衆議院

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第10号 平成16年4月6日(火曜日)

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平成十六年四月六日(火曜日)

    午後二時三十分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君

   理事 橘 康太郎君 理事 望月 義夫君

   理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    岩崎 忠夫君

      江崎 鐵磨君    江藤  拓君

      梶山 弘志君    河本 三郎君

      櫻田 義孝君    島村 宜伸君

      高木  毅君    中馬 弘毅君

      中野 正志君    二階 俊博君

      葉梨 康弘君    古屋 圭司君

      保坂  武君    増田 敏男君

      松野 博一君    森田  一君

      渡辺 博道君    佐藤 茂樹君

      穀田 恵二君    武田 良太君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   国土交通副大臣      林  幹雄君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月五日

 辞任         補欠選任

  村田 吉隆君     葉梨 康弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 高速道路株式会社法案(内閣提出第一一二号)

 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出第一一三号)

 日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一四号)

 日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出第一一五号)


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     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ち、民主党・無所属クラブ所属委員に御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。

 再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤羽委員長 速記を起こしてください。

 理事をして民主党・無所属クラブ所属委員に対し御出席を要請いたさせましたが、いまだ御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省道路局長佐藤信秋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。二階俊博君。

二階委員 自由民主党の二階俊博でございます。

 道路問題について私はいつも思うのですが、道路問題というのは、歴史を振り返るまでもなく、ヨーロッパあるいはアメリカの道路は馬車の走る道というところから道路が出発した、日本はそれに比べて人と馬が歩く道からの出発だった、最初のスタートの時点から、欧米に比べて道路建設についてはかなりの差があったということを認識するものであります。

 高速道路に至っては、ヨーロッパは、特にアメリカでは、一九五六年、アイゼンハワーが大統領のころでありますが、その当時、連邦政府は無料の道路整備への道を開いたわけであります。皮肉にも、同じ年の昭和三十一年、一九五六年でありますが、道路整備特別措置法が成立して、私たちの国にも有料道路制度がスタートをした。その点におきましても、これまたアメリカと日本との間に大きな差があるわけであります。

 しかし、その後、昭和三十八年の七月には、名神高速道路、尼崎―栗東間のあの最初の高速道路が開通したことは御承知のとおりであります。世界銀行から金を借りて建設をするという苦難の時代でありました。

 また、それから四十年、高速道路は全国にネットワークを形成し、国土開発、国際競争力のために重要な役割を果たしてまいりました。救急患者の迅速な移送、また、やがて来る災害に備えての着実な整備も重要でありますが、これもだんだんと行われております。さらに、国民の皆さんの食生活、食卓を飾る新鮮な農産物やあるいは海産物の運搬にも欠くことのできない高速道路は、国民共有の貴重な財産であると言えるのであります。

 今日まで道路建設に携わってこられた多くの関係者の皆さんの御労苦に対し、私は、まず感謝を申し上げたいと思います。

 しかしながら、財政困難な状況が続く中で、これ以上、このままの状態で道路をつくり続けるというわけにはいかない。そこに小泉内閣の登場となり、道路四公団の民営化は、小泉改革の目玉の一つとして、これまた関係者の御努力により、多くの国民の皆さんの注視の中で、新たな方向を今歩もうとしておるのであります。

 いよいよ民営化四法案の審議も、当委員会におきまして、総理に御出席を願って、山場を迎えているという感じがするのであります。私は、せっかくの機会でありますので、小泉総理及び石原国土交通大臣のお考えをお尋ねし、今後の政府の方針について確認をしておきたいと思うのであります。

 まず、総理にお尋ねをいたします。

 総理の今次道路公団の民営化に対する基本的なお考えを伺いたいのであります。

 申すまでもなく、道路問題に限らず、郵政の問題、年金の問題であれ、改革の果実というものは常に国家や国民のためにあるべきものであります。道路公団の民営化についても、国際競争力の維持さらに発展、国民の負担の軽減、利用者の利便を向上する、元気な地方、元気なふるさとをつくっていく等に重要な役割が期待されるわけであります。私は、国民や道路利用者にこの改革の成果を還元していくということが最も意義の深いことであると承知をいたしております。

 ところが、最近の新聞、マスコミ等の風潮といいますか流れを見ておりますと、新たな道路建設は一切しないことが民営化の本質だ、あるいは、立派なぴかぴかの黒字の会社をつくることが民営化の最も大事な点であると受け取られかねないような論調が目立つのであります。これは、民営化の目的と手段を少し取り違えておる主張ではないかと私は思っております。

 一体だれのための民営化なのか、この点につきまして総理のお考えをお尋ねしたいのであります。

 総理は、道路四公団の民営化のこのような最近の動きを受けて、民営化によって一体何を目指そうとしておるのか、すなわち、民営化の究極の目的は何なのか、この点を総理からお聞かせを願いたいと思うのであります。

小泉内閣総理大臣 基本的な目的は何かというふうに問われるならば、必要な道路はできるだけ負担の少ない形でつくらなければならない、そして、今までの四十兆円に上る債務、これを後々ツケ回すのでなく確実に返済しなくてはならない、これが基本的な考え方であります。

二階委員 それでは、国土交通大臣にお尋ねしますが、昨年の末に政府・与党が基本的な枠組みをまとめた際、あるいはまた、先月政府提出の民営化法案が確定した際に、多くの報道において、民営化推進委員会の意見の趣旨が骨抜きになっておるのではないか、政府が民営化に関し後退したなどの主張が乱れ飛んでおるのであります。

 私は、一昨年末の委員会意見書が提出されたときにも、既に、率直に言えば、今回の法案に対しても、例えば、当初から道路公団の三分割など果たしてこれでいいのかという疑問は今も残っております。

 意見書と今回の枠組みの内容が明確に異なっている部分があるとすれば、それはどのような点なのか、また、異なる内容とせざるを得なかったという大臣のお考えにつきまして、明確にお答えを願いたいのであります。

石原国務大臣 ただいま二階委員が御指摘されましたように、三分割の問題、この問題も議論があったということは私承知しておりますが、民営化委員会の答申が三分割、また、民間会社として競争をしていただくという上からも当初から三分割というふうに決めさせていただいたような点は、民営化委員会の答申というものをまさに尊重させていただいた点であると思っております。

 その一方で、どうしても民営化委員会の考え方の中で、民営化委員会の議論の中でも主の議論ではなかったものが後半ぱっと出てきたものがございます。そのような二点につきましてのみ、今回の政府・与党で取りまとめました案では大きな相違点となってきているわけでございます。

 その一つは、会社による道路資産の買い取りであります。

 これは、もう委員が冒頭御陳述されましたように、道路というものは原則的には無料通行が原則でございまして、公共性が高くて、個人のもの、私有にはなじまないものである。言ってみるならば、かたい言葉で言いますと、公共公物、国家国民のものである。そういうものを今回の公団民営化におきましては、この哲学にのっとりまして、道路を会社が所有するということにはしなかったわけでございます。

 この大きな理由は、総理が申しましたように、四十兆円に上る債務を返した後は国に帰属して無料開放する、ここが大きく民営化委員会の意見と違う点でございます。民営化委員会は、道路も株式会社が所有して、半ば永久有料を念頭に置いた案をお取りまとめになられたんだと思います。

 もう一点は、通行料金に利潤、すなわち通行料金で会社がもうけるのかもうけないのかという点にございます。

 道路料金に利潤を上乗せしますと、当然のことながら料金水準は上がります。会社の利益にこそなりますけれども、国民の皆さん方にはさらなる負担がふえる。利潤があるならば、債務の早期返済や料金の引き下げに充てるべきではないかと私どもは考えたわけでございます。

 くどいようですけれども、高速道路は典型的な国民の共有財産でございますので、債務完済後も含めて、民間企業の利潤を獲得するための手段として使用するということは採用すべきではない、こんなふうに考えた。

 以上、二点が大きく異なる点でございます。

二階委員 重ねて、国土交通大臣にお尋ねしたいと思いますが、高速道路は国内の経済の大きな動脈であるということだけではなくて、国際競争力という面からも極めて重要な要素でありますだけに、国土全体のバランスのとれた活用を図るという意味で、私は、大変重要な社会資本であるということを常に思うわけであります。

 特に、住民の日常の生活、地域の医療の高度化など、国民生活に与える影響が非常に大きいことを考えれば、私は、かつて東名高速道路というものが初めて開通したころ、沿線の住民の子弟がバスストップというものを活用して、高速バスに乗って東京等の大学あるいは専門学校等へ進学する率が非常に大きく伸びたということを鮮明に記憶しているのであります。

 したがって、民営化に当たっては、政府以上に、また、地域住民に密着しております地方公共団体の声を十分お聞きになることが大事であるというふうに思うわけでありますが、それを法案にも反映させることが極めて重要だと思っております。

 この点につきまして、地方の考え方、これをどの程度把握されて法案に反映しているかという点につきまして、大臣のお考えを伺いたいと思うものであります。

石原国務大臣 ただいま二階委員が御指摘されました点は非常に重要でございまして、国家国民のものであるという以上は、そこでその道路を利用する人たちの考え方というものも十分にしんしゃくしていかなければならない。すなわち、道路の存在に対して認識というものが地域地域によって違うということでございます。この点につきましては、関係方面の意見は十分に聞かせていただいたと考えております。

 委員も覚えていらっしゃると思いますけれども、昨年の十一月二十八日の政府・与党協議会におきまして、民営化の基本的枠組みのたたき台を実は提示させていただきました。その同じ日に、六十の都道府県知事及び政令市長に対しまして、この意見、たたき台に対してどう考えるか、また、どこをどう変えたいという御希望があるか、こういうことを諮らせていただいてあります。

 この結果を若干御紹介させていただきますと、先ほどお話ししました会社による道路資産の保有、いわゆる買い取り、上下一体論、永久有料を念頭に置いた考え方については、高速道路は国民共有の財産であり、私有財産化は認められない、あるいは、やはり約束どおり償還後は無料開放すべきであると、支持する意見はなく、四十三の自治体から明確に、この上下一体、会社の私有財産化ということに反対の意見が強く出されたところでございます。

 また、先ほどお話をさせていただきました、料金に利潤を含めるのか含めないのか、これにつきましては、高速道路は公共公物であり、利潤の対象とすべきではない、高速道路に生じた余剰は、利潤とするのではなく、新規建設や債務返済、料金引き下げに充当すべきであるという考えが主でございましたけれども、一つの自治体からやはり利潤を含んでもいいんじゃないか、三十八の自治体からは明確に不支持との意見が表明されました。

 この一つの自治体は、ある県でございますけれども、お話を聞かせていただきましたところ、民間会社のあり方としては利潤を追求することが自然な姿である、こんなことを知事さんの哲学として持たれているということでございました。

二階委員 高速道路は国民の共有の財産である、こういうお互いの認識を共有しながら、私は、次の質問に入りたいと思います。

 この新しくできた会社の自主性を尊重する、私は、当然のことであると思っております。しかし、自主性にもおのずから限界というものがあるのであって、勝手に会社の判断によって、あるいは、言葉は適当でないかもしれませんが、怠慢というか、前になかなか進まない、そういう状況になった場合に、私は、今後、高速道路の整備や管理に重大な支障を来すのではないかと危惧するものであります。そういうことは絶対に大臣の指導力によって回避をしていただきたいと思いますが、その点に対して、大臣の御決意を伺っておきたいと思います。

石原国務大臣 ただいまの点も非常に重要なポイントであると思っています。すなわち、民間会社ではありますけれども、独占的に道路を管理し運営するという地位を得るわけでございますから、自分たちのわがままによって、管理をいいかげんにする、あるいは、補修等々にどんどんどんどんコストを積み上げて、それを料金に転嫁するようなことがあってはならないのであると思っております。

 やはり、高速道路は料金収入を得るための大切な資産であり、その管理についても、民営化するわけでございますから、民間会社としての経営センスを導入して、効率化を適切に図っていただきたい、民間企業としてしっかりとした仕事をしていただくように指導をさせていただきたいと考えております。

二階委員 これから四十兆円の債務を確実に返済するという重要な使命を持っておられるわけであります。同時に、真に必要な道路の着実な整備に関しては、この法律の中では直接明記されていないわけでありますが、このことが大変心配であるという声が地方には多いのであります。

 つまり、債務の返済と必要な道路の着実な整備に関して、直接明記されていなくとも、これについては、大臣の指導によって、私は必ずその両方の目的を達成でき得るものと信じておるわけでありますが、これに対しての大臣の明確なお答えをいただきたいと思います。

石原国務大臣 ただいま二階委員が御指摘されましたのは、九千三百四十二キロの整備区間のうち、現在まだ整備されていない二千キロについて、どう考え、また、どのような形で着実な整備を図るのかという御質問だと理解をさせていただきました。

 これは、もう当然、今回の改革の大きな目玉は、総理が申しましたように、できる限り国民の皆さん方の負担を少なくして必要な道路を整備していくということでございますので、コストを大幅に削減することはもとより、残りの二千キロ七十区間につきまして、いわゆる費用対効果、BバイCと言われるもの、そして採算性、そして委員が先ほど来御指摘されておりますように、拠点病院にこの道路があることによってどれだけ到達時間が短くなるのか、あるいは、災害等々が起こったときの代替道路はどうなっているのかといったような外部効果から構成される評価基準に基づいて、厳格かつ客観的に評価をしたわけでございます。

 その上で、今後の高速道路の整備については、必要があり、料金収入で管理費が賄える、すなわち有料道路でもこれからやっていけるというような道路と、そして、必要性はあるんですけれども、有料道路のBバイC、費用対効果が一を切ってしまう、あるいは料金収入で管理費も出ない、こういうものでも、先ほど来委員が御指摘されている外部効果で必要なもの、こういうものは新直轄方式という、二つの手法を組み合わせて着実に整備することとしたわけでございます。

 しかしながら、五つの区間につきましては抜本的な見直し区間とさせていただきまして、現行のままではつくらない。すなわち、必要性、あるいは代替国道がそこを通っていることによって、代替国道を使うことによって高速道路と同じような有効活用ができるような点、さらには、もう既にバイパスができてしまいまして、そこに新たな高速道路をつくることによって、当初予定しているような趣旨、すなわち交通量が見込まれない、こういうものについては今のままではつくらない。抜本的に調査をして、そして、必要性が確認されない限りはつくらないという区間が百四十三キロあるということは御理解をいただきたいと思います。

二階委員 今回の民営化に至る経過におきましても、またこれからの課題としても、四十五年以内の債務返済ということは極めて重要なことであると思っております。しかし、これを将来のことだということで無責任に放置しておいていいわけではありませんから、これは国民全体でこの償還についての努力をしなければならないわけであります。

 しかし、今度の民営化へのメリットということを考えますと、これまた国民の皆さんの期待は、いわゆる高い料金、高速道路の料金は正直安くないですね、これに対して、少しでも引き下げを願うという声に対してどうこたえるかということが、これからの改革を推進し、その実を上げていくために重要なポイントであると思いますので、この点を大臣からお答えを願いたいと思います。

石原国務大臣 ただいまの委員の御指摘は、民営化する以上は、利用者である国民にとって目に見える形でメリットを享受できる、そういうものをしっかりとしろ、その中で大切なのは料金ではないか、こういう御指摘ではなかったかと思います。

 もう既に、近藤総裁ともいろいろお話をさせていただいておりますけれども、民間企業である以上は、民間のノウハウというものを発揮させていただいて、多様で弾力的な料金設定をさせていただきたい、近藤総裁も申しておりますし、民営化までの間にも、ETCを利用いたしまして各種割引などの弾力化にももう既に努めているところでもございます。

 高速国道の料金は、民営化委員会の答申ですと、民営化時に一割下げろ、こういう御指摘でございましたけれども、政府・与党の申し合わせでは、私どもは、民営化までに平均一割程度の引き下げに加えまして、別納割引制度を廃止して、さらなる引き下げを行うということを明確にさせていただいております。

 では、具体的にどんなものがあるのか。考えられますのは、航空運賃等々で利用されているようなマイレージ割引、夜間割引、あるいは通勤時間帯の通勤割引などの実施が可能と考えております。もう既に、社会実験という形で、これらのものは取り組ませていただいております。

 委員の御指摘のように、国民や利用者にとりましてメリットのある民営化案にしていかなければなりませんし、この法案はそれになっていると思っております。民間企業としての経営センスにより、委員の御指摘どおり、さらなる弾力的な料金設定というものを強く私も期待しているところでございます。

二階委員 地域分割の問題については先ほどお答えをいただきましたが、いわゆる民営化の当初から三つの会社に分割するということに対しまして、私たち自由民主党としては、これに対して、今直ちにやることが適当であるかどうかということで十分議論をしてまいりました。

 分割・民営化について、よく国鉄改革の教訓に学べということが言われるわけでありますが、あの国鉄の場合には、民営化後の急激な金利低下によって、経営努力とは無関係に、経営の順調な会社、つまり本州の三社と厳しい方の三島会社との間におきまして二極構造が生まれたことは、御承知のとおりであります。

 そこで、地方では、分割によって、高速道路の建設のみならず管理等において、適切に行われるかどうかということを危ぶまれるといいますか心配をする人たちも多いわけであります。

 高速道路のいわゆる地域格差が生じないように、これに対して十分御配慮を願いたいと思うわけであります。民営化当初から道路公団が地域分割した場合の必要な道路の建設や債務の確実な返済について、支障を来すことのないように、これは十分な御配慮を特に大臣にお願いをしておきたいと思うのであります。

 これに対して、御所見があればお答えください。

石原国務大臣 ただいま委員が御指摘されました高速道路のあり方に関する検討委員会で、分割は方向としては正しいが、やはり経営が安定するまでは少し様子を見るべきではないか、そういう意見が大勢を占められたということは私どもも承知しておりました。

 民営化時点におきまして、一方で、会社間の競争を高め、コスト意識の向上や地域の実情に即したサービス、地域によってやはり道路のニーズというものはかなりきめ細かく違ってまいりますので、そういうものを図るために、地域ごとに三社に分割するとさせていただいたところでございます。

 その一方で、委員がただいまの御質問をされた根底には、三つに分けたけれども、これは東名のあるところばかりもうかるんじゃないか。その一方で、ほかのところが本当に債務を返せるのか、こんな御懸念からただいまの御質問をちょうだいしたんだと思うんですけれども、やはり金利や交通量の変動リスクに対して的確に対応して、その一方で、利用者の先ほど来の利便性の向上を図る。高速国道に係る基本的料金水準というものは全国一律にさせていただいて、債務の返済期間を、片方の会社は東名のところだけ返すということになりますとかなり短い期間で返せてしまいますが、やはり三社でそろえるために、機構において高速国道に係る債務を一体として管理するとしたところでもございます。

 また、分割された三社との協議の結果、仮に、いずれの会社も建設を行わない区間が生じた場合には、これが先ほど来委員の御懸念にございます、会社の方針によって、BバイCも一以上であり、さらに必要性もあるのにつくらないというようなことが出ないようにという御指摘でございますので、こういう場合が生じたときには、国は構造、規格の見直しを行い、さらなる効率化に向けた努力を行うということは言うまでもございません。

 その上で、関係地方公共団体の意見、どういう形でどういうふうに整備したらいいのか、それが地域の住民の皆さん方にどういうふうに役立つのかということをしっかりと聞かせていただいた上で、新直轄方式による整備も含めまして、今後の整備のあり方について検討するようになると思っております。そういう形で、必要な道路はできる限りコストを下げてつくっていく、こういうふうにさせていただいているところでございます。

二階委員 今管理という問題が出ましたので、これに関連して佐藤道路局長にお尋ねをしたいと思います。

 高速道路のすべての橋梁等は、当初に建設されたものは、当時は東京オリンピックのころでありますから相当の年数を経過しておるわけで、あと十年ないし二十年たちますと、補修やかけかえの必要が生じてくることは御承知のとおりであります。特に、トンネルなどの道路構造物、これも同じであります。

 これらについて、通行量がどうだとか採算性がどうだとかということを言って引き延ばしておれない状況、これは安全性の問題であるからであります。したがって、待ったなしで対応しなければいけません。恐らく、膨大な予算を必要とするのであります。今から調査をして計画的に改修はどのような方針でやるのかということを明らかにしておく必要があります。民営化委員会でもこういうことに対して御議論があったのかどうかは存じませんが、特に、私はこの点は重要だと思っております。

 そこで、道路局長として、あるいは公団等におきましても、どのようにこの現況を把握しておられるかということをお伺いしておきたいと思います。

 また、この際、道路の管理に必要な技術者といいますか職員等についてはどうなっておるのか。つまり、橋梁あるいは塗装、さらに、インターチェンジや中央分離帯等には最近は大変緑が多く植栽されておるわけでありますが、これらについても、あれだけ多くの緑を抱えた場合には、専門家がこれに対してどう対応するかということが必要だと思うわけであります。国交省や現在の日本道路公団等にそうした専門家が配置されておられるのか、おられればそれで結構でありますが、その点はどうなっておるかということを簡潔にお答え願いたいと思うのであります。

佐藤政府参考人 まず、数量的な面から申し上げます。

 高速国道の供用延長、十五年四月一日現在の数字で申し上げますと七千二百キロでございます。現在では約百キロふえておるわけでございますが、データ的に七千二百キロ。この中でトンネル、橋梁、幾らあるかと集計をしてみますと、千七百五十六キロでございます。つまり、延長ベースで申し上げますと、高速自動車国道の大体四分の一はトンネル、橋梁である。

 これがどのぐらい年数を経てきているか、こういう議論になるわけでございますが、昭和三十八年の供用以来約四十年、三十年から四十年たっている橋梁あるいはトンネル、これが大体二割程度あろうかということでございますので、全体七千二百キロのうちの千七百キロの橋梁、トンネルに対して、その二割程度、三百キロ余りは三十年から四十年経過してきている、こういう状況でございます。

 そうしますと、あと二十年たちますと五十年から六十年たつ、こういうことでございますので、構造物の耐久年数自体は、何年と決まっているわけではもちろんございませんが、橋梁で申し上げますと、良好な管理をさせていただければ恐らく百年ぐらいはもつであろう。ただし、これは良好な管理をするということが前提であるということと、先生御指摘の交通量あるいは大型車、これが昭和三十八年から四十八年といいますか、そのころに比べて、予測したよりはるかに重いものが多く通っている、これも実態でございますので、そういう意味では、五十年経過というような形の中では、更新を必要とする、あるいは大規模な修繕を必要とする、こういうものが出てまいろうかと思っております。

 そこで大事なことは、技術的にどうか、それと予算的な面がどうか、こういうお話になるわけでございます。

 技術的には、非破壊検査という形で壊さなくても内部の構造がわかる、これの技術開発に力を入れてきておりまして、これは公団、国土交通省、力を合わせて非破壊検査の技術開発をこの五年来進めてきておるところでございます。そういう意味では、早目に構造物の変状を察知して、そしてあらかじめ十分な手当てをする、これが大事なことかと思っております。

 しかしながら、予算的な面も考えますと、主な構造物が五十年たつ、これがあと十年以降ふえてくるわけでございますので、そうした面の計画的な維持管理、これがまた大事な問題になろうかと思います。

 アメリカでは、この辺がうまくいかなくて、一九七〇年代から八〇年代にかけまして、荒廃するアメリカということで、なかなか橋が、供用をとめたり、あるいは舗装がでこぼこになりまして自動車が走れない、こういう状態が頻発した、こういう経験もございますので、私どもも、そうした経験を参考にしながら、大規模な補修なりあるいは更新の計画といったものを、今申し上げました非破壊検査などの技術開発の成果も使いながら、効率的にやってまいりたい、そう考えております。

 技術者がどうか、こういう御議論でございますが、少なくとも現在の道路公団の職員、道路関係四公団職員一万一千人ほどございます、また国土交通省関係、地方整備局に二万人ほどの職員がいる、この中で、技術サイドとして十分な研さんを積みながらやってきておるところでございます。公団関係が会社になりましても、そうした面をおろそかにしないように、十分な打ち合わせをしながらちゃんとした管理ができるように努力してまいりたいと思っております。

二階委員 予算の面も含めまして長期にわたっての計画を立てて、何かがあって慌てることのないように、ぜひ国民の安全を守るという見地からも対応していただきたい。

 そして、早目に手を打てば、うんと安い予算で対応できる場面がたくさんあるわけです。塗装一つとってみても、やりっ放しにしておくよりも、それに対して事前に対応していくことが大事だというような面もあるわけですが、その点につきまして十分御理解されておるようでありますから、道路局におきまして、一層の御指導またそれに対する対応を願いたいと思うものであります。

 次に、私は、海外における高速道路の整備状況はどのようになっておるかということに関しまして、これまた道路局長に御答弁を願いたいと思います。

 一九五〇年代の半ば、いわゆる高速道路が開始されてから、間もなくこれで五十年を経過しようとしておるのは先ほど来の御審議のとおりでありますが、高速道路の整備状況を見ると、いまだ我が国は七千三百キロ程度ということを言われております。予定路線の約七割程度が完成しているにすぎないわけであります。

 アメリカ、ドイツなどは、戦前から立派な高速道路を持ちながら、現在でもなお国家戦略として着々と高速道路網の整備を続けておると伺っておりますが、欧米の高速道路の整備の状況はどのようになっておるのか、日本と比べてどうなのか、その点を御説明願いたいと思います。

 また、近年、経済の発展の著しい中国において、近ごろは猛烈な勢いで高速道路の建設を行っておるわけでありますが、経済発展の陰にはこの経済インフラとしての高速道路の整備が非常に大きく影響していると思うものであります。

 中国を初めとしたアジアの諸国におきましても、国を越えての高速道路整備計画を進めておる。先般も私はベトナムへ行ってまいりましたが、ベトナムは、ハノイから中国の昆明に向かっての高速道路建設中である、こういうことを平気で言うわけですね。

 日本はいろいろな面で援助をしたり、ODAだ借款だとやっておる方でありますが、そっちの方は、道路建設に対しては憶病なほど縮こまっておるわけでありますが、周りの経済的競争相手であるそれぞれの国々がこうした問題に対してどんどん積極的に取り組んでおるというこの姿も、目をつぶっておるわけにはまいりません。

 これにつきまして、道路局長から数字等につきましてもお示しを願えれば結構だと思います。

佐藤政府参考人 米国、ドイツ、中国等についてのお答えを、数字的な面を申し上げたいと思います。

 米国では、先生最初の御指摘の一九五六年、この当初の計画が六万六千キロでございました。これを二十年間で整備いたしまして、その後も必要な計画を新たに追加して、平成十一年末までに八万九千キロ余りの供用をしている、こういう状態でございます。

 基本的な考え方としては、主要拠点間の連絡あるいは国防の用に供するなどを規定しておられるということであります。

 ドイツでは、東西ドイツ統一後の一九九二年に制定された連邦長距離道路の計画延長、これが一万三千七百六十四キロでございまして、これに対しまして、平成十一年末までに一万一千五百十五キロが整備済みでございます。

 二〇〇三年制定の連邦交通基盤計画では、持続可能な移動性の保証、あるいは雇用の創出と確保のためのドイツの世界経済における競争力の強化、こうしたことを目的として整備を規定しておられます。

 それから、中国でございますが、中国につきましては一九八二年に供用延長はゼロでございましたが、約二十年の間に二万五千百三十キロ、これが一昨年の末現在でございます。情報によりますと、既に三万キロに達している、こういうこともございます。年間に、昨年、ことし、大体五千キロぐらいの供用が図られるんではないか、そんなふうな情報を伺っております。

 また、アジアの諸国を結ぶ、こういう面では、中国雲南省とバンコクを結ぶ南北経済回廊、あるいはベトナムとミャンマーを結ぶ東西経済回廊、こうしたものが整備中であって、ベトナムとミャンマーを結ぶ東西経済回廊の一部、ベトナムからサバナケットまでの一部区間については、二〇〇六年開通を目指して整備を推進している、そのように承っております。

二階委員 最後に、私は総理にいわゆる民主党の高速道路案につきましてお尋ねし、ここで御議論いただきたいと思っておったんですが、きょうは民主党欠席の中でやるのもいかがかと思います。

 しかし、この点については共産党の穀田委員が証人としてお座りをいただいておるわけですから、総理から、まずこの民主党案につきまして一言感想を述べていただくと同時に、時間がありませんからあわせてお尋ねしますが、九千三百四十二キロの、いわゆるいつも総理がおっしゃっておられる、厳格な評価基準に基づき、国民経済的な意義ということについて常に御主張をなさっておられますが、この点について最後に総理に一言お触れをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

小泉内閣総理大臣 我々は、必要な道路をできるだけ少ない負担でつくらなきゃならない、そして、今まであった債務、この四十兆円も確実に返済する、四十五年以内に返済する、これははっきり示しております。

 きょうは民主党も出席しておりませんし、とやかく言う立場ではございませんが、これを全部無料にするということは、債務もまた税金で返すということですね。しかも、四十五年ではたしか長過ぎると言って政府案を批判しているんじゃないでしょうか。それを六十年で返すというわけでしょう。四十五年と六十年とどっちが長いのかなという点も、どういう考えなのかなと。

 それと、高速道路はやはり一般道路と違って、特別な便益があるからこそ料金を払っても使いたい。高速道路を使う人は、全国民に比べれば一部の人であります。それを無料にするということは、使わない人の分までこれを税金投入しようということにもなります。

 そういう点で、実際どういう案を出されてどういう説明をされるかというのはこれからでありますから、興味深くその対案をこれからも注視していきたいと思っております。

二階委員 終わります。

赤羽委員長 高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 本日は、総理そしてまた石原大臣、御苦労さまでございます。

 せっかく総理が出席をされた道路公団民営化の法案についての審議にかかわらず、民主党の委員の先生方が欠席をされるという、まことに残念でもありますし、また、一週間前にこの委員会設定をされまして、特に民主党の委員の方々から総理の出席を求めていた、そういう経緯を考えますと、やはり出席をして審議を尽くすということが本来のあるべき姿ではないか、このことをまず最初、冒頭に申し上げたいと思います。

 さて、道路関係四公団民営化の法案の審議ということで、せっかく総理が御出席されておりますので、そもそも論というところからまずは御質問させていただきたいと思います。

 私ども公明党も、連立政権に参画をしてもう既に四年半が過ぎ去りました。当初連立に参画をしたときに、やはり行政のむだ、これをしっかり省いていかなければいけない、こういう発想の中から、自民党の皆さん方とも論議を尽くす中で、まずは特殊法人、天下り先としてかなり批判もございましたし、そういった中での改革をしていかなければいけない、それで特殊法人改革基本法という法律ができました。

 それに基づきまして、九十以上ありました特殊法人が次々と廃止をされたり、または独法になったり、また民営化されていったり、こういうような流れの中で今回の道路関係四公団、これの民営化問題というのもクローズアップされたと思いますし、さらに、総理が就任されてからもう三年たちまして、総理の構造改革という考え方の中で、この道路公団の民営化問題というのがやはり目玉として論議を尽くされてきたと思います。

 しかしながら、この三年の間に、道路公団民営化問題というのがどうも何か表面的な論議だけメディアで躍っておりまして、その本質というのがなかなか一般の利用者、有権者、納税者、国民にわかりづらい部分もあったのではないかなと思います。

 そういった点を踏まえまして、まず、行政改革推進事務局の論点整理というのが平成十三年四月三日に発表されまして、特殊法人改革は、一、経営責任の不明確性、二、事業運営の非効率性、不透明性、三、組織、業務の自己増殖性、四、経営の自律性の欠如などの解消が課題とされている、このようにも書かれております。

 今回の道路関係四公団の改革、これは特殊法人改革の一環として行われるものでありますけれども、そもそも、この道路四公団というのはどこに問題があったのか、何がいけなかったのか、この点、まず総理にお伺いをしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 さまざまな御批判があったことは事実でありますが、主要な点をいえば、従来の公団方式に対しては次のような批判が主なものだったと思います。

 まず、厳格な事業評価を行う仕組みがなくて、楽観的な需要予測やプール制のもとに、返済期限が順次先送りされている、これが一つですね。いわば不採算路線の建設に歯どめがないということ。第二に、一方的命令の仕組みのもとに、経営努力の有無が公団の業績に反映されない、建設・管理コストの削減努力が不十分な高コスト体質であること、これが二つ。三つ目には、天下りなどファミリー企業との関係が不明朗、不透明であることという批判や指摘が主なものであると思っております。

 こういう批判や指摘がありましたから、道路関係四公団改革を、行政の構造改革の一環として行う特殊法人改革の中で、最も重要な課題と位置づけまして、民間にできることは民間にゆだねるとの方針に基づいて民営化する、そのための改革案を民営化委員会の意見を基本的に尊重して作成したのが今回の民営化法案であると御理解いただきたいと思います。

高木(陽)委員 今、総理から、道路公団の問題点ということで三点ほど指摘がございました。まさにそのとおりであると思いますし、多くの国民がそのことも実感はしていると思うんです。

 そういった中での今回の改革であると思うんですけれども、それと、道路をつくるという話、これがいつもごっちゃになって、何というんですか、道路をつくることは何か悪いことだみたいな風潮というのが多々あったのではないかなというふうにも思われます。

 今回は時間も限られておりますので、道路をつくる、つくらないという話はちょっとおいておいて、今の総理の指摘のあった問題点、それを改革するために今回の民営化法案というのを提案されたと思うんです。

 具体的に、この民営化によりまして、現行の公団方式、今、公団方式で高速道路をつくっておりますけれども、それに比べまして、それを利用する国民にとって具体的にどのようなメリットがあるのか。メリットがなければ意味がないわけですから、こういうことがしっかりと国民にプラスになっていますと、なりますというような部分は何かということを総理にお伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 まず、道路があった方がいいか、ない方がいいか。どこの地方に行っても、道路つくってくれ、つくってくれという要求ですよ。選挙区に帰れば、皆さんもそうだと思いますよ。この地域、渋滞しちゃう、もう一本道路つくってくれ。山がある、トンネルつくって短くしてくれ。それを地方の負担なくやってくれれば、反対する人いませんね。みんな、つくってくれ、つくってくれ。

 だから、今回、整備計画、二千キロぐらい、九三四二の中で未供用の部分、必要かどうか、四十七都道府県のうち全部必要だと言っているんですよ。それは、民間の会社で利益だけを考えたら、不採算のところはとてもつくれないということでありますので、必要な道路についてはどのような負担でつくっていくかという視点も大事じゃないか。

 国民の負担というものを考えなきゃいかぬ、また地域の利便性も考えなきゃいかぬという観点から、今までの道路公団でありますと、やはり必要なところをつくれというと、債務の返済にも滞りが出てくるから先延ばしていくということもありましたし、今回それではいけないということで、もうはっきりと債務の返還の道筋もつけました。

 それと、今までの公団方式ですと、高コスト構造。ほんの一例ですけれども、これは高速道路の非常電話、今までの公団方式だと一台二百五十万円かかっていた。民営化の議論が出てきたら、本当にあの非常電話は二百五十万円かかるのか、調べてみたら四十万円でできるんでしょう。この高コスト構造。

 これはやはり、民営化の議論が出てきたからこそ、こういう同じ非常電話でも、よく利用されるように、利用されやすいようにつければいいんじゃないか。余計な機能をつけたり、頑丈にするということもない。その機能はいかに発揮されればいいかというと、二百五十万円でなくても、四十万円、低いコストでできるというのがわかった。こういう、やはり民営化の議論が出てきた中で、高コスト体質が出てきた。

 同時に、例えば、今までだと、四車線、六車線でつくらなきゃいかぬと考えていたけれども、本当に必要だったらば、二車線でもつくってくれということだったら、あえて六車線、四車線にする必要ないじゃないかという点もある。

 やはり、今までのそういうやり方というものを見直していくというのは、民営化の議論が出てきたからこそなんです。私は、こういう点も今後よく検証して、できるだけ国民の負担の少ない形で必要な道路をつくる。そして、今まで四十兆円の債務、これをどんどんどんどん膨らませないで、期限を区切ってこの返済をして、後々の負担、先送りしないということが必要だなと。やはり不断の監視なり、点検が必要ではないかということだと思っております。

高木(陽)委員 今、総理のお話の出ました二百五十万円の非常電話の件、これは本当にこの論議の中で象徴的に出てきた一つの話だと思います。そういった問題も、今回の民営化論議を通じて、さらにこの民営化という現実の会社改革を通じて、そういった問題をしっかりとさらに推し進めていただきたいなとも思います。

 もう一つ、先ほど一番目の質問で、総理が道路公団のどこに問題があったのかということで、ファミリー企業のお話が出てまいりました。その中で、ファミリー企業に関しましていろいろな指摘もございましたし、特に、維持管理業務について、いわゆるファミリー企業が独占して受注している、公団から必要以上に高い外注費が支払われることでファミリー企業には過大な利益が蓄積されている、こんな指摘が今までもございました。

 これは、民営化推進委員会の意見書においても、自動車道事業にかかる維持補修、料金収受、交通管理、保全点検などに要する管理費は徹底した合理化を行い最小限にとどめることが求められていると記載されております。

 今回のこの民営化に伴いまして、このようなファミリー企業、これに対する公団の高コスト体質、どのように変わっていくのか。独占でずっとまた受注していると、この体質というのはなかなか変わらないだろうな、このようにも思うんですが、この点について総理はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 このファミリー企業の問題につきましては、今までいろいろ問題があるということを指摘されておりました。

 どのように今改善していくべきかということにつきましては、まず、維持管理業務の大半を受注、実施して、利益を蓄積していることや、ファミリー企業の役員の多くが公団OBによって占められているということについて批判がありましたので、昨年三月に決定した道路関係四公団民営化に関し直ちに取り組む事項に基づいて、公団職員については、今後、ファミリー企業の役員に就任しない、ファミリー企業に対する発注額を平成十七年度までに三割以上削減する等のファミリー企業の抜本的見直しに取り組んできたところであります。

 また、民営化後には、これに加えて、民間企業としての経営効率の観点から、一層のコスト縮減やファミリー企業が行っている業務の再編が図られていくと考えております。

 このように、民営化に伴いまして、公団とファミリー企業との間の不透明な関係や高コスト体質の解消が一層図られねばならないと考えております。

高木(陽)委員 ファミリー企業に対しましてはかなりの批判もございましたので、さまざまな改善点というのが指摘されながら、そして、今回の民営化法案、これが成立いたしまして、いよいよ民営化されたときに、しっかりと目に見える形でこのファミリー企業に対する改革も行っていっていただきたい、このようにも思います。

 さて、今度は石原大臣の方にもお伺いしたいと思うんですが、今回、民営化、民間になるわけですけれども、会社が民間企業として経営を行っていくためには、一番重要なのは企業会計であると思うんです。この企業会計原則にのっとった財務諸表の作成が不可欠でありますし、道路というものは、そもそも公物としての経緯から、会計基準が明確には定まっていない状況であったと思います。

 そういった状況の中にありまして、道路に関する会計基準を国民に納得できる形で策定する、こういった必要があると考えておりますけれども、石原大臣はどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。

石原国務大臣 ただいまの高木委員が御指摘されました点、私も非常に重要な点であると認識しております。

 すなわち、公会計というものは、専門家の会計士の人が見ても、自分たちが日ごろ見ている企業会計と違う、すなわち借入金が資産に入っていたり、我々の常識とはまた違う世界である。これをやはり民間企業会計原則にのっとったものにしてその実態を明らかにしていくということで、この民営化の意義というものもさらにブラッシュアップしていくんではないかと思っております。

 会計基準なんですけれども、企業会計原則等に準拠しつつ、具体的には、高速道路株式会社法案等において、省令等により定めることとさせていただいております。

 これをどういうふうに透明性を高めていくかということで、ことしの一月から、黒川行治先生を委員長といたしまして、学識経験者、公認会計士から成る道路資産評価・会計基準検討会というものを設置させていただきまして、民営化時の資産評価のあり方や、民営化組織の会計基準のあり方を今検討させていただいているわけでございます。

 これをどうやって透明性を高めるかということで、会議自体を報道関係者に公開させていただくとともに、国土交通省のホームページに各回終了後に速やかに会議資料や会議録を掲載して、オープンなところで議論をさせていただいております。

 この検討会の結果、ことしの八月末には骨子として取りまとめ、中間的な取りまとめになると思いますけれども、パブリックコメントも予定させていただいているところでございます。

 やはり、委員御指摘のこの点は非常に重要なポイントでございますので、道路資産の評価及び機構と会社の会計基準の策定というものは、透明性、そして企業会計原則により近いものでなされていくべきであると認識をしているところでございます。

高木(陽)委員 民営化することによりまして、逆にこういった企業会計等々の原則というのをしっかりと取り入れながら、本当にわかりやすい形にしていくことが大切であるなと思いますので、この点もしっかりと取り組んでいただきたいということをよろしくお願い申し上げたいと思います。

 もう時間も大分たってまいりましたので、これが最後の質問になっちゃうかもしれないんですが、昨年の十二月の二十二日、政府・与党の申し合わせということで、道路関係四公団民営化の基本的枠組みについて、ここにおいて、建設コストを当初予定していた事業費から総額六・五兆円縮減することとされておりますけれども、これは、道路関係四公団が昨年の三月に発表した約四兆円のコスト縮減策にさらに二・五兆円上乗せをする。コストを削減するというのは、これはいいことなんですけれども、やはり大切なのは、どういうふうにやっていくのか、どう具体的にそれが実現できるのかという問題であると思います。

 この建設コストの縮減について、具体策という形でどのようになっているのか、これをお聞かせ願いたいと思います。道路局長。

佐藤政府参考人 従来、この整備計画の未供用区間約二千キロにつきまして、これから平成十五年度以降で二十兆円かかる、こう積算しておりました。これを、昨年の三月二十五日にコスト削減計画で、約二割、約四兆円のコスト縮減を図る。それから、国と地方の負担で行う新直轄方式、これに三兆円切りかえる。さらに、昨年末の基本的枠組みにおきまして決定していただきました二・五兆円のさらなるコスト縮減。こういうことで、合計いたしますと九・五兆円減じて、有料道路事業費の対象として、二十兆円を、約十・五兆円でございますので、ほぼ半減させていただく、こういうことを公表させていただいたところであります。

 この内容につきまして、コスト縮減そのもの、こういう観点から申し上げますと、四兆円と二・五兆円、足して六・五兆円であります。このうちの四兆円につきましては、昨年の三月に発表いたしましたコスト削減計画を裏づける形で、十二月二十五日の国幹会議の場で整備計画を変更させていただきました。これは、インターチェンジやジャンクションのコンパクト化、あるいは六車線のトンネル部の四車線化、さらには大きな規模のトンネルボーリングマシンを用いてコストの縮減を図る、あるいはまた、橋梁でいえば、けたの数を少なくして下部工を少なくすることによって工事費を削減する、こうした努力をすることとしたところでございます。

 さらに、これからまた二・五兆円を追加的にコスト縮減する、この内容につきましては、民営化によって実現可能となりますサービスエリア、パーキングエリアの負担区分の見直し、あるいは契約方式を見直す、それから大胆な大規模改築事業を削減したり、規格、構造をさらに一層の見直しを行う、こうしたことを積み重ねてまいりたいと思っておりますが、詳細につきましては現在検討を進めているところでありまして、まとまり次第に今後の国幹会議の議を経て整備計画に反映することとしております。

高木(陽)委員 今道路局長からもお話がございましたように、いろいろな角度からコストの縮減を図っていくと。一般の人たちから言わせれば、やればできるじゃないか、何でもっと早くやらなかったんだ、何で二十兆もかかるとずっと言っていたんだ、このように思っているのが素朴な国民の疑問だと思うんですね。

 ただ、先ほど総理からお話がありましたように、民営化論議があったからこそそういった問題にメスが入ってきたのも確かだと思うんです。

 逆に言いますと、せっかくここまで高まってきました民営化の問題、そしていろいろなメスを入れていくという問題について、これでよしとするのではなくて、さらなるコスト縮減、またはむだを省いていく、こういう発想を持ちながらしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十八分散会


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