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第5号 平成15年3月7日(金曜日)

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平成十五年三月七日(金曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 河合 正智君
   理事 栗原 博久君 理事 菅  義偉君
  理事 田野瀬良太郎君 理事 橘 康太郎君
   理事 今田 保典君 理事 玉置 一弥君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 一川 保夫君
      岩崎 忠夫君    小里 貞利君
      倉田 雅年君    実川 幸夫君
      砂田 圭佑君    高木  毅君
      谷田 武彦君    中本 太衛君
      西田  司君    西野あきら君
      林  幹雄君    原田 義昭君
      菱田 嘉明君    福井  照君
      松野 博一君    松宮  勲君
      松本 和那君    山本 公一君
      阿久津幸彦君    岩國 哲人君
      大谷 信盛君    川内 博史君
      佐藤謙一郎君    津川 祥吾君
      永井 英慈君    伴野  豊君
      高木 陽介君    土田 龍司君
      大森  猛君    瀬古由起子君
      菅野 哲雄君    原  陽子君
      二階 俊博君    後藤 茂之君
    …………………………………
   議員           大谷 信盛君
   議員           佐藤謙一郎君
   国土交通大臣       扇  千景君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   国土交通副大臣      中馬 弘毅君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   政府参考人
   (司法制度改革推進本部事
   務局長)         山崎  潮君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   坂  篤郎君
   政府参考人
   (内閣府道路関係四公団民
   営化推進委員会事務局長) 坂野 泰治君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   牧野 治郎君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議
   官)           恒川 謙司君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局計
   画部長)         高橋 賢二君
   政府参考人
   (林野庁森林整備部長)  辻  健治君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議
   官)           広田 博士君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 安富 正文君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長
   )            三沢  真君
   政府参考人
   (国土交通省国土計画局長
   )            薦田 隆成君
   政府参考人
   (国土交通省河川局長)  鈴木藤一郎君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月七日
 辞任         補欠選任
  日森 文尋君     菅野 哲雄君
同日
 辞任         補欠選任
  菅野 哲雄君     日森 文尋君
同日
 理事鉢呂吉雄君同日理事辞任につき、その補欠として今田保典君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月七日
 千曲川上流ダム建設計画撤回に関する請願(後藤茂之君紹介)(第五五二号)
 同(堀込征雄君紹介)(第五五三号)
 同(羽田孜君紹介)(第五九一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 社会資本整備重点計画法案(内閣提出第一三号)
 社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一四号)
 公共事業基本法案(前原誠司君外三名提出、第百五十一回国会衆法第三六号)


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     ――――◇―――――
河合委員長 これより会議を開きます。
 理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事鉢呂吉雄君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河合委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う理事の補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河合委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に今田保典君を指名いたします。
     ――――◇―――――
河合委員長 内閣提出、社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに第百五十一回国会、前原誠司君外三名提出、公共事業基本法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長安富正文君、総合政策局長三沢真君、国土計画局長薦田隆成君、河川局長鈴木藤一郎君、道路局長佐藤信秋君、司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、内閣府政策統括官坂篤郎君、内閣府道路関係四公団民営化推進委員会事務局長坂野泰治君、財務省主計局次長牧野治郎君、厚生労働省大臣官房審議官恒川謙司君、農林水産省農村振興局計画部長高橋賢二君、林野庁森林整備部長辻健治君及び経済産業省大臣官房審議官広田博士君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河合委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
河合委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福井照君。
福井委員 皆様おはようございます。
 ただいま議題となりました社会資本整備重点計画法案並びに社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに公共事業基本法案につきまして、御質問させていただきたいと思います。
 まことに申しわけございませんが、公共事業基本法案につきましては、私の方は質問させていただきません。この三十五分間のやりとりを聞いていただきますと、公共事業基本法案は必要ないということがわかるという設計にしておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。また、大臣にあらせられましては、最後に決意を聞かせていただきたいと思いますので、ちょっと聞いていただきたいと思います。
 さて、今回の社会資本整備重点計画法の根本は、九本の事業分野別計画を統合して、重点的、効果的、かつ効率的に推進するために社会資本整備重点計画なるものを立案するということでございます。
 まず最初にお伺いしたいのは、そうやって事業別の計画を統合するわけですけれども、今まで、戦後もう既に五十八年たつのでしょうか、この戦後の日本の高度経済成長をいかに支えたかということについて、まず歴史的な評価を役所としてもしていただきたいと思いまして、今までの事業別、分野別の計画とか、この事業執行が我が国の発展についていかに大きな役割を果たしたかということを、まず国会の議事録にとどめていただきたいと思うわけでございます。全く今まですべて悪かったのかというふうに後世誤解されますので、そういうことはないということをまず御答弁いただきたいと思います。
 つまり、戦争が終わった、そして、追いつき追い越せという国家の目標を掲げた。そして、道路はおまえだ、河川はおまえだ、港湾はおまえだというふうに、組織、人事、そしてまた、国と県と市町村の組織も人事も整備をして、公益法人もつくり、人事も効率化し、組織化し、そして技術者の養成をし、技術を発展させて、技術を進化させた。まさに今問題となっている自己増殖こそ、戦後の高度経済成長を支えた。分野別に目的を与えられ、そして一生懸命一生懸命やってきたということが、少なくともバブル崩壊までこの国を支えた、この国の運営の手法として非常に効果があったというふうに私自身は思っております。
 そして、バブル崩壊後も、毎年毎年の補正予算、一次補正予算、二次補正予算を執行し、バブル崩壊後の我が国の経済を支えた。まあ借金で今問題となっているという点はおいておくとして、一九九〇年代の我が国の経済を支えた、それは、この事業別あるいは分野別の計画であり事業であり、組織であり人であった、そして技術であったわけであります。
 そしてまた、今般の成熟社会に備えて、インハウスエンジニアを含めて、役所としても社会化した。技術を社会化し、そして事業別、分野別の事業の執行というものを社会化した。つまり、今回の法律にも書いてありますけれども、パブリックインボルブメントあるいはPRの手法を工夫して、国民全体の御理解のもとに、最後は正しいと思う志を遂げるわけですけれども、しかし、技術者の独善とか役所の独善とかというものを排してきた。
 そういう成熟社会に対応するような、まさに事業別、分野別の計画であり事業であるというところまで来たわけですけれども、まず第一問として、少し長くなりましたが、そのプラスの面だけ、マイナスの面は後ほどまた評価していただくとしても、プラスの面を三沢局長から御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いします。
三沢政府参考人 我が国におきましては、欧米に比べまして社会資本整備の歴史が浅かったということがございます。したがいまして、そういう立ちおくれというのが非常に大きい状況だったわけでございます。
 この立ちおくれを取り戻すべく整備を緊急にしなければならないということから、これまで、事業分野別の長期計画を何回かにわたりまして策定いたしまして、整備の方向を明らかにしまして、そういう方向について国民の理解を得ながら、事業を計画的、着実に実施してきたということでございます。
 ゼロからとは申し上げませんが、非常に低い水準からのスタートであったということから、やはりこれを一刻も早く水準を上げていかなければいけないということで、先ほど先生言われました、予算なり組織、人員、技術含めて、あらゆる努力をしながら進めてきたということでございます。
 その場合に、事業分野別計画というのは、そういう整備の指針を示し、また、国、地方公共団体あるいは国民との間でそういう目標を共有するという意味で非常に大きい意味があったというふうに考えております。
 こういうことによりまして、社会資本整備の水準というのはかなりの改善が図られ、高度成長を初めとして、経済成長とか、あるいは国民生活の質の向上、安全の確保、こういった我が国の発展に非常に大きな役割を果たしてきたというふうに認識をしております。
福井委員 ありがとうございました。
 私の個人的な思い込みもございまして、私は道路だけですけれども、五カ年計画ごとに大変な思いをさせていただきましたし、家族の団らんが奪われ、労働させていただいたわけですけれども。
 そういう意味で、公園も下水道も治水も港湾も含めまして、五カ年ごとに分野間競争もありますし、省庁間競争もあります。とにかく、役所というのは競争にさらされていないという批判がありますけれども、少なくとも、この事業別、分野別計画や事業を執行し、そして、当時の大蔵省に予算要求するまでの間、大変な競争という現実があったということを国民の皆さん方には御理解いただきたいと思いますし、今局長から御答弁いただきましたように、我が国の経済がここまで伸びてきたのは、担当を決めて、それぞれ目標を与えられた日本人が頑張ってきたということによるんだということを、まず国民の皆さんにも御理解いただきたいと思います。
 しかし、それですべてよかったかというと、そうではなかったわけでありまして、いろいろなことが言われました。枚挙にいとまがないと言われておりますけれども、例えば下水道システムですと、建設省の中でも下水道システムはいろいろある、農水省の担当の下水道システムもある、あるいは厚生省の合併浄化槽があるということで、それぞれの役所がそれぞれの組織、人事で、国と県と市の縦割り行政で、現場現場で苦労された方がいらっしゃるということもこれは事実でございます。それとか、農道と国道とが並行しているというような現場もございましたし、あるいは計画論で言えば、港湾、港の地域と都市計画とのそごがあちこちで見られたということもございます。
 しかし、それらはスペシファイできるわけです。全国的で、かつ根本的な問題ではなくて、個別個別の箇所名をあげつらうことができるというような問題であったわけで、国民全体を巻き込んだような、あるいは国家の運営手法を変更するような問題ではなかったという気がいたしておりますけれども、事業別の計画に基づく事業の進め方の問題点を、具体的に、今般の国土交通省の御認識として挙げていただきたいと思います。よろしくお願いします。
三沢政府参考人 今までの事業分野別の計画につきましては、先ほども申し上げましたように、非常に大きな役割を果たしてきたわけでございますが、ただ、昨今は、やはりこの計画のあり方につきましては、例えば、予算の分野別の配分を硬直化しているということにつながっているのではないか、あるいは、事業分野別ということで縦割りになっており、事業間連携というものも必ずしも十分ではないのではないか、あるいは、内容がどうも事業費というものに非常にウエートを置いてあって、これがまた予算獲得の手段というものになっているのではないかというような御指摘があるわけでございます。
 これらについて、すべてがすべてそのとおりであるかどうかについてはいろいろ議論があるわけでございます。例えば事業間連携ということについて見ましても、従来の計画のもとでもいろいろな取り組みはしてきたわけでございますが、少なくともそういうような御指摘があるということは、やはりその連携のあり方について、国民の目から見てどうも十分わかりやすくなっていないのではないかという反省はあるわけでございます。
 したがいまして、こういう御指摘を踏まえまして、例えば、今回、計画策定の重点を事業量からアウトカム指標に移す、それから、事業間連携を図るため、分野別でなく一本化した計画にするということによりまして、先ほど先生、個別の事案であると言われましたけれども、それぞれ個別の事案についてもできるだけ連携しやすくするような、そういう事業間の垣根を越えた取り組みをさらに一層強化するという観点から、今回の社会資本重点計画法を提出させていただきまして、計画の一本化を図ろうということにしているものでございます。
福井委員 ありがとうございました。
 トヨタとか松下では、打倒松下とか、敵はトヨタとか、今までの高度経済成長、今までのビジネスモデルの成功体験を破壊するんだ、自己否定するんだということで企業のリニューアルが行われているということだと思います。
 事業別、分野別の計画は、我々のこの高度経済成長までの時代を支え、そして、時代としては意味があったわけですけれども、そういう成功体験によらず、この成熟社会をどのように乗り切っていくかということを踏まえて統合するということだと思います。まさにこの時期に合わせた法律案だと思います。しかし、予算のシェアが硬直化しているかというと、決してそうではないような気がしますし、個別個別には反論があると思いますけれども、しかし、こういう新しい仕組みの中で、人事も交流し、組織も流動化させるということでそれぞれの担当の方が頑張っていただきたいというふうに思いますが、もう一度、一本化する目的を、国会答弁上も明らかにしていただきたいと思います。
 先ほど少し局長の方から御答弁はありましたけれども、もし総覧制なら、どこで、どういう人がすべての計画を総覧し、時系列的に計画を立てる、そして、過去を反省し総括するという、つまり、ただのホッチキスじゃ何の意味もないということなので、一本化するという目的は、総覧制なのか、あるいは究極の選択をするということを日本人に迫るのか。すべてが今まで一緒で、最後の一億円を、港湾につけるのか道路につけるのかという究極の選択を迫ることを通じて日本人の価値観というのを問おうとしているのかとか、その時代時代に合わせた目的があると思いますけれども、今回の九本の事業分野別計画を一本化する目的をもう一度御答弁いただきたいと思います。
三沢政府参考人 今回、事業分野別の計画を一本化する目的ということでございます。
 先ほど申し上げましたように、事業の縦割りとか事業費への偏重というような御批判、御指摘というのを踏まえまして、今回やはり長期計画を抜本的に見直しまして、その際、例えば事業間連携の強化をより一層図れるように、目標についても横断的な重点目標を設定する。具体的に申し上げますと、都市の雨水対策ということで、従来からも下水道、河川でそれぞれの役割分担をやってきたわけでございますけれども、そういう事業間にわたる横断的な目標を共有することによってさらに一層連携強化を図っていくということが一点でございます。
 それからもう一つは、従来、事業分野別の事業費で表示しておりましたけれども、例えば、何千億、何兆円ということもさることながら、要するに、それによってどういうメリット、どういう効果がもたらされるのか、むしろそういうことを中心にして計画を記述すべきではないかということから、計画の重点を、事業費から、達成される成果、アウトカムというふうに言っておりますけれども、そういう目的に転換をしていくというのがもう一つの点。
 それからもう一つは、従来からも公共事業改革の取り組みをそれぞれの事業分野ごとにやっておりましたけれども、例えば、コストの縮減であるとか入札契約の改善であるとか、あるいは、事業を進めるに当たって、地域住民の理解を確保しながら進めていくとか、そういう横断的な公共事業改革の取り組みについて、これも事業分野別ごとではなくて、押しなべてこうあるべきだということをきちっと計画に明記することによりまして、事業の重点的、効果的な推進を図っていく、こういうような趣旨から、今回、分野別の事業計画を一本化するという提案をさせていただいているものでございます。
福井委員 ありがとうございました。
 ですから、アウトカムの中身が一番問題だというふうに思います。まさに、今、局長が問わず語りでおっしゃったとおりでございます。私も、三十万都市なのに自民党員は八百人しかいないという物すごいところで、今、選挙活動をさせていただいておりますけれども、ですからミニ集会しかやることはないんですが、そこで申し上げているのは、二〇〇〇年から二〇五〇年というのがこの日本の三千年の歴史の中で一番苦しいんだ、人口ボーナス、団塊の世代という、国家としてはボーナスのようにいただいた人口増、そして、営々として医療や年金の掛金も税金も払っていただいたのに、そのボーナスをこの五十年間で食い尽くそうとしていると。したがって、絶対に国家が破綻しないように、医療も介護も年金も仕組みを変えなければならないというふうに思っている。
 そこで、むしろ若者の方が、税金をもうちょっと上げないといけないんでしょう、掛金をもうちょっと上げないといけないんでしょう、もらう年金はもっと少なくなるんでしょうということを、無意識のうちにわかっているけれども、政治の方が、行政の方がそれを言わないということで、物すごいいらいらがたまっているというのが国民の潜在的な意識だということがひしひしと伝わってくるわけです。
 つまり、何を言っているかというと、一点を踏まえて、二〇二五年、これだけの施設ができて、国民生活のアウトカムはこうですよと言われても、なかなか信用できないんです。二〇〇〇年から二〇五〇年までの、毎年とは言いませんが、道行き、経過を詳しく説明していただかなければ信用できないというところまで行政の方も政治の方も追い込まれているということだと思います。
 もっと言えば、地域全体のアウトカムといいましょうか、後ほど御質問させていただきたいんですけれども、建設業全体も、会社の利益最大化ということが目的ではない。建設業の目的というのは地域のマネジメントの最適化というところにあるわけで、そういう意味で、経済的な指標だけじゃなくて、人間的といいましょうか、社会的な、時代に合わせた、価値観にのっとったアウトカムというのは何か、そしてまた、それが一点だけじゃなくて、時間軸をずっと説明するような、そういうものでなければならないというふうに思うんです。それは私の思い込みでございますが、特に役所の方からアウトカムの姿についてコメントがございましたら、御教示いただきたいと思います。
扇国務大臣 今、冒頭から、この法案の基本的な国土交通省の考え方ということをいろいろ御指摘いただき、また、局長が答弁しておりましたけれども、少なくとも、冒頭に福井委員がおっしゃいましたように、我々は今日まで、二十世紀、前を向いて、追いつき追い越せと言ったことは事実でございますし、今日の日本をつくったことも事実でございます。
 ただ、二十一世紀になって、ハードの面だけではなくてソフトが必要である。しかも、予算を要求するのに、今まで、この五年間の長期計画というものが十本あるわけですけれども、そのうちの八本は十四年で期限が更新される、しかも、あと一本は十五年です、これは農水省と共管の治水ですけれども、これも含めて、私は、国土交通省がなぜ四省庁を統合したのか、こういうことを考えますと、今までの旧の長期計画というものは、旧運輸省、旧建設でつくられた計画である、国土交通省として新たに長期計画をつくる場合には、陸海空含めて、四省庁統合のメリットを出す必要がある。だから、長期計画をするときには、今までは、港湾は港湾だけ、道路は道路だけ、鉄道は鉄道だけというふうに個別にしておりましたけれども、そうではなくて、四省庁統合のメリットを何を示すかというのが、この長期計画を四省庁統合のメリットの最大のものにするというのが一番大きな目標でございます。
 そのために、今アウトカムとおっしゃいましたけれども、それぞれの地方の要望によって、今までは鉄道なら鉄道の駅をつくるだけでよかったんですけれども、今は、駅をつくると同時に、駅前の都市計画あるいは駅前広場、そして、それらのバリアフリー等々も一緒に考えていこうということで、初めて国土交通省になったから全部の総合的なトータルの考え方ができるんだ、港と道路、港と空港との距離間もアクセスもできる、これが基本的に国土交通省の考え方である。
 国土交通省になったからこそできるということをつくろうということで、なおかつ、今アウトカムというお話ございましたけれども、今まではせいぜいが五年でした。けれども、初めて私は、二十一世紀の初頭に二十一世紀百年のグランドデザインをつくりたい。百年というのは気が遠くなりますけれども、日本全体の国のバランスとして、空港の拠点空港は幾つ要る、新幹線はどこまで要る、道路はどこまで要る、国際都市のものはどれだけ、空港と新幹線と高速道路と一般道路と、全部連結して初めて国際都市と言えるではないか。そういうものが幾つ日本に要るかというこの基本がなければいけないということで、グランドデザインをつくろうということで、国土交通省、募集いたしましてわずか一週間で、役職以外ということで、百四十四名の若者が参加すると言ってくれました。それで、百四十四名の中から三十二名を選びまして、その中に女性が四名いますけれども、四班つくって、百年のグランドデザインを若者の頭で考えてくださいといって、今でき上がっております。
 こういうことも役所として、私が大臣で任命してそういうタスクフォースをつくるというのも霞が関始まって以来ですし、また、百年のデザインなんてそんな途方もない、わけもわからないこととおっしゃるかもしれませんけれども、ほかの省庁と違って、国土交通省、国土づくりの基本は何かという指標を出して、そしてそれをアウトカムにして皆さんに供して御意見をいただこうということに取り組んでいる、その一つがこの法案の、社会資本整備重点法ということで出した、一本にするという基本的な考え方でございます。
 これもやがて、皆さん方に供して御批判をいただいたり御指導いただいたりしたいと思いますので、国土交通白書の別冊で出してみたいと思っておりますので、御批判なり御批評をいただいて、より豊かな国土づくりの指針をみんなと一緒につくっていきたいと思っています。
福井委員 ありがとうございました。
 まさにそのとおりだと思います。したがって、さらにまた深めて、アウトカムも大事、だけれども、今般、公共事業基本法案という法律も出ておりますので、社会資本とは何かということについて、閣法の行間にインプリシットににじみ出ているわけでありますけれども、しかし、国会答弁で明らかにしていただきたいと思います。
 社会資本とは一体何かということで、今までは、高度経済成長を支えた経済的な社会資本であったけれども、これからは、今、大臣御答弁のように、百年後、二百年後の人間像、都市像、都市生活像、国家像も踏まえたものでなければならないという御答弁だったと思います。どちらかといえば法律の名前がハウ・ツー・ドゥーみたいな印象がありますので、ホワット・ツー・ドゥー、この法律は一体何か、社会資本とは一体何かということについて御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
三沢政府参考人 社会資本とは何かということでございます。
 先ほど申しましたように、社会資本というのは、今までは欧米とのキャッチアップということで、どちらかというと、整備水準の底上げあるいは立ちおくれの解消といった観点からいろいろな整備を図ってきたわけでございます。
 今般、まさにこの計画の中で、地域の御意見も聞きながら、事業として、何のためにどういう事業をやっていくのが必要なのか、そういうことを改めて問い直すことによって、具体的に、では、こういうことが必要だから事業をやっていこう、そういうような中身を策定していこうというものでございます。
 したがいまして、当然、社会資本整備の中身は、もちろん安全に関するものもございますし、例えば活力に関するものもございますし、あるいは生活環境に関するものもございます。ただ、それが、何のために、どういう目標を達成するためにやろうとしているのか、それをまさに、先生がおっしゃるとおり、この計画の中で明らかにして、国民との間に共通の理解を得ながら事業を進めていく、こういうことを、今回この計画によって達成していきたいということでございます。
福井委員 ありがとうございました。
 まさにおっしゃるとおりで、町並みも景観も清流も水辺も社会資本であるし、資源として、資本というよりも資源とか資産とかいう言葉の方がむしろ正しいような時代を迎えつつあるという共通認識だと思います。
 そこで、少し質問をまとめまして、メンテナンス。本州四国連絡橋も百年もつかもしれません。では、その後どうするのかということです。大変な資産を私たちは持ちました、そして、今からもっと整備しなければならない、もっとふやさなければならないけれども、しかし、その中身の維持管理についての計画というのは、まさにこの時代を迎えてどういうふうにお考えなのか。
 そして、先ほど申し上げました、環境省事業と国土交通省事業、あるいは農林水産省事業と国土交通省事業、これは公共事業基本法案に載っておりますけれども、閣法ではわざわざは書いてはいないけれども、他省庁との事業の連携をどのように進めるつもりか。
 維持管理と他省庁連携と、あわせて御答弁いただきたいと思います。
三沢政府参考人 まず、維持管理でございますけれども、社会資本整備を着実に進めてまいりました結果、ストックは増加をしてきております。そういたしますと、当然、既存ストックを有効活用するだけではなくて、その機能をきちっと維持していくということが大変大事でございます。
 このため、やはり、社会資本ストックの保守、長寿命化、更新といったことの計画的な実施あるいは維持管理の効率化といったことは大変重要になってくるわけでございます。
 今般、この重点計画の中でも、法律に基づきまして、既存ストックの維持管理、更新や有効活用について適切に取り組む旨をきちっと明記するというふうに考えております。
 これを受けまして、個別の事業分野の中で、例えば道路でいいますと、ライフサイクルコストを最小化して更新時期を平準化するために、いろいろな構造物の点検とか評価手法とか劣化予測手法を開発して、予防的に補修するような道路資産管理手法、アセットマネジメントと呼んでおりますけれども、そういう考え方の導入を進めるなど、いろいろな分野での取り組みを一層進めることにしていきたいというふうに考えております。
 それから、他省庁との連携でございますけれども、当然、関連する事業間での必要な事業の連携、調整、これは大変大事でございます。
 今般、この計画の中でも、交通安全施設、海岸事業について対象事業として、これら省庁の所管事業も含めて対象とするということにしておりますが、さらに、この策定に際しまして、先ほど先生もメンションされましたが、汚水処理施設の問題、下水道、農業集落排水、合併浄化槽の連携を進めるという観点から、例えば指標として汚水処理施設整備率といった共通目標を設定するというようなことで、他省庁事業との連携についても盛り込む方向で検討したいと思っております。
 それから、当然、その計画を受けた事業実施段階についても、従来から、いろいろな事業者間での連絡会議の活用等によりまして、省庁の垣根を越えた連携を図っているところでございますけれども、今回の計画の策定を機に、さらに一層緊密な連携を推進していきたいというふうに考えております。
福井委員 ありがとうございました。
 時間もなくなってきましたので、建設業界全体の問題についてちょっと御質問させていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、アングロサクソン流に言えば、株式会社の目的というのは株主のためにある。いかに配当するか、そして利益を最大化するかということだと思いますけれども、しかし、我々の志は、役所の方も、地域マネジメント、国家の安寧ということになっておりますし、建設業も既にそういうふうに衣がえをしております。利益は最大化できなくても、雇用を守る、そして地域マネジメントに貢献する、そして防災に貢献するというふうになっておるわけであります。
 しかし、一方で、そういうふうに努力をしているという会社なり人を、役所の方はいろいろな手段で、いろいろなコミュニケーションツールで評価しているかどうかということについては、かなり大きな疑問を呈さざるを得ないと思います。
 先般も厚生年金基金の御陳情がございました。もちろん厚生省所管ですけれども、ちょうどその厚生省所管、労働省所管、建設省所管の真ん中に存在するというような、なかなか役所的にはカバーできないような問題であります。
 つまり、当時の建設省がすごく勧めたので、厚生年金基金、その報酬比例部分の肩がわりをしたのにもかかわらず、右肩上がりがそうじゃなくなったからということで苦労しているにもかかわらず、歯を食いしばって、従業員に成りかわり会社が支払っている。その歯を食いしばっているという状態に対して、役所側は知らぬ顔のような印象を受けるということについていかがかということでございます。
 そうやって、地域マネジメントや雇用を守っていらっしゃる方、そして、一人一人の従業員のために掛金を毎月毎月払っているという会社については、経営審査の評点でも結構ですし、いろいろなところで実利のある評価を役所の方もしていただきたいというふうに、これは御陳情させていただきたいと思います。
 そこで、今般の建設業の経営状態について、大手ゼネコンから地方の中小企業まで幅が余りにもあるわけですけれども、どのように評価し、どういう対策を講じられているか。
 そして、今年度の補正予算を成立していただきました。その発注状況、執行状況についての現状をお知らせいただきたい。
 それから、もう参議院に回っているとはいいながら、まだ審議中ではございますけれども、来年度の公共事業予算の執行の御予定につきまして、前倒し執行するのかどうかということも含めて、済みません、時間がなくなりましたので、最後、まとめて恐縮でございますけれども、御答弁いただきたいと思います。
三沢政府参考人 まず私の方から、建設業の状況について御答弁申し上げます。
 先生おっしゃるとおり、建設業については、建設投資がピーク時に比べて三割縮小するという状況で、非常に厳しい経営環境の中にございます。
 その中でいろいろな再編、淘汰も進んでいるわけでございますが、大手、準大手について申し上げますと、昨年、私どもで、建設業の再生に向けた基本指針というものを策定いたしております。基本的なスタンスは、やはり市場を通じた再編、淘汰ということでございますけれども、さらに、事業再生を支援する場合には、事業規模の縮小等の、やはり過剰供給構造にあるということでございますれば、そういうことの是正に資するような方向性、あるいは、安易な企業救済にならないような、ある程度の要件を満たすということを前提とした支援をするというような枠組みを示しているところでございます。
 一方、地域の中小、中堅建設業については、先生御指摘のとおり、地域の就業機会の確保、それから、もちろん地域の社会資本整備の大きな担い手であるということで、非常に大きな役割を担っております。これについても非常に厳しい状況にあるわけでございますけれども、一方で、それぞれ地域の実態で見ますと、いろいろな新しい動き、例えば福祉とか環境関連ビジネスに進出するというようないろいろな動きもございます。そういういろいろな経営革新の推進とか連携、協業化等の動きを、私どもも、今回、補正予算でそういうための予算も確保いたしましたので、そういったものについての適切なアドバイス等をやっていきたいというふうに考えております。
 それから、予算等の話については、官房長の方から答弁申し上げます。
安富政府参考人 ただいま、平成十四年度の補正予算それから十五年度の予算につきましての執行状況及び方針ということでお尋ねがございました。
 今回の十四年度補正予算は、十五年度の予算とあわせまして、できるだけ切れ目のない形で執行を図っていくということで、現下の経済情勢に対応して景気の下支えをするということでやっております。そういう意味で、我々としても、補正予算につきましてはできるだけ早急に実施していきたいということで、現在、各事業につきまして、鋭意執行作業中でございます。
 ちなみに、平成十三年度の第二次補正予算では、三月末現在で約六割の契約率というところに持ってきましたけれども、我々としても、今回の予算につきましても、できるだけ、入札契約手続の早期実施、さらには、場合によっては概算数量発注の積極的活用といったようなことをあわせて、いわゆる早期執行ということに努めていきたいと思っています。
 それから、十五年度予算につきましては、前倒し執行ということがございますが、まだ政府の方針自体固まっておりませんけれども、現下の経済情勢、非常に厳しゅうございます。昨年の予算の際にも、いわゆる用地の買収等が既に済んでいる事業であるとか完成までの残工期の短い事業とか、あるいは民間の投資の誘発効果が見込まれる事業、そういうものには優先的に施行しろというようなことを方針としてうたっておりますので、そういうことも、今後、政府の方針が固まりましたら、それに従って有効に活用していきたいというふうに考えております。
福井委員 ありがとうございました。終わります。
河合委員長 岩國哲人君。
岩國委員 おはようございます。
 民主党を代表いたしまして、扇大臣に、社会資本整備重点計画法案を中心に、これからの国土づくり、あるいは社会資本について質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、社会資本整備重点計画法案、この社会資本という定義、範疇について、扇大臣はどのようにお考えですか。九つの今までの事業分野を一本にまとめたというのが今回の法案の非常に大事な点であろうかと思いますけれども、社会資本とおっしゃる中で、これで社会資本は網羅されているのか、漏れているのはどういう分野が漏れているのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
扇国務大臣 先ほども福井議員に申しましたように、日本の社会資本整備、少なくとも我々国民が満足できるような生活、すべての面において満足させられるような国土づくり、あるいは、日常生活、社会生活において、公平に、そしてなおかつ、みんなが、日本に住んでよかったなと思えるような国土づくりをするというのが、基本的な社会資本整備の充実した国に住んでいるという実感が出てくるんだろうと思っておりますけれども、一歩でもその国民の満足度に近づけるように、我々国土交通省として頑張っていく。
 それが今回の、ばらばらになっていたものを、かつてない、九本の長期計画を一本にするという、ある意味では無謀だと言われ、また、人には、そんなこと、扇さん、できませんよと言われたことも、国土交通省全省挙げて協力した結果、こういう一本にして皆さんに御提示できることになったということでございます。
岩國委員 私が質問させていただいたことに的確に答えていただきました。見事にこれは国土交通省のものだけを、今、全省挙げてとおっしゃいましたけれども、各省挙げてとはおっしゃりませんでしたね。つまり、扇大臣の頭の中には、社会資本というのは、国土交通省がやっているものだけが社会資本である。私は、まずそれは間違いだと思います。生活実感がある女性の一人であれば、日常生活の便利さということを考えたときに、住んでよかった日本、九つをまとめただけででき上がるというのは、私は、失礼ですけれども、思い上がりではないかと思います。
 住んでよかった日本というのから、まず森林が抜けていますでしょう。私がお伺いした、何が抜けていますかという答弁をまだいただいておりませんので、抜けているものについて御説明いただけませんか。
扇国務大臣 社会資本整備、今、私は国土交通大臣としてお答えしたわけでございまして、内閣を挙げてお答えしたわけではなかったんですけれども、少なくとも、今おっしゃいましたように、我々はまだまだ日本として国際的におくれている部分はたくさんございます。
 それは、今、一年間に千七百万人も海外へ出ていくわけですから、みんな海外へ出て、いい国も悪い国も見ていらっしゃいます。そして日本と比べて、何が日本がおくれているのか。それは国土交通省だけでいっても、今、森林が抜けているとおっしゃいましたけれども、森林も水も川もすべて国土交通省でございます。森林は農林水産省ですけれども、それにまつわる国土の安全ということになりますと、木も山もすべて入ってくるわけです。私は何よりも、国土交通省の私の所管の中でできることということで限られているわけですけれども、これで万全ではありません。
 予算が伴わないということで、道路もまだ足りない部分もあると皆さんおっしゃいます。そして、空港も、なぜ国際線と国内線がこんなに乗りかえが不便なんだ、これも諸外国に比べて情けない。そして、後で御質問があろうかと思いますけれども、海外へお出になったら、先進国はもとより途上国に至っても、国際空港で一本しか滑走路がなくて二十五年間もやってきたなんというのは例がありません。
 そういうことも、我々はまだまだ至らない点もありますけれども、限られた予算の中で、世界じゅうから、先進国から比べれば百年おくれてスタートした社会資本整備、こういうものから考えれば、やっとここまで来たなという感がなきにしもありませんけれども、私たちがそれにプラスアルファ、今まで抜けていた部分を我々で補っていって、この基本的な計画も、ばらばらではなくて、統一してすることによってコストダウンが図られて、よりスピードアップができる。ですから、余った部分を少しでも足りない部分にできるという国土交通省内のものが私は多くできると思います。
 この九本の中には、単独ではなくて他省庁、農林水産省との共管もございますので、そういう意味では、足りない点は数限りなくあります。けれども、私たちはそれを一つずつ、便利なように、国民の皆さんに使用していることがよかったなと思っていただけるように近づこうと思っていることでございます。
岩國委員 今の御答弁を伺っていましても、要するにばらばらのものをまとめたとおっしゃいますけれども、これは一つの省庁の中のばらばらがあり過ぎたためにやり切れなくなって一つの省の中でおまとめになったというだけであって、それも大変なことだとは思いますけれども、社会資本という言葉は、決して国土交通省の独占すべきものではないということを私は申し上げたいんです。
 社会の通念はどんどん進歩しています。では、各省庁全部、社会資本整備重点法案を出してくるんですか。そうじゃないでしょう。
 それから、私は内閣を代表する立場ではないとおっしゃいましたけれども、これは内閣を代表してこの法案を出している。その説明責任を、ほかの大臣がいらっしゃらない限り、内閣を代表して答弁しているんだという意識を持っていただきたいと私は思うんです。そういう、私は国土交通省のことだけしか答弁いたしませんとか、国土交通省の大臣の権限でしか答弁しませんというのは私はおかしいと思いますから、内閣の名前において出された法案であれば、当然、内閣の考え方をお答えしていただかなければならないと思うんです。
 後ほど伺いますけれども、道路問題についても、内閣として統一した御意見がおありかどうかも含めてお伺いしたいと思います。
 次に、この社会資本整備重点計画法案の一つの懸念といいますか欠点といいますか、それは、分権ということを非常に強調されながら、どこにそれが担保されているのか。今までの九本ばらばらの時代に比べて、一本化された場合には、こんなふうにすばらしく分権が担保されて、地方自治体、知事や市長の仕事はこれだけよくなるんですよ、具体的に一つ例をお示しいただけませんか。
扇国務大臣 これは、今まで、私が先ほどちらっと申しましたけれども、これだけ戦後、私たちの先輩やら国会でも御審議いただいて、あらゆる点で前進してまいりましたけれども、その前進の仕方がある部分では欠けているなというような部分もなきにしもあらずでございます。
 そういう意味で、今までどおりの社会資本整備ということで長期計画をつくっておりました、これは五年ごとでございますのは御存じのとおりですけれども。そうしますと、まず私が心配したのは、この長期計画は、五年間一定の予算をとるための方便になっているのではないかと。そして、単年度の予算ですから、会計法で単年度ですから、余っても、余っただけ取り上げられてしまう、余った中で次へ配分することができない。ですから、予算の獲得のための長期計画になっていないかということを、私はそれは国民のためにならないということで、今、五年ごとの今までどおりの長期計画であったらどういう予算配分になって、どういうことがおくれているかということを私は考えたわけでございます。
 そして、今までどおりの五年計画の更新であるならば、少なくとも、今回は、道路整備でありますとか拠点空港の整備でありますとか、国際的におくれている部分が他の部分にやはり平均的に配分されてしまって、全然配分率がふえてこない。これでは国際的に追いついていけない。そういう部分も、これを一つ一つ挙げていると切りがありませんから言いませんけれども……(岩國委員「委員長、私の質問とちょっと違っている」と呼ぶ)違っていません。(岩國委員「私は分権がどのように担保されているかを伺ったんです」と呼ぶ)
 分権は、今申しましたように、このおくれている部分が、全国を十のブロックに分けて懇談会をつくって、そのブロックの地方の皆さんの意見で公共工事の順番を決めていただく、それを私は、全部できておりますので、地方の皆さんの意見を聞いて、公共工事一つとってみても、どれから始めるかというのは地方の皆さんの御意見で、権限とそして予算を配分して、地方の意見を下から積み上げていただいて、うちが計画を決めない、そういうことを、今でき上がっております。
岩國委員 今の大臣のお話を伺って、皆さんおわかりになったんでしょうか。この法案ができて、本当に分権の方に一歩も二歩もめり張りがついて前進し、それが担保されているということがどうも私には伝わってこないんです。いろいろなブロックで意見を聞いて積み上げて、こんなことは、今まで自民党の中にも、野党の中にも、そんな地方の意見の吸い上げ、あるいは自治体の長を招いてのいろいろな御意見、こんなことは今までやっておったことじゃありませんか。そんなことさえもやっていなかったとは、私は、それは事実にかなり反していると思うんです。
 この法案との関連において、この法案を上程された理由に即して、具体的に、例えばこういう点において今まで以上に前進しているんですよという点を説明していただきたいんです。
扇国務大臣 重点計画について国と地方ということでございますけれども、これは、どのような課題と目標に重点的に取り組むかというその選択が一つ、そして、いかにしてこれらの目標を効果的かつ効率的に達成するか、この二つのことについて国と地方が共通の認識を持つということが、今回は重点政策として挙げられております。
 そして、その際に、国は基本的な情報を提供して、全国的な見地に立って重点的に取り組むべき政策課題をお示しして、地方はそれぞれの地域の提案を積極的にしていただいて、それと基本的な役割をお互いに分担していこうということで、特に地方においては、施設整備の規格とかあるいは基準のローカルルール方式で、国の方式ではなくローカルルール方式で今回は伝達していただこうということになっておりますし、そのように、国のルールからローカルルールに転換したというのも大きな一点でございます。
 また、住民参加型の事業計画、その策定のプロセス、これも今まではなかったものを導入していこうということで、今の九本を一本にするということで、全般にわたっての計画策定のプログラムを住民参加で行うということも今までと違うところでございますし、地域の実情に応じた基準や方式について積極的な御提言をいただくという、これも、私、今大ざっぱな言い方をしましたけれども、一つ一つ挙げればそういうことでございまして、今までと違う部分、今度は国がこうした提案をすることによって、できる限り計画の内容やこれに基づいた施策というものを地方の皆さん方に、さっき申しましたアウトカムにしていった。
 そういう中で、国の役割としては、本当に災害が多い地形の国でございますけれども、私は、三十七万平方キロメートルにわたる一億二千万の人口の安全と安心のために、国土の政策というものを、構造に制約条件がある我が国において国際競争力を確保するということにおいても、空港、港湾などいわゆるゲートウエーの整備など国を挙げて取り組むべき国家的な役割についても対応し、なおかつ地方懇談会、先ほど申しましたけれども、これを通じてブロック単位の意見を、都道府県のエリアを越えた広域ブロックにおいて御意見をいただくということを、そしてまた国がそれを支援するということもございますし、先ほど申しましたバリアフリー等々も、中心の市街地においては、これは一体的な、一歩進んで地方主権の観点から、地域の自助努力をサポートするということも初めてできることでございますので、総合的なプログラムがつけられるということが今までと違う、一本になったからできるという部分でございます。
岩國委員 依然として、住民参加型とか、あるいはローカルルールとかいった抽象的なお言葉だけで、我々、今、これは法案の審議をしているわけですから、趣旨説明の延長をずっとやっているわけじゃありませんので、もう少し法案の中の条文で、地方自治体の抵抗権というものがどういうふうに確保されているのか、私は、そういうものがなければ、余り、趣旨説明で地方分権の徹底とかあるいは住民参加型と言われているほどには、条文の中を見ても、地方自治体が抵抗する権利あるいは権限というものが十分に担保されていない、そのように思いますから、この点については、さらに条文的にその点を徹底する必要があるんじゃないかということを私は申し上げて、次の質問に移らせていただきます……(扇国務大臣「ちょっと、委員長、条文で説明します」と呼ぶ)
河合委員長 扇大臣。
扇国務大臣 今、条文にないとおっしゃいましたけれども、この提出しましたもので四ページを見ていただくとわかりますけれども、四ページの二のところで、「重点計画は、」「地方公共団体の自主性及び自立性を尊重しつつ、適切な役割分担の下に国の責務が十分に果たされることとなるよう定めるものとする。」こう明記してございます。これは今までにない項目でございます。それから、その次の五ページの四でございますけれども、「主務大臣等は、第一項の規定により重点計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、国民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、都道府県の意見を聴くものとする。」これも今までの五年計画の中には入っていなかったことでございますので、条文の例を挙げればこういうところでございます。
岩國委員 意見を聞かれなかった場合には、それがどういうふうに、行政訴訟に訴えることができるのか、あるいはその計画そのものを差しとめることができるのか、そういったようなこともきちっと明文化していかなければ、これからのこの膨大な予算というものを使っていくわけですから、しかも、地方分権の時代に、地方のまちづくりというものにこれが大きく絡んでくる、そういうときに、分権というのであれば、分権の精神が各所にきちっと条文であらわれているようにすべきじゃないかと私は思います。
 次の質問に移らせていただきます。時のアセスについてです。
 これは、民主党その他合わせて四党の提案しました基本法案、これには時のアセスというものはしっかりとうたってありますけれども、政府提出の法案には、この時のアセスという観点が欠落していると思います。
 大臣も御承知のように、鳥取県、島根県の間の中海の干拓事業、四十年を超えて、そして、ようやく中止になりました。こういったものも、時のアセスという制度があれば、あるいはそういう法案があれば、もっともっと早く住民の意見を取り入れ、地方自治体の意見を取り入れ、むだなお金が使われることもなかっただろうと私は思います。その反省の上に立って、時のアセスということが有識者あるいは行政関係者の中からも声が上がっておりますけれども、なぜそういう環境の中で、この時のアセスという大事な項目がこの法案の中に入ってこなかったのか、大臣の御所見を簡潔にお願いいたします。
三沢政府参考人 いわゆる事業の評価ということだろうと思いますが、事業評価につきましては、既に国土交通省において、例えば、一定期間たっても着手していないものとか、あるいは事業を長期間やっていてまだ完成に至らないもの、一定の要件を満たすものについてはきちっと見直しし、必要があれば中止するということをやっておりまして、既に相当数の事業をその対象にしております。
 今回の計画との関係で申し上げますと、今回、そういう厳格な事業評価ということも公共事業改革の取り組みとして大変大事なことでございますので、そういう事業横断的に必要な事柄、公共事業改革の事柄として必要なことについては、この計画の中にこの法律に基づいて明記するということにしておりますので、引き続きそれに基づいて厳格な事業評価を行っていきたいというふうに考えております。
岩國委員 これは大臣にお伺いするよりも局長にお伺いした方が早いと思いますけれども、この時のアセス、今、国交省の中で、時のアセスという観点から検討が進んでおる、調査が進んでおる案件は全部で何件ありますか。近く始めようと思っている件数は何件ぐらいありますか。件数だけで結構です。
三沢政府参考人 ちょっと申しわけございませんが、ただいま手元に資料がございませんので、また後ほど御報告させていただきたいと思います。
岩國委員 扇大臣の頭の中には、具体的に、今、何か進んでいるというあれはお持ちですか。あるいは、時のアセスをやっております、やっておりますということだけで、だれも、国交省の中のどこを探してみてもやっている形跡が全くないのか。いや、やっていますと、大臣として実感をびんびん感じていらっしゃいますか。
扇国務大臣 私が先ほど冒頭に申しました二十一世紀型というのは、二十世紀はハードで来たけれども、二十一世紀は環境とバリアフリーを加味したソフトを上げていくんだと言いました。ですから、道路のCO2の排出量、これも、ETCをつくったのもCO2の排出量を減らそうということでやっておりますし、そしてまた、皆さん方が乗りおりされるところも排出量を減らそう。しかも、車の排出量よりも、京都議定書の達成のためには、車の量を減らして、船とか鉄道を利用して環境の対策にも資していこう、そういうアセスもしていこう。そして、御存じのとおり、あらゆるところで公共工事をするに関しても環境アセス。例えば例を挙げますと、今度の羽田空港の第四本目の滑走路。これを建設しますのにも、一番最初に計画を考えているときにもまずアセスを評価してもらおうということで、これも一番最初、アセス評価というものを出していただいてから考えようということをしておりますので、公共工事はすべて最初にアセスの結果が出なければ工事に入れないということが今の国土交通省の立場でございます。
岩國委員 私がアセスと言うのは、それからまた、一般に言われておる時のアセスというのは、始めた後の方が問題だということで関心が高まっているわけです。始まる前からアセスもやらないでやっておったとは私は思いたくありません。大臣は、始める前にアセスをやりました、やりました。それは当たり前のことなんです。それさえもやっていなかったということだったら大問題です。今問題になっているのは、始めた後いつまでもとまらない、それをとめるためのブレーキ装置として、ATSシステムとしてそういう時のアセスというものが必要ではないか、これが私の質問なんです。事業を始める前のことではありません。
三沢政府参考人 先ほどの事業件数のことでございます。
 事業の再評価ということで、事業採択後五年経過して未着工のもの、それから十年経過して継続中、そういう基準に該当する事業を対象にいたしまして、第三者から成る事業評価監視委員会の審議を踏まえて、事業の見直し、場合によっては中止をするかどうかということについて決めております。
 その件数でございますけれども、平成十二年度から十四年度までの間に千八百八十六の事業がこの対象となりました。その結果といたしまして、二百二十六件の事業について中止をしております。
岩國委員 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 先ほど扇大臣、ETCというのを一つの例として、環境に配慮した一つの施策とおっしゃいました。確かにそういう配慮はあることは私も評価いたしますけれども、しかし、道路の利用のあり方からすれば、あそこに料金徴収所があるというだけでかなりスピードダウンしなきゃいかぬのです。ですから、本当に環境に優しいということであれば、料金所を撤廃すること、それが本当の改革だと思うんです。ですから、世直しと言いながら、結局手直しぐらいで終わっている、それが今の現状じゃないでしょうか。そうした道路の問題についてもお伺いしたいと思いますけれども、その前に、この社会資本整備重点法案について。
 一番基本的な問題は、この九本の法案全部、森林でもなければ学校でもない。あるいは廃棄物処理施設、これも大事な社会資本です、あるいは時には干拓も大事な社会資本でしょう。そういう他省庁のものがほとんど入らないで社会資本、国土交通省のやるものが社会資本整備、社会資本整備といえば国土交通省の独占。私は、これは間違っているということを一番最初に申し上げました。社会資本というのは、もっともっと幅広い定義で考えるべきことではないかと思うからです。
 さて、国土交通省といえば建設事業、公共事業ということで、最近とかく話題になりがちな公共事業をめぐる企業献金の問題があります。
 公共事業といえば悪いイメージがいつもつきまとうのは、私は、公共事業というのは、名前からいっても非常に立派な仕事であるべき、しかもこれほど大切な、日本の将来にとってかけがえのない仕事はないという私自身も信念を持っておりますけれども、残念ながら世間はそう思ってくれません。公共事業と政治家が口にするたびに、何か物欲しそうな、企業献金のにおいというものをかぎ取ってしまう。
 その企業献金について、大臣はどのようにお考えになっていますか。徹底的にこの公共事業に関係した業者からの企業献金は禁止すべきだ、そういうお考えをお持ちでしょうか。これは、各省庁の中で一番たくさんの公共事業に関係した予算を持っていらっしゃる大臣だからこそ私はそのお考えが大切だと思うから聞かせていただいております。お答えいただけませんか。
扇国務大臣 これは政治的なお話でございますから。けさも私は記者会見で聞かれました、政治と金の問題。しかも、きょう一時からの本会議で、残念ながら、衆議院の本会議で許諾請求を許可するかどうかの御判断をなさるという、今、あとわずかな時間でという、残念なときを迎えております。
 私は、政治と金の問題、国民の間に話題になって、先日リクルート問題で判決が出ましたけれども、あれがもう十二年前でございます。政治と金の問題が言われてもうこれだけ何年もたつに、しかも、我々は、その間いろいろな法律もつくり、政治資金規正法、あるいはお金を集めないということで政党助成金等々あらゆる手を打って、きれいな政治をしようということに、私は与野党の壁を超えてやってきたと思うんです。ただ、中にも、きょうのように、残念ながら考え違いというのか不心得というのか、選挙のときには、皆さん、政治と金をきれいにします、クリーンな政治と言って、みんな選挙してきたんです。ところが、今おっしゃったように、これは公共工事のみならず、少なくとも公共工事をしているところからというお話ございましたけれども、政治資金規正法等々で全部これは公開してございますから、どこから、いつ、だれが、幾らもらったかと見えるわけです。
 国民の目から見て、これは正しい政治献金だなと思うのと、これはおかしいと思う、しかも、三年間赤字の会社からは政治献金はもらえない、まして、今、公共工事とおっしゃいましたので、債務免除をされたような建設業界からはもらえないのは当たり前の話です。その常識が、世間の常識が国会の中で非常識、国会の中の常識が世間で非常識。こういうことは、私は、それぞれの国会議員として、みんな国会議員同じ目で見られたら、これはたまったものじゃありませんから、そういう意味では、私たち一人一人が気をつけながら、なおかつ、法律をつくるところで法律違反をしたのでは、私は国民の信用は得られないと思いますので、残念ながら、そういうことをした人に対しては、私は国民が選択するであろうと思うし、私たちの同僚の中からそういう人が出るということは残念至極です。
 しかも、今おっしゃったように、国土交通省としては、何としてもそういう献金というものは、私は昨年にも、地方統一選挙がありますから、全業界に通達も出しています。そのように違法なことをするのであれば、今回のように、司直の手によって公正に判断されると私は思いますけれども、その前に、我々が心して、政治家として、国民の前に胸を張って政治に専念でき、政治に信用を取り返せるような態度を、私たち、努力したいと思っています。
岩國委員 大臣のお考え、よくわかりましたけれども、こうした公共事業に関係している会社は一切企業献金してはならないということを主張されるお考えはありませんか。それとも、透明にすれば、一定限度であればやってよろしいというお考えですか。どちらですか、簡潔にお答えください。
扇国務大臣 私自身はもらうべきでないと思っていただいておりませんけれども、それは個々の政治家の活動方法にもよりましょうし、私は、政治家が、どう政治家の姿勢として出していくかは国民にみんな見せるべきで、選挙民がみんな見ていますから、そういう意味では、理想に一歩ずつ近づいていきたいと思っています。
岩國委員 政治家個人としてという大変御立派な御意見ですけれども、大臣のお立場、そして党の中における立場からして、それを今の政権の大きな方針として、ほかの大臣とは違うんですから、一番汚れやすい、そして一番大きな税金を使っていらっしゃる立場から、私は、大臣が先頭に立ってそれを徹底的に主張される義務があると思うんです。それは、国民、納税者に対する責任でもあると私は思いますから、閣議で、そして与党三党の中で、こういう公共事業企業献金は一切廃止ということを明確に主張されるお考えはありませんか。
扇国務大臣 今申しましたように、与野党超えて皆さん方が、今、政治と金の問題の議論も、この国会にお出しになっている野党法案もございます。私は、そういうものは一人一人がやはり心するべきで、私が申しましたように、もらわないと決めるのは、一番簡単で、理想です。けれども、それを決めても法を破る人がいるということが、私は国会議員としての資質だと申し上げたのは、そういう意味でございます。
岩國委員 余り時間はかけたくありませんけれども、大臣自身は、徹底的に、企業献金、公共事業関係者からは受け取るべきでないということを党として主張されるということですね、大臣の党として。
 野党がそういう法案を提出したら賛成されますか。
扇国務大臣 それを論議するのが国会の場でございます。
岩國委員 それでは次に、道路問題についてお伺いいたします。
 道路公団の分割・民営化、こういった、推進委員会の方からも出ておりますけれども、これについて、閣内では意見は完全に一致しておるんですか。閣内で違う意見を持っている閣僚もいらっしゃるんですか。
 大臣は、分割・民営化について、どういうスケジュールでお進めになりますか。まず、大臣自身が、どういうふうにして分割し、いつごろ民営化し、そういう腹づもりというものを御説明いただけますか。
扇国務大臣 少なくとも、四公団で四十兆というこの赤字をどうしていくかというのが、第二の国鉄にならないようにというのが、この問題を論議し始めた最初であります。そして私も、一昨年の十二月に、諸井委員長を座長として、三公団統合、本四は別ということも総理に御提案いたしました。その後、七人の侍と言われる民営化推進委員会をおつくりになりました。昨年、答申をいただきました。そして、総理から、全閣僚の前で、この答申を尊重しながら、なおかつこれを実現するように頑張れよと言って、私のところへ荷物をお預かりしたわけでございます。
 私は、この答申を実行するためには、一つ一つクリアして、しかも、十六年度、来年でございます、来年の通常国会にこれを法案化したい。そのためには、いただいた答申を一つずつ検索し、なおかつ法案に持っていけるようにしたいということで、昨年の十二月にいただいた答申を拝見して、まず、今、分割とおっしゃいました。分割するためには、公団の財務諸表、これは民間でいえば当たり前のことですけれども、今まで、これだけある特殊法人で、財務諸表をつくった特殊法人は一件もございません。それを、今度は民営化するんですから、実現化のために、まず財務諸表をつくってくださいとお願いいたしました。
 そうしましたら、来年の九月ですとおっしゃったんです。ということは、ことしの九月でございます。十六年に法案化しようと思って、九月に財務諸表が初めて出てくるのでは法案化に間に合わない。それを私は早めてくださいとお願いいたしましたら、アウトソーシングにも出して、そして集中して、この通常国会中、六月十八日ですね、それまでに財務諸表を頑張って出します、こういうお答えをいただいていますので、まず総財産が決まって、その中で、お互いに無理のないような分割方法もあるのではないかということで、答申を尊重しながら、それを実行するために一つずつ詰めているというのが現状でございます。
岩國委員 では、道路公団の分割はおやりになるんですね、大臣は。
扇国務大臣 結果としてはそうなるかもしれませんけれども、今は、それをいかにしていくのが一番国民のためになるか、道路料金が安くなり、なおかつ皆さんに公平にできるかということの具体化を一つずつ詰めているということで、分割もあり得るかもしれません。
岩國委員 分割もあり得る、分割しない選択肢も残っている、これが今の内閣の一致した意見ですか。小泉総理も石原行革大臣も、分割がよければ分割してください、分割が適切でなかったら分割しないという選択肢も結構ですよというのが今の内閣の考えなんですか。
 我々、国会で聞かされているのは、分割・民営化の方、一〇〇%その枠の中の選択肢しかないというふうなのが内閣の一致した意見だというふうに理解していますけれども、大臣はその意見とは違うことをおっしゃっているように思います。もう一度お答えください。
扇国務大臣 私が総理から言われておりますことは、民営化委員会からの答申を尊重しつつ、与党とも図ってこれを実現するようにということでございますから、私一人で判断することではありません。
 これは、与党とも図ってということを総理がおっしゃっていますから、答申が出たことを全部そのとおりできるとは限りません。与党と図ったり、また、野党の皆さんの意見も聞くと、どういうことをおっしゃるのか、これもわかりませんので、そのために、国にとって、国民にとって一番いい方法を選ぶという中に分割も私は選択肢の中に当然あるということで、それを詰めているわけです。
 三つに切るとか五つに切るとかと答申は出ていますけれども、まず基本材料をそろえていただかなければ、私は、判断することは国民に対してかえってマイナスになろうと思っていますので、今はそういう状況でございます。
岩國委員 世の中には、「答申を尊重しつつ棚上げし」、こんな川柳が出たりなんかしておりますけれども、そういうことにはならないんですね。六月中にきちっとした数字が集まって出てくる、これは大きな前進だと思います。そして、大臣は、分割するかしないか、この判断はいつごろにしなければならないとお考えになっていますか。
扇国務大臣 今私はお答えしましたように、十六年の通常国会に法案を出すんです。そのときに、どういう方法に行くかということがわからないでは法案がつくれません。少なくとも十六年に法案を提出したい、私が大臣であっても大臣でなくても、そういう方向性をつくっていますから、私は、法案提出までに、どういう方法が我が国にとって一番いい方法であるかというのを御提示できると思っています。
岩國委員 この民営化推進委員会、七人の方の結論といいますか答申に、私個人は賛成できない面が多々あります。その点では、大臣と立場は私は違いますけれども。
 この七人の有識者、経験者、こういう方たちは、高速道路の議論をされる、あるいは国に対してこれがいいと言うだけの経験、知識を十分に持っておられる方なんでしょうか。大臣自身は、この七人一人一人、なるほどもっとも、これだけの知識、これだけの経験、高速道路を何万キロも走っている、そして料金所でお金も払っていらっしゃる、実体験者として一人一人の御意見というのは、尊重に値すると思われますか。その点をお答えいただけますか。
扇国務大臣 これは総理が決断して選ばれた皆さん方でございます。それは、総理が、それぞれの識者として、お一人お一人、あらゆる面で専門家として能力がおありになると思って選ばれたんだと私は思っております。
 けれども、それぞれの専門家の皆さんは、一番私は残念に思っておりますことは、批判するのではなくて、結果として、それぞれの専門の意見をお出しになるけれども、専門家だけに真っすぐでいらっしゃるので、お互いが譲り合うということがなかったから委員長が最後に辞任されるというようなことがあったのではないか。委員はあれですけれども、委員長を辞任された。そういうことが私はとても残念でございますので、結果としては、私は、一本にまとめなくても、我々はこういう方法もあるよということを委員長が責任を持って出していただくともっとありがたかったな、そういう考えを持っております。
岩國委員 九つの事業分野を今度一本におまとめになるわけですけれども、九つに分かれておったときのその一つの分野の道路だけでもこれだけ難儀している。途中で委員会が分解したり、あるいは出てきた答申が尊重されるのかされないかもわからないような、こういうのを見ていると、九つをまとめて本当にやっていけるのかなという懸念がさらに増幅してまいります。
 七人の委員の方、いろいろ立派な御意見もおっしゃっていますけれども、国土交通省としては、やはりそういう人たちの意見をこれから尊重していかなければならないとなれば、一人一人の人は、本当に高速道路を走ったことがある人なのか、自分で運転したことがあるのか、料金所でお金を払ったことがあるのか。外国との比較とおっしゃるけれども、アメリカ、ドイツ、イギリス、イタリーを自分で運転して走った経験がどれぐらいあるのかないのか。今まで聞いたことはさっぱりなくて、ただ数字の計算や理念のもてあそびだけをやっているような方がいらっしゃるんじゃないのか。その点について吟味されましたか。吟味がなしに、総理が選んだ人だから、その人たちの言うことだから何が何でも一生懸命聞きましょうという態度ですか。
 私は、責任ある官僚とすれば、当然、その人たちの経験度、有識度、これは確かに尊重しなければならないような人たちがみんな選ばれているということを自分で納得させなかったら、どうやってまじめな仕事ができるんですか。大臣の御感想があれば聞かせていただきたいと思います。そういうことをお調べになったかならないか、調べようともされなかったのか、その点を御答弁ください。
扇国務大臣 私、選ばれた皆さん方は、最大のこの民営化委員会のメリットというのは、全部公開されたことでございます。今までは、これだけの回数の会議が一度も公開されなかった、あるいは部分的にしか公開されなかった。これは、全部公開されたことはメリットであったと思います。ただ、先ほど申しましたように、全部公開したために識者としての自分の意見を曲げることができなくなってしまった、それは私はデメリットだと思うんですね。
 ですから、ある程度専門の意見をお出しになったものの、一定期間はあるいは公開しないで、それぞれがお互いの意見を出し合って、それをお互いに融通し合う、折り合う、そして最良のものを選ぶという作業が、公開というメリットの陰で逆にそれができなかったのではないか、それがデメリットになっているなと私は思っておりますけれども、それぞれの御意見の中では立派なこともたくさんございます。
 ただ、私が申しましたように、財務諸表に関しては一度も議論されてなかったことだけは、私は、今、大至急でこれをしなければ、根本だということで、この抜けていた部分を私が補って、そして実行方を準備しているというのが現状でございます。
 また、高速道路一つとってみても、御存じのとおり、岩國議員もお感じだろうと思いますけれども、日本の玄関口だといった成田で、例えば韓国から一時間四十分、香港、上海から二時間乗ってきて成田のCIQの通過に一時間並ぶ。しかも、国内線に乗りかえようと思ったら、成田から羽田までタクシーで二万円、そしてプラスアルファ高速道路。これではやはりいけない。
 そういうものが、今の国土交通省の中でも一本にできるのではないか。これは縦割りだったから、空港と道路とが一体でなくて、建設省、運輸省に分かれていたからこういう不幸なこと、また政治判断もあると思いますけれども。そういうことを、今、我々は国土交通省になったから、この長期計画を一本化して、何とか効率を上げて、国際的にも成り立つような国にしていきたいという念願を込めた今度の法案でございます。
岩國委員 今、大臣のお話の中に、観光についてのお話がありました。最近、大臣の発言で私が注目しましたのは、そうした観光収入というのを劇的に増加させたい、出ていく人千六百万、入ってくる人五百万、この五百万というお客さんの数を七年間で倍増したいと。七年間で倍増というのは、これは大変な数字ですよ。今おっしゃったような数々のハンディキャップを、どの部分を七年間に克服して、そして、そういうコストのハンディキャップをなくすことができるんですか。今おっしゃった五つの中の一つを解決することができますか。
 例えば高速道路の料金。日本人がイギリスへ行き、アメリカへ行き、無料の高速道路を一週間走って帰ってきます。イギリスのお客さん、アメリカのお客さん、みんな日本へ来て、京都へ行ってもあるいは箱根へ行っても、全部高速道路でお金を払わす。この高速道路の料金一つとってみても、これは容易なことではない。
 むしろ高速道路の料金を全廃すべきだということを、私は大臣にもこの委員会で申し上げたことがあります。そうした料金ありきという考え方では、結局、手直し程度のことのパッチワーク、二十年で借金の返済ができるのを、三十年に延ばしてみたり五十年に延ばしてみたり、その程度の手直しぐらいしかできないんじゃありませんか。
 まず、税金でつくった道路は国民に無料で開放する。石原行革大臣も、高速道路の料金は無料というのは世界の常識ではありませんか、こういう答弁でした。まず無料で利用するためにはどうすればいいかという発想なり試算なりシミュレーションを国交省の中でやっていただけましたか。私は、昨年十一月、そういう質問をしております、そういうお願いもしております。
 あるいは、完全に無料とすると、いつでも走れると思うから走らない人もいます。しかし、プリペイド方式で、一台四千円、タクシーは三万円、大型トラックは十万円、ライセンスと一緒にそれだけ払い込んでおけば一年じゅう乗り放題。中馬先生もホームページの中には、そういった高速道路のことについても御提言なさっていらっしゃいます。料金所を撤廃し、そしてプリペイド方式で、一台四千円払ってしまったから、元を取ろうと思って、用もないのに走る。そういう人がふえるからこそ、車が動き、金が動き、物が動き、人が動き、景気がよくなるんです。物と金と人と車が動いて景気が悪くなった国を私は見たことがありません。
 そういう道路のあり方、建設の仕方、利用の仕方だけではなくて、国の経済システムの中で、高速道路に、本当に動脈としての役割を果たさせるかどうか。あるいは、道路はつくってもできるだけ車は走らせないようにしようという今のシステムに固執されるのか。ゼロ金利で金は動かさない、車は道路をつくっても走らせない、人はリストラで働かせない。金は動かさない、車は走らせない、人は働かせない。こんな経済がどうやって世界の中で強くなれるんですか。
 その中の一つ、車は、道路をつくったらどんどん気持ちよく無料で走らせる。人が動く、物が動く、流通コストが下がる、だから日本に元気がよみがえってくる、これをやるのは大臣の役目じゃありませんか。文部大臣がこんなことを言うあるいは検討する、その責任はありません。しかし、せめて国交省というお役所ぐらいは、そういう発想なり提案なりがあれば、もっとまじめに取り組んで、シミュレーションつくって、今までの考え方よりこちらの方がいいと。あるいは悪いかもしれません。二十年間で四十兆円の債務を見事に返すことができる、しかも、人が気持ちよく道路を利用できる、景気の刺激にもなる、いろいろなプラス効果があるならば、時間を惜しむことなく、私は、残業をやってでもこういうシミュレーションをやるべきじゃないかと思うんです。大臣はそういう指示をされましたか。それとも、この場で聞いて聞き捨てですか。お答えください。
扇国務大臣 岩國議員がおっしゃるように、高速道路を外国と同じようにフリーウエー、こんないいことはありません。私も一番最初に乗ったときには、オリンピックのときの首都高でした。百円でした。私は素人でしたけれども、そのとき、やがてただになるよと言われて乗ったんです。ところが、今、その百円が七百円です。八百円になるのを、百円を時期をずらせとか言いました。しかも、新しい路線ができるたびにこれは料金が上がっていく。
 全国の高速道路、四十路線あります。その中で、完全に償却できているのはわずか四路線。五路線目に今入りつつありますけれども、少なくとも赤字が累計でどんどん積み重なっているのは二十七路線。
 日本の高速道路の生い立ちを見れば、岩國先生御存じだと思いますけれども、戦後、初めて道路をつくるときに、世銀から金を借りてつくった。しかも利益者負担という、これも当時の田中角栄総理の、総理だったかどうかわかりませんけれども、田中さんの、私は先輩としての大英断で今日の高速道路ができたと思っています。けれども、それが利益者負担ということで、通る人が払いなさい。この料金制度がある限り、利益者負担ということをなくさなければ、私はただにできないと思います。
 それと、外国と比べて余りにも建設コストが高過ぎる。これは日本の地形もあるでしょうし、おくれればおくれるほど高くなる。一九八二年、中国に行ったときには高速道路ゼロでした。この二十年間で一万九千キロ、もう二万キロ近い。これは、国の土地だから真っすぐにつけられるんです。日本の場合は、おくれにおくれて基本的なものができていなかったが、皆さん方に、地方自治体にも御協力いただいて、土地を収用させていただいて、そしてつくるというこのコストアップ、これが私は日本の道路のお粗末さになっていると思います。
 私はそういう意味では、多くの皆さんに、基本的な計画がおくれていた、だから私がグランドデザインが大事だったと。日本の国の国土づくりをどうするんだという基本計画がなかったからこそ、私は百年デザインをつくりたいと言ったのはそこにあるわけですから、少なくとも私は、今おっしゃるように、ただで利用していただけるようになればこんなありがたいことはない。
 主婦の感覚でと今おっしゃいましたけれども、高速道路があるおかげで、我々は、例えば築地の市場一つとってみても、東京の中央卸売市場で、高速道路ができたおかげで荷物が二倍になったんですね。このふえたというのは、高速道路ができて、地方の材料が中央の東京の卸売市場に二倍に量がふえた。
 ですから、地方も高速道路によって活性化して、地方の農産物も経済もリンクしているわけですから、私は、ただにできれば一番いいと思いますけれども、今、これだけ利益者負担でやってきたというその基本的な根本を変えるということは、私は、国会の中で大議論していただいて、法案を提出して御賛同いただけて、その借金が皆さんの税金であと四十兆始末するんだということになれば私はいいと思いますけれども、国の予算がこれだけで、四十兆を皆さんの税金で全部返していくんだということは、私は御納得が得られるかどうかは、今クエスチョンマークだと思います。
岩國委員 私がお願いしているのは、法案が出ればと言いますけれども、法案をつくる一つの参考資料として、国交省がグランドデザインとして、五十年で時代が変わった、あのときはお金のない日本、今はお金の余っている日本、これだけさま変わりしているんです。大きな条件が真反対になって、今までのあれに固執している方がむしろ愚かであり、こっけいだと言わざるを得ない。
 五十年前の英断は、今は、愚策とまでは言いませんけれども、時代が全く変わっている。米のないときの干拓と米が余っているときの干拓、中海の例を申し上げました。同じようなことは、道路の建設と利用についても、お金のなかったころの日本とお金の余っている時代の日本では考え方が違うと私は思います。
 そういうことを踏まえて、どうしたら国民に無料で返すことができるのか、その前提に立っていろいろな試案なり検討なりを進めるのは、私は国交省の大事な役目の一つではないか、そのことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
河合委員長 川内博史君。
川内委員 おはようございます。川内でございます。
 扇大臣を初め、国土交通省の皆様方に、今般提出をされました法案に絡めて、地元のことなども具体的に、この法律が成立をすることによってどのようなことになっていくのかということを含めてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 さて、まず具体的な数字を何点か確認をさせていただきたいんですけれども、二〇〇〇年の衆議院の総選挙の直後に、自民党さんが選挙で余り成績が芳しくなくて、その反省の上に立って、公共事業を見直そうというようなことをなされて、中海の干拓なども話題になったわけでございますけれども、幾つかの事業が中止になったわけでございます。
 その二〇〇〇年の総選挙直後に幾つかの事業を中止されたその判断の基準、根拠、そしてまたその件数。その後、二〇〇一年、二〇〇二年と同様に見直しをされていらっしゃると思いますが、その件数についてもお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
    〔委員長退席、菅(義)委員長代理着席〕
安富政府参考人 お答えいたします。
 国土交通省におきまして、平成十年度より、新規採択時の評価、それから実施中の事業の再評価ということで積極的に取り組んでおります。
 その結果、平成十年度から平成十四年の十二月まで、二百四十二件の事業が中止になっております。
 この事業の再評価では、基本的に、事業採択後五年経過して未着工のもの、あるいは十年経過して継続中のものというものが対象になりまして、その対象事業につきまして、事業の投資効果であるとか、あるいは地元の意向の変化といった社会経済情勢の変化、さらには事業の進捗の見込みが今後どうあるかというようなことを総合的に判断しまして、基本的に、第三者から成る事業評価監視委員会の審議を経まして、継続、中止を決めているところでございます。
 先ほど、トータルの数字は二百四十二件ということでございますが、具体的に、平成十二年度におきましては百九十二件、平成十三年度には二十二件が中止となっております。
 ただ、平成十四年度につきましては、まだ再評価の実施途中でございますので、十二月までの数字として十二件でございますが、これについては三月末までに取りまとめる予定になっております。
 以上でございます。
川内委員 百九十二足す二十二足す十二が、これ、二百四十二件とおっしゃいましたよね、足し算すると二百二十六じゃないですか。
安富政府参考人 私、先ほど、十年からと申しました。先生おっしゃっておりますのは平成十二年から十四年ですが、それを合わせますと二百二十六でございます。
川内委員 済みません、答弁をよく聞いていろということで。
 ちなみに、それらの事業が継続実施、ずっと今まで事業を実施してきていたとしたら、平成十五年度予算、つい先日衆議院を通過いたしましたが、平成十五年度予算において、およそこの二百四十二件についてはどのくらいの事業費が計上されていたかということについても、もしお答えをいただけるならお聞かせいただきたいというふうに思います。
安富政府参考人 もしこの中止事業が継続されていたら来年度予算ではどうなるかということですが、実は、この再評価の対象事業につきましては、中止しますと当然のことながら次年度以降は事業費を計上しませんし、それが具体的に各年度ごとに幾らになるかと一々計算していません。
 そういう意味では、仮に事業費を計上するとしても一応想定を置かなきゃいけないんですが、ただその想定も、事業の展開が今後どうなるのか、前に中止した事業について今後どうなっていくのか、あるいはその制約条件などの環境がどうなるのかということで、なかなか、その個別事業について、例えば十二年度に中止したものが十三、十四、十五とどういうふうになっていくかということを一々試算していませんので、いわゆる平成十五年度の予算でどうなるかということについては、現在のところ計算しておりません。
川内委員 それでは、中止された事業をすべて完成させたとすれば、その事業費というのはどのくらいの金額になるのでしょうか。
安富政府参考人 先ほど申しました平成十二年度から平成十四年十二月時点までの二百二十六件について申し上げますと、これらの事業を仮に完成させた場合、総事業費は約三兆八千五百億円となります。
川内委員 三兆八千億円。では、平成十年度からの分を全部合算すると、四兆六千億ということになるんでしょうか。
安富政府参考人 済みません、手元にちょっと十年度までのものが、件数だけあって総事業費がございませんが、平成十二年からのものでは、先ほどの三兆八千五百億という数字になっております。
川内委員 その二百二十六件、平成十二年度からの分だと三兆八千億という事業が中止をされた、総事業費三兆八千億円にも達する事業が中止をされたということでありますが、それでは、その中止の方針が決定をされるまでの間にそれらの事業に注ぎ込まれた総事業費というのは、二百二十六件についてはどのくらいの金額になりますでしょうか。
安富政府参考人 これらの事業の中止が決定するまでに注ぎ込まれました事業費につきましては、全体合わせまして約四千二百億円でございます。
川内委員 四千二百億、国民の皆様の税金を、まあ中止したわけですから、むだにしたということになったんでしょうけれども、しかし、中止せざるを得ないような事業について三兆八千億のお金を使わずに済んだという意味では、大変な決断をしたとも言えるし。
 私は、先ほど官房長が、地元からの御要望の変化等も勘案してというような事業の見直しの基準をお話しになられたわけでありますけれども、マスコミなんかでは、公共事業について、国土交通省があたかも悪であるかのごとくに言われたりするんです。実は、国土交通省が積極的に旗を振っていろいろなことをおやりになっていらっしゃることもあるんでしょうけれども、大部分は、地域から声が出て、事業というのは大体の場合において進むわけでありまして、その地域とか地方とかの要請に基づいて、国土交通省がそのネゴをして、交渉をして、全体の計画をおまとめになられていらっしゃったわけでありまして、地元が強く要望すれば、そうなのかなということで、計画を進める。しかし、年数がたつと、何かちょっと違うなと思いながらもなかなかとめられない事業もあった。しかし、昨今はそれを勇気を持っておとめになられるようになられたということに関しては、私は評価をするわけであります。
 さて、社会資本整備重点計画法のもとで、さらにこの公共事業を効率化しようということでございますけれども、そうすると、現在進捗しているたくさんの事業というのがあるわけですけれども、これらが全体としてざっくりどのような状況になっていくのかということをちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。
    〔菅(義)委員長代理退席、委員長着席〕
安富政府参考人 先ほど申しましたように、公共事業の再評価につきましては、事業採択後五年経過して未着工とか、あるいは十年経過して継続中といったような事業につきまして、事業の投資効果であるとか、先ほども言いました地元の意向といったようなことを個別にそれぞれ検討して、それも、各事業につきましてそれぞれ事業評価監視委員会にかけてやっております。
 したがいまして、この社会資本整備重点計画法が通り、重点計画が策定されて、では、その中でどうなるのかということにつきましては、やはり個別事業ごとにそれぞれ事情が異なりますし、また、我々はその時間の経過とともにそれを判断していくということが必要になってまいりますので、現在どのくらいになるんだということになりますと、これはなかなか難しいということでございますが、我々としては、この社会資本整備重点計画法に基づき策定されます重点計画の中でも、事業の効率的、効果的な実施を図る、その中で事業評価についても厳格にやっていくということを盛り込んでいきたいと思っておりますので、そういう中で、この計画の中で具体的な事業評価がなされるものと考えております。
川内委員 個別の具体的な事業についてでありますけれども、地元の声ということが最近よく言われますし、今官房長からも地元の声という言葉が再三にわたって出るわけであります。
 その地元の声というのが、地元の役所の声であったり地元の議会の声であったりする場合が多くて、もちろん議会は地元の住民を代表しているわけですから地元住民の声と言えなくもないわけでございますけれども、しかし、それにしても、その地元に住んでいらっしゃる住民の方々の直接の声というのも、私は、非常に重要な声であるというか、一番大事にしなければならない声であるというふうに思っているんです。
 例えば、私の地元鹿児島で、私が住んでいる町内会に、今度、地域高規格道路の東西幹線道路というのが今計画をされておりまして、つい最近も町内会の会合があったんですけれども、皆さん異口同音におっしゃっているのは、今まで住民説明会というのは、開かれてはいるんですけれども、住民説明会を開くというのが、結局、計画が固まってこうするからよろしくというような形で説明があって、何か意見を言ったとしても、単なるわかった、聞きおくというような形で、自分たちの意見が反映をされないという思いを随分強く町内会の役員の皆さんもお持ちのようでございました。
 事業の計画段階、計画策定の段階から、その地域の住民の皆さんというのがその地域のことを一番よく、毎日二十四時間そこで生活をしているわけですから、よく知っていらっしゃるんだというふうに思うんですけれども、この計画策定段階から地域住民に参加をしていただくというような姿勢がなければ、こういう一つの事業をめぐって賛成派と反対派が感情的な対立を繰り返すというようなことはなかなかなくならないし、それこそ建設的な議論になっていかないのではないかなというふうに思うんです。
 この私の地元の東西幹線道路等について、今現に都市計画決定をされている部分であっても、私は、これから住民の皆さんの御意見を聞く中で、都市計画決定の変更という手続なども十分にあり得るのではないかというふうに地元の皆さんには説明を申し上げて、何とか希望を持っていただくようにしているんですけれども、こういう声というものに対して、国土交通省としては配慮をするお気持ちがおありになるかどうかということをお聞かせいただきたいと思います。
佐藤政府参考人 鹿児島の東西幹線道路についてのお話でございました。
 この東西幹線道路全体の延長で約六キロ、事業費は恐らく八百億円を超えようかという大事業になると思います。鹿児島市内の鹿児島本線を越える交通、大変な朝晩の渋滞、安全の向上、こういうことを主眼といたしまして計画されているものであります。
 このうち、四・六キロの区間につきまして、平成十二年の十一月に都市計画決定がされております。御存じのとおりだと思います。このうちの三・五キロが地下構造、こういう形でございます。地下がいいか、高架がいいかといろいろな比較がそれまでなされて、こうした地下構造という構造になったわけでございます。
 この計画策定につきましては、都市計画決定の手続着手前から、計画過程の透明性を高めて、円滑な検討、計画調整を図るために、九州地方の整備局と鹿児島県、鹿児島市で構成される東西幹線道路協議会を設置しまして、平成十年十一月に鹿児島東西幹線道路の基本的考え方を取りまとめて公表し、地元説明会を開催した、こういう経緯がございます。
 また、この都市計画決定手続の中では、要望があった地区への再説明を含めまして、延べ十回、約八百六十人の皆様に対して説明を行いまして、計画に対する理解を得るべく努めてきたところであります。
 特に、この終点の側でございますが、調査区間である天保山地区、地下構造への変更に関する意見書が提出されておりまして、より具体的な図解や地域分断等への対応策の提示を行いながら、都市計画の手続を進めたところでございます。
 これらの結果、鹿児島県の都市計画審議会からは、全会一致で承認いただいたわけでございますが、事業の実施に当たっては、地域住民の理解と協力が得られるよう今後十分話し合いを実施していただくことを要望します、こういう附帯意見もつけていただいているところであります。
 したがいまして、国、県、市、三者で協力し合いながら、さらに理解が得られるように適切に対応してまいりたい、そういうふうに思っております。
川内委員 そこなんですけれども、国、県、市、十分理解を得られるように頑張りたいという局長の御答弁でありますが、私は、ちょうど東西幹線道路の出口であります天保山地区に実際に住んでおりますから、私の女房などは毎日町内でお魚屋さんとかあるいは八百屋さんで買い物をしているわけでございますけれども、その町内の商店の方々あるいは町内会の奥さんたちと話をする中では、自分たちの思いというのがなかなか聞いてもらえないという思いを持っていらっしゃるようであります。
 これは、この鹿児島の東西幹線道路に絡んだことだけではなくて、日本全国、恐らく地域の住民に対してはなかなか一々全部を聞いていくわけにもいかないんでしょうけれども、それにしても、例えばこの東西幹線道路、具体的な例で言えば、この天保山地区に関してはまだ整備区間になっていない、調査区間であるわけであります。調査区間であるにもかかわらず都市計画決定がされて、南北幹線道路とのつなぎ目もどうするかということについてもまだ固まっていないという状況でありますから、地域の住民の皆さん方の御意見、思いというものを聞きおくというだけではなくて、その地域の皆さんのアイデアというものに関しても、計画がこうなりましたよ、だから御理解くださいということではなくて、御意見をお聞かせくださいという姿勢でいかれる方がよりまとまりやすいのではないかなというふうに私などは思うんですけれども、ちょっともう一度その点について御答弁をいただけますか。
佐藤政府参考人 先生の今のお話は、既に都市計画が決まっております四・六キロの中で、事業化をしていますのが三・四キロ、残りの一・二キロの調査区間につきまして、いろいろな住民の皆様からの御意見や御要望がある、それもできれば地下化ということを含めての御意見、このように承っております。
 ここにつきましては、地域分断であるとか環境対策の面であるとか、いろいろな御心配がある、こういうことだと思います。都市計画に当たりまして、その辺の対応そのものについて十分な検討をしながら、御意見をいただきながらやってきた、こういうことではあります。
 さらにいろいろな御不安があろうかという点につきまして、先ほど申し上げましたように、国も県も市も一緒になりまして、そうした不安の払拭あるいは御要望をどういう形で、地域分断とかそういう問題もいろいろあろうか、こういうことのようでございますし、いろいろ三者で協力し合いながら、一生懸命御理解をいただきながら問題の解決を図るということが大事なことかと思っております。
川内委員 ありがとうございます。
 ちょっと基本的な問題をお尋ねさせていただきたいんですが、この国土交通省鹿児島国道工事事務所がお出しになっていらっしゃる東西幹線道路のパンフレットを拝見いたしますと、都市計画決定をするのは整備区間になってからだというふうにパンフレットには出ているんですが、都市計画決定された四・何キロを見ますと、今道路局長がおっしゃるように、まだ調査区間も都市計画決定をされた区間に入っているんですけれども、これはちょっと事実関係として、なぜそうなったのかということについて御説明をいただきたいと思います。
佐藤政府参考人 先ほどもちょっと申し上げましたが、四・六キロのとりあえず都市計画決定、全体の構想としましてはおよそ六キロぐらいになろうか、その中で、計画として御理解いただきながらということで四・六キロ都市計画をお決めいただいた。事業という面からいきますと、逆に、できるだけ重点的に、なおかつ一番厳しい部分をまずしっかりと早急に対応する、これが大事なことだということで、逆に申し上げますと、四・六キロの都市計画の中で重点的に整備すべきということで、そのうちの三・四キロ事業化をしている、こういう状態でございます。
 逆に申し上げますと、その三・四キロだけを事業化しようとしたら、その先の方が全然形にならないといいますか、地元の皆様に御説明ができないでは、これまた一体どうなるんだろう、こういう御議論もあろうかということで、現実的な対応といたしましては、計画としてはある範囲を決めさせていただいて、そして、その中で重点的な事業化というものを私ども日ごろから気をつけているところでございますので、趣旨としてはそういうことでございます。
川内委員 今、都市計画決定をした中で重点的に事業化をしたということで、残りの一・二キロ、私がちょうど住んでおります天保山地区の部分に関しては、事業化をされるまでにまだあと随分時間がかかるんだろうというような局長の御答弁でございましたので、ぜひぜひ地域の皆さんの声というものをしっかりと聞いていただいた上で計画を進めていただきたいというふうに思っております。
 さて、またここで全体的な話に戻るわけでございますが、今具体的な例を挙げて申し上げましたように、個別の事業の推進に当たっては、その成果とか効率性というものを追求することは確かに必要なことだというふうに思うんです。しかし、立場が違えば、何が成果であって何が効率性なのかということもその方々の立場によってそれぞれ違いますし、例えば、美しい景観の保全というようなことでいえば、何が美しい景観なのか、何が美しくないのかというようなことに関しては、非常に恣意的な判断を強いられるわけでありますし、この成果とか効率性というのは非常に評価しにくい部分ではないかというふうに思います。
 成果とか効率性というと、数字にあらわされる。数字であらわすというようなことになると、今度はいわゆる公共事業なるものが都市部に集中してしまうというようなことも私は懸念をするわけでありまして、大都会はほっておいても大都会だから、例えば、道路が渋滞するから都会だなと私なんか田舎者ですから思うわけですよ。しかし、都会に住んでいる人は道路が渋滞するのは嫌だと思うでしょうけれども、私なんか、渋滞すればするほど、ああ、やはり都会に来たなと思ってうれしいわけですから。
 私は、公共事業が都市部に集中するというようなことを非常に懸念するわけです。やはり地域あるいは地方というものを大事に大事にしていかなければこの国自体が成り立たないわけですから、その辺についての全体的な、そんなことはないという大臣の御答弁をいただきたいというふうに思います。
扇国務大臣 今、渋滞するのを見て都会へ出てきたなという、何か浮き浮きしたような顔でおっしゃいましたので、都会に住んでいる者はそう思っていないということも私は大事なことだろうと思いますし、何よりも、先ほどからも岩國議員と論議しましたように、二十一世紀は環境、これを重視しなければ日本の国が世界じゅうにおくれるということで、二十一世紀型の環境ということを考えれば、今川内議員がおっしゃったように、込んでいると都会へ来たなとうれしそうな顔でおっしゃることは、都会の皆さんにとっては大変なことである。
 それから、先ほど岩國議員に申し上げましたけれども、東京の卸売市場の話もしました。道路ができたおかげで、地方の産物が新鮮なまま、倍も入ってくる。これは地方の経済の活性化にもなるし、あるいは、個性ある地域の発展と私は言っていますけれども、それぞれの地域で個性のあるものができて、それが生で運ばれてくるということもうれしいことであるし、これが地方の発展にもつながっているというので、込むことだけが都会だ、出てきた、うれしいというのは、それは若者が何か、原宿の竹下通りの込んでいるところへ来て、もう全国から集まって、肩触れ合って土日は通らなきゃ通れないという若者がいます。これは、都会へ出てきたなという感覚を持っていて、自分の地元でも買えばいいものをわざわざ込む原宿へ来て竹下通りで物を買う。これはやはり車を使ってわざわざ出てくるわけですね。
 ですから、そういう人間が憧憬として都会にあこがれるということも私はわからなくはないですけれども、それによって必ずしも、都会が住みいいところかというと、先ほど申しました環境面においても、大変住みにくいところである。物価も高い。なおかつ、都会の人は国際的に、国際的にもというか国内でセカンドハウスを、空気のいい、あるいは地方へ行ってくださいというぐらい環境が違うわけですから、私はそういう意味では、一長一短ございますので、地方だからこう、都会だからこうというこの格差をなくすことも必要だけれども、何よりも、個性がある、それぞれのところへ行ってみたいということがすべての経済効果。また、観光面においても、あそこへ行ってみたいという魅力ある地方をつくるということ。すべての面で、国と地方のそれぞれの特徴、しかも大都市と地方という、これも私は大きな特徴をこれから二十一世紀はつくっていっていただきたいということのために、こういう一本にしていただいた法案というものも必要であったということが言えると思います。
川内委員 いや大臣、私が申し上げたのは、大臣はそうお考えになるし、私はこう考えるし、何がいいと思うかは人それぞれ立場によって違いますよねと。
 ただし、最近の公共事業をめぐる議論などを聞いていると、道路公団の議論なんかでもそうですけれども、効率性とかそういうものが非常に前面に出過ぎてしまっていて、それは、もうかることなら民間の会社が何ぼでもやるわけですからね。もうからないからこそ、非効率だからこそ国がやる、公共事業なんだというところがあるわけです。
 それをしっかり踏まえておかなければ、時流に流された、余りにも軽薄な議論だけで、何か効率性だけを追求する余り、地方が切り捨てられるというようなことになっては、地方に住んでいる我々は、同じ日本の国を支えてきているわけですから、たまりませんねと。大臣がそこで、わかっているわよ、地方も大事にするのよ、私はというふうにお答えをいただきたかったんですが、いかがでしょうか、最後に。
扇国務大臣 私は、少なくともそれぞれが、我が町が、我が村が、我が県が一番いいと思えるような国と地域が一体になった政策こそが日本を豊かにすると思っています。
川内委員 ありがとうございます。終わります。
河合委員長 大森猛君。
大森委員 日本共産党の大森猛でございます。
 公共事業をめぐって、国民の中に強い批判がある中で、政府が公共事業の大宗を占める長期計画を改める今回の提案になったわけでありますけれども、見直しの視点として、これまで趣旨説明等では、縦割りあるいは非効率あるいは硬直性とか、これは余り大きくは言われませんが、不要不急とかの中で重点化を図るということであります。同時に、余り大きくは聞こえてきませんけれども、規模の肥大化とそれに伴うさまざまなマイナスの影響、これも当然見直しの視点にあるべきだし、それによって、当然そういう点から抑制の方針に切りかえるというぐあいにならなくてはならないと思うんですが、まずこの点からお聞きをしたいと思います。
扇国務大臣 今大森議員が今までの総論を言っていただいたようなことで、御理解いただいていることを私は本当にありがたいと思っていますけれども、今まで、国の省庁のあり方、そしてそれぞれの省庁から出てきた長期計画、これはほとんど変わることがない、変えることがない、それが、少なくとも私は、予算の分野別配分を硬直化しているということを言い出した根本でございます。五年間は確実にこの事業達成まで均等の予算がとれるんだ、これでは工事を見直すこともコストダウンを図ることも、あるいはスピードアップしようということもなくなるんですね。五年間塩漬けになる。
 私は、そうではなくて、やはり集中して投資して、コストダウンを図って、より工事の終着点、五年でできるところは四年ですれば、安くなり、なおかつ、その後の一年分は違う工事に持っていけるではないかというようなことから、今回のこの九本の長期計画を一本化していただいた大きな原点でございます。
 そういう意味では、御理解いただいていると思いますけれども、今までの縦割りというのではなくて、国土交通省になってよい省庁になったという、その一番の表現の仕方はこういう長期計画の法案を一本化するということで、ああ、全部今までの縦割りの省庁が横で国土交通省つながったなという、私は、そういう意味では、より地域の皆さん方にも、住民の御理解がいただけたり、あるいは納得がいただけたり、こんなこともワンストップの窓口でできるのか、今までは運輸省に行ったり建設省に行ったりなんかしていたけれども、国土交通省でワンストップで、ここへ行けば全部できるということも大きなメリットだと思って、この基本的な一本化に臨んだというところでございます。
大森委員 私は、特に見直しの視点として、今も大臣の答弁にはなかったんですが、規模の肥大化、このこととの関係で、これを大きな視点に加えなくちゃならない。特に、それが他の行政へのさまざまなマイナスの影響を与える、とりわけ国と地方の財政悪化へのやはりこれは影響を与えるのじゃないか。この点で、公共事業の大きな部分を借金で賄ってきた、その結果、今どうなっているかという点も、これはしっかりと、特に公共事業の九割方を占める国土交通省の大臣として、そういう点、きちんと認識しなくちゃならない。その点の御認識はいかがか、お聞きをしたいと思います。
扇国務大臣 大変今基本的なことを御指摘いただいたんですけれども、御存じのとおり、国あるいは地方、経済的にも長期の債務残高というものが六百七十三兆円、こういう数字に達しつつある。また、そういうふうに国と地方の財政は、この数字で見る限り、大変厳しい状況にあるわけでございます。
 そういう意味で、地方単独の公共事業、これも平成五年をピークにして一貫して減少し続けてきました。けれども、私は、平成十二年度にはこれを七割の水準にまで引き下げられておりますけれども、その中でも国の公共事業というものの下支えを景気がしてきたということも事実だと思います。また、必要だから公共工事をしてきた、これもある一定の点では認めていただけるのではないかと思っております。公共事業、地方公共事業等を含めて、こういう厳しい財政の悪化が進んでおります中でも、私は、最大の要因が公共事業であり、むだであるという指摘だけには当たらないと思います。
 必要なところへは必要なことをする。そして、国の公共投資というものも、景気対策として、私どもは今後民間の需要を促進していこう、そしてそれを地道に補完していこう。官から民へというこの小泉内閣の命題もございますので、少なくとも、地方の需要というものにも、あるいは事業というものにも、国として補完できるものは最大限に補完していこう。
 そして、平成十年度をピークに減少し続けた、この平成十五年度当初予算でも、平成四年度の水準にまで引き下げられてはおりますけれども、建設国債の発行等も減少していますけれども、残高は平成十五年度末には減少に転じる見込みに持っていこう。これだけの、六百七十三兆円という国と地方のこの長期の債務残高というものを少しでも減らして、重点的な工事をしていこうということも含めて、赤字国債は急増しておりますけれども、十五年度予算では、国債の発行高三十六・四兆円というのはもう予算委員会でもよく言われました。その八割を超える三十兆円まで、これは増加しているわけですから、何としても、公共事業が国の財政悪化の最大の要因であるという指摘は、やはり私たちは、公共事業が全部の負債の主たるものであるということには当たらないと思っています。
 ただ、使い方が、むだがあった、もっと今の時代集中すべきであるという選択方法のために、今度の一本化によって減らす部分とふえる部分が確実に出ておりますので、これはまた後で御質問があれば、減った部分とふえた部分も御報告させていただきたいと思います。
大森委員 私は、大臣の今の御答弁等を伺っても、今の国と地方の財政の危機の認識の度合い、あるいは、それが、経済のさまざまな深刻な状況があるのはもちろんでありますけれども、公共事業がどうそれに影響を与えたかという点で、やはり認識が極めて不十分ではないかと思います。
 お話がありましたように、七百兆円近い国と地方の借金、残高ですね、これはGDPの一・五倍ですよ。ヨーロッパなんかでは大体六〇%前後、それの二・五倍の規模になっているわけですね。
 地方の場合にも、例えば、公債費負担比率の警戒ライン一五%超が四十四道県ですね、わずか四都県以外は全部警戒ラインを突破しているような状況ですよ。これも、わずか五年間で一・五倍になっております。それから、市町村でいえば、二千八十三市町村が一五%超の警戒ラインを突破、これも五年間の間に約二倍になっているわけですよ。
 公共事業だけではないとおっしゃりたい気持ちはわかりますけれども、公共事業が与えた影響は非常に大きい。例えば、これは九三年の数字でありますけれども、当時、九〇年代では最高の公共投資が注がれた、国と地方で五十一兆円でありますよ。そのうち三十兆円を国と地方の借金で賄う。こういうことの結果が、とりわけ九〇年代、こういう国と地方の財政を大変危機的な状況に追いやったという認識を、本当はしっかり持っていただきたいと思うわけですね。
 そういう点は、これは実は国内でも、国際的にも有名になっているんですね。これは有名な言葉でありますけれども、ニューヨーク・タイムズで解説しているんですね、日本の破産への道は公共事業によって舗装されていると。これは数年前の論評でありますけれども、国際的にもそういうことは有名になっておるわけですね。
 きょう私は、最初でもありますので、こういう肥大化してきた、なぜ肥大化してきたのかという点でお聞きをしたいと思うわけなんです。
 やはり、この公共事業がこういう肥大化してきたその大きな理由、一つは、九〇年代、これはこの間の本会議での答弁でもありましたけれども、景気対策という形でどんどん際限なくほうり込んでいったこともありますけれども、同時に、この間、総額先にありきということがあると思うんですね。とりわけ九五年から〇四年までの十年間に総額六百三十兆円もの公共投資を行う、こういう公共投資基本計画、これの問題があると思います。
 きょうは内閣府にも来ていただいておりますけれども、一九九〇年、日米構造協議で、このときは、アメリカからGDPの一〇%という要求がされ、そういう中で、過去十年間の五割増しの規模、これはちょうど四百三十兆円という数字になるわけですけれども、これがそのまま公共投資基本計画の枠にされる。確かに、八〇年代の公共投資総額が約二百六十三兆円ですから、ちょうど一・五倍という数字になっているわけですね。
 それがその後、九四年には六百三十兆円に膨れ上がった。この総額先にありきがその後の異常な公共事業膨張の大きな理由、この要因となってきたわけですね。ですから、九四年前後、例えば大手ゼネコンなどの業界が大規模プロジェクト構想を次々と打ち出す。これは、九六年の日本建設業団体連合会が出した日建連ビジョンでありますけれども、その中では、ナショナルプロジェクト等は、この期間を逃しては推進が難しくなる、こう言って、みずからのビジョンを発表される。その中に、当時でも十五兆円からあるいはそれ以上と言われた首都機能の移転とか、こういう大プロジェクトが盛り込まれているわけですね。
 ですから、こういう四百三十兆円あるいは六百三十兆円、初めに総額ありきというやり方が今日のゆがみの大きな大もとになっているのではないかと思います。
 そういうことで、そういうやり方の根本的な反省等はやらないまま、昨年の一月二十五日の閣議決定で「構造改革と経済財政の中期展望」が出されて、公共投資基本計画は廃止になりました。そこで一定の抑制の方針が出されましたけれども、しかし、実際にはそうなっていない。大臣の縮減しているんだ、抑制基調に変えたんだというお話はありましたけれども、公共事業の方も、物価が下がった範囲を余り超えないということだと思うんですね。
 そこで、内閣府の方に、副大臣、お見えになっているでしょうか、お聞きしたいんですが、この六百三十兆円という総額は、これはもう公共投資基本計画の廃止とともに廃止になるということと理解してよろしいでしょうか。
根本副大臣 委員のお話にありましたように、平成十四年一月二十五日に「構造改革と経済財政の中期展望」を出しましたが、その「構造改革と経済財政の中期展望」の中で、廃止をいたしました。
大森委員 そういう形で、公共投資基本計画は廃止になった。しかし、その総額ありき、あるいは総枠ありき、こういうやり方は、そのまま今続いてきていると思うんですね。
 先ほど来、道路建設、道路事業のお話がありましたけれども、国と地方で年間に十二兆円、公共事業の三割を占める道路建設でもこれはそうだと思うんですね。
 私ども、本会議で道路特定財源の関係で質問をしたわけなんですが、五年間の事業量を国費だけで三十八兆円、こういうことを目標として閣議決定する規定が設けられているわけで、これは関係整備法の方でありますけれども、このことについての我が党の質問に対して、小泉首相は、「納税者に理解をいただくため、暫定税率の前提となる事業の量について目安を示すもの」とお答えになっているわけですね。これは、言い方、言葉の使い方は変わりますけれども、要するに、前提となる事業の量、これは三十八兆円、初めに総額ありきとここでもやっておられるのではないかと思うんですね。
 道路事業における初めに総額ありき、こういうやり方は、私はやはりここは改めるべきではないか。道路特定財源の問題では、我が党への答弁の中で二度にわたって、短い答弁の中で、五十年ぶりの規定の改正と自慢げに小泉首相も言われておりますけれども、こういう制度に五十年以上もしがみついてきたということの方がはるかに大きな問題だと思うわけなんですけれども、これまでは、ともかくも五年ごとに延長してきたわけですね。しかし、今回は、若干の使途の拡大などはありますけれども、そのことをいわば免罪符にして、今度は五年ごとの延長とか見直しとかいうことではなくて、もう恒久化の措置として続けられることになるのではないかと思うんですね。
 これはやはり、小泉首相がかつて公約されたように一般財源化すべきではないか、同時に、こういう総額ありきということについては見直しをすべきではないか、二点お聞きをしたいと思います。
佐藤政府参考人 道路の特定財源につきまして御説明申し上げます。
 一般財源化すべきではないか、基本的な物の考え方はどういうことかというお話かと思います。
 先ほど先生の方からもお話がございましたように、道路特定財源自体は、受益者負担の原則に基づきまして、道路整備のための特別な負担をお願いしている、こういうことでございますので、現在、本則の二倍以上の暫定税率をお願いしているところで、これを引き続き延ばしてください、こういうことであるわけであります。
 こうした財源を一般財源化するということにつきましては、納税者である自動車利用者の理解を得ることは難しいということで、道路整備を計画的かつ着実に進めていくためには、引き続き特定財源を活用させていただくことが必要だと考えております。
 また、恒久化という問題でございますが、五カ年間の暫定税率の延長をお願いし、なおかつ、そのときそのときにきっちりとした御説明を申し上げながら御理解をいただくことが肝要、こういうふうに考えております。
 それから、事業量ありきではないか、こういうお話でございましたが、そういう意味で暫定税率を延長させていただく、こういう観点から申し上げますと、しからば、どのぐらいの事業の量が必要であるのか、さらにはどういうような目標でというような内容的なものも、アウトカムという形でできるだけ御説明をさせていただきたい、こうは思っておりますが、いずれにしましても、納税者の御理解をいただくためには、やはりそうした目安、こういうものも必要なことというふうに考えておる次第でございます。
大森委員 三十八兆円、こういう枠はあらかじめ設けられているということでいえば、冒頭に大臣が言われた長期計画の中で生まれた弊害がやはり生じてくる、それを排除する担保もないと思うんですね。そうした点は道路だけに限らないということで、私は、次に質問を移りたいと思うんです。
 この重点計画法案では、第六条で、重点計画は、国土の総合的な利用、開発及び保全に関する国の計画並びに環境の保全に関する国の基本計画との調和が保たれたものでなければならないと定めています。
 言うまでもなく、この前半の部分、利用、開発、保全に関する計画とは、国総法に基づく計画、現在でいえば二十一世紀の国土のグランドデザインだと思うんです。重点計画はこれに調和をしなくちゃならないということを法律でわざわざ今回設けたわけですが、これはそういう理解でよろしいでしょうか。
三沢政府参考人 全国総合開発計画は、我が国の国土づくりの基本目標を示すとともに、それを実現するための社会資本整備のあり方などを長期的に方向づけるという性格のものでございますので、これとの調和を重点計画は図るべきだという旨を規定しているものでございます。
大森委員 調和というのはまことに抽象的な言葉であるわけなんですが、いずれにしろ、これを目標として、こういうものを理念として描きながら重点計画を描いていくということになるのではないかと思うんです。
 例えば、先ほど申し上げた道路の問題、このグランドデザインでは、四全総で掲げていた一万四千キロの高規格幹線道路網に加えて、新たに地域高規格道路六千から八千キロの整備を目指すというわけですね。さらに大きな目標になっているわけですよ。
 これは、先ほど内閣府副大臣からお話がありました公共投資基本計画を廃止して、その中でどういうぐあいに言っているかといいますと、これは「景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に、その重点化・効率化を図っていく。」そして、抑制の方向というのは打ち出しているわけですけれども、そういう「改革と展望」、昨年の閣議決定の中身からいっても、このグランドデザインの目標というのは、「景気対策のための大幅な追加が行われていた以前」といいますと、八〇年代とか、あるいは九〇年代の初頭というぐらいになるかもわかりませんけれども、そういう水準に返していくこととこのグランドデザインということは、やはり矛盾するのではないかと思うんですね。
 これを、このグランドデザインに道路の問題でも調和していこうということであれば、公共投資基本計画を廃止して抑制基調を出した、そういう「改革と展望」、閣議決定の中身と反する中身になってくるんじゃないか。結局、従来どおりの道路建設になってしまうんじゃないかということですが、いかがですか、これは。
佐藤政府参考人 まず先生、三十八兆円の問題でございますが、国費ではなくて、一般道路事業と有料道路事業と、全体としておおむねの目安、こういうふうに考えておるところでございます。
 それから、結局、道路が今までどおり大きな拡大をするのではないか、こういう御指摘でございますが、計画の内容自体は、状況に応じてしっかりとした着実な計画、こういう形で考えたいと思っております。
 それから、「改革と展望」のお話でございますが、事業の規模、こういう面から申し上げますと、平成の二年、三年ごろ、全体として一般道路事業、有料道路事業、そういう意味では七兆円強、こういう形でございますので、今度お願いしております三十八兆円というオーダーとはおおむねが合っている、こんなことかと思っております。
 ただ、内容的には、しっかりと重点化、効率化を図って、しっかりした着実な計画にしたい、そんなふうに思っておるところでございます。
大森委員 四全総で一万四千キロの高規格幹線道路ですね。これはちょうど、いわば「改革と展望」で言った景気対策以前の時期の作成なわけです。時期的に重なるわけですよ。
 ところが、今回はこういうグランドデザイン、それ以前に水準を返すといった時期よりは、さらに地域高規格道路、これはどういう性格のものか詳しい説明は受けておりませんけれども、いずれにしろ、相当費用のかかる道路であろうということは想像できるわけですが、新たに追加して、六千キロから八千キロ整備を目指して、しかもそれに調和するような重点計画をつくるということであれば、これまでどおりの、あるいはそれ以上の道路建設の拡大ということになっていく、そういう疑問は、これはぬぐえないと思うんですね。
 さらに、道路だけじゃありませんね。このグランドデザインが発表された際に、これは東京湾口道路、今、アクアラインが惨たんたる状況になっておりますけれども、さらに東京湾口道路をつくる、伊勢湾の湾口道路などなど、六つの長大橋、海峡横断道路構想など、巨大開発構想が盛り込まれているわけですね。当時のマスコミ等も大変厳しくこれは批判をしたわけですけれども、こういう構想を検討していく。
 四全総では投資規模約一千兆円と言われたわけでありますけれども、この二十一世紀の国土のグランドデザイン、これは投資規模、国土交通省にお聞きしたいんですが、四全総で約一千兆円ということが言われておりました、今度のグランドデザインというのは、投資規模は書かれておりません。これはどのぐらいに見ておられるのか、お聞きしたいと思います。
三沢政府参考人 先生おっしゃるのは、五全総の中に書かれたものが事業費の積み上げについてどのくらいあるかという御質問だとすれば、それについては具体的な積み上げというのはございません。
大森委員 第六条でこのグランドデザイン、第五全総に調和しなくてはならないということを法律で明記したという、今までの長期計画にはこれはなかったことなんですね。それはそうですね。
 これまでの数次にわたるさまざまな長期計画で、わざわざ、当時の全総計画とマッチしなくちゃならない、あるいは調和しなくてはならないということは書かれていないわけです。実際はそういうことを描きながらやってきたわけでありますけれども、今度は法律で明確にそれを打ち出すということでいえば、この二十一世紀の国土のグランドデザイン、四全総では一千兆円と言われた、これがどの程度の財政規模のものなのか、ある程度の示唆ぐらいしなくちゃいけないと思うのですが。
三沢政府参考人 重点計画と全国総合開発計画との調和の規定を置いた趣旨でございますけれども、全国総合開発計画の中では、例えば今後の国土づくりの基本的な課題を示しております。
 例えば、国民の安全と暮らしの安心の確保、恵み豊かな自然の享受と継承、活力ある経済社会の構築、こういう国土づくりの基本課題を示しておりまして、一つは、やはり社会資本整備の重点計画もこういう基本的な課題というのを踏まえてつくる必要があるということを申し上げているのと、それから、この全国総合開発計画の中で効率的基盤投資という書き方で触れている部分がございますが、その中で、まさに今回の重点計画の中で明記しようとしている事業間連携の確保であるとか、コスト縮減あるいは既存ストックの有効活用というような社会資本整備事業を効果的、効率的に実施するための措置というものを定めることにしておるわけでございます。こういう意味で、全国総合開発計画との調和という規定を置いているわけでございます。
 事業費のことについて先ほどから御質問でございますけれども、今回の計画はまさに事業費について書かない、むしろ、アウトカム目標に転換するということでございますので、そういう意味において、事業費が幾らかということをこの計画の中で議論するというものではないということでございます。
大森委員 その辺はやはりあいまいにすることはできないと思うのですね。
 それでは、このグランドデザイン、これの達成年限はいつごろだと見ておられるのですか。
三沢政府参考人 全国総合開発計画は二〇一〇年から二〇一五年を目標年次としているというふうに認識しております。
大森委員 二〇一〇年といえば、もう七年後になるわけですね。
 このグランドデザインの中では、巨大海峡横断道路だけじゃありませんね。国際交通体系整備として、関西空港第二期事業、中部国際空港を掲げ、東京湾等には大深水、高規格の国際コンテナターミナルを整備する、こういうことが掲げられているわけですね。
 関空についてはたびたび議論にもなってまいりましたけれども、この関空、例えば日本経済団体連合会あるいは定期航空協会からも、需要関係見通しについては見直されるべきであるというようなことも含めて、そういう見直し議論が経済界も含めてある関西空港二期事業なんかもこの中に入っているわけですね。しかも、先ほど申し上げた、財界が九〇年代半ばに打ち上げた首都機能移転などもこれは入っている。
 首都機能移転の問題についていえば、検討に携わってきた委員自身が壮大なむだだと言うようなものでありますけれども、こういうグランドデザイン、それと重点計画が調和を保つ、盛んにアウトカム目標ということを言われておりますけれども、じゃ、結局、事業量では示されない、こういうイメージとして描いた、これがアウトカム目標、こういうものに重点計画はなっていくんじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
三沢政府参考人 先ほど申し上げましたように、全総との調和規定というのは、要するに、これからの国土づくりを考えてどういう基本的な課題があるかということについて、例えば安全の問題であるとか、やはり経済社会の活力の問題であるとか、幾つかの課題を掲げているわけでございます。
 それから、もう一つは、社会資本整備のやり方として、今後は重点化、効率化を図らなければいけないということを非常に全総の中で強く明記しております。こういった点について、今回の重点計画の中でも、きちんとそれを受けとめていろいろな計画内容をつくっていくという趣旨でございます。
 アウトカム目標につきましては、したがいまして、先ほどのいろいろな基本的な課題の設定の中で、例えば、では、国民の安全性という観点から、雨水に対する浸水対策をどうやって向上させていったらいいか、その場合、例えば下水とか河川とかいろいろな手段がございますが、そういう役割分担をしながら全体としての安全度の向上をどうやって図っていったらいいか、それをそれぞれの分野について目標を設定しながらやっていく。
 ただ、その場合に、先ほどから先生おっしゃいますけれども、事業費を書くということではなくて、お金ではなくて、むしろその事業をやることによってどういう効果がもたらされるのか、そのことをこの計画の重点として記述していきたいという趣旨でアウトカム目標と申し上げているものでございます。
大森委員 もう時間が参りましたので終わりますけれども、先ほど言いましたように、これまでの長期計画では、全総と調和しなくちゃいけないというようなことは法律では書かれていなかったわけですよ。それをあえてここに書くということの重みは大変大きいと思うんですね。
 しかも、この全総、もともと半世紀以上前の国総法、もう半世紀以上前の開発至上主義のそういう法律を根拠にして、しかも、この五全総をつくる際にも、当時この検討に当たった方も告発をしておられるわけなんです。
 これは、国土審議会計画部会専門委員会委員長代理、この方ですが、発行された著書の中で、最後の五カ月間、国土審議会は一度も開かれず、完全に国土庁ベースということを言われて、さらに、もっと言えば、地方政財官界と地方選出の国会議員と官僚による個別プロジェクトの選別と記述の仕方をめぐる峻烈な折衝が行われ、この過程で各地方から提起されてきたいわゆる大プロジェクトは、ほとんど書き込まれることになったというぐあいに、みずから検討に当たった方が言われているわけですね。
 先ほどの大臣の答弁の中で、地方からいろいろな声を吸収してというのは、地方の住民の声じゃなくて、この五全総作成のときには地方政財官界、そういう人たちだったということがもう当事者から告発をされているわけですよ。
 ですから、私は、こういうグランドデザイン、こういう五全総などという、国民の必要なニーズ等々から出発しない、民主的な手続もない、そういうものはもう全部御破算にして、民主的な国土づくりを本当に国民の声に沿ってつくっていく、そういうものをきちんとつくるべきだということを最後に要求して、私の質問を終わりたいと思います。
河合委員長 原陽子君。
原委員 社会民主党の原陽子です。よろしくお願いします。
 先日の本会議に引き続きまして、再度、政府の方に御質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、国土総合開発計画についてお尋ねをいたします。
 この国土総合開発計画を見直さなければならないということは、平成十一年に閣議決定をした第二次地方分権推進計画でも、平成十四年度に閣議決定をされた「構造改革と経済財政の中期展望」の中でも、見直さなければならないということをはっきりと言われております。
 今回、民主党から出ている法案の中では、この国土総合開発計画の廃止をセットで提案されています。その意義は何かということを提出者の方に御答弁をお願いしたいのと、また、政府にお聞きをしたいことは、みずから何度も閣議決定をしているのに、なぜ今回見直されなかったのか、また、いつまでにどう見直すのかということをお尋ねをしたいと思います。
 まず、政府の方から御答弁をお願いします。
薦田政府参考人 全国総合開発計画の見直しについてのお尋ねでございました。
 平成十年に閣議決定されました現行の全国総合開発計画、二十一世紀の国土のグランドデザインでは、長期的な視点に立って、地域主体の地域づくり、自然との共生、あるいは社会資本整備における重点的、効率的投資などの取り組むべき課題を提示しておるところでございます。
 これらの課題は、現下の我が国経済社会における重要かつ喫緊の政策課題でもあり、したがって、現行の全総計画はこれらの課題に対する指針としての役割を果たしているというふうに考えております。
 一方で、議員御指摘になりましたとおり、地方分権の推進あるいは計画内容の重点化等の観点から、国土計画の体系を二十一世紀にふさわしいものへと改革していくということが求められております。
 そのため、現在、国土総合開発計画、それから国土利用計画等から成る国土計画体系の見直し作業を進めておるところでございます。
 昨年の十一月、国土審議会の基本政策部会から、計画の指針性の向上あるいは国と地方の役割分担の明確化といった観点から、新しい国土計画体系の方向性が示されたところでございます。
 今後は、この部会報告を踏まえつつ、法制度面などについての実務的な検討を進める、また、計画の制度と内容の両面における所要の準備と手続というものを経た上で、新たな国土計画の確立に向けて取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
原委員 では、民主党の提出者の方から、今度は、国土開発計画の廃止をセットで提案されている、その意義をお願いします。
大谷議員 原陽子議員の質問にお答えいたします。
 国土総合開発法を何で民主党提出の公共事業基本法においては廃止するのかというお尋ねでございますが、この法律は、そもそも昭和二十五年の五月に制定された法律でございまして、当時は私も原さんもまだ生まれておりませんでしたけれども、戦争の後の瓦れきの山で、この国土をまずハードの面からもしっかりと立ち直らせていかなければいけない、まさに国土の均衡ある発展が求められていたときに、それを速やかに、確実に達成するためにつくられた法律だと位置づけていいというふうに思います。
 この法律の中身というのは、全国総合開発計画というものをまず中央政府がつくりまして、それに沿って地方が、地域が、地元の総合開発計画というものをつくっていく、まさに均衡ある国土の発展というものを達成するためには非常に当時効率がよかったですし、また、なおかつ、それなりの大きな大きな役割を歴史の中で果たしてきた法律だというふうに思います。
 再三きょうも議論をしましたように、しかしながら、これからの二十一世紀、個性あるまちづくりというものが求められている、地域のことは地域で決めていった方がその住民のニーズに合ったまちづくりが進んでいくだろう、その地方分権の理念をこれからまちづくりの構造の中に、意思決定の中に入れていく場合には、この国土総合開発法というものは、昔意味があったけれども、今は意味がないんではないかということから、感謝をし、また敬意を表しながらも、しっかりと新しいものをつくっていくために廃止をするべきだという考えで廃止をさせていただいております。
原委員 ありがとうございます。
 私もそのように思っておりまして、本当に地域のことは地域で、これからローカルオプティマムということが中心になる時代になってくると思うので、やはり国土総合開発計画は廃止すべきであると思います。
 きのう、ちょっとこのことを少しレクをいただいたときにも、上位にあるのがこの国土総合開発計画で、その下位にあるのが今回提出されている社会資本整備重点計画だという御説明をいただいて、その中で、下の計画が変わっても、下位にある計画が変わっても、上位にある計画を見直すということではないという話もあったので、そういうことでは意味がなくなってくると思いますので、私も、この開発計画はぜひ廃止をしていただきたいと思っております。
 次に、道路の特定財源についてお尋ねをいたします。
 これは、本会議で小泉総理に質問させていただいた内容なんですが、道路特定財源の使途について、本会議で小泉総理は、「道路等の建設等に加え、密接に関連する環境対策事業等を追加することとした」というふうに御答弁をいただきました。しかし、環境対策に振り向けたのはわずかでしかありません。
 民主党は、今回、この道路特定財源を一般財源化して、税金の出口を道路整備緊急措置法で特定した田中角栄さん以来のやり方を改める提案をしております。そして、塩川大臣もまた、さまざまなところで一般財源化を訴えているのに、なぜ、道路整備費の財源等の特例に関する法律案という形で、この道路特定財源だけに関しては、がっちりと固められた形がそのまま残ってしまったのか。どうして一般財源化ができなかったのかということを財務省の方にお答えいただきたいと思います。
牧野政府参考人 お答えいたします。
 道路特定財源がなぜ一般財源化されなかったのかというお尋ねでございますが、この件につきましては、経済財政諮問会議、それから財政制度審議会、さらに税制調査会、そういった場で幅広く議論が行われてまいりました。もちろん、財政の硬直化を招かないようにということで、一般財源化すべきだ、そういう御論議もございました。ただ、道路整備に充てないのであれば減税すべきであるという議論も、非常に強い御意見としてあったわけでございます。
 こういう状況を踏まえますと、財政当局といたしましては、この厳しい財政事情のもとで、引き続き、受益と負担の関係から、納税者の理解を得るということが極めて重要なことでございますので、そういうことによりまして税収の確保をすることが必要である、その上で使途の多様化を図ることが必要だろうということでそういう措置をとったわけでございまして、我々としては現段階で最大限の努力をしたというように考えております。
原委員 もう少し詳しく伺いたいんですが、一般財源化をしていくという中で、例えば国土交通省の道路局とどのようなやりとりを行ったのかということは、今御説明いただけますでしょうか。
牧野政府参考人 道路局とは、今申し上げたような、道路財源の使途を変えた場合に税収が確保できるのかどうかということについて議論をいたしました。道路局は、もちろん、その場合には税率を、特に暫定税率を維持することは困難であるというお答えをいただいております。
 それから、先ほど経済財政諮問会議でもいろいろ御議論があったということを申し上げましたが、例えば、経済財政諮問会議で、扇大臣がいらっしゃいますので恐縮でございますが、公表のものでございますのでちょっと御紹介させていただきますと、塩川大臣が、道路財源は公共事業全体に使うべきだという趣旨の御発言をされまして、それに対して扇大臣が、塩川大臣御発言の公共事業にというのは、公共事業なら何でもよいのではなく、道路に関係する公共事業だ、これはユーザーのために使うと発表しないと不払い運動が起こる、塩川大臣はそれに対して、わかったと。これは、今申し上げたような、税率を維持することの難しさということを塩川大臣が非常によく理解されているということでございます。
 こういう御議論を受けて、小泉総理が最後に取りまとめられたんですが、道路特定財源では使途は道路だけというのを見直す、昭和二十八年に道路特定財源ができて来年はちょうど五十年でありよい機会だ、道路だけというのは見直そうということで、今回のような、使途を環境にまで拡大するような、そういう措置をとったということでございます。
原委員 改革が先送りになったというようなことが言われないように、これからも、さまざまなやりとり、協議を行っていっていただきたいと思います。
 次に、訴訟と公共事業の関係についてお伺いをいたします。
 今回提出されている双方の法案を見させていただきますと、民主党の中では国会承認ということが提案されていまして、国民が国会を通して行政をコントロールできる可能性というものを示した点で、私は、ここは非常に前進している点だと思います。
 それに対して、政府の方の案を見ますと、閣議決定にとどまっておりまして、いわゆる行政の行政による行政のための公共事業であるという点は何も変わっていないと思います。
 法律を武器に、国民がたった一人であっても裁判に訴えれば国を相手に闘える、司法による行政チェックの仕組みというものがもう一方で加わらなければ、三権分立の民主国家のあり方としてふさわしくないと私は思っております。
 この点、政府と民主党はどのようにお考えか、また、できれば、今後の課題はどのようなものと考えておられるか、御説明をいただきたいと思います。
 これも、まず政府の方からお答えをいただいて、民主党、提出者の方から御説明をお願いします。
山崎政府参考人 現在、政府におきましては、国民が容易に利用でき、迅速、適切かつ実効的に救済が受けられる司法、これを実現するために、総力を挙げて司法制度改革に取り組んでいるところでございます。
 公共事業に関します司法の行政に対するチェックについての議論、これを含めまして、行政に対する司法審査のあり方につきましては、平成十三年六月にまとめられました司法制度改革審議会意見、これに沿って、司法の行政に対するチェック機能を充実強化いたしまして、国民の権利救済をより実効的に保障するという観点から、必要な検討を行っているところでございます。
佐藤(謙)議員 原議員にお答えをいたします。
 実は、私どもの法案の最大の眼目が国会関与、前進という評価をいただいて大変ありがたく思っておりますけれども、国民の信託を受けた国会がこうした公共事業に積極的に関与をしていく。そして、それと同時にもう一点は、公共事業が国民の意見を反映して実施できるような、計画段階から国民の意見を聞くことができる、そうしたことを義務づけている。これが私どもの法案の大変大きな点だろうと思います。
 実は、さきの本会議で原議員が総理に御質問された司法のコントロールの問題、あのとき、総理の答弁は木で鼻をくくったような大変そっけない答弁で、一九九八年にデンマークのオーフスで採択をされて、おととしから発効しているオーフス条約のような、市民が司法にアクセスできるようなそうした仕組みというものは大変大事でありますけれども、現在の日本では、まだほとんどそれが歩を進めていないということであります。
 私が一番懸念をしているのは、これから地方分権が進んで、知事とか市長、いわゆる大統領に大変大きな権限が与えられる。ところが、地方議会はほとんどオール与党体制の中で、本当に必要な公共事業というものが評価されないということで、市民は例えばオンブズパーソンの監査請求ですとか住民投票というところに頼るしかなくて、本当に司法につながっていけるような異議申し立て権というものを充実させていくというのが、真の民主主義を確立する上で大変大事なことだと思います。
 三点ありまして、一つは、戦略的環境アセスですとかあるいは環境アセスメント法の強化など、環境に限って言えば、そうした早期計画段階での市民の参加だとか環境面でのチェックというものを充実していくというのは大事なことであります。私も先般の委員会でたびたび質問させていただいております行政事件訴訟法の第二十五条の問題、これは司法制度改革推進の議論の中で盛んに指摘されておりますけれども、とにかく、執行停止の原則にしていく。これはおかしいと差しとめ訴訟を起こしたときに、今、執行不停止の状況でどんどん工事が進められていきますけれども、執行停止の状況に原則を変えていくということ。
 それからもう一つは、現在の行政の施策に対して、行政処分を伴わない限り訴訟を起こすことが非常に難しい。これは本会議で原議員も言われておりましたけれども、そうした訴訟を起こしても、原告適格がなかなか認められなくて、認められたとしてもほとんど勝つことができないということを考えますと、原告適格の拡大だとか客観訴訟の拡大など、そうした司法によるコントロールが十分できるような仕組みづくりが必要だ。
 私どもの党としては、行政事件訴訟法の改正とともに、こうした論点から、司法の行政に対するチェック機能を充実していきたいというふうに考えています。
原委員 ありがとうございます。
 今、双方の意見をお伺いしたのですが、やはり提出者の方々の御説明の方が今後の課題もはっきりなさっていたと思います。
 そこで、再度、もう一度政府にお聞きをしたいのですが、今の提出者の御説明を聞いて、これから司法制度改革を進めていく中で、どのようなことをさらに進めていこうとお考えになられたかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
山崎政府参考人 ただいま挙げられたような論点も含めまして、私どもも現在、検討会というものを事務局に設けておりまして、そこで第一次的に行政事件訴訟法の問題点を洗い直ししておりまして、今、第二読目に入っておりまして、ただいま言われましたような論点も議論の対象にはなっておりますが、最終的にどうなるかというのは、もう少し時間がかかるということで御理解をいただきたいと思います。
原委員 ぜひ、議論の対象に挙げていただいて、こうした改革が進むように御努力をいただきたいと思います。
 次に、ちょっと細かいところなんですが、法案の条文について、一点お伺いをさせていただきます。
 第四条の重点計画のところなんですが、第四条の四項で、重点計画の際、「国民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、都道府県の意見を聴くものとする。」となっていて、これは私、ちょっと本当に素朴に疑問に思ったところなんですが、住民の声を聞くというのがあって、いきなり都道府県となっていて、市町村が抜けてしまっているのが気になったのですが、その点、市町村の意見を聞かないということになってしまうのでしょうか。御答弁をお願いします。
三沢政府参考人 社会資本整備重点計画の内容について意見を聞く場合に、社会資本の整備状況とかその他の地域の特性を踏まえる必要があるということで、これは広域自治体として市町村の調整機能も有する都道府県に意見を聞くという趣旨で都道府県ということにしたわけでございます。
 都道府県だけではなくて全国三千の市町村すべてから直接意見を聞くというのは、これは正直申し上げまして、実務的に事務的には非常に難しいということで、法律上は措置はしておりませんけれども、ただ、都道府県が主務大臣に意見を提出する場合には、当然やはり都道府県が県内の市町村等の連絡調整の立場にあるということも踏まえて、市町村の意見もよく聞いていただいた上で、またさらに主務大臣に意見を出していただく、そういうことを都道府県の方にはお願いしていきたいというふうに考えております。
原委員 地方分権の観点からもう一つ、これは道路局の方に質問したいんですけれども、長野県の栄村の話なんですが、この村では、補助金をもらって道路をつくるよりも、村道として必要最低限な大きさでつくった方が安く済んだという例があるそうです。
 限られた財源を有効活用してむだを省くために、規格基準をクリアしなければ補助金が出ないというやり方は、この地方分権の観点からやめていくべきではないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。
佐藤政府参考人 市町村道の補助に関するお尋ねかと思います。
 市町村道の補助事業自体は、平成十四年の十二月二十四日に閣議報告されました国と地方に係る経済財政運営と構造改革に関する基本方針、ここにおきまして、市町村道への補助は原則廃止することとして、高速道路のインターチェンジへアクセスする道路などネットワーク関連や市町村合併など特別な観点で行うものに限定したところであります。
 しかしながら、それらの事業の実施に当たりましては、先生御指摘のように、地形や地質などの地域特性あるいは気象条件、道路の利用特性などに応じまして、一・五車線的な道路整備などローカルルールを活用するなどして、地方における創意工夫を生かした効率的な道路整備の推進を国としても支援してまいりたいと思っております。
原委員 ありがとうございます。
 次に、農水省所管の公共事業についてお尋ねをしたいと思います。これは、厚生労働省と経済産業省の方にも後で御答弁いただきたいのです。
 本会議の質問の中で、国土交通省所管だけのものを一本にまとめても意味がないと批判をしたところ、それに対する総理の答弁が、「事業横断的な公共事業改革の取り組みは進めているところ」と御答弁をいただきました。
 具体的に、どう横断的に連携してむだを省いていくかということをお尋ねしたいのですが、例えば、農道をつくる際に農水省は今後国土交通省と協議を行っていくのかという点、治山ダムと砂防ダムでは協議を行うのかという点、三点目が農業用水と工業用水と都市用水では協議をこれから行っていくのかという点、ちょっと細かいのですが、ぜひ担当部署ごと御答弁をいただきたいと思います。
高橋政府参考人 何点かございますが、まず農道と一般道路の関係でございます。
 農道につきましては、御案内のとおり、農業の振興を図る地域におきまして、農産物流通の合理化あるいは農村地域の生活環境の改善に資するものとして、土地改良法に基づき実施しております。
 一般道路とはその目的は異にしますが、この両者の関係につきましては、当然のことながら、それぞれの適切な役割分担と効率的な投資という観点から、基幹的な農道の路線配置等につきましては、国、県、それぞれの段階で農道担当部局と道路担当部局とが協議、調整を行いまして、県段階で、農道と一般道路との調整を図りました地域道路整備計画というものを策定、公表しております。
 こういうような取り組みを行っておりまして、今後とも引き続き、道路と農道が適切に役割分担して、効率的な整備が図られるよう十分調整を図ってまいりたいと考えております。
 それともう一つ、農業用水と都市用水等との関係でございます。
 都市化が進みまして、水田面積が減る、一方で都市用水の需要が増大する、こういう場合がございます。そういう場合には、営農に支障を来さない、そういう範囲で、関係者の協議を経まして、農業用水から都市用水へ転用を進めているところでございます。その際、場合によりましては、農業水利施設の整備というのが必須になってございます。そのときには、都市サイドとも共同しましてしかるべき支援事業を行っているところでございます。
 こういうふうな取り組みの結果、昭和四十年以降で見てみますと、全国で百カ所以上利用できまして、毎秒約四十トン、毎秒約四十トンといいますのは大体一千万人の生活用水の需要量に相当するものですが、そういった量につきまして農業用水からの転用が図られております。
 このような取り組みが円滑に進みますよう、現在、関係省と情報交換を積極的に行っているところでございまして、今後とも地域の実情に応じまして適正な農業用水の確保と利用を図りつつ、都市用水への転用を図ってまいりたいと考えております。
広田政府参考人 経済産業省では、工業用水ということになるわけでございますけれども、開発段階あるいは開発が終わった後の、完成した後の事業の実施段階、それぞれの段階におきまして、工業用水の供給水量につきまして水資源の有効利用の観点から関係の省庁と十分に協議をさせていただいております。
 具体的な事例で申し上げますと、例えば、計画段階の話でございますけれども、利根川水系の基本計画につきましては、県からのお話もお聞きしながら、未利用の工業用水を水道用水に転用するというようなことでその開発の規模について見直しの検討をいたしておりますし、手元にある資料で申し上げれば、平成二年度から平成十三年度までの期間でございますが、既に実施をしております事業のうち、十五件につきまして工業用水から水道用水へ転用した実績がございます。
 以上でございます。
辻政府参考人 治山事業と砂防事業の調整の関係でございますけれども、治山事業の実施に当たりましては、砂防事業との連携、調整が重要というふうに考えておるところでございます。このため、治山事業と砂防事業の実施に当たりましては、毎年、砂防治山連絡調整会議を開催することといたしておるところでございます。
 具体的には、林野庁及び国土交通省の担当部局によりまして組織する中央連絡会議におきまして、連携施策の推進など全国的に共通な事項、そして地方支分部局及び都道府県の担当部局によって組織いたしております地方連絡会議におきまして、それぞれの工事箇所や災害発生時における災害対策、こういったことにつきまして協議、調整いたしておるところでございます。
 今後におきましても、砂防事業と十分な連携を図りつつ効果的に治山事業を推進してまいりたいと思ってございます。
 以上でございます。
恒川政府参考人 厚生労働省といたしましては、水道用水を扱っておるわけでございますが、農業用水、工業用水からの水道用水への転用については、水資源の有効利用を図るため、これまでも地域の実情に応じて関係者相互の理解と合意に基づいて行われてきております。
 厚生労働省としては、関係省庁と所要の調整を行っておるところでございまして、具体的に例を一つ申し上げれば、今年度は、茨城県において、水資源開発公団事業である霞ケ浦開発事業における未利用の工業用水の水道用水への転用について、関係者の調整が整い、現在必要な手続を実施しているところでございます。
鈴木政府参考人 砂防ダムの件と水の転用の件について、ただいま林野庁それから関係省庁、利水省庁からお話があったとおり、私どもも関係省庁と適切に協議、調整しながら進めてまいりたいと考えております。
原委員 どうもありがとうございました。
 時間、ちょっと過ぎてしまいましたが、これで終わります。ありがとうございました。
河合委員長 一川保夫君。
一川委員 自由党の一川保夫でございます。
 先般の本会議の質疑をさせていただきましたけれども、若干それを掘り下げたところで、まだ、きょうから本格的な質疑ですから、その入り口のところでちょっとお考え方を確かめたいというふうに思っております。
 きょう、先ほどの質問の中で話題に出ました社会資本の、国土交通省だけが社会資本じゃないという議論も当然あるわけですけれども、社会資本、この法律では十三本の必要事業といいますかそういうものを限定したような言い方になっておりますけれども、将来に向けて、これからの社会資本というものはどういう課題を抱えているかというところの問題認識といいますか、そこのところを一応確認しておきたいと思います。
 国土交通省と、それから今回公共事業基本法を提案されました民主党の提出者の方にそれぞれお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
扇国務大臣 きょうは、朝からこの社会資本整備に関しての御質問をいただいておりますけれども、少なくとも、ただ社会資本整備という言葉を国土交通省だけが使うことがというお話も一部には出ましたけれども、今までもそう申し上げておりますので、我が国の社会資本整備、そういうものについては、戦後一定の役割を果たし、なおかつ今日をつくってきたということは、私は多くの国民が認めてくだすっているところだと思います。今も、欧米に比して日本の社会資本整備はどの程度にあるのか、あるいは整備の歴史が浅いけれども、どの程度追いつき追い越せで来たのかということから考えれば、私はまだまだ十分でないということも言えると思います。
 そして、先ほど経済財政諮問会議の話がここでちらっと出ましたけれども、経済財政諮問会議では、日本の社会資本整備はGDPの六%だ、欧米先進国では三%なんだから三%にすべきではないかという御意見も出ました。けれども、それであれば、日本の国民の皆さん方が、今の状況、二十一世紀の初頭に欧米先進国に比べて日本の社会資本整備はこれでいいとお思いになるのであればこれはまた別ですけれども、私は、なおかつ、まだ国際的には水準が低いと言わざるを得ないという点もあると思います。
 まして、これからは少子高齢化社会を迎えるわけですから、二十世紀のままのやり方では、これはおかしい、また行き詰まってしまう、国際的にも日本だけがおくれてしまうということから考えれば、国際競争力を維持し、なおかつ、欧米先進国の社会資本並みの国民の生活保障ということから考えれば、二十一世紀型に、先ほども申しました環境とかあるいはバリアフリー等々のことを加味した社会資本整備を考えようということで、重点化を集中しようということで、今回の法案の提出になったということでございます。
佐藤(謙)議員 一川議員にお答え申し上げます。
 かつての公共事業といいますと、高度経済成長下でありましたから、例えば名神高速道路が千百五十億円、あるいは東名高速道路が三千四百億円、あの新幹線が三千八百億円、大変その当時としては、後で例えば二つの高速道路で七兆五千億円の料金収入を得るというような形で、子や孫の代に大変大きなベース、インフラをつくったわけでありますけれども、今問題になっている社会資本整備、公共事業、これは、例えば各計画がばらばらにつくられていて、将来は横並びで必ず構造的に膨張してしまうという欠陥、あるいは官僚OBや官僚事務局中心の審議会の運営、外部からのチェックが不十分、それから一度計画が決定されるとほとんど見直されることはない、あるいは施設維持のための費用が財政を圧迫する等々、もう数え切れないほどのマイナス点が今言われているわけです。
 これからの社会資本整備ということを考えたときに、我が党で一番重要視しなければいけないのは、公共事業あるいは社会資本整備というものが、必要性と効率性、この二点だけで例えば国土交通省は物を決めているわけですけれども、公共性や公益性を一体だれが決めるのかということが非常に大きなテーマ、必要性を超えて、公益性、公共性というものが大事になろうと思います。
 その点からいくと、一つは地方分権。これは、国がどうしても整備しなければならないもの、そういうものを我が法案では特定したわけでありますけれども、それ以外は、地方がみずからの優先順位を判断して、どのような資源配分を行うかを決める、それが本来のこうした法律の中心になければいけないだろう。その実現のためには、地方への権限や財源移譲が課題の一つになって、政府は、私どもが、今民主党案が国が行う公共事業を限定して一括交付金の創設というものを主張すると、必ず、それよりも財源移譲だということを盛んに言われていますけれども、まず私たちは、一括交付金の創設によって資源配分の裁量を大幅に地方に拡大していくというのが第一点。
 それからもう一つは、これは市民参加なんだろうと思うんです。今まで社会資本整備とか公共事業というと、例えば国や地方自治体がつくるもの、あるいはそれに特殊法人というように、つくる側からの議論が多かったわけですけれども、市民が本当に何を望んでいるかというニーズを考えていくと、市民の提案型の公共事業、あるいは計画段階からもっと早期に参加をする、そうした市民中心の公共事業というものをこれからどうやってすくい取っていけるかという、その仕組みをつくらなければいけないと思っております。
 地球環境の問題ですとか循環型社会ですとか、あるいは生物多様性といった新しい価値というものが大きく我々の時代にクローズアップしてきているわけでありますので、そうした価値観の変化に我々は即応して、例えば社会資本整備の効率性や透明性を高めるために、十分な情報公開、それから市民参加は先ほど申し上げましたけれども、厳格な費用効果分析、特に環境というものをどこに計算をしていくか、それから不要な公共事業をストップさせるシステム、それから、ストップした、つまり見直し後の住民に対する生活支援策、それから事後評価の徹底といったものが必要であって、民主党案ではそのような点についても対応をしているところでございます。
 いずれにしても、行政と国民、住民とが対立をしていってしまうことは大変不幸なことでございますので、例えば、公共事業というものが国土交通省所管だけではなくて、我々は、これから将来的には、高齢者や環境と共生する福祉国家的な公共事業というものに力を入れていきたいというふうにも考えております。
 以上です。
一川委員 大変御丁寧な御説明、ありがとうございました。
 今ほどの民主党提出者のお話は、基本的な現状に対する認識なり今後の課題、そういった仕組みを今後どうするか、そういう問題意識としては非常に共感できるところがあったというふうに私は思っております。
 さて、この政府提出の中で、この前お答えを聞いておりましても、まだ依然としてよく理解できない。また、先ほどの岩國先生の御質問の中でもやりとりがあったんですけれども、法律の理念なり、そういういろいろな総理の答弁の中でも、これから地方の自主性とか自立性を尊重するんだというようなことを相当強く強調されます。扇大臣も常にそういうふうなこともおっしゃいますし、いろいろな各地方のブロック会議等では、できるだけそういうものを反映していくことをこれからもやっていきたいというようなこともおっしゃっております。
 やはり今回こういう法律までつくって長期計画を一本化しようという一つの絶好のチャンスなわけでございますので、ぜひ、ナショナルプロジェクトはそれは国の責任で計画を立てるのはよろしいんですけれども、地方が事業主体としてやっていくような事業、あるいは地方が単独事業で対応するような部分も含めて、そういうところは、こういった計画を国が策定するんじゃなくて、もう地方にお任せする、場合によっては一部民間にお任せするという部分も出てくるかと思いますけれども、それだけの実力は地方公共団体は十分備えてきているというふうに私は思います。
 そういう面では、これからの社会資本の整備に当たっては、国と地方の役割分担というところを、もうちょっと明確に地方分権の概念を導入されたらどうかなというふうに私は思います。
 どうも今回のこの法律を見ておりましても、政府提出の法律の中身は、表現としてはそういうことはところどころ出てくるわけだけれども、じゃ、具体的にそれが何をもって制度的に担保されているかということを見たときに、非常にわかりづらいし、何かそういうものは十分でないような気がするわけですけれども、そこのところを国土交通大臣の方からもう一度御説明お願いしたいと思います。
扇国務大臣 今、一川委員、本会議場でもその話が出ましたけれども、改めて私は、地方に重点を置いていくということはおっしゃるとおりで、私たちもそのことのために今回も重点を置いております。
 少なくとも私は、昭和三十七年の全国総合開発計画以来、四十年間の政策の基本を、均衡ある国土の発展から二十一世紀型の個性ある地域の発展にということで転換していく必要があるといったのも大きな点でございます。
 その実現方、具体的にどうするかということで、第一に、全国一律の画一的な施設の整備の規格基準、そういうものを全部国ではなくてローカルルールに変えよう、これは大きなことでございます。
 それから第二に、これまで官が主導してきました事業計画の策定プログラムあるいはそのプロセス、これを住民参加型の計画決定に転換する。
 これも、今民主党がおっしゃいましたけれども、私たちはとっくにそのことを導入しておりますし、また、少なくとも市町村で、都道府県単位で取り組むことには限界があるということで、ブロック単位、もっと広域的なことで考えようということも確立しております。
 まして、今回、国土交通省としては、今、画一的でないローカルルールということにはどういうふうにするのかということでございますけれども、すべてこれは、この方式にするために、補助金についても、地方公共団体の裁量で事業のメニューを選んで、なおかつ箇所づけができるようにということで、統合補助金制度というのを他省庁に先駆けて国土交通省が平成十二年度から既に創設してあるんですね。
 そこで、この拡充を図っていくというために、平成十五年度は新たに五つの事業を創設して、国土交通省の公共関係費用というのは、前年度に比べてマイナス三%です。けれども、その中で八%増の七千十九億円を地方に大幅に拡充している。国はマイナス三%だけれども、地方には八%増であるということで、統合補助金の拡充と、補助金について地方の裁量を高めることで、基本的には一括交付ということを既に十二年度から国土交通省は、現在もやってきて、十五年度では、今申し上げたようなプラスにしているというのが大きなことでございます。
一川委員 全体の国土交通省が今持っている予算の規模からすると、私はまだまだその統合補助金めいたものの額は少ないと思います。
 先ほど来のいろいろな議論と重複するのはできるだけ省略をして質問をしますけれども、私も前に質問された方とちょっと意見が合うところがあるんです。
 公共事業というのは、公のものを共につくるという表現で書いてありますように、効率のいいところはある程度民間に任せればいい。それは確かに、民間は採算を重視しますから、これで採算がとれると思えば、民間が当然そういう問題意識を持って取り組むと思いますので、公共的に必要だけれども効率が悪いという部分はたくさんあるというふうに私も思っております。そういう面では、そういう部分は、公共事業というか、結果的には社会資本の整備でカバーしていくというのは非常に大事なところなんです。
 民主党の提案者にちょっと確認するわけですけれども、国が策定するこの長期計画、こういうものの範囲、私は、国が責任を持って実施するナショナルプロジェクトの部分は国が策定するのはごく当然でございますけれども、地方が事業主体として実施する部分は、その計画そのものも、もうそろそろ地方にお任せしたらどうか。そういうところを民主党の提出者の方はどのようにお考えなんでしょうか。
大谷議員 基本的には、国と地方をどうするのかという話なんですけれども、ほとんど地方でやるべきだというふうに思っています。
 しかしながら、できないものもあります。それは、広域的な、県をまたがるというようなものだというふうに思いますし、またそれは国道が代表的な例でございますけれども、国有林野であったり、それから重要港湾、また国際的な拠点空港となるような空港の整備等々を法案の中で列挙させていただいておりますけれども、こんなもの以外はほとんど地方でやるべきだという考え方に基づいております。
一川委員 それと、国土交通省の方にちょっと確認するわけですけれども、この法律の中でも、重点計画につきましては、事業が重点的、効果的、効率的に推進されて、なおかつ、横断的な取り組みや事業間の連携が図られるようにするんだということをうたっております。
 これは当然のことでございますけれども、要するに、こういったいろいろな計画を一本化する、しかも、計画の中身には事業量も事業費もうたわない、一つの事業の成果をねらってお互いに計画を一本化するということになっているわけですけれども、では、それを具体的な作業として、制度的にどうやってそういったものをお互いに各事業間の連携を図っていくかというところを考えてみますと、どうも、どうやってやるかというやり方がちょっと見えてこない。また、制度的にも十分そのあたりが担保されていないような気もするわけです。
 いや、それはするんだするんだと言えばそんなものかもしれませんけれども、しかし、今までのいろいろな姿を見てきておりますと、どうしてもやはり縦割り的な、一種の縄張り的なものがそのバックに依然として残っているのではないかというふうに思いますけれども、そのあたり、いかがでしょうか。
中馬副大臣 戦後まだまだ社会資本が充実されていない中で、それぞれ道路は、河川は、鉄道はということで原局に責任を持たせて、そしてそこで一つの事業計画をつくり、枠をつくって、それを一生懸命やらせてきたのは御承知のとおりでございます。
 しかし、ほぼ満たされ、まだ十分じゃございませんが、その中で、それぞれの連携がとれていなくて、空港との道路のアクセスがうまくいかなかったり、鉄道がまだできていなかったり、いろいろな問題が出てきて、この総合化が今こうして皆様方に新たな形で、重点計画をつくってという形で持ってきているわけでございます。
 そうする中で、今おっしゃいましたように、方法論でございますが、これは、それぞれの個々の計画じゃなくて全体を考えてもらうことにいたしております。もちろん国としても一つの方向は決めてはおりますけれども、個々につきましては、それぞれの地方なり住民の方にPI方式でいろいろな意見を聞いたり、あるいはまた情報公開したり、その意見を束ねた上で一つの重点計画をつくるという手法に持ってきております。
 その上で、こうして基本のところだけは国会の方にも御承認を賜りますけれども、後は政府が責任を持ってやると同時に、しかし、個々の実施計画につきましては、それぞれ年度計画、年度予算におきまして国会のまた承認も得るわけでございまして、こういう形でいろいろな意見が反映されてくるものと思っております。
 ただ、先ほどのお話にもありましたように、それぞれの地方に任せたらいいではないかということでございますが、基本的には私もそうは思っております。
 しかし、御承知のように、三千三百もある地方自治体は非常に小さなものもあるわけでございまして、そこに一つの事業を任せたところでほとんどできない。政令指定都市とかそういったところには地方分権一括法でもってかなりの権限を任せて、今回でもこれは自主的にやっていただいたらいいし、都市計画そのものも地方の方に一括法で権限が渡りました。しかし、先ほど言いましたように、小さなところに全部をやらせることは現在の段階では到底無理でございますから、大きな政令都市、中核都市的なところが日本の国のほとんどを占めるようになれば、かなり任せた形ができるかもしれません。
 現在の経過措置の中では、かなり国が責任を持って大きな束ねをする、そして基本的なところは国が責任を持って事業を進める、そして地方のところは地方の計画をくみ上げながら物事を進めていく、このような手法ではないかと思います。
一川委員 私は、今回こういう社会資本整備の重点計画法案なるものが政府から提出されることによって、従来どっちかというと、公共事業、公共事業というフローの面に関心を持った、その年その年どれぐらいの投資額があるとか、そういう事業量なり事業費に非常に皆さん関心を持って、逆にまた景気対策として公共事業が振り回されてきたというふうに思っておりますけれども、そういうことから今回は社会資本という一つのストックに着目をしましていろいろな議論ができるようになったというのは、それはそれで評価したいと思いますし、これから非常に大きな転換期に来ているのだなという感じもいたします。
 そこで、今副大臣も、まだ市町村の実力がそこまでいっていないのではないかというようなこともありましたけれども、都道府県レベルでは十分私はそういう力がもうついてきているという感じもいたします。
 といいますのは、これまでの事業、公共投資という社会資本の整備は、戦後を見ていただくとわかるとおり、大規模な、大変大きな、大型の事業がたくさんあったわけですね。山を切り崩して大きな道路をつくるとか、あるいは河川が蛇行しているものをスムーズに流れるように直すとか、大きなダムをつくるとか、干拓事業もそうでございますけれども、そういう大型事業というのは私は極端に減ってくるような気がするんです。
 今までつくった施設を維持管理する、それを修繕していくというのは当然ありますけれども、これからの事業は、そういう面では非常に地域密着型、生活に関連した、割ときめ細かな規模の小さい事業がだんだんふえてくるという一つの大きな流れがあるのではないかと思いますね。
 そういうことを考えますと、事業の優先順位、またどういう効果があるかというような判断は、できるだけ地方公共団体に任せた方が円滑にいくんではないかなという、そういう問題意識を持っているわけです。また、これからもそういうことを一つのテーマにして議論を深めてまいりたいとは思います。
 そういう観点で、きょうはちょっと時間が大分おくれていますから早目に切り上げますけれども、こういう計画を一本化する、何々を一本化するということとあわせまして、私は、一番基本的に行政段階で一つの縛りになるのは予算科目の問題があるというふうに思うわけですね。計画を一本化するのであれば、では、予算科目もできるだけ予算が流用しやすいように一本化したらどうかというふうに私は思います。
 しかし、現実問題は、それはほとんど手をつけていない。現状の予算科目でも、例えば道路の予算を河川に移すなんというのは到底現実問題は不可能な格好ですよね。ですから、これだけ国土交通省所管の長期計画を一本化するのであれば、もっとその関係する各年度の予算がお互いに横断的に流用しやすいような形に大胆に変えるべきだというふうに思いますけれども、そのあたりの基本的なお考えをお聞かせ願いたいと思います。
中馬副大臣 長期計画一本化に対応した予算の一本化についてのお尋ねがございました。
 平成十五年度予算は、事業横断的な重点目標の設定によりまして、事業間の連携強化を図るという社会資本整備重点計画の趣旨を反映して、例えば、鉄道事業、道路事業等の連携による連続したバリアフリー空間の整備ということで二千三百八十六億円を計上いたしておりますし、また、河川事業と下水道事業等が連携して水質保全等を図るおいしい安全な水の確保のための事業、こういう名目で三千五百五十九億円、こういった予算を計上しているわけでございますが、こうした重点配分をするといっためり張りをつけた予算になっております。
 なお、国民の貴重な税金について、使途に応じた金額や、負担と便益の関係などを国民にわかりやすく御理解いただくとともに、予算の執行を監督するという観点から、経理を明確化するために、予算の機能や支出の対象等に応じて、治水事業費、道路整備事業費等の項目に区分して予算を編成していると理解いたしております。
 このため、御指摘の長期計画の一本化に伴う対象事業の予算項目の一本化は、国民への説明責任や適正な執行の確保といった予算の要請に照らしまして、適切ではないと考えております。
 したがいまして、このような予算制度のもとにおきまして、一本化した長期計画の重点目標に応じて事業を推進していくということとなりますが、その際、事業の垣根を越えた連携事業に大胆に予算を配分し、その集中的な実施を図ることが重要と考えております。
 いずれにしましても、それぞれ責任を持たなければいけないわけでございますから、まとめた形でといいますと、だれがその責任を持つかといったことができません。したがいまして、一応役所の機構にも応じたそれぞれ予算を別建てしていることは御承知かと思いますし、御理解いただきたいと思います。
一川委員 これで終わらせていただきますけれども、この法律、政府提出の法案の目的なり基本理念ということは、それはそれで理解できるところがあるわけですけれども、では、そういう目的なり理念を具体化するための内容としては、まだまだちょっと理解しがたい点もございますので、この委員会を通じてまた質疑を重ねてまいりたい、そのように思っております。
 きょうはどうも、民主党の皆さん方、ありがとうございました。
    ―――――――――――――
河合委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 各案審査のため、来る十一日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありせんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河合委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る十一日火曜日午前九時理事会、午前九時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十二分散会


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