衆議院

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第21号 平成16年5月14日(金曜日)

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平成十六年五月十四日(金曜日)

    午前九時四十二分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君

   理事 橘 康太郎君 理事 望月 義夫君

   理事 大谷 信盛君 理事 奥村 展三君

   理事 玉置 一弥君 理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    岩崎 忠夫君

      江崎 鐵磨君    江藤  拓君

      大島 理森君    岡本 芳郎君

      梶山 弘志君    北川 知克君

      高木  毅君    中馬 弘毅君

      寺田  稔君    中野 正志君

      二階 俊博君    能勢 和子君

      葉梨 康弘君    古屋 圭司君

      保坂  武君    松野 博一君

      森田  一君    吉野 正芳君

      渡辺 博道君    岩國 哲人君

      岡本 充功君    下条 みつ君

      中川  治君    長安  豊君

      伴野  豊君    古本伸一郎君

      松崎 哲久君    松野 信夫君

      三日月大造君    室井 邦彦君

      山岡 賢次君    和田 隆志君

      若井 康彦君    佐藤 茂樹君

      穀田 恵二君    武田 良太君

    …………………………………

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   国土交通副大臣      林  幹雄君

   国土交通副大臣      佐藤 泰三君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    人見 信男君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  松野  仁君

   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十四日

 辞任         補欠選任

  櫻田 義孝君     岡本 芳郎君

  島村 宜伸君     北川 知克君

  古屋 圭司君     吉野 正芳君

同日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     櫻田 義孝君

  北川 知克君     能勢 和子君

  吉野 正芳君     古屋 圭司君

同日

 辞任         補欠選任

  能勢 和子君     島村 宜伸君

    ―――――――――――――

五月十三日

 自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八二号)(参議院送付)

同月十四日

 建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)(参議院送付)

 不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七九号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 景観法案(内閣提出第三八号)

 景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第三九号)

 都市緑地保全法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)

 自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八二号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市・地域整備局長竹歳誠君、住宅局長松野仁君及び警察庁交通局長人見信男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長安豊君。

長安委員 民主党の長安豊でございます。

 まずは、先般、四月の二十八日ですか、羽田空港の滑走路に不審者が侵入するという、不審車両が侵入したという事件がございました。

 私、国土交通委員でございまして、たまたまそのとき飛行機の機内におりまして、空港の中を、誘導路を走っておる状況でございました。

 その状況で、全飛行機がとめられた。それで、約一時間四十分ぐらいでしたか、航空機がとめられて離発着が中止されたというのをお伺いしました。翌日のマスコミ報道等でも、その侵入車両が滑走路を縦横無尽に走っていたということが報道されております。

 私もその後、国土交通省の方に確認をとらせていただきまして、同日の十九時二十五分に恐らく不審車両が侵入して、ちょっと段取りとしては手間取ったけれども、最終的には滑走路を横切ったところまで追い詰めて、最後、海に飛び込んでしまったということを報告を受けております。

 今回のこと自体は、たまたま現在工事中の仮設フェンスのところからの侵入であった。センサーのついていないところであったために、侵入をすぐに検知できなかったということが言われておりました。しかしながら、四月二十八日という、世間にとりましてはゴールデンウイークの前日になるわけです。この日に皆さんが、例えば単身赴任の方、御出張されている方が東京に来られて、地元に戻られる、そのときにこのような事故が起こって、もし飛行機とその自動車が衝突するようなことがあったら大惨事になっていたわけであります。

 こういったことがないように、ぜひ国土交通省の方も管理を、また、工事のときの安全を徹底していただきたいということをまず申し上げたいと思っております。

 さて、先般質疑でございました大臣の迂回献金問題でございます。

 本日、理事会の方で資料が出されたということ、先ほど拝見させていただきました。

 また、本日のマスコミの報道等も見ますと、大臣に四千万円迂回献金されたんじゃないかというような推測記事が出ております。

 この件につきまして、先ほど、収支報告書の方では、四回に分けて一千万円ずつの収入があったということが記載されておりました。うち一つは訂正されたという形になっておりましたかね。

 他の支部の収支の状況も見てみると、二〇〇二年度、これは全く選挙のない年で、党本部から各総支部に一回に一千万円というような金額が出るというのは異例のことだという状況となっております。

 その中で、大臣としては、どうしてこのような大金が党本部からみずから代表を務める総支部に振り込まれたのか、寄附されたのか、どういう御認識か、お伺いしたいと思います。

石原国務大臣 この件につきましては、せんだっても一般論として申し述べさせていただきましたように、政治資金規正法を変えまして、二〇〇〇年だったと思いますけれども、それまでは政治家本人が政治資金管理団体を国、地方二つ持てて、そこに政治献金を政治家個人が集める、こういうスタイルでございました。しかし、小選挙区制の導入によりまして、政党対政党の選挙をやっていこう、そういう中で、政治資金は政党にできる限り集中していこう、こういう改革がなされたわけでございます。

 私の所属をさせていただいております自由民主党も、この方向にとりまして、政治献金はできる限り政党に集める、国民政治協会にできる限り政治資金を集中していく。そしてそのお金を、党本部が党本部の決定によって各支部に、政党活動の一環として、党勢を拡大する目的あるいは党の行っている政策を広く伝播するというような目的等々に配付する、こういうふうに制度を変えたわけでございます。

 そして、私の支部に一千万円の献金が各年度あったという事実は、事実でございます。きょう資料を提出させていただきました。

 これにつきましては、私が党に頼みまして、党から一千万円、私の支部活動に政治資金を、交付金をいただきたい、こういうことは一切言っておりません。どのような基準において、政党がどういうふうに判断して各支部に配付されたかということは、私の知り得る立場にないということも、これまた事実だと思っております。

長安委員 今大臣からのコメントで、党本部が党本部の裁量で、寄附というか、振り込んできたものだからというお話がございました。

 しかしながら、私も昨年の十一月に当選させていただきまして、党本部から当然寄附金というもの、あるいは交付金というものを受けておるわけです。私の感覚でいきますと、突然党本部から千円でも入ってきたら、これは何のお金ですかと確認するんですよね。それを、一千万円という、ほかの総支部ではあり得ない金額が突然入って、いや、党本部の裁量だから何で入ってきたのかわからないというのはちょっと不自然じゃないのかなと私は感じるわけであります。

 しかしながら、それを押し問答しても、知らないものは知らないということで終わってしまいますので、今後さらに理事会の方に資料を御提出いただけるということですので、それを待ってさらにお話はさせていただきたいと思っております。

 それでは、本日の質疑を開始、もう開始しておるわけでありますけれども、景観法の質疑をさせていただきたいと思います。

 この景観法で、四季折々に私たちに安らぎ、潤いを与えてくれる都市の緑というのは、最近顕著になってきたヒートアイランド現象の緩和、また、大地震の際の火災の延焼を防止するなど、重要な役割を果たしていると私、考えております。また、さらには、自然との触れ合いを通じた子供たちの心身の健全な育成になくてはならない存在であるということも過言ではございません。

 都市の緑と一言で言っても、その状況や課題は各都市によって大きく異なっております。例えば大阪市では、東京と比べても都市の中心部に緑は比較的少なくて、また、稠密な市街地が広がっているため、まとまった緑を新たに生み出すこともなかなか難しい状況にあります。

 大阪市から約三十五キロほど離れました私の地元泉佐野市でも、大阪湾の臨海部には海岸に緑地が連なっており、また内陸部は、金剛山、生駒山系から連なる和泉葛城山系に緑が保たれておりまして、市街地の中にも風致地区が指定されておりますし、市域全体に多くの緑が現在残っております。しかしながら、この緑豊かな私の地元、泉佐野でも、市街地の緑の割合がどんどん減っていっている、ここ十年間で約二五%から二〇%と五ポイントも上昇しております。

 そこでまず、東京や大阪など我が国の都市における緑の現状について、どのように御認識されているのか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、都市の緑は、ヒートアイランド現象の緩和など都市に住む市民の生活環境の改善や、潤いのある都市景観の形成、大震火災等に対する市街地の防災性の向上、いやし、安らぎの提供等、かけがえのない役割を果たす環境インフラでございます。

 しかし、東京や大阪などの大都市では、急速な都市化の進展に伴って、市街地内の緑が失われてきました。例えば大阪市では、昭和三十九年に緑化百年宣言というのを行われまして、その後の三十年間で樹木、樹林で覆われた土地の面積を倍増させてきましたが、それでも樹木、樹林地等の面積は市域面積の四・四%、一人当たりに換算しますと三・八平方メートルでございます。この三・八平方メートルというのは、パリの三分の一、ロンドンの七分の一でございます。

 また、東京都では、道路の緑化や公園の整備を積極的に進め、区部では、これらの緑を約二十五年間で、これもおおむね倍増いたしましたが、一方で、農地、草地や樹林地が減少したため、トータルでは緑の量が減ってきたとなっております。

 こうした状況を踏まえ、都市における緑とオープンスペースの保全と創出について、今後さらに積極的に取り組むことが必要であるということで、今回法律改正をお願いいたしまして、緑地の保全、緑化の推進及び都市公園の整備を総合的に推進することが必要と考えております。

長安委員 ありがとうございます。

 先ほども述べましたように、緑をめぐる状況が都市によってさまざまである以上、単に緑の量を維持したりまた拡大を目指すのではなくて、それぞれの都市の特性に対応して、どのような緑の将来像を目指して、そのためにどのような方策を講ずるかが特に重要であると私考えております。

 例えば、人やまた産業や会社が集中している大都市では、災害時に被害を軽減して、また災害後は復興の拠点となるオープンスペースとしての防災機能を持つ緑地空間が何よりも重要と考えます。

 また、これにあわせて、市街地の中では、市民の憩いの場や次代を担う子供たちをはぐくむ場としての公園緑地が必要となります。

 一方、都市近郊のいわゆる里山と言われる緑については、地元の開発のニーズとも調和させながらどのように保全していくのか、さらに、保全措置が講ぜられた緑地を市民がどのように利用できるようにするのかが重要だと考えております。

 また、河川、小川のような水辺の空間の緑については、自然と触れ合える安全なレクリエーション空間づくり、また生物の多様性の回復が重要であると考えます。

 このような多様な役割が期待されております緑につきましては、住民に身近な市町村が地域の実情に応じた総合的な計画に基づいて、また主体的にその保全、創出を図るための施策を積極的に展開していくことが重要であると思いますけれども、緑豊かなまちづくりに当たって、このマスタープランとなる緑の基本計画の現在の策定状況につきましてお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 緑の将来像として市町村が都市緑地保全法に基づいて策定しております緑の基本計画の策定状況でございますが、平成十四年度末現在で、策定済みが五百五十三、策定中が百九十、計七百四十三市町村となっております。これは、全都市計画区域内の人口の割合で見ますと七六%でございますが、都市計画区域内の市町村というのは約二千ございまして、そういう意味からは、まだまだ策定していないところも多いということでございます。

 その内容でございますが、御指摘のように、地域の特徴を踏まえたものということで、例えば福岡市では、博多湾を抱く水際、それから河川沿いの緑の水脈等々、それぞれの緑の特色を生かしたような位置づけが行われておりますし、市の中には緑化連絡調整会議というようなものが設置されまして、緑の基本計画の進行管理が行われております。

 また、東京都の町田市では、まちだエコプランということで、広域的な水と緑の回廊を形成する多摩丘陵の骨格的な緑地構造を踏まえた生態系のネットワークを主要なテーマとして計画がつくられているわけでございます。

 緑の基本計画は、御指摘のとおり、それぞれの都市の状況に応じた緑地の保全や緑化の総合的な推進を図る上で大きな役割を果たしております。今後とも、国として本制度の周知を徹底してまいりたいと考えております。

長安委員 大都市は多く緑の基本計画というのを策定している。しかしながら、小さな地方自治体などは、なかなか策定までいっていない。こういった小さい地方自治体においても、いかに緑を守っていくかということは大切であります。そのためにも、国土交通省の方から各行政に働きかけていただきまして、地元の住民の方の意見を酌み取りながらぜひ緑の基本計画を策定するんだということを御指導、また御助言いただければと思っておる次第であります。

 また、今回の改正は、緑とオープンスペースの保全、創出をより効果的、効率的に促進することを目的として提案されたと認識しておりますけれども、国が法律を改正して制度の創設や改正を行って、それを市町村にただ押しつけるのではなくて、市町村がまちづくりの中で緑とオープンスペースを確保するようみずから努め、それに対して国が適切にバックアップするという観点に立つことが必要です。そして、実際に制度を利用する市町村が十分にその趣旨を理解して、それぞれの地域のニーズやまた特性を生かして取り組むことができる仕組みになっていることも必要であります。

 今、策定状況についてお話がございましたこの緑の基本計画、行政が一方的に策定してしまったら、行政による行政のための単なる行政計画になってしまう。そうではなくて、行政だけが進めるのではなくて、住民やNPOなどの多様な主体の参画のもとに進めていくことが重要であります。なぜなら、町はそこに住む住民たちのものであって、住民たちにとって住みよいまちづくりを行うために、住民たちの声がまちづくりに反映されていなければならないからです。そのためには、緑の基本計画の策定主体は市町村となっておりますけれども、真にまちづくりを考えた実効性のある計画とするためには、行政側の計画作成のプロセスといいますか、過程が極めて重要だと私考えております。

 そこで、緑の基本計画への住民等の声の反映についてどのような配慮がなされているのか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 緑の基本計画をより実効性のある計画にする、そのためには、地域住民など多様な主体がその策定段階から主体的に参加していただくということが重要であると思います。

 現行の都市緑地保全法におきましては、市町村が緑の基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催など住民の意見を反映するために必要な措置を講ずるということになっております。

 具体的な例としては、市民の多様な参加という例を幾つか申し上げますと、岐阜県の各務原市では、緑の基本計画の改定に当たりまして、公募によりまして市民や各団体の代表の策定委員会による審議、ワークショップ、シンポジウム、こういうものが開催されました。また、鎌倉市におきましては、緑の基本計画の見直しに当たって、土地所有者、市民、事業者などに計画案の縦覧を行い、市民などから提出されました意見について審議会で議論を行っているというところでございます。

 今後とも、緑の基本計画の策定、変更に当たって、このような地域の皆様の意見が十分反映できるようなものにしてまいりたいと考えているところでございます。

長安委員 緑をめぐっては多様な課題がございますけれども、緑豊かな良好な生活環境を確保するためには、特に、貴重な緑を守るとともに、また健全な地域の発展のために、一定の土地を利用しつつ、今ある良好な緑を守って、またこれ以上減らさないような手だてを講じることをまず急ぐべきであります。また、これが効率的な取り組みであると私は考えております。

 そこで、一度失われてしまった緑を取り戻すということは、これは非常に困難なことでありますので、まずは、都市の近郊に残された里山の緑を守ることが重要だと考えております。こういった里山の緑を守るための方策について、どのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 都市の近郊部に残されました里山など、人々の生活や文化とともにはぐくまれ、豊かな生物相をはぐくむ空間を形成する貴重な緑地について、その保全を一層推進する必要があると認識しております。

 このため、従来より、緑地保全地区の指定というものを行いまして、これまでに全国で三百二十地区、約五千ヘクタールが指定されてきております。しかしながら、この緑地保全地区というのは現状凍結的な地域でございまして、里山というのは、ある意味では、一定の土地利用がなされながら緑が守られているというところでございますので、限界がある、限界が生じているところでございます。

 したがいまして、今回の法律改正におきましては、このような住民の方々が土地利用している、それを認めながら緑を守るということで、緑地保全地域制度という届け出と、それから必要な場合には中止などの命令ができる、こういう今までの緑地保全地区よりは比較的緩やかな規制によって里山を保全していきたいなと考えております。

 また、景観法で景観計画区域などに位置づけていくというようなことで、さまざまな手法でこの貴重な都市の近郊の里山を守っていきたい、このように考えております。

長安委員 住民の声を取り入れて実効性のある緑の基本計画を策定して、これに基づいて実際に良好な緑地を確保したとしても、単に規制をかけたというだけでは、その緑地を放置してしまったら、せっかくの緑も、住民にとって良好なもの、快適なものとはならないのは当然であります。特に、人口が減少傾向に転じ高齢化が進んでいる今日、保全される里山の管理などにも地域住民が積極的にかかわらなければ、良好な状況を維持することが難しい現状であります。

 一方、緑や自然に触れて楽しみたいという市民のニーズが緑地管理への参加という形で反映されれば、緑の管理を通じた住民間の交流や、また地域コミュニティーの形成をも促せることになるのではないでしょうか。

 このように、良好な緑地の保全と地域づくりにとって重要な要素である緑地の管理に地域住民が主体的にかかわることができるようにすることは意義深いものと考えておりますけれども、これについてはどのような御所見をお持ちでしょうか。

竹歳政府参考人 御指摘のように、都市近郊の里山などの緑地におきましては、土地所有者の高齢化というものが進んでおりまして、また、その管理の負担も大きいということで、管理が十分に行われないことによる緑地の荒廃とか喪失、これが問題になります。

 そこで、里山などの緑に親しみ、その保全管理に貢献したいという市民の方々のニーズも高まっております。例えば、埼玉県の狭山丘陵におきまして、トトロふるさと財団というのが里山の維持管理活動をやっておられますし、横浜市では、土地所有者の七割以上が六十代以上と高齢化が進んでいる市民の森などを対象にした市民による里山育成事業など、各地でさまざまな取り組みが始まっております。

 国の制度といたしましても、平成十三年度から、こういう緑地保全地区内で、土地の所有者の方と公共団体または緑地管理機構が協定を結びまして管理していく管理協定制度が創設されているところでございますが、今回の法改正案におきましては、この管理協定制度を現行の緑地保全地区とそれから保全地域にも拡大するということで、里山などの緑地の管理に、皆様の主体的に参画する機会が一層促進されるような手だてを考えているところでございます。

長安委員 次は、私たちの多くが活動する場である都市の中心部における緑について考えてみたいと思います。

 大阪市におきまして、この過去五年の八月の平均気温は約二十九・三度と非常に高くなっています。また、これは東京よりも一・六度も高くて、また大阪市よりも南に位置する広島や福岡なども上回っております。このようなデータを見ても、大阪を初めとした大都市のヒートアイランド現象は深刻であると感じております。

 都市は多くの人々が働き住む場所でありまして、私たちが快適に暮らしていくためにも、市街地の中にもっと緑をふやすことが重要だと考えております。

 まちづくりは公共だけが行うものではなくて、民間事業者も重要なプレーヤーであります。そのため、緑豊かなまちづくりを展開するに当たっては、道路、河川などの緑化に率先して取り組むとともに、まちづくりの重要なプレーヤーである民間事業者の協力を得られれば、緑の確保はより一層促進されるのではないでしょうか。

 最近では、大阪球場の跡地の大阪のなんばパークス、あそこも緑を多く取り入れております。こういった緑を多く取り入れたまちづくりが行われて、民間の力を活用して、まちづくりの中で効率的に緑をふやすことも有効だと私は考えております。

 ただし、一方で、民間事業者の経済活動を妨げてしまうような過度の規制、また負担を強いることも適切でないと私は考えております。

 このような観点から、市街地における民有地の緑化についてはどのように取り組もうとされているのか、御所見をお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 市街化が進展して高密度な土地利用がなされている都市内におきましては、都市公園の整備とか街路の緑化など、公的空間における緑の確保には限界がございます。したがいまして、市街地の過半を占める民有地の緑化ということが非常に重要でございます。

 先ほどお話のございましたなんばパークスの屋上庭園というのは、一万平方メートル、約一ヘクタールの段丘状の庭園でございまして、約二百三十種、四万株の樹木が植えられておりますし、会員制の都市型菜園アーバンファームなどもございます。

 今回の法案改正におきましては、都市開発が進行している臨海部の埋立地とか、緑の少ない既成市街地など、緑が不足しているところで、建築物の敷地内において緑化を推進する、そういう区域につきまして、都市計画に緑化地域を定めて、大規模な建築物の敷地、屋上、壁面などなど緑化率の最低限度の規制を行って、緑化を義務づける制度を創設することとしているわけでございます。

長安委員 市街地における緑の確保について御説明ございました。まちづくりにおいて、民間による緑の確保もこれはある程度有効ですけれども、それとともに、空いた土地を公園にすることを通じて緑をまた生み出して、都市に自然を取り戻そうとする積極的な姿勢が必要であります。

 中でも、市街地に生じる遊休地を有効に活用、集約することによって、特に緑の少ない市街地内において臨機応変に緑の確保を図ることができて、また早期に緑豊かなまちづくりが実現できると考えられます。

 ついては、公共サイドが行うこういった市街地における機動的な緑の確保方策について、どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 一般的に申し上げまして、地価の高い市街地内で公園用地の取得を図るということは、公共団体にとって大変大きな財政負担を招く場合が多うございますし、そのことが実は市街地における都市公園整備の推進上の大きな課題となってきたところでございます。

 このため、今回の法改正案におきましては、借地公園制度というものの拡充を図りまして、借地契約期間が満了した際に都市公園を廃止することができることを明確にすることによって、そのことによって安心して土地を貸していただけるという、土地所有者が公園用地として土地を提供しやすい環境を整備しているところでございます。

 また、あわせて、借地期間が十年以上の都市公園の施設整備に対しまして、国庫補助制度を設けているところでございまして、この事業制度の活用により、市街地において生じている遊休地を活用した都市公園整備が促進されるものと期待しているところです。

 公共団体が工場跡地等の遊休地を公園用地として取得する場合、一時的に大きな財政負担が生じるということになりますが、その軽減を図るために、平成十一年度からは、大都市地域で防災機能が十分に確保されていない地域で、都市基盤整備公団が地方公共団体に成りかわり用地の先行取得を行う防災公園街区整備事業を実施しており、これまでに約七十ヘクタールの公園用地の確保を図ってきているところでございます。

 引き続き、これらの制度の活用により、遊休地の防災公園等への活用を図ってまいりたいと考えております。

長安委員 公園というのは、やはり子供たちが育っていく過程で必要な勉強する場であると私は考えております。こういった公園を身近につくってほしいというような御意見、また我々への要望も多いところでございます。これはぜひ公園が容易につくれるような借地制度といいますか、これで進めるということ、推進していただきたいと思っております。

 この身近な公園の整備についてですけれども、従来は、ともすれば行政が地域住民の意向を十分反映させずに公園をつくってきた。その結果、量的にはある程度ふえたけれども、多様な地域の特性や住民の意識、ニーズに対応した量の確保と質の向上を図っていくことが本来は大切です。そういった意味では、身近な公園は、この近くに住む住民の方々のためのものだ。これからは、公園づくりや管理についても、住民がもっと主体的にかかわれることにすることが必要です。

 そういう意味で、公園づくりやまた管理への住民参加についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 都市公園の管理につきましては、これまで住民参加による公園の美化清掃でございますとか、花壇の草花の植えつけや維持管理、植物や野鳥観察会の解説等の活動が行われてきているところでございますが、これらについては、実は、特段の法的位置づけというものはございませんで、行政による公園維持管理業務への補助的参加の域を出ないという状況にあるのが一般的でございます。

 一方、近年では、住民の環境に対する関心の高まり、社会貢献に対する意識の高まり等に伴いまして、例えば、世田谷区の羽根木プレーパークの冒険遊び場の管理運営や、横浜の舞岡公園における公園内の雑木林の管理などに地域住民が積極的に参加する機会もふえてきております。このような状況に対応するため、住民の皆様がより主体的に都市公園の整備と管理に参画することができるよう、法制度面で措置することが課題になっているところでございます。

 このため、今回の法改正案におきましては、都市公園法第五条の規定により、公園管理者みずからが設置管理することが不適当または困難な場合に限って公園管理者以外の者に公園施設の設置及び管理を認めている、こういう現行制度を改めまして、都市公園の機能の増進に資する場合にも許可が可能となるよう許可要件を緩和し、住民の皆様方、多様な主体の公園施設の整備管理への主体的な参加を促進できるようにしております。

 具体的には、公園内の花壇や植栽について、住民の皆さんが社会参画として、また、みずからのレクリエーションとしてきめ細かな管理を行う。それから、公園内の広場について、地元の商店街の皆さんに管理許可というものを与えまして、商店街活性化に資するイベントの場として活用する。それから、住民の創意工夫を生かした遊び場づくりやビオトープ等の自然空間づくり及びこれらの施設をきめ細かく管理する。こういうようなことをできるようにいたしまして、住民等多様な主体の参画によるより一層の利用促進とか、地域の財産としての価値の高まりを期待しているところでございます。

長安委員 公園というものは、先ほど申し上げましたように、子供たちをはぐくむ場であります。こういった管理が、ともすれば今までは役所が一方的に管理を行っていた。御近所の方々がペット等を散歩に連れていく、おしっこをする、ふんをするというような、砂場でやるというようなことがよくございました。役所の管理では、張り紙をして、そんなことしないでくださいということしかできない。

 しかしながら、住民の方々が、みずからのお子さんが遊ぶ場を管理するんだ、そういう気持ちで管理すれば、ただ張り紙だけではなくて、では、どうやってなくせばいいのか、そういうことを真剣に考えられると私考えております。そういった意味でも、もっともっと地元の住民の方々、NPOがそういった管理に参加できるように努力しなければならないと私考えておるわけであります。

 こういった身近な公園は子供たちをはぐくむ場として重要であるということを今申し上げましたけれども、そのためには、子供たちにとって安全で、安心して遊ぶことのできる空間としておくことが必要であります。

 しかしながら、最近では、マスコミ等によって、遊具によって子供がけがをするというような事故が報道されております。公園を管理する立場の者は、子供たちが安心して公園を利用できるように、特に遊具の安全対策には十分配慮することが必要であります。

 この点について、国土交通省としてどのように取り組んでおられるのか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 公園におきます遊具の安全対策でございます。

 都市公園とかその他の公園合わせますと、今、遊具というのが約四十二万台ございます。これをどのようにきちっと管理していくかということでございます。

 最近も、子供さんがけがをするというような事故があったこと、大変遺憾でございます。

 子供の遊びの特性、こういう遊具に係る事故等を踏まえまして、国土交通省では、平成十四年三月に都市公園における遊具の安全確保に関する指針を取りまとめ、都市公園管理者や公共住宅の管理主体に対して周知を図ってきているところでございます。

 子供の遊び場の危険性については、実は二種類、子供はやはり危ないことがおもしろいというのがあって、子供が管理できる部分と、それから子供が管理できない部分というのがあります。こういう、リスクとハザードという言葉で区別をしておりますけれども、やはり冒険心を養うとか、そういうことも非常に大事なことでございます。子供が管理できないような部分については、きちっと対応していく必要があると思います。

 遊具は、都市公園のみならず、学校でございますとか児童福祉施設とか、いわゆる縦割りと言われておりますけれども、国土交通省だけではなく、文部科学省、厚生労働省等々、関係者が多いということで、文部科学省は都道府県の教育委員会を通じ、厚生労働省は各都道府県の民生主幹部局を通じて、この指針を参考として遊具の安全確保を図るように周知を図ってきております。

 また、この四月に事故が相次いで発生したことを踏まえまして、四月二十八日に関係省庁の連絡会議を開催し、改めて遊具の安全確保に関するさらなる連携策について検討をしているところでございます。

 今後とも、国の指針に基づいて、各施設管理者が、安全点検の徹底や利用者向けに地域ぐるみで遊具の安全な利用に関する普及啓発を行う、このような取り組みをやってまいりたいと考えておるわけです。

長安委員 最後になりましたけれども、これからの地域づくりにおいては、市町村や地域住民が主役となって緑の保全や創出を積極的に進め、生活の潤いや自然との触れ合いを実現する緑のネットワークを有機的に広げていくことが重要だと考えております。また、これからの公共事業の執行に当たっては、むだをなくすために、各事業が個別にばらばらに取り組むのではなくて、事業間の連携を図りながら進めることが効率的であると同時にまた効果的であると私考えております。

 そのため、緑の創出に当たっても、都市公園事業のみで対応するのではなくて、例えば道路事業、河川事業、こういったほかの事業とも連携して緑のネットワークづくりに総合的に取り組むことが重要だと考えますけれども、こういったことについてどのようにお考えになっておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 御指摘のように、我々公園緑地行政において、さまざまな手段、さまざまな方の参加によって緑の空間を充実していくということが重要でございますが、御指摘のように、道路事業、河川事業、港湾事業等々、各種の事業とも連携していくことが重要です。

 このため、社会資本整備重点化計画の中では、そういう緑の保全ということも含めて、他事業との連携も含めて計画をつくって、都市全体の緑のネットワークをつくっていく、緑の回廊構想というようなことも言っておるわけでございますが、こういう構想を進めてまいりたいと思います。こういうことによりまして、ヒートアイランド現象の緩和でございますとか、生物の生息空間確保、景観、都市生活の向上等々いろいろな効果が期待できる、このように考えているわけでございます。

長安委員 緑、また公園を守っていくということは大切なことであります。子供たちにとっても重要な場所、また我々大人にとっては緑というものは重要なものであります。そういった意味では、答弁のための答弁ではなくて、ぜひこの内容を実行していただく、それが重要だと考えております。

 本日はどうもありがとうございました。

赤羽委員長 石田真敏君。

石田(真)委員 自由民主党の石田真敏でございます。

 もう大詰めになってまいりましたけれども、少し、今まで私は地方自治体の長をいたしておりまして、そういう中で感じたことを景観法の中で御質問させていただきたいと思います。

 まず、良好な景観を形成するということになりますと、一般的には歴史的な町並み保存とかそういうイメージが浮かぶんだろうと思うんですけれども、私は、当然それだけではないというふうに思っております。

 まず、良好な保全をするということ、これは一つ大事なことですけれども、私は、二つ目は、各事業をやっていくことによって景観というのを創造していくということもあるだろうというふうに思います。それから、景観を阻害する看板とかさまざまなものを抑制していく、そのことによって景観を保つということもあるだろうというふうに思うんです。

 それからもう一つは、やはり住民の皆さんによって自主的な取り組み、そういうことの中で景観というものをつくっていくということもあるんだろうというふうに思うわけでございまして、こういうものが総合的になされて初めて良好な景観というのが形成できるんだろうというふうに思っております。

 そんな中で、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、私は特に感じましたのは、公共事業というのは非常に日々の生活の中でさまざまなものを展開していく、その中で景観というものをつくっていっているというふうに思います。

 例えば、幕末から明治にかけて、外国から来られた方が日本の景観はすばらしいと言われましたけれども、何も歴史的なものをすばらしいと言ったんじゃなくて、その日々の、例えば田園地帯であるとかそういうものに対してすばらしいという評価をされたわけでありまして、今問題になっているのは、歴史的な町並みの保存が非常になおざりになっているということもありますけれども、日々の景観形成という意味で非常に問題があるということではないかなというふうに私は思うわけであります。

 それで、日常的なということをやっていきますと、私も市長をいたしておりまして、例えば一つの道路をつくる、あるいは一つの建物をつくる、そのときに、担当する職員がほとんど一人でやるんですよ。何も景観について具体的な会議をした上でやるわけではないのです。

 例えば、何か道路をつくるときに、縁石がありますね。縁石は本当に個人が勝手にやる。しかし、縁石といったって種類がたくさんあるんです。コンクリートによる縁石もあれば、花崗岩による縁石もあるんです。それは雰囲気が全く違います。では、それはだれが選ぶのかという問題になる。これは、自治体のそれを担当している職員が選ぶんです。では、その職員にそれだけの能力があるのかというと、ある人もいるし、ない人もいるんですね。

 これは、地方自治体だけではないんですよ。国がやっている出先機関で、皆さんの選挙区で国道を見ていただいたらわかると思うんです。決してそんなに、ああ、ここの国道はすばらしい景観だなと思うところはないと思うんです。つまり、景観を日々形づくっている公共事業をやっている担当職員さんのその能力というのがどこまであるか、これはばらばらということなんです。ですから、でき上がってくるものは全部ばらばらなんです。

 そういう意味で、私は、公共事業が持つ景観を形づくるというのは非常に大事なことだというふうに思っておりまして、地方自治体の職員、そして国の職員、都道府県の職員、そういう携わる人の能力をどうアップするかということが物すごく大事な問題だと思うんです。

 しかし、市町村とか都道府県でその職員を個別に能力をアップさすなんということはできないわけでありまして、そういうことについて国として何らかの形でやっていかないとこの景観法の実は上がらないと思いますので、まずその点についてお聞かせいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 今御指摘のように、歴史的な町並み、住宅だけではなくて日々の景観が大事だ、また、日々の景観という意味では公共事業が景観をつくっていく役割が大きい、そういう意味で、その公共事業を担当する職員の能力、公共団体のみならず国の職員についてもそういう能力アップが必要じゃないかという御指摘でございます。

 特に、公共団体につきましては地域に密着しているということで、公共団体における意欲ある取り組みということが極めて大事でございます。また、市町村につきましても、大きな都市から小さな村までいろいろございまして、その職員の意識と能力を向上させるということが極めてこれも重要です。

 一つの国としての取り組みでございますが、今回この景観法等を提出させていただいたということを契機にいたしまして、私たちの国土交通省でも、公共団体の担当者の方向けの研修というものを始めました。また、地方整備局ができまして、ここで地域それぞれブロック単位に地域づくりを考えていこうということでございまして、この地方整備局の職員の能力アップ、また公共団体の方々との交流、説明会の開催、こういうことも大事だと思います。

 国としてこのようにいろいろやってまいりますが、今回の御審議を通じていろいろ感じましたのは、国自身も学ばなければいけないことがたくさんあるということだと思います。市長さん方のさまざまな熱心な取り組みを伺いまして、こういう現場の知恵を何とか全国の共有の知恵の資産として広めていくということも国として大事な仕事ではないかと考えております。

石田(真)委員 これは非常に大事なことですので、必ずやってくださいね。必ずやっていただきたいというふうに思います。

 それでは、これに関連して、先ほども縁石の話をしましたけれども、私も事業をやるときに、あるところをやるのに、コンクリートの縁石じゃ悪いからもうちょっとグレードの高いものにしろと言ったんです。そうすると、担当職員が何と言ったかというと、補助基準と言うんですね。その補助の基準でグレードアップはなかなかしにくいと言うんです。あるいは、駅前の広場を整備したんです。そうしたら、私は大きく広場をとったら、環境空間率というので五〇%を超えては補助採択されないと言うんですね。こういうような規制もやはりあるんです。

 もうちょっとグレードアップするとすごく景観がよくなるとか、もうちょっと規制を緩和すると非常によくなるというようなことがあっても、今申し上げたような補助基準とか、ほかのそういういろいろな規制の中でそれを実現できないというような問題もあるわけなんです。

 一度こういう点についてもう少し柔軟に対応していく、それも、この景観法に基づいて今後公共事業、いろいろな問題でよりよい景観を形づくっていく上では私は非常に必要なことだと思うんですけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 ただいま、国の定める補助基準でございますとか規制がきつくてその地域に合ったまちづくりができないんだ、ここを何とかできないものだろうかという御指摘がございました。

 確かに、かつては、どんどんつくらなくちゃいけないというような経済性、効率性を重視して限度を設けてまいった場合も多かったわけでございますが、最近では我々も改めまして、地域の景観ガイドライン等が作成されている場合については、順次グレードアップができるような努力もしております。

 例えば、街路の事業では、平成五年度から、一般の街路の単価の二倍まで、それから駅前広場や歩行者専用道路などは三倍まで、シンボルロードや歴史的な地区では五倍まで補助対象にできるというような努力をしているところでございます。

 今回の景観法案の中で景観重要公共施設というものを定めますと、これももちろん重要な景観上の役割を果たしますので、今申し上げましたようなグレードアップの対象になると思いますし、また、景観形成の事業推進費、こういうものも活用して、地域の皆様にお役に立てるように我々の予算というのを活用させていただきたいと思うわけでございます。

石田(真)委員 これは十分徹底をしてください。本当に、なかなか難しいと思いますよ。どんどんグレードアップされても、予算上の問題もありますから難しいとは思うんですけれども、非常にそれで制約を受けている事実もあるということを御認識いただきたいというふうに思います。

 それで、これに関連してなんですが、先日来、良好な景観とは一体何かという議論がこの委員会でもなされまして、そしてそれぞれの主観によって違うんじゃないかという話がございました。私もそうだと思います。

 ただ、万国共通の認識というのはあると思うんですね。例えば、いやしの空間というのは、大概の人が、ほとんどの人が、ああ、これはいやしを感じるなとか、活力があるといえばやはり大概ほとんどの人が活力をあるように感じる、そういうような共通の景観というのは、これはあるんだろうというふうに私は思うんですね。そういう意味で、私は、全国的な何かガイドラインみたいなものをつくられたらどうかなと思うんです。

 例えば、先日私はヨーロッパへ行かせていただきましたけれども、ヨーロッパの信号の柱は焦げ茶色なんですよ。後で交通局長さんにも質問させていただきますけれども、日本でも電線地中化を図ったところの信号の支柱はもうほとんど焦げ茶色ですね。ということは、あれは余り目立たないということだと思うんですね。圧迫感がないとか景観に優しい、そういうことが、これは恐らく万国共通の色彩的な、色彩学からいうてそういうことがあり得るんだろうと思うんです。

 そういう意味で、色彩学とか心理学とか、もちろん建築学とか、そういう専門家が集まって基本的なそういうものに対するガイドラインというものをつくるということも私は非常に重要なことなんではないかなというふうに思うんですが、そういうあたりについて実施されるお気持ちがあるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 景観行政というのは新たな行政分野でございまして、先進的な公共団体では相当知識、経験を積まれてそういうことをよく知っておられる人材もふえておられると思いますが、一般的には必ずしも十分な体制にあるとは言えないと思います。

 こういう中で、景観法、これをきちっと運用していくというためには、今御指摘のございましたような万国共通、いろいろな分野、造園とか色彩とかそういう分野の知見を集めた基本的な要素をわかりやすく紹介していくということが重要だと考えます。

 先日御視察いただいた京都で、京都市、例えば屋外広告物のガイドラインというのを定めておられますが、例えばそこにこういうことが書いてございます。やはり日本は四季の移り変わり、春の新緑から晩秋の紅葉までの多彩な四季変化を通じて我々は豊かさを感じるんだ、それを感じるためには、実はこの自然の樹林の彩度というものがあって、それを超えるものがあるとそっちの方が目立ってしまう。

 だから、今おっしゃったような茶色の信号機の柱とかそういうものは、そういう我が国の自然を浮き立たせるようなものがあるんだというふうなことが、もう既にこれは科学的に確認できているんだと思います。ですから、こういうような知見をきちっとまとめてガイドラインをつくっていくことが大事だと思います。

 また、京都では、町並みがちょうちんや格子戸から漏れる明かりにより快適さを感じる、こういうのが日本的だというようなことで、照明の高さを一階の軒先程度に抑えるとか、発光部についても温かみのある色彩のものにする。

 それから、屋外広告物についても、全国的に同一のデザインを採用している大企業の広告について、地色と文字の色を反転させる。地色の方が赤で文字の方が白だというのを逆にする。地色を白にすることによってむしろ落ちついてくるというようないろいろな経験もあるわけでございまして、こういうことを盛り込んだガイドラインというのをぜひつくってまいりたいと考えております。

石田(真)委員 今私は、公共事業というものが景観を形づくっていく、創造していく上で非常に大事だというふうに思っておりまして、三点について質疑をさせていただきました。ぜひ実行していただきたいと思うんです。

 それで、公共事業が今度現実に対応できること、そのことについて、今現在すぐに対応できることについて御質問させていただきたいんですが、町を歩いてみまして、じゃ、我々にとって景観を害するものは何か、この委員会でも議論がありましたけれども、まず看板ですね。それから自動販売機、それから電線、これについては御質疑ありました。私は、それ以外にもう二つあると思うんです、まだあるかわかりません、私が感じるのは。

 その一つは信号機なんです。あるいは交通とか道路標識です。これは非常に目立ちます。これは安全ということを主張されているんだろうと思うんですけれども、しかし、先ほども申し上げました、先日もヨーロッパへ行って、私はヨーロッパへ行くたびに思うんですけれども、ヨーロッパでは道路標識というのは本当に目に入りません。そして、信号機というのは物すごくつつましやかにありますよ。手の届くところに歩道用の信号がありますし、大変な樹木の、街路樹の下に自動車用の信号機があったりするんですね。そして支柱は茶色ですよ。日本みたいに白で、これでもかというような交通標識、道路標識というのはないし、信号機もないと私は思うんですね。

 ですから、一遍にはいきませんけれども、これからそういうものを見直していかれるという気があるかどうか。実際、電線地中化したところの信号の支柱は全部焦げ茶色じゃないですか。あるいは、ガードレールも変えていっているじゃないですか。そういうことは非常に景観を形づくる上で大事だと私は思います。

 それから、時間の都合でもう一点言います。街路樹です。街路樹、これは植え方をもっと考えてください。

 私が前に見たのは、横断歩道の真下に街路樹を植えているんですよ。電線の下に植えているのはもう各地であります。横断歩道の下に植わっているんですよ。そして、こう伸びていったら電線に当たる、家屋に当たるので全部切り刻んでいるじゃないですか。今町を走っていて、街路樹が悲鳴を上げているように思いませんか。なぜ、上に電線があるんだったら低木の樹木を植えないんですか。どうしても植えられないんだったら、道路の真ん中に、中央分離帯に植えたらいいじゃないですか。

 そういうこともやっていくことが私は景観上すごく大事だと思いますので、このことについてもどう対応されるのか、お答えいただきたいと思います。

人見政府参考人 日本の過密な現在の交通事情あるいは道路事情のもとでは、なかなか、きめ細かな交通規制を実施する必要がありますことから、欧米に比べて信号機や道路標識が大変目につきやすくなっているものと考えられますが、信号機や道路標識につきましては、交通の安全と円滑の確保を目的といたしまして実施する交通規制の手段であり、ドライバーや歩行者の方が認識しやすいものとすることが必要であると考えております。

 しかしながら、警察としましては、良好な景観の形成の重要性についても十分認識しているところでございまして、現在、信号柱について周囲に合わせた色彩を採用したり、道路標識の簡素合理化を進めるなど景観に配慮した取り組みも行っているところでございます。

 今後も、信号機や道路標識の効用を妨げない範囲で景観に配意をした信号機や道路標識の整備を行ってまいる所存でございます。

竹歳政府参考人 街路樹の関係でございますが、神宮のイチョウでございますとか札幌のライラック、宮崎のフェニックスとか、そういう地域地域の植栽というのが非常に地域の景観を美しくしていると思います。

 御指摘のとおり、いろいろな理由で無理やり剪定されて殺風景な姿をさらしている例が少なからず見受けられるのは非常に残念なことです。名古屋などでは、すこやか街路樹の育成ということで、なるべく剪定を必要最小限にとどめて自然の樹形に仕立てをするとか、また、国が管理しております街路樹についても、いろいろな条件はございますけれども、枝を露出させるような刈り込みやすべての小枝を切り落とすような剪定は行わないというようなことをしておりまして、今先生御指摘のように、街路樹というのは非常に大事なものでございますから、私たちも大事に育ててまいりたいと考えます。

石田(真)委員 質問時間が終了しまして、もう一問、住民の取り組みについて質問したかったんですけれども、時間が来ましたので、要望だけしておきます。

 というのは、やはり良好な景観をつくるということは、これは住民の景観に対するマインドを高めないとだめなんですね。そうすると、大変な時間がかかる。先日来、パンフレットをつくってというようなお話がありましたけれども、それだけじゃだめなんです。そういうマインドを高める仕組みというものをぜひこれからも検討していただきたい。

 それは、例えば講演会をするとかというのもありますし、例えば、私の市長をしているところでは、街角ガーデニングコンテストというのをやったんです。あるいはアダプトプログラムといって、アダプト制度を導入したんです。

 そういうようなことも私は大事だと思いますし、それからもう一つ、やはり学校教育の中で、私は環境教育というのは随分成功したと思いますけれども、景観教育というようなこともやって、これから五年、十年かけてそういうマインドを高める努力を各省連携の中でやっていただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

赤羽委員長 玉置一弥君。

玉置委員 非常に私たちにとりましては待ちに待った景観法という気持ちでございまして、今まで、特に景観条例等、地方の都市にとりまして法的根拠が欲しいというお話を再三賜ってきたわけでありますが、なかなか強制力を持つような背景がなかったというところから、ちょっと遅きに失するかなというふうな感じもしていたわけです。しかし、これからの豊かな日本の郷土あるいは生活環境というものをつくっていく上におきまして、なくてはならない、そういう法律がようやく、背景にして、また景観が一層いい方向に進められていくということで期待をしております。

 ことしは、都市再生法とこの二つが非常にいい法律で、あとは、よくないとは言いませんけれども、特に高速道路、公団のものは余りよくなかったんですけれども、それから思えば格段の感じがいたしまして、ぜひ何とかいい法律を早く成立させて、そして各市町村に具体的な展開を指導していっていただきたい、こういうふうに思います。

 今までの参考人の御意見あるいは審議の中での質疑、こういうお話を聞いておりまして、景観のイメージが、おっしゃる方によっていろいろ変わっております。そして、最終的にどういうものが理想なのかというのもかなり違うというところで、やはりその分野の専門家の人たちと住民の人たち、あるいは行政というように、ねらうところがみんな違うわけでございまして、こういうところをどういうふうに一つの基準をつくって、またどういう手順でやっていくのかということがこの制度の問題点ではないかということです。法律上のいろいろな規制とかが先行して、逆に、提案がなければどんどん町全体が、景観法がありながら、積極性がなければもう全然受け入れられない、または全く変わらないという可能性もあるわけで、こういうことを考えていきますと、一つの基準を持った専門家の人たちが審査する、こういうふうな継続的な審議機関、こういうものが必要だと思うんです。

 実はいろいろな地域を見てまいりますと、この専門家も、いわゆる住民の中でいろいろなボランティア活動でやっておられる方とか、あるいは学者の方とか行政経験がある方とか、いろいろあります。その辺を含めて、やはり一つの審査基準をある程度確立させた上での審議機能といいますか、これを設けないといけないと思うんですが、国土交通省の方としてはどういうふうにお考えになっているかということをまずお聞きしたいと思います。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

竹歳政府参考人 お答え申し上げます。

 人によっていろいろ感じ方も違う、何が美しいとするかも違う。こういう難しい問題をどのように処理していくかということは非常に重要な問題でございます。

 御指摘のように、景観や環境等のいろいろな要素を総合的に判断することができる、景観やまちづくりに関する専門家あるいは非常に熱心な住民の方とかNPOの団体、こういう方々を集めた景観審議会等の第三者機関、そういうところで十分御議論いただくということが非常にこの問題の前進に役立つのではないかと考えております。

 実際にも、景観に関する自主条例を定めておられます公共団体のうち、六五%の団体がこのような第三者機関を設置しておられます。

 例えば、先進的な事例でございますけれども、京都では、条例に基づきまして美観風致審議会というのが設置されております。この審議会では、景観上重要な地域における建築行為、大規模な建築行為に対して、その計画図、外観予想図等をもとに審議を行っておりまして、美観地区で計画された丸みのあるちょっとでこぼこしたような屋根と洋風の外壁のマンションの建設案について、屋根の形状をもっときちっとして、外壁のデザインに可能な限り和風感を出すというような変更を求めたケースもあると伺っております。

 また千代田区でも、この国会議事堂周辺の件について、千代田区景観審議会というところでいろいろ検討も行われるわけでございます。

 景観法におきましては、こういうことについて法律上一律の義務づけということはしておりませんが、条例ではそういうことができるということも法律上明記しておりまして、このような景観法の制定に伴いまして、特に、今まで自主条例の段階では届け出勧告という比較的緩やかな規制でございましたが、今度はかなり厳しいこともできるとなりますと、ますますその規制の根拠となるものについて景観審議会等の第三者機関で議論していただくということが大事なことになると考えております。

玉置委員 この間の参考人の方々の御意見をそれこそ参考にしながら質問させていただきますけれども、この規制の概念といいますか、一つはその形態ですね。どういう形態のものを規制するかとか色とか、そういうのがあります。しかし、表現は言葉でしか書けないわけですね、感覚的な分野というのがなかなかとらえられない。この分野をどうするのかというのが一つあります。

 それから、どちらかというと、樹木とか建物とかを保存していこうというねらいがある場合に、では、その同等のものが多数ある場合にどうするかということですね。例えば、大きな町の中でただ一つしかないとかという場合はだれが見ても認められるということなんですが、京都なんかはもう歴史のある町ですから、これが歴史的価値があると思えば、ほとんどそうなんですよね。ところが、たくさんあるから、どれか一つだけを残そうとすると、何でそれだけですかということになるというふうに、選択の基準がありますね。こんなものがやはり問題になってくるだろう。

 それから、全体の予算総枠といいますか、今景観法そのものには予算がそんなについていないんですけれども、実際には、文化庁とか、ああいう歴史的なものを保存するいろいろな行政のやり方を見ておりますと、最終的には買い上げというのがあります。先日も金沢市長さんがおっしゃっておりましたのは、市が買い上げるということを実際にやっておられる。そういう市町村もたくさんあるわけです。そうなってくると、買っていいかどうかという価値判断、この辺の一つの基準を持たないといけない、こういうことがあります。

 ということで、町の大中小によって扱い方がかなり変わってくる。それから予算的な背景もありますということで、要するに、形態として言葉だけであらわせない部分についての判断基準をどうするのかということとか、行政上の一つの経験、それから歴史的価値という分野でのそれだけの見識ということでいろいろな専門的知識が要るわけですけれども、それは、一つは予算上のことで、町の大中小でもう変わってしまうだろうということが一つ心配なんです。それからもう一つは人材ですね。先ほどの、審議をしていく、例えば京都なんかだと結構そういう文化人とかが多いわけですけれども、やはり町がだんだん小さくなるにつれて、要するに対象の区域が小さくなるにつれて人材活用というのが非常に難しいだろうということを思いますと、単なる資金面だけじゃなくて、人材面も支援できるような体制をつくらないといけないんじゃないかということを思います。

 そういう意味で、予算上と人材面と両方においてどういう形での支援が可能なのか、あるいはどういうことを考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。

竹歳政府参考人 景観行政というのは、ある意味では総合行政だということで、人材の面、法律をつくるだけじゃなくて、それを運用する人材の育成でございますとか財政的な支援なくしてはきちっとした景観行政はできない、こういう御指摘であろうかと思います。

 特に、小さい町や村になりますと、役場の職員の人材、いろいろな仕事をやらなくちゃいけないから景観まで手が回らないというような方もたくさんいらっしゃったりすると思いますが、今後これを取り組むということになれば、やはりいろいろな研修とかそういう専門家の育成、普及啓発ということが非常に大事になってくると思います。

 それから、財政面からの支援方策としては、従来から国土交通省の中では、街なみ環境整備事業とか、我々はかなり大きな公共事業をお預かりしておりまして、そういう中で景観に役立つような事業も推進してきているわけでございますが、今年度創設されましたまちづくり交付金でございますとか景観形成事業推進費、こういうようなことも大いに活用して公共団体の景観行政を支援してまいりたい、このように考えております。

玉置委員 この景観法ができまして、今まで条例をつくっておられるところはかなり弾みがつくと思うんですが、それでも、やはり自治体が主導的役割を果たしていかなければいけない。そして、今度は住民の皆さんがいろいろな面で提案をすることができるということになります。

 そういう面でいきますと、住民の皆さん方も、景観等々あるいは緑地保全とかいう面で今まで以上の知識を持っていただいたり、活動していただくということが必要になってくるかというふうに思うんですけれども、私たちが心配をしておりますのは、自治体が意欲的にやるというところはかなりこの法律をうまく利用されて、どんどんといいまちづくりをされていくだろうというふうに思います。例えば、先日お見えになりました金沢市、ここは景観だけではなくて、交通バリアフリーとかいろいろな新しいことを取り入れてやっていただいている町ですし、そういう面では私たちも日ごろから大変大きな評価をしております。そして、私が住んでおります京都市、ここも、歴史的な町を維持していかなければいけない、責任上やらざるを得ない、そう言ったら市長に怒られますけれども、そういうことで日本の中の歴史的都市としての使命感というのがあってやっていただいているわけですね。

 しかし、ちょっとほかの町を見ますと、同じような歴史的な町でありながら、なかなか手がつけられない、つけておられない町もあるというふうに、意欲によって全然違うわけですね。この辺をやはりある程度そろえていかなければ、例えば、今国土交通省が筆頭になって「ようこそジャパン」と、私も名刺に張っていますけれども、あんなぐらいじゃ客は来ないんじゃないか。むしろいろいろな面でいいところをどんどんどんどんよくしていって、それを目玉に観光客の誘致をする、日本に来ていただくということを考えなきゃいけないと思うんですね。それから、生活環境をよくしましょうというのは、こんなのは昔から言われているけれども、全然よくならないというのは、やはりサンプルをつくって、そことの比較をするぐらいに追い込んでいかないといけないんじゃないか。これは手法の一つだと思うんです。

 そういう意味からいいますと、例えば私たちの京都市が今国土交通省の方に陳情されていると思いますが、財政上、実際の力量では無理だ、しかし、いろいろな面で将来を思えば特別なことを考えていかなければいけないという使命があるわけですね。そういうところに対しては何らかの財政上の措置がとれるような、例えば歴史特区とか観光特区とかいう、今特区ばやりですけれども、そういう面でサンプル的によくしていくようなことをやはり考えるべきじゃないか、こういうふうに思うわけです。

 その辺で、目玉商品で、こういうことをやればこうなりますよ、そして、いろいろな手続上こういう便宜を与え、予算上の措置がありますよということが考えられるかどうか。これは進め方の一つなんですが、後もずっとまたお伺いしますけれども、まず、そういう歴史特区とか特別扱いについてお考えになっているかどうかということをお聞きしたいと思います。

竹歳政府参考人 今後の景観行政を推進していく上ですばらしいモデルがあるということは、各自治体の方々も先進地の視察とかを頻繁に行われるわけでございまして、やはりいいモデルができるということが具体的に目で見てわかるということで、景観行政を推進する上で大きく役に立つんだと私たちも考えております。

 特に京都は、我が国が誇る歴史的な都市でございますし、観光立国の観点からも、京都の景観形成の取り組みを積極的に応援していかなければならないと考えております。

 京都市から具体的な要望、提案として今挙げられておりますのは、一つには、歴史的建築物等の買い取り、活用でございますとか、電線類の地中化の集中的実施、それから、古都保存法に基づく三山の徹底的な保全とかいうものがございます。

 こういうものに対しましてどれだけ我々がそういうものに向けられる予算があるかということになりますけれども、例えば電線の地中化等については、やはり京都ぐらいはどんどんやらなくちゃいけないんじゃないかという気がいたしますし、また、財政面の支援として、歴史的建築物の修繕、活用、こういうものにも場合によってはまちづくり交付金なども活用できるのかなと思います。

 特区という言葉は、どうも今政府の中では、予算を使わないで規制緩和だけでやろうというふうなことになっておりますので、そういう意味で、予算の特区みたいなものはなかなか難しいんじゃないかなとは思いますが、やはり我々はかなり大きな予算もお預かりしているわけでございまして、そういうものも活用させていただきながら応援をしていきたいと考えております。

玉置委員 今、歴史的建造物の維持管理がその所有者に任されているわけですね。重要文化財に指定された人たちは大変な目に遭っているというのは、この間の質問にもいろいろ出ておりました。また、この間視察に行かせていただいたときも、要するに、一つは相続税の問題、そしてあと、その維持管理が自分たちの収入だけで全部賄われているということで、聞いていて本当に、ちょっとかわいそうだなという感じを受けたんですね。

 私の親戚も、例えば武家屋敷のモデルみたいなものがありまして、それを修理するにも一々届け出を出して、文化庁ですから若干の費用はつくんですけれども、しかし、大部分は自分たちが負担をするという形になっているということで、だんだん先細りになるんですね。働き手がまだ自分たちのお金を使える間はいいんですけれども、その人も退職してしまって年金暮らしということになってくると、では、この先どうなるのかなと私もだんだん心配しているんですが、ある時期には、もうそれこそ所有権移転とか、あるいは管理を逆に全面的にするとかいうことが必要だと思うんですね。

 寺社仏閣とかというのは比較的継続性はありますけれども、いわゆる私的な部分、要するに昔の有名人の邸宅とかあるいは町並みとか、こういうものについてはなかなか継続して維持していくのは非常に難しいと思うので、ある程度分けていろいろな措置を考えていただきたい、こういうふうに思います。

 それと既存の建物です。今までの話の中で、既存の建物は、景観にいろいろ支障のあるものについては建てかえというのが行われますね、建てかえのルールというのはやはり一つつくっておかなければいけないだろう。それは、単なる景観上目ざわりだとか周りと合わないとかいうことじゃなくて、建てかえるときに、では、どういう形ならばいいのかとか、あるいは価値観、例えば容積なのか機能なのかというところとか、いろいろな取り決めをしないといけない部分があると思うんですね。

 そういう部分を、これはいろいろな専門家がどんどんとこれから論議されていくことになると思うんですけれども、今申し上げましたように、昔からの歴史的な寺社仏閣以外のいわゆる私有財産としての値打ちのあるもの、あるいは町並み、こういうものを継続して維持していくためにどうしたらいいのかということと、それから、今ある既存の建物、私有財産、このものについて、建てかえ命令というか、今は、次に建てかえるときにというちょっと消極的な部分があるわけですけれども、それを一歩踏み出して、もう建てかえなさいというふうなかなり強制的なことができるかどうか、そこら辺についてお伺いしたいと思います。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 寺社仏閣以外の、京都で申し上げますと町家というような町並みをどう維持していくかというのは大変難しい問題ではないかと思います。なぜかと申しますと、この間お伺いしたお宅でも、相続税が数億もなるとか、屋根を五十年に一回ふきかえるのに一千万もかかるというようなお話で、もう歯を食いしばって維持されているということが痛切にわかったわけでございます。

 外国でも、やはり古い建物は、例えばイギリスでナショナルトラストとかいうような形で保存されておりますけれども、日本のそういう町家、木造であるだけにやはり維持管理のコストが大変かかる。こういうものを、だけれども、難しいからといってそのままにほっておくと、今先生御指摘のようにどんどんなくなっていってしまうということで、こういう点についても、今の段階でどういう助成措置ができるかということはないわけでございますけれども、非常に大きな課題でございます。景観法という新しい転換期に当たって、こういう問題に、より積極的に取り組んでいくことが必要だと思います。

 京都市ではお寺さんが多いようなことで固定資産税も少ない、そういうことだから、守ろうにもお金がないんだというようなお話も伺っておりまして、そこら辺も踏まえながら考えていく必要があると思います。

 それから、既存の建物について、確かに今回の景観法七十条におきましても、既存不適格、新しいルールができる前に建ったものについて、形態とかデザインとか色については、議会の同意も得て、条例で直してくださいと言えるところまで踏み込んでおりますけれども、高いからそれを低くしろと、建物の構造、躯体にかかわるものまでは今回の景観法でもさすがに手当てができていないわけでございまして、そうしますと、先ほど先生御指摘のように、建てかえるときに、こういうふうにしてくださいと言うしか今は道がございません。

 そういう意味で、今後、今以上に悪化しないようにということでこの法を運用していくことがとりあえず重要なことではないかと考えております。

玉置委員 景観そのものの認識度合いというのはみんな違うわけですけれども、私たちから見ると、例えば公共事業関係のもの、コンクリートブロックばかり並べて、ああいうものに挟まれたときにどういう感覚を持つかと思うと、何となく寒々するわけですね。

 ある意味では、これから公共事業も多少デザイン的な部分も考えていかなければいけないということと、それから、もう既にそういう地域がたくさんあるわけですけれども、公共事業を優先していろいろなことを考えていって機能的な部分だけを追求した、その結果、今景観上非常に目ざわりというのがたくさん出てきている。

 もう一つは河川ですけれども、川底までコンクリートだというのがたくさんありますね。それから、上の部分も全部コンクリートだ。要するに、コンクリートの川をつくって、いかにも公共事業をやりましたという感じがあるんです。水も浄化できないんですね、そういうコンクリートでやりますと。というふうに考えていきますと、公共事業そのものも考えていかなければいけない。

 デザイン的な要素だとか、あるいは環境に対する配慮とか、それから町並み、そこの地域との調和とかいう面で考えていかなければいけないんですが、これは事前にお話しした中には入っていないんですけれども、日ごろの皆さん方のやりとりの中から、多分ちゃんとした一つの方向性をお持ちだと思うので、局長にお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 まさに御指摘のとおりのことが今まで行われてまいりました。美しい海岸に、安全のためとはいえテトラポッドを積み上げるとか、それから、洪水対策のためとはいえ三面張りの川をつくってきたということがございまして、これを何とかもとのように回復したいという努力もしております。

 そういう意味で、昨年の七月に美しい国づくり政策大綱、「自ら襟を正し、」とまさに序文に書いたわけでございますけれども、こういう形で公共事業自体が景観を悪化させるというようなことがあってはならないという気持ちで取り組んでいく。

 そのために、具体的な手法としては、景観のアセスメントでございますとか分野別のガイドライン、こういうものも景観法とあわせて具体的に取り組んでいく、このように考えているわけでございます。

玉置委員 大臣が戻られましたので、大臣にちょっとお聞きしたいと思います。

 今までの景観法の論議の中で、景観を守るためには、やはり長期的なビジョンを各市町村が持ちながら、それに沿った動きをしていかなければいけない、こういう論議がたくさんございました。そして、関連法規もたくさんありまして、例えば建築基準法とか、いわゆる調和という面で考えた場合に、単なる規制ということではなくて、周りとの関係で変えていかなければいけない法律もあるだろう。

 こういうふうに考えていきますと、各市町村ごとにいろいろなビジョンをつくりなさい、つくりなさいと言うと怒られますけれども、つくるところから採用していくということで、何か一つのインセンティブを与えていくようなことも考えていかなきゃいけないし、まず計画をつくる。先ほどちょっと体制の支援とかいろいろな話をしていたんですが、人材派遣とか、あるいは、あるところに相談すれば、そういう長期ビジョンもいろいろな面で、技術面の配慮とかデザイン面とか資金面とか、相談に乗りますよというものがやはり必要じゃないかというふうに思うんです。具体的な長期ビジョンをつくってもらって、各市町村が積極的にこの制度を活用して、地域の美化とか環境保全とか、それから景観の改善とかいうふうにやっていけると思うんですが、その辺について、国土交通省として、一つの方針をどういうふうに考えておられるのかということをお聞きしたいと思うんです。

石原国務大臣 ただいま玉置委員がおっしゃられましたように、さまざまな法律を総合的に組み合わせて、良好な景観を形成するために、町の主体者である、まちづくりをやっていただく住民の方々、NPOと協力して、長期にわたる計画を実施していく必要があるということはごもっともだと思います。その場合、能力がないような方々が御相談できるような窓口等々も必要ですし、それはやはり専門なコンサルティングみたいなものを御利用できるようにするということも重要であると思っています。

 先日、当委員会で、私が生まれ育った藤沢市の片瀬海岸のラブホテルの乱立の話をさせていただきましたけれども、調べましたら、この周辺は県立公園で保全されていて、本来であるならば、良好な住宅地として風致地区に指定されているんです。しかし、戦後の、二十三、四年のころだったと思うんですけれども、お土産物屋さんみたいな小さな店舗があったということで一部区域を商業地域に指定したために、商業地域であるなどということでホテルが建ったわけであります。

 それで現在のような、まさに、景観あるいは教育上からも好ましからざる状態になっているわけですけれども、居住環境を守るために、沿道の用途を限定しようとする地元の皆さん方のコンセンサスができていればこういうことはなかった。やはり、そういう考えを多く持つ方がふえてきているわけでございますから、現在のような状況は防止できる可能性があったんですけれども、これからは、もうこういうものを起こしてはいけない。

 そのために、景観形成のための取り組みとして、地元のコンセンサスに支えられて初めて可能になるということはもちろんのことなんですけれども、委員御指摘の、市町村のマスタープランなどのまちづくりに関する総合的な計画をつくる作業、プロセスは、コンセンサス形成のチャンスとも言えるんだと私は思います。

 この意味からも、マスタープランに良好な景観の形成に関する方針をしっかりと位置づけて、景観形成こそまちづくりの基本である、こういうことを住民の方々に思っていただき、そういうものを行政としてどういうふうにバックアップしていくのか。このための市町村の取り組みをしっかりと国土交通省としても支えてまいりたいですし、委員が御指摘されました、片一方の動機づけ、そういう動機づけが起こるようなお手伝い、税制もあるでしょうし、補助金もあるでしょうし、どうせお金が、相談するといっても、プロに相談する以上、お金がかかわるわけですから、こういうものをしっかりと組み合わせられるような仕組みをつくってまいりたいと考えております。

玉置委員 私たちは、日ごろからいろいろな町並みを見て歩いて、そこの、同じ建物、例えば、昔からの日本風の町並み、その中に突然新しい近代的なビルが建ったとか、あるいは、逆に老朽化したビルがあるとか、そういう中でいつも思うのは、あれができるときに何で市町村が先に相手方に対していろいろと言わなかったのかなという、最初の建築確認の段階で手を差し伸べるというか、クレームをつけると言うと怒られますけれども、町並みとの関係で指導するということができなかったのか。

 それから、これは、ある町なんですけれども、言うと怒られるかもわからないので言いませんけれども、ある高速道路をおりて国道に出ました。ちょっと行くと、立派な結婚式場とホテルがあるんですね。その横に、こんなにぼろぼろの建物見たことないというような小屋があるわけです。そこのホテルは大変迷惑だと思うんですけれども。ああいうものは、本当に景観のこの法律ができれば、ある程度、私有財産ですけれども、強制撤去とか代執行とかという形で何か処理するような措置をしないといけないと思うんですね。それでなかったら、さっきも言いましたけれども、既存の建物に対して手を加えられないから建てかえのときと言うんですよ。それで、多分もうあれは使っておられないし、昔は何か農業用倉庫だったかもわからないしという、そんなところなんですけれども、もうだれが見ても、あんな汚いものはないという建物なんですよ。それがいまだに放置されているんですよ。そこは歴史的な町なんですけれども。

 ということで、やはり強制力がなかったということは、景観を守るためには非常に今までは不合理な部分があったと思うんですね。ある意味では、財政上の措置とかというよりも、代執行とか、私有財産に踏み入る部分が非常にたくさんございますから、単なる規制だとか強制力ということも使わなければいけないんですけれども、そのうまい使い方。何もかもだめだということじゃなくて、やはり先ほども、一番最初からずっと流れを追って言いますと、一つの基準を示して、それに対して協力を求めるというようなことも必要だと思うんです。そういう面での指導をいろいろとやっていただかないといけない、こういうふうに思うんです。

 大臣にお聞きしたいのは、そういう景観法ができました、では、市町村が積極的に新しい分野にというよりも、今まで困っていた分野に乗り出していただくために、先ほどもちょっと、インセンティブを与えてとか、あるいは相続税とか、いろいろな面でのつながりをやはりなるべく解除していこうということですが、要するに、国としての支援体制というのをどういうふうに考えておられるのかということをまずお聞きしたいと思います。

石原国務大臣 具体的にどういうことができるかという話は政府参考人から申し述べさせていただきますけれども、委員が御指摘のように、やはり見るに見かねるようなものがあって、全体のトータルな景観を著しく阻害しているというものはあるんだと思います。

 今回の法律改正においては、もちろん、それが私有財産である以上は財産権があるわけですけれども、所有者等の権利に配慮した上で、市町村が、既存の建築物の形態意匠について変更命令を出すことができる仕組みにさせていただきました。

 要は、先ほども申しましたけれども、それぞれの地域において景観計画の活用を図るなど、そういうものを、委員は建築確認の段階でというお話をされましたけれども、事前に対策を講ずるよう努めていただくことが、先ほど話しました百三十四号線の例でも明らかなように、できたんですけれども、やらないで見過ごしてきた、こういうことのないようにしていかなければならないと思います。

 具体的にはどういうことができるかというツールについては政府参考人の方から答弁をさせていただきたいと思います。

玉置委員 藤沢も私が住んでいましたので、よくわかるんです。松並木が枯れると今まで隠れていたものが表へ出るとか、例えば江ノ電のちょっと裏側も全然、もう本当に数メーターで全く違う地域の指定になっているとか、いろいろありまして、町全体という形になっていないということが、やはり今までの景観を守れなかったということにつながっているというふうに思います。

 ちょっと心配しますのは、では、景観法ができました、どっちかというと規制の一つですよね。ということは、やはり判断基準、行政の窓口が最終的にはこれについて決断をするわけですね。審議会なりなんなりで、ある一定一つの答申が出ます。そこで、審議会とか何とか機関というものがこれを認めて、では建てなさいとか、取り壊しなさいとか、色を変えてくださいとかいうことになるのか。あるいは行政の窓口が最終的にやられるのかということ。行政の方がまた同じ能力を持っていて同じことで基準が継続されればいいんですけれども、その人の気分によって変わるとか、能力によって変わるということがあると、逆に市民が混乱をするということになるんですね。

 最後に、もう時間がありませんから、それについて国土交通省としてはどういう思惑を持っておられるか、お聞きします。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 先生が冒頭より御指摘されていますように、やはりきちっとした基準、それは何かといえば、この法律でいえば景観の基本の計画でございます。その計画は住民参加のもとでつくられる。その中にきちっとした基準がある。行政の担当者の気分によって左右されてはかなわないわけでございますから、そういう地域の合意としてできた計画に基づいて物事を進めるというのが非常に大事だ。そのときに、専門的な知識を補完するために第三者機関のようなものを設けて御意見を聞くということでありますが、最後は行政でございます。その行政の後ろにあるのは市民ということで、市民の合意が計画になっている、そこが極めて重要なことではないかと思っております。

 以上でございます。

玉置委員 こういう場では必ずそういう話になるんですね。だけれども、実際にはみんな、人がかわったら大変苦労されていますから、やはりそういうところを徹底して、ちゃんとした、同じ認識を持たれるような教育をぜひしていただきたいと思います。

 終わります。

赤羽委員長 穀田恵二君。

穀田委員 先日に続き、日歯連の問題と大臣の関係について最初にただしたいと思います。

 この間要求しまして、きょう、大臣からこのように資料が提出されました。これを見ますと、自民党本部からの出と東京都第八選挙区支部の入りの資料です。私が要求したものは、大臣はこれですべてだとお思いですか。

石原国務大臣 理事会の決定に従わせていただいたところでございます。

穀田委員 私はこう言ったんです。日歯から国民政治協会、政治協会から自民党本部、自民党本部から東京都第八選挙区支部、この流れを指摘すると、事実を調査しますとおっしゃったんです。岩國委員も、日本歯科医師会から四千万円の政治献金を行われた、これは事実ですかということで、詳細を調べまして御報告させていただきますと。

 ですから、私は、前の、少なくとも日歯連から国民政治協会へ、国民政治協会から自民党本部へ、この流れについても御提出いただく必要があるということを指摘しておきたいと思います。これは理事会でも主張しましたし、そういうことでお諮りいただいて結構ですね。

赤羽委員長 はい、そういうことで結構です。

穀田委員 次に、この資料を見て、また、大臣が常々おっしゃっていることと関連して聞きたいと思います。

 大臣は、政党主体に政治献金を募るべきとの政治改革の趣旨に沿って活動と述べておられます。東京都第八選挙区支部という政党支部の支部長を務めています。責任者として、資金の出入りに気を使うのは当然だと思うんです。

 二〇〇〇年から二〇〇二年までの三年間、自民党本部からの交付金が、私が指摘したとおり四回ありましたよね。そこで、大臣が提出した自民党本部の収支報告書によると、七月三十一日、一千万を交付、こう書いて、さらにそれを受けて、自民党本部から出たもの一千万、訂正をしていますね。いつ訂正されましたか。

石原国務大臣 調査過程で、第八支部の報告書に記載にミスがあることがわかり、訂正手続をとったと聞いております。

穀田委員 いつ訂正しましたかと聞いているんです。

石原国務大臣 ですから、調査過程ですから、最近だと思います。

穀田委員 毎日新聞が報道し、そして私が追及した五月十二日に訂正しているんですね。

 しかし、私がこの間指摘したように、日付は四回とも全部合っているということは確かですね。お答えをいただきたい。(石原国務大臣「ちょっと今聞こえなかったんです」と呼ぶ)私が指摘をした四回の自民党本部からの出と入りと、関係は合っていますよね。

石原国務大臣 穀田委員が言われた日付を覚えていないので、今は確認できません。

穀田委員 それは私は不誠実だと思いますよ。私は、日付を言って、これを調査していただきたいと言っているわけですからね。それについて合っているか合っていないかというのは、事実を見れば明らかじゃないですか。これほどの、一千万の話について調査すると言ったことに対して、私が指摘をして、新聞も指摘しているということについて、ほんまやねと聞いて、そんなこと、合っていると言うのは当たり前じゃないですか。そういうものについて、私はどうかと思いますね。

 では、もう少し聞きましょう。

 そのうち一回は二〇〇〇年の選挙の年であって、自民党本部からはほぼ一律に各選挙区支部にも一千万ずつ交付されているんです。それ以外は大体、あなたの政党支部に入っている金額は二百五十万円、五百万円、これは、ほかの選挙区支部に対しても大体一律に入っているんです。先ほどもお話がありましたけれども、一千万交付するというのは非常に大きな額なんです。

 それで、あなたは、会計担当者ないしは事務担当から、この担当を見ますと岩崎純さんという方ですけれども、そういう方から、一千万入ったという報告はありましたか。

石原国務大臣 いつの献金でございましょうか。

穀田委員 四回あったわけですから、実際上五回ですけれども、四回でもいいんですけれども、ありましたか。

石原国務大臣 収支報告を私に見せたときに、こういうものがありましたという話は聞いた記憶がございます。

穀田委員 それでは、先ほど、どのような基準で配られたのか知らないとおっしゃいました。知る由もないという旨のお話がありました。しかし、私は、一昨日、石原大臣にだけ特別に四回も一千万円交付されているという事実を述べました。そして、きょうの新聞でも、毎日新聞は、「一回で一千万円以上交付されたのは全部で二百九十一回あり、このうち二百七十六回は国から支給される政党交付金が充てられ、大半は衆参両院選挙や補欠選挙の直前だった。」「選挙に関係ない時期の交付は、石原氏の支部への四回を含め計六回だけ。」というふうに指摘をし、私が言ったことも裏づけとしてあります。

 こういう事実について、自民党本部の会計責任者に、どのような基準で配られ、私だけが多いのかということについて尋ねたことはありますか。

石原国務大臣 ございません。

穀田委員 ですから、私、前回も指摘したように、自民党本部から政党支部に交付金としてされているお金で一千万というのは非常に多い額だと言ったんですね。それは多いんですよ。しかも、一律に配っているとき以外はほとんどないんだ。

 こういう事実を明らかにし、しかもそのときに、原資が、出ているお金のところが日歯連からの迂回献金ではないかという疑いが持たれた。そして、私はそう指摘したわけですから、今、会長や会計責任者など、捜査等の関係でいないとしても、日歯連のしかるべき人に尋ねる責任はある。

 お尋ねになりましたか。

石原国務大臣 日歯連が、どういう形で、いつ、どこに政治献金を行っているかということは、私は知り得る立場にはございません。

穀田委員 知る立場にないから、わざわざ前回教えてあげたんじゃないですか。この日とこの日とこの日と、こうやって一覧表を出して。私は、日歯連から国民政治協会へ、国民政治協会から自民党本部へ、自民党本部から東京都第八選挙区支部へという流れをずっと明らかにしてやったんじゃないですか。

 そういうことについて、そういう疑いが持たれ、そういう指摘をされたということについて、挙証責任はあなたにあるということを私は申し上げておきたいと思うんです。

 そこで、では、次にもう一度聞きます。

 報道では、二〇〇〇年以降は備考欄に政治家の名前が書き込まれ、一部に石原氏の名前が記してあったと言われています。自民党本部と日歯連関係者に確かめましたか。

石原国務大臣 新聞に書いてあることが全部事実だとは私は思いませんし、まして、何でそんなものがあるのかということも、私、わかるわけがありません。

穀田委員 いや、私はわかるわけがない、それはわかるわけがないですよ、あっちがやっているんだから。

 問題は、そういうことが疑惑の中心と指摘をされて、そのことが一つの根拠になっているということを見た場合に、そのことについて質問して、少なくとも自民党本部には、ないしは国民政治協会、自民党の政治資金団体である、管理団体である国民政治協会には行っているわけですから、それは調べるというのが当たり前じゃないですか。そして、その疑惑について晴らすという態度が必要とされているんじゃないですか。私はそう思いますよ。だから、そういうものも調べない、それから、先ほど言ったように、知らないという話については通用しないということを私は思います。

 これでは、私が指摘した一連の問題というのは全然明らかにならない。だから、資料についても改めて要求しましたが、ここで、事実を明らかにするために、自民党本部の会計担当者、日歯連の献金について承知している担当者の参考人招致を要求し、そして、当委員会において真実を明らかにするための集中審議を私は要求したいと思います。委員長、お諮りをいただきたい。

赤羽委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきます。

穀田委員 では、最後にもう一つ。

 二〇〇〇年八月八日の議員会館での会合について、私が指摘をした厚労省の幹部も同席という事実についてお確かめになりましたか。

石原国務大臣 いつ会合を持ったかという記録は私の事務所にございません。

穀田委員 そうじゃなくて、私は、八月八日に実は会合が持たれている。それは、勉強会だとか要請だとかといろいろあるでしょう、それはお互いに意見の違いじゃありませんか。だけれども、私は八月八日に会っていると指摘したんですよ。その一つの重要な証拠として、厚労省の幹部が同席しているという問題についても言ったわけじゃないですか。だから、それぐらいは調べて私は当たり前だと思いますよ。

 だから、今お話ししましたように、まず日歯連からどうなっているかということについてお調べがない。それから、自民党本部に対して、名前があったかということもお調べがない。それから、国民政治協会に対して、名前が記載されていたか。自民党本部から交付されるについても一千万というのは多いじゃないかという話もない。厚労省の問題についてもお聞きもしていない。

 私が指摘した点は、少なくともそういった問題については、いや、事実と違うとか、確かめたら違うとか、そうだったとか言うのが、国会議員として、疑惑が持たれたことについて、指摘された内容について調べて答えるのが当たり前だということを私は指摘しておきたいと思います。

 では、本論の景観に戻ります。

 屋外広告物法改正案について聞きたいと思うんです。

 この法律に基づいて、都道府県、政令市、中核市など九十五の自治体で屋外広告物条例が制定されています。地域の美観を損なう営利目的の無秩序な広告物を取り締まることは必要だと考えています。しかし、憲法に保障された政治活動の自由を初め、基本的人権としての表現の自由、思想、信条の自由などが美観の名のもとに不当に侵害されてはいけないというのは当然であり、最も重要だと私は考えます。

 昭和四十八年、一九七三年にこの改正案が出されて大激論となり、衆議院で、国民の基本的人権を不当に侵害しないよう留意すべき旨の修正がされたという経過があることを見てもわかると言えます。

 今回の改正を機に、改めて、各地方自治体の条例の運用に際して、第十五条の趣旨について徹底すべきであると思うが、見解を伺いたいと思います。

竹歳政府参考人 今回の屋外広告物法の改正は、景観法の制定に伴い、良好な景観の形成に資するために幾つかの改正をお願いしております。しかしながら、今回の改正は、今までの屋外広告物の定義、許可地域等の制度の基本的な枠組みは変更しないということで、政治活動に関連する広告物の取り扱いについても何ら変更を加えるものではございません。

 それで、今御指摘の四十八年の衆議院におきます議院修正、十五条、今回は二十九条ということになりますが、屋外広告物法の適用に当たって、国民の政治活動の自由その他国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意すべきこと、これは、今後とも、この法律の趣旨を踏まえて屋外広告物制度を運用するように、公共団体に示すこととしたいと考えております。

穀田委員 調べてみますと、この五年間だけでも、非営利目的のビラや政党ポスター張りなどに対して、広告物条例違反を口実にして、警察が逮捕、干渉するケースが後を絶ちません。現場では、警察が干渉する際に、広告物条例違反を口にしています。

 昨年、兵庫では、平和行進が通りますよという案内ポスターを張っただけで逮捕されています。平和行進が通り過ぎれば外すことは明らかなのに、こんなことが起こっています。大阪では、平和盆踊りのポスターでも逮捕されています。美観を口実に、国民の権利、表現の自由、政治活動の自由が制限されることがまかり通るとすれば、私は恐ろしいことだと思います。そういう意味で徹底していただきたいと思います。(発言する者あり)張っているよ。やじはこっちへ来て言ってください。

 二つ目に、では、もう一つ質問します。

 今回の改正で立体都市公園という制度が導入されています。その中で、従来は公営駐車場にしか認められていなかった、都市公園の地下に民間の駐車場を設けることができるようになります。都市公園の地下駐車場に関しては、現状の公営であっても、周辺住民との間でさまざまなトラブルが起こっています。

 民間運営の駐車場の整備に際して、そういったトラブルに対してだれが責任を持つのか。公園管理者である地方自治体など行政機関がこれまで同様に責任を持って対応する必要があると考えますが、この点についての答弁をお願いします。

竹歳政府参考人 公営の駐車場の周辺でいろいろなトラブルがあるというお話でございますが、一方、駐車場がないために違法駐車等々が行われて住環境が阻害されているという面があると思います。

 いずれにしましても、個別のケースによるわけでございますが、トラブルが起こったときは、それは公園管理者と民間駐車場の方、連帯して処理するということでございます。

穀田委員 それは立場というのはいろいろありますけれども、やはりその趣旨をしっかり徹底してほしいと思います。

 最後に、きのう私がお示ししました、景観の問題の景観重要建造物について聞きます。

 きのう、二枚の写真を提出させていただきました。それは、平等院の背後のマンションそれから六角堂を見おろす二つのマンションの例ですが、国宝の平等院の後方には二つのマンションがあって、一棟は建築中です。六角堂の背後には、〇一年に十一階建て、〇三年には十五階建てのマンションが建ちました。マンション販売業者がどうやって宣伝しているかというと、入居者募集の際に、京都の三山やこうした文化的建造物が毎日眺められる風光明媚な住まいなどと宣伝をして募集しているんです。国宝級の重要文化財でもこういった事態が進行している。

 せっかく景観重要建造物として指定しても、こうした建造物の周辺に景観を阻害するマンションなどが建てば、せっかくの景観が台なしになる。建造物だけでなく、周辺を含めて規制する必要があると私は考えます。

 そこで、景観法によって、こういう事態を生まないための措置はどうなっているのか、また、こういう状態を修復するにはどのような措置が必要か、お答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 景観重要建造物とその周辺、一体的に規制すべきではないかというお話でございます。

 これは、地域地域の実情によりまして、景観計画という中で定められていくことになると思います。

 平等院の周辺につきましては特別風致地区というものが定められていて、その直近では物が建たなくなっておるわけですけれども、これはちょうど宇治の五百メートル離れたところ、五百メートル先のところにマンションが建ったということで、眺望景観のお話もございましたが、どこまで規制するのかというのは、やはりその地域地域で定めていかざるを得ないと思います。

 そして、こういうものが建ったときにどうするんだというお話がございましたが、現在の景観法では、形態、デザインとか色については、既存不適格のものについても七十条ということで手当てができますが、高さについてはそこまではできないという現状でございます。

 やはり、今後、悪くならないように、この景観法というのを活用して地域の景観形成を図っていくということが一番重要なことではないかと思います。

穀田委員 実は、清水寺の目の前もそういうのが建とうとしたんですね。金閣寺もそうなんです。私、住んでいるすぐ近くだから、よく知っているんです。

 そうしますとどうなるかというと、その土地を恐らくは買わざるを得なくなっちゃうんですね。膨大な金をかけて買わざるを得ないというふうになっちゃうんですね。だから、それほどやはり深刻な事態であるということについても一度石原大臣にも、この間言いましたように、認識を深めていただきたいと私は思っているんです。

 一度建てられると、修復、再生というのは困難だ。だから、ドイツなどヨーロッパでは、そういう建築物に関する土地利用が結構きついわけです。そういうものも含めて、やはり私は学ぶ必要があると考えています。

 したがって、今後、より有効な景観法案の運用を求めて、私の質問を終わります。

赤羽委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより各案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党を代表して、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する反対討論を行います。

 景観緑三法案として提出された法案のうち、景観法案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案については賛成です。

 世界遺産を守る点はとりわけ重要です。また、各地に残された干潟、湿地、湿原、里山、里地など、自然環境の保存や、地域在来の植物を利用することも極めて大切と私は考えています。

 しかし、景観法の施行法である本法案に含まれている屋外広告物法の一部改正案については賛成できません。

 法案に反対する理由は、屋外広告物法改正案は、屋外広告物を許可制にすることができる地域を全国に拡大するなど、規制の範囲を拡大するもので、このことにより、政治活動の自由を初め、国民の基本的人権を不当に侵害する可能性を強めることになるからです。

 我が党は、美観を害するような広告物が野放しにされることを認めるものではありません。しかし、この法律に基づく屋外広告物条例が、政治活動、市民活動に対する不当な干渉、弾圧の根拠にされてきたことも事実であります。

 屋外広告物法は、一九七三年の国会で、「この法律の規定に基づく条例の適用にあたつては、国民の政治活動の自由その他国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない。」と規定されました。

 しかし、今日においても、政党や労組、平和、市民運動のポスター張りなどに対して、警察が、広告物条例違反を口実として逮捕、干渉する事態が続いています。

 こうした実態が存在するもとで、屋外広告物に基づく規制の範囲を拡大することには到底賛成できないことを述べ、反対討論といたします。

赤羽委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより各案について順次採決に入ります。

 まず、景観法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤羽委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、都市緑地保全法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤羽委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 この際、ただいま議決いたしました各法律案に対し、衛藤征士郎君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。和田隆志君。

和田委員 民主党の和田隆志でございます。

 ただいま議題となりました景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれまして十分御承知のところでございますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえさせていただきます。

    景観法案、景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び都市緑地保全法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 国は、良好な景観の形成及び緑地の保全・緑化の推進を円滑に進めるため、その推進体制の整備を図るとともに、国民、企業等の多様な主体の参加を図るため、景観法の基本理念の啓発普及、景観・緑に関する教育の充実に努めること。

 二 地方公共団体における景観・緑に関する施策が円滑に行われるよう、その推進体制の確立に努め、景観法の政省令の制定に当たって地方公共団体の自主的な取組を阻害しないよう配慮するとともに、先進的な取組事例に関する情報提供、専門家の育成等ソフト面での支援及び交付金・補助金、税制等財政上の支援の充実に努めること。

 三 景観計画の策定、緑地の保全及び緑化の推進のための基本計画の策定、景観地区や緑地保全地域等の都市計画の決定、建築物の計画の認定等に当たっては、住民への情報提供や住民意見の適切な反映に配慮するとともに、まちづくりNPOや専門家が適切に活用されるよう配慮すること。また、景観計画等に定められた建築物等に関する形態意匠の制限については、住民に対しその内容が十分に周知されるよう留意すること。

 四 我が国の都市を美しさと風格を備えた世界に誇れる都市へと再生させるため、都市再生に係る諸制度の運用に当たっては、良好な景観の形成、緑地の保全及び緑化の推進に関し適切に対応すること。特に、京都などの世界に誇る歴史的な価値を有した美しい都市の景観の回復・保全を図るため特段の配慮を行うこと。

 五 地域の個性、特色の伸長に資する多様な景観の形成が図られるよう、失われつつある地域固有の景観を再生する事業の推進を図るとともに、景観の形成に当たり、各地に残された自然環境の保全や地域在来の植物等の活用による緑化の推進に努めること。

 六 「美しい国づくり政策大綱」に掲げられている「事業における景観形成の原則化」等を具体化するため、公共事業の実施に当たっては、良好な景観の形成、緑地の保全及び緑化の推進に努めるとともに、景観アセスメントシステムの確立、景観形成ガイドラインの作成等を早期に行うこと。また、電気事業者、電気通信事業者、鉄道事業者等の公益事業者に対しても景観法の趣旨を周知し、景観・緑に関する施策への協力を要請すること。

 七 屋外広告物は景観に大きな影響を与えることにかんがみ、屋外広告物条例違反に対し適切な措置が講じられるよう地方公共団体を支援すること。また、自家用広告物について景観に配慮したものとなるよう適切な措置を講じること。

 八 都市環境の改善を図るため、利用者のアクセス、安全性・快適性の確保、生態系の回復などにも留意しつつ、遊休地の借地公園としての整備や立体都市公園の整備を積極的に推進すること。また、NPO、民間事業者等により公園施設の設置又は管理が行われる場合において、その円滑な運用を期すること。

 九 日本全体で美しい景観を守り、造り得るよう、景観に関する諸外国の制度も踏まえつつ、都市計画法及び関係法令等のあり方、良好な景観の形成を著しく阻害する既存の建築物等への対応について、引き続き検討を行うこと。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

赤羽委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤羽委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣石原伸晃君。

石原国務大臣 景観緑三法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことを深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議の景観、緑に関する教育の充実などの趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長、理事を初め、委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつとさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

赤羽委員長 次に、内閣提出、参議院送付、自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣石原伸晃君。

    ―――――――――――――

 自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

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石原国務大臣 ただいま議題となりました自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 我が国の自動車保有台数は、今日、七千七百万台を超え、自動車は国民各層に普及し、まさに国民生活に欠くことのできないものとなっておりますので、自動車の所有者等の利便性の向上等を図るために、時代の要請に対応して自動車関係手続に係る諸制度を見直していくことが求められております。

 具体的には、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法に基づき作成されたe―Japan重点計画を踏まえ、自動車の保有に伴い必要となる検査・登録、保管場所証明、納税等各種の行政手続を電子情報処理組織を使用してまとめて行うことができることとするいわゆるワンストップサービスを実施すること等により、自動車の所有者等の利便性の向上を図ることが必要となっております。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、自動車の新規登録等における所有者等の負担の軽減等を図る観点から、申請の際に提出することとされている譲渡証明書等について、自動車製作者等の民間機関が電子的に登録情報処理機関に提供する等により国土交通大臣がその内容を確認できる場合には、申請者は当該証明書を提出しなくてもよいこととしております。

 第二に、譲渡証明書等に記載すべき事項の提供を受け、当該提供をした者についての確認を行い、国土交通大臣の照会に対して回答する業務を行う登録情報処理機関に関する規定を整備することとしております。

 その他、回送運行許可証の有効期間を一年以内に延長することとする等所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由です。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

赤羽委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十九日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十五分散会


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