衆議院

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第19号 平成18年5月12日(金曜日)

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平成十八年五月十二日(金曜日)

    午前九時八分開議

 出席委員

   委員長 林  幹雄君

   理事 衛藤征士郎君 理事 中野 正志君

   理事 望月 義夫君 理事 吉田六左エ門君

   理事 渡辺 具能君 理事 長妻  昭君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      赤池 誠章君    石田 真敏君

      遠藤 宣彦君    小里 泰弘君

      大塚 高司君    鍵田忠兵衛君

      金子善次郎君    亀岡 偉民君

      北村 茂男君    後藤 茂之君

      坂本 剛二君    島村 宜伸君

      杉田 元司君    鈴木 淳司君

      薗浦健太郎君    田村 憲久君

      長島 忠美君    西銘恒三郎君

      葉梨 康弘君    松本 文明君

      盛山 正仁君    若宮 健嗣君

      大串 博志君    逢坂 誠二君

      小宮山泰子君    古賀 一成君

      下条 みつ君    高井 美穂君

      高木 義明君    土肥 隆一君

      長安  豊君    鉢呂 吉雄君

      馬淵 澄夫君    松本 剛明君

      森本 哲生君    伊藤  渉君

      斉藤 鉄夫君    穀田 恵二君

      日森 文尋君    糸川 正晃君

    …………………………………

   議員           下条 みつ君

   議員           長妻  昭君

   議員           森本 哲生君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 三浦  守君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局下水道部長)     江藤  隆君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十二日

 辞任         補欠選任

  小宮山泰子君     大串 博志君

  高木 義明君     逢坂 誠二君

  長安  豊君     松本 剛明君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  大串 博志君     高井 美穂君

  逢坂 誠二君     高木 義明君

  松本 剛明君     長安  豊君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  高井 美穂君     小宮山泰子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八八号)

 居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案(長妻昭君外四名提出、衆法第二二号)


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     ――――◇―――――

林委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び長妻昭君外四名提出、居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市・地域整備局下水道部長江藤隆君、住宅局長山本繁太郎君及び法務省大臣官房審議官三浦守君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

林委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本文明君。

松本(文)委員 自民党の松本文明であります。どうぞよろしくお願いいたします。

 耐震偽装問題が発覚以来、私たち自民党のプロジェクトチームは、現場視察やら現場での被害者ヒアリング、あるいは被害者代表とのヒアリング、特定行政庁とのヒアリング、指定確認会社とのヒアリング、関係の個人、企業、団体、学識経験者、おおよそ考えられる多くの方々と実に百回を超えるヒアリングを重ねながら、特別立法措置素案まで用意をして今日を迎えております。その間、北側大臣にも何回か緊急提言をさせていただいたところであります。

 住宅局長を初め関係各位には、たびたびプロジェクトチームの会合にお運びをいただき、状況説明、資料の提供を初め、我々の意見、要望に真摯に耳を傾けていただきました。改めて感謝の意を表明するものであります。また、関係各位が寝食を忘れて御努力をされておりますお姿に、深い感銘を受けておりますことも申し添えておくものであります。

 しかしながら、問題は限りなく深刻であり、今回の建築基準法等の一部改正で事足れりというほど単純ではありません。

 そこでまず、北側大臣に確認をさせていただきます。今回の偽装事件にかかわる立法措置は、今国会ですべてやり遂げるということではなくて、今国会で行うものと次期国会で行うものと二段階で行う、今回の措置はあくまでも緊急かつ最低限の措置であって、恒久的措置については、我が国の建築にかかわる学識、経験のすべてを動員して次期国会に提出する、こう承知をいたしておりますが、間違いありませんでしょうか。

北側国務大臣 そのとおりでございます。

 今回の法改正の案につきましては、緊急に措置すべき事柄について御審議をお願いしているところでございます。今、社会資本整備審議会ではさらに引き続き論議をいただいておるところでございまして、今回の法改正案というのはあくまで第一弾というふうに私自身も位置づけているところでございます。

 二月二十四日に社会資本整備審議会の中間報告をいただきまして、早急に講ずべき施策について中間報告をいただきました。それに基づきまして今回の法改正案を取りまとめたわけでございますが、さらに今後の課題についても指摘をされております。建築士制度に係る課題、また住宅の売り主等の瑕疵担保責任のさらなる充実の問題等々、課題が指摘されておりまして、こうした問題等も含めまして、さらに抜本的な対策について、この夏をめどに取りまとめていただき、次の国会にぜひ提案をさせていただきたいと考えております。

松本(文)委員 住宅局長に伺います。

 行政代執行によってでも速やかに除去されなければならない危険きわまる建築物が今なお存在しております。マンション購入被害者のことを考えますとまことに心が痛むわけでありますが、国の支援パッケージによる居住者の退去あるいは建てかえ計画の進捗状況について御説明をいただきたい。

山本政府参考人 危険な分譲マンションの居住者の方あるいは周辺の方々の安全の確保、それから居住の安定の確保のために、地域住宅交付金を活用いたしました相談、移転から取り壊し、建てかえに至る総合的な支援策を昨年の十二月六日に提示いたしました。国会で御審議いただきました昨年度の補正予算におきましても、地域住宅交付金五十億円を計上させていただいたところでございます。

 これに基づきまして、支援策をパッケージで提示して、移転費とか仮住居費についての助成は既に実施を始めております。こういったことによりまして、危険な分譲マンション、十一棟ございますが、九棟の居住者の退去が完了いたしました。当初入居戸数の九七%に当たる二百九十九戸の退去は完了いたしました。あと十戸の方が残っております。

 それから、建てかえについてでございますけれども、都市再生機構などが作成いたしました再建の計画案をもとに、居住者の方々と公共団体の間で検討が進められております。現在、建てかえの対象となりますマンション十一棟のうち、一棟につきましては除却工事が行われております。それから、六棟について、六地区について、建てかえの推進決議が居住者の方々でなされております。

 今後、居住者の方々ができる限り早く合意形成を図っていただいて、建物の取り壊し、建てかえを円滑に進められますように、公共団体と十分連携を図って取り組んでまいります。

松本(文)委員 今御説明のあった建てかえ計画の進捗状況が、順調というふうに判断をするのか、思うに任せない、こう判断をするのか、大変難しいところでありますが、しかし、危険な建物が今なおそこに建っているという現実はそのとおりであります。

 こうした状況を生み出しておりますのは、瑕疵担保責任の不履行によるものであることは言うまでもありません。瑕疵担保責任の履行を確保するためには保険制度の導入は大変重要と思われるのでありますが、今回の改正では、売り主に対して、保険加入の有無について説明責任は課したものの、保険加入責任については見送られております。

 この点、不十分と言わざるを得ないわけでありますが、保険料の基礎となるリスク計算をどうするのか、あるいは、保険料が価格に上乗せされると瑕疵担保責任が購入者に転嫁されることになる、こういったさまざまな、今後検討、解決されなければならない課題が大変多いと思います。

 それを承知した上で、さはさりながら、政府として、保険会社、保険制度等々の検討を行われていないということではないと思います。どこら辺までそうした検討が進んでいるのか、現段階で、住宅局長の御説明を求めます。

山本政府参考人 社会資本整備審議会の中間報告では、住宅の売り主などの保険への加入など、瑕疵担保責任の履行の実効を確保するというための措置を講じる必要があると指摘していただいております。これを踏まえまして、今回のお願いしております法律案では、住宅の売り主等の瑕疵担保責任の履行に関する情報の開示を図ることとしているところでございます。

 この情報の開示からさらに進みまして、保険への加入を義務づけるとか、あるいはそのほかの瑕疵担保責任の履行の実効を確保するための措置を義務づけるということにつきましては、今、リスク、それから保険料の転嫁の問題を御指摘いただきましたけれども、こういった問題のほかに、被害者救済に必要な保険金の支払いがきちんと確保されるような保険制度を、基本的なことですけれども、どうやって整理できるのか。そのほか、故意とか重過失とか、そういった問題もございます。幾つかの大事な課題が残っているわけでございます。

 そこで、住宅の購入者など住宅の瑕疵によって被害を受ける方への対応を的確に図る観点から、有識者の方々にお集まりいただいて広く意見を伺うために、住宅瑕疵担保責任研究会を設置して、検討を始めました。これから研究会をどんどん進めていただいて意見を伺った上で、さらに金融庁とか財政当局とかそういった関係機関ともきちんと連絡を図って、夏ごろまでには方針を取りまとめたいと考えております。

松本(文)委員 住宅金融公庫から融資を受けた場合に火災保険に入ることは、もうずっと以前から義務づけられているわけであります。これは、法による規制というよりも、運用の中でそうしたことが行われているわけでありますから、ぜひ次期国会までにきちっとした保険制度を樹立いただきますように、要望を重ねておきたいと思います。

 今回は、やってはならない構造計算偽装が行われ、やってはならない偽装に基づく確認申請がなされ、偽装を見抜かなければならない確認検査機関が、民間も特定行政庁もいとも簡単に確認証を出してしまった。でき上がった偽装図面に基づく危険きわまる建物に完成検査済証まで出してしまった。この驚くべき悪と過失の連鎖、これは、建築士、宅地建物取引業の免許、確認検査機関の指定、建設業免許、確認済証、完成検査済証、これらすべて国と地方公共団体の与えた資格によって行われた行為であります。マンション購入者やホテルの経営者がだまされたとしても不思議ではない、こう今さらながら思うわけであります。

 事件発覚後、北側大臣がいち早く、国と行政庁の責任なしとせずとの判断を繰り返しお述べになられたことは、けだし名判断であったと敬意を表しているところであります。しかし、いまだに、何らかの責任が果たされた、あるいは責任をとったという話はどこからも聞こえてきません。普通、被害者に対して責任をとるということは被害を弁償するということでありまして、支援パッケージとは全く違う話であります。

 大臣、恐縮ですが、改めてこの認識の説明を求めます。

北側国務大臣 法律上の賠償責任が国や特定行政庁にあると私は今まで一度も申し上げたことはございません。

 ただ、建築確認という、これは公の事務でございます、そこで見落としがあったわけでございます。そこに公の関与があることは明らかでございまして、今ある居住者の方々の、危険な分譲マンションにお住まいの方々の居住の安全を図っていく、居住の安定を確保していく、これを最優先にさまざまな対策をとっていくということは、これはもう行政としての当然の責任であるということを私は当初から一貫して申し上げているところでございます。

 個々の建築確認に見落としがあったこと、それが法律上の賠償責任、いわゆる過失があるかどうかという問題というのは、それぞれ事案もさまざまでございます。さまざまでございまして、それは個々の事例に即して、最終的には法的な裁判所の判断がないとこれはもうわからないわけでございまして、ただ、そこのところを当初から、法的な賠償責任があるやなしやと、そこのところの議論を専らやっていて、今ある現実の危険性を放置することはできない。そこはきちんと、建築確認というところで見落としがあるという行政の関与があるんだから、そこはしっかりと特定行政庁と国が一緒になって対応していくべきであるということを私は申し上げたわけでございます。

松本(文)委員 東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の各知事、横浜市長、これらの方々から、制度の見直しに当たっての要望が北側大臣に提出をされております。その中に、「国、特定行政庁及び指定確認検査機関の役割と責任について明確にすること。特に、指定確認検査機関の行った確認検査について、当該機関に法的責任があることを、法律上明確にすること」との無理からぬ要望があります。

 この要望に今回の改正がどうこたえているのか、こたえ切れていないとするならば、それを次期国会までにどのように詰めようとされているのか、住宅局長の説明を求めます。

山本政府参考人 特定行政庁から、指定確認検査機関の責任をきちんと明確にするということをイの一番に御指摘いただいております。

 今回のお願いしております法律改正案の中では、この観点から、指定確認検査機関が確認を行います、あるいは中間検査を行ったりしますけれども、その際、こういう形で審査をいたしましたという審査のチェックリストといいますか、報告ですね、これを特定行政庁にまずきちんと出してくださいということをお願いします。

 それから、建築確認の民間開放に関連して、民間機関を指定しますけれども、大臣それから知事が指定するんですが、今までのやり方ですと、大臣あるいは知事が、特定行政庁と御相談することなく、いきなり指定しております。能力があるかどうかを審査した上で指定しております。このことについて特定行政庁から問題意識がありまして、自分たちが何も関与しないときに、いきなり、本来自分たちの建築主事がやっていた仕事を、民間機関の支店ができて、わしがやりますと言い出す、非常に不都合だという御指摘がありましたので、今回の法律案では、指定権者が民間機関を指定する際に、当該特定行政庁を業務区域とする場合については、あらかじめ行政庁の意見を聞くということをやっていただいております。

 それからさらに、一番大事なのは、民間機関が今回のように瑕疵があって賠償責任を問われたときに、その責任を果たし切れるかということがありますので、指定基準の中に、きちんと経理的な基礎があって、そういう損害賠償責任を果たせる能力があるという、その部分の要件をきちんと強化するといったようなことを今回挙げております。

 ただ、今回の法律案では、もともと建築基準法に基づいて確認をしたり検査したりする事務は法律に基づく公共団体の自治事務ですので、その自治事務の一部を、建築行政の一部を民間機関がやるということになるので、民間機関がやった事務の帰属先は特定行政庁だということはどうしても離れることはできません。

 これは、公共団体が主張していただいていることとの関係で非常にクリティカルなポイントなので、ハードルが高いと思います。非常に高いと思うんですが、引き続き、政府の中の法制局とのやりとりも含めて、きちんと吟味して、どういう解決の方法があるか。公共団体の問題意識を受けとめて、次の第二段階の法律改正でどういう手当てが必要なのか。非常にハードルが高いので、この法律に基づく自治事務という部分を全く別の構成にすることは不可能だと思いますけれども、問題意識を受けとめて、何ができるか、引き続き検討していきたいと考えているところでございます。

松本(文)委員 今回、特定行政庁による立ち入り権限、こういったものが新しく特定行政庁に付与され、なおかつ、そこで指導監督の強化が図られる、こういう制度へと変わっているわけであります。

 文面によりますと指導監督の強化ということでありますから、大変大きく前に進むんだろう、こう思うわけでありますが、しかし、今日まで国による指導監督あるいは立ち入り権限、こういったものがずっと行われておった中で今回の犯罪を見抜くことができなかった、こういうことを考えますと、この指導監督の強化あるいは特定行政庁の立ち入り権限というものが、どれほど具体的に大きな効果を期待できるのかという点について、ちょっとまだ見えてこないという点があります。

 そしてまた、建築の場合は許可ではなくて確認、こういう形になっておりますが、一般国民は、確認、これは国が与えた間違いのない、あるいは地方自治体が与えた間違いのない、許可と同等のものだ、こういう受け取り方が一般的であります。この際、確認と許可とは違う、この制度の特殊性、こういったものをぜひ踏まえていただいて、次期国会までに、この国の建築が安全なものがきちっとできる、建築行政に対する信頼を新たに打ち立てていただきますことを改めて強く要請をし、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

林委員長 松本剛明君。

松本(剛)委員 民主党の松本剛明でございます。

 耐震偽装でスタートをした建築物、住宅の安全性の問題については本委員会でも議論を重ねてきたというふうに承知をしておりますけれども、私の方も、その議論を踏まえながら、改めて民主党案を提出させていただいて、政府案の議論ということでございますので、大きな点を何点か、北側大臣とそれから民主党案の提出者にお伺いをしてまいりたいと思っております。

 まず第一点は、大臣にお伺いをしたいと思いますが、この問題が発生をして以降、当初から我々は、建築という問題が抱える構造的な問題を考えると、非常にいろいろ安全性について国民が大きな疑念を持っている、これを払拭するためには相当広範に何らかの形で調査をする必要があるのではないかということを申し上げてまいりました。現段階で、建築確認、これがどのぐらい適合しているのかということについて、いろいろな形で調査をしていただいているというふうに思いますけれども、その進捗状況。それから、これが全体に占めるウエートを勘案して、今どういうふうに認識をしているのか。今後、まだ残念ながら調べる必要があり、出てくるというような感触をお持ちなのかどうか。そこの基本的な認識をお伺いしたいと思います。

北側国務大臣 今回の、姉歯元建築士が設計を偽装した、構造計算を偽装したわけでございますが、姉歯元建築士の関与した物件についてはもちろんすべて調査をいたしております。また、その他の建築士でも偽装が問題になっている案件がございます。そうしたものについても、問題になっている案件だけではなくて、その建築士が携わった他の案件についても特定行政庁の方で今調査をしているところでございます。

 それ以外に、もっと一般的に、そもそも建築確認が適正に行われているのかどうか、この検証というものの実態調査をさせていただいているところでございまして、一つは、民間の指定確認検査機関の確認物件から百三件の物件を抽出いたしました。

 この抽出をする際に、民間の確認検査機関の確認済み物件の中から無作為に五十件程度を抽出いたしまして、ある特定のAという機関から鉄筋コンクリートづくりを優先して無作為に五十件程度抽出をいたしまして、さらに、その五十件程度の中から、設計条件が相対的に厳しいと思われる、また、柱だとか、はりだとか、鉄筋の本数だとか等々をチェックしまして、これは設計条件が相当余裕がないねと外形的に見えるものをその五十件の中から二件選びまして、その二件を各民間の検査機関から抽出をしたのが合計で百三件ございます。

 ですから、この百三件というのは、相当設計条件が厳しいものを抽出してきています。それの調査をいたしておりまして、これは、財団法人の日本建築防災協会に依頼をいたしまして検証作業をしてまいりました。

 これは昨日この協会から報告があったんですが、そのうち十五件について、構造図と構造計算書の不整合など疑問のある点があるとの報告を受けておりまして、今後、この十五件については、指定確認検査機関及び特定行政庁に検証結果を伝えまして、問題点、法令にちゃんと適合しているのかどうか、その法適合性等について精査を求めるということになっているところでございます。これが、この百三件です。

 それと、別途、既存の分譲マンション四百件につきまして、過去五年間に建築確認された中高層のマンションを、これも無作為に抽出をいたしまして、これまた財団法人日本建築防災協会に依頼して構造計算の再計算を行ってまいりました。これまでに三百件のマンションの抽出、これはマンションにお住まいの方々の了解が要るんですね、三百件のマンションの抽出が終了し、それぞれ今随時再計算をしているところでございます。

 さらに、不動産業者みずからがマンションの耐震性の再確認に関する調査を相当やっておりまして、それぞれ報告をいただきたいということをお願いしておりまして、ことしの三月末時点でございますけれども、それぞれ業者の方々が耐震性の再確認を行ったマンション一万二千三百十四件、これについて報告を受けました。これにつきましては、問題なしが一万一千九百十二件、問題ありが五件、再確認が終了していないものが三百九十七件との結果を得ているところでございます。

 今回のこうした調査、まだやっております。各県とか特定行政庁で独自にやっているのもあります。そういうのも報告をいただきたいというふうに思っているんですが、そうした調査のこれまでの経過を踏まえて申し上げますと、今回の案件というのは、姉歯元建築士の故意による、悪意による偽装が直接の原因であるわけでございますが、極めてそうした例外的な事象だというふうに安易にとらえるわけにはいかないと私は考えております。

 日本の建築設計に携わる方々、その制度のところにやはり問題点があるし、また、建築を確認する行政の側にもやはり問題点がいろいろある、そうしたことがあるということをこうした調査を通じて改めて認識をしているところでございまして、単に姉歯元建築士の極めて異例な、例外的な、そういう矮小化することは私はできないというふうに認識をしておりまして、この際、徹底して建築または建築行政にかかわる制度のあり方について見直しをしていかねばならないと考えております。

松本(剛)委員 今のお話、個々の数字でありますけれども、おおむね、自主的に御申告をされた分、それから抽出をされた分、五十分の二のさらにまた百分の十五というようなイメージなんだろうというふうに思います。しかし、一%とはいきませんけれども、残念ながら千分の幾つかという単位ではやはり問題のあるものが出てきているという結果であろうというふうに思います。

 今回、建築基準法の改正を政府の方からも御提案をいただいておりますが、一度信頼が崩れた制度というものを立て直すというのは、信頼を取り戻すというのは大変な作業であると思いますが、そのためにはやはり現状を徹底的に一度洗い直すということが大変重要なことであろうと思っております。

 その方向で御尽力をいただいていると思いますが、今もお話がありましたように、既存物件によっては所有者の理解とかそういう問題は必ず出てくるわけでありますが、他方で、後ほどお聞きをしていきますが、危険な建物であれば補助を出しても建てかえなければいけないという制度をおつくりになったように、危険な建物が存在をするということ自身が、居住者にとってもそうでありますし、近隣の人にとっても大変大きな問題であるということになってくることを考えれば、現在の建築確認制度は、残念ながら、一たん信頼を失ったということを前提に、相当強い姿勢で全体的な調査をされる必要があるのではないかということを強く求めてまいりたいと思います。

 その上で、今も、一部の特殊な事案ということで片づけることはできないという御認識だというのは大変重要な認識の表明をいただいておると思っておりますが、とすれば、相当抜本的な解決が必要になってくるということを、ここまでは認識を共有というか、大臣にも御認識をいただいているという前提で、以下何点か御質問を申し上げてまいりたいと思います。

 その前に、もう一つは、残念ながら、今回の特に姉歯関連で大きな被害というのでしょうか、困難な状況に立ち至っている住民の皆さんの救済の状況について、現状どこまで進んでいて、この現状を順調に進んでいるとごらんになっているのかどうか、大臣の基本的な認識をお伺いしたいと思います。

北側国務大臣 この問題が発覚して以来、私どもがまずは最優先で取り組まないといけないと考えたことは、危険な分譲マンションにお住まいの方々の居住の安全また居住の安定をしっかり図っていくこと、これが最優先であるというふうに考えて、さまざま取り組みをさせていただきました。

 まず、現状を報告させていただきますと、保有水平耐力比が〇・五未満の危険な分譲マンション、これは十一棟現在ございます。この十一棟につきまして、昨年十二月に総合的な支援策を提示いたしまして、補正予算を認めていただき、現在、十一棟のうち九棟の居住者の退去が完了いたしました。残り二棟、まだお住まいの方がいらっしゃるんですが、全体としては三百九戸あるんですが、三百九戸のうち当初入居戸数の約九七%に当たる二百九十九戸が今退去済みでございます。

 あと、次に、建物、危険な分譲マンションを壊さないといけないんですが、この十一棟のうち除却工事が実施されているのは一棟。一棟において除却工事が実施をされております。それから、将来建てかえを進めていく必要があるわけでございますが、現在、この十一棟のうち六棟において建てかえ推進が住民の方々の間で決議がなされたところでございます。

 こういう問題でなくとも、分譲マンションの場合の建てかえの問題というのは、住民の方々の合意形成を図っていかねばなりません。この合意形成を図るということは、こうした問題じゃなくてもなかなか容易でないわけでございますけれども、ましてや今回のような問題であるわけでございますので、合意形成を図るというのはなかなか大変な課題なわけでございますが、私ども、特定行政庁の方々とよく連携をとらせていただきまして、住民の方々との間で鋭意今交渉、合意形成を図るべく取り組みをさせていただいているところでございます。

 それから、今のは〇・五未満の建物でございますけれども、保有水平耐力比が〇・五以上一・〇未満のマンション、これが十五棟ございます。この十五棟のうち、建築主がヒューザーの物件が十棟、ヒューザー以外の建築主が五棟ありまして、このヒューザー以外の建築主の五棟につきましては、建築主みずからが耐震改修等に向けて現況調査を今実施をしているところでございます。改修をしていく必要がありますので、その調査を実施しております。

 問題は、建築主がヒューザーである十棟、ヒューザーは倒産いたしましたので、このヒューザーである十棟につきましては、特定行政庁または指定確認検査機関が今現況調査を実施しているところでございます。

 今後、耐震改修工事をしていかないとならないわけでございますが、その概要とかそれから概算費用を内容とする耐震改修の基本計画というものを作成いたしまして、それらをもとに、住民の合意形成、耐震改修の具体的な実施計画の策定、耐震改修工事の実施という形で進めさせていただきたいと思っておりまして、こちらにつきましては、必要に応じ、既存の耐震改修に向けての補助制度等もありますし、融資制度もございます。この既存制度による助成、融資制度により、特定行政庁とよく連携をとって支援をさせていただきたいと考えているところでございます。

 現状こういう状況でございますが、これがスムーズにいっているのかどうかということでございますが、一番急いでいた、居住の安全を図るためには退去をお願いしないといけないということにつきましては、まだ入居の方々が一部いらっしゃいますけれども、相当進んできているというふうに認識をしております。

 ただ、まだまだこれから取り壊し、そして建てかえという大きなハードルが待っているわけでございまして、しっかりとこれを建てかえて、本当に安心してそこに居住をしていただけるようになるまでにはまだ時間がかかるわけでございまして、私どもはこれはもう最後まで責任を持って、特定行政庁の方々と連携をとって取り組んでいきたいというふうに思っておるところでございます。

松本(剛)委員 この問題が発覚して比較的早い段階で、当委員会で大臣に私も質疑をさせていただいた記憶がございます。その段階で大臣は、特定行政庁、国の責任なしとしないというスタンスを政治的にしっかりお示しをいただいたんだろうというふうに思っておりますが、その上で、改めて今回このことをお聞きいたしましたのは、改むるにはばかることなかれという言葉がありますが、大変住民の皆さんは御苦労されながら、それでも合意形成までこぎつけておられるところが幾つかあるわけでありますけれども、それでも大変な御負担をされることになる。

 今回のことは、もちろん偽装という、故意で行った建築士、そして、もしそれに建築主体というのでしょうか建築業者もかかわっているとすれば、そのことも含めて大変大きな責任があることは言うまでもありませんけれども、関係して、やはり建築確認済証を出していくという特定行政庁、それを制度として責任を持つ国というものがあったときに、結局、そこの責任を負担できるものが一たんは住民に対して負担をし、そして改めて中での責任分担を整理していくというのが、大臣にはこちらから申し上げるまでもなく、法律の考え方としては一つの考え方としてあり得るというふうに思います。

 そういうことから考えますと、国と偽装した建築士その他関係者の責任とどちらが大きいかということは別にして、被害を受けた住民に対してどうするのかということの考え方、制度を一度きちっと考える必要が、やはりここまでの進捗を見る限りあるのではないかという御認識をお持ちになられないかどうか、一度私は大臣に伺ってみたいと思っておりました。

 今お話がありましたように、まことに残念ながら、〇・五以下の建物が、今建っている建物の中でずっと調べていって、これから出ないとは限らないと言わざるを得ない状況だろうというふうに思うんですね、何棟かでも。そういう場合に備えて、またこの同じ制度でいくのか、そのところも踏まえて、今回の認識と、それから今後この制度で住民の救済というのが本当にスムーズにいくとお考えなのかどうか、大臣の基本的な認識を一度お伺いをしたいと思います。

    〔委員長退席、吉田(六)委員長代理着席〕

北側国務大臣 今のところ、幸いに、保有水平耐力で〇・五以下の物件というのは姉歯元建築士の偽装した物件以外には出ておりません。ほかの建築士で、札幌とか福岡で偽装であるというふうに特定行政庁が判断した物件はあるんですが、そういう意味では、この姉歯元建築士の設計した〇・五以下の十一の物件のように、非常に緊急性があるというふうな物件は今のところ報告をされておりません。他の調査においても同様でございます。

 万が一、やはり建築士が偽装をし、そのことについて分譲マンションの居住者の方々がもちろんのこと何らの責任もない、そして、建築確認においてそれを見落としたということであるならば、これは当然のこととして、今回この十一棟の居住者の方々の支援策としてとられている対策を同様に私はとらないといけないというふうに考えております。

 もう一度整理させていただきたいんですが、今回の案件を通じて、法的な責任ということでは、姉歯元建築士が責任があるのは当然の話です。そこに下請を出した元請の設計事務所があります。そこにも私は当然のこととして法的な責任があると思っております。そして、建築主は売り主責任として瑕疵担保責任を負っているわけでございますので、そこにも責任がある。

 こういう建築物というのは、一義的にはやはり建築主の方々、建築主の方々というのは、建物についての全責任をやはり負っているんだと思うんですね。だからこそ、瑕疵担保責任、無過失責任が課せられていると思うんです。行政側は、これは建築確認をします。そういう意味では、一義的にまず全責任を負うべきは、建築サイドの、特に建築主の方々。建築主の方々は、施工者を選び設計者を選びと、みずからその全工程について影響力を当然持っているわけでございまして、だからこそ全責任を負っていただかなきゃいけない。

 行政側は、それをチェックしていく、法令に従ってちゃんと設計されているかどうか確認する。さらにその後も、中間検査等もございます、完了検査等もございます。チェックをしていく、そういう作業をしていくわけですが、そのチェックに今回見落としがあったわけですが、これはやはり後見的な責任といいますか、きちんと最低基準の建築基準法等が守られているのかどうかというチェックをしていくということで、ある意味、これは後見的な責任だというふうに私は考えているわけでございます。

 今回こういう建築確認のところに見落としがあった、では、そこに法律上の過失があるのかどうか。これはもう、それぞれ事案も違います、見落としがあったところの内容もそれぞれ事案によって異なっているわけでございまして、そこに過失があったのかどうかというところについての認定は、これは一律にあるとかないとか言えないというふうに考えておるわけでございますし、また、そこのところの結論が出ない限り、行政としては何もしないんだというわけにも今回の事案の場合いかない。やはり、建築確認というところに見落としがあったこと、客観的な事実としてはそれは明らかなわけですし、建築確認事務というのは、民間検査機関がやれ特定行政庁がやれ、これは自治事務、公の事務であることは変わりはないというのが最高裁の考え方でございまして、そういう意味では、行政の関与がそこには明らかにある。

 そういう中で、従来の既存の制度というものをフルに活用させていただいて、今回の支援策というものを取りまとめさせていただいたということでございます。

松本(剛)委員 いみじくも大臣が最後におっしゃいましたが、既存の制度をフルに活用させていただいてということでございます。本来、制度はそれぞれの目的とあれがあって、こういう事態が出てきたときには、やはりそれに対する制度を考えるべきではなかったのかなという思いが私の中にはあります。

 と申しますのも、あえてこのことをお聞きしているのも、結果を見る限り、関係のある人、責任のある人がそれぞれ、住民の方々、設計士、建築業者、特定行政庁、国、いろいろあるわけであります。最終的な責任は、おっしゃったように、偽装を故意にした人が一番大きいというのもこれも当然のことだろうと思います。しかし、現実にそこに支払い能力はない。場合によっては、施工なり売り主に支払い能力がなくなってきているところもある。このときに、どこがどう責任を、言うなればその部分をかぶるのかというのが法律の仕組みとしてあるわけですが、現在のところ、こういう大きな被害が出た結果、住民が一番経済的には大きな負担を結果としてはかぶっていることになっているわけですね。では、それが本当に責任が一番大きい人なのかといったときに、とても公平とは思えない結果になっている。

 そうすると、この制度で本当にいいのかということを、法律にも詳しい大臣として率直にどうお考えになっているのかということをお聞きしたいと思いましたが、今の大臣の立場でお答えが難しいところもあるのかもしれません。もし何かあればあれですけれども、なければ次の質問へ行かせていただきたいと思いますが。

北側国務大臣 ですから、間違いなく今回の大きな課題の一つは、今松本政調会長がおっしゃった点だと思っているんです、私も。

 要するに、今回の問題というのは、建築側の問題、それから建築行政の問題。もう一つ大きな問題がありまして、それは住宅取得者、消費者。建物を、自分のマイホームを買うというのは、一生に一度あるかないかの本当に大きな買い物をされるわけですよね。そういう大きな買い物をされる住宅取得者にとって、今の住宅取得に至るまでのさまざまな制度の中で、その住宅取得者を、きちんとその利益を保護していく、守っていく、そういうふうな仕組み、システムに私はやはり不十分なところがあると今回の問題を通じて改めて痛感しているところでございまして、そこをどうしていくかというのが大きな今後の課題であると私は思っております。

 今回の法改正でも一部入れさせていただいておりますけれども、保険の問題も含めまして、ここはまだ残された大きな課題であるというふうに認識をしているところでございます。

松本(剛)委員 ぜひ御要請を申し上げておきたいと思います。

 特に、大臣とはこれまでも質疑をさせていただいて、しかるべき御判断をいただけるものと期待をしてお願いを申し上げたいと思っておりますが、往々にして、こういうものというのは、前回こういう案件が出たら、前のこの制度を使ってとりあえずこうやって処理をした、これがいわば前例になって、そのまま今後もずっと走るということが出かねないと思っています。

 あえてこのことを申し上げているのも、これから制度をつくれば、これから先の住宅については、手当てをしっかりすることによっては一定の形をとることが可能になってくるかと思いますが、残念ながら、建物というのは非常に長い期間当然存在することになってまいりますし、また、いわゆる中古物件というんでしょうか、流通という形で新たに取得する人もいますが、建物としては既に建っている建物ということになってまいります。そういったものに対してもやはり一定の制度を構築する必要があるということが、今回の事案とこの住民の救済の経緯からは見えてくるのではないかと思っております。

 大臣におかれましては、自民党の総裁は九月までの任期でおやめになると言っているということは、内閣も一区切りだろうと思います、その後どうなるのかは私も何とも申し上げかねるところでありますが、一つの締めまでの間にやはり新たな検討すべき課題についてはぜひ着手をしておいていただきたいということを求めて、次の質問に移ってまいりたいと思います。

 私も、兵庫県の議員として、災害との問題についても少しお伺いをしてまいりたいと思ったんですが、決意だけお伺いをしたいと思います。

 残念ながら、自然災害での被害を受けた方々、もちろん、今建っている建物を危険建物として処理するという制度に地震で倒壊をした建物が当てはまらないのは当然でありますけれども、個々の国民もしくは住民の感情としては、ある意味では、住めなくなったという以上は一緒でありますので、その被害、そして救済についてはかねてから、これは、ある意味では党派を超えて、被災者の住宅再建支援についてはいろいろな声が国会の中で出てきておりました。残念ながら、政府、財政当局その他のさまざまな事情もあって、まだまだその内容は不十分なところがあると我々も認識をしておりますが、今後の取り組みについて、さらに一層の取り組みをお進めになる決意がおありでしたら、ぜひお伺いをしたいと思います。

北側国務大臣 自然災害の場合の被害者の方々への支援策、これについてはこれまでも、特に阪神の震災以降国会で何度も御議論をちょうだいし、被災者の救援の支援法についても、これはもう本当に与野党を通じて議論し、改正もしてきているところでございます。

 この問題については、私も関西の人間でございますので、今後とも、非常に大きなハードルがありますけれども、自然災害の場合、地震等があった場合の被災者の方々の支援のあり方の問題について、さらにどう充実できるのか、ここはしっかりと検討していきたいというふうに思っております。

松本(剛)委員 私どもも建設的に、今回もそうでありますが、法案にして提案をさせていただいておりますので、ぜひ、関西出身と大臣御自身もおっしゃっていただきましたので、そういう御認識を強めていただきたいと思います。

 もしきちっと支援をするということになれば、当然税金を使うことになります。今回の住民の方々に対してもそうなんですが、我々も国民の税金を使うわけですから、軽々に使っていけないというのはそのとおりだろうというふうに思います。他方で、きちっと国民の皆さんに説明をすれば、本当にそういう窮状にある方々をお互いに助け合おうではないかという気持ちは、日本の国民の皆さんは持っていただけるというふうに私は思っております。

 そういう意味で、残念ながら、この国会で、今参議院でも審議されていますけれども、天下りだとか随意契約だとかいうような話にお金が使われていると税金というものも非常に不信感が持たれるようになりますけれども、きちっと、そういう形の助け合いのお金というのは、場合によっては本当に国民の皆さんの負担と出し方というのを整理して、助けていく、救済をしていく必要がある。それをつくるのがまさに立法であり政治であろうというふうに思っています。

 そういう意味で、今回の住民の方々、そして自然災害の被災者の方々への制度づくりというのに、改めて、これまでの経緯とかそういったものにとらわれずにお取り組みをいただくことを要請申し上げて、本法案の審議に移らせていただきたいと思っております。

 改めて、先ほども大臣御自身からもお話がありましたが、この法案がここまで策定されるに当たって相当な、さまざまな問題があるという認識の前提でお取り組みをスタートいただいたというふうに思いますが、この大きな問題をどう認識されて、この法案でどこが解決されるのか、残る課題はどこなのかということをどう御認識されているかということをお伺いしたいと思います。

    〔吉田(六)委員長代理退席、委員長着席〕

北側国務大臣 先ほども申し上げましたが、今回の法改正は、緊急に措置すべきものについて法改正をお願いさせていただいているところでございます。

 特に、ある一定の建物については、構造計算の審査を単に特定行政庁なり指定確認検査機関だけに任せておくのではなくて、さらにその部分についてはダブルチェックを専門家の方々にきちんとしていただくというところの改正をやることによって、姉歯元建築士を初めとするこうした偽装の案件について、建築確認の段階で厳重に審査ができる体制をとらせていただきたいということでお願いをしているところが、私は一番の今回の法改正のポイントだというふうに思っているところでございます。

 さらに、刑罰について厳重にしたり、さらには、取引に当たって、宅建業者等は保険に入っているかどうかをちゃんと告知をしていく、入っているのならば告知する、ちゃんと記載をしていくというふうな、こうした改正をお願いしているわけでございますが、これで足りているとは考えておりません。

 幾つかの例を申し上げますと、これは民主党案の方には既に入っておることでございますけれども、建築士法というのは昭和二十五年にできた法律なんですね。その後、基本的にはほとんど変わっておらないんです。建築士というのは本当に大切な仕事をしていただいているわけでございます。建物の安全性を守る第一のとりでなわけでございまして、そこのところが今回大きく信頼が揺らいでしまっているわけでございまして、建築士制度そのものについて、やはり私は抜本的な見直しをしていかねばならないと思っております。

 ただ、この見直しについては、当然、今多くの建築士の方々もいらっしゃいますし、現実に実行できるような仕組みにしていかないといけませんので、今まさしくその辺の調整をさせていただいているところでございますが、建築士会への強制加入の問題も含めまして、今議論をしていただいております。

 私自身の考えとしては、弁護士会や税理士会と同様でございまして、やはり会の中で自主的に研修をしたり、また啓発をしたり、場合によって、違法な行為があった場合には懲戒処分等もできるような権限を持った会にすべきではないかと私は個人的に思っています。

 そのことについて、まさしく、建築士会、建築士の方々を含めて、関係者の方々と、これが実効性あるものにしていくために、実効性あるものにしなければいけませんから、そうした論議を今していただいておりまして、こうした問題については夏までにぜひ取りまとめをさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

松本(剛)委員 私どもが出している法案もしっかりとお読みをいただいて今お話しをいただいたわけでございますが、ぜひ大臣に申し上げたいのは、大臣御自身がそうだとは申し上げませんが、残念ながら、こういった制度というのは、制度にかかわっている人がおいでになるせいかもしれませんけれども、できるだけ制度を動かさないようにしよう、こういう力がどこかで働いている感じが私はしてならないわけであります。

 我々は、自慢をするわけではありませんけれども、国土交通省という大変大きな組織に対してはごくわずかな人数で、中身については御議論もいろいろあるかと思いますけれども、それでもここまで法案をつくりました。もちろん、その内容その他、役所がつくられる場合と手続その他も違うとは思います。違うとは思いますが、その分だけのスタッフも、いわば人的資源、インフラもお持ちになっている。

 鉄は熱いうちに打てという言葉もありますけれども、これだけの問題が発生をしたら、発生から数カ月たっているわけでありますし、夏というのは、逆に言うと国会が終わってしまうんですね、立法その他の制度をしようと思えば。そして、先ほど政治的な任期の話をさせていただきましたけれども、私は、夏までにという言葉の中には、どうしても先送りのにおいを感じるところがあるんです。

 その意味で、ぜひ今回の法案で、我々も御提案をさせていただいているわけですから、これだけの問題が発生をして、今早急にやるべきこと、少なくとも、課題だと皆さんがこういう形で認識をしていただいているということは、認識は共有できているわけでありますから、取り入れるためには、問題があるのであれば早急に問題も調べていただいて、十分我々も審議をしてまいりますから、取り入れるべきものはこの国会のこの審議でぜひ取り入れていただきたいということを強く御要請を申し上げてまいりたいと思います。大臣、ありますか。

北側国務大臣 夏までにというのは、先送りという意味では決してございません。全く逆の意味でございまして、私が在職中に起こった事件でございます。私が在職中の間にやはり方向性をきちんと出したいということで、夏までにということをさせていただいているわけでございます。

 私から言わせれば全く逆でございまして、私がこのポジションに、ポストにある間に、今回の建築に絡む問題、建築行政に絡む問題等について方向性をきちんと出し切りたい、少なくとも、今国土交通省の中はそういうつもりでいてくれていると思います、住宅局も含めまして。これだけ大きな事件が起こってしまったわけですから、過去の問題をしっかり検証して、問題点は全部抽出をして、この際、建築基準法等々、建築士法等々、保険の問題も含めまして、見直せるものは徹底して見直そうということで今取り組みをさせていただいている。

 ただ、そこは、緊急にやらなければいけないこと、そして、一たん制度として導入する以上は、これは実効性、継続性があるわけですから、やはりきちんと持続できるような制度にしていかないといけないわけでございまして、そこは拙速であってはならないところもやはりあるということもぜひ御理解をお願いしたいと思います。

松本(剛)委員 本事案が大臣のお耳に入って、すぐに公表を決意された大臣だというふうに私は認識をしております。その意味では、恐らくこれまでも早くやれとたびたびおっしゃってきただろうというふうに私は期待をしておりますが、こういう審議会があって、こういう手続があって、こういうことがあるから、急いでやっても一年半ぐらいかかりますというのを夏までにやれとか言った、こういうような話ではないかと勝手にここで憶測をいたします。

 さらに申し上げれば、やはり制度、これは、答申とか報告というのが出た、しかし、当然その後立法するなりしていかなければいけないわけでありますから、残念ながら、余り上品でない言葉は使いたくありませんが、たなざらしとかそういう言葉というのも世の中にはあるわけでありまして、今、建築士の強制加入、我々御提案をさせていただいて、大臣も一つの方法としてはあり得るという御認識があったんだろうというふうに思います。

 これは、民主党の修正に応じると問題が出るのか出ないのか、一週間以内に調べろと一遍指示をおろしてください。即答を今求めるのは無理かもしれませんが、ぜひこの指示を一遍おろしてみていただいて、その上で、我々もさらに審議をさせていただきたいというふうに思っております。

 今回も、この先、この手続その他も、私も、新たに今回設けられた社会資本整備審議会建築分科会の基本制度部会ですか、メンバーとかを拝見させていただきました。大臣自身は、住宅取得者、購入者の視点というのは大変重要だという御認識をお持ちいただいて先ほどから御答弁をいただいていると思うんですが、残念ながら、こういう審議会、分科会という形でやっていくと、時間はかかる割に、ざっと拝見をしましても、学識経験者とあとはどうしても建築する側に携わっている方の数が多い形になってこざるを得ない。これは制度上もそうならざるを得ない部分があるだろうというふうに思います。

 ぜひ、やはり上から指導力を発揮していただいて、今おっしゃったように幾つか方向性が見えているものは、その方向性に基づいて、それで問題が出るのか出ないのか。役所の中もそうですし、そこに副大臣、政務官も立派な方がたくさんおられるわけですから、どんどん御活用をいただいて、やはりせっかく国会で、ここで濃密な審議をしようというわけですから、御検討いただきたいと思っております。

 消費者サイド、購入者側からの意見聴取ということで、どういう形で御配慮をいただいてこの法案を今回おつくりになられたのか、その結果はどこに反映されているのかということを御答弁いただきたいと思います。

北側国務大臣 今回の社会資本整備審議会の中間報告の取りまとめに当たりましても、この社会資本整備審議会の中に当然消費者の代表の方々も入っていただいております。そういう方々の御意見も当然踏まえた上で取り組んでいるわけでございます。

 例えば、先ほども少し申し上げましたが、宅建業者に対して、契約の締結前に情報の開示をきちんとしていただく、契約締結前に保険加入の有無等について説明を義務づけるというような措置を講じることとしたところでございます。

 やはり、消費者、住宅取得者からしますと、自分が買おうとしている物件が保険に入っているのか入っていないのかということについては、こうした事件があったわけですから、これは非常に関心があります。そうしたことについて、きちんと情報開示を義務づけさせていただいたところでございます。

松本(剛)委員 民主党提出者にお伺いをしたいと思いますが、今回、法案の名称も、居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案ということで御提出をされておられます。策定に当たっても、消費者、住宅取得者の視点というのを重視し、かつ、そういった方々の声を聞いた形での立法というか法案策定をされてこられたことと思いますが、その経緯のポイントなりを一、二点御説明いただけたらというふうに思います。

長妻議員 お答え申し上げます。

 我々が心がけましたのは、先進国を調査いたしますと、日本の建築の制度というのが非常に居住者とか消費者サイドに立っていないのではないか、こういう大きな問題意識がありまして出発をしたわけです。

 昨年十一月には民主党として耐震強度の偽装の対策本部を設置して、そして、多くの住民の方、グランドステージにお部屋に私もお邪魔したり、あるいは事業者が説明する住民説明会にもオブザーバーとして私も出席をいたしたり、周辺の住民への聞き取り等々、多くの消費者サイドの方の声を聞きまして、まずは被害者対応だということで、昨年十二月の六日に小泉総理に緊急申し入れをして、一部実現をしているところでございます。

 さらには、パブリックコメントということで、ホームページ等々も含めて、多くの国民の皆様の意見を聞いた上で、専門家会議というのも設置をしまして、専門家の皆様方の御検討もいただいた、こういう前提でつくったわけでございます。

 その中で、設計、施工の分離の促進、そして、民間の確認検査機関が検査をした場合でも最終的な済み証は行政が判こを押す、あるいは保険加入、あるいは危険情報公表法、これはまた内閣委員会での、来週、再来週の提出を予定しておりますけれども、危険な建物、耐震性の問題があるということを認識したら速やかに公表しないと罰則がある等々、業界や役所にとっては厳しいかもしれませんが、居住者を第一に考えた、安全を考えた制度ということでございます。

 居住者重視の制度というのは決して業界軽視ではございませんで、強い市場、健全な市場をつくるということで業界自身も強い業界として生まれ変わっていただくという期待を込めて、消費者サイドに立つということをポイントにしてつくったわけでございます。

松本(剛)委員 ありがとうございます。

 それでは、時間も限られてまいりましたので、少し質問の順序を入れかえて、いわゆる保険の話についてお伺いをしたいと思っております。

 これは大変重要な意義があるということは、先ほどからの大臣との質疑の間でも、私も大臣の御認識はある程度理解をさせていただいたつもりでございますが、政府におかれて、この保険の問題を含めて、瑕疵担保責任を実効性のあるものにすると、先ほど与党の質疑の中でも出ておりました。与野党の認識、大臣の認識が一致をすれば、私どもが御提案をしているように、この保険をぜひ制度化していただきたいというふうに思うわけであります。

 まず、政府におかれては、国土交通省でしょうか、住宅瑕疵担保責任研究会というところで研究をされて、その結論を待つ、こういうことではないかと思いますが、この瑕疵担保責任研究会の位置づけと今後の予定、いつまでに、これも夏まででしょうか、結論を出せということでお話をされているのか。どういう方向でされているのか、大臣の諮問の方向性があるのであれば、それも含めてお示しをいただきたいと思います。

北側国務大臣 この保険制度の問題は、非常に重要な課題と認識をしております。

 社会資本整備審議会では、この問題は、必ずしも専門的な方々が入っているわけじゃないんですね。保険の問題というのは、これはまさに金融の話ですので、民間の金融機関、損保会社であれ銀行であれ、民間の人たちがそういう商品なら提供できますよというふうにならないと制度化できないわけですね。

 最初は、我々、この研究会発足前にも、民間の金融機関の方々また金融庁の方々と、何とか保険を義務化できないかということで、相当議論したんです。議論したんですが、やはりいろいろな問題点がそこに出てきました。私が当初考えたより以上の大きな問題点が出てまいりまして、そういうこともございまして、この保険制度の問題につきましては、民間の金融機関の方々も含めて、また金融庁にも入っていただいて、もちろん有識者、法律家にも入っていただいて、住宅瑕疵担保責任研究会というのを、私のもとで、私的諮問機関ということでつくらせていただいたところでございます。

 方向性としては、瑕疵担保責任という規定があっても、売り主が今回のように倒産をしてしまったら、それは制度があるだけで実効性がないわけでございますので、この瑕疵担保責任の実効性をいかに確保していくかという観点から、保険制度というものをどう活用、利用、強化できるのか、そこをぜひ検討してもらいたいということでお願いをしているところでございます。この基本的な方向性につきましても、同様に夏までにお願いをしたいというふうに考えております。

 難しい問題というのは、ここは保険料で保険財政をもたせるわけですから、その保険料を最終的にだれが負担するかというのは結局消費者なんですね。それは結局、住宅価格に最終的には転嫁されるわけですから、消費者であるところの住宅取得者が最終的には負担をすることになるわけですね、実質的には。そのためには、住宅取得者が保険料を最終的に転嫁され負担するということは、保険制度そのものがやはり安定的なものでないとだめだ、安定的なものでないといけないということが一つ大きな問題としてあります。

 それと、故意、重過失の場合にどうするか。これは、保険制度そのものにもともと潜在している大きな問題でございますけれども、この故意、重過失に起因する瑕疵をどう考えていくのかというような問題だとか、それから、民間機関がきちんとリスクを評価して負担できるようなものでないといけないわけで、それがまた保険料にはね返ってくるわけですから。

 保険制度全体のこうした困難な問題、難しい問題を、ぜひこういう金融の専門家の方々に入って検討してもらいたいということで検討をしていただいているところでございます。

 場合によっては、自賠責じゃありませんけれども、再保険という問題も出てくるんですね。そうすると、予算措置が必要だなんというようなことも考えられるわけでございまして、非常に大きな問題。だから、財務省なんかも、この問題についてはよく見ていただかないといけないわけでございますが、いずれにしましても、この夏までに、その辺の方向性についてきちんと出せるようにさせていただきたいと思っております。

松本(剛)委員 おっしゃったように、今は強制加入を前提にした課題、半ばでしてというお話をいただいた部分が多いのではないかというふうに思います。

 全部強制加入という考え方は少し統制が出過ぎではないかと私は思っておりまして、我々もいろいろ検討しました。我々もいろいろ検討した結果、今回の民主党の提案の中で、こういう形で行えば、強制ではないけれども大きく実効性を担保できるのではないかということで、今御提案をさせていただいているところでございます。

 民主党提出者の方で、簡潔に保険制度の御説明をいただけたらというふうに思っております。

下条議員 松本議員にお答えさせていただきます。

 今、強制加入については、大臣の方から、その欠点その他についていろいろ御説明がありました。

 ただ、物事は何でも、窓口と、それから、すべてオール・オア・ナッシングという中で、この段階でもどんどんいろいろな建物を建てております。

 そこで、私どもは、強制加入等の問題については少しおいておいて、いろいろな検討事項が必要だろう。保険の加入の有無をきちっと表示させていこうではないかというふうに思って、出させていただいております。購入者の選択を促す方法を採用したということであります。

 契約時というぎりぎりの段階ではなく、冷静な判断ができる極めて初期の段階で、つまり広告の段階で、住宅の品質確保の促進等に関する法律第六条一項及び三項に規定する設計住宅性能評価書の有無、(パネルを示す)ここでいいますと、こちらです。建設住宅性能評価書の有無、また、同法に基づく瑕疵担保責任の履行に関する保険の有無について記載させることにしています。つまり、広告の段階で、ないものはない、そして、あるものはあるとやって、冷静な判断を居住者、利用者に判断していただくというふうにさせていただいています。

 以上でございます。

松本(剛)委員 大臣も、先ほど、消費者の視点ということで宅地建物取引業法のお話をお示しいただきました。基本的に、保険を実効性あらしめるものにすることの必要性の認識は共有をしていただいているというふうに思います。

 契約段階での書面の交付ということは当然でありますけれども、我々のように、広告段階から制度化するというのも一つの考え方としてあり得ると思います。御検討をいただきたいと思いますが、大臣、御所見を承りたいと思います。

北側国務大臣 恐らく、ねらいは同様だと思っているんですけれども、今回の改正案でも、契約締結前に保険加入の有無について相手方に説明することを義務づける、さらには、宅建業者、一戸建て住宅等の工事請負業者に対して、契約締結時に加入している保険等の内容を記載した書面を買い主に交付することを義務づける、そこで虚偽があった場合には罰則もある、こういう規定を設けさせていただいておるのも、恐らく、私は、ねらいは同じところのねらいであるというふうに思っております。

 問題は、広告における保険加入の有無等の表示の義務づけを提案していただいているわけでございますが、広告というのは宅建業者等の任意で行われているわけで、すべての業者が広告をするわけではございません。そこのところをどう考えていくのか。それから、請負工事を行う建設業者の場合は、その対象とする物件及び発注者が明らかになっていない段階で保険加入の有無を表示することは、実態的にそもそも困難ではないかというふうに考えているところでございます。

 この政府案において、まず情報の開示をしっかりさせる、そして、そこに虚偽があったら罰則を科していく、そうした取り組みについてぜひ御理解をお願いしたいと思っております。

松本(剛)委員 今回、両法案で、さっき申し上げたように、残念ながら、極めて今回のが暫定的なものにとどまっていると思われることであるとかいうことを含めて、基本的姿勢にどうも異なりがあるのではないかというふうに我々は感じていますが、個々の条文ということで、法案の方向ということでは、これなんかも全く逆の方向ということになっているわけでないのは大臣もおっしゃるとおりであります。

 広告についても、確かにおっしゃるように、我々もいろいろ検討いたしました。しかし、現実には、皆さんも自宅へ帰られてチラシその他をごらんになったことはあると思いますが、不動産においては、一つの最初の入り口のツールとしては広告というのは非常に有力な手段になっていることは、あれだけの数が出ていることを見ればやはり事実であろうというふうに思います。

 そこにそういう規制を、きちっと表示を義務づけるということを行えば、これは購入者はもちろん一番最初の段階でわかりますし、さらに言えば、広告という形で広く知らしめることであれば、一定以上の広告を打ってこれから事業を展開していこうという住宅販売ないしは開発の業者にとっては、会社そのもののいわば信用にもかかわってくるということからすれば、大臣も、お話を聞いたら、この保険を、強制加入の問題はいろいろあると。とすれば、その手前で、今でも制度としてはあるわけですから、これをやはり広めるということが非常に重要なことだ。

 広めるのに必要なのは今のような手だてではないかと我々は御提案をさせていただいているわけですので、もちろん、省の中では、逆にこれによる問題その他というような御指摘もあるかもしれません。我々も我々としてそれは検討したつもりですけれども、ぜひもう一度早急に検討していただいて、ここまで踏み込めるのかどうかということを御検討いただくようにお願いを申し上げたいと思っております。

 私の質疑の時間は終わりになりましたので交代をさせていただきたいと思いますが、議論させていただいている中で、この前の一番最初の質疑のときから感じておりますけれども、ぜひ、これだけ大きな問題が発生をしておるわけですから、いろいろな段取り、手続も特別に急いでいただく、特別に今までの枠を超えていただく。今回の法案の審議についても、民主党提案の法案であっても御検討をぜひいただいて、取り入れるべきものはここは急いで実現をしていただくということで御検討いただきたい。

 きょうは、保険のこと、それから建築士の強制加入については、大臣のお考えというものは、ある程度御検討いただけるというものを私はいただいたと思って、質疑者を交代したいと思います。よろしくお願いを申し上げて、私の質疑を終わります。

 以上です。

林委員長 馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 本日、昨年の耐震強度偽装問題発覚後、早急な制度の抜本的な見直しが叫ばれる中、政府提出の建築基準法等の改正案並びに私ども民主党の改正案、これら両案の審査に質疑の機会をいただきました。私は、昨年来の耐震強度偽装問題にかかわりながら、また、連休前の二十八日、本会議での代表質問をさせていただく、そうした場面に立たせていただきながら、今回の問題についてぜひとも抜本的な改革、これをしっかりと、大いなる決意を持って臨んでいただきたく質疑をさせていただきます。

 まず、本日、皆様方のお手元には、委員長のお許しをいただきまして、資料の配付をさせていただきました。

 お手元の資料1の、表紙のところをごらんいただきたいと思いますが、これは、社団法人日本建築構造技術者協会、通称JSCAと呼ばれる団体が、国総研、国土技術政策総合研究所、こちらに提出をされた報告書でございます。表題は「建築構造分野における品質確保のための新たな社会システムの制度及び技術基準に関する調査業務報告書」と大変長うございますが、その一部抜粋をここにはお渡しさせていただいております。

 このいわゆる新社会システムの調査報告書をもとに、まずは、大臣認定のプログラム、今回この偽装が行われたのは、直接的には大臣認定プログラムにおける構造計算書の偽装から始まりました。この大臣認定のプログラム、もちろんこのプログラムのよしあしあるいは是非ということも議論されるでしょうけれども、私は、まず、この大臣認定プログラムということについて根本的なところからお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

 さて、この大臣認定という言葉そのものを聞きますと、一般には、極めて高い国のお墨つき、国の保証したものというような、そうした認識を多くの方は持たれるのではないかと思うわけであります。まず、この大臣認定という言葉の意義、それについて国土交通省の方から御答弁をお願いいたします。

山本政府参考人 大臣認定の意義でございますが、コンピューターを利用して構造計算をするというやり方が非常に普及してきております。その適正な利用方法あるいはプログラムの信頼性を確保するという観点から、適切な入力により計算を行えば基準法が求める適切な結果が出力される、そういう性能を持ったプログラムであるということをあらかじめ審査して、これをそのようなプログラムであるということを認定するという制度でございます。

馬淵委員 今、大臣認定プログラムについての御説明に踏み込んでいただいたと思うんですが、済みません、では、もう少し初歩的なところからお尋ねしたいんですが、この大臣認定そのものはどういったものに適用されているんでしょうか。今はプログラムについてお話をいただきました。つまり、大臣認定という意義そのもの、これはどういったものなんでしょうか。もう一度御答弁をお願いいたします。

山本政府参考人 基準法上、大臣認定に係らしめる幾つかの項目がございますけれども、個別具体の、例えば構造方法でありますとか、部材でありますとか、そういったことについて建築基準法が求めている基準に適合することを確認していく必要があるわけですが、その過程で、特定のもの、条件を満たすものについては、建築基準法が求める要請を満たしているということをあらかじめいろいろな調査結果をいただいて評価をした上で、大臣が認定するわけでございます。それで、認定をいたしますと、建築確認の過程で、それについては法律上所与のものとして取り扱うことができる、そういう手続でございます。

馬淵委員 ありがとうございます。

 つまり、大臣認定というのは、今端的に御説明いただきましたが、建築基準法の法令要求の基準を満たすものだ。だから、これは、例えば材料であったり、あるいは工法であったり、例えば新しい技術が開発されて新しい工法ができた、その技術を使っていいものかどうか、これが建築基準法に合致したものかどうか、一般の建築主の方々はなかなかわかりにくい、そこをいわば国が国土交通省の大臣の名のもとに、基準法の法令要求を満たしているものだということを確認したものだ、こういうことの御説明をいただき、私もそれで十分理解ができるわけであります。

 今回、この大臣認定プログラム、この委員会の参考人招致の中でも、大臣認定プログラムをやったのにもかかわらず偽装が行われたのはそのプログラムが悪いといったような参考人の御意見があったり、さまざまな御意見が出たわけであります。

 今のお話であれば、単に大臣認定とは法令要求を満たしたものである、こういう位置づけである、そして、プログラムにおいては、それを適切な入力を行って一貫計算、ここの部分なんですが、計算を行えば、その結果については所与の基準を満たしたもので、それについては問題なし、基準を満たすものだということの前提に立つものだ、こういうことかと思いますが、それでよろしゅうございますか。再度、局長の確認をとらせていただきたいと思います。

山本政府参考人 ただいまの御質問は、プログラムを使って一貫計算を終了するということでございます。

 通常、構造計算書は非常に膨大な量になることが多いわけでございまして、申請者にとっても、あるいは、審査を行う建築主事あるいは指定確認検査機関にとりましても、これを、全体を取り扱うことは非常に大きな負担となりますので、大臣認定を取得した構造計算プログラムを使用して、エラーなく最初から終わりまで一貫して計算してこれを終了するというのが一番大きな条件ですが、そういった一定の条件を満たす構造計算書につきましては確認申請時に構造計算過程についてのいろいろな図書を省略できる、そういう取り扱いをしているわけでございます。

馬淵委員 ありがとうございます。

 ここで、今、大臣認定の意義と、そして大臣認定プログラムの位置づけということを御示唆いただいたわけであります。

 さて、今回の基準法等の改正の中で、大臣認定プログラムについては、これは六十八条の二十六ですか、ここには「国土交通大臣がする構造方法、建築材料又はプログラムに係る認定をいう。」という、「又はプログラム」という形で加えられておりますが、今回の法令改正の中で、この大臣認定プログラムについてはどのような、ここに単に「プログラム」の単語を加えたということだけじゃなく、どのような大臣認定プログラムに対する偽装等の行えないような施策というものが考えられているんでしょうか。これも端的にお答えいただけますでしょうか。

山本政府参考人 今回の偽装の態様を見ますと、プログラム自体が改ざんされているものはないんですが、プログラムの計算途上の数字を入れかえたり、いろいろな方法でこれを悪用している例がございましたので、審議会の中間報告では、構造計算プログラムについては、建築基準法令の規定に適合しない数値がそもそも入力できないようにするということ、それから、構造計算の途中で改ざんをしたり、あるいは、計算結果は保存されるわけですが、その保存データの改ざんを防止するための措置が講じられる必要があるという御指摘をいただいています。

 したがいまして、私どもは、その観点から大臣認定を見直す必要があるというふうに考えておりまして、御指摘いただきました法律改正そのものというよりは、法律改正を契機に大臣認定については改めて見直して行いたいというふうに考えているところでございます。

馬淵委員 極めて重要な今後の方針をお答えいただいたと思います。

 この大臣認定プログラム、おっしゃるとおり、プログラムそのものが改ざんされたということではなく、データそのものを、いわば切り張りのような形で、電子切り張りのような形で行われたのがこの偽装の大半の部分であります。こうしたことを考えれば、今御指摘のような、当初の入力データそのものをしっかりと担保させていく、そのデータが改ざんされないように、入力したデータそのものを電子上でデータとして、検査する側といいますか、それがしっかりと見られる状態にする、こうした方法というのは極めて重要だと思います。

 そして、今お話ありましたように、入り口の部分をしっかりとめて、また、出口のところでも、計算上、中はさわれないわけですから、出口のところのチェックを行えば大丈夫だということにつながっていくのではないかと思うわけです。ところが、一方で私は、このプログラムを使っていく中での功罪というものも、やはり実はしっかりと見きわめていかねばならない点だというふうに感じております。

 お手元の資料の3をごらんください。調査報告書の抜粋でございますが、3には、一貫構造計算プログラムについて、上段の方にあります下線部のところにはこのようなことが書いてあります。「建築構造に関する深い専門知識が無くても入力や操作に関する知識を身につければ、構造計算書作成が出来るようになってきているため、その問題点に焦点が当てられる場合が多い。これは構造設計者のレベルとプログラムとのバランスに問題があり、プログラムが悪いのではないが、そこに色々な問題が顕在化している。」と。これは、まさに今回の耐震偽装にかかわるような指摘がなされているわけであります。

 この設計者のレベルとプログラムとのバランス、これは重要な問題なんですね。入力データそのものを、先ほど局長は大臣認定の仕組みから見直すというふうにおっしゃっていただきましたが、この入力データ、どういうものを入力していくかということを判断するのは設計者ですから、その設計者とプログラムのバランス、ここに問題がある、こういうふうに言われている。

 姉歯建築士の偽装を考えれば、姉歯建築士はさまざまな要因があったと思われます。もちろんやってはならないことを行ってしまったが、この姉歯元建築士の行ったことについて言えば、コストダウンの要求やさまざまな要求の中で、鉄筋量を減らす、あるいは設計断面を減らしてコンクリートボリュームを落とすというような要求をなされてくる。

 例えば、鉄筋量だけですべての構造が決まるわけではありませんので、姉歯元建築士が要求されたような鉄筋量あるいは積算ボリュームについては、十分に構造的に耐力がある建物も世の中には存在する。しかし、御自身の中には、それだけの能力がない、構造に対する知見が及んでいない。だから、最終的には、自分で構造の大きな規格を考えることができずして偽装を行ってしまった。この設計者のレベルが及んでいないということ、この部分にかかわるわけであります。

 また、北海道札幌でありました偽装については、浅沼さんという方、まさに資格のない方ですね、こういった方が実際には構造計算に携わっていらっしゃる。わからなくもさわれてしまうというプログラム、このバランスの問題ということにどのように法的に担保していくかということが実は重要ではないかと考えます。

 さて、そこで、データそのものについては入り口でしっかり押さえて、そして出口でも押さえるんだということ、そして、適合判定を行う第三者機関を設けるということも今回の基準法の中に指摘されていますが、今申し上げたように、このような設計者のレベルが低い状況の中で、こうしたプログラムをさわっていくということが現実に起き得る。そこをどう担保していくかについては、国土交通省、お考えをお聞かせください。

山本政府参考人 非常に大事なポイントを御指摘いただいたと思います。

 御指摘のとおり、十分な構造についての知識を持たない者が安易に構造計算プログラムを使用すると、的確な構造計算ができないというふうに私どもも考えております。今配付いただきました資料の四ページの上の方の段に、改善策として一番大事なのは技術者の教育だということを指摘しております。そのとおりでございます。

 今回、徹底的に御審議いただきました社会資本整備審議会の分科会の中間報告におきましても、国は、建築構造技術者の団体の協力を得て、構造計算書が適正に作成され、偽装の防止に資することができるような、そういうことを目的とした構造計算書の内容についてのガイドラインを作成すべきだということを御指摘いただいております。さらに、建築確認のときにおいても厳格な審査をする、チェックすべきだというようなことをいただいておりますので、まず、ガイドラインといいますか指針を的確に用意をして進めてまいりたいと思っております。

馬淵委員 ガイドラインなり、今方法を考えているところだということでありますが、利用者の教育が重要であるということ、これも当然でありますが、本当に私はここを危惧するわけであります。

 現実に、例えばこの3のところをごらんいただくとわかりますように、下の方の下線部では、一貫構造計算プログラムは、入力作業の省力化への要求から、多くの項目に初期設定された値が設定されている、初期値、デフォルト値といいますが、これが設定されていて、ほとんど内容はわからなくても進められるんだと。また、プログラム評価の委員会ではワーニング、エラーメッセージを多く出すように要望するがソフトメーカーが嫌がる、理由としては使用者の知識が低過ぎてメーカーは対応に苦慮する場合が多くなるためと。これは非常にゆゆしき問題なんですよね。

 私も実は、この大臣認定プログラムを回してみました。データ入力をさせていただいて、回してみました。すると、これはエヌジーと出るんじゃないんですね。エラーとワーニングが出るんですね。エラーが出ればエヌジーなわけです。そして、エラーが出なければワーニングメッセージが出て、その理由をコメントせないかぬ。そして、ここに書いています、構造設計者はコメントを書きたくないから、文章を書くのが苦手だから、ワーニングが出ないようにしがちであると。

 つまり、このプログラムが悪いわけではないんですが、プログラムを使う側の意識、また、技術や知見が十分に及んでいないがためにこのようなことが起きる。一貫構造計算プログラムを何回も回してノーが出ないと設計した気になっている、これなんというのは、まさに札幌の例と一緒なんですよ。何遍やってもノーが出ちゃうから、もう我慢できずにぺたっと張りつけて改ざんした。このようなことが、ソフトメーカーやあるいは認定を行う機関等が、十分にこうした問題点があるんだということをこの段階で注意を出しているわけです。

 さて、このようなコンピューターのプログラム、ソフトによって起きる偽装というものについて、ぜひ私は、こうした偽装が行えないような、入り口と出口の問題だけでなく、利用者の教育ということもございますが、最終的にはやはり、これらプログラムをだれにさわらせるかということを厳しく法律で規定するということよりも、むしろ責任の問題になるのではないかという気がいたします。

 5をごらんください。資料の5には、「改善提案」ということで「現実的にはプログラム依存度は高まる一方であることから、利用に関する責任体制を明確にする必要がある。」と。結局は、ここに至ってくるわけです。

 さまざまな方法をとって、ガイドラインを設定して、このコンピューターをさわる者を法的に規制することではない方法を考えたとしても、最終的にはだれが責任をとるのかという話になってくる。実際、姉歯容疑者は、構造計算の中で偽装を行った。責任は姉歯氏にあるわけでありますが、姉歯氏が責任をとれるかというと、これはとれない状況になってしまっている。つまり、責任負担の補強策ということも考えねばならないということになるわけでありますが、資料の6をごらんください。

 一方で、これらの大臣認定プログラムについて認定を与える側、これは建築センターの約款でございますが、建築センターは、大臣認定プログラムの、このまさに大臣認定を行う、性能評価をする側に立っているわけでありますが、そこの約款には、性能評価を行ったプログラムのバグによっても起きた損害については賠償の責めには任じない、つまり自分たちは責任ないんだ、このようにおっしゃっている、認定する側はそういうふうにおっしゃっている。

 資料の7、8をごらんください。これは、大臣認定プログラム、SS2と呼ばれる、一般的な、大変よく使われている汎用性の高いソフトでありますが、これらの解説書、8のところに、注意書きには、運用した結果については、生ずる利益または損失については当社は一切責任を負いかねますので御了承ください、このように書かれている。ソフトをつくる会社は責任は負いませんよ、これは無理ないんです。

 何せ、先ほど申し上げたように、法令の要求を満たしているかどうかということだけで認定がなされていますから、だから、ここについては責任は負えない、そして、認定をする側もその認定の結果のその後においては責任は負えない。となると、その責任はどうなるかというと、やはりこれは設計者になってくる、どうも設計者が責任を負う以外にはないんだということになってしまうわけであります。

 こうした設計者の責任ということについて、責任の明確化並びに賠償能力の確保ということで、ここでも保険制度の導入ということが指摘をされているわけでありますが、再度、この保険制度というのは、最終的にはだれも責任がとれないのならば何とかここを担保する形にしようという最終のセーフティーネットでありますが、設計者の責任を徹底するということについての具体の方法論というのは今どのようにお考えなのかをお答えいただけますでしょうか。

山本政府参考人 故意または過失によりまして設計行為に瑕疵があった、結果、損害が生じたという場合には、当然設計者が責任を負わなければならないわけでございまして、被害を受けた建築主に対して損害賠償をするということですが、これに備えて、実は、任意の制度でございますけれども、建築設計損害賠償責任保険制度というものがございます。建築士事務所の協会、それから建築士の協会、建築士会連合会、それから建築家協会、それぞれこの制度を使っております。

 ただ、まだまだ今の段階では十分な加入率ではないということなので、この制度の普及を図っていく必要があると考えているところでございます。

馬淵委員 結局は、最終のセーフティーネットの保険でしかないんだというお答えだというふうに理解をいたしますが、先ほど我が党の松本政調会長の御質問に大臣の御答弁もいただきました。保険制度について、強制加入も含めた種々の検討、本当にこれからの大きな課題であるということでありますが、我が党におきましては、保険制度については、その強制加入というものが法的に非常に難しいものであるということもかんがみながら、現状においては、それら保険の加入の有無を、表示を義務化させるということでそこを担保するんだということを我が党案の中には盛り込んでおります。

 私がお尋ねしたいのは、この最終のセーフティーネット、保険でということは、これは両方の、政府並びに我が党案でも共通の認識であることは違いない。しかし一方で、設計者が責任を持って使用するということに対する担保、保険があるから大丈夫だということではなくて、責任を持って使用するということに対するその対策、施策というのはどのようなことをお考えかということの御質問を、再度、重ねてお聞かせください。

山本政府参考人 先ほど、行政サイドとしてガイドラインといいますか指針を的確に用意していくということを申し上げましたけれども、一方で建築士の資質の向上を図っていくということに尽きるわけでございまして、このことにつきましては、建築士の団体も含めて、きちんと真正面から取り組んで努力していく必要があると思っているわけでございます。

馬淵委員 今、建築士の団体ということの御答弁もありました。

 我が党案でも、これに関しては、建築士の団体についての加入というものは新たな建築士法人、新たな団体を設置しての加入、強制加入ということも盛り込んでおります。こうしたことも非常に重要であるということで、ぜひ政府案の中でも今後の検討の中にはしっかりと取り入れていただきたい、また、我が党案の先見性も十分に御理解いただきたいと思うわけであります。

 さて、この報告書、今大臣認定プログラムについての御質問をさせていただいたわけでありますが、この報告書には実はさまざまな指摘がなされています。例えば、ピアレビュー、ピアチェックと呼ばれる、専門能力を持った方々の再度のチェック、単純にダブルチェックではない、ピアチェックという考え方、また、倫理性の確保。これは代表質問の中で大臣の御答弁にもありました。例えば、技術士などの資格制度の中では倫理観、倫理に対する厳しい規定も要求をされている、こうした他の資格制度も十分に検討しながら倫理性の確保ということも考えていかねばならないというのは、大臣も、代表質問の御答弁の中にもありました。

 また、資格制度そのものについては、この夏までにということに照準を定めて検討をされているというお話でもありますが、実は、今申し上げたこと、大臣認定プログラム並びにピアレビュー、第三者評価、倫理性の確保、資格制度、これらはこのJSCAの報告書にすべて網羅されているんですね。

 さて、そこで、この資料の1、これをごらんいただくと、これは平成十七年の二月に出されているんですよ。そして、2をごらんください。この「研究全体のねらい」というところをごらんいただくと、傍線を引かせていただいていますが、平成十一年に実施された建築確認検査の民間開放等により行政の効率化が図られている、そのような基本的な制度の枠組みを維持しつつ行う対策には限界があるんだと。このようなことから研究が行われ、この報告書が昨年の二月に出ているんです。

 さて、では、これはいつからやっているのか。下の下線、ごらんください。「平成十四年度から三年間の計画で研究を行っている。」つまり、平成十年の基準法の改正、民間開放を含めたさまざまな改正を受けて、平成十一年にはこれが施行されていくわけです。施行されていく段階の中で、これはもう無理だよ、限界があるんだ、こういうことをこの国総研、これは国総研が、つまり国土交通省の機関である国土技術政策総合研究所が発注しているんですよ、予算をつけて、この調査を発注されているわけです、JSCAに対して。平成十四年の段階で既にこれらの問題点が指摘をされています。

 そして、その中に盛り込まれた課題としては、先ほど私申し上げた、3にもあるように、技術者の、設計者のレベルが低い、こうした問題があるよ、ワーニング、エラーメッセージが出ないようにどんどんどんどんソフト会社はインセンティブが働かないからつくってしまうよ、これでは問題があるんじゃないか、いや、むしろこれは問題が顕在化しているよ、こういうふうに指摘しているわけです。ピアレビューや第三者評価や倫理性の確保、資格制度、すべて平成十四年の段階で少なくとも網羅されている事実があります。

 そして、耐震強度偽装事件が起きたのは昨年の十一月です。二月の段階でこれら報告書を国土交通省は受けて問題意識を持ちながら、もっと言えば、八年前、平成十年の建築基準法改正時に十分に問題が起きるのではないかということを予見する立場にいらっしゃり、予見しながら、調査を進めながらも放置してきたということが事実なんじゃないですか。私は、このことは再三再四当委員会におきましても、あるいは予算委員会におきましても指摘をさせていただきました。

 さて、大臣、こうした認識というものについて大臣はいかがお考えでしょうか。私は、平成十年の改正以来、この問題については、予見する立場にいる者がまさに不作為の結果、不作為の責任はあるのではないか。それによってこの耐震強度偽装問題が起きて、やっと改正の話になっている、そうじゃないでしょう。平成十年の改正のときもそうでした。阪神・淡路大震災、その契機を得てようやく改正に踏み切った。今回もこの偽装問題がなければこうした機運が盛り上がらなかったのではないか。いや、むしろその準備がなされていたのであれば、なぜもっと早くしようとしなかったんでしょうか。

 私は、国土交通行政の皆さん方が日夜頑張っておられることを十分理解しながらも、やはりここでは政治の主導たるものがなかったのではないか、このことを御指摘させていただいているわけでありますが、大臣、どうですか、お考えをお聞かせください。

北側国務大臣 この御指摘の報告書につきましては、国土技術政策総合研究所が研究の一環として、社団法人の日本建築構造技術者協会、JSCAの方に業務委託をいたしまして、構造設計実務者サイドからの建築規制制度や技術的基準に関するニーズや提案についてまとめたものというふうに聞いておるところでございます。したがって、国総研が行っていた研究の参考資料として位置づけられるものでございまして、国総研そのものの見解を示したものではございません。

 この報告書の内容には、今委員のおっしゃったような御指摘があるわけでございますが、これらの、JSCAですね、専門家の方々、業界サイドからの提案に実現性も含めてさらなる検討が必要であったことから、国土技術政策総合研究所において引き続き研究をしているところであったというふうに聞いているところでございます。

 ただ、この内容には、私も詳細を全部見ているわけではございませんけれども、例えばこういうこともおっしゃっているんですね。法令で定める内容はできるだけ限定しろ、そして設計者の判断にゆだねる制度にしてくれ、むしろ自由度をもっと高めた方がいいんじゃないか、法令では余り縛るな、こういうことも提案されているんですね。

 今回の構造計算書偽装事件を踏まえますと、設計者の判断にゆだねる部分を拡大するというのは果たしてどうなんだろうかと逆に私は考えておりまして、むしろ、今後は法令において判断基準をより明確化する方向で検討すべきではないかというふうに思っているところでございます。

 さまざま、ここで提言されている内容については非常に大事な指摘ももちろんあるわけでございまして、そうしたことも今後ともよく検討させていただきたいと思っております。

馬淵委員 大臣、もちろんこれは大臣が就任される以前のお話であるわけでありますが、ここで書かれていること、今御指摘にあった、法令で余り細かく決めるべきではないということ、確かにそういったことも含んではおります。ここで書かれているのは、具体的にはこういうことですよ。法律というのは社会的ルールであるが技術者のツールである必要はないんだということで、技術というのは日進月歩で変わっていくので、その部分については法律の定めよりもむしろ違う定めの方法の方がいいのではないかという御提言なんですね。

 そして、ここでも指摘されています。建築の規制そのものに関しては、規制強化のベクトルが働く、これは、事故や災害があるとマスコミ等に取り上げられ、規制強化のベクトルが働く。一方、経済対策として、建築物そのもののあり方についての議論が十分なされないまま規制緩和が行われるということの繰り返しであると。これは、本当にそのとおりなんですよ。ここに記されていることは、まさに我々一般の国民が見ている、聞いていることと同じ感想が述べられているわけです。

 そして、このようなレポートが少なくとも十四年の段階で研究に付されているということは、十分に、これは国総研の見解ではないと御指摘をされましたが、これは大事な問題なんですね。国総研はさまざまな基礎的技術の研究もなされています。もちろん、そういったものについてはそれぞれが独自に自由度を持って研究をなさるでしょう。しかし、これは制度の話なんです。制度の話を詰めていくということについては、最も行政施策にかかわる国交省の皆さん方がかかわっている問題なんだから、この認識というのは同時に持たれていなければおかしいはずなんですよ。

 このことについて、こうやって国総研で調べ、調査を重ねている段階にいたにもかかわらず、もう昨年の二月にはこうした報告書が出ている状況の中で、今回の事件が起きてしまった。私は、大臣がこのことについては十分踏まえながらも今後進めていこうとしていたんだとおっしゃっても、これは余りにも、八年間いわば放置してきた不作為の責任というのは逃れられないと思いますが、いかがですか、大臣。

北側国務大臣 放置してきた不作為があるというのは、私はそのようには思っておりません。

 この報告書そのものは、これは日本建築構造技術者協会まさしくJSCA、構造の専門家の方々がつくっている団体の報告書でございまして、これ全体が、当時から、国も、国土交通省もこういう認識をしておったんだということではないと思うんです。

 ここで指摘されていることがもちろん大事な御指摘もあったということは、もちろんそうだと思いますけれども、先ほど申し上げたように、全くそれでいいのかという指摘もあるわけでして、そこは、先ほど申し上げましたが、これ自体が国総研の見解でもありませんし、むしろこの報告書に基づいて国総研がさらに研究を重ねておったという段階であるということをぜひ御理解をお願いしたいと思います。

馬淵委員 大臣としては、御就任以前のお話でもありますし、これについてお答えできないという部分のお立場は理解はいたしますが、私は、やはりこれは八年間放置をしてきた、十四年からこうした問題認識を持ちながらも対応がおくれたということについては、これは国民の理解はなかなか得られないんじゃないでしょうかということを付言させていただきます。

 そして、こうした不作為の問題というのは、実はこれだけにとどまりません。資料の9をごらんいただきたいと思います。

 これも、私は単に八年間放置されてきたということだけを申し上げているのではなく、実は、八年前の平成十年の建築基準法の改正の議論のときにも、既に再三再四、いや、これで大丈夫かという指摘がなされてきたということを何度も何度も繰り返しこの委員会でも御指摘をしてきたわけです。

 例えば、民間確認検査機関に対するその是非については、当時の住宅局長が、事務的、機械的に淡々とさばくだけだから大丈夫だというお話をされてきた。これなどは民間の指定確認検査機関の主張と一致してしまうわけであります。

 そして、それ以外にもございました。

 設計、施工、監理の部分についてお尋ねをさせていただきます。

 9は、平成十年の五月二十日、当時の建設委員会、参考人招致の参考人の意見陳述の部分でございます。新里さんとおっしゃる弁護士さんが参考人としてお出ましになり意見陳述をされておられます。新里さんのその御意見としては、建築士法十八条四項のことについて述べられております。

 建築士法十八条四項では、「建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない。」と定められている。いわゆる工事監理者たる建築士が施工業者と対峙関係にあるということを法は予定していると考えています。

 しかし、実際はどうか。建築確認の工事監理者の届け出について名義貸しが横行している。さらには、建築士が施工業者の従業員であったり、施工業者と経済的なつながりがあって、経済的に従属的な地位にある。そのような中で、この十八条の四項が死文化しているところに問題があるのではないかと考えている。こう御指摘をされています。

 例えば、設計、施工、監理、これも私は代表質問でも質問させていただきましたが、建築士法で定められているけれども、既にこのこと自体ももう死文化しているんだ、法が予定している対峙の関係などは現実にはないんじゃないか、こういう指摘が平成十年の議論の中にもあったんです。ところが、これについては何ら施策が施されないままに今日まで来てしまった。

 10をごらんください。

 これも同じく、当時の議論の中の、野党議員の質疑の中の抜粋でございます。これは平成十年の五月十五日、中島委員が同様の指摘をされています。

 十八条四項を引いて、そしてはっきりと中島委員もこの中で、いや、これは実態には存在しないというのが現実じゃないか、このように指摘をされています。雇われ人である建築士が雇用主の手抜き工事を現認したら直ちに告発せよ、これは非常に実情に合わない、これは業界のだれしもが認めている、このように言われ、また、建設省も、こうした矛盾を見て見ぬふりをして、あたかも現在の建築士が資質向上し安心して監理を任せられる専門家であるということを強調している、このように指摘をしています。これらは、幾ら、いや、こういうことになっているんだ、十八条四項が趣旨にのっとって進められているんだといっても、これは状況を変えない限り難しいんじゃないか、この実態を是正することはできないんじゃないかということをこの建設委員会の中でも指摘されているわけです。

 いいですか。平成十年、当時、参考人招致やこうした法案審議の中でも再三再四指摘をされているにもかかわらず、建築士法のこの部分に関して、設計、施工、監理の分離については置き去りにされてしまった。

 さて、このことについては、大臣、今後のお取り組みというのはいかになされようとされていますでしょうか。

北側国務大臣 工事監理というのは、おっしゃっているとおり、極めて重要でございます。建築物の品質を確保する上で、工事監理が適正に行われなければならないと考えております。

 このことにつきましては社会資本整備審議会でも論議をされておりまして、中間報告の中でも、工事監理業務の内容をより明確化することを検討するというふうに報告をいただいておりますし、また、工事監理業務の適正化の一つの方法として、工事施工者と利害関係のない第三者の建築士による工事監理を義務づけることについてもその必要性、実効性を検討しろ、このような御指摘もいただいているところでございます。

 この工事監理業務の適正化につきましては、これも夏ごろまでに方針を取りまとめて、その結果を踏まえて見直しを行っていきたいと考えております。

馬淵委員 もう八年前にも死文化していると指摘をされてきたこの十八条四項、このことについてはぜひ徹底した見直しを図っていただかねばならないと思いますし、逆に言えば、やはりこうした経済的従属関係にあるものというような慣行をしっかり断ち切るというのが実は大きな理念として掲げられるべきではないかと私は思うわけであります。

 今、義務化をしていくんだという方向の意見もあるということで、夏に向けての御決意はお聞きをいたしましたが、私ども民主党は、やはりそこは理念として掲げるべきだということを我が党案の中でも出しているわけであります。

 民主党の提出者の方にお伺いいたします。この十八条四項、このような形で死文化となっていますが、民主党案、ここではこの設計、施工、監理については明確な理念を打ち出されているということでありますが、これについて、民主党案提出者の方、その民主党の考え方を再度お聞かせいただけますでしょうか。

森本議員 御指摘のとおり、設計、施工、監理の分離と建築士の独立性の確保こそが今回の耐震偽装の、手抜き工事の防止策の中心に位置づけなければならない、そのように考えております。

 しかし、今回の政府案では、さきの建築基準法の改正についても多くのことが指摘されておったにもかかわらず、何ら措置がされておりません。ただ、先ほど大臣の答弁で、十分に認識をされて理解をされているということは理解をさせていただきますが、そのことが今回の法改正に盛り込まれていないということは極めて不満であります。

 私ども民主党といたしましては、今お話がありました、建築士が建築会社に従属した立場で仕事を続ける限り、設計段階や工事段階でのコストダウンの圧力から法令違反を犯すケースをとめることは極めて難しいというふうに判断をさせていただいております。建築士の独立性を高めて、地位を向上させていかなければ、幾ら罰則を強化しても、構造の偽装、手抜き工事はなくならないわけであります。

 政府案では、建築士の社会的、経済的地位が現在のままで罰則ばかり強化しても、萎縮をされるばかりで、誇りを持った仕事ができないというふうに考えております。建築家の方々が誇りを持って責任を果たすことができるように、民主党案では建築士法を大幅に改正いたしております。

 その第一に、建築士は、建築物の設計及び工事監理の知識技能の豊かな専門家として、工事の実施を行う建設業者との適切な役割分担を行うことを大事な使命とうたっておるわけでございます。

 第二に、建築士事務所の開設者を建築士に限定すること、新たに建築士法人の設立を認めることで、建設会社が開設者である建築士事務所または建設会社と親子関係に立つ株式会社形態の建築士事務所は設置できないといたしております。これによって建築士の独立性が確保され、設計、施工、監理の分離が実態的にもなされることになるわけでございます。

 自民党の松本議員からも、特定行政庁の責任、権限について触れられました。私も当然そのように考えております。ただ、中間検査、完成検査を義務づけいたしましても、工事の過程が極めて重要なものになってくるというふうに思っております。私どもが立法、司法、行政、三権分立が極めて明確になされておりますように、設計、施工、監理の分離が明確になされていくことによって、偽装や手抜きのない、質の高い建築が可能というふうに考えさせていただいておる次第であります。

 以上でございます。

馬淵委員 民主党案、明確にこの設計、施工、監理、しっかりとその権限を分離してということ、十八条四項が死文化しているような現状を憂い、かんがみ、今回の基準法の改正案として出させていただいているわけであります。

 大臣も、この建築士法については十分な見直しを図るという先ほどの御決意をいただくのであれば、やはりこれは理念として、政府案の中には大前提として掲げていただくべき点ではなかったかということを私は繰り返し御指摘をさせていただきます。

 さて、先ほどまで、大臣認定プログラムや設計、施工、監理の分離、こうしたことについて、結局不作為ということがあったのではないかということを何度も私は指摘をさせていただいたわけでありますが、大臣はそのようには考えないと。まあ、これは御就任以前の話でもありますから御無理ないかと思うわけでありますが、やはりこの不作為がなぜ起きるかということに私たちは一歩歩を進めなければなりません。

 そこで上がってまいりますのが、行政が改革を進めようといったときに、なぜ立ちどまってしまうのか。業界の反対もあるかもしれません。あるいは政治家からの介入があるかもしれません。

 そこで、私も代表質問で質問をさせていただいたわけでありますが、政官業の癒着、何らかの制度の改正あるいは改善を図ろうとすると、必ず既得権益に群がる方々のところでそれをとめようとする動きが出てくる。まさにそれを変えていくのが構造改革、総理のおっしゃっている構造改革なのではないかと思うわけでありますが、現実にはそれができていないというのが現状ではないかと私は指摘をさせていただいているわけであります。

 さて、政官業の癒着、当委員会でも再三再四指摘をされてまいりました。

 伊藤元国土庁長官がヒューザーの小嶋社長と国土交通省を訪ねた。そして、国土交通省、山本住宅局長きょうおいでですが、山本住宅局長に対して、国としてこれは対応すべきではないかということを伊藤元長官がお話をされたということ、さて、こうしたことについては、その後そのままになっています。

 その伊藤元長官の国土交通省での局長への働きかけについて、我が党の長妻議員が質問主意書で確認をとっているんですね。質問主意書の答弁、これは閣議決定をされたものであります。この質問主意書の答弁書には、「国土交通省住宅局長の記憶によれば、」ということで、「伊藤代議士が平成十七年十一月十五日に同局建築指導課長と面談した後、同日十五時五十分ごろから同局長と面談した際に、同代議士から、この件については、建築確認検査機関を指定した国にも責任があると思う、居住者の安全確保などが大事だと思うが、国としてどう対応するのかという旨の発言、」があった。これは、閣議決定で、政府見解として、局長の記憶によればということで出された主意書の答弁書であります。

 この答弁に対して、政倫審が開かれました。そして、政倫審ではまた同様に、我が党の長妻議員が伊藤元長官に対してお尋ねをしています。残念ながら、議事録は原則非公開というためにつくられておりません。しかし、当時の模様は今も衆議院のVTRで確認することができます。伊藤元長官は、余り覚えていない、はっきり覚えていないとおっしゃっておられます。

 さて、このような働きかけの有無、あるいは、局長は、国として対応すべきだということを言われた、どう対応するのかということを問われたということの答弁との食い違いがあるままに、実は、当委員会並びに予算委員会におきましても何らそれらの疑惑の解明は進んでおりません。

 さて、こうした疑惑ということ、私が申し上げているこの政官業の癒着が実は不作為の根本にあるのならば、それを正すことが我々の責務ではないかということを再三再四申し上げてきたわけであります。この国会の中でこそ説明責任を果たすべきである。伊藤元長官がどういうことをそれこそ局長室で問われたのか。局長は何度も何度も御答弁に立っていただいていますが、伊藤元長官は政倫審の中で、記憶にないと答えられただけであります。

 こうしたことに対して、実は政治家の働きかけということについては極めて問題があるということが、さまざまな国会の歴史の中で取り上げられてきた。贈収賄ということであれば、これはいわゆる受託収賄、請託を受けたということの有無あるいは職務権限の有無等によって刑法で定めがありますが、どうもこれだけでは足りないということで議論がなされたのがあっせん利得処罰法でございました。

 このあっせん利得処罰法の中でも、どうも職務権限や請託の有無ということがなかなか法的に定めていくには難しい。政治家が、それこそ政官業の癒着の温床となって、政治家が悪事を働くことを見過ごしてしまうのではないかということから、こうしたあっせん利得処罰法の法律が平成十二年に定められたわけであります。

 このあっせん利得処罰法の立法趣旨というものをもう一度我々はしっかり考えねばなりません。きょうは法務省にもおいでいただいております。済みません、法務省の方、立法趣旨について端的にお答えいただけますでしょうか。

三浦政府参考人 お答えいたします。

 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律は、公職にある者等の政治活動の廉潔性を保持するとともに、政治に対する国民の信頼を確保することを目的とするものであるとされております。

馬淵委員 そうなんですね。公職にある者が本当に倫理観を持って取り組まねばならないということで、こうした立法趣旨にのっとってこれがつくられたわけであります。

 さて、こうした立法趣旨にのっとってつくられていく中で、この法律の中で、いわゆる影響が及ぶということ、影響力の行使ということが取り上げられます。この影響力の行使、権限に基づく影響力を行使するということがこのあっせん利得処罰法の中には規定をされているわけでありますが、法務省、もう一点、この影響力の行使ということについて端的にお答えいただけますでしょうか。

三浦政府参考人 あっせん利得処罰法におきます「影響力を行使して」という言葉でございますが、これは、公職にある者の権限に基づく影響力を積極的に利用すること、言いかえれば、実際にあっせんを受けた公務員の判断を拘束する必要まではないものの、態様として、あっせんを受けた公務員の判断に影響を与えるような形で、その公務員に影響を有する権限の行使や不行使を明示的または黙示的に示すことをいうと解されております。

馬淵委員 影響力の行使、これは資料をつけました、11。今まさに法務省の方でお答えいただいたことが説明、解説いただいているわけであります。「影響力を行使したと言うためには、あっせんを受けた公務員の判断に影響を与えるような態様である必要があり、かつそれで十分です。現実にあっせんを受けた公務員が影響を受けたことは必要ありません。」こういうふうに、今の法務省の御見解は全く一緒ですね。

 つまり、影響力を行使したというのは、もちろんその他の要件はいっぱいありますよ、その他の要件はいっぱいありますが、まず、影響力の行使という部分について言えば、これは何度もこの委員会でも問題になり、予算委員会でも問題になった伊藤元長官の行動、影響力の行使、公務員の判断に影響を与えるような態様、まさに、伊藤元長官がヒューザー小嶋社長と国土交通省局長のところに行って国として十分対応することが必要だということを言った、影響力を与えるような態様、一致するじゃないですかということが問われたからこそ、何度も何度もこの委員会では、伊藤元長官の、しっかりとした御本人の意見を聞こうじゃないか、こういうことが繰り返しここで上がったわけであります。

 このことについて私は、本会議の代表質問の中でも、こうした政官業の癒着の構造に対して大臣はどのようにお考えかとお聞きをした。大臣、何とお答えになられましたか。本会議の代表質問の答弁を繰り返しお願いいたします。

北側国務大臣 行政の側は一切影響を受けておらない、行政の判断に、その後のさまざまな判断に一切影響を受けておりませんというふうに申し上げました。

馬淵委員 そうですね。大臣の御答弁は一言であります。まあ二言三言になるんでしょうか、「これまで行政の判断が影響を受けたということは一切ございません。」との御答弁でした。

 今回の伊藤元長官の問題につきましても、今法務省に御説明いただいた刑法の適用があるかどうか、これは別の話です。これはもう司直の判断なんですから。これは全く別の話です。我々としては、立法府にいる者として、法律のその適用、これをどのような趣旨でつくられてきたのかということについては議論をすべきであります。

 あっせん利得処罰法というのは、法務省の指摘のように、公務員の職務に影響を与えることがなきようにということで、政治家に対して厳しい倫理規定をここで設けられている。そしてそれは、あくまで、影響を与えるような態様があるということが一つの要件なんです。結果の問題ではありません。大臣は、行政の判断が影響を受けたことは一切ないとお答えをされていますが、結果が影響を受けずとも、例えばこの趣旨にのっとれば問題なんですよ。

 大臣、私がお尋ねしたいのは、政官業の癒着の構造の中で、このように、結果が影響を受けずとも問題であるということが問われていることに対してはいかがお考えかとお尋ねをさせていただいているんです。大臣、本会議では双方向の質疑はできませんでした。ぜひこの委員会の中で大臣の御所見をお聞かせください。

北側国務大臣 私にとって大事なことは、国土交通大臣でございますので、今回の事件を通じて行政が不当な影響を、政治家からさまざま圧力があって不当な影響を受けた、そういうことは一切ないということを申し上げているんです。

 そこに私どもは一番大事なところが、行政をやる側としては一番大事なところがあるわけでございまして、今委員のおっしゃっているのは、あっせん利得罪の要件としての影響力行使云々ということをおっしゃっておられますが、そこのところは我々行政の側からは関係ないことでございまして、行政にとって大事なことは、行政にとって大事なことは、不当な影響を受けたかどうか、そういうのは一切ないということを一貫して申し上げているところでございます。

馬淵委員 一切影響は結果なかったということですべてオーケーではないということから、この立法趣旨が図られているんじゃないんですかね。そういった結果がなければオーケーであれば、こんな法律つくられないんですよ。この立法の趣旨というのは、まさに影響力を行使するような態様ですらだめだということを我々政治家たちが認識すべきだということでつくられてきた法律なんですよ。

 大臣、ぜひそこについて、今の御所見は、いや自分たちの責任の範疇の中でこれは構わないんだというお話じゃないと思いますが、いかがでしょうか、大臣。

北側国務大臣 何か馬淵議員のお話を聞いていますと、あっせん利得処罰罪に当たるのではないかとおっしゃっておられるんですか。(馬淵委員「一言も申し上げていないですよね、そんなこと」と呼ぶ)いやいや、だって、あっせん利得処罰罪の要件なんですから、あっせん利得処罰罪に当たるかもしれないという疑いを持っているという前提でお聞きになっていらっしゃるんでしょうか。

馬淵委員 私は、何度も申し上げているように、このような法律の立法趣旨がどこにあるのかということを法務省に確認をした上で、こうした立法趣旨がこの国会の中にあるわけですよ、我が国にあるわけです。こうした立法趣旨にのっとったときに、大臣の御答弁というのは不十分じゃないですかとお聞きをしているわけです。いかがですか。

 私は申し上げますよ。一言もあっせん利得処罰法にひっかかるなどという話をしていませんよ。大臣、勝手なことを言わないでください。私は一言も申し上げておりません。

 大臣、いかがですか。大臣がおっしゃっているのは、結果、影響がなければいいんだとおっしゃっている。ならば、こういった法律は要らないじゃないですか。

北側国務大臣 ちょっと私もよく理解できておらないんですが、この影響力行使の意味を先ほど、法務省ですか、お聞きになられたわけでしょう。この影響力行使というのは、あっせん利得処罰罪の要件としての影響力行使なんですよ。その意義について当局の方からお聞きになられた上で、実際の影響力があったことは必要でないんだということをおっしゃっているわけですよね。私は、それはそうだと思います。

 ただ、委員の方は、今あっせん利得処罰罪の要件の一つをおっしゃっているわけですから、あっせん利得処罰罪に今回の件が当たるかもしれないという前提でお聞きになっているとしか私には聞こえないんですけれども。

 行政側としては、大切なことは、不当な影響を受けていないと。我々は、今回の問題を通じて、どこからも、そうした政治家等を初めといたしまして、一切不当な影響は受けておらないということを一貫して申し上げているところでございます。

馬淵委員 何度も申し上げるように、この刑法の規定にはまるかどうかというのは、これは司直の判断なんですよ。ですから、我々立法府にいる者がこれに対してその司直の判断を求めるものでも何でもないんです。

 ただし、こうしたこと、今申し上げているように、大臣は、結果、何も影響を受けていないと言われておられますが、影響力の行使の態様にまるで一致するような伊藤元長官の行動については、何度も何度もこの委員会や予算委員会においても実際に説明責任を果たしていただこうと求めてきたわけであります。ところが、政倫審の御答弁は、この質問主意書と食い違っているんですよ。

 委員長、これは伊藤元長官の当委員会での証人喚問をぜひ実現してください。少なくとも、政倫審の答弁と質問主意書のこの内容の答弁とは食い違っています。閣議決定の答弁と政倫審の意見の食い違いを放置するんですか。少なくとも、当委員会においてこのことは何度も議論されてきたわけであります。委員長、どうかこれは理事会で協議してください。

林委員長 この問題に関しましては、けさほどの理事会で協議をいたしました。しかし、与野党合意に至らずということに相なっております。

馬淵委員 理事会の協議をいただくということの今委員長の御発言をいただきました。

 さて、こうした問題につきまして……(発言する者あり)

林委員長 御静粛に願います。発言中であります。御静粛にお願いします。

馬淵委員 私は、まだまださらなる問題がやはりあるなということを御指摘せざるを得ません。(発言する者あり)委員長、ちょっと静かにさせてくれませんか。

林委員長 御静粛に願います。発言中でございます。

馬淵委員 委員長、どうぞ名前を言ってとめてくださいよ。質問できません。

林委員長 どうぞ発言を続けてください。

馬淵委員 はい。(発言する者あり)とめてください。とめてください。

林委員長 どうぞ御静粛に願います。

馬淵委員 それでは、引き続き質疑をさせていただきます。

 そうした政官業の癒着というものがどうしても繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し上がってくるわけですね。(発言する者あり)委員長、とめてください。理事が非常に先ほどから不規則発言で、私はお話しできないんですよ。

 さて、お手元の資料の十二ページ、12でございます。

 ここには、これは長妻議員が国交省に資料要求をしたものであります。連休前の四月の二十六日水曜日、八名の逮捕者が出ました。この耐震強度偽装事件に関しては初の逮捕者であります。この八名の逮捕者の中に含まれていた藤田容疑者、イーホームズの社長であります藤田社長が、平成十三年当時、民間の指定確認検査機関を取得するということのその交渉の経緯でございます。

 平成十三年九月下旬並びに十月上旬、中旬ごろということで、藤田社長が来省し打ち合わせをされた。そして、十一月八日には申請書、これは六日付でありますが、受理をされた。そして、平成十三年の十一月の中旬か下旬のころですが、藤田社長より業務の説明。そして、それに対しての対応をしながら、都議会議員、これは名前は記憶していないとのことだそうですが、担当者に対して電話でイーホームズの申請についての、指定の基準についての問い合わせがあった。現在審査中である旨伝えたが、詳細なやりとりは記憶されていないということだそうです。そして、平成十三年の十二月の六日、指定決裁を起案。十二月の中旬、再度都議会議員から、名前は記憶されていないということだそうですが、担当者に対して電話で指定期日の問い合わせがあった。審査中であるということで回答したが、詳細なやりとりは記憶していない。十二月の二十日、指定の決裁が終了。二十一日に指定書をイーホームズ社長に交付ということが経緯だそうであります。

 しかし、こうした経緯に対して、十三枚目、十三ページをごらんください、逮捕の翌日の四月の二十七日の木曜日、毎日新聞の夕刊の報道によりますと、イーホームズが都議に働きかけを依頼したということが報道として上がっております。そして、ここでは、この都議は吉原都議ということで名前が挙がり、吉原都議は、これは国交省に出向き、このように取材に答えられているようであります。友達が申請しているが時間がかかっているようだ、なるべく早くお願いしますと求めたという。

 この吉原都議は、八四年の一月から二〇〇〇年の十二月まで伊藤元国土庁長官の秘書を務め、伊藤氏が長官時代、九六年の十一月から九七年の九月までは大臣秘書官もされていた方であります。この吉原都議が国交省に対しては、出向いて、イーホームズのこの指定について働きかけを行ったということが報道に上がっているわけであります。

 一方、藤田容疑者はこの吉原都議に対して、計四百一万円の献金を受けておられるということがここに上がっています。

 さて、国交省のこの経緯の報告と吉原都議が報道に対して説明している内容とも、これも食い違っています。そして、吉原都議は、今ここに上がっておりますように、伊藤元長官の秘書でもありました、大臣秘書官でもありました。先ほど来私が繰り返し指摘をさせていただいている、まさにその影響力の行使の態様と同等のことがここでも行われているかのごとくの報道であります。こうしたことを見ますと、政官業の癒着の構図というのは、単にお一方、お二方の話ではないのかもしれないということがこれを見ても明らかなわけであります。

 この吉原都議、都議会議員ではいらっしゃいますが、こうした国交省への働きかけということが報道で上がっている以上、やはり当委員会としても、このことについては先ほどの伊藤元長官の話と同様に、明確にこの吉原都議の関与については御本人の意見を聞くべきではないかと私は考えますが、委員長、これはぜひ吉原都議を参考人で当委員会にお呼びいただくよう理事会での協議のお願いをさせていただきます。

林委員長 理事会で協議をいたします。

馬淵委員 はい。

 大臣、このように、この報道によりますと、「都議に働きかけ依頼」と出ております。また、この国交省の説明経緯の中では、来省ではなく電話だということでありますが、もちろん、今回の容疑にかかわる、その直接の容疑にかかわる、架空増資というのが藤田容疑者の容疑であるようでありますが、その増資をした上でこうした申請がなされたわけであります。こうしたことに都議がかかわっておられるというこの事象に対しての大臣の御所見をお伺いいたします。

北側国務大臣 この報道がありましたので、御指摘の東京都議会議員との関係については、当時の職員に確認をしたところ、窓口の担当者の記憶では、名前は記憶しておりませんが、指定の基準についての問い合わせの電話と指定期日についての問い合わせの電話が都議からあったとのことでございます、それ以外の職員は、そのときに関する記憶はないということでございますというふうに報告を受けているところでございます。

馬淵委員 大臣の会見の中でのお言葉をいただいたと思いますが、少なくとも、国交省の窓口の職員の方の記憶とは食い違っています。

 先ほど来御指摘をさせていただいている政官業の癒着の構図がやはりここにも見てとれるかもしれない部分として、これについて、今、委員長の方には、参考人招致、理事会での協議のお取り計らいをいただきました。ぜひとも、これも前向きに、国民が、明らかにすべきはするというその姿勢を国会に望んでおられます。ぜひ御対応のほどをお願いしたいと思います。

 さて、最後でございますが、これも大臣にお尋ねをしたいと思います。

 大臣、これはもう個人的なことになるんでしょうけれども、資料を14、15と添付させていただきました。これは週刊朝日の報道でございます。ことしの三月の三十一日付の週刊朝日の報道で、ヒューザー小嶋社長が、公明党の大田区の区議に二千万から三千万援助をしたということをインタビューでお答えされておられるようでありますが、これは直接にインタビューをされた記者さんにお話を伺っているわけじゃありません、あくまで報道ということを前提でお伺いをします。大臣は、有川区議は御存じでしょうか。

北側国務大臣 全く面識ございません。

馬淵委員 面識はない、そうですか。大臣は御存じないということでございました。

 この報道には、有川区議さんという方が、大田区の区議で、公明党書記長だった市川雄一氏の秘書などを経て、一九八三年に初当選、以来六期連続当選、副議長も務めたベテラン区議ということで、そして、有川区議そのもののインタビューも載っております。十五ページには、有川区議が、昨年十一月に山口那津男参議院議員の秘書に連絡をしたということで、これについても、国の建築行政で意見が言いたいから紹介してほしいということだったので、これは、ヒューザー小嶋さんに、山口議員の秘書が窓口になっているので、お願いしてつないでもらっただけです、こういうインタビューのお答えをされたようであります。

 こうした有川区議は面識もないと今お答えをいただきましたが、これも確認でございます。

 報道に上がっているものでございますが、これは月刊現代の三月号ですか、ここにも、小嶋社長が、これはインタビューにお答えをされています。月刊現代三月号のインタビューの中では、「北側一雄国交大臣と有川区議のお二人はたまたま学生時代からのお知り合いだったとうかがっております。」と、このように小嶋社長が述べられている。

 そして、新潮45、これはことしの四月一日号でありますが、小嶋社長へのインタビュー並びに取材ということで、これは報道ベースになりますが、取材の中で、ここでは、「小嶋社長は公明党の北側一雄・国交省大臣や、その他、公明党議員に陳情のためのコンタクトをとろうとしたが、これらはいずれも有川区議のルートが使われていた。」と。

 このように二誌では報道が上がっておりますが、今大臣は面識もないとお答えいただきましたが、これらは全く事実ではないということでしょうか。

北側国務大臣 最初お読みになられたのは、何か私が若いときに同級生……(馬淵委員「学生時代のお知り合いだと」と呼ぶ)そういうことは一切ありません。だって、年も全く違う、私よりも大分年上の方でございますし、学生時代に知っているということは一切ありません。明確にありません。

馬淵委員 こうした報道が上がっております。大臣、今明確に御答弁をいただきました。一切御存じないということでありましたが、このように報道に上がっております。ある意味では、大臣が、それこそ精励をされている国土交通大臣としての役職に対して、こうしたかかわりがあるかのような記事が出ているわけです。

 これ、大臣は抗議はされませんですか。こうしたことで名誉を傷つけられているということで、私は、これを読んだ方は、ああ、何か関係あるのかと。まるで大臣と深いおつながりがあるかのような形で報道に付されておりますので、これは、大臣、抗議はされないんでしょうか。いかがですか。

北側国務大臣 いや、私が何か悪いことをしたんだというふうに書いているんだったら、とんでもないということで抗議はもちろんいたしますが、何でそんなふうに書いてあるのか私もよくわかりませんけれども、そうしたことで、よほどとんでもない話を書いてあるのであれば別といたしまして、そういうことで一つ一つ抗議していましたら本当に大変なもので、やっていないだけでございます。

 ただ、事実関係自体は、先ほど来申し上げていますとおり、私はこの区議の方とは全く面識はありませんし、ましてや、この件で何か電話があったとか会ったとか、そういうのも一切ありませんし、ましてや、それから、その後の話では、何ですか、小嶋氏が私とコンタクトを……(馬淵委員「とるパイプ役になっていると」と呼ぶ)だから、一切そういうことも事実としてはありません。

馬淵委員 大臣からは明確な御答弁をいただきましたが、いずれにしましても、こうした報道があちこちに上がってくる。やはり、こうした報道がなされてしまうこと、これは寛容な大臣のお立場で、こうしたことはもう捨ておくというふうにお話をいただきましたが、こうした報道が上がるのも、政官業の癒着ということに対して国民の関心が高いからこそでありまして、先ほど申し上げたように、委員長のお取り計らいによって理事会の協議をいただくようになりました。ぜひとも証人喚問並びに参考人招致を実現していただくことを最後に述べさせていただき、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

林委員長 斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 建築基準法等の改正案について質問をさせていただきます。

 私も代表質問でさせていただいたところでございますが、もう一度確認のために、なぜ公が建築確認を行うのかという原点について、まずお伺いをいたします。

 本来、建物を設計し、建築するというのは、公の建物もございますが、民間の建物については完全な民間の経済行為でございます。その民間の行為に対して、まず設計そのものが国家資格を持った者が行わなければならない、その設計に対して公の建築確認という制度がある、そして中間、竣工、それぞれ公の検査がある。そのほかの民間の経済行為に比べて、圧倒的に公の関与が強いわけでございます。

 こういう状況について、先ほど来議論にも出てきておりますけれども、公の関与は、いわゆる集団規定、都市計画的なものだけ、こういう地域にはこういう種類の建物をこういう高さで、またこういう色彩でという都市計画的な集団規制だけにして、個々の建物については、これは専門家、設計にしても施工にしても専門家の責任範囲に入るわけでございますので、その責任を民間と公と明確にする、単体については民間の責任ということを明確にする。民間の責任にする場合、当然、保険制度というようないわゆるバックアップ体制も必要になってこようかと思いますが、そのような議論もあるところでございます。

 そういう議論がある中で、公が建築確認を行うということの意味をまず最初に明らかにしておきたいと思います。

山本政府参考人 建築基準法は、本邦に建築され、使用される建築物について、最低の基準を定めているわけでございます。これは、単体規定であれ集団規定であれ、最低基準を定めているわけでございますが、その基準に建築物を適合したものにするということの第一の責任は、建築物を建築する建築主にある。建築主が基準に適合する建築計画を立案して、これをきちんと実行するという直接的な義務を基準法は建築主にかけております。

 それでは、確認制度は何かということでございますけれども、直接的義務を課した上で、特定行政庁が指揮監督を行います建築主事、あるいは国、都道府県が指定する指定確認検査機関に対しまして、当該建築計画を審査する、適法性を審査する後見的な義務を課しているというふうに整理されるわけでございます。この審査が建築確認でございまして、建築基準関係規定に適合することを公権的に判断し、これを表示するという行政行為であるというふうに理解しております。

 なぜこういう確認の制度があるかという点でございますが、建築物を建築し、購入するということになりますと、普通の財に比べて非常に多額の費用といいますか、高価でございます。非常に価格が高い。それから、構造とか防火とか避難といったような安全性能につきましては、でき上がった後になかなか瑕疵が見つからないですし、瑕疵が見つかった場合でもこれを改修しようというときに大変な損失を伴う、社会的な損失でございます。そういうことを考えると、竣工時点で必要な性能がきちんと確保されているということが必要であります。このために、まず建築士法において、専門的知見を有する有資格者が建築主のために設計を行うということを設定した上で、基準法において、確認をするということにしているものでございます。

 したがいまして、国民の生命、健康、財産の保護を図るために、集団規定だけでなく、単体規定につきましても、確認検査によって基準適合性を担保するということは社会的に非常に大きな意義を有していると考えているわけでございます。

斉藤(鉄)委員 単体規定においても公が建築確認を行う、チェックをするということの意義についてはわかりました。

 この建築確認制度、平成十年の建築基準法の改正がございまして、大きく変わりました。平成十年の建築基準法の改正、私も質問に立たせていただいて、今でも覚えていますが、二つ大きな改正がある。一つは、仕様規定から性能規定へという改正、それからもう一つが、建築確認の民間開放ということでございました。

 一つ目の性能規定に変わったということについては、今回の問題と関連してまた別の機会にぜひ質問したいと思っておりますが、建築確認の民間開放を行って、いわゆる指定確認検査機関というものが生まれたわけでございますが、この改正のねらいはどこにあって、どのようにそれが実現したか、その御認識をお伺いいたします。

山本政府参考人 平成十年の基準法改正による建築確認検査の民間開放につきましては、その背景としましては阪神・淡路大震災の教訓があるわけでございますけれども、それに加えまして、建築物が非常に大規模化してきている、それから建築技術も高度化してきているという中で、建築確認とか検査の行政側の実施体制が必ずしも十分に確保できていないという実情を踏まえまして、官民の役割分担を見直すことで、的確で効率的な執行体制をつくるということにあったというふうに考えております。建築主事だけが行ってまいりました建築確認検査事務について、新たに、必要な審査能力を有する公正中立な民間機関も行うことができることとしたものでございます。

 この結果でございますけれども、平成十年度の我が国における建築主事の総数は千九百人でございました。平成十六年度、民間の確認機関が仕事をするようになってしばらくしてからでございますが、主事と確認検査員をトータルで見ますと三千人になっております。ですから、確認検査の仕事を千九百人の主事が行っていた実施体制が、十六年度には三千人が取り組める体制になったということでございます。

 そういう意味で、確認検査業務の執行体制は強化されてまいりましたし、この結果でございますけれども、完了検査率についても、平成十年度の三八%は、十六年度七三%というふうに向上しております。それから、違反建築物の件数も減少しておりまして、平成十年度は一万二千余りだったんですが、平成十六年度は七千七百八十二件というふうになっております。

 こういったことで、建設行政全体としての実効性は着実に向上してきているということでございますので、民間開放の方向性は間違っていなかったというふうに考えているところでございます。

 ただ、今回、改正案におきましては、今般の事案を踏まえまして、基本的には現行の枠組みを維持するわけでございますが、確認検査がより的確に行われますように、指定要件の強化とか、特定行政庁の指定確認検査機関に対する指導監督権限の強化などを図ることとしているところでございます。

斉藤(鉄)委員 確かに、それまでの、いわゆる特定行政庁の建築主事さんだけ、人数も限られていた、しかし物件は非常にその数はふえていた、その中で形骸化していったということはよくわかりますし、民間開放の必要性についてもよくわかるわけです。

 しかしながら、今回指摘されておりますけれども、現実問題として、とにかく安く、早く確認をおろせるところに仕事が集中して繁盛していく。民間の、それも営利企業ですから、うちは安く、早くおろしますというようなことで営業活動していく。それで実態として機能していなかったのではないか、このようなことも言われているわけでございます。

 ちょっと質問通告と順番が違いますが、今回、指定確認検査機関に対する監督の強化ということを言っておりますけれども、具体的にどういう中身になるのか、今回の法律案の中でどのような措置を講じていくのか。現場でお話を聞いてみますと、例えば、審査できる件数についても制限をしていくべきではないかというふうな意見もございましたが、この点についてはいかがでしょうか。

山本政府参考人 やはり、再発防止のためには、御指摘いただきましたように、きちんと厳格にこれを実施するということが非常に大事でございますので、今回の法律案では、現行の確認検査制度について抜本的に見直すという観点から整理をしているところでございます。

 まず、審査方法について大臣が指針を示すということでございます。この大臣の定める審査方法に従って厳格に確認検査をしていく。これは建築確認についても、中間検査、完了検査についても同様でございますけれども、そういったことを進めていく。それから、構造計算について専門家の適合性判定をやるということ。それから、特定行政庁が、個別具体の確認事務に関連をいたしまして民間の指定確認検査機関に立入検査ができる、立入検査ができるというような形で指導監督権限を強化する。立入検査した上で問題があればこれを指定権者に通告する、指定権者が監督権限を行使してしかるべき措置をとるといったような措置を盛り込んでおりまして、そういう意味で、確認検査制度の抜本的な見直しを盛り込んでいると言えると思います。

斉藤(鉄)委員 今回の事件では、指定確認検査機関のみならず、いわゆる特定行政庁、建築主事さんにおいても偽装を見抜くことができなかったわけでございます。

 私も建築主事さんにいろいろ直接お話を伺いましたけれども、ちょっと論旨がずれますが、その方がおっしゃったのは、この制度ができた戦後すぐのころは、いわゆる建築主事、お役所が持っている技術の方が、民間の建設会社、大工さんたちの技術よりも上であった。したがって、公の建築確認ということにある意味で意味があった、チェック機能があった。しかし現在は、建築主事といっても数は少ないし、物件は多いし、かつ設計をする民間の技術の方がお役所の技術より上ということもたくさんある。そういう意味で、現在の建築確認制度というのは、公のチェックというのは見直さなくてはいけないのではないかというふうな建築主事さんの率直な意見も聞いてきたところでございます。

 現行の、いわゆる特定行政庁の建築主事さんが行うところの建築確認また検査制度について、どのような問題点があったか、その点についてお伺いします。

山本政府参考人 御指摘いただきましたように、今回の事件では、民間の確認検査機関だけではなくて、特定行政庁の主事においても偽装を見抜くことができなかったという事例が幾つもあるわけでございます。

 今回の姉歯元建築士の偽装の態様でございますけれども、非常に多岐にわたっておりまして、単純な差しかえ、これは偽装の発見が非常に容易であると思われるような偽装から、コンピューターの計算途上の数値あるいは出力の結果を巧妙に書きかえたというようなものまでわたっておりますので、偽装の態様によりまして、特定行政庁の主事の方が的確にこれを見抜けたかどうかということは判断する必要があるわけです。

 さっき言いましたように、入り口の地震力を単純に低減して、オーケーの出力が出たものと別の入力の部分を差しかえてやっているというのは可能なんですけれども、事柄によりましては、エラーメッセージとか警告メッセージを消去するというような、あるいは不適切な数字を切り張りで修正するというのがありまして、こういう偽装は通常の特定行政庁の審査ではなかなか発見することができなかったというふうに認識しておりまして、そのことを踏まえて、今回、高度な構造計算を要する建築物について構造計算適合性判定を義務づけたり、そういったような再発防止策を講じることとしたところでございます。

 御指摘いただいた事柄は、さらに、公共団体におけるいろいろな審査体制の強化とか、いろいろな行政の効率化といったようなことにも関連いたしますので、この部分につきましては、審議会でさらに御検討を今いただいておりまして、次の段階の講ずべき措置の中に的確に受けとめて対応してまいりたいと考えております。

斉藤(鉄)委員 それでは具体的に、今回の法律案では、審査側における入り口の建築確認、それから、途中の施工の段階における検査等を厳格に行うということでございますが、今回の法律案では建築確認また検査制度をどのように変えていこうとしているのか、端的に、わかりやすくお願いいたします。

山本政府参考人 まず、いろいろな偽装の中で、単純な差しかえを行ったものなどにつきましては、建築確認時に審査を的確にやればこれを見抜くことが可能だったというふうに考えておりまして、今回の改正案の中では、建築審査についての指針を定めまして、これに従ってきちんとやっていくということがまずございます。これは入り口できちんとやる。

 それからもう一つは、先ほども言いましたけれども、非常に巧妙に偽装したものは、結局、構造計算の過程を詳細に見て、あるいは現実に、一貫計算したものであれば、再計算を行うということでなければ偽装を見抜くことが困難だったというふうに考えておりまして、したがって、この部分につきましては、先ほど紹介しましたけれども、一定規模以上の建築物について構造計算の適合性判定を義務づけるという形で対応するという考えでございます。

 この場合、具体的には、大臣認定プログラムを用いて構造計算書を作成した建築物につきましては、入力データを建築申請のときに提出してもらって、第三者機関において入力方法を見た上で、再入力、再計算というのをやりますので、専門家を用いて具体的に審査するということよりは効率的に審査することが可能だというふうに思っております。

 そういう方法もとりながら、的確に審査をできるように進めていきたいという考えでございます。

斉藤(鉄)委員 その点はよくわかるんですが、巧妙に仕組まれた偽装、これを見つけるには、先ほどお話がありましたような構造計算適合性判定制度を導入して、もう一度計算する。そうせざるを得ないんだと思うんですが、巧妙に偽装するというのは、全体の中で見れば、もしあったとしてもごくごくごく一部、それをチェックするために、残りの九九・何%かわかりませんけれども、についても同じようなプロセスを踏むというのは、利益とコストのバランスから考えると本当にそれでいいのかなという思いがなくもないんですけれども、今回、この巧妙な偽装もちゃんとチェックするということがまず大前提ということなので、いたし方ないかと思います。

 もう一つ、そういうことよりも、また同じ計算を繰り返すよりも、鉛筆と紙で、構造技術者が建物全体の内容をよく頭に入れて、主要なポイントをきちっとチェックする。そういう、いわゆるピアチェック、手計算でポイントをチェックするというようなピアチェックの方がはるかにチェック機能は働くんだという多くの専門家の意見も聞いてきたところでございますけれども、この巧妙な偽装を見抜くということと、それから、現実にはそういうピアチェックの方が役立つんだという話と、この辺、住宅局長、どのようにお考えになりますか。

山本政府参考人 実は、今御指摘いただいた点が、現場の実務をきちんとこなして、なおかつ安全な建築物を確保するという観点が一番兼ね合いの難しいポイントだと思います。

 ですから、そういったところを論議した上で、実は今、巡航速度で年間七十五万件ぐらい建築物の確認申請があるんですけれども、その中でも大規模な建築物、年間おおよそ八万五千件ぐらいの、鉄筋コンクリートの建物でいえば二十メートル以上の建物とか、そういう大規模な建築物に限って今の専門家による判定を義務づけようとしているわけでございます。ですから、小規模な建築物になりますともともと構造計算不要なものも数十万件ありますし、そういったものについては、今までの審査をきちんとやるというやり方で進めて、専門家同士のピアチェックが非常に合理的だという御指摘がありますので、それについては引き続き検討課題だと思いますけれども、今回お願いしております枠組みは、以上のような判断に立って制度改正をお願いしているということでございます。

斉藤(鉄)委員 ピアチェックも、ある一定規模以上のものについては導入すると。それを上回る、上回るといいましょうか、多くの数万件と言われるものについては、構造計算適合性判定制度を使ってやるということで、理解できました。

 次に、施工中の検査についてでございますが、今回、この強化も図るということでございます。ですから、今回どのような改善措置を講じていくのかというのが私の質問ですが、一つ先ほど来からも出ておりますが、本来は、第一義的には建築主にその責任があるわけです。その建築主が自分の持ち物として建てている場合のいわゆる施工検査というものと、それから建築主と最終的な所有者が異なる、分譲マンションというふうな場合の施工段階の検査と、おのずと変わってこなくてはいけないのかなという思いもございますが、今回、この施工段階における検査の強化についてどのような方策をとられているのか、お伺いいたします。

山本政府参考人 御指摘いただきましたとおり、違反建築物の防止のためには、工事施工段階における検査を強化することが重要でございます。

 今回の改正案では、まず共同住宅につきまして、三階建て以上の共同住宅、いわゆるマンションでございますね、マンションについては、全国一律に中間検査を義務づけるということを行った上で、中間検査の的確な実施を確保するために、検査方法について大臣が指針を策定する、それに従ってきちんと検査を行うということを措置しております。

 また、この部分につきましては、執行体制も非常に重要でございますので、この指針に従って、地方公共団体それから民間確認検査機関が的確に進めていくということを期待しているところでございます。

斉藤(鉄)委員 次に、設計段階、いわゆる設計をする国家資格を持っているところの建築士、この建築士が悪意による偽装を行ったということが今回の問題の本質ですが、そういう建築士に対する処分、罰則を強化するということもこれは当然必要になってくるわけですが、今回の法律案ではどのような措置を講じているでしょうか。

山本政府参考人 今回の問題は、本来法令を遵守すべき資格者でございます建築士が構造計算書の偽装を行ったものでございまして、これをきちんと抑止していくという観点から、今回の法律案では、建築士の業務の適正化を図るという観点から、建築士の職責、構造安全性の証明義務、非建築士等に対する名義貸しの禁止、違反行為の指示等の禁止、それから、信用失墜行為の禁止等の規定を新たに追加した上で、これらの規定に違反した場合には免許の取り消し等の懲戒処分の対象としているところでございます。

 罰則の強化につきましては、まず、耐震基準など重大な実体規定違反の建築物を設計した場合には、現行の法定刑を大幅に引き上げまして、最高で懲役三年または罰金三百万円の刑を科すとしておりますし、名義貸し行為の禁止、それから構造安全証明書の交付義務に違反した場合は、最高で懲役一年または罰金百万円の刑を科すといった措置を講ずることとしております。

斉藤(鉄)委員 最後の質問ですが、今回の法律案は、早急に対応すべき課題について制度改正を行うということでございますが、当然、残された課題も多いかと思います。特に、保険制度、瑕疵担保責任制度、これをどのように具体化するのか。また、我々もいろいろ調査、専門家の方の御意見を聞いたときに、資格の専門化といいましょうか、専門別の資格制度にすべきではないかというふうな意見も聞きました。

 このような資格制度の問題等々いろいろあろうかと思いますが、残された課題は何なのか、どのように考えていらっしゃるか、また、どのような方向性を持ってこれから検討されているのか、この点についてお伺いします。

山本政府参考人 ことし二月の分科会の中間報告でも御指摘いただいておりますけれども、施策の実現に向けて引き続き検討すべき課題としまして、今御指摘いただきました専門分野別の建築士制度の導入を初めとする建築士制度に係る課題、住宅の売り主等の瑕疵担保責任のさらなる充実、国、公共団体における監督体制、審査体制の強化それから建築物のストックについての情報の充実、それから、構造計算書についての電子認証システムの導入の検討といったような課題が挙げられております。

 これらの課題につきましては、社会的な必要性とか実効性、それから具体的な見直し方法についてさらに検討する必要がありますし、関係団体との意見交換も必要でございます。そういうこともありまして、今回改正案では見送られたわけでございますが、引き続き御検討いただいた上で、夏ごろまでに方針を取りまとめていただきたいと考えております。

斉藤(鉄)委員 質問を終わります。ありがとうございました。

林委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二分開議

林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。逢坂誠二君。

逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。

 いろいろ御配慮いただきまして、ありがとうございます。顔ぶれを見ますと、そちら側にもいろいろ知り合いも多いし、応援団もたくさんいるようでございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、私の方から何点か質疑をさせていただきたいと思いますが、実は私、きょうの質疑があるということで、地元へ帰って少し建築基準法、特にこの確認申請にかかわる生の声を聞いてみようと思って、おとついの夕方、北海道へ戻ることにいたしました。

 それで、夕方の飛行機に乗ろうと思ったら、飛行機会社から連絡が来まして、機体の故障で飛行機が飛びませんというふうに言われまして、あらあら、これは参ったなというふうに思ったわけです。それで、そこの会社の御配慮で別の飛行機会社の近い時間に振りかえていただきまして、空港へ行きまして、ちょうど出発の十分ぐらい前になりましたら、大変申しわけございません、機体の故障で飛行機が飛びません、機体をチェンジいたしますということで、同じ時刻に二度も飛行機のトラブルがあったということで、これは、今この飛行機の、私が実際におとついの夜体験したことに限らず、やはり我が国は随分と課題をいろいろなところで抱えているんだなというふうに思った次第であります。

 無事にまたかえた機体で北海道へ戻りまして、昨日、こっちへまた北海道から帰ってきたわけですが、今度は、帰ってくる飛行機の中で、配ぜんをするときのワゴンというのがありますね、あれをスチュワーデスの方が押して通路でお茶や何かを配っている最中に、そもそも中に置いてあるところのワゴンのふたががばっがばっとあきまして、中のものがどさっと出てきて、あらあらと。そこには、もうスチュワーデスさんはだれもいないわけですが、物が散乱するというようなこともございました。

 これは大変小さなことなのかもしれませんし、多少の機体のトラブルというのは、これは世の中にはあるのかもしれないんですけれども、こうした小さな芽というものが、やはり今の日本のいろいろな課題のある種の兆候というふうにもとれるのかもしれないというふうに思った次第であります。

 きょうの本題はそちらではありませんけれども……(発言する者あり)ちょっと不規則発言があるようでございますけれども、私は、我が党の代議士会も本会議もきちんと出席をしております。それは当然のことだというふうに思っております。不規則発言、今ひとり言でございますので。

 さて、それで、実は、地域へ戻りましていろいろ話を聞きましたところ、やはり今回のこの建築基準法のことについてはいろいろな声がありました。特に、平成十年の改正以降の民間検査機関の課題でありますとか、あるいは、直接建築基準法ということではないのかもしれませんけれども、浄化槽の人槽決定の基準がやはりおかしいよねというような話が出ていたり、さまざまな声を聞かせていただいたわけであります。

 その声を聞いて、私は、やはり現場の声というか現場の実情、実態というものをがっちり把握することが大事なんだなと。しかも、この国会での議論に比べますと、現場の声というのはどちらかというと取るに足らないというか小さなこと、瑣末なことというふうに思われることが多いのですが、しかしながら、そうではない。その小さなこと、ここの議論からすれば瑣末と思われるようなことの中にやはり物の真実があるのではないか。神は細部に宿るという言葉もございますけれども、そんな印象を改めて持った次第であります。

 そこで、まず政府参考人の方にお伺いをしたいんですけれども、この建築法制、平成十年に大改正が行われたわけでありますけれども、その平成十年に改正が行われてからのこれまでの建築法制に関する評価、そして問題点というものを事務方としてどのように考えておられるか、まずお聞かせください。

山本政府参考人 御指摘いただきましたとおり、平成十年の改正は、建築基準法にとって近時では非常に大きな改正であったと考えております。

 平成十年の改正、長い間時間をかけて用意した上で国会にお願いしたわけでございますけれども、これは、何といいましても、直接的には阪神・淡路大震災の経験を踏まえまして、建築規制の実効性を確保しなきゃいかぬという観点から、建築確認検査の民間開放、中間検査の導入というのを行いました。さらに、設計の自由度の拡大とか技術革新の円滑化のための建築基準の性能規定化という基準体系の見直しも行ったものでございます。

 これは平成十年ですが、これから出発しまして、やはり建築物は人々のあらゆる生産、生活活動にかかわっておりますので、いろいろ社会的な情勢に応じてこれを見直す必要が常にあるわけでございまして、平成十四年には、いわゆるシックハウス症候群に対処するという観点から、原因となります建材とかあるいは換気設備についての規制を新設いたしました。

 それから、十六年でございますけれども、これは、やはり建築基準が年々進化してまいります。したがって、建築物ができたときには適法であっても、今現在使われている状態は今現在の基準に合っていないという、いわゆる既存不適格の問題でございます。既存不適格の問題は、増改築をする場合に現在の基準に合わせてもらわなきゃいかぬというルール、原則を最後まで貫徹しますと、あらゆる建築の改善活動も抑制してまいりますので、これをぜひ是正して、いい方向であれば前に進むようにということで、平成十六年にこれを改正してもらいました。

 建築物についての報告とか検査制度を充実しましたり、あるいは、危険な既存不適格については是正勧告制度を創設する。今言いました、いい方向であれば、プラスになる方向であれば手をつけられるという意味で、既存不適格建築物についての規制の合理化を行っています。これは平成十六年でございます。

 それで、平成十八年、ことしの国会の冒頭でございますけれども、アスベストについての規制を新たに導入しております。

 そして、今回、構造計算書の偽装事件を契機として、基準法等の改正案をお願いしているわけでございます。

 今、ざっと見ていただきましたように、こういった改正は、それぞれの時期の社会的な要請に的確にこたえるということでございますので、必要な規制の見直し、合理化に努めてきたものと振り返って考えるわけでございます。

逢坂委員 政府参考人、それで、問題点というのはこの間の改正で何かなかったのかというあたりはいかがでしょうか。

山本政府参考人 それを今回改正案でお願いしております法律の措置に照らして御説明いたしますと、例えば、民間開放に当たって、従来、建築主事だけがやっていた確認検査を指定確認機関が行えるようにしたわけでございますけれども、その建築主事を抱える特定行政庁と民間確認機関の関係が必ずしも十分でないといったような反省があって、今回のことを契機に、抜本的に点検し、見直した上で改正案を出している、お願いしているわけでございます。

 それは平成十年の大改正にかかわることでございますけれども、今突然のお尋ねなので、十四年、十六年、十八年の改正について直ちに具体的な例でお答えする用意はないのでございますが、実務を執行する中で、必要があればまたいろいろお願いしてまいることになると思います。

逢坂委員 今お話を聞いたように、それぞれの時代の要請に応じていろいろな改正というものを重ねてきたということでございますが、今回、いわゆる建築法制の法改正の提案がされているわけですが、いろいろな提案理由の書類を読ませていただきますと、今回の改正というのは当面急ぐものを手当てした。さらにまた、これは必要であろうというような文章もあったかと思いますけれども、今回の積み残しと今後の見通しみたいなもの、それについてはどのようにお考えでしょうか。

山本政府参考人 二月に社会資本整備審議会で出していただいた中間報告の中にも、早急に措置すべきである、この国会にも改正案としてお願いをして御審議いただき措置すべき事柄と整理していただいたものと、それから、先延ばしということじゃなくて、引き続きしっかり審議して結論を得て第二段階の改正として措置すべきものと整理していただきました。

 第二段階で引き続き検討すべき課題の中には、建築士に係る制度、専門分野別の資格制度を設けるべきではないかとか、あるいは建築士の団体に加入することを義務づけるといったようなテーマとか、それから工事監理の適正化の課題でありますとか、そういったような事柄、それから、特に分譲住宅について、瑕疵担保責任の履行の実効性を確保するという措置についてきちんとやっていくとか、そういったようなことが検討課題として残っておりまして、これはしっかり審議を進めていただいた上で夏には結論を出していただいて、また第二弾の改正案をお願いするという方針でございます。

逢坂委員 やはり、時代が随分変化をする、それから経済情勢も変わる、技術も変わるということで、いろいろな対応をせざるを得ないということはよくわかるわけであります。それに対応しなければならない政府、行政庁の皆さんもいろいろと大変だろうなというふうには思っているわけですが、やはり頻繁な改正というものが行われることがよい部分と悪い部分もあるのかなというふうにも思っているところでありまして、これについてはまた後ほどいろいろ考えてみたいと思います。

 そこで、もう一点お伺いしたいんですが、これも政府参考人にお伺いしたいんですが、今回、民主党案も提出させていただいておりますけれども、これに対する評価あるいは問題点というものをどのようにお考えでしょうか。

山本政府参考人 突然のお尋ねでございますが、民主党案を完全に消化し切れているかどうかわからないんですが、今まで私どもで勉強させていただいた限りでお話をさせていただきたいのですが、まず、何といっても、居住者、利用者の立場に立って改正を考えるべきだという御指摘については非常に大事な視点だと受けとめております。私どももそういう観点を大事にして検討してきたというふうに思っておりますけれども、非常に大事な視点だと思います。

 具体の御提案について三点御説明したいと思います。

 案で、まず第一に、手続の改善の中で、確認とか検査の確認済証、検査済証の発行権限は特定行政庁に限るという制度とされております。これについては二点の問題意識を持っております。

 一つは、民間確認機関に、基準適合性を判断して、その証明をいただいた上で、全く完全な申請書を改めて建築主事のところに出して、その証明書を付してやれば、これはもう適合性が確認されたものとみなして建築主事が確認済証を出す、こういう仕組みになっているわけでございますが、そういう流れの中で、特定行政庁が、済み証を出す段階で、改めてみずから適合性を判定しなければ済み証が出せないというふうに考える特定行政庁もたくさん出てくる可能性もあると思います、これは特定行政庁の考えを改めて聞いてみなきゃわかりませんけれども。そうしますと、事務的に非常に大変なことになってくる。民間開放したという趣旨が、現実には、現場では貫徹できなくなるんではないかという懸念を持っています。

 さらに、今回の再発防止策に関連いたしまして、公共団体からいろいろな要望をいただいております。その中で一番正面に掲げていただいております要望が、民間確認機関がやった仕事についての責任は民間確認機関にきちんととらせてほしい、そういう仕組みにしてほしいと言われております。そのために、経済的な基礎とかいろいろな指定要件を強化するというのは今回でお願いしているわけでございますけれども、その公共団体の正面の要望に対して若干逆行する方向があるのかなというふうに受けとめました。

 二点目は、すべての建築物について中間検査を義務づけるとされているところでございます。政府案では、三階建て以上のマンションは中間検査を義務づけて、その余の部分については特定行政庁が必要と考える用途等の建築物について中間検査をやるとなっていますけれども。これは、すべて中間検査ができれば、安全性という観点では非常に意味があるわけでございますけれども、現場の執行能力との関係でそこまできちんとできるだろうかと思います。

 三番目が、非常に大きな課題でございますが、建築士制度の課題でございます。建築士制度について、建築士会への加入を義務づけるという問題でありますとか、あるいは建築事務所の開設を建築士のみに限定するという提案をなされておりますけれども、この建築士制度につきましては、先ほど御説明しましたように、引き続きしっかり検討して夏までには必ず方向を定めて、次回には措置を講じていただきたいと思っておりますけれども、そういう課題ですので、基本的には、建築士制度を見直すという方向性については同じなんですが、タイミングについて若干差がある。

 ただ、中身については、私どもの検討課題の中に建築士法人制度は入っておりません。逆に、中間報告の方で検討課題とされておりますのは専門分野別の資格制度ですね。これは、民主党の案では私どもが見た限りではありませんけれども、社会資本整備審議会では検討課題として位置づけられております。

 大体、以上のような印象を持っております。

逢坂委員 今局長からいろいろお話がありましたけれども、居住者の視点というところは評価できるということで、それ以外に幾つか課題を指摘していただいたわけですが、民間指定確認検査機関のあり方について御指摘があったんですが、私が現場でいろいろ聞いたところによりますと、違法なことがあった場合もすべて民間指定確認検査機関でやってほしいというような話がある反面、そうじゃないという声もやはりあるようでございまして、このあたりは、やはり現場の声をよく聞いて法体系を組み上げていくことが重要だろうなというふうに思っているところであります。

 そこで、いずれにいたしましても、我々民主党が出した案の中でも、やはりこの視点は重要だと思うものについては柔軟に取り入れていただいて、最終的には国民のためになるような法改正ができることを強くお願いをしたいと私は思います。

 そこで、現場の声といたしまして、平成十年の改正以降、民間検査機関が介入することで地域内の建築物の総合的な情報把握ができなくなったというような指摘がございました。特にこの声が強いのは小規模な自治体におきましてですが、今までは、その地域内の建築物については、大体、特定行政庁が、どんな建物がどこにどう建っているかということがわかった。だから、防災上からも、まちづくりの観点からも非常に有利であった。でも、平成十年の制度改正以降、情報の一元化というものが必ずしもできなくなったということですね。

 行政庁には通知は来るわけですが、どこにどの程度の広さのものが建っているということはわかるわけですが、それ以上の深い情報については、事が起きてから集めなきゃいけない、こんなデメリットもあるぞというようなことがございました。

 それから、要するに、今度は建て主さんと民間検査機関との問題、これはもちろん民と民との契約でございますから、それは行政がどうこうという問題ではないのかもしれませんけれども、検査に一々旅費がかかるとか、いや、実はそれは知らなかったと。北海道の場合なんかは、札幌にある民間検査機関が遠くへ来ると、一回検査に行くだけで旅費を五万も六万も請求されて困ったというような事例ですとか、やはりデメリットも相当多いというふうにも思うわけですが、このあたりいかがお考えでしょうか。

山本政府参考人 今の旅費の件、私ども初めて耳にしまして、さすがに北海道は大変広いなというふうに思ったんですけれども、御質疑の中でもありましたように、基本的には確認の申請者と確認機関の契約の問題でございます。ですから、契約をする際に、どういう条件で確認をするんだと、確認審査機関も含めて、きちんとやるということが必要だと思います。

 しかし、その前提として、民間確認検査機関制度が申請者の皆様、結局国民の皆様ですけれども、きちんと理解されていることが大事ですので、そういう制度の理解をきちんと深めていくという方向できちんと努力をする必要があると思っております。

逢坂委員 実は、私の思うところ、平成十年の改正、なるほど時代の要請ということもあっただろうとは思いますが、全国を押しなべて広く見てみますと、この十年の改正がやはり適合する地域と必ずしもそうでない地域というのがあったのではないか。特に今私が指摘したような小規模な自治体においては、逆に手続が煩瑣になったり、国民の目線から見るとかえって不都合なことが多かったのではないかなという印象も持つわけであります。現にそういう声も地域へ戻ると聞こえてくるわけでありますね。

 したがいまして、法改正というのは、一地点だけを見るのではなくて、やはり国家全体を見た中でされることが重要ではないかというふうに私は指摘をしておきたいと思います。

 それから、実は、今回耐震偽装の問題が出てから、いわゆる建築確認制度というところだけに光が当たっているわけですが、現場を歩いてみますと、いやいや、実はそうじゃないんだ、確かに建築確認対象建築物についてもいろいろ課題はあるけれども、建築確認非該当建築物というものについても地域では相当問題にしていると。

 それで、局長、この建築確認の非該当建築物というのはどの程度存在し、その適法性、安全性の確保というのはどう行っているのかということをお知らせください。

山本政府参考人 これは建築確認の制度の経緯もありまして、市街地建築物法の時代にどういうコントロールをしていたかというのが背景にあるものですから、具体的には、建物がたくさん建って、みんなが稠密に住んでいるというところを対象に建築物をコントロールしようという思想がありますので、都市計画区域とかそういった区域のないところで建築物を建てる場合、しかも、その建築物が木造で二階建て以下、延べ面積も五百平米以下のようなものについては確認を受ける必要がないという仕組みになっております。

 別途、建築基準法では、統計をきちんと確保するために、十平米以上のものは建築主事を通じて知事に届け出なさいということになっていまして、これはきちんとした建築着工統計という形で、これは世界に冠たる統計ですけれども、あります。ありますが、現実には、御懸念のとおり、建築確認の制度がなければ、基準法に十平米以上は届け出ろと書いてあるからといって、届け出る人は実際にはいないんですね。

 したがって、正直に申し上げますと、この規定に基づいて、確認の必要はないけれども建築行政当局が掌握しているものを統計的に整理したものは実はございません、類型的には。

 ただ、基準法の運用という観点から見ますと、基準法は、確認云々にかかわらず、これは最低基準でございますので、建築物は基準に適合していなきゃいかぬということを法律上求めております。それをベースに建築行政当局は、問題があれば、違反是正をお願いしたり報告徴収をすることができたりすることがありますので、やはりこれは現場との関係で、具体の課題に即して建築行政当局がきちんと取り組んでいただくべき課題だと思っております。

逢坂委員 ただいま山本局長から極めて誠実に御答弁をいただきましたが、この建築確認非該当物件というのは、統計はないけれども、実は相当数あるんだろうというふうには想像できます。

 しかし、これも多分、今回耐震偽装のところだけがクローズアップされていて、地域に入ると、いろいろ課題があるということも私ども生の声として聞いておりますので、大臣、このあたり、今後どのようにお考えになられますでしょうか。

北側国務大臣 私も今のお話はそんなに詳細に承知しているわけではございませんが、建築確認を要しない建物が相当数あるかもしれないというお話を聞かせていただきました。

 いずれにしましても、現場の特定行政庁とよく連携をとること、そして、北海道と東京、大阪ではまた全然違うと思います。そうした地域性の違いによっては課題も全く異なってくるというふうに思っております。そういう意味で、それぞれの特定行政庁とよく連携をとっていくこと、また、そうした違いがあってもきちんと制度がワークするようにそうした仕組みをつくっていくことが大事だと考えております。

逢坂委員 時代の中でクローズアップされているところだけに心を奪われるのではなくて、やはりそうではないところにも配慮して建築行政を今後とも進めていただきたいというふうに思います。

 そこで、ちょっと話題をかえまして、お手元に、平成十六年の十二月十六日に下水道部から全国の自治体に向けて発送された文書を参考資料として用意させていただきました。

 これは下水道経営が今非常に厳しい状況になっていることが浮き彫りになったということのようでございますけれども、まず、これについて政府参考人から、どのような背景でこの文書を出されたのか、お伺いをしたいと思います。

江藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今、先生からお話がございましたように、下水道の財政、経営の現状というのが非常に厳しい状況に置かれております。

 このため、国土交通省では、学識経験者の方や、あるいは公共団体の方にメンバーとなっていただきまして、下水道政策研究委員会下水道財政・経営論小委員会というのを設けまして、今後の下水道経営の健全なあり方について検討をいただきました。その成果を、平成十六年八月に「下水道財政・経営の今後の方向」ということで、中間報告として取りまとめていただいております。

 それを受けまして、各公共団体におかれまして、下水道経営に関して直面している問題点や課題をみずから明らかにしていただきまして、住民の方に対して経営状況の積極的な公開等に努めていただくように、平成十六年の十二月に、この「下水道経営に関する留意事項等について」ということで通知を発出したものであります。

逢坂委員 私は、この中で特に詳しく聞いてみたいのが、実は二枚目の一の(二)のところでございます。「適切な下水道使用料の設定」というところがございまして、この中に「事業の管理・運営費用のすべてを回収できる水準に下水道使用料を設定し、これを確実に徴収するように努めなければなりません。」という留意事項が全国の自治体に向かって発信されたわけであります。

 また政府参考人にお伺いをしますが、まず、この文書を発信した時点で、この一の(二)の努力規定を満たしている自治体の数というのはどれぐらいあったんでしょうか。そして、当然これは留意事項として文書を発したわけでありますから、その後、これがどの程度改善されたのかというところをお伺いしたい。それから、あわせて、これは既存の下水道料金をどの程度引き上げればこの努力規定というものが達成されるのかという、この三点ですね。

 文書発信前はどの程度の自治体がこれに達していたのか、それから発送後にどう変わったか、それで、どの程度料金を引き上げればこれが実現されるのかということをお伺いします。もし、この点はわからないということであれば、それはそれでも構いません。

江藤政府参考人 お答え申し上げます。

 下水道の料金ですけれども、下水道の事業期間が非常に長いものですから、その耐用期間内において全体の収支を図るということで料金設定を考えていくわけですけれども、供用開始当初は流入汚水量が非常に少ないものですから、料金収入が少なくて必要経費は高いものですから一般会計から繰り入れていく。水量がだんだんふえていきますと、料金収入も上がってきて、全体として回収を図れるようにということで、段階的に下水道料金を考えていくことを基本的な考え方としております。

 そういう意味で、単年度ごとに必要経費を料金が賄っているかどうかというのは、必ずしも評価を見る上で適切ではないかと思うんですけれども、ちなみに、この中間報告を行った時点、平成十四年なんですけれども、この時点で必要経費を料金ですべて賄っている団体数でございますが、千二百三十六団体の中で四十四団体でございます。

 この後どう改善できたかということにつきましては、その後の分析を行っておりません。

 それから、料金がどれくらい上がるのかということでございますけれども、下水道料金の基本的な考え方として、汚水にかかわる費用の中で、公共費で持つべき部分、一般会計からの繰り入れで行う部分を除いて下水道料金で賄うという考え方になっておりまして、公費で賄う部分というのが総務省の方の繰り出し基準で一応整理されております。こちらの方が、十八年度、今回基準の見直しが行われまして、汚水部分についても公費を入れるようにという考え方を変えられておりますので、その新しい基準で今後どうなるかということについては、個々の自治体でこれから検討していただいて、その成果を見てということになろうかと思います。

逢坂委員 ただいま、この通知を発する前の平成十四年の時点で四十四自治体、千二百三十六自治体のうち四十四自治体だけがこの一の(二)の基準を満たしているという話でございましたが、その後についてはまだ具体的な数を把握していないという答弁だったかというふうに思います。

 実は、私も、自治の現場におりまして、下水道料金というのはどのようになっているかというのは肌身に感じているわけですが、総務省の調査によりますと、例えば特定環境保全下水道、これは小規模な下水道でありますが、それでは現行料金が大体月二千八百円程度。ところが、これをいわゆる建設省の皆さんが言うところの基準に引き上げるためには、これを月九千八百円にしなければいけないというような状況でありますね。だから、大体三倍くらいになるんでしょうかね。それから、農業集落排水に至っては、今、月二千六百円程度のものを月一万円程度にということでありますから、四倍近くにしなければいけないというような、これはどうも総務省ベースでの決算統計から推計した数字のようであります。

 こういう状況を見ますと、私は、この平成十六年十二月の国土交通省から発出された文書の意図、要するに、下水道会計がいろいろ厳しい状況になっているから留意しろというこの文書の意図はわかるわけでありますけれども、今言ったような実態、料金を三倍にも四倍にもしなければ達成できないというようなあたり、あるいは実際にこれを達成している団体が千二百のうちの四十程度だというようなことを思うと、文書は発したけれども、この実現性という観点でいくと極めて厳しいのではないかというふうに思うわけですが、このあたり、政府参考人、いかがでしょうか。

江藤政府参考人 先ほどの下水道経営に関する留意事項のところで、別紙の方で並べております項目と申しますのは、先ほど申しました中間報告の中から下水道経営にとって非常に重要と思われるものを抜き出しまして列記したという形になっております。

 今先生がおっしゃいました(二)の「適切な下水道使用料の設定」というところで、事業の管理運営の費用のすべてを回収できる水準に下水道使用料を設定し、これを確実に徴収するように努めなければならないというふうに表現しているわけですけれども、これは、中間報告の中では、全体の文脈がありまして、ややもすると水道料金であるとかあるいは近隣の市町村の下水道料金と横並びで下水道料金を設定されているところがあるので、そうではなくて、将来の経営見通しを立てた適切な料金を設定していただきたいという趣旨で、ちょっと強い表現になっておりますけれども、そういうふうに表現させていただいております。

逢坂委員 私が問題にしたいのは、もし真意が、近隣の自治体の水道料金に合わせるとか、あるいは水道料金見合いで下水道料も取るということが真意であるならば、そのとおり書けばいいわけでありますけれども、そうではない表現で、かかっているコスト見合いをちゃんと回収するんだということを書いてあるわけですね。しかも、それの実現性というのは極めて厳しいわけであります。ただし、これで仮に自治体の下水道経営が破綻した場合には、いや、我々国土交通省としてはもう既にこういう文書を発している、だから、きちんと我々は指導していたんだ、にもかかわらず破綻したのは自治体のせいではないかというようなことに使われては困る。

 すなわち、なかなか実現性の難しいことを紙に書いて、真意は違うんだけれども、ここで聞けばそう言うかもしれないけれども、この紙は残るわけでありますので、やはりこういう仕事の仕方というのは、私はまずいのではないかというふうに思うわけですね。

 近隣の下水道料金や水道料見合いで下水の料金を決めるということは、これは自治体においては、実はそれは、過去の歴史を見ますと、ほとんどそういう見方でやっているところが多いわけであります、近隣から突出できないのではないかというような考え方があるのも事実でありますので。それであるならば、そういうことをストレートに書けばいい。そうではない書き方をして実は本心はそっちだというのは、多少問題があるのではないかということを指摘させていただきたいと思います。この問題については、またいずれ別の機会にお話をしたいと思います。

 実は、私がきょう、この下水道の問題をなぜ出したかということであります。

 それは、社会の中でいろいろと問題が起こる、何かが発生するとすれば、国の法律レベルではいろいろな対策を打った、やったやったやったということを言うわけであります。しかし、現場レベルで見ますと、ほとんどそれは達成のできないことである場合が間々見受けられるわけでありますね。こういうことを、要するに政府あるいは霞が関の役所としての責任は、法律に規定しておけば、ある種、いや、我々はきちんと対応しましたということが言えるわけでありますけれども、実は現場ではそれは実現不可能なことを要求されているケースもあるわけであります。

 こうした実態について、まず北側大臣、今の下水道の例を聞いてどのようにお考えでしょうか。

北側国務大臣 やはり現場でいろいろな問題点があって、その問題点を克服するために変えていただかないといけないことはあると思うんですね。ただ、その変えていただかないといけないということについて、現場の実態というものをよく踏まえてやはり指導をしていかないといけないというふうに思います。

 やはり現場には現場の苦労があるわけですし、特にこういう下水道の使用料のような、市民、住民の方から実際に費用、コストを取るということは大変なことでございまして、それをまた急激に引き上げていくということは大変な努力が必要なわけでございまして、そうしたことをよく認識してやはり指導というものはしていかないといけないというふうに思います。

逢坂委員 さて、次に、またもう一枚資料を用意させていただきました。一枚物でありますけれども、「建築基準法等の改正回数」という資料でございます。

 これは、昭和五十六年から平成十六年までの改正回数を建築指導課の方にお願いをしてつくっていただいたものであります。法レベルで三十七回、施行令レベルで五十八回、規則レベルで三十四回ということでありますけれども、実はこの後ろにはもう一つございまして、この規則以下に、各自治体あるいは民間にいろいろな文書で、今回のような下水道部から出たような留意事項とか、あるいはかつての言葉で言うと通達のようなものも出ているわけでありますね。

 実は、私はその回数も調べてほしいというふうに言ったんですが、その回数については、ちょっと時間が短かったこともあって、なかなか簡単にはいかないということを言われまして、では概数だけでも教えてほしいという話をしました。そうしたところが、年間に多いときでは五十回、少ない年でも十回出ているそうであります。五十回ということは、毎週これは出ているわけでありますね。これは建築基準法制にかかわる部分だけでございます。

 私は、先ほどの下水道の例に見られるように、国の場で、法律でいろいろなことを決めていく、決めさえすれば、そしてそれを市町村に通知しさえすれば、あるいは民間団体に通知しさえすれば世の中がうまく動くというものではないのだろうというふうに実は思うわけですね。年間五十本もこのような文書が来て、果たして現場の建築主事さんは対応していけるんでしょうか。そのあたり、住宅局長、いかがですか。

山本政府参考人 年間五十件から十件というお話も幅もありますけれども、今回の姉歯の偽装事件はやはり建築行政上の非常事態だったわけですけれども、特定行政庁と問題意識を常に共有して的確に対応するということで、今回の緊急事案に対応するだけでも相当、特定行政庁と文書のやりとりをしております。

 現実に、この世で人々が建築物で暮らしていて、具体的な課題がどんどん出てくるわけですね。現実に課題が出てくる。それを何とか現場でこなさないと皆さん方が納得していただけないわけですから、そういう意味で、法律に根拠を置きながらも、政令、省令、技術的助言という形でやらないとむしろきちんと的確に対応できないという側面もあると思います。

 ただ、おっしゃったように、国会で法律を改正していただいて、あとは政省令と通達を出せば世の中はきちんと回っていくんだという受けとめ方は、現実との関係で全く間違っていると思いますので、現場がきちんと動くということを正面に置いて取り組んでいく必要があると思います。

逢坂委員 私、二十二年間自治の現場におりまして、そのうちの半分は首長としていたわけですが、この間の中で感じることは、現場でいろいろな問題が起こる、社会的な課題が起こると、あたかも国のレベルは川上のように見えて、川上から大きなボールがどんどんどんどん流れてくるわけであります。こういう規制をしました、こういう対策を打ちました、さあ実行してくださいと。

 それは、川下へ流れてくるボールが一個や二個のうちはいいんです。しかし、それが十個、二十個、五十個、百個となってしまったら、それは現場では対応できない。対応できないというのは、事務的に対応できないとかお金で対応できないという意味ではございません。現場の実態に乖離したような、とにかく対策を打ちさえすればいい、規制を強化すればいいという姿勢では、私はこの国はよくならないのだと思います。

 もしかすると、今回の耐震偽装の問題は、こうしたことの積み重ね、建築基準法は昭和二十五年にできて以来長い歴史を有するわけですが、その歴史の中で、とにかくお上が対策を打ちさえすれば現場がうまくいくんだ、そういう発想のもとにずっとつくられてきたその結果ではないかというふうに私は思うわけですね。

 したがいまして、この思想を変えなければ、どんなにここで議論をして、例えば民間の指定検査機関の今度は基準を厳しくしますとか罰則を強化しますとかいろいろなことをやっても、結局同じ結果になってしまう。この根本のところを変えるという思想を持たない限りはだめなのではないか。それは、やはり現場に立脚をする、現場に行って、つぶさに足を運んで、声を聞いて、実態がどうなっているかということをやる、そして分権をするということも重要な視点だと思います。

 私、けさ、ある特定行政庁の建築主事の方に電話をかけて聞きました。年間五十本あるいは十本とも言われるぐらい技術的なものについての文書が来ているようだけれども、現場の対応はいかがですかというふうに聞きました。そうしたら、その方はこう言いました。私は役所の人間だから、役所としてはそれはちゃんとやります、役所としてはそれはもうとにかく必死の思いでやっています、しかし、これが本当に民間の皆さんにうまくバトンが渡されているかどうか、民間の皆さんがその年間十とも五十とも言われるようなものをきちんと受けとめているかどうかについては自信が持てないという話でありました。

 大臣、このあたり、いかがでしょうか。

北側国務大臣 この建築確認は、もともとは役所の方で全部やっておったわけですよね。ところが、建築物がどんどん高度化する、複雑になってくるということもありますし、また、件数自体も、多いときは百万件、今も七十五万件、建築確認の検査があるんですね。さらに、中間検査も一部義務づけだ、完了検査もやろうというふうにどんどんどんどん役所がやらなければいけない仕事が出てくる中で、一方で、建築主事がいらっしゃる特定行政庁だけですべてのこうした現場の建築行政を担っていくというのは、これはやはり無理だと思うんですね。

 そういう意味で、私は、平成十年の民間開放という方向性そのものはやはり間違っていない、やはり民間の専門家の方々の力もかりて建築行政を担っていこうという方向性は間違っていなかったんだというふうに思うんです。

 ただ、おっしゃっているとおり、建築確認事務という非常に大事な事務を民間にも担っていただいているわけですから、民間の方々と特定行政庁とはやはり違うわけでございまして、民間の方々、民間検査機関の方もきちんと建築確認事務を実効的にやっていただけるように、そこは現場の実態というものをよく踏まえて制度を構築しないといけませんし、また運用していかないといけないというふうに思います。

逢坂委員 ぜひ、上流からボールを流しさえすれば仕組みがうまく動くという発想を改めて、国民の目線で有効に機能する建築制度を確立願いたいというふうに要望を申し上げて、終わりたいと思います。

 ありがとうございます。

林委員長 次回は、来る十六日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十八分散会


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