衆議院

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第24号 平成14年7月12日(金曜日)

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平成十四年七月十二日(金曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 久保 哲司君
   理事 木村 隆秀君 理事 実川 幸夫君
   理事 橘 康太郎君 理事 林  幹雄君
   理事 古賀 一成君 理事 細川 律夫君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 一川 保夫君
      赤城 徳彦君    小里 貞利君
      倉田 雅年君    後藤田正純君
      菅  義偉君    高木  毅君
      高橋 一郎君    谷田 武彦君
      中馬 弘毅君    中本 太衛君
      林 省之介君    菱田 嘉明君
      福井  照君    二田 孝治君
      松岡 利勝君    松野 博一君
      松宮  勲君    山口 泰明君
      吉川 貴盛君    阿久津幸彦君
      井上 和雄君    大谷 信盛君
      今田 保典君    樽床 伸二君
      津川 祥吾君    永井 英慈君
      伴野  豊君    平岡 秀夫君
      前原 誠司君    高木 陽介君
      山岡 賢次君    大幡 基夫君
      瀬古由起子君    原  陽子君
      日森 文尋君    保坂 展人君
      二階 俊博君
    …………………………………
   国土交通大臣       扇  千景君
   国土交通副大臣      佐藤 静雄君
   国土交通大臣政務官    菅  義偉君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   政府参考人
   (内閣府道路関係四公団民
   営化推進委員会事務局長) 坂野 泰治君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   津田 廣喜君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 風岡 典之君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長
   )            岩村  敬君
   政府参考人
   (国土交通省河川局長)  竹村公太郎君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  大石 久和君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  三沢  真君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  石川 裕己君
   政府参考人
   (国土交通省自動車交通局
   長)           洞   駿君
   政府参考人
   (国土交通省港湾局長)  川島  毅君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  深谷 憲一君
   政府参考人
   (環境省環境管理局長)  西尾 哲茂君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十一日
 辞任         補欠選任
  高木  毅君     虎島 和夫君
  松野 博一君     細田 博之君
同日
 辞任         補欠選任
  虎島 和夫君     高木  毅君
  細田 博之君     松野 博一君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  田中 和徳君     山口 泰明君
  松本 和那君     後藤田正純君
  保坂 展人君     日森 文尋君
同日
 辞任         補欠選任
  後藤田正純君     松本 和那君
  山口 泰明君     田中 和徳君
  日森 文尋君     保坂 展人君
    ―――――――――――――
七月十二日
 国土交通省の地方整備局等の機構拡充及び要員確保に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六五六二号)
 同(石井郁子君紹介)(第六五六三号)
 同(小沢和秋君紹介)(第六五六四号)
 同(大幡基夫君紹介)(第六五六五号)
 同(大森猛君紹介)(第六五六六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第六五六七号)
 同(児玉健次君紹介)(第六五六八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第六五六九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第六五七〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第六五七一号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第六五七二号)
 同(中林よし子君紹介)(第六五七三号)
 同(春名直章君紹介)(第六五七四号)
 同(藤木洋子君紹介)(第六五七五号)
 同(松本善明君紹介)(第六五七六号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第六五七七号)
 同(山口富男君紹介)(第六五七八号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六五七九号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第六六二三号)
 障害者対応のETCシステム導入に関する請願(福井照君紹介)(第六五八〇号)
 気象事業の整備拡充に関する請願(遠藤和良君紹介)(第六五八一号)
 国土交通省の地方整備局等の機構拡充及び職員増員に関する請願(重野安正君紹介)(第六六一〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――
久保委員長 これより会議を開きます。
 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長風岡典之君、総合政策局長岩村敬君、河川局長竹村公太郎君、道路局長大石久和君、住宅局長三沢真君、鉄道局長石川裕己君、自動車交通局長洞駿君、港湾局長川島毅君、航空局長深谷憲一君、内閣府道路関係四公団民営化推進委員会事務局長坂野泰治君、財務省主計局次長津田廣喜君及び環境省環境管理局長西尾哲茂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
久保委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
久保委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷田武彦君。
谷田委員 おはようございます。自民党の谷田武彦でございます。
 お許しをいただきましたので、通告に従いまして順次お尋ねをさせていただきます。
 まず最初は、ガイドウエーバスについてであります。ガイドウエーバスといいましても、一体それは何のことだと言われる委員の先生もいらっしゃるかと思いまして、大変失礼かと思いましたが、今お許しをいただいて資料をお手元に配付させていただきました。ごらんをいただきたいと思います。
 ガイドウエーバスというのは、道路の中央分離帯上に設けた高架専用軌道を、車両の前後輪に取りつけた案内装置の誘導で走り、そして、それはそのまま一般道路を同一車両で連続して走行できる特性を備えておるわけでありまして、外国では四つほど事例がございますが、日本では我が名古屋市が初めて導入をしたものであります。
 これは、モノレールに代表される新交通システム、あるいは地下鉄等を敷設いたしますと大変採算上難しいという部分、あるいはまた逆に、バスでは輸送力が不十分という中間の交通需要に対応するものだと高い評価を私はしておるわけであります。
 そこで、まず最初に国土交通省にお尋ねをしたいのは、このガイドウエーバスシステムを国土交通省はどのように評価していらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
大石政府参考人 今先生からお話がございましたように、ガイドウエーバスは、バスと新交通システムの中間の交通需要、トリップの多さでありますとか、あるいはトリップ長といったようなものでございますが、そういう交通需要に対応いたしまして、交通の混雑する区間におきましては専用通行路を定時・高速走行するとともに、一般道路では路線バスとして、乗りかえをすることなく各方面へ運行が可能であるという特徴を有する、鉄道とバスの利点を組み合わせたシステムでございます。
 本システムは、名古屋市において導入されておりますが、バスが専用通行路を通行することにより、所要時間の短縮、定時性の向上が図られるとともに、一般道路におきましても旅行速度が向上し、道路交通の円滑化に寄与する等の効果が得られております。
 国土交通省におきましては、道路交通の円滑化に寄与する公共交通機関の整備を推進しているところでございますが、ガイドウエーバスにつきましても、その特徴を生かして整備を行うことにより、道路交通混雑の緩和に有効なシステムの一つである、こういう認識をいたしております。導入を行う自治体に対しましては、インフラ部の整備に対する補助等を通じまして積極的な支援を考えていきたい、このように考えているところでございます。
谷田委員 ありがとうございました。
 名古屋は昨年三月からこのガイドウエーが開業しておるわけでありますが、特に名古屋市の中での、守山区と言いまして従来交通が比較的不便であった地域にこれが導入をされましたので、地元の皆さんは大変お喜びになったわけであります。
 しかし、困った問題が一つ出てまいりました。と申しますのは、先ほどの資料をごらんいただきますように、高架の部分を走っておりますといわゆるガイドウエーバスでございまして、平面道路を走っておるとこれがバスとなるわけでございまして、高架と一般の平面道路をまたがって利用する場合、料金が高くなってしまうんですね。
 なぜかといいますと、これは適用される法規が、高架専用軌道区間は軌道法、平面一般道路区間は道路運送法が適用されるわけでございます。また、経営主体も異なっておりまして、高架の方は名古屋ガイドウェイバス株式会社、そして平面一般道路の方は名古屋市交通局、名古屋鉄道株式会社、ジェイアール東海バス株式会社、この三社が経営主体となるわけでございまして、利用者は、乗りかえることもなく同じバスに乗り続けながら、運転手さんも一緒でありながら、異なる交通機関を結果的には利用しているというふうになってしまうわけであります。
 確かに、このガイドウエーバスシステムが計画をされました時点では、当時はまだ国土交通省というのはございません。建設省と運輸省とに分かれておったわけでございますが、今日こうして国土交通省として統合されたわけでありますから、まさにこういったところにこそ規制緩和をして、利用者の側に立った柔軟な対応が期待をされると私は思っております。
 そもそもガイドウエーバスというのは、これは通常のバスに案内装置を付加することにより、専用走行路、すなわちガイドウエーと一般道路の両方を走行できるバスのことであります。まさに高架専用軌道というのは、いわゆる軌道ではなくてバス専用道路、バスレーンの一種として位置づける必要があると私は思います。
 開業当初、国内各地から多くの方が視察においでになりました。しかし、残念ながら、現在の時点で、名古屋市に続いてこのガイドウエーバスシステムを導入しようという都市を私は寡聞にして知りません。ガイドウエーバスを軌道として扱う限りその道のりは険しいと言わざるを得ないと断言する有識者もおられると仄聞をいたしております。
 国土交通省の御所見を承りたいと存じます。
石川政府参考人 先生の御指摘の名古屋のガイドウエーバスでございますけれども、このバスは、先生の資料にありますように、外見上はバスとほぼ同じでございますが、いわゆる高架区間につきましては、運転手はみずからハンドル操作をするわけではございません。道路の上空の専用の高架走行路の中で案内レールに従って走行するものでございまして、いわゆる案内軌条方式と言われるものでございます。
 このようなものにつきましては、交通機関という観点でどうとらえるかということになりますと、今申し上げましたように、それがゴムのタイヤであろうがなかろうが、案内軌条方式というものによって誘導されるというものでございますので、軌道法が適用されるものでございます。
谷田委員 それはわかっているんですよ。わかっているんですけれども、それは事業者の側の発想なんです。利用者の側に立って考えてほしいんですよ。
 これは、全くバスですよ、バスそのものですよ。それが、かつて、そういった軌道法だ、道路運送法だとかいうようなことでいろいろ分けられておって、当初、何せ地元の方というのは、ああ、これでようやく都心部に便利に行けるよ、安い値段で行けるよと思い込んでおったのが、何のことはない、違う交通機関を二つぽんと与えられたようなことになってしまったわけでございます。
 ガイドウエーバス部分、いわゆる高架部分そのものについては結構なことでございますし、あるいはまた平面部分、それだけをとらえれば、これも安い値段で行けるわけですからいいんですが、乗り継ぐ、乗り継ぐと言うと変ですね、そのまま乗り続けた場合にどうしても高くなってしまうのは、やはり、失礼な言い方になるかもしれませんが、従来のまさに縦割り行政の弊害だということは、これは名古屋市会でもいろいろと取り上げられておったわけであります。
 どうかひとつ、利用者の利便向上という面からここをもう一遍考え直してほしいのです。これは確かに今、乗り継いだ場合は割引制度もあります。しかし、そんな次元の話じゃないですよ、そんな次元の話じゃない。もう一歩踏み込んだお答えをお聞きしたいと思います。
石川政府参考人 ここの問題につきましては、こちらが軌道法でありこちらが道路運送法であるという問題と、それと、先ほど先生お話がありましたように、実は事業者が違うという問題がございます。仮に同じような鉄道であっても、鉄道事業者が違うと運賃の併算という問題があります。バスの場合も同じようなことがございます。
 したがいまして、今先生御指摘がございましたが、私どもとしては、この問題については乗り継ぎ割引制度というものを実施してございまして、百四十円から二十円の割引というのを実施してございますが、今先生お話しのような点もございます。いろいろと検討しなければいけない点もあろうかと思いますが、現時点では、そのような乗り継ぎ割引という制度で実施しているところでございます。
谷田委員 くどくなりますからやめますけれども、名古屋の場合は、実はこの地域には市バスも入っていなかったんですよ。そういった複雑な状況があるから、ちょっと一般的なもの、そのものに当てはめるのは無理があるかと思うんですが、もしこのガイドウエーバスが、先ほどお話がありましたように、国土交通省として高く評価をしているシステムであるとするならば、それを本当によその都市でもどんどんどんどん導入しやすくするような方策をとっていただきたい。
 そのためには、名古屋でこうだったからこうだよという話じゃなくて、導入できるためには何を考えていけばいいかをひとつ考えてほしい。その際に、事業者の視点からではなくて、あくまでも利用する人たちの立場に立って物を考えてほしいからこそ、これをきょう言わせていただいているわけでございまして、今直ちに名古屋をそのように変えろなんて、私はそんな無謀なことは申し上げません。ただ、今後これを、大変私はいいシステムだと思っているので、いろいろな都市でどんどん導入していただければと思っているので、その際に、より導入しやすい方法を考えていただければと思って、きょうお話をしたわけであります。どうぞ、一つのきっかけとしてさらに御検討いただくようお願いをしておきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 今年二月から道路運送法の一部改正が施行されました。規制緩和によってバス路線の廃止が許可制から届け出制になりました。不採算路線からの撤退が容易になったと思われます。しかし、当然のことながら、従来御利用いただいておりました皆さん方の足は確保しなければならないわけでございます。
 例えば愛知県の豊田市では、廃止をされたバスにかわりまして、住民がリードいたしまして、自治体の補助金を得て、新たにふれあいバスを運行しているという大変うまくいっている事例もあるわけであります。ただ、地方協議会を設けて地方の生活交通を確保するわけでございまして、結果として地方自治体に新たな負担を強いることになるのではないかという懸念を抱かざるを得ないわけであります。果たして実態はどうなっておりますのか、国としての対応もお聞かせをいただきたいと存じます。
洞政府参考人 規制緩和によります地域の足の確保についてのお尋ねでございますが、生活交通の確保につきましては、基本的に、地方公共団体は地域の生活の足の確保や地域のまちづくりの観点から、そして一方で、国はナショナルミニマムの観点からそれぞれ責任を有するものでございますけれども、政府の地方分権推進の流れもございまして、地方公共団体がより主体的に関与していくことが適当と考えております。
 こういう考え方にのっとりまして、国の補助制度と地方財政措置を組み合わせまして、そして総務省とも緊密な連携を図りまして、国は広域的、幹線的な路線について、そしてそれ以外の路線につきましては地方公共団体の判断によって維持をし、そしてその負担増大につきましては地方財政措置の充実で支援するといった、トータルとして充実した支援制度を十三年度から新しく創設してスタートしたばかりでございます。
 これを受けまして、具体的に、国の地方バス補助予算につきましては、平成十四年度予算では、最近の交付実績を上回る七十三億円という額を用意しております。また、地方財政措置につきましても、事業費ベースで、十三年度は四百億円未満だったと思いますが、平成十四年度は七百億円に拡充されたところでございまして、これまでよりも大幅に拡充した支援措置となっております。
 こういう支援措置をバックに、地域のバス路線をどう運営していくか、どう合理化し、効率化し、あるいは新しいバスサービスを導入していくか等々につきましては、今先生がおっしゃいましたとおり、各県ごとに地域協議会というのが設置されておりまして、地域の関係者、そして国も自治体も、関係者みんな入っておりますが、関係者が一堂に会して知恵を出し合って、創意工夫を重ねて、どういう路線をどう維持し、確保していくかというのを真剣に議論するということが重要でございます。
 全国で地域協議会がつくられて審議が始まっておりますが、はっきり申し上げまして、地域によっていろいろな格差がございます。熱心な自治体もあれば、今までバス行政に経験がない自治体もございます。また、それぞれの地域の事情等いろいろございまして、それぞれの各県の地域協議会の議論が同じようなレベルで進んでいるということは言いがたい状況にございますけれども、国といたしましても、この地域協議会に参加しておりますけれども、各協議会の審議の状況あるいはバス活性化の取り組み事例、今先生がおっしゃいましたようないわゆるコミュニティーバスのようないろいろなニューサービスも出てきておりますけれども、そういう成功例、失敗事例等の情報提供、指導助言等も適時適切に行いながら、生活交通確保方策の協議を推進して、本当に必要とする生活交通のバス路線の確保に努めていきたいと考えております。
谷田委員 ありがとうございました。
 次に移ります。
 私にとりましては恥話でございますが、私の地元の名古屋市の市営バス、これは長年にわたって大変経営状態が悪うございまして、今年度単年度で五十九億円の赤字を見込んでおります。今年度末の累積欠損金は六百二十六億円に達する見通しと言われております。何せ、平成十二年度を見ますと、百六十ございます系統のうち、黒字系統はわずか七系統、残りの百五十三は赤字でございます。
 名古屋というのはまさに車の町でございまして、他の都市に比べましてマイカー利用者が大変多い町でございます。何と全体の約七割がマイカーという特殊な状況であるわけでございます。とはいえ、市営バスの経営状況は本当にひどいわけでございまして、当事者は合理化を初めといたしましてそれなりの努力はしておるわけでございますが、本当にずっと長い間苦戦を続けておるわけであります。名古屋ほどひどくはないとは思いますが、他の大都市におきましてもそれぞれ赤字を抱えていらっしゃるようであります。
 そもそもバス事業というのは、これは基本的にはなかなか黒字にならないものと思われるわけでありますが、一方では庶民の足として決して欠かすことのできない存在でもございます。そこで、バス事業の将来につきましてどのような展望をお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 特に、国土交通省としては、まちづくりや都市再生の観点から、公共交通政策、なかんずくバス事業についても積極的に取り組むべきだと思いますが、いかがでございましょうか、御所見を承りたいと思います。
高木大臣政務官 乗り合いバス事業の場合は、モータリゼーションの進展等による需要低下などがありまして、先生御指摘のように、平成十二年度の収支状況を見てみますと、収支率が九二・一%となっておりまして、全体として赤字経営を強いられている状況にあります。
 このような中で、競争の促進によってバス事業の活性化を図っていく観点から、今回、需給調整規制を廃止することとしたところでありまして、これをにらんで、例えば百円バスの導入または高齢者定期の導入等、事業者の意欲ある取り組みが進んできているところであります。この百円バスなどは、十四年の四月現在では二百十三地域百九十事業者が、また高齢者定期券などは、これも平成十四年四月段階では百五の事業者が導入しており、このように工夫も凝らしております。
 また、先生御指摘のまちづくりの一環として見てみましても、行政といたしましては、警察庁も含めた関係部局、国土交通省でいえば道路局と自動車交通局の連携によりまして、バスを活用したまちづくりを目指すオムニバスタウンの整備を初めとする事業に対しまして助成措置を講じるなど、まちづくりとバスの活性化とをリンクした事業にも取り組んでおります。
 今後とも、国土交通省の統合省庁としてのメリットを生かしながら、乗り合いバスの活性化のために努力してまいりたい、そのように考えております。
谷田委員 ありがとうございました。
 テーマを変えます。先般、台風六号が我が国へ襲来をいたしまして各地に大変大きな被害を与えました。まだ最終的な数字が掌握はできていないと思いますが、死者、行方不明者、それぞれ出ておりますし、土砂崩れも各地で起き、また数多くの家屋が浸水をいたしております。
 関係者の努力にもかかわらず、自然の大きな力にはなかなか打ちかち得ないわけでありますが、二年前、東海豪雨を経験いたしました私といたしましては、その教訓から、ソフト、ハード両面におきまして数々の施策が積極的に、着実に展開されていることにまず敬意を表したいと思います。特に、水防法を改正いたしまして、洪水ハザードマップの策定をお進めいただいているわけでありますが、このことを高く評価をしたいと思います。
 そのハザードマップ策定状況は現在どのようなものなのか、お聞かせをいただきたいと思います。また、今回の台風とのかかわりで、特に効果的であったというような事例があれば、それもお示しをいただきたいと思います。
竹村政府参考人 委員御指摘のハザードマップにつきましては、水防法改正以降、加速度的に整備が進められておりまして、具体的に申しますと、直轄、いわゆる国の区間におきましては庄内川初め百三十三河川、県知事管理の河川では新川が浸水想定区域が公表され、それに基づきまして、市町村におきまして避難所、避難ルートを設定する洪水ハザードマップが百七十八市町村で公表されております。
 これから各市町村で次々に作成されていくと思いますが、今回の台風では、特に郡山市では、洪水ハザードマップに基づきまして、二万四千六百世帯、六万二千人の方々の避難勧告を、指示を出しました。前回、同じように平成十年の洪水にも避難勧告を出したわけでございますが、それと比べまして、市民からの問い合わせ件数が格段に減るなど、非常に住民が落ちついた、的確な避難行動をしたという速報が入ってきてございます。
 以上でございます。
谷田委員 ありがとうございました。
 ハザードマップ、大変効果があったということで、本当に意を強くしておるわけでありますが、そもそもこのハザードマップは、策定するだけではいけないわけでございまして、それをいかに住民の皆さん、あるいはもっと、職域の皆さんとか、活動人口という言葉が当たるのかどうかわかりませんが、どこかの町へおいでになっている、買い物に来ている皆さん、遊びに来ている皆さん、本当にあまねく国民の皆さんに周知徹底をさせる、これは一見簡単なことなんですが、大変難しいわけでございます。どうぞひとつ、これからも御努力をいただくようお願いをしておきたいと思います。
 言うまでもないことでありますが、治水対策というのは、もうこれで完全というところにはなかなか到達し得ないわけでございまして、やらねばならぬことが山積をしているわけでございます。残念ながら今回の台風でも多くの被害を受けてしまったわけでありますが、水害に対する治水対策を今後どのように推進していくのか、基本的なお考えをお示しいただきたいと存じます。
佐藤副大臣 谷田先生御承知のように、日本の国というのは、国土の一割のところに人口の約半分が住んでおります。そこは、いつはんらんをしてもおかしくない地域であります。そしてまた資産の四分の三がそこに集中している、そういう日本の国土です。年間千七百ミリの降水があり、それはもう世界の水準の倍になっている、それもまた梅雨の時期と台風の時期に集中してくる、そういう特性を持っている国であります。
 今回の台風六号によっても全国各地区で大変な被害が出たわけであります。これだけ全国にわたって被害があるという台風も非常に珍しいわけでありますけれども、死者三名、行方不明二名という状態。また、先生の御地元の近くの岐阜県なんかも、床上が三百七十戸、床下が四百七十戸という大変大きな被害です。こういう状況を考えてみますと、ふだんからの備えが非常に大切だということがわかります。
 今ハザードマップの話がありましたけれども、先生の御指摘のように、どんなにハザードマップをつくっても、それを住民が徹底して覚えていないとだめです。いざというときに、どこに逃げたらいいのか、どう行動したらいいかということが的確にならなければだめであります。ハザードマップが公表されたところによりますと、避難勧告後、六時間後の避難率というのは、ハザードマップを見た人というのは三〇%、見ていない人は二〇%、そういう統計もございます。
 そういうソフトの面も大事でありますし、また河川改修も強力に今進めておりますし、もちろん、どうしてもダムが必要なところはダムはつくらなければならぬと私も思っておりますし、砂防事業なども積極的に今進めております。何とかしてそういう、日本の国土の、人口の集中している、財産の集中している、そういうところを、国家がしっかりと取り組むべき重要な課題と思っていますので、今後とも的確に対応していきたいと考えております。
谷田委員 ありがとうございました。
 御承知のように、愛知県の庄内川河口にあります藤前干潟を、国設鳥獣保護区、さらには特別保護地区として指定をいたしまして、ラムサール条約への登録に向けて準備作業が進められております。一方、二年前の東海豪雨で大きな被害を受けた流域の人々は、特別保護地区内でのしゅんせつに大きな期待を寄せております。干潟の保全と治水が両立するのか、一体いずれを優先するのか、関係者は大変心配をいたしております。
 この問題は、衆議院の環境委員会でも既に論議をされ、また地元での説明会でも環境省や国土交通省より説明のあったところではございますが、いま一度確認の意味で、庄内川河口の河川改修の進め方について、国土交通大臣より御所見を承りたいと存じます。
扇国務大臣 参議院の本会議のためにおくれまして、申しわけありませんでした。
 今、谷田議員がおっしゃいました庄内川の話に関しましては、既に、名古屋市の市議会議長、市議会等々、私のところへおいでになりまして、いろいろお話し合いをさせていただき、名古屋の皆さんの御意向も既に私も聴取しているところでございます。
 思い出していただきたいのは、平成十二年の九月でございましたけれども、わずか十一日と十二日の二日間だけで庄内川、新川等々がはんらんをいたしました。あの東海豪雨、あのときに私も翌日名古屋に飛びましたけれども、あの当時、浸水家屋が、一晩の豪雨の中で二万戸が浸水をいたしました。そして、被害総額は七千七百億という、膨大な被害額が名古屋は出たわけでございます。そして、そのために、今先生が御指摘の庄内川、これは、総事業費三百二十億に上る激特の事業をおおむね五カ年で完成させるということを決めたわけでございます。
 その庄内川の河口にありますこの藤前干潟に関しましては、今、先生が御指摘になりましたように、国設の鳥獣保護区の設定、それからラムサール条約への登録等々の動きがございますので、この河口部の掘削等々に関しましては、治水対策と自然保護、自然保全ということと両々相まって、私どもは、地元の皆さんとよく話し合いをし、その両立を図っていくということが一番適切であるということで、私たちも、六月の五日でございましたけれども、庄内川と新川を考える地域の懇談会、これを開きました。また、六月六日には住民説明会等を開きまして、環境省とともに、私どもも関係の自治体の長を初めとする地方の方々とこの環境保護区というものに関しての体制を整えていき、そして河川の整備計画を策定しようということで、今、冒頭に申しました、名古屋の市議会あるいは皆さん方の御意見を、両々相まって、環境省と手を合わせて、保全と保護と両輪で処置していきたいと考えております。
谷田委員 ありがとうございました。
 保全と治水は両立をする、力強い御答弁をいただきまして、意を強くいたしております。どうぞひとつ、生命財産を守ることが私は最優先だと思っておりますので、これからも頑張ってやっていただきたいと思います。特に、河川激甚災害対策特別緊急事業の一層の促進と、激特事業に含まれない河口部等の河道掘削の一刻も早い実施をあわせお願いしておきたいと思います。
 あと一分ありますので、ちょっと話題を変えまして、一言だけお願いをしておきたいと思いますが、大臣がおいでになる前に、机の上にバッジを置かせていただきました。ごらんをいただきましたか。
 二〇〇五年に我が愛知で日本国際博覧会、愛知万博、現在では愛・地球博と言うわけでありますが、万博が開催をされます。言うまでもないことでありますが、国土交通省も、インフラの整備そしてまた観光という観点からも積極的に御支援をいただき、またかかわり合っていただいておるわけでありますが、残念なことに大臣の襟元にそのバッジがついておりませんね。
 これは、主管をいたしておりますのは、言うまでもないことでありますが、経済産業省でございます。平沼大臣はいつもちゃんとつけていただいておりますし、副大臣初め皆さんおつけをいただいております。また、三重県出身の坂口厚生労働大臣もいつもつけていただいておるわけでありますが、ぜひとも扇大臣もおつけをいただきたい。国民的人気の大変高い大臣でいらっしゃいますから、大臣がおつけをいただくことによって万博のPR効果もぐっと出てくるわけでございます。
 このことを最後にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
久保委員長 樽床伸二君。
樽床委員 民主党・無所属クラブを代表いたしまして、きょうは、公共事業の長期計画という問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 この通常国会で十三本の閣法が出てまいりました。それにつきましていろいろ私ども審議をしてまいりましたが、本来、十三本のそういう法律に負けず劣らず、いや、ひょっとするとというか、ひょっとしなくても、それ以上に重要な問題がこの長期計画ではなかろうか、私はこのように考えているわけでございまして、私どももこれまで議員立法を提出させていただいております。いまだ審議していただく状況になっていないということは大変残念に思っておりますが、きょうは、そういう問題、特に長期計画の問題につきまして質問させていただきたいと思います。
 特に、十五あります長期計画のうち九つが今年度末でとりあえずの一つの区切りを迎える、こういう見直しの時期に入っております。そのうちの八つが国土交通省関係でもあろう、こういうことでありますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず第一でありますが、本年の一月二十五日に閣議決定をされました、経済諮問会議から出てまいりました「構造改革と経済財政の中期展望」について、この中で、長期計画、公共事業の問題については、その必要性を見直した上で計画策定の重点を事業量から成果へと移すべきである、こういうようなことが明記されておりました。これは、閣議決定をされた文書の中にあるわけであります。
 そういうことに基づいて、本年三月に改定されました漁港漁場整備長期計画の中で、整備による効果を目標とし、事業量を明記しない、こういうような方針も農水の方から出ているようでございますが、こういうような閣議決定された内容、それから、他省庁のことではありますが、それに基づいて方針を転換しつつある、こういうことにつきまして、大臣、どのようにお考えでございましょうか。
扇国務大臣 樽床議員の御質問は、国土交通省にとっては大変大事なことである、今、一番と言っていいくらい、私は大事なところに来ていると思います。
 と申しますのは、今十五本とおっしゃいましたけれども、正式に言いますと、長期計画十本のうち、十四年度で期限が切れますものが八本ございます。特に私が、国土交通省の幹部会で、省議のときにも申し上げましたのは、十本の長期計画の中の八本が切れる、けれども、切れる八本は旧建設、旧運輸のときに立てられた長期計画である、だから、国土交通省になってこれを見直すときには、八本そのまま、切れたから八本継続であるわけがない、旧建設、旧運輸で決めた長期計画は、国土交通になったらどれかを一緒にし、そしてより効率を図るということがあってしかるべきであるということで、そのままの本数がそのまま長期計画として書きかえられるはずがないということを申し上げております。それによって、省内では、各省が横の連絡をとりながら、縦割りではなく、国土交通省らしい長期計画を立てていこうと。
 それともう一点、長期計画が五年なら五年の予算獲得のための計画であってはならない、予算獲得のための長期計画であればやめていただきたいということも申し上げてあります。
 そのことを、樽床議員がおっしゃったどうあるべきかという基本に、今の二つを基本計画のもとにしてありますので、今後、今おっしゃった国土交通省の長期計画というものを、より重点的、そしてより効率的、よりコストダウンを図りながらどうしていくかということを今検討最中でございますので、今御指摘のあったことは、日ごろ私が国土交通省で話し合っている一番の基本だということを認識しながら、新しい十五年度というものを見据えていきたいと思っております。
樽床委員 大臣、今さらっとおっしゃいましたけれども、かなりのことをおっしゃっておられるわけでございまして、これまで私の九年間の国会の中で、この問題についてそこまで踏み込んだ発言というのは、余り公式の場では聞いたことがございません。
 今大臣がおっしゃったことを要約すると、所管のうち、八つの計画があるけれども、二つが一つになって国土交通省になったんだから八つある必要はない、統合できるものは統合しろ、そして効率的にやれ、そしてこの長期計画が予算を獲得する手段ではない、このようにはっきり明言をされたわけでありまして、これは大変重い発言であるというふうに私どもは受けざるを得ない、このように考えているわけであります。
 ということは、これまでこの長期計画の問題で、ややもすれば予算が硬直化している、その元凶がこの長期計画であるという意見が、すべての人からではありませんが、かなりそういう発言が出てきているわけでありまして、しつこいようでありますが、こういう意見に対して大臣は、その元凶になってはいけない、こういう意識をお持ちであるということを私はもう一度確認させていただきたいと思います。
扇国務大臣 私は、各大臣の中では、一番白紙の状況で大臣の席に着いたと思っております。それだけに、一般の人が疑問に思うことを我々は一つずつ解消していく。例えば、今まで、公共工事でむだだと言われておりました諸般の事例もございます。それらはすべて各省庁に公共工事がまたがっておりまして、国土交通省だけが公共工事をしているわけではありませんけれども、事業別で、大きな予算を伴うほど国民の目からはどの省庁とどの省庁に幾ら予算を配分しているのかが見えない。
 予算委員会で質問しますときに樽床議員も御経験があろうと思いますけれども、まあいろいろ言われておりますから端的な例を挙げさせていただきますと、本四架橋一つとってみても、どの省に幾らついて総額はどうなのかということを自分で各省の予算から引っ張ってこなければ予算委員会の質問ができないという御経験があろうと思います。それは、事業別予算としてきちんと国民の目に見えていないからなんですね。
 ですから、本来であれば、国が行う直轄等々で、大事業、国の事業として表看板を出すときには、事業別予算として、この工事には十年かかって、これだけの予算で仕上げようと。それが、十年が八年になれば、二年早くできれば、二年節約できるわけですね。そういうことがコストダウンにつながると、事業別予算というものも私は必要ではないかということを生意気にも言わせていただきました。
 けれども、それは日本の今の法律で、会計法から、これを変えていかなければいけないという根本がございますから、今の、改革という小泉内閣の看板ですけれども、そこまで、会計法を変えるまでの大規模な改革はできないという現状にはありますけれども、せめてその中で国土交通省予算は、少なくとも国民の目に見えるようなそういう事業別予算に近いようなものを国民に見せていく、それが国土交通省としての新しいあり方であるということをぜひ達成していきたいということで今頑張っておりますので、ぜひそういうことも御理解をいただきながら、我々はこの長期計画の基本もそういうスタンスを持ちながらやっていくということを御理解賜りたいと思います。
 樽床議員は民主党のネクストキャビネットで国土交通大臣もしていらっしゃいますので、ぜひそういうものを改革していくことにお力をかしていただきたいし、知恵もかしていただきたいと思っております。
樽床委員 今の発言の、要するに、事業ごとの、これだけ要るんだということをオープンにしたいということは、国土交通省がことしの四月にも長期計画の基本的考え方というものをまとめられておりますが、主要事業については完成時期、事業額等々を明示すると。これについて世間ではいろいろ意見がありまして、閣議決定されたのと違うじゃないかという意見と、それと逆に、総事業量は明記していないからこれは一歩前進したんだという二通りの意見があります。これは大体御認識されていると思うんですが。
 今の大臣のお話は、事業量ははっきりわかりやすくするんだと。ということは、これは完全に明記して、前倒し、どんどん、うまく進むんだったら進んでもいいということで、しかし、これは予算の獲得の材料ではないと。こういうざくっとした整理でよろしいんですか。
 それと、一歩前進というのと、ちょっと違うんじゃないかという、世間では二通りの意見があるということについては、どのようにお考えでございましょうか。
扇国務大臣 それは、私は、今までのやり方というのは、ずっと長期計画をして、そして年度ごとに予算をとって、決められた年度内で粛々とやっていくということであろうと思います。
 私は、二十一世紀の公共事業はそうではないと、基本を変えていきたいと。私たちは、よりコストダウンをし、より効率的にしていくためにはどうあるべきかということを国土交通省で検討した結果、今申し上げましたように、十年かかるところを八年に前倒ししていいじゃないかと。ですから、そういう意味で、私は、コストダウンが図れると。そうすると、あとの二年分で次の事業にかかれるではないかと。そういう事業配分というものを、国土交通省になったからこそできる、建設、運輸の縦割りのときにはできなかったということをしていきたいというのが私の願いでありますし、また、省の幹部もその方向に向けて今努力中であるということでございます。
樽床委員 総論でいきますと、かなり前向きな、かなりといいますか、むちゃくちゃ前向きな御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 実は、そういう中で、私はかねがね疑問に思っておりましたのは、もうこの長期計画の根拠が、ちょっと調べてみましたら根拠の法律がないものもあります。それから、あるものは、住宅建設五カ年計画以外は、基本的に全部が緊急措置法なんです。緊急です。要は、高度経済成長時代に、まだまだ我が国が発展途上の段階のときに、日本全体が右肩上がりのときに、急いで社会的インフラを整備しなければならないと、今からもう四十年も前、全然違う状況の中で、だから緊急措置という形で法律をつくって、その中で長期計画を位置づけてやってきた。これまでのことについては私はもうとやかく申し上げません、これは時計の針が元に戻りませんから。
 ただ、今はもう右肩上がりは終わりました。そういう時代の中で、緊急措置法を延長、延長、延長して、それに基づく五カ年計画で全体を、大臣は、これからは予算獲得のあれにはしない、こうおっしゃっていますが、一番根幹の計画をつくって、それを国会では通さないで閣議決定だけで、だけでというのはいかぬのですが、閣議決定でやって、そして個々の法律は国会を通らないと成立しない。出だしから、まず緊急措置法でこういう長期計画を位置づけてきたということ、これは時代の趨勢ではもう時代おくれだと思っておりますが、大臣、いかがお考えでございましょうか。
扇国務大臣 今の樽床議員のおっしゃることはそのとおりでございまして、緊急措置法というのは、高度成長を見越したものではなくて、あの当時、少なくとも、日本の社会資本整備というものはどうあるべきか、そして日本の社会資本整備は欧米先進国に比べてどれくらいおくれているかということが基本で、早く社会資本整備を達成しようと。しかも、欧米先進国には、私の言葉で言わせていただくと、スタートが百年おくれていると言っても過言ではない。戦後、復興したときに、社会資本整備が欧米先進国に比べて百年おくれている部分をどう措置するか、それが緊急措置であったわけですね。
 ですから、そういう意味では、この日本の社会資本整備というものが、欧米に比して、例えば環状道路一つとってみても、今でも道路の問題がいろいろ言われますけれども、環状道路の整備率、これは、ベルリンの例をとってみますと、ベルリンは九六%、パリが七四%、けれども東京は、残念ながらまだ二〇%という状況ですね。そして、電柱の地中化、これも先生諸外国にいらしてお気づきであろうと思いますけれども、ロンドン、パリは、一〇〇%電柱は地中化です。けれども、東京二十三区ではわずか三%なんですね。二けたにもいかない。また、下水道の普及率について見ましても、諸外国はおおむね九〇%達成できておりますけれども、日本の下水道の整備状況というのは平均で六二%である。そういう社会資本整備の状況では、やはり緊急に措置しなければいけないというのがその当時の実情であったと私は思っております。
 たまたまその後で高度成長があったんで、本来であればこの数字が、もっとどおんと達成していなければいけないはずなんですね。ところが、均衡ある国土の発展ということで広く浅くみんなのかさ上げをしようと思ったために、いまだに達成率が上がっていない。これでは、欧米先進国に、社会資本整備というものは、均衡ある国土の発展と言っている限りは、全体的なかさ上げをするために追いつかない。しかも、下水道整備等々というのは地方の分担金もあるものですから、地方の疲弊している県では要らないと言うんです。うちの分担金の予算の枠がないから下水道整備の予算はいただかなくて結構ですと、名前を挙げませんけれども、そういうところまであるわけですね。
 ですから、私は、現段階、二十一世紀になって、これだけ環境も言われているときに、おくれている部分を集中的に投資することによって効率を上げていくということも必要ではないか。
 社会資本整備というものは、今申し上げましたように、例を挙げたように、欧米先進国に少なくとも百年おくれているという感覚、このままで社会資本整備をいいとおっしゃるのであれば、私はまた別だと思うんですね。
 経済財政諮問会議で、欧米先進国はGDPの三%しか社会資本整備に使っていないじゃないか、だから日本も三%でいいという論議がありました。そのときに、私は経済財政諮問会議で申し上げた。百年おくれているままで、日本国民が社会資本整備はもう要らないとおっしゃるのなら、それでいいです、けれども、我々は、国土交通省としては、社会資本整備を少なくとも今の倍達成して、国民の生活のゆとりと、安心と、そして環境を整備したいから、もう少し社会資本整備は要るのではありませんか、でき上がっている欧米先進国並みというのは、まだ日本には早過ぎるんじゃないですかということを申し上げました。
 国土交通省もそういう基本的な考え方で、社会資本整備は、緊急措置というのは、その当時は理解できておりましたけれども、より一層、二十一世紀には、国際社会日本として、どこまで、どの程度、どの区域をするかというのを設定しなければならないということで、国土交通省で初めて、国づくりの百年デザインというのを、タスクフォースをつくって社会資本整備の達成率の核をつくっていくということを国土交通省としてやりたいと思っているのが現状で、緊急というのは、その当時としてはやむを得なかった措置で、今は、重点的という言葉に私は変えるべきだと思っています。
樽床委員 数字のとり方というのは、実にとる側のいろいろな都合、都合と言うといけませんが、とり方でかなり変わってまいりますから、欧米とどこまで数字が一致しなければならないのか。また、地形的なものとか気候的なものとかさまざまありますから、一概に欧米に全部数字が並ばなくてはならないというふうに私は思っておりませんが、少なくとも、今大臣のお話では、要は、緊急というこれまでの根拠法はちょっと違うかな、そのときはよかったけれども違うかなと。これは私も同じ認識でありまして、つくったときはよかった、それを延長、延長、何回も延長してきた、それで今に至った、ちょっと違うかな、必要性は認めるけれども、ちょっと違うかなと。
 そうなると、この長期計画の見直しをするときに、その根拠法であるこういう法律もあわせて考え直していく。また、これもそのまま同じように、同じまま、何年までを、あと五年また書きかえて延長するということだけではいけないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
扇国務大臣 今樽床議員がおっしゃった、緊急性というものが違ってきたというのは、私は時代の推移だと思います。
 二十一世紀に入って、経済一つとってみても、国の経済状況も違う。また、人口形態はどうかというと、日本は世界に類を見ない短さで少子高齢社会を迎える。これも世界に例がないんですね。そういう日本の社会状況を考えますときに、今まで言ったその当時の緊急というものとは視点が変わってきた。同じ緊急という言葉を使っても、今の日本の経済状況と少子高齢社会という国全体の構図が変わってきたということの緊急が、私はそこに絞られてきた。
 また、今、経済の空洞化、産業の空洞化、あらゆる空洞化と言われておりますけれども、それは、世界の中で日本の国際化が損なわれてきた、立ちおくれてきている、国際競争力に勝ち得ない部分が出てきた、そこに緊急性も必要である。ですから、その当時の緊急性でやったことと現段階での緊急性という視点がまるで違ってきた。
 これが二十一世紀の国の姿であろうと思いますから、そういう意味での緊急性という言葉の中の意味が変わらざるを得ない時代を迎えたということを、国土交通省は認識をしながら対処していきたいと思っております。
樽床委員 ありがとうございます。
 次に、後ほど、私の後に津川委員の方から質問を順番にさせていただきますが、詳しくは津川議員の方の質問に譲りますけれども、長期計画の中で、道路ですね、道路の五カ年計画も今度見直しの時期を迎えておりまして、今道路の話については、いろいろなところでいろいろなことが言われておりますから微妙な問題かもわかりませんが、この道路の五カ年計画の見直しについて、先ほど大臣がおっしゃった基本的な流れについての見直しというものはされるのでございましょうか。
扇国務大臣 これは、今おっしゃったように、あらゆるところであらゆる論議が行われております。現実に、私が国土交通大臣として就任しましてから、いろいろな方にお話を聞いておりますし、また、皆さんがみずから私のところへ知恵を授けに来てくださいます。
 正直申し上げまして、ある地域では、飛行場が欲しい、飛行場を整備してください、高速道路を持ってきてください、新幹線も持ってきてください、一般道路も拡幅してください、あらゆることをおっしゃいます。五つ要望があるわけです、空港だとか高速道路だとか国際港湾だとか。
 けれども、その一つ一つの歴史を見ますと、一般道路を拡幅しながら高速道路を持っていきます、そこへ飛行場ができます、飛行場ができると高速道路の利用率が下がります、飛行場をつくったら次は何が減っていくか、五つ全部そろうと、どこかに必ず分散されますから、利用率というものが下がってくるのは当然なんですね。
 ですから、私は、今申しましたように、国土交通省として、今言ったような空港だとか高速道路、あるいは新幹線、国際港湾、一般道路、そういう五つが連結してなければならないのが国際都市だと思います。そういう拠点は日本じゅうに幾つあるべきか。そのグランドデザインがないから、全部欲しいというのは人間の欲ですから、便利であるにこしたことはない。経済状況、地元の賛成があれば、全部五つそろうというのは理想です。けれども、今の、先ほど申しましたような状況では、五つとも全部満たすようなものを日本じゅうにつくることはできない。
 だったら、グランドデザインとして、国際拠点は幾つあるべきか。これを絞っていかなければ国際競争力に勝てないということで、私は、道路も含めてグランドデザインというものがないというのが今までの政策であった、そのために、大変おこがましいですけれども、百年の日本国づくりデザインをしようということで、今すぐにはできないけれども、百年後、二十一世紀末の日本のデザインを見せて、国民の皆さんに御理解をいただき、また御意見をいただく。メニューをお見せしないと意見が来ない。
 それぞれの地域の要望だけが突出してはいけない、そういう公平な目で道路づくりというものもあるべきである。私は、総合的な国づくりのデザインの上で、どことどこが必要かということで重点的にやっていかなければ、今の経済では五つ全部希望をかなえることは不可能であるということから、選定していきたいと思っております。
樽床委員 方針は、道路だけが突出するのではなくて、全体の中で位置づけたい、その中でよりよいものを模索したい、こういう認識であろうと理解をさせていただきました。
 実は、私の時間がもう迫ってまいりまして、最後に、そういうような観点から、我が党がこれまで提出をしております法案が非常に大臣の発想と近いのですよ。
 要は、たくさんある長期計画は、いろいろ縦割りであるから、それは減少させると大臣はおっしゃいましたけれども、数を減らすとおっしゃいましたが、我々はちょっとかなり突っ込んでおりまして、全部一つに、全部まとめて総合的な計画にしたらどうだ、それについて国会できちっと承認をしてやったらどうだ、ざくっと言いますと、こういうようなことを申し上げてきておるわけでありますが、これについて、大臣どのように御意見ございましょうか。
扇国務大臣 けさ、閣議がございまして、ある大臣から大変お礼を言われました。何のお礼を言われたかと申しますと、国土交通省の十三年度の事前評価、事業評価、事後評価、一番早く、国土交通省になります前から評価制度を取り入れております。その十三年度の評価の一覧表をまとめました。持ってきていませんけれども、ごめんなさい、お手元に届いているかどうかというところですけれども、少し分厚いんですけれども、全事業の事前、事業、事後評価、これを一冊にまとめて、全省庁に、大臣に御参考にしてくださいということで私の名前でお配りしたんです。そのことできょうお礼を言われましたけれども、それほど国土交通省は、公共工事を含めてあらゆる面で多くの予算を使わせていただいていますので、より評価制度を導入するべきであるということを、先頭を切ってそれこそやっております。
 そういう意味では、今樽床議員が、ある面で民主党さんがお出しになっているものと近いではないかということであれば、私は、国のためにどうあるべきかということでは、国会議員として共通部分がたくさんあって当然だろうと思っています。ただ、その手段が、右から行くのか左から行くのかというのが違うだけで、到達点は、国会議員として国をおもんぱかる思いは党派を超えて同じであろうと私は思っていますから、接点がたくさんあるのは当然であろうと思っています。
 ただ、今申しましたように、手法が、どっちから行くかといういろいろな筋があるものですから、どの道路を通ってその到達点に行くかというのが少し違う面があるかもしれませんけれども、国会議員として国を思う気持ちは当然であろうと思っています。
 また、既に国土交通省としては、評価という点におきましては、再評価をしていくということで、政策評価法、これを私は各省庁に先駆けて実施しております。そういう意味では、平成十年からの事業評価に取り組んで、これまでに八千五百件を超える事業についての再評価を行っております。また、数字を言わせていただきますと、二百二十九事業について中止をし、また、すべての新規採択の箇所については費用対効果分析というものを総合的に評価しているというのが今の国土交通省の現実でございます。
 そういうものも、余り表には仰々しく言われておりませんけれども、でき得る限りのことをしているというのが国土交通省の現状でございまして、少なくとも、他省庁に先駆けて評価白書というものを出しておりますので、お手元に届けさせていただきますので、ネクストキャビネットの御経験もあるわけですから、一緒に御論議し、一緒に手を携えて、できるところは私は当然国会議員として党派を超えてやっていくべきだと思っておりますので、ぜひ御参考にしていただき、また、それに対しての御意見もちょうだいしたいと思っております。
樽床委員 ありがとうございます。
 私もそうでありますが、大臣も、言葉は不適切かもわかりませんが、非常にアバウトな性格であるかもわかりません。(発言する者あり)まあまあ、私もそうだというふうに申し上げましたけれども。
 そういうことで、まあ方向性は一致しておるわけであります。その方向性の中でどうやって具体的に落としていくのかというのが一つ一つの正念場ということになりますので、方向性は共有している、この中で具体的にどうやっていくのかということについて、これからまたいろいろな形で切磋琢磨をさせていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
久保委員長 津川祥吾君。
津川委員 民主党の津川祥吾でございます。
 本日は、大変貴重な一般質疑の時間をいただきましたので、各法案の審議と若干違いまして、少し原理原則の部分で大臣、副大臣と、特に道路、高速道路を中心とした道路行政、こういったところのお話をぜひともさせていただきたい。質問通告を幾つかしておりますが、必ずしもこれにとらわれずにそれぞれの大臣、副大臣とお話をさせていただきたいと思います。
 ただ、その前に二点だけ、若干触れさせていただきます。
 一点目でありますが、先日、七月七日でしたか、中央自動車道の談合坂サービスエリアで高速バスが接触事故を起こした、そのドライバーが酒気帯びであったという問題がございました。その報道の中では、国土交通省としても対応をとるというようなお話がございましたが、大変大きな問題でありますので、国土交通省としての見解と、今後の対応について、まずお伺いをいたします。
洞政府参考人 お答え申し上げます。
 先般の高速バス運転手の酒気帯び運転についてのお尋ねでございますが、国土交通省におきましては、昨年の六月の道路交通法の改正によりまして飲酒運転に対する罰則が強化されたことに伴いまして、本年の二月に「飲酒運転等悪質・危険な運転行為による事故防止の徹底について」という通達を出して、事業用自動車の飲酒運転の防止の徹底を行ってきたところでございますが、それにもかかわりませず、今般、多数の乗客を安全に輸送するという使命を負っている高速路線バスの運転手が、勤務中に飲酒し、乗客の方々に恐怖感を与え、重大な事故につながりかねないような運転を行ったことはゆゆしき事態でございまして、極めて遺憾に思っています。
 このために、七月の十日に中部運輸局におきまして、飲酒運転を惹起したジェイアール東海バス会社に対する特別監査を実施したところでございます。また、今本人は警察の事情聴取を受けているところでございますけれども、速やかに、私どもとしましても、運転者本人に対する事情聴取も行うこととしております。
 事業者に対する監査におきましては、運転者に対する点呼や指導監督というものを必ずやらなければならない、飲酒についても確認しなきゃいけないというふうになっているところでございますけれども、その辺の点呼や指導監督が不十分であった等の問題点が既に明らかになってきております。今後、これらの監査の結果を踏まえまして、厳正に行政処分を行うとともに、二度とかかる事態が発生することのないよう再発防止対策の指導徹底を図っていくこととしたいところです。
津川委員 たしか、会社の担当者の方も本当に怒りをあらわにした記者会見をされて、その上で謝罪をされていらっしゃったかと思いますし、これはどなたが考えても大変大きな問題でありますし、当該のドライバーの方にはそれなりの重大な反省をしていただきたいとは思いますが、それは警察の方も今やっていただいているかもしれません。
 今お話のあったとおり、一般ドライバーも含めて、酒気帯び、飲酒運転に対しては大変厳しくなったばかりであります。そこで多くのドライバーが、何でプロのドライバーがこんなことをしているんだと、どうも聞いた限りでは、今回たまたまそうなってしまったというよりは常習犯ではないかというような受け取り方もされております。それから、よくドライバーが警察に捕まるときに、タクシーですとか、バスの実車はそのままフリーパスで行ってしまうことが多くて、なおさらこのプロに対する怒りというのは非常に今回大きいと思います。特に、非常に多くの乗客の命、安全を預かる立場でありますから、当然それは、今後、再発防止の徹底はしていただきたいと思うのです。
 報道によりますと、点呼も二回した、二回したけれどもわからなかったと。場合によっては、この方は回送中にも酒を飲んでいるわけです。その段階で点呼しても実はわからないかもしれないというような状況であるわけです。何らかの対策は当然とっていただきたいと思いますが、特に高速道路におけるバスでありますから、一般道路ももちろんそうでありますけれども、大変大きな重大事故につながりかねない状況であったということから考えて、今後はさらに十分に対処しますという程度ではなくて、これは本当にしっかりやっていただきたいと思いますので、ぜひ御指導の方をよろしくお願いいたします。
 次に、もう一点お話をさせていただきますが、これは内閣の方にありますけれども、道路関係四公団民営化推進委員会というものが立ち上がりまして、もう何回か会合を開いたということであります。公開をされている部分で議事録も出ておりますから、私も読ませていただきました。
 その中で、新聞報道にも若干ありましたが、一番最初に問題になったのが、この委員会を原則公開とするか、原則非公開とするかということで、もめたかどうかわかりませんが、議論があったという報道があります。
 ちょっと確認なんですが、こういった委員会の原則非公開というのは事務局の案として出されたというふうに伺っておりますが、なぜ原則非公開という形にされたのか、ちょっとお伺いをいたします。
坂野政府参考人 御指摘のとおり、委員会の初会合におきまして、議事規則案について御審議が行われ、結果として全員一致の決定として、「会議は原則公開とする。ただし、特に必要があるときは、非公開とすることができる。」そのような決定になったわけでございますけれども、議事録等既にごらんということでございますので、御承知のとおり、事務局案は、「会議は非公開とする。」という案でお出しをしておったわけでございます。
 ぜひ御理解いただきたいのは、事務局案を出しました立場というのは、特定の主張を実現しようとしてそういう案を出したということではなくて、委員会での御自由な御判断をお願いするための素材を提供した、そういう立場であったことはぜひ御理解をいただきたいと思います。
 それで、事務局としてのそういう案を出した考え方でございますけれども、委員会では特に私ども見解を述べたわけではございませんで、初めてここで申し上げるわけでございますけれども、この事務局案を作成する上で参考としたものがございます。
 それは、政府におきます各種審議会の会議の公開状況について調べた調査がございます。入手可能なものとしては、平成十一年の十月現在の旧総務庁調査というのがあるわけでございますけれども、会議と議事録双方を公開していた審議会が全体の三割強ということで、少数であったということでございます。また、最近の例では経済財政諮問会議がございますけれども、この会議自体も会議そのものは公開をしていない。そういう実態がございましたので、それを参考にして事務局案をお出しした、そんな実態でございます。
津川委員 別に事務局としてこれは非公開にしてくださいというふうにお願いしたわけじゃないわけでありますから、そこで、現場で話し合って決めればいいだけの話なので、どっちでもいいと思いますが、原則非公開といっても議事録を出さないわけではなくて、その会議をやっている場に、どなたかほかの、マスコミの方か何かが入ることに関しての許可を出すか出さないかという話、それを原則どちらにするかというお話であろうかと思います。
 その議論の中で原則公開にしようという決定になされたようでありますが、なぜそうなったかというと、後で記者会見をするのが面倒くさいからだというような話もありまして、要するに、中の議論が表に出る、オープンになるということに関しては、これはどちらをとったとしても結果は同じだと思うんです。マスコミがどうとらえるかわかりませんし、国民が、原則非公開とか、非公開と言われるとまた密室で何かするのかなというようなイメージを受けるかもしれませんが、オープンになる、少なくとも議事録が正しくオープンになる以上は、これは公開されているものだというふうに認識をしていいんだと思います。ただ、そういったことにこだわる方が何人かいらっしゃったという話でありまして、その後も多少議論のあった後に公開という形になったようであります。
 私、非常に気になるのが、この委員会は道路関係四公団の民営化を推進する委員会ですよね。民営化された後の経営形態ですとかその業務範囲を議論するということになっているようでありますが、本来必要な議論は、その委員会でというわけではありませんが、高速道路あるいはそういった高速交通体系はどうあるべきか、それをだれがどうやって担うか、今の日本道路公団なり他の公団が放漫経営をしているのであるならば、それは是正をしていかなければならないし、その一つの手段として民営化ということが今政府の中でも出てきているんだと認識をしております。私ども民主党も、民営化というものを民主党案として示しております。
 ただ、せっかく開かれた委員会でこのような議論をされているということに関して、果たして本当に、本質的議論まで行くのに時間はどのくらいかかるのかな、余り時間がない中でこういったところでいろいろやっているようであれば、なかなか本題に入りにくいんじゃないのかなという私の印象がございます。
 そこで、マスコミは随分この人選についていろいろ評価をしているようであります。私ども民主党も、この法案が出てきたときは国会同意人事にするべきではないかということを申し上げましたが、そうはなりませんでしたので、どなたが選ばれようと私どもがどうこう言う立場ではございませんし、逆に、そこで出てきた結論に関しても我々は一切責任は負いようがないわけでありますけれども。
 この委員長をされていらっしゃいます今井さんでありますが、元経団連の会長でもいらっしゃいます。今現在、名誉会長でいらっしゃいますか、大変な方でもありますし、民間の感覚を非常に鋭くお持ちで、なおかつ、民間でできることは民間でやるべきだという経営感覚をお持ちの方でありますから、それは大変結構な方だと思います。また、そういった方がこの道路公団に関しても民営化するべきだという持論をお持ちだというふうにも伺っておりますから、それはいいんですが。
 大臣、ちょっと感想を伺いたいんです。
 私も高速道路の現場におりましたので多少材料のことについては知っているつもりですけれども、新日鉄さんの元社長様であり、会長様でいらっしゃいますが、道路工事、特に高速道路みたいな大きな工事の材料には、例えば新日鉄とかそういった同業の業者は随分関係をします。今、今井さんは特に関係はないのかもしれませんが、一般的なまず最初のイメージとして、道路公団の話をされるときに、元新日鉄の社長様ですとか会長様という方が審議をされるというのは、私は若干、誤解を招くんではないかなというふうに思ったわけであります。
 そのほかの方についてでも結構でありますが、大臣、この人選について、もし個人的な御意見、御感想があればお伺いしたいと思います。いかがでしょう。
扇国務大臣 第三者委員会の人選については総理がお決めになるというのは、もう早くからわかっておりましたし、その前に、既に、一番最初に七つの公団を見直すと総理がおっしゃったときに、そのうちの六つまでが国土交通省。私が甘く見られているのか、あるいはトップランナーになれと総理はおっしゃいました、トップランナーになれということは私の力を見ていただいたのか、これは両極端のとり方があろうと思います。
 私は、うちの役所の局長全部集めて言いました。七つの公団を改革するうちの六つまでは国土交通省、国土交通省の幹部にとっては一番の荷物をしょわされた。そのためにということで、私は即、諸井さんという人にお願いをして、道路公団のあり方というあり方懇談会をいたしました。これは本当に財界の皆さん方に無理を言って、朝早くから時間をいただいて、短期間で集中審議をしていただいて、あり方懇談会の中間報告をまとめていただきました。それを総理にお出ししました。そのときに総理は、ありがとう、第三者委員会で論議するのに一番ありがたいものを出してもらったと感謝されました。
 感謝されただけでそれが論議されないようでは、私は何にもならないと思っています。ですから、できれば、このあり方委員会の、諸井委員会の諸井座長一人でも第三者機関に入っていただけばありがたいなと内心では思っておりましたけれども、私が口出ししてはかえっていけないと思って、自由に御論議いただく方がいいと思って、私は、あえて人選に関しては口を挟みませんでした。
 そのかわり、我々は、真摯に事態を見守り、その結果によっては、我々も改革という柱は持っているわけですから、我々なりにこの道路計画というものは見直し、なおかつ国民に喜ばれる道路であり続けなければならない、そういう感覚のもとに第三者委員会の論議を見守っているというのが現状でございます。
津川委員 人選についてはコメントを避けますという答弁かなと思いましたら、諸井さんには入っていただきたいと思ったけれども言わなかったという答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 実は私どもも、おととし、このワーキングチームを立ち上げまして、その中で諸井さんにも来ていただいてお話を、御教授をいただいたこともありました。日本道路公団含め道路関係四公団については、何とかしなきゃいけないという危機意識は私どももそこで共有をしたところでございます。
 今後どういったものが出るかは、第三者委員会がまず議論をされる結果を見てからということであろうかと思いますが、ぜひとも国土交通省としても、本来であるならばこれは国土交通省がまさに主管となって担当するべきところであろうかと思いますから、注視をしていただきたい。私どももそこを注視させていただくところでございます。
 済みません、やっと本題に入らせていただきますが、ここから気楽にやらせていただきたいと思います。
 国道でありますが、幹線道路整備というのは本来国の役割であります。これは間違いないと言っていいと思いますが。高速自動車国道、一般国道自動車専用道路あるいは一般国道と分類はいろいろありますが、その中で、高速道路の管理は仮に民間会社がやる、民営化会社がするという形になった場合、幹線道路の整備ということに関して国の役割はどうなるのか。先ほど、樽床議員とのお話の中でもありましたが、まさにグランドデザインを政治家が、国が責任を持って描いて、その中で、こういう高速道路、高規格道路が必要だというものを描くのが先であって、その中の例えばこの部分は形態としては民間会社にお願いするというような形になろうかと思います。
 そこで、よく議論になるのが、高速道路というのは本来無料である、大臣もそうお考えであろうかと思いますが、最近、有料道路でもいいという意見も随分出てきております。時間短縮効果があるんだから、高速道路あるいは専用道路は有料で、要するに永久に有料であってもいいという話でありますが。
 大臣、副大臣でも結構でありますが、有料か無料かということについて、お伺いをいたしたいと思います。
佐藤副大臣 道路は本来無料であるべきものであります。有料であるというのは、高速道路を早く整備するために道路整備特別措置法というものをつくって、そして有料をやっているわけであります。ですから、償還主義をとって、そして償還が終わったときにはまた無料にする、そういうもので制度になっておるわけであります。本来、無料のものであります。
津川委員 国内にも民間の株式会社が運営をしている有料道路がたしか三十幾つあったかと思いますが、例えば観光道路みたいなものは、そういうふうにお金を取ってやっていますね。確かに、今お話があったように、本来無料で、その建設を促進するために有料という制度をつくった。大変合理的なやり方かもしれません。
 ただ、本来、もともと論の話からいくと、私、必ずしも無料じゃないと思うんです。逆に言えば、国道もその他の地方道も含めて無料ということはあり得ない。つくる以上はお金がかかるわけです。それをどうやって負担していただくかという話です。
 それは、税金でつくるとすれば、広くあまねく国民の皆さんから納めていただいた税金をそこに充てるという話、あるいは、道路特定財源という考え方であれば、自動車を使用される、あるいは所有される方々に道路の建設費を負担していただくという考え方であります。通行に関して確かに一々お金は取らないかもしれませんが、そうではなくて、別のルートで、税金という形で負担をいただいているわけであります。
 それがなぜ税金でやっているかというと、これは前もお話ししたかもしれませんが、経済学の教科書の一ページ目ぐらいに出てくる話でありますけれども、要するにフリーライドの話です。道路を有料化すると、その有料の料金所以外のところからぽっと入ってきて、それじゃないところでぽっと出ていく、お金を払わないで使う人が出てしまうから有料化はなかなか難しいというのが、教科書的にはよく書かれる話であります。
 ただ、その話からいけば、出口、入り口をしっかり制限することの可能な高速道路ですとか専用道路というのは、有料にすることは技術的に全く問題ないわけであります。問題は、そこで何を負担していただくかという話です。それは、建設費に関してもほかの道路と同じように負担をしていただくということになれば、これは税金がそこに入る分、税金で取って通行料で取るということになれば、二重に取る形になります。
 非常に私は納得がいかないのが、総理が税金の投入をやめました。大いに改革が進んだとも言われておりますが、本来の設計上、私は、高速道路だから税金を入れないというのはおかしいと思うんです。高速道路を通るときも、税金がかかっているガソリンなり軽油を使っているわけです。その通っていく車には重量税なりなんなりというものがいろいろかかっているわけです。一般道路を走って、その一般道路を整備するためのお金を払っている。その部分を違うルートで、高速道路というものを使ったら、お金だけは払うけれども、その高速道路の整備はまた別に払ってくれというのは、やはりこれは二重払いだと思います。
 確かに、建設を促進するという目的は非常に結構でありますし、最終的に無料化をするということを実現できるのであるならば、一時的にそれを負担していただくということは合理性があるのかもしれませんけれども、それにしても、これは税金を払っているわけですから、その部分に関してはある程度見ていただかないと。
 つまり、建設費のすべてを通行料で集めるのではなくて、例えば舗装の部分に関しての維持管理なんかは、これはまさしくほかの税金と同じような形でやってもいいのではないか。高速道路であるからこそ、例えば高い橋脚ができたとか長いトンネルができたということに関しては一部分負担をしていただくという可能性はあり得ると思いますが、それはあくまでも、そこを通ることによって所要時間が短くなる、早く着くことができる、安全に着くことができるということに対する対価であるべきだと本来言えるのではないかと思います。
 そういった意味で、これは今現状どうあるかということとちょっと違って、本来、もともと論の話でありますけれども、そういう考え方から立てば、今の有料道路制度というものは相当見直しをしていく可能性もあり得る。
 そこで、ちょっと時間がなくなってしまいましたから、副大臣に、特に地域に明るい方でありますので、御地元の北海道の意見を伺います。
 例えば北海道、道央自動車道ですか、旭川から函館なんでしょうか、札幌から函館まで行く高速道路を今つくっておりますが、大いにつくってほしいという意見はよくわかりますが、一方で、新幹線もぜひつくってもらいたいという話があります。
 今大臣からもちらっと触れられた点でありますが、ことしの十二月でしょうか、八戸まで東北新幹線が延びます。その後どうするかというのはこれからの議論でしょうけれども、仮に新青森までつくるのなら、青函トンネルがもう新幹線規格でできているわけでありますから函館まで延ばしてもいいのではないかというのが、これは私ども民主党の議論の中ではよく出てくる話であります。
 その後、では札幌まで延ばすかどうかということになったときに、在来線の話もありますから、高速道路なのか、高規格道路なのか、あるいは新幹線なのか、これはやはりすべてというわけにはいかないのではないのかというのが、特にその地域に住まない人間の純粋な考えだと思いますが、特に北海道にお詳しい副大臣に御感想を伺いたいと思います。
佐藤副大臣 先ほど大臣から、それぞれ総合的に交通体系を見ながら考えていくべきだというお話もありましたけれども、特に今北海道のお話を、津川先生も北海道の御出身でありますから、北海道のお話をさせていただきます。
 私は、これから、新幹線とそれから航空というのは、お互いに競争していく存在だろうと思っています。これは、今エア・ドゥがだめになりつつあります。本当にもったいない話だと私も思っていますけれども、これも飛行機同士の競争をやって、そして結局は大手に負けていってしまう、そういうことが今起きているわけであります。どうも飛行機同士の競争というのはなかなか難しいと私は思っておりまして、やはりこれから、多くの方々にサービスをするという高速交通体系のサービスというのは、新幹線と航空の競争が一番いいのではないのかな。そして、どっちが勝つかという、競争することによって住民サービスができる、私はそう考えております。
 そういう意味から考えると、北海道、札幌まで新幹線を引くというのは非常に大切だと私今までも主張しているわけであります。ましてや、いろいろな計算をしてみますと、十分に採算性もある、函館までだとどうも採算性が怪しくなる、そういうこともあります。これから次のスキームで十分に議論をしてその辺も考えていかなくちゃならぬ、そう思っております。
    〔委員長退席、実川委員長代理着席〕
津川委員 新幹線と飛行機が競合しているというのはよく言われる話でありますが、実は高速道路も、一方の議論として、無料化をするということを前提にして、これは国策として無料化にするというのも当然一つの選択肢だと思います。
 今の高速道路が、百キロ制限、あるいはこれが百二十キロ制限も含めてあり得て、なおかつこれが無料であるということが実現した場合には、新幹線と高速道路の競争というのは相当大きな問題になると私は思います。つまり、高速道路の競争力、高速道路と言うのもおかしいかもしれませんが、自動車交通の競争力の方が相当強くなる。札幌―函館みたいなところを高速道路が、今は暫定二車線で七十キロ制限なんかをやっていますが、あれが仮に百キロ制限でいくならば、どのくらい新幹線ができて走るかわかりませんが、恐らく車を使われる方の方が相当メリットがある、競争力がある、私は結果的にそうなるのではないかというふうに思います。
 そこについて、つまり、新幹線ももちろん非常に重要な議論でありますし、車にすべての方が乗れるわけではありませんから、車さえあればいいだろうという議論はもちろん問題だと思いますけれども、特に高速交通体系ということを考えたときには、高速道路と新幹線、整備新幹線、この関係について、あるいは高速道路と今はJR貨物になりますが貨物輸送、トラック輸送と貨物輸送、この問題は相当私は議論しなければならないところだと。
 ところが、これまで必ずしもそういった議論は私はされてきていないと思います。道路は道路、鉄道は鉄道という議論がなされた。だから、道路だけの議論をすれば、もっともっと必要だと。鉄道の話も確かにそういう部分はあると思います。ただ、高速道路と新幹線あるいは鉄道の在来線ということの競争を考えたときに、今の高速道路が無料化されたときには、現状とは相当違う形になりかねない。そういったことも含めて議論を今後していかなければならないということ。
 それから、私の住んでおります静岡は、今第二東名が工事中でありますし、あるいは国道についても、一般国道のバイパスがございまして、まだ有料である部分があったりして、そういったところについて、地方で本当に必要なのはどういったものなのか。確かに両方あった方がいい場合もありますが、必要性の高いものはむしろこっちだ、高速道路よりもむしろバイパスであったり、それに近いようなものであったりする場合も多くあろうかと思います。
 そういった意味で、国が国策として大方針を出すというのも大変重要でありますが、また、改革をしていくことも大変重要でありますが、同時に、地方の声というのも十分に聞いた形で議論をしていかなければならない。それは、地方のただつくってくださいと言っているだけの声を聞くのではなくて、何が必要なのかということをしっかり議論できるような形に、地方の声を反映させていくような形にしていただきたいというふうに思います。
 済みません、ちょっと時間がなくなりました。最後に大臣に御見解をお伺いしたいと思いましたが、またの機会にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
実川委員長代理 赤羽一嘉君。
赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 この通常国会は、ワイドショー国会だとか何だとか言われてまいりましたが、当委員会では極めてまじめに議論が重ねられ、十三本の閣法が成立をし、その中でも都市再生関連法やマンション建替えの円滑化法、またハートビル法の改正、建築基準法の見直しと、まさに大変大きな、画期的な法律が成立をしたところでございまして、本当に私たち国会議員としても行政府の皆さんも一生懸命仕事をさせていただいたな、これは本当にしっかり世の中の人にも知らしめていかなければいけないことだなというふうに、そう思っているところでございます。
 その中でも、ちょっと通告の順番を若干変えますが、最初に住宅局関係で、阪神・淡路大震災の教訓でルール決めをしたマンションの建替え円滑化法について、審議のときに触れることができなかったので、この場をかりて少し確認をさせていただきたいと思います。
 マンションの建替え円滑化法ということで、建てかえのルールは決まった。ただ、なかなか実態としては、あのルールが決まったから、ではこれは今後建てかえが進むかというと、まだちょっとギャップがあるんじゃないかなというふうに思っております。
 その中でやはり一番大きいことは、既存入居者、区分所有者が、建てかえの期間の仮住まいをどうしていくのか。こういったことは言うほどたやすくないな、恐らく、二年、三年という期間、さらにローンを組んで建てかえをしている人が賃貸住宅を見つけて入るというのは、経済的にも、また物理的にもなかなか難しいことなのではないかなというふうに思います。
 その中で、都知事の発言なんかを見ていますと、これは積極的に、建てかえ期間中の仮住居問題に対しては、仮住居が容易に確保できる仕組みとして、都営住宅や公社住宅等を活用するなどの支援を行っていきたいと、このようなことを都議会の場で都知事も、また、都議会からの要請もあるように伺っております。
 これはまた、特に法律の中で、市町村が老朽マンションの建てかえ勧告を行った場合には、当然その市町村は、既存入居者の仮住居として、恐らく建てかえ期間の間ということになると思いますが、当然そうだと思いますが、建てかえ期間を入居期限として公営住宅の活用を考える、こういうふうな声も随分出てくると思うのですね。
 このことについて、公営住宅法等との絡みもあると思いますが、国としての見解はどのように考えているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
三沢政府参考人 今御指摘のとおり、マンション建てかえに当たりまして、建てかえ期間中の仮住居の問題というのは大変大事な問題でございます。特に、この法律に基づいて建てかえの勧告を受けたマンションにつきましては、賃借人の居住安定計画というのが策定されまして、これは公営住宅法の入居資格を有する方ということが前提でございますけれども、そういう方々について、仮住居として公営住宅を活用していただくということが非常に重要なことになってくるわけでございます。
 この場合、入居期限といいますか、要するに建てかえ期間中で、建てかえが終わったところで出ていただくんですよと、そういうような形で入居の期限のようなものを付すということにつきまして、これは法律上の規定はございませんけれども、これは趣旨として、建てかえ期間中の仮住居であるということを前提として入居を認めるものでございますので、再入居できるようなマンションが完成した場合には円滑にその再建マンションに転出がなされるように、例えば、やり方としては、建てかえ完了時に転出する旨の文書をあらかじめ交わしておくとか、いろいろなやり方があろうかと思いますが、そういうような運用を図っていくということが考えられるわけでございます。
 そういう趣旨で、公共団体において適切にいろいろな運用をしていくということにつきまして、私どももいろいろなアドバイスをしていきたいというふうに考えております。
    〔実川委員長代理退席、委員長着席〕
赤羽委員 今の御答弁を聞いていますと、そういった考え方、また、そういった建てかえ期間の入居というようなことを事前に文書で交わすといったようなやり方というのは、大変リーズナブルだというふうに思います。建てかえをするそのための仮住居として公営住宅を提供する、そのときに、当然、建てかえが終わってからも居座ってもらっては困るというのは提供する側の考え方でもありますし、建てかえの仮住居としての住宅提供の趣旨にも反することだと思いますので、私は、大変そういう考え方はリーズナブルで正しい考え方だというふうに思っております。
 ちょっと話がずれますが、まさに少子高齢社会が大変な勢いで進んでおりまして、特に大都市地域というのはそういった特殊性が強い。大都市、特に今、例えば神戸なんかも、中央区とか兵庫区とか、いわゆる市街地、旧市街地はなかなか人が住めなくなっている。結婚するとどうしても、西区とか北区とか明石市とか、遠隔地に出てしまう。本当は便利なんだけれども、なかなか高くて住めないとか。そうすると、非常にインナー対策というか、中心部が高齢化が特にひどくなっているんです。兵庫区なんというのは、実は二十数%が六十五歳以上という人口比率ですね。そういった中で、公営住宅をうまく活用していきたいな、こういう考え方というのは、実は大都市共通の考えだというふうに認識をしております。
 大都市建築・住宅主管者会議というのが毎年政令都市の代表者を中心に行われて、国にもその要望が幾つも出ております。公営住宅制度の改革ということで、地域の実情に応じた選択肢の拡大、公営住宅の入居期間を限定できるよう、事業主体の裁量により期限つき入居制度を導入できるようにすることを何とか認めていただきたいというようなお願いも出ているわけでございます。
 そういった思いの反映で、例えば東京都は、公営住宅、これは実は国の補助金が入っていない特定都営住宅を利用して、申込者と配偶者、夫婦の年齢がそれぞれ四十歳未満、いわゆる若年世代のファミリー向けに、入居期限を仮に十年と決めてこの都営住宅に優先入居できる、そういった制度が昨年から行われている。これは、やはり便利なところに、安い都営住宅に入居できるということで、大変な評価、好評を博している。
 ただ、残念ながら、この特定都営住宅というのは都営住宅二十六万戸のうちたった千戸しかないので、そういったいい制度もなかなか広く広げることができない、こういった声もあるようでございます。もうちょっと何とか、いわゆる国の補助金が入っているところでもそのような制度が何とか使えるようなことを、真正面から認めていただかなくても結構なので、使えるようにならないものかな、このような声もあるようでございます。
 また一方で、東京では、新しい事業に挑戦をしているベンチャービジネスを、経済産業省の平沼プランなんかにもあるように、ベンチャービジネスを育てていこう、こういった試みがされておりますが、現在、日本の場合、事業が破綻した場合には、住む家も担保も全部身ぐるみはがされて大変大きなリスクがある、こういったことでありまして、すごくやる気があって、新しい事業を起こそう、挑戦しよう、こういった方たちも、その敗者復活の道がなかなかないということで、そういったベンチャーの芽が起こってこない。
 こういったことに対して、仮に事業に失敗した、事業破綻をした人に対して、何とか敗者を復活できるように、せめて家ぐらいは公営住宅に緊急避難して入居することを認めることはできないか。都営住宅に一定期間入ってもらって、その間に再起する力を養うことができるような新しいシステムの構築の提案も、実は東京都議会であるように伺っております。これは、実は東京都知事も、大変よい考え方、アイデアであるというふうな御答弁もされておるわけでございます。
 しかし一方では、もちろん公営住宅の根本精神というのは、住宅に困窮する低額所得者のために賃貸する住宅だ、その入居者が例えば高額所得者になる、こういった特段の事由がない限り居住が継続することを前提としているのが公営住宅の制度だ、その制度で成り立っているというふうに考えておりまして、貸す方も入居する方も、その両者の間では期間の定めがない賃貸契約を締結している、こういった大前提で、ある意味では入居者保護が守られている、これは当然のことだというふうに考えるわけでありますが、時代の要請というか、マンションの建てかえという、今まではあり得なかったことであるけれども、マンションの建てかえ期間の仮入居とか、東京なんか、大都市部分によっては、先ほど申し上げました若年世代向けの一定期間の公共住宅の提供とか、事業破綻者に対しての一定期間の入居とか、それぞれ地域の特性があると思いますけれども、そういった特定目的に限って、公営住宅制度の趣旨を逸脱しない範囲で地方自治体が公営住宅を弾力的に運用するということは、これは私は、これからの時代、まさに時代にかなった考え方であるのではないかと。その辺はやはり、地方分権の時代で、地方の特性、大都市の、地方自治体の考え方があっても、これはあえて、それを公営住宅法にさわるからといって差しとめるということをすべきではないんじゃないかというふうに、そう考えているわけでございます。
 細かい法理論で詰めていけばなじまない、こうされてきた国の立場というのもそれはよく理解するわけでございますけれども、こういった地方自治体の特性にかんがみて、何とか、現に困っている住宅困窮者に対して柔軟に対応したい、こういった考え方については、絶対的に否定するという立場を国が堅持するというのは余りにもちょっとどうなのかな、こう思うわけでありまして、その点について御答弁をいただければというふうに思います。
三沢政府参考人 まさに先生おっしゃいますように、住宅に困窮する低額所得者のために住宅を供給するという公営住宅法の趣旨と、一方では、やはり公共団体独自のいろいろな創意工夫、取り組み、そこをどこで調和させるのかという問題でございます。
 先生の今お話の中にございましたように、住宅に困窮する低額所得者のために賃貸する住宅だ、その公営住宅法の趣旨を逸脱するということは、これは非常に難しい問題になるわけでございますけれども、ただ、先ほど申し上げましたように、例えば勧告マンションの建てかえ期間中の仮住居としての活用のように、一つの運用のやり方として適切な運用を図るということができるものもあるというふうに考えております。
 こういうような今の建てかえの仮住居としての活用のような例にありますように、公共団体でのいろいろな創意工夫を生かした取り組みにつきましては、現行の制度の中でも、法の趣旨を逸脱しない範囲内で可能なものもあるというふうに私ども考えておりますので、それぞれやはり、個別の、どういう目的にどういう使い方をされるかということにつきまして、いろいろ公共団体が知恵を出された場合には、それにつきまして、公営住宅法の趣旨を十分踏まえながらきちっと公共団体と幅広く意見交換をさせていただきたいというふうに考えております。
赤羽委員 ぜひ、その踏まえながらというところに力点を置かずに、運用を前向きに、特定の目的下の中で住宅困窮者に対して柔軟に活用していただけるように、よろしくお願いをしたいと思います。議事録には残らないと思いますけれども、うなずかれておりますので、書いていただきたいと思います。
 次は、港湾関連の質問に入りたいと思います。
 先日というか、多分きょう発表になるのかもしれませんが、港湾分科会の報告が随分分厚い内容でまとめられているようでございます。
 主要港湾の国際競争力の低下、こういったことは毎回言われておりまして、これは私も何回も本委員会ではずうっと質問をし続けて、いつも出てくる資料というのは大体決まっていまして、アジアにおける相対的地位がこんなに低下しているといって、一九八〇年と二〇〇一年とか、その時々によって現時点は違いますが、神戸にしても横浜にしても、常にベストテンから、今は二十位より下に落っこっている、こういう表がずっと書かれている。それに伴うデメリットについても報告があるわけでありますが、これは、そうはいいながら、現実にはなかなか施策として反映されてきたとは言いにくいんじゃないか。これまでの経緯ですね。
 川島局長はメーンポートをしっかりしなきゃいけないという御主張が多分強いというふうに答弁からも推測されますが、なかなか旧運輸省の中でも、メーンポートを強くすることは大事だ、さはさりながら地方のローカルポートの底上げもやはり大事なんだ、オール・ジャパンとしての利益を考えるとどっちも大事だ、こういった話がずっとあって、結局は、限られた予算の中で中枢・中核港湾に本当に重点的に配分をされてきたとはちょっと言えないんじゃないか、そこまで重点的にできなかったことがこの相対的な地位の低下につながったのではないかなというふうに、私はそう考えざるを得ない。
 確かに、中国を初め東南アジアの各国の経済力の伸びというのは大変なものがあって、日本自体そんなに経済成長をしていない。ですから、日本への輸入、日本発の輸出、この絶対的な貨物の取扱量の伸びが相対的に低い。これはしようがない部分がありますよね。
 ただ、一方では、トランシップメント貨物を、中国から大変な荷物が出ているのに、韓国にとられたりとかシンガポールに持っていかれたりとか、日本の国際トランシップの貨物を獲得できる力というのはもう明らかに低下をしている。トランシップの荷物といえば、それは神戸であり横浜であり、まさに中枢・中核港湾の能力そのものだというふうに思っているわけであります。
 今回、この報告の中でも、このままじゃ本当にだめだ、スーパー中枢港湾というのをつくらなきゃだめだ、この分科会の方たちのこういう報告はされておりますが、この報告どおりに、国土交通省を挙げて本気でスーパー中枢港湾を最重点で育てていこう、こういう思いに集約されていく報告書なのかどうかということをまず確認させていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
川島政府参考人 今先生からお話のありましたスーパー中枢港湾についてでございますが、交通政策審議会の港湾分科会で検討していただいております。我が国の国際競争力の強化、産業の再生等に対しての港湾政策のあり方ということで今御審議をいただいておりまして、きょうも開催されることになっています。その中で、スーパー中枢港湾は、我が国の港湾の国際競争力をいかに回復していくかということで、その一つの手法として議論されております。
 国土交通省としましては、この答申をいただいて、それを踏まえまして、スーパー中枢港湾の実現、我が国の港湾の国際競争力の回復に取り組んでいきたいというふうに考えております。
赤羽委員 このスーパー中枢港湾の構想で、大きな柱として、より安いサービスの提供、釜山港とか高雄港並み、今より約三割の港湾コストの低減とか、またリードタイムが今日本は大体三、四日かかっている、これをシンガポール並みに一日にまで短縮する、スピード、速さ、こういうふうに掲げてありますが、こういったことをするということは、その目的として、私なりの考えは、一つは、北米とか欧州航路の日本のメーンポートに寄る回数を回復する、減少傾向にある寄港の回数を回復するということ、もう一つは、恐らく今後向こう十年間でトランシップの貨物というのは三千万TEU出てくるというふうに言われているわけですが、この三千万TEUの貨物をどれだけとりにかかれるかという具体的な目標設定がないと、三日か四日を一日にするとか、約三割に低減するみたいなことだけだったら、取り組みは非常に甘いものになるんじゃないか。本当に目標を明確にして、戦略を立てるということがすごく私は大事だというふうに思います。
 このスーパー中枢港湾構想の目的というのは、今私が申し上げました、一つには、北米、欧州航路の寄港回数の回復、二つ目には、三千万TEUとも言われている今後のトランシップメント貨物を日本で獲得する、こういった具体的な目標があるのかどうか、これも確認をさせていただきたいと思います。
川島政府参考人 スーパー中枢港湾の目標としまして、港湾分科会で議論されている目標としまして、港湾のコストを三割低減するというのがございます。これは、近隣のアジア諸港との国際競争力を回復するため、現在三割程度高い状態でございまして、これを三割下げる。それと、もう一つが、港湾でのリードタイムが三日とか四日かかっております。世界で一番短いのがシンガポールの一日でございます。スーパー中枢港湾については、リードタイム一日を目標とするということになっております。
 次に、これの目標でございますが、日本の産業あるいは国民生活を支えておる港湾のコスト、それから時間、これをできるだけ下げるということによって、日本の産業の競争力の強化、あるいは国民生活の向上に貢献をするということでございました。
 より具体的に申し上げますと、現在日本と北米あるいはヨーロッパへの貨物が、一部近隣のアジアの港で積みかえられておる、この量がふえておるという実態にございます。
 また、先生御指摘のとおり、国連の機関によりますと、東アジアにおきますトランシップ貨物は年々増加をしておりますが、二〇一一年では約三千万TEU、二十フィートのコンテナ換算で三千万個の需要が出てくるというふうに予測されております。これに対しまして、お隣の韓国では、東アジアのハブポートを目指すということで、北米、欧州航路の寄港とトランシップ貨物の取り扱いの増加を目標としまして、積極的な港湾投資を展開しているところでございます。
 我が国におきましては、先ほど申し上げましたような、アジアの主要港をしのぐコスト、サービスの実現、これを目指すスーパー中枢港湾を育成することによりまして、先生から御指摘のありました北米、欧州航路の寄港頻度の減少を防ぐということ、それと、日本発着のコンテナ貨物の低コスト多頻度輸送を推進するということにしております。
 さらに、御指摘のありましたトランシップ貨物につきましても、我が国港湾のコスト、サービス水準の向上によりまして、このトランシップ貨物を積極的に取り込むことも可能になるというふうに考えております。
赤羽委員 それで、具体的には、より安いサービスの提供、アジアの各港並みの約三割の低減、こういった話がありますが、なかなか言うはやすく行うはかたしで、このコストの全体の四割が荷役とかそういったところだというふうに聞いておりますし、その残り、四割は公租公課の部分と、多分ターミナルオペレーターの借り入れとかなんとか、そういうことなんじゃないかと思うんです。あと二割は水先案内人とかタグの料金だ、こういうふうに聞いておるんです。
 荷役の方は、三百六十四日、一日二十四時間操業、高い人件費の中でできるだけ単位当たりのコストを下げよう、こういう努力は結構民間でされていると思うんですね。その残りの六割、公租公課の部分についてということとか水先人とかタグ代も、私は個人的には大変高いのが現状だというふうに思っておりますが、この辺について、どのように打開していこう、三割低減に向けて努力していこうというふうな取り組みを考えておるんでしょうか。
川島政府参考人 港湾コストをさらにどういうふうに下げるかということでございます。
 これまでも、関係者の御努力によりまして、入港料、岸壁使用料等の割引及び免除措置がとられるなど、港湾諸料金の低減のための措置が講じられているところでございます。
 御指摘の水先につきましては、船舶交通の安全のため国際的に実施されている制度でございますが、これまで神戸港の強制水先対象船舶の基準の緩和を初めとする見直しを行ってきたところでございます。今後とも、料金体系の合理化を含めまして、適切な見直しに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 また、並行しまして、タグのあり方につきましても、事業者、港湾管理者と検討してまいりたいというふうに考えております。
赤羽委員 公租公課の部分はどうですか。
 要するに、地方自治体が、もっと安くせい、こう言っているんだけれども、地方自治体も、自治体の財政も苦しくてなかなかそこがうまくいかない。だから、スーパー港湾と決めたところに重点的に国の財政発動をするべきじゃないか、こういった声も相当強いんじゃないかと思いますが、その点について、簡単なことじゃないと思いますけれども、どういう方向性で考えていらっしゃるのか、お聞かせいただきたい。
川島政府参考人 コンテナターミナルのコストのうち、御指摘のように四割がターミナルの施設関係の費用でございまして、これにつきましては御理解を得まして、公社のターミナルについての税制上の優遇措置を継続をさせていただいております。
 あわせて、新方式と呼んでおりますが、岸壁部分につきましては公共事業で整備をするということも導入をしております。こういうことで、ターミナルの使用料を下げるという努力をしてきております。
 さらに、神戸市、神戸港埠頭公社におきましては、つい最近でございますが、ターミナルのリース料を、期間限定でございますが三割低減をするといった措置を講じられております。
 私どもとしましても、各港湾管理者と御相談をしながら、いかにしてターミナルの施設の使用料をアジアの主要港並みにするかということについて引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
赤羽委員 そこで、その部分のコスト低減について、これは私も何回もこの委員会でも質問をし、提案もしているんですが、一つの湾で、お互い、身内同士で競争しているというのが今の日本の現状ですよね。神戸港の最大の敵は大阪港なんです。大阪港に入っている船社を何とか神戸に引っ張ってこよう、こういう努力をしていて、それは余り意味のない努力のはずなんですね。
 これは多分、東京湾の、東京対横浜対川崎対千葉みたいな、同じようなことをやっているんですよ。十五メーターバースにどうやって客を引っ張ってこようかとしているのに横で十五メーターバースをつくっているという本当に愚かな話をずっと続けているので、ここはやはり国が音頭をとって、一つの湾は一つのポートオーソリティー、こういうふうにしないと、幾ら一生懸命いろいろなことをやっていても、むだな公共事業は続いて、結局、国際競争力の回復というのは私は難しくなると思うのです。
 これは、地方自治体の言い分もあってなかなか難しい部分はあるとは思いますが、やはり、大阪湾の大きさというのはロッテルダムと全く一緒なんですから、一つのポートオーソリティーで港湾計画をつくって荷物の荷繰りをちゃんとやるということが、まじめに国際競争力を回復するという意味では本当に大事だというふうに私は思いますので、この点と。
 それと同時に、産業とのリンクというのはすごい大事なはずなんですよ。今、国では、都市再生区とか経済特区とか指定するわけですから、そことリンクさせていかないと本当に、港湾は立派でも物流が来ないというのでは全く話にならないので、その経済特区を生かす意味でもスーパー中枢港湾というのを位置づけていかないといけないと思うので、これはやはり地域政策として、少し今までの考え方を改めて、国がぜひ音頭をとっていただきたいと思いますが、その点について御答弁をいただき、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
川島政府参考人 御指摘のとおり、東京湾には、東京港、横浜港、川崎港などございます。大阪湾には、大阪港、神戸港などが近接をして存在をしております。一つの湾に複数の港湾及び港湾管理者が併存しております。
 このような東京湾、大阪湾などにおきまして、効率的な物流体系の構築、御指摘の重複投資の回避も含めてでございますが、それから、船舶航行の安全の確保、環境の保全等につきまして、各港湾が連携をしてその役割を果たすべく、各湾ごとに国がグランドデザインを描きまして、これに沿って港湾の整備、利用を図っていくというふうにしております。このために、現在、各地方整備局と関係の港湾管理者が、各湾ごとに連携推進協議会を設置しておりまして、鋭意協議を進めておるところでございます。
 今後とも、より効率的な港湾の整備、利用のあり方等につきまして、さまざまな観点から各港湾管理者と相談をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、特区との関係でございますが、経済のグローバル化に対応しました国際物流拠点を形成するために、これまで、東京湾、大阪湾、伊勢湾、北部九州の四つの中枢国際港湾を中心に国際コンテナ機能の向上を図ってきたところでございます。スーパー中枢港湾は、さらに特定の地区を指定しまして、アジアの主要港をしのぐコスト、サービスを提供するとともに、御指摘のように、物流産業の集積を図るということによりまして、我が国の産業競争力の向上に資するものというふうに考えております。
 一方、特区に関しましては、現在、経済財政諮問会議、総合規制改革会議におきまして議論が進められております。スーパー中枢港湾の機能を高めていく観点から、これらの特区構想の議論も視野に入れながら、物流の効率化とあわせて、産業の国際競争力の向上にも努めてまいりたいというふうに考えております。
赤羽委員 ぜひ、国際競争力を回復するために、国の強いリーダーシップを期待したいと思います。
 実は、サッカーのワールドカップも終わりましたので、本当はウェルカムプラン21の目標に対する評価をお聞きしたかったんですが、時間がございませんので、またの機会があれば質問をさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
久保委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
久保委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。一川保夫君。
一川委員 本日は一般質疑でございますので、大臣を中心にして、国土交通省の基本的なお考えをお聞きしたいと思うのです。
 この委員会は、今回、法案が幾つかございまして、その中でも若干触れさせていただきましたけれども、きょうの午前中の質疑の中でも、大臣の方から、日本の社会資本の整備というのは非常に立ちおくれているというやりとりが若干ございました。私も、社会資本の整備というのは我が国の国政の中でも重要な課題の一つであるというふうに認識をいたしております。その中にあって、一方では従来の社会資本の整備のやり方についての考え方を、改めるべきところもたくさんあるのではないかなというふうな感じを持っております。
 基本的には、国民が本当に安心して生活できる基盤づくりが必要でございますし、また、経済活動も活力を持って持続的に維持できる、そういった産業基盤をしっかりとつくり上げていくということも大変重要な課題でございます。そういう面では、まだまだ社会資本の整備というのは、毎年の投資額的なものをピックアップすれば各国に比して見劣りのしないものを毎年投資しているとは思いますけれども、過去のストック等を考えてみた場合あるいは現状の整備水準を見た場合に、まだまだ立ちおくれている、あるいはまたいろいろな面でバランスが崩れているといいますか、そういう面も念頭に入れた整備がまだまだ課題として残されているというふうに思っております。
 ただ、一方では、今日、やはり社会資本の整備に当たっても、環境の問題とか、より安全性を高めるという問題とか、あるいはまた、より福祉の面に配慮をするとか、景観とかそういうものにも考慮しなきゃならないといった面では、従来のやり方とは大分変わってきておるというふうに思います。
 それからまた、高度成長期は、やはり大規模なプロジェクトを中心に相当大型な工事が日本列島方々でたくさんあったと思うんです。その成果が今日、社会資本の一つのストックとして残っているわけですけれども、これからの社会資本の整備は、今ほどちょっと触れましたように、割と生活に関連したきめ細かな事業といいますか工事が非常にふえてくるというふうに思いますし、また、過去に築造したいろいろな施設を適正に維持管理をしながら、それを状況に応じていろいろと補修をしていく、場合によっては大規模な改築が必要になる時期も来るであろうと思います。戦後ずっと相当精力的に取り組んできた社会資本の整備といいますか、公共事業を中心としたこういう事業も、仕事のやり方が、内容が相当変わってくるのではないかなという感じを持っております。
 そういう点で、大臣に、まず基本的なお考えをお聞きするわけですけれども。
 そういった、生活関連なり安全対策とか、また環境対策、福祉対策等に考慮したような割ときめ細かな社会資本の整備のニーズがだんだん大きくなってまいりますけれども、そうなりますと、従来のようないろいろな制度、今の直轄事業なり補助事業も含めたような制度、あるいは地方に出先機関もたくさんございますけれども、こういう組織全体のあり方というものも含めて、これからの社会資本が本当に国民のニーズに即したような形で対応していくためには抜本的に見直すところは見直していくというようなことをとっていかないと、何か大きく立ちおくれてしまう危険性をはらんでおりますので、そのあたりに対する大臣の御所見をお伺いしたい、そのように思っております。
扇国務大臣 先ほど樽床議員と御論議し、また、今、一川議員からも、社会資本整備のあり方が変わらなければならないではないかというお説、ごもっともで、私たちもそういう認識のもとに、今国土交通省も対応しているところでございますけれども、特に変わってきたというのは、いつも申し上げますように、二十世紀に行いました社会資本整備、それがハードであったとすれば、そのハードはハードなりに、そのつくったものをいかに維持管理し、せっかくつくったハードのものをいかに長期に利用するか、その方面も私は二十一世紀は考えていかなければいけない。でなければ二十世紀の投資額というものが生きてこないということで、いかにそれを長続きさせながら、子々孫々と使っていけるかということも、二十世紀から二十一世紀の変わり目で大事なことであろうと私は思っております。
 それともう一つ。先ほど申しましたように、二十世紀がハードの世紀であれば、二十一世紀は、いつも申しますように福祉とバリアフリーを考える、また環境を考えるという、ハードからソフトへ変わる大きな転換であると私は認識をし、また社会資本整備も、そのように環境とバリアフリーを考えた社会資本整備でなければならない。
 それは、先ほども申しましたように、二十一世紀は、高度成長期には考えられなかったような、急激な少子高齢社会を迎えますので、どうしても環境とバリアフリーを公共工事等々社会資本整備の基本的なものとして考えていかなければならない、また転換せざるを得ないというのが今の状況であろうと思いますので、その転換におくれることなく、国土交通省の政策もそれに沿ったものにしなければならない、そういうふうに考えておりますのが大きな基本でございます。
 それと、国土交通省は、昨年の一月六日に四省庁統合いたしまして一年半たちました。そして、一年半たって、四省庁統合したメリットが来年度予算にどのように生かされていくか、また、この省庁統合によって政策面で何がどう変えられるか、また変わらなければならないか、その辺が大きな基本だと思って私たちは取り組んでいっております。
一川委員 今大臣が答弁の中で触れられましたように、二十一世紀は、二十世紀につくり上げたハード的な施設をしっかりと維持管理をし、その施設の持つ機能を持続的にできるだけ長くもたせるというような新しい観点での仕事が出てくるだろうというような問題意識かと思います。私も同感でございますけれども、そういった割と大型の仕事でない、割ときめ細かなものがだんだん必要になってくるだろうというふうに思います。そういったときに、地域のいろいろな実情を最もわかっているのはやはり地方であるわけですね。そうした場合に、これから社会資本整備を実施する場合の一つの大きな視点というのは、国と地方の役割分担みたいなものをもう一回見直しながら、やはり地方のいろいろな知恵を生かして、それぞれの特色、個性を生かす中で、より自立した行政ができるような、そういう基盤をつくり上げていくという面では、今日言われていますような地方の分権ということに尽きるわけでございます。
 そういう一つの流れの中で、最近徐々に取り組んできておりますけれども、一種の補助金の一括交付といいますか、統合補助金といいますか、それぞれの地方で取り組む事業の具体的な予算措置なり仕事のやり方についてはできるだけ地方にお任せするというような方式をこれからふやしていく必要があるんではないかなというふうに思いますけれども、そのあたりは基本的にどのようにこれから取り組んでいかれる方針ですか。
扇国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、私は、先ほど申しましたように、四省庁を統合したメリットをどう出すか、縦割りであったものが一本になったらどこにメリットを持っていけるかということで、昨年の省庁統合以来、一月から四月にかけて、全国を十のブロックに分けて、全国を回りました。それと申しますのは、今までは、例えば県単位でしていた公共工事等々も、今考えますと、河川でありますとかあるいは高速道路、あるいは新幹線等々も、県をまたいで総合的な考え方をしなければならないということで、全国を回ったわけです。
 例えて例を挙げますと、九州も全県の知事さんが集まってくださいました。九州を一体、九州を一つとして考えた場合には、どの道路を先に予算をつけるべきか、どの新幹線が先に行くべきかというのを九州全体の知事さんが一体となってお考えになって、私に、扇さん、九州は一つという考え方で予算の配分をし、また公共工事を達成したいと、むしろ地方からそういうお考えの提示がございました。
 私は、それは大変ありがたいことであって、御存じのとおり、平成十四年度の予算も、国がすべて配分をするのではなくて、地方にみずからの地方の、一定の地域としての考え方で公共工事の順番も、あるいは公共工事の必要、あるべきものも決めてくださいということで、今まで統合補助金というものをしておりましたけれども、地方に三三・一%をどっとお渡しして、そこで地方の考えで選んでくださいというふうに方向を変えましたのも、それが趣旨でございます。
 三千三百ある地方自治体ではなくて、これを千ぐらいの地方自治体にというのも、野党の皆さん方も、あるいは与党の中でもお声がありますけれども、そのように、ブロックごとの、あるいは地域を主体とした地方分権の基本というものをそこへ持っていくということも、私は二十一世紀の大きなあり方であろうと認識して実行しております。
一川委員 今直轄事業で直接取り組んでいるようなプロジェクトも、当然必要なものは必要だというふうに私は思っております。特に、日本列島は海岸に囲まれておりまして、美しい、しかも安全な海岸線をしっかりと国の責任で守っていくというような施策は、持続的に国でしっかりとやるべきだというふうに私は思います。また、都道府県をまたぐような大きな河川はもちろんでございます。また、基幹的な交通ネットワーク、こういうことも、日本列島の利便性というものを考えてみた場合には、そのバランスをとりながら国が責任を持ってしっかりと目を届かすということは、非常に大事な課題だというふうに思っております。
 しかし、それ以外の細々したようなものについては、できるだけ地方の判断に任せる。その創意工夫を凝らしたものについては、一々東京に陳情しなくても、時間をかけずに、現場で実現できる、そういう体制をつくり上げていくということは大変大事なことでございますので、ぜひそういう観点で取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 そこで、そういうことに関連しますけれども、先般、これは地方分権改革推進会議というところが中間報告なるものを出されたということで、そういう中身の一つとして、公共事業の国庫補助金を廃止なり縮減するというような趣旨の項目が盛られていたというふうに思います。また、社会資本、公共事業の実施等については、国の関与の大幅な縮小を求めているというような趣旨の報告がなされたというふうに報道されておりましたけれども、こういう中間報告について、国土交通省としては現時点ではどのようにお考えでしょうか。
佐藤副大臣 国土交通省といたしましては、省庁統合前から、地方への権限移譲というものに非常に真剣に取り組んでまいりまして、補助金の整理統合等も行ってきております。先ほど先生がおっしゃったような統合補助金も、十四年度は事業費として一兆五千億に達しております。さらに十三年度からは、いわゆる箇所づけ等は地方整備局にほとんど任せていく、そういうことをやってきております。
 このたびの中間報告では、社会資本の整備が完成しつつある、そういう認識を示されまして、国と地方との役割分担というものを公共事業のあり方から見直してみろ、そんな意見もついております。
 具体的な議論は今後行われるわけでありますけれども、国庫補助負担事業の廃止や縮減を初めとする考え方は、今後の社会資本整備のあり方すら変えるような議論になると思いますので、公共事業の八割を所管する国土交通省といたしまして、これからの日本のあるべき姿というものをしっかりととらまえて、そして、そういうような方向に貢献をする社会資本整備というものを進めていく、そういう視点に立って、改革すべきことは改革をして、さらにまた、将来の道州制と申しますか、地方の時代に大きく変わっていくんだと思いますから、そういうことをよく頭に置きながら、主張すべきことはしっかりと主張しながらやっていきたい、そう考えております。
一川委員 それと、先般新聞に報道されていた中の一つに、道路整備の問題について国土交通省は、これからは従来の道路整備の考え方を若干軌道修正しながら、一つのガイドラインのもとでしっかりと見直しをかけていくというような趣旨の記事があったように思いました。生活に関連したような道路を優先していくというような報道も一時期ございましたけれども、現時点で、来年度の予算編成に当然かかわる問題だろうというふうに思いますけれども、我が国のこういった道路整備というものについて基本的に何か方向転換をされるのかどうか、そのあたりをお聞きしたいと思います。
大石政府参考人 道路整備や道路事業の効果や目標をどのように国民に説明していくのかということにつきましては、従来からもいろいろ腐心をしてきたところでございます。
 例えば平成九年からは、道路事業におきまして新たな事業採択に当たりましては、BバイCと申しますか、事業の評価システムを導入することにいたしました。その際に、例えばその道路整備が、最寄りの空港、港湾やあるいは主要な物流拠点へのアクセス改善につながるのかどうかでありますとか、あるいは混雑時の旅行速度の向上にどの程度寄与するのか、あるいは交通事故や騒音レベルといった環境問題等への寄与の度合いの大きさはどうなるのかといったようなことをそれぞれ計算いたしまして、それを公表することによって、その事業の効果というものを、事業を始める前に多くの方々に御理解いただくといったようなことをやったわけでございます。
 しかし、それは個々の事業の効果の測定でございまして、全体として道路政策をやっていった結果、例えばどのように環境改善が図られたりするのかといったようなことについては、十分な説明力がなかったということでもございます。もちろん、個々の事業についてこのような評価を続けることは必要でありますが、それとは別の観点から、道路政策全般についていろいろ説明ができる、そういった指標を模索してきたところでございます。例えば、平成五年度の道路整備の五カ年計画からは、都市における朝夕の旅行速度がその都市においてどの程度改善するのかでありますとか、あるいは渋滞ポイント、踏切の除却、大型車のすれ違いの延長がどのように変化するのかなどについて、数値化いたしまして御説明もしてきたところでございます。
 しかし、全国平均的な姿は示せても、もっとわかりやすい評価指標が要るのではないか、こんな御指摘がございまして、今いろいろな指標を検討しておるところでございまして、結論が得られている段階ではございませんが、例えば、十八項目、先般新聞報道されましたが、それの大きなくくりとしていえば、その道路整備を行うことによって、地域の活力の増進や都市の再生にどう寄与するのか、あるいは生活の質というものがどのように向上していくのか、あるいは環境の保全や、安全で安心できる暮らしの確保という観点からはどんな寄与ができるのかといったようなことについて、それぞれ指標を定めます。例えば経済活力の増進ということであれば、都市の再生というようなことであれば、バリアフリー化がどのように変わるのかといったようなことを示しながら、それぞれ即地的な数字と、あるいは広域的な数字とあわせて、こういったことで説明していくということをやろうと現在議論をしておるところでございます。
 こういうことを考えながら、新たな長期計画策定の議論といたしまして、今のような数値を用いながら、峻別の時代における道路政策の転換といったことを標榜しながら、道路事業の重点化について、どのような政策転換ができるかについて模索を続けておるところでございます。
一川委員 公共事業に対するいろいろな要望事項の中で、道路整備が断トツに多いのはもう御存じのとおりです。
 これからの道路整備は、今まで手がけてきた道路を早く整備してあげるというのが一つの原点にあると思うんですね。それと、これから新たにつくるものについては、今おっしゃったように峻別の時代に入ってくると思いますけれども、県内あるいは若干両県にまたがるような道路でもできるだけ地方の判断にお任せするという中で、基幹的なものは当然国の責任でしっかりとネットワークを張っていただくということになると思います。そういう面では、この道路問題というのはそれぞれ関心の強い部門でもありますので、その都度情報をできるだけ開示していただいて、議論ができるようにしていただきたい。結論だけでこうなりましたということじゃなくて、そういうような方向をぜひ探っていただきたいなというふうに思っております。
 そこで、もう一点、今話題になっておりますけれども、ダムの問題についてお聞きしたいわけです。
 これは長野県知事が脱ダム宣言ということを、昨年二月ですか、に宣言されてから特にこういった話題が強くなりました。私自身、若いころにダムにかかわった時代がありまして、そういった現場にも行ったことがありますし、いろいろな面で経験もしております。
 長野県の知事がああいうふうな言い方をされたというのは、ある面では物すごく大きなインパクトがあったわけですけれども、また、ある面で参考になるところも非常にあるなという感じを私は受けております。それは、水源県である長野県が、基本的にはコンクリートのダムをつくりたくない、そういう中でああいう宣言をなされておるわけです。私は、ダムの持つ効用といいますか、その効果というのはどういうものがあるかというのは当然ある程度わかっておりますけれども、一方では、コンクリートダムの持つ一種の副作用といいますか、何年かすると副作用が出てくるということもいろいろと現象としてはあらわれてきております。
 そういうことをいろいろと考えてみたときに、ダム建設という一つの治水事業、一部利水も入っておりますけれども、こういうことについて、現状、国土交通省としてはどういう取り組み方をされているのか。最近、いろいろな事業の見直しの中で一部のダムを中止されたというふうな報告もなされておりますけれども、今現在どういう数のものが全国で動いていて、基本的にはどういう考え方でダム建設に取り組んでいこうとしておるのか、お聞きしたいと思います。
竹村政府参考人 まず、ダムの数につきまして御説明をさせていただきます。
 ただいま御質問の、どの程度のダムが行われて、また中止になったかの数字でございますが、現在建設中のダムは、国及び公団のダムが全国で六十五、都道府県のダムが百八、それと、生活貯水池といいまして、集落ごとに飲み水をためたりのいわゆるため池事業、愛称ため池でございますけれども、それが六十を実施中でございます。
 なお、中止したダムの数でございますが、トータル七十二でございまして、今委員御質問の中にございました脱ダム宣言、長野県知事が平成十三年二月に行ったわけでございますが、私ども、それ以前より、みずから総点検または事業の再評価をやっておりまして、平成八年から、みずからの総点検でダムの中止を行い、そして平成十二年度の与党三党の見直しにおきましてもこれを見直し、そしてその後、公共事業の再評価制度ということで平成十年度から実施しているわけでございます。そのような平成八年度以降に中止したダムを全部トータルしますと七十二ダムでございまして、必要なダムは実施し、その時代に応じて、もう少し整備しなくていいんじゃないか、または、地質が悪くてこれはだめだなど、さまざまな理由からダムを中止しているという現状にございます。
一川委員 今七十二のダムを中止されたという御報告でございます。技術的に見て地質等が適さないというような判断もあったというふうにお聞きしましたけれども、それ以外の理由で中止したということも当然含まれていると思います。その主な理由としては、純技術的にその場所が適さないという判断でおやめになったのか、そのあたりをもうちょっと御説明願いたいのと、中止した場合の対策としてはどういう対策を講じられたのか、そこをお聞きしたいと思います。
竹村政府参考人 ダムを中止した場合、大体二ケースがございまして、一点目が、今申しましたように地質上の問題、力学上の問題でございます。大変地質が悪くて、従来前提としたダムでは大変大きな費用がかかってしまうという前提がございまして、それではもう一度見直して、下流の河川改修またはほかの代替水源があるんじゃないかというような見直しをしたというのが第一点、一グループでございます。
 そして、第二グループとしましては、社会的な事情、つまり、ある程度の成長を見込んでいてその地方の水資源の需要を想定していたわけでございますが、経済が低成長に入り、将来の需要が当初の計画に比べてそれほど伸びないといった社会的な事情によってそのダムの水需要を見直して、みずから見直したそのダムの必要性が緊急ではなくなったということからそのダムを中止したというケースもございます。
 その場合は、残された治水につきましては、これは社会経済上の問題ではございませんので、どうしてもやらなきゃいけないということでございまして、ダム以外の手法があるのかどうか、遊水地、堤防の強化、またはしゅんせつ、または放水路、さまざまな代替案を考えて、その中で一番その地域に適切な手法を選定してダムを中止したというケースもございます。
一川委員 扇大臣も記者会見でいろいろなお話をされておりますけれども、今回の長野県知事の脱ダム宣言について、一つの理念、政策をポイントとして今度選挙があるかもしれないという面では非常に珍しいケースだというふうに思いますし、この理念、政策に焦点を当てた選挙というのは、ある面では非常に関心の強いところでございますけれども、こういった長野県知事の宣言というのは、大臣としてはどういう所見をお持ちですか。そのあたりをお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 最初から知事さんは選挙公約に挙げて選挙をなすったと私記憶しておりますから、選挙公約であるものを声高におっしゃることは、私はそれはそれとしていいと思います。ただ、それを実行する段に当たっての手法ですね、それが私は問題だと思うんですね。
 今局長が申しましたように、一昨年ですけれども、与党三党でダムを中止いたしました。そのときにも、百八十七の事業を見直したわけですけれども、見直すについても三カ月かけて、たしか九、十、十一、十二にもかかりましたけれども、九月から、全国で三百の箇所におきまして三百回、事業評価監視委員会に差し戻しました。それは何を差し戻したかというと、ダムをつくるときには事業評価監視委員会の議を経て工事の事業にかかるものですから、同じ手法で事業監視委員会に、これを中止しますけれども御検討くださいといって、全国で三百回の監視委員会の議を経て、そして中止に至ったわけですね。
 ですから、私は、できれば田中知事も、公約として脱ダム宣言をおっしゃるのであれば、長野県の事業評価監視委員会にお諮りになるなり。
 長野県の岡谷市の市長さんあるいは下諏訪の皆さん方が私のところへ直接陳情にいらしています。それは何かというと、岡谷市も下諏訪も、地下水で飲料水をとっていらっしゃるんだそうでございます。ところが、その飲料水を検査してもらったら、岡谷市の水道の七六%地下水に頼っているものが、検査の結果、発がん性物質だと言われておりますクロロエチレンが検出された。そのために、県民、市民、村民の健康に被害があってはならないので、できればダムをつくってきれいな水を飲料水にするようにぜひお願いしたいと、知事さんが脱ダム宣言をされても、岡谷市長あるいは下諏訪町の町長さん以下皆さんがそういうふうに陳情にも来られているわけですね。
 ですから、私は、できればそういう人たち、川下の皆さんあるいは岡谷市の流域の皆さん方の声もどう生かしていくか、どの方法がいいかということを、一昨年の三百回の評価委員会にかけたのと同じような手法をとっていただくのが、むしろ国民あるいは県民、市民の生命財産を守るという意味でも大事なことではないかと思っております。
 また、一昨日の六号台風だけによりましても、この台風のために全国の七十二のダムの放水を検討したというのが現実でございます。
 ですから、生命財産を守るということに私たちは最大の眼目を置いておりますので、私は、そういう手法、手続の徹底と、論議をするということが基本的に一番大事なことであると認識し、その手法をおとりになることを切望しています。
一川委員 これで質問を終わりますけれども、ただ、今大臣のお考えの中で、ちょっと私が自分なりに思いますのは、知事のおっしゃっている中のポイントは、コンクリートダムをやめたいと。
 私は、水をためる工法というのは幾つかあると思うんですけれども、それはロックフィルダムもあればアースダムもあれば、いろいろなやり方があります。先ほど局長が答弁された、あの六十カ所ぐらいの生活用のダムというか、ため池みたいなものはほとんどアースダムみたいなものだと思いますけれども。
 だから、現地にある材料を使って築造しながら水をためていくという、割とその地域にマッチしたようなやり方もあるでしょうし、今おっしゃったように、いろいろな工法というか手法を検討して生命財産をしっかりと守っていくということを考えるという面では、私は、この宣言というのはいろいろな面でインパクトを与えている一つの問題提起だなというふうにも思いますので、当然我々も勉強させていただきますけれども、これからの委員会で、また機会があれば質問させていただきたい、そのように思います。
 ありがとうございました。
久保委員長 瀬古由起子さん。
瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
 私は、大きく二点について御質問したいと思います。一点目は、道路四公団の民営化推進委員会の人事問題でございます。
 道路四公団民営化推進委員会の人事問題をめぐって、道路族と言われる人々の暗躍が世間の耳目を集めました。他方、このいわゆる第三者機関に対抗するかのように、自民党の道路調査会と国土交通部会は、道路調査会の内部に、高速道路のあり方に関する検討委員会の設置を決められたそうです。
 私たち日本共産党は、むだな公共事業は削減すべきという立場から、必要のない高速道路はこれ以上建設するべきでないと主張してまいりました。しかし、この委員人選をめぐる動きを見ましても、政府と自民党で、括弧つき対立と私も言いたいんですけれども、対立する二つの組織ができること、そのことが今までの道路建設を利権の対象としてきた自民党政治の実体をあらわすものではないかということを思うわけでございます。
 そこで、扇大臣に質問しますが、道路四公団の新組織のあり方、採算性の確保について審議する機関が政府と自民党で二つも設置されたということについての見解をまずお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 今せっかくの瀬古議員の御質問でございますけれども、第三者委員会の人選に関しては、午前もここで論議がありまして、私の見解は既に申し上げております。
 自由民主党の中で委員会ができたこと、また、御存じのとおり、民主党の中にも検討をしていただいている委員会がございます、私は、あらゆるところでこういうことが俎上に上って、国民の関心を呼び、なおかつそれぞれの意見を出してくだすって、あらゆる意見を最後に統合して、国土交通省としてどう判断するかということが、我々にとってはたくさん意見があればあるほど最終的にはいいものができる、いい意見を集約できるというふうに考えておりますので、大歓迎でございます。
瀬古委員 マスコミの報道などを見ましても、そして実態を見ましても、なぜこういうものが自民党内につくられたのかということは、自民党の道路族の意向をどうやって反映するか、利権をどう確保するかというためにつくられたということは明確だと思うんですね。そういう点では、つくるのは大賛成というのは、まあそれは扇大臣の一つの御見識かもしれませんけれども、私は、その背景をしっかりと見詰めていただく必要があるというように思います。
 そこでお聞きしたいんですけれども、多くの審議会や第三者機関が、実質的には官僚によって筋書きが書かれるということが一般的に指摘をされております。今回の道路関係四公団民営化推進委員会も私はその例外ではないと思うんですけれども、推進委員会の事務局の体制は一体どうなっているんでしょうか。事務局の出身官庁の構成はどうなっておりますでしょうか。
坂野政府参考人 現在、事務局は二十八名の体制をとっておりまして、職員の出身省庁などの内訳は、国土交通省十六名、総務省七名、財務省二名、日本道路公団一名、民間企業が二名ということになっております。
瀬古委員 大臣は、午前中の審議会の人事については言いたかったけれども言わなかったという話もされておりましたけれども、この人事、事務局の体制を見てみますと六割が、二十八人中十六人が国土交通省の職員で、道路公団職員も一名入っています。そうしますと、大体国土交通省の意向が十分反映できる事務局の体制になっている、ある意味では、はっきり物を言わなくてもちゃんとそういう体制をつくられているという点で、私は大変問題だと思います。
 そうしますと、こういう事務局の体制、官僚主導でやられるということになりますと、現行の高速道路の整備計画の完全実施を求めている国土交通省や自民党の道路族の意向を反映しようとする事務局体制になっていくのではないかと思うわけですけれども、その点、いかがでしょうか。
扇国務大臣 せっかくの、瀬古議員らしくない御発言だと私思うのですね。それはなぜかといいますと、そうおっしゃるのであれば、瀬古議員の共産党の中にも検討委員会をつくっていただいて、ただ反対ではなくて、いい意見もぜひ出していただいて、ああ、これはなるほど、瀬古議員が御提案になったことは私たちも取り入れたいと思う政策提言をしていただくと私はありがたいと思うのが一点と、もう一つ、国土交通省は完全実施したいから、その方向に持っていくというのは、私は異議があります。なぜか。それは、私は国土交通省としてすべての政策を見直すということを努力していますし、完全にできなくてもそれに近いことを、予算に関しても政策に関してもいたしております。
 また、事実、国土交通省の中にも社会資本整備審議会の道路分科会というのがございまして――審議会、必ずしもよくないと私は言っていますよ。今瀬古議員がおっしゃったように、審議会は、役人の書いた文章を審議会に通して、審議会でオーソライズしてもらうだけではないかというのを絶えず言っていますから、局長で耳がたこになって困っているのもいますけれども、それくらい私は審議会を見直しなさいと。
 なぜそれを言っているかといいますと、樽床議員と午前中話し合ったのですけれども、旧建設省の審議会、旧運輸省の審議会と、審議会がごまんとあるわけですね。それで、私が審議会はいけないと言ったら、旧の審議会のままの数を今度は分科会と名前を変えて持ってきたのです。それは私はおかしいのではないかと。瀬古議員と一致しているのは、その審議会が余りにも役所の言いなりの、オーソライズするだけの――でも、法律もいけないのですよ。法案を審議するときに審議会の議を経てと書いてあるから、審議会をつくらざるを得ない。これも問題です。
 私は、そのように、国土交通省、四省統合して、審議会も旧の縦割りのままの数の審議会があるのはおかしい、当然国土交通省として、新しい審議会のあり方なり分科会のあり方をすべきだということを言っておりますので、私は、国土交通省は今まで決めたことはてこでも変えないという姿勢は、今おっしゃいましたけれども、それは違うということだけはぜひ御認識賜りたいと存じます。
瀬古委員 大臣がそれほど審議会の改革に御熱意をお持ちなら、少なくともこういう事務局の体制だって、その事務局でいえば、今までは高速道路をどうやってつくるかということで進めてきた側ですから遠慮して、ある意味では、もっと第三者的に物が言える人を事務局にだって入れるぐらいの改革があってしかるべきだと私は思うんですよ。そういう点では、今まで進めてきたメンバー、事務局体制もがっちりと、それも、今私が言いましたように二十八人中十六人でしょう。こういう占め方というのは、私はいかがなものかというふうに思います。(扇国務大臣「委員長」と呼ぶ)結構です、それは私の見解ですから。
 そこで、自民党の道路族議員と言われている、建設会社の多額の献金の問題、その見返りに道路建設事業など公共事業を発注するという、宗男型政治と言われますけれども、こういう構造を壊さない限り、むだな道路建設事業は続くと私は思うのです。
 そこで、御質問したいと思うのですが、道路族議員と言われている江藤隆美衆議院議員、自民党の道路調査会の最高顧問、古賀誠衆議院議員は自民党の道路調査会の会長、また、青木幹雄参議院議員は自民党の参議院の幹事長、この三氏が選挙区であります宮崎、福岡、島根県で国の直轄道路事業を受注した企業からの政治献金、過去五年間にさかのぼって調べてみましたら、江藤氏が六千八十一万円、古賀氏が千百八十四万円、青木氏が二千七百九十八万円を受け取っていたことは、これは実は四月十日の衆議院の内閣委員会で同僚の吉井英勝議員が質問で明らかにしているところでございます。皆さんのお手元にお配りした中につけてございます。
 この三氏に政治献金をやった企業が、国の直轄の道路事業のみならず、さらに道路公団からの工事を受注している。そして、道路公団から受注したその工事、どれだけになっているのか。私は一九九七年から二〇〇一年の過去五年間分を調べてみました。びっくりいたしました。それは、皆さんのお手元にお配りしたとおりですけれども、江藤氏に政治献金した企業は道路公団から過去五年で二百四十一億三千五百三十万円、古賀氏に政治献金した企業が百七十億八千六百六十五万円、青木氏に政治献金した企業が百二十億六千九百七十五万円の事業をそれぞれ受注しているということになっています。
 道路族の幹部が地元に道路建設を引っ張ってくる、そして、受注した企業から政治献金を受け取る、こうした税金の還流が、今国民から猛烈な批判を浴びているんじゃないですか。自民党の中に一つの組織がつくられたという問題も、単に大いに議論してくださいという内容じゃないんですよ。こういう幹部がみんな、国や道路公団が発注した公共事業をしっかりもらって、そしてそこからがっぽりと企業献金をもらっている、こういう仕組みはもう変えなきゃならないと思うんですよね。
 小泉首相は、公共事業の受注企業からの政治献金は規制強化すると発言されています。扇大臣はこういう実態をどのようにお思いでしょうか。これをただすべきだと思いませんか。いかがでしょう。
扇国務大臣 先ほどの第三者機関の話も全部同じ道路公団等々の話ですけれども、国土交通省の事務局員が多いというのも、これは事務局員であって、委員ではないです。瀬古議員のお話を聞いていますと、第三者機関の委員の割合まで国土交通省が多いように聞こえますので、その辺は、職員と第三者機関の委員との選別は、ぜひ明快にしておいていただきたいというのだけは、ちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、総理がおっしゃいました、公共事業の受注企業からの献金をなるべくやめたいという御発言は、私が申し上げたことから発しておりますので、これは、総理がおっしゃったことも、国土交通担当大臣として私が総理に申し上げた中の一つのことでございますので、国土交通省の初代の責任者として私がこのポストに座っておりますのも、こういうことがないようにということで、私が選ばれた理由の一つもそこにあるのではないかと思っておりますので、現にそういうことは見直すべきであるということも申し上げてあります。
 私は何よりも、総理から四公団の統合という宿題を出されましたときに、道路公団に対しましても、道路公団の関連企業、子、孫、その企業がどれくらい道路公団の工事を受注しどれくらいの利益を上げているか全部表を出してもらって、そしてそれを厳に慎むべきであるということを申し上げたのも瀬古議員は御存じであろうと思います。そのために、今回は初めて、例えば道路公団一つとってみても、子会社、孫会社が何社あって、どれだけの利益を上げているか、また道路公団の独自の事業を何%受注しているか、それも全部資料を提出させていただいたのも、私が申し上げて資料を公開、国民の目にさらしたということも、我々はみずからそれを正そうという姿勢であるということを御理解いただきたい。
 個々の献金については、私は、それは今初めて見る表でございますし、建設業一つとってみても全国五十万業者、六十万業者と言われる業者がありますから、個々の献金は皆さんにこういうふうに見せていただくまで存じませんけれども、必ずしもこれが好ましいことでないということだけは確か、よりこれを国民の目に明らかにすると。全部がいけないというのではなくて、政治を支援するという意味で、法に照らして正しい、なおかつ国民の前に、ここからこれだけもらっています、こういうのがきちんと公表されるということが抑制の一つにもなるであろうと私は思っております。
    〔委員長退席、実川委員長代理着席〕
瀬古委員 単に公表されるだけではだめなんですね。やはり、一切もらわないと……。公共事業はあくまでも国民の税金ですよ。こういうところから献金を受け取らないということをはっきりさせるべきだと思うんですね。そういう意味では、ぜひ、その担当大臣である国土交通大臣が、公開だけでなくて、実質的な企業献金を禁止するという、その先頭に立つべきだと私は思うんですけれども、もう一度伺います。
扇国務大臣 私は、すべて国会議員としての活動がどうあるべきか。基本的に、きょうこの委員会にいらっしゃる皆さん方も、それぞれの政治活動をし、それぞれの地域活動をしていらっしゃるのに、それぞれの金額の差はあろうと思います。あるいは瀬古議員のように、共産党は、全部党で出してくださるところは個々に集める必要もないでしょうし、あるいは党によっては、個々で、自分の選挙を自分のお金を集めて自分でやっているという方もあろうと思いますから、私は、瀬古議員がおっしゃるように、すべからく禁止をすればいいということだけではなくて、やはり党ですべて面倒を見てくださるようなところにあるのが一番お楽ではないかと思いますから、そういうのは一部ではうらやましいなという気がしないではありません。
 ただ、今申し上げましたように、国民に疑義を持たれるようなことだけはやはり国会議員としてはふさわしくない。その辺は節度を持ってするべきでありますし、政治資金規正法にきちんと届け出ていれば、これは違法とは私の口からは言えないというのは御存じのとおりでございます。
 私は、選挙法というものを共産党さんなり皆さんが御審議いただいて、みんなが公平でみんなが平等な選挙のやり方をするということになればそういうことも必要なくなるのではないかと思いますから、政治資金規正法できちんと登録してありますものまで不正であるとは言えないということだけは申し上げておきます。
瀬古委員 扇大臣は、鈴木宗男氏がなぜ逮捕されたかという、その本質をわかっていらっしゃらないと思うんですよ。彼は届け出たけれども、それにわいろ性があるということで逮捕されたわけですよ。
 そういう点では、届け出ていればいいのかというと、私が今言ったように、きちっと届け出てある献金そのものだって、それが実際には受注した企業としっかり結びついている、ここを問題にしているわけで、公共事業を受注している企業から献金をもらう、たとえ届け出があったって問題だということを言っているんです。とんでもないと。そういうところにメスをきちっと入れなきゃならないですよ。
 私たち日本共産党は、国民が一人一人個人の献金によってそれを支えて、私たち自身は活動しています。そういう面では、今扇大臣が言われたように、届け出さえしていればいいなんというのは、今の問題点を全く理解なさっていないというように思います。
 時間がありませんので、次に参ります。
 次は、住宅の賃貸借契約をめぐるトラブルの問題についてなんですが、最近、賃貸住宅の賃貸借契約をめぐって、さまざまなトラブルが発生しております。国民生活センターの消費生活相談の件数を見ましても、賃貸アパート・マンションの相談件数は、サラ金などと並んで三、四位の高位を続けております。宅地建物取引業法に基づく免許取り消しなどの監督処分が年間三百件から四百件あることを見ましても、悪質業者が横行していることを示しております。そのトラブルの防止策について質問いたします。
 賃貸住宅の賃貸借契約をめぐって、さまざまなトラブルを防止するためには、不当不法な賃貸借契約書を一掃することが重要だと私は思っています。平成五年、一九九三年三月に、当時の建設省は、標準契約書を作成して、建設省建設経済局長、住宅局長連名で、都道府県知事にあてて通達を出しました。そして、その普及と周知徹底を行いました。また、パンフレットを作成したり、業界団体にも要請したと言われていますけれども、標準契約書どおりの契約が行われていればトラブルが多発することがないと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
三沢政府参考人 賃貸借をめぐる契約関係の中には、必ずしも内容が明確でないとか、あるいは合理性からいってどうかというものもあるのは事実でございます。このことが賃貸借関係の不安定化を招く要因の一つであるということから、民間の賃貸借の実態あるいは諸法令、判例等を踏まえまして、いろいろな方々の御意見を聞いた上で、賃貸住宅標準契約書を作成したものでございます。
 この標準契約書の性格でございますけれども、契約自由の原則に配慮しつつ、賃貸借契約書の標準的なひな形として関係者に広くお使いいただくという趣旨のものでございます。こういう趣旨から、平成五年には、当時の建設省の建設経済局長、住宅局長の連名で通達をいたしまして、さらにそれを、パンフレットの配布とか講習会の開催、ホームページでの紹介といったいろいろな広報活動を通じまして、普及に努めてまいりました。やはり、こういう標準契約書が広く使われるということが賃貸借契約の事前のトラブルの防止につながるというふうに認識しております。
瀬古委員 実際に、本当にトラブルが続出しているんです。全国借地借家人組合から不法不当な賃貸借契約の事例が国土交通省にも多分示されていると思います。
 例えば、札幌の事例なんですけれども、建物賃貸借契約書の契約事項で、期間内解約違約金というのがありまして、実際には、乙は頭書の契約期間の満了前に本契約の乙からの中途解約または契約違反による甲からの解除が行われた場合は、頭書に表示された違約金を甲に支払わなければなりません、なお、この違約金は乙の甲に対する敷金返還請求と相当額において相殺することができる、このようになっているわけです。
 契約期間内であっても、転宅しなきゃならない事情というのは発生いたします。その際、違約金の徴収というものは、標準契約書からいいますと外れておりますね。こういう場合は明らかに不当な契約ではないかと思われるんですが、その点、いかがでしょうか。
    〔実川委員長代理退席、委員長着席〕
三沢政府参考人 ただいまの、契約期間内における解約に伴う違約金につきましては、標準契約書では、貸し主にとって入居者募集に必要な期間と、一方、借り主にとっても転勤等に必要な期間の実態というのを勘案しまして、三十日分の賃料というふうにしておるところでございます。
 ただ、これは、先ほども申し上げましたように、あくまで民事関係における標準的なひな形をお示ししたということでございますので、契約そのものは、民法上、任意規定でございますので、この標準契約書と違う定めをしたからといって、そのことが直ちに不当であるとか無効であるということにはならないわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、やはり事前のトラブル防止という観点から標準契約書を作成したという経緯からいいますと、これをできるだけ広くお使いいただくように私どもも周知徹底をさらに図っていきたいというふうに考えております。
瀬古委員 退去時の問題なんですけれども、原状回復に関する規定について、これも居住者に不当な負担を負わせることが大変多いのです。平成十年三月に建設省及び財団法人の不動産適正取引推進機構がまとめました「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に照らしても、不当不法な契約が多くなっています。
 そこで、神奈川県の例なんですけれども、宅建協会のモデル契約書がかなり広範に利用されているわけなんです。神奈川県の相模原市のものでありますけれども、この契約書の九条を見ますと、基本的構造部分以外、例えば化粧壁だとか流し台、ふろ場、洗面所まで、すべて居住者に負担させるようになっている。ガイドラインなどから見ましても、また皆さんが出したこういうものから見ましても、自然損耗は取らないという原則があります。国土交通省の標準契約書から見ても、化粧壁、流し台、ふろ場、洗面所まで負担をさせるなどということは、これは私は問題だと思うのです。しかも、契約書が、神奈川県宅建協会ということで、統一的に作成したモデル契約書になっている。
 こういう事例を見ても、全国宅建取引業協会など業界にきちんと標準契約書とガイドラインを周知徹底させる。もし業界がこの標準契約書を知らないとなれば大変ですし、知っていてこんなモデル契約書をつくったとしたら大問題なんですね。少なくとも、神奈川県の協会も含めて、きちんと指導、周知徹底すべきじゃないかと思うのですが、その点、いかがでしょうか。
三沢政府参考人 先ほど申し上げましたように、標準契約書は、標準的なひな形として一つの考え方をお示ししたものでございます。
 ただ、例えば今の修繕に関する規定というのはいわゆる任意規定でございまして、当事者間でこれと違う特約を定めるということは当然可能でございます。ただ、それが例えば標準契約書で定めている内容と著しく異なってきますと、これが結果として借家人に不利になってくるということも否めないわけでございます。
 そういう意味からいたしますと、私ども、標準契約書をせっかく定めたということからいたしますと、やはり業界団体あるいは地方公共団体にもこれを広く周知徹底いたしまして活用いただくということをさらに努力してまいりたいというふうに考えております。
瀬古委員 少なくとも自然損耗については取らない、こういう原則は当然守られるべきだと思うのですが、その点、いかがですか。
三沢政府参考人 原状回復の問題については、先生御承知のとおり、非常にトラブルが急増してきたということがございまして、そういうトラブルを防止するという観点から、平成十年に原状回復のガイドラインというものを取りまとめさせていただいたわけでございます。その際、裁判の実例とか取引の実務を十分考慮した上でこういうガイドラインを作成しているということでございますので、これについて、関係都道府県あるいは業界団体にさらに周知徹底を図りまして、普及啓発に努めてまいりたいと思っております。(瀬古委員「自然損耗」と呼ぶ)ですから、ガイドラインの中では、自然損耗について考え方はもう示されているわけでございますので、そのガイドラインの考え方の普及を図っていきたいということでございます。
瀬古委員 ぜひ腰を引かずに御指導いただきたいと思います。
 そこで、公共賃貸住宅の契約書。退去の際に不当に居住者に負担を求めているものがございます。
 私、きょうは、大阪府住宅供給公社の事例、そして大阪の市営住宅の事例を持ってきたのですが、住宅供給公社などは、壁塗装などは公社と退去者が折半で出すというふうになっているんですね。ところが、旧建設省が出している標準契約書では壁などは出さなくていいということになっているんですね。
 公営住宅の場合は公営住宅法というのがございまして、何を負担しなきゃならないのかというふうにちゃんとなっていて、公営住宅の家屋の壁とか基礎とか土台とか、基本的な部分はみんな事業主体が出さなきゃならないとなっているんです。実際には公営住宅でも、大阪市の市営住宅の入居者の負担を見てみますと、壁とかそういうものも入っちゃっているんですね。これは一体、公営住宅法の関係でどうなのか。
 少なくとも、一般的に自然損耗と言われるものは、公的な住宅、公営住宅や住宅供給公社や公団、こういうものについてはきちんと公営住宅法を守るなり、一定のガイドライン的なものを基準にして考えるということをやるべきだと思うのですね。その点、私は、公的な住宅については大変問題があるというふうに思っています。その点はどういうふうに考えていらっしゃるかということと、こういう公的な住宅などについても、一体どういうふうな実態になっているのかということも含めて、今後ぜひ調査していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
三沢政府参考人 公営住宅につきましては、公営住宅法の二十一条で、一定の修繕につきましては事業主体が修繕義務を有するということになっておりますけれども、例えば自然損耗に伴う畳の表がえだとかふすまの張りかえ等々の費用負担については二十一条の規定の範囲外でございまして、これは個々の事業主体である公共団体が条例でその取り扱いを定めているということでございます。
 それで、先ほどのガイドラインの考え方が公営住宅に妥当するかどうかということは、もともとガイドラインの考え方は、そういう自然損耗的なものは既に家賃の中で取っているじゃないかということからそういう考え方をとっているわけでございますけれども、公営住宅については、もう御承知のとおり、政策的に家賃を抑えているわけでございます。したがいまして、ガイドラインの考え方は直ちに公営住宅に妥当するという性格のものではないというふうに認識しております。
 ただ、個々の取り扱いに当たりまして、こういうガイドラインの考え方があるということも公共団体の方で参考にしていただきたいということから、私ども、そういう公共団体が見直しを行う際には、こういうガイドラインもありますよということをお示しして、一つの参考として見ていただくというようにしているところでございます。(瀬古委員「調査をしてほしい、実態調査を」と呼ぶ)
 今後、いずれにいたしましても、それぞれの扱いについては公共団体が地域の実情を勘案して判断するということではございますけれども、実態につきましては私ども把握するように努力していきたいというふうに考えております。
瀬古委員 以上、終わります。ありがとうございました。
久保委員長 原陽子さん。
原委員 社会民主党の原陽子です。きょう最後の質疑なので、よろしくお願いいたします。
 きょうは、空港問題について幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、ワールドカップに合わせて四月から使用された成田空港の暫定滑走路のことについてなんですが、暫定滑走路の南側にはまだ五軒の反対派の農民の方々が残っておりまして、こうした方々が暫定滑走路の廃止を求めておられます。
 ここで、まず最初に、突然で大変申しわけないですが、政務官の方にお聞きをしたいのですが、そうした暫定滑走路の廃止を求めている声があることを御存じかどうか、その声が耳に入っているかどうかだけで結構なので、まずお答えをいただきたいと思います。
高木大臣政務官 結論だけ申し上げますと、そういう声は聞いております。
 ただ、四月十八日に暫定平行滑走路が開通をいたしまして、昭和五十三年の開港以来、ようやくこの滑走路ができたということで、反対の声もあるのは確かなんですけれども、逆に地元からも、二千五百メートルの平行滑走路を早急に整備してもらいたい、そういった声もあるというふうにも認識をしております。
原委員 大臣、帰ってきて早々で申しわけないんですが、ちょっと一つ御質問させていただいてよろしいですか。
 今成田空港の暫定滑走路のことについてちょっとお聞きをしているんですけれども、その南側に反対派の農民の方々がまだ残っていらっしゃって、そうした方々がこの暫定滑走路の廃止を求めているという声があることを、それは大臣の耳にも届いているかどうかということだけ一つ確認をさせていただきたいと思うんですが。暫定滑走路の廃止を求めている声が届いているかどうかということ。
扇国務大臣 原議員はお若いから御存じないと思いますけれども、なぜ暫定と言わなければいけないか。
 成田空港が開港したのが一九七八年です。みんなは成田は日本の国の玄関だと言っています。二十五年たって、国際空港でありながら、その玄関が一本しか滑走路がなくて国際空港に値するか否か。あなたがお生まれになっていたかどうか知りませんけれども、二十五年間一本の滑走路しかなかったということは、国際的には恥ずべきことなんです。
 ですから、私は、原議員が今後日本をしょって立っていただくためには、国際的に日本はどうあるべきかという認識の上に立ってお考えいただきたいと思います。
原委員 そうした反対の声もあるということはもちろん大臣も耳にしたことがあるということをちょっとお聞きしたいんですが。
扇国務大臣 冒頭に申しました。あるから暫定なんです。なければ暫定ではありません。
原委員 はい、済みません。突然第一問目に御質問させていただきまして、済みません。
 それで、成田の暫定滑走路のところの上を、農家の方々の上たった四十メートル上空を飛行機が通過をして、そこの騒音を測定すると百ホンを超えるそうです。しかも、朝の六時から夜の十一時まで離発着が行われているそうです。
 一方、伊丹空港のことをちょっと調べてみましたら、伊丹空港では、伊丹市など十一市と国とが存続協定を結んでいて、平成二年以来、夜の九時以降翌朝七時までは離発着するダイヤを認めていないとなっております。
 ぜひ成田空港でも、もうちょっと時間とかに配慮をしたこのような協定を結ばれてはどうかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
深谷政府参考人 ただいま先生より伊丹空港のケースを挙げられましてお尋ねがございました。
 今取り上げられております成田空港につきましては、昭和五十三年、先ほど大臣も御答弁申し上げましたが、開港は五十三年でございますが、それ以来、離発着は、御案内のように、通常、朝の六時から二十三時までということになっておるわけでございますが、これにつきましては、開港前に、当時の千葉県知事、それから当時の運輸大臣の間で具体的にお約束をしてそういうことになったということと、さらに平成六年、いわゆる円卓会議というのがございまして、この場でいろいろなお話し合いの中で一定の整理、結論が出たわけですが、その際に地域の方々と十分議論させていただいた上で、国として改めてその点につきましてお約束をしております。
 したがいまして、先生御指摘ではございますけれども、地元との合意ということにつきましては今の二点で既にされておるというふうに私どもは理解しております。
原委員 次に、環境省の方に来ていただいているので、ちょっと環境の面から、こうした状況はどうなのかということをお聞きしたいんです。
 まず、頭上四十メートルを通過するというのがどんな状況かわからないというふうに事前に環境省に言われたので、たしかファクスで写真を送らせていただいたと思っています。私も、皆さんにぜひイメージとして見ていただきたいのが、これは毎日新聞に載っていた写真なんですが、これは神社の写真で、これが鳥居で、このすぐ上、これが頭上四十メートルを飛行機が飛んでいるという状態だと思います。それで、騒音も百ホンを超えている。
 こうした状況というのを、環境の面から見て、人が住める状態なのかどうかという点と、環境省としてこの成田空港周辺の大気と騒音の問題をどのように認識しているかということを御説明ください。
西尾政府参考人 航空機騒音の評価でございますけれども、その評価の厳密な方法というのはWECPNLという方法がございまして、連続の測定をいたしまして、等価加重平均をしていく、そういう方式によりますので、そういう面では、今御指摘のところにつきまして直ちに正確な評価を行えませんが、幾つかの材料から推察いたしますに、御指摘の地点での騒音は極めて高いレベルと推測されるわけでございます。
 御指摘のような、騒音によりまして生活環境が著しく害される住宅に対しては、そういう意向があれば、公団等におきまして可能な限りの騒音対策に取り組むお考えというふうに承知をしております。
 それから、成田空港周辺全体のお話でございますが、大気環境につきましては、平成十二年に新東京国際空港公団が測定した結果によれば、おおむね環境基準を達成していると思っております。
 それから二番目に、その成田空港周辺の航空機の騒音の方でございますが、これは千葉県が取りまとめました平成十二年度の航空機騒音測定結果によりますと、多数の地点で環境基準を超えている状況にあります。
 航空機騒音の方が、そういうことで環境基準を超えている地点がたくさんあるわけでございますが、音源対策を行いましても騒音の低減が困難な地域については、一定以上の大きな騒音レベルの区域を指定して、障害防止のための住宅防音工事などの騒音対策を行い、できる限り生活環境を維持するということとされているわけでございます。
 ただ、この御指摘の暫定滑走路供用後の状況につきましては、これは四月に供用が開始されたところでございますので、これは平成十四年度の騒音測定結果というものを取りまとめていくという中で評価していく必要がございますので、今後注意深く見守ってまいりたいというふうに考えております。
原委員 それで、この騒音については、測定の表を事前に環境省にいただいたんですが、このいただいた資料の最後を見ますと、騒音に関しては達成率が三一・五%なんですよね。私、これはちょっと低いと思うんですが、環境省としてこの達成率三一・五%というのはどのような認識を持っておられるでしょうか。
西尾政府参考人 航空機騒音の環境基準の達成率を上げるということにつきましては、これは空港運用サイドにおきましていろいろな工夫により音源対策を行っていただきますが、それでもやはり立地条件その他におきまして困難な地域がどうしても生じます。したがいまして、そういう困難な地域におきましては、先ほども申し上げましたけれども、防音工事などの対策を行うということで、できる限り生活環境を保全する、こういう対策を講ずべきものというふうに考えております。
原委員 それで、昭和四十六年に環境庁長官から運輸省に、「環境保全上緊急を要する航空機騒音対策について」という勧告が出されていまして、その中で、航空機騒音による生活環境上の被害をできるだけ軽減することなどが挙げられています。その方法として、「航空機の発着に関する規制を強化すること」というようなことがこの勧告の中で書かれています。
 ぜひこの成田の暫定滑走路周辺についても、こうした点について国土交通省として検討をすべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
扇国務大臣 それは、冒頭に申し上げたように、そういう考え方が一番いい考え方だというのはわかっております。
 けれども、それをしていれば、原議員も世界地図をごらんになっておわかりのように、世界へ出ますと、世界地図の中の日本は、一番右の端の、見えないようなところが日本です。欧米先進国は真ん中にあります。その地域から飛行機が飛び立ったら日本まで何時間かかるかということを考えますと、なるべく騒音がないときに離発着するのは理想です。けれども、日本の地理的環境から見ますと、それらの国から一番いい時間に飛び立ったら、日本に着くのは夜遅くなることもあり得るわけですね。それも閉ざしてしまうと言えば、日本は世界的におくれていくというのは当然のことです。
 しかも、我々は今、産業の空洞化、経済の空洞化、あるいは観光というものの減少、すべてにそれが災いをして、門戸を閉ざすことによって世界の皆さん方に日本に来ないでくださいと言っているのと同じことになるのでは、日本は立ち行きません。韓国、中国等々、アジアの飛行場というものはなぜあれだけ拡大し、短期間に何本もの滑走路をつくり、しかも日本の三分の一の着陸料で開港しているかというのは、世界と競争するためにやっているんです。
 ですから、その辺のところを、将来のある原議員ですから、世界の中の日本という観点に立って、多くの皆さん方の一番の理想に近いものに近づけられれば、私たちもそうしたいです。何も反対の皆さん方の頭上を飛んでまで飛行機は飛ばしたくないですけれども、日本全体のことを考えれば、どうあるべきかという基本的なことをぜひ御論議いただきたいと思います。
原委員 ただ、こうした勧告も出されているということも、一方では今後の検討課題としていただきたいと思います。
 成田の空港問題について、私も長く国会にいたわけでもないですし、どんな歴史があったかということも正直わからないんですが、国会の中でどのような議論がされているのかなと思ってちょっと議事録を調べてみたところ、本当に最新のものを幾つか見てみたんですが、各方の質問の中でもいろいろなことを気にしながら、でもなかなか真正面からとらえているというような議論がなされていないなというふうに私は思っています。
 いろいろなことがありながらも、今でもやはりそうした騒音の中で生活している方々がいるということにやはり目を背けてはいけないと思いますし、そういうことについて、やはり国としてしっかりと国会の場所で今後議論をしていく必要があるのではないかとも思っていますし、そうした方々からの意見を聞くというような機会も必要であればぜひ設けていっていただきたいなというふうに思っております。
 次に、同じく空港で、今度は静岡空港のことについて少し質問をさせていただきたいと思います。
 静岡空港のことなんですが、まず一番最初に、第八次空港整備五カ年計画の策定に向けて、空港整備を大都市に重点化して、十一の地方空港事業の新規着手の抑制をする方針を示されましたが、まずその理由は何であったか、御説明をいただきたいと思います。
深谷政府参考人 御説明を申し上げます。
 国土交通省におきまして、空港整備に関しまして先生御指摘の抑制という方針を示しましたのは、昨年の六月、いわゆる「国土交通省における公共事業改革への取組」というものを省として取りまとめさせていただきましたが、その際に、空港整備につきましては、今後の地方空港の新設について離島を除き抑制という方針を出させていただいておるところでございまして、その御指摘かと思います。
 その理由でございますけれども、現在まで七次にわたりましていわゆる空港整備の五カ年あるいは七カ年計画というものに基づきまして計画的に空港整備というものをやってまいったわけでございます。その結果、最寄りの空港までのアクセス時間、これが二時間以内で到達できる、そういった日本人の人口、これがもう約一億二千万人を超えまして、九七・四%の方々はそういう域内にいらっしゃるというふうな状況等を踏まえまして、現在なお建設中の新しい空港もございますけれども、こういうものも加えれば、地方空港の配置につきましてはおおむね概成してきているのではないかというふうな考え方に基づいたということでございます。
原委員 ありがとうございます。
 次に、用地取得の状況でちょっとお話を聞きたいんです。
 ここに、建設に当たって静岡県知事から運輸省の航空局長に出された「確約書」がありまして、この内容を読むと、「現時点において同意を得るには至っておりません。」と、この中で静岡県知事は堂々と用地が取得できないということを書いてあって、「しかしながら、」で続くんですが、「しかしながら、設置許可が得られることにより話し合いの進展が期待されるものであり、」また「同意取得が可能となるものと確信しております。」と書いてあります。
 本来は、同意をとれたから空港設置の許可を出してほしいというふうにすべきところを、設置許可を得ることができれば同意もとれるので、申請を許可してほしいというような内容にこの確約書はなっております。
 航空法の三十九条を見ますと、「飛行場にあつては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること。」ということなので、つまり、用地取得が確実にできるということが前提じゃないといけないんじゃないかなと思うんですが、この辺の、航空法と知事が出したこの「確約書」との整合性というものはどのように認識されていますでしょうか。
深谷政府参考人 先生御指摘の航空法の規定でございますけれども、空港を新たに設置する場合、設置許可の申請というのが航空法上提出をされまして、国土交通大臣の許可を受けるということになってございます。
 先生御指摘の同法の三十九条におきまして、五点ほどの審査事項がございまして、その中の一つとして、先ほど先生の方からの御指摘のような文言が規定されております。ただし、これは私どもの理解といたしましては、設置許可の段階でその申請者がすべての用地を取得しているということは必ずしも必要であるというふうには考えておりません。
 静岡空港の設置許可、ここに当たりましては、当時、空港用地の大部分についての同意が既に取得されていたという状況でございまして、その中で、静岡県の知事より先ほどのような確約書が提出されたというふうなことなどを総合的に判断いたしまして、飛行場の敷地の使用のいわゆる権原を確実に取得できるであろうということを当時認定したということでございます。
原委員 ほとんどの用地がということをおっしゃっていましたが、これもちょっと見にくかったらごめんなさい、見ていただきたいんですけれども。この色がついているところがまだ取得できていない用地なんですよね。しかも、ここに滑走路が通るんですけれども、この滑走路のど真ん中のところがまだ用地取得できていない、こんな状況にあるんですよ。
 この地権者の方々にお話を聞くと、用地取得のめどは立っていないということをはっきりと土地を持っている方がおっしゃっているわけであって、全部の用地が取得できるめどが立っていないところにこうした許可を出してしまった責任というものは私は重いんじゃないかなと思うんですが、もう一度、そこのところのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
深谷政府参考人 先生、ただいま地図で御指摘をいただきましたけれども、私ども、県当局の方から伺っておりますのは、ことしの七月一日現在で、空港敷地の取得状況は、権原の取得が確実な国公有地を除きましては九七・六%に達しているというふうに聞いております。なお、残ります未取得用地につきましても、設置管理者でございます静岡県の方で、その取得に向けて努力を行っていただいていると承知をしておりまして、今後とも、静岡県が用地の取得に向けてあらゆる努力をしていただけるものというふうに理解しております。
 先生御指摘の、設置許可の際におきましては、先ほど申し上げましたような点を全体的に、総合的に勘案して、用地を確実に取得することができるというふうに認めたということでございます。
原委員 今の答弁の中で、静岡県が静岡県がということを何度もおっしゃっておりましたが、でも、許可を出したのは、これは国土交通大臣が審査をしなければならないということは、やはり国の責任で設置の許可を出しているわけですから、その辺はもうちょっと重く、静岡県ばかりのせいにしないで、国が許可をしたという責任をもうちょっと重く受けとめていただきたいと思います。
 もう一つ、需要予測についてお聞きをしたいんですが、需要予測について、国土交通省が平成三年に設置許可をしたときの予測は百八十万人とされていますが、その九年後の平成十二年には百六十万人と、この静岡空港は下方修正されているんですよね。現段階では、静岡県からどのような需要予測の数を国土交通省として聞いていますでしょうか。
深谷政府参考人 静岡県におかれましては、設置管理者として需要予測を行っていらっしゃるわけでございますが、静岡空港の事業につきましては、平成六年度に新規事業採択されております。
 その際に、静岡県におかれまして、開港時点で百七十八万人の国内航空需要があるだろうというふうに見込んでおられました。新千歳五十二万人、福岡三十八万人、那覇二十六万人、鹿児島二十三万人、その他三路線で三十九万人というふうな内訳の積算をされておるというふうに承知しております。
原委員 今どうなっているかということをお聞きしたいのです。平成六年のときには百七十八万人でしたが、平成十二年には百六十万人になっていまして、昨年の十月に私たち、静岡県庁に尋ねたんですが、そのときにも需要予測は百六十万人だというふうに静岡県から説明を受けたんですが、どうですか。
深谷政府参考人 先ほど申し上げましたように、静岡空港の新規事業採択時におきましての需要予測、開港時百七十八万人という数字で需要予測をしたということを公式的には県から聞いておりますが、多分、先生御指摘のものは、平成十二年度に、他方で、百二十一万人から百二十八万人という需要予測を、新幹線新駅の候補地選定に当たって候補地相互間の比較のための参考値として試算をしたという経緯があるというふうな事実は承知しております。
原委員 ただ、今の答弁を聞いているだけでも、この需要予測のずさんさというものがおわかりになるのではないかと思いますので、こうしたいいかげんな需要予測で本当にいいのかというふうにも思いますし、きょう財務省の方にも来ていただいているので、ぜひ財務省としても、お金を出す立場として、こうした需要予測をもうちょっと厳しく見ていただきたいと思いますし、総合的に見てむだだと思うような事業に関しては、思い切って凍結というような判断をなされてもいいのではないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。
津田政府参考人 公共事業の進め方につきましては、近年いろいろな新しい手法が開発されておりまして、もうあちこちで御説明があったかもしれませんが、事業の評価、事前の評価、事業執行中の評価、それから事業が終わった後の評価というのをこれからやろうということで、徐々に導入が始まっております。
 したがって、長年事業が十分に進んでいないような事業につきましては、例えば五年ぐらいたったところ、あるいは十年ぐらいたったところで、もう一回その必要性を改めて検討してみるということが現実にもう行われております。空港についてもそういうプロセスが始まっていると思います。
 したがって、個々の空港について、長く時間がかかっているものについてはそういうプロセスにのってくる、その上で継続なり中断なりといったことが決まってくるんだろうと思います。
 それで、もう一つ、需要予測に関しましてですが、これは財務省として独自の需要予測のツールを持っているわけではありませんけれども、財政を預かっている立場からいいますと、やはりできるだけ慎重に考えたいというスタンスはあります。しかしながら、需要予測をする段階で使える諸元といいますか、資料というのはだれが見ても同じものですから、余りその段階で極端なことを私どもから申し上げるわけにもいかないわけでして、できるだけ慎重に見積もっていただきたいというお願いは今までもしてきたと思っています。
 それで、国土交通省の方で昨年の十二月ですか、航空需要の予測の向上のためのガイドラインをおつくりになりまして、今までよりももっと精度の高い需要予測を目指して今やっておられると思いますので、私どももそういうものを踏まえて、新しく十五年度の要求が出されましたら、また議論をさせていただきたいというふうに考えております。
原委員 ぜひ厳しい目を持って需要予測というものも見ていっていただきたいと思います。
 最後に、これは通告していないんですが、ぜひ大臣にお聞きをしたいことがありますので、よろしくお願いします。
 平成七年に、当時の亀井運輸大臣が「反対運動に関わられた農民の皆様へ」ということで書かれた文章なんですが、ちょっと読ませていただきたいと思います。
 成田空港問題の原因は、当時の羽田空港の混雑状況を理由に、空港容量を早く拡大したいという思いが先行し、地元の方々との話し合いがないまま空港の位置決定を行い、また、空港経過地内、騒音直下となる地域の方々と十分な話し合いができていない状況の中で、単に空港をつくる側だけの理由や事情で土地収用の一連の手続をひたすら進める等一方的な空港づくりにあったと言わざるを得なかった。そのことについて深く反省するとともに、まことに申しわけなく思っているところであります。いろいろ省きますが、今後はあくまでも徹底した話し合いによって空港づくりを行ってまいる決意でございますと亀井運輸大臣が述べられています。
 私は、当時の亀井運輸大臣のこの考え方というのは、空港づくりだけではなくて、やはりすべての公共事業においてこうした考え方というのは大切だし、必要だと思っていますので、ぜひ大臣として、あくまでも徹底した話し合いづくりによってこうした事業を進めていくというさらなる決意をお聞きしたいのと、ぜひ法律の中にこうした住民合意という手続というものを入れていっていただきたいなと思いますので、最後に大臣のお考えをお聞きして、質問を終わらせていただきたいと思います。
扇国務大臣 先ほども原議員に私申し上げたと思います。住民の皆さんあるいは国民の皆さんに一〇〇%御同意いただけるというのは、理想です。できれば反対があればしたくない。しかも、それをむだだと言われれば、なお立つ瀬がありません。
 けれども、日本として、国としてどうあるべきかという基本に立てば、成田もそうです、一坪運動で、地元の地主よりも――一坪運動で反対された国会議員もありました。今でもそうです。日の出町のごみ処理場、あそこでも、基本的には四十数人しかいないのに、地主は千何人います、百五十坪の中に。それとても、反対のための反対に入ってくる人たちも全部了解を得なければ事が進まないといえば、日本沈没です。
 私は、基本的には、一人でも反対しないように、全部合意がとれてするのは理想です。それには時間がかかって、倍も費用が高くなる。コストダウンを図るためにはある程度多数決、これは民主主義なんですから。
 そういう意味で、私は、何をするにしても全部地元の合意が得られて、多くの皆さんがすべて賛成、こんなやりやすいことはありませんし、事業が早く進んでコストダウンにもなります。ですから、それは理想ですけれども、現段階では、一〇〇%合意を得られるということが難しい場所もあるということは、私は今までも言っておりますし、いけないことはいけないとして反省しながら、今後はそれに一歩でも近づくということが政治家として必要だと思っています。
原委員 ありがとうございました。ただ、やはり平成七年に出している亀井運輸大臣のこの考え方というものは忘れてはならないことだと思います。
 これで質問を終わります。
久保委員長 次回は、来る二十四日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十一分散会


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