衆議院

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第13号 平成20年4月18日(金曜日)

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平成二十年四月十八日(金曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 竹本 直一君

   理事 河本 三郎君 理事 西村 康稔君

   理事 西銘恒三郎君 理事 望月 義夫君

   理事 山本 公一君 理事 川内 博史君

   理事 後藤  斎君 理事 高木 陽介君

      安次富 修君    赤池 誠章君

      遠藤 宣彦君    小里 泰弘君

      大塚 高司君    岡部 英明君

      鍵田忠兵衛君    金子善次郎君

      亀岡 偉民君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    島村 宜伸君

      菅原 一秀君    杉田 元司君

      鈴木 淳司君    谷  公一君

      土屋 正忠君    長島 忠美君

      萩原 誠司君    林  幹雄君

      原田 憲治君    松本 文明君

      盛山 正仁君    石川 知裕君

      太田 和美君    逢坂 誠二君

      古賀 一成君    神風 英男君

      高井 美穂君    長安  豊君

      三日月大造君    森本 哲生君

      横光 克彦君    石田 祝稔君

      穀田 恵二君    糸川 正晃君

    …………………………………

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   国土交通副大臣      松島みどり君

   国土交通大臣政務官    金子善次郎君

   国土交通大臣政務官    谷  公一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           布村 幸彦君

   政府参考人

   (文化庁次長)      高塩  至君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局企画部長)         飯高  悟君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総合観光政策審議官)     本保 芳明君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         増田 優一君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   国土交通委員会専門員   亀井 爲幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  葉梨 康弘君     萩原 誠司君

  若宮 健嗣君     安次富 修君

  小宮山泰子君     高井 美穂君

  鷲尾英一郎君     太田 和美君

  赤羽 一嘉君     石田 祝稔君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     土屋 正忠君

  萩原 誠司君     葉梨 康弘君

  太田 和美君     鷲尾英一郎君

  高井 美穂君     横光 克彦君

  石田 祝稔君     赤羽 一嘉君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  土屋 正忠君     若宮 健嗣君

  横光 克彦君     神風 英男君

同日

 辞任         補欠選任

  神風 英男君     小宮山泰子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律案(内閣提出第一一号)

 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律案(内閣提出第一二号)


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     ――――◇―――――

竹本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律案並びに地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房総合観光政策審議官本保芳明君、都市・地域整備局長増田優一君、道路局長宮田年耕君、航空局長鈴木久泰君、文部科学省大臣官房審議官布村幸彦君、文化庁次長高塩至君及び農林水産省農村振興局企画部長飯高悟君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

竹本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木淳司君。

鈴木(淳)委員 おはようございます。自由民主党の鈴木淳司でございます。委員会の質問の機会をいただきまして、まことに光栄に存じます。

 今回は、観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律案と、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律案の二法案の審議でありますけれども、きょうは、法律案の具体の中身というよりは、むしろその枠組みを超えた、いわゆる観光振興全般についての議論ができればいいなというふうに思っております。

 まず最初に、観光というものをどうとらえるのかということであります。観光の意義というものをどう認識するかについて、少し議論並びにお尋ねをしてみたいと思います。

 私の先輩で、今、九州のある市長をされている方がありますけれども、その方が若いころ、中国地方のある城下町を訪れたそうです。そのときに、余り時間がなかったんですが、どうしても行きたかったのでその町を訪れた。そうしたら、タクシーの運転手が、お客さん、何時間ありますかと。いや、実はこれしかないんです。わかりました、では、こことこことここに行きましょう、ここだけはどうしても見てください、こういう発言があったというんです。そしてまた、そのとおり案内されたそうです。先輩は大変感激をしたわけでありますが、私は、ここにある面で観光のエッセンスというのがあるのかな、こんなように感ずるわけであります。確かに、タクシーの運転手にとっては、それは仕事であるかもしれません。しかし、それ以上に、人に語らざるを得ない何か、誇りに思うものを人に伝えたい何か、そういうものがやはりあるような気がするんですね。

 私は、内外に観光地というのは幾つもあるわけでありますけれども、およそ地元の人が誇りに思わない観光地に人が感動するわけはありませんし、地元の人が自嘲ぎみに語る観光地が栄えるわけがないと思います。

 考えてみれば、観光というのはある面で、地元の誇りというものをどうつくり上げていくんだ、郷土のアイデンティティーをどう確立していくんだ、そしてそれを、観光事業者やあるいは直接的な関係者だけではなくて、地域の人が全体で郷土のアイデンティティーというのをどうつくり上げていくのだ、どう共有していくんだ、そういう過程であるような気がしてなりません。つまりは、観光を通じたまちづくりというのは、あるいは地域の活性化というのは、町の振興やあるいはまちづくりのあり方についてコンセンサスをいかに得ていくのか、その過程でもあるような気がしてなりません。

 そこで、私は、観光による地域活性というのは、二段階あるような気がします。

 まず必要なのは、地域の人が地域の歴史やあるいは風土、特性、比較優位というのをよく知って、地域に対する愛着と誇りを持つ、いわば内なる観光と言ってもいいんでしょうか、これがなければ町に対するアイデンティティーの確立あるいは誇りは生まれないというふうに思います。そして、その内なる観光の上で、その上で人に語らざるを得ない何か、地域に対する誇り、ほとばしる情熱や愛情、それがよそから人を引きつける、来る人を引きつける、いわゆる外なる観光、外から来る観光、呼び込む観光、こういうものにつながるような気がします。これが普通に言う観光でありましょうけれども、観光には内なる観光と外なる観光の二側面があるような気がしてなりません。

 そういう面でいうと、ある面、観光による地域振興を考えるということは、町のアイデンティティーをどう持ち、それに基づく観光を通じた地域活性化のもろもろの事業展開に対して、観光事業者や直接の当事者ではない人も含めて、その方向性にいかに地域全体のコンセンサスを得ていくのかというのがポイントとなるように思います。

 つまりは、観光を考えることは町のアイデンティティー、誇りを考えることであり、まず、地域の人が地元のこと、歴史や特徴や長所、そういうことを知ることから始まります。観光による地域活性は、町のアイデンティティーを形成して、それに基づくまちづくりを進めること、こう理解するわけであります。

 以上、少し長くなりましたけれども、私の観光に対する思い、あるいは認識というものを述べたわけであります。

 まず最初に、きょうは谷政務官もお見えでありますので、谷政務官におかれましては、観光の意義、果たすべき役割というものについて、どういう御認識でおられるのかについてお尋ねをしてみたいと思います。少し大上段の質問で大変恐縮でありますが、谷政務官の御認識をお聞かせいただければありがたいと思います。

谷大臣政務官 観光の振興ということは、言うまでもなく、旅行業、運輸業を初めとした幅広い産業の活性化、魅力ある地域づくり、観光地づくりを通じた、活力に満ちた地域づくりの実現に大きな効果をもたらすものだというふうに思っております。

 観光の意義ということはいろいろな見方があろうかと思いますけれども、一つは、これからの我が国の少子高齢化時代の経済活性化の切り札だというふうに思っております。また二つ目に、人が行き来する、交流人口の拡大による地域の活性化が図れる手段だというふうにも思っております。そして、観光を盛んにすることによって、国民の生活の質を向上するものであるということもあろうかと思います。そして、国際観光の推進というのは、我が国の持っているソフトパワーを強化するものであるというふうに思っております。

 委員御指摘のように、地域の、あるいは我が国の歴史的、文化的価値を再認識するプロセス、今、内なる観光というふうに言われましたが、そういうプロセスを通じて、日本の魅力の再活性化を図るものだというふうに思っております。今後とも、観光立国のキャッチフレーズとして、住んでよし、訪れてよしの国づくりと我々は広めているわけでございますけれども、その観光立国の実現に向かって精いっぱい頑張ってまいりたいと思っております。

鈴木(淳)委員 ありがとうございました。

 観光による地域の振興、国の振興、そうしたものをいろいろな分野でぜひ図っていただきたいというふうに思っております。

 それでは、これまでの国の観光政策の変遷について、改めて、その経緯についてお尋ねをしてみたいと思います。

 国の観光施策につきましては、さきに衆議院を通過しました観光庁設置もありますし、さらには今回の二つの法案も提出されまして、今まさにこの審議がされておりますけれども、これまでの国土交通省の観光行政の経緯といったものは一体どうだったか、その流れについての確認と、また、その上で今回提出されたこの二法案の意味、これらの法案が果たすべき役割、機能というものについてお尋ねをしてみたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇〇三年が一つのスタート地点になっているかと思いますが、この時点から、二〇一〇年に外国人のお客様を一千万人に増加させる、こういう目標を設定いたしまして、ビジット・ジャパン・キャンペーンを展開してきたところでございます。これにより特に国際観光の振興に取り組んでまいったところでございますが、その後、二〇〇六年の十二月に観光立国推進基本法が成立いたしまして、観光立国の実現に向けた施策の柱として、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成が規定されました。これに基づきまして、国際観光に加えて、官民を挙げて魅力ある観光地づくりに積極的に取り組んでいくことになったところでございます。

 これまでも、観光ルネサンス事業によりまして地域の創意工夫を生かした観光地づくりの取り組みを支援してまいりましたが、今般、観光立国推進基本法を踏まえまして、さらに観光地づくりを支援するという観点から、歴史まちづくり法案とともに観光圏整備法案を提出させていただいたところでございます。

 住んでよし、訪れてよしという観光立国の理念からいたしますと、歴史まちづくり法案は、地域における歴史的風致を生かしたまちづくりの推進という、住んでよしを支える重要な法案でございます。一方で、観光圏整備法案は、魅力のある観光地づくりの支援による地域の観光交流の促進という、訪れてよしを支える重要な法案と位置づけている次第でございます。

鈴木(淳)委員 ありがとうございました。

 住んでよし、訪れてよし、まさにそれを達成するための二法案であるというふうに理解をいたしております。

 それでは次に、今日の我が国の観光の現状というものをどう認識するのか、国内旅行あるいは訪日外国人旅行の双方についてお尋ねをしてみたいと思います。

 かつて、社員一同バス何十台、一斉に社員旅行といった時代がありましたけれども、もうそういう時代は終わりを告げて、観光に対するニーズというものは極めて多様化をしているというふうに思われます。果たしてそのニーズの多様化に対応できているのか、その動向がしっかり把握できているのか、それが観光施策に反映されているのか。

 それにつきまして、我が国の観光の現状について、具体のデータも含めて、それらを踏まえた現状認識、さらには現状打開に向けての取り組み、対応策をお尋ねしたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、観光旅行の形態それからニーズというものは相当変わってきているかと思います。国内宿泊旅行につきましては、先ほど委員からも御指摘ありましたように、従来は添乗員やガイドが同行いたしますいわゆるパック型の旅行が多うございましたが、現在は添乗員、ガイドが同行しない個人型のいわゆるフリープランと呼ばれる旅行に旅行者のニーズが変化してきております。

 若干数字を申し上げますと、平成十二年当時はパック旅行が約三七%、これに対してフリープランの旅行は一九%ございました。これが平成十六年には、パック旅行が二八%、フリープラン旅行が二五%と、ほぼ同じぐらいの比率になってきているところでございます。

 こうしたいわゆるフリープラン型の旅行に対応するためには、宿泊施設サイドでは、いわゆる団体対応から個人対応へと施設の変更を図らなければいけないところでございますが、これに対してさまざまな支援措置も講じていかなければ、経営情勢が非常に厳しいところでありますので対応ができないということで、今般の観光圏整備法におきましても、国土交通大臣の認定を受けました観光圏整備実施計画による宿泊施設の整備については、中小企業金融公庫による低利融資をするというような制度も設けているところでございます。

 また、いわゆる体験型の旅行もふえておりまして、私ども、ニューツーリズムというふうに呼ばせていただいておりますが、このニューツーリズムの創出あるいは流通の促進につきましても、さまざまな支援をさせていただいているところでございます。

 一方で、訪日の外国人旅行について申し上げますと、市場ごとに訪日の目的が大変多様でございます。例えば韓国からの訪日目的では温泉、リラックスが四二・九%でございますが、これに対しまして、米国の例では伝統文化あるいは歴史的施設を希望される方が四八・六%と最も高い割合を占めているところでございます。

 こうした違いを踏まえたいわゆるマーケティングをしたキャンペーンの展開が必要ということで、国際観光振興機構に海外十三カ所の事務所がございますので、こちらを通じたマーケティングをいたしまして、きちっと外国人のニーズを分析して、テーマとターゲット層を設定したキャンペーン、プロモーションを実施しているところでございます。

    〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕

鈴木(淳)委員 ありがとうございました。

 さて、冒頭に申し上げましたように、観光によるまちづくりあるいは地域振興というものは、地域のアイデンティティーを確立して、それを観光事業者のみならず地域のすべての人たちが、ある面、観光事業で直接利益を得ない人たちも含めてでありますが、そのすべての人たちが一体となった観光振興の機運の醸成が重要であろうかというふうに思います。また、それこそが観光を通じたまちづくりであろうかというふうに思うわけであります。そしてまた、成功した観光地というものは、すべからくこうした経緯を経て地域全体の取り組みや地域の連携がなされているというふうに理解をされますけれども、今回、観光圏整備法案におきまして、協議会の設置などを通じてこうした取り組みの促進が期待されることになると思われます。

 そこで、少し心配な点がありますのは、成功例を広く全国展開しようとするときに、時に、地域ごとの協議会の設置がともすれば形式的なものになってしまって、結果的に活力を生み出すことにはつながらない可能性はないのかということであります。

 本来、地域に熱意があって協議会ができるということでありますし、そこに初めて結果が生まれるわけでありますが、協議会の設置を通じて熱意を起こそうというのはある面で本末転倒なことにならないのかという心配を実は持つわけであります。協議会の設置自体が目的と化してしまったとしたらそれは意味がないので、そうならないための配慮というものを国はどう考えているのかについて、お尋ねをいたしたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 委員は内なる観光とおっしゃいますが、まさに御指摘のように、地域で皆さんが一体となって観光地づくりをしていくという機運が醸成され、しかも、地域の固有のよさ、アイデンティティーをきちっと確立していくというプロセスが大変重要であり、これが実現できていなければ観光地づくりがなかなかうまくいっていない、こういう実態だと承知しております。したがいまして、私どもも、そういうものを一番大事にするという姿勢で、観光地域づくりの取り組みについて、国からのお仕着せにはならないようにするということが重要だと考えております。

 地域のアイデンティティーというものをきちっとつくっていくためには、御指摘のように、さまざまな関係者が参加をいたしまして、その地域のよさ、魅力というものをきちっとみずから発見し、また育てていく、こういうことが重要だと思っております。このことは基本的に地域みずからが立ち向かうあるいは実施すべきものというように考えておりますが、それをお助けするという意味で、ヒント、気づきを与えていくことが一番重要だ、こういう観点から、観光地づくりで成功している地域の具体的な取り組みをまとめまして、これを周知徹底するというような取り組みをさせていただいているところでございます。

 また、この法案では、御質問にもございましたように、皆さんが観光地づくりについて同じ方向を目指して力を合わせていくことが望ましいということで、協議会という仕組みを想定いたしまして、ここでの議論あるいは整理ということを期待しておりますが、その構成員については、地域のことを真剣に考えて現実的に行動できる人が集まるということが重要と考えておりますので、画一的な取り扱いはせずに対応したい、このように考えております。

鈴木(淳)委員 ぜひその趣旨で行っていただきたいと思うのでありますが、成功した観光地というのはおおむね、人材がまずそこにいて、そのすべてが異端から始まっているということが多いと思うんですね。その異端から始まって成功した事例が多いところは、ある面、今度はそれを普遍的にしようという中で正規軍となるわけでありますので、そこでいわゆる活力が失われないかというのが自分の問題意識でありますから、ぜひそうならないように指導をお願いしたいと思っています。

 さて、観光振興、特に景観の保全の面で極めて重要な要素の一つでありますが、農山漁村空間の維持保全というものについてお尋ねをしてみたいと思います。

 我が国ののどかな田園風景や農村集落など伝統的な農山漁村空間というのは、観光振興上極めて重要な要素でありますし、もしそれが失われていくことになれば、観光地としての魅力は大きく低下をいたします。しかし、農山漁村空間の保全は、基本的には農家や漁業関係者などによって保たれているものの、地域の観光振興によって彼らが直接的には裨益をすることは少ないと思われます。

 そこで、地域の観光の重要な資源であるにもかかわらず、その維持保全が観光によって直接的に裨益しない農家等の努力に任されているとすれば、その維持は、観光振興の上ではある面で極めて脆弱なものと言わざるを得ないというふうに思うわけであります。もちろん、観光振興の結果、回り回って結果的に農家等が少しずつでも農外収入を得ることはあるかもしれませんけれども、それに至る道筋が見えにくい中にあっては、農山漁村空間の維持保全というものを農家に過大に期待することはできないのではないかと思われます。

 観光振興の観点から、農山漁村空間の保全、維持について農水省はいかなる取り組みをしていこうとされているのか、お尋ねをしてみたいと思います。

飯高政府参考人 お答えをいたします。

 美しい田園風景などの農山漁村の空間を維持保全し、こうした地域の資源を活用いたしまして、より多くの人々がゆとりと安らぎのある生活を楽しめるようにすることは、観光振興にとっても、また私どもの所管でございます農山漁村の活性化を図る上からも大変重要だと考えてございます。

 こうしたことから、農林水産省では、棚田などの農村特有の良好な景観の形成を促進するため、景観と調和した農業的土地利用の推進でございますとか、また、里山を初め豊かな自然環境の保全、再生の取り組みを行っているNPOあるいはその他多様な主体、そういった方々に対します支援、また、農村特有のお祭りでございますとか伝統文化の保全、復活などの取り組みに対する支援、こういった各般の施策を行っているところでございます。

 農林水産省といたしましては、この法案を受けまして、今後一層、農山漁村の景観や伝統文化などの資源を活用いたしまして、観光振興並びに農山漁村の活性化に努めてまいりたいと考えております。

鈴木(淳)委員 さっきの農山漁村空間と同じように、本来観光の重要な資源でありながらも、時代の変遷の中で失われていく可能性があるものに、歴史的な町並みを構成する建造物や、あるいは地域の歴史文化と一体となった人々の営み、活動というものがあります。

 今回、文化財保護行政とまちづくり行政の連携の中で、総合的、一体的な計画に基づいて、歴史的風致の維持向上、いわゆる歴史まちづくりの推進というものがうたわれたと承知をいたしております。最近では町家などの歴史的な建造物が失われている、こういう報告もありますけれども、改めてこれに至る経緯を確認してみたいというふうに思います。

 これまで、古都につきましては古都保存法によって歴史的風土の保全を図ってきたわけでありますけれども、その理念の拡大並びに今回の法律案に至る背景について改めてお示しをいただきたいと思います。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでは、御指摘のありました古都保存法によりまして、京都、奈良、鎌倉など古都の歴史的風土の保全ということでやってきたわけでありますけれども、これは主として周辺の自然環境にとどまっておりまして、古都の町中の、そういった歴史的風情、情緒、たたずまいというものが、これだけではなかなか守れないという実態になっております。それからまた、そういった古都以外の都市におきましても、歴史を重視したまちづくりを積極的に行う市町村が大変ふえてまいりました。

 そういったことから、社会資本整備審議会で古都保存法の理念の全国展開ということを御議論いただいたわけでございまして、本年二月に御答申をいただきまして、国家的見地から貴重な歴史的、文化的資産というものにつきまして、そういったまちづくりを推進する地域の取り組みを国が積極的に支援するということで、こういう法案をお出しさせていただいたわけでございます。

鈴木(淳)委員 今お示しになりましたその理念のもとの今回の法案でありますけれども、今回、国の基本方針に基づいて市町村が認定を受ける仕組みとなっておりますけれども、それによって具体的にどのような施策が可能であり、それがこれまでの課題に的確に対応できるのかということについて改めて確認したいと思います。

増田政府参考人 今回、認定を受けた市町村につきましては、法制上、予算上、税制上の特別措置、支援措置を設けさせていただいております。

 法制上の措置といたしましては、例えば、文化財の周辺の建造物を歴史的風致形成建造物と指定して、届け出や勧告により保全する制度、あるいは電線類の地中化を促進する制度等々を設けたわけでございます。また、予算におきましては、歴史的環境形成総合支援事業ということで、ハード、ソフト両面にわたる取り組みを支援する、あるいはまた税制上の支援措置を講じたということでございます。

鈴木(淳)委員 ありがとうございます。

 冬柴大臣が御到着でありますので、最後に少しお尋ねしてみたいと思います。

 観光庁の設置法案もさきに衆議院を通過しましたし、いよいよ観光振興による地域活性化の取り組みというのが本格的に始まろうといたしております。今回の二法案も、これまでの経緯から残された課題を整理しながら、それにより的確に対応するための具体の対策というふうに理解をしますし、ぜひ法案成立によって所期の目的達成を期待したいと思います。

 ここで改めて確認をしたいと思いますのは、観光を考えることはやはり地域を考えることであり、地域のアイデンティティーを求める徹底的な活動、それとまた、それに基づく全員参加型の活動展開のコンセンサスの醸成、そしてまた市民一体となった活動というものが実はまちづくりそのものであるというふうに思うわけであります。

 改めて、観光とは一体何か、観光の持つ意義というものについて大臣の御認識をいただきながら、ぜひ御決意をお聞かせいただければありがたいと思います。

冬柴国務大臣 地域にはそれぞれに歴史、伝統、文化というものがありますし、すぐれた景観そして食材、調理法、固有のものがあります。その中の人は余りそれに気づかないんですが、外から来た人が物すごくこれを斬新に感じたり、美しさを感じたりするんですね。

 私は、そういう交流の中で、そういうものを見出したときの喜びとか、そして誇り、自信というものが観光を支えるんだろうと思うんですね。言いかえれば、住んでよし、訪れてよしの国づくり、これが観光の本質だろうと思います。そのためには、地域に住む人が愛郷心、自分の住んでいるところのふるさとあるいはその歴史、伝統をこよなく愛し、自信を持たれることだというふうに思います。それが観光地づくりだろうと思います。

 我が方もそういう人たちを観光カリスマというふうにしまして、愛知県の知多半島の中山勝比古さんという人は、本当にあの小さな島を一躍観光の脚光を浴びるものにつくり上げた人で、私は本当に尊敬するんですが、彼には強烈な愛郷心がありますよね、島を愛する。若い人たちが外へ出ていかなくても、ここで生活できるようなものをつくり上げたい、そういう思いがあると思うんです。

 私は、観光を二十一世紀の大きな政治課題だとするのは、そういうことが地方を活性化させ、日本全体を引っ張り上げていくのではないか。そういう意味で、観光庁をつくって、そしてそういうものを頑張っていこうということでございます。

鈴木(淳)委員 大変ありがとうございました。

 時間になりましたので、質疑を終わります。

西銘委員長代理 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 おはようございます。民主党の逢坂誠二でございます。

 きょうは、案件になっております二つの法案について質疑をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、今般、観光庁の設置が大体ほぼいい方向へ進んでいるのかなというふうに思うわけでありますけれども、観光庁ができたときに、観光庁が所管することになる法律というのは幾つかあろうかと思います。

 例えば、観光立国推進基本法でありますとか、旅行業法でありますとか、あるいはまた、国際会議等の誘致促進などを利用した国際観光の振興に関する法律だとか、あるいは地域伝統芸能等を活用した特定地域商工業の振興に関する法律など、さまざまな法律がある。あるいは、法律だけではなくて、基本方針や計画のようなものもある。そして、今般また、観光圏に関する法律でありますとか、あるいは今回の歴史的風致の維持及び向上に関する法律案、こんなものも出てくるわけです。

 さまざまな法律が今度観光庁の所管になるわけですが、これらの法律というのは一体どのように総合的に連関をして、最終的にはこれらの法律によってどんな日本の観光ですとか地域振興を目指そうとしているのか。このあたりについて、まず政府参考人の方にお伺いをしたいんですけれども、いかがでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 観光庁が所管することとなる法律は、今御指摘ありましたような幾つかのものがございましたが、合計で十一本を予定しております。これらがどういう関係を持っているかという御質問だったと理解いたしますけれども、まず、観光立国の実現に関する中核となる基本的な法律は観光立国推進基本法であると認識しております。旅行業法その他の観光関係の法案は、この法律に定める基本的な施策に関連する法律、こういうふうに位置づけているところでございます。

 この中で、歴史まちづくり法案は、観光立国の基本的な考え方であります、住んでよし、訪れてよしの国づくりの、住んでよしを支えるものでございまして、この法案によりまして、歴史的な風致を生かしたまちづくりを進めることにより、そのような地域において観光交流が促進される、そのことが地域経済の活性化につながっていく、このような意味合いで観光立国推進基本法に定める施策に関連するものと理解をしております。

 こういう関係する法律を総合的、一体的に活用し、施策を推進することによりまして観光立国の実現が図られる、このように考えている次第でございます。

逢坂委員 そこで、次にお伺いしたいのは、今回の案件になっている二法案でございますけれども、この二法案の政策としての発生源、これは一体どこにあったのかということをお伺いしたいんです。

 どういう意味かといいますと、例えば国民の意見があってこういう法案をつくったとか、あるいは関係事業者の間からこういう提案があってこの法案をつくったとか、あるいは、これまでの国会の質疑やさまざまな要請があってつくったのかとか、あるいは、もっと日常的に言うと、国土交通省の中でさまざま議論していく中で、こういう法案が必要だな、こういう考え方が必要だなというところでできたのか。まず発生源について、それぞれお二人の政府参考人にお伺いしたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、観光圏整備法案についてお答えを申し上げたいと思います。

 御案内のように、平成十八年十二月に観光立国推進基本法が定められております。大きな意味で、観光に関する流れはここに集約されて国民の総意として法律がつくられたもの、こういうふうに理解をしておりまして、この基本法の中で、基本的な施策として「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成」が規定されました。これに基づきまして十九年の六月に観光立国推進基本計画が定められまして、その中で、基本的な目標として、国民一人当たりの年間の平均宿泊数四泊でございますとか観光旅行消費額三十兆円、こういう目標が定められております。

 こうした目標を具体的に達成していくための手段といたしまして観光圏整備法案を提出させていただいているところでございまして、これによりまして、二泊三日以上の滞在が可能となる観光圏の整備を促進し、結果として滞在日数の増加が図られる、このような考え方でございます。

増田政府参考人 お答えいたします。

 我が国には、歴史上価値の高い建造物を中心に、その周辺において伝統的な家屋等が数多く残っており、歴史的な町並みがかなり残っているわけですが、そういった風情が最近急速に失われつつあります。

 これを保全する制度といたしましては古都保存法があるわけですが、これは古都、京都、奈良、鎌倉の自然環境に限られている。文化財保護法は文化財を守るということでありまして、古都のみならず全国のそういった歴史都市を対象として、広く歴史的な町並みを守るという法律が必要だということで、私どもでありますと社会資本整備審議会において、あるいは文化庁でありますと文化審議会においてこれまで議論がなされてきたところでありまして、それぞれ相次いで御答申、御報告をいただいたところでございます。

 それを踏まえまして、今回、本法案を作成し、お出しさせていただいたということでございます。

逢坂委員 政策の発生源というのはこれから非常に重要になるかなというふうには思っているわけですが、きょうは余り時間がないので突っ込んだ議論はできないんですけれども、一点だけ本保政府参考人にお聞きしたいんです。

 ちょっとこれは通告してなくて大変恐縮なんですが、観光立国推進基本計画にある種の根源が、観光圏の方の法律はあるというような話でございますけれども、その発言からいたしますと、例えば、観光推進基本計画には、温泉その他の文化、産業等に関する観光資源の保護、育成及び開発とか、あるいはすぐれた自然の風景地に関する観光資源の保護、育成、開発とか、ほかにも幾つかの項目が、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成のための施策項目の中にあるわけですね。

 そういう考えからしますと、今後もこういう形で法律というのは出てくるというふうに思っていいんでしょうか。そのあたりはいかがでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 さまざまな場面で御答弁申し上げていますように、観光立国の実現のためには、多様な手段、施策を総合的に講じていくことが必要と考えております。この中で何をどの順番で講じていくのか、これは優先順位をつけながらやっていかざるを得ないと思っておりますが、その中で法的整備をしなければ実現できないもの、これは法律にしていくということであろうかと思っております。

 したがいまして、今後も各省施策を進めていく上で必要があれば所要の法的な措置を講じたい、このように考えているところでございます。

逢坂委員 それでは、次の質問に移りたいと思うんです。

 今回案件になっている二法案においては、国が公表する基本方針あるいは基本的な方針というものがこの法案の中に定められているわけですが、この点に関してお伺いをしたいんです。両方の法案について聞いていますとちょっと話がややこしくなりますので、大変恐縮ではありますけれども、主に観光圏の法案についてお伺いをしたいんです。

 この方針、要するに、基本的な方針を定める前に関係行政機関の長と協議をするということになっていますけれども、協議前の、いわゆる方針案というんでしょうか、それの作成にどの程度の期間を要するというふうに考えているのか、あるいは関係行政組織の長との協議にはどの程度の時間をかけるつもりでいるのかということをまずお伺いしたい。

 次に、基本方針を定める場合に、国民の意見を聞くとか、そういう手順というのは法案を見る限りは見当たらないようなんですね。一方で、自治体などが作成できる整備計画の方には、いわゆる関係者の意見を聞くような規定があるようなんですけれども、あえて国の基本方針の方にそういう手順を置かなかった理由は一体どういうことなのかというふうに思っているんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 基本方針につきましては、法律の公布後、三月以内の施行日までの間にこれを出すということが決められておりますので、これがデッドラインということで、それまでに関係省庁との調整等を進めていくということでございます。具体的にどの時期ということは今の時点では申し上げられませんが、可及的速やかに方針を定めて周知をするということが重要と考えております。

 それから、国民の意見を聞くことについてお尋ねがございましたが、御案内のとおり行政手続法にパブリックコメントの実施が義務づけられておりますので、これに基づいてパブリックコメントを求めていくということを予定しておりますので、特にこの法律では規定の必要がなかったということでございます。

逢坂委員 今のお話からしますと、それでは、国民の意見というのは、行政手続法にあるからそこの中で聞くということなんでしょうか、聞かないということなんでしょうか。聞くということにとらえてよろしいんでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 説明不十分で申しわけございませんでした。聞くという意味でございます。

    〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕

逢坂委員 私は、実は、さまざまな法案、法律の中に国が基本方針とか基本指針を定めるというのが結構盛り込まれているわけですが、これは、自治体などが作成するいわゆる計画の基本となるものでありますので極めて大事だというふうに思うわけですね。このいわゆる基本方針に基づいてそれぞれの団体や自治体などがいろいろな計画をつくっていくわけでありますので、ここの策定作業というのは実は法律の根幹にかかわるところではないかというふうに思うわけですね。

 今回の法律を見ておりますと、眼鏡に例えますと、眼鏡のフレームのようなところはある種あるんだけれども、その眼鏡の度数だとか、近眼なのか老眼なのか、度数はどの程度にするのかというところは必ずしも書かれていないわけですね。

 ですから、法案の審議ということを考えてみたときに、私は、この度数の部分のある種の相場感みたいな、雰囲気みたいなものもにじませておくことが大事なのではないかなというふうに思っているわけですが、このあたりは大臣、いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 もうそのとおりでございまして、委員は、ニセコ町長として高名でございまして、大成功しておられます。私は、委員のこういうものに対する視点、非常に尊重させていただきたいと思います。もっと具体的に進めたいと思います。

逢坂委員 そこで、また政府参考人にお伺いしたいんですけれども、特に観光圏の法案についてお伺いしたいんですが、法案に規定されている自治体計画などの認定でございますけれども、これは本年どの程度の件数を見込んでいるのか、あるいはどの程度の件数を見込んで関係予算を計上しているのか、お伺いいたします。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 基本的に、これは自治体あるいは地元の発意で創意工夫を生かした計画をつくっていただくということでございますので、どれだけ認定申請が出てくるかということは現時点では正直予測がつかないところがございますが、予算の規模も勘案すれば十数件程度を見込むのが妥当かと考えているところでございます。

逢坂委員 そこで、改めてまた政府参考人にお伺いしたいんですけれども、今回の法案に盛り込まれている計画、自治体などがつくる計画でございますけれども、これは観光圏に関するところでございますけれども、実際に自治体などがその計画をつくるためにどの程度の期間を要するというふうに予測されているのか。

 あるいはまた、この法案の中の、簡単に観光圏法案というふうに言わせていただきますけれども、第七条の二項第三号に、事業を実施するための資金の額及びその調達方法という規定が、これは計画に盛り込むというふうにされているんですが、これに対してはどの程度の熟度を考えられているのか、このあたりについてお伺いをいたします。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 観光圏整備実施計画の策定に要する期間でございますが、関係者の準備期間は、目標設定あるいは事業内容の検討状況でありますとか地元での関係者との調整状況、こういうものによって随分変わってまいりますので、一概に申し上げることはできないかと思っております。

 それから、二つ目のお尋ねの、事業を実施するための資金の額及びその調達方法に関する規定でございますが、これは、観光圏の整備計画では、計画提出時における想定額及びその想定される調達方法を概算の形で記載をしていただければよろしいのではないかと考えている次第でございます。

逢坂委員 今の資金の概算額、調達方法ですけれども、それでは、それは相手方との調整が済むとか済まないとか、そういったところまでは求めていないということでよろしいんでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 およその見積もりということでございますので、具体的な調整は実施の段階で、例えば、補助金申請をいたすときにはかなり詰めたものを検討していただくということになろうかと思います。

逢坂委員 実は私、今回の法案を見まして、この法案に限らないんですけれども、これまでの国の法律の中では、国が基本方針、基本計画などを公表する、そして自治体などが基本計画だとか実施計画を策定する、そして国がそれを認定する、そして認定をした場合に計画に盛り込まれた事業等に対する優遇措置や支援を行うというような、こういうスキームというのは非常に国の法律の中には多いわけですね。

 ところが、私が現場にいたときの感覚からいたしますと、どうもこのスキームというものがうまくいっていないのではないかというふうに思うんですね。

 一つは、先ほど来たくさん出ておりますけれども、法の体系として、基本法をある種の中核に据えて、その中に個別法がある、そして、それを総合的、一体的に推進をするというふうにおっしゃっていますけれども、現場の目線で見てみますと、個別法ができるたびに、同じ地域の観光振興であるにもかかわらず別の計画を常につくらざるを得ない。これはどう考えてみても何か不都合な感じがするわけですね。古くはリゾート法であり、今回は、歴史的なものもそうであり、観光圏もそうであり。

 現場にいる感覚からすれば、一つの計画でいいじゃないか。個別法によって一々計画をつくらせるよりも、総合的に地域の観光振興だとか地域振興を考える大きな計画を持って、その中で国が必要な支援というのであれば抜き出すというような発想を持つ必要があるのではないかというふうに私は思うんですけれども、大臣、このあたりはいかがでしょうか。

冬柴国務大臣 類似する計画を複数作成させる、そういう事態はできるだけ回避しなきゃならないと私も思います。したがいまして、負担軽減を図るべきであるとの御意見、これは拝聴に値する、私はそう思っておりますので、法制度や運用面で負担軽減の努力をさせていただきたい、このように思います。

 ただいま審議いただいております観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律案におきましては、一定の要件を満たせば、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律に基づく活性化計画の作成をしなくても、同法に基づく交付金の交付が受けられるようにいたしております。

 それからまた、外国人観光旅客の来訪地域の整備等の促進による国際観光の振興に関する法律に基づく地域観光振興計画につきましては、同法を今般の法案の附則で改正いたしまして、新法の計画に統合するということにいたしております。

 今後も、地域観光という切り口で共通化できるものは、総合的かつ一体的な観光地の整備のため、制度の共通化を図ることによって、もう御指摘のような二重三重の手間を地方におかけすることのないように努めてまいりたい、このように思っております。

逢坂委員 今大臣から非常に前向きな答弁があったわけでございますけれども、私は、この観光圏の整備計画、この法案に盛り込まれたものも、先ほど本保さんの方からは地域で発意することであり一概にその策定の期間というのは言えないということでございましたけれども、確かにそれはそれで事実だというふうには思うのですが、これはやはり真剣に考えたら結構大変なことなんですね。

 まず、地域の基本的な方針を決める、観光圏の区域を設定する、そして滞在促進地区の区域も決める、それから目標を決める、それから実施主体に関する事項も決める、計画期間を決めるなど、さまざまなことがあるわけでございまして、さらにその上で実施計画をつくる。しかも、今回のは必ずしも一自治体だけでやるものではなくて、場合によっては複数自治体にまたがる、観光圏でございますから。従来の単独自治体が行う計画策定よりもさらにこれは労力を要するというのはもう間違いのないことだというふうに思うわけですね。

 そしてまた、自治法に規定する基本構想、これとの整合性もとれということでございます。基本的には、自治法に規定する基本構想は、それぞれの自治体が連絡調整をとってつくっているものではございません。それぞれの自治体が自治体なりの考えでつくっているものですから、それとの整合性をとってくださいというような法の規定、規定だけを見ると軽く書いてあるようには思いますけれども、本当にそのことをしっかり守ろうと思ったら、実はこれは並大抵のことではないわけですね。

 私は、今回の法律のよしあしというよりも、もっとやはり日本の観光に対する大きな方針みたいなものを、それは観光立国基本法の中でできているのかもしれませんが、地域に対しても、個別法によってさまざまな計画をまずおつくりくださいというのではなくて、総合的な計画を地域が持つような政策誘導をしていくということが私は大事なのではないかと。そうして、そのことによって、歴史分野の得意な地域は歴史分野に重きを置いた計画になればいいし、そうじゃないところはそうではないなりのものをつくっていくということをする必要があるのではないかと思うのですね。その意味で、単に負担軽減をするということではなくて、本当に質の高い観光地をつくっていくためには、個別法によってその時々その時々で計画を自治体がつくってやっていく方式というのはもう限界に来ているというふうに思うわけですね。

 これは、地域、自治体の側にもまずい点があるというふうに私は思うのですが、どうしても、支援策あるいは資金的援助というものがその計画の背後にあるとすれば、それ欲しいが余りに、計画をとりあえずつくっちゃえばいいんだというようなことで、十分に地域の実態、実情を考えないで、とにかくあの施設をつくりたい、そうしてこの計画をつくればあの補助金がつく、だから急いでつくっちゃおうみたいなことになりはしないのかというふうに思うわけですね。だから、今後、この法律のよしあしは本当はもっと根本的に議論しなきゃいけないんですが、今のようなスキームのあり方というのは、私は抜本的に見直さなければいけないというふうに思っているわけです。

 それともう一つですが、ことし、この法案によりまして十数件程度、予算上見込まれるかなという話でございました。もちろん、それも地域の発意によるわけですから、十数件が二十件になるか五件になるか、それもわからないというのが現実だと思うのですが、基本方針をつくって、それに基づいて計画をつくるということは、もう時間的には、必ずしもこれは十分あるわけではないわけですね。どちらかといえば、事前に、昨年度のうちから、ある種、こんな法律をつくりたいというような動きがあって、基本方針なるようなものを自治体に示しておいて調整、準備をしておかなければ、実際に今年度中に自治体が実施計画まで持っていくなどというのは不都合だ、不可能だというふうにも、私は現場の感覚からすれば思うわけですね。

 だから、もし、今のスキームの中ではどうしても事前調整みたいなものが必要なんだということであるならば、事前調整の段階から実は公にして、それが法案の中身ということになっていくのが筋なのではないか。そういうきめの細かいプロセスを踏んでいかなければ、ある種、先にこういった情報とかを得たところだけが先行して有利になる、そうではないのかもしれませんけれども、私はそんな思いもするわけですね。

 このあたりについて、大臣、いかがでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 地域で十分な準備ができて、適切な計画をつくり、成果が上がるものをつくっていくべきであって、補助金目的であったり、とりあえず計画をつくってその場をしのぐということであってはならないという御指摘は、全くそのとおりだと思っております。ある意味で、そのために法律という形で長期にわたって対応ができる仕組みをつくった、私どもはこのように考えているところでございます。

 実施に当たりましても、成果が出ることが何よりも大事、このように考えておりまして、私どもは、この観光圏整備法に基づく事業につきましては、事業の結果について評価を行いまして、これを公表していくということを考えております。そのことによりまして、支援をした国も、それから支援を受けた地元もともに問われる、検証されるというふうになると考えている次第でございます。

 そこに至ります計画作成等につきましては、地域において十分な議論とコンセンサスづくりの時間をかけることが重要だと思っておりまして、そういう準備ができたところから順次申請をいただければありがたいし、そうあるべきだと考えている次第でございます。

 ちなみに、この観光圏整備法の構想というものが表に出、またそれに対する説明を各地で求められるところがございまして、これまでもそれに対しておこたえをしているところでございますが、その状況を見る限りにおいては相当準備ができていて、先ほどの鈴木議員のお言葉を使わせていただけば、内なる観光の準備ができているところもございますので、具体的に申請になってくるものもあるのではないかと期待しているところでございます。

逢坂委員 私の趣旨は多少は伝わったかというふうには思うのですが、私は、今までの例を見ておりますと、自治体が計画をつくるよりも後に基本方針が出ている、これは別に国土交通省の例ばかりではないんですけれども、そういうものもあるわけですね。だから、本来押さえるべき基本的な原点、原理原則の部分がないがしろにされて、とにかく自治体の側は計画をつくる、あるいは担当する省庁の側は、早く計画を出せ、そうして、支援策も用意しているんだから予算を、消化するなどという言い方はちょっと失礼かもしれませんけれども、予算だってせっかくあるんだから早く活用してくださいよというようなことがこれまでは随分あったのではないかというふうに思うわけですね。

 しかし、それは、ある種、さいの河原で石を積んで崩しているようなものでありまして、本格的な、まさに質の高い日本の観光地をつくっていこう、日本全体を質の高い国にしていこうということであるならば、個別法による基本方針、計画、認定、支援というやり方はもっと本質的に見直されなければいけない、そうしなければ本当の意味でのよい国になっていかないというふうに私は考えています。

 大臣、この点を含めて、最後に御発言いただければと思います。

冬柴国務大臣 まさに、今までの行政の進め方、立法の流れ等、現場で長く御苦労を重ねられて、そして成果も上げられた委員だからこそそのような視点があるんだろうと思います。大いにそのような御意見を拝しながら、本当に、負担をかけずに、日本全体として基本法が目指す国づくりが進むようにしていかなければならないと思いますので、いろいろある法律はそれなりに目的あるいはそれに基づく補助、そのような根拠は持っておるとは思いますけれども、しかし、結論は、それの全体を通じて国がよくなる、あるいは地方がよくなるということがねらいでございますから、そのような観点で運用に努めていきたい、こういうふうに思います。

逢坂委員 きょうは、どちらかというと問題点の指摘だけにとどまったわけでありますけれども、いずれかの機会に、さすればどうすればいいのかということなどについてもまたお話をさせていただきたいと思います。きょうは以上で終わります。

 ありがとうございます。

竹本委員長 次に、石川知裕君。

石川委員 民主党の石川知裕でございます。

 本日は、まず、観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法案について、また、それによって、観光庁ができることによって、地域の活性化やまた雇用の活性化につながるのかどうかということについても、時間があればお尋ねをさせていただきたいと思います。

 今、逢坂先生の質問の中にも、観光立国推進基本法についてのお話がございました。今回、外国人観光客の増加、また国内観光旅行の宿泊回数の増加を目指すということで法案の提出がされていると思います。しかし、大臣、実際なかなか、所得の低下、またそれぞれ家計の財布のひもも厳しいということがあって、実際は日帰り旅行が増加をして、国民が国内旅行を行う上では宿泊回数が減少しているという現状があるということで、今回、観光庁の設置をして推進を図っていこうということだと思います。

 きょう、この観光立国推進基本法、資料の七ページに私も抜粋をして改めて拝読をさせていただきました。観光行政を進める上で、いろいろなインフラ整備、それら他省庁との連携や、また国土交通省内の連携も図りながらやっていかなければいけないと思いますけれども、今回、観光庁を設置するに当たって、これで観光行政に対して強力な調整機能が図られていくかどうか、これは谷政務官にお答えをいただきたいと思います。

谷大臣政務官 観光庁の設置ということは、我が国全体として、官民力を合わせて観光立国の実現に向けた体制づくりの一環でございまして、立法府の、国会の強い要請を踏まえたものであります。御承知のとおりでございます。

 それで、今回観光庁を設置することによりまして、観光庁の長官は、国家行政組織法第三条に基づく国の行政機関の長として、観光立国の推進のために必要がある場合に、関係省庁の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求め、並びに当該関係行政機関の政策に関し意見を述べることができる権能を新たに付与されるということでございますので、観光行政に関し、ほかの行政の局もしくは部などに比べてはるかに強力な調整機能を発揮することができるというふうに考えております。

 また、外国とのいろいろな観光の交渉に当たる場合、独立した行政機関となるわけで、観光庁長官は行政機関の長となるわけでございますので、ほかの国は、委員御承知のとおり、韓国であれば文化観光と名のついた我が国で言う省があり、タイでは観光スポーツという省がある。あるいはシンガポールでは観光庁がある。そういうところとの交渉も大変効果的に、かつ円滑に行われるということも期待しているところであります。

石川委員 観光行政について、ちょうど資料の中で六ページ、「観光関連の学部・学科等のある大学一覧」というのをちょっと資料を取り寄せてみたんですけれども、この二つ目に札幌国際大学というところがあって、和野内さんという学園長さんがいらっしゃって、審議官は御存じだと思いますけれども、なかなか辛口な方でして、私も「北海道の宿題」という本を何回も、国会議員になる前に随分読ませていただきました。

 その中で和野内さんが提唱しているのは二つですね。一つは観光行政、そして観光教育、この二つを強く言っておられました。特に観光行政については、ちょうど高橋はるみさんが北海道知事になった後でありまして、大分辛口の、観光室だとか観光部ではなくて、観光局をつくって担当の副知事を置くぐらいでないと北海道の観光行政はなかなか盛り上がらない、こういう指摘をされておられました。

 また、観光教育についても非常に、今、これだけたくさんの学部、定員三千九百名となっておりますけれども、きのう文科省の方に相談をして、フランスの観光に関連する学部または専門学校等の数を調べたら、私、フランス語ができないものですから、ちょっと数は数えられなかったんですけれども、相当日本と違いが出ておりました。特に、今の観光学というのは異分野から来ている人がまだまだ多くて、成熟をしていないというのが現状だと思います。

 そうした中、まず、この観光行政について、観光庁設置によって、今、谷政務官からお話がありましたように、必要がある場合には説明を求めて意見を述べることができる、こういう権限が付与されるという御説明がございました。

 和野内さんの話に戻れば、特に、道路をつくる、橋をつくる、いろいろな建物をつくるというときに、もちろん経済効果だとか、または道路の話でよく医療のお話も出ました。私もドクターヘリだとかいろいろなことを質問させていただきましたけれども。

 そうした中、今、岩手県の中で世界遺産の登録にようやくこぎつけそうだと。これはもう御案内のとおり、平泉町の中尊寺金色堂というので、七月の世界遺産登録を目指して、今官民一体となって地元で頑張っているのは、これはもう大臣も御案内のとおりでございます。世界遺産、文化遺産が日本でたしか十か十一、自然遺産が三。それで、調べましたら、近年は新たな登録を抑えているために、二〇〇四年には八二%の登録率が二〇〇七年には六二%まで低下をしているということでありました。当然これは、今後は登録がより難しくなることが予想されております。

 そうした中、この世界遺産の登録に向けてみんなで頑張っていこうという中で、平泉地域を通る国道、平泉バイパスの工事が中断しておりまして、理由を私は国土交通省に問い合わせをいたしました。

 これは資料の四ページに載せております。昨年の九月七日及び十七日の二度にわたる豪雨により、工事遅延を余儀なくされ、平成二十年一月に平成十九年度内の供用を断念したものでありますとの回答がありました。これは国土交通省からの資料によると、これは前の前のページ、めくっていただくと、十九年四月の段階で工事の進捗率が九〇%ということであります。これは、例えば九月までの五カ月間で残りの一割は完成できなかったんでしょうか。道路局長、お願いいたします。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員のお示しの資料、もう少し中身を申し上げますと、この平泉バイパスでございますが、十九年度に改良工事、それからJR東北本線の跨線橋工事、こういうものを進めるということで、年度末ぎりぎりの工程でございました。

 昨年の九月七日それから十七日、この二度にわたる豪雨によりまして工事現場が冠水をいたしました。そのために、建設中の道路本体の盛り土の一部が崩れるということで、排水工事でありますとか盛り土のり面の補修工事、これに一・五カ月を要しております。その分工程が遅延したということで、その段階でぎりぎりの工程でございましたので、本当に地元の皆様にとって、待ち望んでおられた皆様にとってまことに申しわけないという気持ちでございますが、平成二十年の一月時点で十九年度内の供用を断念したという事実関係でございます。

石川委員 今、のり面の工事に一・五カ月を要して、平成二十年の一月に十九年度内の供用を断念したということでございました。

 もう一度お尋ねをしたいのでありますけれども、これは十九年の九月に、大雨の段階で一・五カ月をのり面の工事に要したとありましたけれども、そのときにはもう十九年度末は厳しいという判断だったんでしょうか。でも、私が地元の方に聞き取りをすると、再度計画を練り直して、もう恐らくこの年度末の工事には間に合うだろう、五月に藤原まつりといって、岩手では、平泉で随分大きい祭りがあるから、それには間に合わせようとみんなで頑張っていたということを聞いております。

 またその前に、きのう国土交通省の方々から、いわゆる一般の方々に見学をしてもらうというのは、別に完成前でなくてもやっているよということで御説明を受けましたけれども、去年十二月には一般の方々に見学もしてもらっているわけですね。その一般の方々に見学してもらっている時点ではもう難しいという判断だったんでしょうか。もう一度御答弁をお願いいたします。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 九月に被害を受けまして、盛り土のり面の整形、それから土工、この二つをもう一回やり直すので一カ月半かかってございます。したがいまして、十月末の段階でやっと九月のその段階まで、来たものを戻すということになっています。

 それから、変更後、いろいろ検討いたしまして、何とかならないかという組み直しをしたのも事実でございますが、最終的に、一月末の時点で、三月末に予定をしておった工事をもう三カ月工程が必要というふうに判断したということでございます。一月の時点で工程を組み直した、そういうことでございます。

石川委員 これは、岩手県北の小鳥谷バイパス、私もちょっと資料の読み込みが足りなかったんですけれども、もともとの前期の工程の、二車線供用の全体四・三のうち、二・六の部分がことしの三月十五日に開通をしたということで、この二ページの資料だと、進捗率四五%というのは全体の中での四五%ということだと御説明を受けたので、私も納得をいたしました。

 しかしながら、この小鳥谷バイパスの例えば二・六の部分と平泉の残りの部分と、それぞれ去年の四月の段階から同じようなスピードで工事を進めていったと思うんです。

 今後、先ほど質問させていただいたときに、これから観光庁ができる、それぞれ観光行政を進めていくという中で、七月には世界遺産登録になるということでありますけれども、あと、局長、この平泉バイパス、残工事の代金というのはどれぐらいあるんでしょうか、総事業費は二百六十億ということで聞いておりますけれども。

宮田政府参考人 追加の費用、一億円でございます。新たに契約を結んで、新年度からやらないといかぬという事業費一億円でございます。

石川委員 それでは、今後、この工事がこれからどうなるのかというのは、これは暫定税率の問題が関係してくるんでしょうか、それとも、工事が難しくて、あと七月までにはなかなか厳しいという判断になってくるんでしょうか、もう一度お願いいたします。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 結論から申し上げますと、新年度の財源、予算ということでございまして、先般、当面の工事実施計画を発表させていただきました。

 そこの中に、維持管理費用を五十日分、それから繰り越しとかそういうものでどうしても債務を履行しなければならない、そういう金を積み込んでおりますが、新規に契約するもの、これは財源の見通しが不明なものでございまして、全国でもそういうものが多うございます。それは一律今回組み込んでおりませんので、最初に御答弁申し上げましたように、結論的には財源ということでございます。

石川委員 観光庁の設置をされる、これから観光行政を推進していくということなので、総合的な判断で、それは各種、国土交通省内の連携でこれから政策を行っていくものだと思いますので、どうか観光庁設置に伴って横の連携を密にしていただいて、これから政策を進めていただきたいと思います。

 次に、今回、観光庁の設置を行って、観光圏の整備による観光客の来訪、滞在を促進するために法案を提出されたわけですけれども、この中で、第五条において協議会を設置すると書いてあります。しかしながら、実際に携わっている方々からお聞きすると、官主導の名ばかりの協議会を立ち上げて、なかなか実体が伴っていない、実効が上がらないのではないかということが言われております。

 例えば、関係官庁だけの団体でありますけれども、北海道にも北海道訪日教育旅行誘致協議会というのがあります。調べましたら、年に一回しか会議を開いていない、こういう状況で、本当に道内に観光客を海外から呼んでこられるのかという疑問を呈しておられる方もいらっしゃいました。

 先ほど、和野内さんのお話をさせていただいたときに、一つは、観光行政をきちんと整備するということ、そしてもう一つは、観光教育をさらに充実させていくということ、この二つをお話しさせていただきました。

 その中で、今回この協議会の中で構成員について、推進を図るにふさわしい者、実施すると見込まれる者及び関係住民とありますが、具体的にどのような人物を想定しているのかお答えをいただきたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 協議会の構成メンバーにつきましては、例示をさせていただいておりますが、本質的に一番大事なところは、本気でやる気があって取り組まれている方々ということになりますので、その範囲については特に限定をしておりません。熱意のない人が入ってきて、委員御指摘あったように、形式的な協議をするのであれば、事業の成果を伴わないことになりますので、そういうものは避けていきたい、このように考えております。

石川委員 今、地域の中で、いろいろな協議会みたいなものを立ち上げて、行政が立ち上げている部分もあるでしょうし、それぞれ商工との連携でやられている部分もあると思います。

 やはり、一番足りないのがコーディネーター、地域をまとめる方々が足りない。私、先ほど観光関係の大学の一覧表を示させていただいたのは、どうも専門家と称する方が来て、なかなか的外れな指摘をして帰っていくということが多々見受けられる。実際の観光に関する現場を知らないまま、観光学というのは日本では最近出てきた分野ですから、それに異分野から移って、そしてなかなか知識が深くならないまま、また現場を知らないまま指導して、わけのわからないことを言って帰っていく、こういうことも見受けられる。現場の例えば旅館を営んでいる方、実際に観光を営んでいる方からは、そういう声が聞かれます。

 協議会のコーディネーター、こういう方々に、今回、今お話をさせていただいた構成員について、きちんと推進を図るにふさわしい者、資格をつくるかどうかというのはまた別にいたしまして、ぜひ考えていただきたいと思います。

 では、時間がないので、最後に質問させていただきたいんですけれども、航空自由化によって、北海道の観光地域が千歳空港への一極集中により大変打撃を受けている部分が多々ございます。

 そうした中、きょうは、資料の最後の方に、北海道の観光地域の変化というのをちょっと示させていただいたんですけれども、航空行政というのは、確かに民間ですから、それぞれ便を減らしたりふやしたりするというのは自由でありますけれども、これによって大変、私の方でいえば十勝の十勝川温泉だとか、また阿寒湖、また川湯とかそういうところが随分厳しくなっている、こういう状態について政府としては何か打開策を考えているのかどうか、最後に御答弁いただきたいと思います。

谷大臣政務官 国内の航空路線は、委員御指摘のとおり、航空会社が決めるということでございますので、国としては、国土交通省といたしましては、地方路線の航空サービスの維持、充実ということは大変重要だ、そういう認識のもとにできる限りの手当てをしているところでございます。

 地方路線に係る国管理空港の着陸料の引き下げとか、あるいは関係自治体、経済界の関係者から成る空港利用促進協議会を設置して利用促進に努める、そういう各種の支援措置を講じているところでございますが、今後とも、そういう地方路線の活性化に向けてさらなる検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

 ただ、あわせて、これは国だけではなくて、魅力ある観光地域づくりということのためには、何よりも地域みずからが考え、工夫しながら取り組むことが大切だと思っておりますし、現に北海道で申しますと、旭山動物園などの、ああいうすばらしい成功例といいますか、取り組みもあるわけでございます。

 今後とも、国土交通省といたしましては、北海道と十分連携を深めながら、北海道観光の振興に精いっぱい努めてまいりたいと思っているところであります。

石川委員 飛行機というのは公共交通にも準ずるものに例えられると思いますので、一路線のふえる減るで観光に対して大変影響があるので、どうかぜひ、観光庁設置に伴って、横の連携をもってしっかりやっていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

竹本委員長 次に、盛山正仁君。

盛山委員 地域における歴史的風致の維持向上に関する法律について、まずお尋ねをしたいと思います。

 四年前、増田局長と御一緒に景観法を制定したときのことが思い出されるわけでございますけれども、あのときには、従前の都市計画法だけでは、用途規制はできても、町並みを乱すような建物ですとか色彩、こういったものについてうまくないねといったようなことが背景になって景観法を制定したというふうに覚えております。

 そして、その後、景観法に基づいた景観の協議会などができまして、町並みあるいは景観の維持が図られるようになった、一歩、二歩進んできたというのはまことに喜ばしいことだと思っております。

 しかしながら、規制をするということだけでは、良好な町並みを維持していくというのはなかなか難しい、現実的には困難であるということではないかと思います。やはりそれなりの建物ですとか風景を残していくためには、それなりにお金がかかってまいります。そうしますと、日本の町並みのよさというのを、そこにお住まいの方の個人の好意というんでしょうか、個人の負担だけで、すばらしい町並み、景観を残していくというのは実際問題なかなか難しい。であるからこそ、例えば文化財保護法その他への指定というようなことがあっても、いや、勘弁してくださいといったようなことにつながっているのではないのかなと思うわけでございます。

 ヨーロッパへ行きますと、例えばその地域その地域で、ああ、ここ来たなという特徴があると思うんですね。ストラスブルクにはストラスブルクの、ローテンブルクにはローテンブルクの、アッシジにはアッシジのよさというのがあって、ああ、ここへ戻ってきてよかった、そう思わせるものがあるわけですが、残念ながら、日本の地方都市というのは若干そういう特徴を今失いつつあるのではないかと思います。

 東京を中心とする大都市圏へいろいろなものが今集中しております。また、格差がいろいろ言われておりますけれども、地域においての経済の活力が失われつつあるということ、あるいは高齢化が進んでいるということ、そういうことで、余計に地方で、ある程度お金をかけて建物を維持、補修していく、あるいは商業ビルについても、特徴のあるビルを建てるというのがなかなか難しくなってきているんではないかなと感じられるわけです。

 どこへ行きましても、大手のプレハブメーカーなどによる家屋ですとか、どちらかというと特徴のない商業ビルがふえてきておりまして、ここは一体どこに来ているんだったかなと、地方色が少しずつ薄らいできた、あるいはどこの地方都市へ行っても同じような風景が見られる、そんなふうになってきているのは残念に思われるところでございます。

 もともと我が国では、お城ですとか神社ですとかお寺ですとか、そういうところを中心にして伝統的な日本家屋による町並み、こういったものがあり、歴史的な町並みですとかそういうものが形成されておったと思うわけでございますけれども、このようなすばらしい景観というんでしょうか、町並みというんでしょうか、そういう資産、これを後世に引き継いでいくためにはどうしたらいいのか、これが今回この法律を提出する背景ではないかと私は理解する次第でございます。

 るる述べてまいりましたけれども、文化財ではないけれども重要な歴史的なというんでしょうか、その地域にとっての重要な建造物、こういったものを維持保全していくにはどうしたらいいのか、そのためには、また地域の住民の方とそして行政が一体となって協力していく必要があると思うんですが、この法案によってどのようにその連携が図られ、すばらしいまちづくりが維持されるように進んでいくのか、それについてまずお伺いしたいと思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、これからのまちづくり、魅力と個性あふれるまちづくりというためには、その地域に残された歴史的な遺産、資産というものを活用したまちづくりというのが大変大事だと思っております。残された文化財、単独ではなかなか行かないということで、それを取り巻く町家等の歴史的な建造物を一体として保全しようということでありますので、そういった意味では、その地域の皆さん、地域の住民の方々、あるいはNPOの方々が、そういった行為に積極的に関与していただくことが大事でございまして、そういったことで、この法律案につきましても、そういった計画づくり、あるいは事業の実施面で地域の皆さんが果たすべき役割を法案に盛り込ませていただいております。

 一つは、これは歴史的風致維持向上計画を市町村がつくるということになるわけでございますけれども、その計画の作成に当たりましては、当然、所有者の方々あるいはまちづくりのNPOの方々の御意見を聞く、あるいはそういったNPOの方々を、そういった事業推進のための、法律上は歴史的風致維持向上支援法人という規定を設けておりまして、そういった法人に指定いたしまして、地域の方々のノウハウを生かしていただく。

 あるいはまた、どうしてもそういう歴史的な地区というのは、用途地域でいいますと住居系しか認められていないところがあるわけでございまして、持続的に、そういった町家を維持するためには、町家を保存、活用するということでは、そういった地域にふさわしい、例えば飲食店でありますとか、あるいはお土産店をつくるというような、用途緩和の地区計画という制度を設けました。

 こういった地区計画をつくる際にも、地域の関係者の方々の意見を十分に聞く、都市計画へ反映するということでございますので、先生御指摘のように、この法律案を生かすも殺すも、やはり地域の皆様の御協力が不可欠だというふうに認識しております。

盛山委員 局長、ありがとうございました。

 局長がおっしゃったようなことは、例えば岐阜の高山なんかもそういうのに当たるのかなと思うんですけれども、町家をうまく活用してというんですかね、お店ができたりしております。高山は、住みよい町は訪れてよい町、こういうキャッチフレーズで、そこの住民の方にとって住まいやすい町ということでおつくりになっているんでしょうけれども、それが逆に、訪問する外からのお客さんにとっても、また行きたくなるな、そういうような町だと思うんですね。

 高山の場合には、古い景観を維持するということだけではなくて、バリアフリー、そういったことにも大変力を入れております。そういう点では、高齢者、障害者の方が観光するのにも大変便利なというんでしょうか、そういうところに本当によく配慮の行き届いた高山市の取り組みだなと思うわけでございます。

 さて、今局長のお話にもありましたけれども、古い町家ですとかそういう歴史的な、文化的なというんでしょうか、古い風習のあるようなそういう町並みを残していくということは大変重要であるわけですが、あわせまして、ただ古ければいいということでは決してなくて、やはり今の現代のニーズに合うというんでしょうか、便利で快適なものでなければ、それはお金だけかけてもうまくいかないということになるんじゃないかと思うんですね。

 そして、高山の話もしましたけれども、日本の場合、高齢化はどんどん進展しております。バリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を進める必要があると思います。国交省の方では、もともとこれまで自律移動支援システムということで、道路その他にICチップを埋め込む形で実証実験を進めておられるわけですが、私は、こういうIT化というのは、一部の高齢者や障害者の人たちだけのためではないと思うんです。そういう方にとっても便利でございますが、それはその町の人、住民全体にとっても便利ですし、またあるいは、そこの町を訪れる訪問者、外国人も含めて訪問者にとっても大変便利なものだと思うんですね。ですから、今進めておられるようなICチップでのIT化によるサービスにこれから一層力を入れて取り組んでいっていただけるといいんじゃないかなと私は思うんです。

 例えば、初めて行くところであっても、駅前におり立った場合、町のどこに市役所があるのか、病院があるのか、美術館があるのか、あるいはどこへ行けばバスに乗れるのか、タクシーに乗れるのか、ここへ行けば何々方面行きの電車が来るのか、そういったこと、さらには、おいしいレストランですとかホテルですとか、お土産を買えるような店ですとかそういうものが、例えば携帯その他、わかりやすいような形で情報を得られるようになればすばらしい観光案内になっていきます。その町の人にとって暮らしやすい、便利だということだけではなくて、観光対策にも資するというふうになっていきます。

 また、現在はIT化が進んでおりますので、そういうサービスをうまく組み込むことができれば、それは例えば英語、中国語、韓国語といったような形で外国語へのサービスの転換も容易にできると思いますし、インバウンドの外客誘致にもつながってくるんじゃないかと思います。

 ぜひ、政務官に、国交省としてのIT化といったことを通しての取り組みについてお伺いしたいと思います。

谷大臣政務官 委員御指摘のとおり、観光地づくりの観点から、IT技術を活用した情報提供というのは大変大事な、また有力な手段となり得ると思っておりますし、また、そうしなければならないというふうに考えているところであります。

 数年前から、委員御承知のとおり、外国人を受け入れるための観光地づくり事業である観光ルネサンス事業の一環として、例えば神戸の有馬温泉において、QRコードを活用した携帯端末における多言語の観光情報、これは英語、中国語、韓国語でございますが、それは今御指摘のありました地図であるとか交通であるとかお店であるとか、そういう観光情報の提供を支援するなど、携帯端末を利用した情報提供も支援をしているところであります。

 今審議中の法案でも、地域固有の観光資源を生かしたメニューの充実であるとか宿泊の魅力向上、人材育成、そして御指摘の情報提供の充実など、創意工夫ある総合的な取り組みが地域の幅広い関係者によって広域的に実施されることを期待しているところでございまして、こうした中でIT技術を活用した情報提供の充実も応援できれば、また御要請にこたえるよう積極的に対応してまいりたいと思っております。

盛山委員 ありがとうございました。

 今の御答弁にもありましたように、一部の狭いエリアではなく広域で、そしていろいろな情報が入るようなそういうサービスにぜひ積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。

 次に、観光についてお伺いしたいと思います。

 この観光圏の整備の法律でございますが、ポイントは滞在型の観光を進めるというところが大きいのかなと思っているわけでございますが、現状は、残念ながら、なかなか連泊をするというような形での滞在型のサービスに、特に日本の和風の旅館の場合、なっていないんじゃないかなと思うわけでございます。

 例えば、一般的には一泊二食幾らという形になっていまして、食事がセットでついているわけでございますけれども、量だけは絶対文句を言わせませんといったような形でたくさん出てきたり、あるいは、山の中へ行ってもお刺身が出てきて、これはどこへ来たのかなと思うような、日本全国どこでも同じような料理だったりします。

 それから、例えば一泊二食で二万円だったと仮にいたしますと、うちの場合は子供が四人いるものですから、家族六人で一泊十二万となります。二泊すると二十四万、こういうことになるわけで、金額的にもなかなかばかにならない金額でございまして、まあ年に一回や二回、一泊あるいは二泊することはできても、なかなか一週間ですとかあるいはもう少し長期の滞在型の観光をするというには、今の日本の旅館のサービス体系はそうなっていないんじゃないかなと考える次第でございます。

 滞在型の観光を促進するということであれば、泊食分離のサービスですとか連泊による割引、あるいは、同じ旅館に泊まった場合、食事の変化を出すですとか、どのように観光行政として取り組んでいかれるのかをお伺いしたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、現在の旅館のサービスは、いわゆる一泊二食、要するに一泊を前提としたようなサービスが多いというのが実態かと思います。そうした中で、ゆっくり滞在を楽しんでいただけるような状況をつくっていくためには、旅館等でも旅館サイドでの改革、対応が必要だと思っております。

 そうした中で、御指摘のように、連泊による割引とか泊食分離による料理の多様化、あるいは選択の多様化、こういったことは大変重要なことだと思っております。現実にそういう動きも出てきているところでございますので、これをさらに推進していくという観点から、平成十八年度からサービス改革に関する実証実験を実施いたしまして、支援をしているところでございます。十九年度の例を申し上げますと、四つの地域、作並温泉、舘山寺温泉、有馬温泉、それから平戸市におきまして、連泊をテーマにした泊食分離に関する実証実験を行っております。

 今後、この実証実験で得られましたノウハウあるいは課題等につきまして広く周知することによりまして、泊食分離などの取り組みを推進してまいりたいと思っております。

盛山委員 ありがとうございました。ぜひ推進していっていただきたいと思います。

 次に、その地域のよさ、訪れた場所の魅力をどのようにすればよくわかっていただけるのか、こういうことについてちょっとお尋ねをしたいと思います。

 国交省の方では、例えば観光カリスマということで、湯布院の場合ですと中谷さんですとか溝口さんですとか、こういうような方をお選びになって、そして、そういう方のノウハウをできるだけいろいろな地域に広げよう、こういうことに取り組んでおられるのは承知しております。

 もちろん、鉄道や道路、空港というハードの整備は必要なんでございますけれども、これからの観光にとりましては、いわゆるソフトの部分、そこの地域にどういう魅力があるんだ、簡単に言うと、そこの地域の売りは何であるのか、こういったものをうまく見出して、見つけて、そしてそれを商品化するというんでしょうか、提供していく、こういうことが必要じゃないかと思うんですね。

 その地域の文化ですとか歴史、習慣、生活、あるいは食事についてもそうですよね。地産地消じゃないですけれども、その周りのところでこういういい食材があって、それをこういうふうに出しているんだ、そういうところについてもうまく説明をしていく、このソフトの部分が大変大事だと思うんですけれども、しかしながら、逆に、そういう人材を育成することもなかなか困難なのは事実でございます。

 こういった点、そこの地域の魅力を今まで以上に引き上げていく、あるいはその魅力をうまくお客様に伝えていく、そういうことが大変大事であると思います。こういったソフト、人材の育成についてどのように取り組んでいるのかを伺いたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、地域の観光の魅力をしっかりお伝えするためには、地域の説明が十分できるガイドさんなどの人材育成が大変重要だと思っております。

 こうした観点を踏まえまして、観光立国推進基本計画では、通訳案内士の登録人数を平成二十三年までにおおむね五割ふやしまして一万五千人にする、それからボランティアガイドの数につきましても、平成二十三年までにおおむね五割ふやしまして四万七千人にする、こういう目標を立てているところでございます。

 これを実現するためにさまざまな取り組みをしておりますが、幾つか申し上げたいと思います。

 一つは、地域限定通訳案内士制度を導入いたしまして、地域に密着した案内ができる仕組みというものを導入しております。

 それから二つ目に、通訳案内士試験の海外での実施ということで、海外の方が対応できるような仕組み、こういうものも入れてきているところでございます。

 そのほかに、社団法人日本観光協会によるボランティアガイド活動に関する手引あるいは運営活動に関するマニュアルを作成しこれを普及するとともに、皆さんのやる気を出していただくためにボランティアガイド全国大会の開催をする。こういうさまざまな取り組みをすることによりまして、人材育成に努めているところでございます。

盛山委員 ありがとうございました。

 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。そういう形での育成、大変結構かと思いますが、やはりもっと大事なのは、ガイドさんそれぞれの人の意欲というんでしょうか、どうしたら自分の、ここの地域をもっとよく訪問客に理解してもらえるのか、そういう気持ちが一番大事だろうと思いますので、その辺も含めて、ソフトの部分、なかなか難しいとは思いますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、ニューツーリズムについてちょっとお尋ねをしたいと思います。

 昨年でございますけれども、我々、エコツーリズム推進法という法律を議員立法でつくることができました。また、農林水産省の方ではもともとグリーンツーリズムということで、これまでも都市と農村との共生、対流といったような観点を含めて取り組んでこられたところでございます。

 典型的な観光地、名所旧跡を見て、そして温泉に泊まって宴会料理を食べてゆっくりして帰るというのが、これまでの典型的な一泊二食型の観光だったと思うんですけれども、連泊をして滞在型にするということになると、そこの地域に長く泊まってもらって、例えば一週間とか泊まってもらうということにするためには、名所旧跡がそれだけあればよろしいんですけれども、やはりそれだけではなくて、これまで観光の対象ではなかったようなところ、あるいは観光の対象としてうまくサービスの提供ができていなかったところ、そういったところについても、これはこういうことなんですよという説明をし、自然の体験をしてもらう。

 例えば、都会のお子さんは今や田んぼや畑に入るということもないわけですから、そういうところに入ってもらう。あるいは、ここのこういう山をこういうふうに維持するというのはこんなに難しいんですよ、あるいはこんなに手間がかかっているんだけれどもこうやっているんですと。あるいは、鳥ですとか動物ですとか、そういうところを見ていただく。あるいは、その地域での農作業、そして、稲わらを使っての細工ですとか竹細工ですとか、そういう地域での文化というんでしょうか慣習というんでしょうか、そういうのも見ていただく。こういうことが大事じゃないかなと。また、見るだけではなく、実際に自分たちもそこに入って体験をする。そういう体験もそうですし、そば打ち道場なんかも最近ふえていまして、体験ができるようになっているところが多いわけでございます。

 エコツーリズム推進法は、国交省、農水省、環境省、文科省、いろいろございます。これまでもいろいろな形でニューツーリズムということで取り組んでこられたところでございますが、各省ばらばらにいろいろなことをやっているということではうまくないわけでございます。せっかくこういう法律もできましたし、今回のこの観光圏整備法ということで滞在型の観光を進めようということになるわけですから、各省のよさをうまくまとめて、地域にとっても潤うように、また、そこの地域をよく理解していただくということでの交流が深まり、リピーターがふえていくように、そういった観点から、政府として、ばらばらではない一体的な取り組みをぜひ今後深めて、強めていっていただきたいなと思うわけでございますが、政務官にそのあたりの取り組みについて伺いたいと思います。

谷大臣政務官 委員御指摘のとおり、旅行者のニーズというのは大変多様化していると思います。そういう中で、地域独自の魅力を生かした体験型・交流型観光などの新たな旅行を促進することは、観光立国の推進にとって重要な課題だと認識しているところであります。

 盛山委員などが中心になりまして昨年成立いたしましたエコツーリズム推進法も、この四月に施行されているところでございまして、そういう全体としての流れを十分踏まえまして、国土交通省といたしましても、昨年度からニューツーリズム創出・流通促進事業という事業を新たに開始し、平成二十年度も引き続き継続することとしております。

 こういう、それぞれグリーンツーリズムあるいはエコツーリズムなどのいわゆるニューツーリズムをばらばらではなくて一体的にしなければならないという御指摘は、まさにそのとおりでございまして、今審議をお願いしておりますこの観光圏の法案自身、国土交通省と農林水産省の共同で出しているところでございまして、今まで以上に農林水産省、環境省など関係省庁の連携を強化し、秋に発足予定の観光庁がリーダーシップを発揮しながらしっかりと取り組んでいけるように連携を強化してまいりたいと思っております。

盛山委員 観光庁の設置とあわせて、各省横並びの取り組みをぜひ強化していっていただきたいと思います。

 それでは、このエコツーリズムの関係で、文部科学省にちょっとお尋ねをしたいと思います。

 私が子供のころは、私は大阪の市内でございましたが、そういうところでも、トンボやバッタを捕まえたりできるような原っぱですとか、ちょっとした川や池がありました。残念ながら、最近は余りそういう環境ではなくなってきております。自然に親しむということが大変困難です。

 そういったことも背景にありまして、エコツーリズム推進法をつくったわけでございますが、ぜひ学校のカリキュラムの一環に組み込んでいっていただきたいなと思うわけでございます。例えば林間学校ですとか臨海学校、そういったことで、地域との交流を深めることにもなりますし、お子さん方にとっても、自然の恵み、自然の大切さというのを理解できるようになります。また、この滞在型の観光ということにもつながっていくかと思いますので、文部科学省としてもぜひ積極的に活用していっていただきたいなと思うわけでございますが、そのあたり、いかがでございましょうか。

布村政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、子供たちが豊かな自然の中で体験活動を行うことは、感性、社会性を初めとして豊かな人間性をはぐくむ上で極めて有意義なものでございますし、また、その活動自体が環境教育の機会となるものととらえておりますし、このことはエコツーリズムの趣旨にも沿うものと認識しております。

 先般告示いたしました教育内容の基準でございます小学校と中学校の学習指導要領におきましても、環境教育に関する内容の充実を図りますとともに、自然体験など豊かな体験を積極的に取り入れることとしたところでございます。

 これまでも豊かな体験活動推進事業におきまして、エコツーリズムの視点なども取り入れたモデルとなる事業活動を他校にも推奨するという活動を進めてきましたけれども、本年度から、農林水産省、総務省とも連携して、小学校における農山漁村での長期宿泊体験を推進する子ども農山漁村交流プロジェクトを開始するところでございます。

 文部科学省としては、今後とも、子供たちの環境保全に関する意識を高める、また豊かな人間性を培うため、農山漁村での宿泊体験活動を初めとして、学校におきます自然体験活動の推進に努めてまいりたいと考えております。

盛山委員 ありがとうございました。ぜひ子供の教育の観点からも力を入れて取り組んでいっていただきたいと思います。

 それでは、最後にもう一問、政務官にお尋ねをしたいと思います。

 滞在型の観光を進めるというときの最大のポイントは、休暇、お休みではないかなと私は思います。あらかじめ、いつ、例えば一週間単位のお休みをとる、そして子供との関係もあるでしょうから、学校のお休みとも連動していくわけでございますが、そういうふうにまとまった休みをとっていくということがこれからの滞在型の観光を進める一番大きなポイントではないかなと思うんです。

 大分以前に私がおりましたフランスで、フランス人は夏のバカンスのために働くんじゃないかというふうに言われるぐらい、バカンスに向けてせっせとお金をためて楽しみにして行っているわけでございますが、よくよく聞いてみますと、昔はフランスも過重労働でそんな形ではなかった。それが、バカンス法というのを制定することによって、フランスは今のようなバカンスを楽しむような、そんな感じに変わっていったんだというふうに聞きました。

 例えば、日本でもバカンス法を制定するといったような形で、一週間単位のまとまった休暇をこれまで以上にとりやすくするですとか、そういうことも含めて、今後、観光圏整備法を通しまして、国交省がどのように滞在型の宿泊を推進していくかについてお尋ねしたいと思います。

谷大臣政務官 バカンス法については国交省としてなかなか難しいところでございますが、国内の旅行需要を喚起するための休暇のあり方につきましては、関係省庁と検討を進めてきているところでありまして、厚生労働省、経済産業省、文部科学省などと協力して、今後とも、より効果的な成果が出るように引き続き精いっぱい頑張ってまいりたいと思っております。

 御指摘のとおり、確かに、バカンスをたくさんとれば、それだけ需要が喚起されて観光立国に資することは御指摘のとおりでございますので、いろいろ多方面で我々も精いっぱいでき得る限りの努力は続けてまいりたいと思っております。

盛山委員 ありがとうございました。

 ぜひ積極的に取り組んでいただくことを期待して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

竹本委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

竹本委員長 速記を起こしてください。

 次に、古賀一成君。

古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。

 大臣にお戻りをいただきましたので、質疑を開始させていただきたいと思います。

 本日は、観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律案、そして地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律案、二本まとめてこの委員会にかかっております。主に最初の観光圏の整備に関する法律案を中心に、大臣ほか局長、審議官に質問を申し上げたいと思います。

 まず、観光立国基本法が通りまして、先般、国土交通省の組織法改正がこの委員会を通りまして観光庁が十月一日にも設立、それで今回この二法案が審議されておる。こういう状況で、本来であれば、ついに観光元年の始まり、いよいよ観光の時代が幕あけするような感じにもとられていいはずですけれども、どうもこの法律を読んでいくうちに、本当にそういうことになるんだろうか、そういう勢いというか夢というか、そういうものが膨らんでこないような危惧を私は持っております。

 それはやはり、この法律の立て方、観光立国の仕掛けのあり方に問題があるんじゃないかというのを私強く感じまして、きょうはそれを指摘して、できるならばそういうものをこれからの運営に、そして、場合によっては、この法律も変えるべきところがあるならばひとつ修正をしていただきたいという気持ちを込めながら、私は御質問をしたいと思います。

 まず、総合観光政策審議官に質問したいと思います。

 今回の観光圏の整備云々の法律については、相変わらず、国が基本方針を定める、次いで基本方針に基づいて自治体が観光圏整備計画というものをつくるという、これまでどおりの計画手法になっているんですね。霞が関におれば、この分野、あの法律、全部これで来たということでありましょうけれども、私は、観光の基本というものは何ぞやというものももう一回しっかりと思い起こしていただきたい、こう思うんですね。

 つまり、観光の基本は、まさに原点は観光資源だと思うんです。観光資源というものは何かと言えば、伝統であり、その地域の文化であり歴史、行事であり祭り事であり、そして自然であり環境、こういうものだと思うんですね。それは地域によって全然違うものなんです。違うからこそ、みんな寄ってくるんですね。それがまた季節によっても違うんです。

 だから、観光政策の根本というものは、地域によって季節によってそれぞれが違うという多様性にあるわけです。ところが、この法律の立て方は、国が基本方針を定める、それができるのを待っていなさい、できましたらそれに従って整備計画をつくりなさい、こういう上意下達の流れになっている。観光ということに関しては、この方式で成り立つのかな、むしろ足かせになるのではないか、あるいは、むしろ可能性をこれで封じることになるんじゃないかということを私は特に感ずるところでございます。したがって、これはむしろ、もっと地域に、自治体に、現場に主体性を持たせた計画論というものを立てるべき分野ではないかと強烈に私は感じております。

 これについて、なぜこれまでどおりの、国の基本方針をつくる、そして地方自治体がそれに基づいて観光圏整備計画をつくるという従来の手法をとったのか、そこに見直しを行ったのか、立法プロセスにおいての皆さんのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

    〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、地域固有の魅力が観光の原点であり、取り組みが多様であるべきであるということは、まさにそのとおりだと思っております。その意味で、地域の自主性を生かしていくこと、これも重要だと思っております。他方で、この法律では国が一定の支援を行うという仕組みになっております。そのためには、自治体が基本方針に基づきまして観光圏整備計画を作成するというのは、最低限の要件ということで整理をさせていただいているところでございます。

 一方で、この法案では、あくまでも地域における創意工夫を生かした主体的な取り組みを支援する、こういう観点から、現場でのさまざまな考え方が柔軟に反映できるように、この計画については国土交通大臣の認定を不要とするということにいたしまして、国の関与は最小限にするようにしているところでございます。

古賀(一)委員 今の答弁で姿勢はわかりましたけれども、くどいようですが再度言っておきたいのは、この委員会でもかつて申し上げましたけれども、これからの国土交通行政の柱は三Kだということをある国土交通省の最高幹部がおっしゃったのを私は聞いたことがあるんです。皆さんもおっしゃったかもしれない。それは何か。観光だ、景観だ、そして環境だ、これが三Kだ。

 環境、景観、観光、これこそがまさに地方のやるべき分野だと私は思うんですよ。観光に国が一々デザインを決めるとか、景観にどうだとか、こういうのはやはり地域の個性に基づいて地方が考え、それを横からサポートするというのが行政であって、その三Kを国土交通省がこれからのおらが行政の中心テーマだと思う発想は、絶対間違いだと私は思う。

 あくまで地方主体で、国が、我々がどう情報を提供し、それをサポートできるか、そういう思想で今後やってもらわないと、今までの観光行政と一緒、地域は待ちの姿勢、あるいは、提言しても国がうんと言わないからだめ、こういうふうに、逆に観光が伸びていくのを国の行政が抑えていくことになるんだと私は思うんですよ。

 私は、依然、これからも国土交通行政の基幹は国土形成であり、国際空港、国際港湾であり、国道幹線だと思うんですよ。本当に骨太の、でかいオールジャパンの設計が国土交通省であり、そういう小さい地域の三Kについて、私は関心を持つなとは言わない、しかし、主役はだれだということをしっかりと認識して今後の運用に当たっていただきたいとはっきりと申し上げておきたいと思います。

 それで、それに関連するんですけれども、二問目も引き続き審議官にお尋ねします。

 この法律、いわゆる観光圏整備計画をつくることになっていますね。「市町村又は都道府県は、」と、こうなっているんですね。これは、この前も私が申し上げました広域の観光圏整備計画、ブロックとかあるいは九州北部三県がまとまってつくる計画とか、いわゆる都道府県をまたがる計画というのは想定をされているんでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 法文上の整理でわかりにくい部分がおありかと思いますけれども、委員の御指摘のとおり、この観光圏整備計画は都道府県をまたがるものも作成ができることになっております。

 この点につきましては、各種の説明会などを通じまして、御理解いただけるように周知徹底に努めているところでございます。

古賀(一)委員 これは条文を読まれるとわかるんですが、「市町村又は都道府県は、基本方針に基づき、単独で又は共同して、当該市町村又は都道府県の区域内について、観光圏の整備による」云々、こうなっているんですね。これだと、通常は、新しく広域で計画をつくるというふうにはみんな発想しないと思うんですよ。

 ところが、この前も申し上げました、これからは国際観光ですよ、大きなターゲットは。だから、これで市町村が観光圏整備計画をつくっても、まず海外に発信するすべがない。都道府県がやったってそうです。それで、仮に発信しても、九州の福岡県にフランスとかアメリカ、オーストラリアから来ようという魅力にはまだ乏しい。そうなると、この前も言ったように、これからの観光は市町村、都道府県というものではなくて、むしろ九州ブロック、北海道東北ブロックというような、一つの広がりを持った、そしてメニューをたくさんコラボレーションした観光整備計画あるいは観光誘致のキャンペーンだと思うんですよ。

 そうしますと、この条文でいうと、今までのパターンを踏襲しているけれども、そういった一番重要なところが読めない、読みにくい。私は、ひとつ御検討いただきたいんですけれども、むしろ、こういう書き方と並んで、これを否定するものではない、しかし、いわゆる広域ブロック観光整備計画という概念を法文上にはっきり書いて、都道府県、市町村、自治体の皆さん、これからはこういう計画の立て方があるんだよとはっきり示して、そして、この前申し上げましたいろいろな海外広報ツールというものを、ノウハウにおいてあるいは財政において国が支援する、そういう仕組みをつくらないと、私は、お題目で言っておられるこの国際観光、倍増だあるいは観光立国だというのは実現していかないように思います。

 そういう面で、この条文の書き方について、今審議官が答えられたことをむしろ条文ではっきり明示するという必要性はないんでしょうか。私はそうしていただきたいと思いますけれども、これについてのお考えをお述べいただきたいと思います。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 市町村もそれから都道府県もその発意によりまして適切な相手方と組んで計画をつくれるようにするというのがこの趣旨でございますので、そのことができるような書きぶりということになりますと、今御提案させていただいているような書きぶり以外にはない、こういうふうに理解をしております。逆に、特定の組み合わせでなければいけない、こう書くことは難しいのではないかと思っている次第です。

古賀(一)委員 私は本当に、所管担当部長の全国会議とかであるんでしょうけれども、もともと都道府県というのは競争しているわけですよね。私も自治体の勤務の経験があります。知事会を担当する担当課長でもありました。なかなか一緒になってやろうということにはならない。しかし、この観光だけは、連携して一緒にやろうじゃないかと言える数少ないテーマなんですよ。

 だから、私は、それを明示して、一方で道州制という議論もある、広域行政へのうねりもある、国際観光を中心とした観光政策においてむしろはっきりと明示して、自治体に、これからは相手は国際社会だ、世界だ、自治体は競争し、ブロックで連携し、そしてこういう計画を立てろ、こういう時代が来たんだということを、まさに観光行政が発信せずしてほかの行政に期待することはできないと私ははっきりと申し上げたいと思います。

 時間がないので、この点はこういう指摘にとどめておきますけれども、私は、真摯に受けとめて、今後の運用に当たって、場合によってはこの法改正に当たっても御検討いただきたい、かように思います。

 それでは次に、この二法の条文を私は読みました。そこで感じたのは、この両法律体系は基本的には計画をつくっていく策定手続法のように思えるんですよね。そして、では具体的にどうするんだ、中身は何なのだ、メニューはどうするんだ、そういうのが見えてこない。特に見えないのは、国が行う政策メニューというものがここに見えない。計画をつくりなさい、そう書いてあるだけで。私は、これについては、これでは自治体も困ると思う、真剣にならないという危惧を持つ。

 私は、この際お聞きしたいんですけれども、この観光圏整備という計画を立てさせることを機に、国土交通省としてはどういうメニューというものを今後国としてお考えなのか。基本方針は一つあるでしょう。これだけしか見えない。では、あとは何をするんだ。そういうところを、今後のこの法律の運用及び観光立国の推進のエンジンとして国はどういうものを今想定しておられるのか、少しく例示をしていただきたいと思うんですが。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、法律上でございますが、法律上は、ホテル、旅館によります宿泊客に対しましての旅行商品の販売を可能とする旅行業法の規制緩和などを規定しているところでございます。また、観光圏整備計画に記載された事業につきまして、農林水産省が所管いたします農山漁村活性化の制度による支援も受けられることを規定しているところでございます。法律にあらわれているのはここまででございまして、それ以外に予算上等の措置も準備をしております。

 まず、予算でございますが、観光圏整備事業費補助によりまして、体験型プログラムなどの魅力ある観光商品の開発、ガイドの人材育成、情報提供の充実などのソフト事業を支援することとしております。また、財政投融資等でございますが、宿泊施設の設備投資に対しまして、中小企業金融公庫による低利での融資を実現するということを予定しております。

 こういう政策メニューについて、わかりやすい形で、御理解いただけるように周知徹底を図ってまいりたいと思っております。

古賀(一)委員 次に国土交通大臣にお聞きしたいんですけれども、一連の観光立国政策を見ていったときに、やはり供給サイドの役所を中心としていますね。供給サイドでこういう施策を講じるとか、こういう計画をつくりますというのをずっと積み上げられてきたと思うんですよ。でも、よくよく考えますと、問題は、観光の供給サイドよりもむしろ需要サイド、お客さんサイドの方に本当に大きい問題があるのが今の現状ではなかろうか。

 つまり、人口が減っていきます。高齢化します。成長は低成長であります。年金は減額になります。負担は増加しております。何か選挙演説みたいになってきましたけれども。収入が減ってくる。それからもう一つは、会社とか組織とか村とか農協とか、やはり帰属意識が日本社会はどんどんどんどん薄くなっています。だから、団体旅行が激減をしている。社会構造が変わっている。こういう中に、実は今の観光業あるいは旅行業というものが伸び悩んでいる、本当に大きい潮の流れがあるんですね。

 これに何らかの手だてを講じないと、幾ら観光計画をつくって観光のメニューをしても、観光立国といいながら観光客減少の流れはとめられないんじゃないか、こう私は危惧をするわけですけれども、一連の観光立国政策の中で、いわゆる需要サイドの問題点というものをどこまで真剣にお考えなのか、そして、それに対する施策というものは検討されておるのか、ぜひお聞かせいただきたいと私は思うんです。大臣にお願いします。

冬柴国務大臣 昔の農協さんが旗を持って三十人、五十人の人が一つのバスで温泉地めぐりをされたりという風景が消えました。そういうことから、旅館の方でも、大広間というものは使い勝手が悪くなるんですね。そういうところを夫婦とか個人の部屋に改造する、そういうものについて、資金の融通、融資をするという手だてをとったり。

 それから、私どもの兵庫県に有馬温泉がありますが、ここが泊食分離を進めたんですね、泊食分離。温泉へ来て泊まってください、食べるのは中国の人であれば神戸の南京街で夕食を食べて、そして温泉に入って、そして周囲の景色もいいですし泊まってください。泊食分離というのは、案外受け入れていただきました。したがいまして、こういうものを進めていきたい。

 それから、海外のお客さんについても、例えば中国の場合は今まで団体旅行しか認めなかったわけですね。団体の方には添乗員を向こうとこちらの両方で二人つけなきゃいけないというようなことがありまして、そういうものについても、私は、中国のお金持ちというのはすぐ好みが変わるよということで、これは警察庁とか外務省とかにいろいろお願いしたんですが、この間、御親族五人で来られるようになりました。そして、添乗員についても、これは費用がかかるわけですから、そんなにたくさんじゃなしにできるようにしようということで、そういう方面も進めております。

 もう一つ言いますと、台湾の方は、北海道へバス旅行で最初は来ていましたけれども、成熟してくると、自分で車を運転して、すばらしい広い北海道の好きなところへ行けるようにしたい。そのために、自動車の国際免許が欲しい。ところが、あそこは中国の一部でございますので、それができなかったんです。しかしながら、そのようなニーズを踏まえまして、警察庁等ともやりまして、去年だったと思いますが、以上のようなことを配慮しながら、国際免許、私どもも台湾では私どもの免許でもできる、これは相互承認でございますから。そういう道を開きました。

 したがいまして、そういう工夫を重ねながら、今委員がおっしゃられましたように大きな流れに即応するような制度とか、そういうものも国としても考えながら政策を進めなきゃならないという意識は十分持っておりますし、また御示唆いただければ我々は一生懸命取り組みたい、このように思っております。

    〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕

古賀(一)委員 外国向けの、対中国のビザの問題、こういうところがやはり本当に一番効くんだと思うんですね。やはりユーザーサイドが何を隘路と思っているか、そういうところは、建物に行政サイドから補助金を出すよ、そういう供給サイドの条件整備ばかりで、補助金やる、どうのこうのだけじゃないんです。やはり、最終的には国民なんですよ。国民がそこに対しても常に観光政策を一つの柱として目をやっていただきたい、私はかように思います。

 最大の需要サイドの政策は、やはり日本人の休みのとり方だと思うんですよ。

 私も国会議員で、たまには温泉に行きたいなと思う。しかし、予定が立たない。行けない。年末ぐらい行けるだろうと思っても、大体十二月の二十日過ぎに、ちょっと大丈夫だと。すると、もう全部満員です。満員でも、ついでに値段を聞く。そうすると高い。結局、みんなピークで行くものだから、めちゃ高い。それで、泊食分離じゃない。二日泊まったら、げっぷが出るほどの料理が出る。こういうパターンで観光がもつはずないわけです。

 連休システムもありましょうけれども、今後はやはり、有給休暇のとり方で、観光で人間がリフレッシュをする、そういう意義を説いて、会社あるいは組織に、骨を休めるということの意味を説いて、有給を本当に活用するというのは、価値観を広げていくことは観光政策の一番大きい柱だと実は思っております。

 最後に、もう時間がなくなりましたので、ぜひ申し上げたいことがあと一点ございます。

 一応土台はスタートしたこの観光政策、観光庁設立ということですけれども、今後これでどう花が咲いていくかというところは、やはり知恵だと私は思うんですね。残念ながら、お役所の皆さんは、ある面では一番旅行していない人種ですよ。海外旅行も少ない。海外旅行に行っても会議でトンボ返りということで、本当の意味で観光という楽しさをある面では一番知らない人種だと思うんですよ。我々国会議員もそれに近いかもしれない。こういう人たちが幾ら法律をつくったって大した運動にはならないと思うんですよ。

 それで、今後どうやって民間の知恵を吸収していくかというところに最大の問題があると私は思うんです。そこで、この関連審議会を調べましたところ、三つあるんですね。交通政策審議会観光分科会というのがあります。九人の委員、六人の臨時委員がおられる。そして、観光立国推進戦略会議というのがあって、これは十二人の委員がおられる。もう一つ、できたてのほやほやですけれども、この四月十日に観光に関する懇談会というのができた。これは、総括審議官の私的諮問会議のように聞いております。これのメンバー全員を見ました。大学教授が各委員におられる。経団連とか同友会とか、そういう組織代表も相当おられる。そして観光産業に携わる方も何人かはおられる。

 しかし、これを見ると、お役所の皆さんと一緒ですが、外国へ行っても観光地を見ることは決してなかろうなという方ばかりですよ。新幹線に乗って風景を眺めたり、温泉につかるような人はほとんどおられない。新幹線でも原稿を書いたり本を読んでいるような感じの人ばかり。こういうメンバーで本当に、先ほど言った需要サイドですよ、国民がこういう観光施策があったらいいな、ここはすてきだな、ここの地域のこの宿の配慮はすばらしかったとか、そんなものに全然気づく機会がない、行ってもそれに気がつく感性がない。そんな人をずらずら並べて、本当に楽しい、国民にわかる、ブームが起きるような観光政策になるんだろうかと私は心配をいたします。

 ここで、もう時間が来たのであれなんですけれども、皆さんに一つ、きつく提言をしたいんです。

 一人だけ、私は存じ上げないんですが、マリ・クリスティーヌ、女性の方でしょうね、異文化コミュニケーターという方がおられる。実は私も、かつて建設省の道路局のときに、これからの道路はいかにあるべきかと日本人に聞いても意味がないと、私は、ドイツ人と渡辺文雄さんという、日本じゅうを回ったこのお二人を審議会に入れたんです。そのとき局長から、おい、外国人は審議会の委員になれるのかと言われて、私は調べもせずに選んだものだから、若いころ慌てたことがありましたけれども、それは何の支障もなかった。

 私は、やはり国際観光といったら、日本人が、霞が関とか経団連、経団連を批判するわけじゃないけれども、旅というものを楽しむことを知らない偉い人が集まって議論しても意味がない。むしろ作家であるとかカメラマンであるとかエッセイストであるとか、まさにいろいろな旅をして、日本とは違うここの地域に心を打たれたとか、そういう感性を持った人を、少なくも、今後は観光庁もできるんだから、私的諮問機関においてはこういう人を入れるべきだと私は思う、冒険家とか、カメラマンとか。私はそういう発想がないのがおかしいと思う。

 だから、今後、三つも審議会がありますよ。ダブっている人もいる。しかし、これは恐らく、ほとんど旅の喜び、その地域の本当の輝く観光資源に気がつかない、気がつく感性を持っていない人たちと言ったらちょっとあれですけれども、でも恐らくそうだと思う。私は、今後、観光行政をもっと生き生きとしたものにしていくためには、ここの審議会はこういうタイプではない審議会に、これをつぶせとは言わない、本当の楽しい審議会の人選をしていくことだと思いますけれども、大臣いかがですか。

冬柴国務大臣 もうまさにそのとおりだと思います。

 日本人だけれども、コシノジュンコさんなんてもうフランス人みたい、フランスばかりにおりますでしょう、物すごく日本のことをやってくれる、観光の大使ということで、この間もお話しさせていただきましたけれども。

 そのほか、案外、今言われたことと同じことを一応やっているんですよ。外国人から見た観光まちづくり懇談会ということで、ずらっとここへ三、四十人。べっぴんさんもおるけれども、十二人の外国人に、この人たちは例えば日本文化研修者とかあるいはフリージャーナリストとか、非常にいろいろな職業ですが、外国人が、それこそ委員がおっしゃるように日本じゅう見て回っている、我々は全然知らないですけれども。

 それで、外国人から見た日本のいいところ、悪いところ、不便なところ、こういうことを率直に、日本の魅力や大切にすべき景観、伝統、文化、改善すべき点など意見をちょうだいした、こういうこともやっておりますので、もうそのとおりだと思いますよ。私はそう思います。

 それから、私も出ているのには、そういう余り観光に関係ないと思われる人以外の人にたくさん入っていただいています。直島の社長さんとか、いろいろいい人が入っていますよ。

 そういうことで、また外国人というのもひとつ入れさせてもらいます。

古賀(一)委員 終わります。

竹本委員長 次に、三日月大造君。

三日月委員 おはようございます。私も、この法律について質疑に参加をしたいと思います。

 古賀先生及び同僚議員の皆様方の質問に触発をされて、まずはちょっと大きなところから確認してみたいと思うんです。

 観光立国に異論はありません。観光圏の整備というのも必要なんでしょう。そして、歴史的風致を生かしたまちづくりというのもこれから進めていこうという精神にも賛同いたします。住んでよし、訪れてよしの観光政策をやることも大切だと思います。

 しかし、こういうことまで国で決めてやらなあかんのかなという根本的な疑問を持つんですけれども、観光圏の整備、歴史的風致を生かしたまちづくり、こういう法律をほんまにつくらなあかんのかなと。大臣、根本的にどう思いますか。

冬柴国務大臣 ほんまにつくらないかぬと私は思います。

 というのは、例えば、私、京都のお知り合いの方が来られまして、あそこはずっと京都の、ウナギの寝床みたいな、間口はあれだけれども奥行きの深い町家が、相続のためにどんどん壊されている。それだけじゃなしに、それを業者が買い取って、似つかわしくない建物ができる。これは京都に住む者として本当に何とかとめなければいけないけれども、なかなかこれは難しい。そういうことで、ぜひ何とかやってくれという話とか、それから、相続税。今、中小企業の事業承継税制という非常にすばらしい、私もずっとやってきたもので、本当にすばらしい法律ですけれども、これとよく似たものがありまして、そういう残したい町家というものが、相続が始まりますと、相続人がそこに住んでいなくて東京へ来ているとか、そういう人もありまして、売られてしまいますと、もう壊れてしまうんですね。私は、何とかこういうところを残したいな、金沢とか飛騨の高山とか、景観が残っていますよ。ああいうところでも同じ問題が起こったら困る。

 それとともに、従来は文化財だけを保存するんですけれども、周辺の景観というものが全然、大きな看板が後ろに立ってみたり、電柱、電線は除いていかないかぬと思います。別府の奥の湯布院だって、電柱が由布岳を、視界を妨げていますよ。そういうことは、そこだけではできないけれども、我々がこういう法律によって何とか保存していく必要があるんじゃないか。それを強く私は感じるものですから、若干委員と違いましたけれども、そういうところでこういうことをいたしました。

三日月委員 全否定しません。気持ちもわかるんですが、町家の大切さだとか電柱が景観にとって邪魔やなということは、地域の方も気づくと思うんです、そういう風景で町を興していこうと思えば。それで、いろいろな人が生活をしますし、利害が絡みますから、経済活動、民民の関係で、ああ、ここは壊れてほしくないのに壊れてしまったという経済活動が行われるということも、あり得るのかもしれません。

 しかし、それを規制しようとか、残すために税制を優遇しようという、そのルールの決め方。今の国の枠組みでいけば、こういう法律をつくって国でやっていかないといけないのかもしれませんが、長い目で見て、民が気づいて、もっと地域で個性豊かな町をつくるためには、例えば霞が関で決めることをまあせいぜい地方の整備局で支援することの限界を、私は個人的に強く感じているんです。

 ちなみに、お伺いしますけれども、私は三年前に観光立国推進基本法の立法作業に加わらせていただきました。そのときに、前文に、観光立国を実現することは、二十一世紀の経済社会の発展のために不可欠な重要課題だと位置づけて、そして二条の基本理念のところに四つの理念を入れました。これは随分与野党で議論をして、言葉、一言一句までこだわってつくりました。

 ちなみに、せっかく御出席いただいていますので、通告にはありませんけれども、副大臣、この第二条の基本理念についてどのように記されているか、お答えいただきたいと思います。

松島副大臣 私にも質問していただいてありがとうございます。

 観光立国につきましての地域における創意工夫というところ、地域の住民が誇りと愛着を持つということ、これはまさにそのとおりだと思っております。

 そして、地域の方が意外と、これは、地域というのは……(三日月委員「二条の基本理念」と呼ぶ)基本理念として、地域の住民が誇りを持つこと、まず誇りを持つことが、日本国内の観光客、そして外国の観光客を呼び込むためにもまず大事だ、確かに私もそのとおりだと思います。

 そして、同時に、地域ということを考えますと、私、自分の地元を考えましても、案外地元の人間が、これは特に都会でそうですけれども、地域のいいところをわかっていない、そして、歴史や伝統に生かされるものを意外とわかっていないことがある。これをやはり観光という観点で見詰め直すことは非常に重要なことだと私は思います。

三日月委員 済みません、突然で。また、私の質問も悪かったんだと思います。

 二条の基本理念について読み上げてお答えいただくだけで結構だったんです。熱心に観光のパンフレットをごらんいただきながら御出席いただいているんですが、少なくとも観光立国推進基本法について問いますと言ったときには、副大臣としてもそこに目を移していただくぐらいはあってしかるべきではないかと思いますし、大臣お一人で答えていただくのが忍びなくて、私、きょうはお伺いをしました。

 観光立国推進というのは、国を挙げてやるテーマです、国土交通省を挙げてやるテーマだと思いますので、ぜひ絡んできていただくように、積極的に関与していただくように私はお願いをしておきたいというふうに思います。

 それで、このときに、第二条基本理念で私たちがこだわったのは、地域の自主的な取り組みが大事だということ、そして、そのことに資する法律や予算を、わかりやすく、きめ細やかにつくっていくこと。繰り返しますけれども、地域の自主的な取り組みが大事だ、そこをまず出発点にしよう、法律も整理していこう、予算もそれに資するものにしていこうということにこだわったつもりです。

 ちなみに、いろいろなことが壊れる、残念ながら町並みも壊れていってしまうという大臣の冒頭のお話がありましたけれども、では、こういう法律をつくらなければいけなかった、何が足りなかったから壊れてしまうんですか、それは歴史的町並みも含めて、何が足りなかったから地域の自主的な観光圏の整備ができなかったんでしょうか、どうお考えですか。

増田政府参考人 お答えいたします。

 先生おっしゃるように、地域の歴史的、文化的資産を活用したまちづくり、これは全国の市町村で、今大変積極的に行われております。私ども、社会資本整備審議会の議論の過程でも、そういった先進的な市町村からいろいろとお話を伺いまして、地域でできること、それから地域だけではどうしてもできない、やはり国の支援が要る、あるいは国の法律的な仕組みをつくってほしいというのをたくさんいただきまして、そういった意味で、今回、法案を出させていただきました。

 現実に今何が起こっているかといいますと、文化財そのもの、重要文化財等は、文化財保護行政である程度しっかりと守られています。ただ、御案内のように、その周りがその文化財とは非常に不調和な建物が建ったり、あるいは私どもの責任ではありますけれども、まちづくり全体が、そういった文化財を守ろう、あるいは歴史的なまちづくりをしようということで統一された運営がされていない。ただ、それは関係者も多いものですから、皆さんが集まって、そういったまちづくりをするということの思想の共有がやはり必要だということで考えているわけです。

 個々になくなる原因はたくさんございます。相続の問題もあります。あるいは、高齢化によって跡継ぎがいない問題もあります。そういったことを踏まえて、今、国と地方が共同して何ができるかということを盛り込んだ法案だというふうに御理解をいただきたいと思います。

三日月委員 まちづくりの観点から、まず思想の共有が大事だと。相続の問題で跡継ぎがいない、個人的なことはさておいて、その地域の中でこの建物を残そうよ、この町並みを大事にしようよということがあれば、その足かせになるようなことは極力地域の中で決めて変えていける枠組みをつくっていきたいと私は思いますし、この法律に何となくある恩着せがましさというか、何かおこがましさというか、やはりもっとボトムアップの観光政策を実現していかなければならないという思いを持って、二点、ちょっと確認をさせていただきます。

 平成四年に成立をした法律で、地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律というのがあります。どんなことを応援しているんですか。実績はどれだけあるんですか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のありました、いわゆるお祭り法案というふうに名前をつけておりますが、地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律、この法律でございますけれども、具体的な支援策といたしましては、一つは、支援事業の実施機関といたしまして、財団法人の地域伝統芸能活用センター、これを指定いたしまして、伝統芸能を活用した行事の際の資金的な援助、あるいは当該行事が円滑に行われるようにということで必要な情報提供をする、こういうような支援をしております。

 また、国際観光振興機構が行う宣伝活動の中で、情報提供をしてお客さんに来ていただけるような措置を講ずる、こういうことをやっているところでございます。(三日月委員「実績は」と呼ぶ)実績、ちょっと資料をくくってないのですが。

 平成五年以降の例で申し上げますが、平成五年が、岩手県、山形県、それから熊本県の三県でございまして、その後、毎年、幾つかの県について助成事業を実施しております。

 一番最近の例を申し上げるのが適当かと思いますが、平成十七年度は、新潟県の牛の角突きの習俗に関する行事の支援をしております。十八年度も同じ事業を継続して支援しているところでございます。

三日月委員 いや、そうやって伝統芸能を支援しようという枠組み、法律があることは承知をしています。昔から、平成四年ぐらいから、八ないしは七県、いろいろなところが手を挙げて、この伝統芸能を残していこうということでやられていたんでしょう。

 ところが、平成十五年からは一県ずつしかやっていない。十七年、十八年に至っては、長島先生のところの新潟の牛の角突きしか応援の手が上がっていない。

 私は、何が問題かというと、この法律は、国が基本方針を定めて、基本計画をつくって、それを支援するという、言ってみれば、今回提案された法律と同じ仕組みなんですね。しかし、基本計画をつくる計画主体は都道府県になっているんです。

 私は、今回の観光圏の整備の法律でいいなと思っているのは、市町村もできるし、都道府県もできるし、そして連合して共同してやってもいい、こういう柔軟な枠組みがあることはいいと思うんです。でも、これまでつくってきた法律もあって、それは伝統芸能を応援する、関連する商工業を応援する、都道府県で計画をつくりなさいと。さっきの逢坂議員の話にもありましたけれども、このわかりにくさが地域のいろいろな前向きな取り組みの足を引っ張ることにつながる懸念があるのではないですかと。

 したがって、国交省も今回、観光立国推進基本法に基づく個別法の展開といって、いろいろな基本的施策に基づく四つの類型で法律の整理をされました。ここにも今のお祭り法は入っているんですね。どう活用されるのが一番いいのか。わかりやすく整理しませんか、この際。

 もちろん、我々立法府ですから、立法府でやってくださいと言われれば、それは我々の課題として受けとめますし、しかし、一緒になって、国土交通省関連の法律だけではなくて、さっきの余暇の話もありました、入管のいろいろな規制の問題もあります。ぜひこの機会に、関連する法律の整理、主体的に取り組むべき地域、自治体がより使いやすくなる制度の実現をぜひ一緒につくっていきたい、そのことを要請しておきたいと思います。

 最後に、文化財保護行政についてお伺いいたします。

 今回の歴史まちづくり法案の第二十四条第五項、これは、文部科学大臣に対して、指定文化財の現状変更の許可等について要請することができるとなっているんです。

 さっきも相続の問題で、これで随分お困りの方がたくさんいらっしゃると聞いているんですけれども、具体的にどのようなケースを想定していらっしゃるんですか。恐らく、こういうことがこれから市町村で考えていく上において一つの目安になると思うんですけれども、いかがでしょうか。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 先生から御指摘ございましたいわゆる歴史まちづくり法案第二十四条五項によりまして、認定市町村が要請できる、これは文部科学大臣に事務の範囲の移譲を要請できるという規定でございますけれども、これにつきましては、同条の第一項にございます政令によりまして、どういう形で認定市町村に事務を移譲するかということが定まるということが前提になるわけでございます。

 具体的に、例えば、私ども考えておりますのは、それぞれの市町村が歴史風致維持向上計画を実施する上で特に必要がございまして、いわゆる建造物であります重要文化財を、保存、活用にかかわる方針を明確に定めた上で、建造物である重要文化財と一体のものとして指定をされました土地につきまして、形質の変更ですとか掘削といった現状変更について、その許可権限をぜひ市町村の方におろしていただきたい、こういった要請というものが考えられるのではないかということを考えているところでございます。

三日月委員 課題も可能性も多いと思います。ともに頑張ることをお誓い申し上げて、きょうの質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

竹本委員長 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 前回の質疑では、観光庁の設置ということについて質問させていただきました。本日も、観光圏の整備によるということで、この観光に関して引き続き質問させていただきたいなというふうに考えております。

 先日もこの委員会の中でも質問させていただきましたけれども、観光というのは我が国の経済、雇用、地域の活性化に大きな影響を及ぼす産業であるということで期待をされているわけでございます。本法律案では、「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在を促進するための地域における創意工夫を生かした主体的な取組を総合的かつ一体的に推進し、もって観光立国の実現に資するとともに、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に寄与すること」、こういうふうに書いてあるわけでございます。

 この地域における創意工夫ということで整備をさせていくんだということを目的にされているんだろうと思いますけれども、この観光圏の整備について、国は、では実際、地方に対して具体的にどのような支援をするのか、そこをまず大臣にお伺いしたいというふうに思います。

冬柴国務大臣 まず、地域の取り組みを総合的に支援しようということでございまして、できるだけ、一つの温泉とか一つの旅館とか一つの民宿とかいうところじゃなしに、ゾーンとして連泊をしていただけるような、こういうことを支援していきたいなと。あるいは、農山漁村活性化法に基づく支援というものを受けていただく、それから、宿泊業への中小企業金融公庫による低利での融資、先ほどもちょっと申しましたけれども、もう大きな部屋、大広間というのは使い勝手が悪くなってしまっていますので、これを取り壊して個室にする、そういうものについて融資、支援制度を用意いたしております。

 また、観光圏内の滞在を促進するために、旅館等による宿泊客への旅行商品、私も、旅行商品といったら何か歯磨きセットみたいなことを考えていたんですけれども、そうじゃなしに、ずっとJRさんに乗ってどこへ行っていただいて、どこの旅館に泊まっていただくとか、そういうものをセットにして、よくフロントで聞くんですね、ここへ行きたいんだけれども、どうだとかこうだとか。そのときに、そこでそういうものを今までは旅行業法の許可を取っていないと売れなかったらしいんですね。らしいではおかしいんですけれども、売れなかったんですね。しかしながら、これを規制緩和措置を講じて、そういうところで売っていただくというようなことで、そういう支援を行うことにいたしております。

糸川委員 今大臣は、ゾーンとして連泊を期待するようなもので、特に、例えば宿泊業に関すれば、大広間を個室にさせてなんということで、そういうことから、今、国内の日本人観光客による旅行の宿泊日数というのを平成二十二年度までにもう一泊ふやして年間四泊にするんだということにつながるのかなというふうに思いますけれども、この目標を実際今のようなことだけで達成できるんでしょうか。きょうずっとほかの委員の質疑を聞いておりましても、やはり可処分所得が非常に減ってきているんじゃないかとか、日帰りがふえているんじゃないかとか、そういう中で、大広間を個室にするとか、何か新しい提案を期待するだけで国交省が今目標にしている年間四泊というのが達成できるんでしょうか。いかがなんでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、最近の宿泊日数の動向を見ますと、四泊という基本計画の目標は、達成はなかなか難しいものがある、こういうふうに認識をしております。そうであればあるほど、とり得る施策を総動員してこれに取りかかっていくということしかないと思っておりまして、今般提出させていただいております観光圏整備法は、二泊三日を実現していくという意味で大きな手がかりになるもの、こういうふうに考えている次第でございます。

 これ以外にも、先ほど来御議論がいろいろございましたように、休暇取得の促進あるいはしやすいような環境づくり、こういったものもあわせて取り組みをしていきたいと思っておりまして、ひとり国交省のみでできることではありませんので、関係省庁ともよく連携をいたしまして、取り組みをしたいと思っております。

糸川委員 目標を高く置くことはいいことだというふうに思うんですけれども、地方の皆さん方の努力を待って、なるべく国交省の目標に近くなればいいなというような期待値だけでは、やはり期待値と国交省さんが今掲げられているような目標というのはちょっと違うような気がするんですね。

 今、関係省庁と連携をとってというふうにおっしゃられましたけれども、これはこの委員会でやるべきことかわかりませんが、例えば、二〇一一年の七月からテレビのデジタル化というのが始まるわけでございますよ。そうすると、地方の宿泊施設を持っていらっしゃる方々は、当然テレビの買いかえというものを考えなきゃいけない。それをしなければ、テレビのサービスをお客様に提供することができなくなるということになるわけですね。

 そうすると、今地方の宿泊業を営んでいらっしゃる方々というのは、今の経営を維持するだけでも非常に厳しい中で、さらに、例えば大型のテレビなんかになりますと、十五万円以上というのが実勢価格として当然あるわけで、それ以外にもまた工事をしなきゃいけないとか、いろいろな問題が抱えてあるわけで、例えば百台かえるならば一千五百万程度の予算を組まなければいけない。それが中小企業の支援という形で低利で銀行が融資してくれるのかどうかといっても、今まで旅館を営んでいらっしゃった方は、別にアナログテレビだっていいよという思いがあると思うんですね。何で国の施策の中でデジタル化をされて、さらに自分たちは経営が厳しい中でこういう支出までしていかなきゃいけないのか。

 もちろんそれは、顧客サービスの一環としてそういうことを取り組んでいくことはいいことなんだろうけれども、そこは強制的に二〇一一年七月という日付が来ますので、ここに関して、いろいろな団体の方々から大臣なんかお話を聞いていると思いますけれども、これは総務省とどういう連携をとって、ここまでの間にこの宿泊施設に対するテレビという問題に関しても連携をとられるのか、ちょっと参考までにお聞かせいただけますでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げたいと思います。

 直接のお答えにならないかもしれませんが、お客様の多様なニーズにこたえていくことが大事ということを申し上げましたが、これは、例えば宿泊施設サイドでもサービスの多様化を図っていく、あるいはそれぞれの特性に応じた仕方を考えていく、そういう時代に入ってきているんだと思います。そうした目で見ますと、むしろテレビも電話もないような宿泊施設の方がいい、こういう選択肢もございますし、従来型の和風がいいという選択肢もございます。そういうものを多様にとらえてやっていくということで、いろいろな時代の流れの中で物を考えていくというのが一番大事じゃないかと思っております。

糸川委員 今のその答えですと、関係省庁と連携をとる必要は全くないわけで、多様化をと言って、それは、宿泊施設を経営されていらっしゃる方々がテレビを設置しないのも電話を設置しないのも自由で、それは例えばそういうものを売りにすればいいんじゃないかというふうに聞こえてくるんですよね。でも、競争社会の中でやはりいろいろな選択肢があって、テレビもあって電話もある、だけれども、それを使うか使わないかはお客様の自由であってという方が、どちらかというとサービスとしてはいいのではないかなと。

 今の私の質問というのは、買いかえようと思っても買いかえることができない。今国交省さんが言われている、観光旅行による一人当たりの宿泊数というのを年間四泊にするんだというふうに言われるので、当然それはサービスの向上を考えなきゃいけないわけですよ。今までアナログテレビがあったところを、それを買いかえなきゃいけませんよね。そういうものに対して、例えば総務省に、こういうデジタル化をすることに対してどういう御意見を国交省からされているのかという質問だったわけで、テレビがないことが、それを売りにしていただいたらというような答弁であっては、私は余りにも失礼じゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 一例として申し上げたわけでございまして、そうでなければならないという趣旨ではございません。

 デジタル化に関する対応について具体的に総務省と今やりとりをしているという実績はございませんが、基本的には、環境規制も含めて社会的規制等が変化した際にどのような形で観光産業などにおいて対応していくかということだと思いますので、個別の規制環境の変化等に応じて関係省庁と相談をして対応してまいりたいと思います。

糸川委員 ぜひそれは早く取り組んでいただきたいというふうに思っています。

 例えば私の……(発言する者あり)NHKの問題とかそういう問題じゃなくて、例えば私の地元の温泉旅館なんかでも、もうどんどんつぶれていっている現状があるわけですよ。

 新たな予算を組む。例えば大臣がおっしゃられたように大広間を個室にする、これも重要なことだと思いますし、そういうことをするには新たな予算を組まなきゃいけないわけですよ。そういう支援をしないと、観光圏とかいろいろな法律を整備しても、実態に合うか合わないかという問題を今提起させていただいているわけで、チャンネルが映るか映らないかとかそういう問題ではなくて、そういうものを一体的に整備する中で、やはり関係省庁と、せっかく観光庁というものをつくる。私もそれは賛成いたしました。ですから、そういう中で、実態に合う法律にしないと、ただの目標、ただの法律ということになってしまうのではないかなということで質問させていただいたわけです。

 もう余り私は持ち時間がないものですから、質問を続けさせていただきます。

 観光庁長官と国土交通大臣の権限の違いというのをお伺いしたいんです。

 例えば、認定観光圏整備事業者による提案というのは観光庁長官に行うこととされておるわけでございます。観光圏の整備実施計画の認定や認定観光圏整備事業者に対する報告徴収などは国土交通大臣が行うこととされているわけですけれども、この法律案における権限の違いというのはどのように考えられているのか、そしてまた、その線引きというのはどういうふうにされていらっしゃるのか、大臣、お答えいただけますでしょうか。

冬柴国務大臣 国家行政組織法第三条で、三条機関としての観光庁ということでございますので、長官は、観光庁内の人事、規則制定、それから他省庁への資料要求、それからまた意見具申というようなことまで、国土交通大臣の手を経ずに直接やることができるわけでありまして、相当な独立性があると思います。

 一方、基本方針の策定、あるいは、他の大臣、例えば今回も農林水産大臣との共管とかございますが、こういうものにつきましては国土交通大臣の所管となっております。

 そういうことで、この観光庁設置に伴い、観光関係法案については、原則、観光庁長官の権限となるということでございます。

糸川委員 大臣が、例えば認定観光圏整備事業者に対して認定観光圏整備事業の実施状況について今度は報告を求めるということになっていますけれども、これは、いつ、どのようなときに報告を徴収して、それをどのように活用されるのか、お答えいただけますでしょうか。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 観光庁は国土交通省の外局として設置されますので、国土交通大臣に対しまして、観光庁の長官は観光に関する事務全体を統括いたしまして、大臣に報告をし、また指導を受ける立場にございます。その中で、報告の必要性、あるいは、現状を踏まえまして大臣に適宜報告を申し上げる、例えば年に数回、今の観光地の形成状況はこういうことでございますということで報告を申し上げるという形になろうかと思っております。

糸川委員 わかりました。その報告が、やはり報告を聞くだけじゃなくて、大臣、その活用をしっかりとしていただければなというふうに思います。

 もう時間でございますので、最後に、地方の観光地の問題、先日もこの委員会でも質問させていただきましたけれども、案内標識、例えば中国語であったり韓国語であったりの案内標識の整備というのが不十分ではないのかなということを発言させていただきました。海外からの旅行者に対応できる体制を整えていく必要が、やはり国交省さんの今掲げている目標に近づく一歩ではないかなというふうに思うわけです。

 その一環として、例えば通訳の方々をしっかりと配置してガイドとして案内できるようにしたい。それから、旅行者がけがや病気になったときに、地方の病院で言葉の障害をなくすというようなことも必要になるでしょうし、例えば交番でお巡りさんに道を聞くときにどういう対応ができるのか、そういう整備をしっかりとしていく必要があると思うんですけれども、各省庁との連携をとられるというふうに先ほど言いましたけれども、これはだれがどのような方法で行うか、お聞かせいただけますでしょうか。

本保政府参考人 ただいま委員御指摘いただきましたように、観光地における案内情報の提供を適切に進めていくということは、外客誘致も含めまして大変重要なことでございます。

 そういう観点から、観光立国推進基本法の中にもその旨の規定が置かれておりまして、これを受けまして、観光案内所の整備でありますとかガイドの育成、こういった事業に国土交通省が中心になって当たっているところでございます。

糸川委員 もう質問ではございませんけれども、最後に、先ほど審議官もおっしゃられましたけれども、ガイドを五割ふやされるというふうな話をされましたよね。個人旅行と団体旅行というのが、今どちらがふえているかというと、個人旅行がふえているわけで、こういう方々というのは、余りそういうプランを考えずにいらっしゃって、そして自由に回られていく。そういう方たちが、ガイドをふやして、ニーズがそんなにあるのかなと。

 それから、例えば通訳をできますといっても、通訳というのは非常に今高価なものですよね。例えば一日頼んだら何万かかる。そうすると、通訳をふやすだけ、そしてガイドをふやすだけがいいのか。例えば、もう少し工夫をして、ここに電話をしたらそういうガイドが受けられるとか、通訳で本当に困ったときだけスポットでサービスを受けられるとか、そういうサービスも少しまた考えていただきたいなというふうに思います。

 以上です。終わります。

竹本委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 歴史的まちづくり法案にかかわって、重要文化財に指定されている民間の住宅、重文民家について質問します。

 今回の法案は、文化財保護行政とまちづくり行政とが連携をして、これまで点として守ってきた貴重な文化財を、点としてだけではなくて面として、文化財を核にしながら、周辺地域全体の歴史的風致を守っていくものだという説明がありました。

 私は、まず第一に、これらを考える上で、法案における重要文化財の持つ意義について明確にする必要があると考えています。なぜなら、重要文化財がなければ、すなわち、核がなければ歴史的風致を守ることも成り立たなくなる法案だからだと考えています。

 法案の趣旨を生かそうと思えば、中心、核となる重要文化財は守らなければなりません。国や地方自治体が所有する重要文化財については国と地方自治体が責任を持つのは当然です。私は、民間の住宅だった建物を重要文化財として保存、守ることの意義について大臣にお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 そのような重要文化財に指定されるものは、きのうやきょうできたものではなしに、随分長い年輪を重ねた、そしてそこには住む方々の生活があるわけでございます。そういうものは我々にとって、過去の歴史あるいは町の成り立ち、そしてまたそこに住む人々のかたぎと申しますか、そういうものを知る上においても非常に必要なものですし、反面、最近のようにビルが林立する中で、そういうものに接するということは非常に心和むわけです。

 したがって、そういうものを保存していくということは非常に大事な視点だと私は思っております。

穀田委員 保存は大事だと。それで、重要文化財の、そういう民家のみならず、法案に基づいて指定されることとなる歴史的風致形成建造物は、人が住むなり活用してこそ、登録されている民家として価値を維持、継承できるものです。

 今度の法案は、活用を進めることを前提にしています。居住するなどの活用がされなくなってしまっては廃屋になる。したがって、この努力を高く評価することが大事です。保存という意味と同時に、この努力を高く評価することが大事ですし、そのための支援が所有者に見えなければならないと私は考えています。

 そこで、歴史的風土部会の古都保存行政の理念の全国展開小委員会は、二〇〇六年六月の報告の中で、これに載っていますけれども、「歴史的・文化的資産が的確に保存・継承されるための防災の視点とともに、」防災、まあ防犯ということも事実上含まれているんだと思うんですけれども、「維持修繕を支える技術者や伝統的材料の不足にも留意する必要がある。」と指摘しています。

 今回の法案の中で、この指摘がどのように生かされ、対策が具体化されているのかお示しいただきたいと思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のように、歴史的風致を維持向上させ保全していくというためには、歴史的建造物の維持修繕を支える技術者の技術の継承、さらにはそういった技術の継承の場の確保というのが大変重要であるというふうに考えております。

 このため、国土交通省では従来から、例えば、木造軸組み工法の担い手の大工技能者の育成でありますとか、あるいは地域における伝統的な技術の継承と向上のための研修活動への取り組み、それからさまざまな制度における歴史的な町並みの保全のための事業支援というものを行ってきたところでございます。

 私どもが支援するとともに、地域独自のさまざまな取り組みも現在なされております。例えば御地元の京都市におきましては、NPO法人京町家再生研究会、京町家作事組というのが京町家棟梁塾というような活動をされて、そういった技術者でありますとか伝統的材料についてさまざまな活動をされています。あるいはまた、財団法人の京都市景観・まちづくりセンターによるさまざまな取り組みもあります。

 今回の法律につきましては、歴史的風致維持向上計画を市町村が定めるということになっておりますが、その計画の中で、こういう地域独自の取り組みというものをしっかり位置づけるということも可能となるような形で組ませていただいておりますし、先ほど申し上げましたような、さまざまな公益法人、NPO法人につきましては、法律上、歴史的風致維持向上支援法人という新しい制度をこの法律において定めております。

 さらには、そういったNPO法人、指定法人が、公共団体とかさまざまな関係者とともに協議会をつくる、そういった協議会の場でさまざまな活動をし、計画策定にも意見を述べることができるような形で法案に盛り込ませていただいたということでございます。

穀田委員 このところ、議員が立つたびに、住んでいるところの特色を一生懸命言って、そんなことわかっているし、私思うんだけれども、そこでの取り組みというのはもっといっぱいあるんですよ。それを、かめへんねんけど、あんまり知り顔で言ってもらうとあかんのと違うかなと、一言苦言を言っておきたいと思うんですね。

 そこで、では聞きますけれども、重要文化財に指定された民家への窃盗事件が相次いだと言われているけれども、被害の実態を簡単に述べていただきたいと思います。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 先生からお話がございました重要文化財建造物におきます侵入とか盗難に伴いまして、重要文化財に毀損があった場合につきましては、文化財保護法の第三十三条の規定によりまして毀損届というものが提出されることになっているわけでございます。

 今御指摘のございました重要文化財建造物に指定されております民家の窃盗事件というものにつきましては、毀損届が出されたものにつきましては、この十年間で二十八件でございますけれども、特に平成十四年度に、これは平成十四年の六月から翌年十五年の二月まででございますけれども、近畿地区三県におきまして十件の侵入、窃盗の被害があったというふうに承知いたしております。このうち三件につきましては、ただいま申し上げましたような毀損届が提出されている、こういった状況にございます。

穀田委員 近畿で十件もあったと。それで、近畿六府県で重要文化財建造物に指定されている民家は合計で七十軒ですから、七軒に一軒がやられている。それを奈良でいいますと、重文民家が二十二軒です。そのうちやられているのは七軒となりますから、三分の一が空き巣などの被害に遭っている。

 文化庁としては、防犯のためにどのような対応を行っているのか、明らかにされたい。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 重要文化財の防犯また防火につきましては、今御指摘のございましたような窃盗事件というものが発生した場合に、必要に応じまして私どもの方から都道府県教育委員会を通じまして通知を発しまして、文化財の所有者に対しまして文化財の防火、防犯の徹底について注意喚起を行っているところでございます。

 ただいまお話のございました平成十四年度の一連の盗難事件につきましては、被害の集中しました近畿地区につきまして、当時、建造物課の方から、近畿六県につきまして注意喚起を行ったところでございます。

 こうした通知といいますか、所有者の意識というものを高めるということをまず第一に私どもは努めておるところでございます。

穀田委員 所有者の喚起という、大臣、ちょっとここ聞いてほしいねんけど、持ち主に幾ら喚起したって、それはだめですわな。だって、文化財として広く多くの方々に活用してもらうためには、当然公開しなければならない。ところが、公開するということは、盗みの下見に来られてもわからないということに当然なるわけですね。そこなんですよ。

 そこで、今あったように、所有者に幾ら喚起したって、今度は、防犯のための扉などの入り口を改築しようとしても、文化財保護法の規定によって許可がおりない。そうすると、古い民家ゆえに、先祖代々伝わる古きよきものが存在する。そうすると、窃盗犯などのねらい目となる。

 ですから、私はこの間、京都の二条陣屋というところに行ってきまして、小川さんという方にお聞きしてきたんですけれども、奈良で重文民家ばかりねらった空き巣が発生した。京都府に対策を要望した翌月に、今度は自分のところがやられた。これは、注意を喚起しているといって、自分のところはあかん、大変だと思ってやっているんですよ。それだけれどもやられて、先祖代々伝わる大きな五月人形と和弓をやられちゃった。古美術の目ききのグループが逮捕されたけれども、残念ながら盗まれたものは戻ってきていないと語っておられました。

 私は、通知を幾ら出して注意を喚起して、もちろん通知は全部見ましたよ。そうしたら、地域との連携が大事だとかいうふうに書いていますよ。でも私は、重要文化財を守り、有効活用のためにも、防犯設備に対する設置、維持管理補助などを新設して、こういうものを通知を出すのではなくて、国としての責任を果たすべきではないかと思うが、どうでしょうか。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生から御指摘のございました重要文化財建造物の防火、防犯対策といたしましては、国庫補助事業によりまして、いわゆる放水銃、貯水槽等の消火設備、それからセンサー等の防犯設備などの防災施設につきましても補助を行っているところでございます。

 今年度の予算におきましては、防犯設備の設置など、防災施設設備に係る予算を、対前年度七千二百万円増の八億四千万円と、数年ぶりに増額をしたところでございます。また、そうした設備の維持管理につきましては、国庫補助事業で設置しました設備につきましては、指定文化財管理費ということで、県を通じて国庫補助をいたしているところでございます。

 しかしながら、先生から御指摘ございましたように、民家につきましての防犯設備というものにつきましては、これまでほとんど補助が行われていないという事例がございます。と申しますのは、今の補助対象になっておりますのは、いわゆるセンサーですとかそういった設備の補助でございまして、民家の場合には大がかりといいますか、やはりそういった警備の体制等を含めた、維持管理を含めた防犯体制が必要であるというようなことから、今の補助対象ではなかなか難しいということがございます。

 また一方で、先般、中央防災会議の方からいわゆる火災の問題が非常に出されておりまして、我が国の文化財の大半が木造であるということから、防火ということをどうしても重点に置くということから、なかなか防犯につきましては、全文連の方からの御要望も伺っているところでございますけれども、まだ十分でないことは十分認識いたしておりますけれども、今後さらに先生方の御支持を得まして努力を続けていきたいというふうに考えている次第でございます。

穀田委員 所有者は、改築できない不便さとそれから出火を恐れて代替家屋に住んでおられる例が多いんですよね。そういう例も多いんです。だから、その意味でも、やはり幾ら注意を喚起したって、みんな、守らなくちゃならぬということで、先祖代々のものなんやから、それはわかっているわけで、防火や防犯ということからしても、きちんとそういう援助にどうしても踏み出すべき時期に来ていると私は思います。

 次に、ひわだについて聞きます。

 雪はひわだぶき、いとめでたし。少し消えがたになりたるほど、いとをかし。これは清少納言の枕草子の一節なんですが、雪はひわだぶきの屋根に降ったのが大層すばらしい、少し消えそうになっているころがよいということで、ひわだぶきの美しい情緒をうたっているわけですね。日本古来から伝わる植物性の屋根で、神社やお寺に使われています。

 ちょっと持ってきまして、これは清水寺なんですけれども、清水寺の屋根がいわゆるひわだぶき。知らない方が多いので、ちょっときょうは持ってきました。

 そこで、私はこの間一貫してこの問題をずっと追及してきたんですけれども、ひわだの不足だとか原皮師の高齢化の問題を取り上げてきました。文化庁は用具、原材料の確保に関してどのような取り組みを行ってきたのか、これは時間がありませんので、簡潔にお願いしたいと思います。

高塩政府参考人 お答え申し上げます。

 文化財を支えます用具、原材料につきましては、先生の方から平成十二年に質問主意書もいただきまして、そうした結果で調査報告書をまとめたところでございます。

 そして、平成十三年度から、ふるさと文化財の森事業といたしまして、文化財の資材の確保、それから資材の採取等の研修という形での事業を展開しておるところでございます。

 資材の確保につきましては、このひわだぶきにつきましては、平成十九年度、昨年度までに岡山県を初めとして全国十カ所に資材供給林というものを設定いたしました。また、研修につきましても、平成十二年当時は毎年度四人程度の研修しか行っていなかったわけでございますけれども、平成十三年度以降人数をふやしまして、現在毎年三十人程度の方々に研修を行うということに体制を整備しているところでございまして、文化財建造物の保存修理に必要なひわだの原材料の確保、それから技術者の研修等に引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。

穀田委員 努力していただくことは当然なんですが、今お話がありました研修参加者、それはふえているのは確かなんですけれども、予算はずっと減って、ふえているわけじゃないということも、初級者がいつも四名だか二名であって、中級者が三十三名だ、三十名ふえているということは一言言っておきたいと思うんです。何かえらい右肩上がりに上がっているみたいな話を、人数がふえているといって、それは最初はずっと初級者が来ていて、それを研修していったわけで、そこはちゃんとしておかないと、何かえらいやっているなと。予算は減っているということも言っておかないと、何かえらい調子いい話をしたらあきまへんで、それだけは。これはもっときちんとやってくれな困る。

 当時、文化財を支える用具・原材料の確保に関する調査ということで調査報告書を出しています。その報告書の中で、「まとめ」として「今後、更に継続した調査が実施されることを強く要望するとともに、「確保方策」として示したものを具体化するための検討がなされることを期待する」、こう結んでいます。ですから、引き続いて、二〇〇一年で終わりにせずに、きちんとやってもらわなければならないと思います。

 私は、長年ひわだぶきの仕事に従事されている宮川さんという方にこの間お話を事務所としてお聞きしたんですけれども、ひわだは需要の変動が価格の変動に直結することもあって、安定を望む、大きな仕事が入った瞬間には、要るということでぐっと上がるということなんかも報告されていました。

 それで、先ほど述べたこの絵でもそうなんですけれども、少しひわだぶきの屋根にこけが生えているなんというのは、これはだめなんですよね。これは耐用年数が過ぎているということで、皆さんかっこいいなと思っていらっしゃるけれども、そうじゃなくて、耐用年数を過ぎている。だから、そういう意味からいいましても、大規模な修繕の合間で、実は小さい、有名でない、有名でないといったらちょっと語弊がありますが、小さい寺なんかでは、やはりそういうことをやっているところがあるんですね。重要文化財の方は一定のレベルにはあるんだけれども、そういうことなんかでも、今後の見通しを立てた場合には、きちんとやるべきじゃないかということを言っておられました。

 私は、そういう意味として、よくまず現場の意見を聞くということと、調査報告の最後には、「用具・原材料の生産・製造等の活動及び従事者に対する支援策」を講じるとして、「特に産業として成立し難い分野については緊急かつ積極的な支援の検討が望まれる。」とわざわざ書いているんですね。だから、一つの産業として成り立たない問題の背景にあるのが、この用具や原材料の問題ということは共通しているんですね。だから、その辺での責任を果たすことが、私はとても大事じゃないかなと考えています。また、そのことが、この調査報告による結論を実行していくことだと考えています。

 最後に、文化財を核とした周辺地域全体の歴史的な風致を守っていく問題について聞きます。

 この法案によりますと、市町村は、歴史的風致維持向上計画を作成し、認定を申請する。大臣は、それを認定する。維持向上計画には、重点区域を指定し、文化財の保存、活用、施設の整備などの方針を記し、域内の多くの方々、会社も協力するという解釈でよろしいな。

増田政府参考人 お答えいたします。

 市町村の定める計画には、大きく方針と、それから具体にコアになる歴史地区である重点区域、二つを書くことになります。重点区域につきましては、当然、コアになる重要文化財、それから、それを支える周辺の町家等の建造物群がある、そこで生業なり生活が営まれている、そういうものを計画として盛り込むということでございます。関係者は、その計画に沿って、それぞれの務めをしていくということになると思います。

穀田委員 そこで、京都の島原のことについて少し触れたいと思うんです。

 京都の島原というのは、江戸期の歌舞音曲を伴う遊宴の町、花街として発展した町で、角屋、これは今の料亭に当たる揚屋で、置屋、これは太夫や芸妓を派遣する輪違屋、それに島原の入り口の大門、この三カ所が往時の名残をとどめていまして、角屋は重要文化財です。間近にJRの山陰線が走っています。すぐ接近して走っているんですね。角屋保存会の中川理事長並びに地域住民は、重要文化財が騒音、振動で壊される危険があるとJRに善処をお願いしているのが今の現状です。

 そこで、大臣、歴史的風致を守るといいながら、その核となる重要文化財が、騒音と振動で角屋の静寂な風情が台なしになっている。参加者の気分を害すことはもとより、振動がありますから、施設そのものの劣化を防げないでよいのか。JR西日本にそういう点での協力や社会的責任を果たさせるために、監督官庁としてさまざまな指導をすべきではないだろうか。いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 なかなか難しい話ですね。これは山陰線ですね。それで、最初は平面で、ディーゼルが走っていたわけですよ。それを高架にしてやっているわけでございまして、ですから、これについては、平成十八年十一月以降、大阪簡易裁判所で調停手続が進められている、JR西日本と角屋さんとの間で。ですから、その中で話し合われる。

 私はやはり、だからといって、山陰本線を取り除くというわけにいかないと思いますので、そうすると、その騒音を、少なくとも振動を少なくする工夫というのは、消音バラストを散布するとか消音マットを下に敷くということで随分変わるんですね。私の方の選挙区の中にも、新幹線のところで物すごい騒音があったんですが、そういうことをしていただくことによって、周辺の住民は随分改善されたということで喜んでいられますけれども、そういう手法もありますので、恐らく、その調停の中で、そういう形での解決というものが図られるのが望ましいのではないかなという感じがいたします。

穀田委員 取り除けと言っているんじゃないんですよね。そんなことは住民も言っていません。そこまでいくと、話が全然違うわけで。

 ただ、大臣が今おっしゃいましたように、高架になる、それから複線化になりますと、丹波口というのは特急はとまりませんから、そうすると、一気に走ってくるとなると、また騒音が上がる。だから、防音壁をつくるとか、そういう当たり前のこと、可能なことをやれということを言っているわけですよね。そういうふうにみんなが要望しているわけですよ。バラスとか、それから消音のあれとか、それはやっているんですよ。問題は、少しはやっているんだけれども、それでおさまらないという現実をどないしたらいいか。

 つまり、音というのは、下に行くと同時に、こう壁がありますと、上へ行くわけですね、それが大変な音になっているということも含めてあるわけですから、そういうものを含めてどうしたら最大の効果を上げることができるかというふうに考える必要があるんだと私は思っているんです。そこはよく見ていただきたい。

 そこで、京都新聞の〇七年十一月十六日の記事には、「駅前マップ「角屋」外し? JR西「意図的でない」 保存会「嫌がらせでは」 騒音・振動対策で公害調停中 抗議後に掲載」、こういう記事が載っているんですね。〇六年二月にJRのつくった駅前散策マップ、これなんですね。重要文化財の角屋を含む島原地域の掲載なし。指定されていない記念館は紹介する。三月には保存会が回収を求め、JRは十月下旬に新たな散策マップを作成しています。これなんですけれども、記事は、「「角屋もてなしの文化美術館」や置き屋「輪違屋」など島原地域も掲載し、」と。複線化工事と環境アセスメントなどで対立しているとしても大人げないと私は思うんです。

 事ほどさように、JRがこんなことまでして、地図からも除く、重要文化財をほかのところは全部かいて、国宝もかいているのに、そこだけをわざと除くというのは、いかにも、意図的であるかないかは、それは本人に聞いてみなわからぬけれども、明らかに抜いたことは事実だ。しかし、重要文化財でないものは載せるというのは、私は、いかにもそれはあかんのとちゃうかと思うんですね。

 そこで、さきに述べました古都保存行政の理念の全国展開小委員会の報告は、「歴史的な風土の保存・活用と生活との共存」という項目を設けまして、対策の方向を次のように明らかにしています。「歴史的な風土や歴史的・文化的資産を後代に継承していくに当たっては、維持保存、修復、復元・整備、活用等、」中略しますが、「当該風土にそぐわない物件の修景・除却、」「など、歴史的な風土の保存・活用に係る総合的な取組みが必要であり、当該土地・資産の所有者のみならず、住民、行政、公共マインドを有する民間、専門家等、多様な主体の理解、協力と参画が必要である。」と。

 つまり、住民だけじゃない、行政もそうだ、公共マインドを有する民間、これらが理解し、協力と参画が必要だ。お互いのものとして守って、どないしたらこれが一番効果になるか。そうすれば、人も来る、そのことによって当然JRにも乗ってもらえる。それ以上いいことないじゃないですか。まさにそういう至言だと私は思うんですね、この提起は。

 したがって、民間会社は今、地域に対する貢献、そして社会的に責任を果たすということが求められていると思います。このことを、私はどうしても今必要だということを申し上げて、私の質問を終わります。

竹本委員長 次に、森本哲生君。

森本委員 民主党の森本哲生でございます。

 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律案の質問に入らせていただく前に、前回質疑をさせていただいたスマートインターチェンジについて、少し確認の質問をよろしくお願いします。

 二十年度の予算において、スマートインターチェンジは何カ所つくられて幾ら予算が計上されているのか、お教えをください。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 箇所数の方でありますが、前回も御説明いたしましたように、スマートインターチェンジの計画というのは、会社と機構が国民の皆様方の意見を聞きながら利便増進計画をつくる、それを国交大臣と協議する、そういう手続を経て作成することになっておりますので、今の段階で箇所数、具体の箇所というのは決まっておりませんで、その過程で明らかになっていくということでございます。

 ただ、二十年度におきましては、高速道路料金の引き下げ、スマートインターチェンジの増設等を実施するため、国が承継した債務の償還費として千三百八十六億を計上しております。このうちスマートインターチェンジ分は三百三十三億でございます。

森本委員 ありがとうございました。

 それでは、二十年度の箇所づけ三百三十三億円の分については、箇所づけはされておるという解釈でよろしいですか。

宮田政府参考人 冒頭申し上げましたように、具体の箇所数、具体の箇所というのは、会社がいろいろな手続で、国民の方々、もちろん地方公共団体も含めてでございますが、そういう意見を聞いて計画をつくって、そこで具体化される。今からの手続になります。

森本委員 そうすると、局長、これはいつまでに行われる予定ですか。三百三十三億円、今の状況で聞いておりますと、局長の答弁から察しますと、恐らく使えるか使えないかわからない予算ということにも考えられるんですけれども、それでよろしいですか。

宮田政府参考人 二つの意味でお聞きになったんだと思いますが、一つは、料金値下げ、スマートインターチェンジ、これは、財源特例法で新たに、衆議院ではお願いをして議決をいただいた、今参議院の方に回っている、その法律が成立をしたときに初めて施策として実行になるということでございます。

 それからもう一つは、それが成ったときに手続としてどういうふうになるかということでございますが、これは前から申し上げておりますように、スマートインターチェンジ分は五千億、これは債務を承継いたしまして、それをもって会社の方のリース料を引き下げて、その部分で会社の方が利便増進計画をつくり、実際のスマートインターチェンジをつくっていく、そういうスキームになりますので、一対一で三百三十三億が、これこれを使うんだよ、そういう数字ではありませんで、債務承継をこの年度にどう引き落としていくか、そういうたぐいの予算でございます。

森本委員 それでは局長、地元からの要望書は実際あるんですか。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 今までスマートインターチェンジ社会実験、それから本格運用をいたしておりますが、それはすべて要望書が出ておりますし、そもそもスマートインターチェンジは高速道路と地方道等が連結をする部分でありますから、法手続上は連結許可申請を地方公共団体から出していただく、そのダブルで地方から要望があるということは言えると思います。

 多分お尋ねは、今からの話はどうかということだろうと思いますが、スマートインターチェンジの要望につきましては、地方公共団体や商工会議所等から地方整備局の方にいろいろ寄せられておりますし、昨年行いました中期計画の第一回の問いかけにおきましても、全国の百六十一の首長さんから追加インターチェンジの具体的な設置要望をいただいてございます。

森本委員 そうしますと、そもそも社会実験後既に本格運用されている今の三十一カ所については要望書があったということですね。そうすると、そもそもどのような基準で社会実験に選ばれていたのか。それについては地域からの要望があったということでございますが、要望があっても基準、社会実験に選ばれなかったところもあると思うんですが、その点についてはいかがですか。

宮田政府参考人 最初のお尋ね、要望はあったかということにつきましては、すべて要望はございました。

 二つ目のお尋ねでございますが、どういう観点、基準から社会実験として選んだのかということでございますが、そもそも、このスマートインターチェンジをやられる際には、地元で協議会をつくるかどうかという検討をいたします。一つは、接続する側の道路を管理されている地方公共団体、市でありあるいは県であり、それから連結許可を受ける側の国、それから実際にスマートインターチェンジを設置して運用することになります会社、それらが合意をして協議会をつくるという手続になります。まず、そういう段階でいろいろ話し合って、そういうものをやるかどうかというチェックがかかると思います。

 それから、前にも御質問があって委員にお話をしたと思いますが、本格導入の基準というのが定められておりまして、一つは、費用対便益が一・〇を上回ること、それからもう一つは、インターチェンジ設置後の料金の増収額が会社の負担する管理費を当然ペイする、その二つが条件であります。

 そういうことを見ながら、協議会は社会実験のそういうことに入っていくかどうかということを検討するということでございます。

森本委員 きょうはこちらの方の質問ではありませんから、もう少しで質問を移らせていただきますが、質問して二カ月間、国土交通省とその株式会社、株式会社の中の運用状況、要綱というんですか、そういうものが私の手元に全くやってこないんですね。

 ですから、そうした資料はやはり明示をされて、今の局長のお話ですと、要望も箇所も余りわからないというような、普通であれば、二十年度予算の要望があって、こことここは最低八割ぐらいはやれる、あと残りの二割ぐらいが未定だということでしたらわかるんですけれども、およそ国の予算の積算基準とこの今のスマートインターチェンジの積算は、どう見ても私が納得できるものでもありませんし、国民の皆様も何と不思議な予算だなということにしか思われない。このことについては指摘をさせていただきます。

 そして、あと二つだけ。十六カ所、今運用実験されていますね。四カ所はやめられましたが、これらの今後の見通しは、十六カ所の中で何割ぐらいがやめなければならない可能性はあるのかどうかをお聞かせください。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、これまで社会実験をやって休止をしたというものが四カ所ございます。これは、交通量が百二十台あるいは百四十台と交通量的に非常に、先ほどの採算がどうかという観点で本格運用に至らなかったということでございますが、そういう休止いたしましたスマートインターチェンジについても、幾つかにつきましては地元から再開の要望をいただいている箇所もございます。

 こういった要望をいただいているところを今からどうしていくかというのも検討課題だというふうに考えてございます。

森本委員 まだ予測はできないということで、局長、よろしいんですね。将来やめるところも出てくるかもわからないしということで十六カ所。

 大臣、この問題について、最後にひとつ大臣によろしくお願いします。

 道路特定財源の一般財源化については先般与党合意をされましたが、民主党としては、暫定税率の廃止がないこと、骨太の方針にきちんと明記されるのか、予算編成過程で骨抜きにならないか、大いに懸念をしているところでございます。今後十年間で二百カ所以上、五千億円かけるというこの計画について、変更する予定はおありか。私は当然変更する必要が出てくるというふうに考えておりますが、大臣の所見をよろしくお願いします。

冬柴国務大臣 スマートインターチェンジにずっと取り組まれていられる委員に敬意を表したいと思います。

 若干いきさつがあって、私は、昨年ですか、参議院の質問で五億から八億ということで答弁をいたしました。それは、たしか福岡県だったと思うんですが、そこの場所を特定して聞かれまして、それについてはその程度でできるということですから、そのようにしたわけです。

 ところが、先ほど局長からもお話がありましたように、だから、そのあれは一昨年でしたね。昨年の、道路中期計画に着手して、四月から七月まで、国民各層あるいは全首長さんに意見を伺いましたね。そのときに、百六十一人の首長さんが、スマートインターチェンジというのを我が町にもつくってほしい、そういう強い要望がありました。そして、我が国の高速道路は大体インターチェンジの間隔が二十キロ近くもあって、これは欧米の高速道路の要するに乗り口、おり口と比べると非常に長いということから、やはりもう少しインターチェンジが要るんじゃないか。

 それからまた、高速道路が通過する市町村、そういうところは、ただ高速道路が通っただけで、あとは騒音と震動、排気ガスだけ置いていかれて、自分のところの便益に高速道路が何もならないじゃないかという御意見もあり、そういうことからスマートインターチェンジというものをもう少し考え直そうと。今までのインターチェンジであれば土地を買って五十億近くの大変なお金がかかっちゃうんですが、あけるだけで、そしてETC等を利用すれば比較的安くできるということから、いろいろ調べ出したんですね。そして、この百六十一人の首長の言われるものについてはこたえていこうと。

 そういうことから、その中には確定二車線のところにもつくらないかぬ、こうなりますと、車線をふやさないかぬようになるんですよ。そうすると、私が言った五億、八億というのはとんでもない話になりまして……(森本委員「そこのところは大変よくわかっています」と呼ぶ)そういうことです。

 しかし、この箇所づけが、前から言っているように、BバイCとか、それから都市計画、あるいは環境とか、そういうものを全部やっていただいて、それから、今言っているように、一車線広げる部分については国幹会議の議を経なきゃならないんですよ、そういう路線をふやすわけですから。そういう手続もありますし、それから財務省の査定も要ります。したがいまして、三百三十三億をいつするかというのは、これは箇所づけのときに決めるわけでございまして、それはそういう条件が全部整っているかどうかということが前提でございます。

 それから、今回、私どもとしては、この二百カ所というのは必要だと思っております。高速道路がある以上必要だと思っています。したがって、これはつくっていかなきゃなりません。しかし、財政の方が今不確定な状況になっています。したがいまして、今後これがどういうふうに動いていくかということと大きく関連する質問であったと思います。

森本委員 御丁寧に回答いただきましたので、私の本番の質疑が少し時間がなくなってしまったんですが、ここのところの議論は、もうきょうはいたしません。しかし、やはり、地方にはもっともっとしていただきたい道路がたくさんあるということ、このことは大臣はわかっていただけると思います。

 ですから、今度の歴史的風致のこの質疑については、私は、なぜ今この時期かが少しわかりません。社会資本整備審議会、その中での歴史的風土部会、歴史的風土の保存・継承小委員会での検討をやってほしい。また、文化庁の文化審議会文化財分科会の報告などが一定の方向性を出されたということもあると考えますが、観光庁の設置や別の法案である観光圏法案との関連はおありか、偶然そうなっただけか、連携協議しながら決めてこられたのか、制度上関連があるのか、お答えください。

冬柴国務大臣 社会資本整備審議会答申とか、あるいは文化審議会報告を受けまして、歴史まちづくり法案に基づきまして、歴史的風致を生かしたまちづくりを進めることによって、国にとって貴重な歴史的資産を次世代に継承することとしています。また、平成十八年十二月に観光立国推進基本法が制定され、そのような地域において観光交流が促進され、地域経済の活性化が図られることを通じて、豊かな地域社会の実現に寄与するものと考えております。

 今回の国土交通省設置法改正法案によりまして観光庁が設置された際には、まちづくり部局と観光庁がより一層連携して施策に取り組んでまいることになります。また、各市町村におきましても、観光圏整備法案及び歴史まちづくり法案に基づく施策を相互に組み合わせて活用することは地域の活性化にとって一層効果的であることから、こうした市町村の取り組みを積極的に支援してまいる、これが法意でございます。

森本委員 ありがとうございました。

 今、三日月委員もこのことを指摘されたわけですが、そもそも法律までつくる必要があったのか、私は少し疑問に思っています。各省庁との連携のもとで事業として予算化をすれば、この問題については法律までつくらなくても私は十分できるんじゃないかというふうに思っておりますが、大臣、いかがですか。

冬柴国務大臣 予算制度のみならず、歴史的な風致にふさわしい土地利用を実現するためには、法律的な規制を緩和しなきゃならない部分もあります。

 例えば、郷土料理店というものを、そういうような長い歴史を持った建物の中で営むということは、そこへ来た人のニーズに合うことであります。また、歴史的風致にふさわしいよと認める地区計画制度の創設、また歴史的風致の維持及び向上を図るためであれば、必ずしも道路交通量が多くない道路であっても先ほど申し上げましたように電線の共同溝を設置するということで、対象の範囲を拡大する、これは法律事項でございます。

 これらを初めとする法律事項を措置する必要があるため、新たな法案として提出させていただいたものでございます。統一的な計画のもとに文化財部局とまちづくり部局の連携がつくられていくことが必要でありまして、そのためにも法律の枠組みに基づいた計画認定制度が必要である、こういう判断でございます。

森本委員 それと、今年度予算として七・三億円計上されているわけですが、既に、具体的にどこの市町村でどのような建造物を対象とするのか、想定をされておるのかどうか、お伺いいたします。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、今回の法案を支援する予算制度といたしまして、歴史的環境形成総合支援事業、本年度予算額七億三千万円を予算化させていただいております。

 この事業は、歴史的風致を形成している建造物の、例えば町家でありますとか土蔵でありますとか、あるいはお屋敷でありますとか、そういったものの復原、買い取り等を行う事業でございます。したがいまして、まだ計画ができておりませんし、現時点では具体的な箇所づけを行っている状況ではございません。

森本委員 それでは局長、予算計上に当たってある程度の想定がないと、今年度円滑に実施することが難しいんじゃないかというふうに私は思います。ある程度具体的な当てがあるんではないかということと、情報交換は少なくともやっておられるんじゃないかという気がするんですが、その点についてはいかがですか。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の制度設計に当たりまして、幾つかの市町村からヒアリングをしております。例えて言いますと、山口県の萩市でありますとか石川県の金沢市でありますとか、あるいは愛知県の犬山市等々、非常に先進的な歴史的なまちづくりを進めているところからヒアリングを行いました。さらに、昨年十二月、全国千八百の市区町村に悉皆調査をいたしまして、そのうち六十六の市町村から、この制度がもしできればぜひ使いたいというような要請も受けております。ただ、計画の熟度には相当差がありますので、ある程度の箇所が今年度できるのかなと思っておりまして、それにふさわしい額として七億三千万セットさせていただいたというふうに御理解いただきたいと思います。

森本委員 それでは、国の策定する基本方針の具体的な中身については現段階でどの程度検討ができているのか、たたき台は既におありなのか、お聞かせください。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、主務大臣が基本方針を定めるというのが最初に必要になるわけでございます。現時点では、関係省庁におきまして事務的な検討を進めている段階というふうに御理解をいただきたいと思います。

森本委員 局長、基本方針はある程度明確に、早くやってあげないと、市町村が非常に困ると思うんですが、このスケジュールはどのような日程で進められていくんですか、今年度は。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 法律の施行につきましては、公布後六カ月以内ということで考えておりまして、法施行までには基本方針をお示ししたいと思っております。ただ、各市町村は今準備に入っておりますので、できるだけ早く国の考え方を何らかの形で情報提供させていただきたいというふうに考えております。

森本委員 それと、市町村が国から計画の認定を、例えば基本計画をつくるわけですが、例えば、認定を受けやすくするために、計画づくりに際して国交省関連の財団とかコンサルタントが事業受託を受けるというようなケースは出てこないんでしょうね。独自で市町村がコンサルタントで計画をして国に上げてくるということでよろしいんですね。

増田政府参考人 先進的な市町村におきましてはこれまで独自に取り組みをされておりますし、一部いろいろそういったコンサル等をお使いになって検討しているところもございます。ただ、そのことと認定につきましては全く関係がないというふうに考えております。

森本委員 それと、まちづくり交付金の基幹事業に緑地保全、これは大臣から今用途を広げるというお話がありましたが、緑地保全とか電柱の話がきょうもありました。結局は道路特定財源の使い道の拡大ということに、私はうがった見方をすればそのように感じるんですけれども、大臣いかがですか。

冬柴国務大臣 もう言われましたけれども、うがった見方じゃないかなと思います。

 私は、そういうことではなしに、先ほどもちょっと言いましたけれども、大分の水フォーラムのときに、非常に有名ですので湯布院へ参りましたけれども、町のメーンストリートから由布岳が非常にきれいに見えるのですけれども、そこに電柱、電線があるんですね。これはやはり取らないかぬなという感じがしました。そういうものができるかどうか。

 電線を地中化するにはいろいろな要件があります。したがって、そういう観光地なりあるいはそういう歴史的な風致とか、そういうものにふさわしいようにするためにも、そういうものを取り除くということは非常に大事な視点だと思います。道路財源とは関係ありません。

森本委員 しかし、まちづくり交付金に道路特定財源が入っていますから、こちらの方の予算も使うことは可能は可能なんですよね。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、この制度に伴ってまちづくり交付金の拡充をいたしましたのは、その基幹事業に緑地の買い取り事業を追加したということでございます。

 先生御指摘のように、まちづくり交付金の一部には、当然まちづくり交付金の対象事業には道路が入っているということで一定率道路財源が含まれておりますが、そのことと今回基幹事業を拡大したこととは無関係でございます。

森本委員 それでは、基本方針の中で、歴史的建造物が満たすべき条件や基準など基本的事項を定めるというふうになっておりますが、どの程度の基準なのか。余りに細かな厳しい基準ならば地方分権の精神に私は反すると思っておりますし、あいまいで緩やかな基準であれば、いろいろな計画が上がってきた場合に国が認定する判断基準が裁量的になってしまいます。このあたりは非常に難しいさじかげんでございますが、この点についてはいかがですか。

松島副大臣 森本委員がおっしゃいますように、確かに非常に難しい、厳しくし過ぎてもだめだし、余り緩いとわけがわからなくなってしまう、おっしゃるとおりだと思います。

 ですから、そこの点を踏まえまして、歴史的風致の維持及び向上に関する基本方針を定めるに当たっては、市町村がこの基本方針を踏まえ、適切かつ効率的に歴史的風致維持向上計画を作成することができるよう、できるだけわかりやすく、と同時に具体的に定めてまいります。

 そして、認定に当たりましては、それぞれの市町村の歴史的風致の状況や特性など、つまりそれぞれの地域の実情、特性というものを十分に考慮した上で、市町村の取り組みを積極的に支援する観点から認定を行ってまいりたいと考えております。

森本委員 大臣のかわりに、ありがとうございました。三日月委員からかなり急な質問がありましたので、これは私も本来ならば大臣にということでございましたけれども、結構でございます。

 それと関連して、私は、これは古賀委員もおっしゃいました、地方が計画を立てて国が認めるという方式は、やはりやめるべきだというふうに私は思っています。かつて中心市街地活性化法のときにも、届け出だけで大丈夫というやり方をとったために、何でもかんでも出てきてしまってうまくいかなかったということは承知をいたしておりますが、そうした経験も踏まえて近年地方が計画をつくって国が認めるという方式を多くとられてきたやに思いますが、地域におけるその固有の歴史、これは三日月議員も言われましたが、及び伝統を反映するというのであれば、まさしく地域が残すべき価値は地域が決めれば私はいいのではないかということでございますが、大臣、いかがですか。

松島副大臣 おっしゃるように、主体となるべき立場は確かに市町村であると思います。歴史的風致を生かしたまちづくりというものの主役は、主人公は、あくまでもその地域における固有の歴史や伝統をよく熟知した市町村が主体となって取り組むべきものだと考えております。

 しかしながら、その地域だけのものではない、日本のある地区の固有の伝統的文化や歴史というもの、貴重な歴史的風致というものは、その地域にとって必要なだけでなくて、国としても、国民がみんなで次世代に継承を図っていく必要があり、そういう観点から、地域の自主的な取り組みを国がしっかりと支援していく、その中で、国が認定するという仕組みをとらせていただいております。

竹本委員長 時間が来ておりますので、お願いします。

森本委員 これで終わります。

 また大臣には厳しくこれから質問させていただくと思いますので、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

竹本委員長 森本君の質疑はこれにて終了いたしました。

 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、来る二十二日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時十二分散会


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