を許してしまうのではないか、そういう指摘もされております。
 昨日の参考人質疑の中で明らかになりましたが、その上、今回、建てかえでもディベロッパーが組合員として参加できるとなれば、一層、計画もまた施行も業者の言うままになるんじゃないか、こういう不安も生まれてまいります。
 居住者の意向が十分尊重されるような措置、これがどうしても必要ではないかと思うんですが、その点、大臣にお聞かせいただきたいと思います。
扇国務大臣 昨年の八月、今、瀬古議員がおっしゃいましたように、マンションの管理適正化法が施行されました。
 今の御心配ではございますけれども、少なくとも、この法律によって、マンションの管理業者というものは国土交通大臣への登録が義務づけされました。それによりまして、管理組合に対しての重要事項の説明が義務づけられた、登録するに当たって。そういう意味では、業務規制が課せられるということになりますので、少なくとも管理組合がどの管理業者と契約するか、そういうことになったときには、その判断の上で必要な情報開示といいますか、そういう意味での、これまで以上に情報開示がされるということになっておりますので、私は、この登録を義務づけたということの意義は大変大きいと思います。
 いかにも、情報開示されると皆さんがそれによって選ばれる、どの業者とということを選べますから、そういう意味では一つの大きな歯どめになっている。瀬古議員のおっしゃった御心配には及ばないと私は思います。
 また一方、管理組合が分譲業者系列の管理業者と契約をするか他の管理業者と契約するかというのは、それぞれの組合の皆さん方の選択でございますから、そういう意味では、私は、より選択しやすくなって安全性が保たれるというふうに、マンションの適正化をより一層図っていけるものと考えております。
瀬古委員 実際には、業者がマンションを所有した場合、権利を持った場合に、そういう場合には、その人に管理を委託するという場合は届け出しなくてもやれる仕組みになっていますし、その上、管理もそうだけれども、建てかえも今度ディベロッパーが入ることができる、権利を持てば、所有権を持てば。ということになると、私は、やはり不安ではないかという点は、たとえ、いろいろな選択はあるんだけれども、やはり十分配慮しなきゃならないというふうに思います。
 そこで、マンションは適切な維持管理をすればもう百年程度もつんじゃないかということも言われております。全国マンション管理組合連合会の穐山参考人は、昨日、横浜市の住宅政策審議会の中間答申を紹介されました。この答申は、マンションの建物更新に当たっては、建てかえよりも更新の方が有利だ、こういう指摘をしている、こういう考え方が出されております。この点、国土交通省、大臣としてはどのようにお考えなのか。
 また、管理組合の努力はもちろんなんですが、それだけではできない再生の提案を真剣に検討してほしいという連合会からの御要望がございました。こういう点でも、技術的な研究も含めた、法整備も含めた検討というのはやはりもっと本格的にやる必要があるんじゃないかと思いますが、その点、大臣いかがでしょうか。
扇国務大臣 きのうの参考人の横浜市におきます今後の民間住宅施策のあり方についてという答申、私も今拝見させていただいておりますけれども、少なくとも、この答申において、既存のマンションの躯体を生かして内部の改善や増築を行う再生を重視する必要がある、こう指摘がしてございます。今、瀬古議員がおっしゃったとおりですけれども。
 少なくとも、再生によって、資源の有効活用でございますとか、あるいは事業の期間の短縮を図りながら一定の居住水準の向上を確保できる場合も、私はそれは当然あるものと思っております。先ほども私ここで論議しましたように、最初は六十年のつもりで入った、いや、百年のつもりで入ったと、それぞれ思いはあると思いますね。けれども、やはり一定の居住水準の向上を図った上でも、一方で、建てかえによらなければ居住水準の確保ができないというような状況が生じることも、それは物件によってはあるわけでございますので、今御指摘になりましたように、再生によって資源の有効な活用、そういうのができれば一番、私はそれにこしたことがないと思っていますけれども、事業の期間の短縮等を図りながら、一定の居住水準の向上というものとか、あるいは一方で、建てかえによらなければ、今申しましたような居住水準が保てないというような状況が生じることがあることも事実です。
 今回の、マンションの建てかえを円滑化するということは、やはりそれぞれきちんと法によって定められることによって、より安全で、より安心し、なおかつ、区分所有者のそれぞれの選択を組合の合意によってできるということで、私は安心度がこれによって高まると思っておりますので、この答申に関しては、個々の、やはりそれぞれの耐久年数によっては変わってくると思っています。
瀬古委員 一定の、建てかえをやらなきゃならない、そういう場合も私は当然出てくると思うんですね。
 そこで、私が今お話ししたのは、もちろん建てかえをやらなきゃならない場合にいろいろな配慮もしなきゃなりません。できるだけ長もちさせるという点で、もう少し、これはそれぞれのマンションの管理組合が努力をしなきゃなりません。しかし同時に、例えば技術的な研究、どうやったら長もちできるかというような、そういう研究だとか、それから、実際のそれに対する、いろいろな計画に関する法整備だとか、こういうものは国土交通省としてももっとリードしていいんじゃないか。
 そういう点での、うんと長もちさせるためのいろいろな施策についてもっと突っ込んだ研究も必要じゃないかということを言っているんですが、その点、いかがでしょうか。
扇国務大臣 あらゆる資材、あらゆる技術、日進月歩でございまして、私は、塗装一つとってみても、本当に長もちしていいもの、しかも見た目もいろいろな選択ができるいいものが、日進月歩で現段階では進みつつある。
 まして、新しいものを開発した人たちは、瀬古議員も御存じだと思いますけれども、いろいろなチラシが入りまして、また、電話がかかってきまして、うちはこういう、普通だったら十年で塗装をかえるものを、うちは二十年のものを開発して、おたくの建物をどうしても試験させていただきたい、ただでしますという宣伝もこのごろはかかってくるようになった。それくらい私は技術というものが進んできたと思います。
 ただ、それが環境的に基準を達成しているかどうかというのが、まだ実験が済んでいないという、大きなことになりますので、今後は、資材とか材料とかあらゆるものが進歩するけれども、それが環境にいいか悪いかということの判断はまた別だと思います。
 今申しましたように、あらゆる技術の開発とか、あるいはあらゆる資材の長もちをするような良性のものとか、それは国土交通省としてきちんと推進し、また検査もできる、そのように感じております。
瀬古委員 実は、私たちは先日十五日に、この建替え法や区分所有法の法制審議会の試案をテーマに懇談会を行いました。そこで、参加した管理組合の役員、関係者から、三十年、四十年の建てかえということになると、何か建てかえというのが先にありきで、管理に対する熱意、つまりマンションを長寿化させて良好な管理を行うという熱意がどうしても薄れてしまう、こういう危惧が出されたんですね。
 そこで、大臣に伺いたいんですが、マンション管理適正化法に基づく適正化指針でも、適時適切な維持修繕を行うことが重要だとしていて、長期修繕計画策定や修繕積立金の必要性というのが強調されているわけです。その点、この適正化法を規定した国や地方自治体の責任というものもあると思うんですが、こういうものと今回の提案との整合性みたいなものはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
扇国務大臣 マンションの管理適正化法、これに関しましては、管理の適正化指針においては、少なくともマンションの快適な居住環境の確保と資産価値の保全を図る、これが大目的でございますので、長期修繕計画等を策定して、そして定期的にこの見直しを行うべき、こう書いてございます。まして、この場合は、建築後相当年数を経過したマンションにおいては、建てかえについても視野に入れつつ、長期の修繕計画の検討を行うことが望ましい、こう明記してございます。
 また、この法案は、もとより、一定の年数が経過したマンションについても一律の建てかえを行うべきものとするような考え方に立つものではございませんし、先ほどからも御説明申し上げましたように、個々の建物の状況に応じて、そして建てかえと修繕の比較検討を踏まえた上で、区分所有者が十分な議論に基づいた意思決定を行うことを前提として建てかえの円滑化を図るという手順がございますので、そういう意味では、マンションの管理の適正化指針の考え方と十分に整合性が図られている、私はそのように思っていますし、また図っていかなければならないものと思っております。
瀬古委員 この法律では、建てかえに参加できない高齢者などに対しても公共賃貸住宅への優先入居などの居住安定のための措置を講じるというようにあります。
 ところが、今、御存じのように、地方自治体は、財政難もありまして、公共賃貸住宅の建設というのがとまっているんですね。余り新築でやる見通しがない、そういう都道府県もたくさんございます。何年たっても今の公共の賃貸住宅に入れない、こういう事態もあるわけですね。
 そこで、例えば、自分の住んでいた建てかえマンションに住めないような高齢者が自分のマンションの近くに住み続けることができるような、例えば公共賃貸住宅建設の促進のために、自治体がなかなか渋っているわけですが、そこで国が、こういう人たちの場合、例えば大きな住宅という場合もありますし、例えば十軒ぐらいのちっちゃい公共の賃貸ということもあるかもしれません。そういう面で、もう少し国が、自治体がなかなか公共住宅も建てないという事態になっているので、国としての何らかの援助というものがなければ、実際に、幾ら配慮するといっても、公共賃貸住宅はありませんよという形になったり、遠くの、もう全然今自分の生活していたところと違うところへ行ってくださいよということにもなりかねないし、そういう点での国での公共住宅建設のためのいろいろな配慮が私はこの場合必要だと思うんですが、その点いかがでしょうか。
扇国務大臣 高齢者への配慮というものがもっとあってしかるべきだというお話、そのとおりでございます。
 先ほどからも御議論いただいておりますけれども、今、築後三十年のマンションのうち六十歳以上だけが住んでいるマンションというのは全体の三六%に及んでいるんですね。その点からいっても、今瀬古議員が御指摘になった高齢者に対する配慮、そういうものがいかに大事かということ、おっしゃるとおりでございますので、私たち、年齢とかあるいは世帯構成とかあるいは経済状況などの面でも、少なくとも配慮していこうと。
 また、区分所有者が集合して居住している建てかえに当たっては、高齢者であることとか今おっしゃったような財力、資力の不足、そういう人たちに対しても、私たちは、建てかえに参加することが困難な方には、先ほども申しましたように、公共賃貸住宅の新規の建設のみではなく、あるいは既存の公共住宅のストックの有効活用、そういうものも含めて、従前の居住者住宅の供給におきます財政負担の少ない民間借り上げ方式の活用等によって、居住安定措置を的確に講ずるように地方公共団体に助言してまいりたいと思っています。
 また、事実、今、空き家の戸数というのは二万戸ございます。そういう意味でも、公営住宅の空き家を利用したり、そして優先的に入れるということも私たちは配慮しながら、そういう人たちを困らせないように、安心して住んでいただく、また安心した方策があるということを申し上げておきたいと思っております。
瀬古委員 今、空き家があったとしても、昨日、参考人質疑の中でも、高齢者は環境が変わるということはやはりなかなか望まないという問題があるんですね。そういう意味では、やはり自分の住み続けてきたその地域で住みたいと、そういう場合の公共住宅の建設などもやはり考えざるを得ないと思うんです。その辺でぜひ配慮いただきたいし、先ほども言いましたように、できるだけマンションを長もちさせるための施策、建てかえに当たっても、十分高齢者を初め居住者の意向が反映できる配慮、施策をぜひお願いしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
久保委員長 日森文尋君。
日森委員 社民党の日森文尋でございます。
 再確認、再々確認の質問になりますので、ひとつお許しいただきたいと思います。
 先ほど二階建てという話が古賀先生からございました。私もその二階建ての二階の方の今議論をしているんですが、その一階部分について、二階部分とどうリンクしていくのかということが大変気になっています。
 そこで、その点について御質問をしたいと思うんですが、この法案は、もう皆さんおっしゃっているとおり、建てかえ決議が行われた後の各手続が円滑に進められるように措置をしていこうということになっているわけです。しかし、そうはいっても、そういうことになれば、一階部分である区分所有法とつかず離れずの関係にあるというふうに考えているわけです。
 例えば、区分所有法の第六十二条の建てかえ決議の後、建てかえ事業を円滑化するために、法案の六条では、マンション建替組合を法人として、建替組合の法的位置づけを明確にしているわけです。
 一方、建てかえ決議以前に関する分野でも、本法案は具体的な対処をしているわけでありまして、特に、大臣が定める基本方針に掲げる事項の、マンションの建てかえに向けた区分所有者の合意形成の促進に関する事項、これは建てかえ決議後の話ではなくて、むしろ建てかえ合意に向けた課題である、そういう意味では、区分所有法の範疇にかかわる問題ではないか、こういうふうに考えているわけです。
 そこで質問いたしますが、一つは、このマンション建替え円滑化法案には区分所有法の所掌する範囲とも重なり合う部分があるのではないか、重なるから第四条で大臣が定めるというふうになっている、こう考えているんですが、区分所有法、あるいは改正が法制審議会で審議されていますが、その改正区分所有法との連動性、関連性、これは具体的に法律上、行政上どのように整理をされているのか、お聞きをしたいと思います。
三沢政府参考人 今お話にございましたように、このマンション建てかえの法律は、区分所有法による建てかえ決議、これがあった後のいろいろな手続あるいは事業の円滑化のことについていろいろ定めをしているわけでございます。
 この場合に、まさに先生御指摘のとおり、しかし、建てかえ決議後の事業円滑化について措置を講じながら、この基本方針の中では、「建替えに向けた区分所有者等の合意形成の促進に関する事項」というのを国土交通大臣が基本方針の中に定めるというふうになっております。
 ある意味では、建てかえ後の事業の円滑化のためにも、やはり建てかえ決議そのものがみんなの合意形成のもとにきちっと行われているということが非常に大事でございますので、その部分について、例えば建てかえか修繕かということについても、きちっと、合理的な、しかも、みんなのコンセンサスを得たような決議ができるような、そういうことについてのいろいろな配慮をしていこうということでございます。
 そういう意味で、当然、区分所有法の分野とこのマンション建替え法の分野というのは、ある段階からぱっと切れるものではなくて、やはりオーバーラップしながら、緊密に連携をとりながらやっていく性格のものというふうに考えております。
 そういう意味からいいますと、今後、法務省さんでいろいろ検討されています区分所有法の改正案、特に建てかえ決議の要件をどうするかというようなところも非常に大事な課題でございますので、この法案との整合性も図りながら、一方、その区分所有法改正案の動向にも十分留意して、法務省と緊密な連絡をとっていきたいというふうに考えております。
日森委員 また再々確認なんですが、お答えいただいていると思うんですが、なぜマンションが先で区分所有法が後になったのか、もう一度御説明いただけますでしょうか。
三沢政府参考人 これにつきましては、非常に大きい理由といたしましては、現実に既に建てかえ決議をして、これから事業にかかろうとしている、そういうところが幾つかあるということと、それから、これから具体の建てかえを検討していきたい、こういうふうに考えておられるマンションが相当あるわけでございます。
 その場合に、建てかえの決議をするに当たっても、建てかえ決議した後、どういう円滑な事業法制があるのかということがやはりはっきり見えているということがその建てかえ決議の条件整備としても必要であろうということから、今回、区分所有法は臨時国会を予定されていますけれども、このマンション建替え法につきましてはこの国会で提案をさせていただいているということでございます。
日森委員 続いて、法案の第九条第四項、団地型マンションの関係なんですが、同じ敷地内に建物が幾つかある、これも別の委員さんから質問もあったと思うんですが、そのうち複数の建物を建てかえる場合に適用される条文、九条四項ですね、これはそう理解しているんですが、五人以上の共同で建替組合を都道府県知事の認可で設立することができる、こうなっているわけです。一方、区分所有法上の建てかえ決議は、棟ごとに行わなければならない。A棟、B棟、C棟、その棟ごとに決議を行うということになっていますから、この九条四項と区分所有法上の関係、これについて第一にお聞きをしたいと思うんです。
 それからまた、幾つかの建物のうち何棟かを先に建てかえしようと。A棟とB棟だけを建てかえする場合、AB建替組合みたいなものができるということになると思うんですが。そこで、先ほどもお話ありました。そこが先に例えば高層化して建物をどんとつくってしまう、ほかのところはまだまだ決議ができなくて取り残されるということも当然考えられるわけです。そうすると、敷地全体の容積率などに非常に大きな影響を及ぼしていくわけで、そういう場合、どのような法律的な問題が生じるのか。それに対して国土交通省はどう対応されようとしているのか。これ、二点目、お聞きをしたいと思います。
 それから、将来建てかえを考えている限り、低層の居住者が不利益を受けないような措置というのは当然必要になってくる。先ほどの御説明ですと、利用について特別な状況ですね、それは非常に限定されると思うんですが、そうすると、例えば、高層化したいと思っても、残された部分の容積率を侵食するようなことになれば、その計画はだめよということを当然行政の側で言わざるを得ないような、そういう措置も出てくると思うんですが、そういうことについて具体的にお聞きをしたいということ。
 同時に、これを具体的に解決していくためには、先ほど言った一階部分の区分所有法、これを改正しないと具体的には進まないんじゃないかという気がしているんですが、それについてお聞かせをいただきたいと思います。
三沢政府参考人 まず一点目の、複数の棟のマンションで団地を構成する場合の区分所有法とこの建替え法の関係でございます。
 区分所有法に基づく建てかえ決議は、これは棟ごとにその区分所有者及び議決権の五分の四の多数決で行うということでございます。この議決は棟ごとであるということでございます。
 それで、この法案は、それぞれ棟ごとに建てかえ決議が行われたということを前提に、建替組合は、じゃ、それは一つの計画の中でやっていこうじゃないかというときに、棟は複数ですけれども、一つの建替組合を設立することができるというのが九条四項でございまして、これによりまして複数棟について一体的な計画に基づいて事業が実施できるようにしているという趣旨のものでございます。
 それから、団地で一部の棟の建てかえを先にやる場合に、あとの棟の居住者の利害が損なわれないかどうか、その辺の調整をどうするかということでございます。これは、実は現行民法の規定によりますと、敷地共有者全員の同意が必要だということになっております。こういう法律関係が現在あるということ。
 いずれにいたしましても、その円滑な建てかえをするためには、各棟の公平性に配慮した建てかえ計画にするというのは当然でございまして、そのための法的な手続として、一つは、現行民法では敷地共有者全員の同意を要するというふうにされております。
 それで、区分所有法の改正試案の中では、この点については、全員合意ではなくて、敷地利用権を共有する区分所有者の集会において敷地利用権の持ち分の四分の三以上の多数による決議が検討されております。この試案をどう考えるか、いろいろこれは議論があるところでございますけれども、いずれにしても、他の棟の、要するに先行しない方々の利害等の調整につきましては、こういう区分所有法の中での規定で調整されていくということになろうかと思います。
日森委員 ここはかなり混乱が生ずるおそれもあるというふうに考えていますので、ぜひその辺の整理をしっかりやっていただきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりましたので、これは何度も質問しているので要望にしておきたいと思うんですが。
 特に、法案百二条で、市町村長が建てかえ勧告をすることができる。これについては前回申し上げました。また、通常の建てかえでも、九十条では、賃借人や転出区分所有者の居住の安定確保に、施行者は国とともに、市町村も一生懸命努力しなきゃいかぬというふうに書いてあるわけです。かなり市町村の責務というか仕事が重い。私も十五年ほど自治体議員をやっていたものですから、国は随分いいことは言うけれども、しかし全部責任は市町村に押しつけるんじゃないのかといつも憤慨をしていた一人でございまして、今回が必ずしもそうだというふうに言っているんじゃないんですがね。
 しかし、先ほど瀬古先生もおっしゃったとおり、大変な財政実態、それから、特にマンションが建っているような地域では、かなり人口が密集しているとかいうことがあるわけですから、便利もいい、そうすると公共住宅などとてもあかないんですね。もう何年も何年も待っている方々がたくさんいらっしゃる。そういう実態も、私、前の議員やっていたところはさいたま市というところでございまして、さいたま新都心のすぐふもとに住んでおるものですからすぐわかるんですが。そうすると、こういう責務を一応決めたことは評価をしたとしても、現実の対応としては非常に厳しさがあるのではないか、そういう心配をしているんです。
 その意味で、ぜひ、幾つか財政的な支援措置等もあると思いますけれども、総合的な見地から、市町村もしっかりと、建てかえ勧告などをした、あるいは通常のでも、弱者が救済できる、そういうことをできるような具体的な措置をこれからも引き続き検討していただいて、出していただきたい、そのことを要望して終わりたいと思います。ありがとうございました。
久保委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
久保委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 マンションの建替えの円滑化等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
久保委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
久保委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、実川幸夫君外六名より、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党の七会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。阿久津幸彦君。
阿久津委員 ただいま議題となりましたマンションの建替えの円滑化等に関する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    マンションの建替えの円滑化等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
 一 マンションの建替えが円滑かつ適切に行われるよう本法の趣旨の周知徹底に努めること。
 二 マンションの建替えに当たっての区分所有者等の合意形成の促進に関し、建替えに係る情報の提供が十分になされるよう必要な措置を講ずるよう努めること。
 三 新築又は既存のマンションの耐久性を向上させるための技術開発及びその普及のために必要な措置を講ずるよう努めること。
 四 健全な中古マンション市場の育成に留意し、良好に管理され防災や居住環境の面で良質なマンションが適切に評価されるよう必要な措置を講ずるよう努めること。
 五 マンションの建替えに参加することが困難な高齢者等の社会的弱者に対し、居住安定のために必要な措置を講ずるよう努めること。
 六 マンションの建替えが良好な市街地環境の形成に資するよう必要な措置を講ずるよう努めること。
 七 マンションの建替えに際して生ずる建設廃棄物が適正に処理されるよう必要な措置を講ずるよう努めること。
 八 マンションの建替えに民間事業者が参加できる措置を講じたことにかんがみ、居住者の意向が十分尊重されるよう必要な措置を講ずるよう努めること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
久保委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
久保委員長 起立総員。よって、実川幸夫君外六名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。扇国土交通大臣。
扇国務大臣 マンションの建替えの円滑化等に関する法律案につきましては、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、また、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。ありがとうございます。
 そして、今後、審議中に皆さんからいただきました御高見とか、あるいは区分所有者等の合意形成のための情報の提供、そしてまた今附帯決議に付されました多くの問題、そして建てかえに参加することが困難な高齢者等の居住の安定等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め各委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表して、ごあいさつとさせていただきます。
 ありがとう存じました。(拍手)
    ―――――――――――――
久保委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
久保委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
久保委員長 次に、内閣提出、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣扇千景君。
    ―――――――――――――
 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案
 首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
扇国務大臣 ただいま議題となりました民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。
 まず、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 従来から、港湾においては、廃棄物を埋立処分するための廃棄物海面処分場の整備を推進してきたところでございますが、近年、内陸の最終処分場の不足に伴い、廃棄物海面処分場での廃棄物の受け入れに対する期待が大きくなっています。一方、貴重な海面を埋め立てて整備する廃棄物海面処分場については、できるだけ長く利用できるような措置を講ずることが必要となっています。
 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第でございます。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 港湾施設である廃棄物埋立護岸の適正かつ良好な形成を図るための施設であって、当該廃棄物埋立護岸において埋め立てに用いられる廃棄物または建設発生土をあらかじめ溶融、破砕、圧縮等の方法により高度に減量する機能を有するものを、港湾の利用の高度化を図るために設置される特定施設に追加することとします。
 これにより、民間能力を活用した廃棄物等の減量化施設の整備を促進し、港湾における廃棄物海面処分場をできるだけ長く利用できるようにするとともに、埋め立て後の造成地の高度な利用を図るものです。
 次に、首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案について申し上げます。
 いわゆる工場等制限制度は、首都圏の既成市街地及び近畿圏の既成都市区域における産業及び人口の過度の集中を防止し、都市環境の整備及び改善を図ることを目的に、一定規模以上の工場や大学等の新設及び増設を制限するものであり、首都圏では昭和三十四年、近畿圏では昭和三十九年に創設されました。
 しかしながら、制度創設から約四十年を経過した今日、製造業従業者数及び工場立地件数の減少等の産業構造の変化、少子化の進行に伴う若年人口の減少等、社会経済情勢が著しく変化しており、工場等制限制度は、その有効性、合理性が低下しております。
 こうした観点から、平成十三年十二月には、国土審議会において、工場等制限制度は廃止することが適当である旨の答申が取りまとめられました。
 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第でございます。
 次に、この法律案の概要について御説明を申し上げます。
 第一に、首都圏整備法及び近畿圏整備法につきましては、首都圏の既成市街地における工業等の制限及び近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する規定を削除する等、所要の改正を行うこととしております。
 第二に、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律及び近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律を廃止することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律案を提案する理由でございます。
 これらの法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとう存じました。
    〔委員長退席、実川委員長代理着席〕
実川委員長代理 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会


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