衆議院

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第15号 平成17年4月27日(水曜日)

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平成十七年四月二十七日(水曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 橘 康太郎君

   理事 衛藤征士郎君 理事 萩山 教嚴君

   理事 望月 義夫君 理事 山口 泰明君

   理事 阿久津幸彦君 理事 金田 誠一君

   理事 土肥 隆一君 理事 赤羽 一嘉君

      岩屋  毅君    江崎 鐵磨君

      江藤  拓君    加藤 勝信君

      木村 隆秀君    佐藤  勉君

      坂本 哲志君    櫻田 義孝君

      菅原 一秀君    高木  毅君

      武田 良太君    谷  公一君

      中馬 弘毅君    寺田  稔君

      中野 正志君    二階 俊博君

      葉梨 康弘君    林  幹雄君

      古川 禎久君    保坂  武君

      松野 博一君    森田  一君

      菅  直人君    下条 みつ君

      高木 義明君    玉置 一弥君

      樽井 良和君    津村 啓介君

      辻   惠君    中川  治君

      長安  豊君    伴野  豊君

      松崎 哲久君    三日月大造君

      室井 邦彦君    和田 隆志君

      若井 康彦君    若泉 征三君

      佐藤 茂樹君    谷口 隆義君

      山名 靖英君    穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国土交通副大臣      蓮実  進君

   国土交通大臣政務官    中野 正志君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            丸山  博君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局長)          小神 正志君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  梅田 春実君

   政府参考人

   (住宅金融公庫理事)   吉井 一弥君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事長)        伴   襄君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         田中 正昭君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         河崎 広二君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         岡田 隆臣君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         田中 久幸君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十七日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     谷  公一君

  河本 三郎君     佐藤  勉君

  武田 良太君     坂本 哲志君

  中馬 弘毅君     岩屋  毅君

  葉梨 康弘君     加藤 勝信君

  長安  豊君     辻   惠君

  和田 隆志君     津村 啓介君

  谷口 隆義君     山名 靖英君

同日

 辞任         補欠選任

  岩屋  毅君     中馬 弘毅君

  加藤 勝信君     葉梨 康弘君

  佐藤  勉君     河本 三郎君

  坂本 哲志君     武田 良太君

  谷  公一君     江藤  拓君

  津村 啓介君     和田 隆志君

  辻   惠君     長安  豊君

  山名 靖英君     石田 祝稔君

    ―――――――――――――

四月二十七日

 国土交通省のタクシー運賃政策に関する請願(小宮山洋子君紹介)(第一〇一二号)

 同(末松義規君紹介)(第一〇六四号)

 同(五島正規君紹介)(第一〇八八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)

 地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案(内閣提出第二五号)

 独立行政法人住宅金融支援機構法案(内閣提出第二六号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

橘委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 JR西日本福知山線列車脱線事故について政府より報告を求めます。国土交通大臣北側一雄君。

北側国務大臣 西日本旅客鉄道株式会社福知山線における事故について御報告を申し上げます。

 四月二十五日午前九時十八分ころ、西日本旅客鉄道株式会社福知山線の尼崎駅―塚口駅間において列車が脱線し、多数の死傷者が生じる事故が発生いたしました。事故に遭いお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りし、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げる次第でございます。事故で負傷された皆様の一刻も早い回復をお祈り申し上げます。

 この事故は、宝塚駅発同志社前駅行き七両編成の快速列車のうち、前の五両が脱線し、そのうちの前の二両がマンションの一階部分に衝突したものでございます。約五百八十名の方が乗車されておりましたが、これまでに判明したところでは、死者は九十名、負傷者は四百五十六名に上っております。

 かねてより、安全は運輸サービスの基本であり、安全性の確保が利用者に対する最大のサービスとの認識のもと、安全対策に全力を挙げて取り組んでまいりましたが、今回のような多数の死傷者が生じたことはまことに遺憾でございます。政府といたしましては、この重大な事故に対しまして懸命な取り組みを行っており、現在も昼夜を問わず、官邸対策室を中心に、国土交通省、消防庁、警察庁、防衛庁、厚生労働省等の関係省庁が一丸となって、被害を受けられた方々の救助を最優先とした事故への対応を行っているところでございます。

 国土交通省の対応といたしましては、私を本部長とする福知山線事故対策本部を設置するとともに、現地で、近畿運輸局に福知山線事故対策本部を設置し、事故の対応に全力を挙げているところでございます。私自身も、事故当日、鉄道局長を伴い事故現場に急行し、事故の実態を把握するとともに、西日本旅客鉄道株式会社の社長に対し、事故の被害者に対して誠実かつ万全の対応を期すること、事故原因の究明について航空・鉄道事故調査委員会等関係機関に対し全面的に協力することを強く要請いたしました。また、その旨を鉄道局長名で改めて文書にて警告をしているところでございます。

 国土交通省といたしましては、公共交通機関に係る安全対策の徹底を図る観点から、事故直後の二十五日に、国土交通大臣名で公共交通事業者あてに文書にて、改めて安全対策の徹底を図ること、その際、本社の安全担当の責任者が直接現場に赴き確認することについて強く要請をしたところでございます。加えて、今後の状況を踏まえつつ、できるだけ早い段階で、JRを含む主要な交通事業者に対しまして、私みずからが赴きまして、輸送安全総点検の実施状況について現場での取り組み状況等を直接聴取し、確認する機会を設けることとしております。また、事故の調査については、航空・鉄道事故調査委員会において、事故当日、委員二名と調査官五名を派遣しており、翌日追加で委員二名を派遣し、さらに本日、専門委員一名を派遣しまして、総勢十名で全力を挙げてこの事故原因の解明に取り組んでいるところでございます。

 今後につきましては、まずは被害を受けられた方々への対応を最優先するとともに、事故原因の究明、さらには今後の事故再発の防止に全力を挙げて取り組む所存でございます。

橘委員長 以上で政府の報告は終わりました。

     ――――◇―――――

橘委員長 次に、内閣提出、公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長丸山博君、土地・水資源局長小神正志君、住宅局長山本繁太郎君、鉄道局長梅田春実君及び住宅金融公庫理事吉井一弥君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事長伴襄君、独立行政法人都市再生機構理事田中正昭君、独立行政法人都市再生機構理事河崎広二君、独立行政法人都市再生機構理事岡田隆臣君及び独立行政法人都市再生機構理事田中久幸君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。室井邦彦君。

室井委員 おはようございます。民主党の室井でございます。

 質問に入る前に、一言、先日、二十五日に大きな事故が、脱線事故が発生をいたしました。私は尼崎を地元選挙区としておりまして、本当に多くの方々がお亡くなりになられました。この場をおかり申し上げまして、お亡くなりになられた皆様方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御家族、御遺族の方々に心からのお悔やみを申し上げ、また、多く負傷、おけがをされた方々の一日も早い御回復を心からお祈り申し上げるものであります。

 また、この委員会におきましては住宅二法の質疑をするわけでありますけれども、皆様方のお許しを賜りまして、この福知山線の脱線事故は、国土交通省、直接の、直轄の省でもあり、緊急性を要するものであります。前半におきまして、この脱線事故に対しての私の思い、そして質問をさせていただきますことを御理解賜りますようにお願い申し上げます。

 二十五日の朝、私は、月曜日でありますから、いつもどおり午前中に東京に上京する予定で、新幹線の切符を買っておりました。私の事務所は国道二号線に面しておりますので、いやに救急車、パトカー、消防が往来しておりまして、何が起きたのかな、そんなような程度で思っておりました。後援会の方から連絡があり、大きな事故があると。当初は福知山線と自動車の脱線だというような情報が入っておりまして、在来線、また時間が、いろいろとダイヤが乱れておると。これは早く行かなくちゃいけないなと思って出かけました。

 しかし、余りにも異常な状況で心配になり、現場は久々知ということを聞いておりましたので、尼崎の中央市場のそばでございます。そこまで行きますと、大惨事だということで、私も車から飛びおりまして現地を行きました。ちょうどその時点では線路上に幾つかのむしろがかけられておりまして、もう阪神・淡路大震災を思い出すような状況でありまして、各道路には、うめき声、そして血だらけの人たちが横たわっておりまして、搬送するものがないということで大騒ぎをしておりまして、ただ私はそこに茫然と立っておった次第であります。

 その中で、車両が一台ないという本当に信じられない現状で、消防団とか警察の方々が右往左往しておりまして、あの大きな車両が一台見当たらないという本当に理解のできない現状でありまして、一瞬我が耳を疑いました。そして、私も、国土交通、このような立場であるからということで、本来なら近くまで行くということはできないようでありましたけれども、強引に私も入りました。

 そして、信じられない光景がこの目に映ったわけでありまして、列車というのは大体二十メーターということを聞いておりますし、新聞にもいろいろとございますので、約二十メーターということでありますけれども、駐車場は六メーターから八メーターの小さな、ビルの下にげたを履かせたようにマンションの下にガレージがあるわけであります。何と、その二十メーターという列車がその駐車場の中にずぼっと入り込んで、一つの鉄の塊になっておるんですよね。それが、二十メーターの列車がもう約七、八メーターの鉄の塊になって、その周りには、理解のできない、車のタイヤとか車輪なんかがこびりついておるという、へばりついておるという状況でありました。

 今、この新聞の記事を見ましても、一号車といいますか先頭車に一番多くの乗客が乗っておるということを耳にしておりますし、きょうの新聞を見ましても、一体まだどのくらいの方が先頭車に乗っておられたのか。また、この先頭車に乗るということは、各駅におりるときに、学生の方々が一番、停車したときに、階段とか出口に近いということで、先頭車に殺到しているようであります。

 そういう現状を、二日間、二十五日は十時から夕方の六時半まで茫然としておりましたけれども、その間私の前に通っていくものは、搬出された、うめき声を上げる方、ほとんどもう何もうめき声も上げない、そういう搬出される方が四十人ほど私の前に素通りをして行きましたけれども、本当にひどい事故を見てまいりまして、まだこの目を疑っておるような状況であります。

 そういう中で御質問を申し上げたいわけでありますけれども、直接にこの事故で被害を受けられた方、また、間接的にといいますか、事故に巻き込まれて被害を受けられた方々、どのような状況になっているのか、お聞かせください。

梅田政府参考人 四月二十五日に発生いたしました西日本旅客鉄道福知山線における列車脱線事故に関しましては、事故に遭い、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたします。また、御遺族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げるとともに、事故で負傷された方々の一刻も早い御回復を心からお祈り申し上げております。

 お尋ねになりました被害でございます。

 被害を受けられた方々への対応を最優先としていることから、現時点で判明していないものもございますけれども、午前八時時点でございますが、死者が九十名、負傷者が四百五十六名、列車七両のうち五両が脱線という状況でございます。

 その他の被害につきましては、自動車及びマンションと衝撃したということはわかっておりますけれども、詳細は明らかではございません。ただ、幸いにも、マンションの住居者の中には負傷者がなかったと聞いております。

 以上でございます。

室井委員 事故原因については、いろいろと、事故調査委員会によってこれから明らかにされていくと思います。しかし、今の段階で考えられる事故原因、いろいろと新聞にもまた言われておりますけれども、政府のそういうお考えを、国土交通省の原因としてのお考えを、今の段階でどのように考えておられるのか、お聞かせください。

梅田政府参考人 これまで関係機関等において、なお救出されない被害者の方々に対しまして、全力で救出活動を現在行っているところでございます。

 また、事故原因につきましては、現在航空事故調査委員会が、委員四名と調査官五名に加えまして、さらに専門委員一名を派遣し、総勢十名で全力を挙げて調査を行っているところでございます。事故原因の特定については、まだその段階に至っておりません。

 私どもといたしましては、この調査を待ちながら、今後さらに事故原因の究明、事故の再発防止に全力を挙げて取り組みたいと思っております。

室井委員 事故原因については、これから後に私もいろいろとお尋ねをさせていただきますけれども、やはり過密なダイヤ編成、また、その中に、定時に、またJR尼崎との連結の対応の仕方、また時間的なそういう問題がこれから浮き彫りにされてくると思いますけれども、後ほどその部分についてはまた御質問をさせていただきます。

 今回の事故を起こした運転士でありますけれども、三回、過去いろいろと問題を起こしておるようであります。その過去いろいろと問題を起こした中で、その再教育の内容とか、そして、もう再教育をした、よし、これで現場に復帰させようという基準、判断、どういうところにあるのか、そして国土交通省としてそういう指導基準というものがあるのかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。

梅田政府参考人 鉄道に関する技術上の基準を定める省令というものがございます。そこの中で、鉄道事業者は、運転士などに対し、作業を行うのに必要な知識、技能を保有するよう教育訓練を行うとともに、必要な適性、知識、技能を保有しているかどうか確認しなければその作業を行わせてはならないというふうに規定しております。

 私ども、この規定につきましては、周知を図り、その徹底を図っているところでございます。鉄道事業者は、これらの規定に従いまして、運転士に対し定期的に教育訓練、適性検査を行いまして、その知識、技能の維持に努めているところでございます。

 先生御指摘の、今回事故を起こしました運転士に対しましては、安全に対する意識、仕事に対する取り組み方を改めることが必要であるということを判断いたしまして、JR西日本では本人に対し、他の事故事例を活用した指導を行い、事故の背後要因や対策についてレポートにまとめさせるとともに、退行運転や推進運転の取り扱いなど異常時における対応能力の向上を図る再教育を十三日間行ったと聞いております。

 この教育を行った結果、運転士として必要な知識、技能を理解していることが、現場長みずからのレポートの内容のチェックや面談によりまして、不足していた知識や技能の改善が確認できたということで再乗務させたと聞いております。

室井委員 今、いろいろと指導した、また現場に戻したということでありますけれども、そういう教育の中で、虚偽がありましたよね、八メーター、伊丹駅からオーバーランをしたと。そして、お互い車掌と運転士同士がその場でうそをつく、四十メートルだけれども八メートルにしておこう、このような会話がされている。

 この運転士は、今おっしゃられたように、きちっと教育をいたしました、もう現場に戻しても間違いありませんというようなことなんだけれども、なぜそういう人がこのような初歩的な、この新聞記事でもありますように、何度も同じ線区を運転しており、未熟ということはもうあり得ないということをJR関係者はおっしゃっておられて、同じ運転士仲間では、このような何回もオーバーランをする、これは余りにもひど過ぎると、全く言っていることが違うわけであります。

 そしてもう一点、この処分歴三回の中で、一つは、乗客から注意をされて、帽子を深くかぶってうつろな目をしておったというのは、私にとりましたら、寝ていたのか何か特殊な病気にかかっているのか、そのうつろな状況、それはどういうものであったのか。これは通告しているのかしていないのか、ちょっとこの段階でおわかりでなければ、また後ほどお聞かせ願えればいいと思うんですが、何回新聞を読みましても、また現場の方々の声を聞きましても、本人は帽子を深くかぶってうつろな目をしていたという、寝ていたのか何か病気にかかっておられたのか、もっともっと深い意味があるのかなというふうに疑わざるを得ないという、虚偽をしてまでこういうことを行うという人でありますから、その点をもっと深く、ただ寝ておったというようなことだろうなという安易な発想、考え方でなく、もっといろいろとお調べをいただきたいと思います。

 JR西日本の乗客というのは、一年間に在来線で多いときで十八億人ですか、最近少子化現象で少なくなったからといっても十七億五千万人の命を預かっておるという仕事に携わっているわけであります。一年半が本当に熟練した経験なのか。二十三歳の若い人が、このようなことを言うと、責任ある立場に置くことができないのかと若い方におしかりを受けますけれども、その対応、考え方に私は非常に疑問を感じておるんですよ。

 くどいようでありますけれども、十七億人の人の命を一年間に預かっている。それにしては、何かますます不信と疑問が起こってくるわけであります。ぜひその点、深く御指導いただきまして、またその指導の内容の資料があれば、ぜひこの際我々にもお届けいただきまして、また勉強、目を通させていただきたい、このように思っておりますので、またその内容の資料の方をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、今後、いろいろとこういう諸問題を抱えた中で、JR西日本としてのこれからの運営方針、また、これからJR西日本に対して政府はどのように対応していこうとしておられるのか、お尋ねをしたいと思います。

梅田政府参考人 先般、JR西日本の垣内社長に対しまして、私どもの大臣の方から二点指示をしております。一つは、被害者に対しまして、誠心誠意、万全の対応を行うこと、それからもう一つは、事故調を初め関係機関に全面的に協力をすることということでございます。同じような趣旨の文書を、私名で社長あてに発出して指導をしているところでございます。

 まだ現場に被害に遭われた方々が残されている状況でございます。まずは、被害に遭われた方々の救出にJRは全面的に力を注ぐとともに、既に現場においては事故調査委員会の事故調査も始まっております。警察の捜査等も始まっております。関係機関に対し全面的な協力をして、この事故の原因の究明あるいは再発の防止にしっかり取り組む必要があるというふうに考えておりまして、私どももJRに対し強く指導をしてまいりたいというふうに考えております。

室井委員 くどいようでありますけれども、特にJR西日本と私鉄の運転士になるまでのいわゆる教育機関、これがJR西日本は異常なほど短いんですよね。私鉄では五年から十年かけて乗務員また運転士として採用していく、JR西日本は一年足らずで運転士として乗務をさせる、このようなことについても、あわせて十分に御検討また御指導をしていただかないといけない、このように思います。

 続きまして、今の質問と多少重複しますけれども、五百八十人近い乗客を乗せているということはジャンボ飛行機と変わらないということでありまして、ただ下を走るか上を飛ぶかという違いでありまして、人の命のとうとさ、重さというものは、やはり私は同じだと思います。

 また、飛行機を対象として考えた場合、パイロット、副操縦士というものがつくわけであります。こういう考え方に対して、今いろいろとお答えをいただきましたけれども、今後、このような教育体制に、これから見直しながら、もっと養成時間をかける、余りにも短過ぎる、このようなことを感じておるわけであります。飛行機の場合は二人が操縦に当たっているということでありますけれども、そういう対応にしたときに、今のこの事故が起きました、そして二十三歳の運転士が対応しておる、五百八十人の乗客を責任を持って運行している。その飛行機との違いといいますか、向こうは副操縦士、私にとりましては五百八十人近い人は同じというふうに思うわけでありますけれども、そういう副操縦士という問題について、ここはJRは一人でありますけれども、比べられまして、政府としてのお考え、所見、また違いをお聞かせ願いたいと思います。

梅田政府参考人 鉄道の場合、いわば運転士としての免許を取得するまでに、これは指定養成所、我々が指定した養成所がございます。通例、例えばJRの場合はJRの社内にその養成所を指定して行わせているところでございますが、学科の講習に四百時間以上、技能の講習に四百時間以上の時間をかけて講習を行うというふうに指導しております。指定養成所では、これに従いまして各科目ごとに講習時間を定めて、十分な知識、能力を有する運転士の養成を行っているというところでございます。

 この指定養成所を卒業いたしましてもすぐ一人で運転させるということはさせておりません。指導操縦者がそばについて訓練を行ってからひとり立ちをさせるというふうに聞いております。

 私どもといたしましては、安全に配慮し、時間をかけて運転士の養成を行っているということでございますので、この基準につきましては、JR西日本だけでなくほかの鉄道事業者も同じような基準でやっておりますから特段問題があるとは考えておりませんし、必要な経験が積まれているものとは考えております。

 ただ、今回、こういう事故が発生したのも事実でございます。こういうような教育訓練のあり方についても、今後、私どもとしては検討してまいりたいと考えております。

室井委員 事故原因にはいろいろと状況が異なってきます。そういう中で、今後の補償問題がこれから出てくると思うわけでありますけれども、そういう点で御質問いたしますけれども、乗客、被害に巻き込まれた方々、そしてまた、その崩れた、壊れたマンションにお住まいの方、またその補償、今後どのようなことが考えられるのか、予測されるのか、今の段階でありますけれども、ぜひお聞かせを願いたいと思います。

梅田政府参考人 先ほども申し上げましたが、事故直後、国土交通大臣からJR西日本の垣内社長に対しまして、事故の被害者に対し誠実かつ万全の対応を期すること等を強く要請しているところでございます。

 被害につきましては、詳細はまだ明らかではございません。マンションあるいは自動車等に対する被害があることは事実でございますが、どの程度のものであるかも予測できない状況でございます。

 いずれにいたしましても、被害に遭われた方々を初め、これに関連したさまざまな被害につきまして、その補償につきましては、JR西日本が私どもの指導に従い、適切な対応を行うものと認識しているところでございます。

室井委員 今お答えいただきましたけれども、私は二日間、また、朝から夕方までずっと現場におりました。そういう中で、マンションに出入りしている方々、お住まいの方々が、きょうはどのホテルに泊まるのか、きょうはどうなるのか心配だ、何か聞いておられませんかというふうに私に尋ねてこられる方がいらっしゃるわけであります。

 やはりまだまだそういう意味では、そういう安心するようなお答えをいただいておりますけれども、現地で半日間おりますと、出入りされる方々が私にそのような質問とか、ことを聞かれるわけであります。きのう泊まった部屋でいいのかなとか、そういうことも言ってこられるということは、まだまだきめ細かくそういう意味では徹底されていないのかな、御苦労は認めておりますけれども、まだまだそういう点では不十分な点が、マンションの方々に気配りが足らないんじゃないのかな、このようなことを現場におりまして痛切に感じました。

 ぜひその点も、十分に後のフォローといいますか、していただきたく、また、まだまだ数日、この現場はかかると思います、そういう点を十分に御配慮いただきたいと思いますし、今後、そういう面を把握して、どのように考え、どのように対応されようとしているのか、もう一度その点をお聞かせください。

梅田政府参考人 先生御指摘の脱線車両が衝突したマンション、ここにお住みの方々あるいはその御近所にお住みの方々に対しまして大変な不安を与えているというのは承知しております。私ども、今は被害者の救出に全力を尽くしているところでございますが、やはりそうした方々に対する不安を除くことも大事だというふうに思っております。

 JR西日本に対しましては、今そういうことで、被害者の救出で頭がいっぱいだと思いますが、そういう面についても十分配慮をするように指導をしていきたいというふうに考えております。

室井委員 北側大臣にも現場に、多忙のところおいでをいただきました。そして、短い時間でありますけれども、現場をしっかりと見ていただきました。その大臣の所感をぜひお聞かせをいただきたいと思います。

北側国務大臣 今は、まだ先頭車両に残された方々がいらっしゃいます。現場では、消防の方々を初め関係機関の方々が昼夜を徹しまして今もその救出作業に全力で取り組んでいるところでございます。今はまず被害者の方々の救出、そして救援、この被害者の方々への対応に万全を期すことが政府の務めでありますし、またJR西日本の最大の務めであるというふうに私は思います。その旨、JR西日本の社長にも会長にも事故当日強く要請をしているところでございます。

 また、当日より鉄道事故調査委員会の専門家の方々が、事故原因の調査のために現場に入らせていただいております。先ほど御報告をさせていただきましたように、きょうさらに追加で一名に入っていただきまして、総勢十名で現在事故原因について調査をしているところでございます。

 この事故が、一体なぜこのような事故になったのか。私も当日事故現場に参りましたが、これまで日本も、日本の鉄道事故というのはあるわけでございますけれども、あのような、脱線をして列車がマンションに衝突をするというふうなことはかつてございません。なぜこのようなことになったのか、この事故原因については徹底して究明する必要がある。ただ、予断を持ってはならないと思っております。徹底して客観的に専門家の方々に究明していただく必要があるというふうに思っております。

 この事故原因につきましては、これを明らかにすることが再発防止につながってくるわけでございまして、徹底して事故原因の解明はさせていただきたいと思っているところでございますが、事故調査委員会の調査というのは少し時間がかかってしまいます。この事故調査委員会の調査の中で判明した事実関係につきましては、適宜国民の皆様に、また国会に御報告をさせていただきたいと思っているところでございます。

 また、きょうも委員から幾つか御指摘をちょうだいしておりますが、調査の結果を待たずして検討をしなければならない課題も出てきております。そのことについても今国土交通省の中で論議を既にさせていただいているところでございますが、再発防止に向けまして、先ほど委員の御指摘ございました運転士の育成の問題、教育の問題等なんかも含めまして、今後のあり方につきましても、しっかりと議論をし取りまとめをしたいというふうに思っているところでございます。

 二度とこのような事故が起こらないように、全力を挙げて事故原因の解明、そして再発防止に向けまして取り組んでまいる決意でございます。

室井委員 ありがとうございます。大臣の強力な指導力をぜひ発揮いただきまして、お願いを申し上げたいと思います。

 そういう中で、教育だけじゃなく、技術的な事故防止の対策もいろいろとあるようであります。ATSを新しいものに取りかえるとか、いろいろと技術的にあるようでありますので、その点も十分に含んでいただきまして、お力添えまた御指導をお願い申し上げます。

 我が市村浩一郎代議士も、最後の方が救出されるまで現場に残っておるということで、今も三日間続けて現場におります。そういう非常なことで我々の仲間も現地で頑張っておるということをまた御報告申し上げたいと思います。

 この部分で今いろいろとお答えを政府の方からもいただきましたけれども、JR西日本、過去におきまして、事故、そういうものがかなり多く発生をしております。

 そういう中で、このような記事がございました。「あってはならない事故が再び起きた。またか、という印象だ」、過去の教訓は全く生かされていなかった、このようなことをおっしゃっておられる。また、「JR西日本は口では安全管理を徹底していると言ってきたが、実際にはやっていなかった」、そう指摘する、信楽事故で被害に遭われた一人がこのようなことも言っております。

 本当にこの教訓を十分に生かし、今後このような惨事が二度と起こらないように、くどいようでありますけれども、ぜひ御指導をお願い申し上げます。

 それでは、私の方はまだまだいろいろと御質問したいこともございますけれども、まだ現場では必死に自衛隊また消防団、レスキュー隊が今頑張っておられます。また私も地元に戻る予定でおりますけれども、この件につきましてはこの程度で御質問を終了させていただきまして、本来の住宅二法案の質問に、十五分程度しか残っておりませんが、質問をさせていただきます。

 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部の改正、また公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案についての質問でありますけれども、質問内容も多少変わりますし、一部質問を取りやめさせていただきたいと思いますが、御理解のほどお願い申し上げます。

 まず、賃貸住宅の政策に入りますけれども、二、三質問をいたします。

 賃貸住宅の総数、約一千七百万戸と聞いております。公的賃貸住宅の占める割合はその中での約二割。公的賃貸住宅であるという状態という観点では、この二割について政府はどのようなお考えをされておるのか、お聞かせください。

    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

山本政府参考人 御指摘いただきましたように、我が国の賃貸住宅一千七百万戸の中で、公的賃貸住宅の管理戸数は約二割に当たる三百四十万戸となっております。

 二割という数字が、この割合が適切かどうかという御質問でございますけれども、過去を振り返りますと、昭和三十年代には賃貸住宅全体に占める公的住宅の割合は一二%程度でございました。少しずつ高まってきているわけでございます。

 これは、民間ではなかなか供給が進みにくいファミリー向けの賃貸住宅を中心に、居住水準の高い住宅の供給を進めてきた結果の数字だというふうに受けとめているわけでございます。また、居住水準の面でも、例えば民間賃貸住宅ストックの戸当たり平均床面積、これは四十四平米でございますけれども、公的賃貸住宅は平均で五十一平米となっております。借家全体の質を高めるためにも、公的賃貸住宅が一定の役割を果たしてきたものと考えております。

 現在、社会資本整備審議会におきまして、新たな住宅政策の方向を示す制度の枠組みにつきまして御審議いただいているところでございまして、今後の公的賃貸住宅のあり方につきましてもその中で論議を進めていくべき課題と考えているわけでございますが、今後の人口減少社会が本格的に到来するということを踏まえますと、従来に比べまして、これまで蓄積してきた既存のストックを建てかえとかあるいは住戸の改善といったような方向で有効に活用していくことを中心としまして、あわせて民間賃貸住宅ストックを活用すること、そういったことを通じて住宅セーフティーネットの機能を向上させていくということが大事なことだと認識しております。

 このような認識のもとに、今回お願いしております法案においても、地域住宅計画によりまして、地方公共団体が地域の住宅需要を一元的に掌握しまして、各事業主体と連携して、既存の公的ストックや民間ストックを活用しながら、必要な住宅政策を総合的に展開できるように措置しているところでございます。

室井委員 公的賃貸住宅の駐車場のトラブルというのを関西でもよく聞くわけでありますけれども、特に車を必要とする郊外の住宅が多いように見受けるわけでありますけれども、その点はどのようにお考えされておるのか、お聞かせください。

山本政府参考人 公的賃貸住宅におきまして駐車場が不足する、したがって団地内の通路に路上駐車が行われるといったような問題が生じている事例があることは承知しております。良好な居住環境を形成する上で立地条件に合った駐車場を適切に確保するということは、大事な問題であると認識しております。

 公営住宅につきましては、公営住宅は二十六年から始まってまいっておりますけれども、駐車場の整備を補助対象とするというのは比較的最近でございまして、平成三年からこれを補助対象にしています。それまでは、今のような課題については事業主体であります地方公共団体が自主的に必要に応じて整備してきたということなんでございますが、今回お願いしております地域住宅交付金におきましては、公共団体の提案に基づきまして、敷地内、敷地外といったような区別なく、設置個数につきましても、公共団体の判断に基づいて、地域住宅計画に位置づければこれを交付金による支援の対象にできることとしております。

 したがって、今後は、公共団体において公的賃貸住宅を整備する場合に、地域の状況に応じた駐車場整備を計画に位置づけていただくことによりまして、国としても支援をしていくことが可能となるわけでございます。

室井委員 では、要するに交付金の対象になるということでありますね。(山本政府参考人「はい」と呼ぶ)

 私も、さきの本会議において大臣にお尋ねをいたしました。住宅ストックの質の向上、またそのために、具体的には、中古住宅の流通の拡大、または住宅のリフォーム、高齢者の持ち家の賃貸等であるということをお聞きしたわけでありますけれども、実際にこれらのメニューを積極的に普及させていかなくてはいけないということであるわけであります。手だてとして具体的にどのようなことを考えておられるのか、ぜひお聞かせください。

蓮実副大臣 お尋ねの賃貸住宅ストックについてでありますけれども、ファミリー世帯に適した広い住宅が不足をしております。一戸当たりの平均床面積では、持ち家が百二十四平方メートルに対しまして、賃貸住宅は四十六平方メートルにとどまっております。また、高齢化が急速に進展しておりますので住宅のバリアフリー化が喫緊の課題でありますが、持ち家の場合に全体の四・三%の住宅が、俗に言う三点セット、手すりの設置、段差の解消、広い廊下幅を備えているのに対しまして、賃貸住宅ではこれらを備える住宅は全体のわずか一・五%にとどまっております。

 国土交通省といたしましては、ファミリー向けのゆとりある賃貸住宅をふやすために、地域住宅交付金や住宅金融公庫を活用しまして、民間事業者等が中堅所得者向けの優良な賃貸住宅を建設する場合に、助成や融資を行うこととしております。都市再生機構が整備した敷地を活用して民間事業者が優良な賃貸住宅を建設できるように支援すること、高齢者が所有する広い持ち家を賃貸住宅として活用するために、定期借家の普及を推進すること等に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、地域住宅交付金や住宅金融公庫を活用しまして、民間事業者等が高齢者向けの優良な賃貸住宅を建設する場合、助成や融資を行いまして、公営住宅のバリアフリー化を進めるなど、賃貸住宅の質の向上を図ってまいりたいと思っております。

    〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

室井委員 続きまして、公的賃貸住宅の豊かさの実現ということでありますけれども、面積について何か目安を持っておられるのかということがお聞きしたいことと、また、豊かさを演出するためには、それに併設するものを何か考えておられるのか、いろいろと計画もあろうかと思いますが、その点について少し具体的にお聞かせください。

山本政府参考人 住宅の床面積の目標でございますが、住宅建設五カ年計画の中で、世帯人数に応じた床面積規模の目標を定めております。誘導居住水準という形で定めておりまして、具体的には、例えば三人世帯ですと、都心部のマンションなどの場合は七十五平米、郊外部の戸建て住宅の場合は九十八平米という目標を掲げております。これは持ち家も借家も一緒でございます。日本の世帯がこういう水準に住んでいただきたいという誘導居住水準を求めております。

 現在の五カ年計画では、この誘導居住水準を満たす世帯の割合を、十年後でございますが、平成二十七年度までに全国で三分の二以上にするというのが目標でございます。この誘導居住水準の現在の達成率でございますけれども、平成十五年現在で、全体で五二%に達しておりますけれども、これは、持ち家の場合は六五%に達しているのに対しまして、借家は三四%ということになっております。借家に課題がある、ファミリー世帯に適した規模の賃貸住宅を整備するといったような課題があるということでございます。

 次に、居住環境の目標でございますけれども、五カ年計画の中で、住宅市街地の改善等の指針、これは住環境の水準の目標でございますけれども、としまして、これも持ち家、借家共通で、住宅地の安全性、利便性、快適性などについて考慮しなければいかぬ項目を示しております。この中で今御質問にありました件に関連しましては、例えば、教育、医療、福祉、それから購買ですね、いろいろなものを買っていただく、などの生活関連施設があるかどうか、きちんとあるかどうか。それから、健康・文化施設、それから交流余暇施設などの利用が容易にできるかどうかといったような項目を掲げております。

 こういったことは、地域によりまして公共交通機関とか道路網の状況が異なりますので、施設の立地について一律の基準を設けるのはなかなか難しいということがありますので、具体的な目標は、各地域において地域の状況に応じて定められるべきものと考えております。

室井委員 ありがとうございます。

 続いて公営住宅法の一部改正案についてお尋ねをいたします。

 住宅積立郵便貯金の預金、また、預金者及び住宅宅地債券を引き受けた者のうち一定のものに対する公庫の貸し付けに係る特例を廃止するとありますが、これは、これにより不都合が生じることがないのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

山本政府参考人 住宅金融公庫法では、計画的な住宅取得を促進する観点から、住宅積立郵便貯金それから住宅宅地債券の積み立てを行っている者に対しまして、融資限度額を引き上げるといったような優遇措置を講じているところでございます。

 このような制度は、個人向けの直接融資を前提としております。住宅金融公庫が直接融資をするということを前提としておりますけれども、今回お願いしております法律によりまして公庫を承継する新法人におきましては、民間の銀行ができる直接融資は原則として廃止するという予定にしておりますから、継続的な積み立てが必要なこれらの制度については、新法人の設立に先立ちまして、今回の法案で公庫法を改正し、廃止することをお願いしているものでございます。

 これまで公庫の優遇措置を期待して実際に公庫と契約を結んで住宅積立郵便貯金それから住宅宅地債券の積み立てを行ってきた方々に対しましては、今回の廃止に伴う経過措置としまして、新法人へ移行した場合も含めまして、これまで同様、引き続き融資限度額の引き上げなどの優遇措置を講ずることによりまして、不利益を生じないように配慮しているところでございます。

室井委員 さらに、全部事務組合を市町村とみなすというような部分を削除するということになった理由はどうだったのか、お聞かせいただきたい。それと、事業主体となる、そのことによってのメリットというものはどうなのか、その点もあわせてお願いします。

山本政府参考人 若干細かくなって恐縮でございますが、現在の公営住宅法の第五十一条におきましては、公営住宅の事業主体となり得る公共団体として、普通地方公共団体のほか、その権能や組織形態が普通地方公共団体と何ら異ならないということを配慮して、全部事務組合が事業主体となり得るということを決めております。

 しかしながら、公営住宅の管理をめぐりましては、社会経済情勢の変化によって、住宅困窮者が増加し、かつ多様化してきておりますので、これらの者の居住の安定をより適切に確保するためには、地域の公営住宅ストックを一層有効に活用していく必要があると考えているわけでございます。

 このために、今回の法律改正で管理主体の拡大を柔軟に認めたいということで、お願いしております法律の中で、管理代行制度を導入するということとあわせまして、事業主体となり得る地方公共団体の範囲を拡大して、全部事務組合のほか、地方自治法に定められております組合すべて、具体的には一部事務組合、広域連合、それから町村の役場事務組合についても公営住宅の管理ができるように措置するものでございます。

 そういう目的で法律改正をお願いしておりますので、この五十一条を削るという改正をお願いしているわけでございますが、これによりまして、地方自治法第二百九十二条で地方公共団体の組合については普通地方団体に関する規定を準用するという規定が一般的に規定されておりまして、この適用があることを明確にするということでございます。

 これによりましてどういうことができるかといいますと、例えば、隣接する市町村が専ら公営住宅の管理を目的とする一部事務組合を設置しまして、共同して公営住宅を整備し、管理することが可能になりますし、これによって行財政運営の効率化を図る、あるいは公営住宅の一体的な募集といった住民サービスの向上などのメリットが期待されるところでございます。

室井委員 時間も参ったようであります。あと四問ほどございますけれども、また後の機会にいただきまして、最後の質問をさせていただきます。

 さきの本会議で私も質問をさせていただきました。いわゆる公的賃貸住宅のストックの有効活用ということでありましたけれども、そういう観点に立てば、公営住宅とその他公的賃貸住宅の一体管理が必要ではないか、このようにお尋ねをしたわけであります。施策対象や役割が違い、適当でないというようなお答えをいただいたわけであります。

 しかし、果たしてそうであるか。住宅を探している入居希望者側からしてみれば、公営住宅も公的賃貸住宅も同じとらえ方をしているような感があります。確かに入居条件等、多少異なるところがありますけれども、ストックの有効活用という観点と利用者の利便性といった観点に立てば、やはり一体的管理が望ましいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

山本政府参考人 今般の公営住宅の管理主体の拡大でございますけれども、これは入居者の決定など、公営住宅法に規定する事業主体の権限を他の地方公共団体あるいは地方住宅供給公社が代行できるようにすることとするものでございます。

 このような法律上の権限を代行する制度を公営住宅以外の公的賃貸住宅に拡大するという御指摘でございますけれども、これは、公的賃貸住宅の種別によりまして施策の対象とか役割が異なっておりますので、いずれかの主体が種別を超えて一体的に行うということは難しいというふうに考えているわけでございます。

 しかしながら、例えば清掃とか修繕とか、維持管理業務の事実行為について、権限の行使を伴わないものは委託することが可能でございますので、例えば地方都市の都市再生機構の賃貸住宅に係るこういう業務を供給公社に委託している例もございます。

 また、今回お願いしております特別措置法案の中で、地域の住宅政策を円滑に進めるために、地方公共団体それから都市再生機構、地方住宅供給公社などの事業主体が中心となって地域住宅協議会を設けることができることとされておりまして、地域の居住ニーズ、今の居住者の利便ということでございますが、これに的確に対応した管理方策を協議していただく中で、住宅管理に係る事実行為の委託、それから入居募集情報の一元的な提供といったようなサービスも適切に供給されるものと考えております。

室井委員 どうもありがとうございました。

 これで質問を終わらせていただきますけれども、冒頭、福知山線の脱線事故で質問をさせていただきました。今もなお、自衛隊また消防団、消防局の方、警察の方、レスキュー隊の方々が命がけで救助に当たっております。一人でも多くの生存者がおられるよう、また救出していただけるように心から念じまして、質問を終わらせていただきます。

橘委員長 松野博一君。

松野(博)委員 自由民主党の松野博一でございます。

 質問に先立ちまして、四月二十五日に発生をいたしましたJR福知山線の列車事故でお亡くなりになりました皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、おけがをされた皆様や御家族の方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 現在も救出作業が続いておりますが、北側国土交通大臣を初め、現場で救助に当たっている方々、昼夜を問わない懸命な御努力を続けていただいておりますけれども、引き続き、人命を第一に、最善の取り組みをお願いしたいというふうに思います。また、私も交通運輸の安全を主管する国土交通委員会の一員として、橘委員長を初め委員各位とともに、この深刻な事態にしっかりと対応していきたい、そういうふうにお誓いを申し上げ、本題に入らせていただきたいと思います。

 それでは、議題に上がっております住宅関連の二法案に関して質問をさせていただきます。

 既に政府に対する質疑や参考人質疑におきまして広範囲な議論が進められておりますので、重複する点もあるかと思いますけれども、今までの議論を踏まえ質問をさせていただきたいというふうに思います。

 これまでの各委員からの質問と政府側からの答弁を通して、全員が一つの共通の見解に立っていることは、三百四十万戸に上る公的賃貸住宅のストックを良好な状態で維持管理をして有効活用を図っていくという点であろうかと思います。私も同様の立場でありますし、多くの現在入居されている方々や国民の皆様も、最大のポイントはそこに集約されるのではないかというふうに考えております。

 その中で、今までの質疑を聞いておりまして、素朴な疑問といいますか、一方で深刻な問題でもあるかと思いますけれども、果たして三百四十万戸のストック、これを維持していくことができるのか、どう維持をしていくのかということであります。

 公的賃貸住宅における問題はいろいろとありますが、やはり最も重要であるのは、いかに良好なストックを保全していくかということでありますけれども、一方で、築後三十年以上たち、改修または建てかえが必要な公営住宅が九十四万戸、全体の四三%に上るわけであります。

 そして、経済の状況というのは、これまでの右肩上がりの経済状況というのはなかなか今後期待をしていくことは難しいというふうに思いますし、主たる事業の主体であります地方公共団体、公社等の財政、財務、予算の状況も極めて厳しい中、主にこの財務の面、予算の面を考えたときに、将来にわたって建てかえ、改修による良好なストックの維持が可能かどうか、お伺いをしたいと思いますし、その折、どう民間の力を活用していくのか、民間の活力の推進をどうしていくかについてもあわせてお伺いをしたいと思います。

蓮実副大臣 老朽化した公営住宅などを建てかえたり改修することによりまして良好なストックとして維持し活用することは、松野先生言われるとおり、極めて重要であると考えております。国土交通省としては、地方公共団体が地域住宅計画に基づき既存の公営住宅などを良好なストックとして維持活用する取り組みに対し、地域住宅交付金を活用しまして積極的に支援してまいりたいと考えております。

 また、公営住宅を管理している地方公共団体では、民間活力を活用して、老朽化した公営住宅の建てかえに取り組んでいる事例もあるわけであります。例えば広島県では、県営の上安住宅団地をPFIで建てかえております。老朽化した公営住宅を民間事業者が建てかえて、その住宅を広島県が買い取るもので、デイサービスセンターあるいは託児所などを一体的に整備して、民間事業者が運営することとしております。

 このように民間活力を活用することによりまして、地方公共団体の財政負担を軽減しつつ、良好なストックを維持し活用するために極めて有効な方策であると考えております。

松野(博)委員 蓮実副大臣からのお答えをいただきまして、PFI等の民間の活力を積極的に取り入れながら、良好な公的賃貸住宅のストックの維持を図りたいという御趣旨のお答えでありました。

 改修とまた民間活力の導入をあわせて、あと一世代、二十年から三十年というのは、現状の考え方、方法で維持をしていけるのかなというふうに思いますが、これまでの議論にありましたとおり、公営賃貸住宅を中心とした公的賃貸住宅といいますのは、道路や上下水道と同様の国民生活に不可欠なインフラでありますし、国民共通の資産と言ってもいいかと思います。五十年とか百年の期間にわたってしっかりと良好なストックが維持できるように、今後もさまざまな施策を研究していただきたいというふうに思います。

 同様の質問を、公的賃貸住宅の重要な要素であります都市再生機構管理の賃貸住宅についてお伺いをしたいと思います。

 都市再生機構におきましては、ニュータウンの造成等の分譲事業から撤退をして、都市再生事業と賃貸住宅事業を柱として今後運営をされていくわけでありますけれども、賃貸住宅のストックの維持について、今後の方針についてお伺いをしたいというふうに思います。

 加えて、先ほどの公営賃貸住宅と同じ質問でありまして、財務や予算上の問題から見て、賃貸住宅ストックの建てかえ、改修を通して現状の良好なストックの維持が可能であるかどうか、お伺いをしたいというふうに思います。

 また、賃貸住宅事業を維持していくために、他の事業や民間の事業体との協力関係、コラボレーションといいますか、そういったものをお考えかどうかについてもお聞かせをいただきたいというふうに思います。

河崎参考人 お答えをいたします。

 私どもの都市再生機構の建てかえ事業からまずお話しさせていただきます。

 現在、三十年代に供給された二百十七団地十六万戸を対象に、昭和六十一年から初めて着手をいたしまして、順次進めているところでございます。今日までに十一万戸の建てかえに着手いたしまして、既に六万四千戸の賃貸住宅を供給しております。

 この建てかえ事業でございますが、建てかえを始めてしばらくの間は、この建てかえを通じて広く国民の皆様の住宅事情にこたえるということで、従前に住んでおられた方々の賃貸住宅のみならず、幅広く需要にこたえるための新規の賃貸住宅も含め、また、あるいは分譲住宅にお住みになりたいという方の要望にもこたえるというふうな形で、従前の土地を有効高度利用して、みずから住宅を建設するという形で進めてきたところでございます。

 その後、御承知のとおり、特殊法人改革の過程におきまして、民間にできることは民間にゆだねるという基本方針から、私どもの組織の業務につきまして、分譲住宅供給からの撤退、さらには、今回の都市再生機構に移行するに際しまして、新規に土地を取得しての賃貸住宅建設からの撤退という方針が出されました。

 これを受けまして、これからの機構の建てかえ事業でございますが、みずから建設する住宅は、原則として、従前に住んでおられた方が新しい建てかえの住宅に入られる、そういう場合、いわゆる戻り入居というふうに申しておりますが、戻り入居用の賃貸住宅に原則として限定をするということでございます。

 それで、建てかえ団地全体をこれからの二十一世紀の都市にふさわしい町に再生していくために、私どもがみずから建設しない用地を積極的に活用する。

 一つは、地方公共団体との連携による公共施設整備あるいは公営住宅の整備あるいは社会福祉施設の導入といったことに努める。さらには、民間事業者の方々にも幅広く参画をしていただくということで、具体的に言いますと、生活利便施設の整備あるいは多様な住宅供給を推進するという形で、建てかえ団地全体を良好な居住環境を備えた住宅市街地に形成していく、いわば、良好な都市としてのストックをそういった形で維持していくという考え方で進めていくことにしております。

 このように、これからの建てかえ事業、大団地の建てかえということになりますと、大変大きな大プロジェクトになるわけでございますが、このプロジェクトを、地方公共団体や民間事業者と連携を図りまして、すなわち、多様な資金がそこに投入されるという格好になるわけでございます。

 その中で、私どもの方は、みずから建設する部分の事業量が従来に比べてかなり縮小いたします。そういったような形で、いろいろな方々の御支援を得ながら建てかえ団地全体を新しい都市に再生していくということでありますので、私どもとして必要な資金は十分確保できるのではないか、そういった形で確保できるのではないかというふうに考えております。また、そのように努めていくことが必要であるというふうに考えているところでございます。

松野(博)委員 冒頭申し上げましたとおり、この公的賃貸住宅の問題で一番重要なのは、現在入居されている方々も、またこれから利用される世代も含めて、安定的に良好なストックを享受できるということでございますので、ぜひ努力を続けていただきたいというふうに思います。

 次に、地域住宅交付金についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、今回、地方公共団体を主体といたしまして、地域住宅政策を総合的かつ計画的に推進するために地域住宅交付金を創設するとありますけれども、地域の自由度を高めることを目的とした同種の手法で、既にまちづくり交付金が実施をされております。地域住宅交付金を効果的に利用していくためにも、まちづくり交付金のこれまでの利用、計画の状況、使い勝手に対する意見が地方からあれば、ぜひ参考にしていくべきだというふうに思いますので、お伺いをしたいというふうに思います。

 また、この種の交付金のあり方につきまして、昨日の参考人の方からも、本質的には新たな方法も含めて検討していくべきではないかという指摘もございました。今後どう進められるべきかについて、国の立場や地方への要望があれば、あわせてお伺いをさせていただきたいと思います。

山本政府参考人 平成十六年度に創設されましたまちづくり交付金でございます。初年度は、全国二百九十市町村、三百五十五地区に対して交付されております。各地区の都市再生整備計画の目標の中に、中心市街地の活性化、あるいは観光振興、防災、そういった地区の特性に合わせたさまざまなテーマが掲げられておりまして、事業内容といたしましては、道路、公園などの公共施設整備、これが事業費ベースで三八%、それから市町村の提案による事業などの割合も一四%となっております。

 まちづくり交付金の中における提案事業の具体的内容でございますけれども、まちづくりに関する地域住民の活動あるいはワークショップの開催といったようなソフトの事業のほかに、地域資源を生かしたまちづくりとあわせた、地域の文化を継承する後継者の育成や新たな地域資源を活用した新産業の創出、福祉のまちづくりを進めるための幼保一体化施設、幼稚園と保育所の一体化施設、それから高齢者の生活支援施設の整備など、公共施設などの整備と連携し、地域の創意工夫を生かした取り組みが全国二百八十八地区において進められております。

 また、まちづくり交付金に対しましては、多くの市町村から、従来の補助金と比べて手続が非常に簡素化されていると。それから、従来、個別の補助事業の場合は事業のメニューが確定しているわけでございますけれども、そういったものにとらわれず支援が受けられると。それから、毎年度のそれぞれの事業の進捗の管理ですね。用地交渉がなかなか難しかったということで、ほかの事業に金を回すとか、そういった意味でございますが、そういう事業の進捗管理が自治体の裁量で自由にできると。

 それから、自治体内部でも、この制度ができたことによりまして、組織横断的にまちづくりを考えるきっかけとなったと。実は、この部分につきましては、まちづくり交付金は、国土交通省の中で、都市・地域整備局と住宅局が協力して運用しております。本省についても言えるわけでございますけれども、自治体の内部でそういう組織横断的にまちづくりを考えるきっかけとなったといったような声を聞いております。全体として、プラスの評価を受けているというふうに受けとめております。

 このような交付金の制度は、一言で言えば、地域の使い勝手を大幅に向上させているということでございまして、制度の趣旨が生かされるためには、公共団体におかれて、創意工夫、それから自主的、主体的に取り組んでいただくということが非常に大事だと考えております。

 今度、地域住宅交付金の導入をお願いしているわけでございますけれども、国といたしましては、公共団体の積極的な取り組みを期待しますとともに、必要な助言や情報提供、いろいろなところでこういうことをやっておられるというような情報提供を行うなど、国と地方の協力のもとで的確な事業の推進を図ってまいりたいと考えております。

松野(博)委員 お話にありましたとおり、まちづくり交付金、また今回の地域住宅交付金、この種の、地域の自由度を高める交付金の運用に関しては、国から地方に移管し、予算も含め、予算が主体でありますけれども、情報、企画等々も含めて、総合的にサポートしていただきたいというふうに思います。

 次は、住宅金融公庫法の一部改正についてお伺いをしたいと思います。

 私は、これまでの住宅金融公庫の目的、実績につきましても高く評価をしているものであります。委員会におきますこれまでの議論におきまして、財投資金を用いた住宅金融公庫のシステムは、国民全般、金融全般の公平性に欠く部分もあったのではないかというような指摘もあったかと思いますけれども、これは、各種補助金や優遇税制と同様に、政府が政策推進のために一定の範囲内で集中的に資源を投入するということは認められるものであり、今回の住宅金融公庫は十分その目的をこれまで果たしてきたのではないかというふうに思います。しかし、その目的、手法を国民にわかりやすく説明するべきだなということは、同様に考えるわけであります。

 今回、住宅金融公庫法の一部の改正で、既往債権の管理勘定の設置と、財政融資資金の補償金なしの繰り上げ償還が可能となるわけでありますけれども、住宅金融公庫が新組織に移行するに当たりまして、私は、今回のこの改正というのは意義があるものだと思いますが、これまでの議論の経緯、経過を踏まえて、改めて御説明をいただきたいというふうに思います。

山本政府参考人 住宅金融公庫の改革につきましては、民間にできることは民間にという特殊法人改革の基本的な考え方のもとに、十三年の十二月に閣議決定いたしました特殊法人等整理合理化計画にのっとりましてこれを進めているところでございます。

 しかしながら、公庫は、過去の融資についてのローン利用者からの任意繰り上げ返済に起因する逆ざやなどによりまして財務の改善が必要となっておりまして、今回の改革を機としまして、透明な形で、先送りすることなく、早期に処理しようとしているものでございます。

 まず、金融公庫を廃止して新法人に移行するということでございまして、この際の新たな業務、証券化支援業務は、基本的に補給金に頼らないという大原則で仕事を進めてまいります。そのほかに、公庫の財務面での課題となっております既往債権に係る、過去の直接融資に係る問題につきましては、既往債権管理特別勘定という形で法律で明定した勘定を設けまして、民間で取り組んでいる直接融資は廃止ということを原則として、業務を抜本的に見直す。それから、組織、業務の効率化など最大限の自助努力をした上で、財投資金の繰り上げ償還を実施する。これによりまして、補給金所要額を圧縮しまして、早期処理を進めたいということでございます。

 具体的には、平成十九年度から独立行政法人として発足するわけでございますけれども、最初の第一期中期計画期間中に所要額をすべて措置して、補給金に頼らないで独立行政法人が運営できるようにしていきたいと考えております。

 こうした措置は、公庫廃止後に設立される独立行政法人の自立的経営の確保につながるわけでございまして、新法人の本来の役割でございます証券化支援を中心に、国民の住宅取得の支援をするという目的に集中的に取り組むことができるようになると考えているわけでございます。

松野(博)委員 次に、独立行政法人都市再生機構法の一部改正についてお伺いをさせていただきます。

 この改正におきまして、ニュータウン事業等の早期終了、財政融資資金の繰り上げ償還が可能になるわけであります。機構のニュータウン計画といいますのは、地方の都市計画において非常に重要な構成の要素でありまして、また一方で、計画の変更から受ける影響も大きいものがあります。

 私が居住する千葉市、市原市のエリア、特に市原市において、計画変更というのが地域の計画に大きな影響を与えて、まちづくり計画の変更を余儀なくされているわけであります。地元にとりましては、ここに数万人単位の大きな町ができて、それに付随するさまざまな都市機能が充実をしていくんだなと夢があったわけでありますけれども、現在、意気消沈をして、新たな地域計画のあり方を模索しているような状況であります。

 用地の早期処分を進めるに当たっては、十分に再生機構と地域、地方公共団体の間でコミュニケーションをとっていただきたいというふうに思いますし、特に、収得されたまま未造成で計画が中止をされ、処分ができない素地や、千二百ヘクタールに上ると言われております、いわゆる塩漬けの土地に関して、これらの土地の今後の利用についてどう機構の方でお考えになっているのかについてお伺いをしたいというふうに思いますし、また、地域からこういった土地に対する提言等を受け入れる体制というものに関してしっかりつくっていただきたいなというふうに思いますが、その点に関してお伺いしたいというふうに思います。

田中(久)参考人 お答えいたします。

 先生御存じのように、ニュータウンの用地の処分に当たりましては、私ども、手がけてまいりました良好なまちづくりの観点から、土地利用計画等につきまして関係地方公共団体と十分協議をして進めているところでございます。

 そういうことがございますので、先生今御指摘の、事業を中止して素地として処分を行うことになりました土地につきましても、用地を買収する事業の着手の段階から地方公共団体のまちづくりと連携して進めてまいりましたこと、あるいは、開発計画を見直し、現況で処分することにした場合、このことが地域のまちづくりに大変大きな影響を与える、こういうふうに考えておりまして、このような土地をどういうふうに使っていくかということにつきましては、当然ながら地方公共団体と調整をいたしまして、地域からの利用に対する提言があれば積極的に検討してまいりたいというふうに考えております。

 なお、このような考え方のもとで、既に地方公共団体等と幅広く調整を進めているところでございまして、幾つかの地区につきましては、公共団体で必要とされます道路や公園等について譲渡をするという話も進んでおります。今後とも、こういう姿勢で進めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

松野(博)委員 ぜひ地域とのコミュニケーションを一層図っていただきたいというふうに思います。

 最後に、地方住宅供給公社の現在置かれている状況についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 現在までに地方住宅供給公社の特定調停が三件ありまして、地方公社の経営の悪化が指摘をされているわけであります。私の地元の千葉県の住宅供給公社もその一つでありますけれども、特定調停の結果、地元経済に悪影響を及ぼしますし、都市計画の変更も迫られますし、何よりも県民に多大な負担を生み出している状況であります。

 全国の地方住宅供給公社の現状をどう把握されているのか、また指導する体制にあるのかについてお伺いさせていただきたいというふうに思いますし、また、今回の法律案で、設立団体の判断によって地方公社を解散できることとするとありますけれども、このことが今後の地方公社の業務見直しや破綻の回避等にどのような効果を上げると期待されているのかについてお伺いをさせていただきたいと思います。

山本政府参考人 地方住宅供給公社につきましては、地域の住宅事情に対応した分譲住宅あるいは賃貸住宅の供給を通じて、地方公共団体の住宅政策の一翼を担ってきたところと理解しております。

 最近の地価の下落を初めとする社会経済情勢の変化に伴いまして、平成十五年度の決算におきましては、全国で七つの公社が債務超過の状況となっております。これまで、北海道、長崎県、千葉県の三つの公社におきまして特定調停に至っているところでございます。

 このような状況の中で、公社の会計におきましては、平成十四年度決算より企業会計原則に準拠するということ、それから、企業会計における動向を踏まえまして、平成十七年度決算より減損会計を導入すること、そういった形で透明性の高い業務運営を図ることとしておりまして、国としても、設立団体であります公共団体が公社の経営状況等の的確な把握、それから適切な指導監督を行うよう要請しているところでございます。

 今後は、経済社会情勢の変化に対応いたしまして業務を適切に見直して、社会的ニーズの薄れたものからは撤退する、そういうこととあわせて、中心市街地の活性化といったまちづくりとか、あるいは高齢者、ファミリー向け賃貸住宅の供給といった、地域において真に求められている住宅政策上の分野に重点的に取り組むことが重要であると考えております。

 今回の法律案におきまして、公社の運営の自由度を向上させるために、設立団体である地方公共団体の意向により公社を解散できることとする規定を導入することとしましたけれども、これは、解散の選択肢も含めまして、設立団体である地方公共団体が公社の役割を一層的確に判断して運営していくことに役立つと期待しておるわけでございます。

松野(博)委員 以上で質問を終わります。

橘委員長 山名靖英君。

山名委員 公明党の山名靖英でございます。

 きょうは国土交通委員会で質問の機会を与えていただきました。何点かの質問をさせていただきたいと思いますが、私の方からも、最初に、さきの西日本旅客鉄道福知山線での大惨事になった事故について申し上げたいと思います。

 お亡くなりになった方が九十名と聞いております。負傷の方が四百五十六名、JRになってからも本当に過去最大規模のこういった惨事があったわけでございまして、お亡くなりになった皆様、御遺族の皆様に心から追悼の意を表しますとともに、負傷された皆様の一日も早い全快を祈念するところでございます。今なお救出作業が続けられているわけでありますが、一日も早い救出と、そして復旧に向けて一段の御努力をお願いしたい、このように思っております。

 今回の事故原因については、当然、事故究明委員会等で今後精力的にその原因究明がなされる、このようには聞いておりますけれども、事故というのはやはり、これが原因でこういう事故を誘発したと、単発的なものは恐らくないのではないか。いろいろな要素が複合的にかみ合って、そして事故となるわけであります。

 例えば、今回取りざたされているのは、一つはスピードの出し過ぎ、物すごいスピード、違和感を感じるぐらいのスピードだったというこの問題。それから、言われているのは運転士の経験不足、わずか十一カ月の経験しかなかったという点。あるいは、旧来のATS、いわゆる自動制御装置といいますか、こういったものが旧国鉄時代のものであって、六月にかえよう、こういう寸前であったという問題。これは、信号には反応するけれどもスピードに反応しないという極めて前近代的な旧装置がここの路線には使われていたわけであります。

 それから、いわゆるカーブのところは脱線防止ガードという二重の線路で補強する、こういうことが定例になっていますけれども、ここにはなかったということ。それから、車両そのものも、マンションに食い込んでいるわけでありますが、スピードを優先するがゆえに、軽量ステンレス、こういった車両を使っている。そういう意味では衝撃に極めて弱い、こういうことも言われておりますし、また、いわゆる曲線緩和、カーブの手前からはずっと曲線を緩和するための措置、こういったものがなされていないとか等々、今盛んにいろいろな原因といいますか要因が言われております。

 ともかく複合的なものでありますし、この一つ一つをやはりきちんと総点検をし、事故再発をしっかり防止する。一方、ここだけに限らず、これを大きな参考にして、全国の公共交通等、鉄道も航空も、いま一度国民の安心、安全のための総点検をやるべきではないか、このように思っている次第でございます。

 大臣がいらっしゃったら、その辺の御決意について聞こうと思ったんですが、蓮実副大臣、簡単にその辺の御決意をお述べいただきたいと思います。

蓮実副大臣 国土交通省といたしましては、事故発生後直ちに、北側大臣を先頭にして、万全の対応をしております。今後とも精いっぱい努力してまいりたいと思っております。

山名委員 よろしくお願いします。

 それでは本題に入りたいと思いますが、きょう、私は、公営住宅法改正等に関連いたしまして、まずマンション問題について若干質問をしたいと思います。

 議員の皆さん、あるいはきょう傍聴にお見えになる皆さんを含めて、マンション居住の人たちは非常に多いわけでございます。特に大都市を中心にしてマンションが急増いたしておりまして、今や全国で、これは平成十六年度のデータですが、マンション約四百五十万戸、そこに住む人たちは千二百万人とも言われているわけでありまして、およそ日本の人口の一割を占める、こういう居住空間でもございます。

 最近は特に、年二十万戸ベースで東京を中心にしてマンションがふえている。一方で、築三十年、四十年という老朽化したマンションストックも一方でふえ続けている。ここに、いろいろな意味で大きな問題も内在をしているわけでございます。

 日本の人口の約一割を占めるマンション、そして、地域にとって、マンションを抜きにしてその地域のコミュニティーは語れない、こういう状況の中で多くの課題を抱えているわけであります。特に分譲マンションにつきましては、私たち公明党も、マンション問題の議員懇話会を設立させまして、この重要な課題について取り組みをしているところでございますが、区分所有者といいますか居住者の意識というものが極めて多様化しているわけでありまして、その中で、自分の住むマンションのいろいろな修繕にしても運営にしても、合意形成というものがなかなか難しいということでもございます。多様な価値観の中で、どう区分所有者の皆さんの合意を取りつけるか、難しいわけです。

 それから、そこに店舗と住居が混在している、こういう場合の権利関係、利用関係の複雑性というのもございますし、建物の構造上の技術的な判断の難しさ、極めて専門的な知識を必要とするわけであります。

 そもそも、マンションを買うときは、そのマンションのまず値段、それから間取り、つくり、そういったものに関心が移りがちであって、むしろ、そのマンションがどういう管理規約のもとに管理がされようとしているのか、修繕積立金がどういうふうになっているのか、こういったことについては余り関心がないわけでありまして、そういうところからいろいろな問題の複雑さを露呈していると思います。

 そこで、三年前にマンションの管理適正化法という法律を議員立法で私たちはつくりました。マンションの区分所有者あるいは管理組合の皆さんの側に立って、そういったいろいろなトラブル、課題に対する相談役になろうということでマンション管理士というものをつくったり、いろいろな形で管理の適正化法というものをつくったわけでありますが、この附則第八条では、施行から三年後に見直しをしようということにしております。

 そこで、これは議員立法でつくった法律でありますけれども、今三年を過ぎまして、今後より一層快適なマンション、ついの住みかとしてのマンションづくりのためにも、こういった見直しの時期に来ている以上、大いに検討しなきゃならないと思いますが、その後の進捗状況はどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

山本政府参考人 マンションの管理につきましては、今お話しいただきましたような問題意識に立ちまして、三年前にマンション管理適正化法を制定していただきました。これに基づきまして、国、地方公共団体等によるマンション管理組合への支援体制の強化、それからマンション管理士制度、マンション管理業者の登録制度といったようなものができまして、これを適切に運用することで、この法律に基づく施策が着実に進んでいると認識しております。

 同法が制定されました際に、附則第八条で、施行三年後に見直しを行うようにということが求められておりますので、昨年の八月から、国土交通省の中に有識者によるマンション管理に関する懇談会を開催しまして、ことしの三月にマンション管理の課題と対応策について取りまとめをいただきました。十一項目にわたる御指摘をいただいております。

 これらの提言につきましては、可能なものから具体化するという考えでおりますけれども、各項目ごとに、必要に応じ、実情の把握それから検討といったようなものを加えてまいりまして、マンション管理の一層の適正化を図るために施策を充実させていきたいと考えております。

 こういった調査検討の結果を踏まえまして、必要があればマンション管理適正化法の改正もお願いすることになろうと思っております。

山名委員 適正化法の見直しについても、私たち、これからいろいろな形で提言をしたいと思いますが、きょうは、その中で何点かちょっと取り上げたいと思います。

 その一つが、この委員会でも当然問題になっております住宅金融公庫、これが今度は独法に移行するわけでございますが、マンションの修繕積立金、これをいわゆるすまい・る債という形で引き受け、証券化支援事業等も含めて、従来からやってきたわけでございます。口数が大体九万件に対して応募数が八万八千ですから、ほぼ口数に近い申し込みが今あるわけでございます。

 一方で、こういう経済状況の中で、この四月にもペイオフ解禁ということもございました。あるマンションでは、修繕積立金はもう億を超える、こういう莫大な資金を修繕積立金としてプールをしておるわけであります。

 そこで、住宅金融公庫の持つすまい・る債、これは、元本保証ということでは、いわゆる一千万を超えてもちゃんと保証されるわけですから、極めて有効なものであります。今度の独法移行に伴って、こういった制度、これは当然承継されるものと私は思っておりますし、当然いわゆる証券化の支援事業についても承継される、このように思っておりますが、その辺の基本的な、承継に対する取り組み。

 さらには、このマンションすまい・る債というのは管理組合にとっては極めて有効な施策であると私は思っているんですが、一方でなかなか使い勝手が悪いわけであります。

 それは何かといいますと、条件的に、二十年以上の修繕計画があるということ、これが条件になっている。それから、修繕積立金の月額が大体六千円から一万円なきゃならない、あるいは、この募集期間が年一回しかない、あるいは、いつでも解約はできますけれども途中の変更ができませんで、途中で口数変更する場合は新規申し込みをしなきゃならぬ。こういうある意味での手続的な煩雑さというものがあって、なかなか管理組合がここに応募しないという原因もあるわけでございます。全国八万近くある管理組合、このうち約一割ぐらいしかこのすまい・る債に応募していない。

 本当に、ペイオフ後の資金管理として極めて有効なこの制度をもっともっと広く活用していただくためにも、しっかりとしたPR、広報、こういったものも含めた取り組みが必要ではないか、そして、条件についていま少し検討し緩和していく必要があるんではないか、このように考えておりますが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕

山本政府参考人 住宅金融公庫のマンションすまい・る債についてのお尋ねでございます。

 まず、今回の住宅金融公庫の改革のポイントは、民間にできることは民間にやっていただく、公庫ではやらないということでございます。

 ところで、マンションすまい・る債の対象としている管理組合、これは、比較的信用力が弱い、マンション管理組合でございます、借り手でございますので、実際の民間の銀行などの融資の状況を見てみますと、なかなかこういう管理組合に対しての融資に民間の銀行は積極的でないという実態がございますので、このマンションすまい・る債につきましては、特殊法人改革の考え方にのっとりまして、新法人においても引き続きこれを続行するという考え方で今回の法律はお願いしております。

 それで、なかなか使い勝手が悪い、普及しないじゃないかという御指摘でございます。

 このマンションすまい・る債は、管理組合が、マンションの共用部分の修繕工事に必要な修繕積立金の運用先として、公庫の債券を定期的に購入する、これによって修繕積立金を計画的に、安全に積み立てるということを支援するものでございます。

 公庫におきましては、この制度がきちんと活用されるように、管理組合に対していろいろなPR活動も行っております。それから、マンション管理組合からのいろいろな御要望、今御指摘がありましたけれども、これについてもできるだけ対応したいという態度で努めてまいっておりますけれども、これからもその努力は進めてまいります。

 平成十五年度には、以前委員からも御指摘をいただきましたけれども、小規模なマンションにおいても積み立てがしやすいように、一口当たりの積立額を百万円から五十万円に引き下げたといったような対応もしております。

 こういった努力の結果、マンションすまい・る債に対する応募でございますけれども、平成十二年度の制度の創設以降、ほぼ年々増加してきておりまして、マンションの計画的な修繕を支援する観点から、独立行政法人への移行後も引き続きこれを実施していきたいと考えているわけでございます。

 今後の取り組みでございますが、新聞への掲載、説明会の開催といったような従来のPRの努力に加えまして、マンション管理組合それから管理会社に対する個別訪問の実施、マンション管理士やNPO法人と連携した積極的なPRを行うといったようなこととあわせまして、マンション管理組合のいろいろな要望に耳を傾けて、きちんと活用されるように努めてまいりたいと思います。

山名委員 次に、最近もあったことですが、マンションというのは、管理組合が委託して、大体マンション管理会社、業者が委託を受けて管理等をやっているわけですが、このマンション管理業者の倒産、これによりまして管理組合の財産がどうなるのかというような、大変深刻な事件もあったわけでございます。

 マンションの財産保全については、従来から、一定の期間マンションの管理業者の名義の口座に修繕積立金等を入れて、いわゆる収納代行方式、こういう形をとり、そして保証契約を締結しなきゃならないということをこの法律で義務づけてきているわけであります。しかし一方で、業者による使途不明金、こういった問題もありますし、いろいろな意味で修繕積立金が安全に管理運営される、運用される、こういうためにも、分別管理方式、そしてあるいは保証制度の見直しというものが当然必要ではないか、このように私は考えておりますが、いかがですか。

丸山政府参考人 先生御指摘のように、法令におきましては、自己の、管理業者の財産とそれから組合の財産を分別して管理する、一応そういう原則になっておりまして、収納代行方式による場合でも保証をやるということになっておるわけでございます。

 ただ、これも御指摘いただいたところでございますが、管理業者が使途不明金があったということもありまして、焦げつきといいますか、管理組合の財産に多大の被害を生じせしめたという事例もございます。

 このようなこともございまして、私どもといたしましても、管理組合の財産の保全についてより一層気を配るべきではないかというふうに思っております。特に、これは管理業界とも連携しながら、また、実態どうなっているのかということも行いながら、保証制度のあり方も含めまして分別管理方式の見直しについて検討をしていきたい。

 具体的に申し上げますと、この二十日に高層住宅管理業協会の中に設置いたしました財産の分別管理に係る検討会というものを設置いたしまして、この中には私どもも参加いたしまして、財産の分別管理につきまして検討を開始したところでございます。

山名委員 今お話の出ました高層住宅管理業協会、高管協といいますが、ここが協会独自の施策として保証機構というのをつくりまして、いわゆる基金ですね、九億円を積み立てて、こういったいざというときのための保証金、こういう制度をつくっております。

 しかし、実際、いわゆるマンション管理業として登録、大臣登録ですが、登録してある数は、およそ全国で二千六百社。しかし、この二千六百社のうち、高管協というこの唯一指定された法人に登録しているのがおおよそ四百五十社なんですね。

 すると、二千六百ある会社のうち、保証を前提とした管理業協会に登録してあるのが四百五十社ですから、あとある残りの千六百、七百社近いところは、そういう意味では何も保証がない、いざというときにどうするのかという手だても明確ではない。したがって、これはやはり、管理組合としても非常に不安なわけであります。

 しかし、実際、管理組合にとっては、どこの管理会社がいいのか、どこが悪いのか、そういうことをきちっと知るための情報というのは全くない。ですから、これはやはり、大臣登録である以上は、その登録した会社の実態、いろいろなことについて情報を公開し、管理組合の皆さんがそういった情報を知って、本当に信頼できる管理業者に、管理会社に委託できる、こういうシステムをもう少し強化していかなきゃならない、私はそういうふうに思います。

 したがって、この保証機構についても、わずか九億円ですよ。大型のマンション業者が倒産すれば、もう一発でそんなものは吹っ飛んでしまう。これは国挙げて、政府挙げて、こういった基金制度をいま一度考えていかなきゃならないんじゃないかというふうに私は思います。

 そこで、関連しまして、私は、マンション管理の適正化のためには、管理組合の参考となるような、そういう標準的な管理の方法、状況を示すガイドライン、これが今必要ではないかと。あるマンションでは、長期修繕計画、これすらないところもあるし、あっても、その長期修繕計画の積算根拠が明らかにならない。もうばくっと、アバウトで金額が出ているわけです。どういう積算根拠でなったのかということも明確でない。こういうところも現実に存在するわけですね。したがって、やはりある程度、一定のそういう積算根拠等を含めた、あるいは運営管理、こういうものをいろいろとリードできるガイドライン、これを早急に策定しなきゃならない、こういうふうに思いますが、これについてはぜひ大臣から御決意を含めてお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

    〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

北側国務大臣 済みません、ちょっと参議院の本会議の方に出席をしておりましたので、退席をしておりました。最初から御質問を聞いておりませんので、ちょっと違うところがあったらまた御指摘いただければと思います。

 マンション管理の適正化につきましては、マンション管理の適正化の推進に関する法律の施行を契機にいたしまして、マンション管理士制度の創設、また、管理業者の登録制度のほか、管理組合に対する相談体制等の充実を図っているところでございます。

 管理組合が自主的、主体的にマンション管理を行っていくためには、こうした制度の推進はもとよりでございますが、今委員の御指摘がございましたように、みずからのマンションの客観的な管理状況の把握が不可欠であるというふうに考えます。

 築後年数、建築様式等の各マンションの状況につきまして、管理費、修繕積立金の額、管理規約の内容等につきまして標準的な水準が示されましたならば、管理組合みずからがマンションの管理の適否を判断することができるようになるわけでございます。御提案の標準的な管理のあり方を示すガイドラインとしてそのようなものが策定をされましたならば、管理組合のニーズにも適合すると考えます。

 したがって、国交省といたしましては、御提案の趣旨を踏まえまして、管理組合による管理の適正化、活性化といった観点から、こうしたガイドラインの策定に取り組み、できれば年内を目途に取りまとめてまいりたいと考えております。

山名委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 マンション問題の最後の質問ですが、マンション管理の適正化、これをさらに推進するためには、マンションの具体的に住む住民の人たち、管理組合を含めたそういう人たちの意識、これがやはり大事になるわけでございます。自分だけ住めばいいというものではなくて、集合住宅ですから、やはりマンション全体のことを意識づけを持っていろいろと考えていく、そういう意味での住民のレベルアップといいますか、こういったものも必要ではないかと思っております。

 そういう点で、今後さらに、マンション管理士の制度ができたわけですから、私たちが提案してできたわけですから、しかし、実際はそれがなかなか有効に活用されていないという面もございますし、こういった、マンションに住む皆さんの意識高揚を図るための施策というものも一方で必要ではないかというふうに思っておりますが、今後、そういった取り組みをどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

山本政府参考人 一言で御答弁申し上げますと、御指摘のとおりだと考えております。管理組合を構成するマンションの区分所有者の方々が、管理組合の一員としての役割を十分に認識していただいて、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加するといったような形で役割を適切に果たしていただく、そういうふうに努力していただくことが大事であると認識しております。

 このように、マンションの住民の方々が管理意識を持って主体的にマンション管理にかかわるようにするためには、マンション管理に関する情報が適切に整理され、マンション住民が容易にその情報にアクセスできる環境を整備するということが必要であると考えておりまして、今年度から、修繕の履歴情報などのマンションの管理情報を登録し、閲覧することができるマンション履歴システムを構築して、管理情報のデータベースを整備したいと考えております。

 このほかにも、先ほど御説明しましたマンション管理に関する懇談会の御提案の中で、分譲時における購入者の管理意識醸成のため、購入予定者を対象としたマンション管理に関するリーフレットの作成、配布などによりまして意識啓発を行うことといったような提言が行われております。マンションは管理を買えということでございますので、こうした提言を着実に推進することで、マンション住民の管理意識の向上を図ってまいりたいと考えております。

山名委員 では、最後になりましたけれども、今委員会でテーマになっております法案の問題ですが、特にこの中で、機構賃貸住宅、これにつきましてお伺いしたいと思います。

 当然、少子高齢社会の進展の中で、こういった公団ですね、いわゆる機構賃貸住宅につきましても、その対応等が従来から図られているところでありますが、今後さらに力点を置いて対応していただきたいと思います。

 さらに、今回、ニュータウン用地の早期処理、これがやはり家賃値上げに結びつかないか。別勘定にするといえども、そういった不良債権処理が家賃値上げにつながるんではないか、こういう心配もございます。

 それから、地域住宅計画にこの機構賃貸住宅が組み込まれるということは、今後、地方公共団体任せになってしまうんではないか。やはり、公共性のある公団というステータス、これでもって公団に入居されている方が多いわけでありますけれども、そういった心配事、そういう意味でも、今後とも入居者の皆さんが引き続き安心して住み続けられるための、これは最後に、決意を含めて、大臣の所見をお聞きしたいと思います。

北側国務大臣 旧公団、都市再生機構には、約七十七万戸の賃貸住宅がございます。これまでも、少子高齢化へ対応するために、リニューアル、またバリアフリー化を推進してきたところでございますが、建てかえに際しまして、例えば、子育て支援施設だとか高齢者支援施設の併設に取り組むなど、住宅政策上の課題を解決するための重要な役割をこの都市再生機構の住宅についても担っていただいているところでございます。

 今回の経営改善の取り組みにつきましては、今委員の御指摘のとおりでございますが、財投への繰り上げ償還の対象となるニュータウン事業等経過措置業務につきましては、特別勘定を設けます。特別勘定を設けまして他の業務と明確に区分することによりまして、財投への繰り上げ償還の対象となるニュータウン事業等の経過措置業務については早期に処理をすることとしておりますので、このことが入居者の皆様の家賃の値上げにつながったり、また、維持修繕が適切に進まないというような影響は生じないというふうに考えておるところでございます。

 また、地域においては多様な住宅ニーズがございます。それに的確に対応していくためには、県、市町村、都市再生機構、地方の住宅供給公社等が実施する公的賃貸住宅等の整備や管理につきまして、それぞれの施策対象や役割は違いますから、その違いは踏まえつつ、一層の連携を図っていく必要があると考えているところでございます。

 このため、地域住宅協議会の協議において機構賃貸住宅の役割が十分認識をされまして、地域住宅計画において適切な位置づけがなされるように努めてまいりたいと考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、今後とも、機構賃貸住宅が、居住者が安心して住み続けられること、地域住宅政策上の役割を果たしていけるように努めてまいる決意でございます。

山名委員 終わります。ありがとうございました。

橘委員長 松崎哲久君。

松崎(哲)委員 民主党の松崎哲久でございます。

 まず質問に先立ちまして、一昨日起きましたJR西日本の福知山線事故につきまして、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、現在なお救出やけがの回復に渾身の努力をされている関係御各位の御労苦に敬意を表させていただきたいと思います。

 まず最初に、この鉄道事故関係の質問をさせていただきます。事故は起きない方がいいに越したことはございませんが、起きてしまった以上は、救出、復旧、それから原因究明に全力を注がなければならないというのは当然のことでございますが、テレビの映像等を見ておりますと、救出のために車両を切断して、ガソリンに引火するといけないからバーナーは使えないとかいろいろなことがありますが、切断して救出を優先する、これはもう当然のことだと思っております。

 一方、平成三年、一九九一年に信楽高原鉄道の事故が起こりました。その際に、十カ月後にその事故が起きました車両を解体してしまったという事実があるわけですね。そして、その事故についての原因の究明、報告、これは当時の運輸省の調査報告があるわけですけれども、それが事故から一年七カ月かかっている。つまり、運輸省からの報告が出る一年近くも前にその事故の証拠といいますか、車両が解体されていた、こういう事実があるわけでございます。それについてその事故の報告書が十二ページ、たった十二ページのものであったということで、被害者の方々から大変御不満がございまして、結果としては、その後、事故調査委員会、今あります航空・鉄道事故調査委員会というのが設置された。それも、実はすぐに設置されたのではなくて、平成十二年、二〇〇〇年の地下鉄日比谷線の事故の後設置されたということでございました。もちろん、事故調査委員会自体は昭和四十八年に設置されておるわけです。これは航空事故調査委員会だったわけですが、鉄道事故についても調査委員会で扱うということが、平成十二年になって設置されたということでございます。

 その過去の反省に立てば、当然、そのようなことはないとは思いますが、事故の究明が完了しないのに、事故の報告書が出る以前に、移動はやむを得ないかとは思いますけれども、事故の証拠となる車両を解体してしまうというようなことがないかどうかということを、鉄道局長、念を押させていただきたいと思います。

梅田政府参考人 信楽高原鉄道のいわゆる事故でございます。平成三年の五月十四日に発生した事故でございます。車両は平成三年の八月五日から移動をしました。事故の報告書が出たのは平成四年の十二月でございますから、一年七カ月後でございます。当時は、先生御指摘のとおり、航空事故調査委員会はございませんでした。信楽高原鉄道の信号保安システムに関する調査検討会、これは東京大学の教授を委員長とする委員会を設けまして、そこの検討結果を受けまして運輸省で取りまとめるというようなやり方をとったわけでございます。

 車両の扱い等につきましては、ちょっと今先生の御指摘もあるんですが、私ども、聞いている事実とは若干異なるものはございます。しかしながら、当時問題になりましたのは、遺族の方々がこの事故の調査の結果、あるいはその過程も含めてでございますが、やはり非常に御不満が強かった、その調査そのものが独立して公正に行われているのかどうか非常に不満が強かったというふうに聞いております。御承知のとおり、鉄道事故調査委員会は公正かつ独立して権限を行使する委員会でございますので、当時とは若干事情が異なっております。当時は、そういうことで、車体をいわば解体してしまえば証拠物がなくなる、被害者の方々から言うとみずからの主張の根拠がなくなるというような意向が強かったのではないかというふうに思います。

 今回の事故でございますが、車体は、御指摘のとおり、救出のために現場で解体せざるを得ない車両もございます。今後、この車体の扱いについてどういう扱いをするのか、これは所有者でございますJR西日本が判断すべきことだと思います。先生の御指摘、こういう議論があったということは、当然JR西日本に私どもお伝えいたしまして、この車両の扱い等、被害者の方々とこれからいろいろ御調整、御議論があろうかと思いますが、どういう処理をされるのか、私どもとしても見守っていきたいというふうに考えております。

松崎(哲)委員 御答弁の中に、鉄道調査の部分を航空と言われたように私の耳には聞こえたんですけれども、もしそうであったら後で訂正しておいていただければと思います。

 今の御答弁で、JR西日本のことなんだとおっしゃった部分があるんですが、これは、どうするかは西日本の自主判断ということよりも、まずその原因究明が優先されるべきだと思いますので、事故調査委員会の方の判断ということも当然あると思いますので、そのことも含めまして要望という形でさせていただきたいと思います。

 何はともあれ、再発防止のためには原因究明が重要なわけでございますから、原因究明がしっかり行われれば、被害者の御不満というか、信楽高原鉄道のときのようなことが繰り返されないように、それは、航空・鉄道事故調査委員会が今はできているわけですから、そちらの方で公正に究明をしていただければというふうに考えております。

 それでは、鉄道局長、鉄道局関係の方は御退席いただいて結構でございますので。

 次に、本題の住宅政策関連法の方に移らせていただきたいと思いますが、そのさらに前になりますのですが、四月十九日の、通訳案内業法、いわゆる外客誘致法の審議の際に、私の質問に対して政府参考人の方から事前に伺っていた内容とは違う御答弁がありました。そのことについて、私はこの委員会の席上抗議をさせていただいておりまして、そのことについては議事録にも明記されておるはずでございます。

 私たちは、野党ではあります。私たちは、自分では政権準備党と称しておりますが、与党の方々あるいは政府から見れば野党ではございますが、野党とはいえども、これは国民の皆さんの声を代表して質問させていただいているわけですから、そのためにこの国会審議というのがある。国会審議について立ちます委員の質問は、どういうことを質問してもいいと思いますし、また質問内容は自由に質問できるというふうに理解しております。しかしながら、国民の声を代表しているという意味で、審議の質を高める、質疑、答弁の深さを深めなければいけないという観点で事前に政府の方とお話をさせていただくこともあるわけですから、その点、政府の方では十分御留意をいただきたい、このように考えております。

 与党である自民党が国会を軽視する、あるいは委員会を軽視するということはある程度仕方がないのかもしれません、そう公言される方もあるわけですし。しかしながら、政府がそうであってはいけないと私は考えておりますので、ぜひ御留意をいただきたいというふうに思います。

 それから、なかなか質問に入れないんですが、大臣の御予定が変わりまして、途中御退席されるということです。当然今必要なことをなさっていただくべきだというふうに考えておりますので、政府側の御要請によりそういうことでございますので、質問の通告と順番を逆にしていたしますので、なるべく早く御退席をいただけるように、答弁を終了していただけるように私も努力させていただきたい、このように考えております。

 四月二十二日の本委員会、この法案の審議の際に、大臣と私どもの和田委員との質疑、答弁を聞いておりました。その結果、この改革案の、私が考えるには最大の問題点と言われるところが明確に浮かび上がったように感じております。任意繰り上げ返済について、補償金を求めるべきか、求める必要がないのかということでございます。

 この任意繰り上げ返済の問題はいつごろから大きな問題になったかということを、まず政府参考人の方から事実関係を幾つか質問させていただいた上で、大臣の御見解なりを後で伺いたいと思いますので、まず、いつごろから大きな問題になっておるかということについて承りたいと思います。

山本政府参考人 任意繰り上げが、本格的にといいますか、年度当初の貸付債権残高に対して一割を超えるようなピッチで行われるようになりましたのは、平成七年度以降でございます。

松崎(哲)委員 平成七年度以降ということですが、私の理解によれば、これは、金利が非常に低くなってきたということが背景にある、背景というか、原因としてあるのではないかというふうに思います。

 実際に金利は、私の理解によれば、平成六年に五%を割っているというふうに思いますが、七年から住宅ローンの借りかえということを民間の金融機関は非常に積極的に、セールスといいますか、営業をした。例えば新聞を見ても、広告を見ても、いろいろな記事があったというふうに理解をしているわけでございますが、平成七年以降でもいいですし、その前からでもいいんですが、公庫に対しての任意繰り上げ返済がふえた額というのはいかがでございましょうか。単年度の額、それから総額、いろいろなつかみ方があると思いますけれども、御説明いただきたいと思います。

吉井政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、平成七年度に入りまして、市中金利の急激な低下とか民間金融機関の積極的な住宅ローンへの取り組み等によりまして、それ以前に比べまして任意繰り上げ償還の額が非常に増大しております。

 具体的な数字を申しますと、平成六年度は三兆三千億円でございます。これは、その年度の金融公庫の貸付残高に対します比率で申しますと六・一五%でございますが、これが、平成七年度には九兆七千億円、同じく貸付残高に対します割合で言いますと一五・二七%ということで、急増しておるわけでございます。それ以降も、平成七年度以降、五兆円から七兆円というふうな高い水準で継続しておるところでございます。

松崎(哲)委員 大臣の御退席の時間を気にしますので、私が手計算で、先ほど電卓でそこで計算していたんですが、平成七年、一九九五年から平成十五年、二〇〇三年までの、今理事がおっしゃった、急激にふえた平成七年度以降を計算いたしますと、私の計算では合計五十九・八兆円というような数字になっております。

 その総額について、補償金を取ったとすれば幾らぐらいの、実際にはこれは取っていないわけですけれども、取ったとすれば幾らぐらいの補償金額になったのであろうかという数字を承りたいと思います。

吉井政府参考人 平成七年度以降、先ほども申しましたように、任意繰り上げ償還の額が大変ふえたわけでございますが、これまでもお話がありましたとおり、公庫に対する繰り上げ償還というのは平常でもあるわけでございます。そういうものを前提といたしまして、仮に、先ほど申しました平成六年度、三・三兆円、六・一五%でございますが、これが平常の繰り上げ償還の水準と仮定いたしまして、これを超える額、先ほど申しました平成七年度でいえば一五・二七%でございますが、これと六・一五%の差をとって計算してみますと、平成七年度以降平成十五年度までの、いわばそういうふうな仮定を置いた上での異常な任意繰り上げ額というのは、約二十兆円以上、二十一兆七千億円程度と私どもとしては試算しております。

 これについての補償金はというお尋ねでございますが、補償金に関しましては、個別の繰り上げ返済ごとに、残存年数でございますとか、そのときの貸付利息等を個別に計算しなければなりませんので、先ほど申しましたとおり、平成七年度以降返済されたものの個別のデータというのはなかなかフォローするのは難しゅうございまして、ただいまのところ、補償金を取っていたらいかになったかということの計算は非常に困難であるところでございます。

松崎(哲)委員 私、試算を今お話しさせていただきたいと思うんですが、その前提として、今回の改正によって、公庫は財投会計への返済をすることになるわけですね。繰り上げ償還をして補償金が免除されるという法改正をするわけですが、一応、国土交通省の方から出ている資料によりますと、十兆円であると。その十兆円に、これに相当する補償金免除額は一兆円前後になるであろう、こういう数字と承っておりますが、これはもし違えば後で御答弁いただければと思いますが、私はそう理解しております。

 それから、先ほど理事のおっしゃった平成六年の三・三兆円をベースにする計算、これは私は違うと思います。先ほど申しました平成七年から平成十五年までを単純に足しますと、五十九・八兆円なんです。そのうち、借りかえによらないものがある、ですから差し引かなければいけないというのはわかるんですが、そのベースをこの平成六年の三・三兆円というのが私は違うと。この六年は、先ほど既に申し上げましたように、金利が既に五%を切っているわけですね。ですから、ここから、銀行は大々的にキャンペーンをしなかったけれども、目ざといというか、その方たちは借りかえを既に行っているだろう。ですから、この三・三兆円というのは、もう既にふえている額だと思うんですね。

 それで、実は昭和六十一年から平成六年まで、これはやはり九年間なんですが、九年間の任意繰り上げ額の平均をいたしますと、その前九年が十三・八兆円になるんですね。ですから、その十三・八兆円を五十九・八兆円から引きますと約四十六兆円。四十六兆円が借りかえによる任意一括返済だというふうに推計できると思います。

 そして、先ほどの今改正による補償金の免除額は十兆円に対して約一兆円前後ということですから一割ぐらいだと思えば、この過去、平成十五年度まで、実は十六年、十七年があるわけですけれども、それを除いたとしても四十六兆円に対して四・六兆円。四兆六千億ぐらい、補償金を取らないでいた。要するに、住宅金融公庫のそれが、俗な言葉で言えば赤字といいますか、負担をしょい込んだ形になっているというふうに私は考えます。

 御反論があれば後でいただければ結構です。では、そこまで、ありますか。よろしいですか。

吉井政府参考人 先生がおっしゃいましたように、平常の任意繰り上げ額というのがどのぐらいの水準かというのはなかなか難しい問題だろうと思います。先生おっしゃいました六十一年ぐらいから平成六年までは、まだまだ民間の金融機関が住宅ローンに、言ってみれば本格的に取り組んでいなかったというふうなことで、住宅金融公庫に対する繰り上げ償還というのは非常に少なかった時期が大分続いていたわけでございます。

 そういう意味では、ただ、六・一五でいいのかというところはいろいろ議論あるところだろうと思いますが、その後、先生おっしゃいました全体の額、平成七年から平成十五年までの約五十九兆とおっしゃいましたが、六十兆程度の中での借りかえ額というもの、私どもも、アンケートとかいろいろな統計資料等をとりながら、民間の金融機関で借りかえられているのがどのぐらいかということをいろいろ調べたりしているんですが、毎年の借りかえ率等も違いましたり、それから、お客様にそこまでお伺いすることもなかなかできなかったりというふうなことで、なかなか推計できないでおりますが、それにしても、先生のおっしゃいました四十六兆円が借りかえというのは、ちょっと、私どもの感じよりはかなり多いかなという感じはいたしております。

松崎(哲)委員 御見解が違いますのでこれはしようがないと思いますので、一応私の試算ではそのぐらいと見込めるということだと御理解いただきたいと思います。

 実は、この四十六兆と仮にした場合に、四兆六千億円というような非常に大きな金額を結局チャラにしてしまうというこの法改正ですから、これは、何兆円という金額を銀行に対してかつて公的資金を投入してきたと同規模の国庫の負担になる大きな大きな話なんです。それは結局は国民がツケを負うわけですから、こういう話をするときのベースに、やはりその数字がどういうものであるか、四十六兆で多いなら、では、それは三十何兆なんですよ、二十何兆なんですよ、正確な数字が試算をされて初めてこの法改正の議論というのが行われなければならないと基本的に私は考えておりますので、四十六兆が絶対正しいとか四・六兆が正しいとかと申し上げるわけじゃありませんが、三兆円だとか二兆円だとかという兆の数字であること自体は間違いないわけですので、質問を次に進めたいと思います。

 その大きな何兆円という話になると、実はなかなか庶民の感覚ではわからないところがありますので、これは公庫にお願いをいたしまして、個人ベースではどういう話になるのかということを試算していただきました。

 実際に、仮に二十年前に三十五年ローンで住宅金融公庫から二千万円をお借りした。これは普通のケースだと思いますね。多過ぎもなく、まあ多少多いかなとは思いますが、千何百万というよりも、千とか二千とか区切りのいい数字でやった方がわかりやすいので、仮に二千万円借りた人が二十年間営々としてきちんと元利を払ってきた、そういう方が今現在で民間の大銀行に借りかえをすると月々の返済額は幾らになるだろうか。

 要するに、きのういろいろな数字を申しましたけれども、ややこしくなるので二十年だけのことで結構ですが、今まで毎月の返済額が幾らであったものが、民間の低金利に借りかえるとそれが幾らに下がるのかということをお答えいただきたいと思います。

吉井政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のケースで計算してみます。今から二十年前、昭和六十年の四月でございますが、住宅金融公庫から二千万円を返済期間三十五年の元利均等でお借りいただきます。貸付金の金利はその当時、当初十年間五・五%、十一年目以降七・二%ということでございまして、月々の返済額は十二万五千八百五十五円ということになります。

 これを民間の銀行に借りかえたらということでございますが、現在、比較的民間ローンでよく利用されておると思われております三年固定の金利、これは金利二・二五%でございますが、これに現在残っている分を繰り上げ償還して残りの期間十五年で返済すべく借りかえいたしますと、月々の返済額は九万五百九十四円ということになります。

松崎(哲)委員 大臣の御退席の時間がありますので、すすっと数字だけで結構です。

 それに対して、仮に補償金を求めたとすると、その補償金の総額というのは幾らと計算されますでしょうか。

吉井政府参考人 お答え申し上げます。

 一定の前提のもとで補償金を計算いたしますと、この場合、約六百八十七万円となります。先生のお尋ねにありましたとおり、これを借りかえの額に上乗せいたしますと月々の返済額十三万五千円ほどと、当初の、私どもに返済、十二万五千円より約九千七百円ほどふえるような計算になります。

松崎(哲)委員 和田委員の質問に対して望月参考人の御答弁にありましたように、転勤したとか、退職した際に退職金でまとめて一括返済をしたいとか、そういう事情が住宅ローンにはあるんだというお話がございました。私は、それは当然もっともだというふうに思います。

 特に住宅というのは一生に一度に近い買い物になるわけで、非常に高額でございます。その中には、転勤を余儀なくされたり、あるいは、将来の不安があるから退職金をいただいたときに一括して返しておこう、そのときに補償金を求めるのがいいかどうかというのは、大臣の御答弁の中にも、求めない方がいいんじゃないですかというようなお言葉がありました。私は、それは大臣の御答弁に賛成いたします。

 しかしながら、この借りかえ、公庫から民間への借りかえというのは、いわゆる財テクの手段、財テクというのはふやす方もですけれども、節約をする、そのための手段として行われるケースが多いわけですから、その場合に、今理事のおっしゃった、本来補償金を払ったとすれば十三万五千五百六十九円になる、それが補償金を取らなければ九万五百九十四円でいい。差し引き一人当たり四万四千九百七十五円、月々ですよ、一月四万四千円も一人一人を優遇するような、そういう政策であって本当にいいんだろうか。その赤字をしょい込むのは公庫なわけです。今回、それが国に移って、結局は国民がしょい込むわけですから、それで本当にいいんでしょうか。

山本政府参考人 住宅金融公庫は、設立当初から、法律に基づきまして、任意繰り上げ返済を自由に行うことができると定めて運用してきております。

 これは逆に言いますと、公庫は、国民の皆様から任意繰り上げに際して補償金を徴求してはならないというのが立法意思であるというふうに私ども解釈しておりまして、そのもとで、要するに法律を改正してでもペナルティーを取るべきであるという御指摘であろうと思いますけれども、それについては、従来、大臣からも答弁したような理由で政策上の判断をしてまいったということでございます。

松崎(哲)委員 和田委員への御答弁で、大臣は住宅政策のあり方、社会政策のあり方ということをしきりに繰り返しておられます。それならば、今の話は、借りかえできる中層の人々を優遇する今度の改正案なんですよ。

 社会政策、住宅政策ということを考えるならば、借りかえがむしろできない人、残りの、さっきの数字で十二万五千八百五十五円に放置されてしまって、これからずっとやはり十二万五千八百五十五円を払っていかなきゃならない人を、むしろその人たちに対して金利を政策的に下げて、もう少し、せめて十二万幾らを十万円にする。

 何も中層の比較的恵まれた、銀行で借りかえできる人を優遇するよりは、本当に必要な、十二万五千円を払うのがきついという人を十万円に下げることの方が、社会政策上、住宅政策上は必要なんじゃないかということを大臣に御答弁いただきたい。

北側国務大臣 前回も同じ議論をさせていただいたわけでございますが、もうちょっと私なりに頭の中で整理してお答えしたいと思うんです。

 この住宅金融公庫の任意繰り上げ返済というのは、制度発足当初から認められていたんです。それは法律上、住宅金融公庫法の二十一条の四、これは昭和二十五年の法律です。昭和二十五年ですよ。二十一条の四で「公庫から貸付けを受けた者は、貸付金の弁済期日が到来する前に、貸付金額の全部又は一部の償還をすることができる。」という規定があるんです。この規定に基づいて、制度発足当初から任意繰り上げ返済というのを認めてきたんです。そういう運用をずっとしてきたんです。

 前回の御質問では、補償金を取ってはならないとは書いていないじゃないかというお話があったんですが、補償金を払って任意繰り上げ返済を認めるのは当たり前の話なんです。私、一応法律家ですからね。私は一応法律家ですから。当たり前のことを法律に書いてもしようがないわけですよ。わかりますか。法律にこういう規定を書いたというのは、この住宅金融公庫の融資については、補償金を支払わなくても任意繰り上げ返済ができますよと、それを認めたのがこの法文なんです。

 補償金を払って任意繰り上げ返済を認めるというのは、民間の金融機関でもどこでもやっていることであって、それは当たり前の話なんです。そういう当たり前でないことをやっているのが、やっている根拠が、この住宅金融公庫法の規定なんです。実際に、実際に昭和二十五年からそうした運用をやってきていることは、これは御理解いただいていますよね。だから、まずそういうことだということを御理解ください。

 そして、先ほどの例で、昭和六十年に契約された方の例をおっしゃいましたから、例えばその例を挙げて言いましょう。昭和六十年に住宅金融公庫から融資を受けた方々はどういう契約内容をしているかといったら、任意の繰り上げ返済をできるんですと、補償金を払わなくても任意繰り上げ返済はできるという前提のもとで契約をしているわけです。今になって、そんな契約、状況が変わったから、金利が大幅に低下したから、任意繰り上げ返済は補償金を払わないとできないんですと、こういうことは、当然そんなことはできるわけがないわけでございます。

 さらに、私、時間がないので、言いたいことを全部言ってから帰りますけれども、住宅金融公庫というのは、御承知のとおり、これは民間の金融機関と違って、住宅事情が悪い中から長期で固定で低金利の金融をして、国民の方々に住宅取得を応援していこう、こういう制度で昭和二十五年から始まって、さまざま実績を積んできたわけですよ。そういう住宅金融公庫の性格を考えれば、そういう運用をするのも、私は住宅政策上、おかしい話じゃ全然ないと思います。

 結局、その昭和六十年の方が、まさかこんな超低金利になるなんて、我々も思っていなかったわけですよ。その金利リスクを、金利のこの降下のリスクを、住宅を取得する、融資を受ける側の方々に課すんですかと。先般来の御質問を聞いていると、何か、補償金を取らないことが間違っていたというふうに私には聞こえるんですが、もし間違っていたら、おっしゃっていただければ結構でございますけれども。

 そういうことをずっとやってきているわけでございまして、それで、毎年毎年の予算案の中に、その月々、ことしの十七年度予算でも、昨年の十六年度予算でも補給金として予算案に計上しているわけです、予算として。今始まった話じゃないんです。そういうことをぜひ御理解をお願いしたい。

 そして今回、独立行政法人になるわけでございますので、そして新たな業務になるわけでございますので、そういう中で、これまでのこの財務面の課題というものをきちんと解消をして、住宅金融公庫がきちんと新しい役割を果たしていただくように、問題を先送りしないで透明な形で早期に処理しようというのが、今回の法案の趣旨でございます。

 ぜひ御理解をお願いしたいと思うわけでございます。

松崎(哲)委員 自民党と与党を組んで大臣になられているお立場はわかりますけれども、この問題は、公明党が野党だったときの自民党と政府の責任なんですよ。

 ですから、昭和二十五年の時点で、この制度が、金利は民間の金利が高くて、それより安い金利を設定したわけです。民間の金利の方が安くなるということは想定されていなかったわけです。そうなった時点の平成七年に何らかの措置を政府・自民党がするべきだったわけです。それをしない、それで今になってしまったわけですから、結局、国民にツケを回す。

 民主党と同じように、公明党は庶民の味方だというふうに私思っておりましたが、庶民の味方じゃないんでしょうか。

北側国務大臣 松崎委員はまだお若い議員でいらっしゃいます……(発言する者あり)若くないか。失礼いたしました。大変失礼いたしました。まだ国会に来られてそんなに期間たっておりませんので、もし、あの平成七年、八年、この中に先輩の議員もたくさんいらっしゃいますが、平成七年、八年のバブルの崩壊の状況の中で、大変な経済情勢ですよ、そして金利が、あのばか高い金利から超低金利にがあっとなっていくわけですね。

 そういう中で、政策を変更して、補償金を取らないと、補償金を払わないと、一括の任意返済できませんよなんて、そんなことを当時の野党の我々は、当時私野党でございましたが、野党の私どもだけじゃなくて、ほかの政党だって、そんなこと絶対言うわけありません。そういうことはあり得ない話でございます。

松崎(哲)委員 当時民主党はございませんでしたので……(発言する者あり)

橘委員長 御静粛に願います。

松崎(哲)委員 民主党の責任はないんですが……(発言する者あり)

橘委員長 御静粛に願います。御静粛に願います。

松崎(哲)委員 御退席いただいても結構でございますよ。

 あのバブルを起こしたこと自体が政府と自民党の責任であったということ、これは声を大にして言わなければいけないわけです。(発言する者あり)

橘委員長 御静粛に願います。

松崎(哲)委員 ですから、バブルが崩壊したときに政策変更がしづらかった、それはもちろんわかりますけれども、そのときの北側代議士のお立場もわかりますけれども、もともとは、公明党が野党時代の自民党と政府の責任を今負わなければならないお立場の北側大臣に御同情申し上げて、御退席いただいて結構でございます。

 御答弁をいただいても結構ですよ。

北側国務大臣 では、ちょっと一言だけ答弁させていただいて、恐縮ですが、ちょっと退室をさせていただきたいと思います。

 今の委員の御趣旨というのは、バブルをつくったのはだれで、崩壊させたのはだれに責任があったかという問題と、この問題とは余りにも次元が違う話で、それをひっくるめておっしゃっているのは違います、違うと思いますよ。

 やはり大事なことは、住宅金融公庫から融資を受けていらっしゃる利用者の立場にとって、どうすることがいいのかということなんです。平成七年、八年ごろに、金利がたくさん、ばあっとえらい上がってしまった、だれも予想していなかった。そういうことを前提にして、あなた方、これからは補償金払わないと一括繰り上げ返済できませんよ、こういうことができるわけありません。これは、ぜひ御理解をお願いしたいと思うわけでございます。

松崎(哲)委員 お約束ですから御退席いただいて結構でございます。

 今、大臣言われた中で、あとは副大臣がお答えいただくんですか、局長になるのか、どちらでも結構なんですけれども、金利が上がったとおっしゃったんだけれども、上がったときの話じゃなくて、下がったときにこの借りかえが起きているわけですから、今大臣の御答弁の根拠は失われていると私は思っております。

 それで、今回の改正のやり方というのは、機構や公庫の失敗というものを、結局、財投特別会計に負担させる、その財投特別会計というのは、回り回って国民にツケ回しをすることになるということですから。一方、本当に必要な部分、十二万五千五百円払い続けなければいけない方は、むしろ政策的に金利を下げてあげて、民間はそういうときに金利を下げることをやるわけですから、下げてあげて十二万の負担を十万円にしてあげる方が、はるかに住宅金融公庫から借りていただいた方々たちの、利用者のためになる。大臣は、ためを考えなければいけないとおっしゃったけれども、その方が利用者のためになるんだということを申し上げたいと思うんです。

 低廉で良質な住宅を供給するという国の住宅政策、これがかつての住宅公団であり、または住宅金融公庫であったわけですから、その使命というのを考えたときに、やはり個々人に対してきめの細かい制度、一人一人の利用者、一人一人の賃貸入居者に対して、きめの細かい制度を常に見直していくということが必要であると同時に、他方、不要な出費を避けるというのは当然ですね。

 都市再生機構が三兆円を今回繰り上げ償還して、免除される補償金相当額が約七千億円、そして金融公庫が本来、私が考える本来、負担する必要のない補償金相当額が二兆ないし三兆円になるということですから、さらにそれに、先ほど私が申し上げた四兆六千億円があるわけです。十兆円に近い八、九兆円の金額があるわけですから、これは結局だれの責任なのかという話なんですね。だれも責任をとらないまま、この法を改正することによって責任をうやむやにする、チャラにしてしまっていいんでしょうか。

 これは、大臣に御答弁いただきたかったんですけれども、御退席になりましたので、どなたかお願いいたします。

山本政府参考人 今いろいろな委員の御試算を積み上げていって十兆円というところまでおっしゃいましたけれども、それぞれの負担がどういうふうになるのかというのを正確に、推計可能なものは正確に論議をして、委員会審議いただくのが大事かと思います。

 そういう意味で、住宅金融公庫が、今般法律でお願いしております措置によりまして、十兆円程度の財投への繰り上げ償還をした場合の、本来財投に任意繰り上げした場合に支払わなければならぬ補償金の額というのは、私どもは一兆円前後というように推計しておりまして、そういう意味では、財政融資の特別会計の懐の中ででございますけれども、今回の措置で一兆円前後を免除していただいたというふうに理解するのが正確かと思います。

松崎(哲)委員 私は、いずれにしても、数字をきちんと計算して委員会審議をすべきだという局長の御答弁にまさに同感なんですね。先ほど金融公庫の方から御答弁いただいたときには、推計できないという、数字が出ないということですが、むしろ一生懸命推計していただいて、こういう数字になるんですよということを前提にやはりこの委員会の審議というのはなければならなかったと。それが、数字が調わないまま審議が行われたということに私はむしろ不満に思っているわけですから、それは局長がおっしゃっていることに賛成なんです。

 いずれにしても、さっきの十兆というのは、私は自分の数字、暗算を間違えたので、八兆ぐらいですね。自分の言った数字を合計すれば八兆ぐらいですが、八兆なのか、政府の出している三兆円にプラス七千億を足して四兆前後なのかということはともかくとして、いずれにしても膨大な数字であることは事実ですから、その膨大な数字を、今回こういう法改正をすることに伴いまして明らかにするというその趣旨は、もちろん大賛成ですね。わからなかったものが明らかになるというのはいいことだと思います。

 しかしながら、それについてはどこかで責任があるのではないか。こういうふうに申し上げて、できれば大臣に御答弁をいただきたかったんですけれども、その御答弁はさっき局長からなかったので、いかがでしょうか。(発言する者あり)副大臣、よろしければお答えいただきたい。

山本政府参考人 正確にと申し上げましたのは、先ほど住宅金融公庫の理事から答弁いたしまして、その中で推計できないと答えましたその意味は、大臣答弁とも関係するんですが、そもそも住宅金融公庫の融資の制度が、法律の定めるところに従って任意繰り上げは自由であると。したがって、その理由を問わず、退職金が手に入ったから任意繰り上げするのか、引っ越すからするのかという理由を問わず、国民の皆様の都合によって自由にできますという制度でやっているために、委員が指摘された、財テクのために、利益を得るために任意繰り上げしたのがどれだけかということを推計するということは困難でございます、そういう運用をしていないからということを申し上げたわけでございます。

 そういう意味では、今のような数字を、そういう運用をしていないから、そういう数字を出せと言われても難しいということを申し上げたわけでございます。そこのところを御理解いただきたいと思います。

松崎(哲)委員 先ほど、責任問題について、副大臣、よろしいですか。

蓮実副大臣 今回の措置は、特殊法人の改革の一環として、公庫が業務を抜本的に見直し、人員を削減するなど、最大限、自助努力することを前提に、財投資金の繰り上げ償還を行うことによりまして、損失などを先送りせず、透明な形で早期に処理するということにしたものであります。

松崎(哲)委員 ですから、そうなんですけれども、それはわかっているんですけれども、だからそこに責任はないのかということを申し上げたいんですが、それは御答弁なかったということで、結構でございます。

 私たち民主党も、この法案に賛成するのか反対するのか、まだ私は指示がないのでわかりませんけれども、基本的には私は、この事ゆえに、庶民の立場に立つ民主党としては当然容認できない、このように考えておりますが、私も政党人でありますから、午後の採決に際してはこれは党の指示に従います。

 角度を変えて質問させていただきたいと思います。

 先ほど室井委員から公営住宅の駐車場についての質問がちょっとありました。私は、余り地元のことをこの委員会では取り上げたくないと思っているんですが、しかしながら、地元でいろいろな実例つきで意見を伺ってくるというのは、一般的な政策を考える上で大変有用だと思っておりますので、実際に、一般論として伺いますが、その背景には具体的な例があるということを御承知いただいて御答弁いただければというふうに思います。

 例えば、三十年以上前に建築された県営住宅があります。駐車場が全くありません。今まで隣地の民間の駐車場を借りて何とかしていたんですが、その民間の駐車場もほかに利用が決まって、返還を求められたということで、何とか駐車場を確保しなければいけない。三十年前には必要でなかったものが今は必要な、時代環境の変化というのがあるわけですね。

 検討したところ、幼児、子供の遊び場がある、そこをつぶせば駐車場にできるのではないか。ところが、その幼児の遊び場を駐車場に転用するときに、その工事に国の補助金が入っていた。正確には遊び場じゃなくて、その遊び場の周りの植栽の部分に国の補助金が入っているので、これをつぶすことは、転用することは、補助金を返還しなければならない、だからできないんだというふうに県の方から言われているという話を聞くんですが、こういう場合、補助金の返還を求めることになるんでしょうか。

山本政府参考人 一般論ですけれども、国の補助金が入っている施設を、耐用年数を勘案して大臣が決めた期限というのがございまして、例えば耐火の公営住宅、コンクリートの公営住宅なんかの場合七十年というふうに期限を定めておりますけれども、その期限を過ぎたものについては全く問題ありませんけれども、その内側で、期限が到来しないときにほかの用途に変えていくという場合は、大臣の承認を得た場合、特別な事情があってそういう必要があるということで事業主体から申請があって、結構です、問題ありませんという承認を得た場合は、補助金の返還をする必要はないという制度となっております。

松崎(哲)委員 ちなみに伺いますが、植栽の耐用年数、それから幼児の遊び場というのはどのぐらいなんですか。

山本政府参考人 公営住宅建設費補助を受けまして、公営住宅と一体としてできました共同施設でありましたら、公営住宅団地と一緒に、同じもの、附属物として扱われますので、もしその公営住宅が木造でしたら三十年、コンクリートでしたら七十年ということになります。

松崎(哲)委員 いずれにしても、三十数年ではその目的変更ができないということのように今承りましたが、県営住宅でも機構住宅でも、年数がたてば住民の年齢構成は当然変わるわけですが、例えば、一つの団地をとってみて、三十年前、二十年前、十年前、あるいは現在、どういうように居住者の年齢構成が変わったか、そういうようなデータというのはあるんでしょうか。

山本政府参考人 各公的賃貸住宅の管理主体がどういうふうなデータを掌握しているかというのは、私どものところではつまびらかでありませんけれども、私どものところでは、まずマクロに、住宅統計調査とか需要実態調査なんかを使って、全体の動向がどうなっているかというのを掌握するようにしております。

 それから、公団、再生機構の賃貸住宅については、機構において、サンプリング調査ですけれども調査をして、それぞれの団地の世帯構成がどういうふうになっているかということを調べて、管理に役立てるようにしているというふうに理解しております。

松崎(哲)委員 私が事前にいただいた年齢構成のはあるんですけれども、それは二十歳未満になっているんですよ、一つのブロックが。二十歳未満じゃなくて、やはり十八歳になったら幼児の遊び場は使いませんから、幼児の遊び場を使いそうな、五、六歳なのか七、八歳なのか、もう少し細かいデータがなければしようがないと思うんですね。

 いずれにしても、三十年前に幼児のために必要だった施設が、今は必要であるはずがないんですね。むしろそういうように、今、三十年前に三十歳だった人は当然六十歳になります、五歳だった人は三十五歳になります。その三十五歳の方が住み続けて、五歳、六歳でまた住み続けていただけるのなら、それはそれで一つの目的だと思いますので、目的を達成していくことになりますのでいいんですが、そうでないならば、不要な施設は、むしろ駐車場のように、今現在に必要とされているわけですから、転用していくことを積極的に認めていってもいいと思うんですよ。

 今現在、例えば埼玉県の例では、三十年前につくった県営住宅では駐車場は確保しておりませんでした。しかしながら、現在整備していく県営住宅については、住宅の戸数に対して七〇%までの台数の駐車場を確保するのをガイドラインにしている、こういう話があるわけですよ。これは当然、時代環境の変化に対応した策だと思うんですね。

 一方、国土交通省さんの方でも、地域によって三割あるいは五割までは、駐車場の整備をするために補助金を出しているということも伺います。例えば、私の想定している埼玉県内の県営住宅ですと五割までは可能なんだそうですが、そうしますと、国の政策としても、県営住宅にも、あるいは機構住宅も同じだと思いますけれども、駐車場をある程度の台数整備していくのが必要だという認識を持たれているわけですから、そうすると、幼児遊び場に昔出した補助金が、耐用年数七十年たっていないわけですから、返還できないんだというように、一方でそこで縛るというのはちょっと政策的に矛盾しているんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょう。

山本政府参考人 私の先ほどの答弁が舌足らずでちょっと誤解を招いたかと思うんですが、七十年たっていなければ常に補助金を返還してもらうということを申し上げたわけではありません。補助金適化法の手続上、大臣の承認が必要になりますということを申し上げたわけです。

 したがって、公営住宅の事業主体において、住んでおられる方々とよく話し合った上で、その要望にこたえて共同施設の中身を変えていくということであれば、当然それは承認の対象になると思います。だから、その手続をやっていただければ駐車場に変えることはできますよということでございます。

 それからもう一つは、実はこれはまた委員のお怒りを買うかもしれませんけれども、公営住宅について駐車場整備の補助を導入したのは、実は平成三年からなんですね。ごく最近からです。普通の国民の生活に自動車は不可欠なものだということで補助対象にしたということでございますけれども、それでも大都市なんかでは設置台数に制限があるとか、あるいは駐車場を設置する場所について制限があるとか、縛った形で補助対象にしてきたわけでございますけれども、今度の法律でお願いしております地域住宅交付金によりまして、提案事業でありますけれども、地方公共団体がおつくりになりたいと判断されれば、これは自由に交付金の対象になるという世界に入っていけるわけでございます。

松崎(哲)委員 私は別にそのことで怒るわけでもなくて、むしろ平成三年にという段階でそういう政策転換をしていただいているということは、状況変化に合わせて政策を変えていっていただく、これは政府としてしかるべきことだと思いますので、むしろ三年にやっていただいているという、私が質問した段階で、もう十四年前にはそういう制度に転換しているということをわかりまして、大変心強く思っております。

 もう一つだけなんですが、そうすると、その補助金は、これから既にでき上がっている県営住宅に駐車場を設置する、それはもちろんその県営住宅の方からの要望があることを前提としてですが、そうすると、その県営住宅の一部分を、今ある幼児遊び場を駐車場に転用するということについても、まず、前の補助金の返還は必要ない。さらに、新たに補助金を五割まで、地域によりますが、五割まで出すことができるというふうに今の御答弁は理解してよろしいんですね。

山本政府参考人 大臣の承認手続を経た上で、地域住宅交付金の対象になるということでございます、交付率は四五%でございますが。

松崎(哲)委員 ちょっと確認です。

 五割と聞きました。四五%なんですか。

山本政府参考人 地域住宅交付金は、地域住宅計画に盛り込まれた事業費に対して四五%の交付率であります。

松崎(哲)委員 いや、私、三割、五割と言っていたんですが、台数の話で、ちょっと私が誤解をしまして、四五%と承知しております。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

橘委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

橘委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。阿久津幸彦君。

阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。

 事故の関係で、北側大臣、大変お疲れだと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。

 四月の二十二日に行いました質疑に続きまして、住宅二法について質問をさせていただきたいと思います。

 地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案について、先日ちょっと質問を残しましたので、そこから入りたいと思うんですけれども、本法案の第四条一項には、「国土交通大臣は、地域における住宅に対する多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する基本的な方針を定めなければならない。」とされております。この基本方針の延長線上には、平成十八年度に予定されております、新たな住宅政策の方向性を示す制度的枠組みの整備が存在していると思われますが、その新たな住宅政策の基本理念の中核をなすものは何か、大臣からお答えいただきたいと思います。

北側国務大臣 今委員のおっしゃっておられますように、現在、社会資本整備審議会において、新たな住宅政策のあり方につきまして論議を引き続きしていただいている最中でございます。

 住宅が持つ意味というものは、私は変わらないと思っております。住宅というのは、私ども国民生活のまさしく基盤、基本、基礎になるものでございまして、また地域社会にとっても、住宅というものが非常に重要な要素であり、財産である。その住宅の持つ重要性ということは何ら変わっておらないと思うわけでございます。

 ただ、環境といいますか条件といいますか、その辺が大きく変化をしている。

 一つは、住宅事情そのものの変化でございます。住宅につきましては、御承知のとおり、量的には、ストック面におきましてはほぼ充足をしつつあるという状況でございます。ただ、もちろん、質的な面においてまだまだ大きな課題があるわけでございますが、住宅の量という面におきましては、一昔前に比べますと、やはりかなり充足をしてきているということがございます。一方で、今申し上げましたように、住宅の質そのものについては大きな課題が残っておる。

 さらに、経済社会情勢がやはり大きく変化をしてきていると思うわけでございます。一番大きいことは、やはり人口減少時代にこれから突入をしていく。これまでは、戦後、ずっと人口はふえてくる、都市化がどんどん進んでくる、特に都市部を中心に住宅不足が大きな課題にあったわけでございますが、今は、これからはいよいよ人口減少時代、そして少子高齢社会、特に高齢社会につきましては、これから本格的な高齢社会が到来をする、こういう大きな経済社会情勢の変化があるわけでございます。

 また、特に地球環境問題が深刻化する中で、環境面でのニーズ、対応というものもしっかりしていかねばならないというふうな要請もございます。

 三つ目に、先ほども御議論いただきました、住宅金融公庫だとか、かつての都市基盤整備公団、今の機構でございますが、機構の方は既に独法化いたしました。住宅金融公庫につきましても、この国会で独法化に向けての法案を提案させていただいておりまして、そういう中で、市場をできるだけ重視していこうというふうな政策の変化もあるわけでございます。

 そうした大きな環境の変化の中で、今後の住宅政策のあるべき姿といいますか、そこを、今専門家の先生方にも入っていただきまして議論している最中でございます。おっしゃっておられますように、できれば来年の通常国会に新たな住宅の基本法制のようなものを提案させていただければありがたい、また、それを目指して今論議をしている最中でございます。

 一方で、住宅のセーフティーネット、これはやはりこれからも重要であると考えております。一方で市場を重視しながら、住宅の持つ本質的な役割、機能ということを考えますと、やはり住宅のセーフティーネットについてはしっかり確保をしていく必要がある。住宅に困窮をされる方々も、低所得の方々はもちろんでございますが、それだけではなくて、多様な方々がさまざまな事情で住宅に困窮をするという事象も非常にあらわれてきている中で、そういう方々も含めまして、住宅のセーフティーネット、安心して住宅を確保できるというようにすることが、これはやはり政府の大きな務めであるというふうに考えておるところでございます。

阿久津委員 大臣から住宅セーフティーネットというキーワードがなかなか出ないので心配していたんですが、市場重視一辺倒でいってしまってはいけない、市場重視は図りつつ、一方で、その対立として、住宅のセーフティーネットが非常に大切だということだと思うんですが、今の御答弁を私なりに解釈いたしますと、社会経済情勢の変化に伴って、中広域に及ぶ良好な地域コミュニティーをどのようにつくっていくのかなという問題に最終的には行き着くのかなというふうに私なりには思うんです。

 そんな中で、ちょっと私なりの期待と不安が実は地方公共団体にあるんですね。いずれにしても、かぎを握るのは地方公共団体だと私は思っているんですけれども、地方公共団体に、期待する部分と、ちょっと不安を抱く部分があるんです。

 それで、ちょっと伺いたいんですが、地方公共団体によって作成された地域住宅計画の審査は、国土交通省によって個別になされることになるのか。また、審査の結果、交付金の額はどのような基準、方法で決定されるのか。それから、交付金の交付決定に至る過程で、いわゆる族議員の口ききや役人による恣意的な裁量等を排除する仕組みはどのように構築されているのか、伺いたいと思います。

山本政府参考人 今回の法律案でお願いしております地域住宅計画の制度の趣旨でございますけれども、これは、地域における住宅に対する多様な需要に的確に対応するために、地方公共団体の自主性と創意工夫を生かして住宅政策を総合的に展開できるようにする、このことが重要でありますので、公共団体が地域住宅計画を作成し、国は、この計画に基づく事業等に要する経費に充てるための地域住宅交付金を交付して包括的に支援するというものでございます。

 このような趣旨から、交付金の交付に当たりましては、地域住宅計画に記載されました個別の事業ごとに詳細に審査するということはいたしません。そういうことは審査は行わずに、計画全体を客観的な基準に基づき評価した上で、計画の内容に基づき交付限度額を算定いたしまして、予算の範囲内で交付金を交付するという流れになるわけでございます。

 その場合の計画全体を評価する客観的な基準でございますけれども、例えば、入り口は、国土交通大臣が定めます基本方針に適合しているか、それから、地域の住宅政策上の課題に適切に対応した目標が設定されているか、さらには、当該目標を達成するために必要な事業が位置づけられているか、それから、事業について熟度といいますか実現可能性があるかといったようなことを、国としてこれを支援すべき計画の基本的な項目を設定しまして、あらかじめ公表したいと考えております。

 この評価基準に従いまして、計画作成主体が評価したものをもとに交付金を交付いたします。また、事業を行いました後、事業の実施後、地域住宅計画に掲げられました目標、客観的な指標をもとに事業主体が事後評価することによりまして、それをまた公表を義務づけることによりまして、客観性、透明性が確保されるものと理解しております。

阿久津委員 そうしますと、私の質問の後段の部分なんですけれども、族議員の口ききや役人による恣意的な裁量等を排除する仕組みというのは、事後評価とその公表ということで、特に排除される仕組み、排除する仕組みというのはないということですか。

山本政府参考人 繰り返しになりますけれども、あらかじめ事前に公表された客観的な基準に基づいて地域計画が作成されます。それを、計画作成主体、つまり地方公共団体ですけれども、自身が評価したものをもとに交付金を算定し交付決定しますので、そのような中で客観性が確保できるというふうに理解しているということでございます。

阿久津委員 私はそれでは、不正というか、そこの部分は排除されるのかなという不安があるんですね。

 というのは、これは初年度で五百八十億円予算をつけるわけですよね。ちょっと、私、地方分権という部分で、何か地方に任せる以上は地方に余り口出ししちゃいけないんだみたいに考えていらっしゃるのかなというふうに思うんです。私はそうは思っていなくて、何でも地方に任せてしまうのが地方分権とは思っていなくて、役割分担の話で、最小限のチェックの仕組みは、これは五百八十億円ものお金を割り振るわけですから、それは必要なことだと思うんです。

 もし、それをせずに責任も何もすべて地方にというのであれば、それこそ一括交付金で、何でも自由に使えるお金で地方にぼんと渡してしまえばいい話であって、一応基本方針を出してそれにのっとってということで国が目を光らせる中で、この住宅周りのまちづくり交付金みたいな位置づけでやるのであれば、その使われ方をチェックする必要があると思うんですけれども、いかがですか。

山本政府参考人 これも先ほどの流れで説明しましたことの繰り返しになりますけれども、国は、要するに言いなりに交付金を渡すということではありません。基本方針を定めた上で、客観的な基準に従って計画全体を評価いたします。評価した上で、この計画の内容に基づいて交付限度額を算定するということでございます。

阿久津委員 私が言っているのは、今のは、何でもかんでも渡すんではなくて、ちゃんと金額も含めて、その地方の計画に基づいて、それが基本方針にかなっているかどうかということで見るから大丈夫なんだということだと思うのですけれども、そうじゃなくて、全部終わって、終わった後に、その使われ方が正しかったかどうかをチェックする必要はないのかということなんです。

 ちょっと質問を変えたいと思うのですけれども、何年か後に、地方公共団体が本法をどのように使いこなしているのか検証する、そのような予定はありますか。

山本政府参考人 今回初めてお願いする制度でございますので、地域住宅計画の計画期間も、一応五年間ぐらいを目途につくっていただくということを想定して制度を構築しておりますので、それぞれ、十七年度に発足しました地域住宅計画が、計画期間終了後に、どういうふうな形で仕事が行われ、地方公共団体がみずから事後評価としてどのような評価をしているかということはモニターしながら制度の改善に努める、そういう方針でございます。

阿久津委員 私もちょっと後で失敗したなと思ったのは、修正なりして附則で五年後の見直し規定を入れておけばよかったなとちょっと思ったのですけれども、今、でも局長が前向きの答弁をいただいたので、ぜひ五年後のチェックというか、五年じゃなくてもいいのですけれども、後である年月を置いて、地方公共団体がいかにこの法律を生かして、それが良好なまちづくりに向けて反映されたのかどうか、そのチェックはぜひ、お金も国のお金が大分行く話ですから、そこのところをよろしくお願いいたします。

 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思うのですけれども、新聞にも大きく報道されました八王子市内の旧公団時代に分譲されたマンションの瑕疵問題についてちょっと伺いたいと思うのです。

 きょうは都市再生機構の理事長にもお越しいただいておりますけれども、まず初めに、ちょっと細かい部分で、新聞にも報道された八王子市内の旧公団時代に分譲されたマンションにおける瑕疵問題の概要及びその原因について伺いたいと思うのです。

岡田参考人 お答えいたします。

 まず、問題の概要でございますが、八王子市内におきまして、ちょうどバブル期に、私どもの前身でございます当時の住宅・都市整備公団が分譲いたしました複数の団地におきまして、分譲後約十年経過した段階で大規模な瑕疵が判明した事案でございます。

 問題となっておりますマンションは、八王子市内におきまして平成元年八月から平成二年三月にかけまして分譲したマンションでございます。ただし、一部は二年後の平成四年三月にずれて供給したものでございますが、ちょうど平成十二年に管理組合さんの方で大規模修繕を行うわけでございますが、その際に、一部の団地におきまして多くの施工不良が判明した、これが発端でございます。

 その後、同じエリアのほぼ同時期に分譲しました他の団地におきましても施工不良が次々と判明しました。それぞれの団地によって瑕疵の程度は、簡単に補修で済んだものから、相当程度、改築まで必要とするぐらいの大規模な瑕疵、それはそれぞれによってかなり異なるわけでございますが、おおむね地区全体としてそういう瑕疵が集中的に発生したというものでございます。

 現在の状況でございますが、施工不良が判明いたしまして以降、住宅購入者の方々で構成されます団地管理組合と協議をさせていただきまして、合意をいただいた団地から調査及び補修を実施してきているところでございます。これまでのところ、大部分の団地におきまして管理組合さんとの間で具体的な補修方法について合意をしていただいておりまして、逐次補修工事を実施してきております。逐次完了してきておるという状況が現段階でございます。

 私どもといたしましては、お住まいの方々に一日も早くもとの住宅で安心してお住まいいただけますよう、全力を挙げているところでございます。

 なお、もう一つの御質問の、その原因についてでございます。

 これだけの大規模な重大な瑕疵が発生いたしましたのは、私ども、昭和三十年、日本住宅公団発足以来、約半世紀近く住宅を建ててきておりますが、全く過去に例のない瑕疵が発生したわけでございまして、その原因でございますが、一義的には、そこの工事を請け負いました施工業者の施工及び施工管理が著しく不適切であったということがまず一義的な原因でございます。

 さらに、このエリアに集中的に大量に瑕疵が発生したということの背景的要因でございますが、以下に述べます幾つかの要因が複合的に、重層的に重なったことの結果というふうに考えておるところでございます。

 まずその一つは、特にこの団地の一つの大きな特徴でございますが、いわゆる景観に配慮したそういう団地づくりをするということで、従来では、普通、集合住宅は直方体の、よく悪く言われるのは、ようかんが並んだような、並んだ並んだの住宅だということなんですが、本件につきましては、景観に配慮ということで、各棟に例外なくいわゆる大きな屋根を、しかも外から見て屋根面がわかるような、大きな勾配と大きな屋根を各住棟につけるというような設計でありますとか……(阿久津委員「もうちょっと簡単で結構です」と呼ぶ)済みません。

 つまり、景観に配慮した結果、極めて設計が複雑になっている、これがこの団地の特徴でございます。もう一つの特徴は、丘陵地なものですから、斜面における工事だったということで、その二つの面から極めて施工難度が高かったということがこの団地の特徴でございます。

 それからもう一つは、地域の学校開校時に入居を合わす必要があるということで、当初の設計期間及び工事の期間が十分にとれなかったということがそこに発生した一つの要因になっている。さらに、この工事の時期がまさにバブル真っ盛りの時期だったものでございますから、資材あるいは技能職の不足等によりまして、さらに施工不良が重大化したというふうに思っておるところでございます。

 ただ、このようにさまざまな要因が重なった結果ではございますが、このような重大な瑕疵の発生を防げなかったことにつきましては、私ども、マンションの売り主として品質管理体制が十分でなかったのではないかというふうに反省しておるところでございます。

阿久津委員 私も、最終的には責任は公団にもちろんあるというふうに当然考えています。

 ちょっと、国民の皆さんにもわかるように、簡単にどのような状況だったかお話しすると、最初そこに住んだ方々は、雨漏りがするということで、おかしいな、おかしいなといって何度直しても雨漏りが直らない。これはおかしいぞということで、ちょっとはがしてみて調査してみると、壁のコンクリートがジャンカになっていたり、鉄筋が途中で曲がっていたり切れているところが多数ある。果ては、コンクリの壁の中に何かごみみたいなものも、空き缶なんかも詰まっていたりして、これはひどいぞという話になって、最終的には十年後の大規模修繕で初めて本格的にわかったということなんですよ。

 これは、私は最終責任は公団にあると。私が考えるその原因は、やはり検査監督の不十分さだと思うんです。理事長もいらしているので理事長にも聞いていただきたいんですけれども、昔の公団だったら、恐らく職人かたぎのうるさい頑固おやじみたいな職人が、この難しい、初めてやるような南欧風の建物ですから、自分でそこに行って、ああだこうだ、ああだこうだ指図しながら口やかましく言って、未熟な業者、職人がいたって、こうやるんだ、セメントはこう入れるんだぞと言って全部細かく指導したと思うんですよ。それが、やはりバブル期ということもあったんだと思いますよ、でも、忙しいにかまけて、あるいはおごりもあったのかもしれない、それで行われなかった。

 これは中間検査をみずからやっていないですよね。ちょっと確認だけお願いします。一言だけで。

岡田参考人 工事監督要領に基づきまして、先生のおっしゃっている中間検査は当然やっております。それは、中間検査をすることによって、そこまでの出来高を逆に請負業者の方に支払うというシステムになっていますので、途中で全く検査をやっていないということはございません。

 ただ、相当工期が切迫する中で設計変更処理等があったために、十分な監督ができたかどうかということについては反省しているところでございます。

阿久津委員 私は、やはりその姿勢に一番問題があったのかなというふうに思っているんです。

 せっかく理事長に来ていただいたので、今回の瑕疵問題を早期に解決するために都市再生機構としてどのように対応していくのか、また、今後の都市再生機構の信頼回復に向けての決意をいただければと思うんです。

伴参考人 本来、良質な住宅を供給すべき立場でありながら、瑕疵のある住宅を提供したことになってしまいまして、分譲住宅購入者の皆様には多大な御不便と御迷惑をおかけしていることに対しまして、まことに申しわけなく、深くおわび申し上げます。

 現在、私どもが何をおいてもなすべきことは、居住者の皆様に対して誠意を持った対応を行うとともに、適切かつ迅速な補修工事等を実施いたしまして、一日も早く安心してお住まいいただけるような状態にすることにあると思っておりまして、現在の体制も引き続きしっかりしきながら、誠心誠意、事に当たってまいりたいと思っております。

 今回の件で、当時公団住宅でございましたけれども、公団住宅に寄せていただきました信頼を裏切ることになったわけでございまして、私どもも信頼回復のためにはいろいろな努力をしなければならないと思っておりますが、やはりこのような事態を二度と招かないように防止策を講じることが信頼の回復には不可欠と考えております。

 そこで、具体的には、今回種々苦い経験をしておりますので、例えば工事内容や施工難度に応じて適切な工期を設定するというようなこととか、あるいは技術力の高い施工業者に発注するような業者選定方法へいろいろな見直しをするとか、それから、施工瑕疵を未然防止する観点から、特に躯体の施工時におきます機構みずからの監督検査回数の増加、あるいは監督体制の強化をするとか、今、住宅性能表示制度というのがございますので、それを導入いたしまして、第三者機関である住宅性能評価機関による厳格な検査を受ける、そういった措置を講じてきておりますけれども、今後とも、これらの措置を徹底することによりまして、再発防止に万全を期してまいりたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、昨年七月から独立行政法人都市再生機構になりましたけれども、新たに与えられた役割も含めて、何とか信頼の回復、構築に全力を挙げて心がけ、努力したいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

阿久津委員 理事長、しっかり頼みますね。

 最後にちょっと大臣に見解だけ伺いたいと思うんですが、大臣にどうしても聞いてもらいたい文章というか、私、この問題で地元からたくさん御意見をいただいたんです。

 一人の方は、小学校、中学校の子供三人と奥様、妻の五人家族だったんですけれども、自分の生涯の中で一番楽しいであろう十年を夢見て、公団の住宅だからということで思い切って分譲マンションを買った、しかし、一番楽しいはずの十年は日々瑕疵問題との闘いに費やされてしまった、こういう意見をいただきました。それから、もう一人の方は、この瑕疵問題を通じて地域コミュニティーが崩壊してしまった、仲のよかった居住者同士がいつしか猜疑心が募って、あの家だけ優遇されているのではないか、そういうような疑いを持つようになってしまった。この方の場合は、近隣住民の嫉妬心というか冷たい視線に耐え切れなくなって、建てかえが決まった後に結局退去することを決めたそうです。

 大臣に、今回の瑕疵問題に対する見解を伺いたいと思います。

北側国務大臣 私も、昨年九月に大臣に就任してから、理事長の方からこの件については何度か御報告を受けております。

 極めて遺憾な、瑕疵に基づく問題でございまして、今の委員のお話にもあるとおり、住宅の取得というのは、普通の人にとっては一生に一回あるかないか、そういう重大な事柄でございます。また、住宅というのは、毎日毎日そこで家族が生活をする場でございます。また、今委員のおっしゃったように、その住宅というものを要素として地域のコミュニティーというのが形成をされていくわけでございます。そういう意味で、私は、こうした重大な瑕疵があったということは極めて遺憾であるというふうに言わざるを得ないわけです。

 特に、旧公団というのは、先ほど理事長も言っていましたけれども、良質な住宅を提供するというのが公団の大きな役割でございます。国民の側からすれば、公団のつくった、公団の分譲する住宅なんだからという信頼感が当然そこにはあるわけでございまして、それを大きく裏切るような今回のこの事件であるというふうに言わざるを得ないと私は思っているところでございます。

 ともかく、私は今機構の方に言っておりますのは、住宅の購入者の方々、また居住されている方々、その方々の立場に立って、早急に、早期の全面解決に向けて最大限の努力をするように言っているところでございます。また、二度とこうしたことがないように、こうしたたぐいのことがないように、再発防止に向けましても万全を期すように指示をしておるところでございます。

阿久津委員 大臣の力強い言葉に感謝申し上げ、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

橘委員長 金田誠一君。

金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。

 まず、このたびのJR西日本の事故でございますが、犠牲になられました方々に御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。また、負傷された方々の一日も早い御回復を御祈念申し上げるところでございます。

 本題に入りまして、まず初めに、公営住宅法の一部改正について質問をいたします。

 今回の改正案は、第四十七条に「管理の特例」ということで、事業主体以外の地方公共団体または地方住宅公社は、事業主体の同意を得て、公営住宅の管理をかわって行うことができるとするものでございます。この制度は一般に管理代行制度と呼ばれ、管理主体の拡大が目的とされている、こう理解をいたしております。

 ところで、今日、住宅をめぐる状況は、住宅の需給など住宅事情そのものの変化、少子高齢化など社会経済情勢の変化、特殊法人改革や三位一体改革などの中にあって、新たな住宅政策の確立が求められているわけでございます。そうした中で、公営住宅については、住宅セーフティーネットの機能向上、すなわち、市場において自力で適正な居住水準の住宅を確保できない者に対しては公的主体の関与により適切な住宅供給を行うという観点から、ストックの有効活用と入居における公平の確保、これが重要な課題となっているわけでございます。

 このような状況下で、このたび管理代行制度が打ち出されてきたということは、一つは、管理主体の拡大によってストックの有効活用に資する、いま一つは、地方公共団体または地方住宅供給公社という公的団体を活用することで、入居における公平の確保に伴うプライバシーや個人情報の保護、こういうことに資するという考え方であると理解をするわけでございます。

 そこで質問をいたしますが、私なりにはこのように管理代行制度を理解しているところでございますけれども、提出者としてはどのようなお考えなのか、基本的な認識をまず大臣にお伺いをいたします。

北側国務大臣 今委員のおっしゃった認識と同様でございます。

 公営住宅の管理には、今委員もおっしゃったように、中立公平な立場から判断をしていくことが求められるわけでございます。入居者等の決定の重要な管理行為について、公営住宅法上は、事業主体であるところの地方公共団体のみがその権限を行使し得るというふうになっております。

 しかしながら、公営住宅の管理をめぐりましては、一つは、住宅困窮者が増加、多様化している状況がある、これらの者の居住の安定をより適切に確保するためには、地域の公営住宅ストックを一体的に管理することによって、有効にさらに活用していこうという必要性があるわけでございます。

 こうした観点から、公営住宅管理の一層の効率化を図るとともに、地域の実情に応じたきめ細かな入居者の募集、決定等を一体的に行うことができるよう、今回、管理代行制度を導入しようという趣旨でございます。

金田(誠)委員 ありがとうございます。基本的な認識については一致をすることができたと思うわけでございます。

 次に、この管理代行制度に対応して、言葉として似通っているわけでございますけれども、指定管理者制度というものがございます。この点について質問をさせていただきますが、こちらの方は地方自治法に基づく制度ということでございますけれども、名前も似通っており、その違いはかなりわかりにくい、こう思うわけでございます。

 しかし、今回の改正による管理代行の場合は、例えば、入居者に対し明け渡しを請求すること、明け渡しの請求に関し入居者の収入の状況について報告を求めることなど、公権力の行使、プライバシーに深くかかわる権限まで含まれるわけでございます。そうであれば、この管理代行制度の性格は、いわば行政の代理人ということで、イギリスのエージェンシー、我が国の独立行政法人に近いものとなり、地方自治法上の指定管理者制度の趣旨を超えるものではないか、こう理解するわけでございます。

 そこで質問をいたしますが、公営住宅の管理にかかわって、管理代行制度と指定管理者制度の違いは何か、どのような運用を行おうとされているのか、まずこの点について御説明をいただきたいと思います。

山本政府参考人 指定管理者制度でございますが、これは地方自治法に基づきまして、地方自治法上の公の施設の管理につきまして、従来、規定がありました管理委託制度を拡充いたしまして、広く民間事業者が行い得るようにしたものでございます。指定管理者の行い得る業務の範囲は、各施設の目的や態様でさまざまでございます。したがって、条例でこれを定めることとしております。

 その観点からの公営住宅の性格でございますけれども、これは住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を図るということを目的とする住宅でございますので、管理につきましては、公営住宅法に基づいて、中立公平な立場で適切にこれを行うということが必要でございます。このため、公営住宅法におきましては、法律に基づく管理権限の行使を事業主体たる地方公共団体に限定しているところでございまして、このような法律の趣旨を踏まえますと、地方自治法上の指定管理者が公営住宅に関して行い得る業務の範囲は、改正前の地方自治法の管理委託制度と同じように、清掃とか修繕などの維持管理業務、こういった、法律上の権限を伴わない、いわゆる事実行為に限られるものと考えているわけでございます。

 こうした中で、公共団体が地域の実情に応じて、公営住宅管理の効率化を図るとともに、多様化する住民の方々の居住ニーズに対して細かな対応を可能とするためには、管理主体が異なる公営住宅であってもこれを一体的に管理していくということが必要でございますので、権限そのものの代行が必要になるわけでございます。こうした管理権限そのものの代行につきましては、指定管理者制度では対応できませんので、今回、公営住宅法の改正によりまして、代行者を地方公共団体と地方住宅供給公社に限った上で、公営住宅の管理代行制度を設けようとするものでございます。

 指定管理者制度の管理代行と、今般の、お願いしております管理代行の制度の違いを踏まえまして、地域の実情に応じて、事業主体において適切な制度を選択して管理運用していかれるものと考えております。

金田(誠)委員 ただいま御説明をいただきまして、よく理解をしたところでございますが、この両制度の違いについて、国から通知等を出して地方自治体に明確にする必要があるのではないか、こう考えるところでございますが、その用意はございますでしょうか。

山本政府参考人 今回の法律でお願いしております管理代行制度につきましては、先行して制度化されました地方自治法上の指定管理者制度との違いを各事業主体が十分に、きちんと理解した上で仕事をしていくことが重要でございます。御指摘のとおりだと思っております。

 このために、既に、法律を国会にお願いします閣議決定をしました後、具体的には三月の上旬でございますけれども、各ブロックごとに担当者に集まってもらいまして、指定管理者制度との違いを含め、法案の趣旨等について説明会を開催したところでございます。

 今般、法案を成立させていただきました暁には、改めて周知徹底を図るために、施行通知をもちろん出しますけれども、会議を開催して、きめ細かな説明を行って、間違いのないように応援していきたいと思っております。

金田(誠)委員 よく理解をいたしました。

 管理代行制度と指定管理者制度、その性格は明らかに異なっているということだと思います。今後ともその違いをしっかりと踏まえていただいて、混同されることのないよう運用をしていただきたい、この点について特に申し上げておきたいと思います。

 さて、その上で、今回の法案の問題点、私なりに考える問題点について指摘をさせていただきたいと思います。

 結論から申し上げれば、せっかく創設しようという管理代行制度ではあるものの、代行の主体、受け皿と申しますでしょうか、これを地方公共団体と地方住宅供給公社に限定をしたということによって、この法律をかなり実効性が難しいのではないかなと思われるものにしているのではないか、こう思うところでございます。そこで、この法律をより実効的に使えるようにするために、管理代行の受け皿を、地方公共団体と地方住宅供給公社に加えて、地方公共団体が設立する、あるいは既に設立している公益法人等にまで拡大する必要があるのではないか、これが私なりの結論でございます。

 こうした観点から、以下、二点にわたってその理由を申し上げたいと思います。

 まず第一でございますが、市町村の優位性ということがあると思います。

 今回の法改正の目的であるところの住宅セーフティーネットの機能向上という観点から、都道府県営住宅と市町村営住宅を管理代行制度によって一体的に管理しようとした場合、その目的達成のための管理の主体としては、都道府県と市町村を比較すれば、地域住民に密着した市町村の方が一般的に優位にある、私はこのように考えるわけでございます。市町村の方が優位にあると。提出者はいかがでございましょう。

山本政府参考人 地方自治法におきまして、市町村は住民に最も身近な基礎的地方公共団体とされる一方で、都道府県は市町村を包括する広域の地方公共団体であり、その機能は、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するものなどを処理するものとされております。

 こうした役割分担を背景にいたしまして、公営住宅法におきましては、市町村及び都道府県の両者を事業主体としながらも、都道府県に、市町村に対する財政上、技術上の援助義務を課す、広域補完でございますね、それで市町村に対する指導監督権限を与えております。このように、公営住宅法におきましては、市町村及び都道府県の役割分担を明確にしながら、両者を等しく事業主体として位置づけているところでございます。

 一体的に管理を行う主体としていずれが優位かというのは一概に言えないわけでございますけれども、したがって、地域の住宅事情に応じて的確に役割分担をしてもらうということに一言で言えば尽きるわけでございますが、こうした考え方に立ちまして、今回の管理代行制度についても、都道府県もできるし市町村もできるという制度としております。具体的なニーズに応じて、適切に役割分担を果たしていただこうという趣旨でございます。

金田(誠)委員 提出者とすれば、そういうお答えしかできないのかなという気はいたしますけれども、私なりに考えれば、市町村と都道府県を比較すれば、これは例外はあるかもしれませんけれども、一般的には市町村が優位にある。地域住民と密着をしている、あるいは、これからは福祉との連携あるいは年齢によった住みかえとか、さまざまなそういう問題が出てくるわけで、そういうことからすれば住民に密着した市町村が優位にある、こう考えるところです。だとすれば、都道府県営住宅と市町村営住宅を一体的に管理するには、市町村が管理代行を行うことが望ましいというふうに私は考えております。

 これはまたお聞きをしても同じ答えだと思いますから、次の質問に移らせていただきますが、そういうことからすれば、今回の法改正では、地方公共団体以外には管理代行の受け皿となり得るのは地方住宅供給公社のみということになっているわけですね。そして、その住宅供給公社を設置するのは原則として都道府県、一部の五十万人以上の市。原則、都道府県にしか住宅供給公社はないわけですよ。

 そういうことからすると、私に言わせればより優位にある市町村がこの管理代行制度を活用して管理をしようとする場合、一体どうすればいいのか。市町村は住宅供給公社を持っていないわけですから。これについてはどういうふうにお答えいただけますでしょうか。

山本政府参考人 都道府県、市町村、話し合われた上で、特定の市町村の区域内にある公営住宅をどういうふうに管理していこうかという、それぞれ個別具体に結論が出てくるわけでございますので、なかなか一般論で今の御質問に答弁するのは難しいんですけれども、もし市町村においてみずから一元的に管理はしないというふうに御判断になった場合は、私は、能力のある、政令市なんかはもちろんでございますけれども、中核市とかしっかりした市が、県営住宅も含めて地域にある公営住宅は一元的に管理するんだというふうに判断されることは多いんじゃないかと推測しますけれども、御質問のように、当該市町村が自分の区域内にある公営住宅を県営住宅なんかと一緒に一元的に管理しない、だれかに代行させようと判断された場合は、今回の法律案でお願いしておりますところに従いますと、都道府県かあるいは供給公社に一元的に管理していただくということになります。

金田(誠)委員 そういうことになるわけですよ。しかし、基本的には住民に密着した市町村、それが、今この時代ですから直営というのはなかなか難しい、アウトソーシングという考え方からすると、地方住宅供給公社は市町村は持っていないということを指摘いたしているわけでございます。

 そこで、第二の問題が登場してくるわけでございますけれども、それは、市町村が設立した公益法人等、これがもう既にあるのではないかということを申し上げたいわけでございます。

 市町村は住宅供給公社は設置しておりません。しかし、かなりの市町村は、指定管理者制度が創設されるはるか以前から、公益法人等を設立して管理委託を行ってきたところでございます。その公益法人などは、地方公共団体と密接不可分の関係にあり、地方住宅供給公社と比較してもその公的性格には遜色のないものも多くあるわけでございます。こうした実態を御存じかどうか。

 このことはお答えいただきたいと思うんですが、あわせてお尋ねをすれば、市町村が保有するこのような公益法人等は管理代行の受け皿に十分なり得るものも多い。仮にすべての公益法人等が受け皿になるのは無理だとしても、そのうちの一定の要件を備えた公益法人等であれば管理代行の受け皿になり得るというふうに考えるわけでございますが、これについていかがでしょうか。

山本政府参考人 二点、御質問がございました。

 まず、市町村営の公営住宅について公益法人が管理しているケースについてのお尋ねでございます。

 市町村営の公営住宅に関しまして、清掃とか修繕などの維持管理業務、こういった権限を伴わないいわゆる事実行為、これにつきまして、市町村が設立した公益法人等に業務の委託をしている例があることは承知しております。こういう業務の委託は、仕事を効率化するという観点から大事なことでございまして、それぞれの事業主体の御判断の中で実施されるわけでございます。こうした取り組みを推進するということは十分に理解しておるところでございます。

 ところで、こういうふうに事実的な管理行為を委託している公益法人に、今回のような法律上の管理代行の主体としての位置づけを与えてはどうかというのが二点目でございます。

 今回、事業主体である公共団体のほかに、他の公共団体あるいは地方住宅供給公社に限って公営住宅の管理権限の代行を認めることにいたしましたのは、地方住宅供給公社は、地方住宅供給公社法という特別の法律に基づきまして設立されました公法人でございます。法律に定められた業務規定に基づきまして、住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与する住宅等の供給事業を実施するという目的で存在する公法人でございます。

 そういう公社の性格上、公社法では、設立団体による出資、役員の任免、事業計画の承認、それから監督命令が規定されております。設立団体の適正な監督と責任のもとに仕事を実施するということが規定されているわけでございまして、そのほかに、役職員につきまして、刑罰の適用上、公務員とみなすという、お金をもらって悪いことをしたら刑罰に処すということでございます、そういうみなし規定も設けられております。ということで、公営住宅の管理について、中立公平な立場に立って適切な判断を行うことができると考えたことによるものでございます。

 それで、公益法人は民法上の普通の法人でございますので、そういうふうな規定はございませんので、これらまでに代行権限を拡大することは難しいと考えている次第でございます。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

金田(誠)委員 法律によって設立をされているという形式は確かに理解をいたします。そして、前段やりとりをさせていただいたように、指定管理者制度とは違う、かなり公的性格、公権力の行使、あるいはプライバシー等に踏み込むということも十分理解しているつもりでございます。

 しかし、にもかかわらず、住宅供給公社以外には全くその拡大の余地はないんだという結論を今の時点に早々と出していいものかということでございます。実態としてそれではどうその制度が運用されていくんだろうということについて危惧を持ち、その上で質問をさせていただいているということでございます。

 もう少しそういう立場で質問を続けさせていただきたいと思いますけれども、今まで指摘をした考え方に基づいて、これをきちんとまとめて改めて提案を申し上げ、大臣の御見解を伺いたい、こう思うわけでございます。

 管理代行の受け皿を、地方公共団体と地方住宅供給公社に加えて、地方公共団体が設立した公益法人等のうち一定の要件を備えた者にまで拡大をする、全部とは言いません、局長おっしゃるようにさまざまな制約、規制等も必要だというふうに思いますが、それらを勘案して、ここまでクリアしていればやれるだろうというものをつくって、拡大をしていくということがぜひとも必要だと考えるわけでございます。

 この措置を講ずることによって、市町村が管理代行の受け皿となって都道府県営住宅と市町村営住宅を一体的に管理することが容易になる。このことは、住宅セーフティーネットの機能向上、これは本来目的です、その本来目的の達成に有効である、これは論をまたないと思うわけでございます。また、この措置を講ずることは、都道府県による一体的管理、あるいは地方住宅供給公社による一体的管理を否定するものでは全くありません。そのことはもう十分に可能であります。それはそれとして、一方で選択の幅を広げるという提案でございます。

 さらに一点つけ加えさせていただければ、後で質問をいたしますけれども、住宅供給公社法の改正によって、自主解散というのが今度は出てくるわけですね。実際、解散するところも出るかもしれない。そういうところはもう受け皿がなくなっちゃうわけですよ、解散してしまえば。

 そういうことも踏まえれば、今私が提案したことについて実施をしたとしても、何のマイナスも生じないのではないか。選択の幅を広げる、市町村が主体になり得るということでプラスになるのではないか。ましてや、地方住宅供給公社が解散してしまったなんということになったら、まさにこういう方法をとるしかないんじゃないですかということで御提案を申し上げるわけでございますが、局長の方はかなり否定的にずっとお答えいただいているんですが、大臣、少し希望の持てるような、ちょっと展望のある御答弁をちょうだいしたいと思うわけです。

北側国務大臣 なぜ地方公共団体のほかは地方住宅供給公社に限っておるのか、この理由は、先ほど来住宅局長が答弁しているとおりでございますが、住宅に困窮する低額所得者の居住安定のため、公営住宅というのはございます。その管理の問題でございますが、やはり中立公平な立場に立った判断をしてもらう必要があるわけでございます。

 この管理代行制度は、もうこれは委員もよく御承知のとおりなんですけれども、入居者の募集、決定、そういう権限を持つわけですね。さらに、入居の際に同居した親族以外の者の同居を承認するかどうかだとか、それから、入居者の死亡時、退去時等に同居していた者の入居承継を承認するかどうかだとか等々、入居にかかわること、また退去にかかわるようなことも含めて、かなり広範な権限を有しているわけでございます。だから、公平中立にその権限を行使してもらわないといけない。

 公社の場合は、先ほど局長が答弁したように、一つの例では、役職員は、刑罰適用の公務員みなし規定を設けて、例えば収賄罪なんかでも罰せられるわけですね。そういうふうに規定をしているわけでございまして、そういう意味で、これを他の公益法人に、現時点で、スタートの時点から拡大しようというのはなかなか困難だというのは、住宅局長が答弁しているとおりでございます。

 ただ、先ほど委員の方がお話しいただきました指定管理者制度、これは当然あるわけでございまして、清掃、修繕といった維持管理業務などの事実行為については、公益法人が受託をしているところというのは現在でもあるわけでございまして、そうした業務の効率化等の観点から、事業主体がこうした公益法人を事実行為の委託というところで推進することは十分考えられると思います。

 委員のおっしゃった代行についてまで、委員は一定の要件のもとでとおっしゃいましたが、ここまで現時点で広げていくというのはなかなか容易ではない、できれば将来の、今後の課題ということで御理解いただければありがたいと思っております。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

金田(誠)委員 大臣の御答弁は、指定管理者制度がなぜだめかという質問に対しては、明快な、十分な答弁であるというふうに思うわけでございますが、私は、この管理代行の主体を、地方住宅供給公社に加えて、ある一定の者にまで拡大できないかという立場で質問をしているわけでございまして、それに対してはもう少し柔軟に御検討いただいてもいいのではないかなという印象を持ちます。持ちますけれども、今後の課題というお話もございましたから、そういう観点から、最後にお尋ねをしたいと思うわけでございます。

 今回の管理代行制度は、せっかくの改正でありながら、今まで指摘してきたとおり不十分だということが言えると思います。とりわけ市町村にとってはメリットは少ない、あるいはメリットは何もないという市町村もあります。住宅セーフティーネットの機能向上という本来の目的にもそぐわないということは指摘せざるを得ません。

 であるから、全国の自治体の中には、既に指定管理者制度に基づき条例改正を準備しているところもあるというふうに聞いております。また、今回の管理代行制度か、あるいは指定管理者制度かで選択に迷っているところもあるということも聞いている。こうした状況はいずれも、提出者にとっても不本意な事態ということになるのではないでしょうか。

 そうであれば、今回の改正は改正としても、次の段階に向かって提出者としての姿勢をお示しいただければありがたいと思うわけでございます。そのために、次の二点について御要請を申し上げます。

 一つは、地方公共団体が市町村営住宅の管理委託、今はこれしかできませんから、管理委託のために設立した公益法人等について、その実態調査を行っていただけないか、とりわけ管理代行に移行できるものかどうかという観点から実態を調査していただけないか、これが一つ。二つ目は、そのような調査検討を行う旨を、前段に申し上げた通知、指定管理者か管理代行かという通知にあわせてできれば、あわせて地方公共団体に周知をしていただけないか。この二点について御要請を申し上げたいと思いますが、いかがでございましょう。

山本政府参考人 公共団体が委託のために、委託のためにといいますか、管理の業務を効率化するために、公益法人を設けて事実上の管理行為を委託しているという実態がどうなっているかということにつきましては、これを掌握する必要があると考えております。

 今回法律を認めていただいて管理代行を実施することになりましたら、その実施の状況も含めまして、的確に管理の実態を調査した上で、これを公共団体の方々にもきちんと情報提供して、仕事の効率化に役立てていただけるようにしたいと思います。

金田(誠)委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 そういう調査がなされて、これからそういう道も開けるのかなということになれば、今の段階で慌てて、指定管理者でしようがないということをしなくてもいいわけでございますから、ひとつその辺もわかるように、ぜひ、周知をしていただくことも含めて積極的に取り組んでいただきたいと御要請を申し上げておきたいと思います。

 公営住宅法の改正については以上でとりあえず終わりまして、次に、二点目の地方住宅供給公社法の一部改正、これについて質問をいたします。

 今回の法改正では、管理代行制度に係る設立団体の認可ということが改正の一つ、さらに加えて、設立団体の判断による自主的な解散規定の整備、これが提案をされているわけでございます。

 地方住宅供給公社については以前から経営悪化が指摘をされ、既に、北海道、長崎県、千葉県にあっては特定調停が成立をしております。また、平成十五年度決算においては、全国五十七公社中七公社が債務超過の状況、このように聞いております。

 そこで質問をいたしますが、今改正による自主的な解散の対象として想定される公社はどの程度存在するのか、また、その固有名詞がもし明らかにできれば、あわせてお示しをいただきたいな、こう思います。

山本政府参考人 地方住宅供給公社の運営は非常に課題が多いということで、今年度の当初、年度の頭に、全五十七供給公社に対して調査をいたしました。その結果、期限を明示して地方住宅供給公社の解散を決めている公共団体、設立団体は、青森県、岩手県、福島県の三団体でございます。いずれも平成二十年度に解散するということを予定しております。

金田(誠)委員 仄聞しますと、このほかにもまだ検討中というところもあるようでございますね。大変残念な事態だというふうに思うわけでございますが、先ほどの公営住宅法の方にも関連すれば、こういうところで住宅供給公社がなくなっちゃう、そこで一体的管理を管理代行でやるということになれば、私の提案したような方法をとるしか実際はないんではないかなということも思いますので、今の答弁とあわせて、この点、また御指摘もさせていただきたいなと思うわけでございます。

 次の質問に入りますが、地方住宅供給公社がこうした事態に陥った原因は、バブル崩壊として片づけるわけにはいかないと思うわけでございます。法体系そのものにも目を向ける必要があるのではないか、こう思うわけでございます。先ほど来、公社の方はみなし公務員ということで厳格な法適用ということなども御答弁ございましたが、それだけではまだ十分ではなかったんではないか、こうも思うわけでございます。

 例えば、公社の運営に当たって、設立団体である都道府県と地方住宅供給公社はどこまでどのように責任を分担しているのか明確でないんではないか。その結果、例えば特定調停に当たっても、知事がとった責任は報酬の一定期間の減額、一割カットの三カ月とか、そういうことがされているようでございまして、かなり形式的なものにとどまっております。また、公社役員の責任もあいまいで、退職金の返還というようなことさえ行われておらないようでございまして、個人の財産などはもう全く手もつけないという状態だと思います。

 つまり、だれも責任を負わないというスキームの中で、数百億円単位の公的負担に結果的になっている、いわば国民負担ということになっているわけでございます。公社法第四十一条には国土交通大臣の監督命令という規定もありますけれども、これも十分機能してこなかったようでございます。

 このように見てくると、法改正に当たって自主的な解散規定を追加する、これはこれでやむを得ないと思いますが、これだけでは不十分であると言わざるを得ないわけでございます。

 必要なことは私は二つあると思うわけでございます。その一つは、二度と経営破綻という事態を招かないという観点から、この間の経過を検証し、結果を公表し、抜本的な法改正を行う。経営破綻を招かない、責任の所在等を含めてどうなのかという法改正が一つ。いま一つは、住宅の戸数が世帯数を上回った、こういう現段階において、地方住宅供給公社にどのような役割を今後期待するか、これについてさらに明らかにする必要があるんではないか。

 以上、二つの問題について、専門的な委員会を例えば設置するなどして早急に対応すべきと考えるわけでございますが、この点、大臣いかがでしょう。

北側国務大臣 地方住宅供給公社についての今委員からるる御指摘のあった問題、課題につきましては、非常に重要な問題であると私も認識をしておるところでございます。

 これまでは、法律上、設立団体である地方公共団体が財務状況等を把握して、当該公社に対し適切に指導監督するということになっているわけでございます。事業計画の承認をするだとか財務諸表の提出を求めるだとか、そうした権限を地方公共団体の側は持っておるわけでございます。

 債務超過とか特定調停に至った公社があることを踏まえまして、一昨年六月には、公社経営の透明性確保を図る必要があるということでございまして、それに対して最大限留意してもらいたいということも要請をさせてもらいました。さらに、減損会計の導入、減損会計といいますのは時価評価をきちんとしてもらいましょうということでございますけれども、減損会計の導入を図るなど、財務の透明性の高い事業運営を図ってもらいたいということも言っておりまして、十七年度決算よりそういう形になるところでございます。国といたしましても、地方公共団体が適切な指導監督を行うように、これまでも要請に努めているところでございます。

 今後の役割につきましては、社会情勢の変化に応じまして、中心市街地の活性化などのまちづくりへの貢献だとか、高齢者、ファミリー向け住宅の供給だとか、本当に公社としてやった方がいい事業、本当に必要な事業に集中して取り組んでいくことが重要と考えておるところでございますが、今委員のおっしゃった今後の地方住宅供給公社のあり方をどうするのか、またその役割をどうするのか、それにつきましては、今、社会資本整備審議会で新たな住宅政策のあり方についてかなり根本からさかのぼりまして議論をしていただいているところでございますので、その審議会において地域の住宅政策における公社の位置づけも論議をしてもらいたい、また明らかにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

金田(誠)委員 社会資本整備審議会では、今本当に佳境に入った審議になりつつあるのかなというふうな感じを受けております。その中ではかなり、分科会等もいろいろあって、突っ込んだ議論もされているというふうにも仄聞をいたしておりますが、この地方住宅供給公社についても、そうした分科会等がありますでしょうか。その辺、後でちょっとお答えいただきたいと思うんですけれども。

 かなり難しいことだと実は思っております。都道府県そのものがやるんであれば、それはそれなりの、議会だとかその他の既成のスキームがある。民間であれば民間なりに、倒産すれば私有財産も没収されるかもしれないという仕組みがある。その中間に位置するこの種のもの。どこまでが公社の責任で判断できるのか。あるいは、都道府県としてはどこまで、指導といえば聞こえはいいですが、公社に押しつけるみたいなことだってあるかもしれません。有力なバッジをつけた方がいろいろなことをおっしゃってくるかもしれない。そういうときに、都道府県はどこまで受けて、どこまで公社に指導あるいは押しつけみたいなことになっているのかな。そういう実態論に踏み込まなければ、表面的な書きぶりだけのスキームではなかなかこれは解決つかない問題ではないかという気がいたしております。

 例えば第三セクター、私、北海道ですが、苫小牧東部開発なんという第三セクターがありました。各地でこの第三セクターがいろいろな問題が起きたのも、これと類似した、その中間に位置するさまざまな盲点みたいなものがあったというふうに思うわけでございます。ぜひ審議会の中で掘り下げていただきたい。

 分科会等でやるような仕組みになっているのかどうか、そこだけちょっとお願いします。

山本政府参考人 住宅建設計画法を抜本的に見直して新しい政策体系を維持するための基本法制を論議しておりますのは、国土交通省の社会資本整備審議会の住宅宅地分科会で審議しております。

 それで、論議しております中身は、やはり基本的な政策体系がどうあるべきか、目標がどうあるべきかということなんですが、それを、目的を達成するための手段としてそれぞれまた論議をしておりまして、都市再生機構がどういう役割を果たすかとか地方住宅供給公社がどういう役割を果たすべきかといったような課題が枢要な検討課題として位置づけられております。

 来年の通常会には法律をお願いするということになりますと、検討期間も限られておりますし、今の体制の中でしっかり検討していきたいと思っております。

 一言付言しておきたいと思いますのは、昨日の参考人質疑で小林重敬参考人が、供給公社も、解散させればいいというものじゃない、きちんと担ってもらわなきゃいかぬ役割があるので、それを精査した上で、そこに集中して担っていただくべきだという御意見を話しておられましたけれども、私どももそういう問題意識で今検討を進めております。

 先ほど御紹介しました年度当初の五十七供給公社に対する調査でも、これから供給公社にどういう仕事を重点的に担わせたいかということを設立団体に聞いておりますけれども、設立団体で回答が多かったのは、まちづくりに参画させるとか、あるいは高齢者とかファミリーの賃貸住宅供給を引き続き担わせたいとか、あるいは住宅に関する情報提供、公的賃貸住宅の募集情報も含めまして、住宅情報提供、住宅相談。それから、ここでありましたのは、マンションの建てかえを支援するというような仕事、それから、今般お願いしております公営住宅の管理を一元的にやらせたいといったような答えが来ておりますので、それぞれの公共団体において住宅政策上の課題をピックアップして集中的に仕事に取り組んでもらう、そういうふうなことを念頭に今審議会で検討していただいているところでございます。

金田(誠)委員 わかりました。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 それで、今回の法改正で自主解散ということに道が開かれ、実際、その道を選択する公社も出現をするということでございます。その場合、設置者としては、解散の前提条件として、債権債務の処理にとどまらず、公社職員の雇用の確保、これについて責任を持った対応をすべき、こう考えるわけでございます。とりわけ雇用問題については、今日、雇用情勢が深刻な状況にある中で、都道府県が設置する公的機関が雇用についてかりそめにもあしき前例をつくるようなことがあってはならない、こう思うわけでございます。

 そこで、自主解散を選択する場合においては、公社の職員の雇用の確保について設置者として責任を持って対応すべきもの、こういう見解をぜひとも国としても明らかにしていただきたい、また、その旨を関係方面に周知していただきたい、こう考えますが、いかがでございましょうか。

山本政府参考人 民事調停法に基づいて特定調停の手続に入った供給公社が三つございますけれども、これはもちろん調停結果を各債権者は尊重しながら、住宅供給公社をこれから存続させていくわけでございます、仕事をしていくわけでございます。しかし、今回お願いしております規定は、公社を解散させるわけでございます。これからこの世に存在しなくなるわけでございまして、その判断をするのは設立団体でございます。

 設立団体である公共団体や政令市などが判断をするわけでございますけれども、その判断をする際には、その前提として、当然のことでございますが、債権者との権利関係の調整、それから公社が保有しております土地とか建物をどういうふうに処分するかといった公社の資産の整理、借入金など債務の処理、賃貸事業をやっていればそれをどう承継していくのかといったようなことについて、適切な対応方針を決めた上で解散させるということになります。

 そういった課題の中には、御指摘いただきました、解散に伴って生じる公社職員の雇用問題をどうするかということが当然入るわけでございまして、そういう課題を整理した上で、設立団体が議会の議決を経て大臣の認可を求める、こういう手続になってまいります。

 大臣の認可に当たりましては、その解散が、そもそもの目的でございます地域の住宅政策を進める上で、今まで担っていただいていた課題を進める上で支障がないと認められなければいけませんし、あわせて、今申し上げました解散する前提となる課題がきちんと処理されているかどうかということを確認した上で承認するということになるわけでございます。

金田(誠)委員 昨今、あしき風潮がございまして、職員を粗末にするということがあたかも改革であるというがごとき風潮があることは、私は非常に遺憾なことであるというふうに思っております。

 企業は人なりという言葉がついこの間まではあったはずでございまして、これはもう役所も人なりであり、さらに、その中間にある団体もすべて人が基本になる。そこを大切にしなくてこの日本の国が成り立つのか、大きく言うとそんな思いを最近はいたしまして、義憤に駆られているところでございます。

 ちょっと話は横にそれますけれども、団塊の世代が間もなくリタイアする。その方々が培ってきた技能などを次に継承していく、これが今大きな課題になっていて、製造業などでもかなり深刻に今その課題に取り組んでいる。しかし、後継者をきちっと養成してこなかった会社等では、今相当な行き詰まりの状態にあるというふうにも聞いているわけでございまして、人というものに対していま一度目を向けて、確かに、かつての護送船団方式から市場を基本としたものに移行はしてきましたけれども、そのことと人を粗末にするということとは、私は次元の違う話だと。

 護送船団方式から改革をするにしても、その中でも担っていくのは一人一人の人間であり、改革の目的もまた一人一人の幸せであるということだと思うわけでございまして、ちょっと横道にそれたような話になったかもしれませんが、そんな義憤を常々感じていたものですから、今回もあえて雇用に対する配慮ということを申し上げさせていただいたところでございます。

 ぜひひとつ、解散などに当たっては、そうならないことが一番いいわけでございますけれども、仮にそうなった場合については、国に対する協議というものもあるようでございまして、ぜひそうした点を踏まえて設置者責任、これをきちんと果たしていただく。こういう中から世の中は成り立っていると思うものですから、ぜひひとつ御尽力を賜りたい、重ねて御要請を申し上げておきたいと思います。

 最後の質問でございますけれども、住宅政策における今後の課題という観点で、二点質問させていただきます。

 まず、国土交通省住宅局ということで、本年一月に住宅政策改革要綱というものを出しておられる。「住宅政策の集中改革の道筋」というサブタイトルがついておりました。読ませていただきました。その中では、住宅政策の方向を示す新たな制度的枠組みのあり方、これについて、本年夏ごろを目途に方向性を明確にし、本年末までに結論を得る、こうなっているわけでございます。

 そこで、その新たな制度的枠組みとしてぜひ御検討いただきたいのは、その新たな制度的枠組みを住宅基本法という形の中で集大成すべきではないかということでございます。現行の枠組みとしては、住宅建設計画法があり、次に公営住宅法、さらに住宅金融公庫法、都市再生機構法等々と続いているわけでございますが、それらを集大成してトータルで、そもそもこうであるというものが見当たらないのではないか。

 今までの状態であれば、住宅建設計画法、とにかく量的に何戸建設する、これがもうほとんどのウエートを占めていたということからすれば、それで足りたということもあるんでしょうけれども、これからはそうではないということだと思うわけでございます。

 一方で、住宅セーフティーネット、あるいは世代による住みかえ、福祉との連携、環境との結合、さまざまな課題も求められているわけであります。こうした時代にあっては、新たな枠組みを体系立てる住宅基本法、この制定が求められていると思うわけでございますが、大臣、この点いかがでございましょうか。

北側国務大臣 先ほど来御議論ございますように、社会資本整備審議会で今後の住宅政策のあり方につきまして昨年来御論議をしていただいているところでございます。

 結論から申し上げますと、今、住宅事情、また社会経済的情勢が大きく変化する中で、今後の住宅政策の基本理念、その施策の方向性について、そうしたものを示す基本法制のあり方についてもまさしく御議論をいただいているところでございまして、ぜひ、今委員がおっしゃったような方向性で、来年の常会に間に合うように取りまとめをさせていただきたいと思っているところでございます。

 先ほども申し上げましたけれども、住宅が量的に充足する中で、ストックをどう有効に活用していくのかというふうなことも大事でございます。これまでのように、住宅をどんどん開発して新規供給をしていくということが中心であった政策から、今ある既存のストックをいかに有効に、また、さまざまな必要性にこたえる形で活用していくかということが非常に重要な政策になると思います。

 そういう意味での転換も必要だと思いますし、これまでは、新規供給が基本でございましたので、住宅建設戸数の目標というものを掲げまして計画的な住宅の供給をやってきたわけでございますが、そのあり方も見直す必要があると考えているところでございます。

 その他さまざま論点はあるわけでございますが、今委員のおっしゃったような形で、住宅に係る基本法制の制定に向けて論議をさせていただきたいと思っております。

金田(誠)委員 大変積極的な御答弁をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。

 それでは、最後の質問に入らせていただきます。省エネルギー化の促進ということでございます。

 住宅政策改革要綱におきましても、この点について項目立てがされておりまして、環境性能評価手法、これは何と読むのでしょうか、CASBEEと書いてありますからキャスビーとでも読むのでしょうか、これの開発普及ということが一つ。さらに、民間事業者等の先導的技術開発の支援という二項目が掲げられております。

 ところで、私は、外断熱推進議員連盟というのに入れていただいておりまして、勉強を始めたところでございます。その中で、例えばスウェーデンでは無暖房住宅、こういうものまで開発をされている。ろうそくを一本つけておけば暑くてしようがないというぐらいの断熱効果のある、そんな住宅が紹介されておりました。諸外国ではこの外断熱が常識になっているということがこの議連の中で紹介をされたところでございまして、なるほどなと実は思っているわけでございます。

 しかし、住宅政策改革要綱では、省エネルギーの促進ということはうたわれていながらも、この外断熱については一言も触れられていない。これは甚だ残念でございます。これを明確に位置づけをして、まず公営住宅から積極的に推進していただきたい、こう思うわけでございます。また、国の研究機関等いろいろあると思うわけでございますが、諸外国ではずっと進んでおるわけでございますけれども、我が国において、さらにそれについてどういう適応した方策があるのかということで、この外断熱の研究開発を推進していただきたいと思うわけでございます。

 以上、二点答弁をいただきたいと思います。

山本政府参考人 外断熱工法につきましては、幾つかの問題点はございます。

 具体的には、施工が非常に複雑で難しい、熟練した人でないとなかなかできないというのが第一でございます。それに関連しまして、通常の内断熱に比べますと建築コストが高くつく。都市再生機構が五年ぐらい前に自分のところでモデル住宅をやったときにコストをやりましたけれども、仕上げなんかは普通と同じなんですけれども、躯体で三割ぐらい高い。それで、込み込みでやりますと、一割から一割五分ぐらい高いといったような状況があります。

 そういった問題点はありますけれども、御指摘いただきましたように、一たん躯体が暖まると室内が冷めにくいということがありますし、外気のいろいろな温度の変化と躯体が切り離されておりますので、躯体が劣化しない、住宅が長い間使えるといったような点で評価できるというふうに認識しております。

 公営住宅について言及がありましたけれども、寒冷地で外断熱工法が効果的であるというような場合には、公共団体の判断で実際に採用されております。北海道では新規に供給されるものでもう二割ぐらい外断熱ですので、公共団体が外断熱工法を採用される場合には、今般の地域住宅交付金で支援していくということになります。

 それから、研究開発ですが、独立行政法人建築研究所などを初め、さまざまな研究機関で研究を進めておりますし、それから民間の研究開発を支援する制度もございますので、研究開発は進めていきたいと思います。

 いずれにしても、各断熱工法の特徴を内断熱、外断熱、十分に理解した上で、それぞれの建築物の設計条件に応じて適切な工法を選択して、住宅の断熱性能の向上を図っていくことが大切であると思っております。

金田(誠)委員 この工法は、暖房効果だけでなくて冷房効果も非常に効果があるというふうに伺っております。これからCO2の削減ということが大きな課題になる中で、これはもうぜひ国として率先して進めるべき政策ではないか、こう思っております。

 今、民間レベルでやっておりますが、なかなか市場原理だけでは難しい。それを後押しする仕組みが必要ではないか。その場合、この住宅政策改革要綱の中でも言葉さえ出ていないというのは非常に寂しいわけでございまして、考え方としてはほぼおっしゃるとおりだという気はいたしますが、そうであれば、明確に文言としても入れていただいて、もっと具体的に推進するという形で今後対応していただきたい。御要請を申し上げまして、時間が参りましたので終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

橘委員長 若井康彦君。

若井委員 改めまして、民主党の若井康彦です。

 二十五日の福知山線の列車脱線転覆の事故は、実態がわかってくるに従いまして、本当に深刻な被害の様子、亡くなられた方も三けたに及ぶかもしれないと。本当に心から追悼の意を表しますと同時に、こうした事故が二度と起きないように、しっかりとした対応をしていかなければならない。私も、そのような気持ちでこの問題にまた一緒になって当たってまいりたいと思っております。

 しかし、この事故を振り返ってみますと、やはり、先ほど同僚の議員が申し上げましたとおり、人を粗末にするという社会の風潮、経済効率優先の、ある意味でいうと、最近の言葉で構造改革と言われておりますけれども、そうした流れ、大変に憂うべき状況であるというふうに思わざるを得ない。

 今回の公的な賃貸住宅の改正につきましても、このような方向で物が動かないように、みんなでしっかり、じっくりと議論をしていくべき、そうした問題の一つであるというふうに私は考えております。そのような視点から、きょうは、具体的な事例に即して、もう一度公共住宅、賃貸住宅の今後のあり方について少し議論をさせていただきたいと思います。

 お手元に資料を若干配らせていただきました。これは、東京都の西東京市にございますひばりが丘団地の概要でございますけれども、これを材料にして、今後の公的賃貸住宅地区はどのようにあるべきかについて、皆様とともに議論をしてまいりたいと考えています。

 きょうは、この事業に当たっておられる都市再生機構の方々にお見えをいただいておりますけれども、少しくこの問題点について御説明を願いたい。まず第一に、このひばりが丘団地の概要について、簡潔に御説明をお願いいたします。

河崎参考人 ひばりが丘団地の概要ということでございますが、まず所在地、ただいま先生から西東京市というのがございましたが、西東京市と東久留米市にまたがった地域でございまして、西武池袋線のひばりケ丘駅からバスで五分という立地にございます。敷地面積でございますが、三十三・九ヘクタールということで、管理開始年度が昭和三十四年度でございます。建てかえ前の戸数が二千七百十四戸ということで、建てかえにつきましては、平成十一年三月に第一期の建てかえに着手をしたところでございます。

 以上でございます。

若井委員 補足をさせていただきますと、この団地は、東京の都心からほぼ二十二キロぐらいですか、いわゆる二十キロ圏のところに立地をしている、今日では大変に立地条件のよい、まとまった用地を有する団地であるというふうに言ってよいかと思います。

 この地区におきまして、旧公団、そして今日の都市再生機構、この二つの組織にまたがりまして、公的賃貸住宅地区の更新、建てかえが進められようとしている。その内容について教えていただきたい。

河崎参考人 ひばりが丘団地の第一期建てかえ着手、これは平成十一年の三月というふうに申し上げましたけれども、それに当たりまして、建てかえ前に既に、この団地につきましては一団地の住宅施設という都市計画が設定をされておりまして、これを、建てかえ後の新しい住宅建設計画に沿った都市計画へ平成十四年六月に変更を行ったところでございます。

 その都市計画では、建ぺい率でありますとかあるいは容積率、先生のお配りされた資料の中にもございますが、住宅の予定戸数、約三千六百戸でございますとか、都市計画道路等の公共施設、あるいは保育所、児童館、派出所等の公益的な施設などの内容が定められております。

 そこで、建てかえ事業の第一期の着手の計画におきましては、当時の公団がみずから約三千六百戸のすべての住宅を建設、供給するという計画でございましたが、その後の特殊法人改革の過程におきまして、機構みずからが建設するのは原則として従前居住者が戻って入居する場合に限定するということになったことから、団地全体で、まだ完全には詰まり切っておりませんけれども、約千七百戸の住宅を供給するという形に変わりまして、残りの用地については、地方公共団体や民間事業者に参画をしていただきまして、この団地の二十一世紀にふさわしい再生を図るという形に変更をしているところでございます。

若井委員 今の数字につきましては、各委員のお手元にお配りをしておりますこのA3のペーパーに大体の概要が記してあると思いますけれども、注目をすべきは、もともと約二千七百戸の住宅が建っていたところに、当初、三千六百戸の住宅を建てよう、千戸ぐらいさらに積み増しをするということでこの計画が成り立っていたということでございます。当初は、そういう意味で、こうした団地を、公的賃貸住宅地区を更新する、再生する場合には、容積を上げ、戸数をふやすという考え方で物事が計画をされていたということを御留意願えればと思います。

 それでは、次にお聞きをいたしますが、公団から再生機構に移行をするわけですけれども、その際に、さらにこの計画の内容について変更が行われているとすれば、その内容は何なのか、そして、その理由は何なのか。例えば、戸数を積み増しするという方針をどのように考えているのか。あるいは、戻り入居の戸数は、かつてここにお住まいであった方の多分約七割か六割ぐらいだと思いますけれども、そのような戸数になぜ落ちついているのか。あるいは、再生機構が直接に手を染めないというゾーンを設定した理由は何なのか、そして、そこについてはどのような方針を持っておられるのか、その点についてお答えを願いたいと思います。

 ちなみに、A4の図がもう一枚あると思いますけれども、先ほどお配りをしました、五角形の比較的まとまりのよい敷地のごく一部について、白地に変わっております。この部分については、今これから再生機構の皆さんから御説明があるかもしれませんけれども、既に再生機構の手に全く及ばないというゾーンになっているのかどうか、その点についても御説明を願いたい。

河崎参考人 大分広範な御質問をちょうだいいたしました。

 まず、変更の経緯ということでございます。

 機構の建てかえ事業は、昭和六十一年、公団時代から実施をいたしておりまして、当初は、幅広く国民の住宅需要にできるだけこたえるという観点から、従前居住者の戻り用の賃貸住宅あるいは分譲住宅に加えて、新規の賃貸住宅も含めて、従来の土地を有効・高度利用してみずから住宅建設をするということにしておりました。したがって、先ほど申し上げましたように、約三千六百戸の住宅を機構、当時の公団でございますが、公団みずから建設をするというふうにしておりました。

 したがいまして、このひばりが丘団地につきましても、すべて公団が住宅建設、供給を行うという計画で、平成十一年三月に第一期の、従前戸数で千三百四十六戸でございますが、これを着手いたしました。そして、建設までの間に、先ほどもちょっと触れましたけれども、一団地の住宅施設の都市計画を変更し、都条例に基づく環境アセスメントの手続を行って、戻り住宅の建設を先行して行ってきたところでございます。

 その後、これも先ほどちょっと触れたのでございますが、特殊法人改革の中で、民間にゆだねられることは民間にゆだねるという基本方針のもとで、分譲住宅からの撤退でございますとか、あるいは、今回、みずから土地を取得して賃貸住宅の建設は行わないという方針が示されましたところから、ことし三月に、第二期の従前戸数千三百六十八戸の着手に当たりましては、機構みずから建設、供給する住宅は戻り者用の住宅に限定するという形で事業実施の方向を見直したというところでございます。

 これが、先ほどちょっと御指摘ありました、約千七百戸ぐらいというふうに見通しておりますけれども、当初の従前戸数二千七百戸に比べて減少しているということについてのお話がございましたけれども、これは従前居住者の中で、もうかなり移転をされた方もその中におられるわけでございますが、その方々の御希望を聴取した結果、もう既に入居されている方も含めてでございますが、大体トータルで千七百戸になるというふうな形でございますので、そういう計画にしたということでございます。

 それで、実はこの団地については、先ほど言いましたように、都市計画でかなり詳細なものが決定されておりまして、戸数も約三千六百戸というのが決められておるわけでございますが、先ほど先生がお示しになりました二枚目の紙でございますが、それは我々が住宅を建設する地区の概要をお示ししたものでございます。それ以外の地区につきましては、今後、地方公共団体なりあるいは民間事業者がそこの計画に参画をするということでございますが、その場合にも、現在の都市計画というものは生きておりますので、都市計画の範囲内でそういった公共団体あるいは民間の方々が参画をするということになるわけでございます。

 都市計画上、周辺環境と調和を図りつつ、中層及び高層住宅を適宜配置するという方針に沿って、最終的に良好な住宅市街地が実現するように、具体的な土地利用計画あるいは民間事業者の活用方針等については、当然私ども地主でございますので責任を持ち、関係公共団体とよく協議をして、最終的にいい姿になるように努めていきたいというふうに考えているところでございます。

若井委員 従来の都市整備公団ですと、その意味では、ブロック全体についてみずから図面を引き、そして施設を建設する、入居者についても条件をつけ、ある意味でいいますと、トータルな地域社会といいますかコミュニティーを形成する、そうした視点を非常に強く持っておられたのではないかと思いますけれども、今回の変更を通じて、例えばこの白く残されているブロック等については、都市計画施設等あるいは用途地域等については定めるけれども、その土地利用については今後そこで事業をなされるさまざまな事業者の判断にゆだねる、そのような、ある意味でいうと大変窮屈な事業の進め方ということになったというふうに判断してよろしいでしょうか。

河崎参考人 先ほどもちょっと申し上げましたこれまでの計画の概要図というのは、あくまで私どもが約三千六百戸の住宅を建設するという前提の計画図でございました。先ほど言いましたように、私どもは一部限定した地域で従来の計画どおりに住宅建設を行うわけでございますが、その他の地域につきましては、公共団体もあり得ますし、民間事業者もあり得るわけでございますが、他の事業者にゆだねるということになります。

 ただ、やはり都市計画がかぶっておりまして、先ほどの建ぺいだとかあるいは容積だとか、いろいろなことが詳細な形で決められておりますので、全体としてはバランスのとれた住宅市街地の形成というものが十分確保できるのではないか。そのために、これから計画レベル、いろいろなレベルで公共団体と調整をしながら、しかるべく良好な市街地が最終的に実現できるように努力をしていきたい、このように考えているところでございます。

若井委員 私は、まちづくりの時代性みたいなことについて、この事例を本当にある意味で典型的なケースだというふうに考えております。

 かつて人口がどんどんふえるときには、事業者の方がおられて、技術者と何がしかの事業費があれば町がつくれる、そこへだれかが入ってきて定住し、おのずとコミュニティーが形成されていく、そういうプロセスだったと思うんですけれども、今回、人口が減少するというような状況になれば、次の世代がどんどんある地域を埋めていくというような状況にはならないわけで、どういうことをまちづくりと考えるかといえば、恐らく、そこに既に暮らしておられる方々がよりよい暮らしができる、そこにいてよりエネルギーが発揮できるというような、そういうシナリオをつくることが本当の意味でまちづくりだ。建物を建てたり道路をつくったりするということは、ある意味でいうと副次的な産物ではないかというふうに思うわけです。

 そういう意味で、ひばりが丘などの場合は、既に四十年の時間がたち、ある程度そうしたコミュニティーが形成されてきたわけですけれども、この方々からいえば、さきに、変更前の三千六百戸でしたかしら、その建てかえ計画については御一緒に協議をしてきたにもかかわらず、あるところでそれが都市再生機構に変わったというだけでこのような変更が行われるというのは、約束が違うんじゃないかというような気持ちを持たれるのは当然だと思います。

 私は、こうした問題をどのように克服するかということを通じて、本当の意味での地区の再生あるいは公的賃貸住宅の再生というものが達成されるんだと思いますけれども、直接の事業者である再生機構の皆さんはその点についてどういうふうに考えておられるのか。

河崎参考人 ただいま先生御指摘のとおり、私ども、当初、私どもの手で約三千六百戸の住宅を建設するということで、地域の建てかえグランドプランというものを市町村にお示しし、それを受けて都市計画の変更を行って、東京都あるいは関係二市の御協力を得ながら事業を進めてまいりました。

 その間、居住者の方々に対しましては、長年住みなれた団地を建てかえるということで、何よりもやはりコミュニティーの維持形成というものに大変関心がおありになるということも私ども十分理解しておりまして、建てかえ計画を明確にして以来、平成九年から毎月一回程度自治会と会合を重ねて、団地の建てかえ計画について理解を得ようという努力をしてきたところでございます。

 また、学識経験者を入れた勉強会とか、あるいは居住者と戻り住宅の間取りをどういうふうにするのが望ましいかというワークショップ、あるいは団地の緑、例えば既存樹林の保存でありますとか公園の配置だとかあるいは住宅の外構、そういったような緑のワークショップというものを実施して、当初から、コミュニティーの維持形成を図る観点からの話し合いを進めてまいったわけでございます。

 今回、残念ながらといいますか、時代の変遷ということもございます。特殊法人改革というのも時代の変遷だと思うんですが、その中で計画を見直さざるを得ない状況になってまいりましたということでございます。

 それで、先ほどの先生がお配りされた資料の中にありました、今現在私どもが考えている住宅計画というものはお示しできる段階になってきているわけでございますが、これから公共団体あるいは民間事業者の方々が入ってくるという住宅のいろいろな配置とか、そういうことにつきましては、今、既存の団地が現にございまして、そこにお住まいの方がまだおられるわけでございますので、その方々が建てかえの新しい住宅に戻る時期が迫りませんと、なかなか具体的なことがはっきりできないという点がございます。

 当然、そういう時点におきましては、公共団体と協議することはもとよりでございますけれども、先ほど申し上げました良好な居住環境の維持、良好なコミュニティーの維持形成という視点から、居住者の皆様に十分御説明し、御理解を得て進めていくというふうに考えているところでございます。

若井委員 その意味で、パッケージでこの地区をつくるという事業者としての公団は今やない。むしろ、一人のメンバーとして、協議会なりの、まちづくりをみんなでつくっていくリーダーシップを発揮するというのであれば、今申し上げたような問題点をさらに徹底して、当該建てかえを通じてコミュニティーの形成をしていくという視点をもっと強く出していただきたい。私は、公的賃貸住宅地区の住宅を建てかえるということよりも、むしろそうした地区あるいはコミュニティーを定着させ、発展させていくということが一番の仕事だと思いますので、その点については、都市再生機構の皆さんには本当に強く要望をしておきたいと思います。

 通告の順番を少し変えさせていただきますけれども、昭和三十年代に建っております首都圏におけるひばりが丘団地のような団地、もう既に建てかえの時期に当たっている、あるいは近い将来そうした状況に立ち至るだろうというような、比較的大きな賃貸住宅の団地というのはどこにどの程度分布をしておられるのか、資料があれば教えていただきたい。

河崎参考人 ひばりが丘団地類似のということで、大体首都圏の二十キロ圏から四十キロ圏の間がメーンだろうというふうに思われますが、仮に二千戸以上の大規模団地ということで申し上げさせていただきますと、三十年代に供給されたものが十二団地、約四万戸でございます。それから四十年代、四十年代というと十年間ございまして、すべてが建てかえ対象になるというふうには私ども思っておりませんけれども、四十年代に供給されたものが三十四団地、約十一万戸ございます。

若井委員 先般から主張をしておりますように、公的賃貸住宅というのは、本来、住宅のところは居住者の方に賃貸をしているわけですけれども、その敷地についてはあくまでも、例えば再生機構であり、あるいは公営住宅であれば各地方自治体が所有をしている。ある意味でいうと、大変にまとまった公有地としての位置づけができる、あるいはトータルな居住地区としてのストックとして位置づけることができる。

 しかも、もともとは郊外にぽつんと建設をされた団地であったかもしれませんけれども、今ではむしろそれが主導をして周りが市街化をし、ある意味でいうと首都圏全体の中で大変重要な位置に、今おっしゃられた、例えばひばりが丘であれば三十六ヘクタールですか、敷地がありますけれども、そうした規模のものが今のお話ですと四十キロ圏に三十カ所、四十カ所分布をしているということになるわけで、これから大都市を更新していく上でこの貴重な公有地をどのように役立てていくかという視点からも、地区の再生という問題について検討していかなければならないと思います。

 今、再生機構が、先ほどの図でいうと白い部分、この部分についてはみずからの能力が及ばない、ある意味でいうとそういうことを言っておられる。確かに、再生機構に組織が再編をされて、みずからのところで直接手が下せない場所になっている。この場所を今後、これまで公有地として機能をしてきたこのスペースを、例えば公有地に近い形で、きのうの参考人の言葉で言いますとランドバンキング、つまり公的に活用していく、そうした土地を管理運営していくシステムというものを都市再生機構にゆだねておくわけにはいかなくなっていると思うんです。

 大臣、これは国なり、東京都は大きな地方自治体ですけれども、そうしたところできっちりとこれから進めていく必要があるのではないかと私は考えますが、御所見いかがでしょうか。

北側国務大臣 非常に重要な指摘をいただいておると思います。昭和三十年代また四十年代に建築されました公的な住宅、公団も含めまして、また公営住宅も含めまして、そうした住宅の建てかえ時期がこれから次々とやってくるわけでございます。そういう建てかえの際に、当然、土地利用の高度化ということもなされるかもしれません。土地の有効利用がさらに進んでいくと思われます。そういう中で、その土地全体をどうまちづくりしていくのか、非常に重要な課題であると思っております。

 先ほども委員がおっしゃったように、最初つくった時点では割と田舎だと思ったところが、今や、周辺全体が宅地化されて大都市の郊外ではなくて大都市そのもの、周辺地域が市街化されて既成市街地の中にあるというふうなものも本当に多くなっているわけでございまして、そうした団地の建てかえに当たりまして生じる余剰地についてどう活用していくかということは、非常に大事なことであると思っております。

 それは、そこにお住まいの、団地にお住まいの方々はもちろんのこと、市街化されているわけでございますので、地域全体の周辺住民にとりましても非常に関心事であるわけでございまして、そこに例えば公園をつくるだとか、また保育所等の社会福祉施設をつくっていくだとか、さらにはコミュニティー施設を併設するだとか、さまざまな土地利用が検討をされなければならないと思うわけでございまして、いずれにしましても、町の再生、まちづくりに生かしていくことが非常に重要な種地であるというふうな認識を持たないといけないというふうに思っておるところでございます。

 いずれにしましても、まちづくりというのは、主体者はやはりその地域の住民であり、また当該地方公共団体だと思うわけでございまして、その地方公共団体、本件でいいますとやはり西東京市ですか、その市が一番地元の地域のことをよくわかっているわけでございますので、地方公共団体との緊密な連携のもとでその団地の立地を有効に活用した取り組みをしっかりとしていく必要があるし、国としてもそういうことを支援していく必要があるというふうに考えております。

若井委員 さきの都市再生機構法が成立したときの附帯決議、私は当時は議論に参加しておりませんでしたが、読んでみますと、「建替余剰地の処分に当たっては、公的資産として活用し、公園・福祉施設・公営住宅等公的な利用を図るよう努めること。」とあります。しかし、今の都市再生機構の仕組みでいいますと、こうした部分について積極的に踏み込んでいくという、それだけの余地はないのではないか、特に事業費の部分ですけれども、こう私は考えている次第です。

 実は、最近、中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会が急がれる震災対策について答申を出しつつありますけれども、都市の安全性を高めるという意味でいえば、密度を高めるというよりは、むしろダウンサイジング、ダウンゾーニングといいますか、そうしたものを進めていかなければなりませんし、今大臣がおっしゃられた、そこを種地にして周りの既成市街地に手を加えていかなきゃいけない。一地方自治体そして一都市再生機構がこの仕事に当たるには余りにも大きな課題だと思いますし、これらの方策については抜本的な方策が求められていると私は考えております。

 すなわち、地方自治体あるいは都市再生機構ではなくて国が直接に、こうした余剰地の活用によって一刻も早く実現をすべき、広大ないわゆる大都市圏の市街地、その中に防災のネットワークをつくっていくということが必要ではないかと思います。この仕事は内閣府も含めて政府レベルで直接に取り組んでいただきたい課題でありますけれども、そうした観点から、もう一度、こうした公的な賃貸住宅地区の更新というものを見直していく必要があるのではないでしょうか。大臣、いかがですか。

北側国務大臣 例えば、首都圏におきまして想定されます直下型地震等に対応するために、防災公園をどう配置し、計画をしていくのかということは、これは政府としてもしっかりと、主体者として計画策定に参画をしていかないといけないというふうに思います。

 ただ、当該地域の中で、団地を建てかえする、そこに高度利用することによって空き地が相当出てくる、それをどう使っていくのかというふうなことは非常に大事なテーマであるわけでございますが、そこはやはり一義的には、その団地のある地方公共団体、これでいえば西東京市、また東京都、また地域の住民の方々が、どう考え、どうそうした都市計画、まちづくりをしていくかというところがまず第一義だというふうに思います。そうした地方が考えられた計画を国としてしっかりと支援をしていくということが大事であるというふうに思っています。

 機構も当然、このような案件につきましては関係者として、また、もともと機構というのは、そういうまちづくりの彼らは専門家でもあるわけでございまして、ノウハウもさまざま持っているわけでございます。そういう意味では、機構もそうした当事者の一人として、その地域のまちづくりに参画をしていけるというふうに考えております。

    〔委員長退席、望月委員長代理着席〕

若井委員 政府の方でもこの防災対策については検討が行われているという御答弁ですが、いかに理想的な図をかいても、こうした種地、公有地がどこにも存在をしないという場合には、どんな絵も役に立たないというのが現実ですし、既にここにきちんと存在をしているこうした公有地を、前もって例えばそうしたネットワーク、プランの中に位置づけていく。そして、先ほど大臣おっしゃいましたけれども、私はこの防災公園をつくるに当たって、今の地域住宅交付金ですか、このレベルで事業ができるとはとても思えない。直接国がそういう意味で手を染めていくというべき仕事の一つだと思いますので、重ねてその点については御検討をお願いしたいというふうに思います。

 それから、先ほどのお話のついでといいますか、都市再生機構法の中には、国の利害に重大な関係があり、かつ、災害の発生その他特別の事情により緊急の実施を要するときは、国が直轄で都市再生機構にそうした仕事をゆだねるということができるようになっている。ぜひこうした仕組みを使って、単なる住宅の建てかえに終わることなく、こうした地域、こうした地区を積極的に生かしていただくようお願いして、この問題については一応これにて質問を終わります。

 次に、公的賃貸住宅の今後の位置づけということで、実は昨日、東洋大学の内田雄造先生、そして横浜国立大学の小林重敬先生にいろいろ意見を開陳していただきましたが、それについて政府のお考えを幾つか伺わせていただきたいと思います。

 まず、九〇年代から公営住宅は既に新規の建設が行われていない、現場では、新しい建設を行ってもセーフティーネットとしての公的賃貸住宅の機能がもう本当に生きていないという認識があるというお話でした。空き家の発生はほとんどない。そういうことで、実際にセーフティーネットとして需要層が存在はしているけれども、彼らに対してこたえられる仕組みになっていない。二百万戸以上存在をしている公的、公団を入れれば三百四十万戸ぐらいあるかもしれませんけれども、それがセーフティーネット的な役割を果たしていない。

 これの一番の理由はどこにあるか、その点についてお答えいただけますでしょうか。

山本政府参考人 昨日の参考人質疑で非常に端的な御指摘があったと私ども受けとめております。せっかくある公営住宅のストックが、本当に住宅に困っている方に的確にそのサービスが提供されているかどうかという問題意識からの御指摘だったと思います。

 この点については、公営住宅を管理していく上で、昨日の意見陳述でも幾つか具体的なポイントが提起されましたけれども、管理をめぐって解決しなきゃいかぬ問題が非常にたくさんあるという認識でございます。これに真っ正面から取り組んでいくのでなければ、セーフティーネットの機能をきちんと果たしていくことはできないということで問題意識を持っております。そのことが一番大きなポイントだと認識しております。

若井委員 特に、既に公的賃貸住宅に入居をしておられる方々と、入れないで公営住宅に入居を希望しておられる方々、一般的にはそういう方々は民間の賃貸住宅に入っておられる。この間の一種の公平を欠く状況、これをどのように埋めていくのかということですけれども、それならば、この民間賃貸住宅に待機をしておられる方の数だけ公営住宅を新築すればいいというような考え方もあるかもしれないけれども、例えば民間賃貸住宅におられる方々に家賃補助を考えるというようなことも十分あり得る、きのうの参考人の御意見にもこういう考え方はございました。

 例えば、東京都の区営住宅の場合などは、かなり公的助成をしているんだ、建設費についても家賃の補助についても、公共住宅の入居者に対する公的助成がなされている。その額は生活保護の住宅扶助を上回る水準であるというような御意見もありました。

 そうした点から考えると、セーフティーネットとしての公営住宅、その役割もさることながら、むしろ住宅政策とすれば、民間の賃貸住宅に対して家賃補助をするというようなこともあり得るのではないかと考えられますけれども、この仕分けをどのように考えておられるのか、その点について御意見を聞かせていただきたいと思います。

    〔望月委員長代理退席、委員長着席〕

山本政府参考人 公営住宅は、住まいのセーフティーネットとして、住宅市場において自力では良質な住宅を確保することができない低額所得者に対しまして、低家賃で住宅供給を行うことを基本に、今日まで一定の成果を上げてきたという認識はしております。一方、公営住宅に入ることのできない低額所得者が大都市圏を中心に相当数存在しておりまして、民間賃貸住宅に居住するこれら低額所得者について、公営住宅入居者に対し公平を欠くという御指摘があることも承知しております。

 今お話の中にありました、公営住宅についての公的助成額と生活保護における住宅扶助の額を比較しての論議でございますけれども、公営住宅の立地条件とか、あるいは公営住宅が新規建設なのか建てかえなのか、いろいろな条件があります。それから、建設費補助を行った公営住宅について、そこに入居される方々についての公的助成の額をどう割り戻して計算するかというような計算の仕方もいろいろございますけれども、地方公共団体において独自の助成制度を設けて家賃を減額しておられる部分を除いて、公営住宅の制度として住宅を供給しているときの家賃、それに係る公的助成と生活保護の住宅扶助を比べますと、私どもの計算では、公営住宅における助成が住宅扶助を上回っているということはないという認識でございます。

 それはそれとしまして、御指摘いただきましたような状況を踏まえまして、公営住宅ストックをより公平に活用していくという観点から、公営住宅についての家賃制度の見直し、これは平成八年にかなり抜本的にやりましたけれども、不十分なところもございます。これを見直さなきゃいけませんし、一定の要件に該当する場合は、きのうの参考人の意見陳述にもありましたように、定期借家制度を生かす、活用するというようなこともございます。

 それから、民間賃貸住宅ストックをセーフティーネットとして活用するということで、平成八年の抜本改正では借り上げあるいは買い上げによる制度を導入しましたけれども、そのほかの方法についても、今後の公的賃貸住宅の基本的方向については社会資本整備審議会で現在御議論いただいております。

 今後、これらの検討成果を踏まえまして、より効率的で公平性の高い住宅セーフティーネットとしての運用のあり方を検討してまいりたいと考えております。

若井委員 少し具体的な入居の資格の話なんですけれども、居住権の承継ですね。これがどの範囲まで及ぶかという、例えば夫婦であればよいのか、親子までよいのか、あるいはさらに孫までよいのか、そうした承継の規定があいまいになっているとか、また内田参考人は、収入のみを基準としているということから、実は大変に大きな資産を持っているけれども公営住宅に入居をしておられる方がいるとか、そうした部分についてのチェックが不足をしているのではないか、そのことがこの公営住宅制度の限界を今生んでいるのではないかという御指摘もあったわけです。

 こうした点について、既に建設をされている二百数十万戸の公営住宅の運用基準といったものを具体的に見直すというお考えはおありでしょうか。

山本政府参考人 入居管理、新たに公営住宅に入っていただくときの管理がきちんと行われていないために、より困っている人がいざというときに公営住宅に入れない、そこに公営住宅に対する不公平感、不満があるという問題でございますけれども、まず、入居承継の承認の厳格化の問題でございます。

 公営住宅の入居者につきましては、入居資格を有する方々の中から厳正な方法で決定する、そういう入居管理が行われるべきものでございますけれども、公営住宅を借りておられる入居の名義人が亡くなられた場合に、あるいは特別な理由があって退去されたというような場合に、それまでその方と同居しておられた方あるいは相続人が当然に入居を承継していいというようなことにしますと、公営住宅に入れないでおられるたくさんの方々との間で公平性を害することになりますので、制度の趣旨に反するということで、そういうことは認められないということでございます。

 このために、公営住宅法では、入居を承継するに当たっては事業主体の承認を求めなければならないこととしております。最初に言いました建前は建前として、しかし現実には、配偶者として一緒に暮らしてきた方々が急に追い出されるというようなことも居住の安定を害することになるわけでございまして、特定の場合には承認をして入居を承継できるということになっておりまして、入居承継の基準を国で定めておりまして、まず入居開始から引き続き居住している方、それから配偶者は承継承認をできるわけですけれども、同居の期間が一年以上の三親等以内の親族を対象に入居承継を許しているといいますか、認めているという事業主体が多いというのが今の現状でございます。

 この一年以上一緒に住んでいる三親等以内の親族について承認されるという部分について、いろいろな問題意識を指摘いただいているわけでございます。したがいまして、公営住宅の管理を公平かつ適正に行うという観点からは、現在の入居承継の承認の運用基準を早急に見直しまして、例えば、入居開始日から引き続き居住している方か配偶者の方に限ってこの承認をすることができるというような基準を導入するといったような形で、それぞれ地域の実情もございますので事業主体の判断をいただかなきゃいかぬわけでございますけれども、その事業主体の判断でそういうふうに承継承認の対象範囲を厳格化することができるように、早急に検討してまいりたいとこの点については考えております。

 それから、資産の把握の問題です。

 現在のところ、公営住宅の入居者の決定に当たりましては、住宅を持っておられる方はもちろん資格がございませんので、住宅困窮者としては認められませんのでできませんけれども、それ以外の申込者の保有している資産については、住宅困窮度を判断する際の指標といいますか、考慮されておりません。したがいまして、不動産とか金融資産、預貯金とか株式といったような資産を高額に持っておられる方が公営住宅に入居して、真に住宅に困っておられる方が入居できないという不公平が生じている場合もあると考えております。

 このため、ただ、公営住宅管理の世界で申込者の方の資産保有の状況をどこまで突っ込んで掌握できるのかということにつきましては、方法論についていろいろな問題もございますので、どのような方策があり得るのかといったことを中心に、全国の公営住宅の事業主体の方々とも意見を交わしながら検討をしてまいりたいと考えております。

若井委員 いずれにしましても、どなたにとっても大変にわかりやすい納得のいくようなある意味での基準を、情報を開示するということもあわせて、公平性を高めるという工夫を早急にかつ厳格に実現をしていただきたいと思います。要望をさせていただきます。

 それから、最後に一つお聞きをしたい点は、これから人口が減少し始める、世帯数もいずれ減少するだろう、恐らく大都市の場合はワンサイクル地方よりはおくれてそうした状況が来るのだろうと思いますけれども、これまで建ててきた公的賃貸住宅が建てかえ期を迎える、そうした時期に人口、世帯の減少の局面に入っていく、恐らくそういう展開になると思うんです。高齢化が進めば、ある意味でいうと、年金の世帯あるいは公的賃貸住宅の需要世帯というものは当然その部分でふえるわけですが、そうした全体の住宅需要の減衰、また一方でそうした世帯数がふえるという、そうした二つの局面の中で、これから必要な公的賃貸住宅の戸数というものをどのように考えていったらよいのか。この点については、大臣、いかがでしょう。御所感があれば。

北側国務大臣 まさしく今委員のおっしゃったことも、今、社会資本整備審議会のところで論議をされている中心テーマでございます。

 現在、ストック、公的賃貸住宅につきましては、合計で三百四十万戸あるわけでございます。平成十三年度から十七年度までが第八期の住宅建設五カ年計画ということで、整備戸数を目標を決めてやってきたわけでございます。こうしたやり方をこれからもやるのかどうかなんですね。それは、多分そうではないんだろうと。そういう住宅戸数を数値目標として決めてやるのではなくて、従来の既存ストックをどう有効活用していくのかということにむしろ重点が置かれてくるのではないかというふうに考えております。

 とはいうものの、一方では、ある一定のストックというのは当然必要なわけでございます。建てかえもどんどん進んでくるわけでございまして、そういう意味で、むしろ定量的な面もさることながら、定性的にこういう政策目標が達成できるようにすべきではないかとか、そういうふうな考え方も一つの有力な選択肢なのかなというふうに思っているところでございます。

 今、一方では人口減少時代になりますが、一方で、さまざまな住宅に対するニーズがあるわけでございます。高齢者世帯が増加をしていく、バリアフリー化をしっかり進めていかないといけない、また高齢者住宅もしっかりつくる必要がある、また障害者の方々やDV被害者への対応とか、非常に多様化する住宅困窮者のニーズにこたえていくためにも、公的賃貸住宅のこれまでのストックをどう的確に活用していくかということが重要であるというふうに認識をしているところでございます。

若井委員 今お話しのとおりだとは思うんですけれども、新たに改築をすれば、当然家賃水準も上げざるを得ないというような問題もございますので、既に存在をしているストックをしっかり耐用年数まできちんと使い尽くすという、そうした意味からの住宅政策というものも今後さらに検討をしていく必要があるのではないか、感想を申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

橘委員長 穀田恵二君。

穀田委員 JR福知山線列車脱線事故でお亡くなりになった方々に改めてお悔やみを申し上げたいと思います。そして、被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 昨日もお話ししましたが、事故の原因の究明というのはとても大事です。その内容を受けて改めて質疑をしたいと思っています。ただ、きょうは、今わかっている範囲内で、JR西日本の安全設備の問題、対策の問題について若干聞きたいと思います。

 JR脱線事故を起こした車両は、自動的にブレーキが働くATSが旧型である。自動的にブレーキをかける新型とは異なって、信号無視を防ぐのが目的です。新型の設置基準がJR各社によってまちまちと言われています。JR東海では、直線とカーブの制限速度の差が四十キロメートル以上の場合には新型ATSをつける。今回の事故現場のカーブの制限速度は時速七十キロです。カーブ手前の直線は時速百二十キロメートル、カーブと直線の制限速度の差が五十キロメートルあり、東海エリアなら新型ATSをつける対象になります。

 国鉄労働組合や建交労などの組合も設置を要求していたと聞いています。JR西日本の社長は、新型のATS―Pはコストがかかる、投資効果を考えながらなどと事故当日も会見している。私は、安全設備についても効率だとかもうけ優先の姿勢と思わざるを得ないし、はっきり言って許せない、そう大臣もお思いになりませんでしょうか。大臣に最初にお聞きしたいと思います。

北側国務大臣 今、福知山線の事故につきましては、航空・鉄道事故調査委員会が現地に十名体制で入っておりまして、この事故原因の調査に精力的に当たっているところでございます。

 この事故原因につきましては、私は、予断を持ってはならないというふうに思っておりまして、この調査委員会が原因が何かという取りまとめをするまでには時間がある程度かかるわけでございますが、途中経過で、判明した事実につきましては、私は、国民の皆様に、また国会できちんと御報告をしていくように努めなきゃならないというふうに考えているところでございます。

 今御指摘のATSの話でございますが、速度超過を防止する機能を有するATS、正確にはATS―Pというふうに言うわけでございますが、列車本数の多い首都圏と、それから近畿圏のJR線の一部線区に設置されておるところでございます。残りの線区は、今回事故のあった福知山線と同様のATS、これは正確にはATS―SWというふうに言うわけでございますが、これが設置をされているところでございます。今回、事故を起こしたJR西日本における速度超過を防止する機能を有するATSの整備率は、六・七%でございます。

 このATSの改良、その他の対策につきましては、航空・鉄道事故調査委員会が今調査をしているわけでございますけれども、その最終結果を待つことなく、原因分析の調査中に得られる情報等も踏まえながら、その効果、適用範囲等を検討し、必要なものから逐次実行に移していきたいというふうに考えております。

穀田委員 私は、逐次実行していくのは当たり前だし、そして、この間わかる事実については知らせるということも当然だと思うんです。私は、ATS―P型の設置について、やはり、コストがかかるからなかなか大変なんだみたいな話をして、当日も言っている、投資効果を考えているなんという話が許せぬという話をしているんですよ。

 その上で、今もあったように、JR東日本などでいうと、東京二十三区内の山手線や京浜東北線など都市部、また東京メトロや大手私鉄でも古いタイプのものはもう少なくなってきている、そういう報告です。

 ここで聞きますけれども、各鉄道会社のATS新型設置状況について、国土交通省として掌握していますか。

梅田政府参考人 お答え申し上げます。

 JR東日本につきましては、ほぼ、私ども十分把握しております。設置キロでいいますと、総延長大体六千八百キロでございますが、そのうち、ATS―PあるいはATC、両方含めまして、大体三三%の装備率になっております。御指摘のように、首都圏におきましてはかなり網羅的に整備をしているというのが現状でございます。

 また、民鉄におきましては、個々の会社につきまして現在調査をしております。といいますのは、このATSにつきまして、今御説明ありましたATS―P型あるいはATS―SW型だけでなくて、さまざまなタイプのものがございます。私ども、そのタイプを分類しながら調査を進めているところでございます。

穀田委員 要するに、ATSの新型、最新型、旧型が何ぼあるかというのは掌握していないということですよ、簡単に言えば。だから、国として安全に最終責任を負うという点、こういう点では極めて不十分だということを私は指摘したいと思うんです。

 そこで、もう二つぽんぽんと言いますから、局長、答えてください。

 九一年の信楽鉄道の事故以来、国は鉄道事業者に、ATS設置の補助金を出しているわけですよね。したがって、ATS新型については、最低限の設置基準を設けて、それを強力に推進すべきだというのが一つ。

 それから二つ目に、国交省は、営団地下鉄日比谷線の脱線事故を受けて、脱線防止ガードに関する基準というのを省令で出し、さらに通達でも解釈基準というのも出して図っています。簡単に言って、JRの大体半径二百メートル以下のカーブには脱線防止用のガードを設置せいという趣旨なんですよね。JR西日本は、それよりも厳しくて半径二百五十メートル以下を設置対象としていた。ところが、今回のものは三百メートルでガード設置の対象外だったということが事実。したがって、私は、急カーブガードの設置基準については、この解釈も含めて見直しが必要なんじゃないか。

 その二つだけ、ちょっと端的にお答えください。

梅田政府参考人 ATS―P型につきましては、先ほど大臣の方からも御答弁がありましたように、私ども、その効果、適用の範囲を検討して、必要なものから実行に移していきたいと考えております。その方法につきましては具体的にこれから検討して、私どもとしては積極的に整備を進めていくつもりでございます。

 それからもう一点、急カーブの脱線防止ガードの基準の見直しでございます。

 御指摘の脱線防止ガードは、本来、主として日比谷線事故のような低速走行時、大体時速にしますと十キロとか二十キロの車輪の乗り上がり脱線を防止するために設置されたものであります。今回のような、制限速度、これは七十キロでございましたが、これを大きく超えるような脱線について本当に効果があるかどうかについてはいま一度検証する必要があります。

 現在の原因分析の調査中に得られるいろいろな知見があるかと思います、あるいは情報があるかと思います。こういうものを踏まえながら、基準の見直しが必要かどうかについても検討してまいりたいと思っております。

穀田委員 効果の問題については確かめていただいて、科学的知見に基づいてやっていただく、それはそのとおりなんですよ。ただ、自分たちの決めた基準について、これも含めて、見直しも含めて検討すると言っているわけだからこれ以上は言いませんけれども、やはりこれは常識的に考えて、こういうものについて、今わかっている範囲内でもしっかりこういう改善をするということが必要だと言っておきたいと思います。

 次に、住宅関係の法案について質問をします。

 私は、この委員会でも、また予算委員会の分科会でも、都市機構が所有するニュータウンなどの宅地処分のあり方について取り上げてまいりました。大型店など大型商業施設事業者に売却、賃貸する場合、周辺住民や商圏内の商店街、中心市街地に悪影響を及ぼさないように配慮すべきだということを何回も指摘してきました。

 今回、ニュータウン整備事業を十年で打ち切って、計画どおり宅地供給できないものも造成しないまま処分する。その結果、処分先相手がだれであろうと、処分を優先する圧力がそれぞれの現場に働く、まちづくりに悪影響を与えることがこれまで以上に危惧されます。

 また、これまで都市機構と協力してきた地元自治体や地権者からは、計画はどうなる、約束を守ってほしいなど、心配と危惧の声が出ています。こういう心配や危惧に対して都市機構がどのように対応するのか、その誠意が問われるし、当然、自治体や地権者、周辺住民、商店街などとの対話は言うまでもありません。それを進めていく上で一番大事なのが、情報の開示であり情報公開だと考えています。

 都市機構に聞きます。

 今回の計画では、五千七百ヘクタールのうち、三千二百ヘクタールは宅地として供給するが、残り二千五百ヘクタールは、現況処分、塩漬け処分、素地のまま処分するということになっています。宅地供給する部分をA、現況処分をB、塩漬け処分をC、素地のまま処分をDと区分した上で、十年間で五千ヘクタールを処分する計画です。

 全体の関係で少し質問時間が短くなりましたので、まとめて聞きます。

 いただいた資料によると、総額で、財投残高が三・三兆円だ。売却による収入によって繰り上げ償還を一・三兆円程度。民間調達による繰り上げ償還一・六兆円、一兆六千億円だ。それから、約定の償還、従来の規定どおりで四千億円、〇五年度には一兆円を見込む。こういう資料になっているわけです。

 そこで、売却収入で一兆三千億円程度というけれども、一体どこでどれくらい土地を売るのか、その裏づけが必要です。A、B、C、Dに区分けするというが、面積はあるんだけれども金額はないんですね。それぞれの金額は幾らか、お答えいただきたい。

田中(久)参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のように、私ども、今回処理をすることになりました面積の総量は五千七百ヘクタールでございます。先生おっしゃいましたようにA、B、C、Dと区分をされておりますが、このうち、大きく言いましてA、BとC、Dというふうに理解をしていただいた方がいいかなと思います。A、Bにつきましてはおおむね宅地として完成をして販売するものでございますし、C、Dにつきましては中止をしたりして素地のまま処分をする土地でございます。

 現在、この処理の仕方につきましては、地方公共団体と協議をしたり、今後、地域ごとの需要を見きわめながら、住宅でありますとか商業施設でありますとか学校等の具体的な販売用途を確定していく部分もありまして、販売用途いかんによってはその売上金額が影響を受けるということもございますので、分類ごとの売上金額についてはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。

穀田委員 それはおかしいですよね。

 私は、今後のそういう問題について影響するというのは、個別の事業について聞いているんだったらそういう答えもあると思うのですよ。大体どこでどれだけ売れるという、その裏づけとなるA、B、C、D、まああなたが言うようにA、BとC、Dでもいいですよ、そういう見積もりが出せないというのでは、売却できるという根拠はないに等しいと私は思います。

 では、ちょっと聞き方を変えて、もともとニュータウン整備事業というのは、宅地開発を目的に土地を購入し、それを造成、整備して、保留地などを販売し事業費を捻出する土地区画整理事業がほとんどです。それぞれの事業で、土地を購入したときの費用に事業費を加えた価格を根拠にして、損をしない価格で整備した土地を販売する。皆さん方のところでいえば、当初計画では、取得した土地の整理前価格それから整理後予定価格、これを明確にして事業計画を当然立てるはずですよね。

 では、具体的な事例で聞きたいと思います。

 私が住んでいます京都府の中で、御承知かと思うのですけれども、木津中央、木津南、木津北、こういうふうな形であります。木津南の例をちょっと聞きたいと思います。

 ここは関西文化学術研究都市の一画で、京都府相楽郡木津町のほぼ真ん中であります。山林や田畑を切り開いて、施行面積が二百四十五・七ヘクタールという広大な敷地で、計画人口は一万三千九百人、戸数は四千戸、そのほかに、これは地図で色が分かれているのですが、学研施設、教育施設のための用地を開発する、総事業費は約一千億円の計画です。地価下落がはっきりしていた九七年に事業計画が認可されています。

 そこで、何点か聞きたいのです。

 旧都市公団が取得した用地面積は幾らか、機構が供給する予定の面積は幾らで、どのくらい供給したのか、お答えいただきたい。

田中(久)参考人 先生今御指摘の地区は、木津南とおっしゃいましたが、恐らく木津中央地区のことかと思います。木津中央地区につきましては二百四十六ヘクタールで事業をやっておりますが、買収面積は約九十六ヘクタールでございます。

 この木津中央地区につきましては、現在計画の大きな見直しを行っているところでありますが、その中で機構が供給する予定の面積は、百二十三ヘクタールを予定しております。

穀田委員 言い間違えたかもしれません。木津中央です。北も南も、三つもあるものですからね。売れていないところをがばっと言ったのはひどいところで、そのとおりです。

 では、結局ゼロだということなんですよね。この土地取得は一平米当たり幾らで取得したのか、そして整理後は幾らで販売する予定なのか、お答えいただきたい。

田中(久)参考人 木津中央地区の購入価格についてお尋ねでございますが、個別地区の購入価格は私どもの原価情報そのものでございまして、私どもは、これから宅地を市場に供給していくに当たりまして、販売活動に不利な影響を与えることになると懸念しております。事業の適正な執行に支障を及ぼすおそれがありますので、その価格については差し控えさせていただきます。

 それから、整理後の価格についてお尋ねでございますが、区画整理をやった後の整理後価格につきましては、先ほど申し上げましたが、現在土地利用計画の大幅な見直しを行っている最中でございまして、土地の用途や、時期や、これに伴って決まる整理後の価格について現在見直しをしている最中でございます。

穀田委員 これも答えられないと。すべてやみの中だ。では、こちらで独自に入手した資料で紹介をしたいと思います。

 これは、実は都市整備公団都市開発事業部が作成した「事業地区の概要」というものなんですね。これの八十二ページにこの問題が書いてあります。それで見ますと、整理前価格は一平米当たり三万九千七百円、整理後予定価格は一平米当たり十二万三千百円という計画になっているということが書いてあるんですね。これは、旧都市公団が各事業の内容を整理した冊子のコピーでして、事業中の基本方針未決定地区などについて記載している。全部持っている人も結構いるんですよね、これは。だから、そんなに秘密だということでもないんです。

 そこで、木津中央地区はその一つでして、問題は、計画認可当時の九七年二月に比べ、当然地価が下落しています。ちなみに、木津町内の周辺の宅地の公示地価を調べてみると、九五年当時、一平米当たり平均が十五万七千円であったものが、二〇〇五年は半額の七万八千円だ。つまり、地価が半減しているから、当然、当初の販売予定価格の一平米当たり十二万三千百円という額では売れない。値下げして売るしかないということになると思うんです。先ほど、見直ししてどうのこうの言っているわけだから、そういうことだと思うんですね。

 そうすると、これは時価に合わせれば損が出る。結局、出資者である地権者や地方自治体などがその負担をかぶることになる。今売り出そうとしている土地はこういうケースがほとんどだと思うんですね。それをどうするつもりかということを聞きたいと思うんです。

田中(久)参考人 先ほど先生おっしゃいました単価は区画整理事業の施行後単価でございまして、現在の事業計画書に記載してあります単価でございます。先ほど申し上げましたように、それにつきましては事業全体の見直しを行っているところでございます。

 それから、一般論として、土地区画整理事業で土地が値下がりをして当初の計画どおりできない場合どうするか、こういう御質問かと思います。

 私ども、土地区画整理事業というのは、先生御存じかと思いますが、地権者から公平に土地を供出していただきまして、これを減歩と申しますが、減歩をしていただきまして、道路や公園等の公共施設をつくり、地権者の土地を活用しやすいように換地いたしまして、その手続を踏んでまちづくりを行うという手法でございます。減歩で供出いただいた土地のうち一部が保留地になりまして、この保留地を売却して得た資金によって区画整理事業を行うものでございます。

 したがいまして、地価が下落をいたしますとこの保留地処分金が減少いたしますので、これに対して私どもは、収入の確保、支出の削減ということを当然ながらやることになります。どうやってやるかと申し上げますと、当然、工事費の縮削減等、事業費の低減にあらゆる手を尽くしたいというふうに思います。もう一つは、地権者の方々にも御協力いただきまして、減歩率を上げて保留地面積を拡大するというふうな収入拡大策もとらざるを得ないのではないかというふうに考えているところでございます。

穀田委員 やり方については先ほど私が言っているわけだから、そんなこと言わなくたっていいわけじゃないですか。そんな、一々答弁書を見て、質問されたからといって言っておるようじゃだめだよ。

 土地区画整理事業の法案のときにも私は言ったんですよ。事業で発生した損失をどのように処理するかというのは、出資者などとよく協議をして納得を得られるようにするのは当然なんですね。その前提として、関係者に十分な情報が開示されている必要があるということをこの前も私は言ったわけです。だから、私は、ここの点を、そういう問題の情報開示なしにやるのはだめだよということを言っているわけです。

 しかも、大体機構が出している計画どおりにはいかない、土地は売れない。しかも、実際には今何をやっているかというと、帳簿上処理していこうとするものだから、当然賃貸なんかが多くなってくる。それで、幾らで貸すのか。この間議論しましたように、分科会で私言いましたが、大型店に貸す。貸せば、競争激化の中で、事実上撤退するところが生まれる。自分のところが管轄するところでもそういうことが起こっているのに、賃貸料を値下げしても貸すとなれば、また借金の利子分程度がやっとで、元金はいつまでたっても残ったままだ。結局、借金は減らないことになる。こういうことになるわけなんですね。

 だから、結局、いずれにしても、こういうことが起こった原因というものをきちんと反省しなくちゃだめだということを私は言いたいと思うんです。

 大体、バブルの時期に、過大な需要予測によって郊外住宅型土地開発を進めたこと、これも問題です。同時に、理解できないのは、バブルが崩壊して地価の下落が始まった九〇年以降も広大な土地を取得していることなんですね。これも、いただいた資料によると、九〇年以降の土地の取得で、トータルでいいますと二千三百八十九ヘクタールが取得されているんですよ。だから、バブル崩壊後の取得なんです。今回処理しようという半分がこれに当たる。

 地価が下落し始め、あるいははっきりと下落しているのがわかってから、宅地開発の名で土地を購入し続けた。これでは、当初計画どおりに販売できないのは当たり前だと思うんです。

 だから、問題は、バブルが崩壊し、地価下落が顕著になってからも土地を購入していた、そのツケが今日の事態を生んでいる。その反省はあるのか、教訓はどのように考えているのか。この点を端的に教えてほしい。

北側国務大臣 ニュータウン用地の資産の評価損によって財務が悪化しておるというのは、そのとおりでございます。

 バブル崩壊以前に取得したものもございますし、委員の御指摘のように、バブル崩壊後に土地を購入しているものもございます。しかし、あのバブル崩壊後、委員今九〇年以降とおっしゃったんで、九〇年というのはちょうどまだバブルが、どの辺がバブル崩壊と言うか、またなかなか難しいところでございますけれども、少なくとも平成四年とか五年というのは、明確にバブルがもう崩壊しておって大変な状況でございました。

 あの当時、私の記憶でも、政府の政策といたしまして、土地の流動化をいかに進めていくのか、土地の資産デフレが急激に進む中で、やはり一方で土地の流動化を進めないといけないという議論があったこともぜひこれは御理解をいただきたいわけでございまして、そうした政府の政策の要請もあって土地の取得が、土地の購入があったということもぜひ御理解をお願いしたいところでございます。

 今回、都市再生機構については、御承知のとおり、ニュータウン事業については、もう新規事業には着手をしない、継続中の事業についても、事業計画を抜本的に見直した上で早期の処分を図るというふうにしているところでございます。

 都市再生機構に対しましては、中期目標において事業実施中のすべての地区における採算見通し等の把握、管理とともに、必要に応じた事業の見直し等の指示をしているところでございます。都市再生機構において、事業コストの削減それから経営改善、こうした最大限の自助努力を行いながら、ニュータウン用地の処分が行われるものと考えております。

穀田委員 例えば土地白書で、平成七年版といいますから九五年ですね、そこの中でも、政府は宅地開発の推進ということを相変わらず言っているんですね。だから、単にバブルの時期、その終わってすぐの時期じゃなくて、それ以後もやはりそういうことを奨励してやっているということも、それはいかがかと私は思います。

 そこで、住宅政策を土地対策という形で利用すべきでないということが一つの教訓だと私は思うんですね。宅地開発の名で住宅化のめどのない土地を買いはった結果が今日の事態を生んでいるということが一つと、もう一つは、やはり情報公開という問題についてしっかりやっていくべきだということを改めて言っておきたいと思います。

 最後に一つだけ。

 今回の法案では、ニュータウン整備に関する勘定は分離する、しかし、賃貸住宅事業と土地有効利用事業などを都市再生勘定にするというけれども、これでは極めて私は不十分だと思います。

 さっき言ったように、賃貸住宅の管理というのは、入居者が実際に住んで生活を営んでいる人間を対象にした住宅政策と、それから時には投機対象ともなり得る土地対策を同じように扱うというのでは、根本的に私は間違っていると考えます。同じ勘定でくくれば、公団賃貸住宅の利益を、住宅対策とは無関係の土地有効利用事業などの穴埋め、都市再生事業に流用されることになりかねない。賃貸住宅にお住まいの皆さんが安心して住み続けられるようにすることこそ住宅政策と言えると私は思うんです。ニュータウン事業への流用を厳しくチェックするのは当然として、この際、抜本的な改革が必要です。

 機構が土地対策、都市再生事業を中心に進めるというのなら、賃貸住宅の部門を別勘定にすべきだと思うが、その点について、最後、お答えいただきたい。

北側国務大臣 都市再生機構の業務には、例えば、賃貸住宅の建てかえ事業におきまして、公営住宅等の公共施設や社会福祉施設、民間住宅等をあわせて建設することによる総合的なまちづくりを推進することだとか、市街地の整備改善事業により整備した敷地を定期借地として民間賃貸住宅の供給のために提供することなど、賃貸住宅部門で行う業務には都市再生業務としての性格もありまして、両者一体の勘定として業務を推進すべきと考えておるところでございます。

 ただし、部門別の損益状況はやはり明確にする必要があると考えておりまして、賃貸住宅に関する業務と市街地整備改善に関する業務については、区分経理を行いまして、きちんと情報公開をさせていただきたいと思っております。

穀田委員 区分経理だけではならないということはもう自明の理でして、例えば公団自治会を初め多くの公団にかかわる方々の要望は、そこでとどまっていないわけですね。やはり、会計処理に当たっては、そういう賃貸住宅事業の収益を他の事業会計には流用しないでほしいということがあるということを改めて指摘して、質問を終わります。

橘委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより両案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。

穀田委員 政府の住宅政策は、これまで、住宅建設計画法に基づく住宅建設五カ年計画などを中心に、公営住宅、公団住宅、金融公庫融資住宅を住宅政策の三本柱として、公共住宅の量的確保と質的な向上を基本に進められてきました。

 しかし、公営住宅は、九六年の法改悪以来、新規建設の抑制と入居資格の所得制限強化が進められ、公団住宅は、二〇〇〇年以降、分譲、賃貸住宅の建設が中止、抑制され、民間賃貸住宅供給の支援に傾斜するなど、公共住宅部門からの撤退方向を強めています。また、住宅金融公庫の廃止法案が出され、直接融資を縮小しようとしています。

 そして、政府は今後、住宅建設計画法や公営住宅法を全面改定するなど、住宅政策の大転換を進め、一層住宅の市場化を促進し、公共住宅政策から撤退しようとしています。

 まず、公営住宅法等改正案は、政府が公共住宅政策から撤退するため、全く目的も内容も違う法案を一くくりにして事前処理しようとするもので、認められません。

 地域住宅特措法案については、現行補助制度を交付金制度に変更することで、既存補助事業を地方自治体が弾力的に運用できるなどの側面もありますが、政府が公共住宅政策から撤退を進めるてことし、住宅困窮者への低家賃住宅供給に対する国の責任を後退させることになるため、賛成できません。

 新たに公営住宅を必要とする世帯は、国交省の推計でさえ百七十六万世帯に上ります。ところが、地方自治体では、市営住宅等の供給を中心とした政策から市場の活用を重視した政策への転換が進行しています。これでは、公営住宅の量的な不足は解消されません。

 憲法の生存権規定に基づき、住宅困窮者に低家賃、適切な居住水準の住宅をさまざまな形で供給する国と地方自治体の責任を果たすことを住宅政策の基本に据えるべきであることを述べ、討論といたします。

橘委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

橘委員長 これより両案について順次採決に入ります。

 まず、公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橘委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橘委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 ただいま議決いたしました両法律案に対し、衛藤征士郎君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。赤羽一嘉君。

赤羽委員 ただいま議題となりました二法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、趣旨の説明は、お手元に配付してあります案文の朗読をもってかえることといたします。

    公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 ゆとりある住宅に安心して住むことが生活の真の豊かさを実現する上で不可欠であることにかんがみ、国民がそれぞれの価値観やライフスタイル等に応じた居住を実現できるよう、住宅政策の一層の推進に努めること。

 二 地方公共団体の創意と工夫を活かしつつ、少子高齢化をはじめとする地域の住宅政策上の課題に的確に対応するため、地方公共団体による地域住宅計画の作成を推進するとともに、地域住宅計画に記載された事業等に対する支援策の充実に努めること。

 三 地域における公的賃貸住宅の的確な供給を通じて住宅のセーフティネットを確実に構築するため、地域住宅協議会の活用により、地方公共団体、都市再生機構等公的賃貸住宅の事業者間の連携が充分に図られるよう特段の配慮をすること。また、地域住宅協議会の位置づけを明確にし、地方公共団体の力量に応じ支援を行い地域住宅計画の作成ができるように努めること。

 四 地域住宅交付金については、国の関与を極力少なくするとともに、地方公共団体の創意と工夫による公的賃貸住宅等の整備等が可能となるよう、その運用に万全を期すこと。また、地域住宅交付金の採択に関する透明性を確保するとともに、地域住宅交付金を充てた事業等に係る評価を適切に行うための仕組みを構築し、評価結果を公表すること。

 五 住宅金融公庫及び都市再生機構の損失や欠損金は、先送りすることなく可能な限り早期に処理するとともに、損失や欠損金の状況、処理方法等についての情報を随時公開すること。また、損失や欠損金の処理に関する国の財政的負担を軽減するため、住宅金融公庫及び都市再生機構に対し、組織のスリム化、事務の合理化等の自助努力を促すこと。

 六 都市再生機構の都市再生業務に係る勘定においては賃貸住宅業務とその他の業務との区分経理を行うとともに、賃貸住宅業務に係る収益については、当該業務の運営に支障が生じないよう、当該業務へ優先的に充当すること。

 七 都市再生機構の建替事業に際しては、居住者や地方公共団体と充分な意志の疎通が行われるとともに、余剰地の活用については福祉施設、公園、公営住宅等公的な利用が図られるよう配慮すること。

 八 地方住宅供給公社の健全な経営に資するよう、地価の実態等を反映した厳格な会計基準の導入と当該会計基準による財務状況の公表について配慮すること。また、設立団体とともに地方住宅供給公社の今後の住宅政策上の位置づけについて検討すること。

 九 地方住宅供給公社の解散の認可に当たっては、公社の雇用問題について充分に配慮すること。

 十 少子高齢化の進行、国民の価値観や家族形態の多様化等社会経済情勢の変化に対応した住宅政策を推進するため、住宅建設計画法及び住宅建設五箇年計画に替わる新たな制度的枠組みのあり方について、広く国民の意見を求めつつ早急に検討すること。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

橘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橘委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣北側一雄君。

北側国務大臣 公的資金による住宅及び宅地の供給体制の整備のための公営住宅法等の一部を改正する法律案及び地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をちょうだいし、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長初め理事、委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。

 大変にありがとうございました。

    ―――――――――――――

橘委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

橘委員長 次に、内閣提出、独立行政法人住宅金融支援機構法案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣北側一雄君。

    ―――――――――――――

 独立行政法人住宅金融支援機構法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

北側国務大臣 ただいま議題となりました独立行政法人住宅金融支援機構法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 これまで住宅金融公庫は、住宅資金の直接供給を行うことにより、住宅不足の解消や居住水準の向上などの成果を上げてまいりました。しかしながら、今般の社会経済情勢の変化により、市場重視型の新たな住宅金融システムの構築が大きな課題となっております。

 この法律案は、平成十三年十二月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画等に基づき、住宅金融公庫を解散し、市場重視型の住宅金融システムに対応した独立行政法人住宅金融支援機構を設立するものでございます。住宅金融支援機構は、一般の金融機関による住宅の建設等に必要な資金の融通を支援、補完するための業務を行うことにより、住宅の建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図り、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としており、また、それらを効率的、合理的な執行体制により行うものです。

 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。

 第一に、住宅金融支援機構は、一般の金融機関による住宅の建設等に必要な資金の融通を支援するため、当該金融機関の貸付債権の譲り受け、当該貸付債権を担保とした債券に係る債務の保証等を行うこととしております。

 第二に、住宅の建設等をしようとする者または住宅の建設等に関する事業を行う者に対し、必要な資金の調達または良質な住宅の設計もしくは建設等に関する情報の提供、相談その他の援助を行うこととしております。

 第三に、一般の金融機関による融通を補完するため、災害復興建築物の建設等に必要な資金など、民間では対応が困難な分野に限り、貸し付けの業務を行うこととします。

 第四に、住宅金融支援機構の組織形態を独立行政法人とすることとし、自律的な業務運営を可能ならしめ、責任ある経営が行われるよう、所要の措置を講ずることとしております。

 以上が、この法律案を提案する理由でございます。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

橘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る五月十三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十七分散会


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