衆議院

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第14号 平成18年4月18日(火曜日)

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平成十八年四月十八日(火曜日)

    午後一時二十分開議

 出席委員

   委員長 林  幹雄君

   理事 衛藤征士郎君 理事 中野 正志君

   理事 望月 義夫君 理事 吉田六左エ門君

   理事 渡辺 具能君 理事 長妻  昭君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      赤池 誠章君    石田 真敏君

      浮島 敏男君    遠藤 宣彦君

      小里 泰弘君    越智 隆雄君

      大塚 高司君    鍵田忠兵衛君

      金子善次郎君    亀岡 偉民君

      北村 茂男君    後藤 茂之君

      坂本 剛二君    篠田 陽介君

      島村 宜伸君    杉田 元司君

      鈴木 淳司君    田村 憲久君

      西銘恒三郎君    葉梨 康弘君

      福岡 資麿君    松本  純君

      松本 文明君    盛山 正仁君

      若宮 健嗣君    小宮山泰子君

      古賀 一成君    下条 みつ君

      高木 義明君    土肥 隆一君

      長安  豊君    古本伸一郎君

      馬淵 澄夫君    森本 哲生君

      伊藤  渉君    斉藤 鉄夫君

      穀田 恵二君    日森 文尋君

      糸川 正晃君    亀井 静香君

    …………………………………

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総長)            上杉 秋則君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      伊東 章二君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         中島 威夫君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  渡辺 和足君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 坪香  伸君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事長)        小野 邦久君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         松野  仁君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  薗浦健太郎君     松本  純君

  長島 忠美君     浮島 敏男君

  西銘恒三郎君     福岡 資麿君

  高木 義明君     古本伸一郎君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     篠田 陽介君

  福岡 資麿君     西銘恒三郎君

  松本  純君     薗浦健太郎君

  古本伸一郎君     高木 義明君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  篠田 陽介君     越智 隆雄君

同日

 辞任         補欠選任

  越智 隆雄君     長島 忠美君

    ―――――――――――――

四月十八日

 日本のタクシー再生に関する請願(阿部知子君紹介)(第一六二五号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第一六七九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 住生活基本法案(内閣提出第三〇号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

林委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房技術審議官中島威夫君、河川局長渡辺和足君、道路局長谷口博昭君、公正取引委員会事務総長上杉秋則君、公正取引委員会事務総局経済取引局長伊東章二君、環境省大臣官房審議官坪香伸君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森本哲生君。

森本委員 民主党・無所属クラブの森本でございます。よろしくお願いします。

 本日は、公共工事に使われております路盤材に含まれる鉛と六価クロムが、酸性雨などで溶出することによって、人体に悪影響を与える危険が存在しているのではないかという観点から問題を取り扱わせていただきます。

 焼却灰等の廃棄物を加熱し、おおむね千二百度C以上の高温条件下で有機物を燃焼させるとともに、無機物を溶融した後に冷却してできたガラス状の固化物、これが政府資料によるところの溶融スラグの定義でありますが、路盤材はこの溶融スラグから生成され、公共工事に利用されているのが現状でございます。そしてまた、路盤材には、RC、リサイクルクラッシャーラン、C四〇―〇というようなことでございますが、これが路盤材に使用されておりますので、ここは具体的に細かく質問をさせていただく予定でございます。

 そして、鉛や六価クロムなどの重金属が人体に与える影響でございますが、まず鉛は、御存じのように、貧血や中枢神経等への影響、六価クロムは皮膚潰瘍、肺がんなどが知られておるわけでございます。三十年ほど前には六価クロム訴訟がございましたし、最近では石原産業、これは我が県でございますが、フェロシルト問題が東海三県で問題になったわけでございます。いつの時代にもそのリスクと隣り合わせであるというふうに認識をいたしております。

 鉛と六価クロムは自然界に存在をする物質ですから、人体に有害であるといっても、完全に除去することは難しいという認識はいたしております。したがって、政府が厳格な基準を定めて、使用、管理について明確な監督責任体制をとることが肝要であります。

 すなわち、一つとして、基準が厳格なものとなっているのか、二つ目、基準を遵守するための担保はあるか、義務の履行確保はなされているか、それで三つ目が、監督責任体制は機能しているかということ、この三つの観点を踏まえて質問をさせていただきます。少し専門的な用語が、化学用語も用いますが、お許しをいただきたいと存じます。

 ではまず、RCは結構でございますが、公共工事において溶融スラグをどのぐらい使用しているのか、国交省から御答弁をお願いします。

中島政府参考人 お答えいたします。

 溶融スラグについてのお尋ねでございますけれども、公共工事における溶融スラグを利用した資材を含む環境負荷低減に資する資材の利用、この促進につきましては、いわゆるグリーン購入法、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律、これに基づきまして、平成十三年度からその調達を推進しているところであります。

 具体的には、平成十三年度から陶磁器質タイル、平成十六年度からは再生材料を用いた舗装用ブロック、これは焼いたもの、焼成したものでございます、それから平成十七年度からは再生材料を用いた舗装用ブロック類、これはプレキャスト無筋コンクリート製品でございますが、これらを特定調達品目として指定しておりまして、それらに用いられる再生材料の一つとして、都市ごみ焼却灰及び下水道汚泥の溶融スラグ化されたものを掲げているところでございます。

 平成十六年度における国土交通省の直轄事業における調達の実績でございますけれども、陶磁器質タイルにつきましては二万五千平方メートル、それから再生材料を用いた舗装用ブロック、焼成したもの、焼いたものでございますけれども、これにつきましては六千九百七十四平方メートルとなっております。

森本委員 ありがとうございました。

 それでは、安全基準の問題に移ります。環境省にお尋ねをいたします。

 平成三年ですが、環境基本法に基づく鉛と六価クロムに関する環境基準を、土壌汚染に係る環境基準についてという告示の中で示されております。

 告示の具体的内容を問う前に、そもそも告示の持つ法的効果、行政機関への拘束度がどのぐらいのものなのかという問題でございます。単なるガイドライン的意味合いにすぎないのか、それとも、違反した場合の法的効果が担保されているのかということについてお伺いをいたします。

坪香政府参考人 お答えさせていただきます。

 土壌環境基準につきましては、土壌環境についての基準でございます。これは、通常の土壌につきまして、告示によりますように、水質を浄化し、地下水を涵養する土壌の機能を保全するという観点から、平成三年に告示により公にされているところでございます。この基準の中には、溶出基準などによりまして土壌環境基準として定めているというところでございます。

 この土壌環境基準につきましては、土壌汚染対策法によりまして、これを上回るものについては土壌汚染対策法に基づく対策をする、調査をし、対策をするということが義務づけられております。

 以上でございます。

森本委員 それでは、続いて、平成三年の環境庁の告示による鉛と六価クロムの測定方法、検液方法はどうなっているのか、説明をお願いします。

坪香政府参考人 お答えさせていただきます。

 今御指摘の平成三年の環境庁の告示第四十六号によりますと、土壌につきまして、水質を浄化し、あるいは地下水を涵養するという土壌の機能を保全するという観点から、土壌の十倍量の水で物質を溶出させまして、その検液中の濃度が水質環境基準を超えない基準であることを基本として定めたいわゆる溶出基準、これなどを土壌環境基準として定めているところでございます。

 この中で、重金属に係ります溶出基準につきましては、検液の作成を次のように行うこととされています。まず第一に、試料の粒径を二ミリメートルより小さくして十分混合した上で、それに蒸留水に酢酸を加えました、水素イオン濃度指数、これを五・八以上六・三以下に調製したものと混合するということになっております。混合した液は、常温常圧で、器具を用いまして六時間連続して振りまぜるということでございます。振りまぜた後は、静かに置いておきまして、沈殿させた後、さらに遠心分離した上澄み液をろ過して検液を作成するということになってございます。

 得られました検液につきましての測定方法につきましては、個々の項目ごとに、原子吸光法などの日本工業規格等に定める方法によりまして行うこととしております。

 以上でございます。

森本委員 ありがとうございました。いわゆる溶解度支配という考え方でよろしいですね。四十六号法による環境基準の破砕二ミリというふうなことで確認をさせていただきます。

 そして、溶解度支配とは、溶融スラグに幾らか重金属が入っても溶出しなければ問題がないという考えに立っていると思うんです。試料については、水素イオン濃度指数、つまりpHが五・八以上六・三以下ということ、これは弱酸でございます。溶融スラグがアルカリ性を示すのであれば、重金属が溶出することを考えて酸性溶媒を使用することは当然としても、過酷な条件、つまりpHを小さくして、そして強酸溶媒で溶出するかどうかを実験すべきではないかというふうに考えます。

 日本の酸性雨はpHが四・四程度、これは各地地区によって違うと思うんですが、言われておるわけでございます。欧米では、現実に想定できる最も過酷な条件下で溶出し得る量、最大溶出可能量を問題とするアベイラビリティー支配という基準をとって、pH二・八で行っています。また、弱酸を緩衝液として使ってpH調整を行っています。

 溶融スラグ、そしてリサイクルクラッシャーラン、これはコンクリートの破砕になるわけでございますが、路盤材として何十年と過酷な環境条件のもとで使用されるということを考えれば、溶解度支配ではなく、欧米のアベイラビリティー支配という、ごめんなさい、ややこしい名前で、その基準を直ちに採用すべきではないかと考えますが、いかがでございますか。

坪香政府参考人 お答えさせていただきます。

 今委員御指摘の部分でございますけれども、土壌汚染、土壌環境基準というものにつきまして、先ほども申し上げましたように現状の土壌について行うものでございまして、その環境基準を他の基準等に援用されることにつきましては御説明させていただいているところでございませんので、今、環境基準としての内容について説明をさせていただいております。

 それで、検液の作成方法でございますけれども、環境の測定方法については、これは各国によって極めてさまざまなやり方をしております。それらにつきましては、その背後には、法制度等の考え方、あるいは体系ですとか目的とか、そういうもので非常にそれに応じた適切なものが定められているということでございます。

 したがいまして、基準の位置づけとか具体的な測定方法につきまして、欧米の方が我が国に比べてより厳しい、あるいはそうでないということにつきまして、一概に評価できるものでないというふうに思っております。

 我が国の土壌環境基準、これにつきましては、いわゆる溶出基準の作成方法につきまして、通常の土壌ですが、土壌が水質を浄化し、及び地下水を涵養する機能を保全する観点から定めたものでございます。その考え方とそれに対応いたします方法としては妥当なものであるというふうに思っております。

 いずれにしましても、今後とも科学的知見の充実に努めまして、科学的判断が加えられるよう努めていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

森本委員 ありがとうございました。

 それでは、環境基本法第十六条三項は、同条一項が定めるところの基準について「常に適切な科学的判断が加えられ、」これは先ほどもお話がありました、「必要な改定がなされなければならない。」と規定をいたしております。

 今の答弁はこの規定の趣旨にも沿うものであるというふうに私は思っておるんですけれども、基準を定めるという行政上の考慮はなされないのでしょうか。

 例えば、現行基準で十分ということであれば、先ほど、欧米よりもこちらが十分というようなことがあったんです。過去に、神奈川県の藤沢市において、溶出基準をクリアしていた溶融スラグを利用して、土壌汚染基準以上の重金属が出たという事例がありましたけれども、将来にわたってこのようなことが起こっても仕方がないという見解でございましょうか。

坪香政府参考人 お答えさせていただきます。

 先ほど十分な説明となっていないかもしれませんけれども、土壌環境基準と申しますのは、土壌の汚染に係る環境上の条件について定めたものでございまして、これを設定する際に、審議会の答申にもございますけれども、これにより再生する材ですね、再生材あるいは再利用するもの、それにつきまして、これは路盤材などの明らかに通常存在している土壌でない資材については、土壌環境基準、それに基づく土壌汚染対策法というものについて適用されるものについては除外されているわけでございます。

 ただ、何らかの目的で路盤材の基準を作成するときに、その目的を作成するために適当であると判断して土壌環境基準を引用されること、これについてはあり得るというふうに思います。

 したがいまして、私、先ほどからお答え申し上げている内容につきましては、土壌環境基準というのは土壌汚染に係る環境上の条件について定めたものであります。したがいまして、路盤材が使われたその周辺の一般の土壌につきましては、汚染に係る環境上の条件として土壌環境基準で見ることになるということでございます。それについての技術的な考え方については、先ほど申し上げたとおりでございます。

 以上です。

森本委員 この後具体的に事例を挙げますが、確認だけちょっとさせてください。

 溶融スラグとかRC、これはもうRCで省略をさせていただきますが、鉛と六価クロムをどう取り扱うかが問題になるわけでございまして、平成十年三月には、旧厚生省から、一般廃棄物の溶融固化物の再生利用に関する指針が出されておるわけでございます。

 まず、確認ですが、この指針、現在は環境省の所管となっていることで間違いがないでしょうか。

由田政府参考人 そのとおりでございます。

森本委員 それを前提に質問をしますが、先ほど四十六号告示が出ましたけれども、溶出試験の方法は、平成三年、環境庁の告示第四十六号に定める方法によるものとされています。一般廃棄物の溶融固化物については、ガラス質で飛散のおそれがないので、環境庁告示に基準によれば足るという論理でございます。

 そうだとすると、路盤材のように長時間かけて固化物が溶出することを想定していないのではないかという疑問が出てくるわけでございますが、この点は簡単に述べてください。

由田政府参考人 ガラス状ということで、今の御指摘のとおりでありますが、当然、利用するに際しましては、市町村におきましてしっかりとした管理をやるという立場をとっております。

森本委員 少し具体的に入ります。

 例えば、RCの砕石に、舗装の下に使う路盤材、これは再生用のコンクリをつぶしたものでございます。しかし、これは四十からゼロになった場合に粉も出るわけでございます。これは当然、土壌で雨を受けた場合に溶出する、溶けるということになります。ですから、ここのところの問題は、C四〇のクラッシャーラン、バージン材では問題は全く出ません。しかし、コンクリートを破砕したRCでは、環境基準を超える要素がセメントを使っているために出るというデータが、私自身、今手元に持っております。

 ですから、今、〇・〇五六価クロムになると思うんですけれども、そのあたりの国土交通省の認識とか、路盤材を、例えば、RCだけでなしに、バージン材を入れて基準を低くするような、その辺に問題意識は今全く持ってみえませんか。

中島政府参考人 お答えいたします。

 今、リサイクルされたコンクリート塊、こういうものについての環境に対する影響、どういうことかということでございます。このリサイクルされたコンクリート塊につきましても、私ども、先ほどのグリーン購入法に基づきまして、国の直轄工事においても路盤材等の再生骨材として利用しているところでございますけれども、このリサイクルに利用されているコンクリート塊の環境への影響というものにつきましては、土木学会において、この試験をしていただいているんですけれども、環境庁告示十三号に基づいて、六価クロム、砒素、水銀、鉛等の重金属類の溶出試験を行いまして、環境基準を超過する溶出は認められないということが確認されているところでございます。

森本委員 現実は、そのリサイクル商品というのはやはり溶けるということ。今、コンクリートを固めるのは、アルカリで強い重金属を不溶化させるわけですね。そのために、今のコンクリートでしたら安全基準は大丈夫。しかし、それを破砕して使うときに、これがまた溶けるということの中で、十年、十五年前のセメントの成分、今は問題ないですよ、十年ぐらい前からかなりやられました。十五年、二十年前の成分を見ますと、実に、このセメントの量の基準は幅があります。これは、資料がありますけれども、幅があります。そのときに、〇・〇五の環境基準を、ロットでとれば、十分これはオーバーしていく可能性があるという認識はありませんか。

中島政府参考人 ただいまの〇・〇五というのは、五ミリアンダーという御趣旨でございましょうか。(森本委員「はい」と呼ぶ)

 リサイクルしたコンクリート塊をどういう塊について調査するかということで、私ども、先ほど申し上げました環境庁告示十三号というのが五ミリ以下のものを対象にした実験であるわけでございますけれども、多分、そこでの御指摘は、さらに二ミリ以下のものについてどうするのかということではないかと思います。

 それにつきましてお答え申し上げますと、現在、路盤材料として使いますコンクリート塊、これにつきましては、実際に使うときに粒度を調整して使う、壊したものを路盤材としてそのまま使うのではなくて、粒度調整をして使用するということになります。この場合の粒度の大きさでございますけれども、この粒度の大きさが、大体、環境庁告示十三号で対象としている〇・五ミリから四・七五ミリ、五ミリアンダーですね、これが中心であるということから、十三号の試験結果を用いておるものでございまして、環境庁告示四十六号で対象としている二ミリ以下とはその領域が違うということで、この十三号を使って試験をした結果、土木学会の方でも試験をしていただいて、その溶出が認められないという結果が出たものでございます。

森本委員 コンクリートを壊した場合に、当然、二ミリ以下の商品はいっぱい出るんですよ。これは確認よろしいですね。

 そのコンクリートの成分が、六価クロムが、一九九五年では〇・四から三十二・四、鉛では七から四百二十一。今の基準は、それが三・〇から十四・四、ぐっと絞っておるんですよ。それで、十六から六十六が鉛です。ですから、過去、一九九五年のコンクリというのはすごく幅があるんですよ、幅が。ですから、それの粉が、六価クロムの量が、検定をとれば、大変危険だということで、既に大手の企業方ではバージン材をあえて注文されているという例は御存じですね。

 ですから、企業によってはもう既にこれは危ないという判断の中で、これはうまくまぜればよろしいですよ。あおるつもりはありません、今の全国の中で非常にこれは問題が大きいですから。しかし、ここのところをしっかりチェックしないと、この問題は国土交通省大変ですよということを申し上げておるんですけれども、御理解いただけますか。

中島政府参考人 先ほどの溶融スラグ、あるいはコンクリートのリサイクルの利用、これを進める上で、その安全性を確保するということは大変重要な問題だと思っておりまして、先ほど申し上げました試験方法によっての試験というものも、そういう安全性を大事にするということを背景にしたものでございます。

 今後とも、国土交通省といたしましては、この使用に当たっての安全性の確保に努めてまいりたいと思います。

森本委員 さらにつけ加えますと、一九八七年の水溶性、これはセメント協会が出している資料でございます。水溶性は、最大三十二・三、今は九・四です。これだけ違うんです。

 ですから、大臣に最後お伺いをしますけれども、この問題はしっかりチェックする。これは、市町村、県も既に動いてみえるところは、気づいてみえるところはあると聞いています。国土交通省としての今後の姿勢はいかがですか。

中島政府参考人 お答え申し上げます。

 この安全性についての確認、これは非常に大事だ、必要であるということで認識しておりますので、今後とも、その検査の方法、調査の方法等も含めまして、しっかりと検討してまいりたいと思います。

森本委員 その回答を聞かせていただいて、少し安心しました。

 例をとってみますと、実は、これで検出をもう企業の方でしておるデータが、こちらの方にあるんですね。一を〇・〇五、〇・一を超えているデータが実は、これは私はある程度信用して、このデータも使わせていただいて、参考にさせていただいての質問でございますが、非常にこの問題については、法の精神、リサイクル、今のコンクリートを利用していくということについて、私、この方向としてはやはり応援をさせていただきたい。

 しかし、この鉛と六価クロムの問題については、かなり影響が大きく出てくると思いますので、最後に大臣の御決意を、きょうのこの議論を聞いていただいておりまして、国が中心になってしっかりこのことについてはチェックをしていく、国が責任を持つ、その言葉をぜひお伺いして終わりたいと思いますが、いかがでございましょうか。

北側国務大臣 今、委員の方からお話がございます溶融スラグ、ちょっときょう持ってまいりまして……

森本委員 それよりも、むしろ、路盤材のコンクリが、大臣、一番問題でございますので、そこのところお間違えのないように、よろしくお願いします。

北側国務大臣 はい。

 今御指摘のございました点、よく踏まえまして、再生材料、リサイクル資材を調達することは非常に重要だと思います。それはしっかり推進を今後ともさせていただきたいというふうに思っておりますが、しかし、公共工事というのは極めて多くの皆様の安全にかかわる事業でございまして、長期にわたる安全性とか、機能をきちんと確保されていく必要があるわけでございます。そういう面から、そうした資材の使用に当たりましては、さまざまな、安全性はもちろんのこと、その他の問題についてもよく検討して調達する必要があるというふうに考えております。

 重金属の溶出など、環境に対する影響につきましては、土壌の汚染に係る環境基準等により安全性の確認を十分に行わせていただきたいと考えております。

森本委員 ありがとうございました。

 質問のしがいがございました。よろしくお願いします。

林委員長 亀井静香君。

亀井(静)委員 発言の機会をいただきましたことを、まずもって感謝を申し上げます。

 私が今から申しますことは、もう当たり前のことをあえて申し上げるわけでもありますけれども、公正な競争が万般にわたって行われるということが国民の物心とも豊かになっていくことにとって不可欠であるということは、これは当然のことであろうと思います。

 しかしながら、この四、五年、小泉さんのせいにばかりするわけじゃありませんけれども、小泉改革と称せられて、この日本列島、大変な事態に今陥っておると思います。

 大臣、もう御承知だと私は思うわけでありますけれども、地方は特にひどく、からからになっておるのが今の実態であります。人と物と金がこの東京に集まっておるわけでありますから、東京はこの世の楽園というような感じかもしれませんけれども、地方では、御承知のように、商店街はシャッター街にどんどん変わっていっております。

 また、自分たちの郷土を、いろいろノウハウの違いもある、会社の規模も違う、しかし、みんなで力を合わせてこの郷土をつくっていこうという、そうしたいわゆる建設業界も、今やもう惨たんたる状況に陥っております。私の長年の友人、二十七年近く政治家をやっておりますが、かつてこんなことはありません、六名の零細な業者がみずから命を絶たれました。私と非常に親しい方であります。こんなことは、かつて例がないことでもあります。

 こうした激しい競争がいろいろな分野で行われておること、メリットも確かにあると思うわけでありますけれども、今や我々の心の分野までそれによって破壊をされて、お互いがばらばらにされてきておる状況が今なお進んでおると私は思います。

 私は、国土交通省の分野においてもそれが激しく進んでいることについて、もちろん、北側大臣は極めて聡明で実行力のある方でありますから、日ごろから御期待申し上げておるわけでありますけれども、ぜひこのことを国土交通委員会においてはしかとひとつ受けとめていただきたいと思って、きょう発言の機会をいただいたわけであります。

 公正取引委員会、きょうお見えをいただいておりますけれども、私は公正取引委員会だけの責任にしようなんという気は毛頭ございませんけれども、私は、かつて政調会長のときに、私の部屋に公取の幹部に集まっていただきまして、公正な競争を促進するためにどんどん悪質なものを摘発していくということは大事なことだけれども、ただ、あなた方に聞くけれども、競争が百メートル競走なのか、一万メートル競走なのか、マラソンなのか、終点を明らかにしてくれないか、競争競争に疲れ果てた後の日本の社会がどういう社会になるとあなた方は思っておるのかということをお話しした経験がございますが、この四、五年、非常に状況はさらに悪化をしてきておると私は思います。

 公取の方に私は一つちょっとお聞きしたいんですが、カルテルと、悪質なカルテルを摘発されるのは当然でありますけれども、一方、不当廉売をこの四、五年、どの程度摘発されておるのか、この点をまずお聞きしたいと思います。

上杉政府参考人 私どもでは、先生御指摘のとおり、正式な事件としてカルテルを多数摘発いたしておりまして、その中には談合事件がたくさんあるということでございます。

 他方、私どもの考え方からいたしまして、カルテルというのは、競争を非常に減殺する程度が大きいということで、悪質な行為と認識をしておりますけれども、他方で、いわゆる不公正取引というものがございまして、これは、いわば中小企業等が適正な競争上の機会を持つためには、やはり公正な競争をすることが担保されなければいけない。

 したがって、そういった中小企業が被害を受けそうな行為というものに、優越的地位の濫用でありますとか不当廉売とか、こういう行為類型がございますので、これらについては厳正に対応しているつもりでございますが、何分、特定の分野で、不当廉売につきましては、過去、ガソリンでございますとか、それから酒につきまして、かなり集中的な情報提供がございましたので、そこに対しましては迅速に対応するということで、ちょっと今手元にはありませんけれども、かなりの件数の注意等の処分あるいは警告等の処分を行っているわけでございますが、その他につきましては、情報に接することがなかなか多くないものですから、今のように、全体の件数ということであればかなりの件数をやっておりますけれども、ほかの建設業等になりますと、それほど多いとは言えないと考えております。

亀井(静)委員 私は、あなたをいじめるために来たわけじゃございませんから、資料をお持ちでなければ具体的な数字は結構ですけれども、商店街が、どんどん出店をしてくるスーパー等の大型店の大変な廉売によって、店を閉めざるを得ないという状況が全国で蔓延していることを、私は、この東京に事務所のある公取の幹部だって御承知であろうと思います。

 私は、不当廉売について、公取がどんどんその地域社会の商店を、窮状をきちっと調査をして守る活動をしたということは、私にはどうも残念ながら記憶がございませんが、もしそういうことをおやりになっているとすれば、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

上杉政府参考人 先ほど、件数がちょっと手元になかったということで申しわけございませんでしたけれども、今ございますので、ちょっと紹介させていただきますが、平成十七年におきまして、酒類についての不当廉売ということで注意をさせていただいたのが三百九十七件、ガソリン等につきまして百三十件、家電製品について二件、その他七十八件ということでございます。

 そこで、私どもの不当廉売面についての対応ということのお尋ねでございますので、最近の取り組みをちょっと紹介いたしますと、ガソリンにつきましては、考え方、どういう場合に違反になるか、違反になるおそれがあるんだということが明らかになっているということが重要だということでございますので、これは早くて平成十三年十二月に、ガソリン等の流通における不当廉売、差別対価への対応ということで考え方を出させていただきました。それから、酒類につきましても、同じような時期に同様の考え方を出させていただいております。

 それから、公共建設工事における低価格入札というものが結構新聞をにぎわしたというものがございまして、平成十六年には、その取り組みの考え方を出すというようなことで対応させていただいておりますし、他方で、官公庁の入札におきまして、一円とか一万円とか採算を度外視した入札というのがあったということで、これまた考え方を平成十三年の折に出させていただいております。これが大体、我々の取り組みでございます。

亀井(静)委員 御努力をされておることは了といたしますが、そういう部門を担当している職員その他は増強していますか。あのとき、私は、幾らでも人員増等、お手伝いをするということまで言った記憶があるんですが、そういう面について、予算上その他、公取の中においてそういうことを増強して、不当廉売を防いでいくという具体的な処置をされておりますか。

上杉政府参考人 具体的な事件を調査するということでございますので、私どもは、審査局というのが具体的な事件の審査をするところでございますが、審査局に公正競争監視室というものを置きまして、ちょっと具体的な人数、数名、恐らく五名から十名の間というふうに記憶しておりますけれども、それぐらいの担当を本局に置いておきまして、それで、東京の情報管理部門に不当廉売に関する情報がございましたならば、そこで不当廉売等の、先ほど言いました、中小企業に不当に不利益を及ぼすような行為について専門に調査する審査官を置いて対応しているところでございます。それから、地方事務所、七カ所ぐらいございますので、そこに担当が一名ぐらいいて対応していると思います。

亀井(静)委員 建設業関係が多いと思いますので、その分野についてのちょっと、事務総長、あなたの基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思うんですけれども、従来、地域社会で、さっきもちょっと申し上げましたけれども、いろいろな業者がいろいろなそれぞれの得意の技術を持ちながら、お互いに自分のところだけが受注を独占しないで、自分たちの村社会における、みんなが施工能力があれば、これを助け合いながら、そこでも仕事をやってもらうという形の中での、いわば話し合いみたいなものが伝統的に日本ではなされてきたと私は思うんです。もちろん、その弊害がないとは言えませんけれども。

 今、草深い山の中にまで東京に本社を置くゼネコンがどんどん乱入をして、二億、三億のそうした仕事を東京に本社のあるゼネコンが受注をしていく。しかし、本社の職員が菜っぱ服を着て作業をやるわけじゃありませんから、二〇%あるいは三〇%を切って、そうして地元で実際工事をする業者にこれを下請として使っていくという、そうしたいわば商社的な役割に、昔からそれはありましたけれども、なっていくという状況が全国的に今もう一般化をしています。

 そうした中で、もう地方の建設業者というのはどんどん店じまいをせざるを得ない、倒産をせざるを得ないという事態に陥ってきておりますけれども、事務総長は、それでいいんだ、ゼネコンは信用力もあるし、後のフォローアップにしても信用ができるから、そこが責任を持つという形で、そういう地方発注の仕事もどんどんとっていっていいんだ、それが自由な競争だというふうにお考えですか。それとも、日本は、やはり北海道から沖縄まで、その地域社会においてみんながいろいろな分野で協力をしながら生きていっている、そうした日本人の伝統的な生活の中で、地方の郷土づくりについても地方の力をやはりそれにつぎ込ませていくというやり方というのが、いわゆる談合という二文字で片づけて、ばらで激しい競争を二億、三億の物件についてさせていくというようなことがいいとお思いですか。ちょっと聞かせてください。

上杉政府参考人 公共工事につきましては、発注者の側で、最も適正な業者に仕事をさせるべく、一般競争入札に付すとか指名競争入札に付すとか、いろいろな対応をされていると承知いたしております。

 そのような形で、つまり、発注者が、ある形で競争を前提にして発注されたという場合に、例えばそれが指名競争入札であれ、一般競争入札であれ、競争するという前提で発注された場合に、その入札の前にあらかじめだれが入札すべきものというふうに決める、これは我々は入札談合と認識しておりますし、法令違反であって許されないことだと考えております。

 他方、発注者におきまして、それぞれの経済社会の実情に応じて、どの範囲の業者に競争させるか、そういうことについて、あるいはジョイベンという形を採用してなるべく多くの業者がそういう経験をシェアできるようにするとかいうような、そういうことになるのであれば、それは我々としては、特に我々の観点からは問題があるとは考えておりません。

亀井(静)委員 私がかつて捜査二課長をしておりましたとき、いわゆる談合事件類似の事案がたくさんなかったわけじゃありませんが、先ほど言いましたように、ばらの形で競争させた場合は、力が強いところがとって逃げるのはこれは当たり前の話ですね。地域社会においても、力の強い業者と弱い業者、たくさんこれはおるわけですね。それを、あなたのおっしゃるような形で、指名競争であれ、一般であれ、一切の話し合いとか、お互いにもうみんなで幸せになっていこう、あの会社だけが特別に次から次に資金力に物を言わせてとっていくということじゃなくて、みんなが仕事を分け合っていこうという、私はその気持ちが悪いとはどうしても思えない。

 だから、私がやっておったときには、悪いボスが談合金を分配するような形で、結局、長期にわたって利益を独占するような談合はやれ、そうじゃないものはやる必要はないという仕分けをしておったわけですけれども、当時は公取もそうでしたよ、検察もそうだったよ。いつの間にかしら市場原理、市場主義、そういう考え方が、もう今大きな中央の工事だけじゃなくて、地方の工事にまでこれが浸透しちゃってきて今地方は大変な状況になっている、そういう現実があります。

 どうですか、みんなで相談をして、そうして技術力もいろいろ違いますよね、それで同時に出てくれば、みんなでそれを話し合って、お互いに仕事を分担して郷土づくりをやっていく、そういう日本の社会というのはやはりいかぬのですか。聞かせてください。

上杉政府参考人 繰り返しになりますけれども、私どもは、発注者が競争を前提に入札をされた場合に、その前提に反して、あらかじめ受注予定者を決めてしまうというようなことは、これは法令に違反することでありまして、私どもはその法律を執行する役割を与えられた公正取引委員会でございますので、そういう法令違反の情報に接した場合には、これは厳正に対応せざるを得ないものというふうに考えております。

亀井(静)委員 私は警察におったから言うわけじゃありませんけれども、交通規制の場合、例えば八十キロ規制をしていて五キロオーバーしたからすぐ交通違反だ、そんなことやりませんよね、警察だって。法律にはやはり目的があるはずだ。その目的に照らして、著しくその地域における競争を阻害しているということなのか、一部の者たちがこれは利益を得ているという状況が起きておるのか、そういうことを抜きにして、もう話し合いをしたら法律上談合は成立するからやります、今それをやっているんだよね。先ほど来言っているように、そういうことをやった結果、その地域社会が、東京に本社のあるゼネコンに全部、受注した金は、例えば庄原市に、私の地元につけた予算は東京に来ちゃうんですよ、簡単に言うと。

 そういうことの中で、それで、今ですら地方に金は出さぬということが、小泉改革で金がどんどん切られていっている中で、執行の面においてもそういう事態が今全国的に起きているという、そのことを私は全体の問題として言っている。それについて公取が、法律違反なら、八十キロを五キロオーバーしているやつを捕まえるんだ。同じような形で、こうした人間の営みなんですよね、これ。道路をつくり、ダムをつくっていくということも、これは人間の営みなんだね。その営みが、これが害を流しているのか、そうじゃないのかという実体的な判断を抜きにしてやっていった場合は、簡単に言うと、強者の社会があなた方のバックアップのもとで生まれてくるという、現在そうなっちゃったでしょう。

 もうあなたにばかり聞きませんけれども、さっきからろくな答えしていないから。しかし、よくこのことを考えてくださいよ。あなた方が、どうしたら日本人が幸せになっていけるんだろう、その地域社会がどうなっていくんだろうということを考えながら公取の行政をやっていくということがなければ、私は、惨たんたる状況になると思う。

 では次、続いてちょっと国交省の方に。

 私、新聞を見てちょっと腰を抜かしたんだけれども、この間、予定価格の四六%で落札をしちゃっている、あ、違う、五〇%少々で落札をしているという記事が載りました。まさか国土交通省はそのまま発注しないでしょうね。お聞かせください。

渡辺政府参考人 今委員の御指摘の四六%と言われた件でございますけれども、この件は……(亀井委員「中身はいい。発注するかどうか」と呼ぶ)これにつきましては、低入札価格調査ということで、私どもで定めております予定価格に対する低入札価格の調査を実施するための基準がありまして、その基準より下回っているかということで、その調査を実施いたしました。

 その結果といたしまして、公告の内容でありますとか仕様書等の契約の内容に適合した履行が可能であるということから、三月の末に契約の締結を既にしているところでございます。今の四六%というのは、ちょうど数字でいいますと夕張シューパロダムのものだというふうに思われますので、その件につきましては、既に契約を締結しているところでございます。

亀井(静)委員 あなたは優秀な局長だというふうに私は聞いておったんだけれども、本当にいいの、そういうことをやって。

 では聞くけれども、予定価格の算定というのはどうなっているんですか。だれが考えたって、半分以下の、あるいは半分程度のがほかにもたくさんあるけれども、そういう価格で受注をして、ちゃんとしたダムがつくれるんですか。

 いいですか。私は運輸大臣のときに阪神・淡路大震災に出くわしたけれども、高速道路の橋げたがばたばたと倒れているじゃないですか。その中には、いいですか、局長、鉄筋でやるべきところを竹使っていたところがあるの。手抜きですよ。

 予定価格はちゃんとしたダムをつくるということでできておる以上、四六%の値段でどうやって洪水が起きないようなダムがつくれるんですか。おれ頭悪いのかな、ちょっと教えて。

渡辺政府参考人 調査の実態を少し御報告させていただきますけれども、この調査をした結果でございますけれども、受注したといいますか、落札した業者が、内容的には利潤が見込まれていないということ、それから、手持ちの機械が使えるということによりまして諸経費が抑制されるということ、そのほかさまざまな特別な事情というものがあるということで、それらを勘案した結果、施工が可能である、こういうふうに判断したものでございます。

亀井(静)委員 河川局長、あなた方はそんな甘い予定価格で税金を使うことを考えているの。国民の税金は、そんな使い方したらいかぬでしょう。四六%でつくれるようなダムをあんな予定価格で出していいんですか。これは子供が考えてもわかる話だ。

 一つ心配なのは、こんなことを発注するの、したら下請、孫請の仕事の値段はどんなことになっていくか、だれが考えたってわかるでしょう。本社が、受けたゼネコンが利益を出さぬからといったって、彼らは下請、孫請に仕事を出すんでしょう。東京に本社のあるゼネコンの社員が菜っぱ服を着て行ってやるんじゃないんでしょう。ひどい値段でどんどん下へ下へと行っちゃう。今の社会と同じなんだ。そんなことをやって、あなた方は発注者としてちゃんとしたことをやっていると思っているの。これはおかしい。

 それと、そういう無理な仕事をやって、いいですか、私の家建てるんだったら、それはひっくり返ったって何てことはないんだけれども、ダムでしょう。それがそういう状態でつくられて、地域住民というのは安心していられるの。つくればいいというものでは私はないと思う。これは契約解除しなさい。

渡辺政府参考人 この件につきまして、やはり今委員の御指摘のように、心配される部分は、工事が手抜きされるとか、下請にしわ寄せが行くとか、それから労働条件が悪化するとか、安全対策が不徹底になるとか、そういうことが心配されるわけでございます。そういうことから、いわゆるダンピングという意味におきまして、ダンピングであれば、公共工事の品質確保ということから排除すべきもの、こういう認識をしておるところでございます。

 今回につきましては、そういう意味合いから、下請契約が締結されて工事が一定程度進捗した段階など、適時適切にきちっとした立入調査等を実施する、そういうようなことを含めまして、また、下請に対する支払い状況につきましてきちっと調査をする、そういうようなことを通じて、こういうことのないようにということで監督していきたいというふうに考えております。

 もし、調査の結果、改善が必要な場合とかそういう場合につきましては、建設業法に基づきます勧告、監督処分等の措置を講ずるなど、厳正また適正に対応していきたい、こう考えているところでございます。

亀井(静)委員 もう決めたことなら、国民のだれもおかしいと思うことでももう直さない。そんなことを役所が今後どんどんやっていった場合、どうなるんですか。それこそ役人天国じゃありませんか。四六%で生命、身体、財産に大変影響があるダムの建設が具体的になされるということについて、ほかも全部同じようになっている。予定価格なんて、そんなものは全然信頼性がないじゃないかということになっちゃう。

 ぜひこれは、局長、もしそれができないというなら、あなたはすぐ、工事が始まれば菜っぱ服を着て現地に泊まり込みで、手抜きがないか、全部あなたが直接監視しなさいよ。でないと、こんなことが許されるはずはない。

 あと、私は大臣を大変信頼しておりますので、そんなむちゃなことを私は部下にやらせられる大臣とは思っていないから、後からお聞きしますけれども、もう一つ、今度よく官製談合ということが言われていますね。官製、言われている。役所が今のような予定価格の半分以下でやったっていいみたいなことを勝手にやるような、そんな状況で役人が当該物件について業者との間に入っていろいろするということは、私はこれはけしからぬと思う。そんなむちゃくちゃなことを平気でやっていくという前提で業者と役所の間に入って、では調整をしていくなんということを言ったら、これはろくなことにならないです。

 しかし、役所が計画を立て、予算をつけた後も、私は、執行について役所が責任を持つべきだと思いますよ。そのためには、その当該業界に対して、やはり、この物件についてはどこが大事なんだ、どうなんだ、そういう技術的なことを含めて細かく連絡をする。そうして、ただ仕事をとればいいというんじゃなくて、その仕事の機能、性格等を十分理解をした上で業者は受注をすべきだと私は思う。そのために、役所の担当官がいろいろとそういう面での技術的なアドバイス等をしていくということは、私は何も問題ない。

 ところが、今はそれをやると御用だ御用だといって、官製談合だという形でやられているけれども、私はそういう面についても、今物事がすべて四角四面、今局長が言ったように、もう発注をしちゃおうというような、そんなことをやっているけれども、国民の生命、身体、財産を守るという国土交通省の大変な使命からいうと、中身においてもうちょっと責任のある態度をとっていくべきだと私は思いますよ。大臣、どうですか、最後に。

北側国務大臣 私、森内閣のころに、亀井政調会長と、私も政調会長で、一年間、ウイークデーは毎日御一緒をさせていただきまして、懐かしく、久しぶりに亀井節を聞かせていただいて、大変に私も感銘をしております。やはり政調会長亀井先生の、弱者、弱いところにちゃんと目を置かれて、視点を置かれて物事を見られている姿というのは全くあのときと御一緒だなというふうに思いながら、きょうのお話を聞かせていただいておりました。

 一つは低入札の方でございますが、これはかなり、先ほどの五〇%を切った例というのは極めて特異な例だと思います。例外的な事情もあったというふうに聞いておりますけれども。

 ただ、そこで下請に対するしわ寄せだとか労働条件の悪化だとか、そして何よりも、公共工事という、多くの方々が利用する構造物です。当然、そこは安全性というのが大前提の問題でございまして、そこについては、これからしっかりと、そうした低入札工事についてはチェックをさせていただきたいというふうに思っておりまして、この間、その辺の低入札、実を言うと最近少しふえておりまして、カメラで監視するだとか、先ほど河川局長に現場に行けとおっしゃいましたけれども、そういうことも考えるぐらい、本当に我々国土交通省の人間が現場に行って、本当にきちんとやっているのかどうか、そういうのも厳しく監視することも今後考えていきたいというふうに思っております。

 また、公共工事の性格というのは、あくまでいいものをつくるということが国民にとって一番プラスなわけでございまして、いいもの、いい品質のものを、長く使えるものを提供していくということがやはり我々国土交通省、国の大きな役割であると思います。そして、それでできるだけ安ければ安いほどいいわけでございまして、ただ、その大前提としてはいいものをと。そのいいものを、いい品質のものを提供していくために、やはりいろいろな知恵、工夫は働かせる必要があるわけでございますし、私どももしっかりと、業者の方々にもそういうことはきちんと伝えていかないといけないというふうに考えております。

亀井(静)委員 どうもありがとうございました。

     ――――◇―――――

林委員長 次に、内閣提出、住生活基本法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省住宅局長山本繁太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事長小野邦久君及び独立行政法人都市再生機構理事松野仁君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

林委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田六左エ門君。

吉田(六)委員 今ほどお話しのごとく、住生活基本法、このことにかかわって、ふだん感じております一、二を御質問申し上げさせていただいて、そして国民すべてが、あるいは特に建築、いわゆる住宅、このことにかかわる、多くの方々の強い関心も持っていただいているということでありますので、つまびらかにしていきたい、このように思います。よろしくお願いを申し上げます。

 人の生活の基本は衣食住にあると言われています。私は、この三つのうちの衣食と住には大きな違いがあると思います。

 衣服は、寒さから身を守る、暮らしを豊かなものにする。食べ物は、体をつくる、生命を維持します。この衣食は、極めて個人的で短期的に消費されるということが共通観点かと思います。これに対して、住まいは、直接消費するものではありません。消費するものではないというところを力点を置いて申し上げたいと思います。住宅という住環境の存在が日々の生活の場を提供し、長期にわたり人間生存の基盤となるのであります。

 私は、これから、衣食住のいずれも重要であると思いますが、快適で安心して住める住宅はただ生きるためのものだけではありません。人が人間らしく生き生きと豊かで充実した人生を送るための、なくてはならない空間的ゆとりであります。私は、そういった豊かさ、ゆとりのある住空間をつくり出すことが住宅政策の根幹にあるべきだと思います。

 このことは本会議においても指摘させていただいたわけでありますが、若者から高齢者まで、さらには障害者、社会的弱者、これらも含めて、すべての国民が生き生きと暮らせる地域社会を再生することが住宅政策の最も重要な課題であると思っています。大臣にもお答えいただいたがごとく、住宅政策は、そこで生活する人々のための地域づくり、まちづくりと一体となって進める必要がある、こう思います。

 日本全国を見渡しますと、地域固有の歴史、文化、風土など、まさに列島と申し上げるがごとく、さまざまであります。それぞれの地域の特性に応じた施策を進める必要があると思います。

 そこで、住宅政策を具体的に推進するに当たって、今回の住生活基本法案においては、地方自治との関係、またその役割、これらをどのようにとらえておられるのか、地域特性に十分対応した施策の推進などをどのように実現しようとしているのか、これにかかわる御見解をお聞きしたいと思います。

山本政府参考人 今回お願いしております住生活基本法におきましては、国民の皆様の豊かな住生活を実現するということを目的といたしまして、具体的に、住生活の安定の確保とその向上の促進に関する施策を体系的に追求すべきだという法律内容となっております。

 その目指すところは、御指摘いただきましたすべての国民の皆様が生き生きと暮らせる地域社会をつくっていくということでございまして、これを実現するためには、国が全国的な見地から課題を設定し施策を推進するということはもちろんでございますが、その一方で、地方公共団体が地域の住宅事情の実態とか地域の特性を踏まえた課題を設定して主体的にこれに取り組んでいくということが必要不可欠であると考えております。

 お願いしております住生活基本法案におきましても、そういう意味で、住生活の安定の確保と向上の促進に関する施策を策定し実施すべき主体として公共団体を明確に位置づけております。

 このような位置づけのもとに、一言で言いますと、公共団体が主役となっていただいて、地域の特性あるいは住宅に対するさまざまな需要に的確に対応して、御指摘いただいたような豊かな暮らしを実現する、そういうことが実現できるように法律で定めていただいております住生活基本計画等の運用に当たりましても、公共団体と密接に連携を図って進めていきたいと考えているところでございます。

吉田(六)委員 地方が主役だ、まさに私の思うところであります。

 さはさとしながら、国家として、世界にも特異な文化を誇る日本国として、この国の民はかく暮らすべきである、そのためには、住宅、そしてそれの総合体、これはかくあらねばならない、この指針は国が明確に指し示す必要がある。また、このことは、的確に漏れなく、わかったかい、わかったねと念を押すぐらいに、あまねく国じゅうに伝え、理解をいただく、この努力がこの法律の中に正確に盛り込まれなければならないのではないかな、そのように思います。

 改革を進める、そして、民でできることは民で、地方でできることは地方で、このかけ声の中から、公共の住宅も市場原理に従うべきだということで、住宅金融公庫は平成十九年四月一日に廃止され、住宅金融支援機構になります。都市基盤整備公団は都市再生機構になりました。もう国は自前で住宅の供給はしないのだということなのかもしれません。住宅の供給を市場原理に任せっ放しというこのことに、私は大きな不安を感じます。

 民間ディベロッパーは、基本的には自分たちの利潤を上げることを目的としています。住民は消費者、消費意欲を刺激する商品が、今のディベロッパー、民間供給力が供給する住宅です。でも、住宅を買う人は消費者ではありません、生活者です。住生活基本法制定の一番の意味が私はここにあるのだと理解をしています。

 住宅の供給の方法は、国家的な理念と深くかかわっています。どのような住宅を供給するか、それはどのような国家をつくるかということと深くかかわっていると思います。国家の役割は、多くの人たちに対して、こんな住宅、こんな地域社会に住むことができるんですよという夢を与えることだと思います。その夢を与えるためにも、今回の住生活基本法は極めて重要だと思います。

 すなわち、一般住宅はもちろんのこと、地方自治体の公共住宅や災害時の被災者に対する住宅等を民間調達することも含め、政策として、国の目指す方向であるコミュニティーの再生を主眼としたとき、民間力の目指す方向と国の進めようとする目的、方向と、このかかわり合いがなかなか難しいと思われますが、この調整についてどのように考えておられるのか、御見解を伺いたいと思います。

山本政府参考人 引用していただきましたこれまでの住宅政策の柱、中でも、住宅金融公庫あるいは日本住宅公団、今日の都市再生機構の役割をこれまで根っこから見直して、それから、その上で今回、住生活基本法の制定をお願いしているわけでございます。

 御質問がありました、民間の事業者の力をいかに生かして国民の豊かな住生活を実現しようとするのか、公の機能と民間事業者の力を生かすこととの調整はどのように図ろうとしているのかという御指摘でございますが、これを住宅公団、直近であれば都市基盤整備公団の改革、現在の独立行政法人都市再生機構への改革を例にとって申し上げますと、みずから土地を取得して住宅を建設してこれを市場に供給するという形の仕事はもうやらない。都市再生機構は、民間事業者ではできない土地の整理とか基盤の整備にしっかり汗をかく。でき上がった敷地については、民間の事業者に精いっぱい立派な住宅を供給するという形で力を発揮していただく。そういう形で役割分担をしながら、主として都市の大事な土地を将来にわたってきちんと使っていくように努力を重ねていこうという枠組みとなっているわけでございます。

 市街地の再生、都市の再生についてはそういうことでございますけれども、住宅金融につきましても、あるいは、市場ではなかなか適正な住宅を確保できない世帯に対するセーフティーネットの運用につきましても、そういうふうな基本的な考え方に立ちまして、公でなければできないことに仕事を限定して、そこに力を尽くすことで、あとは、民間の事業者、民間の活力を精いっぱい発揮していただく形で国民の皆様が本当に望む住生活を実現できるようにしていきたい、そういうふうな考え方でございます。

吉田(六)委員 今ほどのお話のとおり、いわゆる都市再生機構、この役割が私は大変にこれから重大だと思うんですよ。住生活法を推し進める、そのときの、この精神をよく理解して一番の担い手はこの組織だろう、こう信じています。

 本会議場でも触れたがごとく、政策転換の象徴として申し上げた東雲のキャナルコート、これを例に挙げさせていただきましたけれども、これは、都心居住のための新しい集合住宅をつくるんだ、建築家たちの発想を取り入れたものであります。民間活力が大きく生かされたよい例だと私は考えています。

 このことに若干だけ触れますと、従来の規格的なLDK方式ではなくて、共用廊下をまたがって向かい側に離れを持つとか、あるいは、住居を、複数階にわたるメゾネット方式で住むとか、住居併用のオフィスなど、居住者の多様な住まい方、ライフスタイルに対応できる多様な住戸が設計されています。また、居住者のコモンスペースや立体街路、子供たちがたまって遊ぶようなスペース、こうしたものが設けられ、開放性の高い高層部で活気あふれる立体都市の風景をつくり出しています。

 基本法制定を機に、さらに、建築家や民間事業者などの民間活力を取り入れたこのような事業を積極的に展開すべきだと私は考えているんです。そのような思いの中から、これらの点について都市再生機構の御見解を伺いたいと思います。

松野参考人 お答えいたします。

 都市再生機構は、都市再生に民間を誘導するということを目的に、大都市における拠点を再生する事業、あるいは大規模工場跡地の土地利用再編等に取り組んできております。

 具体的には、民間活力を活用いたしまして、良好な住宅市街地の整備を推進する、そのために、まず、民間の都市開発事業を支援するコーディネートを実施する、また、民間投資を誘発する基礎的条件整備としての基盤整備、敷地整備を行う、またさらに、民間による賃貸住宅建設支援のための敷地供給を行う、こういった業務を実施しているところでございます。

 御指摘の東雲キャナルコートにおきましても、民間活力を活用しまして、良好な住宅市街地の整備を進めているところでございます。ここは、臨海部の約十六ヘクタールに及びます大規模な工場跡地を住宅地に土地利用転換する、それに際しまして、先導的な都市の住宅像を積極的に提案し、新しい都市の住宅地としてのイメージを定着させまして、民間事業者による住宅供給等を誘導し、ひいては東雲地区全体の土地利用再編を誘導することを目的に事業を行ってきております。

 当地区におきましては、都市機構は、建築家など外部の有識者とともに、建築物の高さあるいは壁面線の指定、色彩計画などの景観あるいは建築デザインに係るガイドラインの調整を行ってまいりましたし、委員の御紹介がございました、共用廊下を挟んだ向かい側に離れを持つ住戸、あるいはオフィス併用の住居など、居住者の多様な住まい方あるいはライフスタイルに対応できる住宅を提案してまいりました。

 その上で、機構が公園、道路等の基盤施設を整備いたしまして、整備した敷地を民間事業者に供給してきております。民間事業者は、敷地整備などにおきまして、先ほど申し上げましたガイドラインに沿って、良質な住宅あるいは商業施設、保育園などの生活施設の供給を進めてきております。これまでに、住宅計画六千戸のうち、既に三千三百戸の供給を行ってきております。

 なお、住宅供給におきましては、平成十四年度から、民間活力を活用しました良質な賃貸住宅のストック形成を推進するため、機構が基盤施設の整備を行った敷地を民間事業者に定期借地をいたしまして、民間事業者の良質な賃貸住宅の供給を促進いたします民間供給支援型賃貸住宅制度というのを導入しております。当東雲地区におきましても、この制度を活用いたしまして、民間の賃貸住宅が約四百戸供給されてきているところでございます。

 今後も、民間活力を活用いたしました都市再生の推進を図るために、都市再生機構は、コーディネート業務によります地区のまちづくりガイドラインの策定などの計画策定、あるいは道路、公園などの関連する基盤施設の整備などによりまして、民間事業者の能力を生かせるような条件整備、支援を行って、民間活力を活用した良質な住宅及び住宅地づくりに努めてまいりたいと考えております。

吉田(六)委員 ありがとうございました。

 何よりも住生活基本法、これの牽引車ですから、国の考え、そしてこの法律のポリシーをよく理解され、そしてまた、あまねく民間活力をその方向に向けて導く、私はこのことに大きく期待をしたいと思いますので、今後ともひとつ御健闘をお願いしたいと思います。

 また、私は、今、コンパクトなまちづくり、いわゆる人口減少社会、超高齢社会の到来を踏まえて、これが実現、いわゆる法律にも、まちづくり三法、これらにも盛り込んであるわけですけれども、町中居住、これらをより推し進めることも、この法律の範囲内、思うところだろうと思っています。民間の創意工夫を可能にするためには、やはり法運用に弾力を持ってやるということだと思うんです。

 ちょっと考えついた例なんですけれども、周辺、田畑をつぶして特別養護老人ホームをつくる。なぜかというと、今の法律では、あの調整区域を開発できる許されたわずかな一ジャンルであるからですね。ですけれども、そうでなくて、町中に住生活基本法にマッチしたよい高層の集合住宅を建てる。そして、余り人気のない低層階、一階はともかく、二、三階とかこの部分の容積を免除して上へ乗せてやる。そうしてつくり出した最上階から上は高価に売れる場所ですから、この低層に、いわゆる地域の発展も含めて、養護老人ホームとか福祉施設とかそうしたものを安い価格で提供してやる。

 こんなことが、いわゆるコンパクトなまちづくりや、あるいは良質な住環境や、あるいは機能する都心、町中ということに大きく寄与するのではないかと思うんですけれども、こうした規制緩和が大事かな、このように思うんですが、これらについての御見解をお伺いしたいと思います。

山本政府参考人 都市の真ん中に近い大事なところに住宅を確保する、町中居住を進めるということになりますと、今日は大分変わってまいりましたけれども、それでも、商業とか業務が負担できる床の価格と、世帯が住宅として負担できる床の価格にはなお差があることは事実でございますので、御指摘いただきましたような考え方に立って、都市計画の制度、あるいは建築基準法の例えば総合設計の制度を使った優良プロジェクトに対する容積率の特例といったような制度を活用して、都心居住のための住宅、あるいは居住のためのさまざまな福祉を初めとするサービスを供給できるように取り組んでまいる必要があると思います。

 そのような制度はかなり研ぎ澄まされてきておりますし、民間の事業者の方もこれに習熟してきておられますので、これらを生かして町中居住を進めていく考えでございます。

吉田(六)委員 最後になりますが、大臣、今回の構造計算の偽造問題とかこうしたことで、建築にかかわる者、随分とその信用を失墜しています。ですけれども、これは不心得の一部の者であって、今国会でも、建築基準法あるいは建築士法等の一部改正で二度とこれらの起こらないようにという手当ても十分にされつつあります。

 私は、今この法律が推し進めようという精神を最もよく理解ができるのは、建築にかかわる、あるいは建築士、建築家だと思うんです。こうした民間業者の能力を精いっぱい活用いただいて、国民の豊かな住生活の実現に向けて努力をしていただきたい。

 いま一度申し上げますけれども、建築家初め民間事業者の活用、これについて大臣の御所見をお伺いして終わりたいと思います。

北側国務大臣 日本の住宅事情でございますけれども、住宅の量は、必要な量、数としては満たされてまいりました。

 問題は質でございまして、これからはやはり住宅の質を改善していく、質の向上を図っていくというふうな施策に転換をしていく必要があると思うんです。

 これまでは、やはり、人口が増加する、また都市に人口が集中するという中で住宅をしっかりと計画的に供給しなければならない、こういう観点が強かったわけでございますが、これからは、むしろ、今ある住宅のストックというものを、既存のストックというものを有効に活用して、住宅の質を向上していく、また住環境を改善していく、そうした方向に我が国の住宅政策を大きく変えていく必要があるということが、今回、提案の一つの大きな趣旨でございます。

 この住宅の質を向上していくに当たりまして、当然、住宅を供給する側、建築士の方、また建設をされる施工する方、また住宅を供給しようとするメーカー、ディベロッパーのような方々、こういう住宅供給に携わる方々が非常に重要なプレーヤーであるということはもう御指摘のとおりでございまして、そういう方々、住宅を供給する側の立場の方々にも、この住宅の品質、また性能の確保をしっかりしていくということをお願いしなければならないわけでございます。

 そういう観点から、今回の法律の中では、我々行政の責任、責務だけではなくて、住宅関連事業者の方々についても責務規定を明示させていただいたところでございます。各住宅ができ上がるまでには、各事業の各段階において必要な措置を講ずる責務を有するというふうに規定をさせていただいたところでございます。

 建築士の方々を初めとする民間事業者の能力の活用を十分に図りつつ、多様なニーズがございます、そのニーズに応じて安心して住宅を選択できる、そうした市場の形成を図るための施策を積極的に進めさせていただきたいと考えております。

吉田(六)委員 我が意でもあります。

 何分とも強力に、ひとつ自信を持って推し進めいただくことをお願いして、終わります。ありがとうございました。

林委員長 長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。端的にお答え願えれば幸いでございます。

 きょうは、傍聴に公団にお住まいの皆様方が全国的にお越しいただいております。

 まず、都市再生機構の小野理事長にお尋ねしますけれども、百五十四棟の構造計算書をなくしてしまったと。これは内規では永久保存のものもあるということでございますが、お住まいの方への謝罪や、あるいは機構の中での職員の処分、これはどういうふうにされましたか。

小野参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生お話しになりました百三十六件のケースは、三月十日段階で、二月十五日現在の構造計算書の有無の確認のお問い合わせがあった団地についての数だというふうに認識いたしておりまして、これにつきましては、現在、今先ほど確認をいたしましたけれども、すべてお問い合わせいただきました管理組合に謝罪を行っております。

 それから、処分をどうするかということでございますけれども、現在、私どもは、かつて供給をいたしました、分譲いたしました団地について、すべて確認をいたしております。確認作業中でございまして、これによりまして紛失の状況というようなものがわかるわけでございまして、その後、処分等は検討してまいりたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、構造計算書を紛失したということは大変申しわけないということを思っておりまして、たとえ内規による保存といえどもきちっとその期間は保有すべきであったということで、これを紛失してしまったということは大変申しわけないというふうに思っております。

長妻委員 そして、今回、今議論しているこの住生活基本法の中には、数値目標ということで、耐震基準を満たす適合の住宅ストックの比率、これを満たしていないものが、つまり耐震性不十分というのが全住宅の二五%も今現在ある、これを平成二十七年に一〇%に減らしていこう、こういう数値目標があるということでございますけれども、まずお尋ねしますけれども、公団及び都営住宅や県営住宅などの公営住宅、これに対する耐震診断というのはほとんど全部完了されておられますか。

小野参考人 私ども機構の住宅についてお答えをいたしますと、建築物の耐震改修の促進に関する法律によりまして耐震診断をしていくというものは、私どもの機構の中では、昭和五十六年度の耐震基準以前のもの、これが一万三千棟ございます。このうち、既に耐震診断を実施いたしましたものが一万二千七百棟ということでございます。残りが、未診断が三百棟ということで、率にいたしますと九八%は耐震診断を実施済みでございます。

 この三百棟はほとんどが、市街地住宅と申しまして、土地所有者と共有というか共同で建物をつくりまして、その上を、例えば私どもが床を機構住宅ということで居住者の皆様にお貸ししているというもので、これにつきましては、やはり共有者の方と合意を得ませんと、また費用負担等についてお話し合いができないと耐震診断ができないわけでございます。

 そういうものがほとんどでございますけれども、残り三百棟未診断ということがございますので、これにつきましては、なるべく早く耐震診断を実施していくように共有者の方ともお話し合いを一層進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

北側国務大臣 委員のおっしゃっているのは、公社だとか、それから県営住宅だとか市営住宅だとかということだと思います。それにつきましては今掌握をしている最中でございます。掌握をして、また御報告をさせていただきたいと思っております。

長妻委員 非常に作業が遅いのではないかと思います。

 今お配りした一ページ目でございますけれども、これは実際に市区町村がどのぐらい戸建て住宅、共同住宅などの耐震診断、耐震改修の政策を実行しているかというところでございますが、今、一戸建てで、耐震診断を実施している市区町村というのは全市区町村の三三%しかない。耐震改修は一四%。共同住宅でいえば、耐震診断を政策的に実行している市区町村は全体の一四%しかない。マンション、共同住宅ですね、耐震改修を実施している市区町村は全体の市区町村のたった六%しかない。しかも、この数字は去年の四月一日現在で、今はさっぱりわかりません、こういうことでございます。

 この法案は新耐震基準に適合する住宅ストックを高めるというのもあるわけでございまして、今申し上げたのは公団以外すべての住宅の比率でございますけれども、耐震診断とか耐震改修の話でございますけれども、これは把握も去年の四月一日からしていない、そして、自治体の中でもこれだけ多くの自治体が改修とか診断を政策として実施していない。こういうお粗末な状況で本当にこの耐震基準を満たすことができるのかどうか、二五パーから一〇パーという目標を。これは大臣、どうやって実現するんですか。

北側国務大臣 昨年の衆議院選挙が終わりまして十月に、これは全会一致で耐震改修促進法の改正法案を通させていただきました。これから住宅・建築物の耐震化について強力に推進をしていこうという趣旨の法律でございます。

 ことしの年頭に、お通ししていただいたこの法律に基づきまして国の基本方針を定めさせていただきました。その中で、今委員のおっしゃっているとおり、これから十年間で少なくとも九〇%の耐震化率にしていこう、こういう目標も定めさせていただきました。

 そして、これから年内を目途に、各地方公共団体ごとにそれぞれの地域の計画をつくっていただきます。その計画を策定する際に、今委員のおっしゃっておられます各地方公共団体における耐震診断や耐震改修の制度についても、整備をしっかりと進めていただきたいというふうに思っているところでございます。それをきっちりとチェックさせていただきたいと思っております。

長妻委員 言葉は勇ましいんですけれども、集計が去年の四月一日の数字しかない、あとはさっぱりわからない、こういうことで、国笛吹けど踊らずということが間々ありますので、ぜひ徹底をしていただきたい。

 実際に、国土交通省にお話を聞きますと、日本でお住まいの住宅、一戸建て、マンションも入れると四千七百万戸ある。そのうち国土交通省が、耐震性不十分だ、こういうふうに認定した住宅というのが千百五十万戸ある。しかし、そのうち実際に二十六万戸しか、二%しか耐震診断を実施していない。そのうち、耐震改修に至っては〇・一%しかなされていないという大変お寒い数字もございますので、しかも、この数字は十六年度末だということで、非常に古いデータで政策を立案しているというのが今の国土交通省の姿だというふうに思いますので、これをまじめにやっていただきたいと思います。

 そして、数値目標ということで、今回の住生活基本法でございますけれども、いろいろな数値目標が設定されております。

 ぜひ大臣にお願いをしたいのは、この資料の三ページ目にございますけれども、あの偽装問題等で話題になりました瑕疵担保責任、十年間の瑕疵担保責任を保証するような保険というのが日本にはございますが、しかし、全住宅の一二・八%しかその保険に加入されていない。一戸建ては二八・四%。マンションは何とたった一・一%。こういう保険があれば、時と場合によっては、あのヒューザーのようなディベロッパーが倒産しても救済されるという可能性は出てくるわけでございますので、この保険の数値目標、これを倍にするとか、そういう目標もぜひこの住生活基本法に関連して立てていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

北側国務大臣 委員のおっしゃっているとおり、住宅を買われた方々、瑕疵担保責任があるといっても売り主の側に資産がなければ、実際にはそれが実行されないわけですね。今回の耐震偽装事件を受けての一つの反省はそこにあります。もっと住宅を取得する側の権利というものをきちんと確保していくための対策、これをしっかりとっていかないといけない。

 先般、国会の方に建築基準法等の改正についての提出をさせていただきまして、これからこの委員会でも御論議をちょうだいすることになるわけでございますけれども、その中では、まずは、そうした瑕疵担保責任を実行するための保険に入っている、そういう保険に入っている場合にはきちんと売買の際に重要事項として告知をしていく、入っているかどうか、入っているならばどういう内容なのか、それをきちんと売買契約の際の重要事項として告知をしていく義務づけをさせていただく内容の、今回、法案の内容に一つさせていただいているところでございます。

 そして、これだけではなくて、そういう問題意識を持っておりますので、分譲マンションの売買の場合なんか特にそうなんですけれども、この瑕疵担保責任を実行化していくためにさらにどういう制度が考えられるのか、ある一定の場合には例えば保険加入を義務づけできないのかどうか、そういうことも含めて、今、金融の専門家の方々、金融庁の方々等々も含めまして議論をさせていただいているところでございまして、そういう中で、この瑕疵担保責任の実行がよりきちんとできるような対策をとらせていただきたいと思っております。

長妻委員 いつも大臣はいろいろおしゃべりになりますけれども、肝心な質問で、保険制度、今一二・八%ですけれども、いろいろアウトカムという横文字を使った国交省の目標の中にこれだけ抜けているわけでありまして、その数字目標を立てるのかどうかということを聞いたんですが、またはぐらかして、質疑の時間がなくなりますので聞きませんけれども、きちっと答えてください。本当に、我々野党というのは質疑でしか皆様方にきちっと真意をただすということがなかなかできにくいわけでありますので、ぜひお願いをいたします。

 そしてもう一つ、四ページを見ていただきますと、これは、国交省にお尋ねしますと、今回の住生活基本法をいろいろ審議いただいた審議会のメンバーの名簿だということで、四ページにございます。

 私これを見ると、不動産会社の方あるいは大学の教授等々、建物、一戸建て等々の会社の方ということで、我々、私よく言っていますのは、日本の国のあらゆる制度というのは、提供者の側に立った論理でできている、提供者の論理でつくられている、つまり、役所とかあるいは業界とか、そういうところに都合のいい制度でつくられている嫌いがあるのではないか、むしろ居住者とか、つまり、生活者の論理で、住む人が一番ありがたい、そういう視点で制度を百八十度見直す必要があると。

 余りにも提供者側の論理で、今回のざる検査、建築確認もございましたけれども、そっちの都合でつくられて、居住者は二の次、生活者は二の次、こういう行政制度があるということで、我々民主党は、それを百八十度変えようと。例えばこの問題では、生活者の論理で居住者の立場に立つ、そういう政策を打ち出すということでございます。

 この中に、例えば居住者側の立場の方、マンション管理組合の代表の方とか消費者の方とか、まさに今、きょう来られているような公団にお住みの方とか、あるいは欠陥住宅の被害者の会の方とか、そういう住む側の立場を代弁する方というのはおられないんですか。そういうふうに聞いたら、いや、大学の教授とか不動産会社の人も家には住んでいますから広い意味では住む代表です、こういうふうにお役人が言われましたけれども、そういうお役人答弁じゃなくて、本当に、住む側の代表がいつも入っていないんですよ、日本は。

北側国務大臣 居住者の立場からの意見をきちんと言う人を入れておくということは大切なことだと当然私も考えておりますし、そういう方々がこの中にちゃんと入っておるというふうに認識をしております。

長妻委員 どなたでございますか。

北側国務大臣 例えば、お名前を申し上げますと、小澤紀美子さんという方は住居論とか居住環境が専門分野でございますし、また、小谷部さんという方は住居学が専門でございますし、また、岩田さんという方は生活保護だとか貧困問題だとか、そういうことについて御専門でございます。

長妻委員 いや、学者の先生も悪いとは言いませんけれども、学者の先生がいてもいいんですが、私が先ほど申し上げましたような実際に本当に御苦労されておられる方。向こうサイドでいえば、日本一の不動産会社の社長さんとか、戸建て住宅などで非常に有名な社長さんとか、あるいは財団法人の方とか、そういうところがたくさん入っておられるわけでして、これは、国土交通省がこの審議会というのは独断というか公募をしないで決めているわけでありまして、非常に提供者に都合のいいような理屈で答申が出て、こういう答申が出たから法律をつくりました、こういうことでは困るわけでございますので、今後、公募をするなり、そういう代表者を入れるなり、ぜひしていただきたいというふうに思います。

 そして、五ページを見ていただきますと、もう一つ、住生活基本法は、日本の住環境はどういうふうにあるべきか、こういう哲学を語る法律だと思うんですが、中を見てもそういう哲学が余り感じられないんですけれども、一つ日本の問題点としては、ここで表がございますが、日本の住宅の寿命の話です。

 日本の住宅は、まだ寿命があるけれども壊してしまうものも含めて三十一年、アメリカは四十四年、イギリスに至っては七十五年が住宅の寿命でございます。そうすると、日本は三十一年ということは、今、日本人の平均寿命というのは約八十歳とすれば、三十一年が住宅の寿命であれば、一生の間に下手したら二回、あるいは一回は必ずと言っていいほど建てかえたり、住まいが使えなくなってほかに引っ越すとか、そういうようなことがあるのではないのか。非常に寿命が日本の住宅は短い。こういうところから、ざる検査とか非常に構造設計を重視しない、そういう仕組みというのもできた。逆に、それがあるから寿命が短いということも言えるかもしれませんけれども。

 大臣は、寿命を長くすべきである、イギリス並みぐらいに寿命を長くする、こういう御意思というのは持たれておられるんですか。

北側国務大臣 建物の寿命を長くしていくべきではないかという御主張については、私も全くそのとおりだと思います。

 やはり、これからの時代は、いいものをつくってできるだけ長く使う、また、長く使うために途中できちんと整備なんかもできるようなシステムをきちんとつくっていくということが、これからは私も大事であるというふうに考えております。

 この法案に基づく住生活基本計画というのをつくるわけでございますが、その中の目標設定においては、長寿命化の指標もぜひ検討候補の一つとして考えていきたいというふうに思っておりますし、また、これからの時代は、中古の住宅流通だとかリフォームの促進、こうした政策を積極的に進めていくことが非常に重要である、そうしたことによって長寿命化を進めていくということが私も重要だと考えております。

長妻委員 ぜひ、これは徹底してやっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。

 そしてもう一つ、日本の住宅事情の問題として格差の問題。今、格差社会が広がっているというふうに言われておりますけれども、当然、所得等も含めた格差というのも住宅事情で広がっているということもありますし、私は、都市と地方でも住宅の格差が広がっているのではないのか。つまり、都市は、私も都市出身の議員でございますけれども、地方に比べると非常に通勤時間も長い、あるいは面積が狭い、そういうことがある。あるいは、年代の間でも格差が広がっているのではないのか。御年配の方々というのは、かなりの方が一戸建てを持たれておられる。しかし、私は四十代でございますけれども、私年代以下というのは、昔に比べても、なかなか一戸建てというのは、持ち家率というのは非常に低い。

 こういう地域あるいは年代あるいは所得による住宅格差、これも非常に大きな問題になってくる。少子化の一つの原因としては住宅事情というのも大いにあるということも言われておりますので、この問題でございます。

 六ページでございますけれども、これは国交省に調べていただいた数字でございますが、実際に、収入ですね、これはサラリーマンの皆様の調査ですけれども、その収入に占める住居費の割合。やはり大都市は一二・一%で高い、地方で一番小さいというところで町村、これが九・五%ということで、都市部というのは支出に占める割合が高くなっている。

 そして、七ページ目でございますけれども、これは持ち家住宅率ということで、地域によって持ち家の率はどのくらいか。三大都市圏は六〇%を切っている、しかし、三大都市圏以外は六〇パーを上回る、全国平均も六〇パーを上回るということでございます。

 そういう意味で、通勤時間の問題というのもあると思います。この九ページ目でございますけれども、地方と都市部の通勤時間、これは実際に都市部の方が通勤時間が長いわけですけれども、世界に比べても、通勤時間は、日本は、平均ということで二〇〇三年で三十四分という結果が出ております。先進国は、これは丸がついておりますけれども、G7の国、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、フランスと比べても日本は一番通勤時間が長い。都市部はさらに長いということでございます。

 これは、北側大臣、一つの哲学として、今申し上げた都市と地方の住宅の格差、これを、都市部も住宅の質あるいは通勤時間、広さ等を上げて、そして地方も上げていく、こういう問題意識というのはございますか。

北側国務大臣 この住宅の問題のやはりかなりの部分は、私は、都市問題だと認識をしております。

 特に、今委員の方は格差というふうにおっしゃったわけですが、私の理解する限りは、恐らくあのバブルの時代はもっと格差が大きかったですね、都市と地方との間で。それはもう東京なんかで、大都市部において家を持つなんということは、とてもじゃないけれども考えられなかったですよ。ちょっとした戸建て住宅で、それも遠い通勤距離で一億円近くするなんてざらでしたから。そんなの普通のサラリーマンじゃとても手に入りません。

 最近になって地価が相当落ちてまいりまして、最近の新聞でも出ていましたが、東京の中央区ですか、中央区の人口が十万人を超えてどんどんふえているというふうに、地域によっては地価が高騰し、逆に都心に人口が帰ってきている。そういう方々の中に、例えば分譲マンション等がかなりいい値段になってきて、そういうのを購入されている若い世帯もふえてきているというのは、むしろ私は本当にいい傾向だなというふうに思っておりますが、ただ、この住宅政策の問題というのは、地方ももちろんありますけれども、やはり大きいのは、東京だとか大阪だとか、こういう大都市部の問題がやはり深刻であるというふうに思っております。

長妻委員 それをどうするかということでございまして、先ほども言われたような耐震の問題も含め、広さも含め、寿命も含め、ぜひ実行していただきたい。

 そして、この八ページ目でございますけれども、年代の格差ということを申し上げましたが、年代別の持ち家比率というのがございます。六十歳から六十四歳で七九%が持ち家を持たれておられる。六十歳以上は大体八割の方が持っておられる。四十五歳以上で六九・五%、五十から五十四で七三・五%、三十五歳から三十九歳は四七・三%ということで、かつてに比べても持ち家の比率というのはどんどん下がっていると思うんですが、今、日本国政府は、かつては持ち家比率をふやしていこう、どんどん国民の皆様に家を持っていただこう、そこに人、物、金の資源を集中するような政策を打ち出していたというふうに理解しておりますけれども、今後は、大臣、賃貸の方々そして持ち家の方々、いろいろおられますけれども、どういう軸足にしていくということでございますか。

北側国務大臣 これは、私は、家を持ちたいと思っていらっしゃる方々に、世帯に対して、できるだけ持ち家が提供できるような条件、環境を整備していく。今も住宅ローン減税等々実施しているわけでございます。それはもちろん重要だと思いますが、一方で、やはり考え方が非常に多様になっているというふうに思います。例えば東京でお住まいの方々の中には、いや、もう自分は、そうやって無理して住宅を取得するよりも、むしろ良質な賃貸住宅の中で住めればいいというふうにお考えの方もいらっしゃいます。そういう多様なニーズがあると思うんです。そうした多様なニーズに応じて住宅政策を提供していくことが大事だと思っております。

 ポイントはやはり住宅の質、特に賃貸住宅の質、この質の向上をこれからしっかり図っていくということが非常に大事だというふうに認識をしております。

長妻委員 今大臣言われました、特に賃貸住宅の質というお言葉がありましたので、ぜひその部分をさらに注力して、先進国に比べて、私は、その部分は非常に日本は今まで欠けていた部分があるのではないかと思っておりますので、そこがポイントであるというふうにも思います。

 そして、もう一つの問題でございますけれども、これは若干古いアンケートですが、平成十四年の六月十二日からのアンケートで、財団法人日本賃貸住宅管理協会が行った賃貸住宅の大家さんに行ったアンケートの結果、十六ページにございますけれども、私も近所の不動産屋さんなどに行きますと、確かに、入居制限というのがある賃貸物件もございます。この入居制限、こういう方は入ってはだめですというのがあるのが、二五・三%があると。つまり、四件に一件の賃貸物件は入居制限があるということでございます。

 それで、下にございますけれども、入居制限があるうち、複数回答で、外国人はだめですというのが四七・三%、単身の高齢者はだめですというのが四二・三%、高齢者のみの世帯はだめですというのが三〇・九%ということで、外国人と高齢者というのが非常に拒絶されるケースがあるということでございますけれども、これは単純に、民間の取引だからそれは民間が自由に決めるんだ、こういう発想は私はよくないと思うんですが、大臣のお考えはどうですか。

北側国務大臣 大事なことは、我々行政サイドからしますと、やはり高齢者の方々が、自分が住みたいと思う住まいが選択できる、そのような条件、環境をつくっていくことが大事だと思っております。

 これは従来から、そうした趣旨で、高齢者の入居が可能な民間賃貸住宅に関する情報を幅広く提供するような取り組みもしてきているんですが、今年度新たに、あんしん賃貸支援事業というものを創設いたしまして、地方公共団体やNPO、社会福祉法人、関係団体等と連携しながら、高齢者、障害者、外国人、子育て世帯等を対象に、入居可能な民間賃貸住宅等に関する情報提供やさまざまな居住支援を行うことによりまして、入居の円滑化と安心できる賃貸借関係の構築を支援していく、そうした事業を創設させていただきました。

 いずれにしましても、高齢者の方々はもちろんのこと、障害者の方も、そして外国人の方々についても、きちんと入居できるような情報をきちんと提供していくというふうなことが行政としては大事だというふうに考えております。

長妻委員 情報を提供しても、自分の住みなれた町にそういう物件がない場合はどうするのか。あるいは、さまざまな住宅支援、住居支援というお話がありましたけれども、大臣が考える、これは非常に重要な問題だと思いますけれども、いろいろなお役人答弁は、書類を読むのは結構でございますけれども、この問題を解決する、先ほど言われたさまざまな住居支援の中でこれが一番重要な具体的な施策だという、一点、例えばどういうものがありますか。

北側国務大臣 もう少し詳細に申し上げますと、そうした住宅に困窮をされている方々の入居を受け入れられる要件に合った民間賃貸住宅に関する登録制度、これを整備したいというふうに考えております。

 その際に、地方公共団体はもちろんでございますけれども、社会福祉法人や関係の方々とよく連携をしまして、そうした情報提供をさせていただきたいと思いますし、また、公共賃貸住宅もございます。これについても、住宅のセーフティーネットというのは極めて大事なことでございまして、そうした公共住宅への入居についても、そうした住宅困窮者の方々について、きちんと入居できるような制度もさらに充実をしていくべきであると考えております。

長妻委員 ぜひしっかりとお願いをいたします。

 そして、もう一つでございますけれども、先ほども、大臣、選択の幅を広げるというようなお話がございました。

 今、公営住宅というのは日本に数多くございますけれども、いろいろな問題もございます。その中で、選択の幅を広げる。当然、公営住宅の充実というのも必要でございますけれども、一つは、民間の住宅を借り上げていくということで、いろいろな居住者の希望に合ったそういう住宅に住める、そして何よりも、役所が事業主体になって建物を一から土地を買って建てていく、こういう効率性もあるということを私は感じておるんです。

 その借り上げ方式ということで、お話を聞きますと、住宅の借り上げ方式というのは、この十ページにございますけれども、今現在、一万七千六百九十戸と私は聞いているんですが、それぞれ若干ずつ公営住宅の借り上げというのがふえておりますけれども、これは今後さらにふやしていく、こういうようなお考えでございますか。

北側国務大臣 公営住宅そのものは、これから建てかえの時期に入るのが多くなってくると思うんですが、新たに大きな公営住宅、大団地をつくって提供していくということは、これからは基本的には余り期待できないわけでございます。

 むしろこれからは、建てかえをしていく、また改善をしていくというところが中心になるわけでございまして、今委員のおっしゃったように、これまでも平成の八年からやっておるわけでございますが、民間賃貸住宅を買い取りをしたり借り上げをしたりする方式によって公営住宅を、この性格の公営住宅を需要に応じて提供していくということは非常に重要な手段であるというふうに考えております。

長妻委員 やはり公営住宅というのは、これはもちろん必要でございますけれども、その供給の仕方というのが、今までは行政が主体となって土地を買って建物も建てるということで、非常にメンテナンスの状況も悪いとか管理が悪いとか、そういう問題も起こっている。そして、居住者の希望にこたえるということで借り上げ方式が、今お話しのとおり、ここも一つの重要な視点だというふうに思っております。

 そしてさらに、先進国、調べられたところでいえば、アメリカとイギリスとドイツ、フランスは家賃補助という発想がございます。つまり、一定の生活困窮者の方々に対して、公営住宅もあるけれども、実際にお金で、どこの賃貸住宅に入ってもいいですよと。その中で家賃補助をするという国がございますけれども、日本には家賃補助の制度というのはありますか。

北側国務大臣 直接はございません。

 しかしながら、間接的に、今の借り上げ方式の賃貸住宅制度もそうなんですけれども、やはり今大事なことは良質な住宅をきちんと提供する。だから、何でもかんでも民間の賃貸住宅であればいいのじゃなくて、良質な住宅を借り上げとか買い取りをしてお貸しする。その際に、実際にお貸しする家賃についてできるだけ低廉にしていくというような形で、実質的に家賃補助という仕組み、直接の家賃補助じゃございませんけれども、実態的には家賃を低減していく、そういう仕組みが導入されていると考えております。

長妻委員 日本では、先進国並みの家賃補助制度、この導入というのは今後御検討を私はするべきだと思いますけれども、いかがでございますか。

北側国務大臣 先ほど来申し上げていますように、これから大事なことは住宅の質だというふうに考えています。

 直接的な家賃補助ですと、この住宅の質の確保というのはできません。住宅の質の確保をしていくためには、きちんと、先ほどの借り上げ型や買い取り型のように、それなりの一定の良質なもの、ファミリー層向け、高齢者向け、それぞれやはり品質が問われます。そういうものについてきちんと判断をした上で、要件をとった上でお貸しをするということができるわけで、私は、やはり借り上げ型、買い取り型の形で実質的にできるだけ家賃を低廉にしていくというふうな方がいいのではないかと考えております。

長妻委員 本当に日本が、経済大国だ、世界第二位だと言われておりますけれども、その第二位なのか。ヨーロッパ等を旅行された方もお感じになるかもしれませんけれども、日本は第二位だと言われていながら、何か、自分たちの住宅とか生活というのはそれほど豊かなのかな、こういうふうに感じられる日本人の方が多いと思います。それも、大きな原因は、やはり住宅が先進国に比べて非常に質が悪いのではないか、こういう問題意識を持っております。

 しかし、その一方で、よく税金の無駄遣いと言われる公共施設、グリーンピアとかいろいろな公共施設で話題になっているのがありますけれども、税金でつくる施設はすばらしく立派だ、しかし、我が家を見ると全然ほど遠い、こういう、非常に一個人の住む住宅というのが今までないがしろにされてきたのではないかという強い意識を私は持っております。

 これから日本が低成長時代を迎えて、本当に豊かさを感じられる、そして少子化等々、豊かな人生を満喫できるような、そういう住宅環境、これを実現していくというのがこの基本法だと思いますので、ぜひ、今申し上げたようなポイントを実行していただいて、ゆめゆめ提供者の論理に陥らないように、住宅を供給する側に立っていい政策を打ち出すということではなくて、実際に住む側にとってありがたい、そういう政策。これは、そういう政策というのは役所にとっては厳しいかもしれない、業界にとっても厳しいかもしれませんけれども、そういう立場で審議会の委員の選定や、あるいは政策を立案していただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

林委員長 伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉でございます。

 本会議に引き続いて、きょうは委員会での質疑の場を与えていただきまして、ありがとうございます。きょうは、一点一点、少し細かく聞いていきたいと思います。

 アウトラインについては本会議でお聞かせをいただきました。先ほどから大臣の答弁にもございますとおり、住宅政策を囲む環境は量から質へ、そして市場の重視、またストックの重視、そして今後は、人口、世帯数の減少、少子高齢化、そして居住のニーズ、価値観、またライフスタイルというのは非常に多様化をしていく、そういう時代であると思います。このニーズにどう合わせてさまざまな施策を打っていくか、非常に難しい時代に突入をするわけでございますが、まず冒頭、大臣にお聞きをいたします。

 この住宅政策に関する基本法制として本法律案と、これに基づく新たな計画体系を整備することによって、どのようなことを実現しようとしているのか。わかりやすく、国交省が描く将来の住生活像、こういったものを御答弁いただきたいと思います。

北側国務大臣 一言で言いますと、住宅の量から住宅の質へ、住宅の質の確保へというのが今回の法案の大きな目的でございます。

 戦後我が国は、どんどん経済が発展するとともに、都市に人口が流入する、そして住宅を提供しなければならないということで、これまでは、住宅の供給計画というのをつくりまして、しっかりと住宅を供給していく、ここに一番大きな目標があったわけでございます。そして、そのために、例えば日本住宅公団もありましたし、公営住宅制度もございましたし、また、持ち家を希望する方々には住宅金融公庫というふうな機関もあったわけでございますけれども、そうしたものについては、昨年までの間にそれぞれ組織改革をさせていただく等いたしまして、これからは市場というものをしっかり活用していきたいというふうに考えております。

 そして、一方では、市場をできるだけ活用しながら、そして住宅のセーフティーネットという一番大事なところはしっかり確保していくというふうな政策に転換をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

 これからは、住宅の量の確保を図る政策から、住環境を含めました住宅の質の向上を図るという政策へと転換を図っていくわけでございますけれども、例えば、耐震化だとかそれからバリアフリー化など、住宅の質に係る目標を設定する新たな計画制度を創設するとともに、国、地方公共団体、そしてまた住宅関連の事業者の方々、さらには住民の方々の意識を高めて、関係者が一体となって取り組みを推進することによりまして、国民一人一人が豊かな住生活を実現できるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。

伊藤(渉)委員 この住宅政策ですけれども、統計的に見ますと、すべての都道府県において住宅戸数が総世帯数を上回ったのが昭和四十八年、平成五年には空き家の数が一〇%を超えてきたというような状況がございます。今何度も御答弁いただいたように、量から質への転換と言われつつ、ここまで基本的な住宅政策を維持してきたのも事実でございます。

 これは政府参考人にお伺いしますが、時期的にもう少し早く、特に、公明党はこの基本法制の整備をずっと訴え続けてきたわけでございますけれども、もう少し早く対応すべきでなかったかということについて、御見解をお伺いいたします。

山本政府参考人 一言で申し上げますと、御指摘のとおりの気持ちでございます。

 ことしは、昭和でいいますと昭和八十一年です。昭和二十年、戦後でいいますと丸々六十年たったわけですが、今、住宅統計調査の四十八年の結果を引用していただきましたように、前半の三十年間、昭和五十年までは、数が足りない、絶対数が足りないという時代でございます。五十一年以降、質の確保に重点を置いて取り組むんだということを叫んできたわけでございますけれども。

 今回、住生活基本法の策定をお願いしますこととあわせまして、住宅建設計画法の廃止をお願いしております。住宅建設計画法ができましたのは昭和四十一年でございます。前半の三十年間でいきますと、ちょうど二十年たったところでございます。したがいまして、五カ年計画では、第一期と第二期は、文字どおり新規供給に全力を挙げるという計画でやってきたわけでございますけれども、五十一年につくりました第三期住宅建設五カ年計画におきましては、住宅の床面積について、最低居住水準、平均居住水準という居住水準の目標を掲げまして、住宅の質の向上に努めてきたわけでございます。

 実は、四十一年に住宅建設計画法ができました際に、国会において、建設計画法ではなくて、本来、住宅の基本法を国としては制定すべきではないかという御議論もあったわけでございまして、特に、五カ年計画でいえば第三期以降は、住宅の質の向上に努めるための基本法制を追求すべきだという意見も結構多くあったわけでございます。

 その過程で、例えば例を申し上げますと、先ほど来公営住宅の例がありましたが、平成八年に、公営住宅については家賃制度を改革して、供給方式も買い取り、借り上げ方式を入れましたし、あるいは、都市基盤整備公団ができたのも平成十一年です、分譲住宅から撤退すると。それから住宅金融公庫につきましては、昨年の法律改正で、直接融資は今年度限りで廃止する、来年度からは、民間金融機関の住宅ローンを長期固定の良質なローンにするために、証券化を通じた資金供給に特化するという制度になったわけでございます。

 そういうことを通じて、今般、ようやく住生活基本法の制定をお願いすることができたわけでございまして、長い間の住宅関係者の、大げさですけれども、悲願であるというふうに受けとめております。

    〔委員長退席、渡辺(具)委員長代理着席〕

伊藤(渉)委員 そういう意味では、本当に待ちに待った今回の法整備でございますけれども、今回の法整備の中で、住宅の質などの向上というそういった段階を超えて、非常に特徴的な表現として、「住生活の安定の確保及び向上の促進」、非常に広い意味での住宅政策を考えておられる、それがわかる文言が入っておりますけれども、この言葉に込められたより具体的な意味、ねらいについて御教示いただきたいと思います。

山本政府参考人 住宅の絶対数が足りないという時期とか、住宅が狭くて何とか住宅を広くしたいという目標が明確なときには、それを掲げてあらゆる主体が努力するということになるわけでございますけれども、今回、新しい法制を制定していただくに当たりまして、その法律の目的を国民の豊かな住生活を実現するというところに置いたわけでございます。

 そのように考えますと、国民の豊かな住生活は、それぞれの世帯、そのライフステージとかいろいろなことで、いろいろ異なります。そういう具体的にはいろいろ多様にわたるかもしれない国民の皆様の豊かな住生活を実現するという観点から、住生活の安定の確保と住生活の向上を促進するということを通じて、国民の皆様の豊かな住生活を実現するんだという枠組み、まあ目的設定のところですが、枠組みとなったものでございます。

伊藤(渉)委員 住民の、国民の豊かな住生活という意味で、今回の国会でも議論されてきたまちづくり三法の議論の中でも、大臣の答弁の中に、町中にとにかく人が住まないと中心市街地の活性というのは非常に難しいというような御答弁もあったやに記憶をしております。

 今申し上げた、この基本理念である「住生活の安定の確保及び向上の促進」という言葉から、住宅の立地誘導、こういったところにも触れていくべきではないかと思います。こういったことが今回の法律でどこで規定されているのか、少し具体的に御答弁いただきたいと思います。

山本政府参考人 本格的な少子高齢社会、あるいは人口、世帯の減少社会が到来するということになりますと、市街地、一番住宅問題が過酷な形であらわれております都市、住宅市街地において、コンパクトな都市を形成するということが目標になってくるわけでございますけれども、これを実現するためには、良好な居住環境の形成を通じて、町中居住人口の回復を図るということになるわけでございます。

 実は、今回お願いしております法律の第三条から、四つの政策的な理念を掲げております。第三条自体は、住宅そのものを現在及び将来における国民の住生活の基盤としてきちんと質のいいものを供給するということをうたうとともに、第四条で、良好な居住環境を形成する、一つ一つの住宅が性能がいいというだけではなくて、町並み全体、町全体として環境との調和がとれた、住民が誇りと愛着を持つことのできる良好な居住環境の形成を図るんだと言っております。

 こういうふうな形で、市街地に人がきちんと居住して生き生きと暮らしていくというような市街地像を目指すということを政策の理念でうたっているわけでございまして、具体的には、この基本理念、それからさらに、後の方で掲げております基本的な施策、地域における居住環境の維持及び向上のための必要な施策を講ずべきとしておりますので、こういうものを踏まえた上で、国と都道府県が定めます住生活基本計画の中で、それぞれの市街地に即して具体的に町中居住を進めるための目標を設定し、これを追求していくということになるわけでございます。

伊藤(渉)委員 では、少し話題をかえまして、この法律の中で政府が定めることになっております全国計画についてお伺いをします。

 これまでは、今回廃止になります住宅建設計画法で、住宅建設五カ年計画というものを立てて住宅政策を行ってきました。今回の法律で規定をされる全国計画について、具体的な作成の時期、そしていつごろまでにつくろうとされているのか。通告だと三つに分かれていますが、ちょっと一遍に聞きますけれども、その中で、具体的にアウトカム目標としてはどういった項目を考えていらっしゃるのか。また、この計画の期間、これは大体どの程度を想定されていられるのか、お伺いをいたします。

山本政府参考人 今回、国会で住生活基本法の制定をお認めいただきました暁には、秋口までには内閣として全国計画を策定して、それに基づいて、また都道府県においても基本計画の策定をお願いしたいと思っております。策定過程では、もちろん案についてのパブリックコメントも国民の皆様にお願いいたしますし、具体的に閣議決定する前には、都道府県などの意見もお伺いすることになりますので、やはり秋ぐらいになってしまうと思います。

 計画の枠組みですが、基本的には十年程度を見越しまして、具体的な政策目標をアウトカム目標として設定をいたしまして、客観的に掌握できる指標でこれを測定していく。測定した上で改定するということを考えておりまして、計画の目標は十年程度でございますけれども、五年に一回見直して前に進んでいくというようなことを考えております。

 計測可能なアウトカム目標としましては、具体的には、例えば新耐震基準適合率、それから住宅のバリアフリー化率、あるいは省エネ化率、さらには住宅性能表示実施率など、住生活基本法案に規定する基本理念の達成度合いを具体的な数字で測定できる指標を導入していきたいと考えております。

伊藤(渉)委員 さらにちょっと細かいところに入っていきまして、まず、耐震性の問題についてお伺いをします。

 前回の国会で耐震改修促進法の改正など、一般住宅の耐震性能の向上に向けての取り組みがさまざま行われているところでございます。一方で、この耐震改修というのは金額もかさむために、なかなか改修単独というわけにいかずに、リフォームとあわせてなどという場合も多く、速やかに進んでいかないというのもまた現状だと思います。

 そんな中で、せめて家の中だけでも、家の中の危険物だけでも何とかならないかといった声も聞きます。これはちょっと質問の内容が大変細かいんですが、内閣府の調査ですと、住宅の耐震性が不足している場合に、住宅の改修や補強というところまでいかないけれども家具などの転倒防止などは行いたいと考えている、こういった方が二五%、約四分の一ぐらいいらっしゃるという統計的な数値もございました。

 そういう意味で、国の耐震改修補助制度、地方自治体を経由して、非常に細かくて恐縮ですが、転倒防止金具やその取りつけ、こういったことにも使えるようにできないかという地方の声もありますが、その辺について御答弁いただきたいと思います。

山本政府参考人 今御指摘の問題意識にぴたっと答えるというのはなかなか難しいんですが、二点御説明したいと思います。

 一つは、まず、国土交通省が用意しております住宅・建築物の耐震改修等事業でございますけれども、これで耐震改修の費用を助成するわけですが、この際に、工事にあわせて行う家具の転倒防止金具を取りつけるために、壁に下地がないところには取りつけられないんですが、そういう工事をしようと思えば、当然そういったものも補助対象になります、下地の整備は。

 それからもう一つは、家具等の転倒防止対策は、各御家庭においてそういう努力をされるように普及啓発が非常に大事ですけれども、今、公共団体にお願いしております耐震改修促進計画の策定に当たりまして、計画事項をいろいろマニュアルでお示ししておりますけれども、その中で、建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及に関する事項ということで、パンフレットとかあるいは講習会をやって、こういうふうな形で転倒防止対策を進めるべきだといったようなことを、促進計画の具体的な中身として規定していただくということもお願いしているわけです。

 なお、現在、私どもが消防庁を通じてお伺いした限りでは、東京周辺の区とか市で、高齢者の方に対して転倒防止金具の助成をやっておられるところがあるようでございます。公共団体がそういう形で努力されることにつきましては、例えば昨年お認めいただきました地域住宅計画に基づく交付金ですね、提案事業として公共団体がお取り組みになる場合は、当然その支援の対象になるわけでございます。

伊藤(渉)委員 私は愛知県の出身でございまして、東京都のように非常に財政的に豊かなところは別にして、なかなか難しいと思いますけれども、よろしくお願いします。

 もう一つ聞いたのは、この転倒防止金具というのが、私も自分で取りつけたことはないんですが、そう簡単に取りつくものではなくて、取りつけそのものにも業者に外部委託しなければならないというような状況もあるそうなので、ぜひともまたそういったことも御承知おきをいただきたいと思います。

 次に、環境問題への対応という角度で御質問いたします。

 温室効果ガス、これは京都議定書でマイナス六%にしていかなきゃいけないということがございます。省エネ基準、平成十一年で、達成率五割を平成二十年までに推進するというようなこともお約束をされています。そういう意味で、住宅の長寿命化、リユース、リサイクル、これは民主党の長妻委員からも御質問がありましたけれども、この住宅の長寿命化という観点から、まず住宅の耐用年数というのも、非常に難しいと思うんですが、どの程度を考慮して政策を考えていかれるのか。これを御答弁いただきたいと思います。

    〔渡辺(具)委員長代理退席、委員長着席〕

山本政府参考人 現実につきましては、我が国それから米国の例、あるいは英国の例、先ほど来御紹介があったとおりでございます。もちろん、住生活基本法の枠組みで政策を追求していきますと、これまでのような、住宅をつくっては壊すという行動ではなくて、できるだけいいものをつくって、なおかつきちんと手入れをして、その価値を将来にわたって生かし切るということが正面に来るわけでございますので、できるだけ長く使ってもらえるようにあらゆる施策を動員していくんだということに尽きるわけでございます。

 そのためにも、新しい住宅が供給される際の新規供給についてのいろいろな施策努力と、今あるストックの改修のための施策努力と、それから、改修した結果、価値が向上した住宅ストックの価値を生かし切るための中古住宅流通とか、あるいは定期借家制度を使って賃貸で使って、そういう循環型の市場を形成する努力といったようなことをあわせて、住宅の長寿命化という目標を追求していきたいと考えております。

伊藤(渉)委員 私はもともと土木構造物の設計などもやってきましたけれども、構造物、インフラですと、例えば耐用年数百年とか、明確な目標があって設計をしていきます。それによって、当然、一般の住宅ですとコストの問題もございますけれども、何かやはり目標になる数字のようなものも掲げていった方がよろしいのではないかと思います。

 次に、今、中古住宅のお話もありました。リユース、リサイクルという観点から、中古住宅の市場の現状と問題点をまず御教示いただきたいと思います。

山本政府参考人 現在の我が国の中古住宅の流通量ですけれども、平成十五年の住宅・土地統計調査ですと、十七万五千戸と推計されております。その前の住宅・土地統計調査で、平成十年の調査ですと十五万五千ですので、五年間で一三%拡大しているというような流れとなっております。

 これに伴って、住宅の全体の流通量、中古住宅として流通するものと新規に住宅が着工される数、これを合わせた国内のマーケットで年間流通する住宅の量に対して中古がどれだけの割合を占めているかという割合を見ますと、我が国の場合は一二・八%が中古住宅でございます。西ヨーロッパとか北米と比べますと、米国の場合は七七・六%が中古住宅、英国の場合は八八・八%が中古住宅、フランスが六六・四%という形になっておりますので、私たちが目標とする欧米諸国はかなり先を行っているということは明らかに言えると思います。

伊藤(渉)委員 中古住宅の流通という意味で、いろいろな問題があると思いますけれども、一つに、中古住宅は審査が厳しいのでローンが組みにくいということがあると思います。なかなかキャッシュで住宅を買うというわけにいきませんので、例えば、こういった住宅ローンを組みやすくするなどの施策も講じるというようなところまで視野に入れていかれるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。

山本政府参考人 持ち家の取得において、金融とか税制は非常に大きな手段だと思います。

 古いものでも、いいものであればきちんとローンをつけて流通を後押しするということは非常に大事でございまして、政策的に、例えば住宅金融公庫の中古住宅に係る証券化ローン、フラット35、これにおいては、古い住宅であっても新耐震基準に適合するということが証明できればローンをつけるという制度としておりますし、それから住宅ローン減税も、これは一年前の改正ですけれども、従来は古いものはだめと一律にしていたんですが、築後経過年数がかなりたっても、新耐震基準に適合するということを証明したものについては住宅ローン減税の対象とするという制度改正も行っております。

 あと、実際に、中古住宅の査定の現場においてきちんとした行動がとれているかという部分にも課題意識を持っているわけでございます。これは宅地建物取引業者の価格査定のマニュアル等もございます。これは、近時、いろいろマニュアルの改定の努力もしたりしております。例えば、戸建て住宅の価格査定マニュアルは、十四年に改定して、建物の性能とか付加価値的な要素に応じて金額を割り増すんだというような部分まで挿入したりしておりますので、そういう価格査定の現場の振る舞いも改めながら、中古住宅の流通を拡大していきたいと考えているわけです。

伊藤(渉)委員 あと、住宅、特に中古住宅の性能の担保といいますか、先ほどこれも各委員からも御質問がありましたけれども、その性能表示をいかに推進していくか。

 これは、これもやはり内閣府のホームページにありましたけれども、中古住宅の売買に当たって耐震性の有無を明示すべきかどうか、八六%の方が明示すべきとお答えになっている。一方で、十七年七月のデータによると、既存住宅の住宅性能表示は、これは率でなくて戸数で書いてあったんですが、四百九十二戸、五百戸に満たないという非常に厳しい状態でございます。

 この住宅性能表示制度、なかなか浸透しない原因の分析、そして、今後の方向性、取り組みについて御答弁いただきたいと思います。

山本政府参考人 住宅性能表示制度は平成十二年の十月から導入しておりますけれども、住宅の性能に関する共通のルールを設けまして、第三者機関が設計図書とかを審査する、あるいは施工の現場に行きまして検査をした上で、性能を評価し、表示する制度でございます。この際の評価書の記載事項、評価書に書かれていることは、契約の内容となります。したがって、評価書の交付を受けた住宅についての紛争は、裁判外の紛争処理の対象となります。そういうふうな形で、住宅の品質を確保しながら消費者の保護も図るという制度になっております。

 これが、なかなか普及する上で課題があることは事実でございます。特に、既存住宅の評価制度は、まだ手法についてもいろいろな課題がありまして、ほとんど普及していないということは御指摘いただいたとおりでございます。

 私どもとしましては、例えば戸建て住宅ですと、その大宗を担っております工務店などに対して、機会をとらえて講習をお願いしておりますし、全国的に進めております住宅フェアなんかのイベントに際しましても、メディアとか、あるいはあらゆる方法を通じて広報に努めているところでございますけれども、なかなかまだ課題がある。それから、実際に住宅性能表示を受けますと、例えば、耐震性能について高い等級を得ると地震保険の割引もあるといったようなメリットもあるんですけれども、なかなか普及していないということでございます。

 これからの取り組みとしましては、既存住宅についてはまだ手法的なものもこれから検討しなければいけないんですけれども、私どもとしては、公共団体あるいは住宅業界との連携を深めて、国民の方々に御理解していただくように広報を進めるということと、それから、住宅性能についての消費者ニーズを的確にとらえて、住宅性能表示制度をさらに充実させるということも大事かと思います。今般、防犯性能についての表示制度を新たに導入しましたけれども、消費者ニーズをきちんととらえて、そういう制度充実を図りながら、さらなる普及に向けて取り組んでまいりたいと思います。

伊藤(渉)委員 最後にまた違った角度から御質問をいたします。

 少子高齢化社会、住宅政策として一つ貢献できるものに、これは数字的な裏づけはないんですが、二世帯住宅というのがあると思います。子育てにしても、また独居老人の問題にしても、それが二世帯住宅というもので大きくプラス方向に住宅政策をもって貢献できるのではないかと思います。

 これは、しかも一戸建てで二世帯住宅を建てようとするとやはりなかなか大変で、公営住宅でこうした二世帯住宅へのニーズに対応をしていくべきではないかなと考えますが、最後に、ぜひとも御検討をお願いしたいと思います。それについて答弁をいただきたいと思います。

山本政府参考人 公営住宅につきましても、我が国の非常に大きな課題であります少子高齢社会に対応した環境を整えるということが非常に大事な課題であると認識しております。

 公営住宅の制度ですと、住宅の面積が普通八十平米以下でございます。ですけれども、世帯人員が六人以上、かつ、その世帯の中に六十歳以上の方がおられるという要件を満たすような世帯にありましては、住戸の面積の上限を八十五平米とする、それから、二世帯同居など多人数の世帯の場合でも配慮をするという取り扱いをしているところでございます。

 それから、事業主体によりましては、地域の実情に応じまして、高齢の親と子供が同居をするというような場合に、優先入居を実施しているところもございます。

 こういうふうな枠組みの中で、今後とも、事業主体と密接に連携を図りながら、少子高齢社会に的確に対応するように努める考えでございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 細かくお願いしておくと、やはり二世帯住宅というのは、玄関が二つあって、ふだんは別々に生活をできますが、御飯ぐらいは一緒に食べられるように真ん中がつながっている、そういうイメージですので、そういった公営住宅もぜひつくっていっていただけるとありがたいなと思います。

 以上で終わります。

林委員長 糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 先ほどの亀井先生の質問とは全く違うところでの質問になるわけでございますけれども、私は、議員になる前、もともと不動産屋の会社を経営していたりとか、それから、自分自身も宅建の主任者でもございますけれども、まちづくり協議会に何度もこの場に私は参加してきたということも踏まえて、本日は、住宅政策について質問をさせていただきたいなというふうに思います。

 今、町のあちこちでは、景気回復も後押しになっていると思うんですけれども、本当に高層マンションが、超高層マンションというんでしょうか、どんどんラッシュを迎えている。どんどん都心の景観なんかも変わってきているなというふうに感じるわけでございます。こうした住み方というものも、時代のトレンドの中で一つのあり方としてはいいのかなというふうに感じるわけでございます。ただ一方、人が住む住宅というのは、単に人が住むだけの器ではなくて、家族ですとか近隣の人ですとかそういうコミュニティーとか、そういうものを通じて人の心を育てていくのかな、そういうことも一つの教育という観点からすれば重要なのかなというふうに思います。

 私は世田谷のまちづくり協議会というものに参加していたわけですけれども、そこでは、それまで一戸建て住宅がたくさんあったところにちょっとした空き地があって、そこに建ぺい率、容積率いっぱいいっぱいの建物が建つんだ、マンションが建つんですと、ある日突然そういう話になる。私はそのとき協議会の副会長をやっていまして、いろいろ話を聞いていましたら、全く先住者との協議をしないで建ち上げる、それで売りましたと。そこまではよかった。これが高級マンションとして高値で売れるということがわかると、その周りに少しでも空き地を見つければ、もうそこにマンションをぽこぽこと建てる。それで、東京都にも、住宅局なんかにも行きますと、全くそういうマンション業者とくっついてしまっていて、いや、これは法律上の問題で、あなたたちに話をするところはほとんどないんです、斜線規制もあるし、日陰規制もちゃんとクリアしているしと。

 本当にそれでいいのか。それまで、例えば、ここには庭があって日が当たるから、そういう教育を子供のためにしようと思ってそこの土地を買ったりなんかする人たちもいるわけですね。でも、ここに空き地があるからここにマンションをぼんと建てる、その人たちの生活は一変してしまう。また、町内会なんかがいろいろなところにあるわけですけれども、大きなマンションが建つと、そこにはまたマンションの組合があって、我々は町内会には加入しませんと。そうなってくると、また町内会自体がもたなくなってくる。

 そういうことも含めて、いろいろな住宅の政策というところへ責任を持って今後対応していかないと、二十年後、三十年後、日本の町の姿というものが取り返しがつかなくなってしまうんじゃないかな、こういうふうに感じるわけでございます。

 そこで、本国会にこのような法案を提出するということが、これまでの住宅政策が大きな曲がり角に来ている、住宅政策の役割を一度見直そうというふうになっているんだと思いますが、まず、住生活基本法を制定しようとする理由というものをお聞かせいただけますでしょうか。

江崎副大臣 糸川委員に初めにお礼を申し上げなければなりません。私はいつも北側大臣の陪席で寡黙にしておりましたら、時には副大臣も質問に答えるといったときに、冒頭に質問をいただきました。

 先ほど来、我らが北側国土交通大臣、今回の法案について、何よりも量より質に入ったといったことをそれぞれ各委員に述べられたわけであります。

 特に、戦後の荒廃した日本の国土、衣食住がままならないときに、まず住居の環境を整えようといったことで、おくればせながら昭和四十一年に制定された住宅建設計画法に基づく五カ年計画のもと、住宅の新規供給の支援を基本としてまいりましたこと、委員御案内のとおりであります。このため、住宅金融公庫、公営住宅制度及び日本住宅公団などによる住宅及び住宅資金の直接供給を主体に住宅施策を展開してまいりました。

 しかしながら、本格的な少子高齢社会に入り、人口・世帯減少社会の到来など社会経済情勢の変化に伴い、住宅政策は、住宅の量の確保を図る政策から、住環境を含めた住宅の質の向上を図るといった政策へ大きく転換をしたわけであります。

 したがって、第八期住宅建設五カ年計画が終了する今年度において、現行制度を抜本的に見直し、住生活基本法を制定しようとするものであります。住生活基本法において、政策転換に沿った新たな計画制度を創設するとともに、国、地方公共団体、事業者や住民の意識を高め、豊かで質の高い、特にこれからは安全、安心な住生活の実現に向けた長期的かつ一体的な取り組みを推進しなければならないと思っております。

 きょう、特に、傍聴に公営、公団住宅の皆様方も多数お出かけいただいておりますが、政府・与党、北側大臣並びに私ども国交省も一生懸命、これは与野党問わずしっかり対応してまいりたいと思っておりますので、一層の御理解と御協力を賜りますよう、私からの答弁とさせていただきます。

糸川委員 副大臣、ありがとうございました。本当に期待をしておりますので。

 ただ、そこで、今現在の我が国の住宅を取り巻く事情についてどの程度認識されて、どのように認識をされているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

山本政府参考人 この三十年間、住宅の量的な充足というのはもちろん見られたわけでございまして、今現在、我が国の四千七百万世帯ある世帯に対しまして、住宅の物理的なストックは五千四百万戸あるわけでございます。七百万戸は空き家の状態であるわけでございますけれども。

 問題は、その質でございます。質といいましても二点ございまして、一つは住宅そのものの単体としての性能ですね、それについても課題がございます。一番大事なのは耐震性能でございますし、あるいはバリアフリーが図られているかとか省エネの性能はどうかとか、そういったような課題がございます。

 あわせまして、先ほど世田谷の住宅市街地の例が出ましたけれども、特に大都市の密集市街地、市街地全体として非常に課題を抱えた市街地がございます。東京、大阪にそれぞれ二千三百ヘクタールぐらい、今災害があって火事が出れば大きな市街地大火になってしまうような地域がございますので、そういったような住環境全体として見た水準をどうやって高めていくかといったような課題もあるわけでございます。

 さらに、少子高齢化が進みまして、ライフステージが変わっていくわけでございまして、これからいよいよ世帯を形成して子供を育てようという御家族が狭い世帯に住んでおられる、子供を育て終わった高齢者が単身とかカップルで大きな住宅に住んでおられるというような、いわゆる住宅のミスマッチといったような状態があるのも事実でございまして、こういったようなことも、できるだけ市場の機能をきちんと整備することで循環的に使って、住宅の価値を生かしていくというような課題があるわけでございます。

 そういったような認識のもとに、今回、基本法をお願いしているところでございます。

糸川委員 今、局長が安全な、質の高いものというふうに御答弁されたわけですけれども、例えば接道不十分なマンションなんというのは山ほどあるわけで、ペンシル型のマンションですとか、ヒューザーなんかもそうだったのかもしれませんけれども、例えば、既存の住宅街にぽんと建設されて、避難上、交通上の支障を来すような事例も見られるような気がするわけでございます。

 例えば、そこにマンションがあると路上駐車がふえたり、駐車場も整備されていないようなマンションをつくったりと。そういうことに対して、道路も狭い、子供たちが通行するのも危ない、それも一つの安全という観点からすると、居住者、周りの近隣住民の人たちの安全を確保するということも、すべての住という意味でいうと、そこもしっかりと見なきゃいけない。

 そこで、事業者も今後まちづくりに参加をさせていくという意識を持って、良好なマンションが建設されるようにその責任を有するべきだというふうに考えるわけでございますけれども、法案では、どういうふうにこの部分を考えられているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

山本政府参考人 きょうは基本法を御審議いただいておりますので、あえて少し強い言葉を使って申し上げるとしますと、やはり大都市を中心に、市街地で大勢の人間がきちんと将来にわたって暮らしていくという場合の住形式を考えますと、どうしてもそれは共同住宅でございます。

 共同住宅をきちんと市街地に供給していく、そういう形で土地をきちんと使うということは大事なことでございますが、従来、恐らく事業者も消費者もだと思いますけれども、建築基準法の規制、例えば一番端的な規定は今引用していただきました接道規定でございますけれども、実は、接道というのは、戸建て住宅として土地を建物の敷地に使う場合に、最低限これだけは道路に接続していないとその建築物は使えないから、最低限そういう接道は必要だということを法律で規定しているわけです。

 ですけれども、冒頭に言いましたような、市街地にとって普遍的にどうしても大事なマンションをつくるためには、単に最低限の接道を満たしているだけでは十分ではないというふうに私どもは考えております。ですから、そういう普遍的な共同住宅を住宅市街地としてきちんと整備するためには、もっと道路との関係を積極的に考えて、道路との間に空間をとるとか、できた空間を皆でシェアするとか、そういったようなことは非常に大事なことだと思います。

 そういう観点から何よりも大事なのは、あらかじめの都市計画、例えば、戸建て住宅市街地を保全するためには、都市計画でコントロールしかないわけでございます。住民参加で地区計画をきちんと都市計画決定することで、戸建て住宅市街地を守ることはできるわけでございますので、まずそういう努力をすることとあわせて、こういうところは共同住宅市街地にするんだというところについては、御指摘いただきましたような事業者の参加も得て、新たに都市計画を決めるなりあるいは変更するなりをしてやっていくということになると思います。

 そういうふうな考え方で、本法案の中でも、住宅関連事業者の責務につきまして案を用意させていただいておりまして、住宅関連事業者は、住宅の安全性等の品質あるいは性能の確保について最も重要な責任を有していることを自覚して、住宅の設計、建設、販売、管理の各段階において、つまり供給の川上から川下まで、それぞれの立場から必要となる措置を講ずる責務があるということを明らかにしているところでございます。

糸川委員 ぜひ、そういうマンション業者と近隣住民とのわだかまりのないような計画をどんどん進めていただけるようにお願いします。

 そうすると、住生活基本計画というものが速やかに策定されて、新たな住宅政策へ移行していく必要がある、今のような話の中であるというふうに私は考えるわけですが、そこで、住生活基本計画の策定というのはいつごろになるのか、お答えいただけますでしょうか。

山本政府参考人 住生活基本計画の策定に当たりましては、国民の皆様の意見を反映するためのパブリックコメントの実施や関係行政機関の長への協議、それから、社会資本整備審議会さらには都道府県の意見を聞くといったような手続が法定されておりますので、策定時期としましては、本年の秋ごろを想定しておるところでございます。

糸川委員 今、先ほどからのいろいろなお話の中で、住まいのニーズが多様化しているわけでございます。その中で、住生活基本計画の策定に当たって、多様な国民の意見というものを反映させる必要があるというふうに思います。

 そこで、具体的にどのような方法でそういう情報をもらって反映させるのか、そういう方法があるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

山本政府参考人 住生活の安定の確保それから向上の促進に関する施策を進めるためには、行政だけではなく、事業者、居住者その他の関係者の取り組みが必要でございますので、広く国民の皆様の理解と協力をいただくことが不可欠でございます。

 このために、基本計画の案の作成に当たりましては、例えば、法律上義務づけられておりますのは、インターネットなどを利用しまして国民の意見をお伺いするいわゆるパブリックコメント、これが義務づけられておりますし、そういったような方法を使って、幅広く国民の皆様の意見が反映されるように努力してまいる所存でございます。

糸川委員 もうほとんど時間がございません。

 最後に、大臣に御質問させていただきますが、今までのきょうの質問の中で、住生活基本法を通じて、住生活の理念とかビジョンとかそういうものが何なのか、そこを一点お聞きして、質問を終わりたいというふうに思います。

北側国務大臣 一つは、やはり住宅の質の向上また住環境の良好な形成、これが一つ大きな目的だと思っております。

 二つ目に、これからは住宅の供給ということが、これまではそれが大きな目的であったわけでございますが、これからはそうではございません。そういう意味で、むしろこれからは民間活力を活用する、また既存ストックを活用していく、そうした民間活力、既存ストックを活用して市場をしっかり整備していくということが重要と考えております。ただ、市場を整備するということは、一面、住宅を取得する側の消費者のやはり利益の保護ということをきちんと図っていかねばならないというふうに考えているところでございます。

 三点目に、これからも重要なこと、これまでもそうでございましたが、やはり住宅というのは私ども人間の生活にとって極めて基本的な拠点でございまして、住宅のセーフティーネット。さまざまな事情で住宅に困窮する方がいらっしゃるわけでございます。そうした方々への住宅のセーフティーネットをきちんと確保していくということは国の責務であるというふうに考えておりまして、この住宅のセーフティーネットについては、今後ともしっかりと確保させていただきたいと考えております。

糸川委員 ありがとうございました。

 住環境の形成というのは、私が協議会なんかに参加しているときは、本当に、近隣住民との調和というものが非常に重要だと。その中で、先ほど大臣がおっしゃられたセーフティーとか、いろいろなところというのが生まれてくる。住民の方々からの心がないと、何だという気持ちで、こんなところにこういうものを建ててとかいろいろなことを、そのわだかまりがある中では必ずセーフティーとかそういうものは成功しない、そういうふうに私も感じますので、ぜひ、その辺を大事に思っていただいて、取り組んでいただければなというふうに思います。

 ありがとうございました。終わります。

    ―――――――――――――

林委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る二十一日金曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十一日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十分散会


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