衆議院

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第10号 平成19年4月3日(火曜日)

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平成十九年四月三日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 塩谷  立君

   理事 石田 真敏君 理事 後藤 茂之君

   理事 中野 正志君 理事 葉梨 康弘君

   理事 山本 公一君 理事 伴野  豊君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      赤池 誠章君    遠藤 宣彦君

      小里 泰弘君    大塚 高司君

      岡部 英明君    加藤 勝信君

      鍵田忠兵衛君    梶山 弘志君

      北村 茂男君    佐藤  錬君

      坂本 剛二君    島村 宜伸君

      杉田 元司君    薗浦健太郎君

      平  将明君    寺田  稔君

      土井  亨君    徳田  毅君

      長崎幸太郎君    長島 忠美君

      西村 康稔君    原田 憲治君

      松本  純君    松本 文明君

      松本 洋平君    宮澤 洋一君

      盛山 正仁君   吉田六左エ門君

      若宮 健嗣君    泉  健太君

      黄川田 徹君    楠田 大蔵君

      小宮山泰子君    下条 みつ君

      土肥 隆一君    長島 昭久君

      長安  豊君    細野 豪志君

      鷲尾英一郎君    伊藤  渉君

      大口 善徳君    穀田 恵二君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   内閣官房副長官      下村 博文君

   外務副大臣        岩屋  毅君

   国土交通副大臣      望月 義夫君

   国土交通大臣政務官    梶山 弘志君

   国土交通大臣政務官   吉田六左エ門君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  加藤 隆司君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 佐渡島志郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 草賀 純男君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 菅沼 健一君

   政府参考人

   (外務省国際法局長)   小松 一郎君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           布村 幸彦君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           辰野 裕一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           板谷 憲次君

   政府参考人

   (水産庁資源管理部長)  山下  潤君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 望月 晴文君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        岩井 良行君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            宿利 正史君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  冨士原康一君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  中尾 成邦君

   政府参考人

   (気象庁長官)      平木  哲君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    石川 裕己君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 谷津龍太郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月三日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     松本 洋平君

  桜井 郁三君     松本  純君

  鈴木 淳司君     土井  亨君

  西銘恒三郎君     西村 康稔君

  宮澤 洋一君     平  将明君

  小宮山泰子君     細野 豪志君

  古賀 一成君     楠田 大蔵君

  鷲尾英一郎君     長島 昭久君

  赤羽 一嘉君     大口 善徳君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  平  将明君     宮澤 洋一君

  土井  亨君     加藤 勝信君

  西村 康稔君     西銘恒三郎君

  松本  純君     桜井 郁三君

  松本 洋平君     岡部 英明君

  楠田 大蔵君     古賀 一成君

  長島 昭久君     鷲尾英一郎君

  細野 豪志君     小宮山泰子君

  大口 善徳君     赤羽 一嘉君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  岡部 英明君     亀岡 偉民君

  加藤 勝信君     寺田  稔君

同日

 辞任         補欠選任

  寺田  稔君     佐藤  錬君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤  錬君     鈴木 淳司君

同日

 理事西銘恒三郎君同日理事辞任につき、その補欠として石田真敏君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

四月三日

 海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案(石破茂君外四名提出、第百六十四回国会衆法第二四号)

は委員会の許可を得て撤回された。

三月二十九日

 タクシー規制緩和の失敗を直視し、新たなルールの確立を求めることに関する請願(辻元清美君紹介)(第四九五号)

 同(日森文尋君紹介)(第四九六号)

 同(保坂展人君紹介)(第四九七号)

 同(菅野哲雄君紹介)(第五一九号)

 同(重野安正君紹介)(第五二〇号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第五三四号)

 同(赤松広隆君紹介)(第五五六号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第五五七号)

 同(細川律夫君紹介)(第五五八号)

 同(阿部知子君紹介)(第五六八号)

 同(菅直人君紹介)(第五六九号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第五七〇号)

 同(村井宗明君紹介)(第五七一号)

 同(金田誠一君紹介)(第五八八号)

 同(阿部知子君紹介)(第五九九号)

 同(土肥隆一君紹介)(第六〇〇号)

四月三日

 タクシー規制緩和の失敗を直視し、新たなルールの確立を求めることに関する請願(仲野博子君紹介)(第六一〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案(石破茂君外四名提出、第百六十四回国会衆法第二四号)の撤回許可に関する件

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案(内閣提出第四一号)

 国土交通行政の基本施策に関する件

 海洋基本法案起草の件

 海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案起草の件

 新たな海洋立国の推進に関する件


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     ――――◇―――――

塩谷委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事西銘恒三郎君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う理事の補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に石田真敏君を指名いたします。

     ――――◇―――――

塩谷委員長 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長宿利正史君、海事局長冨士原康一君、港湾局長中尾成邦君、気象庁長官平木哲君、海上保安庁長官石川裕己君、内閣官房内閣参事官加藤隆司君、外務省大臣官房審議官佐渡島志郎君、外務省大臣官房審議官草賀純男君、外務省大臣官房参事官菅沼健一君、外務省国際法局長小松一郎君、文部科学省大臣官房審議官布村幸彦君、文部科学省大臣官房審議官辰野裕一君、文部科学省大臣官房審議官板谷憲次君、水産庁資源管理部長山下潤君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、資源エネルギー庁資源・燃料部長岩井良行君、環境省大臣官房審議官谷津龍太郎君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大塚高司君。

大塚(高)委員 自由民主党の大塚高司でございます。

 本日は、海洋政策について、いろいろな角度から質問をさせていただきます。

 海洋は地球表面の約七割を占め、人類その他の生物の存続の基盤であり、世界百九十二カ国の中で海に面している国は実に百五十カ国もあるというふうに言われております。特に我が国は海に囲まれており、日本人ははるか昔から海と深くかかわってきております。今日でも、エネルギーの九割、食料の六割を海外に依存し、また貿易の九九%以上を海上輸送が担っているなど、我が国に海洋がもたらしている恩恵は非常に大きなものがあると言えます。

 一方、世界的にも、平成六年に国連海洋法条約が発効して以来、海洋と人類の共生ともいう大きな目標に向かって、国際社会が協調して海洋に関する課題に取り組む時代になってきたのではないかというふうに思うわけであります。このような中で、海洋国家たる我が国としては、海洋政策に積極的に取り組み、世界の海洋政策をリードしていくことが求められているのではないかというふうに思うわけであります。

 そこで、まず各国の海洋政策への取り組みの現状について伺います。

 国連海洋法条約が発効した後、米国や近隣諸国は海洋政策にどのように取り組んでいるのか、お尋ねいたします。

宿利政府参考人 お答えを申し上げます。

 国連海洋法条約が一九九四年に発効いたしまして、また一九九二年のリオデジャネイロで開催されました国連環境開発会議でアジェンダ21、これは持続可能な開発を実施するための人類の行動計画というものでありますが、これが採択されて以来、近隣諸国を含む諸外国は、海洋に関するさまざまな施策を実施するための制度的枠組みを整えまして、海洋政策に積極的に取り組んでおります。

 例えば、米国につきましては、海洋をよりきれいで健全で生産的なものにすることを目指した米国海洋行動計画というのを二〇〇四年に策定しております。近隣の中国につきましては、海洋資源を合理的かつ持続的に利用し、海洋経済の一層の発展を促進することを目指した二十一世紀中国海洋政策大綱というものを一九九六年に策定しております。また韓国につきましても、海洋政策への優先的取り組みや海洋産業の競争力強化を通じた先進海洋大国を実現するということを目指して、二十一世紀海洋水産ビジョンというものを二〇〇〇年に策定しております。

 いずれも、これらの諸外国は、海洋資源の開発や海洋環境の保全、海洋産業の発展などを総合的に推進するものになっていると認識しております。

大塚(高)委員 今お話がありましたように、本当に日本も諸外国におくれをとらないようにこれからもいろいろな意味で推進をしていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、海洋政策は、漁業については農林水産省、海底資源については経済産業省、そして外国との交渉については外務省というように、多くの省庁が関係をしておりますが、海上保安庁なども置かれている国土交通省は、海上輸送の確保、海上の安全や治安の確保、海事産業の振興、海洋調査の推進など、海洋政策の多くの部分を担っているということも理解をしておるわけでございます。

 そこで、海洋政策にはどのように取り組んでいるのか、お尋ねをいたします。

宿利政府参考人 お答えを申し上げます。

 四面環海の海洋国家である我が国は、昔から、人や文化の往来、物の輸送、産業、生活等の分野において海と深くかかわってきており、海の恩恵を大変受けてきたものと承知しております。

 一方、我が国の海洋をめぐりましては、今大塚委員から御指摘がありましたような多くの課題がありますけれども、これは独立の課題として存在するのではなくて、相互に密接に関連をしておりますので、関連する施策を総合的に進めていく必要があると考えております。

 国土交通省につきましては、今大塚委員の方から逐一御紹介いただきましたような各般の施策を私どもの関係部局で広範に所掌しております関係から、昨年の六月に国土交通省海洋・沿岸域政策大綱というものを取りまとめました。これは、国土交通行政として海洋・沿岸域に関する課題を整理し、取り組むべき施策を取りまとめたものであります。また昨年の七月に、事務次官を本部長とする国土交通省海洋・沿岸域政策推進本部というものを設置しております。

 私どもとしましては、この本部を中心にいたしまして、この大綱に基づいて海洋に関する諸施策を総合的かつ強力に推進してまいりたいと考えております。

大塚(高)委員 ただいま御答弁がありましたように、海洋政策に関するさまざまな取り組みを進められているというわけでございますけれども、残念ながら、このような取り組みに関する国民の関心はそれほど高くないのではないかという印象を私は持っております。

 本来、我が国は、四面を海に囲まれ、世界でも最も海の恩恵を受ける国の一つであることはだれでも承知しているわけでございますが、平成八年の海の日の制定は、我が国民が海の恩恵に感謝し、海を大切にする心をはぐくむために極めて意義深いことであったというふうに私は思っております。

 私がお仕えをしておりました原田憲代議士が海事振興連盟会長としてその最後の仕事となったのが海の日の制定でございました。本委員会にも御子息の原田憲治議員がおられますけれども、あれから十年以上が経過したわけでございます。このような状況の中で、海の日の意義を国民にもっともっと浸透させる必要があるというふうに私は思っておりますが、いかがでしょうか。

冨士原政府参考人 海の日が制定されましてから十年余りが経過したわけでございます。国土交通省といたしましては、海の日制定以来、海の日を中心といたしまして、全国各地で海に関するさまざまなイベントを積極的に展開するなどいたしまして、国民に海に親しんでもらいたい、そういう機会をつくるべく努力はしてまいったわけでございますが、先生御指摘のとおり、まだまだ国民への浸透あるいは盛り上がりは十分とは言えないというのが現状であろうと思っております。

 ここに来まして、海洋政策あるいは海に対する関心というのは高まりを見せてきているというふうに感じてございまして、国土交通省といたしましても、いま一度、海の日の意義につきまして広く国民に発信し、またこれが国民的な運動として広がっていくように、海事関係者ともども一丸となって取り組みを強化してまいりたいというふうに考えております。

大塚(高)委員 私も、秘書のころは日本全国というぐらいいろいろな各地を回らせていただきまして、海の日の制定に関しまして御理解を得るために努力をした一人でございます。

 その中で、やはりそういったことに関しましては、そのときは国民の皆さん方は理解をされておられるんですが、しばらくたっていくと忘れがちになっておられる。やはりそういうことは常々いろいろな意味でアピールをしていくことが大切であるというふうに思いますので、極めて難しいことだろうというふうに思うわけでございますけれども、これからも努力を重ねていただきたいというふうに思います。それがひいては日本の発展のためにつながる、そういったことも重々御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。

 次に、海上輸送に目を向けて伺います。

 マラッカ・シンガポール海峡は、アジアだけでなく、世界的にも極めて重要な航路の要衝であります。また同海峡は、我が国輸入原油の八割以上が通航しているほか、多くの日本関係船舶が通航する重要な海上輸送路であります。

 このように、エネルギー輸送など我が国の経済を支える重要な海上輸送路であるマラッカ・シンガポール海峡の安全が確保されなければ、日本経済の持続的発展に大きな支障が生じるものと考えますが、この海峡の航行安全について今どのように取り組んでおられるか、お尋ねをいたします。

冨士原政府参考人 先生御指摘のとおり、マラッカ・シンガポール海峡、私どもマ・シ海峡と通称しておるわけでございますが、我が国の経済にとってまさに生命線である、その安全確保は国家的な課題であると認識してございます。このために、我が国といたしましては、これまで沿岸国に対しまして、航行援助施設の整備、沈船の除去など、航行安全に関する協力を長年にわたって実施してまいりました。

 また、この水域は海賊でもちょっと知られたところでございまして、海賊対策に関しましても、国際会議の開催、連携訓練や研修の実施、専門家の派遣などを通じまして、海上取り締まり能力の向上に資するという協力も実施してまいったところでございます。

 マラッカ・シンガポール海峡は、マレーシア、シンガポール、インドネシアの領海を通航する海峡でございまして、したがいまして、基本的には、この沿岸三カ国に利用国が協力をしながら安全の枠組みをつくっていくということが大事だというふうに考えてございます。このために、海事関係の国連機関でございますIMOというのがございますが、IMOと沿岸国が主催いたします国際会議などにおきまして、安全確保のための沿岸国と利用国の新たな協力の枠組みづくりが今行われているというのが現状でございます。

 我が国といたしましては、主要な利用国といたしまして、これまでの支援の実績も踏まえて、新たな国際協力の枠組みづくりに主体的に参加し、今後とも同海峡の安全確保に積極的に貢献してまいる所存でございます。

 また、海賊対策に関しましては、昨年、アジア海賊対策地域協力協定が発効いたしました。このために情報共有センターというのが設置されてございます。我が国は、これまでの対策に加えまして、同協定の締約国等と連携して、同センターを通じた海賊対策に積極的に取り組んでまいるということでございます。

大塚(高)委員 先ほどお話がありましたように、本当に海賊が出る、いまだにそんなことがあるんだろうかというような話がよく聞かれるわけでございますけれども、これは事実であるわけでございますので、そういった対策についても重要なことでございます。本当に御配慮いただいて、対応していただきたいというふうに思います。

 次に、四面が海に囲まれた我が国にとって、貿易量の九九・七%を担う我が国外航海運は、我が国経済、国民の日々の生活を支える上で大きな役割を担っております。安定的な国際海上輸送の確保は、我が国の発展にとって極めて重要な課題でもあります。

 その外航海運の現状を見てみると、長年にわたる厳しい国際競争の結果、日本籍船の総数が極端に減少し、日本人船員は昭和四十九年の五万七千人から二千六百人へと激変を今いたしております。このような状況では、我が国経済、国民生活の向上にとって重要な安定的な国際海上輸送を確保する上で不安を禁じ得ません。

 諸外国においては、トン数標準税制の導入を初めとして、総合的な海運振興策が講じられていますが、今後、我が国において安定的な国際海上輸送の確保を図るため、日本籍船及び日本人船員をどのように確保していくのか、お尋ねをいたします。

冨士原政府参考人 先生御指摘のとおり、特に昭和六十年にプラザ合意というのがございまして、急激な円高が進行したわけでございますが、それ以後、特に顕著に日本人船員あるいは日本籍船というのが減少をいたしました。

 日本人船員については、ただいま先生からお話がございましたとおり、二千六百人というところまで落ちてきておりますし、それから日本籍船については、現在、日本の船会社、大体二千隻の船を運航しておるわけでございますが、そのうち日本籍船は九十五隻しかないというような状況でございます。非常時における対応を含めまして、我が国の経済、国民生活にとって不可欠な安定的な海上輸送を確保するという観点からいくと、これはちょっと懸念される状況であるなというふうに私ども考えているわけでございます。

 このような認識の中で、平成十九年度の税制改正要望におきまして、私ども、今お話がございましたトン数標準税制というのを、国際的な競争条件の均衡化を図るとともに日本籍船あるいは日本人船員を確保するという観点から要望いたしました。

 最終的な整理といたしましては、与党の税制改正大綱におきまして、安定的な国際海上輸送を確保するための所要の法律の整備を平成二十年の通常国会で行うということを前提といたしまして、平成二十年度の税制改正において具体的にこれを検討するという最終的な整理になってございます。

 私どもとしては、これを受けまして、現在、日本籍船及び日本人船員の計画的増加策を含めました安定的な国際海上輸送の確保に必要な施策のあり方というものを検討するために、二月に、交通政策審議会に対しまして、今後の安定的な海上輸送のあり方について諮問をいたしました。現在、その検討が行われているところでございます。六月末に中間取りまとめを行う予定でございまして、これを踏まえまして、来年の通常国会には国土交通省として所要の法案を提出し、関連の税財政上の措置を講じてまいりたいというふうに考えてございます。

大塚(高)委員 お話にありましたように、いろいろな施策を講じられているようでありますが、本当に日本人船員の方も高齢化がどんどんと進んでいくというふうに思うわけでございます。その中で、やはり若手育成についてもこれからまた御尽力をいただきたいというふうに思います。

 加えて、日本籍船も数が少ない。本当にこのままでいいんだろうかという不安を我々も抱いております。そういったことに関しましてもまた格段の御配慮を賜りたいというように思います。よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。

 次に、アジア域内において港湾間競争が激しさを増す中、我が国港湾は相対的にその地位を低下させております。四方を海に囲まれた我が国では、港湾を通じた海上輸送が社会経済活動の生命線というふうになっていることから、我が国港湾の国際競争力を高めるための取り組みを強化すべきではないかというふうに考えておりますが、この点について国土交通省はどのように取り組んでおられるか、お尋ねをいたします。

中尾政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、近年、経済社会活動のグローバル化が進展する中で、我が国産業の国際競争力の強化とか国民生活の質の向上を図っていくためには、港湾の機能を向上させることが極めて重要でございます。

 このため、アジア主要港をしのぐコスト・サービス水準の実現を目標にいたしまして、スーパー中枢港湾プロジェクトを推進するなど、国際港湾の機能強化に取り組んでいるところでございます。スーパー中枢港湾におきましては、大型コンテナ船に対応した高規格コンテナターミナルの整備とか埠頭公社の民営化、あるいは国際・国内輸送の連携の強化など、ハード、ソフト一体となった取り組みを推進しております。

 国土交通省といたしましては、今後とも、港湾機能の一層の強化を推進いたしまして、国際競争力強化に取り組んでいく所存でございます。

大塚(高)委員 御指摘がありましたように、スーパー中枢港湾、本当にそういったことをどんどんとしていかなければ諸外国には重々勝てないというようなことでございますので、そういったことに関しましてもまた格段の御配慮をいただきますように、よろしくお願い申し上げます。

 それから、地元案件でございますけれども、大阪港には複数の港湾が存在し、二港以上の港湾に寄港する船舶は、それぞれの港湾に入港するごとに、とん税、特別とん税が徴収されております。地元では大阪湾諸港の一開港化を要望しておりますが、国土交通省としてはその点についてどのようにお考えか、お尋ねをいたします。

中尾政府参考人 大阪湾諸港の一開港化についてでございます。

 これは、平成十八年四月に、関西の産学官の関係者から成ります国際物流戦略チームによりまして、関係省庁に要請されたものでございます。

 現在、一開港化に係る船舶の航行の安全対策につきまして、地元関係者によりまして検討が進められております。また本年三月二十四日には、先ほどの国際物流戦略チームの会合におきまして、入港料低減に係る合意など、一開港化の取り組みを契機といたします港湾の包括的な連携施策の検討成果が報告されました。

 今後、船舶の航行安全対策の検討結果とか海域利用者の合意形成を踏まえた上で、十九年中、ことしじゅうの一開港化の実現に向けまして、関係省庁と連携して、既存の業務形態にも配慮しながら、所要の手続を進めていく予定でございます。

大塚(高)委員 そういったことは本当にスピーディーに進めていただきますことを、地元もそういうことを望んでおりますので、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。

 次に、上海港においては千ヘクタールを超える物流特区を創設しております。また、釜山港においては格安の賃料で国際物流企業を誘致するなど、アジアの主要港においては、コンテナターミナルの背後地に広大な用地を確保し、大規模な国際物流拠点の形成を国家戦略的に行っており、我が国においてもこうした物流戦略が大変必要だというふうに考えております。

 大阪港においても、夢洲のコンテナターミナルの背後に関西全体の陸海空の物流網の拠点とする世界規模の物流センターを形成する構想があります。これを早急に推進すべきと私は考えておりますが、国土交通省はどのように取り組むお考えか、お尋ねをいたします。

中尾政府参考人 お答えいたします。

 コンテナターミナルの背後に物流拠点を形成することは、国際水平分業が進展する中におきまして、我が国の国際競争力の強化とか環境負荷の低減などを図っていく観点から極めて重要であると考えております。

 委員御指摘のとおり、大阪港におきましては、関西経済連合会の提案などを踏まえまして、港湾管理者の大阪市におきまして、夢洲地区というところで、コンテナターミナルの背後に大規模で高機能なロジスティクスハブ構想の検討が進められていると聞いております。

 国土交通省といたしましては、コンテナターミナルの整備推進、民間の物流施設整備に対する支援のほか、交通政策審議会における議論などを踏まえつつ、このような物流拠点の整備に対しまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

大塚(高)委員 お話にありましたように、今、関西というのは本当に地盤沈下が激しい、そう言われた中で、こういう戦略がなされることによって関西経済界もますます活性化する、関西の経済もますますよくなっていくというふうに私は考えております。物流の拠点、本当にこれを関西の方も望んでおられますし、そういったことの取り組みについてもまた格段の御配慮をよろしくお願い申し上げます。

 引き続き、海洋政策について何点かお尋ねをいたします。

 国連海洋法条約においては、沿岸国に海洋環境の保全に関する義務を課しているなど、海洋環境の保全は海洋政策の重要な柱として推進する必要があるというふうに考えております。例えば、油の流出等の海洋汚染の防止や海洋ごみ問題についてはどのような取り組みを今お考えか、御説明をお願いします。

宿利政府参考人 まず、海洋汚染の防止でございますけれども、これは、国連海洋法条約や海洋汚染防止について定めた国際条約に基づきまして、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律などによりまして、必要な規制あるいは取り締まりなどを行っているところであります。

 また、海洋ごみの問題につきましては、平成十八年四月に漂流・漂着ゴミ対策に関する関係省庁会議というのが設置されておりまして、国土交通省もこれに参画をして対策を検討してきたところでありますが、船舶航行がふくそうする海域におきまして浮遊ごみの回収などに引き続き取り組んでおりますし、また本年度、海岸保全施設への機能阻害をもたらす大規模な漂着ごみの処理に対する新たな支援措置を創設したところであります。

 国土交通省としては、大塚委員からお話がありましたように、海洋環境の保全は海洋政策の重要な柱である、このように認識して対応してきておりまして、引き続きしっかりと取り組んでいく所存であります。

大塚(高)委員 本当に今、環境問題は大切でございます。そういったことに関しましてもまた格段の御配慮を賜りますように、よろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、我が国が海洋政策を強力に進めるためには、政府としては、海洋戦略をつくり、その推進体制を整えることが重要であるというふうに考えております。今般、海洋基本法を策定すべしということに相なっているものということで私は理解をしておるわけでございますが、この海洋基本法案について、国土交通省は今どのように認識をされておられるのか、お尋ねをいたします。

望月副大臣 海洋政策に関する事務を広範に所掌しております国土交通省としては、大塚先生のいろいろな御意見を大変ありがたく今伺っておったわけでありますけれども、四面環海、本当に海で囲まれた我が国にとって、そしてまた時代が本当にグローバル化されている時代でございますので、海洋政策が総合的、体系的に行われるよう海洋基本法が制定されることは大変意義深いものだ、このように思っております。

 国土交通省としては、海洋基本法が制定されるということになりましたら、その推進については積極的な役割を果たしていく、そういう覚悟を決めておりますので、また皆様方の御指導のほどをよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

大塚(高)委員 先ほど望月副大臣の方からお話がありましたように、日本は四面環海でございます。そういったことを常々申されておられます。その中で、やはり我々議員、国民も一緒になって、海のありがたさ、海の大切さ、そういったことをもっともっと理解し、そして、国際社会の中で日本の生き方、あり方などをこれからももっともっと国民の皆さん方にお示ししていかなければならないというふうに我々も思っております。そのリーダー的な存在に我々はなっていこうじゃないかという思いでこれからも取り組んでまいりたいというふうに思っておりますので、国土交通省としても、そういったことに関しまして格段の御理解とお力添えを賜りますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 公明党の大口でございます。

 今般、海洋基本法が提出されるということで、海洋政策についてお伺いをしたいと思います。

 我が国は、四方を海に囲まれ、海上交通、海洋資源を初めとする多くの恩恵を海から受け、海に守られて発展してきました。その海洋では今、国連海洋法条約、リオ地球サミットの行動計画、アジェンダ21などにより新しい法秩序及び政策が導入され、各国が自国沿岸の広大な地域をそれぞれ管理しつつ、人類全体の利益のために協調して海洋環境の保全、海洋全体の持続可能な開発、平和的管理に取り組む時代が来ています。

 我が国は、この条約のもとで認められた資源豊かな、世界で六番目に広い四百四十七万平方キロメートルの面積を持ち、体積に至っては世界第四位であります領海及び排他的経済水域、そして大陸棚の保全及び管理、開発利用に努めるとともに、国際社会において我が国のすぐれた経済及び科学技術を生かして、よき海洋秩序形成に先導的な役割を果たし、国際協力を推進していくべきだ、こう考えております。

 しかし、我が国の海洋に対する取り組みは、これまで縦割りで、いまだに新しい時代に対応する総合的な海洋政策が確立されておらず、また、これを担当する大臣、部局もなかったため、残念ながら近隣諸国に比べても立ちおくれています。

 我が国は、速やかに、海洋と人類の共生及び国益の確保を目標とする総合的な海洋政策を推進する枠組み、体制を確立するため、海洋基本法を制定し、海洋政策の推進体制を整備し、新たな海洋立国を目指すべきだと考えております。安倍総理も、本年一月二十六日、衆議院本会議の施政方針演説で、「海洋及び宇宙に関する分野は、二十一世紀の日本の発展にとって極めて大きな可能性を秘めており、政府としても、一体となって戦略的に取り組んでまいります。」と述べられているわけです。

 今回提出が予定されております海洋基本法制定の意義について、官房副長官の御見解をお伺いしたいと思います。

下村内閣官房副長官 お答えいたします。

 四方が海に囲まれております我が国にとって、海洋に関する分野は二十一世紀の我が国の発展に極めて大きな可能性を秘めていると認識しております。

 海洋資源の確保、海洋環境の保全など、海洋政策を総合的、体系的に推進する観点から、議員立法によりまして海洋基本法が制定され、海洋政策の推進体制が整えられるという意味において、海洋基本法制定には大きな意義があるというふうに認識しております。

大口委員 私も、昨年の四月、高野参議院議員とともに、海洋基本法研究会に公明党は参加させていただきました。また、党といたしましても、プロジェクトチームをつくって今回の法案の策定に当たって努力をさせていただいたわけでございます。

 今回予定されております海洋基本法案では、海洋に関する施策の推進体制として、内閣官房に総合海洋政策本部を置くこととしております。内閣官房に本部を置くことの意義についてどのように政府は認識しているのか、お伺いしたいと思います。

下村内閣官房副長官 お答えいたします。

 海洋に関する分野は非常に幅広く、現状においては、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省等の海洋にかかわる省庁がそれぞれ施策を立案し推進するという形態をとっております。

 今後、内閣に、海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進するための本部が置かれるということになれば、当該本部は海洋政策の司令塔的役割を担うものになることから、海洋に関する問題について政府一体となってより戦略的に取り組むことができるようになるという意味で、大変大きな意義があるというふうに考えております。

大口委員 また、海洋に関する施策の推進体制については、この法案においては附則二項で検討規定を設けて、本部については、この法律施行後五年を目途にして総合的な検討が加えられて、本部を内閣府に移管することも視野に入れられる、こういうことでございます。移管するとしたらどのような場合なのか、これにつきましてもお伺いしたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御承知のとおり、内閣官房は、中央省庁等改革基本法によりまして、その時々に生じる政策課題に対しまして機動的、弾力的に対応するための組織として位置づけられております。一方、内閣府は、恒常的かつ専門的な重要政策に関する企画立案、総合調整を担う行政機関でございます。

 海洋基本法案では、本部につきまして、海洋政策を集中的かつ総合的に強力に推進するため、当面、内閣官房が事務を担当し、法律の施行後五年を目途として総合的な検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるという形になっていると聞いておりまして、その検討過程の中で、前述した組織の性格、位置づけ等が念頭に置かれつつ、海洋に関する施策を総合的に担う組織の将来の適切なあり方が検討されていくものと考えております。

大口委員 また、今回、海洋に関する基本計画を策定するわけでございますが、海洋に関する施策を推進していく上において、有識者の意見を踏まえながら進めていくことが大事だと思うんですね。海洋基本法研究会におきましても、有識者から非常に貴重な御意見をいただいたわけでございます。

 そういう点で、この法案が成立しましたときに、政令で、有識者で構成する会議を本部に設置することが必要と考えますが、これについての政府の見解をお伺いしたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 海洋にかかわる問題は、海洋資源の開発及び利用、環境保全、安全の確保、産業の振興など幅広い範囲に及んでおりまして、各分野において蓄積されました深い知識経験等を活用する必要があると認識しております。

 政府といたしましては、海洋基本法案が成立すれば、海洋に関する施策の企画立案、推進に有識者の意見を反映させるためにはどのような体制が適切であるか、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。

大口委員 では、副長官、ありがとうございました。

 次に、法案の三十三条では、海洋政策担当大臣は、海洋に関する施策の集中的かつ総合的な推進に関して総理大臣を助けることを職務とする国務大臣と定義されているわけでございます。政府としてどの省の大臣がふさわしいと考えているのか、この点について、国土交通大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 海洋基本法案では、海洋政策担当大臣は、海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進するというふうになっておりますが、この大臣は、総理大臣の命を受けて、内閣官房長官とともに副本部長として職務を行うことになっております。そして、それ以外のすべての国務大臣は当該本部の本部員となるというふうに起草されているように聞いております。

 海洋政策を直接担当する幾つかの省の中でも、国土交通省は非常に広範な海洋政策を担当いたしております。例えば、ざっと例を挙げますと、海洋の安全の確保、治安・秩序の確保、保全、防災対策、それから環境の保全・再生、あるいは海上輸送の確保、海事産業の育成・振興、EEZの開発利用、いわゆる海洋調査、あるいは国民理解の増進、海洋思想の普及、あるいは国際協力、こういうようなものが国土交通省に任されているところでございます。

 したがいまして、国土交通大臣は海洋政策担当大臣の候補者としてふさわしいのではないかとは考えておりますが、いずれにいたしましても、その担当大臣につきましては、総理大臣が任命されることとなると理解をいたしておりますので、そのような答弁とさせていただきます。

大口委員 私も、やはりこの海洋政策担当大臣は国土交通大臣がやるべきだ、それ以外は考えられない、こう思っておりましたので、今の大臣の御答弁、よく理解したいと思います。

 次に、海洋基本法の制定を受けて、外務省にお伺いしたいと思うんです。

 この新しい時代に対応して、海洋に関する国際的な秩序はどうあるべきと考えているのか、またその形成及び発展のため、いかに取り組むべきなのか、この海洋基本法制定を一つの契機としてしっかりと打ち出していただきたいと思うんですが、これについての御見解をお伺いしたいと思います。

草賀政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども話が出ておりますけれども、我が国自身、四方を海に囲まれました海洋国家でございまして、また海運に大きく依存している貿易立国でもございますし、また資源も輸入国、それから漁業国と、いろいろな意味で海洋あっての日本ということだろうと思っています。

 したがいまして、我が国にとりまして、航海の自由あるいは航行の自由といったものを確保して、海洋の平和と安全を維持すること、それから、沿岸及び遠洋の双方におきまして、日本の利益あるいは権利などを調和のとれた形で確保する、こういったことが我が国の国益の確保、増進にとって極めて重要だと思っております。

 海洋に関する国際秩序につきましては、一九九四年に発効して一九九六年に日本が加入しております国連海洋法条約がございまして、これがその国際的な包括的な枠組みを定めてございます。この条約は、国際社会におきます海洋をめぐる各国のさまざまな利害のバランスの上に成り立ってございます。

 したがいまして、外務省といたしましては、今般、海洋政策を総合的かつ体系的に推進するという観点から、議員立法によりまして海洋基本法が制定され、海洋政策の推進体制が整えられるということは大変有意義だと考えてございまして、先ほど申し上げました国連海洋法条約を含みます、それを中心とします国際法に従いまして海洋政策が総合的に推進され、かつ海洋に関する国際的な法秩序がさらに発展していくよう、今後とも積極的に関与をしてまいる考えでございまして、海洋政策の推進に当たりまして、関係官庁を含めまして、政府一体となって取り組み、また日本としても、国際社会における役割を積極的に果たしていくことが望ましいと考えてございます。

大口委員 次に、海洋については、海洋の安全、それから今回、海洋構築物の安全水域という形の法律もできるわけでございますので、海洋構築物の安全の確保が重要と考えるわけでございます。我が国は、四方を海に囲まれて、主要な資源の大部分を輸入に依存しているわけでございまして、経済的な安全保障を確保することが特に重要であります。

 そのためには、海上保安庁が果たす役割が非常に重要である、飛躍的にその役割が重要になってきている、そういうことで、新しい時代の海上保安庁のあり方についての基本認識、これを踏まえて、海上保安庁の人員、装備など体制を強化すべきである、こう考えるわけでございますが、この点について国土交通大臣の所見をお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 今述べられましたように、海上保安庁は、海上の安全及び治安の確保を任務としまして、領海警備、海難救助、海上交通の安全確保等、海上における法の執行機関としての業務を実施しているところでございます。先生も御指摘のとおりでございまして、海洋基本法及び安全水域法への適切な対応が重要であるというふうに考えておりまして、今後、海上保安庁の役割はますます大きなものになると考えております。

 こういう中で、装備面では、巡視船艇あるいは航空機が、昭和五十年代に建造あるいは求められたものが多く、老朽・旧式化しておりまして、犯罪の取り締まりやあるいは海難救助活動に支障が生じていると言っても過言ではありません。こうした状態を少しでも早く解消する必要があるという考えから、十八年度から、老朽・旧式化の進んだ巡視船艇約百二十隻及び航空機約三十機について、高性能な巡視船艇、航空機への代替整備を緊急かつ計画的に進めることといたしております。

 十八年度補正予算では、巡視艇八隻、航空機二機の代替整備を図るための予算を計上いたしました。十九年度の予算では、巡視船艇、新規十二隻、継続十五隻、それから航空機、新規二機、継続十機の代替整備を図るための予算を計上したところでございます。引き続き計画的な代替整備に努め、老朽・旧式化の進んだ巡視船艇、航空機の早期解消を図っていきたいと考えております。

 要員面でも、尖閣列島などの領海警備の強化のため、巡視船を多数かつ継続的に投入せざるを得なくなっている現状がございます。

 私も、台湾とか香港から中国の人がこの尖閣、特に魚釣島の領有を主張して来るというニュースに接しまして、空からではありますが、視察をさせていただきました。当時は、海上保安庁の巡視船約二十隻を配備してそういうものに備えるという、これはもう全国各地から寄せ集めるわけですね。私も空から激励をさせていただきましたけれども、大変な仕事だというふうに実感をいたしました。

 また、空き交番ゼロということで、警察官を増員していただいたことがありますが、同じような話が海上保安でもあるわけですね。巡視艇はありますけれども、要員不足のために、沿岸部で三百六十五日二十四時間この機能を果たすことができない状況があります。したがいまして、沿岸部の三百六十五日二十四時間即応体制が手薄にならないような巡視艇の複数クルー、六人体制を導入するなど、必要な人員の確保にも取り組むことといたしているところでございます。

 四面環海の海洋国家である我が国においては、海上の安全、治安の確保、海洋権益の保全などが重要であることから、海洋基本法及び安全水域法成立後においても、こうした装備や要員面における体制の充実強化を図ることにより、引き続き海上保安体制の整備に努めたい、このような覚悟でおります。

大口委員 最近、映画で、若い人たちもこの海上保安庁、そしてその仕事について非常に関心が高まっています。国民の理解をしっかり得つつ、人員、そしてまた装備の強化をしっかり図っていくべきである、こう思っております。

 次に、海洋国家である我が国では、海を知る、海を守る、海を利用する、このバランスのとれた政策が必要である、こういうことと考えます。特に、海を知ることは、他のあらゆる海洋政策を展開する上でも必要不可欠であります。

 この海を知るということに関して、海洋科学技術に関する研究開発の推進及びその成果の普及を図るため政府はどのような取り組みをしているのか、お伺いしたいと思います。

板谷政府参考人 お答えいたします。

 文部科学省におきましては、独立行政法人海洋研究開発機構を中心といたしまして、海を知るということのための探査機等の技術の開発、これらを行うとともに、観測、予測などの研究活動を通じまして、海洋のみならず、地球についての知見を獲得しているところでございます。

 具体的には、研究船やブイ等を用いました地球環境観測、観測データを用いました地球環境の変動予測研究、地球深部の構造を探査し、地震や火山活動の原因となる地殻の挙動に関する研究、六千メートルを超える深海での探査活動を可能とする探査機等の開発でございます。

 その成果の普及ということでございますが、観測、研究の成果は、データの公表や学会での発表などを通じて普及を図っているところでございます。

 例えば、太平洋におけるエルニーニョ現象と同様の現象がインド洋においても発生していることを発見し、この現象が地球の気候変動に大きな影響を持っていることを解明しております。そしてさらには、地球シミュレーターでの地球温暖化予測の成果が気候変動に関する政府間パネルの第四次の報告書においても活用されておりまして、国際的、社会的にも注目を集めているところでございます。

大口委員 本年二月、公明党の海洋基本法制定プロジェクトチームで、独立行政法人海洋研究開発機構を視察させていただきました。世界に誇れる海洋科学技術分野の研究開発の最先端に触れる機会を得たわけでございます。海洋についてはまだまだ未知の領域が多いわけでありますが、スマトラ沖大地震の震源域における世界初の本格的科学調査など、この視察で、海洋研究開発機構が海洋科学技術のフロンティアに挑戦し、我が国のみならず、世界を牽引していることを実感したわけでございます。

 ついては、海洋研究開発機構で行っている世界最高水準の研究開発について紹介をいただきたい。

 また、もう一方のフロンティアである宇宙に関して、宇宙航空研究開発機構の予算は、平成十八年度が一千八百一億円、平成十九年度は一千八百三十八億円となっていますが、この海洋研究開発機構の研究開発への予算額についても教えていただきたいと思います。

板谷政府参考人 お答えいたします。

 まず、独立行政法人海洋研究開発機構でございますが、先生御指摘のとおり、世界最高水準の観測、探査技術や予測技術を開発しつつ、海洋を中心といたしました地球規模の環境変動の解明に資する研究開発を実施しているところでございます。

 それで、具体的には、水深二千五百メートル、海底下七千メートルと世界最高の科学掘削能力を有する地球深部探査船、「ちきゅう」という名前でございますが、これを建造するとともに、我が国が主導する国際研究プロジェクトにおいて、巨大地震発生メカニズムの解明等のため、本年の九月からでございますが、東南海・南海地震の震源域である南海トラフを掘削することとしております。

 そしてさらには、有人で世界最高の探査能力を持ち、先日一千回の潜航を達成いたしました深海潜水船「しんかい六五〇〇」でございますが、これを用いて、メタンや二酸化炭素等を栄養源とする極限環境微生物が生息していることを発見するなど、世界最先端の研究を実施しているところでございます。

 そして、これらにつきましての海洋研究開発機構の予算でございますが、平成十八年度におきましては三百六十四億円、平成十九年度におきましては、対前年度比四・四%増の三百八十億円の予算を認めていただいたところでございます。

大口委員 世界に冠たる海洋国家であり続けるためには、世界のナンバーワンである海洋科学技術分野への投資を重点的に行っていくことが不可欠であると思います。海洋科学技術分野への予算は、同じフロンティアの宇宙分野に比べて小さく、政府には、科学技術全体の予算を拡充するとともに、海洋科学技術分野への重点投資を要請しておきたいと思います。

 次に、国際海上輸送の確保を図りますために、日本籍船及び日本人船員の確保、これは非常に重要でございます。先ほども御質問がありました。やはり、七〇年代に比べて、日本人の船員が五万数千から二千五百になる、あるいは日本籍船も、便宜置籍船が千八百とか千九百、日本籍船が九十五隻、こういうことを考えますと、日本籍船、日本人船員の確保のために、諸外国と我が国の間の国際競争条件の不均衡、これも是正しなきゃいけない、こう考えております。

 国土交通大臣の御所見を賜りたいと思います。

冬柴国務大臣 今お話しのように、貿易量の九九・七%は外航海運が担わなければならない四面環海の我が国におきまして、非常時における対応を含め、我が国の経済、国民生活の向上にとって不可欠の安定的な国際海上輸送を確保する上で、現状は大変懸念すべきものであるという認識を持っております。

 日本籍船の総数は、ピークであった昭和四十七年の千五百八十隻から平成十七年に九十五隻にまで減少しておりますし、また、これに伴い外航日本人船員も、ピークであった四十九年の五万七千人から平成十七年には二千六百人、しかも、団塊の世代の方が多いという状況で、本当に大変な状況だと認識をいたします。

 こういう認識に基づきまして、昨年末の平成十九年度の税制改正要望におきまして、既に国際標準となっておりますトン数標準税制の導入を強くお願いをしたわけでございます。これは、国際競争条件の均衡を図るとともに、日本籍船、日本人船員を確保する観点からぜひ必要だという認識のもとにそのようにいたしました。

 結果といたしまして、平成十九年度の与党税制改正大綱におきまして、トン数標準税制につきましては、安定的な国際海上輸送を確保するための所要の法律整備を前提として、平成二十年度税制改正において具体的に検討をするということにしていただきました。

 これを受けまして、我が国における外航海運の役割、日本籍船及び日本人船員の計画的増加策等、安定的な国際海上輸送の確保に必要な施策のあり方について審議するために、二月中旬に交通政策審議会に私自身も出席をいたしまして、このような緊急事態であることも申し上げて諮問を行い、六月中旬に中間取りまとめを行う予定にいたしております。

 また、我が省からも、海外の調査にも派遣をいたしまして、来年の通常国会には国土交通省として所要の法律案を提出する予定でございまして、ぜひこれは早急にやらなければならない重大課題だという認識でございます。

大口委員 私どもは、非常にこれは重大なことである、こう認識しておりまして、しっかり推進してまいりたいと思います。

 時間もそろそろ来ましたものですから、最後に、海上輸送産業の振興のために、この海洋基本法が成立するのを受けまして、今後どのような施策を講じていくのかということをお伺いして、質問としたいと思います。

冨士原政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国は、世界最大規模の海運と造船業、それからその関連産業を有しておりまして、いわば世界有数の海事クラスターを形成してございます。これらの産業が相互に刺激し合い、また、連携し合いながら今日の海事関連産業をつくってきたということが言えようかと思います。

 一方で、これらの海事産業は非常に激しい国際競争にさらされております。また、他産業と同様に少子高齢化というような問題にも直面しているということでございまして、私どもとしては、国際的な競争環境を整備する、あるいは海上輸送産業の事業者の経営基盤の強化、あるいは研究開発の支援、さらには人材の育成、確保というところに力点を置きながら現在施策を推進しているところでございます。

 今般御提案の海洋基本法を受けまして、国土交通省といたしましても、先ほど大臣から御説明いたしました平成二十年の法整備も含めまして、海事産業の振興、その国際競争力強化のための取り組みを今後とも一層強化してまいりたいというふうに考えております。

大口委員 このほか、石油等の鉱物資源に係る海洋産業の振興が重要であること、それから、海岸管理については、津波、高潮等から海岸を守るのみならず、海岸が多様な生物の成育をする場であって、独特の景観を有していることを踏まえて、総合的に施策を講ずる必要があること等々、まだまだ議論したいことがございますが、時間となりましたので、以上で質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、細野豪志君。

細野委員 おはようございます。民主党の細野でございます。

 きょうは、この国土交通委員会で海洋基本法を中心とした海洋二法について御議論いただくことになっております。一般質疑という形ではありますが、こういう貴重な機会をいただいたことを心より感謝しつつ、国会にもどうしてもセクショナリズムみたいなものがございまして、この国土交通委員会では十分事前の調整ができない部分がございまして、今回、委員長そして理事の皆さん、そして委員の皆さんに格段の御配慮をいただいて、この法案を急遽こういう形で上げていただくことになったということに関して、まず冒頭感謝を申し上げたいと思います。

 今回、この二法案が議論されるきっかけでございますが、海洋基本法案にはさまざま所掌の範囲というのがあるわけですが、その中でも、東アジアでの中国との海洋権益の争いが非常に熾烈になってきたことがこういう二法案を後押しする一つのきっかけになったことは、紛れもない事実だというふうに私は認識をしております。

 冒頭、法案の中身に入る前に、先週の二十九日に日中の局長級協議が行われておりまして、その状況について、交渉の当事者である資源エネルギー庁長官、望月長官が来られていますので、お伺いしたいと思います。ポイントを絞って聞きます。

 経済産業省そして外務省から来た報告によると、日中は一年間交渉が滞っておったわけでございますが、今回中国側から一部建設的な意見も出されたという記述があるんですが、この建設的な提案が中国からなされたという、この中身はどういうものでしょうか、お答えいただきたいと思います。

望月政府参考人 お答えいたします。

 共同開発に向けた道筋につきましての意見交換の中で、中国側から一部建設的な意見も出されたわけでございますけれども、全体としては、今後さらなる協議が必要であるということが、私ども交渉参加をいたした者の判断でございます。

 建設的な意見ということにつきましては、基本的には先方が共同開発について柔軟な姿勢を示しているということでございまして、その具体的な中身につきましては、交渉の途上でもございますので、控えさせていただきたいと思っております。

細野委員 三回目の協議で日本側も共同開発について提案をしておりまして、それは事実は全部明らかにしているわけですね。日本側はどういうカードを出したかというのを明らかにしていて、中国側がどういうカードを出してきたかについては明らかになっていない。情報がそこで非対称になっているという問題があります。

 中国側の意向もあるんでしょうから、全部説明をしてくれとは申しませんが、では、長官に確認をしたいんですが、従来、中国側は、日中の排他的経済水域の中間線から日本側だけを共同開発というふうに提案をしていたと承知していますが、そこから一歩踏み出した提案があったかどうかという確認が一つ。

 もう一つは、日本側が従来からずっと主張してきた、中国側が中間線付近で開発をしている、春暁油田がよく例に出ますが、こういう中間線付近での開発について情報提供をせよと日本側は盛んに主張してきたはずですが、その情報提供があったのかどうか。

 この二点、確認させてください。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 共同開発につきましては、先生御指摘のように、大事なポイントは幾つかあると思いますけれども、まず第一に、どの地域を共同開発するのかというのが議論の出発点であろうかと思います。

 八カ月間、この間、公式な交渉はなかったわけでございますけれども、その以前に私どもが提案をしていたものは、先生御指摘になられましたように中間線に深くかかわる部分についての提案であったということでございます。その後、共同開発についての地域の議論をするに当たって、双方、中間線議論、あるいは先方は、沖縄トラフまでという先方のEEZについての主張を、言ってみれば横に置きまして、双方の歩み寄れる余地を考えようという議論をしていたわけでございます。

 そういった面で、共同開発の地域についても、双方歩み寄れる範囲はどこだろうかということについて、先方の言いぶり、姿勢というものが少し柔軟であったというふうに感じたということでございまして、これについて、先方の真の主張についてもう少したださなきゃいけないということもございますので、その具体的な中身について今申し上げますと、交渉の進展に悪影響があろうかというふうに思っております。

 したがって、そこについてのさらなる折衝が、やりとりがこれから必要であろう。私どもとしても、先方の主張の核心が那辺にあるかということについて、必ずしも十分まだ理解していないところであるというのが正直なところでございます。

 それから第二点の、情報提供の問題でございますけれども、これにつきましては、その第一歩として、技術専門家会合を開くということを先般来実は合意をしていたわけでございますが、開かれていなかった。これについて、できるだけ早急に、できれば今週中にでも開きたいということで先方と合意をしたわけです。今、曜日を確定している最中でございますけれども、近々これは開かれるということでございます。その場において、技術専門家の間で話し合われることといえば、双方の情報についての意見交換ということになるのが必然ではないかと思っております。

細野委員 外務省は一部建設的な意見と、そして経済産業省も建設的な意見と言うからには、今柔軟という表現がありましたが、そこからどういうふうに踏み出したのかということについて、少しは何か感覚があったのではないかと私は思ったんですが、今の御答弁を聞く限り、中国側から、日本側も受け入れ得るような共同開発の提案が具体的にあったようには私は感じません、聞き取れませんでした。

 さらに言うと、情報提供をずっと数回にわたりまして日本側が求めてきた中で、専門家会合をつくるとかなんとか、そういう形をつくりながら、ある種先延ばしにされ、じらされてきた問題なわけですよね。言うならば、日本側はこの問題についてはアクションを起こさないでずっと控えてきて、中国側は開発を続けてきた中で、交渉が今のこの時点で陥っているということについて、エネ庁長官は交渉当事者でありますからなかなか言われにくい部分があるんだと私は思いますが、やはりもう少し厳しい認識を持つべきだというふうに私は思います。

 一つだけ最後に確認をしたいんですが、資源エネルギー庁としては、既に試掘権の設定については与えているわけですね。日本側も開発の意思を持つ業者が存在し、そしてそこでもう準備も進めてきている、業者としては。これは、資源エネルギー庁として、そろそろその可能性をきちっと探って、業者が勝手にやれる水域ではないですから、資源エネルギー庁としてもしっかりと試掘をする業者の後押しをして、それをやっていくべきではないかと私は思いますが、エネ庁長官として、その辺の御所見をお伺いしたいと思います。

望月政府参考人 試掘を実施するか否かにつきましては、基本は鉱業権者たる民間企業の判断によります。今のところ、政府からは、試掘権設定の許可を行った際に、試掘を実施する場合には前もって私どもに御連絡いただきたいということになっているところでございます。現時点では、その具体的計画については伺っていないところでございます。

 もちろん、私どもとしては、そういう希望が伝えられた場合には、周囲の状況をよく分析いたしまして、私どもなりにその日本の企業に対して十分に相談に乗っていきたいというふうに思っているところでございます。

細野委員 きょう恐らく衆議院を通過するであろうこの海洋二法案は、試掘をするときに安全水域を設けてそこをしっかり守れるようにという、ある種国家の意思として、国家というのは国会、国民の意思として、それを後押しする法案という意味もあるわけですよね。

 政府としていろいろ交渉の過程であるのは承知をしていますが、この間、長官がこの交渉に挑まれる前にも強調しましたが、私が申し上げたいのは、ある程度日本側が、試掘権の設定にしても排他的経済水域の視察にしても、アクションを起こしたときに日中交渉は前に進むのであって、せっかく国会がこれだけ大きな意思決定をするわけですから、それを生かして日本側としての主張をきっちりすべきであるということは再度強調しておきたいと思います。きょうは、そういう意味では、一つのきっかけになる日でもありますから、再度そのことを申し上げておきたいと思います。

 きょう成立をする二法案について、若干質問をさせていただきたいと思います。

 この基本法案は、ずっと議員立法に近い形で進めてきたという経緯がございまして、我が党としても一年半以上前にもう既に海洋に関する別の二法案を提出して、ある種それは国会の中でたなざらしにされてきた、そういう部分がございました。今さらそれを恨み節で言ってもしようがないですから、前向きにこの二法案を受けとめて、我々としても当然賛成の方向でございますが、やはりこの法律をつくる意味というところはしっかりと押さえた上で成立をさせたいという思いが非常に強くございます。

 先ほど何人かの委員の方から、海洋政策本部をつくって総合的にやるんだというお話がございましたが、こういう総合調整というのが、日本の場合は、縦割りの弊害がよく言われている中で、なかなかうまく機能しないということがよくございます。

 きょうは海上保安庁長官にも来ていただいているので、まずそこを御答弁いただきたいんですが、今回、海洋政策本部ができた場合に、海洋政策本部のある程度の意思が計画という形で出てくるわけですが、この海洋政策本部と海上保安庁の関係、これがどういうものになるのか、これは現場の指揮官でもある海上保安庁長官にお伺いしたいと思います。

石川政府参考人 海上保安庁は、もとより政府の一員でありますし、国土交通大臣の指揮監督下にございます。そういう意味で、まず、基本法が成立すれば、国土交通大臣が総合海洋政策本部員として参画されまして、そこで海洋基本計画の作成あるいは実施の推進、それから総合調整ということを大臣がされるわけでございます。また、必要に応じ、私もその本部において意見の表明あるいは説明ができると考えております。

 そういう中で、したがいまして、総合海洋政策本部が策定する基本計画あるいは総合調整に海上保安庁としては従って、他の行政機関とも緊密に連携をとりながら、この法律の施行に努めてまいりたいと考えております。

細野委員 非常に明確に御答弁いただいたので、今の答弁は非常に私どもとしては重く受けとめたいと思います。

 この海洋基本法なんですが、本部にはこの基本計画をつくる総合調整機能を持たせました。もう一つは、その基本計画を実施する総合調整についてもこの本部にやらせることになっているわけですね。つまり、例えば資源開発において、国家として例えばこの東シナ海の問題についてきちっと確保していくんだということになった場合には、当然、海上保安庁には、その資源を開発するために守りを固めていただかなければならない、そういう機能を担っていただくことになります。これを、先ほど官房副長官からは司令塔としてという御発言もありましたから、しっかりと踏まえてやっていただきたいというふうに思います。

 もう一つ、これは大臣にお伺いしたいんですが、先ほど大口委員からの質問に対して、海上保安庁を持つ国土交通省は海洋に関する政策をいろいろたくさん所掌しているので、国土交通大臣が担当大臣としてある程度ふさわしいのではないかという御発言がありました。

 実は、失礼ながら、私は余りそういうふうには思っていません。むしろ、海上保安庁は海上保安庁でいろいろな仕事をやっていただく、これは結構であります。ただ、その一方で、この問題は、資源にもかかわるし、水産にもかかわるし、環境にもかかわるし、外交にもかかわるからわざわざ本部をつくったわけですね。それを、海上保安庁を所掌している大臣がそのまま横滑りでやられるということになると、何のために総合調整をさせる機関をわざわざ官房の中につくったのかというこの趣旨にも私はもとると思っていまして、大臣の立候補はそういう意味では、立候補と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、ちょっと、正直言いましていただけないなという思いがございます。

 その辺も含めて、今海上保安庁長官からも御答弁がありましたが、総合調整をする意味で、国土交通省として、受ける側としてどういうふうにお感じになっているか、簡単で結構でございますが、御所見を伺いたいと思います。

冬柴国務大臣 海上保安庁の仕事は、海上警察行政、すなわち密航や密輸の取り締まり等でございますが、それとともに、海上交通安全行政をやっております。これは、船舶の航行安全あるいは海難救助、それから海に関する情報提供等でございます。そのほか、海上環境保全行政もやっております。これは海洋汚染防止等ですね。それで、人員や巡視船艇、航空機の運用を含めて、一体的にそのような仕事をしているわけでございます。

 反面、これらの行政につきましては海事行政あるいは港湾行政とも密接な関係があり、連携しなければできません。例えば、海事関係者とか港湾管理者に対して、海事部局というのが我が方にはありますが、あるいは港湾部局から必要な措置を義務づけるということも必要でございます。そういうものにつきましては、海上保安庁の情報分析に基づく対策や発生時の対応についての連携あるいは訓練を実施することも必要となっております。そういうことから、海上保安庁は、我が国土交通省の他の部局と一体的に仕事をしている部分が非常に大きいわけでございます。

 そういうところをかんがみれば、海上保安庁は国土交通省のもとに置くことが適当であるというふうに考えているわけでございます。

 他国の例を見ましても、韓国の海洋警察庁は海洋水産部というところに属しておりますし、ロシアにおかれても運輸省外局であるところに属しておりますし、米国におきましても国土安全保障省に属しております。運輸省にあったわけでございますが、そういうことです。フィリピンも運輸省。それから中国も、中国交通部海事局というところで行っています。カナダも海軍と各州警察が行っております。インドも国防省に属しております。

 そういうことで、どこかに属しておるわけでございまして、日本では国土交通省に属していることが他の部局との連携から必要であろうということでございます。

細野委員 大臣、私が伺いたかったのは、海洋政策いろいろある中で、国土交通省がその全体を取り仕切るという考え方は捨てていただいた方がいいですよということを申し上げたので、その考え方についてお伺いしたかったんですが、結構です。

 今せっかく、海上保安庁が国土交通省の中にあるのはどうかという次に私がしようとした質問について、あらかじめもう答えていただいたので、それについてお伺いしますが、今回、海洋基本法ができることによりまして、より海上保安庁には、この海の問題、鉱物資源だけではなく水産資源も含めて、安全の問題にかなり深くかかわっていただかなければならなくなるのは間違いありません。

 その中で、私が正直言いまして疑問に思っているのは、事前に申し上げたいんですが、私、海上保安庁には大変お世話になっていまして、尖閣諸島を見に行くときも見せていただきましたし、国土交通省にも何度も海上保安庁の中を見せていただいて、危機管理の体制についても見せていただいているので、そこに立派な方がいることはよくよく承知しています。海上保安庁のそういう存在意味については大きく評価をしつつ、私が感じているのは、危機管理をやる役所として果たして国土交通省の中に存在する意味があるんだろうか。

 国土交通省というのは大変巨大な陳情官庁でして、私がいつ行ってもお客さんがいっぱいいて、それでいろいろな陳情をされるわけですね。これはこれで役割は大事。ただ、その中のワンフロアだけ海上保安庁があって、そこだけがっちりセキュリティーが固まっていて、安全保障のフロアということになっていて、雰囲気がそのフロアだけ一変しておるわけですね。これは一つ象徴的にあらわれています。

 もう一つ申し上げると、個人攻撃をするわけでは決してないのでこれは御容赦いただきたいんですが、海上保安庁の石川長官、今御答弁いただいて、立派な方ですが、過去のキャリアを見ると、海上保安庁の長官になられる前は海保の業務にかかわったことは一回もないですよね。鉄道行政には長くかかわっていらして、そこでは立派な業績を残した方だというのも承知をしています。鉄道もある種危機管理の役割を一部担うということを理解しつつも、やはり、海の安全を主体的に担う役所の方は、もう少し、そういう現場を幾つか踏んでこられて知見を若いときにしっかりと踏まれる方、これを入れるべきではないかと私は思っています。

 大臣、先ほどもう長々と御答弁いただいたので簡潔で結構ですが、国土交通大臣をやっていらっしゃる中で、そういう矛盾をお感じになることはないかどうか。そして、今私がるる申し上げたようなことについて、実は、附帯決議の中に組織のあり方を考えましょうと書いたんですが、そういうことについてどういうふうにお感じになるか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。

冬柴国務大臣 確かに、隔絶されたといいますか、画一的な仕事もあります。しかし、そのやっている仕事は内閣やあるいは他の部局とも十分に連携しなければならない部分がありまして、私は、今の石川長官がその責めを十分に果たしていらっしゃる、あらゆる会合等でその責めを十分果たしていらっしゃる、私との連携あるいは末端の指揮についても十分に、そのような、今御指摘のような経歴をたどっていられることは事実でございますけれども、内閣の中に置かれた会合にも出席をし、ただ、そのように組織された最高指揮官というような形だけではなしに、他の部局との密接的な打ち合わせも十分にあるわけでございまして、その責めを十分に果たせる立派な長官だと思っております。

細野委員 大臣、強調しておきたいのは、個人攻撃をしているわけではありませんから、組織のあり方として国土交通省の中である必然性はそろそろなくなっているのではないですかということを申し上げたので、大臣としての今の御答弁はそれが限界なんだと思いますが、問題意識として、民主党の中で強くそういう議論が出たということはぜひ御認識をいただきたいというふうに思います。

 最後、海上保安庁長官にもう一つだけ。せっかく海洋構築物の法律を出していますので、その解釈について海保としてはどういうふうに取り組むか。

 試掘をする場合にやぐらを組みます。その半径五百メートルに安全水域を設けて、そこに入ってはいけませんよと規制ができるのがこの法律の意義ですね。この法律がない段階では、やぐらを組んでいたら、そこに直接的な妨害がなされたときに初めて法違反を問える、排除できるということだと思うんですが、これができることによって、半径五百メートル、予防的に、海保として、入ってくるものについて、この法律違反を問うて排除できるというふうに私は考えますが、そういう理解でよろしいでしょうか。これを確認させてください。

石川政府参考人 この法律、安全水域法が成立、施行された後に、今お話しのように、国土交通大臣の許可を得ない船舶が海洋構築物等に設定された安全水域に侵入しようとする場合、この場合には、海上保安庁としては、一般論でありますけれども、当該船舶に対しまして、まず、安全水域に入域しないように警告をします。さらに、これに従わない場合には、海洋構築物等の安全確保等の観点から、状況に応じて進路規制をするということになろうかと考えております。

 仮に、これらの事前の措置にもかかわらず船舶が安全水域に侵入するような事態が発生する場合には、この船を停船させた上で立入検査などを実施して、安全水域法違反の観点から所要の捜査を行うということになろうかと考えております。

 ただ、これは相手が軍艦または公船の場合には適用はございません。

細野委員 今長官が御答弁されたとおり、これは大体公船が考え得ますから、その限界があることは、これはもう国連海洋法の限界ということで理解をしています。ただ、これは公船かどうかという峻別も含めて、いろいろなケースがあり得るわけですから、とにかく万全を期していただきたい。

 もう一つ、私の個人的な意見として申し上げると、この問題はむしろ、東シナ海での開発を前提とすると、武力を招くというよりは、五百メートルという安全水域を設けることによりまして武力衝突を事前に回避する、さまざまな衝突を事前に回避する、そういう安全策としても私は機能し得ると思うんですね。その面も含めて、海保の体制は大変だと思います。東シナ海の方なんというのは、それこそ手薄なところですから大変だと思いますが、せっかくこういう法律をつくるわけですから、万全を期していただきたい、このことを強調しておきたいと思います。

 この二法が通るわけですが、実は、国連の海洋法をめぐって、また、海洋のさまざまな政策をめぐってはまだまだ積み残された課題がたくさんあると私は思っていまして、まず初めに挙げなければならないのは、国連海洋法条約という条約が、一九九六年に批准、もうそれこそ施行されているにもかかわらず、その国内法制化というのは大変ずっとおくれてきている。この問題はこれから残された課題だというふうに思っています。

 その問題を解決する意味で、一つどうしてもクリアしなければならない、しっかりと踏まえていかなければならないのが、日中の東シナ海の開発における口上書の存在というものですね。つまり、中国側が日本側で科学的調査をする場合には通告をしなさいよということについて書かれた文書が日中間に交わされておりまして、これは二〇〇一年に交わされておるんですが、国連海洋法とこの口上書、これをどう法律的に考えていくのかという問題をクリアしない限り、現実的には、この一番大事な部分についての国連海洋法条約の国内法化というのは進みません。

 きょう、外務副大臣、専門家の岩屋副大臣に来ていただいていますから、何度もこのやりとりもさせていただいていますけれども、口上書の法的位置づけ、これはちょっと余り今まで明確に聞いたことがなかったものですから、これはどういう文書なのか、どういう拘束力を持つのか、これに違反した場合には日本はではどこまでアクションをすることができるのか、その辺も含めてどういう文書なのか、外務省としての御見解を伺いたいと思います。

岩屋副大臣 この問題は、細野先生とも超党派の議連で長いこと一緒に勉強させていただいてまいりました。特に民主党の案について、いつも細野先生が中心的な役割を果たしておられることにまず敬意を表したいと思います。

 そこで、お尋ねの口上書についてでございますけれども、先生御承知のとおり、まず、国連海洋法条約におきましては、第二百四十六条の二で、沿岸国の同意を得て実施するということが言われております。それから、二百四十八条には、調査の事項について十分な説明を提供しなければならないということが書かれていて、さらに、二百四十六条の三においては、通常の状況においては同意を与えるものとする、こういうふうに規定をされているわけでございます。

 問題は、日中間につきましては、端的に申し上げると、境界が画定していないという状況の中にあって、やはり暫定的に、問題が生じることを避けるために枠組みをつくることが必要だということで、先生がおっしゃった、お互いに口上書を交換して一定の約束事をしている、こういうことになっているわけでございます。

 この口上書はどういうものかということでございますが、これは当事国に新たな権利義務を設定する国際約束には当たらないわけでございますけれども、ただ、日中間で口上書を交わしたことによりまして、この枠組みが成立した後は、事前の同意を得ない海洋調査は、なくなったとは言いませんが、減少してきている。つまり、一定の成果、効果を上げてきているということでございます。

 我が方としては、引き続き中国側に対して枠組みの遵守をしっかりと求めていきたい、こう思っているところです。

細野委員 このやりとりはこの間もしましたが、先ほど引用された国連海洋法条約の二百四十八条の規定とこの口上書の間にはいろいろな差があります。最も大きな差は、調べる側は事前に通告をしなければならない。国連海洋法条約は六カ月前にやりなさいよと書いてあるわけですね。しかし、この口上書には二カ月前というふうに書いてあって、調べやすくなっているわけです。日本側は、ほとんど海洋調査は中国側していませんから、手続はしませんが、中国側が日本側を調べやすい口上書になっているんですね。

 もう一つは、国連海洋法条約には、沿岸国が希望する場合には、これは怪しいと思ったケースということですが、そこに対して、乗船を希望する、日本人を乗せろということを言うことができるという規定があるんですが、口上書にこれはありません。これは、明らかに調べやすく、国連海洋法に比較をするとハードルを下げている口上書になるんですが、これは外務省として、この違いについてどういうふうに解釈をされていて、問題意識を持っていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。

岩屋副大臣 確かに、先生おっしゃるように、国連海洋法条約上は、通報は六カ月前に行わなければならないというふうになっているわけでございますが、とはいえ、必ずしもその六カ月でなければならないかということではなくて、こういう海洋法上の規定は、沿岸国同士が同意をすることができれば、つまり、異なる通報時期で差し支えないというふうにお互いが判断をすることができれば、国連海洋法条約上で定められている六カ月とは違う通報時期を設定してもこれは差し支えないものというふうに解釈をしているところでございます。そこで、二カ月程度のことでお互いにいいだろうという合意、同意をしている、こういうことでございます。

 それから、後段の、先生がおっしゃった海洋法条約の規定では、沿岸国が計画に参加し、または代表を派遣することができる程度というそのことを先生はおっしゃったんだと思いますが、つまり、こっちが向こうの計画を十分に知らされておって、こっちがその計画の中に参加をして状況を見ることができるかどうかということでございますが、これも、口上書には書いておりませんが、排除されているものではないというふうに私どもは考えているところでございます。

 したがって、中国がこの枠組みに基づいて行う海洋の科学調査に我が方が参加をする、あるいは代表の派遣を求めることができる可能性は排除されていないというふうに考えております。

細野委員 今の話は初めて聞きましたが、大変興味深いんですが、ならば、ある程度それを求めたらどうですか、共同開発を言うならば。これだけ科学的調査を中国側が盛んにしているわけですから、共同開発を視野に入れているのであれば、では、国連海洋法条約に基づいて科学的調査にちゃんと日本の専門家を同乗させろと言えばいいじゃないですか。やれるけれどもやってこなかったわけですよね。

 今の御答弁、非常に関心があるんですが、副大臣として、そういう問題について、共同開発を視野に入れるのであれば、中国側の調査に日本側を同乗させろとこの条約に基づいておっしゃったらどうですか。いかがですか。

岩屋副大臣 先ほど日中間の協議についても御報告がございました。これはこれからも続いていくことでございまして、日中外相会談でもきっと取り上げられることになると思いますし、その延長線上にはやがて首脳会談ということもあるのでありましょう。もう少しこの日中間の協議が中身が詰まってくる、あるいは一定の合意ができる、共同開発に向けてお互い前向きなスタンスをとることができる、こういうことになってきた場合には先生がおっしゃるようなことも可能性としては排除されていないということを申し上げているわけでございます。

細野委員 わかりました。やがて検討されるという御答弁をいただいたというふうに理解をしたいと思います。まあいいです、ここですぐに答弁いただける問題ではないと思いますから。ただ、重要な御答弁をいただいたので、それを踏まえて、日本としての行動が選択肢としてはあり得るということだと思います。

 海上保安庁に確認をしたいんですが、この日中口上書に違反をしていわゆる科学的調査をした場合、また科学的調査を超えて資源探査をした場合は、この口上書を根拠に取り締まれるんですか。もしくは、これでできないんだとすれば、国連海洋法条約に書いてある条文をもとに、違法な科学的調査、違法な資源探査については、これは海上保安庁としてしっかり本当に取り締まれるんですか。もしくは、国内法がないからだめなんですか。そこをお答えいただきたいと思います。

石川政府参考人 事前の許可あるいはそういうものがなくて我が国のEEZ内で海洋調査をするという場合に対しましては、私どもはそれに対して警告を発しまして、速やかに退去するように指導しております。あわせて、外交ルートを通じて抗議をしております。(岩屋副大臣「ちょっと訂正があるんです」と呼ぶ)

塩谷委員長 岩屋外務副大臣。

岩屋副大臣 申しわけありません。先ほどの答弁の中で共同開発という言葉を私申し上げましたが、日中で交わしている口上書はあくまでも科学的調査ということに関して行われていることでございますので、ちょっと言葉が適切ではなかったので、そこは訂正をさせていただきたいと思います。

細野委員 共同開発ではなくて調査を共同でやるという意味ですね。はい、理解しました。

 長官、私の質問がわかってはぐらかされているんだと思うんですが、外交的に抗議できるのは、口上書ですから当たり前なんです。そうじゃなくて、そういう違法なものに対して、国連海洋法上違法なものに対して口上書を根拠に、国内法はないけれども国連海洋法を根拠に海上保安庁として取り締まれるんですか、それを、例えば私船で来た場合、公船以外で来た場合には排除できるんですかということを聞いているんです。

石川政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、警告をし、退去するように求めます。

細野委員 長官、確認しますが、そうしますと、排除行為はできないということですね。

石川政府参考人 ケース・バイ・ケースだと思いますけれども、例えば、そういうことによって我が国の方の船舶その他に対して何らかの妨害行為が行われるというふうな場合は、私ども進路規制その他いたしますけれども、それ以外の場合につきましては、今申し上げたとおりでございます。

細野委員 長官、ぼかさないで答えてください。我が国の船舶に対する妨害ではなくて、違法な科学的調査、海外の船の違法な科学的調査、違法な探査そのものに対して排除ができるんですかということを聞いているんです。

石川政府参考人 我が国のEEZ内において我が国の許可、同意がなくて外国の海洋調査船が調査をする場合には、私どもは中止の要請をいたしております。

細野委員 要するにできないんですね。口上書はあるけれども、口上書違反の科学的調査、資源探査がやられても、海上保安庁としては抗議を外務省を通じてするだけで、取り締まれないんです。国連海洋法条約には確かに、科学的調査は通告があればやってもいいですよ、ただ、通告がないのは違法な調査、資源探査は違法な探査ということになっていますが、我が国の船舶に対して直接妨害がなければ海上保安庁として取り締まれないんです。ここにはまだ法の空白があるんですよ。

 私ども、その法律を出して一回取り下げますが、まだ別にこれであきらめたわけではありませんし、必要性については全く、むしろ後退をしていないと思っています。国連海洋法にはその趣旨が書かれていますが、具体的な取り締まりができるような書き方になっていません。このことをしっかり踏まえて政府として対応していくという御答弁をいただきたいんですが、これはだれに答弁いただくかはちょっと難しいんですが、せっかく国土交通大臣いらしていますし、さっき意欲も燃やされましたので、今の法律の空白について十分しっかりと踏まえて、政府として国内法の整備についても、国会でもやりたいと思いますが、積極的に取り組むという姿勢をぜひここで示していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 国家として極度に政治的な判断を必要とする問題でありまして、新たな立法措置につきましては、我が国の国益、国連海洋法条約の趣旨などを十分に考慮して、その適否を慎重に検討すべきであるというふうに思います。この民主党から提出されている排他的経済水域権利行使法案、その趣旨はよくわかりますけれども、そういうものについて、これがどういう影響を与えるか、これは国家的な見地からいろいろな配慮が必要だと思いますから、慎重に配慮をしながら検討しなければならない問題であるというふうに思います。

細野委員 大臣、別に私、とんがった主張をしているつもりはないんですね。国連海洋法条約という国際的な枠組みがあります。それは我が国も批准をしていますし、多くの海洋国が批准をしている条約でもあります。その条約に基づいてきちっと規制ができるような国内法を、場合によってはそのままでもいいと思うんですよ、国連海洋法を国内法にする、それだけでも取り締まれますからね。そういう作業をそろそろすべきじゃないですかということについて私は御所見を伺っているんです。

 これはせっかく来られているので外務副大臣にもお伺いしますが、外交上もこれは大変重要な問題だと思うんです。しかも条約ですから、それの国内法化については外務省も責任ありますね。今の海上保安庁長官の答弁を聞いて、そういう違法な調査を取り締まれない我が国の法の空白を御認識いただければ、当然外務省としてのアクションを起こすべき時期に来ていると思うんですが、いかがでしょうか。

岩屋副大臣 これについては、もう今冬柴大臣からお答えいただいたとおりだと思います。問題意識は共有できるものもたくさんございますが、しかし、やはり総合的な見地から、国家として、政府として慎重に判断をする必要があるというふうに思っておりますので、先生の御指摘を踏まえて、今後検討させていただきたいと思います。

細野委員 わかりました。今後の課題ということで、私どもとしても取り組んでいきたいというふうに思っています。

 残りがあと五分になったので、ちょっとどうしても聞きたかった質問が一つ、時間が十分ないんですが、先日、外務委員会でも質問した領海の問題についても、実は課題を残していると思っていまして、そのことについて若干確認の答弁をお伺いしたいと思います。

 日本の場合、領海法という法律があって、それも基本的には国連海洋法に基づいて、それまで三海里であったのが十二海里になって、そして、それを国内法に規定して領海法になっているんですね。この領海法の十二海里の例外というのがありまして、我が国の場合は、当分の間、宗谷海峡、津軽海峡、そしてあと三つ海峡があるんですが、この五つの海峡については、十二海里を設定せずに三海里にとどめるという規定があります。

 これはちょっと外務省に確認をしたいんですが、言うならば、権益が及ぶ領海という、我が国の極めて領土に近い、権限が及ぶところを三海里に制限しているんですが、国内のそれぞれの島の間の領海において十二海里を三海里にとどめている国というのは、私の調べた限り、日本以外にないんですが、これはほかの国でやっている国があるんでしょうか。これは政府参考人の方で結構ですので、御答弁いただきたいと思います。

小松政府参考人 海洋法条約に定めております領海の幅と日本の領海法に定めております領海の幅についてでございますが、国連海洋法条約第三条でございますが、「いずれの国も、この条約の定めるところにより決定される基線から測定して十二海里を超えない範囲でその領海の幅を定める権利を有する。」ということでございまして、十二海里を定めなければならないということではございません。

 今の御質問につきましては、外国との間の海峡の水域につきまして十二海里以下としている国は幾つかあるというふうに承知しておりますが、今御質問にございましたように、国内の島と島の間というものについては、私どもの今承知している限りでは、承知してございません。

細野委員 これは委員の皆さんにもぜひ御認識いただきたいんですが、領海は十二海里設定できるんですね。にもかかわらず、我が国だけ、北海道と本州の間、九州と種子島の間、幾つかのところで三海里に制限をしています。そこを十二海里に設定した上で、通過通航制度というのをしっかり利用すれば、その間を自由に通っていいですよという規定ができるにもかかわらず、十二海里を三海里ということで制限をしているんですね。

 外務省にもう一つ御答弁をいただきたいんですが、では、ここの、今三海里に制限をしている五海峡、国際海峡として通航が激しいのでしようがないんですという御答弁を盛んにされるんですが、そこはどれぐらい通航していて、国際海峡としてどれぐらい蓋然性が高いのかということについて、外務省としてしっかり把握されていますでしょうか。

小松政府参考人 突然の御質問でございますので、どのぐらいの交通量があるかということにつきましては、ただいま手元に資料がございません。

細野委員 言っているはずですよ。外務省としてはよくわかりませんということで事前にお答えもいただいています。

 要するに、国際海峡というふうにして、ある種、理由が極めて不明確なんですが、国際海峡ということで間をあけているわけですね。

 もう時間もなくなってきたのであれですが、外務省としてぜひ御検討いただきたいのは、十二海里をきちっと設定した上で、その間を通過通航制度という制度に基づいてある程度の通航を許可するやり方と、これは各国がやっているやり方です、我が国が三海里に制限をして、自由に通航していいですよと、その間を排他的経済水域としてあけている、そこはほとんど何もケアできませんが、その制度の違いを政府としてきちっと研究して、どちらが国益により近いのかということについて議論をしていただきたいと思います。

 私がこの問題を盛んに強調するのは、我が国の周辺海峡というのは大きく変化をしていて、かつては、それはアメリカに守ってもらうためにという議論があり得たのかもしれないけれども、今は潜水艦関係といったら相当我が国の周辺にも来ているんですね。その状況において、領海を設定せずにどこでも回れるようにしているというのは、これは明らかに国益に反していると私は思っています。

 時間もなくなりましたので、そのことを詳しくここで申し述べる時間はありませんが、私どもに残された課題としては、この領海の三海里と十二海里の問題、さらにもう一つは、領海内におけるさまざまな準軍事的な行為、例えば、武装工作員を搬出するであるとか、さらには機雷を敷設するであるとか、そういうことは、我が国の周辺環境を考えればこれから考えられます。これも、実は領海内でやられた場合に法の空白がありまして、マイナー自衛権の問題ですが、いわゆる武力攻撃事態に発展をしない限り、それについても何も海上保安庁はできないはずです。

 そういう問題を含めて、海洋の問題についてはまだまだ法の空白もありますし、やらなければなりませんので、そのあたりについては民主党はしっかりこれから取り組んでいきたいということを最後に強調して、若干長くなってしまいましたが、私の質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

塩谷委員長 次に、長島昭久君。

    〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕

長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。

 海洋基本法のいよいよ大詰めになりました。たった一日だけしか議論ができないのは残念でありますが、今質疑に立たれた細野議員とは、我が党の海洋二法案、もともとは三法案で出発したんですけれども、海洋法案の取りまとめをかれこれ三年以上やってきた者として、今回、こういう形で我が国初めての海洋基本法が制定をされる運びになったということは、大変喜ばしいことだというふうに思っております。

 また、先ほど質疑に立たれた大口議員とは、昨年の四月から、海洋政策研究財団というところがバックアップをしていただきましたけれども、有識者の皆さんと、また超党派の議員の皆さんと、海洋基本法をつくろうということで研究会をずっとやってまいりましたので、そういう意味では、ついにここまで来たか、こういう気がいたします。

 私、海洋国家と考えたときにすぐ思い浮かぶのが、高坂正堯京都大学の教授で、もう亡くなられてから十年ぐらいたちますが、あの方が一九六四年に、「海洋国家日本の構想」、こういう著作を上梓されました。六四年ですから、私がちょうど二歳のころでありますが、それを私が大学時代に読みまして、非常に感銘を受けて、それ以来、国際政治に非常に関心を持つようになったんです。それから四十三年の月日が流れて、ようやく国際国家日本としての、まさに国家の意思としてこういう法律をつくるということになり、また私は国会議員としてこの法律の制定に携わる、かかわることができたというのは、大変感慨深いものがあります。

 先ほど来、委員の皆さんからお話がありますように、古来、我が国は、海による文明というものをはぐくんでまいりました。海からのさまざまな恩恵を受け、また海に守られ、海洋との深いかかわりの中で、政治、経済、文化というものを築いて国を発展させてまいりました。戦中、戦前のほんの一時期、大陸国家と海洋国家、両方、二兎を追って国家が破滅的な状況に陥った、そんな不幸な一時期もありましたけれども、高坂教授の言葉どおり、戦後も引き続き海洋国家として我々は歩みを進めてきたわけです。

 ただ、振り返って考えるに、私たちが、戦後特にそうですけれども、みずからが本当に海洋国家であるということを国家の意思として標榜して、具体的な施策にまで反映させてきた、こういうことは余りなかったんじゃないだろうか。そういう意味で、この海洋基本法の制定というのは非常に意義深いというふうに思います。

 私は、この研究会に出ていて、一つ非常に印象深い言葉に出会ったんですが、それはこういう言葉なんですね。海に守られた日本から海を守る日本へ、こういうスローガンをおっしゃった方がおられました。私は、まさにこれがきょう制定をされる海洋基本法の基本精神なんだろうというふうに思うんです。

 つまり、先ほど来、細野議員を初めお話がありましたように、領海、そこから二百海里のEEZ、そして、二〇〇九年に申請することになりますけれども、大陸棚も延長されるということで、これを全部ひっくるめると五百万平方キロになんなんとする、そういうエリアを我々日本という国が管轄することになるわけです。このエリアの中の主権的権利を我々はどう守っていくか、こういう国益にかかわる問題意識が必要だというのが一点。

 それ以上に私が重要だと思ったのは、この広大な海域における資源や環境、あるいはシーレーンの安全確保、こういった海域のマネジメント、管理と言っていますけれども、海域のマネジメントに対する国際的な責務。これは我々のテリトリーだ、そこの主権的権利を主張する、そういう話ではなくて、それをさらに超えた広い国益といいますか、そういうものをきちんと管理していくことが我が国の国際的な責務である、こういう自覚が出発点にあって必要だというふうに私は思うんです。それがまさに海の憲法と言われている国連海洋法条約の基本的な考え方だというふうに思います。

 一九九四年の十一月に発効して、日本も批准をしたわけですけれども、この国連海洋法条約がどうしてつくられるようになったかというのは、それまでは海洋の自由というのが原則でした。海洋というのは基本的には自由に各国が使っていいんだ、こういうことでありましたけれども、そういう中で海域の囲い込みをめぐる各国の競争や対立が非常に激化してまいりました。それから海洋資源の乱獲あるいは海洋環境汚染の深刻化、そういう事態を招いてきた。そういう反省に立って、国際社会の協調による、海洋の自由ではなくて海洋の管理という考え方が出てきた。

 この中身なんですけれども、これがこれからの本題に入っていくわけですけれども、基本的には通商における航行の自由というものを認める。しかし、その一方で、沿岸国に対して排他的経済水域、EEZ及び大陸棚というものを認めた上で、資源、環境などに関する管理の責任と権利、この二つを認めた。こういう意味で、私は、この海洋法条約というものを我が国が国内法において具体化していく作業というのは非常に重要だというふうに思うんです。

 そこで、大臣に一つ概括的なお尋ねを申し上げたいんです。

 私は、この国連海洋法条約というものには二つの意義があると。一つは、今申し上げた国益上の意義です。それからもう一つは、実は理念的な意義があるんだろうと思うんです。

 これはもう釈迦に説法でありますが、海洋というのは国際空間でありまして、それをある種取り締まったり監督したりする単一の国際組織というものはないですね。統治機構というものは、もちろん世界政府がありませんから、ない。そうなると、二十世紀の前半までずっとそうでしたけれども、力のある者、軍事力を持っている者、シーパワーというものがあるそういう国が結局、最終的には決着をつけてきたという歴史があったわけです。

 ところが、この海洋法条約というものが制定される過程で、今や百五十三カ国が加盟をしているわけですけれども、ようやく世界の大半の国がまさに理性的な議論を積み重ねて海洋の法的秩序というものを確立した。これは、いわば力による支配からまさに法による支配、こういう流れができたわけです。これはまさに我が国の憲法の理念に合致していると私は思うわけです。

 そういう意味では、我が国は、海洋の平和的あるいは積極的な開発や利用、海洋環境の保全、そういうものに対して、持ち前の経済力あるいは科学技術力というものを生かして海洋秩序形成のまさにリーダーシップを発揮する、それにふさわしい国だというふうに思うんです。

 さっき細野議員から、国交大臣が海洋担当大臣になるのはいかがなものかという話がありましたが、しかし、初代の海洋担当大臣になり得るそういう大臣ですから、今申し上げた憲法の理念と、これから力の支配から法の支配に変わっていく、海洋の秩序形成について我が国がどういうリーダーシップを発揮されていこうとしているのか、一言決意と、また構想を述べていただければありがたいと思います。

冬柴国務大臣 初代のどうとかこうとかは別といたしまして、私はやはり、我々の子供や孫たちにこの貴重な海、我々に対して母なる海でありまして、この四面環海の国にありまして、大切に守っていかなければならない。それは、持続可能な環境の保全というものと資源の利用あるいは開発というものが調和のとれたものであり、そしてそれが後世持続可能なものでなければならない、環境も保全されなければならない、そういうふうなものと私は自覚をいたしております。

 海は人類共通の財産であります。子供や孫たちにもそのとおりに譲り渡していかなければならない貴重な資源だというふうに思います。その中にあって、我が国が海とともに今まではぐくまれたそのような体験からも、またそのような知見からも、世界をリードするそれだけのものを持っている国であるというふうに思います。したがって、日本国憲法の定めるような理念の中でこのようなものが利用され、そして資源が開発されていくということが必要だというふうに思います。

長島(昭)委員 ありがとうございます。

 大臣、もう一問。今大臣がおっしゃっていただいた持続可能な開発をするというポイントと、それからもう一つは、先ほど来申し上げている管轄下にある海洋の総合的管理をしていく、これが、大口先生もおっしゃいましたけれども、一九九二年のリオ地球サミットで採択をされたアジェンダ21の基本的な精神であります。

 そのときにもう一つ重要なことが決められているんですね。それは何かというと、各国に対して統合された政策及び意思決定手続の制定を求めたんです。ところが、九二年にこれが行われてそれ以降なんですけれども、我が国は必ずしもこれをきちんとフォローアップしてきていないんですね。リオの地球サミットというのは一般的には環境と開発の国際会議と言われておりますが、そのとき日本は、環境省がまさに前面に出て、環境の保全というところは結構一生懸命したんですけれども、海洋を含めて、統合的な政策、意思決定手続というのは制定を怠ってきたんです。

 日本がこういう海洋に対する統合的な政策あるいは意思決定手続というものを整備するのがおくれてしまったという自覚は国土交通大臣としておありかどうか。そして、その一番の原因は何だったとお考えでしょうか。御見解を承りたいと思います。

冬柴国務大臣 私は必ずしもおくれたとは思わないんですけれども、それは内閣のもとに、外務省は外交、文部科学省は科学技術の教育、農林水産省は水産政策、経済産業省は産業エネルギー政策、あるいは環境省は環境政策、防衛省は安全保障等々、それぞれ分担はいたしておりますけれども、内閣の内閣官房におきまして総合調整を行いまして、そして海洋権益というものを守ってきたと私は認識をいたしております。

 その中にあって、先ほど、国土交通省はどうかと言われますと、海上の安全確保、海上の治安・秩序の確保、あるいは国土の保全、防災対策、海洋環境の保全・再生、海上輸送の確保、海事産業の育成・振興、EEZの開発利用、海洋調査等、いろいろな仕事を法律に基づきまして授権され、これを行ってきたところでありまして、各省が縦割りでばらばらだったとは認識していないわけでございますが、きょうこのような法律が多くの議員の御努力によって提案され、そして今審議をされるということは本当に大切なことだし、大きな前進である、私はそういう努力に対して心から敬意を表したいというふうな思いでございます。

長島(昭)委員 大臣のお立場からはばらばらだとはなかなかおっしゃれないんだというのは事情はよくわかるんですが、やはり省庁縦割りで、それぞれの省庁は、環境なら環境、交通だったら交通でしっかりやってこられたと思うんですが、そこが統合的、一体的になされてこなかったという自覚は恐らくある程度お持ちになっておられるんだろうと思うんです。だからこそ、今回、この法案の例えば第六条に、海洋の管理というのは、海洋資源、海洋環境、海上交通、海洋の安全など海洋に関する諸問題が相互に密接な関連を有しているから、全体として検討される必要がある、こういう条文が盛り込まれたわけなんですね。

 実際、国際的な研究者は海洋政策の整備段階による分類というのをしていまして、第一ステージ、第二ステージ、第三ステージ。日本は、第三ステージというか、第一か第二かよくわかりませんが、まだ日本は準備段階。オーストラリアとかブラジル、カナダ、中国、ロシア、イギリス、アメリカもそうだと思いますが、もう既に実行段階に入っている。それから、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、こういうところは形成段階、これは第二段階ですね。日本はインドやメキシコ、フィリピン、ベトナムなどと並んでまだ準備段階、こういう評価を受けているわけです。

 ですから、アメリカや中国などももうきちんと統合的な政策をつくって、例えばアメリカは、二〇〇四年に二十一世紀の海洋の青写真という総合政策をまとめて、そして海洋行動計画というものを定めて海洋政策を推進していますね。あるいは中国についても、中国海洋二十一世紀議程という総合政策に基づいて、海域使用管理法というのを制定して、国家ぐるみで一体となって海洋政策を進めてきているわけです。

 日本も、数年おくれでありますけれども、これから海洋基本法に基づいて体制が整備され、そして基本計画がつくられ、先ほど来お話があるように、必要な国内法を定めて、海洋政策を内閣が一体となって取り組んでいく、こういう段階にようやく入っていくんだろう、こういうふうに思います。

 そこで、東アジアの取り組みについて、これは事務方の皆さんからの答弁で結構でございます。

 リオの地球サミットを受けて、東アジア海域でも持続可能な開発に取り組もうということで、一九九四年に十二カ国の国際プロジェクトが立ち上がりました。東アジア海域環境管理パートナーシップ、PEMSEAという呼称がつけられておりますが、このPEMSEAが一九九四年に立ち上がりました。これに対する我が国の反応は非常に鈍かったと私は思います。反論があればぜひ伺いたいところですけれども、正式加盟まで八年かかったんです。

 昨年、研究会で御一緒させていただいた海洋政策研究財団の寺島常務理事から伺ったエピソードなんですが、この寺島さんが二〇〇〇年にPEMSEAの事務局を訪問したそうです。この事務局は当時フィリピンの環境省の中にあったそうでありますが、この事務局長が中国系のマレーシア人の方だそうですけれども、この方が、玄関にある十二本のポールにフラッグが掲げられて、この十二本のポールを見せながら、一本だけフラッグがかかっていないんです、寺島さん、この一本がなかなかかからないんですよね、日本の国旗だけかかっていなかった、こういう二〇〇〇年のエピソードを紹介してくれました。そのときにその事務局長さんが何と言ったかというと、日本のだれにこの問題について話をしたらいいかわからない、日本の海洋政策を代表する部局が日本にはないからねというふうにこぼされた、こういう話を伺いました。

 今度、このPEMSEAの地域の事務局というのが正式に立ち上がるそうですね。日本と中国と韓国が資金を拠出する、そういうプロジェクトだそうですけれども、ぜひ、せっかく海洋基本法をつくって海洋国家日本として新たな一歩を踏み出すわけですから、この事務局にまさにシニアのスタッフを日本から派遣するとか、あるいは事務局長を日本がとってもいいと私は思うんですけれども、このPEMSEAの取り組みに対する我が国のコミットメントをどういうふうに考えておられるのか、これは国土交通大臣から承れますか、事務方でも結構です。

宿利政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、長島委員からお話がございましたPEMSEAでございますけれども、これは、東アジアと東南アジアの海域における各国の沿岸海域の開発と環境保全の調和を目的として設けられたものでありまして、一九九四年に発足しております。現在、日本を含む十五カ国、それから地方政府、非政府団体、国際機関なども参加している枠組みでございます。

 これは、日本の対応が遅かったという今御指摘がございましたけれども、発足当初は、参加国の沿岸域の開発の際の環境影響評価や希少生物の保護域設定などの個別のプロジェクトの支援が中心でありました関係で、日本は参加することをしておりませんでしたが、近年、東アジアや東南アジア海域における沿岸海域の開発と環境保全の調和に共通して取り組む政策を協議するという枠組みにその質が変わってまいりました、発展をしてきたことから、日本は二〇〇二年にこの枠組みに参加をしたということでございます。

 実は、今長島委員からお話がございましたように、ことしから事務局の体制が強化されることになっておりまして、日本は、事務局に対しまして、中国、韓国とともにそれぞれ十二万五千ドルを平成十九年から毎年、予算としては十八年度から拠出をすることにしております。

 実は、ここでは、共通の戦略目標に基づいて国家戦略や行動計画を策定して、沿岸海域の開発と環境保全の調和に関する施策を進めていくということが今回決まったわけでありますけれども、私どもといたしましては、本日の御審議の中で海洋基本法といったものが制定をされるようなことになれば、海洋基本計画を策定する中で、この共通の戦略目標を我が国としてきちっと定めて実施をしていくという取り組みを進めてまいりたいと思っております。

 また、長島委員からお話がありました事務局への人的貢献などにつきましても、事務局に我が国から人を派遣するといったことについて前向きに検討していきたいと思っておりますし、関連する国際会議を日本で開催することについてのいろいろな取り組みであるとか、あるいは人材について日本で研修をするといった取り組みなどを通じてこのPEMSEAに積極的にかかわりを持っていきたい、このように考えております。

長島(昭)委員 ぜひ積極的にかかわっていただきたいと思います。先ほど大臣からお話がありましたように、国連海洋法条約の精神というのは、まさに我が国がこれまで堅持してきた国家のあり方に直結する精神であり、またそれは、言いかえれば、海洋国家として日本は特別な使命があるというふうに私は思いますので、東アジア、東南アジアにおける海洋秩序形成というもののまさにリーダーとして日本が存在感を示していけるようにぜひ積極的にかかわっていただきたい、このように思います。

 そのためにも、先ほど来話が出ておりますが、推進体制をどのように構築していくかというのは、私は非常に重要なポイントになるんだろうというふうに思います。先ほど大口委員から、内閣官房に本部を置いたことの意義は何か、こういう質問があり、官房副長官が、海洋政策の司令塔としての役割を果たしていくんだ、こういう御答弁がありました。

 私、少しこの海洋基本法の制定の準備にかかわった立場から、少し掘り下げてこの点を御質問させていただきたいんですが、たしかこの推進体制をどうつくるかという議論の中で幾つかのアイデアがあったと思うんです。結局、内閣官房の中に総合海洋政策本部というのをつくることになりましたけれども、その前は、たしか内閣府の中に、例えば経済財政諮問会議とか中央防災会議、総合科学技術会議、男女共同参画会議、この四つが今、重要政策に関する会議、これは有識者の皆さんも入れた会議体があるわけですけれども、こういうところできちんと、先ほどこれも大口議員からも御提案がありましたけれども、基本計画をつくる際には有識者を入れたきちんとした議論をすべきではないか。

 そういう意味では、内閣府でこの重要政策に関する会議のいわば五つ目として位置づけていくという方法も恐らくあったんだろうと思うんですが、そうではなくて、官房に設けることになった、その辺の経緯といいますか、考え方といいますか、スタンスを教えていただければありがたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生から御質問がございました体制でございますけれども、確かに最初は、内閣府の重要政策会議とかそういうふうな案もございましたし、最終的には、内閣官房の総合調整機能が最高の調整機能ということでございますので、当初五年間ぐらいはより強力に推進していただきたいというふうな御要望がございましたので、内閣官房の方に置くというふうになったと承知しております。

 内閣官房につきましては、その時々に生じる政策課題に対して機動的、弾力的に対応するための組織でございまして、恒常的な施策を担当するところではございません。したがいまして、五年後の見直しのときに、そういうふうな性格を勘案しながら、再度、将来の体制が考えられるというふうに考えているところでございます。

長島(昭)委員 おっしゃるように内閣官房に置くと、何となくアドホックな組織のニュアンスが非常に伝わってくるんですね。

 実際に調べたところ、法律に基づいて内閣官房に設置されている本部というのは十あるんですね。確かに総合調整機能という面からいくと、本部長は内閣総理大臣というわけですから、これは総合調整機能が一番働く布陣だというふうに思いますが、この十の、例えば都市再生本部、あるいは知的財産戦略本部、地球温暖化対策推進本部、地域再生本部、これは全部、本部長は内閣総理大臣なんですよ。確かに総合調整機能を発揮させるにはいい体制なのかもしれませんが、この十の、ほかの十ある本部に埋没しない、その担保というか保証というのはあるんでしょうか。

加藤政府参考人 もちろんこの十の本部と別に本部をつくりますので、当然、埋没するということはないと思います。

長島(昭)委員 そういう御答弁が限界なんだろうと思いますが、一つ違うのは、やはり海洋担当の大臣を置く、ここできちんとやっていく、そういう精神なんだろうというふうに私は受けとめておりますので、ここは、大臣がやられるかどうかはわかりませんが、きちんと総理と連携をとりながら、各省を取りまとめて強力な推進体制を築いていただきたい、こういうふうに思います。

 それから、次の課題ですが、先ほども触れましたけれども、排他的経済水域それから大陸棚、これが拡大をしていくわけです。そうすると、他国との間の、隣国との間の境界線がぶつかることになりますね。この重複部分の境界画定をどうやってやっていくか。

 各国はどういう姿勢かというと、いかに自国に有利な形でこれを実現しようかということでしのぎを削っているんですね。我が国も、海域の開発利用、保全管理、こういうものを適切に進めるためには、日本と海域が重なり合う七つの国があるわけですが、この国と境界を画定しなきゃいけない。

 調べたら、七つの国と境界が重なっているんだけれども、この間、一つも解決していないんですね。北はロシア、中国、北朝鮮、韓国、台湾。ここは北方領土の問題がある、竹島の問題がある、尖閣諸島の問題がある。この五つの国はある程度時間がかかるというのは私もわかるんです。ところが、同盟国であるアメリカ、それから友好国であるフィリピン、こことの境界がいまだに画定していないというのは、外務省、これは怠慢なんじゃないでしょうか。どうしてこんなに手間がかかるのか、御説明いただきたいと思います。

    〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕

佐渡島政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、アメリカとの間でございますけれども、南硫黄島と、マリアナ諸島のファラロン・デ・パハロス島というものがございますけれども、その間の、南硫黄島とマリアナ諸島との間の排他的経済水域の境界の画定に関しましては、一九九四年の七月五日に日米の政府間で口上書を交換しております。日本側は、当時のものでございますが、日本の漁業水域に関する暫定措置法に基づいて設定をされました日本の漁業水域と、それから先方、米側でございますけれども、米国の国内法に基づいて設定をされましたアメリカの排他的経済水域との間の中間線をとって境界線にしようということで合意をしております。

 現在では日本の漁業水域に関する暫定措置法は廃止をされておりますけれども、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律というものが取ってかわっておりまして、私どもとしては、今申し上げました中間線に基づく境界線というのは引き続き有効であると考えております。

 それから、フィリピンでございますけれども、今御指摘のように、フィリピン政府との間では排他的経済水域についての合意はございません。双方はそれぞれ自国の国内法に基づいて排他的な経済水域を設定しております。

 片や、フィリピンとの関係もそうでございますが、フィリピンとの間でその間がどこかということをめぐって特段の問題はこれまで生じておりません。今後、境界画定の必要性を含めまして、事情を見ながら引き続き検討していきたいというのが私どもの目下の立場でございます。

長島(昭)委員 いや、局長、今までトラブルがないからというのは、私はちょっと無責任な御答弁だと思いますよ。これはいつトラブルがあるかわからないですよね。だって、海は線が引いてあるわけじゃないですから。そういう意味では、きちんと境界線を画定するというのは、私は、まさに先ほどから言っているように、我が国の国際的責務としてやらなきゃならないんだろうというふうに思うんです。

 何か技術的な問題があって境界の画定がおくれている、技術的というのは法技術的ではなくて、物理的な理由でこの境界画定がおくれているということを私は聞いたことがあるんですが、その辺はどうなんですか。

佐渡島政府参考人 お答え申し上げます。

 米国との間では先ほど申したとおりでございますが、フィリピンに関しましては、私ども、将来のことを見据えて、フィリピン側とは折に触れて非公式に協議はしております。片や、フィリピン側との関係におきましては、まだどういうふうな、フィリピンの法整備の関係が向こうもなかなか前に進んでいないということがございまして、お互いにポイントをとりながらきちんと話をできるような状況に今のところまだ立ち至っていないというのが現状ではないかと考えております。

長島(昭)委員 審議官、私が伺ったところによると、このEEZの画定は、要するに、領海を基線にして二百海里ということですから、やはり測量の技術が結構要るそうなんですね。この測量技術というのが定まらないとなかなかきちんとした計測ができない、そこで境界もなかなか画定できない、こういうことだというふうに私は伺ったことがあるんですが、例えば、フィリピンに対して、そういう我が国が持っている測量の技術を提供して、そしてお互いに納得できるような中間線できちんと境界を画定しようじゃないか、こういう働きかけをされるおつもりはありますか。

佐渡島政府参考人 今委員から御指摘のありました点につきましては、可能性の問題としてはもちろん排除すべきではないと思いますが、現時点におきましては、先ほど申し上げましたように、そもそも先方におきましても法制度その他いろいろな問題を抱えて前進中ということでございまして、そういう環境がすべて整った上でお互いどうしようかというときに、今御指摘のあったような可能性というのはもちろん排除できないと思います。

 先方が自分たちのいろいろな開発の計画の中で、そういうところもきちんと日本と一緒にやっていきたい、やってくれ、先方がそういうふうに考えるというのが前提でございますけれども、論理上の問題としては排除すべきではないと思います。

長島(昭)委員 先ほどから再三申し上げているように、今回のこの法案の肝は、国益と国際的責務、この両方を満たす解を探っていくということですから、まさにフィリピンとの境界線を画定するということは我が国の国益でもあるし、それをフィリピンに対して支援をしながら画定していくという意味では、海洋を管理するという国際的責務を我が国が果たしていく、そういう方向性ですので、ぜひそこは積極的な取り組みを期待申し上げたいというふうに思います。

 もう時間が迫ってきたんですが、これは実は、質問取りのレクのときに各省庁の皆さんに来ていただいて、私はこういう質問をしたいと思うんだけれどもどこが引き取れるかといって、どこも引き取るところがありませんという質問なんです。これはまさにこれからの課題なので、あえて触れさせていただきたいんです。

 海洋というのは、宇宙と並んでまだまだ未知の部分が非常に多い、我々人間が、人類がまだ知り得ない部分が非常に多いところだと思うんですが、その開発や利用や保全というものを進めていくためには、やはり海域の調査、データを蓄積していくというのが非常に重要で、各国が今取り組んでいます。国土交通省も、海底の地形については海洋情報部というところがきちんとやっておられると思いますが、例えば海流の動きだとか生態系だとか、それから地下の資源の状況とか、こういうものをまさに総合的にデータとして蓄積し、分析し、データベース化していく、こういう作業を担当するところがないんですよ。これは国土交通大臣に質問しても困りますものね。

 ですから、このデータの蓄積という課題については、この海洋基本法に基づいて基本計画の中できちんと定めていただいて、そこでぜひ日本も真剣に取り組んでいただきたい、このことを御提案申し上げたいと思います。

 多分最後の質問になると思いますが、文部科学省さんに質問したいんですが、海洋国家日本をつくっていく上で、予算の問題というのは非常に重要な部分だと思いますが、今、海洋に関する予算は大体年間どのぐらい出ているんでしょうか。

板谷政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省の平成十九年度におきましての主たる研究機関の予算ということになりますが、海洋地球分野では、海洋研究開発機構が三百八十億円となってございます。これは、科学技術振興費全体の対前年度比が一・一%増のところ、海洋地球分野でございますこの海洋研究開発機構につきましては四・四%増ということで、必要な予算は認めていただいているというところでございます。

 今後とも、科学技術関係予算の充実を図りつつ、海洋分野を初めといたしました研究開発予算の充実に努めてまいりたいと考えております。

長島(昭)委員 四・四%増というその増額分、パーセンテージだけしかおっしゃいませんでしたけれども、これは三百八十億円ですね、間違いないですね。例えば、原子力の予算を見たら二千六百二十一億円、それから宇宙分野は一千八百四十億円、言ってみれば、私は一けた違う気がするんです。

 もう質疑は終わりですけれども、一つだけ例を挙げます。日本が持っている次世代型の深海探査機「ちきゅう」というのがあるんですね。これは物すごい技術なんです。六千五百メートルの海底まで潜っていくことができる。ところが、このコントロールルームに入れるのは北欧の人だそうですね、日本人じゃないんです。つまり、ハードは日本がつくった、しかし、それを担っていく人材がいない。そういうものもやはり海洋にかかわる予算できちんと育成をしていかなきゃならない。私は、今後の日本、海洋国家をつくるという意味では、これからの大きな課題の一つだと思いますので、この予算の分もぜひこれから検討していただきたい、このことを申し上げて、質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

塩谷委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は、少し違った角度から海洋政策の基本について議論をしたいと思います。

 御承知のとおり、CO2の排出によって温暖化など、地球環境問題の解決というのは喫緊の課題になっています。海洋政策を考える上で、海洋というのは人類共有の財産であって、地球の主要な部分を占める、そういう意味での海洋環境の保全が大事だと私は考えるんですね。そういう点から、海洋の環境というのは今はどのような現状にあると認識しているのか、大ざっぱなそういう基本的な考え方、認識をまず大臣に聞いておきたいと思います。

冬柴国務大臣 四面環海の我が国は海洋国家であります。はるか昔から、人の往来、文化の往来、物の輸送、産業、生活、そのようなあらゆる分野におきまして海と深くかかわってまいりまして、海の恩恵を満身に受けてきた国である、私はそのように思います。

 しかしながら、我が国の海洋につきましては、海上における安全の確保あるいは防災、海上の治安・秩序の確保、海洋環境の保全、それから海上輸送の確保、海事産業の振興、海洋調査の推進など、多くの課題があるわけでございます。

 したがいまして、これらの課題につきまして、今後とも、海の恩恵によりまして我が国の発展や国民生活の安定を図るためには、総合的かつ体系的に対処していく必要がある、このように考えているところでございます。

穀田委員 原理論というか、漠とした話になっているんですけれども、私が聞きたかったのは、さっきも言いましたけれども、どちらかと言えば、海洋環境の保全と開発利用の関係について、九二年の地球サミット、先ほども少し議論になっていますけれども、アジェンダ21で示された持続可能な開発とは何か、改めて原点を確認したい、ここを少し明らかにしていただきたい。

 その上でまた、国土交通省、本来これは、皆さん海洋基本法という話を一生懸命しておりますけれども、なぜここの省なのかという問題はあるんですね。無理くり持ってきたというのが割と否めない感じがあって、聞いている方も、ほかの人たちが全部来ているというようなことがあって私はどうかと思うんですけれども、しかし、国土交通省は海洋・沿岸域政策大綱というものを出していますから、その基本的な考えにおいて、環境保全と開発利用をどう位置づけているか。

 この二つの点を明らかにしていただきたいと思います。

冬柴国務大臣 持続可能な開発ということが考えられるわけでありまして、将来にわたりまして我々の子供や孫たちも海洋の恵沢を享受できるように、海洋の開発や利用をするに当たりましては、海洋環境の保全との調和、あるいは水産資源の保全に配慮を示す、そういうことが非常に大事だ、それが持続可能な開発を実現するということになるのではないか、そのような認識でおります。

宿利政府参考人 今、穀田委員の後半の部分について、私の方からお答えをさせていただきます。

 穀田委員からお話がありましたように、昨年、私どもは国土交通省海洋・沿岸域政策大綱というのを作成しておりますが、これはアジェンダ21が採択されたその理念であります持続可能な開発といったものを踏まえて私どもが作成したものでありまして、この大綱の中で、環境の保護及び保全の推進、また自然環境や美しい景観の再生といった施策を柱の中に位置づけておりまして、こういう理念に基づいて関係施策を推進していくこととしております。

 例えば、一例を申し上げますと、閉鎖性海域を中心に、国土交通省、海上保安庁を含めてでございますが、あと関係の地方公共団体など関係行政機関が連携して行動計画を策定するということにしておりますが、これに基づいて、水質の改善、干潟や海浜の再生などに取り組む全国海の再生プロジェクトというのを今進めております。既に平成十五年には東京湾について、平成十六年には大阪湾について行動計画を策定しており、また、去る三月には伊勢湾と広島湾についても行動計画を策定したところでありまして、このように着実に施策を進めているところでございます。

穀田委員 着実にというふうに言われると、ほんまかいな、こう率直に言って疑いたくなることはあるわけですけれども、環境保全を考慮した節度ある開発、あなた方はこう言っているわけですね。それは趣旨は当然だと思うんです。

 そこで、今、日本や世界の中で席巻している市場万能主義や、さらにはナショナリズム的な権益獲得を優先した場合、そっちの話は随分多いんですけれども、節度やルールが壊されて、はっきり言って、海洋生物資源さらには水産資源の乱獲だとか鉱物などの資源の乱開発が海洋環境を破壊するおそれがある。そういう点で、私は、地球環境や海洋環境がこれほど深刻になっている今日はないんじゃないか。したがって、優先すべきは環境保全であるということをしっかり位置づけて取り組むべきではないのか。その点の御所見を承りたいと思います。

冬柴国務大臣 もうそれはお説のとおりだと私は思います。

 持続可能ということになれば、乱開発ということになればもう持続は不可能になるわけでありまして、我々の貴重な海というものを壊してしまうことになるわけですから、我々は、持続可能な開発を実現するための人類の行動計画、アジェンダ21が掲げる持続可能な開発は、海洋については、海洋の開発利用に当たりまして、海洋の環境保全との調和あるいは水産資源の保全というものに配慮することを示す概念であるというふうに理解をいたしております。

 また、我が国の海洋をめぐりましては、海洋環境の保全のほか、海上輸送の確保、これはもう我が国の食料自給率が四〇%ということになりますと、多くの部分を外国に仰いでいるわけで、こういうものはすべてと言ってもいいぐらい海上輸送。これは、貿易立国と言っていますが、我々の製品も、あるいは資源も、九九・七%までが外航海運によってもたらされているわけでございます。大変大事だと思うんです。そのほか海洋産業の振興も課題になります。

 これらを踏まえれば、我が国の海洋政策につきましても、海洋の開発利用、海洋環境の保全と調和を図りながら、すべてを推進しなければ持続可能なということにならないというふうに思うわけでございまして、非常に大事な視点だと思っております。

穀田委員 あえて私、確認しようと思いましたのは、やはり海洋国家というふうなことを、どちらかといえば、権益という問題にだけずっと話が行ったのでは本来まずい。しかも、アジェンダ21なり国連が決めた海洋法条約なりの趣旨は、単なるそれぞれの主権の発露だけじゃなくて、海全体をどう守るか、それは国民共有の財産だという立場だと思うんですね。その点をまずどんと据えないとあかんのと違うかと思っているものですから、ですから、あえてその点を確認させていただいたということになります。

 きょうは一般質疑ということになっていますので、もう少し海洋の環境保全問題について、少し具体的な点を一、二聞きたいと思っています。

 漂着ごみの問題について聞きたいと思うんです。

 漂流・漂着ゴミ対策に関する関係省庁会議によると、近年、外国由来のものも含む漂流・漂着ごみが日本各地で問題となっている、特に海岸機能の低下や生態系を含めた環境、景観の悪化、船舶の安全航行の確保や漁具への被害などが深刻化しているという指摘が相次いでいると述べています。

 漂流・漂着ごみの現状はどうなっているか、環境省にお聞きしたいと思います。

谷津政府参考人 お答え申し上げます。

 財団法人環日本海環境協力センターが関係の調査を実施しております。その結果によりますと、平成十二年度から十七年度にかけて、年間平均約十五万トンの漂着ごみが国内の海辺に漂着している、こういう結果でございます。また、この財団が平成十七年度に実施いたしました調査結果によりますと、海外由来と推定される漂着物は、全国押しなべて平均いたしますと、重量比で六%、また個数比で見ますと二%という結果になってございます。

 また、近年、医療系の廃棄物が漂着するという事案が観測をされております。これにつきまして、一昨年に続いて、昨年の八月中旬ころから、日本海沿岸地域を中心といたしまして、こういった医療系の廃棄物が漂着しているということでございます。昨年十二月末までの合計で見ますと、総数で約二万六千点以上、このうち約九百点につきましては中国語などの外国語表記が見受けられた、こんな状況でございます。

穀田委員 そうなりますと、二つあると思うんですね。漂着ごみ問題は、ごみが流れ着いた日本国内の市町村だけでは解決できない、だから国としてどう対応するかということが当然あるわけですね。今あったように、当然外国からの問題が出てきているというのが一つの新しい問題。これは昨年十二月にも開かれているんでしょうけれども、日中韓の三カ国で環境大臣会合もやられているし、また北西太平洋地域海行動計画、NOWPAP、そういったところでも議論されていると思うんですが、そういう点で、外交ルートを含めてどんな対応をしているのか。

 つまり、今言ったように、国内市町村だけでは解決できない、負担はそっちへ行くわけですけれども、それをどうするかという問題と、対外的な問題での外国対応をどうしているのか、この二つ。

谷津政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、国内の対策でございますが、これにつきましては、昨年の四月に関係省庁によります局長級の対策会議を設置いたしまして、検討を続けてきております。

 ことしの三月になりまして、この対策会議において当面の施策の取りまとめが行われました。この中で、各省が実施いたします平成十九年度以降の施策に関しまして、一番目、状況の把握、二番目、国際的な対応も含めた発生源対策、三番目、被害が著しい地域への対策、こういったことにつきまして、新規予算あるいは既存施策の拡充、こういったことで対策の進展を図ろうということでございます。

 また、お尋ねの国際的な働きかけということでございます。

 昨年十二月に北京で日中韓三国の環境大臣会議が開催をされたわけでございます。ここにおきまして、我が国から漂流・漂着ごみの問題を議題として取り上げるべきだという主張をいたしまして、議論になったわけでございます。その結果、三国のさらなるこの問題についての協力が必要であるという認識で一致をして、その旨コミュニケに記載をされております。

 また、国連環境計画、UNEPが主導いたしまして、海洋環境に関する地域協力を世界で進めるというプロジェクトが動いております。その一環といたしまして、日本、中国、韓国及びロシア、この四カ国が参加をいたしまして、北西太平洋地域海行動計画というプロジェクトが動いております。この中で、二〇〇六年からでございますけれども、海洋ごみ問題についての個別具体のプロジェクトが動き出しております。この中で、モニタリングに関するガイドラインの作成、行動計画の策定、こういったことが進んでいるというのが実態でございます。

菅沼政府参考人 ただいまの環境省からの答弁に補足して、外交ルートでの近隣国、地域に対する問題提起についてお答えさせていただきます。

 韓国に対しましては、数次にわたり調査及び原因究明を申し入れております。昨年の二月の日韓環境協力合同委員会においても問題提起をいたしております。これに対して韓国側からは、どのように漂着ごみを減らしたらいいのかということについて高い関心を示して、努力をしておるという説明がございました。多分台風などの自然災害が主な原因であって、すぐに解決するのは困難かもしれないけれども、韓国政府としても積極的に取り組みたいので長期的な視点で見守ってほしいという回答がとりあえずございました。

 それから、中国についても、先ほど先生の御指摘のございました医療関係の漂着物について重大な関心を示すということで、外交部及び関係当局に対して注意喚起をいたしました。それから、調査及び原因究明を求めたところ、中国側から、沿岸地域における医療系廃棄物に関する管理を厳格に行うつもりだ、それから調査を継続するという回答を得ております。

 それから、台湾についても事実関係の照会をしております。今までの調査の結果では投棄は確認されていないという回答があったところでございます。

穀田委員 医療廃棄物の中国問題というのは、そっちが答えたもので、私が質問する前に出ちゃったから、私が言ったわけじゃなくて、環境省がしゃべったものにあなたは言っていたから、ちょっと討論をよく聞いていただかないと、そうは言っていないので、そういうつもりだったけれども少し変えたわけで、ちゃんと聞いていてくれなあきまへん。

 そこで、国土交通省はこの対策をどうしているのか、一言。

宿利政府参考人 国土交通省におきましても、この問題は重要な問題だと思っておりまして、二つの観点から対応しております。

 一つは、船舶の航行がふくそうする海域で、私どもが所有しております船舶によりまして、船舶航行の安全の確保と海域環境の保全の観点から、浮遊ごみの回収といったことをやっております。

 もう一つは、処理に要する費用の補助の関係でありますけれども、従前は大規模な流木などに限って対象としておりまして、また漂着量の七〇%までの処理量を補助対象としておりましたが、今年度から予算措置を拡充いたしまして、流木等に限らず漂着ごみの処理を補助対象とするということと、処理量も漂着量の全量を補助対象にするということで、対応を強化して取り組んでおります。

穀田委員 私、何でこんなことを言っているかというと、足元をきちんとやっていなければあかん、そういうものに一つ一つ努力しなければあかんということを言いたいわけですよ。

 だから、海洋政策というのは、やはり海洋の環境維持、保全というものを最優先の立場に立つこと、それから、海洋基本法の制定を機会に、政府として、その意味で海洋の環境維持や保全のイニシアチブを発揮する、こういうことを国際社会にアピールしていくということが必要だ。私としては、その点が大事じゃないかということを申し述べて私の質問を終わります。

塩谷委員長 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 我が国は、御存じのように四方を海に囲まれておるわけでございまして、水産物などの資源の確保、そして物資輸送ルート、こういう非常に海と密接な、関連した生活というものを営んできたわけでございます。海の日も国民の休日、祝日というふうになりまして、海事思想、こういうものの普及にも取り組んできたわけでございますけれども、いまだ基本法がない、こういうような、十分な取り組みができてないのではないかということが今の状態になっているというふうに思います。

 そこで、まず、領海そして排他的経済水域、こういうものについて、現在我が国が抱えている海洋の面積、これがどの程度のものになっているのか、また、国際的に見て我が国の海洋の面積というのはどのように位置づけられているのか、お答えいただけますでしょうか。

宿利政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国の国土面積は約三十八万平方キロメートルでございますが、領海の面積は四十三万平方キロメートルであります。これに排他的経済水域を加えますと四百四十七万平方キロメートルとなりまして、これは世界で六番目に広い面積でございます。

糸川委員 今、局長、世界で六番目というふうにおっしゃられているわけでございます。国土からすれば非常に広大な海洋面積を保有しておるわけでございます。そういうことを十分に認識されていたのであれば、当然、基本法、そういうものも含めて、もう取り組んでいなければいけなかったのではないかなというふうに感じるわけでございます。

 それから、外航海運、こういうものをめぐっては、今の厳しい国際状況、国際競争という状況の中で、いわゆる便宜置籍船が増加しておるわけでございます。日本籍船が減少して、また日本人の船員が減少している、これはさきの国交委員会でもお話をしているところでありますけれども、この外航海運について、日本籍船が減少して、また日本人の船員も減少していくと、これは今どの程度減少しているのか、それから、これに伴ってどのような課題が生じてきているのか、お答えいただけますか。

冨士原政府参考人 日本商船隊の現状でございますが、昭和六十年にプラザ合意がございまして、その後の急激な円高で非常に厳しい経営状況に陥ったという中で、日本籍船、日本人船員を便宜置籍船と外国人船員に置きかえてきた、それが急速に進んだということでございまして、昭和四十七年、日本籍船は千五百八十隻あったわけでございますが、これが平成十七年には九十五隻まで減少している、九十五隻でございます。それから、外航の日本人船員の数も、ピークでございました昭和四十九年、これは五万七千人いたわけでございますが、平成十七年には二千六百人に減少しているということでございます。

 この結果、日本の商船隊の大部分は、いわゆる便宜置籍船、パナマに籍を置いている船が相当数なわけでございますが、それからフィリピン人を中心といたします外国人船員、これが日本の商船隊の大宗を担っておるというのが現状でございます。

 この結果、非常時における対応を含めました、我が国経済あるいは国民生活の向上にとって不可欠である安定的な国際海上輸送の確保ということから考えますと、これはちょっと先行きを懸念すべき状況に来ているというふうに私どもとしては考えてございます。

 したがって、私どもの現在直面している課題というのを整理いたしますと、やはり日本商船隊、これはまず激しい国際競争をやっているわけでございまして、国際競争力をきちんと維持しないといかぬという命題に直面しながら、一方で、いかにいわゆるコストが高いと言われております日本籍船、日本人船員を確保していくのかということ、これを両立させるということが私どもが今当面している課題であるというふうに考えております。

糸川委員 コストの問題を考えたときに、日本では高いから外国に船を持っていこうじゃないかという形になりますと、日本では人件費が高いから別のところへ持っていこう、人件費の問題は仕方がないにしても、やはり船に係る船籍の部分、これは船だけじゃなくて例えば飛行機の問題等々もあるんですけれども、こういう国際競争力を高めなきゃいけないところで、国が何らかの足かせのような形、本来であれば応援をしなきゃいけない側が、船は外国に持っていってくれと言わんばかりの体制をとっているのであれば、国際競争力、なかなか今の厳しい世の中で日本が優位に立つということは厳しくなる可能性がありますので、これはしっかり大臣も取り組んでいただきたいというふうに思います。

 昨年末、この予算の原案をめぐって議論をされましたトン税、これについての検討状況は今どのようになっているのか、御説明いただけますか。

冨士原政府参考人 お答えを申し上げます。

 いわゆるトン数標準税制でございます。これは、運航しております事業者に対しまして、いわゆる外形標準課税として、トン当たり幾らという税を、みなし利益をかける、そういうものでございます。

 現在、世界の状況を見てみますと、世界の船舶、運航しております、国際輸送に従事している船舶の六割は、このトン数標準税制のもとで経営されている船会社のもとにある、それから、残り一割は、これは基本的に無税の国の会社が持っておるということでいきますと、日本の現在の税体系のもとで船を運航している会社というのは、世界的に見ると少数派になってしまったという状況でございます。

 そういう状況の中で、このトン数標準税というのは非常に税率が低いという問題もありまして、日本のいわゆる海運業が一層劣後化していくのではないかという危機感がございました。このために、先生御承知のとおり、平成十九年度の税制改正で、このトン数標準税制の導入等を要求し、折衝を行ったということでございます。

 その結果でございますが、非常時における対応を含む安定的な海上輸送を確保するために外航海運事業者が果たすべき役割及び当該政策目的を達成するための規制等を明確にする法律が平成二十年の通常国会において整備されることを前提として、平成二十年度税制改正において具体的に検討するという結論になってございます。

 したがいまして、私どもとしては、これを受けて、平成二十年の国会に提出する予定の法律の中身を、現在、交通政策審議会で鋭意審議をいただいているところでございます。ことしの六月末にはその中間取りまとめを行っていただくという方向で現在議論を進めてございまして、これを踏まえまして、来年の通常国会に、日本籍船あるいは日本人船員の計画的増加策等を含めました安定的な海上輸送を実現するための法律というのを提出し、いわゆるトン数標準税制の導入に向けての環境整備をやってまいりたいというふうに考えてございます。

糸川委員 日本人船員の確保とかこういうものは技術の承継の観点からも非常に重要ですから、ぜひしっかりとした総合的な取り組みをしていただきたいというふうに思います。

 余り時間もございませんので、気象庁にお伺いしたいんですけれども、海洋をめぐって、海洋に関する調査の推進、これは非常に重要なテーマになっておるわけでございます。海上保安庁による水路調査、そして独立行政法人海洋研究開発機構による調査、こういうものが実施されておるわけでございますが、気象庁による海洋気象調査、これについて質問をしたいんです。

 この海洋気象観測におきましては、海洋における温室効果ガスの変動の把握、海洋長期変動の把握、こういうものを実施しておる。これによって得られる情報というのは、気象の変化、ひいては環境の変化、こういうものに対する多くの情報を含んでいるというふうに考えてよいのか、そしてまた、環境問題が重要な課題となっている中で、このような情報が環境対策にどのように活用されているのか、お答えいただけますでしょうか。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、地球温暖化等のメカニズム解明のためには、海洋の変動を正確にとらえることが極めて重要となっております。

 気象庁では、海洋気象観測船、衛星、ブイなどによる観測データを総合的に解析することにより、季節予報や異常気象に関する情報の充実のために利活用しております。今後、日本の各地域における地球温暖化予測情報を発表するなど、地球温暖化対策などに向けた情報提供に利活用するよう努めてまいります。

糸川委員 ぜひ、気象予測にのみ用いるのではなくて、環境問題が重要なテーマでございますので、十分活用していただきたいというふうに思います。

 ほとんど時間がないんですが、ちょっと一問、海上保安庁にもお聞きしたいんです。

 先日の能登半島地震において津波のことがあったんですが、津波の影響に関して海上保安庁がどのような対応をされているのか、簡潔にお答えいただけますか。

石川政府参考人 津波に関しましては、まず基本的に、津波の情報というものを船舶に伝える必要がございます。

 そういう意味で、この前の三月二十五日に発生した地震に対しましても、海上保安庁は、船舶や漁業組合に対する津波情報の提供ということを迅速に行いました。あわせまして、被害状況の調査ということも行ったところでございます。

糸川委員 海上保安庁、やることが非常に多いと思うんですが、確かに海洋の安全の確保そして治安の維持、こういうものも必要でございますけれども、ぜひ、漁業ですとかそういう海に従事されていらっしゃる方々の安全の確保、これを第一に考えていただいて、情報の収集ですとか情報の提供ですとか、そういうものをしっかりと努めていただきたいというふうに思います。

 最後に大臣にお伺いしたいんですが、先ほども海洋の面積、これは世界で六番目に非常に広い日本でございます。今回の海洋基本法案が成立した後、我が国の海洋政策がどういうふうになっていくのか、大臣の決意、これをお伺いして終わりたいというふうに思います。

冬柴国務大臣 今回の海洋基本法の制定というものは、大変意義が深いものだと思います。総合的、体系的に推進しなければならない観点からも大事だと思います。

 海洋政策は広範にわたるものでありまして、我が国でも多くの省庁が関係しておりますが、今後、海洋基本法に基づき政府一体となって戦略的に取り組んでいくことが重要であると考えます。

 国土交通省は、海洋政策の多くの分野を担っていることから、その推進につきまして積極的な役割を果たしていかなければならない、そのような所存でございます。

糸川委員 大臣、きょう、細野先生の質問等もありました。中国そして韓国との関係、こういうものもしっかりと、やはりリーダーシップを発揮していただいて、言うべきところは言う、やるべきところはやるという態勢で取り組んで、我が国の国益を守っていただきたいというふうに思います。

 終わります。

     ――――◇―――――

塩谷委員長 この際、お諮りいたします。

 第百六十四回国会、石破茂君外四名提出、海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

塩谷委員長 引き続き、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 海洋基本法案起草の件及び海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 両件につきましては、理事会等での御協議を願い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 まず、海洋基本法案について御説明申し上げます。

 本案は、海洋が人類等の生命を維持する上で不可欠な要素であるとともに、我が国が国際的協調のもとに、海洋の平和的かつ積極的な開発及び利用と海洋環境の保全との調和を図る新たな海洋立国を実現することが重要であることにかんがみ、海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、海洋に関し、所要の措置を講じようとするもので、以下その主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、基本理念として、海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和、海洋の安全の確保、海洋に関する科学的知見の充実、海洋産業の健全な発展、海洋の総合的管理並びに海洋に関する国際的協調を定めております。

 第二に、国は、基本理念にのっとり、海洋に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有することなど、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにしております。

 第三に、政府は、海洋に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、海洋基本計画を定めなければならないこととしております。

 第四に、海洋に関する基本的施策として、国は、海洋資源の開発及び利用の推進、海洋環境の保全、排他的経済水域等の開発等の推進、海上輸送の確保、海洋の安全の確保、海洋調査の推進、海洋科学技術に関する研究開発の推進、海洋産業の振興及び国際競争力の強化、沿岸域の総合的管理、離島の保全、国際的な連携の確保及び国際協力の推進、海洋に関する国民の理解の増進等のために必要な措置を講ずることとしております。

 第五に、海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため、内閣に、総合海洋政策本部を置くとともに、本部の長に内閣総理大臣を、副本部長に内閣官房長官及び海洋政策担当大臣をもって充て、海洋基本計画の案の作成及び実施の推進等の事務をつかさどることとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 海洋基本法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

塩谷委員長 これより採決いたします。

 海洋基本法案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

塩谷委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 次に、海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。

 本案は、海洋構築物等の安全及び当該海洋構築物等の周辺の海域における船舶の航行の安全を確保するため、海洋構築物等に係る安全水域の設定等について必要な措置を定めようとするもので、以下その主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、国土交通大臣は、海洋構築物等の安全及び当該海洋構築物等の周辺の海域における船舶の航行の安全を確保するため、国連海洋法条約に定めるところにより、安全水域を設定することができることとしております。

 第二に、安全水域の設定は、特定行政機関の長の要請に基づき行うこととしております。

 第三に、国土交通大臣は、安全水域を設定したとき、または廃止したときは、安全水域の位置及びその範囲を告示しなければならないこととしております。

 第四に、船舶の運転の自由を失った場合等を除き、何人も、国土交通大臣の許可を受けなければ、安全水域に入域してはならないこととしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

塩谷委員長 これより採決いたします。

 海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

塩谷委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 この際、中野正志君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・無所属の会の四会派共同提案による新たな海洋立国の推進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。中野正志君。

中野(正)委員 ただいま議題となりました新たな海洋立国の推進に関する件につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    新たな海洋立国の推進に関する件(案)

  政府は、海洋基本法の施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。

 一 本法に規定する「新たな海洋立国」実現に向けた海洋政策を具体化する海洋基本計画を早急に策定するとともに、本法により内閣に設置される総合海洋政策本部がその実現に向けた諸施策を政府として集中的かつ総合的に推進できるよう体制整備を行うこと。

 二 本法に規定する海洋基本計画の策定及びこれに基づく諸施策の推進に当たっては、本法により内閣に設置される総合海洋政策本部に、海洋に関する幅広い分野の有識者から構成される会議を設置し、その意見を反映させること。

 三 海洋法に関する国際連合条約等の規定に基づく国内法の整備がいまだ十分でないことにかんがみ、海洋に関する我が国の利益を確保し、及び海洋に関する国際的な義務を履行するため、海洋法に関する国際連合条約その他の国際約束に規定する諸制度に関する我が国の国内法制を早急に整備すること。

   また、生物多様性条約その他の国際約束にかんがみ海洋環境の保護がますます重要となっていることに留意し、海洋の生物の多様性の確保等のための海洋保護区の設置等、海洋環境の保全を図るために必要な具体的措置について検討すること。

 四 海に囲まれた我が国にとって、海上輸送、海洋資源の開発及び利用等の安全の確保は不可欠であり、そのため、海上の安全及び治安の確保とともに、危機管理について万全の体制を整備することが極めて重要であることにかんがみ、海上保安庁について、危機管理に関する関係行政機関との連携を含め組織体制の総合的な検討・充実を図ること。

 五 政府は、我が国が正当にその領有権を有している領土の保全に遺漏なきを期すとともに、海洋の新たな秩序を構築することが海洋国家としての我が国の国益に沿うことにかんがみ、外交的施策における努力を始めとする各般の施策をより一層強力に推進すること。

  右決議する。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。

塩谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

塩谷委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣冬柴鐵三君。

冬柴国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重させていただき、新たな海洋立国の推進に努力してまいる所存であります。(拍手)

塩谷委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

塩谷委員長 次に、内閣提出、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣冬柴鐵三君。

    ―――――――――――――

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

冬柴国務大臣 ただいま議題となりました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 我が国においては、急速な少子高齢化の進展や移動手段に関する国民の選好の変化等の社会経済情勢の変化に伴い、地域における公共交通の置かれた状況は年々厳しさを増しており、地域によっては住民等の移動手段として不可欠な公共交通を適切に維持することに困難を生じております。一方で、高齢者を初め地域住民の自立した日常生活及び社会生活を確保し、活力ある都市活動を実現する観点からは、良質な公共輸送サービスを確保することは極めて重要な課題であり、また、観光交流を初めとした地域間交流を促進するとともに、交通に係る環境への負荷の低減を図る観点からも、地域において公共交通を活性化、再生することは喫緊の課題となっております。

 このような状況を踏まえ、地域における公共交通の活性化及び再生を通じた魅力ある地方の創出に向けて、地域のニーズに最も精通した地方みずからが、地域公共交通のあり方を主体的に考え、それに基づく具体的な取り組み及び創意工夫を総合的、一体的かつ効率的に推進することを可能とする支援を行うため、この法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、主務大臣は、地域公共交通の活性化及び再生を総合的、一体的かつ効率的に推進するため、地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針を定めることとしております。

 第二に、市町村は、基本方針に基づき、地域の関係者による協議を踏まえ、地域公共交通の活性化及び再生を総合的かつ一体的に推進するための計画を作成することができることとしております。また、計画に定められた軌道事業、道路運送事業、海上運送事業の高度化に係る事業等特に重点的に取り組むことが期待される事業について国による認定制度等を設け、認定等に係る事業に対して、関係法律の特例措置等各種の支援措置を講ずることとしております。

 第三に、鉄道事業と道路運送事業等複数の旅客運送事業に該当し、同一の車両または船舶を用いて一貫した運送サービスを提供する事業について、国による認定制度を設け、認定に係る事業の実施に必要となる関係法律に基づく許可等の手続の合理化等の措置を講ずることにより、地域の旅客輸送需要に適したこれらの事業の円滑化を図ることとしております。

 以上が、この法律案を提案する理由です。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

塩谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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