衆議院

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第12号 平成16年4月9日(金曜日)

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平成十六年四月九日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君

   理事 橘 康太郎君 理事 望月 義夫君

   理事 大谷 信盛君 理事 奥村 展三君

   理事 玉置 一弥君 理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    岩崎 忠夫君

      江崎 鐵磨君    江崎洋一郎君

      江藤  拓君    大島 理森君

      梶山 弘志君    木村  勉君

      櫻田 義孝君    島村 宜伸君

      下村 博文君    鈴木 恒夫君

      高木  毅君    中野 正志君

      二階 俊博君    葉梨 康弘君

      蓮実  進君    古屋 圭司君

      保坂  武君    増田 敏男君

      松野 博一君    三ッ矢憲生君

      森田  一君    山際大志郎君

      渡辺 博道君    岩國 哲人君

      岡本 充功君    古賀 一成君

      下条 みつ君    中川  治君

      長安  豊君    伴野  豊君

      古本伸一郎君    松崎 哲久君

      松野 信夫君    三日月大造君

      室井 邦彦君    和田 隆志君

      若井 康彦君    佐藤 茂樹君

      穀田 恵二君    武田 良太君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   国土交通副大臣      林  幹雄君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   政府参考人

   (内閣府道路関係四公団民営化推進委員会事務局長) 坂野 泰治君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   内村 広志君

   政府参考人

   (国土交通省国土計画局長)            薦田 隆成君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  丸山  博君

   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月九日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     江崎洋一郎君

  大島 理森君     蓮実  進君

  島村 宜伸君     木村  勉君

  中馬 弘毅君     鈴木 恒夫君

  二階 俊博君     三ッ矢憲生君

  古屋 圭司君     下村 博文君

  山岡 賢次君     古賀 一成君

同日

 辞任         補欠選任

  江崎洋一郎君     山際大志郎君

  木村  勉君     島村 宜伸君

  下村 博文君     古屋 圭司君

  鈴木 恒夫君     中馬 弘毅君

  蓮実  進君     大島 理森君

  三ッ矢憲生君     二階 俊博君

  古賀 一成君     山岡 賢次君

同日

 辞任         補欠選任

  山際大志郎君     石田 真敏君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 高速道路株式会社法案(内閣提出第一一二号)

 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出第一一三号)

 日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一四号)

 日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出第一一五号)


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     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案の各案を一括して議題といたします。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 各案審査のため、来る十三日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省国土計画局長薦田隆成君、都市・地域整備局長竹歳誠君、道路局長佐藤信秋君、鉄道局長丸山博君、内閣府道路関係四公団民営化推進委員会事務局長坂野泰治君及び財務省理財局次長内村広志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野博一君。

松野(博)委員 おはようございます。自由民主党の松野博一でございます。

 道路関係四公団民営化関連法案に関しまして質疑をさせていただきたいと思います。

 けさは、イラクにおきまして三人の邦人の皆様が誘拐されるという事件を得て、非常に緊迫した状況であります。無事の救出を心からお祈り申し上げ、その中で、国民生活に直結する重要法案であるこの民営化関連法案に関し質問をさせていただきたいというふうに思います。

 この法案に関しましては、総理への質問を含めて、既に同僚議員から九時間にわたって、多方面、細部に至って質疑が行われてまいりました。その内容を踏まえて、国民共通の財産であります、最も重要なインフラの一つである高速道路のあり方に民営化がどういった影響を与えるかという視点を中心に質疑をさせていただきたいと思います。

 私は、最終的には高速道路の整備というのは国の責任でやるべきものであるというふうに考えておりますが、現状の高速道路を取り巻く状況や本法案の趣旨、また、これまでの質疑の中で明らかになってまいりました道路公団の高コスト体質やいわゆるファミリー企業の問題等も考えますと、手法として道路公団の民営化に賛成をするものであります。しかし、危惧いたしますことは、民営化した新会社の運営がいかに順調にいくかということがこの問題の本質ではなく、それも大事なことでありますけれども、問題の本質は、国民生活の基盤である高速道路を、いかに多くの国民がその利便性を享受できるかということにあるわけであります。議論がこの本質論を外れることなく進めていかなければならないというふうに考えております。

 そこで、今までの質疑の中で先輩議員の皆様から、諸外国、欧米はもちろんでありますけれども、特に中国、東南アジアにおいても、高速道路というのは国家戦略であり、そういった観点から計画をされ、施工が進んでいるという指摘がありました。

 日本は世界で第二位のGNPを誇る経済大国でありますし、施工技術も世界でトップレベルを誇る国であります。なぜ、これだけの経済力を誇り、これだけの技術力を誇る我が国が、日本国内の全国的な高速道路ネットワークをつくるのにこれだけ困難を伴い、長時間を要するのか、まず、その理由の分析に関してお話をお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 お尋ねの趣旨は、日本の高速道路の整備のスピードがほかの国に比べて随分時間がかかるんではないかという御趣旨かと思います。二つの点から、多少弁解じみますが、申し上げたいと思います。

 まず一つは、工程的な問題、用地を買収したり工事をやったりする、そういう面での工程的な問題について一言申し上げたいと思います。

 幾つかの要因がございます。一つは、可住地面積が日本の場合には非常に少ない、したがいまして、用地取得に非常に時間を要する。なおかつ、地籍調査といいますか、都市部近郊では土地の境界がなかなか決まっていないという問題が大変重要な問題としてございます。用地買収する前にその地籍を確定する必要がある、隣地との境界はどうかと。大都市においては、甚だしい場合には地籍の確定が一〇%もいっていない。そうしますと、一回一回、用地買収するときにお立ち会いいただいて、境界はここですよねと一つ一つ確認せないかぬという面もございまして、したがいまして、用地取得にどうしても時間を要する傾向にある。

 それから、構造物の比率が非常に大きい。構造物はなかなか時間がかかるものですから、今度は工事の方でまいりますと、そうした面がどうしてもほかの国に比べて、例えば日本の場合、高速道路全体の平均では橋梁の比率が一五%ぐらいございますが、アメリカの場合にはこれが七%。さらにトンネルを加えますと、構造物が大体四分の一の二四、五%あります。どうしてもこの場合には工事に時間を要する、こういうような面がございます。

 それから、地盤の補強。軟弱地盤が多いものですから、地盤の補強も必要、地震に対する配慮も必要。こうした地形的な条件も含めて、なかなか用地買収、工事にどうしても時間を要する傾向があります。これが一点でございます。

 もう一点は、例えば中国は、近年、毎年五千キロの高速道路の供用をしております。日本の場合には大体多くて二百五十キロ、近年は百キロ前後という供用のペースの年度もございます。

 これについて申し上げますと、第二東名・名神等を除きますと、一キロ当たり大体平均で四十億円ぐらいかかるかなと。第二東名・名神を入れますと、二千キロで十六兆円と申し上げていますので、キロ当たり八十億ぐらいになるのでございますが、そこは、特に費用を要する第二東名・名神を別にしますと三十億から四十億円ぐらい。四十億円だとしますと、近年、この十五年度、十六年度、大体ベースとしては九千億から一兆円、こういう形で事業を進めさせていただいているものですから、それでまいりましても二百キロから二百五十キロ、中国の五千キロというオーダーとはほど遠い。

 予算的な面で申し上げますと、二百キロから二百五十キロでできるだけ整備を急がせていただく、こういう実態であるということもございまして、大変恐縮でございますが、例えば中国なんかに比べますとなかなか進んでいないんじゃないか、こういう御指摘をいただいているところでございます。

松野(博)委員 今、局長の方から、日本の可住地面積の問題であるとか地形、地質等の問題に関してもいろいろと高速道路がつくりづらい要件があるというお話がありました。

 もちろんそういった理由も大きいとは思いますけれども、私は、日本の場合は、高速道路を含め公共工事一般に言えることでありますけれども、最大の問題点というのは、私権と公共の福祉の関係、公益の概念というものが国民の中に合意形成がされていないということが、こういった公共工事、こういったものの進捗が進まない最大の原因ではないかというふうに考えております。

 今後、公団というのは国のいわば部門でありますから、そういった立場から、建設主体が民間の会社に移るわけでありますけれども、民間の会社に建設主体が移りますと、より私権と公共の福祉という問題、公益性という問題が複雑化し、難しくなってくるのではないかというふうに思います。民間に移行するまでに、高速道路というのは公共財なんだという、高速道路の地位ですとか、先ほどお話をした私権と公益の関係、また、具体的な執行の方法等も確立をしていく必要があるのではないかというふうに思います。ぜひ積極的にこの問題に取り組んでいただきたいというふうに思います。

 また、高速道路がつくりづらい要件として、地形、地質、人口密集等のお話がありましたけれども、日本は海に囲まれた島国でありますし、そういったことも考えると、これは道路の問題とは違いますが、高速道路の整備を進めると同時に、いわゆるモーダルシフト、特に内航海運の分担比率というのを上げて、内航海運船の高速化を図るとか港湾と道路のアクセスを高める、こういったことも必要であろうというふうに思います。

 次に、今回の民営化法案のポイントといいますのは、民営化後四十五年という期間を明確に提示して高速道路の整備を進めるとともに、債務を返還していくという点にあると思います。私も、四十五年という年限を区切ったことに関して評価をするところでありますが、高速道路政策という観点からいいますと、四十五年過ぎた後も、百年、二百年という長期的な視野でこの問題は考えていかなければいけません。いわば、四十五年というのを一つの重要な区切りとして考えていくことかと思います。

 そこで、我が郷土千葉県が誇る林副大臣にお聞きをしたいというふうに思いますが、民営化後四十五年以内に高速道路を無料開放化し、国、地方公共団体が高速道路を管理するようになるというふうにお聞きをしていますけれども、このような仕組みは、法律上どのように担保されているのかについてお伺いをさせていただきたいと思います。

林副大臣 松野委員御指摘のように、道路は、自由通行そして無料が原則でありまして、しかも極めて公共性が高いものでありますし、私有になじまない国民の共通財産でございます。

 有料道路は、御承知のように、受益者負担で早期に整備するための特別措置でございまして、債務返済後は、これを本来の道路管理者に帰属させ、無料化する必要があるわけでございます。

 そのために、このたびの法律では、機構法第三十一条では、機構は民営化後四十五年以内に債務の返済を完了させるとしておりますし、二点目として、道路整備特別措置法第二十三条では、料金の徴収期間は四十五年を超えてはならない。そしてまた三点目として、道路整備特別措置法第五十二条で、機構が保有する道路資産は、料金の徴収期間の満了後、つまり四十五年以内に国、地方公共団体等、道路管理者に帰属させる、このように法律に明記しているところでございます。

 これによりまして、債務返済後の無料開放、そして、国、地方公共団体による高速道路の管理を担保しているところでございます。

松野(博)委員 ありがとうございました。

 また別の観点から質問させていただきたいと思いますが、我が国初の高速道路であります名神高速道は昭和三十八年に完成をいたしましたし、首都高速は昭和三十九年であります。現時点でももう既に四十年が経過をしているわけであります。民営化後四十五年というと、整備をされている高速道路も相当程度老朽化が進んでいるのではないかというふうに考えられます。

 そこで、まず、道路構造物として、高速道路の耐用年数をどの程度に想定しているのかに関し、お伺いをさせていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 耐用年数という形で明確に何年、こういう基準があるわけではございません。

 幾つか参考になる部分があろうかと思います。平均的な耐用年数を試算する上では、一つの目安として、大蔵省令による構造物の耐用年数などもあります。これは、減価償却資産の耐用年数などに関する省令、こういうことで、これを整理する上でいろいろな観点から御議論いただいた上での一つの目安、こんなふうにお考えいただければよろしいのかと思います。

 例えば鉄筋コンクリートづくりのもので、橋梁みたいなものであれば、橋梁の下部工みたいな形であれば六十年ぐらいはもつのであろうかとか、あるいはトンネルであれば七十五年ぐらい。そして、金属づくりのもの、橋のけたみたいなものでしたら四十五年ぐらいとか、これはいろいろな検討をした末に、耐用年数、償却というような概念から、償却資産の概念からそのぐらいかな、こんな例もあるわけでございます。

 実際問題といたしましては、良好にメンテナンスすれば、例えば橋梁でいえば百年以上もっている橋梁も現実にあるわけでございますし、そういう意味では、どれだけメンテナンスをしっかりできるかという点にもかかってこようかとは思います。

 しかしながら、今のこうした減価償却の耐用年数、あるいはまた、私どもが日常管理しながら五十年ぐらいたった橋梁は、老朽橋として、どうもこのまま使い続けるには難しいなというようなことで、かけかえもしたりしております。それからいきますと、日本人の寿命と大体同じぐらいに近いのかな、良好にメンテナンスすれば八十年とかというような感じかな。いずれにしましても、五十年を過ぎますと、かなりなメンテナンスが、気を使いながらやらなきゃいけない、こういう状態になってこようかと思っております。

 そういう意味では、特に構造物が問題になるわけでございますが、高速道路の場合には、日本の場合は延長の約四分の一がトンネルまたは橋梁、こういう形になっておりまして、例えば昨年の四月一日、七千二百キロの高速道路の中で、千七百五十六キロがトンネル、橋梁である、こういう状態であります。

 そういう意味では、先ほど申し上げましたように、これらが現在一番古いのが大体四十年だ。あと十年後には五十年経過するトンネル、橋梁が出てきて、あと二十年ぐらいたちますと、大体二割ぐらいが五十年以上経過する構造物に多分なるであろう。そうだとすると、そういう意味での五十年経過が一つの考え方かな。

 したがいまして、大規模な補修も含めて、良好なメンテナンスをある程度計画的に考えていく必要があろう、こんなふうに考えているところでございます。

松野(博)委員 今、大体人間の寿命程度、良好なメンテナンスを保っていけば八十年前後というようなお話がありましたけれども、まさに、想定される、民営化後四十五年たって国、地方公共団体に引き渡されるとき、八十五年から九十年、この道路はもう既にたっているわけであります。

 耐用年数をお聞きしたのは、民営会社の最中は、これの補修、維持に関しては法体系の中でもしっかりと明文化されてうたっているわけでありますけれども、しかし、国、地方公共団体に移された後、これは補修というよりも、全面的なつくり直し作業も含めた相当程度の工事が予想される。財政負担もかなりのものになるであろうということが考えられます。そのときに、国や地方公共団体に移管された後、特に財政負担も含めて、どういった仕組みでこのことを補っていくのか。こういうことを踏まえて、高速道路網というのを恒久的な維持をしていくためには何が必要であるかに関してお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

佐藤政府参考人 四十五年後、無料開放いたしますと、老朽化した構造物の改修などにつきまして、高速道路の本来管理者である国あるいは地方公共団体が負担しながらそのメンテナンスをやっていく、こういうことになろうかと思います。

 その場合に大事なことは、実は、それから一生懸命補修なり修繕を考えていたのでは間に合わないんではないか、まず、こういう一つの御指摘が先生からあったものと考えます。要は、それまでの間に、四十五年間きちっとした管理を行い、なおかつ必要な大規模な補修があれば、修繕があれば、それを行いながら、四十五年後にちゃんとした資産を本来の道路管理者に引き継ぐ、これが必要であろう、こういう御趣旨かと思います。

 私ども、まさしくそのとおりと思いますので、特にこれから意を用いるべきことは、技術的な開発という問題で申し上げれば、わざわざ壊さなくても中の状況がわかる、コンクリート構造物にしろメタルの構造物にしろ、非破壊検査、この辺の技術開発を進めてきておるところでございますので、民営化して、積極努力をそういう面でも特に期待する必要があるだろう。

 また、民営化という面からいくと、いろいろなそういう技術開発の成果を使っていく、積極的にそうしたこともやっていただけるようにお願いも申し上げたいし、それから、適時適切に管理を行っていく。

 これは、大規模な補修なり修繕の方針の計画をあらかじめ適時に策定して、これは会社と機構が協定をするわけでございますので、そういう協定の中で、いろいろな知識、知見を入れて、なおかつそれぞれの管理する構造物なりの様子を今のうちにしっかりと見定めていただいて、大規模な補修計画みたいなものもあらかじめ十分相談してつくっていただく必要があるだろう。そうしたことを機構への中期目標に私どもとしてもしっかり指示をさせていただいて、そして、そうしたことを踏まえた協定を結んでいただく。

 そして、結果、トータルのコストが最も安く、なおかつ効果的にしっかりした資産の管理ができる、こんな状態に努力すべきだろう、私どももそう思っているところでございます。

松野(博)委員 高速道路網の恒久的な維持ということを第一に対策を進めていただきたいというふうに思います。

 いわゆるファミリー企業の弊害というものに対して指摘をされてから久しいわけであります。今回の質疑の中におきましても、このファミリー企業の問題に対しては同僚議員から厳しい指摘がありました。道路公団は、ファミリー企業の改革に対してどのような取り組みを今までされてきたのか、また、民営化を機に、どういった抜本的な改革が期待できるのかについてお聞きをしていきたいというふうに思います。

 また、公団は赤字でも、過大な利益がファミリー企業にストックをされているという批判がございます。道路公団とファミリー企業というのは、公団法の関係もありまして、出資や株式保有のそういった関係がないわけでありますから、こういうファミリー企業の内部利益というのを新会社に移すということは難しいというふうに思います。しかし、高速道路を取り巻く環境整備等を通じて、こういった利益を何らかの形で国民に還元していくことも国民の理解を得るために必要なことではないかというふうに思いますけれども、この点に関してもお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

佐藤政府参考人 道路関係四公団の子会社、関連会社、いわゆるファミリー企業に対しましては、維持管理業務の大半を受注、実施して利益を蓄積している、あるいはまた、ファミリー企業の役員の多くが公団OBによって占められている、こうした御指摘が今までもあったところでございます。

 昨年三月、道路関係四公団の民営化に関して直ちに取り組むべき事項、こういう中で、公団と発注先との関係の透明化であるとか、あるいはコスト縮減、利用者還元の充実を図る観点から、さまざまな方策を講じてきたところでございます。

 この結果、現時点におきまして、例えば公団OBの社長や役員、こういう観点から申し上げますと、OB社長が九十七人であったものが、この四月九日現在におきましては四十三人、公団OBの役員は四百七十四人であったものが二百二十九人、いずれも半減以上しているという状態ではございます。

 さらに、ファミリー企業に対する発注費というものを削減していくべきではないか、こういう御議論がありまして、いろいろ工夫しながら発注費の削減を行って、平成十五年度末には、前年度比で約二百五十億円、一一%削減する、こうした見込みになったわけであります。

 さらに、こうした発注費につきましては、平成十七年度までには、十四年度に比べて三割以上削減する、こんなふうな目標も立てているところであります。

 それから、剰余金の還元、いわゆるたまっている利益を世の中に還元すべきではないか、こういう議論があるわけでございまして、それにつきましては、昨年十一月に、身障者ドライバーのETC装着促進のために、その助成費として、各ファミリー企業、それぞれ役割分担していただいて、十億円拠出したというところではございます。

 また、今後、路上作業の安全、効率化に役立つ資機材の研究開発とかいろいろな観点で、そうした利益の還元を利用者の皆様に図るということを必要としているのではないかということで、引き続き努力をしてもらっているところでございます。

 また、これは会社になっても、当然のことながら、そうした利用者還元をしっかりやっていただく必要がありますので、公団あるいは会社の時代を通じて、こうした取り組みが促進されるように指導してまいりたいと思っております。

松野(博)委員 ぜひ国民の理解が得られるような施策を続けていただきたいというふうに思います。

 時間の関係で、通告した質問が消化できないと思いますので、順番を変えさせていただきたいというふうに思います。

 むだな公共事業の例として、これは私ども千葉県も関係する東京湾横断道路がしばしば取り上げられるわけであります。もちろん、今回の審議の中の答弁にもあったとおり、通過車両の見通しが甘かったという点や、バブル経済の崩壊の影響があったということもあると思いますけれども、しかし、アクアラインの利用が伸びない本質的な原因は、他の道路とのアクセスが未整備だという点にあります。

 道路というのはネットワークでありまして、これは電線と一緒でありますから、一カ所でも断線していれば用を足さないという側面があるわけであります。アクアラインの本来の目的といいますのは、西日本と東日本の交通、物流を首都高速を通過せずに結ぶというのが主目的でありますけれども、現在、圏央道が未整備のために本来の目的を果たすことができずにいるという状況であります。この断線をしたままの状態で道路の経済性、効率性を図るというのはナンセンスではないかというふうに思うわけでありますが、一刻も早く圏央道を整備して、成田空港から常磐自動車道、東北自動車道を結ぶ日本の物流の大動脈を完成していただきたいというふうに思います。

 高速道路には、現在、BバイC等の評価によって、未整備区間がつながった場合の評価が数値化をされ、優先順位もできているというふうにお聞きをしております。圏央道は自動車専用道路でありますけれども、アクアラインと東日本のアクセスが完成した場合、BバイC等の評価によって圏央道の優先順位というのがどうなっているかということをお聞きしたいと思います。

 不採算路線等の抜本的な見直しが進められているということでありますけれども、一方で、やはり民営化ということを機に、接続したときに飛躍的に効率性が上がる圏央道を初めそういった路線を短期的、集中的に整備を進めることによって、利用者に民営化というものの利益、果実を示していくということも必要だというふうに思いますけれども、御意見をお伺いし、最後の質問とさせていただきます。

佐藤政府参考人 限定された答弁時間の中なものですから、圏央道全体が非常に長い、各道は別にいたしまして、圏央道全体について一言先生の御質問にお答え申し上げたいと思います。

 圏央道全体は三百キロ。首都圏の四十キロないし五十キロ圏、場合によっては六十キロ圏ぐらいにちょっと入るところもございますが、ぐるっと回って、延長約三百キロ。事業費で申し上げますと、大体三兆ちょっとかかろうかという大プロジェクトでございます。

 圏央道と外環と中央環状線、これが首都圏の三環状、こう申し上げておりますが、これが現状では全体として二三%しかできていない。こういう状態の中で、それぞれの環状を少しでも早く整備する必要があるだろう、こう考えております。

 実は、この三環状が全線完成いたしますと、圏央道の内側の渋滞ポイントが現在六百ポイントぐらいございます、これが多分ほとんどなくなって、走行時間の短縮、あるいは燃料費の減少、こうした面での効果が四兆円ぐらいは毎年出てくるであろうという大変重要なプロジェクトであるわけでございます。

 現在、三百キロのうちの二百六十六キロを事業化しておりまして、事業費で申し上げますと、予算で申し上げますと、平成十六年度、約千五百億円の事業を全線にわたって実施している、こういう状態でございます。

 少なくとも、先生の最初の御質問の、早く効率的に整備しろ、こういう面をしっかりと頭に刻み込み、体に刻み込みながら、少しでも早い事業の進捗を図ってまいりたい、そのように思っております。

松野(博)委員 以上で質問を終わります。

赤羽委員長 増田敏男君。

増田委員 自由民主党の増田敏男です。

 質問に入ります前に、イラクに大変な事件が起きました。まことに遺憾であります。何しろ三人の御無事を祈りたい。そして、政府としては、引き続いて全力を尽くされて、一刻も早い解決を図るよう、もちろん複雑ですが、頑張っていただきたい、このように期待をいたします。

 それでは、三十分ですから、簡明な答弁をお願い申し上げながら、質問に入りたいと思います。

 まず初めに、道路関係四公団の課題の解決についてでありますが、時代認識について、このことからまず申し上げたいんです。

 我が国の近代化は、江戸から明治に移る、そこに第一歩が始まったと考えております。明治政府は、大名から侍に至るまでの領地と秩禄を没収いたしまして、富国強兵への歩みを始めた、このように理解をいたしております。そのころには江戸時代からの豪商や資産家の多くは姿を消しまして、大方の国民は、新しい産業と新しい生き方を求めて真剣な暮らしへの努力が続けられておったと思います。国は、海運を開き、鉄道を敷き、道路をつくり、郵政を興し、銀行をつくるなどして近代化への必死な取り組みがなされておりました。

 やがて、時を経て、関東大震災や昭和初期の世界恐慌を経て、昭和二十年の終戦と同時に、第二回目の大きな変革が訪れました。教育や思想の切りかえ、すなわち民主主義への変革、インフレ、預貯金の封鎖、新円切りかえ、農地解放、戦時国債のほとんどの無価値化などを経て、戦時成金のほとんどが消えました。

 三十年代に入りまして、所得倍増政策から高速道路の供用、新幹線の開通等と着実な歩みが続きましたが、しかし、やがてバブルとなり、バブルがはじけて、今、産業構造や社会構造が世界的規模で大きく変革しております。しかも、この後何年もたたずして、我が国は有史以来経験したことのない、人口の減少という大きな課題に突き当たります。

 二十一世紀をいかに切り開いていくかということが政治に求められている課題だと考えております。まさに第三回目の大きな変わり目だと思っております。

 私は、政治には希望、暮らしには安定、子供たちの未来には夢、老後には生きがい、そして心の通った福祉をと考えながら、政治の道一筋に歩んでまいりました。選挙を十四回いたしました。四十五年であります。そのような経験から、今回の変革は、まことに我が国にとっては大変大きな節目だというとらえ方をいたしております。

 さて、今、高速道路問題については、約四十兆円にも上る有利子負債の確実な返済と、真に必要な道路をできるだけ少ない国民負担のもとで建設することが大きな課題とされております。これらの課題を解決すべく道路関係四公団改革が唱えられ、小泉内閣総理大臣の強力なリーダーシップのもと、その改革がまさに実現されつつあります。

 そこでお尋ねしますが、ただいま申し上げた二つの課題は関係法案によって解決が可能となるのでしょうか。この課題解決のため、関係法案では具体的にどのような措置が講じられることとなるのでしょうか。大臣に伺いたいと思います。

石原国務大臣 ただいま、増田委員が四十五年間の政治経験に照らしまして、日本社会の近代化、また道路の有用性等々お話がなされていたと思っております。

 そんな中で、今回の御審議の中で、四十兆円の有利子債務をどのように返していくのか、そこについてこの法律案の中でどのようになっているのかという非常に重要な御指摘をいただきましたので、簡潔にお答えさせていただきたいと思っております。

 まず、民営化法案なんですけれども、債務の返済期間というものを民営化後四十五年と法律にしっかりと明記いたしました。

 さらに、九千三百四十二キロの整備区間のうち、まだ未着工の、すなわち仕掛かり中のものがおよそ二千キロございますけれども、こういう仕掛かり路線に係る会社への実質的な拒否権の付与など、民間会社でございますので、自主性の尊重のための仕組みを導入いたしました。

 さらに、コストの徹底した縮減によりまして、これまでの計画ですと二十兆円の有料道路事業費につきまして、新直轄三兆円を含めまして、およそ十・五兆円に半減するとしたところでございます。

 さらに、この運用によりまして、債務残高が民営化時の債務残高を上回らないように、こういう仕組みもつくらせていただきました。

 また、新会社が建設資金をマーケットから自分の力によって、自己調達することによって市場規律の導入というものを図っております。

 この施策等々によりまして、四十五年以内に有利子負債を返済できる仕組みと組ませていただいたところが最大のポイントでございます。

 さらに、整備区間のうち未供用の二千キロについてでございますけれども、費用対効果あるいは採算性、その他の外部効果から構成されます評価基準に基づきまして厳格かつ客観的な事業評価を行ったということは、もう委員御承知のことだと思います。

 その上で、今後の高速道路の整備について、これが委員御指摘の真に必要な道路ということになると思うのでございますが、必要性はあるんですけれども料金収入で管理費が賄える区間、すなわち有料道路としてもやっていける区間を有料道路方式、必要はあるんですけれども有料の場合のBバイCが一未満とか非常に低いとか、料金収入で管理費さえ出ない、こういうものを新直轄方式という新しい方式で、これは民営化委員会の答申の中に新しい道路のつくり方を考えろという御指摘を受けましたので、こういうものをつくらせていただき、二つの手法を適切に組み合わせて着実に整備するとしたものでございます。

 このように、四十兆円に上る債務の返済を確実にしつつ、真に必要な道路を着実に整備することを可能とする、これまでのものとは全く違う新しい仕組みと御理解をいただきたいところでございます。

増田委員 機構による確実な債務返済について尋ねたいと思います。

 報道等の論調を見ますると、政府は民営化推進委員会の意見書を尊重するとしていたにもかかわらず、それを一〇〇%採用していないことをもって批判しているものが多く見受けられます。しかし、道路に対する基本的な哲学を踏まえれば、当然採用できないものもあるはずであります。その代表的なものが、会社に道路資産を所有させることだと私は思っております。

 道路は、そもそも、すべての人が使いたいときに自由に使えるものでなければならないし、また無料開放が原則だ、このように考えております。会社に道路を所有させることとなれば永久に有料となる心配があり、これで国民の理解を得ることができるのかどうか、こういう点を考えるところであります。

 現在の有料道路制度は、限られた財源のもとで、急速に進展する自動車交通需要に対応するため、特別の措置として実施されているものであります。この点、政府案では、債務の返済を四十五年以内に完済することとし、その時点ですべての高速道路を無料開放すると、ただいま大臣の答弁のように国民に約束がしてございます。全く妥当な結論であります。

 そこで、改めてお聞きをいたしますが、債務の返済を四十五年以内に完済できるとした根拠は何でしょうか。

 また、機構は、既存の債務と新規建設に投資した資金に係る債務の返済計画を立てることとなり、これは四十五年間という長期に及ぶものであります。その間、大災害や激しいインフレが生じた場合、新会社に対し通行料金の値上げを指示することなども考えられるのでありましょうか。このような場合、どう対応するのか、お尋ねをしたいと思います。

佐藤政府参考人 四十五年以内に確実に債務を完済できる、こうした根拠は何かというお尋ねが最初にございました。

 これにつきましては、基本的には、会社と機構が発足いたしまして、そしてそれぞれが協定を結んで、どれだけの新しい建設を行い、どれだけの貸付料を支払いしながら、いつごろまでに完済するか、こういうやりとりをしていただくことになるわけでございますが、それまでの間、その協定がきっちり結ばれるまで確定的なことをもちろん申し上げるわけにいかないわけではございます。六つの会社ができて、そして、機構とそれぞれが協定を結ぶ。

 しかしながら、見通しという問題で幾つかのケースを前提にいたしますと、トータルでこういうことですから完済はできるものと思いますということを私どもとしてもいろいろな検討をしながら考えている、こういうことでございます。

 例えばということで、一つの試算というような形で申し上げさせていただきますと、会社全体が、六つの会社がこれから、平成十五年度以降、今まで事業中、仕掛かり中の、調査中のものも含めて、例えば高速自動車国道で申し上げましたら、先ほど大臣お話しさせていただきましたように、十五年度以降で有料道路の事業対象といたしましては十・五兆円、こういうような形でそれぞれの、また、首都高、阪高も含めて必要な事業、こういうものでおおむね十三兆円を今後投資する。こういう形で整理させていただいて、管理費は十四年度の予算に対しまして三割削減、それから料金の収入は、将来交通量フレームがまだ多少伸びていくであろう、こういうことをかなり厳し目な推計をしたつもりでございますが、これは民営化推進委員会等においてもいろいろ御議論させていただいて、そして厳し目に交通量の推計もさせていただいた。そうしたフレームがある程度伸びていく、ある期間までは伸びていく。

 それから、将来の金利につきましては、この十五年ぐらいの経済の安定した状況のもとでの金利で申し上げますと大体三・六%程度、こういうことでございますので、やや高目の四%というようなことを前提にいたしまして、四公団合計の債務を、合計の収入で建設しながらやってみたらどうなるか、こんな試算をしてみると、大体四十四年ぐらいでおさまる。

 これはいろいろな試算はあるわけでございますが、そんなデータもございますので、御審議の参考にということで本日理事会に提出させていただいたところでございますので、また先生方にもごらんいただければと思っております。

 そして、これは全体を通しての可能性の一つの試算、こういうことであるわけでございますが、先生二番目の御質問といたしましては、この四十五年の間に、大災害であるとか激しいインフレなどが生じた場合に通行料金の値上げというようなこともあり得るのか、こういうお話でございました。

 まず、大災害の場合には、この民営化法案におきましては、国等が災害の復旧ということで機構に対して災害復旧補助金を交付し、機構はそれを財源として会社に無利子で貸し付けまして、会社は災害復旧を行って、完成後、機構にまた移管する、資産をつくりかえるわけでございますので、そういう制度を用意しているところでございます。

 さらに、激しいインフレが生ずる可能性は少ない、低いものと認識してはおりますが、四十五年間のことでございますから、仮に現時点で想定し得ないようなインフレが生ずる、会社から料金値上げの申請がある、こういうような場合には、その段階での金利や物価や交通量等の状況を適切に把握して、機構の償還状況や、国、地方の支援措置の可能性などを総合的に検討した上で適切に判断する、こういうことになろうかと思います。

 償還計画の、返済計画の適宜適切な見直しは常に心がける必要があるもの、こういうふうに認識しております。

増田委員 私が尋ねたその背景に、あなたの答弁された以上の災害なりインフレなり起きたときに考えておいてくださいよという指摘が入っている、こういうことをぜひお含みおき願いたいと思います。そして、そういう時点があっては困りますけれども、そのときには対応してください。

 それから、次に進みますが、三大都市圏の交通渋滞の解消の背景であります。

 我が国首都圏の環状道路の整備は、諸外国と比較いたしましても著しくおくれており、これまでの質疑において、交通渋滞の解消に向け外郭道路の、環状道路ですが、整備の必要性などが再三議論されてきたところであります。

 国土交通省は、平成十九年度までに三大都市圏の環状道路整備率を、現在の約三五%から約六〇%にまで引き上げる目標を掲げており、この計画は社会資本整備重点計画にも明記されております。

 都市再生を推進し、国際競争力を向上させる観点からも、首都圏及び阪神圏の交通機能の改善は喫緊の課題であると考えます。この計画は、道路関係四公団が民営化されても確実に達成されると考えてよろしいのかどうか、お尋ねをしたいと思います。また、具体的にどのような政策を講じてこの目的を達成しようとお考えか、お尋ねをしたいと思います。

佐藤政府参考人 三大都市圏の環状道路の整備についてのお尋ねでございました。

 三大都市圏の環状道路、首都圏におきましては首都圏中央連絡自動車道、中部圏におきましては東海環状自動車道、それから関西圏におきましては京奈和自動車道、こういう三つの大環状道路が一つの目標となるわけでございますが、このそれぞれについて、現在の計画及びこれからの見込みについて申し上げたいと思います。

 まず第一に、三大都市圏の環状道路、今申し上げました首都圏、中部圏それから関西圏・近畿圏の全体の整備率、こういう形で申し上げますと、三つの圏の環状道路全体合計で千二百十キロ、計画がございます。これについて、平成十五年度末で申し上げますと、トータルで四百二十七キロの供用で三五%、こういう状態でございます。

 逐次整備を進める、こういうことでございまして、この十六年度予算で検討させていただいている状況で申し上げますと、東海環状自動車道が七十三キロ、これは豊田東のジャンクションから美濃関のジャンクションまで、愛知の万博の関連、こういうこともございまして、十六年度中にぜひ供用を図りたい。そして、あわせまして、第二東名高速の豊田東から豊田南インターチェンジまで、ここが一つの環状を形成する一部、こういうことで、これも十一キロ、愛知万博関連ということで供用させていただく。そして首都圏の方では、八王子のジャンクションから日の出のインターチェンジ十二キロ供用を目標にしている。こういうことでございまして、その整備率全体としては四三%にしたい、こういう予算を組ませていただいているわけであります。

 問題は、さらに、先生御指摘の平成十九年度末の整備率、六〇%まで本当に上げ得るか、こういう御議論でございます。

 現在お願い申し上げております民営化の法案、このもとで、高速道路につきましても引き続き有料道路制度の有効な活用を図らせていただきながら債務をしっかり返していく、この骨組みを実行させていただく。こういう前提で申し上げますと、こうした、特に環状道路のうちの、さっき申し上げました、首都圏で申し上げれば首都圏中央連絡自動車道あるいは東海環状自動車道、これらは直轄の事業を主体にして事業をやらせていただいている、こういうことなものですから、そういう意味では、有料道路事業のさらなる活用もしながら直轄事業の方に対する予算の手当ても、限られた国費でございますので、していく、こういう二頭立ての馬車をそれなりに活用させていただく。こういうことによりまして、何とか所与の目標を達成する見込みができるんじゃないか、そんなふうに思っておるところでございます。

増田委員 時間が大分押してきますので、答弁は簡明で結構です。

 それでは、次のお尋ねに入りますが、新会社の関連事業についてであります。

 関係法案では、新会社は道路事業以外の事業について、サービスエリアのみならず自由にできることとされていますが、当面どのような事業が想定されておりますか。

 また、関係法案では、関連事業の実施には国土交通大臣に届け出が必要であるとしていますが、なぜ届け出を必要としたのか、届け出に対して政府はどのような関与を行うのか、お尋ねをしたいと思います。関連事業については、過度な審査を行うのでなく、できるだけ自由な事業展開を可能にさせるべきとも考えますが、どのように考えておられるか、お尋ねをいたします。

 また、国民は、新会社の関連事業によってどのようなメリットが享受できるか、逆にデメリットがあるとすればどのようなことが考えられるのか、お尋ねをしたいと思います。

佐藤政府参考人 まず、関連事業、どのようなものが考えられるか、この点についてお答えを申し上げたいと思います。

 サービスエリア、パーキングエリアで事業を展開する以外に、例えば、道路資産を活用した情報通信産業あるいはまた情報提供サービス、こうした面も考えられるところでございます。それぞれの地域のニーズにどう適応するか、こうした観点から検討をしていただけるもの、こう考えております。

 それから、届け出の問題がございました。

 実は、サービスエリア、パーキングエリアにおいて関連事業を展開していただく分には、会社の本来の事業として、届け出も要りません。JRの場合には、実は、ビルの運営をどうするか、内容をどうするか、こういう点については認可が必要であったわけでございますが、今度の会社の場合には届け出も要らない。駅に相当するサービスエリア、パーキングエリアの内容についてどうするかという点については届け出も要らない。それから、そのほかの関連事業について、通常は、特殊会社の場合、大体認可対象でありましたが、今回の場合にはできるだけそこも自主性をということで届け出に、事前に届け出いただけばそれで済む、こういう形にしたわけでございます。

 ただし、高速道路の管理に支障がない、良好な管理ができる、こういうことが前提であると思いますし、そういう意味では、利用者の皆様にとっては、むしろ、例えば、サービスエリアを使いたいね、サービスエリアに行くためにだけでも高速道路を使いたいね、そんなふうなサービスができるというようなことも大事な利用者サービス、メリットになろうか、そんなふうに思っているところでございます。

増田委員 私の質問の背景を申し上げておきますが、民間のひどい圧迫になってはいかぬね。力が違いますから、地域地域によって民間と新会社との力を考えたときに違いますから、だから、もちろん国益は考えなくてはいけない、国民の立場に立たなければいけない、かといって全部圧迫、こういう形もよくない、十分心して頑張ってくださいというのが質問の背景です。要請しておきます。

 それから、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構の設立の理由についてお尋ねをいたします。

 関係法案では、道路関係四公団の民営化の円滑な実施を図るため、公団から承継した債務の早期の確実な返済等の業務を行う独立行政法人を設立することとしています。債務返済を行う方法としては、この独立行政法人の設立以外にどういうことがあったのか、どういう方法が考えられたか。独立行政法人による返済以外の方法では逆に支障があったのかという点が一点であります。

 あとは、新たに設立する独立行政法人は、行政改革の観点からも、その組織のスリム化が当然求められていると思います。政府は、独立行政法人の組織についてどの程度の規模を想定しているのか。また、この独立行政法人は、高速道路に係る道路資産の会社に対する貸し付けや承継債務の返済等の重要かつ専門的な業務を取り扱うことになりますが、どのようなスタッフによる組織構成を考えているのでしょうか。四十五年という長い期間にわたる仕事ですから、政府としてはこの独立行政法人をどのように監督指導していくのか、これをお尋ねしたいと思います。

 時間がないので、要請を先に言っちゃいます、これは最後の質問ですから。もう一つ要請があったんですが、質問している時間がありませんので、それは申し上げておきます。

 四つの公団が六つの会社になる。やがて五つになるわけですが、そのほかに機構がある、こういう形になっているわけですけれども、今回新たに設立された機構の理事長は国土交通大臣の任命です。新会社の代表取締役も国土交通大臣の認可です。そういう形になっております。民間会社の自主的な建設、あるいは道路、こういったものは国が責任を持って管理すべき公共施設であることは、民間がやろうがだれがやろうが、これは同じことだと思っております。そこで、会社に対する監督をぜひしっかりとやっていってもらいたい、こっちは要望です。

 新会社ができて、スタートをとって、会社というのは、利益を上げないでいいですよという会社はないんです、将来存続しなくてもいいですよという会社はないんです。普通、会社といえば、将来に夢と希望を持って頑張っていらっしゃるんです。でも、四十五年という歳月がありますから、指導、運営、よろしきを得てもらいたい、これが希望です。

 では、前の答弁で最後になります、お願いいたします。

林副大臣 増田先生から大まかに三点の質問がございましたので、それについてお答えしたいと存じます。

 まず、機構以外に債務返済の方法はなかったのか、そして、機構以外の方法ではどんな支障があるのかという点でありますけれども、債務返済の方法として、例えば、会社が道路資産と債務を保有して、会社みずから債務を返済する枠組みが考えられました。

 これはいわゆる民営化推進委員会の、会社の買い取りについてのことでありましたけれども、これに関しましては、想定されるキャッシュフローを勘案すれば、会社が約四十兆円の債務すべてを負うのは困難でありまして、大規模な債務の切り離しや国への貸し付けのつけかえなど、新たな国費投入が必要になる。そしてまた、債務完済時に行われる道路資産の国等への無償譲渡が円滑に行われないおそれがあるというような問題などがありまして、採用はしないことにしたわけでございます。

 したがいまして、独立行政法人としての機構を通じて債務返済を行うことによりまして、公的機関の高い信用力をバックに、低廉な金利コストで借りかえ資金の調達が可能になりまして、国民負担の軽減が図ることができます。また、債務返済後の道路資産の国等への帰属を円滑に行うことができることから、最も適切な債務返済の方法であると考えているところでございます。

 二点目の機構のスリム化でありますけれども、まず、先生の御指摘のとおりだと思っております。その理由は、行政改革の観点から効率的なものとする必要があること、そして、会社の自主性を最大限尊重する観点から機構の肥大化は避けるべきであるということでございます。

 また一方、機構におきましては、約四十兆円に上る債務につきまして、必要な借りかえを行いつつ確実に返済を行う必要があること、そしてまた、資産の保有、債務の返済以外にも、会社との協定の締結あるいは業務実施計画の作成、道路管理者の管理権限の一部代行などの業務を的確に行う必要がある。そういうことから、これらの業務を効率的かつ円滑に行うことができるようにすることも重要でございます。

 機構の具体的な組織規模、組織構成につきましてはこれからの検討課題でございますが、これらの要請を十分勘案した上、適切なものになるよう検討してまいりたいと思います。

 政府は、機構に対し、どのように指導監督していくのかというお尋ねでございます。

 具体的には、手続論でありますけれども、独立行政法人通則法に定める、通則法第二十九条、機構への中期目標の指示、二点目としていうと、三十条の、機構が作成する中期計画の国土交通大臣認可、そして三点目は、三十二条における各事業年度の業務実績に対する独立行政法人評価委員会の評価、そして、三十四条の、中期目標に係る業務の達成状況に対する独立行政法人評価委員会の評価、そして、機構法に定める業務実施計画の国土交通大臣認可、機構法第十四条でございますけれども、これらの規定等にのっとりまして、機構の業務の適切な執行を図っていきたいと考えているところでございます。

増田委員 執行部の皆さんには御苦労さまです。頑張ってください。

 時間ですので、質疑をこれで終わります。

赤羽委員長 岩國哲人君。

岩國委員 岩國哲人でございます。

 民主党を代表して、質問させていただきます。

 去る三月十九日の本国土交通委員会におきまして、いわゆるまちづくり法案の審議過程で、私は、石原大臣は法案における成功事例としてどこを例に挙げられるかと、お答えは六本木ヒルズでありました。その六本木ヒルズ、私はこのことに違和感を覚えました。

 いわゆるまちづくり法案は、稚内から石垣まで、いわゆるローカルな二つの地域を挙げて、日本のそういう大都市とか目立つような人口集積都市だけではなくて、地方の隅々にまで温かい思いやりを吹かせていこう、こういう法案であるというふうに我々は理解し、その前提でここで審議しておりました。にもかかわらず、成功例として六本木ヒルズ、どうかなという感じで、私は若干違和感を覚えておりましたけれども、幼稚園を卒園したばかりの六歳の溝川涼君があの痛ましい事故に遭いました。石原大臣のその発言のわずか一週間後でありました。

 三月三十日の衆議院本会議場において、私はこのことを引用して、人間らしさを忘れたまちづくりや建物が話題を呼び、人を集める現代の風潮を嘆かわしく思うとともに、新しく成立したまちづくり法の十分な意を用いた運用を切に望みますと。私はヨーロッパにも長く住みましたから、これからの長寿高齢化社会と言われる日本においては、やはりゆったりとした、しっとりとしたまちづくりの方がいいのではないかということも、私はそのときに発言いたしました。この点について石原大臣の答弁を求めました。

 私は本会議場で大臣に答弁を求めましたけれども、大臣の答弁は一般論に終始し、六本木ヒルズについては一言もお触れになりませんでした。この痛ましい事故に対して、お悔やみの言葉もなければ、その具体的対応策、さらにまちづくりに対する哲学を話すこともなく、担当大臣としては、これでは余りにも私は無責任ではないかと思います。大臣の答弁を求めます。

石原国務大臣 まず、後段の、悲惨な事故に対してお悔やみの言葉がなかったというお話でございますが、本会議というのは質疑でございまして、まちづくり法の運用についてのお尋ねがありましたので、それについて答弁をさせていただきましたし、私は三月三十日の参議院の国土交通委員会で、哀悼の辞を数度にわたって述べさせていただいております。

 こういうことだと思うんですね。私は、八月六日に、いつも、朝、日の出とともに起きまして、西の方向に手を合わせています。それはだれも知りません。しかし、それは何を意味するかということは、賢明な岩國委員は御承知のことだと思います。そこで言った言わないという話では、私はそもそもないんじゃないかと思うのが第一点でございます。

 それと、岩國委員とのところで六本木ヒルズの成功の例を出されたのは、都市再生本部の和泉参考人でございます。そこのところはぜひ御理解をいただきたいと思いますし、都市再生には、都市の安全性の向上とか、あるいは環境負荷の低減とか、建設投資による経済波及効果などがあるということは、もう委員、専門家でございますから、御存じのことだと思います。そんな中で、六本木ヒルズは経済的な効果を上げた一つの例であるというような話をさせていただいたもので、その後、一週間後に事故が起こったからけしからぬというのもちょっといかがなものかというのが私の感想でございます。

岩國委員 大臣は、六本木ヒルズの成功例として、あのときに、建設額は二千六百億円、それから訪れた人が二千五百万人ですか、何かそういうふうな具体的な建設額を引用されたのは和泉参考人、そして、それをこの席においてたしか聞いておられたと私は思いますし、決して大臣自身がそれを積極的に提案されたことではないにしても、この議論の流れの中で、六本木ヒルズがそういう成功例としてこの私の質問に対して答弁がなされておるということは承知しておられたんじゃないでしょうか。

 また、本会議場において、お悔やみを述べる場ではないと。しかし、今までずっと何十年もこれに類したいろいろな痛ましい事故が起きた場合に、どなたもお悔やみの言葉をお述べになったことはなかったんでしょうか。私は何回かそのようなことを記憶しております。そうしたまちづくり、あるいは国土交通大臣というお立場から、総理あるいは国土交通大臣からやはり一言二言、ああいう事件に対して、また、その後のいろいろな新聞報道なんかを見ますと、何か検査の手落ちに類したようなこともあったとかなかったとか、そういう報道がなされている中で、役所はしっかりとした仕事をしておったんだろうかという世間一般の関心あるいは疑惑に対して、やはりそういう場をかりて、私は、大臣はしっかりと私の質問に対して答弁されるべきだったんじゃないかと思います。重ねて御答弁をお願いいたします。

石原国務大臣 私も議事録を読んでみたんですけれども、和泉参考人が、今委員がおっしゃられたように、二千九百億かかって、半年で二千六百万人が訪れたという話をされた事実を私は聞いておりましたけれども、経済的な側面で効果があった、そういうふうに私は思ったわけでございます。

 それと、お悔やみの話ですけれども、どこでも何にも触れていないような非人間ではなくて、再三再四にわたりそういうことは委員会でも申し述べておりますし、委員のそのときの御質問が、そこのところでどう思うのかという御質問があればお話をさせていただいたと思いますけれども、それは、先ほど話しましたように、言ったからどうのこうの、言わないからどうのこうのじゃなくて、心でどう思っているかということの方が私は大切だと思います。

岩國委員 いや、私は、大臣にそのときに、大臣としての所見を述べていただきたいということを質問しているはずです。議事録を調べていただきたいと思います。

 それでは、次に、道路公団の民営化について質問したいと思います。

 道路公団の民営化は、採算性あるいは必要性の観点から、現在の整備計画を見直すことからスタートしたはずではありませんか。借金を早く返そうとかいつ返せるかということよりも、今の道路のつくり方のあり方を見直そうということが出発点であったと思うんです。この整備計画九千三百四十二キロの見直しを、約束したとおり行うのか行わないのか。

 例えば、三月三十日の衆議院本会議において、今後の高速道路は有料道路方式と新直轄方式を適切に組み合わせて整備を行うこととすると総理は答弁しておりますけれども、それでは、採算性と利用度の高いいわゆるA区間を有料道路方式で建設し、採算性と利用度の低いD区間を新直轄方式で整備するとすれば、結局、これから、建設の進んだところと、これは採算性、利用度の高いところ、建設が既に完了し、あるいはこれからもう工事が始まろうとしています。一番採算性、利用度の低い、ABCDのD区間を新直轄方式に入れるということは、これから九千三百四十二キロの見直しを行うというところは、真ん中の部分を結局どこかを抜かなきゃいかぬということになりませんか。

 上の方はもう既に進んでしまっている、下の方は新直轄方式で、そういう税金を投入して無料で始めていこうと。この新直轄方式については、私ども民主党は、高速道路を無料で国民に開放するという観点からは、新しい切り口であり、そういう意味においては私たちは評価しておりますけれども、その新直轄方式をどこから始めるかということについては、私は考え方の差が大きくあるように思います。

 九千三百四十二の一番下の方から新直轄方式で救済していくということになれば、見直しを行うのは、上でもなければ下でもない真ん中の部分、この真ん抜けのやり方でこれから進めていこうとしておられるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

石原国務大臣 若干そこのところで、委員の御理解と、私のこれまでの答弁が舌足らずだったのか、誤解が若干あるので、ちょっとお時間をちょうだいしてお話をさせていただきたいと思うんです。

 今回の改革においてなんですが、これまでの整備計画を前提とすることなく、未供用の二千キロについては、今は千八百ぐらいになっていますけれども、中村英夫教授の費用対効果、いわゆるBバイCですね、それに採算性さらに外部効果で構成される評価基準に基づいて、七十区間に分けて厳格な評価を行ったということは、委員御承知のことだと思います。

 その評価結果を踏まえて、投資効果や採算性の観点から、現行整備計画による規格、構造などでの整備が困難であるというものも、実は抜本的見直し区間という形で五区間百四十三キロ、これは、その成績から勘案して、ちょっとこのままではだめですよというものを選んだわけでございます。

 この区間については事業を一時中断して、規格、構造を含めた抜本的な見直しを行うわけです。ですから、抜本的見直し区間というのは、計画が抜本的に見直されない限りはつくりません。これをとって、民営化委員会の大宅委員は、一部凍結区間がある、こういう表現をされております。

 委員の御質問は、こういうふうに分けていって、悪い、悪いというか、成績の悪くて新直轄になったものから先につくったら、上の方よりも先に下の方ができちゃって不公平じゃないかというような御指摘があると思うんですけれども、新直轄の部分につきましても、もちろん仕掛かり品ですので、進捗状況というものを、用地の買収等々は勘案しなければならないんですけれども、順番は評価基準の上からつくっていきます。新直轄グループに選ばれたものの上からつくっていくということを原則として、これまでは、ですから、委員が御指摘されたように、これまでの有料道路の中では順位づけもしていませんでしたから、何で余り必要じゃないところから先にできるんだみたいな問題があったことは、私、事実だと思います。そういうことのないように建設していく。

 その際も、BバイCはコストが分母ですから、コストを下げればBバイCは上がるわけですね。そうすると、客観評価のところで、BバイCの項目で例えば一・二ぐらいであったものが、一・二というのは一に近いですからぎりぎりのところです、有料に行くのか新直轄に行くのか、ぎりぎりのところで一・二とか一・三というものがあるのは事実です。そこを、建設費を下げること、あるいはちょっと施工法を変える、アイデアを地元で、自分たちはこれでいいですよと、もう現に来ております。そうしますと分母が小さくなりますから、評価が上がって、全体の成績が上に行く。

 ということは、成績の上のものから原則的につくっていきますので、沿線地方公共団体と皆さんの意見というものも、コスト縮減のアイデアをいただくことによって、そのアイデアを出して、いいことが言われたところは順番が先になる。ですから、委員の御懸念の、下の方からつくるということではないわけでございます。

岩國委員 そうした新直轄方式で既に採用されてしまったいわゆる点数の低い組の中では上の方からやっていこう。しかし、その前に、この二十七を選ぶ前に、結局、A、B、C、D区間というのは、BバイCでもってD区間というものが圧倒的多数採用されているわけですね。

 したがって、選ばれたものの中ではできのいい方からやる。しかし、その選び方においては、できの悪いと言うと失礼な言い方になりますけれども、数値の悪いところを選んだということは、これは否定できないことじゃありませんか。

 そうすると、総理がおっしゃった、九千三百四十二の中には、このA、B、C、Dの対象にもならないような、もう少しいい数値のところもたくさんあるはずです。そういうところは、来年か再来年かといって待っているわけですね。待っているところの方はなかなか進まなくて、いわゆる数値の低いところの方が先に選ばれて、その二十七の中では少しは数字のいい方からやりますよと。しかし、全体の選び方というのは、私は矛盾していると思うんです。

 選ばれた二十七の中で数値のいい方から始めるというのであれば、二十七の選び方そのものも、そういう同じ物差し、同じ考え方で選ぶべきではなかったかということを申し上げているわけです。

石原国務大臣 その点は、有料道路方式で全部整備するということを前提に仕掛かり品がなされていた、過渡期の問題だと思うんですね。

 もちろん、委員が言うとおり、本来ならば成績のいいものから全部一緒につくっていった方がよりフェアではありますけれども、なぜ新直轄方式という新しい整備手法を考えたかというのは、民営化委員会の答申の中にもあるように、どうも、採算性、BバイCあるいは外部効果等々を勘案した総合評価をやったとき、採算性はやはりとれないだろう。もちろん、七十区間のうち採算性が高いのは、実は第二東名とか、拠点間を結ぶ高速道路であって、それ以外のところはやはり、必要なんだけれども、有料道路では、例えば管理費もちょぼちょぼしか出ない、あるいは、やったことによって工事費の数%部分しか有料道路の料金収入でやることができない。新直轄という新しい整備方法を答申にのっとって考えた、その過渡期だと私は思うんですね。

 くどいようですけれども、事業評価に基づいて、委員も御出席されておりました昨年十二月二十五日の国幹会議の議を経て七百キロメートルというものを選定したわけです。もちろん、委員が御反対されたということはわかっておりますけれども、国幹会議では新直轄方式で整備する区間を定めたというだけであって、そのとき、原則は、さっき言いましたように成績のいいものからつくるわけですけれども、あの六百九十九キロ、二十七区間の優先順位を決めた会議ではなかったということは委員も御承知のことだと思います。

 客観的評価指標によりまして、評価結果に基づく、進捗状況、これは用地の買収とか都市計画とかがあって、仕掛かり品でございますので、こういうものを勘案しながら成績のいいものからつくっていく、そういうことでございまして、新直轄というものを認めていただくならば、この仕掛かり品の、過渡期の中ではそういうことが起こらざるを得ないんだと私は思います。

岩國委員 この議論、まだまだ私は続けたいとは思いますけれども、事の発端は、要するに有料道路制でもって九千三百四十二キロを整備しますという政府の約束、これがもう既に破綻しておるということに原因があるんですよ。破綻をサロンパスか何かであっちこっち張って歩くから、結局、全体の像が見えないし、矛盾点ばかりになってしまう。

 九千三百四十二キロを有料制で整備する、しかも、三十年後には、その有料制で、プール制でもって、プール制を施行されたのが一九七二年ですか、七二年から三十年後にはそのプールの中にはお金がいっぱいたまって、だから二〇〇二年十月には全部日本の道路は無料で開放されるということで始めたプール制、ということで始めた有料制。有料制を柱として、プール制を財源として、この二つの仕掛けが見事に破綻してしまった。だから、新直轄方式というものを考えざるを得なかったのは、民主党的な発想の、無料にするために新直轄で国土を整備しようという考えではなくて、動機は、破綻したあの有料制をどうやって九三四二の下の方からすくい上げていこうかということにすぎないと私は思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 高速料金の引き下げを、大臣も、また道路公団の総裁もいろいろなところでおっしゃっています。この一割引き下げというのはいつから実施されるのか。また、料金の一割の引き下げによって通行量はどれだけふえるというふうに想定しておられるのか。このことによって新会社のいわゆる収益というものは上がるのか下がるのか。その収益にリンクした債務の返済というのはふえるのか、債務返済額は毎年料金下げによって減っていくのか。この点について御答弁をお願いします。

石原国務大臣 ケースごとの細かい話は政府参考人からお話をさせていただきますので、私はざっくりとした話をさせていただきたいと思うんですけれども、高速道路料金の平均一割の引き下げをいつまでに行うのかという根幹的な御質問に対しては、民営化までにと御理解をいただきたいと思います。

 これは、主にETCを利用して下げていっております。また、これも当委員会等々で再三再四問題になり、委員の御提言等々もありまして廃止を決定いたしました別納割引制度、ここの廃止を踏まえたさらなる引き下げも考えていかなければならないと思っています。その手法にはいろいろな方法がございますので、政府参考人の方からお話をさせていただきたいと思います。

 いろいろな実験をしております。例えば、朝夕のラッシュ時に料金を下げれば、利用者は多くなりますから、そのときの減収は低くなると思います。しかしながら、夜間の運賃を下げますと、交通量はふえますけれども、割引率によっては絶対収入が減少するということもあると思っています。

 一つだけ例を出させていただきますと、新潟県の日本海東北自動車道の社会実験で料金を半分にいたしました。その結果、有料道路の交通量は一・七倍になり、並行して走る国道七号線のバイパスの渋滞の長さというものは半分ぐらいになった。ですから、半分下げて倍の交通量になればツーペイですけれども、ツーペイでないということもあります。

 これはいろいろな組み合わせがあると思うんです。例えば、市街地に入ってくるものをロードプライシングのように活用して値段を上げれば、交通量は減ります。しかし、一番激しいときに車の流入を抑えることができる。これはいろいろなことを、今までやっておりませんので、社会実験としてやってみて、トータルで、希望としては、なるべく会社の料金収入は減らないで料金が下げられるということが私は理想だと思いますけれども、さまざまなケースがあると思います。

 詳細につきましては、政府参考人の方から答弁をさせていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 大臣がお話し申し上げましたように、どれだけの料金の割引あるいは引き下げをしたらどのぐらいの交通量の増加があるか、この点については、いろいろな状況に応じたデータがございます。

 私どもが今まで、通常、高速自動車国道のネットワークは有料道路の中の一番大きなネットワークでございますので、それで過去のいろいろな実績を評価してみますと、これは料金引き下げというよりは、料金を上げさせていただいた場合にどのぐらい交通量が逆に申し上げますと減るか。従来の大規模なそういう意味での経験で言えばそういうことになるわけでございますが、それでいきますと、大体一割を引き上げたら、逆に言えば一割引き下げたらでも基本的には同じだろう、弾性値、こう申していますが、一割を引き下げたら〇・三。その〇・三が、交通量が、引き下げればふえる。逆に言いますと、一〇%引き上げたら三%が要は下がる、交通量として。こういうことで弾性値を〇・三ぐらいに、全国的なネットである高速自動車国道の場合には、大体考えたら、従来はまあまあ妥当なところなのかな。

 いろいろな実験をしてみますと実はと、こうなるわけでありまして、通勤時間帯等で、実は平成十五年度、いろいろな実験をしてみました。通勤時間帯五割引き、こういうようなことでまいりますと、これは現道の方が実は非常に混雑しておるから何とかならぬかな、こういう地元からの提案型でやってみたわけでございますが、六カ所の平均通勤時間帯五割、半額にしました。これでいきますと、その時間帯に限定していますし、一般道路の方も大変込んでいる、こういう状況の中で、大体七割から八割ぐらいの、同じ時間帯の中の有料道路の方の交通量の増加がある。これでいきますと〇・七とか〇・八とかいう弾性値になる、こういうことだと思っております。

 そういう意味では、一日平均全体、あるいはまた時間帯によるのか、あるいは現道の状況によるのか、これによって大分弾性値が、〇・三と〇・七とか八とかいうようなオーダーの違いもありますので、引き続き今年度、大々的に社会実験を行って、そうした研さんを積んだ上で、どういう割引のあり方にするかという点を検討してまいりたいと思っております。

岩國委員 これは、けさいただきました道路関係四公団の債務返済イメージの試算例、きょうの日付になっておりますね。大臣は、これは当然御承知で我々に出されたと思いますけれども、この収入見通し、これは一割値下げということを織り込んでつくられたものであるかどうかということを確認していただくことが一つと、もう一つは、経済予測はどういう経済予測。小泉内閣の長期経済見通しとその中における経済成長率、その経済成長率を支える大きな柱はこの国土交通予算、その大臣として、石原大臣自身が長期経済予測でどういうGDPの成長率を頭に置いてこの収入というのを計算させておられるのか、それをお答えいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 数字の問題をまず私の方から御説明申し上げさせていただきたいと思います。

 今お手元にお届けさせていただきました道路関係四公団の債務返済イメージの試算例、これにおきましては、高速自動車国道のネットワーク、先ほど私が申し上げました、平均的に一割引き下げる、そうすると、その割引のあり方によって実はいろいろな工夫がし得る、こういう問題だと思いますが、とりあえずは、機構と会社が具体的にいろいろなやりとりをする、その前に私どもが、見通しとして大ざっぱに、可能性があるかないか、ありますよ、こういうことをお示しする、そういう意味で全体をまとめて試算している、こういう状態でございますので、先ほど申し上げましたような、きめ細かな割引というよりは、平均一割引き下げたら、結果、〇・三ぐらいの交通量の増加があるだろうと。

 逆に申し上げますと、一割引き下げて、そのまま交通量がふえなければ一〇%の減収になるわけですね。これに対して三%は回復するというので、七%の減収、高速自動車国道についてはそうしたものを見込みまして、したがいまして、まあこれは詳細はごらんいただきたいと思うんですが、料金収入のオーダーで申し上げますと、平成十五年度、十六年度、四公団合計で大体二・六兆円ぐらいというのを、約〇・一兆円、そういう意味では高速については七%の減ということで、二・五兆円をベースにして試算させていただいておる、こういうことであります。

 それから、GDPをどういうふうに考えたか、こういうことでございますが、これにつきましては、民営化推進委員会の中でもいろいろな御議論を交通需要推計についていただいたわけでございます。

 GDPや人口の見込み、そうしたものが最終的には私どもの、こうした将来の交通需要推計あるいはまた採算をどういうふうに考えるか、こういう前提になるわけでございますが、この場合、将来のGDPの設定に当たりましては、まず、二〇〇二年度から二〇一〇年度までは、平成十四年の一月二十五日に「構造改革と経済財政の中期展望」それからこの参考資料、内閣府が作成しておりますが、ここで推計値を出していただいておりますので、おおむね、例えば二〇〇六年ぐらいまでは一・五%から一・六%、二〇〇七年から二〇一〇年ぐらいまでは一・九%ぐらいに回復するんではないか、こうした見込みが出されておりますので、それを用いている。

 そこから先は、実はなかなか、これによるべしという政府全体の統一概念がない、こういうこともございまして、国土交通省が国土計画局においていろいろ推計していただいているというようなことをベースにして推計させていただいた。おおむね申し上げますと、その後は一・五%から一・三%、最終的には、例えば二〇四一年から二〇五〇年程度でございましたら〇・四%ぐらいということで、生産性の向上もさることながら、人口の問題もあって、そうした低い伸びというような予測をしておる、こういうことでございまして、こういったことをベースに、将来の道路交通需要のフレームの推計の方は、従来に比べますとかなり低目な推計として、御議論をいただく前提としてお出しさせていただいている、こういうことでございます。

岩國委員 要するに、一〇%料金を下げた場合には交通量が三%ふえたということですか、〇・三というのは。そういうことですね。その点を確認していただくことと、もう一つ、今局長の答弁の中に、生産性の向上という言葉がありましたね。途中でずっと数字を挙げられたのは、それは生産性の向上の数字なんですか、GDPの、経済成長の数字をお挙げになったのか。生産性という言葉が途中で入っておったようですけれども、その辺を少し整理してもう一度再答弁していただきたい、この二点をお願いします。

佐藤政府参考人 最初に弾性値のお話がございました。先生のただいまのお話のように、一〇%の料金水準の上昇あるいは引き下げに対しまして、それぞれ三%交通量がふえる、ないし減る、これが言ってみれば弾性値〇・三、こういう意味でございますので、平均的に料金の水準を一〇%高速自動車国道については下げるということを前提にしたときには、三%分交通量がふえて、減収、結果七%になるであろう、こういうふうに申し上げているわけであります。

 ただし、それは平均でありますから、実際には、先ほど申し上げましたような、通勤時間帯ではどうかとかいうようないろいろな工夫すると、この弾性値は変わってまいります。現在の試算としては、平均的にということでとりあえずは出させていただいている、こういうことでございます。

 それから、先ほど私、ちょっと余計なことを申し上げたかもしれません。先ほど申し上げました数値そのものは、GDPの見込みの年間の伸び率ということでございます。生産性云々の話は、生産性も考えれば、人口も考えればというようなことでいろいろ合計してみた結果として、例えば二〇一〇年度までは内閣府作成の数字が答えとして出ているんであろう、こういうふうに申し上げたところでございまして、アウトプットはGDPの年伸び率でございます。

岩國委員 弾性値〇・三ということですけれども、去年の四月一日、ちょうど一年前に、民営化推進委員会から試算として出ているもの、この中では、弾性値は〇・五で出ておるでしょう。この資料はお持ちですね。民営化後平均一〇%の料金引き下げ、収入は五%減と設定、こういった資料を我々は受け取っている。一年たつと〇・五が〇・三になっておる。この一年の間に〇・二の弾性値が変わったというのはどういう理由なのか。出てくるたびに、毎年四月になると数字が変わるというのでは話にならないわけです。この点についての明快な説明をいただきたいということ。

 それから、石原大臣自身の、これから十年、二十年、大変難しいことですけれども、そういうベースとして、GDPの成長率というものはどういう数字を頭に入れておられるのか。

 この二点、局長から一つ、大臣から一つ、お願いします。

佐藤政府参考人 先生ただいま御指摘の弾性値〇・五というのは、民営化推進委員会の方での御試算のときにお使いになった弾性値でございます。したがいまして、私どもがその〇・五を、これがもっともらしいんですと申し上げて出させていただいたわけではございません。

 ただ、大切なことは、多分いろいろな考え方あるいは割引の仕方がある。その割引の仕方に応じて、先ほど申し上げましたように、通勤時間帯を選んで割り引く、こうすると、弾性値としては〇・七とか〇・八とかいうことが期待できる状況もある。できれば、せっかく料金の割引をさせていただくのであれば、それに応じてお使いいただける度合いがどんとふえる、できれば、むしろ私どもは一・〇を超えるようなことを期待しながら割引を考えていくべきだろう、そういうふうに思っております。これは予測の問題であるとともに、それ以上に政策として、どういう割引政策を考えるか、料金政策を考えるか、これによっての結果だと思います。

 私どもが本日お示しさせていただいていますのは、逆に申し上げますと、むしろ今度は過大に弾性値を見積もると、そんなことはできそうもないのに大き過ぎる弾性値を選んでいろいろ、何とかちゃんと健全に返せますよみたいなことを言うんだろう、こういう御指摘もまたあるわけでございまして、そういう意味で、安全側をとりますと、〇・三ぐらいということを現時点で試算としてとらせていただくというのは、まあまあ妥当な線なのかな。

 これを現実には弾性値がもっと大きくなるようにどういう料金政策、割引政策を考えていくかというのが社会実験をやっている意味でもある、こういうことだと思っております。

石原国務大臣 委員の御指摘は、多分、きょうお示ししました五ページの自動車交通需要の見通し、これの信憑性を判断する上で、将来交通量のフレームというものは、どうもこれまで、今回は割と正直に出させていただいたのは十二次五計のものを載せていますけれども、これは高位推計よりも高いところにあります。

 これまでのいろいろな道路等々のを私も洗ってみましたら、やはり交通需要見通しは高目に出していた。そういうところがありますので、これのフレームのベースになるところのGDP、人口の経済フレームの想定が狂うと全く役に立たないということをきっと指摘されたいと思って今の御質問をされているんだと思いますが、これは本当に難しいと思います。

 ここに平成十六年度予算案の概要があるんですけれども、この経済見通しで十六年度を一・八と見ています。あるいは、これから二〇一〇年度までは、中期展望の中で、数値を政府としてマクロ経済の専門家が試算しております。二〇二〇年ぐらいまでは、ある意味ではきっと数値を出しやすいんだと思うんですね。

 というのは、二〇〇七年から人口は減少に転じますけれども、二〇二五、六年が高齢化のピークということが見えていますから、そこまでで、仮に二十年ぐらいで切ると、私どもの今回とらせていただいた数値は、中期展望の延長線で二〇二〇年までをGDPの伸びを一・五%、そこから先の、要するに二〇二五年の高齢化社会のピークから債務返済が終わると言われるところの二〇五〇年まで、これは本当に難しいと思います、経験したことがない社会ですので。ですから、そこはかなり低目。委員は多分、もっと低い数字がきっと念頭にあるから御質問されていると思うんですけれども、〇・六。ですから、二〇二〇年までのおよそ三分の一強ぐらいの数字を念頭に置かせていただいております。

 でも、これは、ただ推計値です。

岩國委員 これは、四十五年間で債務を返済するという大きなプロジェクトの場合に、長期予測はどうかということは、けさいただきましたこの試算なんかもがらっと変わってくるんですね。

 一つは、経済成長率が高ければ、当然車の利用料は高くなる、収入は高くなる、返済は早く進む、こういう面と、長期金利は高くなる、したがって金利コストは上がるという負の面と、いい面と悪い面と両方にこれがあらわれてくるわけですよ。したがって、石原大臣が、あるいは道路公団の皆さんが、二%で考えているのか、一%で考えているのか、この返済計画はがらっと変わってくるんです。

 そこでお伺いしますけれども、石原大臣が、私はもっと低く見ているからその点を心配しているんじゃなかろうかと。大臣、逆なんです。これはもっとふえなきゃいかぬです、収入は。なぜかといえば、この名目金利は四%でセットしてあるでしょう、長期金利は。竹中大臣は二月十二日の予算委員会でどう答えたか。経済成長率と名目利子率、名目長期金利との関連について、民主党の池田元久議員の質問に対してこう答えています。「名目成長率は名目金利より高くなっているというふうに認識をしております。」こういうことなんです。

 ということは、ここで四%の金利というものでこれを計算しているということは、あなた方は五%の成長率を考えている、四%または五%。そうならなければ、竹中大臣が予算委員会の第一委員室で答えたことと、ここで我々が聞いている説明とは、同じ国会の建物の中で全然違う話を聞かされている、こういうことになるんです。この点について明快な説明をしてください。

石原国務大臣 その議論は私も大変印象に残った予算委員会の議論なんですが、中期展望で示している二〇一〇年までのところでは、政府として共通な認識を持っています。

 さっき申しましたように、この推計値は、二〇二〇年ぐらいまでは、ある意味では中期展望の延長線上で、経済成長を予測するのは割とリーズナブルにできると思うんですけれども、そこから先は本当に全く未知の世界であります。それを推計値として私どもは〇・六と出させていただいた。ですから、そこのところの考え方と、竹中大臣が中期展望から先のことをどう考えているかということを私から今どう解釈するのかということは答弁できないということは御理解いただきたいと思います。

 それと、もう一点だけ申したいのは金利。もちろん経済成長と金利の関係というものは重要な関連性があります。そんな中で、金利の推計値をどういうふうにとっているかということは、過去の十年、十五年の平均値をとって、それに一割程度、一割五分ぐらいですか、厳し目の数字として四%を、これは仮置きです。ですから、七になる、八になるということはだれも予測できません。そういう事態が起こったならば適宜適切な見直しを行わないと、お示しさせていただいたものが全くこの中に入ってこないというのは、これは当然なんです。そこが推計値である、試算であるということを、政府委員から再三再四御答弁させていただいているところでございます。

 詳細については参考人から御答弁させていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 先生、ただいまの御指摘、金利と、それからあと名目の経済成長率の関係、こういうことでございました。

 今、ちょっとそこはまた整理をさせていただこうかと思っておりますが、本日、理事会の方にお出しさせていただきました中に、平均調達コスト等の推移について、これを出させていただいております。

 例えばということで申し上げますと、昭和四十一年からの長い時間の、あるいは、先ほど申し上げましたむしろ短い時間の方がいいかもしれません、例えばこの十五年間の、平成になってからの平均調達コストは三・七%である。この間の実質の経済成長率は二・一で、実は、消費者物価の上昇率をとりますと〇・九である。

 こうしたことを、ちょっと名目に置きかえた分でまた整理を大至急したいと思いますが、そういう意味では、調達コストと経済成長率、これが、名目、実質、それから消費者物価の上昇率等、こうしたものの関係を私どもなりに四%ということで見ると、金利そのものだけを考えたときに安全側かなというようなことで、とりあえず四と仮定させていただいている、こういうことでございまして、これが確かに五とか六とかいうオーダーになってきますと、消費者物価も、あるいはまた名目の成長率の方も変わってまいろうかというふうには思っております。

岩國委員 要するに、こういう試算を出された以上は、いろいろな前提をこれから組みかえてもう一回やり直しますということではなくて、ちゃんと政府の意見としてやはり出してもらわなければ、これは道路局長の私案としてここに持ってこられたわけじゃないでしょう。政府の重要な法案として民営化法案を出して、国民に、返済まで四十五年かかりますという根拠をこうして示しておられる。

 四十五年かかるという理由の一つは、収入の伸びが、本当は高い経済成長があるにもかかわらず、一・五%あるいは〇・五%。そういうものがこのシナリオの中に全然反映されておらないでしょう。数字は端的にずっと同じ数字を並べているだけ。経済成長は一・五から〇・五に落ちても、収入がそれに影響されておらない。調達コスト、長期金利についても、これは四%でずっと来ているでしょう。四%で計算されていますね。

 四%で金利調達コストを計算するということは、単に計算がしやすいという皆さんの便利だけではなくて、これは大きな意味を持つんです。その議論は予算委員会に直ちに響くことになっているんです。四%と皆さんが設定されたということは、政府は将来にわたって経済成長を約束しているわけではありませんけれども、四%の経済成長を見ておるか。

 私自身はお金の世界におりましたから、竹中大臣のあの答弁は間違っているということを私は知っています。今までのマーケットの原則、それから一般の有識者の考えというのは、名目成長率に〇・五ないし一・〇%を足す。名目成長率が三%であれば、三・五ないし四%が長期金利のあり場所なんです。これが一番居場所のいいところは、〇・五ないし一%の差というのは、これはスプレッドといいますけれども、仮に、竹中さんの理論ではなくて、今まで信じられているそれを使ったとしても、四%の調達金利ということは、三・五の成長率か三%の成長率を少なくとも見込んでおられなかったら、四%の金利支払いというこの試算はできないはずなんです。

 ということは、三%ないし三・五%の経済成長を見込んでおられるならば、この収入は余りにも低過ぎるということなんです。四十五年もかからないで、金利がもっと低いか、収入がもっと高いか、そのシナリオで計算し直して、四十五年ではなくて三十五年で返済、そういう試算だってできたはずじゃありませんか。なぜそれをやらないんですか。

石原国務大臣 今の金利の話は私もそのとおりだと思うんですけれども、逆から見ていただきたいんですが、名目の成長率を二〇二〇年まで一・五と見ているわけですから、本来であるならば、もっと金利を安く設定してもいいわけですよね。ですから、そこを金利を――失礼しました、この数字は実質ですけれども、実質に金利が乗った部分が名目になるわけですから、四%というのは、私どもの見通しとしては金利は高目に厳しく見た、そういうふうに御理解いただけないでしょうか、試算ですから。

岩國委員 その成長率と金利との相関関係というのは、予算委員会で担当の大臣が答弁されたこととこの試算表とでは、依然としてその食い違いは残るでしょう。

 いや、かた目にとか低目にとか、そういう気持ちはもちろんわかりますよ。こういう試算をつくる以上は、できるだけ外れたくない、外れるんだったらいい方に外れてほしい、人間、だれだってそんなこと、作業する人は考えますよ。しかし、それはどこかのごく小さな会社の収支見通しをつくっているんじゃなくて、四十兆円という大きな国民のための債務を抱えたところは、もう少し私は、その辺を内閣としての意見もあれしながら、あの部屋で言うこととこの部屋で言うこととは違うというようなお粗末なことにならないように、そういう試算の見通しというものをきちっとやっていただきたいと私は思います。

 返済見通しのもととなる収入見通しがどうなるのか、金利支払いがどうなるのか、この大きなXとY、この方程式をもう少し吟味して、私は、この試算というのはもう一回やり直してほしい、それを要求して、次の質問に移ります。

 昨年の三月七日ですけれども、私は、国土交通委員会において、高速道路を無料化した場合の試算を国土交通省で行ってみたらどうか、一割下げたらどう、二割下げたらどうというシミュレーションだけではなくて、十割下げたらどうなるかという試算をやってみるべきだと。そして、それがたとえ一部といえども、識者の間からそういう声が上がり、経済効果のためには無料化というものが経済効果があるのではないかという声が上がっているときに、無料にした場合のシミュレーションを断固として拒否する、それはおかしいと思うんです。あらゆる選択肢を、国民の、納税者の目線に立って、そういうシミュレーションぐらい、シンクタンクにでも依頼してちゃんとやらせるべきじゃありませんか。皆さんは、やらなくても結果はわかっているというほど物知りでいらっしゃるのか。

 あるいは、もう少しこういうことに対しては謙虚で、一割下げたら、二割下げたら、こういう試算というのは、試算どころか現に実験までしておられるでしょう。十割下げたという実験はまだやっておられない。十割下げる実験ができないんだったら、せめてシンクタンクに依頼して、十割下げた場合の経済効果というのを計算させるべきではありませんか。それをみんなでまた議論してみる。

 我々は、近々のうちに無料化法案、高速道路事業改革基本法というものを私はこの委員会に提出したい、我が党はその準備をしておりますけれども、それと並行して、国土交通省の方でも、一割下げたら、二割下げたら、五割下げたら、思い切って十割下げたらどういうふうになるのかというシミュレーションはやるべきだと思うし、そのための時間や出費を惜しむべきではないと私は思います。大臣の御答弁をお願いします。

佐藤政府参考人 このシミュレーションは、全国のネットワークを組み立てて動かす、こういう面で、物理的にも大変時間と労力と費用を要するということは先生御指摘のとおりだと思います。

 私どもといたしましては、実は、昨年の十二月二十五日の国幹会議に当たりまして、二千キロの未供用の七十区間を評価させていただいて、そして、その区間がそれぞれ持つ費用対効果の効果の部分をそれぞれ集計する、こういうことは可能であろうということでやってみたわけであります。

 大切なことは、先生の御指摘で申し上げますと、そのベースのネットワークそのものを料金水準との関係で効用をどれだけ果たし得るかということをきちっと計算すべし、こういう御指摘でございました。

 私ども、その前に、現状のネットワークが持っている効用なるものを把握したいということで、まず、現状のシステムそのものでどのぐらいの効用を果たしているかという計算を実は一生懸命したりもしてみているところであります。

 これも、試算でございますので、いろいろな仮定を置きますので、幾つかの仮定を置いてという形で申し上げると余りいいかげんなことも出せない。ただ、計算の仕方によって、時期によって、いずれにしても大きなものがございますが、数値としてはかなりのばらつきがある。倍、半分とまではいきませんが、五割増し七割増しというようなこともありますので、そういう面で申し上げますと、テクニカルに私どももやってみていますが、非常に厳しいところがあります、こういうことではあります。

岩國委員 要するに、無料にして有効な活用の道をもっともっと広げるということは経済にプラスになるというんであれば、私は、そういうシミュレーションなり調査というものをやるべきだと思うんです。自分たちが持っている偏見あるいは誤解というものに基づいて、いつまでも有料制でもって、千二百十三の関所でそれを囲い込んで用途を制限している、それが国民にとって一番のむだ遣いじゃないかと私は思うんです。

 むだ遣いというのは、今までの税金のむだ遣い、道路のむだ遣い。この道路をもっと利用の仕方というのを変えてみたら、経済のためにどれだけ大きな貢献ができるのか。一割下げる、二割下げるなんという小さな話ではなくて、もっと大きな効用というのがそこから生まれてくるのであれば、その調査というものを至急やるべきだと思います。それをやらないことの方がむしろ税金のむだ遣いだということを私は主張したいと思います。

 もっと得べかりし、もっと大きな国民のための利益というものを追求しようとしない。無料化の場合のシナリオ、それがどういう経済効果をもたらすかということを国土交通省がいまだに手をつけないということは、その選択肢に目をつぶり、得べかりし大きな利益を国民のために得ようとしない、それこそが時間と税金のむだ遣いにつながっていると私は思うんです。大臣のお考えを聞かせてください。

石原国務大臣 私のつたない経験の中で、こういうシミュレーションをぜひ役所にやってもらいたいということをお願いしたことがあるんです。

 それは、もう十年近く前ですけれども、羽田空港の国際化、こういうものに対してどれだけの経済波及効果があるんだ、そのことによって日本の経済にどういう影響があって、どういう物流の移動があるのか。当時は運輸省ですけれども、これは私個人じゃなくて、自由民主党という組織の東京都連が正式にお願いをしましたけれども、やってくれませんでした。

 そこで、しようがなくて、民間のシンクタンクに私どもでお願いをして試算を出させたんですが、今、国土交通省になって示している雇用の増大とか経済波及効果の数字と当時の数字は、そう変わらないものでありました。

 そういうことを考えますと、個人的には、このシミュレーション、どういう数字が出てくるのか大変関心があるんですが、今回の、これは岩國委員が昔言われていた案とは若干違う無料化ですよね。六十年で借りかえで税金で返していこうという案でございますから、それの実現可能性を役所ではかったとき、他の公共事業が、河川でもいいです、道路以外の、空港でもいいです、港湾でもいいです、予算が、こっちでフレームから試算をさせていくと半分になっちゃうんですね。果たしてそんなものを本当に全体が許すのか。

 すなわち、四十五年でも先ほど委員との間の議論があったのと同じように、六十年の借りかえみたいな形で返していって……(岩國委員「六十年なんてだれも言っていませんよ」と呼ぶ)そういうふうに聞いております。では、そこは私が聞いておる数字ですけれども、そこの借りかえでやっていくようなものに対しての実現可能性を考えると、羽田空港の国際化、当時から十年たって方向が見えてきましたけれども、今の段階で役所が、はい、わかりました、やろうというふうになっていないということもぜひ行政のあり方として理解をしていただきたいと思います。

岩國委員 きょうもここでまた六十年が出ましたし、また、きのうも何かおとといも六十年というのが、我々が欠席している間に随分この質疑に使われておりましたけれども、六十年なんということを我々は一遍もそういう案は出しておりません。我々が近々出す案は、それとは違います。それから、公共事業について、半分になる、そういうことも我々のシナリオにはありません。そのことははっきりと申し上げておきます。

 それから、そうした一割下げる、二割下げる、実験をやったり、シンクタンクにいろいろ依頼されることは結構なことだと私は思います。ならば、一割、二割までは考えるけれども、なぜ十割は考えないのか。そこがおかしいじゃありませんか。一割、二割下げていい効果が出るんだったら、三割ならもっといい効果が出るかもしれない。五割、七割、八割、十割までいったらもっといい効果が出るかもしれない。我々は単純ですから、そう期待します。一般の国民も、今のようないいお話を聞いたら、当然それを期待すると私は思うんです。

 もちろん、債務の返済はどうするかということは当然考えなきゃいけませんけれども、債務の返済と組み合わせて、どういう組み合わせで、幾つかの前提を置いて、シンクタンクにでも依頼してちゃんとやるべきだと私は思うんです。

 十年前の運輸省は、やる気もなかった、能力もなかったかもしれない。しかし、役所でやれないならば外部に委託してやらすべきではありませんか。再度答弁をお願いいたします。

石原国務大臣 六十年というのは、これまでの予算委員会の枝野委員とのやりとりの中でそんな話を私はさせていただきましたので、その延長線で話しました。まだ正式な案をちょうだいしておりませんので、その案が出ましたら、改めて、その実現可能性について私どもなりに検討させていただきたいと思います。

岩國委員 では、時間が終わりましたので、終了いたします。ありがとうございました。

赤羽委員長 松野信夫君。

松野(信)委員 民主党の松野信夫でございます。

 まず最初に、今の岩國議員で引用されました書面があるようでありますので、この点について一言申し上げたいと思います。

 今回の法案で一番肝心なことは、国民にできるだけ負担をかけないでしっかり借金の返済を行っていく、四十五年で返すという法案のスキームでありますので、本当に四十五年で債務の返済ができるのかどうか、これは大変大きな、最も重要な問題だと思います。

 それで、私ども民主党の方は、年が明けて一月、二月、三月、国土交通の部門会議も開きました。毎回のように国土交通省の担当者の方々もおいでいただいて、いろいろ説明もしていただきました。そのたびと言ってもいいぐらい、私どもの方から、四十五年にわたって債務の返済、具体的な返済計画案は一体どうなっているんだ、具体的な数字を挙げてきちんと説明してくれ、こういうふうに何度も申し上げてきました。

 一度だけ、簡単なポンチ絵みたいな図面が示されて、簡単な説明がありましたけれども、具体的に、路線ごと、売り上げがどうなるのか、通行量がどうなるのか、金利がどういうふうに変動するのか、そういうような具体的な数字を出しての説明はありませんでした。

 そこで、私の方も、三月三十日、衆議院の本会議場において、大臣の方に対して、具体的な数字を挙げて、きちんとした数字を、明確な数字を挙げた上で返済計画を説明せよというふうに求めましたが、これまた具体的な説明はございませんでした。

 ところが、きょう、まだ私も見ておりませんが、先ほど岩國議員の質問の中で、何やら国土交通省の方で返済償還表というようなものがつくられたということでございます。どうも、お話を聞いていると、理事会でそれが提出されたということのようでございます。まだ私は見ておりません。何度もこれまで請求してきたんですけれども、まだ私の手元には来ておりません。

 問題点は二つあると思います。

 これまで何回も何回も請求してきたにもかかわらず出さないで、いきなりきょう、委員会の質問の当日の朝提出する、こういう非常に不誠実な態度だ。その上、この問題は大変大きな問題で、恐らく国土交通委員全員がみんな関心を持っている。にもかかわらず、理事会の席上にだけ出したということでございます。したがって、理事の方は何やら償還表のようなものはお持ちかもしれませんが、私ども委員は、一体どういうような書類が出されたのか全くわからない。こういうような状態で質問をしろというふうに言われても、これは常識的に考えて、できるわけないじゃないですか。

 なぜこんなに提出がおくれたのか、そして、一部の理事にしか渡さなくて全員に配らないのか、この点についてまず明らかにしていただきたいと思います。

    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕

高木(陽)委員長代理 松野委員、この資料については、理事会で今まで協議をして、本日の朝の理事会で配付をいたしますということは、民主党も、そして共産党も含めて野党の理事の方々にも通知もさせてありますので、そういった部分では、会派の中でそれがしっかり伝わるかどうかという問題だと思うんですけれども。与党が、前回のときにその資料請求があって、理事会で確認をしているんですけれども。

松野(信)委員 会派がどうだこうだという問題を私は言っているんじゃなくて、国土交通省の姿勢を問題にしているんです。

 我々は前から、四十五年間で返済するというのが極めて重要だということは何回も何回も言っている。私自身が、三月三十日、もう言いましたけれども、代表質問でも質問させていただいた。にもかかわらず、きょう、ようやくこういうような何か償還表が出てきたというおくれと、そういう重要なものは何で全員に配らないんだ、この二つの点を私は申し上げているんです。会派の問題じゃありません。答弁してください。

佐藤政府参考人 二点申し上げたいと思います。

 まず、本日の朝の理事会に出させていただきましたのは、これまでの国土交通委員会における審議におきまして、そうした返済計画が必要ではないか、こういう御指摘がございました。そこで、私どもから申し上げましたのは、いろいろな試算の仕方はあります、ただ、御審議を進める上で必要であるということであれば、私ども、条件を設定して試算をしてみて、一つの試算という形で御了解いただけるのであれば整理してお出しさせていただきますというやりとりをさせていただいたところでございます。その結果、本日の朝、与党から、お出ししなさい、こういう御指摘もありましたので、理事会にお諮りいただいて出させていただいた、こういうことでありまして、本日中に先生方のところにお配りいただける、こういうふうに考えております。

 それからもう一点。なぜあらかじめ、あえて申し上げれば、多分、法案の提出と同時ぐらいにこうした試算を出すべきではないか、こういう御指摘かと思います。

 組み立て方としまして、大変恐縮でございますが、現在の四つの公団は六つの会社になり、なおかつ六つの会社と機構との間で協定を結んで、どこの道路を建設するか、事業中の部分も含めて、実質的な拒否権があるという法案をお願い申し上げておるわけでございますので、私どもが、全体としてこれだけの建設をする、そしてこういう返済計画を立てる、こういう形で御提示するのはいかがなものか。

 私どもといたしましても、会社の自主性、こういう面も法案の中に盛り込ませていただいたところでありますし、そういう意味では、まず法案を成立させていただいて、公団の時代、それから、会社が発足して、そして本当にどういう管理をするか、どういう建設をするか、ここをしっかり検討していただいて機構との間で協定を結んでいただく、こういうことでございますので、最初から私どもが、あたかもこういうふうに考えていますということをどんどんとお出しさせていただくというのもこれまた一つの御批判があろうか、こういうふうに考えたところであります。

 しかしながら、そういう審議の参考までには何らかの見通しを持ってしかるべし、こういう今までの委員会の御指摘もございましたので、私どもといたしましては、見通しとしては、全体として、六つの会社ごとにやっていたらこれはまた個別になり過ぎますので、四つの公団全体として、見通しとして可能性というものがこういうふうにあるんじゃないでしょうかということをぎりぎりのところ作業させていただいて、本日、出させていただいた、こういう経緯でございます。

松野(信)委員 今の局長の説明というのは、これまで私どもが国土交通省から受けていた説明とは違いますよ。部門会議の方に来ていろいろ説明していただいたのは、返済計画表というのは大体できてはおります、しかし、厳密な数字を出すにはもう少し時間を下さい、今、徹夜で一生懸命やっています、こういう回答だったんですよ。今の局長の答弁とは違います。どっちが正しいんですか。

佐藤政府参考人 先ほどの岩國先生の御質問にもございましたが、例えば四%という金利のセットの仕方、あるいはまたこれからのGDPの伸びの見込み、こうした面、いろいろな仮定が置き得るということもあって、事実の問題といたしましては、どういう範囲なら本当に、一つの試算とはいえお示しするに足るだけのものができるか、これは、私どもが、長い間といいますか、時間をかけて悩みながら考えてきたところであるということもまた事実でございます。

 幾つかの例をえいやとやってつくり上げるのは割と、計算そのものはできるわけではございますが、そういう意味では、御批判に耐え得るようなケースを幾つか出させていただくという点について、いろいろなそういうパラメーターの置き方、あるいはまた表の計算の内容についての整理の仕方、私どもなりに、こういうことでお出しさせていただけば説明がわかりやすいといいますか、ということも含めて選んでいくというにはまた時間がかかるというのも事実の問題でございます。

松野(信)委員 どうも私の質問には、答えになっていないと思います。

 そうすると、四十五年で返済をする、例えばそれは、建設をしなかった場合、これ以上借金はふえないということになるでしょうし、またさらに、残り二千キロをこうこうこうしてつくるというようになればまたふえるかもしれませんが、少なくとも建設をしないというベースに立って、今の負債、政府出資金も含めると四十四兆七千億、これは間違いないと思いますが、この四十四兆七千億を具体的に四十五年間こうして返すという正確な償還計画というのはできているんですか、それともできていないんですか。

佐藤政府参考人 先ほども申し上げました、正確なという意味では、結果、とりあえず、会社と機構が協定をそれぞれ結んで、そして、こういう事業計画のもとにこういう貸付料を払いながらというところは、それぞれの自主性というものをまた十分に尊重し、発揮していただく必要があるだろうということで申し上げますと、現時点でこれが正確なものですとかいうことではお示しできるものではないとは思っております。

 それからまた、将来四十五年にわたる計画、こういう意味で申し上げれば、その間に、セットした数値が一つ一つそのとおりか、こういう議論になりますと、来年の金利、再来年の金利を正確に見積もられる方がおられるのなら、逆に私どもが伺いたいというところだと思っております。しかも、十年後、二十年後ということになればなおのことかと思います。

 大事なことは、結局、そうした予測をさせていただく上で、まあまあそんなところかなという妥当性の範囲、これはかなり広く持っていただくか狭く持たれるかによって違ってくるかもしれませんが、そういう説明を申し上げさせていただいたときに、まあまあそんなところか、それも一つの考え方かなというふうに思っていただけるような範囲なのか、それとも、はるかにどこかが違うということなのか、これが一つだと思います。

 それからもう一つは、今度は、将来にわたる試算といいますか見通しを私どもがまとめて御説明申し上げる、こういうことでございますので、そういう意味では、運営していく中ではそれだけのしっかりした弾力性が、適宜適切に見直しし得る、条件が変われば対応し得るという弾力性が、このお願い申し上げております法案の中に仕組みとして存在し得るか、こういうところが問題なんだ、こういうふうに思っております。

 一つ一つの数字は絶対正確か、こういうお話でありますと、私どもは、これは予測は予測でございますので、来年、再来年でさえも、じゃ、金利セットがコンマ一%ずれないかという点について、絶対ずれないはずですというふうに申し上げるまでのものを持ち合わせているわけではございません。しかしながら、まあまあ確からしいんじゃないかというふうに思って出させていただいているところでございます。

松野(信)委員 今の局長の答弁だと、厳密な意味での償還表というのは、返済表というのはできていない、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。

 まあ、それは十年も二十年も三十年も四十五年も先の話だから、厳密に、売り上げがどうなるか、あるいは収入がどうなるか、経費がどうなるか、それはなかなか不確定な要素があることは、これは私もわかります。しかし、今回の、まさに四十五年できちんと返済をするというふうにうたう以上は、そういうきちんとした見通しをやはり国民に対して示すことが今まさに求められていることではないかというふうに思うわけです。

 今局長の答弁を聞いてみると、将来のことがよくわからないから厳密な数字が出せないというような非常に無責任な態度ですよ。しかも、先ほど申し上げたように、私どもの方に対しては、国土交通省の担当者の人は、今、徹夜で厳密な数字を出しています、近々出しますという話を三月の下旬に私も聞いている。恐らくほかの委員も聞いていますよ。そういうようなところと、今の局長の答弁は明らかに違います。

 先ほどの御説明と違う。しかも、徹夜でやっているぐらいならば、遅くとも三月下旬か四月の上旬には出しますというような話だったので、これは一体どうなっているんですか。

石原国務大臣 将来予測金利を四%にするのかということを決めるのにも大変時間がかかりますし、先ほど、委員の手元には渡っていないということでございますが、需要見通しを決定する上の人口あるいはGDP、こういうものを政府として、この数字で日本の二〇五〇年までこういうふうに見ているというものはございません。そういうものをつくる作業というものにも莫大な時間を要するわけです。

 岩國委員から、それが外れないように厳し目になっているけれども、そうだとするならば、金利と名目成長との間の相関関係についての説明が経済担当大臣と異なる点はどう考えるのかという御質問があったように、こちらとしては、先ほどお示ししております図の十二次の五計よりも高位でも低く、低位でもかなり低い。すなわち、低位の場合でも四十兆円に上る債務を四十五年間で指数を置いて返せるというものをきょうお示しさせていただいたわけでございまして、どこの会社がどこの道路を、仕掛かり品も含めて、つくるつくらないということは決まっていません。それによりまして、リース料がどうなるかということが決まりません。

 ですから、先ほど言いましたように、この仕掛かり品をどうして、どの道路をどこがどうつくるのかということが決まらない限りは、そこをこっちで、この道路を全部この会社がつくれみたいなことを割り振って試算を出すということは、私は適切だと思わない。そんな中で、ぎりぎりの四十五年で、法律で約束してあるわけですから、その約束の裏づけは低位の見通しでいっても入るというものをマクロの試算としてお出しさせていただいたと、ぜひ松野委員には御理解をいただきたいと思います。

松野(信)委員 そうすると、先ほど私が申し上げたように、国土交通省の担当者の人が徹夜でつくり上げたというその結果が、きょう、私まだ見ていない、何やら償還表のものだ。これが、今の時点で、完璧に正確でないかもしれないけれども、最も正確性が担保されたものだ、これ以外にはない、こういうふうに聞いてよろしいんですか。

石原国務大臣 これは、先ほど来御議論があるように、返済イメージの試算なんです。ですから、金利を六にとるか、あるいは経済成長をもっと高目にとるかによって数字は幾らでも変わります。経済成長が高くて金利が低かったら、四十五年かからないで、岩國委員がおっしゃるとおり、二十年、三十年で返せるという試算はできるわけです。

 ですから、それをどう見るかということの指数、それと、その指数をつくる上での母数、それを政府全体としてこの数字でいこうというものがありませんので、それをどうするのかということに時間がかかるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

松野(信)委員 いや、私はまだ見ていないものだから、これ以上ちょっと質問が非常に難しいんですが、今の大臣のお話だと、あくまでも返済表ではなくて単なるイメージだ、こういうことなので、そうだとすると、政府の方でも、イメージのレベルでは返済のイメージは持っているけれども、厳密な形で、できるだけ厳密な形で、売り上げあるいは収益、毎年の返済金額、こういうようなものは出していないんだ、こういう理解でいいんですか。

石原国務大臣 何度もお話をさせていただいておりますように、仕掛かり品のものについても拒否権があるわけですね、会社に。そうしますと、仮の話ですよ、仕掛かり品のものはもうどの会社もつくらないということだって、極端な話あるわけです。そうすると、新規建設ゼロ、こういう試算だって、つくれと言えばつくれるわけです。

 ですから、そういうものはあくまでも試算であって、どの道路が大切なのか、すなわち真に必要な道路はどれなのかという議論をこれまでさんざんしてまいりましたけれども、個人によって違うわけですね。

 それを客観的評価によってつくって、七十路線ごとにやって、五路線を除いては妥当性があるという形になったけれども、それを会社がどう判断するかというのは会社の判断であって、それをその五路線を除いてつくることを前提に試算をつくるということは、政府がそういうふうにやれと言っていることを思わせるわけですから、ある意味では厳密なものはできない。しかし、マクロの返済のイメージの試算例としては、こういう数値を置くとこういうふうに返せます。

 ですから、もし、全くもうつくらないのを出してみろと言われれれば、出すことは十分マクロの世界で可能だと思います。

佐藤政府参考人 先生、先ほどの御質問の中に、建設これ以上しない場合のケースなんかもあるのか、こういう御指摘があったかと思います。

 そういう意味では、本日の朝お出しさせていただきましたのは、一定の条件のもとで一定の投資のパターンを考えたときに、四公団合計、とにかく一つ一つやっていると六社になりますから、これはとても今できる議論ではないので、トータルで収入と貸付料とそれから管理費等をどう考えたらどういうふうな見込みになるか出させていただいたわけでございますが、ただいまの先生の御指摘の、建設これ以上しない、何らかの手段で、別のやり方でやるというようなこともあるのかもしれません、というような場合にはどうなるかという点についても、昼、理事会の方で出してもよろしいということでありましたら、私どもといたしましては、準備して出させていただきたいと思っております。あくまでも試算でございますが。

松野(信)委員 そうすると、あくまでも試算だということで、見ていないので、ちょっと私もこれ以上この問題については質問しようがないので、この問題については、やはりみんなが同じような資料、データを見た上で、お互いに検証しながら、本当にこれは四十五年で返済ができるのかどうか、やはりここはしっかり腹に落とした議論をやらなきゃいかない。

 資料がないままで質問しろ、議論しろと言われてもこの問題についてはできませんので、これについては別途資料をいただいた上で、さらに質問をさせていただきたいというふうに思います。

 さらに資料の点で申し上げますと、私の方から、三月十八日に国土交通省の方に対して、いろいろと議論の前提となるべき資料を出してほしいということでお願いをしております。高速道路の各路線ごとの建設費、これは建設時の見積もりがどうであったか、そして実際のかかった金額がどうであったか、増減があるのであればその増減の理由が一体どうなるのか。これは三月十八日の時点で、私の方から国土交通省に対して資料要求しておりますが、いまだに出ておりません。これは一体どうなっているんでしょうか。

石原国務大臣 ちょっと三月十八日のことを詳細に記憶しておりませんが、資料請求の場合ですと、委員会の質疑の中でなされたものは、理事会協議になって、理事会で出すということが決まりますと行政の側におりてくると思いますし、それ以外の、委員が質問をするに当たっての公表すべき資料、こういうものについてはダイレクトに役所の方に請求をされると思いますので、どういう形での要求であったか、できましたら教えていただきたいと思います。

松野(信)委員 三月十八日に、私、文書でお願いをしている。資料要求ということで、四つ請求をさせていただいております。

 それぞれの道路公団について、最近十年間の料金収入の推移、料金以外の収入の推移、通行量、これはいただきました。それから建設の関係については、今申し上げたとおり、いただいておりません。道路公団の負債がどういうような経過でふえていったのか、その内訳を出してほしい、これも要求して、数日後にはいただきました。

 そういうふうな形で書面で請求して、数日後には書面でいただいているんですが、今申し上げたように、建設費関係については一切回答がございません。書面で請求をしております。

佐藤政府参考人 大変恐縮でございます。先生今の御指摘でございますと、路線別に、予定した建設費と実績がどう違うか、こういう御趣旨かと思いますが、そういうことでありますと、高速自動車国道の路線別の事業費、二つ問題がございまして、整備計画単位で区間区間で事業費を予定させていただいておりますので、その単位を、路線別となりますとトータルする必要があるというのが一点でございます。

 それからもう一点は、そういう意味では、整備計画の全体の変更の都度、全体の路線としては実績を踏まえた修正も変更させていただいておりますので、端的に、先生の御指摘の、当初予定した建設費と、それから実際の実績とがどういう形でお示しすることができるかというような点について、多少の時間を要しているのかなと思います。

 実は、大変恐縮でございますが、多分作業をしておって、それと、御趣旨がいま一つ十分わかっておるかどうかという面もあろうかと思います。具体に出せるものはお出しさせていただきたいとは思います。

松野(信)委員 なぜ建設費の問題について議論をするかといいますと、私が同時に請求して、いただいた道路四公団の有利子債務の残高の推移、これは十年間出していただきました。この表を見ても明らかでありますが、有利子債務の残高が毎年毎年ふえているわけでございます。一度も減ったことはないわけです。毎年毎年ふえているということは、どこかやはりむだなところが出てきている。あるいは、建設に関して、当初の見積もりよりも実際には余計にかかったというようなことはよくよくあることでありますので、その辺についてやはり厳しくチェックをしなきゃならない、こういうことで要求をしたわけでございます。

 この点についてまだ出てきていないということと、それぞれの交通量と収入について最近十年分の、要するに計画では幾らでやっていたか、その実績はどうであったか、その計画と実績がどうであったか。これも、対比をした上で議論したいということで十年分請求しましたが、出てきたのは平成十一年度、十二年度、十三年度、十四年度ということで四年分しか、交通量、収入の計画と実績の表しか出ていない。十年分は出ていないわけであります。

 その点について、資料がそもそもないのか、あるけれどもまだ出せないのか、この点はどうでしょうか。

佐藤政府参考人 二点お答え申し上げたいと思います。

 建設費の部分でございますが、先ほど申し上げましたように、路線、区間ごとに整備計画が出ている部分を全体に足し込んで、当初予定なるものと、当初予定をどれにするかというのがあるわけでございまして、それと比較しろということになると、多少作業に時間を要しておるようでございますので、できるだけ早くお出しさせていただきたいと思います。

 それから、収入と実績について、あるいは交通量の計画と実績について四年分しか出ていないではないか、こういう御指摘でございました。

 実は、結局、高速道路あるいはそれぞれの公団関係、料金の認可という作業のときに、それから先の交通量の計画なりをしっかり把握しながらその単位でやっている、こういうことなものでございますから、例えば高速自動車国道の一番最近の認可に係る、これからどういう計画にするかというようなことの計画に係る、償還計画に係る部分、こういうことで申し上げますと、平成十一年が、今持っております十一年からの計画、実績が現在の償還計画の基礎としては出ている、こういうことなものですから十一年からお出しさせていただいておる、こういうことであります。

 それぞれ首都高速、阪神高速につきましても、首都高速は平成十一年七月、それから阪神高速は平成十年三月、それぞれ料金認可をした場合の償還計画をベースにしている、こういうことでございますので、それでしたらすぐにお出しできるということで出させていただいている、こういうことであります。

 それにさかのぼってということでありますと、多少のまた加工を、その前段の加工を必要とするということもございますので、とりあえず十一年以降でお出しさせていただいた、こういう経緯であります。

松野(信)委員 そうすると、実際の収入あるいは通行量については、これは平成五年度から十年分いただいているんですが、計画については、平成五年度から平成十年度というのは計画はあったんですか、それともなかったんですか。

佐藤政府参考人 先生、そういう意味で申し上げますと、それぞれの公団は、高速自動車国道なんかは毎年でございますが、新規建設し、供用した部分でネットワークが広がってくる。その前段に、ある時点で料金の認可という形で、ある一定のネットワークをベースにして将来の交通量なり収入を予測し、こういう料金で十分償い得るかというようなことを繰り返してきておるわけであります。

 そういう意味では、お許しいただければ、その前の方の計画と実績についてはネットワークが今のネットワークと大分違ってまいりますが、償還計画上の計画と実績を比較する、これは可能でございますので、多少お時間いただいて至急整理するということは、やらせていただけばお出しさせていただきたいと思いますが、これも理事会の方での御議論になろうかと思います。

松野(信)委員 こういう表をなぜ要求したかといいますと、一つは、これまでの計画と実績を比較する必要があるだろう。今後四十五年、ちゃんと本当に返済ができるかというのも、これまでの計画が実に甘い甘い見通しでやっていたんではないか、こういう心配があったから、私の方、資料要求したわけです。

 案の定、四公団とも、計画と実績、私、残念ながら四年分しかいただいておりませんが、四年分見ましても、計画と実績を比べると、軒並み実績の方が下がっている。毎年下がっている。それだけ、逆に言うと甘い見通しのもとに行われていたということが、少なくともこの四年分見ただけでも明らかであります。そういうような観点から見ると、今後の四十五年間の返済、これはやはり厳しくチェックをしていかないと、今までどおりの甘い計画、見通しではとてもとても返済はできませんよ、これを申し上げたいわけです。

 それから、料金収入、売り上げの点も、これは過去十年分いただきました。これもチェックいたしますと、必ずしも売り上げが毎年伸びているというわけではないんです。

 一番収入的に多いのは日本道路公団でございます。これは、圧倒的に金額的には多いわけです。例えば平成十一年度で見ますと二兆三千億ぐらいの収益を上げている。これは、料金収入と料金以外の収入と二つあります。圧倒的に料金収入が多いわけですけれども、平成十一年度で約二兆三千億あったものが、平成十四年度では約二兆円に下がっている、こういう実績があるわけです。

 こういう実績を踏まえて今後の新会社の収入というものを考えれば、これは必ずしも、売り上げが伸びていく、そういうような状況ではないんではないか、こういう点を私の方から指摘したいわけであります。

 まだ私、見せていただいていない、国土交通省がおつくりになっているイメージというものがどの程度の今後の売り上げを見込まれているのか、ちょっとそれはわかりませんけれども、今お示ししたように、過去の実績から見る限り、これはかなり厳しい売り上げ状況になるのではないか、この点だけ指摘をしておきたいと思います。

 それから、やはり、これまでの道路公団のやり方が必ずしも健全ではなかった、こういうようなことから今回この法案が出てきた。小泉総理自身、道路公団の民営化というのを言われて、今回の法案につながっているわけであります。これまでの道路公団の失敗の轍を踏まないということが非常に重要なことでありますし、これまでのどこが悪かったのか、これはやはり厳しく検証をしながら進めていくべきだろう、こういうふうに思っております。

 そこで、道路公団については、毎年、貸借対照表とか財産目録とか損益計算書とか、こういうようないわゆる財務諸表、これは一体きちんとつくってあったのか。それを国土交通大臣はきちんとつかんでチェックをしていたのか。そういう正確な財務諸表がつくられて、大臣もちゃんと把握していたかどうか、この点についてお伺いしたい。

佐藤政府参考人 財務諸表につきましては、民間企業並みの財務諸表というものと、特殊法人関係がそれぞれ採用してきている財務諸表、この違いがあるということが一つの問題であったということは認識しております。したがいまして、道路関係四公団は民営化する、こういうことを前提にいたしまして、民営化推進委員会からも御指摘をいただき、また政府・与党協議会でも、申し合わせの中で、民間企業並みの財務諸表を至急につくるべしということを一昨年の十二月にお決めいただいたということでございまして、昨年の六月に民間企業並みの財務諸表というものを四公団それぞれ出していただいた、こういうことでございます。

 これについて、今度は、公団から民営化会社に移行する、こういう中で、さらに、いかなる財務諸表の内容にすべきかという点について、黒川教授を委員長とする委員会もまた国土交通省の中で発足させて、さらなる検討をしていただいているわけでございますが、いずれにしましても、民間企業並みの財務諸表、こういう形で昨年六月に、それぞれの公団が努力の結果、出させていただいているということは、一つの実績として事実でございます。

松野(信)委員 昨年六月の財務諸表は、これは確かにおっしゃるとおりつくられて、民間企業並みだ。それで、この点については公表もされております。

 私が聞きたいのはその前の話であります。その前、それこそ道路公団が設立されて以降、毎年毎年、今申し上げたような財務諸表というものはつくられていたのか。それはきちんと国土交通大臣が把握をしてチェックしていたのか。この点、お聞きしたいと思います。

佐藤政府参考人 それぞれの公団法、例えば日本道路公団法で申し上げますと、その二十四条に「財務諸表等」、こういう規定がございまして、「公団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後一月以内に、国土交通大臣に提出し、その承認を受けなければならない。」こうしてあるわけでございまして、公団としての財務諸表というものは提出をしてもらい、その承認をしている、こういう状態であるわけでございます。

松野(信)委員 そうすると、日本道路公団設立以来の財務諸表は必ず国土交通大臣が、まあ昔は建設大臣だったと思いますが、確認をして、その承認がきちんとなされていたということだろうと思いますので、そうだとするならば、そういう財務諸表というのは、これは国土交通省の方に一部保存をしてあるのか。その辺はどうでしょうか。

佐藤政府参考人 大変恐縮でございます。正確に何年保存してあるかという点について、これは確認しないとわからないところがあるわけでございます。三十年前、四十年前のものまですべてきちっととってあるかどうかという点について確認して、また御回答申し上げたいと思います。

松野(信)委員 そうすると、いわゆる保存期間内であれば恐らく保存しているだろう、こういうことでよろしいですね。

 それから、道路公団についてのいわゆる毎年毎年の事業計画、こういうようなものも国土交通大臣が認可するというふうになっているかと思いますが、そういうような書類も毎年毎年、文書の保存期間ある限り国土交通省の方にも残されている、こういうふうに理解してよろしいですか。

佐藤政府参考人 御指摘のとおりでございまして、少なくとも保存期間内のものは保存してあろうかと思います。

 三十年前、四十年前という部分が、保存期間、それぞれの規定によって違いますので、確認した上でまた御回答申し上げたいと思います。

松野(信)委員 財務諸表類については民営化委員会の中でもいろいろと議論がありました。どうも道路公団は財務諸表をきちんとつくっていなかったんではないかとか、あるいは、別の、幻の財務諸表があるとか、財務諸表が幾つもあるというような議論もどうも出てきたようですけれども、国土交通省の方としてはそういう財務諸表をきちんと確認して持っていらっしゃるということで、これは公表はできるんでしょうか。

佐藤政府参考人 先生御指摘の財務諸表は、昨年の六月の分と、それ以外の、法に基づいて提出をしていただいています認可に係る部分と両方あろうかと思いますが、このそれぞれにつきましては公表をしている、こういうことでございますので、閲覧可能であるということであります。いつでもお出しすることができると思います。

松野(信)委員 それでは、文書保存期間内、残っているものについてはすべて閲覧、謄写可能だということでよろしいですね。

佐藤政府参考人 おっしゃるとおりでございます。

松野(信)委員 財務諸表で民間企業並みということになりますと、いわゆる減価償却、例えば道路公団を一つの企業として見れば、トンネルも持っている、橋も持っている、そういうようなものについて言うならば、民間企業であれば必ず減価償却、これが当然計上されるわけです。それからまた、いろいろな災害が発生して大幅な手直しをしなきゃならないというなら除去費というのも項目として挙げなきゃならない。そういうようなこともあるし、また、現在建設中だというようなものについては建設仮払いの勘定、そういうようなものも項目として挙げるのが一般的ですけれども、そういうような項目も、これは以前から項目として掲載されていたんでしょうか。

佐藤政府参考人 そこのところが、昨年の、民間企業並み財務諸表という形で出すべきではないかという財務諸表と、それまでやっておりました、整理しておりました財務諸表との違いの部分が出てこようかと思います。

 減価償却、こういう観点からは、公団の本来の財務諸表の方は厳密に整理はする必要のない部分もあったものですから、そこの部分を民間企業並みにということで、細かく資産を区分けして昨年の六月に出させていただいた、こういう経緯がございます。

 もう一点申し上げますと、それぞれの四つの公団が作業をしたわけでございますが、民営化に向かっては、ある程度共通のグラウンドを持つ必要があるだろうということで、先ほど申し上げました委員会において、御指導いただくような内容の検討を今していただいている、こういうことでもあります。

松野(信)委員 そうすると、昨年六月からは民間企業並みに、今申し上げた減価償却あたりを計上しているけれども、それまでは、いわゆる民間企業並みの、今私が申し上げたような勘定項目というものはつくっていなかったということでよろしいんでしょうか。

 それからまた、さらに各路線ごとに、収益がどうなっていたか、建設費がどうなっていたか、そういう各路線ごとの分はきちんと財務諸表に挙がっていたんでしょうか。

    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤政府参考人 今までのといいますか、法に基づく方の財務諸表につきましては、特徴的なことが、償還準備金の積み立て方式、こういうことでございます。減価償却という形ではなくて、償還準備金なるものがどれだけ計上し得るかということを整理させていただいているということであります。

 あわせまして二番目の問いにお答え申し上げたいと思うんですが、路線別にどういう資産内容、償却内容であったか、こういう点について申し上げますと、結局のところ、路線別に収入と支出、言ってみれば、そういう意味では、要した建設費も含めて、収支がどういう状況であるかという点については、収支率という形では収入、支出は計上させて毎年度公表させていただいている、こういうところであるわけでございます。

 ただし、いわゆる減価償却というような考え方で民間企業並みに一つ一つやっているわけではない、これも申し上げておくべきことかと思います。

松野(信)委員 民間企業並みにきちんとした減価償却あたりを挙げていなかったというのが私は非常に大きな問題で、やはり橋でもトンネルでも、永久に残るわけじゃないんです。当然またつくり直しということだってあるわけですから、そういうようなことをしないで、ある意味ではどんぶり勘定的にやっていたことが今日の失敗になっているのではないだろうかというふうに考えているところでございます。

 それから、時間がありませんので、残された時間で、やはりこの道路公団の問題点の大きな一つとして、償還主義と全国プール制、この問題があるのではないだろうかというふうに思っております。

 先ほどから申し上げているように、計画と実績を比べると、大体毎年計画並みになっていない。こういうようなことで、この計画自体が非常に甘い見通しのもとでなされてきたのではないだろうかというふうに思っております。

 償還主義自体が、これは絶対的に悪いというふうには私も言いませんけれども、現実にこれまでとられてきたこの償還主義なるものは、もともとは三十年以下で償還する、こういうふうに言っていたものが、九四年には四十年になり、九九年には四十五年に延長されるということで、ずるずるずるずると償還期間が延長されてきた。非常にルーズな形で償還期間というのが延長されてしまっている。そういう償還主義の問題点というのが本当にこの間出てきたということが一点挙げられると思います。

 それからまた、もう一つ、全国プール制ということで、本来ならば、高速道路、これは最終的には無料になるというふうに決めているのが、優良な路線、売り上げがいい路線に安易に過大に依存をしてしまう、こういうようなずるずるべったりの形で道路建設が行われて、いつまでたっても法律で約束している無料にならない、こういうようなことに結果的に陥ってしまっているわけです。

 やはり償還主義、全国プール制、この問題点をきっちり解明しておかなければ同じ轍を踏むんではないかというふうに考えますが、大臣、この点はいかがでしょうか。

石原国務大臣 結論から申しますと、ただいま松野委員が御指摘されましたことは私も事実だと思いますし、この二点の弊害、これを除去する仕組みをつくらせていただいていると考えております。

 すなわち、なぜこの制度ができたかということを振り返ってみますと、財政事情が厳しい中でネットワークも早期に整備するということで、特例として有料道路制度が導入されて、その中で、ネットワークを整備していく上で、プール制と、返済をしていきませんといけないので償還主義というものが入ってきたわけです。

 この償還主義とプール制の弊害というのは、プール制ですから不採算路線の建設というものが安易に行われた、あるいは、先ほど来委員が御議論をいただいております需要見通しというものが下回りますと、償還計画がありますから、その償還計画に合わせるために安易に料金を引き上げる。あるいは、今委員が後段で御指摘されたように、三十年だったものが四十年、四十五年と償還期間というものを先送りする等々、コスト意識の欠如と相まって、さまざまな公団方式の問題というものが私はあるんだと思います。

 今回の仕組みの中では、基本であるところには、事業評価を客観的に行う、コストも、二十兆円かかると言われているものも、新直轄制度を導入することと相まって十兆五千億と半減する、あるいは、債務の返済期間を法律で四十五年と今回は法定化して、先送りを認めない、債務残高も民営化時のものを上回らないということを運用で担保していくなど、委員が御指摘されました償還主義とプール制の弊害を除去する新しい仕組みでこの法律案を仕組ませていただいたところでございます。

松野(信)委員 今大臣から御答弁いただきましたように、やはり、償還主義と全国プール制、この弊害が顕著であったために今回のような事態に至っている、こういう共通認識を持ち得たことは大変ありがたいと思います。

 しかし、今の大臣の御説明で、その弊害を認識しつつ、今度の法案では大丈夫だ、こういうふうにおっしゃるわけですけれども、よくよく見ますと、今回の法案のスキームでは、借金、債務というものは、これはばらばらにするわけではなくて、要するに、債務返済・保有機構、この機構の方に言うならば債務は一本化する、こういうような仕組みになっている。

 ということは、ある意味では民間会社に分割して、建設の関係は分割になっているかもしれないけれども、借金の点については機構の方に一本化をしてしまっているということで、ある意味では、これは変形の全国プール制のような形になっているのではないか、こういう心配もありますが、大臣、いかがでしょうか。

石原国務大臣 これは考え方だと思うんですけれども、今回の改革の最大の目的は、やはり、新しく会社をつくりますけれども、さっき委員が御開陳された償還主義、プール制の弊害を除去して、四十兆円に上る債務を必ず返す。そういう意味では、借金はこれまで、一つの日本道路公団という形の中でなされてきたわけですから、それをしっかりと返していくには一つのところで返していくのが、借りかえ等々がありますから、合理的であると判断したわけであります。

 しかし、その一方で委員が御心配な点は、会社が新たに建設する高速国道の債務はその会社の料金収入全体から返済するということは基本ですけれども、では、これまで言われたように、一番上がりがあるのは東名です、東名はきっと中会社というところが持つんだと思うんですけれども、東名の上がりで北海道の道路をつくるのか、あるいは九州の道路をつくるのかということがプール制だったと思うんですけれども、それはつくらない。要するに、自分の会社の中での自己完結にするということは、プール制では全くないんだと思います。

 これを担保するためにどうするかということが重要だと思うんですけれども、債務全体を管理するのは独法であります。この独法には、独法通則法に基づいて、国土交通大臣が定める独法の中期目標というものがあります。この中期目標にこの方針を書けば、三年から五年ごとにローリングしていきますから、その事実がちゃんとやられているかどうか、これを公表しますし、これに基づいて機構が作成する中期計画にも同趣旨を盛り込んで国土交通大臣が認可をするということで、委員が御懸念されるような問題点が起こらないようなことをしっかりとやっていかなければならないと思っております。

 また、会社は機構と個別契約、協定するわけですけれども、これを踏まえて、機構の業務実施計画、Aという会社、Bという会社、Cという会社ではこういうふうに協定を結びました、それをどう実施するかという業務実施計画において、会社ごとのリース料すなわち貸付料の総額と新規建設費をはっきりと明示する。新規建設についても、実質的な拒否権があるから、極端を言うとゼロということもあるかもしれません。新規建設費がそこの会社のリース料の範囲内に納まっているかということが明らかになる。そういうことによって各会社ごとの、今委員が御懸念されたような問題を払拭していくように、今のプール制とは全く違う仕組みだと私は考えております。

松野(信)委員 時間が参りましたので、この債務返済・保有機構の一本化という問題については大変大きな問題があろうかというふうに思います。

 今、大臣の方で、独法であるし、また、大臣の方できちんとチェックする、こういうふうにおっしゃいますが、これまでも、いろいろな事業計画あるいは財務諸表関係についても、大臣の方でチェックする、あるいは認可を与える、こういうような仕組みをつくっておりながら、現実には四十兆円にも上る借金をつくってしまっている、こういう実態があるわけです。形の上では、例えば、公団の方から本四の連絡道路申請がなされ、また東京湾のアクアラインだって公団の方から申請がなされて、それについて認可をする。こういう形で、大臣がチェックをしながら、ある意味では失敗した道路になっている。

 こういう現実もあるわけですので、必ずしも、独法だから、あるいは大臣がチェックできるから全国プール制の弊害はない、そうまではとてもとても言い切れないのではないか、こういう点を最後に指摘させていただいて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時九分開議

赤羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月大造です。滋賀県第三区から参りました。よろしくお願いします。

 まず冒頭、ずっと本会議でも出されておりましたけれども、昨日イラクで三名の日本人の方が誘拐をされ、そして拘束をされてしまうという事態が発生をいたしました。イラクに自衛隊を派遣する、そしてイラク国民の感情を考えたときには、ある程度予測できたこととはいえ、あの非道なやり方に対して、一国民として憤りを禁じ得ません。

 政府の本当に毅然とした対応を求めたいと思いますし、特に交通機関等々で、国内でもそういった不穏な動きがあるというようなうわさも飛び交い、日常警戒を強めていただいているところでありますけれども、石原大臣におかれましても、この緊急事態、国土交通省を、そして日本の交通を代表される大臣といたしまして取り組みを要請しておきたいと思いますし、私たちも、こういう事態に与党も野党もありません。政府も、一政府、一議員という立場も超えて、緊急事態とあれば、この委員会、すぐに質疑をやめてでもそれに備えたいと思いますし、後ほどの場において、小泉総理に対しまして、我が党の同僚からもその情報を共有すべく時間をいただくことを要請しておきたいと思います。

 それでは、議題となっております道路関係四公団の民営化関連法案について質疑をさせていただきます。

 私は、十七年前、戦後最大の行政改革と言われましたあの国鉄改革を経て誕生をさせていただきました、生んでいただきましたJR、JRに勤めておりました。JR西日本で八年間勤務をしておりました。国土交通委員の今村先輩や伴野先輩もその一員であります。よろしくお願いします。

 御案内のとおり、鉄道というものは、百三十年間、開業以来、日本の発展、まさに大動脈でありました。しかし、戦後のモータリゼーションなどの環境の変化や、それに対応することができなかった内側の構造的な問題等々が重なって、国鉄改革というあの大改革をしなければならない事態になってしまいました。この間、多くの諸先輩方の、見えるところ、見えないところでの、本当に言葉では言い尽くせない御努力に対して、改めて敬意を表したいと思います。

 まだまだ、しかし、国鉄改革の、そして国鉄時代の負の遺産も残っております。そして、多くの長期債務、国民の皆様に御負担をいただいております長期債務の返済も残っております。改革すべき、乗り越えるべき課題も多くありますけれども、私は、一利用者として使っておりましたあの国鉄に比べまして、そしてまた、諸先輩方からJR時代に伺っていた、それは信じられない職場規律のいろいろな事例等々と比較をすれば、飛躍的に改善もなされ、お客様にも信頼されて、皆様方の選挙区でもそうだと思うんですけれども、地域の重要な交通機関の一つとして位置づけられるようになりました。

 そしてまた、今では、昨日、一昨日ですか、委員の中の指摘にもありました、厳しい競争環境、経営環境の中においても、JR七社で合計約四千億円もの税金を納入することができる会社になったこと、私はその会社の一員であったことを誇りに思っています。

 どうしても、民営化というと国鉄改革のことを思い出します。後ほど、大臣初めとする皆様方に、あの国鉄改革と比較をした今回の道路公団民営化についてお伺いをしておきたいと思います。

 特に、四十五年後、無料になった高速道路を利用する可能性が一番高い一人といたしまして、一日も早い債務の返済、もうこれ以上借金をふやさない、そのためのスキームづくりの非常に重要な質疑であるという、この自覚のもとに質疑をさせていただきますので、真摯な御答弁をよろしくお願い申し上げます。

 それでは伺ってまいります。

 まず、そもそも大臣、民営化というものについてどのようにお考えですか。

 といいますのも、最近よく民営化、民営化と聞きます。何か民営化万能論のように、民営化をすれば物事すべてが解決をするというようなとらえ方をされていらっしゃる方々も多く見受けられます。やるならやるで徹底的にやらなければならないですし、やらないならやらないで、国、公でやるべきことは、税、みんなで少々のコストを負担し合ってでも公の責任でやらなければいけないことも、またこれたくさんある。一番悪いのは中途半端なことだと思うんです。

 大臣、大臣は、道路公団に限らなくても結構です、広い意味で民営化というものをどのようにとらえられて、政策上どこにどのように位置づけられているのか、まず冒頭お聞かせいただきたいと思います。

石原国務大臣 私は、民営化という言葉についてお話をさせていただくときに、今国土交通大臣を拝命しておりますが、その前は行政改革を担当しておりました。行政改革の中で民営化論というものを議論するときのこのキーワードの意味するところは、もちろん、総理がおっしゃっているように、民間にゆだねられるところは民間に、地方に任せられることは地方にという小泉政権の基本方針のもとに、企業的経営を行う、すなわち、民間の経営センスを事業により当てはめることによって事業自体を効率化する。そして、もう一つは、組織形態を特殊法人等々から民間会社を目指す、こういう意味で民営化という言葉を使わせていただいておりますが、委員の御質問の根底には、民営化といいましても、人それぞれ民営化の言葉の使い分けが微妙に違っております。

 すなわち、特殊会社化するのか、民間法人化するのか、あるいは、もう既に完全民営化をされたJRの東あるいは西といったように、株式をマーケットにすべて売り出して完全民営化するのか、この三つぐらいの段階がありますけれども、私は、やはり、総じて特殊法人改革からスタートする民営化は、JRがまず行ったというその特殊会社化、これを民営化の第一ステップと認識をしているところでございます。

三日月委員 いえ、民間でできることは民間でとか、地方でできることは地方でとかということもよくわかるんです。

 大臣は、民営化というものをキーワードでとらえられるとするならば、どんなキーワードで表現されますか。一言で。

石原国務大臣 私の民営化論は、先ほど申しましたように、第一ステップとして、特殊会社化を含む民営化というものを第一ステップにとらえて民営化という言葉を使わせていただいております。

三日月委員 ありがとうございます。

 民営化というのは、これはもうそれぞれの方のお考えがあるでしょうけれども、一定の社会的責任はあったとしても、やはり自由で、そして自主的で、自立をする、こういうことでないかなと思っております。もちろん、特殊会社化だとか、株式何%持っているだとか、いろいろあるでしょうけれども、しかし、基本は自由で自主で自立だ、まずこの部分を確認しておかなければ、ここにぶれがあると、この政府がされようとしている改革は、私は、本当に中途半端なものになる、四十五年後、無料で、しかも借金がない高速道路を利用することができるかどうか不安になります。

 その上で、お伺いをいたします。

 そういう公団を民営化するというのは、本当に大きな大改革なんです。にもかかわらず、きょう、先ほどの松野委員も指摘をされました、この道路関係四公団の債務返済イメージの試算例。

 ルールはわかります、理事会で諮って、配ってもいいかどうかということをやっていた段階だということは、百歩譲って理解するといたしましょう。しかし、ぜひ、傍聴の皆さんやこの議事録を国民の皆さんに広く広めていただいて、恐らく委員の皆様方も同じ理解を持っていただいていると思います。

 二日、六日、七日と、一番の関心事は何でしたか。これだけ、四十兆円に膨らんだ債務をどうやって償還するんだ、本当に償還できるのかというのが一番の課題だったはずです。

 それを解決するための手段が今回の民営化であったはずです。それならば、この法案の前提で示されるのがこのイメージでなければならなくて、これに基づいてこの国土交通委員会でも、皆様方のそれぞれの現場の声や地元の声を反映させた議論をしなければならなかったのではないでしょうか。普通の企業の改革でも当たり前のことなんです。

 この点について、もちろん前提は多くあります。道路をつくるかつくらないかによって、また変わってくるでしょう。そんなことはだれだってわかっているんです。ならば、つくった場合にこれだけ、つくらなかった場合にこうなる、そういう示し方もあったはずです。

 私は、これだけ遅くなった、債務償還のイメージがこれだけ遅くなったことが、何か意図的で、そして、言葉は適切かどうかわからないですけれども、いいかげんだ、議員としてではなくて一国民として、いいかげんだと思わざるを得ないんですけれども、その部分はいかがでしょうか。

佐藤政府参考人 本日お示しさせていただきました内容については、今先生御指摘のように、有料道路事業として建設投資をしない場合も含めて、なおかつ、いろいろの事業として建設投資をしないということであれば、建設仮勘定、仕掛かり中のものについても会社が本当にそれを受けて料金で徴収するか、こういう問題もあるわけでありますから、仕掛かり品が仮に償還すべき、返済すべき対象ではない、こういうような仮定も置いて、三つのケース、これから新規建設を、今まで想定されています調査中、事業中のもの、これを会社が仮にやるとすればというようなことを、三つのケースにおいて、条件をいろいろつけながら、トータルで返し得る年限、どのぐらいになるか、こういうことをお示しさせていただいたものであります。

 もともと四つの公団が六つの会社に分かれて、そして機構とそれからの新規建設どれだけやるか、あるいはまた管理費等についてどうした工夫をするか、会社発足後、もちろん会社が発足前に、公団の時代においても十分そうしたことを前提にしながら議論をしていて、検討し、詰めていく、こういう作業があろうかと思います。

 そして、会社が発足した後、具体的に個々の事業を詰めて、そして機構と六つの会社が協定を結ぶ、こういうことが大前提であるわけでございますから、私どもがそのそれぞれにこうするんですと言うわけにいかないという議論もありまして、しかも、いろいろなケースを想定し得る、こういうこともございましたので遅くなりましたが、しかしながら、この委員会で、いろいろ、これまでの二回の議論で、御審議の中で、どうしてもそういうことを示すべきではないかというお話がありまして、私どももぜひ参考に供したい、こういうことで本日出させていただいたものであります。

三日月委員 経緯、経過はわかります。私も、経験が少ないから、若造だから言うのかもしれませんけれども、普通に考えて、これから改革をしようとするときに、一番の目的が債務の償還だ、これに私は与党も野党もないと思います。

 この借金、どないすんねん。一番の課題であるにもかかわらず、二日、六日、七日と、まあ、私たちは残念ながら欠席でしたけれども、自民党、公明党の先生方がそれぞれ債務の償還どうするんだという議論をされていました。これが示されていたら、また違ったと思いますよ。あっ、こうなるのかということを踏まえた、またより踏み込んだ議論ができたはずなんです。いや、別にその、本当におかしいと思いませんか、こういう示し方に対して。この上に成り立った法案の審議なんです。

 この部分について、私は、ぜひ大臣に御見解をお伺いしたいと思うんです。

石原国務大臣 午前中も御議論があった点ですが、四%の金利を確定する、あるいは経済の実質成長率、名目、実質でお示しさせていただいていますけれども、政府として、二〇一〇年までの見通ししかないわけですね。高齢化のピークが二〇二五年に来て、二〇〇七年から人口が減少していく中で、どの数値をどう使うかということは非常に時間がかかると思うんです。そんな簡単なものを数値で出すんであるならば、数字の遊びになってしまうと私は思っております。

三日月委員 いや、わかります。私も交通会社におりましたので、需要予測や、もちろん債務を償還するときの金利、変動もするでしょう。前提によっていろいろとパターンが出てくることもわかります。膨大な作業量だと思います。国土交通省の方々は本当に大変だと思います。

 しかし、この前提があって初めて議論をしなければ、いろいろなパターンがあってもいいんですよ。金利が何%のときは、そして、道路をこれだけつくったときにはこうなる、そうしたら、道路をこれだけつくったら、もしかしたら債務は四十五年で償還できないかもしれない、こういうものを示すことぐらいできたんじゃないでしょうか。もしくは、できなければ議論をしちゃいけないと私は思うんです。違いますか。

 ずっと小泉総理大臣も、債務を償還するんだ、もうこれ以上借金ふやさないんだとおっしゃっています。大臣も言われます。局長もずっと答弁をされます。でも、その上に成り立った今回民営化なんです。いかがですか。

石原国務大臣 何度も申しますように、これはイメージなんですね。こうこうこうするんだということを政府がさも決めたようにやることは、会社の自主性と利益相反になるわけです。会社の自主性で、どれだけの高速道路をこれからつくるのかつくらないのかというのは、会社が判断できるんです。そのために実質的な拒否権を与えたんです。ですから、そういうものはある試算でしかないということを十分御理解いただきたいと思います。

三日月委員 はい、わかっております。試算であることはわかっています。その試算を示さなければ、四十五年で債務が返せるかどうかもわからないじゃないですか。だから聞いているんです、ちなみに政府はどう試算をされますかと。そうしたら、その試算に無理があるだろう、コスト計算にいろいろ矛盾があるんじゃないか、そういうチェックが全国各地から集まってきた国会議員によってできるんです。それをするのが私はこの国土交通委員会だと思っているんですけれども、その認識、違いますか。

石原国務大臣 その認識はまさに一緒なんですけれども、それならば委員会に出てきて、国政調査権があるわけですから、しっかりと御質問をしていただきたいと思います。

三日月委員 いや、自民党の先生方はそう思われますか。先生方が質問されていたときだって、この債務償還イメージ、なかったんですよ。(発言する者あり)どこにあったんですか。こんな細かい数字はなかったんです。(発言する者あり)国交省にあったのかもしれません、おっしゃるとおり。

 ちなみに申し上げましょう。昭和六十年に国鉄改革をされた日本国有鉄道再建監理委員会、言ってみれば、今回の道路公団民営化でいえば、民営化推進委員会のようなものでしょう。ここでは、もう既に皆様方ごらんになったと思うんですけれども、いろいろなことが述べられています。

 そもそも国鉄破綻の原因は何だったんだろう、すごい検証をされています、じっくりと。そして、この問題を解決するためにどんな経営形態がいいのか、そして大きな課題である余剰人員、そして債務、これをどうやって解決していこうか。

 何より、私は、この意見の中で今回の取り組みと大きく違うのは、交通機関別の輸送人キロの予測や、そして新しくスタートする会社の経営、もちろん試算です、いろいろな前提条件もあります、変わることもあるでしょう、それを示した上で国会の議論に託し、そして選択をされているんです。

 ちなみに申し上げますと、そのときの予測から大きく変わっていないんです。昭和六十年に出されたレポートで、昭和七十五年の交通輸送機関別の輸送人キロを示されているんです。予測です。前提条件もあるでしょう。

 私は、こういうことが大きな改革には欠かせないんではないかと思うんですけれども、改めて御所見をお伺いいたします。大臣、お願いします。

石原国務大臣 ちょっと、申しわけないんですけれども、質問の趣旨が正確に理解されていないんですけれども、委員が何を御不満に思い、これから何を議論していこうとしているのか。

 もちろん、四十兆円に上る債務を確実に償還していくということは、これは、百人に聞いたら百人、そのとおりだと言うと思います。そして、それをどういうふうに法律的にしっかりと縛って担保するかということを今回の法律案に示させていただきましたので、それで不十分か不十分でないかという議論をしていただくのは、私は大いに結構だと思います。

 そして、試算を出していないなら、文句を言われるのも結構なんですけれども、なぜこういうものを出すのに時間がかかるかということまで委員は御理解をされていながら、私に何を求めていらっしゃるのか、ちょっとそこのところがわからないので、申しわけございません。

三日月委員 これからの時間の中でじっくりとお話もしたいと思います。

 大臣、では、端的にお伺いをします。

 余りこの議論だけに時間を費やしてもあれなんですけれども、試算なきこういう議論で、この大きな改革の議論が的を射た、そして将来の国民にとっても本当に有意義なものになるとお考えですか。いや、普通に、冷静に考えてみていただいて。

石原国務大臣 ちょっと、だんだん禅問答みたいになってまいりまして、私もよくわからないんですけれども、要するに四十五年で返すということを法律で縛るということは、これまでにも整理合理化計画の中でさまざまな七十二通りのシミュレーション等々行ってきました、これはマクロのシミュレーションですけれども。

 そんな中で、これを可能とする、そして、先ほど午前中の議論でもあったように、その数値、需要見通しというものがこれまでどうしても高振れしていたものを、下位統計をとって、低位統計をとってみても当てはまる厳しい内容の中で、四十五年間で返せるということをもとに法案ができている。その試算の、試算というのは、要するにそこの数値を変えれば結果は大きく変わってしまって、妥当性のある試算をお示ししないと意味がないということで、その妥当性を求めてさまざまな議論がなされて、委員会で御提示するということをお約束し、お示しをさせていただいたということでございます。

三日月委員 傍聴席の皆様方も、そしてインターネット中継を見られている皆様方も、ぜひ、この議論を大いに評価していただきたいと思います。

 何で、改革をするのに、その改革した後のイメージが試算でもいいから出されて、それに基づいたいろいろな意見や提言ができるような場をつくらないのか。おかしいですよ、これは明らかに。おかしくないと思われる方が私はおかしいと思います。そういう意味では、スタート地点から非常にいいかげんな形で議論がなされているということを私はまず明るみにしておきたい。

 その上でお伺いをしたいと思います。

 若干振り返ってみたいと思うんですけれども、十七年前、国鉄改革がなされました。その国鉄改革を、大臣、どのように御評価されていますか。そして破綻の最大の原因は何だったとお考えですか。端的にキーワードでお答えください。

石原国務大臣 ちょっと冒頭申し述べたいんですけれども、いいかげんというのは非常に委員会を侮辱しているんじゃないかと思います。委員会の申し出によって理事の皆さん方が協議されて、そしてこういうものを出すということを決めて、作業時間が長くなったという御批判はあるかもしれませんけれども、その作業時間に要する時間の必然性みたいなものも御理解をしていただいた上で、いいかげんだと言われてしまいますと、議論が私は成り立たないんじゃないかと思うという私の感想を述べさせていただきたいと思います。

 御質問のございました国鉄の民営化でございますけれども、一年間に二兆円借金がふえていく企業体というものは、民間企業であるならば存続しませんけれども、公的な国営会社であったからこそ存続して、四十兆円に上る長期債務が発生したんであったと思っております。

 それを民営化する、民営化という荒療治を行うことによりまして、国鉄と比べてサービスも格段的に上がったという評価を得る。あるいは、先ほど委員が意見の中で御開陳されたように、JR七社合わせて五千億近い税金を納めるようになった。あるいは、私鉄に比べて運賃の値上がりスピードが非常に速かったものも、運賃も安定している。ですから、一定の評価はあるんだと思いますけれども、委員御指摘されましたように、余剰人員の問題や、累積債務がまだ二十三兆円、一般会計につけかわって残っているわけですね。

 ですから、会社の経営はよくなりましたけれども、それはデッドの部分を切り離して、デッドの部分の手当てはまだ終わっていないということもありますし、三島会社等々はまだ、努力はされておりますけれども、大変厳しい状況にある。

 せんだってもJR貨物の社長さんとお話をさせていただきましたけれども、プライマリーバランス、やっと黒字化するけれども、何というんでしょうか、うまくいった東とか東海とか西はいいけれども、自分たちは、その中で、ある意味じゃ半分見捨てられてきたけれども、しかし、今モーダルシフトをやっていく中で、CO2をどうやって削減するかということで、この鉄道の物流輸送に関する意味というものが大きく変わってきた中で、いろいろな努力をして、新しいものをつくっている。

 あるいは、九州の社長ともお話ししましたけれども、九州も、九州新幹線が一部開通しましたけれども、本来であるならば西の方がお金を出していただいて、福岡からつながって九州の方に行くわけでございますから、西の人たちがお金を出してくれれば、もう少し全線開通のスピードが上がる。しかし、個別会社になってしまったから西の方がお金を出さない。でも、一国民として言うならば、もともと同じ家族なんだから、西がお金を少し出すとか、そういうやりくりも必要だ。

 ですから、改革のうまくいった点とやはり取り残されている面、要するに光が当たっている部分と光の当たっていない面というものがこういう改革には必ずある、私はそういうふうに今の御質問で思いました。

三日月委員 一つだけ質問にお答えいただけなかったことがあるんです。国鉄が破綻した最大の原因は何だったんですか。

 そして、追加してお伺いをいたしましょう。

 成功した要因は何だったんですか。今いろいろな現象を言われました。光の当たった部分、よくなった部分、いろいろ言われました。その要因は何だったとお考えですか。

丸山政府参考人 国鉄の破綻の原因につきましてお尋ねがございましたので、お答え申し上げたいと思います。

 国鉄は、新幹線が開通いたしました昭和三十九年から赤字に転落をいたしました。国鉄がJRになる前の年には、単年度の赤字が一兆三千六百億円に達しておりました。長期の債務残高は二十五兆円というような状況になっておりました。

 これはモータリゼーションのような輸送構造を取り巻く変化に対応できなかったということがあるわけでございますが、その原因として、国鉄が公社という公的な組織体であった、それから全国を一元的に運営していたということが原因なんではないか、こういう議論がございまして、公社ということに対しては民営化という手法で、全国一元的でなかなか細かいところまで知恵が回らないというところにつきましては分割という手法で、極めて重要でございます鉄道ネットワークを再生させたというふうに理解しております。

三日月委員 ありがとうございます。

 いろいろな見方があるでしょう。しかし、私は、あの国鉄を破綻させた一つの大きな原因に、政治の過度な関与というものがあった。

 もちろん、公社制度というのもあったでしょう。全国一元化、丸の内から九州の方までの実態がよくわからないという問題もあったと思いますけれども、しかし、ローカル線をどんどんつくらせて、あそこに駅、ここに新幹線、こういうことをずっと繰り返してきて、経営に自主性を持たせなかった政治の過度な関与というものがあったと私は思っていますし、その国鉄改革がそれでも一定の成果をおさめるに至ったのは、その要因は何かといえば、私は、スタート時点のあの国鉄再建監理委員会、あの委員会の中での本当に緻密でそして慎重な議論、出された意見をぜひとも通して、国民を挙げて改革をするんだというこの覚悟と決意にあったと思うんです。

 そういった観点から、ぜひお伺いをしたい。

 今回、道路公団の民営化を検討するに当たっては、民営化推進委員会というのが立ち上げられたはずです、今どうなっているのか知りませんけれども。

 あの七名でスタートをされた、平成十三年でしたか、道路関係四公団民営化推進委員会設置法に基づいて、特殊法人等改革基本法の特殊法人等整理合理化計画に基づき、公団にかわる民営化を前提とした新たな組織、採算性の確保に関する事項について調査審議をし、そして、まあ、いいでしょう、後々はまた紹介させていただくといたしまして、今この民営化推進委員会はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 民営化推進委員会は、七人の委員によって発足していただきました。これは道路関係四公団民営化推進委員会設置法、平成十四年の法律でございますが、これに基づきまして設置していただきました。

 そして、七人の委員の中で、委員長初め六人の委員の皆様が御議論いただいて、平成十四年の十二月でございますが、委員会としての意見を最終的に取りまとめる、こういう段階におきまして、中でいろいろ御意見の対立があった、こう伺っておりますが、委員長が委員長としては辞任されて、そして最終的に、お二人の委員は別に意見を出されております。委員長ともう一人、別に御自身の御意見を出されておりますが、五人の委員が意見書という形で、委員会としての意見を最終的にお出しになられた。

 その後でございますが、昨年のことでございます、一年後、昨年の暮れに、十二月二十二日に、政府・与党の今度のこの道路関係の四公団の法案について意見申し合わせ、これを行っていただきました。十二月二十二日でございました。

 前後いたしまして、七人の委員のうちのお二人の委員が、最終的に、この政府・与党が組み立てようということで申し合わせされた内容について、民営化推進委員会の意見とは違うということで、委員を辞任された。お二人は委員を辞任された。したがいまして、七人の委員の中でお二人辞任されましたので、五人の委員が残っておられる、このように聞いております。

 その後でございますが、五人の委員の中でお二人の委員は引き続き、政府・与党が実行する道路関係の四公団の民営化の法案の内容等につきまして引き続き監視をするのである、こういうことで、ことしになりましても、何度か委員懇談会という形で、法案の作成等の状況、あるいはまた法案が用意できた段階では、法案の内容はいかん、どういうことだ、こういうことでお尋ねがありまして、七人のうちのお二人の委員は、引き続き監視をするということで、私どもも時々、委員会の事務局を通じて、内容的なものはどうだというお尋ねをいただいておる、こういう状態でございます。

三日月委員 ありがとうございます。

 七名いらっしゃっていて、三名の方が何だかんだややこしいことがあって出席されていない。そして二名の方は、最終的にまとめられた意見書と政府・与党の申し合わせが余りにも違い過ぎるからと思われるから、辞任なんですよね。今二人で、懇談会ですか。そんな懇談会、どこに設置をされていますか。そもそも、この民営化推進委員会の役割は何だったんですか。

佐藤政府参考人 この四公団の民営化推進委員会設置法におきまして、第二条として「所掌事務」がございます。先ほど先生途中までお読みになられたかと思いますが、申し上げます。

 「委員会は、特殊法人等改革基本法第五条第一項の規定により定められた特殊法人等整理合理化計画に基づき、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団に代わる民営化を前提とした新たな組織及びその採算性の確保に関する事項について調査審議し、その結果に基づき、内閣総理大臣に意見を述べる。」これが二条の一項でございます。

 二項「委員会は、前項の意見を受けて講ぜられる施策の実施状況を監視し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告するものとする。」こういうことになっておるわけでございます。

三日月委員 そうすると、二項めの監視という役割については、これから二名で懇談会形式でやっていかれるということなんですか。

佐藤政府参考人 私どもは委員会の事務を所掌しているわけではございませんし、私どもが責任を持った回答をできるわけではございません。しかしながら、今までのこの経緯から申し上げますと、委員会として成立するというためには、現在五人の委員が残っておられますから、その過半数の出席が必要、こういうことかと理解しております。そういう意味では、三名の委員が御出席なさる必要がある。

 しかしながら、現状お二人、こういうことでございますので、懇談会というのは別に正規の何物かで名前がついているわけではないと思いますが、そういう意味では、委員会という形では成立しない。こういうことで、実態として、引き続きのそうした監視といったことを実行していく上では、いろいろ私どもが事務局を通じて、状況の聴取、事情聴取等に応じさせていただいておる、こういうことでございます。

三日月委員 余りにもむちゃくちゃじゃないですか。では、結局、この委員会は何だったんですか。

 平成十三年の設置から、厳密には十四年の六月から十二月まで約半年間、三十五回ですか、それぞれ時間単価の、非常に人件費のコストの、役割も本当に大きくて、重要な役割をお持ちの方々が議論をしてこられたんですよね。

 この民営化推進委員、もちろん所掌するのは国土交通省じゃないからと言われるかもしれませんけれども、石原大臣は、この委員会設置法がつくられたときにも、行革担当大臣としておられたんですよね。そして、この委員会には毎回のように出席をされていたと伺っております。

 そもそも、こんなことになっちゃって、これから先、この民営化、改革後の監視ができ得ないと予想される事態に陥っていることに対して、どのようにお思いなんですか。そして、今後その対策をどのように講じていかれるのか、お考えをお聞かせください。

石原国務大臣 私は、オブザーバーとして民営化委員会の議論に陪席をさせていただいておりました。私の発言で物事がそちらの方向に行くということはない、極めてニュートラルなオブザーバーであります。と申しますのは、この委員会は、内閣総理大臣の諮問機関であるからであります。

 私は、この民営化委員会の議論がなければ、道路公団の民営化というものはこういう形にはならなかったと思っています。それだけ、あそこでの真摯な議論の中でさまざまな問題点があぶり出されていった。最後は、皆さんいろいろ個性の強い方々ばかりでございますので、いろいろな御意見の対立あるいは感情的な葛藤等々も私は目の前で見てまいりましたが、やはりこの委員会の議論がなくて道路公団の民営化論というものは今回のこの形にならなかった。言葉をかえますと、皆さん方の御尽力のおかげでここまで来れたと思っております。

三日月委員 済みません、もう一つだけ質問させていただいていたと思うんですけれども、今後どうされるんですか。

石原国務大臣 今は、私の行革大臣としての感想と状態の御披露、これはすなわち、公開されておりましたので、皆さんが見ておりましたので、事実を申し述べても差し支えないと思って今御発言させていただいたわけですけれども、所掌は私ではございません。

 ですから、その委員会が今後どうあるべきかということを私がコメントするということは、私はその一方でこの四公団民営化法案の責任者でございますので、成り行きを監視する方をどうするということを法案を出している側が言うということは差し控えさせていただきたいと思います。

三日月委員 私は、今回の道路公団の改革がいろいろなところで国民にとってもわかりにくくて、そして何より信頼できないのは、今の大臣の御発言にあらわれていると思うんです。

 といいますのも、国鉄改革のときに再建監理委員会が立ち上がって、そのときに運輸大臣をされた長谷川運輸大臣、細田運輸大臣、そして山下運輸大臣、最終的に国鉄改革を実行された三塚運輸大臣は、総理府ですか総務省ですか、そこに設置をされた国鉄再建監理委員会のことに対して、所掌が違うからなんということを一言も言われたことはないですよ。

 機構的に確かに違ったとしても、今回道路公団を民営化させるという意味においては一番大きな責任を担っていらっしゃるのが大臣で、そして、これまでの経緯、経過もいろいろと御存じで、そして、その成り行きを監視してくれるはずの民営化推進委員会がこれからどうなるのかということに対して、いや、私は所掌じゃないですから述べる立場にありませんというのは、余りにも無責任過ぎるんじゃないですか。いかがですか。

石原国務大臣 論理矛盾をされているような気がいたします。

 法案の責任者が、その法案の状況等々、審議の状況等々を監視する者に対して、あなた方はどうあるべきだというようなことを言うことは、これはやはり差し控えるのが常識ある判断だと思います。(発言する者あり)

三日月委員 確かに、のりは越えていないです。しかし、責任を持って、もちろん、のりを越えない、越えるという前に、再建監理委員会がそんなくしゃくしゃなことになっていなかったですもの。

 今回は、行革担当大臣のときに、もちろん公開されていたから、参加をしていて、そこの中で知ったことを述べているだけだとおっしゃいましたけれども、その場にいらっしゃったんでしょう。そして、いろいろなことで議論ができた、その成果で今回の法案ができたんだとおっしゃるんでしょう。

 その民営化推進委員会の役割の一つに、本当に難産の末、これから生み出そうとする道路公団の民間会社、新しい民営化された新会社を監視するという役割があるんでしょう。そうしたら、そのことに対して、何で国土交通大臣が、感想としても、思いとしても、願いとしても述べることができないんですか。何も、言ったとおりにしようじゃないかなんということを言っているわけじゃないんです。

石原国務大臣 何度も申しておりますように、監査する側に対して監査される側が、あなたはこうあるべきだということは、やはり言っちゃいけないんじゃないかと思います。

三日月委員 いや、済みません。あえてこうやって私が言わせていただくのは、国鉄改革のいろいろな成果というものは、あのときに、国鉄改革のときに、本当にいろいろな抵抗もありました、いろいろな戸惑いもありました。しかし、あの国鉄再建監理委員会がそれでも緻密に慎重に本当に議論を積み重ねてこられて、当時の国会に意見具申をされ、それが本当に偉大な先輩方の政治力、指導力によって国会を通過し、そして国民の皆様にも説明をされ、なされたから、私は、もちろん課題も多くあります、しかし、一定の成果があると思っているんです。

 この入り口部分が、言ってみれば出口かもしれません、このスタート部分が一番大事だからこそ、その部分、大臣、ぜひ確認をしておきたいんです。

佐藤政府参考人 先ほど途中まで委員会設置法をお読みしたかな、きちっと全部お読みすべきかな、こう思いまして、設置法の中の附則でございます。

 「この法律の失効」、こういう項目がございまして、この道路関係四公団民営化推進委員会設置法につきましては、「平成十八年三月三十一日限り、その効力を失う。ただし、その日より前に、第二条第一項の意見を受けて講ぜられる施策に係る法律」、これが現在お願い申し上げております道路関係四公団の民営化法だ、こういうことになろうかと思いますが、「施策に係る法律が施行されるに至ったときは、当該法律の施行に併せて廃止するものとする。」こういう規定があるということを申し上げておきたいと思います。

三日月委員 わかっています。

 そうしたら、今、この法案審議をして、成立するかしないのか、いつ成立するのかというような議論をしているときに、民営化推進委員会はどうなっているんですか。七人のうち二人だけなんでしょう。どうやって監視をされるんですか。七人のうち三人はまだ、出席していないだけだ、やめていないとおっしゃるのは、それは結構です。実質的に機能していないんでしょう。おかしいと思われませんか。

佐藤政府参考人 事実の関係を申し上げておるわけでございまして、確かに、残っておられます五人の委員の中で、推進委員会を開く、こういう場合に御出席なさるという見込みの委員がお二人であるということで、この年明け以来はそういう状態であるということは、これは事実でございます。

 先生がこれに対してどういうふうにすべきであるというふうなことがおありかどうかはよくわかりませんが、残念ながら、本日、委員会事務局も来ておらないことでございますので、私どもからは、事務局長に対しまして、先生からこういう御質問があったということはきっちりとお伝え申し上げたいと思います。

三日月委員 きょうの夜、何事もなければ総理も来ていただいて議論もされることです。その中でも明らかにしてまいりたいと思いますし、今後の決意もお伺いをし、そして、来週以降予定をされております参考人招致の中で、またいろいろな議論経過や、そして今後の考え方等々についても御意見を賜る機会をいただきたいと思います。

 法案の中身に若干触れたいと思うんです。

 今回は、債務の償還とあわせて、新規の建設を一体どうするんだ、どんな考え方で、どんなやり方でやるんだ、そのときに、新しくできた新会社の経営自主権をどう担保するのかということが極めて大事だということは、法案を見ていてもわかりますし、これまでの審議を拝見させていただいておっても、いたく感じるところであります。

 だからこそ、お伺いをいたします。

 この経営自主権をどのように確保されるのか。ずっとこれまでの御答弁の中で局長は、会社と協議するんだ、それでもだめなら複数協議制だ、それでも正当な理由がある場合、その理由が正当か否か社会資本整備審議会で議論をするんだ、大事なのはこの議論経過が公開されることであって、その後が大事なんです、公開された後、国民の皆様が常識でもってそれが妥当かどうかを判断していただくという御答弁がありました。それでもって客観性と透明性を確保できるんだとおっしゃいました。

 何をもって客観性、透明性が確保されるのか、私には全然わからないんですけれども、経営の自主権が担保される仕組み、スキームをきちんとここで明確にしていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 特に、先生ただいまの御質問は、新規建設との関係、こういう部分からの、私がこの委員会で御答弁申し上げている内容についてのお尋ねでございますので、その辺についてもう一回御説明を申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、新しく発足していただく会社、これは六つの会社がとりあえずできるわけでございますが、この六つの会社は基本的に、新しく建設するかしないか、これは、本則の方は、自主的に本当に建設できる、すべきだというところがあれば手を挙げていただく、申請主義でございます。

 問題は、調査中あるいは建設中の路線、仕掛かり中の路線、こういうことになるわけでございます。これにつきましては、とりあえず今、公団としては調査、建設しているわけでございますから、会社に振りかわりましたときに、会社としていろいろな条件のもとにもう一回改めて恐らく検討した上で、引き続きの建設が可能かどうか、やりたいかどうか、こういう会社としての判断をすることになるんだろうと思います。

 所管する区域のそれぞれの、道路公団の場合には三つの会社に分かれるわけでございますから、東、中、西、それぞれ所管する区域の会社が、その中における調査中、建設中の路線について、事業費の見通しなり、あるいはまた用地買収の状況なり、仕掛かり中でございますから、そういう点をいろいろ判断して、トータルとしてどれだけの新規建設を引き続き実行できるか、これは、会社の自主性、こういう問題であって、まさしく、私どもがこれだけやるべしというふうに押しつける、こういう問題ではありません。

 ただし、会社としては、事業をやっている最中というものについて、どういう判断をするかは会社が判断されるとは思いますが、どうでしょうかと、所管区域においてその会社がまず事業を引き続きやるかやらないかを私どもは聞かざるを得ない。全然別の区域を所管する会社に、あなたどうですか、こういうわけにはいかないというのが大前提でございまして、どうですかと所管する会社に伺うと、会社の方でいろいろ検討した末に、いや、こういうことではこの事業を引き続きは非常に難しいというようなことが、これはいろいろな要因があろうかと思います。私どもが今あらかじめ想定するというのは非常に難しいところがございます。

 人員の配置なり、あるいはまた事業費の見込みなり、あるいは貸付料を返済するわけでございますから、そういういろいろな要因をそれこそ会社が自主性を持って判断して、そして、いや、難しい、こういうことになりました場合には、ほかの会社でその事業を継続するという判断をする会社があるかないか、これはどうでしょうねと伺うのが複数協議制であります。

 その場合に、その会社もほかの会社も、あえて申し上げれば、例えば、東の会社がいや難しいですよといったところを中の会社が手を挙げてくれるかどうか、これは一たん伺う。しかしながら、それでも無理だ、どこの会社も無理である、こういうときには、恐らく条件の中で何らかの無理があるのかもしれませんが、なぜ難しいかという点については理由をきちっと出していただく。

 この理由が、どこの会社も難しいんです、こういうことであれば、なるほどもっともというふうに、世の中にはその理由そのものは社会資本整備審議会にお諮りするときに全部明らかになるわけですから、よほどの無理があるんだなということであれば、それは国民の皆様から見てもなるほどと思うようなことがあれば、無理もないな、こういうことになるんでしょう。

 問題は、その辺は、一番大事なことは、そのやりとりが世の中に明確に透明に公開される、こういうことが大事なことであって、客観的にあらかじめ、どういう状況があり得るか、客観的な数字か何かで、やるかやらないかというようなメルクマールがあるんじゃないか、こういう御指摘かもしれませんが、それを私ども国土交通省が、こうだと思いますというようなことをあらかじめ用意することの方がまた自主性を損なう、こういう問題も生ずるかもしれません。

 むしろ、できるだけ全部公開するわけですから、それこそ、おかしければまたこの国会の場でも、あるいはまた国民の皆様にいろいろな観点から御指摘いただけばよろしいのであって、そういう意味で、大事なことは、公開して透明にしてやりとりを多くの皆様からごらんいただく、これに尽きるんだと私は思っております。

三日月委員 丁寧に御説明をいただきまして、ありがとうございます。

 恐らくそういうことになるんだと思います。客観的な基準なんかも出ないんです。数字で何かが、あなたはこれは建設すべきですよ、もしくは、ああ、これだったらしようがない、建設しなくてもいいねと言えるような数字や透明性のある基準や客観的なメルクマールみたいなものはないんです。それだったら、断ることもできないんです。

 ですから、そこに……(発言する者あり)いや、私は、道路が必要だとか必要ではないとか、九千三百四十二を建設すべきだとか建設すべきでないとかと言っているわけではないんです。それはちょっとおいておいて、もちろん必要な道路はつくるべきなんです。しかし、ここに大きな矛盾があるんです。民営化を目指しているんでしょう。民間会社をつくろうとされているんでしょう。にもかかわらず、自分たちの経営資産であるものをつくるかつくらないか、それすら決められないような民間会社が民間会社と呼べるかということなんです。そのことについてぜひ御答弁をいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 ちょっと理解が私も不十分かもしれませんが、民間会社、民営化された会社は、それぞれの新規建設の事業中の区間については、どのぐらいの事業費が必要か、あるいは人員配置が必要か、こういったことを検討するでありましょうし、それから管理費についても、所管する範囲の管理をやっていくのに年間どのぐらいかかるな、しかしながら、毎年毎年が同額ではないわけでありますから、五年の間にはこのくらい、それを五年で割ればとか、いろいろなやり方があると思います。

 そこまで縛るというのは、それこそ自主性を損なう議論でありますから、会社としての経営ノウハウの中で、それぞれ新規建設に要する建設費の見込みなり、あるいは人員配置、あるいはまた管理費をどのぐらいかけたら大丈夫、ちゃんと良好な管理ができるか、こうしたことを会社に自主的に検討していただかなきゃいけない。

 こういう問題でありまして、そこのところをあらかじめ、例えばキロ当たり管理費は、キロ一億円にする、あるいは五千万にする、こういうふうに国土交通省が決めて、ちゃんとやってくださいみたいなことを言うんなら、これはまた自主性を損なう、こういうことでありましょうし、建設についても、建設をどうしてもしてくださいねと言って、世の中から見えないところで、どうしてもやってくださいねと申し上げるなら、これまた自主性を損なう。

 そういうことをしないと申し上げておるので、この点についてそれ以上はどういうことをお答えすればよろしいのか、ちょっと考えあぐねております。

三日月委員 債務も資産も持たないんです、新しい会社は。そして、つくる、つくらない、最初は自分で申請、複数協議制だ、意見も言える。しかし、最終的には、自分たちで決められないんです、やはり。(発言する者あり)自分たちで決められないじゃないですか、社会資本整備審議会で決めるんでしょう。

 だから、その部分の担保がないような民営化というのは、私は、民営化であって民営化でないと思うんです。

 その上でお伺いしたいと思うんですけれども、今回のこの道路公団の民営化、政府が三分の一以上の株式を保有してスタートいたします。新会社の上場の見通しについて、どのようにお考えですか。

 近藤総裁は、三月十六日の定例の記者会見の中で、最終的に完全民営化を目指すように総理から言われているんだというように表明をされていますが、上場、そして完全民営化の見通しについて、現時点でのお考えをお聞かせください。

佐藤政府参考人 今回お願いしております法律の中では、会社の株式について、国と公共団体が三分の一以上の保有をする、こういうことを義務として入れさせていただいております。これは、上場ということを考えましたときにも、特に資金調達の問題が一つございますが、会社の信用力、こういう面でぜひ必要であろう、こういうことで入れさせていただいている問題であります。

 また、上場という面で申し上げても、恐らく、全くそういう保有義務がないということよりは、国と地方公共団体が三分の一以上の責任を負うという点について、株式を売るという前提で申し上げれば、信用力としてはその方が強くなるかな、こういう問題かと思っております。

 先生御指摘の完全民営化という意味はどういう意味かということになるわけでございますが、これは、国や地方公共団体が株の保有義務を一切持たない、こういうことだといたしますと、ここのところは、そういう意味で、どれだけの信用力を持ち得るか、経営の安定化を果たし得るか、そこをしっかりとやっていくのがまず第一であって、その次にお考えいただく。これはまた、会社が経営の自主性を確保しながら、しかるべく、それだけの条件が整ってくれば、またそういうお話も会社からあろうかという課題であろうかと考えております。

三日月委員 ぜひ、最後に、感想も含めて御答弁を大臣にいただきたいんですけれども、こういう会社に入りたいと思われますか。債務も持たない、そして四十五年後には無料になって、そして、もちろん料金収入の中に利潤は含まないんだとおっしゃいますけれども、そうはいったって、料金取れなくなる会社、つくるかつくらないかも最終的に自分たちで決められないような会社。

 私は、民営化をやるんだったら、甘い需要予測を改めることももちろんです。そして、プール制を改めることも大事でしょう。そして、ファミリー企業や天下り、もういろいろと皆さん方からも指摘をされているこの多くの問題、国民の皆さんが怒っていらっしゃる問題を解決しなければなりません。しかし、何よりもやらなければいけないことは、国鉄改革同様、政治の過度な関与を断ち切ることだ、私、これが一番大事なキーポイントだと思っているんです。

 今回ずっと、国鉄改革のいろいろな取り組みと比較をして、この一時間、審議をさせていただきました。結果、明らかになったことは、検討過程はむちゃくちゃになっている、そして本当に皆様方が不安に思っていらっしゃるこの債務償還の見通しもわからないまま法案が提案をされ、そして審議がスタートをしている。結局、民営化といいながら、民営化じゃないんです、民営じゃないんです、今の新規建設のいろいろなスキームについてお伺いをしても。

 鉄道と道路が違うと言われるのは、それはわかります。もちろん違うでしょう。絶対違うと思います。道路、高速道路は、公物であって公共財なんだ、鉄道以上の公共性を有するんだ。だからこそ、完全民営化はなじまないんですよ。

 もっと言えば、今回の民営化そのものに無理があって、矛盾があるんです。そうお思いになられませんか。

 だって、道路は公共財なんですよ。高速道路も公共財なんです。今後も公が責任を持って、公がですよ、国でも地方でも、公が責任を持って、高速道路も道路も管理、建設すべきなんです。そもそも、その原則に立ち返って、もともとの原則に立ち返って無料化もすべきなんです。

 現在と将来のこの国の経済発展、地域活性化に寄与をさせていこうという、私たちは原則に立ち返った高速道路の無料化案をこれから提出をさせていただきますので、ぜひ、委員各位の皆様方の強い御賛同も呼びかけ申し上げまして、私の審議を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

赤羽委員長 若井康彦君。

若井委員 民主党の若井康彦です。

 今、三日月委員の方からお聞きをいたしましたけれども、明治の初頭に鉄道が建設をされるようになってから百年、今後、二十一世紀、さらにこの鉄道の資産、百年とはいわず、さらに長い間使い続けていかなければならない。その中間の時点に、国鉄の民営化、どのような時代にふさわしい運営の仕方あるいは今後の展開の仕方というものがあったんだろうというふうに私も考えております。

 ところで、きょうの本題のこの高速道路ですけれども、昭和三十一年、一九五六年に日本道路公団が設立をされましたけれども、それからちょうど五十年。この借金を返すのに四十五年というふうに今想定されておるわけですけれども、ちょうどこの百年間の歴史の真ん中に当たっている。

 私たちは、戦後、二十世紀の後半、モータリゼーションの世界の中で、新しい日本の姿をつくっていく大変に重要な仕事を重ねてきたわけですし、また、これを今後どのように生かしていくのかという非常に重大な曲がり角に差しかかっている。そういう意味で、大変に責任のある立場にあり、また、重大な審議をしているというつもりで幾つか御質問をさせていただきたいと思います。

 それに先立ちまして、午後になりまして、私のところにも、この道路関係四公団の債務返済イメージの試算例というペーパーが回ってまいりました。

 先ほど三日月委員がるる申し上げたわけですけれども、私も実は、こういう資料があるんでしたら、これだけで二時間や三時間いろいろお聞きしたいことがございます。しかし、先ほどから一時間ほどぱらぱらとめくったというレベルですので、そこで、若干、今後の審議に当たって気になる点を幾つか挙げて、それについてまずお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず一番気になりますのは、このケース、幾つかの試算がございますけれども、二つの表、一つは、これまでの九三四二、これをすべてつくった場合の試算だというふうに思います。

 それからもう一つ、後ろの方に表がありまして、これですと、二十七年間で償還が終わるというふうにありますけれども、これは、先ほどの九三四二、これから新しく建設を、これまで想定をされていたそうした高速道路を一切つくらないという場合の試算かと思うんですけれども、この一切建設がない場合の試算というのは、国土交通省におかれましては、どのような意味合いでこの試算をなされたのか、ちょっとその辺、お答え願えればと思います。

佐藤政府参考人 お手元にお届け申し上げましたのは、三つのケースの試算がとりあえず届いておるかと思いますが、最初に、債務返済イメージの試算例、試算値が返済必要期間として四十四年。

 これにつきましては、例えば高速自動車国道で申し上げますと、十五年度以降二十兆円かかるとされておりました建設費を十・五兆円まで、これは有料道路の事業の対象とする建設費、こういうことでございますから、十・五兆円まで。その他、首都高速、阪神高速等も、現在事業中のものについて実行する、建設する。こういう前提を置くと、おおむね十五年度以降十三兆円ぐらい、こういうことでございますので、それをある一定のパターンで投資した場合にどれだけの採算状況になるか、こういうことを計算してみますと、全体として、一体で考えれば四十四年ぐらいで償還できますよね、返済できますよね、こういうことであります。

 それから、三の一と書いたものがあろうかと思います。一、二、三ページで三の一、道路関係四公団の債務返済イメージの試算例として、追加参考ケースでまとめましたものがございます。

 そこで、先生御指摘の部分になるわけでございますが、一つは、建設仮勘定を返済する場合。これは、十四年度末、まあ、十五年度初めでもよろしいわけでございますが、有利子債務、無利子債務、それから出資金等を合わせて四十四・七兆円ある、こう申し上げております。この中で返済すべき金、債務、こういうものが四十四・七のうちの四十三・二兆円ぐらいかと思いますが、ということで、それを建設しない場合というよりは、むしろ、あえて申し上げれば、これ以上の建設を、必要なら公共事業費で実行するだろう、こんなふうにお考えいただいてもよろしいと思いますし、全くの仮定計算でございますから、そういう意味では、今にわかに、ぱたっと、これ以上の借金をせずに、何らかの手段で、別の形で建設していく、言ってみればそういうことかと理解していただいてもよろしいと思うんですが、その場合に、何年ぐらいで返済できるであろうかということでございます。この場合には三十五年である、こうなるわけでございます。

 このうち、さらに、これ以上の建設を借金によらずに、こういう意味でいえば、それでは、何らかの形で、現在つくって、つくりかけのものの、つくりかけた投資の分はどうなるかというふうなことを考えますと、それも会社が返済するのはおかしいんじゃないか、こういう考え方で踏み込んでいけば、建設途中の仮勘定なるものも、何らかの形で借金から、返済すべき対象から外すというようなことを考えたときには、先ほど先生御指摘の、実は二十七年で返済できるようになりますということであります。

 決して、会社が自主的にというので、つくらないという選択をするだろうからというので、そういう仮定を置いてやった、こういうことではなくて、本当に返せるのか、こういう御議論で申し上げれば、これ以上の建設を借金によらない、こういうことであれば三十五年、そして、引き続き一定の建設をさせていただきながらということで、所与の条件をいろいろ考えてみますと四十四年、こういうことでございますから、会社が発足した場合には、そういう範囲の中でそれぞれの会社は、どれだけの新規建設が可能かということで考える余地といいますか空間というものがこれだけ十分あるということもあわせてお示しするという意味でお出しさせていただいているものでございます。

若井委員 あと二点ほどお伺いしたいんですが、管理費の部分ですけれども、六千億、七千億、これは、たしか現在の道路四公団の管理費、五千六百億ぐらいだと思うんですけれども、そうしますと、六会社をつくった場合には、現在の四公団よりもある意味でいうと規模が大きい、そうした会社ができるということを想定しておられるわけでしょうか。

佐藤政府参考人 わかりやすくということで、実はコンマ兆円単位で整理させていただいているものですから、基本的な物の考え方をその前の方の、最初に書かせていただいているかと思います。

 一ページと書きました中に、「会社」とした2でございますが、管理費は、十七年度には、十四年度予算に対して三〇%カットを実施するということで計上させていただいております。管理費そのものはですね。

 一方で、新たな更新経費としては、道路資産額の〇・二%を二十二年度以降でございますから、要は、新たな更新みたいなものが多分出てくるであろう、最初に建設されたものが四十五年ぐらいたってということで更新経費というようなことも見込む方が安全サイドかなということで、資産として入れさせていただいた。

 そういう意味では、〇・六兆円というのは、前提としては、十四年度の四公団合計の管理費の三割カットということで考えております。

若井委員 第三点ですが、かつて大臣は、会社からのリース料の収入について、毎年元利均等でリース料を払っていくというふうに御説明なさっていると思うんですけれども、これが、今これで見ますと波を打っておりますけれども、この計算の裏には、何かもう少し詳しい試算なり、例えば会社別であるとか路線別であるとか、そうしたデータがおありでしょうか。もしおありであれば、ぜひ御提供いただきたいと思います。

佐藤政府参考人 そういう意味で、わかりやすくと思いまして、全体として一つで計算しております。

 今、先生御指摘の元利均等、こういう点で申し上げますと、実は四十年間で、あるいは五十年間でも、まあ、いつでもいいんですが、要するに、今ある借金、今ある負債、これを元利均等で返すとすれば幾らになるか、これは計算できるわけでございますが、これは言ってみれば、逆に申し上げますと、追加ケース一としました三の二の建設なしで建設仮勘定返済あり、こういう場合に元利均等にしたら幾らずつ返すか、こういう仮定計算はできるわけでございます。

 しかしながら、この場合にはむしろ、収入が幾ら望み得て、それに対して幾ら管理に要してというような計算をしておりますので、結果、三十五年で返済し得る、こういう形になっておるわけでございまして、これを、例えば四十五年で元利均等返済、こういうふうにいたしますと、毎年度必要額が年間固定されて、そして、これは計算してみなければわかりませんが、そういう意味ではこれ以下のリース料、例えば一・三兆とか一・二兆とかになるのかもしれませんが、そういう形で、元利均等四十五年返済なら幾らと、また別の計算ができようかとは思います。

 この計算の場合には、毎年入ってくるであろう収入に対して管理費を仮定いたしまして、差額を貸付料として支払う、こういう形で、わかりやすく整理したものでございます。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

若井委員 この試算例につきましては、大変に、今国土交通省の皆さんがどういうふうにお考えか、いろいろ興味深いヒントがたくさんあると思いますので、また私たちの同僚とともにもう少し検討して、今後の委員会の中で議論をさせていただきたいと思います。

 それでは、本筋の話に戻りたいと思うんですけれども、そもそも、モータリゼーション以後の日本の新しい高速道路のネットワークをつくるという決定をしたに際しましては、一九五〇年代のアメリカで、インターステートですか、それを参考にしながら、恐らく日本でも、五六年、道路公団というような形で始まったんだと思うんです。

 確認をしたいのは、先ほどもちょっとそういう御説明があったと思うんですけれども、あくまでもこれはいわゆる社会的な共通資本であるから、本来であれば無料でつくりたかったけれども、お金がないから特例、先ほど大臣、たしかそういうふうにおっしゃられたと思うんですけれども、特例として有料で始めたというふうに認識をしてもよろしいわけですね。いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 先生御指摘のように、道路は国民共有の財産、この考えで戦前戦後一貫してまいっておるわけでございまして、ただし、二階先生の御質問にもあったんですが、一九五六年、アメリカではちょうど、アイゼンハワーがインターステートハイウエー計画を、さんざんいろいろな議論をした末に、六万六千キロの計画をつくった年であります。アメリカでは、これを有料にするか無料にするか議論をしたと伺っておりますが、この場合、特定財源として、ガソリンに税金をかけて、そして、その税で共有の財産としてやっていこう、その時点で増税をされた、こういうふうに伺っております。

 日本は、たまたま当時、東名、名神が見積価格が四千六百億円、こういうことでございました。ちょうど同じころでございます。四千六百億円の見積価格に対しまして、当時の国の予算が、国費が一兆円ちょっとでございました。ということは、要は、国の予算の半分に相当するような大変な建設計画であったということであります。もちろん、当時の道路関係の国費の十倍以上を要する、こういうことでございますので、東名、名神の建設に全部つぎ込んでも、ほかに一切やらなくても十何年かかかるという大変な計画であったということが当時の状況でございました。

 こういう状況を踏まえて、これはやはり借入金によって、これは世銀の借款も借りたわけでございますが、借入金によってとりあえずつくらせていただいて、そのかわりある程度は、全く借金だけではできない、これも当時も確かな認識として持っておったわけでございまして、当時、六分コスト時代、こう言っておりました。大体八%とか七%とかいう高成長、高金利の時代でございましたけれども、六分コストというようなことで、一定の助成も国がしよう、そのかわり借入金によって建設していくということで、やはりそれは特別な措置として有料道路事業でやらざるを得ない、こんな判断を当時行ったというふうに認識しております。

若井委員 そして、その次に、一九七二年にこれはプール制にするという決定をしておるわけですが、名神あるいは東名、これらについて単独でもし償還をしていれば、もう既に何回も償還ができるぐらいの収入はあったと思うんです。これをプール制にした理由というのは、簡単にお答え願いたいんですけれども、主として何が理由であったのか、そこをお答え願えればと思います。

佐藤政府参考人 主としてという意味で申し上げれば、二点あったかというふうに思います。基本的には、道路審議会の御答申をいただいて、プール制を活用すべし、こういうことではございました。その理由としては、少なくとも二点挙げることができるんだと思います。

 一つは、道路はネットワークとして機能して初めて意味がある、そういう意味では、東名、名神だけができればいい、こういうことではなくて、そこを補完するような、言ってみれば、中央道にしても、それから関越道、東北道にしても、そういう補完するようなネットワークができ上がっていって初めて意味があるのではないか、こういう御議論が一つあったかと思います。

 もう一つは、建設する時間の違いによって、それぞれの負担、利用者の負担が異なり過ぎるというのはいかがなものか。

 先ほど申し上げましたように、東名、名神、着手して当時四千六百億円でありますから、国家予算の半分ぐらいの大変な借金をしながら、しかしながら、当時のことでございますので、大変成長がよろしかったという面もあって、採算状況が非常によくなってきた。

 これは当時、東名、名神から手をつけたから回収、言ってみれば、キャピタルゲインがそれぞれその当該路線のみに帰属していいか、当該路線を利用する人たちのみに帰属していいか、そういう問題ではないんじゃないか。建設する時間の、そういう時期の違いといったような点に関する逆の意味での公平さを取り戻すためにもプールというような形が望ましいんじゃないか、こんなふうな大きな要因を挙げられて、道路審議会でそうした御審議、御提言がなされたというふうに認識しております。

若井委員 アメリカの場合は、今既に八万キロのネットワークを無料の高速道路網として実現をしている。日本はそれに対して、世界で一番高い、そうした有料道路のネットワークをここまでに七千キロ余りつくってきた。

 本来、高速道路といえばフリーウエーということになるんでしょうけれども、日本の場合は値段が高いからハイウエーと言われているとさえお聞きをしております。こうした世界で一番高い有料道路体系、これで、どこまでもこれは一本の道路ですよね。プール制であるということは、高速道路が全部つながっているから、どこまで行っても切ることができないという形でここまで来た。その結果、今、二〇〇二年で七千百九十七キロというふうに私の資料には書いてありますけれども、四十兆円の借金とこの七千二百キロほどの高速道路が残ったという現状だと思います。

 石原大臣、この今の現状、日本の高速道路のネットワークの現状について、これはまあまあうまくやった方だというふうにお考えなのか、相当問題を残して今があるのか、御感想はいかがでしょうか。

石原国務大臣 そもそも今回の民営化論議が起こったのは、これまでのやり方でこれ以上整備をしていくと、借金を返し切れなくなるおそれがあるのではないかというところがポイントだと思います。

 ですから、どの時点までうまくいっていたかということは明言はしにくいんですけれども、この議論が始まるまではある程度整備が進んできた、しかし、このスピードで、このやり方でやっていくと将来の破綻が見えてきた、そういう印象を持っております。

若井委員 私個人は、やや曲がり角を曲がるというのが遅きに失したかなという感もあるんですけれども、それはともかくといたしまして、では、これからどのような高速道路ネットワークをつくっていくのか、どのような手法でつくっていくのか、そして、この道路四公団が残してきたプラスの資産とマイナスの資産をどのように継承していくのか、いよいよ正念場に差しかかっているというふうに思うわけです。

 そこで、これからの高速道路のネットワーク、どのように維持をし発展させていくのか、あるいは有効活用していくのかというところに少し議論を絞ってみたいと思います。

 三年前に小泉首相が就任をしたときに、これまではまあまあうまくやってきたんだ、しかし、このままでは決してもう日本の国もあり得ない、今こそ思い切った構造改革が必要だというふうに述べたわけですけれども、三年たってもなかなか、新しい日本の姿というか日本の形というものが見えてこない。少なくともこの国土交通委員会では、二十一世紀あるいは二十二世紀、日本の姿がどのような形になっているのか、ある程度描いた上でこの高速道路の問題を論じる必要がある、私はこのように考えています。

 一九七〇年に千キロメーターだった高速道路は、八二年が三千キロだそうです、九一年、五千キロ、そして二年、七千二百キロ。十年ごとに二千キロつくってきたわけですけれども、これから、今皆様が御提示になっていらっしゃる九千三百四十二キロ、確かにあと二千キロふやすというような案ですけれども、これの背景になる国土のビジョンというのは一体どんなものなのかということを少し、もう一度再検討してみる必要があるんじゃないかというふうに私は痛感をしております。

 この九三四二の背景に、実は、高規格幹線道路網一万四千キロですか、この構想があるわけですけれども、これができた一九八七年という年は、ある意味でいうと、日本が一番勢いのよかったと言うと語弊がありますけれども、ちょうど四全総が出て、全国一日交流圏構想等いろいろありました。

 しかし、それがある意味でいうと、この十年間で完全に幻想だったということがわかったわけですね、幻想だったと言えば語弊があるかもしれませんけれども。九八年には、既に五全総で四全総の考え方を否定している、否定していると私は受け取っておるわけです。ところが、この高速道路のネットワークの計画は、ある意味でいうと、そのまま無傷で引き継がれてきたというふうに私は思っています。

 それで、例えば、私はこれは大変すごいことだと思うんですけれども、一九四九年に日本の人口というのは八千万ぐらいしかいなかったわけですね。それから五千万人ふえた。一年間に百万人ずつふえた。それを支えるというのは、それは大変なことだったと思うんですけれども、これから来る変化はもっとすごい。あと五十年の間に、先ほどもらった資料の後ろにもあります、五十年で三千五百万人人口が減る。つまり、一年間に七十万都市が一つずつ消えるぐらい減っていくわけですね。しかも、そのうちの三分の一は六十五歳以上。こういう国にあって、これまでのような、例えば社会資本のあり方、そういうことがそのまま成り立つはずがない。

 ですから、今こそ、思い切ってここで将来の国土ビジョンを切りかえて、それにあわせてこの高速道路のネットワークの話をしていく。そして、再編成の話をしていく、今ある高速道路をどうしたらもっと有効に使えるか、そこの議論をしていくということが必要じゃないか。その中でこの民営化関係の四法案について議論すべきじゃないかというふうに私は思うわけですけれども、四十五年後に借金を返し終わるという、日本の国土というのは一体どんなイメージになるのか、その辺についてどうお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

薦田政府参考人 先生、今申されましたように、一万四千キロというのは、昭和六十二年の四全総で提起されたものでございます、全総計画というポジションでいえばですね。それで、五全総におきましても、全国一日交流圏ということで、五十年ぐらい先の長期の構想ということで挙がっておるということは事実でございます。

 今後の将来の国土ビジョンということでございます。五全総が策定されましたのは、まさにおっしゃられますように一九九八年でございます。まさに、四全総までの反省ということは確かに意識としてありました。したがいまして、その九八年の策定後、全総計画あるいは全国国土計画のあり方につきまして、国土審議会の場でいろいろ検討をさせていただいておるところでございます。

 そういう中で、やはり全総計画の中で個別のプロジェクトまで具体的にいろいろ書くということではなくて、むしろ全国計画は大きな方針を示す、そして、広域的な地域課題に対応するような広域圏の計画というのは地方の提案に基づいて決定する、そういうような地方の主体性あるいは広域ブロックを重視した方向での国土計画ということについての検討を進めておるところでございます。

若井委員 今のお話はちょっと私がお聞きしたことにお答えをいただいていないのではないかというふうに思いますので、もう少し私の方から申し上げたいと思うんです。

 要するに、今、日本に一億三千万近い人間がいる。これは、それこそ五十年前は八千万しかいなかったわけです。そのうちの四分の三は地方に住んでいたわけですね。それが今では、要するに大都市圏が半分で、地方が半分になった。これからさらに大都市の方が比率が少し高まって、恐らく地方圏が、例えば四五とか四〇ぐらいでとまるだろうというふうに私は思います。

 ですから、先ほど一番最初におっしゃいました高速道路のいわゆる全国ネットワークというものを考える場合に、かつてのような人口が比較的均等に分布しているところに道路がある、そういうイメージで絵を描いていくと、実際のところはほとんどまず人が、償還の難しい道路ばかりになってしまうということが見通しとすると明らかじゃないか。

 見通しとして明らかなだけではなくて、実は、さかのぼって、二十五年ぐらい前からの高速道路をつくってきた経緯を見てくると、この間、二十五年ぐらいの間につくった道路というのは、ほとんど償還が難しい道路になってきているというふうに私は思います。その辺、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 そういう意味では、その辺も加味した上で、ある程度の、伸びが大分違う、こういう部分を先生御指摘かと思いますが、そういうことも加味しながら考えていく必要があるだろうと思ってはおります。

 これまで、一九五〇年に八千四百万人であった人口、これはたしか、昭和三十年、九千万人で、今は一億二千六百万人、この増加分の多くは三大都市圏、東京それから名古屋、大阪の間にふえた、これも事実であります。地方については、そういう意味では、相対的には比重は下がっておりますが、人口そのものとしては、全体としての人口はおおむね昭和三十年ごろと一緒、こういうことかと思っております。

 大事なことは、これから人口動態がどうなるかという問題は、予測の問題であるとともに、また社会資本整備のあり方にも関係してくる、こういう議論もあろうかと思います。

 そういう意味では、私どもといたしましては、経営の採算的な面は、先ほど来の御議論の中で、四十五年で十分返し得るというようなことをしっかりと把握しながら、一方でまた、国土の有効利用、こういう観点から申し上げますと、過度に東京、大阪に集中が進まない、これもまた大事なことかという面もあろうかと思いますので、一万一千五百二十キロというような全体の計画という面について、選択と集中で、整備を急ぐべき部分は急ぐ、こういうことが大事なことだと思っております。

若井委員 それでは、百歩譲ってといいますか下がってお話をさせていただきたいんですけれども、現在の高速道路のネットワークの計画、計画図を、例えば面積でカバーをしている率から、人口でカバーをしている率の絵で考えてみた場合に、どのぐらいのカバーの率になっているかという点、その辺については資料がおありになりますか。

佐藤政府参考人 少なくとも、例えばインターチェンジがあるだとか、あるいは南北方向に本当は計画があるけれども南の方だけはとにかくできたとかいう面をカバー率としてはカバーしている、こういうふうに考えますと、平成十四年度末現在で、高速道路網が一本でもとにかく来ている、来ていない、こういう考え方で申し上げますと、それぞれ、人口のカバー率で申し上げますと九六%、面積のカバー率で申し上げますと七九%、こういう状態でございます。

若井委員 ということは、もう既に人口のカバー率でいうと一〇〇%に近い。すなわち、高速道路網としては、まず基本的に当初の目的は既に達成されているというふうにそれを読んでもいいんじゃないかと私は思いますけれども、それは言い過ぎかもしれません。これは感想です。

 では、話をちょっとかえますけれども、私の手元にエコノミストの二〇〇二年十月号というのがあるんですが、副題がついているんです。「不信」と書いてあります。この中に、これまでの国交省のいわゆる自動車交通需要の見通し、ここにも先ほど図をもらっていますけれども、この図が本当は過大なんじゃないかということをこの記事は書いているわけですね。

 これは民営化委員会でも取り上げられたデータだというふうに聞いておりますけれども、例えば一つ、免許の保有率の数字をちょっといじっただけで、本来であれば二〇一〇年には減るはずの交通需要が、二〇三〇年から減り始める。要するに、それぐらいの幅があるデータになっているんだということをこの記事は書いている。

 私はその点について、今この事実をとやかく言うつもりはありませんけれども、基本的には、二〇三〇年まで交通需要が伸びるというこのあり方は、やはりさすがに再検討すべきデータではないかというふうに考えておるわけです。

 そこで、去年から国交省の方では将来交通量予測のあり方に関する検討委員会というのをしておられるそうですけれども、その中でこうしたものの見直しはされておられるのかどうか。あるいは、その結果というのがあるのであれば、ぜひ御提供いただきたい。議論の材料としてこうしたものがなければなかなか具体的な検討は難しいと思いますので、その辺について、ちょっと教えていただきたい。

佐藤政府参考人 先生、多分、今お手元にお持ちの部分については、一昨年、民営化推進委員会のいろいろな御議論の中で、国土交通省の将来需要推計値のうちの特に将来の免許保有率について、民営化推進委員会の委員の皆様と御議論をさせていただいて、私どもが、実はデータ不足という部分もありまして、将来の免許保有率について一部分過大評価という部分があった、これは事実でございます。

 したがいまして、私どももそこはデータの補完、補足をいたしまして、そしてもう少し妥当な数字というものに直させていただいた、こういう経緯がございます。その経緯が多分その記事になっておるということかと思います。

 したがいまして、現在お出しさせていただいております将来交通需要の予測につきましては、そうした修正をした後のデータを出させていただいている、こういうことではございます。

 例えば、今回の数字、全車でごらんいただきますと、二〇二〇年が最大になっておるわけでございますが、ピークといたしまして、若干二〇三〇年には全車のモードでは減っていく、こういう予測になっているところではございます。

 なお、御議論のためにということで、必要でございましたら、またバックデータ等、先生具体的に、こういうデータ、ああいうデータという点について、これは、よろしければ先生の方から御指摘いただいて私どもが出させていただく、こういう形にしたいと思っております。

若井委員 この交通量の総量のデータというのは、恐らく、例えば先ほどの試算の例でいいますと、その後の収入の総額にそのまま響いてくるデータだと思います。私は、ですから、ここについては慎重の上にも慎重に、あるいは甘さは許されない、むしろ厳しい予測値で試算をしなければ、実際に新しい六つの会社の経営を判断する資料にはなり得ないというふうに思うので、そこら辺については、後ほどまたデータをいただいた上で私たちも勉強をさせていただきたいと思います。

 それから、この需要予測の内容なんですけれども、これは総量だけじゃなくて、非常に需要の性格が変わってくる、あるいは分布が変わってくるということも配慮をする必要がある。そのことが、やはり収入等については非常に大きく変わってきますし、また今まである高速道路のより有効な利用をする上でも、何に力点を置いた整備をしなければいけないかという点で、非常にこの点が大きいのではないかというふうに思っています。

 例えば、先ほどお話に出ました東名や名神は、ある意味でいうと、大都市地域にあって、大都市地域を結んでいるという道路ですから、両方のインターチェンジにたくさんの人がいる、それが行ったり来たりするという性格の道路で、当初、最初につくった二本、三本、こうした高速道路は採算は非常にとりやすい路線だった。今の道路は違うと思います。大都市圏から地方に人が流れていく場合に使う種類の道路だ。

 先ほどのデータのまた別のものを見ますと、既にトラックの数というのは、もう十年前から減り始めている。ですから、先ほどGDPの話がありましたけれども、トラック輸送値がそんなにこれから伸びないんだと私は思うわけですが、乗用車について言いますと、そうした大都市から走って地方でおりるという種類の交通が大変に多くなる。

 しかも、高齢化の時代です。かつてのように、遠くまで勢いよくロングドライブをするというような人はうんと減っている。ですから、もしこの交通需要が、おっしゃっているように、高齢者の免許の所有率が高くなるから乗用車の台数はふえるよといっても、トリップは実は都市の中、自分の近在のところで、例えば奥さんを病院に連れていくとか子供たちを駅に連れていくとか、そういう種類の交通が多いわけで、必ずしもこれは高速道路の需要にはなかなかつながってこない部分も多いわけです。その辺のデータがちゃんとあるのかどうかということもお聞きしたい。

 それから、これが一番今後の有料道路を使う上で決め手だと私は思うんですけれども、今高速道路を使っておられる乗用車のお客さんというのは、実はインターチェンジの周りで帰ってくるお客さんじゃないんです。石原大臣、いかがですか。車で旅行に行かれたら、インターチェンジでおりてから一時間ぐらい走ったところに自分の目的地がある人ばかりなんです。

 かつてのように、インターチェンジの周りに工業団地を造成すれば地域が活性化する、そんなことはもう今は起きない。国土交通白書でもおっしゃっていますけれども、例えば交流人口の拡大が四百万人の新しい雇用を生む、そういうことがどうやって起きるかというと、インターチェンジの周りじゃなくて、そこから放射状に、地域的にサービスネットワークをどうやってつくるかということが今の高速道路を生かしていく道なわけです。

 ですから、これまでのように、動脈ばかりを遠くの方まで延ばすというのではなくて、今あるインターチェンジの周りにそうしたネットワークをつくっていくために、先ほどおっしゃった、社会資本の投資を方向転換していくというようなことが私は必要だと思う。

 ですから、極端なことを言いますと、インターチェンジがついている高速道路をどんどん延ばすのではなくて、皆さんのお言葉でいえば地域高規格道路というんですか、そうしたネットワークを充実するというところに公共投資のあり方を転じてもらいたいということを私は申し上げたい。

 ということは、今のように、例えば東名と同じような規格の道路をどんどん先へ延ばすというようなことはもう過去の話になったんだということを強調させていただきたいと私は思います。そういう意味で、高速道路のこれからの計画というものを今抜本的に見直す必要があるのではないかということを私は申し上げておきたいと思います。

 そうした観点からいいますと、高速道路の料金収入の予測という点についても、もう少しさまざまな、そうした多様な要因を考慮した上で試算をしないと、こういうふうにはなかなかならないんじゃないんですかということが私の感想ですけれども、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 幾つかの御質問を同時にいただきました。

 最初に、具体の交通需要の見通しの中で、データ的な面についてもう少し具体的なものが欲しい、こういう御指摘でございました。

 一つだけ申し上げますと、乗用車につきましては、将来の見通しで申し上げますと、二〇三〇年前後でピークを迎えて減少に転ずるのではないか、こんなふうにマクロな見通しとしては持っております。貨物車は、これから、ほんのわずかではありますが、多少減少していくのではないか。予測の前提としてはそういうふうなことを考えておりまして、全体として二〇二〇年前後でピークを迎えて、ほんのわずかですが、二〇三〇年には一%近くが減少、こんな形の中で予測をしているところであります。

 具体の数字につきまして、先生、あれば出してほしい、こういうことでございましたので、予測の中のどんな数字をお出しさせていただくか。全部出させていただいてももちろん結構なんでございますが、膨大な資料がございますので、ぜひ、こういうものとこういうものという形で、お話し合いをさせていただきながら出させていただきたいと思います。

 それから、そういう意味で、インターチェンジの周辺について、むしろ一時間ぐらいかかるとかいうようなところでの需要が大きくなってきているのではないか、そういうことが大事なことではないか、こういう御指摘もいただきました。

 御指摘のように、特に、港湾や空港と高速道路を結ぶ、こういう面で申し上げますと、きめ細かな、それこそ地域高規格道路といったような形の工夫をした、安全で安心に、ある程度スピードを持って走り得る道路、こういうものが必要かということで、私どもといたしましては、そういう意味でいえば、時速七十キロが確保でき得るような地域高規格道路といった、立体交差を主体とした、そうしたフィーダーサービスを大事にしていこう、こんなことで、そうした重点的な整備も進めさせてきていただいているところでございます。

 特に、これからの開発といったような面を考えますと、地域のプロジェクトと密接に関連して、そうした連携を持つということが大事なことだと思っております。

 あわせまして、もう一つ大事なことは、インターチェンジそのものも、間隔としては、日本の場合には高速自動車国道十キロに一カ所、こういうような状況でもございますので、サービスエリア、パーキングエリアを使って、スマートインターというような形で、ETC専用というようなことも十六年度から実験として取りかかってまいりたいと思っておりますが、いずれにしましても、インターチェンジの活用がまた高速道路の活用にもなる。それから、先生御指摘のように、インターチェンジから遠いところについて、一時間あるいは三十分というところを少しでも短くするというような国土の機能的な使い方というような面についても努力してまいりたいと思っております。

石原国務大臣 私には一点、これからの高速道路網の整備に当たっては、幹線がかなり整備されてきているから、地域高規格道路等々の整備というものに重点的に移していくべきであるという御意見だったと思います。

 私も、委員の御指摘のとおり、交通需要の分布や性格というものは人口の高齢化と人口の減少によって大きく変わっていく、それがまだどういうふうに変わるかというところまでは、なかなか推測することが初めての経験であるから難しいと思いますが、委員の御指摘の方向性というものは一つの示唆に富んだ意見であると思っておりますし、これまでも地域の高規格道路の整備というものに重点的に当たっておりますけれども、さらなる拡充をやっていかなければならないと感じております。

 それともう一点、いわゆる整備区間の九三四二の部分についての残りの部分は、要するに仕掛かり中ということで、七十の区間について、外部効果あるいは採算性、さらには費用対便益等々の評価づけを行ったわけですけれども、これから、それ以外の中にも重要な道路もありますし、委員の御指摘のとおり、見直さなければいけないものがございますので、今回と同じように、外部効果の中で、委員が御指摘の人口、高齢化のファクターみたいなものもしっかりと盛り込んで、厳しく精査をしていく必要があると認識をしております。

若井委員 どうも、懇切な御回答をいただきまして、ありがとうございます。

 今のような状況、いろいろ見てまいりますと、これからつくる有料道路というようなものについては、この十年ぐらいの間におのずと答えが出るのかもしれませんけれども、いずれにしても抜本的な見直しが必要で、今進めておられる抜本的見直し区間、これを見てみますと、都市計画決定済みのものは除外する、あるいは、位置が決められているものは除外するというような議論がなされていますけれども、これらについても、例えば、広域的な高規格道路である必要はなく、一般の国道あるいは一般の道路に置きかえるということも可能だと思いますし、いわゆる皆様がおっしゃっているネットワーク型の道路、あるいはそれをバイパス型のものに変えていくとか、さまざまな方策があるんじゃないか。たくさんのインターチェンジを高速道路につくるのであれば、交差点の少ない規格の高い国道でも、走っている方からすれば全く同じわけですし、そういった意味で、思い切ってこの六つの会社のスリム化を図っていくことが、ひいては会社自体が存続する上でも重要なことではないかというふうに私は考えているわけです。

    〔望月委員長代理退席、高木(陽)委員長代理着席〕

 先ほどの表に戻りますけれども、新しい建設のないケースというものをここで試算しておられますけれども、もしもそちらの方向に近づくのであるならば、例えば、なぜわざわざ新しい会社をつくらなければいけないのか。つまり、これまでの現道の管理のためだけにその会社をつくらなければいけないのかという、そうした根本的な疑問に突き当たらざるを得ない。

 思い切って、例えばそれは一般の国道に移してしまうというようなこともあり得ると思いますし、私たちもこれから、そうした意味で、この民営化会社とかわるような、ある意味でいうと、一般の国道としてこれまでの高速道路のネットワークを管理していける、そうしたシステムの可能性について検討して御提案をさせていただきたいというふうに考えるわけです。

 ちょっと議論がその間にはまだいろいろ詰めていかなければならないところもありますけれども、先ほどお願いいたしましたようなデータもいただいて、しっかり勉強して議論していきたいと考えています。

 最後に石原大臣にお聞きいたしたいと思いますけれども、先ほどの道路審議会がつくっております高規格幹線道路網の構想、これをある時点で見直す、そうしたお考えはおありになりませんでしょうか。

    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

石原国務大臣 これは、先ほど時代背景をめぐって若井委員が御議論をされた点だと思います。

 すなわち、高規格幹線道路の中のうち、高速自動車国道の先ほど言いましたいわゆる九三四二のうち、未供用の二千キロ、さらに、その中で、投資効果や採算性の観点から、今のままでは整備することができないものを、先ほどまた委員が御指摘された抜本的見直し区間として設定したわけです。

 抜本的見直し区間の中では、委員が御指摘されましたように、高速道路と同じ機能を持つような形で並行国道が走っているような場合は、委員が御指摘されたような、工法というものも十分考えられる、またそういうことをやらない限りは、今の抜本的見直し区間というものは事業を一時中断して、今のままではやらないということを明確にしているわけでございます。

 それと、いわゆるその外の部分については、委員は、そこにアクセスする地域の高規格道路の整備の方を重点的にやるべきであって、動脈みたいなものはもう一回見直せという御意見だったと思いますけれども、これももう御答弁させていただいておりますように、いつ、だれが、どのルートで、どういうふうな手法で整備するかということは決めていないわけです。

 ですから、さっき、外部効果の要因として、人口分布の変化とか高齢化みたいなファクターを、この議論が終わった後、必ず、必要な道路も含まれているわけでございますので、同じような評価を客観的に行ってやっていくということが重要なのではないか、それが委員の言われることにこたえる一つの道ではないかと私は思っております。

若井委員 どうもありがとうございます。

 さらに今の問題点について検討して、次の機会にまたいろいろお聞かせ願いたい。

 質問を終わります。どうもありがとうございました。

赤羽委員長 穀田恵二君。

穀田委員 共産党の穀田です。

 きょうは、高速道路行政と道路公団問題についてお聞きします。

 この問題の一連の解決を目指せという国民の関心事は何か。これは何といっても、第一に、むだな道路建設にストップがかかるのかどうか。それから第二に、約四十兆円にも上る債務を税金の投入や通行料金の値上げなどの国民負担なしに返済できるのかどうか。そして第三に、高速道路建設にかかわる政官財の癒着、大型ゼネコンや一連の問題になっていますファミリー企業などのぼろもうけにメスを入れることができるのかどうか。こういう三つのことがずっと国民的な関心事になってきたと思います。

 私どもは、かねてから、むだな高速道路は建設を中止し、建設計画を見直すべきこと。そして、債務を新たな国民負担なしに計画的に返済して、段階的に無料化に向かうべきじゃないか。そして、政官財の癒着の温床となっている天下りを禁止して、ファミリー企業をなくすことを柱とする改革提案を独自に発表してきたところです。

 そこで、きょうは、出てきた法案が、何がどう今後変わるのか、そういう問題についてお聞きしたいと思っています。

 概要を見ますと、何のための民営化なのか、民営化先にありきというのが目につきます。高速道路建設はどこまで行くのか、債務返済、こういった点について聞きたいと思っています。

 そもそも、道路公団の民営化というのは、構造改革の目玉として小泉総理が、むだな高速道路はつくらないと宣言して、民営化されればむだな道路はつくらなくなると必要性を説いて始まりました。

 ところが、今回の政府案を見ますと、その核心中の核心のところで、今までどおり高速道路はつくり続ける、この間の初日の総理質問の中で皆さんがおやりになったところを見ますと、どうもそういうふうに見えて仕方がないと思っています。

 だから、きょうは、これまでの道路公団から民営会社になって、高速道路の建設はどうなるのか、聞きます。

 国幹会議で決めた高速道路整備計画路線というのは九三四二。そして、残り約二千キロについては建設するということを政府は繰り返し答弁しています。おっしゃるように、抜本的見直しは百四十三キロ、そして国直轄が六百九十九キロ、残り有料道路区間の三つに分けて評価し、抜本的見直しの区間は、規格を変更して、さらに国直轄、税金で建設するという、これは、だれがつくるか、どういう規格でつくるのかの違いはあるけれども、結局九三四二というのは全部つくるということだなということをまず確認しておきたいと思うんです、大臣。

石原国務大臣 この中には抜本的見直し区間が入っております、五区間百四十三キロ。これはもう委員の意見の御開陳の中でも明らかですが、ここの部分については、事業を一時中断して、規格、構造を含めた抜本的な見直しを行わなければ、今のままではつくらないということも明確にさせていただいておりますし、ただいま御同僚の若井委員の議論の中で、並行国道の改修みたいな御意見の提言がありましたけれども、それも一つの有力な方法である。その結果によって、九千三百四十二キロというこの整備区間の距離数にもう既に差異が生じているんだと思っております。

穀田委員 そこをはっきりしてほしいんですけれども、もちろん抜本的見直し区間という百四十三キロというのは知っているんです。それは、今もお話があったように、規格を小さくしたり、いろいろなことをすると。最終的にそれでもどうしてもだめだという場合はあるんだけれども、それを含めて総理は、コストを削減して、ともかく見直してでも、それで国民の負担をより少なくしてつくるんです、こう言っているんですよね。だから、何だかんだ言ったって、結局九三四二というのはつくることには変わりはない、こう見ていいわけでしょう。

石原国務大臣 何度も申していますように、九千三百四十二キロの中に抜本的見直し区間が入っていなければ委員のそのとおりだと思いますけれども、今の規格とか構造とかルートではつくらないわけですね。ということは、もう九千三百四十二キロというキロ数に差異が生じるということは明白であります。

穀田委員 もちろん、百四十三キロを見直すと、逆に言えば、そのうちだけですね、それで理解していいですよね。

石原国務大臣 これは委員の冒頭の、むだな高速道路というそのむだ、道路についてはいろいろ議論をさせていただきまして、個々人にとりまして、政党の違い、あるいはそういうことにとらわれず、どれが真に必要な道路かというメルクマールがばらばらなんですね。それを今回、採算性だけではない、外部効果あるいはBバイC、こういうものを厳格に評価して、残りの、残存二千キロの七十区間をすべて評価したわけであります。

 この中のBバイCが一を切っていれば、明確にこれはつくらないんだと思います、公共事業でも。公共事業である以上、BバイCが一以上あれば原則的にやはりつくっていくというものが公共事業の公共事業たるゆえんだと思います。

 では、そのかわり、一に限りなく近い一・二とか一・三をどうするのかという話が必ず際で残るわけですね。そういうものは、総理が申しておりますように、不断の見直しを行っていく、さらなる効率化あるいは重点化を図っていくことによって、コストを下げれば、分母が小さくなるわけですから、必ずBバイCは上がる、そういう努力をすることによって必要なものをつくっていく。

 ですから、やはりこれからは評価基準、この評価基準は全員共通の物差しで見ることができますので、これによってむだな道路とは一体どれなのかということを路線ごとに全員が共通することによって、つくらない道路というものが明確化されてくるんではないかと思っております。

穀田委員 もともと、ただ、はっきりさせなくてはならぬのは、総理が一番最初に言っていた九三四二、残り二千キロ。当時もそうですけれども、もう税金投入してむだだと。当時の発想の一番最初は不採算問題だったんですね。それももちろん、さまざまな指標を、外的要因その他含めて、加えてやっているということなんですよね。そこはちょっと変化があるということは、まず押さえておきたいと思うんです。そこがやっぱり大事だな、一つの点がある。

 その上で、では、九三四二のほかにも高速道路計画はたくさんあるわけでして、先ほども議論になって、一貫して議論になっているのは、高速自動車国道の予定路線というのはいわゆる一一五二〇とあって、さらに高規格幹線道路の路線まであって、その上に本四架や圏央道、それから、私の京都でいいますと京都縦貫自動車道、さらには京奈和自動車道、いわゆる四全総で言っている一万四千ということがあるわけですね。その上さらに、京都でいいますと、阪神高速道路の基本計画指示路線というのがあって、新十条それから油小路線などがある。

 一体今後、高速道路、高規格幹線道路をどれだけつくる計画なのか。何キロ残っているのか。それとも、ありていに言って、今問題になっている九三四二の外、これはつくらないというのか。その辺、はっきりしてほしいと思います。

石原国務大臣 整備区間九三四二のうち、先ほど話しましたように、未供用がおよそ二千キロあります。この中の抜本的見直し区間というものは、委員御指摘のとおり、五区間百四十三キロです。ここの部分については、先ほど申しましたように、規格や構造やルートや、文字どおり現行計画を抜本的に見直すということにしておりますので、事業を中断して、必要な調査を行う。ですから、今のままはつくりませんから、九三四二というキロに対して差異が出てくることは間違いないと思います。

 それでは、委員御指摘の九三四二以外の区間についてでございますけれども、これはいつ、だれが、どのルートで、どんな手法で整備するかというのは未定です。決まっていません。先ほど申しましたように、客観的な評価、これをこの路線についてもすべて行っていくということが第一だと思います。

 そして、委員が先ほど言われましたように、私も含めてなんですけれども、私も、むだな道路とは何かと三年前に聞かれれば、採算性を重視していたことは事実であります。

 しかし、採算性だけでは割り切れないものというものも、日本全国を歩いてみると初めて実体験としてわかるわけですね。代替道路がない、災害のために、一本しか国道がなくて、これが一カ月のうち五日間平気で閉まっちゃう、あるいは原子力発電所がある、また、拠点病院までの到達距離が一時間以上かかってしまう、いろいろなものがあると思います。こういうものもやはり評価して、必要か必要じゃないかということを判断していかなければならないというのが、私は多くの国民の皆様方の共通した物差しなんじゃないかと思っております。その物差しを九三四二以外の区間についてもしっかりと示していく。

 そして、もちろん、高速道路の部分は、そこの部分は民営化された会社の申請主義ですから、民間会社が、私たちがつくりましょうと言うか、言わないかということはわかりません。だから、つくれというふうに、国の側から、あなたの会社でつくってくれというようなことは行わない。事業の着手いかんはその結果次第とお考えいただいて結構だと思っております。

穀田委員 そこはとても大事でして、最後におっしゃった、みんなの結果次第、そう本当になるのかという問題なんですね。

 今もありましたように、これまで道路四公団がつくってきた高速道路は今後は新会社がつくる。要するに、申請主義の場合ありますよね、当然、申請主義でやると。だけれども、今までだと、この法案で見ますと、新会社は、いわゆる九三四二内の路線では、国と協議をして、それで正当な理由があれば請負を拒否できるとなっていますよね。しかし、最終、新会社が拒否した場合には国直轄でつくることになるのか、ここはそう言っていいんですか。

佐藤政府参考人 そこの部分で申し上げますと、具体的に一件一件を考えていく必要があろうかと思いますが、どこの会社も難しい、こういう状況で申し上げれば、新しい直轄方式も含めて、いろいろな手法をその時点で考えて検討していく、こういうことだと思います。

穀田委員 そうしますと、最終的には直轄でつくることもある。同時に、では、今議論しました九三四二の外ですね、そういうものも新会社の申請があれば、先ほど申請主義だからと大臣はおっしゃいました。したがって、高速道路を建設できるわけですけれども、申請がない場合でも直轄道路でやるなど、結果としては、先ほどずっと道路局長がお話ししていたように、全総という計画があり、この計画は依然と生きているという旨の大体の話がありました。

 だから、結果としては、もちろん、つくるんだろうと言っているんじゃなくて、そういう計画があって、それでやはり、有料、無料にかかわらず、結果としては外も含めてできることになるんじゃないのか。それはどうですか。

佐藤政府参考人 まず、大事なことは、今回法案でお願い申し上げておりますのは、高速自動車国道で申し上げますと、整備計画が出ている区間以外の区間について、会社が有料道路事業として実施しようといたしますと、申請主義でやる、こういうことでございますから、会社がいろいろな検討をして、ああ、こういう計画なら自分たちでも十分建設して引き合うな、こういうような検討が出てくるかどうか、これが有料道路事業としては一番大事な部分だと思います。

 あわせまして、その事業の必要性そのものは、先ほど大臣から申し上げましたように、まず、BバイCが本当に一を超えるのか、それから、採算性やその他の外部効果、こうした要因を考慮したときに、どのくらい緊急性のあるものとしてとらえ得るか、これはいろいろな調査を進めながら検討していく必要がある、こういうことだと思います。

 というのは、いろいろなプロジェクト、地域開発、こうした構想をどういうふうに地域で考えていくか、それに対してどう役に立つか、こういう面もあるわけでございますので、同じBバイCでも、BにしろCにしろ、いろいろな工夫の余地もある。こういう問題でもありますから、そうしたことをしっかりと整理して、そして、本当に必要だ、こういう問題であれば、さあ、それをどういうふうに整備していこうか、初めてそこのところを具体の事業として組み立てていく、こういうことになろうかと思います。

 その場合には、会社の方では申請主義ですから、有料としては難しい、こういうことであれば直轄という選択もあるかと思いますし、そのほか、これからの議論でありますから、いろいろな工夫をする必要があるな、そんなふうに考えているところであります。

穀田委員 だから、わかりやすく言えば、申請主義でつくる、もうかるとすればやるでしょうし、しかし、計画全体はあるわけだから、やるということだと判断をしています。

 私はなぜこんなことを言っているかというと、先ほど大臣もおっしゃったように、最初は採算性の問題からスタートした。例えば、一時間とか、病院のところで言いましたよね。外部要因というのは大体十数項目で判断をしているわけです。私は次回はそれをやろうと思うんですけれども、やはり外的要因だって、外部要因という、それ自身も否定的要素というのはたくさんあると思うんですね。そういうものをどう換算していくか。

 単なる不採算だけと違って、今、これが国土づくりにとって、また、まちづくりにとって、道路行政にとって、また、お金の使い方にとって、こういうのでいいのかということがもう少し深く問われなければならないという時代が必ず来るであろうし、そういうことを私は、国土づくりという角度からもう少し物を見る必要があるということだけ言っておきたいと思うんです。

 返済問題について少し聞いておきたいと思うんですけれども、今後、高速道路を建設しない、これでストップだというふうに想定した場合、道路四公団の債務は何年で返済できる見通しですか、簡単に。

佐藤政府参考人 そこのところを本日お出しさせていただいたと思います。追加参考ケース、こういうことであるわけであります。

 二つのケースがございますが、建設しないというか、有料道路の事業の対象から外す、こういうことだと思いますが、その場合には、言ってみれば、仮勘定を含めて返済する、こういうことで申し上げますと、いろいろな種々設定した条件はもう省略いたします、三十五年で返済できるのではないか、こういうのを出させていただいています。

 さらに、仮勘定を返済しないといいますか、仮勘定をまた別にする、こういうふうにわきに置かせていただく、何らかの手段で、こうなるわけでございますが、その場合には、機構の方で二十七年で債務が返済できる、こういうふうに一つの試算として出させていただいているところであります。

穀田委員 先ほども同僚議員がこの問題についてありましたけれども、私は、この設定の問題について、これは全部ほんまに合っておるんかいなというのはいろいろ思います。いただきましたから、精査して、その前提条件がどこに問題があるのかということについては、これから勉強させていただきたいと思っています。

 ただ、今の公団だと債務が返済できない理由というのは何なのか。私は、債務返済を最優先するには、新たな借金をふやさないこと、それから、収入をふやし、減らさないこと、それから、むだなコストを削減し、出費を減らすこと、これは当然のことなんですね。もう金の勘定ですから、わかり切ったことであって、組織の形態がどうあろうと実は関係ないんじゃないかというのを率直に思う、多くの国民が持っている疑問の一つでもあるわけですね。その点をどうお答えになりますか。

佐藤政府参考人 今の公団のままで債務の返済はできないのか、こういう御指摘でありました。

 債務の返済ができるかどうかということ以前に、改革の必要性、こういう面から出てきている面があるわけでございまして、従来の公団によります事業に対しましては、償還期限、先ほどの三十年が四十年になって徐々に徐々に先送り、こういったような批判であるとか、あるいはプールの拡大、それから採算のとれない路線も含めまして、既存路線の利用者の負担による道路建設に歯どめがかからないんではないか、こうした点の批判。それから、コストが高い、高コスト体質ではないか、建設・管理コストの削減の意識、インセンティブが乏しいんではないか。あるいはまた、天下りなどファミリー企業との関係が不明朗、不透明、こうした御批判があって、これを、それでは、今の公団という姿のままで本当に改革ができるかどうか、ここが問われている部分かと思っております。

 今までいろいろな取り組みをしてまいりましたが、公団組織を維持したままでは十分な成果が上げられたということではないというのも残念ながら事実なのかな。そういう意味で、民間にできることは民間に、こういう構造改革の方針のもとで、組織の大改革を通じて、これらの課題を根底から見直す、こういうことによって初めていろいろな改革ができるようになったということであろうというふうに思っております。

 具体的に今回措置することとなりましたものは、いつまでも償還期間が先送りされるんではないか、こうした点につきましては、例えば四十五年以内と法定化させていただくわけでありますし、また、新しい会社が発足すれば、この会社の自主性を最大限尊重する。あるいはまた、建設資金の市場からの自己調達で市場規律も導入する。あるいはまた、高速国道の有料道路事業費を、有料道路の事業の対象としましては実質的に高速国道を半減する。あるいはまた、高速国道の有利子の累積債務の総額は会社発足後はこれ以上ふやさないというようなことであるとか、あるいはまた直轄方式の導入、そして徹底したコスト縮減、ファミリー企業との関係の抜本的見直し、こうした荒療治と言うに近い、荒療治そのものと申し上げてもよろしいかもしれませんが、民営化という荒療治といいますか大なたを振るって初めて実行ができるというふうになったものと考えております。

穀田委員 今の政府参考人、局長の説明は、要するに、改革の必要性というところで言って、借金を先送りしてきたというものと償還計画を先送りしてきたということと、高コスト、ファミリー企業、こう言って、また、後ろの方でそれを直すと言っているだけで、余り大した、それ自身の因果関係というか改革論の話が必要であって、そういうもとに、今現在立ち至った中でいえば、では、債務の返済ができない理由は何かというと、もう一つ余り定かでないんですよね。

 ただ、ここの改革の必要性で持っていた問題点、それは前からあるんですよ。その償還計画をもともと、もう一つあるとすれば天下りという問題があって、一つはそういうのもやっていたということもあるんですけれども、そこは、どうも私としては、今の参考人の説明の因果関係というか、最初に言ったことと最後に言ったことは同じことを言っているだけだというふうに思います。

 例えば、高コストだとか先送りだとかファミリー企業だとか、だから今度は法定化したんだと。法定化したからといって、別にそれは、できれば苦労はないわけで、法定化というのはあくまでも宣言したという意味であって、それは絶対後ろに引かないという意味であって、別に、それは道路公団が現在の段階でそういうことをしろといったってできぬことはないわけですよ、と私は思いますね。だから、私は、組織形態の問題じゃないということだけは言っておきたいと思うんです。

 そこで、時間も残り少ないので、あと一つだけ聞きたいんですけれども、政治家の介入や、それから癒着問題ですよね。

 この間の予算委員会で、私は、公団発注の未供用七十区間、三百六十一件の工事について、落札率が九八%を超えていること、それから、一件の工事以外はすべての受注企業、ジョイントベンチャー、JVに公団OBが天下っていること、そして三つ目に、受注企業から自民党に政治献金が五年間で二十八億円も献金されている、この三つについて取り上げ、質問をしました。

 そのときに、大臣も、いろいろほかのことはあるんですけれども、入札契約適正化法などの適用などの問題があれば適切に対応すると当時お答えになりました。

 そこで、確認するけれども、民営化、民営会社になれば、入札契約適正化法の対象となるんでしょうか。

佐藤政府参考人 入札契約適正化法の対象となる特殊法人等につきましては、具体的には、この法律、入札契約適正化法第二条に基づく政令で列挙されております。

 現在、株式会社では、関西国際空港株式会社、成田国際空港株式会社、日本環境安全事業株式会社が対象であります。

 この第二条の特殊法人等の要件は、「資本金の二分の一以上が国からの出資による法人又はその事業の運営のために必要な経費の主たる財源を国からの交付金若しくは補助金によって得ている法人」、また二でございますが、「その設立の目的を実現し、又はその主たる業務を遂行するため、計画的かつ継続的に建設工事の発注を行う法人」のいずれにも該当するものとされております。

 したがいまして、このうち一の要件、これは会社が実態として二分の一以上国からの出資を得ていれば該当するわけでありますし、二の要件につきましては、建設工事の発注が法人の目的または業務として設立根拠法上明確に位置づけられているものを対象とする、こういうことにしておりますので、会社の業務がこれに当たると解されれば該当、こういうことであります。

 具体的には、政令の策定段階で検討を進めてまいりたいと思っております。

穀田委員 要するに、公共工事入札契約適正化法についても、そして入札談合等関与防止法、これは確かに成田の問題や関空の問題はあるんですけれども、普通は、公共工事入札契約適正化法からいえば民営化会社というのは対象外なんですね。まして、情報公開法というのは、商法の適用ですから、株式会社となれば全部これは除外されるということなんですよ。

 だから、何となく、法律に定めればいけるという話をしているけれども、現実はほとんど無理なんですよ。だから、そこが今度の問題で大事な点になるんじゃないかと私は思うんです。

 といいますのは、この間、ファミリー企業の問題を随分わあわあ言ってそこはやるんですけれども、大臣もおっしゃったように、これは今後さらに民民の問題ですよ、こうなっちゃうわけですよね。そして、今だと、この間言いましたように、こういう受注企業の問題についても、特殊法人から一歩出ているんだからということで、わざわざ一段違うということを大臣はおっしゃったわけですね。その意味で、それはなかなか無理があるんだという話をしているわけですよね。

 だけれども、ここが、ファミリー企業というのは、ある意味じゃ一つの、今度の場合、維持管理費を三割削減したりしてぎゅっと締めつけたりして割といくんでしょう。だけれども、今度、受注の関係でいいますと、また全くらち外になるということになっちゃうわけですよね。そこが私は大事じゃないか。

 しかし、その意味で、もう一度別な角度から考えてみますと、民営会社というのは資本調達する際に政府保証をつける、また事業自身が公共的な性格が強い、こういう二つの角度から見た場合、そういう適用のところにどないして本当にがっちりはめるのかということを工夫しなくちゃならぬと私は思っているんですよ。

 だけれども、道路公団は適用対象となっていた今述べた談合防止法は、適用されない可能性がある。そして、現実に、工事の契約自体も入札ではなくて随意契約がふえる。これはみんな大体道路公団の方々はそうなるでしょうと言っていますよ。それはそうなるんでしょう。今後のつき合いからして、割と長期間でやってもらおうと思ったらそういうのがふえるわけです。

 そうしますと、現実が、情報の公開も弱まり、国民の監視、国民の目が行き届かないようになるんじゃないか、こういうことが懸念される。

 今、私が言いましたのは、もう一度改めて言いますけれども、むだの問題と借金の問題、そして政官財癒着という問題、単なるファミリー企業の問題と違って、もっと大きい受注企業におけるこういう問題について、いよいよ国民の目にさらし、そして、行政の監視の目という、チェックの機能というのを強めるべきじゃないか、こういう角度から物申し上げているんですけれども、最後に大臣にその辺の点だけお聞きしておきたいと思います。

石原国務大臣 基本的には、私は、入札契約適正化法というのは適用されると思うんです。ただ、新規のものをつくらない会社も多分あると思うんですね、本四なんかがそうだ、これも断定的なことは言いませんけれども。ですから、適正に対処するという言い方をさせていただいているわけでございます。

 委員御指摘のとおり、透明性の高い業務運営ができるように指導をしていきたいと思っています。

穀田委員 終わります。

赤羽委員長 武田良太君。

武田委員 グループ改革の武田良太でございます。

 きょうは初当選以来、デビュー戦でございまして、この質問の時間をいただきました先輩方に心から御礼申し上げたいと思います。

 大臣にまず御質問したいんですけれども、高速道路というものは、本当に国民経済に相当な影響があり、また、多くの国民も相当な関心を寄せておるものでございますけれども、今議論となっております公団の今後のあるべき姿、これは絶対に国民が納得するものでなくてはならないと考えております。

 大臣、この法律案に関しまして、大臣の率直な評価というものをお聞きしたいと思います。お願いいたします。

石原国務大臣 初質問ということでございますので、またちょっと丁寧に答えさせていただきたいと思うんですけれども、民営化委員会の意見を今回の案というものは基本的に尊重させていただいております。

 しかし、これも過去の議論で明らかにさせていただきましたように、資産を保有するということと料金に利潤を乗せるという二点については、資産を保有するということは、哲学論、すなわち、道路は公共公物であるし、永久有料を念頭に置いたような改革はなじまない、やはり債務の返済が終わったら無料にするという観点から、採用しませんでした。

 また、利潤につきましても、利潤を料金に乗せるということは、一万円の料金で、仮に、三%でも五%でもいいんですけれども、三百円とか五百円高くなるということは、会社にとってはプラスであっても、利用者にとってはマイナスであるし、その余裕があるならば債務を返済していただきたいということで、その意見はとらなかったわけです。

 それ以外のことは、私は、ほとんどのことを答申どおりまとめさせていただいておると思っております。

 中でも重要な点は、これも御同僚議員の中できょうも主要テーマになっておりました債務の返済ですけれども、四十五年以内にすべてを返済する。仕掛かり品の二千キロにつきましては、会社に実質的な拒否権を付与して会社の自主性を尊重する。あるいは、民営化時において、日本道路公団を東、中、西と三つに分割することによって競争を促進する。

 さらに、厳格かつ客観的な事業評価を実施するとともに、徹底したコスト削減等により、二十兆円かかると言われていた有料道路事業を、これも民営化の答申の中にあったように、採算性だけで判断しないで、どうしてもつくらなきゃいけない必要な道路というものを新しくつくっていく形で新直轄というものを三兆円程度入れましたけれども、それも含めて十兆五千億とコストをほぼ半分に減らす。

 高速国道について民営化時点の債務残高を、要するに債務がこれ以上民営化時点からふえないということを運用でしっかりと担保する。

 さらに、利用者のサイドに立ちますと、一番目に見えたサービスの向上というものは料金が下がるということでございますので、平均で一割を超える高速国道料金の引き下げを実施するほか、航空会社が行っているようなマイレージ割引とか、今社会実験で行っております夜間割引とか通勤時間帯の割引等々を入れる料金設定を行う。

 さらに、これも大変議論のあるところでありますファミリー企業、内部留保が非常にたまったというこのファミリー企業について、抜本的な見直しを進める。

 こういうふうに民営化委員会の意見を尊重して今回のものをつくらせていただきましたし、また民営化委員会の議論がなければここまでのものはできなかったと考えているところでございます。

武田委員 本当にわかりやすい説明、ありがとうございました。

 そこで、大臣の答弁の中にありました、私、民営化推進委員会についてちょっと質問をさせていただきたいわけでございますけれども、今日、道路問題の議論を進める経過の中で、やはり民営化推進委員会のウエートというのはかなり大きいように国民の目には映っておりました。

 しかしながら、今、議論の途中であり、まだ具体的にこの民営化の姿というものが決定、あらわになっていない現在において、委員の中には辞任をされた方が二名おられますし、委員会を欠席される方もおるとお聞きしておりますし、この委員会というのは一体何なんだという声がかなり国民の中にはあるように思われるわけでございます。

 これは、二名の方がいろいろな理由でやめられたならやめられたなりに、補充をするのか、まあ、それほど、勝手にやめてそのままでいいのかということになれば、いっそのこと廃止してしまうべきじゃないかとまで私は思うんですけれども、政府としてどのように考えておるのか、御質問いたしたいと思います。

坂野政府参考人 今御指摘のように、二名の委員の方が昨年末に辞任をされました。この二名の委員の辞任の理由は、これらの方がおっしゃるところによりますれば、意見の骨格を覆す、そういう評価をされて辞任されたわけでございます。

 政府としては、今も石原大臣から御答弁がありますように、大半の項目を盛り込んで、意見を基本的に尊重したものと考えておられるわけでございますけれども、こういう評価とは異なる評価を委員の方がされた、そのこと自体、委員の個人の責任と判断でなされるのならば、事務局としてもやむを得ないのではないか、そんなふうに受けとめておるわけでございます。

 ただ、なお五名の委員の方が残っておられるわけでございます。設置法によれば、委員会は七人以内の委員で組織をするということになっておりまして、五名で十分存立可能なわけでございまして、また設置法によれば、新たな民営化会社が発足するときまでは引き続き監視、すなわちフォローアップの機能を果たすというふうにされておるわけでございます。

 したがいまして、今直ちにこの委員会を廃止するということは適当ではないのではないかと私どもは考えておる次第でございます。

 なお、今補充人事というようなお話もございましたけれども、補充の必要性があるかどうか、これは任命権者であります総理の御判断にゆだねられておるわけでございますけれども、現時点で私どもが承知しております限りでは、補充を行う考えはないのではないかというふうに存じておるわけでございます。

武田委員 世論形成する上で非常に大きなウエートを占めておられます委員会でございますので、そこのところはしっかりやっていただきたいと思います。

 そして、高速道路については、高速道路というのは、地域を初め、ありとあらゆる価値や可能性というものを高めていくものであると思っておるわけでございます。特に、人と物との流れの拠点となります空港や港湾については、道路によるアクセスが十分確保されて初めてその機能、効力というものを発揮できるものだと思います。特に、高速道路ネットワークと直結することでその機能はさらに高まるものと考えております。

 私は、出身が九州の福岡なわけでございますけれども、特に東アジア地域の中における九州の潜在力というものは生かさなければならない、日本の国際競争力向上のためにこれをうまく使っていかなければならないと思うわけでございまして、空港、港湾とそして高速道路との直結というのは、我が国にとってこれは必要不可欠な施策であろうかと考えておるわけでございます。

 しかしながら、諸外国に比べまして、我が国は、港湾だとか空港だとか高速道路、この歯車が非常にかみ合っていない地域が多々見られる、諸外国は非常にそれがかみ合って一枚の大きな歯車になっているというふうに言われておるわけでございますけれども、現在、我が国の空港、港湾へのアクセスの状況について、諸外国の状況というものを踏まえながらお尋ねを申し上げたいと思います。

林副大臣 我が国の経済の活性化のためには、国際競争力の向上、そして地域の活性化が必要であると考えておりまして、これらを支える陸海空の各モードが一体となった交通ネットワークの形成が重要であると考えております。

 このため、空港、港湾と都市とのアクセスを円滑にする道路整備を進めているところでありますけれども、武田先生御指摘のとおりでありまして、空港、港湾に高速道路のインターチェンジから十分以内にアクセスが可能である割合は、我が国は十五年度末で六割程度でございます。それに比べまして、欧米では九〇%に達しているというところでありまして、依然として低水準であるというところになっているわけでございます。

 今後とも、高規格幹線道路及び地域高規格道路など道路ネットワークを構築するとともに、空港、港湾への道路アクセス率をアップしてまいりたい、目標としては十九年度末に六八%ぐらいまで向上させたいというふうに思って、努力したいと思っております。

武田委員 その六〇%と九〇%の差の三〇%を埋める努力をしていかなければならないと思うわけでございますけれども、身近な例をとって非常に恐縮ですが、今、我々の地域では、念願の北九州新空港が二〇〇六年の三月に開港ということで、急ピッチに作業が進められておるわけでございます。

 この空港は海上空港でございまして、その関連施設等の整備も進められておるわけでございますけれども、東九州軸をなす東九州縦貫道との連結というものが、この空港を光らせる上で大変重要なポイントとなってくるのではないかなと思っておるわけでございます。

 そして、この空港と高速道路との供用開始の時期についても、ずれがあっては本当の効果が見出せないのではないかと思います。限りなくその空港の供用開始時期と合わせる形での高速道路の供用開始というものを進めることが、本当の新しい価値を見出すことにつながるのではないかと思っております。

 そしてまた、この地域は、日産自動車でありますとかトヨタ自動車、そして、ちょっと県境になりますけれども、大分県には中津のダイハツ自動車工場ができます。この三角形でアメリカ・デトロイトに追いつけ追い越せという勢いで、今みんなで自動車工業都市にしていこうと頑張っておるわけでございますけれども、この三つの工場の近隣には多くの部品工場等がずっとありまして、この皆さん方の声を聞いても、やはり輸送コストという問題が一番今頭を抱える問題である。

 これは、海外に向けて、また国内に向けて、いろいろとこの工場でつくられた自動車が運ばれるわけでございますけれども、そうしたことから考えても、民間の国際競争力を強くするということを考えても、やはり一刻も早いこの高速道路等の整備充実を図ることがこの地域そして日本の国際競争力強化につながるのではないかなというふうに思っております

 そこで、この北九州新空港と関連して、東九州縦貫道、これは江藤先生がおられる宮崎県も含まれるわけでございますけれども、とりあえずは、小倉ジャンクションの方から大分県宇佐市までの整備というものが不可欠になってまいりますので、この間の整備見込みについて御質問をいたしたいと思います。

佐藤政府参考人 東九州自動車道は、九州縦貫自動車道と九州横断自動車道と一体となって高速道路のネットワークを形成する、九州の北部では特にトライアングルを形成する、こういう形になるわけでございますが、このうち、小倉ジャンクションから豊津の間、それから椎田南から宇佐につきましてのお尋ねかと思います。現在供用中の椎田道路と一体となりましてネットワークを形成して、北九州と宇佐を結ぶことになる重要な区間である、こう認識しております。

 小倉ジャンクションと豊津間、これは約二十四キロございます。それから、椎田南と宇佐、ここは平成十五年十二月十五日の国幹会議の議を経て、いずれも引き続き有料道路事業として整備を進める、こういうことにされた区間であります。

 小倉―豊津間は事業中でありますが、特に先生御指摘の小倉と苅田の間におきましては、北九州空港の開港にとにかく間に合わせる、十七年度末ということであればそれに合わせるということで、そういう予定を立てて、鋭意事業進捗を図っているところということであります。

 また、椎田南―宇佐は、現在調査を進めている最中でございますので、これにつきましては、コスト縮減、これの具体化を図りながら、本格的な事業実施に向けまして、現在鋭意調査を進めている、こういうことでございます。

 失礼いたしました。小倉ジャンクション―豊津間、椎田南―宇佐間、いずれも平成十五年、昨年の十二月二十五日の国幹会議で、引き続き有料道路で整備しよう、こういうことで進めることとしているところでございます。

武田委員 なるべく早い整備をお願いいたしたいわけでございますけれども、できるだけ。

 地元のことばかり言うなというおしかりを受けましたので、今度は日本全国のことを言いたいと思いますけれども、これは我々が絶対注意をしておかなければならないことがあろうかと思っております。

 これは、例えば高速道路はネットワークを形成して初めて効果を発揮するものであろうかと考えておりますけれども、現在順調に工事が進展しておったとしましても、今回の民営化法案の中には、民営化会社は、自主的経営判断に基づいて、国土交通省と協議をして、建設を行うべき高速道路を指定することとされておるということが盛り込まれておるようでございます。

 現在整備が進められております区間については、その整備とあわせて、地域においてはさまざまな地域振興策でありますとか地域整備計画というものが進められているところでございまして、確実なこの整備が担保をされないことになりますと、迅速で、また、ニーズに的確に対応した地域経営というのが行えなくなってくるわけでございます。

 公団が民営化されまして、会社が高速道路の整備に関して、自主的経営判断、このにしきの御旗を振りかざして、ただ、採算性の観点のみから道路の建設というものを拒否した場合、それはその会社自体、またその会社の株主の皆さんは非常にメリットがあるんですけれども、そこに住む、また近隣の国民には全くメリットがない、むしろデメリットだけが残るといった状況が生まれると思います。

 ですから、新会社が拒否した場合、その拒否が正当かどうかということをきっちりと検討していく必要があると私は思うんですけれども、そこのところの見解をお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 御指摘のように、継続中、調査中の区間につきましては、まず、当該区間が所在する地域を所管する会社と協議をいたしまして、事業を継続するかどうか、こういう点について協議するわけでございますが、その会社が建設できない、継続できない、こういうときには、その他の会社と協議をして、それで、どことも協議が成立する見込みがないというふうな場合には、国は、会社が申し出る理由について社会資本審議会におかけして、御意見を伺う、こういうことであるわけであります。

 その場合、正当な理由があると認められる場合には、国土交通大臣は、当該区間の整備を会社に行わせることができない、こう判断をするわけでありますが、そういう意味では、この一連の経過を結局のところ国民の皆様に十分ごらんいただきながら、本当にその建設を継続しないことに無理があるのかないのかという点についても、御議論といいますか、情報を公開した上でいろいろな御批判をいただく、こういうことになろうかと思います。

 したがいまして、公共性、こういう面も含めて、いろいろな御批判、御意見をいただいて、御判断を広く国民にも仰ぐ、こうした形になろうか。大事なことは、そういう透明性、情報の公開をきっちりやりながら世の中の御意見を伺うというような手続、こういうことが大事なことだということで今度の法律の中に手続が入っておるわけでございます。

 仮に、これらの手続を経ても、なお、本当にいずれの会社も建設を行わない、こういう区間が生じます場合には、国は、構造や規格の見直しなど、さらなる効率化に向けた努力、こういうことも必要だと思っておりますし、関係地方公共団体の意見も聞きながら、新しい直轄方式による整備も含めて、整備のあり方を検討しながら必要な調整を行っていく、こういうことになろうかと思います。

武田委員 くれぐれもチェック機能の強化に努めていただきたいと思います。

 そしてもう一個、道路事業全体にも大きな影響を与えるものとして、きょう、民主党の先生方も来られておりますけれども、高速道路無料化案についてちょっとお聞きいたしたいわけでございます。

 これは、一見、国民、ユーザーの耳には、本当に、ああ、これはいいことだというふうに受け取られがちなわけですけれども、負担の公平性を考えたら、えっという声も同時に聞かれるのではないかなと思っておるわけでございます。

 これは、要するに、無料化により、料金収入を財源とせず、債務の返済財源を現行の予算の中に求めるということでございますけれども、受益者負担の考え方、そして、都市部だけ有料制度を継続するといったことも踏まえた上で、負担の不公平というものが相当目立ってくるのではないかと思っておりますけれども、これは大臣に御意見をお伺いしたいと思います。

石原国務大臣 詳細はまだ御提示いただいておりませんのでわかりませんが、これまでの議論の中で私が感じましたことは、ただいま委員が御指摘されましたように、無料化ということでは私どもも将来無料化でございますので、道路民営化委員会の提言にあったような恒久有料を念頭に置いている上下一体論とは違って、無料化という意味では同じですけれども、私どもは、受益者負担、すなわち高速道路を利用する人に負担をしていただく。それを、民主党の基本的な考え方は租税で負担をするわけでございますから、多くの方々に払っていただこう。

 これは再三再四議論になっておりますけれども、そうしますと、高速道路を使う人使わない人、あるいは高速道路がある地域ない地域、インターチェンジがあるところないところといったような不公平は、委員の御指摘のとおり、やはりどうしてもあるんだと思っております。

 それと、私、東京選出でございますけれども、詳細がわかりませんが、これまでおっしゃられていた案では、東京と大阪の高速道路は有料であるということで、大都会の人は二重の負担、これはある意味での地方と都会との逆差別になるのではないかと私は思っております。

 いずれにいたしましても、御提示いただいたら、当委員会等々で濶達な御意見の交換をさせていただいてみたいな、こんな印象を持っておるところでございます。

武田委員 そして、最後にもう一つ質問させていただきたいんです。

 高速道路の意義というのは、ただ整備が目的ではなくて、それがいかに有効活用されるか、そして、新たなる価値を見出すことができるかということでしょうけれども、今から、民営化に伴って、やはり絶対、まず第一に考えなくちゃならないのは安全性なんでしょうけれども、それと同時に、いかにして利用者をどしどしふやしていくかということを考えていかなければならないと思います。

 これは、利用者をふやしていくためには、やはり料金を割安にする、そして料金システムというものを多様化していく、これがまず大きな柱となると思います。

 そして、もう一つの大きな柱となるのは、インターチェンジの数をもっとふやしていくことが私は必要じゃないかと思います。

 今、日本の中、我々の経験をもとに言いますと、大体十キロぐらいでしょうか、インターとインターの間が。しかし、諸外国では、五キロ、もしくは五キロに満たないインターというのはかなり点在しておるわけでございます。

 我々、地方では、高速道路ができるとなれば、地域の関心事というのは、どこにインターができるかということになるんです。それは、インターができる地域とただ単に高速道路沿線で素通りしていく地域では、将来の展望が開けるか開けないかで大きな違いが出てくる。

 しかしながら、今から、民営化に伴って、各地方自治体がいろいろな民間の企業と組んで新しいアイデアを掲げてくると思うわけです。これがアミューズメントスペースであったり、いろいろなイベントスペースであったり、ショッピングモールであったり、それは多岐にわたると思うんですけれども、そうした事業体が高速道路と連結することによって初めて相乗効果を生み、大きな価値をもたらす。高速道路も利用客がふえるし、その施設自体にも集客数が上がるということで、相乗効果をもたらすと思うんです。

 ただ、事業計画の中に新しいインターチェンジを盛り込んだ際に、手続に時間が余りにもかかり過ぎることによって、事業計画に相当な支障を来して、その事業自体がとんざするケースだって出てくるわけでございます。

 そしてまた、地方においては医療という面が非常に脆弱であって、本当に、脳梗塞でありますとか心筋梗塞でありますとか、一分一秒を争う病気で、交通体系、道路の機能というものが十分果たせないがためにとうとい命が失われたというケースもたくさんあるわけでございまして、高速道路と直結した病院ということも今考えておる地域というのはいっぱいあるわけですね。

 そうしたいいアイデアをどんどん生かして、高速道路のユーザーもふやす、そしてそういった事業で利用するお客さんもふやすという相乗効果を生むためには、手続をスムーズに運んでいただく努力をしてもらわないと困ると私は思っておるわけでございます。

 機能的な地域経営を行っていくためには、インターチェンジの設置というのは、これは不可欠な要素となってくるわけでございますけれども、料金の問題、今からのインターチェンジのあり方の問題についてお答えいただきたいと思います。

林副大臣 高速道路の有効活用はまことに重要なことだと思っておりまして、御指摘の料金の値下げ、そしてまたインターチェンジの倍増はごもっともだと思っております。

 料金の値下げに関しましては、高速道路の利便性を高めてより有効に利用する方策として、ETC活用などによる長距離割引、あるいはまた首都高速道路での夜間割引など、現在社会実験をしているところでございます。

 高速道路の料金につきまして、民営化までに平均一割程度の引き下げをすることになっておりますけれども、それに加えまして、マイレージ割引だったり、あるいは夜間割引、通勤割引等々さらなる引き下げをしようということで、今検討しているところでございます。

 そして、一方、インターチェンジに関しましては、ETC専用のスマートインターチェンジ、すなわちサービスエリア、パーキングエリアから直接出入りできる、そういったようなインターチェンジができないかということで、今年度からこれもまた社会実験をすべく各希望を募っているところでございますし、先生御発言がありました、地域開発と一体となって必要なインターチェンジを適時適切に追加する、地域の要望に応じて、機動的な整備計画の策定、変更を可能にすることが必要と考えられるわけでありまして、そのために、追加的なインターチェンジの設置につきまして、国幹会議の付議事項から除くということも念頭にして、本法案の中で高速自動車国道法の改正を行うこととしているところでございます。

武田委員 機動的な地域経営のためにも、迅速な対応をぜひともお願いいたしたいと思います。本当に我々の文化的生活の充実、そしてまた国際競争力を強めるためにも、さらなる道路行政の充実に努めていただきたい、そういうことをお願い申し上げまして質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 午後五時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後五時九分休憩

     ――――◇―――――

    午後五時三十分開議

赤羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉置一弥君。

玉置委員 小泉総理は、きょうは大変重要な課題を抱え、また時期的にも大変なときでございますが、大変貴重な時間をとっていただきまして、ありがとうございます。

 私ども民主党としても、昨日から、今のイラク問題、特に緊急事態ということで、国会の対応も考えていこうということで論議をしてまいりました。早朝から総理にもいろいろ申し入れをし、もし、急務で閣議を開かれるようなことがあればいつでも御退席をしていただいて結構だということもありますし、委員会も、国土交通大臣もおられますから、そういうときには休憩をする、あるいは延期をするという準備をいたしておりまして、いつでもその心構えで質問をさせていただきたい、こういうように思います。

 また、今回の人質事件、これは私たちにとっては非常にゆゆしき問題でございまして、イラク情勢の中でも予測がされていたとはいえ、これからの対応が大変難しいところでございまして、総理も、日本の国益そして日本国という権威、双方を含めてぜひ善処をしていただきたいというふうに思いますし、また、頑張っていただきたいというふうに思います。

 それでは、道路関係の質問に入らせていただきます。

 今回、総理の就任以来の一つのキャッチフレーズでもありました道路公団民営化の話でございますが、それとともに、郵政民営化とか改革とか、いろいろなことが総理就任以来言われております。そういう中で、私どもは一部やはり共鳴するところもございまして、当初は拍手を送っていたんですが、話を聞くうちに、総理の改革というのは何をどういうふうにするのかなということで、私ども自身も、いろいろな論議の中で出てくるわけですが、総理の改革に対する考え方、そして目的、手法、それから期待される効果、こういうものがなかなか把握できないということがございます。やはり改革というのは、私ども、いろいろな勉強会で学者の方々にお聞きをし、また、イギリスやカナダとかいろいろな国の改革の状況を見ておりまして、一つの戦略を持った、目的を持った政策そして手段というものが改革ではないか、こういうふうに思うわけでございます。

 そういう意味から見て、総理が就任以来いろいろなところで言っておられます改革というものについて、どういう概念で、また、総理としてどういう目的でこのいろいろな改革に着手をされ、実行されようとしているのか。大まかな、大変包括的な質問でございますけれども、基本的な考えというものをまずお聞きしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 政治のあり方として、やはり民間主導の自律的な持続的な経済成長をいかに図るか、経済を豊かにしていくかという点については、この視点が大事ではないか。もとより、税金というもの、この負担をできるだけ少なくしていこうという視点が、現在の財政状況を考えますと特に重要だと思います。

 そういう観点から、私は、今まで、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、いわば余り政府が余計な干渉をしない方がいい。そのためにも、官は民の補完であるという言葉はよく今まで言われておりました。官業は、民業の足らざるところ、民間にはできない、国民にとって必要なことをやるべきだ。そういう観点も大事でありますが、一歩進んで、むしろ民間も、今まで官業の分野だと言われた公共的な分野にも民間も進出できるのではないかという視点が大事じゃないか。

 公共的なものは役所がやる、役人がやる、公共的なものはとうといものだから役人がやるんだ、役所がやるんだ。余り大事なものでないのは民間がやってもよろしいという官尊民卑的な考えを打破して、むしろ、民間企業においても、民間人でも、今まで官業の分野、役所がやっていた分野、公共的な分野においても、民間企業ができるんだ、民間人ができるんだったらどんどん進出してもらう、そういう発想の転換が必要ではないかと思っているわけであります。

 そういう観点から、私は、官業の分野の構造改革が特に大事である。今回、道路公団の民営化も、当初は、私は、道路というのは公共物ですから、公共的な分野、独占的な分野だから、この公団を民間にできるのかなと疑問に思っておりました。しかし、やればできるというのがだんだんわかってきました。

 特殊法人改革もよく言われておりますが、特殊法人の中で一番税金を使っている特殊法人でもあります。よし、これが民間企業にできるんだったら、税金のむだ遣い、なくなっていくんじゃないかな。特殊法人の中では一番大物と言ってもいいでしょう。

 そういうことから、これができるんだったらやろうじゃないかということで、総理に就任してから、いろいろ民間人の方々の意見も聞きながら、今まで不可能と思われた道路公団でさえも民間に任せればできるんだ。今までのような債務をふやすことなく債務を返済できる。料金も、今まで下げたことはない、これも下げることは可能だ。コストも削減が可能だ。そして、立派に民間企業でも運営できるということでありますので、まず、一番困難と言われた、難しい、不可能と思われたところからやってみようじゃないかということで、この道路公団の民営化を決断したわけであります。

 いわば小泉内閣の構造改革、突き詰めて言えば、民間にできることは民間にやってもらおう、そして税金の使い道にしても、できるだけ税金の負担を少なくして国民に必要なものをつくっていこうというのがこの小泉内閣の構造改革の目指すところであります。

 長く言えば切りがないもので、余り質問時間をとっても御迷惑でしょう。簡単に申せばそういうところだと私は思います。

玉置委員 ちょっとお話が長かったんですが、私どもからいきますと、最初、官業と民業と進んできた道が、ある時期、政府が財政的に豊かになった、そして民間も資金力ができたということで、大分お互いが入りまじるようになりました。そして、金融機関に見られますように、ある程度信用的な部分で危険度の大きいものについてはやはり官で育てていこう、そして民の方は、ある程度優良と思われる将来性のある企業について手をつけていこう、こういうことで来られたと思うんですね。

 それで、確かにおっしゃるように、官から民へということで、私たちも、そういう民間でいろいろな活力を得るために、官でやってこられたことを民間で引き受けてまず身軽になろうということがいいかと思います。それは決して小さい政府ということではなくて、ぜい肉をとった政府でやはりこれから日本を支えていくんだということで、ある部分はやはり、小泉さんの言葉じゃないですけれども、骨太の政策があって、そしてそれが国を支えていくんだというシステムがないといけないというふうに思いますが、片方では、本当に民がいいのか官がいいのか、非常に難しいところがある。

 これは一つは、一番お得意の郵政の民営化ですね。これはこの場で聞く話ではないと思いますが、この話と道路公団については、本当にまだ私は非常に疑問を持っているというふうに思います。

 これは、道路そのものはやはり公共性のあるもので、道路資産そのものが民間の利益供与の材料になってはいけないということで、民営会社がもうけてはいけないという一つの縛りをかけられている。こういう縛りがあって、本当に民営化のときに耐え得るような体力がその中でちゃんと根づくのかどうかという心配があります。

 それから、郵政の方も、逆に、いわゆる町の金融機関というような位置づけで、片方では、小さな預金でございますが、小口を幾らも幾らもたくさん集めて、今や二百四十兆円という膨大な預金量を誇っている。片方では、この道路公団初め、もともと財投の資金そのものが国として活用されているわけですね。片や財投に集めた、要するに郵貯に集めたお金を財投に回されているということからいくと、片方では官が活用しながら民営化するのは非常に難しいんじゃないかというふうに思うので、その辺がこれからの大きな問題点かなというふうに思います。

 ここでお答えいただくと、また私以上にお話しになると思いますので、これはもう意見だけにしますが、そういうところから、例えば、では道路だけに限定をしまして、道路公団民営化というのは国民にとってどういうメリットがあるのか、このことを総理がどういうふうに国民に説明をされるのか、ここをちょっとお伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 まず主要な点を申し上げますと、四十兆円と言われる債務を確実に返済しなきゃいかぬ。道路をつくってほしいという声はどこでも大きいわけであります。また、選挙区帰れば、与野党問わず、負担を考えなければ、よりいい道路をできるだけたくさんつくってくれという声は強いわけであります。

 しかし、何事にも、道路をつくるにもお金が必要であります。では、だれが負担するのかということで、気がついてみたら四十兆円まで債務が膨れ上がってしまった。これはどんどんどんどんつくり続けていくと、債務も返済できない、債務もふえていく、これは大変だということにだんだん気がついてきた。まず、この民営化することによって、四十兆円に及ぶ債務を確実に返済しなきゃならない。

 同時に、必要な道路、これはどの地域でも、今の計画というのは、必要か必要でないか、つくってほしいかつくってほしくないかといえば、負担を考えなければみんなつくってほしいと言っているわけですね。こういう点についても、必要な道路をそれではどうしてもつくらなきゃならないんだったらば、だれが負担するのか。道路全体ということを考え合わせれば国全体の財産とも言えますが、やはり一番利益を受けるのは、その地域の、道路をつくった地域の人たちじゃないかというと、その地方の道路の場合に、どの程度の負担ならつくる価値があるか、そういう点も考えてもらわなきゃならない。

 同時に、高速道路といいますと料金を払いますから、普通の道路に比べて特別の便益があるからこそ、本来ただであるべき道路が、料金を払ってでも使おうという気になる。その料金は、高いより安い方がいい。同じ道路をつくるにしても、できるだけコストは低い方がいい。必要な道路は金さえかければどこでもできますけれども、その道路というのはできるだけコストを下げていくべきだ。

 税金を使うにしても、道路料金を納めるにしても、コストというものを十分考えなきゃならぬということを考えますと、やはり債務の確実な返済、料金をできるだけ安くする、そしてコストを削減していく。さらに、ファミリー企業のあり方もいろいろ言われておりまして、そういう点をやはり民営化によって改革できるのではないか、改善できるのではないか。これがやはり民営化の私は一番主要な点だったのではないかと思っております。

玉置委員 今のお話を要約しますと、公団本体に任せておいたのでは、道路建設等の費用がかさんで、これ以上要するに債務がふえてしまって返せなくなる。そして、料金収入以外のファミリー企業等の利益もやはりここで活用していかないと返済ができないということだと思うんですね。

 私どもが、確かに国民の一番の関心事は、今仕掛かり中で約六兆円強の、この予定部分、七百キロぐらいがあります。そしてあと二千キロぐらいは新たに、九三四二まではやろうということになりました。だから、新しい区域が、先ほどの質問にも出ておりましたけれども、いつ工事にかかっていつ完成するんだというふうに非常に興味を持っておられる。

 この民営化がもし成立したならば、その部分は新たな新会社に、要するに工事をやるかやらないかという権限が一応残るということなんですが、最終的にはそこがだめならまた国が指示する、こうなっているんですね。つくりなさいということを決定すれば強制力を持つというふうになっています。ということで考えていきますと、結果的には、新たな新会社が発足をしても、要するに新会社が民間会社として新設するといろいろな費用負担がかかってきて、国が保証はしますけれども、実際にはいろいろな部分にもっと派生的に出てくることから考えると工事はやりたくないというときに、国が強制力でやりなさいというふうなことが本当にできるのかどうか。

 それは民間会社ですから、採算性というものがありまして、大きく割り込んでしまったらまたその会社そのものがもたなくなるということなので、民間といえども、国が三〇%ですか、株をとりあえず当面持っているということで、発言権、人事権もあるとなりますと、やはり言うこと聞かざるを得ないということになるんですね。だから、非常に言葉はいいんですが、私たちが心配するのは、民間の会社にして、道路という公共的なものの運営を本当に維持できるかどうかという心配があります。

 それから、先ほどの、新しい工事に対する地方の要望というのは非常に強いわけですから、これを拒否することが本当にできるのか。小泉総理も、民営化委員会の結論が出るまでに新しいところはつくらないんだとおっしゃっていたんですが、今度法案が出てくるときには、もう新しいところをつくろうというふうに変わったんですね。頑固な意思の小泉さんが変わるぐらいやはり周りの勢いが強いわけですから、とても新民間会社が地域の方々の意見を拒否するというのは非常に難しいと思うんですね。ですから、私たち心配するのは、やはり民間会社としてやるならば、周りからの声をどうやってセーブしていくか、あるいは、最終的には本当に採算の中で抑えていくことができるのかということがこの法案のポイントだと思います。

 そういう意味で、私たちが心配するところをどういうふうにカバーされていくのかというのをまず総理にお伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 これははっきり申し上げていますが、今までの公団方式で今までの整備計画九三四二、全部できるとは限りません。できません。見直さなきゃできません。ここは誤解しないでください。みんなできると思っているけれども、できません。民間会社でできない部分をどうやって国と地方の負担でやるかというのをこれから考えていかなきゃならない。今までの公団方式で九三四二が全部できるということはありません。そこを間違えないでください。できない部分はそれじゃどうやって、民間の自主権、意見も聞きながら、地方の意見、どのぐらいの負担だったらこの道路は必要かということを考えなきゃいかぬ。全部できないんですよ、今までの方式で。誤解しないでくださいよ。

 そして、できないけれどもどうしても必要だという場合には、だれが負担して、どの程度の負担だったらできるか。今までの規格以外で、コストを下げて、どうしたらできるかということの問題であります。

 詳しいことは担当国交大臣がよく答弁しますから。今までの計画どおり、道路公団方式で九三四二キロ全部できるというのは、これは当たりません。

玉置委員 自民党の方も、えっ、できないのという声が出ていまして、道路関係の方といろいろ御相談をされて今回の法律が提案されたということで、結果的には玉虫色だったという話も聞いていますが、私たちからすると、やはり、会社だけではなくて第三者機関のようなところで判断をするという一つの基準を設けないといけないだろうと思いますし、調整に場合によっては国も入らないといけないだろう、こういうふうに思います。

 その辺がどうなっているかというのと、それから、例えば、二千キロできないけれども、では、どういうものだったらつくらざるを得ないのか。つくらざるを得ないという言い方は悪いですけれども、つくる必要があるというふうに判断されるのか。そういう基準とか審査機構というものが設置される可能性があるのかどうか。その辺についてお聞きしたいと思います。

石原国務大臣 この点につきましては、もう再三再四御議論のあった点ではありますが、繰り返させていただきますけれども、評価基準というものをつくれと第三者機関の民営化委員会が御提言されました。これを受けまして、民営化推進委員会の中村英夫教授がドラフトをつくられて、その中の基準というものは、採算性そして費用対便益さらには外部効果。

 それで、道路事業評価手法検討委員会において、地方公共団体の方々あるいは一般の方々から意見を聞きました。その意見の主だったところは、やはり公共公物、玉置委員も御指摘のとおり、公共に資するものであるんだから、採算性だけで判断してはならないという意見が地方から寄せられて、これも議論がたくさんあったところですけれども、災害があったときの代替道路があるのかないのか。あるいは、近くに原子力発電所があるけれどもどうなのか。あるいはまた、基幹病院までの到達距離というものがどのぐらいあるのか。

 こういうもろもろの基準を具体化して、今度はまた、第三者機関であるところの国幹会議に昨年の暮れに諮らせていただきまして、整備計画区間については有料道路方式。しかし、総理がおっしゃられましたように、これまでの公団方式のままではつくれないけれども、必要なものもあるということが厳格な評価基準の中でわかったわけですから、では、それをどうやってつくっていくのか。国の負担をどうするんだ、地方の負担をどうするんだということで、新直轄方式というものを第三者機関の国幹会議で六百九十九キロを決めていただいたわけでございます。

 今後新会社が行うことになる区間、いわゆる仕掛かり路線と言われる二千キロについてですけれども、ここにつきましても新会社の自主性というものを担保していかないと、委員が御懸念の、政治の圧力あるいは国の圧力によって、新会社が、もう採算性も、あるいはこれをつくることによって会社の経営がおかしくなると判断したものについては、民間会社である以上はそれが拒否できる、実質的な拒否権を付与させていただいたわけであります。新会社の自主性というものを最大限尊重し、さらに、新会社の経営判断というものも反映されて、どれだけのものをつくっていくかということを決めていただく。

 さらに、新会社は、自分でつくるということを決めた、お金も、これまでは全国プール制でありましたけれども、自分たちがマーケットから調達して市場規律を導入する、また、それをつくることによって債務全体が膨らむということのないように、民営化時の債務残高を上回らない。

 あるいは、これもずっと議論のあるところですけれども、四十五年で必ず返すということを法律に明記し、そのことが最大のポイントであると総理も申し述べておりますように、それが国民にとってのメリットであるし、さらには、民間経営手法のセンスが入ることによって、弾力的な運賃等々あるいは一般のサービス等々でも、ユーザーである国民が喜ばれるものにしていく。そういう仕組みで今回の法案は整理をさせていただいているところでございます。

玉置委員 私たちが心配するのは、やはり政治圧力といいますか、それと、地方の人たちの願望というのは非常に強いわけでございますから、財政的な面よりも、やはりその面で押されることが非常に多いんじゃないかという心配をします。

 それで、先ほど出ておりました、公団が超過債務とかのぎりぎりのところだというような状態で四十兆を上回る債務を抱えてしまったわけですが、道路行政の方向が変わって、最初は償還主義からプール制に変わったということで、だれの責任というわけもなく膨らんでしまったこの債務、これを小泉総理も危機感を持たれたと思うんです。

 これはだれの責任でこうなったのかということですが、よく考えても私もわからなかったんですけれども、ちょっとお答えいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 だれの責任かというと、やはり政治家というのは、特に、国民のためになる、より率直に言えば、自分の選挙区の有権者の望むことをできるだけしたいというのは、与野党通じた率直な気持ちだと思います。

 やはり、地元で会合を開く、いろいろな意見を聞く、ああ、あそこに道路があればな、この要望というのは切実なものです。そうすると、無理だと言う候補者、議員もいるでしょう。無理なところをやるのが政治家じゃないかという要望にこたえなきゃならない。一生懸命やる。無理を通せば通すほど実力者と言われる。ますます張り切っちゃう。ほかはできないのを、おれのところだけ道路つくってやったぞ。次の選挙でどっと票が入る。ますます張り切っちゃう。こういう政治家のさがといいますか、もう住民の喜ぶことなら何でもやってやろうという気になるんですよ。その一つの例が道路ですね、一番に多い。

 だから、どこで負担するかということも大事でありますが、どれだけ住民の利益になるかということで、どんどんどんどん道路をつくるという要望にこたえてきた。気がついたらこれだけの債務になった。だれかがどこかで負担しなきゃならないというところにやはり気づいてきたと思うんですね。

 それはだれの責任かといえば、それは、ある面においては政治の責任もあるでしょう。しかし、ここでやはり見直して、できるだけ、この負担はだれがするのか、ツケはだれが返すのかということも考えなきゃならない。公共事業は道路だけじゃない。道路以外にも必要なところはあるじゃないか。道路は特定財源がありますから、ほかの予算に比べれば資金も恵まれていたという点もあるでしょう。もろもろありますが、政治の責任でここまでツケを、債務を大きくしてきたのなら、やはり政治の責任でこの債務をできるだけ返していく。後世に余り大きな負担を残さないで必要な道路を効率的につくっていこうというのが、やはり今までの反省を踏まえて、政治の責任ではないかなと私は思っております。

玉置委員 小泉総理の地元には、横横道路とか湾岸道路それから横浜新道とありますね。(発言する者あり)いやいや、もういつも通っていますから。横浜新道は、私が通っているときは五十円だったんですけれども、もうすぐただになるから、ただになるからと、今二百円なんですよね。横横は最近通じたところですけれども、それは別に総理がごり押しでつけられたとは思えないんでね。しかし、もうちょっと過疎の地域へ行きますと、やはり問題ありというところもあるわけです。

 そういうふうにいきますと、道路別に公団の方でいわゆる収支状況というのがありまして、私たちが、今の、だれの責任かというよりも、最後はだれかが処理しなきゃいけないというところから、例えば受益者負担なのか、あるいは国の責任なのか、地方の責任なのか、こういうふうに見ていきますと、それぞれがちょっとずつ負担するというような形がいいのではないかということなんですが、この法律では受益者負担という形で、今後も全部通行料金でカバーをしようという形になっています。

 その通行料金で分けた場合に、例えば東名高速道路というのは、もう償還がどんどんと進んでいまして、実際に必要な償還額の三倍も返しているわけです。それから中央自動車道、これは約一・五倍返しているというふうに、もう既に大幅に返しているところがあります。逆に、それに全然到達をしていない地域が、北海道とか山陽の一部とか四国、九州とかありまして、そういうところは、要するに大きく稼いでいるところの負担によってカバーされてきた、これがプール制なんですね。

 ところが、私たちがこれから心配するのは、東日本、中日本、西日本と分けたときに、では、その収益率のいいところが今度分断されます。分断されて、その納付する金額が変わります。同じレベルで納めていくと納め過ぎになります。同じレベルというか、今までの同じレベルで稼いだ分の計算をされて、料金そのままだからということでやりますと、もう既に三倍納めたところが受益者負担をはるかにオーバーして、それ以上のものを納めることになるということで、決して受益者負担じゃないわけです。それから、今までの過疎の地域の赤字のところが今までの料率で納めると、要するに償還分さえ出てこないという状況になります。やはりこういう差を埋めていくのが税金ではないかと思うんですね。

 自動車関係諸税、今大体六兆円ぐらい集まっていると思いますが、地方税が二・五兆円ぐらいですか、二兆円ぐらいかな。そして四兆円ぐらいが国税ということになりますけれども、やはりそういう中で、一般の道路行政という意味でその差額を埋めていくような、いわゆる国や地方の、要するに責任分担ということが必要じゃないか。これをもっと大きくしたのが我が党の、民主党の無料化案なんですね。ですから、私は余り、両方とも言うといろいろ、公の場ですからだめなんですけれども、やはりそれぞれをうまく活用しないと道路行政というのはうまくいかないんじゃないかと思うんです。

 ある意味で、受益者負担は余りにも過重な負担になっているんじゃないか。高速道路でたくさん通っているところがいつまでも高い料金を払っている。昔の値段に比べたら、国交省さんから出していただいているこの料率でいきますと、もう三倍から四倍になっているということですね。そのぐらいにもう既に値段がはね上がってきて、当初だったらもうとっくに償還が終わってただになっているはず。三十年ですよね。昭和三十八年から、東名が四十四年ですから、七十四年で三十年ですから、七十四年をもう五年もオーバーしているわけですね。

 だから、当初の台数で見て償還が終わって、それよりもたくさん通っていて、三倍払っているという事実が出ているわけです。そこが、今までどおりの料金で通行する、私たちは、それは要するに受益者負担をはるかに上回った負担だというふうに思うんですね。

 私が申し上げたいのは、受益者負担をもう一回見直して、やはりある程度平均化させるためにそこに税金を投入すべきじゃないかというふうに思うんですが、受益者負担の物の考え方と、道路財源がそういう部分に活用されるということについてのお考えをぜひお聞きしたいというふうに思います。

石原国務大臣 その点は、もう既にできている高速道路があります。そして、今、さらに仕掛かり中の二千キロがある。これは、これまでのプール制を前提にやってきたわけですね。ですから、このプール制というものをやっていなければ、委員のおっしゃるように、税でという議論はすぐ行きやすいと思うんですけれども、今の段階では、やはり有料道路を広く利用する、ですから、路線ごとにとりますと差があるのは、まさにプール制の特徴なわけであります。

 しかしながら、これからは、借金の方は、これまでのやり方としてつくってきてしまった以上は、この有料道路を利用する人たちから返していくということを基本にして、ともかく返す。しかしながら、つくる方は、玉置委員が御指摘されたように、東名のお金で北海道の道路をつくるとか九州の道路をつくるということは今回の枠組みの中ではやらないということを初めて明らかにさせていただいたわけでございます。

玉置委員 東名とか名神を走る方が、まあせめて二割、三割ぐらいは余計に払って負担しようという気持ちはあるかもわかりませんけれども、実際には、本当は原価率でいくと五倍近く払っているわけですね、走行、百円かかるのに原価幾ら、そういう言い方で言うと。しかし、償還だけでいきますと約三倍ということがわかれば、この道路は三倍払っていますよということを書いてしまったら、国土交通省がいつも、この道路は税金によって何とかと書いてありますけれども、ああいう形で、あなた方、三倍払っていますよ、四倍払っていますよというと、普通、なかなかそんな、選挙大変ですよね、今度。

 だから、そういうことを考えたら、やはり税金とうまくマッチさせて、受益者負担をある程度、負担感という意味で調整する。しかし、基本は原価に応じてある程度割り振るとか、やはり考えないといけないんじゃないか。だから、全国一律、国幹道路は全部キロ二十九円とかいう計算方式じゃなくて、一般有料道路の場合はその総台数と建設費で算出されるんですから、多少似たようなものをつくっていかなければいけないんじゃないかというふうに思います。特に、今度は会社が分かれますから、その会社の収益にも、収益というか償還財源にもかかわってくるわけで、その辺を思いますと、ぜひそういう配慮をお願いしたいというふうに思います。

 それから、だんだん時間がなくなりました、高速道路の民営化推進委員のメンバーが出されたいわゆる委員会の答申といいますか意見書、小泉総理は、いや、その精神を受け継いでこの法案を出したとおっしゃっていますけれども、先ほどの上下分離の話です。上下一体で民営化というのと、上下分離、上物だけが民営化というところとか、いろいろなところがたくさん変わっているんですね。民営化推進委員会は永久に有料だったんですが、四十五年で無料にするとか、いろいろあります。

 要するに、我々から見ると大分いろいろなところが違うんだけれども、まあ一緒だとおっしゃっているのが、どこが一緒なのかと逆に聞きたいんですが、一つの流れ、考え方なのか、要するにこういう手段でやりなさいということなのか。

 その辺を最後にお聞きし、また、イラク問題で、私たち余り聞いてはいけない、まだいろいろお仕事をされている途中ですが、国民の皆さんにこれだけはやはり言っておかなければという決意でもございましたら最後に言っていただいて、この質問を終わりたいと思います。

小泉内閣総理大臣 民営化推進委員会の意見を私は基本的に尊重すると言ってきました。基本的に尊重できたと思っています。

 どういう点か。まず、四十兆円の債務を確実に返済すること。料金を一割以上下げるということ。分割しなさい、分割できた。ファミリー企業を見直しなさい、できた。コスト削減しなさい、できた。私は、基本的に尊重できたと自信を持って言えると思います。

 イラクの問題につきましては、現在三名の方が人質になられて、この方々をどうやって無事救出するか、これに政府を挙げて取り組んでいるところでありますが、現時点において、いまだ犯人グループは特定できておりません。また、どこにいるかも定かにならない状況でありますが、関係省庁一体となって、無事救出に全力を挙げなきゃいけない。と同時に、日本だけでできないことについて、外国政府機関等に対しまして、できるだけ協力要請をしているところでございます。

 期限が限られておりますので、極めて難しいきつい作業ではございますが、今の時点において、三名の方々の無事救出について全力で取り組んでいるところでございます。

玉置委員 特にイラクの問題は、与野党かかわらず日本国全体の問題ですから、遠慮なく我々にもいろいろな注文を出していただきたいというふうに思います。

 もうともかく頑張っていただいて、三名の救出ができるよう心から祈願申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 岩國哲人君。

岩國委員 岩國哲人です。

 民主党を代表して、質問させていただきます。

 ただいま玉置委員からも発言がございましたけれども、総理は大変な御心労の中をこうしてこの委員会に御出席いただいたことをまず感謝し、残り四十八時間、全力を挙げて、三人の人質の救出のために全力を尽くされることを希望いたしまして、私の質問に入らせていただきます。

 まず最初に、総理のタウンミーティング、私は本会議でこの件について質問いたしました。覚えていらっしゃると思いますけれども、郵政を百点とすれば道路は一点だ、道路を一点とすれば郵政は百点、百倍ではなくて百点という表現で岩手県の皆さんに説明されました。

 これは、郵政の方の仕上がりは百点満点、日本で小学校を卒業した人ならだれでもわかりますけれども、百点といえば、これは百点満点のことと皆さんは受け取るわけですね。総理は、それは道路を一としたら百倍大変なんだというふうに私には答弁していただきましたけれども、タウンミーティングのメッセージはそれとは違って、郵政を百とすれば道路は一点。

 どこが御不満で九十九点の減点をされたのか、どこがお気に入らなかったのか、それを率直に御説明いただけませんか。

小泉内閣総理大臣 それは、タウンミーティングの私の発言をよく見ていただければおわかりだと思いますが、道路を一とすれば郵政は百あるいは百点だということは、百というのは、それだけ何倍も大きな改革だということの表現であります。一、いわば百点満点の一点ということを道路公団民営化は言っているんじゃないんです。

 私は、道路公団の改革、これは点数はつけませんが、もう十分合格点をいただける画期的な改革だと思っています。十点満点の一点でもない、百点満点の一点でもないんです。改革自体を一とすれば一点。

 一つの改革とすれば、郵政の民営化というのは単なる一特殊法人の問題じゃない。これは全特殊法人にかかわる問題で、財政投融資にもかかわる問題だし、国債管理政策にもかかわってくる問題だし、金融にもかかわってくる、保険にもかかわってくる。だから大改革なんだという点を申し上げたわけであります。

岩國委員 いや、総理の答弁を伺いまして、私は何度も記録を調べました。総理ははっきり百点とおっしゃっているんです。百でもなく、百倍でもなかったんです。総理の今のお気持ちが正しいとすれば、はっきり百倍とか百とおっしゃるべきだったと思うんですね。

 それは、道路公団の改革について自分の意のあるところが十分に満たされていないというお気持ちを率直にあらわされて、私は非常に感銘深く聞いておりましたけれども、これはいつまでも言い合いになってはいけませんから、記録の上では、新聞の報道が間違っているんだったら、百点という表現は私は消すべきだと思います。百とか百倍というふうに日本語というものは使うべきだ、私はそのことを申し上げておきたいと思います。

 次に、二番目の質問に移りますけれども、道路公団が今まで債務に対して金利をどれぐらい払ってきたのか。積もり積もって、みんな自分の選挙区に引くためにという先ほどの御説明がありましたけれども、実力者と言われた方、この部屋の額にずらっと並んでいるような人たちに今からツケを回すべきだと私は思いますけれども、しかし、亡くなられた方もいらっしゃるでしょうから、ツケの回しようもない。したがって、我々がこれから払うわけですけれども、この道路公団が過去何十年間にわたって金利をどれぐらい払ったと総理は思っていらっしゃいますか。

佐藤政府参考人 大変恐縮でございます。昭和三十一年以来の累計というものが今手元にございません。

 累計をしたいと思っておりますが、一例を申し上げますと、平成十四年度の決算におきまして、四公団合計で、金利として、供用中、営業中のものに関しましては合計で八千九百六十二億円、これに、建設中の道路に係る分、一千八百十七億円ございますので、合計いたしますと一兆円余り、こういうことになろうかと思います。

 トータル、三十一年以来の数字の方は、多少時間をいただいて累計してみたいと思います。

岩國委員 十兆円をはるかに上回る金利をもう払ってきたわけです。

 総理、そこでお伺いいたしますけれども、こうやって、高速道路、日本の基幹道路、国の防衛のために、あるいは災害のために必要なこういう基幹道路を、こういう借金で金利を払ってつくるものなんでしょうか。私は、こういう国の基幹道路というものは政府が直接紙幣を発行して、国債を発行して日銀に買ってもらって銀行に金利を払って、ですから、借金の負担の上に金利の負担までずっと続けてやるべきものかどうか。

 小泉総理は、政府は通貨を発行できるということを御存じですね。世界の金融の中心ロンドンで若くして留学され、そして大蔵委員会にずっと長く所属され、まじめに委員会にも出席されたと伺っておりますけれども、大蔵委員会で、そういった金利、通貨、紙幣等について十分見識を深められたと思いますけれども、そうした、政府は発行する権限を許されている、今既に四兆円以上の通貨が政府によって発行されております。

 なぜ、こういう国民の永久的資産であり、防衛のために、災害のために、人命を守るために必要な国の最も大切な財産を、十年とか二十年の期限を限ったそういう手形を発行して、しかも金利まで払ってつくり続ける、これが日本の財政をむしろ悪くしているんじゃないでしょうか。

 政府紙幣を発行することにすれば、コストはゼロ、ましてや、今のように、国債を買った銀行や日銀が、金利の変動によって国債の大きな巨額の評価損を出すということもない。なぜ思い切った、財政改革というのであれば、日本の経済構造改革ということであれば、これぐらいのことをやってこそ私は改革にふさわしいとかねがね思っておりましたけれども、総理自身が、政府通貨、政府紙幣の発行について、なぜこれで国を救おうとされないのか、総理の御意見をお伺いいたします。

小泉内閣総理大臣 いや、通貨は印刷すればかけると言いますけれども、これはやはり国の財源というのは、税金と、借金だと国債。通貨の価値を維持するということも大事ですし、印刷すれば確かにできますけれども、それはやはり無理があるんじゃないでしょうか。紙幣の発行権は日銀がありますから、やはり通貨の価値を維持するということも考えなきゃならないんじゃないでしょうか。

岩國委員 通貨の価値はそれによって維持できなくなりますか。そうすると、法律で政府が通貨の発行権限を持っているということはおかしいということになります。既に四兆円以上発行していらっしゃるわけです。

 そういう、税金でもって金利をずっと払い続けるということ、これから毎年二兆円近くを払っていかなきゃいかぬ、この二兆円こそ私は税金のむだ遣いではないかと思います。政府紙幣を堂々と発行して、ちょうど株式会社が、社債ではなくて株式を発行して長期の保有する土地、工場を建設すると同じように、日本国を建設する以上は、私は、建設紙幣というものを発行して、そして、日銀のお金と同じように、日銀よりも政府の方が信用が非常に落ちるというならこれは別です。しかし、政府と日銀の信用は同じだというのであれば、私は、政府紙幣発行に踏み切るべきだ、このように思います。再度御答弁をお願いします。

小泉内閣総理大臣 これは、財源の調達のために政府紙幣を発行するというのは外国もやっていないんじゃないですか、補助的なものはともかく。財源調達のためにはやはり税金と国債、これも節度を持ってやっていかなきゃならない。政府の紙幣を発行すればいいということについては、これは大きな問題を残すんじゃないでしょうか。

内村政府参考人 私の方より、技術的な話について御説明させていただきたいと思います。

 通貨に関する法律といたしまして、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律というのがございます。その中に、二通りの通貨を定義しております。一つは貨幣でございます。もう一つは、日本銀行が発行する銀行券というものでございます。

 日本銀行が発行する銀行券、いわゆる日銀券につきましては、日銀法に基づきまして、日銀法の四十六条でございますが、日銀が発行するということになっております。一方、貨幣につきましては、同じ通貨発行法で、政府の権限となっております。

 したがいまして、通貨のうち、政府が現行法におきまして発行できるものは貨幣でございます。この貨幣につきましては、同法におきまして、いわゆる鋳造貨幣、コインということになっております。

 それでは、その貨幣をどのくらい刷れるのかということでございますが、それは、市中の需要に応じて毎年毎年刷っているということでございます。

 なお、各国とも、政府紙幣を刷っているという、主要国ではございませんで、紙幣につきましては中央銀行に発行権を与えているというのがほとんど全部でございますし、我が国も、日銀は明治十五年につくられましたが、それ以来、日銀券の紙幣の発行権を与えているところでございます。

岩國委員 そういったことはもう事前に調べさせていただいておりますけれども、そういう政府紙幣発行に踏み切らないということ、踏み切ることは禍根を残すと総理はおっしゃいましたけれども、私はむしろ踏み切らないことの方が禍根を残すことになると思います。

 四十兆円、その債務のために、あと四十五年間日本国民は高速道路の料金を払い続けなきゃならないわけです。アメリカ、ドイツ、イギリスは、もうずっと前から高速道路は無料で開放しています。アメリカができたことをなぜ日本ができないんですか。アメリカがつくったテレビ、日本がつくれないんですか。アメリカ以上にいいものをつくっています。アメリカがつくった自動車、日本はつくれないか。アメリカ以上にいい自動車をつくっているじゃありませんか。

 同じ先進国、経済大国、経済先進国と言われている日本の国民が、税金を払った上にまた料金を払わなきゃいかぬ。税金と料金の二度払い。アメリカ、ドイツ、イギリスは税金の一度払い。ここに私は、日本のこういう高速道路情勢それから財政に対する考え方の発想の転換が今こそ必要だと思うんです。

 そういう政府の紙幣を発行できるように、今理財局長が説明されました、法律を変えればそれは発行することはできます。よその国が発行していないから日本はやらない、そんなことじゃないんです。よその国が取らない高速道路料金を日本は取っておるじゃないですか。そういうことから考えれば、外国がやらないから日本はやらないということにならないんです。

 財政事情一つとってみても、日本はもう既に異常な国になっているということは、総理自身がそれを訴えてこられたじゃありませんか。総理から今すぐに御返事ということは大変無理なような感じですけれども、これは日本の政府として私は真剣に考えるときに来ている。

 そして、政府紙幣を発行するメリットというものは、今の国債市場が既に巨額の発行残高でもって、これから景気がよくなったときには、長期金利は上がる、国債価格は暴落する、それでまた公的資金で金融機関を救済しなきゃいかぬ。こういう悪い方のスパイラルにまた入っていくことを防ぐのは、私は、金利変動に左右されない国債、しかも、そのまま現金として通用する国債、金利コストゼロの国債、その三つをそろえたもの、政府紙幣しかないと思います。ぜひ総理の御再考を切望して、次の質問に移らせていただきます。

 私は、三月九日に内閣に対して、道路公団が持っている料金所の建設費それから簿価、いろいろな財務資料を要求いたしました。返ってきたのは過去二年分だけです。せめて五年前のデータはないか、私はさらにそれを要求し、待っておりますけれども、一か月たってもまだやってこない。こういう道路公団の財務諸表の管理状況で、民営化というのは一体できるんでしょうか。

 総理はこの事実は御存じですね。総理のお名前で私は回答書をいただいております。そして、この回答書そのものが、大変な欠陥のある回答書しか私はいまだに受け取っておらないんです。こういうお粗末な財務管理状況で、民営化は本当にできるんですか。これは、絵にかいたもちどころか、絵にもかかれないもちだと私は思っています。総理の御所感をお願いいたします。

佐藤政府参考人 先生からの御要請の質問主意書で、平成十三年度、十四年度分しか料金所に係る事業費がまだ出していない、これは大変な怠慢ではないか、こういう御指摘がございました。

 実は、料金所の工事費となりますと、用地費も含めての事業費をお出しする必要があるであろう。一番難しいのが、ここの用地費は、まず一つは、インターチェンジ全体の中で、筆ごとに買ってまいりますので、料金所そのものに係る部分というのを面積を切り出して、そしてそこに用地単価を掛けていく。補償費が乗っかっておれば、そこも、補償の部分も計上する。正確にやろう、こういうことになりますと、そういう作業が要る。これがかなり手間がかかります。

 それからもう一つ、通常の発注といたしましては、例えば料金所の建物そのものは一体として独立して工事をする場合もあるわけでございますが、他の工事に一緒に発注する、あるいはまた、料金所の周辺の舗装は本線の分と一緒に発注してある。これを区分してまた切り分けるという作業を今しておりますので、そういう面で、物理的に、全国大変な数の料金所を今仕分けさせていただいている。とりあえず十三年度、十四年度分に係る部分をお出しさせていただいて、さらに今作業をしている最中である、こういうことでございます。

岩國委員 レクでそういう説明を伺いました。ですから、十キロ単位で仮に発注したとしても、その中に料金所がある、だから、料金所込みで発注しているから、その分だけ取り出すことはできないというお話ですけれども、実際の工事は、料金所をやっている建設会社は別のところがやっているでしょう。道路をつくる会社と料金所をつくる会社とは大体別々に発注し、したがって、道路公団の方は一本で金を出しておるかもしれないけれども、元請は下請に出して、ちゃんと下請の会社の方にはデータがそろっているはずです、どこが工事をやったか。同じ会社がやっていないんですから。そういう調べ方だって私はあるはずだと思います。

 道路公団の財務諸表の管理の点で私が非常に危惧を覚えるのは、いろいろなデータ、例えば民営化推進委員会からの報告書も私は見ました、読みました。しかし、債務が幾らあるかということについては詳細なデータは挙がっていますけれども、資産が幾らあるかというデータはほとんどない。資産が幾ら継承できるのかわからない。借金ばかり背負わせようという民営化というところが、私はそこにもよくあらわれていると思うのです。借金に関するデータはたくさんやってきます。しかし、資産が幾らあるのか、簿価が幾らあるのか、それを継承してこれから民営会社としてスタートしなきゃいかぬのに、背中に荷物だけ負わされて、ポケットにお金のないような会社がどうやって出発できるんですか。

 総理、こういう実態をもし御存じでないままに民営化論をお進めになっているとすれば、私は、非常にこれは問題が多いし、少なくとも時期尚早である、そのように思います。総理はどういうふうにお考えになりますか。総理の御意見だけをお伺いします。

石原国務大臣 事実関係だけ申させていただきたいと思います。

 委員の御指摘は、資産評価に係るデータが把握できていなくて借金だけ押しつけて、その分割した会社がどれだけの資産を持っているかわからないのは問題であるという御指摘だと思いますので、その点は私どもも同等に考えていて、黒川慶大教授を委員長として、学識経験者あるいは公認会計士の専門の方にも入っていただきまして、民営化時の資産評価のあり方、これは時価会計が私はいいと思うんですけれども、それと会計基準ですね、今は借金は資産の方に入っておりますけれども、そういうもののあり方などについてどうするかということを検討していただいて、この八月には中間答申を出していただいて、こうあるべし、それをパブリックコメントもかけさせていただいて、民営化時における資産評価というものを、委員の御懸念がないように適切にさせていただきたいと考えているところでございます。

岩國委員 総理に質問させていただきます。

 この民営会社の株式の三分の一は政府は保有し続ける、こういうことを発言しておられますけれども、これは四十五年たっても五十年たっても、とにかく三分の一はちゃんと政府が持つんだというように理解してよろしいんですか。総理はどういうお気持ちで発言されたんですか、三分の一以上は。

小泉内閣総理大臣 これは別に永久にということではなくて、十年後に見直すということになっていますから。将来は上場を目指すということであります。

岩國委員 それでは、上場後にも三分の一を持っているということももちろんあり得るということでしょうね。

石原国務大臣 なぜ三分の一に決めたのかというところから若干お話をさせていただきたいんですけれども、これは玉置委員の質疑の中でも、やはり道路というのは公共のものであるという意見が出されたわけであります。私どもも、やはり国民共通の財産である、極めて公共性が高い。ですから、株式保有の割合は三分の一以上に設定して、今総理が御答弁をさせていただきましたように、法律施行後の十年以内の見直し対象とさせていただいたわけでございます。

 三分の一の保有義務についても施行後十年の見直し対象とするということは、時代が大きく変化する可能性が非常に高いわけですね。もういろいろ日本の社会が抱える問題等々も大きく変わっている中で、そのとき道路を管理する会社が、株式、政府の出資がある方がいいのか、ない方がいいのかという議論をそのとき必ずしなきゃいけない。そういう意味で見直しの項目にさせていただいているところでございます。

岩國委員 総理の三分の一発言というのは、私は、総理の一つの民営化に対するある信念あるいは哲学というものに裏づけられたものであるように理解しましたので、私はその真意をお伺いしたかったわけです。

 今の御答弁をいただきますと、三分の一は当分の間、しかも上場すれば臨機応変に、それより高いこともある、あるいは低いこともあると。そういうことであれば、三分の一というのは余り意味のない数字である、とりあえずのめどであるという程度に理解してよろしいわけですね。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 公共財を民営会社、民間会社が所有するということについては、我々は反対しております。公共財、特に国民にとって一番大切な基幹道路を民営会社に保有させるということは、これは問題が多過ぎる。公共財を所有して公共サービスを提供する、私は、こういう仕事こそ官がやることではないかと思います。民にできることは民に、私もそういうことには賛成ではありますけれども、しかし、民がやってはならない、あるいはこういう仕事こそ官がやらなければならない数少ない仕事の一つが、大切な公共財を所有すること、そして、それを使って国民に最大の便宜を提供すること、これこそ公の公、民ではなく官がやるべきことではないかと思います。

 お役人がやれば全部悪い仕事だ、私はそうは思いません。私は何度もこの委員会で発言しましたけれども、民間会社よりもお役人の方が、役に立つ人と書いてあります、そういう役人の方がはるかに私の出雲市ではよく仕事をしております。

 それは、知識のレベル、熱意、そういうところからいえば、私は、役所ほど、使い方さえ上手にやれば、効率のいい、そして最大のサービスを提供できるのは、民間会社ではなくて公共機関がやるべき仕事ではないかと思います。それを安易に放棄すること、これについては非常に問題があります。

 ましてや、我々はそういう主張をしておりますけれども、受益者というのは、ただ道路を利用する人だけではなくて、道路が運ぶ、人、物、いろいろなものがすべて、あまねく日本じゅうに行き渡る、北海道の農家にも、あるいは島根県の漁村にも、そういう人たちは、高速道路があるから早く魚が運べる、早く帰ってきてまた次の仕事ができる、流通コストを下げる。この流通コストを下げていくということのメリットというのは、単に車を運転している人だけではないわけです。受益者は国民全体、そういう考えだからこそ、アメリカでもイギリスでもドイツでも、日本が民主主義のお手本としている国は、受益者は走っている人だけだという議論は起きてこないじゃないですか、もう五十年も。

 それが民主主義の国であり、国民全体が公共財を使い、公共財のメリットというのを国民全体がひとしく分け合っている、これが経済民主主義の根本の考え方なんです。それを、ハンドルを握っている人からだけ取る、そこに乗っている野菜からも取る、トマトからも取る、魚からも高い料金を取る、こういう考え方はもう変えるべき時期に私は来ていると思います。

 そして、繰り返すようですけれども、役所、官にやらせれば民より必ずサービスが悪くなるということは、私は、その官のあり方の方を考えるべきであって、官僚が悪いわけでも公務員が悪いわけでもないと思います。

 その点について、総理は何やら、官よりも民の方が常にサービスがよくて、能率がよくて、よく仕事をしているというふうにお考えのようですけれども、総理はどういうお考えで官と民を考えていらっしゃいますか。特に公共財、公共サービスについてお答えいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 道路は基本的に無料であるべきだという考えもわかりますが、特別の便益を持つ道路というのはやはり料金を取ってもいいんじゃないでしょうか。できたら無料の方がいいですよ。しかし、特別な便益があるんだったら、ただでなくても、払っても使いたいという人がいる限り、私は、それでも道路が必要だというんだったらば、料金を取ってもいい道路があるのではないかと思っております。

 そういう観点からいえば、もちろん役所がやらなきゃならない仕事もあるでしょう。しかし、役所に任せなくても民間でできる仕事があれば、民間に任せた方がより効率的なものができたり運営ができたりという点も多いのではないでしょうか。

岩國委員 総理、一九七二年十月、今から約三十年前ですけれども、高速料金のプール制が始まり、そして三十年後の、つまり二〇〇二年の十月には無料開放される、こういう約束で始まったプール制。三十年間に債務返済は終わる。この、高速道路は有料制でつくる、そしてプール制で三十年後に返済する、今流に言えばマニフェスト、政府の公約というのは、結局守れなかった。おととしから無料になっていますか、借金の返済は全部済んでいますか、両方とも実現しなかったんです。

 総理が、この、有料制で、三十年後に返済したら無料にします、この約束が守れなくなっている、そのプロジェクトXが破綻しているということに気づかれたのはいつごろからですか。総理に伺っているんです。

石原国務大臣 最初に。

 委員の御指摘のとおりだと思います。一九七〇年のときに、三十年後に無料にすると言いました。そして、それが四十年になり四十五年になったけれども、返せなくなった、返せなくなるおそれがある、そういうことの蓋然性が高まったので、総理が民営化という荒療治を行うことによって、この債務をどうすれば返していけるのかというのが今回の改革の原点にあるんだと思います。

 総理の御認識については総理が。

小泉内閣総理大臣 私は総理に就任する前までは、道路公団は民営化は難しいんじゃないかと思っていました、率直に言って。しかし、総理就任後、民間の方々が、いや、道路公団だって民営化できるぞという意見が出てきたんです。本当なのか。よく聞いてみればみるほど、なるほど、これはできるかもしれないと。総理に就任してからです、これが可能だと思ったのは。

 そして、毎年三千億円の税金を道路公団に投入している。これも、やろうと思えば、三千億円投入しないで、ゼロにしても民営化できるというから、そんなことできるのかといっていろいろ意見を聞いてきました。なるほど、そうか、それではやってみようかと。郵政民営化よりも早くできるというから、それじゃやってみようといって、総理就任後に決断したんです。

岩國委員 よく聞いてみればみるほどやれそうだという自信がわいてきたという総理と、我々、よく聞いてみればみるほどこれは問題が多過ぎる、むしろ今よりも悪くなるんじゃないか。

 政府が三十年間かかって守れなかった約束を、民間会社がどうして守れるという保証があるんですか。逆に言えば、民間会社が……(発言する者あり)黙ってください。民間会社が守れるような約束さえも政府は守れなかったということになります。逆に言えば、政府が守れなかった約束を、今度は三十年ではなくて四十五年の勝負で民間会社に守らせよう、こういうことでしょう。

 私が申し上げたいのは、プール制で三十年間有料制でやります、こういう考え方そのものが間違っておった。そして三十年実際にやってみて、そのプロジェクトは破綻したということなんです。いろいろな銀行の破綻についても公的資金が投入されてきました。ちょうど新直轄方式というのは、このプロジェクトが破綻したから、結局、公的資金の投入、税金投入して無料の新直轄方式でやりますと。これは銀行の破綻とほとんど私は性格が似ていると思います。

 そういう民営化についての、総理のこれからの財政改革につながるような発想の転換、そして、この道路公団民営化についての、我々いろいろな問題点を指摘しておりますけれども、総理の御再考をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

赤羽委員長 古賀一成君。

古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。

 せっかく総理が忙しい時間を割いて、この委員会に来ていただいております。めったにない機会でございまして、大変重要な場面だろうと私は思っております。ぜひ、議事の進行、質疑について、環境をうまく整えていただきたいと思います。

 大変総理とは古い御縁のあるこの私、こうして、まさか道路公団の民営化という問題で、質問する方、そして答える方ということで対面するとは、十三年前は夢にも思いませんでした。お隣におられます石原大臣もしかりでございまして、かつて政策集団の同志としていろいろ議論をし、語らったことを思い出しながらここに立っております。

 ただ、私自身、実は道路政策あるいは道路行政に大変深くかかわってきたし、きょう佐藤局長お見えでございますけれども、いろいろな意味で道路というものをある面では愛着を持って深く考えてきた人間だと私自身は自負をしておりまして、したがって、道路の改革というものについては大変関心がある、大変重要なテーマだと思っています。

 しかし、このできた法律が果たして、今、岩國先生もおっしゃいましたけれども、長い目で見て、日本のために本当に、とりわけ地方のために、国民のためにいいものであるかというのを深く深くこれは検証しなきゃならぬ大改革だと思っておりまして、きょうはそういう視点から、本当に重要な点だけしかできませんけれども、総理に質問を申し上げたいと思います。

 まずお伺いしたいのでありますけれども、先ほど総理が二度にわたりまして、民営化というものは、最初はできないかもしれないというか、できるのかなという疑問を持ってこれがスタートしたという話がございました。

 そうなりますと、どういう時点で、私は、小泉総理が行政改革、そして特殊法人改革のトップバッターとしてこの道路公団を選ばれて、どういう目標、そして特に公団改革のトップバッターとしてこの公団を選んだ目的意識といいますか問題意識、そういうものはそもそも何だったのかというものを冒頭にぜひお聞かせいただきたい、かように思います。

小泉内閣総理大臣 先ほどもお答えしたと思いますが、構造改革の主眼の一つが、できるだけむだな税金を使わない、これであります。となりますと、今までの道路公団方式でありますと、費用対効果の問題について厳格な評価はされてきたのかなと。

 それと、不採算路線についても、先ほど申し上げましたように、地域の住民にとっては、ないよりあった方がいいからどんどんつくってくれという声が出てきます。この要望にこたえていきますと、不採算路線の歯どめがきかないんですね。将来だれかが返せばいい、税金をだれかが負担してくれるんだろう、自分たちの地域、これは負担しなくていいんだということになってくると、あるよりない方がいいのかといえば、みんな、ある方がいいと言います。

 それと、プール制の問題も出ました。地方だって道路が欲しいんだ、都会に比べれば通行量が少ない、それだったら道路はできない、ならば通行量の多い、早く採算がとれるところのを回せばできるじゃないか、こういう問題にも、公団方式だとなかなかできない。

 一方、道路公団、道路事業に関するファミリー企業の問題もいろいろ指摘されてきました。いろいろなファミリー企業の不明朗な点、不透明な点、批判を受けました。

 こういう点についても指摘を謙虚に受けとめて、やはり今までの道路公団方式よりは、民間でできるんだったら、費用対効果の問題、採算の問題、借金の返済をどうするか、ファミリー企業の問題等を考えますと、経営努力が生かされる民間人によって経営なり運営を任せた方がより効率的な運営ができるのではないか。また、税負担も、できるだけ少ない負担で必要な道路をつくるという国民の厳しい目も反映できるのではないかということから、私は、できるならやってみようということで決断した次第でございます。

古賀(一)委員 別に総理の揚げ足をとる気はないのでありますけれども、今の総理の冒頭の答弁の中で、私は、大変な大きい誤解といいますか、前提の間違いがあるんじゃないか。

 冒頭おっしゃったのは、むだな税金を使わないと。この税金を使わないというコンセプトの基本が実は有料道路の理念、戦略でありまして、いわゆる個人の、国民の金融資産、当初は個人の金融資産がなかったから世界銀行から借りるという苦肉の策を講じたわけでありますけれども、いわゆる大変おくれた一般道路はガソリン税でつくって、高速道路はひとつ有料というシステムで利用者から負担してもらおう、そういう選択で、税金は使わずに高規格な道路をつくろうというのがまさに高速道路の原点だったわけであります。

 ところが、この今回の民営化のいわば目玉みたいな話にもなっておりますけれども、新直轄方式というのが出てきました。これが唐突に出てきたように私は思います。去年の十二月二十二日、与党合意ということで、公団民営化法が将来出るという中で、今後の高速道路のスキームといいますか、そういうものが合意されたのでありましょうが、わずか三日後に、国幹審、今で言うと国幹会議というものが開催されまして、中村教授ほかの数人の査定といいますか、それに基づいて、何と二・四兆円、将来は三兆円、三兆円にも上る有料道路計画の区間が、わずか二人の先生の査定によって新直轄で、国直轄でやる、税金、もろに税金でやる、全額税金でやる、こういう方式に変わったんですね。

 それは、道路公団から見れば、あるいは将来できる民営化会社から見れば負担軽減になりますけれども、そもそも税金負担を軽くするために有料道路で、有償資金を借りて料金で返済していくというこのスキームをとり、税金は一般道路ということで来た流れからいえば、税金を今度逆に投じて、道路公団の、そういうことになったんです。(発言する者あり)私は今総理に質問しておりますので、よろしくお願いします。

 そういう面から見れば、私は、これは大変発想の逆転した結果になっているんじゃないかと思いますけれども、新直轄方式というものが丸々税金で、しかも大変採算性の悪いと目される二十七路線七百キロ、二兆三千億円事業費、こういうものがこの民営化にかこつけまして国営事業としてやられる、直轄でやられるということについてどう思われますでしょうか。

石原国務大臣 総理の御答弁された税金云々の御議論は、特殊法人としての道路公団に三千億円投入されていたものを、十三年のときに三千億円投入しなくした、そういう意味で税金投入をやめた、そういう御趣旨でございます。

 それともう一点、古賀委員は唐突にこの新直轄方式が出てきたという御意見でございましたが、十四年十二月六日の民営化推進委員会の意見書の中に、合併施行方式による建設など国、地方公共団体等の費用負担等を前提とした新たな制度を、政府において早急に検討すること、こういう宿題をちょうだいいたしまして、もう委員は、道路行政の専門家でございますから、合併施行方式等々が幅広く高速道路建設でも行われていることは御承知だと思いますけれども、さらにどんなものが考えられるのかということで、この新直轄、すなわち税金でつくるという方式を採用したわけでございます。

 それと、もう一点御留意いただきたいのは、ただいま委員が御開陳されました意見に出てまいりました中村英夫教授によりますところの路線ごとの厳格な評価、これによりましたところ、高速道路を採算性だけでつくる、つくらないを決めるには、やはりかなり無理があるということが明らかになって、民営化委員会の答申の中で、客観的な評価基準を各路線ごとに考えてみろ、こういう宿題もこの中でちょうだいいたしまして、それで外部効果とBバイCと採算性の点数をつけさせていただいた。

 その結果、採算性は全くとれないけれども、外部効果としては、つくる、あるいはBバイCにしましても、公共事業でありますので、一を上回る、一に近いものもありますけれども、一を上回るものが大半を占めたわけでございまして、この新直轄、すなわち税金でつくるという新たな手法を採用させていただき、昨年の国幹会議でお諮りをさせていただきまして、多くの国幹会議委員の方々の賛成を得てこういうふうに整理をさせていただいたところでございます。

古賀(一)委員 昨年の六月から検討が始まっておったと。たまたま私はそのとき落選中であったわけでありますが、それはさておいても、道路公団の歴史というか有料道路の歴史、道路整備特別措置法の審議から、公団法から、その後のいろいろな改革、予算編成等々から見れば、この巨大なるシステムを、昨年の六月にそういう提言があった、その七百キロ近いものを直轄に振りかえるということは、これまでの長さから見れば唐突だったと言ってもいいぐらい短い時間の変更だったと私は思います。

 そこで、こういういわゆる改革の方針はなかったんでしょうか。選択肢はなかったんでしょうか。

 それは、高速道路にもっと道路財源を投入しよう、そして料金を下げようという、いわゆるドイツ、例えば、総理が大好きなと言っては失礼ですけれども、ブッシュさんのおられるアメリカもイギリスも全部高速道路は無料なんです。それに一歩でも近づこう、大体いいところまで、戦後、一般道路も整備してきた、だからこれからは道路財源を高速道路に年々シフトして、高速料金を安くしていく方向にシフトしよう、私は、そういう選択肢が一番素直な改革じゃないか。

 もちろん、道路規格の、道路の断面を変えるとか、削減余地はたくさんありますよ。それは民営化じゃなくたってできること。公団にやらせればいいんです。本筋はそうだったんじゃないかと思うんですが、この点について、選択肢として、この本筋の選択肢をどこまで検討されたのかを大臣にお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 例えば平成十六年度の予算で申し上げますと、国費は三・二兆円でございます。しかしながら、その中で直轄事業に充てられている国費が一・五兆円、それから有料道路関係で約〇・二兆円、それから補助関係、補助事業等で一・五兆円、こんな内訳でございます。

 先生の御指摘は、この中でできるだけ、当初、もともと高速自動車国道に十四年度には三千億円入っておったわけでございますから、これをどんどんもっとふやすべし、こういう御議論かと思います。

 御存じのように、電線の地中化であるとか、あるいはまた、あかずの踏切を対策する、これがまた全国で千カ所もある。あるいはまた、首都圏、中部圏、近畿圏の環状道路の整備、これは直轄の国道で、高規格道路として環状道路をやっておるわけでございまして、先生のお話は、ここに余裕があるから、こういうことではないとは思いますが、そういう意味では、現状、どんどんと高速自動車国道に三千億円以上の国費を、五千億だ、一兆円だ、このようにつぎ込むということは、また一方で一般道路事業を大変厳しく集中と選択でやっておりますが、ここから削っていくというのは至難のわざかと私どもは思っております。

古賀(一)委員 これは相対的な評価の話ですから、ここで議論しても成り立ちませんので、これ以上申し上げません。これから石原大臣には折を見ていろんな質問ができると思いますので、総理がおられるので、その次の重要なところに移りたいと思います。

 私は、この改革のスキームの第二点目は、機構と新会社、この存在だと思います。機構については後日に譲るとしまして、この新会社、上場を目指す、こういうことになっておるわけでありますが、常識的に見ましても、あるいは新聞の評価を見ましても、そしてこの条文に組み込まれたいろいろな仕掛けを見ましても、果たしてこれで上場できるんだろうかという疑問を私自身は大変大きく持ちます。

 例えば、この法律では、常時、政府と地方公共団体は三分の一以上の株保有を義務づけられております。これは先ほど出ておったわけであります。こういう会社で、いわゆる民間会社として国と対等に本当に協議できるんだろうかというのを素直に疑問に思うんです。

 そして、自動車道事業といいますか、本体事業で利益は出し得ないという料金設定の仕組みになっております。利益を上げられない会社。サービスエリアでは若干あるかもしれませんが、そういう法律の構成になっております。そして、無論、特殊会社でありますけれども、新株の発行、代表取締役選定の決議、事業計画、すべてにわたって国土交通大臣の認可が必要、関連事業を行うにも事前の届け出、こういう縛りがたくさんあるんですね。

 そうして見ますと、先ほど総理の方から民営化あるいは会社に対する期待の弁もございましたけれども、こういうものを素直に読めば、本当に存分に民営化のメリットを生かせるんだろうか、その前にまず上場できるんだろうかということを痛切に疑問に思います。

 ちなみに、東証から資料をいただきました株券上場審査基準第二条、上場審査という規定がございまして、こういうくだりがございます。一番重要なのは、企業の収益性でございます。

 「相応の利益配当を行うに足りる利益を計上する」、配当を行うに足りる利益、こういうのがいわゆる上場の基準になっておるわけでありますけれども、先ほど言ったような料金設定といいますか、機構に納める貸付料の設定において、利潤というものは見込めない、こういう基本的な仕組みになっておるこの会社は、本当に上場できるんでしょうか。そのできる根拠をお示しいただきたいと思います。

石原国務大臣 ただいまの古賀委員の意見の御開陳にありましたように、道路料金には利潤を含まない。すなわち、一万円の料金に、三%でも五%でもいいんですけれども、仮に利潤を含むと、その費用は一万三百円とか一万五百円になって、その負担は利用者に返ってくる。また、利用者に返ってくるということは、利用者にとってはマイナスであり、会社にとってはプラスであるけれども、返す余裕があるならばやはり債務の返済に充てるべきでありますし、それら以外のところでも十分に上場は可能であると考えたからでございます。

 これも委員は御専門でございますが、平成十四年度で見ましても、SA、PAの売り上げが三千五百億ほどあります。これは百貨店で並べてみますと、個社を出して恐縮なんですが、大体、伊勢丹が四千三百億、阪急が三千二百億、東急が二千四百億の売り上げでございます。

 一方、公団等々に関連して、SA、PAの料金設定というものは公共性を有するということで、これまでは、カレーライスは五百円以上にしちゃいけないとかコーヒーは二百円以下でとか、かなり厳しい指導というものがありましたけれども、これからは民間会社でございますので、そういうものの売り上げというものはかなり伸びるものが予想されるわけでございますし、近藤総裁も申しておりましたように、光ファイバーを利用した情報通信産業というものにも、新会社が事業展開をするということは何の制約もないわけでございます。

 会社が幅広く事業を行うことを認めているわけでございますし、具体的には、関連事業の許可制は廃止させていただきまして事前届け出制、SA、PAの事業につきましては届け出も不要としております。JR等々のキヨスク等々は届け出が必要でございますが、それよりもかなり緩いものにしております。

 そんな中で、民営化を目指すというのが総理のお考えでございます。三分の一の株式保有義務につきましても、先ほども御答弁申し述べさせていただきましたように、法律施行後十年以内の見直しの対象といたします。

 そして、そのとき、先ほど、社会環境が大きく変わっているだろう、こんなお話をさせていただきました。何が変わっているのかということは、人口構成もそうですけれども、一番大切なのは、そのときの会社が市場からどういうふうに評価を受けるかということと、やはりそのときの金融環境の状態。この三月にはJR西の株式を放出させていただいたわけでございますけれども、これも金融市況がよくなければ売り出すことができないわけでございます。

 会社に対する市場評価、金融環境等を踏まえまして完全民営化の可否につきましても検討いたしますし、完全民営化ということは、そのとき市場が評価をするということになるんだと思っております。

古賀(一)委員 今の話を聞きまして、要するに十年後に見直しと。先ほど、十年後の見直しで、いろいろな見直しが考えられるような余地をかいだわけでありますけれども、そうしますと、十年後の見直しで、下手すれば、料金決定に当たり、そろそろ上場だ、利潤も入れていいじゃないか。あるいは、災害も起こった、需要が予測より減った、そうなれば、四十五年償還のあのスキームも見直そうか。

 十年後の見直しのときに、そのとき小泉総理が総理大臣になるかどうかわかりませんけれども、改革のあらしも去った、もう十年前の話だ、でも、この会社は立ち行かない。この十年後の見直しのときに、いわゆるこの四十五年償還、あるいは民間会社よりもむしろ何か第二の公団みたいなことで、永久有料を目指してこの会社が化けるのではないか、こういう危険すら私自身は広く深く考えれば心配をいたします。これは答弁を求めません。後ほど申し上げます。

 それで、最後に、もう時間がなくなりましたので一つ申し上げたいんですけれども、午前中の議論でもございました金利上昇の可能性であります。

 資料も配られたようでありますが、これはイメージだと。でも、私は、四%のこの金利で、過去数十年にわたっての平均金利が三%台だということで、四%は安全サイドだ、それで済む問題だろうかというものを大変心配をいたします。

 つまり、これから、トヨタだって、いろいろな産業が中国でノックダウンというか生産をする。これまでは全部貿易の稼ぎ頭だったものが、むしろ外国に行って日本に輸出をする。行って来いで、日本が貿易黒字から赤字国に転落する、そういう危険性だって大いにあるわけですね。そのとき、金利がどうなる、国債発行がどうなる。そういう、これからの日本の債券市場と金利市場というものは恐らく激動になるのではないかと心配をするわけですね。

 そのときに、四%ではもつけれども、五%になったらこのスキームは瓦解するということを言う専門家もおられるんです。たった一%なんです。そういう面で、この金利は、四%で、過去に比べて安全サイドというので済まない、本当にこのスキームの成否を握る重要な問題なんです。

 これについて、私は、総理として、御心配の向きはないのか、大丈夫だと言明できるのか、言明はできないと思うんですが、この金利の問題が持つ重要性というものについてどういう御認識かを最後にお聞きして、終わりたいと思います。

佐藤政府参考人 技術的な面も多少ありますので、私どもから御説明をさせていただきます。

 将来の採算の一つの試算、返済イメージ、こういう形でやっておりますその前提として、将来金利四%、こういう仮定を置きまして試算をさせていただいたということではございます。

 これにつきましては、道路関係四公団の有利子調達コストが、過去十年間では二・六から二・八ぐらいかかる、それから十五年間では三・七から三・八%ぐらい、こういうこともございまして安全側の四%、こういうふうに設定したわけでございます。

 本日お配りいたしました資料にもつけさせていただいておりますが、そういう意味では、長い時間にどうなるかという点で申し上げれば、過去の推移、こういうもので申し上げれば、調達コストから、例えば物価上昇率を引いたりしますと、見かけ上、実質の金利みたいなことでいえば、二から二・八とか、いろいろな数字があるわけでございますが、これからの社会を考える上では、当面四%ぐらいと設定すること自体にはそれほど無理がないんじゃないかな、そんなふうに思っているわけでございます。

 ただし、午前中の岩國先生の御指摘にもございました、日本の場合には名目成長率はもっと上がるんではないか、そういう場合には、この金利が四%じゃなくて、むしろ成長率の方がもっと上がって収入がもうちょっとふえるんじゃないか、いろいろな見方もあろうかと思います。

 大事なことは、仮に変動が生ずるとすれば、その変動に応じて、例えば返済のイメージで示しましたが、適時適切に見直しながらちゃんとした運営を、今度は機構と会社、さらに国との関係で、それぞれ役割分担しながら適時適切に運営していく、これが一番大事なことだというふうに考えております。

古賀(一)委員 次の質問に移る時間がありませんので、四%パターンだけ出ておりますけれども、これは大変重要な問題であります。試算でも結構です。理事会の方で、幾つかのパターンというもので、私自身は五%になったら破綻するよとある経済専門家に言われてちょっと驚いたんですけれども、幾つかのパターンというものはやはりつくって、今後の委員会審議の中で参考にさせていただきたいと思いますので、ひとつ理事会の方で御検討をいただきたい、かように思います。

 以上で終わります。

赤羽委員長 理事会で後刻検討させていただきます。

 穀田恵二君。

穀田委員 私は、イラク問題について一言だけ言っておきたいと思うんです。

 イラク国内で日本の民間人三人が拘束をされました。人質にして、要求が入れられなければ殺害すると脅迫することは、全く許されない蛮行だと私も思います。

 そこで、きょうの朝も、総理大臣の出席に関して、私も理事会で、きょうは総理をフリーにして、この万全の対処をするところに充てていただく必要があるんじゃないかということも申しました。

 日本政府は、拘束された三人の安全と解放のために、あらゆる努力を尽くすよう求めるものです。そして、政府の行動によって日本人の生命が失われてもやむを得ないとする立場には絶対に立つべきでないと考えています。

 私は、一貫して自衛隊の派兵には反対をしてきましたし、速やかな自衛隊の撤退の決断を行うよう、改めて求めるものであります。

 その上で、今度の道路公団の問題について質問をします。

 御承知のとおり、この道路公団問題の解決、国民は何を願っているかということをずっと調べてみますと、やはり三つあるんですね。一つは、むだな高速道路についてはもうやめてほしい。そして二つ目には、四十兆円にも及ぶ債務は、国民のツケに回すような、負担を押しつけるようなやり方はやめて、きちんとやってほしい。そして三つ目には、高速道路建設にかかわる政官財の癒着を正してほしい、こういうことが中心だと思うんです。

 それで、小泉総理の言う改革というのは、民営化によってそれらが解決できると言ってきましたが、果たしてそうかと私は疑問に思っています。そこで、きょうは、新たな高速道路建設、政官財の癒着、腐敗問題という点を中心にお聞きします。

 総理はかつて、二〇〇一年の十月四日の衆院予算委員会で、こういう問題が最初に大きく議論されたときに、こう言っておられるんです。

 「利用しない道路は本当に必要なのか。」「見直しが必要」だ。さらに、「予定した道路を全部つくると言われたって、幾ら税金を投入したって足りませんよ。」そして、いわゆる九三四二ですね、そのキロを、「全部道路をつくるんだったら、私は民営化できないと思いますよ。」こう言っていたんですね。

 この考え方は変わっていないですよね。

小泉内閣総理大臣 今度の民営化によって、道路公団方式によって全部今までの計画した道路ができるということはない。そして、採算性、費用等を考えて、必要な道路だったらどうやってつくるか、どのような負担が必要か、これが必要だと。だから、私は、民営化によって今までの計画どおりすべてできるということはないということを言っているわけであります。

穀田委員 そこで、先ほども議論したんですよ、この問題について。

 もともとこの道路建設の問題は、先ほど総理もおっしゃいましたように、これは不採算という問題が明らかに出発点だったんです。それで、先ほど石原大臣ともやり合ったんですけれども、その後、便益の問題やさらには外部的要因、いろいろあります。ただ、問題の根底となっているのは、九三四二というものを結局全部つくるかどうかという問題は非常に重要な問題なんです。

 それだけじゃないんです。なぜ私はこういうことを言っているかといいますと、総理、この高速道路の必要性の問題です。

 二〇〇一年一月の内閣府の調査によりますと、高速道路拡充の必要がないとする回答が四六・六%。これに対し、必要があるは三六・八%。それまで、五年前の調査と逆転したわけですよね。そしてそれは、大都市だけじゃなくて、町村のいずれも同じ傾向になっているということが特徴でした。

 その後、二〇〇二年の六月の読売新聞の調査では、必要ないが六六%、必要と思うが二八%。地域別に見ますと、近畿では七五、北海道・東北六二%、九州は五八%が必要ないとしており、この点でも、大都市と地方が差がなくなってきているんですね。(発言する者あり)そういう意見もありますが、今、九州全体が五八%だということは確かなんです。

 私は、民営化については総理と意見が違います。だけれども、今おっしゃったように全部つくるんじゃないんだというふうになるかどうかという問題なんですよ、聞きたいのは。

 しかし、先ほどの議論を通じましても、石原大臣は、抜本的に見直す百四十三キロ五区間は若干削れるだろう、差がある、差異が出てくる、こう言うんですけれども、本当にそれは、年末の国幹審の会議で言っていたこととちょっと違うんですが、結局、九三四二の残り二千キロはやはり建設することになる。

 それは、実は、第一回国土開発幹線自動車道建設会議の昨年行われたところでも、次の五区間のあり方は抜本的に見直すと言っていまして、そこで、ただし、結論は、抜本的ないろいろな見直しを実施し、本格的なコスト削減を図る、それは三ルートなんですね。その後、さらに二区間については、同じく抜本的見直し区間とし、構造、規格の大幅な見直しを行い、抜本的なコスト削減を図るとともに、整備手順についても検討する、これがいわば決定ではあるわけなんですね。したがって、つくらないということにならないんですよ。

 全部つくることになるんじゃないのかということを改めてちょっと問いたいと思います、総理。

小泉内閣総理大臣 それは、有料道路事業で今までの公団方式ではできない、これははっきりしているんです。

 しかし、費用対効果を考えてできない部分、有料道路事業としてできない部分が出てくる。そこについて、どうしても必要だという場合には、どうやって規格を直すか、コスト負担というものをどうして考えるのか。このコストでも必要だというんだったらば、それをだれが負担するというのを考えなきゃいけない。今までの公団方式の規格はできないけれども、規格を変えればできるかもしれない。税負担をしてもいいんだ、地方で負担してもいいんだというんだったら、どういう方法があるかということは十分協議に値すると。

 しかし、今までの方式ではできません。

穀田委員 要するに、前段の石原大臣とは少しニュアンスが違うんですけれどもね。(発言する者あり)いや、違うんです。結局全部つくるんですよ。結局は、九三四二というのは全部つくるということだけは確かなんです、方式はいろいろあるけれども、それは確かなんです。そこはお認めになったと思うんです。

 そこで……(発言する者あり)いや、そうなんですよ。形式は、そうなんですよ。

 では、もう一つ聞きますけれども、一貫して私が指摘しているのは、御承知かと思うんですけれども、一一五二〇、一四〇〇〇、こういうものも含めて将来ずっとつくり続けるということも、これは確かではないんですか。

 そして、それは、こうした高速道路についても新会社が借入金で建設するのかということについては、先ほど議論になりました。そのときに、申請主義だということを大臣は言い、そして参考人は、申請をしなかったらどうするかというと、直轄でつくる、こう言っているんですね。

 だから、結局、そういう点での計画を実行するということについては、一一五二〇、一四〇〇〇、こういう点もやはり、そのことについてはお認めになるということでよろしいですね。

石原国務大臣 先ほど来御答弁させていただいているのでございますが、九千三百四十二キロの整備区間のうち未供用の二千キロメートルについては、総理がおっしゃったのは、これまでの計画はもう前提としないんだ、そういうことを明確に総理はおっしゃられているんだと思います。

 抜本的見直し区間百四十三キロ五区間というものがあるわけですけれども、ここは文字どおり抜本的に見直す、規格もルートも構造も。ルートが変わるということは距離が変わるということでありますから、その結果、整備計画の変更も場合によっては生じるわけですね。

 すなわち、延長がどうなるかということはその結果次第ですから、今、その九三四二が九三四二のままできるかできないのかといったら、できないと総理が御答弁しているとおり、もう距離が問題じゃなくなっているということはひとつ御理解いただきたいと思うんです。

 そして、その一一五二〇の方でございますけれども、これも御答弁させていただいたんですが、いつ、だれが、どういうルートで、どんな手法で整備するかは決まっていません。今後整備を進めるにしても、これまで、初めて事業評価というものを行った、総理も申されておりますように、採算性に、プラス、費用がどれだけかかるのか。費用を下げればBバイCが上がるわけですから、やる。そういうことをお話しになられているわけでございまして、現行の検討過程を前提とすることは、もうここの部分もないんです。抜本的な見直しをしない限りはだめなわけです。それは、もう既にこの二千キロ七十区間でやったことと同じことは、ここのところでもやるということでございます。

穀田委員 それは何度も言っているんですけれども、第一回国土開発幹線自動車道建設会議でも、それは縮小するとか、それは確かに少しの差は出るかもしれませんよ。しかし、現実にはつくるんですよ。そこは確かでして、では、私、角度を変えて言いますけれども、総理、ここは総理に聞きたいんです。

 やはり全総計画にこれは根本があるわけでしょう。四全総、そして五全総とあるわけです。ここには、海峡横断道路プロジェクトも計画され、実際には調査費もつけられて、さらに地元の自治体などでいえば、建設促進のための陳情もやられ、動いている。

 例えば、総理の地元三浦半島と千葉側を結ぶような東京湾口道路だとか、伊勢湾口道路だとか、紀淡連絡道路だとか、関門海峡道路、豊予海峡道路など、建設をし続けていく全総計画というのは根本にあるわけです。これも変更するんですか。そこはちょっと問いたいところ、これは大きな全体計画にかかわる問題ですから。

佐藤政府参考人 先生今御指摘になられた大規模なプロジェクト、これについては長い時間調査をしたりしてきているところであります。しかしながら、全総計画の中で記述されているから必ずつくる、つくらない、こういう問題ではないということであります。

 もともと、基本的に厳しく事業評価しながらということで、この高速道路網全体、あるいはまた、そうした大規模プロジェクトも当然その範囲に入るわけでありますから、BバイCがいかがなものか、あるいは、有料でやるんなら採算性あるいはまた外部効果、ここを十分調査する、それにはまだまだ時間がかかるところが多いと思いますが、いずれにしましても、全総に書いてあるからつくる、つくらない、こういう議論ではなくて、しっかりとした調査、評価をしながらその先を考えていくということであろうかと思います。

穀田委員 なぜこういう問題を提起しているかというと、やはりもともと、むだな事業の典型というのは、そういう、本四架に見られる、さらには東京アクアラインに見られる、こういうものがあるわけですよね。それの、さらに典型としてこういうものが次あるじゃないか、これをやめるならというところを言わない、こういうところからしても、私は、今後もそういう点が続けられる点に大きな問題があるということを指摘したいわけですよ。

 次に、ファミリー企業との関係、それから政治家の介入問題について、一言だけお聞きしたいと思うんです。

 私は、この間の予算委員会で、公団発注の未供用の七十区間の三百六十一件の工事について、先ほどもお話ししましたが、実は落札率が九八%を超えていること、そして、一件の工事以外すべての受注企業、ジョイントベンチャーに公団OBが天下っていることを指摘し、さらに、受注企業から自民党に政治献金が五年間で二十八億円もされているということを取り上げました。

 まさにこういう点が大もとなんです。ファミリー企業という問題も、非常に、腐敗の問題やその構造自体が問題だというけれども、これはもっと大きなところにあるわけなんです。

 そして、私は、その資料を示した際に、できたのは、その際、道路公団から工事の入札状況を初め具体的な資料など情報が開示されていたからです。公団であれば情報公開法の対象となる。しかし、新たな民営会社だと全く対象にならない。先ほど議論して、若干そういう点が明らかになりました。

 そして、大臣は、入札契約適正化法は対象になる可能性があると言っていましたけれども、官製談合防止法は民営会社には適用されない。

 今度の民営会社について言うならば、資金調達する際に政府保証をつけるなど、公共的な性格の強い事業を実施する会社であるにもかかわらず、こういうことになるとすれば、総理、やはり情報の公開も弱まり、国民の監視、国民の目が行き届かないようになる可能性が強いというふうにお考えになりませんか。

 したがって、私は、政治家の介入や政官財の癒着、先ほど端的に申しましたけれども、そういったものに対することが温存される可能性が出てくるじゃないか、その点について、総理の見解を求めたいと思います。総理。

佐藤政府参考人 先ほども申し上げましたように、ごく簡単に申し上げます。

 入札契約適正化法、これが会社に適用されるかどうかという点につきましては、「資本金の二分の一以上が国からの出資による法人又はその事業の運営のために必要な経費の主たる財源を国からの交付金若しくは補助金によって得ている法人」、また、その他建設工事の発注を計画的かつ継続的に行う、このいずれにも該当するものは入札契約適正化法の対象になる、こういうことでございますので、蓋然性を申し上げれば、恐らく民営化された各会社は、本四公団が振りかわる会社はちょっと疑問なところもございますが、しかしながら、基本的にはこの入札契約適正化法の対象になるかな。したがいまして、適正な入札にそれぞれの会社は努めるものというふうに期待しているところでございます。

穀田委員 それ、さっき聞いた話なんですよ。それはさっき指摘したでしょう、僕。だから、入札適正化法というのはあるかもしれない。だけれども、ほかのところだとならぬだろうと言ったんですよ。何を同じことを言っているんですか。それは余りにも不誠実というか、そういうものだと思いますよ。

 私は、総理がこの問題の改革と言った際に、私どももまた国民も、そういう天下りになる、受注企業がそういう形で天下りを受ける、そして談合とも見まがうような事態が生まれる、そして政官財の癒着が出る、こういう問題をなくすことに本当になるのかということを聞いているんですよ。そこを一言だけ、総理、答弁お願いしますよ。

小泉内閣総理大臣 今までの公団方式ではなかなかそういう点がなくならないから、民営化にした方がより透明になるんではないか、効率化が期されるのではないかということで、民営化、決断したわけでありますので、民営化の段階におきましても適正な入札においていろいろな工事がなされるのは当然だと私は思います。

穀田委員 今、透明になる度合いが少なくなるという話をしているんですよ、具体的に。しかも、参考人がお話しされたのは、入札契約適正化法という話はありました。

 私は、そうじゃない、官製談合防止法というのもあると。それから、それは民営化会社には適用されない、それから情報公開法も適用されない。私が今要求した資料というのはそういう形で出てきているものだ。

 しかも、今の日本道路公団法で、大臣がその問題について関与し、さまざまな調査を命じることができる、立入検査もできる。そういう制度も、全部これは民間会社になったらなくなってしまうじゃないか。

 だから、総理が言うような透明の度合いというのは後退するのに、事実として透明になるからできるなんという話は通用しないじゃないかということを私は言っているんですよ。そこはいかがですか。

石原国務大臣 国民の疑惑を招くことのないように適正に運営されるように、指導もしておりますし、通達も出しておりますし、委員の御意見も参考に、また厳しい御指導をさせていただきたいと思っております。

穀田委員 だけれども、それは、そういうことをやっても結局直らなかったということを私は指摘して、この前も質問したんですよ。そういう問題が引き続き残るだろうということを必ず警告して、私の質問を終わります。

赤羽委員長 次回は、来る十三日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時三十分散会


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