衆議院

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第20号 平成16年5月12日(水曜日)

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平成十六年五月十二日(水曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君

   理事 望月 義夫君 理事 大谷 信盛君

   理事 奥村 展三君 理事 玉置 一弥君

   理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    岩崎 忠夫君

      岩永 峯一君    宇野  治君

      江崎 鐵磨君    江藤  拓君

      梶山 弘志君    河本 三郎君

      左藤  章君    高木  毅君

      中馬 弘毅君    寺田  稔君

      中西 一善君    中野 正志君

      西川 京子君    葉梨 康弘君

      古屋 圭司君    保坂  武君

      松野 博一君    三ッ矢憲生君

      森田  一君    山下 貴史君

      渡辺 博道君    岩國 哲人君

      岡本 充功君    下条 みつ君

      中川  治君    長安  豊君

      伴野  豊君    古本伸一郎君

      松崎 哲久君    松野 信夫君

      三日月大造君    室井 邦彦君

      山岡 賢次君    和田 隆志君

      若井 康彦君    佐藤 茂樹君

      穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   国土交通副大臣      林  幹雄君

   農林水産大臣政務官    木村 太郎君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    西江  章君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   木曽  功君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房政策評価審議官)       山田 修路君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局計画部長)         宮本 敏久君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  梶谷 辰哉君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         門松  武君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  清治 真人君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  松野  仁君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  丸山  博君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  鬼頭 平三君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  小野寺 浩君

   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十二日

 辞任         補欠選任

  大島 理森君     河本 三郎君

  櫻田 義孝君     左藤  章君

  島村 宜伸君     山下 貴史君

  二階 俊博君     三ッ矢憲生君

  渡辺 博道君     岩永 峯一君

同日

 辞任         補欠選任

  岩永 峯一君     渡辺 博道君

  河本 三郎君     大島 理森君

  左藤  章君     中西 一善君

  三ッ矢憲生君     二階 俊博君

  山下 貴史君     宇野  治君

同日

 辞任         補欠選任

  宇野  治君     西川 京子君

  中西 一善君     櫻田 義孝君

同日

 辞任         補欠選任

  西川 京子君     島村 宜伸君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 景観法案(内閣提出第三八号)

 景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第三九号)

 都市緑地保全法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)


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     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房技術審議官門松武君、都市・地域整備局長竹歳誠君、河川局長清治真人君、道路局長佐藤信秋君、住宅局長松野仁君、鉄道局長丸山博君、港湾局長鬼頭平三君、国税庁課税部長西江章君、文化庁文化財部長木曽功君、農林水産省大臣官房政策評価審議官山田修路君、農林水産省農村振興局計画部長宮本敏久君、林野庁森林整備部長梶谷辰哉君及び環境省自然環境局長小野寺浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩永峯一君。

岩永委員 おはようございます。自由民主党の岩永峯一でございます。

 きょうは、委員外ではございますが、差しかえをいただきまして、私の思いと、それから、自由民主党の中で街並み景観小委員会というのがございまして、私がそこの委員長をしてこの法案の作成に携わってまいりましたので、その思いを申し上げて御質問させていただく次第でございます。大臣、よろしくお願い申し上げます。

 私は政治生活三十周年になるわけでございますが、政治をしているというのは、一つには、何か自分の思いを地方なり国にぶつけたい、そして、自分を通じて何らかのすばらしい地域形成、国家形成がなされたら、こういう高邁な理想を持ちながら政治をしているわけでございまして、きょう御参加いただいている委員の先生方もそれぞれの目的を持って御活躍いただいていることだろう、このように思うわけでございます。

 特にその中で、自分らの時代だけではない、やはり我々の子供や孫たち、子孫のためにいいものを残したい、そういった思いを持って働き、そして活躍し、努力しながら日々を積み重ねているのではないか、このように思うわけでございます。これは政治家だけではなしに、すべての国民に言えることだ、このように思っております。

 私は、政治をいたしまして幾つか私自身の目標があるわけでございますが、その中の最も大きな目標の一つに美しい国土の形成というのがございます。これは、常々、自分が目にする景観が自分をいやし、生まれ育った国土に誇りが持てればと考えてまいりました。そして、後世にすばらしい都市景観や美しい田園風景を送り継ぐことができる仕組み、すなわち、今回提案されている景観法をつくり上げたい、こういう思いからでございました。

 特に、自分の国にいるときにはそう気がつかないわけでございますが、外国から帰ってきたときには、本当に今の日本の景観に違和感を覚え、そして幻滅を感じる、そんな思いが強くなってまいります。

 そんなことで、ちょうど八年前、国会議員に当選したときに、早速、都市局の局長さんや課員の皆さん方と、ともかく景観についての勉強会をやろうじゃないかということで、当選してすぐ、そういう思いで勉強会をやりました。今も八年前の私のホームページを開いてまいりますと、その当時一生懸命にその思いをぶつけていたのが赤裸々に出てきて、大変楽しい思いをしている次第でございます。

 その中で、ちょうど自由民主党の中に国家戦略本部というのがございまして、私自身が、総理経験者や総裁経験者等々が居並ぶ皆さん方の中で私自身の思いをぶつけましたら、本当に多くの先輩の皆さん方に共感をいただきました。そして、この日本の景観形成については多くの先輩の皆さん方が何年も何年も実は挑戦されたという歴史的ないろいろなお話もお聞きをいただいたわけでございます。亀井静香先生なんかは、わしらはもう命がけでやったんだ、しかしながらそれができなかった、おまえ、やれるものならやってみろ、こういうような激励までいただく。森先生にも、本当に多くの先輩の先生方がやはりこの思いを持っておられたというのは事実でございまして、日本の国を愛する気持ちというのをそのときにつくづく感じたわけでございます。

 それで、早速、自由民主党の中の国土交通部会に街並み景観小委員会というのが設置されまして、そして、不肖私がその委員長を務めさせていただくことになりました。

 いよいよ私の夢が具体的に動くことになりまして、小委員会では、我が国の景観について問題意識をお持ちの先生方三十数名、委員としてお集まりをいただき、合計九回に及ぶ委員会を開催したわけでございます。

 その委員会の中では、当然、国土交通省、当時の竹歳審議官初め、皆さん方から多くの景観に対する意見聴取もいたしましたが、むしろ、この間ここで参考人質疑をされました東大の西村教授だとか、そして阪大の鳴海先生だとか、そういう学者、有識者も大変たくさんお越しをいただいてヒアリングをいたしました。それから外国からもお越しをいただいて、ドイツからはベッティーナ・ラングナーという建築デザインの所長さんもお越しをいただき、海外の実情もずっとお聞きしたわけでございます。

 また、きょうは奥村先生や三日月先生が御出席をいただいておりますが、滋賀県というのは景観に対する意識が大変高うございまして、我々、県会議員の当時から景観条例というのをつくりました。そういう、私の県からだとか京都だとか、景観を代表する松本だとか倉敷だとか、そういう自治体からも来ていただいて、そして相当な議論を深めてまいり、勉強を進めてまいったわけでございます。

 その中で、我々は六つの提言を実はまとめました。

 その提言の一つは、景観政策を今後の我が国の重要な施策として位置づけ、推進を図っていくため、景観に関する基本理念、各主体の責務、良好な景観に関する規則誘導方策、地方公共団体や住民、NPOが景観に関して協働できる仕組みを盛り込んだ総合的な法制を制定すべきだ、これが一つでございます。

 二つ目には、地域の景観に調和した良質な屋外広告物の表示、掲出を図っていくため、簡易除却制度の拡充、屋外広告物の適正な運営の確保等、屋外広告物制度の充実を図るべきである、こういう提言を二つ目にしました。

 そして三つ目には、良好な景観を形成するための重要な要素である緑に関する制度を充実すべきである、都市公園の整備及び緑地保全、緑化の総合的推進、都市近郊の里山の緑を保全する制度の充実等の施策を講ずべきである、こういうことが三つ目です。

 四つ目には、一番大きな課題として、公共空間における景観阻害の大きな要因である電線、電柱について、無電柱化の一層の推進を図るべく、幹線道路に加え、歴史的町並みを保全すべき地域など、沿道景観の整備が望ましい非幹線道路における電線類の地中化の推進や効率的でコンパクトな電線共同溝の開発、適用などを積極的に行うべきである、これが四つ目でございます。

 五つ目には、良好な景観を保全、整備していくためには、土地利用規則や建築基準関連制度による規制誘導に加え、積極的に国民、地方公共団体等を支援していくことが必要であることから、景観形成を推進するための関連する予算措置の整備拡充、税制優遇措置などの、景観を構成するために必要な支援措置を講ずるべきである。

 そして六つ目に、道路、河川、公園、公共建築物の公的施設には、重要な景観形成要素であることから、国等の事業実施、管理に当たっては、地域のすぐれた景観形成に資するよう十分配慮すべきである、こういう六つの提言をいたしました。

 それに呼応して、大変私はうれしかったのは、当時、この法律は議員立法で出したい、このように思っておりましたし、すべての仲間でその準備をしていたときに、相呼応して国土交通省が美しい国づくり政策大綱を公表されまして、その中で初めて景観に関する基本法制等の制定が位置づけられて、そして緑地保全、緑化推進策の充実、屋外広告物の適用等もあわせて示されたものであります。

 これは、国土交通省が我々の委員会に常時出席して、そしてその必要性を感じられて行われたものであります。ただ、この中で大変大きな要素は、青山事務次官が八年前に河川局におられたときに、ともかく日本の景観をすばらしいものにしていくことは私の官僚としての生命でもある、こういうような話をされて、そして今回、あたかも事務次官になられて、次官としてこの景観に対する大きな推進力になったことも事実でございますし、美しい国づくりという、本当にすばらしい、景観に対する当時の青山事務次官の論文も、私、何度も読ませていただいたわけでございます。もちろん、竹歳局長初め職員の皆さん方の大変立派な努力もありまして、そしてそれに相呼応して今回の法律に私はかかわったものだ、このような気持ちを持っております。

 私は、この景観法は我が国にとって画期的な法律であると考えておりまして、党におけるこうした活動経緯もあって景観緑三法が今国会に提出されたことを大変うれしく思っておりますし、私自身も、これに携わりましたことに対して、本当に議員冥利に尽きると言っても過言ではない、このように思っている次第でございます。

 そこで、特に今回、私は、広告塔、電柱、農村風景、それから、この条例を通じて国民意識の高揚、こういうものがどうなるかということが最終のキーポイントだ、このように思いますので、そのことについて質問をしたいと思います。

 戦後、我が国は、経済効率を重視し、我が国固有の美しい町並みや田園風景を保全する努力を怠り、多くのすぐれた景観を失ってまいりました。特に、バブル経済に日本国じゅうが踊った時代には加速度的に町並みが崩れ始め、安定成長時代に至った今日、やっと景観の大切さが見直されるようになったのは偶然ではないかと考えております。

 まず、大臣、こうした私どもの思いを今回法律におつくりいただいた大臣の御尽力に私は心から敬意を表します。ひとつ、大臣自身がこの景観法に対するお気持ちをどのようにお持ちか、大臣の思いを国民に向けてお訴えいただきたい、このように思います。

石原国務大臣 ただいま、岩永委員の初当選以来八年間の取り組み、そしてまた、街並み景観小委員会の委員長として六つの提言を出され、この景観法に六つの提言すべてが入っていることから考えましても、私などよりも格段、景観に対する意識というものを強く持たれ、この法案の取りまとめに当たられたことにまず敬意を表させていただきたいと思います。

 私もこの法案を取りまとめさせていただいた一人として感じますことは、戦後の急速な都市化の進展の中で、どうしても画一的な都市基盤の整備というものに重点が置かれまして、そこで重要視されたのは、経済性であり、効率性であり、機能性であり、その中で、美しさへの配慮という人間が本来大切にしなければいけないものが置き去りになってきたのではないかと思っております。

 東京でも見ますと、公共施設自体も、昭和三十年代に、日本橋の上に首都高速道路のふたを引いてしまったり、童謡の「春の小川」の舞台になりまして、私の中選挙区時代の選挙区であります渋谷川にふたをかけてしまったり、コンクリートで全部を固めてしまって、それはもう今でも残って、今修復中でございますけれども、それは、都市の空間にあって、かなり惨めな形を持っております。

 これから、町を見渡しまして、公共施設以外の景観上の問題点、どんなものがあるのかと私なりに三つぐらいにくくってみますと、やはり町並み、デザイン、色、全体として統一感がないということが一つ言えると思います。そして、委員が御指摘をされました農山村に行きましても、本当にすばらしい景色なんですけれども、電信柱がばあっと立っている、電線が張りめぐらされている。それと、琵琶湖のあたりでは本当に少なくてすばらしいと思うのですが、私どもの住んでいる関東では、目に余る広告物のはんらん、こんなものがあると思っております。

 今、やっと良好な居住空間を求める中で、住民や地方公共団体の景観に関する関心というものが、委員の取り組みによりまして高まりつつあり、ある意味では、効率性、機能性、経済性という観点から大きなターニングポイントに差しかかっているような気がいたします。しかし、地方公共団体の取り組みについては差があることも事実だと思います。委員が御地元の滋賀県は、昭和五十九年に全国初の本格的な景観条例を定めるなど、委員を初め多くの方々が熱心に取り組まれておりますけれども、すべての地方自治体がそうかというと、まだまだそうではないと思っています。

 私の生まれました湘南地方の国道百三十四号線は本当に景観のひどいところだと思うのは、子供さんたちが入るファミリーレストランの横がラブホテルであったり、その宣伝がけばけばしくされていたり、昔の私が子供のころ住んだ地域とは打って変わるような状態になっております。

 国としても、景観法の制定を契機にさせていただいて、地域ごとの個性を生かした良好な景観の形成を、委員が六つの提言の中で一番最初に御指摘された国政上の重要施策、重要課題と位置づけさせていただき、観光立国の観点からも総合的な景観政策を推進していかなければならぬということを改めて感じさせていただいたところでございます。

岩永委員 ありがとうございます。

 これから、大臣、この法律を制定し、そして国民に理解をいただき、なおかつ国民自身が意識の転換を図って、そして主観に訴える部分が、個人の財産ではあるが公のものであるという、そこまでの意識改革をしようと思うとこれまた大変なことだろう、このように思うわけですね。

 だから、私は、むしろきょうからがスタートだ、このように考えるわけでございますので、ひとつ、そういうような意味で大臣が今後この法律をどう国民に訴えていくのか、そこらあたりの大臣自身のお気持ちがお聞かせいただければ、このように思います。

石原国務大臣 先ほど、私の中選挙区の時代の渋谷川の話あるいは生まれた湘南の国道百三十四号線の周りの話等々をさせていただきましたが、そういうものをもとのすばらしい景色に戻そうというのには、やはり委員が御指摘のとおり、住民の方々がそうなんだということを思っていただかないことには、個人の財産権の問題等々もありますので、それを変えるということはなかなか難しい。

 やはり私たち、先ほど、転換点、ターニングポイントという言葉を使わせていただきましたけれども、今、昔の良好な景観を回復することによって、忘れている心の豊かさというものをしっかりと多くの方々が享受できる、そういうものが公共の最大の利益であるということを啓蒙していくことの大切さというものも改めて感じているところでございます。

岩永委員 このことを、ホームページだとか自民党の広報だとか建築関係誌だとか、いろいろなところに自民党のこの報告が載った時点で、多くの皆さん方から大変な共感が寄せられました。その中で、特に設計協会だとか建築に取り組む団体が、やはり全国展開をしていきたい、そういう話が出てまいりましたし、また、NPOあたりで、こういう専門のNPOを地域ごとにつくっていく、そういうような組織も持ちたい等の話も出てまいりました。

 私は、今まで環境という部分で大きな国民意識の高揚が図れましたけれども、今度は環境とあわせて、同じぐらいのウエートで景観というものが国民の意識の中で大きな転換が図られるのではないか、このように思っているわけでございます。

 そういうようなことを考えますと、これから、この法律の中で条例制定それから地域協議会そして地区設定等々を考えていく中で、本当に全国津々浦々で大変大きな議論が巻き起こるだろう。その議論を通じて、やはり公の一員であるという国民意識の改革ができるだろう、こういうことを思うときに、大変私は楽しみな思いを持ちながらこの法律を見ている次第でございます。

 大臣のひとつさらなる積極的なリーダシップと、国民世論の喚起のために御活躍をいただきたい、このように思うわけでございます。

 しかし、そうかといって、今、国でこういう法律ができましたが、地域社会の中で、地方自治体の中ではもっともっと早くから景観に対する意識が形成されておりました。そして多数の景観条例が制定をされております。

 先ほども申し上げましたように、私の地元の滋賀県では、美しい県土づくりを目指してプロジェクトチームをつくり、提言をまとめるとともに、県民に対して世論調査も実施し、さらに、滋賀県景観委員会というものを発足させて基本方針を取りまとめ、大変な労力をつぎ込んで、ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例を作成したわけでございます。また、市町村レベルにおいても、地域固有の景観を保全し、また新たにつくっていくために、みずからの工夫でユニークな実効性のある景観条例を策定しているところも多くあるわけでございます。

 こうした地方公共団体の努力によってつくってきた景観条例は非常に貴重なものでございますし、景観法が成立した場合においても、こうした地方公共団体における蓄積は生かされるべきだと考えております。

 そこでお尋ねいたしますが、景観条例の制定状況を最初にお聞きしたいと思います。

竹歳政府参考人 景観条例の制定状況でございますが、国土交通省が調査したところによりますと、平成十五年九月末現在で、二十七の都道府県において三十の景観条例、四百五十の市町村で四百九十四の景観条例が制定されております。割合でいいますと、都道府県で半数以上の五七%、市町村で一四%が景観条例を定めていることになります。

 また、昭和六十三年における市町村の景観条例数は九十六でございましたから、この十五年間で約五倍に増加したということになります。

岩永委員 しかし、きのうもいろいろと参考人質疑の中で、私も議論をお聞きしておったわけでございますが、やはり景観条例での取り組みの中ではかなりの限界があったろう、私はこのように思うわけでございますし、今回の景観法ではその限界をどのように超える措置がなされているのか、政務官にお尋ねしたいと思います。

佐藤大臣政務官 もう県会議員の時代から長年この政策テーマに携わってこられました岩永議員、もう既に御承知の上で聞かれているかと思うんですけれども、私ども、各地方公共団体の景観条例、大変高く評価するとともに、ただ、大きく二つの限界があるのではないか、そのように考えております。

 一つは、現行の多くの景観条例は、建築物や工作物の建築等に対する届け出とその内容に対する勧告、そういう仕組みでございます。平たく言えば勧告どまり、そういうところがございまして、例えば、周辺の町並みから著しくふつり合いな色彩やデザインであっても、強制力を持って規制することができない、そういう限界が一つございます。

 もう一つの限界は、やはり条例はあくまでも条例でございまして、法律の規制緩和であるとか、さらには国税の軽減が認められない、そういう限界もあります。

 大きくこの二つが今までの景観条例の限界ではないか、そのように考えておりまして、このような景観条例の限界を踏まえて、今回の景観法におきましては、まず基本的な考え方として、良好な景観の形成に関する基本理念や、国、地方公共団体、事業者そして住民の責務を明記するとともに、新たな具体的な措置といたしまして、一つは、景観区域内の建築物等の色彩やデザインに対する変更命令、これは具体的には法の十七条でこういうことを明記させていただいておりますし、また、景観地区内の建築物の色彩やデザインに対する認定、これは六十三条でそういうことを新たに設けておりますけれども、変更命令であるとか、そういう強制力を備えた規制をきちっと用意させていただいたということが一点でございます。

 もう一つは、さらに、条例では設けることのできない、建築基準法の緩和を措置するとともに、税制上の措置として相続税等の軽減措置を講ずべく、関係省庁と調整しているところでございます。

岩永委員 法律が裏打ちをされてまいりますので、今までの条例が大いに生かされるだろう、私はこのように思うわけでございます。

 そこで、車に乗っていても、よく私は、手でくくるようにして景観を見るんですね。そうしたら、この範囲内に何本電柱が入っているか、電線がどれだけあるかというのは、本当に無性に腹が立ちます。そうかといって、我々の生活のエネルギーを供給していただいている電力でございますので、そこらあたりの矛盾というのは何ともいたし方がないと思っておるわけでございますが、御承知のとおり、パリやロンドンでは電柱を見ることがありません。また、諸外国の観光地においては、電線や電柱が観光客の視野を遮るということはございません。我が国で、電線、電柱が目ざわりにならない都市や観光地は皆無だと言っても過言でないわけでございます。景観がすぐれていると言われている観光地においては電線の地中化はまだまだ不十分でございまして、とても観光客が納得できるものではないわけでございます。

 林副大臣にお尋ねをいたしますが、電線の地中化というのは大変大きな課題である、しかしながら、莫大なエネルギーと経費が要るものだ、私はこのように思います。しかし、無電柱化推進計画も策定したとは聞いておりますけれども、本当に腹をくくってこれをやらなきゃと思うわけでございますので、国土交通省はもちろん、電力会社そして地方自治体等が一致団結してこれに当たらなきゃならぬと思うわけでございますが、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

林副大臣 電線、電柱につきましては景観を阻害する大変大きな要因でありまして、無電柱化は、良好な景観をつくる上では極めて重要であるというふうに私も認識しているところでございます。

 岩永先生御指摘にありましたように、我が国の市街地の幹線道路においてはまだ無電柱化は九%ということで、欧米諸国に比べて極めて大きく立ちおくれているところでございます。

 御指摘の無電柱化推進計画、この四月に新たに立ち上げたわけでありますけれども、今後五年間で約二倍の一七%まで持っていこうということでスタートしたところでございます。と同時に、歴史的町並みを保全すべき地区などにおいても面的に無電柱化を実施するということにしたところでございます。

 また、本法案において電線共同溝の整備等に関する特別措置法の特例を設けておりまして、この共同溝整備道路として指定することが可能となるというような規定を盛り込んだところでございます。

 これらによって、電気事業者、電気通信事業者との連携を一層図っていきながら無電柱化を積極的に推進してまいりたい、このように考えております。

岩永委員 次は、農村部の田園景観、そして里山の風景を守るために、新たに景観法の中での位置づけがなされているわけでございますが、私、今回、都市と農山漁村の共生・対流を進めるための調査会というのが我が党にございまして、その基本であるニューコミュニティ委員会の委員長も実は仰せつかっているわけでございますが、都市住民がこれからどんどんやはり農村部に出向いていかなきゃならない。そして、お互いに共生、対流を深めて、どこで住もうともその味わいを享受できるようにしなきゃならぬ。

 しかしながら、現在、二十一万ヘクタールも耕作放棄地がある。それは琵琶湖の約三個分の面積に相当する、こういうようなことでございますので、農林水産省では、この棚田の景観や、それから里山等々の景観に対してどういう手だてを講じようとしているのか、簡単にお聞かせいただきたいと思います。

木村大臣政務官 お答え申し上げます。

 農林水産省としても、農村の田園や里山等の景観の維持、保全を図ることは大変重要と考えております。

 今回の法案によりまして、まず市町村が景観農業振興地域整備計画を策定し、景観と調和のとれた農地の利用への誘導を図ることとしておりますし、また、耕作放棄地の発生を抑制するために、景観整備機構として認定されます公益法人やNPOなどが農地の利用権を取得できるようにするほか、景観に配慮した森林の整備などを施策として講ずることとしております。

 また、議員が今御指摘されました棚田についてでありますが、その形状や石垣積みを保全するための地域の取り組みを景観農業振興地域整備計画に位置づけさせていただき、このことによりまして、棚田の特色ある景観の形成の促進に貢献していくものと考えております。

 また、あわせて事業面においても、積極的に棚田保全に資する支援措置として、立地条件に配慮しました簡易な農地整備や、農業生産条件の不利を補整するためのいわゆる中山間地域等直接支払いなどを引き続き実施していくこととしております。

 今後とも、国民共通の財産として、個性ある、魅力ある農山漁村の姿を次世代に継承するために努力してまいりたいと思います。

岩永委員 次に、屋外広告物についてお尋ねをいたしたいと思います。

 日本の、これは大企業初め中小零細企業、小売店まで、特に商売のためには、ただ看板が大きければいい、そして目立てばいい。景観に配慮した広告物というのは本当に見たことがございません。しかし、御承知のとおり、ヨーロッパあたりでは、本当にどこに看板があるのかわからない。そして、広告塔というもの以外にそういう看板は見当たらないというような国民意識を、大変すばらしいものだ、私はこのように思うわけでございます。

 そのことのために国民も意識を改めることが大変必要でございまして、広告主も、景観に調和した価値の高い屋外広告物を求め、同時に地域住民も、美しい、価値の高い屋外広告物を地域の誇りとすることを目指すべきだ、このように思うわけでございます。

 今回、条例にそういうことをすべて託しているわけでございますが、私は、条例ができなければ、今の屋外広告物が撤去されたり、新たに地域の景観を阻害する部分での排除ができないのか、このことを考えるんですが、これについてはどのような決意で対応していこうと思われるのか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 平成十五年度に違反広告物として簡易除却を行ったものだけを数えましても年間千六百万件に上るということでございまして、町には違反広告物がはんらんしております。そこで、今回の屋外広告物法の改正案におきましては、違反広告物をなくして良好な景観を形成する観点から、いろいろな必要な対策を盛り込んだところでございます。

 具体的には、条例に違反した屋外広告物について、知事がみずから違反広告物を撤去できる簡易除却制度の拡充を行うこととしておりますし、また、郊外の野立て看板などの違反広告物に対しても行政代執行の要件の明確化を図ることとしております。

 また、罰金さえ払えばという態度で条例違反を繰り返して違反広告物を生み出す不良業者がかなりおりまして、屋外広告業について条例で登録制を導入し、営業停止などのペナルティーを科することができることとしているところでございます。

岩永委員 質問の冒頭に申し上げましたように、景観緑三法の制定は、私が国会議員になって最もやりたかった仕事でございます。この景観緑三法は、将来の我が国の形を美しくつくり上げていく上において、画期的かつ不可欠な法律だと信じているところでございます。今国会においても、皆さんによく審議をしていただき、早期にこの法律が成立するよう心から期待するものであります。

 しかし、また一方、法律が成立しただけでは景観はよくならないことも認識しなければなりません。地域の景観行政の現場で景観緑三法が十分に活用されると同時に、先ほど申し上げましたように、国民的な運動が展開されることにより国民の意識が変わっていく、こういうことが大切でございます。

 最後に、再度大臣にお尋ねをいたします。くどくて申しわけございません。

 景観緑三法の成立後、我が国のすぐれた景観を子々孫々に伝えるために、普及啓蒙をいかにして進めていかれるのか。また、今回の法律により骨格はできると思いますが、景観に関する施策が地域において十分に展開されるよう、景観計画の作成や条例の制定をどのように推進していかれるのか、大臣の決意を再度お聞きしたい、このように思っております。

石原国務大臣 ただいま岩永委員がおっしゃられましたように、法律ができたからといって景観がよくなるとは私も思っておりません。地元の地方公共団体の皆様方の取り組みが重要であるということは、お地元の滋賀県を見ればもう明らかだと思っております。そして同時に、地域に暮らす方々、NPOの皆さんなどの理解と行動が極めて重要だと思います。先ほど岩永委員がおっしゃられたように、多くの方々が、町に出たらこうやって町を見て、電信柱がある、電柱があるというのはよくないんだと思えるようにすることが重要だと思います。

 それと、あとは、やはり景観行政が成功するかどうかは、規制を受け入れるか、事業に協力するか、住民の皆さん方の姿勢、考え方によって大きく影響するんだと思います。その意味でも、地域の住民の十分な理解を得るためにも、啓発、啓蒙、こういうことが重要であると思っております。

 法案を成立させていただきましたら、ガイドラインを作成するとともに、研修の実施など専門家の育成、なかなか専門家もまだ育っていないと思いますので、こういうものにも取り組んでまいりたいと思います。

 さらに、国民の皆さん方の景観に対する理解を深めるために、教育ということも大切だと思うんです。調べてみましたら、宮崎県の中学校で景観教育というのを行っているんですね。こういうことも文部科学省と一層連携を図ってまいりたい。この方法でやっていくことが重要であると認識しております。

岩永委員 ありがとうございました。

 この間、経団連の奥田会長にお会いしましたら、向こうから、すばらしい法律ができるな、これは国家にとって画期的な法律だ、経団連も総力を挙げてこの法律の推進を促していきたい、普及していきたい、このようにおっしゃっておられました。

 戦略会議でも、我々の先輩が本当に長年これに挑戦してきたけれども、屋外広告物の、知る権利等々の問題で大変大きな阻害を受けてきた。すべてを乗り越えて今回この法律をおつくりになられた石原大臣初め国土交通省のスタッフの皆さん方に心から感謝を申し上げ、自由民主党としてもその取り組みをしてまいりましたが、こういう形で集約されたことに御礼申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 昨日に引き続きまして質問させていただきますが、昨日、景観法について私自身が懸念する問題点を二つ、一つは、景観法の制定によりまして、かえって個性あるまちづくり、これがなくなってしまうのではないかということと、もう一つは、景観法で規制をすることによりまして、逆に地域の経済活動が阻害されるのではないか、こういう質問をさせていただきました。この問題に対しまして、大臣は、景観法は地域の独自の取り組みを支援するものであり、景観法の制定により各地域で個性的で魅力のある景観の形成が図られるものである。また、景観法による規制の内容は住民の意見などを反映して定められるものであり、地域の経済活動を阻害するものではない、このように明確に御答弁いただきましたので、これに関しては自分自身もすっきりとしております。

 さらに、地域のまちづくりの主役という問題ですけれども、やはりその地域の実情に精通しているのは公共団体である、また、何よりも、そこに住んでいる人たち、その住民の方々が主体である、これはもう論をまたないと思いますけれども、この主体である地方公共団体に対して国としてどのようなことができるのか。また、住民の方々に対して、景観に関するしっかりとした意識を持っていただかないと、幾らこの法律ができてもそれがうまく生きていかない。このように、住民の意識の向上というものもこれから大きな問題ではないか、このようにも思います。

 また、今回、景観を形成する重要な要素である建築物、その集合体である町並みのうち、景観上価値の高いものについては、その外観を維持するために建築基準法等の規制を緩和していく、こういうふうなことを考えていったときにどのような緩和措置ができるのか。こういった点について本日は質問させていただきたいと思います。

 まず、先ほど申し上げました、景観行政の主役は公共団体である。地方公共団体が新たな景観行政を行うために、新たな財政支出、これが伴うと思います。特に、景観に配慮した公共施設を整備する場合は、通常の公共施設の整備に比べて追加的な財政支出があるのではないか。景観重要建造物、このような建造物の修景と周辺の歩道などの整備を一体的に行う、これはやはりお金がかかることでありますから、町並みの景観を向上させるようにする場合に、大きな負担になるのは間違いないと思います、どの公共団体を見ても財政的に苦しいのが現実ですから。

 そこで、景観行政を行う地方公共団体に対して国として財政的な支援をどういうような形で行えるのか、これについてまず最初に質問したいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 景観行政に景観条例をつくって取り組んでいる公共団体は、都道府県、市町村合わせてもう五百以上にも上っておりますし、そのほかにも、ガイドラインとか要綱等によるソフトな取り組みを進めている、数多くの公共団体が景観行政に取り組んでおります。そういう意味で、多くの公共団体では、景観の問題が公共団体の重要な事務として定着してきていると思います。

 ただ、これから新たに取り組む場合や、それから、景観に配慮した公共施設の整備でございますとか、景観上重要な建築物等の修景や周辺の歩道等の一体的な整備などを行う場合には財政的な負担が生じることは、今先生が御指摘のとおりでございます。

 国としては、これまでも街なみ環境整備事業などによりまして公共団体のまちづくりを支援してまいりましたが、今年度は、さらに、まちづくり交付金でございますとか景観形成事業推進費を創設いたしまして、公共団体を支援する制度の充実を図っているところでございます。これらの助成措置を活用し、また、さらにこういう支援措置を拡充して、景観形成に意欲ある市町村の取り組みを積極的に支援してまいりたいと思います。

高木(陽)委員 今局長の方から答弁いただきまして、国としても積極的に支援をしていくと。しかしながら、これはまず公共団体が意識を持ってその事業を展開する、計画して展開をしていかなければいけないわけですね。そのときに、すべての公共団体が景観に関する知見や組織、体制を有しているわけではない。例えば、現在景観条例を定めている、積極的に景観行政に取り組んでいる市町村というのは約四百五十ある。これは、全国三千の市町村のうち一五%である。残る八五%はまだそういった取り組み、やっているところもあると思いますけれども、条例まで定めて積極的にやっているとは言い切れないと思うんですね。

 結局、これはきのうも質問しましたけれども、景観に関してそういった知見を持っていない公共団体に対しては、ある一つの例ができてしまうと、その例にのっとって、次から同じようなパターンでやってしまう。これも駅前の再開発ということできのう指摘しましたけれども、一つ何かビルが建って、これが再開発ですよといった瞬間、次から次へと同じようなものができてくる。百種類の町があれば百種類の町並みがあるわけで、そういったバリエーション、豊かな地域の特性を生かしたまちづくりが行われなければいけないんですけれども、そこら辺のところの懸念を持っております。

 せっかくの景観を生かすも殺していくも、地方公共団体が景観法をどう活用していくか。そこで、景観に関する地方公共団体の能力を向上させ、景観法が適切に活用されるよう、国は地方公共団体に対し助言や支援、いろいろな知恵というソフトの部分を応援していかなければいけないのではないかと思うんですけれども、その点についてはどう考えているか、お聞かせ願いたいと思います。

竹歳政府参考人 昨日の参考人質疑の中でも、自治体の中で、やる気や能力の格差がある、こういう問題にどう取り組んでいくのかというお話がございました。景観の問題は公共団体がそれぞれ主体性を持って取り組んでいく問題でございますけれども、やはり同じように、いいモデルを見て、それにみんなが触発されて、それぞれの地域の個性を生かしたまちづくりを進めるということも非常に重要だというお話もきのうの参考人質疑の中でございました。

 したがいまして、私どもといたしましては、この法の施行に際して、画一的なまちづくりにならないように、そういう統一的、画一的な運用を強いるようなことは全く考えていないわけでございますが、本法案の内容は多岐にわたります。したがいまして、この制度を適切、有効に活用していただくためにはいろいろな助言や支援が必要ではないかと考えておりまして、この法律の施行時には、技術的な指針の策定などを通じて必要な助言を行ってまいりたいと思います。

 また、支援方策としては、税制上の措置でございますとか予算、それからソフト面からは、先ほど大臣も御答弁申し上げましたが、研修や説明会等を通じた景観に関する専門家の育成や普及啓発、こういうようないろいろなことを組み合わせながら、より一層の支援をしてまいりたいと考えておるわけでございます。

高木(陽)委員 昨日の参考人の質疑で東大の西村先生も、認定制度の例を引かれながら、マンパワーの充実が必要である、このように指摘もされておりました。やはり、どんないい制度も、それを使っていくのは人間でありますから、これは首長だけではなくて、住民の方々、さらにはNPOの団体、そういったところにもしっかりと光を当てながらやっていかないと、これはうまくかみ合っていかないんだろうな、そのように思いますので、財政的な措置もする、そういったソフトの部分もしっかりと支援をしていくということで、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 続きまして、意識を持った団体、NPO等々は、そういう応援をされればどんどんやっていくんでしょうけれども、一番重要なのは、そこに住んでいる人です。国民の意識、そこの住民の意識、これが向上しないと、幾ら自治体、公共団体、市長さん、または町長さん、村長さん、そういった首長の人たちがやろうとしても、そこの主体者である住民が意識を持っていないと、結局これははねつけられてしまう。

 そういった中にありまして、景観法においても、第三条で、国の責務として「良好な景観の形成に関する啓発及び知識の普及等を通じて、基本理念に対する国民の理解を深めるよう努めなければならない。」このように書いておりますけれども、景観に関する国民の意識向上のためにはどのように取り組んでいくのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

竹歳政府参考人 具体的な取り組みについて申し上げたいと思いますけれども、今後、景観法を初めとする景観関連の各制度についてのいろいろなガイドラインの策定でございますとか、地域の住民の皆さん向けにパンフレットの作成でございますとか、シンポジウム、説明会の開催等さまざまな手段で、先ほど先生御指摘の国の責務を果たしていかなくてはいけないと思います。

 また、先ほど大臣が宮崎の例を若干触れられましたが、宮崎市におきましては中学生のための景観教室というのを開いておられるようでございます。何と十七時間も時間をとりまして、まちづくりに関する学習、まちづくりと住民参加、景観、町並み観察、模型づくりとか、非常に多様な取り組みをされているということに非常に私は感銘を受けました。

 今回の法案でも、文化財保護法改正案ということを別途国会で御審議いただいておりますが、景観行政分野におきまして文部科学省との連携も一層強めるというようなことで、先ほどの宮崎市の例なども参考にさせていただきながら、教育の分野においても、こういう景観教育の実施等、連携を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。

高木(陽)委員 パンフレット等も作成するというふうに今答弁いただきましたけれども、ここで一言申し上げたいのは、役所のつくるパンフレットというのはおもしろくないんですね。例えば、今国会でも、昨日、衆議院の本会議で年金の改革法案を可決して参議院に送付されましたけれども、年金の説明のいろいろなパンフレット等を厚生労働省がつくりまして、いろいろと見ますと、わからないんです。専門家である役所の方々はよくできたなと思っているんですけれども、読む側の立場に立っていただきたいと思うんですね。

 特に国民、そこの住民の人たちの意識啓発ということを考えた場合には、専門用語を使われてもわからないということで、こういった点もしっかりと意識を持っていただきながら、パンフレットの作成ですとか教育に取り入れていく、これはまさに必要だと思うんです。やはり子供のころから景観という意識を持っていただければ、それが大人になったときに、住民として、その主体者として取り組むときにはこれは必要であろうな、このように思いますので、その点もしっかり認識をしていただきながら進めていただきたいと思います。

 次に、国民の景観に関する意識が向上しますと、良好な景観の形成の機運が高まってくる。しかしながら、現行の税制は、地域のシンボルとなるお屋敷ですとか昔からの建物、景観上重要な建物を相続した方が地域の景観のためにその建物を残そうと考えても、どうしても相続税の負担に耐えられず売却をしてしまう、取り壊される、こういった問題がありました。美智子妃殿下の実家の正田邸の問題もありましたけれども、そういったことを考えますと、相続税を初めとする税制上の支援、これが重要であろう。

 景観法に関する税制上の支援措置、これはどのようになっているか、お答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 今先生御指摘のとおり、良好な景観の核となるような景観上重要な位置を占める建造物が、相続に際しての税の負担に耐えられず、売却されたり取り壊される事例が少なくありません。

 先日の本委員会の視察でお伺いした町家の方も、おじいさんそれからお父さんからの相続時に数億の相続税がかかる、これでどうしようかと非常に悩まれたというお話も伺いました。また、倉敷市の実例では、五億七千五百万の立派なお宅が、やはり相続時に持ち切れなくなってしまった、それで市が買ったというようなことでございまして、今後、古い、いいものを守りながら良好なまちづくりを進めるという意味で、相続税の問題とか、非常に重要だと考えております。

 私どもといたしましては、この法律に基づきまして景観重要建造物の指定を受けた場合には、当該建造物とその敷地について、相続税の課税評価において、その利用上の制限の程度に応じた適正な評価を行うということで、今関係省庁と調整しているところでございます。

 また、景観重要公共施設に関する事業のために有効に利用できる土地等を公共団体または景観整備機構へ譲渡した場合は、所得税、法人税の課税において、当該所得について千五百万の特別控除を行うという措置も予定をしているところでございます。

高木(陽)委員 税制のインセンティブが働くことによって、本当に重要な、重要なというか、良好な景観にとって必要な建物というのが残っていく可能性というのは多々あるわけです。この点についてはしっかりとやっていただかないと、本当に、周りの人も残したい、本人も残したい、ところがどうしても先立つものがない、こういう話、これは今まで、表に出てこなくて、問題となって壊されてきたものというのは多々あったと思うんです。財政当局の方というのはお金を取ることしか考えていませんから、この点についてはさらに拡大していくという方向性で考えていただきたいし、与党としてもその問題についてはしっかり取り組みたい、このようにも思います。

 地域の景観形成を進める上で、地域に親しまれている歴史的な建造物、この保存または活用といったことが重要であると思います。どのような町にも、古くからあって、その地域にとってシンボル的な存在、親しまれている建物があると思いますけれども、例えば神社仏閣ですとか、明治、大正期、昭和の初期に建てられた小学校、銀行、そういった建物ですとか旧家のお屋敷ですね。去年ですか、おととしですか、滋賀でも小学校の取り壊し問題で町長選まで行ってしまった、こういうこともありましたけれども、こうした建造物を保存、活用すると大幅な改修が必要になる。一方、こうした建物というのは、当然のことながら、現在の建築基準法による規制が適用される以前から建っていたために、建築規制に適合しない場合がある。

 建築基準法では、昔からあって現在の建築基準法の規制に適合しない建築物は既存不適格建築物といって、違反建築物にはならないんですけれども、これを大幅に改修しようとするときは建築基準法上の規制に適合しないと改修ができない。ここら辺のところも大きなネックとなっていると思います。

 例えば、文化財保護法に基づいて指定を受けた重要文化財のようなものであれば、建築基準法の適用除外とされているため、必要な改修をして保存していくことができる。しかしながら、先ほど挙げたような、古くからある町のシンボル、重要文化財にはなっていない建物に対して法律に基づく文化財等の指定を受けることは、これはなかなか難しいと思います。

 建築物の安全、これは国民の生命財産にかかわるものであって、建築基準法による規制が必要なことはだれもが認識はしていると思いますけれども、地域の景観形成を進める上では、こうした建築物の保存、活用、これがどうしても必要になってくる。ここら辺がぶつかり合ってしまうわけですね。

 そこで、今回の景観法において景観重要建造物の指定という制度が盛り込まれておりますけれども、この制度によって建築基準法の規制を緩和できることとなっているが、具体的にどのように緩和されるのか、御説明をお願いいたします。

松野政府参考人 お答えいたします。

 景観重要建造物が建築物である場合がございますが、今御指摘のとおり、かなり古い建築物であるということで、現在の建築基準法には適合しない、いわゆる既存不適格建築物というものも多いというふうに思います。

 先生もお話のあったとおり、これを増改築するとか、あるいは大規模な修繕、模様がえをするというときには、原則としては、現在の建築基準法に合わせていただくということが必要になる原則がございました。例えば、道路内に突き出して軒があるという場合にはそれを削らなければいけないというようなことになるわけですが、その良好な景観の保全を図ることができなくなってしまうというケースがございます。

 そのため、今回の法律では、景観重要建造物である建築物のうち、良好な景観の保全を図るためにその外観を保存すべきものにつきましては、市町村が国土交通大臣の承認を得まして、条例で、外壁等の防火措置あるいは道路内の建築制限、高さ制限、容積率、建ぺい率等の制限の全部または一部を適用しない、あるいはその制限を緩和するということができることにしたところでございます。

高木(陽)委員 建築基準法の規制の緩和、これは景観形成にとって大きなプラスになるとは思うんです。

 もう一つ、同じように、個々の建造物の保存だけではなくて、町並みそのものを保存する、これも同じような問題が生じると思うんです。

 例えば、先日、都市再生特別措置法の審議のとき、参考人で大分県の臼杵市長が来られまして、あそこは城下町で、臼杵城址を中心に多数の寺院、武家屋敷、城下町独特の迷路状の街路、町並みが形成されている。市長いわく、臼杵市はこうした特色を生かして、行政そしてまた地元住民が一体となって、昔ながらの町並み、景観を守ろう、こういうまちづくりが進められていますが、こうした城下町の街路というのは大体狭い、沿道の建物を保存、活用するために改修しようと思っても建築基準法の規制に適合することができず、建物の改修ができないといったことも聞いています。

 そこで、建築基準法ではこうした町並みの保存のためにどのような緩和措置が設けられているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

松野政府参考人 先ほどは景観重要建築物、個々の、単体のものでございますが、御指摘のように、建築物群として町並みを保存していくというケースのためにこれまでどういう政策があるかということでございます。

 建築基準法では、伝統的建造物群及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を保存するための都市計画の制度として、伝統的建造物群保存地区というのがございます。この地区内の建築物につきましては、条例で、高さ制限あるいは建ぺい率制限等の制限の全部もしくは一部を適用しない、あるいはこれらの制限を緩和するということができることになっております。

 この伝統的建造物群保存地区の制度とは別に、いわゆる道路の規定、つまり、建築基準法は、原則として、四メーター以上の幅員の道路に接しなければいけないという原則がございます。ただし、地形上どうしても道路の拡幅ができないケースがあり得るということがございます。その場合には、特定行政庁が幅員を別の数値として、緩和した数値で指定するということができる制度がありますが、防災上の支障がどうしても生じる。つまり、消防車がなかなか入っていけないとか、そういうことがあり得るのではないかということで、なかなかその活用をしないという特定行政庁もございました。

 そこで、平成十五年の基準法の改正によりまして、当該指定を行う際に、条例で防火上の構造制限というような必要な制限を付加しながら緩和するということができるように制度改正したわけでございます。

 結果、道路幅員の緩和を行いやすくなってまいりました。狭い道路に面する古い町並みの保存が図られるということができるようになりまして、例えば今お話がございました臼杵市では、道路の両側に昔からの立派な石垣のある町並み、これはなかなか物理的に道路の拡幅ができないというケースでございますが、この幅員の緩和の指定制度の活用を検討しているとお聞きしております。

 今回、この法律の中の景観地区内におきましても、壁面線の位置の制限をかけるということをあわせて行いながら、これに適合した建築物について斜線制限の緩和措置を創設するというようなことで、古い町並みが不統一なものにならないような規制の合理化を行うこととしております。

 今後とも、これらの制度の活用を積極的に進めていただくよう、技術的な助言等に努めてまいりたいと考えております。

高木(陽)委員 きのうからの質問で、光と影がこの景観法にはあるのではないかという指摘をさせていただきました。きのう、きょうの質問で、影の部分というのはいろいろな手法を通じながら克服していく、こういった御答弁もございました。

 ただ、今、建築基準法の部分でも質問させていただきましたけれども、こういった専門的な部分というのはやはり行政がしっかりと取り組まなければいけないだろう。その主体は地方公共団体であろう。その一方で、景観全体を考えた場合に、その主体者はあくまでもそこに住んでいる住民でありますので、地方公共団体、そこの住民、そしてそれを支援していく国、この関係というものがしっかりと連携をとらないと、せっかく景観法というものができて景観に対するまちづくり第一歩を踏み出すときに、これがなかなかうまく回っていかないとだめであろう。

 先ほど指摘をさせていただきました、画一的になるのではないかという疑問に対しても、やはり何かモデルがないと、ゼロのところから全部考えたら無理だろうな。そういう意味では情報というものがしっかりと共有されていく。なるほど、こういうやり方があるのか、こんな形もあったのかというものを各公共団体または住民の方々にも発信していただきながら、またはそれをコーディネートしながらまた逆発信をしていくというようなことを繰り返しながら、豊かな良好な景観というものを形成していくためにさらに努力をしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 岩國哲人君。

岩國委員 おはようございます。民主党を代表いたしまして質問させていただきます岩國哲人でございます。

 まず、今回の景観緑三法案の中で、広告物についていろいろな規制を強化していこう、私は大変好ましい規制であろうと思っておりますけれども、看板の規制については、許可する段階での規制も非常に大切ですけれども、撤去させるためにはどういう権限を持っているのか。こういったことについてももう少し市役所その他の公的機関に権限を持たせて、例えば、夜逃げしてそのまま看板だけはいつまでも置いてある、電柱に何とか喫茶店といって、大阪から来た方が出雲市の中を通過するときに、ああ、この辺でお茶をと思って行ってみたらその店は探してもないとか、あるいは不幸にして倒産されたお店、そういった夜逃げ、倒産、そういったところが、なかなか看板まできれいに整理して夜逃げするという人は非常に少ないわけでありまして、そういったことが全国各地にあるわけです。

 こういうのを、私は出雲市長時代に、市役所の中に看板娘、看板男を一人ずつ置いて、市内をどんどんパトロールさせました。要するに、もう要らなくなっている看板、字がかすれて読めなくなっている嫌な感じを与える看板、そういうのはどんどんたたき落とす。あるいは、その所有者、責任者がわかるときには連絡をつけて、落とすか塗りかえるか、どちらかをどんどん迫って町の美化に努めたこともあります。

 このような権限が今度の景観緑三法の中にしっかりと規定されているかどうか。局長の御答弁をお願いいたします。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 まず、屋外広告物法の運営に関する権限の問題でございます。

 現在、屋外広告物条例をつくっている団体は、都道府県それから政令市、中核市の九十五団体ということでございまして、一般的な市町村はその権限がございません。

 しかしながら、先ほどから御議論になっておりますように、景観形成の上で看板の問題が非常に重要だということでございまして、景観法で景観行政団体になった市町村は、中核市、政令市以外でも、県と相談して屋外広告物条例についてみずから規制できる、このような仕組みにしているわけでございます。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

岩國委員 地方自治体でいろいろな権限を使って実行することは、昨日も金沢市長さんのお話を伺いました。そして、これからは、もう個別にあちこちに看板を掲示させるのではなくて、集合的にやってはどうかという提案もなさっていらっしゃって、これは非常にいい提案ではないか、そのように思っております。これは観光地、例えば蓼科の国定公園、そういった国立公園、国定公園の中では看板が規制されておって、そして集中的にざあっと並べられているのを皆さんもごらんになったと思いますけれども、ああいうやり方を全国的にもう少し強制していってはどうかなというふうに思うわけです。

 もちろん、それは町の全体的な美観の上で、集合してそこにばかり広告が集中するということは、全体の調和を考えなければならないわけですけれども、そうした、自治体において条例をつくる、あるいは金沢市の屋外広告物審査会、昨日の参考人としての御意見もちょうだいいたしましたし、こういうものを設置するとか、幾つも手が打てると私は思いますので、そういった点について、国交省の方で、総合的に、日本全体の町の美観という観点から、屋外広告物についてどういう取り組みをこれから強めていこうとしておられるのか。

 そしてその中で、出雲市は看板娘、看板男ということでもって権限を相当持たせましたけれども、一番困ったのは、やはり選挙の後、落選した人のポスターが、当選した人はきれいに片づけるんですけれども、落選した人ほど片づける人が少ないわけです。

 ですから、これについて、大臣、何らかの、大臣は落選された経験はないようですけれども、政治家の一人として、こういう政治家の選挙絡みのポスター、立て看板、こういったものについてはどういう態度でこれから町の美観という角度から臨んでいこうとされるのか、御所見をお願いしたいと思います。まず大臣の御所見を。

石原国務大臣 個人的な主観になってしまいますが、やはり、これはもう許可されている広告物、すなわち政治活動で許可されているものが今掲示されているわけでございますので、その撤去というものも、政治家のモラルの問題として撤去するということに尽きるんだと思います。

 ただし、委員が御指摘されましたようなケースはいろいろなところで、選挙が終わった後、地方を回りましても、また都会を回りましても見かけられますので、これもやはり啓蒙活動の中でしっかりと対処していくしか方法はないのではないか。

 また、政治活動に関する部分でございますので、局長の方からもう少し詳細を答弁させていただきたいと思います。

竹歳政府参考人 政治活動並びに営利を目的としない非営利のポスターについて屋外広告物法ではどう取り扱われているかということについて、若干御説明を申し上げます。

 昭和四十八年に屋外広告物法を改正したときに、表現の自由、政治活動の自由との関係で、政治関係のポスターをどう取り扱うのか、大変大きな議論になりまして、衆議院で議院修正がされました。その中で、「この法律及びこの法律の規定に基づく条例の適用にあたつては、国民の政治活動の自由その他国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない。」このように定められまして、各地の条例でもこのような基本方向に沿って運営されております。

 ただ、違法な広告物、政治活動に関するポスターでも違法なものがございまして、こういうものについてはやはりきちっと片づけていく必要がある。

 先ほどの、どういうふうに片づけるかという点について、今回の法律については、法律に違反している広告物についてはもう少し手続をはっきりさせて町の景観をよくしていこうというようなことで、例えば、今まででございますと、違法な広告物ですから、片づけて持ってきたのを保管して、それをどう処分していいのかという規定が全くございませんでした。したがって、そこら辺をきちっと法律に基づいて処理できるように、また、簡易な除却というものについても、今までは、ある程度の期間がないと、違法な広告物だと明らかにわかってもはがせないというような状況がございましたが、そういうこともはがせるような法律的根拠を与えるということで、手続をきちっとして違法な広告物を整理していくというような法律改正を今回お願いしているわけでございます。

岩國委員 政治活動の自由ということは、ちょうど営業活動の自由。しかし、それも広告物に関しては規制しようという方向にありますから、いつまでも政治活動だけが特権を与えられるというよりは、やはりそれは歩調を合わせて、政治活動についても、これだけ美観だとかまちづくりだとか景観だとかいうことを言っているわけですから、そういう角度から、一段ともっと強い姿勢を国交省から出すべきじゃないかと私は思うんです。

 もちろん、この議論そのものは、私は政治倫理の委員会もしておりまして、今あっちで開かれておりますから、そっちの部屋の方へ行ってこれは質問するべきことかもしれませんけれども、やはり政治活動の自由もある程度規制する。そして、例えば供託金は、もう最後の一枚までが撤去されたということを確認するまでは供託金は返さない、そういうことも本当は、まあ、これもまたあっちの部屋の話かもしれませんけれども、この美観法案に関連して、私は強く打ち出すべきではないかなと、この法案を読みながら思った次第です。

 大臣、そういうことを政府として打ち出すお考えはありませんか。

石原国務大臣 政治活動の自由との関連については、昭和四十八年の修正の案文につきまして今局長の方から答弁をいたしましたように大変センシティブな問題で、今般のこの改革案をまとめるに当たりましても、かなり議論のあったところでございます。

 方向としては、委員がおっしゃいますように、国の重要施策として景観というものを位置づけるということを宣言しているわけでございますので、この問題につきましては、当委員会さらには政倫審、あるいはさまざまの国会の場で御議論を深めていただき、だれもが納得できるような解決策を見出してまいりたいと考えております。

岩國委員 それでは、この問題はそれぐらいにしまして、次の問題に移らせていただきたいと思います。

 次は自動販売機。

 世界の中で日本ほど自動販売機がはんらんしている国はないと言われるわけですけれども、こういったものについて、これは災害時の障害にもなる、消防車等の活動について。あるいは景観を損なう、こういう観点からも大変問題ではないかと思うんです。この景観法案の関連において、こうした屋外に設置された自動販売機について、もっと厳しく制限をつけるべきではありませんか。

 また出雲市の例を紹介して恐縮ですけれども、屋外の酒の自動販売機は、出雲市は全部撤去いたしました。平成七年の春から始めて、平成十二年の一月、最後の一台が撤去されております。

 私は、酒の自販機は優先して撤去すべきだと思いますし、その他の屋外自動販売機についても、設置場所、設置台数については制限をつけるべきではないかと思いますけれども、大臣のお考えを聞かせてください。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 現在、我が国には、酒とたばこで約七十万台の自動販売機がございます。その他も合わせると約数百万台という自動販売機が置かれているわけでございまして、これは、一方では大変便利だという面がございますが、今委員が御指摘になられたように、災害時の問題だけではなくて、景観面からも、例えば京都などではいろいろな工夫がされているわけでございます。

 法律上の扱いでございますが、自動販売機は、景観法上は工作物に該当いたします。したがいまして、景観計画を定める区域におきましては、この景観計画に工作物のデザインとか色彩の基準を定めるというようなことができます。

 また、景観地区内では、さらに、例えば壁面の位置をセットバックするというような場合にはその間には置いてはいけないというようなことは制限できることになっておりますが、そういうデザインとか色、産寧坂とか上賀茂では、自動販売機にかかれている屋外広告物は〇・一平米以下にしろとか、色彩については特別の基準を設けて制限しておりますが、それ自体を置くなということまではこの法律ではできない。自動販売機に木枠のカバーをつけてそれなりに調和しているのならばいいじゃないかと。先ほど先生おっしゃったような営業活動の自由、無人の店舗というような扱いにもなりまして、それ自体を禁止することは法律上は困難でございます。

 ただ、今回の法律で景観協定という仕組みをつくっております。この協定をやりますと、法律ではできないようなところまで、協定ということで、自動販売機を町内に置くのはやめようというようなことはできるということになっております。

岩國委員 そうした自動販売機の多くを見ますと、大抵のところは軒下に、公道に接し、すれすれのところまで軒下を使っているんですね。もちろん機械そのものは公道にはみ出ているわけではありませんけれども、人が公道に立たなければ利用できない向きになっているわけです。

 ということは、民間の経営者が公の道を営業の場所として結果的には使っていることになるわけですね。そういう公道の使用制限というところから、軒下で精いっぱい、もう道に接して設置されているような自動販売機は、人が立ってそれを使うだけのスペースは、私道の中で、私有地の中で確保しない限り認めてはならない、そういう方向を出すべきじゃありませんか。そうでないと、一般の道や歩道があるところで、人がそこへ立って買っている。当然これは障害になるわけです。また、公有地、公道を勝手に一般の店が使っているということになりますから、そういう面からももっと制限を加えてもいいものだと私は思いますけれども、そういう方向は出てこないんですか。

竹歳政府参考人 自動販売機で物を買うときに公道に立って買っているではないかということでございますが、たばこ屋さんで物を買うときにも公道で立って買ったりするわけで、さっき申しましたように、自動販売機は無人の店舗というような位置づけに法律上はなると思いますので、先生今おっしゃったことはなかなか難しいんじゃないかなと思いますが、やはり、今回景観法ということでいろいろ工夫もするわけでございますから、いろいろな取り組みを今後考えていきたいと思います。

岩國委員 難しいからやめるとか、難しいから前向きの検討もしないというのは、私はちょっとおかしいと思いますよ。難しいからやめるのは民間企業の論理であって、難しいからこそ役所があるんじゃないですか。易しいことだったら役所なんか置く必要はないんです。私はそのように思います。

 次に、景観の上で非常に大切な美しい名木それから並木、こういったものは非常に景観上重要だと思いますけれども、本法案では、どのようにこれをもっと奨励し、あるいはこういった樹木を保護するための措置が講じられているのか。

 景観の上で緑という存在は非常に大きいと思いますけれども、この点について、具体的にどの条文によって、今までよりもはるかに並木がふえる、今までよりもはるかに背の高い並木も許されるようになってくるのか。今までと同じ背の高さの並木しか許されないのか。外国へ行けば、もっと背の高さ、まあ人間の高さもそうですけれども、並木の高さが非常に違って、それが非常に景観のアクセントとなっているんですね。この点については今までとはどういうふうに違ってくるのか、端的にお答えください。

竹歳政府参考人 端的に申し上げますと、景観法につきましては、二十八条で「景観重要樹木の指定」ということで、その町のシンボルとなるような大きな木についてはこういう指定をして、切ったりするときには許可が要るというようなことで守れるようになります。

 また、都市緑地保全法の方で、一本一本の木ではございませんが、屋敷林とか、そういう形で残っているものについては、また別途の地区計画とか、それから市民緑地とか、いろいろな形で固まりとしての緑を守っていくというような制度も用意されているわけでございます。

岩國委員 これは名木になればなるほど古い屋敷に、あるいはお寺に立っているものが多いわけですが、その周りの環境は激変しているわけです。

 最近、国土交通委員会で、私も御一緒して京都市に視察に出かけましたけれども、今まで低い木づくりの家が隣にあったのが、突然大きなマンション。当然、木も方向転換しなきゃいけないんですね。今まで伸びておったのが、日当たりが悪くなるから、日当たりのいい方向へ伸びてくる。出ようと思うと、そこには電線がある。したがって、いろいろなところで電力会社とのバッティングが起きている。これは、将来は地下に電信柱が全部埋まっていくということになればこんな問題は起きませんけれども、出雲市の場合でも、明顕寺という有名なお寺のムクの木がどんどんどんどん枝が伸びて、ついに中国電力の電線と絡むようになった。市役所と中国電力が折衝した結果、中国電力が譲って電線の位置を変更して、工事をやってまでそのムクの木は残ったんです。

 これは小さなことですけれども、そういう一つのことを市民がずっと見ていますから、今度の出雲市役所は木を守るために電線の位置を変えた、これは社会人教育にとっては非常にインパクトが強かったんです。

 今、二十八条でということをおっしゃいましたけれども、名木の指定にとどまらず、だから、名木が生えれば生えるほど、それに伴って、マンションを変えろ、どれをと、そんな極端なことを私は言っているわけじゃありません。しかし、ある程度強制力を伴って、名木の存在というものについてそういった配慮をされるようなこれからの公共工事あるいは公共的な工事、電力会社といえども、これは公共工事とは言えないかもしれませんけれども、公共的な工事、そういうものも私は将来的には規制する方向をしっかりと法令の中に打ち出していった方が各地方自治体の交渉がやりやすくなる、そのように思っております。

 次に、ブロック塀ではなくて、生け垣について質問させていただきます。

 生け垣は、ブロック塀と比較して景観の上ですぐれているというだけではなくて、防火対策、防災対策あるいは防犯対策からも、私は、ブロック塀よりは生け垣の方がすぐれている、多くの学者の意見にもそのように言われておりますけれども、そういった点で奨励金をつけておりました。

 こうした生け垣かブロック塀かということについて、今度の景観緑法案では、景観上の観点から、ブロック塀を抑制し、生け垣をもっとふやすような方向ははっきりと打ち出されておりますか。

竹歳政府参考人 御指摘のとおり、生け垣は、景観上また防災等の観点からも非常に望ましい効果を有しますから、民有地緑化の一環として整備しなくちゃいけないと考えております。

 具体的な法案の中では、今回の改正ではございませんが、既に緑地協定ということで、地区の皆さんが、ここはみんなで生け垣にしようというようなことを決めて、それを守る。それを公共団体が生け垣助成をやっている例が幾つもあります。

 杉並区では、道路に面したところについては一メートル当たり一万円で、三十メートルを限度とするといいますから三十万まで出るとか、静岡だと限度額が七万、大阪市は何と上限は二百万となっておるんですけれども、そういうように、やはり地方団体ではそういう形で生け垣を推進していると思います。

 また、今回の法案でも、地区計画によって、垣とかさくの制限などが活用できるということになっております。

 公共団体における生け垣助成について今申し上げましたが、まちづくり交付金、これも公共団体がそういう方々を支援するときには間接的に応援できるというような仕組みになっておりますので、ぜひそういうことも周知してまいりたいと考えております。

岩國委員 木や植物から、今度は川の話に移らせていただきます。

 地方における河川の水面、水の面積、これは江戸時代に比べると、今では、この東京、首都圏の水の面積、池とか川とか、水面の広さそのものが江戸時代に比べて半減しているんです。半減しているだけではなくて、川へ行くまでの距離が非常に遠くなってしまった。これは、急速な都市化が進んだ結果、そうなってしまったわけですけれども、江戸時代には二百メートル歩いたら川があった。鬼平犯科帳なんか見ていてもすぐに川が出てきますけれども、時代劇を見ていれば、川が非常に近くにあるということを実感するわけですね。

 ところが、今は平均して五百メートル歩かないと、要するに、川はどんどん遠くへ行ってしまって、しかも川は半分の細さになってしまった。つまり、細い川がどんどんどんどんふえてきたんです。それから、今度は、都市化の結果として山が遠くなってしまった。すぐに山に行けたものが、今ではもう何キロも歩かないと、あるいはバス、電車に乗らないと山のふもとまでは行けない。

 山は遠くなり、川は細くなり、遠山さんと細川さんがどんどんふえる。名前でもそうですけれども、細川という名前はありますけれども、広川という人はだんだん少なくなってきた。遠山さんは多いけれども、近山さんという人はほとんどいない。山は遠く、川は細く、まちづくりの結果として、細い川がしかも遠くになってしまった。こういうことについてどう景観対策として考えていらっしゃるのか。

 この間京都へ行って、京都も相当昔とは変わってきていますけれども、京都では、まだ京都駅からタクシーで十五分走らせたらどこかの森に着くんですよ。東京では、東京駅でおりて十五分といったら、森ではなくて森ビルというところに着くんです。これぐらい東京では森が、一時間かかっても二時間かかっても到達しない。こういう森の問題もありますし、それから、今お伺いしたいのは水面です、水の面積、それから川を取り返す、これを景観の面からどのように考えていらっしゃいますか。

清治政府参考人 委員から、河川が過去の経緯において非常に少なくなってきたんではないかというお話でありますが、数字の上では都市においてはまさにそのとおりでございまして、今、市街地の中に残されております河川は、水と緑という面から、非常に貴重なオープンスペースということが言えようかと思います。

 そういう中で、これらの残された河川を、環境の面からも、また景観の面からも都市の中にしっかりと位置づけて、しかも流域の方々に親しんでいただけるような、そういう川づくりというのは非常に要請も多うございますし、また、私どもの重要な課題というふうに考えているわけでございます。

 このため、河川の整備に当たりましては河川の自然を大事にするような工法を採用しておりますし、また、人が近づきやすいような川づくりを工夫して進めているわけであります。

 また、地域づくりの中で一体的な整備をしていくというような趣旨から、自治体あるいは地域の方々に一緒に入っていただいてプランを練って河川の整備を進めていくというふるさとの川整備事業ということにも取り組んでいるわけであります。また、子供たちが安全に水辺で自然体験をできるようにというような趣旨から、水辺の楽校プロジェクト、そういうプロジェクトについても全国各地で進めているわけでございます。地域の個性であるとか、それから地域の要請、こういうものにしっかりこたえていけるような行政が求められているというふうに認識しているところでございます。

 これからも、地域の人々から愛されるような、そういう川づくりを進めていくために地域の方々と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに思っておりまして、川は少し遠くなりましたが、足を伸ばしていただけるような川づくりを進めてまいりたいと思います。

岩國委員 目指していらっしゃるというお考えはよくわかりましたけれども、何年後にはどれぐらいの水面を回復したいという目標値は持っておられますか。例えば、いただいた資料なんかによりますと、国交省の方でもいろいろな調査をしていらっしゃるようですけれども、十年間にどれぐらいの水面を回復したい、あるいは、川の上を道で覆われている、舗装されているところがありますね、そういうところを舗装を撤去していこうとか、そういう形で水面を回復することも含めて、何らかの数字での目標を持っていらっしゃるんだったら聞かせてください。なければ、ないとお答えください。

清治政府参考人 今御指摘のような点につきましては、河川の再生事業というスキームを持っておりまして、その中でいろいろな方々の御意見を聞きながら進めていこうとしているわけでありますが、これらにつきましては、都市の中であればあるほど、いろいろな障害、難しい面がございます。

 それから、当然資金面のこともあるわけでございまして、明確にその数字をお示ししてやっていくという形は難しいかと思いますが、河川の再生という流れは世界の大きい流れでもございますので、それに乗りおくれないような、それに適当な川につきましては取り組まなければならないと思っております。

 また、加えて、自然の再生という意味からいきますと、干潟の再生でありますとか湿地の再生、こういうようなものも、地方の川等におきましては当然これらも景観と関係してくるわけでありまして、さまざまな取り組みに力を入れていきたいと思います。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

岩國委員 次に、川に関連して、今度は橋の問題についてお伺いしたいと思います。

 橋は、それぞれの地域住民がいろいろな希望を出す場合もあるし、出さないで、昔で言えば建設省、今の国交省がどんどん進めてしまう場合もありますし、最近は、地元の住民あるいは議会の意見を聞いてからデザインを決めるということが多くなっていますけれども、それにしましても、地域地域によって、橋が、色は違うわ、デザインは違うわ、古風なのもある、和風があれば洋風がある。非常にばらばらな印象を与えるんですね、同じ町に入りましても。

 河川局の方で、出雲市の場合に、斐伊川、神戸川の例の合流のための大きな工事、出雲市はそれを受け入れて、結果として、今まで要らなかった大きな川がつくられることになってしまった。それも含めて二十五の橋が、二十五年間に毎年一本ずつ。そのときに、ばらばらな橋、この地元の下流の方の橋はこれでいいけれども、上流から見た場合には、二つ、三つの橋が重なった場合にどういうふうなイメージになるのか。そういった点を建設省は徹底的にシミュレーションしていただいている。私は、これはいい方の例として申し上げているわけです。

 橋が二つ、三つと、隅田川なんかにもそれはありますけれども、そういう指導がなされているのかどうか。橋一本つくるときも、上流と一つ下流と、そういうところのつながりというものを意識した指導というものが河川局なり道路局なりでなされているのかどうか。それについて端的にお答えください。

清治政府参考人 橋は、河川に対しましては許可工作物ということでかかっているわけでありまして、橋を新しくかける場合とか、それから改築の場合には河川法上の許可の手続の中でいろいろな協議をさせていただいておりますが、今お話のありましたような一連の大きい河川の工事の中でたくさんの橋のかけかえが必要になるというようなときには、いろいろな協議の場を持ちまして、統一性をとっていくとか、あるいはその道路の歴史とか、そういうものの特性を生かしながら橋をデザインしているわけでありますが、個別の一橋一橋の橋について、デザインそれから景観という面での指導がなされているかということにつきましては、非常に少ないというのが現状でございます。

岩國委員 道路とか建築物についてはかなり意識が進んできているという印象を私はこの法案の中から受けますけれども、やはり橋についても、大阪の場合には、八百八橋と言われたぐらいに橋の多い町であったわけですね、浪花は。しかし、八百八橋といっても、全部というわけにいきませんけれども、やはり景観という観点から見た場合に、一つ一つはよくても、二つ、三つが重なった場合にはどうなのか、同じ目の中に入った場合に。そういう角度からこれからもっと指導を強化していただきたい。そうすることによって、日本という国の橋はみんなきれいだ、しかも、重なっていればなおきれいだと言われるような指導をしっかりとしていただきたいと思うし、また、指導する権限がこの法案の中に十分でないならば、私は、今後それを盛り込むべきではないかと思います。

 次に、緑の問題についてお伺いいたします。

 以前この委員会でも私は質問させていただいたことがありますけれども、全国で青葉とか緑とか、私の選挙区は横浜市の青葉区と緑区なんですけれども、青葉とか緑とかいう名前のついているところほど、どんどん緑が失われていっているんです。二十年、三十年前は、まさにその名前にふさわしかったんです。ところが、緑の減少率を調べると、国交省でも調べていらっしゃると思いますけれども、横浜市緑区というのは横浜の中で緑の減少率ナンバーワン。そのうち緑区という名前は返上しなきゃいかぬじゃないかと、地元ではそういう懸念の声すら出ているわけですけれども。

 こうした各自治体の緑比率というものを国交省としては統計として持っていらっしゃるかどうか。これから、景観そして緑の重要性というのが強調される以上、例えばの例ですけれども、東洋経済で都市データパックというのが発表されております。これは平成三年からずっと発表されて、全国の七百の市の通信簿が全部発表されています、毎年毎年。そして、総合点では何位、それから科目別では、それぞれの科目があって、その中では、豊かさはどうなったか、安心さはどうなったか、便利さはどうなったのか、こういった科目別の点数がついています。

 残念ながら、景観という科目がないんです。環境とか美しいまちづくりとか、こういったものは、都市間競争の中の通信簿で、これは必修科目ではなくて部活ぐらいの扱いにしかなっていないわけですね。

 この景観緑三法案を機にして、そうした景観、緑というものを何らかの格付あるいは指標化して、これからの自治体のいい意味の競争、美観競争の一つの指針とする考えはありませんか。国交省自体としてやることが問題であるならば、既に民間の東洋経済というシンクタンクがあるわけですから、そういうところに何らかのデータを提供するなり、あるいは何らかの協力をすることによって、各地方自治体が、単なる主観だけではなくて、周りの市と比べて自分のところの市の美観度、環境度はどうなのかということ、やはりそういう指標はあった方がいいと私は思うんですけれども、いかがですか。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 政策を的確に遂行していく、政策評価をきちっと行っていくということのためには、やはりきちっとしたデータが必要だと思います。

 都市の緑の状況につきましては、国土交通省では、都市公園とか緑地保全地区というような公的に担保された緑地のデータは一元的に整備はしておりますが、民有地の緑も含めたような都市の緑の比率というデータについては、東京とか横浜とか名古屋とか、幾つかの代表的なものについては把握しておりますが、全国的に把握しているという状況にはございません。

 ただ、今後、こういう景観法、都市緑地保全法等の改正を契機に、やはりきちっとしたデータを把握していくということは必要であると思いますから、データの整備や指標のあり方は検討してまいりたいと思います。

 それから、一般的に申しますと、実は、各都市で緑の把握の仕方が違うんですね。緑の多いところは大体大ざっぱなんです。緑の少ないところはきめ細かに拾っていく。当然のことだと思いますけれども、そういう状況があるし、それから、都市間競争等、指標として使ってはどうかというお話でございましたが、やはり大都市は、幾ら努力してもなかなか緑がふえないというか、もう緑がなくなっちゃっている。山の方に行けばたくさんあるというので、どういう形でそういう都市の努力を評価するかという問題はあると思いますけれども、先ほどの御指摘にもありましたように、難しいことをやらないというんじゃなくて、難しいことをいろいろ考えて検討してまいりたいと思います。

岩國委員 こういった緑の比率、当然、東京と出雲市を比べるというのは不公平な話ですから、もともと緑しかないようなところと緑を失うことによって栄えたところと、簡単に比べるわけにもいきません。

 したがって、人口規模等で類似のところとは、自分のところのいいライバル、いい意味の好敵手はどこだなと、それを意識することによってお互いの自治体がいい方向へ競争するということをぜひ、民間の協力も得てそういう指針らしいものを、最初は試行錯誤で大ざっぱであっても私は出した方がいい、そのように思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。

 次に、農村風景との一体性ということも少しはこの景観法案の中に出ているように思いますけれども、この点については我が党の岡本委員の方からまた質問する予定になっておりますから、私はその点は省略いたしまして、この景観法案に関連して、学校教育の中でどういう教育が行われているか。

 先ほど石原大臣の御答弁の中で、宮崎県の例も出ました。そういった例は非常にいい例で、私もうれしく思いましたけれども、もっともっと組織的に、小学校、中学校の教科書の中で、ケイカンという言葉が、お巡りさんじゃなくて、景観という方が子供たちにもなじみがあるように、多分、今の子供たちにケイカンと言ったら、お巡りさんぐらいの話しかないと思うんですね。ところが、先ほど調べていただいて、中学校の社会科の副読本で景観という言葉が初めて登場するわけです。環境という言葉は小学校五年生の教科書から登場してくるようですけれども、景観という言葉ももう少し年次を繰り上がるようにして、文部科学省とも協力していただいて、やはり子供たちがきれいだと言うこと。やはりお父さん、お母さんにとって怖いのは、子供の一言なんですよ。役所の人間から町が汚くなったと言われるよりも、自分の子供から自分たちの町はちょっとよそよりも汚いねと。そういう子供たちの一言というのはみんなインパクトがあるものなんです。

 ですから、ぜひ、学校教育の中で景観教育というものも強調するような協力関係を文部科学省を通してぜひやっていただきたいと私は思います。

 また出雲の例を強調してあれですけれども、出雲市では木のお医者さんをつくりました。御存じだと思いますけれども、樹医制度。人間にもお医者さんがいる、動物にもお医者さんがいる。木にも命がある。その命のある木にだけはお医者さんがいない。間違いだと。

 私は、平成元年に十人の木のお医者さんをつくったんです。たったそれだけのことで子供たちにもすぐにわかるんです。木にもお医者さんがいる。木にも命があるんだ。木に命があるということを知った子供たちは木をいじめなくなるんです。そういう子供がこれから育ってこそ、木を大切に、森を大切に、山を大切に、地球を大切に、自然を大切に。環境教育の原点は、周りの木にも命があるということをわからせること。

 今、農水省、林野庁がまねをして、全国に一千人の木のお医者さんができています。世界の国の中で木のお医者さんがいるのは日本だけなんです。

 そういったようなことも、景観とか緑とか山林とかいうことをおっしゃるのであれば、国交省はもっと積極的に教科書の中に踏み込んでいく、いい意味の口出しをすべきではないか、私はそのように思いますけれども、大臣はどういうお考えを持っていらっしゃるのか。

 それから、景観と、もう一つ眺望という言葉がありますね。景観と眺望は国交省ではどのように意見を違えておられるのか。眺望というのはもっと大きな眺め、景観というのは短い眺めですけれども、こういった点についてもお伺いしたいと思います。大臣の御所見をいただけますか。ごく短くお願いします。

石原国務大臣 先ほど、御同僚の岩永委員との御質疑の中で宮崎県の中学校の景観の教育というものをお話しさせていただきましたが、やはり多くの方々が、経済性あるいは効率性、機能性よりも美しさというものの方がすばらしいんだということを認識していただくには、岩國委員御指摘のとおり、幼少期からの景観教育というものが重要だと認識しておりますので、先ほども御答弁申しましたように、文部科学省と連携を深めさせていただきたいと考えております。

 景観と眺望をどう使い分けているかについては、政府参考人から御答弁させていただきたいと思います。

竹歳政府参考人 景観と眺望の関係でございますが、景観は、例えば今度の景観法でも、景観計画とかいうことで全体を指すものでございます。

 眺望というのは、ある一点から、例えば国会を見るとか富士山を見るとか、ある点からそういうモニュメントのシンボル的なものを眺めることができるかどうか。例えばイギリスなんかでは、ある場所、公園からセントポールの寺院の屋根が見えるかどうかというような特別な規制を行っているということで、我々の理解としては、景観というのが全体で、その中で、例えばある点からモニュメントを見れるかどうかということを別途計画の中でつくっていくんだと思います。

岩國委員 出雲市は、環境探偵団とか、それから緑の少年団、木づくり校舎。夏休みには、塗り絵ノートで五十の木の種類を覚えさせる。名前を覚えなければ愛情というのはわいてこないものです。人間と人間が仲よくしたいと思うときは、まず一番最初にやることは名前を覚えることです。

 ですから、学校教育の中でもぜひ木の名前をもっと覚えるような、ずっと我々の先輩の時代、それから戦前、戦中もそうですけれども、小学校の国語の教科書は、「さいた、さいた、さくらがさいた。」で始まったんですよね。そういうきれいな桜が咲いている、こんなすばらしい美しい国に生まれたんだという喜びから子供たちの教育は始まったんです。

 今、一年生の国語の教科書を読んでも、桜も竹もいつまでたっても出てこないんです。もう少し、そういった学校教育、教科書の中にも、ぜひ積極的に、いい意味で干渉して、協力していただきたいと私は思います。

 また、きょうはたまたま、けさの毎日新聞を見ておりましたら、今、石原大臣、教育熱心なことはよくわかりますけれども、毎日新聞の中で、これは教育上いかがかと思われるあれが出ているんです。日本歯科医師会から四千万円の政治献金が行われたと。これは事実ですか。

 そして、四千万円というのは大変大きな金額で、我々、こちら側に座っているこの辺のメンバーは、とてもそんな政治献金なんか見たこともない、さわったこともないような人間ばかりがこっちに座っているわけですけれども、この四千万円という金額はどうお考えになりますか。ごく普通のことであるのか、余りにも大き過ぎる金額なのか。

 また、ここに書かれている報道が事実とすれば、その特定期間だけお受けになったんですか、それ以後もお受けになっているんですか。

石原国務大臣 政治資金すべてについて私がすべて掌握しているものではございませんが、岩國委員の御質問でございますので、詳細を調べまして御報告させていただきたいと思います。

 一点、一般論として、恐縮なんですけれども、小選挙区制に変わりまして、政治資金は政党を中心に集めるという形で、平成十二年、二〇〇〇年からだったと思いますけれども、制度が大きく変わっております。我が党も政党を中心に政治資金を集めるという中で活動させていただいておりますし、政党本部から政党支部に交付される交付金というものは、その地元において、政治活動を通じて、政党の行動というもの、政党の姿というものをお示しする、そういうものだと私は理解しております。

岩國委員 政党に対する献金であったとしても、かなり巨額なものがこれは集中的に行われているわけですね。

 ですから、我々、石原大臣とこうしていろいろな法案について議論させていただき、充実した審議に対して、私は、ある程度の評価をしてきておりますけれども、こうした新聞の一面に、我々のこの委員会の中心におられる石原大臣の、こういった違法と思われるような献金が行われているということをそのままにしておいてこれから審議を続けていくというわけにはいかないと私は思うんです。

 ですから、政党の献金が正当な献金であったかどうか。正当な寄金であったか、政党の寄金であったか。その点について、資料を理事会の方に、この委員会に私は提出していただきたい。それを前提にして我々はこれからも審議を進めていきたい、そのように思います。

 委員長、いかがですか。

赤羽委員長 その取り扱いにつきましては、後刻理事会で検討させていただきます。

岩國委員 本日中にそれは決着をつけていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二分開議

赤羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。松野信夫君。

松野(信)委員 民主党の松野信夫でございます。

 景観法について質問をさせていただきたいと存じます。

 景観法、目的は第一条、第二条が基本理念ということでありまして、第一条の目的のところを見ますと、施策を総合的に講ずることによって、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造、こういうような規定がありまして、これが目的だということであります。

 要するに、潤いのある豊かな生活環境の創造、これが法案の目的とされているわけでありまして、そういうような観点を踏まえて、景観の創造と保全、そして地域社会の健全な発展、これを図っていかなきゃならない、こういうふうになっているかと思います。

 こういうふうに潤いのある豊かな生活環境の創造ということが入ったということは、私も大変評価できるのではないか。これも、ただ目で見て美しいということだけでなくて、自主的に豊かな生活環境がつくられなければならない、こういう点が景観の中身にも入っている、こういうふうに理解していいかと思いますが、こういう点まで含めて景観というものを図っていく、これについて、大臣の考え、こういうものまで含めたということについての大臣の御所見をいただければと思います。

石原国務大臣 ただいま松野委員が、潤いある豊かな生活環境の創造ということまで今回法案で踏み込んだことは評価するというお言葉をちょうだいいたしましたが、私は、なかなかやはりこちらに目が向いてこなかったという現実があるような気がいたします。

 戦後の著しい都市化と経済発展の中で、やはり量とか、あるいは経済性とか効率性とか機能性を重視してきた。しかし、都市化がある程度一段落して、人口減少局面というものがすぐ目の前までやってきて、やはり自分たちが暮らしている国土、景観や自然環境といった経済面以外の部分に豊かさの指標を求めていこう、そういう国民の皆さん方の関心が高まってきたのではないかと思っております。

 御指摘のとおり、第一条の中で、先ほどお話しいただきました潤いある豊かな生活環境の創造に不可欠と良好な景観というものを位置づけ、法の目的とさせていただいたわけでございます。

松野(信)委員 私は、この潤いのある豊かな生活環境の創造ということの前提として、ただ景色を見て、見た目に美しいというだけではなくて、やはりその前提としては、地域の住民の人たちが安心して暮らせる、こういうような環境づくり、そして公共物についても、その存在意義、道路や鉄道、川、いろいろな施設、そういうものが住民から支持されている、こういうことがその前提としては大変重要なことではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

石原国務大臣 午前中の御質疑の中でも、御同僚の委員の中で、やはりそこに暮らす住民の皆様方の理解というものなくして良好な景観なるものは存在しないという意見が多々出されたと思っておりますし、私も、それ自体重要な要素であると認識をさせていただいているところでございます。

松野(信)委員 潤いのある豊かなという点から見ますと、午前中の最後に岩國委員から指摘もありましたが、けさの毎日新聞の一面にありますような日歯連から「石原国交相に「迂回献金」」ということで、自民党の国民政治協会に入ったお金が石原大臣が支部長を務める自民党の東京都第八選挙区支部に交付されていたと。

 迂回というようなことであれば、今申し上げたような潤いのある豊かなというのでは、どうも余りぴんとこない。それは、政治家の方はお金が迂回してくれば潤っている、潤いがあるというふうに言えるかもしれませんが、どうも国民から見ると、せっかく今景観法の審議をしているのに、こういう形でいくのはいかがなものかなという気がしておるわけであります。

 午前中の審議の中でも、委員会に書面を出されるというようなお話でありましたが、二、三ちょっと確認だけはしておきたいと思います。

 新聞報道によりますと、日歯連の臼田容疑者……(発言する者あり)

赤羽委員長 まあまあ、ひとつ御静粛にお願いします。(発言する者あり)ちょっと、御静粛にお願いします。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤羽委員長 速記を起こしてください。

 委員長から一言申し上げさせていただきます。

 委員会中の不規則発言、すべて禁止せよということは申し上げませんが、議事進行に関する件、また、その質問が妥当かどうかということにつきましては、委員長である私の判断にゆだねていただきたい。御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、質問再開お願いします。松野信夫君。

松野(信)委員 先ほどの質問の続きでありますが、新聞報道によりますと、日歯連の臼田会長、この人は現在逮捕されておるわけですが、その人、臼田会長が、日歯連の代表というような形で、石原国土交通大臣の選挙区内である東京都杉並区で歯医者さんの方を開業している。それで、臼田容疑者にも、石原大臣の方は九〇年の初出馬の際に面会をしているという記事がありますが、これは事実でしょうか。

石原国務大臣 事実でございます。

松野(信)委員 そして、昨年の選挙のときにも臼田容疑者とお会いになっておるということですが、これも事実でしょうか。

石原国務大臣 はっきりとは覚えておりませんが、演説会等々においでいただいたように記憶しております。

松野(信)委員 それから、臼田容疑者が石原氏らに対して、当時は医師にだけ認められていた口腔内の障害についての診断書作成、これを歯科医師にも認めるよう要望をしたというふうになっていますが、そういう要望がありましたか。

石原国務大臣 はっきり覚えていませんが、具体的に何をしてくれというような御要望は、臼田会長から承ったことはございません。

松野(信)委員 臼田氏からの要望に対して、その要望に沿ったような行動あるいは指示、指導、そういうものをしましたか。

石原国務大臣 会長から具体的に私に何をしてくれということが一度もございませんので、具体的に、どなたに何を指示するようなことは一切しておりません。

松野(信)委員 この問題についてはまたいずれ質問させていただくとしまして、この景観法の中で、当初申し上げていたように、潤いのある豊かな生活環境の創造ということがうたわれているわけであります。

 その観点から見ますと、九州新幹線、この九州新幹線問題については、さまざまな問題が地域住民から投げかけられている。新幹線が走っている道路に余りに近いところに家が建っていて、大変、震動とか騒音とか、あるいは景観上も非常によろしくない、こういうようなクレームとか、あるいは、トンネル工事が原因と思われますが、水がれが玉名地区、南関地区あるいは芦北地区、そういうようなところで発生をしているということは聞いておられますか。

石原国務大臣 ただいま松野委員が御指摘されたような問題が、九州だと思いますけれども、起こっているということは承知しております。

松野(信)委員 その中で、私の方、実際に現地も見てまいりましたが、水俣市の長野町というところであります。写真もここにありますが、わずか自宅との間隔が六十センチしかないところまで新幹線の高架橋ができている。私も現地を見に行きましたけれども、非常に高い高架橋、恐らく何十メートルかあるのではないかと思いますが、その高架橋ぎりぎりに家が建って、その家が建っているところに高架橋ができているというわけでありました。

 どう見ても、これは、美しい景観あるいは潤いのある豊かな生活環境の創造という点から見ますと、甚だしく欠けているのではないかというふうに言わざるを得ないかと思いますが、この点の大臣の認識はいかがでしょうか。

石原国務大臣 先ほども申しましたように、九州新幹線のある地域で、御指摘のような問題が起きていることは承知しておりますけれども、高架橋と家屋の隣接の問題については、松野委員も御承知のとおり、公調委、公害調整委員会で調停の手続が進行中でございますので、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思うんですけれども、その結果が出ましたら、その内容を踏まえまして、適切に対処していかなければならない問題だと認識しております。

松野(信)委員 今大臣言われましたように、確かに、現在公調委で審議がなされているということは間違いないんですが、そこでは、専ら、いわゆる公害というような観点、つまり震動とか騒音とか、こういう点で主に問題になっているかと思います。

 私がお聞きしたいのは、その点も大変重要な問題ではありますが、現在審議されているこの景観法、まさに美しい景観をどうやって守っていくかという観点から見ますと、これは甚だ残念なことではないかと思います。

 それは、田園地帯を鉄道が通って、汽車が通っていくというのは、昔から日本のそれこそ豊かな景観だというふうに言えるかもしれませんが、この水俣市長野町の場合は、まさに家ぎりぎりのところに、それこそ何十メートルという高架橋ができてしまっている。これはどう見ても、景観という側面から見ては、とてもとても潤いがあるとか豊かだとかというふうには率直に言って言えないんじゃないかと思いますが、大臣の御感想でも結構ですけれども、どう思われますか。

石原国務大臣 農山間地域における公共事業、公共公物と、田園あるいは隣接する集落との美的な景観等々については、さまざまな意見があると承知しております。しかし、その一方で、そういう高速道路あるいは新幹線等々に代表されるような鉄道を地元の方々も望んでいるという事実があるからこそ、そこにそういう公共公物が建設されているという事実がある。

 これは、先ほど来御同僚の議員の皆様方との議論の中でも、重要な問題であると各委員が御指摘され、また、松野委員も、先ほど冒頭に意見開陳されました、いわゆるそこに暮らす方々がその景観というものについて、どう考え、どう思い、またどうしていきたいと考えるのか、この点に尽きるのではないかと考えております。

松野(信)委員 それから、トンネル工事が原因と思われるような水がれで、今まではちゃんと美しい川が流れていた、沢があったというようなものも、水がれということで、それこそ、全く、一滴も流れないような川になっている。これも、私、実際に見に行っておりますが、玉名、南関あたりでそういうふうに発生をしているわけです。

 やはり川というものは、きれいに美しい水が流れて、見た目にもいいわけで、これがからからに干上がっているというのであれば、とてもとても景観上潤いがあるとは言えないと思いますが、この点もいかがでしょうか。

石原国務大臣 委員の御指摘の水がれの問題は、新幹線に限らず、地下を通る道路あるいはその他の公共公物の建設においてそういう事実が起こるということは、全国でも多々あるのではないかと思っております。そして、その問題についての補償の主体というものは、やはり建設主体において、そのものについて補償をしているという現実があるんだと思っております。

松野(信)委員 補償は補償、これはこれできっちりやらなければならないと思いますが、それとはまた別に、やはり美しい景観をしっかり守っていく、そのために果たすべき役割、これはそれぞれにあるだろうというふうに思います。

 景観法の中を見ましても、第三条には、これは国の責務と、国の責任をしっかりうたっている。また、第四条には、地方公共団体、地元の公共団体の責務もうたっている。第五条も、これは事業者の責務という形で、この美しい潤いのある景観を守っていくためにそれぞれやらなければならない、こういうふうにうたっているわけですが、私が聞いているところでは、例えば、今申し上げたトンネル工事での水がれの問題、あるいは民家ぎりぎりに高架橋を通している、こういう問題についても、国が積極的にこの問題に関与して良質な景観を守っていく、つくっていくというような姿勢が、残念ながら、どうも今のところ余り見られないのではないかと思います。

 国として、例えば具体的にこういうふうなことを考えている、こうした方がいいというように、何か対策とか具体的な対応は考えておられるんでしょうか。

竹歳政府参考人 今、個別の公共事業の問題と景観の問題が取り上げられているわけでございますが、今回の景観法の中では、景観計画というものをつくる、それで、その中に公共施設についても重要公共施設ということで位置づけて、公共施設と景観との調和を図るというような取り組みができるような仕組みにしているところでございます。

松野(信)委員 これは私の方からの提案にもなりますけれども、例えば、こういうような鉄道を通すというようなことであれば、私自身は、鉄道が通ること自体は、別にそれを否定するわけではありませんが、やはり冒頭申し上げたように、地域の住民の人たちからしっかり支持される、そして見た目にも美しい、こういうような環境をつくっていかなきゃならない。そのためには、やはり路線の両側に一定の緩衝帯をつくって、例えば、そこは道路としてきれいに整備をするとか、一定の街路樹を植えるとか、そういうようなゆとりとかあるいは緑とか、こういうものをしっかりつくっていくということが必要ではないか、このように思っております。

 かつて、東海道新幹線の問題では、いわゆる名古屋新幹線公害訴訟というものが二回にわたって提起をされておりました。原告側の方が勝訴をした、こういうような裁判例もあるわけです。こういうような教訓をやはりしっかり生かしていかなきゃならない。現に、東北・上越新幹線では、埼玉県内あたりでは、路線の両側二十メートル、これはもう緩衝帯にするというような形で、これは当時の国鉄が買い上げて、道路とか公園とか、そういうような整備をきっちりしているわけです。

 やはりこういうような、一つの教訓にして、九州新幹線についても、路線の両側、二十メーターにするか三十メーターにするかはさておいて、道路にするとか公園にするとか、あるいは一定の樹木を植えて緑を確保する、こういうようなことが必要ではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

丸山政府参考人 お答え申し上げます。

 新幹線を建設するに当たって、どこまで用地を買うかということにつきましては、他の公共事業も同じでございますが、昭和三十七年六月二十九日に閣議決定をされております公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というものに基づいて、事業に必要な土地などの取得に伴って移転が必要となる建物等を補償の対象とする、こういうことになっているわけでございます。

 先生御指摘になりました水俣の長野地区につきましては、非常に近いことは近いのでございますが、新幹線事業に必要な土地の範囲外であるということになりまして、移転補償の対象にはならないということでございます。

 また、先生御指摘のとおり、両側に道路ですとか緑地帯をつくれば、景観上も、それから騒音、振動上もいいんじゃないかということでございますが、それは非常に私どもも有効だというふうに考えております。

 ただ、これは基本的には沿線自治体等が新幹線の整備とあわせて検討されることでございまして、御指摘のありました、例えば大宮の近辺の緑地帯を整備した例でございますが、これも、大宮駅付近において新幹線を整備するときに当たりまして、沿線の地方自治体が道路、公園等に利用するということを前提に当時の国鉄が用地を買収いたしまして、その後、沿線の自治体が買い取ったというようなことになっております。

 いずれにいたしましても、御指摘の点につきましては、先ほど大臣から申し上げましたが、現在、公害等調整委員会で調停の手続が行われておるものでございますので、その中身については御答弁を差し控えさせていただきたいと思っております。

松野(信)委員 今の答弁ですと、要するに公共事業としては、まさに新幹線が通る線路の部分しか対象にならない、少しでも外れれば、そういう補償の対象から外れる、こういうようなことのようですけれども、いわゆる公共事業としての公共用地の取得という点では、そういうふうな運用になっているのかもしれませんが、実際に、せっかくいい、良質な景観、環境をつくっていこうというまた別の要請があるわけですから、そういう要請も踏まえて、どうやって、例えば緩衝帯とかグリーンベルトあるいは公園、こういうものを創造していくかというまた別の知恵を働かせていかなければならないのではないか、こういうふうに思います。

 現に、これは昭和五十九年になりますが、当時の日本国有鉄道が、環境影響評価ということで、緩衝帯をつくるというようなことも地域住民には説明をしているわけですね。そういうような説明はもう国鉄の時代のことだから知りませんというわけにもいかないだろうと思います。この点は指摘をさせていただきたいと思います。

 また、緩衝帯をつくるというのは、公共事業だけではなくて、いわゆる民間の開発行為の場合にも、これはしっかり、お役所サイドは民間の事業体に対して、緩衝帯をつくれ、グリーンベルトをつくれということを指導しているわけです。

 例えば、都市計画法に基づいて、一定の開発行為をする場合には、これは施行令あたりにもうたっているわけですが、お役所の方の指導で、きちんと一定規模の公園はつくりなさい、あるいは周辺には緩衝帯、グリーンベルトをつくりなさいというようなことを、これは法律で命じているわけですね。

 それで、例えば周辺の道路については、その半分の幅員しかこれは緩衝帯の計算には入れませんよ、樹木がきちんと植わっているようなところであれば、その部分は全部、その幅は緩衝帯として計算してあげますよ、ここまで、民間に対してはある意味では厳しく緩衝帯をつくれというふうに指導しているわけですから、国の場合だって、当然それに準じた形で緩衝帯なり緑をつくるというのが必要ではありませんか。いかがですか。

丸山政府参考人 委員御指摘のとおり、九州新幹線をつくりますときに、旧国鉄が環境影響評価報告書を出しております。

 その中でも、新幹線計画と整合した形で、地元において、公共施設、例えば道路、公園、緑地等の配置等の土地利用施策を行うことが良好な沿線環境をつくる上で必要です、こういう指摘をしております。なおかつ、「それは騒音をはじめ振動、日照阻害等に対する沿線の環境対策としても最も有効なものです。」こういう指摘がされておるところでございます。

 ただ、繰り返しになって恐縮でございますが、公共事業としては、私どもとしてどこまで土地を買えるかということになりますと、線路敷に相当する部分しか買えないということで、それ以外について、例えば公園などをつくることは、これはどうしても公共団体と一緒になって、公共団体の方でやっていただくしかないというのが今の現状でございます。

松野(信)委員 公共用地としてどこまで買えるかという質問をしているわけではないので、その点はぜひ前向きにやってもらいたいと思いますし、また、地元自治体が公園をというようなお話もありましたが、最初に申し上げたように、この景観法の趣旨からすれば、三条には国の責務、国は、良好な景観の形成に努めなきゃならない。それから、国は国、地方公共団体は公共団体、事業者は事業者というふうな形でそれぞれ責務をうたっているわけですから、地元自治体に任せておけば、あとは国は知りませんというような姿勢では困る、この点については指摘をしておきたいと思います。

 それでは次に、この景観法の中で規定しています内容について質問したいと思います。

 法案では、従前の美観地区というものを廃止するということで、新たに景観地区というものをつくる、こういうふうにうたっております。

 ところが、調べますと、従前の美観地区というのは、名前は非常に美観ということで美しいので、こういうのはたくさんつくっていったらいいかと思いますが、現実には三カ所程度しかつくられていないということのようであります。

 その美観地区が廃止されて景観地区になると、では、具体的にどれくらいこの景観地区がつくられていくのか、また、この景観地区というのは従前の美観地区とどういうふうに違ってくるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 美観地区につきましては、現在までに、京都市、倉敷市など六都市、二千二百五十七ヘクタールが指定されております。このうち、今先生御指摘のとおり、京都、倉敷、沼津の三都市においてのみ、基準法に基づく条例が制定されて、建築物に関する規制が行われております。残り三地区、例えば皇居の周辺でございますとかは、美観地区は指定されておりますが、その内容を規制する条例が定められておらない、こういう実態でございます。

 それでは、なぜ今回この美観地区というものを改めて景観地区にしたかということでございますが、美観地区は今美しい地区を守るということでございまして、例えば、今後駅前の商店街のようなところを美しくしていきたいなというようなときには、美観地区という定義からして使えないという限界がございました。

 先日、京都に視察に行かれたときに、京都市の方から三つこの法律に対する期待がございましたが、そのうちの一つが今回のこの美観地区を景観地区に変えるということでございます。京都では美観地区を大変活用されていたわけでございますけれども、その京都においても、新しく形成する地区には使えなかったんだということを京都市の方がおっしゃっておりました。そういう意味で、京都のようなところでもこの美観地区を景観地区に改めるという要望があったということでございます。

 また、内容的に申し上げますと、従来の美観地区は建築物に対する規制のみでございましたが、景観地区になりますと、工作物の高さでございますとか色、デザインに対する規制、木竹の伐採等々、さまざまな行為を規制できるということでございます。

 そこで、今まで指定されなかった地区がどれぐらい広がるだろうかということでございます。まず、先ほど申し上げました、既に条例で規制をされている三都市の美観地区については、今回の法律の附則におきまして、経過措置で法律の施行時に景観地区に直ちに切りかわるということになっております。また、新たに滋賀県の大津市など数都市において検討中であるということで、使いやすくなった景観地区というのが全国各地で活用されるということを強く期待しているわけでございます。

松野(信)委員 地元あたりを歩いて回りますと、いろいろな建物に対するいろいろな要望もありますけれども、案外多いのが、町中に例えばワンルームマンションなどができると衛生環境面でよろしくないので、ワンルームマンションに対する規制なんかできないか、あるいは、町中にパチンコ屋が進出されると環境上よろしくないので何とかならないかとか、そういうような要望というのは現実に多いわけであります。

 裁判例などを見ましても、例えば国立の方では、高層マンションについて裁判まで行って、ようやく一定の規制をかけてくる、高さ制限をしてくる。あれも、建築基準法上はクリアしていたからということにもなっているわけでありまして、現実には、ワンルームマンションとかパチンコ店とか、そういうものの規制というのが要望が強いわけです。

 それで、今回のこの景観法ではそういうようなものに一定の歯どめをかけることができるのか、建物の用途自体の規制というものに対して何らかの手を打てるものなのかどうか、この点はいかがでしょうか。

竹歳政府参考人 今回の景観法に基づく、例えば景観地区と申しますのは、あくまでも外観を規制していこう、建物の形でございますとか色とかデザイン、こういうものを規制していこうというものでございますので、例えば、外観上は他のマンションなどと区別することが難しいワンルームマンションを直接規制することはできないということでございます。

 ただ、このワンルームマンションがコミュニティー維持の観点から地区にふさわしくないというようなことで考えられる自治体では、例えば、特別用途地区とか地区計画等、ほかの都市計画制度を活用することが可能でございます。

 例えば、東京都の中央区では、昨年七月より、地区計画に基づく建築条例によりまして、中央区内十五地区でワンルームマンションを規制しており、千代田区でも八地区、同じように都市計画の制度を活用してワンルームマンションを規制する方針を打ち出しておるところでございます。

松野(信)委員 この景観地区で具体的に建物を建てるというふうになるとどうなるか。今御答弁いただいたように、大体、色とかデザインとか、そういった面を中心に規制をしてくる、こういうことのようであります。

 しかし、色とかデザインとか、そういうものが例えば当該景観地区に適合しているのか適合していないのかというのは、多分に主観的な面が強いのかなというふうに思います。

 ある建築家に言わせると、自分のこの斬新なデザインはこの景観地区に非常に適合するというふうに言われるかもしれないし、また別の建築家に言わせれば、いや、そういうものはこの地区にはふさわしくない、余りにデザインがけばけばしいとか激しいというふうなことで合わない、こういうことにもなりかねないのかな。そうすると、適合しているのかしていないのか、これはどういうふうな基準で判断していくんだろうか、この問題が次に出てくると思います。

 法律上は、六十三条ということで、景観地区では、建築確認申請とは別に、「申請書を提出して市町村長の認定を受けなければならない。」こういうふうになっているわけですが、しかし、この認定が余り恣意的になされるというのもいかがなものかというふうに思います。できるだけ、その地域にぴったり合うかどうかというようなものは、余り恣意的ではなくて、客観的な基準、客観的な判断がなされなければいけないと思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 景観という極めて価値判断、主観性の強い問題についてどのように取り組むのか、恣意性をどのように排除するかということは、昨日来の御審議の中、また昨日の参考人質疑の中でもお取り上げになられた問題だと思います。

 まさにこの点が非常に大きなハードルになりまして、今までなかなかこの景観法というものに踏み切れなかったところでございますが、今回、地域のいろいろな取り組みをバックアップするんだ、その地域の中でどのように合意形成をしていくかというのは、まさに、金沢の市長がおっしゃったように、なかなか困難な問題であり、トレーニングが必要な分野であると思いますけれども、やはり地域地域でそういうものを積み上げていくことが我が国を美しい国土にしていくんだというような考え方でこの法律ができているんだと思います。

 そして、例えば今御指摘になりました六十三条、認定の問題がございますが、この認定についても、やはり、住民参加をしながらつくっていく景観計画の中で、認定の基準となるようなものは事前に明示しておく、そういうことに基づいて認定をしていくというような、主観的な問題について、なるべく客観的な物差しも提示しながらこの問題に取り組んでいく、こういうような全体的な枠組みになっているわけでございます。

松野(信)委員 そうすると、景観計画の中でできるだけ客観的な基準とか指針とかこういうものを打ち出して、恣意的な判断を避ける、このように理解してよろしいですね。

 しかし、建築家が一定のデザインとか色でどうしてもこの建物をこの景観地区に建てたいというふうに一方では申請しても、先ほど申し上げた六十三条の市町村長の認定が受けられない、市町村長はその認定をしないということも場合によってはあり得るかと思います。そういう場合、どのように調整を図っていくのか。あるいは、これはもう仕方がないので、行政訴訟というような形で、訴訟の場に持ち込まざるを得ないのかどうなのか。この点はいかがでしょうか。

竹歳政府参考人 斬新なデザインを主張される建築家の御意見と市町村の行政当局との意見が食い違った場合に、どういうふうに処理されていくのか。基本的には、いろいろな話し合い、さらにはそういう市町村に条例で設けられます第三者的な機関、またNPOの方々とか、そういうような方々との話し合いで解決されるのが一番望ましいと思いますが、法治国家でございますから、最終的には法律で争うということにもなろうかと思います。

 具体的に申し上げますと、市町村の認定については、これは行政処分でございます。建築確認も行政処分でございます。行政処分でございますから、行政事件訴訟法による行政訴訟のほか、行政不服審査による異議申し立てというのが法的な手当てとしては可能であるということでございます。

松野(信)委員 それから、景観法がやはりしっかり実効性が持てる、一定の景観に違反するようなものについては、その是正を求めていくというようなことが必要なことで、これによって法律の実効性というものが担保されるということかと思います。

 この点で見ますと、法律上は、第十七条のところに変更命令等ということで、設計の変更その他必要な措置というような規定があります。また、六十四条のところにも、違反建築物に対する、是正するための必要な措置というようなことで、それなりに必要な措置というのが規定上はつくられている。しかし、これまでのいろいろな実績を見ますと、例えば、建築基準法上、この建築基準法に違反した建物があるといっても、なかなかこれに対する是正とか指導とか、場合よっては取り壊し命令とか、そういうものが現実には余り発動されてこなかった、こういう実際の運用があります。

 そういうような現実の運用を踏まえてみると、今私が申し上げたような十七条の変更命令とか、あるいは六十四条の是正の措置とか、これが果たしてどの程度実効性があるのか、どの程度運用の面で使われるのか、この辺については少し危惧がないわけでもないんですが、この点はいかがお考えでしょうか。

竹歳政府参考人 その点につきましては、住民の方々との話し合いとか、いろいろな過程でできてきた計画についてどう守っていくかということになりますので、そのような御心配がないように運用に相努めなくてはいけないと思います。

 もしこの違反に対する是正命令に従わないということになりますと、本法におきましては、第百条により、一年以下の懲役または五十万円以下の罰金というような刑罰も準備されておりますし、また、罰則ではございませんが、もし言うことを聞かない設計者がどんどんやってしまったというようなときには、建築士法とか建設業法とか、それぞれの法律の規定に基づいて業務の停止という法律の遵守が図られるような枠組みにはなっているわけでございます。

松野(信)委員 時間が余りありませんので、残された時間で他の法律との兼ね合いの点についてお聞きをしておきたいと思います。

 この景観法の規定によりますと、河川法による河川、これも対象になっている。道路も対象になっている、川も対象になっている、こういうようなことになっているわけです。

 そうしますと、川について一定の計画を立てて、川の両岸にはきれいな花を植えるとか、あるいはコンクリート張りでない、自然な風合いを生かしたふうに木を植えたりというようなことで、景観法に基づいてそういうような自然の環境を守るような形で一方ではやっておきながら、他方で、例えばその川についてはダムをつくる、特定多目的ダム法に基づいてダムをつくるというようなことで、国土交通大臣がダム事業を認可するというようなことにでもなれば、今まで植わっていた木とか花とか全部、根こそぎ取られてしまって、景観もへったくれもない、こういうふうにもなりかねないわけで、そういうような場合の調整。

 一方では特ダム法でダム事業認可がおりる、他方では景観法で、この地区は景観地区で、景観を守らなきゃならない、そういうふうになる場合、これはどういうふうに調整をするのか、どっちが優先するのか、この点はいかがでしょうか。

竹歳政府参考人 今、ダムのお話がございました。最近、ダムについては、いろいろな形で御批判がございます。ただ、調べてみますと、土木構造物の中で、登録有形文化財として、非常に景観上もすぐれているというようなものが全国各地で六十件ございます。例えば、神戸市民に親しまれております布引の貯水池、五本松ダム、それから香川県の、これは農業用水のダムでございますが、豊稔ダムとか、これはお城をほうふつさせるようなすばらしい土木構造物もございまして、ダムが直ちに景観と対立するものだということではないということだと思います。

 そこで、具体的に、今、法律上の公共施設、ダムに限らず公共施設と景観の問題をお取り上げになったわけでございますが、まさにこの公共施設というのは、昨日も御答弁いたしましたけれども、大きな構造物になれば、いい意味でも悪い意味でも、景観に大きな影響を与えるわけでございますから、それを景観の中に取り込んで、周囲の景観と調和のあるような公共施設を整備していきたい。

 私たちも、美しい国づくり政策大綱というものを発表いたしまして、とかく御批判がございました公共施設の整備についても、やはりきちっと景観と調和したものをつくっていきたい、このように考えているわけでございます。

松野(信)委員 土木公共物が全部景観に悪いというふうに私も申し上げているわけではないので、景観法という新しい法律をつくって景観を守っていくということであれば、できるだけやはり景観を優先するような形で公共工事についても運用していかなければならない、このように指摘をしていきたいと思います。

 ダムの問題について言えば、一般的に言えば、コンクリートの塊を眺めるよりは、我が党、民主党の方でも提案しております緑のダム、木を植える、山をしっかり保全していくという方が、これははるかに景観上はすぐれているというふうに思います。この点は、大臣のお考え、感想でも結構ですけれども、コンクリートの塊よりは緑のダムの方がいいのではありませんか。

石原国務大臣 ダムは、治水、利水、この両面から、必要なものはつくりますし、やはり人工構造物である以上、変わりませんので、植林等々、山を保全することによって治水の面が保全できるのであるならば、そういう方向は望ましいものと考えております。

松野(信)委員 もう時間が参りましたけれども、これまで、例えば河川法については、最近の法改正で環境を重視するというような規定も新たに入っています。これからは、もちろん環境は大変重要なことでありますが、せっかく景観というような形で、景観を重視していくという観点で景観法がつくられるということであります。景観法がつくられること自体、私も賛成をいたしますけれども、いろいろな公共事業について、環境だけでなく景観、そういうものも入れた中でやはり進めていかなければならない。ただコンクリートの塊をつくればいいというものではない。ぜひ景観という視点を今後の公共事業には入れておくべきだということを申し上げさせていただいて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 本日は、景観法の審議ということでございまして、いろいろな国土交通省や農林水産省、環境省そして文化庁の皆様方にもお越しいただきまして、この審議を進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。

 これまでさまざまな我が党の議員が指摘しておりますけれども、私自身、石原大臣のスマートな答弁というか、非常にすっきりとした答弁をされる、そういった御姿勢に大変あこがれておりまして、かくありたい、こういうふうに思っておるところなんでございますけれども、残念ながら、今回、こういう新聞報道がある中で、私、どうしても触れさせていただかなければならないという役目柄もありまして、ちょっとだけ御質問をさせてください。

 今回の新聞報道の中で、どうしても確認をさせていただきたいのは、二〇〇〇年から二〇〇三年までの四千万円と言われている、新聞報道では迂回献金じゃないか、こういうような報道がされております。私は、恐らく大臣は、これは迂回という認識はなかったんではないかというふうに思うんですけれども、大臣の認識はどういう認識だったんですか。

石原国務大臣 この点につきましては、詳細を理事会の方に書面をもって提出させていただくということで、現段階で、私が過去の政治資金についての資料等々を持ち合わせませんので、どういう事実があったのかも含めて、すべて理事会に報告させていただきたいと思います。

岡本(充)委員 そのときには、どういう経緯でこういった大きなお金を、私はまだ一回生でありますし、そんなお金を見たこともないわけでありまして、大変窮する事務所としてはうらやましくて、こういう部分ではびっくりしてしまう、うらやましいというかびっくりした、こういったところもあるんですけれども、これだけのお金をいただけたという経緯、こちらについてもぜひ私は教えていただきたい。

 特に、本部を使ってこの国民政治協会から政治資金をいただいているということは、政治資金規正法の法の趣旨、お金を透明性にする、そして、政党が主体としてお金をもらうようにしていこうという、まさに先ほど岩國委員の質問に対し大臣がお答えになったとおりの、そういった趣旨に反していくんではないかというように私は大変若輩ながら思うわけでございます。

 そういった意味で、ある意味、本部を使って政治献金をいただいているといったところについて、大臣、ほかの献金でもそういうケースがあるのか、もしくは、これについてはどういう御認識なのかをちょっとお聞かせいただけますでしょうか。

石原国務大臣 詳細につきましては、私、現在、資料等々持ち合わせませんのでお話しすることはできないんですが、一般論として申し述べさせていただきますと、小選挙区制に変わりまして政治資金がかからないという状態ができたわけでは決してございません。

 必要な政治資金をどういうふうに集めるのかということで、企業・団体献金は、これまで政治家の政治資金管理団体の方に寄附をいただくというのが一般的でございましたけれども、これをやめることになりました。その結果、政党に集中してお金を集めていただく、政党は各支部に対しまして、その地域での政党活動を支援するために交付金を出す、こういうふうに大きく改まったんだと私は認識しております。

岡本(充)委員 そういう中で我が党は、岡田幹事長になってから、こういう迂回と誤解されるような、一たん本部に献金をもらって、それを支部に戻す、こういうような献金形式は民主党はとっておりません。

 そういった意味で、この本部を通ずるということは、僕は、誤解を生じる一つの事例なんじゃないかというふうに思っておりますので、今後の国会の論議でしょうけれども、この点については指摘をさせていただきたいと思っております。

 また、今回の事件に対して、私はどうしても指摘だけはさせておいていただきたいのは、政治献金を四回に分けていただいている中で、当時、石原大臣が、行政改革、規制改革の担当大臣として、第一次規制改革に対する答申を平成十三年の十二月十一日に、また、十四年の十二月の十二日には第二次の規制改革推進に関する答申を出してみえるんですね。

 こういった担当大臣にある中で、歯科医師に関する、もしくはそういった医療分野に関する疑念を持たれてしまうのかなというようにも私は思っております。

 こういった点に関しても、政治資金の流れ、そしてまた、そのやりとりのタイミングがかなり私は、国民政治協会、こちらから直接、本部を通じて大臣の支部に献金されている、その金額はほぼイコールである、こういった部分も大変に今回の献金の特徴なのかなというような印象を持っておりますので、この点につきましては、また私、自分なりに一生懸命勉強させていただいています。

 その中で、もう一つ資料として、私、どうしてもいただきたいものがあるんですけれども、実は、四月二十一日の国土交通委員会で、皆様方の高速道路民営化論議に対して大変真摯な議論のある中で、冒頭で私、大臣に御質問させていただきました。

 日本歯科医師連盟、この連盟からの政治資金の提供、二〇〇〇年から二〇〇四年にかけまして、各年の受領年月日そして金額について、それぞれ御答弁願いたいと思いますと言いましたら、大臣はこう言われました。

 手元に政治資金の報告書を持っておりません、詳細はわかりませんが、私は、政治資金、パーティー券購入等々ございまして、いずれも政治資金規正法にのっとって適正に処理させていただいているところでございます。

 処理されているんだと思います。

 そして、その後にこう言われているんですね。「この点につきましては、委員会は違いますけれども、予算委員会で、そのときは質問通告がございましたので、もう既に国会答弁をさせていただいております。」

 この金額と日時について、私、予算委員会の議事録を調べたんですけれども、ちょっと私の調べ方が不十分なのかもしれませんが、金額とそして日時について御答弁をされた御記憶がおありでしたら、ぜひ教えていただきたいと思います。

石原国務大臣 確かに委員会で答弁させていただいたと思います。

 そのときの資料、こちらの方で何でしたら用意させていただきます。

岡本(充)委員 それは、同様に金曜日までにということと理解してよろしいんでしょうか。

赤羽委員長 それは理事会で検討させていただきます。

岡本(充)委員 ということでしたら、ぜひ私の前回の答弁に対します資料もあわせて理事会の方で協議をしていただければと思います。

 そうしましたら、私、景観法の問題に関して質問をさせていただこうと思います。

 今回の景観法の観点、そして視点について、大変重要な観点からの切り口の法案だと私は思っておりまして、この問題に対して、民主党の同僚の委員とともに役割分担をする中で、私は、農林水産関連の部分、また、文化庁が管理してみえます文化財との重なる部分、もしくはそれを一つの参考として、今回の景観法の中でもぜひ取り上げていただきたい部分について質問させていただこうと思っております。

 まず、今回のこの景観法、御案内のとおり、大変さまざまな土地利用、いろいろな規制のある中で、農林水産や国土交通といったさまざまな省庁で、ある意味日本の国土利用が線引きされている中で、横断的にこの土地の利用の仕方、また景観を守っていこうという理念を広げていこう、こういった法律でありまして、これまでになかった新しい一歩であると私は考えております。

 そういった中で、今回の景観法の一つのテーマであります里山や農村、こういった美しい地方の景色、原風景をぜひ残していこうという取り組みがなされておるわけでございますけれども、農村におきましては、実はさまざまな規制がある。農地法や農振法といった法律との整合性も図っていかなければならない中で、景観地区に指定されている地域においての農村部、その中で、例えば農業の一つの事業主体であります土地改良区などが、今回の景観法に関して、どのようにして関与をしていくのか。そしてまた、例えば、具体例を言いますと、土地改良区がつくる集落排水やもしくはポンプ場といった施設が実際にその地域の景観を損ねてしまうかもしれない、こういう懸念があった場合には、その懸念を払拭するためにどういった仕組みを設けているのか、御答弁いただきたいと思います。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

宮本政府参考人 お答えさせていただきます。

 農林水産省におきましては、昨年九月に水とみどりの「美の里」プラン21というものを公表させていただきまして、今後の美しい農山漁村づくりに関する施策の推進方向を示したところでございます。

 このプランの中では、今御指摘がございましたような農業集落排水施設あるいはポンプ場、こういったものも含みますいわゆる農業農村整備事業、これの実施に当たりまして、景観配慮を原則とするということを基本といたしたところでございます。

 具体的には、これら事業に関します計画の作成に当たりまして景観配慮の観点を盛り込むということ、それから、事業の実施に当たりましてのいわゆる設計基準というものをつくっておりますけれども、この見直しを進め、この中で同様に景観配慮の観点を盛り込む。あるいは、実際に現場の事業担当者、これは、今御指摘いただきました土地改良区、こういったものの職員も当然入るわけでございますけれども、こういった方が実際の事業推進に当たって、景観保全あるいは形成といったものの考え方、整備手法事例集、こういったものを整理して、利用しやすいものとする観点からの手引書の作成といったものも進めることといたしております。

 この手引書の中で、例えば先ほどの集落排水施設のような整備に当たりましても、周囲の農村景観との調和、あるいはその形態、色彩、こういったものについての考え方もあわせて示していきたいというふうに考えているところでございます。

岡本(充)委員 今まさに言われましたこの水とみどりの「美の里」プラン21というのがオンゴーイングであるということなんでしょうけれども、このプランに基づいて、この中でも景観の問題、今おっしゃられたとおり、あるわけなんです。

 ただ、私が懸念しておるのは、そういった中でも、特に、先ほどちょっと具体的に挙げましたけれども、土地改良区だけではありませんけれども、例えば自治体と直接的に事業主が違うような主体が農村において事業を進める場合、例えば都市計画区域であれば都計審などが、審議会がある意味その審議をするような場になってみたり調整を図っていくような場になるのかなとは思います。これが例えば農村においては、景観に関して審議会を何か開くような、そういった計画を立てている、もしくはそういったプランを持ってみえるのかどうかをお聞かせいただきたいと思っています。

宮本政府参考人 御案内のとおりかと思いますが、農村部におきましては、農業の振興を図る観点から、農業振興地域整備計画というものを作成しているところでございます。この作成に当たりましては、審議会等といいますか、農業委員会等とも意見調整しつつやっておりますし、地域住民に対する公告縦覧といったこともやっている次第でございます。

 今回の景観法案におきましても、これの計画の一環としまして、景観農業振興地域整備計画が法案の中に盛り込まれているところでございまして、これについても同様な手法で、地域住民等あるいは地方公共団体主導のもとで、調和をとりながら進めさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。

岡本(充)委員 ぜひ、本当に調和のとれた農村の景観を守るために、そういった取り組みを行っていただきたいとともに、もう一つ、私、どうしても触れておかなければならないのが、農村におきます、今回の景観法の中にも触れてありましたけれども、いわゆる耕作放棄地などの問題が農村部の景観を損ねたり、また、廃車や廃タイヤが野積みされているような、そういった土地が景観を害しているというふうに感じる、まあ、景観はそれぞれの哲学なんでしょうけれども、私はそのように感じます。

 そういった中で、本当に農業の担い手の皆様方が農業に向かっていける、また、この前、私農林水産委員でもあるものですから、新規青年就農の問題を取り上げましたけれども、こういうふうな若い方が農業も一つの就職口と考えていただける、新しい農家の担い手ができてくる、こういった取り組みをしていく必要があるんじゃないか。

 特に、農地法の三条で、農地の取得もしくは農地の耕作については大変厳しい制限もかけられております。そういった意味で、こういった部分についても、農地を全部開放しろと言っているわけではありませんけれども、弾力的な運用をぜひお願いしたい。私なんかでも、ちょっと今時間がありませんけれども、農地で畑を耕したい、耕作放棄があるなら耕したいと思っても、私、そこで耕せば捕まってしまうわけです、これは農地法の違反になるわけですね。

 そういう意味で、こういったところについて弾力的な運用をお願いしたいと思いますが、一言御答弁いただければと思います。

山田政府参考人 お答えいたします。

 先生おっしゃいました耕作放棄地が多いとかいう問題、大変憂慮しておりまして、担い手への農地の集積、これは、農林水産省におきましても極めて重要な課題と考えております。

 先生御案内のとおり、平成十二年三月に食料・農業・農村基本計画を定めました際に、あわせて公表いたしました十年後の目標、平成二十二年の目標ですが、農業構造の展望を示しましたが、この中で、効率的、安定的な農業経営に農地利用の六割を集積するという目標を持って施策を推進しております。

 例えば、都道府県あるいは市町村段階において設置されております農地保有合理化法人、いわゆる農業公社等が高齢者等の農地を取得して担い手に集積していく事業でありますとか、農業委員会が高齢農業者等の農地を担い手にあっせんしていく活動に対する支援ですとか、あるいは、担い手が規模拡大をしていく際に必要となります機械、施設の導入の支援、そういった措置を講じております。

 また、特に、担い手のいない地域におきましては、先生今お話がありましたけれども、新規就農の促進ですとか担い手の育成ということが極めて重要でございます。まず、担い手を確保するということが大事でございますので、先生からお話がありましたけれども、青年就農促進法、これは新規就農者に対して無利子融資を行う法律でございますが、今の国会で御審議をいただいておりまして、そういう意味で、担い手の育成なり新規就農を確保していくということ。

 それからまた、集落でどうしても担い手が見つからないという方、集落もございますけれども、そういう地域では、集落ぐるみの活動、集落営農と言っておりますけれども、集落の農地を集落ぐるみで活用していくような活動についても、昨年の通常国会で農業経営基盤強化促進法の改正をいたしまして、法律上位置づけたところでございます。

 このような施策を通じまして、今後とも、担い手の育成、確保、あるいは担い手の農地集積を進めてまいりたいというふうに思っております。

 なお、先生からお話がありました、農地法三条の要件についても弾力的な見直しなりが必要ではないかというお話でございますが、農地取得の要件の見直しにつきましては、現在、食料・農業・農村基本計画の見直し作業を実施しておりまして、その中の一つの大きなテーマとして、担い手・農地制度の改革ということがございます。

 これにつきましては、来年の三月までに結論を得るということとしておりますので、先生のお話がありました農地取得の要件についても、この中で検討していきたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 ぜひ、私、いい結論が得られることを期待しております。

 さて、今、農村の環境と景観、ちょっと触れさせていただいている中でございますが、この中には、私はどうしても指摘させていただきたいもう一つの要件があります。それは、生物の多様性、そして、農村景観の中の大きな大変重要な役者の一人でありますというか、一つのファクターであります生態系の保全という観点があります。

 例えば、農村においてきれいな景観というのは、外観だけではなくて、そこに例えば赤トンボが飛んでいるだとか、そこの川の中にきれいな川魚がいる、こういったものも一つの景観になってくると私は考えているわけでございますけれども、そういった意味において、今まさに、新生物多様性国家戦略、これが推進されている。それは国土交通省さんも含めて行われていると私は理解しております。特に、河川の改修などを通じて、この戦略に基づいた取り組み、どのように行われているのか、御答弁願えればと思っております。

小野寺政府参考人 これは一般論でありますが、景観を考える場合に、生物あるいは生態系というのは重要な素材、要素であるということが一つありますし、また同時に、景観の基本的なベースというか基盤を形成しているものだというふうに考えております。

 それで、十四年の三月に生物多様性国家戦略を策定しまして、各省と一緒に、国土全体の生物多様性の質を上げるためにいろいろな努力をしてきているところであります。

 幾つか法律を挙げますと、例えば十四年に、これは議員立法で通していただきましたけれども、自然再生推進法ということで、御質問にありました、河川や港湾の自然を再生する、あるいは回復させるための事業というのを全国各地で着手しているところでありますし、また、昨年、これも国会で通していただきましたけれども、遺伝子改変生物の生態系に与える影響を抑止するための法律をつくっているところであります。

 また、今現在、外国から入ってくる外来種が国土の生態系を破壊する、それを抑止するための法律を国会で御審議をいただいているところでございます。

岡本(充)委員 まさに今言われました外来種の問題、私もちょっと触れようと思っていたんですが、外来種の問題は、各地域でやはり生態系を破壊しておりますし、また、今回の景観法の中でも、私は指摘させていただいておきたいことは、最後にちょっとまとめて触れようと思いましたけれども、やはりそれぞれの地域が地域の独自性を発揮するという、その地域に合った景観を設けていくためには、在来種、もしくは、例えば植える木一つとっても、本来その地域に合った木でなければならない。私たちの感性できれいだからといって植えるのではなくて、その地域に合った樹木を選ぶとか、また、その地域の景観、歴史的背景も踏まえて景観形成を行っていかなければならないのではないかということをちょっと御指摘させておいていただきたいと思っております。

 そういった中で、私、どうしてももう一つ、ちょっと来ていただきました文化庁の方にお伺いしなければならないんですが、今回、文化庁さんの方でも、実は、文化財保護法の一部を改正する法律案、まさにきょう同じ日にやっているという話でございまして、この審議を行ったということでございますけれども、この中で、文化的景観というものをこの文化財保護法でも一つまた新しい概念として設けております。

 私がちょっと御指摘させていただきたいのは、こういった中で、景観法の中でも、景観重要建造物というのを重要文化財とダブらないような範囲で指定していくというような形になっております。

 文化財保護法の中におきますいわゆる重要文化財と、今回の景観重要建造物、こちらの方とに対するそれぞれの、それぞれのというか国土交通省さんに僕はお伺いしたいんですが、まず、景観重要建造物の場合、文化財保護法におきます重要文化財のような修理、維持、もしくは管理に関して、費用面で手当てをする、そういった御予定はあるんでしょうか。

竹歳政府参考人 景観重要建造物につきましては、現在のところ、文化庁で行っておられるような補助の制度はございません。ただ、相続税の問題でございますとか、重要建造物を中心とした土地を景観公共施設というようなことで税制上の措置は考えているところでございます。

岡本(充)委員 私は、参考人の中で金沢市長さんもおっしゃっていましたけれども、今回の景観重要建造物になった場合、小さな維持改修でもコストが多くかかる。例えば、金沢の市長さんが言われていましたけれども、単なる雨戸じゃなくて格子戸にしなきゃいけないという話になれば、その分の差額はやはり出てくるわけですし、こういった部分で国としても何らかの金銭的支援を行っていかなければならないのではないかという趣旨で今発言をさせていただいているところでございます。

 そういった中で、私は、ある方からこういったお話をいただいているんですね。実は、これは文化庁の方にぜひ答弁いただきたいんですけれども、重要文化財を維持している方からのお便りでございまして、重要文化財を維持していくために義務づけられていること、それは、景観と防災と小修理、これである。重要文化財の民家を個人で所有している方が全国に多数みえるわけでございますが、私にお知らせいただいた方の場合、お住まいの町から毎年六十万円ぐらいの小修理に対しての補助金を受け取っている。小修理や防災器具の点検の費用等、これはほとんど個人負担であって、大修理以外は本当に大変苦しい費用面での調達をしなければならない、こういった現状を訴えてみえます。

 この方の場合は、文化庁の建造物の担当者の方が、あなたの家だからあなたが修理して当たり前だ、こういうふうに言われている中で、大変苦労されているようでございます。

 こういった現状の中で、例えばこの方の場合、六年前、防災のための放水銃を囲むケースがトタンであって、下の方が腐食していたら、最上級のステンレスでつくれとの指示があって、六十万円掛ける三で百八十万円、また、雨戸の腐食に対しても同じ材料で同じ大きさでつくれとの指示で、母屋の雨戸が五万円掛ける四枚で二十万円、離れ座敷の雨戸が五万円掛ける六枚で三十万円負担させられている。景観にこだわる余り、放水銃は何ともないのに、放水銃の周りに関して同様にこのような出費を迫られているということでございますけれども、こういったことに対して、文化庁として、小修理に対しても少し手当てをする、もしくは補助していくというお考えはないのでしょうか。

木曽政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、重要文化財の補助につきましては、所有者がその負担をすることにたえられない特別な場合に限って国庫補助金が支出されているという原則がございます。そういう意味で、建造物の修理、小さいものについてはなかなか対応できていないというのが実態でございます。

 ただ、大修理、五十年、百年に一回の大きなものにつきましてはきちっと対応していきたいというふうに思っておりますし、現在の制度としましては、五〇%の補助ということになっております。ただ、所有者の経済状況に応じまして、最大八五%までのかさ上げの制度もございます。また、市町村、都道府県が補助事業を実施する場合、間接補助になりますが、その一部を国が補助するという制度もございます。

 以上でございます。

岡本(充)委員 大修理というのは、この方も実は言ってみえました。大修理というと、何億も、二億円ぐらいかかって、個人の負担が、二億円かかると、たとえ五%であっても一千万円になるわけなんですね。結構な個人負担をされていかなければならない、こういった苦労もおっしゃられています。

 大修理ではなく、日常に係る細々とした腐食等はしばしばあるわけでございまして、そのたびに例えば何十万、百万ぐらいのお金が毎回毎回出ていくというのは、一般の御家庭にとっては大変厳しい、こういった現実をぜひ御認識していただきたいと思っております。

 また、その方から一つだけ質問があったんです。せっかくですから、一つだけ教えてください。

 これは、文化財に指定されると、文化庁の調査官が、調査あるいは視察のためか、県庁から黒塗りの車で来る。いずれの場合も、文化庁から現金三万円を用意しておくようにと指示があり、その都度お支払いしている。このお金は一体何なのかという御質問があったんですけれども、これは一体どういったお金なんでしょうか。

木曽政府参考人 ちょっとよく私自身理解ができません。

 これにつきましては、事実関係等きちっと調査させていただきたいと思います。

岡本(充)委員 どうも、やってきて、例えば工事の視察だといって、来て、その工事を見ずにすっと公用車で帰ってしまった、こういった話もある中で、これで本当に、今の文化財の保護、この現状がこういうお粗末なことであってはならないと私は思っておりますし、今回の景観重要建造物に関しても同様の心配を私はしておるわけでございまして、一たんこの文化財でも指定をされると、指定の解除が大変難しいような現状であると私は聞いております。

 そういった現状の中で、末代までこの家に住む限りは、ずっとこれを払わなければならないというのがこの民家である文化財に住まわれる方の御苦労であるということを御指摘させていただいた上で、では今度、景観重要建造物の場合は、私の言っている経済的な面での懸念、また、一度指定をされると、この子孫が解除を求めた場合には解除が難しい、こういった現状が同様に起こり得るのかどうか、御答弁願いたいと思います。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

竹歳政府参考人 景観重要建造物は、文化財とは違いまして、外側をちゃんとそのまま保存してください、中は改装もしてもいいですし、住みやすくしてもいいということで、随分使い勝手はよいと思います。

 ただ、そうはいっても、何年に一回は屋根をふきかえなくちゃいけないというようなことになるとお金もかかりますし、それから、窓枠が木でできているのをまたかえようというときにアルミサッシじゃだめで、やはりもとのとおり、外観ですから木の枠でやらなくちゃいけないというようなことで、そういう所有者に一定の負担となるということがあると思います。

 先ほど、相続税のお話とか所得税、法人税の減税の話をちょっとさせていただきましたけれども、やはり住んでおられる方にとってみれば、なかなか自分で管理していくのは大変だというのは実態としてあると思います。

 そういうことで、景観行政団体、すなわち公共団体でございますが、景観行政団体や景観整備機構等、管理の協定を結ぶということになって、相当管理の負担も減らせることができるのじゃないかなと思います。また、今年度創設されましたまちづくり交付金なども活用の可能性があると思います。

 今は文化庁のような具体的な助成措置はございませんけれども、今御指摘の点も踏まえまして、引き続きいろいろな点を検討してまいりたいと思います。

岡本(充)委員 今局長言われましたけれども、外観だけだと言われますけれども、外観が結構お金がかかるんですよね。それから、あと消防施設も多分同様に設置することを要求されるとすると、今と同じような、例えば放水銃の施設を、腐食したから、ではそこのトタン板をかえる、トタンじゃだめだ、アルミにしろ、アルミだとこれだけお金がかかっちゃう、こういった全く同じケースが起こる懸念もあると私は思うんですね。

 そういった意味において、私は、せっかくですから、その地域の皆さん方がこぞってこの景観法に対して御理解いただき、そして御賛同いただけるような方策をとっていかなければならないと思っております。

 もう一点ちょっと確認なんですけれども、この景観重要建造物の指定に当たっては、所有者の意見を聞くこととされておりますけれども、所有者の意見がなければ、無理やり市町村の長であります景観行政団体の長が、無理やりとは言いませんけれども、いやいや、あなたの家は重要ですからぜひ入ってくださいといって指定をしてしまうというケースは、これは杞憂でありましょうか。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 法律上は、今先生御指摘のとおり、意見を聞くということで、オーケーという意味ではございませんので、これはどうしても大事だから指定させてくださいと指定してしまうことはある、法律上はできますが、やはりその後の管理のこととか考えれば、では、これぐらいお手伝いしますから指定しましょうとか、実際上はそういう現実的な交渉というのが行われるんじゃないかと思います。

岡本(充)委員 ぜひそういった綿密な、綿密なというかきめ細やかなケアをしていただく中で、きれいな景観を、そして景観重要建造物を維持していっていただきたいと思っておるわけでございます。

 そして、私、この建造物の話と並んで、もう一点、ちょっとまた文化庁の方のお話に戻らせていただくんですけれども、今回の景観法、こちらの方でいろいろ景観に関して規定をしたり定義をしておるところでございますけれども、今回の文化財保護法の一部を改正していく中で出てきてまいりました重要文化的景観と、今回の景観地区と、そしていわゆる名勝と言われる地域との相違は一体どういうふうなところにあるんでしょうか。

木曽政府参考人 お答えいたします。

 少し技術的な御説明になって恐縮でございますが、まず、現在、名勝というジャンルがございます。文化財保護法による名勝というものは、定義上、「庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの」のうち重要なものというふうに定義しております。

 一方、今回新たに文化財保護法の改正をお願いしております重要文化的景観につきましては、定義としては、地域における人々の生活または生業及び地域における風土により形成された景観地で我が国民の生活または生業の理解に欠くことができないものというふうな定義にさせていただいております。

 このように重要文化的景観というのは、日々の生活や生業を行った結果生じた土地のありさまということでございまして、必ず名勝のような芸術上あるいは観賞上の価値を求めるものではないという点で観点がかなり異なっておるということでございます。

岡本(充)委員 名勝というと、あとそれにつけ加えて、歴史的な背景も含めて、教育的な意味合いも込めて設けられるというふうに私もちょっとお聞かせいただいた。例えばそこで有名な詩が詠まれたとか、そういうのも入ってくるんだと私は思っておるわけでございますが、そういった意味で、今回の景観法は、確かに背景というよりは、その景色を一つ外観に価値を置いてということでこれを守っていこうということでございます。

 例えば、またこれ、先ほどの農村部の話に少し戻って恐縮ございますけれども、文化財も含めてそうですが、この価値を失われたときの指定の解除、要するに、これは残念ながら景観農村振興地域を解除しなければならないと、もちろん市町村が考えるんでしょうが、考える、もしくは文化的景観の価値が失われたと考えるような、そういう事態というのは、例えば自然災害が大きいでしょうか、自然災害などで考えられ得るとは思うんです。

 こういったときに、もちろん、自然災害などの復旧に対して、災害という観点からの支援はあるのでしょうけれども、一度崩れた景観、これは、一つは重要文化的景観地、もう一つは景観農村振興地域、こういった地域が自然形状が変わってしまった場合、これはまた形状復旧して、それに対して国が例えば費用を出して、同様にまた価値を認めて、またこの景観地区としての指定を続けていく、こういったお考えなのでしょうか。それぞれ、文化庁の方と、あと農林水産省でしょうか、お答えいただければと思っております。

木曽政府参考人 失礼いたします。

 先に、文化庁関係の重要文化的景観地が自然災害等で大きく壊れてしまった場合についてお答えいたします。

 現在、大きく価値を失った場合、文部科学大臣はその選定を解除することができるという規定を置かせていただこうということを考えております。

 自然災害などで大きな被害を受けて、復旧ができるかどうかという見きわめをする必要があるということでございます。

 小さなものについては、これは復旧の可能性を調査してそのまま維持するということでございますが、一般的に申し上げれば、被害が甚大で復旧が極めて困難な場合につきましては、これは解除することやむなしというふうな判断となると思います。

宮本政府参考人 基本的には、実際、例えば棚田等が一番こういう自然災害等の関係でも場合によってはあり得る話だろうと思いますけれども、例えば、棚田一面に大土石流的に崩壊したといったような場合には、恐らく農業的利用の観点からの災害復旧ということはあり得ると思いますけれども、景観的見地からによる棚田の石積みをすべて復旧するということは、なかなか現実には難しいのではなかろうかと思います。そういった場合には、恐らく景観農業振興地域についても解除という方向になろうかと思います。

 それに対しましては、例えば棚田の一部が何らかの形で崩れたといったような場合におきましては、恐らく災害復旧なり、あるいは通常の維持管理行為なり、こういった観点からその石積みの復旧等を図ることによりまして、引き続き景観農業振興地域として維持するということもあり得ると思います。

 恐らく、現実には、市町村と当該農地の所有者あるいは利用者との話し合い等の中で、当該地域を今後どういうふうに復旧していくか、その場合に、農業的復旧とあわせて景観的見地からどこまでやるかということの話し合いの結果によるということになろうかと思っております。

岡本(充)委員 今おっしゃられましたけれども、まさに景観というのは、それぞれの価値判断、それから、私どもの岩國委員も指摘させていただきましたけれども、教育の課程を含めて、これまでの育ってきた環境を含めて、それぞれの哲学をもって判断をされていく部分も、大いにそういった部分があります。

 私は、この景観についても、ぜひ、これまでの私の質問の中でも、さまざまな分野の方の御意見を聞いたり、住民の方の御意見を聞いたりというような場が必要だと思っております。景観に関する審議会をそれぞれの景観の行政に当たる自治体、景観行政団体に設けていく、これをひとつ促進していこう、こういったお考えは国土交通省さんとしてはお持ちなんでしょうか。

竹歳政府参考人 景観行政を推進するに当たりまして、そのような審議会を設けてはどうかということでございます。

 実は、各景観行政に熱心に取り組んでおられるところではそういう審議会がございますし、今回の法律の中で、先ほどからいろいろ御議論があるように、価値判断をどうするんだとか、恣意的な運用にならないためにはどうしたらいいんだというような御議論の上で申し上げましたとおり、条例でさまざまなそういう第三者的な機関を設けて、幅広くさまざまな方の意見を伺っていくという枠組みをつくることが法律上もできることになっておりますので、そういうことを活用していけばよろしいんじゃないかと思います。

岡本(充)委員 ぜひ、そういう活用する場を設けていくような施策を国としても推し進めていただける、そういうようなことを御期待させていただきたいと思っております。

 ちょっと時間がないものですから、私、最後に、屋外広告物のことについて少しだけ質問をさせていただこうと思っております。

 屋外広告物、今回の広告物等の制限をいろいろ規定しております屋外広告物法の一部改正の中で、四条ですね、条例で広告物の表示等について都道府県知事の許可を受けなければならないこと等の制限をすることができる区域を全国に拡大する、こういった結果、今まで制限がかかっていなかった地域の屋外広告物、例えば大きな看板も実はこの許可を受けなければならないという話になってくるかと思うんですけれども、その認識は正しいでしょうか。

竹歳政府参考人 今回、全国に屋外広告物の適用範囲を広げたという点につきましては、従来は、五千人以上の行政区域を屋外広告物の対象にしてきたわけでございますが……(岡本(充)委員「いや、もう時間がないから、正しいかどうかだけ」と呼ぶ)そうですか。もちろん許可が要るということになりますし、今まで許可が要らなかったのに立っているということになれば、一定の期間は今までどおりでいいというような県の条例も幾つかございます。

岡本(充)委員 それは、今までどおりという、一定の期間はいいという話でありますけれども、例えば、外枠はかわらなくて広告主だけかわった場合、その段階でその規制がかかってくる、こういうような考え方なんでしょうか。それとも、これまであったものは外枠がかわらない限り、広告主がかわっても外枠が残っている限りはさかのぼって適用しない、こういうような解釈でよろしいんでしょうか。

竹歳政府参考人 なかなかそういう場合を想定するのは難しいんですけれども、外枠だけ残してというのは。しかし、いずれにしろ新しい制度の適用を受けるということになります。

岡本(充)委員 ということは、今既存の広告で、例えばがらっとかわったりするときに、その広告内容がかわるときにこの法律の適用を、既存でずっとあるものはそれをさかのぼって適用はされないわけですね。

竹歳政府参考人 広告物につきましては、建築物と違いまして既存不適格という概念がございません。なぜかというと、例えば三年ごとに許可を得るというようなことですから、一定期間と申しましても三年程度というようなことになりますので、それを過ぎればきちっと許可が必要だということになります。

岡本(充)委員 了解しました。

 この広告物の問題も今後規制をしていく、そして景観を守っていくということでございますが、最後に、少しだけ私、今回の景観法の中で、最初から指摘させていただいておりますけれども、予算的措置をまちづくり交付金の方で活用してください、こういった話もありますけれども、実際にはそれぞれの地方自治体が、先ほどお話しさせていただいたとおり、在来の種を、また在来の樹木を利用する中で、まちづくり、景観をつくっていく、こういったことに取り組んでいく、それぞれの自治体がそれぞれの自治体の、自分たちがまちづくりを景観という観点から推し進めていくという施策であると私は理解しているんです。

 そういった中で、財源の問題が、引き続き交付金だと、まちづくり交付金についてはまちづくり支援事業のある意味の継続にもなる、そういった交付金でもあるわけでございまして、それに、さらに景観についてもこの交付金を使ってくださいということであると、なかなか財政的に、もちろん国自体が苦しい中でございますから潤沢にあるわけではないんでしょうけれども、交付金だけで市町村がやっていくというのもなかなか厳しいのも現状だと思います。

 私は、そういった意味で、ぜひ地方分権の流れにも、これは地方のことは地方で決めるという話の一つにもなってくると思いますので、例えば、税源移譲を含めて、町独自の景観行政を進めていけるように、財源を含めてさらなる検討をしていただきたいと思いますが、最後に大臣、御感想をお聞かせ願えればと思います。

石原国務大臣 今回は、先ほど文化庁の皆さんと岡本委員が御議論いただきました景観重要建造物制度等々設けて、相続税の措置とか、あるいはまちづくり交付金を使って町ぐるみで良好な景観を維持していこうというものに支援をしていこうというものをつくったわけですけれども、委員の御指摘のとおり、実際の運用状況を見ながら、財源移譲は国土交通省一省で話がまとまる話でもございませんので、各省庁とも連携して、さらに支援措置の足りない点があるのであるならば、そういう点を補うようなことも考えていかなければならないと考えております。

岡本(充)委員 質問を終わります。

赤羽委員長 三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月大造です。

 私も、ただいま議題になっております景観緑三法案の質疑に参加をさせていただきます。

 これまで、昨日からいろいろな方々、委員の方々による質疑、そして参考人招致、そして本日の質疑と、さまざまな論点、観点にわたって質疑が繰り返されておりますので、若干的を絞って話をさせていただきたいというふうに思っています。

 つくづく、この景観の法案が提出されて以降、景観の勉強をさせていただき、そして京都への視察も含めて各地区のさまざまなきれいな景観を拝見するに当たって、私はこの国に住んでいてよかったなという誇りを持ちました。あわせて、いろいろな各自治体の方々や関係団体の方々のお話をお伺いするにつれ、景観を守って、そしてつくって継承していくことの非常に難しさというか、そういったものも改めてわかったような次第であります。

 こうして議論をしている間にも、多くの景観が刻一刻と壊されていっているような現状もありますし、多くはよくても、ただ一つの高い建物や見苦しい建物があれば、それでもうその町の景観は丸つぶれ、長い時間かかる割には一瞬で壊れてしまう、言ってみれば人の信頼のようなものなのかなというふうな形で重く受けとめているようなところであります。

 昨年七月ですか、美しい国づくり政策大綱というものを国土交通省が発表されました。その中に、美しさというものは心のありようとも深く結びついていると、非常に感慨深く読ませていただきました。そういう意味では、今回この景観法の審議に当たり、清い心で臨ませていただきたいなというふうに思っています。

 本題に入ります。

 今回の景観緑三法案は、国として景観を守ってつくっていくんだという意思表示を内外に表明されました。そしてまた、そのために各自治体の取り組みを奨励するんだ、法的根拠を与えるんだ、役割を明確にするんだという意味においては、私は評価をし、そして期待をしています。

 この法律を契機に、より実効ある景観行政が可能となること、これまでは二の足を踏んでいた自治体が、よし、一丁景観保全に積極的に取り組もうじゃないか、何よりもそこに住んでいる住民、国民の皆さんの意識や日々の生活の中に、景観といったものや町並み、風景の美しさ、これまでとかく日本人が世知辛い毎日の中で忘れ去っていたような、そういう感覚を取り戻していただけること、こういうことが非常に重要だと思いますので、そんな思いと願いを込めまして、自治体の前向きな取り組みがより促進されるためには、この法案に何が足りなくて何が必要なのかといった観点に絞ってこれから質疑をさせていただきます。

 その前に、まず、現状やこれまでの取り組みを総括しておきたいと思うんです。

 まず大臣、景観緑三法案を今回提案そして整備するに当たって、今の日本の景観及び、これはちょっと加えて、都市緑地といったものもぜひ加えていただきたいんですけれども、その現状をどのようにお考えになっていらっしゃるのか。

 これまでもう繰り返し答弁をされていますので、若干絞りたいと思います。

 景観については、景観破壊事例やそして今全国各地で起こっております紛争事例、そういったものを踏まえてお答えいただきたいと思いますし、緑地については、これは科学的な調査も今されていると思うんですけれども、ヒートアイランド、これも無視できない現状だと思うんですけれども、そういった観点からお答えいただければ幸いです。

石原国務大臣 ただいま三日月委員からは、景観を阻害している象徴的な具体例、そしてまた都市緑地の観点からヒートアイランドの関係等々も含めて、どういう現状であり、また何を改善していくのかという御質問があったと思います。

 先ほども、午前中でございますか、岩國委員との御審議の中で眺望という話が出ましたけれども、一番近々な例で言いますと、平成十二年にできた国会議事堂の裏の高いオフィスビルでございます。これも現行の都市計画制度で国会議事堂周辺の建築物の高さ制限をかけて高いものを建てないということは可能だったんですけれども、実際には、そのような内容の都市計画決定はされないで、国会議事堂より高いものが正面から見ると後ろに建っているということがどうなのかといったような論争を巻き起こしました。

 また、高層マンション等々では、国立とか世田谷で、住宅地で発生していることも、景観や居住環境に対する住んでいらっしゃる皆様方の意識というものが変わってきたからああいう問題が起こってきたんだと思っております。

 緑の方でございますけれども、緑の方はもっと深刻でございまして、首都圏で見ますと、この四十年間に農地、林が四分の一ぐらい減ってしまった。ヒートアイランド現象が議論されるんですが、百年間で三度上がったということです。実感はちょっと、百年間で三度というのはどういうものかとなかなかぴんとこないんですけれども、明治神宮、泉も出ているんですけれども、その辺の温度は、私も夏の盛り、あそこも昔は選挙区だったもので、よく出入りしていたんですが、市街地が三十度のときに、やはり五度ぐらい低いですね。そういうことから考えましても、森林が大きな気温上昇の抑制機能を有しているということが明らかだと思っております。

 そういう意味で、委員御指摘の都市の緑地の創出、そしてそれを、今どんどん減っていっているわけでございますので、これをどうやって保全していくか、積極的に取り組む必要があるんだ、そんな観点で今回の景観法も御審議いただければ幸いに存じます。

三日月委員 ありがとうございました。

 今回の景観法案、これまでは、今現状、大臣がおっしゃったような、国会の後ろに高い建物が建ったり、そして緑がなくなったことによって温度がどんどん上がっていったりという現状があります。そのことにようやく我々も気づいて、そして景観というものを守ろうじゃないか、都市緑地というものをふやしていこうじゃないか、守っていこうじゃないかということでこの法案を審議しているところであるんですけれども、では、そういった景観を忘れ去ってしまっていた、もしくは都市緑地を破壊してしまってきたこれまでの流れ、そして、その中で国や行政が行ってきた取り組みについてどのような総括をされておりますか。

 特に、先ほども触れました、昨年出された美しい国づくり政策大綱、この中で、「自らを省みる」とか、「自ら襟を正し、」というような自己批判をされながら、美しさを重視する国というものをつくっていかなければならないんだということを表明されました。この美しい国づくり政策大綱と今回の法案との関係も含めてお答えいただければ幸いでございます。

石原国務大臣 これももう既に御同僚議員の質疑の中でお話をさせていただいたところで、若干、重複はお許しいただきたいと思うんですけれども、やはり私たちは、より便利に、より機能的に、より経済性を追求してきたんだと思うんです。しかし、その結果、立ちどまって周りを見回しますと、ふぞろいな町並み、あるいは、先ほど岩永委員が言っておりましたように、こうやってのぞきますと、天を覆う電線類、あるいは目に余る違法屋外広告物のはんらんなど、景観上、やはりこれは、このままでは自分たちは決して豊かではないな、こういうふうに多くの方々が感じるようになってきた。

 行政の側もそれなりな取り組みは行ってきたわけですけれども、今回のこの景観緑三法を契機として、昨年七月にまとめました美しい国づくり政策大綱に盛り込まれた施策というものを一つ一つ、まあ、昨年の七月でございますから、具体的なものもまだ少ないようですけれども、この後、お時間があれば、参考人からどんなことが変わってきたかというお話をさせていただきたいと思うんですけれども、そういうことによって、一歩一歩ではございますけれども、良好な景観の形成と、委員が大変重要な点であると御指摘されている緑地の保全ですね、都市部の緑地の保全というものをこれからいよいよ総合的に進めていく、こういうところにやっと来たんではないかと認識しております。

三日月委員 それならば、それならばといいますか、だからこそお伺いしたいと思うんですけれども、若干抽象的な話になるかもしれませんが、今回の景観緑三法によって、景観を、そして都市緑地をどのような状態に国としてしたいんだ、そしてまた、そのために、景観行政、そして緑地行政かくあるべき、まあ、かくあるべきとまで国として規定するのはどうかと思うんですけれども、こうあってほしいなというような、それぞれ目指される姿といったものはどのようになっているんでしょうか、お答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 景観について目指すべきものをどのように考えているかというお話でございますが、これは、地域地域によってこれからつくられていくものと考えます。ただ、そうはいっても、やはりそこに住んでいてよかったと、先ほど先生が冒頭におっしゃったように、この国に生まれてよかったんだと思えるようなまちづくり、村づくりをしていくことが必要だと思います。

 また、緑についてはより切実でございまして、地球温暖化の問題でございますとか、ヒートアイランドの問題とか、まさに我々の生活に直結している分野でございます。従来も、都市公園の整備を進めてまいりまして、営々と緑地を整備してきたわけでございますが、それだけではなかなか十分ではないということで、今回の緑地保全法等の改正におきまして、単につくるだけじゃなくて、守る緑、緑化する緑、さまざまな、多様な手法で緑を確保していきたい、このように考えているわけでございます。

三日月委員 ありがとうございました。

 目指すべき姿についてはわかったんですけれども、景観行政や緑地行政としてどのような形が望ましいとお考えになっていらっしゃるのかということについてのお答えがまだいただけていないように思います。

竹歳政府参考人 緑地行政につきましては、今回の法案を申し上げますと、まず緑の基本計画というのをそれぞれの地域でつくってください、その中で都市公園を整備する、緑地を保全する、それから緑化するというような、そういう行政体系をきちっと明示的に示すというのが一つでございます。

 それから、景観につきましては、まさに先生が御指摘になりましたように、地域地域の取り組みをバックアップしていこうということでございますが、地域地域で基本になる景観計画、きのうも西村先生が、この景観計画をきちっとつくって、そこに地域の住民のいろいろな意見を盛り込んでいくということが非常に大事なんだということを強調されましたが、まさにそれが行政の大きな枠組みになっていくと考えております。

三日月委員 ありがとうございました。

 まさに、景観にしても緑地にしても、そこに住んでいらっしゃる方々が、そこに住んでいてよかった、そしてそこに生まれてよかった、そこに働いていて誇りに思えるといったような景観や緑地を整備していくこと、そしてまた、国としてはそのバックアップをしていくことといったことが大切なんだというような目標や、そしてイメージといったものを今お示しいただいたと思います。

 だからこそ、この法案を作成するに当たっては、これまでどちらかといえば国よりも先んじて取り組みをやってきたと言われております都道府県や市町村、こういったところの意向を踏まえた法案作成過程がとられてきたというふうに認識をしているんです。いろいろな自治体の意見も聞いてこられたというふうに思っていますけれども、具体的にどのようなことをどのような形で行ってこられたのか、そしてまた、この法案の作成に当たって、自治体からの要望、要請は、特にどのようなものがあったと国土交通省では把握をされていますか。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 平成十五年度には、四十三都道府県八政令市が加入しております全国景観会議というのがございます、また、十三の政令市が加入しておられます都市景観形成推進協議会と、それぞれ二度にわたり要望書をいただきました。

 その要望の主な内容でございますが、やはり景観に関する基本理念や責務を明確化して、公共団体の取り組みを支援する景観基本法制の整備をしてほしい。景観形成に適用できる支援体制の創設、充実、先ほどの質疑でございましたが、予算の問題とか税制の問題とか規制緩和の問題、こういう形で支援体制をつくってほしい。それから、屋外広告物に関する法制の充実、それから景観形成に配慮した公共事業の一層の推進というのが要望の主な内容でございます。

 加えて、法案の作業に入りました昨年九月からは、景観行政に積極的に取り組んでおられる自治体の方々と、東京で三回、地方で八回、意見交換会を開催しまして、さまざまな実態について教えていただく、問題点を教えていただいて、それを国としてどのようにフォローしていくかというような体制でこの法案の準備を進めてまいったわけでございます。

三日月委員 ありがとうございました。

 ならば、そういう景観をどのように守り、つくり、そして継承していくのか、そのために自治体の景観行政を国としてどのようにバックアップをしていくのかというような観点から、具体的に個々お伺いをしてまいりたいと思います。

 若干順番を変えてお伺いしてみたいと思うんですけれども、景観の形成には、今回この法案、作成されて提出されたのは国土交通省、農水省、環境省の共同提出だと。先ほどの岡本委員からは、文化庁や、そして農水省、同僚議員からも、各方面の省庁の皆様方、参考人としてお越しいただいていろいろな御意見も伺っていますけれども、そういった関係各省庁の連携が必要不可欠だというふうに思っておりますが、今後の実行体制としてどのような体制をイメージされているのか、お答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 今御指摘がございましたように、初めは、国土交通省、自分の町のところをやろうかと思っておったんですけれども、やはり農村景観、それから自然公園の部分、それから、文化庁は直接はこの法案の提出者にはなっておりませんけれども、この法案を引用して別途法律を出されているわけでございまして、各省力を合わせて日本全体の景観をよくしていこうということに取り組んでいるわけでございます。

 具体的にはもちろん地方自治体の取り組みにかかってくるわけでございますけれども、先ほどから御質疑がございますように、公共団体だけではできない部分も多々ございます。予算の面とか税制の面とか規制緩和とか、規制強化も含めまして、そういう法律は国がやらなくてはいけないということで、今後も、この法案の施行に当たりまして、公共団体からも、せっかくつくってくれたけれども、こういうところがまだ直してほしいとか、こういうところはこういうふうにしたらいいんじゃないかというようなことも、また伺う機会もあると思います。今後とも関係省庁が一体となって、国土交通省としても、自分の体制もきっちりしなくちゃいけない、地方支分部局の体制整備も含めて整備してまいりたいと思っております。

三日月委員 今参考人の方からお答えいただいたように、今回は各自治体が主役なんです。各自治体の方々、担当者の方々にお話をお伺いしておりますと、各省庁、各法、それに伴う各地区指定がさまざまあって、メニューがたくさんあって、非常にややこしくて複雑だ。ましてや、自治体だけではなくて、これからNPOの方々と連携していくに当たって、非常にそのあたりの連携が煩雑だというような御意見も伺っておりますので、ぜひ連携を、国土交通省はこうやって言っているけれども、環境省が違うことを言っている、農水省は、いや、実は後ろ向きなんだ、農業生産の方が大事なんだといったことが表にならないような形で、実効ある協力体制を構築していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。

 では、国はそうやって連携体制をとる。では、今回、都道府県と同列になった市町村、そしてこれまで主体的に進めてきた都道府県、このまま都道府県と市町村が本当に同列でいいのかといったような問題提起をさせていただきたいと思います。

 ともに景観行政団体として届け出もできるし、そして景観行政を行うこともできるといったことに今回なりましたけれども、どちらかというと、地方においては、先ほども大臣がおっしゃいました眺望といったようなものや風景といったようなもの、遠目に見た広域的な景観を扱うことの多い都道府県と、そして町並みやまちづくりといったようなもう本当に地域に密着した、近くでそこに住んでいる人が、そして時には観光客の皆様方が喜んでいただけるようなまちづくりといったような、そういった身近な景観を扱うことの多い市町村といったものは、おのずと役割や機能が違ってくるように思うんですけれども、今回それを同列に、一見同列に扱われているように思うんですけれども、機能と役割の分担をどのように考えていらっしゃるのか、お答えください。

竹歳政府参考人 今先生が御指摘されましたように、身近な部分、これはまさに市町村が中心的な役割を担っていく。今回の法律でも、建前は都道府県と市町村となっておりますが、市町村がどんどん手を挙げてくれば、都道府県としては同意を与えて、市町村にどんどんやってもらう。

 では、それで終わりかというと、まさに御指摘のとおり、日本の山岳、河川、湖沼などの周辺景観の保全とか、それから空港など大規模な施設がございまして、そういうような、やはり広域的な景観というのも非常に重要な課題になると思います。そういう市町村の行政区域を超えるような広域的な景観行政というのは、やはり都道府県に今後ともどんどんやっていただかなくてはいけないと考えます。

 そういう意味で、市町村と都道府県がそれぞれの身の回りと広域的というような大きな役割分担のもとに景観行政に取り組んでいただくということを期待しております。

 それから、昨日の西村先生のお話にもございましたが、熱心な市町村もいらっしゃるけれども、まだまだというところがあるという中で、都道府県がそういう消極的な市町村の部分をカバーしてしばらくいくということも、都道府県の役割として非常に大きなものがあるのではないかと思います。

三日月委員 今からそのことをお伺いしようと思っておりました。

 昨日の西村先生の御指摘の中にもあったとおり、関心を持って頑張っている自治体とそうではない自治体、さまざままだまだあって、都道府県では二十七都道府県ですか、五七%。そして市町村では、三千余りある市町村の中で、まだ四百五十の市町村しかこの景観条例といったものが制定できていない。これは割合にしますと、市町村では一四%。

 こういった中で、先ほどおっしゃいました眺望といったようなもの、そういう景観を守っていくためにはやはり都道府県の役割が欠かせない、こういう現状の中にあって、都道府県だってまだまだ五七%なんです。こういう頑張っている自治体と頑張っていない自治体、今回の法制定によって、より格差が生じてきて、その格差が広がっていくというふうにも懸念をしているところなんですけれども、国としては、この格差を埋めるためにどのようにしようとしていらっしゃるのか。

 そしてまた、より突っ込んでお伺いをすれば、地方公共団体が、また市町村が、景観計画や景観法に基づく条例を制定しようじゃないか、これから積極的に景観行政をやろうじゃないかといったようなことをしていくときの具体的な支援策としてはどのようなメニューがあるのか、お答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 地域間の格差の問題でございます。

 まず、選択と集中という時代でございまして、都市間競争、地域間競争でございます。したがって、やはりやる気のあるところはどんどん発展するということは非常にいいことだと思うんです。

 ただ、やる気はあるんだけれども、なかなかそういう体制にない、やる気はあるけれども、なかなか前に進めないというところは、やはり我々としても大いにバックアップをしていく必要があると思います。もう、はなからやる気のないところは、なかなかそういうところに住んでおられる住民の方にとってみればつらいものがあるかもしれませんが、やはりやる気はあるけれども何とかしたいというところは、ぜひ我々としてもバックアップしたいということでございます。

 今後どうするかということでございますが、説明会でございますとかガイドラインとか、この法律自体、先ほどの御指摘にもありましたように、大変複雑な面がありまして、これに習熟して自由に使いこなすのにはやはりいろいろな勉強が必要だと思います。そういう勉強について、我々としてもいろいろ助言、協力等をしてまいりたいと考えております。

三日月委員 ぜひやる気のあるところのやる気をそがないような、そして今やる気のないところのやる気を高めるような、そういった施策を行っていただきたいと思います。ただ、基本はそこに住んでいらっしゃる方々の自治であったり、そして選択であるというふうに思っていますから、国としてそういったものを規制することのないように求めておきたいと思っています。

 それでは、若干先ほども話をさせていただいたんですけれども、現在、美観地区、そして風致地区、伝統的建造物群保存地区ですか、非常にさまざまな地域地区指定があって、それぞれに応じた規制の仕組みや、法律もそもそも違う、非常に複雑でわかりにくい。京都に行ったときも、本当に多くの地区指定が複雑に指定をされておりまして、そこに住んでいらっしゃる方はまだ、それでも複雑だと思うんですけれども、新しく移り住んでこられた方が、いろいろな規制がかかっていて非常にやりづらいんだといったような話もお伺いをいたしました。

 今回、新たに都市計画法の第八条ですか、第八条の一項の六号に、景観地区といったことで新しくその指定ができるといったような規定がされていますけれども、こういった複雑でわかりにくいそれぞれの地区指定といったものの改善策といったものについて、どのようにお考えでしょうか。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 確かに、都市計画の専門家の方以外にとってみれば、都市計画法に定めております美観地区でございますとか風致地区、それから伝統的建造物群保存地区とかさまざまな地区があるのはどうにかならないのかというようなお気持ちになるのもわからないわけではございませんが、例えば京都は、確かに複雑だとは言いつつ、それを見事に活用されている。ある意味では博物館のような、ここまで国の法律というのを上手に活用されているかと思うぐらい活用をされております。

 例えば美観地区については、既に整った町並みについては美観地区で守ろう、それも一種から五種というような、規制に差をつけて、その地域地域に応じたものをやる。

 それから風致地区は、これは京都を囲む三山の緑、ここは、風致地区というのは必ずしも全部建築行為が禁止されるわけじゃなくて、木々の間から家が見え隠れするというような風情のある地区を風致地区といっております。

 それから、もっとここはすごく大事だというので、奈良、京都、鎌倉等は古都ということで歴史的な特別保存地区になって、寺社仏閣と周囲の自然環境が現状で凍結的になるというので、それぞれの地区に応じて、確かにたくさん種類があって、初めて見ると大変に思うわけでございますけれども、それぞれの役割を果たしてきていると思います。

 今回の景観地区というのは、この美観地区というのが、今いいところだけを守る、今後よくしていくというところが対応できないというのが京都の市の方からも要望があったわけでございまして、この美観地区はなくなって、景観地区に変わるということでございます。

 いずれにしろ、都市計画の制度上、必要な制度でございまして、これを一本化するとかそういうことにはならないわけでございますが、それをきちっと周知する。都市計画については、用途地域とかそういう図面が時々新聞の折り込みに入ってきて、都市計画というのはこういうものかなというのは市民の方にも目に触れる場合がありますけれども、やはり、きょうお話がございましたような、学校教育の場において、景観、都市計画、こういうものについても小さいころからなれていただくということも非常に重要なことじゃないかと思っております。

三日月委員 ありがとうございました。

 ただ、局長、これまでは都道府県やそういったところが、どちらかというと美観地区に当たっても主役だったところもあるんですけれども、景観行政団体には全国の市町村がなれるんだといったようなことになりました。ぜひ、各市町村がわかりやすい、そういった都市計画行政になるように、例えばこの委員会室の中であれば、竹歳局長とそして若井先生ぐらいしかわからないような、そういった制度ではなくて、各省庁間のいろいろな連携もあろうかと思いますけれども、ぜひ、そのあたりのわかりやすい制度設計になるよう、今後、引き続き御努力をいただきたいと思っています。

 それと、若干観点を変えてお伺いをしてみたいと思うんですけれども、これまでの質疑の中でもいろいろな委員の方から御指摘もありました。いろいろな御答弁を伺っていても、まだ得心をいたしません。

 これから建てるものを規制するんだというようなことは、今回の景観法では、条例を制定する、地区指定をする、計画を立てるといったことでできるのかもしれませんけれども、壊してしまった、荒廃をしてしまった、良好でない景観の再生、これに対してどのように取り組んでいくのかといったことがまだまだわかりづらくて、むしろこういったことの方が大切ではないかというふうにも思うんです。

 岩國先生の御指摘もありました電柱だとか広告物、こういったものは比較的取り除いたりすることは容易だと思うんですけれども、ビルだとかマンションだとか、そして松野先生の方からありました鉄道の高架橋だとか、そういった大規模なコンクリート構造物、大いに景観を汚してしまっているようなこういう公共物、公共施設に対してどうするのかといった取り組みをどのようにお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 昨日の参考人質疑でもこの問題が大きく取り上げられたと思います。それに対して金沢の市長さんは、建ってからでは遅いのであって、地域を守るためには、住民が合意を図り、あらかじめ景観を阻害することになるような建築物の建設を防ぐための規制が必要だというような極めて現実的な提案もされたわけでございます。

 今御指摘のように、電線や電柱、広告物と違いまして、一遍大規模な建築物ができるということになりますと、その次の建てかえまでは待たなくてはいけないということで、その間、景観が壊されるということで、極めて大きな問題が生じます。

 ある学者の先生は、修景十年、風景百年、風土千年、そういうようなタームで物事をとらえる必要があると。まさに、一遍壊れると、例えば風景百年回復できないというようなこともあるわけで、やはり事前のそういうことが非常に重要じゃないかと思います。

 事後の策はなかなか難しいわけでございますけれども、京都の方も言っておられましたけれども、やはり徐々に建てかわっていくものを上手に、悪い環境にならないようにいい方に誘導していくというところで、悪くなった環境についてはやはり気長に正しい方向に持っていくしかないのかなという感じがしております。

三日月委員 きのうの金沢の市長も現実的な指摘をされました。私もそう思っているんですけれども、でも、現実的な指摘をするしかないんだ、現実的な取り組みをするしかほかに方策はないんだ、いろいろな各自治体が悩みながらやっていらっしゃる現状を私も目の当たりにしたところであるんです。

 だからこそ、ちょっと焦点を絞ってお伺いをしたいと思うんですけれども、地域のことは地域で決めればいいですし、今後、そのような景観を害するような建物や構造物をつくらないように規制をしていくといったことで、ある程度対応ができると思うんです。

 国直轄の公共事業、こういったものについては、国で、例えばアセスメントをつくるなり、ガイドラインをつくるなり、これはもう既に、美しい国づくり政策大綱の中でもうたわれております。今年度、さまざまな試行を通じて行っていくんだといったようなことも示されているんですけれども、現時点で、国直轄の公共事業のアセスメント、そして分野ごとの景観形成のガイドライン、こういったものについてどのような試行状況になっているのか、お答えいただきたいと思います。

門松政府参考人 景観アセスメントの仕組みの確立に当たっての配慮事項でございますが、残念ながら、現時点で、景観に関する技術的な評価基準が確立されておりません。

 また、非常に地域性の強い事柄でございますので、これらの課題とか特性を考えて、暫定的な取り組み方針を作成の上、試行を繰り返してステップアップをしていこうというふうに考えてございます。

 具体的には、今年度より、直轄事業の三十事業程度、河川事業で十程度、道路事業で十程度、港湾事業で五程度、そのほかで五事業程度、こういった試行を導入いたしまして進めてまいりたいというふうに思っています。

 今後の予定でございますが、試行の結果を踏まえて、できるだけ早い時期に仕組みの確立を図ってまいりたいと考えております。

三日月委員 ありがとうございました。

 いろいろな試行をされていると思うんですけれども、そしてまた、技術的な基準設定が非常に難しいといったようなお話もありましたけれども、何をどうすればそんな技術的な基準づくりというようなものが可能になるんですか。試行を重ねることによってもそれは可能になるんですか。

 普通、我々素人が考えていて、景観という公益と、例えば先ほどの岩國委員の方からもありました営業活動の自由といったもの、そういった公益との調整、また表現の自由や政治活動の自由、そういった公益や私権、私益といったものとの調整というのは極めて難しいと思うんですけれども、これは、何をどのようにすれば、そして、どのような試行をすれば可能になるんですか。

門松政府参考人 委員御指摘のように、非常に難しい問題だと認識しております。

 とりあえず暫定的に、一般的な配慮事項、こういったものは考えられるわけでございます。その配慮事項について、その地域で、そこの場所で、例えばどんな規模の、どんな色の、どんな形状のものがいいのかというのは、そこの地域でもって、その場所でもって、施設でもって判断しなければいけないわけでございます。こういったものはやはり、その場所で、その事業で試行してみないとわからないということでございまして、さきに示した一般的な事項とあわせ、試行を繰り返して、ステップアップしていくということでございます。

三日月委員 余りしつこく聞いても嫌がられると思うんですけれども、では、済みません、どのような試行をされているのか、具体的なことを教えてください。

 例えば京都は、京都を通る道路は、いろいろな公共物は、いろいろな看板の規制にもありました。赤の看板のところでも白にするんだとか、いろいろなことをされています。そこの構造物は白だけれども、高架橋は白だけれども、次の町に入ったら高架橋は茶色なんだ、コンクリート色なんだといったようなことになるのか、ちょっとそのあたり、踏み込んで、その基準づくりのためにどのような試行をされているのかということについて、今現時点での取り組み状況、取り組み内容についてお教えいただきたいと思います。

門松政府参考人 先ほど来私が申し上げていることは、これからやろうとしていることでございまして、今実際、試行に入っている事業については、ここで今先生の質問にお答えするようなことは事実としてまだ発生しておりませんので、またここで御質問があれば御報告したいと思います。

三日月委員 済みません。ありがとうございました。

 なぜこのようなことをお伺いしたかというと、今回の景観法をつくっても、そして各自治体や国との役割を決めても、景観に対する基準、ガイドライン、こういったものが基本になるし、こういったものが決められないと、そういった公益と私益との間の調整といったものが非常に難しくなってくるだろうなと各自治体の担当者の方々がおっしゃっています。

 だからこそ、民間のいろいろな事業を規制するのはもしかしたら簡単かもしれません、国として行う事業をどのようなアセスメントで、どのようなガイドラインで行うのかというのが、ある意味、全国のモデルケースになるというふうにも考えていますので、今年度を通じて行われるということですので、また今後、逐一その試行状況等々についてお教えいただきますように要請をしておきたいと思います。

 昨日の参考人招致の質疑の中で、同僚の伴野議員の方からも、今回の景観法案、実効性を高めるためのかぎは、今私がしつこく申し上げた基準、アセスメントづくりと、そして住民やNPO、各主体、団体の方々の参加、そして地域住民における合意形成、この三つがポイントになるのではないかという指摘がありました。私もそのとおりだなというふうに思っています。

 各地域の中で、景観を守るんだ、こういう景観をしようじゃありませんか、そのために規制をしましょう、規制緩和をしましょうといった合意形成を図るための具体的な方策、支援策といったものについてどのようなものを整備されているのか、お知らせください。

竹歳政府参考人 先ほどから先生がおっしゃっておりますように、さまざまな公益、私益の調整ということがまさにこの景観の基本的な役割となります。

 景観法では、景観計画の策定に当たって、あらかじめ公聴会の開催等住民の意見を反映させるとか、それから、景観協議会に行政、商工関係団体、それから電気通信事業者等さまざまな方に入っていただいて、その地域の問題を考える。例えば電柱の、電線の地中化についていえば、電力会社とかNTTとかいろいろな関係の方がいらっしゃるわけでございまして、そういう方とも協議しなければなかなか仕事は進まないというようなことがございます。

 そのように、今回の法律では、まず第一にそういう合意形成をする場というか、手続とかプロセスを重視した法律体系になっておりまして、それを大いに活用していただくことが、今後、景観とか緑を守っていくという上で非常に重要な役割になるのではないかと思っております。

三日月委員 ありがとうございました。

 そういう意味では、そういった協議会、審議会、そういう場の役割や法的根拠を与えるための今回の法案なんだという意味においても私はこの法案に期待をするところなんですけれども、実はこれからが重要で、きれいな景観をつくろうという思いも持ちました。そして、基準も何とかかんとか苦労してこじつけでつくりました。そして、これまた無理やりも含めて頑張って合意形成もとりました。ところが、この自治体、金がありません。景観保全、そしてその景観を継承していくには非常にお金がかかるんだ、メニューは多いけれども金がないといったような、これまた嘆きといったようなものも各自治体でお伺いをいたしました。

 岩國委員の方から、屋外広告物、自販機、樹木、河川、橋、森林、とにかく人の目に見えるありとあらゆるものが今後景観という観点で、取り除こうじゃないか、色を変えようじゃないか、どこかにやろうじゃないか、竹歳参考人の方からは、そういった広告物を除去することができるような法案になったんだとおっしゃいますけれども、除去することにも人件費も含めて非常に金がかかる。

 このことについて、予算措置も含めた国の考え方、これまで街なみ環境整備事業ですか、やはり今回創設をされましたまちづくり交付金、いろいろなメニューはあると思うんですけれども、今後、景観を守る、そのために財源措置、財政措置をこのようにとっていくんだというようなことも含めてお答えいただけますでしょうか。

竹歳政府参考人 御案内のとおり、国も地方も非常に財政が厳しい、そういう中で三位一体改革ということで、特に補助金、小規模な補助金は削減するんだ、廃止するんだということで、我々、いろいろな財政支援をしたいと思いつつも、なかなか思うようにならないという現実が一つございます。

 ただ、そうは申しましても、例えば国土交通省については大変大きな予算がございまして、そういう中でさまざまな手だても講じておりますし、また、景観形成事業推進費というような新しい財政上の措置も講じました。まちづくり交付金も行いました。また、税制上の措置もいろいろ講じていこうということで、今後とも、いろいろな制約がございますけれども、こういう新しい一歩を踏み出す、それを後ろからバックアップするというようなことから我々もいろいろな支援策ということを検討していきたい、このように考えているわけでございます。

三日月委員 先日、京都の町家を一緒に回らせていただいた方々も多いんですけれども、視察をさせていただきました。そういった景観、景観の中にある建造物、建築物といったものを、何が一番大変ですかとお伺いをすれば、それを保全し、そして代々継承していくことに一番大変さがあり、難しさがありますと。どんな支援策が一番効果的ですかとお伺いをしたときに、相続税、特に京都の町家においては、相続税対策でマンションにしてしまわれるような町家もあったりいたしますし、京都のある地区の町家は二万七千六百四十八軒あるうち、実際、いろいろな地区指定や文化財指定、伝建地区、美観地区指定で支援措置を受けられているのは千七百八十軒で、六・四%にとどまっている、こういう状況の中で、この町家を保全していくことというのは非常に難しい現状にあるんだというようなことをお伺いいたしました。

 今回、景観法案に関する税制上の支援措置、相続税も含めてどのようなメニューをお考えになっていらっしゃるんでしょうか。

竹歳政府参考人 景観重要建造物の制度を創設いたしましたが、これについては、外観については少なくともいじれないということになりますので、その分、相続税の評価減が講じられるように今関係省庁と調整をしているところでございます。

三日月委員 私は、この相続税、今言葉としておっしゃいました評価減というのがポイントになってくると思ったので、昨日も国税庁の方々にいろいろお教えをいただきました。今回いろいろな調整をしていただいていると思うんですけれども、きょう、国税庁の方は来ていただいていますよね。

 今回のこの景観法案にかかって、この相続税、特に、私が国土交通省の中でいただいた資料の中には、適正な水準に評価するんだというようなお答えもいただいておりますけれども、具体的にどのような検討がなされ、そして今後、この相続税の支援といったものは、評価減といったものは可能になるのかといったことについてもお答えいただけますでしょうか。

西江政府参考人 お答えさせていただきます。

 相続税等における財産評価につきましては、相続税法二十二条によりまして、財産取得時の時価によると定めております。

 課税財産である土地の時価につきましては、土地の評価の安全性等を考慮して、地価公示価格水準の八割を目途として路線価等として公表しているところでございます。

 景観計画区域内の土地につきましては、景観法により利用制限が課されることにより、交換価値が低下することが予想される一方、住環境の改善、集客力の増加等、逆に交換価値が高まることも考えられます。

 したがって、計画区域内の路線価等を一律に何割減価させるということではなく、それぞれの地点の適正な交換価値、すなわちそれが地価公示価格等として公表されるわけでございますので、その地価公示価格等を適正に反映した評価を行ってまいりたいと考えております。

 なお、個別に指定されることになる景観重要建造物及びその敷地につきましては、用途、新増築などの使用収益に制限が加えられることになりますことから、その制限内容の程度に応じ、他の財産の評価方法、類似のものとして重要文化財とか登録有形文化財、伝統的建造物等がございますけれども、そうしたものに対する評価方法とのバランスも考慮して、どの程度の減価が生じるのかを判断した上で、適正な評価を行っていきたいと考えております。

 景観法に基づく利用制限の具体的な運用がどのようになるのか。現時点では十分明らかでございませんので、今後、その制限の内容について、国土交通省からも意見を聴取するとともに、土地精通者等の御意見も聴取しながら、その制限の内容が土地や建物価格にどのような影響があるのかを見きわめた上で、適正な評価となるよう努めてまいりたいと考えております。

三日月委員 ありがとうございました。

 私は、相続税といったものに対してどのような支援措置を設けるのかというのが、長い目で、その景観地区内にある建造物を守っていくのに非常に重要だと思っていますが、今のお答えからすると、私権の制限はあるけれども、しかし、景観がきれいになることによって、お客様も来るし、そしてもうかるかもしれないし、土地の価格や評価というものが高まるかもしれない。だから、必ずしも、評価も上がってしまうし、それに対する減額措置や何かも簡単には決められないよというようなお答えだったと思うんです。

 しかし、この部分は、国土交通省さんや各自治体の方々からすると、非常にポイントであるようにも思いますし、これからは景観地区を各市町村が決められるようになるんですね。各市町村が景観地区を決めて、その地区内の建物についてさまざまな支援措置を、メニューを用意していく中で、でも一方、相続税については国の制度でなかなか変えられないし、それぞれが一件一件、相続をしたときに、申告をしたときに評価が変わってくるよというようなことであれば、今後の運用にも非常に差し支えがあるように思いますので、このあたりについては、最後に、国土交通省の方からもぜひ、御意見やそして決意をお伺いしたいというふうに思います。

竹歳政府参考人 いずれにしましても、景観重要建造物が守られなければどうしようもないというわけでございます。

 京都の方からも伺いましたら、相続税とか、実は人手が足りないとか不用心だとか、いろいろな問題があることもわかりました。したがって、目的ははっきりしているわけでございますから、相続税は非常に重要な役割を持っておると思いますが、その他の方策も含めて、我々もそれを守っていけるような政策体系というものを構築していこうと思っております。

三日月委員 ありがとうございました。

 時間になりました。それぞれ、各地域は限られた予算をやりくりする中で、非常に頑張って景観を守ろうといった取り組みをしています。私の地元滋賀県では、限られた予算の中で、近隣景観形成協定修景対策費として、一千八十三万ですか、県から景観を守る市町村に補助金として流すといったような非常に涙ぐましい努力もしております。

 事実でないことを願いつつ、四千万ぽんともらえるような方からすれば非常に笑い事のような話かもしれませんけれども、何とか頑張っているそういう自治体の美しい国をつくろう、地域を守ろう、そして景観を守ろうとする取り組みがむだになることのないように、そしてより促進されるために、国としてやるべきこと、私の質疑の中でも、お答えいただいた答弁の中で明らかになりました、国直轄の事業のアセスメントをつくらなくちゃいけないんだ、そしてまた税財政、そういったものに対する支援が必要なんだ。

 私から言わせていただければ、地域のことは地域に任せることができるように、真の地方分権、先ほど竹歳参考人の方からは三位一体という言葉もありましたけれども、やらねばならないこととか、そしてやりたいことはどんどん地方にはおりていくけれども、肝心かなめのお金がおりてこないといった現状を打開するために、真の地方分権が必要ではないかといったような問題提起もさせていただいて、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 穀田恵二君。

穀田委員 日歯連等の問題について、最初に大臣に聞きます。

 大臣は、日本歯科医師会が選考しているザ・ベストスマイル賞というのはどういうものか御存じですか。

石原国務大臣 いつだったかは忘れましたけれども、笑顔がすばらしいということで、賞をいただきました。

穀田委員 これは日歯広報という新聞です。これ、ちょっと大きくしたものですけれども、ベストスマイル賞ということで、〇一年にちゃんと受賞をしています。これはことしで十二回だそうです。十二回の中で、男性で、政治家で選ばれているのは大臣だけです。よっぽど親密だということがうかがい知れる。

 そこで、大臣は、さきの選挙で日歯の臼田会長からどんな選挙応援を受けましたか。

石原国務大臣 どのような選挙応援と言われましても、具体的に応援演説をしていただいたことがあると思います。

穀田委員 日本歯科医師会の日歯広報では、「臼田会長」という動向の欄があるんですね。それを調べますと、二〇〇三年十月一日から二〇〇三年十一月八日まで、三十日間ちょっとという極めて短い期間に五回も応援したことが掲載されています。この二つのことから見ても、いかに日歯連の臼田会長と親しいかがわかると言えると思うんです。

 日歯は、二〇〇〇年の当時、身体障害者手帳交付に当たっての診断書作成を歯科医師もできるように要望していた、それが例のそしゃく機能障害の診断問題ですね、その件で政治家に働きかけていた。

 八月の当時の八日、大臣は、他の議員と一緒に、議員会館で臼田会長と面談したことはありますか。

石原国務大臣 これも他の委員会でお答えさせていただいたんですが、さまざまな業界の方々と、さまざまな議員の方と勉強会を開いておりまして、今の記憶で言いますと、臼田会長がその勉強会に来られたという記憶はありません。

穀田委員 新聞には、一つの新聞だけでなくて、メディアでは二つ報道をしています。わざわざそれは臼田会長が依頼して実現したということまで書いている。しかも、今お話ししたように、日歯でベストスマイルはもらうは、五回は応援は受けるは、顔を知らぬはずはないんですよ。

 しかも、調べてみると、そういう点がはっきりしたという点では、さらに、その新聞報道によれば、その問題の依頼の際に、厚生労働省の担当幹部らも出席をしているということまで出ているわけです。

 ですから、こんなこと、すぐ行って厚生労働省含めて調べれば、朝から行って昼間調べたって、すぐわかる話なんですね。そういう問題だということをぜひ私は指摘しておきたいと思うんです。

 ですから、その際に、臼田会長から先ほどの要請を受けたという事実はありませんか。

石原国務大臣 臼田会長は、私の地元の先生でございまして、初当選以来、私は存じておりますが、私の記憶する限り、何をしてください、石原さん、こうしてくださいというような要求というか要望を私にされたことはないと思います。

穀田委員 それはなかなか微妙でして、そんなもの、こうしてくれよと言ったことが、やったかどうかなんという話じゃないんですよ。だから、それは、この間の答弁を見ていましても、要望を受けたことはない。それは、勉強会で話を聞いて、いろいろ、こうして、これが今の要望ですという話をすれば、それでいいんですよ。それをやってくれなんという話をしたかしないかという話が根本じゃないということだけ言っておきましょう。

 なぜこんなことを言っているかというと、当時の日歯の要望書で見ますと、「平成十三年度予算及び制度などに関する要望書」十項目のうち、一つとして、一番大事な問題として指摘しているんですね。

 だから、要望書全体があり、そういう話を勉強会でしているということ、それ自身は、それを聞いているということなんですよ。その中に、「第十五条に規定する診断書の作成ができるように法改正を要望いたします。」こう書いているんです。

 ですから、この答弁は、私ははっきり言って、個別に、ではお願いしますと言ったかどうかは別として、そういう要望の中にあったということなんですよ。そういうことも含めて知らないとおっしゃるんですか。

石原国務大臣 知らないなどと一言も言っておりませんで、個々のさまざまな政策について勉強会は数限りなく与党の場合はやっております。その中の一つに委員が御指摘のものがあったということは記憶していると私は答弁しております。

 ただ、そこにだれが来たのか。四年前の会合に役所のだれが来たかなんということまで、私は覚えている道理がありません。

穀田委員 私は、覚えていてくれなんて言っていませんよ。調べようと思ったらすぐ調べられるはずだと言っただけの話ですよ。

 しかも、そういう報道には載せているわけだし、相手もよく覚えている方だし、一番選挙の応援を受けている人ですよ。しかも、業界で、いろいろな選挙応援というのを皆さん、受ける方はいらっしゃるでしょう。しかも、選挙期間中に五回も応援に来る業界のトップなんて、それはいませんよ。それほど親しいということなんですよ。そこに肝心かなめの事実があるということだけ指摘しておきましょう。

 だから、私は、覚えているんじゃないかという八月八日の件は言ったし、そして、要望というのは、いろいろな勉強会において聞いている、それも要望なんですよ。それを要望を聞いているということは、相手は受けとめるということに、お互い政治家になった意味でいいますと、それが自民党の通例だということも申し上げておきたいと思います。

 では、献金について聞きます。

 大臣、あなたは日歯連から、いつ、幾ら、どのように献金を受けているか、お教えください。

石原国務大臣 質問通告がございませんので、後日御報告させていただきたいと思いますし、政治資金報告書に記載されていると思います。

穀田委員 そのとおりでしょう。質問通告を受けてないからと、まあ、それはいいですけれども。

 では、パーティー券なんかも受けているということは、念のため言っておきましょう、せっかくですから、私の方から出しておきたいと思います。

 では、それは最後に出すとして、先ほども、それらの事実関係は、調べて、後刻理事会に出すとおっしゃっていましたよね。私は、金曜日にまた委員会がありますから、それまでに出していただくことが必定である、必ず必要であるということを申し述べておきたい。

 では、きょう毎日新聞が報道した四千万もの献金の問題の事実について聞きたい。

 きょう、あなたは、一般論として、答弁で、政党本部からの支部への交付金は問題ないとされていました。しかし、自民党本部からの選挙区支部への交付金一千万単位は極めて異例なんです。〇二年でいえば、あなたの選挙区支部にしか交付されていないんです。問題は、献金の原資が日歯連から出ているということなんですよ。

 具体的に言いましょう。

 二〇〇〇年の七月十一日、日歯連から一千万円が国民政治協会へ。七月十九日、国民政治協会から自民党本部へ。七月三十一日、自民党本部から石原大臣が支部長をしている自民党東京第八選挙区支部へ。私がつかんだ内容はこれです。

 さらに、二〇〇一年六月二十一日、日歯連から一千万円が国民政治協会へ。その五日後、六月二十六日、国民政治協会から自民党本部へ。その三日後、六月二十九日、自民党本部から自民党東京第八選挙区支部へ。

 三回目は、〇一年十一月十四日、日歯連から一千万円が国民政治協会へ。その六日後、十一月二十日、国民政治協会から自民党本部へ。その九日後、十一月二十九日、自民党本部から自民党東京都第八選挙区支部へ。

 四回目、〇二年五月十四日、日歯連から一千万円が国民政治協会へ。一週間後、五月二十一日、国民政治協会から自民党本部へ。十日後、五月三十一日、自民党本部から自民党東京都第八選挙区支部へ。

 まさに、日歯連から国民政治協会、そして自民党本部、さらに自民党東京都第八選挙区支部への金の流れは見事に符合しているじゃありませんか。流れは明確だ。これを迂回献金と言わずにどう言うのかという点について見解をお聞きしたい。

石原国務大臣 ただいま言われました事実について承知しておりませんので、調査をさせていただきたいと思います。

穀田委員 調査はしていただいて、いつまでにそれは明らかにしていただけますか。

赤羽委員長 それは、午前中の岩國委員の質疑で、次回の理事会で承るということを私から申し上げました。

 内々、国土交通大臣からも、金曜日の理事会に、その場に合わせて資料を提出するということをいただいておりますのでということを私から申し上げます。

穀田委員 知らないのでという理屈だけは通らないということだけ私は申し述べておきたいと思うんです。

 つまり、石原大臣の東京都第八選挙区支部への自民党からの交付金というのは、例えば二〇〇〇年は三千百五十万入っているんですね。しかしこれは、一律二百五十万、一千万、選挙との関係を含めて一律交付というのはあるんですよ。それがずっと続いていまして、ほかの政党の支部に対しても同じ金が払われている。そうじゃないところがぼんとあるというのが一千万なんですよ。

 だから、知らないはずはなくて、どこから来たのかということについて、ほかのところとは違う内容があるということについて気がつきもしないというほど小さい金なのかということを私は言いたい。一千万ですよ。しかも、それが四回もある。しかも、選挙のないときにもあるということについて、それほどこの問題について、いや、記憶がないななどと言うほど、お金に執着がないと言ったらそれはそうなんでしょうけれども、もらっているのがその程度の金は大したことないと思っているのか知りませんけれども、解せないということだけ私は言っておきたいと思います。

 次に、余り政治の景観はよくないわけですが、景観の方を言いたいと思います。

 四月二十日、本会議で石原大臣はこう言っています。「国民の財産というべき京都等の歴史的な都市の景観の保全については、」中略しますと「さまざまな景観の保全のための措置がとられてきました。」さらに、こうも言っています。「今回の景観緑三法を契機として、」「京都等の歴史的な都市の景観を守るために引き続き取り組んでまいりたいと考えております。」と答弁しておられます。

 政府が目指している観光立国にとっても、国際文化観光都市として、日本の顔、歴史的な都市である京都の景観保全は欠かせないことは言うまでもありません。

 大臣にまず聞きたい。その京都の中心部、市内の景観は守られてきたと思うか、京都の景観の現状について、その率直な認識をお聞きしたいと思います。

石原国務大臣 京都は私も何度も訪ねさせていただいておりますけれども、千二百年の都として、先ほど来御議論いただいております美観地区や伝統的建造物群保存地区など都市計画制度に加えまして、市等々の自主的な条例による規制も活用して、その貴重な歴史的景観を保全するための努力をされてきた都ではないかと、訪ねるたびに感じております。

穀田委員 それは確かに、さまざまな景観条例をつくり、そして第二に、住民がその景観を守るためのさまざまな努力をする、そういうことを通じて守られてきた部分があることもこれまた事実であります。しかし、今日の状態は、その景観が非常に破壊されているというところに私は現状認識を持たなければ甘いとはっきり思います。

 なぜこの問題、京都の問題を取り上げるのか。それは、私が京都に住んでいるからというわけじゃないんです。京都は歴史都市というだけじゃありません。今度の道路の問題や、それから景観の問題、一連の議論をこの国土交通委員会でしてきましたが、すぐれた景観といえば京都とみんなが答えて議論をしてきたことは御承知のとおりだからです。

 さらに、昨日、参考人質疑でも、景観を守るという場合、多くの議員の方も、同僚議員の方々は、議論の素材として京都を例に取り上げざるを得ない。そして、大臣も、一等最初に申しましたように、京都を挙げた。それと同時に、しばしば京都は、景観論争の中心に位置してきたことも事実だ。こういうことからして、京都の現状というものをよく見て、それをどないして守っていくかということを議論するのは大事なことだと思うからです。

 そこで、具体的に聞きたい。

 既に皆さんにはお配りしていますが、京都では、市内の中心部、いわゆる田の字型というんですけれども、地名で言いますと、京都市の中京区、下京区の一部で、余り地域的に言うとなんですが、東西を堀川、烏丸、河原町、南北を御池、四条、五条に囲まれた碁盤の目の地域のことを言うんですけれども、ここでマンション建設が進み、四十メートルを超える巨大マンションが次々とあらわれている、こういう事実については御承知でしょうか。

石原国務大臣 何棟建っているとか、どこに何棟建っているという話はわかりませんけれども、マンションが問題になっているという話は知っております。

穀田委員 そこで、皆さんにお配りした資料一を見ていただきたい。この資料は、住環境を守る・京のまちづくり連絡会として運動を続けている木村万平さんらが、田の字型地域の共同住宅の建築状況を調査し、作成したものです。

 一枚目は、北部地域の北西部と北東部に分け、バブル以前の一九八四年からことし一月現在の二十年間にどう変化したかを示したものです。北西部では、バブル以前は全部で十五棟しかなかったのに、現在は百五十八棟と、十倍以上にふえています。しかも、黒塗りの部分の十階建て以上のマンションは四から六十一棟に、十五倍に増加しています。北東部も、十階建て以上は二から三十七棟に、十八倍にもなっています。

 次にめくっていただきますと、二枚目、田の字型南部地域の状況で、バブル末期の九〇年十一月時点と現在の比較です。ここでも、マンションなど共同住宅は百五十二棟から三百五十六棟に、倍以上にふえ、十階建て以上もどんどんふえているのがわかると思います。

 三枚目。これは、京都御所南地域です。十階建て高層マンションがいつふえてきたかを示した表があります。バブル前はわずか一棟であったのが、九八年末までには四棟にふえ、ところが、九九年から現在までに、建設中を含め、十三棟に急増しています。しかも、十四階、十六階建ても、この時期に建てられています。北東部でも、御池通りに面して四十五メートル、十五階建てのリクルートマンションができるなど、四十メートルを超えるマンションが、二〇〇〇年を皮切りに建設され始めています。

 京都市内の中心部の現状は、バブルのとき以上に高層マンションラッシュとなっているのが実態なんです。ですから、私は、一番最初にどうやと聞いたときに、努力しておられる事実については述べていただきましたが、それじゃ、それだけじゃない、こういう実態があるんだということを知っていただきたい。

 そして、二つ質問したいんです。

 こういう実態をどうお感じになるかということと、こういう事態を生んだ原因はどの辺にありや、こういう点についてお答えいただければと思います。

竹歳政府参考人 ただいま先生から事細かに、資料を使って御説明を受けたわけでございますが、原因としては幾つかあると思います。

 一つは、バブル期以上にというお話がございましたが、最近の継続的な地価下落ということで、都心部に人が戻ってきておられるということで、都心部の商業地域では、地価の下落が比較的大きかったことから、ファミリータイプのマンションでも二千万円台ということで、非常に人気があると聞いております。

 それから、従来、地元の事業者の方が市の指導に従って高層建築物を建てなかった地域で、強制力のない指導には従わず、外から事業者が来て、市の言うことを聞かないでどんどん建てているということも、高層マンションの増加の原因になっていると聞いております。

 ということで、京都市の方では、やはりいろいろ解決すべき課題があるというようなことで、新しい都心部の建築ルールというものを平成十五年四月から施行されまして、このルール後は、今おっしゃった田の字地域のうち規制強化が行われたエリアについては、高さ二十メートル以上のマンションは一つも建築確認は出ていない、このように聞いています。(穀田委員「最後のところをもう一遍」と呼ぶ)

 十五年四月から、京都市で新しい都心部の建築ルールをつくられて、二十メートル以上は建てないということで、そのルール以降は、新たな建築確認ですね、それ以前に建築確認をとっておられて建築中というのはあったかもしれませんけれども、そのルール以降は、新しい、そういう二十メートル以上のマンションの建築確認は出ていないと我々は聞いております。

穀田委員 どうも、原因の方となるともごもごという感じで、土地の下落の話と、指導に従っていないという話しか出ないんですが、それでこれほどできるとは思えませんよね、普通、だれが考えたって。

 先ほどもあったんですけれども、この間もそうなんですが、相続税の問題もあることは事実なんですね。だけれども、そういう方々が自分のところで建てようというときには、そんな、四十メーターも五十メーターも建てることはないんですよ。これは、自分も住んでおるんやから、みんな。そうじゃない、いわば開発業者が来てやっているということが事実でして。

 そこで、きのうの参考人質疑の中で、平安女学院教授、中林参考人はこう言っています。日本各地で見られる景観の荒廃は、高層建築の林立と自動車交通蔓延によるところが大きい、適切な高層建築の規制や自動車交通の抑制を怠ってきた従来の国土計画、都市計画の責任は大きいと陳述されています。

 先ほども、ルールの話を参考人はしていましたけれども、まさに、そういうものがさまざまな形で努力されてきたけれども、やはりそれを怠ってきたというところの結果であることは、もはや明らかだと私は考えます。したがって、町並み破壊の原因というのは、私は、規制緩和並びに民間活力の導入というところにあると考えます。

 先ほども、大臣は、京都の努力について語られたわけですが、早くから景観条例を策定したり、建物の高度地区指定によって一定の高さ制限が守られてきたということは事実です。

 ところが、バブル期以降の開発ラッシュの波が押し寄せるということによって、高さ制限いっぱいのマンションが建てられ、実は、京都市も、当時、総合設計制度に基づいて、京都ホテルの六十メートルビル化を推進したんですね。私、当時、京都の市会議員でしたから、よく覚えていますが、商業地だからということで、容積率を一気に四〇〇%にしたんですね。そういう規制緩和があったがゆえに、これが進んだということを私は見なければならないと思います。

 そこで、考えなければならないのは、開発業者が、目先の利益に追われて、町壊しというのを続ける。本来、地方自治体などが景観条例などで規制しているはずなんだが、一方で規制緩和するのはなぜか。こういう二律背反が起こっているわけですよね。

 例えば京都でいいますと、高層の建物、中高層の建物のために指導要綱というのがあったわけですね、これをこれだけこうしなさいと。ところが、法律上は総合設計制度でやればできる、こういう仕掛け、二つあるわけですね。どっちが上位かというと法律なんですよ。

 したがって、今、私がお話ししましたように、民間活力の導入だとか規制緩和の流れを進めてきた、いわば全国一律にやり、画一的な開発を推進してきた、ここのところの反省がないと、私は、今後、いろいろな景観保全をする上で、きのうもありましたように、この景観法というところのサイドだけじゃなくて、都市計画のサイドやさらには建築基準法のサイド、ここをしっかり結合しなけりゃならないという問題が厳然として存在すると思うんです。

 その辺の見解は、政治論として少し大臣にお聞きしたいと思うんです。いかがでしょうか。

竹歳政府参考人 民活と規制緩和、特に容積率の緩和が町壊しを進めてきたんじゃないかという御指摘でございます。

 容積率緩和につきましては、実は、地価高騰の中で、より広い住宅をより安くできないだろうかとか、それから、オフィス環境が劣悪で、それを何とか広い、労働環境をよくしなくちゃいけないというようないろいろな要請があったと思います。

 問題は、今まさに御指摘があったように、京都ホテルの問題で京都市が容積率を緩和して伸ばした。結局、道具は確かに国が用意しているわけでございますが、それをどう使うかというところがやはり重要な点ではないかと思います。

 今回、景観法ということで提案をさせていただいておりますけれども、容積率の緩和とか民活とか規制緩和とか、そういう道具と同時に、やはりきちっと守るべきところは守れるような、規制力を持った道具、これもこの景観法の中で盛り込んでいるということでございます。

穀田委員 きのう金沢市長の山出参考人も陳述の中で高さ制限の授権をと語られていました。景観を守る上で、高さ制限と規制の強化というのはそれぐらい重要な意味を持っているんですよ。これはかなめなんですよ。

 両方の武器を持っている、そんな矛盾した話を、それこそ盾と矛みたいな話をしていたってだめで、どうしたらこれができるかということをやはり見なくちゃならないと私は思うんです。

 だから、そこでお聞きしたいんですけれども、今回の法案は、京都などの景観条例に法的根拠を持たせ、高さ制限などの規制をある意味じゃ強めるもので、当然だと考えます。むしろ、遅過ぎるぐらいだと思っています。

 そこで、実際にどれだけ効果があるのか、また効果を持たせることができるのか。特に、マンション建設業者などはいつもこう言うわけですよ。都市計画法それから建築基準法に違反していないと言って、住民の強い反対の声を無視して建設を強行していったわけですよ。だから、景観地区などに指定したりすれば、都市計画法や建築基準法に違反していないという理由などで建設許可をとめることができるのかという点はいかがですか。

竹歳政府参考人 従来から、高度地区とか美観地区を活用して、建築物のボリューム感とか高さを制限はできたわけでございますが、やはり今回、基本理念、それから国、地方公共団体、事業者の責務等々も定めた景観法というのをつくって景観地区というのを打ち出したわけでございます。

 もちろん、この中で高さは規制できる。結局、使いようでございますので、これをきちっと使えば、今おっしゃったようなことも防げるということでございます。

穀田委員 わかりました。

 きのうの、今、中林さんという話をしましたし、山出さんという話をしましたので、西村さんもちょっと参考人でお話しされていまして、東京大学教授の西村参考人は、やはり同じく、規制緩和型の他の都市計画制度との整合性はとれるかということを言っているんですよね。だから、きのう参考人で来た方々は皆共通して、景観を守る上で規制緩和、なかんずく高さという問題についてはとても大切だということを共通して言っていると思っています。

 そこで、もう時間が終了したので、次にまたやるとして、私は、京都の場合、歴史的な町並みの修復や回復もどうするかということが大事だと思うんです。先ほども参考人は長い目でと言っていましたけれども、もちろん、千二百年の都ですから、また今から百年といったって十二分の一ですから、それはその程度の話ですし、清水寺などは、今苗木を植えて、四百年たったときに使える木をというので今やっているわけですね。それはそれで大事なんですよ。

 だけれども、そういうことの中で原点をどこに据えるかということがこれは極めて大事だ。京都の場合には、ユネスコでやはり世界遺産条約に指定されたことを私はこの間も言いましたよね。そういうものを守っていくという原点にしっかり立つことが大事だ。それをどうして行政の側が援助できるかという立場に立って、初めてこれはまた実ることができるということを申し上げて、きょうは質問を終わりたいと思います。

赤羽委員長 次回は、来る十四日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会すすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十五分散会


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