衆議院

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第9号 平成17年12月7日(水曜日)

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平成十七年十二月七日(水曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 林  幹雄君

   理事 衛藤征士郎君 理事 中野 正志君

   理事 望月 義夫君 理事 吉田六左エ門君

   理事 渡辺 具能君 理事 長妻  昭君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    宇野  治君

      遠藤 宣彦君    小里 泰弘君

      大塚 高司君    鍵田忠兵衛君

      金子善次郎君    亀岡 偉民君

      北村 茂男君    後藤 茂之君

      坂本 剛二君    杉田 元司君

      鈴木 淳司君    薗浦健太郎君

      田村 憲久君    長島 忠美君

      西銘恒三郎君    葉梨 康弘君

      松本 文明君    矢野 隆司君

      若宮 健嗣君    小宮山泰子君

      古賀 一成君    郡  和子君

      下条 みつ君    土肥 隆一君

      長安  豊君    鉢呂 吉雄君

      馬淵 澄夫君    伊藤  渉君

      佐藤 茂樹君    穀田 恵二君

      日森 文尋君    亀井 久興君

    …………………………………

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君

   参考人

   (日本ERI株式会社代表取締役社長)       鈴木 崇英君

   参考人

   (イーホームズ株式会社代表取締役)        藤田 東吾君

   参考人

   (有限会社アトラス設計代表取締役)        渡辺 朋幸君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月七日

 辞任         補欠選任

  島村 宜伸君     宇野  治君

  盛山 正仁君     矢野 隆司君

  高木 義明君     馬淵 澄夫君

  森本 哲生君     郡  和子君

  亀井 静香君     亀井 久興君

同日

 辞任         補欠選任

  宇野  治君     島村 宜伸君

  矢野 隆司君     盛山 正仁君

  郡  和子君     森本 哲生君

  馬淵 澄夫君     高木 義明君

  亀井 久興君     亀井 静香君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国土交通行政の基本施策に関する件(建築物の構造計算書偽装問題)


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     ――――◇―――――

林委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件、特に建築物の構造計算書偽装問題について調査を進めます。

 本日は、参考人として、日本ERI株式会社代表取締役社長鈴木崇英君、イーホームズ株式会社代表取締役藤田東吾君及び有限会社アトラス設計代表取締役渡辺朋幸君、以上三名の方々に御出席いただいております。

 なお、本日、参考人として出席をお願いしておりました一級建築士姉歯秀次君及び株式会社総合経営研究所代表取締役所長内河健君から、それぞれ体調不良により出席できないとの申し出がありました。特に、姉歯秀次君につきましては、二度目の御欠席となり、極めて残念でありますが、御了承願います。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。よろしくお願いをいたします。

 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本文明君。

松本(文)委員 本日出席を予定されておりました内河参考人が経営をされます総合経営研究所、いわゆる総研は、一連の犯罪物件の建設に当たってそのスキーム全体をつくった会社であります。

 木村夫妻の経営する平成建設、木村建設は、総研の徹底したコストダウンと工期短縮を実現するために、総研みずからが行ったと思われる設計を単に手伝ったにすぎないのではないか。平成建設、平成設計、これは一体のものでありますが、仕事を受注する見返りに、犯罪と知りつつ手をかしたのではないか。(発言する者あり)失礼しました。平成設計、木村建設ですね。この総研を頂点にしたピラミッド型のプロジェクトチームがヒューザーやシノケンを巻き込んで行われた犯罪ではないか。

 姉歯参考人は、そのチームの主要メンバーの一人であります。これだけ多くの国民の命を危険にさらし、これだけ多くの私財を収奪した犯罪チームの指揮官として疑惑を持たれている内河参考人、具体的に構造計算の偽造を行った姉歯参考人には、どの関係者よりも積極的に国民に説明をしてもらわなければならないと思うのであります。

 それが、確たる説明もなく、姉歯参考人に至っては一度ならず二度までも当委員会への出席を拒んだのであります。この行為はこの国の社会正義に対する挑戦としか言いようがありません。

 委員長、直ちに証人として喚問すべきだと思うのでありますが、お手配をお願いいたします。

林委員長 理事会で協議をいたします。

松本(文)委員 渡辺参考人に伺います。

 姉歯設計士の構造偽造に気づかれた経緯について御説明ください。

渡辺参考人 一度目に気づいたのは、一年半前に港区の物件で、私が意匠事務所さんから構造の監理を委託されました。そのときに、図面と計算書を見比べて発見しました。

 二度目に発見したのが、施工会社の志多組さんから、北千住の物件で鉄筋が少ないので調べてほしいと依頼を受けました。図面を見ておかしいと思ったので、計算書を取り寄せてもらうようにお願いして、そのとき、計算したのが姉歯さんだと聞いて、とても驚いた次第です。

松本(文)委員 渡辺参考人に続いて伺うわけでありますが、構造偽造、これは普通の一級建築士と言われる資格を持つ方であれば、だれが見てもすぐ変だなと思うような内容なのか、それとも、渡辺さんのような構造の専門家が何日間か徹夜をしなければ発見できない、こういうような代物なのか、わかりやすく御説明いただきたいんですが。

渡辺参考人 最初の一年半前の物件は、図面を見ておかしいとは思ったんですけれども、すぐ偽造とは気づきませんでした。内容的には、これもあり得るかなというぐらいの内容でした。

 二度目に気がついた北千住の物件は、すぐ見て気がつく内容でした。

松本(文)委員 一般論として渡辺参考人に伺いたいのでありますけれども、構造設計を依頼された場合、まず最初に断面図をつくって依頼先に届ける。その断面図を眺めながら、意匠設計ですとか構造設計の方々が建物全体についての検討を加える。それらの打ち合わせが終わった後に、構造設計士としては最終的な構造計算書をつけてきちっとした図面を届ける。そういう作業の中で、意匠設計士等々と二、三回は最低打ち合わせをしなきゃいかぬものだ、こんな話を聞いたのでありますが、それが妥当であるのか、また、普通こうした打ち合わせというのは何回ぐらい行われるものなのか、教えてください。

渡辺参考人 通常、実際の計算をする前には一回か二回の打ち合わせです。そのほかはファクスとかメールのやりとりで十分対応できています。

松本(文)委員 ということであるならば、元請設計者はもちろんでありますが、設備設計をする方などは、何回か複数の設計士が構造計算書あるいは構造断面図といったようなものとにらめっこしなくちゃいけない。そこでだれも気がつかないというのは、どうも私には、鉄筋が十八本必要なものが五本しか入っていない、こういうような物件について、だれも気がつかないというのは奇妙きてれつとしか言いようがないのでありますが、渡辺参考人の感想といいましょうか御意見を伺いたいと思います。

渡辺参考人 この職業は、意匠、設備、構造等、専門性が問われる仕事なので、意匠の方が構造を見てもなかなかわからないのが現状だと思います。

松本(文)委員 渡辺参考人、この設計業界というのでしょうかね、それを専門、専門に任せるのはいいんだけれども、やはり一級建築士、こう言われる中で専門性が今大きく三つに分かれていると言われました。分業になっているとはいいながら、試験を受けるときには同じ国家試験を受けるわけですよね。ですから、やはりある一定の建物の基本、最も重要な構造部分に対して、他の意匠専門であろうと、あるいは構造でない設備専門であろうと、ある一定の感覚というんでしょうかね、このビルは自分のつくるビルだ、とても途中で倒れるようなものをつくってはいけないんだ、自分の子供や孫に、このビルはおれが設計したんだ、そういう誇りの持てるようなものをつくらないかぬのだ、そういうようなインセンティブというのは、業界全体に今や働いていないとお思いですか。ちょっと感想を伺いたいんですが。

渡辺参考人 そんなことはないと思います。

 やはり意識の高い方はそれなりの構造の技術もありますし、最低の配筋量とかそういうことは十分認識していると思います。

松本(文)委員 十分認識していらっしゃる業界ということであるならば、十八本必要な鉄筋が五本しか入っていないというのを見たら、普通の感覚であれば指摘をしなくちゃいけない。

 ところが、それを眺めた意匠設計士、元請の意匠設計士ですよね、そして設備設計士もそれを眺めている、そういう方々がだれも気がつかないというのは、どこかに何らかの力が働いているというか、不正な力が働いている、こういう感じを持つわけでありますが、例えば横浜の場合、元請設計人、そしてそれをコーディネートしていた総研、あるいは平成設計でしょうか、そして建設業者、こういった関係、おわかりでしたら教えていただきたいんですが。

渡辺参考人 私は、その横浜の物件に対しては、横浜の設計事務所さんの物件に対しては、姉歯さんとのやりとりだけで、だれがどうかかわってきたかというのはよく存じていないんです。この事件が発覚してから初めて、木村建設さんが姉歯さんを連れてきたと知ったぐらいです。

松本(文)委員 横浜の設計事務所の名前と設計士の名前を具体的にちょっと教えていただけますか、もう一度。

林委員長 わかりますか。

渡辺参考人 これは具体的に答えないといけない内容なんですね。(松本(文)委員「ぜひ答えていただきたい」と呼ぶ)はい。横浜にある千葉設計さん、千葉孝さんが管理建築士だと思います。

松本(文)委員 この偽造に渡辺さんが気づかれた後、いろいろなところに警告を発するというか御連絡をいただいたと思うのでありますが、具体的にどういう行動をおとりになったのか御説明をください。

渡辺参考人 日本ERIさんに変更申請を出しに行ったその受付の場所で、構造の担当官一人に対して、姉歯さんの設計がおかしいんじゃないですかということは伝えました。

松本(文)委員 横浜の設計事務所、千葉設計さんの事務所で、関係者を集めて、これはおかしいよ、こういうような会議を開かれたやに報道されておりましたけれども、それはあったんですか。あったんでしたら、ちょっとその経緯も教えていただきたいんですが。

渡辺参考人 はい。姉歯さんの設計がおかしいというのは指摘しました。その席にいたのは、平成設計さんと総研さんです。

松本(文)委員 その席に姉歯さんもいらっしゃったんでしょうか。それと、総研さんの具体的にどういう名前の方がいらっしゃったのか、そして平成設計さんのどなたがいらっしゃったのか、教えていただきたいんですが。

渡辺参考人 残っている名刺だけなんですけれども、平成設計の徳永さん、総研の、ちょっと読み方がわからないんですけれども、四ケ所さんの名刺が残っています。

松本(文)委員 そこで、平成の徳永さん、総研の四ケ所さん、姉歯設計士に偽造を指摘したときに、それぞれの反応はどうだったでしょうか。

渡辺参考人 姉歯さんは、外注に仕事を任せたのでよくわかっていないようなそぶりをしました。四ケ所さんは、確認がおりているのでそんなはずはないという感じのことを言っていたと記憶しています。(松本(文)委員「徳永さんは」と呼ぶ)徳永さんは、特に発言された記憶はございません。

松本(文)委員 この会合で、渡辺参考人に伺いたいのでありますが、その会議というんでしょうか、その場をリードしていた、その場で一番主導者的立場で振る舞われていた方というのは、姉歯さんなのか、四ケ所さんなのか、徳永さんなのか、渡辺さんのそのときに受けた印象で結構ですから、おっしゃっていただきたいと思います。

渡辺参考人 この事件が起きてから、記者会見をしている席で初めて名前と顔が一致したんですけれども、総研の四ケ所さんが中心で話していたと記憶しています。

松本(文)委員 ここで伺いたいのが、四ケ所さんが主導的役割を果たした、こういう印象を持たれたようでありますけれども、この間違いを姉歯さんが認めて、そしてその訂正を約束した、こういうような報道があります。それは事実なんでしょうか。

渡辺参考人 はい。一度は訂正すると約束したんですけれども、二週間後ぐらいに、やはりこの仕事から手を引くという連絡が設計事務所さんの方にあったそうです。

松本(文)委員 千葉設計さんの方に、構造設計からおりますという連絡が二週間後に姉歯さんからあった。千葉設計さんは、自分の事務所でその偽造が発覚を、偽造の指摘を受けているわけですから、当然わかっているわけですよね。元請の千葉設計さんはその後どう対処されたのか、お聞きになっていたらお聞かせください。

渡辺参考人 この事件が発覚して初めて偽造とか不正とかいう認識を持っただけなんです。その当時は、そういう方がいらっしゃるという認識もなかったので、間違いのものが訂正できたという形だけで終わっているだけです。

松本(文)委員 渡辺参考人、強度、建物の構造、建物がいつ倒壊するかわからないというようなものを、この国の法を破って、そしてつくっても、それは犯罪ではない、大したことではないんだ、まあまあ、間違っているよ、あんたの構造計算間違っているよ、それをしただけで、まあよかったな、間違いに気がついてくれたよ、そしてまた、それを指摘された方も、まあまあ、指摘されて間違いはわかったけれども、まあしようがねえな、もう確認もおりているし、工事はそのまま続けさせるしかねえや、こういうような感覚というのが設計士の一般の感覚なんでしょうか。お答えください。

渡辺参考人 いえ、そんなことはないと思います。設計をやっている方々は、皆さん、自分の仕事に誇りを持ってやっていますので、間違いのあるものはつくらないようにしています。

松本(文)委員 渡辺参考人、渡辺参考人がやられているわけじゃないので渡辺参考人を責めるつもりはないんですが、具体的には、千葉設計さん、元請会社で法的には設計責任者、その責任者の方が、構造計算、最も建物の重要なところで大きなミスがあった、間違いがあった、この建物を建てたらそれそのものが違法だ、こういう認識をした上で何の行動も起こされていないとすれば、これは大変なことだ、こう思うんでありますが、渡辺さんはそういう認識はお持ちになりませんか。お答えください。

渡辺参考人 その時点ではそこまで深くこの事件が大きいとも思いませんでしたし、千葉の方で一人でやっている構造事務所さんが外注に出してやってしまったという話だったので、そこまでの認識は、あの場所で皆さんなかったと思います。私もなかったです。

松本(文)委員 何かがっかりするというか、この国の設計士への試験というか、設計資格を与えるということの基本から見直さなくちゃいけないのかな、そんなことを思うわけでありますが、その時点で既に確認はおりていたわけですけれども、渡辺参考人、工事はどの程度進んでいたか、その当時、御記憶があったら答えていただきたいんですが。

渡辺参考人 着工もしていませんでした。(松本(文)委員「着工していなかった」と呼ぶ)はい。

松本(文)委員 もし、そのときに確認が取り消されていたならば、このビルというのは今建っていなかった、被害者は出ていなかったわけでありますけれども、確認は日本ERIさんの確認になっていた、こう承知をしておりますが、参考人、そのとおりですか。

渡辺参考人 日本ERIさんの確認で一度はおりているものを、私が構造計算をやり直して変更申請を提出しました。

松本(文)委員 先ほど、渡辺参考人がその間違いについて日本ERIにもわざわざ報告をされたと伺いました。ERIの構造担当者の方とお会いになって御説明をされた、こう伺いました。そのときの構造担当者の方のお名前はわかりますでしょうか。――覚えていない。覚えていないんならいいです。

渡辺参考人 はい、済みません。

松本(文)委員 ERIの鈴木参考人に伺います。

 そのときに渡辺参考人と対応をされた構造担当検査官というんでしょうか、その方の名前は把握をされておりますか。

鈴木参考人 お答えします。

 会社の中ではもちろん把握しております。(松本(文)委員「お名前をおっしゃってください」と呼ぶ)本人、今、この事件で大変ショックを受けていまして、本人の名前が出されて責められると非常に精神的に問題があるという状態に実はなってしまっております。ですから、控えさせていただければと思いますが。

松本(文)委員 参考人、その担当官が渡辺参考人の方から構造計算の偽造を指摘された、そのときにはまだビルの工事は着工されていなかった、それをとめることができなかった、その原因について社内調査はしっかりされたんでしょうか。もしされたということであるならば、きちっと日付を追って国民の皆さんの前に御説明を願います。

鈴木参考人 今お尋ねの建物につきましては、港区に建っておりますワンルームマンションとオフィスビルのあいのこのような建物でございます。

 先ほど渡辺さんがおっしゃいましたように、一度、平成十六年一月に建築確認をおろしまして、平成十六年四月に計画変更を、主に構造の面ですが、いたしまして、また計画変更の確認をいたしました。そのビルが建っておるわけで、現在は、そのビルは、渡辺設計士が構造計画をやり直しましたので、安全なものが建っているわけです。

 それで、その前の確認については、偽造とか改ざんとか、そういった認識は私どもも残念ながら持てなかった。今渡辺さんがおっしゃいましたように、渡辺さんもそういうような認識は持てなかったとおっしゃっていますけれども、私どもも残念ながらそれを見抜くことはできなかった。それは、今となってみると、こういう事件の大きさといいますか、計画的、組織的な犯罪であるというものをその段階で気づけばよかったなということは思いますけれども、非常に残念でございますけれども、そのときは、その担当者はそういうことを感ずることはできなかったということでございます。

松本(文)委員 渡辺参考人から指摘をされた方は結局何もしなかった、そして、ERIとしては、渡辺参考人の貴重な指摘、これについて全く何にも当時としては対応しなかった、こう理解してよろしいですか。

鈴木参考人 渡辺さんから、姉歯さんの設計はひどいよ、ほかにもあるといけないから調べた方がいいよというふうなことを、計画変更の申請の打ち合わせといいますか審査といいますか、その途中でそういう話をいただいたように聞いています。

 そこで、先ほど申し上げましたように、それが重大な違反であるとか偽造であるとかいうようなことに思い当たればよかったと思うんですけれども、そのときのメーンのテーマは、新しく計画変更をして、渡辺さんが設計された、構造設計をされたものを建てる、それがよろしいかどうかという審査をしていたわけでございます。そこで、本人は、設計ミスといいますか計算ミスというか、そういうミスの問題だと思ったというふうに聞いております。

 いずれにしましても、その段階で、何かしらおかしいことがある、不正があるんじゃないかということに感づけばよかったんですけれども、それが、今後、私どもの構造審査、あるいは構造審査に限りませんが、設備も意匠もですが、さらに技術を高めて、あるいはマニュアルをより精緻にしていくとか、そういったようなことで、今後そういうことが起きないように、あるいは、もしあったとしたらそれがきちっと報告できるというような体制も整備していかなきゃいけないと考えております。

松本(文)委員 参考人、私が伺いたいのは、渡辺さんから指摘を受けた、指摘を受けたら、普通だったら、前に確認をした同じ姉歯さんの設計にかかわる物件について、どうだったかさかのぼって眺める程度のことはされるのが常識ではないか。

 渡辺さんの、新聞紙上によりますと、単なるミスではなくて、そこに悪意、強い悪意を感じた、こういうふうに述べていらっしゃいます。確かに、十八本の鉄筋が必要なところに五本しか入っていないというようなものを見れば、大体、おかしいな、こう思うのが普通ですよね。一本や二本の間違いじゃない。ですから、そういうことに対して対応しなかったんですか、したんですかということを聞きたいわけです。どうぞ。

鈴木参考人 お答えします。

 当社には、平成十三年の八月ぐらいから事故・苦情報告制度というものをつくりまして、何かしらの申請者の方、あるいは近隣住民の方からということもあります。いろいろな方から……(松本(文)委員「したのかしないのかということを聞いたんです」と呼ぶ)いや、そういうものがございますが、そこにはそういう報告は上がってきておりません。そういう意味で、残念ながら、その段階、渡辺さんからお話を伺った後、何かしらの行動を起こすということはございませんでした。

松本(文)委員 ビルを建築する際に、中間検査あるいは完成検査という手続があるわけでありますが、今回、たくさんのビルが違法、偽造によってつくられているわけですから、どこと指定はしませんけれども、その中間検査、どのような手法で何回行われているのか、そこら辺をわかりやすく。現場へ行けば、鉄筋の組んだ現場を見て、その上でコンクリートが入れられる、こう聞いております。型枠のサイズ等々もそこに行けば一目瞭然、こう思うわけでありますが、極端な物件については、そこで物差しを当てなくても鉄筋の本数ぐらいは勘定できるだろう、ピッチぐらいは、倍のピッチがあいていれば、ちょっと間隔があき過ぎる、これぐらいのことは目で視認できる、こう思うわけでありますが、具体的に、だれがどのように何回中間検査を行っているのか、御説明ください。

鈴木参考人 建築の中間検査は、法律上、特定行政庁が、どの段階で行うこと、こういう種類の建物、こういう規模の建物についてはどの段階で行いなさい、それで何を調べなさいということが条例で決まっております。それを全く条例で指定していない行政庁もございます。指定をしないと行わないということですが、今回の件は港区ですから、当然あります。どの場合も一番基礎となっておりますのは、基礎の部分の配筋、それをその段階で検査に参ります。

 それから、あえて申し上げますと、もう一度中間検査、二回やりなさいという場所もございます。その場合ですと、二階の床に配筋が終わった段階で検査に参ります。検査は……(松本(文)委員「時間がないから」と呼ぶ)はい。

松本(文)委員 イーホームズの藤田参考人にも同じ内容で質問するのでありますけれども、これだけ多くの偽造物件が全く検査で発見をされていない。確認をして、検査をして、中間検査をして完成検査をする、その過程の中で全く発見をされていない。本当に検査をやっているのかやっていないのか。国民は、やっていないんだろう、こう思うわけです。やって発見できないんだったら、やったって意味がない、こういうことになるわけです。本当にきちっとやっているのかどうか、もうそろそろ本当のところをきちっと話していただきたい。藤田参考人、どうでしょう。

藤田参考人 弊社においては、中間検査、完了検査、いずれも適正に行っております。

 確認検査業務についての位置づけがまだ代議士の皆様にも国民の皆様にもよく伝わっていないと思いますので、どうか少し説明させていただいてよろしいでしょうか。(松本(文)委員「簡単にお願いします」と呼ぶ)

 それでは、検査自体は、適合となった図面との整合性をチェックするというのが視点でございます。品質面においては設計監理や施工監理の側が行うというのがやはり一般的な状況だと思います。こうしたことが背景にありましたので、阪神・淡路大震災以降、平成十年の法改正において、性能面、品質面において検査をするという品確法等ができたというふうに考えております。

 ですから、法の目的がそれぞれ違うということはどうか御理解ください。

松本(文)委員 藤田参考人、あなたのところで検査をパスして確認がおろされた物件、これが他社に比べて離れて多い。当然、被害額も被害者の数も大変なことになっております。この現実を前にしてなお、検査は適正に行われました、こういう強弁はとても納得いかない。とても納得いかない。

 検査をする責任者として、この建物はきちっと安全な建物なんですよという判こが、あなたの出す確認証じゃないですか、検査済み証じゃないですか。今、その信頼が、あなたたちが見抜けなかったために揺らいでいるんですよ。少しは責任を持ってもらわなくちゃいけない。国も、国民の血税を、この事件のために大変な金額をこれから出さなければならない、対策を立てなくちゃいけない。そして、そこに暮らしている人たちは、今、命の危険にさらされ、精神に大変な傷を負い、つらい思いをしているんですよ。

 それに対して、あなた方は、自分の一身の私財をなげうってでも弁償するぞ、どんなにつらい刑を受けようとも甘んじて受けるぞ、こういう覚悟がなくてどうするんですか。あなたたちが日本の建築行政の最も重要なところを担っているんですよ。

 そういう私の認識、これに対して両参考人の決意、覚悟を聞いて、私の質問を終わります。

藤田参考人 私どもの、弊社、当機関において確認検査を通ったものが、結果として偽造を見抜けなかったということです。確認検査業務の範囲において見抜けなかったということで、被害に遭われている方のテレビ等の報道を見ると、本当に心苦しく、申しわけないと思います。その点については、改めて住民の方々にも、また皆様にもおわび申し上げます。申しわけありませんでした。

 ただし、当機関における件数が多いのは、当機関が第一通報者として、今回の一部の悪意のある事業者に関して検索を行い、また建築主の方から情報提供をしてもらい、どんどん調査を行っておるんです。当初の十一月十七日の次官発表以来、当機関においてだけ偽造があったと、ずっとそういう隔たった報道がされていたのは皆様御存じのとおりかと思います。二十一件のみしかないと。姉歯設計士もそのようにおっしゃっていたわけです。しかし、現在、今お手元に配りましたリストにあるとおり、もう七十件に至っておるわけです。

 私が十月二十七日にヒューザーの小嶋社長から聞いた、ほかの機関でも、ほかの役所でもどこでも見抜けなかった、どこでも同様な申請を出していたと。私どもの機関だけの問題であれば、私が全面的に、会社だけではなく、個人としても全責任を負います。社会的責任のみならず、法的裁きを受けるのであれば、全面的に私が受けます。それは覚悟しております。どうぞ御理解ください。

林委員長 答弁は簡明にお願いします。

鈴木参考人 はい。

 私も、こういうような事件、組織的、計画的な犯罪が行われた、それが非常に、建築物、住宅という重要な分野で行われたということは、大変驚いておりまして、残念でございます。それに一端にかかわる者として、そういうことを未然に防ぐことができなかったということについては、大変残念に思いますし、反省もしております。

 今後、全体の審査、検査のシステムをどう構築していくか、改めていくかということ、これは、私どもの会社でもそうでございますし、全体としてもそういうことは言えると思います。それから、技術者の資質向上ということも大事なことだと思います。

 今のところ、私は、私どもの審査、検査に法的な過失があったとは私自身は考えておりませんけれども、さらに今後、そういうような調査が進みまして、必要な責任をとらなければならないというときは、誠心誠意そういう方向で対処してまいりたいというふうに思っております。

松本(文)委員 ありがとうございました。

林委員長 佐藤茂樹君。

佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。

 この問題、日を追うごとに新事実がもう毎日のように出てまいりまして、マンションやホテルなどの耐震強度を偽装したこの問題というのは、本当に底知れぬ広がりを見せているわけでございます。

 私ども公明党も、今回の事件を受けて直ちに耐震構造設計偽造問題対策本部を設置いたしまして、まず最優先すべきは、居住者の皆様の安全確保、そして二番目に、居住者の皆さんの、ローンも含めた安定の確保、三番目に、今回の事件の真相の究明と責任の明確化というものをやらなければいけない、四つ目には、その上に立って、再発防止策、二度とこのような事件を起こしてはいけない、そのような四点を強調しながら対策を打ってまいりますし、これからもしっかりと取り組んでまいりたい、そのように考えているわけでございます。

 ただ、今回、この委員会で、その三つ目の、真相究明、責任がどこにあるのか、その所在の明確化を図ろうということで実は当初からこの参考人質疑が設置されたと思うんですけれども、残念ながら、この肝心の、今回の問題の張本人である姉歯建築士と、そして、いわゆる今回の黒幕である、そのように報道されております総研の内河所長が、両方とも体調不良ということでこの参考人招致に応じられなかったことは、私は残念でなりません。これは、私ども委員だけではなくて、国民の皆さんが恐らくそのように見て、このテレビで御拝見になっているんじゃないか、そのように考えるわけでございます。

 私は、今回のこの張本人である姉歯建築士は、少々体調が不良とかそんなことを言っている状況じゃないと思うんです。現に被害に遭われたマンションの皆さんというのは、毎日大変な、精神的にも肉体的にも苦痛の中で毎日生活をされているわけでございまして、今回、このような、国民の生命と財産を本当に脅かすような、そういう安心、安全の社会を覆すような、そういう社会的問題を起こしたこの姉歯建築士でございますから、ぜひ、一かけらの良心があるならば、この公の場に出てきて真相を明らかにしていただきたい、そのように私は訴えるものでございます。

 特に、この姉歯氏は、最初、報道に対して自宅前で、私だけの責任ではない、そのような意味深なことを言われているわけでございます。ぜひこの場に出てきていただいて全容を解明するような、そういうことをしていただきたい。ぜひ私は、姉歯建築士の証人喚問を委員長にお訴えするものであります。お取り計らいをよろしくお願い申し上げます。

林委員長 理事会で協議をいたします。

佐藤(茂)委員 そこで、きょうは三名の参考人の方に来ていただいておるわけでございますけれども、もう、先ほどの同僚議員の質問、大変細かく話があったわけでございますが、なるべく重ならないようにしながら御質問をさせていただきたい、そのように思うわけでございます。

 まず、きょう来ていただいた渡辺参考人にお聞きをしたいと思うんですけれども、あなたが一年半以上前に今回のこの姉歯建築士の偽造を見抜かれた、これは、後でまた細かい話はお聞きしますが、しかしながら、結果的に、一年半以上たって、その姉歯建築士がそのまま仕事をしていたがゆえに、何と、私が国交省の資料で見ただけでも、わかっている範囲でも、その一年半以上の間に十六棟、新たなマンション、またホテルというものが実は建築されている、それだけ被害が拡大するような状況が放置されておった。

 そういうことに、あなたも多分、二回目の今回見抜いたことによって気づかれたと思うんですけれども、どのような感想を今お持ちですか。率直にお聞きしたいと思います。

渡辺参考人 一年半前のときにもう一歩踏み込めばよかった、今となっては、もう一歩踏み込んで強く指摘すればよかったと私も反省しています。

佐藤(茂)委員 それで、今回のこの一年半前のことで、もう先ほど松本委員の方から相当詳しくあったと思うんですが、日本ERIさんがまず建築確認をおろしておられるわけですね、一月に。ところが、あなたに依頼された、参考人に依頼された横浜市のこの設計事務所、千葉設計事務所さんは、どういうわけでその一たん建築確認がおりているものをあなたにもう一度見てくれ、そういうように言われたのか。わかる範囲で結構ですから、詳しく御説明いただきたいと思います。

渡辺参考人 その一年半前の物件は、当初、私の会社でやる予定でした。それを途中から姉歯さんということになったので。姉歯さんは一人でやっているということで監理は受けないということだったので、それが私にまた監理で回ってきました。そういうことです。

佐藤(茂)委員 そういうことはよくあることなんでしょうか。実際、ずっと今まで長年仕事をされていると思うんですけれども、そういう、別々にそういうことを行うということはよくあることなんでしょうか。

渡辺参考人 はい、あります。

佐藤(茂)委員 しかし、それぞれ分かれておりまして、要するに、横浜の設計事務所の方は、何かやはりおかしいということを気づかれたからもう一度見てくれということを言われたんでしょうか。その辺、ちょっともう一回確認をしたいと思います。

渡辺参考人 建物を計画するときに、仮定断面という形で柱とはりの大きさを大体決めるんですよ。それは当初私がやっていました。ただ、姉歯さんから出てきた断面が私のより小さかったもので、それで疑問に思ったんだと思います。

佐藤(茂)委員 今思い出される範囲で結構なんですが、要するに、どれぐらい違いがあったのか、簡単に、素人にもわかるように言っていただけますでしょうか。

渡辺参考人 柱の大きさは普通の階ではそんなに変わらなかったんですけれども、はり成が五センチ、十センチ、成が大きければ大きいほど耐力が大きく出ますから、その成がかなり違いました。

佐藤(茂)委員 それで、偽造がわかって、姉歯建築士に直接言われたときに、外注に仕事を任せた、そういう話を姉歯建築士はあのとき言いわけとしてされたと思うんですが、そういう、構造設計士がさらに外注にするということも業態の常としてあることなんでしょうか。その言いわけを聞かれたときに、ああ、そういうこともあるのかな、そう思われたのかどうか、ちょっと確認をしておきたいと思います。

渡辺参考人 はい、外注に出すこともあります。ただ、自分のところから出ていく物件に関しては、その外注さんのやった物件を必ず自分の会社でチェックをして納品するというのが常識だと思います。

佐藤(茂)委員 ですから、言葉じりはそういう言い逃れをしたけれども、責任はやはり、外注を頼んだとしても、姉歯設計士に責任があるということですね。

渡辺参考人 はい、当然あると思います。

佐藤(茂)委員 そのときの姉歯設計士の、会われたときに出された名刺でございますが、これはどういう肩書の名刺を出されたのか、覚えておられたら、渡辺参考人、お答えいただきたいと思います。

渡辺参考人 最初は平成設計さんの名刺で、姉歯さんの名前でした。技術的な話をするのはやはり個人個人の話になりますので、姉歯さんの事務所の名刺も私はいただきました。二枚いただきました。

佐藤(茂)委員 要するに、あるときは平成設計の姉歯秀次、そしてまたあるときには姉歯設計事務所の姉歯秀次、そういう二つの立場を使って仕事をしておったということが今の渡辺参考人の話からもわかるんじゃないのかな、そのように考えるわけでございます。

 それで、あなたが、これはまずいということで、日本ERIさんに、先ほどの話ですと担当官の方に言われた言葉でございますが、具体的にどういうことをこの担当官に言われたのか、再度、なるべく思い出して詳しく答えていただきたいと思います。

渡辺参考人 技術的な内容を説明した後に、これをほかでやっていたら大変なことになりますよ、調べてみたらいいんじゃないですかということを言いました。

佐藤(茂)委員 要するに、まあ勘だと思うんですけれども、このようなことが、同じようなことが、ほかでやっていたら大変なのでほかの物件も調べてみてはどうか、そういうことを言われたと思うんですが、それで、その担当官はその後、担当官であれ、どなたか別の方でもいいんですけれども、そう言われたあなたに対して、日本ERI側はその後何か返事をされてきましたでしょうか。

渡辺参考人 いえ、何も返事はございません。

佐藤(茂)委員 それで、日本ERIの鈴木参考人にお尋ねをしたいと思うんですけれども、あなた自身も出られた会見によりますと、その社員が上司に報告しなかった、そういう話をされているんですけれども、それは、だから隠ぺいではないんだ、そういうように言われているんですが、隠ぺいではないんだ、そう国民が納得するような、そういう根拠、証拠というのはあるんですか。要するに、言葉を信じろということだけなのか。

 よくあることなんですけれども、社内的に、取り繕うために、一人の社員を悪者にしてしまえば会社を守れる、だからちょっと涙をのんでくれ、そういうことも十分できることなんですよ、会社という組織は。だから、これは隠ぺいではなくて、ただその社員が上に上げなかったんだという何か根拠、証拠は明確なものはあるんですか。

鈴木参考人 当社には事故・苦情報告制度というのがございまして、少なくともそれには上がってきませんでした。

 そういうことで、具体的にそういうことが上に上がらなかったということでございます。

佐藤(茂)委員 私はそこがよくわからぬ。そのような人命にかかわる大変な偽造がされていた、それが外部からの情報によってわかった、その情報がなぜ上司に上がっていかないのか。そういう組織的な構造なんですか、あなたの会社は。もう一度御答弁いただきたいと思います。

鈴木参考人 その当時は、現在ですと、偽造ですとか改ざんですとか、そういうことにすぐ思い当たると思いますが、一年半前の段階では、設計士が正しい設計をし正しい計算をしてくるということが当たり前のようにといいますか、当然のように受けとめておりましたので、それについてまさか偽造があるというふうには思い至らなかった。設計がミスがあったとか、あるいは計算の間違いがあったというふうに受けとめたと聞いております。

佐藤(茂)委員 今の答弁では、我々委員もさることながら、今回被害を受けられた居住者の皆さんなんかは絶対納得できませんよ。これだったら指定検査機関要らない、トンネル機関じゃないか、そう言われても仕方がないわけで、やはり私はもっと納得のいく話をしているんです。

 さらに不思議なのは、この物件は、先ほどからの話がありましたけれども、一たん建築確認を認められておられたのを取り消されて、そして設計がやり直されて計画変更されているんですね。これは大変な大きな変更だと思うんですね。

 ところが、社内で、その担当官だけじゃなくて上司も含めて、なぜ計画が変更されたのか、そういう理由も聞かれなかったんですか。あなたの会社はそういう体質なんですか。そこのところをぜひ納得のいく説明をしていただきたいと思います。

鈴木参考人 平成十六年に最初の確認をおろしましたが、それから十六年四月に計画変更の確認をおろしました。そのときに、手続上は、最初の確認が取り消された後に次のをおろすということではございませんで、最初の確認はそのままである、計画変更の確認をする、そうすると自動的に以前のものは無効になるという制度でございます。

佐藤(茂)委員 だから、そういう手続的なことを聞いているんじゃなくて、社内的に、その担当官一人で全部そういう形のものを手続的にやっていって許されるような形態をとっているのか、それとも、やはり大きな変更だ、そういうものについてはきちっと上司がひとつチェックする、または報告を受ける、そういう体質になっていたのかどうか、そういうことを私は聞いているわけです。

鈴木参考人 確認の審査は、四名のチームで行います。確認検査員という資格を持った者が全体の指揮をとりまして、その下に意匠、構造、設備の者が技術的なチェックを行います。それで順番に回っていきますし、その上にさらに決裁権者がおりまして、全体の決裁をするということでございます。

 それで、確かに、そういうような変更があったときに、この変更自身というのは、今回が特異なことではございませんで、日常的にたくさんございます。ですから、そういうときに、先ほども申し上げましたけれども、これが偽造であるとか不正であるとかということに少しでも思い当たったら、そういうことは当社の社員は必ず上げてきます。ですけれども、そういうことに思い至らなかった、これがもう返す返すも残念でございまして、私も会社のあり方として反省しているところでございます。

佐藤(茂)委員 私は、今後、社内体制、反省されていると思うんですけれども、機関なんですから、やはりしっかりと組織的な対応がきちっとできる、そういうものにしなければ、これはもう全然、この二重チェックのシステムが何にも働かない、そういうメカニズムになってしまう。そのことだけお訴えしておきたいと思います。

 それで、あと二、三分あるんですけれども、イーホームズの藤田社長に私はお聞きしたいんですけれども、あなたは前参考人質疑のときに、今回の十月の発見と言われました。要は、内部監査で発見したんだ、そういうことを大見え切って言われた。

 その前には、どう言っていたか。「その件については一年前に隠ぺいされたということだったと聞いております。近ごろイーホームズさんの方でも姉歯さんの物件を数物件、審査をおろしておるようなので気をつけられたし、そのような情報提供があったというふうに聞いております。 そういう情報提供があった上で、当社の内部監査室の方で具体的にその一件をサンプリングし、構造の担当と内容をチェックしていった過程で発見した、そういうふうに聞いております。」

 しかし、ここには全く明らかにされていない事実があって、きょう来られている渡辺社長が、実は本当は発見をされて、見抜かれて、あなたの会社に持ち込まれた。建築確認時にも、あなたの会社は全然見抜けなかった。情報提供があって、再度確認してみてはどうですかと言われて、再度確認したにもかかわらず、あなたの会社は見抜けなかったんでしょう。そして、見抜けなかったがゆえに、納得のいかない渡辺さんがわざわざ乗り込んできて、そして具体的な偽造箇所を指南されて初めてわかったというのが事実じゃないんですか。

 ちょっと藤田社長、事実関係を明確にしてください。

藤田参考人 今のおっしゃられたことは、私が認識している、また会社で認識している事実とは違います。

 私が、こちらにいらっしゃるアトラス設計の渡辺社長と会ったのは、十一月二十一日なんです。次官発表の翌週の月曜日に渡辺社長が来られて、社長さん、知っていましたかと聞いたのが。ですから、もう一カ月後です。その上で、社内で事実確認をしました。内部監査ということが実施されたという事実がまずございます。それは十月の二十日です。

 その前に、十月の十八日に、当社の社員が前職においてアトラス設計の渡辺さんと仕事をした経験もあって、信頼関係もあるということで、渡辺さんの方からその当社の社員に対して、姉歯さんという物件の、危険な物件があるから見た方がいいという連絡が入ったということです。ただ、電話を受けた人間は意匠担当、意匠の設計ですので、やはりよくぴんとこなかったということです。そうこうしているうちに、十月の二十一日に改めて渡辺さんが来て、見たと。

 ただ、その前提で、十月十八日、うちの社員が電話を受けていましたので、そういううわさが社内にあったわけです。そういうことで、内部監査の方でサンプリングの対象の一つに加えた理由がヒューザーさんの物件だったということです。

 そこでは、明確に偽造がわかったというふうなことではなくて、構造の担当に聞いたところ、通常の確認検査業務ではチェックする事項でないところなんですが、やはり疑義があるんじゃないか、そういうようなことがございました。通常の審査業務というと、先ほど皆さんのお手元に配っておりますけれども、行政でチェックするべき事項というのが列挙されておるわけです。この列挙事項すべてをチェックしても、偽造は今回のは見抜けなかったんです。これは事実であります。まずこれが一つです。

 事実確認といえば二十日で、ただ、再調査が必要であるということだったので……

林委員長 参考人は簡明に答弁願います。

藤田参考人 はい。

 二十一日に渡辺さんが来て、より具体的にわかったということが事実の経過であります。翌二十二日にヒューザー社に対して通報したということが一つでございます。

佐藤(茂)委員 今の藤田社長の御答弁では、渡辺社長の発言として出回っている報道と全く違いますので、本当は質問をしたいところでございますが、時間が参りましたので終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

林委員長 長安豊君。

長安委員 民主党の長安豊でございます。

 まずは、本日お越しくださいましたアトラス設計の渡辺さん、この参考人の場に告発というお立場で勇気を持って御参加いただけたことに心より敬意を表したいと思います。ありがとうございます。

 また、今回のこの姉歯設計士による耐震偽造、構造計算書の偽造の問題です。これは、今多くの問題、欠陥があると言われているマンションにお住まいの方々を不安に陥れているわけであります。私も、その方々のことを考えると、いたたまれないというのが正直なところでございます。また、それだけではなくて、全国のマンションにお住まいの方々が、うちのマンションは大丈夫なのかという不安に駆られているというのも現状であります。

 そういう中にあって、昨日、政府が支援策を発表したわけであります。これは、確かに、この支援策が出たことによって一定のその方々の不安というのが解消されたのではないかと思う反面、私は、その支援策と同時に必要なのは、今回の構造計算書の偽造の問題というのがどういう経緯で行われたのか、また、これは恒常的に行われていることじゃないのか、ほかの設計士、ほかの施工会社も行っていることじゃないのかということの究明をまずしなければならない。今回のことに関して言いますと、しっかりとそれぞれの当事者の責任を明確にして、その当事者がまず被害をこうむった方々に何ができるのかということを見きわめなければならない、その上で国がどういった支援をしていくのかということを考えなければならないと私は思っております。

 そういう中にあって、今回、きょう、先週に続いて二回目の参考人質疑が行われて、姉歯設計士また総研の内河所長をお呼びして、その全体の究明を行おうとしたにもかかわらず、姉歯設計士に至っては二度にもわたる、無断ではないですけれども、事前に連絡があって、当日にあったわけですけれども、精神的重圧が強いということで欠席された。また、内河健さんについては、心臓に、血管に血が詰まる感じがするというようなお話があったというようなことを仄聞しておりますけれども、そういった理由で本日欠席されたわけであります。

 一番キーとなるお二人が欠席されたということは、本当に残念でならない。きょうテレビをごらんになっている国民の皆さん方は、何をやっているんだ、本当の責任者は何で出てこないんだ、そういう怒りが皆さんの中に渦巻いているのではないかと思っております。

 私もぜひ委員長に申し上げたい。この内河さん及び姉歯設計士及び木村建設を含めた関係者、皆さんを一堂に証人として呼んで証人喚問するということを理事会で協議いただき、実現していただきたいと思います。

林委員長 理事会で協議します。

長安委員 お願いいたします。

 それでは、まず御質問の方をさせていただきます。

 先ほどアトラスの渡辺設計士の方からお話がございました。日本ERIさんの方に、偽造の疑いがあるということで、注意されたしというお話をされたわけであります。その渡辺さんのお話では、構造設計の方にお伝えしたというお話でございましたよね。その方から、日本ERIさんの中では、社内的にしっかりと情報が上がってこなかったというお話がございました。

 しかしながら、私、先ほども質問を聞いておりまして、一つ疑問を覚えたことがございます。

 今回の構造計算書は、日本ERIさんは、当初偽造ではないと思った、単なる何かのミスで計算間違いか何かかという印象を持たれたというお話がございましたけれども、この物件について確認申請がおりた、おりた後、再度、計画変更の申請も出てきた、出てきた後に当然確認申請がおりたわけでございますよね。それが、同じ物件に対して構造上の問題で再度計画変更がなされたということに対して、先ほどの社長の御答弁では、そういうことは上がってこなかった、また、今回のことはただ単に新しい申請だからというとらえ方をされているというお話をされておりました。

 社長はそういう御認識だということでございますけれども、イーホームズの藤田社長にお伺いしたい。

 そのような、同じ物件に対して計画変更がなされたということに対して、会社として、ただ単に一担当者じゃなくて、会社として、おかしい、何があったのかということを究明するような状況に検査会社一般としてはないのかどうか、お答えいただけますでしょうか。

藤田参考人 一たん出された確認を取り消す権限は、指定機関にはないんです。ですから、もし偽造であったものであれば、特定行政庁に通知して、建築基準法九条によって特定行政庁が取り消さなければいけないんです。ですから、計画変更を行うということは、実態として本来できないというふうに私は考えております。

 私自身が、さきの答弁でも申しましたが、十月二十七日にヒューザー社に行って小嶋社長から言われた件が、現在着工中の物件、北千住を含めて、また船橋を含めて四物件について、確認の出し直しであるとか設計変更等の図面上の是正だけを行って、実際の工事については特に何も言わなかったんですけれども、そのようなことは、うそをうそで塗り固めるようなことですので、法的にはできないはずだと。ですから、通知したんです。通報したんです。国交省に通報して、特定行政庁に通知して、特定行政庁によって取り消されるべき確認であるわけです。

 私はそのように理解しております。

長安委員 ちょっと、ちゃんと真意が伝わらなかったと思います。

 そうではなくて、同じ建物に対して、一度確認申請がおりたものに対して、再度、構造上の問題ということで確認申請が出されたというわけですよね。そういうときに、では、何がおかしかったんだろうと。当然、前の確認申請のものと新しいものを比較するというのは、検査会社としては当然の責務だと私は感じるわけなんですけれども、そういったことが日本ERIさんでは全くなされなかったわけですよね。

 イーホームズさんの場合、そのようなことがあったら、通常どういう手続で、これはおかしいんじゃないかということを発見することができるのか。あるいは、そういう場合でも、やはりERIさんと同じように、発見はできないんだというお話なのか。それをちょっとお伺いしたいと思います。

藤田参考人 我々は、十月二十日の内部監査、十月二十一日の渡辺さんからの説明で具体的に偽造を認識したわけです。大変な騒動になりました、社内においては、構造設計の人間はもう本当に激して。そういったこともありましたので、すぐに私の方に報告がされて、これは特定行政庁に通知して取り消すべきものであると。ただ、申請者の意思をまず確認しようということ、これは、さきの答弁でも述べた経緯なんですけれども。

 その後は、もう渡辺さんからの指摘も受けなくて、通常は確認検査業務でも見ないような、そういったところを見、また偽装の具体的な事実はわからないんです、私たちでも。可能性を指摘するだけなんですね。偽造が結局どういうふうに行われたか、また、どの程度の低減なのかというのは、再計算をしなければいけないし、再設計をしなければいけなくて、これは設計業務に該当しますので、私ども指定機関は法に基づいて禁止されているんです。ですから、偽造自体は、私たちは正確にはできません、法的に、わかるということが。こういったことも、ぜひ国民の皆様にも御理解いただきたいと思います。

長安委員 今の藤田社長のお話でも具体的にちょっと私も理解できないんですが、要は、日本ERIさんの中で、再度計画変更を、建築確認を出されたときに、前回のものと構造上の問題があったからということで出されたわけですから、当然、では何が変わったのか、そういう意識で図面、設計図を見られるはずなんですね。おのずと、先ほどもお話ございましたように、鉄筋の数が違う、太さも違う、では、今までのものは何だったんだ、我々のチェックがしっかりと行き届いているのかという、当然、疑問を持つのが一般の会社の感覚ではないかなと思います。

 それが、今お話ありましたように、一担当者がしたからわからないんだ、それは、経営者としては私は失格だと思います。会社が建築確認を出したわけですから、会社の責任として、当然社長がそれを、できなかったということの責任は免れない、これは大きな責任だと私は思っております。

 先ほど、法的に問題はないんだというお話がございましたけれども、確かに、法的に現在ではないかもしれません。ただ、道義的には大きな問題があったと言わざるを得ません。これが、もしその段階でERIさんが、偽造ということが一般的に行われているんじゃないか、あるいは多々行われているんじゃないかということを発見していれば、その後に十件以上の建物がもう確認が出されて建っているわけです、その人たちが被害をこうむらなかったということを考えれば、大きな問題であったと思います。

 私、先週の参考人質疑、また今回の参考人質疑を見ておりますと、各当事者がお互い責任を、うちは責任がないんだ、うちは責任がないんだというやり方をされているという感がしてならない。おまけに、今回、その当事者である、一番の当事者の姉歯さん、また内河さんも来られなかった。

 おまけに、国土交通省もそうです。今回来られなかった姉歯さんの聴聞を国土交通省はしております。その聴聞の議事録すら出てこない。今回のこの質問に対して、私は、国土交通省に対して、その聴聞の内容を教えてくれ、議事録を見せてくれというお話をさせていただきました。そうしたら、月曜日の段階で、議事録はありませんという回答です。その後で、そんなはずはない、議事録をとっていないわけがないだろうというお話をしたら、要旨なら出せます、御本人は要旨を出すのは了解していますので要旨は出せますと、要旨は出てくる。

 果たして本当に国土交通省も含めて当事者が原因を究明しようという意思があるのかということに、本当に疑問を感じざるを得ないというのが今の状況であります。

 では、イーホームズの藤田社長にさらにお伺いしたいと思います。

 そもそも、イーホームズの、内部監査で偽造の可能性があるものをサンプリングして調査しようということになったのが十月六日だったと思います。――二十日ですか。十月六日にサンプルを……(藤田参考人「いや、それはスタートした時点です」と呼ぶ)スタートしたんですね。内部監査をスタートされたという時点だと思います。

 一方で、十月七日には、翌日ですね、その翌日にはイーホームズさんの社内の方から国土交通省に対して内部告発されている。それは何かというと、イーホームズさんの帳簿に不備があるというような告発がされている。また、十月の二十四日に、イーホームズさんが、先ほど言いましたように、国土交通省から立入検査を受けられておりますよね。立入検査を受けられた後、後というかその二十四日の当日に、国土交通省さんに、偽造の可能性があるということがもうその時点で判明していたので伝えたということがマスコミ等でも報道されておりますけれども、その辺の事実について、また、どなたに伝えたのかもお話しいただけますでしょうか。

藤田参考人 このたびの偽造を、わかったということで、十月二十二日の土曜日に、ヒューザー社に対して当社の危機管理室の責任者から電話を入れました。翌週月曜日に至急こちらに来て打ち合わせをしたいというのが二十四日だったのです。ただ、二十四日の朝に国土交通省から、緊急立入検査ということが連絡が九時半にございまして、十時からかなり夜遅くまでずっとありましたので、ですから、ヒューザーさんや姉歯さん、姉歯さんというかヒューザーさんとスペース……(長安委員「どなたかに言ったのか、言っていないのか」と呼ぶ)はい。

 それで、十月二十四日の立入検査の終わり、総評、確認書を締結した後に、うちの危機管理室の人間から、来られていた本省の建築指導課企画係長の方と指導係長の方に口頭で、当社で確認をおろした物件に構造上疑義のある物件がございます、明日関係者を呼んでおりますので、その確認の上、御連絡を改めてします、そのような内容で言ったのを私も聞いております。

 私自身が報告したのは二十六日のメールです、経過を確認して。

長安委員 今の危機管理室長というのは、では、真霜さんという了解でよろしいですか。

藤田参考人 はい、そのとおりです。

長安委員 先週の参考人質疑から考えますと、藤田社長からEメールを受けたときに国土交通省は初めて知った、知ったけれども、省内で検討した結果、これは民民の問題で、当事者と話をしてくれということでメールの返事が返ってきたという回答でした。というのは、つまり、二十四日に国土交通省に藤田社長のイーホームズさんの真霜危機管理室長の方からお話しされたにもかかわらず、実は国土交通省はそのことを聞いていないというような答弁をされていたわけです。

 それはちょっと、もしかしたらずれがあるのではないかと私は思うわけですけれども、二十四日に確かに申されたというのは、きょう真霜さんが随行という形で来られていますけれども、間違いございませんか。

藤田参考人 十月二十四日のそのとき申したのは、偽造があったということではなくて疑義があるという言い方です。ですから、内容を確認した上で本省に改めて報告するということでしたので、偽造があるという指摘を御報告したわけではございません。疑義があるということで真霜の方が言っております。偽造があるという形で言ったのは、二十六日の私のメールが第一報だというふうに私は認識しております。

長安委員 偽造があると言ったか疑義があると言ったか、いずれにせよ、監督官庁としては、そのような問題があったときには速やかに対応しなければならないという認識で私はおります。その後も、なかなか役所の方に対しては、のらりくらりの対応であったというのは、藤田さんのさまざまなところでの発言からも仄聞しておりますし、また、ここまで時間がたってもなかなか事態が究明できないというのも、それも一つの要因ではないかなと思っております。

 本日お呼びしていた総研の内河所長についてですけれども、私は一つ皆様にお話ししなければならないと思います。この総研という会社を調べてみれば調べてみるほど、やみが深い、不思議なことが多過ぎる。

 その一つが、この総研という会社のホームページを私は拝見させていただきました。この総研という会社の関連会社等も当初は出ておりました。それがこの事件が発覚してから改ざんされている、まあ、改ざんというか消されている。関連会社が削除されている。それはなぜか。私はずっと考えておりました。

 ある情報がありまして、実用新案の登録証というのを入手いたしました。この実用新案というのは何かというと、ウエットエリア・ユニットというものをつくって、水回りのものをユニットでつくってやれば建築工法が安く上がるという実用新案を出されているわけですけれども、その実権者が、総研の関連会社に載っていたエス・ジー通商株式会社という会社と、もう一つ、木村建設になっている。実用新案をこの二社が実権者として申請しているわけです。これを考えると、やはり木村建設と総研の深い、これは一体ではなかったのかということが言えるのではないかと思っております。

 それともう一つ。これは会社名はあえて控えさせていただきますけれども、K社。K社のホームページを見ますと、そのK社の役員の方と、またチーフコンサルタントというのがおります。この役員の方は、実は、あの長野県で営業を今中止しておりますホテルの建設に当たった建設会社の社長と同名になっている。また、そのチーフコンサルタントは総研さんのチーフコンサルタントと同じ方がやっている。つまり、これだけの、耐震偽造の問題には常になぜか木村建設と総研さんの人間がかかわっているという構図になるのではないかと思います。

 この辺の詳しい話は私の次に質問させていただきます馬淵委員の方からお話しさせていただくと思いますけれども、この究明のためにも、ぜひ、先ほども申し上げましたが、証人喚問として、関係者を一堂に会していただいて質疑する場を設けていただきたいということを申し上げまして、私のきょうの質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

林委員長 馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵澄夫でございます。

 先週に引き続き、参考人招致、質疑をさせていただきます。

 本日、姉歯建築士並びに内河健総研所長、お二方、お見えにならないということで大変残念なわけでありますが、きょうも御出席の参考人の方々から貴重な御発言がございました。その点について質問をさせていただきたいと思うわけであります。

 先ほど、ERIの鈴木社長、鈴木参考人の方から、この港区の賃貸マンション、渡辺参考人が後ほどに設計変更にかかわられたということでありましたが、これについては設計変更、計画変更の後に建設をされた、すなわち計画変更をもって確認をおろして建設をされた、これでよろしいですか。端的にお答えください。

鈴木参考人 そのとおりでございます。

馬淵委員 この設計変更によってもちろん耐震強度に問題のない建物がつくられたということであるわけでありますが、実はそこに大きな問題が潜まないかということの御指摘、ある地方自治体の行政職員の方から私の方に、こうした問題点ということの御指摘がございました。

 指定検査機関の隠ぺい可能な方法は、設計変更しかありません。これが少なくとも一社で一年以上前に行われてしまったということです。それがERIという指定検査機関のようです。その段階でこの事件が公表されたならば、多くの人々が現在の不安を抱えずに済んだことでしょう。

 このように、一たん偽装、偽造工作が行われたものについて、検査機関で見過ごしてしまったものを設計変更、計画変更を行えば、その偽装、偽造の事実すら隠ぺいされてしまうという可能性について、これに対して、もう一つの、きょうお出ましいただきました検査機関のイーホームズの藤田参考人、今私が申し上げたことについての御所見をいただけますでしょうか。端的にお願いします。

藤田参考人 偽造であったものであれば、それは虚偽ですから、取り消ししなければいけないことだと思います。

 ですから、計画変更ではなくて、特定行政庁に通知をして取り消してもらう、その上で改めて確認を出すというのが、本来法が定めている手続かと思います。

馬淵委員 鈴木参考人、今、藤田参考人からの御指摘についてどのような御所見をお持ちでしょうか。端的にお願いします。

鈴木参考人 もし偽造であるとか不正であるとかということが含まれている確認であったら、おっしゃるとおりだと思いますが、その時点ではそういう認識が全くなくて、残念なことですがありませんでしたので、計画変更でおろすということが行われたわけでございます。

馬淵委員 今お答えは、見抜けなかったんだということで、結果的にこういう形になったということをお話しされたと思います。

 技術的には、今申し上げたように、設計変更、計画変更等が行われれば、この元行政職員の方々の御指摘でいえば、建築主、設計者、施工者、そして建築確認検査業務を行う指定確認検査機関、この四者が一体となったならば不正並びに隠ぺいということが可能であるという、このことの御指摘がなされているわけでありますが、これについてもう一度、一言だけ端的に、鈴木参考人、今私が申し上げたことについてはどのような御所見でしょうか。

鈴木参考人 もし関係する者が悪意を持って連携をとるということになれば、そういうことは当然起こると思いますが、今回私どもがそういうような輪の中に入っていたということは決して、金輪際ございません。

馬淵委員 それでは、今回お出ましにならなかったわけでありますが、こうした今おっしゃった輪の中、そして、先ほど参考人から組織的という言葉が繰り返し出されておりましたが、これについて一つずつ確認をしていきたいと思います。

 先ほど、横浜市の千葉設計、ここでのやりとりがあった後に、きょうお出ましいただいた渡辺参考人が、その問題の設計に関して構造のチェックを行った、そしてそれについて御指摘をいただいたということだというふうに、今ここの場でお答えいただきましたが、これはもう千葉設計の千葉さんは記者会見されておられます。

 平成十五年の十一月十日、横浜市の千葉設計にて、総研のチーフコンサルタントの四ケ所さん、木村建設の篠塚東京支店長、平成設計の薮常務と社員、そして姉歯さんが集まって、この港区の賃貸マンションの件についての協議を行った。そして、先ほどのこの参考人質疑の中でも確認されたように、これに対しての構造の疑義を持って、改めて渡辺さんにその構造のチェックが依頼され、平成十六年三月八日、ここに皆様方が集われた。総研の四ケ所さん、そして平成設計の徳永さん、姉歯建築士、そして千葉設計のお二方、アトラスの渡辺さん。

 十一月十日に行った後の三月八日、この場所で総研、木村建設、平成設計、姉歯、いわゆる一団とされるようなグループの方々が集ってこの構造問題の協議をされたわけでありますが、先ほどもお答えいただきました、そのときに姉歯建築士はどのような名刺を出されたかということについて、もう一度お答えいただけますか。

渡辺参考人 当初は平成設計さんの名刺を渡されたんですけれども、技術的な話になったので、姉歯さん個人の名刺もいただきました。

馬淵委員 姉歯建築士が平成設計の名刺を持って歩いているということは、他のところでもお話が幾つか出ております。事実、平成設計事務所としての姉歯さんの名刺が、写真もついて報道に供されています。

 さて、こうした構図の中で、姉歯さんが平成設計と一体であるということについては、こうした名刺を現実に渡辺参考人がごらんになっているように、ここは否定できない事実かと思われます。

 そしてもう一つ、平成設計と木村建設についてであります。

 先ほど同僚の方からもお話ありましたが、木村建設と平成設計についてですが、これに関しては、平成設計の登記簿謄本を見ますと、木村建設の社長の奥様であります木村ひとみさんが代表取締役についておられます。また、木村建設の関係会社として平成設計が恐らく同じ形として関係グループとしてあるということが、これも帝国データ等の情報によっては書かれております。木村建設との関係企業という形で、系列として木村建設とされています。

 また、木村建設、平成設計がこうした形で一体であるという前提を考えますと、さらに、先ほどお話にありました、総研、木村建設、平成設計、姉歯というこの四者のつながりがどういう形になっているのかということを少し確認していきたいと思います。

 木村建設では、これもホームページ上もう既に削除されていますが、キャッシュが残っています。そのキャッシュが残っているところを見ますと、これには、五十一年十一月より、総研、総合経営研究所グループに加入とされています。また、これもこの場所で再々確認をされていますが、総研ビルに木村建設が入っておられる。

 これに対して、きょうお見えにならなかった総研の内河さんは記者会見を開いて、たまたまあいているからそこにかかわっていただいた、このように言明をされておられます。しかし、いろいろ見ていきますと、福岡の総研白金ビルにも同じく木村建設が入っておられるということで、たまたまあいていたところが二つあったのかということになります。

 きょうは内河さんがお見えになっておられませんのでその辺のところがはっきりわからないのですが、少しこの構図についてお話をさせていただきます。

 実は、今回のこの問題に対しては、極めて組織的な構図がそこに潜在しているのではないかということが考えられます。

 今回問題となった偽装は、姉歯建築士によって行われました。そして、姉歯建築士は平成設計の名刺を持って一体的に動いておられます。また、平成設計は木村建設とグループ関係にあることは、先ほどのホームページ等々におきまして、また、代表取締役を奥様がされているということも考えれば、一体的なグループ関係にあることは推定できるかと思われます。

 そして、総研さん。総研さんがどういう形でかかわっているか。確かに、テナントで入っている、あるいはグループ関係もあるということですが、総研さんが実はビジネス全体のスキームを大きく動かしているということが実態としてあるのではないかということが考えられます。

 それは、これも総研さんのホームページで、キャッシュから消されているんですが、そもそも総研が、利回り一二%前後を確保できるというビジネスモデルをホテルやマンションなどを建てたい方々に提供されている。そして、それを実現するために、設計依頼はすべて総研で打ち合わせ、そして建設工事の発注折衝も総研、建築工事打ち合わせからコストダウンまで総研が行うフルターンキー・システムで行います、このようにうたっておられます。フルターンキー・システムとは、一つに発注すればすべてが動くという仕組みになります。このようなことが総研さんのスキームとしてつくられている。

 さて、内河さん、きょうお見えになりませんでしたが、非常に興味深い発言をされておられます。二〇〇〇年の七月に「レジャー産業」という雑誌のインタビューに答えられています。内河さんがそこでどのようにおっしゃっているか。

 内河さんは、いわゆるホテル、マンション、ホテル業界、こうしたものは設計からコンセプトづくりまで設計事務所に全部任せてしまう、それによって、いかにコストを落とすかという課題を初めから放棄していると。そこで内河さんは、売り上げから逆算して、建築費はこれぐらいにする、そのためにはどういう建築にするかということを考えるホテルにならなければならない、こうおっしゃっています。

 そして、インタビューの中で、何が重要かと問われれば、設計の中でも構造の問題だ、こうお答えになっています。構造的な部分、これが大事だと。そして、内河さんの発言は、これまでたくさんの仕事を手がけましたが、それぞれセメントの量、鉄筋の量、鉄骨の量など平米当たりでどのような構造がなぜ安く上がるのかということを計算し、今でも場合によっては、私が、この建物は延べ床面積平米当たり鉄筋量幾ら、型枠量幾ら、コンクリートが幾らというところまで計算し、設計の指示をします、このようにおっしゃっているんですね。

 これはまさに、前回の参考人質疑で私の同僚が小嶋社長あるいは木村建設、皆さん方に尋ねた、鉄筋量まで絞れというこの話を、内河さん自身が二〇〇〇年にこうして明言されています。

 さて、私の地元でも今回の問題にかかわる物件が発覚いたしました。サンホテル奈良という物件です。これも総研、木村建設、姉歯建築士がかかわっています。

 この日曜日に、私は地元奈良でこのホテルの視察に参りました。そして、建築主からいろいろとお話を聞きました。建築主からは、総研がこの企画を持ってきたと。そして、平成設計の山口社長が十二月五日、一昨日奈良市にやってまいりました。奈良市の指導のもとに、事情聴取を行われたわけです。山口社長がおっしゃったのはこのような言葉です。構造設計は建築の企画段階から姉歯建築設計事務所に決まっていたと。明らかに、総研、そして木村建設、平成設計、姉歯という構図があります。

 さらに、私の手元には、そのサンホテルの建築工事予算管理表という資料があります。これは、木村建設が破産されて畳まれるときに資料を一斉に持って出ようとしたときに、これを慌ててオーナーが確保されたそうです。この建築費は六億三千万円、そして、オーナーさんのお話によれば、総研に支払う金額は四千六百万円のコンサルタント料、さらには、設計料は平成設計に二千七百万円支払います。このお金の部分でいえば、総研さんが提案をする中で四千六百万円のコンサルタント料が入り、平成設計からは二千七百万円のうち二〇%以上が総研にキックバックされる。また、木村建設の中でいえば、ここにはっきりとメモ書きでありますが、追加工事費と書いてあって、それを横に手書きで、仲介手数料として総研に一千八百万円渡すとなっています。

 この仕組み、どういうことか。総研さんがまさに土地をお持ちのオーナーの方々にこうした物件の企画を持ちかけて、一二%以上利回りがありますよとお伝えをし、ところが一〇%以上、七千万円近い、今回の工事は七億ですから、七千万円近いお金を総研が吸い上げる。ホテル業者や建築主は一〇%の利回りを得る。また、木村建設さんも、この施工費の中では一〇%の粗利を確保されています。こうした利益を吸い上げる構図の中で、被害に遭われるのはホテル業者やマンションの住人です。

 この構図について、きょう出席のお三方の皆さん、端的にこの構図についてどの程度のことをお知りか、お答えいただけますでしょうか。

林委員長 参考人、簡明に答弁願います。

鈴木参考人 私が先ほど計画的、組織的と申し上げましたのは、新聞とかテレビで今先生がおっしゃられたようなことを見聞きしまして、それで、そういうまさに先生がおっしゃられたような構図があったのかなということを考えたわけでございまして、審査の過程ではそういうことは夢にも思いませんでした。

藤田参考人 私どもは本当にただ粛々と確認検査業務をやっておるだけで、通知をしたのも法に基づいて通報しただけなんです。ただし、通報以降、いろいろな形でゆがんだ事実や何かそういった圧力があったというのは私自身感じておりまして、私、その背景については全く存じ上げませんでしたが、もしそういうことがあるのであれば、まあ理解できるというふうには考えます。それが感想ということです。

渡辺参考人 今初めて聞かせていただきまして、大変驚いております。

馬淵委員 終わります。

林委員長 穀田恵二君。

穀田委員 今度の事件について、真相解明のポイントは、今各党からもありましたように、姉歯氏、そしてそれと意見が異なる内河氏、木村建設、この最低三者が私はこの場に来ていただく必要があろうと思います。したがって、既にもう皆さんのところで大方一致しているんですから、一人は一致している、少なくともそういう証人喚問をすべきだ、単なる一人だけじゃなくて、三人が必要なんだ、三者が必要だということを私は申し上げ、委員長に提案しておきたいと思います。

林委員長 理事会で協議します。

穀田委員 そこで、端的に渡辺さんにお聞きしたいと思います。

 今回のそういう、最初の設計に関する指摘、これはどういうミスを指摘したのか、そして、それはどれほど異常だったのかということについて端的にお答えください。

渡辺参考人 構造計算は最初に、応力といって力の計算をします。その力によって断面がどのぐらいになるかというのを計算するんですけれども、その断面を決めるときに、力を数分の一に小さくして計算していました。

穀田委員 その結果、どういう事態が起きることが想定されますか。

渡辺参考人 耐震性のない建物ができます。

穀田委員 つまり、耐震性のないほど、そういう異常な建物で、すぐ壊れる可能性があるという建物がつくられるということなんですね。そこが大事なんです。

 そこで、ERIにお聞きしたい。

 つまり、そこで強度の問題でふぐあいがあった場合に、先ほど話があったように、着工前なら確認を取り消して再提出させるというのが、これは筋なんです。それは先ほど藤田社長もお話ありました。その際に、単に自分のところで取り消すことはできないから、そのルートでいえば特定行政庁ないしは国交省、こういう自治体に報告するということで、それを行うわけです。それを報告しなかったということが最大の問題なんです。ですから、それは私は、なぜ特定行政庁並びに公のところにそういう問題について報告しなかったのかと聞きたい。

鈴木参考人 私どもの最初の建築確認、それを次に計画変更するというのは、定められた手続のとおりでございまして、計画変更が出たから取り消すという手続をしてもらうというふうには、手続は定まっておりません。

穀田委員 それは私も、先ほどもありましたように、特定行政庁の関係者に聞きました。それほど重要な問題がある場合には取り消しに値する、これは事実です。そうでないとしたら、僕は大変なことになると思いますよ。そういう事実であるということをわかっていないということ自体が問題なんですよ、あなた。およそ、私、そんなことでよう検査機関やっているなとはっきり思いましたよ。

 では、聞きましょう。

 だから、そういう問題について先ほどあなたは苦情のシステムをいろいろ示しました。だけれども、そうじゃなくて、重要な変更について、そういうことについてあなたは報告を受けていたのか。そういう報告をするシステムはあったんですか。

鈴木参考人 そのときはそれほど重要な変更であるというふうには認識できなかったのは、残念なところでございます。

穀田委員 それは理由になりませんよ。建物が壊れるかもしれないという重要な変更なんですよ。これは取り消しに値することは明らかなんです。取り消しのための措置をとらなかったということが今日の最大の責任だということを指摘しておきたい。

 そこで、十一月三十日付のホームページに、あなたは、イー社の発言に対して、競争相手である当社に根も葉もない誹謗を浴びせて、当社の事業に意図的に打撃を与えようとしたものだ、こう批判をしています。

 私は、社長の発言は、少なくとも今全国が問題にしている安全の問題なんかよりも競争問題にしているというところに、およそとんでもないことだなということを改めて思いました。建築確認業務というのはそういう厳しい社会だ、そういう競争社会だということが最大の問題だということがわかりました。

 では、そこで、ERIのそういう問題についてのいわば売りというか目玉というのは何ですか。

鈴木参考人 現在、民間の指定確認検査機関は全国で百二十社ほどあるとお聞きしておりますけれども、各地域で競争が激しくなっておるところもございます。そこで、私どもはそういう価格競争ということがあるやにも聞いておりますけれども、私どもはそういうものにはくみしませんで、適正な厳しい設計審査をするということ。

 それからもう一つは、お客様の、どういう建物をつくりたいか、あるいは、それにはどうしたらいいかというようなことを丁寧に対応していく、適切に対応していくというようなことで信頼性を得たいと思っております。

穀田委員 得たいと思っておりますということで、得ていますとは言っていませんね。

 競争を打ち負かすためには、仄聞するところ、建築確認をおろすのが早いと宣伝する向きがあったり、私はこの間川崎で聞いてまいりましたが、逆に、施工者が指定機関に、どこならこの建築確認をおろしてくれると打診するという、甘さを唆すことがあると聞いています。そういう事実を掌握していますか。

鈴木参考人 建築確認をおろすまでの間に事前相談というのを私どもはやっています。これは特定行政庁では余りないと思いますけれども、審査の時間をたっぷりととる、いろいろな問題について検討できるというために事前相談をしております。その間に厳しい指摘をする、あるいは資料を請求するというと、その申請者の方が別の機関に行ってしまうという事実はございます。

穀田委員 つまり、この間のテレビ討論会でも言っていた、欠陥住宅被害に取り組む吉岡弁護士は、検査機関を株式会社にすれば利潤を追求するようになり、他社との競合が生じますから、今お話があったように、他社よりも検査を厳しくしたらお客さんは他社に行ってしまいます、そのため、各社が競い合って検査を甘くしたり時間を短縮したりすると指摘しています。

 ここでイーホームズさんに聞きます。

 品川区で、葬祭場の設置に関する環境指導要綱があります。これを無視してイー社が建築確認をおろした、建築審査会に審査請求が行われ、建築確認を取り消した例がありますね。御存じですか。

藤田参考人 品川区の物件については、審査請求が提起されて、審査請求の決裁の前に品川区長名で取り消しがされました。ですから、審査会での議論はされておりません。(穀田委員「いや、あなたのところが出したのはあるんですね」と呼ぶ)そうです。はい、あります。そういう経過です。

穀田委員 つまり、あなたのところが出したところが取り消されたということは事実だと。

 そこで、品川区でこういう取り消されたのは、建築基準法改正後初めての例なんですね。そして、この内容は、火災発生の際に必要な避難路の確保などの不適格があったという事実なんです。事は命にかかわる問題で、これほど甘く確認をおろすということなんです、事実は。

 京都市でも実は同様でして、同じ葬祭業者が建築確認を申請しています。そして京都市建築条例、この中にある空き地への避難通路の違反であって、これまた危ないという、いわば命の安全にかかわる火災のときの問題を指摘しているんですね。それを、確認をおろしてはいけないというふうに京都市建築指導課の注意にもかかわらず、建築確認をおろしている。こういう事態が散見されているんです。

 つまり、こういう事態というのはどんなことを引き起こすか、やはり安全がないがしろにされているということだと私は思います。したがいまして、私は、これらの今行っている問題とあわせて、制度の不備、これをやはり指摘せざるを得ないということを改めて主張しておきたいと思うんです。つまり、国の行政全体の責任もあるということをあわせて私は言っておきたいと思います。

 そこで、ERIにもう一つ、政治家の献金についてお聞きします。

 鈴木崇英ERI社長は、二〇〇四年、自民党森派、政治団体でいえば清和政策研究会に対して百万円を献金していたという報道があります。これは事実ですか。

鈴木参考人 事実でございます。

穀田委員 次に、森内閣のときに官房副長官を務めた上野前参議院議員に昨年の七月の参議院選挙前に三百万円献金している、これも事実でございましょうか。

鈴木参考人 上野さんは私の大学の同期の友人でございますので、友達として応援したいというふうな思いで寄附をいたしました。

穀田委員 昨年の七月のをお認めになった。

 いつから献金なさっていますか。

鈴木参考人 いつからという年月ははっきり申し上げられませんが、上野さんが議員になられるころからだと思います。

 金額は、それぞれ、もちろん私のポケットマネーですから、それでできる範囲ということでございます。

穀田委員 わかりました。とても大事な証言をいただきました。

 最後に、私ども、今度の問題で、やはりERIのそういう検査の責任というのは免れないということだと思います。それで、やはり一番大事なのは、先ほど私指摘しましたけれども、当時、一番最初に建築確認申請を行ったときにミスが発見された、そしてそれが、渡辺建築士からお話がありましたように、事の重大性が、単に建築変更を出せばいいという中身ではなくて、建物がすぐ壊れる、耐震強度がない、そういう実態にあることの指摘を受けた際に、それを正しく公表し、そして監督の、取り消しを行う権限のあるところ、あなたのところは権限がないわけですから、そういう意味でいいますと一度通したものですから、それを取り消し権限をすることのできる特定行政庁、つまり自治体並びに国交省に届け出があったらば、少なくとも一年半前に事態は発見することができたというふうに私は思うんです。そう思いませんか。

鈴木参考人 先ほども申し上げましたように、そのときに担当者がそういう重大な問題であるということを感づいていれば、感じていればよかったなというふうに、大変私は残念に思っております。

穀田委員 最後に一言だけ。

 今、お話がありましたけれども、先ほど来、それが偽装だとか偽造であったらばということを最初に、先ほどまでおっしゃっていたんですね。じゃないんですよ。偽装だとかそういうミスだとかじゃなくて、事の重要性がわかれば、それを上げるシステムがなかったということが問題だということを指摘して、終わります。

林委員長 日森文尋君。

日森委員 私も、各党要求があったとおり、証人喚問について委員長に要求をしておきたいと思います。

 一人は姉歯建築士、それから総合経営研究所の内河氏、この二人は何としても証人喚問としてこの場に来ていただきたいということですね。それから、平成設計の山口社長につきましても、当面参考人招致になるのかどうかわかりませんが、御配慮いただきたいということを最初に要求しておきたいと思います。

 ERIの鈴木参考人にお伺いします。

 ホームページを見させていただきました。御社の理念というのは、情報の公開が基本であると。積極的に情報を公開しなければ秘密主義、隠ぺい体質になってしまうんだというふうに、みずからおっしゃっておられます。七つの理念というのもお掲げになっておる、これはジャスダックに上場したときのお話だと思うんですが。この中でも、情報公開によって透明な会社になるということを決意としておっしゃっているわけです。

 しかし、今回の経緯を見てみると、どうも参考人自身がおっしゃっていたことと対応は大分違うのではないかという思いがしてならないんですが、これは一体どういうことなんでしょうか。

鈴木参考人 私どもの会社は昨年十一月にジャスダックに株式公開いたしましたけれども、平成十一年十一月の設立のときから、技術的な問題、経営的な問題、それから業務の実績、業務の体制、そういうことをすべてホームページ上で公開しておりますし、それからさらに、技術的な問題とかこれまでの経験というものを本にまとめて販売したり、そういうような、いろいろな意味でこの制度がうまく働いていくようにという思いから情報公開に努めてまいったわけでございます。

日森委員 残念ながら、昨年からの事件は、そうした会社の理念とは裏腹に、実際には、そういう情報があって問題が生じたにもかかわらず、このことについては、十分理解がなかった、改ざんとは思わなかった、偽造とは思わなかったということがあるにせよ、情報の公開も一切なくて今日まで来てしまったということで、大変私も残念に思っています。ぜひ反省していただきたいと思うんですが、私、大変時間が少ないものですから、同じ鈴木参考人と藤田参考人にお聞きします。

 道義的責任とかいうことはお感じになっておられるということであると思うんですが、法的責任はない、法的な責任はないんだということをおっしゃっておられるわけです。

 先ほど御質問があったとおり、実際には、理由としては、非常に偽造が巧妙で見抜けなかったということや、検査自体は適正だった、適法であったということをおっしゃっているんですが、結果として七十棟にも達するような不良な建物が生まれてしまった、それを建築確認してしまったということについては、しかも、多くの人々に生命の危険をもたらし、また、大変大きな財産を侵害するようなことが起きてしまった。このことについては、道義的責任を感じるであるとか、それから法的責任はなかったという範囲ではもう済まないのではないかというふうに思うんですよ。

 実際、先ほど明確なお答えがなかったんですが、検査会社として、この結果を生じてしまったこと、この結果からどういう形で具体的に責任をおとりになろうとしているのか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。

鈴木参考人 十一月十一日に私どもにこういう姉歯設計士の問題があるということを教えていただいた以降、私どもの方は、検証作業を精力的に行いました。現在も行っております。

 そのときの検証作業は二つの観点がございまして、一つは、現に建っている建物が本当に安全なのか、あるいは安全でないのか、どのぐらい大丈夫なのかというような検証作業をしております。もう一つは、今回の事件がどういうふうにして行われたのか、どこに改ざんが行われているのか、どういうことでそういうことが可能になったのかという解明作業をあわせて行っております。それも今後の正しい審査が行われる一助になればということで考えております。

 責任の問題につきましては、現在こういう調査が緒についたばかりだと私は思います。今後いろいろなことがわかってくると思いまして、それに対応して適切な責任をとっていきたいというふうに思っております。

藤田参考人 被害に遭われている方のことを思うと、本当につらいということであります。

 一番初めに考えた私の責任は、隠ぺいするのではなく、たとえ会社がつぶれたとしても、危険な建築物があるということを公表することが一番の責任であります。確認検査業務を行う者として、その法律が定める過失が私どもにあるのであれば、制裁を受ける覚悟であります。もちろん、会社だけではなくて、個人における財産等を請求されるのであれば、全面的に受ける覚悟でございます。

 ただし、御理解いただきたいのは、やはり日本は法治国家でありますので、確認検査業務が対象とする目的、また性能評価とかその他の評価、性能を担保する意味での評価や審査というサービスというか業務があるわけなんです。そういうことが実際に有効に国民の皆様に御理解されて利用されていれば、このようなことはなかったと私は思っております。

 ですから、今回の公表だけではなく、情報公開、また再発防止対策のために、できる限りの調査、また、実際に危険な建築物、まだ発見されていない建築物があるはずなんです。ですから、今まだ知らなくて危険な建築物に住んでいる方を、一刻も早くそういう情報提供ができるように、国土交通省の指導のもと、粛々とやっていきたいと思っております。

日森委員 それは、恐らく被害住民の方は納得できないと思うんですね。

 渡辺参考人がおっしゃっているように、それから、私も実際に仕事をされている方に確認しましたけれども、目で見て手でさわって、この建築物が違法であるかどうかわかると言うんですよ、十年二十年経験を積んだ人ならば。そういう職人さんたちがそうおっしゃっているような建築物を、偽装を見抜けないで建築確認を出してしまったということは、これは大きな問題だというふうに思いますよ。そうでしょう。法的に適正に検査したんだということだけでは済まない。そういう意味で、ぜひ具体的な責任のとり方、早急に明らかにしていただきたいということはお願いをしておきたいと思います。

 それから、もう時間が余りないんですが、重要な問題で、先ほど総研の社長さんのお話もあったようですが、これは渡辺参考人にお聞きしたいんですが、建築コストのうちに、躯体、構造物ですね、躯体が三分の二、仕上げ、内装的なもの、これが三分の一だというのが一般的だというふうに聞いているんです。そうすると、どれだけコストを下げて建物を建てるかというと、結局、コストの三分の二を占めているその躯体ですね、構造に手をつけるしかない。これが一番コストダウンしやすいということになるわけですね。

 そういうところで、今、マンションなりいろいろなところで大変な競争になっている。つまり、競争が非常に激しい中で、この躯体、構造まで手を突っ込んで違法なことまでやってしまうということが、今度の犯罪の、組織的、計画的だというふうにおっしゃいましたが、私もまさにそう思います、根底にあるんじゃないかと思うんですが、構造の専門家としていかがでしょうか。

渡辺参考人 建築費に対する構造の割合は、ほぼ三分の一です。三分の二じゃありません。

日森委員 時間です。残念ですが、終わります。ありがとうございました。

林委員長 この際、参考人の方々に一言申し上げます。

 本日は、本委員会にて御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十五分散会


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