衆議院

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第6号 平成14年12月4日(水曜日)

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平成十四年十二月四日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長代理理事 栗原 博久君
   理事 菅  義偉君理事 田野瀬良太郎君
   理事 橘 康太郎君 理事 玉置 一弥君
   理事 細川 律夫君 理事 赤羽 一嘉君
   理事 一川 保夫君
      岩倉 博文君    岩崎 忠夫君
      小里 貞利君    倉田 雅年君
      実川 幸夫君    砂田 圭佑君
      高木  毅君    谷田 武彦君
      西田  司君    西野あきら君
      林  幹雄君    原田 義昭君
      菱田 嘉明君    福井  照君
      堀之内久男君    松野 博一君
      松宮  勲君    松本 和那君
      阿久津幸彦君    井上 和雄君
      大谷 信盛君    今田 保典君
      佐藤謙一郎君    津川 祥吾君
      永井 英慈君    伴野  豊君
      平岡 秀夫君    前原 誠司君
      高木 陽介君    山名 靖英君
      土田 龍司君    大幡 基夫君
      瀬古由起子君    原  陽子君
      保坂 展人君
    …………………………………
   国土交通大臣       扇  千景君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   国土交通副大臣      中馬 弘毅君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  小山  裕君
   政府参考人
   (警察庁警備局長)    奥村萬壽雄君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 衞藤 英達君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 河村  博君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   長)           河村 博江君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長
   )            三沢  真君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  松野  仁君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  石川 裕己君
   政府参考人
   (国土交通省自動車交通局
   長)           丸山  博君
   政府参考人
   (国土交通省港湾局長)  金澤  寛君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  洞   駿君
   参考人
   (都市基盤整備公団理事) 中田 雅資君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月四日
 辞任         補欠選任
  中本 太衛君     岩倉 博文君
  高木 陽介君     山名 靖英君
同日
 辞任         補欠選任
  岩倉 博文君     中本 太衛君
  山名 靖英君     高木 陽介君
    ―――――――――――――
十一月十八日
 働くルールを確立させ、建設労働者の雇用を守り、公共事業の生活・環境重視への転換に関する請願(石井一君紹介)(第二五一号)
 肢体障害者が地域で一市民として生活するための交通権の総合的保障に関する請願(保坂展人君紹介)(第二五二号)
同月二十八日
 肢体障害者が地域で一市民として生活するための交通権の総合的保障に関する請願(木村隆秀君紹介)(第四〇一号)
十二月三日
 明石海峡大橋及び自動車道の通行料金値下げに関する請願(宮本一三君紹介)(第五六七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――
栗原委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長の指名により、私が委員長の職を行わせていただきます。
 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長三沢真君、住宅局長松野仁君、鉄道局長石川裕己君、自動車交通局長丸山博君、港湾局長金澤寛君、航空局長洞駿君、内閣官房内閣審議官小山裕君、警察庁警備局長奥村萬壽雄君、総務省大臣官房審議官衞藤英達君、法務省大臣官房審議官河村博君及び厚生労働省社会・援護局長河村博江君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
栗原委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として都市基盤整備公団理事中田雅資君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
栗原委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
栗原委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉置一弥君。
玉置委員 おはようございます。
 きょうは、冒頭から大臣に一言、自覚を促すという意味で。
 実は、新聞記事でございますが、宅建業界の一つでございますけれども、東京不動産政治連盟というのがございまして、昨年七月の参議院選挙で扇大臣の選挙応援に多数の会員が動員されて、手当を支給していたというお話が新聞紙上に大きく掲載をされました。いろいろな人の意見で、買収行為の可能性が非常に大きいということと、それから大臣の自覚に欠けるのではないかという記事も載っているわけですが、私どもからすると、担当されている範囲について、やはり自粛をしていただくということが非常に大事ではないか。政治家としてもそうですし、当然、管轄を掌握されております大臣としても、非常に厳しい目で見られているわけでございますから、そういうことを十分意識していろいろな活動をやっていただかなければならないということでございます。
 ただ、この中身からいきますと、その団体がやっておられることを直接大臣が知っておられる可能性は非常に少ないなという感じはするんですが、こういうことがございましたということで、当然このお話をお聞きになっていると思いますけれども、これについて今どういうふうに自覚をされて、どういうふうにしようと思っておられますか、まずお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 おはようございます。
 私、そういう新聞記事といいますか、出ましたので、聞いていただくのは大変ありがたいと思っています。
 と申しますのは、宅建業界と、東京不動産政治連盟ですか、名前を言っていいですか、サンデー毎日とかという記者が電話で聞いていらっしゃいましたので、私は、電話では嫌だから直接会いたい、私はわからないことは正直に申しますから来てくださいということで、私は大臣室でお会いしました。それで私は、昨年とことしの新年会の一覧表を全部出しました。どこの新年会に出たかというのを全部出しました。昨年が三十数回の新年会、ことしが二十から三十の新年会に出ておりまして、どこの新年会でも私はいろいろなごあいさつをしておりますし、また、私は書いたものを読まないものですから、いろいろな話もしております。
 そもそも昨年の選挙に関して、きのうも新聞記者が、時間がなかったので廊下で聞いたんですけれども、推薦状があったかなかったかと。私は、推薦状というのは余り信じない候補者でございまして、それは、一枚の推薦状で当選できるんだったらこんなありがたいことはないんで、推薦状を事務所に掲げる趣味も持っていませんし、そういう推薦状を、いただいたというものを事務所に掲げたこともないし、見たこともないし、だから私は、いただいたのかいただかないのか、大変無責任な言い方ですけれども、私はそれほど推薦状というものを、そんなことを言ったら、全部、業者から推薦状をいただいたら当選できちゃうということで。
 昨年は特に、何十年ぶりかの個人名を書く選挙でございましたから、私は全国を回っていまして、今先生がおっしゃいましたように、東京都の建物政治連盟ですか、私は東京の選挙というのは、最初のスタートと途中に一回ぐらいで、東京都には二回ぐらいしか入っていないんです、全国を回っていましたから。ですから、そこへその人が行ったとおっしゃいますけれども、選挙をした先生方なら皆さん御存じで、大衆が、不特定多数に来ていただいてありがたいなと思っていますので、そこで何とか連盟とかという政治連盟のはっぴを着ているわけでもないし、鉢巻きをしているわけでもありませんし、顔も存じませんし、どなたがどういうことで来てくださったのかというのは、私は本当に集まってくださってありがたいと思っていますし、また、その中に知っている顔を見れば、本当に疲れているときは涙が出るほどうれしいし、ああ、この人も、賛成か反対かはわからないけれども、聞いてくださったんだなというのは思っています。
 そういう意味で、私は、どの団体がどういう組織で動いたかということは、全国を回っていて全く知らされてもいませんし、第一、推薦状というのをかけた事務所はありませんから、そういう意味では、全く陰で応援してくださっているのなら、私は本当にありがとうございましたと申し上げたいですけれども、私が推薦状を下さいと言ったこともありませんし、それで今、全宅連という名前を玉置先生はおっしゃいましたけれども、私は全宅連の会合というのはいつも出ていますけれども、自民党以外の国会議員は一切推薦もなさいません。私は自民党でないですから、多分推薦状もいただいていないんだと思いますけれども。
 そういうことで、どの団体がどう組織的に私を応援してくださったのかということは、全く私に知らされてもいませんし、また私は、それに頼ったこともありませんし、一度もお願いしたこともございませんけれども、私は、陰で皆さんが、だれかが応援してくださっているとするならば、ありがたい話だなと思っています。
 ただ、金額を払ったかどうかということは、大変私は、慎むべきことだし、そういうことがあってはならないとは思っていますけれども、直接私に推薦しますというお申し出もあったわけではありませんので、私からそういうことを聞くということ、政治連盟としてきちんと自治省にお届けになっているようですから、私は、そういう意味では、ぜひはっきりとしていただきたいと願っておりますし、私にも、もしもそういうことがあるんなら私は正直に申し上げますけれども、現段階では、推薦状も、そして依頼したことも全然ございません。
玉置委員 多分、いろいろな業界団体とそれから行政とのつながり、それで、行政の長であります大臣の方に配慮されてだれかがやったことだ、そう思うんですよね。
 私どもは、業界と役所のつながりとかあるいは政治家とのつながりというのは、やはり断ち切らないと公平な政治ができない、こういうふうに思うんです。
 非常に多く見受けられますのは、何とか業界とか何とか協会とかいう名前のついたいわゆる認可団体、社団法人と同じ役員で同じ政治連盟があるということが非常に多々あるんですね。建設業協会とか、あるいはここにありますのは、宅建業界ですけれども、宅建保証協会というのがございまして、宅建保証政治連盟というのがあるんですね。これは、調べてみると、全く同じ人がその政治連盟の役員になっている。会員も全く同じで、いわゆる強制的に政治連盟に対して会費を取られているということがございまして、このことは、さきに問題になりました村上正邦さん、KSD事件というのがございましたが、これと全くパターンは一緒なんですね。
 そういう意味で指摘をされたのがこの宅建保証協会というところなんですが、この保証協会が、昨年六月に国会でも取り上げられて指摘をされた、要するに、役員が同じじゃないかというふうに指摘をされて、その後の調査でも全然その役員がかわっていないということでございます。
 これは、大臣にお聞きするよりも政府参考人にお聞きを申し上げたいと思いますが、同一と見られるこの協会と政治連盟、これについて、本来だったら、政治連盟は名前だけのもので、実質的には協会がやっておられるということで、取り消しをすべきじゃないかというふうに思いますが、この辺について、どういう調査をされて、どういう扱いをされてきたかということを三沢さんにお聞きしたいと思います。
三沢政府参考人 全宅保証協会についてのお尋ねでございます。
 全宅保証協会は、宅地建物取引業法に基づく公益法人でございまして、当然のことながら、政治資金規正法に基づく政治団体としての全政連とは別の団体でございます。具体的に申し上げますと、例えば事務所についても、同じ建物にあるけれどもフロアは全然別になっている。それから、職員とか会計も別になっております。役員も、重複はございますけれども、例えば専務理事、常務理事あるいは副会長というものは異なっているということでございます。
 それで、昨年、宅地建物取引業協会といわゆる全政連との関係につきましては、宅建業協会への入会に当たって全政連への入会を義務づけているというような御指摘がございまして、これについては、調査いたしましたところ、確かにそういう事実が幾つか判明いたしましたので、全政連と宅建業協会に関しまして明確な仕分けをするようにという指導をいたしまして、この点はもう既に改善されているところでございます。
 なお、宅建業協会と全宅保証協会につきましては、これはいずれも公益法人でございまして、政治活動を目的とするものではございません。しかも、業務内容について非常に密接な関連がございますので、そこは政治団体としての全政連との仕分けの問題とはちょっと別の問題だというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、全宅保証協会、先ほど申し上げましたように、全政連とは別の団体であり、現実にそのように機能しているというふうに理解をしております。
玉置委員 この団体でことし七月に弁済保証金八億円の使途不明金というものが発覚をしたということでございまして、弁済保証金というのは業界団体のための保証金になるわけでございますが、この中で八億円という大変多額の金額が使途不明金ということなんですけれども、この辺は、当時問題になったわけです、ことしの七月。
 当然、国土交通省としても把握をされていると思いますが、どういうふうな処置をされましたか、あるいは事実関係としてどのように把握されておりますか、それについてお聞きしたいと思います。
三沢政府参考人 本年七月に全宅保証で八億円の使途不明金があるという報道がございました。それで、調査いたしました結果、指定流通機構等基盤整備対策費として取り崩されました弁済業務保証金準備金の一部が通常の保証協会の事務運営費に充てられていたということが判明いたしました。具体的に申しますと、八億円のうち、五億三千七百五十二万円は当初の目的に沿った使用がなされておりますけれども、一億六千二百十五万円について、今申し上げましたように、通常の保証協会事務運営費に充てられたということが判明をいたしました。
 それで、八月にその調査結果を公表するとともに、全宅保証に対しまして、会計処理の適正化ということについて通知し、指導をしているところでございます。具体的には、弁済業務保証金準備金につきましては、取り崩し金の会計処理を他と区分して管理すること、それから、保証協会の会計処理全体につきまして、透明性を向上し、監督を強化するということを指導したところでございます。
玉置委員 業者一件当たり六十万という大変多額なお金を拠出されているわけでございまして、いわゆる預かり金とも言われておりますこういうものが、どういう形であれ不明に使われているということは非常に遺憾であると思うんですね。だから、やはり厳しく指導していただきたいというふうに思います。
 話が変わりまして、今度はJR東日本の関係についてお聞きをしたいと思います。
 実は、十一月の一日に、警視庁公安部がJR東労組の幹部七名を強要容疑で逮捕したという事件がございます。そして、十一月の一日に三十二カ所を家宅捜索、十一月の十二日に二十数カ所を家宅捜索されたということでございます。
 私ども従来からお聞きをいたしておりますのは、JR東労組は革マル派が牛耳っているという話を聞いておりますし、このことが従来からのJR東日本の労使関係を非常にいびつな形にしているというお話も聞いております。そして、御存じのように、革マル派というのは、革命を首謀した政治団体といいますかイデオロギー団体でございまして、大変危険な要素を含んでいるということでございます。
 まず、警察庁に、この事実関係について確認をしたいというふうに思います。
奥村政府参考人 お答えをいたします。
 御指摘の事件は、先月の一日に警視庁が検挙いたしました事件でありますけれども、極左暴力集団の革マル派の活動家を含むJR東労組の組合員の七名が、同じJR東労組の組合員であります被害者、これは二十八歳の電車の運転士でありますけれども、この被害者の方に対しまして、JR東労組と対立するほかの組合のメンバーと一緒にキャンプに行ったというようなことに因縁をつけまして、これがJR東労組の組織を破壊する人間だと決めつけまして、平成十三年、昨年の一月から六月の下旬ころまでの間、十数回にわたりまして、少ないときで五人、多いときで三十人という集団で、組合をやめろ、あるいは会社をやめろと脅迫をいたしまして、結局、この被害者の方を昨年の二月末に組合から脱退させますとともに、七月末でJR東日本そのものを退職させたという強要事件であります。
 警視庁におきまして、十一月の一日に革マル派活動家を含む七名を逮捕いたしまして以来、十七日までに、JR東労組の中央本部等を含む関係箇所約七十カ所に対する捜索を実施いたしました。また、被疑者の取り調べ、証拠品の分析、関係者に対する事情聴取等の所要の捜査を行ったところでございまして、この結果、先月の二十二日に、ただいま申し上げました七名全員が強要罪で起訴をされているところであります。
玉置委員 二十二日に起訴をされたということでございますが、今私たちが心配をいたしますのは、この革マル派の人たちが、JR東日本に着々と浸透しているということを従来から感じているわけですね。いろいろなポストを握って、将来のいざというときに蜂起するというようなことだと思うんですが、こういうふうなセクトに牛耳られたということは非常に危険な状態だというふうに思うんです。
 どういう目的で、どういう危険性があるのか、こういうところについてまずお伺いしたいと思います。
奥村政府参考人 私ども警察といたしましては、極左暴力集団であります革マル派につきまして、情報収集、また分析を行ってきております。また、一方で、平成八年以降、革マル派の非公然アジト十三カ所を摘発いたしまして、これらのアジトから押収した資料を分析いたしまして、革マル派が国労の役員宅あるいはJR連合傘下のJR西労組役員宅に侵入した事件を検挙するなどいたしまして、JR東労組等における革マル派の組織の実態について解明を進めてきたところであります。こうした警察活動を通じまして、私どもといたしましては、御指摘の労働組合に対しまして革マル派が相当浸透しているというふうに見ておるところであります。
 そして、こうした革マル派の労働組合への浸透の意図でありますけれども、革マル派というのは、先ほどちょっとお話がありましたけれども、日本で暴力を使いまして共産主義革命を起こすことを究極の目的としておる組織でありまして、昭和五十年代初めまでは、対立をしております中核派あるいは革労協との間で陰惨な内ゲバ事件を繰り返しておりまして、十数件の殺人事件あるいは数百人の負傷者を出しておりますけれども、その後、昭和五十年代初めに、まだ革命情勢は来ていないという認識のもとに、組織の拡大に重点を置くようになりまして、その党派性、つまり革マルであるということを隠しまして、基幹産業の労働組合等、各界各層への浸透を図ってきておりまして、JR東労組への浸透もその一環であるというふうに見ております。
玉置委員 危険な組織なんですが、JR東日本にどの程度の人数を浸透させているか、こういうのを把握されていますでしょうか。
奥村政府参考人 私ども、革マル派の構成員は全体で約五千人と見ておりますけれども、それがどの組織にどのぐらいいるかということにつきましては、私ども捜査の手のうちということになりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
玉置委員 私たちが聞いておりますのは約千人ぐらいという話なんですが、こういう危険な人たちが千人も東日本にいるというのは大変なことなんですよね。ということは、どういうことかといいますと、確かにセクトの活動としても危険ですけれども、ここは国土交通委員会ですから、純然たる公共交通機関の安全性という面から見ても非常に危険だ。
 というのは、先ほどお話がございましたように、違う組合組織の人と同行しただけで会社をやめなければいけないような仕打ちを受ける、大臣、今そういう話なんですよね。これは私たちにとりましては、職場の連携という面は、組合はいろいろな方がまじっているわけでございますから、縦系列の組合だけで一つの職場を占拠している、占めているわけではない。そういう意味から考えますと、いろいろな組合に属した方が一緒にお仕事をされているということで、そういう立場からいいますと、どんな組合の方であろうと仕事を通じて連携をとらなければいけないということでございまして、そのためには、やはり人間関係をよくしていかなければいけない。
 単なるこういう行為が、嫌がらせを受けて会社をやめなければいけないという事態に至ったわけでございまして、こういう事件について、国土交通省としてはどういう対応をされてきたのか、また、大臣としてはどういうふうにお考えになっているかということをお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 今の玉置先生と警備当局の報告と両方お話を聞いておりまして、私もこの報告は受けておりますけれども、一番最初、私は単なる捜査かなと思っていたんです、捜査が入ったと聞きましたときに。けれども、その中で、大変根が深いということがわかりまして、そういう意味では、今先生がおっしゃいましたように、これは基本的にはJR東の話ではありますけれども、航空、運搬行政という国土交通省の任務からすれば、JR東の運行が安全で安心であるということの原則からすれば、私は大変憂慮すべき問題を内含しているのではないかと思っております。
 そういう意味で、今後も私たちは、安全で安心した東日本の運転ができるようにということで、少なくとも皆さん方が東日本としてどういう対処をするのか、また、今警備当局から御報告ございましたけれども、まだこの段階でははっきりしたことを申せませんとおっしゃっていましたので、この警備当局の今後の動向、そして、今起訴されたとはっきりおっしゃいましたので、この十一月の二十二日に起訴された者がどのような結果をもたらしてくるのか、それも見守りながら、今後、少なくとも私は、安全を十分に対処した方向性をJR東として出すべきであろうと思っておりますし、また、そういうふうにJR東に望んでいきたいと思います。
 ただ、再度申し上げますように、これはJR東日本としての対処でございますから、そういう意味では、私たちは、経営上の問題として認識してほしいということを、あえて、この警備上の結果報告と相まって、健全な方向性、また、職員が安心して働けるような場にJR東日本がしてほしいということをぜひ指導していきたいと思っています。
玉置委員 きょうは実はJR東日本の大塚社長に来ていただいて、経営上の問題点を指摘して、それについて論議をしたい、こういうふうに思ったんですが、自民党国対の方からノーと言われたということでございます。私たちは、昨年、完全民営化のときに、国会の中にJRの各社を呼ぶことができるかと聞きましたら、そのときは、できるということだったんですね。それができないというのは、法案が通ってしまったら余りにも勝手じゃないかと思うんですが、大臣には余り関係ない話ですけれども。
 それはそれとして、実は、JRさんはそれぞれ国の借金を肩がわりしているといいますか、逆に言えば、国鉄時代につくった借金を国民が今肩がわりしているんですよね。それだけに、やはり経営上うまくやってもらわないと困るということです。単なる、純然たる民間会社じゃないわけですよね。そういう意味では、経営上も非常に私たちは注目をしているし、また、問題点があれば指摘をしたい、こういうふうに思います。
 そういう面からいきますと、こういうセクトに牛耳られた組合を相手に果たして健全な経営ができるかという心配もありますし、先ほどの安全性確保という面からいくと非常に問題点が多い。特に運転関係がこういう人たちによって占められているということでございますから、本当に問題だと思うんですよね。
 この辺は、ぜひ大臣の方もこれから注目をしていただいて、JR東日本に対しても大いに意見を言っていただいて、場合によっては、呼んでいただいて、その中で詰めていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
扇国務大臣 今おっしゃいましたように、私は、JRの完全民営化法案を御論議いただく前に、少なくとも、JR東日本、東海、西日本、三社の社長を呼びまして、完全民営化したときの条件というのをみんなに話しました。それは、少なくとも、民営化したからといって、赤字路線を住民の意見を無視して採算性がとれないということでみだりに切ってしまうということはしないように、民営化は営利追求ということでそれを切らないようにということも三社の社長に申しました。それから、今申しました、三つに分かれてもお客様は乗り継ぎで一社だと思うので、昔の国鉄の意識があるんですから、三社がそれぞれ民営化をしてもそれぞれの連携をうまくするようにということも私は三社の社長に条件として申しました。
 そういう意味では、今おっしゃったように、JR東日本にそういう労組の関係であるいは安全運転に不安を来すような要素がありとせば、私は、少なくとももう一度社長にそのことを申し上げたいと思いますし、最初に民営化のときに言った、お約束したことを実行してほしいということも再度申し上げるつもりでございます。
玉置委員 実は、組合によって賃金が差別されているということもあるんですね。これは大臣御存じないかもわかりませんが、JR東日本あるいは貨物会社、ここのいわゆる総連系といいますJR総連の組合の人たちとJR連合に加盟している人たちとの賃金格差がある。これは、JR総連の方が高くて、JR連合が低い。それから、JR連合の人たちはJR総連の人たちの会社との取引によって配置が決まって動かされるということが事実あるんです。これは非常に問題なんですよね。というのは、先ほども言いましたように、同じ職場で同じ仕事をしている人たちの賃金が違うというのはおかしいわけです。そういうところにまで今介入しているということなんですよね。
 だから、私たちは、安全性という意味からもそうだし、会社の経営という面から見ても非常にいびつな形が許されてしまっているということなので、時間がないので余り詰めませんけれども、少なくともやはりこの辺の問題点を十分国土交通省として調査して対応していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
扇国務大臣 すべては利用者の安全、安心につながることですから、お互いが、先ほども私申しましたように、従業員が安心して働ける職場というものがなければお客様の安全、安心を図ることはできない。これは基本的なことでございますから、その点は、よく私も調べながら指導していきたいと思っています。
 組合のことですから、私の指導が行き届くとは思いませんけれども、会社の姿勢として、私は正すべきは正すべきというふうに言いたいと思います。
玉置委員 大臣にお願いしておりますのも、当然経営側の話でございまして、経営者の態度がぴしっとしていなければ、どんどんと浸透されて、いわゆる食いつぶされてしまうということでございますから、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 それでは、次の問題に移らせていただきます。
 警察関係の方、これで御退席していただいて結構でございます。ありがとうございました。
 実は、交通バリアフリーでございますが、一昨年、国土交通省の皆さん、当時はまだ運輸省でしたか、大変御尽力をいただきまして、交通バリアフリーの法案ができました。その後、予算措置が大変今厳しい状況の中で頑張っていただいておりますし、鉄道事業者の各社の皆さん方も、不安定ながら、やはり長期計画を組まなければいけないということで取り組みをしていただいております。
 まず、交通バリアフリー法というのは、もともと、基本構想をつくって、その構想に基づいて進めていくという手順になっているわけでございますが、今、全体の流れとしての状況はどうなっているかということをお聞きしたいというふうに思います。
三沢政府参考人 交通バリアフリー法の基本構想の策定状況でございますが、これは市町村でおつくりいただくということになっておりますけれども、この策定状況は、本年十一月末までに受理いたしましたものが四十四、それから、現在作成中のものが四十八ございます。今後作成予定というところが約五百自治体というふうになっておりまして、今後着実にふえていくというふうに考えております。
 私どもといたしましては、こういう基本構想の策定を促進するために、市町村の関係者に対しまして、いろいろな先進事例の紹介等も含めた情報提供を行いますとか、あるいはセミナーを開催するとか、こういうことで適切なアドバイスをできるような体制を整えているところでございます。
 今後とも、関係省庁あるいは公共団体との緊密な連携のもとに、このバリアフリーのマスタープランとなるような基本構想の策定に向けまして、適切な指導を行っていきたいというふうに考えております。
玉置委員 大臣にお伺いしますが、交通バリアフリーの法案と、一年おくれで今度ハートビル法の改正というのがございました。特に、今は都市再生ということで、新しくまた、特に中心部を中心に、町のセンターをつくり直していこう、こういうことが一つの流れとしてあるわけでございます。
 私たちは、やはり有効に使うために、それぞれの法律の考え方を一つの概念として構想を練るということで進めていただきたいというふうに思うんですが、全体の流れの中でのまちづくりをどう推進すべきかということについて、何かお考えがあればお答えいただきたいと思います。
扇国務大臣 今玉置委員がおっしゃった交通バリアフリーとハートビル法、おくれてハートビル法ということになったんですけれども、交通バリアフリーは、主として、名前のとおり、交通の上りおり等々のバリアフリー、ハートビル法は建物、ビル等々の公共のものに対してのバリアフリーというふうに、旧建設、運輸とか環境とか、以前は行革がありませんでしたからそれぞれの省庁から出したわけですけれども、昨年の一月六日から国土交通省ということで全部一緒になったわけです。
 私たちはこれを、何としても、本来は、鉄道関係、乗降客数が五千人に達したらエスカレーターをつくるとか、いろいろなことを言っておりましたけれども、私は、そういうことにかかわらず、少なくとも地方で、ローカルで行きますと、ひなびた駅があるんですけれども、そこでも、その町が温泉の大変保養地であるということで、五千人に達しないけれども、お年寄りが、電車の乗りおりされる方が大変多いものですから、五千人という枠に完全にとらわれていたのでは、それはバリアフリーにはならないということで、それも調査して、できる限りその地元に合った、地元に適した、やはりここは、保養地で老人が多いとかというところには上りも下りもエスカレーターをつけたいと。今までは、上りをほとんどまずつけて、下りがなかったんです。けれども、皆さんに聞きますと、いや、それはもう下りの方が足の悪い人にとってはもっとつらいとおっしゃるので、必ず上りと下りを両方設置できるような指導もしてまいりました。
 今、まちづくりというお話がございましたけれども、今度内閣の中に都市再生本部というのをつくりまして、今度は特区というものも各市町村から出ております。そこでは、少なくとも老人の介護とか、あるいは保育所とか託児所とか、そういうものを、両方に、歩けるところで設置できるようにということで、そこに完全にバリアフリーを加味した、そして皆さん方に使える、年齢差とかそういうこと関係なく、赤ちゃんを抱いているお母さんもやはり困るときあるんですね、手を引いた子供と、二人子供がいれば。
 そういうことも含めて、私たちは、地方と、そして都市の中の利便性と両方を図っていこうということで、国土交通省としては、今回の補正予算、まだ枠が決まっておりませんけれども、できれば、こういう補正予算を皆さんに御審議いただくときに、完全にバリアフリー化ということを最優先、最重点に予算をとっていくような補正予算も組んでいきたい、国土交通省の姿勢としては、そう願っておりますし、また努力したいと思っています。
玉置委員 事業者の方に聞きますと、やはり予算の振れが一番心配だということで、多少自分たちが負担をしても、計画的に進めていきたいというお考えがあるようでございます。
 そこで、鉄道局長にお聞きをいたしますけれども、いろいろなタイプがあるんですが、総じて事業者は、自分たちの、先ほど駅の数がございましたけれども、五千人以上が二千七百ぐらいあるんですかね、それについて十年間でやらなければいけないし、場合によっては前倒しをしてでもやるという大変な意気込みでございますが、投資額がそれぞれやはり余りにも負担になるということであれば、もっと補助率についても考えなければいけないというふうに思いますけれども、全体的に投資額がどうなっているかということ、各事業者の主要なところ、この辺について。
 それからもう一つは、物ができても、結局固定資産税とか電力費用とかいろいろな経費が付随してかかるものでございますから、その経費増加分についてはぜひ見てほしいという話を承っておりまして、この辺についてどうお考えになっているかということをお聞きしたいと思います。
石川政府参考人 鉄道のバリアフリーに関して、事業者の負担分でございますが、例えば平成十三年度におきましては、鉄道駅のバリアフリー化、これは、補助金を活用して事業が実施された駅が二百四駅ございまして、事業費全体で約二百九十六億円かかっております。このうち、鉄道事業者負担分は約百十八億円という形になっております。
 それで、事業者によってその年々の施行場所も違いますし駅の数も違うわけですので、単純に比較はできませんが、先ほど申し上げた平成十三年度でありますと、例えばJR東日本でありますと、エレベーター、エスカレーターの整備の投資額は、自主分も含めまして約四十三億円という費用を投資してございます。
 それから、投資したものについての税金につきましては、固定資産税あるいは法人税の特償という制度は一部ございます。これに伴いまして整備の促進を図っていきたいと思っておりますが、維持費につきましては、これは基本的に、エレベーター、エスカレーターで一基当たり年間百万円から二百万円かかりますけれども、この費用については、特に経営の厳しい民鉄事業者については負担感というのはあると思いますが、基本的には、やはりこれは鉄道事業者がみずから所有する施設の維持管理費ということで、本来鉄道事業者が負担していただくというものだと考えております。
玉置委員 エレベーター、エスカレーターの設置のときにお伺いをしますと、すぐ鉄道事業者の方は当然自分のところの地所をどう活用するかと考えられて、非常に取りつけが難しいというお話を聞きます。周りを見ますとほとんどが公共用地でございまして、ちょっと市町村が助けてくれれば、無償提供してくれれば簡単に取りつけることができるんですね。
 ということで、これは各地域の協議会の中での論議だと思うんですが、当然鉄道事業者と自治体も入っておられますよね。そういう中で、より利便性を考えますと、無理して高くつくような形態じゃなくて、もっと簡単にぽっとつけられるようなことができるわけですから、その辺の工夫もぜひ御指導いただきたいというふうに思います。
 時間の関係で次に進めますが、二年前の論議の中で、今回鉄道だけがスタートしましたということでありまして、その後ハートビル法、そして、一番これから重要な自動車関係、やはりコミュニティーバスとかいわゆるSTSというものがなければ、家から家までといいますか、必要なところまで、目的地までなかなか移動が難しいということになるわけで、五年後の見直しの前に、当時の自動車交通局長の答弁と大臣の答弁ですが、三年後までに自動車関係をスタートしたい、こういう話がありました。
 扇大臣と自動車交通局長にお伺いしますけれども、その後のこの自動車関係、STS並びに福祉タクシー、あるいは福祉移送、これについて、どういう状況になって、将来のめどはどうなっているかということをお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 日本のことしの老人の日にも、少なくとも百歳以上が一万八千人近くになったという発表もございまして、ますます日本は高齢社会に入っているというのは現実の問題でございます。そういう意味で、私たちは、高齢者でありますとか身体障害者、そういう皆さん方に対しての福祉輸送は、今おっしゃったように大変重要なことだと認識しております。
 一番大事なことは、少なくとも民間事業者による福祉タクシーというのも御存じだと思いますし、また御専門ですから一番見ていらっしゃると思いますけれども、この福祉タクシーというものから、また、地方公共団体が主体となって福祉行政の一環としてつくっております公的な輸送サービス、これも二つ目にできております。さらには、NPOとか今おっしゃいましたボランティア団体等々で行う輸送サービスまで。少なくとも、この三つを見ましただけでも、大変幅広い福祉サービスというものが日本の中に広がってきております。そういう意味では大変ありがたいことだと思います。
 少なくとも私たちは、この福祉輸送を含めて、あるいは運賃ですとか料金を取って自動車でお客様を輸送する事業を行うためには、輸送の安全性とかあるいは適正なサービスというものが図られるという保証がなければ私はいけないと思っております。
 そういう意味では、一定の条件を満たして、なおかつ、一般旅客自動車運送事業の許可を取得するということが大変必要だと思いますので、気持ち的には福祉をしたいけれどもと、ただ親切心とかあるいは本当の福祉の気持ちだけで運転するということでは、私はかえってそれは危険になると思いますので、そういう意味では、一般の皆さん方、自動車の運送事業というものの許可を取得していただきたいというふうに思っております。
 また、我々も、今申しましたように百歳以上の人がふえているものですから、少なくとも今後は、NPOとかあるいはボランティア団体などからボランティア精神に基づいた輸送サービスというものをしたいと、そういうことを、今後とも、皆さん方の役割というものを果たしていらっしゃるということで、これをうまく取り上げて、公的なものあるいは市町村地域のものと連携をし合って、これを推進していくために努力していきたいと思っています。
玉置委員 大臣はあと一分でお出かけでございますから、その前に、ちょっと分野が変わりますけれども、住宅問題で、後でお伺いするつもりだったんですが、お出かけでございますから、先にお伺いしたいというふうに思います。
 これはバリアフリーとも絡む話でございますけれども、私たちは、これから、高齢化時代とか、あるいは長期に耐え得る、例のマンションも同じなんですが、長期に耐え得る住宅をつくって、やはり、むだをなくし、より品質の高いものの中に住めるような、そういう環境をつくっていきたいというのが片方でございます。
 そしてもう一つは、今の経済対策として、まず一つは、高齢者の方が七〇%以上の個人資産を持たれているという、この資産を活用していくことがデフレ対策にもなるし経済対策としてより効果があるのではないか。そういう意味から考えますと、二世代、三世代住宅というものをやはり促進していく必要があるのではないか。
 これは、例えば三十代、四十代の方が家を建てられるときに、自分一人で支払うというよりも、やはり両親なり、要するにおやじの世代のお金を当てにして、ともに負担をしていくという形であれば、負担感も少なくなりますし、より品質のいいものができるだろうし、場合によっては、そういう将来の老後対策ということにもなるわけで、そういう意味で非常に効果があるのではないかというふうに思います。
 この辺について、この間ちょっと大臣もこのことにお触れになりましたけれども、非常に大きな経済効果もあるということでございますので、一言、一分ぐらいしか答えられないと思いますが。
扇国務大臣 済みません、参議院の本会議、十時ですので、まだ一分や二分は大丈夫だと思います。
 今、住宅のお話がございましたけれども、私、大変大事なところへ来ていると思っております。それは、戦後のベビーブーマーと言われた第二次ベビーブーマーの人たちが、約一千万人ぐらいが今ちょうど子供が適齢期に入ってきて、一つ子供部屋が欲しいなという世代になっているんですね。この一千万人ぐらいになっている第二次ベビーブーマーの人たちが、所得が、今、一部屋を増築したり改築したり、あるいは新しいうちを買おうという、これだけの収入がないというのが現実でございます。
 そういう意味で、私どもは何としても、今玉置委員がおっしゃったように、二世代同居あるいは三世代同居ということも考えて、今の千四百兆、千四百四十兆と言われますけれども、その個人資産を何とか生前に贈与して、これは特例措置でいいですから、子供と一緒に住むよ、うちへいらっしゃい、そして、部屋を増築しましょう、改築しましょうと。昔は新築だけで五百五十万でしたけれども、これを今、ことしの税制で、少なくとも私は二千万から三千万、多い方にこしたことはないんですけれども、二千万というところまでは応援いただけると思っていますので、税制を改正して、少なくとも雇用促進と経済効果に資していきたい。
 なぜそれだけのことを言えるかといいますと、少なくとも、住宅を十万戸建設しますということに関しましては、十万戸を建設することによって大体二十六万人の雇用が必要になってくるんですね。ですから、雇用創出にもなるし、また、少なくとも、生産の誘導効果といいますか、うちを買えば、カーテンも買うあるいはカーペットも買おうかということになりまして、その経済効果というものは、大体、住宅投資額約二十一兆円で、そうしますと、全体で、雇用とか全部計算しますと約四十一兆円の経済効果が上がる。まして今困っている子供たちにゆとりのある家族関係が構築できるのではないかという大変切実な問題と経済効果、あるいは国民性のゆとりと、子供を育てている人たちに援助していこうということで、大変私、一石三鳥にも四鳥にもなると思っておりますので、ぜひそのことを進めていきたい。
 大体、今住んでいるところは四十一平米という狭いところなものですから、これではとても子供たちと一緒にゆとりのある生活ができないという日本の住宅現状でございますので、ぜひそういうところで、私は、住宅の取得資金の贈与、これは特例措置というものを幅を広げ、時限でもいいから、今のベビーブーマーで子供を育てる一千万人という人たちが何とか希望の持てる、衣食住の中で住が一番おくれていますので、その希望の持てる政策を国土交通省としては頑張って、なおかつ与党、野党の先生方も含めて、これは税制で御支援いただければ希望が持てるのではないかと思って、頑張っていきたいと思っています。
玉置委員 大臣、どうぞお出かけになって結構でございます。
 ちょっと戻りますが、交通バリアフリーの中の、先ほども言いました自動車関係のバリアフリー、STSとか今の福祉タクシーあるいは福祉移送という分野があるわけでございますが、自動車交通局長にお伺いしますが、三年をめどにというお話を前回いただいておりました。今どういう検討状況で、いつごろどういう展開がされていくかということについてお伺いしたいと思います。
丸山政府参考人 先ほど大臣の方からお話し申し上げましたけれども、今、福祉関係の輸送にかかっておりますものは、大きく分けまして三類型あると思います。
 一つは、まず福祉タクシーというものでございまして、既存のタクシー事業者が福祉に対応したような設備なり運転手なりを使ってやるというのが一つでございます。二つ目は、地方公共団体がみずから持っております、例えば福祉施設がいろいろございますが、そこへの移送を福祉行政の一環として行っているというのが二つ目でございます。それから三つ目が、NPOとかボランティアがいろいろな形でかかわり合ってき始めている。この三つが大きい類型でございます。
 それで、ボランティアというものは、私どもとしましては、適切に行われる限り今後ともその役割を果たしていくべきだ、こういうふうに思っております。そういう観点から、この十月から十一月におきまして、ただいま先生御指摘ございましたけれども、札幌におきましてSTSの実証実験を行いました。現在その結果を評価しておるところでございまして、今年度末までに私どもは評価を終えまして、新しい輸送サービスのあり方を検討していきたいというふうに思っております。
 その場合の観点でございますけれども、基本的には、ボランティアと既存の事業者が得意分野を生かしてやっていただきたいということと、それから、特に高齢者でございますとか身体障害者の方々は万が一事故のときに非常に動きがとりにくいということで、安全を確保するということと、それから利用者の利便、この二つをバランスさせながら、新しい輸送サービスのシステムのあり方を、実証実験の結果を踏まえて検討して、早急に結論を出したいというふうに思っております。
玉置委員 私たちがバリアフリーのネットワークという面で見て非常に関心を持っているところでございますので、ぜひ早い時期にいいものをつくっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 同じくバリアフリーになりますが、時間がないので、高齢化住宅というのをちょっと変えさせていただいて、厚生労働省きょうお見えでございますが、同じく、こういうバリアフリーと関係して、並列してあるいろいろな制度の中で、長期生活支援資金というものがありまして、これが、私たちから見ると、独居老人とか、あるいは、もう既に家はあるけれども生活ができないという人たちにとって非常に貴重な制度である、こういうふうに思うのです。
 いよいよこれからスタートされるということをお伺いいたしております。今、どういう状況になっておりますかということと、いわゆる目的、それから貸し付けの対象、そして実施の内容、そしてどういうふうに普及させていくか、そういうところも含めてお伺いしたいと思います。
河村(博江)政府参考人 長期生活支援資金は、一定の居住用の不動産を有します、しかも将来にわたりその住居に住み続けることを希望する高齢者の世帯に対しまして、当該不動産を担保として生活資金の貸し付けを行うものでございます。
 この資金の貸付対象は、世帯の構成員が六十五歳以上の高齢者世帯であって、市町村民税の非課税程度の世帯であることなどを要件といたしておるわけでございます。
 この資金につきましては、これから施行するわけでございますけれども、今月中には関係通知を施行いたしまして、今年度中には各都道府県社会福祉協議会において貸し付けが開始される、そういう予定を組んでおるところでございます。
 それから、どうやって活用しやすくするように広報普及を行っていくのかというお尋ねがございましたけれども、当然、各都道府県に対しまして実施通知を発出いたしますが、この資金の貸し付けを行います都道府県の社会福祉協議会など関係機関に対しまして本制度の周知を図ります。
 また、この都道府県社会福祉協議会におきまして、貸し付け窓口になります市町村社会福祉協議会あるいは民生委員等々に対しまして本制度の周知を図りまして、これにより地域住民への広報周知に努めたいというふうに思っています。
 また、さらに、この制度の実施に当たりまして、各地方公共団体の広報誌等を最大限に活用してこの制度の広報周知を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
玉置委員 この貸し付けは、今居住されております住宅を担保にして、その範囲内で貸し付ける、そして清算は、本人が死亡されたときに遺産相続人と契約をして、それで処理する、こういうことですよね。
 それで、私たちが大変心配しておりますのは、高齢者住宅のバリアフリー化も同じような融資制度がありまして、これも、高齢者のお住まいになっている住宅を担保にして融資をされて、同じく相続人と清算について契約される、こういうお話ですが、ともに第一担保なんですね。ということは、一番ですよね、一番抵当といいますか、そういうことなので、重なったときどうなるのかという心配と、それから、他のローンをその高齢者の方が抱えておられて、それを処理しないと借りられないということになりますから、以前に借りられておりますローンというか借入金の返済等についての処理とか、こういう場合どうなのかという問題点。
 それからもう一つは、これは住宅局長の方だと思いますが、中古市場の価格が、ある程度、もうちょっと、先ほどの高品質とか将来のことを考えますと、市場が拡大されて、ぴしっと整備されて、そこそこ評価が上がってこないとかなり難しい問題があるのではないかというふうに思います。
 こういう点を、時間がございませんので、手短に、簡単にお答えをいただきたいというふうに思います。
河村(博江)政府参考人 この長期生活支援資金の貸し付けに当たりましては、長期でございますから、貸付契約に基づいて継続的に貸付債権の償還を確保するために、担保に供する居住用不動産に他の抵当権等の担保権が設定されていないということを条件にいたしております。したがいまして、他の者から融資を受けている場合であっても、その居住用不動産に担保権が設定されていないときはこの資金の貸し付けが可能になる。
 それから、一方、他の融資を受けている際に、既に担保に供しようとする不動産に担保権が設定されているという状況におきましては、この長期生活資金の貸し付けというのは困難というふうに考えておりますが、仮に、他の借入金を返済して設定されている担保権を抹消することができれば、この資金の貸し付けが可能になるというふうに考えておるところでございます。
松野政府参考人 委員御指摘のとおり、中古住宅が適正な評価を受けませんと、担保価値の問題あるいは将来のその資産価値を生かすというような場面で問題が起きてしまうということがございます。
 したがいまして、住宅市場の中でストック全体をうまく活用するということで、中古市場の適正な循環を促進するといいますか、そういったいい市場形成を図っていくという必要があろうかと思います。そのために、中古住宅を消費者が安心して買えるという仕組みをつくっていくというようなことを中心として、制度の整備を進めていく必要があると思います。
 したがいまして、既存住宅の性能表示制度の導入、中古住宅の質、管理状況を考慮しました価格査定システムの導入、あるいはマンション等でございますと、維持管理にかかわります、どんなことをやったかというようなその履歴情報の登録整備、こういったことを進めていく必要がございます。
 これらのもろもろのことを盛り込みましたアクションプログラムを平成十三年八月に公表いたしたところでございますが、この制度整備を今後とも充実させて進めてまいりたいと考えております。
玉置委員 いろいろまだお聞きしたいことはたくさんあるんですけれども、時間が来たので終わりますが、少なくとも、今の中古市場は二十年たったら家がただみたいな評価をされておりますけれども、やはり良質なものとかあるいは二世代、三世代になってきますとどんどんとそういう中古住宅が出てくることも予測をされますので、これからの市場をびしっとしたものに整備していただきたいというふうに思います。
 きょうは最初に大臣の関係でちょっと余計なことを聞きましたので、その時間、ちょっと後の部分に影響してしまいまして十分なことがお聞きできなかったのでございますが、次の機会にまた回しまして、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。
栗原委員長代理 次に、赤羽一嘉君。
赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 今、玉置先生からの質問でも出ておりましたが、住宅政策というのは、このデフレ経済下において収縮した経済状況を反転させるといった意味で大変経済効果が大きい、私はそう考えております。こういったことについて、これから年末にかけまして税制の問題が論議され、また明年も続くわけでございますが、住宅についての税制度というのが大変経済的な効果を発揮するんではないか、私はそう考えておるところでございます。
 一方、現状、デフレ経済の中で所得が激減し、ボーナスがカットされ、持ち家の住宅の資産価値も大幅に目減りしている、しかし、当たり前でありますけれども、ローンの額だけは目減りすることはない、金利も固定金利で、高い金利のまま払っている。こういった中で、相対的というか実質的な住宅ローンの負担感というのは大変増大をしている、これが実態だと思うんです。
 物皆安くなるからデフレは悪くないというような発言も政府部内にあるようにも聞いておりますが、住宅ローンとか既存のローンも全部安くなれば悪くはないと言えるかもしれませんが、そういう現状じゃないというような中で、教育費がかかる子供を育てている世帯、社会でいうといわゆる一番働き盛りの中堅サラリーマンが、本当は一番消費性向も高いはずの層の人たちが、大変な負担感を感じているというこの住宅ローンについて、国土交通省としてどのような考え方があるのかということをきょうは聞きたいと思います。
 現状の住宅ローン減税、いわゆる所得税額の控除をしていただいている現行制度も明年一年間で終わるわけでございますし、この制度設計をしたときには随分大変な作業で、効果も恐らく相当大きかったというふうに思っておりますが、これが来年でなくなるということは、その反動も大きいことも考えられます。そういった意味で、国土交通省の中でどのような検討というか認識を持ち、どのような検討がされているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
高木大臣政務官 今赤羽委員御指摘のように、このデフレ経済下においての住宅ローンの負担というのはかなり多いと思いますし、世代的にも、教育費等々一番負担のかかっているような方々がこの住宅ローンでその負担感をさらに増している、御指摘のとおりだと思います。
 そういった中で、現在、我が国の住宅ローン減税制度についてちょっと確認をさせていただきますと、まず、住宅ローンの負担が比較的大きい初期の負担軽減を図り、住宅取得を促進するための減税措置として、現在は入居後十年間、借入金の一%相当額、最大控除額は年間五十万円でありますけれども、の税額控除を認めさせていただいております。これによって、住宅ローンの返済期間のうち、相当期間において負担軽減措置が講じられているものと認識をしておりますけれども、今御指摘ございましたように、これが来年の年末で終わるということで、これから一年間かけてさらに十分に検討をしてまいりたいと思います。
 もう少し申し上げますと、この住宅ローン減税の制度が六十一年に創設されたとき、控除の期間というのは、最初の昭和六十一年は三年間、その後、六十二年から平成元年は五年間、また、バブル崩壊後ですけれども、平成十一年から平成十三年の前半までは十五年間というような状況になりました。現行の十年間は平成十三年後半からということで、来年まで続いておりますけれども、これについては、さらに今御指摘のように、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
赤羽委員 アメリカでは、恒久制度としての住宅ローンの利子部分に対する所得控除の制度がある、住宅ローン減税制度があるというふうに聞いておりますが、このような米国の制度導入についてはどのような検討がされているのでしょうか。
高木大臣政務官 先ほど我が国の方の住宅ローンの減税制度、いわゆる税額控除の部分を御説明申し上げましたけれども、米国の場合は住宅ローン利子所得控除制度というもので、償還期間の全期間について利子分を所得控除する制度として導入されております。
 ただし、これは、現下の我が国のように低金利が長期にわたって続きますと、利子額を所得控除の対象とする米国型に比べて、借入残高の一定割合を税額から控除する我が国の制度の方が負担軽減効果が大きい場合がある、こういうふうにも考えられておりますし、一方、米国の住宅ローン利子所得控除制度は、所得額が大きいほど減税額も大きくなるという性格も有しており、これは、高額所得者ほど恩恵が大きいために、逆進性がある。
 ここら辺のところはさまざまな御議論があると思いますし、どちらがすぐれていて、どちらが今現在の負担感を和らげるのか、これは議論をしっかりとしていかなければいけない、そういう認識の中で、先ほど申し上げましたように、今後しっかりと検討させていただきたいと考えております。
赤羽委員 両制度についてそれぞれ特徴があるということは今の御答弁どおりだと思います。確かに、米国の場合は、金持ち優遇じゃないかというような議論もあるというふうにも認識をしておりますが、税額控除というのは納税額が大きい人ほどそのメリットを受けられるというのは、これはもうある意味では当たり前のことであります。
 日本の住宅政策は持ち家制度というふうに定めるのであれば、どういうやり方であれ、恒久的な住宅ローン減税というのは確立させる必要がある、私はそう考えておるところでございます。両制度、どちらがいいかということを、その時代時代の金利のあり方によっても決められると思いますので、選択制にするというような考え方も私はあると思います。
 しかし、いずれにせよ、私、最後にちょっと一つだけ、この点については確認したいんですが、要するに、現状の住宅ローン減税制度というのは非常に効果がある、相当効き目がある制度だ、そう認識をしておりますが、これは当たり前のことかもしれませんが、この制度設計されてから住宅を購入した人間だけが恩恵を享受されている、その制度設計される以前に住宅を買った人たちについてはその恩恵が行き渡っていないわけでありまして、今の時代にだれが一番困っているかというと、恐らくバブル期で、結果としては高いものをつかまされて、固定金利も相当高い金利で何十年ものローンを支払っている、ここが実は一番負担感が強い。こういった人たちのところについて、これはある意味では徳政令的なのかもしれませんが、遡及的な部分で何か住宅ローン減税のやり方がないかな、知恵を出すことはできないかな、私はそう考えておりますが、この点について御見解を。
高木大臣政務官 御指摘のように、バブル期に購入をされた方、それがバブル崩壊後、本当に負担感があるという御指摘、まさにそのとおりであろうと思います。ただ、その方々に遡及してやった場合に、では、その前に住宅を購入してローンを払い終わった方というのはどうなるんだ、そういったバランスの部分もあると思います。
 ただし、デフレスパイラルに陥っている現在のこの状況というのは、今まで想定されないような厳しい状況でございます。そういった中で、今御指摘のあった点、恒久減税という点も含めて、しっかりと検討していかなければいけないと私自身は考えておりますし、また、これからのこの国の住宅政策ということを考えた場合に、本当に持ち家制度でいくのか、またはそういう借家といった形で考えていくべきなのか、そこら辺も含めた総合的な住宅政策というのもしっかり見据えた上での今後の住宅ローンの減税のあり方というのも検討すべきであると考えておりますので、しっかり、その御指摘を踏まえて、検討させていただきたいと思います。
赤羽委員 まさに日本で初めてのデフレ状況とも言われておりますから、これまでにない制度設計をする中で、柔軟な対応をしっかりしていっていただきたいということを強く要望したいと思います。
 あと、港湾局長もいらっしゃっておりますので、港の問題について。もう一点ぐらいしか聞けないと思いますが。
 日本の港湾の国際競争力の低下ということが叫ばれて久しいわけでありますが、今回、交通政策審議会の港湾分科会がこの七月に取りまとめた今後の港湾政策のあり方についての提言の中で、スーパー中枢港湾の育成、こういったものが明確な形で取り上げられております。いよいよ日本が、国際競争力というか、相対的な国際競争力を回復する港湾を育成するんだな、国を挙げて育成することになったんだなということで、私は、大変喜ばしい、また期待を大きくしているわけでございますが、聞いていると、どうもいま一歩、例えば中枢国際港湾という現状のメーンポートがある、この中枢国際港湾と、これから考えられる、育成されようとしているスーパー中枢港湾、具体的にどう違うのかなと。この辺がはっきりされないと、何か、鳴り物入りの割に、大騒ぎしている割に結局余り変わらなかったみたいな話だと、大変残念な結果にもなると思います。
 現在の中枢国際港湾の延長でできるものとはこう違うんだ、こういったことを考えられているとしたら、そのことについての、今、国土交通省としてどのような形でスーパー中枢港湾というものを育成されようとしているのか、お答えをいただきたいと思います。
金澤政府参考人 お答えを申し上げます。
 スーパー中枢港湾についてお尋ねがございました。
 現在、先生御指摘のとおり、アジア諸港との激しい国際競争の中で、我が国の港湾の相対的地位が低下してきております。我が国の産業の活性化あるいは国民生活の安定のためにも、港湾の競争力の強化というのが非常に緊急で重要な課題になってきております。このため、まず、アジアの主要港をしのぐコストそれからサービスの水準、そういうものの実現を目指しまして、スーパー中枢港湾というものの考え方が提案されております。
 従来、私ども、日本の国のコンテナ埠頭の配置につきまして、いわゆる中枢港湾という構想を進めてまいりました。この中枢港湾と申しますのは、東京湾、伊勢湾、大阪湾そして北部九州、我が国の産業あるいは人口の集積地でございますけれども、そういうところに重点的に投資をすることによって、コンテナ輸送の、いわゆる物流コストの経済的な合理性を重点的に達成していこうということで、そういう地域的な重点化、そういう面に重きを置いて指定してございます。
 ただ、その中身を諸外国の港湾と比べました場合、やはり、コストの面それからサービス水準の面で相対的におくれが出ているということは否めません。例えば、コストでございますと、アジアの先進港と比べまして日本の方が約三割高うございます。また、いわゆるサービスのレベルで見ましても、港における輸入貨物の滞在期間、日本の場合、約三日から四日かかります。これが諸外国ですと、二日あるいは一日でサービスができている。
 こういうふうになりますと、物流コストの面からも、あるいはサービス水準の面からも諸外国にやはり相対的におくれてまいるわけでございます。そうなりますと、日本の港に基幹航路の大きな船が寄ってくれなくなるような状況が起こるだろう。それを避けるためにも、そういう中枢港湾の中から、さらにハード、ソフトあわせて、しかも官民あわせて、ただいま申し上げましたようなコストの面それからサービスレベルの面で諸外国の港をしのぐ港にしなければいけないだろう。こういうことから、こういう提案がなされております。そのコスト、サービス水準にいたしましても、これは、いわゆる官のインフラを提供するということだけでは達成できません。むしろ、どちらかといいますと、サービス、ソフトの対策、これは官民あわせての話でございます。
 一例を申し上げますと、今国会で御議論いただいておりますいわゆる特区法案の中で、私ども、港湾法を改正いたしまして、公共埠頭の、従来は民間の企業者に使用許可という形で、例えば一年を限りで、使用許可という形でやっていただいていたものを、条件が整備されたものにつきましては、最長三十年間で長期貸し付けできるような港湾法改正を今御議論いただいておりますが、こういうことも含めまして、いわゆるソフト対策というものをしっかりやっていかなきゃいけないだろう。これは、官だけでなくて、民の間においてもそうでございます。いろいろな慣行が実はございまして、そういう慣行是正もしていかなきゃいけないだろう。
 それから、さらには、CIQを含めた港湾のフルオープン化でございますとか、あるいは港湾の情報プラットホームを構築していくとか、そういう新しい課題に果敢に取り組んでいかなけりゃいけないだろう。
 そういうことをやるために、中枢港湾すべてでそういうことをやっていくということがもちろん理想でございますが、まず先導的に、実験的にそういうものを切り口を切り開いていこう、そういう意味で、スーパー中枢港湾というものを指定いたしまして、その中で改革に取り組んでまいりたい、かように思っている次第でございます。
赤羽委員 まさに、欧州航路や北米航路が日本の港湾をスキップするような事態というのは国益に反することだというふうに思いますし、ぜひ官民を挙げて、このスーパー中枢港湾を成功させるような御尽力をいただきたいと思います。その中で、今の中枢国際港湾というのは四つ、御答弁にもありました。この四つを四つやると、また余り変わらなくなるので、私の感覚からいえば、多くても二つの地域でぜひ実施をしていただきたいと思います。
 民間の努力というのは当然ですけれども、民間の港湾運送業界なんかの話を聞けば、やはり、ポートターミナルの部分について国の金をもっと大胆に入れてくれ、こういった声も出ているようでありますので、そういった声についても真摯に耳を傾けて、前向きに取り組んでいただきたいということを要望して、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
栗原委員長代理 次に、山名靖英君。
山名委員 公明党の山名靖英でございます。
 先ほどより住宅政策に関する質問が相次いでおるわけでございますが、実は私も、きょう通告している中身は住宅問題でございまして、特にその中でも、いわゆる住宅ローンの証券化事業についてきょうは絞ってお伺いをしたい、このように思います。
 先ほど来話がありましたように、住宅というのは、例えば一軒の新築をする場合、それに関連する業種は五十から六十種類の業種が絡んでくるわけでありまして、そういう意味では、景気浮揚策としては極めて重要な施策であろうと思います。当然、それに伴って住宅ローンという仕組みは、いろいろと今商品が出回っているわけでありますけれども、国民の側にとって大事な制度であるわけでございます。
 ところが一方で、最近のこういう、各民間金融機関が不良債権を抱え、健全であるはずの住宅ローンの貸し出しまでかなり厳しい状況になっている。やはり、いわゆる金利変動リスクといいますか、こういったものを恐れて住宅ローンまで貸し渋る、こういう状況が現実に存在をしているわけであります。一方で、住宅ローンに対する証券化を図って長期固定金利の民間住宅ローンを支援する、こういう事業を特に住宅金融公庫がやろう、こういうふうに考えていることをお聞きいたしました。
 そこで、この住宅ローンの証券化について、メリットといいますか、必要性といいますか、必然性といいますか、こういったことについてまずお聞かせをいただきたいと思います。
松野政府参考人 住宅ローンの証券化の必要性及びそのメリットというお尋ねでございます。
 委員御指摘のとおり、住宅は大変高額の買い物でございます。したがいまして、計画的な取得をする必要があるということで、どうしても長期固定の住宅ローンが必要だということでございます。
 これに対しまして、民間の金融機関は短期の預貯金をその原資とするということでございます。そうしますと、金利変動リスクがかなり大きいということで、なかなか長期固定のローンというのは出しにくいということでございまして、十年を超える固定金利商品の提供は極めて限定的な状況でございました。
 こうした状況から、どうしても長期固定が必要だということであれば、金利変動リスク、あるいは住宅ローン特有でございますけれども、繰り上げ償還、こういったリスクを市場でとってもらうという仕組みがどうしても必要だということで、証券化の市場でこれらを吸収してもらうという証券化の仕組みが今後必要なのではないかということ。またもう一方、住宅ローンのような、民間でやろうと思えばやれることを民間にゆだねるという形が必要なのではないかという御指摘がございます。こういったことから、民間の住宅ローンの証券化ということが必要だということが指摘されているわけでございます。
山名委員 一般論として、住宅ローンの証券化についての意義はよくわかりました。
 そこで、住宅金融公庫がこれから始めようとする証券化支援事業について若干お伺いしたいと思うんです。
 昨年十二月に、特殊法人等整理合理化計画におきまして、住宅金融公庫は五年以内に廃止をする、独立行政法人に移行するということでありますけれども、こういった中で、今の住宅ローンの証券化という、まさに国民のニーズを受けて住宅金融公庫が取り組もうとする支援事業、この必要性といいますか重要性、これについてお伺いしたいとともに、もう一点、今具体的に検討している証券化支援事業の中身についてお聞きをしたいと思います。
松野政府参考人 まず、公庫が証券化支援に取り組むことの意義でございます。
 御指摘のとおり、昨年末に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画の中にこのことが盛り込まれております。この考え方は、民間でできることは民間にゆだねるという原則のもとに、住宅ローンの貸し付け自体は民間の金融機関にやっていただく、その債権を金融公庫が買い取りをしまして、それを証券化市場に出して資金調達するという、こういう民間のローンをバックアップするという仕組みでございます。
 これを公庫が支援をやるということの意義でございますが、実は既に金融公庫は、みずからが融資します公庫のローン債権の証券化を一部実施しております。こういったノウハウを持っておりますし、住宅ローンの繰り上げ償還のデータも持っております。また、民間の金融機関との間の債権管理のためのオンラインシステムを既に構築しております。こうした金融公庫のノウハウ、システム等の活用が大変効率的ではないかということ。
 それからもう一つは、政府信用を背景といたします住宅金融公庫の信用力を最大限活用するということで、この証券化の支援をする。そうしますと、他のローンに比べまして比較的低利な住宅ローンの供給が実現できるのではないかということから、この整理合理化計画におきましても、住宅金融公庫が民間の住宅ローンの証券化支援に取り組むということが指摘されたわけでございます。
 具体のやり方でございますが、民間の貸付債権、ローンの債権を公庫が買い取りまして、その債権を信託会社に信託する、その貸付債権を担保といたしまして、住宅金融公庫がいわゆる資産担保証券、MBSと言っておりますが、これを発行するという買い取り型のタイプ、これをまず平成十五年から実施をする予定でございます。
 また、もう一つの仕組みとしまして、民間の金融機関のローンの融資保険をする、その証券化自体は民間サイドで行うということですね。その際に、投資家に対する期日どおりの元利保証を公庫がバックアップして保証を行うという、いわゆる保証型というのがございます。この二つがございますが、これについては平成十六年度以降に導入するということを考えております。
山名委員 いわゆるアメリカで言うMBS、これは我が国の証券市場ではまだ定着をしていない、こういう状況だと思うんですが、果たして、今回の住宅金融公庫のお考えになっている証券化支援事業、これが有効に働いていくのかどうか、まことに注目をされることだと思います。
 そこで、この資産担保証券、MBSの推進に当たって、これがまさに成功いたしまして、厚みのある証券市場が育成をされて、長期固定金利の民間住宅ローンを十分供給していくことができるのかどうか。今までの我が国の住宅ローン、証券市場の状況とあわせて、今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
松野政府参考人 委員御指摘のとおり、この証券化市場の規模は、米国では既に成熟した段階に入っておりまして、昨年末時点でございますが、発行残高も日本円に換算いたしまして四百五十五兆円。我が国はまだまだ、その約千五百分の一の水準、残高ベースでございますが、三千億円のレベルにとどまっているという状況でございます。したがいまして、証券化市場をこれから厚みのある市場に育成していくということが大変重要な課題でございます。
 したがいまして、先ほども申し上げましたように、まず、住宅金融公庫が買い取り型の証券化支援を行うということで、一つの機関が一定の銘柄を安定的に、定期的に市場に出していくということで、この市場で安心して売買できるという厚みを少しずつ形成していくということが肝要でございます。
 こうしたことをしながら、長期固定の民間ローンが円滑に供給されますよう、証券市場育成を図ってまいりたいと考えております。
山名委員 時間が参りましたので、最後に申し上げたいと思いますが、今後、住宅金融公庫の融資業務は縮減をしていく、こういう方向であるわけでありますが、公的機関として、住宅金融公庫が十分な融資戸数を確保していくことは、国民の側にとっても極めて高いニーズがあると思いますし、私は重要なテーマだと思っております。
 だから、国民のニーズにこたえるためにも、公的機関である住宅金融公庫が今後も引き続き十分な戸数、長期固定ローンを直接供給していくべきではないか、このように私は考えておりますが、最後に、簡単にその辺の御所見をお伺いして、終わりたいと思います。
松野政府参考人 住宅金融公庫は、委員御指摘のとおり、これまで国民の住宅取得に大変大きく貢献してきております。
 しかしながら、昨年末、特殊法人等整理合理化計画におきまして、民間でできることは民間にゆだねていくという基本原則のもとに、まず、公庫につきまして五年以内に廃止する、それから、民間金融機関による長期固定住宅ローンの供給を促進するために、証券化支援業務を先行して公庫が始めるということでございますが、公庫の廃止の際に、これを行う新たな独立行政法人を設置する。それで、直接の公庫の融資業務につきましては、民間金融機関による融資が円滑に行われているかどうかということを見て、引き続きやるかどうか最終決定するという方針が示されております。
 融資につきましても、段階的に公庫の融資は縮小するということが指摘されておりますが、来年度概算要求で四十万戸の要求を行っております、現在、財務当局と調整を行っておりますが。段階的な縮小を行いながらも、やはり必要な、公庫の長期固定ローンのニーズというのは根強いものがございます。こういったことで、国民に不安を与えないように、ある程度の資金供給が行える体制を確保してまいりたいと考えております。
山名委員 ありがとうございました。終わります。
栗原委員長代理 以上で山名靖英君の質疑を終わります。
 大谷信盛君。
大谷委員 おはようございます。大谷信盛でございます。
 きょうは私の誕生日でございます。大臣、ぜひとも、三十分の時間のうち、たくさん時間をいただけるようにお願いいたします。
 きょうは、私は、空港整備の方向性、理念について議論させていただきたく思っております。
 交通政策審議会空港整備部会の中で、今後の空港の整備の方向性について今御議論されていて、答申を年内じゅうにまとめるというふうにお聞きしておりますが、一体全体、どんな方向に我が国の空港整備がいくのかということを、まず最初に大臣にお聞きしたいというふうに思います。
 空港整備といえば、幾らでも道路がつくれる道路の整備とは全く違いまして、整備のお金が足りなくて困っている。道路と同じところは、需要予測等々含めまして、採算性というものをチェックする機能がないというところは同じなのかなというふうに思っております。一県に一つの空港をつくっていこうなんという、ある意味で採算性を少し考えてなかったような政策から、拠点空港の整備の方に大きく転換をされました。また、そんなことが今御議論されているのだというふうに思いますし、我慢することがこれから必要だというふうに思いますし、また反対に、例えば羽田の拡張とか、必要なものはしっかりと、空港特会以外のところからもお金を持ってきてやるようなスキームもその中では検討していかなければいけないというふうに私自身は考えておりますが、まずは、大臣の方向性についてお聞かせいただけますでしょうか。
扇国務大臣 大谷議員がお誕生日だそうで、おめでとうございます。私なんか、もうお誕生日が来るたびにおめでたくないなと思いますけれども、まだお若いですから、心から今後の御健康と御発展を願っております。
 今、国際空港のお話がございましたけれども、私ども、一番問題に思っておりますことは、二十一世紀に入って、果たして日本が今の日本の国際的な地位を保ち得るかどうか、私は大変大きな懸念を持っております。そして、今大谷委員がくしくもおっしゃいました、空港をつくるだけではない、道路も一緒だと。当然そうあるべきであって、物流コストの国際水準から見ても、今の日本は、余りにも総合的なプロジェクトがつくられていなかった。空港は空港、道路は道路、港湾は港湾と、すべて縦割りで、私はこれはやむを得なかったと思いますけれども、総合的な視野の中に立った連結ができていないということが、国際的な競争に対抗でき得ない日本の現状をつくってしまったという政策的な反省もいたしております。
 ですから、今、二十一世紀の初頭に、二十一世紀、今後百年間日本がどうあるべきかということを私たちは何としてもつくりたい、また、つくらなければ後生に申しわけない、そういうつもりで、国際空港のあり方、あるいは国際空港と、港湾と、道路と、都市の連結をどうしていくか、そういうことを改めて考え直し、また、今の状況を脱するためには一番何が必要か。
 今おっしゃいましたように、本来は、国際という名のつくものは国民からいただいた税金できちんと仕上げて、基本ができたら、民間に、さあ、どうぞこれを御利用ください、民営化して、どうぞ御利用くださいというのが、私は基本だと思っています。そういう意味で、公共工事という、公共という名前がある限りは、私は、国民に、今皆さんの住んでいるところは、安心して、日本ですよということを誇りを持って生活していただくために、基本的なものはいただいた税金でつくるというのが原則であろうと思っております。
 ところが、戦後の荒廃から早く立ち上がろうということで、それぞれの知恵を生かして、緊急かつ早急に工事をしたために、余りにも全体のバランスが崩れて、それが今の高コスト、非国際的な条件のもとになってしまったと思っておりますので、何とかこれを改めて、思い切り、財政難で戦後のようなスピードではできないかもしれませんけれども、私は、そのグランドデザインを描いて少しずつでも近づく、二、三年たって、また国際的に日本の地位が下がったと言われないような政策だけは出していきたい、皆さん方にその出した政策についての御論議を真剣にしていただきたい、その材料を提出できるような国土交通省の政策をつくっていきたいと思っております。
大谷委員 グランドデザインは、初代国土交通大臣扇千景様の御持論でございますので、本当にしっかりと道筋をつけていただけたらというふうに思います。一つだけ私の価値観を加えさせていただけるならば、ネットワーク、交通というハードだけではなくして、そこには人や物やお金がそこへ動いていきたくなるようなインセンティブも一緒に含めて、ぜひともお進めいただきたいというふうに思います。
 たった三十分しかございませんので、早速、航空局長に、少し空港整備部会の中での議論についてお聞きをさせていただきたいというふうに思います。
 ことしの初めから、この空港整備の方向性について議論がされたというふうに思うんですが、まず最初は、大きな空港三つ、拠点空港三つの上下を分離、要するに、滑走路と運営会社というものを別にして民営化をしていこうという案が出されました。それが今回、この年末に出てくるものは、個別に、一つ一つの成田、中部、そして関西国際空港の民営化、既に民間会社で関空などはございますが、もっともっと完全民営化を目指した方向性で御議論されているというふうにお聞きをしておりますが、この上下分離案から単独個別の民営化に方針が移った背景、またその理由、目指すべきものについて、航空局長、少し御説明をいただけますでしょうか。
洞政府参考人 国際拠点空港の民営化につきましては、交通政策審議会の航空分科会におきます議論を踏まえまして、この八月の時点におきましては、中間取りまとめの中で、最終的な結論ではないけれども、空港の整備と管理を行う主体を分けて、管理運営主体の完全民営化を図る、いわゆる上下分離方式が現実的で適切であると考えてきたところでございます。しかしながら、その後の議論を進めておりますが、民営化の推進に当たりましては、各空港ごとの固有の課題、事情がございまして、かつ、現行の運営主体、それから地元の自治体等関係者の意向をいろいろ勘案いたしますと、三空港一体の上下分離案について、年内にすべての関係者が合意することはなかなか困難であると考えたところでございます。
 端的に申し上げまして、例えば中部国際空港に関していいますと、空港会社はもとよりですが、地元自治体等、御存じのとおり民間会社として地元の経済界と一緒になって工事を推進しているわけでございますけれども、極めて順調に進んでいるわけでございます。そういう中にあって、この会社自身を半分に割って今後進めていくということについては、端的に申し上げまして、どう考えても乗れない、そういう御意見も出ておりますし、また、ほかの空港についても、それぞれ抱えている事情から、上下分離案についてなかなか消極的な意見が出されております。
 そういう事情もございまして、このため、国際拠点空港の整備は、先ほど大臣が申し上げましたとおり、国の責任のもとに着実に推進するという前提のもとに民営化方策についていろいろ検討しておりますけれども、各空港ごとに一体として民営化を進めていくという基本方針が適切であるというふうに考えているところでございます。
大谷委員 済みません、確認させてもらいます。今でも個別に三拠点空港を民営化するよりかは上下分離の方がよかったと思っているんですが、外部環境が変わったから個別の民営化に変わったんですか。一体どこがどう違うのかというのが、今少しわからなかったんですが、それはどうなんですか。今の環境では個別がいいんですか。もっと言えば、最初の上下のときの目的というのは一体何だったのかという話です。
洞政府参考人 端的に申し上げまして、上下分離案も非常にいいメリットがございますが、先ほど申しましたように、それぞれ各空港の抱えている諸事情、それに関係する関係者の御意見を一本にまとめることがなかなかできなかったということがこの原因でございます。しからば次善の策は何であるかということになれば、一体として単独民営化するということが望ましいということでございます。
大谷委員 上下分離のメリットということでいうならば、空港を整備していく上のプール制というものが強化される、これからも維持できるというような理解でよろしいんですか。
洞政府参考人 上下分離の一番のメリットというのは、先ほど大臣が申しましたとおり、滑走路の整備とか、そういう基本的な部分は下物の公的法人が責任を持ってやるというところが最大のメリットであろうと思います。
 したがいまして、ここのところを仮にほかの方式でやる場合には、国がちゃんと責任を持ってやる、あるいは、いざというときに、大規模災害とかそういうときに、速やかな復興をやって、速やかな再開に努めるとか、そういうふうな国の対応がきちっと担保できる、そういう仕組みをあわせてやるということであれば、上下分離が目指していた、そういう国の責任といいますか、公的なものの関与といいますか、そういったものが担保される限りはほかの方式でも十分である、こういうことでございます。
大谷委員 わかりました。
 そうすると、これは、次善の策という言葉をお使いになられましたが、個別にこの三つの国際の玄関口、ゲートウエーという言葉をお使いですけれども、三空港を個別に民営化していく、その将来的な方向性というものについて、次は教えていただけますでしょうか。
洞政府参考人 具体的なそれぞれの、成田、関空、中部について申し上げますと、先ほど申しましたとおり、国際拠点空港の整備は国の責任のもとに着実に推進するということを前提として、その上で、民営化の推進によって経営の効率化、合理化と利用者サービスの向上を実現するということを目的として、それぞれの空港ごとに次のような方針で進めたいと考えております。
 まず、成田公団につきましては、完全民営化に向けまして、新東京国際空港公団を一体として、できる限り早期に特殊会社化、これは全額国出資の特殊会社化でございますけれども、することが適切であると考えておりまして、できれば、次の通常国会に成田公団の特殊会社化に関する法案を提出したいというふうに考えております。
 また、関西国際空港株式会社につきましては、これも先生御存じのとおり、現在は特殊会社としての経営形態でございますけれども、この経営形態を維持しながら、将来の完全民営化に向けて経営改善につながるような条件整備を実施することが適切であると考えております。
 関西国際空港会社、海上空港ということで、大変膨大な有利子債務を抱えておりまして、その安定的な償還等々を考えますと、なかなか経営基盤が万全であるということは言いがたい状況にございまして、その補強を図るという観点からの経営改善につながる条件整備をきちっと実施するということが適切であって、将来の民営化の道筋、方向性を示してやるということが重要ではないかと思っております。
 また、中部空港につきましては、現在の経営形態のまま、今、中部空港は純然たる民間会社でございますけれども、それを二〇〇五年の供用開始に向けて事業を推進するとともに、供用開始後、経営状況を見ながら、将来の完全民営化に向けて検討することが適切であると考えております。
大谷委員 私自身は、上下分離なんかよりかは、よっぽど個別の拠点空港が民営化していく方向の方が、もっともっとこの国の航空需要を膨らめて、そしてもっとしっかりした空のネットワークをつくり、そこに人、金、物が動いていくためにはいいのではないかなというふうに思っているんです。
 なぜかというと、一つの空港が、その空港が民営化されたことによって、競争力、要は魅力というものを増していって、人を集めていけるような、そんな試みが自分たちでできる。空港が財政的にも自立したような形であって初めて民営化の目的が達成できるというふうに思っておるんですが、今のお話を聞いておりますと、これは、民営化してもしなくても、国が責任を持って整備をしていく、そして整備がし終わった後に民営化をしていただくということの理解でよろしいんですか。
洞政府参考人 基本施設の整備は、国が整備するということではなくて、特殊会社なりそういったものが整備する上で、国が必要な支援なり、あるいはそういう整備を必ずさせるということを担保するということでございます。しかし、その場合でも、例えば大規模災害が起こって速やかな対応を図らなきゃいけないときに、普通の純然たる民間会社でありますならば、国の補助というものは出てまいりません、出てきても非常に低い額になっています。そういうときは、やはりその措置をきちっと法律等で手当てすることによってきちっとした復旧ができるような体制をとるとか、そういったことを私は申し上げております。
大谷委員 では、一番最終的に完全民営化になったときの形は何なんですか。一番聞きたいことは、その会社は、自分の空港でもうけた航空系の収入、すなわち発着料、使用料と言われるもの、そして非航空系の収入、それは、例えば免税店であったりするような、空港のお店での小売業によってもうけたお金という二つの、いろいろな収入がその他にもあるんでしょうけれども、大きく分ければこの二つだと言われています。すなわち、完全民営化になったということは、今、空港整備のためのプール制のところから出るわけですよね。ということは、この使用料、発着料というものは勝手に決めていいんですか。国がある程度のラインをつくらなければいけないというふうに思うんですけれども、黒字はプール制のところにもう戻さなくていいんですよね。自分の空港をしっかりと魅力づけるためにお金を使っていいわけですよね。
 もっと具体的に聞きます。来年多分審議することになると思いますが、成田空港が民営化、公団から特殊会社、そしてその次の完全民営化に移ります。そうなったとき、黒字は勝手に自分で使っていい、そんな民営化を完全民営化というふうにおっしゃっているのかどうなのか、イメージをお聞かせください。
洞政府参考人 まさしくそれは大きな論点であろうと思います、今後の問題。
 完全民営化というのは、国のいろいろな関与がなくて、そして、会社の創意工夫によってもうけた利益をサービス向上や料金値下げというようなところで利用者還元を図っていくということ。それから、それぞれの空港間の競争ということが当然激しくなりますから、当然そういうことをしなければ生き残っていけないということで、今国がやっている以上に、先生がおっしゃった非航空系の収入をさらにさらに諸外国のように高めていって、その資金でもっていろいろな投資や運営コストの削減等々を図っていくことが国よりも可能であろうということのために民営化をやっているわけでございます。
 しかし、その場合でも、民営会社になったからといって、何でもかんでも好き勝手ができるというものではないと思います。国際空港でございますから、それはやはり、公共的な目的のために国がある程度関与できる、あるいはチェックする仕組みというのが必要ではなかろうかと思います。具体的な仕組みをどうするか、どういうことであるべきかとかというのはまさしく今後の議論でございますけれども、基本的には先生と同じような問題意識を私どもも持っております。
大谷委員 非航空系の黒字というものを空港のために使うのは当然のことでございまして、そうすると、航空系の収入というものは、どれぐらいプール制の空港整備の枠の中に取られるようなことになるんでしょうかね。ちょっとイメージが僕にはまだ見えないんですが。
洞政府参考人 申しおくれました。着陸料は、当然のことながらその会社の収入になるわけですから、プール制ということには入りません。着陸料収入、それから、今は少ないですが、非航空系収入をさらにアップして、トータルでもってその会社の歳入としてそれを有効に使っていただくということですから、それを吸い上げたら何のための民営化かわかりません。
大谷委員 ということは、プール制、今の空港特会のお金というものは四千五百億だとか五千億だとか言われていますけれども、ある程度、将来民営化がふえていくことになるとだんだん減っていくわけですよね。そういう理解でよろしいんですか。
洞政府参考人 空港特会の歳入の中には、今でも成田公団の着陸料であるとかあるいは関西空港の着陸料は入っておりません。
大谷委員 私が言いたいのは、これから整備を、どこを重点的にやって、どこは整備しないでいいのかという線引きをしなかったら、この余りふえそうにない空港特会というものでは無理が生じてくるのではないかなというように思っているんですが、どこをといったら、地方空港のことを実は思っているんですけれども、そこはどうですか。今あるお金で十分、空港特会で早い時期、早い時期というのはここ五年十年のうちに、この答申の中で目指しているような空港整備というものができていくようになるんでしょうか。そして、その後どんどん民営化になっていくような空港がふえていくことになるのをイメージされているんでしょうか。
洞政府参考人 空港特会の今後の見通しでございますけれども、正直申し上げまして、今立ちおくれております国際拠点空港を初め、あるいは羽田の再拡張を初めとして、ここ数年は大変な歳出規模というものが見込まれておりますので、そういう意味では、歳入歳出のバランスをとるというのは非常に厳しい状況にあることは確かでございます。そのために私どもは、できる限り一般会計からのいわゆる真水の投入をお願いする一方で歳出の削減に努めているところでございまして、そうやってバランスをとっているわけでございます。そのことと空港公団、会社の民営化、それによって空整特会のやりくりがさらに苦しくなるならないということとは、直接は関係ないと思います。
大谷委員 わかりました。
 真水という一般予算の方に行く前に、先ほど道路、いわゆる陸地も空も船もあわせて、この国の交通網をつくっていかなければいけないという大臣のお話がございましたが、いろいろと役所の中では難しいのかというふうに思いますが、道路も港湾も国土交通省の管轄でございます。
 そこで、その中でのやりくり、例えば、ここは空港整備の方が今おくれているから空港整備にお金を使うんだということで、いわゆる道路財源等々を別のものに使うとかというような議論、できるできないという議論がございますが、そういうものを大々的に、大臣、考えていかなければいけないんではないでしょうか。
 特に、僕は見ていて、空港整備がおくれているように思うんですが、いかがでしょうか。
扇国務大臣 今局長がいろいろ答えておりましたけれども、すべて私が納得していることではございません。
 それは、今私どものところでも論議しておりますことは、今申しましたように、空港が完全に完成しているものであればいいんです。ところが、成田も、四月十八日にオープンしましたけれども、二本目は暫定です。関空も二期工事があります。中部は今です。そのように、仕上がっていないものを国が責任を持ってきちんと仕上げていくというこの責任を、民営化して果たしてだれが責任をとるのか。第三セクターというものがあります、関空のように。けれども、第三セクターで、だれが責任を持つのか。最初つくるときは、財界も金を出しますと言いました。けれども、今や関西の財界が沈下していてお金がないから、何とかしたいって。みんな、ありますよね。
 ですから、本当に、基盤が全部完成した、二本の滑走路をつくって国際的に恥ずかしくないという空港に国がきちんと責任を持って仕上げて、そして民営化でどうぞ、これが本来の国のあるべき姿だという基本を私は持っていますので、成田が、もう既に成田はもうかっているから民営化するよというのは、私、それは、言葉は悪くてごめんなさい、食い逃げということに当たらないかと。もうかるようになったらすぐ民営化、あとのことはほっといてもいい――それは私は、国全体の国際空港という観点からはもう少し論議したいということで、今省内でもるる論議しております。
 私は、基本的に、国際という看板をつける以上は、国が責任を持って諸外国から安心してここへおり立ってくださいよと言えるものに仕上げなければいけない。今は一本の滑走路で、過密で安全も確保できないような、やっと二本目というような状況では国際空港という看板が泣くのではないか。また、近隣の諸外国のどこを見ても、みんな国際化で、二本以上、しかも四千メートル級の滑走路を持っているということに日本がどう対応していくかという基本的なことですから、今局長は局長なりに頑張っていますけれども、私は、そういうことを国土交通省として総体的に、運輸、建設、全部が一緒になった国土交通省予算の中でやりくりするということも、これは将来の日本のために大きな原点であるということで、予算の組み方も考慮できないかということを今叱咤激励しております。
大谷委員 ぜひ予算の使い分けというものを、組み替えというものを考えていただいて、その時々、大臣なのかまた総理なのかわかりませんが、その政権の中でのリーダーシップに沿って使えるような形に、初代国土交通大臣として、ぜひとも道筋をつけていただきたいなというふうに私は思っております。
 食い逃げの話ですけれども、あれは食い逃げじゃないですよ。国がいいものをつくって民間会社にして育て上げるという、こんなすばらしい話はないわけでありまして、民間会社がお役人様から離れて、商売という感覚でいいものをつくっていくということなんで、私は、それは十分民営化の方向がいいというふうに思っておりますが、来年また成田で御議論させていただけるということですので、とても楽しみにしております。
 きょうは関西国際空港の民営化について御議論をさせていただきたいなと思ったんですが、三十年で借金が返せるということなんですけれども、まだ鋭意、計算含め努力をされているということなんで、完全にそろったときに、来年やらせていただきたいというふうに思っております。
 局長、申しわけございません、一つだけ。大阪国際空港の今後の議論の進め方について、スケジュールなど、ちょっとお聞かせいただけたらというふうに思います。国会もあと一週間で終わってしまいますので、その後、私も帰って、いろいろと御報告、説明責任を果たさねばなりませんので、よろしくお願いいたします。
洞政府参考人 手短に申し上げます。
 先生御存じのとおり、伊丹空港のあり方について今いろいろ議論をしております。論点は三つございます。端的に申し上げまして、降格の見直し、それから関空と伊丹の空港の役割分担、あるいは空港の使い分けの問題、それから、関空をつくった経緯にかんがみますと、かつ、また一方で、伊丹空港において毎年百億近い環境対策費が支出されているということ、この環境負担のあり方の問題等々について議論を進めております。
 まず、機能分担の問題等々につきましては、さまざまな御意見がございまして、やるべきだという御意見もあれば、今は環境問題と利用者利便がバランスがとれている状態にあるとか、あるいは、航空会社の事業運営上の効率性が阻害されるというような反対意見もございますし、また、降格の問題につきましては、自治体等々から、地方自治体に新たな財政負担が発生するとか、あるいは特段の事情変更がないではないか等々、いろいろな議論が出ておりまして、これにつきましては、今後とも引き続き関係者と議論を進めて、合意の調ったところからどんどん、どんどんというのは変ですけれども、合意の調った部分から逐次実施に移していきたいと思っておりますし、特に騒音軽減対策というようなものは、早ければ早いほどいい、それにこしたことはないわけですから、できるところからやっていきたいと思っています。
 また、伊丹空港の環境対策につきましては、これはもう申すまでもなく、関空は伊丹の騒音問題の抜本的な解決を図るために多額の費用をかけて整備せざるを得なかったけれども、一方において、伊丹については、今申しましたとおり、毎年高い、百億近い額の環境対策費が投じられている。環境基準を達成している関空が存在するにもかかわらず、利用者利便を図るためにあえて環境影響の大きい伊丹空港を使用している。それゆえに環境対策費が全国から回ってきているという状況にあることを考えると、一定の部分については伊丹空港の利用者に特別な負担を求めてもおかしくはないんではないかというようなことで、これにつきましては、関係者と相談しながら、具体的な制度設計に向けて早急な検討を行って、これも十五年度からの導入に向けて頑張っていきたいと思います。
大谷委員 物流コストを下げるとか交通網を整備するという、この国全体の中からの考え方や、また、地域独特の環境背景から生まれた考え方がいろいろあるかというふうに思いますが、ぜひとも国土交通省も、地域への責任と自信を持って連携しながら御議論いただくことをぜひともお願いさせていただいて、私の質問を終わりたいというふうに思います。また来年、空港整備について議論させていただくことを楽しみにしております。ありがとうございました。
栗原委員長代理 一川保夫君。
一川委員 自由党の一川でございます。
 引き続き、一般質疑ということで、私は、今もう間もなく平成十五年度の政府予算のいろいろな編成作業が行われる時期でございますので、公共事業等にまつわる基本的なところを、もう一度国土交通省のお考えを確かめたいということで質問させていただきたいと思います。
 まず冒頭に、よく社会資本の整備、要するにインフラの整備、インフラストラクチャーの整備ということが言われて、そういったストックの時代であり、また、それをうまく運用しなければならないということも言われております。片や、一方では、公共事業を中心としてのいろいろな財政問題から、社会資本の整備そのものが何か悪者だみたいなことで論評されるケースもあるわけでございますけれども、私は、やはり、より安全で豊かな国民生活を行うためにも、また、活力のある経済を維持向上させるためにも、その基礎として社会資本の整備というものを計画的に整備していくということは大変大事な課題である、どの時代においてもそういうことは必要であるというふうに思っております。
 社会資本といえば相当範囲の広い概念だと思いますけれども、その中にあって、これまで、戦後五十年余りの間というのは、公共事業というものが中心になって社会資本の整備を引っ張ってきたということが言えると思いますね。公共事業というとまたちょっと範囲が狭いわけですけれども、もうちょっと広い範囲でいえば公共投資ということも言えるわけでございますけれども。当然、社会資本の中には、民間サイドのいろいろな、私鉄の整備の問題、あるいは電力の問題なりガスの問題等々、民間サイドでも社会資本的な整備というのは当然されてきておるわけですけれども、やはり基本的には、国が最も今主導権をとってやっておられる公共投資、公共事業というものが、その社会資本全体の推進役を果たしてきたということは、それは間違いないと思うんです。
 ただ、今日、先ほどちょっと触れましたように、いろいろな財政問題なり、また、経済が非常に不況が長引いているという中で、中にはむだな公共投資があるのではないか、不要不急のことに相当の経費をつぎ込んでいるのではないかというような批判が見えてきたり、いろいろなことが言われるような時代になりました。
 そこで、国土交通省という役所は、大臣がもうかねがねおっしゃっていますように、我が国の公共投資のほとんどをつかさどる官庁であるわけですけれども、これからの新しい時代に向けて、社会資本の整備というものについては大臣としてはどのように取り組むべきかというところの基本的なお考えを、まずお聞かせ願いたいと思います。
扇国務大臣 先ほども、けさから御論議いただいておりますけれども、私たちは、二十世紀から二十一世紀に世紀をまたいだ今現在、少なくとも今一川議員がおっしゃったように、二十世紀、我々は大きな社会資本整備で今日の日本をつくった。それは、私は、大変、公共工事というか公共事業は悪だというような風習がなきにしもあらずですけれども、二十世紀は今日までの大きなものがあったと思います。
 ただ、それは、追いつけ追い越せ、あるいは衣食住足りようということにきゅうきゅうとしたために、全体に目が行き届かなかったという点がなきにしもあらず。よく、木を見て森を見ずというような話もございますけれども、二十世紀は目の前にあることに一生懸命みんな頑張ってくださった、そのおかげで今日があると思います。
 私は、二十一世紀になって、はて、一歩立ちどまって過去を振り返ってみれば、余りにも一生懸命やったけれども、それがトータルとして整合性があったのかどうかということに、一歩私たちは二十一世紀に入って反省する点もなきにしもあらず。しかも、前へ前へ、ゴーゴーと進んできたために、何かを忘れたのではないかという、いわゆる二十世紀に負の遺産と言われるものがないかどうか。では、二十世紀に負の遺産と言われるものを二十一世紀はどう変えていくのかという、その分かれ目が今だと思っております。
 そして、今一川議員がおっしゃいましたように、先ほども論議しましたけれども、少なくとも、公共というものは、すべからく日本の国というものが存在し得るために、いただいた税金で最低限の国民の安全、安心を図っていくという、その責任が国としてある、それが公共だと私は思っております。ですから、国土交通省のように、陸海空、旧建設、旧運輸、北海道、国土庁、一緒になったものですから、私は、そういう意味では、トータルで物を見る目ができるようになったのが新たな国土交通省の第一歩だと思っております。
 その第一歩である証拠として、何をどうしようかということで、例えば、今度長期計画というものを、十四年度で切れるものが八本ございますけれども、十五年度で切れるものを一本加味しまして、十本の長期計画のうちの九本を一つにまとめてしまおうと。
 それは、なぜ一つにまとめるかといいますと、これは、御論議いただきましたように、今までの十本の長期計画というのは、それぞれが旧建設省、旧運輸省から出た長期計画なんですね。ですから、みんな縦割りになっていますので、私は、国土交通省になったら、例えば道路整備五カ年計画も、あるいは下水道整備七カ年計画も、道路も下水道も一緒に考えていけないか、共同溝で電柱の地中化とともにこれも一緒にできないかということを考えたり、あるいは海岸事業七カ年計画というのがありましたけれども、港湾整備七カ年計画というのもあるんですね。ですから、港湾と海岸の事業、これは一緒にしていいじゃないか。それじゃ、道路も一緒にこれは連結して考えましょうよということで、全部考えていきますと、この十本の計画のうちの九本までは一本にしようと。
 しかも、今までは、五年度ごとに予算を立てて、毎年度五年間は一定の予算がとれるよと、予算を獲得するための方便に帰していないかということも反省材料として、今回は、予算を明記しないで、そして一本の法律で次期通常国会で皆さん方に諮っていこうと。
 初めて、国土交通省としてトータルの目で見る日本の公共工事のあり方、そういうことを示していきたいという基本的なスタンスに立って今見直しを始めているところでございます。
 来年度予算に関しましても、そういう目で十五年度予算というものをしていきたい、そして、それが、今まで二十世紀のハードであったものが、二十一世紀は、ソフトを加味した、あるいはバリアフリーとか環境を加味した新たな二十一世紀の政策に資していきたい、そのように基本的には考えております。
一川委員 大臣の意気込みというのは、そういう面では非常に心強い面がありますので、ぜひそういう方向で引き続きお願いしたいわけです。
 私は、今も大臣も触れられましたけれども、全体の社会資本を整備していく中で、これまでの公共事業の果たしてきた役割というものは、それなりにまた評価すべきだというふうに思います。そのあたりの議論がちょっとごちゃまぜになっているような感が今日あるような気がしまして、やはり、公共事業なら公共事業、公共投資なら公共投資の一つの果たすべき役割、また果たしてきた成果というものをしっかりと評価した中で、そうした中で、これからの新しい公共投資、公共事業はどうあるべきかと。
 今おっしゃいましたように、いろいろな、教育関係なり環境関係なり、また福祉関係、そしてまた情報関係といったような分野にも、また、従来の範囲を超えたような公共事業というものがあってもいいじゃないかというような議論すら今出てきておりますように、そういういろいろな公共事業なり、そういったものの定義そのものも見直していくような時代に来ているのかなという感じもいたすわけです。
 ただ、一方で、最近の景気対策という中で公共事業というものが論ぜられますと、ちょっといろいろなことがごちゃまぜの議論になってしまうわけですけれども、公共投資そのもの、社会資本というものは、私が先ほど言いましたように、やはり計画的に整備すべきだ、国土の均衡ある発展ということも念頭に置きながら、いろいろな潜在力を持った地域に対しても、しっかりと目配りをしながらその整備をしていくべきだというふうに思っております。
 しかし、一方では、景気対策という中で公共事業が論ぜられますと、公共事業そのものはいろいろな経済波及効果があるということは、それはもう当然でございますけれども、極端に言えば、穴を掘って、またその穴を埋める事業だけでも経済効果があるじゃないかという説明をする方もいらっしゃいます。確かに、景気対策ということだけを考えれば、そこに、当面必要でないけれども穴を掘って、またその掘った穴を埋めれば、それはそれで一つの公共事業だということで、最近、道路のいろいろな掘り返し事業をそういうふうにして批判する方もいらっしゃいますけれども、そういうことで議論され過ぎますと、では、景気が悪くなったから公共事業は要らないじゃないかというふうに、逆に公共事業というものが変な評価をされてしまう危険性があるわけです。
 私は、景気対策上の公共事業というのは、やはりそれは、あくまでも、一種の附帯効果といいますか、間接効果的なものである、本来は、やはり社会資本というものを計画的に推進するのが公共事業の役割であるというふうに思っております。しかし、現実問題、いろいろな地方へ行きますと、公共事業というのは、いろいろな面で地域の経済を活性化するということで期待している方々もいるわけでございますし、また、今特にリストラ等で失業者がふえているという中で、やはり公共事業によっての雇用創出効果ということも期待しておる方々もいらっしゃいます。
 当然、公共投資をやれば、いろいろな材料の購入なり、また、いろいろな機械を使う、車を運転する、いろいろな中でいろいろな波及効果が出てくるわけですけれども、こういった公共事業の一種の経済効果といいますか景気対策ということについては、大臣はどのようにお考えでしょうか。
扇国務大臣 大変大事な時期を迎えていると私は思います。このように失業者が多く、世界的にも、日本からデフレを発信しないかと言われるぐらい経済が落ち込んでいるというときに、我々は果たして何をするべきか。
 私はいつも言っているんですけれども、苦しいときだけに、苦しいものの中から、全部切る、やめる、そういう一方的な縮小だけではなくて、やはりその中でも、これをしたというものをつくりたい、希望の持てるものに限られた予算を投資して効果を上げていきたいということを言っているわけですけれども、その辺のところが、私は、国のいわゆる事業というもの、国が表立ってやっていくというもの、それを、ぜひ小泉内閣として、小泉総理にも、苦しい中でもあのときあれをしたではないかというようなものを集中的にやっていただきたいと。
 例えば、それは名前をつけなくてもいいですけれども、これだけ空港がおくれているというのであれば、羽田の四本目の滑走路は今度の苦しい中だけれどもつくる、例えば、アメリカにはケネディ空港とか、あるいはドゴール空港とか、個人の名前をつけた空港もできるぐらい国策としてやったんですから、そういうものを苦しい中でもやれないかというようなことも経済財政諮問会議で言いました。
 短期的な需要ということを考えれば、一兆円の公共工事をしましたら少なくとも十三万一千人の雇用効果がある、一兆円で十三万一千人が雇用できるという過去のデータもございますけれども、果たしてそれが有効かどうか。限られたところで、例えば目に見えた使い方をしよう、今道路のお話を一川議員がしてくださいましたけれども、私は、電柱の地中化をするのなら、この年度はこの区域は完全に地中化しますよといって発表しましょうと。道路は、掘ったところは五年間はもう二度と掘らないということで、緊急のときは別ですけれども、私は、共同溝をつくって電柱を地中化して、この道路は五年間は掘りませんというふうに、これも全部公表しましょうと。そういうことによって、私は、事業効果というものをきちんと国民の目に見えるようにしていきたい。
 そうでなければ、私は、おくれていると言われた社会資本整備がもうこれでいいとは言えないと思うんですね。たまたま十二月に入りましたから、きょうは四日ですけれども、あと十日たったら赤穂浪士が討ち入って三百年なんです。けれども、三百年前にはパリの下水道は全部整備されておりました。そのように、私たちは三百年おくれて、しかも下水をつくり始めたのは百年おくれたわけですね。ですから、スタートが百年おくれているから、三百年前に完成しているパリに比べて、今まだ日本は途上にある。
 そういうこと一つとってみても、全部が均衡にということではなくて、集中投資して、そして集中することによってスピードアップをし、スピードアップをすることによってコストダウンもする、そういうことで、目に見えたものを幾つか、幾つかですよ、つくっていきたい。それでないと元気が出てこないと思っておりますので。
 私は、一兆円で少なくとも十三万一千人の雇用といっても、それが身につくような、二十一世紀、みんなに、あのとき苦しかったけれども、つくってよかったなと言われるような公共の事業というものを選ぶべきである、そう思っております。
一川委員 私自身も、公共事業が批判されている中の一つには、スタートする段階ではある程度目標を掲げておきながら、目標とする時期にはなかなか完成していないということに対する批判というのがあると思うんですよね。ですから、今おっしゃったような、やはり、少なくとも、多少、一、二年はずれたとしても目標時期にはしっかりとした成果が出るような、そういう進め方というのはある面では非常に大事なことでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 さっき大臣がちょっと触れられた長期計画のことについてちょっと確認したいわけですけれども、私もかねがねこの委員会でお聞きしている限りでは、大臣は、いろいろな長期計画は極力一本化を図りたい、長期計画そのものが予算の分捕り合戦に使われているというようなことも踏まえて、その事業のいろいろな成果というものを、整備水準というものに着目しながら一本化を図っていきたいというようなお話をかねがねされていたと思います。
 先ほど、何か法的な整備も含めてやりたいというようなお話もちらっとおっしゃいましたけれども、やはりこういった公共投資というのは、財政法第四条で言われておりますように、公債を発行できるという一つの対象の分野でもございます。そういった資産を形成することによって、その成果を後世の方々にも負担していただくということが認められている分野の仕事でもありますので、やはり物事を計画的にしっかりと成果を出していくということは大変大事なことでございますので、今大臣、従来の長期計画というものを十五年度の予算編成に向けて一本化を図っていきたい、また、来年の通常国会に向けて何か法的な整備をしたいとおっしゃったような気がしますけれども、そのあたり、もう一回御答弁をお願いしたいと思います。
扇国務大臣 今、一川議員が私の言ったことをお酌み取りいただいたとおりでございまして、私は、これを法律化するほど明快にしていかなければならないという気持ちで、今、国土交通省、みんな幹部が頭を集めて、一本化するということの法制化に向けて進んでおります。
 それと、私たちは、今おっしゃいますように、公共工事でもむだなことはやめろとおっしゃるのは、そのとおりでございまして、少なくとも、私が大臣に就任してから、与党三党で、ダムも含めて公共工事を中止しようということで、中止をしていただきました。そのときにも、これは今までなかったことですけれども、五年たっても何の音さたもない、十年たっても芽が出ていないというような公共工事に予算をつけていくことはどうかということで、少なくともあのときに百八十七の事業を中止いたしました。
 それも、私は、あのときに、本当に英断だったと思いますけれども、その姿勢は国土交通省としては保っていくこと、そして、少なくとも、国土交通省が新規に事業を事業化するときには、あと五年たってあの事業はむだだったなと削られるような、また、過日の百八十七の事業を中止したと同じような目に遭うような事業は一切計画しないことということを言明してございます。ですから、私が、やめますけれども、やめて五年たって、ああ、扇千景のときにあれをやっていたけれども、やはりあれはだめだ、中止だと、そんなことがないようにということを厳に私は申し渡してございますし、あの百八十七の事業を中止して、そして少なくともあのとき二兆四千百億円という残事業費というものが浮いたわけでございます。浮いたといいますか、縮小したといいますか。やはり二十一世紀だからこそあれだけの英断ができたんだと思うんですね。
 そういう意味でも、私は、グランドデザインがなかったからそういうことが起きるので、グランドデザインをつくるというのはそういう意味で大変大事である、陸海空一体的な設計図をつくるというのは当然のことだろうと思いますので、限られた予算の中でも、公共事業の必要性とそしてスピード性とコストダウンと、そして計画の、新たな二十一世紀型というものを一体に考えていきたいと思っております。
一川委員 公共事業だけじゃないと思いますけれども、地域あるいは役所単位あるいは組織単位のことで、今、予算時期になると、対前年比伸び率という表示とかいろいろなシェアというのが、比率がよく出てまいります。どうも、そういうことにこだわり過ぎて、そのシェアなり伸び率を確保するために若干不要不急なものにも手をかけてきたということが背景にあるような気がいたします。そういうことの反省の中で今大臣がおっしゃっているということだと思いますけれども。
 一方では、前にも触れましたように、建設業界、こういった公共事業を請け負っている業界というのは、あくまでも請負業なんですね。受け身なんです。自分たちの業界の将来展望というものを描くには、非常に描きづらい分野だと思いますね。何となく、自分の当該県、自分の市町村の予算の伸び率とかシェアとか、そういうものの一つのトレンドの中で会社の経営を立てているような会社が結構あるような気がするんです。しかし、今はそういうことが成り立たないという非常に厳しい状況下になりつつあるわけです。そうかといって、では、この建設業界、特に中小建設業界の中では、地方においては相当の雇用力を持っているわけだし、いろいろな面で地域経済にいろいろな役割を果たしてきておるということは間違いないわけですね。
 片や、建設業を取り巻くいろいろな批判めいた話題も今日あるわけです。しかし、私は、建設業という業界で働いている方々の雇用力の問題、また地域で果たしている役割ということを考えてみれば、建設業というものに対する何か明るい展望みたいなものを、やはりある程度国土交通省としては指導していく必要があるのではないか。もちろん、従来と同じようなやり方ではなくて、新しい分野への進出なり、いろいろな経営の再編成なりということも含めて、もっと夢を持って、誇りを持ってこういった業界で働けるような、そういう指導というのは私はあっていいと思いますし、また、それだけのいろいろな潜在力を持った業界だというふうに思いますので、特に今景気が非常に厳しい中で雇用不安が漂っている中で、この建設業界に対するいろいろな指導ということも重要な課題だというふうに私自身は認識しているわけですけれども、国土交通省のお考えをお聞きしたい、そのように思います。
    〔栗原委員長代理退席、橘委員長代理着席〕
中馬副大臣 一川委員御指摘のとおり、この不況のかなり大きな影響を受けているのが建設業でございます。全倒産件数の三分の一は建設業ということになっておりますし、その一つの背景としましても、建設投資が、ピークの平成四年の八十四兆円から、現在五十七兆円まで三割も減少しているわけでございます。そうする中で、ではこれをどうするかということ。
 先ほどおっしゃいましたように、不況の一つの原因といいましょうか、これをしたのも、バブルがはじけて以降、かなり建設が、緊急経済対策ということで公共投資に依存したことも事実です。それぞれ八兆円、十三兆円といったような、毎年毎年、公共投資を中心としてかなりの発注をしてまいりました。地方におきましても、単独事業を思い切ってやりなさいということで、景気浮揚の一つのネタにしてきたことも、これまた事実でございます。
 そうしますと、それに基づいてかなり、一九八七年から九七年までのこの十年間に、不況の中でずっと建設従業者がふえてきているんですね。ですから、これがその間において少なくとも失業率を余りふやさなかった一つの大きな原因かもしれません。しかし、それがもう限界に来て、一つの政策転換をしたことは御承知のとおり。国民も小泉さんを支援して、三十兆円の枠を守る、いいじゃないかということで現在に至っております。
 したがいまして、公共投資そのものは、景気浮揚対策としての大きな役割を今度はおりる形になりましたけれども、そうする中で、経済的な一つの市場原理といたしまして、中小、中堅企業も再編淘汰が迫られていることは事実でございます。とはいいながら、技術と経営にすぐれた企業までも全部つぶしてしまいますと、これはいろいろ問題がございますから、ここは何とか伸ばしていくという形をとらなければなりません。
 同時に、従来の個々の建設業に携わっておられた方々も、ひとつ、現代の需要に合わせた形での工事といいましょうか、事業の方に転換していただかなければなりません。
 これはいろいろ考えられるわけでございまして、今、政府の方の投資はそのような形で減ってきておりますけれども、民間が下がってきていることはそれ以上に大きいです。しかし、民間の方でこれまで以上に物の生産を上げてといっても需要がないわけですが、ただ一つ、皆様方も御認識いただいているように、日本の住宅事情というのは非常に悪いんですね。欧米先進国に比べウサギ小屋と言われているこの住宅をもう少しゆとりあるものにしていくことが、大きくこの日本の社会状況までも変えていくのじゃなかろうか。そういうことから、国土交通省といたしましても、これをこれから大きく、ゆとり住宅の推進ということで、今大きな施策にしているところでございます。
 これには政府が大きく財政投資することはないんですね。御承知のとおり、国民は非常に豊かになりまして、蓄えが非常にふえております。現在では千四百兆と言われておりますね。千四百兆の蓄え。しかも、現預金という形で自由になるお金が七百五十兆もあるんです。これを自分たちのゆとりある住宅に使っていくときには、しかしかなり大きなお金を、もう自分はローンも払い終わって一つの住宅に住んでいる、しかし子供たちが狭いところに住んでいる、もう少し広いところに住まわせてやったらいいじゃないか。今度孫が結婚する、そのときに自分が持っている個人金融資産を一つぽんと出したら、これはもう現在の税制では大変な贈与税がかかるわけでございますが、これを少なくとも、今言いました緊急的な意味も含めて、三年間なら三年間、三千万円という一つの枠を決めてでもいいから、これを贈与した場合には一切相続税をかけないという形を今一生懸命提言しているところでございますが、なかなか財務当局の方のガードがかたいようでございます。
 ともかく、それをいたしますと、町の中小の方々は、個人住宅がどんどんと建っていく形になりますし、この場合には、私たちは、ただ新築だけではなくて、中古住宅の、あるいはまたリフォームもバリアフリーも結構ですと言っておりますから、こうしたことは、中小の方々の、建設業も含めた中小建設土建業者の事業を非常にふやしていくんじゃなかろうか。そういうことも、今私たちが大きく推進していることの一つの施策でもございます。
 と同時に、電線の地中化とか、町の中のいろいろな景観を変えていくとか、まちづくりをやっていく。これは大手のゼネコンが出てくる問題じゃありません。小さなところが逆にいろいろな仕事場をふやすことになるでしょう。
 そういうことも含めて、私たちは、現在の状況の中で、ただつぶしたらいいということではなくて、その方々が新しい国民の需要に沿った方向に事業を展開してもらうことを一つの施策といたしている次第でございます。
一川委員 今御説明ありましたように、新しいそういう需要が出てきやすいいろいろな規制緩和なり制度改正なりということも当然念頭に入れての努力が必要だと思いますし、また一方では、これからの新しい時代に向けての成長分野といいますか、そういう分野に対応できるような、建設業界に対するいろいろな指導というか、一種の研修的なことも含めたそういう対応も必要ではないかというふうに思いますので、御努力をお願い申し上げたいと思います。
 そこで、最後に、ちょっと時間がなくなりましたので、私の方から一言言わせていただきたいんですけれども。
 冒頭、玉置議員の方からもお話がございました。宅建保証協会にまつわる話題というのがございました。我々野党の中でこのことについて勉強しておるチームが、先般、二十六日だったと思いますけれども、この宅建協会の本部の方へお伺いした。そのときに、藤田さんという会長さんの都合に合わせて我々が訪問したにもかかわらず、会長さんは出てこられなかった。一応、体調が悪いという言いわけなんですけれども、しかし、事前の我々に対する知らせも何もないままに欠席された。
 そのときに、事務方の方からいろいろなお話を聞いておる限りでは、私はやはり、こういった厳しい世の中の状況の中で、こういう協会、また、それにまつわる政治連盟の対応ぶりをもっと国土交通省はしっかりとチェックをされて指導していかないと、ますます国民の不信を買うなというふうに率直に思いました。
 一番本家本元の宅建協会と、あるいは関連する政治連盟というものが完全に表裏一体になっているということは、もう事実なわけですよね。政治連盟の会則の中にも堂々と、大会決議機関である大会の構成員は宅建協会の構成員をもって構成員とするということを政治連盟の会則に明記されておるわけです。そういうこととか、あるいはまた各都道府県の宅建協会、それから不動産政治連盟、それから自民党の宅建支部ですか、そういうものが皆、各都道府県の不動産会館という建物の中に、全部同じ場所に入っておるわけです。
 そういうことが現実問題ございますので、先ほど局長さんから、いろいろな面で今仕分けされてきているとはおっしゃいますけれども、私はやはり、現実問題、ほとんどそういうものは政官業癒着構造の中にあるという印象を持ちましたので、まだ引き続きこういうことは勉強させていただきますけれども、ぜひ大臣を筆頭にして、こういった問題についても、国民の皆さん方に疑惑を晴らすような指導をぜひよろしくお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
橘委員長代理 大幡基夫君。
大幡委員 日本共産党の大幡基夫です。
 去る十一月六日夕刻に、JR西日本東海道線で中学生がはねられる事故が起こりました。そして、その直後に、救助に入った大阪市消防局の職員の二人の方が後続の特急にはねられて死傷するという二次事故が起こりました。
 亡くなられた方は、私の自宅の近所にお住まいで、二十八歳の青年、この二月に初めて女のお子さんが生まれたばかりのところでした。救助していてはねられた。家族の無念さを思うと言葉も出ません。二度と繰り返さないために、この事件の真相の全容解明、そして必要なすべての対策を行うことは、鉄道事業者を監督指導する国土交通省、そして本委員会の責務であると思います。
 そこで、まずお聞きしたいんですが、過去に、鉄道事故の救助活動に入った方が列車にはねられて死傷する、そういう事例はあったでしょうか。
石川政府参考人 JR西日本において今回発生した事故と類似した事故というものはないと報告を受けております。
大幡委員 まさに初めてのことで、全く異例のことです。
 今回の事故の直後、関係者はだれもが、考えられない事故というコメントをしています。それは、軌道敷地内で列車の救助作業をしているのに列車の運行が再開されていた、しかも時速百キロで入ってきた。国土交通省として、今回の事故についてどのように認識しておられるのか、お聞きしたいと思います。
石川政府参考人 今回の事故のように、負傷者の救護等に当たるため、警察や消防、こういう関係者の方々が線路敷地内に入る、こういう場合は、当然でございますが、線路内で作業を行う場合などには関係する列車の運行を停止する、一方で、運行停止等の安全確保の手配が完了していない場合は線路内に立ち入らせない、こういうことを徹底して安全確保を図ることは必要だと考えております。
 今回の事故のように、救助作業が行われている線路を列車が通常速度で運行してくるということは本来考えられない事態でございまして、このような状況がどういう要因で発生したかということについて、原因の究明を進めているところでございます。
大幡委員 今言われたように、軌道敷地内から出るまでは運転再開はあり得ない、これは鉄道現場でいえば不文律のことだ。ところが、JR西日本ではそうではなかったわけです。
 十一月十一日に、JR西日本が関係者から聴取したものを時系列的に整理した報告が出ています。この報告は事実関係のすべてではないと思うんですが、しかし、私は、この報告を読んだだけでも、この不文律を無視しているやり方が横行しているという事実を見ることができました。
 その一つは、要請を受けた救急隊員が現場に着いたのが十九時四十三分なんです。ところが、その十数分前、特急「北近畿」の運転士に運転再開が指示されていて、十九時三十五分に、負傷した中学生を線路わきに置いたまま、その列車が通過していたんです。このときにも非常に危険な事態があった。
 さらに、十九時三十九分に警察が着いた。十九時四十三分に救急隊が着いた。その五分前、十九時三十八分に、指令所から現地にいる尼崎の駅員に、次に通過するのは特急「スーパーはくと」だろう、時間は五分後ぐらいと、つまり、五分後ぐらいに特急「スーパーはくと」が通過するよという連絡が入っているんです。そのとおり、六分後の十九時四十四分に事故現場を通過し、はねている。つまり、救助作業中に特急を通過させるということが連絡されている。
 第三には、十九時四十分に、指令所に対して消防署から現地の場所確認の電話が入っているんですね。つまり、指令所は、間もなく救急隊が現地に着くことはわかっていたはずなんです。ところが、その直後、十九時四十二分に、出発信号機が進行信号に変わるわけです。要するに、運行せよという指示がおりて、「スーパーはくと」は大阪駅を出ているんです。
 まだあるんです。走行中の「スーパーはくと」の運転士に対して、指令所から、事故現場にはけが人がいるかもしれないので十分注意して運転するようにという伝達をしていたんです、無線で。この伝達中にはねているわけです。
 こうした経過を見ただけでも、運転再開はあり得ないという不文律が全く無視されている。
 扇大臣にお聞きしたいんですが、公共交通機関にとって、安全、人命はいわば最優先のことだと思います。今回のJR西日本の鉄道事業者としての安全確保の認識についてどのように思われるか、お聞かせください。
扇国務大臣 私も、この事件を聞いてびっくりいたしまして、そんなばかなと思いましたし、何のために救急隊が働いているのかと。そういう働いている消防隊の皆さん方がわざわざ助けに行って人命を落とすというような、こんな悲劇があってはならないと思います。また、現実的に、今回の鉄道事故に関しましては、救助活動中であるということからもってすれば、消防職員の二名の方が作業中に列車にはねられたという事件を知りまして、亡くなられた一名の方には本当に御冥福をお祈りしたいと思いますし、また一名は、けがをしてまだ入院中だということで、私も一日も早い回復をお祈りしたいと思います。
 今おっしゃったように、何のために走っているのか。人を安全に運ぶために走っているわけでございます。その安全に走っているものが、安全でないような、人をはねるというような事態に至ったということは、私は、これは基本的な、今おっしゃった資格というもの、少なくともルールというものをきちんと検証するべきであると思いましたから、後でまたお尋ねがあろうと思いますけれども、社長にも会いましたし、報告も聞きました。
 少なくとも、何のためにルールがあるんだ、このルールを守れないようでは、乗っている方も安心が守られないし、作業している人はもっと危険な状態になるということで、私は、まず安全、しかも確実に確認する、そして人命確保が最優先事項であるということ。少なくとも、事故防止というものに、初めての経験だとはいいますけれども、二度と起こらないために厳重な検証をし、お互いにどこをどうすればいいかということを、答えを出すべきだと思っています。
大幡委員 言われたように、常識では考えられないことなんですが、私、今回いろいろお聞きして、JR西日本について言えば、起こるべくして起こった、そういう事態が進行しているということを強く感じているんです。事故が起こってから、JR西日本は鉄道本部安全対策室長名で二つの文書を出しています。
 一つは、十一月七日に、「人身事故等発生時における関係係員相互の連絡の徹底について」という文書です。ところが、この文書の中にはこう書いてあるんです。「人身事故等が発生して線路内に立ち入って作業が行われる場合には、指令、乗務員、現地に出動した係員が綿密な連絡を取り合い、指令が現地の係員から現場の状況を十分把握し、安全であることを確認した後、運転を再開するよう徹底されたい。」ここには、救助作業中に運転を再開したということの反省は一言も書かれていません。
 そして次、十一日に二通目の文書が出ているんです。十一日の文書は、「鉄道人身事故において負傷者が発生した場合の取扱いについて」という文書なんです。この文書の中にはこう書いているんです。「平成十四年十一月七日安対第八十七号にかかわらず、」つまり、十一月七日に出した文書を全面否定しているんです。そして、初めてこの中で、「鉄道人身事故において負傷者が発生した場合は、救急隊の到着を待ち、負傷者が救出されるまで列車の運転を再開してはならない。」と、ここで初めて常識が文書として登場しているわけです。
 十一月六日に事故が起こって、世論が、救急隊員の到着を待ち負傷者が救出されるまでに列車事故を起こすとはけしからぬという批判が巻き起こっていても、十一月七日の文書は、事実上、運転再開の留意点ということなんです。
 鉄道局長にお聞きしたいんですが、この二つの文書の内容については、私が今指摘した点に間違いはないと思うんですが、いかがですか。
石川政府参考人 先生御指摘のように、十一月七日にJR西日本の安全対策室長から各支社長あてにまず文書が出ております。
 その文書については、この事故があったということを踏まえて、「人身事故等が発生して線路内に立ち入って作業が行われる場合には、指令、乗務員、現地に出動した係員が綿密な連絡を取り合い、指令が現地の係員から現場の状況を十分把握し、安全であることを確認した後、運転を再開するよう指導徹底されたい。」こういうふうに出ております。
 それから、十一月十一日の鉄道本部安全対策室長から同じように各支社長等にあてた取扱文書につきましては、今先生お話しのように、こういう事故があったということを踏まえて、「鉄道人身事故において負傷者が発生した場合は、救急隊の到着を待ち、負傷者が救出されるまで列車の運転を再開してはならない。」というふうな社内通達が出ております。
大幡委員 先ほど言いましたように、直後には、事実上、運転再開の留意点、そういうニュアンスの文書が公然と出ていたのです。こういう認識なんです。
 扇大臣にお聞きしたいのですが、今回、昨年から始動した航空・鉄道事故調査委員会が直ちに調査を行っていますが、いわばこういう認識のJR西日本任せにしないで、国土交通省として徹底した調査と対応策に責任を持って取り組むことが必要だというふうに思うのです。この問題に取り組む扇大臣の姿勢といいますか決意について、お聞かせいただきたいと思います。
扇国務大臣 私もこれは、JR西日本ですけれども、安全確保の基本ができていなかった。そのことに関して、八日には近畿運輸局からJR西日本に警告書を発出しました。そして十一日に、本省から消防庁とともに、全国の鉄道事業者に安全管理の徹底を改めて通達いたしました。また十二日には、JR西日本の社長に対して私から、社長に直接来てもらいまして、再発防止対策をしっかりと実施するようにという指示を出しました。それが十二日でございました。
 ただ、これを出しただけでも、今後JR西がどのようにするかということが大変今後の問題として残ってくると思いますので、私たちが申し上げましたことを果たしてどのように受け取るのかということを考えておりますので、今回は、この原因究明、今大幡議員がおっしゃいましたように、鉄道における重大な事故である、そのための調査及び原因究明、これはもう当然のことですけれども、事業者に任せることではなくて、関係の皆さん方から事情を聴取する権限を有する国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会が原因究明に当たっております。ですから、きちんとした調査が行われるものと私は思っております。
 少なくとも、今回の事故につきましては、航空・鉄道事故調査委員会において調査官二名を現地に派遣してございますので、今、大幡議員がおっしゃったようなことは、関係者からの口述調査ということもしておりますので、関係資料の収集を行うというようなことをして、私のところへ改めて報告が参ると思っておりますので、それらを含めて、二度とこういうことがないようにという冒頭の大幡議員の御指摘どおり、私たちは適切な指導をしてまいりたいと思っております。
大幡委員 その際に、私は、JR西日本で、安全確保の機能不全というか、こういう状況がなぜ生まれているのか、この調査究明も非常に大事だというふうに思うのです。
 私の事務所で、今回の事故の後、JR西日本の乗務員や駅員の方から実情を聞かせていただきました。あるベテランの乗務員がこう言ったのです。列車関係者は、危ないと思ったらとめる、でも、このとめることをためらわせる圧力が背景にあることが問題ですと。つまり、とめることをためらわせる圧力がある、こういう証言がありました。
 JR西日本では、今、列車の運行が新大阪総合指令所で集中コントロールされています。この指令所には十九時十六分に新快速の車掌から救急隊の出動依頼を受けていますが、それを塚本駅等に振っているのです。なぜ指令所が直ちに一一九番しなかったのか、この原因をつかんでいるでしょうか。
石川政府参考人 現在調査中でございまして、今御指摘の点については、私どもまだ確認できておりません。
大幡委員 ぜひ調べていただきたいのです。
 実は、この総合指令所が二〇〇〇年三月に「指令応急処置Q&A」という文書をつくっています。このQ&Aの文書の中には救助作業についての安全確保の記載は全くないのです。ところが、人身事故が発生した場合の運転再開については、ただし書きがあるのです。こう書いてあります。消防や警察の現場検証などで運転再開に時間がかかる場合、鉄道警察を通じて早期運転再開を要請するように。つまり、指令所というのは早期運転再開が最優先の任務だよということが、事実上、このQ&Aに書かれているわけです。
 そして、救急、つまり一一九番は指令所の仕事ではない、こういうことで現場から断った例がことし二月のJR環状線の事故の中でも判明をしています。まさに指令所で働く皆さんの中には、列車をとめるあるいは救助作業に協力するということをためらわせる圧力が、最優先の任務は運転再開だということから働いている、こういうふうに私は感じました。
 また、乗務員の人に話を聞きました。皆、安全に人を運びたい、そのために仕事をしている、しかし、到着時間や発車時刻がおくれると、反省会、反省文、始末書、乗務停止で締め上げられる、こういうことから、危ないと思ったらとめるということをためらわせる、そういう圧力を感じるということも聞きました。
 駅員の人に聞きました。駅員の人からは、駅員の人数の削減削減で安全への危惧が語られました。例えば、軌道敷地内で作業をする場合には、一般的には列車見張り態勢をとることが決められています。ところが、今回のような人身事故が発生してその救助作業に当たる際に、現状では見張り態勢をとるための人員確保は困難だ、こういうふうに聞かされました。つまり、安全第一で対応することを妨げる実態というのが現場にある。
 扇大臣、このような実態があることを御存じでしょうか。また、こういう現実があるとするならば、どのように思われるか、お考えをお聞きしたいと思います。
扇国務大臣 今も私、この「指令応急処置Q&A」というのを、初めてだったものですから、今言われて拝見しておりますけれども、状況を確認する中で、いろいろな人身事故発生箇所のあるときとか、列車の抑止手配を行うときとか、遺体の監視社員を手配するとか、るるQ&Aに書いてございますけれども、私は、Q&Aに頼るまでもなく、少なくとも社員の徹底教育というものはあるべきだろうと思います。いざというときに現場でこれを見ていられないんですよね。ですから、これは頭に入っているべきもので、運転しながらこんなQ&Aを見ている場合ではないので、私は、そういう意味では一人一人がこれを認識するべきだと思います。
 今回は、具体的にJR西日本は、マニュアルの整備による手順の明確化を行う、こう言ってきております。果たしてそれができるかどうかは今後にまちたいと思いますけれども、少なくとも安全確認を図るまでに、すべての係員が使用できるようにということで、応急処置として、全部の職員に六千台の携帯電話を今回持たせたそうでございます。そして、間違いなく連絡するようにと言ったようでございますけれども、国土交通省としても、再発防止の確実な実施というのは当然のことでございますので、担当もおりますので、調査官の報告を待って国土交通省としての対処をしていきたいと私は思っています。
大幡委員 ぜひ、大臣、この緊急指令Q&A、全部見てほしいんです。つまり、この中には救助作業について安全確保の記載というのは全くないんです。さっき言いましたように、運転再開をするようにということについては、ただし書きまであるわけです。ですから、マニュアルが頭に入っていれば、こういう行動になったというのが今回の一番の問題なんです。
 もう一つ紹介したいのは、ミスを犯した場合の教育というのがあるんですが、もちろん、ミスした場合の教育は大事ですよ。しかし、JR西日本のある運転区でやられているのは、反省文とともに、数項目、今後どのようにしますかという項目があって、丸をするんです。その中には体の自己管理等に気をつけるという当たり前の項目もあるんですが、そのほかに、増収をしますという項目があるんです。増収、利益を上げます。利益を上げるというのが安全問題と関係ないから丸をつけないと、書くまで追及される。そのために、その場で急性胃炎を起こしたりうつになった職員までいる。安全どころか病人をつくっているんです。
 大臣、増収する、利益を上げるということが乗務員の安全運行やミスの防止の教育になるというふうに思いますか。つまり、こういうことがやられているわけです。そういう点では、今回の事故の再発防止のための手だてを全面的に明らかにする上では、総合的、全面的に調査するために、私が今言いましたような現場で働いている皆さんからも生の声を聞く、こういうことがどうしても必要だというふうに思うんですが、この点は確認してもらえるでしょうか。
扇国務大臣 少なくとも、JR西日本という会社が完全民営化して、どのように自分たちが社会の信用を得て利益を上げるかという前提条件として、安全で安心であるという信用がなければ利益の追求なんかできません。ですから、JR西日本としての基本的な姿勢というものがきちんと認識されているというのは当然のことだろうと私は思いますから、利益を追求する前に信用がなければだれも乗りませんから、今回大変な事故を起こしたという反省のもとに、自分たちが何が欠けていたのかという認識がなければ会社として成り立っていかないということにつながりますから、そういう意味では、我々にもきちんとした報告が来、また我々も監督官庁として、調査官の報告を待って再度指導するところがあれば指導していきたいと私は思っています。
大幡委員 扇大臣、鉄道事業者は大臣の許可が必要なわけです。また、交通に関する許可審査基準もあります。この許可審査基準に基づいて事業改善命令を行う権限を国土交通省は持っています。私は、今回の事故に当たって、国土交通省の対応についても問題があったというふうに指摘せざるを得ないんです。
 消防庁が二〇〇一年十月十七日に「鉄道災害への対応について」という通達を出しています。この文書の中には、鉄道災害への対応として「二次災害の防止について」という項目があります。この中で、こう書いているんです。「救助活動を開始する前に、駅に列車の運行状況を確認し、事故発生路線の列車を停止させるとともに、必要に応じて他の鉄道事業者の列車を停止させるよう要請すること。」そして、この文書の中には「鉄道事業者へは国土交通省から本報告書に基づき消防機関に協力することを指導するよう依頼しております」、つまり、国土交通省にはこの内容で鉄道事業者を教育してほしいという依頼をしたということも書かれています。
 これを受けて十一月六日に国土交通省が通達を出していますが、その際に、「事故発生路線の列車を停止させる」という表現だとか、あるいは消防庁の文書の本文を添付するということはしましたか。
石川政府参考人 平成十三年の十一月の今お話のあったことでございますけれども、「今後、消防機関から鉄軌道事業者に対して消防救助活動に関する協議等の申し出があった場合には、これらの協議に応じるとともに、消防機関と協力し、鉄道災害発生時の救急・救助体制に遺漏なき措置を講じるよう」指導する、こういうことで出しておりまして、消防庁の通達そのものの添付はしておりません。
大幡委員 要するに、添付しなかったわけですよ。
 そして、これはもう事前にお聞きしたんですが、国土交通省のあらゆる文書の中に、救助活動を開始する前云々というか、人身事故に対する対応について、列車を停止させることということを明記した文書は一切出ていないんです。私は、今回、この消防庁が出している二次災害の防止という内容を受けて国土交通省からも再度徹底をして状況が把握されていれば、今回のような考えられない事態は避けられたというふうに思うんです。
 時間が来ましたが、今回の事故の大もとには、鉄道事業者であるJR西日本が、リストラ、合理化、人減らしが時流であるかのような、むき出しの利益最優先、人命軽視の経営を推し進めることがあるというふうに考えます。重ねて、今回の事故の全容解明と再発防止のための最善の努力を求めて、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
橘委員長代理 保坂展人君。
保坂委員 社民党の保坂展人です。
 本日は、去る十一月十二日、当委員会において、都市公団のマンションの大規模建てかえの問題について幾つか質問をさせていただきました。扇大臣からは、公団にとっては初めての事件、大過失であると、いろいろ答弁を聞いていても、まだまだこれは厳しく調べなければいけない、そしてやはりこれは明快に責任を追及される、こういう御答弁をいただきました。
 そこで、きょうは公団の方にも来ていただいているんですけれども、簡単に聞いていきたいと思います。
 現在、この問題で、工事中であるところが十棟というふうに聞いております。そして、さらに話し合い中であるところが二十九棟、公団の方が調査をしないと言われているところが五棟、これをプラスしていきますと四十四棟、大変な数字になります。現状はどのような範囲で住民のこうむった不利益を回復しようとされているのか、公団の方から簡単にお答えをお願いします。
中田参考人 お答えいたします。
 まず、原因究明の問題が一番大きな問題でございましたが、公団内に原因究明のためのワーキングチームを設置いたしまして、当時の関係者に実情を確認するための聞き取り調査等を中心に実施いたしました。
 その結果、本件の主な施工不良の内容は、鉄筋の配置不良、それからコンクリートの充てん不良、並びに開口部周りのモルタル充てん不良等があります。それらは、構造上重要な部分にかかわるものと、漏水、騒音等の生活上のふぐあいにかかわるものに大別されますが、いずれも、その不良の程度が、または頻度が一般の建築工事として通常許容される範囲を超えるものでありました。
 また、関係者からの聞き取り調査の方では、当時の逼迫した労務、資材事情、それから設計、地形等に起因する工事の難しさ、工事の、当時の周辺の建設工事に係る交通事情の悪さ等の背景が明らかになりました。
 これを受けまして調査を行っておりますが、現在ちょうど、譲渡後の十年を機に、保証基準に基づく補修工事を行っておるわけでございますが、順次、管理組合と協議を行っておりまして、現在、先ほど先生御指摘のように、既に補修工事を終えた棟あるいは補修工事中の棟、そういうものに引き続きまして、すべての棟について調査をする予定にしております。
保坂委員 時間がないので簡単に答弁していただきたいんですが。
 これは週刊朝日が取り上げてきているんですが、前回の質疑でも、業者が悪かったんだ、バブル時代で、業者の中で手抜きがあったことに対してチェックが行き届かなかった、そういった観点からの答弁があったと思うんですが、欠陥発覚の報道を見て、やはり問題は起きていたかと公団の当時の担当部長がおっしゃっていると。そして、工事がおくれ始めたときに、現地の責任者が、設計を簡素化しないともうだめだと。これは確かに、斬新なデザインですからね、やるのが難しいんです。ところが、これは斬新なデザインが売りのマンションだからこのデザインは変えられないと叱咤激励をして工事を急いだために、多少のことは目をつぶって進める風潮が生まれたと、こんな証言をされているんですね。
 この前は驚いたんですが、四十三億円ですか、これまで改装工事の中でかかった。今の答弁でも、これからどのぐらいかかるのかもわからないですね。私が聞きたいのは、公団の責任というのはどの範囲で考えているのか、施工業者が全部いいかげんなことをやったという整理なのか、いつ結論を出すのか、その時間、どのくらいの範囲でやろうとしているのかということを明確にお答えください。
中田参考人 まず、こういうことが起こったことの公団の責任でございますが、今回の瑕疵は、一義的には、施工業者の極めて不適切な施工、施工監理によるものと推察されますが、しかし、このような重大な施工不良を発見できなかったという意味でいいますと、現場での調整業務に多大な労力とか時間をとられたといった事情があったにせよ、公団の工事監理に不十分な面があったと受けとめております。
保坂委員 扇大臣に伺います。
 今のやりとりでも、非常にゆっくりしたテンポだなというふうに思います。これだけ大失態、大過失というふうに言われた、そして大臣もみずから資料を持って、これは厳しくやりますとおっしゃいました。私も待ちたいと思いますが、どのぐらい待てばよろしいでしょうか。どのぐらいの範囲で結論を出されるおつもりか。
扇国務大臣 私は、先日の委員会でお答えした後も、公団総裁、関係者を呼びまして、現状をもう一度把握いたしました。
 それで、なぜ進捗がおくれているのですかと言ったら、お住まいになっている皆さん方に納得をいただかないと検査もできない部分がございますと。そして、今数字を冒頭におっしゃいましたけれども、斬新なデザインで、この間も申しました、四十倍、八十倍の競争でやっと自分の資産を得た人たちに、これだけの過失を見出すことができたわけですから一日も早く相談しなさいと言ったら、いや、管理組合があって、管理組合の皆さんがお受けしてくださらないと全部に検査に入れない等々の事情があることが改めてわかりました。今二百名の皆さん方が転居して修理しているところは、もう間もなく修理も終わる、それが、先ほど保坂議員がおっしゃった四十億と三億、転居している人の三億とで四十三億ということですけれども。
 これだけの欠陥が見えたということであれば、私、公団のみんなに言ったんです、では、住んでいる間に壁が落ちてきたらどうするの、屋根が滑り落ちたらどうするの、いつ地震があるかもわからないんだから、早くしなさいよ、手をつけなさいということを叱咤激励いたしましたけれども、やはり、お住まいになっている皆さん方の管理組合等々ができ上がっているようでございまして、その皆さん方の了解を得ながらということで。
 私は、できれば、本来であれば年内にめどをつけて、ここは何カ月かかって修理する、ここはどうしても半年かかるとか、そういうめどをつけるべきだと思って、指導いたしましたけれども。
 何しろ、買い取りで、お住まいになっている方がうんとおっしゃらないと、住んでいるところへ検査に入るわけですから。そこで時間がかかっているという状況はあると私は思いますけれども、それでも早くしなければ、私は、二次災害があり得ないとは限らないという言葉を使わせていただいて、叱咤激励してまいりたいと思います。
保坂委員 もう答弁は求めませんが、公団の方には、バブル時代に工事を急ぎ過ぎた、今回はその調査や事後処理について、これは逆に急いでいただきたい。工事を急ぎ過ぎてずさんになるのは困るけれども、調査や事後対策がおくれ過ぎて、いろいろ、今大臣がおっしゃったような被害が拡大をしたり、ひいては公共住宅の信用が地に落ちるということがあってはならないということを指摘して、ちょっと次のテーマに移らせていただきたいと思います。
 私も、先ほど自由党の一川議員がおっしゃったように、野党のチームで、全宅連、全宅保証、全政連の三カ所に調査ということで行ってまいりました。
 まず、国土交通省の局長に、この点、前回別の委員会でただしたんですが、共通の名簿というのがあったわけですね。共通の名簿というのはちょっとわかりにくいんですが、この三つの団体は、すべて同じ方が理事、監事、名誉会長、常任相談役、相談役、参与などをされているという、同じ方が三つの団体の役職ですよと、二百二十名。これについては、確認をされたでしょうか。
三沢政府参考人 全宅連に確認いたしましたところ、平成十二年、十三年の共通役員名簿というものはあったということでございます。これは、ただ、平成十二年末に作成されたものでございまして、平成十三年八月の国土交通省の指導前のものでございます。
 当然、この指導を踏まえまして、平成十四年度からはそういう名簿は作成しないというふうに聞いております。
保坂委員 ここに、全宅連の三十周年、それから全宅保証の二十五周年で、多分、会館が落成したときの記念誌だと思いますけれども、これは全政連はないんですね、全宅連と全宅保証なんですが、この中に、これは九一年、平成三年とありますね。全政連、参議院議員選挙に際し、清水達雄氏支持を機関決定した、業界代表を国会へを合い言葉にして、不動産、住宅関係二十三団体は、建設省の不動産業課長であった清水達雄氏を比例候補に推薦をしました、全政連は、中核として、党員十一万六千六百四人、後援会百七十八万五千七百五十二人と、衆目驚異の成果を上げて、見事に当選されたと、こういうふうにあるんですが、国交省の方は、共通名簿の問題だけじゃなくて、そういう実態だったということは御承知でしたか、国土交通省。
三沢政府参考人 昨年国会等で御指摘いただきましたとき、例えば宅建業協会への入会に当たって、政連への入会を定款で義務づけているものとか、募集の手続の中で義務づけているもの、そういう事実があるのではないかという御指摘をいただきました。
 それを調べましたところ、確かにその事実があるということが判明いたしましたので、それを踏まえて、昨年八月、そういうことについてはもうきちっと是正して、明確な仕分けをするようにという指導をしたところでございます。
保坂委員 私は、今回議論するに当たって、行革担当ということで根本副大臣にもきょう来ていただきました。
 これは橋本内閣当時だと思いますけれども、公益法人にかかわる閣議決定が平成八年九月二十日ですか、なされています。その閣議決定の中では、公益法人としては、特定団体の構成員やまたは特定職域の者のみを対象とする団体、これは適当ではない、不特定多数の者を代表するものでなければならないということでその点定めています。また、同一業界の関係者が役員に入っている場合は二分の一以下にしなさいということも、このガイドライン、指導指針の中では、その後につくられていますが、うたっています。
 根本副大臣に伺いたいのは、国土交通省に聞くと、最後に経過措置があるんですね。経過措置の方で、業界団体が民法三十四条によって公益法人になっている、このような場合に、真にやむを得ない事項については、法人に関する抜本的な改革を待って対応することにするとあるんですが、そこまで答弁をされるんです。しかしその後に、当該業界関係者や所管する官庁の出身者以外の者を、可及的速やかに監事とし、公正さを担保するとともに、それぞれの定款等に定められた業務を行うように強力に指導するものとするという指針が出されています。
 現状は、共通名簿というのは、平成十二年、十三年で同じ方が役員をされている。そして、理事は一〇〇%その業界の方です。こういう公益法人の現状に対して、今内閣として、こういった閣議決定や公益法人改革の姿勢、決意、あるいは取り組み、問題意識をきちっと伺っておきたいと思います。
根本副大臣 現在、公益法人制度の抜本改革の作業をしております。
 今、公益法人制度の抜本改革はどういう段階にあるのか、あるいはどういう考え方でやっているかということを申し上げたいと思います。
 公益法人制度の抜本改革につきましては、民間非営利活動を社会経済システムの中で積極的に位置づけよう、こういう観点から、今NPOあるいは中間法人等々もありますが、NPO、中間法人、税制等の関連制度を含めて、抜本的かつ体系的な見直しを行おう、こういう観点で論点整理をしながら、今検討中であります。
 改革を進めていくに当たっての基本的な考え方でありますが、非営利法人制度のあるべき姿としては、簡便性、客観性、自律性、透明性、柔軟性、こういうものを非営利法人制度の改革の姿ということを踏まえて、具体的な検討項目につきましては、法人類型のあり方や法人格取得、あるいは公益性の判断のあり方、あるいは法人の適正運営の確保。この法人の適正運営の確保という観点から、法人の自治制度の確立やディスクロージャー制度の確立、事後チェック主義への転換、こういうものを対象にしておりますが、こういうものと、さらに税制上の措置、あるいは現存する公益法人の他法人類型への移行、こういう大きな項目の問題意識で、今基本的な改革の方向を検討しております。
 今、保坂委員の御指摘になった点につきましては、私が今申し上げました改革の六項目、大きな六項目を取り上げたわけでありますが、その中の、法人の適正運営を確保するための法人のあり方、この中で検討すべき課題の一つとして認識をしております。
保坂委員 では、また後ほど伺います。
 国土交通省の方に伺いたいんですが、全宅保証は、事業目的に、消費者、つまり契約をしてお住まいになる消費者ですね、こちらの保護の方も挙げているんですね。業界の円滑な事業の活性化とかそういうことも挙げていますけれども、消費者保護、これも一つの保証ですからね。保証金を積み上げて、問題があるときにはこれを出しますよということだと思いますが。
 実際には、全宅保証の理事さんも、定款を調べますと、不動産業の業者しか会員になれないんですね。定款にもそう書いてある。会員の中から理事が選出されるわけですから、ここに業者代表しかいないわけです。こういったところに問題はないかということ。
 つい最近、全宅保証のプールしているお金は業界で使うのが当たり前だというような発言がトップの方から、あるいは周辺の方から流れてくるということも聞いたんですが、そういう意識であってはいけないと私は思うんですね。その点について見解を問いたいんですが、局長、いかがですか。
三沢政府参考人 まず、最初の点につきまして、先日、決算委員会で先生の方から御質問をいただきましたときに、ちょっと十分御説明できなかったところがあるので、ちょっと詳し目に説明させていただければと思います。
 公益法人の指導監督基準で、同一業界の関係者が占める割合は、理事総数の二分の一とすることとされております。その場合に、運用指針で、同一の業界の判断というのを、日本産業分類における中分類を参考資料として判断するということにされております。
 ちょっと細かい話で恐縮ですが、産業分類で不動産業というのは、中分類でいきますと、不動産取引業と不動産賃貸業・管理業との二つに分かれておりまして、まさに宅建業というのは、この中の不動産取引業に当たるわけでございます。
 こういうことで当てはめをいたしますと、運用指針上の整理でいきますと、同一業界の理事の占める割合は二分の一以下になるということでございます。したがって、ある意味では指導監督基準に適合しているということではございますが、そうはいっても不動産業界の関係者が多いということは事実でございまして、さらに一層、公益法人としての公正さを担保する必要があろうということで、監事のうち一名は部外の方を充てることにしている。これは、先ほど先生御指摘になりました、真にやむを得ない事項についてはそういうこともできるんだというような規定がございます。その措置を援用して、それをさらに重ねてそういう措置を講じているということでございます。
 なお、当然のことながら、全宅保証につきまして、適正な運営を確保しなければならないということは当然でございますので、宅建業法上は、さらに、事業計画の承認であるとか事業報告の提出等、種々の規定を設けておりまして、私どももその的確な執行をきちっとやっていきたいというふうに考えております。
 それから、全宅保証のお金の問題につきましては、先般、全宅保証の準備金の取り崩しの問題について新聞報道がございまして、これにつきましても、取り崩し金について、本来の手続を経ないで他の目的に使っているという事実が判明いたしましたので、それにつきましても、今後こういうことのないようにきちっと指導していくということでございます。
保坂委員 時間が本当に限られていますので、御協力をお願いします。
 今、いろいろお話がありました。しかし、総括してみると、不動産関係の人が、関係という領域の中でくくられる人たちが、理事になっている。
 外部から一名の方というのは、これは、監事をされているのは、建設省のOBで、道路、本四公団担当を経て、西原俊策さんという方が監事で入られているようですね。それは違うんですか、外部からの一名というのは。その点、いかがですか。
三沢政府参考人 西原俊策さんが外部の監事でございます。
保坂委員 これは、役所のOBが入ったら、こういう閣議決定という、これは立派なものですよ、こういうふうに改革をしていくという一つの高い志をきちっと履行する監視役じゃなくて、何か一緒にそこにただいる、こういう感じなのかなと思いますが。
 ちょっと、私、疑問に思うのは、前回、別の委員会でのやりとりだったんですが、公益法人の役員は法人で選ぶものだから、役所が指導したりあれこれ口を出すものではないと、副大臣なんかもお答えになっているんですけれども、宅建業法の六十四条の十九によれば、この保証協会の役員の選任及び解任は、大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとあるじゃないですか。これはどうなっているんですか。大臣の承認事項じゃないの、役員の選任、解任は。
三沢政府参考人 全宅保証の役員については、国土交通大臣が認可することになっております。ただ、宅建業法上、その認可の基準というのは、例えば、その方が成年被後見人でないこととか、禁錮以上の刑に処せられて五年を経過していない者であることとか、あるいは宅地建物取引業に関し不正または著しく不当な行為をした者でないことという一定の欠格要件に該当しないこと、これを認可の基準としているということでございます。
保坂委員 そうすると、やはり、国土交通大臣の認可という枠内に入るといって、役所としては手続をしてきたということをおっしゃったんだろうというふうに思います。
 この五年間、例えば全宅連の政策要求、要望事項で、例えば土地税制や住宅金融公庫の改善というようなことについて要望があったそうですが、他に、中身は、内容はいいですが、項目だけ、局長の印象に残るものというのはございましたでしょうか、この五年間。
三沢政府参考人 ちょっと、この五年間という網羅的な資料は手元にないんですが、印象に残るものを申し上げます。例えば、来年度に向けての要望の中では、土地税制とか住宅金融公庫の問題以外で、いわゆる開発とか建築等の規制緩和に対する要望であるとか、あるいは外形標準課税制度の導入の反対とか、あるいはペイオフ全面解禁の大幅延長などの、事業環境の改善という言葉で言われていますが、そういう要望が出されております。
保坂委員 法務省にも来ていただきました。
 これは新聞報道なので、率直にお答えいただきたいと思うんですが、五人の不動産業者の会員の方が、全政連の会長である方らを告発したという報道がございます。内容は、これは全宅連の方ですね、全宅連の会長選挙に立候補するに当たって、東京の不動産政治連盟、東政連の会費を流用して、道府県の宅建協会理事にコチョウランとかビール券などを配ったという件と、九八年から二〇〇〇年に集めた一億四千万円を、本来記載すべきところの東政連に記載しないで、別の政治団体であるところの自民党宅建支部に記載をしていたという部分が挙げられています。この告発は受理されたんでしょうか。
河村(博)政府参考人 お尋ねの点につきましては、個別の告発状の取り扱いに関する事柄でございますので、答弁は差し控えさせていただきますが、あくまで一般論として申し上げますと、告発状が提出された場合には、捜査機関におきまして、告発としての要件の有無を検討いたしまして、その要件を備えている場合にはこれを受理することになるわけでございます。
保坂委員 では、続けて聞きますが、一般論だけおっしゃるというのであれば、いわゆる背任及び横領、あるいは規正法の不記載あるいは虚偽記載というのは、どういう構成要件になっているんですか。本当に簡単にで結構です。
河村(博)政府参考人 政治資金規正法によりますと、政治団体の会計責任者が、都道府県選挙管理委員会または総務大臣に提出すべきいわゆる収支報告書につきまして、記載すべき事項の不記載、虚偽記入を行ったものなどを処罰することといたしておりますし、刑法におきましては、他人のためにその事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図りまたは本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときを背任として処罰し、また自己の占有する他人のものを横領した者は横領として処罰するといったことになっております。
保坂委員 それでは、再び根本副大臣に聞きたいんですが、今、小泉内閣は改革ということを、スタート時点から改革断行とか改革なくして成長なしとか、改革という言葉は何百回と我々の耳に届いたと思うのですね。
 例えば、今話題にしているような公益法人が、長い経過があれども、客観的に、公益に資するというふうに、自己の姿を改革していくということについて、一生懸命これに取り組む志が、今、内閣全体にあるのかどうか。それは、行革の副大臣として、率直な決意があれば語っていただきたい。
根本副大臣 改革の決意があるからこそ、公益法人制度の抜本的かつ体系的な改革に取り組んでいるところであります。
保坂委員 時間が押してまいりました。
 きょう、朝から、扇大臣にも何人かの委員からの質問がございました。私は、公益法人のあり方、特に業者になろうとすると、どうしても保証の制度は必要なんです。保証の制度を使わないと、やはり五百万なり一千万という負担をしなければいけない。保証の制度を使うと、今度は政治連盟に入らなければいけない。
 政治連盟に入るといっても、それぞれ、不動産業者の方、主義主張がございます。つまり、支持政党も自民党だけではないんですね、さまざまな政党を支持しているわけですから。私どもの政党の支持の方が申し込んだときに、政治連盟に入ってくださいと言われて、いやそれは入れません、入らないならだめですといって断られたというような事例もあったんですね。
 今、扇大臣におかれても、こういった問題をしっかりと見て改革を行っていただくということが本当に必要な時期だと思いますが、扇大臣の決意を伺いたい。
扇国務大臣 けさからもいろいろ言われまして、私もいろいろなお答えをいたしましたけれども、全宅連と全政連、それから都道府県の協会というのですか、それとまた都道府県の政治連盟と、連係しているのですね。いつか国会で言われまして、全宅連に入るときには全政連に強制的に入会をと言われまして、そんなばかなことはあったらいけないということで、これは指導して既に改善されているものと私も認識しております。
 ただ、今おっしゃったように、公益法人というものが、政治連盟という名のもとに政治活動をどのようにするかということが私は問題になってくると思うんですね。今おっしゃったように、特定の政党を支持しなさいよということでも、入りたいと言った人もいるか、それは私、全然よくわかりませんけれども。今、保坂議員から、入りたいと言って断られたという話を初めて伺いました。
 私は、それぞれの政治連盟がそれぞれの政党を支持したり、あるいは献金したりしていらっしゃるのは、今たまたま私自身がないものですから自民党の例を挙げましたけれども、自民党にも、先ほど資料をお出しになったように、献金もしていらっしゃるし、あるいは応援もしていらっしゃる。私なんか、推薦状ももらっていませんから、よくわからないんですけれども、そういうことが許されることのために政治連盟をおつくりになったんだろうと私は思うんですよ。ただ、その中で、一般の国民から見て、これはおかしいではないかと思われるような、疑義があるようなことは、私は改めるべきではないかと思っております。
 また、いわゆるそういう法人の政治連盟的なものが、公共的なもので献金をしているのはどうかといえば、これはもう政治団体の全政連の取り締まり等々は総務省で全部明記してございまして、公表されておりますので、そういう意味では、余計なことかもしれませんけれども、民主党さんにも自由党さんにも、それぞれ公益法人からの献金も、これはもう公開されているものですから、ございます。
 ただ、今申しましたように、全宅連と全政連との差が、どこでどう切られるかと、きちんと区分けをして、自分たちの全政連と全宅連の活動はこうだと、疑義を持たれないようにすることは私は必要であると思っていますので、健全な建設業界の育成のために全宅連があって、そして、皆さんの権利を守るための全宅連であるのであれば、少なくともそういう疑義を持たれないようにするという指導だけは私たちはしていきたいし、また、見てまいりたいとも思っています。
保坂委員 これにて終わります。ありがとうございました。
橘委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十二分散会


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