衆議院

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第6号 平成17年3月30日(水曜日)

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平成十七年三月三十日(水曜日)

    午前九時九分開議

 出席委員

   委員長 橘 康太郎君

   理事 衛藤征士郎君 理事 萩山 教嚴君

   理事 望月 義夫君 理事 山口 泰明君

   理事 阿久津幸彦君 理事 金田 誠一君

   理事 土肥 隆一君 理事 赤羽 一嘉君

      岩崎 忠夫君    江崎 鐵磨君

      江藤  拓君    木村 隆秀君

      小西  理君    河本 三郎君

      左藤  章君    櫻田 義孝君

      菅原 一秀君    高木  毅君

      武田 良太君    中馬 弘毅君

      寺田  稔君    谷本 龍哉君

      中野 正志君    葉梨 康弘君

      林  幹雄君    古川 禎久君

      保坂  武君    松野 博一君

      森田  一君    大谷 信盛君

      岡本 充功君    菅  直人君

      下条 みつ君    高木 義明君

      玉置 一弥君    樽井 良和君

      中川  治君    長安  豊君

      伴野  豊君    松崎 哲久君

      三日月大造君    室井 邦彦君

      和田 隆志君    若井 康彦君

      若泉 征三君    佐藤 茂樹君

      谷口 隆義君    穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国土交通副大臣      岩井 國臣君

   国土交通副大臣      蓮実  進君

   国土交通大臣政務官    中野 正志君

   国土交通大臣政務官    岩崎 忠夫君

   政府参考人

   (内閣官房都市再生本部事務局次長)        清水 郁夫君

   政府参考人

   (内閣府産業再生機構担当室長)          藤岡 文七君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           宮本 武史君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            丸山  博君

   政府参考人

   (国土交通省国土計画局長)            尾見 博武君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局長)          小神 正志君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  梅田 春実君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           金澤  悟君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  岩崎 貞二君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    石川 裕己君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月三十日

 辞任         補欠選任

  二階 俊博君     谷本 龍哉君

  林  幹雄君     左藤  章君

  松野 博一君     小西  理君

  菅  直人君     大谷 信盛君

  高木 義明君     岡本 充功君

同日

 辞任         補欠選任

  小西  理君     松野 博一君

  左藤  章君     林  幹雄君

  谷本 龍哉君     二階 俊博君

  大谷 信盛君     菅  直人君

  岡本 充功君     高木 義明君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

 都市鉄道等利便増進法案(内閣提出第四号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

橘委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省国土計画局長尾見博武君、土地・水資源局長小神正志君、都市・地域整備局長竹歳誠君、住宅局長山本繁太郎君、都市再生本部事務局次長清水郁夫君、内閣府産業再生機構担当室長藤岡文七君及び経済産業省商務流通審議官迎陽一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田隆志君。

和田委員 おはようございます。民主党の和田隆志でございます。

 昨日、本会議場で質問させていただきましたので、きょうは、その御答弁も踏まえまして、少し深掘りさせていただければと思っております。

 まず、きのう、私の代表質問の際に若干時間を超過したことを、本当に皆様方に御迷惑かけました。以後気をつけます。よろしくお願いいたします。

 ただ、一つだけ弁解させていただければ、私自身、この都市再生本部が立ち上がったときに、自分も幾つか担当させていただきました。その際に、立ち上がりのときから思っていたことでございますので、その思いを少し思い入れを込めてお話しし過ぎた分、時間が超過してしまいました。きょうは、その分もう少しじっくりと聞かせていただきます。

 まず、どちらの御答弁でも構いませんけれども、都市再生本部の副本部長をされておられる北側国土交通大臣、それから都市再生本部の事務局からきょういらっしゃっているやにお聞きしていますが、きのうの細田官房長官の御答弁の中に、私の質問に答えて、大都市、中小都市と分け隔てして都市再生を図っているのではなく、その特性に応じて施策展開を図っているという御答弁がありました。

 それならば、お聞きしたいと思います。最初から、大都市に対する都市再生プロジェクト、もしくは再生緊急整備地域、そういった指定のスキーム、それから中小都市については、きのう御答弁になられました、協議会を立ち上げたりモデル調査を実施したりされておられます。こういった施策の違いは、どのような大都市と中小都市との特性を考えられた上で施策展開されたのでしょうか、お答えください。

清水政府参考人 お答えいたします。

 都市再生本部が十三年五月に発足いたしまして、直ちにいろいろな都市再生の施策を打ち出そうということで、たくさんの方向性を打ち出しております。その中の幾つかの項目として、今おっしゃったような都市再生プロジェクト、緊急整備地域、それから全国都市再生があるわけでございますけれども、それぞれの課題、テーマにつきまして当初から検討を始め、まずは広域的な取り組みを各省庁が連携して取り組んでいくというモデルとしまして都市再生プロジェクトを打ち出しまして、それに引き続きまして同じような時期に、若干ずれはございますけれども、稚内から石垣までという全国都市再生の検討課題を打ち出しております。

 その中では、それぞれの都市が抱えております共通の問題、例えば歴史的なたたずまいを残したまちづくりといったような問題とか、それから高齢化の時代に対応しました住まいのあり方の問題とか、防犯まちづくりとか、そういったような共通の課題につきまして、協議会を立ち上げまして対応策を検討し、モデル的に各都市において施策を実行してみて、今後の展開につなげているところでございます。

 以上でございます。

和田委員 今の御答弁の中で私が理解しにくいのは、大都市の特性と中小都市の特性をどのように語っておられるのか、いま一度お答えいただけますでしょうか。大都市にはどういう特性があってそういう施策にされたのか、中小都市にはどういう特性があってそういう施策にされたのか、もう一度お答えいただけますか。

清水政府参考人 お答えいたします。

 大都市につきましては、例えばごみ問題で申し上げますと、首都圏で申し上げますと一都三県がごみの処分につきまして大きな課題を抱えておりました。そのごみにつきまして、それぞれの都県が個別に対応するのではなくて、一都三県、政令市も含めまして、例えばごみ処理の施設、リサイクルの施設、こういったものをみんながそれぞれつくるのではなくて役割分担しながら、ある地域にはリサイクルの施設、ある地域には廃棄物処理の施設、こういったものを役割分担しながら整備していくことが有効じゃないかということで、首都圏全体のごみの問題につきまして広域的な取り組みをしようということで都市再生プロジェクトを打ち出しております。

 大都市につきましては、繰り返しますけれども、市街地が連担していることもございますし、ごみの問題、それから東京湾の再生といったような問題、こういった広域的な問題にまず取り組んでいこうということで都市再生プロジェクトを打ち出しております。

 それから、中小都市につきましては、繰り返しになるかもしれませんが、高齢化の時代に対応したまちづくりの課題といったような共通の問題がございますので、全国に共通するような課題につきましてまずは検討していこうということで、協議会を立ち上げるとか、続きまして、全国都市再生モデル調査といったものをやっていこうということで今まで取り組んできております。

和田委員 少しだけ理解が進みましたが、大都市については、広域性のあるプロジェクトとしてどんなものが考えられるかということのお話でした。

 ただ、中小都市について、それぞれの地域事情に応じた政策をというように御答弁なさったような気がしますが、それは中小都市のミクロの部分でどういうふうな現象が生じているかということであって、中小都市にどうしてお金を張りつけないのか、もしくはどうして中小都市は協議会を設立してからかかるのか、そこら辺の御答弁がなかったような気がしますが、いかがでしょうか。

清水政府参考人 大都市圏につきましては、先ほど申し上げましたような広域的な課題もございますし、それから、国際競争の激化の中で国際的に見て我が国の大都市圏域が地盤沈下しているといったような事情もございましたので、両方あわせまして、活力ある都市をつくっていこうということで諸問題に対応していこうということでございます。

 それから、地方都市でございますけれども、先ほど申し上げた高齢化の問題に加えまして、中心市街地の再生の問題、鉄道による市街地の分断化の問題、こういったさまざまなテーマがございまして、これにつきましても、先ほど申し上げたつもりでありますが、幾つかの自治体に集まっていただきまして協議会をまず立ち上げ、そこで議論しながら対策を検討したということでございます。

 大都市につきましても、ごみゼロ等々の新しい都市のシステムをつくっていこうということで、本部が主導しまして協議会を立ち上げまして、協議会の場でいろいろな対応を検討していこうということで計画を立て、それにのっとりまして関係省庁、自治体、それぞれがやるべきことをやっていこうという形で取り組んできているところでございます。

和田委員 これ以上余り聞いてもなかなか次の答えは出てきそうにないと感じますので、もう少し角度を変えさせていただきます。

 今の御答弁をお聞きしていますと、大都市については国が主導権を握って各省庁横断的にやる意義が見出せそうな気がしますけれども、中小都市については、国が主導権を握って協議会を立ち上げ、モデル調査を実施し、その後また各中小都市ごとの施策を中小都市に考えていただいて、国がお金を張りつけるかどうかを考えるというふうに、非常に中小都市に対しては迂遠な政策が組まれているのではないかという危惧をいたします。そういった意味で、どうして中小都市の分をこの四年間、そういうかなり悠長な時間の流れの中でとらえられてきたのか、私にはそれが非常に理解に苦しむところなんです。

 私は、実は、都市再生本部を立ち上げて都市再生特別措置法の最初の法律を制定するときに、その過程の一員に加わらせていただいたときに随分主張させていただいた思い出がございます。そのときには、大都市についてこそ早くやれば、全国がその波及効果に応じて都市再生のムードが高まり、実際にプロジェクトが立ち上がってくるんだというようなことを都市再生本部からも御説明していただいた覚えがございます。

 しかし、今の御説明を聞きますと、いかに言っても大都市は大都市、中小都市は中小都市というような御説明に聞こえますが、その辺、この四年間で何か変化があったんでしょうか。

清水政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しますけれども、当初から、それぞれの都市の特性に応じましていろいろな取り組みをやってきております。

 それで、おっしゃいましたように、大都市における経済面での波及効果というのはもちろん大きいものがあるわけでございますけれども、都市再生の大きな中身として、一つは国際競争力のある都市をつくっていこう、もう一つは魅力ある都市を二十一世紀の遺産として残していこうということでございまして、地方都市につきましても、二十一世紀の遺産として魅力ある都市をつくっていこうということで、当初から、地方都市の都市再生についてもいろいろな取り組みをしてきたということでございます。

 もちろん、同時並行いたしまして、各省のいろいろな事業を推進する中で、もう一方で新しい課題、時代の流れに応じました課題につきまして、関係省庁、地方自治体一緒に考えて次の新しい施策に結びつけていこうといったようなことで、協議会の場を設けて取り組んできたということでございます。

和田委員 今の御答弁は、大都市と中小都市とを並行して考えているという御答弁ではありますけれども、四年前に都市再生本部が御説明されておられたのはそういうことではなくて、大都市のプロジェクトをやっていくと中小都市にも波及効果があるんだということを御説明されていたと記憶しています。

 そういった意味で、今の御答弁では波及効果の面での御答弁は入っていないと思いますが、いかがでしょうか。

北側国務大臣 私も、委員の昨日来の御質問をお伺いしながら、私も都市再生本部の立ち上げにつきましてはかかわった一人でございます。私も御質問を聞きながら、いろいろ思い起こしながら考えておったわけでございますけれども、最初は、都市再生本部というのが提案をされ、そして閣議決定がされたのは平成十三年の春なんですね。この十三年の春はどんな時期かといいますと、大手のデパートが倒産するだとか、金融機関が破綻するだとか、特に金融面で、非常に不良債権がふえて大変厳しい状況の中でございました。

 そういう中で、政府・与党の中で、経済対策、特に金融面を中心として経済対策を取りまとめさせていただきました。その中で、金融面とともに、金融と裏腹なのはやはり土地の問題なんですね。土地の流動化を進めないといけないし、また、特に大都市部での都市の課題というのはたくさんございまして、都市の再生を進めていく必要があるなと。それで、都市再生本部というものを立ち上げようじゃないかということを平成十三年の春に与党で決め、政府で決めるということがあったわけなんです。

 ですから、当初は、意味合いとしましては、あの当時の経済状況が金融面を中心として非常に厳しい中で都市再生本部を立ち上げて、そして都市の再生という手段を通じて何とか日本の経済を再生したい、そういう思いでやらせていただきました。金融面の対策、それから土地流動化へのさまざまな税制改正等の対策、そして都市再生というふうなことを考えていったわけでございます。

 ですから、出発点はそういう緊急経済対策という側面がありましたので、そこで最初に出てきたのは都市再生のプロジェクト、全国の大都市圏、特に割と大都市圏に共通するようなテーマで、そういうプロジェクトをしっかり国としても地方公共団体と連携をとりながら進めていこうじゃないか、それで経済を何とか活性化させていこう、こういう思いが一つはありました。

 これが一つの最初の道だったんですけれども、その後、その辺からはもう委員もよく御承知かと思うんですが、さらに二つ出てきまして、全国の大都市のプロジェクトをしっかり国としても応援をしていこう、それは緊急経済対策という面が強かったんですが、二つ目は民間のプロジェクト。一体、民間のプロジェクトというのはどれぐらいあるのかというのを調べてみようということで、一遍調べたんです。全国から民間のプロジェクトをいっぱい集めまして、出していただいて、そしてそういうのを検討している中で、さまざま規制等があって、民間プロジェクトが時間もかかる等々のいろいろな問題点があるなというのがわかりました。

 この民間のさまざまなプロジェクトについて、これは特区の始まりだったんですけれども、ある地域を指定しまして、その地域内においては従来の都市計画なんかをもう一遍ゼロに戻しまして、民間と当該地方公共団体とが自由な発想のもとで、規制を取っ払いましてゼロから自由に計画をつくっていただいて、早く民間のプロジェクトができるように応援をしていこうということで生まれたのが都市再生特別措置法でございました。都市再生特別措置法では、そうした都市再生の特区、その後の構造改革特区の先例になる手段だったと私は思うんですけれども、そういう民間の都市開発のプロジェクトの投資を促進させていくためにさまざまな規制というものをできるだけ外していって、それがスムーズに進むようにしていきましょう、これが二つ目の手段だったんです。

 三つ目に出てきましたのが、今委員がおっしゃっています、地方都市にもあるじゃないかと。地方都市にもさまざまな課題がある。それは都市によって違うんですけれども、防災であったり、防犯であったり、環境であったり、高齢化であったり、さまざまあるわけなんですけれども、そうした地方都市それぞれの、魅力ある都市にしていくための課題というのがあります。そういうのも大切だねと。それが稚内から石垣までなんですけれども、そういう地方都市の再生のためのさまざまな仕組み、制度というのを考えていこうよということで生まれたのがこの三つ目の全国都市再生であったわけでございます。

 そこで生まれてきたのが、やはり財政的にも応援をしたいね、する方法は考えないといけないねということで生まれてきたのがまちづくり交付金でございまして、これが十六年度から始まって、そして拡充をされてきている。このまちづくり交付金というものを使っていただきながら、地方都市のさまざまな課題についてぜひ取り組んでいただく。

 この三つの路線がございまして、そういう意味では、当初、平成十三年の春に都市再生本部をつくろうと考えた出発点と現在ではちょっと意味合いが変わってきているといいますか、発展してきていると言っていいかもしれません、そういうふうになっているのかなというふうに私は理解をしておるところでございます。

和田委員 今北側大臣に御説明いただいたところは、私も本当に自分が経験したとおりのことをおっしゃっていただいたと思います。

 私は、そういうことを前提に認識しておるものですから、都市再生本部が都市再生特別措置法に関するいろいろな説明を私どもにしてくれたときに、中小都市の再生はどうするんですかということをお聞きしたことがございます。そのときにおっしゃっていたことを今思い起こしますと、先ほど申し上げたように、中小都市についてはまた別個いろいろ施策を考えてまいりますが、大都市のプロジェクトをやることによって、それが中小都市にも波及効果を生むのです、そのような御説明をいただいたところだったんです。

 限られた財政予算をどのように適正に配分するかという観点からすれば、あの当時、中小都市のシャッター通り化がもう進み始めているということは政府部内でも認識されておって、その中小都市に対してもっともっと重点的に取り組むべきではないのかという問題意識を国土交通省にも都市再生本部にもお投げしていたところではないでしょうか。

 そういった意味で、中小都市こそ早く財政支援を打てるところは打って、そして、中心市街地の活性化というお題目を持っていましたけれども、それを早く取り戻すような施策を考えてもよかったのではないかな、そういう反省点を持った上での質問にさせていただいているわけでございます。

 先ほど大臣がるる御説明いただいたとおり、都市再生本部なるものは、確かに緊急経済対策の観点から大きな経済効果を生むために生まれたものでございます。そこで、今の問題意識から少し移らせていただきますけれども、その経済効果を生むといったところの分析の甘さがまだまだあるのではないか、今現在も続いているのではないかという観点から質問させていただきます。

 きのうも質問で取り上げさせていただきましたけれども、大都市のプロジェクトを図られるときに、都市再生プロジェクトというのは、先ほど大臣の御説明の中に入っていました、各省庁も地方自治体も集中的に取り組むべき施策として、今現在までに十八ほどあると思いますが、そういった柱を立てて取り組まれておるところでございます。

 それ以降、民間の活力を使いながら、都市再生に最大限にそのエネルギーを振り込んでいこうということで、スキームとして組まれたのが緊急整備地域の指定だと思います。その指定の際にもいろいろ議論したところでございますが、これを国費をもっていろいろ支援する、民都機構も使い、それから政策投資銀行も使ったそういうスキームを組みましたけれども、それによって民間投資が促進され、かつ、それの波及効果としていろいろな生産部門で事業が立ち上がるだろう、そこまでは頭の中では理解できたんですが、そのときの波及効果をはかるものとして、きのう申し上げたような生産誘発係数なるものが使われておるわけでございます。

 しかし、今までの問題意識を持って取り組むならば、この大都市プロジェクトこそもう少し細やかな分析をして、この生産誘発係数は建設部門の、単純に土木工事をやる部分についての誘発係数をはかられていると思いますが、大きな、広域的な圏内を考えての地域を指定し、その中で何とか活力を取り戻していただこうとするのであれば、いろいろな産業がそこで動き始める可能性があるわけですから、もう少し緻密な分析をしてもよかったのではないか、またこれからするべきではないかと思いますが、その点についてお答えいただけますか。

清水政府参考人 各プロジェクトのデータによります現状把握、分析評価の御質問だと受けとめてお答えいたします。

 例えば、大都市でやっておりますごみゼロ型都市の構築というプロジェクトがございますが、これを例に御説明いたしますと、首都圏それから京阪神それぞれの圏域におきまして、首都圏でいいますと、先ほど御説明しましたように、一都三県で集まりまして協議会を設け、その協議会の場でいつまでに、どこまでごみを減らすかという目標を立てて、その目標に向かいましてごみ処理の施設をつくっていく、静脈物流のシステムを構築するといったような取り組みをみんなでやっていこうということで、鋭意取り組んでおります。

 具体的に申し上げますと、首都圏の例でございますけれども、産業廃棄物につきましては、平成十七年度までに十年度に比べまして最終処分量を五〇%まで減らそう、それから一般廃棄物につきましては平成二十二年度までに約六〇%減らそうということで、五年後、十年後の目標を立てまして、それに向かいまして施設の整備、システムの構築等を進めているところでございます。

 それで、各年度の進捗状況を数字で整理いたしまして今後の対策につなげていくといったような形で対応しておりまして、必ずしもすべてのプロジェクトが金銭、経済的な指標ではかれるわけじゃございませんが、ごみの量とか、それから、例えば国際化に対応した港湾の手続の簡素化という意味では、ワンストップ化サービスのように港湾の手続を短縮するということで、時間、日数、こういったものを縮めるという目標を立てて、それに向かいまして港湾の整備、システムの構築をやるとか、そういった形でそれぞれのプロジェクトに取り組んでおります。

 ただ、先生御指摘のようにまだまだ不十分なところもございますので、御指摘も踏まえまして、今後もいろいろなやり方、工夫をしながら取り組んでいきたいというふうに思っております。

和田委員 今般、法案の御説明を受けた際に、いろいろと今までやっていらっしゃることをお問い合わせしたというお話をきのうさせていただきました。

 後追いとはいえ、集計されているそのことそのものは評価させていただきますので、これから先の都市再生については、きっちりと、どのような観点から政府が分析をされ、その効果がどれぐらいまで上がっているかということを国民の皆さんにいつの時点でも御説明できるような、そのような体制をとっていただければと思います。

 次に移ります。

 今回の法案、まちづくり交付金との関係が非常に深うございます。いろいろ御説明を聞いていますと、昨年のこの時期に当委員会でもまちづくり交付金制度については賛成をさせていただいて、この一年間非常に地方からの評判もよく、運営されているところでございます。

 それがあるからこそなんでございますが、なぜ昨年に、昨年のあの審議の際に、この民都機構の出資機能もつけた形で、かつ、それを前提とした民間の行われる再生事業も包含する形で法制が組めなかったのか。それらについて、何か事情はございますか。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 なぜ、去年一緒にやればよかったじゃないかというお話でございます。

 まちづくり交付金は、ある意味では非常に画期的な制度でございまして、この委員会でも大変熱心に御議論いただいたわけでございます。その制度自体をつくることに一生懸命でございました。その後、地域再生というテーマも出てきて、さらに、このまちづくり交付金を土台にしてさらに一歩進めないかというような提言、いろいろな御議論がございまして、今回の改正に至ったということでございます。

和田委員 これについてなぜ、なぜと聞くのも非生産的ですので、北側大臣にお聞きいただきたいんですが、この一年のずれが起こることによって地方においてどういう現象が起こっているかをぜひ知っていただきたいと思います。

 実は、まちづくり交付金については私自身も非常にいい制度だと思いまして、できた当初からいろいろなところに宣伝して回り、かつ活用を呼びかけてまいりました。そんな中で、国土交通省に申請が上がってくるまでの間、地方自治体においてどんな作業を行っているか、いろいろと中に入って聞いてみました。

 やはり国からの予算を獲得しようとしますと、それに最短経路を通るような地方自治体での検討態勢がしかれます。それはどういうことをこの場合に意味するかというと、できるだけコンパクトにこの都市再生整備計画をまとめ、地方自治体がやる事業に絞った形で計画を書いてくる。そして、この部分は確実にやれますから国として申請を許可してくださいということで、計画そのものが非常に限定的な形で編成されて国の方に上がってきているという現象が見られます。

 すなわち、本来なら、地元では、地方自治体が整備する部分はここだ、それから、民間の方々が手がけていらっしゃるので、民間の方々にやっていただくところはここだ、全体としては、隣接地域になっているので大きく包含した形で本来は整備を進めていきたいんだけれども、まちづくり交付金は地方自治体が行う事業に限って交付金の額が算定されます。民間の事業というのを、やってはいけないというふうに書いてあるわけじゃないんですけれども、民間事業については、その交付金の規模を決める上で算定からは除外されます。

 そういったところから考えて、地方自治体は、自分のやる事業に限って整備計画を立て、そのエリアも、自分のやる守備範囲の部分を計画区域に定めている場合が結構多うございます。

 そうなってくると、今回、この改正法を成立させたとしてどういう現象が起きるかというと、一年前には民間事業が立ち上がろうとしているということは地方自治体には類推できたにもかかわらず、民間事業が、もう一回ここで事業をやりたいので、それを民都機構の出資として支援してくれということを前提に地方自治体に働きかける、地方自治体が、それを前提に、民間事業の区域も加えた形でもう一度計画をつくり直して国土交通省に持ってこられるということが必要となってまいります。

 これが、非常に地方自治体の、出し直せばいいじゃないかということに聞こえるかもわかりませんが、中で現実に作業を行っている部隊は、計画を立案し国まで持ってくるまでの間に、たくさんの人が動かれ、相当なエネルギーがかかっております。そういったことを国としてもっともっと善処すべきではないかと思いますが、この点については、大臣、お聞きいただいてどうお考えになりますでしょうか。

北側国務大臣 まちづくりを進めていくためには、もちろん市町村が重要な役割を担うわけでございますが、それとともに、その地域にお住まいの方々、その地元の方々、そして、まちづくりの専門家の方々、この三者がうまく合わないと、なかなかまちづくりというのは効果的な成果を上げないのではないかと思うんですね。市町村だけが頑張ってもだめ、地元の住民もしっかり動いていただく必要がある。自分たちはこういうまちづくりをしたいというのをどんどん言っていただいて、口を出すだけじゃなくて、場合によってはお金も出してもらう。さらには、まちづくりの専門家である企業等にも入っていただいて、この三つがやはり本当に一緒になってまちづくりというのは成功していくことだというふうに思うわけですね。

 そういう意味で、一つは、まちづくり交付金というのは、直接はやはり市町村に対する交付金でございます。これは市町村も当然負担もしなければなりません。市町村も自分たちで負担もし、国からまちづくり交付金をもらって、そしてさまざまなまちづくりをやっていく。一方で民間の方は、地元の方々、また民間の企業の方々が、自分たちはこういうふうにしていきたいんだというときに、それをサポートしていくような制度、仕組みがやはり必要じゃないか。

 確かに、まちづくり交付金を使って市町村経由で流れることは流れるんですが、それだけではなくて、直接、民間の方々、地元の方々を支援できるようなそういう仕組みというのがやはり必要だねということで、今回、民都機構を活用させていただいて出資をさせていただくような機能も与えて支援をしていこうということでございまして、この三つが、先ほど来申し上げております市町村、地元の方々、そして企業、そういうのが一緒になってまちづくりというのはやはり成功していくのではないかと思うわけでございます。

 この法案は、そういう意味では、委員のおっしゃっているとおり、去年最初から全部そろえて出せよとおっしゃられればそのとおりかもしれません。しかし、一年おくれたかもしれませんが、そういう民都機構の活用という手段もつくらせていただきましたので、ぜひ、これからはそういう形でこのまちづくりをさらに進めさせていただければありがたいというふうに思っております。

和田委員 大臣から前向きな御答弁をいただいたというふうに感じています。そうであれば、これから私自身も民都機構に出資機能を与えること自体はやるべきではないかと考えています。実際に、政府の中で政策投資銀行や民都機構の方々と相談しながら、先ほど申し述べてきた大都市の再生にかかわってきた立場とすれば、民都機構のそれぞれの審査機能なり資金の回収機能なりをしっかりとしていただきたいという要請と、それから、一見矛盾するかもわかりませんが、地方にできるだけふんだんに資金を流し込んでほしい、そういった要請とをうまくバランスをとっていただく必要がございます。

 ともすると、国の機関でありますそういった民都機構のようなところは、ぎちぎちに審査をする余り、なかなか地方の実情に応じて本当に出資金や融資金として必要な額を確保できず、ほかの方々が何とかして工面するまではなかなか立ち上がらないといった実情もやはり散見されるんだと思います。そういった意味で、今回出資機能を追加されるのであれば、それを地方の実勢に応じて、きちんきちんと最大限手当てできるところは手当てするという体制を整えていただきたいと思います。

 実際に幾つかの自治体に聞いてみたところ、まだまだ民都機構自体がアクセスしているところはほとんどないと。それから、さかのぼって考えてみまして、大都市で行われております緊急整備地域の中で民間が立ち上げられている事業についても、民間都市開発推進機構から事情を調査されにいらっしゃったことはほとんどないようでございます。民間の事業者の方々が民都機構に何とかなりませんかねというふうにおっしゃってこられて、さあ、どうかねというようなのが実際の国民の評価ではないかというふうに考えるわけでございます。

 そういった意味で、今、民都機構は東京に本社があって、ほかのところに営業網があるわけでもございません。しっかりとその組織の中を活用していただいて、地方の声をしっかりと吸い上げるような仕組みを整えていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

竹歳政府参考人 御指摘のように民都機構は非常に小さな世帯ではございますが、そういう政策金融の手が届かないような地方のさまざまなニーズにこたえて、小回りのきくような仕事をぜひやっていかなくてはいけないと思います。

 今御指摘のように、でんと座っていてなかなか営業もしていないじゃないかというような御指摘でございましたが、そういうことのないように、私たちも、せっかくこういうすばらしい制度をつくっていただくということになりましたら、ぜひ活用できるように、皆さんから声がかかるように、また、どんどん営業できるように進めていきたいと考えております。

和田委員 ぜひしっかりお願いいたします。

 時間が残り少のうございますが、この件ばかりを御質問するとほかの法案を審査しないで議決をとることになりますので、最後に、区画整理法についてのみ一問させていただきたいと思います。

 昨日は大臣に、区画整理組合による事業実施ではなかなか問題があって、区画整理会社を今回対象として追加することとしたい、その目的について語っていただきました。それ自体は理解します。

 それを前提に御質問しますけれども、そういう必要性の中で会社というスキームを導入するに当たっては、法文を読んでみますと、組合ならば、最低限一回は最初からその地域における土地に関する権利を有する人たちが全員インボルブされる形で検討が進むようになっていますけれども、会社組織であるこの区画整理会社を対象追加されている中で、土地の権利を持っている方々が三分の二以上集まれば、あとはその方々のみで事業が実施できるようなスキームが組まれております。

 それは、きのう大臣が御説明いただいたように、いろいろな問題点があって、事業を進捗させる観点からいたし方ないんだという御判断をされているのではないかと思いますけれども、その御判断の是非についていろいろ議論するよりも、そうであれば、あと残りの三分の一もしくはその後の検討に加わることがないであろう方々を、できるだけ不満分子が少なくなるような形で事業実施にこぎつけるために、もっと工夫していただいたらいいのではないかというふうに考えるわけでございます。

 そういった意味で、このスキームの中にも、土地の権利者は当然、地域住民も含む協議会のようなものを立ち上げてはいかがかと思いますが、この提言に対して御答弁いただけますでしょうか。

竹歳政府参考人 御指摘のとおり、区画整理、会社方式でありますと立ち上がりが非常に容易になります。

 ただ、組合の区画整理と比べましても、例えば事業計画のときにはやはり三分の二の同意が必要ですし、さらに、実は組合の区画整理のときよりもさらに権利者保護を考えたような手続もございます。換地計画とか仮換地、こういう計画をつくるときには、組合方式ですと総会で半分の議決でいいのが、三分の二の同意が要るというような形で、ある意味では、後の方では権利者の方をより広くインボルブしなければいけないということになります。

 いずれにしましても、法律上は三分の二とか過半数とかいろいろな決まりがございますが、実際は、区画整理というのはやはり皆さんで進めていただくという性格のものでございます。計画について、もちろん縦覧とかいろいろな手続もございますが、それだけではなくて、やはり皆さんがしょっちゅう集まって、今先生が協議会とおっしゃいましたけれども、そういうことを実際やらないと、この仕事は進まないと考えております。

 我々もそういう形で、幅広い形で権利者の方々が参加しながら、いい町ができるように努力していきたいと考えております。

和田委員 ぜひ、そうした地域住民の方々の声をきっちりと吸い上げるスキームを担保していただきながら進めていっていただければと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

橘委員長 樽井良和君。

樽井委員 樽井良和です。

 同僚議員の和田議員に引き続きまして、民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案について、質問なり提言なりさせていただきます。

 この法案をつくる経緯なんですが、提出の経緯の中には、「都市は、二十一世紀の我が国の活力の源泉であることから、再生を図ることによりその魅力と国際競争力を高める必要がある。」そして「地域再生に資する新たな取組」の欄では、「国土交通省においては、国際競争力のある観光地づくり、地域産業の再生、魅力的な景観形成に関する施策等地域再生に資する取組を推進することとしている。」こうあります。

 実際に、今、日本は魅力が少しずつ失われてきているんじゃないかと私は思っております。どこに行っても陳腐で金太郎あめのような町ばかりができている。そういった中で、この法律を通すことによって、一体そんな魅力的な町が実現するのかどうか、この辺、感じるわけです。

 今、成功している例といたしまして、これは梅澤忠雄さんから借りてきたパンフレットなんですけれども、ドバイという町があります。実際に、かつて一九九一年には観光客が五十万人だったんですが、二〇〇四年度には観光客が五百万人を超えた。そして、この後もリゾート地をどんどん開発していって、二〇一〇年には千五百万人の観光客誘致を目指し、これは日本のビジット・ジャパン・キャンペーンが二〇一〇年一千万人ということですから、さらに上回る。そして、二〇二〇年オリンピックの開催を目指す、こういった目標を掲げているんですが、いかにも達成できそうな施策を施している。

 それと比べて、今回の施策で魅力ある町、国際競争力のある観光都市が出現するとは思えないんですが、その辺についての所見をお伺いいたします。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 国際的に魅力のある、国際的に競争力のある町をどうつくっていくのかというお話でございます。

 先ほども和田先生の御質疑の中にございましたけれども、まず、大都市におきましては、そういう特に競争力のある都市をつくっていこうというので、いろいろな政策が打ち出されております。国際的な都市間競争に打ちかっていくために、今後の我が国経済を牽引する産業となる都市の基盤整備を進めていく必要があるということで、都市再生特別法に基づきまして、さまざまな規制緩和でございますとか、税制、金融の優遇措置、基盤整備も行われている。そういう中で、いろいろなプロジェクトが今立ち上がりつつあると思います。

 また、地方でも、金太郎あめというお話がございましたけれども、やはり景観にすぐれたまちづくりを進めようということで、前国会で景観法も通していただいたということで、こういう手段も使いながら、金太郎あめでないまちづくりに取り組んでいきたいと考えているわけです。

樽井委員 写真をお見せできないのが非常に残念なんですが、例えばドバイでしたらパームシティーという、ヤシの木のような埋め立ての形にして、直径五キロメートルになる巨大な埋立地の海上都市をつくったという奇想天外なプロジェクトなんですが、ここに二千戸の分譲住宅と四十のホテル、商業施設やスパ施設などが建設されて、今回、例えばベッカムやマドンナといった世界的なセレブが別荘を購入するというような、そういったこともありまして、フォーベッドタイプでマンションで九千万円する、そんな高価なんだけれども、四十八時間でほとんど売れてしまった、景観が悪い地帯も二週間で完売したという。

 こういった、例えばだれが見ても斬新で、世界がどぎもを抜くような、あるいはサプライズを感じるようなまちづくりをする上で、今回の施策でそこまでねらいがないとしても、また、まちづくりのことに対して住民参加型でいろいろな意見を聞いたりとかしているうちに、余り、デザイン的にも洗練されたクールな、いわゆる格好いいとかすてきだというような、そんな町ができそうな気がしないんですね。その辺に関しまして、いかがお考えでしょうか。

竹歳政府参考人 先生の今のお話を伺っておりますと、特に大都市においてそういう大きなプロジェクトが立ち上がらないだろうかということではないかと思います。

 実際、例えば防衛庁の跡地も今大きな開発が進んでおりますし、やはり外国の方が来られても、ごみごみした密集市街地だけじゃなくて、いろいろな大きなプロジェクトが日本でも立ち上がってきているんではないかなという感想をお持ちで、私も何人かの外国の友人からもそんなことも伺っております。

樽井委員 例えば、今回の法案では、開発に無利子で融資するというようなことになっているんですが、そういったことではなくて、どうしてもそこを開発したい、うちから金を出そうじゃないかというぐらいの魅力的な構想なり、そういったスケールのことを出していかなければ、日本の経済、それほどよみがえらないんじゃないかというような感想を持っております。例えば田舎だったらどうだということになりますと、やはり特色がある町をつくっていかなければならないというふうに思います。

 実際に、またドバイのを例にとると、ジュベル・アリ・フリーゾーンという、これは例えば経済特区と同じような感じなんですが、金属、繊維、IT、重機とか医療とか、こういうふうに十三のゾーンを分けまして、その中に企業を誘致する、そういった試みをやっております。そこに来た企業は十五年間法人税非課税、それ以外の場所に行くと課税になる。こういったことで、ビジネスインセンティブを設けて都市の特色を出しているんですね。

 実際に、インターネットシティーといったところには、IBM、マイクロソフト、ヒューレット・パッカード、オラクル、コンパック、スリーエム、ソニー、キヤノン、こういったIT企業関連が二百社、これが既に入居して、今後二百社また希望してきている、どうぞ入れてくださいと。そういったことでどんどんと開発が進んでいく、こういったことがあるわけです。

 今回のこの日本の開発の施策で見ますと、それこそ特色がある町をつくるという部分においては、グランドデザイン、本当にできているんだろうか、グランドストラテジー、これも本当にできているんだろうか、こういうふうに思えてしようがないわけです。

 例えば、隣の県にも同じような町ができましたよ、そういったレベルのことになりかねないので、例えば知事さんを集めて、あるいは市長さんを集めて相談するなりして、この町あるいはこの県は何に特化した、どういったことに強みを持った町にしていくんだというようなことを、国土交通省あるいは省庁の垣根を超えて相談して、日本の大きなグランドデザインをつくるいい機会だと思いますので、そういったことをして取り組むべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。

竹歳政府参考人 ただいまの、特定の産業をどんと誘致して、そこに世界各地から企業を呼び込んでというような意味では、実は、政府全体として取り組んでおります構造改革特区、こういうことで、例えば大阪府ですとバイオメディカル・クラスター創成特区とか、バイオテクノロジーとかITとか、我が国もそれなりにそういう努力をしていると思います。

 それから、先ほどお話がございましたように、やはり民間の投資をどう呼び込むかということを、今、先生は中心的に考えておられると思います。その問題については、都市再生の緊急整備地域、ここは規制緩和をして、例えば今、大手町のところで大きなプロジェクトが立ち上がろうとしているとか、日本橋の問題とか、いろいろあるわけでございます。

 今回の法案は、先ほども御説明申し上げましたけれども、主として地方の都市を、特色ある個性あるまちづくりを応援していこう、こういうふうに考えているわけでございます。

樽井委員 今、日本を、日本株式会社としてこの国を定義づけて考えたら、本当に赤字の会社であります。八十兆ぐらい予算がかかるのに四十兆弱のそんな収入しかない。これを何とか改善しようとすれば、あらゆる省庁の垣根を超えて、もっと大きな、先ほど言いましたような明快なグランドデザイン、そして緻密なグランドストラテジー、戦略を持って、そして企業誘致の力学あるいは観光の力学、そういったものも考慮しながら総合的に町をつくっていかなければならないと思っております。

 実際に今、普通に、首都機能移転だとかそういう問題もよく議論されますが、東京に本社が一極集中し過ぎている。今の状態で例えばよく議論になります地方分権をしても、それはもう法人税が東京ばかりですから、地方にお金が全然ない、こういったことになるわけです。

 だったら分散しようかというと、私は個人的に、密集していることのメリットというのは非常に大きいと思っております。いろいろな会議でありましてもパーティーにしましても、やはり日本というのは対面社会でありますから、ホリエモンみたいにネットだけで契約をしてどんどん終わっていけばまた時代も進むんでしょうが、やはり相手と話をしながら、じゃ契約しようかということになりますと、似たような業種が近所にあるということのメリット、これが非常に生きてくる。

 だから、例えば地方分権も視野に入れて考えた場合に、その業種ごとに結集したセクターなりエリアをどんどんどんどんと分散させるべきだというふうな考えを持っております。実際にウォール街なんかへ行きますと、大体、営業マンは電車に乗っては回らないですね。歩いて会社を回ります。それは、そこに証券なり金融の会社が密集しているからなんです。物すごく狭い範囲に、あらゆるそういった証券なり金融の会社、あるいはそういった金融の専門家、アドバイザーが密集している。そうすることによって、そこにすぐれた才能が結集することによって、また新しいそういったことも生まれてくる。

 例えば仙台と福岡に一人ずつ有名なそういった方がいても、一緒に会って話をする機会もなければ新しいものが生まれる機会もそいでしまう。そういうふうなことになると思いますので、そういったセクター、セクターで、田舎でもいいんです、例えば奈良の大和郡山だったら、ここは金魚だ、金魚ばかりつくっているんだというような、そういったことでも別に構わない。その特徴をどんどんどんどんとさらに出していかなければ、やはりこれは、こういったポンチ絵にもありますけれども、同じような町があちこちにできるだけでとどまって終わるんじゃないか、ちょっと使い勝手がいいだけじゃないか。ボクシングでいえば、これはジャブばかりを打っているような感じに思えるわけですね。一発どんとでかいものを当てるような構想なり、あるいは、狭い範囲でもいいけれども、何かに特化した、そういった才能が集まる町なりをつくってほしいというふうに思っております。

 実際に、観光あるいはビジネスとかいろいろな面を総合しますと、例えばハリウッドなんかですと、映画をつくりたい若者はあそこに行けば、そこの学校で映画を習うわけです。そこの映画の制作の会社に出ていって、インターンをして、実際に映画をつくってみたりする。そして、そうした会社もありスターもそこに住み、その華やかさからそこが観光都市としても成り立っている。あらゆるものをつくりながら、同時にそれは観光として成り立つ。この間お聞きしましたよね。ガラス細工の町なんかでも、観光としても成り立つけれども、ガラス細工をつくることで産業が成り立っている。こういったことを計画していかなければならないんじゃないかということを強く訴えたいと思います。

 その辺、取り組みでどうしてもそういうことを考慮していただきたいので、もう一回、この法律以外にもまた、終わった後にもまたこんなことをやっていこうという展望なりがありましたら、お聞かせください。

竹歳政府参考人 今、先生がいろいろ例示に挙げられましたハリウッドとかウォール街となりますと、これは世界に一つあるかないかというようなものですから、なかなか、日本の各地域が目指しても、筑波なんかはシリコンバレーを目指していろいろ努力をしたこともございます。

 ただ、今おっしゃったように、例えば滋賀県長浜、黒壁というところはガラス細工で観光客の方も非常にたくさん来られるということで、身の丈に合ったことはやらざるを得ないと思います。やはり、ここをこうしたいと思っても市場が決める面がたくさんございます。インフラ整備をしていろいろやりたいということもありますが、市場が決めますから、なかなかそう思うようにはいかない面がありますが、そういう地域地域の特性を生かしたようなまちづくりということは、今回の法律では地方都市を応援していこうということで、そんな大きなことにはならないと思いますけれども、御趣旨を踏まえて今後の政策を進めていきたいと思います。

樽井委員 その議論はこの辺にとどめておこうと思いますが、町の再生であるとか都市の再生であるとか、何かとまっていたものをもう一回もとの速度に回そうか、そういったことではなくて、新しいものを世界に先駆けてつくっていくんだ、創造するんだというぐらいの気持ちで取り組んでいきたい、そういうふうに思います。

 それで、この法案でもありますけれども、いろいろな方々と協議しながら大臣が最終的には認定するんでしょうが、今まで魅力的な町を見てきた中で、何か才能のある一人の都市のプランナーであるとか、あるいは一社が独占してそこを緻密に練った方が、デザイン的にもシステム的にもすばらしい町が多いと思うんですが、町のつくり方において、そういった一人のプランナーに任せるようなこともあり得るのかどうか、お聞かせください。

竹歳政府参考人 実は、我が国におきましても、そういう新しい試みが幾つか行われております。日本におきましては、まだ町全体を一人のプランナーにお任せするというようなところまではいっていないんですけれども、例えば、千葉県の幕張新都心や、それから大阪府の阪南スカイタウンというふうなところでは、一人のアーバンプランナーがマスターアーキテクトという立場で、プロジェクト全体の統一的なコンセプト、こういうもとに魅力あるまちづくりを進めるというふうなこともやっておられます。

 また、イタリアなんかでは、市町村が都市計画を決定するに当たりまして、州の承認を得た都市計画課が都市計画の案の作成を行うというようなことを法律上義務づけている。もちろん、プランナーがつくった案につきましては、公示された後は住民の意見を反映して、必要な修正を加える、こういうような住民参加の手続はもちろんあるわけでございますけれども、案をつくる段階では、一人のデザイナーに頼むというようなことはあると思います。

 先ほどから先生御指摘のように、やはり我が国の都市、国際競争に直面している、個々のプロジェクト、町の質を高めていくということが、非常に優秀な人材に世界じゅうから来てもらうという意味でも重要だと思います。そういう意味で、住民の支持を得られるという前提ではございますけれども、そういうような新しい取り組みにも取り組んでいきたいと考えております。

樽井委員 さまざまな方の、住民参加型であるとか、あるいは官民一体となって委員会などをつくって、さまざまな意見を聞くというのは一つ大事なことだと思いますが、いろいろな意見を聞いているうちに、あそこはちょっと危険だとか、ここはちょっと子供の教育上よくないんじゃないかとか、一つずつ意見を聞いて、最初に物すごく斬新なプランを立てていたのに、削っていって、やはりどこにでもあるような町に最終的になってしまう、そういったことをぜひ避けていきたいというふうに思っております。

 クール・ジャパンという意味合いで、GNPという指標もありますけれども、GNCというのが最近言われますね。要するにグロス・ナショナル・クール。クールというのはどれだけ格好いいかとかいかすかという意味なんですが、多くの企業、例えば就職する上においても、例えばソニーとかホンダなんかに行きたいというのは、ソニーが格好いいからだ、そういったイメージというのは絶対あるわけです。あの町が格好いいからちょっと住みたい、そういったことが最近のエグゼクティブクラスには多くありまして、若者で特に才能がある、ちょっとした起業家でありますとかあるいは新しいタイプの才能を持った方というのは、斬新な町をつくると、そこに集まってくるんですよね。

 国の新しい産業を打ち出すあるいはアイデアを出すというときに、難しく難しく考えなくても、その才能がある人を一カ所に集めてくれば何かが生まれてくる、そういった報告も聞いたことがあります。実際におしゃれな、六本木ヒルズなんかもそんな感じかもしれません。そこにITの会社がどんどん集まってきて、非常にITの関連の経営というのがやりやすくなっている。ヨーロッパで、才能がある若者を集めただけで、そこからいろいろな新業種やら新しい考え方、ソフトウエア、そういったものがどんどんと生まれてきた。

 そういったこともありますので、ぜひ、全部とは言いませんが、何カ所かは、クール、格好よさ、洗練されたデザイン、機能美、そういったものも備えた天才的なプラン、こういうものを通すような素地を残しておいてほしい、そういうふうに思います。

 それで、さらにちょっと質問いたしますが、法務委員の方でもあったんですが、不動産登記法の一部を改正する法律案で、筆界で、要するに、まだ地図が混乱している地域がたくさんある。六本木ヒルズなんかも、筆界がきちんと確定されていないために、四年間着工までに時間を要したというふうな経緯もあります。

 そういったデータですね。線をきちんと引いていくときに、例えばデジタル化して、今のような、これは総合的にしなければならないんですが、e―Japan構想をきちんともうちょっとまとめた上で、例えばインターネットから土地情報が見られる。これは、こういうふうなものを誘致したがっている土地だとか、そういった情報も見られるようにする。

 個人個人のデータでも、不動産会社が法務局に行って、登記簿をぱらぱらめくってコピーして帰るような、あんな時間のかかる不細工なことをしなくても、パスワードでも打てば瞬時にぱっと出てくるようなそういった仕組みなど、新しく町を整備する上で、筆界から計画から、そういったものが見えていくように、そして民間に活用させるような総合的なデジタルデータとソフトウエアというものを国を挙げてつくっていくべきだと思うんですが、その辺、いかがでしょうか。

小神政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただきましたように、地籍につきましては、最も基礎的な情報であるにもかかわらず、我が国においては十分な整備が行われておりません。また、今回の法案審議のテーマでもございます都市再生の推進をする立場からも、地籍調査の促進が必要だというふうに考えております。このため、本年度から、都市再生街区基本調査という調査を新たに実施いたしまして、地籍調査の促進を図っているところでございます。

 先生御指摘のように、地籍調査の成果を、本来の目的に加えて、さらに幅広く、例えば学校ですとか病院ですとかコンビニですとか駐車場ですとか、あるいは観光施設ですとか、いろいろな情報を一つの地図の上で統合して提供できれば、住民の方々だけでなく、今先生の御指摘のように、民間の企業にとってもいろいろなビジネスチャンスもそこで出てくるんじゃないかというふうな認識を私どもも持っております。ただ、残念ながら、そういったいろいろな情報を一つの地図に落とすために、地理情報システム、GISの整備も今政府部内でいろいろと検討はしておりますけれども、なかなか課題が多うございまして、十分に進んでいないというふうな状況にはあります。

 この地籍調査におきましても、今御指摘のようなデジタル化について、調査実施主体であります市町村を支援するような取り組みは国土交通省としても行っておりまして、今後ともそういった方向で努力していきたいと考えております。

樽井委員 ぜひそういったところを、国で総合的なプランを練って、一回進捗状況なりを考えながらどんどんと進めていってほしい、そういうふうに思います。

 それで、ちょっと質問は変わりますけれども、今のようなデジタルデータでありましても、例えば、おとついでしたか、地震がありました。ニアス島で二千人ぐらい亡くなられた。スマトラ沖でも大きな地震があった。そして、新潟中越地震がありました。福岡でもこの間ありました。そんな中で、あらゆるそういったデータであるとか、そういったものをちゃんとバックアップしておくことが必要なんじゃないか。

 コンピューターでも、例えば重要なデータはちゃんとバックアップしてとっておく、そういったことをしますから、国のそういったデータをバックアップできる、あるいは東京に大きな震災が起こって被害があった場合に、それをリカバーできるだけの都市、これをつくるべきじゃないかという議論が出ているものですから、その辺についての所見をお伺いいたします。

蓮実副大臣 現在、東京圏には、日本におけるGDPの三割、国内銀行貸付残高の五割が集中するなど、一たび災害が起これば、日本経済全体ばかりではなく、世界経済にも影響を及ぼすおそれが非常に大きいわけであります。

 このような一極集中傾向に対処するためには、国土全体での機能分担と連携を図りながら、東京圏への過度の機能集中や人口流入を是正していく必要があると思っております。国土利用の偏在を是正して、結果としてリスク分散を図ることが重要だと思っております。

 今国会に提出した国土総合開発法改正案においても、災害リスクの高まりに対応した国土計画とするために、国民生活の安全、安心、安定の観点を新たに打ち出したわけであります。これを踏まえまして、新たな国土計画において、危機管理、防災対策を計画の重要な柱の一つにしまして、国民生活の安全、安心、安定という視点に立った国土基盤等の整備や総合的なリスク管理の実現に向けて取り組んでおります。

 特に、今後は、大都市部における密集市街地の改善、住宅・建築物や公共施設の耐震化の促進など災害に強い都市の構築に努める一方、交通、情報通信、ライフラインのネットワークの多重化、多元化などバックアップ体制の強化を推進してまいりたいと考えております。

 なお、国会に設置された国会等の移転に関する政党間協議会におきましては、今後、危機管理機能、いわゆるバックアップ機能の優先移転などについての考え方を深めるための調査検討を行っていくこととされたと認識しております。

 国土交通省としては、国会における検討を円滑に進められるよう積極的に協力してまいりたいと思っております。

樽井委員 先ほどデジタル化ということも言っていたんですけれども、バックアップすることは、ただ災害だけではなくて、例えば健康保険会社の契約書とか、そういったものの書類を置いている場所が、もうかなり場所を食っているわけですね。それを例えばデジタル化してもオーケーだというふうな法律なり法案が通ったときには、一カ所だけに保管しておきましたら、そこで何かハードディスクが壊れたり、地震が起こってダウンしてしまったりした場合は、だれが幾ら掛金をしていたのかわからなくなるというような、そんなとんでもない事態になりますので、きちんと法律上、何百キロメートルも離れたところにバックアップをする場所、国の重要書類とか、あるいはデータもそうですが、そういった場所をきちんと設けて危機管理にも努めていかなければならないというふうな認識を持って質問させていただきましたし、そういった安全であるということで、さらに投資なりもこの国に向かって進んでいくということも考慮してのものであります。

 大臣に質問しようと思って置いていたものとかを省いたので、ちょっと時間が余りました。別の質問に変えさせていただきます。提言なりに変えさせていただきます。

 今、先ほども言いましたように日本が大赤字だという状態でありますので、国土交通省なんかはもろに当たるんですが、あらゆる法案を出すときに、これで何ぼ予算が削れる、あるいはどれだけ税収がふえる、私なんか大阪の商人でしたから、どれだけもうかるんだということをすごく感じるわけであります。この法律が通ることによってどれだけもうかるのか、そして幾ら赤字が減るのかというのを一つずつ考えながら法案を打ち出していくべきだと思っております。

 実際に、今度のこの法案が通ることによって、何年度にどれだけ成果が上がるだろう、あるいは税収がふえるだろう、そういったふうな計算ができているのか、その辺をお聞かせください。

竹歳政府参考人 今回の法案、それとセットとなっております予算でどれぐらい効果があるのかというお尋ねでございます。

 この問題は幾つか仮定を置いて計算してみなくてはいけないんですが、例えば、今回、民都機構がまちづくり会社等へ出資を行う、百二十億の出資を予算としていただいているわけでございますけれども、我々の計算では、例えばプロジェクト全体の五分の一が出資で賄われるとすると、この政策だけで六百億円の民間プロジェクトが支援できるのではないかなと思います。

 それから、民都機構は、このほかにも民間と一緒になって仕事をする参加業務というのがございますけれども、こういうストック再生型や町並み整備型、こういうようなことをやると、二百億円ぐらいのプロジェクトは可能ではないかなと思いますし、また、区画整理会社、この方式で今まで行き詰まっていたような区画整理の地区が立ち上がるとなると、二百七十億円ぐらいあるかなというので、今回の法案だけで申しますと、一千億円ぐらいの事業効果が見込まれるのではないかと考えております。

樽井委員 経済効果をちょっとでも生み出せるように、リフォームなんかでも、テレビ番組で劇的なリフォームをしますと、ぱっと見違えてしまう。町も劇的にきれいな町につくりかえていただきたいと思っております。

 例えば、日本は今観光客が六百万人ぐらいですかね。ドバイのさっき言ったのは、人口百万人の都市に五百万もう来ているわけですから。そして、パリなんかですと、パリ一市で一年間五千万人の観光客が来ている。何でパリには一年で五千万人来るのに、日本には六百万そこらしか来ないのか。それは、やはり魅力のある町としてちょっと欠けるんじゃないかというふうに私は思っております。

 私なんか冗談で、例えば、ちょっとした町に一分の一ガンダム、実物大のガンダムでもぴょこっとつくれば、アニメファンが集まったりして結構な観光地になるよなんて言っていて、バンダイなんかに幾らぐらいかかるものかという試算をさせたこともあるんですが、そういったちょっと新しい、国がこんなことをするのかというような部分で、クール・ジャパン、ポップカルチャーなんかを発展させるための施策もどこかかしこで入れていただいたらちょっと楽しいかなとかも思ったりもします。

 時間が来ましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

橘委員長 江藤拓君。

江藤委員 自由民主党の宮崎県選出の江藤拓でございます。

 それでは、時間が短いですので、早速質問の方に入らせていただきたいと思います。

 平成十三年に都市再生本部が設置されまして、閣議決定によりまして内閣の中にこれが設置されたわけでありますけれども、これは非常に私はすばらしいことだと思っております。都市を再生するということは国土交通省の手に余る事業だと私自身は個人的には考えています。物をつくるだけではない、やはり町をつくるということは、住みやすくする、そのことについては環境の問題も大事ですし、そしてまた治安をよくするというようなことも大切なことです。そういう意味で、内閣の中にこの本部が設置されたということは、非常にすばらしい決断だったというふうに思っております。

 それで、平成十四年、先ほども和田議員がいろいろ言われましたけれども、緊急整備地域に六十三カ所指定されました。我が九州は、たった二カ所、福岡と北九州市だけということでありまして、正直、その時点では、やはり地方選出の議員としましては、やはり東京が先なのかなという残念な気持ちがなかったとは申しません。しかし、世の流れを見ますと、非常に今国民の目が事業に対して厳しくなっています。高速道路の道路公団民営化法案を議論したときも、コスト・バイ・ベネフィットということでありまして、どれだけの費用対効果があるかということを非常にこの委員会の中でも厳しくみんなで議論をいたしました。

 ですから、まず投資効率が上がるであろう都市部を先にやったことは、地方選出の議員としては残念ではありますけれども、一つの政策の手順としては、スキームの流れとしては合理性があったのかなという気がいたしております。

 そして、いよいよ地方にこれがまたやってくるということで、ありがたいことでありますが、その前に、まちづくり交付金、これは非常に地方の食いつきは最高です。議員さんたちとか市町村長が喜んでおるというのではなくて、商工会の青年部とか商店街の若い後継者とか、そういう人たちが、こういうものがあるんだったら何でやらないんだ、これをもっと積極的に使ってやってくれよということで、これで本当の意味での官民一体となったまちづくりができるようになりました。

 ですから、本会議では、民主党の皆さんには申しわけないけれども、交付金について非常に厳しい御意見がありますけれども、やはり交付金制度と地方への税源移譲、これはやはり二本立てでやっていくべきだろうと思っています。

 私の宮崎県の例を挙げさせていただきますと、いわゆる自主財源、今年度、二千五億円しかございません。二千五億円。これには繰入金が二百四十二億円入って、二千五億しかない。東京都の例をちょっと調べてみました。東京都の税収は、見込みですけれども、約四兆二千億円、そして、前年度と比べてふえるであろう税収分、ふえるであろう分だけでも約二千六百億というような状況であります。

 やはり地方を再生する、都市再生、地方再生ですよね。地方を再生するということであれば、やはり交付金制度と税源移譲、渡すべきものを渡して、交付金制度も有効に活用していくということは大変肝要なことではないかというふうに私は思っているわけでございます。

 時間が短いですので早速質問の方に入らせていただきたいと思いますが、まず、民都機構が支援を行っていくわけでありますけれども、民都機構のお金は、言わずもがな、一般会計から繰り入れられるお金であります。これは税金でありますので、この使い方については、将来的には国民の批判にきちっとこたえられるようなお金の使い方をしなければならぬ、これは当然のことだろうと思います。

 では、これをだれが審査するのか。民都機構がやるんでしょうけれども、大臣が認定する前に、どのような手順で、どのような基準でこれを審査していくのか、これは非常に肝要なことだと思っております。しかし、国民の批判に耐えられるお金の使い方をしなければならないといいながらも、地方には今大変力がありません。地方経済は疲弊しております。そういう中にあって、余り高いハードルを設けられてしまうと、これは全然対象にならないということになってしまいます。

 SPCをつくって、皆さん方で出資をして、一つの企業がやる場合もあるかもしれませんけれども、SPCに対して民都機構が出資をする。出資ですから、これは大都市圏の場合と違って、融資じゃありませんから、お金は返ってきません。配当という形でお金が返ってくることを期待はしておられるんでしょうけれども、私は、できることなら余り配当には期待しないでいただきたい。

 ですから、私がお尋ねしたいことは、民都機構から出てくる一般会計を財源とするこのお金は、リスクマネーだという認識でいらっしゃるんですか。ある程度リスクを覚悟で出資をするんだと。

 それで、地方については雇用も非常に厳しい状況にあります。ですから、例えば、これが利回り計算でこれぐらいの利回りが見込めるから、これは審査をパスしますよというような基準では非常に厳しいです。しかしながら、この事業をやったことによって、これだけの雇用が地域で発生するというようなことも政治的に加味していただければ、高速道路のときに、高速道路をつくったことによって、コスト・バイ・ベネフィットだけじゃなくて、医療であるとか、そういう部分に対する波及効果も加味していただきました。そういうような部分もこの場合考え合わせて、民都機構はきちっとこれをやっていただけるのか。

 そしてまた、さらにお尋ねすれば、まとめてお聞きをしますけれども、いい事業であった場合については、全体、例えばSPCに対して地元で一億集まった、それに対して民都機構も、では一億と言わず二億出しましょうという場合もあり得るのか、それとも、一億という出資金でスタートしたものに対しては一定の比率でしか民都機構は出資する予定はないのか。ここら辺も、これからこういう法案がもし通れば、通っていただかねば困るわけですけれども、通った後には皆さん方が一斉に動き出すわけですから、私たちは地元に帰って説明しなければなりません。

 どのようなお考えを御当局でお持ちなのか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 民都機構の支援等、対象となる事業は、どのような基準で判断して、どれぐらい出資するのか、それからリスクマネー等を考えているかどうかというようなお尋ねがございました。

 今回の制度改正は、地方におきまして官民一体となったプロジェクトを応援していこうということでございます。地方ですと、地域金融機関、なかなか経営が厳しいという中で、なかなかいいプロジェクトはあってもつき合えない、そういうところに民都機構が出資をする、エクイティーでございまして、これはリスクマネーです。ただ、一定の期間内には配当を期待しておりますが、そういうリスクマネーを出資するというのが基本的な考えでございます。

 この支援の前提として、国土交通大臣の認定と、それから民都機構におきます審査、二つございます。支援の前提といたしましては、国土交通大臣は、対象事業がまちづくり交付金事業と一体となって都市再生に大きな効果を発揮するものである、にぎわいをつくるとか、必ずしも金銭的な計算だけでははかり得ない部分も含めて地方都市の再生に役立つというのが第一点です。それから、この対象事業の工事着手の時期とか事業施行期間等が、まちづくり交付金事業と一体的かつ確実に遂行するために適切であるとか、それから、事業者がやはり経済的な基礎がしっかりしているというようなことが認定要件になります。

 民都機構は、実際に出資するに当たりましては、専門家の審査体制のもとで一定の配当が見込まれるかどうかなども判断してまいりたいと考えております。

 どこまで出すか、地元で一億集まって、二億出すかというお話でございましたが、それはさすがにそこまではまいりませんで、出資を受ける事業者の資本の額の半分が一つの限度、それから、例えば、公共公益施設の整備費用の範囲とか総事業費の五〇%、そういう幾つかの基準の最も低い限度になりますけれども、そういう範囲でお手伝いをさせていただきたいと考えております。

江藤委員 ありがとうございました。さらに聞きたいこともありますけれども、二十分しかありませんので、先に進ませていただきます。

 さらにお伺いしたいことは、これは聞かないことにしようかなとは思っておったんですけれども、実は、新聞を見ておりましたら、きのうの新聞なんですが、東京都で、東京ファッションタウン、タイム二十四、これが民事再生法の適用申請へという記事が出ておりました。東京都が二社に対して四十六億五千万を出資いたしておるわけですけれども、これは完全に減資の対象となってしまうということであります。ですから、先ほどの質問にも関連することでありますけれども、うまくいかなくなりそうになったと。これは、お話を聞きましたら、出資はするけれども経営には参画しないというお答えでした。

 しかし、大変なノウハウを持った民都機構ですから、これはやはりある程度、折々に触れて、経営ノウハウであるとか経営の方向であるとか資金調達の方法であるとか、いろいろなことを、経営には参画しなくても、アドバイスする責任と義務が国民に対してもあると私は思うんですよ。何が何でも破綻させない、うまくいかせるんだということで、経営に参画しろとまでは言いませんけれども、常にそばにいて、しかるべきアドバイスをするという立場をとっていただけるような体制になっておられるのかどうか。

 それに、もし今新聞記事を読みましたような形になってしまった場合、破綻をしてしまった場合、この場合の処理については、考えたくもない話ではありますけれども、具体的にこの場合はどう処理するのか。

 正直言いまして、グリーンピアの問題であるとか三セクの問題とかで大変な国民の批判を、我々、特に与党は浴びております。この委員会でこの法案を通して、そして、五年先、十年先に、結局みんなだめだったじゃないか、税金のむだ遣いだというような批判を浴びるようなことになっては非常によろしくないので、ここら辺の二点についてお答えをいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 今、東京の最近の事例の御指摘がございました。東京のように非常に経済的に力強いところでも、経済の世界の話でございますから、いつ何どきいろいろなことが起き得るということのお話ではないかと思います。

 そういう意味で、先ほども御答弁申し上げましたけれども、民都機構の出資の前提として、国土交通大臣としても、しっかりプロジェクトについて審査をいたしまして、慎重な審査を通じて破綻リスクを最小限にしていきたいというのが第一点でございます。

 それから、経営には参加しないけれども、出資者として経営の健全性についてはきちっとフォローしていきたいと思います。今御指摘いただきましたように、民都機構にはさまざまな分野の専門家がおり、また経験も積んできてございます。したがいまして、民都機構が民間事業者に対しまして積極的にアドバイスをしていくというのは非常に重要だと認識しております。

 それで、もし万一デフォルトしたらどうかということでございます。

 この出資というのは、実は、民間事業者が行う公共公益施設の整備に充てる範囲で出資をしますということになっておりますから、その整備が進んでいれば、一応国としては、お金を出した、物ができた、残っているということになりますので、一応の目的を達しているということになりますが、そういうことにならないように、事業を引き継ぐ事業者をあっせんする等、民都機構のノウハウも積極的に活用させていただきたいと思います。

江藤委員 多分たくさんの事業が立ち上がると思うんですよ。その場合に、現在の民都機構のスタッフの体制で十分なのかどうか、そのことについても重ねてお願いをしておきたいと思います。体制の強化ということも、将来にわたってはお願いしたいと思います。

 それでは次に、またさらにお尋ねしますけれども、この民都機構がお金を出す場合にまた違う形があって、地域住民の方々が寄附を募って、そして地方公共団体も若干のお金を出して、それを信託銀行あたりに預けて基金をつくって、それでその運営資金、若干取り崩しもするかもしれませんけれども、それでベンチをつくったり花壇をつくったりお花を植えたりということで、まさに手づくりの、草の根運動の地域再生をやるという方法もまた片一方であるというふうに聞いております。このことについてはもう御答弁は求めませんけれども、SPCの場合と違って、これはもう利益を追求する必要もない、もちろん配当は期待していない、これはもう当たり前の話ですけれども。

 ほとんどリスクがない、ノーリスクの出資という形になるわけでありますから、先ほどハードルが、いわゆる集まったお金に対して五〇%というお返事がありました、企業体の場合は五〇%というお返事がありましたけれども、これは民間の方々の、地域の善意の集まりなわけですから、これに対してはもう少しかさ上げをしても私はいいんでないかと。そんなに大きなお金には正直言ってなりませんので、この辺については、地域の住民の善意を生かす上で、もうちょっとハードルを下げ、出すお金の額を上げようというお考えがあるかどうか、御答弁をお願いします。

竹歳政府参考人 住民の方々また地域の企業の方々がファンドをつくってまちづくりを進める、こういう動きが各地で芽生えております。例えば、古い民家を再生して地域の振興に役立てるとか、京都の町家の再生とか、実際にいろいろな動きが起きております。これについてはハードルを低くするということで、我々もできるだけのことをしてまいりたいと思いますが、一方で、やはり日本で一番欠けているのは実は寄附金の控除制度。そういう善意のお金を集めるために、そういうことでまちづくりを進めようというのをもっと進めなくてはいけないんじゃないかなと考えております。

 そういう意味で、長期的な課題という整理にされておりますけれども、そういう税制的な問題についても取り組んでまいりたいと考えております。

江藤委員 ありがとうございました。

 それでは、もう残りが五分を切りましたので、また次に移らせていただきます。

 次は、土地区画整理の法律の一部改正につきましてお尋ねをいたします。

 これは私はすばらしい改正だと思っています。私も地元で随分、この区画整理、皆さん方が御苦労している姿を見てまいりました。まず組合を立ち上げるまでが大変。やりたいけれども、組合をつくるまでにまず時間がかかってしまう。

 今回は、先ほど和田議員の方からも御指摘がありました、確かに全体の土地に対して三分の二ということでありますから、極端な話、私一人が三分の二の土地を持っていれば、私一人で会社を立ち上げることができてしまうということについては若干違和感を感じないではありませんけれども、最終的には地域の皆さん方の三分の二以上の同意を得なければならないという要件も後でくっついてくるわけですから、まずやはりスタートすることが大事だということを考えれば、この株式会社方式を採用するということについては私はいいことだろうというふうに思っております。

 そしてまた、地域においては大変高齢化が進んでおります。お年寄りの人たちというのは、これは地域にとっていいことだと思っていても、しかし、リスクをとりたくない、もうこの場所から動きたくない、正直言ってしんどいという方もたくさんおられます。そういう状況の中においては、この区画整理をやるに当たっても、全員参加ではなくて、リスクを私はとりましょうという人と、私は余りリスクをとりたくないという人を分けられるということは非常に私はいいことだろうというふうに思っております。

 ただ、ここで一つお尋ねをしたいんですけれども、組合形式だった場合は、予算上も、それから補助もありましたし、換地で、登記の場合なんかについての税制上の優遇措置もかなり手厚いものがありました。しかし、株式会社ということになると、株式会社に対する補助というのも何か法律上なじみませんし、税制上の優遇も、果たしてこれが公益性の面から見て公平なものかどうかというと、議論があると思います。しかし、そういう部分は残しておかないと事業展開上難しいと思うわけですが、ここら辺の、従来あったそういう支援についてはどのような方向性をとっていらっしゃるのか、お尋ねいたします。

竹歳政府参考人 区画整理会社方式の区画整理につきましても、やはり区画整理を通じて都市計画道路の整備とか街区の再編等による既成市街地の再生を図る、非常に重要な役割を持っております。したがいまして、従来の国庫補助でございますとか税制の優遇、それから、今回の法律にもございますが、都市開発資金の無利子貸し付けの対象にこの会社を加えるということで、この会社方式の区画整理を支援してまいりたいと考えているわけでございます。

江藤委員 今の御答弁を聞いて、大変安心いたしました。

 時間が参りましたけれども、最後に一言だけお願いをいたします。

 特に地方の中心市街地は大変疲弊をしております。シャッター通りというお話も民主党の委員からもありました。ですから、この改正法案が必ず地方の中心市街地の再生につながるものでありますように、今後ますますの委員の皆さん方の活発な御議論をよろしくお願いします。ありがとうございました。

橘委員長 寺田稔君。

寺田(稔)委員 自由民主党の寺田稔でございます。

 本日は、多少のお時間をいただきまして、今回の法案審議、特に都市再生、地域再生をいかに効率的に行っていくかという観点から質問をいたしたいと思います。答弁者におかれましては、ぜひ簡潔に、要領を得た答弁、お願いをいたします。

 まず初めに、都市再生本部でございますけれども、平成十三年の五月に立ち上がりまして、本格的な都市再生の整備体制が整ったわけでございます。そして、平成十四年度予算から来年度予算、十七年度予算に至りますまで、まさにこの都市再生分野というのは非常に重点分野として、予算も重点的な配分がなされることになっております。これは予算配分上も、シーリング上、かつての重点七分野そしてまた現在の重点四分野、新四分野ということで、必ずこの都市再生ということは重点分野として優先的なアロケーションを受けられる、いわば予算上も非常に恵まれたポジションにあるわけでございますけれども、都市再生のこれまでの取り組み、特に十四年度以降、重点分野としての予算の措置状況、それとともに実際の取り組みの進捗状況について、まずもって竹歳局長よりお伺いをしたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 財政事情が非常に厳しい中で予算の重点的な執行を図る必要があるということでございまして、都市再生に関する分野は、個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方という分野で、国土交通省の平成十四年度以降の予算額は三・五兆円から三・六兆円という規模で推移しております。

 また、平成十六年度からは、構造改革と予算との連携を強めることや、府省横断的に対応することで政策の実効性、効率性を高めるというようなことを目的として、政策群という考え方も導入されております。

 国土交通省におきましては、重点分野や政策群の導入の趣旨を踏まえて、景観の形成事業の推進でございますとか、鉄道駅、道路等の都市のバリアフリー化の推進、密集市街地の整備、まちづくり交付金による全国都市再生の推進等に取り組んでいるところでございます。

寺田(稔)委員 ただいま局長より、三・六兆円から三・七兆円と、非常に配分のウエートとしても年々上がってきている。かつ、十六年度からは政策群という、いわゆる府省横断の取り組みが始まったということでございます。

 実際この政策群を見てみますと、特に十七年度予算、一兆五百四億円の配分、これが都市と地方の再生というふうな第十政策群の項目として掲げられている。やはりここで重要なことは、実際定量的な評価をやりながら、きちっとこの成果を踏まえてまたそれを予算配分にフィードバックしていくということでございますけれども、今回の第十政策群の中身を見ますと、民間投資の誘発量あるいは公的空間の確保率、さらには、電柱を無電柱化する無電柱化率、そしてまたバリアフリー化率、さらには、機会費用という意味で渋滞によります損失時間といったような具体の定量的な指標が掲げられている。これは、もちろん一つ前進であるわけでございますけれども、より一層精緻な形で事業評価をやっていく必要がある。

 さらに、現在、地域においては、地域金融機関でいわゆるリレバン、リレーションシップバンキングが始まっている。ぜひこの地域金融機関との連携も十分とっていただいて、地方におきます都市の再生、活性化というものにつなげていただく必要があるわけです。

 そういった観点からいいますと、今回、地方の都市再生、これは、予算のそういったようなアロケーションのみならず、やはり肝要なことは、規制緩和と各省の連携の強化によって地域の創意工夫を引き出すというふうなスタンスが見られなければ有効な施策になり得ない。また、先ほど言いました第十政策群の中身を見ましても、国土交通省のみならず、警察庁でありますとか、あるいは環境省でありますとか、多くの府省に絡んでくるわけです。したがって、地域の創意工夫を引き出す中でそういったような府省間連携を図っていくというスタンスを明確にしていかなければなりません。

 今回の改正案は具体的にどのような形で果たしてこの地方の創意工夫を引き出すような仕組みがビルトインされているか、お伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 今回の制度改正の土台は、何と申しましても先般おつくりいただきましたまちづくり交付金でございます。このまちづくり交付金を土台として民間の投資を誘発していこう、そのために民間都市開発推進機構から出資をする、それから地域の方々がまちづくりのファンドを使う、そういうときに民都機構が応援していこうというようなことで、一番の根っこはまちづくり交付金でございまして、それプラス民間の投資誘発ということがこの制度の大枠でございます。

寺田(稔)委員 実際この第十政策群を見ますと、その中で都市活動の活性化という項目があります。この都市活動の活性化の中の実際のメニューを見ますと、非常にいいメニューが並んでいるわけですね。例えば、港湾計画の随時変更、また交通バリアフリー法の一層の活用、そしてまた高層住宅の容積率の一層の緩和、さらには河川占用許可の弾力化、また密集市街地の整備の促進、建物の耐震化、さらには交通安全法制の活用、そして地方と民間のパートナーシップの強化によるまちづくりの一体的な支援というふうに非常にいい項目が並んでいるわけですけれども、これは明らかに府省間連携を強化しなければなし得ない項目であるわけです。

 この第十政策群におきます都市と地方の活性化、とりわけその中でも、緑豊かで安全・快適な都市の再生、これに係ります府省横断的な対応については都市と地方の活性化に向けて非常に期待がされるわけですけれども、国土交通省として一体、具体的にどのように府省間連携をとっていって、また、現在どういうふうな方向で各省連携、横割り連携を図っているのか、お教え願いたいと思います。

竹歳政府参考人 今御指摘ございました政策群の一つでございます、例えば緑豊かで安全・快適な都市の再生ということでは、四つ政策目標を掲げております。緑豊かで美しい景観を有する都市生活空間の形成、すべての人が暮らしやすい都市の形成、都市の安全性の向上、都市活動の活性化とあるわけです。

 さらに、これを具体的に申し上げますと、都市の安全性というところでは、密集市街地の整備、防災公園の整備、都市浸水被害の防止、災害拠点病院、公立学校の耐震化、交通安全に資する道路・信号機等の整備ということで、内閣府、文部科学省、厚生労働省、国土交通省、これらの各府省が連携して施策を推進するということになっているわけでございます。

寺田(稔)委員 問題はその連携のやり方でありまして、もちろん、国土交通省、内閣府、警察庁、また環境省、厚生労働省も連携をしなければいけないけれども、やはり国土交通省が中心的な役割を果たさなければなりません。

 と申しますのも、国土交通省は、そこにありますように、目標として、社会資本整備を通じて都市機能の高度化、また居住環境の向上を図り都市再生を行うこと、これが国土交通省の目標なわけです。それに対しまして、厚生労働省の目標というのは、緊急活動の場としての役割を果たすことから災害拠点病院を耐震化しましょう、あるいは警察庁の役割、目標は、交通安全施設整備によって交通渋滞を解消していきましょう、内閣府については、国民の住宅・建築物の耐震化による意識向上を図りましょうというふうなことで、明らかに都市再生という切り口から見れば国土交通省が中心的な役割を担わなければならないことは当然なわけでございます。

 したがって、ぜひ国土交通省におかれては、積極的に各省連携を呼びかけていただきたいし、現に、私の地元も、なかなか地域整備局の方から具体の呼びかけがないというふうなことを言っておる他省の担当者もおりますので、ぜひそこらは積極的な府省連携を図っていただきたい。その横割り連携によって重複の排除という効率化も図られます。また、さらにこの目標の達成に向けた規制改革と制度改革を組み合わせて最小の予算によって最大の効果を上げるという本来の政策群の目標もより一層達成できるわけですから、そこらはより一層強力な取り組みをお願いしたいと思います。

 そこで、具体論として、今回の法案の一つの大きな柱であります土地区画整理事業の問題があるわけであります。この土地区画整理事業の実施においては、当然のことながら地権者間の調整というのが必要になってきます。

 実は、私の地元でも、土地区画整理でやって、組合も設立をした、しかし、地権者間の抜き差しならない対決によって四十年間一向に進まない事業があります。駅前開発事業であります。しかし、今回新たな改正によって、施行者に株式会社、具体的には区画整理会社というものを追加されたわけでございます。しかし、地権者間が対立をしておりますと、いわゆる三分の二要件、すなわち、事業計画にせよ賦課金にせよ、三分の二要件、三分の二以上の同意で進めようとしても、やはり少数の反対者がおります、不満分子がおります。それがますます態度を硬化させて、非常にこじれてしまって、事業が前に進まないというふうなことが現実問題としてあるわけです。

 このような場合、果たして民間の地権者が入り込む形での区画整理会社が解決策たり得るのか。私はより一層亀裂を深めてしまう要因にもなりかねないというふうに見ているんですけれども、そこら辺の所見をお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 区画整理という仕事は、たくさんの地権者の方を巻き込んで、そして、それぞれの方々の財産権に非常に大きな影響を与えるということで、だれが施行者になろうとも、やはり地権者の合意とそういう事業に向けての熱意というものが大事であると思います。

 このような状況の中で、例えば区画整理会社を活用すればすべてを解決できるのかとお尋ねになれば、それは万能薬ではないとお答えせざるを得ないわけでございますが、今回の会社を使うことによって幾つかの新しい道が開けるのではないかなと考えております。例えば、地権者の方々が保留地が予定どおり処分できるかどうか。特に地価がどんどん下がっている、それで各地でそういう組合が赤字になって大変だという話を聞くと、我々のところは大丈夫だろうかというようなことを心配されたり、また借入金で経営に不安があることが反対の要因になるということはありますし、また、今御指摘のように、将来赤字になって賦課金がかかってきたらどうしようか、こういうようないろいろな心配があると思います。

 そこで、そういう経営に直接参加していただく方々と地権者として参加する方というのをうまく分けることができれば区画整理が進みやすいということがあるのではないか、土地処分とか経営のノウハウを有するディベロッパーの方々が出資、会社に参加していただくということになると地権者の合意がそういう面から図りやすくなるのではないかというようなことも考えまして、今回この区画整理会社方式というのを提案させていただいているわけでございます。

寺田(稔)委員 この施行主体として、これまでの伝統的な考え方は、なるだけ公的な主体、あるいは比較的、客観的中立性を持った主体が事業施行主体としてふさわしい、そういう人が客観的、中立的な立場で事業を進めることによって、全体の合意を得つつ地権者間の調整も行っていくというのが基本的な発想だったわけですけれども、今回、株式会社としての区画整理会社、しかも、地権者が入り込む形で認めることによって、まさに地権者間の対立というものがもろにこの事業遂行に持ち込まれるリスクが当然あるわけです。

 先ほど言われましたように、保留地処分でありますとか仮換地でありますとか、そういったように、確かに今回のこの区画整理会社の追加によって進むケースというのはもちろんあると思います。それは否定をいたしません。しかし、逆に、少数派、不満分子の対立がこじれて、より一層事態が悪化をしてしまう懸念も当然あるわけでありますので、十分地権者間の調整に、特に少数意見を十分聞く形で同意をとりながらやっていくというふうなスタンスを堅持していただきたい。したがって、新たな追加をされた民間会社についても、そういうふうな配慮を行いつつやっていくことが肝要ではないかというふうに思うわけです。

 これとの関連で、実際、特に地方において都市再生を強力に進めていくためには、私は、やはりこの土地区画整理事業という切り口だけでは不十分であると。すなわち、あくまで基盤整備事業としての土地区画整理事業だけでなくて、商店街振興でありますとか、あるいは駅前の街路事業でありますとか、あるいは優良建築物の整備などのトータル的なプラン、これを立案して、まさに上物も含めて、あるいは全体の景観も含めて一体的に取り組むような枠組みが必要なのではないかというふうに考えますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 御指摘のように、区画整理というのは、昔から都市計画の母と言われていまして、都市の基盤を、基本的な部分をつくります。ただ、それだけでいいというわけではございませんで、商店街の振興とか駅前整備とか建築物整備、そういうやはり上に建つもの、景観も含めて、トータルとしてまちづくりを進めていくということが重要なのは、今御指摘のとおりでございます。

 今回の制度改正等によりまして、より総合的な取り組みができるようになるのではないかと考えております。

 例えば、この区画整理事業に加えまして、まちづくり交付金等を活用する、優良建築物等整備、地域交流センター、共同住宅の整備を行うとか、ソフトの部分を充実するとか、住民参加型まちづくりファンドによる景観形成、観光振興、いろいろな幅広い展開を組み合わせて進めてまいりたいと考えております。

寺田(稔)委員 今、竹歳局長より、いろいろなコンビネーションによって、特にまちづくり交付金でありますとか観光振興なども織りまぜてやっていきたいという御答弁がありました。まさにそのとおりだと思うんですよね。

 といいますのも、先月、二月の十日の衆議院の予算委員会で、私、北側大臣に対しまして、地域再生、都市再生の観点から、実は昨年の五月、私の地元でも地域再生プランを策定、公表させていただいたわけですけれども、それに対する御所見をお伺いしたわけですけれども、大臣の方から、残念ながら今ちょっとおられませんけれども、ぜひともそういう観光振興、そして地域振興、特に来年度の新規事業でありますところのルネサンス事業、これらに力を入れてやっていきたい、そして、やはりぜひとも現地、現場を見て十分御相談をさせていただきたいというふうな御答弁がありました。

 大臣は、その約束を果たされまして、三月の十九日、今月の十九日に私の地元の呉に来られまして、実際に現地を見ていただいたわけでございます。非常に短い、短時間の視察ではありましたけれども、大臣に直接ごらんをいただきまして地元の実情を訴えることができましたことは非常に有意義だったわけです。

 私は地元で今四本柱の地域再生プランというのを唱えております。一番目が物づくり支援。二番目が一万人の新規雇用の創出。これは、やはり規制緩和と絡める形で、日本版デュアルシステムあるいは若者しごと館といったような形で若者の雇用をなるだけ創出していく。また、Uターン、Iターン、Jターンの人を引きつけることによって、農林水産業の振興と島嶼部発展プランを組み合わせていく、これが二番目。三番目が、PFIでありますとかあるいは工期の短縮化、さらには、さまざまな効率的な手法を使って、かつ民間資本を活用した形での社会資本整備を効率的にやっていきましょうというのが三番目。最後の四番目が規制緩和と行政事務のアウトソーシング。具体的には、先ほど言いましたような規制緩和も含まれます。また、あるいは補助金適化法の規制緩和、これは既に来年度より実現するわけですけれども、これによりまして公的な施設の転用を促していくというふうなプランを立てております。

 そういうふうな観点からいうと、これから、長期的に見ますと、遊休施設というのは出てくるわけです。少子高齢化、また人口減社会に数年後には本格的に入ってくる。そういう意味では、既存の施設ストックをなるだけ有効に活用していこうという観点は、これはもう必須の観点として入ってくると思います。学校もそうですし、あるいはコミセンもそうですね。そういう既存の施設をなるだけ有効に活用していくための施策をぜひともこの都市再生の観点に含めるべきであるというふうに考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。

竹歳政府参考人 既存ストックの活用につきましては、従来より、既存の建築物等が長期にわたって利用されるよう、耐震改修等でございますとか歴史的な価値のある建造物の再利用を支援することによって、施設の改良、更新、転用の促進を図ってきたところでございます。特に近年は、地域資源、また古いものを大事にしようというようなことが一つの大きなトレンドでもございまして、積極的に既存ストックの活用を図ろうとする意欲もいろいろ出てきております。

 このまちづくり交付金も、まさに空き店舗を活用したチャレンジショップでございますとか歴史的な建造物を活用した地域交流センターの整備等にも支援も行っているところでございまして、今後とも、このような政策を通じまして、既存ストックの活用、これによりまして、個性あるまちづくりを進めていきたいと考えております。

寺田(稔)委員 ありがとうございます。

 時間が参りました。ぜひともこれからの地域再生は、単なるばらまきでなく、そういう既存施設の活用、また規制改革、また地方の創意工夫を引き出す形での地方の都市再生をやっていただきたいと思います。

 以上をもって終わります。ありがとうございました。

橘委員長 赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 三十分間でございますが、限られた時間、質問させていただきます。的確な御答弁のほど、よろしくお願いいたします。

 まず、地方都市の中心市街地の衰退というのは本日質疑に立たれている各議員それぞれが指摘をされているところでございますし、また、今回の地価公示を見ましても、東京や名古屋といった一部の大都市圏では回復が見られるものの、地方都市はまだまだ大変厳しい状況にある、そう認識するのが正しい認識かと思いますが、この地方都市の中心市街地の衰退の原因というのは国土交通省としてどのように分析をされているのか、まず御答弁をいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 多くの地方都市で中心市街地の衰退が見られ、シャッター通りと言われるような現象が広く観察されているわけでございます。

 その原因としては、もちろん都市ごとにさまざまであると思われますが、主として三点、今我々はこういうことが大きな原因ではないかなと考えております。

 一つは、何といっても、住宅の郊外への立地が進みまして、多くの方々が郊外に住んでいる。極端に申し上げますと、中心市街地の商店街の方々も郊外に住んで商店街に通勤されているというような状況がございます。人々が外に住むのにあわせて、実は市役所、病院等の公共公益施設が手狭になったというようなことで、郊外部へ移転していまして、こういう人がよく集まる施設が外に移転したことによって、中心部の空洞化が進んでおります。

 我々が全国の都市を、六百六十六の市を対象にアンケートをしましたら、市役所が一九七〇年代、どんどん外に行きました。それから、病院とか文化施設が一九八〇年代以降外に行ったというようなことが、一つ大きな人口の流れとしてとらえられております。

 それから、多くの人が郊外に暮らすようになったということで、お店も外に行くわけでございますけれども、特に高度な商業機能を備えた大型店というのがどんどん建つということ、それに対抗しようにも、中心市街地への交通アクセスが悪いとか、いろいろなことがございまして、なかなか中心市街地の商店街も元気にならない。中にはやるぞとやる気のある方もいらっしゃるんですけれども、土地が細分化していたり権利関係が錯綜していて、なかなか新しくビジネスを始めようと思ってもできない、一方、高齢化も進んでいる、こういうようなさまざまな要因があるのではないかと考えております。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

赤羽委員 地方都市の中心市街地の活性化というのは大変難しい取り組みだ、そう認識をしております。

 国土交通省として、また都市再生本部として、けさほど北側国土交通大臣から御丁寧な答弁がありましたように、平成十三年の春以来、都市再生プロジェクト、また都市再生特別措置法による都市再生緊急整備地域の指定、そして全国都市再生のための緊急措置、稚内から石垣まで、こういった三つの流れの都市再生に係る各施策がそれぞれの目的を持って講じられてきているというのはよく理解をしておりますが、こういった三つの流れがそれぞれどのような成果というか評価をされているのか。

 こういった施策の施策評価に対する、平成十三年からですからまだまだ効果はこれからといったところもあると思いますが、どのような現状認識をされているのか、御答弁をいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 大臣が先ほど御答弁申し上げましたとおり、都市再生、大きく三つの柱で進めてまいりました。

 一つは都市再生プロジェクトということで、これは国家的な視点から、基幹的な広域防災拠点の整備でございますとか、ごみゼロ型都市への再構築など、十八のプロジェクトを推進してきました。基幹的広域防災拠点について申し上げますと、東京都と共同で、有明に防災公園がまもなく一部開園しようというような状況にもなっております。

 また、二つ目の流れといたしましては、民間都市開発促進ということで、全国に六十三地域、六千四百二十四ヘクタールの都市再生緊急整備地域が指定されまして、これも、東京、大阪のみならず、県庁所在都市におきましてもいろいろなプロジェクトが立ち上がりつつあるということでございます。

 三番目に、稚内から石垣までということで、今回の法案もこの一つの施策をなすものでございますが、全国の都市再生ということで、全国都市再生モデル調査でございますとか、まちづくり交付金、こういうものを強力に推進して都市再生を進めていきたいと考えているところでございます。

赤羽委員 今おっしゃられた中でも地方都市再生のためのまちづくり交付金、こういったものについては、大変使い勝手がいいと、非常に評価も高いというようなことも聞いておるわけでございますけれども、私は、地方都市の魅力というのは、一つは活力、地方都市の活力が再生されるという側面と、もう一つは、住みやすさというんですか、暮らしやすさという、そういった違った側面があるんじゃないかと思うんですね。

 まちづくり交付金を見ていますと、事前の具体的な目標設定で、加えて事後評価の重視といったところもありまして、どうしても、これが活力を求めるというか、何か数値目標として評価できるような方向に使われるような懸念があるんではないかというふうに思うわけです。住まいやすさとかなんかというのは、評価するのはなかなか難しいのではないか。

 しかし、大都市の場合は、どちらかというと、やはり活力ある、魅力ある、国際競争力ある、こういったものというのがまず最優先されてしかるべしだと私は思いますが、地方都市というのは、総じて、全国そんな都市を目指しているわけではないでしょうし、本当に住んでいてよかった、住みやすくていいというような側面もあるんじゃないかと思うんですが、こういったことの方向についても、このまちづくり交付金というのはうまく使われているのかどうか、その執行状況と評価、そういった点も含めて御答弁いただけますでしょうか。

竹歳政府参考人 まちづくり交付金の現在の執行状況でございますけれども、平成十六年度に創設されまして、既に三百五十五地区でこの事業がスタートしております。今御指摘のように、具体的な目標を掲げてやろう、ただ単に公共投資をすればいいというんじゃなくて、やはり住民の皆さんと一緒になって、この町をどうしたいんだという目標設定から入ろうということから、この交付金が運用されているわけでございますが、実は、もちろん、観光客の方がこれだけ来られたとか、いろいろな具体的な数値目標もありますが、暮らしやすくなったとか、にぎわいが増したとか、そういうような、ある意味では定性的な目標を掲げてまちづくりに取り組んでおられるところもございます。

 それから、この活用の実態でございますけれども、それぞれの地区が目標を掲げられております。一つは、商店街、中心市街地活性化の問題、観光振興、防災、それぞれの地域のニーズに合わせた目標を設定されまして、道路、公園、公営住宅、こういう従来型の基幹事業だけではなくて、空き店舗活用事業でございますとか、子育て支援施設の整備、地場産業の育成等々、さまざまなアイデアが盛り込まれているということで、我々も、ぜひこういう形で応援をしていきたいと考えております。

赤羽委員 今回の法改正というのは、恐らく、まちづくり交付金を実施してみてそれなりの手ごたえがある、であるから、今回、民都機構の出資により民間事業に対する支援を講じようとするというふうに考えられているというふうに思うんですが、そもそも、昨年のこのまちづくり交付金のときには、なかなか地方の経済は元気がない、ポテンシャルも低い、ですから民間参入というものが求めにくいということで、本来、公的なセクターでまちづくり交付金という制度をつくったはずだと思うんですよね。

 ですから、そういった前提が、一年後の本年、この法改正で、こういう民間企業に対する出資ができるというような法改正をするわけですけれども、これは本当にうまく活用するのかなと。まして、今回は、例えば民間都市機構の出資等は公共施設等の整備に要する費用の額の範囲内に限ることとされているとか、それなりの制約があるわけでありまして、今回の本法の法改正の金融支援措置で、地方都市における民間事業者による都市開発事業が本当に期待されるように進んでいくのかな、民間企業が受けるメリットというのは具体的にどういったものがあるのかなといったことを解説して、御答弁、予測をいただきたいというふうに思います。

竹歳政府参考人 一般的に申しまして、今御指摘のように、地方におきましては事業採算性等が厳しいということで、民間のプロジェクトというものも、大都市に比べますと円滑な立ち上げが困難であるというような状況にございます。

 ただ、そうは申しましても、例えば秋田市でございますが、秋田市の所有地でございまして、市が区画整理事業によって基盤整備を行う。その土地の上に市がアトリウムとか市民サービスセンター、こういうような公共施設を整備します。あわせて、民間事業者がシネマコンプレックスでございますとかレストラン、こういう民間施設から成る建築物を建築して、多くの市民から利用されている。

 実は、鉄道駅の周りに意外とこういうあいた土地がたくさんございまして、中心市街地の活性化ということで駅前を中心とした計画もかなりあるわけでございますが、そういうときに、この空き地をどう活用しようかというときに、今回提案させていただいております民都機構による出資というのが役に立つのではないかなと思っております。地方ではなかなかプロジェクトが立ち上がりにくいということで、最も不足しがちな自己資本、エクイティーの部分に資金を供給しようとするものでございます。

 この制度をつくるに当たりまして、地方の方にいろいろどんなプロジェクトがあるかと伺って、百二十億ぐらいは当面必要じゃないかということで予算も組ませていただいております。予算が通りましたら、各地からこういうところはどうだろうかというようなお声もかかっておりまして、これをぜひ支援してまいりたいと考えておるわけでございます。

赤羽委員 地方都市再生において、やはり官民を挙げてそういう機運が盛り上がるということが具体的なプロジェクトが進むということだと思いますので、私は、こういった制度設計は大変いいものだと思いますし、国土交通省としてそれなりの手ごたえがあるものであるならば、具体的に本当に前にぜひ進めていっていただきたいというふうに思うわけでございます。

 ただ、この民間都市再生整備事業計画の認定基準について、本法の法案の中で書きぶりが抽象的な表現になっておりますが、これについては、余り事業計画を入り口のところでカットするような方向にならないという意味で私はいいというふうに理解しておりますけれども、さはさりながら、先ほど質問にも出ておりましたが、出資先の民間事業者が倒産した場合の出資金がどうなるのかとかそういったリスクがありますし、事業計画そのものが地元の関係住民の利益について大変密接なケースもあるなど大変重い決定だというふうに思いますが、この認定基準、認定する際に、目ききというかな、が大変重要な話になってくるんじゃないか、結局は。そういったしっかりしたものができる体制というのが整えられているのかどうか、確認させていただきたいと思います。

竹歳政府参考人 プロジェクトの認定に当たりましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、都市再生に対する貢献でございますとか、事業主体の経済的基礎等々を国土交通省としてまず審査をして認定することにしております。

 この認定につきましては、実は主として大都市でございますけれども、都市再生緊急整備地域におきまして、民間都市再生事業計画の認定実績が十六件ございまして、こういうような経験も踏まえながら、きちっと対応していきたいと思います。

 それから、民都機構につきましても、昭和六十二年の設立以降、参加業務、土地取得譲渡業務等を行って、東京、大阪以外の地域におきましても実績を上げているところでもございますし、出資の審査についても、都市開発の専門家による審査体制のもとで過去に蓄積したノウハウや情報等をもとに行うもので、きちっと適切に対応していきたいと考えておるわけでございます。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

赤羽委員 それでは次に、土地区画整理法の改正のところに移らせていただきたいと思いますが、今回、会社というものを入れる。いろいろ御答弁ございましたが、私も、阪神・淡路大震災以降、地元の神戸市内でも各所でこの区画整理事業地域というものの実態を見てきて、大変な作業だな、十年かかっても、うまくいっているところもあれば、まだまだなかなか難しいところもある。

 こういった状況の中で、こういった手が打たれ、改正されることが決して悪いというふうには思っていないんですが、なぜ会社組織をというと、専門家云々というような話が出ておりますが、大体、区画整理組合の中には、神戸市の場合は市の担当者とかそれなりの専門家が参画をして組合組織というのは成り立っているんじゃないか。ですから、この会社組織というのはどうなのかなと。余りよくその辺がすっきりわかっていないわけでありますが。

 また、地権者のコンセンサスをとるというのは大変難しい話であって、私は、公的なセクターが仕切っているがゆえに何となくおさまっているんじゃないかというところを感じるんですね。これは、プライベートセクターが地権者の権利なんというのを本当にさばくことができるのかなと。地権者が全員会社に出資する出資者じゃないわけですから、この辺のスキームを、前に進めるということはよくわかるんですけれども、本当に前に進めて地権者の権利を損なうというのは少し本末転倒な話ではないかということも大変懸念をしておりまして、こういった点については、どのように考え方を整理し、制度としてどう担保しているのか、御答弁いただきたいと思います。

竹歳政府参考人 御案内のとおり、区画整理というのは多数の地権者が関係してまいりますので、事業自体が非常に難しい、もともと難しい性格を有していると思います。先ほども御答弁いたしましたが、会社方式を入れれば今までの問題がすべて解決できるというような生易しいものではないと十分認識しております。

 そういう中で、組合区画整理、例えば門真の密集市街地を民間の方が非常に熱心にやられて成功した事例等もございまして、地域のノウハウを持った方がいらっしゃるとうまくいくという例も多々あるわけでございますが、一方、必ずしも、ふだんは農業をやっておられて、土地を持っているというだけで組合に入られるということになりますと、賛成反対を求められてもどう考えていいんだろうかと思われる方もいらっしゃるというようなことで、そういう中で、組合の区画整理、資金調達も難しいとかノウハウが足りないというような、そういうような問題を今回の区画整理の会社で解決できないかなと考えたわけでございます。

 そうはいいましても、区画整理を進めていく過程におきましては、一方では、組合区画整理で課している要件よりもさらに厳しい地権者の同意の要件を求めているというような部分もございまして、地権者の方々の不満が噴き出したり権利が損なわれるというようなことがないように我々としても十分フォローしていきたいと思いますし、基本的には、この区画整理の会社というのは、事業の公共性とか公平性、地権者の権利保護を図るということでいろいろな手続も設けておりますし、都道府県知事によるチェック等の規定も設けているところでございます。

赤羽委員 土地区画整理事業、神戸市の場合は特にそうですが、震災からということもあって、災害に強いまちづくり、道路の幅も定め、それなりの防災という観点からまちづくりを進めているわけでございます。そういった観点からも、地方都市の活性化について耐震化をしっかりと進めていくということは当委員会でも再三御答弁もいただいているところでございますが、大変重要なことであるということは言うまでもないことであります。大臣からも、先日の委員会でも具体的に進めていくということを表明されているわけでございます。

 その際、中央防災会議から、首都直下型の専門調査委員会が被害想定を発表されておりまして、まさに東京都の被害というのは大変大きなものと想定されているわけでございます。全壊世帯が八十万世帯という、阪神・淡路大震災のときの三倍ぐらいの被害規模というものが正式な政府の機関として発表されているといったことを踏まえますと、私は本当に、まず首都圏、東京都の住宅、個人住宅といっても耐震化を進めていくということは喫緊の課題だというふうに思っておりますし、このことについては国土交通省も同じ考えでいろいろなお取り組みをしていただいているわけでございますが、実際に、なかなか東京都は現在この耐震化の制度がない。私もここで、先日の委員会で指摘をさせていただき、三月からの東京都議会でもそういったやりとりがあるように聞いておりますが、まだ具体的な形として進捗しているかどうかというのは私、定かではございません。

 ですから、国土交通省として、東京都とどのような連携をとって、どういった制度設計をしていくのか、この点について何か進捗状況があれば御答弁をいただきたいというふうに思います。

山本政府参考人 御指摘いただきましたように、助成制度をつくりましても、この制度が公共団体が助成をする場合に国費で補助をするという仕組みになっておりますので、公共団体がその気になっていただくということが非常に大事でございます。

 その観点から、まず制度自体を公共団体の方々に非常に使い勝手をよくするということに今度、平成十七年度取り組みまして、耐震診断と耐震改修、特に耐震改修については、いろいろ予算上の制約があるものですから、これまで国土交通省では市街地整備の事業をいろいろ工夫する中で助成できるようにやってきたので事業制度によって非常にばらばらだったんですが、今回、住宅・建築物耐震改修等事業という一つの補助事業に統合いたしましたので、申請も交付決定も一本でできるようになりました。

 それから、耐震改修については、先ほど言いましたように、非常に大規模な地震が予想される地域であるとか、そういう地域限定とか、あるいは道路に面している建物について助成するとか、いろいろ細かい制約がありますので、これは特に住宅について、今回、公営住宅建設費補助を交付金化するということを予算で認めていただきまして、公的賃貸住宅等整備特別措置法という法律で、公共団体が地域住宅計画という計画をつくっていただければ、計画に位置づけられた仕事にはその必要な経費の財源として地域住宅交付金を交付するという制度を認めていただきましたので、地域限定することなく、建物限定することなく住宅に対してこれをお使いになれるわけでございますので、こういったものをぜひ公共団体に周知して、御利用いただきたいという気持ちでございます。

 したがいまして、十七年度予算、政府の予算が十二月に決まりまして、年が明けましたら直ちに各ブロックごとに公共団体の方々に集まっていただいて予算の説明をいたしました。首都圏のブロックでは五百名の方に集まっていただいて説明しました。それから、法律を提出して後、三月に、今度は法律で地域住宅計画それから交付金という制度を、やはり公共団体の方々にブロックごとに集まっていただいて説明した次第です。

 それから、首都直下ということで、東京都についての御心配でございます。

 東京都自身は、十七年度にこの助成制度を使って耐震改修費補助をやるという方針はまだ定めておりません。ですけれども、私ども、やりとりをしまして、東京都としても、耐震改修への取り組みは地域ぐるみの取り組みが非常に大事なので、市区町村が積極的に取り組んでいただけるようにいろいろ働きかけもしたいと考えておられるようでして、東京都と協力して市区町村の取り組みを進められるように、私どもも説明会など協力して進めていきたいと思っております。

赤羽委員 東京都の中でも、今、防災セミナーなんかで私も話をすることがあるんですが、やはり中央防災会議の発表から、その地域によって、大変感心度の高いところ、薄いところ、若干温度差もありますので、やはり今言っていただいた区単位とか市単位でそういった補助制度ができるということも、僕は次善の策として大変いいことだというふうに思っておりますので、ぜひお取り組みを進めていただきたいと思うわけでございます。

 また次の問題で、実はダイエーのことでちょっとお聞きをしたいんですが、ダイエーがああいう状況になりまして、先日、報道では全国五十三店舗が閉鎖されると。私は神戸ですので、ダイエーの本拠地でございますので、ダイエーというのは、私の地域、多くは地元の商店街とうまく協力をされていて、同じようなフロアを、半分がダイエー、半分が地元の商店街ということでショッピングモールをつくられているというケースがほとんどであります。私の本当の地元では、そのビルの中は区分所有法でそれぞれ仕切ったビルをつくっていまして、ダイエーがどうなるかということはまさに人ごとではない話でありますし、ダイエーがどうなるかということは、それは実はダイエーという一民間企業のことだけではなくて、全体の商店街の浮沈に大きな影響があるということでございます。

 大変心配をしておるんですが、なかなかだれに聞いてもよくわからない、個別の事情でというような話で、私たちが聞いてもよくわからない話ですし、もちろんテークオーバーするところがどのような方針を立てるかということが第一だと思いますが、このまちづくりという観点をやはり行政として認識しながらしっかりとした手を打っていただきたい、こう考えて、きょうは、国土交通省の直接管轄ではないかもしれませんが、経済産業省になるのか内閣府になるのか、御答弁できる方でお答えをいただきたいというふうに思っております。

迎政府参考人 ダイエーは駅前ですとか中心市街地における商店街の核店舗として存在する店舗も少なくない、これがその地域あるいは中心市街地の活性化に及ぼす影響というのが大きいということは認識をしておるところでございます。

 ダイエーの再建に当たりましては、事業再生に適切に取り組んでいただくわけでございますけれども、ぜひ、こういった雇用あるいは地域経済への影響というのに十分配慮をして再生計画を立てる、あるいは再生を進めるということにしていただきたいということで、私ども、主務大臣、事業所管大臣としてこういった点への配慮を求める意見を申し上げたところでございます。こうした私どもの意見を踏まえて関係者の方で努力を傾けていただいて、ダイエーの再建が早期に実現していくことを期待しておるところでございます。

赤羽委員 大変、まちづくりそのものの問題だということで、今の御答弁どおり、しっかりと取り組みを、内閣府と連携をしながら国土交通省もしっかり力を合わせてやっていただきたいということを強く申し上げまして、時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。

橘委員長 若井康彦君。

若井委員 民主党の若井康彦です。

 この都市再生特別措置法、いよいよ四年目。私は、去年のまちづくり交付金の審議から一緒に考えさせていただいておりますけれども、先ほどから各委員が御質問になっておられますように、今回のこの都市再生法の改正が、できれば、せっかくのヒット商品と言ってもよいまちづくり交付金の段階から的外れな方向に行かないようにという思いできょうは質問をさせていただきたいと思います。

 とかく、こうした制度がどんどんどんどん縄張りを広げていって総花的になり、ばらまきになるという今までの苦い経験から、できれば、むしろしっかりと的を絞った、そうした制度に育っていっていただきたいという、そんな思いできょうは幾つか御質問させていただきます。

 まず大臣にお聞きをしたいと思いますが、このいわゆる都市再生という言葉ですけれども、実は目まぐるしく都市政策、地域政策というものが変遷をしてきて、例えば、最近でいえば都市活性化という言葉もありましたし、本来、都市開発、都市整備、次々と時代に従って変わってきた。なぜ都市再生なのか、その意義を簡単でよろしいですからお答えいただきたいと思います。

北側国務大臣 今、世の中、時代といいますか社会といいますか、大きな変化の時期だというふうに思っております。一番大きなのは、これから人口減少時代に入ってくるというのもありますし、また、少子化、高齢化、特に高齢社会というのは、これから本格的な高齢社会が到来をしてくるわけでございます。また、経済の面でも非常にグローバルな経済が進展をしている。ますますこれからグローバル化が進んでいくだろう。さらに情報化は、御承知のとおり、高度情報社会が進展をしている。

 こういう中で、都市、これは大都市に限らず地方都市も含めまして、都市の魅力というもの、また都市の機能というものが弱くなっている、弱体化しているということがあるのではないかというふうに考えているわけでございます。そういう中で、都市の魅力やまた競争力を高めていく、さらには地域経済の活性化につなげていく、そうした都市の再生が必要であるというふうに私どもは考えております。

若井委員 今のお話はよくわかるんですけれども、私は、再生という言葉をあえて使っているということは、ある意味でいうと、先ほど来地方選出の議員の皆さんがおっしゃられるように、今や地方都市の中心市街地が瀕死の状況にあるということをどういうふうにしたら助けることができるのかということに尽きるだろうと。この間、さまざまな対策がとられてきたけれども、いわゆる物づくり、駅前がぴかぴかになったとか商店街がきれいになったとかいうようなことがそうした都市の再生や活性化に一向に役立たなかったということの厳しい認識から、この都市再生というものに取り組む必要があるのではないかというふうに考えます。

 先ほど大臣の御答弁にありましたけれども、この都市再生は四年目になるけれども、最初はこれは緊急経済対策で、大都市で取り組まざるを得なかったという御答弁があったわけです。私は、その後大変に気になる御発言があったので、そこについてちょっと御意見をお伺いしたいと思うんですが、緊急経済対策のために都市計画等の規制を取っ外してとにかく頑張ったんだというふうにおっしゃったわけですけれども、その結果、東京等においては、貴重な公共空地を食いつぶす、あるいは超高層のマンションがさまざまなところで容積率を無視して乱立するというような状況に今なっているんです。

 超高層マンションといっても、一番上の十階は超高層ですけれども、そこから下はただのマンションです。しかも、住宅市街地の中にそういうものが建って足元にはコンビニしかないというようなところが本当に人間の住むところなのか、あるいは、そういう意味で都市再生に役立っているのかということを本当に心から憂えて心配をしているものですが、その辺、どんな御感想をお持ちでしょうか。

北側国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは、四年前にスタートしたこの都市再生、三つの流れがございました。今委員のおっしゃった話というのは二つ目の話でございまして、民間都市開発を促進していく必要がある。ところが、そのときもさまざまな民間都市開発プロジェクト、今予定されているものを全国から吸い上げをさせてもらったんですね。そういう中で、規制が多過ぎて時間がかかり過ぎる、こういうお話が大変多かったわけなんです。

 例えば、例を申し上げますと、六本木の六本木ヒルズ、あの六本木ヒルズは、たしか計画段階から十年以上かかっているわけなんですよ。そうではなくて、そういう民間都市開発を促進していくという観点から、もちろんこれはあくまでその地元の市町村が了解していることが大前提でございますけれども、市町村と民間との間で、その地域においてその民間プロジェクトについてはやはり促進をした方がいいというふうに考えられるような案件については、地域を指定しまして、どこでもいいということじゃないんです、地域を指定して、その地域内の中で特区、後に出てくる構造改革特区のこれは先行的な話だったんですけれども、都市再生特区というような特区を設けまして、その中では従来のさまざまな計画、市町村がつくっておった計画についてもう一度見直しをして、その地域だけに限ってですよ、そしてそのプロジェクトをさまざまな規制について緩和をし、そして進めていこう、また、金融面での支援もしていこう、これが二つ目の流れの民間都市開発投資の促進だったわけなんです。

 そういうことを先ほど説明を、説明というか答弁をさせていただいたところでございます。

若井委員 本来、都市計画は、特に地方分権一括法以後の話でいえば、今大臣がおっしゃられた地元の方々が自分たちの町をどういうふうにつくっていくのかという合意であって、外から加えられた、例えば国から与えられている規制という性格のものではないということをもう一度しっかり確認をしておかなければいけないと私は考えております。

 先ほどのさまざまな要望というお話がありましたけれども、六本木ヒルズは確かに十五年以上かかった。あれぐらいの開発だったら、本来、それぐらいの時間はかけるべきものです。それを数年の間ににょきにょきと、ただ容積をふやせばよいという、ある意味でいうと民間企業の、まあ経済対策だから仕方がないといえば、特区というもので例外をつくるというのはわからないこともありませんけれども、そうした方式はあくまでも例外であるということを認識しなければいけないんじゃないか、私はそういうふうに強く申し上げたいと思います。

 それから、いよいよまちづくり交付金以後、地方圏、地方都市の話に主体が移ってきているのは大変にいいことだなというふうに思いますが、先ほど局長が中心市街地衰退の原因に挙げられた郊外化の進展の話とか大型店の立地の話がありましたけれども、私は、もう一つ忘れちゃいけないのは、日本の国土の中で唯一、これまでほとんど公共投資が行われていないそうした既成市街地、特に中小都市のそうした部分に公共投資がなされなかったということをまず押さえておく必要があると思います。

 それから、もう一つ言いたいのは、大型店の立地ですね。これは自然にそうなっているわけじゃなくて、郊外にバイパスをつくる、つまり公共投資は外側からやったわけですから、そこに自然に立地をさせた。先ほどの大都市圏における超高層ビルの話と同じように、そうしたものに対して、まちづくりのシナリオの上でそれを許すか許さないかということがほとんど行われなかったということが原因じゃないか。

 先ほどダイエーのお話もありましたけれども、ほとんど、ある意味でいうと採算度外視で競争をし、郊外に大型店をつくり、そしてマイカルがいなくなり、西友がいなくなり、ダイエーがいなくなり、今はイオンだけが残っておるわけですけれども……(発言する者あり)イトーヨーカドーと二つ残っておりますけれども、基本的には、そうしたものを任せておけばそういうふうになるわけで、今やそうした中小市街地にだれが残っているか。住んでいる人だけですよ。ほかにはだれもいなくなったという町をどのようにしたらもう一度生かしていけるかというのが都市再生じゃないですか。だから、私は、そういう意味でこのシナリオをもう一度組み立てていかなければならないだろうと。しかも、日本人の四分の一はそういうところに住んでいるんですよね。幾ら六本木ヒルズが元気でも、こういう人たちが地元でしっかり生きていってくれなきゃ日本の国はもたない。

 だから大変重要な政策だと思うんですけれども、今回のこの改正は、どっちかというと、また民活のシナリオの方向へシフトしていっているんじゃないかということを私は大変に心配しております。

 選択と集中といいますけれども、何を選択し、何を集中するかというシナリオがとても総花的だ、民活で大都市ができるけれども、中小都市は、これまで公共投資が上手にできなかったからあるいはうまくいっていないのかもしれないし、あるいは民活でうまくいかなかったから公共投資が必要なのかもしれないけれども、そういうシナリオでこの話をもう一回見直す必要があるんじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょう。

北側国務大臣 今委員がおっしゃっている地方都市における中心市街地が本当に疲弊をしている中で、まさしくそういう地方都市の活性化に向けてそこに重点化すべきじゃないのか、こういう御趣旨でおっしゃっているんだというふうに思います。そこは非常に大事な視点であり大事な分野である、都市再生をするための目的の大事な分野であるというふうに私も認識をしておるところでございます。

 特に、先ほど申し上げましたように、高齢社会がこれから本格的に進展をしていきます。そういう意味では、これからは本当に、高齢者の方々が歩いて暮らせるまちづくりと言いましたけれども、自転車やバスや電車等々、日常のそういう交通手段を使って自分の必要なものはすべて賄われる、病院もある、さまざまな必要な施設がある、そういうのが一定の居住区域の中でそろっている、そういうふうなまちづくりをこれからやはり目指していかねばならないと私は思うんですね。そのために都市再生をそちらの方に重点化しようというのは、私は非常に傾聴に値するお話であるというふうに思います。

 ただ、都市再生の問題だけではなくて、先ほど来議論しているのは、まちづくり三法の問題なんかも含めましてこれは議論していく必要があるなと思っていまして、私は、中心市街地、あちこち行かせてもらいました。確かに本当に閑散としたところが多いわけなんですが、一つ問題だなと思いますのは、中心市街地のところに、例えばいろいろな商店街、商店がございますよね。その商店街の方々御自身が郊外に住んでいらっしゃる方が多いんですよ。これでは私はやはりいけないと思うわけでございまして、中心市街地もしくは中心市街地の周辺の部分にやはり居住をされるということが、この中心市街地活性化に向けての非常に大事なポイントであると思いまして、私ども町中居住というふうに今言っているんですが、そういう町中居住ができるような条件、環境というものをしっかりとつくっていくことが大事であるなとか、先ほど来お話もございました大規模店舗のあり方につきましても、やはりその立地について私は広域的な調整があっていいんじゃないのかというふうに思っているんです。

 まちづくりというのは、基本的には市町村が権限を持っています、市町村がやっていきます。しかしながら、今交通手段が非常に便利になっておりますから、狭い一つの市の中で、幾ら都市計画を、まちづくりをこういうふうにしようというふうに決めても、隣で全く整合性のないような形で都市計画、まちづくりがなされてしまいますと、また、そこに大店舗が立地をされますと、その都市で、町でやろうとしたことが達成できないわけですね。

 そういう意味では、もう少し広域的な調整が例えば県なんかでできるような仕組みも私は検討すべきじゃないのか、そんなことも今専門家の方々、また現場の方々にも入っていただいて議論をしている真っ最中でございまして、まちづくり三法の見直しなんかもぜひ進めさせていただきたい。

 都市再生については、そういうところにしっかり、地方都市の中心市街地の活性化、地方都市の活性化に向けて、そこに重点を置くべきだというのは私も非常に大切な御指摘であるというふうに思っております。

若井委員 大変に意を強くしておりますので、例えば大店法の問題点等については、この都市再生の視点からぜひ再検討をお願いしてまいりたいと思います。

 それから、その再生のイメージなんですけれども、今おっしゃったとおり、中心市街地、そうしたところがこれから高齢化社会の一つの拠点になるだろうというお話は全くそのとおりだと思うんですが、その場合に、都市再生のイメージというのは、特にそこに立派な家が建っているとかそういうことじゃない、空き店舗がしっかり開いており、空き家に人が住んでいるということが大事だと思うんですけれども、もう高齢者の方々は、車で大量に郊外へ買い付けに行く、仕入れに行くというようなことはできない。かつての商店街でいえば、出前ですとか注文を聞くとか配達をするとか、そういうサービスをしていたわけですね。スーパーより確かに高い、だけれども、子供を連れた奥さんが来れば、そっとコロッケの一つや二つはサービスをするというようなことはしていたわけで、ある意味でいうと、商店街自体が一種のコミュニティー装置になっていた。

 そういう機能をもう一回取り戻すということが本当は再生の原点にあるべきであって、町中居住というのは恐らくそういうことをおっしゃっているのかと思いますが、そこで、この間、都市再生モデル調査、三年、今年度もおやりになるそうですが、明らかになったそうした再生のイメージですね、一分間ぐらいで簡単に御紹介いただけると大変ありがたいと思います。

清水政府参考人 今お尋ねのありました全国都市再生モデル調査でございますけれども、全国の各都市の創意ある取り組み、これは公共団体の場合もございますし、NPOといったような民間の取り組みもあるわけでございますが、そういう先導的な取り組みに十五年度は百七十件、十六年度は百六十件の国費で持ちました支援を行っております。

 こういった調査を活用しまして、中心市街地の例で申し上げますと、空き店舗を使いまして、新たな若い方の起業のスペースとしてそこを提供し、使っていただいて、そこでめどが立ちますと次の大きな店に発展させていくとか、それから、同じように商業施設を有効利用いたしまして、学校の生徒さんに社会の勉強をしてもらうということで、そこで買い物の実地体験をしていただくというような取り組みをしている市もございますが、そこでは、最初のモデル実験では一校、二校の取り組みでありましたが、次の年、社会実験を発展させまして二十四校で行う、そういった取り組みの中で人の流れもできまして、空き店舗が九つ埋まってきたといったような効果を上げているところがございます。

 二つほど例を挙げましたけれども、こういったいろいろな取り組みの中でわかりましたことは、やはり地域の人が、行政も住民も含めまして、意見調整をしながら取り組むのが大事であるなというふうなこととか、連携が重要であるなということが体験できたこと、わかったこと、それから、現にそういった連携の仕組みができ上がりまして次の段階に発展しているというような効果も出ております。

 こういった、たくさんのほかの地域に参考になるような例が出ておりますので、こういった例も、私どもとしても参考になるような情報提供もしながら、新たな取り組みを全国の各都市にやっていただくような方向に持っていけたらというふうに思っております。

若井委員 今のそのお話は、どっちかというとかつて中心市街地の活性化の中で議論をしていた話で、そこから一歩も出ていないなと思うんですが、最後にちょっと触れられました、住民の皆さんと一緒に物をつくっていくというようなそういう取り組みをもっとたくさんつくっていかなきゃいけない。要するに、都市再生というのは、建物じゃなくて、そこにいるお年寄りも含めてみんながそこで一生生きていければいいという話じゃないですか、そういう仕組みをどうつくれるかという話だと、私はそんなに難しい話だとは思っていないんですけれどもね。

 そこで続けてお聞きしますが、まちづくり交付金、去年一年間取り組まれておられるわけですが、今のような中からどんな交付金の配分をしてこられたのか、そこら辺について簡単に教えていただきたいと思います。

竹歳政府参考人 まちづくり交付金の実績でございますけれども、平成十六年度は、全国二百九十市町村、三百五十五地区で交付されました。

 幾つかの切り口で若干御紹介いたしますと、それぞれの地区がどういうことを目標にしたかということでございます。一番多かったのは交通利便性でございますが、続いて人口定着、中心市街地活性化、地域コミュニティー、観光交流というようなことを目指して、それぞれの地区が取り組まれたということです。

 それから、どういう事業をやったかということでございますけれども、四〇%近いところが基幹的な公共施設でございますけれども、市町村提案事業という従来型の事業だけではない、空き店舗の改修、子育て支援施設の整備、地場産業の育成等、こういうソフトな仕事が一四%ございました。

 また、市町村規模別で見ますと、五万人以下の市町村の地区が約半分、二十万人以下になると約七割というような状況で、非常に地方の中小の都市で活用されているということがございます。

 また、今、お尋ねの都市再生モデル調査との関係で申しますと、三十五地区において、都市再生本部の調査と連携して、全国都市再生、こういうことが進められてきているということでございます。

若井委員 まだ一年目で試行錯誤しておられるのかと思いますけれども、先ほどの対象を絞るという話でいえば、数でいえばそれは確かに小さい自治体が多いわけですが、予算規模でいうと、国費のレベルで、二十万人以上のところが三分の二以上を占めている。実際には、二十万以上の都市というのは、これまでのまちづくり交付金でなくても、さまざまな事業を組み合わせて自分たちなりにシナリオを描いていけた、そういうところが多いと思うんですね。

 ですから、例えば、この二十万未満のようなそうした地区、こうしたところに重点的に配分をシフトしていくというような工夫をぜひ今後していただきたい、私はそのように考えるわけですけれども、大臣、その辺、いかがでしょうか。ぜひそういうふうにお願いをしたいと思いますが。

北側国務大臣 一つの御見識であると思います。

 ただ、人口だけで言えない部分があります。例えば東京都でも、いろいろな地域がやはりあります。埼玉県にもいろいろな地域があります。大きな市でも、例えば政令市だとか政令市並みの大きな人口を抱えている中にもいろいろな地域性があるわけでございます。そういうところで、じゃ、まちづくり交付金が使えないというふうに決めてしまうのもいかがなものかというふうに思うわけでございます。

 ただ、委員のおっしゃっている、まさしく地方都市の活性化というところに重点を置いて考えるべきじゃないかというのは、私は非常に大事な御指摘をいただいておるというふうに思っております。

若井委員 ありがとうございます。

 それで、このまちづくり交付金を中心とした都市再生のねらいですが、先ほどから申し上げておりますとおり、国土交通省が所管をしておられるという意味でいうと、なかなか難しい問題はあるかもしれませんけれども、基本的には、そこに暮らしておられる方が一生とにかく安心して生き生きと暮らしていけるような条件をつくればいいわけですから、外から物を持ち込んだりあるいは企業を投入したりということよりも、主役はやはりあくまでもその地域に住んでおられる方々、その地域で活動をしておられる方々であろうと私は考えます。

 そういう意味で、今回のこの法改正の中で、言葉とすると若干出てまいります市民セクターの人々の位置づけなんですけれども、NPOやボランティアとここに書かれておりますが、そうした方々がみずからの地域の中で活動していったり運営をしていったりする、そうした部分が今非常に、ある意味でいうと制約がある。

 ですから、こうしたセクターに対してしっかりとした活動の基盤を提供するというような、そうした政策をもうちょっと今後厚くしていく必要があるのではないかと思いますけれども、その辺、局長、いかがでしょうか。この辺、何か具体的な案があれば、ぜひ教えていただきたいと思います。

竹歳政府参考人 まちづくりに当たりましては、御指摘のとおり、市町村と住民、NPO等との連携、協働、こういう多様な主体による取り組みということが非常に重要でございまして、都市再生特別措置法におきましては、市町村は、この計画をつくるときに、まちづくり活動を行うNPOや公益法人の同意を得てこれらの事業を位置づける旨、今規定されているわけで、市町村が助成するときには交付金の交付対象とするということになっているわけです。

 十六年度の、一年たった経験でございますけれども、三百五十数地区の中で五十二地区でこういうNPOや市民団体との連携した取り組みというのが行われております。住民団体による歴史的建築物の管理運営でございますとか、ボランティア団体による空き店舗を活用したリサイクルプラザの運営、地元商店会による駅周辺への防犯カメラ設置、こういうことが具体的に動いているということで、今後、我々もこういうことをぜひ支援してまいりたいと思います。

若井委員 こうしたセクターが今一番困っているのは、基本的には、やはり恒常的に、要するにお金はもうかる必要はないわけで、彼らにとっては、きちんとした活動ができるそうした経済的な基盤であります。

 ぜひ、都市再生の視点からも、そうしたものに対する税制的な対応とか、そうした点をつくっていっていただきたいというふうに私は考えるわけです。

 その話はこれぐらいにします。

 次に、区画整理会社の問題、多少お聞きをしたいと思います。

 確かに土地区画整理事業はまちづくりの上で欠くべからざる重要な事業であるということは、私も本当にそうだと思うんですけれども、今回のこの都市再生法関連での区画整理法の改正には、若干首をひねらざるを得ない部分がございます。それは何かといいますと、基本的には、区画整理会社の問題に集約をされているわけです。

 本来、この土地区画整理事業というのは、先ほどのお話でいえば、地域で活動をされておられる方々、そこで生活をしておられる方々が、みずからの活動として地域をつくっていくための手法であって、確かに基盤整備はその結果としてできていく話ではあるわけですけれども、それを、例えばよそからの企業が参入をしてその事業を担っていくというような話ではないのではないかというふうに思うわけです。

 この間、土地区画整理事業は大変苦況にあるというふうに私は認識しておるわけですけれども、人口がどんどんふえ、宅地がふえるというような状況じゃない中で、この区画整理をあえてこうした既成市街地の真ん中でやろうという理由とその成算というのは何なのかという点、ちょっと御説明いただきたいと思います。

竹歳政府参考人 御指摘のとおり、区画整理はこれまで郊外のニュータウン開発とか工業団地等の整備ということに広く使われてきました。しかしながら、国土交通省では、既に数年前から既成市街地重視ということで方針転換をしております。

 例えば、道路特会による補助につきましても、小さいもの、既成市街地ですから小さいものでも補助ができるとか、それから、もともとは都市開発資金による無利子貸付制度というのは郊外部の宅地化促進でございましたけれども、十四年度からは既成市街地の住宅供給型に変えましたし、さらに今回の法案では、郊外部の新規宅地供給に特化した事業はもう貸し付けの対象にはしないということで、鮮明に既成市街地シフトを打ち出しているところでございます。

 そういう中で、区画整理会社をつくるというのはどういう意味だということでございます。外から資本が入ってくるという御指摘でございますが、基本的には地権者が支配する会社、プラスそういう資力、信用、ノウハウを有する民間の方にも参加していただこう、こういうような基本的な考えでございます。

 区画整理会社がこういう既成市街地でどういうふうに使われるだろうかということになりますと、例えば、我々が考えておりますのは、土地を活用したいという意向のある地権者を中心に、そこに上物を建てたいというディベロッパーとか地場の工務店、こういう方々が共同で出資をして区画整理会社をつくる、こういうようなことが一つ典型的なパターンとしてあるのではないかな。それで、この区画整理が終わった後は商業施設や共同住宅をつくって賃貸に回すというようなことで、中心市街地の居住人口を都心部に戻すというようなことにも役に立つのではないかなと期待しているわけでございます。

若井委員 区画整理の仕組みを私なりに理解すると、要するに、地価が増進をする、その事業をやる前と後で増進をするから、それで事業が成立をし、そして、本来、組合であればそこで事業が一応完結するわけですが、企業である以上、会社である以上、それに利潤というもの、一種の市場原理を当然期待するわけですけれども、現在のような、例えば人口がこれから減少をしていく、高齢化が進んでいく、どんな民間企業がやってもうまくいかなかったというような中心市街地で、なぜあえて会社方式にする必要があるのかということを重ねて御説明いただきたいと思います。

竹歳政府参考人 御指摘のように、組合のみならず、区画整理につきましては非常に今厳しい状況にあります。特にバブル期にスタートしたようなプロジェクトは、保留地の処分に非常に採算性を負っているということでございましたから、非常に苦しい立場にあるということです。

 先ほどから繰り返し御答弁を申し上げておりますが、この区画整理会社で、何か万能でいろいろな問題が解決できると我々考えておりませんが、例えば、地方都市の中心市街地で、空き店舗とか駐車場、そういう周辺で、今後も地権者がそこに住みたい、営業も継続したい、そういう方がいらっしゃるというときに、中心であるだけに難しい仕事になると思います。そういうときに、民間のノウハウも活用して、地権者の方が中心となってということで、我々、これが活用できるのではないかなと考えているわけでございます。

若井委員 いろいろ資料を見せていただきますと、全国で二千億円近い収入不足の、いわば不良資産に近い区画整理事業が残っている。

 そうした中で、今回のこの法改正の中では、組合から区画整理会社にそうした事業を引き継ぎができるという規定になっていると思うんですが、例えば、最低七組合員ですか、そのうち四組合員に当たる企業が権利を買うなりしてそれを引き受けるとした場合に、新たな会社を設立することは当然可能だと思いますが、それはいかがか。

 それから、そうした企業が中心となって成立をした区画整理会社に対して民都機構が無利子融資の都市開発資金を融資することは可能かどうか、それについてお答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 今先生は、七人の発起人のうち四人民間の人が入ったというので、極端に言うと、過半数を占めて自由にするんじゃないかというお話ですが、実は、組合の場合はそうですが、会社の今のお話だと、施行地区となる区域の中の所有権とか借地権を有する者がその会社の議決権の過半数を持っているというようなこととか、そういう何か民間の人が外から入ってきてその地域を支配しちゃうというようなイメージにはなっていないということをまず申し上げたいと思います。

 それから、そういう会社に民都機構が出資できるかということについては、もちろん幾つかの要件がございますけれども、まちづくりをするための会社。

 区画整理会社の一つのいいところは、組合でやりますと、事業が終わるとそれでおしまい、解散になります。ところが、まちづくりというのはこれから長期的にやっていかなくちゃいけないということになると、換地処分が終わった後に、例えば保留地に共同住宅、賃貸住宅を建てて経営をするというようなこととか、その事業に最初のプロセスから関与して、そういうことができるというメリットもあるということを一つつけ加えさせていただきたいと思います。

若井委員 今のお答えでちょっと私には理解ができなかったのですが、つまり、七人というのは最低だからそれを例にして言ったんですけれども、例えばそのうちの四を新規に取得すれば、会社の設立は可能である。つまり組合員のうちの過半を占めればよいという要件ですよね。そうですね。今の御説明をそれなりに理解をすると、そういうことになる。

 そうすると、とてもうがった話になってしまいますが、そういうふうにならないように祈りながら御質問しているわけですけれども、民間の企業が、一般会計から繰り入れている都市開発資金で、ある意味でいうと、組合の区画整理事業を引き受けるということが可能になる仕組みではないかということを申し上げているわけです。

竹歳政府参考人 経営が困難になった組合の事業につきましては、実は公共団体が引き継ぐということもできますし、御指摘のように、会社が引き継いで、例えば賃貸経営とか、そういう長期的なまちづくりに関与するということはできるようになっております。

若井委員 この民都機構による都市開発資金の使い方の問題については、都市再生の枠の中ではないところで、区画整理事業の改正自体の問題としてきちんと議論する方が私は適当ではないかと思っておりますが、それについては、きょうは指摘をしておくにとどめたいと思います。

 いずれにしても、都市再生がこれまで、ある意味でいうと、国の公共投資の枠外に近いところにあったそうした中心市街地の真ん中、そこに対して遅まきながら支援をするという、その本来の趣旨に立ち返っていただいて、ぜひ的を絞ったそうした事業に育てていくべきではないか、それを条件にして私たちもぜひ一緒に考えさせていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

橘委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三分開議

橘委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月大造です。

 議題となっております民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。

 御案内のとおり、今回の改正は四つから成っていまして、都市再生特別措置法、土地区画整理法、都市再開発法、そして都市開発資金の貸付けに関する法律、この四つの改正ということになっておりますが、私は、都市開発資金の貸付けに関する法律の一部改正に関連して、そこに絞って質問をさせていただきたいと思います。

 この法律は、都市の計画的な整備を推進するために、国が、土地の取得を行う地方公共団体、また市街地再開発事業や土地区画整理事業に貸し付けを行う地方公共団体、独立行政法人都市再生機構、土地開発公社、民都機構、そういったところに資金を有利子または無利子で貸し付けを行うためのもので、昭和四十一年に創設をされたというふうに伺っております。その存在意義や利用価値については一定理解をいたします。

 その上で、まず、この都市開発資金の貸し付けの現状と最近の変化について、昨日の和田委員の本会議での質問でもありました。非常に逼迫した財政状況にある一般会計から繰り入れが行われ続けております。若干だぶつきぎみだと言われております都市開発資金融通特別会計に、相変わらず繰り入れが行われております。一般会計から繰り入れがなくても、繰り上げ償還でこういった資金需要に対応していけるのではないかというような、きのう、和田委員の質問もございました。特に最近は、ここ五年でこの都市開発資金の貸し付けの総額が約半分に減るというような状況になっています。そういった中で、一方、午前中の質疑の中でもありました、民都機構への貸付規模自体は、総体的にこの五年で四・七六%から三六・四%に膨らんでいます。

 こういった全体的な資金需要が低下しているという状況の中で、一般会計からの繰り入れが行われ続ける点、また総体的に民都機構への貸し付けが増加する点を中心に、この都市開発資金の貸し付けの現状と最近の変化について御答弁をいただきたいと思います。

北側国務大臣 数字のお話でございましたので局長の方がいいかなというふうに思ったんですが、数字だけ申し上げましょう。

 都市開発資金貸し付けの過去五年間の予算及び実績は、平成十一年度、予算額七百八十三億円、実績額が五百五十五億円、平成十二年度、予算額六百三十七億円、実績額四百八十六億円、平成十三年度、予算額四百四十一億円、実績額二百五億円、平成十四年度、予算額二百九十七億円、実績額百九十二億円、平成十五年度、予算額二百八十九億円、実績額二百四十六億円となっております。

 また、一般会計からの繰り入れは、実績で、平成十一年度二百二十五億円、平成十二年度百九十九億円、平成十三年度七十六億円、平成十四年度七十八億円、平成十五年度六十五億円となっております。この一般会計からの繰り入れは、土地区画整理事業等についての無利子貸付金の原資とするものでございまして、特会の自己資金で賄えない必要最小限の金額を繰り入れているということでございます。

三日月委員 もう一つの、民都機構への貸付額が総体的に増大している点についてお答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 都市開発資金、昭和四十一年度にできましたが、その時代時代のニーズに応じて貸付対象が変わってきております。午前中の御答弁でも申し上げましたが、昔は郊外型の区画整理に融資をしておりましたが、十七年度からは既成市街地に重点を移す。また、民都機構につきましても、昭和六十二年度にできまして、やはり民間の都市開発を推進する必要があるということで、その融資がふえてきているということでございます。

三日月委員 今回の改正の中で、今おっしゃいました土地区画整理事業を施行する区画整理会社に対する都市開発資金の無利子貸付制度、これが拡充されるということです。直接的には改正の対象ではありませんけれども、数年前まで、この都市開発資金の貸付制度の中で最も大きな割合を占めて、特に最近急激に減少してきた用地先行取得資金融資に焦点を当てて、これから質問をさせていただきます。

 まず初めに、この用地先行取得資金の融資制度、貸し付けの条件は何ですか。また、根拠法令、要綱、そして貸付決定の過程、スケジュール、審査体制についてお答えをいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 お答えいたします。

 都市開発資金の用地先行取得に係る要望、貸し付け手続等々、根拠法令等についてお答えいたします。

 まず、根拠法令でございますが、都市開発資金のうち都市計画施設の用地先行取得資金の貸し付けは、都市開発資金の貸付けに関する法律第一条第一項の規定を根拠としております。

 貸し付け条件としては、利率については同法第二条第一項の規定により、都市特会における借入金の利率または貸し付けと同一の償還期間等による借り入れを行ったとした場合の利率を上限とし、国土交通大臣が財務大臣に協議して定めることとされております。また、同法第二条第三項の規定により、償還期間は四年以内の据置期間を含んで十年以内、償還方法は元金均等半年賦償還の方法によることとされております。

 いろいろな手続でございますが、手続に際して必要とされている書類は、当初の要望調書につきましては、課長の通知により、要望総括表、都市施設用地調書、地権者一覧表、土地評価参考調書、物件移転費内訳書、位置図及び整備区域図を提出するよう求めております。

 また、本申請、正式の申請におきましては、局長の通達、要領によりまして、用地先行取得資金貸付申請書、土地買い取り計画書、都市計画決定等関係書類の提出を求めております。

 また、これをさらに公共団体の担当者向けに詳しく解説している小冊子におきましては、土地買い取り計画書に関しては、土地評価参考調書の様式、物件移転内訳書の様式、土地買い取り申出書、抵当権などが抹消されることを証明する書類、都市計画決定等関係書類には、都市計画一般図、買い取り対象区域図をそれぞれ提出するよう求めております。

 貸付決定のスケジュールにつきましては、当初要望を受けて四月に当初内示を行い、貸付枠を確定した上で、当該枠内において年度内の貸付申請、貸付決定、貸し付けの実施が行われるが、地方公共団体におきます地権者交渉の進捗等の事情に合わせまして、ほぼ毎月、貸付予定日を設定しております。

 貸付申請に係る審査体制につきましては、市町村の申請は都道府県を経由した上で、都道府県の申請は直接地方整備局に提出されます。地方整備局において貸し付け要件への適合性や必要書類について審査した上で本省に送付され、本省において最終の貸付決定を行っているところでございます。

三日月委員 今局長がおっしゃったようなことは、お手元に配らせていただいております三枚物の資料の一枚目、漢字ばかりでわかりにくかったと思いますので必要書類を配っております。

 今、当たり前のように局長御答弁いただいておりますけれども、きょうは私は政府参考人として承認をさせていただいておりません。ぜひ大臣、ここからの質問、これから具体的に、そして詳しく述べていきます。大変だと思います。数多くの法案の中身について大臣が認識されること、そして答弁に答えていかれることは大変だと思いますけれども、ぜひこれからの質問については大臣にお答えをいただきたいということを要望しておきたいと思います。

 この都市開発資金の用地先行取得資金の最近五年間の、先ほど答弁いただいたスケジュールに沿って、手続に沿って行われた自治体からの要望申請状況を国交省に資料を要求し、調査いたしました。その結果が皆様のお手元の三枚物の二枚目に出ております。こちらの方にパネルも用意いたしました。

 すると、いろいろありました。たくさん申請もありましたし、要望自体も出ておりました。この間、過去五年間で合計十件、関係自治体にして八つについて、提出書類の何らかの不備が発覚をいたしました。これらすべての貸付金額を合計しますと五十四億円です。この間の用地先行取得資金の融資は実績全体で三百三十八億円ですから、約一六%が決められた書類の提出がなされていなかったり、また、きちんと管理がされていない状態で融資が決定されたり実行されたりしていたということが、残念ながらわかってしまいました。

 これは地方自治体が負担するものだから、貸し付けだからということで、国として私は看過することはできないと思っています。なぜならば、この貸し付けには一定割合、まちづくり総合支援事業等々で補助金の償還財源や整備事業そのものに補助金も投入されております。

 もちろん、いろいろ詳しく伺えば、自治体、八つありますけれども、そもそも単純な提出忘れだった、提出はしたけれどもきちんと国交省の方に届いていなかった、整備局にはあったんだ、競売物件だったので必要なかったんだとか、別の書類で代用しただとか、いろいろ言われました。きょうの朝、また国交省の担当者から電話があって、いや、実は代用していたもので対応していた事例もありましたというようなことまで明らかになっています。きょうの朝、電話もありました。

 こういう実態をごらんになった大臣、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

北側国務大臣 結論から申し上げますと、書類不備については、厳格な審査を実施しなければならないわけでございますので、こうした書類不備については遺憾と言わざるを得ないと思います。審査体制については見直す必要があると考えておるところでございます。

三日月委員 これは多額の税金を投入して、一般会計からも繰り入れをしながら行う貸付制度なんですね。今大臣がおっしゃったように、これは五十四億円です。いろいろあります。大小、強弱、忘れ、代用、いろいろありますけれども、決められた手順や手続が守られずに、決められた書類が提出されないままこんな融資が行われるということについて、私は唖然としました。

 民間の金融機関のこうしたたぐいの融資については、そもそも書類の不備があったりしたら融資されないわけですし、もちろん、将来性や成長性、採算性についても厳格に審査が行われます。都市開発ですから、公共的な都市開発ですから、こういう成長性や採算性というものを厳密に見ることだけでは難しい融資ではありますけれども、だからこそ公正な価格審査や適正な取引過程を明示すること、また、透明な申請手続が私は何よりも必要だと考えております。

 きちんとした実態解明が必要だし、場合によっては、都市開発資金貸付要領の第二条十三項にあります貸付決定の取り消し等についても私は行うべきだと思うんですけれども、大臣、改めて御答弁いただきます。

北側国務大臣 先ほど答弁したとおりでございます。

 書類の不備というのはやはりあってはならないわけでございまして、今後、その審査体制については見直すことが必要かというふうに考えております。

三日月委員 書類の審査体制も、また、そもそもその事業の審査決定過程についても、私は、見直し、対策を講じるべきだと思います。その前に、なぜそういうことが起こってしまったのか、また、どのような過程でそういうことが起こったのかという実態解明の調査が、私は何よりもまず必要だと思います。

 あえてもう一度お聞きいたします。まず実態解明の調査をきちんとした上で、そして対策を講じるという点について、いかがでしょうか、大臣。

北側国務大臣 先ほど来の答弁と一緒でございます。書類の不備というのはあってはならないわけでございまして、やはり厳正な審査を実施する立場からは、この審査体制については見直すことも検討しなければならないというふうに考えております。

三日月委員 あってはならないことが起こったんです。起こっているんです。その中で、過去五年間だけで五十四億円、しかも数ある項目の中で、用地先行取得にのみ調査をした結果がこれなんです。一事が万事、他の項目や分野における融資、貸付制度も、それはないことを願いますよ、ないことを願いますけれども、こういうことがないとも限らない。対策はもちろん講ずるべきだと思いますけれども、その前に、監督官庁として私はきっちりとした調査が必要だと思います。恐らく、お聞きになっている委員の皆様も、何だ、こんなことで融資していたのかといったことで驚かれている方や唖然とされている方が多いと思うんですね。

 ここで一つ、この項目の中で最も金額として大きな福岡県春日市の事業について注目してお伺いをしたいと思います。

 これは資料三の、見積もりというものをつけておりますのでごらんいただければと思います。若干、具体的な企業名が出ますから、隠しております。

 これは、福岡県春日市が都市開発資金の貸し付けを要望するときに、平成十二年の十月に当初の要望をするときに、本来であれば出さなければならない都市施設用地調書、土地評価参考調書といったようなものを決められた様式で出されずに、代用をされた都市開発資金関係資料、その中の建物の価格を示す根拠資料として提出をされた見積書です。平成十一年十二月十日現在の日付になっています。

 これはどこの会社からどこの会社に出された見積書であるか、大臣、御認識いただいているでしょうか。いただいていなかったらそれでも結構ですけれども。

北側国務大臣 事務方の方から報告は受けております。

三日月委員 事務方からどのような御報告を受けられていますか。会社の名前だけですか。

北側国務大臣 ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんが、会社の名前も聞いております。

 全体の事実関係についても、報告は概略、聞いております。

三日月委員 どのようにお聞きになられていますか。

北側国務大臣 むしろ具体的にお聞きになっていただいた方がいいんじゃないでしょうかね。こういうことを聞いておるのかとか……(三日月委員「いや、聞かれたことを答えてください」と呼ぶ)いやいや、何を聞かれたとか、そんな全体的な話を質問されないで、具体的に何を聞かれているのか。

三日月委員 いや、そんなに多くのことを、この見積書一枚で事務方から説明があるわけないんですよ。

 いいですか。私もびっくりしたんですけれども、この見積書、いろいろな経緯で出されたものなんでしょう。しかし、この平成十一年十二月十日現在で、このあて先の何々殿と書かれておるところに、恒常の恒に善悪の善、これはコウゼンと読むんでしょうか、この会社名が記されていました。ところが、この平成十一年十二月十日現在で実在しない会社なんですね、これは。これは国土交通省の皆様方の調査によってきちんと明らかになっている話なんです。

 こういう実在しない会社、出した方は実在しましたよ、出された会社が実在しないところに対して出された見積書を、この貸し付けの、融資の当初要望の根拠資料として出されていたんです。そのことについて、大臣、どのように御認識をされていますか。

北側国務大臣 私が事務方から聞いたというのは、きょうの御質問があるということで聞いたということですよ。というふうに御理解いただきたいと思うんですが、この見積書につきましても、私が事務方から聞いておるところはこういうことでございます。

 議員御指摘の見積書は、平成十三年度予算の都市開発資金貸し付けのために、平成十三年二月に春日市が福岡県を経由して提出した当初要望の参考資料である。当初要望の段階では、この見積書の添付までを求めておらず、かつ、これをもって貸付額を決定するものではないことから、参考資料という位置づけをなされている。

 この見積書が参考資料として添付された背景については、これは福岡県を通じて春日市に確認したところ、当初要望調書に移転補償費の概算額を記載する必要があったが、その時点では移転補償費の積算額をコンサルタントへ委託し調査中であったことから、それにかわるものとして、平成十二年一月に土地建物所有者が市に任意に提供していた建築物の再建築工事費を添付したということでございました。この見積書に記載のある建築物の建築工事費について、市では、当時の一般的な建築単価と比較しておおむね妥当な水準であると判断し、当初要望時の移転補償費の概算額として記載したということでございます。

 この見積書の作成会社及び提出会社については、それぞれ合併等により現在は別会社になっていることは、会社登記簿の調査等により把握をしておるところでございます。しかし、どのような経緯でこの見積書が作成されたのかについて、本年三月に福岡県を通じて春日市に確認を求めたところ、市においては、当時の経緯を知る人物を見つけ出せなかったことから、作成経緯を明らかにすることはできなかったということでございます。

 実際の貸付額は、平成十三年九月に提出されました貸付申請書類によって確定しており、この貸付申請書類に記載された用地補償費の積算根拠は、用地費につきましては土地鑑定に、補償費につきましては用地対策連絡協議会の損失補償基準に即して算定されているところでございまして、妥当なものである、妥当な価格での用地買収、移転補償がなされたものと考えております。

三日月委員 最後に妥当だと言われたことが、私、よく理解できないんです。そもそも提出を課された見積書ではない。しかし、課されているものは出されていなかったんです。ちゃんと当初要望に際して出しなさいと言われたものについては出されていなかったんです。そのかわりといって出されてきた都市開発資金の関係資料の、今大臣が最後におっしゃった建物の価格算定の根拠として添付されたのがこの見積書だったんです。

 金額が妥当だったら、存在しない会社を当時あて名として見積もりをつけていいんですか。それで金額、妥当だと言えるんですか。世の中の商取引はそういったことで成り立っていますか。ぜひ私は、これは合併、解散してわけがわからなくなった、どこへ行ったかわからなくなったとおっしゃるのではなくて、市に任せるのではなくて、最終的にこういった資料に基づいて貸し付けを決定した国土交通省としても、さかのぼって、そして踏み込んで調査をすべきと考えるんですけれども、いかがでしょうか。

竹歳政府参考人 一点、今先生のおっしゃった、事実が違うものですからちょっと訂正させてください。

 大臣が妥当なものであると判断したと発言されたのは、正式の書類の十三年九月の書類、そこはきちっとそろっていて、正式の鑑定も得た、それで妥当だということでございまして、大臣の発言は、最初に先生がお示しになった十三年二月のその見積書の価格について申し上げたものではございません。

三日月委員 いや、違うんです。十三年九月の話は、貸付申請時の話です。

 今私が問題にしているのは当初要望時の話で、二月に当初要望の変更届が出され、その前の十月に当初要望の本通が出されているんです。いずれにも、この資料三つ目のこの見積書が添付資料としてつけられているんです。金額の算定根拠として示されているんです。

 福岡県春日市のこの問題については、最終的に十七億円という買収価格が、当時提示された十二億六千五百万円に対して非常に高くなったじゃないかというようなことが懸念されて、市民から違法公金支出の返還等の請求がなされて、訴訟が今行われているんです。その過程において森元首相や山崎首相補佐官の秘書の関与等も懸念をされておりますし、用地買収や価格算定、見積もりをめぐっては、存在しない会社の見積もりが存在をしているのではないかと疑われたり、契約戸数を水増しするための架空の契約書が存在したり、また、買収価格算定の鑑定業務の契約が随意契約で交わされていたりしているんですね。

 市が三月にまとめ、最終報告として提出しました。市議会では調査特別委員会を設置して、三月に約二年間にわたる調査結果について報告をされています。

 その中では、まず三点についてこれは報告しているんです。政治家の関与とその影響、買収価格が適切だったか、事務手続はどうだったかといった三点について確認をされており、国土交通省にこの関係する会社の会長と社長が会いに行かれた、当時のまちづくり課長に会いに行かれたというようなことも明らかになっていますし、この報告書のとおり読ませていただければ、「政治家の関与については、森氏も山崎氏の秘書も関与でなく紹介しただけと主張していますが、その政治力の大きさから働きかけと委員会は認識しました。しかし上記の経過から、働きかけの結果で行政が歪められたとの認識には委員会としては至りませんでした。」先ほどの事務手続については、随意契約でその鑑定評価の会社を決定したといったことについて慎重さに欠けたといったことまで出ているんです。

 こういうことに基づいて行われた国の貸し付けについて、過去のことだから、市のことだから、今訴訟中だからといって、それを理由に調査に踏み込めないというのは、私は国土交通省としていかがなものかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

北側国務大臣 先ほど来申し上げていますとおり、この見積書というのは十三年二月の当初要望時に参考資料として添付されてきた資料であるということでございまして、当該要望時に提出する必要のない資料でございます。

 大切なことは、実際の貸付額を決めているのは平成十三年九月に提出されました貸付申請書類によって確定をしておるわけですね。その積算根拠というのは、用地補償費の積算根拠は、用地費については土地鑑定に、補償費については用地対策連絡協議会の損失補償基準に即して算定をされていることを我々はちゃんと確認をしているわけでございまして、妥当な価格での用地買収、移転補償がなされているものというふうに考えているわけでございます。

三日月委員 いや、最終的なその金額の妥当性なり、九月の貸付申請時の問題を言っているんじゃないんです。

 国として、各自治体から当初要望を上げてこい、それによって枠取りする、ついてはこういう申請書類を出してこいということを課されているわけでしょう。それが出されていなくて、それを代用する関係資料として提出された、もちろん見積書は提出の必要はなかったですよ、しかし、その代用された書類の価格の根拠資料としてこの見積もりが出されているんです。では、これが架空の、存在しない会社をあて先とする見積もりでいいということですか。おかしいですよ、これ。大臣、もう一度答弁いただきたいと思います。

北側国務大臣 先ほど答弁したとおりでございますが、これは春日市議会の方でも調査特別委員会というのが設置されて、そしてこの買収価格について適切であったのかどうかということも、これはその市議会の特別委員会で審査がなされているわけですね。そこでどういう結果になったか。

 委員長の報告によりますと、委員長というのはこの市議会の調査特別委員会の委員長の報告でございますが、買収価格につきましては不当なものとの判断にはならなかった、議会が行った再鑑定の結果は第一復建の精査後の額より約三千四百万余円高いものであった、こういう委員長の報告があるわけでございまして、私は、先ほど申し上げたように、価格自体は妥当なものであったということは、この委員会の、議会の報告でもそのようになっているということを追加して御報告をさせていただきます。

三日月委員 価格についてそのような特別委員会の報告があることは私も認識しています。

 私が今話題にしているのは価格の話じゃないんです。手続の問題です。その手続の過程で、この架空の見積書、存在しない会社をあて先とした見積書があっていいのかどうかという。

 大臣、私、日ごろ大臣の御答弁や御姿勢を伺っていて、非常に尊敬もしています。なぜその大臣がこの問題についてはそういう御答弁をされるんですか。恐らく、内心おかしいと思われていると思います。しかも、地方公共団体にとっても非常にいい制度だと私は思っていますよ、これは。町を再開発するために、国を思い、地域を思い、国のこういう制度を活用して何とかしたい、立体交差したい、町をよくしたいと思う担当者がほとんどだと思います。しかし、こういういろいろな方々の関与によって、また不透明な手続によってこの制度がゆがめられてしまっているという点を私は看過できないんです。

 これは監督官庁国土交通省として、もちろん金額はいいです、金額のことを調べろとは言っていません。先ほど大臣、不適切な審査決定過程があったということをおっしゃいました、対策をしなくちゃいけないとおっしゃいました。ならば、この事案、こんないいかげんな、決められた書類が出されずに、かわりに出された資料の根拠資料として架空の見積もりが出されたことについて、私は踏み込んだ調査をすべきだと思いますけれども、もう一度御答弁をいただきたいと思います。

北側国務大臣 何か行政がゆがめられたとか、それから価格の決定において非常に、全く正当な、適正な価格にならなかったとか、そういうことであればそれは問題にしなきゃいけませんよ。しかし、先ほど来申し上げているとおり、価格自体は今から書類を見ても適正な価格になっているわけなんです。地元の議会でもそのような報告になっているわけです。

 今おっしゃっている見積書の問題につきましては、国土交通省からも、どのような経緯でこの見積書が作成されたのかについて、福岡県を通じて春日市に確認を求めております。市においては、当時の経緯を知る人物が見つけ出せなかったことから作成経緯を明らかにすることはできなかった、このような報告も受けているところでございます。

三日月委員 もちろん、私は価格がゆがめられたとか、関与があったということを言っているんじゃないんですよ。それがないことを願っていますよ、私も。国内のいろいろな担当者の方もみんなそう思っていますよ。頑張って地域の開発のために尽力されていますよ。しかし、こういう架空の見積書が、求められていなかったにもかかわらず、今おっしゃった、価格がゆがめられていないとおっしゃるなら、その価格の算定資料として提出されていたことについて、国土交通省として踏み込んだ調査が必要ではないですかと申し上げているんです。おかしいですか。

 もちろん市はやります。市は特別委員会をつくってやるでしょう。訴訟もやっています。しかし、この手続の問題、手続過程のいろいろな不透明、不備の問題については、私は、この監督官庁である、融資の最終決定をした国土交通省が責任を持ってやるべきだと思います。違いますか。

北側国務大臣 同じ答弁で大変恐縮なんですけれども、十三年九月が大切なんですね。十三年九月に提出された貸付申請書類に記載された用地補償費の積算根拠は、用地費については土地鑑定、補償費については用地対策連絡協議会の損失補償基準に即して算定されていることを確認しておるわけです。妥当な価格での用地買収、移転補償がなされたものというふうに私どもは考えております。

 そして、そのことについては地元の春日市議会の方でも、買収価格については不当なものとの判断にならなかったと。そして、再鑑定もわざわざこの市議会の方ではやっているんですね。再鑑定の結果はむしろ高かったというんですよ、三千四百万円も。

 ということでございまして、この価格については妥当であるということでございます。

三日月委員 もう時間が来ました。

 しかし、価格じゃないんです。貸付申請時だけじゃなくて、当初要望の提出書類もちゃんと課しているわけでしょう、国として、枠取りのために。そうでしょう。では、そこに架空の見積書があったことについてどうなんですか。いいんですか、存在しない会社をあて先とした見積書の存在自体は。わかりません。いろいろなほかの鑑定評価をやれば価格は妥当だった、それでいいんですか。そういう手続なんですか、国土交通省のこの都市開発資金の貸付申請の審査というのは。私はこの部分、全く納得いきません。

 これから民間企業の活力を生かしてさらに広げていこうとされているんでしょう。私はいいことだと思います。ならば、こういう審査体制をもっともっと厳正にすべきだと思いますし、いろいろな問題があると懸念されることについては、徹底的に調査解明をした上で対策をとるべきだと私は思います。当然のことです、これは。大臣、そのことの御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

北側国務大臣 いずれにしましても、この件については妥当な価格が計算されたということを申し上げるしかございません。

橘委員長 穀田恵二君。

穀田委員 私は、今回の土地区画整理法の改正で、事業の施行者に区画整理会社を新たに追加することについて聞きます。

 土地区画整理事業運用指針を見ますと、土地区画整理事業の特色として、施行者には権利制限を伴う事業執行の権限が与えられることとあって、このため、地権者の権利利益を保護するため厳格な手続規定を設けて、例えば、施行者となれる者が限定されているほか、こう書いています。

 そもそも、施行者となれる者を限定してきた理由、株式会社等民間企業は施行者になれないとしてきた理由は一体何だったのか、そのことをまず最初に聞きます。

竹歳政府参考人 現行の土地区画整理法におきましては、施行者は、地権者またはその同意を得た者が一人または数人共同して施行する個人施行者、二番目に、施行地区内の地権者の三分の二以上の同意を得て設立する土地区画整理組合、三番目に、地方公共団体、国土交通大臣、独立行政法人都市再生機構及び地方住宅供給公社の公的主体に限定されております。

 これは、土地区画整理事業が、建築行為の制限、建築物の移転、換地処分など強制力を伴うものであることから、個人施行者もしくは土地区画整理組合のように地権者の一定の同意に基づく主体または地方公共団体など公的主体に施行者を限定し、地権者の権利保護など事業の適正な施行を確保する趣旨でございます。

 次に、株式会社などが施行者になれないとしてきた理由はどうかというお尋ねでございますが、株式会社などによる施行につきましては、実は、再開発につきましては平成十四年に再開発会社方式が導入されました。区画整理につきましては、従来は強いニーズがございませんから、会社形態による施行者を追加するという制度改正が行われてこなかったものでございます。

穀田委員 後半の理由、成り立たないんですよ。そうなったからそうなったと言っているだけで、AイコールAでBイコールB、したがってAイコールBだみたいな話で、さっぱり理屈になっていないんですよ。

 つまり、最初に言ったもので、限定してきた理由というのはあるんですね。施行者には強制力を伴うというお話がありました。そういう権限が与えられる事業であるからこそ、営利を目的とした株式会社等は排除されてきたわけですね。そして、今ありましたように、また法律上もそう書かれているように、地権者の権利利益を保護するためにあったわけで、それは当然の制限だったわけです。

 それを今度解禁する。解禁する理由、つまり区画整理会社でも事業ができるようにする最大のメリットというか、理由というか、何をとらまえて考えておるのか、そこを再度聞きたいと思います。

竹歳政府参考人 我が国の現下の重要課題でございます全国都市再生の実現のためには、中心市街地の活性化など各都市の課題を解決するための重要な手法となっておる土地区画整理事業の活用が求められております。また、その実施は、地方公共団体等の公的主体のみが行うのではなく、民間のノウハウや資金等を活用して進めていくことが求められております。

 しかしながら、地価が引き続き下落傾向にある中で、土地区画整理事業の事業期間の長期化、事業収支の悪化等の問題が生じており、個人施行者または土地区画整理組合では、これらの問題に的確に対処し、迅速に事業を実施していくことが困難な場合が増加しております。

 このため、個人施行者及び土地区画整理組合と比較して、事業への参加意欲が高い者がリスクを負担することができ、民間事業者のノウハウの活用や資金調達が迅速かつ容易である等の利点を有する会社形態により土地区画整理事業を施行できることとする必要があります。

 先ほど申し上げましたように、平成十四年に再開発の会社の制度ができておりますが、区画整理事業は換地処分など強制力を伴うものでございますので、平成十四年に導入されました再開発会社と同様に、地権者が支配しているなど一定の要件を満たす会社に限って施行権能を与えるものでございます。

穀田委員 いろいろ述べていますが、要するに、長期化している、したがって迅速にしなくちゃならぬということで、簡単に言えば時間を短くするということが目的だということは大体わかります。

 そこで、区画整理事業がなぜ時間がかかっているのかという分析が私は必要だと思うんです。つまり、強制力を伴うものだから、それを受ける側にとっては非常に大事な問題なんですよ。それをスピードだというふうに言っていいのかということなんです。確かに、今お話あったように、資金だとかノウハウだとか、土地が下落したからとかいろいろ言っているけれども、要はスピードなんですね。

 それでは、こういう問題について時間がかかっているのが悪いのかというふうに私は思うんですね。大体、立ち上がりの際の合意形成に当たって地権者の同意がなかなか得られない、また決定過程で地権者の利害調整に時間がかかる、あるいは事業資金の調達がスムーズにいかないからなかなかできない、保留地が売れないなど、さまざまな原因があるでしょう。しかし、事は、この法律の本来の趣旨である地権者の権利利益にかかわる問題がやはり一番肝心なんですよ。だから、そういうものについて、納得と同意というのは民主主義の基本だし原則ですから、早ければいいというものじゃないんです。

 結局、事業に反対したり迷ったりしている地権者、さらには小規模地権者の意思を尊重するのではなくて、事実上抑え込んででも事業を早く進めようという意図が見えてくるというのが私の率直な感想です。

 そもそも、私は、土地区画整理事業のあり方についての検討が必要な時期に差しかかっているのじゃないかと思うんです。区画整理事業が破綻したり行き詰まっているという話は随分聞いています。バブル時に計画された事業が、不況や、今お話あったような地価下落の影響で、保留地が売れないで事業費が捻出できない事態などが各地で発生しています。

 そこで、国土交通省として全国の区画整理事業の実態についてどのように把握をしているのか、お答えいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 国土交通省が平成十三年と十六年に区画整理組合の経営状況について調査をいたしております。

 平成十三年調査で、収入不足、すなわち赤字になっている組合は百三十三組合ございまして、赤字額は千八百八十億でございました。十六年までにどうなったかと申しますと、それは皆様の大変な御努力によってこの赤字解消ということで、七十四組合が解消されました。しかしながら、新たに赤字になった組合がございまして、これが六十九組合。差し引き五減りましたが、平成十六年調査でございますと、赤字になっているのが百二十八組合、そして赤字の額が約千五百二十億円、このようになっております。

穀田委員 数字はそのとおりです。今、分母があるんですね。十六年度で、八百九十二組合のうち百二十八組合でそういう実態になっている。その前の、今お話あった十三年度でいうと、千五十九組合で百三十三組合だ、こういうことなんですね。だから、そう簡単にいい話ばかりしたらあきまへんで、それは。分母が少なくなっているんだから、その割にふえている、こういう実態で、しかも新たに収入不足が六十九組合で、ふえている。

 実は、同じ調査を三年前にもやっているんですが、その三年度で見ると、その前三年度でいけば、新たに収入不足が出てきたのは四十四組合なんですね。ところが、新たな三年度で出てきたのは六十九組合。ふえているんですよ。分母は減っているもとで割合はふえている、収入不足に新たになっているのはふえているという事実をしかと言わなければあきませんよ、それは。

 なぜこんな事態が起こっているかということなんですよ。

 私は、先ほどお話ししたように、土地区画整理事業のあり方そのものを見直す必要があるんじゃないか。右肩上がりの土地の値上がりを前提に、その売却益で事業費を捻出する、これ自身が、バブル崩壊後、成り立たなくなっています。もともと、住みよいまちづくりのために地権者みんなが協力し合うことで成り立っていたのが本来の区画整理事業だと私は考えます。もうこれがゆがめられている。バブルの時期などに土地の投機的売買が横行し、もうけのために事業が利用されたり都市の郊外化が広がったりといった、いわば午前中も議論のありました、まちづくりとの整合性がなく、逆行する事態が蔓延した結果だと思っています。

 そこで、大臣に聞きたいんです。区画整理事業そのもののあり方がゆがみ、破綻や行き詰まりを生んでいる現状をどのように認識し、今後の事業のあり方についての見解をお述べいただきたいと思います。

北側国務大臣 委員の御指摘のように、かつては土地の値段が上がるのが当たり前というふうな中で、さまざまな事業の取り組みがあったわけですね。しかし、その後、おっしゃったように、バブルの崩壊で地価が下落する中で、保留地の処分金による収入が当初予定したようには入ってこないというふうなことなどによりまして、今おっしゃったような実態になっているんだという認識は私も共通をしているところでございます。

 まずは組合みずからが、みずからの経営状況というのを十分掌握また分析していただきまして、事業費の縮減等、みずからの事業計画を抜本的にやはり見直しをしていただかないといけないと思っておりますが、そうした見直しがなされた場合には、都市開発資金の無利子貸付金の償還期限の延長をするなど、国土交通省としても、組合のそうした取り組みに対してはしっかり支援をしていかねばならないというふうに考えております。

 また、今後の土地区画整理事業の考え方なんですけれども、これからは、何か新しいところを区画整理するというのではなくて、やはり中心市街地の活性化だとか密集市街地の解消というふうな、既成市街地を再生することを特に念頭に置いた、重点に置いた土地区画整理事業というものをしていくことが重要である、そこに重点を置いてやっていく必要があるというふうに考えております。

穀田委員 前半の方は、分析等含めて共通していることは確かなんですね。私は、情報開示の進展というような、それをきちっとする、それから少数権利者の権利保護、住民参加、こういう原則をしっかり打ち立てながら進める必要があるし、そういうものを支援していく必要がある。

 規制云々かんぬんと言いますけれども、ただ、行き詰まった事業をどのように処理するか、売れない保留地、土地をどのように処分するか、これもやはり重大問題なんですね。そこで、銀行に債権放棄してもらうなど、いろいろ手を尽くすことが必要だ。しかし、どこでも売れるところへ売ればいいというものではないと思うんですね。

 区画整理事業の保留地処分がどうなっているか、一番わかりやすい事業ということで、都市再生機構の施行事業について見たいと思います。

 機構はニュータウン事業からの撤退、縮小方針を打ち出していますが、これ自体が行き詰まりの実態でもあります。これまで機構はどこに土地を処分したか、ここ五年ほどの間、大型店など複合商業施設、集客施設に売却、賃貸したケース、何カ所、土地面積は幾らか、お願いしたい。

小神政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十一年度から十五年度の五カ年間におきまして、都市再生機構が供給いたしました五千平米以上の商業施設用地、これは複合商業施設ですとかスーパーマーケットあるいはドラッグストア、ホームセンター、いろいろな対象がありますけれども、また、供給の方式につきましても、販売する、所有権を分譲する場合と借地をする場合がございまして、最近は借地が割合的には多くなっておりますけれども、合計で九十二件、二百五十ヘクタールになっております。

穀田委員 要するに、資料をもう少し細かく言ってほしかったんだけれども、そちらからもらった資料をあえて言えば、全体の三分の一が商業用になっている、しかも、それが最近ふえているということが特徴なんですよね。ですから、そこを指摘しておきたいと思うんです。

 そこで、私は言いたいんだけれども、今後なんですよ。都市機構がニュータウン用地を売却しようとしている計画は、五千百ヘクタールのうち、二〇〇八年度までに千七百ヘクタール、二〇一三年度までに四千四百ヘクタールを処分する計画なんですね。それが一体どこに売却されるかが問題で、先ほど答弁にもあったように、賃貸がふえているんですよね。

 私、予算委員会の分科会で質問しましたが、明らかになった関西学研都市の事例を引きたいと思うんです。

 都市機構が所有する土地を関西学研都市センターという子会社が賃貸し、大規模施設を建てて、その中にイオンなどの商業施設を間借りさせるというものなんですね。大臣、ちょっとここは聞いておいてほしいんですけれども、イオンなどはいつでも撤退できる仕組みを用意していまして、しかも、大臣も関西ですからよくおわかりのとおり、関西学研都市で研究用施設の用地が売れ残っていることは見てのとおりですよね。大型店など大規模商業施設に区画整理の保留地などがどんどん賃貸される、こういう事態が進められようとしているわけであります。

 そこで、私、きょうはこれを持ってきたんですけれども、国交省が出している政策課題対応型都市計画運用指針というものがあります。その中で、この指針では、中心市街地の衰退の要因の一つに大規模店の郊外部への展開があって、周辺の都市に対しても影響を及ぼしかねない。さらに、「商業開発や公益施設等の立地は、」云々ということで、「郊外部には立地を認めないといった措置も必要になる」として、郊外型ニュータウンの大型商業施設が周辺のまちづくりへ与える影響をこれで指摘しているんですね。これの分析は正しいと思うんです。

 だから、私は大臣に聞きたいのは、都市機構がニュータウン用地を大型店に賃貸するということは、中心市街地など周辺のまちづくりにとって問題がある。私は、まちづくり三法の見直しを初め、大型店の身勝手な出店規制をすることが大事だと。あわせて、ここからなんです、機構が売却等の際にはまちづくりに配慮させるルールをつくることの検討を提案するものです。こういう点についての見解を伺いたい。

北側国務大臣 大型店舗の立地規制の問題につきましては、この委員会でも何度か御議論をいただいているところでございます。

 先ほども答弁させていただきましたが、都市計画、まちづくりというのは基本は市町村が担っているわけでございますけれども、市町村がさまざま計画を策定しても、隣の市で全くそれと不整合な都市計画、また、例えば大型店の立地等がなされてしまった場合に、大きな影響を与えてしまうことになってしまうわけです。

 ですから、今検討しておりますのは、こうした大型店の立地につきまして、広域的な規制が、事前調整ができるようにすべきではないか、こういう議論が今なされておりまして、例えば県でこうした事前調整をできるような仕組みというものが考えられないか、専門家の方々にも入っていただいて、このまちづくり三法の見直しの一つの論点として今議論をしている真っ最中でございます。

 私は、やはりそういう事前調整があってしかるべきではないのか、広域調整があってしかるべきではないのかというふうに考えているところでございます。これは、都市再生機構であれ何であれ、どこであれ、私はそうしたことはそうあるべきであるというふうに考えておりまして、都市再生機構だから例外的にどんどん大型商業施設に売却していいんだ、貸していいんだというふうには考えておりません。

穀田委員 今国土交通省が出している分析も報告書も、地域で、市町村が主体になってやるべきだと書いているんですよ。そうありながらも、こういう都市機構自身が、実はそういう処分について、大型商業施設にどんどんどんどんやっているという実態がある。身内のところ、身内という言い方は悪いけれども、そこでやっておって、そういうふうにしなさいという話は通用せえへんし、こういうところはしっかりやる必要がある。

 だから、大型店の身勝手な出店に歯どめをかける、そういう意味での、市場に何でもかんでもゆだねるというやり方については転換をしていく必要がある、まして国土交通省はそういうことをしっかりすべきだというふうに思うんですけれども。

北側国務大臣 都市再生機構がニュータウンを整備するに当たっては、ニュータウンに居住することとなる住民の利便性の観点から、住宅はもちろんですけれども、学校、公園、商業施設等の用地を確保することが原則でございます。

 このような土地の利用計画を定めるに当たっては、地方公共団体とも、ここがまちづくり、都市計画の責任者、権限を持っているわけでございますね、この地方公共団体とも協議を行って、その計画に従って整備を進めるわけでございます。

 今後とも、都市再生機構におきましては、良好なまちづくりに資するよう、土地利用計画を定めるに当たっては、地元の地方公共団体とも十分に協議を行って、整備を適切に行ってまいりたいと考えております。

穀田委員 最後に一言。

 それはわかっているんです。一般論はそうなんですけれども、現実は、関西学研都市の木津町なんかでいうと、自分の持っているところに二つも、近くでイオンに出したりいろいろなところに出したりして、商業施設を競合させるみたいなことをやる。自分のたな子になっている商業施設があるにもかかわらず同じところにやるとかいう手ひどいやり方をやっているさかいに、そう言っているんですね。

 そこをよく見ていただきたいということを述べて、質問を終わります。

橘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。

穀田委員 政府は、これまで毎年のように都市再生支援策を講じていますが、地方の空洞化、衰退には歯どめがかかっていません。それは、郊外への大型店の身勝手な出店やもうけ本位の大型開発を事実上野放しにしているからです。社会的規制を強めるなど抜本的な対策なくして、幾ら小手先の支援策を講じても、町の再生、活性化にどれだけ効果があるか疑問です。

 以下、法案に反対する理由を述べます。

 反対の理由は、土地区画整理事業の施行者に区画整理会社を追加すること、これは、これまで地権者の権利保護のため施行者になることを制限されていた営利企業の参画を解禁して、迅速な事業実施を目指すもので、少数地権者の意思を抑え込んででも事業を早く進めるなど、地権者の権利利益を侵害するおそれがあるからです。

 なお、土地区画整理事業をめぐっては、バブル時に計画された事業が、不況や地価下落の影響で、保留地処分できないなど各地で破綻するケースが顕在化していることから、今後の事業のあり方について、少数地権者の権利保護、情報開示の拡大、住民参加など住民生活を基本としたまちづくりの視点から根本的に見直す必要があることを指摘して、討論といたします。

橘委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより採決に入ります。

 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橘委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、衛藤征士郎君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。土肥隆一君。

土肥委員 ただいま議題となりました民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 民間都市再生整備事業計画の認定に当たっては、市町村の創意と工夫による都市再生の推進に支障が生じることのないよう、市町村の意見を尊重するとともに、良好な都市環境や景観の創造・保全に十分留意すること。

 二 民間都市再生整備事業計画に係る都市再生整備事業に対する民間都市開発推進機構の支援措置については、情報公開を適切に行いその透明性を確保するとともに、事業評価を行い結果を公表すること。また、民間都市開発推進機構の運営状況や財務内容についての情報公開を積極的に進めるとともに、事務・事業や組織のあり方を検討すること。

 三 都市再生整備計画に記載された事業と認定整備事業計画に係る都市再生整備事業が一体的に実施され、事業効果を一層発揮できるよう、まちづくり交付金制度の更なる拡充や都市再生整備事業に対する支援策の充実について引き続き検討すること。

 四 区画整理会社による土地区画整理事業の施行に当たっては、地権者及び地域住民からなる協議会組織を設ける等、事業に地権者の意見が反映できるよう特段の配慮をすること。また、区画整理会社については、経営や財務の健全性確保について適切な指導監督が行われるよう配慮するとともに、万が一区画整理会社による事業の継続が困難になった場合には、地権者等の権利の保全が確実に行われるよう万全を期すこと。

 五 都市開発資金については、制度創設の趣旨に則り、厳正かつ適正な貸付けに努めること。

 六 全国の都市再生を推進するため、都市再生本部の体制の充実強化を図ること。また、中心市街地と郊外との機能分担の下で地方都市の活性化を図るため、関係法律や支援措置等の抜本的な見直しを検討すること。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

橘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橘委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣北側一雄君。

北側国務大臣 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げる次第でございます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長初め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対しまして深く感謝の意を表し、ごあいさつとさせていただきます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

橘委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

橘委員長 次に、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長丸山博君、鉄道局長梅田春実君、自動車交通局長金澤悟君、航空局長岩崎貞二君、海上保安庁長官石川裕己君及び経済産業省大臣官房審議官宮本武史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中馬弘毅君。

中馬委員 国土交通行政の基本施策に関する件ということで、限られた時間でもございますから、基本的な点についてだけひとつ質疑をしたいと思います。

 建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁が統合されまして国土交通省になって、四年が経過をいたしました。部局の再編成や人事交流も進みまして、政策的な一体化も進んでいると認識をいたしております。道路とか鉄道とか、あるいは空港、港湾、そういったものがうまく連携していないこれまでのばらばらの行政が、こうして国土交通省と一体化されたことによりまして、例えば港湾への取りつけ道路がすっと一体化した計画になっていく、こういったことも大いに利便性も高まるし、効率も高まってきているわけで、国民あるいはまた利用者に対しまして非常によかったこの統合ではないかと思います。他省庁の場合、若干いろいろと問題もあろうかと思いますが、この省庁再編成の中で、国土交通省の場合が私は一番成功した例ではないかと思っている次第でございます。

 また、地方分権がこうして推進してまいりますと、いろいろと各自治体が物事を進めるようになってまいります。とはいいながらも、まだまだ自治体の方にその人材がそろっていなかったり、あるいは経験がなかったりいたします。そうしますと、税財源をすべて各自治体に渡してしまうというのも一つの方法かもしれませんが、そうではなくて、やはりこれまでの経験等も踏まえて、各地方整備局といいましょうか、運輸局ですか、こういったところがかなり、許認可じゃなくて、指導、調整等をする必要が私はあろうかと思います。

 そういうことで、こうして各部局が一体化して非常に国土交通省としての実を上げているわけでございますが、まだ地方の場合には若干これが、建物も違ったり、別々に手続をしなければいけないといったようなこともあるわけでございますから、この点につきましては、もう一段の地方整備局、運輸局の組織的な統合といったものも必要ではないかと思っています。

 そういうことにつきまして、大臣の御見解をちょっとお願いしておきます。

北側国務大臣 私も同感でございまして、地方におきましても、この統合のメリットをさらに発揮していくために、整備局また運輸局について一体化できるように、やはりこれは計画的に考えていかないといけないというふうに考えておるところでございます。

中馬委員 先ほど申しましたように、それぞれのところで各自治体と連携しながら、住民により近い立場での施策はむしろ自治体に任せていくということでございますが、その調整役はやはり国土交通省がしっかりと果たしていただきたいと思います。

 と同時に、余り細かいところを関与するのではなくて、逆に今度は、幹線道路とか、あるいはまた基幹鉄道とか、河川もそうですね、こういったところは国が、それぞれの自治体にまた一部の負担をさせるのではなくて、これは直轄事業として責任を持って私はやっていくべきだと思っています。

 こういうことにつきましても、これは御答弁要りませんから、私はもう常々言っておりますので、そういう形での仕分けを、これから地方分権という中で私はやっていただきたいと思っております。

 ところで、私はかつて国土交通省の幹部の皆さんに、国土交通行政として配慮すべき基本的な三つの原則をお願いいたしております。それは、安全と環境と国際化、この三つでございます。これはすべてのところに当てはまるんですね。

 安全といいますと、もちろん旧運輸省の方は交通行政でございますから安全ということについては非常に配慮しているかとは思いますが、もちろん旧建設省の方の関係におきましても、河川やあるいは道路をさわる場合でも、こういったことに対しましての工事の安全がありましょうし、また、でき上がったものが本当に安全であるかどうかといったことも、これも大きな配慮が必要ではないかと思っています。住宅につきましても、防火あるいは震災上十分な機能ができているのか、こういったことのチェックも、これからの時代、なおのことやっていただきたいと思っております。

 こうした安全に関する配慮というのは、国土交通各部局の全般に共通したことであろうかと私は思いますから、これにつきましても大いに一つの意を用いていただきたい、このように思う次第でございます。

 それから、環境でございますが、これも公園や下水道だけではなくて、河川や道路、住宅等の建設に際しましての環境への配慮といったこともありましょうし、また、鉄道や自動車につきましても、環境の負荷に配慮すべきだと思っております。そういうことを十分に考慮するならば、先ほど安全の問題もありましたが、やはり今回のJALの問題だとか、あるいは三菱等の問題につきましても、整備不良のものが出回ることによる環境の負担のことまで配慮するならば、もう少し違った視点での監督もできたんではないか、このように思う次第でございます。

 それから、三番目の国際化でございますが、この国際化につきましては、やはり建設省につきましても運輸省につきましても、もともと内務省でございましたから、国際的な今までの関係というのが若干薄かったということも私は認識として持っております。もちろん現在におきましては、ようやっと各在外公館の方に派遣アタッシェを出しておりますけれども、これももう少し、ただただ、技官なら技官、あるいはまた運輸の関係、あるいは建設の関係のそのことだけを調べるとかいったことではなくて、国土交通を代表した形での役割を果たしていただきたい。

 そうするならば、果たして一人でいいのかどうか、あるいは二人だけで何とかいけるのかどうかということ、私は若干疑念を持っているようなことでございます。海上保安から、あるいは建設から運輸から、これだけ幅広いところを所掌することになったわけですから、それを統括し、また調査する在外のアタッシェにつきましても、これは一人や二人では足らないんじゃないかと思うんですね。そういうことにつきまして今国土交通省の方はどのような体制でやっておられるのか、そのことにつきましてのひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

北側国務大臣 三月一日現在で、国土交通省からは五十の国の在外公館に九十七人が出向をしております。私も調べさせていただきましたならば、主要な国、米国、中国等々の在外公館には既に複数の職員が派遣をされているところでございます。

 これらの職員は、国土交通行政のノウハウを基盤としつつ、自分の専門分野だけではなくて、ぜひ幅広い視点を持って業務に当たってもらいたいと思いますし、そのようにしておるというふうに思っております。

 今後とも、海外派遣につきましては、国際動向や将来の政策課題等を踏まえつつ、外務省とよく相談して協議しながら一層の充実を図ってまいりたいと考えております。

中馬委員 現在の派遣状況等の一覧表もいただきましたけれども、私がもう一つ今あえて質問させていただいているのは、観光の問題なんですね。観光といいますとただ物見遊山のような形に受け取られがちでございますが、そうではなくて、これは、これだけ大きく国際化した日本の役割の中での国際交流という視点での観光ということでございます。

 そうしますと、そのことを所掌するのは、観光省をつくれという声すらあるわけでございますが、国土交通省が所掌しておりまして、観光大臣を兼務していらっしゃるわけでございますから、そういう意味におきますと、日本の国をPRする、日本の国情をいろいろと説明したり、あるいは国ごとの言葉に直してパンフレットを配る。こういったことも観光に熱心な国は本当に一生懸命、日本の中でも全部日本語で、ノルウェーの、あるいはスイスの、カナダの、それぞれパンフレットをつくって、一生懸命国情の理解そしてまた観光客誘致に努力しているわけですね。

 そういった立場の人が日本の各在外公館でいるのか、いないのか。正直私も、過去外務省の方にも問い合わせましたし、いろいろと外国を回っておりますが、そのときに必ずしもそうしたパンフレットすら置いておりません。あると思ったら英語だけでございまして、フランスでも英語のが置いてあるだけでは本当の意味でのPRにならないわけでございますから、そういうことで、内閣広報の予算もあるかもしれませんが、それもそういう意味で十分に使われていない。

 逆に、これを国土交通省、観光を所掌している大臣のその部下が、そういう意図を持って各在外公館でその役割を果たしてもらう。そのためにも、私は、観光省としてのアタッシェが一人ずついるぐらいのつもりで、そういう意図も含めた配置もしていただきたいと思うんですが、その点についての大臣の御見解をお願いいたします。

北側国務大臣 確かに、各大使館で日本の観光立国、観光振興に向けてもっとPR、宣伝をしていただく必要がある、そういう今委員の方から御指摘いただいたところは、しっかりこれから検討する必要があるというふうに思っているところでございます。確かに、国交省から出向いている人がふえればいいわけでございますが、在外大使館全体で、そうした我が国の観光立国に向けての施策をさらに推進を政府全体として取り組んでいるわけでございますので、推進してもらえるようにさらに努力をさせていただきたいと思っているところでございます。

 御承知のとおり、独立行政法人国際観光振興機構というのがございまして、そういうところを通じても今PRに努めているところでございます。

中馬委員 法律にもいたしましたが、愛知万博を契機としまして、台湾の観光ビザをその期間だけでもノービザで日本にもどんどんと来ていただく、また中国につきましても、団体観光ビザを地域限定でやっておりましたが、これも法務省、警察庁の理解を得まして、愛知万博期間中だけは地域限定を外してどこからでも来てもらって結構だということを向こうに申し入れているわけでございますが、それのその後の状況等につきまして、できたら御報告をお願いしたいと思います。

北側国務大臣 まず、中馬先生の非常に大変な御努力もちょうだいいたしまして、台湾の方につきましては、愛知万博期間中のビザ免除のための法律を今国会、この委員会で通していただいたところでございます。成立をいたしまして、三月の十一日から実施をしているところでございます。

 こちらの方は既に成果が出ておりまして、三月十一日から三月末日までの台湾航空会社による日台間のチャーター便は、昨年はこの時期七十四便だったのですが、ことしは百三十四便と倍近くに大幅に増加をしておりますし、また、このビザ免除によりまして、これまでの例でもそうでございましたが、台湾からの訪日客が増加することは相当期待できるというふうに考えているところでございます。

 この台湾の方のビザ免除は、愛知万博期間中の措置でございますけれども、問題がなければ、恒久的なビザ免除を実施する方向でぜひ政府関係機関と、関係省庁と協議をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。

 今御質問ございました中国につきましては、この愛知万博期間中に中国全土でビザが発給できるように、ぜひ拡大をしたいということで提案をさせていただいているところでございます。今、この愛知万博期間中に限らず、愛知万博を契機といたしまして中国全土でビザが発給できるように何とかできないかということで、中国側並びに我が国政府内部で精力的に調整をしているところでございまして、近日中に御報告ができるのかなというふうに思っております。

中馬委員 国際化といいましょうか、国際的な関係を、先ほど申しましたように、国土交通省としても積極的に取り組んでもらうことが私は必要かと思います。

 その一つとしまして、例の海賊の問題等もありますが、海上自衛隊を出すとなると大変な問題にもなりましょうが、海上保安庁、コーストガードが各国と連携して、場合によっては出動することも、これは問題ないわけでございますから、こういったことにつきましても積極的にやっていただきたい、そのことを申し上げまして、私の質問時間が来ましたので終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

橘委員長 長安豊君。

長安委員 民主党の長安豊でございます。

 本日は、一般質疑ということで、国土交通行政の基本施策に関する質疑をさせていただきたいと思っております。

 本年の一月二十二日、新千歳空港における日本航空機の管制指示違反というのがございました。また、その後、三月には韓国の仁川空港においても管制の指示違反、また三月十六日は、その直後でございますけれども、客室乗務員が非常口の扉のドアのモードを変更せずに羽田から千歳まで飛行を行ったということがございました。こういった一連のトラブル、また、そのほかにも、航空機のしりもち事故であったり、いろいろございましたけれども、こういった事件が多発しているということに対しまして、まず大臣より御所見をお伺いしたいと思っております。

北側国務大臣 航空輸送というのはたくさんの人命を預かっているわけでございます。大量の旅客の人命を預かる公共輸送機関として、当然のことなんですけれども、安全確保というのが、それは航空会社にとって最大の役割、使命であるというふうに思うわけでございます。

 この千歳での事案、また、その後に幾つかの事案がございまして、三月十七日に、これは異例でございますけれども、日本航空に対しまして、事業改善命令を出しまして安全管理体制の改善を命じたところでございます。私の方からは、会社のトップの方々が来られましたので直接私から、今冒頭申し上げたこと、そしてトップみずからが、この安全の確保、ふぐあい事案の改善に現場と一体となって取り組んでもらいたいということを強く申し上げたところでございます。

 残念ながら、その後も今委員のおっしゃったようにふぐあい事案がJALグループの中で引き続いておりまして、改めて厳しく、JALの執行部の方々には私もう一度お会いをさせていただきまして、厳しく指導をさせていただいたところでございます。

 今、このJALだけではなくてANAも含めまして、航空事業者、さらには鉄道の方でも事故がございましたので鉄道事業者の方々、それから航空の関係では私どものやっております管制、安全総点検を指示させていただきまして、三月二十四日に、緊急の安全総点検を実施するように指示をいたしているところでございます。

 このJALの問題につきましては、改めまして私のところに、再発防止に向けての取り組みについてJALグループの方から報告があるというふうに思っております。冒頭申し上げましたように、安全確保に全力を尽くすように社を挙げて取り組んでもらいたいと今強く申し上げているところでございます。

長安委員 ありがとうございました。

 今お話ございましたように、航空輸送というのは多くの方々を一度に輸送するわけであります。これは鉄道とも似ているところがございます。一方で、三菱自動車の昨今の欠陥という問題もございますけれども、これとはある意味規模が異なる。何かがあったときには一度に多くの方々が犠牲となってしまうということを考えたときに、これはやはり我々サイドも厳重に監視をしていく、また、航空会社サイドもしっかりと安全に対する観念を持って、日々安全業務を行っていくということに力を注いでいかなければならないと私は思っているわけであります。

 そういう中にあって、今大臣からもお話ございましたけれども、これからかぶとの緒を締めてしっかりやってくれ、気の緩みを直してくれということだと思いますけれども、まずはこの今回の事件、特に新千歳で起こりました管制の指示違反、また、非常扉のモードの切りかえをせずに羽田から千歳へ飛んだというこの二件については、詳細、局長の方からでも結構ですので、御説明いただけますでしょうか。

岩崎政府参考人 お答えいたします。

 まず、新千歳の事案でございますけれども、一月の二十二日でございますが、全日空が着陸をいたしまして、管制官は、出発待機をしておりました日本航空には、全日空が着陸しましたので、滑走路まで進入して待機するよう指示をいたしました。二十一時、その直後でございますけれども、まだ全日空が滑走路上にいたにもかかわらず、待機していた日本航空機が管制官の許可を受けないで離陸滑走を開始いたしました。管制官がレーダーでそれを見ましたので、日本航空機に対して直ちに離陸滑走の中止の指示をしたということでございます。その結果、事なきを得たというところでございます。

 操縦士が、待機を指示されているにもかかわらず、離陸許可を受けたと思い込んで離陸滑走を開始したということで発生したと報告を受けているところでございます。

 それから、客室乗務員のドアモードの変更操作の件でございますけれども、三月十六日でございました。ドアモードというのは、飛行中はアームドポジションということに切りかえまして、ドアが開きますと直ちに非常脱出スライドが開くようにするのが決まりでございます。このドアモードの変更の指示の機内アナウンスを先任の客室乗務員が失念をいたしました。また、他の客室乗務員もそのことに気がつきませんでした。四つのドアがございましたけれども、これがドアモードが変更されないまま飛行するに至ったものでございます。

 気がつくべきチェックの機会が幾つかあったにもかかわらず、その機会を逸してしまったことにより発生したものと報告を受けているところでございます。

長安委員 今、新千歳の件、また非常扉の件、お話しいただきました。これが明るみに出る形で国土交通省さんの方では事業改善命令を出され、二十四日ですか、査察の方もなされたということをお伺いしておりますけれども、この査察の内容及び途中経過について御報告いただけますでしょうか。

岩崎政府参考人 三月二十四日、鉄道及び航空において、公共交通機関の輸送安全総点検を緊急に実施することといたしました。

 航空分野につきましては、先ほど大臣が答弁しましたように、航空運送事業者のほか、私ども、管制機関の方も安全総点検の対象としております。航空運送事業者に対しましては、今回の一連の事例なんかを踏まえて、例えば管制官とパイロットとの交信がきっちりしているかどうか確認するとか、あるいは、ヒューマンエラーみたいなのが多いですから、そういう人為的な分野を中心にきっちり点検をしてください、このように命じているところでございます。

 その状況を、私、三月二十八日に行ってまいりました。日本航空の方のディスパッチルームといいますけれども、出発前に機長とディスパッチャーという飛行計画を立てる人が引き継ぎをするところでございますけれども、そこなり、客室乗員部あるいはオペレーション・コントロール・センター等を査察いたしました。

 私が査察した際はマニュアルどおりきっちりやっておられましたけれども、こうしたことがすべての現場できっちりやられるということが必要だろうと思っております。先ほど大臣が答弁しましたように、トップと現場が一体となってしっかりと点検を行っていくよう指示したところでございます。

長安委員 今、査察に行かれて、局長が行かれたときはマニュアルどおりに確実に行われていたというお話でございます。これは局長が行かれたときまでマニュアルどおりにやっていなかったら大変なことでございまして、そのときは向こうはもう、これだけ多くの不祥事があった後ででの査察ですので、恐らくやっているであろうというのは推測できるわけであります。

 一方で、この新千歳での、まずは管制指示違反ということであります。これを詳細、私も国土交通省さん経由、またマスコミを通じてなど、さまざまな情報を集めさせていただきました。これはそもそも、今局長からお話ございましたように、全日空機が着陸した、着陸して滑走路から離れる前に後続のJAL機が飛ぼうとした。管制の方から飛んでいいという許可も出していないのに飛び始めて、最終的に管制の方がそれに気づいて、とまりなさいということで、とまった、そのときの距離が約一千メートルだったという状況だと思います。

 まず、その状況が危険な状況か安全な状況なのか、航空法上言いますと重大なインシデントなのかどうかということ、これを局長、御意見いただけますでしょうか。

岩崎政府参考人 航空法で、事故ないし重大インシデントについては報告せよという規定がございます。重大インシデントと申しますのは、重大な事故のおそれがある事案について報告せよということになっております。その事案以外にも、イレギュラーな運航、あるいは安全上のトラブルについては、広く、直ちに私どもに報告するようにと日ごろから指導しているところでございますが、何が重大インシデントとするのかというのは、一定、省令なりあるいは通達で類型を決めておりますけれども、その中にはこのものは明確に入っておりませんでしたので、重大インシデントとしての報告はなかったところでございます。

 繰り返しになりますけれども、重大インシデント以外でも直ちに報告してくれ、こういうふうに言っているにもかかわらず、この事案が発生したのは一月の二十二日でございまして、二月の二十三日まで報告がなかったのは大変遺憾なことだと思っているところでございます。

長安委員 今のお話で、恐らくここにおられる委員の方は驚かれたのじゃないかなと思います。つまり、空港において事故が起こるというのは、大半が着陸と離陸の場合です。そこで管制の指示を守らずに離陸を始める、あるいは着陸をするということが重大なインシデントには入っていないわけです。

 今回のことも、はっきり言いまして、一月二十二日に発生した、でも、マスコミで報道されたのは、恐らくあれは二月の二十五日ごろだったと思います。私もいろいろ調査させていただきましたが、国土交通省さん自身も、一月二十二日から二月の二十三、四日ぐらいまで、全く情報がなかった。二月の二十三、四日になって情報を国土交通省さんがつかまれて初めて、日本航空に対して、管制経由かもしれませんが、このような事案はなかったかということを問い合わせされたと了解しております。

 そもそも、私の了解では、今お話ございましたように、重大なインシデント、あるいは安全運航にかかわるようなことがあったときは航空会社から国土交通省に対して報告せよというのが当然あるはずです。今回のことも当然報告されて、今重大なインシデントには入っていないけれども、恐らく、安全な運航に支障を来す事項というのに私は最低でも当てはまると思うんですね。

 今回、そういう意味では、日本航空の方から全く国土交通省さんに情報が入ってこなかったのはどうしてなのかということをまず局長にお伺いしたいのと、もう一点、あわせて御質問させていただきますけれども、空港の場合、当然管制が飛行機の動きを見ている。それで、管制の指示を守らずに飛行機が飛ぼうとした、この事実を管制は当然つかんでいるわけですね。今回の場合ですと、管制がとまれと言って、とまったわけですから。それがどうして国土交通省さんにも上がってきていないのか、この点についても御答弁いただけますでしょうか。

岩崎政府参考人 まず、会社の方の処理でございますけれども、この事案が発生した直後、運航本部というのが会社にございますが、この運航本部には報告がありました。ただし、その運航本部に報告があった上がり方が少々間違っておりまして、全日空機がいたので離陸中止になったわけでございますけれども、全日空がいたということを、手違いで運航本部の方には報告が上がっておりませんで、管制の指示、離陸許可を受けないで出発した、このように運航本部には上がっていたようでございます。そのために、運航本部としては、これは軽微な、安全上大きな問題ではない、こういう誤った判断をした、このような回答を会社から得ているところでございます。

 それから、管制の方からなぜ情報が上がってこなかったのか、こういうことでございますが、千歳空港の管制は防衛庁に管制を委託しております。私ども、情報をつかんだ直後、防衛庁に照会をいたしました。防衛庁の方からは、管制指示違反で離陸滑走の中止を指示したということでございますが、その指示をした時点において、着陸した全日空が滑走路上にいたわけでございますけれども、両機間に、先生今御指摘のとおり千メーターぐらいの距離がありましたので、これであったので特に危険な状況ではなかった、こういう判断をされたようでございます。したがって私どもの方に報告がなかった、こういうことでございます。

 私ども、防衛庁の方にも、パイロットにこういう管制指示違反である疑いのあるものについては報告をしてください、こう申し上げているところでございますが、その報告がなかったわけでございますので、防衛庁の方にも、こうした事案については幅広く国土交通省の方に御連絡いただきたいということを申し入れたところでございます。

長安委員 今お話ございましたように、本来であれば国土交通省の航空局に上がってくるルートが二つあったわけですね。管制から省内を通って上がってくるルート、もう一方は、航空会社から国土交通省に上がってくるルート、二通りあったはずです。そのどちらも目詰まりを起こして、情報が上がってこないということになっているわけです。

 これを考えたときに、先ほども申し上げました、あったこと、これは幸いにも事故にならなかった、だれもけが人が出なかった、当然死亡者も出なかったということを考えますと、これを教訓に、いかに今後安全に飛行機を飛ばすかということを考えなければならないと思います。そういった意味では、先ほどの重大インシデントということを考えたときに、もう少し幅広く、こういったことも報告せよということを幅を広げていくということが必要ではないかなと私思っております。

 そういった意味で、こういった再発防止に向けて国土交通省としてどのような改善策を講じたのか、あるいはまた、その実効を担保するために今後航空局としてどのようなフォローアップをなされるのかということを、御意見をお伺いしたいと思います。

岩崎政府参考人 航空局としての対応でございますけれども、重大インシデントの範囲、あるいは報告のやり方なりにつきまして見直すところがないのかどうか、私ども勉強を始めているところでございまして、できるものから着手したいと思っております。国際的な共通のルールになっているところもございますので、少しそういうのも調べながらやっていきたいと思っておりますが、何らかの改善ができないかということは勉強していきたいと思っております。

 それから、こうしたものの再発防止でございますけれども、まずは、やはりJALにきっちり考えていただくということが必要だろうと思っております。事業改善命令を出したところでございますし、それからその後も一連の安全上のトラブルが起こっておりますので、そうしたことも踏まえて、JALの方で近々報告があると思いますけれども、その報告をまずきっちり見ていく、それから、それが本当に確実に実施されているかどうかというのを考えていくということが必要だろうと思っております。

 それからさらに、今回の事案がJALだけではなくてほかの航空運送事業者の方にも、こういう事例があったので、それを参考に、ほかの会社でもそういうことがないようにきっちりしてもらうということが必要だろうと思っております。そういう意味でも、こうした事案について幅広く情報提供をし、ほかの会社でも真剣になって考えてもらいたい、このように指導していきたいと思っているところでございます。

長安委員 今お話あったとおり、ぜひ実行していただきたいと思うわけでありますけれども、私としては本当に、今回の事件というのは日本航空内部の情報の伝達の悪さというのが露呈したものだと思っております。

 先ほど、運航本部への報告には、全日空機が前にとまっていたというか、まだ滑走路にいたということは報告されていなくて、一部しか報告されていないわけですよね。恐らく日本航空の調査の仕方というのは、パイロットから、あるいは副操縦士から聞いただけですよね。

 こういう事故といいますかミスがあったときに、当事者だけの判断、意見を聞いたら、当事者は当然自分に都合のいいようにしか言わないということを考えたときに、やはり、本来であれば日本航空のそれなりの部署から、例えば管制に、こういう事故ありましたか、こういう事案ありましたか、パイロットはこう言っていますがこのことで間違いないですかという裏をとるべきだと思うんですよね。恐らく、その裏をとるという作業がされていないから、パイロットの言いなりのまま報告は途中でとまってしまう、もちろん上層部にも上がらないという、これは悪いことが重なったと言ってしまえば簡単なんですけれども、そもそもの安全に対する日本航空の考え方自身がまだまだ甘い考え方をされているのじゃないのかなと私は感じました。

 これは、今お話ございましたように、日本航空だけの話じゃない、おっしゃるとおりです。だからこそ、各航空会社のそういった安全に対する取り組みというものをしっかりと、もちろん第一義的には航空会社が取り組まなければなりませんけれども、監督官庁として国土交通省さんもしっかり監督していただくということが必要かと私は思うわけであります。

 もう一点、非常口扉の話であります。これも不可解な話でございます。羽田から飛んだ千歳行きの飛行機が、本来であれば、ドアモード、アームドというお話でございました。着陸時には、とまっているときにはディスアームドになっている、出発のときにアームドに切りかえを行う。

 これは何かといいますと、ここにおられる方、もしおわかりにならない方がいるとあれなので申し上げますが、アームドになっていると、ドアをあけたときに自動的にあの滑り台のようなスライドが出るわけですね。つまり、飛行機が不時着したときに扉をあけたら、水の中であれどこであれ滑り台が出てくれて、我々が脱出のときに使えるわけです。それがなっていなかったということです。つまり、もしあの飛行機がどこかに不時着をしてドアをあけたら、スライドが出ていない状況で、そこからおりようと思ったら人間がばらばらと落ちていくという状況になるわけで、そういう状況ですね。

 そういう状況で飛ばれていたということが、ちょっとマスコミの報道だけを見ると説明が不足していましたので、私、補足させていただきましたけれども、これは詳細を聞きますと、本来、左の一番前のチーフの方が、まず、ドアモードを切りかえてくださいというパイロットの指示に従って、各ドアのスチュワーデスの方に指示を出すらしいです。それを、そのときは各ドアに指示を出すのを忘れた、そういうことですね。忘れて、本来であれば、確認もとって、機長にドアモードを切りかえましたと報告するんですけれども、指示も出していないのにドアモード切りかえ完了しましたと報告しちゃっている、パイロットに。だから、そのチーフは、悪意がなかったのか何かよくわからないんですけれども、本当に単にやったと思っちゃったのかわからないというのが私のまず疑問であります。

 もう一点、チーフの方は、皆さんに指示をするのを忘れた、それで機長に言った。でも、普通、飛んで空中に行ったときに、ほかのスチュワーデスの方は、何で今回はドアモードを切りかえなかったんだろうと疑問に思うはずなんですよね。それを、四カ所扉がある、ほかの扉の方だれも思わなかった。だれも、そのチーフに対して何で切りかえないんですかという質問すらしていない。

 もしかしたら、先ほどの新千歳の話もあります。安全サイドを見て、飛行機の操縦などというのは、パイロットがいて副操縦士がいるんです。副操縦士は、当然管制とのやりとりも聞いています。聞き間違いがあったら、当然、今の違いますよと横で指示するはずなんです。今のスチュワーデスの話もそうです。左のチーフ以外の方が気づいたら、指示出ていませんよという訂正をするはずなんです。それがなされないということは、この二つに共通することなんですね。

 つまり、パイロットの場合はパイロットだけ、スチュワーデスの場合はチーフだけがあたかも責任者であって、ほかの人たちは全く、こんな言い方したら失礼かもしれませんけれども、何も考えずに言われたことだけやっている。私、この間ちょっとある部会ではでっちの使いという言い方をしましたけれども、そのような業務のやり方をされているんじゃないか。一人一人が、なぜモードを切りかえるという作業が必要なのか、これは安全の、何か非常事態があったときの安全装置としてこれを切りかえておかないといけないんだという認識が欠落しているのではないかという気が私はしておるわけです。

 その点について、今後、こういった安全に対する考えの社員に対する徹底というのを、これは各航空会社、JALだけではありません、全日空に対しても緊急に取り組まなければならない。また、取り組むだけではなくて、これは我々でもそうです、常にチェックされる仕組みが必要だと思います。ただ授業を何時間カリキュラムを組んでやりました、国土交通省さん、これで堪忍してくださいじゃないんですよね。定期的に例えば試験を受けさせる、あなたたちの安全基準を常にこのレベルに保ちますよというような会社の姿勢がないと、いつまでたってもこういった事案というのが解決しないんじゃないかという気がします。その辺、局長、御意見いただけますでしょうか。

岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、勘違いとか聞き間違いとか、そんなことが表面的な一時的な原因ではありますけれども、なぜそういうことが起こったのかという掘り下げた分析をきっちりした上で対策を立てるように、JALには指示をしているところでございます。

 それから、出てきましたJALの対策につきましても、あるいはほかの会社に対しましても、そうしたことを含めて、我々、きっちり点検、検査等いろいろな機会を通じまして見ていきたい、このように思っているところでございます。

長安委員 今回の事案を考えますと、ドアモードを切りかえるのを忘れて飛べた、飛べたということ自体、私も不思議なわけです。我々、例えば車を運転するときに、ドアがあいていれば、半ドアの赤いランプがつくわけですね。それであれば、これからもう航空機というものは、モードの切りかえというものをパイロットが認識できるようなシステムになるべきでは、あるいはもうなっているのかもしれないんですけれども、その辺の現状について、局長、御答弁いただけますでしょうか。

岩崎政府参考人 こういうドアの操作をどうするかということについては、調べますと、どうも伝統的に、これは客室乗務員の責任の範囲だ、こういうことの一定の役割分担がされているようでございまして、したがって、客室乗務員が目視でやっていく、こういうシステムが世界的にも従来からもやられているシステムでございます。

 ただ、先生御指摘のとおり、最近の幾つかの新しい機種につきましては、ドアモードをちゃんと変更したかどうかというのがパイロットの方でもわかるようなモニター装置というのがついている機材も一部導入されている状況でございます。

    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

長安委員 人がやるというのが慣例的になっているということです。人がやると当然、ヒューマンエラーといいますかミスが生じるのは、これは常であります。ある航空会社など、例えば、ドアモードの切りかえを片側は自分でやる、もう片側もまた見に行く、確認に行くということで、交互でやるという話を聞いたこともございます。それをすることによって、片側が忘れてもなくせるんだという話を聞いて、私はなるほどと思いました。

 昨今、JAL自身も、JALとJASの合併という形で一社になった。全日空、また新たなエアラインもふえてきているわけです。こういったそれぞれの会社がそれぞれのマニュアル、安全基準というのを持っているという現下、私は、もう少し国土交通省が主体的に入って、各社の安全マニュアルというものを比較検討して、いいものに関しては、これは企業秘密じゃないと思います。安全というのは我々国民一人一人が享受すべきものですから、それを、他社ではこういう安全施策をとっているから、おたくもとるべきじゃないですかというようなアドバイスをするのも国土交通省の役目ではないかなと思うわけであります。

 そういったことも含めて、大臣に、今後の航空行政に関します御意思といいますか、御意見をいただければと思う次第でございます。

北側国務大臣 今回の一連の事案を見ますと、まさしく人為的なミス、ヒューマンエラー、これが目につくわけでございます。こうした人為的なミスが重なって大きな事故につながっているというのが過去の大事故の教訓ではないかというふうに私は思います。

 こうしたヒューマンエラー、人為的なミスがなぜ起こるのか、もう今委員がいろいろなお話をされました。全くそのとおりでございます。機長のほかに副機長がいるじゃないか、乗務員もほかにもいるじゃないか、なのにみんなで何で一緒に忘れたの、なぜみんなで一緒に間違えたのと。こういう人為的な、後で振り返ればなぜという人為的なミスが起こる要因、背景というのが私はあると思うんですね。それは、かなり構造的なものとしてあるかもしれません。そこをきっちりトップみずからが、現場の方々と一緒になって、そこの再発防止に向けて見てもらいたいということを私は強く指導をさせていただいたところなんです。

 また、JALとJASが統合されまして一緒になって、何かマニュアルが違っていて現場で混乱が起こっているなんというのはとんでもない話でございまして、利用する客からいえばとんでもない話でございまして、本当にそうしたことがあってはならないわけでございまして、私は、ぜひ、そういう安全確保というのが一番大切な、航空事業者にとりまして最大の役割であるということを、もう一度社のトップから現場まで徹底してそこを見てもらいたい、見直してもらいたいというふうに思っておるところでございます。

 これからJALグループの問題につきましては報告があると思いますので、その辺につきまして、よく私も見させていただきたい、監督をこれからもしっかりとさせていただきたいというふうに思っております。

長安委員 今大臣のおっしゃられたとおりで、JALに関して言いますとやはり統合がもしかしたら原因なのかもしれません。これは軽々には外から見ている話ですので我々が言うべきではないと思いますけれども、一方で、国民の安全を守るというのが我々国会議員、国土交通省、また航空会社の使命と私は思っております。そういった意味では、今後またトップの方と大臣もお話しされる機会があるかと思いますけれども、その折に触れて、ぜひ今後の安全体制に万全の措置をとっていただくことをお願いいただくと同時に、また監督していただきたいと思う次第でございます。

 本日はどうもありがとうございました。

山口(泰)委員長代理 岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本でございます。

 本日は国土交通委員会に私が質問のバッターとして立たせていただく、昨年は国土交通委員でございましたけれども、本年はこういった機会を設けさせていただいて質問させていただきます。

 私、昨年、国土交通委員会において幾つか質問させていただいた中で、今回、その改善や、そしてまたその後の進捗状況を踏まえて、また私自身がユーザーとして実際にいろいろな場所で体験したことを経験をもとに皆様方にぜひお聞きをいただきたい、また大臣にもお知りをいただきたいテーマについて本日は質問をさせていただきたいと思っております。

 さて、私の地元愛知県においては、中部国際空港そして愛知万博が今開幕また開港をいたしたところでございます。多くの国のプロジェクトの中でも、こういった二つの大きな事業を同時に開催または開港する、こういったことはなかなかないことでありまして、今大変多くの方に愛知県に来ていただいておるのが実情でございます。

 愛知万博は開幕したばかりでございますけれども、まず大臣、万博はもう既に行かれましたでしょうか。

北側国務大臣 万博開会前に行かせていただいております。中部国際空港の開港もございましたので、ことしに入って、ですから二度ほど行かせていただいておりますが、開会後はまだ行っておりません。ぜひ行かせていただきたい、近々行かせていただきたいと思っております。

岡本(充)委員 今大臣言われましたが、万博開幕後も含めてぜひ行っていただきたいんですけれども、そういった中で、千五百万人という目標を掲げているようでございますけれども、多くの皆さんに万博に行っていただくためにはこれからいろいろな工夫をしていかなきゃいけない。その中でも、観客の皆様方が二の足を踏むような、そういった因子は少しでも取り除かなければいけないと思っているわけでございますが、今万博が開幕してからなかなか観客動員が思ったほど進んでいないという中の一つの要因として、やはりアクセスの問題が大きな要因になっている、またパビリオンの混雑の状況が大きな要因になっている、この問題について私は質問したいと思います。

 昨年の五月十九日の委員会でしたか、私が一般質問でさせていただきました万博へのアクセス、かなり混雑するということが予想されるんだという指摘をさせていただきました。当時の澤井国土交通省総合政策局長からの答弁の中でも、これを検討するという旨の答弁をいただいております。特に、小さなお子さんを連れて乗る場合、一九〇%のいわゆる乗車率、これはかなり大変な状況でありますし、またこういった状況を緩和する、こういった必要性を私は認識していただいたと思っております。そういった中で、混雑緩和の対策、どのようにとられたのでしょうか。

丸山政府参考人 去年も御指摘いただいたところでございますが、混雑対策で一番問題になりますのは藤が丘という駅でございます。これは名古屋市の地下鉄東山線が、万博の一つの売り物でございますリニモと言われております愛知高速交通東部丘陵線に接続するところです。輸送力の格差がありますので、そこで滞留が起きてしまうのではないか、こういうお話があったわけでございます。

 それで、そのときに考えておりました私どもの対策としましては、藤が丘ルートのほかに八草のルートがありますので、できるだけそちらの方へ回っていただくというのが一つ。それから、リニモへの乗りかえ駅の混雑のために、屋根つきのリニモ広場というものをつくる。それから、シャトルバスを補完的に多客時には運行するというようなことを考えておりました。

 それで、三月十八日から二十日まで内覧会があったわけでございます。特に十九日におきましては、そういう対策を講じてきたわけでございますが、八十分の待ちが藤が丘の駅で発生したということであります。

 その原因でございますが、内覧会のときは閉まる時間が早かったということで、皆さん午前中に殺到した。それから、内覧会のときにはシャトルバスを出す必要がないだろうということでシャトルバスを出さなかった。それから、スタッフがリニモに乗ってしまった。こういうようなことが混雑に拍車をかけたわけでございます。

 それで、内覧会の結果を受けまして、現在、次の四つの対策をとっております。一つは、先ほど申し上げましたように、藤が丘でない、万博八草の方へできるだけ回ってくださいと、それから、藤が丘では今これだけの待ち時間ですということを主要な駅で表示するようにしております。それから、パビリオンが込むのでなるべく朝行きたい、こういうことになるわけでございます。それも、パビリオンでも午後に発券をしていただく。それから、内覧期間よりも閉場時間は遅いんですというようなことも周知徹底を図っております。それから、スタッフはシャトルバスで通勤してくださいと。それから、週末藤が丘からシャトルバスの運行、それから名古屋駅からの増便というようなものを考えたところでございます。

 この結果、週末心配しておったところでございますが、最大四十分の乗車待ちが藤が丘で発生いたしましたが、結局用意しておきましたシャトルバスを運行するに至るほど混雑ということはなかったということでございます。

 ただ、今後、夏休みでございますとかゴールデンウイークの多客期が考えられますので、今私ども考えておりますシャトルバスの運行でほぼ対応は可能だとは考えておりますけれども、今後とも適切な対応が図られるよう考えていきたいというふうに思っております。

    〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

岡本(充)委員 今万博八草の駅を利用してもらうという話が出ましたけれども、万博八草に行っても歩くことは可能ですが、やはりリニモに乗られるわけですよね。そういう意味では、同様に、リニモの車両の両数からして大量のお客さんが輸送力の差によって滞留する可能性があるわけでありますし、現に滞留をしているわけです。そういった意味で、今藤が丘の話はされましたけれども、万博八草の駅でも同様のことが起こっているということを指摘させていただきたい。

 そしてさらに、もう一つは帰りの件でございますが、皆さんが万博の駅から帰り電車に乗っていく。駅の高さは階段を上っていって高いところにある。そして、多くのお客さんがその電車に乗ろうとして同時に、係員の誘導で、はい、上がっていいですよと言って、上がっていく。あれは、一つ間違えると、あれだけの人数が一遍に階段を上りますから将棋倒しになる、こういった危険性も私は指摘をさせていただきたいと思うんですけれども、こういった安全対策はどのように講じられているのでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 会場の北ゲート周辺における混雑時の事故対策について御説明申し上げます。

 きょうも朝確認をいたしましたが、おっしゃった階段の付近では相当な数の警備員を重点配備しているところでございまして、そこを通る来場者の方への注意喚起を相当強化しておるところでございます。

 また、その階段から先のところは、先ほどお話のありましたリニモを経営する愛知高速交通株式会社の管理ではございますが、博覧会協会とこのリニモの会社との連携により、万博会場駅と北ゲートの間の来場者のスムーズな移動、誘導、こういったものを図るなど、警察当局からの指導も受けつつ事故防止に向けて万全を期しておるところでございます。

 今後とも、博覧会会場における安全対策につきましては、北ゲートを含めまして、至るところで最優先課題として万全を期してまいりたいと思います。

岡本(充)委員 現実的には、お客さんは下で待っているわけですよね。改札口より下に券売機があって、一階の券売機のところで切符を買って、警備員の方に、はい、ここで待っていてくださいと言われる。そして、さあ順番が来ましたから上へ上がってください、さあどうぞと言ったら、みんながどどどどどっと上がっていくわけですよ。そうすると、一気にまた人が上がっていく。そうすると、だれかが転んだらこれは大変なことになるということを私は指摘しているんです。

 確かに、警備員の数をふやす、そしてまた鉄道会社や警察とも連携をとって警備の充実を図るというふうに言われておりますが、滞りなく順調に人をナビゲーションできるような、こういった環境ではありません。すごく多くの方が待ってみえる、こういう現状があるということを、もちろん御存じだと思いますけれども、そういった現状で、私は大変危険性があるということを重ねて指摘させていただきたいと思っています。

 行きは万博八草からもそして藤が丘からも来ますが、帰りは電車に乗る駅は皆さんそこの万博会場駅を使われるわけですから、来た方がみんなそこの駅から乗っていくわけですからね。そういった意味で、ぜひ帰りの対策も十分にとっていただきたいというふうに指摘をさせていただきます。

 そして、続いてもう一つ同様に、この北ゲートの混雑に拍車をかけるというか、混乱に拍車をかけていると私が拝見させていただいて思ったことは、タクシーに対する対応です。

 すぐ北側に県道が走っていて、そこの県道には、東ゲート、西ゲートといったところはタクシー乗り場がありますから、空車のタクシーが走っている。そうすると、空車のタクシーが走っていて、お客さんが手を挙げてもとまってもらえない。もしくは、とまったタクシーがいると、警備員さんに、あんたの会社に通報するぞ、こういうふうにおどしをかけられてタクシーがそそくさと出ていく。こういった状況が何件も散見されました。また、外国のお客さんは事情がよくわかっていないかのようで、タクシーの運転手さんとそこで、要するに、信号でとまったタクシーの運転手さんと、いざこざとは言いませんけれども何か言い合っている、こういった状況もある。

 つまりは、空車のタクシーがしょっちゅう通るにもかかわらず、ここは乗降禁止なんだということがなかなか周知徹底されていないんじゃないかというふうに私は思うわけなんですけれども、特に、今お話ししたとおり、北ゲートは、電車に乗ろうと思って行ってみたらすごい人がいた、目の前に空車のタクシーがいる、じゃ乗せてくれという話になりやすい場所なんですよ。

 そういった意味で、この北ゲートでのタクシー乗降禁止という措置について、もっと周知徹底をする必要がある。もしくは、空車のタクシーが目の前を通っていったら乗りたいと思うのは皆さん人情でありますから、そういったことで何らか対応をとる必要があるのではないかという指摘をさせていただきたいんですが、これについてはいかがでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 おっしゃるとおり、タクシーにつきましては、先生御指摘のとおり、会場のいわゆる東ゲート近く、それから西ゲート近くにある二カ所の乗りおり地だけに限らせていただいております。これは、申し上げるまでもなく、交通安全対策、ひいては住民の方の安全のためにそうやっているわけでございますけれども、確かに、間々、そういう、いわばルールにのっとらずに、そうでないところで乗りおりをされる方があったことは事実でございます。先生御指摘のとおり、これはぜひ周知徹底をいたしたいと思っております。

 実は、これもけさ直接確認をしたのでございますけれども、現在北ゲート付近では、愛知県警のコーンが路肩に並べられまして駐停車できないようになっておりますし、日本語の駐停車禁止の看板も立てております。それから、警備員がハンドマイクで駐停車禁止を呼びかけて、とまろうとした車には直接注意を行っているところでございます。

 ただ、御指摘のとおりに、全く例外がゼロかと言われるとゼロではない状況でございますので、今後とも厳しく周知徹底を図ってまいりたいと思っております。

岡本(充)委員 警備員も日本語で言っていますし、看板も日本語ですから、外国のお客さんは日本語がわかる方がどれだけいるのかということも含めてぜひ考えていただきたい。

 それでは、パビリオンの話にちょっとお話を移させていただきたいんですが、これまたたくさんのお客さんが来るときのリミッティングファクターになるとまずいなと思われる話なんです。

 パビリオンの入場者数がかなり限られている。例えば、私がいろいろなパビリオンに行って話を伺ってみると、大体計算をする。一回当たり何人ぐらいの人が入って、そして一つのショー、催し物が一体何分ぐらいで行われ、入れかえ時間を何分ぐらいとっていて、そして、結局、掛ける営業時間で何人の方が見れるかということを計算すると、少ないパビリオンでは大体五千人ぐらい、そして多いところでも一万人そこそこという人数になってくるところが多いようです。もちろん、流れて見ていく、いわゆるそういうショーや催し物でないパビリオンもありますが、人気のパビリオンではそういう現状が続いています。

 現実的には、いわゆる予約券を午後にも発行するという対応をとったと言われておりますけれども、そもそもとして、入れかえの時間を少しでも削って、そしてより多くの方に見ていただけるようにするという措置をとる必要があるということ。

 そしてまた、さらに言えば、ちょっと特定のパビリオンの名前を出して申しわけないですが、大変今社会的な問題になっているサツキとメイの家のいわゆる入場の問題。これは、あるコンビニエンスストアの端末機械を使って予約をするんですが、予約が集中している、予約ができない状況になっている。そして、ただであるはずの入館の予約券が何やら一万円ぐらいで取引されているやにも聞いております。

 こういった現状を回避するのは、やはり国として、万博協会としても対応をとっていただかなきゃいけないと思っておるんですけれども、例えば、こういった人気のところ、中に入らなくても外を周遊する、庭先を歩くことだってできるんです。軒先を歩くようなスペースが十分あることを私も見てきて確認してきています。ちょっと私が伺ったところ、森林の中の周遊コースでちょこっと見えるだけのコースはつくったと聞いておりますが、ぜひこの軒先も歩けるようなそういった対策をとることはできないんでしょうか。

 二点、今お話をさせていただきました。入れかえの時間の短縮、そして、今個別具体的な話でいうと、サツキとメイの家だったら、庭先を歩く、こういったことはなぜできないのか。お答えいただきたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず第一点の、各パビリオンにおける入れかえ時間の短縮等の工夫によりたくさんの人数に見ていただくことについてでございますが、まさにそのために内覧会あるいは開幕直後のいろいろな時間がありましたわけで、その反省を踏まえまして、今いろいろなパビリオンでいかにしてたくさんの人々に見ていただくかという工夫をそれぞれ行っており、協会としてもそういう指導をやっております。

 例えば、日本政府が直接出展いたします長久手日本館の例で申し上げますと、まさに練習のときであります内覧会のときには一時間当たり約九百人の方が見ておられた。これが、一番最近の数字では、一時間当たり約千三百人にふえております。これは、長久手日本館の目玉と言われます地球の部屋というのがありますが、二分半の映像なんですが、その出と入りを、最初のころはふなれだったものですから別々にしておったのを、ほぼ同時にする、あるいは、一回当たりの入る人数をふやすということをやりまして、口幅ったいようですが、政府館では相当努力をやっております。それから、それ以外の館でも、何とかそういうことができないかということを協会からお願いしております。これが第一点でございます。

 それから、第二点のサツキとメイの家でございますが、そういう声が多いことは承知をしております。そして、まさに先生がおっしゃいましたとおり、このサツキとメイの家、中に入れないまでも近くで見れないかというお声におこたえする観点から、距離にいたしますと約二十メートルぐらいかと思いますが、その近くまで寄って庭先を見れるような外周コースというのを三月に入りまして急遽設定したところでございます。

 とりあえずはそういうところで皆様方のお声にこたえていきながら、またいろいろ御批判等も承りながらいろいろ検討していきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

岡本(充)委員 ぜひ軒先も歩けるように検討していただきたいと思います。

 大臣、ここまでお話をさせていただいて、状況は大分おわかりいただけたと思います。ぜひ一度ごらんいただいて、多くの方に来ていただく、日本としても外国人観光客の皆さん方にたくさん来ていただけるよう、国土交通省としても今取り組んでいるわけです。そういった観点でも、ぜひ、この万博に多くの方が行こうと思っていただける、そういった環境をつくっていっていただきたいと思います。

 私が懸念しているアクセスの問題と、そしてパビリオンの混雑の問題、この二点が客足をとどめる、もしくは客足が遠のくような要因にならないよう、ぜひ御努力をいただきたい。御決意をいただければと思います。

北側国務大臣 地元の愛知の皆様はもちろんのこと、全国からこの万博会場に行かれるわけでございます。全国から来られる方々は必ずしも地理に明るいわけではない。そういう方々が行かれるわけでございまして、そういう方々が行って、本当に楽しかったな、よかったなというふうにやはり感じてもらわないといけないわけでございまして、そのためにも、例えばアクセスの問題、また会場の待ちの問題等々、できるだけ不便をかけないように、また快適に見ていただけるように、そうした心配り、配慮というのはしっかりと、これは政府がしっかり取り組む必要があるというふうに思うところでございます。

 また、日本人だけじゃなくて、多くの外国人の方々がいらっしゃいます。多くの国々ではナショナルデーのときに、この万博会場で、パビリオンでさまざまな行事を催されます。そういう意味で、外国人の方もたくさんおいでになるわけでございまして、そういう意味では、そういう外国人の方々にも本当に喜んでもらえるような対策を、しっかり取り組みをしないといけないというふうに考えているところでございます。

 ビジット・ジャパン・キャンペーンというのは、政府を挙げて今取り組んでいるところでございまして、また、この愛知万博を契機に、愛知だけではなくて、ぜひ全国にも行ってもらおうじゃないかというふうな取り組みもしているところでございまして、そういう意味でも、愛知万博に行かれた方々に、本当にきめ細やかな、さまざまな対策がとられているように、政府もしっかりと取り組みをさせていただきたいと思っております。

岡本(充)委員 ぜひ大臣、よろしくお願いします。

 さて、話は変わりまして、次は、鉄道と航空会社の約款というものについて、私、最近、利用者として少し疑問を感じた、そういった内容についてきょうは質問させていただきたいと思います。

 約款は、鉄道、航空会社、それぞれつくってみえるわけですが、どういった取り決めによってお客様を目的地までお連れするのか、こういったことを書いてあるわけですが、そもそもこの約款というのができた経緯、旧国鉄の時代、そしてまたそのもとになった法律というのが、これは明治三十三年にできた鉄道営業法というものがもとになっていると聞きました。

 第十七条にはこんなことも書いてあります。「天災事変其ノ他已ムヲ得サル事由ニ因リ運送ニ著手シ又ハ之ヲ継続スルコト能ハサルニ至リタルトキハ旅客及荷送人ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テ鉄道ハ既ニ為シタル運送ノ割合ニ応シ運賃其ノ他ノ費用ヲ請求スルコトヲ得」これは、ちょっと読みづらいのは、片仮名で書いてあるこういった古い法律なんですが、こういった法律をもとにして、実は、トラブルが起こったときのいろいろな取り決めがなされています。

 大変に古い法律に基づいているわけでございまして、私としては、それをもとにしてどういった内容に今アレンジされているのか、いろいろ調べようと思いました。しかし、残念ながら、鉄道の私鉄の各社にいろいろお問い合わせをさせていただいたところ、会社の名前は出しませんが、現在在庫がないだとか、入荷は五月の予定だ、よって、大変恐縮だが現時点では出せないとか、申しわけないが外部に提供できる状況にないとか、こういうような返答が返ってきて、なかなかこの約款自体も入手が難しい。はてまた困ったものだなと思ったわけでございますけれども、一部入手をさせていただいて、いろいろ調べさせていただいた。

 それで、特に今回、今の鉄道営業法の第十七条に根拠を持っているであろう、いわゆるおくれたときにどういった対応をとるのか、どういうふうな対応でお客様に御勘弁願うのかといったことについて、私はいろいろと質問させていただきたいと思います。

 現状では、私、いろいろな鉄道会社さんの現状を伺うに、ある会社の電車がおくれて、そして他社の鉄道等へ接続をしたいと思ったが間に合わないときに、実は、鉄道事業者間で調整をしていただくことができないようでございます。本来であれば、利用者の責任とは言えないような事由で電車がおくれ、そしてその次の電車に乗れないような状況において、あとは知りませんよ、指定席の切符を持っていても、それは使えなくなっても私たちは知りませんというような対応であっては、私は、利用者にとって不利益ではないかと思うわけでございます。

 そういった意味で、鉄道事業者間、これにおいて、いわゆる遅延、旅客の事由でない、つまり鉄道会社における事由によっておくれた場合には調整をするべきではないかというふうに考えるんですが、国土交通省としてはいかがお考えでございましょうか。

梅田政府参考人 お答え申し上げます。

 鉄道事業者、例えばA社とB社あったとします。A社の事由によりまして、B社の列車に乗りおくれてしまったというケースがございます。こういう場合でございますが、よくあるケースでございます。その際、それぞれの旅客におきましては、確かにおっしゃるような不便はあろうかと思います。しかし、こういう場合は、通例、乗り継ぎという行為にはなりますけれども、利用者からいうと乗り継ぎでございますが、事業者からいいますと、それぞれで契約を結んでいただいて運送行為をやっているというのが実態でございます。

 そういう意味で、乗りおくれた場合にどういう措置をとるかというのは、A社とB社間で話し合って自主的に決めるというようなことは可能でございますけれども、現在のところは、そういうようなことをやっているケースは少のうございます。

岡本(充)委員 利用者の利便を考える意味で、そういった、自主的にしろ指導していく、国土交通省として指導していく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、どう思われますか。

北側国務大臣 まずおくれないことが大切だと思いますけれども、遅延をしないということが。

 その上で、遅延をした場合に、異なる鉄道事業者間で、特に遅延をした側が乗り継ぎ面で利用者に迷惑をかけるわけでございますので、そういう意味では鉄道事業者間でよく協議をしてもらわないといけないというふうに思います。

岡本(充)委員 その指導を、ぜひ協議をするよう国土交通省としても働きかけていただきたいと思うんですけれども、大臣、どう思われますか。

梅田政府参考人 遅延するケースといいますのは、いろいろなケースがございます。したがいまして、例えばA社のどういう事由によって遅延するか、あるいは遅延するといっても、B社のどういう列車と乗り継いで遅延するか。例えば、一日一本ぐらいしかダイヤがないというわけではありません。例えば新幹線に関しましたら、一時間に十三本走っています。そういうところに乗り継ぐ際に、それに乗り継ぐために、例えば名鉄なり、あるいはほかの在来線がおくれてしまった、自分が持っている指定の券面の列車には乗れなかったという場合、どの列車とどの列車が遅延しているのかというのは利用者にとってはわかる話でございますが、各社の間でどういう連絡をとるのかというのは、これはよくよく事業者間で相談しないと決められない話でございます。

 したがいまして、先ほど申しましたように、利用者の利便ということを考えて、事業者において、利用者からのいろいろな御意見を聞きながら検討していくべき問題だというふうに思います。

岡本(充)委員 検討していくべき問題なんですよ、検討していくべき問題ですが、それをだれかがやはり音頭をとる必要があるということを私は指摘させていただいているんです。

 それで、今最初に局長の答弁で、よくあるケースでございますが、こう言われました。よくあっては困るんですけれどもね、実は、おくれることが。恒常的に電車がおくれるというような現状が、大都市、特に大都市圏の鉄道輸送においては実在していると私は思っています。

 国土交通省としては、こういった遅延に対してどういうふうな把握をしているのか、そしてまた、それに対して対応をどのようにとっているのか、お答えいただけますでしょうか。

梅田政府参考人 一般的な遅延の把握というのは各社において行われているところでございます。

 例えば、新幹線の遅延が少ないというのは国際的に非常に高い評価を受けております。ついこの間までは、大体二秒とか三秒しかおくれないという極めてパンクチュアルな運転をやっております。

 各社によってそれぞれ違いますが、例えば先生の御地元の名古屋鉄道の例を引きますと、名古屋鉄道に確認しましたところでは、三月の一日から二十九日の間、大体一列車一分ないし二分ぐらいおくれる、平均では、全体とならしてみて二十六秒程度の遅延が発生しているということでございました。

 この遅延の原因はいろいろございます。一つは、朝のラッシュ時に途中駅での乗降が非常に混雑する、乗りおりに非常に時間がかかる。それから、駅によっては部分的にしか屋根がないというところがございます。そうするとお客さんが一ところに固まってしまうというようなことで、乗りおりにまた時間がかかるというようなことでございます。こういうようなことで、さまざまな理由によって遅延は発生する、当然事故も、あるいは車両故障等もございますけれども、そういうことでございます。

 したがいまして、各社において、できるだけラッシュ時も含めまして定時運行を徹底するというようなことが大事だということで、我々としては、基本的なサービスでございますから、この徹底のために、遅延をしないように策をいろいろ今までも講じてきておりますし、これからも講じていきたいというふうに考えております。

岡本(充)委員 きょうは、時間がないものですから、名古屋鉄道の話については言及するつもりはなかったんですが、利用者の多くの皆さん方の声、私は、調べたわけではありませんが、決して二十六秒の遅延にとどまっているわけではないということは指摘をさせていただきたいと思います。

 ぜひ、実態の調査、各社いろいろあると思います、いろいろ事情はあります、そういった事情をどのようにして克服して、今言われた、新幹線がなぜおくれないのか、私も、パンクチュアルな運行をされている、非常にすばらしいと思います。日本の今の鉄道の実態は、確かに他国と比べて非常にパンクチュアルな部分があると思いますけれども、なお一層いろいろ取り組まれることを望むわけでございます。

 さて、続いて、航空関係の約款に少し話を移させていただきます。

 航空関係の約款、私もこれはいろいろ読ませていただきましたが、これも同様に、何かがあったときどういうふうに対応するのか、これが極めて利用者に対して不都合な、不便な、不利益な内容になっているものが多うございます。

 例えば、ある会社の約款には、国内運送では、旅客都合以外の事由による取り消し、変更などの場合は、なるべく旅客の希望に沿うよう取り扱うとなっているのですが、同じ会社でも、国際運送の約款になると、スケジュール等の変更があった場合、会社は、会社の判断により次の、以下の措置、どれでも選べるという話になっている。つまり、ここまででもうキャンセルさせることもできれば、どこかの航空会社さんに頼んで空席に乗せることもできれば、待っていただくこともできるし、これは航空会社が決めることができるようになっています。

 また、先ほどと同じですけれども、会社航空便に接続する旅客を運送する運送人が航空便をスケジュールどおりに運航せず、または当該航空便のスケジュールを変更したため、当該旅客が接続するために座席を予約しておいた会社の航空便に搭乗できなかった場合には、会社は、接続できなかったことに対して責任を負いませんと書いてある。

 また同様に、もっとすごい話としては、私、びっくりしたのは、これまた航空便のスケジュール。会社は、時刻表その他のスケジュールの表示上の誤記または遺漏に対して責任を負いませんと言っている。つまり、どういうことかといったら、こういう時刻表があって、この時刻表に書いてある時刻が違っていても会社は責任をとりませんよ、それは旅客人の責任ですよという話になっている。

 行ってみて飛行機がなかった、これは、ここに書いているじゃないですかと言っても、いや、それは私の責任じゃありませんと言われたのでは、お客さんとしてはたまったものじゃないというふうに思うわけなんですが、この点について、どうでしょう、改善をしていただくことはできませんでしょうか。

岩崎政府参考人 国際運送約款でございますが、国際航空運送協会、IATAといっておりますけれども、そこのモデル約款に準拠して、関係国政府の認可の手続を経るなどして定められているものでございます。見直しをするに当たっては、国際的なバランスをとる必要があろうかと思っております。

 私どもとしましても、消費者保護を一層充実させる観点から、先生の今の御指摘などを踏まえまして、各国、世界が具体的にどういう約款を持っているのかということも調査しながら、この問題について検討してまいりたい、このように思っているところでございます。

岡本(充)委員 また同様に、これは持っている航空券によってもかなり対応が異なると私は聞いております。

 本来であれば、航空券の種類はいろいろあるんですけれども、航空券の種類まで認知をして購入している旅行者の方、私は少ないんじゃないかと思っておるわけでございまして、値段とかそして飛ぶ日にち、これについては把握をしていますが、万一トラブルがあったときにはどういった対応をしてもらえるのか、そういった部分についてもしっかり周知を徹底して、ある意味、旅行に関しては自己責任という部分もあるわけですから、自己責任と言われるからには、情報をしっかり提供して切符を購入していただく必要があると思うんですけれども、そういった点についてぜひ販売の面から指導していただく、そういったお考えはおありでしょうか。

岩崎政府参考人 お答えいたします。

 国際の航空券は、先生御案内のとおり、太い束になっておりまして、その後ろの方に約款の主要部分が抜粋をされております。航空券の有効期間はどうだとか、あるいは予約、取り消し、予約変更の場合はどうするか、こんなことが書いておるところでございますが、ただ、確かに、見やすい、わかりやすいものであるかということにつきましては、勉強しなきゃいけない点は多々あろうと思っております。その内容や方法の改善について検討してまいりたいと思っておるところでございます。

岡本(充)委員 ぜひよろしくお願いします。

 券面には、クラスとしてXとかBとかHとか、アルファベットが書いてあります。この意味については後ろの約款にも書いていませんから、ぜひそういった部分、これは、こういったトラブルがあったときはこういった対応をしてもらえる券ですよということを売るときにも教えていただきたいということでございます。

 そして最後に、私、同様に、自分が感じた最近の幾つかのテーマの一つとして、車検制度のあり方について少しお伺いしたいと思います。

 平成十六年三月に閣議決定されました規制改革・民間開放推進三カ年計画の中で、車の車検期間の問題が取り上げられています。国土交通省さんも基礎調査検討会で検討を重ねて来られたと伺いました。

 こういった中で、自動車部品の耐久性、こういった部分において平成七年の前回改定のときと比べて耐久性に大きな変化がないというふうに判断されているようでございますが、もともと、最初の車検が三年だ、新車購入時の次の車検が三年だと決まった時期は昭和五十八年でありまして、昭和五十八年当時の車の性能からしますと今の車の性能は格段に向上したと私なんかは考えるわけでございますが、今回の検討会では、残念ながら、平成七年と現在の部品の性能とを比較したと聞いております。

 そういうような比較の仕方をし続けている限りにおいては、いつまでたっても部品の性能は向上しません。つまり、つい最近と比較して向上していない、つい最近と比較して向上していないということを繰り返していくのではなく、もともと決めた年限と比べていかに性能が向上したかを考えて本来であればこの検討会で討議をするべきではなかったかと指摘をさせていただきたいんですが、御答弁いただけますでしょうか。

金澤政府参考人 お答えを申し上げます。

 車検の検査期間の検討につきましては、委員御指摘の昭和五十八年に実施いたしましたが、その後、平成七年にも相当抜本的な検討をいたしました。

 そのときの検討におきましては、自動車部品の耐久性能について、主な交換部品の実際の耐久劣化試験を行うというようなことを詳細に検討いたしております。その結果、自家用乗用車につきましては、現在の車検期間、すなわち初回三年、その後二年ごと、こういう期間が適切だとの判断を行ったところでございます。

 したがって、今回の見直しにおいては、この平成七年の詳細な検討結果を基準として、それ以降、部品の耐久性能がどう変化したかということを調査したものでございまして、メーカーあるいは部品メーカーへのヒアリングの結果、その部品の耐久性能については、この平成七年に比べて大きな変化がないという結論を得たものでございます。

岡本(充)委員 今の話ですと、平成七年と比較してという話、私の言っていることが御理解いただけたかなという部分もありますが、平成七年に見直したのはわかっています。ただ、平成七年に見直したから平成七年と比較するのではなくて、三年と決めたのは昭和五十八年なんですから、昭和五十八年と比較していただきたかった。また、諸外国の自家用自動車の検査周期を見ても、四年としている国もあるようでございますから、そういった状況もまたひとつぜひ勘案していただいて、また検討をいただきたいと思っています。

 今の話で、自動車部品の話も少しさせていただくと、車検の本来の趣旨、車の安全走行を担保するという趣旨と離れて、部品の交換を提案されるといったケースもあるやに聞いております。新しい方式でのニューサービスといった方法で、最近、車検をしているところがあるようでございます。

 自動車部品の交換、私が実際に経験した範囲としては、例えばフロントガラスの傷なんかでも、表面がさっと、傷がちょっとついていても、はい、フロントガラス全面交換です、こういう話が出てくる。本来、今の自動車の部品の性能を考えると、正面にさっとついた傷で自動車のフロントガラスが割れるようなこともないわけですから、例えばそういった部分については、少し本来の趣旨に戻って検討するということも必要じゃないかということを指摘させていただきたいと思います。

 時間になったようですから、ぜひそういった観点で、今後も、こういった車検制度、本来の趣旨に戻って行っていくという旨の御答弁をいただければと思います。

金澤政府参考人 先生御指摘のケースは、まさに視野を妨げるようなひずみがなければ基準不適合ではございません。そうした検査員による適合性の判断が異なるということは好ましくないので、今後、適切に指導してまいりたいというふうに思います。

岡本(充)委員 ありがとうございました。

橘委員長 赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 ちょっと、通告とは逆に、最初に東武鉄道の伊勢崎線竹ノ塚駅の踏切事故についてから質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 この事件は、三月十五日の東武伊勢崎線竹ノ塚駅の近くの踏切で四人の方が死傷し、うち二人が亡くなるという大変痛ましい事故であったわけでございます。

 この翌日、衆議院の内閣委員会で、公明党の太田委員からこの問題を取り上げさせていただきまして、梅田局長からの御答弁では、今回、全国の三万五百三十九カ所の第一種踏切のうち、保安係員が手動で再開させている、手動でやっているのは全国五十九カ所である、そのうちの一つであった。ただ、ここは踏切の幅が十四メーターと大変長くて、遮断時間も長いあかずの踏切の状態であって、そういった意味で、利便性を高めるために手動で行っているということで、有人だからといって、規定どおり運用されれば殊さら問題になることじゃない、こういった御答弁だったというふうに思っております。

 そして、この事件を機に、全国の鉄道事業者に対しまして、まずマニュアルをきちっと守って運用するように局長から通達が出たというふうに理解しておりますが、鉄道事業者、特に東武鉄道はこの通達を受けて具体的にどのような対応をしたのか。

 報道では、当該の保安係員はこれまでもマニュアル違反の常習であったというような報道もあります、これは正確かどうかはわかりませんが。こういったことについてどういう状況なのか、局長から御答弁いただければと思います。

梅田政府参考人 お答えいたします。

 東武の踏切事故につきましては、大変痛ましい事故でございます。先生御指摘のとおり、警報機も遮断機もある、しかし、手動の踏切、つまり、一種手動踏切でございました。

 この事故の後、東武鉄道といたしましては、私も現地を見てきておりますが、係員二名のところ、四名に増員いたしまして、外に常に立って誘導している状況でございます。

 また、御指摘のとおり、マニュアルどおりきちっとやっておれば問題はなかったと私は思っておりますが、私が見てまいりましたところ、ちゃんとマニュアルどおりやっておりました。それは、指差確認、指さしをして確認するというようなことでございます。そういう意味で、そういう点では徹底してきているのではないかと思っております。

 しかし、御指摘のとおり、こういうあかずの踏切で、しかも手動の踏切というのは、また再発することがあってはならないと思いますが、私どもとしては、できるだけ、例えばそれにかわるような措置を当面とっていただいて、その上でこれを自動に変えるというような方向にしていくべきではないかと思います。

 例えば、具体的には、歩道橋とかいうような話がまた出てくるかと思います。地元においては、東武と都と区で、現在、今後の取り扱いについてどうするかということで検討しているやに聞いております。

赤羽委員 この五十九カ所のうち、国土交通省の調査で見させていただくと、あかずの踏切というのは六カ所ある。そのうちの三カ所が東武鉄道、二カ所が京成電鉄、あと一つは名古屋鉄道、何か極めて偏った話で、この事故が起こったところというのは、一時間のうちピーク時で五十九分遮断している。だから、五十九分も遮断しているというのはやはり異常なんですよ。これを根本的に直さないと、やはり五十九分も閉まっていたら、それは感情としては渡りたくなる。それは人災的な側面がやはりあると思いますよ、ここは。

 だから、ちょっと、どういう知恵があるのかわからないし、あれですし、真剣にこの六つは危ないというふうに認定して、具体的に優先して取り組むということをやるべきじゃないか。

 これはまた起こるかもしれませんよね。マニュアルどおりやっているかやっていないかみたいな話というのは、非常に、さっきも日本航空の話を聞いていると、もう安全なんというのはないんだからということで、ちょっと何か、陸橋化したりすると地元の商店街が反対しているというような報道もあったみたいですけれども、そういったのはちょっとわからぬでもないけれども、それは人の安全とてんびんにかけるようなものじゃないという強い意思を示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

梅田政府参考人 御指摘、私も十分承知しております。

 今の六カ所でございますが、こういう点につきましては、先ほど言いましたように、恒久的な対策と暫定的な対策があるんだろうと思います。

 恒久的な対策につきましては、当該の踏切もそうでございますが、立体交差化するということでございます。例えば、東武の場合は、竹ノ塚二カ所、北千住に一カ所ございますが、基本的には立体交差化を目指すということでございます。しかし、これは立体交差化するのにやはり十年ぐらいはかかります。非常に時間がかかりますので、当面どうするかというのがやはり大事だろうというふうに思っています。

 したがいまして、先ほど申しましたように、各事業者に対しましては、今後、あかずの踏切でこういう問題になっている箇所につきまして、暫定的にどういう対策をするのか地元とよく相談をするように、京成あるいは名鉄に対しましても指示をしているところでございます。

赤羽委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、日本航空グループの一連のふぐあい事案についてちょっと質問させていただきたいと思います。

 これは、質問通告を書いていて、もう嫌になったですね、質問すること自体が。よくこれだけふざけた話が出てきたなと。これは、役員から機長、副操縦士、客室全乗務員、整備部門と、すべて洗いざらい出た。

 先ほどの質問で、これを他山の石としてといってすべての航空業界が戒めるというのは僕は大事だと思うんだけれども、これはしかし、これがあったからといって全日空もほかもというのはちょっと違うんじゃないかと思うんですよ。これはやはり日本航空グループの問題だと私は思いますよ。こんな一連の、これは技術的な問題じゃないでしょう。マニュアルをどうしようというような話が出ていましたけれども、マニュアルの話じゃないんですよ。決め事をちゃんとできないという、たるみの問題だというふうに私は思いますよ。ですから、何を質問しようかといろいろ書いたんだけれども、最終的に質問することもないんですけれども。

 要するに、業務改善命令を出した次の日からずらっと十件ぐらい似たようなくだらない事件をやっているし、三月九日、大臣からも厳重に注意があった次の次の日に同じように韓国の仁川で同じミスをしたりとか、これはぶったるんでいると言うしかないんですよ。これは私は、こういうことは内部改善を求めたってこういう雰囲気の中ではなかなか難しいと思いますよ、幾ら改善命令なんか出しても。

 ですから、これは航空法に認められている営業停止ということも考えて措置するべきだということを、私はそれだけ言いたいです。半年も一年もできるわけないけれども、一日でもいいから、やはりそのくらいのことをやらないと、企業のコンプライアンスなんて働かないですよ。これは、国会の委員会でまじめに質問するようなレベルの話じゃないですよ。きょうのなんか、日本航空グループだって、ちゃんと傍聴に来て、襟を正すぐらいのことを僕は当然やるべきだと思う。こんな当事者がいないところで質問なんかしていても余り意味ないと思うけれども、本当に、営業停止ということは航空法に書かれていて一度も抜いたことがない。抜いたことがないから意味があったかもしれないけれども、しかし、ここは余りにもひど過ぎる。

 これは大臣もはらわたが煮えくり返っているに決まっているんですけれども、ちょっと本気でやらせないと、今すぐというわけじゃないけれども、改善命令が出てきて、本当にシビアに見て、本当にだめだったら、やはりこの伝家の宝刀を抜くという準備をしておくべきだということを申し上げておきたいのですが、このことについて一言だけで私はおしまいにしたいと思います。

岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、航空法では、この法律またはこの法律に基づく処分に違反した場合は、事業の全部または一部を停止することができる、このようになっております。

 安全上のトラブルが発生した場合、事業改善命令を出しますが、この事業改善命令もこの法律の処分の一つでございますので、法制度上は、先生御指摘のとおり、この事業改善命令に従わない、あるいは事業改善命令どおり実施しないというときには、事業の全部または一部の停止ができるということになっております。

 先生も御指摘のとおり、利用者の利便を考えますと、具体的にどうしていくのか検討しなきゃいけない課題があろうかと思いますけれども、私どもは、本当に日本航空のこの一連の事案については危機感を持っておりまして、まずは事業改善命令を受けて、きっちりJALグループの方で安全管理体制をつくってもらう、それを我々はきっちり監督指導していくということが必要だと思っております。厳重に指導していきたいと思っております。

赤羽委員 独占的な影響力を持っている日本航空グループが本当に立ち直ることを強く期待して、質問を終わります。以上です。

橘委員長 穀田恵二君。

穀田委員 私も、日本航空の問題について質問をします。

 航空の現場で働く六十一労働組合、二万名を組織し、航空事故の撲滅を目指して活動している航空安全推進連絡会議は、今度の日本航空に対する事業改善命令等に関する見解を発表しています。それによると、今回の事故の原因について次のように指摘しています。

 一つ、ことし二月、拙速に変更された出発前の手順が、明確なやり方を示さないまま現場に押しつけられたことの混乱。二、先任客室乗務員の失念をカバーできなかった理由として、経験の少ない客室乗務員が多数を占める編成であったこと。このため、多数の経験者の中に少数の新人がまじる従来の方式に比べ、お互いにカバーし合う余裕がなく、日常の業務の中で経験者から技術を教わるという機会を奪われていること。偏った編成は労務対策だった。三、コスト削減ばかりに目を向けた会社が、九四年の契約制客室乗務員制度の導入以来、安全に対する教育訓練を削除し、職場間でのサービスやセールス競争を過熱させ、その結果生じる保安要員としての安全意識低下を問題なしとしてきたこと。こう指摘していますよね。

 私は、非常に大事な指摘だと思うんです。とりわけ、客室乗務員が保安要員としての役割を果たしていること、ミスをカバーするチームワークが必要なこと、これらがおろそかにされている実態、そして、会社のコスト削減競争による安全軽視が想像以上に進んでいることなど、事故原因について、私は掘り下げて究明する必要があると思います。

 その意味でも、先ほど大臣も現場の方々と一緒になってとおっしゃっていましたけれども、こういう現場の意見を聞く必要があるんではないでしょうか。答弁を求めます。

北側国務大臣 二度、一度は三社の社長が来られました。一度は兼子さんも含めて三社の社長が来られました。私の方から強く申し上げましたのは、ここにいらっしゃる経営トップの方々が、現場の方々と一体となって再発防止に向けての取り組みをしっかりやってもらいたいということを厳しくお話をさせていただいたところでございます。

 おっしゃっているとおり、現場の声を聞けというふうに申し上げているところでございます。

穀田委員 大切な指摘だと思うんですね。やはり働いている方々のところで感じている諸問題というのをしっかり見る必要があるんです。

 そこで指摘したいのは、保安要員としての役割の問題なんですね。チームワークが必要な客室乗務員を派遣社員で賄おうとする事態が実際に起こっている点です。本当に安全性に支障はないのかという問題です。

 航空会社が賃金や雇用に直接責任を負わない派遣社員に、機内の安全や旅客の命に対する責任だけは同等に負わせることになります。人の命を預かる医療関係の業務は派遣対象から外されています。その理由は、チーム医療を乱すことになるという意見だと思います。同じように、チームワークが必要な、命を預かる業務である客室乗務員の派遣社員化は、航空の安全に責任を持つ国交省として派遣対象業務の見直しを検討すべきではないでしょうか、航空局長。

岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、派遣される客室乗務員を受け入れてやっていこうという会社が出てきております。

 ただ、派遣される客室乗務員につきましても、受け入れ先であります航空会社で、自社の客室乗務員と同様に、運航規程に定められました所定の教育訓練を行う、このように言っております。雇用形態の違いによって、きっちりした所定の教育訓練が行われれば、特段安全上の問題はないと考えておるところでございます。

穀田委員 先の方まで言っておられると困るんだけれども、つまり、じゃ、派遣社員のかの実例に即して具体的に聞きたいと思うんです。

 これまで航空会社であったハーレクィンエア社が航空業は廃業するんですよね。それで、そっくりそのまま派遣会社に会社自体は転業しちゃうんですよ。そして、航空会社の客室乗務員として採用された人たちが、ある日突然派遣社員となって親会社のJALに派遣されて飛行機に乗務する。当然、賃金とか労働条件は切り下げられる。それどころか、今問題になっているのは、福岡から東京に転居しないと雇用しないなどという条件まである、こんなことまで起こっているわけですよね。

 そこで聞きたいんだけれども、今、自社の云々かんぬんと言っていますけれども、じゃ、派遣会社に航空法の適用はあるのか、国交省として派遣会社に対して監督権限を持つのか、そこは聞いておきたいと思います。

岩崎政府参考人 先生おっしゃいましたハーレクィンエアが予定しております特定労働者派遣事業につきましては、航空法の適用はございません。特定労働者派遣事業そのものに対する監督権限は有することはございませんが、航空法に基づきまして、受け入れ先であるJALジャパンの方に対して運航規程どおりきっちり教育訓練をしているかどうかについては、私どもの方できっちり見ておく体制になっております。

穀田委員 局長、受け入れ先のところが、自社でやっているんでしょう、そういう事態を起こしているんでしょう。あなた、よく聞いてくださいよ。受け入れ先の自社で責任を持つというけれども、受け入れ先のところでまずこういうことが起こっているんじゃないですか。責任持ってやるといったって、そういう事態が起こっているということの先にこういうことが起きたらえらいことになるぞ、どのようにして責任持つのやという話をしているんですから。

 だから、派遣されるのが客室乗務員であるのに、その会社は安全教育だとか訓練などの義務づけもされない。確かに、客室乗務員に対する安全教育訓練は受け入れ先の自社が行うというんだけれども、安全は、では確保できると断言できるんですか。

岩崎政府参考人 繰り返しになりますけれども、受け入れ先でございます航空会社、これは日本航空ジャパンでございますけれども、自社の客室乗務員と同様に運航規程に定められた所定の教育訓練を行う、こういうことを言っております。一連のトラブルを起こしておりますので、こうしたことを本当にちゃんとやっているかどうかというのは厳しい目で見ていきたいと思っておりますが、そういうことがきっちり行われていれば、このことによる安全上の問題は特にないと考えております。

穀田委員 私、よくわからないんですよ、なぜそんなことを言い切れるのか。この間、私、三菱の問題のときも言いましたよね。三菱のああいう欠陥事故の際に、そういう、三菱が言っているんだから大丈夫だと言わんばかりの話だったんですよ。今度かて、いや別に、自社でやるのやさかいに大丈夫やと。こんな、相手が大変なことをやっているときに、何で国交省が、JALがやるさかい大丈夫なんて、そういうことを断言できるわけ。そこがわからぬと言っているわけ、私は。

 しかも、そのJALが事件を起こしておいて、やります言うたかて、どんなふうな責任が起こるのかということなんですよ。しかも、私、今の問題は、よろしいか、JALで起こしている事件というのは派遣社員で起こった事件ではないんですね。そうでない、現在の事態のもとで起こっていることなんですよ。そういうことでええのかということを聞いているわけですよね。それ、どうですか。

岩崎政府参考人 日本航空ジャパンでは、このハーレクィンエアからの派遣社員につきまして、きっちり訓練計画をつくりまして、その訓練計画に従って所要の訓練をやっていく、このように私ども報告を受けております。こうした訓練がきっちりされているかどうか、これについては私どもも見てまいりたいと思っておりますけれども、そうした自社の乗務員と同様の訓練がやられれば、これについて特段、派遣であるからといって安全上の問題が起きるということは考えておりません。

穀田委員 派遣であるから起きるとは私も言っていないんですよ。だけれども、そこでもう一度、私が何をさっき言ったかということを見てほしいんですよ。

 航空安全会議のところで言ったのは、二つ目は、先任客室乗務員の失念をカバーできなかった理由として、経験の少ない客室乗務員が多数を占める編成であったこと。従来の多数の経験者の中に少数の新人が生じる方式に比べ、お互いにカバーし合う余裕がなく、日常の業務の中で経験者から技術を教わるという機会を奪われていること。また、その偏った編成が導入された理由は主に労務対策であったこと。こういうふうにして指摘をし、さらに、契約制客室乗務員制度の導入以来、安全に対する教育訓練を削減しているということを指摘しているんですよ。だから、私、最初にそれを言ったんですよ。

 だから、そうなると、そういう問題意識から物事を見る必要があるんじゃないかと。ただ大丈夫ですと、それはJALが言うのはいいよ、勝手に言うのは。それを代弁せぬでもええと言っているわけですよ、私は。そういう問題について、念には念を入れて、しかもそういう最後の責任は負っているわけだから、我々が。そこを見ていただかないと、何か、大丈夫やさかいに任せておいてなというような話じゃだめだと言っているんですよ。そこだけわかってほしい。

 しかも、今、この問題は世界の大勢になってきているんですよ。これは、航空安全会議だとかそれから航空労組連絡会、こういうところがパンフレットを出しているのは、これはよく御承知だと思うんですね。こういう点でいいますと、航空機の安全運航を守るためにということで、保安要員としての任務と責任を果たせる客室乗務員をというのが今や世界の大勢になりつつあるということを指摘しています。私は、こういうことが大事じゃないかと思うんですね。今我々が、一つミスを見つけたときに、それをカバーするというだけじゃなくて、世界がどうなっているかと、先ほどもありましたよね、そういう角度から物を見る必要がある。

 例えば、アメリカではFAAが客室乗務員のライセンスの交付を開始している。そして航空機の運航では、客室乗務員の、非常用機材の熟知、緊急脱出の誘導などの訓練について、保安要員としての法的な規定がされている。こういうところまで踏み込んだ形を今私どもはこういう事件を契機にやる必要がある、そういう角度から私、物を言っているんですよね。だから、そういう点は新しい対応として、本当に安全に責任を持つという角度からすれば、世界の先進国がとっている安全に対するより重要な対策を打つ必要があるんじゃないか。そこはいかがですか。

岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、私どもも、客室乗務員が保安に対する重要な位置を占めているということについては認識を持っております。客室乗務員は、乗客に対する安全上の指示や説明、あるいはシートベルトの着用の要請、あるいは機内持ち込み手荷物の適切な収納、緊急避難に係る誘導、その他いろいろな形で客室乗務員が保安上重要な役割を果たしているということについては十分認識しているつもりでございます。だから、そういう方がきっちりその役割について訓練を受け、認識して、その役割をきっちり果たしていただくということは重要なことだろうと思っております。

 そういう意味で、今回派遣される客室乗務員につきましても、本当にこういう訓練を受けてきっちり業務をされているのかどうかというのは見てまいりたい、このように思っております。

穀田委員 最後に、そうはいうんだけれども、私、これ、将来試されると思うんですよ、五年、十年先というのは。やはり、御巣鷹山でああいう事故が起こった教訓は何かという問題が今多くの新聞、雑誌も含めて指摘しているように、大丈夫かということがあるから、念には念を入れてだと思うんです。

 しかも、私は最後に、この問題について第三番目に航空安全会議も指摘しているように、やはり根っこのところに、規制緩和によって激化する競争のための事業再編だとかコスト削減だとかリストラだとか安全軽視というのが大もとにある、ここにしっかりメスを入れないとだめなんだということだけ指摘をしておきたいと思います。

 終わります。

     ――――◇―――――

橘委員長 次に、内閣提出、都市鉄道等利便増進法案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣北側一雄君。

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 都市鉄道等利便増進法案

    〔本号末尾に掲載〕

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北側国務大臣 ただいま議題となりました都市鉄道等利便増進法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 我が国においては、三大都市圏その他政令指定都市を中心とした大都市圏が形成されており、その社会経済活動は我が国の活力の源泉となっております。その中で、我が国の都市鉄道は、世界に類を見ない規模及び頻度で利用されており、都市の社会経済活動を支える上で大きな役割を果たしております。

 都市鉄道については、これまで、増大する輸送需要への対応を主眼とした整備が多数の鉄道事業者によりそれぞれ進められてきた結果、そのネットワークは相当程度拡充されてまいりました。しかしながら、その反面、他の鉄道事業者の路線との接続の不備、混雑時間帯における速度の低下、駅とその周辺との一体的な整備の欠如といった質の面における課題がなお見られるとともに、近年の輸送需要の頭打ちによる投資の抑制、市街地の熟成による関係者の利害調整の困難化から、これらの課題に対応した都市鉄道等の整備が自発的に行われることは困難となっております。

 こうした状況を踏まえ、既存の都市鉄道施設を有効利用しつつ行う都市鉄道利便増進事業を円滑に実施し、あわせて交通結節機能の高度化を図るために必要な措置を定めることにより、都市鉄道等の利用者の利便を増進するための法律案をこのたび提案することとした次第でございます。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、国土交通大臣は、都市鉄道等の利用者の利便の増進を総合的かつ計画的に推進するための基本方針を定めることとしております。

 第二に、目的地到達までの時間の短縮を図るため、都市鉄道施設の整備主体及び営業主体が協議により作成した計画について、国土交通大臣がこれを認定する制度を創設するとともに、国土交通大臣の認定を受けた者は、この計画に従い、その事業を実施しなければならないこととしております。また、国土交通大臣の認定を受けたときは、鉄道事業法の許可または軌道法の特許とみなすといった法律の特例を設けております。

 第三に、交通結節機能の高度化を図るため、都道府県が組織する協議会において作成した計画について、国土交通大臣がこれを認定する制度を創設するとともに、認定を受けた計画において駅施設の整備等を行うこととされた者は、この計画に従い、当該駅施設の整備等を行わなければならないこととしております。また、国土交通大臣の認定を受けたときは、この計画に基づく都市計画決定手続の実施を義務づけるといった都市計画法の特例等を設けております。

 以上が、この法律案を提案する理由であります。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

橘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る四月六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十二分散会


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