衆議院

メインへスキップ



第11号 平成16年4月7日(水曜日)

会議録本文へ
平成十六年四月七日(水曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君

   理事 橘 康太郎君 理事 望月 義夫君

   理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    岩崎 忠夫君

      宇野  治君    江崎 鐵磨君

      江藤  拓君    大島 理森君

      梶山 弘志君    河本 三郎君

      佐藤  錬君    櫻田 義孝君

      島村 宜伸君    田中 英夫君

      高木  毅君    谷  公一君

      中馬 弘毅君    中野 正志君

      二階 俊博君    葉梨 康弘君

      保坂  武君    増田 敏男君

      松野 博一君    宮下 一郎君

      森田  一君    山下 貴史君

      渡辺 博道君    佐藤 茂樹君

      穀田 恵二君    武田 良太君

    …………………………………

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   国土交通副大臣      林  幹雄君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   政府参考人

   (内閣府道路関係四公団民営化推進委員会事務局長) 坂野 泰治君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  丸山  博君

   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月七日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     宮下 一郎君

  河本 三郎君     大島 理森君

  島村 宜伸君     宇野  治君

  二階 俊博君     佐藤  錬君

  葉梨 康弘君     田中 英夫君

  古屋 圭司君     谷  公一君

同日

 辞任         補欠選任

  宇野  治君     島村 宜伸君

  佐藤  錬君     二階 俊博君

  田中 英夫君     葉梨 康弘君

  谷  公一君     山下 貴史君

  宮下 一郎君     江藤  拓君

同日

 辞任         補欠選任

  山下 貴史君     古屋 圭司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 高速道路株式会社法案(内閣提出第一一二号)

 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出第一一三号)

 日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一四号)

 日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出第一一五号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ち、民主党・無所属クラブ所属委員に御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。

 再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤羽委員長 速記を起こしてください。

 理事をして民主党・無所属クラブ所属委員に対し御出席を要請いたさせましたが、いまだ御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省道路局長佐藤信秋君、鉄道局長丸山博君及び内閣府道路関係四公団民営化推進委員会事務局長坂野泰治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森田一君。

森田委員 自由民主党の森田一でございます。

 私は、少々大げさでございますが、今回の道路に関する改革の歴史的な位置づけ及び哲学的意義を中心に質問いたしたいと思います。

 明治維新以来、我が国は、欧米諸国に追いつき追い越せということで近代化を促進してまいりました。その過程におきまして、運輸部門の整備、近代化は重大な意味を持ったわけでございます。それは大きく申しまして、船舶、鉄道、航空機、自動車に大別されるわけでございますが、最初に近代化に着手されたのは船舶でございました。

 江戸時代は、御存じのように、幕府は大型船の建造を禁止いたしておりました。そこで、一八五三年、ペリーが四隻の黒船、すなわち蒸気船を率いて来たときは、我が国は大騒ぎになったわけでございます。そして、このときに、我が国として注目すべきは、特に外国から技術指導を受けることもなく、伊予の宇和島藩ほか四藩で蒸気船が間もなく建造されたわけでございます。これは、他の有色人種の国には見られなかった対応でございます。

 次に、鉄道につきましても、汽笛一声の時代から昭和三十九年の新幹線まで、順調な発展を遂げてまいりました。

 これに対して、航空機及び自動車の発達は主として第二次大戦後のことであり、特に自動車交通というのは、我が国の戦後の発展に大きく寄与してまいったわけでございます。

 自動車といっても、乗用車、トラック、バスと多様でございますが、乗用車は平成十五年十二月末現在で約五千五百二十一万台の保有を数えるに至っておりますし、トラックは千七百二十万台余りとなっておるわけでございます。そして、この自動車交通の発達にはいろいろ要因がありますが、自動車そのものの発達ということもございますが、道路の整備が発展に寄与したことも確かでございます。

 戦後の世界を見ておりますと、エアハルトを中心にした西ドイツの復興が極めて目立ったわけでございますが、西ドイツと並んで、我が国の戦後の復興というのは大変大きな世界の注目を浴びたわけでございます。その中におきまして、道路の整備ということにつきまして、特に整備を早急にするために借金で建設して通行料で償還する、これは今日では当たり前のように受け取られておるわけでございますが、しかし、考え方によりましては、これはある意味で偉大なる発明であったと私は考えておるわけでございます。

 そのような観点で、ごく一般的でございますが、このような戦後の我が国の経済の発展、そして、その中におきまして高速道路がどのような役割を果たしてきたかについて、まず石原大臣に総括的なお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

石原国務大臣 ただいま森田委員が、江戸時代から明治維新と、船舶そして鉄道の普及が日本の近代化に寄与してきたという御意見の御開陳があり、さらにその中で、西ドイツと並んで、戦後の奇跡、世界の奇跡と言われたこの日本の経済復興に対して高速自動車国道というものがどういう役割を果たしてきたのかという大変根源的な御質問があったと認識をしているところでございます。

 数を拾ってみましたら、戦後、ちょうど終戦のときは、車はわずか十四万台しかなかったそうでございます。それが昭和五十一年、私、学生時代ではございますけれども、三千万台を突破した、今のおよそ三分の一弱でございますけれども。昭和三十年代、四十年代は年率にして二割ずつ車がふえていくということでモータリゼーションが発展してきたんだと思います。

 旅客の交通機関別の分担率を見ましても、昭和四十五年に大阪の万博でございますので、翌年には五割になって鉄道を上回る。地方部においては、自動車の移動がもう昭和五十年時点で他の交通機関を抜いて八割、さらに現在では九割、自動車なくして地域の交流というものはままならない、そういう自動車時代に突入しているんだと思っております。

 そんな中で、委員は、有料で高速自動車道を整備していくことについての御言及があったわけでございますけれども、やはり、昭和三十年代、四十年代を振り返ってみても、まだ未舗装の道路というものを通った記憶もございますし、高速道路等の社会資本の未整備というものがモータリゼーションの中でボトルネックになっていたということは事実だと思います。大都市間でトラックによる物流の大きな移動がなされた中で、そういう交通需要に対して道路の方が過少で、十分にこたえられない時期もあったと思います。

 そんな中、昭和三十八年に名神高速道路が供給されて以来、高速道路の整備が進みまして、一番高速道路ができていったというのは昭和四十三年だそうでございまして、年間それでも四百キロの整備が行われていった。高度経済成長に並行する形で高速道路が整備され、さまざまな面で戦後の経済発展というものを支えてきたと認識しているところでございます。

森田委員 ただいま大臣が御答弁されましたように、高速道路はこれまで大きな役割を果たしてきたわけでございますが、今回、私の質問の中心は、一般的には余りなじんでおりませんが、いわゆる一九四〇年体制ということの改革との関係でこれを意義づけたいと思っておるわけでございます。

 一九四〇年体制というのは、第二次大戦を効率よく戦うために、国家総動員法を初めとして四十本余りの法律が制定されまして、政治、経済、社会全般にわたって国の関与が大幅に増大したわけでございます。皆様方おなじみのお酒の一級、二級と等級づけもこのころいろいろ行われたわけでございまして、そのような等級づけがなされたのもこのときでございます。

 しかし、戦後のもろもろの改革にもかかわらず、連合軍は、間接統治をするために内務省を廃止したわけでございますが、一九四〇年体制そのものには手をつけなかったわけでございます。

 そういうわけで、その大枠というか、かなりの程度にこれが残されてきたわけでございますが、しかし、御存じのように、我が国、工業社会から情報化社会に入ることになりますと、国が許認可権をたくさん持って、全面的に前面に立って、そして価値判断をし、また差配をするということにはなじまなくなってきておる。事実上不可能であり、また適当でもない状況になってきておるわけでございます。

 したがいまして、現在の小泉内閣が唱えております官から民へというのは、いろいろな意義づけがなされるわけではございますが、歴史的に見ますと、以上のような一九四〇年体制をもう一遍考え直すというような意味において、歴史的使命を担っているものと私は考えておるわけでございます。

 そこで大臣にお伺いしますが、大臣は一九四〇年体制についてどのような見解をお持ちであるかをお伺いいたしますとともに、その中における官から民への転換の重要性と、今回の道路関係四法案の位置づけについてお伺いいたしたいと思います。

石原国務大臣 ただいまの森田委員の御質問は、大変、ある意味では哲学的な、そして日本の戦前戦後の経済のありよう、社会のありようと国際化、あるいは委員は情報化について御言及をされましたが、この情報化社会においての体制のありようどうあるべきかというような、そこまで踏み込んだ御質問のような気がいたします。

 私も一九四〇年体制というのは本でしか読んだことがございませんが、ある意味では、強い中央政府のもと、国家統制、統制経済というような形で、国が社会とか経済に対して強く関与をしてきた体制であったと思います。

 その体制が戦後も、内務省の解体はありましたけれども、生きていったということは、私もある意味では委員の御分析のとおりだと思います。高度成長を通じまして、堺屋太一さんの本を読ませていただいても、やはり官民挙げて、ある意味では効率性を高めて、戦後の荒廃から先進工業社会を目指した。そういう意味では、委員御指摘のところの四〇年体制のいい部分というものは有効に機能したんだと思います。

 しかし、委員が御指摘されましたように、情報化をいつからと判断するのかはまた歴史の判断にゆだねるところはあるんですが、私は、やはり冷戦が終了した前後から高度情報化社会がいよいよ脈々と動き出して、ボーダーレスの社会というものが、国際間競争が当然となる社会が始まったんだと思うのでございますが、そういう外部環境の変化に対してこの四〇年体制というものは機能し得なくなっていった。言葉をかえますと、外部環境の変化に適応できなくなった。すなわち、中央統制ですべてのことに規制が行き届いた社会でございますので、その変化にはなかなか対応し切れなくなった。

 そんな中で、さまざまな取り組み、我が国でもバブル経済の崩壊等々終わった後、行われてきましたが、小泉内閣では、民間にできることは民間に、地方に任せられることは地方にという基本方針のもとで、委員御指摘の一九四〇年体制から新しい、これはまだ何体制と言うほど私は確立はできていないと思うんですけれども、今新しい体制を模索して日本が動いているんだと思います。

 そんな中で高速道路のありようというものをどう位置づけるかということだと思うんですけれども、ちょうど公団ができたのは私が生まれたころでございまして、昭和三十一年。しかし、当時の公団というのは、委員が、ある意味では天才だったと先ほど言われたように、お金を借りて高速道路をつくるということを考えたわけでございます。昭和三十年代の前半といえば、まだ日本が貧しいわけですから、国家の財政力もかなり乏しい中で、モータリゼーションの発展を予見して、借りたお金で、利用した人にお金を払ってもらって高速道路をつくる。ある意味では、当時はやはりこの方式というものは時代の申し子であったのではないかと私も思っております。

 しかし、これも、先ほどの委員の意見の御開陳のように、情報化社会、新しい社会に適応できなくなってしまった。すなわち、これも四〇年体制と非常に私はある意味では似ていると思うんですけれども、国の施行命令という一方的な命令のもとに、経営努力の有無が公団の業績に反映されないで、コストが高くてサービスは低い形で不採算路線もどんどん同じようにつくっていく、ある意味ではその歯どめがかからない。民間企業のセンスあるいは会社の自主性が活用されてこそ、実はこの四〇年体制が終わった後の新しい情報化、ボーダーレスの国際社会に対応できる高速道路の整備の仕方というものを、やはり歴史の必然の中で同じように今模索し、今回、この委員会で御議論いただいているのだと私は位置づけをさせていただいているわけでございます。

 そういう意味では、委員が御指摘のとおり、四〇年体制というものとの決別、そして時代変化の中で、この道路公団等を初めとする民営化議論が出てきたと位置づけさせていただいているところでございます。

森田委員 ただし、次の点も重要だと思うわけでございます。

 よくJRの民営化と比較をされるわけでございますが、JRの民営化自体につきましても、必ずしも、あのような国の債務を残して処理してもらったという意味において成功ではなかったという評価もあるわけでございますが、私自身は、戦後の行政改革の中にあって、JRの民営化は成功であったと評価しておるわけでございます。

 ただし、今回の道路の民営化とはちょっと差異があることも私は事実であろうと思うわけでございます。

 すなわち、鉄道の場合には、当初は国が関与しておったんですが、御存じのように、民営鉄道というのが随分発達してきておったわけであります。その中で国鉄をJRにするということは、ある意味では今回よりは易しいと申しますか、考えやすかったわけでございますが、今回の場合には道路でございますから、鉄道との間に差異があることも事実であろうと思うわけでございます。

 そこで、今回、高速道路株式会社と独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構というようなことを考えるに当たって、これらに差異がある点についていろいろ配慮がなされたと思うわけでございますが、どういう点に御配慮があったか、あるいは御苦心があったか、その点をお伺いしたいと思うわけでございます。

石原国務大臣 ただいま森田委員が御指摘されましたように、民営化ということでは国鉄の場合も道路公団も同じ民営化ではありますけれども、そうはいいましても、委員の御説明にありましたように、国鉄の場合は、もう既に民間鉄道というものが社会的な、あるいは経済的な一つの日本の社会の中で確固たる地位を占めている中での民営化でございました。国鉄の民営化は、ある意味では鉄道が民間鉄道と同じになるわけですから、みずから資産を保有し、永久に料金を取り続けるという仕組みでございますが、今回の道路というものは、それとは大きく異なって当然だと私は思います。

 これもよく議論になるところでございますけれども、やはり道路というものは国民のもの、国家のものであって、原則は無料である。しかし、財政力が乏しい中で、高速道路には利用者からお金をいただいて、それで借金をしてつくっていく。こちらの方が実は新しい、一つの例外であって、やはり道路は国家国民のものであるという基本哲学というものは、まだ日本国の中で八割、九割の方が認識している基本ではないかと思っているわけでございます。そんな中で、道路の管理あるいは整備等々に民間の経営センスをどうやって導入するのか、ここが一つのポイントであり、重要な点ではないかと認識しております。

 こんな中で、四十兆円に上る債務がありますので、債務返済期間中の高速道路の保有と債務の返済というものは、民間会社が行うのではなくて、独立行政法人であるところの日本高速道路保有・債務返済機構が行う。すなわち、管理運営と保有を分けた、俗な言葉で言うところの上下分離を行った。これはやはり、これまでの積み重ねの議論の中で、基本的な哲学は、道路は公共公物でありますし、個人の所有にはなじまない、ここに立脚をしたところでもあるわけでございます。

 その一方で、高速道路の整備、管理は民間会社であるところの高速道路株式会社が行うというふうな整理をさせていただいたわけであります。

 そしてさらに、先ほど来お話をさせていただいておりますように、有料道路方式というものが例外であるということは、債務を返済した後は無料開放する、道路の帰属は国、こういう整理をさせていただいたわけでございます。

 そんな中で、JRの例を見るまでもなく、やはり地域間競争というものが、ある意味で行われた方がいいということで、コスト意識の向上や地域の実情に即したサービスを提供し、その充実を図るために、JH、日本道路公団は三つの会社に分割するということを法定し、民営化後のある意味での競争原理を確保する、こういう整理をさせていただいたところでございます。

森田委員 それから、今回の改革に当たって、他の委員からもたびたび指摘がありますように、道路建設の要請は依然として大変強いわけでございます。

 このような建設の要請とそれから効率化ということを両立させるためにどういうことがあるだろうかといろいろ考えたわけでございますが、たびたび佐藤道路局長も答弁されておるように、六車線を四車線、四車線を二車線というようなことは私自身も考えたわけでございますが、しかし、実は、その一部を国の直轄にするということはちょっと思いつかなかったわけでございます。

 当初からはこの考え方は出ておらなかったわけでございますが、これを聞いて私が非常に関心を持ちましたのは、だれが、どういう過程でこのアイデアを出されたのかと思っております。こういう席で聞くのが適当かどうかわかりませんが、その点について佐藤道路局長にお伺いいたしたいと思います。

佐藤政府参考人 これまでの経緯の中で明らかな部分を申し上げさせていただきたいと思います。

 平成十三年の十二月の十九日に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画の中で、日本道路公団の事業に関して記載がございます。

 この中では、例えば「国費は、平成十四年度以降、投入しない。」あるいはまた「事業コストは、規格の見直し、競争の導入などにより引下げを図る。」「現行料金を前提とする償還期間は、五十年を上限としてコスト引下げ効果などを反映させ、その短縮を目指す。」「新たな組織により建設する路線は、直近の道路需要、今後の経済情勢を織り込んだ費用対効果分析を徹底して行い、優先順位を決定する。」さらに「その他の路線の建設、」ということで、「例えば、直轄方式による建設は毎年度の予算編成で検討する。」既に平成十三年の閣議決定におきまして、そうした記述があるわけでございます。

 また、民営化推進委員会の意見書がその後、平成十四年十二月六日でございますが、ちょうど一年近く後でございますが、それでは、今後の道路建設に関しまして、新会社の採算を超える建設投資は、合併施行方式など国、地方公共団体等の費用負担を前提にした新たな制度により対応する、こういうことになっておるわけでございます。

 これらを受けまして、政府・与党申し合わせ、平成十四年の十二月十二日でございますが、「平成十五年度予算に関連する事項」に位置づけられて、新直轄方式の導入、これが提示された、こういう経緯でございます。

 その具体化を図るために、昨年の通常国会に高速自動車国道法の一部改正案を御審議いただきまして、国と地方の負担による新直轄方式を導入した、こういう経緯でございました。

森田委員 それから、先年の十一月九日の選挙におきまして、私も全国の若干の地域について応援に行かせていただいたわけでございますが、そのときに最大に問題になっておったのは、きょう民主党さんがいらっしゃいませんが、高速道路の無料化の問題でございます。これといかに戦うかということを、各候補者は大変苦心をしておったわけでございます。

 しかし、これはいろいろな点で、私自身もこういう点がおかしいんじゃないかというような意見を持っておりますが、道路局長の方から、大ざっぱでいいですから、大ざっぱにこの点について何か見解があればお聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 民主党の方で御提示にまだなっておられないものですから、対案といいますか、無料化の具体的な内容を。したがいまして、新聞報道等によりまして推察できる範囲といいますか、一応、十六年度予算に向けてということであらましは多少載っておりますが、まだ具体の内容がはっきりしない、こういう段階でございますので、ごくごく大ざっぱに、民主党が予定されるであろう無料化に対しての私どもの感想的なものになりますが、一言申し上げたいと思うんです。

 二つの骨組みがございまして、無料化するけれども、首都圏とか阪神とかは有料のままにおいておく、これが一つでございます。それからもう一つは、言ってみますと、四十兆円に上る債務、これは有利子、無利子があるわけでございますが、これにつきましては、建設国債で毎年一兆五千億ぐらいを六十年かけてお返しになられる、こんなふうに十六年度に向けての予算の検討の中では御指摘をされておられます。

 一つは、公平性、こういう問題で申し上げますと、そういう意味では、首都、阪神の住民は税金のほかに有料道路料金も負担する。つまり、いずれにしましても、返済は建設国債でやるとしても、税金で最終的には引き取る、こういうことでございますので、その両方の負担をせざるを得ない。それからさらに、お使いになっておられない、言ってみれば、高速道路が来ていない、あるいは来ていてもほとんどお使いにならないという方々も税という形で御負担をされることになる。そういう意味での公平性、不公平性、こういう問題が一つあろうか。

 それからもう一つは、そうしますと、東京に入ってこようとする車は東京近辺で有料でない部分でおりられるでしょうから、そういう意味では周辺の渋滞というのがかなり問題になるかな。さらには、東名や中央道は実は大変な混雑を、東北道もそうですが、大変な混雑をしておるものですから、ここを無料にするということになりますと、そこの渋滞もいかがなものかな。そういう意味でのバランスがいかがかな。

 これは具体的なお話をいただかないとわからぬ部分が多いわけでございます。

 また一方で、現実問題として、とりあえずは建設国債で、後で税金で返す、こういうお話になりますと、実は、いただいております年度の予算の中での道路に関する事業として使わせていただいている国費は十六年度三・二兆円。その中で、直轄の国費なるものが一・七兆円でございます。

 そうしますと、この一・七兆円で現在直轄の国道の整備、管理をやっておるという中で、一方で、有料道路の事業の方の国費、これも建設と管理で大体一・七兆円かかります。両方一・七兆円の中で両方をやっていくとなりますと、例えば、高速道路の建設、整備を優先しよう、こうなりますと、国道の管理が恐らくできない。整備ももちろんですが、管理もできない。国道の整備、管理を優先しますと、今手をつけております高速道路関係の整備はとめざるを得ない。そういうトレードオフがありますので、その辺もどんなふうに御提示なさるか、そんなことを考えておるところでございます。

森田委員 それでは、最後にお伺いいたしますが、いろいろ論議されておる中にありまして、民営化委員会の活動とその実績について論議がなされるわけでございます。

 これは民営化委員会が最初にできた時点で、私は、民営化委員会の委員の皆さん方が考えられておる民営化委員会の役割と、客観的にこうあるべきというか、こうあるはずだというのと違っているなと当初から思っておったわけでございます。その後、いろいろな御存じのような問題が出てきまして、ある意味では不幸な点もあったわけでございますが、これらのことにつきまして、答えにくいかもしれませんが、民営化委員会の事務局から見ておってどういう状況であったのか、坂野泰治事務局長にお伺いをいたしたいと思います。

坂野政府参考人 民営化委員会は、御承知のとおり、平成十四年六月に発足をして、その主たる任務でございます意見の提出は平成十四年十二月に行っておりまして、以後は、政府における施策の実施状況の監視、いわゆるフォローアップを続けてきておるわけでございます。こういう任務それ自体については、委員の方々はすべて十分な理解をお持ちであったと思っております。

 御承知のとおり、この委員会は、審議の過程をすべて公開してきております。意見をまとめるに当たりまして、あるいはまた意見を提出した後におきましても、国民の方々にさまざまな論点を示し、広く判断の材料を提供してまいりました。このこと自体、評価すべき事柄であったと思っておりますが、もとより、意見に盛り込まれたり、あるいは意見を取りまとめる過程で出されましたさまざまな問題提起あるいは提案、これは、多く今回の政府案の中に取り入れられております。民営化の実現に大きく貢献したものと考えておるわけでございます。

 御指摘のとおり、昨年末の時点で二名の委員が辞任をされました。残る委員の方々の間にも、なお、考えの隔たりが残っております。これは、それぞれの委員の方々がそれぞれお考えになった上でのことであるというふうに思っておりまして、事務局としては、事実としてこれを受けとめる、そういうことはいたしますけれども、このことについて、私どもの立場上、これ以上論評するということはお許しをいただけないかと思っております。

森田委員 以上で質問を終わります。

赤羽委員長 葉梨康弘君。

葉梨委員 自由民主党の葉梨康弘でございます。

 どうぞ石原大臣、参議院の本会議、頑張ってください。御退席でございます。

 私からは、公共財としての高速道路、この位置づけが民営化後の経営体制の中でどのような形で位置づけられるかということについて、御質問を三十分させていただきたいと思います。

 ただ、冒頭、ちょっと質問の順序を昨日の質問順序とは変更させていただきたいと思いますが、昨日、二階先輩、あるいは現在も森田先輩の方からもお話がございました、いわゆる無料化案についてでございます。

 昨日総理の方からも、無料化案については、六十年で借金を返すということについては必ずしも現実的ではないんじゃないか、そういうような答弁をいただいたわけでございます。

 ただ、無料化案を、きょうは出席されていないんですけれども、提案されている党の方、私も予算委員会の分科会等に出席をさせていただきましたけれども、自分の選挙区ではたくさん高速道路をつくってほしいというような要望を、その無料化案を提案されている党の方もいろいろと言われておる。でも、果たしてそういうことができるのかなというような感じを持っております。微妙に、高速道路無料化を主張される政党も、新しい高速道路を凍結する、つくらないとは言っていない。しかしながら、現実問題として、これはそろばん勘定の話になってきますけれども、やはり事実上の凍結に近くなるんじゃないかというような印象を私自身は持たせていただいております。

 例えば、先般の予算委員会の分科会でも、首都圏中央連絡道路、これについては、私は茨城県でございますけれども、国際空港である成田、副大臣も千葉県でございますが、成田とそれから研究学園都市であるつくば、これを結ぶ非常に戦略的にも大事な道路だし、あるいは首都圏の整備という意味でも大事な道路だ。その意味で、しっかりと整備の中で位置づけられて前向きにも御答弁いただいたわけなんですが、具体的にその道路が無料化というような形でそういったことが実現していきますと、やはり今よりも整備というのはおくれざるを得ないんじゃないかというような印象を持っております。

 その点で、道路局長さん、ちょっと技術的な点でございますけれども、もしも無料化案が実現した場合ということで結構なんですが、圏央道についてどのようになるかということをお聞きしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

佐藤政府参考人 道路予算の中で、平成十六年度でございますが、公共事業費として事業の執行に活用させていただいている国費は三・二兆円でございます。この三・二兆円の中で、直轄の国費、これが、直轄と、それから有料道路に投じております国費も若干ございます、両方合わせますと一・七兆円でございます。この一・七兆円をもっていろいろなことに対応せざるを得ない、こういうことになるんだろうと思います、無料化の場合。

 既存の高速道路の維持管理費が少なくとも今六千億ちょっとかかっておるのでございますが、コストカットであるとか、あるいはまた料金の徴収という経費は要らなくなる、こういう面もございますので、その辺をぎりぎり考えていくと〇・四兆円ぐらいは必要であろう、現在の高速道路関係の管理費で。そして、十六年度、高速道路の建設あるいは改良という形で実行しようとしておりますのが一・三兆円でございますので、ちょうど合計で一・七兆円でございます。

 それから逆に、国道の維持管理費、これも国費で申し上げますと〇・四兆円でございまして、そのほか、直轄の高速や一般国道の整備という形で十六年度見込ませていただいておりますのが一・一兆円。約一・五兆円でございます。

 したがいまして、この国費一・七兆円をもってこれらすべてをやろうといたしますと、まず、現在の高速道路関係を優先しますと一・七兆円がちょうど消えるという勘定になりますので、ほかが全然できない。それから、国道の方、これも、先生御指摘の圏央道を初め、今まさに最盛期を迎えているような事業が多い、こういうこともございますので、こちらを優先すると高速道路関係の管理も難しい、こうなるわけでございまして、この辺の取り合わせをどういうふうにやっていくかということが大変難しいことになるなということだと思っております。

 ちなみに、首都圏中央連絡自動車道の場合、茨城県内区間で申し上げますと、全体の延長は七十一キロあるわけでございますが、これに必要な事業費として約三千五百億円はかかるであろう、こう思っております。平成十六年度予算として事業費二百七十億円、国費で百八十億円を計上させていただいて事業の推進を図っている、こういう状態でございますので、この部分は、言ってみれば、無料化して直轄の国費がなくなる。あるいは、いろいろな工夫してでも、管理というものはこれはなかなか手を抜くわけにいきませんので、そうしますと、二百七十億をゼロにまではしなくても、しかしながら、恐らくかなり事業の中断をせざるを得ない区間が出てこようか、そんなふうに懸念しているところでございます。

葉梨委員 ありがとうございました。

 首都圏の三環状道路、そして非常に重要な、国家戦略上も重要な圏央道についてすら、今局長さんがおっしゃられたような状況である。となりますと、日本全国もっともっと、整備されていない、整備が必要だけれども整備がされていない地域というのがあるわけで、まさに無料化というのが推進されたら、多くの国民の夢が奪われてしまう、あるいは未来が奪われてしまうということを指摘させていただきたいというふうに思います。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。民営化後の経営のイメージということでございます。

 先ほど森田先生からもお話がございましたけれども、私自身の考え方としては、今回の道路公団の民営化とNTT、JRの民営化と、大きな違いというのは二点ほどあろうかというような印象を持っています。

 その一つは、NTT、JRとの違いは、これは、今回の新しい、道路公団の民営化された株式会社が、主業、つまり有料道路の収入ですけれども、そこから利潤を上げることができない。これは決定的な、株式会社としては違いであろうかと思います。

 それからもう一つは、今の、例えば携帯電話の基地局あるいは整備新幹線という問題はあるにせよ、電電公社、国鉄の時代は、通信網、鉄道網のインフラというのは曲がりなりにも全国隅々まで整備されていた。しかしながら、現在の高速道路網というのは必ずしもまだ全国隅々まで整備されていない、途上の段階であるという、二点、大きな違いがあろうかと思います。

 ですから、当然のことながら、民営化後のイメージというのが、NTTであるとかJRであるとかいった会社とは大きく異なってくる。そこのところで、民営化という言葉に踊らされまして、この新しい会社がJRと同じような民営化じゃなければいけないんだ、NTTと同じような民営化じゃなければいけないんだということになってしまいますと、いろいろと推進委員会の中でも問題が出てくるのかな。つまり、民営化というもののイメージ、そして高速道路についてのやはり公共財としての位置づけをしっかり持っていくかどうかということが非常に大事じゃないかというような印象を持っている次第でございます。

 そこで御質問でございますけれども、今申し上げましたように、昨日も総理の方からも御答弁があって、今回、高速道路株式会社という形でやっていく、その中で、今まで高コストだった体質というのを是正していきましょう、あるいは経営内容についても、天下りとかなんとかいろいろあったけれども透明性を確保していきましょう、そういうことで大いに推進されることは私も大いに賛成でございます。しかしながら、その一方で、先般来ずっと出ておりますけれども、高速道路についてはやはり代表的な公共財としての位置づけがございます。ですから、単なる経営上の得失ということだけではなくて、今後の経済、地域経済の活性化に与える影響、そういったものをしっかり見きわめる、そういうような公共財の視点、これが非常に必要だろうというふうに考えております。

 そこで、その点の御認識について、副大臣、よろしくお願い申し上げたいと思います。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

林副大臣 葉梨先生の御指摘と一致すると思いますけれども、高速道路は全国的な自動車交通網のかなめでありまして、社会資本でございます。生活や産業を支える、最も基本的な公共財だというふうに認識をしているところでございます。

 大臣からも何遍も答弁しておりますけれども、今後の高速道路の整備に当たりましては、残りの供用約二千キロについてでありますけれども、ここは、採算性あるいは費用対効果そして外部効果から成る評価、いわゆる中村基準に基づいて、厳格かつ客観的に評価を行ってきたところでございます。

 その際でありますけれども、採算性そしてBバイC以外に、外部効果、例えば、高度な医療施設に短時間で搬送できるというような住民生活への効果だとか、あるいは物流センターからすぐに高速道路に乗ることができるというような地域経済への効果、そういった外部効果を含めまして、総合的、客観的な評価を行っているところでございます。

 今後の整備に当たっても、各地域において、創意工夫によるさらなる整備効果の向上あるいはコストの縮減などを図っていきながら、BバイCの向上に反映させることも重要だというふうに考えているところでございます。

葉梨委員 ありがとうございました。

 そして、そのようなことを新しい経営陣の中でどう生かしていくかということも非常に大事だろうと思います。先ほど言いましたように、有料道路の収入で利潤を上げるわけではないわけで、幾ら民間の経営手法といいましても、とにかくもうけたい、もうける、もうけるためにいろいろなことをしたい、その手法を求められているわけではなくて、やはり外部効果、あるいは国土計画との整合性、そして企業、まあ大きな企業ですけれども、まさに特殊な企業ですが、社会的責任、そういったものを、いかに理解を徹底していくかということ、すごく大事なことだろうと思います。

 経営陣の今後の体制、これを組んでいくに当たって、副大臣としてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

林副大臣 経営陣、つまり役員の人選については設立総会において決めるということになるわけでありまして、それにはやはり民営会社の経営を託すにふさわしい人選をするということになるわけでありますけれども、現段階では確たることを申し上げるわけにはまいりません。

 あえて申し上げれば、役員の人選に当たっては、人物、識見等を第一に考えまして、公正に選定すべきものと考えております。

葉梨委員 現段階ではなかなかお答えづらいだろうと思いますが、先ほど質問で述べた点を要望という形にさせていただきたいと思います。

 それからもう一つ、新会社において、いろいろな民営化の目的がございますけれども、新会社では、どういう形で経営の透明性を確保していくかということ、大事だろうと思います。その点の工夫をまたお聞かせ願いたいということと、それからもう一つは、先ほど申し上げた点とも絡んでまいりますけれども、高速道路公団というのは必ずしももうけるための民営化というわけではないだろうというふうに思います。民間の経営手法を全面的に取り入れれば必ずしもそれでいいというわけではない。新会社が、例えば、この道路ついては建設を行わない、そういった旨の意見を述べるに当たっても、単なる費用対効果ということじゃなくて、先ほど申し上げたように、高速道路を公共財としてどのように評価していくんだ、それから外部効果をどのように評価していくんだといったことがやはり大きな理由として客観的に明らかになっていかなければいけないんじゃなかろうかというふうに思います。そういったところで、例えば新会社に対してどのような形で御指導されていくおつもりなのか。二点でございますけれども、道路局長からお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 一点目は、民営化後の会社が、経営内容を含めて、透明性あるいは公正さといったものをどう確保していくか、こういう御議論かと思います。

 そういう意味では、高速道路事業の建設、管理をやっていただく、こういうことでございますから、公共性が非常に高い。したがって、客観性、透明性、こうしたものが十分確保されるように配慮していただきながら事業を行っていただくことが重要だと思います。

 そういう意味では、民営化、こういう形で、まず企業会計原則に準拠した財務諸表の公表、これで経営状況を一層明確化していただくということを考えております。

 それから、もう一つ大事なことは、恐らく、機構と会社と協定を結んで、そして業務実施計画などをきっちり定める、こういう形にしていただくこととなっております。そういう意味では、今ですと公団の中で閉じているようなやりとりというものが、今度は機構と会社、こういう形で、それをまた国土交通省も一緒になって、よく注視しながらやっていただく、こういうことでございますので、そういう意味では、そのやりとりも公表する、こういう大前提でございます。

 協定そのもの、業務実施計画、それから、機構の側でいえば中期計画、そうしたものをすべて公表する。そして会社と機構のやりとりも、毎年度毎年度、実績としてこうでしたということを出していただいて、それぞれが公表していただく、やりとりも公表する、こういう形でございますので、そういう意味では、従前よりはかなり大幅に、透明性といいますか情報の公開性、こういうことが制度として仕組みの中に位置づけられる、こういうことになろうかと思っております。

 大事なことは、それの運用であるわけでございますので、できるだけそうした中で、隠し隔てなく的確に情報を出していっていただく。これは、仕組みとしてはかなりそういう形で透明性が確保できる、こういう形でございますので、運用も十分それが確保されているような運用であるということを、私ども国土交通省もよくそういう意味での一般的指導をやるわけでございますが、それこそ、国民の皆様、国会の先生方に十分そこも、大丈夫かということをごらんいただきながらやっていく、こういうことが大事なことだと思っております。

 次に、民営化後の会社が建設を拒否するようなことがないのか、こういう議論でございます。採算性だけではなくて、高速道路が公共財、こういう観点からきちっと整備を進めていただくということが必要なんじゃないかということであります。

 現在事業中の区間につきましては、国がまず当該区間を所管する会社と協議して、引き続き事業をやるかどうか、あるいは調査中のものは、調査をやり、事業を進めるかどうか、こういうことであります。

 その場合に、協議が調わない、こういうことも全くあり得ないわけではないということを考えまして、その場合は、国はほかの会社と協議ができる、こういう複数協議制を導入したところであります。

 複数協議をするけれども、それでも協議が調わない、こういう場合には、国は、会社が申し出る、できない理由というものを、社会資本整備審議会の意見を伺う。

 その結果、正当な理由がある、こういう場合には、当該区間の整備を会社に行わせることはできなくなる、こういうことではあります。

 この場合に、会社が当該路線を建設できないとする理由が正当であるかどうかにつきましては、当該路線の採算性だけではなくて、会社全体の経営に与える影響とか、その内容に照らして判断されるものであろう、こう考えております。

 仮に、これらの手続を経てもなおいずれの会社も建設を行わない区間が生じた場合には、国は、構造、規格の見直し等さらなる効率化に向けた努力を行うとともに、関係地方公共団体の意見も聞きながら、新直轄方式による整備も含めて今後の整備のあり方について検討する、こういうことになろうかと思っております。

 一点大事なことは、そうしたやりとり、会社はなぜこの路線、区間を整備できないのか、これを明確に理由としては挙げていただく。国土交通省の方も、国も、どうしてやっていただけないか、あるいは、どういう考え方でやってほしいと言っているのかみたいなやりとりを、これは全部、結局、社会資本整備審議会にお諮りするということは公開するということでございますので、情報公開。

 そうしますと、言ってみれば、ひどく片一方が無理を言っているということであれば、国民の皆様の御批判もそういう形できちっと出てまいる、こういうことだと思いますので、大切なことは、そのやりとりを公開するという部分に常識的な線として落ちついていくんじゃないか、こんなふうに思っておるところであります。

葉梨委員 ありがとうございました。

 まさに今最後に言われたこと、そういうことで、透明性とそれから公共財との位置づけということを一緒に御質問させていただいたのはそこら辺のところもございまして、ぜひとも、いかに国民にわかりやすい形で納得を得ていくかということ、すごく大事なことだろうと思います。

 私自身は、今の報道、いろいろとされておりますけれども、必ずしも正確を期した報道がなされているわけではないなと思うのは、いわゆるむだな高速道路の議論でございます。

 もちろん、中にはむだと思われるような高速道路も全くないわけではないだろうというふうに思いますけれども、例えば、ある都市とある都市を結ぶときに、山を越えなきゃいけない。そこの山の山間部だけ高速道路ができて、そこはクマしか通らないからといってその高速道路がむだと言うことは当然できないわけで、やはりいろいろな形で、本当に全体としてネットワークが完成した場合の、外部効果だけではなくて、もちろん中としては交通量についても当然そうだと思いますし、そういった交通量の問題、それから外部効果の問題。ネットワーク完成に伴う効果、ここのところが非常に大事な点ではないかというような印象を持っています。

 ところが、今までは、どちらかというと、それが何か密室で決められていたんじゃないか。実は私も、この問題、高速道路、実際は素人でしたけれども、九千三百四十二キロの議論、それから一万一千五百二十キロの議論の中に、いろいろと見ていると、ちょうど切れているところで、これをつながなかったら本当に意味がないんじゃないかなというようなところがやはり多々ございます。ところが、切れているところが殊さら報道等あるいはマスコミ等に取り上げられて、これがむだだ、むだだと言われてしまうのも、これも、今まで道路行政をやってきた方にはある意味でかわいそうな面もあるんじゃないか、そんな意味で、ちょっと御同情も申し上げているところもございます。

 ただし、問題は、一つは、その意思決定が密室で行われているような印象というのは、やはり極めてよくないだろうと思います。それからもう一つは、今局長さんもおっしゃられましたように、この道路がつくられたときにはどういう効果を持つんだということをやはり客観的に国民に知らしめていく、わかっていただく、その努力が大変必要じゃないかというような印象を持っています。

 ですから、ネットワークの完成に伴う効果、これをまず、当然、いろいろな外部効果の中の一つとして、外部効果だけではございません、ネットワークの完成に伴って交通量自体もふえていく。その意味で採算性にもかかわってくることだろうと思いますけれども、当然九千三百四十二キロの中で優先順位づけをしていく。そして、九千三百四十二キロの中ではどういう方式でやっていくか、一万一千五百二十キロの中ではどういう優先順位づけをしていくか。その中で、このネットワーク完成に伴う効果、これをどう客観的に評価を確保していくのか、極めて大切なことだろうと思います。

 そして、高コストの体質といいますか、昨日の総理の答弁にもございましたけれども、それを是正して、さらには経営内容の透明化、これを図った上で、やはり必要な高速道路については私たちは自信を持ってつくっていくということが絶対に必要なんじゃないか、そういうふうに思います。

 ですから、そのためにも、このネットワークの完成に伴う効果、これをどういう形で国民に対して、先ほど客観性の確保と申し上げましたけれども、さらに加えて、情報の開示を国民に対して図っていくのかということについて、副大臣から御答弁をお願いしたいと思います。

林副大臣 先ほども答弁いたしましたけれども、採算性あるいはBバイCあるいはまた外部効果、そういったものを評価して、そして公表するということをしてきたわけでございまして、九三四二に対しても、いろいろ答弁の中で示したように、結果を公表してきたところでございます。

 一一五二〇に関しましても、九三四二のうちの未供用の二千キロと同様に、先生おっしゃるような総合的、客観的な評価を実施いたしまして、その結果の公表を行うというふうな考えでいるところでございます。

葉梨委員 ぜひともその点を大切にしていただきたいと思います。

 そして、先ほど政府参考人からもございましたけれども、ぜひとも、会社、機構、それから国幹会議等でのやりとり、そこのところをしっかりと、ちゃんとした根拠に基づいて国民に対して明らかにしていく、そして、やはりわかりやすい形でつくっていくということが大切なことだろうと思いますので、その点をぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 もう時間があと二、三分になっておりますが、最後に、実は、茨城県、遷都の計画にいろいろと手を挙げて参加したりしております。これから多少景気もよくなるということを期待したい、そのためにも頑張りたいわけなんですけれども、いろいろな国家プロジェクトというのがこれから四十五年の間には当然いろいろと出てくるだろう。その中で、会社が民営化された後も、やはり新しい、今の九千三百四十二キロあるいは一万一千五百二十キロ、これの外に高速道路網をつくらなければいけない。例えば、遷都である、あるいはいろいろな別の国家プロジェクトである、そういったような場合もあるだろうと思います。私自身は、そのときには新しい法律をつくるなりということもあるだろうと思いますけれども、柔軟に対応できるようなやわらかい構造というのはやはり持っていなきゃいけないんじゃないかなというような感じを持っております。

 そこで、今後、そのような国家プロジェクト、国家戦略との関係、つまり、高速道路が、先ほど申し上げました公共財である、非常に大切な公共財であるということとの絡みで、最後に、新たな国家戦略が出たときに柔軟に対応できるものなのかどうか、そこら辺のところを佐藤道路局長にお願いしたいと思います。

佐藤政府参考人 今回、新しい、民営化という形での法案をお願い申し上げているわけでございますが、その前提といたしまして、高速自動車国道もそうでございますが、高速自動車国道以外の高速道路につきましても、一般の道路事業、いわゆる高速自動車国道で申し上げれば新しい直轄事業であり、また、都市高速や一般の有料道路事業でございましたら国道であったり都道であったりするわけであります。これの道路事業、どちらがより有効に活用し得るか、こうした形の制度をお願いしている、こういう形になっておるわけでございます。

 そういう意味では、新しい国家的プロジェクトができました場合に、それに対応するという形で、高速で安全に走り得る道路というものが必要であるということになった場合には、その二つの方策、一般の道路事業でできるだけいくのか、それとも有料道路事業の活用という部分があり得るのか、それはケース・バイ・ケースで判断させていただきながらということであろうかと思いますが、先生御指摘のように、柔軟に、必要性に応じて対応するということは十分可能なものと考えております。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

葉梨委員 どうもありがとうございました。

 以上で質問を終わらせていただきます。

赤羽委員長 高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。昨日の総理質疑に引き続き、本日も一時間、質問させていただきたいと思います。

 先ほどの森田委員と石原大臣とのやりとりの中で、道路の歴史的背景についてございました。そもそも、道路は国民のもので無料である、このような御発言もございました。

 この問題に関しまして、以前、予算委員会でも構造改革の集中審議で質問をさせていただきましたが、まず、そもそも日本の高速道路、昭和三十年代に公団方式でつくり始めましたけれども、このときも、やはり日本という国が戦後まだ十年ちょっとしかたたない中で、ただ、インフラは整備しなければいけない、しかし財政的余裕がない。その中で、公団方式という形で、借金をしながら、それを有料道路として利用者がそこにお金を払って、それで還元をしていこう、こういうような発想の中でできたと思うんです。

 これについても、できた当初というのはそれでよかったと思いますし、それで、この日本の高速道路、七千キロ今現在できておりますけれども、そういう形で整備がなされてきた、これはしっかりと評価しなければいけないと思うんですね。

 ただし、今回の道路公団の民営化問題というのは、きのうの総理への質問でも申し上げさせていただきましたけれども、道路公団の体質の問題、またファミリー企業の問題等々、やはり国民の目から見て、これは明らかにおかしいといった問題が指摘される中でこの法案がつくられてきたと思います。

 その一方で、この道路公団問題、いろいろとマスコミ等々の報道を見ますと、どうしても何か、道路をつくるのかつくらないのか、これがメーンとなってしまって、道路というのは公共財であるという認識、ここが置いてきぼりにされているな、こういう実感があります。

 ただ、本来であれば、今までの公団方式でも債務が返済されたら無料になりますよと。プール制になりましたから、まだ九千三百四十二キロ全部できていませんので、これは仕方がないと思うんですけれども、例えば東名、または首都高の部分ですとか、かなり採算がしっかりとれる中で、借金はその部分は返っているな、一方で、なかなかただにならないじゃないか、こういう思いもあったと思います。

 今回の法案、四十五年で返済をしていく。本来であれば、公共財である、国民のものである道路でございますので、早く無料になってもらいたいという思いとともに、この債務を返済した後、高速道路の帰属というもの、これが一体どうなっていくのか、また、無料の公開というのは担保されているのかということについて、明確に、この委員会の場ではっきりとしながら、そして利用者である国民に対してメッセージを送っていただきたい、このように思います。

佐藤政府参考人 本来、道路は無料で自由通行ができる、これが原則の、極めて公共性が高い、私有になじまない国民の共有財産、こういうことであろうと思います。

 昨日の委員会で二階先生の御質問にございましたが、一九五六年にアメリカは、無料の道路として六万六千キロのネットワークをつくる、アイゼンハワーのときにさんざん議論した末に、やはり自由通行、無料のフリーウエー、こういう形でつくっていこう。同じ年、一九五六年に私どもは、日本の場合には有料道路制度で活用していこう、こういうことを決めたというのが歴史的な経緯ではございます。

 一言申し上げますと、このとき、実は日本の国家予算が約一兆円でございまして、国費一兆円、この一兆円に対しまして、東名、名神、これをつくっていこうとしますと四千六百億円、こういうことでございますので、国家予算の半分が必要であった。しかしながら、本当にこれを整備しようとしたらどういう工夫ができるか。この工夫の結果ということで、有料道路制度の活用、こういうことが生まれてきたというふうに認識しております。

 受益者負担を求めて早期に整備する、こういう特別な措置でございまして、高速道路につきましても、そういう意味では、債務が完済されれば、これを本来の道路管理者に帰属させて無料化する必要がある。

 そこで、今回の法律でございますが、機構は民営化後四十五年以内に債務の返済を完了させるということを法律に明定していただくことにいたしました。そして、料金の徴収期間は四十五年を超えてはならない。そして、この機構が保有する道路資産につきましては、徴収期間の満了後に、国、地方公共団体等、道路管理者に帰属させる、これは道路整備特別措置法の今回の案の五十二条に、道路管理者に帰属する、こう書かせていただきました。

 こうしたことによりまして、道路管理者は、本来、無料自由通行を原則として利用者にお使いいただくということになっておりますので、結果、無料自由通行が担保される、こういうことでございます。

高木(陽)委員 四十五年という期限がございますけれども、できる限りこの債務返済というのを早くやって無料開放するというのがやはり望ましいと思いますので、そういった部分での経営努力、これもまたしっかりと見ていきたいと思いますし、またはそれを推進していただきたい、このようにも思います。

 さらに、先ほどから何度か出てまいりました九三四二の話。九千三百四十二キロというのは、果たしてこれが長いのか短いのか。よく例に引き出されるのは、中国と日本との比較ですね。日本は、昭和三十年代から四十年間高速道路をつくり続けている。いまだに七千キロ台。一方、お隣の中国、広大な土地もございますけれども、そういった中ではインフラ整備はすごくおくれていた。ところが、道路に関して言えば、わずかこの二十年間で日本を一気に抜きまして、倍の一万五千キロですか二万キロですか、できてきている。

 そういった中で、先日も公明党の訪中団で北京に行ったときに、二年前に行ったときと比べてさらに道路ができているなと、環状道路なんかは何本もできている。一方、日本に目を転じてみると、首都圏における環状道路は、今三本計画されている中で、外側から、圏央道、そして外環、さらには中央環状、この三つもまだまだできていない。

 そう考えますと、国力として見れば日本の方があるにもかかわらず、その一方で、中国はどんどん道路整備、インフラ整備というのができている、これは一体何なんだろうな、こんなことを感ずるところであります。

 その問題はちょっとおいておきまして、民営化された後にこの九三四二、これができるのかどうかということを多くの人たちが疑問に思いながら、また不安に思いながらいると思います。そういった部分で、この九千三百四十二キロが着実に整備されていくのかどうかという問題と、やはり、できるできると言っても一体いつできるんだ、こういった具体的な期間というもの、これを明確にしていかなければいけないのではないか。どのぐらいの期間内にどの程度これが整備できていくのか、これを含めまして御答弁をいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 九千三百四十二キロの整備計画区間の中で未供用、これが約二千キロある、こういうことでございますが、これにつきましては、費用対効果、採算性、その他の外部効果等から構成される評価基準に基づきまして、厳格かつ客観的な事業評価を実施して国民の皆様にもごらんいただいた、こういう状態であります。これは世界で恐らく初めてだと思うんですが、その結果を踏まえまして、有料道路方式と直轄方式、こういうことで二つの整備手法に分類させていただいた。

 さらに、構造、規格を含めて大幅な見直しを行う抜本的見直し区間ということで、五区間百四十三キロを設定いたしまして、これらの区間につきましては、事業を一時中断して必要な調査を実施して、費用対効果等を十分に大きくし得るという調査結果を導き出そうということで鋭意調査を進めているところでございます。

 先生の御質問は、そうした前提の中で、九千三百四十二キロといいますか未供用の約二千キロ、整備がきちっとできるのかという御質問と、またそのスピードいかん、こういうことでありました。

 まず、現在は、二千キロのうちの約七百キロが新直轄方式、それから千三百キロが有料道路方式、こういう形に整理していただいているわけでありますが、これは、公団から民営化会社に振りかわって、民営化会社が発足して六カ月の間に、どこの調査中、事業中区間を新しい会社が建設継続するか、こういう話し合いをすることになっておるわけでございます。

 その過程におきまして、さらに、直轄が妥当ではないか、こういう区間が恐らく話し合いの中ではもう少し出てくるであろう。あるいは、地方公共団体の御要望も伺っておるわけでございまして、その御要望等を勘案しながら、それぞれ、機構と会社、あるいはまた地方公共団体の意見も伺いながら整理させていっていただくことになるんだろう。

 しかしながら、いずれにしましても、この直轄区間の七百キロは、現在の事業費そのものでいいますと二兆六千億円ぐらいでございますので、三兆円ぐらいというようなことも目安として考えておりますので、もう少しふえるかなと思います。

 いずれにしましても、そうした二つの方式で整備を進める、こういうことにしたわけでございますが、このスピードいかん、こういうことであります。

 まず、申し上げやすい方は、直轄の方から申し上げますと、そういう意味ではおおむね三兆円前後の事業費を直轄方式ということでやらせていただくことになるんだろう。予定いたします事業費たるものが、現在の道路関係予算の国費の状況、あるいはその執行状況といいますか、いろいろ国道の管理であるとか電線の地中化とか、あるいはまた高規格道路、地域高規格道路という形で骨組みのしっかりした部分をつくる、これも直轄事業としてやっておるわけでございますので、そうした中でどのぐらい新たに直轄方式ということで割き得るか。そんな検討をいろいろ種々の角度からしたところでは、平均的には、これから毎年二千億円ぐらいの事業をやらせていただくというのがバランスのとれた整備が図り得るということかなというふうに考えております。

 そういう意味では、三兆円を目安としての直轄事業、こういうことで申し上げれば、毎年、平年度化すると二千億ぐらいということを目安にしておりますので、十五年から二十年ぐらいの間にはでき上がる、こういう目標で、それも少しでも効率よくということでございますので、少しでも期間を短くするという形で努力をする、こういうことだと思います。

 一方で、会社の方で実行していっていただく有料道路事業でございます。これは、会社の自主性、あるいはまた経営のセンスといいますか経営の努力、こうしたことを踏まえながら自主的に考えていっていただかざるを得ないわけではございますが、そういう意味では、直轄の方のこうした目標は前提にしながら、種々御検討をいただくということが大切なことかと思っております。

高木(陽)委員 今、会社の方のつくる部分と直轄方式の部分という形で分けて、直轄方式の方は毎年平準化して二千億程度で十五年から二十年、これはしっかりとやっていただきたいと思いますし、今御答弁にもございましたように、何も直轄は高速道路だけじゃなくて、それ以外の道路というのもしっかりとつくっていかなければいけない。また、電線の地中化等々やっていかなければいけないということで、まさに、そのバランスをしっかりととっていきながら推進をしていただきたいと思います。

 その一方で、会社の方で、これは本当に経営感覚がしっかりしていただかないと、これも絵にかいたもちになってしまいますので、ここら辺のところは、今回の法案が成立した後、それをいよいよ施行していく、そしてまた実際問題、その会社が判断をしていくといった段階でも、しっかりとオープンにしながら、国民にしっかりと見える形で判断をしていっていただきたいと思います。

 ただし、民間企業でございますから、やはりどうしても考えるのは採算の面、赤字はもう出しちゃいけない、こういう発想になると思うんですね。そのときに、採算の面からいきますとどうしても、無理してつくりたくないな、これはちょっと厳しいな、こういった判断というのが多々出てくるのではないか。今の段階では、残る二千キロのうち千三百キロ、そして七百キロというふうに分けて考えられますけれども、会社の判断として、採算面で苦しい現行整備計画の建設、これについて、拒否する、こういうことも考えられるであろうし、その場合この九千三百四十二キロの整備というのはどうなってしまうのか、ここについても明確なる御答弁をいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 現行の整備計画区間の中での未供用区間、今現在、有料道路対象という形で現時点で整理させていただいているのが千三百キロある、こういうことでございます。これにつきまして、会社の自主性を最大限尊重する仕組みを導入しております。

 具体的には、まず、当該区間を所管する会社が、当該区間の建設費、管理費に加えて、機構に支払う貸付料、それから会社の料金収入などをもとに、会社としての採算性の見通し等について十分検討していただく。さらに、この検討結果に基づきまして国と会社が協議する。

 その結果で、仮に本来の事業範囲会社が、ある区間について建設はできません、こういうことであった場合、ほかの会社に建設の意思があれば、当該会社に建設を行わせることができるという複数協議制を導入して、いずれの会社とも協議が調わない、こういう場合には、社会資本整備審議会の意見を聞いた上で、会社が建設できないとする理由が正当なものと認められない場合には、当該区間の整備を会社にやっていただくことも可能ではある。しかしながら、逆に言いますと、正当な理由であれば、建設をどうぞやってくださいとはできない。

 しかしながら、一番大事なことは、そうしたやりとりを含めて常に国民の皆様に明らかにしながら、どちらに無理があるかとかいうようなことも、その場合には御批判いただいて、常識的な線にやはり落ちつけていただく、こういうことかと思います。片一方がわがまま言ったり無理やり押しつけたり、これは、そういう意味での公開性、透明性、これを担保すれば、恐らく妥当な、いずれにしても妥当な結果になるんだろうと思います。

 その場合、本当に難しいという場合につきましては、国は、構造、規格の見直しであるとか、さらにコスト縮減するためにはどういうふうにするかとか、いろいろな検討をしながら、また地方公共団体とよくよく意見も交換して、直轄方式による整備も含めて、今後の整備のあり方、これをどうするかということを検討することになろうかとは思います。しかしながら、そういう意味で、みんなで公開して知恵を出し合うというのが大前提だと思っております。

高木(陽)委員 キーワードは公開性、透明性だと思うんですね。本当に今までの道路建設、特に高速道路の優先順位のつけ方というのは、一体なぜというふうに疑問を持たれた部分というのはやはりあったと思うんです。

 もちろん、地元にとってみれば早くつくってもらいたいということでやりますけれども、限られたお金の中でやっているわけですから、どうしても順番がついていくわけですね。そういった問題を、今後、新会社になりまして、この整備計画を実施していく、実現していく段階において、より透明性を持っていく、これは本当に重要な問題であると思いますので、ここの担保もよろしくお願い申し上げたいと思います。

 さて、高速道路というものは、経済的、社会的に大きなメリットを及ぼす施設である。まさに高速道路ができたことによって、物流面においても、人の移動ということに関しましても、大きな日本の経済的発展を支えてきた、これはもう間違いないと思うんです。逆に言いますと、その建設については多くの国民も関心を持っています。

 しかしながら、今までの道路公団民営化問題、この数年の論議を見ますと、むだな道路というフレーズがよく出てくるわけですね。むだな道路というのは何なんだろう。むだな道路の建設は中止すべきである、こういうふうに言うんですけれども、地域、地元にとってみますと、むだな道路というのはそうないのではないか。

 これは、予算委員会のときにも質問させていただいた中で御紹介をさせていただきましたが、よく、北海道の道東の道路が、クマの方が多く通る、こういう批判がありました。私も、決算行政監視委員会の委員として、委員会でむだな道路ということで見に行きました。しかしながら、現地の人に聞いてみますと、国道が一本あるだけで、それは、ふだんは、特にこういうこれから春から夏にかけて気候のいいときはすいすい動いておりますけれども、冬になりますと吹雪で通行どめになる。峠を越えていかなければならない。しかし、救急の大きな病院に搬送するときに、その峠を越えなければならない、吹雪のときどうするんだ。そういった問題の中で、地元の方々は、命にかかわる問題として高速道路が必要である、このような主張を現地の方々から伺いました。

 そういった問題の中で、マスコミ等々ではむだな道路はつくるべきでない、またそういったことを主張する方々もいらっしゃいますけれども、地元を初め地方の声を聞いている限り、むだな道路というのは私自身聞いたことはないわけですね。

 具体的に、地元が不要だ、ここはむだです、こういうふうに言っているような道路があるのかどうか、これを明確にお答えいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 高速自動車国道につきましては、平成十五年、昨年の十一月に、今現在未供用の二千キロ七十区間につきまして、整備の必要性、こういう面から、該当する都道府県知事に御意見を伺ったところであります。十一月でございました。

 いずれの知事も、早く整備してほしい、こういう御要望でございまして、特に、有料道路でも無料の道路でも、つまり御自分の、言ってみれば県費で負担してでもという御要望がそのうちの半分近くあった。これは、恐らくいろいろ御判断なさって、数字的にもいろいろなデータを私ども出しておりますので、有料で難しいというふうな方向の場合には、県費負担でもいいから、県費で出してもいいから、こういうところまでそれぞれ御検討いただいて御回答いただいたんだと思っております。そういう意味では、七十区間二千キロについては、地元から、すべて早くやってくれ、こういうことではございました。

 一点申し上げたいのでございますが、例えば本四が非常に、三本もつくってというような御議論があるわけでございます。そういう意味では、本四は採算が非常に厳しいので一兆三千億の債務を自動車重量税でお返しいただくようにつけかえたということでございますが、例えば本四の効用、こういう面から見ますと、一番端的には、実は瀬戸大橋が開通いたしまして、岡山県、香川県の有効求人倍率はその後ずっと全国トップクラスを続けておりまして、雇用の創出効果という面では大変なものがあるということでございますし、費用便益比、こういう形で考えますと、全体で大体一・七ぐらいは出ているんじゃないかというようなこともございます。

 したがいまして、よく御議論があるわけでございますが、採算がとれないからといってむだかどうか、こういうことではない、よく御指摘をいただきます、まさしくそのとおりだろう。定量的に把握し得るという点で、費用便益の定量的な把握の部分だけでも一・〇を超えるかどうかということで、七十区間二千キロをやってみましたら、これはすべて一は超える。ただし、非常に厳しいところは、一に近いところはいろいろな工夫をしながらということで、先ほど申し上げましたように、抜本的見直し区間もつくったわけでございます。そして、さらにほかの区間についても、そういう目で常にチェックしながら、費用対効果、十分に世の中に御説明しながら、さらにそれを大きくしていく努力、これはまたこれで必要なことかと思っております。

高木(陽)委員 今、本四の例も挙げられましたけれども、まさに採算だけではないわけですね。いろいろな効果がある。そこのところをしっかりと見きわめていかなければいけないと思いますし、実際問題、先ほど葉梨委員の御質問にもありました。ある党の方々は、無料というふうに言いながら、委員会等々では道路をつくれと言っている、こういう指摘がございましたので、私も、予算委員会の本年度の第八分科会、これは国土交通省関連、所管の問題ということで、実は、野党の方の質問、これはかなり地元の問題を分科会では取り上げますけれども、このときこんな発言をしています。

 日本を縦断している道路については、国道、高速道路とも利便性を欠くことはございませんが、横断する道路が少ないのではないか、このようなことを痛切に感じております。日本海と太平洋側を横断する道路の整備が進めば、経済の活性化を初め将来の道州制をにらんだ場合、必要不可欠な事業であると認識しております。

 また、ある野党議員は、東九州自動車道を含めました高速道路の未供用区間の整備というものについては、私は、必要な道路は工夫を最大限に行いながら、できる限り整備を進めていく必要があろうというふうに考えています。

 また、ある野党の議員は、道路はまさに国の財産である、そういった観点から、国の責任において今後とも早急にされるべきということを中心でなければならないという思いを私は持っておるんです、このように、だれもが道路をつくれと言っているわけです。

 その一方で、パフォーマンスなんでしょうか、政府案を結構批判しながら、何か道路をつくっちゃいけないみたいな風潮をつくっている。ここのところを、国民の前でしっかりと自分の考えを野党の皆さんも述べながらやっていただきたい、このようにも思います。

 続きまして、民営化でございますから民間企業になる、そういう発想のもとで、やはり株式の問題が出てまいります。本案では、常時政府及び地方公共団体に三分の一以上の株保有率を義務づけておりますけれども、いわゆるこの政府及び地方公共団体に株式の保有を義務づけた理由、これは何か。

 また、その割合を三分の一とした理由、これはどういうことなのか。なぜ三分の一なのか。四分の一じゃないのか、または二分の一じゃないのか、いろいろありますけれども。

 さらに、政府による株式保有により、新会社の経営自主性が実質的に制限される、今後の高速道路建設について国と対等に協議することが困難になるおそれはないだろうか、こういう点についてはどうなのか、お伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 御質問、三点ございました。

 政府や地方公共団体が株式保有を何でするか、こういう点についてが最初でございます。

 高速道路が国民共有の財産、そして高い公共性を有している、これが一つでございます。それから、会社に対する市場の信用力を高めて、低金利での資金調達を可能とする必要があるなどの観点から、保有義務を課すこととしたわけでございます。

 そこで次に、保有の割合でございます。

 会社の民間企業としての自主的な経営判断を阻害しないということが大事である。一方でまた、会社の信用力を確保して、会社の経営の安定性を図る、これもまた両立すべき大事な問題であります。

 そういう意味では、他の特殊会社の例、いろいろ見たりいたしますと、NTTは三分の一以上、それからJT、日本たばこは二分の一以上、JRの場合には株式保有義務はございませんが、これは、株式を売り払って債務の償還に充てるというようなことも考えた上での御措置であったかと。また、民間の鉄道等との並び、こういうこともあろうかと思います。

 そういう意味で、こうした例を見せていただきながら種々議論して、自主性の尊重、信用力の確保、この両面を考えますと、NTT並みの三分の一以上ということが妥当かなということでございました。

 次に、会社と国との関係で対等な協議が大丈夫か、こういう御議論でございました。

 まず一つには、関連事業の認可を廃止いたしまして、事前の届け出でいい、こういうふうにいたしたということであります。そしてまた、サービスエリアやパーキングエリアの事業、これは、本来事業として、届け出も不要とする、こういうことにしたところでございまして、政府の関与はできるだけ小さくなっている。また、仕掛かり中の路線の整備については、協議制ということで、実質的な会社の拒否権があるという形にもなっているというような措置を講ずることとしておりますので、会社の自主性をできる限り尊重したものとなっているということであろうかと思います。

 失礼いたしました。先ほど、JTは現在、法律改正によりまして、二分の一以上が、三分の一超、こういうことになっておるということで、三つ並んでいるという状態になるわけでございます。

高木(陽)委員 今回の法律案で、新会社が新たに道路を建設するとき、民間金融機関から資金調達を行う際に、当分の間、政府による債務保証が可能とされておりますけれども、そうだと思うんですね。

 今まで四十兆の債務を持ってきたこの会社が、財投からお金を借りてやってきたわけですけれども、民間の会社が道路をつくりますよ、では、お金を貸しましょう。それは、家を建てるぐらいなそういう額じゃなくて、規模が違いますから、民間の金融機関としても、いわゆるリスクヘッジをしなきゃいけない、そう考えるのは当然だと思います。

 そういった中での政府保証、これは当然のことだと私は思うんですけれども、その期間、当分の間というふうに見込んでいるようですけれども、どの程度の期間を見込んでいるのか。また、政府保証の割合について、現時点ではどの程度見込んでいるのか。ここのところははっきりした方がいいのではないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

佐藤政府参考人 先生御指摘のように、民営化された会社は、みずからの資産なるものが、これはサービスエリア、パーキングエリア等、あるいはまた料金徴収するための施設、一面から申し上げますと、こうしたことに限定されることになるわけでございます。そうしますと、新しい資金調達という面で申し上げれば、大量の資金を安い金利で安定的に確保できるか、これが大変大事な問題として考えざるを得ない、こういうことであります。そして、そのためには、政府保証ができるという形にしておく必要があるだろうということが検討の結果でございました。

 そこで、どのぐらいの保証期間にするのか、こういうことでございます。

 当分の間という、具体的な時期を決めておるわけでございませんが、今回の民営化の枠組み、そういう意味では、今までに例のない全く新しいものであることと、であるがゆえに、市場に制度が理解されまして会社の評価が安定するまでに一定の期間は必要であろうというふうに考えておりまして、会社の円滑な資金調達が可能となるような市場の評価が安定するまでの最小限の期間として政府の債務保証が可能である、こんな形に考えていきたいと思っております。

 過去の例、他の特殊法人の例を見ますと、JRでは五年間ということでございました。成田空港は当分の間、こういう形になっております。市場の安定状況等を見ながら決めさせていただくけれども、できるだけ短い期間にということもまた必要なことかと思っております。運営しながらの議論、こういうふうに考えております。

 それから、政府保証の割合でございますが、これも他の例を見ますと、中部国際空港は現実の政府保証割合は約三分の一、こうしたことも踏まえながら、しかし、ただ、公団民営化の趣旨、これを考えますと、市場から資金を調達して、規律を持ってということも一方大事な問題でありますから、そういう意味では政府保証の割合というものはできるだけ抑制的にすべきでもあろうというふうに考えております。

 可能であれば政府保証をつけなければ、つけることができることになっていますので、安い金利の資金調達が十分可能であれば、それこそ、必要最小限とはいっても実際はつけなくてもいい、こういう状態が一番望ましいわけではございますが、全く新しい制度、こういうこともありますので、できるだけ抑制的に必要最小限なるものを運用してまいりたいと思っております。

高木(陽)委員 続きまして、料金問題について質問をさせていただきたいと思います。

 公共交通、例えば鉄道ですとか、そのほかバスまたは航空機もそうでありましょうけれども、こういった問題の中で、民間企業ですと、やはり利潤を考える、そういうインセンティブがないと頑張りませんから、しっかりもうけよう、こういう発想になるのは当然だと思うんですね。今回の民営化、まあ、言葉は民営化ですけれども、ここでその経営者、経営陣が、どうしてもそこの部分で、料金を決めていく段階におきまして、利潤を追求する可能性もなきにしもあらずだ。

 しかしながら、道路というものは、先ほどから何度も何度も出てまいりました、公共財としての役割、国民の財産である、こういう発想からいきますと、高速道路料金に利潤が含まれるべきでないと考えておりますけれども、ただ、料金というのが高いか安いか、ここはなかなか、借金を返さなきゃいけませんから、それなりに設定をしていかなければいけない。しかしながら、利用者側から見ますと、もっと安くならないのかな、いろいろと考えるわけですね。

 そういった中で、今後の民営化されるときの高速道路料金に利潤は含まれるべきではないと考えておりますけれども、この点についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。

佐藤政府参考人 道路関係公団の民営化につきましては、約四十兆円に上る債務の確実な返済、これが大事な課題であるということでございます。そのためには、道路の料金収入から管理費を除いた部分を貸付料として、その全額を債務の返済に充てる、これは機構で行うわけでございますが、この場合の料金収入に利潤を入れていいかどうか、こういう御議論であります。

 料金に利潤を上乗せする、例えば三%ぐらいを上乗せする、こうなると、おのずから、最初から、例えば、首都高速の東京圏の料金は今七百円でございますが、三%分乗っけて七百二十円でやっていくのか、こういう御議論になるわけであります。そうでなければ、むしろ、今のそうした部分を余裕があるのなら債務の償還に回せばよろしいわけでございますから、そういう意味では、乗っける分だけ料金が上がるというようなこともあります。

 そういう意味で、債務の完済後も含めまして、国民共有の財産としての高速道路は民間企業の利潤獲得の手段とすべきでない、こんなふうに今回の法案では提出させていただいているところでございます。

高木(陽)委員 もう一つ、今質問の中でも私も触れましたけれども、料金の高いか安いかといった問題で、今回の民営化のメリット、これは料金を安くする、民営化推進委員会でもこれはずっと論議されまして、もっと安くなるんだ、こういう意見が相次いでありました。

 多くの利用者は、民営化されることによって何らかのメリットを享受しなければいけないし、それを期待しているわけですね。その大きな問題が料金の問題だと思うんですけれども、料金の値下げというものが具体的にどのような内容となっているのか、お答えいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 民間のノウハウの発揮によりまして、多様で弾力的な料金設定をする、これも民営化の目的の一つでございます。このために、民営化までの間にも、ETCの活用などによりまして、各種割引によって料金の引き下げを図っていく。かつ、大事なことは、利用の促進にそれをつなげて、逆に減収じゃなくて増収ぐらいに作用すれば、利用者の皆様にとっても私どもにとってもありがたいお話かな、そんなふうに考えております。

 高速自動車国道の料金につきまして、民営化までに平均一割程度、平均でございますが、引き下げに加えて、別納割引の廃止を踏まえて、さらなるいろいろな引き下げを考えたいということであります。

 具体的には、マイレージ割引であるとか、夜間割引であるとか、あるいはまた通勤割引、こうしたことが実施可能なものではないかなと思っておりまして、詳細につきましては今後検討をすることとなりますが、多様で弾力的な料金設定に向けて、夜間割引や長距離割引等の社会実験を今導入しているところでございますし、通勤時間帯等の割引でまいりますと、実は大幅に交通量もふえて、大体四、五割の料金の通勤時間帯の引き下げで、交通量の方も今度は七割増しとか八割増しとかいう形になる、そんなふうな昨年の実験結果は出ております。ことしも社会実験を各地でやりたいと思っております。

 さらに、高速自動車国道につきましては、夜間割引につきまして、ゴールデンウイーク前に実施しようということで、詳細を現在検討している最中でございまして、近く実験内容が定まりましたら発表させていただく、こういうことにしております。

 いずれにしましても、大事なことは、特に高速自動車国道について平均一割引き下げるべし、こういうふうな御意見をまたいただいておるわけでございますが、要は、いろいろな使いやすい割引にさせていただいて、高速自動車国道を使いやすいという形の割引にさせていただいて、結果、減収の方もできるだけ少ない、大いに活用が進む、こういう形の期待をしておるところであります。

高木(陽)委員 今、幾つかの例を挙げられて、料金の値下げの部分についてお話しいただきました。まさに、料金が下がって利用者がふえる、利用者がふえることによって収入がふえる、そして借金を返す、これはいい循環の方にしていかなきゃいけないわけですね。

 ここら辺のところ、社会実験をやって、いろいろとデータもとっているわけでありますけれども、もっと大胆にやってもいいんじゃないかなと思うんですね、社会実験として。

 例えば、よく例に出されるのはアクアライン。アクアライン、高いと。逆に、これが半額になった場合、通行量が倍になればいいわけですね、倍以上になれば、それだけ収入がふえるわけですから。

 ただ、では、できるかというと、もしそれで収入が減った場合にどうするんだ、こういった考え方も出てくるのはあるんだろう。しかしながら、やはり社会実験としてやってもいいんではないか。それで例えば、大胆に割り引いて、通行量が一気にふえる、では、これは成功だったな、それをまたいろいろなところに適用していく、こういった考え方も柔軟に取り入れながらやった方がいいんじゃないか。

 まさに、アクアラインが、本当に、借金をどんと抱えて、なかなか通行量がふえない。だれもが言っているのは、安ければ通るよねと。こういう素朴な利用者側からの反応というものもしっかりと受けとめてやっていただきたい、このようにも思います。

 さて、昨今、高速道路料金を払わないで通行するという不正通行問題、これがクローズアップされている中で、料金を不正に免れることによりまして、会社の経営基盤、これまた厳しくなるわけですね。ほかの利用者はまじめに料金を払って使っている、こういう不公平感もありますので、この不正通行車両に対して厳しい姿勢で臨むべきであるし、これに関してはどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。

佐藤政府参考人 現在、有料道路におきましては、料金所を強行突破したり、無料通行を宣言するなどして、料金を支払うことなく通行する不正通行が多数発生しております。残念ながら、近年は、その件数が数が知れないほどに増大してきております。

 参考までに申し上げますと、平成十四年度でございますが、不正通行車両で逃亡されている台数、不正通行してそのまま逃げられておる台数ということでございますが、日本道路公団では十五・四万台、首都高速道路公団では十・二万台、阪神高速道路公団では十四・六万台、本州四国連絡橋公団〇・二万台で、合計で四十万台でございます。

 このような不正通行は、料金収入の低下にもちろん直結するわけでございますが、有料道路の事業経営に悪影響を与えて、道路整備にも支障を生じさせる。特に、正規の料金を支払っている利用者の皆様に不公平感が生じて、有料道路制度そのものに国民の信頼を揺るがす、こういうような問題もございますので、御指摘のように、不正通行に対しては厳しい姿勢で臨む必要があるだろうと思っております。

 従来、なかなかこの手段がなかった、こういう面もございました。したがいまして、今般の法案におきまして、抜本的な対策としまして、料金所を通る際には車両は一時停止しなければならないなど、料金の徴収を確実に行うため、有料道路事業者が定める通行方法、これはETCの場合にはそのままお通りいただくわけですから、に違反した者に対して刑事罰、三十万以下の罰金、これを科することができるというふうにさせていただいているわけでございまして、こうしたことが不正通行を大幅に減少させるという結果につながるように期待しておるところでございます。

高木(陽)委員 払うべきものを払わない。いわゆる一般の感覚では泥棒なわけですよね。泥棒と同じなわけです。だから、こういった問題を、高速道路の管理者であるこの新会社、今は公団ですけれども、今までこういう問題に対して甘かったんだろうなと。もちろん、警察との連携もとっていかなきゃいけないでしょうし、今回、そういう形で、法律というかしっかりと罰則規定という形になりますけれども、やはり本当に、正直者がばかを見るようなものはいかぬ。普通の人は本当にまじめに、渋滞しようがどうしようが料金を払っているわけです。ところが、この四十万台、やる人間が悪いんですけれども、やはり厳罰に処していく、これも、絶対にこういうことは許されないんだ、こういう風潮というものをつくっていかなければいけない。

 よく、治安の問題で、ニューヨークのジュリアーニ市長の一枚のガラスという話が出ますけれども、やはり、こういう細かい部分かもしれませんけれども、しっかりとやることによって初めて公平感が生まれますし、そしてまた、この道路公団の民営化を含めて、必要な道路はつくろうという、国民も思っているわけですから、こういったものがしっかりとバックアップされるような形にしていただきたい、このように思います。

 さて、債務の返済の問題についてお伺いしたいと思います。

 今回の民営化の大きな目的というのは、四十兆に上る借金をどうするんだ、本当に返せるのか。今までの公団方式、公団の体質、公団の経営体質というか、こういった中では返せないんじゃないか、借金だけが雪だるま式に残って、そしてそのツケが国民に回ってくるんじゃないか、こういった批判の中で、今回は、この四十兆円にも上る債務を国民の負担としないんだ、絶対に返すんだ、こういうようなことを明確に決意をして、この法律というのができてきていると思うんです。

 この債務というのは、四十五年で確実に返済できるというふうに法律的には書いてありますけれども、本当に可能なのか、今までだって結局返せていないじゃないか、雪だるま式だったじゃないか。でも、今後、民営化されたことによって本当に返るのかどうか、こういう部分に対してまだまだ不信感を持っている人たちも多いと思うんです。この点についてお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 約四十兆円に上る債務を確実に返済すること、これは今回の改革の目的の一つでありまして、今回提出した民営化法案におきましても、債務の返済期限を民営化後四十五年以内に法定する、これ以上の先送りは認めない。また、国からの一方的命令の枠組みを廃止するなど、会社の自主性尊重のための仕組みを導入することなどを明確にしております。

 これとあわせまして、具体的にと、こういう議論でございますが、高速自動車国道につきましては、厳格な事業評価を行うとともに、コストを大幅に縮減する。そして、整備計画の未供用区間二千キロについて、従来、二十兆円かかるであろうという積算をしておりましたが、これを、コスト縮減、それから直轄への移行、こういう形で、有料道路事業として取り組む対象事業費は十・五兆円を逆に言いますと超えないようにする、最大限にする、約半減をするんだ、こういうことも政府・与党申し合わせでお決めいただいたわけであります。

 さらに、建設資金を市場から調達するということで、市場規律を導入しながら、経営を考えながら整備を進めるということだと思います。

 それから、高速国道の債務総額については上限を設ける。これは具体的には、民営化後は高速自動車国道の債務総額はふやさない、そういう意味で、高速自動車国道につきましては、プライマリーバランスをとるということであります。

 それから、会社が新たに建設する高速道路の債務は、その会社のそれぞれの料金収入から貸付料という形で返していくということを基本とするというような措置を講ずるということにしているわけでございまして、これらによりまして、債務を四十五年以内に確実に返済できるということだと思っております。

 具体的に、債務返済の詳細な内容、これは、機構、新会社が発足後に、機構の業務実施計画の中で示される収支予算の明細で明らかになるわけであります。したがって、現段階において国土交通省として確定的な内容をお示しするということは難しいといいますか、逆に言いますと、確定的なものはまだ出し得ない、こういうことでありますが、しかしながら、いろいろな試算はしてみることができるということであります。

 一つの試算の例といたしまして、先ほど申し上げましたように、高速自動車国道は、有料道路事業対象としては最大十・五兆円、こうしたことをベースに、今後の平成十五年度以降の建設投資を四公団合計で総額おおむね十三兆円というような条件。

 それから、対十四年度予算に対しまして管理費は三割削減する、こういうことで取り組んでおります。

 それから、料金収入を十六年度の予算をベースにして、将来の交通量フレーム、これもかなり厳しく見ておるわけでございますが、これは民営化推進委員会等の議論の中で、しっかりと厳しく見るべきだというようなことで、いろいろな検討をした上で厳しい予測、こうした将来交通量のフレームを考えていく。

 さらに、将来の金利を物価やGDP等の経済情勢が比較的安定している過去十五年程度の平均値、これが大体四%でございます。十五年間ですと、調達金利自体は三・六ぐらいになろうかと思いますが、これが四%ぐらい。

 そんなふうな条件を置いて、四公団一本のものとして試算をしてみる、こうしたようなこともやってみますと、四十五年で十分償還できる、こんなふうな試算もございます。

 詳細につきまして、御審議にいろいろ参考にということで、説明資料につきまして詳細にお示しできるように今準備を進めているところでございます。

高木(陽)委員 四十五年で返すということ、これが結局できなければ、この民営化というのは何だったんだ、こういう話にもなりますし、ただ、どうしても、今までの経過を見ますと、やはり不信感というのはそう簡単にぬぐえないんだろうな、こんなふうにも思います。

 ただ、今後の高速道路事業というのは、新会社と機構との協定を締結する、また機構による業務実施計画の作成をする、また国による業務実施計画の認可という順序、こうやって進められていくわけですね。

 新会社と機構及び国の三つの機関のもとにこの事業というのは進められていくんですけれども、事業によって生じた債務、これが予定どおり完済できればいいんですけれども、責任の所在、国なのか機構なのか新会社なのか、そういう不明確さが逆に懸念されているんじゃないかというふうに考えているんです。

 債務が完済できなかった場合、会社、機構及び国、それぞれどうやって責任を負うんだ、ここのところをはっきりさせておいた方がいいんじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

佐藤政府参考人 先ほども申し上げましたように、いろいろな試算のもとでは、四十五年以内に適切に運営しながら返済できるであろう、こういうことではあります。

 しかしながら、先生の御指摘は、それでも万一、こういう場合のお話かと思います。

 そういう意味では、先ほど申し上げましたように、予測にはいろいろな前提条件がつきます。それから、具体的には、機構と会社が話し合って最終的に協定を結ぶ、こういう形までは確定的なものが出ないわけでございますが、それが、その前提として申し上げれば、先ほど申し上げましたようないろいろな条件が大幅に違うことがあり得るか、生じ得るかということが一つのまたポイントであろうかと思います。

 例えば、大幅な金利上昇であるとか、あるいはまた大災害などというような不測の事態が生ずることが十分あり得るし、また、そのほかでも、いろいろな設定条件が大幅に違うというものが出てくる可能性がないわけではないということだと思います。少なくとも、建設投資の額は、既に、総額で言えば、四公団合計で十三兆円を超えないという形になろうかと思います。

 しかしながら、そうした自然条件等の、あるいはまた金利等の大幅な変動、こういうことがあり得るということでございますので、本州四国連絡道路やアクアラインにおいて、経済の状況が変化する中で、事業の見直し等が必ずしも適切に行われなかったんではないか、こうした御指摘もいただいているわけでございます。

 こういったことを教訓といたしまして、四十五年以内の完済のために、これは国がまず責任を持って、適時適切に必要な事業の見直しを行う、こういうことを指導してまいる。そして、機構と会社も、それぞれの役割に応じて適切な見直しを行う、これをしっかりとそれぞれが役割分担して、大事な経営の安定、返済を四十五年で確実にする、これを力を合わせてやっていくということだと思います。

高木(陽)委員 第一義的には、この全体を見通せる、また、いろいろな状況をしっかり把握できる、国がまず第一義的にその責任をしっかりと持っていく、それは必要だと思います。

 一方、民間会社になりますから、この責任をしっかり持たせていくということも大切だと思うんですね。これは、責任がないとなりますと、今までの公団と同じように、雪だるま方式でどんどん垂れ流してしまう。それをさせないために民営化するんだ、責任をしっかり持つんだ、こういったものをやはり認識させていかないといけないのではないかな、このようにも思います。

 また、これからの審議を通じながら、そういった点もしっかりと論議を尽くして、この法律が成立した後、その新会社ができたときに、その経営陣の人たちにそういった問題を認識させていっていただきたいな、このようにも思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

赤羽委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

赤羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 再開に先立ち、民主党・無所属クラブ所属委員に御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 質疑を続行いたします。中野正志君。

中野(正)委員 自由民主党の中野正志でございます。

 石原国土交通大臣を初め、参考人に数点お伺いをさせていただきたいと存じます。

 道路公団民営化法案、今日まで私どもも党内で活発な議論を展開いたしてまいりました。もちろん、国会内外でも種々の議論が交わされてはおります。一部、私からすると心ない批判だとは思うのでありますけれども、形ばかりの民営化という批判もありますけれども、二十一世紀、日本のために大いなる前進の改革だ、私はそう確信をいたしております。生みの親たる国がしっかりはぐくんでいく、自主、自立を見守っていく、余計な口は出さない、こういうことが大事だろうと思うのであります。

 それにつけましても、民営化ということで思い出されますのは、先ほど来議論がありました国鉄分割・民営化のあの大事業でありました。

 今、JRはスタートして十七年。十八、九年前でありますけれども、今は国会を勇退されました三塚博元大蔵大臣、運輸大臣、私は、言ってみれば禄をはんだ一人でございまして、当時、県議会議員。本当に国会議員というのはすごいものだ。あの三塚さんが、若手、中堅の国会議員を糾合いたしまして、本当に高い志を持ち、また使命感を持ち、そして勇気を奮って、いかなおどかしにも屈することなく国鉄改革をやり遂げた。あのときに、夜お戻りいただきますたびに御自宅に参りまして、言ってみればガードマンをしておったのでありますけれども、夜中の二時、三時、やみ夜のときもあるぞと大変おどかしを一部の方々からいただいたことをまざまざと思い起こすのであります。

 当時、旧国鉄でありますけれども、毎年二兆円近い赤字を生んでおりまして、まさに経営破綻状態でありました。この国鉄を何としても民営化させて、明確な経営責任のもとで再生させることが日本の将来のためなのだ、そう考えた三塚さんでありました。

 今、私たちも思い起こしますと、あの国鉄改革がなければ、平成十年の段階、私たちの認識では五十兆円近い長期債務が残っていただろう。今このときに考えますと、もう天文学的な数字だな、あるいはもう旧国鉄というのは経営破綻してなくなってしまっているな、そんな思いも実はあるのであります。

 以来、国鉄分割・民営化もいろいろな道のりがありました。つい先日に調べたところでは、現在、JR本州三社、国税、地方税合わせて三千八百二十九億円の納税だというのでありますから、すごいなと感じております。

 あの当時、六千億円も七千億円も国庫補助をいただいておりました旧国鉄でありますから、行って来いで考えますと約一兆円、民営化のなせるわざの成功例の一つであろうな、率直に思うのであります。JRの経営陣、社員、心一つにして懸命の努力をされてきた、生産性も向上してきた、また何よりも国民の皆様に喜ばれるJRということになった、そんなこんながあるのであろうと思います。

 それにしても、この今回の道路公団民営化、性格は先ほど来の議論のとおり違いますけれども、ぜひ成功するものであってほしい、念願をいたしておるところでもあります。

 また、道路ファミリー企業の問題を初め、種々のいろいろな批判、指摘事項もあるところでありますけれども、先ほど来の議論を聞いていますと、しっかりとクリアできるな、とにかく民間にできることは民間にゆだねるという基本のもとで、債務の確実な返済と、そして真に必要な道路を会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担のもとで建設をするのだ、また民間ノウハウ発揮で料金を下げてサービスも向上させる、こういう道路公団民営化の事業でなければならないと個人的に考えるところでもあります。

 はてさて、質問に移りますけれども、きょうは、大変残念でありますけれども、民主党の皆さんが出席をいたしておりません。私は、民主党がいわゆる去年の衆議院選挙でマニフェストとして出された高速道路料金無料化、この問題について率直に批判をさせていただきたいと思います。

 日本道路公団と本四公団を廃止し、三年以内に大都市を除いて無料にする、言ってみれば、この民主党の訴えが大都市圏では大変に多くの皆さんの胸に響いたようであります。私たちもいろいろ反論を試みたのでありますけれども、何せ何せ、マスコミさんも無料化、無料化、無料化ということで書き立てていただきましたので、大変厳しい戦いを強いられたな、率直に自戒もしながら、恨み言葉ではありませんけれども、あえて批判をいたしたいと思うのであります。

 いずれにしても、もし廃止したらその借金をだれが払うのか、これは大きな問題であります。当時、民主党は、九兆円の道路予算から年二兆円を返済に充てるといたしておりました。また、道路特定財源のうち三兆円を一般財源化するということを言っておりました。しかし、御存じのように、九兆円のうち四兆円は地方自治体分、地方政府分であります。ですから、トータルをしますと残りはゼロ。言ってみれば、国道整備も、あるいはあかずの踏切の解消も、一切の道路整備もできないということになるのであります。

 高速道路無料のイメージが先行して、こういった数字を国民の皆様に示しても、申し上げましたように、理解されず、本当に厳しい選挙であったなと思うのであります。

 私からすれば、全く現実性がない、無責任公約でしかない、にもかかわらず、まこと摩訶不思議だとしか言いようがないところであります。

 先ほど、高木議員の質問にもありましたけれども、民主党議員の中で、ちょっと調べました、平成十五年度、開通式など出席者国会議員一覧表であります。ちなみに、これは道路公団のみであります。

 自民党、衆議院三十一人、参議院十四人、四十五人の出席であります。公明党、衆議院二人、参議院一人、合計三人であります。大都市圏、どうしても開通の場所は除きますから、そうなるのかもしれません。ちなみに、民主党、衆議院十四人、参議院八人、こういう格好になっておりまして、二十二人であります。

 先ほどの高木議員の指摘でありませんけれども、地元ではこういった高速道路開通、高速道路建設については大変な理解を持った民主党議員が多いはずなのでありますけれども、なぜかこの国会に参りますと、あの本会議場でも、もうむだな高速道路はつくるな、高速道路建設反対だ、民主党の議員の人たちが騒いでおります姿を見ますと、本当に、地元と国会のことで全く違った姿勢なんだなとつくづく感じるところであります。

 ちなみに、近々漏れ伝わってきます民主党案、去年のマニフェストとは若干差異があるようでありますけれども、問題点を指摘いたし、石原国土交通大臣、大臣として、政治家として、ぜひ御所見をお伺いいたしたいと思うのであります。

 もともと民主党案は、高速道路の債務返済、料金収入ではなく税金で捻出ということであります。まあ、いずれ無料化という点では、政府案と同じというところもありますけれども、債務償還の考え方に大きな違いがある。政府案は、いずれにしても利用者の料金で返済をする、受益者負担なのだ。また、民主党案は、高速道路利用者から高速道路を使わない人、高速道路がない地域の人にも負担を拡大するものだ、そういう意味では不公平だと思うのであります。

 ちなみに、週一回以上利用されるヘビーユーザーでありますけれども、今七千五百万人のうち六百万人、約八・五%という数字が示されます。

 そして、有料制が継続される、例えばこういった大都市東京だとかあるいは阪神、そういった地域との境界付近で高速道路からおりた車、それにより一般道路の渋滞あるいは環境問題の発生、これも懸念をされるところであります。

 同時に、大都市の利用者というのは、そういう意味では料金と税金の二重負担ということで、これまた不公平の感を禁じ得ないものでありますけれども、大臣、どうお考えでありましょうか。

 民主党は、我々の反論に一部修正を加えられたと思いますけれども、数字でいいますと、道路関係直轄予算一・七兆円は現在の規模を維持すると言っております。そこから、無料化された高速道路の維持管理、一般国道の直轄事業の維持管理を先取りしますと、〇・九兆円しか残らないという計算になります。そういたしますと、不可欠な新たな道路の建設でありますとか、あるいは一般国道の整備でありますとか、あるいはまた電線の地中化などは、全くもって困難になるということになるのであります。

 同時に、民主党案のとおり、直轄関係予算四兆円、これを三割削減だということになれば、残りの二・八兆円で道路、空港などの直轄関係予算をすべて賄う必要が出てまいります。申しましたように、直轄道路関係予算一・七兆円を維持するということであれば、道路以外の事業では約五割の削減ということになります。言ってみれば、国民や地域のニーズにこたえられるのか、この数字では現実性に大変疑問を持っておる一人なのであります。

 そういう意味で、すべからく公共事業予算において現実性に乏しい民主党のこの削減、とにかく整理を行いつつ、公団債務返済財源を一般会計に広く求めるというこの民主党案は、私は、実現性に大きな疑問を持つのであります。

 なおかつ、先ほど来もありましたけれども、民主党案では、債務は六十年返済、政府案四十五年より債務返済を先送りするもので、十五年以上長期化するということであれば、返済の不確実性というものがさらに増大をするという懸念もあると思います。

 そういう意味で、大臣として、この民主党案、批判をるる申し上げてまいりましたけれども、いかにお感じになっておられるか、率直にお伺いをいたしておきたいところであります。

石原国務大臣 きょうは、残念ですが、民主党の方がいらっしゃいませんが、今、中野委員が御指摘されましたような点につきましても、実は、予算委員会で民主党の枝野政調会長との議論の中で、私も疑問について表明させていただきました。

 今、中野委員がおっしゃられたことは、私も全部そのとおりだと思います。六十年で返すということは、税金で返す。ですから、四十五年で返すよりも十五年長いわけですから、その蓋然性からいって不確実性は高まるというのは、これは小学生でもわかることだと思います。

 それと、今委員は、東京あるいは阪神、この二つでは渋滞が発生するといったような環境問題の御言及もございましたが、私も、住んでいるところがちょうど中央高速、東名高速、非常に近いもので、やはり首都高が大変込みますので、そこでおりる車が多いんですね。そうしますと、環状道路の渋滞というのはここ年々高まっているということを肌で実感しております。ですから、これがさらに東名、中央がただになって、環状道路、都心の首都高等々が有料であれば、当然そこで車はおりますので、今よりもこの住環境というものは悪化するということを肌で感じるわけでございます。

 それと、ヘビーユーザーの話を中野委員御指摘されましたが、ヘビーユーザーもさることながら、高速道路が通過する市町村というのは、三千市町村のうち九百十六しかないわけでございます。このうちの四割に当たる三百六十三の市町村にはインターチェンジがない、こういう御不満も大変聞きますので、この十六年度からは、スマートインター、サービスエリアとかパーキングエリアで、その地元の方に手を挙げていただいて、よし、うちでつくってみようという御要望があれば、社会的実験として、インターチェンジをふやすということをさせていただくことを考えておりますが、それにしても、この現状を考え合わせますと、ないところの方々に負担をしていただくということで、そこで暮らす方々の御理解を得られるのかということは疑問が残ると思います。

 また、予算案についての御言及もありましたが、まさに、私、委員の御指摘のとおりで、直轄予算の四兆円の三割を切って、さらに直轄道路予算の一・七兆をそのままにしておくといったら、では、その後の河川とかあるいは港湾とか空港とか、社会資本の整備は半分以下になってしまって、本当にそれでいいのか。

 そういうところの、数字の上では可能性はあるように見えますけれども、現実問題では、先ほど開通式の話をされましたけれども、日本全国には港湾もありますし、空港もありますし、河川もあるわけですから、そういうものの整備を本当に削ってでもこの形でやろうという方が本当にいらっしゃるのかといったような疑問がついて回るんだと思います。

 結論的に申しますと、やはり実現可能性ということで、私どもが用意させていただいた案とは雲泥の差があるのではないかと認識をしているところでございます。

中野(正)委員 石原大臣から、民主党案についての見解をお伺いいたしましたが、共通の認識であるということを確認できて心強い限りであります。

 ちなみに、また無料化案に対しては、民営化推進委員会の猪瀬直樹氏も、まやかしであると切り捨てております。

 紹介をいたしますが、結局、高速道路無料化論とは、高級レストランで食事をしたら、レジで料金は要りませんと言われたが、自宅に帰ったら請求書が届いた。しかも、自分のうちだけはでなく、向こう三軒両隣を含めて十軒分に対して、そういう荒唐無稽な話なのだ、こう言われております。なるほど、わかりやすい比喩だなと思います。

 そして、同じく推進委員会の、余り好きじゃありませんが、田中一昭氏は、長期国債による借りかえ案に反論して、こう申し上げられております。

 それで、だれが損をするかを冷静に考える必要がある。国債という形でツケ回しをされる国民だけでなく、財投資金の原資となっている郵便貯金などの預金者も被害を受ける。財投資金は一定金利で運用しているため、借りかえはその約束をほごにすることだと指摘し、受益者負担が当然であるとの考えを示して、無料化案は否定をいたしております。

 それにしても、道路局長さん、民主党案と比べて政府案はどのようなメリットがあると言えるのか。国民、傍聴席も注視の中で、ぜひわかりやすく、詳しく御説明をいただきたいものだと思うのであります。

佐藤政府参考人 今般の改革の目的をまず改めて申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、四十兆円に上る債務を確実に返済すること。それから、真に必要な道路につきましては、会社の自主性を尊重しつつ、できるだけ少ない国民負担のもとで建設すること。民間ノウハウの発揮によって多様なサービスを提供すること。こういうことであります。

 民主党の御提案につきましては、租税に債務返済の財源を求めよう、先生御指摘の内容であるわけでございまして、料金で返済しよう、こうした前提としている既存債務について、受益とは無関係に広く国民一般の負担に切りかえるということは、最小の国民負担、公平性、こういう観点から、国民の理解が得られないのではないか、御指摘のとおりだと思っております。

 政府案につきましては、できるだけ少ない国民負担で必要な高速道路を速やかに建設する、この観点を含めて、有料道路として整備になじむものにつきましては引き続き有料道路制度を活用させていただいて整備を進めること、あわせまして、国と地方がお互いに努力し負担し合って、直轄方式という形で組み合わせて、ともに努力して整備する、こういうことであります。

 この有料道路方式と直轄方式の併用、こういう形で、債務の確実な返済と必要な高速道路の建設に際しての国民負担の最小化さらに公平性、こういうような観点を総合的に踏まえたバランスのとれたお願いを申し上げていると思っております。

中野(正)委員 ぜひ、そのとおりのことで、国民の皆様になおPRをしなければならない、私たちも啓蒙していかなければならない、改めて感じるところであります。

 はてさて、民営化委員会の意見書では、「多くの不採算路線の建設はいずれも密室で作成された非科学的で無責任な需要予測と高コストの建設費がもたらした。」とあるのでありますね。

 私、読んでびっくりしました。高速国道の路線というのは、国幹道法やあるいは整備計画で厳正に選定され、整備されてきたはずであります。私は、国会議員として、このような認識であるということは正直看過できません。

 これについて、政府側の見解を伺いたいと思います。

 ちなみに、民営化委員会の田中氏でございますけれども、今度は率直に批判をいたします。氏はその著作の中で、道路公団や公共事業などの改革を妨げているのが、公共事業を利用して利益誘導を図る国会議員たちの存在だとこきおろしてくだすっておるのであります。

 これまた、私は国会議員として大いに反発いたします。納得できません、冗談ではありませんよという気持ちなのであります。

 ちなみに、鳥取県知事の片山善博氏の弁でありますけれども、高速道路計画の凍結は国家の責任放棄だ。そもそも、国土に高速道路による高速交通体系を整備するのは中央政府の役割である。我が国では、専ら道路公団が高速道路整備の機能を果たしてきたが、公団はあくまでも中央政府の果たすべき役割を実現するための手段として設立されたにすぎない。この手段としてつくられた公団が非効率な組織になったからといって、本来の目的である高速道路の建設をやめてしまおうとか、公団の担える範囲内でのみ建設し、管理しようとする議論は、全く本末転倒と言わざるを得ない。非効率な組織は、政府の手で効率的なものに改編し、国家としてなすべきことは、やはり国家が責任を持たなければならない。民営化という美名のもとに、国家としての責任を放棄してはならないのである。

 高速道路をめぐる本末転倒の議論を敷衍すれば、外務省が腐敗し、いかにも非効率で無能な組織になったので、もう我が国の外交はやめてしまおうとか、外務省の能力の範囲内でのみ外交をやっていくということになろう。これは、いかにもこっけいであるが、このこっけいさは現在の公団改革と高速道路建設の議論にも通じるのである。こう鳥取県の片山知事は喝破されておるのであります。

 同じように、我が宮城県の浅野知事、高知県の橋本知事あるいは岐阜県の梶原知事などなど、全国の知事、市町村長さんが高速道路の有用性、必要性を訴えていることは、御存じをいただくとおりであります。

 片山知事の論に、私自身、全面的には賛同し得ないとしても、田中委員の表現には全く怒りを禁じ得ないのであります。

 ひとり言で言えば、そもそもこういう人を委員に選んだことも問題ではなかったのかなと、あえて申し上げておきたいと思うのであります。

 先ほどの質問、長くなりましたけれども、回答をお願い申し上げます。

佐藤政府参考人 民営化委員会の意見書におきまして、アクアライン、本四のほか「多くの不採算路線」、こういう表現で、これらは「密室で作成された非科学的で無責任な需要予測と高コストの建設費がもたらした。」こう記述されてある、これはおかしいのではないか、こういう御指摘でございました。

 アクアラインや本四については、いずれも交通量が予測を大きく下回って、なおかつ建設費が当初計画を大きく上回った、採算が極めて厳しい状況にある、これは事実でございます。

 この両プロジェクトにおける交通需要予測や調査、設計、工事に用いられた技術は、当時としては最新の科学的知見をもって行われたものであります。しかし、いずれもそれが我が国初の海洋の横断プロジェクトであった、こういうことから、従来海峡を挟んで経済的つながりの希薄だった地域間を連絡する路線の交通需要予測が困難であったということのほかに、バブル崩壊という急速な景気低迷に遭遇した前例がなく、計画されていた地域開発の多くがとんざした、こういう事実がございます。

 それから、速い海流と多くの船舶の交通する海峡上での工事や、海底地質などの調査結果に基づく想定を超えた軟弱な地質の出現、あるいはまた湧水に対する早期安定のための工法の変更を行ったことなどによりまして、交通需要や建設費に残念ながら大きな狂いが生じたということでございます。

 一方、いかにも交通需要予測がおかしいのではないかという御指摘そのものにつきましては、もう一つ申し上げたいと思うのでございますが、全国的な交通需要予測につきましては、近年はおおむね予測と実績は一致しておりまして、非科学的で無責任な需要予測を作成した、している、こういうことはございません。

 ちなみに、申し上げますと、五カ年計画ごとに全国的な交通量調査を実施し、それに基づいて人口、経済状況等の予測も含めて将来の交通需要を予測してきている、こういうことでございますが、この推計値と実績値、これを比較してみますと、五カ年計画単位で申し上げれば、五計ごとの予測の推計値が実績値を上回ったもの、これが八次と九次と十次でございます。

 需要予測の推計値と実績値がおおむね一致しているもの、これが近年、十一次、十二次はおおむね一致しております。

 それから、需要予測の推計値を実績値が下回ったものは五カ年単位で申し上げますと一例だけございまして、第七次の五カ年でございました。これは、例のオイルショックといったような大きな社会経済情勢の変化がございまして推計値を実績値が下回ったということでございまして、おおむねは推計値を実績値が上回るかあるいは同等か、こういうことでございます。

 そういう意味では、できるだけの科学的な知見、定量的なデータ、これを用いて客観的に推計させていただいている、それが現実にほぼ合っている、こういうのが実績であるということは強調させていただきたいと思います。

 大きな経済状況の変化、オイルショックあるいはバブルの崩壊、これはなかなか予測しがたい部分もございますので、あえて申し上げれば、そうしたことを踏まえると、適時適切に見直しながら事業をやっていく、これが大事なことだというのが教訓として私どもが大事にすべき問題だろうと思っております。

中野(正)委員 反省の弁もございましたけれども、もちろん自信を持ってやり遂げていただく、また、一部当然ながら正さなければならないことは正すという基本姿勢でこれからもお取り組みをいただきたいと思うのであります。

 民営化委員会意見書と今回の民営化の枠組みとの関係について、佐藤政務官、いかに考えられておりますか。意見書との相違点、これはどのような考え方によるものか、ひとつ所見をお伺いいたしておきたいと思います。

    〔委員長退席、今村委員長代理着席〕

佐藤大臣政務官 中野委員の御質問にお答えをいたします。

 今般の公団民営化につきましては、民営化委員会の意見書の主要項目の大半を、大半というのは、具体的に申しますと大きく二点を除いて実現をいたしまして、そういう意味でいいますと、当初のお約束でございます民営化委員会の意見を基本的に尊重したものである、そのように基本的に我々は考えておるところでございます。

 具体的に違う点は後で申し述べますといたしまして、どういうところを具体的に実現したのかというのを最初に申し上げますと、全部言っておりますとこれは大変な数になるので時間がございませんけれども、例えば、整備計画区間のうち未供用区間について費用便益分析等を厳しく実施して抜本的見直し区間というものを設定した。これは、具体的には五区間百四十三キロを具体的に見直すということを設定いたしました。

 さらには、コスト縮減ということも言われておりましたけれども、これについても、コスト縮減等によって有料道路事業を当初より、当初は二十兆円と言われていましたものを十・五兆円というふうにほぼ半減をいたしましたし、さらに、債務については、民営化時点の債務総額を上回らずに民営化後四十五年以内に完済するということも今回のスキームとなっておりますし、さらに、競争原理を導入するためにJH、日本道路公団を三分割するということも実現する運びとなりました。

 さらに、民営化までに平均一割を超える高速国道料金の引き下げというものも行われる方向になっておりますので、そういう意味でいうと、民営化委員会の意見書のほとんどを実現しているわけでございます。

 違いは大きく二つあると言いましたけれども、それは、会社による道路資産の保有というもの、これを民営化委員会は言われていました。もう一つは、料金に利潤を含めるということも民営化委員会は言われておりましたが、この二点については今回の民営化法案では不採用とさせていただきました。

 その理由を簡潔に述べさせていただきますと、会社による道路資産の保有については、一つは、道路がそもそも無料自由通行が原則の、極めて公共性が高く、私有になじまない国民の共有財産であるということが一点でございます。

 二点目は、完全私有化また永久有料化については、地方公共団体の中でもそういうものを支持する意見が全くなかったということですね。

 具体的に数字を申し上げますと、支持ゼロ、不支持四十三というように、明確にそういう数字となってあらわれておりますし、さらに、民営化先進国のイタリアであるとかフランスも含めまして、そういう完全私有化、永久有料化の国というのは今のところ一切ない。そういうことから、この道路資産の保有を会社にさせるということは我々は不採用としたということでございます。

 大きく二点目の違いでございます料金に利潤を含めるということを不採用としたことは、一つは、道路料金に利潤を上乗せするということになれば料金の引き上げにつながりまして、会社の利益にはなりますけれども、国民の不利益になる、そういう点から不採用といたしました。

 二点目には、利潤が得られるだけの料金収入があるのであるならば、その前に債務の早期返済であるとか料金引き下げに逆に充てるべきである、そういう考え方でございます。

 三点目は、高速道路というのは典型的なそういう国民共有の財産でございますので、債務完済後も民間企業の利潤獲得の手段とすべきではない、そういう考え方でございます。

 四点目は、先ほど一点目のときにも申し上げましたが、地方公共団体の意見でも、ほとんどがそういう利潤を上乗せするという考え方は不支持であった。具体的に申し上げますと、不支持の地方公共団体が三十九、支持するというのはたった一つ。

 そういうことからそういう相違点が出てきたということを御理解いただきたいと思います。

中野(正)委員 佐藤政務官、つまびらかに御説明をいただきました。ありがとうございます。

 まさにそのとおりでありまして、本会議でも、高速道路無料化案を主張いたします民主党の皆さんが、民営化委員会の意見書のとおりに今回の法案をつくらないのはおかしいということで大分批判をされておりました。

 とんでもありません。民営化推進委員会は意見書であります。最終的に国民の皆さんに対して、あるいは地方政府に対しても責任を持たなければなりませんのは、まさに政治なんであります。

 そういう意味で、私は、政治が最終決定をする、なればこそ、国民の皆様に、私たちも含めてまだまだPRが足りない、正しい理解をお持ちいただくまでになっていない、そこを自己反省しながらこれからもしっかり努めていかなければならないな、そんな気持ちでおります。

 はてさて、次には林副大臣にお願いをいたします。

 道路公団改革の目的である約四十兆円に上る債務、これを確実に返済しつつ、さらに、先ほど申し上げましたように、必要な高速道路をできるだけ安い国民負担で整備していくということを両立させるため、今般の民営化、どんな陣立てといいますか、用意立てをされたのか、御披瀝をいただいておきたいと思います。

林副大臣 御案内のように、今後の高速道路の整備につきましては、厳格な事業評価の結果を踏まえて、有料道路方式と新直轄方式の二つの手法を適切に組み合わせして着実に整備することといたしました。

 また、債務の返済につきましては、まず第一点目として債務返済期限を民営化後四十五年といたしました。

 そして、二点目としては会社の自主性の尊重を仕組みました。その例として、仕掛け中路線に係る複数協議制、あるいは正当な理由がある場合、会社の実質的拒否権、そして新規着手路線に係る申請方式等々でございます。

 さらに、三点目といたしましてはコスト縮減でございます。もう答弁しておりますように、二十兆円の事業費を約半分の十・五兆円にするということもございますし、運用によって債務残高上限を設定いたしました。五番目には、建設資金の市場からの自己調達による市場規律の導入でございます。

 これらによって四十五年で確実に返済できる仕組みとしているところでございます。

 このように、約四十兆円に上る債務を確実に返済しつつ、必要な高速道路を着実に整備することを可能とする新しい仕組みを構築しているところでございます。

中野(正)委員 ありがとうございました。

 きのうの二階議員の質問でも触れられておりましたけれども、今アジア諸国、大変な勢いで高速道路網の整備を進めておりまして、先ほどもお話がありましたけれども、中国に見られるとおり、国力の向上に努めております。

 そんな中で、とりわけ中国とシンガポールが高速道路で結ばれるようになるということでありますから、本当にすごいことだな。ちょっと調べますと、バンコクからシンガポールまでは高速道路で行ける。そして今、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアそして中国、何よりも中国がASEAN対象にして、とりわけメコン川の流域開発も当然ながら視野に入れて、経済統合という形で、目に見える形で進んでいる。大変な脅威だなとある意味思います。

 いずれにしても、そんな中で、また中国は鉄道でも同様の形をとっております。昆明からベトナム・ハイフォン港、あるいは昆明からバンコク、あるいは昆明からミャンマー、インド線と言われる整備の構想もあります。

 中国がそういう意味でインフラ整備あるいは経済協力に力を入れている。あえて個人的に言えば、何で日本が中国に対してODA支援する必要があるのかという思いも禁じ得ませんけれども、いずれにしましても、そういった中国の戦略、これはやはり私たちも国会議員として重大関心を持つ。

 そういう意味で、いずれにしても、今アジアの経済のリーダーとしての私たちの日本、国際競争力強化という観点からも、高速道路網の整備というのはやはり大変重要なことだと考えておりますけれども、最後に石原大臣、この中国の戦略にもお触れをいただきながら、ひとつ御所見をお伺いいたしておきたいと思います。

石原国務大臣 ただいま委員が中国並びにASEAN諸国、タイ等々を例に出されまして、高速道路のインフラ整備に支えられた経済発展についての御意見の御開陳がございましたが、一方我が国は、比較をしますと、もう環状道路で見ると悲惨でございます。都市で比較させていただきますが、ロンドン一〇〇といたしますと、北京八二、バンコク七九、我が東京は二三、こういうところにも大きく立ちおくれておりますし、あとは、インターチェンジから十分以内に到達が可能な拠点空港、港湾の割合ですけれども、これも、アメリカの九一%、ヨーロッパの八四%に対しまして、日本は五九%。

 これからの整備ですけれども、費用対効果、採算性、外部効果で構成される客観的な評価基準をつくりまして、不公平のないように、自分たちの置かれている位置がどの程度なのかということをしっかりと認識していただいて、選択と集中によりましてコストの削減を図りつつスピードアップに努めてまいりたいと考えております。

中野(正)委員 まさに石原大臣のとおりであります。

 ともあれ、今回の道路公団民営化法案、私たちからすれば、今私たちの選択し得るベストな法案だということで、国民の皆様にもさらに理解を求めながら、また、申し上げましたように、PRをしながら、そしてやがて、やはり道路公団民営化されてよかった、しっかり私たち国民にもいい果実が得られるのだ、そういうあかしをだんだんと進めてまいりたいと思います。

 ともどもの努力を誓い合って質問を終わります。ありがとうございました。

今村委員長代理 江藤拓君。

江藤委員 江藤拓でございます。

 私の田舎は宮崎県でございまして、御存じのとおり私のおやじは江藤隆美でございますけれども、きょうはちょっと、民主党をまねたわけではありませんが、プレートをつくってまいりました。いかに宮崎県が恵まれていないかということを委員の皆様方にもう一度御認識をいただきたい。特に、担当御当局、大臣にもう一度御認識をいただきたいと思います。

 これが、赤線が現在供用を開始しております高速道路であります。私の地元はここであります。何にもありません。何にも、何にもないんです。何にもありません。

 私たちがしかし、それでは高速道路の運動をしなかったのかというと、決してそういうことではありません。私のおやじが県会議員の時代から高速道路期成同盟会というのはありました。ですから四十五年はさかのぼります。ですから、宮崎県民は四十五年の長きにわたって待っておりました。そして、ようやく順番が回ってきたな、よかったなと思ったら、この民営化という話になりまして、それで、大臣にも随分私のおやじはひどいことを言ったようでありますけれども、その段は平にお許しをいただきたいと思います。

 しかし、このたび、やはり政治というのはすばらしいものだというふうに思っております。

 いろいろな諸先輩方の御議論の中で、ちゃんと宮崎の方も高速道路をつくっていただける。西都から門川までは道路公団方式できちっとつくっていただける。残りの区間も新直轄ということで大変厚い予算措置をしていただきました。そのことにつきましては厚く御礼を申し上げます。

 きょうここに立たせていただきまして、先週この国土交通委員会に配属をさせていただいたばかりなんでございますけれども、いろいろ今まで私たちと一緒に運動を進めてきた地元議員の先生方や、それから民間の方々、女性の方々も、高速道路がないということで本当に大変だと。もう切迫流産が迫っているのに病院まで一時間もかかってしまう、そして命を落とした女性もいるわけであります。

 北川町の矢野さんとか北浦町の奈須さんとか、そういうおば様たちが何度も何度もこの東京まで足を運びました。みんな私費ですよ、自腹を切ってやってまいりました。私の地元の日向の商工会頭の日高さんやら、それから延岡の会頭の清本さんたちも、一生懸命みんな自腹を切って努力をしてきました。これは、単に政治の努力だけではなくて、政治と民間の皆様方が手を握り合って長年努力をしてきた、その成果だというふうに思っております。

 そして、質問に移らせていただきたいと思うのでございますが、まず大臣にお伺いをいたします。

 決して中野先生の御意見に反論するわけではございませんが、私、国鉄民営化は確かに大成功をおさめております。すばらしい大改革で、今の時代まで続けていたら五十兆円にも上るそういう債務を抱えたということも、確かにそのとおりでございます。

 しかし、その松田さんに対して、私も一言実はございまして、あの方は、まるで自分の経営手腕がすぐれていたから、JR東日本はこれほど優秀な会社になったと言わんばかりの論を民営化委員会の中で展開されておられますけれども、傍聴席の方々にはぜひ聞いていただきたいと思いますが、皆様方の税金を二十四兆円国鉄には注ぎ込んで、そしてきれいな体にして、松田さんは受け継いだのであります。

 じゃ、道路公団はどうだったんであろうかということを考えますと、道路公団は、確かに債務はありますけれども、きちっと返済の見込みも立っておりました。そして、きちっと利益も上げて、その利益の部分で新規の高速道路網を整備してまいりました。

 そういう中で、今度、私がお願いしたいことは、三つに道路公団が分割されるわけでございますけれども、西日本の方は正直言って非常に厳しいです。これは、国鉄民営化でちゃんと証明されていることであります。

 平成十四年度のJR各社の収支状況を教えていただきました。これを見てみますと、確かに、東日本、東海、西日本は長期債務をしょっていますから若干ハンディはあるとはいいながらも、それでも大変な利益を上げています、三千億、三千二百億、一千億とですね。では、北海道、四国、九州はどうなっているかということを見てみますと、営業損益では平成十四年度でもまだ赤字という状況がいまだに続いております。

 こういうことを考えますと、三つに分割した場合、西日本は非常に厳しい状況に追い込まれるんじゃないかということが容易に想像されると私は考えます。

 もちろん、高速道路、この三つの会社で上がった利益は、保有機構が全部お金を吸い上げて、そして借金の返済に回すということですから、財布は一つという言い方もできるのかもしれませんけれども、ただ、私が非常に心配をしますのは、新会社が直接携わる新しい路線の建設、そういう場合に、もうかっている会社は非常につくりやすい、もうかっている会社はですね。だけれども、西日本のようなところは、利益が出ていないんだから、つくることは、それは分不相応じゃないかというふうに言われてしまうと、ますます西日本のエリアの我々は取り残されていくような気がしてなりません。これは宮崎県民共通の不安であります。

 そこで、これは先生方諸先輩にはしかられてしまうことかもしれませんが、平成十五年で一千三百億、十六年で一千七百億、そして次年度からは二千億の規模をもって新直轄をやっていくわけでありますけれども、やはり、採算が厳しくて、しかし、必要である道路は、正直、西日本に多いです。均等にコスト・アンド・ベネフィットという感覚で割りますと、なかなか西日本に回ってくる分も少ないのかもしれません。

 しかし、新会社が手をつけられないということであれば、ぜひともこの新直轄の部分を西日本に手厚く配分していただきたいということを、私は九州の代表として、宮崎県の代表として、大臣そして道路局長にお願いをしたいと思いますが、この点について、大臣もしくは局長の御所見をいただければ大変ありがたいと思います。

佐藤政府参考人 私の方からは、先生、三社に分割して大丈夫か、こういう御指摘でございますので、その辺について申し上げさせていただきたいと思います。

 民営化に当たりまして、道路公団は三社に分割して設立させていただいて、その際、金利や交通量の変動リスクに的確に対応するという点と利用者の利便性確保、このような観点から、高速国道にかかる基本的な料金基準と債務の返済期間、これは当該三社間でそろえるということで、機構において債務を一体管理する。ですから、債務を返す時期といいますか、逆に申し上げますと、料金をいただく時期というのはみんな一緒にやっていただく、こういうことであります。

 これらの債務につきましては、運用上は、新規に建設する分だけではなくて、既存の高速道路の債務につきましても三社に配分して、それぞれの会社がみずからの料金収入で返済する目標を設定させていただく。逆にいいますと、債務を最初の段階で調整させていただいて、そして、将来の料金収入、貸付料を決めていただいて、そして、ちゃんとみずから貸付料をきちっと支払いながら新規の建設もやれる、こういう姿形を想定しているということであります。

 このように三社間の債務の返済期間をそろえるため、民営化に当たりまして、収益力の異なる会社ごとに、当該会社による新たな高速道路の整備も踏まえまして、負担すべき債務の額を設定する。この結果、各社間の採算性、債務返済能力、こう申し上げればよろしいのかもしれません、については、おおむね同等となるように措置する、こういうことであります。

 そして、今般のこの民営化スキームに基づきまして、地域分割するということで、同じような返済能力をまずベースにしながら、各社間の競争性を向上してコスト意識を向上していただく。さらには、地域の実情に即したサービス提供を充実する、こういうことであります。

 仮に、同等の経営努力が行われれば、各社とも必要な道路の整備は可能であり、また、各社の業績もおおむね同等になって、設定した料金の徴収期間、機構で申し上げれば、四十五年以内に解散する、こういうことになっておるわけでございますから、予定どおりいけば、それぞれが同時に返し終えて解散する、こうなるわけでございます。

 問題は、出発条件は一緒にそろえるわけでございますが、その途中に、経営努力の大小によりましてプラス、マイナスが出てくる。こういうようなことが顕著になった場合には、それぞれの会社の経営責任、こういうものもきちっと世の中にお示しするわけでございますので、貸付料をどのぐらいお払いします、新規建設どのぐらいやる、これも世の中に明確にしながら経営をやっていっていただくということになりますので、うまくいかないという場合には、会社の経営力が問われる、会社の企業経営者の努力も問われる、こういう問題になってこようかと思いますので、一生懸命競争していただくということだと思っております。

江藤委員 大変に御丁寧にお答えいただきまして、ありがとうございます。

 しかし、どうも、私が感じますに、努力をしたくても、ついているエンジンが違うような気がします。西日本の方は五十ccのエンジンの原チャリで、もっと真ん中の方は千ccで、もっと上の方は二千ccとか、それぐらい差がついているので、一概に、利益が出ていない、だから努力が足りないというふうにがつんとやられてしまうのであれば、だれも社長のなり手はいないんじゃないかなという気はいたしますけれども、次もいろいろお聞きしたいことがあるので、これでやめます。

 続きまして、高速道路建設、どういう順番でやるかということで、大臣のお話も何度もお聞きしました。コスト・アンド・ベネフィットということで、厳格な規定を設けてやるというお話を伺いました。

 よくよくお話を聞いてみましたら、私、非常に不勉強を恥じるわけでありますけれども、このコスト・アンド・ベネフィットというのは、どうも、利用者がこの高速道路を利用した場合にどれだけの経済的な効果が上がるかということに主眼を置いているということであって、その高速道路ができたことによって、その地域がどれほど浮揚されるか、どれほど上がってくるかというようなことも、確かに病院までの距離とか、そういうものも勘案しているということでもありますので、全くそこを無視しているとは申しませんけれども、何点かぜひ御指摘をさせていただきたいことがあります。

 私の地元で椎葉という落人が落ちていったところですから本当の山奥なんですけれども、その隣に、山を一つ越えますと五ケ瀬という町があります。この間に二千七百七十七メートル、国見トンネルというトンネルを掘りました。これは、非常にもう経済効果は少ないかもしれませんけれども、地域住民それから地域の産業に与える影響は本当に大きいものがあります。

 今までは椎葉村でとってきた木材も、ずっと三百二十七号線をひたすらぐにゃぐにゃと下りながら東郷町まで持ってきていたわけでありますけれども、これを、今は国見トンネルを使って、こちらの方に持ってくるようになりました。そうしましたら、なんと輸送コストは三分の一、そして、大型の車も使えるということで、一遍に大量のものを運べる、そして、道がいいものですから、何回も往復できる、人件費の節約にもなる、また、環境にも優しい。

 ですから、このコスト・アンド・ベネフィットを算定することに当たって、その他の産業に与える影響というものをぜひお考えいただきたい。

 農林水産省の方でも、今回、治山関係の予算は七・四%削減になりました。しかし、そんな中でも、山を守らなきゃいけないということで、緑の雇用ということで、新規七十億円予算をつけてことしからやります。それから、京都議定書なんかで、一一・二%の二酸化炭素のうちの三・九%を山で吸収してくれというふうなこともありますし、国交省でいえば景観緑三法ということで二百億の予算をつけてことしから始めるわけでありますから、高速道路や道ができたことによって、その地域がいかに守られ、その文化がいかに守られ、そしてそのことが実は国益につながっているんだということをぜひここで主張をさせていただきたいと思っております。

 そしてまた、そのコスト・アンド・ベネフィットの問題のときに、病院までの距離とか利便性の問題も勘案されているというお話を伺いましたけれども、果たしてその病院がどの程度のレベルの病院なのか。私たちの地元でいいますと、私の選挙区には三つ市があります、延岡市、日向市、西都市。延岡市に緊急病院がたったの四つ、日向市はたった二つ、ここに私は住んでおります、西都市にたった三つ、児湯郡には二つしかありません。

 そして、ほとんどの病院は高度医療には対応できないということになれば、百キロぐらい離れた宮崎市の国立大学病院にまで患者を運ばなければならない。これがもしお盆の時期に重なったら、ここにありますけれども、これは国道十号線というのが通っているんですが、片側一車線通行です、片側一車線。追い越すこともできない、追い越すこともかないません。ですから、道路交通網が整備できていないということで亡くなってしまった方も今まで数知れずあるということを考えると、政治家の一人として非常に皆様方に申しわけないという気持ちもするわけであります。

 ですから、もう一度、もしできることであれば、このコスト・アンド・ベネフィットというものは、その地域に与える影響、それから、私の地元なんかは過疎化が激しいんです。高速道路ができると、その地域に若い人が定着することも実はできるようになります。過疎化対策ということで、その過疎率を、過疎をいかに食いとめるかということで、こういうことももし、もしというよりもぜひとも、算定の基準の中に加えていただければ、地方に住んでいる人間は非常に希望を持ってこれから事に当たっていけるんではないかと思いますので、これは道路局長、ぜひ御回答というか御所見を賜りたいと思います。大臣、お願いします。

石原国務大臣 まず冒頭、お父様には大変御指導いただきまして、私の都知事と盟友でございまして、ひとつよろしく御指導を江藤拓先生にもお願い申し上げたいと思います。

 それと、若干、ちょっと誤解があると思うので御説明させていただきたいと思うんですけれども、費用対効果、いわゆる費用対便益のところの指標というのは三つなんですね。すなわち貨幣価値に換算できるもの、例えば走行時間短縮というのは、これはわかりやすいですね。それとか、それだけの距離を走るのにかかる値段が幾ら安くなったか、あるいは交通事故がどれだけ減ったか、こういうたった三つの貨幣価値に換算できるもので費用対便益は出しています。

 その一方、後段、委員が御指摘されました、私どもは費用対便益とは別に外部効果ということでくくらせていただいたんですが、その指標ですね、十六あるんです。これを説明させていただくと御安心いただかれると思うんですけれども、ただ、まず言われた、農産物がトンネルを通ることによって、より安く、より鮮度のいいものが輸送できるようになったみたいなものは地域経済という形でくくらせていただきまして、高速道路へのアクセスが容易になり、農林水産品の流通の利便性が向上する、こういうくくりをさせていただいています。さらには、物流拠点へのアクセスが容易になり、農業立地を振興する、こういう指標でもしっかりと評価をさせていただいております。

 また、安全についても御言及がありましたけれども、並行する緊急輸送道路で冬期交通障害や異常気象時に通行規制される、すなわち、国道十号でございますか、そういうものがだめになったときには代替道路があるのかないのか、こういうことも指標として評価させていただいておりますし、さらには代替道路自体があるのかないのか。そういうもの、すなわち、費用対便益と採算性と外部効果、こういうものを全部合わせまして、この残りの未供用の二千キロについては評価基準をつくらせていただいたわけでございます。

 ちなみに、委員のお住まいのところのちょっと北の北川のところから県境をまたいで、宗太郎峠ですか、大変険しい、あれをまたいで大分県の蒲江に行く道路につきましても、実は有料道路のBバイCは一・二三、すなわち有料道路でつくってもBバイCが一以上ですから、公共事業としてはいいわけですけれども、安藤知事さんとか広瀬知事さん、あるいは江藤先生たちのお話を聞かせていただいて、じゃ、無料でつくったらどうなる、すなわち新直轄でつくったらどうなるということでBバイCの計算をしましたら、これが一・二三から三・三三、どんとはね上がるわけですね。すなわち、採算性等々は低いかもしれませんけれども、今委員が言われましたような外部効果を中心にやっていくと社会的には必要な道路であるということがはっきりした。

 そうしますと、一・二三と三・三三の評価はどちらが上かといったら、三・三三の方が上ですから、つくるという順位も早くなってくるし、利用する人たちにとってもそちらの方が都合がいい、こういうふうに新直轄を整理させていただいて、二十七区間六百九十九キロですか、前回の国幹会議等々でくくらせていただいた。

 そういう中で、真に必要なものをできる限りコストを下げてつくっていく。まだ、BバイCにしましても、じゃ、ここのコストをもうちょっと知事さんとか地元の方々がアイデアを出して下げれば、分母が小さくなりますから、数字が大きくなって優先順位が先に来る、こういう地域間の競争によってスピードアップして整備していくということが肝要なのではないかと思っております。

江藤委員 ありがとうございます。

 外部要因があるということはもちろん承知はしておるわけでありますけれども、今回既に予算措置がされた区間については、この間、佐伯に大臣もお越しをいただきまして、ありがとうございました。

 そのときもBバイCのお話もお伺いしまして、実は、先ほどは言いませんでしたけれども、ここから横断道路というのが実は控えておりまして、ここはまた新たな話になっていきますので、後ほどお話をさせていただきますけれども、この一万一千五百二十キロの方にかかってくる話なものですから、その辺のことをちょっと指摘をさせていただいたような次第でございます。

 それで次に移らせていただきますが、実は、これは、この間の衆議院の本会議で岩國哲人議員が御発言をされました。私、最前列なものですから、聞いておりましてとても奇異な感じがしたわけでありますけれども、先ほど先輩議員からお話がありましたように、もう高速道路はつくらないというお話を、むだな道路はもうつくらないというお話を民主党は主力として主張されているというふうに伺っておったんですが、議事録もちょっといただいてきたんですけれども、これによりますと、「採算性と利用度の低いD区間からではなく、高いA区間から整備を始めるべきです。」という御主張をされているわけであります。

 ということは、まだ民主党案ははっきりしたものがわかりませんけれども、これはやはり、民主党としても、まあ、道路特定財源とかそういう部分を使ってという意味かもしれませんけれども、道路をつくるということには多分御理解をいただけているんじゃないかなという印象を持ちました。

 そして、その中で私が非常に心配なのは、例えば阪神・淡路大震災とか、ああいう大災害が起きたときには、国民の生活を早く復旧させるために、一刻も早く、迅速に、的確に災害復旧を行うということが当然これは求められてくるわけでありますけれども、しかし、料金を無料ということでありますと、その辺の財源というものをどういうふうに考えられているのか、私はよくわからないんですが、民主党のお考えと我々自由民主党の考えの間には大きな差があるということを改めて感じるわけであります。

 これは局長に、この民主党案の無料化が実現された場合に、果たして、高速道路、私たちが、先ほど申しましたように、三十年も四十年も待っていたものがきちっとある程度のスピードで整備がされ、そして大きな災害その他が起こったときに、国の責任としてこれらに対応することが果たして可能なのかどうか、御所見を伺いたいと思います。

佐藤政府参考人 民主党がお出しになられるであろう案について、まだ具体的なものを御提示いただいていない、こういう段階でございますので、またそういうものをいただけましたら具体的な検討をさせていただきたいと思いますが、基本的には、一部地域、首都圏、阪神圏は除いて高速道路を無料化して、租税、一般会計で返済財源を求める、こういうことだと理解しております。

 当面は建設国債をお出しになってというふうにも聞いておりますので、そういう意味では、では、それの実現可能性がいかがなものか、こういう議論になるわけでありますが、道路予算のうち公共事業で使わせていただいております国費は三・二兆円でございます。民主党のお考えでは補助金制度は廃止する、こういうことでもありますし、また、この三・二兆円の中の直轄国道の国費と一部有料道路に充てています国費、これが合計で一・七兆円あるわけでございますが、この中で、いずれにしても、補助に回しています国費に期待するんじゃなくて、この一・七兆円の直轄を主体にした国費の中でいろいろ考えていく、こういうことが必要になろうかと思います。

 この場合、一・七兆円の国費でどういうことができるか、こうなるわけでございますが、これを債務の返済にそのまま回すと、これは一切新規の建設は高速道路も直轄国道もできない、管理もできない、こうなるわけでございます。

 それは、当面は国費を直接返済に回すのではなくて、何らかの、建設国債等でそこは手当てしておいて、一・七兆円の分の直轄の国費は直轄国道の整備あるいは管理あるいは高速道路の整備、管理に充てる、こういうふうな前提で考えますと、例えば高速道路で考えますと、既存の高速道路の四公団合計の維持管理費が恐らく少なくとも〇・四兆円はかかるであろう。そして、四公団が行っております高速道路の建設等あるいは修繕等、こういうところに充てますと一・三兆円でございますので、そのままやりますと一・七兆円で、事業費、国費の問題はありますが、おおむねそちらの方に国費が回って、一般の国道の整備、管理はできない。

 逆にまた、一般の国道の方の維持管理や整備に回す、こういう前提でいきますと、これが、管理費が国費〇・四兆円の、整備が一・一兆円ぐらいやっておりますので、そこの事業を継続するとなると、おおむね一・五兆円でございますので、これもまた高速道路の方の管理あるいは整備ができない、こういう形になろうかと思っております。

 加えまして、災害発生時に大きな追加的な予算が必要となる、こういう場合には、新たな財源なしには十分な対応を図ることは不可能になるんではないか。災害復旧費ということで支弁し得る範囲、これはやはり限度がありまして、多くの場合、災害復旧そのものと、そして、それに付随して前後をきちっと更新するとか補修するとかいうことが必要になってまいりますので、そういう意味では、災害復旧につきましても、大規模なものが出た場合には、これを十分に実行するということはなかなか厳しい状況になろうかということであります。

 そういう意味では、政府で今回お願いしております民営化案は、必要な高速道路の整備、管理は安定的な料金収入によって実施することが可能であるわけでありますし、それから、災害発生時の対応につきましては、会社が復旧工事を行う一方で、機構が国等からの助成を受けて復旧に要する費用を会社に対して無利子貸し付けを行うといったような形のものも用意してございます。

 全体の国の予算、繰り返し申し上げますが、直轄に充てられている公共事業の国の予算一・七兆円、これは直轄国道の整備、管理に活用しながら、一方で、有料道路の活用も債務の返済が十分可能な範囲でまた引き続きやらせていただく、こういうふうな両立をすることが大事なことだと私どもは思っております。

江藤委員 大変ありがとうございました。

 もう本当に民主党の中がいかに自己矛盾に満ちて、いかに選挙目当ての耳ざわりのいいことだけを言っているかということを繰り返し繰り返し明らかにさせていただいたような気がして、大変ありがたいことだと思っております。

 さらに御質問させていただきますが、昭和四十一年に国土開発幹線自動車道七千六百キロが設定されたわけでありますけれども、昭和六十二年六月の四全総の閣議決定を経まして、その年の九月に約二十年ぶりに三千九百二十キロ加えまして、一万一千五百二十キロの路線が設定をされたわけであります。

 その前の年まで私の父も建設大臣を当時務めておりまして、この三千九百二十キロの新規の追加につきましては、当時の藤井道路課長ですか、あのときは、大変な御協力をいただいて、すばらしい案をつくらせていただいたわけであります。

 私もおやじの後を受けまして政治家にならせていただきまして、今まではどうも九三四二ばかりが話題になりますけれども、私としては、どうしても一万一千五百二十キロ、これを何としても整備するということに目標を置いて、今後この委員会の中で活動させていただきたいというふうに思っております。

 そして、三月十五日の参議院の民主党の議員の質問に大臣はお答えになって、九三四二からはみ出た一万一千五百二十キロの部分については、法整備も特に要らないので、新直轄でぜひ対応したいという御所見を御披瀝いただいたというふうに聞いております。

 大変これは宮崎県民にとっても、特に、先ほど申しましたここは多分新直轄になるであろう、横断道路は新直轄になるであろうと思われる区間ですので、非常に宮崎県民は大臣の御発言を受けまして力を強くしたわけであります。これは政治の判断としてはそういう御判断をいただいた、非常に感謝をしております。

 そこで局長、お伺いしますが、今度は実務を担当されるお立場として、大臣の言うことはごもっともだ、それでいくぞという御決意まで御披瀝をしてくださいとは申しませんけれども、ぜひその方針に従って、やはり石原大臣が何といっても最高責任者であられるわけですから、大臣の御指示に従ってこれからやっていきますというような御答弁を賜れれば、いい土産話ができるなと思うわけでありますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

石原国務大臣 個別路線の話はできませんので、法定予定路線について、一一五二〇と言われるものについてのことなんですけれども、これは今の段階では、いつ、だれが、どのような手法で、どんなルートで整備するかということは未定であるというところでございます。今後整備を進めるに当たっても、九三四二のときには要するに六兆五千億コストを削減いたしましたのと同じように、不断の見直しをやはり行っていかなければならないんだと思います。

 しかし、委員御指摘の道路は九州にとりましてきっと重要な道路でありましょうし、また、私の身の回りですと東京外環みたいな重要な道路がありますけれども、これも実は、だれが、どういうふうに、どういうルートでということはまだ決まっておりません。

 いずれにいたしましても、今回の残存事業の二千キロで行ったと同じような厳格な評価を実施して、事業の着手いかんはその結果次第である。ですから、一一五二〇のところについても、もう一回徹底的な評価というものを行っていくことが私は必要だと思っております。

佐藤政府参考人 ただいま大臣が申し上げたとおりであります。

 私どもといたしましては、この一万一千五百二十キロと九千三百キロの間、約二千キロあるわけでございます。このうち、並行する国道のバイパス整備等で千キロ近くは供用したり事業もしたりしております。

 いずれにしましても、この残った区間につきまして、引き続きの調査を十分行いながら、その整備の緊急性なり必要性なりあるいはまたルートなり、そうした調査を引き続き続けておるところでございます。しっかりとした事業評価を行いながら、一歩一歩前に進んでまいりたいと思っております。

江藤委員 私は自由民主党の議員でありますので、余り追及するようなことはいたしませんが、ぜひ私が先ほど申し上げたことを、もう一度繰り返すようなことはいたしませんけれども、私が特に思いますことは、今三位一体の改革であるとか、それから市町村合併であるとか、もう正直言って地元にとっては厳しい話ばかりであります。農産物の価格もそんなにいいわけではない、それから水産物の価格でも材木の価格でも同じです。

 宮崎県民にとって今何が一番の夢であり、将来に希望を託せる、その希望の礎であるかというと、正直言ってこの高速道路なんです。この高速道路があれば、我々はああいうこともしたい、こういうアイデアもある、こういう展望も開けるじゃないかと、いろいろなアイデアを若い青年たちがたくさん聞かせてくれます。

 ですから、もちろん新規路線について大臣の方から明確なお答えをいただくことはこの段階では難しいかもしれません。それでも、やはり私としましては、ぜひともこの点を心の真ん中に据えていただいて、端っこではなくて真ん中にとどめていただいて、前向きな姿勢で事に取り組んでいただきますように、改めてお願いをさせていただきたいと思います。

 それでは、次の質問をさせていただきたいと思いますが、何度も御質問あったかもしれませんけれども、新会社の料金設定のことについてお尋ねをいたします。

 利潤を見込まない、その分につきましては通行料金を下げるという方法で対応したいというお話を伺いました。私も、もし株を買うとすれば、その会社が頑張って将来利益率がどんどん上がっていって、どんどんもうけてくれる会社であれば、その会社の株はぜひ買ってみたいと素人考えながら思うわけでありますけれども、いろいろ経営努力をして、いろいろなことをしても、利益の部分は保有機構がぽっと持っていってしまう、さらに利益の部分を料金の圧縮に使われてしまうということであれば、その株式を公開したときに、特に一般投資家の皆さん方にとってこの会社がどれほどの魅力があるものであるかということは、正直言って疑問があるわけでありますが、この点について、局長、ぜひよろしくお願いいたします。

    〔今村委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤政府参考人 料金に利潤を含まない、こういうことであれば、民営化会社の株を購入するような投資家はいないのではないか、こういう御指摘でありました。

 高速道路の料金につきましては、料金そのものに対して利潤を見込むかどうか、これにつきましては、高速道路が国民共有の財産でありまして、債務完済後も含めまして、料金そのものに対して利潤を乗せる、これは問題があろうかということで、乗せないことにさせていただいております。

 仮に利潤を乗せるとしますと、料金の引き上げにつながる。会社の利益にはなるかもしれませんが、料金の引き上げにつながるということで、国民の不利益になる。

 利潤が得られるようなことであるのならば、債務の早期返済や料金の引き下げに充てるべきだ。あるいはまた、新規建設も続けるわけでございますので、そうしたことも含めて機構の方で考える、こういうことだと思っております。したがいまして、料金に利潤は含めない。

 しかしながら、では、関連事業だけで本当に株が上場できるような事業ができるのか、こういうことであります。

 日本道路公団のサービスエリア、パーキングエリアにおける売上高は、テナントの売上高でございますが、現在総額で約三千五百億円であります。これらを、民営化におきまして、従来の公団に対する業務範囲、内容等に関する制約は大幅になくして、関連事業の許可制を廃止して事前届け出制を採用しておりますし、サービスエリア、パーキングエリア事業につきましては届け出も不要。こういうことでありまして、自主的な会社の経営センスを十分発揮していただくことによって、関連事業から利益を確保することは可能かというふうに考えております。

 また、会社の方で建設、管理、これをするに当たりましては、例えば建設費の縮減であるとか、あるいは管理費の縮減であるとか、そうしたことが会社の業績に反映し得る、こういうような仕組みにもしようということで、具体的には機構と会社の協定の問題にはなりますが、そのインセンティブそのものは付与して、そして企業努力をしていただくという、そこの部分は機能をするような形で協定の話し合いを進めてもらおう、こういうふうに思っております。

江藤委員 この間、初めてこの委員会に参加させていただいたときに近藤総裁がお見えになっていまして、それで関連事業のお話を確かにされました。インターチェンジとかサービスエリアとか、高速道路ネットワークを利用してブロードバンドにもぜひ将来的には参入することも考えているというようなお話もありました。

 しかし、私が考えますに、大店法が改正されまして非常に地域に大型店舗が進出してきたことによって、私の地元でも商店街はもうシャッター通りと言われるような事態に実は追い込まれております。もし新会社がインターチェンジの周りをばっと土地を買って、アウトレットとか大型店舗とかボウリング場とか、そういう複合施設でもつくられたら、これはもう地元の商店街は上がったりになってしまいまして、それは会社はもうかるかもしれませんけれども、地元にとってはこれはもう迷惑千万。

 確かに、消費者サイドに立ってみればありがたい部分もあるのかもしれません。しかし、株式まで公開した企業ということであれば、利益を、いかに利潤を上げていくかということを追求することについては一定の歯どめをかけるということは難しいのかもしれません。ですけれども、私が申し上げたいのは、もうかったら料金を下げる、それもある程度考えた方がいいんじゃないか。それから、保有機構が利益はみんな吸い上げてしまう、これもちょっと考えた方がいいんじゃないか。

 というのは、やはり働く喜びというものは、自分が一生懸命働いて努力をして、会社がもうかった、会社がよくなった、それでおれの給料は上がった。だんだん、倍にはならなくてもいいですけれども、特殊な経過期間でしょうから、それにしましても、やはり新しい会社の中で頑張っていくその社員の人たちやそういう人たちが、ぜひとももっと頑張ろう、さらに頑張って、国民の期待にこたえながら会社の利益も上げていこうということを考えていかなければならないと思います。ですから、そのインセンティブを上げていくということがとても大切ではないかというふうに思うわけであります。

 時間がなくなりましたのでまとめてお話をいたしますが、それから、現在は高架下を自治体が貸していただいて、ただで使わせていただいているわけであります。非常にいろいろな公園になっていたり有益に使わせていただいているわけでありますけれども、これは国が最初は一〇〇%保有ということでありますけれども、いずれは三分の一以上ということになるわけですが、国が株を持っているにしても、一般の投資家も株を有しているということになれば、その高架下をもしだれかに賃料を取って貸せば利益が上がるじゃないか、もう貸した方がいいじゃないかという人もいると思うんです。

 だけれども、自治体の立場に立ってみれば、今まで子供たちが遊んで集っていたその公園を、民営化したからといって返せと突然言われても、そんなことにはなかなか応じることは難しいわけでありまして、これはもちろん今この場で議論することではないかもしれません。しかし、ある程度民営化された後に、高架下の問題とかインセンティブの問題とか、そういうものについてどのようにお考えなのか、局長の御所見をぜひお願いしたいと思います。

佐藤政府参考人 二点お答え申し上げたいと思います。

 一つは、インセンティブの問題でございます。

 これにつきましては、管理の問題で申し上げますと、会社と機構は協定を結んで、その協定の前提は、料金収入から管理費を引いて、貸付料を会社が機構に支払う。これは、年度ごとにあらかじめ固定しておこう。年度ごとには変動するわけですが、それをあらかじめ固定する。そうしますと、料金収入も多少ぶれるかもしれませんが、努力をすれば、管理費の方は下がる。同じ管理をしながら、効率的管理をして管理費が下がる。

 そうだとすると、貸付料は一定でありますから、料金収入も一定と仮定しますと、管理費を下げた分だけは余剰が出る。この余剰が出る努力というものは、インセンティブとして頑張っていただく。ただし、サボってマイナスになってしまうということになれば、会社としては赤字になりますから、ここは一生懸命やっていただく、これが大事なことだと一つは思っております。これはインセンティブです。

 その場合に、いつも多額の余剰が出るようでは、これまたもうけ過ぎということにもなりますので、一定期間でよくよく見ながら、両方で相談していただいて、引き上げるかどうか、こういう議論も時間の経過の中でやっていただく、こういうことかと思っております。

 それから、高架下の問題でございますが、高架下の占用につきましては、機構が道路資産を保有する、こういうことになりますので、高架下の利用については機構が許可を出す、こういうことになります。

 そういう意味では、会社によって独占的に使用するとか、あるいは不当な使用料金の設定がなされる、こういうことがないように機構でしっかり見る。それから、自治体による使用そのものは、その公共性を踏まえると、恐らく、恐らくでございますが、これは個別に考えなきゃいかぬわけでございますが、引き続き無償として供用していただく、使っていただく、こういうことも考え得ることかと思います。一つ一つのケースを見ながら有効活用を図ってまいる、こういうふうに考えております。

江藤委員 ありがとうございました。

 もうちょっと掘り下げて聞きたいんですけれども、時間がありませんので、最後の質問になると思います。

 小泉総理は、ビジット・ジャパンということで、観光立国を目指す、一地域一観光ということを非常に高らかにうたい上げられまして、この間、国交省に行きましたらバッジが置いてありました。地元の人を連れていきましたのでみんなに上げたら、大変喜んで持って帰られました。

 それでまた、農林水産省なんかでも、今グリーンツーリズムと申しまして、規制を緩和して農村で民宿業務をやれるようにしようとか、観光立村とか、いろいろなことを進めております。

 先ほど指摘しましたように、国土交通省の予算の中でも、景観緑三法ということで二百億近い、二百億ちょっとですか、予算を組んで、いろいろな事業を進めていただいております。

 しかし、そのことは結局どういうことかといいますと、うちの宮崎県というところは、昔は、フェニックスハネムーンと申しまして、観光客がたくさん来ておりました。呼ばなくても来ておりました。修学旅行もたくさん来ておりました。ところが、来ません。それはなぜかと申しますと、すべては高速道路がないからなんです、結局のところは。

 いいところはたくさんあるんですよ。いっぱいあります。たくさんあるんですけれども、結局のところ、例えばシーガイアに行って、そこから高千穂峡に行こうと思ったら四時間かかってしまう。長期滞在型のリゾートが定着していない日本においては、どうしてもやはり短い時間で距離を克服して、少しでも多くのところを見たいというのが正直な観光客の要望であります。

 時間が過ぎてしまいましたので、このビジット・ジャパンというものを実現することは国の施策として極めて正しいことだと思っておりますので、ぜひ大臣に、閣内の一角にあって、この観光立国を実現する上で、その御所見と御覚悟、それに加えまして、そのための高速道路、道路交通網ネットワークの整備の重要性について最後に御意見をいただいて、質問を終わりたいと思います。

石原国務大臣 ただいま江藤委員が御指摘されましたように、江藤議員がお住まいの北部宮崎等々についても、歴史とか自然とか文化とか、魅力ある豊かなところが多々あると思うんです。

 例えば、延岡ですと、最近は水の郷と言っているんですよね。あるいは、西都の西都原古墳群、そんなものもあるわけです。しかし、それが点と点で、線で結ばれていない。日本の観光地はそういうことが多いと思います。

 例えば、二〇〇五年に愛知で万博をやりますけれども、あの周りにも万博以外のすばらしい観光資源というものはあるんですけれども、時間距離でいいますと、地図の上ですと本当にすぐなんですけれども、なかなか行くことができない。

 先ほども申しましたけれども、これからの道路の整備の進め方というのは、やはり客観性をどうやって高めていくかということが重要ですので、費用対便益、採算性、外部効果、それで、外部効果の中で観光というファクターもやはりこれから取り入れていかなければならないと思いますし、もう既に外部効果の中にこういうものを入れさせていただいております。

 例えば、さっき申しましたように、複数の主要観光地点の連絡による広域的な観光産業への発展の貢献、一カ所じゃなくて、今委員が言いましたように、シーガイアから霧島の方に行くとかいったような問題ですね。それとか、高速バスの利用の利便性、これはもう間違いなく高速道路があった方が利便性は高まる。鹿児島と福岡の輸送は、今新幹線がまだ半分しかできていませんので、バスがすごい利用されていることからも明らかだと思っています。

 そういうことをいろいろ考えますと、やはり選択と集中の考え方のもとに、地域にとりまして、宮崎県は、観光としてやっていくところ、私はたくさんあると思いますので、真に必要な高速道路のネットワークの整備というものを観光の切り口からも進めていくことが重要だと考えております。

江藤委員 どうも大臣、局長、ありがとうございました。

 これで終わります。

赤羽委員長 岩崎忠夫君。

岩崎委員 自由民主党の岩崎忠夫でございます。

 まず、今回の道路公団民営化の目的についてからお尋ねをいたします。

 ところで、理解されているようでいま一つ理解されていないのが道路公団民営化の目的であります。国民の多くは、いまだに道路公団で何がいけなかったのかと思っております。

 私は、国民に必要な高速道路をどれだけどのようにしてつくるかは、まさに国の責任、政治の役割であって、民営化は高速道路をどれだけつくるかを決めるものではないと考えております。

 すなわち、民営化は本来、採算性等に配慮して、我が国の高速道路をいかに効率的に安く早くつくるかに役立つものとして考えるべきものだと思っております。もちろん、債務を確実に返済することを民営化の仕組みに織り込むことも可能ではありますが、民営化によって直ちに四十兆円の債務の返済が確実になるものでもありません。

 しかしながら、昨年十二月二十二日の政府・与党申し合わせによりまして、四十兆円に上る債務の確実な返済と、必要な道路を少ない国民負担で建設することを今回の民営化の目的とすることが決定をされました。そういう民営化をやろうということであります。したがって、そのことについて国民にわかりやすく説明し、国民の理解を得るように努めることが大事だろうと考えております。

 石原国土交通大臣、今回の道路公団民営化の目的、ねらいについて、国民にわかりやすい明確なメッセージを伝えていただきたく、お伺いをしたいと思います。

石原国務大臣 ただいま岩崎委員がおっしゃられましたように、本来であるならば、道路公団で、これだけ問題があることがわかっているんですから、自分たちで考えて、コストを下げる、サービスをよくする、そして必要な道路をつくるということをやってくれれば、こういう話には実はならなかった。これは国鉄改革も同じだと思います。自分たちの会社であるんだから、毎年二兆円ずつ借金がたまっていくような会社が成り立つわけないということは働いている人もわかっているはずなのに、荒療治をしないとできなかった。

 それと非常に似ていると思うんですけれども、やはりこれまで公団方式の悪いものというのは、プール制や償還主義ということでツケがどんどんツケ回っていく、それがあっという間に四十兆円を超えてしまって、返済が本当にできるんだろうかという状況になったことが契機にあるんだと思います。

 このままでは、不採算路線、必要だけれども、有料道路方式でつくっていって管理費も出ないものを有料道路方式でやるというのは、常識ある人間が考えればやらないはずなのに、同じ手法でやっていって歯どめがかからず債務がふえていく。あるいは、料金収入、キャッシュフローが二兆円あるから大丈夫だ、大丈夫なんだと言っていたけれども、それでももう返せなくなるんじゃないか。あるいは、本四でも明らかなように、見通しが狂いますとあれだけ大きな債務が発生してしまう、税金投入などの新たな国民負担が生じるのではないかといったような懸念が山積したんだと思います。

 こういう問題にこたえるために、今回の改革では、債務を返す期限というものを民営化後四十五年以内としっかり法律に書かせていただいております。また、運用によりまして、高速国道についての債務残高というものに上限を設定する、すなわち民営化したときよりも債務がふえないというふうにさせていただいておりますし、九三四二の中で、今七千二百キロぐらいできておりますが、およそ二千キロの仕掛かり品の部分についても、会社に実質的な拒否権を付与するなど、民間会社でありますので、会社の自主性を尊重するなどの措置を講じているわけです。

 一方、これも同僚議員の議論の中に出ましたように、高速道路の整備状況というのを見ますと、やはり環状道路もかなりお寒い状況でございます。あるいは、あとこれだけ、あと数キロつながればネットワークになるのに、ネットワークになっていないといったようなところもございます。

 これからは、選択と集中という考え方にのっとりまして、真に必要な高速道路をできるだけ少ない国民負担で整備することが必要だということは、これまでの御同僚委員の議論の中で全員に共通していたのではないかと私は思っております。

 今回の改革ではどんなことに留意をしているかというと、今、前の段階で江藤議員とかなり議論をさせていただきました、客観的な事業評価を行うということでございます。そして、徹底したコストの縮減に努めて、そうはいっても、外部効果等々、最後にお話しさせていただいた観光等々の外部効果などもやはりしっかりと見ていかなければならない。

 によって、必要だけれども有料道路方式ではできないものは新直轄方式でつくっていくということで、有料道路事業の当初の見込み額二十兆円をおよそ半分の十兆五千億円に半減する。あるいは、投資効果や採算性の観点から、現行整備計画の規格、構造での整備が困難な区間、すなわち、どんなにやりくりしても、どんなに考えても、今のままの計画道路をつくっても、利用する人はいないし、費用対効果あるいは採算性、外部効果等々でも厳しい、こういうものは抜本的見直し区間として、今のままではつくらない、こういう整理をさせていただいたわけであります。

 そして、何よりも民間企業になるわけでございますから、民間企業、せんだっても近藤総裁がおいでになって、民間になればこれだけのことができるんだというようなお話がございましたけれども、経営センス、ノウハウというものを生かして、真に利用する国民の皆さん方がメリットを享受できるようなものをつくっていくということが重要であると考えております。

 では、目に見えるメリットというものは何なのかということを考えると、やはり一つが料金だと思います。高速道の料金を平均一割下げる、さらに、別納割引を廃止することによってさらなる引き下げを行う。具体的な例としては、エアラインが行っているようなマイレージ割引とか、この十六年度から社会的実験をスタートさせていただきますけれども、夜間割引、あるいは通勤割引等々も考えられると思います。社会実験を実施して、いいものを取り入れていく。民営化後も当然、民間センスを生かした弾力的な運賃設定というものを期待しているわけでございます。さらに、議論のございましたSA、PAのサービスの向上、民間会社の経営ノウハウというものが生かされるものと期待しております。

 一言で言いますと、総理は戦後初の道路の抜本改革だと言いますとおり、荒療治をしなければこれだけのことをやることができなかった、そこにやはり公団の限界があったんだと思います。

岩崎委員 どうもありがとうございました。

 大臣の道路公団改革に寄せます大変な強い意気込みと改革の意欲、そして、いろいろな手法を組み込んで今回の民営化をぜひとも成功させたい、確かに明確なメッセージを賜りました。

 そこで次に、今後の高速道路整備の見通しについてお尋ねをしたいと思います。

 我が国の高速道路は、その緊急整備の必要から、税金ではなく、道路公団等により料金収入で整備を行うことといたしまして、これまで、国が責任を持って整備計画を策定し、道路公団に施行命令を出して整備を行わせてまいりました。

 民営化後も、高速道路の整備計画は国の責任でつくられることに変わりはありません。ただ、その建設は、高速道路株式会社と新直轄の二つの手法により行われることになります。道路公団が国の施行命令によりすべての高速道路を建設するという時代は終わり、高速道路株式会社は今後、採算性等の観点から、みずから担える路線だけを建設することになります。

 一方、我が国は大競争時代に入り、隣国の中国との競争条件を整備する観点から、我が国の物流コストの大幅な低減を図る必要に迫られております。中国の加速度的な高速道路建設にはかないませんものの、相応の高速道路建設が不可欠であります。

 我が国国土経営の観点からいたしましても、九三四二の整備計画、一一五二〇キロの法定予定路線の整備は、早急にこれを達成しなければなりません。四十兆円に上る債務償還を確実にしつつも、道路特定財源を活用した新直轄方式の拡充によりまして、その整備を急ぐべきと思いますが、民営化の見通しが立ちましたこの時点におきまして、九三四二キロの整備計画、一一五二〇キロの法定予定路線の整備の見通しについて、佐藤道路局長にお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 これからの手順といいますか、これからいろいろ実行していくべき事柄について、最初に一つ申し上げたいと思います。

 まず、この法案を通していただいて、そして民営化会社の発足を順調に準備させていただいてやらせていただく。そして、民営化会社が仕掛かり中の調査中路線、事業中路線、これをどれだけ本当に実行するか、この辺の打ち合わせを十分させていただいた上で、先生御指摘の九千三百四十二キロの中の二千キロの未供用区間について、見直し区間百四十三キロも含めて、どういうふうに処理するかということも含めて、いずれにしましても、民営化会社がどれだけの仕掛かり中の道路をきちっと事業を実行するか。

 そして、現在既に直轄として六百九十九キロ、昨年の国幹会議で指定させていただいたわけでございますが、これに多少の新直轄化という路線、区間が出てこようかと期待しております。そして、その二千キロ全体の仕分けができる。そして、粛々と一生懸命整備を進める。民営化会社発足後半年以内にこの整理をさせていただいて出発する、こういうことになろうかと思います。

 そうしますと、それがいつごろまでにどうかという点につきましては、会社や機構、それから国も十分相談に乗りながら、そうした経過の中で目標を定めていっていただく、こういうことかと思います。

 一万一千五百二十キロについてどうかというのが二点目のお尋ねでございました。

 これにつきましては、まずとにかくそうした形で現在の整備計画区間についてしっかりした事業計画を立て実行していく。これをさせていただきながら、なおかつ、現在整備計画になっていない部分につきましては、いろいろな調査が必要であります。

 これを具体的な調査を各地でいろいろやって進めてはおるわけでございますが、これについては、九三四二の中の二千キロで行いましたと同様の、これは恐らく世界で初めてだと思うんですが、事業評価、費用便益と採算性とその他の外部効果、これをまた明快にすべき、ルートの検討であるとか、現地的な、いろいろ即地的な検討であるとか、あるいはまた将来のそれぞれの地域のプロジェクト等の計画のありようとかいうようなことを調査を進めているわけでございまして、そうした調査が進んで事業評価を十分にする。そして、これは急いで着手する必要があるんじゃないかといったようなことを明確にしながら、逐次一つ一つ進め方を考えていく。

 その際に、もちろん新直轄事業で行うんだという部分も出てこようかと思いますし、それから、場合によっては、会社の方で、ここは十分実行させていただきたいというようなところが出てくるかもしれません、これは申請主義でございますから。そうしたことをこれから力を尽くしてまいりたいと思っております。

岩崎委員 どうもありがとうございました。

 着実に整備を進めて、ステップを一つ一つ上げていくということでございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、この一万一千五百二十キロの予定路線の中には、整備計画区間と一体となってネットワーク効果を高度に発揮するものがあります。その代表例が中部横断自動車道であります。

 この中部横断自動車道は、上信越自動車道、北関東自動車道と一体となり、東京から百キロないし百五十キロ圏を環状に連結する関東大環状連携軸を形成するものであります。完成いたしますと、東京、南関東を経由せずに関西、中京と東北、北関東とを直接に結び、経済効果ははかり知れないものがあります。

 実際、東北道に接続する地点でとってみましても、清水から中部横断自動車道経由ルートは、神奈川、東京を経由したルートより、キロ数でたった三十キロ長くなるだけであります。したがいまして、中部横断自動車道完成の暁には、関西、中京から東北、北関東へ行く車は都内を通過せずにほとんど中部横断自動車道を通り、これにより都内の交通渋滞は大幅に緩和されることになります。

 とりわけ、東京への人口流入は再び増加しており、東京圏の交通量の増加も予測される今日であります。首都圏の環状線整備は喫緊の課題でありますが、一番大外の大環状線であります中部横断自動車道こそ、首都圏の交通緩和の切り札ともなるものであります。中国との競争条件を確保するためにも早期整備が望まれます。

 ところが、中部横断自動車道百三十六キロのうち、八千穂―長坂間三十八キロはいまだ予定路線、基本計画区間であります。残りの整備計画区間がすべて整備されましても、ネットワーク機能が切断されてしまうおそれがあります。

 私は、中部横断自動車道のような高速ネットワーク効果の高い路線につきましては、高速道路ネットワークとして全部の区間が手戻りなく同時期に供用開始ができますように、現在、基本計画区間にとどまるものでありましても、早期に整備計画に格上げし、新たな新直轄対象区間として整備を急ぐべきだと思いますが、佐藤道路局長にお考えを伺いたいと思います。

佐藤政府参考人 先生御指摘の中部横断自動車道につきましては、鳥の目といいますか国土の姿を鳥瞰的に見ますと、北関東横断自動車道と連携して、首都圏のといいますか関東の大環状、おおむね百キロから百二、三十キロ圏、こういう形になろうかと思いますが、を形成する大きな環状、こういう見方もできるということだろうと思っております。

 そういう意味では、そうした国のネットワーク全体のあり方ということを、そうした機能を勉強しながら、なおかつ一つ一つ現地の状況を今いろいろ把握しながら、その事業の評価あるいはまた具体のルートいかにあるべきか、こうしたことを検討させていただいている状態でございます。

 これからもそうした調査をしっかりと進めて、そして事業評価をきっちりしながら、むしろ積極的に、地域の課題解決として、あるいは国全体のネットワークのあり方としてこういう効用がある、こういう効果を十分発揮するはずである、そうした組み立てをすべく調査も進め、また、地元の皆様とも手を携えて、将来のプロジェクト等も一緒に勉強しながら調査を進めたいと思っております。

岩崎委員 中部横断道、大変緊急に整備を必要とする路線で、効果も大きいわけでございますので、今後とも十分なる御努力をお願い申し上げたいと思います。

 また、整備計画未供用区間二千キロの中には、施行命令直前でとまっているものがあります。例えば、中部横断自動車道佐久南―八千穂間は、施行命令に向けましての調査がすべて完成し、あとは施行命令を待つばかりのときに、突然道路公団改革の話が持ち上がりましたために、今日まで施行命令はお預けとなっております。

 幸い、昨年十二月に新直轄の対象区間として選定されましたが、この法案が上がれば、とまっていた施行命令が出されるのか、それとも、もう既に新直轄対象区間でありますから、施行命令なしに新直轄として粛々と国が事業を着手することになるのか、お伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 直轄方式によります高速自動車国道整備につきましては、国土交通大臣みずからが事業を実施する、こういうものでございますので、施行命令の手続は不要であるということではあります。

 そこで、昨年十二月の二十五日に国幹会議の議を経て、新直轄方式に移行した二十七区間六百九十九キロのうち、従来より日本道路公団に対し施行命令が出されていた二十区間五百九十七キロに対する施行命令につきましては、平成十六年の一月三十日付で廃止して、そして同時に、直轄事業としての事業化、こういうことにしたわけであります。

 いずれにしましても、今後の高速自動車国道の整備は、事業評価の結果や関連事業の進捗状況も勘案しながら、事業を進めることを原則としております。

 整備計画のうち施行命令が出されていない区間、これにつきましては、七区間百二キロがそういう対象になっておるわけでございますが、本格的な事業実施に向けて、まず、新直轄に移行する、こういうことでございますので、インターチェンジ構造の簡素化であるとか、あるいはまた有料道路にかかわる諸施設は、これは要らないことにもなりますので、そうした見直し、そうしたことを大いに進めて、コスト縮減の具体化などの調査を実施しているところであります。

 基本的には、直轄でございますので、年度予算の中でということになりますので、事業という面で申し上げれば、予算予算の、年度ごとの予算の、事業化する、しない、こういう議論の中で検討させていただくということになろうかと思います。

岩崎委員 どうもありがとうございました。

 今後とも早急な整備を進めていただくようお願いをしたいと思います。

 次に、コスト縮減についてお尋ねをいたします。

 今回の民営化の最大の効果は、高速道路建設コストのドラスチックな縮減であります。二十兆円の整備計画未供用区間について、四兆円のコスト縮減に加え、さらに二・五兆円、計六・五兆円のコスト縮減が計画されております。そのコスト縮減率が高いことに国民は大変驚いております。

 これには、民営化に追い込まれた関係者のそれこそ血のにじみ出るような苦労があったことと拝察いたしますが、余りにもコスト縮減率が高いことについては、その具体的な縮減の方法について国民にわかりやすい説明が必要ではないかと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 ただし、道路規格の変更によって、例えば二車線化によって高速道路利用の安全性が著しく損なわれるようなことが安易に行われてはならないと思います。

 長野県内の上信越自動車道は、この十年間、暫定二車線で供用されてまいりましたが、数キロにわたるトンネル内での対面通行により、多くの死亡事故の発生を見ました。多くのドライバーに生命の危険を感じさせるストレスを与えました。このようなことが繰り返されてはなりません。

 また、料金収入による高速道路整備の対象事業費は、民営会社発足前に三兆円消化され、民営会社移行時には七・五兆円に縮減されます。こうしたドラスチックなコスト縮減によりまして、民営会社による負担は大幅に軽減され、整備計画二千キロは想定よりかなり早く完成するのではないかと思われますが、その場合、一万一千五百二十キロの予定路線のうち、高速ネットワーク効果の高い路線については、民営会社、新直轄、いずれの方式にせよ、予定より早く取りかかることになると期待してよいか、佐藤道路局長にお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 二点のお尋ねかと思います。

 一つは、六・五兆円をコスト縮減、こういうことで、逆にまた安全性等について大丈夫か、こういう御議論と、コスト縮減、本当にこういう形で進むのであれば、新しく、一万一千五百二十キロの世界にも早く手をつけ得る、こういうような状況が期待できるのか、こういう御質問でございました。

 まず、コスト縮減の方を申し上げますと、約二千キロ、整備計画未供用のうち、これから二十兆円かかる、こうしたものをまず四兆円、二割コストカットする。これは、昨年の三月に出させていただいて、そして暮れの十二月二十五日の国幹会議でその結果を各路線、区間に張りつけて約四兆円の削減を実行する、こういうことにしたところであります。

 そのほか、新直轄方式へ三兆円移行し、なおかつ昨年末の基本的枠組みにおきまして、二・五兆円のさらなるコスト縮減を図ろう、こういうことにしたわけでございまして、この二・五兆円のコスト縮減を含めて、総額では有料事業対象として十・五兆円ということで、これもまたきっちりと整理した上で国幹会議にお諮りするということに将来なろうかと思います。

 そういう意味では、この二・五兆円についてはどういうコスト縮減で頑張るのか、こういうことでございますが、民営化で実現可能となります、サービスエリア、パーキングエリアの負担区分の見直しであるとか、あるいはまた契約方式の見直しであるとか、それから大胆に大規模改築事業を削減するとか、規格、構造の見直し、あるいはジャンクションの事業区分の見直し、こうしたことをこれから積み上げてまいりたいと思っております。

 これによりまして、次の一万一千五百二十キロに向けて余力が出るのではないか、こういう御議論でございますが、何はともあれ、ここの部分をまずしっかりと、これから高速道路、有料道路事業を対象として十・五兆円を効率的に投資しながら、早くその建設の見通しをつける。これは会社と機構と国と一緒になって考えてやらないといかぬわけでございますが、この見通しを早くつけることが一番大事なことかと思っております。

 さらに、先ほど申し上げましたように、一万一千五百二十キロにつきましては、基礎的な調査あるいは地元と一体となっての調査、これを進めながら、真に重要で必要なもの、こういうものを抽出しながら次なる展開に備えていく、これが大事なことだと努力してまいりたいと思っております。

岩崎委員 それでは、新直轄対象の工事発注についてお尋ねをしたいと思います。

 新直轄対象区間につきましては、本来でありますれば国道事務所が工事をすることになりますが、便宜、道路公団ないし民営会社に委託して工事をすることになるようであります。

 そこで、問題となるのが工事発注のあり方であります。国道事務所の工事発注には、当然のことながら地元の業者の入札機会が多くあります。ところが、道路公団の工事発注は、一件当たりのロットが大きく、ゼネコンの受注が多く、地元業者は実績もないとして入札参加機会も与えられないケースが多いようであります。

 公共事業の大幅削減に苦しみます地方の中小建設業者にとりまして、新直轄の工事発注には大きな期待が寄せられております。

 そこで、新直轄はあくまでも直轄事業であり、本来、国道事務所で発注が行われてもしかるべきものでありますので、たとえ道路公団ないし民営会社が委託を受けて発注をすることになりましても、国道事務所の発注基準によりまして地元の中小建設業者に入札参加機会が与えられますよう配慮していただきたいと思いますが、佐藤道路局長にお伺いをしたいと思います。

佐藤政府参考人 新直轄方式に移行しました二十七区間六百九十九キロにつきましては、従来から日本道路公団が調査及び事業を実施してきた区間である。こういうことでありますので、効率的に、円滑に事業を実施していくために、事業主体の変更によって事業の中断や引き継ぎが必要ない、それから、日本道路公団がおのおの現地において、適切な組織や実施体制を今は保有しておりますので、これらの既存組織を最大限活用することが可能、こういった点を勘案して、基本的には、日本道路公団に調査、用地買収、工事等の業務を直轄から委託する、こういうことにしたところであります。

 要は、できるだけ円滑に事業をするというのが一番大事なことだろう、地元においてトラブルのないように、こういうことに配慮をして基本的にはやっていこう、こういうことにしたところでございます。

 今後の工事実施に当たりましては、官公需についての中小企業者の受注の確保の法律に基づく政府要請に対して、適切にこれが対応されるように道路公団の方にも要請するということと同時に、直轄高速でありますからこの事業費については地元負担を求めている、それぞれの知事さんなどの意見も参考にしながら、地元中小建設業者にも入札参加機会が与えられるように配慮する旨、日本道路公団に要請してまいりたいと思っております。

岩崎委員 どうもありがとうございました。

 最後に、コスト縮減に関連いたしまして、スマートインターの大幅増設についてお伺いをしたいと思います。

 国交省におきましては、平成十六年に、既存のサービスエリア、パーキングエリアにETC専用出入り口を設ける社会実験を行うとのことであります。

 既存SA、PAにありましても、隣接するインターチェンジ間の距離は大変長く、高速道路でいざ事故が発生した際にも、救急自動車は遠くのインターチェンジまで走らなければならないケースが相当数あります。スマートインターチェンジに大きな期待が寄せられるゆえんであります。

 民営化後のコスト縮減のためにも、建設・管理コストが安くつきますこのETC専用インターチェンジ、スマートインターチェンジの大幅増設を図るべきだと思いますが、佐藤道路局長にお伺いをしたいと思います。

佐藤政府参考人 ETC専用のスマートインターチェンジにつきまして、まず十六年度に社会実験を行って、いろいろ本格整備に向けて課題の検討を行っていこう、こういうことで、昨日、全国にそうした御希望を募るということで公募を出させていただいたところでございます。

 内容的には、ETCの施設そのものは、実験でございますので国の方で設置させていただこうか。そして、取りつけ道路、サービスエリア、パーキングエリアに搬入路がございますので、それがそのまま活用できると実は大変実験しやすいわけでございますが、多少広げなければいけないというようなところもあるかもしれません。

 そういう意味で、地元の御負担も出てくる、こういう面もありますので、とりあえず十六年度すぐにできるようなところから選んでまいりたいとは思いますが、その前に、まず手を挙げてくださいということで公募をさせていただいたところであります。

 インターチェンジのない通過市町村の中でサービスエリア、パーキングエリアがあるというところは、三分の一ぐらい。三百六十三市町村のうち百十六ぐらいはサービスエリア、パーキングエリアはある、こういう状態でもございますし、行く行くはといいますか、できるだけまず課題を抽出した上で、スマートインターチェンジがどんどん設置できるように、まず実験して、評価して、そして本格実施に向けて努力してまいりたいと思っております。

岩崎委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わります。

赤羽委員長 梶山弘志君。

梶山委員 自由民主党の梶山弘志でございます。

 昨日の委員会の審議で小泉総理が出席をされました。その中で、今回の道路関係四公団民営化の目的、意義はどこにあるかという質問に対しまして、総理は、必要な道路をできるだけ少ない負担でつくる、そして二つ目として、今までの四十兆円に上る債務を確実に返済すること、この二点をお答えになりました。これらは、新たな目的ではなくて、公団が本来果たすべき責務であったと私は思っております。

 公団が民営化に適するものかどうかということを考えますと、民営化に本来は適さない性格の組織であると私は思っております。民間の手法を用いて合理化、効率化を図り、責務を果たすことができればよかったんですが、それができなくなってきてしまっている。公団が、設立時に比べて余りにも大きくなってしまいました。

 家に例えますと、家族がふえるに従って増築に増築を重ねてきた、そして、代がかわって、もとの部分がどこかさえわからなくなってきてしまった。そのようなものであり、発足当時から明確に本来意識していたその使命、責務というものが、時間の経過とともに薄れてしまい、入れ物、組織ですね、組織と枠組みを変えることによって、その使命、責務を再度明確にしようとしたものだと思っております。そのことは、利用者側からは、目に見えない部分、内部事情による民営化ということになります。

 利用者にとって目に見える部分、民営化によってどうサービスが変わってくるのか。ここで言うサービスというのは、料金の多寡、そして道路の管理状況、きちっと整備ができているかどうか、さまざまなサービスがあるわけでありますが、これからのサービス、どのようなサービスを考えているのか、そして、どのようなメリットを利用者が享受できるのか、お伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 民営化によって、利用者側から見た場合にどういうメリットがあるのか、こういう御質問でございました。

 今般の民営化に当たりましては、民間のノウハウ発揮、こういうことで多様で弾力的な料金設定をやっていただこう、それから、サービスエリアを初めとする道路資産や関連情報を活用した多様なサービス提供を図る、こうした形で利用者にさまざまなメリットが享受いただけるように工夫していこう、こういうことでございます。

 このために、民営化の基本的枠組みにおきましては、民営化までに、ETCの活用などによりまして、各種割引によって弾力的な料金を導入する。中でも、特に高速自動車国道、国全体のネットワークとしての高速自動車国道の料金につきましては民営化までに平均一割程度の引き下げ、これはいろいろな割引を考えながら、平均して一割程度の引き下げになる、こういうことを想定しているわけでございます。さらに、別納割引の廃止を踏まえたさらなる引き下げ、こうしたことを検討していくということにしたわけでございます。

 会社は道路料金収入から利潤を上げない、しかしながら、サービスエリア等を保有して、それを活用した関連事業等から利潤を確保する仕組みとしたところでございます。

 会社としては、サービスエリア等の利用拡大、これは道路利用者の確保が不可欠でございますので、サービスを一生懸命やらざるを得ないという動機がある。さらに、道路利用者の拡大のためには、逆にまた、サービスエリア等や沿道開発などの魅力の向上、こういう問題も必要となる。

 それから、同じ割引でも効果的に割り引くことによって利用を促進する。これは通勤時間帯などで割引をしてみますと、この弾性値が〇・七とか八とか、一に近いというようなこともございます。一であれば半額にしたら交通量が二倍になる、こういうことでございますので、そうしたような弾力的ないろいろな試みも今やってみているところでございます。

 こうした活用を、民営化という弾力的な自主的な行動といいますか、企業努力が可能だという状態の中で大いに努力していただくということにしているところでございます。

梶山委員 サービスの中身に通行料金の割引も入るということでありますが、民営化後の高速道路の通行料金の設定は、機構へ支払うリース料、そして会社の維持管理費用等で構成をされまして、たびたびこの話がありますけれども、利潤は含まないということですが、民営化をして、将来の上場も視野に入れていくにはどのように収益を上げていくかということが最大の関心事であります。

 SA、PAに関する事業ということは聞いておりますが、そのほかに現時点で想定している事業展開というものをお聞かせください。

佐藤政府参考人 まず、先生御指摘のように、SA、PAの事業、こういう面から申し上げますと、日本道路公団のサービスエリア、パーキングエリアにおけるテナントの売上高が三千五百億円ほどございます。現在、ハイウェイ交流センターと道路サービス機構、この二つの財団に分かれておりますが、そこに入っておりますテナント料の総額といいますか、契約しているテナントのテナント料の総額が五百億円を超える、こういう状態でございます。

 したがいまして、ここの部分につきましては、効率的にテナントとともに努力をする、こういう前提で申し上げれば、それなりの収益というものが期待できようか。ただし、堅実に行うのであれば今の数字はそれほど変わらない、こういうことだとは思いますが、いずれにしましてもこうしたベースがある、これが一つでございます。

 それから、従来の公団に対しまして、業務範囲、内容等につきましては、他の事業に手を出す場合には法律的には拡大できない、こういう形にもなっておったわけでございますが、会社の方では、関連事業の認可制を廃止して事前届け出制にする。サービスエリア、パーキングエリア事業そのものは、本来の事業として届け出も不要。こういうことにいたしますので、そういう意味では、自主的に活躍し得るという範囲が非常に広がるということだと思っております。この中で、経営センスを生かしながら関連事業で利益を確保する、こういうことは十分可能なことではないかな。

 つまり、どういうことかと申しますと、先ほど申し上げましたサービスエリア、パーキングエリアにおける従来事業、ここにおける収益確保という面と、さらに、高速道路の建設、管理で申し上げますと、基本的には、しっかり努力をすれば、損失はしないけれども、ある程度は従業員がそれでもって活躍し得るというベースはある、こういうことでもあります。大いに努力すれば、建設費を縮減する、あるいは管理費を縮減する、こういう努力をすれば、それがまた業績に反映し得るというような形にもしよう。ただし、ここはサボるとマイナスになるわけでございますが、そういう形で努力していただく。

 したがいまして、まず、経営が安定するまでの間どういう努力をしていただくかということでありますが、十分に着実な経営というものは可能なことではないかと思っております。

梶山委員 サービスエリアそしてパーキングエリアの事業について説明を受けましたけれども、民営化後は新たな法人となるわけであります。これまでその二つの財団を通じてテナントが入っているわけでありますが、これまでのテナントとの関係、契約関係、権利関係というものは、新会社設立後、どのような形になっていくでしょうか。そして、今後、テナントを使った事業、それ以外に直営の事業ということも視野に入れているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 まず、サービスエリアやパーキングエリアにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在は二つの財団が建物を建設して、テナントを募集して、テナントとの間で契約を結んで、こういう形がベースになっておるわけでございます。この事業そのものは、日本道路公団が民営化された場合には、この資産と債務を含めて会社に承継される、こういうことになろうかと思っております。財団の保有する資産につきましても、したがいまして、会社に譲渡されるということになろうかと思っております。

 そうだとしますと、基本的には、その場合に、今までは財団とテナントの関係でありましたが、これからこの財団の資産と業務を会社が引き継ぐとすると、今度はテナントと新しく民営化される会社の関係になる。これは、契約上、それぞれいろいろなことがあろうかと思いますが、基本的には、従前の契約がどういう形であるかによって、ベースが維持されるといいますか、今までの契約が通常の場合は生きるであろう。

 したがいまして、例えば、十年間はこのテナントがここを借りる、こういう契約があったとして、その途中で財団から会社にかわったからといって契約破棄、こういうことにはならないんだろう、従前の契約が生きている、こういうことだと思っております。

 問題は、そうすると、サービスエリア、パーキングエリア等で、会社がそういうテナントとの契約以外のどういう事業展開が新しくできるかというのが主になってこようかと思います。

 そういう意味では、サービスエリア、パーキングエリアを新しく設置する場合、これはもちろん会社の方でも主体的な努力ができるし、また、今回の法案の中で、新しく民営化された会社以外に適格な方がおられれば、サービスエリアを開始したいということがあれば、また連結の、接続の許可なんかも与えることになりますので、そういう意味ではサービスエリアの競争みたいなものも始まるのかもしれません。

 いずれにしましても、すぐにはなかなか、よほど経営が安定するまでの間、会社の方で、今の契約をベースにしながら新しく事業展開できる方向を模索されるものと思っております。

梶山委員 サービスエリアとパーキングエリアの事業、その進め方によっては大きな利益を生むものであると私は思っております。

 商売をするには、駅から徒歩何分、インターチェンジから車で何分というような立地条件というものが大変重要なファクターとなってきております。例えばJRの件でありますが、これは、駅からゼロ分、まさに駅そのものを利用して関連事業を展開して、地の利を生かして大きな利益を得ております。

 サービスエリアそしてパーキングエリアの事業も、目的地に着くまでに余分な時間をかけずに利用することができる。そして、莫大な利益を生む可能性があるわけであります。

 利益が出た場合のその処分の仕方。普通の民間企業であれば、株主の配当に回したり、役員の賞与、社内留保という形になっていくわけでありますが、新会社ではどのようになるのか。そして、莫大な利益が出た場合に、今の枠組みでは、借金の返済、リース料という形になっていますけれども、借金の返済に充てることができるのかできないのか。できない場合は、それをできるようにする努力はするのかしないのか。その辺をお聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 会社の業務は、あえて申し上げますと、大きく二つに分類できるものというふうに理解しております。

 会社が高速道路については建設し、管理し、料金徴収を行う。この場合に、高速道路の料金からは利潤を出さない、こういうことでありますので、通常の企業努力を実施した上で適切に高速道路の整備、管理を行っていただく。ここの部分の経理は、料金収入から管理費を引いて貸付料を機構に出します、この部分はこの部分として、経理上の一つの明確にすべき区分かと思っております。

 もう一つが、今度は関連事業、こういう形になろうかと。そうすると、その関連事業の方は、先生御指摘のように、サービスエリア等で大変当たったといいますか、関連事業収入が大変利益が出た、こういう場合に、その利益はどうなるか、高速道路の借金の返済に回し得るのか、こういうお話かと思います。

 ここは別々に考えるべき、こういうものだと思っておりまして、したがいまして、関連事業で上げた収入につきましては、普通の民間会社と同様に、法人税を支払って、内部留保あるいは配当を行う、こういうことになろうかと思います。これは会社の努力や意思次第で達成することができる、こういうことかと思います。

 先生の御指摘は、これを高速道路の四十兆円に上る債務の返済に充てられないのか、こういうお話であります。

 早期返済に貢献する可能性もありますけれども、有料道路事業以外の分野で会社が努力したその成果、利益を事後的に奪う、こういうことになりますので、会社が経営努力をしてもしても、何といいますか、むだといいますか、会社としては吸い取られてしまう。こういうことでは経営努力の動機づけといったことを失わせてしまうんじゃないか、こういう問題もありますので、大きな仕事二つ、有料道路事業の建設、管理、運営と、それから関連事業、ここは一たん仕分けした上で、関連事業の方の利益を高速道路全体の借金返済に回すということは、現時点では想定はしておりません。

梶山委員 先ほど岩崎委員からもお話が出たんですけれども、既存のストックであるSA、PAを利用したスマートインターチェンジ、ETCを活用したスマートインターチェンジを積極的に整備していく考えがあると伺っております。

 それぞれの地方、今、約九百市町村を通過しながら、三百六十三のインターチェンジしかないということで、それぞれの市町村が自分のところにインターチェンジをつけたい、また出入り口をつけたい、簡単なものでもいいからつけたいという思いがあるわけでありますが、まちづくり、町の活性化とあわせて、公募をすれば、かなりの数の市町村がそれにこたえてくるかと思うんです。

 今回、社会実験を行うということでありますが、その結果はどのように活用をして、設置するところを単純に数だけで決めていくのかどうかということも含めてですが、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 平成十六年度におけますサービスエリア、パーキングエリアに接続するスマートインターチェンジ、ETC専用インターチェンジの社会実験につきましては、この四月の六日、昨日から二十三日まで、別に期限を切る必要もないんですけれども、いつまでもということでもなんでございますので、二十三日までを公募期間といたしまして、各地方公共団体に候補箇所として手を挙げてくださいという募集を始めたところであります。

 この場合、何が問題になるかと申しますと、二点あろうかと思います。

 一つは、既存の取りつけ道路、要するに、サービスエリア、パーキングエリアに大概は一般道路から、裏の方から物資搬入路がある、これが基本的に使えるかどうか、こういう問題が一つでございます。これがそのまま使えるのですと実験が非常にしやすい、こういうことになろうかと思います。したがいまして、そこは応募されてこられるサービスエリア、パーキングエリアの現在の状況をよくよく相談させていただきながら、何分にも、十六年度中に実験して評価もしてみよう、こういうことでございますので、すぐに取りかかれるような状況であればやりやすい、こう思っております。これが一つであります。

 もう一つは、どれだけの利活用が見込まれそうか。

 多分たくさんの御応募があろうかと思いますが、その二点から御相談させていただきながら、今年度の実験をすぐにやれるところを相談しながら詰めてまいりたい、そんなふうに思っております。恐らくかなりの数が、四、五十カ所ぐらいは出てくるんじゃないかと。

 ただ、そういう意味ですぐにできるというのが、予算的な面も多少の制約がございますが、むしろ取りつけ道路の方がいろいろ問題もあろうかと。それから、余りふくそうすると、また事故が起きてもなんでございますので、そうした点をよくよく相談させていただきながら急いで詰めたいと思っております。

梶山委員 これまでの質疑の中でもたびたび言われておりますが、公団の高コスト体質が指摘をされております。

 これに密接に関連をして、ファミリー企業の存在が指摘をされているわけであります。新聞、週刊誌等にも取り上げられておりますが、ファミリー企業と呼ばれる企業の定義は何なのか、そして、その定義に当てはまる企業がどのくらいの数あるのか。また、外部発注する事業のうち、ファミリー企業がどのような種類の業務を受託しているのか。そして、契約の形態、どのような入札方法、契約の方法でされているのか。その辺を教えていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 まず、ファミリー企業の定義でございます。

 これにつきましては、特殊法人等に係る行政コスト計算書作成指針、これが平成十三年の六月十九日に財政制度等審議会において出されております。これに従いまして、「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する監査上の取扱い」、これが平成十年十二月八日、公認会計士協会監査委員会報告第六〇号、こういうことでございますが、この作成指針に基づいて、これを基準として、子会社及び関連会社として判定された会社、こういうことになるわけでございます。

 具体的には、例えば資本が半分以上であるとかいうようなこともあるわけでございますが、そうした定義に基づきまして、平成十四年度の行政コスト計算書作成時においては、道路関係の公団で百十六社ある、こういうことでございました。

 その百十六社の主な内容といたしましては、料金収受業務が四十三社、交通管理業務が八社、保全点検業務が二十六社、維持修繕業務が二十一社、その他業務ということで、例えば休憩施設の業務であるとかあるいは道路敷地等の管理業務、こうした会社が十八社ということで、合計百十六社でございます。

 それぞれの契約についてでございますが、維持管理業務につきましては公団からの受託によって業務を実施している。これは入札でございますが、平成九年度からそれぞれの公団で順次公募型の指名競争入札を維持管理業務に導入してまいりまして、平成十五年度からは、例えば維持管理業務の公募要件を緩和する、こうしたことを行っているところでございます。

 どういうことかといいますと、例えば、高速自動車国道で維持管理業務をしているという実績がなくとも、直轄の道路等で維持管理業務の実績があれば実績要件としてはそういうものを認めるとか、そうした公募要件の緩和を行って競争性を高めるための取り組みを行っているというのが現状でございます。

梶山委員 これだけいろいろな形でファミリー企業というものの存在が取り上げられているわけですから、民営化前にファミリー企業に関する改善が図られていると思いますけれども、その辺は数値で示せるのであれば数値で示していただきたいということと、民営化後、ファミリー企業と言われるものをどうしていくのか、その方針というものがおありになればお聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 道路関係四公団のファミリー企業に対しましては、先ほど申し上げましたように、維持管理業務とかいろいろやっておるわけでございますが、維持管理業務の大半をファミリー企業が受注、実施して利益を蓄積しているんではないか、そして、ファミリー企業の役員の多くが公団OBによって占められているんではないか、こういうような御指摘がこれまであったところでございます。

 そこで、昨年三月の道路関係四公団民営化に関して直ちに取り組むべき事項の中で、公団と発注先との関係の透明化、コストの縮減、利用者還元の充実を図る観点から、さまざまな方策を講じてきたところでございます。

 具体的には、公団OBの社長は九十七人から四十三人ということで五六%の減少、これは四月六日時点で、公団OBの役員は、従来四百七十四人おられましたものが二百二十九人ということで五二%の減少。

 発注費の削減ということで、ファミリー企業に対する発注を漸次削減していく努力をしていこう、こういうことでございまして、前年度比で二百五十億円、一一%減の見込みであります、十五年度。

 さらに剰余金の還元ということで、公団のファミリー企業のそれぞれに協力をしてもらって、身障者ドライバーのETC装着促進のための助成費へ十億円拠出を要請して、出してもらった。

 それから、引き続きファミリー企業の抜本的見直しには取り組んでまいりたいと思っておりますし、入札契約方式につきましても改革の道半ばのものもある、こういうことでもございますので、引き続き、公団の取り組みが促進されるように指導してまいりたいと思っております。

梶山委員 ありがとうございました。

 私は茨城県の選出でありますが、常磐自動車道におきまして、昨年の、ちょうど私どもの選挙の直後、十一月十一日から約一カ月間、料金を半額にする社会実験が行われました。このような地方提案型の社会実験、全国各地で今取り組みがされているわけでありますが、この結果を民営化後にどのように、多分料金に反映をさせていくかと思いますが、反映させる手法、そして方針をお聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 先生御指摘のように、常磐自動車道日立地域におきましても、朝晩の国道六号、国道二百四十五号の一般道路の渋滞が大変だということで、通行料金を五割に引き下げて、一カ月間、昨年の十一月十日から十二月十日まで実験していただいて、その結果、有料道路の交通量の方は一・七倍ふえた、料金弾性値〇・七であった、並行する国道六号の交通量の方は四%減少した、朝の路線バスの所要時間が十三分から十八分短縮になった、いろいろ効果が認められているところでございます。

 さらに、全国的に実は社会実験を行っておりまして、全国的な集計を現在しておるところでございますが、大体五割引き、朝夕の通勤時間帯等について五割引きの割引料金を設定いたしますと、大体、当該有料道路の交通量の方は一・七から二倍ぐらいになる、こういうような結果を得ております。

 そこで、今年度も引き続き、できるだけ早く、多くの地方からの提案型の実験を実行させていただきたいと思っておりますが、そういう意味では、公団が民営化して会社になる前に、現在の公団の状態において、基本的に新しい割引の形態、あり方というものを、この実験結果を踏まえながら出させていただきたい、そんなふうに思っております。

 特に高速自動車国道につきましては、夜間の割引であるとか、夜間で長距離割引をどうするか、これの実験もゴールデンウイーク前にできればまとめて出したいと思っておりますので、そうした実験結果を踏まえながら、できるだけ早急に、弾力的な割引の第一歩を踏み出したい、こういうふうに思っております。

梶山委員 この十年間、我が国の経済は停滞をしておりましたけれども、この間の車の登録台数というのは約一千万台増加をしております。我が国の経済、そして国民生活と車と道路というのは、もう密接不可分の関係にあるわけであります。

 高速道路に限らずに、道路網の整備というのは、我々、目の前にあることをやるということだけではなくて、今、声の出ない将来の世代への我々の世代の責任であると思っております。必要な道路をむだなくつくっていく、非常に単純なことではありますが、この精神を忘れずに頑張っていただきたい、関係各位のなお一層の御努力を切望いたしまして、私の質問を終わりにいたします。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 保坂武君。

保坂委員 私は、自由民主党の保坂武です。

 衆議院の数多い委員会の中でも、この国土交通委員会につきましては、私にとりましても誇りに思っている委員会としているものであります。まだ一年足らず在籍している私でもありますが、大切なこの道路関係四公団民営化関連法案が提案されての質疑すべきこの委員会でありますけれども、向こう側の席には、国民の代弁者というふうな意味合いの中では、欠席されている方がおられるようでありまして、非常に残念に思う一人であります。

 この民営化論議につきましては、もう二年を過ぎておりますし、私も地方議会におりましたから非常に経験しておりますけれども、大切な法案こそ、こうしてこういう場で論議をし、そして、せっかく大臣も見えておりますから、このことこそ審議をすべきだ、こういうふうに思う一人であります。

 私の山梨ですが、方言で言えば、ちゃくい、全く見えないで審議に応じないというのはちゃくい。そしてまた、幼児言葉で言えば、だだをこねている、こういうふうにしか言えないわけであります。

 ぜひ、そういう意味では、先ほども論議の中でびっくりいたしましたけれども、国民年金の未納者は四〇%もいるというふうなことを聞いておる中で、また、高速道路の料金を納めないで通過してしまう方がこれまでに四十万人もいる。何か数字が同じようでありますけれども、非常にこういうふうな場面というものは大切であり、国民に理解してもらうには、私はこの委員会は大切なものだ、こう思っておるものであります。

 そこで、道路四公団民営化につきましても、政府の構造改革として、民間にできることは民間にゆだねる、基本の原則に基づいて、大改革だと思っておる一人であります。既に現行道路公団の歴史は長く、日本の高速道路網の整備計画が打ち出されてもう五十年、半世紀になろうかと思うわけであります。道路公団の廃止が決まりまして、この四法案の審議が最終段階、ここに入っているのではなかろうかと思います。

 国民の立場で申し上げれば、東名高速道路を初めとして、償還方式で始まったその以後、四十年代におきまして、全国の高速道路網の収支を一体管理する、一体化で管理する全国プール制を導入してしまったことにつきまして、国民年金を初めとする年金運営と同じように、収支に無防備な考え方が今までの政治家あるいは官僚にあったのではないか、こういうふうに思いまして、若干云々も申し上げたい思いでもいるところであります。

 この際、国土交通省は、高速道路建設における当時の初心に戻って、つまり、借入金によって道路を建設し、受益者負担による有料制で借入金を返済、そして完済後に無料化するという最初の考え方に戻って、償還主義がとられてきたのでありますので、これが公団設立の趣旨であったわけであります。したがいまして、本民営化は、真に初心に戻るというふうな意味合いがあるんではなかろうかと思う次第であります。

 そこで、大臣にお尋ねをいたします。

 高速道路は、日本の地域連携軸、国土連絡軸として必要不可欠なものであるといたしまして、既に借入金の債務は平成十四年において四十兆円となっている、こうお聞きいたしております。マスコミでは、返済のプランについて、全く不透明だというふうな指摘も言われております。この法案の提案理由に、「できるだけ少ない国民負担の下で建設すること等を目的」としております。「できるだけ」というふうに明文化しておりますが、国民にはちょっとわかりにくいわけでありますので、あわせて、この「少ない国民負担」とは何なのか、お伺いをさせていただきます。よろしくお願いします。

石原国務大臣 ただいま保坂委員が御言及されました点は、非常に私は重要な点だと思っております。

 必要な道路はつくっていかなければならない、しかしながら、限られた財源の中で、客観的な評価を行って、事業評価を行って、優先順位をつけてつくっていく。そんな中で、「できるだけ少ない国民負担」とは何なのかということでございますけれども、その国民負担の軽減を図るために、これは総理も申しておりますように、ともかくかかる経費を縮減するんだという話をされております。

 方法としては、もうこの委員会でもいろいろ御議論がされてまいりましたので、簡略に御説明申し上げますけれども、規格、構造の見直し、そして、民営化することによりまして民間の経営センスを事業に活用することによって、これまで公団が動機づけとしてなかった事業の効率化あるいはコスト管理の徹底、こういうことによりまして、建設コストに関して言いますと、未供用のおよそ二千キロについては、これまでの四兆円の削減に加えまして二・五兆円の削減を行うことによりまして、有料道路の事業費を二十兆円からおよそ十兆五千億と半分にする、これが一つのポイントでございます。

 そしてもう一点は、管理コストであります。これは、御同僚の梶山委員の議論の中で出てきました、ファミリー企業がかなり高く一方的に受注している、こういうものが目立つわけでございますけれども、もちろん安全性を確保しつつ、思い切った見直しを行いまして、平成十四年度、二年前と比較させていただきまして、おおむね三割の縮減を行うこととしております。

 公団の民営化議論を契機として初めて実現可能となった、先ほど来のおよそ十兆円というコストの大幅な削減、あるいは料金の引き下げ、平均で一割ということを考えておるわけでございますけれども、国民負担の軽減というものは、この民営化論議の私は大きな成果の一つであると考えているところでございます。

保坂委員 次に、道路局長にお聞きいたします。

 民営化、民営化と言われていまして、非常にはやり言葉のように思うわけでありますが、改革時代のこの民営化に向けて、国民が何かやわらかい言葉で聞いておるわけでありますけれども、具体的には、二年後、現公団組織が、私どもから見れば、何が道路株式会社になるんだ、こういうふうに指摘をするわけであります。今までの道路公団であっても、企業の努力をしてくれば、ここで改革をするとかという言葉にならずにできたと思うわけでありますが、現在の道路公団がどういうふうな形で新会社になるのかということを危惧しているところであります。

 したがいまして、現行の公団が民営化をされて新会社になったらどのような点がどう変わるのか、わかりやすく御説明願いたい。

佐藤政府参考人 現行の公団と、会社になった場合に何が違ってくるか、こういう御指摘でございました。

 そういう意味では、現在の公団方式におきまして、いろいろな御批判をいただいているわけでございますが、例えばということで幾つか申し上げますと、国から一方的な命令、施行命令、こういう形が出るということも一つの問題であろう。それから、経営努力の有無、これが公団の業績に反映されないというのもまた問題ではないか。そして、コストが高い体質、あるいはまた、料金制度が硬直的で、画一的なサービスエリア、パーキングエリア等の顧客サービス、こうした面の問題。それから、不採算路線の建設歯どめ策がないのではないか、ファミリー企業との不透明な関係、こういったことがもろもろ指摘されているところでございます。

 こうしたことを直すためにどうするか、こういう議論であります。

 国からの一方的命令の仕組み、こういう点につきましては、仕掛かり中路線に係りましては複数協議制を採用し、また、全く新規にどうするか、こういう面で申し上げれば、申請方式ということで、会社の自主性尊重という仕組みを導入させていただく。それから、建設費や管理費の縮減などに経営努力をしていただくということによって、経営努力の有無が業績に反映されるような仕組みということも導入する。さらに、サービスエリア、パーキングエリア事業につきましては、現在二つの財団が行っておるわけでございますが、これを会社に譲渡して、道路区域から除外するということで、関連事業の自由な展開であるとか、これを可能にするという仕組みにしよう。

 こうしたことによりまして、高コスト体質、コスト意識を向上させていただいて、そして顧客本位のサービス水準の向上、こうしたものが図られることが期待できるというふうに考えております。

保坂委員 新会社ということで、目指して法案が出ておるわけでありますから、私どもも大きく期待をしながら、現公団とは違って、本当に国民のためのサービスの得られる新会社を期待するものであります。

 続いて、大臣あるいは副大臣にお伺いいたしますが、高速道路整備計画では、法律で定められた予定路線一万一千五百二十キロ、そして基本計画一万六百七キロ、あるいは、今言われております整備計画九千三百四十二キロと、数字が幾つも話題になっているところでありますが、現時点では、整備計画決定区間とされ、総延長九三四二であるということであります。そのうち、今年度、十六年度末には七千三百六十三キロ、六四%が供用済みとなると聞いておるわけであります。

 残された千九百七十九キロにつきましては、本法案から見ると、整備計画のものは民営化会社が受け取ることになるわけでありますが、国として、国土開発幹線自動車道の整備方針は、新会社によりまして、予定路線の一万一千五百二十キロすべてが可能なのか、すべてを目指しているのかどうかをまずお伺いさせていただきます。

林副大臣 高速自動車国道の整備の必要性につきましては、先ほどから答弁しておりますように、費用対効果、そして採算性、加えまして、例えば高度の医療施設に短時間で行けるとか、あるいはまた物流センターから短時間でインターを通じて高速道路に乗れるとか、そういう外部効果を総合的に評価することがまず必要でありまして、この評価を踏まえて、むだな道路はつくらずに、地域にとって本当に必要な道路は整備すべきだというふうに考えておるところでございます。

 お尋ねの整備計画区間九千三百四十二キロのうちの未供用約二千キロについてでありますけれども、御指摘のとおり、評価基準に基づきまして、その必要性を厳しく、そしてまた客観的に評価した上で、このたび、新直轄方式と有料道路方式の区分に分類をしたとともに、抜本的見直し区間を設定したところでございます。これらの整備区間につきましては、先ほど答弁したとおり、この二つの方式の中で詰めるということにしておるところでございます。

 また、法定予定路線一万一千五百二十キロに関しましては、整備区間の九三四二以外の区間、これにつきましては、先ほど大臣が答弁いたしましたけれども、いつ、だれが、どのルートで、どんな方法で整備するかは未定でございます。しかし、その中には、東京外郭環状道路の、関越道あるいは中央道、東名高速を相互に連絡する区間のように、極めて重要な道路が含まれていることも事実であります。

 いずれにいたしましても、整備計画以外の区間についても、総合的、客観的な評価基準による厳格な評価を実施いたします。事業の着手いかんは、その結果次第になるものと考えておるところでございます。

保坂委員 今御答弁をいただきましたが、予定路線の当初の一万一千五百二十キロ、それに対して、今論議されております整備区間の九千三百四十二キロのこの端数、予定路線にまだ残されている二千百七十八キロ、これがどうなっているかということであるわけです。

 今御答弁ありましたように、状況を踏まえながら、また今後も検討されていくというふうな御答弁のように伺うわけでありますので、今後とも精力的に、これら国民にとって必要な路線については真剣に、門戸を開いて、そして検討をなおされていただきたい、このように思っている次第であります。

 次に、引き続きお伺いをいたしますが、民営化会社として、基本的な高速道路整備方法が法案によっても具体化されてくるわけでありますが、地方にとりましては、未整備区間の建設は、当初二十兆円であったが、今、十六兆円とか、あるいは十兆円とかというふうに、コスト削減によってさらに努力をされて、おおむね十三兆円ぐらいまで下げるとしているようであります。

 心配になるわけでありますが、高速道路のもたらすさまざまな効果は、地域社会あるいは経済を支えまして、生活の安全あるいは安心を与えるものであります。小泉総理初め、石原大臣もそうでありましょうが、恵まれた都会の方にお住まいをされている方にはちょっと実感がないんではなかろうかと思います。

 先ほどの岩崎議員の質問と重複をするかと思いますが、私の住む山梨には、長野県を境とする八ケ岳から南へ、南アルプスと並行して、太平洋に広がる静岡県を結ぶ中部横断自動車道が整備計画に入っております。静岡県清水市から長野県の佐久市までのこの中部横断道は、新潟の日本海まで、太平洋から百三十六キロとなるものでありまして、東名、中央、関越そして北陸の各高速道路に連結をされておりまして、北関東を結ぶ関東大環状連携軸構想の実現も可能になる道路であります。

 そこで質問は、既に整備計画区間にありましても、民営の新会社は中止の判断をされるというふうな危惧も地元の方ではしているわけでありますが、中部横断自動車道の中央道から南部の区間、先日、三月の二十日に供用開通となりました南アルプス・インターから静岡県の清水市までの整備については、十六年度分あるいは十七年度分の計画は、引き続き、民営化以前に行えるのかどうか、お尋ねをさせていただきます。

佐藤政府参考人 先生の御指摘は、十六年度あるいは十七年度、民営化の会社が発足する以前に、具体的には中部横断自動車道、現在の南アルプス・インターから南の方になるわけでございますが、事業そのものは進めていくのか、こういう御質問かと思います。

 そういう意味では、会社が発足するまで、公団が現在事業をやっておるわけでございますが、この事業は、十六年度、十七年度、引き続き、継続して事業を進める、こういうことで考えております。

 問題は、会社になった場合に、その会社が事業を継続するかしないか。あるいはまた、全体の整理といたしましては、未供用区間、現時点で約二千キロでございますが、このうち新直轄方式に切りかえさせていただいたものが、昨年の国幹会議で約七百キロあるわけでございます。残り千三百キロにつきましては、会社が発足した後、公団事業を引き継いで、どれだけ引き継ぐか、そしてまた直轄として改めて取り組むべき範囲というようなものも含めて検討した上で、直轄事業と会社による有料道路事業と、さらに仕分けを最終的に詰めていく、こういう作業がこれから、会社発足後、必要になろうかと思っておりますので、今の二千キロの内訳もまた変わってくるであろう。

 その変わった状態に応じて、それぞれ国幹会議にお諮りさせていただいた上で引き続きその事業を進めていく、こういうことになろうかと思っておりますので、公団の時代は公団の時代として、現状の事業をできるだけ進めていく、こういう方針でございます。

保坂委員 御答弁を道路局長からいただきまして、十六年度、今年度ですが、その後、十七年度と予測をされている公団事業には、静岡まで、区間の設計、そしてまた地質調査などあるわけであります。ぜひ、そういう意味では、鋭意、現公団でできる範囲は新会社発足までに努力をしていただきたいと思っているところであります。

 引き続きまして道路局長にお尋ねをいたしますが、提案法案からも、債務予測、四十兆円の有利子債務を確実に返済する、こう幾度か言っておるわけでありますが、現時点では債務金額がどのくらいになるか。四十兆円という声になっているのは平成十四年の十二月ごろからの数字というわけでありますから、現在どうなっているのか、もっと減っているのか。減っているわけではないだろうと思いますが、その辺をお尋ねしながら、四十五年以内に返済するその計算式というか、具体的に計算式を示していただきたいし、あるいは、政党によっては、すぐ通行料金を無料化しろというふうなことをうたっているようでありますが、新会社ではほぼ四十五年後の無料化を目指しております。本当に無料化できるかどうかお尋ねをするわけですが、できればこの方程式なども委員会の方へ出していただけるとよく理解できるわけですが、お尋ねいたします。

佐藤政府参考人 約四十兆円に上ります債務を確実に返済することは、改革の目的の一つであります。

 今回提出した民営化法案におきまして、債務の返済期限を民営化後四十五年以内ということで法定化する、そして、これ以上の先送りを認めない、さらに、国からの一方的命令の枠組みを廃止するなど、会社の自主性尊重のための仕組みを導入することなどを明確にしているところであります。

 これとあわせまして、高速自動車国道について、厳格な事業評価を行うとともに、コストを大幅に縮減。これは、有料道路事業の対象となるものを、今、未供用の区間二千キロにつきまして、約二十兆円だったものを十・五兆円まで、有料道路事業対象は、最大、逆に申し上げますと十・五兆円までに抑える、こういうことでもあるわけでございます。二十兆だったものが十・五兆円。

 それから、建設資金を市場から調達するということで市場規律を導入し、高速国道の債務総額については上限を設けるということで、民営化時点での累積債務の総額を高速自動車国道についてはそれ以上ふやさない。こういうことでございますので、言ってみれば、民営化以降はプライマリーバランスをとっていくということであります。

 それから、会社が新たに建設する高速道路の債務は、その会社の料金収入からの返済を基本とするというようなことで、規律を持って事業をやっていっていただく。

 こうしたことによりまして債務を四十五年以内に確実に返済できる、こういうものと認識しております。逆に申し上げますと、四十五年以内に返済できるような事業の組み立てをする、こういうことでもあろうかと思います。

 そこで、機構の債務返済の詳細な内容、方程式を示すべし、こういうお話がございました。

 これは、機構と新会社が発足しまして、機構の業務実施計画の中で示される収支予算の明細、協定を結んで、これから会社がどれだけの貸付料を毎年度毎年度返すか、それを、言ってみれば、あらかじめ四十五年間分を想定して入れる、お互いに協定を結ぶ、こういう形になるわけでございますが、それによって収支予算の明細が出てくる。これで明確になるわけでございますが、現段階において確定的な内容をそういう意味では示すことは無理なわけでございますが、可能性を、いろいろな試算をすることはできる、こういうことであります。

 一つの試算を申し上げますと、例えば四つの公団、本当は、これは四つの公団は六つの会社になるわけでございますから、六つの会社ごとに、どれだけの料金収入を期待し、新規建設を行い、管理費幾らをもって貸付料を幾ら払うか、これを会社ごとに決めていく、こういう必要があるわけでございますが、それにしましても、現時点では四つの公団があって事業をやっておるわけでございますので、一番わかりやすくやろうとすると、その四つの公団全部まとめて、将来、新規建設を行った上で、料金収入で本当に四十五年以内に返せるか、こうした試算をしてみるのが一つの考え方かなと思いまして、そんな試算もしているところでございます。

 例えばこの四つの公団合計で、将来は六つの会社になるわけでございますが、合計で、平成十五年度以降に約十三兆円の投資を行い、管理費は十四年度予算に対して三割削減を基本として、料金収入をこの十六年度も予算の中に見込んでおるわけでございますが、これを基本として、将来交通量のフレーム、これはかなり今までよりは厳し目な想定をする、こんなこともやっておるわけでございますが、伸びをある程度考慮して、そして高速国道の料金は、そういう意味では平均で一割引いたらどうなるか。まあ、弾性値や何かの問題もございます。あるいはまた将来の金利を、物価やGDP等の経済情勢が比較的、平成になりましてから約十五年間ぐらいは安定しているということで、そうした平均値を勘案して、やや高目ですが、おおむね四%。

 こんなふうな、例えば四つ条件を申し上げましたが、設定して考えてみると、四つの公団合計では、有利子・無利子債務を、新規投資を行いながら、民営化後四十五年間で償還できる見通し、こんな計算もしているところでございます。

 具体的には、それぞれの会社が機構と協定を結びながら、こういうことになりますので、四つ一緒にするということではないわけでございますが、便宜上、本当に返し得るかということを考えようとする一番わかりやすいやり方はそうかということで、やってみたりもしております。

 こうした資料につきましては、御審議の中で参考にしていただくべく、現在私ども準備もしているところでございますので、できましたら、御指示いただければお出しさせていただきたい、そんなふうにも思っておるところでございます。

保坂委員 ありがとうございます。

 この四法案が趣旨が生かされまして、コスト削減に努力し、国民にとりましてサービスが提供できるよう努力をしていただきたい。

 御協力、ありがとうございました。

赤羽委員長 渡辺博道君。

渡辺(博)委員 自由民主党の渡辺博道でございます。

 きょうは、質問をする前に、私も一言申し上げたいというふうに思います。

 昨日は、総理出席のもとの委員会開催でありました。そしてまた、きょうも引き続き午前十時からの委員会が開催されております。この大変重要な道路公団民営化の法案について一切出席しない民主党の態度は、大変私は残念であります。

 少なくとも、私どもが昨年の十一月に選挙を戦ってきたときに、彼らのマニフェストは、大変重要なポイントとして高速道路の無料化というものを訴えてきたではありませんか。そういったマニフェストの中で訴えてきたものについては、この法案が出る前に、当然対案として出されるべき内容だと私は思うわけであります。それが出されていない。そういうことは、彼らには政権能力がないということをまさにあらわしているのではないか、そのように思うわけであります。

 このようなことを申し上げ、そして質問に入らせていただきたいと思います。

 石原大臣、本当に午前中から御苦労さまでございます。石原大臣におかれましては、実は、大臣が行政改革担当大臣として御活躍のとき、私は内閣府の政務官として、そのもとで仕えさせていただいたわけでございまして、大臣に初めて質問する機会をいただきました。心から感謝を申し上げる次第でございます。

 そして、大臣が、行政改革を推進するに当たって特殊法人整理合理化計画取りまとめ、そしてまた今回は、実は国土交通大臣として法案提出という大変重要な役割を担ったということでございます。私は、そういった大臣の思いというものを率直に今回お聞きしたいというふうに思うわけであります。

 大臣がこの法案をまとめるその前に整理合理化計画をまとめるに当たって、各方面からいろいろな形でたたかれ、たたかれ、そしてまたそれを耐え抜いて、このような法案として成案ができ上がったわけでございますので、その思い、いかばかりかと思うわけでありますが、率直な感想をひとつお聞かせいただきたいと思います。

石原国務大臣 渡辺委員には、行政改革のときに、整理合理化計画等々取りまとめに当たりまして大変御尽力をいただいたことを、ついこの間のことのように思い出すわけでございます。そんな中で、正直申しまして、道路公団の民営化、言うはやすし、行うはかたし、これは大変なことだなと思ったことを今でも覚えております。

 すなわち、道路というものは、人それぞれによってどの道路が必要かということが違うわけであります。そして、今でこそ、BバイCあるいは採算性また外部効果、こういう客観的指標によりまして、多くの方々が納得していただける必要な道路というものが明らかになったわけなんですけれども、当時は全くなくて、各議員の皆さん方が、自分のところの道路が一番大切だ、おれのところから早くつくれ、そういう議論であったような気がいたします。そして、そのときは、この四十兆円の債務にしても、キャッシュフローが二兆円以上あるんだから返せるだろうと。

 しかし、ふたをあけてのぞいてみますと、高コスト体質という形で、あるいは内部留保という形でファミリー企業にお金が移っている。さまざま、この五十年近い道路公団方式での道路の整備に当たって、うみがたまってきたことが明らかになり、政府・与党を挙げて今回のこの四つの法案の作成に至ったのであると認識をしているところでございます。

 この民営化の目的は、今申しました、四十兆円の債務を必ず、国民負担を新たに求めないで返していこう。そして、必要な道路は、民間会社でありますから、会社の自主性を尊重しつつ、さまざまな手法でつくっていこう。民間会社でありますので、民間企業の経営センスというものを高速道路にもしっかりと還元してもらおう。この三つぐらいに整理できるのではないかと思っております。

 そんな中で、道路公団を三つに分割する。債務を四十五年以内にしっかりと返す。あるいは、これまで二十兆円かかると言われていた建設費を十兆五千億に半減する。あるいは、民営化時には債務の残高が今よりも上回らない。さまざまな歯どめを行って、道路公団の抱えているプール制、償還主義といったような弊害を除去するものをつくらせていただいたと思っております。

 そんな中で、各委員からきょうも非常に濶達な御意見の開陳と討論がなされている、本当にすばらしいことではないかと思っております。

渡辺(博)委員 大臣におかれましては、今の思い、しっかりと持続していただいて、この法案が通った後も、民営化に対して本当に魂を入れていっていただきたい、そのように思うわけであります。

 道路局長にお伺いします。

 世界の状況、各委員の中でもいろいろと御質問がありました。日本の置かれた状況と、そしてまた世界の整備の状況を比較していくと、日本は大変おくれている、そんなお話がありました。

 より具体的に、欧米諸国、そしてまた、今発展著しい中国、東南アジアの部分についてひとつ説明をしていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 欧米諸国から申し上げます。

 米国では、一九五六年、アイゼンハワーの時代でございますが、インターステートハイウエーを無料のフリーウエーにするか有料でやるか、大変な議論をした末に、特定財源を確保して、そして無料でやっていく、こういうことにした、こう聞いております。

 一九五六年当初、四万一千マイルでございますので約六万六千キロの計画を立て、二十年間で整備しまして、後、必要に応じまして新たな計画を制定いたしまして、平成十一年末、二〇〇〇年の初めまで、こういうふうに理解いただければと思いますが、八万九千二百三十二キロを整備している、こういうことでございます。

 アメリカの場合には、連邦法の第二十三編、道路関係部分におきまして、インターステートハイウエーの要件として、主要拠点間の連絡及び国防の用に供するなどを規定しているということでございます。

 ドイツでは、東西ドイツ統一後の一九九二年に制定された連邦長距離道路の計画延長、これが一万三千七百六十四キロでございます。これも同じく、二〇〇〇年の初めまでに一万一千五百十五キロが整備済み、こういうことでございますが、二〇〇三年制定の連邦交通基盤計画では、持続可能な移動性の保証、あるいはまた、雇用の創出と確保のためのドイツの世界経済における競争力の強化等を目的とした整備を規定しているところであります。

 もう一つ、フランスについて申し上げたいと思いますが、フランスは、一九九二年に制定された道路網の整備基本計画におきまして、計画延長が一万二千百二十キロでございました。これは平成十二年末までに一万百二十五キロが整備済みでございます。

 フランスにおきましては、一九九五年制定の国土整備・開発基本法におきまして、国内のいかなる地域においても、高速道路など、または高速鉄道の通る駅まで、五十キロもしくは車で四十五分を超えないようにするという考え方を規定しているということでございます。

 日本の場合には、一万四千キロの高規格幹線道路網計画、これにつきましては、基本的には一時間以内で全国各地からインターチェンジに到達できる、こうしたことをマスタープランの考え方として置いているところでございます。

 中国でございますが、中国につきましては大変な勢いで高速道路の整備が行われておりまして、一九八二年に高速道路の供用延長ゼロキロでございましたが、二十年たちまして、平成十四年末でございますが、二万五千百三十キロということであります。また、確かな数値、情報、こういう形では必ずしもないのでございますが、昨年末、約一年後には二万九千キロを超えている、こういうお話もございまして、多分来年初めには三万五千キロぐらいになるんじゃないか。この一、二年間は、二、三年間はといいますか、五千キロぐらい整備が進んでいる、こういうふうに聞いております。

 また、東南アジア諸国といいますか、アジア諸国の間でのネットワークの強化、これが大変進んでおります。中野先生のお話にもございました。

 例えば、中国南部と東南アジア諸国を結ぶという意味で、雲南省とバンコクを結ぶ南北経済回廊、あるいはベトナムとミャンマーを結ぶ東西経済回廊、こうしたものが整備中でございまして、ベトナムとミャンマーを結ぶ東西経済回廊の一部区間につきましては、二〇〇六年開通を目指して整備を進めている、そういう情報もございます。

 いずれにしましても、アジア諸国においても高速道路の整備が盛んに行われておるということでございます。

渡辺(博)委員 世界の状況は、まさに、かなりの勢いで高速道路の整備を進めている。それに引きかえ我が国はどうかというふうに考えますと、私は本当に残念なんですね。やはり高速道路というのはそれぞれの地域によって大変必要だというのは皆さん御理解していただいております。ただ、ただ必要だというだけでは私はだめだというふうにこれからは思うんですね。

 国の一つの方針として、実は観光立国というものを一つの方針として掲げております。この問題については先ほど江藤委員の方からもお話がありましたけれども、実はこの観光立国担当大臣として石原大臣が御就任をなさっている。これは、内閣において、歴代内閣初めてのことなんですね。それだけ、これから二十一世紀の日本の進むべき道として観光というものが大変重要であるということを国が認めているわけなんです。そういうふうに考えますと、少なくとも、観光立国をどのような形で実現していくか、この視点はまさに無視できない視点だというふうに思うわけであります。

 海外からお客さんが来たときに、成田空港から都心に行くのに一時間半から二時間かかってしまう。これだけの渋滞する国というのは、初めて来た人にとってはどのような印象を持つんだろうか、こういったものを考えますと、やはり首都圏の整備というものが大変重要だというふうに思うんです。それと同時に、先ほど九州の問題もありました。それぞれの地域には、潜在的にすばらしいものがあるんです。このすばらしい観光資源をいかに掘り起こすか。この掘り起こすための一つの要因が高速道路ではないか、私はそのように思っているわけであります。

 したがって、道路をつくるという一つの指標の中に、実は、必要な道路をどのように評価するかという話がありましたけれども、評価の基準、外部評価の中で観光というものが一つの要素になるというふうに先ほど大臣おっしゃいましたけれども、一つの要素ではなく、大部分の要素だ、そのくらいの気持ちをこれから持つ必要があるのではないか、私はそのように思っているわけでございます。この問題につきましては、あえてコメントはいただきません。

 私の考え方は、すべてが、この日本が二十一世紀進むべき方向として必要なものは一体何なのかということを皆さん方がしっかりと認識していただくことが大事だ、そのように思っております。

 さて、また別の質問になりますけれども、道路局長にお伺いします。

 この道路公団の民営化については、道路公団を三分割するという話でありました。道路公団を三分割することによって、ある公団がかなり債務の返済が滞ってしまうとか、そういう問題が出てくるのではないかという危惧が生じているようであります。ある面では、やはり一本化してこれは返済に充てる方が確実ではないかという考え方もあろうかと思うわけでありますが、この三分割に対する考え方についてお伺いをしたいと思います。

佐藤政府参考人 昨年末、十二月二十二日にお決めいただきました政府・与党の民営化の基本的枠組みにおきまして、会社間の競争性を高め、コスト意識の向上を図り、地域の実情に即したサービス提供の充実を図るため、こういうことで三社に分割するという方向を出していただいたところでございます。

 この道路公団の分割そのものにつきましては、経済・生活圏域や交通特性を踏まえた利用者の利便性、非常時における代替路の確保、あるいは収支状況、組織規模、事業延長などの各三つの会社間のバランス、あるいはまた現行の道路管理体制等の観点を考慮して、具体的な最終的な分割のあり方というものを決める、こういうことになろうかと思います。

 分割によりまして、地域の交通特性に応じました会社の自主的な判断でさらなる弾力的な料金設定、あるいはまた、競争し合って、利用者サービスの向上に向かってそれぞれの会社が創意工夫をする、こういうことが期待されるというところであろうと思っております。

 一点申し上げますと、そうはいってもアンバランスになるのではないかという御指摘がございました。

 そうならないようにということで、会社と機構が協定を結ぶ際に、道路公団関係は三つの会社に分かれるわけですが、それぞれ三つの会社が、将来の収益力、これは管理する路線で決まるわけでございますので、将来の収益力、あるいはまた新規建設する範囲、事業をする範囲、こうしたことを前提にして、将来の収益力を考慮し、計算し、そして管理費を引いて、貸付料として支払うべき額を四十五年分とりあえずセットする、こういうことでございます。

 その際に、したがいまして、それぞれの会社が返そうとする貸付料が、逆に申し上げますと債務の累積額に相当するわけでございますので、そうした形で将来の収益力に見合った債務をそれぞれ返すんだ、こういう考え方で出発していただく。

 それぞれしっかりと頑張っていただけば、同じころにちゃんと建設もでき、返済もできる、そういうことを期待し得るという仕組みにしたところでございます。

渡辺(博)委員 ぜひともその期待にこたえられるようにしていただきたいというふうに思うわけであります。

 お待たせしました。我が郷土の副大臣、林副大臣に質問させていただきたいと存じます。決して、林副大臣が私の地元に対して好意的に何でもやってくれるかどうかというのはまた別でありますけれども。

 実は、千葉県にとっては大変重要な道路として、先ほど話もありましたけれども、東京外郭環状道路というものがございます。この外環については、実は大変整備がおくれております。

 ちなみに、世界の状況をちょっと調べさせていただきますと、パリでは計画延長が三百二十キロありまして、供用延長が二百六十八キロ、整備率が八四%です。そしてまたロンドンでは計画延長百八十七キロ、そして供用延長は百八十七キロということで一〇〇%であります。ベルリンにつきましては二百二十二キロ、供用延長は二百十五キロでございまして、整備率九七%という状況であります。

 各国の状況はこのような状況でありながら、日本ではどうかといいますと、実は日本の計画延長は五百十八キロ、これに対して供用延長は百二十キロ、整備率二〇%。こういう状態では、首都圏における交通渋滞はなくならないというふうに私は思います。

 ぜひとも、この首都圏の環状ネットワークを形成する外環の、外環というのは必要不可欠な道路であるというふうに私は認識しておりますが、千葉県内における外環の現状と今後の整備状況についてお伺いをしたいと思います。

林副大臣 諸外国の高速道路から急に今度は東京外環になってまいりまして、認識は渡辺先生と同じでございまして、やはり東京都市圏の均衡ある道路網体系を確立するために大変重要な幹線道路だというふうに認識しているところでございます。

 高速自動車国道の整備に当たっては、いわゆる中村基準によって、厳格かつ客観的な評価の結果に基づきまして、進捗状況も勘案しつつ、評価結果のいいものから、さらなる効率化、重点化を図りつつ事業を進めているところでございます。

 お尋ねでありました三郷―市川間二十キロにつきましては、平成十五年十二月二十五日の国幹会議の議を経て、引き続き有料道路事業として進めるとされた区間でございまして、今、日本道路公団がそれを対応しているところであります。

 具体的には、三郷―三郷南間約四キロにつきましては全面的に工事を進めているところでございます。地元の御理解を得ながら、引き続き進めてまいります。

 三郷南―松戸間約六キロにつきましては平成十五年度末で用地買収が完了いたしまして、順次工事も着手しているところであります。

 そして、松戸―市川間約十キロにつきましては現在用地買収を進めているところでございまして、地元の御理解を得ながら、引き続き事業を進めてまいる、このように考えているところでございます。

渡辺(博)委員 今副大臣の方から、それぞれの買収状況とか整備の状況についてお話をいただきました。

 実は、私の選挙区は松戸、市川でございまして、松戸は人口四十六万、市川も同じく四十六万の都市でございます。その真ん中を外環が通るという状況なんです。そして、現在のそれぞれの土地の買収状況は、松戸市においては九九%、市川においては八〇%ということで、大分買収も進んでいる状況であります。

 そこで問題が出ております。実は、こういう都市部において買収が進んでいながら工事が進まない、そのままの状況であるとどういう問題が起きるかというと、買収した土地に、フェンスで張られておりまして、空間があります。例えば、夏になりますといろいろな形で草が生えてきたり、大概そういった意味では防犯上も問題があるというのが一点ございます。それと同時に、今まで千数百世帯あった自治会が、買収によって六割ぐらいに人口が減ってしまって自治会活動ができない、そしてまた学校の生徒児童が減ってしまっている、商店街が不振になってシャッター通りになっている、そういう現象が今あらわれております。

 したがって、実は、こういった都市部において買収を促進すること、そしてまた事業をすぐに実施して早く完成することが大変重要だというふうに求められているわけであります。ぜひとも、そういった意味におきまして、事業の進捗、積極的に進めていっていただきたいというふうに思うわけであります。

 これは市川市からの要望の中にも載ってございます。三点ほど市川市から要望が来ております。読み上げさせていただきます。

 外環道路については、用地買収もかなり進んでおり、フェンスで囲まれた空き地は大分目立つようになってきている。市民生活に影響が出ないように防犯対策等の充実に努めるとともに、事業のさらなるスピードアップを図っていただきたい。

 第二点。事業を進めるに当たって、市民の理解を得ることは不可欠である。外環道路をもっと実感的に理解していただくため、植樹帯、自転車歩行者道など沿線市民にとってかかわりの深い部分を中心にモデル道路を早急に整備し、住民の理解を深めていただきたい。モデル道路の整備に当たっては、地域住民の意向を重視していただきたい。

 三点目。市民が外環道路事業の進捗を実感できるように、準備が整った箇所から順次工事に着手していただきたい。

 これは、それぞれの自治会の要望を取りまとめ、市川市が要望として出された内容でございます。ぜひともこういった地元の要望に対しても積極的に取り組んでいただきたい、そのように思っておりますが、道路局長、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 御質問、三点ございました。

 まず一つは、空地などになっておるので防犯対策という問題もある、そこでスピードアップをすべしと。

 これにつきましてはおっしゃるとおりだと思いますので、選択と集中と、常に大臣から御指示もいただいております。用地買収を残りの部分を速やかに実行しながら、ある程度まとまった部分についてはできるだけ早く工事にかかる、こういうことを、公団等、指導してまいりたいと思います。

 それから二つ目、植樹帯や歩行者自転車道について、地域住民の意向を聞きながらモデル道路をつくってほしい、こういうお話でございました。

 御指摘の内容につきまして、埼玉県区間の外環につきましては二カ所モデル道路をつくって住民の御理解をいただいた、こういう経緯もございます。前向きに現場と検討をしてみたいと思っております。

 それから三点目、順次工事に着手すべし、こういうお話でございました。この買収済み用地につきまして、二点あろうかと思います。

 ある程度まとまったらできるだけ早く着手する。それから、一番目、二番目の御議論と絡むわけでございますが、モデル道路にしておく、あるいはまた、ある程度良好な管理もしなければいけない。しかしながら、実は市川の例でも、周辺住民の方が、あいているところをしばらくの間、自分で緑地管理、緑地にして管理してあげますよというようなお申し出もあったりした例もございます。

 住民の皆様とそうした点の十分な突き合わせをさせていただきながら、できるだけ早く工事できるところは工事に入る、良好な管理をすべきところは、住民と一緒になって、緑地等にしながら、管理も役割分担しながらやっていっていただく、こんなことをぜひ実行してまいりたいと思っております。

渡辺(博)委員 ぜひとも局長の言葉を信じさせていただきたいというふうに思います。

 もう時間も近づいてまいりましたけれども、最後に御質問は、外環に並行しております一般国道二百九十八号線でございますけれども、この国道を、やはり地域の住民の皆さん方に一つのコミュニティーの場をつくる必要があるんではないかというふうに思うんですね。外環という一つの高速道路が出ることによって地域が分断されている、この地域を一つにまとめていくことも大変重要な要素だというふうに思うんです。

 この二百九十八号線の延長線の中では、川口市の方では安行というところで、道の駅というものが設置されております。こういったものはこれからどんどん必要ではないかというふうに私は思うんですね。特に都市部においては、そういった道の駅の活用というのは大変利用が多いんです。

 したがって、この道の駅を千葉県側においても積極的に推進していただきたいと思うのでありますけれども、その際に、国としてどのような支援策がとれるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 道の駅は、地域の情報発信あるいは交流の拠点形成、こういう形で、各地でいろいろ好評をいただいているところが多いわけでございます。

 千葉県内におきましては、現在十五カ所の道の駅が登録済みでございまして、御指摘のように、外環という意味で申し上げますと、二百九十八号で、埼玉県内の道の駅川口・あんぎょう、一カ所既に登録済みでございます。平成六年でございますから、十年前でございます。

 並行する国道二百九十八号、千葉県の中では、現在、用地買収を主として進めさせていただいておるところでございます。

 どういう協力ができるか、こういう御議論で申し上げますと、道の駅にしようということを地元市あるいはまた県とよく相談して、道の駅の箇所、あるいはまたこれからの展開、どういうサービス提供するか、こういったことを相談させていただきながら計画を固めて、それで、駐車場の部分については、これは道路の区域として買おう、買収、そういうことができる。物産館の方は、県なり市なり、あるいはまた三セクなりに御協力いただいて力を合わせてやっていこう、こういう内容でございますので、地元から具体的に要望を出し合ってといいますか、お互いに勉強し合って、道の駅計画について検討してまいりたいと思っております。

渡辺(博)委員 どうもありがとうございました。これで終わります。

赤羽委員長 石田真敏君。

石田(真)委員 自由民主党の石田真敏でございます。よろしくお願いいたします。

 いよいよ最後になりまして、皆さん大変お疲れだと思いますけれども、私も順番を待っておりまして随分疲れました。しっかり頑張りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 もういろいろとお話がございました。ただ、私、地元へ帰りますと、この道路公団の改革だけではございませんけれども、地元の皆さんから言われること、その一つは、小泉さんの改革は一体進んでいるんですかというような質問をいただくわけでありまして、特に道路公団の改革についてはどうなんだというような御質問をよくいただきましす。そして私は、そのときにいつも答弁といいますか申し上げるのは、大いに進んでいますよと。

 大体、この道路公団は大きく分けて三つの問題があった。一つは、これから高速道路をつくるかつくらないか。それからコストの問題。それからファミリー企業の問題。コストの問題とファミリー企業の問題は、先日来ここでも議論がありましたけれども、もう随分進んでいるということを有権者の皆さんにもお話をしておりますし、それから、これから道路をつくるかつくらないか。採算の合うものは有料道路方式でやって、採算の合わないものは新直轄方式でやる。これは、御質問の中にもありましたけれども、だれが考えたんですかというぐらい私はすばらしいアイデアだろうというふうに思っておるわけなんです。このことによって、国幹会議で国民に約束した道路というもの、もちろん厳しい審査を受けてということですけれども、約束を果たせるということで、私は、この大きな三点の論点について、道路公団の民営化論議以前に比べると、私は大いに議論が進んでおるというふうに思っておるわけなんです。

 ところが、先ほど言いましたように、国民の皆さんから見ると、マスコミの影響ということもあるのかもわかりませんけれども、また、法案に対する批判があるということから、どうもわかりにくいものになっているんではないか、私はそのように思うわけでございます。特に、民営化関連法案を作成する過程で二人の委員が辞任をされるなど、やはり混乱が見られた。混乱を見て、ぱっと見たら、国民は、ああ、これは一つになっていないな、どうもいろいろ意見が割れているんではないか、この民営化というのは改革の名に値するものなのかどうかよくわからないなというような感じを受けられたんではないかというふうに思うわけでございます。

 なぜこのような混乱が生じたのか、そしてまた、今回のこの法案が改革に値するものであるということについて、ぜひこの機会に、国民にわかるように、大臣の認識をお聞かせいただきたいと思います。

石原国務大臣 私もあの民営化委員会の設立のための法律案の審議から取り組ませていただきました。二名の方々が昨年の暮れに突然辞任されたことはまことに残念でございますが、それぞれいろいろなお考えをお持ちでございますので、まあやむを得なかったのかなと。それによって混乱が起きるということを意図されていたのか意図していなかったのか、そんなところもそのうち聞かせていただきたいと思っているのが率直な感想でございます。

 しかしながら、民営化委員会の開かれた審議があったからこそ、先ほど御同僚の渡辺委員のときにもお話をさせていただきましたが、本当にこれはできるのかなと思ったような民営化論議というものの結論を得ることができましたし、そんな中では、民営化委員会の意見の大半は尊重させていただいたと思っております。

 ただし、基本的な二点であるところの、料金に利潤を含める、これはやはり税との関係がどうしても出てまいります。高速道路あるいは有料道路等々で、有名なのは箱根のターンパイクとか比叡山スカイラインなんかが民営の有料道路としてあるんですが、これは固定資産税を納められているんですね。それは、利潤をとっているから当然納められている。こういう問題もございますので、料金に利潤を含める、一万円の料金だったら、五%だったら五百円高くなるわけですから、利用者の利便を考えるならば、やはり利潤は今回含まない方がいいのではないかということにさせていただきました。

 そして、一番大きい問題点は、やはり、民間会社が土地を持って高速道路を運営する、永久有料を示唆するような改革案はとることができなかった。

 この二点に対して、これをやらなかったからけしからぬと問題点を提起されている方が民営化委員の方々の中でいますが、これはもう明らかに哲学の違いでございますので、哲学の違いを幾ら説得しましても、自分はそう考えないんだ、自分はこちらが正しい、そういうことを言われているのではないかというような印象を実は持っているところでございます。

 しかしながら、今回のことによりまして、これは民営化委員会の提言の中で一番よかったと私は思うのは、これも再三再四申し述べさせていただいておりますように、必要な道路というものは、人それぞれ、地域それぞれによって違いますので、どれもこれも、その方にとっては必要である、しかし、他から見るとそれは必要じゃない、こういう議論がなされていたわけでありますけれども、客観的な外部評価を入れて、採算性だけではなくて、あるいは費用対便益だけじゃなくて、どれが必要な道路かということを全国津々浦々まで共通な物差しを持てた、それが大変大きな成果でございます。

 あるいはファミリー企業の議論も、つい先ほども同僚の委員の中で出てまいりました。ここもどうもおかしいなとは思っていましたけれども、ここまでおかしいとは正直言って思っていないような事例も多々明らかになりましたし、天下りの社長ももうさせないと、きつい決意で扇前大臣は申されておりまして、その方向で改革が進んでいる。

 成果はかなりあると思いますが、委員が御指摘のとおり、御自分の持論を通された委員の方々がおやめになったということで、外から見ますと、本当にその改革が、どうなんだ、反対の人間もいるじゃないか、こういう誤解を受けたところが一つ問題ではある。

 しかしながら、きょう一日の議論の中でかなり本当のことを皆さんとともに議論できましたし、多くの方々がこれを見ていただければ、今回の改革というものが戦後初の抜本的な高速道路の改革であるということは御理解をいただけるものだと確信をしているところでございます。

石田(真)委員 どうもありがとうございました。私も今大臣がおっしゃられたとおりだというふうに思っております。

 ちょっと時間が押しておりますので、通告の順番を変えまして、鉄道局長さんに参考人でお越しをいただいておりますので、ファミリー企業の問題についてお伺いしたいと思います。

 このファミリー企業の問題は、もう先ほど来出ていますように、大きなテーマの一つでありまして、先ほど梶山委員へ道路局長さんから答弁がございましたので、私にはもう答弁は結構でございます。

 そこで、同じ質問なんですけれども、国鉄が民営化された際に、国鉄に係るファミリー企業というのも随分問題になっておりましたけれども、それが一体どのように改革されたのか、そのことを参考までにぜひお聞かせいただきたいと思います。

丸山政府参考人 国鉄改革のときのファミリー企業と、今道路公団で問題になっておりますファミリー企業との間に随分議論の質の相違があったのではないかというふうに考えております。

 国鉄改革のときの最大の問題点は、余剰人員をどうするかという問題でございました。したがいまして、そのときに、余剰人員をなるべくファミリー企業に持ってもらうようにしろというのが国鉄再建監理委員会の意見でございました。雇用の場の確保についてはまず国鉄関連の企業に最大限の協力を求めるということで、道路公団の役員が天下るのはけしからぬとかという話よりは、まず、人数が余ってくるのでそれをファミリー企業で吸収しろ、こういう議論で基本的に議論が行われておりました。

 それで、その後のファミリー企業の改革のあり方でございますが、基本的に、国鉄改革と申しますのは、民営的な手法を使って経営を効率化するということでございました。それによりまして経営責任も明確化されるし、自主的な経営が実施できる、そこが国鉄と違うところだ、こういうことであったわけであります。いわゆるファミリー企業、関連企業についても同様でございまして、効率的な企業経営、それからグループ経営という観点から、自主的な判断で経営をするということが国鉄改革で期待をされて、その方向に従って今改革されているというふうに認識をいたしております。

石田(真)委員 実は、JRの工事を見ておりますと、関連企業以外はなかなか発注しないというようなことが今現実にあるわけです、これは安全の確保とかいろいろな問題はありますけれども。そういうものを見ておりましても、ファミリー企業に他の民間をどう参入させていくか、なかなか難しい問題があるんじゃないかというふうに私は思います。

 そんな中で、先日、近藤総裁もいろいろなアイデアをおっしゃっておられました。どうか国民の期待にこたえられるようなファミリー企業の見直しということをお願いしたい。まかり間違っても、今問題になっているようなことが起こらないように、国民の不信を招かないように、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 それでは次に、道路をつくるかつくらないかということの中で非常にいいアイデアであったと私は思うのが、あの新直轄方式ということであります。先ほど来お伺いをいたしておりますと、今後十五年間に三兆円、平均大体二千億円をつぎ込むということなんですが、この新直轄方式について従来から言われているのは、国と地方が建設費を三対一で負担する建前であるということでございますけれども、一部雑誌等には実質的な地方負担がないというような批判がなされているわけでございます。そのことについて道路局長さんの方から御説明をいただければと思います。

佐藤政府参考人 数字的な面を一つ御説明させていただきたいと存じます。

 新直轄方式によります高速自動車国道の建設手法そのものについては、先生先ほど御指摘のように、国と地方が三対一、こういうことでございますので、全体の四分の一が地方の負担になる、こういうことであります。

 そこで問題は、毎年度、事業を平準化して考えた場合、二千億円ぐらい、こういうときに地方の負担がどのぐらいになるか。

 四分の一でございますから五百億円でございますが、実は、財政指数が非常に厳しいというところについての地方負担の特例がございます。これにつきまして、ベース、多少、直轄の場合の国側の負担というのが最大二五%ぐらい切り上げになるということでございますので、本来、国の負担が七五%でございますが、最大は九〇%まで、九〇で打ち切りでございますが、というようなこともございます。

 結果、平成十五年度分の事業全体を、県別といいますか路線別にこの前張りつけさせていただいた結果で申し上げますと、大体県の負担が一五%ぐらい、本来二五%負担でございましたが、一五%ぐらい、かさ上げがあるものですから、という形になっております。そういう意味では、二千億円の事業を行っていく上では、これは財政力指数によるものですから、県の負担が実質的には約三百億円から四百億円、こういうことになろうかと思います。

 そこで、それに対してどう手当てをするかということが問題になりまして、平成十五年、一年前、昨年の通常国会におきまして、新直轄を導入させていただくときに御議論いただいて、地方の負担の分、今申し上げましたように、物によりますが、結局は四百億前後の負担になろうかという部分につきまして、これは市町村への移譲になるんですが、市町村への移譲分を、重量税を十二分の一、地方へふやさせていただく。これでおおむね市町村が、九百三十億円ぐらいでしょうか、ふえる、自動車重量税の財源の譲与が。

 これを今度は、玉突きなんでございますが、県と市町村の間で、ガソリン税の地方譲与分、これが県と市町村の取り分を再配分することによりまして、九百三十億円丸々市町村ではなくて、そのうちの、おおむねでございますが、目の子で四百五十億円ぐらいは都道府県に行く。そして市町村には四百八十億、こういう形で自動車重量税の地方への配分を分けさせていただいたところでございます。

 そうすると、今申し上げた約四百五十億円の都道府県分というものが、二千億円の新直轄事業を行っていく上での地方の負担の、言ってみれば財源手当てとして都道府県に移譲された、こういう形になったわけでございます。

 したがって、問題は、総務省の方で実質的に配分をする上で、財源はそういう形で手当て、マクロにしたものですから、そうしますと、次に、新直轄の事業箇所ごとに地方負担が出る部分についてどうそれを裏づけしていくか、こういうことになるわけでございます。

 ここは、交付税の世界でございますので、実は一対一の対応という形にはなっていなくて、言ってみれば、ことしの事業を百億やるから地方負担分二十億なりなんなりをそのままどうぞ、こういう形になっていなくて、ここは交付税の標準補正と事業補正で五割ずつ後年度に行う、後年度に手当てしていく、こういう形になっておるわけでございます。

 そうしますと、最初の地方負担は、実は地方の負担分の九割は地方債で手当てしていく、起債で。そして一割を、言ってみれば地方費として手当てはする。しかしながら、その全額については、後年度、事業費補正と標準補正、この二つで、交付税の世界で手当てがなされる。こういう形になっておるわけでございます。

 そういう意味では、実質的な負担はマクロには手当てができて、マクロにはそれぞれの県にそれだけの財源が行く、こういうことになるわけでございますが、交付税の補正という面もございまして、直接的に、実感として一対一になっているということでは必ずしもないものですから、そこの部分は交付税の世界での調整、こういうものが実態として行われることになっておるということでございます。

石田(真)委員 なかなか、さっと聞いてすぐすっと入るような話ではないわけですが。

 地方負担が実質的にないということになると、その一方で、新直轄方式の区間は無料なんですね。片一方では有料方式で整備する区間があるんだけれども、有料道路に適さないということで新直轄でやると無料になるというわけで、国民からいくと、どうもすっと腑に落ちないというようなこともあるかというふうに思いまして、このあたりの整合性をどのように考えておられるのか。

 あえて言えば、新直轄方式、当然、料金徴収で管理費すら出ない、そういう区間であるのはわかっているんですけれども、有料方式の道路と整合性を持たせる意味では、ある程度の料金徴収をすべきではないかという考え方もできると思うんですが、その辺についてはどのようにお考えですか。

佐藤政府参考人 先生御指摘のように、新直轄方式で事業を行ったとしても、無料でなくて、有料で管理費ぐらいは取ったらどうか、こういう御意見でありますし、それからまた、実際にそういう御意見も時々私どもも聞くところでございます。

 一つの考え方といたしまして、これは未供用区間二千キロあったわけでございますが、地方公共団体と全体の調整をする上で、結局、公共団体の知事さんたちの意向というものも十分私どもも打ち合わせしながら基本的な方向を決めていかなきゃいけない、こういう状況が一つございました。

 その場合に二つ考え方があろうかと。新直轄で税金で行うとはいえ管理費ぐらいは、少しでも足しにするという意味で、全体を、薄くてもいいから有料に取るということだってあるじゃないかと。一方で、知事さんたちの大部分は、実は県会を説得もせないかぬ。

 そういう意味で申し上げますと、やはり、それぞれの住民といいますか、利用者がお支払いになる、それにかわって、言ってみれば、先ほど申し上げましたように、実質的にマクロには負担がないといっても、起債の手当ても県が裏負担についてはきちっとやるというような形なものですから、県民に説明する、県議会に説明する、そういう面を考えると、利用者の料金による負担に振りかわって県が県費で先に負担をするんで、そういう意味で、それをなおかつ有料という形ではなかなか説得できない、こういう知事さんも多くおられました。

 私どもといたしましては、有料道路制度そのものから申し上げますと、管理費のための有料というのはこれはいろいろ問題があるだろうということで、四十五年後無料にしようということも決めさせていただいておるわけでございます。

 そういう意味では、結局、何らかの投資をしっかりして、それの見返りとして有料にするということでなくて、地方の税の方で利用者が御負担いただくべき部分を振りかえて出していただいている。こういう面を考えますと、そこを無理やり管理有料という形でやるというのもこれまた制度的にはちょっと整合がとれないなということもございまして、割り切って無料。

 そのかわり、各自治体、知事さんの意見を全部伺いました。そうしましたら、新直轄でぜひやりたいというのが二千七十区間のうち二十二区間、これは知事さんの強い御意向でございました。どちらでもいいから早くしてくれ、これが十区間で二百キロでございます。そのほかはぜひ有料方式、こういうことでございますので、これからもまた、もう少し、会社発足後、公共団体等とさらに打ち合わせをしながら最終的な詰めを行っていかなければいけないわけでございますが、そういう意味では、知事さんたちのそれぞれのお考えというものも、やはり、どちらか割り切りたいといいますか、有料でやるか、直轄の場合には無料で、説明はそっちの方がしやすい、こんなことがこのアンケートの結果にはあらわれて、最初から無料で、税負担してでもいいからという御意見がこんなに多かったのかな、そんなふうにも思っているところでございます。

石田(真)委員 五時になりましたので、皆さん、五時から御予定もあるかと思います。

 最後に一言だけ申し上げたいのは、不必要な道路建設に歯どめがかからないとか、債務をさらに拡大させて国民負担を増大させるだけだ、そういう批判がここかしこに見られるわけでございますけれども、私は、そういう批判にこたえるべき知恵というものを盛り込んだ四法案だというふうに思っております。これを早期に成立させて、そして道路公団民営化を進めて国民の期待にこたえるべきであるということを強く申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

赤羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.