衆議院

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第7号 平成18年12月5日(火曜日)

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平成十八年十二月五日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 塩谷  立君

   理事 後藤 茂之君 理事 中野 正志君

   理事 西銘恒三郎君 理事 葉梨 康弘君

   理事 山本 公一君 理事 伴野  豊君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      赤池 誠章君    赤澤 亮正君

      伊藤 忠彦君    石田 真敏君

      遠藤 宣彦君    小里 泰弘君

      大塚 高司君    鍵田忠兵衛君

      梶山 弘志君    亀岡 偉民君

      北村 茂男君    島村 宜伸君

      杉田 元司君    鈴木 淳司君

      薗浦健太郎君    長崎幸太郎君

      長島 忠美君    林田  彪君

      松本 文明君    宮澤 洋一君

      盛山 正仁君   吉田六左エ門君

      若宮 健嗣君    泉  健太君

      黄川田 徹君    小宮山泰子君

      古賀 一成君    後藤  斎君

      土肥 隆一君    長安  豊君

      鷲尾英一郎君    伊藤  渉君

      穀田 恵二君    日森 文尋君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   国土交通副大臣      望月 義夫君

   総務大臣政務官      谷口 和史君

   国土交通大臣政務官    梶山 弘志君

   国土交通大臣政務官   吉田六左エ門君

   国土交通大臣政務官    藤野 公孝君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   増田 優一君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  稲見 敏夫君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 八木  毅君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    谷崎 泰明君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           辰野 裕一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           草野 隆彦君

   政府参考人

   (林野庁林政部長)    島田 泰助君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総合観光政策審議官)     柴田 耕介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房運輸安全政策審議官)     杉山 篤史君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            宿利 正史君

   政府参考人

   (国土交通省国土計画局長)            渡邊  東君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  榊  正剛君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  平田憲一郎君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           岩崎 貞二君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  中尾 成邦君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月五日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     赤澤 亮正君

  北村 茂男君     伊藤 忠彦君

  下条 みつ君     後藤  斎君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  赤澤 亮正君     亀岡 偉民君

  伊藤 忠彦君     北村 茂男君

  後藤  斎君     下条 みつ君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

同日

 辞任

  奥村 展三君

  日森 文尋君

同日

            補欠選任

             桜井 郁三君

             馳   浩君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

塩谷委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長竹歳誠君、大臣官房総合観光政策審議官柴田耕介君、大臣官房運輸安全政策審議官杉山篤史君、総合政策局長宿利正史君、国土計画局長渡邊東君、住宅局長榊正剛君、鉄道局長平田憲一郎君、自動車交通局長岩崎貞二君、港湾局長中尾成邦君、航空局長鈴木久泰君、内閣府政策統括官増田優一君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、外務省大臣官房審議官八木毅君、外務省領事局長谷崎泰明君、文部科学省大臣官房審議官辰野裕一君、厚生労働省大臣官房審議官草野隆彦君及び林野庁林政部長島田泰助君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤澤亮正君。

赤澤委員 おはようございます。自由民主党の赤澤亮正です。本日、国土交通委員会において初めて質問する機会をいただき、大変感謝をしております。まことにありがとうございます。

 本日は、十五分お時間をいただいておりますので、私がこれまで自由民主党観光基本法改正プロジェクトチームの事務局次長として取り組んでまいりました観光立国の推進について質問をさせていただきます。

 二十一世紀の我が国における少子高齢化の進展、あるいはアジアを中心とする国際競争の激化といった環境の変化の中で、観光交流人口の拡大による開かれた美しい国づくり、いわゆる観光立国の推進、この重要性は急速に増しております。

 まず第一に、国際観光の推進は我が国のソフトパワーを強化いたします。国家間の外交を補完、強化し、安全保障にも大きく貢献をするところであります。

 第二に、平成十六年度の国内旅行消費額二十四・五兆円、これの生産波及効果が五十五・四兆円と承知をしているところであります。さらに、これによる雇用効果が我が国の総就業者数の七・三%に当たる四百七十五万人ということからもわかるとおり、その経済波及効果の大きさから、観光は二十一世紀の少子高齢化時代の経済活性化の切り札と言えます。

 第三に、観光による交流人口の拡大は、地域振興の起爆剤となり地域の再チャレンジを可能にするとともに、集客力のある個性豊かな地域づくりは、各地域の自主自立の精神とその発揚との相乗効果で真の地方分権、地方自立の実現に資するものであります。

 第四に、観光交流の拡大は、新たな生きがいを模索中の退職期を迎えるいわゆる団塊の世代の皆様など、国民の生活の質の向上に大いに貢献いたします。

 私の地元の境港におきましても、御出身の水木しげるさん、その漫画であります「ゲゲゲの鬼太郎」、これを使ったまちづくりを活発に行いました。大変上手にやりまして、今や年間八十五万人が訪れる大観光地になっております。その効果たるや絶大でありまして、大型バスが続々と来ますし、全国区の観光地になっております。バスが寄ってくれるようになると、本当に相乗効果でいろいろなグッズも売り上げて、大変な波及効果です。私自身も、妖怪のピンでありますとかいろいろなものを持っております。そういったことで、本当にうまくやった例が出てきております。

 これにも見られますように、本当に観光産業というのは、二十一世紀、少子高齢化の時代にあって、地域経済を活性化するための切り札、そういったものになっていけるものと確信をするものでございます。

 以上のような認識のもと、今をさかのぼること四十三年前の昭和三十八年に制定されました現行の観光基本法、これが今後我が国において観光立国を推進する上でふさわしい内容になっているかといえば、甚だ心もとないと言わざるを得ません。

 現行法は、現代とは全く異なる時代背景、すなわち中央集権的な経済政策のもと、日本経済がようやく戦前の水準に復興し、さらなる高度成長が始まった時代に制定をされたため、例えば現行法の前文がうたう観光の効果には、「国民生活の緊張の緩和」といったような現代にはおよそそぐわない文言が見られます。

 また、観光立国を明確に国策と位置づけて、国、地方公共団体、住民、観光事業者など、すべての関係者が適切な役割分担のもと、一丸となって観光立国に取り組むという視点が欠落しているように思えます。地方公共団体の役割についても、現行法の文言は、「国の施策に準じて施策を講ずるように努めなければならない。」という、地方分権や地方の個性ある自立というこれからの我が国の進むべき方向にそぐわない記述になっております。

 さらに、観光立国の実現に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための具体的な方策を欠いている点も大きな問題と言わざるを得ません。

 そこで、このような問題意識のもと、現行の観光基本法を全面的に改正し時代に合ったものにするため、御案内のとおり、観光立国推進基本法案が自由民主党及び公明党により前通常国会に提出され、継続審議になっております。二十一世紀の我が国が観光立国を実現し、世界に開かれた美しい国づくりを進めていくためには、官民が一体になって観光立国に関する施策を総合的かつ計画的に力強く推進していくことがぜひとも必要であり、このため、観光立国推進基本法案の早期成立を図るべきと考えます。

 この点についての考え方を、まずは、自由民主党観光基本法改正プロジェクトチームの座長としてこの法案の取りまとめに尽力されました藤野政務官に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

藤野大臣政務官 おはようございます。答弁申し上げます。

 今、赤澤先生が熱弁を振るわれましたように、観光交流の拡大というものは地域を活性化しますし、それからまた、国の魅力を世界に向けて発信することによりまして、世界から我が国が尊敬され、愛される国づくりを目指すために、観光立国の推進というものは極めて重要でございます。安倍総理も、先般の予算委員会で、「世界の人たちにこの日本のよさを知っていただくことは、むしろこれは日本だけではなくて地域の発展にもつながっていく、その思いでビジット・ジャパンを、今後とも観光立国を重要な柱として位置づけてまいります。」ということを申されておりますけれども、観光は重要な政策の柱であると考えております。

 今申されましたように、私、取りまとめの経緯から、継続審議になっております観光立国推進基本法案の取り扱いにつきまして、与野党間で精力的に協議を進めていただいておりまして、関係の先生方によりますこの調整に深く深く感謝を申し上げたいと思っております。

 今後、観光立国の実現に関する施策を総合的、計画的に進めていく上で本法案が成立することが非常に重要であると考えておりまして、ぜひ、本法案への幅広い御理解、御賛成をいただきまして、早期に成立させていただくことをお願い申し上げる次第でございます。

 ありがとうございます。

赤澤委員 観光立国の推進にかける熱意あふれる御答弁をいただき、まことにありがとうございました。

 引き続きまして、観光を担当しておられます梶山政務官にお尋ねをいたします。

 観光立国の実現のためには、観光を通じて、地域の交流人口を拡大し、地域を活性化することが重要であります。訪日外国人旅行消費額は、増加傾向にあるとはいえ、なお平成十六年度一・五八兆円にとどまっている現状にかんがみれば、その十六倍、二十四・五兆円の消費額の国内観光を振興することは極めて重要であると考えます。

 そのためには、旅行会社や旅館、観光協会などの観光関係者に限らず、地域の農業や地場産業を含めた幅広い関係者が一致協力して、団塊の世代から若い世代までの多様なニーズにこたえる地域密着型の旅行商品を造成、流通させることがかぎになると考えますが、今後国としてどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。

梶山大臣政務官 ただいまの赤澤委員の御質問、まさにそのとおりでありまして、国内観光を通じた地域の活性化のためには、観光業者、そして地域の幅広い人たちの協力が不可欠でありまして、地域資源を活用したそういった旅行商品をつくり、また流通させることが大変重要なことだと思っております。

 先ほど委員からお話がありましたように、委員の地元であります境港におきましては、漫画家の水木しげる氏の作品に出てきます妖怪のオブジェを配置した水木しげるロードというものがありまして、この十年間で十倍の来訪者になっているということを承っております。あわせて、水産物の直売所であるとかそういった複合的な形で、境港市は大変に成功例であると思っておりますけれども、全国でも数多くの成功例がありまして、その百だけ選びまして事例集をつくりましたので、こういったものを参考にして各地域の観光というものを発展させていっていただきたいと思っております。

 また、国交省といたしましても、今年度から、地域ブロックごとに観光カリスマ、そして学識経験者、旅行会社等から成る観光まちづくりアドバイザリー会議を設置して、地域の要請に応じて観光に関するアドバイスを行うとともに、また、集中的なコンサルティングを行うために、地域で一カ所から三カ所選びまして、観光まちづくりコンサルティング事業を開始したところであります。

 また、新たな視点からの旅行商品の開発ということで、地域密着型のニューツーリズムの旅行商品の創出と流通を促進するための予算の要求をしているところであります。

赤澤委員 明快な御答弁、まことにありがとうございました。

 私は、旧運輸省、現国土交通省の官僚として、過去の観光行政の変遷というのを目の当たりにしてまいりましたけれども、過去において、諸外国と若干特異な進み方があったというふうに承知をしております。

 諸外国は、外国から自分の国に観光客を招こうとするのを重点にずっとやってきておりますが、我が国は一時、テン・ミリオン計画、海外旅行倍増計画ということで、当時諸外国から非難された貿易収支の黒字減らしということを主たる目的として、一九八〇年代後半に、日本人が外国に旅行に行くことを重点に施策を打ってまいりました。

 その傷跡といいますか、後遺症が若干残っているところがあって、フランスなどであれば、外国人の観光客が毎年八千万近くフランスを訪れるのが、日本はいまだに六百十四万人、平成十六年度、ということであります。国際社会における我が国の占める地位にどうもふさわしいものにはなっていない、この数字は、そういう意味では嘆かわしい数字じゃないかというふうに思うところであります。

 以上から、本年一月の施政方針演説の中で小泉総理が、二〇一〇年までに外国人旅行者を一千万人、あるいは九月末の所信表明演説で安倍総理が、今後五年以内に、主要な国際会議の開催件数を五割以上伸ばし、アジアにおける最大の開催国を目指すと宣言されたことは、まことに時宜を得たものであります。

 しかしながら、数値だけにこだわるということではなくて、国際交流の質を高めるということが本当に大事だろうと思います。政府として、質、量両面における国際観光の振興に具体的にどのように取り組んでいくのか、柴田総合観光政策審議官にお伺いしたいと思います。

柴田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま、質、量、その両面におきまして、国際観光の振興に関してどのように取り組んでいくのかというお話がございました。

 国際観光の振興につきましては、国家間の外交を補完、強化して国家間の相互理解と友好親善を強化するとともに、交流の拡大を通じまして海外の成長や活力を日本に取り込むことで、日本経済や地域経済の活性化にも資するものというふうに考えてございます。

 このため、ビジット・ジャパン・キャンペーンにおきましては、訪日外国人旅行者数を増加させるといった量の面に着目するだけでなく、先ほど申し上げましたような国際観光の振興の意義を踏まえまして、質の面にも着目しながら取り組みを進めているところでございます。

 具体的には、未来を担う青少年の交流、こういった草の根レベルでの交流の促進、また姉妹都市交流を通じた地域間の交流を関係省庁と連携して推進するなど、従来からの取り組みに加えまして、先生御指摘のございましたような、国際会議や文化スポーツイベント等の誘致を通じましたビジネス旅行客を呼び込む対策も重要であると考えておりまして、安倍総理が所信表明演説において設定された、今後五年以内に、主要な国際会議の開催数を五割以上伸ばし、アジアにおける最大の開催国を目指すといった目標達成に向けまして、こういったことの積極的な誘致を図るということを考えてございます。

 特に、これら国際会議等の開催につきましては、観光対策関係省庁連絡会議、私が主宰させていただいておりますが、こういったところを通じまして関係省庁、関係団体に対して積極的な誘致を要請しているところであります。本年十月には、関係省庁、関係団体から構成される、国際会議、MICEというふうにも呼んでございますが、こういった幅広い活動に関する誘致を図るようなことで連絡協議会を設置いたしまして、また、関係者の連携を強化する観点から、イベントカレンダーの作成、また海外の現地連絡体制の強化等に取り組んでいるところでございます。

 また、平成十九年度概算要求におきましても、こういった国際会議等の誘致のための予算をビジット・ジャパン・キャンペーン予算の一環として要求しているところでございます。

 今後とも、先生御指摘のございましたような、質、量、この両面におきまして質の高い交流ができるように、そういった部分についても十分に意を払ってまいりたいというふうに考えてございます。

赤澤委員 それでは、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 大臣は閣議後の会見が長引いておられるようですので、最後に、望月副大臣にお尋ねをいたします。

 観光は、世界に向けて日本の持つ歴史、伝統文化、自然などの魅力を発信することにより、海外から多くの旅行者に日本に来てもらい、開かれた美しい国づくりを目指すものであります。また、地域の幅広い関係者が協働して、住んでよし、訪れてよしの魅力ある地域づくり、国づくりに貢献できます。

 観光は二十一世紀の日本が国策として戦略的に取り組むべき重要課題であると考えますが、政府は観光立国の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、御決意を伺います。

望月副大臣 赤澤先生の質問でございますけれども、もともとの法案の提出者として大変この問題については汗をかいていただいておりまして、心から我々といたしましても敬意を表したいと思います。ありがとうございます。

 ただいまの御質問でございますけれども、日本の国の伝統文化、自然、こういったものはやはり世界に冠たるものがございまして、世界の皆さんから見れば、非常にカルチャーショックを感じる、そういうものでございます。世界の国々に愛される、そういった観光立国づくりを我々も進めていきたい、このように思っています。

 そしてまた、私たちが今回の法案の中で特にお願いしたいのは、今までももちろん横並びではあったんですけれども、よりやる気のある地域、そういったところに対して我々は注目をしていきたい、そのように思っております。内外の旅行者に向けた観光地づくり、それがそのまま地域の誇りとなるようなまちづくりにもつながる、そういうことにつなげていきたいなというふうなことを感じております。

 それから、二〇一〇年に訪日外国人を一千万人にするということでございます。

 これにつきましては、日中韓三国間の観光交流拡大、青少年交流の推進などを進めておりますけれども、この高度化に取り組むということで、実は観光ルネサンス事業、これは、民間がやりたいということを我々が応援していく、それからもう一つは、まちづくり交付金といって、公共がやる、これがばらばらにならないように、両方が力を合わせて、官民が一体となってまちづくりを進めていく、こういうことをしっかりと各省庁とも連絡をとりながら観光立国づくりを進めてまいりたい、このように思います。

赤澤委員 終わります。ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、伊藤忠彦君。

伊藤(忠)委員 自由民主党の伊藤忠彦でございます。

 赤澤先生に引き続きまして、この観光立国基本法にかかわります観光政策につきまして、るるお伺いをさせていただきたいと存じます。

 私も実は、自由民主党の中で、この基本法改正に向けて少し勉強をさせていただきました。今般、この法律改正に向けて、たくさんの方々と会話をさせていただきました。そして、これまで私自身が自分の概念として、観光というもの、あるいは観光というものについて国がどんなことをするのかという方向からしか物を考えていなかったんだなということを深く知る由になりました。

 今般、四十三年ぶりに改正されるこの法律、ちょうど昭和三十八年、いよいよ東京オリンピックを迎える前年の年につくった法律は、やはり外国から外貨をたくさん持ってきてもらいたい、お客さんに来ていただきたい、このことが非常に際立っていた法律だったと思います。

 この四十三年ぶりの今というのはどんな時代なのかというと、私も国会議員にしていただいて地域を随分歩かせていただいて、いろいろなことを発見しましたけれども、今それぞれの地域には、いろいろな観光をメーンのテーマにして、普通に生活をしている人たちがそれだけで人をお招きすることのできるものがいっぱいある、地域を大事にすることが、この改正の中における極めて大事なポイントになってきたんじゃないか、このことを私は知ったわけでございます。

 本当に、地域の関係者が自分自身の地域を再発見して再認識をするということで、特色のある、魅力のある観光地づくりがなされるのではないか。あるいは、地域がみずから創意工夫して、生かした魅力ある観光地づくりに取り組むことによって、観光を通じた地域の活性化を進めることができるのではないか。

 こうした視点から、今度の法律改正についてどのような御見識をお持ちであるか、まずお伺いをしたいと存じます。お願いします。

望月副大臣 伊藤先生ももともとの法案の提出者ということで、大変御苦労いただいておりますことに心から敬意を申し上げたい、このように思います。

 ただいまの御質問でございますけれども、各地域地域におきまして、伝統や文化、産業、自然などの地域資源を活用した振興を図るということは、もちろん観光立国ということの推進に大変重要なことでございます。それで、我々も、いろいろやる気のあるところと先ほどもお話をさせていただきましたけれども、そういったことで、非常に今各地域でそういったものは醸成をされております。

 特に、実は愛知県知多町の日間賀島でございますか、観光客のニーズの多様化を含めて、ほんの小さな町であるというと失礼な言い方かもしれませんけれども、人口が実は二千三百人の町で、本当に漁業の小さな町で、後継者もいない、そういうようなところなのに、実は一年間に大体百倍の二十七万人の観光客の方が訪れる。これは実は、観光もただ見て帰るだけではなくて、リピーターが来られるような体験型の、網を引いたり、それから魚を開いてみたり、そういったことを現代の人たちはなかなか子供たちもできない、そういうようなことで大変成功している。まさにこれが伊藤先生の地元だということで、私はこの観光立国推進法にかける並々ならない意気込みというものを感じまして、実際にやっているということは大変すばらしいことだなというふうに思っております。

 それで、我々としては、国の中で頑張っている百の事例をとりあえず抽出いたしまして、それを公開しております。ぜひひとつ、全国の皆様方がこういうようなすばらしい試みをしているところを勉強していただきたい、そのように実は思っているところでございます。

 ほかにも事例はございますけれども、平成十七年度に創設しました観光ルネサンス事業で、石川県の加賀市でございますが、山代温泉、最近、若干陰りが温泉も見えてきたというようなことでございますけれども、ここの皆さんも、台湾の皆さんが非常に来るということで、そういった人たちに向けて日本の文化、伝統を紹介し、また日本語よりもどちらかといったら台湾語でしっかりと説明ができる、そういった意味でますますお客さんが来ているということでございます。

 こういうことを、資源を生かした観光振興の取り組みをしっかりと進めて支援をしてまいりたい、このように思っております。

伊藤(忠)委員 さて、今お話をいただきました、地域を大切にする観光政策をどんどん進めてまいりたいということ、これも一つ学ばせていただきましたけれども、もう一つ、私は本当に心に落ちることがございましたのは、こういうことを教えてくれた方がおります。

 平成七年の六月二日に、観光政策審議会、ここで観光を考える基本的な方向についてというものを出されました。そこの第一番目に書いてあるのが、「すべての人には旅をする権利がある」、こういう文字でございます。これは最終的にどういうことを述べておりますかというと、例えば障害者の人たちだとか高齢者の人たちだとか、特に行動に不自由のある人たちがやはり気持ちよく旅をすることができる、そういう国をつくっていかなきゃいけないということが一丁目の一番地で書いてあるわけでございます。

 私は、やはり観光立国というんですから、特に駅でバリアフリーが進んでいるのは確かでございますけれども、やはり泊まる場所あるいは訪れる場所におけるバリアフリー化というものについてどんどんお進めをいただきたいな、そう思っております。

 この点を一つ、いま一度簡単にお示しをいただければ幸いです。

柴田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生が御指摘のとおり、観光におけるバリアフリー化というのも重要な課題というふうに考えてございまして、国土交通省におきましては、平成十七年度にユニバーサルデザイン政策大綱を策定いたしまして、その中で、観光地や観光施設、宿泊施設のバリアフリー化など、観光を初めとするいわゆる非日常的な行動も対象とした施策の展開を図る必要があるというふうにされているところでございます。こういった意味でも、観光のバリアフリー化については大変重要な課題であるというふうに認識しております。

 こうしたことも踏まえまして、今年度から、障害者や高齢者など、だれでも旅行を楽しめることができるように、観光地におけるハード面、ソフト面での対応や旅行会社の対応等について検討するための検討会を立ち上げたところでございまして、来年度を目途に、観光地、旅行会社等に向けたガイドラインの作成、関係者に対して普及啓発活動を行うこととしております。また、個別の宿泊施設等々においても十分な対応がとられるよう促進してまいりたいというふうに考えております。

伊藤(忠)委員 ところで、実は私は、梶山政務官の多分お地元だと思うんですけれども、奥久慈というところに大子町というところがあると思うんですが、あそこを一回通ったことがございます。多分今の時期だと大変に紅葉がきれいになっているんじゃないかと思いますが、しかし、実は温泉町でありながらちょっと寒い風も吹いているような雰囲気でございました。ちょっと心配だなと。私の地元の知多半島でも、海の見える地域、旅館がへばりついておりますが、ここも大変苦戦をした時期がございます。

 こうした観光立国を本当の意味で実現に向けて地域で支える重要な役割を果たしているのが、例えば旅館業じゃないかというふうに思いますけれども、各地で廃業等が散見されるこうした旅館業の人たちの経営基盤を確立するための対策というのも、こうした観光立国を支えていくためには大事な政策ではないかと思うんです。

 この点につきまして、こうした観光立国基本法の中でどんなふうに位置づけていただけるのか、お伺いをしたいと存じます。

梶山大臣政務官 今、伊藤委員の御指摘のとおり、地域における旅館というのは観光者の受け入れの存在として大変重要な役割を果たしておりまして、その経営基盤の確立ということも大変重要な課題であると認識をしております。近年、旅行市場の構造が団体旅行から個人旅行や小グループに移りつつありまして、それらの変化に対応し切れずに経営が苦しくなっている旅館が大変少なくないと認識をしております。

 そういった中で、従来から行われている施策としては、それぞれの市町村における固定資産税の軽減等がありますけれども、登録の旅館、ホテルがある全国の市町村、五百八十九市町村ありますが、その中の二百七十三市町村がこの軽減措置を行っております。

 そして、ことしからの施策といたしまして、宿泊と食事を分離した形で新たなビジネスモデルをつくろうということで、今、実証試験を各地で行っているところでありまして、そういった実証実験結果をとらえながら、引き続き旅館の経営基盤の確立に向けて取り組んでいきたいと思っておりますし、そのほかにもさまざまな実証実験があろうかと思いますけれども、御提案をいただければ柔軟に対応してまいりたいと思っております。

伊藤(忠)委員 ぜひひとつ、こうした基盤を安定させていただくためにも、もちろん企業努力は大事でございますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。

 こうして観光客の人たちが日本国じゅうどんどん出てまいりますと、やはり心ない観光客もおられるわけでございまして、こうした人たちのちょっとしたいたずらがどんどん積み重なっていくと、観光地が荒れてまいります。例えば、和歌山県の千畳敷。やわらかい岩だそうです。ここに一人の人が落書きをしたら、どんどんどんどん落書きが文化のようになってしまいました。これは非常に本来の姿からかけ離れた状況になってくる、これが実は雑誌の中にも出ていたわけでございます。

 こうしたことにどう対策をとられるのか、その点についてもし何か御見識がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。

柴田政府参考人 お答え申し上げます。

 心ない観光客による落書きやごみのポイ捨て等といった行為は、自然や文化等の貴重な観光資源を保護するといったこと、これは、今後観光振興を進めていきまして交流人口が拡大するという上でも、特に重要な課題であるというふうに認識しております。

 この問題につきましては、基本的には観光客のモラルにかかわるところが大きいことも事実ではございますが、そうしたモラル違反の行為を抑制し、また防止することも重要な課題であるというふうに考えておりまして、観光地等におきまして、ごみ箱の設置等を促すほか、例年八月一日から八月七日に設定しております観光週間等の機会を通じまして、モラルの向上、啓発活動を強化していきたいというふうに考えております。

 また、自然公園や条例等で所要の規制が行われているところもございますので、関係方面とも協力しながら、そういったものの適切な遵守についても、これが図られるように働きかけを行っていきたいというふうに考えてございます。

伊藤(忠)委員 それぞれありがとうございました。

 最後に、一つだけお伺いをしておきたいと存じます。

 こうして観光立国につきまして四十三年ぶりの法改正に進んでまいりましたけれども、現行、政府では、さまざまなお役所が観光に向けてそれぞれの施策を行っております。諸外国を見ますと、こうした観光立国を一つの柱にしているところは、観光にかかわる行政組織を一つ持っているところが多いわけでございます。

 ぜひ、私たちの国も、この新しい観光施策を一つの日本の国の柱にするとすれば、新しい行政組織に向けてお考えをいただく時期が来たのではないかというふうに思うわけでございますが、この点につきまして御見識を伺いまして、私の質問の最後とさせていただきたいと思います。

藤野大臣政務官 お答え申し上げます。

 伊藤先生には、この観光基本法の改正に当たりまして本当に御尽力賜り、敬意を表しますが、今のお尋ね、観光行政の強化のために、何か新しく観光庁というようなもので行政能力をアップしなきゃいかぬのじゃないかというお尋ねでございます。

 従来、国土交通省におきましては、三課体制であったものが、本年からは六課体制になる、あるいは観光部長というような組織を局長クラスに今引き上げておるという国土交通省内での組織の拡充強化というものとあわせて、政府におきましても、全体におきましても、国土交通大臣が観光立国担当大臣に任命されることとか、あるいは観光立国関係閣僚会議というものを総理が主宰して行うような体制になっておるとか、いろいろそういう連携強化が図られてきておる中で、今お尋ねの、新たな観光庁等の設置につきまして議論があることは十分承知しております。

 行政改革のただ中で、行政組織を新設するということについてどう考えるかということでございますけれども、お尋ねのとおり、大変今重要な観光施策の推進ということを踏まえまして、各方面の御意見を十分に踏まえながら今後対応してまいりたい、このように考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

伊藤(忠)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。

 私の方からも、ここまでの同僚委員に引き続きまして、観光立国推進基本法案、これの公明党の提案者の一人として、本日は、観光ということをキーワードにして御質問をさせていただきたいと思います。

 私も、今質問をされておりました伊藤忠彦委員と同じく、やはり愛知県の出身でございまして、先ほど冒頭に出てまいりました日間賀島というところは、私も子供のころから何度も足を運んだことがある観光地でございます。大変にすばらしい島でございまして、こういったところにも、本当に全国の皆様、また海外からもぜひとも観光に来ていただきたい。そういった観光資源をいかに生かしていくか、そういう意味で、今回の基本法の制定の準備というのが行われてきたと私も認識をしております。

 まずは、観光というものについて、国益という観点から御質問をしたいと思います。

 観光は、ITなどと並ぶ二十一世紀の基幹産業として各国が力を入れているのは御存じのとおりでございます。世界観光機関、WTO、ここの予測によりますと、二〇一〇年では十億人、二〇二〇年には十六億人に達する。これは、世界の国内総生産、世界のGDPでいきますと、一割に当たる三兆五千億ドルをこの観光という産業はたたき出しております。これは、自動車や情報産業、こういったものを上回る規模で、まさに観光というのは今世紀最大の基幹産業の一つであるということがこの数字からも裏づけることができると私も考えております。

 我が国では、もう皆さん御存じのとおり、二〇一〇年を一つの目途として一千万人の訪日外国人観光客を招こうということで、ビジット・ジャパン・キャンペーンということを行っております。昨年度は六百七十三万人になりまして、二年連続で最高を更新しております。今年度についても、この十月の速報値で年間平均、昨年対比約八・二%増ということで、堅調に推移をしております。一方で、二〇〇五年の観光白書によりますと、日本は世界で三十二位でございます。アジアに限定しても、中国やマレーシアに大きく水をあけられているという現状もまた事実でございます。

 我が党も、観光立国の戦略的な展開を求める二十の提案というものを二〇〇三年にも出させていただきまして、これを受けて、観光立国担当相、これは国土交通大臣が兼務をしていただいているわけでございますけれども、予算の大幅な増額や中国の観光ビザ発給地の拡大、また通訳ガイドの基準緩和などに取り組んでまいりました。

 まず、そこで国土交通省にお伺いをいたします。

 この観光立国の実現に向けて現在行っておりますビジット・ジャパンの目標である二〇一〇年に一千万人の訪日外国人観光客の達成、これに向けた見通しについてお伺いをいたします。

柴田政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、ビジット・ジャパン・キャンペーンによりまして、対象国、地域の市場特性に応じまして、海外メディアを通じました日本の観光魅力の発信、また、海外の旅行会社を招いての日本向けツアーの造成支援、海外における旅行博への出展などの取り組みを進めてまいりました。

 先生方からも大変御支援をいただいた結果、キャンペーンを開始した二〇〇三年に五百二十一万人でありました訪日外国人数は、昨年、三割増の六百七十三万人と、過去最高を記録しております。本年も、先ほど先生からもお話がございましたが、一月から十月までの訪日外国人旅行者数は六百十五万人でございまして、前年に比べ八・二%増と、着実に増加しているというふうに考えております。

 二〇一〇年に一千万人という目標を達成するためには、昨年の六百七十三万人ということをベースにいたしますと、毎年平均八・二%の伸びを継続することが必要となりますが、こういった勢いを継続していきたいというふうに考えております。

 具体的には、国、地域によって差はありますものの、団体旅行から個人旅行への移行等の旅行市場の変化に的確に対応した事業展開や、リピーターの増加を目的とした新たな観光魅力の発信、また、本年七月に開催させていただきました日中韓観光大臣会合を踏まえた日中韓三国共同の観光交流拡大の取り組みや、国際会議、国際文化スポーツイベントの誘致を通じたビジネス訪日旅行の促進等に取り組みまして、こういった目標の達成に鋭意努力をしていきたいというふうに考えている次第でございます。

伊藤(渉)委員 よろしくお願いしたいと思います。

 続いては、観光を通しての国民レベルの安全保障という観点から御質問をさせていただきます。

 現在、日中、日韓の航空定期旅客便数の増加、あるいは対中、対韓貿易額の増加など、アジア、特に中国、韓国、こういったところの経済の相互依存、これが深化をしております。そんな中で、人的な交流が増加をし、我が国が直面をします人口減少や少子高齢化、こういう中で、交流人口の拡大ということをもって地域経済の観光振興を発展させ、日本全体の経済を維持発展させることにもつながっていくと考えております。

 さらに、政権がかわりまして軌道がかなり変わりましたけれども、日韓、日中の関係がぎくしゃくする時期もございましたけれども、この三国間で観光交流の強化、これに国を挙げて取り組むことによって、経済的観点からの観光立国ということだけでなくて、国民レベルでのアジア、特に中国、韓国との親交の深化ということに寄与をしてきたと思います。

 こうした観光を通じた人と人との触れ合いによって、旅行者の方々が日本への理解を深めることにもなります。そうしたことを通じて、国民相互の連帯、この連帯は、いわゆる国民、民衆レベルでの安全保障、国と国、政治家と政治家だけでなくて、本当にその国に住む方々の交流を通して国と国との本当の意味でのパイプを構築していくという意味で、非常に重要な一つの題材として観光というものが挙げられると考えております。

 少し通告の順番と変更をさせていただきますけれども、大臣、お忙しい中来ていただいておりますので、大臣にお伺いをいたします。

 中国や韓国、観光をてこにした草の根の交流、あるいは青少年交流の促進、拡大を初め、観光交流を通じた関係強化が極めて重要であると私は考えておりますけれども、国土交通大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 全く伊藤議員と同じ考えであります。

 私は、十二月二日、三日、そのような考えから、大臣就任後初の訪問地を中国と定めまして、中国へ行ってまいりました。

 そして、私との仕事上のカウンターパートに当たりますショウキイ国家旅游局長、観光大臣でございますとか、あるいは楊元元民用航空総局長、これは民間航空関係を担当する大臣でございます、それから劉志軍鉄道大臣、これは、二〇二〇年までに中国では一万二千キロの新幹線ネットワークをつくるという実に壮大な計画を今実行中でございますけれども、そういう問題について日本との間では交流がもう二十数年続いておりまして、十年来でも二千人以上の技術者とかが日中間では交流を深めておりますし、今も技術者二人を一年間お預かりしている、こんな関係もありまして、この三大臣と親しく会談をすることができました。

 そのほか、これは相当上位の方でございますが、トウカセン国務委員との会談も実現をいたしまして、今伊藤議員からのお話がありましたように、日中間の観光交流、草の根交流というものを深めようという合意をすることができました。

 具体的には、ショウキイ国家旅游局長との間で、来年、二〇〇七年は日中国交正常化三十五周年という佳節を刻む年に当たります。したがいまして、日中両国の間で文化スポーツ交流年と定めて交流を深めようということであります。

 そのために、安倍総理と胡錦濤主席との間で、過日ハノイでお会いになったときに、来年の交流人口を双方で五百万人にしようという合意がされているわけでありまして、これについて実務的にこれを深めようということに合意することができました。そのための細かいことは今省略させていただきますが、そのようなことができたということでございます。その中には、おっしゃった青少年交流ももちろんあります。

 それから、友好都市間の交流、あるいは、先方から我が方に、またこちらから先方の国に、十八とか十九の都市間で飛行機が飛んでいます。そういうところで、飛行機を持っているところが千人ぐらいずつ交流しようじゃないかと。日本からは一万九千人ぐらいの団体旅行に行こう、向こうからもそれに相応するものをやろうというようなこととか、桜前線を追って北へ行く観光をやろうとか、いろいろ具体的にありました。

 そのほか、航空関係では、ことしの七月に旅客数で二〇%増、それからカーゴ、貨物で一〇〇%増、倍増の合意ができたのですが、もうほぼ消化済みでございまして、来年早々にも航空協定を結ぶための交渉を始めようではないかということを楊元元民用航空総局長との間で合意ができました。その上、日本の羽田と上海の虹橋という飛行場、国内空港ですが、その間にチャーター便を飛ばして将来はシャトル便のようにしようじゃないかというような前向きの話ができました。

 そういうことで、おっしゃったように、日中間というのは最も可能性も大きく、二〇一〇年に一千万人ということを達成するためには日中は大事だというふうに思って、そのような出張をいたしました。

 引き続いて、私は、日程がとれれば韓国へも行きたい、そして、私のカウンターパートである大臣との会合を通じて日韓の草の根交流をもっともっと深く成熟したものにしたい、このように思っているところでございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。

 民衆、国民レベルでの交流を海とすれば、その上を行き交う船が政治であり経済であると私は考える一人でございます。そういう意味で、こうした草の根レベルでの交流というものをしっかり強くしていくために、政治の分野でその助けをしていきたいというように思いますので、今後とも強力な推進をよろしくお願いしたいと思います。

 冒頭にお聞きしたように、経済の面またこうした安全保障の面でも、国益という観点からも、この観光というものは極めて重要な産業になってくると考えております。そういう意味で、海外の方の旅行客ということを考えて、幾つか、そのために整備していくことについて御確認をさせていただきたいと思います。

 まず、災害時の対応ということで、これはちょっと通告の順番を大分変えていますので、お許しをいただいて、内閣府の方にお伺いをします。

 日本は有数の地震国でもありますし、台風も来ますし、最近であれば竜巻なども起こる、さまざまな災害が起こります。首都直下型地震であったり、東海、東南海・南海地震等、高確率で発生が予想されている昨今でもございます。これを受けて、私ども公明党も、迅速な災害対策、危機管理対策を行うべくさまざまな政策を提言させていただいているところでございます。

 こうした不測の事態に備えて、ますます今後増大をしていく、また増大をさせていく外国人旅行客への万全の対応、あらかじめマニュアル等の整備を行うことは極めて有益でございますし、いざというときの備えいかんで、海外から、日本は怖い国だとなるのか、はたまた、さすがは日本だ、世界一安全、安心の国だと評価をされるのか、これは紙一重でございます。

 そういう意味で、災害時における外国人観光客への安全確保や、被災等を軽微にとどめるためにも、マニュアル等の整備、これを行うことは極めて重要であると考えておりますけれども、内閣府の防災担当にお伺いをします。政府の取り組みについて答弁をお願いいたします。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、外国人観光客に対する災害対策は極めて重要な課題であると認識しておりまして、外国人観光客の災害対策そのものの重要性は、今や国際的な関心事ともなっております。

 我が国におきましても、首都直下地震等大規模地震の切迫性が指摘されておりまして、こうした大きな災害にも外国人観光客も被災することが想定されますので、外国人観光客につきましては、地理に不案内な上、言葉の問題もあるということでございまして、災害時にいかに迅速に情報を伝達するのか、安否確認や避難誘導をいかに的確に行うのか、さらには我が国の災害対策全般につきましての事前の周知、広報をいかに行うのかということが大きな課題であると認識しておりまして、観光部局、防災部局など関係機関が連携したきめ細かな対応を進めているところでございます。

 具体的な取り組みといたしましては、災害対応マニュアルあるいは防災マップの多言語での提供、リーフレット等を配る、主要な観光案内所、ホテル等での、これも多様な言語、多様な媒体による災害情報等の的確な提供のシステム、外国人も含めた防災訓練の実施、外国人支援ボランティアの研修などの取り組みが極めて重要だと考えておりまして、東京都でありますとか横浜市等々、大変先進的な自治体が多くの取り組みをしておりますが、まだ一部の自治体にとどまっております。

 したがいまして、今後とも、関係省庁とも連携して、こういった先進的な取り組みをいかに普及するかということも含めて、しっかりとした取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

伊藤(渉)委員 今御答弁の中で、言葉の問題ということも出していただきましたので、余りお聞きになったことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、通訳案内士というようなことについてお伺いをしていきたいと思います。

 その前提として、国際観光振興機構というところが、日本へ旅行された海外の皆さんにアンケート調査をしています。これは参考までにですが、訪日をしたときの主な関心事は、これも意外でしたけれども、日本人とその生活様式というのが一番多かった。それ以外に、神社、仏閣、お城、日本の文化というものに次に興味を持たれたというアンケート結果がございます。また、その中で、日本人に対する印象としては、親切、協力的。交通機関に対しては、やはり若干不満が多くて、都内の地下鉄に対する不満ですけれども、乗車が難しいですとか複雑とか、切符の購入、割引パスがないなどの御指摘もいただいておるところでございます。

 今、内閣府の方からも御答弁ありましたとおり、何よりも問題なのは言葉でございまして、英語の標識が充実しているとの好印象がある一方で、日本人がこんなにも英語が話せないとは思わなかったという、私も耳が痛いわけですが、そういうようなアンケート結果もありました。

 何よりも英語の問題。そういう意味では、我が国は、早ければ小学校から、遅くとも中学校から英語というものは教育をされてきているわけですけれども、なぜか話すところまで至らないという意味で、きょうは文部科学省に対しての質問はありませんけれども、そういったところも再考をしていかなければならない時期に来ているのではないかなと思う一人でございます。

 それはさておいて、今、冒頭に申し上げました通訳案内士、これは昨年、通訳案内業法が改正をされております。改正前までは、外国人観光客を案内するプロの通訳ガイドは約九千人、全国にいらっしゃったわけですけれども、これは国土交通省にお伺いしますが、今後、施行されていくことになると思いますけれども、改正によってこれがどの程度改善をされていくと見込まれているか、御答弁をお願いいたします。

柴田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十七年四月一日現在におきまして、いわゆる通訳ガイドの数は約九千七百人でございました。これは、ことしの四月一日時点では一万二百四十一人というふうになっております。

 また、本年四月一日に施行されました通訳案内士法に基づく初めての試験となる今年度の試験、九月三日でございますが、この際には、ソウル、北京、香港、台湾でも試験を実施いたしましたことから、受験者数は前年の六千八百九十三人から八千四百八十五人と、千五百九十人、受験者でございますが、増加したところでございます。また、第一次試験合格者について見ますと、前年の九百三十二人から一千四百六十人となっておりまして、五百二十八人多くなっているというような状況にございます。

 さらに、今年度はまだ実施されておりませんが、外国人観光旅客の来訪地域の整備等の促進による国際観光の振興に関する法律の施行に伴いまして、地域限定通訳案内士制度が導入されておりますことから、来年度におきましても、この制度の導入によって通訳ガイドの増加が図られるというふうに考えております。

 先ほど先生がおっしゃいましたが、日本に来ていただいて、日本をよりよく理解していただくためにも、この通訳案内士の充実というのは大変重要なことだというふうに思っておりますので、先ほど申し上げましたような施策を通じまして、さらにその一層の充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

伊藤(渉)委員 今答弁の中で出していただきました地域限定通訳案内士、これも同時に、こういった制度も創設をされているわけでございますが、これも関連をして、各自治体でのこの地域限定通訳案内士への取り組み、進捗状況、これをもう一度国土交通省にお伺いをいたします。

柴田政府参考人 地域限定通訳案内士の制度につきましては、本年九月八日に地域限定通訳案内士試験ガイドラインを発出いたしまして、同制度の導入に向けて、各都道府県に対して本格的な対応を促しているところでございます。

 若干古いデータになりますが、ことしの十月に実施した調査によりますれば、四つの都道府県で、十九年度からの実施に向けまして、試験実施の前提となる外客来訪促進計画の改定、予算要求、テキストの作成等の準備が進められております。さらに、五つの都道府県では、平成二十年度以降の実施が計画または検討中という状況になってございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。

 こうした通訳案内士の方にも、さまざまな日本の魅力というものも勉強をしていただく必要があるわけですけれども、我が党は従来から、日本の伝統文化、こういったものの振興にも取り組んできました。いろいろな文化芸術関係の方とお話をする中で、日本という国は四季がありますから、外の景色そのものが鑑賞の対象になる、そういう意味で、劇場型の、例えばバレエですとかそういったものがなかなか欧州、ヨーロッパ等と比べると発達をしてこなかったんだというようなことをおっしゃる方もいらっしゃいましたけれども、そういいましても、日本には、歌舞伎、文楽、こうした日本独特の文化もあれば、現代の演劇やモダンバレエ、クラシック音楽、オペラも盛んに行われております。

 こうした文化、芸術を観光に活用するために、国としてどのように取り組んでいるか、これも国土交通省にお伺いをいたします。

柴田政府参考人 歌舞伎に代表されますような伝統芸能や、多様な現代的な芸術活動が我が国にも存在しておりまして、これらを活用いたしまして、これらの愛好者を中心とする外国人観光客の来訪を促進し、また日本滞在中の楽しみを豊かなものにすることは、これまでは必ずしも十分ではなかったという側面もございますが、これから大変重要な課題になっていくというふうに考えております。

 これまでの活動を若干御紹介させていただきますと、日本の伝統芸能等を紹介するパンフレットを作成し、旅行者等に提供すること、また、アジアの旧正月の時期に合わせて二〇〇四年度から実施しております、ようこそジャパンウィークスというような場所におきまして、伝統芸能に関する行事を含みますガイドブックを作成して、これを外国人に提供する、また、民間の方々の御協力を得まして、いわゆるシアターガイド、こういったものを多言語で作成、配布する。

 さらに、昨年からは、我が国で開催されております国際的な音楽祭等のイベントにつきまして、これに対する支援を行うとともに、この場を活用いたしまして、日本の観光魅力の発信をするというようなことをやっております。また、公演内容を外国人の方にもわかりやすく理解していただくために、外国語字幕の作成等を文化庁とともに関係者に働きかけるというようなことを行ってきているところでございます。

 先ほど申し上げましたように、必ずしもまだ十分でない部分はございますが、今後、日本の文化を発信する観点から、また日本をよりよく楽しんでいただく観点から、この問題についてもしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

伊藤(渉)委員 まさに、観光立国というものは本当に多岐にわたる取り組みが必要になりますので、その主管であります国土交通省の取り組みにぜひとも期待をしたいと思います。ありとあらゆる角度から光を当てて、まさに日本人の知恵の見せどころだと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 まだ時間がございますので、さらに実務的な細かい点で何点か確認をさせていただきますけれども、まず、入国審査の緩和というところで、法務省にお伺いをいたします。

 今後、さらに外国人観光客が飛躍的に増大をしていく中で、日本にいらっしゃる皆さんが旅行しやすい環境づくり、加えて、安全を担保していく、この若干相反する二つの事柄を両立させていかなければならないと思います。不法入国に対する厳格な対応、これが必要でございますけれども、一方で、入国審査にかかる待ち時間を短縮していく、これは、旅行者の皆さんに心地よく日本に入っていただくためにも重要な点であると思います。

 そういう意味で、法務省にお伺いをいたします。入国審査にかかる審査時間の現状プラス取り組みについてお伺いをいたします。

稲見政府参考人 お答えいたします。

 法務省では、観光立国の推進に資するため、空港における審査待ち時間を全空港におきまして二十分以下にするということを目標に取り組んでいるところでございます。

 具体的な取り組みにつきまして、二つ御説明いたします。

 一つは、成田、関空、中部といった国際空港での取り組みでございまして、審査官が審査をいたしまして、入国目的に疑義があるというようなことで慎重な審査が必要だと判断した場合には、早い時点で、通常の審査ブースとは別の場所に御案内して審査をさせていただく。そのことによりまして、その外国人の後ろでお待ちになっている大多数の問題のない外国人の方の待ち時間の長時間化を避けるという取り組みをやっております。

 この結果、最近のデータでございますが、成田空港では、毎日毎日の最長の審査待ち時間が二十分台の半ば、まだ目標までは若干距離がございますが、でこぼこはございますが、それで推移するというところに来ております。

 それからもう一つは、地方空港での対応でございまして、御案内のとおり、日本の地方空港に大勢、チャーター便で外国人の観光客の方がおいでになっております。このチャーター便の出発地を調べますと、韓国と台湾の特定の二空港に集約されます。そこで、この二空港に私どもの入国審査官を派遣いたしまして、その空港でのチェックインから搭乗までの時間を利用させていただきまして、事前に所定の事項をチェックさせていただく。そうすることによりまして、日本に到着してからの審査の待ち時間を短縮するという取り組み、これはプレクリアランスと呼んでおりますが、これを実施しております。

 この結果でございますが、プレクリアランスを実施した便の日本に到着してからの審査の待ち時間は、それをやらなかった便と比較しますと、二分の一以下、おおむね二十分以下におさまっているという現状でございます。

 法務省といたしましては、今後とも、審査待ち時間の短縮に全力を挙げて取り組んでいくこととしております。

 以上でございます。

伊藤(渉)委員 この入管についても、非常に厳しいスタッフの人数の中で御努力をいただいていることもお聞きしております。そういう意味で、なかなか厳しい御時世でございますけれども、人員の増強ということについても、しっかり我々も取り組んでまいります。

 もう一つ、ビザの免除ということでお伺いをします。

 日本を訪れる現状の旅行客、これは七割がアジア地域からでございます。その上位三位が、韓国、台湾、中国、この旅行者が七割のうち八割を占めております。韓国、台湾の短期滞在ビザ免除、これは昨年、やはり出身でございます愛知県で行われた愛・地球博、これを機に、我が党の強い主張で導入をされております。

 そこで、まず法務省。韓国、台湾のこの短期滞在ビザ免除によって、訪日人数はどのように変化をしているか。これで多分最後の質問になりますので、あわせて先にお伺いをしておきますが、外務省には、これらのビザ免除を受けて、観光客を含む滞日者数の増大に寄与したと我々は考えておりますが、この辺についての政府の見解。法務省と外務省にそれぞれお伺いをして、終わりたいと思います。

稲見政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の査証免除、ビザの免除の対象となります観光など短期間の滞在を目的とする外国人の方の入国者数の推移でございますが、観光立国の推進に取り組む前の平成十四年と、昨年、平成十七年を比較いたしますと、韓国は、年間約百十万人から百五十八万人へと、四年間で四十八万人、四四%の大幅な増加となっております。台湾につきましても、八十四万人から百二十四万人、四年間で四十万人、四七%の大幅な増加となっております。

 さらに、この傾向はことしも引き続いておりまして、特に韓国につきましては、ことしの上半期六カ月で九十二万人、これは前年同期と比べまして二六%の増と、記録的な増加となっております。

 以上でございます。

谷崎政府参考人 お答えいたします。

 ただいま法務省の方から、韓国、台湾についての短期滞在者の増加について答弁がございました。

 我々外務省の方といたしまして、過去、愛知万博の期間中に短期滞在査証免除措置を実施した、その後、韓国から日本に来られる方の不法滞在の数とか、あるいは刑法犯の数、そういった治安に与える影響というのを非常に慎重にデータをとってみました。その結果、これは悪化していないということでございますので、その後、本年三月から、この短期滞在ビザを免除するという措置を続行しているということでございます。

 したがいまして、我々としましては、この一連の措置が、日本に来られる韓国、台湾の滞在者の数の増加に寄与しているというふうに判断しております。

 今後も、治安に与える影響という点についてよく注視した上で、この制度を適正に運営していきたいというふうに考えております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 幾つか、さまざまな角度から御質問させていただきました。ひとえに観光と申し上げても、こうした非常に多くの取り組みをもって初めて観光立国ということも成立をしていくんだろうと私は考えます。そういう意味で、ありとあらゆる角度からの御支援をさせていただくことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。

塩谷委員長 次に、黄川田徹君。

黄川田委員 民主党の黄川田徹であります。通告に従い、順次質問していきたいと思います。

 まず最初に、格差社会の基本認識について大臣にお尋ねしたいと思っております。

 総務省は、十一月二日、所得格差について、OECD加盟国の中で日本は中位に位置していると発表しております。また、総務省が十二月一日に発表した十月の家計調査によりますと、消費支出は物価変動を除いた実質で前年同月より二・四%減ったと。前年割れは十カ月連続であるということを示しております。さらに、内閣府は、堅調な企業収益が賃金上昇につながっていない、こういうふうに分析しておるようであります。

 景気が回復したといいましても、大手企業ということでありましょう。所得の分配がうまくなされずに、国民生活ではその景気回復を実感できていない、私はそう思っているわけであります。大臣、この格差社会の現実をどのように認識しておられるでしょうか。

冬柴国務大臣 今回の景気回復、その前の、デフレスパイラルに落ち込もうか、今にも落ち込みそうな状況というものがありました。デフレというのは、過剰な労働、雇用、過剰な債務、過剰な設備、このような三つの過剰というものがデフレを招いたわけでございます。そういうところから脱却するために、企業は、厳しいリストラ、いわゆる過剰な労働というものを整理したり、あるいは非正規雇用に置きかえたりするというようなことで、必死に生き残りをかけた闘いが長く続いて、失われた十年というものがあったという認識をいたしております。

 今、景気が回復してきたといいましても、それは一握りの大企業が未曾有の、過去最高の収益を上げているということでありますけれども、なかなかこれが、末端の方までこの好調さが波及をしていないというのが現状のように思われます。雇用につきましても、依然として非正規雇用の方々が多いし、企業は相当な収益を上げたとはいえ、いわゆるベースアップというようなことではなしに、それはボーナス時に一時金が加算されるというような形で、なかなか末端に波及してきていないというふうに私は認識をいたしております。

 しかし、成長率でも実質的に平均二%強と、非常に緩やかではありますけれども、イザナギ景気を超える長期の景気拡大が続いているというのも事実でございます。また、雇用環境も、二〇〇三年四月の失業率五・五%というものから、二〇〇六年十月には四・一%というところまで回復をしてまいりましたし、また、二〇〇二年のボトムでは有効求人倍率が〇・五一というようなところでございましたけれども、二〇〇六年十月にはこれが一・〇六と、いわゆる一倍を超えるなど改善が続いていることもまた事実でございます。

 そういうことから、これまで、リストラ、すなわち新卒者を採らないとか、あるいは働いている人たちを解雇するというようなリストラ体制から、今、徐々に雇用の過剰というものが解消されて、多くの企業が新しい人を採用するというような傾向が出てきておりまして、特に新卒者、新卒の高校生、大学生を雇用しようというような雰囲気が物すごく醸成をされているというのも今日の状況であると思います。

 こうしたことから、今後も、企業部門の好調さが続くことによって、雇用関係の改善、ひいては名目賃金の上昇、そしてそれが家計部門への波及ということにつながることを期待しているところでございまして、そのような面で頑張ってまいりたい、このように認識をいたしております。

黄川田委員 冬柴大臣から懇切丁寧な答弁でありますが、このように長く答弁しなければ国民に説明できないというふうな現状ではないでしょうか。

 小泉内閣の五年間に何が行われたか。結果として、大企業と中小企業の格差、大都市と地方の格差、そういうことではないかと思っております。自殺者の増加あるいはまた生活保護世帯の増加、こういう中で国土交通省は何ができるのかということが問われていると思います。

 そこで、新しい国土計画についてお尋ねいたします。

 国土審議会計画部会が、十一月の十六日でありますけれども、国土形成計画に関する中間報告をまとめた。今までの全国総合開発計画にかわる国土計画で、来年半ばに閣議決定される予定と聞いております。

 全総計画は、一九六〇年代から五次にわたって策定されまして、各省庁にまたがる国土政策の長期指針として社会資本整備の方向づけをしてきたと私は思っております。しかしながら、この全総計画は、中央主導の公共事業への地方の依存度を高めてしまった、地方が国家に頼ってしまうというのを高めたんじゃないかと私は思っておりますし、逆に言えば、その弊害として地方の自立、自主性を弱めてきたんではないか、私はそう思っております。

 そこで、今までの五次にわたる全総計画でありますけれども、その時々の内閣総理大臣が国土審議会に諮問し、そして策定されてきた、こう思っております。今般の国土形成計画でありますけれども、国土交通大臣が同審議会に諮問する、そして策定するということでありますけれども、各省庁との連携等々、計画遂行がこれまでと比べて矮小化されるのではないか、こう危惧するわけでありますが、なぜ今回から大臣が諮問することになったんでしょうか。

冬柴国務大臣 これは、省庁再編ということが大きな問題であるわけであります。

 国土計画の策定に関する事務というものは、従来、省庁再編前は国土庁、すなわち総理府の外局であります国土庁の所掌事務であったわけでございます。したがいまして、国土庁は総理府の外局であるために、総理大臣がその長として事務をとっていたわけであります。それはあたかも、今の、防衛庁は総理府の外局でありますから、内閣総理大臣が防衛庁に関する予算とかあるいは閣議事項を付議する権限があるのと同じように、この問題についても、国土庁の所掌であったために内閣総理大臣が行っていたわけであります。

 ところが、省庁再編によりまして、国土庁は国土交通省に併合されました。したがいまして、総理府の外局から離れて国土交通省の中へ入られたわけでございますから、国土交通省の長である国土交通大臣がその事務を所掌することになったわけでありまして、決してそれで矮小化されるということはないと私は思います。したがいまして、全国計画につきましては、国土交通大臣が国土審議会から意見聴取を行った上で閣議決定されることとなったわけであります。

 また、計画策定に当たりましては、当然のことでございますけれども、各府省とも緊密な連絡調整を図ってまいりたいと考えておりますし、計画部会においては、各府省へのヒアリングを行うなど、府省横断的な観点から調査検討を鋭意進めているところでございます。

 そういうことで、国土計画に係る全府省横断的な調査事務を所掌する立場から、国土交通大臣として指導力を発揮してまいりたい、このような決意であります。

黄川田委員 今の霞が関の官僚組織、そういう中で、省庁横断的に命をかけて計画し、そして実行するようなエネルギーが本当にあるか、私は危惧をしております。補助金の削減、そしてまた地方交付税の見直し、税源移譲、そういう中で国土交通省は一体何をやってきたかという、その実態も私も肌身で感じておりますので。もともと私は地方から来た人間で、一基礎的自治体の職員としておった者が国会に来ておりますから、特に地方から物を見なければいけないという物言いでしゃべりますけれども、その霞が関の省庁、大臣、しっかりと官僚を使ってくださいよ。そして、国民のために立派な政策を遂行してください。

 では、具体にいきたいと思います。

 人口減少化時代、日本の国として人口が減る時代になりました。そういう中で、一番影響を受けるのは地方であります。農林水産省の調査によりますと、一九九〇年に約十四万あった農村集落が、十年後の二〇〇〇年には約五千も集落が消滅しております。年間五百もの集落が現実に崩壊している、こういう状況だと思います。

 このような実態、事実を踏まえまして、国の形というところを聞きたいのでありますが、大臣所信では、豊かで安心できる国民生活を実現できる国土ビジョンを提示すると言っております。現在、大臣、その構想を伺いたいと思います。

冬柴国務大臣 二十一世紀を生きる我々の子供や孫たちが自信と誇りを持つことができるような「美しい国、日本」を形成するのが、国土交通省の使命であるというふうに思っております。

 その内容といたしましては、安全、安心の国をつくるということ、そしてまた、競争力を増しております世界の中で、我が国は人口減少という状況を迎えておりますけれども、持続的な経済成長を遂げることができるような国土をつくっていかなければならないということ。

 それからもう一つは、やはり、今黄川田委員も御指摘のように、地域の活性化を図ること、これは非常に大きな大事な視点だと思っております。地域の知恵と工夫による個性ある発展を促す必要がある、このように思っております。そのため、現在策定中の国土形成計画におきましては、広域ブロックを単位とする地方、いわゆる広域地方が、その有する資源を最大限に生かして地域戦略を描き、特色ある独自の発展を目指すことが必要であるというふうに思っております。

 また、我が国は四面環海の面積も狭い国であります。しかしながら、その隣には東アジアという広大な、人口十三億人を擁する中国があります。また、今経済発展を遂げつつある韓国もあります。そういう東アジア経済の成長によって我が国経済にもよい影響が見られることも事実でございます。

 そういうことで、私が担当しております観光面におきましても、各地域における東アジアからの観光客が増加をしておるわけでございまして、二〇一〇年には、全世界からですけれども、一千万人ということを達成するためには、東アジアからのお客さんを多く迎えることが必要であります。

 そういう意味で、東アジアの成長による直接交流機会の増大を背景として、広域ブロックが独自の活性化戦略を描くことができる環境というものが整いつつあるし、また、国土交通省としては、それを全面的に支援していかなければならないと思っております。

 このように、各ブロック相互や各ブロックと東アジア地域との直接的な交流、連携が進むことによって、自立的な広域ブロックがバランスのとれた国土形成に資するものであると考えております。

黄川田委員 過去の全総の目標であります多極分散型国土の構築、あるいはまた多軸型国土構造形成の基礎づくりというふうな形の目標でありますけれども、現実には、東京、あるいはまた太平洋ベルト地帯、あるいはまた東海道メガロポリス、もう古い言葉になっておりますけれども、しかしながら、そういうものから多軸型あるいはまた多極分散型ができたかといえば、現実は、一極一軸の構造、これが是正されたとは私は思っておりません。

 そしてまた、次の質問で、国土形成に当たって地域にどのように活力を取り戻させるのかということで今答弁いただきましたけれども、平成の大合併の後に、次は道州制だという議論のもとで、先般は北海道の部分で法律という形になりましたけれども、総務省の方でも、道州制の議論ということでどんどん出てくるはずなんですが、ちょっと顔が見えていない現状。しかしながら、新しいこの計画の中で、先ほど言われました自立の単位の広域ブロックですか、私であれば岩手でありますから東北圏ですかね、首都圏とか近畿圏とかなるんでしょう。

 しかしながら、しっかりとした地方分権、こういうものが確立されないと、地方の生の声を聞きますといっても、それぞれの整備局の人たち、現場の人は汗をかいて頑張っていますよ。しかしながら、官僚組織、そして国と地方の役割分担等々、しっかりとした大臣の指示がなければ、またぞろの地方整備局主導といいますか、これは国家主導でしょう、話は伺いましたという形の中でしか物事が進まないんじゃないか。私は、本末転倒で、三位一体改革への引き続く第二次の地方分権計画を、町村会とか市長会とか、あるいはまた知事会とかと、しっかりとした形の中で、国土交通省は何をするかというところもやってほしいと思っております。

 それでは、基本的な部分はまた改めて冬柴大臣とお話ししたいと思いますので、ちょっと今度は個別具体の質問をさせていただきたいと思います。

 まず、森林整備と国産材の活用ということで聞いてみたいと思います。

 私、国土交通委員会は初めてであります。農水委員会に所属しておりまして、川上、造林とかあるいはまた間伐などの森林の整備と、川下、木材の加工であるとかあるいはまた木造建築の分野、これは密接に関係し不可分であると私は思っております。そういうことで、建築部材としての国産材の活用、建築現場での物づくり技術の承継、こういうことから、国交省だけでなくて他の省庁も呼んでおりますので、それらを質問して、幅広く各省庁の意見を求めていきたいと思っております。

 それでは、まずもって、大臣も御承知と思いますけれども、国内の木材需要でありますけれども、一時は国産材は一八%までということで、最近、中国の台頭といいますか、そういう関連があって、外材がむしろ日本じゃなくて別な方向を見ているかもしれませんが、でも現実には、外材八〇%、国産材二〇%というのが現実だと思っております。

 そこで、国産材の利用促進のため、政府はどのような取り組み、施策を講じているのか。もう少し、大臣も国民の目線に立った形でやりたいと言うでしょうから、形が見える、国民の目に見える具体的な形といいますか、どんな工夫をしているか、国交省、農水省、それぞれからお尋ねいたします。

榊政府参考人 まず、建築物への木材利用に関しまして、特に木造住宅は国民の八割以上が希望するなどニーズが非常に根強いということと、我が国の三分の二が森林であって、地域材の活用が森林の健全な育成に貢献いたしまして、温室効果ガスの削減にも寄与する、こういったことから、木造住宅の振興を通じた地域材の活用に努めてきたところでございます。

 本年六月に成立いたしました住生活基本法におきましても、地域の自然、歴史、文化その他特性に応じて、住民が誇りと愛着を持つことのできる良好な居住環境の形成を図る、こういうことを基本理念といたしまして、国の責務といたしましても、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術の継承、向上を図るため、必要な措置を講ずるというふうに規定をいたしました。同法に基づく住生活基本計画におきましても、住宅への地域材の利用促進について盛り込んだところでございます。

 こういったような基本的な認識を踏まえておりまして、これまでも、地域における木材生産者と工務店とのネットワーク構築について意欲的な取り組みが各県でなされたものに対して支援をするとか、平成十二年の建築基準法で性能規定という形で基準を変えましたが、そのときに、あわせまして、外壁の防火構造に関する制限の緩和といったような木造建築物に係ります規制の合理化を行いました。それから、平成十五年度からは、若手の大工技能者を育成する大工育成塾の運営、こういったようなこともやり始めました。それから、農水省と共管しております日本住宅・木材技術センターといったようなところを活用いたしまして、木材とか木造住宅に関する試験、評価の実施といったような施策を展開してきたところでございます。

 今後とも、今申し上げたような施策を積極的に展開することによりまして、地域材を活用いたしました木造建築物の振興を図ってまいりたい、かように思っているところでございます。

島田政府参考人 木材につきましては、人や環境に優しいすぐれた資材でございまして、その利用を通じまして、林業の活性化また適切な森林の管理に資するものでございますことから、林野庁といたしましては、これまで、木材利用の普及啓発、住宅や公共施設への木材利用の促進、木質バイオマスエネルギーを初めとする新たな需要の開拓に努めてきたところでございます。

 農林水産省みずからまず率先いたしまして木材利用拡大に取り組むべく、平成十五年に農林水産省木材利用拡大行動計画を策定するとともに、昨年七月にその見直しを行いまして、公共土木工事等への木材利用、また間伐材を使いました印刷用紙の使用などに努めることといたしまして、木材利用の推進を図っているところでございます。

 また、関係各省と連携をいたしまして、例えば、国土交通省による河川砂防工事等における間伐材の積極的な利用でございますとか、環境省による自然公園等における展示施設等での木材利用を働きかけているほか、文部科学省及び厚生労働省と林野庁との連携によりまして、学校関連施設ですとか保育所の遊具等において木材を利用したモデル的な公共施設の整備を推進しているところでございます。

 加えまして、昨年より、国民運動といたしまして、木づかい運動を展開いたしております。特に、十月を木づかい推進月間といたしまして、NPO、企業、学識経験者、マスコミなどの皆さんとも連携をいたしましたシンポジウムの開催、政府広報への掲載またポスターの配布、各種マスメディアを通じた広報活動などを集中的に行うことによりまして、地域材利用に対する理解や意義について直接消費者に訴えているところでございます。

 今後とも、関係各省、地方公共団体などとも一層の連携を図りながら、木材の利用促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。

黄川田委員 国交省そして農水省からそれぞれ事務方の答弁をいただきました。

 連携しながらやるということとか、今厚生労働省等々の話もされましたけれども、そしてまた、CO2の吸収の関係で京都議定書が本当に守られるのか、連携が本当に大事だと思うんですが、木造建築物のこういう利用促進ということで、一体どこがかなめの省庁として取り組んでいくのか。いや、うちもやっています、いや、そちらもやっていますと、やっていますという足跡だけじゃ現実に形には見えてきません。

 もう一つ聞きます。

 国として、木造建築で世の中に見せられるものといいますか、何かつくりましたか。自治体であれば、例えば県であれば、県産材の利用促進とかという形の中で小さな公共施設、例えば保育所であるとか、また集成材の関係で大断面のものを使うとか、いろいろ形が見えてできるわけなんであります。それは建築基準法で余り大きなものはつくれないんだとか、自分で縛りをくくりながら、なかなかできないのか。そうはいいながら、国交省も、その縛りを解きながら一歩ずつ前に進んでいるのはわかるのでありますけれども。

 二点質問します。だれがこの連携の核となってやる省庁なのか。それからもう一つ、国民に対して、木造建築として、国家として、国の事業としてこういうものをやったというのがあれば示してください。

    〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕

榊政府参考人 地域材の利用を進めるということで、木材の供給と利用の促進に一体的に取り組むことが効果的でありますということで、各地における木材生産者と工務店といったようなところが連携してネットワークの構築をしまして、いわば川上から川下までといったようなところについての支援を私どもの方で進めてきたということでございますけれども、そのときには、木材生産者を支援する林野庁と工務店支援を行う国土交通省というところが連携して施策展開するということが早いというところはございます。

 それと、そのほかに、総務省さんですとか文科省さんですとか厚労省さんとか環境省さんといったようなところで、実は、木材利用推進関係省庁連絡会議というのを約十年ぐらい前からつくっておりまして、そういったようなところも活用いたしまして、省庁横断的な取り組みに努めております。

 どこがメーンかというような御指摘ございましたけれども、木材ということであれば、私どもと林野庁とが連携をしてやるのが基本的なところがあって、そこから関係する各省庁さんにも入っていただいて、こんなようなことになるのかなというふうに思っておるところでございます。

西銘委員長代理 もう一点、実例の答弁はいいですか。

黄川田委員 国として、国民に見える形の何か建築物がありますか、木造建築。平成に入ってありますか。昭和の時代はどうですか。

西銘委員長代理 二点目、確認してください。

榊政府参考人 最近ということであれば、京都の迎賓館、それから愛知万博における日本館、竹を使いまして。ああいったようなものが典型的なものかというふうに思います、国民に見せて訴えかけるという意味では。

黄川田委員 愛知万博、行ってきましたよ、竹の立派なあれですけれども。またこれについては議論しましょうね、ちょっと時間がなくなってしまったので。

 私は、大工さんとか左官さんを大事にするといいますか、私は市町村職員のときに、大工、左官さん、職人さんの出稼ぎ担当ということで仕事をやってまいりました。ちょうどバブルの崩壊前の新宿の東京都庁なんかつくっていますが、あれはだれがつくったかといいますと、型枠大工さんなんですね。立派な設計なんだけれども、何か雨漏りするような設計みたいですけれどもね。これは余談であります。

 中身に入ります。

 大臣、こういう地方で働く、そしてまた在来工法とか熱意を持ってやっている方があるんですよね。それで、そういう人たちは、消防団や自治会とかの地道な奉仕活動とか、本当に地域を支える一人一人なんですよ。そういう人たちが将来とも生きていけるというような仕組みが大事なものですから、職人さんたちに対する思いといいますか、意識はどうですか。認識はどうですか。

冬柴国務大臣 私も、日本の大工や左官というのは本当に神わざのような、日本建築のたくみのわざというか、そういうものは我々は誇りに思っております。

 そういうことから、我が国の建築産業において、優秀なそのような人材を確保して、また育成していく、そして、たくみのわざを承継していく、良質な建築生産物を提供していく上で極めて重要な話だと私は思います。中でも、建築現場の第一線で物づくりに直接従事している専門工事業者の技術は、建築物の品質確保の点でも大きな役割を担っております。

 また、専門工事業は、地域の経済、雇用を支える地元に密着した産業でもあり、災害時には、地元の専門工事業者の迅速な対応が被害の最小限化や早期復旧に寄与するなど、地域の防災活動においても重要な役割を担っておられます。

 こうした専門工事業者の卓越した技術、地域の産業や防災活動を担っている重要な役割を踏まえ、その技術を伝承するとともに、専門工事業者をさらに育成、発展させていくことが、安全、安心の国土づくり、地域の活性化にとって極めて有意義であると認識をいたしております。

 そういうことから、優秀な施工業者は国土交通大臣顕彰等も、建設マスターというふうに言われておりますが、行っておりますし、また、技能者につきましていろいろな顕彰制度等もとっておるところでございます。

黄川田委員 通告に従い質問しますと四十八分を過ぎそうですので、質問じゃなくて要望にします、せっかく各省庁から来ましたので。何を聞かれるかということで、あれでしょうけれども。

 そういう物づくりの技術の伝承ということで、文科省は、ものつくり大学ですか、それから高専とか工業高校も文科省の担当になりますか。それから、職業訓練大学校、これはもう名前が変わって職業能力開発総合大学校という形になりますかね、この部分は厚労省の部分ですか。そしてまた、国土交通省の部分といいますか、大工育成塾というものも開設されております。

 それぞれ、職人を大事にしたいという形の中で、皆さん企画立案し、そして後押しをしてやろうということなんでしょうけれども、どうもその部分でも、ちょっと横の連携がしっかりしているのかなということを私は不安視しているものですから、それをきちっと問いただそうかと思ったのでありますけれども、時間がないので後回しにしますので、その辺の連携をよろしくということで要望しておきます。

 最後になります。

 毎年、技能五輪全国大会が都道府県持ち回りで開催されております。その中で、建築関係では、建築大工、家具及び建具の三つの職種が競われているようであります。そしてまた、技能五輪国際大会も隔年ごとに開催されておりまして、身体障害者による国際アビリンピックを加えまして、二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会として、来年の十一月、静岡県で開催されるということであります。

 そこで、物づくり技能の観点から、過去三十八回の技能五輪国際大会の傾向を見ますと、前半二十回目あたりまでは、戦後復興高度成長期というんですか、日本はほぼさまざまな部門で上位を占めていたわけでありますが、最近の約二十回はその地位を隣の韓国に奪われているような感じもします。もちろん、日本の選手も努力し、一生懸命汗をかいていることは認めるわけであります。

 そこで、この物づくりの技能といいますか、これをしっかりと確立し、物をつくって生きていく日本だということでありますので、その重要性にかんがみ、厚労省、どう考えていますか。

草野政府参考人 お答えいたします。

 今お話がございましたように、技能五輪国際大会の過去の成績でございますが、金メダルの獲得数で見ますと、おっしゃるように、昭和三十七年の十一回大会から四十六年の二十回大会までの間は大体一位あるいは二位の成績であったわけでございますが、それ以降は金メダル数で主に韓国に一位を譲る形になっております。必ずしも成績が振るわないという状況でございました。

 しかしながら、昨年行われました第三十八回のヘルシンキ大会では、我が国は、自動車や電気関係の機械系職種を中心にしまして、金メダル五個を獲得しております。金メダル数では、スイス及び南チロル・イタリアと並び、久々に一位となったところでございます。

 来年十一月には、お話にございましたように、二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会として、我が国で二十年ぶりに技能五輪国際大会が開催されることとなっております。先般、出場選手の第一次分の発表も行ったところでございます。今後、金メダル倍増計画と銘打ちまして、選手の強化訓練に対する支援を行うこととしておりまして、同大会で好成績をおさめることにより、日本のすぐれた物づくり技能を内外にアピールするとともに、これを一つの契機として、物づくり技能尊重機運の醸成につなげられるよう努力してまいりたいというふうに考えております。

黄川田委員 最後に一言なんでありますけれども、皆さん御案内のとおり、ロボコンというのがありますよね、高専とか大学とか。こういう新しいIT技術を活用しながら、技術立国なんだよということは国民にいろいろ周知されるわけでありますけれども、この技能五輪等々についてはなかなか放映されておらないようでありまして、特に都道府県のローカルでは、もちろん公共放送としてのNHKでいろいろ放送されているわけでありますけれども、ちなみに、今お話があった技能五輪国際大会、〇一年韓国大会、〇三年スイス大会、〇五年フィンランド大会、これはいずれも公共放送NHKでは放送されておらないようであります。

 もちろん番組の放送は、これは自主権がありますから、国会を通じて、総務省を通じて、放送してくれなどとは言えませんけれども、しっかりと技能五輪というのが国民に理解されれば、必ず放送するわけなのであります。今般は日本での大会でありますので、国土交通省も、厚労省だけじゃなくて各省庁連携するというのであれば、そういう面も国民に訴えていっていただきたいと思います。

 以上で終わります。

西銘委員長代理 長安豊君。

長安委員 長安豊でございます。

 冬柴新大臣、私は二〇〇三年の初当選以来この国土交通委員会に所属させていただきまして、もう四年目となりました。この間、石原元大臣また北側前大臣とさまざまな議論をさせていただきました。その中で、きょう、三十五分という時間に限りがございますので、航空、空港問題に観点を絞ってお話をさせていただきたいと思っております。

 この航空という広い分野の中では、この三年間を振り返りますとさまざまな案件がございました。航空機からの部品の落下の問題であったり、またドアモードの変更忘れというのもございましたし、一方で、整備という話でいきますと、羽田の沖合に展開する滑走路の建設あるいは関空の二期工事というような問題もございました。

 こういう中にあって、まず、今回、安倍新内閣が提唱されておりますアジアのゲートウエー構想というものと、私の地元であります、またこれは関西にとっては唯一のと言っていいぐらいの重要な空港である関西国際空港、この問題についてお話しさせていただきたいと思います。

 二〇〇四年の三月に石原大臣と関空の連絡橋についてお話しさせていただきました。大臣、恐らく関空もう何度も御利用されて御存じのことだと思いますけれども、関西国際空港というのは沖合五キロのところに海を埋め立ててつくった、その結果、連絡橋を通らないと関空に行けないわけでございます。この連絡橋、実は毎年風の影響で鉄道部分が通行どめになっておるわけであります。過去の実績を申し上げますと、平成十五年ですと一年間に十三回、平成十六年ですと一年間に十九回、平成十七年度で十二回、月に一回から二回ぐらい橋が利用できない、鉄道部分の利用ができないということが起こっておるわけであります。

 昨今、スーパーやコンビニなどは年中無休で二十四時間営業というのが当たり前の御時世に、関空は、二十四時間オープン、二十四時間利用できるということを銘打っておりますけれども、実は、月に一回から二回は鉄道を使って行けないというような状況に陥っているわけでございます。

 これはやはり強風の影響で通行どめになるわけですから、防風壁等の整備をすることによってこの回数を減らせる、あるいはなくせるのではないかという議論も石原元大臣ともお話をさせていただきました。こういう委員会で議論させていただいた結果、国交省の中でも大分御議論をしていただいたと思います。おかげさまで、ことしから全線にわたって防風壁を整備するというお話もお伺いしております。総工費で約三十億円ぐらいの工事になるかということですけれども、この防風壁設置によって通行どめというものが大幅に減らせるということが予想されるわけで、関係者の皆様に心より敬意を表したいと思う次第でございます。

 こういった通行どめがなくなれば、関空の魅力といいますか、関空を利用する方にとって、便利、今までの不便さがなくなっていくわけですから、これは関空の競争力アップには当然役立つのかなと思っております。今までがある意味異常であった、関空の信頼感というか安定感というものを損なっている要素の一つではないかなと私は危惧しておりました。

 昨年の夏には北側大臣とも議論をさせていただきました。現在、国際物流ネットワークと国際空港へのアクセシビリティーという観点から、この連絡橋の通行料のお話をさせていただいたわけでございます。

 御存じのように、現在、平日ですと、一回空港に行くだけで千五百円という通行料が取られてしまうわけであります。物流業者さん、また我々一般の利用者にとっても同様ですけれども、これが、空港という公共施設に行くにもかかわらず、それを払わないと行けないという、まさにアクセシビリティーを阻害する要因になっていると私は考えておるわけであります。

 一方で、安倍総理の所信表明演説を思い出していただきたいと思います。総理は、あの中で、「使い勝手も含めた日本の国際空港などの機能強化も早急に進め、人、物、金、文化、情報の流れにおいて、日本がアジアと世界のかけ橋となるアジア・ゲートウエー構想を推進します。」ということをおっしゃっておりました。

 そういう意味で、その中でこの関西国際空港というものをどう位置づけておられるのか、また、今申し上げました連絡橋のあり方、また、現在整備されております二期工事の方向性などについても、大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 私も関西に長く住む人間としまして、関西国際空港は非常に大事な空港だという認識は委員と同一でございます。

 来年の八月、それまでよりも繰り上げて二本目の滑走路の供用開始が行われることとなっております。我が国で唯一の複数の滑走路を有する本格的な二十四時間空港として運用可能な飛行場、空港となりまして、国際拠点空港としてのアジア・ゲートウエー構想の実現に向けても、その活用が重要な課題である、このように認識をいたしております。

 このような観点から、委員も御指摘の二本目の滑走路供用以降の施設整備につきましては、平成十六年十二月の財務・国土交通大臣間の合意を踏まえ、今後の需要の動向や関空会社の経営状況等を見きわめつつ適切に判断していかなければならないというふうに思っております。

 また、空港へのアクセスの改善ということは、国際物流、観光振興などの観点からも非常に重要であります。関空連絡橋の料金につきましては、委員等の御質疑等も踏まえまして、平成十六年に行った社会実験の結果を踏まえ、十七年三月に引き下げが行われました。それまでは例えば普通車については従来千七百三十円というものが、平日千五百円、いわゆる一三%引き下げ、また休日には千円、四二%割引という引き下げも実行をいたしております。

 国土交通省といたしましては、引き続き関係者と一体となって関西国際空港へのアクセス改善に向けて努力をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。

    〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕

長安委員 関空の二期工事につきましては、今、八月にオープン、供用開始というお話がございました。当初十月に予定されておりましたけれども、中国の華商大会ですか、それから世界陸上等との兼ね合いもあるということで、私も一日も早い供用開始を国土交通省に要望しておったところでございます。そういう意味では、御尽力いただき二カ月前倒しになったというのは感謝しております。

 今大臣から、連絡橋についてのお話では、千七百三十円が千五百円に下がって、一三%下がったというお話がございました。ただ、千七百三十円から見れば一三%下がったかもしれませんけれども、空港に行くのに千五百円取られるというのは、これはいかがなものか。やはり空港というのは、当然飛行機に乗るために行くところであると同時に、今は非航空収入というものも重要です。空港に遊びに来ていただくということも重要です。そういう中にあって千五百円というのは、私の金銭感覚でいきますと、お昼御飯ですと二人か三人食べられるぐらいの値段ですよね。ちょっと安いですかね。それぐらいの金額を逆に払わないと公共の施設に行けないというのは、これは本当にいかがなものかと思います。ぜひ今後も御検討いただきたいと考えておる次第でございます。

 それと、この関空の連絡橋、値段の問題もそうですけれども、本来であれば、昨年行われた道路公団の民営化というときに、実はこの連絡橋自身を道路公団に買い取ってもらうぐらいのことがあってもよかったのではないかと私は思っているわけでありますけれども、これは今後の課題でございますので、そういった長期的な視野に立っても、ぜひ大臣の御検討をいただきたいと思っておる次第でございます。

 次に、今までこの三年間、空港問題という意味では一つ大きな宿題がございました。空港会計という問題でございます。

 よく関空は赤字だとか有利子負債が過多、多過ぎるというような報道がございます。また、世論からもそういった声があるのもお伺いいたします。関空単体をとらえてそのような批判は出るわけですけれども、では、ほかの空港と比較したときに実際どうなんだという議論を、感情論や経緯論だけではなくて、経営分析論として一度冷静にしていかなければならないのではないかなと思っております。

 そもそも空港というものは、整備にお金がかかってしまう、そういう前提があって、それを全部負債で抱えて採算をとっていくというのは厳しい、だから空港整備特別会計というものをつくって整備しようという流れがあったんだと思います。そういう中にあって、もちろん民活という流れもあって、関西国際空港は民間の株式会社という形をとってつくろうじゃないかという流れで、これは民間の会社でつくられたわけであります。その結果、この関西国際空港は、当然、海上を埋め立てたわけですから、莫大な有利子負債を抱えてしまっているという状況にあるわけです。

 当時、石原大臣は、この空港整備特別会計というものについても、どんぶり勘定でやっている、なかなか空港の個別の収支は把握されていないので、今後は逆に言うとこの空港整備特別会計の経理の透明性も図っていかなければならないという決意をおっしゃっておりました。私は、そういう意味では、今後十分解析がなされていかれるのかなと期待しておったわけでございます。

 そういう意味では、皆さんも昨今は民間の企業の経営というような情報、経営手法というものは情報をたくさんお持ちだと思います。やはりこういうものを見るときには、民間会社並みのBSあるいはPL、こういうものを作成して比較検討していくというのがまず基本だ、大前提だと私は考えております。

 そこで、問題点が当然明らかになって、どう解決していくのかということが必要になってくるわけでありますけれども、現在まで、そういったBS、PLをつくってというのが、もう三年たつわけですけれども、なかなか出てこない。そういう意味では、現在、もちろん中で御検討されているという了解はしておりますけれども、なかなか出てこない、三年かかっても明確な数字が出せないというのには、どんな問題があるのか。また、その問題を解決し、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えをいたします。

 空港は、単独では機能いたしませんで、路線で結ばれてネットワークで全体で機能するというのは、前々からお答えしているとおりでありますが、その中で、成田、関空、中部の国際拠点空港は空港整備特別会計と切り離して別にしておるわけでありますけれども、国内の空港につきましては、羽田を中心に、やはり国内のネットワーク全体として、空整特会で一括して管理して経理するということで今までやってきているところであります。

 特に、国内線の六割が羽田に集中しておるわけでありますが、羽田につきましては、御承知のように、沖合展開事業という、三本目の滑走路をつくる事業を財投から多額の借金をしてやっております。それから、新しい四本目の滑走路をつくる再拡張事業も今進めておるところでありますが、この羽田の多額の借金を、やはりでき上がった後、全体の増便で着陸料を稼いでみんなで返していこう、羽田だけ切り離してネットワークの外に出しちゃうと、これは大変なことになりますので、そういう仕掛けでやっておるわけでございます。

 したがいまして、今まで一括してやっておったわけでございますけれども、先生おっしゃいましたような空港別の収支という問題につきましても、我々いろいろ勉強を重ねております。ただ、空整特別会計の中で、まず、管制と空港の部分を切り離さなきゃいかぬという部分がございます。それから、各空港に長年ずっと投資を続けております。滑走路だけじゃなくて、いろいろな施設の投資も続けておりますが、それと減価償却をどううまく計算できるかというような問題もございます。そういう面につきまして、いろいろ技術的な検討も進めておりまして、今検討しておるところでございます。

 おっしゃる趣旨は十分存じておりますので、今後、どうやったらうまく客観的な把握ができるか、あるいは、民間の手法に沿った形でうまくできるかという面を引き続き鋭意勉強してまいりたいと考えております。

長安委員 今の御答弁、これは、当時の石川航空局長からお伺いしたお話と全くと言っていいぐらい変わっていないわけです。要は、三年間、この件に関して果たしてどれくらい取り組まれたのかというのは、少なくとも私には全く見えません。これは国民の皆さんも同様だと思います。

 やっていかなければならない、真摯に取り組んでいきたいと言うのは簡単だと思います。でも、もし民間会社で、上司にこれをやれと言われたときに、いや、真摯に取り組んでいます、それだけで果たしてやっているということになるのかということだと思います。

 よく、空港の個々の採算のお話をしますと、ネットワークだからというお話をされます。では、ぜひ考えてみてください。今、企業も、企業の中の情報通信というのは、パソコンというネットワークでつながれております。LAN、ローカルエリアネットワーク。それぞれのパソコンがネットワークでつながれているから、では会社は、そういうローカルネットワーク、情報通信予算というのは別建てで組んでいるかということです。独立採算の部署で組んでいるところは、では、パソコンのネットワークについては、うちは、この分はうちの部で負担しようというやり方をしているはずですよね。全部どんぶり勘定でやろうじゃないかなんという発想はないわけです。

 そこは、切り分けはもちろん前提が要ります。今おっしゃられた減価償却の仕方なんというのも、これはなかなか難しい問題です。管制というのは、全国一律で、全国のネットワークの中でやっている。では、これは利用者割りでするのか、便の発着回数で割るのか、それは割り方は幾らでもあると思います。前提がある中で比較をしていかないと、わからない。

 やろうと思うけれども、こういう問題があるな、問題があるな。明確な問題点が、では、今まで国土交通省として、国土交通委員会という公開の場で、空港整備特別会計の中の空港間の採算というものを見ようという前向きな大臣の答弁があったにもかかわらず、問題点を公表されましたか。今まで記者会見なりで、今こういう問題で困っているんだということは、何も国土交通省からは出てきていないはずです。私が委員会でこのように取り上げれば答えていただく。でも、なかなか問題がありましてね、前向きにやっているんですけれどもねという答えしか返ってきていないというのが現状です。

 ここは、ぜひ、国土交通大臣にお伺いしたい。

 空港というのは単なる箱物じゃありません。国にとって国民にとって大事な大事な、私は、戦略的なものだと思っております。これは国益を左右する。

 その証拠に、アジアの国々は、複数滑走路を持った二十四時間利用可能な空港をどんどんつくっていっている。日本は関空だけ、関空もまだ一本、今まで二十四時間と言われていました、あれはうそですよ。週に三日間も、夜中に三時間空港をとめて滑走路の点検をしているんですよ。それで二十四時間なんて、はっきり言ってうそです。先ほどの話もそうです。風で行けない空港なんですね。そんな空港が、果たして世界のほかの国の複数滑走路を持った空港と戦っていけるのか。安倍総理がおっしゃった人、物、金のハブとならなければいけないわけです、アジアのゲートウエーとなるためには。

 そのためには、空港というものの整備というのは、これは戦略的に考えていかなければならない。戦略的に考えるときには、当然、裏打ちするデータが要るわけですね。今までのように、地方の要望があるからだけで、地方の空港をいっぱいつくっていくということだけではなくて、もっと大切なのは、これから限られた予算の中でどの空港にどういった資金をつぎ込んで、日本が世界の航空競争の中で勝ち残っていけるのかということが問われてくるわけです。

 ぜひ、大臣、この空港間のまず採算について、いつごろまでにはきっちり数字を出させてみましょうという御決意をいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 関空は、沿岸から五キロ先の大深度のところを埋め立ててつくった空港でございます。

 これは、いろいろと騒音問題とか難しい、例えば陸上でつくった場合、成田はいまだに二本目の、北伸に着手はいたしておりますけれども、国際線としては一本しか供用できないという状態が物すごく続いております。そういうことの反省も踏まえて、関空におきましては、沖合五キロという、しかも大阪城がすっぽり入るような深いところを埋め立ててつくったことでございますから、現在、一兆円を超える有利子債務を抱えているわけです。

 しかしながら、非常に、民間から来ていただいた社長等、工夫に工夫を重ね、そして営業外の事業における収益等を集めて、今、償却後黒字を出すまでに至っているわけであります。しかしながら、この大きな有利子債務を償却するためには、これはやはり格段の考慮が必要でありまして、国からも、有利子を無利子のものに置きかえるための工夫とかいろいろな、あるいは、九十億円にも上る支援基金の支払いとかを国土交通大臣と財務大臣との協議によって続けていただいているとかいうことで、二本目の滑走路が供用開始になる二十四時間開港の本格的な空港というのは、日本ではここが一つです。そういう意味で、ここは大事にしていかなければならないと思います。

 財務状況につきましても、そのように本格的ないわゆる企業会計原則に基づく貸借対照、損益計算書、営業報告等を兼ね備えた今までの公益的な法人とは違う、株式会社ですから、商業ベースのものがきちっとつくられ、そしてそれに基づいて計画的に行われているものでございまして、これから発着回数便も、この年末は最高の発着回数便を記録するなど、カーゴの業績も非常に改善されつつありまして、私は、その意味で、もう少し長い目で見てやっていただければ、来年の二本目の供用開始とともに弾みがつくであろうというふうに思っております。

長安委員 空港ごとの採算については、逆に言いますと、今研究されているというお話、先ほど政府参考人の方からもございました。大臣、ぜひ、いつごろまでには、きっちりとしたとまでは言いませんけれども、もちろん前提がある中でだけれども、こういった各空港の採算は出してみたい、御決意いただけませんか。

冬柴国務大臣 関西というこのエリアは、諸外国と比べましても、GDPではお隣の韓国と匹敵する力を持っております。また、後背人口も二千万人以上を抱えたところでありまして、この三つの空港が、例えば狭い大阪湾の中に、関空、伊丹空港、そしてまた神戸空港という三つあるというのが過大であるようなことを言われる人があるんですけれども、しかしながら、そのような人口及びGDPをはじき出しているこの地域ということ、そしてまた、今発展を続けている東アジアと至近の距離にある、そういうことから見まして、私は、関空あるいはこの三つの空港がそれぞれの役割を果たしながら頑張っていけるんだろうと思います。

 それから、いつまでに成果を示すかという話でしたけれども、算定根拠となるデータや基準の整理を内部で検討中でありますので、現時点では明確な予定を示せる状況にありませんが、しっかりした勉強をしてまいりたいというふうに思っております。

 役人答弁のようでございますけれども、しかし、政治家としては、先ほど私が申し上げたとおり、償却後で黒字を出しているということは僕はすごいことだというふうに思いますので、もう少し見てやってください。

長安委員 今大臣おっしゃったとおり、償却後で黒字を出すというのは、これは空港にとっては、整備にお金がかかっているということを考えると、なかなか厳しいわけであります。

 もう何度も繰り返しになりますので申し上げませんけれども、この空港ごとの採算を見るということは、これは空港整備を戦略的に行っていくという上ではイロハのイだと私は思っております。三年間たっても出てこないということは、つまり三年間戦略なしにやってきたと言えるのではないかと思います。そういう意味では、ぜひ真剣に取り組んでいただいて、各空港ごとの採算比較ができるように御尽力をお願いしたいと思います。

 収入というところを考えると、空港の場合、多分、着陸料だと思います。着陸料なんかはすぐに出せているはずですから、まずは収入の部分からでもどんどん公にしていっていただけたらなと思っておりますけれども、今、恐らく、もう収入の部分はすぐに切り分けはほとんど必要ないのかなと思いますけれども、これは政府参考人の方から今すぐ出せますでしょうか。

鈴木政府参考人 今委員おっしゃいました空港別の収入、着陸料は当然出るわけでありますが、それ以外に雑収入とかいろいろ細かい収入もございまして、そちらの方の切り分け等についてもしっかり整理してまいりたいと考えております。

長安委員 ということは、着陸料に関してはすぐ出していただけるという御了解でよろしいですね。ありがとうございます。

 ちょっともう大臣、先に答弁されてしまいましたのではしょらせていただきますけれども、この二月に御存じのように神戸空港が開港したわけでございます。先ほど大臣お話ありましたように、関西には関空、神戸、伊丹、この三つの空港が存在しているわけでございます。

 この十一月には、国土交通省航空局からも「関西三空港の在り方について」というペーパーが出されております。その中で、私がちょっと気になったのは、「関空を核としつつ、伊丹、神戸を加えた三空港をトータルとして最適運用を図る」ということが書いてあるわけであります。ここで、この「トータルとして最適運用」というのはどういう意味なんでしょうか。利用客にとって最適なのか、航空会社にとって最適なのか、あるいは国土交通省にとって最適なのか、ちょっと御説明いただければと思います。

鈴木政府参考人 関西圏につきましては、首都圏に次ぐ航空需要を有する大規模な需要圏でございまして、今後の需要の拡大に的確に対応するため、関空、伊丹、神戸という三つの空港が適切な役割分担のもとにトータルとして最適運用を果たしていくということが重要だと考えております。

 このため、昨年十一月の、先生御指摘のありました三空港懇談会において御説明しましたとおり、関空は西日本を中心とする国際拠点空港及び関西圏の国内線の基幹空港、伊丹空港は国内線の基幹空港で環境と調和した都市型空港、神戸空港は百五十万都市神戸及びその周辺の国内航空需要に対応する地方空港という各空港のそれぞれの役割を担いつつ、相互に連携させまして、利用者利便を高めていくという意味でトータルな最適運用を図ってまいりたいと考えております。

長安委員 言葉は、利用者利便を追求してというお話でございますけれども、実際のところは、三空港が細々とそれぞれやっていくためにというような意味と私は理解してしまいます。実際、二月に開港した神戸空港もなかなかしんどい状況にある。

 先ほど大臣からも関空は黒字にやっと単年度でなったというお話もございましたけれども、実は、大臣のお話にあった九十億、支援金という形で国から支援金が出ているから黒字になっているという書き方をする新聞まであるわけです。要は、関空に関して言うと、当初海を埋め立ててつくった、当然多額の有利子負債を抱えてしまった、だからこそ補給金を出さなければならないのに、これを支援金と言ってしまうと、黒字になってきたら支援金を減らしてしまえなんていう議論になってしまうとこれは大変なわけであります。

 そこはぜひ、関西の三空港のあり方を考えるときに、もう一度ゼロベースで考えていかなければならないのかなと私は思っております。海を埋め立てて、巨額の費用をかけてつくったこの関空というのは、何のためにつくったのか。これ、決まった当初は、やはり空港整備の戦略性という観点から決まったんだと思います。これは私は賢明な判断だったと思っております。しかしながら、当初の伊丹を縮小、廃止するという前提があった、一方で、今、伊丹の存続協定も結ばれ、先ほど申し上げましたように、三空港が細々とやっていっている現状を考えたときに、伊丹空港のあり方というものを大臣はどうお考えなのか、御意見をお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 伊丹空港は、国内の基幹空港でございます。千八百万人からの後背人口を持っておりますし、現在でも、二〇〇六年の上半期だけでも八百三十二万人の乗降客が利用しております。私は、この三つの空港は、先ほど航空局長が答弁したとおりの役割を担っていると思います。

 したがいまして、伊丹空港は、都市型で環境に優しい空港を目指して、今後も国内の基幹空港としての役割を果たしていくべきである。ここは大阪の人とそれから京都全域の人が利用していますし、兵庫の東半分の人が利用しております。大変に便利な、また和歌山の人も利用しておられます。そういうことから、ここは国内の、特に近距離の国内線を扱う基幹空港として利用されるべきであるというふうに思っています。

長安委員 先ほど同僚委員の御質問にもございましたけれども、この間の日曜日、大臣は中国・北京に行かれて、羽田―上海ですか、上海の虹橋空港とのチャーター便の設置ということで意見が一致したという報道がなされておりましたけれども、やはりこれは、先ほどもお話ございましたように、アジアと日本とのまさにゲートウエー構想に乗っかった議論だと思います。一方で、やはり関西の三空港を考えるときには、それだけではなくて、やはり過去の経緯、今の現状を考えた中で賢明な判断をしていただきたいと思っております。

 ちょっと時間がなくなりましたので、最後の質問とさせていただきます。

 過去の経緯等もございますので、これはなかなか大臣も軽々に答弁はしにくいのかなと思いますけれども、現在のこれだけ多額の債務を抱えている関空の現状を見たときに、早急に外科的な手術といいますか、公共用地を、空港の基礎部分については関空から切り離す、つまり上下分離ということも考えていかなければならないのではないかと私は考えております。

 今のままで海外の空港、あるいは国内の成田や中部、伊丹といった空港と競争していくというのは、関空は余りにも重い荷物を背負って競争するということになって、不利という言い方がいいのかわかりませんけれども、平等じゃないのかなという気がいたします。関空の、先ほど申し上げました連絡橋の話もございますけれども、公共性の高いインフラ部分については、国として全部取り上げるというか、買い上げるというぐらいのことを考えた方がいいのではないかなと思っております。これは私の個人的な見解であります。

 昨今、政府・与党の中でも道路特定財源の見直しということも言われております。この予算をうまく使って、連絡橋を購入するのかどうかわかりませんけれども、空整特会も、両方見直さなければならないと私は思っております。その中でいかに必要なものにお金を振り分けていくかという議論が必要になっていくかと思うんですけれども、大臣の御所見をお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

冬柴国務大臣 先ほども申し上げましたように、関空の有利子債務というものは、関空が環境に配慮して大阪湾沖合五キロメートルの大水深海域を埋め立てて整備されたという経緯によるものでございます。したがいまして、現在開催されている航空分科会や、あるいは国際拠点空港懇談会における国際拠点空港のあり方に関する議論の中で、御指摘がありましたような問題点についても十分審議をいただきたい、このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。

長安委員 空港の問題というのは国全体の国益の問題だと私は思っております。あえて固有名詞は出しませんけれども、有名港湾、港ですね、これは、ある時期から中国に物流の拠点が移ってしまい、今細々とやっているというような状況がございます。そうなったときにはもう手おくれなんです。やはり空港という、人、物、お金のハブとなる大事な大事なものでありますから、ぜひ戦略性を持って取り組んでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 きょうはダンピングの問題について質問したいと思います。

 福島県の知事、それから和歌山県知事、宮崎県などは、大型談合事件ということで摘発が相次いでいます。そのほか、全国の地方自治体でも問題になっていることは御承知のとおりです。国レベルでも、昨年の国や道路公団発注工事における橋梁談合事件、成田空港での電気関連工事談合、そして防衛施設庁発注事件をめぐる談合事件、ほとんどが官製談合でもありました。

 こうした談合の根絶に、検察や警察当局並びに公正取引委員会が全力を挙げることは当然だと思うんですね。同時に、多くの官工事を所管する国交省の談合排除の取り決めが極めて重要なことは論をまちません。国交省としては、この間、聞いていますと、談合が国民生活にもたらす弊害を、公共工事への取引制限、参入制限となって公共工事の公正公平性をゆがめる、さらに、高値受注による税金の無駄など国民生活に悪影響を及ぼす、したがってということで、指名競争から一般入札を二億円以上の工事に拡大したり、談合企業への指名停止措置の期間延長などのペナルティーをやっていますよね。

 一方、談合摘発が進む中で、一般競争入札などの徹底によって実は低価格入札やダンピング受注がふえています。このダンピング受注についてどのような弊害、問題があると認識しておられるか、まず大臣にお聞きしたいと思います。

冬柴国務大臣 一般的に申しますと、ダンピング受注というものは建設業の健全な発達を阻害するとともに、特に工事の手抜き、下請へのしわ寄せ、あるいは労働条件の悪化、安全対策の不徹底等につながりやすいといった問題があります。

 特に、良質な社会資本整備を通じて豊かで安全、安心な国民生活を実現していくためには、公共工事の品質確保が重要であります。平成十七年三月、公共工事の品質確保の促進に関する法律が制定されたところでありますが、極端な低価格による受注は公共工事の品質確保等にも重大な支障を及ぼしかねないものと懸念をいたします。

 このため、従来から国土交通省では、低価格の入札があった場合に、その者が契約内容を履行できないおそれがないかどうか調査した上、慎重に契約手続を行っていますが、これに加えて、去る四月、重点的なダンピング対策を取りまとめ、その着実な推進を図っているところでございます。

 以上が、ダンピングというものに対する私の認識でございます。

穀田委員 この間の施策を述べられましたが、御承知のとおり、談合は、入札の公正を害す行為として刑法上も当然、犯罪とされる。公正取引を規定した独禁法においては、不当な取引制限として禁止されています。一方、公共建設工事における低価格入札については、独禁法で禁止する不公正な取引方法の不当廉売として問題になっています。採算を度外視した極端な安値受注が繰り返されて、他の事業者が受注の機会を得られないことによって競争事業者の事業活動が困難になるおそれがある場合ということで、こういうあれを規定しているわけですよね。

 つまり、いずれも公正な取引に反する行為であって、しかも、今大臣からお話があったように、結果としてはそこが大事な問題なんですよね、国民生活に重大な影響を及ぼす行為だと思うんです。ところが、談合をやめたから、今度は価格競争で安ければ何でもいいというのでは困るわけですよね。そこで、私は、公共工事の公正な入札適正化をいかにして図るかということを、きょうは、短時間ではありますが議論をしたいと思っているわけです。

 そこで、ダンピング受注の件数は、いただいた資料では、地方整備局、地方運輸局、官庁営繕部、北海道局合計で、二〇〇五年度が前年の倍の一千五十七件、〇六年度上半期五百四十二件と増加傾向にあります。

 ダンピングは前からあったわけですよね。それで、なぜ起きるかということでいいますと、「建設マネジメント技術」という雑誌によりますと、従来のパターンというのは四つあると言われているんですね。実績つくり型、ダンピングの後の入札を有利にするために意図的に実績をつくるやり方。それから、ペーパーカンパニー型、建設業者としての実体がなくて、あとは丸投げして利益を確保するやり方。三つ目に敵対的競争型、特定の業者の落札を阻止する、意図的に低価格で入札するパターン。それから、四つ目に自転車操業型、競争激化で仕事がとれないため、従業員や機械を遊ばせておくよりは売り上げを稼いだ方がましだというもの。こういうことが、「建設マネジメント技術」誌によっては報告されていました。

 私は、新しい特色があるんじゃないかと。最近の特徴は、大規模工事を対象にした大手によるものがふえているんじゃないか。したがって、お聞きしたいのは、昨年度とことしの上半期で大規模工事の低価格入札の件数はふえていると思うけれども、間違いありませんね。それと、何が原因となっているのかについてお答えいただきたい。

竹歳政府参考人 御指摘のように、国土交通省の発注する工事のうち、低入札価格調査制度の対象件数を見ますと、平成十四年度から十六年度まではおおむね年五百件台で推移してきましたが、平成十七年度には千五十七件と急増し、平成十八年度上半期も同様の傾向が続いています。

 また、あわせて御指摘がございましたように、政府調達協定の対象、国ですと七・二億円以上でございますが、そういう大規模工事において特に増加傾向を示しているところです。

 その増加要因ですが、今も四つの点の御指摘がございましたが、さまざまな要因があると思いますが、基本的には、公共事業が大幅に減少する中で、熾烈な受注競争が繰り広げられていることが考えられます。

穀田委員 やはりふえていると。七・二億円以上の問題でふえているということが明らかだと。

 だから、従来に比べて大手のダンピング受注が増加している事態の中で何が問題かというと、結局、中小企業、下請企業への影響、しわ寄せが問題であることは明らかです。

 そこで、皆さんにお配りした資料を見ていただきたいわけであります。ゼネコン大手の大成建設が、ことし九月、沖縄総合事務局が発注した那覇港の海底トンネル工事を予定価格の六八・三%で落札しています。落札価格は、下請業者に請け負わせる価格を実際よりも一億円程度も安く抑え、報告していた。大成建設に対し、差額は当社が責任を持って負担するという誓約書、二ページ目ですね、出させているわけですよね。十一月二十一日付で契約を結んだと報道されています。

 こういう例は今まで、つまりこんな誓約書を出した例というのは、こういう問題でありましたか。

中尾政府参考人 お答えいたします。

 今までの例では、こういう誓約書を社長名から出した例はないと聞いております。

穀田委員 ないんですよね。初めてのこういう事件だということなんです。

 では、誓約書を出させたぐらいで契約していいのかと。

 そこで、今皆さんにお配りした、沈埋函の製作工事の大成建設との契約についてという文書の最後に、「契約後の措置」と書いていますよね。そこで、「不当廉売の恐れがあるとして、沖総局公正取引室への報告を予定。」と書いていますよね。これはしましたか。

中尾政府参考人 お答えします。

 十一月二十一日に契約いたしまして、十一月二十八日に沖総局の公取室に報告したと聞いて……(穀田委員「十一月二十八日に報告したと」と呼ぶ)二十八日です。はい。

穀田委員 不当廉売のおそれとして、明確な違反行為であるということですからね、これは、事実上。私は、誓約書を出させたぐらいで契約していいのかという問題をやはりここはやるべきだ、議論すべきだと思うんですね。

 ここに資料を出しました。皆さん、見ていただいたらわかりますように、大成建設の応札価格は、実際の価格を結果としては偽るわけですわね。虚偽の内訳書を出している。出なければ、下請に無理な工事をやらせ、工事の品質確保も危惧される事態にあったわけですね。これは、たまたま下請企業である日立造船鉄構というのがノーと言ったからこれが表に出て、普通であれば、言うことを聞かされて何も出ないというふうになったわけですわな。だから、まさにその意味では偽装なんですよ。このごろ偽装ばやりで、何でもかんでも偽装というのがはやっているんだけれども。

 こういうことを許して契約を結ぶということがまかり通れば、低価格入札調査制度のみならず入札制度そのものが形骸化するんじゃないのか。こういう虚偽の事例というのは契約を結ばないよう排除するのが当然じゃないでしょうか。その見解について、できれば大臣にお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 会計法というものがありまして、二十九条の六には、「契約担当官等は、競争に付する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもつて申込みをした者を契約の相手方とするものとする。」これが原則でございます。「ただし、国の支払の原因となる契約のうち政令で定めるものについて、相手方となるべき者の申込みに係る価格によつては、その者により当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められるとき、」には、あと、ちょっと省略しますが、「予定価格の制限の範囲内の価格をもつて申込みをした他の者のうち最低の価格をもつて申込みをした者を当該契約の相手方とすることができる。」ということでございまして、まず会計法では、これは国の発注だけです、地方はまた別異なんですけれども、最低で入れた者をまず相手にせないかぬということになっておるんです。

 しかしながら、その価格では本当に履行できるのかどうかということが疑われるようなことになってきた場合、本件がまさにそうです、それ、本当にできるのかどうかということをよく調査し、そしてそれができないということになれば、次の人に入れてよろしい。

 ここで一札を入れさせたというのは、相手方が大成建設、それは著名なゼネコンでもありますし、いろいろ調べたところで、下請との間で見積もりの価格で差があったという、そのことが書いてありますけれども、その点について、それは自分の方で負担をいたします、下請には迷惑をかけませんという誓約書を入れることによって、常識的には契約に適合した履行がされるということが担保されたと私は見ることができるものですから、この段階で契約をしたということでございます。

 ここの、契約の内容に適合した履行がされないおそれがあるかどうかということの判断は非常に難しいので、現在、そういう問題についてもう少し解釈の指針といいますか、そういうものを、どうしたらいいかということは内部で検討をさせております。

穀田委員 それは法律の解釈からいえばそうだけれども、一億円も違うというような事態で、今皆さんが努力されておられる、「いわゆるダンピング受注に係る公共工事の品質確保及び下請業者へのしわ寄せの排除等の対策について」というようなものからして、これは明らかにこういうひどいことをやっているわけじゃないですか、実際上は。後になってそれが発覚すると、いや、うちのところで責任を持ちますわみたいな話をやっていること自体がけしからぬという姿勢がなけりゃ、そういうことを何度もやられるようじゃあかん。

 わざわざ誓約書まで出させるぐらい、これ、大変なことなんですよ。これを、誓約書を出させるんじゃなくて、こういうやり方が間違っているということをずばっとやらなければ、そういうことが次から次へと出るぞ、そのたびに誓約書を出させてやっているなんていう話はならぬ。そういうふうに言うのやったらほんまに法律を変えなくちゃならぬし、今皆さん方がやっているそういう努力に対しても報われぬことになるじゃないかということを、政治論として、私、言っているわけですよね。そこ、わかりますわな。

冬柴国務大臣 ペナルティーを科す官庁と、我々、契約の相手方とするかどうかという問題とは、ちょっと次元が違うと思うんです。

 私どもとしましては、発注者としては、大成建設に対して、本件工事実施に当たって、品質の確保及び工事の安全確保を図るために、特に下請へのしわ寄せがないように措置を講じたわけであります。

 一つは、受注者側の技術者の増員を求めました。それから、工事が完成すると見えなくなる不可視部分についてはビデオできちっと撮影をさせていただく。それから、工事完成後に、実際にかかった費用については工事コストの調査及び実施並びに内訳の公表をする。

 そして、ペナルティーの部分については、不当廉売のおそれがあるとして公正取引委員会に報告をして、そして向こうの厳正な調査を求める、こういう立場をとったわけでございますので、御了解いただきたいと思います。

穀田委員 私が言っている趣旨はわかっていただいたと思うんですけれども、なぜこんなことを言っているかというと、皆さんわかっているわけですよ。大体、談合をしている人たちというのはダンピングもやっているんですよ。

 私、国交省の直轄工事で落札した企業名を資料として提出してもらったんです。時間の関係上、そちらの時間ですよ、ことしの八月分、二億円以上の工事三十一件の入札に関してだけでした。そのいただいた資料を見ると、ダンピング受注の企業の中には談合企業もあるわけですね。新聞などはもう書いていて、談合して指名停止など処分された企業が処分が明けると今度はダンピングに走る、こういうことで、今大臣おっしゃった措置でまともにほんまにやれるのかということをきちんと見なくちゃならぬということだけ指摘しておきたいと思うんです。

 そこで、では最後に、ダンピングを排除していくという場合どうするかということなんですね。

 私は、いろいろなことを皆さんやっていますけれども、はっきり言って決定的な改善に至っていない。自民党も提言を出しています。私、それを見させていただきました。今、先ほどありました公共工事が減っているもとで、そちらの答弁によりますと、大手がそういう受注競争に走っているという状況のもとでは、弱肉強食型の競争に歯どめをかけるルールが欠かせないと思うんですね。ここが根本にある。

 やはり、見ますと、大手の身勝手を厳しく規制し、中小建設業の育成と共同を支援するということによって公正競争の前提が確保されるんじゃないか、ここに一つのポイントを置くべきではなかろうか。

 調べますと、中小建設業制度改善協議会、JKの会などは提言を出していまして、その提言によりますと、「公共工事の超低価格、ダンピング入札をなくし中小建設業の経営の存続と育成を」という文書の中には、受注ダンピングの防止のために緊急対策を提案しています。行き過ぎたコスト削減政策の見直しと公共発注価格の設定、明白な原価割れで入札する業者を排除する、それから、国の入札での最低制限の価格の導入と事前公表の廃止などであります。私は、ここが一つポイントだと。

 最後にもう一つだけ言うと、肝心な点は、労務の単価の問題、ここのところにもスポットを当てる必要があるというのが私のこの間一貫した考え方です。ですから、この間の建築士のときも設計報酬のダンピングを問題だと指摘し、大臣もそうだとお答えになりましたけれども、そういう中小企業を育成していく上での立場と今申し上げた団体からの提起、それから労務単価で見る、こういう二つがどうしてもやはりダンピングを防いでいく上でかぎとなるんじゃないかということについて申し述べて、もし見解があればお聞かせいただいて終わります。

冬柴国務大臣 厳密には請負の会社と労働者との関係ですけれども、しかし我々も、そういうものが品質の低下とかあるいは我々が考えている品物ができないということにつながりかねないわけですから、そういう問題については、今言われたような建設業団体などを通じて指導を行うとともに、個別企業に対して立入調査を行うなどしてそういうものを断固として我々は監視していきたい、このように思っております。

穀田委員 一言だけ。もう終わりますが、工事の品質が問題なんでしょう。そのときに、先ほど黄川田さんが、つくるのはだれだと言っていましたけれども、結局、働く人がつくっているわけですやんかね。その人たちの意欲と技術力にかかっているわけで、ここの安全も大事なんですよね。だから、そういう人たちの労務単価がこの間ずっと下がり続けているという実態にこそメスを入れる必要があるんだという角度から見れば、僕はもう少しわかりやすいんじゃないかと思うんですね。

 その点だけ指摘して、終わります。ありがとうございます。

塩谷委員長 次に、日森文尋君。

日森委員 国土交通省が大変御努力をされているJRの三島と貨物会社の経営状況について、何遍も質問しているんですが、今大変重要な時期に来ていますので、また今回も改めて質問させていただきたいと思います。

 分割・民営化当時でも大変危惧されたことは、それぞれの会社が担当するエリア、そこのエリアの経済的あるいは地理的、社会的条件の違いというのが分割後の地域会社の経営にどの程度影響を与えるかということが大変心配を当初からされていました。

 それが、当然政府の方もそういう認識に立って、当初から赤字経営が予想されていた三島会社に対しては、経営安定基金を設定して運用益で赤字を補てんしていくという対策を立ててきたわけです。さらに、固定資産税の軽減措置ということも対策としてとられてきました。また、貨物会社も大変な状況であることは当初から予想されていたということで、国鉄からの継承者に対する固定資産税の軽減措置などが行われてきたわけです。

 国鉄時代に十分な設備投資が行われたかどうか、大変疑問なところがあるんですが、三島会社の鉄道施設が非常に老朽化しているし、それから車との競合に対しても十分なサービスの向上が図れないというような現状にあるというふうに聞いています。

 そこで、まず国交省の認識を伺いたいと思うんですが、三島、貨物会社の経営状況、各社の経常利益あるいは経営安定基金の運用益、諸税の軽減措置等の経営支援策が果たしてきたといいますか、この役割について改めて最初にお聞きをしたいと思います。

平田政府参考人 お答え申し上げます。

 JR北海道、JR四国、JR九州のいわゆる三島会社、それとJR貨物の経営状況についてでございますが、各社の懸命な経営努力の結果、近年ようやく経常黒字ベースの基調が定着してまいりましたが、安定した経営基盤が確立したとは申し上げがたい状況にございます。

 具体的に申し上げますと、各社とも若干の経常黒字を計上しておりますが、これは、固定資産税などの軽減措置でありますとか、ただいま委員御指摘のような経営安定基金の運用益の下支え措置によってようやく経常黒字基調を維持しているのが実情でございます。

 さらに、事業の根幹となります鉄道事業そのものの収支について申し上げますと、JR北海道が三百二十億円、JR四国が九十六億円、JR九州が五十七億円、さらにJR貨物が五十五億円の営業赤字を計上しているところでございます。

 このように、JR三島、貨物会社につきましては、各社を取り巻く経営環境が極めて厳しい状況にある中で、固定資産税などの軽減措置でありますとか、国鉄改革時に策定されました経営支援スキームでございます経営安定基金の運用益によります支援措置を講ずることによりまして初めて経常黒字基調が維持されているものでございますので、税の軽減措置などの支援措置は今後とも経営基盤の安定強化を図るために極めて重要な役割を果たしていくものと認識しております。

日森委員 今局長の御答弁にあったとおり、経営支援策がなければ三島、貨物、ともに立ち行かないんじゃないかという状況が、分割・民営化以降二十年経過をしましたけれども、続いている。

 大変な経営合理化といいますか、努力はされていて、各社とも、多いところだと二十年で三分の一ぐらい要員が減っていますね。

 さらに、北海道では、全路線の八四・九%がワンマン化、無人駅が六六・七%、委託駅が八・三%。四国では、全路線の無人駅が四八・八%、委託駅が一九・八%。九州は、全路線の九三%でワンマン化されている、無人駅が四一・五%、委託駅が四二・四%というような状況になっていまして、さらに、保線や施設、電気、構内入れかえという保全業務がほとんど全域で外注化されているという状況になっているわけです。

 こうした問題を考えると、経営が厳しいからこうした合理化をせざるを得ないということなんですが、これが行き過ぎると、公共輸送機関としての最大の使命である、この間事故がたくさん起きました、安全性が非常に担保できないようなことになるんじゃないかという心配をしているので、ぜひそういう面でも、これは質問ではなくて、国土交通省もしっかり留意していただいて、先ほど局長がお答えになったような安全面にも十分配慮するという立場からの支援策ということについて引き続き努力をしていただきたい、そんなふうに思っています。

 時間がないので、ちょっと省くところもあるんですが、二つ目に貨物会社についてお伺いをしたいと思います。

 京都議定書が発効して、二〇一二年までに温室効果ガスを九〇年比で六%削減ということになっていて、議長国ですから、何としてもこれは実現しなきゃいけないということになっていると思うんです。運輸部門でいいますと、一〇年度の時点でCO2約四千六百万トンの排出削減が達成されなければならないというふうになっていまして、また、CO2の削減量を、五七%低減するためには、JR貨物のコンテナ輸送量を、〇三年度比で〇七年度、来年ですが、約二百五十万トン、一三%増の二千四百八十万トンまで高める必要があるんだということが指摘をされているわけです。

 しかし、鉄道輸送がトラック輸送と競争するためには、実は設備投資をきっちりやっていかないと競争にならないということも指摘をされておりまして、例えばコンテナの改良であるとか、コンテナ車の取扱駅を幾つか整備されているということも私は聞いていますが、これを増設していくとか、コンテナセンターの整備等々をしっかりしていかないと、なかなか車に勝てない。したがって、CO2の削減量も達成できない、そういう状態になると思うんです。

 そこで、国交省も、二〇〇三年に、モーダルシフト促進に向けた平成十五年度アクションプログラムというのを作成して、翌年には、平成十六年度モーダルシフト促進アクションプログラム、長いんですね、これ、「地球温暖化対策の第二ステップに向けた新たな施策の構築を目指して」というのを発表して、それなりに努力をされてきていると思います。

 モーダルシフト促進におけるJR貨物の役割は非常に重要だと思うんですが、これについて国交省はどう評価されているのか。せっかくアクションプログラムというのを策定したわけですから、このモーダルシフト促進アクションプログラムの進捗状況、これは鉄道ということに限ってということになると思いますが、どの程度進捗をしているのかということについてお伺いをしたいと思います。

平田政府参考人 まず、モーダルシフト促進におきますJR貨物の役割についての評価の御質問でございます。

 鉄道貨物輸送につきましては、CO2の排出量が営業用トラックの八分の一であるなど環境面に極めてすぐれております。こういった鉄道の特性が発揮されます長距離輸送の分野を中心に鉄道貨物輸送への転換を進めていくことが極めて重要ではないかと考えているところでございます。

 次に、平成十六年に策定されましたモーダルシフト促進アクションプログラムにおきます貨物鉄道の利用促進に関する進捗状況についてでございますが、代表的な例を申し上げさせていただきます。

 まず、山陽線の鉄道貨物輸送力増強事業といたしまして、貨物列車の長編成化、これは二十四両編成を二十六両編成とすることによりまして、貨物列車の輸送能力を千二百トンから千三百トンにふやすことを可能とするものでございますが、来年の三月のダイヤ改正から実施する予定としております。

 また、宅配便など小口積み合わせ貨物を輸送いたします電車型特急コンテナ列車、いわゆるスーパーレールカーゴでございますが、これにつきましては、平成十六年に東京―大阪間の営業運転を開始いたしまして、運行時間は片道約七時間から約六時間に短縮されたところでございます。

 以上申し上げましたように、私どもといたしましては、モーダルシフト促進アクションプログラムを着実に推進してきているところでございます。

日森委員 確かにそういう御努力があって、それはもう敬意を表して、さらに進めていただきたいと思いますが、実際には、レールを借りなければいけないとか、何か事故があるとすぐに待避線に入らなきゃいけないとかいう問題があったりして、なかなか、旅会社と貨物会社の間でどうしても旅会社の方が優先をするというような状況もあるように聞いていますので、その辺にも御配慮をして、ぜひ、環境問題の観点からも、貨物輸送の促進といいますか、これをしっかり進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 最後になりますけれども、今までの、私どもが感じているところでいうと、支援があって辛うじてと言うと怒られるかもしれませんが、三島、貨物会社が公共輸送機関としての役割を果たしてきたというふうに言っても過言ではないと思うんです。

 しかし、三島会社に対する固定資産税、都市計画税の軽減措置、さらに国鉄からの承継資産に対する課税の軽減措置、これらの特例が今年度で終了するということになっています。この間ずっと、十年、五年、五年ですかね、行われてきたわけですが、また、九七年度から実施されている経営安定基金の運用益確保の支援スキーム、これは本州三社が負っていた鉄道・運輸機構への早期弁済対象となる新幹線債務がなくなるということで、大変難しさも生まれているというふうに聞いています。さらに、貨物会社においては、本年度末には固定資産税の減免措置が切れるということにもなっておるわけです。

 今、最初に局長の御答弁でありましたが、国土交通省も支援策として来年度の税制改正要望を提出されているということも聞いておりますが、これは何としても実現をしていかないと、三島、貨物とも非常に厳しい状況に陥ってしまうということは、もう局長の御答弁のとおりだと思うんです。これは公共輸送という国民にとって大変大事なものを失うということになりかねませんし、これまでも北海道、ほかのところでもそうですが、どんどんどんどん線路を切ってきたわけですね、廃止をしてきたという経過があって、これ以上そういうことになると、国民生活にも大変大きな影響を与えるということになると思うんです。

 したがって、今、国交省でお考えになっている支援策、これは何としても実現をするという意味で、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。

 もう一つは、十年、五年、五年とやってきたけれども、大変厳しい状況に余り変わりはないということも言えるんですが、いっそこの支援策を恒久化するというお考えをお持ちなのかどうなのか、これを最後にお伺いをしたいと思います。

冬柴国務大臣 もう詳しくは申し上げませんけれども、答弁の中でも、また委員からのお話の中にも、いかにJR北海道、JR四国、JR九州そしてまたJR貨物が大きな役割を担っている、また今日担っている、こういうことに着目をいたしますと、何としても各社の経営基盤の安定強化ということが必要であります。このためには、今行われております承継特例あるいは三島特例というような、いわゆる固定資産税や都市計画税に対する減免措置をもちろん続けていかなければならないと私は思いますし、また、そういう意味で、経営安定基金の運用益の確保も車の両輪として必要であろうというふうに思います。したがいまして、税務当局に対して税の軽減措置の必要性を精力的に訴え、そしてそういうものが実現できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 こういうものを恒久化したらどうかという最後のお尋ねにつきましては、相当大きな財政負担を伴いますので、しかしながら、その役割等を考えたときに前向きに考えていきたいと思っております。

日森委員 どうもありがとうございました。

塩谷委員長 糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 我が国の経済、これはようやく明るい兆しが見えてきた、こういうふうに言われておるところでございますが、実際、まだ都市と地方との地域間格差、これを是正して、そして地域の活性化というものを図る、こういうことで、そして解決すべきだというふうに考えておるわけでございます。

 安倍総理の所信表明演説の中でも、地方の活力なくして国の活力はない、そして、やる気のある地方が独自の施策を展開して魅力ある地方に生まれ変わるような、必要な体制の整備を含めて政府全体として取り組んでいく、こういうふうにおっしゃられたと思います。

 政府としては、地域活性化担当大臣を任命するとともに、関係閣僚によって地域の活性化策に関する政府の取り組みについて取りまとめられた、そういう取り組みを行っていらっしゃるわけですが、国土政策、社会資本整備、交通政策、地域に密着した行政分野に幅広く関係をされていらっしゃる国土交通省、これは地域の活力向上のため、実際、ほかの省庁よりも先頭に立って取り組むべきだというふうに考えておりますが、まずは大臣の現在の取り組み状況をお聞かせいただけますでしょうか。

冬柴国務大臣 国土交通省といたしましては、地域の活力の向上ということは最重要課題の一つと認識しております。したがいまして、我が省といたしましては、十月二十五日、事務次官を議長とする国土交通省地域活性化戦略会議を設置して、地域の活力の向上に向けた具体的な方策について検討を進めまして、十一月二十二日に国土交通省地域活性化戦略として取りまとめ、公表したところでございます。

 今後は、これに基づきまして、一つ目は、地域ブロックの自立促進による地域活性化のための地域の自立的発展を可能とする国土構造への転換、二番目に、生活圏レベルでの地域活性化のための地域と民が主役の自主的な地域づくりの総合的な支援、三つ目には、地域の交流人口拡大に向けた観光立国の推進、最後に四番目ですが、災害に強い地域づくりを初めとした地域活性化のための条件整備、このような四つを柱といたしまして、関連施策を総動員して地域の自立と競争力強化に向けて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 とりわけ、新たに、地域ブロックの自立と連携の促進による地域活性化のための民間プロジェクト中心、民主導の地域戦略プロジェクトや、生活圏レベルでの地域活性化のための地域公共交通の活性化、再生に関する取り組みをそれぞれ総合的に支援する制度を創設するなど、積極的に後押しをしてまいりたい、このように思っております。

糸川委員 私の地元の福井なんかは、まさにまだまだ地域の格差が非常に大きいな、中央と地方の格差というのは非常に大きいなと本当に感じられるようなエリアでございますので、ぜひ大臣、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 大臣におかれましては、当委員会で、我が国の活力の源泉である地域の自立と競争力強化に努めるべく国土形成計画の策定を進めます、こういうふうに述べられたわけでございます。私は、我が国の活力の向上を図るためには、各地域が東京に依存しないで、地方が持っている力を最大限に発揮して地域の自立の活性化、これが必要である、今大臣もそのようにおっしゃられたわけでございます。

 我が国の各地域の人口それから経済規模、こういうものを考慮いたしますと、今大臣がおっしゃられましたように、地域ブロック単位での国際競争力、経済活力の向上、こういったものが有効であるというふうに思います。このような取り組みを進める上で、新しい国土形成計画、この策定というものが非常に重要であるというふうに考えておりますが、先般、国土審議会におきまして中間取りまとめ、これが行われたというふうに聞いておりますが、実際、新たな国土形成計画の基本的な考え方について国交省にお尋ねをしたいというふうに思います。

渡邊政府参考人 お答えいたします。

 計画部会中間取りまとめにおいても、委員のお考えにまさに認識を同じくするものでございます。我が国の活力の向上のためには、地域の自立と活性化が重要であり、また、地方の広域ブロックは、欧州中規模国にも相当する人口、産業や都市の集積があり、ブロックを単位とした自立的な発展が十分期待されるとともに、東アジアの成長による直接交流の機会の増大などを背景として、広域ブロックが独自の活性化戦略を描くことができる環境が整いつつある状況にあります。

 このため、計画部会中間取りまとめにおいては、広域ブロックを単位とする地方が、その有する資源を最大限に生かして特色ある地域戦略を描くことにより、東京に過度に依存しない自立的な圏域を形成する国土構造への転換を目指すべきとされたところでございます。

 この中間取りまとめを踏まえまして、来年中ごろの全国計画の策定を目指して引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。

糸川委員 各地域の人口といいましても、今、少子高齢化というふうに言われているわけですけれども、では、果たして日本の人口は何人必要なのかとか、地方にはどのくらいの人口が必要なのかとか、そういうことは全く政府からは発表されていないと思うわけで、ぜひ国交省が先頭に立って、地方の活性化とおっしゃるのであれば、どのくらい地方に対して人口の比率というものを持っていくのか、それによって地方の活性化策というものをしっかりと打ち出さないと、やはり地方の発展というのはないのかなと考えるわけです。

 次に、地域の公共交通の活性化というものについてお聞きするわけですけれども、その人口のビジョンというものがないと地方の公共交通というものは成り立たない、これは大臣御承知だと思いますが、ぜひ、地域公共交通の活性化について取り組んでいただきたいわけですから、しっかりとその辺のビジョンを打ち出していただきたいなというふうに思います。

 今後の地域公共交通の活性化というものは、まちづくりですとかまた観光振興、こういうものにも活性化させていく、こういう観点からも必要不可欠でありまして、また、その地域の生活圏レベルでの地域活性化のための活性化というものもしっかりと総合的に支援する、こういう制度を創設する、こういうふうにおっしゃられたわけでございます。では、国交省がどのように実際に取り組んでいかれるおつもりなのか、お聞かせいただけますでしょうか。

宿利政府参考人 糸川委員御指摘のとおり、地域の公共交通の活性化、再生というのは、地域の活性化の観点から必要不可欠であると私ども認識しております。ただ、残念ながら、現実には、地域によって交通事業者が不採算路線から撤退をする、その結果、交通空白地域が出てきておる、あるいは運行便数の減少などサービスの低下が進んでいるといったことで、非常に厳しい環境にあると認識をしております。

 このような状況は国土交通行政の立場からは見過ごすことができないと考えておりまして、早急に、地域の公共交通の活性化、再生に取り組む頑張る地方を以前にも増して応援していく必要性があると考えているところであります。

 具体的なことを申し上げますと、十九年度に、市町村や交通事業者など地域の関係者がみずからの地域の公共交通の再生、活性化に関する総合的な検討、合意形成を行って、その合意した内容を確実に実施していこうという取り組みにつきまして国が総合的に支援する仕組みづくりを進めたいと思っておりますし、また、地域の活性化、再生に資するような新たな輸送形態がいろいろ実用化されつつありますけれども、このようなもので鉄道事業とか道路運送事業に該当するようなものにつきまして、一貫した輸送サービスを行うものについては、円滑な導入を進めるための環境整備を図っていきたいと思っております。

 なお、この問題については交通政策審議会で現在審議をしていただいておりまして、本日の午後、中間取りまとめをしていただく予定になっておりますので、これを受けて法案の作成作業を進めていきたい、このように考えております。

糸川委員 地方の公共交通というものを守っていただかないと、大臣おっしゃられる観光立国というものも順調に進むとは言えないのかなと思いますので、ぜひ、リーダーシップを発揮していただいてお取り組みいただきたいというふうに思います。ありがとうございました。

 終わります。

塩谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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