衆議院

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第10号 平成17年4月15日(金曜日)

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平成十七年四月十五日(金曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 橘 康太郎君

   理事 衛藤征士郎君 理事 萩山 教嚴君

   理事 望月 義夫君 理事 山口 泰明君

   理事 阿久津幸彦君 理事 金田 誠一君

   理事 土肥 隆一君 理事 赤羽 一嘉君

      岩崎 忠夫君    江崎 鐵磨君

      江藤  拓君    木村 隆秀君

      河本 三郎君    佐藤  勉君

      櫻田 義孝君    菅  義偉君

      菅原 一秀君    高木  毅君

      武田 良太君    中馬 弘毅君

      寺田  稔君    西田  猛君

      葉梨 康弘君    林  幹雄君

      古川 禎久君    保坂  武君

      松野 博一君    森田  一君

      吉野 正芳君    菅  直人君

      下条 みつ君    田嶋  要君

      高木 義明君    玉置 一弥君

      樽井 良和君    中川  治君

      中野  譲君    長安  豊君

      伴野  豊君    松崎 哲久君

      三日月大造君    室井 邦彦君

      若井 康彦君    若泉 征三君

      赤松 正雄君    佐藤 茂樹君

      谷口 隆義君    穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国土交通副大臣      岩井 國臣君

   国土交通大臣政務官    岩崎 忠夫君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    木村 幸俊君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局次長)           高橋  満君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  矢部  哲君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  鬼頭 平三君

   政府参考人

   (国土交通省政策統括官) 春田  謙君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    石川 裕己君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十五日

 辞任         補欠選任

  高木  毅君     吉野 正芳君

  中野 正志君     菅  義偉君

  二階 俊博君     西田  猛君

  森田  一君     佐藤  勉君

  和田 隆志君     中野  譲君

  佐藤 茂樹君     赤松 正雄君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤  勉君     森田  一君

  菅  義偉君     中野 正志君

  西田  猛君     二階 俊博君

  吉野 正芳君     高木  毅君

  中野  譲君     田嶋  要君

  赤松 正雄君     佐藤 茂樹君

同日

 辞任         補欠選任

  田嶋  要君     和田 隆志君

    ―――――――――――――

四月十四日

 通訳案内業法及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六号)

 通訳案内業法及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)


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     ――――◇―――――

橘委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省海事局長矢部哲君、港湾局長鬼頭平三君、政策統括官春田謙君、海上保安庁長官石川裕己君、財務省関税局長木村幸俊君及び厚生労働省職業安定局次長高橋満君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。望月義夫君。

望月委員 おはようございます。

 きょうは港湾の関係でございますけれども、私は清水港を抱えました清水生まれの、お茶の香りのする望月でございますけれども、橘委員長におかれましては、よろしくひとつお願いしたいと思います。

 今回の港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案、いわゆる港湾活性化法に関する質問をさせていただきたいと思います。

 まず、私が市会議員だった二十五年ぐらい前の話なんですけれども、世界に冠たる神戸港、これはたしか世界第四位のコンテナの取り扱いだったと思います。当時、私は、神戸港を視察させていただいたりして、やはり日本一の神戸港のすごさを実感して、いつか私たちの静岡県の清水港もこの神戸港に負けないようなすばらしい港をつくりたい、そういうことを実感して、夢を抱いておりました。

 しかし、この神戸港が今や、世界で当時は四番目だった港が今は三十一番目である。コンテナの取り扱いが三十一番目に転落しているわけでございます。また、我が国発着の国際海上コンテナのかなりの量が釜山港経由で輸出入されている。これは、海外の港湾で積みかえられる、いわゆるトランシップ貨物の割合は、平成十五年度で約一六%に達したと言われております。

 こうした状況を踏まえて今回の改正法になるわけでございますけれども、実際に国際競争力の強化が今回の法改正で図られるかどうなのか、ここら辺についてまずお伺いをしたいと思います。

鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。

 これまでの我が国主要港における国際コンテナ埠頭の整備、運営につきましては、いわゆる埠頭公社方式、こういったものを中心としていましたために、その経営の形態につきましても、各外航船社、船会社ですが、外航船社が借り受ける形で、埠頭ごとに細分化をされたものになってございます。

 これに対しまして、近年急速にコンテナ取扱量を増加させております香港あるいはシンガポール港等のアジアの主要港におきましては、大規模な国際コンテナ埠頭を民間事業者に一体的に運用させることにより、設備投資あるいは埠頭の利用、そういったものの効率化を図るなど、規模の経済性を生かしながら国際競争力を高めているのが実態でございます。

 このため、我が国の特定国際コンテナ埠頭におきましても、同様な形で民間事業者による大規模な埠頭の一体的運営を実現することによりまして、機能の高度化を図り、港湾の国際競争力の向上を図ることにしたものでございます。

望月委員 ありがとうございました。

 次に、国際競争力の強化のために、指定特定重要港湾、いわゆるスーパー中枢港湾でございますけれども、この特定国際コンテナ埠頭の機能の高度化のみならず、国内物流全体の効率化に努めなくてはならないと考えますけれども、特に我が国の輸出入、そしてまた港湾関係手続は、港湾管理者、税関、検疫、出入国管理など、外国に比べて非常に煩雑になっていると余り評判が実はよくないんです。

 今のところ、今般FAL条約の批准に伴って、大変、電子化などによるシングルウインドー化、これが進められているところでございますけれども、ここで問題は、それ以外の手続、例えば接岸許可だとかタグボートの使用願だとか、こういった手続に関してもあわせて簡素化、合理化をこの際する必要があるのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。

鬼頭政府参考人 委員御指摘のとおり、FAL条約で求められる入出港届以外にも、港湾管理者に対して行われる手続、今お話のありました岸壁の使用許可あるいはタグボートの使用願等の手続がございます。こういった手続につきましても簡素化、画一化を図っていくことが、利用者の利便性の向上の観点から大変重要だというふうに私どもも認識をしてございます。

 したがいまして、今回のこの法改正にあわせまして、入出港届以外の手続についても、国において、港湾の利用者及び港湾管理者の意見も踏まえまして、モデル様式を作成いたしました。この様式の採用を今各港湾管理者に要請しているところでございます。こういう取り組みを通じまして、入出港届に限らず、港湾管理者に対して行われる手続全般について簡素化、画一化を図ってまいりたいと考えているところでございます。

望月委員 ところで、港湾の国際競争力の強化、こういうことだけではなく、港の発展のためには国内海事産業全体の底上げが大変必要だというふうに我々は痛感しておるわけでありますけれども、平成十三年の新総合物流施策大綱では、モーダルシフト化を二〇一〇年までに五〇%まで上げる、こういうことをうたっているわけであります。

 これが進んでいるかどうか、若干微妙な、どうなっているのかなという点もございますけれども、また、これによって、今環境問題がいろいろ言われているわけでありますけれども、CO2の排出削減にも大変効果がある、こういったことを言われております。まさに我が国も京都議定書が批准されたわけでありますけれども、これは大切な問題だと実は思っておりますけれども、どうも外国貿易のためのインフラ整備はおくれているように思うわけであります。

 また、例えば外貿ターミナルへの内航フィーダー船直づけなど、外貿コンテナ船と内貿コンテナ船の積みかえの円滑化、この辺が非常に時間がかかるので、どうしてもやはりモーダルシフト化から離れていってしまっているという状況が我々はうかがえるわけでありますけれども、より一層のモーダルシフト化が図られる、そういうことではないかなと思うわけでございますけれども、この点について国土交通省としてはどういう考えを持っているのか。

 若干、いろいろな方にお話を聞くと、思ったよりおくれているのではないかなという意見もあるし、大切だから何しろ一日も早くこういったものを進めていかなきゃならない、そういう意見もあるわけでございますけれども、その辺について国土交通省はどのように考えているか、お聞きしたいと思います。

春田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御質問をいただきましたモーダルシフトの関係、それから、いわゆる内航海運の活用ということが必要ではないかということでございます。

 国際物流全体の効率化、円滑化を進めていくということのためには、いわゆる拠点である港湾の整備とあわせまして、外航海運と国内のトラック輸送、あるいは今お話のありました内航海運、こういったものとの間でスピーディーで円滑な物流ネットワークの充実が必要ということは御指摘のとおりでございます。特に外航船と内航船の接続の円滑化を図ることは、環境問題との関係でも有効な施策であるというふうに考えております。

 国土交通省では、このモーダルシフトの関係も含めまして、実は、環境負荷の軽減に役に立つ物流効率化の取り組みを補助金で支援いたします、実証実験の補助制度というのを平成十四年度から運用しているところでございます。この実証実験におきましても、これは大手繊維メーカーの例でございますけれども、いわゆる陸上輸送を、トレーラーで行っておりました輸送というのを内航海運に転換いたしまして、神戸港の外貿コンテナバースに内航船を直づけするというようなことでモーダルシフトを実現したという事例がございます。

 また、本年度からは、外航に接続する内航フィーダー輸送の利用促進を図るために、スーパー中枢港湾におきまして、外航コンテナ船と内航コンテナ船の積みかえに要する時間の短縮、あるいはコスト低減にかかわる社会実験を実施するという予定にしております。この中で、外航コンテナ船、内航コンテナ船を外貿バースの中で積みかえたり、あるいは外貿バースと内貿バースの間の横持ちの円滑化を図るというようなことで取り組んでいくということを予定しておるところでございます。

 こういったことを通じまして、いわゆる内航海運の有効方策という観点も含めまして、スピーディーで円滑な物流ネットワークの形成に取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、モーダルシフト化率の五〇%の目標についてでございますが、二〇一〇年までの間に五〇%を超えるということで、このモーダルシフト化率というのは、いわゆる五百キロ以上の距離にわたりますところの雑貨輸送につきまして、鉄道であるとか海運であるとか、こういった輸送量をふやして、こういったもののウエートというのを五〇%まで持っていきたい、こういうことでございますが、実は最近の傾向は、先ほども御指摘がございましたが、特に長距離の雑貨輸送が、トラックによる輸送というものが非常に今ふえております。

 そういう意味で、海運あるいは鉄道の関係も、量的にはこの分野でふやしてはいるのでございますが、トータルの率といたしましては実は低下傾向にあるということで、この点につきましても、私ども、何でそういうところの実態が必ずしも率として大きく伸びるということに結びつかないかというようなところは十分分析をいたしまして、こういった取り組みがさらに進むように積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

望月委員 最近大変大きな地震が多発しておりますけれども、地震に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 先日の福岡県の西方沖地震でございますか、これは背後には博多港があるわけでございますけれども、港湾機能に大変支障が生じたと聞いております。そもそも、神戸港の相対的地位が低下した、先ほど私は神戸港の地位が低下したというお話をしましたけれども、この原因が阪神・淡路大震災であったということも、これは紛れもない事実であった、私はこのように思っております。

 阪神・淡路大震災の際に、港湾利用企業というのは一週間から一カ月の間にほぼ全面的に活動を再開しているわけなんですね。やはり民間というのは非常に早いなと私は思ったんです。しかしながら、神戸港全体の復興、公共でございますけれども、それについては約二年かかったと言われております。こういったことは、一日も早い復旧とともに、その間の港湾施設の被災情報の提供による国内の港湾間連携の強化を実は図っていただきたい。

 あのときには、急な出来事でございましたので、荷物が釜山とかそういったところへ移ってしまったわけでありますけれども、国外港湾への貨物のシフトを最小限に食いとめる等のソフトの面の対策、これはハード面の対策とあわせて進めるべきと考えておりますが、これについてどのように国土交通省は考えているか、お聞きしたいと思います。

 それから、時間がございませんので、いま一つ。

 東海大地震、私は静岡県の清水でございますので非常に関係があるわけでございますけれども、地震調査研究推進本部というところがございます。この調査の、最近新聞で発表されましたけれども、この三十年間に東海大地震が来るであろうという想定なんですけれども、大体八六%と伺っているんですね。三十年間に八六%の確率で来るなんて、ちょっと何か恐ろしい、どういうことか、我々もどういう研究の結果なのかよくわかりませんけれども、そういうふうに伺っております。

 そうなれば、先ほどから話していますけれども、私の地元の清水港を含む静岡県の港湾なども大打撃を受けるであろう、私はこのように心配をしているわけでありますけれども、今回は、地震とともに、皆さんテレビでごらんのように、津波対策も重要だな、そういうことを皆さんお考えになっていると思います。地震、そしてまた津波に対する港湾施設の設計方法等の見直しは今までとやはり違った見方をしていかなくてはならないのではないか、私はこのように思いますけれども、それについて国土交通省はどのようにお考えか、聞かせていただきたいと思います。

鬼頭政府参考人 二点、お尋ねがございました。

 まず第一点目のハードの対策とソフトの対策を一体的に進める重要性については、委員の御指摘のとおりだというふうに私どもも思っております。

 本年の三月二十二日に、交通政策審議会におきまして、地震に強い港湾のあり方についての答申を受けておりますが、この答申におきましてもその点が大変重要なポイントにされたところでございます。

 このうち、特に港湾機能の早期回復を図るための代替輸送に対する支援施策といたしまして、耐震強化岸壁の整備の推進といったハード対策にあわせまして、広域的に収集をした港湾施設の被災情報、さらに施設の利用可否情報、そういったものを利用者にできるだけ早く発信するシステムを構築するということや、隣接する港湾において利用可能な岸壁を相互利用するといった、港湾間の連携の強化などのソフト対策についても取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。

 また、二点目の地震や津波に対する港湾施設の設計方法の見直しについてでございますが、今後想定をされます地震や津波をシミュレーションいたしまして、港湾ごとの特性に応じた地震動や津波の波高を設定するなど、新しい知見も取り入れまして、設計法の見直しについて積極的に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

 御案内のように、港湾は、大規模地震時に住民の避難や地域の復興を支える拠点として、あるいは被災地域の経済活動を支えるネットワークの拠点として重要な役割を担っておりますので、今後とも必要な対策をしっかり推進してまいりたい、かように考えてございます。

望月委員 港については、我が国に外国から入ってくる物資の九九%は港を通ってくるわけでございまして、もう一度我が国のある立場という基本を考えると、いかに港湾というものが大切か、こういうことを私たちは認識していかなければならない。市民の生活と港というのは若干離れたところにございますので、どうしても公共事業というかそういうことを考えますとないがしろにされがちでございますけれども、私たち政治家がしっかりとそこのところを見ていかなくてはならないのではないかなというふうに思っておりますので、今後とも、しっかりとこの点については国土交通省も仕事をしていただきたいと思います。

 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

橘委員長 赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 本日は、二十分間という限られた時間でございますが、港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案について、法律案だけではなく、日本の港湾の国際競争力回復のために、限られた時間でございますが、少し議論をさせていただければというふうに思っております。

 私は、先ほど望月先生が言われた、あこがれていた神戸港がある神戸市の選出の議員でございますが、阪神・淡路大震災等々もありまして、物流自体が大変激減をして、かつては世界に冠たる神戸港というわけでありましたが、先ほど御紹介にありましたように、コンテナ取扱量は世界の三十位程度まで落ち込んでしまっている、こういった状況でございます。

 こういったことは神戸だけではなく日本港湾全体的な問題ということで、国土交通省を挙げて、スーパー中枢港湾というものを設定してハブ港湾化をしていくという大変なお取り組みをされているということは、私は大変すばらしいことだというふうに思っております。どうしてもこういった議論は、メーンポートを強くするのか、全国のローカルポートを底上げするのか、こういう論争が多分役所の中にもあると思いますし、こういった議論をすると必ず地方からは地方切り捨てはしないでくれといった声が出ると思いますが、ひとまずは、本当に国際競争力を有するアジアの各ハブ港に負けないような日本のスーパー中枢港湾をつくっていくんだ、こういった決意でぜひ臨んでいただきたいということをまず申し上げさせていただきたいというふうに思っております。

 このスーパー中枢港湾、大きな目標があるというふうに私は伺っております。一つは、やはり日本の港湾はコストが高い、このような指摘があって、アジアの国際港湾並みに今のコストから三割下げるといったことが一つ。もう一つは、リードタイムで三日から四日かかる今の状況を一日程度に減ずる。この大きな二本柱の中でスーパー中枢港湾を機能化させていくというお取り組みだというふうに伺っております。

 まずコストの話でございますけれども、どうも港湾関係の方たちにいろいろ話を聞いておりますと、コストには三つあると。一つは荷物のおろしですね、荷役関係のところ。また、もう一つは水先案内人とか、二つはポートチャージということになると思うんですが、それ以外に関係者の皆さんに話を聞いて一様に言うのは、要するにそれじゃなくて下物、下物というか上物というか、そもそも埠頭公社から借りているチャージ自体が大変高いものとなっていると。

 ですから彼らは、多くの方が言うのは、スーパー中枢港湾と名づける以上、例えば岸壁ですとか背後用地なんかの下物施設に国費の重点的な投入をするべきだ、そうしなければ本当の意味でのコストの三割減というのはなかなか実現できないと。ざっくばらんに言うと、国は金も出さずに港湾関係者に汗をかかせてコストを下げるというのは余りにも都合がいいんじゃないかと。ですから、国費、国主体のコスト低減策にもっと取り組むべきではないか、こういった指摘があることは国土交通省にも届いていると思います。

 今回の法改正で、民間の埠頭運営者が上物の整備を行う場合には八割の無利子貸し付けを行う制度というのを設けるというようなこともありますけれども、先ほど申し上げました港湾関係者の、もっと下物にも国費を投入するべきだといった意見も踏まえて、どのようにお考えを持ち、どのように取り組んでいくのかということを局長から御答弁いただければと思います。

鬼頭政府参考人 お答えをいたします。

 今委員からお話のありましたように、国、管理者、あるいはそこで活動をされる民間の事業者、それぞれが、今回のスーパー中枢港湾を国際競争力の高いものにするためにしっかりと協力をしてやっていくということが必要であります。

 そういう意味で、私ども国の方でも、例えば十七年度予算につきましては、スーパー中枢港湾関連のプロジェクトについては、大変厳しい予算の中ではありますが、前年度を二割上回る予算を張りつけているということでございますし、今回の法律によりまして、国が直接整備をした施設について民間の運営者に直接貸し付けられるような制度も設けたいというふうに思っておりまして、そういう意味で、できるだけ国としても、今申し上げたような形でこれからも支援を拡充していきたいというふうに考えております。

赤羽委員 今回のスーパー中枢港湾、阪神港の中に例えば大阪の夢洲は新しいバースをつくられる、こういった場合と、神戸のように既存の埠頭公社のターミナルをメガ化するというか、こういったパターンがあると思いますが、既存の埠頭に対する支援策というのはどのように考えていくのか。いかがでしょうか。

鬼頭政府参考人 それぞれのターミナルの支援策につきましては、その施設が整備された時点で若干違いがございます。

 そういう意味で、今回、今委員の方からお話のありました夢洲のC―12番という新しく施設整備するコンテナターミナルにつきましては、今回の新しい方式を取り入れる。さらに、国費を投入するヤードの奥行きについても少し幅広くとれるような形で支援を拡充しているということでございます。

 一方、神戸につきましては、既に整備をされた施設でもございますが、先ほどちょっとお話のありました、そこで実際に民間の方々がいろいろ活動する際に必要になるいろいろな機器等につきましては今回の無利子の貸し付けの対象にして、できるだけそういう方々の経営がうまくいくように考えているということでございます。

赤羽委員 ですから、局長、私が聞きたいのは、新しいものをつくる場合には、下物には国直轄の公共事業というか、そういう手法を取り入れられる。しかし、今はもうある施設だからということで既存の埠頭にはそういったものはされないがゆえに、現状の、例えばレンタルフィーというのかな、使用料が高い。それを下げさせろと言ってもなかなか、港湾管理者の方の財政状況なんかもあって、おのずと限界がある。そこに国費の投入云々というような新しいスキームは考えられないのかということについては検討されるのかどうか、どのように整理されるのかということを聞かせていただきたいと思うんです。

鬼頭政府参考人 既存のターミナルも含めて全体をどうしていくかという話について、例えば今回考えております特定国際コンテナ埠頭でありますと、言ってみれば、いろいろな形のターミナルを一括して民間にお貸しするという中で、民間の方々にとって今までよりもプラスになるような形のリース料といいましょうか、そういう形になるように我々も努力をするということだと思います。

 さらに、神戸の場合も大阪の場合も、埠頭公社からリースをしているターミナルがその一部に含まれています。そういう意味で、埠頭公社からのリース料についても低減できる方策がないかどうか、そういうことについて、これから我々としてもしっかりと考えていきたいというふうに思っております。

赤羽委員 当然、財政当局との折衝というのは大きなハードルがあるのはよく承知しておりますが、せっかく国策としてスーパー中枢港湾をつくるんだと言った以上、やはりそれなりの国費を投入できるようなスキームをぜひ考えていただきたいというのがお願いでございます。

 次の質問に移りますが、港湾の荷役作業については、現在既に三百六十四日二十四時間フルオープン化といったものがされているわけでありますけれども、これも、港湾荷役業者だけが一生懸命やっていても、現実には税関ですとか検疫といった関係省庁がフルオープン化されているわけじゃないし、また、コンテナターミナルから搬出入を行う陸送事業者も、本当は夜来て搬出搬入をしたいという要望が強いと思いますが、これもフルオープン化されているわけではない。

 ですから、せっかくアジア諸国と同じような条件で三百六十四日二十四時間稼働しようという、そういったものが実効性を高めるために、今言いました、税関や検疫といった関係省庁とかを含めたゲートのフルオープン化、こういったものをどのように進めていくお考えか、御答弁をいただきたいと思います。

鬼頭政府参考人 お答えをいたします。

 ターミナルのフルオープン化についてのお尋ねでございますが、今委員から御指摘もございましたように、平成十三年の十一月に、一月一日を除き三百六十四日二十四時間ターミナル内の荷役作業を実施することにつきまして港運の労使間が合意をいたしまして、港湾荷役の二十四時間フルオープン化が実現をされたところでございます。

 一方、今お話のありましたゲートのオープンにつきましては、夜間の利用がやはり昼間に比べて少ないということもございまして、職員を常時配置することによるコスト面の負担、そういった問題もございまして、現在は八時半から二十時のゲートオープンが現状になっているということでございます。

 しかしながら、荷主の御要望、夜間の需要があるゲートにつきましては、個別の港運労使の合意によりましてフルオープン化に向けた実証実験的な取り組みが、例えば横浜港の南本牧ターミナルでは行われているところでありまして、国土交通省といたしましても、より一層使いやすい港づくりを目指しまして、こういった荷主のニーズを踏まえて、関係行政機関とも連携をしまして、ゲートの二十四時間フルオープンの実現に向けて今後とも努力していきたいというふうに思っております。

赤羽委員 スーパー中枢港湾というのは、ある意味で一つの特区だというふうに思っておりますし、この特区で、そういった二十四時間のゲートのフルオープン、また役所の二十四時間作動というのを、特別区として一日も早く実現できるように強力な指導性を発揮していただきたいとお願いするところでございます。

 次に移ります。

 今回、港湾運送事業について、地方港における規制緩和がされるわけでございますけれども、これについていろいろな御意見や御心配、御懸念の声も聞こえるわけでございます。

 主要港について平成十二年からもう既に規制緩和が実施をされているわけでございますが、この約五年、メーンの九港における規制緩和の実態、またその評価についてどのように認識をされているのか、海事局長から御答弁いただければと思います。

矢部政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま、先行実施いたしました主要九港の規制緩和の効果についてお尋ねがございました。

 港湾運送事業は、日々の業務量の波動性が大変大きいこと、それから労働供給事業的な性格を有すること、そのような特性がございまして、過去におきまして、暴力的な労務手配師などの大変悪質な事業者の参入や、あるいは零細事業者の乱立など、大変大きな混乱の歴史を経験いたしました。

 これを踏まえまして、事業の参入につきましては需給調整規制に基づく免許制、運賃・料金につきましては認可制が導入されたところでございますが、このような従来の規制につきましては、港湾運送に関する秩序の確立や港湾の安定化に大変大きな効果を発揮してきたところでございますけれども、他方で、硬直的な料金や、夜間荷役が行われないといったサービスの質の問題などが指摘されるようになりましたので、国際競争力強化の観点から、平成十二年に主要九港につきまして先行的に規制緩和が実施されたところでございます。

 その規制緩和の効果といたしましては、まず一つ目に、新規参入や利用者のニーズに対応した運賃・料金の設定が着実に行われてきております。事業者の間の競争が促進されつつあるということでございます。それから二つ目には、平成十三年十一月の港運労使の合意によりまして、港湾荷役の作業の三百六十四日二十四時間フルオープン化が実現をいたしました。また、三つ目といたしまして、港湾運送事業者の作業の共同化やターミナルオペレーター業への展開が進むなど、事業の拡大が進んでおります。

 また、このような効果をもとに、船社や荷主、港湾管理者に対して行ったアンケートにおきましても、サービスの向上や港の活性化があったという一定の効果を評価する意見が挙げられているところでございます。

 このようなことを受けまして、今回の港湾運送事業法の改正は、主要九港とともに国際海上輸送の一翼を担い、また製造業など地域産業を支える物流拠点といたしまして、さらに地域の生活物資の輸送拠点としても大変重要な役割を果たしております地方港におきましても、港湾の活性化を図り、それによって地域の活性化や産業競争力の強化が図られることを期待いたしまして、主要九港と同様に需給調整規制の廃止などの規制緩和を実施いたしまして、事業者間の競争の促進を通じた港湾運送事業の効率化と多様なサービスの提供を実現しようとするものでございます。

赤羽委員 ぜひ、規制緩和というのはどうしても表と裏というか光と影の部分がありますし、往々にして経済が停滞しているところではその影の部分が出やすいので、地方と主要九港の地域経済というのは実態はかなり違うと思いますので、よくよく配慮していただきたいとお願いしたいと思います。

 最後の質問でございますが、今回のスーパー中枢港湾の制定に伴いまして、特に阪神港では、要するに大阪の夢洲と神戸のポーアイのところと二カ所指定された、こういったこともあって、関経連からも、大臣よく御存じだと思いますが、上下分離方式を採用して、個別自治体から独立して一体的な管理運営を行う一つのポートオーソリティーの設立を検討することをお願いしたい、こういった御要望も大臣のところに出されているというふうに認識しております。

 ワンポートオーソリティーというのは非常に効率化でいいということは私もかねてから言っておりますけれども、現実には、日本では埠頭公社があり港湾管理者があり、そして今回、ターミナルオペレーターというそれぞれの会社がある。この三者の役割をどのように整理した上で一体的な管理運営を行うかといったことを言わないと、ワンポートオーソリティーという言葉だけが先行して、なかなかどういったものができ上がるのかなといったものが私自身も余りよく理解ができていないわけでございます。

 例えば、香港とかシンガポールも釜山もそうでしょうけれども、オペレート自体は一つの民間会社、香港ではハチソンとかがやるような、そんなようなイメージになるのかどうか、こういったこと、多分検討中であると思いますけれども、国土交通省としてのお考えを聞かせていただきまして、私の質問を終わりにさせていただきます。

北側国務大臣 今赤羽委員のおっしゃったことは非常に重要な課題であると認識をしております。

 今、国交省の中でも、これは歴史的な経緯があるわけでございますけれども、今御指摘のあった点につきましては議論をしておるところでございます。いずれにいたしましても、港、港で全く独立して港湾の運営がなされているということではもうだめなわけでございます、特にスーパー中枢港湾においては。

 そういう意味で、京浜港であれ、それから名古屋、四日市の港であれ、また阪神港であれ、スーパー中枢港湾ではございませんが、北九州、福岡においても同様でございます。やはり隣接する各港の連携をしっかり強化していくということが非常に大事なことであると考えておるところでございます。

 今回の港湾法の改正におきましては、今の趣旨で、特定国際コンテナ埠頭の機能の高度化を図るために、港湾管理者それから関係行政機関、認定運営者等の関係者による取り組みを確保するために、「特定国際コンテナ埠頭機能高度化協議会を組織することができる。」というふうにさせていただいたところでございます。

 大阪港と神戸港も隣同士の港であるわけでございますが、それぞれ持ち味がございます。たしか、大阪港の方はアジアからの輸入が非常に多い、神戸港の方は比較的欧米からの長距離の輸送が多いというような特性もございます。こうした港、港の役割、特性というものを、よく連携しながら、お互いのよさを発揮し合っていくというようなことが非常に大事であると思っております。

 そうした隣接する港の一体的な利用を促進するために、入港料のインセンティブ、例えば、神戸港の方に入った船については大阪港を利用する場合は安くなるというふうな仕組みだとか、それから、大阪港また神戸港の情報の共有化を、一元化を図っていくだとか、こうしたことも議論をしているところでございまして、いずれにしましても、さらなる港湾の国際競争力の強化のためには広域連携による取り組みが不可欠と考えているところでございまして、重要な課題ということでしっかりと取り組みをさせていただきたいと思っております。

赤羽委員 いずれにせよ、関係の現実という難しい問題があることはよく承知しておりますが、それぞれが結果的に総合的なメリットが出るような新しい仕組みを北側国土交通大臣の強力な指導性のもとでつくり出していただきますことをお願いしまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

橘委員長 松崎哲久君。

松崎(哲)委員 民主党の松崎哲久でございます。大臣、よろしくお願いします。

 国土交通省というのは、生活に大変密着しつつ森羅万象を扱う大変重要な政策分野だというふうに思っているわけでございますが、私、一昨年から一年半この国土交通委員を務めさせていただきまして、実に一本一本の法律の審議に毎日毎日追われているという実感がいたしておるんですが、そうやって過ごしておりますと、実は国土交通行政あるいは国土のグランドデザイン、総合交通体系、その全体像をややもすると見失ってしまうんじゃないか、そういうおそれを抱きながらいつもこの国土交通委員会に参加しているというふうに思っております。

 この改正案につきましては賛成の立場で御質問させていただきたいと思っておりますけれども、御承知のように、民主党は次期の政権を担うその準備をしている政党でございますので、日本の国際物流というものについていかなる歴史的視点を持っているかということが、この質問の中身からも問われることになるという自覚を持って質問させていただきたい、こう思っております。

 明治の近代化以来、日本は海洋国家である、このように、常識のように我々は思ってきたわけでございますけれども、私自身、選挙区は内陸にある者ですが、当選して、国土交通委員を拝命いたしましてその審議に参加させていただいて、昨年ですが、国際物流についての、特に海上運送についてのデータを見て愕然としたことがございます。

 それは、もう委員の先生方皆さん御承知のとおりでございますが、一九八〇年と二〇〇三年とを比較して、先ほど望月委員の御質問にもありましたけれども、アジアの主要港に比べて日本の主要港が相対的に位置が低下しているというデータがあるわけですね。

 例えば、先ほど神戸のお話がございましたが、神戸が八〇年に百四十五万TEUであったものが、二〇〇三年では百九十九万TEU、一・四倍にすぎないわけでございますね。それに対して、一番大きいのがシンガポールです。シンガポールは八〇年が九十一万TEU、神戸よりも少なかった。このシンガポールが実に千八百十万TEUということで、十九・七倍にもなっているということでございます。シンガポールが一番大きいわけですけれども、次が釜山ですね。韓国の釜山、八〇年は六十三万TEUであったものが二〇〇三年は千三十六万TEU、十六・四倍ですね。

 その他、香港、高雄等、十倍以上の、高雄は九倍ですか、十倍以上の伸びを示しているのに対して、日本は、神戸の一・四倍というのはもちろん阪神・淡路大震災の影響等々いろいろあるとは思いますけれども、例えば東京で五・二倍、横浜港で三・四倍というように、伸びてはいるものの国際的な位置づけというのが非常に低下しているという、私は、このデータを昨年見まして愕然といたしました。

 まず、大臣に伺いたいんですけれども、この原因ですね、なぜこういうことになっているのかということについて、御見解を承りたいというように思います。

北側国務大臣 今、松崎委員の方から具体的な都市の名前を挙げていただきまして、急速に伸びている都市というのは、すべてこれは東アジアの港でございます。やはり東アジアの、中国を中心といたしまして経済の発展、極めて急速な経済成長をしている、それが一つもちろんあると思います。さらには、それと関連いたしますが、我が国の製造業がそうした東アジアに海外移転をどんどんしているということもあります。

 そして、最も私どもが課題視しなけりゃいけないと思っておりますのは、日本の港湾におけるコストそれからリードタイム、これは、ともに非常に、そうした東アジアの急速に伸びている港に比べますと、コストの面では高い、時間の面では時間が長くかかる、こうした課題を抱えているわけでございます。

 具体的に申し上げますと、リードタイム、これは船舶が入港してから貨物が港から出ることが可能になるまでの期間でございますけれども、シンガポールでは一日以内で貨物が外に出るわけでございますが、日本では、平均でございますけれども、三日程度かかっておる。それから、港湾コストにつきましては、高雄や釜山の方が三割から四割安いというのが今の現状でございまして、ここのところをしっかり打開していかないといけない、これが急務であるというふうに考えております。

松崎(哲)委員 今大臣御答弁いただきましたように、まさにこの問題、リードタイムの問題それからコストの問題、これが今回の法改正の一つの眼目であるというふうに私も認識しているわけでございますが、東アジア諸国の経済成長、それから、日本の製造業が海外移転、特に東アジア地域に移転しているという、この問題が背景にある。十数倍対一けたとの大きな違いというのはこれが大きいのかなとももちろん思いますけれども、港湾にも今大臣がおっしゃったような問題点があるわけですから、それを喫緊の課題として改めるということは、まさしく時宜を得たことだと思います。

 ですから、私どもは基本的にこの法案は賛成の立場でございますが、ただ、この法改正がなぜ今なのかということを実は問題にさせていただきたいというふうに思うわけですね。二十年間の間にこの大きな開きというのがわかったのは何もこの数年の問題ではないわけですから、もう少し早く対策が打てなかったものだろうかという、これが問題意識の一つ。

 もう一つは、港湾サービスの問題、リードタイムそれからコストの問題というのは、やはり日本の港湾行政といいますか、従来持っていた港湾政策そのものに内在する問題があったのではないか、こう考えるわけですが、それが今転換しようということですから、これはもちろん賛成なんですが、転換のきっかけ、いつを、どういうことをきっかけとして転換しなければいけないという認識を国土交通省の方で持たれたのか、これを次に伺いたいと思います。

鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。

 経済のグローバル化に対応した国際物流拠点、こういったものを形成するために、これまでも東京湾、大阪湾、伊勢湾あるいは北部九州という四つの地域において中枢国際港湾というのを位置づけまして、そういったものを中心に、コンテナ港湾の機能向上を図るためのいろいろな施策を私どもも講じてきてございます。

 ただ、今大臣の方からも御答弁申し上げましたように、近隣アジア諸港の近年の躍進、これによりまして、我が国のコンテナ港湾の相対的な地位の低下になかなか歯どめがかからないというところが実態ではないかというふうに思ってございます。

 したがいまして、今回、コンテナ埠頭運営の大規模化あるいは統合化、あるいは公設民営方式の導入、そういったものを通じまして我が国の港湾の国際競争力を抜本的に強化しよう、そういうことで、スーパー中枢港湾を育成するという政策をとることにしたものでございます。

松崎(哲)委員 今、ここの委員は、数を数えますと十対九で民主党の方が多いということでございますので、緊急動議で採決をしようかというふうに今話をしておりますが、残念ながら私ども賛成の立場なものですから、ではどうしようかと迷っております。理事の方で御協議をいただいているようでございますが、とりあえず、民主党としての判断が出ますまで、私は質問を続けさせていただきます。

 私が一つ問題にしておりますのは、日本の港湾の管理者は都道府県が主体であるというふうに承っているわけですね。それが、先ほど赤羽委員の方からもお話がございましたが、国としての集中投資をするということが、どうしてもそのこととのかかわりでできてこなかった側面があるのではないかというふうに考えているわけです。それに対して韓国ですね。釜山港の非常に大きな発展があるわけですが、韓国は港湾管理者が国だというふうに承っておりますが、それがやはり集中投資をして港湾のサービスを向上させるという結果につながっているのではないか。

 日本は、戦後、二十五年ですか、港湾法で、アメリカのポートオーソリティーに倣う形で自治体を管理者にしたんだというふうに伺っているんですが、それでは戦前はどうだったんでしょうか。港湾のあり方というようなことで、戦前はどうだったんでしょうか。

鬼頭政府参考人 ただいまの私ども港湾行政のよりどころとなります港湾法につきましては昭和二十五年に制定をされておりますが、今、戦前はどうだったかというお尋ねでございますが、現行の港湾法が制定される以前につきましてはそういった法制度は整備をされておりませんで、勅令とか訓令、そういったものが直接の根拠になってございました。

 港湾の経営主体につきましても、国が直接経営する第一種重要港湾、地方が経営する第二種重要港湾、それとその他私有港、そういった形に分かれておりまして、また、多くの省庁が港湾行政に関与をするということで、港湾の管理運営について統一性が必ずしも十分とれていたものにはなっていなかったようでございます。

松崎(哲)委員 韓国の釜山は今現在国の管理かということを追加して伺いたいのと、戦前の釜山というのはどうだったか、もしおわかりになればお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

鬼頭政府参考人 ちょっと戦前の行政の形態まで私今存じ上げませんが、ただ、釜山については、今委員御指摘の、国が整備、運営をしていたことがございましたが、今はむしろ公団という形で、国の財産を公団に移管をして、言ってみればそういう形の運営がなされているというふうに承知しております。

松崎(哲)委員 私の趣旨は、地方自治体ではないということですから、国から公団ということで同じだと思うのですが、実は、昭和二十五年の港湾法の制定の経緯、その辺について伺えればと思うのです。

鬼頭政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど戦前の話について少し御説明をさせていただきましたが、なかなか経営主体自身についてもはっきりしていないということ、あるいは行政も統一性がとれていない、そういった反省から、港湾行政の基本となる法制度を整備して港湾の管理運営を一元化するということになりまして、昭和二十四年にGHQの指令が出まして、それを踏まえまして、先ほど申し上げました昭和二十五年、翌年でございますが、港湾法が制定をされています。

 この際に、地方自治の尊重に十分配慮するという観点から、地方公共団体あるいは港務局を港湾管理者とする港湾管理者制度がこの港湾法の中に盛り込まれてございます。したがいまして、地方公共団体等に港湾の管理運営が一元的にゆだねられることになったという経緯でございます。

松崎(哲)委員 私が今この質問で申し上げたいのは、GHQの指令というお言葉が出てまいりましたが、結局、米国による占領行政期に、米国が非常に地方自治を重んずる立場から、その制度に倣って日本のそれまでの制度というのをいろいろ改革されたわけですね。例えば警察なんかについても自治体警察であったわけでございますが、いろいろな問題がその後指摘されまして、日本の独立が回復された後に、自治体に任せたものを再び、例えば警察なんかの場合には国という形に、国家公安委員会ということですけれども、占領行政の見直しという作業をやっているわけですね。

 ところが、どうもこの港湾法につきましては、それが、個々の改正はもちろんあるのはわかっておりますけれども、基本的に港湾管理者を自治体を中心にするというところは改められていないわけでございます。そのことが、一方、同じ日本の行政下にあった今の韓国の釜山港については、国が管理して、そして公団になって、集中投資をして今の釜山港ができ上がっているということと比べますと、どうしてもそこで戦後の、戦後といいますか占領行政の見直し以降の、これは自民党政権の仕事になるわけですが、そこがどうも適切に改められてこなかったのではないか、そういう問題意識を持っているということを申し上げたかったわけです。

 ですから、おくればせながらではありますけれども、この法案が改正されて、スーパー中枢港湾という形で高機能に整備されていくということはもちろん歓迎をしているわけでございますが、その辺の視点というのを、やはり国がやるべきことは国がやる、地方自治体がやって効果的であり、よりよいものは地方自治体がやるという、その辺の切り分けをまたきちんとしていかなければいけないのではないかな、そういう意味で考えているわけでございます。

 それから、もう一つ、この港湾行政ということについてぜひお話をしておきたいのは、例えば今回は、特定重要港湾のうち指定特定重要港湾というのを指定するという形で、実際は去年の七月に指定されたスーパー中枢港湾が今回の港湾法改正による指定特定重要港湾になるというふうに私は理解しているのですが、これは、その分野の方には当然おわかりのことであっても、一般的にはなかなかなじめない。

 特定重要港湾が今二十三、それを含んで重要港湾が百二十八、地方港湾が九百五十三、港湾法上はあるわけですね。それに対して、例えば港湾運送事業法によれば、特定港湾九、それ以外八十五が一般港湾ですか、こういう言い方をする。これは、特定港湾の九を主要港湾と、イコールなんでしょうか、言うんでしょうか。それから、特定港湾に指定されなかった残りを地方港という言い方もある。

 そうすると、この地方港は港湾法上で言う地方港湾とは全然違って、港湾法上で言えばむしろ重要港湾に類別されるものを運送事業法上は地方港という言い方をする。ですから、一般人の感覚でいいますと、地方港、地方港湾、たった一字の違いなんですけれども、実は指している概念が行政上は全く違うということになりますね。

 そのことについて御見解があればぜひ伺いたいのですけれども、いかがでございましょう。

鬼頭政府参考人 今委員がお話しになりましたように、港湾法で言う港の格、港格と言っていますが、そういうものと、港湾運送事業法あるいは港則法による港の分類、そういうものが違うのは事実でございますが、それぞれの法律、それぞれ目的に従ってそういう分類をしているということで、今のところはそれぞれ使い分けているということでございます。

松崎(哲)委員 もちろんそうなんだとは思いますが、似たような言葉で、一字違いで違うところを指しているということがあるとやはり混乱をする。法律というのは、専門の方がわかっていればいいだけじゃなくて、やはり広く一般国民、全く一般かどうかは別として、少なくとも関心を持って勉強し始めたら、まず地方港とはどこを指して、地方港湾とはどっちだか、こんがらがっちゃうようなことがあってはならない。

 これは別に国土交通省だけの問題ではもちろんないと思いますし、さらに言えば、これは実は関税局さんの方でかかわってくるんですけれども、同じものを別の、開港、不開港というような言い方を、似たような港湾をそういう類別をされている。それぞれの行政、それぞれの法律に従って必要だというのはわかるのですが、やはり法律全般をいろいろな意味で見直していっていただくこともいずれは必要なのかなと市民の立場で思っておりますので、御留意をいただければというふうに思います。

 質問を続けますが、先ほどは、日本の港湾の相体的地位が低下した、東アジア諸国の経済発展、それから、日本のそういう地域への製造業の移転等々があるということもありますが、ここに、日本を発着する、釜山港へ行く貨物、それから釜山港を経由して他の地域へ運ばれる貨物のデータというのがあるわけですね。釜山港を経由するだけのものはトランシップ貨物というのだと思いますが、それが、九九年から〇二年、たった三年で二十二万TEUから五十七万TEUに伸びているというふうに、これは国土交通省さんから今回の法案の審議に当たってお示しいただいた資料の中にあるわけです。

 この三年ではなくてもう少し経年的に扱ってみたい、検討してみたいと思いまして、最初はこの韓国のデータ、その前はないんですということだったんですが、国土交通省さんの方で別に資料をとっていらっしゃって、これは御省のコンテナ貨物流動調査というのによりますと、我が国を発着する海上コンテナのうちの韓国をトランシップする貨物が、十月の一カ月を平成五年、十年、十五年というふうに調査されたそうですが、平成五年では、これは重量ベースですが二万トン、平成五年には二万トンだったものが十年には二十二万トン、十倍、さらには、十五年には八十三万トン、四十倍と激増しているわけですね。

 そうすると、これは、日本の港から貨物を積み出しているわけですが、結局は韓国の釜山をハブ港として使っているというような状況になっているわけですね。この原因は恐らく、先ほど大臣からお答えがありました、日本の港湾サービスのコストそれからリードタイムという問題だと思います。ですから、これを今回の法改正に基づいて改善していく。

 例えばリードタイムを一日にするというお話なんですが、これが本当に可能なのか。可能であれば何がどういうふうに、御省からいただいた説明資料に、これはもとは財務省さんの方の資料だと思うんですが、時間で書いてありますね。何がそれだけ、今二・八日と言われるものを一日にできるのか、これについて御説明をいただきたいと思うんです。

鬼頭政府参考人 お答えをいたします。

 今リードタイムのお話がありまして、昨年のデータで二・八日、コンテナだけにしますと二・四日という数字だったと記憶しておりますが、先ほどの別の御質問者の方に対してのお答えにもありましたように、やはりゲートオープンも含めて二十四時間フルオープンをきっちり確立をするということ。あるいは、まだ港湾の中でのいろいろな手続がペーパーで行われている部分が相当ございます。特に、中小の事業者の方の多い港湾はそういうところがあります。そういうものをIT化をすることによって、手続をスムーズにする。そういうことによってリードタイムをできるだけ短くする、それも目標としては一日に置いている、そういうことでございます。

松崎(哲)委員 その二・八日、このデータが財務省関税局の出典のデータでございますので、関税局長さんにいらしていただいておりますので、関税局の方に伺いたいんです。

 この御省の輸入手続の所要時間調査によりますと、税関での所要時間が平成三年二月時点で二十六・一時間、それが平成十六年三月では四・三時間に短縮されているわけですね。劇的に短縮されている。一日以上かかっていたものが四・三時間になった、これは平均の数字ですけれども。これは、何の要因でこれほど劇的に減少したのかということについて承りたいと思います。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 財務省税関におきましては、従来から、適正な通関を確保しつつ通関手続の迅速化を図っていくということで、まず通関情報処理システム、NACCSと言われておりますけれども、それを導入し、さらにその利用可能地域を拡大していく、そういうことを通じまして税関手続の電子化を推進する、これが第一でございます。

 それから、貨物の到着前に必要な書類審査等を終了させてしまう、そうしますと申告にかかる時間が短縮できますので、そういった予備審査制を導入し、さらに、その予備審査制を前提といたしまして、保税地域に貨物を搬入する前に輸入を許可する到着即時輸入許可制度というのも導入しております。

 さらには、納税申告の前に貨物の引き取りができる。通常の場合ですと、税関の場合は、納税していただいてそれから輸入許可となるわけでございますが、それを切り離しまして、そういった簡易申告制度というのも導入いたしまして、そういった措置を講じてきているところでございます。

 これらの措置によりまして、今委員からお話がありましたように、輸入申告から許可まで、税関における手続の所要時間が大幅に短縮することができたものと考えております。

松崎(哲)委員 続いて関税局長さんに伺いたいんですが、そうしますと、今平均で四・三時間になっているものが、今後これをさらに短縮していく見込みというのはいかがでございましょう。

木村政府参考人 議員よく御承知のとおり、現在、国際物流というのは非常に高度化しておりまして、それに対応いたしまして、物流の促進の要請というのは非常に強いものがございます。私どもといたしまして、それにこたえるために、引き続き通関手続の迅速化に取り組んでいきたいと考えております。

 ただ、同時に、通関に際しましては、セキュリティー、特に九・一一以降、同時多発テロ以降、セキュリティーに対する要請が非常に強まってきておりますので、そういった要請にもこたえていく必要がございます。したがいまして、申告から許可までの平均的な所要時間がさらにどの程度短縮できるかというのは、現在、少なくとも一概にはなかなか申し上げにくいという状況でございます。

松崎(哲)委員 お答えにくいと思うんですが、この調査によりますと、例えば入港から搬入までの時間が、四十七・六時間だったものが二十六時間、平成三年から十六年ですね。それから搬入から申告までが、九十四・四時間だったものが三十六・八時間というふうに、既に大幅に短縮されておりまして、グラフを見ますと短縮度が低減しているわけですね。最初のうちはうんと短縮されたけれども、最近はなかなか短縮されない、こういうグラフの形状が見えるわけです。

 そうすると、もちろん私は、リードタイム、シンガポール並みに一日になった方がいいと思いますけれども、一日という目標はなかなか、本当に達成できるのかなという心配をいたしておりますので、ぜひこれは、実は、搬入から申告までどういうものがあってというようなのはなかなかおわかりになりにくいように伺っておりますので、もしお答えいただけるのならお答えいただいてもいいんですが、そうでなければよくいろいろその実態を調査していただいて、短縮できるところをなるべく短縮していただきたいというように考えております。お答えいただけますか。

木村政府参考人 先ほど申しましたように、私どもの直接の仕事でございます税関手続というのは、まさに申告から許可までのところでございます。今お話ありました搬入から申告というところにつきましては、本来私どものものではないかもしれませんが、私どもといたしまして、この所要時間調査をやっております観点からお答えさせていただきたいと思います。

 輸入貨物の流れを見ますと、これは釈迦に説法かもしれませんが、まず、船舶が入港し、接岸する。それで、コンテナ等が船舶からコンテナヤードへ取りおろされるわけでございます。コンテナヤードは保税地域となっておりますが、その保税地域におきましては、どんな貨物が搬入されて、どんな貨物が搬出されたかを記帳することになっております。輸入申告は、原則として保税地域への搬入後に行うことになっております。

 所要時間調査におきましては、保税地域における搬入の記帳の時点と、輸入申告が行われた時点を把握することによって、今お話のありました搬入から申告までの所要時間を計測するということが調査の中身でございます。

松崎(哲)委員 私の質問の趣旨は、いろいろ各省庁で御協力し合っていただいて、なるべくこのリードタイムは短くしていただきたいということ、それが趣旨でございますので、念のため申し添えます。

 ちょっと視点を変えて、次の質問をさせていただきたいんです。

 私は、この法案は賛成ですし、日本の経済にとって物流、特に海上交通の重要性を考えると、この指定特定重要港湾、スーパー中枢港湾を中心とした高機能の港湾をつくっていくということを推進しなければいけないと思っておりますけれども、しかし他方で、この政策を採用することによって負の影響を受けることがないだろうか、受ける人がいないであろうかということについては、常に留意をしていく必要があると思うんですね。

 港湾運送事業にかかわる規制が緩和される、規制が緩和されるのは結構なようで、一方で、その中で競争だとか、ダンピングだとか、労働条件が過重になるとか、賃金の問題だとか、労働者の方たちに過度のしわ寄せがあるのではないかということを懸念として持つわけですね。

 また、その料金体系について、これは届け出制になるわけですから、これについてもちろん監視だとか監査ですか、いろいろ制度があるわけですけれども、基本的には、一方でいい改革をしていこうと思っても、どうしてもそれからしわ寄せを受けて苦しむ方たちが出ないだろうか、出るおそれを感じていただきたいと思いますので、この辺について国交省さんのお考えを承りたいと思います。どういう対応を考えているか、どういう対応ができるのかということですね。

矢部政府参考人 ただいま、港湾運送事業の規制緩和に伴います労働者の皆様方への配慮あるいはダンピングの防止についてのお尋ねがございました。

 今回の地方港の規制緩和を実施するに当たりましては、労働関係の安定化を図ることが大変重要であると認識をしております。このために、平成十二年に主要九港の規制緩和を行ったときと同様に、さまざまな安定化策を講じてまいりたいと考えております。

 具体的には、中小事業者の事業協同化等によります集約、協業化を進めることによりまして、経営基盤の強化を図りますとともに、届け出されました運賃・料金につきまして過度のダンピングが行われないように、料金変更命令や緊急監査制度を適切に運用すること等によりまして、港湾労働者の労働条件やあるいは労働環境に過度のしわ寄せが及ばないようにしてまいりたいと考えております。

松崎(哲)委員 港湾安定化協議会、仮称ですけれども、こういうものを設置するという話が前にあったと思いますが、それは設置されたのでしょうか。現状、どうなっていますか。

矢部政府参考人 お答えをいたします。

 この港湾安定化協議会につきましては、今回地方港の規制緩和を行うに際しまして、これから各地区ごとに立ち上げる予定でございます。その目的は、港湾運送事業に関係する関係者全員に集まっていただきまして、いろいろな港湾の発展あるいは港湾関係の安定のための意見交換をするということでございます。関係者といたしましては、もちろん労組、それから港湾管理者、行政、そして荷主の皆様等、そのような主要なメンバーを構成員とするということを考えております。

松崎(哲)委員 特にそういう配慮をしていかなければいけないと思いますので、十分に御対応をいただきたいというふうに考えます。

 まとめにそろそろ入りたいと思っているんですが、この改正によってスーパー中枢港湾三地域が指定されて、そこが非常に高機能になっていくわけですね。そうすると、他の港湾との関係がどうなるかということをやはり考えなければいけないわけです。

 私の問題意識を先に申しますと、二つ懸念がございます。

 一つは、特定重要港湾も含めてスーパー中枢以外の重要港湾、そういう地方港が釜山港のフィーダー港化してしまうおそれがあるのではないかという懸念を一つ持っております。二番目には、今度は地方港の周辺の荷主さんが、その地方港を使わずにスーパー中枢港湾の方に直接に貨物を持っていってしまうんじゃないか、こういう懸念を感じるんです。

 幾つか一般論として伺いたいと思うのですが、これについてまず、そういう御懸念はいかがでございましょうか。

鬼頭政府参考人 先ほど委員の方からも御紹介のありました、私どもで五年ごとに実施をしておりますコンテナ流動調査でございますが、平成十年の数字、全国値で日本に発着する貨物の五%が海外の主要港でトランシップされる、いわゆる海外トランシップ貨物、五%という数字でございますが、それが平成十五年の数字では一五%というふうに数字が大変大きくなっております。

 これ自身も大変問題ではございますが、もう一つ、私どもが大変問題にしておりますのは、日本を代表するコンテナポートである、例えば東京、横浜、名古屋、神戸、大阪、そういう大きなといいますか、もともとそこから欧米に荷物が母船で運ばれるような、そういう港においても一〇%程度のフィーダー貨物が出ているということは非常に問題だというふうに思っています。

 これは、我が国に寄港する基幹コンテナ航路が、アジアの貨物が大変ふえているという状況の中で減少しているということが大きな原因であるというふうに私自身思っておりますが、結局これがどんどん進んでいくこと自身に大変問題がありまして、先ほど来御説明を申し上げておりますように、スーパー中枢港湾のプロジェクトを推進しているということでございます。

 一方、スーパー中枢港湾と地方の港湾との内航フィーダーについてこれからどう考えていくのかということが、次の課題として大変大きな点になります。そういう意味で、私ども、内航フィーダー輸送の活性化を図ることが大変急務であるというふうに認識をしてございます。

 そういう観点から国土交通省におきましては、内航海運の活性化のために、昨年の通常国会におきまして内航海運業法を改正いたしまして、規制緩和をするということもいたしましたし、さらに今年度、内航フィーダー輸送の活性化のための社会実験を実施することにしておりまして、こういった施策によって、外航フィーダー輸送に対抗して、内航フィーダー輸送のネットワークをうまく形成していきたいというふうに思っております。

 もう一点、スーパー中枢港湾のプロジェクトを進めることによって、先ほど懸念があると申し上げました、欧米等への基幹航路ネットワークの拡大が図られるということになりますれば、地方の港湾の周辺に立地をされておりますいろいろな工場等の荷主によるスーパー中枢港湾の利用が促進されるというふうに見込まれます。

 ただ、先ほど申し上げましたように、これにあわせまして、内航船と外航船の積みかえの円滑化、これを初めとする内航海運輸送の活性化策、これを同時に講じることによりまして、地方の港湾とスーパー中枢港湾間で輸送される貨物による環境に優しい効率的な国内輸送体系の構築を図っていきたいというふうに考えてございます。

松崎(哲)委員 関税局長さんに伺いたいんですが、私は、みずからの不明を恥じずに申し上げますと、インランドデポというのを全く知らなかったんですが、このインランドデポというのはどういうもので、どういう役割をしているかというのを少し教えていただきたいのです。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話ありましたインランドデポというのは、物流の効率化、それから地域の活性化等の観点から、港や空港から離れた内陸部に倉庫等の物流拠点を整備して、当該拠点で通関業務等を行うため、政令派出所を含めまして税関官署等を設置された地域だというふうに通常言われております。

松崎(哲)委員 私は、港湾のこと、それから内航のこと、いろいろ考えていて、どういうふうに内航フィーダーを活性化したらいいかということを考えていたわけですが、一方でインランドデポというのがあって、内陸に工場があるとしますね、そうすると、そこで通関ができる。それで、それを保税扱いにして港へ持っていって出せるわけですよね。そうしますと、そこで通関ができると、その近くに地方港があっても、スーパー中枢港湾が非常に機能がよくなってリードタイムも短くなっていると、まずそこへ陸送してインランドデポで通関して、そしてスーパー中枢港湾から積み出す、こういうことが起こってしまうのではないかというふうに考えたわけですよ。

 それからもう一つは、地方港にはやはりそれぞれ税関があるわけですから、そうすると、港のことを考えても、そこに税関があって通関できる限りは、例えば九州や山口の地方港であれば、阪神や伊勢湾へ持ってきて外へ出すよりは、どうしたって釜山へ行くことになるわけですよね。これはもちろん国際化がすべていけないと言っているわけじゃないですから、それぞれの地域によってそういう機能を分担してもちろん結構だと思うんですね。

 ただ、問題は、インランドデポのことについて申しますと、これが内陸にある、内陸で通関ができるということは、地上の輸送を、陸送を結果としてふやすことにならないかなというふうに思うわけですね。それで、私ども民主党が推進している政策の一つにモーダルシフトというのがあるわけですし、これは当然国土交通省さんの方のこれからの重点政策でもあると思うのですが、スーパー中枢港湾を整備することがかえって陸送をふやしてしまうことになる、こういう御懸念をお感じにならないでしょうか。

鬼頭政府参考人 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、スーパー中枢港湾の政策と内航海運の活性化というのを並行的に進めることによって、私どもとして、スーパー中枢港湾と地方港が一体となってモーダルシフトに寄与するような形での政策としていきたいというふうに考えてございます。

松崎(哲)委員 私が申し上げたいのは、スーパー中枢港湾から内航に積みかえて、そして地方港に持っていって、近くの、輸入の場合だったら消費地に、輸出の場合では地方港から内航でスーパー中枢港湾を経由して外国へという、これがコストも安く、時間も早く、かつ環境に優しい、こういう三点セットができ上がれば一番いいわけですね。モーダルシフトというのは国土交通省さんがこれから推進されようとしている政策でもありますから、そういう観点も含めていただきたいということを申し上げたかったのです。

 それから、先ほど望月委員の御質問の中に答弁ありましたけれども、例えば、神戸ではバースで内航と外航とを直づけして積みかえてというお話がありました。私は、直づけして積みかえるというと、内航船と外航船を隣に置いて、一本のクレーンで内航船から外航船へ直接コンテナを移す、外航船から内航船へ直接コンテナを移すということが一番、要するに、新幹線で上野発着で、山手線に乗りかえて東京駅から東海道新幹線に乗るんじゃなくて、東京駅まで延伸させて、東京駅で東北新幹線から東海道新幹線に乗りかえられる、これが一番便利なわけですから、同じように内航船から外航船へ直接積みかえられればいいのではないかと、非常に素人の発想で申し上げました。

 そうしたら、今のガントリークレーンの性能ではそういうことはできないですよ、こういうふうに御説明をいただいたんですが、じゃ、実際に外航から内航への直接の積みかえというものが、例えば釜山だとかシンガポールだとか、そういう外国の港ではできているのかできていないのかということについて伺いたいと思うのです。

鬼頭政府参考人 私が承知をしております日本の先進的なコンテナターミナルの例ですと、既に、内航船が外航船と同じターミナルに着きまして、内航船からおろされた貨物を一度コンテナターミナルに置きまして、それを外航船に積み直すということが一般的だというふうに思います。

 ただ、シンガポール等ではそういう積みかえが大変頻繁に行われていまして、岸壁がありまして、外航船があって、その外側に内航船をつけて、内航船から直接外航船に積むという方式もあるやに聞いております。ただ、それは、コンテナの積みおろしをするガントリークレーンのアウトリーチといいますか、その長さによって制約を受けることは間違いありませんで、そういう積みかえをするところは、多分、少し小ぶりな外航船の外側に内航船をつけるとか、そういうことになっているのではないかというふうに思います。

松崎(哲)委員 私の申し上げたかった趣旨は、要するに、高機能化していくスーパー中枢港湾ですから、できることは何でもやって、外国でやっていることは、技術的にできることであれば、ぜひ日本のスーパー中枢港湾でもやってほしいし、きのう伺ったと思いますが、釜山ではまだそれはないというふうに伺ったんですが、ないならば、日本のスーパー中枢港湾ではぜひ導入していただいて、そうすればこれはリードタイムを縮めることにもなるわけですから、できることは何でもしていただきたい、そういう趣旨で申し上げたわけです。

 それでは、最後の質問になるんですが、大臣にぜひ、今までの質疑、答弁をお聞きいただいていたと思うんですが、私は、このスーパー中枢港湾というのを整備していくという際に、やはり内航フィーダーとの関係、まあ内航フィーダーの活性化ということが一方で入っておりますけれども、このことをぜひ重点を置いてやっていただきたいということと、そのときには、先ほど申し上げましたように、港湾局、海事局の観点から考えるだけではなくて、国土交通省全体で、総合交通体系ということでモーダルシフトということを打ち出しているわけですから、陸送との関係、これをぜひ全省的にお考えをいただきたい。

 さらには、これは財務省関税局の方ともかかわると思うんですけれども、いろいろな省庁、各省横断的に一つの政策目標のためにぜひ協調して、スーパー中枢港湾をつくればいいんではなくて、スーパー中枢港湾をつくることが、結局は内航を衰退化させるんじゃなくて活性化させることにつながる。さらには、国内の産業にとって、日本に立地していても国際的競争力があるようにする、それが第二点。さらには、モーダルシフトという、環境の負荷を少なくしていくというその三点、すべてを総合してやはり考えていかなきゃいけないと思うんですね。

 その点について大臣の御見解を承りまして、私の最後の質問にさせていただきたいと思います。

北側国務大臣 大変貴重な御議論をいただきまして、ありがとうございました。全くおっしゃっているとおりだと私も認識をしております。

 国土交通省になりまして、旧の運輸省それから建設省が一緒になりました。私は、この物流の問題というのは、その融合のメリットをしっかり発揮できる場面ではないのかというふうに思っておるんです。

 先ほど来お話がございますが、地球環境の問題でいいますと、グリーン物流パートナーシップといいまして、これはやはり荷主さんが大事なんですね。この物流の世界というのは荷主が力が強いですから、物流業者の方々よりも荷主側の方が力が強いわけですね。荷主側の方々に協力をしていただきながら、荷主と物流業者とがパートナーシップで物流のグリーン化をしっかり進めていこうということで、これは昨年から会議を持ちましてその対策を進めさせていただいているところでございます。

 今おっしゃいました、スーパー中枢港湾ができるのはいいけれども、それによってほかの港がむしろ外国の主要な港のフィーダー化することにならないのかということがないように、むしろ内航フィーダー輸送が活性化すること、それがほかの港の活性化さらには環境という面でもともに大事なわけでございまして、そこの今おっしゃった御趣旨につきましては、よく念頭に置いて進めさせていただきたいと思っているところでございます。

 また、グリーン物流という面では、鉄道もぜひ活用すべきだと思います。

 また、道路の関係でいいますと、港と、例えば荷主の企業のある、ここの道路をしっかりと整備をしていくことも私は非常に大事なことだと思っております。ここがいつも渋滞渋滞で、時間も、そして環境面からも悪いというのではなくて、やはりそういうところの道路整備をしっかりやるということは、これは経済面においても環境面においても非常に大事なことでございまして、おっしゃったとおり、総合的によく見てこの施策を推進させていただきたいと思っておるところでございます。

松崎(哲)委員 質問をこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

橘委員長 玉置一弥君。

玉置委員 けさから聞いておりますと、大体同じ分野で同じような質問になるかと思いますが、若干見方を変えて質問していきたいというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 基本的には、経済の伸びにかかわらず、港湾の取扱数量は横ばいということでございますし、コンテナがふえたにもかかわらず、まだその分が上乗せされていないということで、先ほどからのお話の中でありますように、東南アジアの主要な港湾にかなり取り扱いの荷物がとられている、こういう感じを受けるわけでございます。

 制度そのものが、港湾管理者が公共企業体といいますか、いわゆる役所でございまして、そういうところが、港湾づくりには熱心でございますけれども、荷役取扱量をふやしていくという部分についてやはりいろいろと問題があったのではないか、こういうふうに思うわけでございます。

 各主要港を見ておりまして、外国の場合は当該の、どちらかというと市の港湾局というようなところが多くて、逆に言えば、そこの町の一つの大きな産業として育てていこうという、そのぐらいの気位を持って港の育成をされているということ、いろいろなところへ行ってお伺いしてもそういうことを感じるわけであります。ところが、日本の場合には、港湾管理者が、利用者のためにやってはいただいていることはいただいているんですが、決して取扱量にタッチするような、積極的に海外に打って出て、一緒になって、うちに荷物扱いさせてくれませんかと言うのを聞いたこともないわけですね。

 ということからいきますと、まず姿勢が違うんじゃないかな、こういうふうに思うんですが、これは、まずやはり大臣に聞いた方がいいですかね。では、大臣、今までの、こういうスーパー中枢港湾をつくらなきゃいけないという気持ちの中にもあると思いますが、日本の港湾のあり方について、なぜ海外との差ができてきてどんどんととられているかというのは、まあ、いろいろな要素があると思いますけれども、私、一つは、港湾の管理者としての積極的な姿勢というものがなかったんじゃないか、こういうふうに思うんですけれども、この辺を中心に、どうお考えになっているか、お答えをいただきたいと思います。

北側国務大臣 私もそういう問題意識を持っております。

 そういう意味で、港について一体的に運営をしていくということが非常に重要である。それはもう、できれば、その港にたくさん船が来ていただいたならば、それなりのメリットがある、収入がある、そういうインセンティブがきちんと働くような形にしていかないといけない。そういう市場機能といいますか、そういうものをどう働かせていくかというのは非常に重要な課題であると私も認識をしております。

玉置委員 今回の法律改正にありますように、手続的なものとか、あるいは港湾の荷役の料金、それから積みおろしにかかる時間、そういうものがすべて影響しているんだろうと思います。

 ある意味では、手続の簡素化とかいうものは、大分長く荷主さんあるいは船主さんの方から話が出ていて、ようやくそこに手がついてきた、こういうふうに思うんですが、先ほど税関の話もございましたけれども、いわゆるワンストップ化といいますか、要するに一つの窓口、一つの伝票でそれぞれの分野を済ましてしまおう、こういう動きもあるわけでございまして、時間を短縮するということと簡素化するということがいかに従来から希望されていて、そして、そのこともかなりの競争力になるというふうに私たちは思うんです。

 それで、ちょっと心配しておりますのは、お金をかけてバースを大きくして、そして、いわゆるコンテナヤードを拡大すれば果たしてその部分だけお客がふえるかということなんですよね。今回のコンテナターミナルのターミナルオペレーターという制度、これをやろうということでございますが、今までは公共企業体を主体とした港という形になっておりましたけれども、その一つのイメージをまずお教えいただきたいんですが、ターミナルオペレーターというのは、実際にはどういう仕事をされて、どういうふうに効果を期待されているのか、ここをちょっとお聞きしたいと思います。

鬼頭政府参考人 ターミナルオペレーターについてのお尋ねでございますが、今回の法律によりまして、特定国際コンテナ埠頭の運営者としてメガターミナルオペレーターというものを私どもは想定しております。

 昨年、スーパー中枢港湾を指定させていただきましたが、その指定をしたそれぞれの港において既にそういうターミナルオペレーターが形成をされております。その構成は、港湾運送事業者の共同体でありましたり、あるいは構成員として船会社さんあるいはメーカーの物流子会社、そういったもの、そういった方々が加わった形態などさまざまな形態でございますが、いずれにしても、このターミナルオペレーターは、専ら港湾運送事業者に成りかわりましてターミナルシステムの整備、運営、あるいは荷役機械等の保有、管理、あるいはターミナル運営の共同化、そういう役割を果たすということが期待をされているところでございます。

玉置委員 日本の港の荷役料金といいますか、これは今までは認可料金だったんですね。これからは届け出制になるということだと思いますが、これは間違いないですか、もう一回確認します。

矢部政府参考人 先生御指摘のとおり、港湾運送事業に関します料金・運賃につきましては、これまでは認可制でございましたが、規制緩和によりまして事前届け出制にすることを今回の法案でお願いしているところでございます。

玉置委員 今まで、運送業の方とかいろいろな利用者の方のお話を聞きますと、港同士の競合というのはないんじゃないかというふうに聞いているんですね。というのは、ある程度、自分たちがここを使うとすれば、料金は一定だし、あと利便性とかいろいろありますけれども、自分たちで選んで、例えば、価格競争で違う港に置きかえるとしても同じ値段だというふうなことがありまして、港間の競争というのを全然感じられないということをよく聞いてきたわけであります。

 このことを見ても、外国の港との競争というのは余り意識されていなかったんじゃないかなというふうに思うんですね。当然、国土交通省あるいは以前の運輸省が、扱い量が伸びない、どんどんととられていっているという実態を御存じで何とかしたいという気持ちはあったにもかかわらず、実際の港それぞれが価格競争に至らない、逆に言えば、あるレベルの荷役料金を守り通してきたということにあるわけです。

 やはり心配するのは、例えば、今度ターミナルオペレーターの一員にもなられます出資をされるそこのターミナルの中におられる運送会社なり荷役会社あるいは倉庫会社、そういうところがまた同じように囲われてしまって、いわゆる料金の硬直化ということになるのではないか、その上に管理会社ができてその経費が逆に上乗せをされるんじゃないか、こういう心配があるわけです。

 ある意味で、価格構成をふるいにかけてほかの港との比較、特に外国との比較においてある程度接近をしていかなければいけない、こういうふうに思うんですが、この構図を見ておりまして、とても入れかえ制があるとも思えないし、逆に、出資者ですから出資者の言うことはある程度聞かなきゃいけないということで、むしろ固定化してしまうんじゃないかという心配をするわけです。

 ですから、新しいこのスーパー中枢港湾の構成としてのお仕事をされる方と価格についてどういうふうなことを想定しているかということをまずお聞きしたいと思います。

鬼頭政府参考人 先ほど来申し上げておりますが、今回のスーパー中枢港湾のプロジェクトの目標といたしまして、お隣の釜山でありますとかあるいは台湾の高雄港と競争できる水準にしようということで、三割を削減するということを考えてございます。

 その場合に、今回のスーパー中枢港湾でいろいろなサービス水準等の向上を図ることによってできるだけ貨物を集めるということで、今のところ、スーパー中枢港湾の今回の法律で言う特定国際コンテナ埠頭におきましては大体一千メーター、通常のコンテナターミナルでいうと三バースぐらいの規模以上のものを考えておりますが、そこで二十フィート換算で百万個ぐらいを年間に扱えるような形に持っていきたいということを考えてございまして、それによりまして、先ほど委員のおっしゃいましたむしろ全体のコストを下げるということで、入港料とかパイロットとか、そういう船舶にかかわるコスト、あるいはターミナルの貸付料といいますか、リース料といいますか、そういうコスト、あるいは委員のおっしゃいました荷役のコスト、そういったトータルの数字で規模の経済といいますか、そういうものを出して先ほどの目標を実現していく、そういうことで海外の港と競争しようということでございます。

    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

玉置委員 いろいろな比較表をたくさんいただいているんですが、今お話がありましたように、今の料金の国際比較でいきますと、東京湾が一〇〇としますと、高雄港が六五、釜山が六四ということになっておりますけれども、取扱量とかいう面で見ていきますと格段の差がついているわけですね。ですから、扱い量と効率とはまた違うわけですけれども、一つはバースにおける利用度、それから、例えば一日当たりの、コンテナでいきますとコンテナを扱うだけの数量、最終的にはそれぞれにかかる人数、設備費、それから扱われる人、そういうものがすべてコストにはね返っていくわけですけれども、今の扱い量だけの比較でいって私たちが期待するほどコンテナを集めることができるかどうかという心配があるわけですね。

 というのは、やはり価格が先なのか、あるいは量がふえてきて下げていくのかという一つの方針もあると思います。

 今までの料金の決め方というのは、一応原価主義ということで、原価主義だから幾らかかっていたから一個当たり幾らですよ、あるいはトン当たり幾らですよという価格の決め方なんですが、これからは、一応認可制から届け出制に変わりますけれども、価格そのものは原価主義から外れていくのかどうか。それから、どういう価格体系になっていくのか、もしわかればお答えいただきたいと思います。

鬼頭政府参考人 今委員のおっしゃられました原価主義といいますのは、日本のコンテナターミナルの大宗を占めております埠頭公社の埠頭の場合については、無利子、有利子の違いはありますが、基本的には借りたお金を返すということで、二十年かけて返すということで、それを二十年で償還をするということから決まってきているということでございますが、今回のスーパー中枢港湾における特定国際コンテナ埠頭につきましては、そういう公社の埠頭もありますし、それ以外の、国が持っている埠頭あるいは港湾管理者の持っている埠頭、いろいろなものをまぜ合わせて一つの大規模なターミナルとして運営をしていきます。

 そういう意味で、どのぐらいの水準に利用料を設定するかということについては、委員の御指摘のような競争ということも念頭に置きながら決めていくということになろうかというふうに思います。

玉置委員 取扱量の育成プログラムといいますか、港湾そのものの育成プログラムの中に取扱量の予測というのがあるわけですね。これでいきますと、大阪、神戸、いわゆる阪神港という中でいきますと、今年間三百二十万TEUというのが四百二十万、京浜港、五百五十万が七百万、伊勢湾、二百十万が三百万、それぞれこういうふうにふえて予測が立てられております。

 ある程度価格と時間短縮というものが明確にならないと出てこないというふうに思うんですが、先ほど、値段の方は三割ぐらい低減をするというふうな目標が一つあるみたいですけれども、時間の方は三日間と先ほど大臣が答弁されていましたけれども、三日間が、では、通常の大きさの船、どれが標準かわかりませんが、それですとどのぐらいになるのかというのをちょっとお答えをいただきたいと思います。

鬼頭政府参考人 日本を代表するコンテナターミナル、ちょっと一例で申し上げますが、東京の大井というコンテナターミナルがございますが、そこに、ある船会社さんがお持ちになっているターミナルの場合、通常ですとTEUで六千個を超える船がそこを利用します。その場合に、一船当たりの積みおろしの個数は平均的に二千から二千五百本というふうに言われています。そういう意味で、大変多くのコンテナ貨物が積みおろしをされてヤードに置かれるということですが、先ほど三日と申し上げた数字について、全国的な数字でもございます。

 そういう意味で、それぞれのおろされたコンテナについて、先ほど関税局長もちょっとお答えになりましたように、素早く通関できるようなシステムとかいろいろなことがございますので一概に言えませんが、量がある程度多くなると結構時間がかかるということに相なろうというふうに思いますが。

玉置委員 お客さんにとってみれば、例えば自分が依頼をしたコンテナがいつ入っていつ出るかということだと思うんですよね。ですから、総量よりも、要するに、一個、その一個が何日間、入港してから配送されるまでかかるかということなんですね、総量とは違うんですけれども。その辺が、例えば三日が一日になれば、競争力としては非常に大きくなるし、逆に、それだけそこで働く人がふえる可能性があるわけですね、時間単位にしますと。その辺をこれからちょっとお聞きしたいんですが。

 港湾労働者の方の実際に今働いておられる日数を見ますと、例えば平成元年に一月十九・五日働いておられた。これは、常用、常に雇用されている方で、人数は三万四千人ちょっとということです。それが平成十年になりますと、十七・八日というふうになっておりまして、人数は二万九千七百人ちょっとということであります。そして、今現在は二万八千六百人余りで十七・六日ということで、普通、土日を入れても二十一・五日ぐらい、一月あるはずなんですが、その日数に達していないということで、人の稼働という面から見て、まだ、実際の今の仕事量として余裕があるんじゃないかというような感じを受けるわけです。

 それで、先ほどの数字に今度置きかえていって、仕事量がこれだけふえてくる。大体三割ぐらいはふえますよね、あるいは場合によっては四割ぐらいふえるというときに、こういういわゆる港湾労働の皆さん方がどういう状況なのかということ。これはそのまま労働時間がまだ余裕があるというふうに見ると、実は、稼働日数はこれだけですけれども、労働時間が実際は年間二千二百三十九時間というふうに、これは平成十四年ですけれども、こういう数字が出ています。そして、平成十年になりますと二千百二十六時間。一番多いときでも二千三百二十三時間、平成元年ですね。

 ということで、労働時間そのものは若干減ってきてまたふえてきている状況なんですが、その稼働日数からいくと十七・六というような数字で、二十一、二日ということでいきますと、あと四日か五日余裕があるということになるわけですね。

 ということで、この労働コストのかけ方、それから仕事量そのものと、競争という面から見ていきますと、機械化した分、人に置きかわっていって人員は多分ふえないと思うんですよね。ふえないで、機械オペレーターとして、いろいろ、量をこなすとか、あるいは、バースに泊まっている船をどんどん入れかえて、入れかえる時間を早くするとか、そういうことと、あとコンテナそのものが自動化されていって、自動搬送装置がついたとか自動倉庫的なものがつくられていくとか、いろいろな効率化のためのことが考えられるわけですけれども、私どもからすると、そういう自動化の部分とか効率を上げていくところについてはだれがやるのかということですね。だれがやるのか。その辺をちょっとお聞きしたいと思うんです。

    〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

鬼頭政府参考人 スーパー中枢港湾におきましては、先ほど言いましたように、幾つかのバースを統合化、大規模化して、それを一元的に、今回御審議をいただいております、いわゆるメガターミナルオペレーターと言っております運営者に一元的に運営をしてもらうということを考えています。

 先ほど申し上げました例のように、日本のコンテナターミナルの場合は、一般的に埠頭公社がある船会社さんに専用的に貸し付けをいたします。したがいまして、その専用的に借り受けた船会社さんは、自分の会社の船、あるいはアライアンスを組んでいる会社の船をそこに着けることになりますが、そのアライアンスを組んでいる船社でも、常に船がそこにいるという状況には必ずしもならないという状況ですが、今回のスーパー中枢港湾では、メガオペレーターが幾つかの施設をまあ言ってみれば使い回すことによって、あいているところに後から来た船社さんもきちっと入れるような、そんな形にすることによってターミナルの稼働率をできるだけ上げていこうということで、その結果、今委員のおっしゃられたような、そこで働く港湾労働の皆様方にも実際の稼働時間がふえていくという効果をもたらします。

 そういう意味で、このメガターミナルオペレーターがそういったことについての全体のやりくりをする、こういう立場になるだろうというふうに思っています。

玉置委員 ちょっとそのやり方についてもう一回詳しくお聞きしたいんですが、メガオペレーターの下にいろいろな会社があります。外国の場合には、一つの会社でみんな雇い入れたような形で運営されているわけですが、日本の場合には、その下にいろいろな中小の荷役会社なり、あるいは倉庫会社なり、運送会社なりというものがございまして、それぞれが実際にはオーダーを受けて動くわけですよね。

 私たちが一番疑問に思うのは、先ほどオペレーターの話がありましたけれども、借り受けた方が例えばバースの整備をしたり、あるいはガントリークレーンを設置したりとか、逆に有効活用を計画したりということでやる、あるいは自動搬送装置、あるいはピストン輸送するようなトラックとか、そういうものをオーダーしていくのか、あるいは港湾管理者がやるのかというのは、どちらがやられるのか、それをちょっとお聞きしたいと思います。

鬼頭政府参考人 今回の特定国際コンテナ埠頭におきましては、基本的に下物については公設という形で、公がその施設を整備し、所有するということですが、その上で、経営をしていただくというか運営をしていただく運営者の方がそこで実際にみずからお使いになるガントリークレーンとかヤード内のトランスファークレーンとか管理棟でありますとか、そういうものについては御自身で整備をしていただくということを考えてございます。

 ただ、御自身で整備していただく場合の経営的なリスクをできるだけ回避していただくという意味で、今回この法律でお願いをしております国なり港湾管理者から無利子の貸し付けを全体で八割という水準でお出しできるような、そんな制度についても今回の法律に盛り込んでいるところでございます。

玉置委員 ということは、大体一つの港のメガオペレーターが、自分たちの目標とする数値を確保するために、こういう整備をしていこうとか、こういう時間で仕上げなければいけない、あるいは逆に今ある人たちに対して、要するに規模ですね、どういう配置をして何人ぐらい必要だとか、こういう時間帯でどういうふうに回していくとか、そういうことを考えられるわけですよね。それで、そこに見合った例えばコンテナ、荷物、それを確保しないといけないんですが、それはどなたがやられるんですかね。

 要するに、能力アップしました、だから稼働を上げないといけないですね、コストを下げていくために。コストを下げるためにどこかに働きかけをする、荷主さんに働きかけをする、あるいは船会社に働きかけをするといったときに、今までどういうふうにしていたのかよく知らないので、多分何もやっていなかったんじゃないかと思うんですが、今度はまた新たにこういうことをするんだというのはあるんですか、荷主さんとかに対しての働きかけですけれども。

鬼頭政府参考人 従来から、船会社を呼んでくるとか、あるいは荷主さんにその港を使っていただくようにお願いをするとかという形で、それぞれの港において一定の関係者が集まっていろいろなところにポートセールスをするということは、結構いろいろな地域でされてございます。そういう意味で、先ほど委員が御指摘になりましたような管理者についても最近は結構そういう意識を持ってやっておるというのが実態ではないかと思います。

 今回、そのメガターミナルオペレーターが、今申し上げましたようにターミナルの中でのいろいろな差配は振るうわけですが、実際に船会社を呼んでくる、あるいは荷主を呼んでくるという中で、当然、私ども国土交通省もそうですが、港湾管理者も含めて関係者が一丸になってそういうことをする必要があるだろうというふうに思っております。

 それで、先ほど大臣からも御答弁をさせていただきましたが、協議会というものを関係者でつくりまして、そういう中でも、実際にこの目標を実現するためにどういうことをやっていくかということを当然議論していくことになるだろうというふうに思っております。

玉置委員 ちょっと人の問題でお聞きをしたいんですが、普通考えれば、三割ぐらい扱いの荷物がふえれば、当然関係する会社もふえるだろうし、作業される人もふえるだろう、こういうふうに予想するんですが、港湾労働者の年齢構成といいますか、これを資料によって確認しましたらば、五十歳以上の方が四〇%おられるという数字が出ておりまして、他の産業に比べて一〇%ちょっと多いという話があります。

 それで、まさに機械化され新しくしていくときに、これからの人員構成の問題もありますが、要するに、五十歳以上の方が四〇%ということは、ここ数年で退職されていく方もかなり多いだろうというふうに予測をするんですが、そういうときに、メガオペレーターが新しい計画をされても、個々についてきている各企業がそれだけの人員をそろえることができるかという問題があります。そのことをやはり何らかの形で支援していかなければいけないかというふうに思うんですが、厚生労働省きょう見えていますよね。どっちがいいですか。――では、矢部さんから先にちょっと。それで、次にお願いします。

矢部政府参考人 ただいま、将来的な港湾労働者の雇用についてお尋ねがございました。

 委員御指摘のとおりでございますが、厚生労働省の年齢階層別構成比率の資料によりますと、五十歳以上の層につきましては、全産業労働者が二六・二%であるのに対しまして、港湾労働者では三九・六%、これは平成十四年の数字でございます。また、二十代の層を比べますと、全産業につきましては二六・三%に対しまして、港湾労働者が一九・三%と、港湾労働者の方が少ない。こういう状況になっておりまして、今後、高齢者が退職していくときに、我が国全体として少子化が進む中で、港湾運送事業におきます若年層の労働者の確保というのは大変大きな課題になりつつあるという認識をしております。

 この問題につきましては、港湾運送事業におきまして、事業規模の拡大による経営基盤の強化や、あるいは労働環境の改善や福利厚生の充実等を通じまして職場の魅力を高めるということによりまして、若年層の労働者の確保を図っていくことが重要であるというふうに考えております。

 また、スーパー中枢港湾施策におきましては、コンテナターミナルの自動化システムの導入につきまして社会実験を予定しておりますけれども、この実験は、ターミナルの国際競争力の強化を図るという目的はもちろんでございますが、それと同時に、この作業の省力化や夜間作業の安全の確保なども期待をいたしまして、労働環境の改善も目的とするものでありまして、これも将来の労働力確保対策の一つとして検討していく課題であるというふうに認識をしております。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど委員から、現在の港湾労働者の年齢構成、大変高齢化をしている、今後の労働力確保ということはどうなのかという御趣旨の御指摘がございました。

 私どもも、やはり港湾労働者の確保ということは大変大事なことでございまして、そういう意味では港湾労働の職場自体が魅力あるものになっていくということが大事だろうと。そういう観点から、私どもは、労働政策という立場から、財団法人の港湾労働安定協会、ここに委託をいたしまして、一つは、全国の港湾運送事業主及び港湾労働者を対象といたしました雇用管理改善ということに対しますさまざまな相談援助、さらに、ついておられます港湾労働者の技術、技能の向上ということを図る中で雇用の安定を図っていくという趣旨で、さまざまな技能講習を実施いたしておるところでございます。

 またさらに、若い人の入職をどうやって進めていくか。そのためにも、私ども港湾職業能力開発短期大学校というものを横浜並びに神戸に設置いたしております。そうした能力開発施設での養成と港湾労働におきます人材の育成ということにも力を入れておるところでございまして、こうしたことを通じまして引き続き港湾労働者の育成確保に努めてまいりたい、このように考えております。

玉置委員 このメガオペレーターの下におられる各企業、それぞれが、余りにもたくさんありますし、またそんなに大きくないところということなので、人材を育てるのも大変だし、また特にコスト面でいくと、若い人ほど比較的コストが安いわけですから、ある意味では、うまく入れかえていかないとコスト低減ということに追従できないだろうという心配がございまして、その分労働者の賃金が圧迫されるということであっては困るという意味で、いろいろな面で行政のお手伝いに期待をしたいということでございます。

 そこで、平成十二年でしたか、規制緩和のときに、これから今の料金の体系も変わってくるということもございまして、従来、拠出金という制度で、福祉関係でありますとか雇用の安定とかいろいろな面で、その部分に係る費用を業界から出していただいて、それで守ってきた部分があるわけです。

 この拠出金について、やはり非常に今後の心配をされている方がたくさんあって、支払いも分割方式に変わってきているとかいろいろなことがあるんですが、現在、港湾福利分担金、港湾労働法関係付加金、労働安定基金、こうありますけれども、拠出金がそれぞれどういうふうに使われてきているのか、そこをまず聞きたいと思います。

矢部政府参考人 ただいま港湾運送事業におきます拠出金の使途についてのお尋ねがございました。

 三つの分担金といいますか付加金がございますが、それぞれについて、その使途についてお尋ねがあったわけでございますけれども、まず、港湾福利分担金でございますが、これは、港湾労働者の福祉施設、いわゆる現場の休息所でありますとか病院等の整備、運営に使われております。それから、労働安定基金でございますが、これは、港湾労働者の年金制度あるいは転職資金制度等の運営及び職業訓練施設の設置、運営を図るために使われております。それから、港湾労働法関係付加金でございますが、これは、港湾労働法に基づきまして、港湾労働者雇用センターが雇用する労働者に対して不就労時の補償、手当等を支給するために使われております。

玉置委員 金額的には、十五年度でいきますと、福利分担金の方は三十五億円、港湾労働法関係付加金というのが五・九億円、安定基金が二十四・八億円と、結構な金額になっているわけですね。それぞれが、要するに、個々の港湾労働の皆さん方に行き渡るというか、特に年金だとか退職金だとかそれから職業訓練の費用だとか、こういうものがちゃんと、どこで保全をされて、そういうときにどこから拠出をされていくのか。こういうのは、制度としては今どうなっているでしょうか。

矢部政府参考人 お答えを申し上げます。

 拠出金の支払いのフローでございますけれども、港湾福利分担金は、港湾運送を発注いたしました船社あるいは荷主から元請の港湾運送事業者に支払われまして、それが、元請の港湾運送事業者から日本港湾福利厚生協会に入りまして、そこから各地区の港湾福利厚生協会に入り、それが先ほど申しました目的に使われます。

 それから、あと二つ、港湾労働法関係付加金と労働安定基金につきましては、同じように船社、荷主から元請の港湾運送事業者に入りまして、それが港湾労働安定協会に入りまして、先ほど申しましたような目的に使われるということになっております。

玉置委員 メガオペレーターが全部管理するという状態ではない、その下の部分は今までどおりだというふうにお聞きをしておりますので、逆に言えば、競争によってしわ寄せがあって、業者が入れかわったり、あるいは倒産してしまったりというときに、そういう基金をちゃんと港湾労働者の方にわかるようにしておかなければいけないということもありますので、制度上もう一回見直しをしていただいて、いろいろな問題点が生じないようにぜひお願いをしたいということ。

 それから、いろいろな業界からもこの存続についてということの問い合わせもありますし、逆に言えば、認可運賃から届け出料金になったときに、ここにまずしわ寄せが行くんじゃないかという心配をされておる方がおられるわけで、その辺の見通しについてまずお伺いしたいと思います。

矢部政府参考人 お答えをいたします。

 今回、運賃が認可運賃から届け出制になるわけでございますけれども、この拠出金は港湾労働者の福利厚生の充実等に大変重要な役割を果たしてきておりますので、運賃・料金についての制度が変わりましても、これからも引き続きこの拠出金の確保は大変重要であると思っております。

 それから、もう一つ、その使い方について、適正な使い方が確保されるようにやるべきだという御指摘がございましたが、その点につきましては、これからも、従来の使い方と制度は変わりませんが、適正に使われるようにしっかりと関係協会を監督してまいりたいと考えております。

玉置委員 では、ちょっとお話を変えまして、先般マラッカ海峡で武装強盗事件というのがございました。この海賊というか、これは海上保安庁用語では海賊じゃないそうですけれども、新聞では海賊と出ておりますけれども、この事件について若干お伺いをしたいというふうに思います。

 その事件があった場所はマレーシアの領域内ということでございますが、それぞれ、シンガポールあるいはマレーシア、そしてインドネシア、常時、海賊対策ということで、日ごろから今申し上げた国々と海上保安庁はいろいろ連携をとりながらやっておられるというふうに聞いておりましたけれども、今までのは、どちらかというと船の荷物がねらわれたり、あるいは船そのものがねらわれてきたということがありますけれども、今回は人質をとられたということでありまして、事件の中身が変わってきたというふうに思うんです。

 この事件を見て、どういうふうに感じ、今までの対策上のいろいろな問題点として、海上保安庁としてどう考えられましたかということをお聞きしたいと思います。

石川政府参考人 三月十四日のマラッカ海峡で発生いたしました武装強盗事案でございますが、これは、今先生お話しのように、日本人としては初めて誘拐をされたという事案でございます。

 これにつきまして、やはりマレーシアの領海の中で発生した事案でございますので、基本的には、第一義的には当該沿岸国、これが頑張っていただくということが大事だと思いますので、そういう意味で、私どもも、それぞれの沿岸国の海上警察力というものをさらに強化するということを進めていかなければならないと改めて思った次第でございます。

玉置委員 直接の当事者といいますか、捜査権が確かに相手側にあるわけですけれども、日常から船主並びに乗組員に対していろいろな指示をされていると思うんですが、それはどういう内容でありますでしょうか。

矢部政府参考人 日本船主あるいは船社に対しましてどのような海賊対策を指示しているのかという点でございますが、私ども国土交通省では、東南アジア海域におきまして従来から海賊事件が多発していることを踏まえまして、日本船主あるいは船社に対しまして、海賊情報あるいは航海警報等によく注意を払うようにということ、あるいは自主警備の強化を図ることを指導してきております。

 具体的な自主警備の対策の内容でございますが、一例を申し上げますと、例えば船が危険な海域に入る前におきましては、適切な乗組員の配置やドアの施錠を確認するということ、あるいはなるべく危険海域から離れて航行するといったことがございます。

 また、危険な海域を航行中、航行している場合でございますが、見張りの強化をする、あるいは夜間にありましては船外照明を強化して賊を発見しやすくする、そういったことをやっております。

 また、海賊に実際に遭遇した場合につきましては、乗り込んでくるのを阻止するための、わざと大きくかじをとって回避をする、そういった操船をするとか、あるいはなるべく乗り込まれないようにするために消火ホースによって放水を行う、そういったことがございます。

 それから、不幸にして乗り込まれてしまった場合、こういう場合につきましては、なるべく堅固な居場所に退避する、そしてやはり乗組員の安全をまず最優先にして対応する、そのような内容の自主警備対策につきまして船の側で実施するように指導をし、船の側でもそのようにやってきております。

 また、実は昨年国会でも御審議をいただきました国際船舶、国際港湾のテロ対策の法律が昨年七月一日から施行されておりますけれども、この法律に基づきまして、国際航海に従事するすべての旅客船、それから五百トン以上の貨物船につきましては、今申しましたような具体的な自主警備対策も含めた保安措置を、保安規程という名前になっていますが、保安規程を策定いたしまして、これを実施することが義務づけられております。

玉置委員 船主側というか、いわゆる船が、非常に乗り込みやすい船と手が届かない船といろいろあるわけですけれども、その辺で、航路を変えるなりということも必要だと思いますし、逆にインドネシアあるいはマレーシアとかの警備の補強のために日本から支援をするとか、そういうことも考えられると思います。

 今までは、だから海賊で人質をとられるというのが余りなかったんですけれども、今後、これがうまくいったから癖になりそうだという感じがするんですよね。ちょっと怖いなと思うんですが、今後の対策として、海上保安庁としてどういうふうに考えられておるのか、お聞きしたいと思います。

石川政府参考人 お答えします。

 先ほど申し上げましたとおり、このマラッカ・シンガポール海峡、大変多くの船舶が通過しているわけでございますが、マレーシア、シンガポールあるいはインドネシアの領海の中にあるということでございます。したがいまして、私どもとしても、やはり沿岸国の主権というものを尊重しなきゃいかぬ。ただし、その上で、海峡の安全確保にどういうことができるか、どういう努力ができるか、あるいはどういう協力ができるかということをしっかり考えていかなければいけないと思っております。

 そういう意味で、やはり具体的には、個々の沿岸国の海上取り締まり能力というものを高めていただく、あるいは沿岸国などの関係国間の相互協力を強化するということが大事であろうと思っております。もちろん、私どもが自主警備もしっかり船主にお願いするということも大事であろうと思っております。

 そういう中で、既に海上保安庁は、平成十二年から海賊対策国際会議、あるいは平成十六年にはアジア海上保安機関長官級会議というふうなものを東京でやりまして、沿岸国に共通の認識を持てるようなことをやったわけでございますし、あわせて、これらの関係国との連携訓練の実施でありますとか、専門家会議等による情報交換、さらには海上犯罪取り締まりの専門家の派遣というふうな形で、日ごろから沿岸諸国との交流あるいは連携を深めながら、それぞれの海上取り締まり能力の向上ということに協力をしてきたつもりでございます。

 なおまた、これらの国々は現在、海上保安機関の創設あるいは海上治安調整機関の設置というふうな、それぞれの国で努力をされておりますし、シンガポールにおきましても、海賊情報共有センターの設立というふうなことで御努力をされております。

 引き続きまして、私どもとしても、これらの各国の実情に応じながら、沿岸各国の海上取り締まり能力の向上への協力というものを進めてまいりたいと考えております。

玉置委員 日ごろから、相手に依頼することですけれども、相手との協調をぜひよろしくお願いしたいと思います。

 最後に春田さんにお聞きしたいと思いますが、さっきうちの松崎さんからの質問にもありましたように、コンテナターミナルと道路、鉄道との連携、この部分がなければ、幾ら港をよくしても交通渋滞で荷物が運べないということで、大変な、渋滞を拡大するだけになってしまうということなんですね。いわゆる総合的な構想をつくっていかないとスーパー中枢港湾は役に立たない、こういうふうに思うんですね。

 そういう意味で、もう一度確認のために、簡単で結構でございますから、だれがどういうふうにこのスーパー中枢港湾のアクセスをやるのか、そして、例えば鉄道、道路というのをどういう形で計画されるのかということをお聞きしたいと思います。

春田政府参考人 お答えいたします。

 先ほども御議論がございましたが、まさに国際物流というものを効率的あるいは円滑に進めていくという場合には、港湾等の拠点の整備とあわせて、外航海運と例えば国内のトラック輸送、内航海運、鉄道輸送、こういったものとのスピーディーで円滑な物流のネットワークの充実が必要でございます。こういった施策につきましては、やはり連携のとれた形で、しかもスピーディーに進めていくという必要がございます。

 この件につきましては、国際物流をそういった意味で総合的、一体的に推進を図るということで、私ども国土交通省の中に、これは大臣の御指示もいただいて設置させていただいたわけでございますが、国際物流施策推進本部というものの設置を二月にさせていただきまして、三月末に、実際には四月の一日でございましたが、「今後の国際物流施策の課題」ということで中間的な取りまとめを発表したところでございます。これは、大臣からの御指示もございまして、いろいろな施策を連携をとって有効に展開していく必要があるということでございます。

 そういう観点から、実は、今御指摘のありましたところの国際、国内の各輸送モードを通じた交通ネットワークの形成ということは非常に重要なテーマであるというように考えております。具体的には、私ども、大都市の環状道路の整備、大型車の通行可能な道路の範囲拡大のための橋梁等の補強、あるいは鉄道の主要幹線区間の輸送力の増強など、各モードにおきますところのボトルネックを解消するということで、戦略的に港湾等へのアクセスの改善という施策を講じていく必要があると思っております。

 しかも、これらの施策につきましては、相互の連携を図り、スピード感を持って取り組むことが必要であるというふうに考えておりまして、具体的な施策をことしの六月を目途にこの本部で取りまとめを行った上で、来年度予算要求等に反映しながら、推進を図ってまいることとしております。

玉置委員 終わります。ありがとうございました。

橘委員長 穀田恵二君。

穀田委員 港湾の整備事業は、〇二年までに港湾整備五カ年計画などで進められてきました。

 九六年から二〇〇二年までの第九次港湾整備七カ年計画は、どういった内容で、総事業費は幾らだったか、まずお答えいただきたいと思います。

鬼頭政府参考人 第九次の港湾整備五カ年計画、結局二年延びまして七カ年計画になりましたが、その内容と事業規模についてでございます。

 まず、内容につきましては、国際競争力を有する物流ネットワークの形成、信頼性の高い空間の創造、活力に満ちた地域づくりの推進、この三つの目標と、それぞれにそれらを達成するための六つの施策を掲げて、港湾整備事業を緊急かつ計画的に実施することにされたわけでございます。

 その事業規模につきましては、総額で七兆四千九百億円、うち、いわゆる公共事業でございます港湾整備事業につきましては、総額四兆三千百億円、これを投資規模としております。

 以上であります。

穀田委員 当時もやはり国際競争力ということで言われて、今お話あったように七兆四千九百億円が使われて、中枢・中核国際港湾などが計画されていた。当時、日米包括経済協議や平岩レポートによって四百三十兆円から六百三十兆円に跳ね上がった公共投資計画に基づいて、公共事業への莫大な投資が背景にありました。

 当時の運輸省はこう言っています。「大交流時代を支える港湾」、これを構想し、今述べた中枢・中核国際港湾はアジアの国際ハブ港湾にするというふれ込みだったんですね。

 同時に、そういうハブ港湾をつくるというだけじゃなくて、それ以外にも地方港湾で国際海上コンテナを取り扱う港湾の整備が進められ、今では六十三の港もつくられているわけです。

 これら地方港湾の整備については、会計検査院を初めさまざまな方面から、過大な需要予測に基づくものとか、当時、百億円とか一千億円とか言われている釣り堀など、むだな公共事業の典型としてこの国会でも私どもさんざん取り上げてきました。

 私は、全国各地を回ってきて整備された港を見ますけれども、規模に見合った船、つまり、この港湾をつくるときに入ってくるというふれ込みの船などというのはおよそ月に一回程度しか入ってこないという実態など、さらには、福井港などの場合には、四百億円の釣り堀と言われ、地元紙では既に釣り情報の中にまで入れられるという、何というのか、笑い話にもならない事態までできている。だから、よくまあこれほどむだを重ねたことだなということを私はあきれます。

 国交省として、むだと指摘された港湾整備事業を進めてきたことについてどのように考えているか、この際、お聞きしておきたいと思います。

鬼頭政府参考人 今お話のありました地方の港湾につきましても、我が国における効率的な国際、国内の海上輸送を担う拠点として、また、地域の経済と雇用を支える基盤として、重要な役割を担っているというふうに私ども思ってございます。

 そういう意味で、国土交通省といたしましては、これらの需要に応じた適切な港湾整備を厳格な事業評価を実施しながら行ってきたところでございます。その結果、地域の物流コストの削減あるいは経済の活性化に大きく寄与しているものと考えています。

 例えばの例で申し上げますと、物流コストの削減という点では、国際海上輸送されるコンテナ貨物あるいはばら積み貨物の輸送コストは、この五カ年計画スタート時点の平成八年に比べて、平成十四年には六%減少しているという結果が得られてございます。

 また、近年は、先ほど来お話のありますように、我が国港湾の国際競争力の向上が喫緊の課題になっているということもございまして、スーパー中枢港湾のプロジェクトなど全国的ネットワークの視点に立った施策に重点を置くこととしておりますが、一方で、例えば、地方港湾の事業実施港数については、平成八年の四百二十一港から、十七年度、本年度は二百十港に半減をさせておりますし、また、重要港湾につきましても、その実施箇所数について、平成八年度に千三百五十六カ所あったものを本年度は四五%減の七百四十カ所にしてございます。

 このように、施策にめり張りをつけ、限られた財源を選択と集中によって有効に活用しているところでございます。

穀田委員 こういう点でいいますと、いつも選択と集中とか重点化、こういう話でいくんですよね。今までこれほど港に事実上つぎ込んできた金をどうするのかということがないわけなんですね。

 私は、この間、大臣所信の中で、ダム事業と河川整備事業を例に質問をしました。その際に、不要不急のダム事業を一方でふやしている。一方では、河川改修そして修繕費などの今すぐ国民に直結する、命と安全にかかわる緊急に必要な事業費を削っているということを対比しまして指摘しました。この港湾整備事業でも同じことが言えるということを私は指摘しておきたいと思うんです。

 〇五年に、スーパー中枢港湾関係予算を一・二一倍に重点化する。確認しますけれども、スーパー中枢港湾指定港に対する総事業費は、二〇〇五年度に新たに採択された大阪港、名古屋港を含め、今後どれだけ投資するんですか。

鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいまお尋ねのありましたスーパー中枢港湾プロジェクトでございますが、昨年指定をいたしました京浜港、伊勢湾並びに阪神港の三港で国際海上コンテナターミナルを構成する岸壁あるいは航路、そういったもののほか、防波堤あるいはターミナルと港湾の背後地域を結ぶ臨港道路の整備、これを一体として実施するということにしておりまして、現在採択をされております今申し上げました事業をトータルいたしますと、四千三百十二億円になってございます。

 また、もう一点お尋ねのございました、本年度から新規に着工する名古屋港の国際海上コンテナターミナル、これにつきましては総事業費が三百六十五億円。同じく新規に着工いたします大阪港の国際海上コンテナターミナルの総事業費については四百四十五億円というふうになってございます。

穀田委員 これらの港には既に、九六年以降だけでも九千七百四億円の事業費が投入されているという、膨大な費用を使っているんですよね。

 片や、スマトラ沖地震などで津波災害などに対する備えは今緊急性を増しています。そこで、調べてみると、こうした災害に備えた予算のほとんどを占める海岸事業の国交省関係の総事業費は、二〇〇五年で八百五十四億円ですよ。前年の〇四年は九百三十四億円から、八十億円も減っていて、〇・九一倍なんですね。二〇〇三年で千三十八億円でしたから、比べますと二割も減っているんですね。

 だから、選択と集中、重点化というのは、結局、この間の例にとりましたように、この港湾関係でも、実際にまず守らなければならない、そういう海岸の事業費によって国民の命を守る整備というのには金を減らす、それでこの大型のところはふやす、こういう、結局同じ構図が明らかになったと私は思っています。

 そこで、スーパー中枢港湾とは何かという問題について少しだけ議論しておきたいと思うんです。

 一言で言って、貨物船の巨大化ということに対応して、八千TEUのコンテナ貨物が可能な貨物船の入港ができる、岸壁を一千メートル、それから奥行きが五百メートル、水深が十五メートル以上のターミナルの新たな整備ということですよね。そして、香港、上海、釜山などアジアのハブ港湾に対応できる使用料の低額化、そのためのコスト削減を実現できる港づくりだということだと思うんです。

 そこで、三つ一緒に聞きますので、こういう大きなターミナル、安い使用料の港をつくることによって、第一に、現在、香港、シンガポール、上海、釜山などアジアの巨大港に集まっているコンテナ貨物が日本の港に戻ってくるのか。第二は、日本に直接入港する国際基幹航路は確実に維持できるのか。そして三点目は、巨大貨物が必ず日本の港に入港するという確約があるのか。ここをお聞きしておきたいと思います。

鬼頭政府参考人 先ほど来の御議論にございますように、近年急速にコンテナ取扱量を増加させております香港でありますとかシンガポール港等のアジアの主要港におきましては、大規模な国際コンテナ埠頭を民間事業者に一体的に運用させることにより、埠頭の利用でありますとか設備投資などの効率化を図るなど、規模の経済性を生かしつつ、国際競争力を高めているという実態にございます。

 我が国におきましても、今議題になっておりますスーパー中枢港湾におきまして、民間事業者による大規模な埠頭の一体的な運営を実現することによりまして、機能の高度化を図って、アジアの主要港をしのぐ港湾のコスト、サービスを実現したいというふうに考えてございます。

 今お話のありましたように、これを実施することによって、基幹航路に従事する大きな船についても引き続き日本に寄港をするということは維持できるというふうに考えてございますし、さらに、我が国の国際海上コンテナ輸送が釜山とかそういうところに海外トランシップされている率がふえていますが、そういうことがさらに拍車がかからないように、過度に海外の港湾に依存することがないようにできるものというふうに思っておりまして、そういう意味で、こういったスーパー中枢港湾のプロジェクトを進めることによる港湾の国際競争力の強化は大変重要だというふうに思ってございます。

穀田委員 重要だという話をしているだけで、今お話あったように、高度化したいとか、今アジアに全体の、釜山や香港やシンガポールに行っているものが拍車がかからないという程度で言っているだけで、期待を表明しているにすぎないんですね。結局、確実に入港するという保証はないわけです。

 今、大きな規模の港をつくれば入港するというんだったら、上海はとてつもない大きな計画をつくっているわけですね。千二百万とか千六百万とかというTEUの処理能力を持つコンテナターミナルの整備を進めていると言われているわけですよ。だから、それだとすれば、大きなものをつくればいいというんだったら、それ以上にどでかいやつをつくる、しかも国策としてやっているようなああいうところに行ってしまうということに単純に言えば、論理的に言えばなってしまうんです。

 つまり、私は、スーパー中枢港湾を整備しても、船会社が入港、使用するとは限らない、アジアのハブ港湾から日本の港湾に切りかえることも考えにくい。国際基幹航路を維持するだけというのであれば、三つも五つも要らない。だから、結局のところ、ターミナルを大きくしただけでは解決しないという問題を指摘しておきたいと思うんです。

 私は、次のように考えるんです。日本の主要港のコンテナ取扱量の低迷の主要な要因は、国内的には大企業などの生産拠点の海外移転による産業空洞化、対外的には中国を初めアジアの経済成長だと思っています。こういった主要要因を無視してスーパー中枢港湾を推し進めても根本的な解決にはならない。そこで、私は、港湾政策の発想を根本的に転換する必要があると考えます。

 問題の考え方の根本は、では国際競争力とは何かという問題だと思うんですね。つまり、国際競争によって自国の貿易がふえる。ふえたとしても、それが国民の暮らしが豊かになるということに結びつかなければ、ただやったとしても意味がないわけですね。だから、主要港の貨物がアジアのハブ港に大きく引き離されたことをもって日本の地位が低下したというのは、本当にそうだろうかと。そもそも、日本に集まるコンテナ貨物は、全体も減っているのかどうか見る必要があると考えます。

 この間の資料を調べますと、日本全体でコンテナ貨物の需要予測がどうなっているかというと、二〇〇三年で一千六百万TEU、予測は、二〇一五年に大体二千万から二千三百万TEU。まさに中国などアジアに向けての急増を期待しているわけです、そういう予測を立てているわけですね。だから、そういうことをしっかり見た上で考えなきゃならぬ。

 したがって、では、最後にこの点を聞きながら次の質問だけはしておきたいと思うんですが、一バース当たりどの程度のコンテナ取扱量が可能なのか、ふやすことが可能なのか、この点についてお聞きしたいと思います。

鬼頭政府参考人 現状の全国におけるコンテナターミナルにおきますコンテナの取扱可能量でございますが、この数字自身は、利用船舶の大きさを決める岸壁の水深でありますとか、荷役効率に影響する背後ヤードの広さ、あるいは荷役の方式、ターミナルの運営時間、背後の道路事情などさまざまな要因がございまして、そういったものがトータルとしてこの数字に反映されるということですので、一概に申し上げにくいわけでありますが、現実に、個々のコンテナターミナルにおきますコンテナ貨物の取扱量につきましては、そういう意味ではいろいろばらつきがございます。

 そういう意味で、取扱量が多い港湾で一バース当たり年間平均約二十五万TEU、少ない港湾ではそれが一万弱という数字になってございます。

穀田委員 今あったように、確かにさまざまな要因があって特定できないというのはありますよ。だけれども、いただいた資料でも明らかなように、お話もあったように、平均すれば、計算してみますと、中枢・中核国際港湾の十九港の平均で見ますと、一バース当たり約十七万が平均なんですね。そうすると、これを二、三割ふやせば、少なくとも、二〇一五年の需要予測、二千万TEUを受け入れられるバースは新たにふやさなくても十分やっていけるんじゃないかということなんですね。

 といいますのは、スーパー中枢港湾選定委員会に提出された資料で見ますと、東京は一バース当たり三十万から三十二万TEUに引き上げて、二〇〇七年には三百四十万から三百六十万TEUの取り扱いにしたいとしているわけですね。だから、現在の取扱量から二割以上ふやすということまで計画しているわけなんですよ。だから、それぞれのところがそういう形でふやせば十分対応できる。つまり、今あるストックを十分に活用して、それを有効に活用する方向を検討すべきじゃないかということを私は提起しているわけなんです。

 前段で地方港へのむだな投資を指摘しましたが、その趣旨は、さらにむだな投資を重ねるべきでないということなんです。一定の地方港への分散配送こそ合理的で、モーダルシフトや物流コスト削減にもつながるというのが国交省自身の説明ではなかったでしょうか。しかも、貨物の相手先は半数以上がアジア向けで、そんなに大きな船は必要ありません。今ある地方港も活用し、分散配送の方が効率的になる。したがって、私は、スーパー中枢港湾ではなくて、今あるストックを活用することに港湾の行政を転換すべきだ、この点を指摘して質問を終わります。

橘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。

穀田委員 本法案で促進しようとするスーパー中枢港湾整備事業は、名古屋港、大阪港に新たな水深十六メートルのバースを建設するなど、八百億円を超える膨大な事業費をつぎ込む大型公共事業です。また、コスト削減競争による中小港湾事業者、労働者へのしわ寄せが懸念されます。

 法案に反対する第一の理由は、これまで全国で進めてきた過大な港湾整備の反省もなく、公共事業予算を重点投入する矛先をスーパー中枢港湾事業に変えることで新たに過大な大規模公共事業を進めるものだからです。

 これまで全国で進められてきた地方港湾整備は、ずさんな推計、過大な需要予測によるむだの典型として、一千億円の釣り堀などと厳しく批判されてきました。ところが、こうした公共事業のむだ遣いの反省もなく、公共事業予算を、選択と集中、重点化と称して、スーパー中枢港湾事業など大規模港湾整備に重点配分しています。

 一方、地震、津波など災害対策を中心とした海岸事業予算を縮小しています。大規模公共事業を優先し、国民の命と安全を後回しにするような公共事業の進め方は根本的に転換すべきです。

 反対理由の第二は、特定港湾以外の港湾における一般港湾運送事業等及び検数事業等の規制緩和は、最低限の賃金の確保さえできないなど、今でも深刻な港湾労働者の雇用、労働条件を一層悪化させるおそれがあるからです。

 なお、今後の港湾行政は、特定の港湾、ターミナルの規模を新たに拡大する投資ではなく、全国各地にある既存の港湾ストックを有効活用すべきであることを指摘し、討論とします。

橘委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより採決に入ります。

 港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橘委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、衛藤征士郎君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。金田誠一君。

金田(誠)委員 ただいま議題となりました港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のことでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 指定特定重要港湾においては、国際物流拠点の機能強化に加え、モーダルシフト推進の観点から、内航海運活性化、航路や道路の整備、鉄道輸送との連携等が図られるよう必要な措置を講じること。また、その実施に当たっては、周辺の環境に十分配慮すること。

 二 港湾が地域の経済活性化や産業再生など重要な役割を担っていることにかんがみ、指定特定重要港湾以外の港湾についても、引き続き機能強化に努めること。

 三 各港湾の入出港届の様式を統一するに当たっては、利用者の混乱を招くことがないよう十分に周知を図るなど万全の体制をとること。

 四 特定港湾以外の港湾において、運賃・料金の規制緩和によってダンピングが起きないよう、料金変更命令や緊急監査制度の活用等により、適切な措置を講じること。また、関係各省が連携して、船社・荷主に対しても適切な措置を講じるよう努めること。

 五 特定港湾以外の港湾での規制緩和の実施に当たっては、港湾労働者に過度のしわ寄せが及ばないよう良好な労働条件の確保に配慮する等必要な労働環境の整備に努めること。また、港湾労働者の福利厚生等に使われている関係者の拠出金について、規制緩和後も、安定した維持・運営が図られるよう努めること。

 六 特定港湾以外の港湾における規制緩和に伴い、悪質事業者の参入による混乱が生じないよう適切な措置を講じること。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

橘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橘委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣北側一雄君。

北側国務大臣 港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事、委員の皆様方の御指導、御協力に対しまして厚く感謝の意を表します。

 大変にありがとうございました。

    ―――――――――――――

橘委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

橘委員長 次に、内閣提出、通訳案内業法及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣北側一雄君。

    ―――――――――――――

 通訳案内業法及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

北側国務大臣 ただいま議題となりました通訳案内業法及び外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 近年、国際交流の増進、我が国経済の活性化の観点から、観光立国に向けての戦略的な取り組みが必要とされている中で、小泉内閣総理大臣は、平成十五年一月の施政方針演説において、日本を訪れる外国人観光旅客を平成二十二年までに一千万人にするという目標を打ち出したところでございます。これを受けて、我が国の言語、習慣等にふなれな外国人観光旅客が支障なく観光を楽しめるようにするとともに、国内の各観光地の魅力向上を促していく等、外国人観光旅客の受け入れ環境の整備を図ることが喫緊の課題となっております。

 こうした状況を踏まえ、通訳案内業に係る免許制の登録制への緩和等を通じた外国人観光旅客に対する接遇の向上を図るとともに、地域の民間による創意工夫を生かした観光の振興を促進する等の措置を講ずることにより、外国人観光旅客の我が国への来訪を促進するための法律案を、このたび提案することとした次第でございます。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、通訳案内業の免許制について、その資格要件である国家試験の実施基準を明らかにしつつ、通訳案内士の登録制に緩和するとともに、業務の適正確保のための措置を講じることとしております。

 第二に、市町村の作成する地域観光振興計画に位置づけられた観光振興に関する事業を民間が行う際の地方財政法の特例その他の措置を設けることとしております。

 第三に、外国人観光旅客の利用が見込まれる公共交通事業者等の事業に係る路線等について、外国語等による情報提供の促進に関する計画の策定、実施を義務づけることとしております。

 第四に、都道府県の区域において、報酬を得て通訳案内を業として行う地域限定通訳案内士の資格を設け、都道府県知事がその資格要件である試験を実施できることとしております。

 以上が、この法律案を提案する理由でございます。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

橘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十九日火曜日午後二時五十分理事会、午後三時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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