衆議院

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第15号 平成16年4月20日(火曜日)

会議録本文へ
平成十六年四月二十日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君

   理事 橘 康太郎君 理事 望月 義夫君

   理事 大谷 信盛君 理事 奥村 展三君

   理事 玉置 一弥君 理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    岩崎 忠夫君

      江崎 鐵磨君    大島 理森君

      梶山 弘志君    櫻田 義孝君

      島村 宜伸君    高木  毅君

      中馬 弘毅君    中野 正志君

      二階 俊博君    葉梨 康弘君

      古屋 圭司君    保坂  武君

      増田 敏男君    松野 博一君

      宮下 一郎君    森田  一君

      渡辺 博道君    岩國 哲人君

      岡本 充功君    下条 みつ君

      高井 美穂君    中川  治君

      長安  豊君    古本伸一郎君

      松崎 哲久君    松野 信夫君

      三日月大造君    室井 邦彦君

      山岡 賢次君    若井 康彦君

      佐藤 茂樹君    穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   参考人

   (慶應義塾大学教授)   榊原 英資君

   参考人

   (社団法人日本土木工業協会会長)         梅田 貞夫君

   参考人

   (ニューヨーク大学大学院教授)

   (東京大学大学院客員教授)            佐藤 隆三君

   参考人

   (財団法人道路サービス機構副理事長)       久保 博資君

   参考人

   (秋田県知事)      寺田 典城君

   参考人

   (大分県知事)      広瀬 勝貞君

   参考人

   (社団法人全日本トラック協会理事長)       野間 耕二君

   参考人

   (シンクタンク山崎養世事務所代表)

   (前ゴールドマン・サックス投信株式会社社長)   山崎 養世君

   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十五日

 辞任         補欠選任

  山岡 賢次君     古賀 一成君

  佐藤 茂樹君     山名 靖英君

同日

 辞任         補欠選任

  古賀 一成君     山岡 賢次君

  山名 靖英君     佐藤 茂樹君

同月十六日

 辞任         補欠選任

  穀田 恵二君     石井 郁子君

同月十九日

 辞任         補欠選任

  山岡 賢次君     古賀 一成君

  佐藤 茂樹君     山名 靖英君

  石井 郁子君     穀田 恵二君

同日

 辞任         補欠選任

  古賀 一成君     山岡 賢次君

  山名 靖英君     佐藤 茂樹君

同月二十日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     宮下 一郎君

  和田 隆志君     高井 美穂君

同日

 辞任         補欠選任

  宮下 一郎君     江藤  拓君

  高井 美穂君     和田 隆志君

    ―――――――――――――

四月二十日

 景観法案(内閣提出第三八号)

 景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第三九号)

 都市緑地保全法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 高速道路株式会社法案(内閣提出第一一二号)

 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出第一一三号)

 日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一四号)

 日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出第一一五号)

 高速道路事業改革基本法案(岩國哲人君外四名提出、衆法第三六号)


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     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案、日本道路公団等民営化関係法施行法案及び岩國哲人君外四名提出、高速道路事業改革基本法案の各案を一括して議題といたします。

 本日は、各案審査のため、午前の参考人として、慶應義塾大学教授榊原英資君、社団法人日本土木工業協会会長梅田貞夫君、ニューヨーク大学大学院教授・東京大学大学院客員教授佐藤隆三君及び財団法人道路サービス機構副理事長久保博資君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、当委員会を代表させていただき、参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。

 本日は、早朝より、大変御多用中にもかかわりませず当委員会に御参加をいただきまして、まことにありがとうございました。各案につきまして、それぞれ皆様のお立場からぜひとも忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。どうか最後までよろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、榊原参考人、梅田参考人、佐藤参考人、久保参考人の順で、それぞれ十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 なお、参考人及び質疑者におかれましては、御発言の際は着席のままで結構でございます。

 それでは、まず榊原参考人にお願いいたします。

榊原参考人 参考意見を述べさせていただきます。

 私は、法案の細部にわたるコメントというよりは、まず、民営化という方向自体が適切な方向なのかどうかという基本的な問題について意見を述べさせていただきたいと思います。

 昨日、二〇〇一年にノーベル経済学賞をとりましたジョセフ・スティグリッツという人が来日しておりますので、たまたま夕食をとって、あした道路公団民営化法案についての参考人の意見陳述に行くんだと言ったら、道路業務を民営化するというのはそれは冗談かというようなことを言いまして、いや、そうじゃなくて、これは真剣に民営化しようとしているんだというふうに申し上げましたけれども、このスティグリッツさんの反応は、欧米の専門家のごく常識的な反応でございます。

 道路業務というのは、一番民営化にそぐわない政府の業務の一つというふうに考えられているわけでございます。

 御承知のように、一部の観光道路を除いては、欧米で、道路建設なり道路の補修工事その他が民間企業によって行われているという例は、私の知る限り、ほとんど存在していないわけでございます。ですから、道路業務というのは基本的に税金あるいは国債の発行をもって行うというのが、これが世界の常識でございます。

 にもかかわらず民営化ということは一体どういうことなのかということについて、若干の意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、どうして民営化にそぐわないかということでございますけれども、民営化の本来の目的というのは、市場の競争にさらすことによって、短期的、中期的、長期的な効率化を促進するということでございます。道路業務というのは、基本的に、民間の競争にさらすということができないような構造になっている。例えば、この幾つかの公団を民営化したところで、新たな民間会社がそこに参入して、そこで競争が行われるということは、およそ期待できないわけでございます。

 例えば電信電話業務の場合には、電電公社を民営化した後、KDDあるいはほかの民間会社がここに参入し、相当強い競争状況に入っていて、そのことによって効率化が達成され、実は大変なコストの削減が実現できているわけでございますが、このような状況は道路については基本的に期待できない。

 それからもう一つは、これは経済学的に言うと道路というのは公共財でございまして、外部経済効果というのは非常に大きいわけでございます。ですから、道路は、道路を使用する人だけじゃなくて、例えばその地域全体に大きな経済効果をもたらすわけでございます。ですから、特定の道路建設が効率的かどうかということを客観的に測定することが非常に難しいわけですね。

 例えば、北海道あるいは離島、そういうところへ道路を引いたとき、これは民間的採算ベースには乗らないわけでございますけれども、外部経済効果というのを考えた場合には、これは国としてやるべきだという判断もできるわけでございます。

 そういう意味で、道路建設を民営化するということは極めて難しいし、それを評価することは難しいし、また、私は不適切だというふうに考えるわけでございます。

 国鉄の場合と電電の場合と若干比較させていただきたいと思います。

 電電の場合、NTTの場合、先ほど申し上げたとおりでございます。電信電話というのは技術の塊のようなものでございますから、民営化することによって、技術開発を促進させる、あるいはマーケットでの競争も期待できるということですね。

 国鉄の場合にも、もともと、私鉄もございますし、バスもございますし、飛行機もございますし、ある種の競争条件の中にあるわけでございます。また、国鉄の場合には、JRの場合には、実は車両に関する技術を持っているわけでございます。ですから、道路に関して言えば、もともとは自動車とその運行計画を持っている組織だったわけでございますけれども、道路の場合には、自動車は全くほかの人が持っており、その運行計画もこちらがコントロールすることはできない。

 そういう意味で、国鉄の民営化というのは、これはやはり国鉄の競争力を高めましたし、効率を高めたわけでございますけれども、道路の場合には全くこれは状況が違う。つまり、線路だけを持っている国鉄なわけでございます、道路の場合には。線路だけを持っている国鉄を民営化して、一体どうやって効率化が図られるかということはどうしても問われなければいけないということで、私は、まず、道路業務を民営化するということ自体の方向が適切ではないというふうに考えております。

 第二点。それでも民営化について、これは国会の中だけではなくて、日本の民間サイドからも相当強い支持があるわけでございます。

 なぜかということでございますが、一つは誤解だと思います。官は悪であり民は善だから、すべて民に持っていけばよくなるんだ、こういう誤解が実は民間サイドにも大変強く存在しておりまして、その誤解に基づいて、何でも民営化すればよくなる、そういう発想があるのは事実でございます。

 しかし、一つ非常に説得的な議論は、財務構造、つまり、民営化することによって公団の財務が金融市場の競争にさらされる。金融市場の競争にさらされることによって、債務の返済が進む、あるいはむだな道路の建設がなくなる。そのことによって公団の資産、負債の構造が実は改善するんです。この条件は、新たにつくられた組織が金融市場に純粋に民間会社として入っていき、その競争にさらされるということが条件になるんです。

 ですから、いろいろ審議をなさった川本さんとか田中さんとか、そういう人たちが期待していたのは、これを民営化することによって財務状況を健全化するということでございます。その前提は、金融市場の競争に新たな組織をさらすということでございます。これはそれなりの一定の効果があると思います。私は基本的には民営化に反対でございますけれども、金融市場の競争にさらすことによって財務構造を改善する効果が理論的にはあるということには反対いたしません。ただ、この点で、新たな法案は大変な問題を含んでおります。

 まず、借入金について政府保証をするということは、これは民間金融市場の競争にさらされないということでございます。どんな民間企業でも、借り入れをするときに政府保証をしてもらえばこれは民間企業ではないわけでございますから、その意味で、政府保証を当分の間でもつけるというのは大変な問題でございます。

 それからもう一つ、民間の金融市場の競争にさらすということについては、投資についての決定がその組織においてなされなければいけません。しかし、今回の法案を見る限り、道路建設について、国土交通省の関与は極めて強いものになっています。これも、投資についても全く、全くという言い方はちょっと極端かもしれませんけれども、投資についての自由度も余り持たない民間会社ということでございますから、実は、金融市場の競争にさらすことによって財務構造を改善するという目的に資するような法案にはなっておりません。その意味で、私は、今度の民営化法案については大変大きな問題が存在していると思います。

 結論から申し上げますけれども、最終的には、道路の建設というのは、国が税及び国債の発行をもって行うものであります。過去、年金の積立金、郵便貯金などを使ったことについてはそれなりの理由があったのかもしれませんけれども、これはできるだけ早いうちに解消し、債務を返済し、本来、国が道路をつくるという、税金でつくるという通常の姿に戻すことが肝要だというふうに思っております。

 以上、私の意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 次に、梅田参考人にお願いいたします。

梅田参考人 ただいま御紹介いただきました梅田でございます。

 本日は、社団法人日本土木工業協会の会長といたしまして、参考人の意見を述べさせていただきたいと思います。

 今さら申し上げるまでもなく、高速道路は、国土の有効利用、一体化にとりまして不可欠な基幹的社会資本でございます。過去半世紀におきまして、我が国では七千キロメーターを超える高速道路のネットワークを営々と築き上げてまいりましたが、これが我が国の発展に多大な貢献をなしたことは、国民の多くが認めるところだと思います。

 高速道路ネットワークが構築されましたことによりまして、私たちはさまざまな面で恩恵を受けております。輸送時間の短縮や物流コストの削減といった物流効率化はもとより、産業立地の活性化や商圏の拡大による地域経済の活性化、各種サービスへのアクセスが容易になることで、国民生活の質的向上など、我々が自覚するか否かにかかわらず、高速道路ネットワークの構築がもたらす効果は極めて大きいと言うことができます。

 このような高速道路ネットワークがもたらす便益をすべての国民が享受できるようにするためには、先進諸国の例を見るまでもなく、現代において必須の要諦であり、高速道路ネットワークの構築や維持は国家的課題でございます。したがって、高速道路ネットワークの構築や維持に当たりましては、直接、間接を問わず、国がこれに関与していくことが必要であると考えております。

 我が国が本格的な道路整備をスタートさせましてから五十年以上経過いたしました今、幾つかの問題点も顕在化してまいりました。

 我が国特有の地形と地質の脆弱性や、地震、台風など毎年のように発生いたします災害などの要因によりまして、我が国の社会資本がコストの高い施設とならざるを得ず、かつ、地価の高さや土地の細分保有、権利関係の複雑さなどから、欧米先進国と比較して、同質、同量の整備を行う場合、コストや時間がかかることにあります。そうしたことから国民負担が増大し、今や四十兆を超える債務を抱えることになったわけであります。

 また、地方分権や財政難などの理由から、整備の手法や整備レベル等につきまして、地方の意思尊重を求める声も増大してまいりました。

 さらに、我が国の高速道路の整備水準は、いまだ欧米先進諸国に見劣りするとともに、中国や韓国などの新興工業国では驚異的な勢いで高速ネットワーク整備が進められており、国際競争力を維持していく上でも、これに劣らぬ整備水準を保つためには、何らかの制度改革、リニューアルが必要となってきたのが現状であろうと思います。

 既に申しましたように、高速道路は、強い公共性を有しておりますとともに、独立したネットワークを形成し、利用料金を課すことが可能であるために、受益者負担の原則を踏まえた有料道路制度によりまして、各公団が、道路管理者にかわりまして高速道路の整備、管理を行う方式をとってまいりました。しかしながら、これまでの公団方式では、企業経営にとって最も重要な組織や予算は国の査定があり、関連事業につきましても、法律によって事業範囲が制限されておりました。

 それに対して、民営化案は、代表取締役等や監査役の選任と事業計画についての許可は必要なものの、取締役の選任や資金計画についての制限はなく、また関連事業についても届け出のみで、経営判断に基づき進出できるなど、経営者としてかなりの自由度が与えられていると思います。自由度のない会社経営は停滞を招くものでありまして、新しい民営化会社は、その点、経営者や役職員にとって、新しい発想での会社運営を可能にするものと考えております。

 ただし、民営化会社によって事業運営が行われるにいたしましても、高速道路自体は国民共有の財産であり、一般の企業以上に、事業運営にかかわるさまざまな情報の開示、いわゆるアカウンタビリティーの向上が重要なポイントになると考えております。

 また、地震や台風などによって大災害を受けやすい我が国の国土条件を考慮し、高速道路が被災した場合の公的支援措置について用意しておくことも重要ではないかと存じます。

 次に、効率的な高速道路ネットワークの構築に向けて、私ども建設業界として直接かかわる点について申し上げます。

 高速道路は、多くの国民が長期にわたって利用する重要な社会資本でありますので、その整備と維持に当たりましては、ライフサイクルコストを重視するとともに、長期の利用に耐え得る品質の確保と維持管理計画が重要でございます。また、周辺環境や景観への十分な配慮も不可欠な課題であります。

 これまで、私ども建設業界は、長大トンネルや海底トンネル、長大架橋などの建設におきまして、我が国の厳しい国土条件を克服しつつ、周辺環境にも配慮いたしましたさまざまな施工方法を御提案してまいりました。例えばシールドトンネル工法では、開削することなくトンネルを掘り進むことに加え、さまざまな技術開発によって大規模な地下空間の創出が可能となったことで、地上の周辺環境などの影響を極力低減させた高速道路の建設がただいま行われております。

 私ども建設企業は、このような絶え間のない技術開発によりまして、構造物に求められる必要な品質の確保、環境への十分な配慮、さらにはコスト縮減を図ってまいりましたが、これらは建設企業の重要な使命だ、そういう認識でおります。

 コスト縮減などのさまざまな要請にこたえるためには、すぐれた技術力と経営力を持つ企業が公正な競争を行える調達の仕組みが不可欠でございます。民営化会社におかれましては、単に価格のみの競争ではなくて、民間企業からの技術提案や、計画、設計、運営管理、維持補修を含めた多様な分野におけるさまざまな提案を積極的に御採用いただきますように、総合評価落札方式など、新しい入札契約制度を一層導入すべきであるというように考えております。

 最後に、高速道路ネットワークの有効活用について申し述べさせていただきます。

 これまで高速道路は、目的地間を結ぶ線的な機能を有する道路インフラとして、さまざまな役割を果たしてまいりました。しかしながら、インターチェンジ整備には、広い用地の確保と多額の事業費を必要といたしましたため、欧米諸国並みの十分な数のインターチェンジを、例えば日本は十キロに大体一カ所でございます、これは米国の約倍でございます、整備することは困難であったわけであります。

 一方、自動料金徴収システム、ETCと申しますが、これは急速にその普及が進展をいたしまして、三月末時点で約二百七十万台、利用率で約一六%になっていると聞いております。ETC専用のインターチェンジでありますスマートインターチェンジは、コンパクトかつ低コストで整備できるだけでなく、サービスエリアやパーキングエリアなど既存の施設をインターチェンジ化することが将来可能となりますため、その整備促進が期待されるわけであります。

 今回の民営化によりまして、これまで容易でなかったインターチェンジやサービスエリア周辺の地域との一体開発、連携開発などが進むことによりまして、高速道路が、従来の線的機能に加えて、沿線にわたって面的な機能を有するものになることが考えられ、物流施設との一体の開発、商業施設やレジャー施設などとの直接のリンク、地域の観光資源の活用、これはサービスエリア周辺の観光地に最短で移動できるということでございます、など地域経済の発展に寄与することができると期待されます。

 また、高速道路の出入り口の増加によりましても利便性が向上することはもちろんでありまして、道路ネットワークがより密なものになっていくと思われます。

 また、昨今のIT技術の進展を背景に、高速道路の機能を高度化し、情報通信基盤として活用していくことも重要であろうと思います。

 いずれにいたしましても、民営化後は、企業ならではの新しい事業展開を期待できると存じます。

 以上で私の意見説明を終わらせていただきます。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 次に、佐藤参考人にお願いいたします。

佐藤参考人 御紹介にあずかりました佐藤でございます。

 ふだんアメリカの大学におりまして、ちょうど一年前から東京大学に来ておりますので、公共経済学の立場から道路の民営化という問題について考える時間がありました。

 結論から申し上げますと、アメリカで公共経済学という学問ができたのが約五十年前でございます。実は、私の恩師のハーバード大学教授のリチャード・マッスグレブという人が初めてつくった考え方、これは先ほど榊原さんが言われましたが、公共財という概念ができました。

 ですから、大学で一番最初に講義をする場合に、公共経済学の講義で出てくる例が二つあります、実際は三つですが。その一つは、公共財の例として公園でございます。それから、公共財の例として道路でございます。それから、公共財の例として防衛でございます、国を守る。この三つが、アメリカの大学では、要するに、大学の一年生から公共財の定義の一番。ですから、そういう公共財を使って民間企業のように利益を求めるということを聞いたとき、私は仰天しました。これは正直な感想でございます。

 もう少し具体的に言いますと、アメリカの道路は通常フリーウエーと言っておりますが、あれはフリーではありません。フリーと言っているのは、一般に二重の料金を取らないという意味でフリーなので、フリーではありません。

 たしか小泉首相が、多分民主党案だと思います、民主党の方がフリーウエーをつくるという提案をされたら、ただより高いものはないというふうに一笑されましたけれども、実はそうじゃないんです。アメリカのフリーウエーというのは、税金、特にガソリン税その他税金を全部使ってつくった道路でございまして、既にガソリンを買うときに税金で道路の建設代を払っているということ。ですから、その上に、もう一回道路を使うときに二重に税金を取らないという意味でフリーなんです。

 フリーウエーの長さを言いますと、七万キロでございます。七万キロといいますと、ちょっと私も初めはわからなかったんですが、地球の赤道を回ったのが四万キロですから、約二倍、地球の周り二倍の道路がフリーでございます。

 もう一つは、道路の民営化をするとむだがなくなるというふうに言っておりますが、私は、道路というもの、公共財というものは、むだと言ってはなんですが、余裕を持って国民のために奉仕するのが公共財の本当の意味で、ですから、日比谷公園に人がもう入って、ちょうど東京の首都高速みたいに渋滞が続くようなところは公共財の役目をしておりません。

 私は、若いときにアメリカ大陸を二回横断しました。例えばミネソタとかワイオミングという、ある意味では山岳地帯の州を通りますと、一時間に一本、対向車と会うくらいです。日本では、たしか、クマが出る道路でむだだという話がありましたけれども、道路というものは大体そういうものなんです。ですから、そういうふうに考えていただかないと、道路の民営化という考え方は、少なくとも、榊原さん言われたとおり、世界の常識にはなかなかアピールすることができないということでございます。

 それから、もう一つ申し上げたいのは、公共財で、だれが金を払うかということです。つまり、道路をつくるとき。

 三つの考え方がございます。

 一つは能力主義。これは英語でアビリティー・ツー・ペイ・アプローチというのを、日本語で、残念ながら、私が言いましたように、アメリカの公共経済学を日本が踏襲しまして、日本で適当な訳をつけた能力主義。能力主義というのは、つまり、所得が多い人が多く税金を払うんだというお金を徴収する方法ですね。

 もう一つはベネフィットアプローチ、受益者負担ということ。ですから、ガソリンを買うということは、何かほかの目的じゃなくて自動車を使うんだ、そのためにガソリン税というものがあるということでございます。

 それからもう一つは、これはちょっと難しいんですが、ボランタリーエクスチェンジといいまして、要するに、今の日本の考え方からいいますと、ボランティア的な精神で、国のために少しお金を寄附してあげましょうということで国にお金を払う。その三つが、道路その他、公共財をつくるときの主要な財源でございます。

 そこで、もう一つここで申し上げたいのは、たしか日本では、民間でやると効率がよくなるという話がございますが、確かにそうです。しかし、公共財のもう一つの重要な点は、公共財は独占財でございます。ですから、新しく独占財を使った企業をつくるということは、今、独占禁止法を改正しようというその一つのトレンドにも沿わないのではないかというふうに私は思います。

 ただ、申し上げたいのは、公共企業体の理論によりますと、コストを必ず安くする、最低のコストを安くする。今までの日本の道路のつくり方は、必ずしも、ミニマムコストというか、最小のコストで物をつくるということに徹していなかったかもしれません。ですから、それは公共の企業体であっても、あるいは公共経済学の立場から見ても、費用最小限、つまり、むだをしちゃいかぬということです。

 今度民間にしますと、その上に、利潤を最大にしようということ。利潤を最大にしようということは、独占企業では競争がありませんので、価格を適当に一番利益が上がるようにつくる、そういうことになりますので、国民の公正の立場からいったら、これは私は一般的に受け入れられるようなものではないというふうに思います。

 最後に、私は、こう言っても、実は今、日本で、ある意味ではハードに対して、つまり建物とかそういうものに対するバッシングが起こっておりますが、それは非常に誤解があると思います。これは短期的なもので、長期的には、日本で例えば高速道路それから首都高速等々の道路をもっともっとつくるべきだと思います。

 最後に、皆さんにお配りしております一番最後の表を見ていただきたいんですが、これは、OECDが、過去五百年間に、イタリア、オランダ、イギリス、アメリカ、日本、フランス、ドイツの経済発展と、どういう原因によってこの経済発展が起こったかということを書いたものでございます。

 簡単に申し上げますと、ここでは、道路というか交通手段の充実と、それから金融市場の安定、これがその国の経済を発展させた、そういうテーブルから、私がここで皆様に御参考までに持ってきたものでございます。

 ありがとうございました。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 次に、久保参考人にお願いいたします。

久保参考人 財団法人道路サービス機構に勤めております久保でございます。

 このたびは、参考人として国土交通委員会に出席する機会をいただきまして、ありがとうございました。

 道路関係四公団民営化法案に関します私の意見でございますが、現在の公団方式より前進したものと考えております。

 その理由としては、第一に、債務の返済について民営化後四十五年間という期限が設定されたことから、また、新規の建設については新会社が経済合理性と営業政策に基づいた判断ができることから、高速道路事業に対し、会社の自主性と責任が明確になったこと。第二に、全国一律のサービスから、高速道路事業の三分割によりまして、地域の実情により密着した事業展開が可能となること。第三に、サービスエリア、パーキングエリア事業については道路区域から除外など、規制の緩和がなされ、現在よりもお客様に喜んでいただける多様なサービスの提供が可能となると思われること。この三点から、前進と考えております。

 さて、私の財団法人での経験に基づきまして、これまでの財団法人の経緯を説明し、これからのあり方について私見を述べさせていただきます。

 まず初めに、高速道路株式会社法案では、株式会社の事業の範囲に、有料道路事業のほか、サービスエリア等の関連事業が含まれております。これは、昨年の三月二十五日、政府・与党協議会において、財団法人はSA、PA事業から撤退することとされ、同じく十二月二十二日の同協議会において、SA、PAの資産は基本的に会社が承継するとされたことに基づいたものと理解しております。したがいまして、私どもとしては、道路公団の民営化に合わせ、道路サービス施設を新会社に譲渡し、SA、PA事業から撤退することになると考えております。

 ここで、財団法人がSA、PA事業に携わってきた経緯や役割について御説明いたします。

 当財団法人道路サービス機構の前身であります財団法人道路施設協会は、昭和四十年に、建設大臣の許可を得て設立されました。名神高速道路の開通を皮切りに、高速道路網の整備が推進されました。長距離を走行されるお客様に対し、休憩所や給油所等の道路サービス施設が必要となりました。当初、道路サービス施設は日本道路公団が直営で行っておりましたが、当時の道路公団には予算上の制約があり、公団にかわって道路施設協会が、民間資金を積極的に活用して道路サービス施設を建設し、また、管理運営してまいりました。

 道路施設協会は、お客様に御利用いただいておりますレストランなどのテナントからの営業料収入として、この収益金を新たな道路サービス施設の建設資金や維持管理費に充当するほか、駐車場を含むエリア全体やトイレの清掃、ごみ処理、道路案内や交通安全啓蒙などに充ててまいりました。また、交通量が少なく、テナントによる経営が厳しいエリアでは、直接財団が営業してまいりました。

 さらには、社会福祉事業として、身障者の有料道路通行料金割引制度への協力、全国の福祉事務所へ割引証六十万冊の印刷と発送を行い、また、高速道路での交通事故で亡くなられた方の遺児約二千名の高校生等に修学資金の援助を実施するなど、収益をお客様に還元してまいりました。

 なお、財団の利益は、すべてを、借入金と合わせて、道路サービス施設の建設、改良に充当してきたところであります。

 しかしながら、道路施設協会が高速道路の道路サービス施設を独占的に運営してきたことについて、見直しの議論が高まりました。平成九年十二月二十六日、特殊法人等の整理合理化に関する閣議において、協会については、業務の独占を排除するため、分割の上、相互に競争を行わせること等が決定されました。これを受けまして、平成十年十月に、二つの財団法人に分割いたしました。

 この二つの財団は、地域の特色を生かし、より個性的なエリアとなるよう、例えばレストランでは、地元特産品を使った名物メニューを開発し、お客様に提供しております。また、ハンバーガーや牛丼など専門店の導入を積極的に行うとともに、お客様のニーズを満たすための品ぞろえにこたえるよう努め、コンビニエンスストアを展開するなど、お客様からは、最近のエリアは変わったなとの声もいただいております。両財団で切磋琢磨しながら相互に工夫を積み重ね、現在、五百十六カ所のエリアにおいて道路サービス施設を管理運営しております。

 一方、私どもは、昭和四十年から三十九年にわたり培ってきた道路サービス施設の建設、管理、運営面での経験やノウハウを蓄積し、その経験のもと、平成十四年にはISO14001の認証を取得しました。また、お客様に安心してお食事をとっていただけるよう、食品の安全性を確保するため、財団独自の衛生管理手法、J―SaPaHACCPシステムを平成十一年から導入しております。そしてまた、約二割の職員が販売士の資格を取得しており、SA、PA事業の専門家集団として全職員が資格を取得することを目指すなど、積極的に意識改革にも取り組んでおります。

 最後に、SA、PA事業から撤退する財団法人としての取り組み状況について御説明させていただきます。

 私どもとしては、両財団の職員が長年にわたって培ってきたさまざまな経験、ノウハウ、資格をこれからのサービスエリア等の関連事業において活用していただけるよう、国土交通省の指導のもと、日本道路公団など関係機関と調整を図り、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

 一方、SA、PA事業から撤退する二つの財団については、一つの公益法人に統合し、その事業内容についても、国土交通省を初めとする関係機関と調整作業を行い、現在実施しております交通遺児への修学資金援助等、身障者への支援のほか、公益法人として適切かつ有効な事業を行えるよう検討しているところであります。

 また、政府・与党協議会において、財団法人は、保有資産を活用し、ETCを活用した社会実験、身障者の高速道路利用への支援等の公益事業を行うことにより、高速道路利用者に還元するとされました。両財団では、有料道路の料金に係る社会実験として、国土交通省と日本道路公団により実施されましたETC長距離割引社会実験に対し、十五億円の協力をさせていただきました。

 また、当財団は、ETCによる割引を身障者が受けることができるようになりましたことを受け、身障者の方々がETC車載器を購入される費用の一部を助成することとしました。昨年の十二月から、日本道路公団の関係会社からの協力をいただき、十五万人の方を対象に総額十五億円を用意し、三月末までに、既に五万人弱の方へ助成をいたしました。

 このように、道路公団民営化に向けての取り組みの一つとして、幅広くお客様に還元できるように努めているところであります。

 国土交通委員会の先生方には、今後とも御指導と御理解を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

 甚だ簡単ではございますが、私の意見陳述とさせていただきます。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 なお、榊原参考人は、所用のため午前十一時五十分に退席される予定でございますから、質疑をされる方は、その旨、御了承ください。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森田一君。

森田委員 自由民主党の森田一でございます。

 さて、ただいまお話をお伺いいたしましたところ、榊原参考人及び佐藤参考人の御意見、大変明確で、これに対する道路に関する質問は後ほどいたしますが、その根底にある問題、特に榊原英資先生に対して前から質問したいなと思っておった問題につきまして、まず最初に御質問させていただくわけでございます。

 まず、我が国は、戦後、我が国の復興に当たりまして、国土づくりということが大変重要な問題であったわけでございます。その基本としまして、これはだれが考え出したのか私もよく存じませんが、終始一貫言われてまいりましたことは、国土の均衡ある発展という概念でございました。そして、国土の均衡ある発展ということで、全国民一致協力して我が国の国土づくりをしていこうということで一生懸命やってきたわけでございます。それはそれなりに大変重要な概念でございまして、大きな働きをなしたと私自身は思っておるわけでございます。

 今日におきましても、五全総におきましても、この国土の均衡ある発展という概念は、やはり看板として掲げられておるわけでございます。ただし、一般的にいろいろ考えられるように、我が国が今日のような低成長時代に入って、そして社会資本の整備その他についてもいろいろな配慮が必要になってくるわけでございます。他方、財政は、御存じのように七百兆円を超える国及び地方の債務があるというような状況の中で、この国土の均衡ある発展、これは我々、私など地方の国会議員といたしまして、ぜひとも守っていただきたい概念だと思うわけでございますが、また同時に、このような新しい時代におきまして、これを従来と全く同じような形で守ることはなかなか難しい点もあるなという気がするわけでございます。

 そこで、国土の均衡ある発展ということを守りながら、しかし、新しい時代に即応したような新しい国土の均衡ある発展ということが意義づけられないかどうか、定義づけられないかどうか。それとも、先ほど道路について明確に言われましたように、国土の均衡ある発展というのはまだ五全総で唱えられておるけれども、これそのものがもう古臭い、だめだというような御意見なのか、榊原参考人にお伺いしたいと思います。

榊原参考人 森田先生の言われたように、一九五〇年代から六〇年代、七〇年代にかけて、国土の均衡ある発展、列島改造論ということで日本のインフラを大きく整備していったことは、まさに日本の高度成長を可能にした非常に大きなバックボーンで、その意味で、過去の、公共事業を中心とする国土の均衡ある発展の政策というのは正しかったんだというふうに思っております。

 ただ、問題は、今後、まさに森田先生も御指摘になったように、国土の均衡ある発展を、公共事業に極度に依存する形で継続するのか、継続することができるのかという問題であろうというふうに思っております。

 私自身は、農業土木に使っているような予算のかなりの部分を、例えば農林水産業の振興そのものに充てる、あるいは観光業の振興そのものに充てるということで、今までの土木事業中心の国土の均衡ある発展から、むしろ地方の産業の振興、地方経済の振興ということに向けてかじを切っていく時期に来ているのではないかというふうに思っております。

 その意味で、先ほど申し上げましたように、やはり道路建設あるいはほかの公共事業を特別扱いしないで、最終的に税金で行うという体制に返ることが、税金を財源としたほかの施策との比較を可能にするわけでございますね。今までは、道路の場合には、有料道路代金は取っている、郵便貯金あるいは年金の積立金は使う、特定財源があるというようなことで、道路の建設だけは極めて優遇されていた。それは私は理由があったことだと思います。過去には理由があったことだと思いますけれども、今は、それは、ほかの財政における歳出と同じようなレベルに立って、一体どちらが国民経済的に望ましいのか、どちらが地方経済の振興あるいは国土の均衡ある発展のために望ましいのかということを、まさに先生方が国会で議論していただいて決めていただく。

 そのためにも道路の特別扱いということはやめて、ほかの歳出と同じレベルに立って選択をしていただくということが極めて重要ですし、それをしないと今後の、国土の均衡ある発展と今森田先生はおっしゃいましたけれども、それが確保できない時代に入ったのではないかというふうに考えております。

森田委員 ありがとうございました。

 それでは、道路の問題の有料道路制度につきましては私は若干違った考え方を持っておりますが、それは後ほど申し上げることにしまして、総論的な話を続けさせていただきます。

 もう一つ、私が非常に関心を持っておるのは、いわゆる一九四〇年体制ということでございまして、これは、昭和十三年の国家総動員法を初めとする四十本になんなんとする法律によりまして、国の関与というのが大変に強化されたわけでございます。これは当時としてはまことにやむを得ないというか、合理的な考え方でございまして、戦争をいかにして効率的に遂行するかということに全力投球をしたわけでございます。したがいまして、物資の統制を初め、雇用、賃金に至るまで統制する。今我々が通常使っております特級、一級、二級という等級づけがなされたのもこのときでございます。

 しかし、戦後、いろいろな改革がなされまして、例えば財閥解体、農地解放そして労働組合の結成等がなされたわけでございますけれども、この一九四〇年体制につきましては、内務省の解体のほかは大きな改正は加えられなかったという状況にございます。

 そういう意味におきまして、今日は、工業国家から情報化の時代に新しく踏み込んできておりまして、いわゆる価値観が多様化しておって、例えば、昔は通産省がいろいろな産業の動向等を考えて、こちらの方に行こうやということでやることが合理的でもあるし、また、我が国の高度成長を可能にした一つの要因でもあったわけでございますが、私の認識では、今日では新しい時代に入っておりまして、価値観が多様化し、そしてマーケットの作用なしにはなかなか、官がいろいろなことを考えて一定の方向に引っ張っていくということには向かない新しい時代に入っているのではないかと思うわけでございます。

 そういう意味で、どこまでそういう点から発想されたか私はよくわかりませんが、小泉内閣の官から民へという意味におきましての方向性としては正しいと思っておるわけでございます。私は、道路についても、官から民への一環としてこれは評価したいということでございますが、恐らく先生の方は、そこの最後の点は評価しないということかもしれませんが、前段の方の一九四〇年体制そのものについて御感想をお伺いしたいと思います。

榊原参考人 私、一九四〇年体制を今や大きく変えるべき時期に来ていると。いや、実はもう二十年前から変えなきゃいけなかったことだというふうに思っておりますけれども、それがほとんどなされていない。唯一なされたのは、森田先生と私が属していた大蔵省を解体するということでございますね。それ以外についてはほとんど一九四〇年体制の解体はなされていないということでございまして、この意味で、大きく言って、官から民へ、規制の緩和という方向性は、私は正しいと思います。森田先生のおっしゃったとおりだと思います。

 ただ、官から民だけではなくて、一つつけ加えさせていただきたいのは、一九四〇年体制というのは大変な中央集権体制でもあるわけですね。ですから、これを地方分権する。私はよく地方の知事の方とお話をするんでございますけれども、どうして三重県の山奥で二車線なきゃいけないんだ、一・五車線でいいじゃないか、その方がコストも安くつくし、そういうニーズもない、それを一律に国土交通省が規制をかけて、全国同じようなものをつくらなきゃいけないというのはどうも理屈に合わないんじゃないかということを大変多くの知事さんが言っております。

 その意味で、かなり公共事業についても地方分権をするということが、やはり一九四〇年体制を大きく変えていく意味で重要なことだと思います。特に公共事業について地方分権ということを相当やっていかなきゃいけないのではないかというふうに思っております。

 ただ、私がここで申し上げたいのは、先ほど佐藤先生もおっしゃいましたけれども、官から民にそぐわない事業というのが幾つかありまして、道路事業というのはまさにそれでございますから、道路事業というのはまさに公共財の典型でございますから、これは効率を上げなければいけない。あるいは民間に一部委託するというようなことがあってもいいかもしれない。しかし、これは、国が防衛と同様にきちっとした財政をつけてやっていくということが極めて重要だと思いますので、その最後の点だけ、森田先生と私は意見を異にしております。

森田委員 ほかの参考人の皆様方に対しては後ほどちょっと質問させていただきますが、引き続き榊原参考人にお伺いするわけでございます。

 さらに大きな話をしますと、アルビン・トフラーが二十年前に「第三の波」で唱えたように、五千年前の農業革命あるいは三百年前の産業革命に次いで、現在は情報革命の時代であるということが当時言われておって、これがインチキであるかどうかということは広く議論をされたわけでございますが、私は当時から、このアルビン・トフラーというのは本格的な学者ではありませんが、しかし、言っていることは間違いないんじゃないかなという気がしておったわけでございます。

 そして、今日、情報革命というのは、いろいろな意味で、コンピューターの発達等によってこれが可能になってきたわけでございますが、もう一つ、先ほどの一九四〇年体制とは別に、こういう時代であるということを認識すれば、やはりこれまた、官がいろいろなことを考えてやる時代ではない。総合的な、国の総合力を生かして、マーケットも含めて、これらを活用して国の方向づけを決めなきゃいかぬ時代がこのような大きな意味での第三の波の時代ではないかというふうに思っておるわけでございますが、この点について榊原参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

榊原参考人 まさにおっしゃるとおりでございまして、たまたま私、アルビン・トフラーに六カ月ぐらい前に、ある国際会議で会いまして、彼がああいう本を出したのはもう二十数年前でございますけれども、やはり私が言ったのは正しかったろうということを申しておりました。

 まさに、大きな第三の革命が世界を大きく変革している時代に入ってきた。情報通信だけではなくて、いろいろな意味で十八世紀の末の産業革命に匹敵する、あるいはそれ以上の変化が起こっているということだと思います。ですから、日本が一九四〇年体制を変えるということだけではなくて、実は西欧近代が、ポストモダンを目指して大きく今変わっていっている時代だというふうに思います。

 この中で、やはり民間セクターの果たす役割、これは単に企業だけではなくて、NPO、NGOの果たす役割、あるいは個人の果たす役割が非常に大きくなってきていると思います。その意味で、今までの国家の機能の中枢にあった公共事業のあり方というのも大きく変えなければいけないというようなところに来ていると私は思います。

 例えば、PFIのようなことをもっと活用して、民間の活力を活用して公共事業の効率化を図るというようなことをぜひやらなければならない。一部ではもうPFIを使っていろいろな試みがなされているわけでございますから、やはりこの国土交通省関連の問題についても、時代が大きく変わったんだという認識のもとに、民間を利用する、NGOを利用する、あるいは個人の活力を利用する、そういう方向で大きな政策転換を図っていただきたい。

 また、今の規制については、やはり地方分権を含めて、大きく規制の緩和をしていただきたいというふうに思っております。

森田委員 それでは、各参考人にお伺いするわけでございます。

 先ほどちょっと申し上げましたが、私は、戦後、我が国の復興に当たって、そしてまた、さらなる成長を目指して、いわゆる税金だけで道路をつくるのではなくて、有料道路制度で料金を取ってそれを償還していくという制度をとったことは正しいし、また、これはある意味では大いなる発明であったというふうに評価しておるわけでございますが、この有料道路制度をとったことについて、榊原参考人、梅田参考人、佐藤参考人、久保参考人、それぞれ御意見をいただきたいと思います。

榊原参考人 私は、たしか道路公団ができたのが一九五七年かと思いますけれども、一九五〇年代に公団方式を導入して有料道路をつくり、有料道路代金を使って日本のまさに均衡ある国土の発展、あるいはインフラストラクチャーの整備を図ったということ自体は、これは間違っていたとは思っておりません。その意味で、私は森田先生と意見を一にいたします。

 ただ、これはどこかの段階で解消しなければいけない。つまり、どこかでこの債務を返済して、これは郵便貯金と年金の積立金でございますから、年金の積立金を公共事業に使うというような例はほとんどないんですね。今まで歴史的に例があったのは、アウトバーンをつくるのにヒトラーが年金積立金を使ったということはございますけれども、それ以外は、私の知る限りではほとんどありませんから、これは極めて異例な、極めて例外的な措置であった。ただ、そのときは適切だったと思います。ただ、これはどこかで解消しなきゃいけない。もう少し早い時期に解消すべきだったというふうに私は思っております。

 その意味で、過去には正しかったんですけれども、やはり大きく時代が変わり、あるいは、既にある程度のインフラができた段階では、この制度を解消して、本来の制度に戻るべきだったというふうに思っております。

梅田参考人 今の御質問でございますけれども、私は、日本の歴史を見たときに、高速道路が計画されてから五十年なんですね。先進諸外国では道路の整備がはるかに進んでおりまして、これから五十年の間に七千キロの日本における高速道路をつくるためには、どうしても受益者に負担してもらって有料道路化をするということだからこそ今の高速道路の総延長が実現したんだ、こう思っております。

 高速道路は確かにネットワークで構成されていますし、非常に有料化しやすいということもありまして、日本の投資資金の問題から有料化せざるを得なかった。しかし、それが今の状況をつくっているということは言えると思うんですね。

 以上です。

佐藤参考人 一九五七年でしたか、日本の道路公団ができたのは。実は、アメリカの高速道路法案が通ったのは一九五六年でございます。ですから、アメリカは既に、日本が道路公団ができたときに全く別の方向に行ったということですね。それが一つの点。

 私は一九五七年にアメリカへ行きましたが、感覚的に、当時のアメリカと日本の生活水準は、今の状態で言いますと、国をべっ視した意味では全くございませんが、日本とベトナムとの差ぐらいありました。ですから、そういうときに日本で税金を使って高速道路をつくるというのは現実的じゃなかったかもしれません。

 ただ、ここで申し上げたいのは、アメリカでは一九五六年前に、税金を使って道路をつくるという法案ができる前に、リンカーン・ハイウエー協会という民間の団体が高速道路をつくっていたんです。日本は公というか国から民間に移る。アメリカは逆に民間から国に公共財として移った。そういう、歴史がちょうど反対に動いております。

 これはアイゼンハワー大統領がリンカーン・ハイウエーに、リンカーン・ハイウエーというのは今でもございますが、民間でつくったハイウエーですが、若いときに軍事目的のためにそこを通って、もうこれは道路になっていないということで、国でつくらなきゃいかぬということで、初めは、日本と同じように国債あるいはその他の、税金以外の方法でアメリカのいわゆるフリーウエーをつくろうとしましたが、上院、下院で否決されまして、要するに今のような状態になったということです。

 ですから、森田先生の御質問に対しての第一の答えは、当時としてはやむを得ないし、ある意味では、たしか阪神かどこかで世銀からお金を借りたという事実もございますので、そういう意味で仕方がないというか、ですが、やはりあの制度あるいは今の制度をずるずる続けていくというのには全く合理性がないというふうに思います。

久保参考人 私は日本道路公団に長く勤めておりましたので、その経験に基づいて言いますと、やはり一九六〇年代の初めぐらいはかなり道路の整備がおくれている。それで、その当時からモータリゼーションが非常に進展してきた。早く道路をつくろうというような制度で、財源問題と道路整備を急ぐという観点から有料道路制度が導入されたと理解しております。

 道路公団はその実施部隊で、技術力を高めながら割合効率的に今まで高速道路を建設してきて、管理をうまくやってきたというふうに思っております。

森田委員 それでは次に、今回の法案になる前の段階で世論は二種類ありまして、一つは、私自身が陳情の中で道路の陳情が一番多いわけでございます。野党の先生方は別かもしれませんが、私の場合はそうでございまして、そういう意味からいくと道路建設に対する要請が大変強いということがありますが、他方、マスコミ、新聞その他を中心にしまして、むだな高速道路をつくるのは全く非合理的だというようなことがございます。

 そもそも、この辺で道路というものがほぼ一段落をしてきておるのか。まだまだ、先ほど佐藤参考人は、やはり国の発展の基盤であるから十分に整備すべきであるという御意見を述べられましたが、道路そのものについてどのようにお考えかということについて、四人の参考人の先生方によろしくお願いします。

榊原参考人 私は道路問題の専門家ではございませんけれども、少なくとも一般の日本国民の感情からいいますと、道路整備は相当程度進んできたという感じを持っているんだと思います。ただ、一部の地方においてはまだまだ道路整備が必要だという声があるということは十分理解できるところでございますけれども、やはり今まで、道路整備あるいはそれに類似した公共事業に向けてきた財政資金をほかの項目に向けてほしいというような要望が非常に強くなってきた。恐らく森田先生のおられる選挙区等でも、必ずしも公共事業だけではなくて、ほかの方法で地域経済を活性化してくれというような声もあるのではないかというふうに理解しておりますので、専門家ではございませんけれども、私の理解では、道路に係る公共事業は、成熟したという言葉を使うのがいいかどうか知りませんけれども、一つの成熟した段階に来ているのではないかというふうに私は理解しております。

梅田参考人 私は、やはり道路整備というのは、今後も必要なところへ必要な道路整備を続けていくべきだというように考えております。

 ただ、規格を高速道路としてすべて統一しないで、需要予測によって規格を変えていく、構造を変えていく、そういう必要はあると思うんですが、今言われている九千三百四十二ですか、それはもちろんのこと、必要な道路を構築していくということはこれからも必要だというように思っております。

佐藤参考人 私も、やはりアメリカにおける経験から申し上げたいと思います。

 私は、二十年間、ニューヨーク大学とハーバード大学の兼任教授をやっておりました。九月十一日の例の事件以来、ちょっとハーバードに行くのは恐ろしくなって、今やめておりますが、その行き方にはいろいろ方法がありますが、時間の関係で、自動車で行った方が非常に効率的です。四時間半から五時間かかります。ニューヨークとボストンの距離は約二百マイル、ちょうど東京と名古屋の距離でございますが、行く方法は四つのフリーウエーがございます。全体のコストは五ドルでございます。五ドルは大体六百円ぐらいですね。橋を渡ったときの、トールと言いますが、その料金等々を含めて五ドルでございます。

 ですから、一番最初の答えとしては、道路はもっと必要だというふうに私は思っています。

 ただ、道路をつくっておくだけではなくて、それを使うような方法、今は道路を使わない一つの理由は、料金が高いからです。料金が高いですから、宝の持ちぐされでして、全然使っていない。アメリカの場合は四つの道路があって、それを全部使っている。ですから、交通渋滞が原則的にないということですね。

 それからもう一つは、道路を多くつくることによって発展、つまり、ニューヨークとボストンの間には大きな都市がいっぱいございますが、昔は余り使われなかったハートフォードというコネティカットの町がありますが、大きなハイウエーが通ることによって保険の中心になりました。

 そういう意味で、日本の場合、東京と名古屋の場合、今、第二東名をつくるかどうかということを盛んに議論がありますが、私はつくっていただきたいというふうに思っております。ですから、それを使う方法をもうちょっと合理的に考えていただいた方がいいんじゃないかというふうに思っております。

久保参考人 私も、必要な道路はこれからも整備すべきだと考えております。

 特に道路の場合は、個々の道路の区間で全体の経済効果が出るんじゃなくて、やはり基幹道路と日常生活道路が上手にネットワークされたことによって経済効果も大きくなるわけでございますので、そういう観点から、例えば高速道路につきましても、九千三百四十二キロ、これは少なくともネットワークとして必要な道路ではないかというふうに考えております。

森田委員 それではさらに、基本的なことにまた戻るわけでございますが、私は、二〇〇六年から我が国の総人口が減るということは、これは大変大きな出来事であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、その点を私よりもっと強く考えるある方は、特に名前は申し上げませんが、ある評論家の方は、今後人口が減るという事態に対処するためには、公共事業等をうんと削減して、それで特殊出生率の向上のために使うべきであるという御意見でございます。

 ただし、この御意見につきましては、私は、少々財源を投入しても、とても出生率の向上というふうには結びつかないと思っております。それよりはやはりちゃんと社会資本の整備をやっていった方が、財政には、いわゆる適切な資源配分という問題とそれぞれの所得分配という問題それから景気対策という問題、三つの機能があるわけでございますから、三つの機能を考えれば、そのような考え方はどうかなという気がしておるわけでございますが、こういう意見について一言ずつ、何か御感想があればよろしくお願いします。

榊原参考人 今の御質問にお答えする前に、先ほど、道路建設のニーズがあるという意見がたくさんございますけれども、ニーズはこれは間違いなくあると思うんですね。問題は、財源が限られた中で、どのニーズにどう対応するかということでございます。道路建設のニーズがあるのは当たり前のことでございます、無料でつくってくれるわけでございますから。ですから、ニーズがあるということと建設すべきだということは必ずしも両立しない命題だというふうに考えております。

 それから、今の、出生率が向上しないんではないか、若干の補助金を出しても向上しないんではないかという森田先生の意見には全く同感でございます。私も娘がおりますけれども、私の娘が、それでは補助金をもらって三人子供を産むかというと、とてもそんなことはあり得ないだろうというふうに思うわけです。

 実は、これはちょっと問題がそれますけれども、この問題で重要なことは、これから外国人の移民をどう考えるかということだろうと思います。一方では非常に問題もありますけれども、そのことを真剣に考えなければいけない時期ではないかというふうに思っております。

 そういう意味で、出生率は向上しないんだから社会資本の整備を進めていくべきだということは別に反対ではございませんけれども、やはり社会資本の内容ではないかというふうに思っております。

 今までのようなタイプの道路建設あるいは農業土木、そういう社会資本に関しては相当飽和状態に来ているんではないかというのが私どもの主張でございまして、本当に必要な社会資本は何かということについては、大いにこういう委員会で議論をした上で先生方にお決めいただきたいというふうに思っております。

梅田参考人 これから高齢化社会に入るわけでございますが、高齢化社会に入りますと運転免許を持っている人が高齢化していく。そして、一般道路でもそうですし、高速道路は、そういう人たちがスピードを出す車と競合して運転するということは危なくて仕方がないということで、運転免許を持っているけれども、もう高齢化して運転をしないという人がふえてくると思うんです。

 そういう人たちのために、何か高速道路の方でIT化した情報の提供だとか、それからサービスエリアの車庫入れなんかを自動化するとか、そういうふうな試みを私どもは国交省と一緒に今考えているところでありまして、そういうものに対する対応もこれから必要になってくると思います。

 それから、道路は皆必要だと思っている。だけれども、今の経済状況をもってして、どうして必要な道路、皆に要求される道路をつくっていくかということが、私は今回の一つの議題であると思うんです。

 四十兆を超える債務がある、高速道路についてそれだけの債務がある。その中で、新しく要請を受けている道路をいかにしてつくっていくかということの一つの考え方が、やはりここで言う民営化の考え方じゃないのか。民営化が先にあって今議論しているわけじゃなくて、そういう債務をどう処理していくか、しかし、必要な道路をどうつくっていくか、こういうことに対する解決策の一つとして今の民営化が提案されている、私はそう受けております。

 これが完全な解ではないと思います、今の民営化案は。だけれども、非常に一つの進歩した考え方であるんじゃないかというように思って、私はこの案に賛成の立場をとっております。

佐藤参考人 子供が少なくなったということの問題ですが、実は、これもやはりちゃんと経済学者が考えているんですが、所得水準が非常に低い国では、子供というのは、親から見て生産財なんです。ですから、子供を働かせて、子供が手伝って所得の補助にするということです。それがだんだん所得が上がるに従って、子供はぜいたく財になる。早く言えば、耐久消費財という言葉、これはシカゴ大学のノーベル賞のゲーリー・ベッカーの言葉ですが、耐久消費財ですから、冷蔵庫や自動車と同じなんですね。裕福な家庭は冷蔵庫を一つ、それからだんだん二つと要りますが、十は要らないんです、冷蔵庫は。ですから、子供は親の勝手な消費財としてつくられたもの、生産には全く役に立たない。

 ですから、そういう状態でいかに子供を多くふやすかというのは、一つは、長期的には所得をもっともっとふやすことです。

 その例として、アメリカで、例えばロックフェラー家それからケネディ家等々のお金持ちの人たちはぜいたく財を多く持っている、つまり子供を多く持っているんです。しかし、いわゆる中流階級の人たちは、日本もイタリアもアメリカも大体少ないですね。

 私は田舎が秋田県の湯沢市というところですが、そこへ行きますと、やはり過疎の問題で非常に困っている。どうすればいいだろうという話で、私は答えは知りませんけれども、皆さんが、田舎でも同じですが、今、一人子供をつくろうと思っている人が二人、二人つくろうと思っている人が三人と、一人ずつ多くすることによって過疎の問題は解決しますよというふうに、人のことですから勝手に言っているわけですが。

久保参考人 私は森田先生のおっしゃるとおりだと思っております。

 特に、少子化と同時に高齢化が進むわけですから、少なくとも、まちづくりの一環として、高齢者に配慮したようなまちづくりあるいはインフラの整備をもっともっと進めるべきだと考えております。

森田委員 それから、私がちょっと理解が不能なことに、我が国が年間百六十キロの道路整備率であるのに対して中国が年間四千キロということで、中国はまだ開発途上にありますからわからぬでもないし、広大な面積ですからわからぬでもないんですが、しかし同時に、そういう数字を見ておりますと、きのう大津でやはり参考人の方から御意見をお伺いしたんですが、その中の一人の方が非常に強調されたのは、我が国の国際競争力と道路ということについて強調されたのでございます。

 中国のそういう道路整備なども含めまして、総合的に国際競争力と道路という点について何か御意見があればお伺いしたいと思います。

榊原参考人 私は国際競争力というのは非常に重要な観点だと思いまして、むしろ日本が国際競争力をロジスティックスの面で失っているのは、高速道路代金が高過ぎるからだと思います。その意味で私は民主党の無料化案に賛成でございますけれども、宝の持ちぐされを今やっておりまして、実は、これほど高速道路代金が高い国はないわけでございますね。それに加えて、空港使用料が高い、あるいは港湾のいろいろなコストが高い。ですから、日本は、ロジスティックスに関するコストはもう圧倒的に高いわけでございます。

 そうすると、このままでいくと、先生御心配のように、ハブ空港、ハブの港はみんな中国や韓国に行ってしまうということで、日本はアジアのハブという役割を放棄せざるを得なくなると思うんですね。その意味で、私は、やはり高速道路代金は無料化し、空港使用料は下げ、あるいは港湾のコストを下げるという努力を国土交通省がもっと力を入れてやるべきだと思います。

 これは極めて深刻な問題だと思います。恐らく、中国の内陸から九州まで物を運ぶコストと、九州から東京に物を運ぶコストでは、後者の方が高い可能性があると思うんですね。その意味で、国際競争力という点でもっと日本のロジスティックスのコストを考えるべきだというふうに私は思っております。

梅田参考人 日本の高速道路の料金が高いということは、私もそのように思っております。しかしながら、これを無料化するということになるとどうなるか。これは税金で対応をしていかなきゃならぬということでありますが、これには私は反対なんです。

 やはり受益した受益者がこれを負担してつくっていくという基本は守っていかなければならない、こういうことでありまして、それを税金で負担するということになりますと、高速道路の受益に関係していない方にも税金で負担していただくということになるので、私はこれは反対でございます。

 では、しからばどうするんだということになりますが、これが今議論しているところでありまして、その一つが、先ほども申しましたように、民営化をするとすればいろいろな規制が変わる、その規制が変わったことによって、償還資金もそこで料金から出てくるし、しかも新しい投資もできるということではないか、これが一つの案だということで考えております。

佐藤参考人 基本的には榊原さんの意見と非常に近いと思います。

 やはり道路は国の基幹産業のまたそのベースにあるものでございますので、そこで非常にコストがかかるということは、日本経済の競争力をなくすということはもうこれは明らかでございます。

 それから、卑近な例でございますが、ニューヨークに来られますと、皆さん、タクシーは初乗りが二百円でございます。日本は六百六十円ぐらいですか。ですから、もうそこから違っているんですね。タクシーが汚いとか運転手がどうだとかという問題はありますけれども、結局五分ぐらいの間にAからBというところに行くのには十分でございます。

 それからもう一つは、中国の問題がありますが、私は、今の話とはちょっと関係ないんですが、最終的には中国の為替レート、中国元ですが、これが切り上がりますとそれほどの差はなくなるかもしれないという長期の見方です。ですが、国際競争力の点からいったら、道路をやはり、フリーじゃありません、一回だけ払うという、税金でも何でもいいんですが、一回払う。

 それからもう一つは、受益者という立場からいきますと、ガソリン税それから自動車重量税ですか、そういうものをもう既に払うということは自動車を運転するわけですから、一般の消費税とかそういうものとは違う性質の目的税を自動車の高速道路に充てるという方法を考えられた方がいいんじゃないかというふうに思います。

久保参考人 輸送に係るロジスティックの競争力ということになろうかと思うんですが、一つは、空港、港それぞれを基幹の道路で効率的にネットワーク化する、そういうことが競争力が高まる一つの要素だと思っております。

 また、榊原先生がおっしゃったように、特に高速道路は日本の場合は非常に後発部隊でございまして、しかも有料制をとったために、それと、国費の投入がヨーロッパの有料の高速道路に比べて非常に比率が低いといった関係で、フランスとかイタリーの通行料に比較しますと三倍ぐらい今高くなっております。これを、民営化会社になって、できれば、効率的に経営して少しでも下げていただく努力をしていただきたいというふうに思っております。

森田委員 ありがとうございました。以上で終わります。

赤羽委員長 奥村展三君。

奥村委員 民主党の奥村展三でございます。

 きょうは、四先生方、大変お忙しいところ、こうして参考人として御出席をいただきまして、ありがとうございます。

 先ほど来、十分間の基調のお話をお聞かせいただいたわけでございますが、まだまだもっといろいろなお考えをお持ちであろうと思います。質問させていただいた流れの中でまたお話をいただきたいというように思います。

 私はやはり、先ほどお話がございましたように、道路は国民共有の財産であるというように思っております。そうした流れを考えていきますと、今回のこの民営化法は、どうも民営化ありきが先行しているのではないかなという思いをいたしております。郵政の民営化等も最近またやかましく言われておりますし、JRの、改革されて民営化されたのとちょっと違うのではないか。

 JRは、民営化されて、それぞれの旅客会社が競争して、サービス合戦なんですね。服装も違うなら、いろいろなことをやって旅を楽しませてくれる。そういう意味では、私は確かにこれはよかったというように思うんですが、どうも道路という、先ほどいろいろお話をいただいた流れの中に、それと一緒にして、道路も民営化したらいいんだというような単純な話ではないというように私はずっと思ってもきましたし、我が党も、後ほどいろいろ御意見を賜りますけれども、無料化案を今提出させていただいていろいろ議論していこうという流れでございます。

 特に榊原先生の方にお伺いいたしたいのは、四十兆円の債務があるわけなんですね、我々が試算いたしますと四十四・七兆円ぐらいあるんですけれども、これを四十五年間かかって返していく。こんな返し方が本当に正当化されていけばとんでもないことであり、そして民営化されていくということは、企業、一民営会社ですから、これはやはり利潤を求めていかなければならないんですが、利潤は求めないとも言われておりますし、ちょっと矛盾したことが非常に多いというように思うんです。

 そういうような流れで考えますと、先ほど、税や国債をもって、責任を持って国が進めるべきだと先生はおっしゃいました。この四十兆円の借金をどういうように返したらいいという、何かいい方法はありませんか。一遍お伺いしたいと思うんです。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

榊原参考人 実は、いろいろ道路公団のバランスシートの問題が大分去年あたり話題になりましたけれども、民間的な企業会計の原則を道路公団に当てはめれば、これは事実上の債務超過だということが言えるんだろうと思いますね。

 事実上の債務超過に陥っている公団の債務をどうするかということでございますけれども、これは、例えば公的な役割を担っている銀行の場合であれば、公的資金の投入をして国有化をするということになるわけでございますね。ですから、まさにこの債務に対する対応としては公的資金の投入ということが考えられるわけですが、これは民間ではございませんけれども、公団でございます。

 公的資金の投入というのは一体どういうことかというと、国債による借りかえということだと思います。今までも政府の保証がついていたわけですから、ある意味では政府がギャランティーしていたわけですね、それは。ですから、そのギャランティーに基づいて国債によって一気に借りかえてしまうという案が一つあると思います。これは、どちらかというと民主党案はそれに近いと思います。

 それで、一気に公的資金を投入しないで少しずつ投入しながら、有料道路代金を徴収し続けて、それで債務を返済するという方法ももちろんあるんだろうと思います。

 ですけれども、今の政府案の問題は、実は過去の債務の返済プランはあるようでございますけれども、借入金に政府保証がついていますから、新たな債務がさらに大きく膨らむ可能性があるわけでございますね。そうすると、事実上、債務超過に陥っている企業がさらに政府保証で借入金をしてさらに債務をふやしていくというのはこれはどういうことなんだということは、私には全く理解できないですね。しかも、民営化した企業がそれをやるということでございますから。

 ですから、少なくとも新規の借入金ということはやらないという前提に立って、一気に公的資金を投入して国債で借りかえてしまうのか、あるいは、これを漸進的に行って、その間は有料道路代金を取り続けて、それで債務の返済もするのか、その辺の話が非常に重要だと思います。

 一気に借りかえるかどうかの判断というのは、これは有料道路代金を無料にすることによってどれだけの経済効果があるかということですね。この経済効果が圧倒的に大きければ、一気に公的資金を投入して国債で借りかえて無料にするという案が望ましいと思います。無料化による経済効果がそれほど大きくないのであれば、これは漸進的に有料道路代金はしばらくは取って債務の返済をする。

 いずれにせよ、債務超過に陥った公団を民営化しようというわけですから、まず債務の返済というのを最重要視して、そのプランをどうするかということをきちっとしなきゃいけないので、その点でも、私は、今の政府案に借入金に対する政府保証がついているということは、事実上、債務の返済に対する無責任体制を維持するということではないかということで、強い批判を持っております。

 それから、先ほどもお話がありましたけれども、民営化まずありきで、民営化したんですけれども、実は出てきた法案を見ると、これは民間会社じゃないですよね。民営化と言いながら、実は民営化でない案を国土交通省がお出しになった、私はそういう気が非常にしておりまして、これからつくられる民間会社なるものは一体何なんだということは、私には余り理解できないんです。

 ちょっと激しい言葉になりましたけれども、お許しください。

奥村委員 ありがとうございました。

 確かに、普通に考えますと、今先生がおっしゃったように、民営化の会社をつくってあげていくわけですから、やはり利益も求めていき、従業員のいろいろな福祉向上も考えていかなければならない、借入金あるいはまた出資金等のいろいろなバランスも考えていかなければならないんですが、今おっしゃったように、私も確かに、いろいろ党内で議論させていただき、お伺いしている流れの中で、何かこれは不思議なことだな、冒頭に申し上げたように、民営化ありきばかり走って、借金の、債務の話ばかりが先行しておるなというような思いをしておりました。

 佐藤先生、大変申しわけないんですが、今榊原先生からも御意見をいただきましたが、先生はどのように思われますか。

佐藤参考人 一つには、借金が四十四・七兆ですか、あるんですが、これを建設国債というような考え方のように見ると、すぐ償還する必要があるのかどうか。つまり、道路というのは、これから恐らく三十年、四十年は、適当な管理、補修も必要だと思いますけれども、使うわけでございますので、私の立場からいいますと、世代間の公平という立場、つまり、我々のジェネレーションで借金をしたわけですが、それを子供に残すということは悪いことではございません、場合によっては。ちゃんと道路という、あるものをつけて、ただ遊んで、ギャンブルやって借金残したとは違いますので。

 そういう意味で、例えば、アメリカのニューヨークにジョージ・ワシントン・ブリッジという大きな橋がございますが、ニュージャージーとニューヨークを結んでいる、これはいまだにちゃんとお金を取る。これは何かというと、昔つくった橋ですが、実際今使っているんじゃないかと。そういう意味で、その道路が使える限り、ある程度の借金を一つの形として残しておくというのはそんなに悪いことではないというふうに思います。

 ただ、何か日本の場合には、国の財政と民間の財政を全く同じように考えている。これはいわゆる主婦感覚と言うそうですが、主婦にそう説明すると一番わかるということだそうですが、そういうロジックでいったら借金はない方がいいんですけれども、ただ、それに見合うような、実物というか、今の道路がちゃんと機能している場合には、そんなに急いで借金を返すというか、ゼロにする必要がないんじゃないかというふうに思います。

 ただ、それをどういう形で、国債のような形にするのか、あるいは永久国債とかいろいろなやり方がありますが、私は民主党の方に、フリー、ただで、料金なしでということじゃなくて、二重払いをやめるというふうに、道路をつくるのは税金でつくっているんですから、それ以上はもう払わないでいいというふうにしないと非常に誤解を生むと思いますので、その点をちょっとお考えくださった方がいいんじゃないかというふうに思います。

奥村委員 ありがとうございます。

 確かに、先ほどからもいろいろお話が出ておりましたように、受益者負担の問題だとかいろいろなことがありますが、考えてみますと、我が国が道路に使っているお金は税収の四分の一を使っているわけですよね、今日まで道路財源としていろいろな形で。大変巨額な費用が道路にかかっておる。そういうことを考えますと、公共財産という視点からいけば、やはり国がしっかりと税金で事を進めていくということが基本であろうというように私も思います。

 ただ、民営化ということは、今、榊原先生、いみじくも我々が思っている無料化のお話をいただきましたが、民営化する、しかし、これは四十五年まで有料で取り続けるわけですから、その流れを考えますと、やはり受益者負担の原則、いろいろなことになるかもわかりませんけれども、私は、路線ごとの利用者がその路線の建設費を払ったら無料にしますよというのは、これはもう基本であったというように思うんです、高速道路をいろいろつくっていく上に。それなのに、まだ続けている。

 きのうも滋賀で、私の地元で公聴会をやっていただいたんですが、三十八年に高速道路を栗東から西宮におつくりをいただいたおかげで、経済的な分野で内陸工業団地がたくさんでき、今はそのおかげで滋賀県は第二次工業県になっておりますけれども、そういう経済効果がおかげでありました。

 しかし、先ほど森田先生もおっしゃいましたが、経済界の方が、きのう、この高速道路、時間のコストだとかいろいろなことを考えると、やはりこれからの東アジアを考えたときに、日本の国土の中で、いかに低コストで、そして東アジアの経済圏との競争に打ちかっていくか、ここにやはり大きなウエートが今後かかってくるんだというお話をされておりました。

 確かにそのとおりだと思うんですが、特に名神、東名、あるいはそういうことを考えますと、約四千六百億円ぐらいでしょうかね、そのぐらいの建設費を使ってやってきたにもかかわらず、料金を取り続けてずっとやっていますから、プール制ですから、七兆円以上のお金を取っているわけですね。そして受益者負担だと。

 先ほどだれかが受益者負担ですよと言われましたけれども、そんなことがあっていいんだろうか。先ほどクマの話も出ておりましたけれども、むだな道路は今度はつくらないということも大義名分にされておるんです。

 そこで、梅田参考人にちょっとお伺いをいたしたいというように思うんですけれども、皆さんの工業協会からは賛成だということがあるんですが、民営化になったときのメリット、どのように思っておられますか。

梅田参考人 民営化のメリットといいますか、まず、規制が大幅に改善されるということですね。

 やはり今の公団方式でやっておりますと、国からの非常な規制があるわけです。だから、それが、今回の案にも示されているように大幅に緩和されるということで、それが今度、民営化会社にとっては、自由な事業、関連事業が選択できるということのメリットが大きいと思うんですね。

 いや、そんなことはないだろう、国がそんなにすべてを許すわけではないとおっしゃれば、それはそういうことになるわけですけれども、今はそういうようなお話は出ておりませんから、国がこれだけ緩和するんだということですから、それが実行されるということになれば、ある程度主体性のある民営会社がつくれるんじゃないか、こういうように私は思っております。

奥村委員 先ほど榊原先生の方からPFIの話がありましたね、そういうことも考えるべきだというお話がありました。

 イギリスのサッチャーさんが、国全体の財政難で、いろいろなところでPFIをやられて、ある意味では成功なされてきて、日本もこれからどんどんこの制度を、方式を取り入れていこうと。今の形でいけば有料でやるわけですから、一部分、民営化会社が、東日本なら東日本の会社が皆さんの協会に対して、会長さんの会社で、御社で、よし、この区間はおれのところで一遍PFIでやってみようというような意気込みというか、そういうものを今後醸し出せるような雰囲気ですか。何かお持ちになりますか、これから民営化になっていけば。

梅田参考人 路線によっては、絶対利益が上がるという路線はありますよ。だけれども、PFIでは、これは赤字になるような路線はやるというわけにはまいりませんよね。

 ですから、どこの路線、例えば橋梁部分でもいいんです、橋梁を通らないとその路線が貫通しないというなら橋梁部分だけ有料にしてもらう、PFIにやってもらう。そういうのは可能ですよね。

奥村委員 確かにイギリスでも、橋梁の部分はPFIでやっておられるところがありますね。ですから、確かにそれはそうなんですけれども、先ほど言われた民間の皆さんの、土木工業協会なんかの皆さんのノウハウ、日本は、アメリカのは先ほど佐藤先生が七万キロというお話をされていましたけれども、山があり谷があり、そういうところですから、工事的にも大変なことがあると思うんです。そういうノウハウは、確かに日本は世界一のいろいろなノウハウをお持ちですから、それをどんどん提案も今までもいただいたと思うんです。そのためにいろいろな道路もいろいろな施設もつくられてきたと思うんです。

 だから、そういうことを考えますと、もっともっと国がしっかり公共財産として、先ほど榊原先生、佐藤先生がおっしゃっているようなことを考えますと、僣越な言い方ですが、皆さんの協会としては、国の関与によってしっかりとした国民の財産をつくり上げていくという大きな夢がある。

 確かに、民間会社だから、今までと違った形の分野が出てくるかもわからない。しかし、根幹をなすような事業、道路とか河川とか、そういうものはやはり国の方向づけがなされた上で皆さんがおやりいただいて、そこに大きなノウハウを出してもらった方が私はいいかなというように思います。

 それと、お言葉を返すようなことを申し上げてあれなんですが、先ほど言われた受益者負担、通る者だけのというお話がありましたけれども、考えてみますと、北海道からトウモロコシやビートやいろいろなものが本土へ送られてくる。それも、コストが下がって無料化になれば皆さん受益者ですから、東京で食事をされる方々みんな受益者ですから、その人らもやはり安い野菜なり安い食糧をいただける。これ、受益者なんですよね。ただ高速道路を輪っぱを持って走っているその人だけが受益者だということじゃないと思うんです。もっとグローバルに物を考えていかなければ、受益者の云々ということは、私はちょっと論点が違うのではないかな。

 だから、今、少子化の話も出ておりましたけれども、やはり医療の問題でもそうなんです。無料で高速道路を、インターチェンジで料金のカードをとって、そのわずかな時間でもあれなんですが、あの料金所がなければ、すぐそれで高速に乗って次の病院、救急車に乗っていてもその人の命を取りとめるきちっとしたあれにしていける。ある意味ではそういうプラス面も出てくるわけですね。

 ですから、そういう思いをいたしますと、やはり無料化して、今、千二百十三、インターチェンジがあるわけなんですけれども、それを取っ払ってしまえば、まさしくフリーに往来ができる。

 そういうふうなことを考えますと、先ほど梅田会長がおっしゃったことに対して私は反論するつもりはないんですが、受益者負担というのはもう少し大きな視野で見るべきかなというふうに思ったんですが、いかがですか。

梅田参考人 議員のおっしゃることはよくわかります。しかし、これは無料化しますと、今度は高速道路が非常に混雑すると思うんです。それに、環境問題が新たに発生してくると思います。したがって、無料化するということは、そういう意味ではやはり問題点もあると思いますので、よく考えてこれは進めていかないと。

 今おっしゃったように、受益者は、東京に住んでいる者も高速道路に乗らない者も受益者じゃないか、北海道の食物を新鮮な食物として提供してそれを食べられる、そういう意味からすると受益者じゃないか、こういう先生のお話ですけれども、そういうように日本の国民が全部思ってくれるかということなんです。

 東京の人は、道路はもう要らないと言っていますよ。だけれども、東京周辺を見ますと、問題は、圏央道だとか、そういう今まだ開通していないところで東京の混雑が惹起されていますから、そういうところはやってくれ、こう言うんでしょうが、地方へ行けば、まだまだ要求している人たちが多いんですよね。費用対効果で、今度は費用対効果一以上の道路。ということは、これはやはり何か考えなきゃいけない。

 それから、先ほどおっしゃいますように、急病になって、有料道路だからゲートを入るのに時間がかかって、こうおっしゃいますが、確かにそういうこともありまして、無料化するということとは別に、やはりそういう高速道路の利便性が享受できない国民というのが結構いるわけであります。だから、そういう人たちのことも考えますと、私は、やはりそういう道路はつくっていかなきゃならないのではないか。たとえ、便益と投資上から見ればそういうところには高速道路は要らないという結論が出ても、何としても、要る道路についてはやはりつくっていかなきゃいけない。

 そういうことでございまして、先生のお問いかけに私は正確にお答えできたかどうかわかりませんけれども、そういうことで考えております。

奥村委員 ありがとうございました。

 榊原先生、今、受益者負担の話をちょっとお聞きしたんですけれども、受益者というのは国民全体のことですね。そういう観点からいきますと、アメリカやイギリス、ドイツの話やらいろいろありましたけれども、やはり無料で開放しておりますね。こういうことについて、やはり物流コストの低減だとか、あるいはライフスタイルも大きく変わってくると思うんですよね、日本もそういうふうに無料化していけば。

 先ほど無料化のお話もいただいたわけですが、もう少し先生のお考えをお聞かせいただければと思います。

榊原参考人 よく、日本の常識は世界の非常識だというような言葉がありますけれども、まさにこの問題は、日本で常識化されていることは、日本の外から見ると極めて非常識だということなんですね。

 梅田会長のお話でも受益者負担というようなことをおっしゃいますけれども、実は道路というのは、先ほど佐藤先生がおっしゃったように公共財なんですね。公共財ということは、その便益はほとんどすべての国民が受けるということなんです。道路を通る人だけが便益を受けるということじゃないんですね。公園とか、あるいは防衛とか、そういうものと並ぶように、その便益を全国民が受けるから、これを経済学の世界では公共財と呼んでいるわけですね。これはもう経済学の世界では確立した概念なんです。

 ですから、道路というのは、公共財であれば、これは当然のことながら、原則としては無料で提供するというのが公共財の原則であります。ですから、その原則にやはりどこかで立ち戻らなければいけないということでございます。

 例えば、公害の問題とか混雑するというようなことをおっしゃいますけれども、別に自動車の数が変わるわけじゃありませんから、通るルートがどう変わるかという世界の話でございますから。自動車の生産を倍にするというなら、これは公害の問題は出るでしょうけれども、しかし、原則は道路は公共財なんだという原則に戻って考えることが極めて重要だと思います。

 直ちに無料化するのか、無料化の期間をさらに先に延ばすのか、これはいろいろな技術的な問題はあると思います。技術的な問題はあると思いますけれども、少なくとも、常識的に考えた、あるいは経済学の基本的な物の考え方からすれば、道路は公共財であって、道路の提供は無料ですべきだ、それに対しては税金をもって充てるべきだ。

 ただ、目的税でそれをやるという考え方は、これはアメリカにもあるわけですね。フリーウエーをつくるときにはガソリン税でやったわけですから。要するに、そういう意味では、受益者負担という考え方は目的税というところで貫かれているということはあるわけでございます。日本でも、まさに自動車取得税とかガソリン税とかあるわけでございますから、それで道路をつくることによって受益者負担のある部分はカバーできる。

 それ以上に有料道路代金を取ることがいいかどうかということでありまして、これは取るようになったのは、郵便貯金とか厚生年金の積立金を使ったから、これは返済しなきゃいけないわけですね。先ほど佐藤先生が、建設国債ならそれはまた違うじゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、これは建設国債じゃないんですね。年金積立金なんです。積み立てた人に返さなきゃいけないお金なんです。郵便貯金も、せいぜい長くて十年で貯金している人たちには返さなきゃいけないわけです。

 ですから、当面、そういう有償の資金を使って有料道路をつくって、それで有料道路代金を取ったんですけれども、これは、いずれその債務を返済して有料道路代金を無料にするというのが原則です。やはりこういう原則論というのは私は極めて重要だと思いますので、その原則というのを見誤ることなく議論していただきたいというふうに思います。

奥村委員 ありがとうございました。

 確かに、ガソリン、自動車に係る諸税は大変たくさんあります。諸外国を見ても一番多いわけです。それで目的税化されてきたわけですけれども、もう一般財源化されておりますし、本来の姿を失っております。そこらはしっかりともう少し議論もして、考え直していかなければならないというように思います。

 先ほどもお話しさせていただきましたが、受益者負担という制度は、私はちょっと、今いろいろなお話が出てきた流れの中で考えますと、やはり消費税なんかよりも逆進的なあれかなというような思いも実はずっとしてきたんです。受益者負担、受益者負担とおっしゃられますが、これはおかしいなというような思いをずっとしてきました。

 それはともかくとして、佐藤先生、道路をつくるのではない、国をつくるんだよということを常にいろいろなところでもおっしゃっていますが、ちょっとその基本的なお考えをもう一度聞かせていただけますか。

佐藤参考人 これは、ハーバード大学のジョセフ・ナイという人が、常識的なんですが、初めて言ったんですが、国は三つの力があると。その一つの力は、彼の言葉で、エコノミックパワー、経済力、それからもう一つはハードパワー、これは防衛力、それからもう一つ重要なのはソフトパワーといいまして、アメリカ的に考えますと民主主義とか自由主義とか資本主義とか市場主義とか、そういうことだと思います。

 これは企業にも当てはまると思うんですが、エコノミックパワーというのは、特に民間企業の場合にはお金をどれぐらいうまくもうけられるか、収益力ですね。それからハードパワーというのは、恐らく工場とか建物とか、そういうものだと思います。それからソフトパワーというのは経営戦略。その三つのパワーのバランスが国を豊かにするという、これはジョセフ・ナイ的な考え方ですが、私は、ある程度これはいい要約だなと思っております。

 そういう意味で、道路というのはハードパワーなんですね。ですから、道路は国家なりというふうな、これはアメリカで時々そういう言葉を使うんですが、道路なしでハードパワーはつくれない。これはまさに、何といいますか、道路が、見えるハードなものであるという以外に、国防の安全というのはアメリカにとっては非常に大きなことです。例えば、冷戦時代に、ボストンとニューヨークそれからワシントン、東部の大動脈があるんですが、あそこの一つにいわゆる原爆か何かが落ちたらどうするかというような問題があった。ですから、次の三つ、四つをつくっておかなきゃならない。そういう意味で、このハードパワー。

 ですから、やはり日本も、そういう国家の戦略として、一つのハードパワーとしての道路というものを考えて、採算性というのは一番最後に考えるべきなんですが、日本の場合には、特にこれは政治家の先生方に対して申し上げるのはちょっと心苦しいんですが、道路関連に関していろいろなスキャンダルがあったわけですね。そのために、国民は、道路をつくること自体が悪いという感覚を持ってしまった。

 これが、日本の国家建設、道路建設のためには非常にマイナスになったというふうに私は思います。私が道路をもっとつくりなさいと言っている意味は、そういうことを許してもいいということを言っているんじゃありません、当然ながら、これは国家戦略として、ハードパワーとして道路が必要だと言っていることでありますので、多分誤解はないと思いますが、そういう観点から物事を考えていただきたいという意味でございます。

奥村委員 ありがとうございました。

 久保参考人にお伺いをいたしたいというふうに思います。

 私、ちょっと聞き漏らしたんですけれども、道路公団御出身ですか。(久保参考人「はい、そうです」と呼ぶ)そうですか。

 いろいろ御苦労があったと思いますけれども、今、民営化の法律をいろいろ議論しております。道路公団でいろいろ御苦労してこられた流れから考えて、もしも久保参考人に、社長をやれ、東日本の社長をやれと御指名があったとして、日本の全体のいろいろなことを考えまして、一カ所じゃないですけれども、四十兆円の借金があるんですよ。これに意欲を持って、よし、わかった、おれも道路公団の出身だ、社長をやってやろうというような、そんな意欲は出てきますか。

久保参考人 もう私は年でございますからそういうことはないと確信しているわけですが、少なくとも、道路公団方式のときには、高速道路については、施行命令方式といいますか、道路公団側の意思がそれほど強く出ない方式であったんですが、民営化会社の法案を見ますと新規の建設については申請方式になっていますから、基本的には、自己責任のもとに会社が判断をしていかないといけない。

 それともう一つは、民営化後四十五年で無料開放すると、料金徴収期間が固定されてしまっています。そうすると、その中で果たして償還できるかどうかということも厳密に今度はやらぬといけない。

 そういう意味では、少なくとも、そういう面を厳密に検討しないといけないという点から、やはり会社になったことによって一歩前進している法律案だなというふうに理解しております。

奥村委員 私はそういうふうに理解ができないものですから、ちょっと生意気なことをお聞きいたしました。

 しかし、やはり本当に、この施設協会、二つに割れて、今度は第三セクターになっていくようですが、施設協会はただ分かれただけですよ。施設協会からサービス機構だとか二つに分かれましたけれども、正直言って、中身は変わっていないんですよ。そのように感じておられると思います。分かれてそれの副理事長をなさっておるわけなんですけれども。

 我々消費者、サービスエリアへ寄って、おうどん一杯食べる。あるところでは二〇%以上のピンはねがやられているんですよ。私はこれは現実に調べてきたんですよ。そういう実態。

 そして、私は、あるパーキングエリアへ行きました。それで、冗談で、ありがとう、おいしそうやな、いつも食べてはるんと言って、こんな高いもの食いませんわ、家帰って食べてますわと、そこのおばちゃんは私に言いました。ということは、原価はもっと安いんですよ。

 だから、そういうものでも、結局、無料化になってどんどんどんどん車が入ってきて、渋滞の話だとかありますよ。しかし、そういうサービス機構だとかいろいろなことをもう少しチェックしながら頑張っていけば、もっと効率よく、サービス業として、民間のノウハウ、そういうものをどんどんどんどん入れていけば利用者がふえる。

 サービスエリアは、今、機構だとかファミリー企業のいろいろな形でやっておられて業者を入れておられる。しかし、パーキングエリアはもうからないから直轄でやっておられますね。ですから、そういうことを考えると、やはり親方日の丸の流れがずっと抜けないで来ている。だから民営化すればいいんだいいんだと、小泉総理もそんな思いから発想されたのかなというような思いをしているんですけれども、そんな簡単なものじゃない。

 我々受益者といいますか、消費者、通行する者、産業やらいろいろなことを考えてみても、結局のそこのシステムが間違ってあって、だから、そういうシステムの中に久保さんもおられただろうし、自分のいろいろな考えを持っておられたけれども、なかなか変えていけない日本のこの官の仕組み。個人でいろいろな人とお話ししても、すばらしいお考えを持っておられる。しかし、その組織の中におられるから思い切った改革ができなかったということで、残念がっておられた方もおられます。

 そういうことを考えますと、私は実態的にずっとサービスエリアに寄せてもらっていろいろな話をしていたんですが、あるところへ行きましたら、こんなお話をされたんです。ここで店を、商品を出しておられることによって、どうですか、もうかりますかと。僕はすぐもうかりますかの話をするんですが、いや、ここは陳列しているだけです、ここではもうかりません、きついんですわ、ここで管理料を取られたり設置料を取られたり、それはきついんですわ、だから、ここでPRしてパンフレットを渡して、また来ていただいているんですよというような話をされたところがあるんですけれども、結局、そういうような仕組み、そういうようなシステムでずっとやってきて、だからファミリー企業が、今、八十六ですか、前は百二十近くありましたけれども、みんな黒字なんですよね。

 やはりそこらを思うんですけれども、久保参考人に再度お伺いいたしますけれども、私は、無料化をした方がサービスエリアとかパーキングエリアはもっともっと繁盛するのではないかなというように思うんですけれども、いかがですか。

久保参考人 確かに、サービスエリア、もう一つパーキングエリアというのがございまして、先生のおっしゃるとおり、いろいろな批判がありますし、また一方では、道路施設協会が道路サービス機構とハイウェイ交流センターに分割されたことによって若干競争意識が働いておりますので、お客様からは、少しよくなったなという声も実は聞かれることがあるんです。着々というわけにはいかないかもしれませんが、まあそれなりにいろいろ改善の方策を取り入れながら努力しているつもりでございます。

 確かに、高速道路が無料になりますと、交通量がかなり激増すると思います。したがって、エリアの売れ行きは相当上がる。それは先生の御主張のとおりだと思いますが、やはり今の高速道路は他の道路に比べて便益がより高い。どの道路も便益がありますが、高速道路は、特に交通安全の面とか走行性の面で一般の道路に比べて高いわけでございますし、もう既に利用者を特定できるような施設もありますから、今回のように四十五年かけて償還していくという方が、少なくとも料金はその範囲の中で、そういう超過便益を目安にしながら、あるいは基準に置きながら料金を定めておりますので、まだ利用があるわけですから、四十五年かけてやっていいんじゃないか、その方が負担の公平という面からもすぐれているんじゃないかなという気が私はいたします。

奥村委員 ありがとうございました。

 最後に、榊原先生、もう一度お聞きをしたいんですが、私は、どうも我が国は国家的な戦略が余りにもないのではないかな、あらゆる分野でですよ。ですから、高速道路もいろいろ今議論を、民営化だとか、我々は無料化の話もしていますけれども、つくり方ばかりの話で、使い方を変えていく、こういうことが大事ではないかというように思うんです。私の個人的な考えなんですが、先生はどのように思われるか、締めくくりでお願いをしておきたいというように思います。

榊原参考人 先ほど佐藤先生がアメリカのお話もなされて、道路は国家であるというふうにおっしゃられました。まさにそのとおりだと思います。ですから、もちろん道路というのは、一つは軍事防衛的な役割を担うわけでございますね。それと同時に、民間ということであれば、やはり物流ですね、ロジスティックス。物流をどうしていくのかということでございます。

 そこで、私、先ほども言いましたけれども、日本の経済の圧倒的な弱みの一つは、物流コストが高過ぎることなんです。これは、これから中国が進出し、韓国が大きく変わり、あるいは東南アジアが進出していく中で、これだけ高い物流コストを維持していたら、日本経済の競争力は全体として極めて弱いものになってしまうんですね。ですから、この物流コストをどうして下げるか。ニーズがあるからただつくるんだということで、それほど戦略的でなく、ここに空港をつくるんだ、ここの港湾を整備するんだ、ここに道路をつくるんだということでは、全体としての国家戦略というのは成立しないと僕は思うんですね。

 防衛的な話というのは一方でありますけれども、民間ということを考えても、全体としての物流をどうするんだ。これから大競争時代に入っていくわけですね、中国あるいはアジアとの大変な競争関係になる。その中で、特に物流コストをどうするんだということを真剣に考えていただきたいというふうに思います。

奥村委員 先生方、どうもありがとうございました。

 以上で終わります。

望月委員長代理 高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 参考人の皆様方には、貴重な御意見を述べていただきまして、本当にありがとうございます。

 三十分間の質問でございますので、すべて聞くことができないのかもしれませんけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 今回の道路公団の民営化の法案についてですけれども、まず、この二年間、特殊法人改革からスタートをして、小泉内閣になってから特にこの道路公団の民営化というのが一つの大きな目玉みたいな形になりまして、そして一昨年の暮れに民営化推進委員会がスタートいたしました。メディアの方もかなり道路公団の民営化という問題をクローズアップしながらさまざまな報道をなされてきましたけれども、論点がいろいろと拡散をしてしまいまして、何が本質なのか、ここら辺がどうもわからないような形になってしまったのではないか。その中で特に言われていたのは、むだな道路はつくらないですとか、何か、むだな道路というフレーズが結構躍っていたかな、こんな気がいたしました。

 昨日、当委員会の地方公聴会ということで、大分と滋賀県で二班に分かれましてやったんですけれども、私は大分の方に参加をさせていただきまして、四人の公述人の方々からさまざまな御意見を伺ったときに、九州の方では、特に東九州、いわゆる高速道路がないということでさまざまな不便を感じている、特に物流の面においてはかなりマイナスの要素がある、こんな意見が次々と出てまいりました。

 その上で四人の皆様方にちょっとお伺いをしたいのは、むだな高速道路ということが果たしてあるのか。先ほど佐藤参考人はその点について少しお述べになられておられましたけれども、例えば、規格、構造が過大であったりだとか、また、有料道路にした結果、費用対効果という部分で需要が低迷する。そういった部分ではむだというような表現もあるのかもしれませんけれども、そもそも、むだな道路というのがあるのか。

 実は、先週の参考人質疑のときに、猪瀬参考人が、本四の三本の橋はむだだった、こういうような表現もされましたけれども、実際問題、今使っている方々もいらっしゃるわけで、果たしてどうなのかな、こういうふうに思ったんですけれども、この点について御意見を伺えればと思います。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

榊原参考人 まず、むだの定義でございますけれども、民間企業的なむだの概念というのをこれに適用するのは当たっていないということであろうと思います。つまり、特定の路線が利益を上げられるかどうかでむだかどうかということを判断するのは、これは明らかに間違いでございます。先ほどから言っておりますように、道路は公共財でございますから、そういう意味で、採算ということだけで、むだ、むだでないということを判断するのは間違いだと思います。

 ただ、国民の間にそういうむだという議論が広がった中には、やはり必要以上にコストが高過ぎるじゃないかだとか、先ほども佐藤先生からお話がありましたように、相当の汚職があるじゃないか、そういう意味でむだという概念が広がったことは、これは理解しなければいけないと思うんです。

 ただ、先ほども申し上げましたように、民間と同じ基準で道路というものを判断する、ですから、私は民営化に反対なんです。つまり、これは民営化するような業種じゃありませんよということなんですけれども、民間と同じような判断で、むだか、むだでないかと。むだか、むだでないかということを決めるのは政治家の皆さんです。これは政治決定なんです。

 ですから、国民の総意を反映した政治決定で道路の建設を決めるというのが本来のあり方でありまして、ただ、そのときは、どういうコストかということを、あるいはその建設のプロセス、そういうプロセスを透明にして、すべて国民がわかるようにしなきゃいけないという義務はあると思いますけれども、民間的な基準を適用してむだということは、道路の際には言うべきではないというふうに思っています。

梅田参考人 私も、今榊原さんがおっしゃいましたのと同じ意見でございます。

 ただ、むだな道路というのは何かということなんですが、使用されていない道路という意味だと思うんです。ほかの道路は、使用されているならば全部必要な道路なんですね。それが、今議員がおっしゃいますように、むだという表現をそこで使えば、やはり、規格、仕様、そういうものが需要に対してむだであったということは言える道路があります。

 本四の問題はちょっと私も言及はできませんけれども、ただ申し上げたいのは、三つ橋がかかりました。一橋目、二橋目、三橋目と確実に進歩しております、設計も施工も。手前みそでございますけれども、我が国の土木技術も、ごらんいただきますとわかりますが、非常に進歩しました。それで、長大橋がその後全然ないということに、日本としては、これはもう、以後、長大橋という技術がここで途絶えるんじゃないかという心配を私はいたしております。

佐藤参考人 このむだという概念は、恐らく、民間の概念をそのまま公共財に当てはめた概念だというふうに思います。つまり、需要と供給のバランスがどうなっているかということだと思います。

 そこで重要なのは、私は、公共財の場合に必要かどうかというのは、これは本質的には、バーゲニングといいまして、取引ですね、つまり、例えば公園をつくる場合に、この公園をつくる必要があるかどうかということを資本主義の民主主義社会ではどう決めるかといいますと、皆さんの意見を聞くわけです。

 ただ、そこで、自分の意見を言う人と言わない人が出てきます。なぜそういうことが起こるかといいますと、例えば公園の場合、一番いい例だと思いますが、大金持ちの人はもう大きな庭があるから公園は要らないわけです。それから、子供がいっぱいいて小さな庭しかない人は公園が必要なんですね。ですから、そういう人は公園が必要だと高い声を出すんです。大金持ちの人は、いや、公園は必要じゃないというふうに言うわけですね。

 そこでどういうふうにして決まるかというと、いわゆるバーゲン、取引で、いや、大金持ちは、あなたはお金持ちなんだから、先ほど言ったように、能力主義でお金を払いなさいという理論がちゃんとあるんです、経済学で。ですから、お金持ちは、使う、使わないは別として、お金を払わなきゃいかぬよという理論があるんです。それで、片っ方の、小さな庭で、実際に子供が多くて公園を使う人たちは、実際公園を使うからあなた方もお金を払え、これは受益者負担の原理です。

 ですから、そういうことから本質的に公共財の需要と供給が決まるので、道路が実際むだかどうかという問題は、今の議論では、今の議論というか、少なくとも日本のジャーナリズム、メディアの議論では、私はナンセンスだというふうに思います。

 ただ、むだかどうかを試す一番いい方法は、料金をただにしてください、今。それでも実際に使わない道路があったらこれはむだという、一番いい判断ではないかというふうに思います。

久保参考人 今まで、むだな道路という議論は、大体、有料道路に限定して特に使われていたような気がいたします。だから、それはまさに、採算がとれないとか、計画よりも交通量が少ないとか、そういったことについて言われていますが、榊原先生や佐藤先生がおっしゃったように、やはり公共事業、有料道路といっても公共事業でございますから、必ずしも経済的な採算というだけで、むだな道路と言えないんじゃないか。むしろ、有料道路でつくるのか、ただの道路でつくるのかという正しい判断をすべきだというふうな考えを持っております。

高木(陽)委員 ありがとうございます。

 今、四人の方の御意見、それぞれ、むだというような概念をしっかりと述べていただいて、参考にもなりましたけれども、その中で佐藤先生が、いろいろな意見を集約していくみたいな、公園のある方々の話をされましたけれども、世論調査等々で、高速道路はこれでもういいのかどうか、特に九千三百四十二キロというのが一つの象徴になっておりまして、まさに高速道路というのはネットワークなんだろうなと。

 さっき本四のお話をちょっと例に出したんですけれども、問題は、本四の橋ができて、では四国のネットワークがしっかりできているかどうか、ここが大きな問題であろう。もしこれがネットワークとしてつながっていれば、これはこれでもっと利用者も多いのではないか、こんな気が私自身はしているんです。

 きのう、大分での地方公聴会のときにも、東九州というのは高速道路がない、こんな中で、有料か無料かという話題が出たときに、ナンセンスだ、高速道路がそもそもないんだから、有料も無料も、そんな判断もできませんみたいな、こういう御意見もあったんです。

 そんな中で、やはり九千三百四十二キロというのをつくるかつくらないか。民営化委員会の方は、これは何かつくらないという意見がかなりクローズアップされていまして、ただし、最後の段階では会社の判断というような、または、その後、もし会社がつくらないと言った場合に国が関与をしていく、こういう判断もございました。

 これについて、この九千三百四十二キロをつくることによってネットワークが完成していくのか、もしくは、それでは足りないのか、また、その必要がないのか。こういったことについてどうお考えか、四人の方にお伺いしたいと思います。

榊原参考人 私は、道路は公共財だと申し上げましたけれども、ニーズがあればつくるとは申し上げていないつもりであります。

 道路に関してニーズがあるのは当たり前のことでございます。ただで国が何かやってくれることのニーズを問えば、これは必ずやってくださいと言うのが当たり前の話でございますから、道路に関しての地方のヒアリングをして、ニーズが非常に高かったからつくらなきゃいけないというのは、これはちょっと議論としてはいただけないなという感じがいたします。

 実は、日本の財政は事実上の破綻状態にあるわけでございますね。この間、S&Pが、二〇五〇年の日本の財政赤字のGDP比は七一八%だという計算をしているんですね。七一八%というのは、もう国が破綻するということです。これは少子高齢化の影響が多いんですけれども、事実上の破綻状態にあるわけです。

 破綻状態にあって、歳出の需要というのは道路以外にも山ほどあるわけでございます。ですから、他の歳出の需要あるいは債務の状況、そういうものに比べて、道路を建設しろ、さらに建設しろというニーズが高いかどうかということの、これはもちろん政治判断でございます。政治判断だと思いますけれども、そういう判断をしていくということであって、私が非常に問題視しているのは、今まで道路が特別視されてきたということ。特定財源はある、有料道路代金は使う、そういうことで特別視されてきたんですけれども、そういう必要はもう私はなくなっただろうと思うんです。

 ですから、私は、九千三百四十二キロを今のままの形でつくるということには反対でございます。というのは、ほかの歳出に関するニーズが恐らく相当高いだろうと思われること、それから、債務の状況が極めて危機的な状況に達している、その二点で、私は、今のまま道路建設を進めるべきではないというふうに思っています。

梅田参考人 私も、しゃにむにつくるべきだとは思っておりません。

 よく議論をして、透明性を高めて、その必要性を議論して、必要だという結論が出されるならば、それは今の予定されたキロメーターはつくっていくべきだ、そういうように思っております。

佐藤参考人 私は、基本的にはつくるべきだというふうに思っております。

 それは、榊原さんとかは経済学者ですので、我々、同意することもあるし、ディスアグリーすることもありますので。

 というのは、日本の財政危機は、私は誇張されたものだというふうに思っております。その一つの理由は、大体現在ではGDPの一四〇%ということになっておりますけれども、あれは計算の仕方で非常に違うんです。なぜかといいますと、世界のGDPとの比較は、国が持っている債権はGDPの負債の中に入っていないんです。ですから、日本の場合には、郵貯とかその他の、国が持っているのを引きますとちょうどGDPと同じぐらい、一〇〇%ぐらい。これは、イタリアとか大体カナダぐらいの国の状態と同じでございます。主にこれはバブルの後遺症でございまして、今度バブルから回復しまして景気がよくなったら、必ずこの比率は下がります。

 むしろ、私は、むだに使ったということはいっぱいあると思いますが、民主主義というのはむだに使う制度でございますから、ある程度仕方がない。だから、すべてがむだでいいということではありませんけれども、そういう意味で国の財政という観点から見たら、特に今の道路財源がありますが、そういうものをうまく活用して、やはり道路はつくった方がいいんじゃないかというふうに考えております。

久保参考人 私も、基本的には九三四二は建設すべきだと思っておりますが、これは全部有料でなくて、無料の区間も入っておりますので、あるいは見直しの区間も入っておりますが、そういったところを上手に、建設投資の優先度を決めながら、どういう時期に着工していくかとか、そういうことに配慮しながらやっていっていただきたいというふうに思います。

高木(陽)委員 榊原参考人にまたお伺いをしたいんですが、先ほどの質疑の中で、四十兆の債務返済をどうするかというところで、どこかで解消しなければならない、こういうふうにおっしゃられて、その具体策として、公的資金の投入であろう、国債の借りかえを一気にやる、こういうような御意見もありましたけれども、借金四十兆の部分、これを借りかえをするとなると、では、ある意味で言うと、新しい、残る二千キロもあるわけですけれども、これについて、さあどうするか。これも新たに借金でやっていくかどうか。ここら辺のところはどういうふうにお考えですか。

榊原参考人 今の法案ですと、長期借入金を政府保証でできることになっていますから、恐らく、新規の着工を借金でやるということをある程度念頭に置いた法案であろうというふうに思っております。

 私は、新規の着工は借入金で行うべきではないというふうに思っております。もし新規着工がどうしても必要だということであれば、これは税金あるいは建設国債でやるということが原則であります。もちろん、有料道路代金をしばらく取り続けるという判断をするんであれば、その有料道路代金の中でやるということでありまして、新規建設を政府保証のついた借入金でやるということであっては、これは何のための民営化だ、何のための法案の提出だというふうな感じが非常に強くいたします。

高木(陽)委員 そうなりますと、有料の料金、これを無料化にするとした場合に、その建設国債の返済というのはどういうふうにしてやっていくのか、それをお伺いします。

榊原参考人 ですから、これは今でも、実は、昔の財投というところでこれを入れたわけですよね。私は実は本四架橋なんかを査定した課長の一人でございますけれども、それはいずれ返済をしなきゃいけない。しかも、それは国の保証がついているわけですから、債務の形が変わるだけでございますね。

 ですから、もし今の形でやるとすれば、財投債というようなものを新たに発行して、それを市中から調達するか、あるいは、場合によると、一定の国の機関とか民間の金融機関に持ってもらうということでございますから、直ちに、財投債なんか発行して国債市場が混乱するとは思えません。

 ただ、新規に国債を発行し、公的資金を投入するということでございますけれども、国債を発行する場合には、国債市場に混乱が生じないようにさまざまな配慮をしなきゃいけないということは確かだと思います。

高木(陽)委員 そうしますと、揚げ足をとる意味ではないんですけれども、先ほど榊原参考人は、日本の財政というのはもう破綻している、こういうようなニュアンスで言われました。プライマリーバランスのことを考えた場合に、四十兆もの債務の借りかえを一気にやった場合に、まずは、どこがこれを引き受けていけるんだろうか、市中で。もう一つは金利の関係です。一気にこの四十兆を借りかえた場合の金利上昇というか、そこら辺のぐあいというのは、専門家でございますから、どう考えておられるのか。

榊原参考人 これは、実は、隠れた債務を表に出すということだけでございます。先ほど佐藤先生が、日本の債務は債権を差し引くと今より小さいんだとおっしゃいましたけれども、僕は全く逆の意見を持っておりまして、過去の財投なんかで積み上げた債務ということを考えますと、郵貯、年金積立金の債務を考えますと、実は、既にGDPの三〇〇%近くまで債務が来ているわけでございます。

 ですから、今、道路に係る債務を国債で借りかえるというのは、実は、隠れた債務を表に出すということだけでございまして、その混乱をさせないためには、厚生労働省あるいは総務省が今そういうものを債権として持っているわけでございますから、彼らに財投債を当面引き受けてもらえば、これは金融市場の形としては全く変わらないわけですね。それを次第に市中消化していく。

 これは、いずれにせよ、隠れた借金というのは最終的には表に出さざるを得ないわけでございますから、その出し方の問題でございまして、今それを国債で借りかえるから直ちに借金がふえるということでは全くありませんで、隠れた債務が表に出る。私は、隠れた債務はできるだけ表に出した方がいいと思っております。

高木(陽)委員 続いて、佐藤参考人にちょっとお伺いしたいんですが、公共財をだれが払うのか、こういった問題で、現在の財政状況で、そもそもこの公団方式、昭和三十年代に道路をつくるときに、日本の財政的な部分、いわゆる税金でつくることはできなかった。ですから、料金方式で、公団方式でやっていった。これはこれで、あの当時の状況を考えた場合には、私はそれは正解だったと思うんです。

 ただし、これだけ債務が膨らんできまして、それでどうやって返すんだ、こういった問題がクローズアップされる中で、佐藤参考人の方は、能力主義、受益者負担、またボランティアの精神というか、こういう三つを例に挙げられました。受益者負担で、ガソリン税を含めた道路特定財源の部分を指摘されておりますけれども、正直、高速道路に乗る、これは、データとして、車に乗っている中で十分の一しかいない。

 こういう現実の中でもう一つ問題となるのは、一般道路、それぞれの地域の都道府県道または市町村道、これも完璧にまだできていない部分、正直、国道を含めて一般の道路もまだまだ完璧になっていないという部分、またはその維持管理をしていかなければいけないということで特定財源を使っているんですが、果たして、この借金も含めて、または新規建設も含めて、この特定財源ですべてやっていけるかどうか。どのように考えているか、お伺いしたいと思います。

佐藤参考人 詳しい計算はわかりませんけれども、基本的には、道路の特定財源、これは一番わかりやすい受益者負担ですね。自動車を持っているということは、その自動車を使って、道路を使って、ある目的のために運転するということですから、それを使うのが一番いいというふうに思います。

 それから、場合によっては、ある程度の能力主義というか、例えばお金持ちの人はひょっとすると二台、三台持っているかもしれないということもありますので、能力主義的な負担も考えざるを得ないのではないかというふうに思います。

 ただ、特定財源を一般道路だけに使うという制度をやめて、やはり高速道路等に全部使うというふうに回すことが、経済の理屈からいったら正しいというふうに思います。

高木(陽)委員 実は、これもきのうの地方公聴会の大分で、宮崎の知事ですとか大分の経済界の代表の方だとか、または大分の中津市長さん、それぞれ、地域に根差した方々がお話をされたのですけれども、もちろん高速道路、これはこれで必要である、早くつくってもらいたい、こういう意見があったわけですね。それとともに、道路特定財源、これは補助金等々でも各地方道に振り分けられている中で、まだ本当に、国道でありながら片側一車線、もっと言いますと片側一車線もない、本当に一車線しかない、すれ違いもできない、こういう道路がまだまだあるんですと。

 それで、やはりここはここで生活道路としてしっかりやっていただかなければいけないので、この特定財源を削る、今三位一体の改革で補助金もどんどん削られる流れの中で、これはこれで維持してもらいたい、こういう御意見もあったんですね。

 どうしても、私たち、私自身も東京なんですけれども、東京にいると、ある程度の道路はできているなという実感があるんですが、やはり地方の場合には一般道路がかなり厳しいのかな、こういう思いもしていたんです。

 やはり先生は、それでも特定財源を高速道路にシフトしていった方がいい、こういう御意見でよろしいでしょうか。

佐藤参考人 実際の運用を私は余りよく知りませんので、どちらがいいかどうか知りませんけれども、概念的には、やはり一般道路で、今言われたような一車線しかないようなところをつくるべき、それと、片っ方の高速道路、どちらからつくるかというのは、これはやはり政治的な判断だと思います。ですから、実際にどちらでつくった方がもうかるか云々ということじゃありませんので、政治的な判断で決めていただきたいというふうに思います。それは、経済的な合理性と全く矛盾しません。

高木(陽)委員 では、最後に皆さんにお伺いしたいんですが、今回の政府案というのは、通行料金に利潤は含まない、収益というのは関連の事業でやっていく、こういうふうに基本にしていると思うんです。また、コストを縮減し、需要拡大等々、そういう努力に応じたインセンティブを別途措置するとしていますけれども、民営化という言葉、株式会社になりますから、これは利潤を通行料に含むべきであるかどうか。ここら辺のところの御意見、どういうようにお考えか、四人の方それぞれにお伺いをしたいと思います。

榊原参考人 私が当初から言っている意見に戻りますけれども、道路は公共財であって、しかも、道路の場合、競争が見込めないわけですね。競争が見込めないというのは、これは独占事業なんです。独占事業で利潤を見込んで料金を設定するなんということは、これはあり得ないことでございまして、利潤を設定するかどうかじゃなくて、民営化すること自体が間違っているという私の意見をもう一回繰り返させていただきます。

梅田参考人 私は、交通料金に利潤を見込むということは、今でも料金が非常に高いという批判があるのに、それに利潤を見込むということは難しいと思います。

 しからば、新しい会社にどういうインセンティブを与えるかということなんですが、これは、今回の民営案の中に含まれている規制緩和の問題、それを活用するということと、それから、私もちょっと申し上げましたが、関連事業をやる自由度がかなり高まっていますから、その関連事業で利潤を上げて、それを会社のインセンティブとして活用するということが私はできるんではないかと思っています。具体的なことは今申し上げられませんけれども、これは可能じゃないかというように思いますので、料金に上乗せするということは、これは不可能だと思います。

佐藤参考人 これは、実は経済学では一九二八年にもう解決している問題です。

 イギリスの経済学者でラムゼーという人がいまして、ラムゼーの公共企業体価格設定論というのがあるんです。具体的にどんなことかといいますと、公共企業体、恐らく当時は電力の料金をどういうふうに設定するかという話でございまして、電力会社は利潤を設けてはいけない、コストをカバーするだけの利潤を設けてもいい、これがラムゼー方式という方式なんですね。ですから、そういうような方式で今やっているのかなというふうに思いましたけれども、実際にそれができるかどうか。

 こことはちょっと関係ありませんが、実は日本の電力会社はその方針を使わないで、世界でもちょっと、物笑いと言っては失礼ですが、恐るべき利益を上げている。つまり、いつも利益の上から三番目、四番目というのは電力会社でございます。ですから、ラムゼー方式は使っておりませんが、そういうふうになったら困るというふうに私は思っております。

久保参考人 私も、通行料金の中に利潤は見込むべきでないと考えております。

 理由としては、やはり今料金が高いわけですから、これをむしろ引き下げる努力をすべきであって、そこに利潤を上乗せするのはおかしいと考えております。

 ただ、有料道路事業を行う会社にどういうインセンティブを与えていくか。つまり、合理化等をやれば、保有機構に払う貸付料よりももっと合理化すればそれがインセンティブとして新会社に返ってくるようなシステムを何かしていただければいいかなというふうに考えております。

高木(陽)委員 どうもありがとうございました。

赤羽委員長 穀田恵二君。

穀田委員 私は、日本共産党の穀田恵二です。

 参考人の皆さんには、本当にいろいろな貴重な御意見をありがとうございました。

 その上で、二、三点、それぞれの参考人にお聞きしたいと思います。

 まず、榊原参考人にお聞きしたいと思います。

 参考人もお話がありましたように、私は、今の日本の財政が大変な状況にあるということは認識を同じくしています。そこで、今、日本の公共事業のあり方自体の見直しを問われているという時期に本当に来ているんだと思うんです。私は、土建国家の見直しがどうしても必要だ、特に、民営化が議論された背景には、従来型の公共事業の破綻があると思うんですね。

 したがいまして、そういう角度からした場合、高速道路など道路行政のあり方を根本的に見直さざるを得ない事態に来ているんじゃないか。その辺の状況認識についてまずお聞きしたいと思います。

榊原参考人 私も先生と全く意見を一にしておりまして、やはり、公共事業中心の日本の財政のあり方あるいは日本の政治のあり方が、もう二十年ほど前から破綻に瀕しているということではないかと思います。まさに、土建国家日本を変えていかなければいけない局面に入ってきていると思います。

 もちろん、財政破綻の最も重要な要因というのは、実は公共事業ではなくて、年金とか医療なんですけれども、しかし、公共事業も財政の悪化ということには相当の負の貢献をしているわけでございまして、その意味で、今の日本の公共事業のシステム全体を見直す時期に入ってきている。

 先ほど森田先生が四〇年体制を変えろというふうにおっしゃっていましたけれども、まさにこれも同じことでございまして、四〇年体制の政治のあり方あるいは財政のあり方を変えなければいけないというふうに思っております。

穀田委員 四〇年体制かどうかというのは私は余りよくわからないんですが、戦後の政治といいますか、長く続いた自民党政治のもとで行われたという点ではそうなんでしょうが。

 そこで二つ目に、先ほども参考人おっしゃいましたように、政府が政府保証を債務につけてあげるという仕組みをつくったことで、実は、四十五年間ということも相まって、実際は道路をつくり続けるという宣言だと私は思うんですね。

 そこで、借金は四十五年で本当に返せるのか。私は、下手したら返せない事態が来る、国民にツケが事実上さらにふえるということだけは確かだ、そういうふうに思っているわけですが、御意見をお伺いしたいと思います。

榊原参考人 政府の予定どおり、借金が四十五年で返せるかどうか。

 まず一つは、新たな借入金がどのくらいふえるかということでございます。新たな借入金が債務になるわけでございますから、それについてどういう借入金の状況になっているかというのを、少なくとも法案を見る限りではわからないということであります。

 それからもう一つ、四十五年間ということになりますと、金利の状況が大きく変わるわけでございます。今は低金利時代でございますけれども、恐らく、四十五年を考えると、超インフレにはならないと思いますけれども、今よりも金利が上がる状況というのは十分考えられるわけでございます。ですから、金利が今よりも例えば平均して二%、三%上がるということであれば、今の債務の返済計画は実現不可能ということになりますから、四十五年で返済できるという計画は、私が法案で見る限りは非常に不確実性の高いものだと言わざるを得ないというふうに思っております。

穀田委員 私もそこは質疑で指摘しているのですが、同時に、先ほど来の榊原参考人の御意見で、特に財政の問題は何度も指摘されていましたけれども、例えば、道路無料化にするという案も一方であります。しかも、債務返済に道路特定財源を充てるということにもしています。したがって、通行料金を無料化しても、二兆円規模の国民の税金で処理するということにこれはつながるおそれがある。

 そうしますと、やはりいずれにしても、今、税の使い方を考えなければならない時代に来ているということを先ほど来お話があった。私は、その意味で優先順位が、まあ、こういう使い方もあることはあるんだと思うのです。ただし、先ほどあったように、一方では、そういう税金を、道路をつくり続けるということに対してのむだ、むだといいますか、そういう点での指摘をされる榊原参考人が、一方ではこういう形で税金を使うことに対していかがその辺の整合性はお考えなんでしょうか。

榊原参考人 今重要なことは、既に相当の有料道路がつくられているわけでございますね。料金が高いために利用されていない有料道路、これは本四架橋なんかはその典型でございますけれども、あるいは東京湾横断道路等もありますね、これは、実は宝の持ちぐされなんです。

 あれだけの費用を投入して、それで使われていないということは、先ほど佐藤先生が、全部ただにして、それでも使わなかったらこれはむだだとおっしゃいましたけれども、あれだけ高い料金であれば、これは使わないのは経済合理性にもとるということになりますから、実は、既に持っている道路、有料道路、しかも技術的には極めて高いものですね、そういうものを使えるように無料化する、無料化するために道路特定財源を使うということは、これは国益にかなっているのではないかというふうに考えているわけでございます。

穀田委員 わかりました。国益ということなのか、それとも、お金の今の使い方のシフトの仕方という問題について聞いたつもりだったのですが、まあその辺はわかりました。

 次に、梅田参考人にお聞きします。率直にお聞きします。

 土木工業協会加盟のほとんどの企業が道路公団OBを営業担当などに受け入れています。私は、実は去る予算委員会で指摘したのですが、未供用の七十路線の三百六十一件の公団の工事の受注のうち、公団OBを受け入れていなかったケースはたった一件しかありませんでした。

 公団のファミリー企業については、天下りなどが随分批判されてきました。なぜ公団OBを受け入れているのか、その辺の率直なお話をお聞かせいただきたい。

梅田参考人 他社のことは私は存じません。自社のことについては申し上げます。

 私どもは、例えば道路公団OBを採用するについて、これは技術系が多いのです。技術系の者は、道路公団において技術を習得してきた、そういう土木技術者として非常に重要な人材であるという人を採用しております。

 そういう趣旨で、何も、道路公団と営業的なつながりを利用しようとか、そういうことで官庁OBを採用していることは一切ございません。

穀田委員 わかりました。なるほど。ちまたでは、もちろん御承知のように、営業担当と言われる話も出ておるということもこれまた事実だということは指摘しておきたいと思うのです。

 そこで、参考人はきょうの陳述の中で、情報開示が一般企業以上に極めて重要だとお話しされていましたし、レジュメにもそう書いていました。私もそのとおりだと思うのです。しかし、道路公団が民営化された場合、客観的な問題として、例えば情報公開法などが適用される事態は少なくなります。

 どのようにして情報開示を、法的にも、そして機構的にもつくるのかということについてはどうお考えでしょうか。

梅田参考人 それは、私がどういうふうにすべきだと申し上げるよりは、国会でお決めいただく問題ではないかと思いますが。

穀田委員 いや、重要だとおっしゃっていたから、民営化したら進むのかな、こう思いまして、私は余り進まぬのじゃないかと思ったものですから。

 次に、それでは佐藤参考人にお聞きします。

 参考人は、きょうお配りされた文章だけじゃなく、いろいろなところで、初めに民営化の結論ありきということを指摘なすっています。私も、その点ではそのとおりだなと思っています。別の文章のところでは、民営化しさえすれば公正、効率を達成できるとするのは幻想にすぎない、こう述べておられます。私もそのとおりだと思うのです。その辺をできれば詳述していただいて、どの辺の改革が必要かというあたりをお聞かせいただければと思っています。

佐藤参考人 日本の一般的なムードは、先ほども申し上げましたけれども、何か、官でやることはよくないし、民でやることだけがいいという風潮がありますので、そういうところから公正に、今までは、ある意味では官のやり方が不公正だったという印象があると思います。

 先ほどから言われておりますようないわゆる天下りの問題だとか、それから政治家の金銭的な問題だとか等々があって、国民は、政府あるいは官のやること、それから、政治に対する不信が起こっているというふうに思います。ですから、民間にやらせるとその点がなくなってうまくいくんじゃないかという、私は、場合によっては幻想だと思いますが。

 経済学でもう一つ使っている言葉がプライベートグッズ、これは日本では私的財というふうに訳しております。もちろん、私的財は民間でつくるのが当たり前で、今まで政府がもしつくっていたとすればこれは間違いでございまして、それがいわゆるディレギュレーション、規制緩和の問題だと思います。ですから、私的財を政府でつくるようなことをやっていたとすれば大きな間違いですので、それはそのとおりだと思います。

 それから、今の御質問に直接答えになるかどうか知りませんが、私は、先ほどちょっと申し上げましたが、いわゆるハードパワーとソフトパワーのバランスが必要だというふうに言っております。

 例えば、今の御質問のバックグラウンドには、多分、日本の医療制度とかそういうような、もっともっと我々の肌に近いようなところにお金を使った方がいいという、これはいわゆるソフトパワーをもっと強くしなさいということだと思いますが、まさにそのとおりで、大賛成であります。

 ただ、歴史的に見ますと、西洋も、恐らくイスラム社会もそうだと思いますが、日本も、ソフトがあってハードがあるんですね。例えば、京都がなぜ有名かというと、京都には歴史があって、それを実際に見ることができるお寺とか神社仏閣があるから京都が有名なんですね。これは日本だけじゃありません。ヨーロッパも全く同じです。アメリカも全く同じです。

 ちょっと卑近な例かもしれません。アメリカの大学では寄附をいただいています。例えば一千万ドルの寄附をするという申し出があったら、我々教授は、我々の給料が上がるかもしれないと喜びますが、そんなところへ行きません。その寄附を申し出るほとんどの方が、自分の名前を建物にくっつけてくださいというふうに言います。

 ですから、これは人類のある意味ではハードに対する願望というか、そういうものがあります。ただ、それだけじゃなくて、日本の問題はハードとソフトのバランスがよくないということを申し上げたつもりでございます。

穀田委員 京都が出ましたので、私、京都に住んでいまして、ふと思いをいたしまして、歴史やすぐれた景観があります。今、参考人は世界的な角度から物を見ておっしゃっていましたが、私なんかは、都市の内部に、インナーシティーのところに、例えば京都などというところに高速道路を持ってくるのはいかがなものかというふうに思っているんですね。その辺は、世界的なレベルで見て、そういう古都、歴史都市、そういったところの例なんかはどうでしょうか。

佐藤参考人 私は、京都にハイウエーを持ってくるというのは賛成じゃありません。

 この間、京都大学にちょっと講演を頼まれて行きましたけれども、あそこに、駅に大きなビルがあって驚きました。非常に便利にはなったんですが、アメリカの文化になれているのかどうか知りませんが、やはり、何でもかんでも近代的というか、そういうことをすることがいいというふうには思っておりませんので、やはり京都はあのままにしておいていただきたいなという気持ちがあります。

穀田委員 ありがとうございました。

 では、最後に久保参考人、実は先ほど少し述べたんですが、ファミリー企業に対する批判というのはさまざまございます。これはもう言うまでもありません。

 問題は、天下りや公団発注事業の独占などが批判されてきたわけですが、民営化されて、こういうものがどのように変わるというふうに展望としてはお考えですか。その辺、御意見をお聞かせ願えればと思います。

久保参考人 新しい会社ができて考えるべきことだとは思いますが、私の個人的な見解で申します。

 そういうファミリーと言われるような企業が次第にできてきた発端は、ちょうど一九六五年ごろからです。そのころに、道路公団の組織が余りに肥大化するのはよくないなというような考えがありまして、そういう仕事を、特に維持管理業務をアウトソーシングしようということになって、その時代は道路公団の外側にそういう会社がないものですから、実は卒業したOBに頼んでそういう会社をつくってもらって、それが次第次第に肥大化してきた、そして批判を生むようになったというのが流れでございます。

 今後のことでございますが、恐らく、今度は民営化会社が今の道路公団の仕事をもっと効率的にやっていく、あるいはもっと経費を節減していくという視点に立てば、今の仕事をもう一度見直して、自分たちの内部あるいはグループでやる方がいいのか、あるいは全く外に出す部分があるんじゃないかとか、そういうことを今後検討されていくんじゃないかというふうに私は考えております。

穀田委員 先ほども梅田参考人にもお聞きしたんですけれども、先ほど述べた七十路線の三百六十一区間という話をしたときに、道路公団でいいますと、これは資料を請求して出していたんですね。また、ファミリー企業の問題でも、出せと言ったら出るんですね。ところが、民間企業になりますとそれは我々の仕事だというわけですけれども、実はそういうことによって遮断されるということが結果としてあり得るんですね。

 だから、私は、今言った経費の節減やそれから効率という問題もさはさりながら、一番大事な問題は、先ほども梅田参考人もおっしゃったように情報開示が一般企業以上に極めて重要だ、そのシステムをどう残すかということはとても大切だと思うんですね。その辺だけ最後に御意見を聞かせていただいて、終わりたいと思います。

久保参考人 それは穀田先生のおっしゃるとおりだというふうに考えております。

穀田委員 どうもありがとうございました。

赤羽委員長 これにて午前中の参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人の皆様方に、当委員会を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げさせていただきます。

 本日は、参考人の皆様方におかれましては、大変御多用中の中、また、早朝からにもかかわりませずわざわざ足をお運びいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。意見の陳述時間は大変限られた時間でございましたが、それぞれのお立場から実に貴重な御意見を賜りましたことを心から感謝申し上げる次第でございます。本日ちょうだいいたしました皆様の御意見を今後の議論の参考といたしまして、より一層深まった議論を展開してまいる所存でございます。

 本日は大変にありがとうございました。

 午後二時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時二十九分開議

赤羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 午前に引き続き、内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案、日本道路公団等民営化関係法施行法案及び岩國哲人君外四名提出、高速道路事業改革基本法案の各案審査のため、午後の参考人として、秋田県知事寺田典城君、大分県知事広瀬勝貞君、社団法人全日本トラック協会理事長野間耕二君及びシンクタンク山崎養世事務所代表、前ゴールドマン・サックス投信株式会社社長山崎養世君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の皆様方に本委員会を代表しまして一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。

 本日は、大変御多用中のところにもかかわりませず本委員会に御出席をいただきまして、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。各案につきまして、御意見の陳述の時間、大変限られておりますが、それぞれのお立場からぜひとも忌憚のない意見をお述べいただきますようよろしくお願いを申し上げます。きょうは最後までよろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、寺田参考人、広瀬参考人、野間参考人、山崎参考人の順で、それぞれ十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 なお、参考人及び質疑者におかれましては、御発言の際は着席のままで結構でございます。

 それでは、まず寺田参考人にお願いいたします。

寺田参考人 秋田県知事の寺田でございます。

 きょうは、大変光栄でございます。ひとつよろしくお願いいたします。

 私の経歴を少し述べさせていただきますが、五十歳までは民間の一経営者でございました。平成三年でございますけれども、自民党の方からの推薦で市長を六年務めさせていただきましたから、行政的な採用は平成三年でございます。六年間務めさせていただきまして、次は平成九年ですか、知事に就任させていただきました。政党的には、二回目からは根なし草でございまして、ひとつ市民的な物の考えで高速道路について述べさせていただきたい、そう思います。ひとつよろしくお願いいたします。

 ここに参考資料としてわずかな資料を皆さんの前に提示させていただいていますが、一つは、秋田県の広さというのが埼玉、東京、神奈川、千葉県と大体同じぐらい、そこに人口が百二十万、キロ平米当たり百一人住んでいますけれども、首都圏につきましては三千五百万、二千五百人ぐらいキロ平米当たり住んでおります。いかに日本の国というのが広いかというのを今それで表現させていただきたい、そう思います。

 私は、その二番目に、整備手法ということで書かせていただいていますが、市長時代から、高速道路イコール有料というのはいかがなものか。道路というのは公的なものですから、公物ですから、私は、できるだけ無料の方がいいだろう、特定なものを除いて、一部を除いて無料というような形で進めていくべきであろうという考えを持っておりました。

 この秋田県の道路工事の手法でございますけれども、一つは、道路公団が進めるA方式というのは約六〇%でございます。そして、要するにバイパス道路ですね、自動車専用、A方式とAダッシュ方式と見ていただければ、国土開発幹線自動車道密接関連継続事業、これが約二九%させていただいている。全体的に、今度の新直轄を入れて四割ぐらい、これはみんな県費負担を伴う道路特定財源のもとの施行でございます。

 ですから、全国的なペースでいきますと、直轄事業、Aダッシュの事業というのが八%でございますから、いかに秋田県は県費負担を伴う工事で自動車専用道路を進めてきているかというのは理解していただきたい。ということは、ある面では、税金を払っても県民は早く自動車専用道路をつくるように、これがやはり県民の願いでございまして、このとおり進めさせていただいているという状況でございます。

 今回は、民営化等でございまして、不採算路線につきましては国の直轄事業という形で新直轄方式になるわけでございますが、これから先のことについて、次のページをお願いしたいんです。

 なぜ自動車道路が必要であるかということにつきましては、東北地方におきましての自動車の依存度というのは九四・七%。三大都市圏ではフィフティー・フィフティーぐらいで、どちらかというと、鉄道の方が多うございます。全国平均にしましても、七四・一%が自動車に頼っている。ですから、自動車道路というのは基本的なツールであって、特に高速道路はネットワークをつくることが近代国家における生活の基本的なツールだというふうな考えを持っております。そういうことをひとつ御理解賜りたい、そう思います。

 また、もう一つお願いしますのは、自動車の保有台数でございます。これは秋田県だけでまことに申しわけないんですが、携帯電話というのは二人に一人ぐらいなんですが、こちらの場合は十人に七人。恐らく東北地方はほとんどの方々が自動車がなければ生活ができない。東北、北海道でも、恐らく三大都市圏の部分を除いたら、そのような生活に必要でないのか、私は、このことをひとつ御理解賜りたいと思います。

 また、もう一つは、最後の項になりますけれども、県民の所得でございます。大体秋田県は東京の五五%、それから東北六県は全国平均の八五%となっていますが、秋田県は七八%。

 所得の問題というのは、ある面では、高速道路の負担をするということに対しては大変な困難を伴うということで、よく有料道路がすいているとか使えないとかというのは、やはり所得の面もあるし、値段が、道路料金がキロ二十五円では高過ぎる。できれば、それこそできるだけ速やかに、首都圏、三大都市圏等を除いた部分については無料化を進めることが国民にとっては大変なプラスになるんじゃないのかな、私はそう思います。

 財源等はどうですかというのは、いろいろこれから議論されるでしょうけれども、ある面では、道路特定財源だとか、おしかりを受けるかもわからないですけれども、今安いうちに国債等を発行してそれを処分してしまうということ、それから、道路をつくるには、道路特定財源をそちらの高速道路に、自動車専用道路に入れるということは、もちろん一般道路の方が少なくなるということも覚悟の上でお話をさせていただいているということを御理解賜りたいと思います。

 あとは、皆さんの御質問の上で、基本的なことを、いろいろなことを答弁させていただきたいと思います。

 以上でございます。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 次に、広瀬参考人にお願いいたします。

広瀬参考人 大分県知事の広瀬でございます。

 昨日は、当委員会の公聴会を大分で開催していただきまして、まことにありがとうございました。

 そしてまた、きょう、こうしてお話をさせていただく機会をいただきまして、大変光栄に存じております。

 私は、地方自治体の立場から意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。

 申すまでもありませんけれども、高速道路は、沿線住民の安全で快適な生活を確保して、また、地域の開発や発展を図っていくという意味で、まことに基礎的な社会基盤であります。だからこそ、国が国土のグランドデザインを描いて着実に整備してもらいたいというふうに考えているところであります。

 特に、これからは地域間の競争の時代だと言われております。高速道路というのが基礎的な社会基盤である以上、やはり地域間の競争にとっても大事な競争条件であります。基礎的な競争条件の整備という意味でも、ぜひ高速道路の整備を進めていってもらいたいというふうに思っているところであります。

 私は、東九州四県、鹿児島、宮崎、大分、福岡、そして北九州市、四県一市で構成します東九州自動車道建設促進協議会の会長を務めさせていただいておりますけれども、大分県のみならず、東九州地域全住民の悲願となっております東九州自動車道を例にとりましてお話を申し上げさせていただきたい、こういうふうに思います。

 ここにちょっとパネルを示させていただいておりますけれども、これは九州の高速道路整備状況を示したものでございます。

 西九州の方は九州縦貫道がしっかりと走っております。さらに西に行きますと長崎まで高速道路が走っているということでございますけれども、東の方をごらんいただきますと、ほとんど白紙になっております。これが今の九州の高速道路の整備状況でございます。

 私ども、この東側に全長四百三十六キロの東九州自動車道の整備をお願いしたいというふうに考えておりまして、その中で、今、現に供用になっているのがわずか八十一キロ、ぽつぽつと黒い線がありますけれども、これだけでございます。全体の一九%ということでございます。東九州地域の住民にとりますと、九州全体で取り残された感、不安感、不満感が充満しているというのが現状でございます。

 なぜ東九州自動車道かということについて、少し詳しくお話をさせていただきたいというふうに思います。

 まずは、安全、安心な住民生活の確保というためでございます。

 大分と、大分の南の方に津久見というところがあります。ここはおかげさまで、この大分―津久見間は平成十三年の暮れに高速道路が開通をいたしました。おかげで、それまで大分と津久見という間が一時間かかっておりましたのが三十分に、半分になりました。

 したがって、この津久見、二万二千人の小さな町でございますけれども、年間百件ぐらいの緊急医療輸送があるわけでございますが、そのすべてが今度新しくできました高速道路を通って大分まで運ばれるということでございまして、大変津久見の市民にとっては安心ができたわけでございます。この安心というのをやはり東九州地域全体に広げていきたいというふうに思っているところでございます。

 これはこれからお願いをしたいところでございますが、宮崎県に接するところに蒲江町という小さな町があります。ここに平成十三年に台風が参りまして、町の外に出る道が全部遮断されました。三日間この地域が陸の孤島となりまして、大変住民に不安を与えた。三日間どうして陸の孤島になったかといいますと、高速道路が全くありませんから、そこまで物を運んで復旧作業をやる手だてがなかったということでございまして、やはり住民の安全、安心のためにどうしても高速道路が欲しいというところでございます。

 第二に、やはり地域開発にとって高速道路は不可欠のものでございます。

 大分市というのは、おかげさまで鉄鋼業、化学工業の最先端工場があります。東芝の半導体工場もあります。キヤノンがデジタルカメラ工場をつくるというような計画もございます。大分市は、おかげさまで有効求人倍率は、十六年の二月でございますが、〇・九〇というところまでいっているわけでございます。

 ところが、大分市から南の方に佐伯という町がありますけれども、ここは昔連合艦隊がハワイを襲撃するときに極秘裏に集結した港でございまして、天然の良港があります。したがって、昔は工業も盛んに行われていたんですが、モータリゼーションの中でこの工業もうまくいかなくなったということで、大変今疲弊をしております。有効求人倍率が、すぐ近くの大分が〇・九〇なのにかかわらず、この地域は〇・五六という大変低い状況になっております。せっかくの、高速道路さえできれば大分まで働きに行く、あるいはここに工業が来るというにもかかわらず、そういう状況になっているわけでございます。

 また、この地域は、ヒラメとかブリとかいった魚の養殖でも日本で一、二を競う地域でございます。高速道路ができてもっと搬送が速くなれば、もっともっと開発される可能性があるというような地域でございまして、大変地域の開発にとっても重要な高速道路の要望があるわけでございます。

 また、大分県は県土の二八%が国立公園などの自然公園の地域に指定をされておる、二八%でございます。年間に五千五百万人の観光客が参りますけれども、この観光客をさらに誘致していくためにも高速道路が非常に大事、地域の開発にとっても不可欠のものであります。そういった意味で、ぜひこれをやっていきたい。

 また、高速道路は、東九州自動車道は、ひとり東九州沿線の問題だけではありませんで、九州の、先ほどごらんいただきました九州縦貫自動車道あるいは九州横断自動車道と一体となりまして、ようやく循環型の高速交通ネットワークが九州に完成するわけでございます。そうなりますと利便性も確実に高くなりますし、また道路全体としての信頼性も非常に高くなるということでございまして、そういった九州全体の循環型高速交通ネットワークの整備という上からもぜひ必要であるというふうに考えております。

 今、そういう意味で、この東九州自動車道は地域の住民の悲願でございますけれども、非常に住民生活にも密着している。ここに産業が開発されれば住民の若者がここに定着できる、あるいはここに高速道路ができれば安全、安心の生活ができるということで、大変、男性だけではなくて女性にも非常に今この誘致熱が高まっておりまして、女性のグループが非常に立ち上がっているというような状況も、まさにこの東九州自動車道の待望の気持ちをあらわしているのではないかというふうに思っているところでございます。

 高速道路の整備というのは、計画的に着々とやっていただくということが全国民に対する約束だったんだろう、こう思います。計画をつくって着々とやっていく、我々はそれを待っていたわけでございますけれども、ぜひお約束どおり着実に実施をしていただきたいと思っているところでございます。

 このような観点から考えますと、今回御議論をいただいております政府の民営化法案ということにつきましては、私は、当面有料制を維持して料金収入を最大限活用して長期債務を返済していくということ、そしてまた同時に、効率的、機能的に高速道路を整備していくということで、大変評価をしているところであります。

 ぜひとも早期に成立を期して、九州の高速交通ネットワーク体系の早期完成を図っていただきたいというふうに思う次第でございます。

 私からは以上であります。ありがとうございました。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 次に、野間参考人にお願いいたします。

野間参考人 全日本トラック協会理事長の野間でございます。

 本日は、日本道路公団等の民営化に関連する五法案の審査に当たりまして、参考人として意見を述べさせていただきます。

 まず、トラック輸送は、我が国物流の基幹的輸送機関としまして、トンキロ数において国内貨物輸送の五割以上を担っております。高度化、多様化する利用者ニーズに的確に対応しながら、産業の発展と国民生活の向上に大きく貢献しています。

 比較的短距離の貨物輸送に適していると考えられるトラック輸送が、トンキロ数において、昭和三十五年度の二六%から、昭和六十二年度以降一貫して五〇%以上を担うこととなった背景には、その間、高速道路が着々と整備されたという事実があります。また、その年間売上高は十一兆円から十二兆円という巨大産業であります。

 しかしながら、平成二年の貨物自動車運送事業法の施行によります大幅な規制の見直しを機に、毎年約二千社程度の新規参入、同じく約五百社程度の撤退があり、平成二年には約四万社であったものが十四年度末には約五万八千社に達するなど、非常に厳しい競争下にございます。そのうち九九・九%が中小企業であり、資本金三億円以上、従業員三百人以上のいわゆる大企業は六十一社にすぎません。

 これだけ厳しい競争下にあるための運賃低下、荷主のコスト削減要請の強化の状況下にありまして、トラック運送事業者は、高速道路を利用してもそれだけの運賃はもらえない。したがって、高速道路は利用できないという声が、景気低迷下にあって、近年特に強まっております。

 我々の実施したアンケート調査によりましても、利用控えの指導をしているとした事業者が八六%を占めています。これは、現在の高速道路料金の水準が既にトラック運送事業者に大きな負荷を与えていることを示していると思います。

 高速道路は貨物輸送に最も適した施設であり、それを利用して急速にシェアを伸ばしてきたトラック運送事業者が、それをいかに使わないで輸送するかに頭を使うというのは、まことにもったいない話であり、ばかばかしい状況であると思います。

 そのような状況下で、高速道路利用者は料金に対して非常に敏感であり、これも我々が実施したアンケート調査の結果によりますと、基本料金を引き下げた場合、一割程度の引き下げでは七三%の事業者が利用の増加はしないと答えているのに対し、三割程度の引き下げでは三割程度以上利用をふやすと答えた者が四二%に達し、五割程度の引き下げでは三割以上利用を増加する者が八四%、五割以上利用を増加すると答えた事業者も四七%に及んでいます。

 高速道路の整備に伴い発展してきたトラック運送業界にとっては、利用が少ない路線でも、それを利用する者にとっては貴重であり、不必要な路線というものはありません。しかしながら、現状の料金プール制のもと、新規路線の建設が他の路線の料金収入によって賄われる結果、他の道路料金の上昇圧力になることには反対であります。

 新規路線の中には、国としての危機対応能力の強化、災害に強い国土づくり等を目的としたいわゆるバックアップ型のものや、国土の均衡ある発展、地域振興、地域交流圏の拡充等を目的とした地域振興型のものがあり、これらを既存の高速道路利用者に負担させるのは適当でないと考えます。

 高速道路は、建設そのものの経済波及効果を生み出すほか、これからの新規路線については、費用対効果を十分評価して建設が進められることとなっており、国や地方自治体に税収増加を生み出します。また、高速道路を走行する車両の燃料消費も揮発油税、軽油引取税等として国や地方自治体に大きな収入増となっているにかかわらず、高速道路の建設には還元されておりません。これらの事実や建設目的を十分勘案して、新規道路の建設に当たっては、国費または地方費を投入すべきであると考えます。

 また、我々は、必ずしも多くの需要が期待できず、有効活用がなされないとともに、収支の悪化が懸念される路線も含め、需要喚起方策として、割引制度の拡充等による料金体系の弾力化は非常に効果的であり、路線の収支の改善にも大きく寄与するものと考えております。

 需要喚起方策としての適切な料金体系を設定するためには、日本道路公団が車種ごとの高速道路利用動向を的確に把握することが不可欠であり、その内容を十分に踏まえ、おのおのの利用者にとって魅力的な料金設定を行うことが必要であります。特にETC前払い割引制度、料金別納割引制度等の既存制度は、高速道路利用促進に大きく寄与しています。今後とも、これら既存制度を充実し、高速道路全般の利用効率を向上させることに加え、平成十五年度において実験的に実施された長距離需要を喚起するための長距離逓減制度の強化等、弾力的な料金設定の拡充が強く望まれます。

 高額の料金により高速道路利用を敬遠しかねない利用者の高速道路利用を促進し、高速道路全体の需要の活性化、ひいては採算性の向上を図るためには、割引制度の拡充等による料金体系の弾力化が不可欠と考えられます。

 したがって、民営化推進委員会が、新しくできる五つの新会社は、夜間料金の半額割引や通行台数一万台以下の道路の通行料金の三割引き下げ等により、平均で一割の通行料金引き下げを民営化と同時に実現すると言われ、国土交通省が民営化以前にもそれを実現し、さらに、現行の別納制度は廃止をするものの、それにかわる割引制度により、さらなる料金の引き下げを実現されようとしている御努力に大いに期待しております。

 また、公団民営化後についても、民営化の目的の一つである民間の経営センスを生かした弾力的な料金設定が図られ、さらに利用料金が低下することを期待いたします。

 以上でございます。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 次に、山崎参考人にお願いいたします。

山崎参考人 本日はお招きをいただきまして、大変ありがとうございました。

 それでは、ちょっと議論に入る前に一つ、ある本の一節を、最初のところを読ませていただきたいんです。

 明治百年を一つの節目にして、都市集中のメリットは、今明らかにデメリットへ変わった。国民が今何よりも求めているのは、過密と過疎の弊害の同時解消である。高速自動車道の建設などをてこにして、都市と農村、表日本と裏日本の格差は必ずなくすことができる。昭和四十七年六月、田中角栄、「日本列島改造論」。

 私、今回訴えたいのは、私はこの趣旨に大変賛成です、国土の均衡ある発展を目指して、そして、田中角栄先生を初めとしたいろいろな方がつくられた制度。しかし、結果どうなっているのか。三%の国土に八千二百万人が住むような国になってしまっている。新規上場企業の四分の三が東京からしか生まれない。明らかにこの田中角栄さんの目標は破綻をしております。

 三十年前には非常に有効であった制度、今も同じような形で継続して続けていいのか、そのあたりから、しかし、きょうは天下国家論を語りに来たわけでは必ずしもございません。

 ただ、具体的に、実現可能性として、もともとはこの高速道路の建設、戦前のドイツのアウトバーン、戦後のアメリカのインターステート、いずれも国運を左右し、それによって国力が大発展して地方分散になった。単に道路公団という組織の経理問題、会計問題を超えた国の形そのものの議論じゃないか、そういうふうに思っております。

 もともと想定していた制度は何であったのか、どうしてこうなったのか、そのあたりからきちんと議論した上で、しかも将来何が起きるか、これを検証したい。

 もともと、先生方御存じだと思いますが、道路公団ができたときは、道路財源はわずか二百億しかない。名神、東名をつくるのに四千六百億円、つまり二十三年分もかかるから、アメリカから技術も、そして世界銀行からのお金を三分の一導入し、そして、財投で名神、東名をいわば担保つき金融として、特別措置として料金を取り出した。世銀にしてみれば、お金をちゃんと返してもらわなきゃいけないから、料金を取ることを認めましょう。借金を返せばただにします。だから、道路整備特別措置法であって、朝、佐藤先生からもあったように、道路はまさしく公物であり、無料で提供する、これは日本の今も厳然とある制度であり、すべて成り立っているものだと思います。

 ですから、では、借金を返したのはいつか、一九九〇年に返しております。ところが、名神、東名で取っている料金というのは、これは七兆円を超えております。四千六百億円のなぜ十五倍も取るようになってしまったのかというところをお考えいただきたいと思います。

 お手元に資料がございますので、詳しいお話は質問のところでまたごらんいただきたい、こちらの方でございます。

 かいつまんで政府の民営化案についてお話をさせていただき、また、選択肢として今般岩國先生外の先生方が出しておられる無料化案、これは、私がここに書いておりますのはあくまでも私の考えのところが反映しておりますが、その比較をいたしております。

 まず、政府の民営化案につきまして、さまざまな問題点をはらんでおります。

 一つは、まず、道路公団という組織は完全に民営化とは言えない。いわばサービスの独占企業、鉄道でいえばキオスクの上場、民営化であって、機構というのはそのまま残る。しかも、機構というのは国そのものですから、機構が借金を返さなければ、これは国民負担になるわけですね。

 今、道路公団は借金を返さなければ国民負担になるという構成になっていないにもかかわらず、今回これによって国民負担が発生する構造が初めてできる。平たく言えば、借金の飛ばしでございます。

 四十兆円の借金を持っている企業は日本国に一つもありません。日本の冠絶するような大きな借金を抱えた、今はこれが国の特殊法人の債券を、果たして民間企業が持てるんですか。すべての民間企業が一年間に出す社債、これは年間七兆円です、すべての会社を含めて。どうやって四十兆円の借金を、国債が出せないとおっしゃるんですから、一体民間企業債を出せるんですかということです。政府保証をとるんであったら、これはリスクとしては、国民負担としては国債と全く同じです。事業債が出せないんだったら、これは民営化と言えないということです。

 ただ、それよりももっと大きいのは、この四十五年の借金はいかなる性格を持っているのかということです。

 今、財投からお金を借りております。十年ごとの借りかえ、事業債も十年未満です。ということは、十年ごとにお金は金利を変更していかなきゃいけない。金利が上がったときどうなるんですか、この試算は示されておりません。今の超低金利の時代において成り立つような四十五年間、四%、こういうシナリオに基づいた数字が出されているだけの話でございます。

 私の資料の五ページをごらんいただければ、いかにこの仮定がかなり非現実的か、五十年、四十年というところをとっていただきますと、日本でも、ついこの間、バブルの崩壊前は何と金利は八%です。しかも、これから少子高齢化が言われ、日本は双子の赤字になると言われています。かつてアメリカが双子の赤字になったとき金利は幾らになったか、一六%です。

 この四十五年間の金利が仮に政府想定の四%であったとしても、これは借金の返済総額は八十四兆円です。八%になれば百三十四兆円、この増加額だけで年間の国家予算、一般税収を突破します。さらに、これが一四%に上がったといたしますと二百二十五兆円、公的年金の積立金はすべて吹き飛びます。これを全く考えていない。政府保証するということは、金利上昇したときのリスクはすべて国民が負担をするということを確約するに等しいわけです。

 しかも、この道路公団の組織、私が先ほど申し上げたような、例えば名神、東名の四千五百七十三億円、こういったこともわからないと言っている。そういう組織が果たして上場できるのか、債券を出せるのか。私は、限りなく無理である、株式の上場、これは不可能であろう、どうやってこれを民営化するのか、そちらの方がわからないということです。

 そして、もっと大事なことは、これによって世界一高い有料の高速道路制度がこれからさらに五十年存続する、今まで五十年、百年そういうことをやっていって、この過密と過疎の構造は永久化されるのではないかということです。

 それに比較をいたしまして、私は、本来、田中角栄さんも想定をしていた、なぜそう言えるか、田中角栄さんと非常に親しい方がおっしゃったんです、角栄さんが今生きていたらあなたの言うとおり無料にするんですよ、それで表日本と裏日本の格差をなくせるんですからとおっしゃるわけです。

 どうしてそれができるのかということを申し上げますと、二つあります。

 まず、国債での借りかえ、今も国が実質的に貸しております。財投です。財投債を発行しておるんです。日本国、年間国債が幾ら出ているか、百六十二兆円です。よく三十兆円の枠とか言っていますが、あれは新規財源債だけのお話、借りかえ債券と財投債を合わせれば年間百六十二兆も出ておって、四十兆の借金というのは四分の一にすぎない。しかも、財投債で借りているものが一般国債にかわるだけの話であって、先ほどの、民営化すれば七兆円しかないマーケットに行く。百六十二兆ですから、どちらが借金の借りかえができるかということは明白であります。

 しかも、それによって今の低金利で固定金利で発行ができる。つまり、今の政府案は、四十五年の変動金利の住宅ローンを借りているようなものです。これを固定で固めてしまいましょう、一番金利が低い今の時期に。しかも、日本国で一番安い金利で出せるのは政府なんですから、それで固めてしまえば幾らぐらいになるのかというのが十三ページの試算でございます。

 注意をいただきたいのは、確かに発行するときの金利が上がればこれはコストは上がりますが、年限が短いですから、どの想定で見ても、政府の今の想定の四%、八十四兆円を大きく下回るということですね。将来に金利が上がろうと、これは影響を受けないということですから、むしろこれしか高速道路を無料にしていく手段はないと申し上げられます。

 政府は、四十五年で必ず機構は解散すると言いましたが、ではそのときに、二百兆円、仮に、料金は今二・五兆円です、四十五年間で百二十五兆円、百兆円だれが返すんですかということの答えがなくして、どうして機構を解散できるのか、どうしてその借金をなくせるのか、何の答えもないわけであります。無料化案は、それに対する答えです。

 そして、では、これから道路建設はできないのか、そんなことはありません。受益者負担で、ただで、要するに、高速道路をただにしてやるというのに税金を使うというのは受益者負担に反する、そんなお話があったんですが、日本の今の自動車関連財源は大体九兆二千億あります。これは、特定財源と一般財源に入っている消費税それから保有税、こういうものもあるんですね。何と九兆円以上の税金を自動車ユーザーが払っておるんです。

 そのうち、高速道路で使っている税金は、例えばトラック、四五%が人キロでいえば高速道路を使っています。税額で計算すると、大体三割は高速道路を使っている自動車ユーザーの税金なんです。

 普通の国は、このお金も使って高速道路をつくります。つまり、年間三兆円近いお金を高速道路ユーザーから既に取っておるわけですね。それがどこに行っているか。基本的にすべて一般道路に行って高速道路に使われていないから、さらに二・六兆円も料金を取らなきゃいけない。つまり、今の制度が高速道路ユーザーから二重取りをしているだけのお話でございます。

 先ほどの国債の発行、これは二十二年間年間二兆円、後の十年間は一兆円を使えば、これできれいにこの国債はなくなってしまいます。そうしますと、今大体九兆円から十兆円の自動車関連財源がある。つまり、七兆か八兆、国債を全部返してしまっても、借金四十兆円きれいになくしてしまってもお金は残るわけです。

 私の提案は、これをすべて知事さんに配ったらどうだというふうに思っております。

 国は執行の監視をし、そして計画を立てる、実行は知事がする、つまり、経営でよく言う執行とそれから監視の分離、この二つを実行していくこと、そして、お金が余ればその県が自由に使う、こういうことで三位一体の実行というのもできるのではないかと思います。

 短い時間でございますが、以上でございます。

 ありがとうございました。(拍手)

赤羽委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中馬弘毅君。

中馬委員 きょうは、それぞれお忙しい中をこうして我が委員会に御出席くださいまして、貴重な御意見を陳述いただきました。心からお礼を申し上げる次第でございます。

 午前にも参考人から意見を聴取いたしましたが、これまた、今皆様方からの御開陳と同じで、道路というものは国の基本的なインフラであり、そして、これはやはり無料で、天下の公道じゃございませんが、自由に往来するのが当然だといったのがほとんどの御意見でございます。

 しかし、御承知のような経緯で、民営化推進委員会が発足し、これがこうした株式会社案といったものまでも出してまいりました。それもいろいろな意見があったわけで、推進委員会そのものが一つの意見になったわけじゃございませんが、その中で、多くの国民にも誤解も含めたいろいろな意見が吹聴されてしまった点があることは残念に思っております。

 そうじゃなくて、やはり民営化することが一番いいんだ、あるいはその方が効率的になるんだ、こういったようなことまでが吹聴される中で、また我々は、国会としまして政府を叱咤し、そしてまた、私たちが国民の声も聞いた上で今回の案にまとまったわけでございます。

 ともあれ、私の立場を少し申し上げておきますと、私は、はっきりと言いまして道路は民営化すべきでないという立場でございます。

 やはり、国家統治の一つの基本的な手段が道路でございますし、先ほど言いましたように、天下の公道という言葉があるように、自由往来がこれは当然でございます。

 しかし、戦後のあの急激なモータリゼーションの中で、どうしても整備しなければいけない、世銀からも金を借りてこれを整備したときに、返済の方法すら浮かび上がらない中で、道路特定財源を取っておりますものの、それじゃ到底足らないので、こうして料金を取ってというこの制度ができ上がったことは、もう委員御承知のとおりでございます。

 そういう中で、今回、公団がずっと運営してまいりましたが、それについて我々国会議員の方も若干心配をしておりましたけれども、結果的に四十兆という大きな債務を残してしまった。これをどう処理するかということが、一つは今回の民営化推進委員会なんかの議論であったと思います。道路をどうするかという話よりも、四十兆をどうするかという話になってしまった。そこにすりかわってしまったことも、私は国の道路政策の国家基本を語るにはちょっと残念であったと思います。

 ともかく、その中で、今回出した法案は、道路公団民営化と書いてございますが、道路そのものを民営化するんじゃなくて、これはあくまで管理と補修といいましょうか、そうしたものを民営化するだけであって、やはり道路は国のものだ、国の、天下の公器だということのこれは一つも原則を曲げていないんだと私は理解しております。

 そういうことをもう少し国民の方々も御理解いただきまして、運営そのものを民間的な手法で、あるいは民間会社がやることは、私はこれは全然おかしくないと思っております。御承知のとおり、空港その他も、オランダにおきましてもスキポール空港なんというのは大変な民間会社でございまして、中でカジノまでやっております。

 ともかくそうした民間的な経営手法で、つくってしまった道路公団の民営的な運営をして、そしてそこから利益を上げて、そこからまた、それは株式会社的な形でやり、料金はあくまで返済に充てるという今回の今後のスキームは、私はその意味で評価しているわけでもございます。

 ともあれ、まず参考人の方々にお聞きしますが、こうした民営化推進委員会が決めたことと、今回私たちがといいましょうか政府が提示しているこの案とは若干異なっている点があろうかと思います。これについてのそれぞれの参考人の御評価なり御意見をちょうだいいたしたいと思います。

寺田参考人 私も理解するのに苦労していますが、民営化が果たしてだめであったか、だめである、また賛成であるという、いろいろ意見はありますけれども、道路というのは公物であるという基本的なことから申しますと、私は民営化論については反対でございます。

 なぜこのようなことをしなければならないのかということをもう少しシンプルに、私は、高速道路というのは、どちらかというと自動車専用道路ということで、必ずしも有料化についてはなじまない、一つのバイパス的な道路であるという考え方を持っていますので、いろいろな面で、管理的な株式会社であるという形だったら、今でも秋田県は秋田県の道路を管理しておりますし、国は国の道路を管理していますから、それをより合理化すれば、要するにより安く維持できるはずであります。また、サービスエリアだとかパーキングエリアだとか、そういう営業を伴うものについては別途に進める必要があろうと思うわけで、根本的に違うわけでございますから、そういう点では、この法律については基本的に理解しかねる、そう思っております。

 以上でございます。

広瀬参考人 今度の法律で我々が特に関心があるのは、債務の返済のところと、それから新たな整備をどうするかということだと思うんですけれども、そこが一番重要なところだと思います。

 政府の案は、そこのところは、債務の返済をやっていくんだけれども、それは四十五年以内にやるということで整備の方にも回せるように考えられているというところが一つ。

 もう一つは、新たな整備につきまして、会社が自主的に判断するのではなくて、むしろ国も入って判断をするということに、会社の判断もあるし国の判断もあるということで、そこは対等に議論をして最終的に政府のやり方を決めていくという両方があって、そして新直轄方式といったようなものも組み合わされているわけでございます。

 そういった意味では、整備の方も進んでいく手段が講じられているという意味で、私は今度の政府の案というのは、非常に限られた手段の中では一番いい方法を選んでくれたんではないかというふうに思っております。整備の面、それから債務の返済の面、両面でよかった、こう思っております。

野間参考人 私どもも、公団の民営化がいいのかどうかということについては判断をできないのでありますが、先ほども言いましたとおり、トラック業界として新しい、新規の高速道路が必要だということは確かでございますが、そこにやはり、例えばオーバーフローしている道路特会から国費を投入するというようなやり方がとられるような整備の仕方というものに進んでいただきたいというふうに考えております。

山崎参考人 私は、まず、民営化というそもそもが、これからの建設コストをせいぜい削っていこう、十兆円を七兆円にしようとか、その程度の話。お金の面でいえば、まず四十兆円ある借金をどうするかの方が一番大事なはずですし、また道路でいえば、今ある高速道路が使われていない、宝の持ちぐされ状態であるということをどうやってすぐに解消するのかということが優先順位ではないのかなというふうに思っております。

 したがいまして、民営化、今回のような案であっても、あるいは上下分離でないような民営化であっても、例えばこの四十兆円の借金の問題については、ここでもまた触れますが、これは国鉄清算事業団が残したのよりはるかに大きな借金が、しかも最初から国民負担というのはないという前提で始まっています。収益を上げないということは、この四%の金利を少しでも超えたら途端に国民負担が発生するということを逆に言っておるわけですね、収益といういわばクッションがないわけですから。それが上がっていくとどれほど大きなものになるのか。

 しかも、その間じゅう、ずっと高速道路、世界一高い、門司から鹿児島まで行くだけで七千三百円ですよ。十五キロのアクアラインを渡るだけで三千円。こんな高速料金を取っている国、これであと五十年やって中国に勝てるんですか。そちらの問題の方が大きいんじゃないかというふうに思っています。

中馬委員 ありがとうございました。

 まず、これから、こうして九千三百四十二キロと言われました計画道路を達成することの一つの実現のめどは大体できるわけでございます。そのかわり、新直轄方式といった形で、かなり地方にも負担をしていただく路線部分ができてくるわけでございますが、これが多い方がいいというお気持ちの地方からの声も聞いております。

 そういうことではありますが、しかしまた、一方で地方の負担もふえるわけでございますが、その点につきましては、両知事はどうお考えでございましょうか。

寺田参考人 負担の問題……(中馬委員「新直轄方式では地方も負担することになりますので」と呼ぶ)私の方は、当初から、約三割近いのは、Aダッシュと申しますか国の直轄事業で、県費が約三分の一、交付税算入になりますけれども、そのような形で、実質負担は二割ぐらいだったですけれども、秋田県の道路の三割はそのような形でつくらせている。

 ですから、今度はまた新直轄になるわけでございますので、約一〇%ぐらい予定していますが、大いに賛成でございます、もちろん負担もさせて。ただ、このことによって、通行料金がなくなる、高速料金がなくなる可能性が強うございますから、そういう点でも、県民は、納税者は大いに理解しているんじゃないのかなと思っております。

広瀬参考人 先ほど東九州自動車道のお話をさせていただきましたけれども、今度、大分と宮崎の間の大変難所のところでございますけれども、そこが新直轄方式でやるということに決めていただいたわけでございます。二十六キロで一千億円ぐらいの試算があるわけでございますけれども、大分県分を考えまして、さらに後進地域のかさ上げ等を考えますと、この一千億円のうち、四十億円強が大分県の負担になってくるわけでございます。これを十五年間で負担していくということになるわけでございます。

 今、大変財政再建で厳しい時代でございますけれども、しかし、先ほど申し上げましたように、やはり、この道路の開発によって得られるメリットを考えますと、この程度の負担は耐えていかなきゃならないし、むしろそこから出てくるものの方が大きいのではないかというふうに考えております。

 したがって、私どもは、それについてはもう喜んで受け入れたところであります。

中馬委員 私も郷里が九州の宮崎でございまして、東九州自動車道につきましては、現地も視察いたしました。本当に道路というのは、一つにつながってこそ初めて、ネットワークになってこそ初めて機能するわけでございまして、途中で凍結をしたりすることはまさに邪道だと思っています。これをつなげることによって九州全体の発展にもつながると思っておりますし、そういう意味では、私も促進をすべきだという主張をいたしている次第でもございます。

 今、地方もそれなりの関心を持って、また、自分たちも経営にも参画していくといったことまでも含めて、私は、今後の新会社には、いろいろな意味で協力とか、あるいはまた言っていただきたいと思います。

 これは、やり方としましては、道路関連事業といいましょうか、道路料金は借金返済に充てるわけでございますから、そうすると、株式会社とはいいながら、利益を出してくるところは関連事業しかありません。サービスステーションとか、あるいはまた、ホテルをするとか、リゾート開発をするとか、そういったことが主になってくるんだと思いますが、これは、かなり地域の御理解とまた御協力がなかったら、私はできないと思います。

 それには、道路も、最近では、道の駅といったような形で、地域の産物を道路の近辺で売らせたりもして、大変地域からも評価されておりますが、こういったことも含めて、どのような形で地域の方としては新会社のそうした事業展開に御協力されるおつもりなのか、それぞれのお立場で御発言いただきたいと思います。

寺田参考人 新会社に対する協力という形なんですが、新しい高速道路株式会社、また、それを所有する会社に対して地方がどのように協力できるかというと、今のところは想定はできないでおります。

 高速道路ネットワークをつくっていただくことについては、私たちはふだん、道路につきましては、使用できるものという想定のもとで考えさせていただきますれば、東北地方はほとんど雪寒地帯、北海道もそうなんですが、基本的には、一時間の生活圏というのは三十キロから四十キロぐらい、高速道路でいきますと六十キロから八十キロの方が一時間以内の便益を受けるわけでございますので、そうすると仕事とかいろいろな可能性が出てくるわけです。そういう面で、もしあり得るとすれば、いろいろな面でその新会社に対して協力するようなこともできるでしょうけれども、四十五年後の無料ということについては、余りにも遠過ぎるし、現実的ではない、私たちはそのように思っています。

 以上でございます。

広瀬参考人 東九州自動車道を考えてみますと、この沿線は本当に、先ほどちょっと申し上げましたように、観光資源の宝庫であります。また、海産物を初め、いろいろ地場の産品の宝庫でもあると思っています。

 そういった意味で、今でも、例えばJRと地域の観光、JRと地域の産業開発といったようなことが協力をし合ってやられているわけでございまして、JRが駅のそばにちょっとした、足湯といいまして、足を温泉につけて休息をすることができるような場所をつくる。そうしますと、その周りにまた集客ができるというようなことがありまして、今でも、観光とか物産の販売とかいった意味でJRとの協力ができております。

 東九州自動車道みたいなものができていけば、そういうものがきっと会社との間でできていくだろうというふうに夢を膨らましているところであります。

中馬委員 運賃の自由化といいましょうか、弾力化の話が出ておりました。確かに、高速道路でありながら渋滞してしまって、高速道路という機能を発揮していないところもたくさんあるわけですね。逆に、おっしゃるようにがらがらのところもあるわけでございます。

 そうすると、新会社になれば、今までのような公団ではなくて、かなり民間的な手法でこれを弾力的に運営してもらうということは、私も注文をつけておりますが、そういう点につきまして、トラック協会なんかは一番全国的に飛び回っていらっしゃるわけでございまして、場合によって、少し値段を上げてでも、そこのところは渋滞が解消されてすっと行く方がいいんだといったようなことまでも含めた道路料金の弾力化につきましては、どのような御判断といいましょうか、御見解をお持ちなのか、お願いしたいと思います。

野間参考人 今、非常に高速道路料金というのは、世界一、ずば抜けて高い状況にあります。そのために、トラック事業者は、もうそれをできるだけ使わないでうまくいかないかという方途を探しているというような状況にあるわけですが、これを利用可能なまでに引き下げていただくということが必要だと思います。その引き下げ方をどうするかというのが、民営化された会社で、民営化手法を使っていろいろなことを考えていただくということは非常に有効であろうというふうに考えています。

 ただ、これまでのやり方は、引き下げるといっても、非常にちまちましたやり方で、五%下げるとか一割下げるとか、せいぜいその程度であります。その程度では、効果というか影響は出ないと思います。やはり、三割とか五割とか引き下げる必要があると思います。

 ただ、その引き下げ方は、全部の基本料率を五割下げたら相当収入減になって成り立ち行かぬと思います。ですから、部分部分で、例えば夜間の割引率とか、長距離の逓減制ですとか、そういった形をもって部分部分を有効に引き下げていただくというのがいいのではなかろうかというふうに考えております。

 ここは渋滞しているから料金を上げて渋滞を解消させるようにしたいという声はございません。

中馬委員 今さっきの民営化の話の中で、山崎さんは少し違った立場かもしれませんが、国の場合は、今の道路公団を三つに分割して会社にするということにしておりますが、この三分割につきましては、何か御意見、御参考になるようなことがありましたら、それぞれの方々からお願いします。

広瀬参考人 いろいろなお考えで三分割というのが出てきたんだろうと思います。私ども、まだ高速道路のできていない、これから東九州自動車道をつくってくれ、整備を急いでくれという地域からしますと、とにかく、高速料金のプール制の維持というのが非常に大事なことでございまして、できれば全国一本でやってもらうのが一番いいわけですけれども、それよりも三分割で効率的に運営をした方がいいというお考えかと思いますので、それならそれで、そういうやり方を生かしながら、しかし、そのプール制というところはもう少し引き続き工夫の余地があるんではないかというふうに期待をしているところであります。

寺田参考人 三つの分割、このことについて何が合理性であるか、またどういう理由であるかについては、私ははっきりこのことを理解できないでおります。

 ただ、この高速道路の株式会社というのは、今、いろいろな面でむだな道路をつくるなとか、それから料金が高いじゃないか、合理化したらいいだろうということなんですが、今、果たして地方がむだな道路をつくろうとするかというと、恐らくむだな道路をつくろうとはだれもしないはずです。維持管理も非常に苦労します。

 それから、道路をつくったからその人の力であるとか政治力であるとか何か、そういうことは今全然ありません。むだな投資をすることによって社会の糾弾を受ける社会です。

 ですから、そういう点では、ある面では、地域ごとの、東日本高速というのは私たちの東北地方にかかわることですから、それはもしあれだったら、地域性を持った会社になっていただきたい。西日本には西日本の事情がある。東日本は雪、積雪寒冷地帯でございますし、料金の設定とかいろいろあるでしょうけれども、進め方についてはそういう特徴を生かしていただきたい。そのぐらいでございます。

野間参考人 私は、それについては余り意見はございません。

山崎参考人 三分割以前に、もう一つ、本四架橋公団、これをどうするのかな。今、利息すら料金収入で払えない会社、この統合を一体どうしていくんだろうか、経営として見てみるとそうなりますね。

 JRの前例でも、やはり三島については、これをいつまでも民営化すること、上場することができない。やはり本四架橋なんかは、すべて国債ですぐにでも借りかえをしてあげないと、サラ金の多重債務者と全く同じ状態でして、元本がふえていくばかり、早く救ってあげなきゃいけないんじゃないか。そして、無料にしてあげなきゃ、徳島から大阪を往復して一万六千円だと、旅館にも泊まれずにサーファーたちは野宿をしております。ただにしてあげれば幾らでも観光客はふえるだろうにと私は思います。

中馬委員 日本の高速道路、高速道路だけではなくて、社会インフラが非常におくれているんですね。世界第二位のGNPの大国だといいながら、住宅の広さは本当に狭いものでございますし、また港湾もこのごろはどんどんとおくれてきてしまっている。そのほか、公園も少ない、生活道路もちゃんとした歩道もついていない。電線はクモの巣のように張りめぐらされて、下水道の普及率は五三%しかない、こういう情けない状況なんですよ。

 それをまだこうして長々と借金返済のためにするということは、基本的には余り好ましくないなと私は思っています。しかし、つくってしまった四十兆円というこの債務を返還するために、こうして、これの整備を若干おくらせてでもこれの返済の方をということに結果的になるんじゃないかと思っています。

 私は、ここでそういう議論をしようとは思いませんが、まだまだ別の方法があると思います。千四百兆、今一兆とか二兆とか十兆とかいう話が出ていますが、そんなものじゃないですね。千四百兆という大きな資産が、国民の、個人の名義に登録されるものが千四百兆もあるわけですね。百四十兆じゃないですよ。そして、それは政府の預金でもなければ何でもない、会社でもないですね、個人に帰属するものが千四百兆、そのほかに固定資産もございましょう。

 そうしたものがありながら、今まで適時適切に一つの税金を徴収していなかった。正直申しますが、税金を適時適切に徴収して、そして、それを社会的な生活インフラ等にまでもちゃんと整備しておったら、これほどまでに個人に金融資産がたまることはなかったでしょうし、逆に、欧米並みにもう少し整備された、私たちの豊かな、ゆとりある国民生活が送れておったのかもしれません。

 しかしながら、遅まきながらこれに気づいてこうしてやり出した中ですから、この千四百兆を、私が申しておりますような、平成の太政官札といいましょうか新紙幣を発行してでも、これをひとつ社会インフラの整備に充てていくべきだということまでも私は言っているわけでございます。

 ともあれ、そういうことも将来はやることといたしまして、無料化の方向としましても、これは四十五年先がいいのか、あるいはすぐがいいのかという民主党案もありましょうけれども、しかし、四十兆というこの大きな債務残高をどう消していくかということにつきまして、山崎さんはそういう御専門の立場でございますから、ただ返せないぞ、返せないぞということだけじゃなくて、どうしたらこれを本当に消していけるのか。

 いや、もっと言えば、七百兆という国のこの大きな借金をどうすれば消していけるのか。そして、それよりももっと大事な、四十五年先の話じゃなくて、私たちの今の生活、これをもっと豊かなものにするのにはどうしたらいいか、そういったことの御見識がありましたら、お聞かせ願いたいと思います。

山崎参考人 大変ありがとうございます。私は、非常に重要な質問だと思います。

 今、地方、中央政府を合わせて、およそ七百兆円の表借金があって、しかも、財投三機関の五百兆円、これは私もいろいろ調べたら、およそ二百兆円の穴があいておると言われております。ということは九百兆円です。千四百兆の個人金融資産ですが、個人は借金を三百兆やっております。ということは千百兆しかないんです。実は、のりしろはあと二百しかないんです。そして、ここで私が御指摘を申し上げたような、今回、この借金の処理を先送りしてしまったときにどんなことが起きるんだろうか。

 というのは、今まで日本国は四十年間、いわば外から借金をしない国でやってきた。貿易黒字、当たり前だった。これはずっと当たり前ですか。それがそうでなくなった国の例、アメリカ、イギリスの例でどんなことが起きたかということなんです。四十年前、アメリカも金利は四%であったんです。それが、何と二十年間で一六%になり、いかに悲惨であったか。

 アメリカは軍事力があるから、ドイツ、日本からお金を、国債を無理やり買わすことができた。十年後、二十年後、日本に対して貿易黒字を持つのはどこか。中国ですよ。我々にそんな軍事力がありますか。

 そのときに何が起きるか。中国は、日本の国債を買うのを拒否する、いろいろな要求をする、金利は上がる。そうなる前にこの問題を片づけておく。今、日本がまだ、親が余力があるときに、どら息子の借金を返しちゃおうじゃないか、しかも今一番金利が低いときに。その方が、後で、我々は子孫に大きなツケを残さないんじゃないかなというのが無料化の場合の一番大きな思いでございます。

中馬委員 今、中国の話が出ましたが、私はこの間も中国へ行ってまいりました。

 沿海部だけの発展じゃありません。相当奥地にまで私は足を運んでおりますが、どこの町や村も活気があります。そして、道路が有料道路じゃなくて無料も含めて自動車道路でございますが、これはたかだか十数年前に向こうは始めましたけれども、日本が七千キロぐらいのところでございますが、今や向こうはもう二万キロを超えております。大変な交通です。

 しかも、その道路自身が、日本のようにガードレールでやって、また遮音壁、防音壁で、せっかくの田園風景を壊してしまうようなことじゃなくて、きれいな、土地の国有化の国ですからできることでしょうけれども、街路樹がずっと、幼木でございますけれども、五本、七本両わきに並んでおります。これがあと三十年、五十年すれば、大きな林の中、森の中を高速道路が通っていく形になる、これもはっきりしておりますね。

 そういったところまで、お隣の中国が基礎的なインフラをそういう形でやっているのに、日本の国が何かこうして四十兆の借金のくびきに振り回されてこのような形になっていることを私は少し情けなく思います。

 当面のことといたしまして、先ほど言いました、一つの、今までの少しルーズでありました道路公団、これの運営の仕方において大きなメスが入ったということを私は評価したいと思います。

 こうしたからこそ、初めて、ファミリー企業の問題や、かなり高い料金でそれぞれの関連会社に発注されておった道路標識や、あるいはまた緊急電話といったようなこと、これは総理も指摘しておりますが、こういったものまでがどんどんと効率的な形で運営されてくる、これは道路そのものじゃなくて、管理、補修の話でございますが。

 こういったことにつきましても、私は、今回の道路公団の民営化といいましょうか、公団の解体、民営化の方向で、まずはこれを発足させることが必要ではないかと思いますし、長期的には、もちろん皆様方がおっしゃっているような、なるべく早く、四十五年じゃなくて、これを早く自由に往来できる無料の国のインフラだという形に持っていきたい。

 そのことでまだまだ議論は尽きないと私は思いますが、当面、道路公団をこういう形で民間株式会社にしてまでも、これを効率的な運営にしていく。そして、今まで二十兆と言われておったものが十兆でできるわけでございますから、こういったことも含めてのこれを私は評価したいと思っておりますが、それぞれの立場で、私の言ったことも含めて、ちょっとコメントいただけたらと思います。

寺田参考人 道路公団に対してのやはり国民的なある面での不信というのは、透明性がないとか、それから子会社をつくる、また、要するに身内会社的なことであるとか、いろいろ、ある面での高速道路の会社の私物化につながってきているというのは、そういう点でメスが入ったというのは、これは評価できると思います。

 ただ、新しい法律につきましては、ある面では、今までの道路を有料化でもってどのような手続でその会社を運営すべきかという会社の内容の法律でございますので、そういう点では、私は抜本的な物の考え方として、例えば、先ほどお話しさせていただきました、地方では交通機関の分担率というのは、東北地方で九四・七%が自動車であるということですね。ですから、すべてが無料化と私は言いません。

 例えば、三大都市圏だとか、そういう点は、ある面では有料化にしていかなければ、とてもじゃないけれども道路がパンクしてやっていけないということは、これは事実です。公害の問題から含めてそうすべきだと思いますが、東北地方の場合においては、大体公共投資のインフラ整備というのは、人口密度によって道路をつくっておりますので、これは基本的にでございますから、東北地方に道路が、要するに自動車専用道路が一本バイパスみたいな形でできたからといって、それは安全性につながること、利便性につながることですから、ごく普通に考えていただくことが私は道路として必要だと思うんですよ。それがいかに地方の可能性を見出すことができるかということを私は訴えたいと思うんです。

 ですから、できますれば、秋田県でもいいし、どこでもいいんですけれども、青森県でも北海道でもいいんですが、夏三日、冬三日間住んでいただいて道路事情を朝夕見ていただければ、これは理解していただけると思うんです。それをなく、こういう法律をつくって、東京と三大都市圏、そういうことの中でのあくまでも返済という道路のつくり方、これはいかがなものか。

 今、一千四百兆円の中で七百兆円借金があります。これは、私たち地方も行政コストを三割ぐらい落とさなきゃならぬと思っていますし、これだけ借金がついたのは地方も責任があるということで、市町村合併も含めて、県は人員も三割カット、削減というような目標を十年、十五年でかけています。みんなどこの市町村もそのようになっています。ですから、市町村と県を合わせて十人ぐらいで自治体行政は、地方自治はできるんじゃないか、今十三、四人おりますけれども、そこまで進んできています、考えています。

 ですから、今七百兆円、これにまた、二、三十兆円の例えば有料道路分でお返しする分、その他の分で、特に便益のある、交通機関の分担率の自動車が多い部分については無料にしていただければ、その分は今国債発行なり何にするなりして一発で返すべきだと思うんですね。そして大いに活用させることが私は地方の発展につながると思うんですよ。私は、そういう意見を御理解賜りたいと思います。

広瀬参考人 私は、今回の民営化法案、政府の法案については、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、料金収入を活用して長期的に借金を返済していく、それであわせて効率的、機動的に道路の整備をやっていくという、この二つがポイントだろうと思います。その意味で、非常に考えられたものではないかと評価をしたいと思っています。

 なお、有料制につきましては、もちろん無料になれば一番いいわけですけれども、負担なしに無料になるというわけにはいかないということは、もう住民もよくわかっていることだと思うんです。したがって、そっちはそっちで借金を返していただいて、整備の方は今までのような道路財源でやっていただくということで、とにかく、道路のない、高速道路のない地域にとってみますと、有料とか無料とかいう前に道路を早く整備してくれという気持ちでございまして、そういう意味で、私は、有料制については考えて、今のやり方でいいのではないかというふうに思っております。

野間参考人 今、日本の高速道路がずば抜けて世界一高いという状況にありますけれども、これは、受益者負担といいながら、結局その受益者というのは車の利用者、トラックも含めまして車の利用者だけに限定されているという状況だと思います。

 新しい道路をつくるには、費用対効果を考えて一以上というようなことで整備されるということでございますから、必ず受益する者が自動車利用者以外にもあるはずだと思います。それを的確に高速道路の建設の方に還元させるべきだと思います。国及び地方自治体にも税の増収という形ではね返っているはずです。そういうものを的確に配分すべきだと思います。

 また、建設コストも今大いに見直しをしていただいておりますけれども、十年前と比べますと、用地費、人件費、資金コスト、それから物件費等、すべての分野で大幅な値下げになっております。これも的確に道路建設の費用の見直しに反映していただきたいというふうに考えます。

山崎参考人 お手元の資料の九ページをちょっとお開きいただきたいんですが、各国の道路の投資額というものでございます。

 今回私は、道路公団、つまり高速道路の問題だけが議論されて、なぜ道路建設全体が議論されないのか、非常に疑問でございます。

 実は、高速道路を無料化する全体のこのプランを実行していけば、今より早く、安く、あと二千キロもすぐできると私は思います。

 日本は、世銀を通じて中国に金を貸しています。もう二万キロを超えて三万キロつくろうとしている。何と日本の四倍ですよ。しかも彼らは、厚かましいことに、金を借りているのに一部どんどん無料にしていっているんですね。いいかげん、もう五十年もそんなことをやって、これから五十年やって、日本国が残っていきますか。そこをもう一度ぜひお考えいただきたい。

 そして、道路が足りないとおっしゃるんですが、少なくとも、距離を見てください。日本とドイツ、大体国土は同じなのに、ドイツのほぼ倍、道路はもうあります。

 そして、今もおっしゃられたように、トラックそのほか高速道路の利用者から、高速道路の上でもう税金を取っておるんですね。

 下の表を見てください。ほかの国は、高速で取っているガソリン税その他九つの税金、消費税もあります、一般道路を走った税金、これを合算して、高速も一般道路もつくって早く整備をしていくわけですね。

 ところが、これを全部一般道路へ回しているから、また料金を取る。しかも、料金は、今回計算していただきますと、政府案で建設費の倍、それ以上の金額は何と金利なんですね。

 しかも、これが上がっていけばどうなるのか。例えば、八%になれば、今の借金、それは何もつくらなくてですよ、四十兆円の元本に対して九十四兆円、金利だけ払う、それが例えば中国に行ってしまうわけですね。だれも日本人は得をしない、これはそろそろやめた方が、そして無料にして一般道路とも結びつけた方が、今ある道路システムが血液さらさらになって、もっとみんな使えるじゃないですかと、私はそう思います。

中馬委員 いろいろ御示唆に富んだ御意見の陳述ありがとうございました。私はこれで終わります。

 どうもありがとうございました。

赤羽委員長 岩國哲人君。

岩國委員 民主党を代表して質問させていただきます岩國哲人です。

 まず最初に、秋田県知事さん、それから大分県知事さん、地方を代表して、きょうは大変貴重な御意見、いろいろとお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました。私も、ある時期、地方自治に携わった人間として、本当に胸を打たれる、お気持ちはよくわかりました。

 先ほど秋田県寺田知事さんがおっしゃいました、県庁の職員の人件費三割カットしていかなきゃならぬ。道路公団が民営化しても四十五年間に一割しかカットしないというこののんきなシナリオを出しておりますけれども、そんなことは地方は待っておれないということでしょう。四十五年間に高速道路の料金をわずか一割下げてくれる、こんな民営化案を、とてもこれとはつき合っていけない、だから、秋田県としてはもう人件費に手をつけざるを得ない。大分県も同じ事情だと私は思います。

 そういう火がついたような情勢の中で、まず寺田知事さんにお伺いしたいと思いますけれども、先ほどから二度も三度も、国費を一挙に投じてでも、そういう大変せっぱ詰まった整備への願いというものを御開陳されましたけれども、そこでお伺いいたします。

 このいただきました資料の二枚目真ん中に、秋田県の人口と自動車保有台数の推移というのがありますね。これは、とてもおもしろい分析だと思うんです。

 車の台数はどんどんふえる、人は減る。人はふえると車が減るのか、人は減ると車がふえるのか、この相関関係について、まず県民人口がどんどん減っていけば車がふえてきたんですね。車を減らしたら人口はふえるかということにはならないと思うんです。

 では、車がふえている割には、県民所得の方は、この間どれぐらいふえてきたんでしょうか。

寺田参考人 まことに恐れ入ります、そこまでは調べておりませんが、恐らくここ十年は、それこそ微増にとまっております。ここ二、三年は、秋田県全体の所得の総額は二、三%の減額傾向です。

 ただ、行政的には、役所関係のそういう給料でございますけれども、昭和六十三年というと十七、八年前ですか、その当時が三十二、三万円ですね、四十歳で。今現在四十一万円ぐらいですね。そして、十年前は三十七、八万で、今四十一万ですから、民間は逆に落ちている傾向というふうに御理解いただければいいんじゃないでしょうか、十年間ですけれども。

岩國委員 ありがとうございました。

 秋田県も、私が育ちました島根県も、両方とも裏日本と呼ばれてうら寂しいところにおるわけですけれども、この統計によりますと、秋田県の県民所得は東京に比べて七割しかない、島根県は六割しかない。

 それで、秋田県へ行きますと、大体東京の一割高いガソリンを買っていらっしゃいますでしょう。七割の所得で十一割のガソリンを買うということは、約五割高のガソリンを使って、秋田県の木材を運び、秋田県の野菜を運び、秋田県の米を運び、秋田県の魚を運び、この五割高という負担と、いつまで、これから四十五年間もつき合っていかれるつもりですか。

 私は、やはりこの高速道路のコストというものは大変大きな負担を秋田県の経済に与えているんじゃないかと思いますけれども、どのような御意見をお持ちですか。

寺田参考人 高速道路を特別な道路と思うこと自体が、私は考え方を変えなきゃならない。高速道路というのは、要するに自動車専用道路である、そのように御理解いただいて活用して、料金を無料にさせていただきますれば、恐らく三倍か二倍は間違いなく活用させていただくと思うんですね。

 特に、東北地方は、このとおり、これの図面の一ページ目を見ていただければ、秋田県の広さというのは、関東圏のそれこそ東京、埼玉、神奈川と千葉県の約六割を含めただけの広さがあるという、このぐらいの広さがある。これを全部移動するというのは、やはり自動車専用道路でなければ、とてもじゃないけれども、活用しなければ仕事が成り立たないというのは御理解いただける、これはほとんど東北地方は同じような条件だと思うんです。

 それから、所得でございますけれども、秋田県の所得は全国の平均の七八%なんですが、東京の五五%です。ですから、ある面では、高速道路料金というのは一般的には払えないという、支払った上での活用というのは、やはり非常に困難が伴うというか、それでは生活が成り立たない。

 働く場所が、高速道路のおかげで、現在は三十キロ、四十キロの範囲ですけれども、それがある面では六十キロ、八十キロの範囲になる。雪国でありますから、冬は三十キロぐらい、夏だったら四十キロぐらいの一時間のその範囲から、六十キロから八十キロぐらいになるだろう。これがいかに地方にとって可能性を見出すことができるか。

 それから、賃金コストが、賃金が東京の五五%というのは、東京の下請会社の工場が地方にたくさん来ております。いかにそれで東京が利益を得ているか、本社が利益を得ているか、その辺もよく御理解賜りたいと思います。

岩國委員 そういった実情を私も地方へ行くたびに実感するわけですけれども、いわゆる地方と言われている、そういう秋田県を初め各県は、今のこの有料制を前提にした高速道路が次々と整備されていっても、有料制である限りは、私は、地方の経済というのが東京並みの豊かさに追いつくことは絶対にできないと思っているんです。絶対にできると思っておられる知事さんがおられたら、私は無責任だと思うんです。

 大分県の知事さんにお伺いいたします。

 この一村一品運動、前の知事さんがお始めになって、全国また海外からも非常に関心を呼ばれ、私は非常に地方の活性化に貢献されたと思うんですけれども、こういった一村一品運動の製品というのはどこへ運ばれているのか。県内で消化されているんですか、それとも、福岡へ、大阪へ、東京へ、県外の方が多いんですか。

広瀬参考人 一村一品の製品は、ようやく最近、大阪ぐらいまでは来ました。まだまだ東京には出てきていない。これからそこまで出てくるというのが課題だろう、こう思っています。

岩國委員 今から八年前、九年前になりますか、阪神大震災のときに、私は国道九号、山陰の側におったわけですけれども、当時は、九州ナンバーが細い国道九号を占領しまして、地元の島根ナンバーは横断することもできないぐらいだったんです。これはもう、九州の経済力は大阪に、東京に大きく依存しているなということをそれを見て実感いたしました。これからまた、いつ、そういう事態が起きるとも限らないわけで、やはりそのためにも、私は、こういった高速道路の整備は急がなければならないなということを痛感しております。

 先ほどからの広瀬知事さんの御意見の中では、有料制あるいは民営化ということを肯定しながらも、できるだけ早く整備してほしい、できるだけ料金を抑えて、こういうお気持ちが我々に伝わってくるわけですけれども、本当にこの大分県の経済というのは、この四十五年間、四十五年後になって初めて高速道路が無料で使える、これから四十五年間待てるほどの体力、持続力というのは持っているんですか、大分県は。

広瀬参考人 一つ例を申し上げたいと思いますけれども、大分県の山の中に日田という町があります。ここに九州横断高速道路、横断道という高速道路ができました。おかげで、この山深い日田にサッポロビールが立地をいたしました。サッポロビールの立地の理由は、日田のきれいな水と、それから日田でつくった、非常に天然自然の豊かなところですから、そこでつくったというイメージが非常にいい。加えて、高速道路ができたから全国に発送できるということでできたわけでございます。

 有料でも、そういうことでできていけばコストは成り立つ、計算は成り立つわけでございまして、私どもは、とにかく早く整備をするということが大事なことではないかというふうに考えております。

岩國委員 それでは、広瀬知事さんにお伺いしますけれども、大分県の高校を卒業し就職する、県内就職率と県外就職率は今どれぐらいの比率ですか。

広瀬参考人 高校卒業になりますと、県内の就職率は半分以上いっていると思います。おかげさまで、先ほどもちょっと申し上げましたが、鉄や化学やあるいは半導体といったような工場がたくさん特定の地域に来ていますから、そういう意味では機会は多いと思います。

岩國委員 大分県の場合は、全国平均よりも、いろいろな立地条件、あるいは今までの御努力で相当恵まれていらっしゃると思うんですね。全国のいわゆる地方というところの県は、大体四割か三割、そういったのが現状でして、若い労働力がどんどん東京、大阪に吸収されて、そして、高速道路ができ上がるころには若い労働力はそこにはない、こういう傾向がずっと続いているんです。

 私は、これを一日も早く逆転させる。逆転させるためには高速道路を早く整備する。そして、無料で開放することによって企業分散をもっと進めなければ、これは取り返しのつかないことになるんじゃないか、そのように思うわけです。

 それで、トラック協会の野間理事長さんにお伺いいたします。

 物流コストを下げるというのは国家的な命題であり、また民間企業の皆さんも大変御苦労を今していらっしゃると思いますけれども、先ほど野間さんおっしゃいました、できるだけ有料道路を走らないようにきめ細かい工夫をしていらっしゃる。

 その御努力はわかりますけれども、大体、高速道路というのは、主にトラックとかこういうところに使ってもらいたいために一生懸命税金を払ってつくっているわけですね。その一番のユーザーであるトラック協会が、大手の名前はあれこれ申しませんけれども、できるだけ高速道路を使わないで節約しなさい、下を走るように、そして、結果として全国の高速道路が車を余り運ばないで楽をしているわけです。道路に楽をさせて、これを道楽というんですね。

 税金というのは、釈迦に説法ですけれども、全部人間が楽をしようと思って払うのが税金なんです。人間が苦労しようと思って払っている税金は一つもありません。人間が楽をしようと思っている税金が結果的に道路に楽をさせている、こういう現状は非常におかしいんです。

 それから、先ほど質問に答えられて、民営化がいいかどうかということについて私は意見を持ちませんということをおっしゃられて、私は意外な感じを持ちました。

 最大のユーザーであるトラック協会の代表としてここへおいでになった以上は、はっきりと意見を言っていただかなきゃいかぬと思うんです。そういうことだから、日本の行政サービスがよくならないんじゃないですか。最大のユーザーである以上は、はっきりと、民営化がいいのか、あるいは官のサービスがいいのか、どうすれば安心してあの道路を使うことができるのか、率直な意見を私は言っていただきたいと思います。

 民営化すればどこがよくなるのか、具体的に野間さんは何を期待していらっしゃいますか。公団を民営化すれば、どういうサービスがよくなるか。

野間参考人 私は、民営化そのものがどうかというのに対しては、トラック協会としては民営化がいいんだ、官製がいいんだということは直接の意見はありませんと申しました。

 民営化することによって、あるいは官製のままではできないサービスの提供、それは、先ほども言いましたが、きめの細かい料金設定、それによって利用者の負担を軽くして、利用者が高速道路を使えるようにする。

 私は、先ほどこれも申しましたけれども、高速道路というのは物流のためにつくったものでもあり、非常にいい施設だと思います。それを使わないで走りたい、それはコストだけの理由です。利用料金がかかるから、高い料金がかかるから、それを使わないで運ぼうとしているのでありますから、それを引き下げていただいて、自由に使えるということになれば大変ありがたいことだと思います。

岩國委員 私も、今横浜に住んで、そばを高速道路が走り、そばを二四六という一般道も走っておりまして、ところが、この二四六というのは一般の人が使うわけですけれども、最近はぎっしりと朝から晩までトラックが占領しているんですよ。

 したがって、一般の人がなかなか走れないという意味で迷惑をかけている、排気ガスは住宅街に拡散する、交通事故はふえる、騒音はふえる、渋滞は増す、この五悪が、トラック協会の皆さんには大変きつい言い方ですけれども、高速道路を皆さんがお使いになればこういう五悪はかなり解消できるものが実際に現象としては起きているわけですから、ぜひとも皆さんの方からも、民営化でいくべきなのか、あるいは国営化でいくべきなのか、さらには有料化か無料化か、そこまで踏み込んだ、最大のユーザーとして、一般国民、一般ドライバーに迷惑をかけないで快適に仕事ができる、そのためにはもっともっと私はぜひ発言をしていただきたいと思います。

 この場に限らず、これからもぜひそういう方向でお願いをして、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 今二人の知事さんおいでですから、寺田知事さんは民間から知事になられ、そして広瀬知事さんは官僚としての経歴をお持ちになって、官と民とそれぞれについての御意見を伺いたいと思うんです。

 民営化について、けさも四人の参考人の方から聞いたばかりですけれども、公共財を使って公共サービスを公務員がやるのは当然ではないか、これは外国の常識として佐藤隆三教授はそういうふうにお話しになったわけです。ところが、日本では、あきれたことに日本の方ではこれは民営化でやろうとしている、大変驚いたという御意見がありました。まるで、日本の公務員はそういう公共財を使って公共サービスをきちんとやる仕事さえもできないのかと言わんばかりの御意見だったんです。

 そこでお伺いしますけれども、広瀬知事さんは、公団の民営化、やはり役人はだめですか。今までのずっと長い御経歴の中で、こういう大切な公共財、大切な公共サービスをやるのには公務員というのは適していない、民間の経営者、民間のサラリーマンに任せた方がいいという御意見でしょうか、お願いいたします。

広瀬参考人 道路公団、長い歴史の中で、いろいろな議論が、問題があって、そうして、もっともっと効率的に、あるいは機動的に仕事をやるべきではないかということから、民間のそういう効率性、機動性を導入したらどうかということでできてきた制度だろう、考えられた制度だろう、こういうふうに思います。

 したがって、道路公団について言えば、これまでの歴史を踏まえれば、今度は新しいそういう手法を取り入れてやるということについては、先ほどからお話のあります料金の弾力化とか、そういったより民間感覚で仕事をするという意味で、また新しい展望が開けてくるんではないかというふうに私は期待をしております。

岩國委員 先ほど野間参考人もそういう御意見がありましたけれども、民間だったらきめ細かい料金設定をしてくれるだろう、それは一つの例かもしれません。

 しかし、その程度のことはと言っては失礼ですけれども、私はお役人の方にもできることだと思うんですね。弾力的な料金設定ということは、何も大げさに組織そのものを民間会社にして、そして国の責任であるべきものを民間に押しつけて、そして四十五年間に借金を返済させる。今まで三十年間かかって国が結果的に、実質的に国家としての約束は守れなかったことが、民間会社に任せたら、四十五年とさらに延ばしておりますけれども、国ができなかったことを民間だったらできるというぐあいに、官よりも民というのは頼りになるものなんでしょうか。もう一度お願いいたします。

広瀬参考人 私は、やはり道路公団の問題というのは、これまでの議論を踏まえて考えてみなきゃならないことなのではないかというふうに思っております。そういう意味で、これまで長い間官でやってきたけれども、うまくいかなかった、今度は何かひとつ民営化という方向で、手法を変えて新しい活路を開いてみようということでやられたんだろうというふうに考えております。

岩國委員 広瀬知事さんらしく慎重に言葉を選んで御発言いただいておりますけれども、はっきり言って、要するに今までがお粗末過ぎたから、少しは変えてみたらよくなるんじゃないかという御意見でしょうか。

広瀬参考人 これから変えたらよくなるのではないか、こう思います。

岩國委員 私は、官の経験というのはごくわずか、六年間ぐらいしかありません。しかし、地方の市役所の職員ですけれども、本当に責任感を持って公務員というのは仕事をしていると私は思うんです。民間の会社に私は三十年おりましたけれども、その三十年で見てきたいろいろな会社もあります、外国の会社も。しかし、そういう会社の社員よりも、公務員の方がもっと責任感を持って仕事をしておった。だからこそ、公共財を使って公共サービスをする国家的に大事な使命のある仕事というのは、民間の会社じゃなくて、私は、率直に言って、公務員にこそこれをお願いしたいというぐらいの気持ちを持っています。

 最小のコストで最大のサービス、これが官の仕事。民の仕事は、最小のリスクで最大の利益。何も民間会社が利益ばかりに熱中しているわけじゃありませんけれども、こういう利潤性を追求しない公益、公的サービスというのは、これこそが公務員の仕事に一番ふさわしい仕事じゃないか。郵政の民営化についても、私は同じような意見を持っております。

 この点について、寺田知事さんはどういうお考えをお持ちになっていますか。

寺田参考人 私は、民で五十歳まで、平成三年から行政と述べさせていただきました。お役所の、官のよさというのは、企画とか管理だとか指導だとか、これはすぐれています。ただ、営業的な育て方は役所はしておりませんで、採算性の問題だとか、それにはある面では弱いんじゃないのかな、率直にそう思います。ですから、官のよさと民のよさを兼ね備えたシステムをしっかりつくるべきだ、そのように思います。

 ということは、官というんですか、行政というのは絶対的な透明性とかそういうものが求められるわけですから、私は、民営化の場合は、どのような透明性だとか、そういうものを求めることができるかというのは、ある面では懸念をしております。ですから、公団が民営化になった場合、これはそのシステムを、官のよさと民のよさをしっかりしたものを構築する必要があろうと思います。

 ただ、道路に関しては、今でも国道でも県道でも官が担っていますし、それによってサービスが悪いというあれは出ていません。官が指導して監督して、ある面では民に委託するというような形の方が一般的じゃないのかな、それが一番いい手法じゃないのかな、私はそのように思っています。

 ただ、営業につながるものに関しては、要は、それなりのサービス会社というんですか、それを委託するとか、そういう形になり得るでしょうけれども、それはそれとしてのシステムをつくっていけば物すごい効率的なシステムでやっていけるんじゃないのかな、そのように理解しております。

岩國委員 ありがとうございました。

 繰り返すようですけれども、こういう国家的なサービスというものを、なぜ国土交通省のお役人が、道路局長を先頭にして、私たちに任せてくれ、責任を持って民間会社なんかに負けないようなことをやってみせますと言ってこないのか、私は非常に心外に思っているぐらいなんです。

 例えば、今寺田知事さんがおっしゃいました。そういう利益に対する感覚はやはりない、これはそのとおりだと思います、公共サービス、行政サービスというのは利益を追求するものではありませんから。税金を何に変えるか。税金を幸せに変える、税金を便利さに変える、税金を生きがいに変える、これがお役所のやる仕事ですから、民間会社のようにお金を利益に変える、お金をお金に変えるとは全然違う畑だと思うんですね。ですから、けさの参考人の方の御意見の中にも、道路を民営化するというのはなじまないという御意見もございました。

 例えば、今議題になっております公団の民営化、この民営化が本当に利益を追求しながらサービスをよくしなさい、この利益追求というモチベーション、動機づけがあるならば、民間感覚というのはそこにフルに出てくると思うんです。

 ところが、この会社は、利益を追求してはならない会社。どこで利益追求するか。車を走らせることで利益追求するんじゃなくて、車をとめて利益を追求する。車をとめてパーキング、車をとめてサービスエリア、そこで飲み食いをさせて、つまり、飲食業で稼ぎなさいということなんです。法案は道路株式会社となっていますけれども、これは社名詐称なんですね、道路で利益を上げてはいけないんですから、道路を使わない人から利益を上げなさいという。

 そこで、山崎さんにお伺いしたいんですけれども、この会社は東京証券取引所に上場すると小泉総理は再三再四おっしゃっています。つまり、上場ということが一つの大きな前提となってこの民営化法案はここで審議されていますけれども、これは上場できる会社ですか。

山崎参考人 お答えいたします。

 東証、そのほか取引所の基準、幾つかありますが、まず大前提は、収益性の追求、それから継続性ですね。四十五年たって事業の大半の収入を失う、しかも収益性を追求しないというのは、まずこの第一基準に合致をしない。

 それから二番目は、独立性の基準というのがございます。親会社からの特に独立が求められる、あるいは民間企業としての自由な業務展開ができる、これも非常に大前提ですが、こちらも守られておらない。これは、実質的にほとんどコントロールがない。

 そして、この事業の形態が何もわからない。私、一番いい例えは、新幹線といいますか、中の車内販売みたいなものだ。つまり、外に出しちゃいかぬよ。民間民間、民営とおっしゃいますが、一番の民間は、ただにしてだれでもその道路を使うことが本当に、例えばレストランでも温泉でも何でも、そこに寄るみんなが自由に使えるわけですから、それが本当の競争です。それを全部独占企業体として取り込むというのは、もう一つ、これは独禁法上の問題が必ず出てくるんじゃないか。つまり、公物としての道路をなぜ一民間企業が独占することができるのですかという非常に重大な問題が出てくるわけであって、それは当然一般競争入札に付すべきであろう。

 それからもう一つは、経理に極めて疑問がある。名神、東名の最終費用だった四千五百七十三億円、これは道路公団監修の二つの資料についています。後ろにつけています、平成十二年発行です。それが道路公団はわからないと言って、三兆数百億という数字を出しています。これは原価計算の基本ですね。かかっている建設費用に基づいて料金が算定されている最もこの企業としての基本になる数字をわからないという、この日本最大の資産、債権債務を持つ企業、こういう企業は上場であっても上場廃止に適している企業じゃないか。

 さらに、先ほど申し上げましたように、一体どうやって四十兆円の借金を民間企業債務にかえていくんですか。年間すべての上場企業、企業、合わせて七兆円しか出ていないものを、どうやってこの四十兆を吸収していくのですか。

 あらゆる点から見て、この民営化というのは、上場を含めれば全く成り立たないと私は思います。

岩國委員 ありがとうございました。

 道路の収入は売上利益に実態として反映されない、結果的に、道路株式会社といって誤解を招くような社名になっているわけですね。ですから、法案内容の修正どころか、私は、これは法案の名前そのものを変えないと成り立たないんじゃないかと思うんです。

 山崎さんは新幹線の車内販売という例えをおっしゃいましたけれども、別の例えで言えば、ちょうど灯油を運ぶポリタンク、そのポリタンクを売っている会社が日本エネルギー会社と称しているようなものであって、ただ入れ物だけを売って収益を上げるような会社になっているわけですね。ですから、そういった社名と実体が違う。

 私も、東京証券取引所の上場審査課といろいろと意見を打ち合わせました。これは、人を運ぶ高速道路だから運輸の部分に業種として分類されるんですかと。ここはならないんですね。ですから、実体が、飲んだり食べたり、飲食、あちらの方かもしれないし、ただのサービス業かもしれないし、道路をつくらないから建設業でもないし。

 だから、会社の社名そのものが非常に疑惑を招くし、経理は不明だし、この上場できない会社を上場できるかのごとく、我々はここで今審査をしている途中でありますけれども、上場できない場合には、資金調達の点で大きな問題が出てくるんじゃないんですか。いかがですか。

山崎参考人 まず、企業が成立するには、やはり資本と負債の構成の適切さ、自己資本比率というのがあるわけでございます。借金が四十兆円で、これは日本のすべての上場企業のどこよりも大きいわけです。ということは、通常であれば、自己資本比率五〇%とすれば、同じ四十兆円の自己資本がなきゃいけない。仮に三分の一であったとしても、数十兆円上場して、それを国民から集めるわけですね。しかし、売り上げが将来なくなる、つまり、紙くずになる株式をだれが買うんですかという非常に大きな問題が私は出てくると思います。

岩國委員 この収支状況、いろいろな試算が出ております。金利四%というところも確かに大きな問題であって、あの金利そのものが狂えば、四十五年ということも非常に赤ランプがともってきますし、また、四十五年の間にわずか一割しか、民間、民営化と言いながら、大きな幻想を持たせて、そして、値下げ率はわずか一割。金利が上がれば、もうそれで債務の返済もできない。こういう民営化については非常に問題があるということは、けさの参考人の皆さんからも伺っております。

 先ほど四十五年間のデータをお示しいただきましたけれども、私も計算してみましたら、この高速道路事業が始まってから、高速道路の料金収入は四十兆円。そして、そのうち三十兆円が金利の支払いに払われているんですね。四十兆円入って三十兆円払った。そして、これからの四十五年間で同じような構図が続くとすれば、四十兆入って四十兆利子に払ってしまう、あるいは逆転するかもしれない。ですから、収支はまさに火の車。だから、高速道路に自動車を乗せようと思ったら、火の車が走っているようなものだ。火の車ならまだいいんです。入ったものが出ていくということは、自転車操業です。高速道路に自転車が走らなきゃいけない。

 こういうふうな収支見通しになっているんですけれども、この収支見通しでは、ますます上場の可能性というのはないんじゃないかと思いますけれども、御意見を聞かせてください。

山崎参考人 収支見通しにつきましては、現在の料金収入でいって、四十五年間で単純計算すると、百十七兆円。しかし、今の金利水準で合わせて、借金返済だけでそのうち何と八十四兆円が消えていくということです。しかも、ここの五ページにお示しをしているように、過去五十年間、日本の金利というのは大体六%から八%の間。しかも、これから少子高齢化、双子の赤字国家になることが高いですから、どちらかというと、そういう経験をしたアメリカやイギリスの例を見なきゃいけない。

 これは、金融マンとして、財務部長だったら必ず見なきゃいけないいわゆるシナリオ分析。悪いことが起きたときにどう対処するのか、それに耐え得るシナリオをつくっておかない限りは、これは企業を始めてはいけないわけですし、もちろん一般国民に株式を売るようなことは大変な背信行為。これは、金融当局、引受証券会社、証券取引所あわせて、こういう企業を上場することについてはすべて責任がかかってくるという御認識を持ってやられた方がいいと思うんです。

 アメリカの金利で見ましても、昔はアメリカも資産大国です。金利は四%しかなかったです。それが、双子の赤字になったら一〇%を超えていって、国債が売れなくて、金利が上がって、アメリカが日本とドイツに頭を下げてやっと予算を組んだ。そういう経験を我々は逆の方から見ておったわけです。

 これがわずか二十年前の話ですから、これから五十年間で日本で同じことが起きないのか、そこを真剣に考えていただいたら、これは、この一企業体の問題を超えて、国家財政がこれ一つで、よくラクダに最後のわらを載せたらラクダの腰が折れるという話があります。さっきも言いましたように、この国の借金が、表借金が七百兆、裏借金合わせると九百兆もあって、国民の資産も、千四百兆あるといっても、借金を引けば千百兆しかない。のりしろ二百兆しかないのに、この一個でこの二百兆が消えて、それでいいんですかという問題です。

 ですので、もちろんこの企業は余りにも危険過ぎます。資産規模が大き過ぎるにもかかわらず、とても株式を売れるような体制ではない。しかも、これを放置していって、このままの方式でやって、大変大きなリスクを国家の経済全体に及ぼすと私は思います。

岩國委員 ありがとうございました。

 それでは、野間理事長さんにもう一問お伺いいたします。

 アメリカもドイツもイギリスも、トラックの運転手さんは、税金払ったら、あとは無料で乗り放題ですね。日本では、税金払っただけでは勘弁してもらえなくて、使うと料金を払う。その上、自動車、ガソリン等にはまた別な道路特定財源という形で税金を払う。ですから、税金だけの一度払いではなくて、料金も払って、特別税も払って、三度払いになっているんです。

 これでは、外国とのそういった競争力という面からいっても、仕事の快適さからいっても、経営の面からいっても、非常に国際的にハンディキャップが多過ぎるんじゃないんですか。どのようにお考えになっていますか。

野間参考人 私ども、日本の場合、トラック事業をやるについて、車を買う段階、それからそれを保有している段階、走らせる段階というそれぞれに税金がかかってきております。取得するときは自動車取得税と消費税が二重払いの形でなっています。全体で九種類というわけであります。

 それで、税の重さ、車が負担している重さを比較するために、各国の税制と比較対照してみました。ところが、個別の税金は、高いところもあれば安いところもあるという形で、どう比較してもばらばらの状況であります。それから、高速道路料金は極めて高いわけでありますが、そういう前提で、それでは、個別の比較ではなくて、トラックが一生の間といいますか、十年間使用した場合に、一体そういった公租公課、どのくらい負担をするかというふうに全体で比較をしてみました。

 そうしましたら、例えばトラックでいきますと、日本で十年間で、消費税から自動車取得税、自動車税、重量税、軽油引取税その他の税、それから道路料金、この道路料金は、十年間、代表的な東京と大阪を高速道路を使って走行するという前提にいたしまして計算いたします。外国でも似たような道路を選んで、同じように走らせたということで計算しました。

 そうしますと、個別の税制は先ほど言いましたように各国で非常にばらつきがあって、どれが高いとか安いとか言うことはできませんが、全体で、道路料金も含めて比較いたしますと、例えば、その当時の数字では、日本が、十年間で一台のトラックが三千五百九十七万円の負担をする。それに比べて、最も多いフランスでも二千四百十六万、アメリカなぞは七百万少しというような感じでありまして、極端な違いが出てきました。

 その極端な違いが出てきた大きな理由は、道路料金でありました。

 道路料金は、日本の場合、全体で三千五百九十七万を負担するうちの二千六百五十八万が道路料金という形でありまして、その道路料金は、アメリカではほとんどのものが無料であります。それからイギリスも無料であります。フランスがいささか高うございまして、それでも日本の二千六百五十八万に比べる数字は一千五百三十三万ということで、非常な格差がございます。

 これだけの差が道路料金で出てきているということで、当然のことながら、各国に比べて日本のトラック運送事業者は非常に厳しい状況にあると思います。

岩國委員 ありがとうございました。大変興味あるデータを提供していただきました。

 要するに、アメリカのトラックに比べると、日本のトラックは五倍の税金を運んで走っているということですね。最近は、その税金を運ぶのが嫌だから、下の方を走ろうと。脱税とは言いませんけれども、節税として、あるいは、料金という負担は避けていらっしゃるということだと思います。

 私は、この有料制というものは既にもう破綻しているということを何度かこの委員会でも申し上げましたけれども、有料制が導入されたのは、これは先週、自民党の二階委員も説明されました、一九五六年に有料制が導入されて、そのころは個人金融資産というのは二十六兆円しかなかったんです。さっき、同じく自民党の中馬委員が、今、個人金融資産千四百兆円。もう今五十倍になっているんですね、日本のお金は。当時は外国から金を借りた。今は外国に金を貸している。これだけ、四十年間、一九五六年から有料制が始まって、一九六三年に初めて高速道路がオープンされて、ちょうどもう四十年になりますけれども、その四十年の間に金借り国から金貸し国になっているのに、道路財政だけ、道路をつくるという枠組みだけが全然変わらなかった。

 先ほど中馬委員もおっしゃいましたけれども、政府紙幣でも発行して、思い切って債務四十兆円、四十四兆円というのを消してしまうべきじゃないかと私は思うんですね、それだけの裏づけの資産があるわけですから。

 そういった議論を私は小泉総理ともしてみましたけれども、要するに、小泉総理は、お金ではなくて国債の方がお好きで、国債はどんどんどんどん印刷して、日銀へ持っていって、日銀のお金にかえて、それをありがたく受け取って、いただいて、それを使う、この方式で、結局、今まで三十兆円の国民の税金が、むだに三十兆円、銀行への利子として支払われてしまったんです。

 山崎さん、そちらの方の御専門ですけれども、先ほど、国債でリファイナンスするという手法もおっしゃいました。確かに、それは目に見えた現実的な選択肢の一つだろうと思いますけれども、もう一つの選択肢としては、国債という回り道を使わないで、政府は直接紙幣を発行して、そして、金利コストのない形でこういう高速道路の無料化というのを実現し、高速道路の整備をし、競争力をつけて、地方と中央との格差の解消も図るべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

山崎参考人 ある意味では、確かに究極の解決策であろうと思います。というのは、借金をいっそ返さない、経済が非常に活性化すると思いますから、それで税収が、アメリカの場合もそうですけれども、高速道路ができることで、大体、経済成長、高度成長期の三分の一が来たといいますから、これは考えられるとは思います。

 ただ、幾つか考えなくてはいけないのは、この手法をどこで使うかということですね。ここでは、ある種、非常に有効だと思います。ただ、ほかの財投機関の借金で同じようにそれをなくしてしまって、それで効果があるもの、ないものがある。効果のないものについては、やはりこれは借金をきちんと返させることも必要じゃないか。

 それから、私は、二番目のポイントとしては、日本の道路予算は、二十五倍の国土のアメリカと並ぶ規模で、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、四カ国の合計の二倍もあって、しかも、高速道路利用者からその三割ぐらいの税金、つまり三兆円ぐらいを徴収していて、それを高速道路に使わない。このいびつな制度を放置してはいけないんじゃないか。だから、そのお金を国債の償還にきちっと充てることで財政の健全化、国民の負担が減って税収がふえるということで、これを財政再建の第一歩にしたらどうかと私は思っております。

岩國委員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。

 四人の参考人の皆さん、どうもありがとうございました。

赤羽委員長 高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 参考人の皆様方には、長時間どうもありがとうございます。貴重な御意見をずっと聞かせていただきました。

 まず最初にお伺いしたいのは、これは四人の参考人の皆さんにお伺いしたいんです、ちょっと重複する部分もあるかなと思うんですけれども。

 これまで公団方式で高速道路というのはつくられてきた。有料道路方式ですね。これは本当に、昭和三十年代、日本の財政が苦しい中で、でも、高速道路のネットワークをつくらなければいけないということで、阪神高速のときからスタートをして、それはそれで、九千三百四十二キロ今つくろうとする中で、約七千キロまでこうやって整備されてきた。

 これは、もしこういう方式をとらなかったらここまで来なかったのではないかな、そういうふうにも思うんですけれども、この点について、今までやってきたこの方式について、これは今行き詰まっている部分があるのは確かだと思うんです。ですから、今回、民営化法案、また、民主党の方は無料化にしようという法律案を提案してきていると思うんですけれども、これまでのあり方ということでの評価、これを四人の参考人の方にお伺いをしたいと思います。

寺田参考人 出発点での有料の道路公団方式で受益者負担の原則は、それは、太平洋ベルト地帯、東京から大阪までとかは、ある面では相当機能したと思います。

 ただ、それがそのまま肥大化したことに一つは大きな問題があったのではないのかなと思います。ある時点で日本の税もふえて預金もふえるという状況の中で、道路特定財源が六兆円とか九兆円とかという話も出ている、そういう中で、数え方の問題もあるんでしょうけれども、こういう時点では、ある面では考え直さなければならないことではないのか。

 また、私は、高速道路というのは、バイパスの、要するに普通の自動車専用道路という考え方はいかがですかというのが持論ですので、そういう点も受け入れなかったということと、それが最終的に行き着いたところは、四十兆円の借金の会社を国の力でつくる。そして、二兆円ぐらいしか収入がないというのは、これは常識では、一般的には民間の企業ではこんなことはやれないでしょうということなんですね。

 そうすると、先ほど岩國議員さんからも、破綻していると。私も全くそのとおり、破綻の状況の中だったら、これだったら別の形で、全く別の視点で物を進めるべきであろうと思いますし、例えば無料にしますと、要するに道路がパンクする。確かにパンクするでしょう。だけれども、例えば、ある面では、シンガポールだとか、交通渋滞の対策としては、御承知のとおり、課金制度というんですか、ということでも取っていますし、いろいろな面で、私は、今の日本の道路公団というか新しい株式会社のつくり方というのは、四十五年を見据えたというのは、今はもうそれは成り立たないというかやっていけない、こういう国の状況も含めて。それを考えるべきじゃないのかなと率直にそう思います。

 以上です。

広瀬参考人 これまでの道路公団の評価ということだろうと思いますけれども、とにかく、あの方式で高速道路の整備を進めてきたということは一定の成果があったんだろう、こう思います。ただ、もっともっとコストを切り詰めることだとか、あるいは、費用対効果を考えて選択をしていくことだとかいったことも工夫の余地があったのかもしれません。また、料金の弾力化といったような知恵もあったのかもしれないというようなことで、最近はかなり硬直的にやられたのかな、こう思っております。

野間参考人 今の高速道路の建設に当たって、こういう方式を取り入れた、当初の段階では極めて正しいやり方だったと思います。ただ、それは初期のころ、言うならば、骨格に当たる縦貫道を整備する段階では非常に適したやり方だと思いますけれども、だんだんそれと並行した道路を整備する、いわゆる災害時のバックアップ道路というようなものを整備する、あるいは、あばら骨に当たる地域振興型の道路、こういうものをつくるのに同じやり方でやるというのは適当でないし、無理があるのではなかろうかというふうに思います。それにはそれに適した、プール計算を離れた何らかのお金を国または地方で投ずるというようなやり方でやっていかないと無理であろうと思います。

山崎参考人 非常に簡単なお答えとしては、今の状況は、この有料制度があるがゆえに高速道路整備が進まなくなっている。私は、二千キロぐらい、もっと前からできているものだと思います。維持すればますますできなくなる。

 当初はどうだったか。それ以外に方法がなかったということだと思います。何しろ、道路財源が年間二百億円しかないときに四千六百億をつくろうというわけですから、外から、世銀から借金をし、財投から借りました。しかし、借金を返したら順次無料にしていきますよ、ある意味で非常に整合性のとれた、担保つき金融としてのプロジェクトファイナンスをやったという話ですね。

 それが、七二年に角栄さんが総理になったときに道路財源は幾らになっていたか。二兆円ですよ。百倍になっているんですね。本来の制度であれば、借金を返せばいい。二十三年分かかるわけだったですね、かつては。ところが今は、角栄さんが総理のときは三カ月分の予算を配分すれば、名神、東名はそこで無料にできていたんですよ。それから先は、その非常に多い予算で高速道路、東北道だろうが何だろうが、みんな税金で一般道と一元的につくっていけば、とっくにでき終わっている。

 非常に簡単な計算なんです。先ほど岩國先生もおっしゃいましたが、今払っている料金の中身は半分以上が金利なんです。これが上がっていけば、三分の二、四分の三が金利、つまり建設に使えるお金はその逆数の三分の一か四分の一にしかすぎないよ、借金をし続けていけば真水で使える金が減るわけですから、建設は非常におくれる。

 無料化をして、これから税金を、しかもきちっと執行と実際の監視を分離して、地方に財源配分を全部してしまって、知事さんに使ってもらって、情報公開をやって、余ったお金はその県のものになるようにすれば、早く、安くつくっていく。とっくに、あっという間にあと二千キロの完成というのは、四十五年どころでなく、十年、二十年たてば、私は、無料化と同時に、先に道路ができる、必要なところは早く恐らく完成するだろう。そして今ある高速道路、全部ただですから、出入り口もいっぱいつくればいいわけですから、自由にみんな商売をされれば、どんどん観光だって何だって豊かになっていくということが起きる、その県がすべて豊かになっていくということになると思います。

高木(陽)委員 さらに続きまして、今、これまでの参考人の質疑、午前中もやりましたし、先週もやりまして、また、きのうは地方公聴会ということで公述人の方に御意見を伺ったんですけれども、いずれの方々も、道路というのは公共財であるという主張をだれもがなされていた。

 その中で、さあ、問題は、今国の方で計画している九千三百四十二キロ、残る二千キロについて、これをつくっていくかどうか。それぞれ、こういう形でつくればいいじゃないかという御意見もあると思いますし、これは必要かどうかということでまずお伺いしたいのと、そこに一気に、来年全部残り二千キロがつくれるか、そういう問題じゃなくて、やはり優先順位のつけ方というのが重要であろう。

 この優先順位のつけ方について、今回、政府案で見ますと、必要性に関する判断基準ということで、採算性、費用対効果、あと外部経済効果、料金収入を取る場合に、それだけで判断しちゃいけないんじゃないか。また、整備手法、これは有料方式か新直轄かということで判断をしていくわけですけれども、そういった点は今回の政府の方は考えているようでありますけれども、さあ、皆さんの方としてみれば、その九三四二は必要かどうか、さらに、つくるとしたらその優先順位をつけるときの判断基準はどうしていくかということを伺いたいと思います。

寺田参考人 私は、高速道路というのは近代国家の一つのツールであって、優先順位というよりも、地域的にどこでもつくっていくべきだという考えですから、そしてネットワークをつくるべきだ。例えば明治時代、稚内まで、四十年間ぐらいでですか、すべてレールが通ったのと同じで、秋田県は明治三十八年ですからちょうど百年になりましたけれども、それと同じような考えで、やはり今の国家的な事業として、ネットワークをつくる、これは一つの国家の使命、私は純粋にそう考えております。

広瀬参考人 私は、限られた資源の中で、やはり優先順位をつけていかざるを得ないのかな、こう思います。

 そのときに、今度はコスト・ベネフィットだとか採算性とかいうようなことで、一つの基準が議論されてきたというのは非常にいいことじゃないかな。その基準に沿って我々も道をつくってもらいたいというときに説明をしなければいけないし、立証しなきゃいけない。それができれば優先的に取り上げられるということで、議論が非常にわかりやすくなってきたんじゃないかなというふうに思います。

野間参考人 新しく整備する道路について、その必要性について、私どもがここは必要だ、こっちは必要ないということはちょっと言えません。すべて、利用者がいる以上、必要だというふうに思います。

 ただ、新しい道路のつくり方として、今までは既存の道路のユーザーが受益者である、受益者負担だということで、ユーザーだけが負担してきたというやり方はもう破綻するのではなかろうか。やはり、先ほど先生もおっしゃいましたけれども、経済波及効果というものがあるんですから、必ずほかにも受益者がいるはずだと思います。そういう人たちから、受益する範囲で何らかの形で負担をさせる。新直轄方式というのはそれの一つのあらわれ方かもわかりませんけれども、そういう形で持っていかざるを得ないのではなかろうかと思います。

山崎参考人 私は、ネットワーク効果というのは自動車の場合不可欠ですから、人がいない地方に道路をつくっちゃいけない、そういう考え方でやっていたらいつまでもこの国の過密過疎の問題は終わらないというふうに思います。ですから、ネットワークは一日も早く完成させるべき。

 ただ、十七年前のこの九三四二キロ、今でもそれが現実的なのかどうかということは見直しをしていただきたいんですが、私は、ここでの一番大事な問題は、地方の本当の本音を引き出して、早くつくる、安くつくる、節約する、合理的にやる、それを引き出すシステムをつくらない限り、これは中央も含めて、これが早くできるということはないんじゃないか。

 つまり、無料にして例えば出入り口をいっぱいつくれば、並行してつくるバイパスなんか要らなくなるわけですよね。あるいは、あるところは三セクの鉄道にお金を上げた方がいいかもしれない。そういった本音は、お金を定額を知事さんなりに上げて、その範囲でつくりなさい、余ったらあなたのものですよとやってあげたら初めてオーケー。

 そして、もう一つ大事なことは、ほかの国では、いわばディベロッパー、ゼネコンのような仕事は民間がやっているわけですから、ちょうど大蔵省も銀行行政を、金融とそれから財政で分けた、それでやっとまともになってきたのと同じように、国がやるのは執行の監視、情報公開、実行するのは知事さんというふうな形にしていけば、しかも余ったお金は自分の県で使いなさい、そうやってやれば初めて、どんどん早く、安く、余るように、そして介護とか教育に使うように、観光に使うように、農業に使うように、賢い知事さんはどんどん動く、それを一から四十七まで知事さんをランキングすればいいじゃないですか、知事の格付をやればいいじゃないですか、私はそう思っております。

高木(陽)委員 山崎参考人のお話を聞いていると、どんどん勢いがあるなという感じもいたしますし、だれもがやはり道路は無料であればいいと思っていますし、無料の方がいろいろな効果としてはある、これはだれもが思っていると思うんです。

 今回の政府案の民営化法案というのは、やはりどうしても、現実の問題としての四十兆の借金と、今現在、道路特定財源を抱えている中で、これは高速道路だけつくっていれば問題はないと思うんですね。一般の道路また地方道、これもいろいろな、それぞれの負担を割合を持ちながらやってきている、こういう現状があると思うんです。

 そこで、まず山崎参考人にちょっとお伺いしたいのは、これは素朴な疑問として、無料化をした場合に、ここ数年間特にずっとふえてきているETCの問題ですね。ETC、それぞれの料金所というところにこの設備をつくりながら、または各ユーザーの方も導入しながらやってきている。無料化をして料金所は要らなくなるわけですから、その場合には、ETCは、今まで投資した分はこれはなしにするのかどうか、この点についてどうでしょうか。

山崎参考人 ETC全体に国民あるいは政府がかけているお金、ちょっと私幾らなのかはわかりませんが、無料化のメリットとそれをやはり比較考量すべきではないかなと思います。

 やはり、先ほど、アメリカの例でいいましても、高度成長の、経済成長の三割です。例えば、私が住んだカリフォルニア、鉄道なんかないんですね。それが今フランスと同じGDPになった。

 例えば木更津で考えていただきたい。アクアラインがただになったら、一坪五万円の木更津の地価は、多分浦安と同じ一坪百万ぐらいになるでしょう。そこから例えば固定資産税で回収できるだけでも、これは全国でこういうことが起きるわけですから、税収としても十分。ということは、買ったETCを買い取ってあげても、国家にとっても個人にとっても十分おつりが戻るであろう。

 ただし私は、あとは意見としては、首都高速なんかは当面、特に入ってくる方は、流入車両については、ETCを使ったロンドンなんかでやっているいわゆるロードプライシング、込んでいるときとかあるいは排気ガスの多い車には多く課金をするということに、限定的に、ちょうどニューヨークでもマンハッタンに入るところだけは取る、ほかは全部原則無料なんですが、そういう首都圏の混雑緩和のために短期的に使うのには非常にいい道具になるのではないかなとは思っております。

高木(陽)委員 またさらにちょっと山崎参考人にお伺いしたいのは、先ほどからのお話で、特定財源を返済もしくは高速道路の新規建設に充てていけばいいというような御意見だと思うんですけれども、正直、現在約六兆弱の特定財源のうち国が使えるのは三兆、地方の方は二兆六千億ですか、という形で、きのうの大分の地方公聴会でも、一般道路、いわゆる市町村道または県道、県道なんかでも片側一車線、いわゆる都合二車線だったらまだいいんだけれども、すれ違えない、一車線のところもまだあるんです。そういった部分では地方の道路というのはまだまだやらなければいけないので、この道路特定財源、これを削られると困る、こういう言い方をされる意見もございました。

 実際問題、地方に行けば行くほどそういった現実の問題というのはあるんだろう。そういう中にあって、それぞれの地方道の建設、または維持補修をやっていかなければいけないという現実で、では国が今使える特定財源の三兆円、このうち、国道の方も直轄でそれぞれ事業としてやっていて、例えば直轄事業一兆五千億円、それ以外にも補助金として渡しているものもございますので、純粋に国が使えるのは、二兆円のうち、直轄事業一兆五千億円、それ以外に、例えば今渋滞解消のための踏切の解消ですとか、そういうものにも四千億円投入している。

 そうなってきますと、果たしてどこからそれを借金に返していくのか、どれだけ新しい新規高速道路建設に使っていくのか、どこかが痛みを伴わなければいけないんでしょう、こういうふうに思うんですね。その点についてどういうふうにお考えか。

山崎参考人 私の配付させていただきました資料二十六ページをごらんいただきたいんですが、日本で道路特定財源六兆円という言葉がよく言われるんですが、果たして自動車ユーザーが払っている税金は六兆円だけですかということなんですね。

 ここでごらんいただきたいのは、普通税というので例えば自動車重量税、何か特定財源のように聞こえるんですが、自動車税、実は、これは一般財源に組み入れられて、しかし、ほとんどが道路に使われている、実質道路財源なんですね。自動車を買ったときの消費税もそうなんです。ですから、これは年間九兆円もあるというところをまず押さえていただきたいということと、先ほども言いましたように、このお金が、高速道路ユーザー、特にトラックなんかが払っているのは非常に大きいんですが、三兆円近くあるのが高速道路に使われておらないというところが、この国の制度はほかの先進国の制度と非常に異なっている。

 だから、高速道路で税金を払っていないのにいわばただにしろと言ったら、それは虫がいいねという話になりますが、何とその三兆円近いお金は全然使ってもらえなくて、そのほかに二・六兆円とかを払わされているわけですから、これは明らかに二重取りでしょうというお話をまず第一点は押さえておきたい。

 それから二番目、世界の各国と比べて、二十五倍の国土があるアメリカと同じぐらいの道路予算をとっていて、これで足りないと言うんですかというのが、この九ページのお話でございます。ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、欧米の四大国の予算の合計の二倍を使っていてそれでお金が足りない、なぜだろうかというところから考えていただきたい、我々納税者としては。

 例えば一般競争入札。なぜ地方の方が三十三億円以上でいいのか、国が六億円なのに。セメント袋一つから競争入札にしていただいて、すべて情報公開することで三割ぐらい減るだろう。私は、ゼネコンの友達から聞いた発言なんですが、実際にかかっている金の倍ぐらいチャージするよ、それでも十分金をくれるから。そこを直していただきたい。

 ただ、直すには善意を期待してもしようがないんですね。道路予算を減らして出世できる道路官僚はなかなか霞が関にはおらないと思います。なぜ地方に回した方がいいのかという話なんですね。

 地方で、そのお金をいわば交付金に近い形にして、鉄道にも使える、あるいは余ったらその県でほかの目的に使えるようにしたら、これによって要はその県知事さんは人気が出てくればまた当選される、そういう政治メカニズムの中で初めてきちっとしたお金の使い方がされるんじゃないだろうか。そのために情報公開を徹底することを国がやる。

 この税金は、すべて国が決めている法定の税金でございまして、条例ではありませんから、これは先生方がお決めいただける問題だと私は思っております。

高木(陽)委員 今の御指摘で、入札の問題、またコスト削減の問題、これはまさにそのとおりだと思うんです。これはしっかりとメスを入れなければいけないですし、二年間の道路公団民営化論議の中で、コスト削減というのをかなり強烈に言われる中、また民営化委員会自体が公開される中で、いろいろな、例えば二百五十万円の電話だとかが明らかになってきて、そういうものにメスがどんどん入ってきて、今回、新規建設について当初二十兆円でつくると言っていたのが十兆五千億で、こういう話にまでなってきました。やはりそれはやらなければいけないと思うんです。

 ただし、その前段の、第一項目の三兆円のお金ですね。これも実際問題、今むだに使われているのではなくて、道路について、軒下の道路ですとかそういったものに使われているわけですね。

 さあ、問題は、ここで、そういった今使われている部分、これももちろんコスト削減はしなければいけないと思いますけれども、そういった地方で使われている部分も含めて、限られたお金の中でやるとなると、どこかしらやはり痛みが出てくる、削られてくるということに関してお二人の知事にちょっとお伺いをしたいんです。

 新規建設、高速道路、自動車専用道路、これはこれで必要である、これはもうだれもが言っている。その一方で、今の山崎参考人の御意見、また民主党の案等々見てみますと、どうしても今ある枠の中で使わざるを得ないといったときの、地方がどれだけ痛みに耐えられるのか、こういう部分についてどうお考えか。知事お二人にお伺いしたいと思います。

広瀬参考人 大分県の場合、今度、社会資本としての道路の整備というのは大変おくれていると思いますけれども、それでも道路関係の予算は、大変財政が厳しいものですからやはり七%ぐらい全体として削らざるを得なかったというような状況であります。したがって、相当効率的にやらなきゃいけないということで、路線の選択それからコストについても相当切り詰めているつもりです。それでもそっちの方、着実に一般道路の方はやっていかなきゃいけない。そういう中で高速道路の整備ということについても思いをいたさなきゃいかぬ。

 高速道路については二つ問題があって、一つは、これまでの四十兆の借金を返していくということ、それからもう一つは、新規に道路を整備していくということが必要になるわけです。したがって私は、無料化ということができればそれにこしたことはないんだけれども、無料化をしてこれまでのペース以上に借金を早く返し、そして新規の整備を着実にやっていくということができるものかどうか。むしろ、それができないからこそ、有料化も維持しながら、それ以上に、その借金を返すようなお金があるのなら、ぜひそれをまた新規の計画的な造成に使ってもらいたいというような気持ちであります。

 そこのところが、無料化をして借金の返済とそれから新規の整備というのがよりスピーディーにできるということがよく理解できないんです。むしろ私は、有料化プラスこれまでどおり税金を投入してもらいたいというふうに考えております。

寺田参考人 これからの時代は、このとおり財政的にもタイトであるというのは国民もよく承知しております。あれもこれもという時代じゃなくて、どれが優先度があるかという形になってくると思います。そういうことで、私は高速道路に道路特定財源を割り当てるべきであるというのは、率直にそう思います。

 現在、秋田県の例をとりますと供用率六〇%なんですが、その六〇%よりも、大変危険な、安全性の問題で一つお話しさせていただきます。

 あちらに日沿道という、七号線ですか、ありますけれども、これは道路一本しか通っていません。この道路が冬期間でも、例えば凍って車がスピンした場合は何時間とか、何かのことで土砂災害とかがあった場合は、あとはここは全部、この辺は動きがとれない。

 ですから、先ほどから何回も申しましたように、バイパス的な、要するに自動車専用道路だということですから、恐らく地方は、東北地方の横断道関係はほとんどそのような形が多うございまして、私は、ですから、優先的に進めるべきだ、そう思っています。

 また、無料化とかそういう問題での話になりますけれども、今の四十兆円のものを新しい会社が進めて、将来国民負担をさらに増すというような形が懸念されるじゃないのか、私は懸念します。だったら先送りせずに今解決すべきで、この案を自民党が出していたら、無料化を自民党が出していただければ話が決まったんでしょうけれども、どうも野党の方から出たんでいろいろ苦労しているようなんですが、それは恐らく、そんなことを考えるより国益を考えてやはりやっていただきたいな、率直にそう思います。

高木(陽)委員 高速道路の問題というのはどうしても、大きな話ですから、金額も大きいですし、本当に、山崎参考人も国家百年の大計、こう言われて、まさに国の重要な問題なんですけれども、どうしても特定財源だとかそういった問題に、これも触れていかなければいけない問題ですけれども、どうしても一人一人、もっと言ったら地域ごとの道路というのが、いわゆる生活道路または災害においての避難をするための道路というのが重要になってくると思うんです。

 特に、私は東京なんですけれども、東京というのは道路があるようでちゃんとした道路がない。私の住んでいる多摩地域というのは、いわゆる片側二車線の南北の道路というのが環状八号線から十六号線までの間、いわゆる三十キロ、四十キロぐらいですかの間に一本もないんです。これがもし震災が起きたときにどうなるんだろう、こういう問題があります。

 また、私の地元である八王子というところも、五十三万の都市でありながら、駅に出るまで、いろいろな東京都道が放射線であるんですけれども、そのちょっと奥の方、片側一車線の道路でバスがもう渋滞というか、とまっちゃって、これは笑える話なんですけれども、通学の高校生がバスが全然動かないんで、おりるんですね。ずっと歩いていって、前のバスにまた乗るんです。これができるような、駅に出るまでが一時間かかってしまって、駅から電車に乗って二十分だとか、こういう実態が東京都内でもある。

 そういった道路のことを考えると、まさに本当に道路特定財源の使われ方というのは、高速道路はもちろん視野に入れなければいけないと思うんです。今回の政府案では新直轄方式という考え方を持っていますが、一般の道路等含めてしっかりと論議をしていかないと、どうしても、高速道路だけできたはいいですけれども、その地域の道路が、いや、これは地方だけではなくて、あらゆる町で同じような問題があるのではないかなと思いますので、ここら辺も含めてしっかり議論を尽くしていかなければいけないなというのをきょうは実感をしながら、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田です。

 四人の参考人、本当にきょうはありがとうございます。貴重な御意見をお聞かせいただきました。

 そこで、今の日本の中で道路という問題を考える際に、無料であるか無料でないかという問題が随分かまびすしくやられましたけれども、私は、公共事業のあり方全体が問われている問題としてあるだろうと考えています。そして、総合的な交通体系自体が望まれている、ここの中でどういうふうにあるべきかという問題もある。また、公共事業が道路としてやられる場合、地域経済にいかなる影響を及ぼすか、こういう問題も含めていろいろ考えなくちゃならぬ問題は多岐にわたっており、縦糸、横糸いろいろな問題あると私も考えています。

 そこで、きょうは四人の方々に端的にお聞きしたいんですけれども、実は、民営化推進委員会の議論が始まった際の最初の問題は何だったかというと、不採算、これはまずいという意見でした。

 つまり、この間猪瀬さんもお見えになりましたが、その際に、本四だとか京都の近くの第二名神だとか、まさにむだだ、こう言っていました。ですから、高木さんなんかが得意なんですけれども、むだを省けというふうな話をすることが一つの要素となりました。

 それと二つ目に、四十兆という莫大な借金をどないするかという問題が出た。

 三つ目に、ファミリー企業それから建設を請け負っている受注業者の中における腐敗、政官財の癒着、これをなくせ。

 大きく言ってこの三つが、大体多くの国民の意見であり、世論ではなかったかと思うんです。

 ただ、私は、そのことの議論の結論がいつの間にか民営化という問題になりましたが、大きく言って、この民営化が少なくともそれらの三つの問題の解決になるのかということについて疑問だと感じています。

 ですから、大枠の話、基本の話を、まずその点で四人の参考人にお聞きしたいと思います。

寺田参考人 道路公団の歴史は、昭和三十何年からですか、道路公団も含めていろいろな形の公社公団、道路に関する公団がこのとおりできているわけなんですが、その中で、私言えることは、昭和三十何年から今までかかって四十兆円の借金をつけて、いろいろなファミリー企業つくって、いろいろな問題が起きた、これは余りにも長期にわたる制度改正しない疲労だと思うんです。そして、要するに、働きが二兆円しかないという会社であるということなんですね。

 これを無理して民営化して、将来これを解決するというような形で果たして成功するかというと、今の制度を引き継いでこのような会社をつくるわけですから、これをすべて打ち切って会社をつくるんじゃなくて、これを残してつくるということについては、企業としては成功しない、やっていけない、破綻するだろう、私はそのように思います。

広瀬参考人 むだを省くということ、それから四十兆円の借金をどうするか、それからファミリー企業の問題、そういう御指摘がありましたけれども、民営化ということになりますと、民間のセンスをできるだけ取り入れる、そういう方式が採用されるということになるわけですから、むだを省くとかいったようなことについては、かなり効果が上がるんじゃないか。それから、今度はどういうふうに路線を設定していくかについて、優先順位を一つの基準を設けてつけていくということになるわけですから、そういうこともむだを省くことに役に立つのではないか。

 それから、ファミリー企業のところは、何といいましても一回総ざらえするわけですから、そういった意味ではかなり効果が出るのではないか、こう期待しております。

 問題は、四十兆円の借金をどうするかということですけれども、これについてはいろいろな議論があろうかと思います。これを四十五年かけて料金の中で返していくというやり方も、借金の返済、それから新しい高速道路の整備という、両方をやっていかなきゃならぬこれからの国の高速道路政策としては、私はやむを得ない選択だったのではないかというふうに思っております。

野間参考人 むだを省くということにつきましては、確かに、公団に任せておくと余りコスト意識というものはないのかなという感じが非常に強うございます。国が道路をつくる場合でも、お金が足りなくなれば税の改正で増収を図る、また高速道路の方でも、お金が足りなくなると高速料金をアップするという形で対応してきて、先ほど言いましたように、世界に冠たる税金大国といいますか、車のユーザーにとっては世界一重い負担を受けている国になってしまったのではなかろうかというふうに考えます。これが民営化されれば、あるいはいい方向に向かうかなと期待しております。

山崎参考人 三つの点につきまして、まず、公共事業のあり方全体については、今回民営化案は、高速道路よりもはるかに大きい、一般道路を含めた道路予算のあり方、十二兆円というのは今の日本の税収のおよそ三分の一ですね。これだけ財政が厳しいのに三分の一を道路をつくることに充てていいのか、この議論はされておりませんですよね。

 採算問題とか、それから効率化問題で、よく電話の例があるんですね。電話が幾らか、二百五十万円だ。しかし、一番大きいこの道路公団のコストは金利です。先ほど申し上げましたように、半分以上になる。今の政府の想定から、この四十五年間の平均金利が八%に上がったら幾らの金利の支払い、これが積もり積もって料金とか税金になるんですが、五十兆円です。五十兆円というお金はちょっと現実味が出てきませんけれども、では、先ほどの電話の例でいえば、電話二千万個です、電話二千万個分です。ですから、はるかに大きいコストは、この借金を先送りすることから出てきますよ。この四十兆の借金を消せるのは日本国では日本国以外にはない、トヨタでも消せないということを私は申し上げたいんです。

 そして、公団の借金を消すということは、即高速道路は道路整備特別措置法の原則に戻れば無料にしなくてはいけないし、道路公団を廃止すれば、すべての人が、民間企業が、だれだって道路を使って、一段の、究極の合理化と効率化は進むというふうに思います。

穀田委員 山崎さんにお伺いしたいんですけれども、実は民主党の法案というのは、道路関係四公団を廃止し、管理専門の独立行政法人とする。この際に、実は山崎さんのお考えは、ここにありますけれども、リストラ、再就職させることを前提条件としているんですね。多くの公団職員の再就職先を国が援助するということを明記されています。

 実は、先ほどもいろいろ例が出されて、今まで、午前中もありましたけれども、NTTや国鉄の問題が出されました。国鉄民営化の際にも問題になって、その後、就職採用されなかった方も千四十七名問題などいっぱいあるということからしても、そういう重大な社会問題になってしまうことが懸念されますけれども、その辺はいかがお考えですか。

山崎参考人 私は、道路を、高速道路を無料化して出入り口を二千つくれば、道ができるんじゃなくて、新しい町が二千できる。要するに、これは地域が、木更津の例でもいいです、徳島でも、淡路島でも、あるいは佐賀でもいいです、どこでも非常に大きな経済需要、建設需要が特に起きます。不動産需要、もちろん農林水産需要も起きます。

 特に大事なのは、私は、鉄道会社にバス事業をやらせ、鉄道とバスを連結することによって、整合性のある交通体系をつくらせる。そのために、地域に財源も配分する。平たく言えば、JRとこの公団の合弁会社なりをつくって完全な民間会社にしてしまえば、バスターミナル事業、地域開発事業、そしてそういったところに今まで培った建設、地域開発のノウハウをどんどんつくって、そこに新しい企業をつくっていけば、六万人の方はもう引く手あまたになるんじゃないかと私は思っております。

穀田委員 では、次に、野間参考人にお聞きします。

 全日本トラック協会から、高速道路に関する要望書があります。そこで、先ほどもお話がありましたが、アンケートが出ていまして、現在の料金の半分にしなければ五割以上の利用者増が望めないという結果になっています。

 そこで、現在の不況のもとで、私は、単に高速道路料金だけじゃないと思うんですよね。つまり、荷主から単価がどんどん切り下げられていく、そういう中で、高速道路料金をせめて軽減したいということだと思うんですね。これは単に高速道路料金の問題だけではないと思うんですね。

 つまり、トラック協会として、働く人々の健康の問題や交通事故の問題も多発している、そういう安全にも気を配らなければならない。しかも、この問題が社会問題として、時間に間に合わさなくてはならぬという中でいろいろなことが起きているということが出ていますから、私は、それらを総合的な問題として考える必要があるんじゃないかなということを、もちろんそういうことを考えられたんでしょうけれども、思っています。

 その上で、アンケートでは約六〇%程度の割引率の要望がありますが、先ほどは弾力化と言いましたけれども、これは簡単に弾力化というのではなかなかうまくいかないと思うんですが、その辺は、その二つの関連、いかがお考えでしょうか。

野間参考人 五割引くとか三割引くと、それなりの利用率がアップいたします。ただ、それは基本料率を三割下げて、すべての人たちという形ではなくて、あるいは五割もそうですけれども、柔軟な料金体系といいますと、例えば夜間について五割引というふうにすれば、夜間の利用率がぐっとふえます。それから長距離で、長距離のものについて大きく割り引けば、長距離のものがふえます。そういう形で、全体をダウンするということではなくて、きめ細かく調査をして、ここでそれをやれば効果が出るというところを探していただきたいということでございます。

穀田委員 今のお話と関連してお聞きします。

 いろいろなことをトラック協会はやっていますよね。見ますと、例えば環境対策について伺いたいと思うんですが、皆さんの要望の中で、迂回指定高速道路料金の導入というのもあります。いわゆるロードプライシングというものですけれども、国土交通省も、兵庫県尼崎の公害訴訟などもあって、国道四十三号線を通らずに阪神高速湾岸線の方に迂回してもらうために、料金の値下げの社会実験をこの二月にしました。

 しかし、その結果は、二割から四割値下げしても、路線を変更した結果は一・八%にとどまったというのが状況です。トラック事業者さんも、運転手さんも、できれば迂回をして当然湾岸線を通りたいんだが、単価切り下げのもとでは少しでも経費を削減したいということで、なかなか効果が上がらなかったように私は見受けます。

 協会の方から見ると、こういったものなんかについては、どんなふうな形が望ましいとお考えですか、環境問題と関係して。

野間参考人 国道四十三号線の件で、暫定的に料金を引き下げて実験的にやってみたということだと思いますけれども、私ども、それで余り、迂回した者が少なかったということはやはり値下げしても経済的な負担が多い。今は、少しでも下げたいという要望が強いですから、それでそちらに移らなかった、四十三号線、ただのところを走るということだったということもあると思います。

 もう一方で、非常に実験期間が短くて、会社としてシステム的にそちらに移るというようなことができなかった。たまたまそこに行ったら安かったというだけで、ルートを確定するだけの時間的余裕がなかったということもあると思います。

穀田委員 最後に、お二人の知事に二つだけ。

 例えば、大分県の広瀬知事は、豊予海峡ルートの問題なんかもお話しになっている模様です。

 今の道路建設という問題について、それぞれの必要性、それぞれの地域における必要性、これはさまざまな御意見があります。ただ、グランドデザインとして五全総に言うああいう六つの海峡横断というような道路が本当に必要なのかという点について、私は疑問に思っています。その点についての御意見。

 もう一つ、この間議論になってきたんですが、私は京都に住まいをしていまして、いつも大体皆さんに聞いているんですけれども、地域、地方におけるネットというのはわからないでもないし、それは当然の必要性はあると思うんです。

 ただ、市内の、京都のど真ん中に、ど真ん中です、まさに北と南そして東西、真ん中のところにどんと道路を入れるという高速道路乗り入れ方式を今考えていまして、ニューヨーク大学の教授である佐藤さんなんかは冗談じゃないという話をしていましたけれども、そういう問題についてのお考え。

 二点だけお二人にお伺いしたいと思います。

広瀬参考人 一点目の豊予海峡ルートの問題でございますけれども、国の計画で長期計画の中に位置づけられてはいたわけですけれども、これは、やはり今優先的に物事を進めていかなきゃならぬという時期でございますから、私は、むしろそれよりも東九州自動車道だという意味で、豊予海峡ルートはしばらく凍結というか、特に力を入れて運動するテーマではないというふうに考えているところであります。また、そういうことで方向転換をいたしました。

 第二国土軸構想というものがあるわけでございますけれども、それ自体は私は一つの国土形成のグランドデザインとしてあってもいいんではないか、こう思っていますけれども、それに今血眼になって運動をするようなテーマではないというふうに考えております。

 それからもう一つ、京都の件でございますけれども、私、不勉強で余りよく知りませんけれども、とにかく何とか、大きなトラックとかなんとかが京都の町中を走るのはどうかということで考えた構想と、それが京都の町全体の環境ということでどうかということの御議論だろうと思います。十分に御議論をいただければ、こう思っておるところであります。

寺田参考人 私たちのものの計画というのは、行政の計画というのは、経済成長率何%だ、二%だ、三%だ、それからインフレ率がある程度だとか、そういう状況の中で、いろいろなビッグプロジェクトを含めて計画してきたのは事実でございますが、現在、このとおり、経済成長率も要するに低成長、マイナス成長も含めた展開があるということ、それからデフレ経済、こういうインフレにならないという社会の中では、やはりそういうビッグプロジェクト、投資等については、過去のものについても過大投資というものも反省しなきゃならぬということは事実でしょうし、これからの投資のあり方についても、そういう視点であれば、今後はそういう投資自体が過大なものというのはあり得ないだろう。

 もうそれは私たち、ここ十年間でいろいろな知恵が、バブルが崩壊してからは、経験している、知恵がついているはずだ、私はそう思っていますし、ですから、今、いろいろなデータを書きかえる、行政機関でもそういう勇気を持ってもらいたいと思うのです。そして、真実を、しっかり実際を見きわめた上で、いろいろ出発していただくことがこれから私は一番大事なことだと思っています。

 ですから、そういう点を含めて、これからのいろいろな道路投資とかそういうあり方については考えていただきたい。もちろんこれは高速道路ばかりじゃなくて、空港から何からすべて含めて、行政はそれを書きかえることを嫌がるのを、書きかえる勇気を持った新たな出発点にしていただきたいと思います。

 以上でございます。

穀田委員 終わります。ありがとうございました。

赤羽委員長 これにて本日の参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人の皆様方に、本委員会を代表し、一言御礼のごあいさつを申し上げさせていただきます。

 本日は、参考人の皆様方におかれましては、大変御多用中の中、また、大変遅くまで御参加いただきまして、心から御礼申し上げる次第でございます。意見陳述の時間が大変短い時間でございまして、申しわけなく思っておりますが、それぞれのお立場から実に貴重な御意見を賜りましたことを心から御礼を申し上げる次第でございます。本日ちょうだいいたしました皆様方の御意見を今後の議論の参考といたしまして、より一層深まった議論を展開してまいる所存でございます。

 本日は、本当にありがとうございました。

 次回は、明二十一日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二十八分散会


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