衆議院

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第15号 平成20年4月23日(水曜日)

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平成二十年四月二十三日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 竹本 直一君

   理事 河本 三郎君 理事 西村 康稔君

   理事 西銘恒三郎君 理事 望月 義夫君

   理事 山本 公一君 理事 川内 博史君

   理事 後藤  斎君 理事 高木 陽介君

      赤池 誠章君    飯島 夕雁君

      遠藤 宣彦君    小里 泰弘君

      大塚 高司君    岡部 英明君

      鍵田忠兵衛君    金子善次郎君

      亀岡 偉民君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    清水清一朗君

      島村 宜伸君    菅原 一秀君

      杉田 元司君    鈴木 淳司君

      谷  公一君    徳田  毅君

      長島 忠美君    葉梨 康弘君

      林  幹雄君    原田 憲治君

      福岡 資麿君    馬渡 龍治君

      松本 文明君    盛山 正仁君

      矢野 隆司君    石川 知裕君

      泉  健太君    太田 和美君

      逢坂 誠二君    古賀 一成君

      佐々木隆博君    田島 一成君

      田名部匡代君    三日月大造君

      漆原 良夫君    江田 康幸君

      穀田 恵二君    糸川 正晃君

    …………………………………

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   国土交通副大臣      松島みどり君

   国土交通大臣政務官    金子善次郎君

   国土交通大臣政務官    谷  公一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房政府広報室長)          高井 康行君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 深草 雅利君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 榮畑  潤君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   中村 明雄君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            榊  正剛君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  大口 清一君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   政府参考人

   (国土交通省政策統括官) 伊藤  茂君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    岩崎 貞二君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  地引 良幸君

   国土交通委員会専門員   亀井 爲幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     馬渡 龍治君

  長崎幸太郎君     矢野 隆司君

  若宮 健嗣君     福岡 資麿君

  小宮山泰子君     泉  健太君

  長安  豊君     田名部匡代君

  森本 哲生君     佐々木隆博君

  鷲尾英一郎君     太田 和美君

  赤羽 一嘉君     江田 康幸君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  福岡 資麿君     飯島 夕雁君

  馬渡 龍治君     亀岡 偉民君

  矢野 隆司君     長崎幸太郎君

  泉  健太君     田島 一成君

  太田 和美君     鷲尾英一郎君

  佐々木隆博君     森本 哲生君

  田名部匡代君     長安  豊君

  江田 康幸君     赤羽 一嘉君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     清水清一朗君

  田島 一成君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  清水清一朗君     若宮 健嗣君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

竹本委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長榊正剛君、道路局長宮田年耕君、鉄道局長大口清一君、航空局長鈴木久泰君、政策統括官伊藤茂君、海上保安庁長官岩崎貞二君、財務省理財局次長中村明雄君及び防衛省地方協力局長地引良幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

竹本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川知裕君。

石川委員 おはようございます。民主党の石川知裕でございます。

 きょうは一般質疑でありますけれども、午後に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、これについて質疑がありますので、それも踏まえて、きょうは、総合的な日本の交通体系について国土交通省としてどう取り組んでいこうとされるのか、少しお尋ねをしたいと思っております。

 今回、午後の法案は鉄道ということで、新橋―横浜間が最初の鉄道、一八七一年ぐらいだったと思いますけれども、そのときは、人力車の組合さんが鉄道を敷くのに大反対をしたということを昔歴史の教科書で習ったような記憶があります。鉄道の発展とともに日本経済が発展をしてきた。そして、今度は航空機また道路と。それで、道路の発展とともにそれぞれモータリゼーション化してきた。そういう中で、地域の公共交通機関、これがだんだん、少子高齢化も理由にあります、過疎化もあります、それぞれ厳しい局面を迎えてきて、今回このような法案の提出に至ったと思います。

 これから、日本全体、特に地方はそうですけれども、減り続ける人口に対してどういう需要の予測を考えて政策を行っていくのか、ここが大事だと思います。

 今回の道路の問題にしても、BバイC、大臣もテレビでBバイC、BバイCと言っている姿が随分放映をされました。この費用対効果は、一概には言えない面があると思います。高速道路の場合ですと、料金収入、事業収入があって、どう採算がとられているのか、これが大変見やすいわけでありますけれども、一方で、普通の道路、一般道路というのは、多面的な機能、そこに橋をつくる、道路を通す、舗装するということで、当然、病院に通いやすくなる、また通学が楽になる。私は、大変農業地帯でありますので、農道なんかも通ると、昔はジャガイモだとかビートだとか、でこぼこなので、ここを舗装してもらって随分楽になった、トラックから落ちないで済むようになった、こういう声も聞かれます。

 しかしながら、予算が潤沢な時代はどんどん道路をつくり続けて、必要な道路、必要な道路と言っていてよかったわけでありますけれども、これからは国、地方とも大変多くの借金を抱えて、本当に必要な道路、必要な道路というよりも、地域の方々が生活をしていく上で、つまり、生活をしていくというのは、子供さんが学校に通う、また、今、田舎ではほとんどマイカー通勤なので、通勤というよりも、特に鉄路においては通学という面が大変、またはお年寄りの通院ですね、病院に通うという面が大きい面があると思いますけれども。

 とはいえ、鉄道の場合、まず一つ、一度なくしてしまった鉄路はもう二度と戻らない。だから、総合的に安全保障の面から見ても、やはり鉄路を残しておいた方が後々いいこと、いいことというよりは、やはり国益を考えて残すべきじゃないかという面もあります。

 そして、経済性、効率性だけでなかなか判断できない。地域の活性化、また今後の地域の公共交通のあり方を考えると、一概に経済性、採算性だけでそれを廃線にできないということで、今回、午後のような法案の提出に至ったと思います。国家が鉄道をどう位置づけるか、こういうことが今議論になるところだと思います。

 昨年の地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、今回の改正案の前にこれが施行されたわけでありますけれども、その後の地域での取り組みに効果があったのか。例えば具体的にどういう効果があったのか、政府参考人の方もしくは政務官で構いませんので、お答えをまずはいただきたいと思います。

榊政府参考人 委員御指摘のように、地域の公共交通をめぐる環境というのは非常に厳しいものがあるというふうに認識しております。

 先ほど御指摘の地域公共交通活性化及び再生に関する法律、昨年の十月から施行させていただいておりまして、この法律の成立によりまして、いわば地域の多様な関係者による合意形成、合意に基づく取り組みの制度面の環境整備ができ上がりました。

 さらに、本年度予算におきまして、地域公共交通活性化・再生総合事業というのを創設させていただきまして、この法律に基づく取り組みを促進するための財政面での環境整備が図られたところでございます。

 こうした取り組みの結果、本年四月十五日までに、全国の六十の地域で地域公共交通総合連携計画というのが策定をされました。この総合事業を活用いたしまして、連携計画の具体化、実施を行うための事業計画の認定をいたしましたのが五十九でございます。さらに百十二の地域で連携計画の策定の調査を行うための事業計画を認定いたしておりまして、したがって、今年度中にこういったような連携計画の策定が行われていくということを期待しているところでございます。

 このように、法律、予算の活用によりまして、地域の関係者の合意に基づくような、地域のニーズに対応したような鉄道、コミュニティーバス、乗り合いタクシーといったような多様な取り組みが促進されるというふうに期待をしておるところでございます。

 具体例ということで申し上げますと、昨年の十一月十五日でございますけれども、全国一番最初ということで、富山市でございますけれども、連携計画をつくっていただきました。これは、富山地方鉄道株式会社とともに本年二月二十八日に軌道運送高度化実施計画の認定も受けまして、富山市内の路面電車を環状線化しようということで、LRTの整備を平成二十一年十二月開業予定というような形で推進をしていくということになっております。

 それから、ことしの一月十八日に連携計画ができました京都府宮津市、京丹後市、与謝野町、伊根町といったような四市町では、連携計画に基づきまして、地域の多様な関係者の連携によりまして、鉄道、バスにおけるダイヤ改善、企画乗車券の発行、バス停の改修、移設、路線・乗りかえ案内、ダイヤといったような情報提供の取り組みを推進する、こういったようなのが典型的な例ということになっておるところでございます。

石川委員 今、六十の地域で計画を策定しているということでしょうか。鉄道は、本当に一度なくなったら復活はほぼ無理でありますので、ぜひ頑張って進めていただきたいと思います。

 私、いつも申しておりますけれども、北海道の十勝地方というところで、大変広い地域、足寄町というところの出身なんですけれども、線路の近くで、もう踏切の目の前でずっと子供のころから育っておりまして、ふるさと銀河線という第三セクター、これはおととし廃線になりました。

 もともとは、北見市という地域と、池田町、これはワインで有名です。大臣、大変グルメですから御存じだと思いますけれども、ちなみに、今の町長さんというのは、山梨県の甲府からワインの研究のために、当時の丸谷さんという町長さんがわざわざ大学から呼んで、その方が今町長さんになっておられます。昔は、その池田町と北見市、頭文字をとって池北線といいました。百四十キロの沿線でありますので、恐らく、地方における鉄路、一つの事業体としては最大の長さだと思います。

 このふるさと銀河線は、おととし廃止になりました。国鉄が民営化するとき、足寄町といえば、私は鈴木宗男先生と同郷なので、当時は、鈴木宗男先生初め沿線住民の町長さんや、また地域の方々の多大な努力があって、国鉄から第三セクターへ移行をして、経営安定基金を積んで、そこから少し補助を出して運営をしていこうということになりました。しかしながら、経営が当然厳しくなりました。

 私も地元の帯広というところで毎週月曜日に街頭演説しているんですけれども、駅頭ではないんですね、駅に人がいないですから。橋のたもとでやっていて、プップッと押されて、応援されているのかなと思ったら、邪魔だ、どけと言われたりしてですね。駅頭ではないんですね、駅に人がいないんです。ほとんど高校生もしくは通院のお年寄り。それが、おととし銀河線というのは池田まで廃止になって、私の足寄町なんかから行くと、バスか、もしくは御家族、親戚の手によって車に乗せられて行くしかないという状況であります。

 鉄路がなくなるというのは本当に寂しいことで、いまだに踏切の前に行くと、今はもう踏切はないんですけれども、ついつい一時停止をしてしまう。これは長年の習慣ですね。鉄道がなくなって地域住民は本当に悲しいわけでありますけれども、ただ一方で、当時、大変な議論がありました。これは、すぐバス路線に転換をした方が、毎年赤字を四億円積んでおりましたから、赤字をこのままずっと積み増していっていいのか、こういう議論もありました。

 今ちょうど、その沿線は廃止になったんですけれども、ぜひ大臣に一度視察に行っていただきたいんですけれども、今度、陸別町というところで、四月二十六日にふるさと銀河線の動態保存というものが行われますので、北海道旅行の折にはぜひお寄りをいただいて、廃止になったんですけれども、町おこし、観光おこしということで、町民が一体となって興している実態をぜひごらんいただきたいと思います。

 話は戻りますけれども、そういう中で廃止になった、地域の中でたくさんの議論があったわけであります。今回、地域公共交通の活性化の法律、去年策定されました。私は若干遅きに失した感もあると思うんですけれども、二つ同時にお尋ねなんです。これは去年導入をされましたよね。一つは、もっと早くに導入すべきではなかったのか、なぜ去年にまでなってしまったのかということと、なぜ一緒に去年今回の鉄道事業再構築をやらなかったのか。この二点、大臣にぜひお答えをいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 なぜ本体がおくれたかということについては、もう弁解の余地がありませんよ。本当にそういういろいろな試行錯誤の中で、巨額の負債を抱え、一九七五年、昭和五十年では、五〇%の人が乗用車に乗り、残りは公共交通に乗っていたんですね。ところが、平成十五年、二〇〇三年では、実に、公共交通一六%で、残り八四%が乗用車に乗っていらっしゃるわけですね。しかも、それは、いろいろな地域の実情がありまして非常に個性的なんですね。ですから、それを十把一からげで救済したりする、そういう手当てはなかったわけですが、これは地域で、事業者と地域全体が、そこにとっては再生はどういう方向が一番いいのかという方向を考えていただくという以外にないなということで昨年の立法になったわけです。

 では、そのときなぜ今の上下分離というような形で鉄路を残すというような話にならなかったのかということは、そのときはそこまで熟していなかったんですが、去年のこの法律施行によって、ほうはいとして、今先生がおっしゃったような方がたくさんいらっしゃるんですね。

 私はJR北海道の坂本会長とも話をすることがよくあったんですが、北海道はほとんどお客さんがなくなってしまって、そしてまた、地域も広いし長いけれども、乗る人が少なくなってしまって全部もたなくなったと。ところが、それをやめると言うと、線路まで外すのはやめてくれ、お年寄りから子供さんに至るまで線路まで外すのはやめてほしいということがあって、そこで線路と道を一つの車両で切りかえて走るというような発想が出てきたのは、何かそこでそういう方向はないのかということで北海道で考えたということを聞いたことがあります。

 それで、私鉄経営が非常に成り立たなくなるのは、下の鉄軌道を保有し、それを維持管理するのに物すごく金がかかるということがわかりまして、それでは、その部分を切り離して、上の運営だけやっていただくということであればどうなんだろうということが今回の発想でございます。

 したがいまして、それであれば地元の強い御要望である鉄軌道を残すということができ、そして、それについてどういうふうな手当てをしたらいいかということで、上の運営の方はやっていただけるし、また、やり方によっては十分採算もできるということ、その後、地域もそういう考えを持つ人が非常に多くなってきたということで、こういうふうにして今回改正をお願いするということになったわけでございます。

 これは長い間の試行錯誤でして、私もここへ来てから、本当にいろいろな方から、自分の地域におけるこれを何とか維持したいんだけれどもというお話がたくさんありまして、そういうものをまとめてこういうふうな形になったわけでございます。ステップ・バイ・ステップで、できるだけこういうふうな形で地域の公共交通が残るように努めてまいりたいと思います。

石川委員 このふるさと銀河線、採算性や経済性、北海道の財政状況も大変厳しいので、最終的に地域住民も厳しい判断でありました。ただ、国としても残そうというような意図があったと聞いております。ただ、最終的には高橋知事の判断で決まったという経緯があるわけでありますけれども、本当に遅きに失した感があります。我々からすると、池北線、ふるさと銀河線沿線住民からすると、今さらというところもありますけれども、今後、そういう地域が努力できるようにぜひ頑張っていただきたいと思います。

 ただ、今、上の運営ということでお話をされました。確かに、これらを成功させるのは、知識の本当にあるコーディネーター、これが大変重要になってくると思います。

 ふるさと銀河線も、企業再建コンサルタントの方からは黒字転換できるのではないかという意見もありました。経済性、効率性だけで論ずれば、これは廃止するのは当たり前であります。貴志川線というんですか、南海鉄道が廃線をして、岡山電気軌道が再生を行った。この岡山電気軌道も一時検討していただいたみたいなんです。当時はこういう法案もありませんでしたから、大変残念なわけでありますけれども。

 しかし、成功させるのは、知識のあるコーディネーターの方、どうやっていくかと総合的に判断される方が大事になってきますけれども、このあたりの枠組み、仕組みというのは大丈夫でしょうか。大臣にちょっとお答えをいただきたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 今回提出させていただいています法案の中でも、いわゆるコンサルティング業務を含めまして、地域における再構築事業につきましては、総合的に関係者、いわゆる地方自治体、事業者、そして国も合力しながら一つのプロジェクトを進めていく、そういうスキームになっております。

石川委員 関係者だけじゃなくて、できるだけ外部の知恵を導入するようにお願いをしたいと思います。

 またふるさと銀河線の例に戻るのでありますけれども、当時、沿線の自治体の中で、七自治体あるんですけれども、当然温度差がありました。池田町や北見というのは、JRの列車とつながっているんです。ただ、この中の方の自治体というのは、線路がなくなったら、あとはもうバス転換しかないんです。ところが、先ほどの陸別町というのは当時バス路線がありませんでしたから、当然、この存廃については、地方自治体の意見は大変分かれました。毎年赤字を積み増す。今すぐバス路線に行った方がいいのか、それともやはり地域の活性化を考えて残した方がいいのか。

 長年の議論の中で、先ほど申しましたように、道の決断が出たわけでありますけれども、今回の法案の中で「全員の合意により、」と定められております。ただし、これはやはりスピード性が求められるから今回提出に至ったと思うんです。自治体で意見の相違が出てくるのは当然考えられるわけでありますけれども、国土交通省として、そういう場合にどう対応していくのか、お答えをいただきたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 鉄道事業の再構築事業を実施しようとする場合にあっては、まずは沿線市町村が中心となって設置する協議会において協議を行いまして、当該事業の概要を盛り込んだ地域のいわゆる公共交通総合連携計画を策定することになっております。今回の法案の中の二十五条の二に規定します鉄道事業再構築実施計画は、この総合連携計画に即して作成されるようになっております。したがいまして、沿線自治体の意見というものは、この総合連携計画を策定するための協議会の場において、参加者みんなが合力しながら調整する、そしてその最終的合意が図られるというようなスキームになっております。

 ちなみに、その総合連携計画が策定された後に、事業実施方法等の詳細についてさらなる意見調整のときに相違が生じた場合、こういう場合におきましても、実施計画の作成のための協議の場でよくよく調整されるというふうに考えております。そういう場に、私ども国としても、よくよく、コンサルティング業務も含めまして、地方運輸局も含めまして参加していきたいと思っております。

石川委員 国が積極的に関与していくということであります。

 鉄道だけじゃなくて、鉄道がなくなったら、私の地域では、今度はバスも維持が大変だということでありますので、後でちょっと航空関係の質問をさせていただきますけれども、これは国として本当に総合的にやっていかないと、バスもなくなったら今度はタクシーぐらいしかなくなりますから。タクシー会社もどんどんつぶれていっているんですけれども。

 話がそれますが、タクシーが規制緩和して料金が高くなっているというのは、本当に国民にとって果たして行き過ぎた規制緩和がよかったのかどうか、こういう問題もありますので、ぜひ総合的な体系で、地方の公共交通機関がなくなったら観光客が来たときに大変なことになりますので、ぜひ今から取り組んでもらいたいと思います。

 もう一つ、夕張市に代表されるように、三位一体の改革でどんどん地方交付税が削られていって、今地方財政が大変なのは言うまでもありません。今回の策定に当たって、沿線自治体の地方財政状況は計画策定のときに何らかの形で規制があるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

大口政府参考人 公有民営方式を行う場合におけるいわゆる鉄道事業再構築実施計画の認定に際しましては、その計画を策定した市町村の財政状況を認定の判断要素にするのかどうかというお尋ねだというふうに理解しました。

 そもそも、この再構築実施計画は、それぞれの市町村が、その財政状況も踏まえた上で、みずからの責任で公有民営方式等によって、地方鉄道をまさに自分たちの生活の中で必要不可欠だということで支援していくという主体的な判断のもとにつくられるというふうに考えております。したがいまして、国交省がこの計画を認定する場合には、そうした市町村の主体的な判断をよくよく尊重しまして、その財政状況を判断要素に加えるということは直ちにはするものではございません。

石川委員 わかりました。そのあたりは総務省の管轄もあるでしょうから、これは次回にまた機会があればお尋ねをしていきたいと思います。

 先ほど、総合的な公共交通体系、航空について質問すると申しました。空港は税金でつくられているわけでありまして、航空路線というのも準公共交通機関と言っても差し支えはないと思います。

 大臣、地方路線も本当に今は大変でして、先週も質問させていただきましたが、今、不採算路線への支援、もう一つは、昔の航空路線というのは、ドル箱路線、羽田―札幌、羽田―福岡、羽田―大阪、これらのところで採算をとって、その分をプールして地方路線を支えてきたというのが、自由化によって、規制緩和によってどんどんドル箱路線に格安路線が入ってきた。それ自体はもちろん、消費者にとって利益があることですから、決して悪いことではありません。しかしながら、それによってまずは地方路線がどんどん削られていっているという現状があります。そして、この間、観光ツアーが随分偏りが見られるようになったというお尋ねをいたしました。

 もう一つは、私は、帯広空港というところです。今、かなりの方が車で四時間ぐらいかけて新千歳まで行って、新千歳から乗っていっているんです。車で四時間ですよ。それでもずっと安いんです。それでまた羽田から新千歳へ戻ってきて、そしてまた車で戻ってくる、こういう方が随分多くなっています。それは経済性ですから。ただ、こうしていくと、ではみんなそうすればいいじゃないかと。なかなかそういうわけにもいきません。

 私も国会から帯広空港を往復するときに、今多いのが、お医者さんが乗っています。私がたまたま二週間に一回ぐらい会うお医者さん、根室に行っているお医者さんで、帯広空港でおりて、なぜ釧路空港でないのかちょっとわからないんですけれども、それからわざわざ根室にまで行っているような方がいます。ほかにもたくさんそういう方々がいらっしゃると思います。私の友人で、羽田から函館へ飛んで、半日ぐらい診療して、大体一日十万円ぐらいだと言っておりました。そういうお医者さんもふえていると思うんです。

 現在、航空会社に対する地方路線への支援というのはどのようなものがあるか、お答えをいただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 航空会社に対する地方路線の支援ということでございますが、まず、私ども、国内線用の航空機の固定資産税の軽減というのをやってございまして、大きさによって異なりますが、小型のジェット機などでは、最初の三年間は二分の一ということで、固定資産税の軽減措置を講じております。

 それから、空港の使用料につきまして、国管理の空港につきまして、二種A空港とか共用空港につきましては十分の七、それから、羽田の地方路線向けの軽減ということで、これも路線によって異なりますが、二分の一から十分の九までの軽減措置を講じてございます。

 さらに、関係者による空港利用促進協議会を設置いたしまして利用の促進に努めるというようなこともやっておりまして、いろいろな形で地方路線の維持を図ってまいりたいと考えております。

石川委員 このままいくと、第二の鉄道とまでは言わないですけれども、どんどん不採算路線は削られていく。地域の方々も不便になっていく。今、医療の例は少し極端な例かもしれないですけれども、決して極端だとまで言い切れません。やはり、地方の航空路線をどう守っていくかというのは大事です。もちろん、税金を際限なく投入するというところまではいかないと思います。

 ただ、タクシーの例と同じように行き過ぎた規制緩和、これはやはり航空の路線のあり方検討委員会みたいなものをつくってぜひ検討すべき。先ほど、鉄道に関係した質問で、これは遅きに失したのではないかということを私は申し上げました。航空路線も今から総合的に考えていかないと大変になるのではないかと思います。

 今回、観光庁ができました。地方の自治体では、どうしても航空路線を残しておいてほしい、ぜひお願いをしたいと航空会社に陳情する。そのときに、搭乗率保証みたいなものをして、六〇パーなり七〇パーなりいかなかったときは保証するということをやっている地方自治体も少なからずあると思います。

 せっかく観光庁ができました。例えば、地域が事業計画をつくって、観光でも地域活性化でもそれはいろいろな方策があると思いますけれども、今後、そういうことを策定して、それに対して国として、これは今後この地域がどんどん観光客もふえる、また事業も発展をする、地域の活性化につながるというような形で保証をしていく、そういう考えをお持ちかどうか、大臣にお答えをいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 今のお話は、能登空港では、本当にああいうところに飛行場をつくって観光客が来るのかなという心配もあったわけですけれども、地域の首長さんや財界、旅館の人たちがみんな集まって一つの基金をつくって、そしてそこへ、航空事業会社に対して、搭乗率何%を切れば我々は一便につき、一人につき幾ら払うというようなことで、来ていただいたんですね。そのかわりに、それを超えれば、今度は航空会社の方から基金の方へ超えた分を入れてもらう、こういうような取り決めまでして。

 そういうことになりますと、こちらから入れるのは大変ですので、空港から旅館とか主要なところへ、町でバスを走らせて、そして旅客を誘導するとか、あるいは海外、韓国、それから台湾が物すごく多いんですけれども、そういうところにも積極的に売り込んで、今では能登空港は非常にばりばりとやっておられますよね。そして、基金の方からお金を出したことはなくて、航空会社の方から基金にお金が入る、一方通行でやれるという、うらやましいようなことがありました。

 この間、大地震がありましたけれども、そのときも、私ども観光の方から特に台湾の方へ、今能登は元気になっています、道路も全部このように連休前には開通させました、それから旅館も全部やっています、こういう写真を全部入れた広告を出して、そのように、乗客に対する掘り起こしを、地域を挙げて空港を守ろうということでやっていらっしゃるところがあるんですね。そういう成功事例、全部成功事例にはならないでしょうけれども、それがやはり一番基本だろうと思うんですね。

 だから、航空路線を設定するか、そこから撤退するかは事業判断、いわゆる経営者の判断に任されているわけですよね。ですから、それが三〇%しか乗らないというようなことになりますと、撤退せざるを得ないということになります。もちろん、航空会社においても、機種の選定その他においていろいろな工夫をしていただかなければならないと思うんですね。しかしながら、機材も限られていますし、なかなか選択肢は狭いようです。

 したがって、我々としても、そういう事実を踏まえて、今航空局長が言いましたように、いわゆる北海道のある地方空港から羽田へ入ってくるという着陸料を最高で二分の一まで補助する、そういう手だてをしているわけですけれども、そういうことで、やはり地元で事業を喚起していただくような方法をとってほしい。

 関空についても、外国航路十三万回ということで、これは官民挙げて、トップセールスで、外国へ行って航空便を導入した、そういうこともありますので、大変厳しい話ですけれども、そういうことでやっていただきたい、このように思います。

石川委員 ぜひ、遅きに失したとならないようにお願いをしたいと思います。

 エアトランセという北海道の地域内航空がありまして、帯広―函館便というのがあったんです。これはもう廃線になりまして、女満別―函館便が今度復活をしたんですけれども、そういう地域で頑張っている航空会社もありますので、ぜひ早目に早目に対応を打って、航空会社と自治体が案を出して頑張っていけるようにお願いをしたいと思います。

 最後に、道路局長にお尋ねをしたいのであります。

 先週、平泉バイパスについて御質問させていただきました。平泉バイパスと小鳥谷バイパス、平成十九年四月時点の進捗率、これは私の質問の後に資料をいただいたんですけれども、平泉バイパスは八五%、小鳥谷バイパスは八四%となっております。もちろん、九月の大雨の関係でということではありますけれども、十九年四月の時点で、もっと総合的な判断でできなかったのか。余りにもぎりぎり過ぎて、結局、大雨で、五月のお祭りに間に合わなかった。

 この間の答弁で、今、財源の問題で、これはどうかわからないということでありましたけれども、七月の世界遺産登録に向けてどう考えているのか、最後に御答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 大雨で一・五カ月おくれたということで、大変御迷惑をおかけしております。

 七月の平泉の世界文化遺産登録まで供用できるかということでございますが、発注手続が最短でも一・五カ月かかります。実際に公告をしてからそういう手続を始めますので、一・五カ月。残工事が約二カ月ということでございますので、トータルしますと三・五カ月、そういう工期が今からかかるということでございます。

石川委員 これは、残工事等すべて総合して三カ月半かかるということでありますけれども、観光庁ができて、ぜひ総合的な判断で行っていただきたいと要望して、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

竹本委員長 次に、後藤斎君。

後藤(斎)委員 大臣、ちょうど二日前の二十一日の十時十分ぐらいだというお話を聞いておりますが、日本タンカーがアデン湾で小型不審船から被弾を受けたという報道がありました。余り大きな記事にはなってないようなんですが、大臣、海洋基本法を制定し、それから、領海内の不審船のチェックについては従来以上に厳しくするという法案もこれから待っていますけれども、やはりこのアデン湾というのは、タンカーも含めた、日本のエネルギー資源の非常に重要な航路であります。

 まず、この事実関係について、最新の部分で、ぜひ海上保安庁の方から、簡潔で結構ですから、まず冒頭、御説明をいただきたいと思います。

岩崎政府参考人 事案が発生しましたのは、四月の二十一日、現地時間で午前四時四十分ごろでございます。イエメン沖、日本籍の、日本郵船所属の「高山」という船が、タンカーでございますけれども、重火器らしきものから撃たれた、こういうふうに聞いております。乗組員等には負傷者はなかった。ただ、船体の損傷状況を確認したら、船体の左舷後方に損傷があったというふうなことでございます。

 現在、この「高山」でございますが、昨日夜の情報でございますけれども、イエメンのアデン港外の方に到着をいたしまして、現在、入港許可を待って漂泊中である、こういうことを聞いております。

後藤(斎)委員 今長官がお答えをいただいたように、これからどんな形で、捜査を海上保安庁がするのかどうかというのはよく承知をしておるんですが、これから海上保安庁が捜査というか調査をしてという報道もありますが、その点については今後どのような形でお進めになるんでしょうか。

岩崎政府参考人 私ども、今先生がおっしゃった捜査の件につきましては、これは日本船舶に対して行われたものでございますので、日本船舶に対する犯罪の疑いが濃いものですから、これは捜査をする予定にしております。

 ただ、この船は今アデン湾の方に行っておりますので、この船が日本の方に帰港するときを活用しまして、まず乗組員から事情聴取を行うというようなことから始めたいと思います。また、いつ帰ってくるかにつきましての日程は不明でございますので、いつから始められるというのは申し上げられる段階ではございません。

 そのほか、保安庁といたしまして、関係の局と一緒になって、こうした事案があったということの周知、航行警報の発出等に努めているところでございます。

後藤(斎)委員 長官がおっしゃるように、まず乗組員の方からというのは当然のことだと思うんですが、このアデン湾も含めたソマリア海域では、最近、海賊やテロみたいなものが増加傾向にある。これも報道で大変恐縮なんですが、海上保安庁も警戒を呼びかけていたということもお聞きをしています。

 当然、その地域の国々の方々と政府の方で、どのような協力関係の中で未然にどう防いでいくかというのが大変重要だと思いますし、その点について、アジアの、特にマラッカ海峡の地域では、日本の海上保安庁も主導的にいろいろな枠組みをつくって、捜査や未然に防ぐ体制づくりということをしているようであります。

 もちろん、非常に遠い国でもありますけれども、先ほど申し上げたようにエネルギーの安全保障、エネルギーの輸送の危険防止ということから考えれば、やはり何らか、多国間の枠組みも含めてやっていく必要性が当然のことながらあると思うんですが、その点についてはどのような状況になっているのか、簡潔に御説明をいただきたいと思います。

岩崎政府参考人 マラッカ、シンガポールにつきましては、海賊の種類も、割合と小型の火器なんかを持っているようなものでございまして、我々は海上警察機関と呼んでおりますけれども、我々の方で周辺諸国の海上警察機関と対応しながら一定の成果を上げてきているものと自負しておるわけでございますけれども、このソマリア沖のものは、私どもが聞いている限りでは、テロリスト的な集団が海賊行為を行っている、持っている火器もロケットランチャーみたいな、重火器と言われるものを装備しているということでございますので、現にここの海賊の警備に当たっているのも、アメリカ初め関係の海軍がこの海賊の警備に当たっているというのが今の状況でございます。

 私どもの海上保安庁という警察機関がどういう形で、こういう方面についてやっていくことが本当にできるのか、こういうことは検証が必要だと思いますけれども、先生御指摘のとおり、周辺の動きなんかについての情報収集、そういうことについてはこれからもやっていきたいと思っております。

後藤(斎)委員 大臣、質問通告を大臣にしていないんですが、今、事実関係、これからの方向性も含めて長官にお尋ねをしたんですが、当然、我が国だけでできること、国際協力の中でできること、いろいろ程度の差はあると思うんですが、これはやはり、今長官が最後にお話しをいただいたように、海上警察だけではもう十二分にできない。ただし、日本がみずからの、例えば自衛隊が出かけていってということは当然難しい部分もあるでしょうから、やはり、これから国際的な枠組みをどうつくるか。そのベースにはエネルギーの安全保障のあり方も含めて考えていく。海洋基本法が制定をされ、これから実行され、これから領海や公海やいろいろな部分に海域を分けるにしても、それが、我が国がこれから本当に資源もエネルギーも、そして物流もという生命線にやはりなっていくというふうに思うんです。

 やはり、この海賊行為が、テロ行為が頻発するということになると、海上の、これもいずれ審議をされるでしょうけれども、例えば保険料も上がってしまう。なかなかそれが転嫁をできずにエネルギー価格も上がるとか、今ただでさえ、前からお話ししているように家計や企業も非常に厳しい状況の中で、その行為をどう取り締まることができるかどうかによってもっと上昇傾向になってしまう、そういう可能性も含めて、ぜひ政府の中で、外務大臣も含めて、きちっと大臣からも発言をしていただきたいと思うんですけれども、その点について、簡潔で結構ですから、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 ありがとうございます。

 海洋基本法及びそれに基づく海洋基本計画の中でも、海上交通の安全あるいは海上の安全の確保というのは大きな政策目標に掲げられております。したがいまして、地球の裏側のような非常に遠隔な土地ではありましても、日本の多くの船舶がここで、ただ単に原油を運ぶというだけではなしに、いろいろな意味で、お客さんを乗せた船も航行しているわけですから、これに対する安全の確保というのは非常に大事だと思います。

 ただ、ロケットランチャーとか、そういうようなものを装備した海賊が徘回するというような危険な地域を、海賊行為を取り締まる権限は、国際法上、各国にあったら、公海上でもそういうことができることは決められていますものの、そこまでのことを海上保安に期待することはなかなか難しい状況であります。したがいまして、八省庁が一つになって海洋政策を進めようということでスタートした総合海洋政策本部、ここで、こういうものについてのこれからの対処の方針等を協議し、そして結論を出し、必要な措置をとっていかなきゃならない、このように思っております。大きな課題だというふうに思っておりますが、現時点では非常に困難な状況であります。

 したがいまして、我々、アラビア湾で給油活動をやっておりますが、そういうような給油をしている国々の船舶が、それも軍艦がそこら辺で遊よくをしているわけです。したがいまして、こういうものをどう話し合いによって援助を受けることができるかどうかというのも一つの方策だと思いますけれども、今後十分に検討させていただきたいと思っております。

後藤(斎)委員 ありがとうございます。ぜひ、内閣全体で適切な対応を進めてほしいというふうに要望しておきたいと思います。

 続きまして、きょうは鉄道の話を後ほど、いろいろな角度から御質問をしたいと思うんですが、その前に、大臣は余り愛煙家ではないようですからタスポというのは御存じないかもしれませんが、これがないと七月一日からたばこの自動販売機でたばこが買えなくなるということのようであります。

 なぜこの話をこの委員会で取り上げるかというと、国鉄の長期債務の処理というのは、実はいろいろなスキームで、当時、平成九年十二月十七日の決定では二十七兆八千億の有利子債務を含めた債務をどう返還するかというふうなことを、例えば、一般会計から繰り入れるであるとか、土地、株式を売却するであるとか、郵貯特会から特別繰り入れをするであるとか、それがほとんど終わって、今、基本的にはたばこ特別税でこの債務償還をしている。

 今は大体二十一兆円くらいまで減少しておりますが、このたばこ特別税というのは、大体一箱当たりだと十六円四十銭、年間トータルだと二千三百二十八億円、これは平成十七年度の数字であるようでありますけれども、これで基本的にはJRのというか国鉄の長期債務を返還しているということであります。

 これから何をお聞きしたいかというと、一つは、確かに、未成年の方々が自由に自動販売機を通じてたばこが買えるのを防止しようというのがもともと根底にあるようでありますが、この裏の方にもあるんですけれども、今、全国で順次タスポが導入をされておりまして、三月からは鹿児島県、宮崎県でパイロットエリアとして既に導入がされ、この東京では、私の住む山梨もそうですが、七月一日から。

 実は、このことで何が起こっているかというと、先ほど川内筆頭ともお話をしたんですが、例えば飛行場で観光客の方が自動販売機で買おうとして小銭を三百円入れて、実は買えないということで、お店と、トラブルまではありませんけれども、何でというふうな素朴な疑問がある。

 報道によりますと、このタスポというのは、私も実は今まだ申し込んでいないんですが、ちょっと嫌らしいのは、ここに何かICチップがついていて、どこでたばこを買ったのかというのが後でわかってしまう可能性もあるということです。

 ただ、この自動販売機を新しくタスポ用で設置し、例えばそのシステムを開発する費用というのは一千億円かかっているというふうなお話を聞いて、その事実確認を財務省の方にきょうはしたいということで、次長にお尋ねをしたいんですが、この辺について、例えば、システム開発と自販機の新たな設置ということで、それぞれどのくらいのお金がかかっていて、そのうち税金投入というのがあったら、その部分についても御説明をお願いしたいと思うんです。

    〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 先生からお話がありましたように、未成年者の喫煙防止という観点から、いわゆるタスポについては、たばこ業界による自主的な取り組みとして、平成十三年以降、開発、導入が進められているところでございます。現在、全国のたばこ自販機約四十八万台のうち、八割強の四十万台が既にタスポ方式の自動販売機となっております。

 また、先生からお話ございましたように、本年七月からの全国稼働に向けまして、本年三月から、パイロットエリアということで鹿児島県、宮崎県においてタスポのサービスが実際に開始、稼働をされておるところでございます。

 タスポの導入にかかる諸経費については、たばこ業界において全額負担されておりまして、財務省として詳しい内訳や詳細は把握しておりませんけれども、システム開発から自販機の設置等まで含んだ経費全体でおおむね九百億円、内訳は、システムの開発、構築費用として約三百八十億円、それから、自販機を識別ができる自販機に入れかえるための費用として約五百二十億円というふうに聞いております。

 また、成人を識別する方法につきましては、財務省としては、成人識別を確実に行うことができるものであれば差し支えないというふうに考えておりまして、現時点では、タスポ方式のほかに運転免許証方式というものも存在しておるところでございます。

 財務省としても、未成年者喫煙防止対策はたばこ関連の重要な施策だと考えておりまして、成人識別機能の自販機の全国導入を円滑かつ速やかに実現することができるよう、本年七月以降、成人識別自販機の設置をたばこ小売販売業の許可の条件とすることとしておりまして、今後とも適切に対処してまいりたいと考えております。

後藤(斎)委員 次長、今のようなことで、税投入はしていないという御趣旨で、ただし、たばこ業界が自主的にシステム開発と自販機の入れかえをなさっているということであります。

 最後に、ちょっと今、三日月議員の運転免許証をお借りしたんですが、例えば、これと、タスポのICチップがあるもので、これを自販機にかざすとたばこが買えるんですか。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 現時点で、タスポの方式と免許証の方式というのは全然システム的に違っておりますので、タスポの自販機に免許証をかざしても、それは買えない形になります。ですから、そこは今後どういう形で技術開発がなされるか、ちょっと現時点では申し上げがたいんですが、現時点ではそういう形でシステムは全然違っているということでございます。

後藤(斎)委員 私、これが目的ではなくて、要すれば、たばこ税がトータルで年間二兆二千四百億、これは平成十七年ですね。ある意味では、ちょっと話がそれますけれども、トータルの道路特定財源の暫定税率部分にほぼ匹敵する額がたばこ税で一年間。そのうちの二千三百二十八億円がたばこ特別税で、国鉄の長期債務の返還に充てられている。

 確かに、ほかのいろいろな国を見ると、特にヨーロッパの国なんというのは一箱千円を超す国というのはたくさんありますし、そのうちのほとんどがたばこの税金だと。私は別に今の三百円を上げてもいいという、皆多分そうだと思うんですけれども、それはいいと思うんですが、ただ、本来の目的が何か。要するに、未成年の方のということであれば、鹿児島のパイロット的にできたところでも、タスポをおやじから借りて買っちゃった息子がいるとか。

 本来の趣旨というのが、一千億、たばこ業界の方々が、強制なのか何かわかりませんけれども、少なくともこの通達を理財局長の方から各財務局長や沖縄総合事務局、たばこ産業株式会社に出した、この製造たばこ小売販売業許可等取扱要領を。要するに、そうしなさいよということで、ある意味では強制的に業界に指導というか通達を出されていますから、そういう意味で、税投入はしていないということでありますが、どこかに負担がかかっているわけですね。別にこの一年間くらいでたばこが上がったわけでもありませんから。昔の自動販売機がどこに行っちゃったのかよくわかりませんけれども。

 いろいろなことを考えて、これは後で私は鉄道と環境の問題を中心にやりたいんですが、こういうことが本当にいいのかなと。

 これは大臣が口出しをなさることじゃないのかもしれませんが、あえてきょうは財務省に来ていただいているのは、この取扱要領という通達一本で一千億の業界の方々が、自発的なのかもしれないけれども、ある意味では非常に緩い規制で、本来の法目的というか、法じゃなくても、私も自分は吸っていますけれども子供には余り吸わせたくないんですが、親としてのいろいろな思いも含めて、もっときちっと対応をできるような中で、税はかからないにしてもコストをやはり低減していくということが業界の発想としてないと、私は、これからの厳しい地域間競争、国際間競争の中での一つのベースにはならない。

 ある意味では、旧運輸省も許認可官庁と言われて久しかったですけれども、たばこや塩も専売という中でお上が言えば何でも聞いてしまうという、何かちょっと違ったような意識が僕はあるような感じがしてならなくて、たばこ特別税の長期債務の問題とあわせてちょっとこの委員会で取り上げさせていただいたところでございます。

 次長、最後に一点だけ確認をしたいんですが、今八%くらいしかタスポがまだ普及していないということでありますけれども、例えば、これから免許証方式というものが併存というか並立をした自動販売機の設置というのをしていくんでしょうか、それとも、いや、やはりタスポはタスポで、こちらの方を主導的にやっていこうというおつもりがあるのか、それがまず一点。

 あわせて、税収がどうなるか、売れ行きがどうなるかはまた別の話として、例えば、タスポにはICチップがここについていて、冒頭申し上げたようにだれがどこで何の銘柄を買ったのか、いわゆるバーコードで、POSみたいな形で集中管理をJTさんがするのかどうかわかりませんけれども、その仕組みでどのようなことをこれからJTさんが考えていくのかもし御承知であったら、最後の方も含めて、この二点についてお尋ねをしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、財務省としては成人かどうかを識別できればそれでいいわけでございまして、特定の方式でなきゃいかぬということは全然考えておりません。

 それから二点目ですけれども、タスポにつきましては日本たばこ協会という協会が主導して、これは、構成がJTとかフィリップ・モリスとか、要するに輸入業者を含めてメーカーでつくっている協会でございますけれども、そこがやっておりまして、そこに情報が入って、そこから各メーカーには情報が行かないという仕組みになっているというふうに聞いております。

後藤(斎)委員 これは大臣に、質問じゃないですけれども、意見だけ言わせていただきたいと思います。

 今まで道路の税の話もいろいろな角度からさせていただきました。このたばこも、もちろん健康に悪いと承知して私たちは吸っている部分もありますけれども、トータルの税というものを考えるときに、国、地方自治体も含めたこの二兆三千億の税収と、なおかつ今二十一兆円ある、唯一の返還財源であるこの二千三百億強のたばこ特別税がこれから多分減少していくときに、これは財務省だけじゃなくて政府全体でやはり考えなきゃいけないことなんですが、例えばその税が半減になってしまったと。例えば今の二千三百億でも、大臣、百年かかるんです、百年近く。ですから、それが半分になれば多分二百年かかるんです。

 だから、そういう部分で一般会計からの繰り入れというのが今どの程度かちょっと詳しい数字は承知していませんが、結局、前の大臣の、いや、道路特定財源をやめれば違うところにしわ寄せがあるんだという、多分同じような議論がこういう分野にもあって、実際、たばこの一箱当たり十六円四十銭ほどが長期債務の百年という非常に長い期間のもので返済する基礎的な財源になっているということは、ぜひ皆さんにも御理解いただきたいということであります。

 続きまして、本論の鉄道の方に。次長はどうぞ、もう結構ですから。長官もどうぞ。

 後ほど、午後から公共交通の地域活性化法が集中的に議論をされますが、その前に、私は、この公共交通、特に鉄道が持つ環境負荷に非常に優しいという面と、やはり人口が減少する社会という中で、これから国内だけの旅客、貨物ということだけでは非常に縮小産業になってしまう。それが今まで、幹線の部分、三大都市圏の部分と、それ以外の地域の部分でお客様の数も大きく違う。その中で、地域の方の公共交通機関に乗るお客さんも少なくなってきて、今回、この法改正も含めて、大変厳しい地域鉄道を支えなきゃいけないという部分で午後の法案の質疑も進められると思うんです。

 その前に、例えば鉄道、バスといった日本全体のいわゆる地域の公共交通機関が、これから人口減少ですから絶対量がどんどん減っていく。後で料金のお話も鉄道局長にお尋ねをしますが、料金決定というものも基本的には総括原価方式ですから、下がるということは、いろいろなサービスが例えば複数に提供されない限りは、通常の行って帰ってくる料金というのはそう下がることは多分望めない。一方で、総売り上げというものも、お客様の数が減れば、旅客ということで考えれば、トータルの売り上げというものは当然なかなかふえていかない、むしろ減っていくというのが、あと十年くらいは例えば三大都市圏は旅客の増加が緩やかに見込めるか横ばいというお話もされています。

 公共交通というのは、日本は島国ですからほかの国のことをとりあえず考えずに済むという部分に、ある意味では依存をしていた部分がすごく私はあるのかなというふうに思うんです。ですから、EUなんかは特に日本よりも環境という意識が、私たちは今は同じくらいのレベルかそれ以上にもうなっているかもしれませんけれども、五年、十年前であれば、EU、特にドイツも含めた地域では、環境について公共交通機関をどういうふうに位置づけるのかという発想が非常に強かったと思うんです。

 ですから、これは、道路の問題についても御質問をしたときに、道路だけではなくて鉄道もバスも航空も港湾もと、社会資本全体の中でやはり議論をしていかないとどうしても片手落ちになるし、十年後、二十年後の将来の方向性等が間違った方向に行く可能性があるという話も指摘させていただきました。

 やはり、例えば鉄道なんかは、車の七分の一のCO2で環境に優しい、飛行機に比べれば十分の一の環境負荷で済んでいるというふうなメリットというものが、基本的には鉄道も今は電気で走っているわけですからそういうことになるんでしょうけれども、では本当にお客様がそれを十分承知して公共交通機関を選んでいるかといえば、別にそうではないわけですね。ですから、これはある意味で、公の部分がどういうバランスがいいのかということを、大きなデザインを描いていく必要があるんだと私は思うんです。

 特に、高齢化が進み、先ほども石川さんもお話をされていましたけれども、特に中山間地、車ももう乗れなくなってしまった高齢者の方々が、やはり村や町のバスしか移動手段がない。それとか福祉タクシーということも、今、タクシーも含めて利活用があります。北海道で、あってはならない事件も起こりましたけれども。

 いろいろトータルとしての交通体系、公共交通をどうその中で位置づけるかということをやはり考えて、私は、高齢者の方々は自分で運転をするよりもそういうものを使う。確かに不便な地域もあるけれども、それについてはバス。鉄道がないところもいっぱいありますからバスやタクシーで代替をする。ある意味では、タクシーも総括原価方式でその料金が決定されていることを考えれば、料金決定の手法からいえば、いわゆるタクシーも含めた公共交通ということを考えなきゃいけない時代に来たのかなというふうに思うんです。

 ぜひ、大臣が、これから公共交通をまずきちっと守っていく、それも充実させていくということも含めて、環境負荷が優しいという鉄道の位置づけも含めて、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 自家用乗用車の爆発的な普及ということが公共交通の経営に対して大きな影響を与えているということは客観的な事実で、先ほど申しましたけれども、昭和五十年、そのときは乗用車がふえたとはいえ五〇%で、残り五〇%を鉄軌道あるいはバスというものが、特に公共交通機関が担っていたわけですけれども、最近では自家用乗用車が全国平均で八四%まで、五〇が八四になって、残りを鉄軌道と、私鉄も含むんですけれども、バスで八%ずつを分け合っているということですから、特に地方の過疎地帯では公共交通機関が成り立たなくなっているということは、そういうところから非常に大きいと思うんですね。

 しかし、環境負荷という面で考えてみますと、乗用自動車とバスと比較をいたしますと十分の三ですか、そして鉄道といえば九分の一ということでございますから、もう比較にならないほど環境負荷という意味では乗用自動車よりも公共交通がすぐれているわけですね。そういうことで、我々も、道路をつくる、道路をつくりますと乗用車の使用が抑えられないということになれば、乗用車がコンスタントに時速六十キロで走るときが一番周りに負荷が少ない。

 ところが、現在の状況はどうかといいますと、なかなか六十キロでコンスタントに走れるという、高速道路ならいざ知らず、渋滞あるいは離合すら難しいような道路というものがたくさんあるわけでして、そういうようなものを直しながら、できればモーダルシフトで公共交通の方へ乗りかえていただくような政策を進めなきゃならない。両方があると思うんですね。

 ですから、そういうことで公共交通が成り立たなくならないようにするための法律を昨年皆様方の協力によって成立させていただき、今回新たなニーズ、新たなニーズというか当時からあったんでしょうけれども、そういうものを取り入れたいという地方の意見がほうはいとして起こってきて、きょうの提案、御審議になっていただいているような地方の公共交通を守っていこうということと両輪だろうと思うんですね。

 国民のニーズを全部、公共交通にしたからそっちに乗ってくださいといっても乗用車をとめるわけにはいかないというところを考えれば、両方とも相まって、二酸化炭素排出量を抑えるような自動車の個体対策として日本はすぐれた対策も講じているわけですけれども、そういう方向も考えながら、自動車も六十キロで円滑に走れるようにする、あるいは公共交通を残しながらそちらの方へシフトしていただけるような政策も講じていく、これが我々が考えなきゃならない方策であろうというふうに思っております。

後藤(斎)委員 去年の国土交通白書の中で、これは以前もこの委員会で取り上げさせていただいた「地域に対する国民の意識」という中で、例えば大都市では約半数の方々が「公共交通の便が良い」ということで満足度が高い、町村では一二%ぐらいの方しか「公共交通の便が良い」ということの満足度がない。逆に言えば、「自分の住んでいる地域について不満な点」というところでは、一番、町村のというか、大都市と町村という人口の規模で比べますと「公共交通の便が悪い」というのが非常に格差があるわけですね。

 ですから、このベースというものがあって、当然鉄道だけだと敷設型ですからなかなか簡単に敷設をできないし、バスも、僕なんかのイメージ的には、大きな四、五十人乗りのバスじゃなくて、もう少しマイクロバスみたいなものをうまく使って、これは自治体では小さなマイクロバスのようなものをやっていますけれども、そういうふうにした方がいいのかなとか、本当にタクシーもそういう意味では上手に組み合わせた方がいいのかなと。いろいろな考え方はあると思うんです。

 そういう中で、これから総需要という旅客の部分は少なくともそんなに伸びていかないし、国内の物流ということでも、後で触れますが、例えば船舶と鉄道の部分で、今船舶から鉄道に貨物輸送も移っているという事例もあります。ただし、例えば鉄道車両をつくっているメーカーの方々も、平成十七年とその前の十六年を見ますと大体一千五百台強が一年間の車両の生産台数だそうですけれども、それは平成十六年度に比べると二二%ぐらい減少している。海外にも四百二十台くらい車両の完成品として輸出をされているようでありますけれども、それも一二%くらい前年度と比べて減少している。

 日本は確かに人口も減り、もう基本的なネットワークというものは、もちろんこれから整備新幹線の問題だとかそういうのはあるにしても、かなりの部分ではほぼ完成されている。それが、シベリア鉄道というのはもう百年も前にあの五千キロか何かを開通させた歴史もありますし、これからアジア、南アジアやインドや台湾を含めて、南アメリカ、アフリカ、いろいろな国で新しい高速鉄道をベースにした鉄道を事業化しようという計画がたくさんあるわけですよね。台湾でも三兆円とか四兆円とか言われていますし、ベトナムのハノイからホーチミンまでの部分も三兆円とか四兆円とか、まあいろいろな数字があってよくわかりませんけれども。

 そういうところに、車両メーカーだけではありませんけれども、環境に優しいということは、負荷が少ないということは、トータルの地球全体から考えても地球温暖化に当然プラスになる、それは識者の方、政府関係者の方は当然おわかりになっている。でも、今の現状では、当然民間は民間だからということで、多分民間の車両メーカーの方がみずからのは商社の方と組まれてやっているんでしょう。ただ、例えば中国であるとかフランスであるとか、そういう国は、国がどういうサポートをするかどうかは別としても、支援体制をしながら、契約が成立するように官民を挙げてやっている。

 これは、以前は全然やっていなかった。経産大臣が甘利大臣になってから、例えば資源が足りない、特にレアメタルが足りない、では大臣がみずから行って資源外交をしていかなきゃいけないということもこれからたくさん出てくると思うんです。特に、縮小産業なんと言うと大変恐縮ですが、非常にこれから需要が伸びにくいし、ある意味ではいずれ減少するだろうというのが当然のことながらわかっている事業体を持ち、なおかつ国内の需要だけでは車両メーカーの方々も当然食っていけない。となると、その千五百強の国内の車両生産台数と、海外に四百二、三十台ですから、その四分の一くらいをまだ輸出ということで考えていらっしゃらないようでありますけれども、それを国としてもきちっとサポートして、そういうメーカーの方も元気になっていただく。

 変な話、これは大変失礼な言い方かもしれません、旧運輸省は許認可官庁というものがメーンになり過ぎて、業としてそれをどう興していくか、そういう意味では旧建設省の方が、業として、どんどん事業をつくるということはやられてきたのか、もしかしてその差があるのかなと思うんですが、それはもう乗り越えて国土交通省として、もちろん民は民でやっていただかなきゃいけないんですが、世界はそれだけでは待ってくれませんから、事業家として海外に向けて車両を売っていく、そしてレールに新しい技術を持った、新幹線の技術であるとか、リニアの技術であるとか、いずれそういうものを乗せていく、そういうことをきちっと国としてサポートしていくべきだと思うんですが、その点について御見解をお伺いしたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、少子高齢化の進展で、確かに国内での輸送量の大幅な増加は見込めない状況でございます。しかしながら、引き続き、車両あるいは施設それからICカードを含めましたシステムの磨き上げ、こうしたことは大変大事なことだと思っていまして、これはこれでしっかりやっていきたいと思っております。

 委員御指摘の我が国の鉄道産業のさらなる発展という意味からは、海外展開というものは私どもとしても大変重要な事柄だというふうに考えております。現在、海外では、委員御指摘の中国あるいはインドあるいはベトナムを含めまして、高速鉄道が相当計画もされております。そういう中で、高度な鉄道システムを持つ我が国への協力要請も、現在もありますしこれからもふえてくるのだろうというふうに考えております。そういう御要請に応じまして、私どもとしても、実は官民合同のミッション、そうしたものも積極的に派遣してきておりますし、これからもまたそうしたものについてもより幅広く参画をしながらやっていきたいと思っております。

 いずれにしましても、海外展開は基本は民間ベースでございますけれども、同時にODAの活用など、政府の役割も大変大きいというふうにとらえております。鉄道局としましても、相手国政府との対話、あるいは密接な交流、さらには先ほど申し上げました官民一体のミッション、そうしたものをよりよく展開しながら、我が国の鉄道産業、ひいては私ども日本のために頑張っていきたいと思っております。

    〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕

後藤(斎)委員 大臣、なぜ今のお話を聞くかというと、単に輸出をしろということではなくて、今まで、特に東京を中心とした、たくさんのお客さんに乗っていただく私鉄の方々は、みずからのお金を投資して線路を敷き、その後、不動産分譲みたいなものとこれをセットで、グループ全体で事業をつくり上げてきた。ですから、一時期、JRよりも私鉄の方が料金単価も安かった。

 先ほどもお話をしたように、料金というのはこれからがくんと下がるなんてことはなかなかないと思うんです。例えば、JRがそういう技術を持つ、私鉄の方々が持っている、車両も含めて、その新しい技術も含めてですが、海外に進出をし、事業全体がよくなれば、いずれ料金というものも乗っていただく方々に還元ができるということも、トータルとしてやはり考えていかなきゃいけない。

 なおかつ、今は、例えばヨーロッパの、私も一度乗せてもらったことがあるんですが、パリとロンドンの、以前は飛行機か船しか通っていなかったところ、トンネルを抜いて今は鉄道が通っているわけですね。それは今短縮をされて、駅から駅まで大体二時間十分くらいでパリ―ロンドン間が鉄道で行ける。飛行機で行くと一時間ちょっとなんですが、いろいろ手続とかで早く行かなきゃいけませんから結局同じくらいです。この四、五年間で、開通をしてから飛行機から鉄道輸送へのお客さんの切りかえが、七割くらいがもう鉄道に乗っているというふうなことも言われています。

 これは、やはり我が国も、いずれの部分で、この間、関空の話を大臣は市村議員とされましたけれども、そういう交通体系全体をこれから、例えば「のぞみ」も広島まで四時間、以前は五時間、六時間かかった。どんどん短縮をされて、いずれリニアができれば東京―大阪間も一時間で行けるということになると、私たちが利用者として乗る選択をするときに、飛行機に乗るのを、同じ時間だということになれば、やはり鉄道に乗るでしょうし、いやいや、これは時間が合わないからということで、大臣おっしゃるように車に乗る場合も、いろいろな選択を消費者自身がする。

 そのときに、では、環境にいいから鉄道に乗ろうかという、なかなかそこまではいかないと思うので、ですから、これからお客さんの切りかえで飛行機から鉄道ということも当然どんどん出てくるかもしれませんが、公共交通機関というものをどう、例えば飛行機は海外へのお客様の輸送をやはりメーンにしていくとか、いろいろな、まさにモーダルシフトというものは多角的にやはり出てくると思います。そのとき何をしなければいけないのかという部分で、港湾の整備であるとか、飛行場の整備であるとか、道路も入るかもしれませんけれども、鉄道もそういう中に当然入る。

 もう一つ、今までJR貨物さんなんかは、非常に貨物の輸送量が、もうトラックに食われてどんどん減少してきた。ただし、この一、二年でJR貨物さんの取扱量が非常にふえてきたというふうにお聞きをします。これは、ある意味では、トヨタ自動車と組んで、豊田市から、従来であれば飛行機で部品や完成品を仙台の方の工場に持っていったのが、そうではなく貨物列車で持っていく。その部分で、半日くらい納期が短くなった。これは当然、自動車会社であっても、現場というか乗り物にとっては競合しているわけですけれども、でもやはり、効率性、利益も上がるということで、かなりそれが増加をしているという話も聞いています。

 だから、今までの発想だけでやっていれば本当に縮小していくだけで、そのパイのとり合いみたいなことだけだと考えているとやはりよくないし、それを、必要な技術や車両みたいなハードの部分も含めて、海外にもどんどん目を向けるというふうなことの中で、やはり底上げを全体にするし、ひいてはそれをお客様にも還元できる、国民の皆さんにも還元できる。それがないと、例えばがらがらのバスに補助金を自治体がつけないと、赤字でもう全部やめちゃうよと。午後も議論される地域公共交通の部分もそうだと思うんです。

 ですから、そういう部分を、全体がどうなるかというやはりビジョンづくりを、ぜひ大臣、早急にしていただきたいと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

冬柴国務大臣 日本の新幹線は、もうシンカンセンという言葉が国際用語として通用するほど、七十億人以上の人を四十年以上無事故で運んでいるというのは、これはもうギネスを毎日書きかえているようなものです。しかも、東京から出ている新幹線の数というのは驚くべきもので、それが定時性が一分以内、一分狂わないんですね。それ以上やるとそれは事故になる、事故という。

 本当に、外国人が聞いたらびっくりしますし、そういう意味で、外国人は日本へ来れば新幹線に乗って、その新幹線の技術に驚きを感じ、そしてそういうものを我が国にも敷設したい、こういうことになるんですけれども、シンカンセンですからね、フランスとかドイツとか、もう競争が物すごく激しくて、例えば中国の売り込みとか、中国も新幹線を導入したいとは言われるけれども、やはりパッケージで何もかも、車両も、それから軌条も、電気系統も、信号も、そういうものを全部合わせてでないと、新幹線の一部だけでは困るというようなのが、こういうようなパテントあるいはノウハウを持っている日本の鉄道事業者、そういうふうな強い御要望もあります。

 しかしながら、我々の方には、例えばインドからも、それからブラジルからも、もちろん中国からも引き合いがあり、韓国、台湾もあったわけですけれども、成功したところあり、成功しないところあり。ただし、技術移転という意味では、相当それは我々も協力をしておりますし、そういう外国から私の方へ来られます、ぜひ協力してほしいと。アメリカ・サンフランシスコなんかでも来ますよ。そういう意味で、日本の新幹線というものは高く評価されているし、ただ、高いと言いますね。そういうところで、事業者がやるわけですけれども、今後、我々も十分にサポートしていかなきゃならない。

 最後に、先ほど局長からも言いましたように、ODAというもの、これは非常にすごいですね。ですから、これは表にも出ていますけれども、インドなんかのムンバイからの、これは貨物列車ですけれども、そういうものについてもぜひやってほしいと。それから、向こうも、行きますと、ニューデリーの地下鉄、これは走っている車両は韓国なんですが、しかし、つくったのは全部日本なんですね。物すごく感謝されていますよ。

 ですから、そういう意味で、今、後藤委員おっしゃったように、日本の技術というものを日本の国内の交通体系を守るという意味でも、先端的な世界最高の技術とそれからノウハウを移転することにより、日本がそういう意味で先導をし、先進的な技術を移転し、そしてそれによって日本の国内のモーダルシフトというものも進められるような世界もつくっていかなきゃならない、このように思います。

後藤(斎)委員 リニアの話をしたいと思うんですが、大臣、その中で、今JR東海なんかは一番、東海道新幹線は昭和三十九年、オリンピックの年ですから、もう四十年経過をしているという中で、この東海道新幹線の効率的で世界に冠たるというのは当然よくわかります。ただ、耐用年数が七十年という設計をされておるそうです。二〇二〇年代、ですからあと十年ちょっとたつと、本格的な改修をしていかなければいけないということで、私は、中央リニア、リニアでなくても本来はいいのかもしれませんけれども、新しい技術、新しい能力ということではリニアということが適切だと思うんです。

 やはり、そのバイパス機能としてというのは、一日四十万人のお客さんが東海道新幹線に乗られる、一年間にすると一億四千五百万人、ちょうど日本の人口よりもちょっと多い人口のすべての方が乗る感じで、もちろん通勤通学があるから同じ人が乗っている回数も当然多いんですけれども、そうではなくて、やはり、今もちろん技術開発をしているのはよくわかっています。ただ、それがやはりスピード感がなければいけないし、もちろんその大前提には安全性の確保というものがあって当然なんですが、少なくとも東京―名古屋間についてはJR東海自身が自己負担で出すという話もしていますので、ぜひ、これからの世界の、ある意味では異種格闘技だと思うんですね。

 日本の新幹線を私たちはいいと思って、大臣のところにたくさんの国の方々がお客さんで来るかもしれませんけれども、やはり、TGVもそうですし、ドイツの常電導のリニアもそうですけれども、いろいろな国が、いろいろなメーカーが、これから需要、冒頭も言ったたくさんの国がこれから高速鉄道を敷設し、都市対都市の大動脈にしていこうという計画を世界じゅうでしているわけですね。

 ですから、やはりスピード感があってやらなければ、幾らいいものを例えば二十年後につくって、二十年以内には、ロシアも終わった、ブラジルも終わった、チリも、アフリカも全部終わっちゃったというときに何をするのかと。やはりスピード感がなければいけない。だから、許認可だけをしていたというものがまだどこか体のところにしみついているような感じがしてならないんです。

 それを大臣が、いや、やはり技術評価委員会もオーケーだと言っているんだから、もっと早くやろうよ、ある意味では税投入を若干してもちゃんとやろうよという強い意思がない限りはなかなかやはり進まないというのが、繰り返してあると思います。

 時間があと少しあるので、まず局長からで結構ですから、現状についてお答えをいただいて、これからのスピード感という、世界にそういう技術やノウハウを売っていくんだ、それがひいては地球環境にもいいんだということも含めて、最後に大臣、ぜひお答えをいただきたいんですが、まず局長から現状について、簡潔で結構ですから。

大口政府参考人 先生のお尋ねはリニアに関してかと思います。

 リニアにつきましては、現在、JR東海それから私どもの鉄道総合研究所とで一緒になって研究を続けているところでございます。かなりの部分の技術は確立してきていまして、いよいよ実用化に向けての、平成二十八年度までにそうした実用化に向けたまさにいろいろな技術の磨き上げを、現在、年間七億ぐらいの予算で、一緒になりながらやっているところでございます。

 今後、私どもとしては、この超電導リニアというのはすそ野の広い技術でございますので、事鉄道技術のみならずさまざまな分野に影響が出てくるかと思いますので、しっかりと進めていきたいというふうに考えております。

冬柴国務大臣 今言われたとおりでございまして、私としては、新幹線を整備するための巨額の財政の問題がありまして、それをどう調達できるのか、このような財政状況の中でどうなのかという問題がありますが、その点については、JR東海さんが独自で負担してでもとおっしゃる以上、それは解決されたと見ていいのでありましょう。あとはルート選定で、今、南アルプスの直下を試験的にやっておられますが、それがそのとおりで技術的にもいけるのかどうかという問題を確かめるということが今の大きな課題だろうと思います。

 そのほか、既存の新幹線と競合することになるわけで、飛行機とも競合しますけれども、その場合の両者の財政の状況とかいうことも大変大きな問題だろうと思います。それは、料金設定とかそういうものにも影響すると思いますけれども、これは非常に、枝葉の、技術的な問題かもわかりませんけれども、今後、巨額の投資を必要とするリニア新幹線ということで考えていいと思いますが、そこの経営状況、財政状況ということも検証していかなければならない大きな課題だと思います。

 しかしながら、私は、後藤委員おっしゃるように、ドイツが技術を導入して上海でリニアを走らせていますね。これは、私は今の日本のリニアとは全然異質のものと思えるほどだと思っていますけれども、しかしながら、日本の場合はそれを売らなかった。

 これは、中国の朱鎔基総理が来られて、日本のリニアをぜひ導入したいと言われたときに、JR東海はこれをまだその段階ではありませんと断ったということが、中国の国内では、ドイツはしかしながら自分の方では試験していないけれどもそれを売った。これは、こんなことをここで言っていいかどうか知りませんけれども、伝聞ではありますけれども、朱鎔基前総理は、本当に日本の技術はすばらしいけれども、それを売らなかったということも、技術家としての襟度といいますか、それは非常に高く評価しなきゃならないということを向こうでおっしゃっているということをこの間私は聞きました。

 したがいまして、そういう観点もあるということを認識しながら、しかしながら、日本の中で、これを一日も早くするように、国も挙げてこれは取り組まなきゃならないというふうに思っております。

後藤(斎)委員 終わりますけれども、大臣ぜひ、もちろん今まで国内だけの公共交通機関でありましたし、JRでありました。でも、これからは海外にも、いろいろな部分で視点を変えながらやることも必要ですし、それがひいては国内の技術開発をスピードアップするということにも当然つながると思います。やはりこれから飛行機も鉄道も、フランスも中国も日本も、ある意味では異種格闘技で公共交通機関が進んでいくということを、私自身はやはりそう思っているので、ぜひ、その中での、大臣も御意識を持っていただくようにお願いをして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

竹本委員長 後藤君の質疑はこれにて終了いたしました。

 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。

 二十五分しかございませんので、早速質問をさせていただきます。

 まず、航空局長にお運びをいただいておりますので、航空局長に伺わせていただきます。

 今、山口二区で補欠選挙が戦われているわけでございますが、国土交通省御出身の元住宅局長である山本繁太郎氏が立候補をされていらっしゃるわけでございますけれども、この山本氏の決起集会で、山本繁太郎氏を応援する県会議員の方が、これはマスコミの報道ですよ、このように御発言をされた。山本候補と国交省の航空局長が面談して、岩国基地の民間空港としての再開が動き出したのですと演説をされたというふうに報道されております。

 そこで、報道ですから、果たしてそれが真実なのか否かということを確認させていただきたいというふうに思います。航空局長は、山本氏と面談をし、岩国基地の飛行場問題についてお話し合いになられたのかということを教えていただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 山本繁太郎氏が内閣官房地域活性化統合事務局長を退官される際に、退官のごあいさつに見えられた事実はございます。私の部屋の入り口のところで、立ったままあいさつを受けさせていただきました。さらに、繁太郎氏は、あいさつ回りでお忙しかったというような状況もございますので、その際に、岩国基地の民間航空再開について、具体的なお話をしたという事実はございません。

川内委員 そういうことはないということでございます。

 それでは、せっかくですからこの岩国基地の、選挙の大きな話題にもなっているようでございますから、民間航空機の乗り入れ問題について聞かせていただきたいと思います。

 総理も山口二区に入られて、岩国基地の民間航空機の乗り入れを実現するんだ、お金を幾らつけるんだというような演説をされたというふうな報道があるわけでございますが、今実際に、政府として、まず国土交通省として、岩国基地の民間航空会社の利用あるいは使用について、どのようなスタンスでお考えになっていらっしゃるかということをまず教えていただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 岩国基地の民間航空再開につきましては、米側から提示されたマスタープランを踏まえて、現在、日米間で民航ターミナル地区の詳細について検討がなされているところと聞いております。今後、政府全体として、山口県や岩国市等の具体的な考えも聞きつつ、民間航空再開の進め方について検討していくものと認識しておりまして、国土交通省といたしましては、今後、政府全体の取り組みの方針が明確となれば、関係省庁との連携の中でどのような協力が可能かについて検討していくものと考えております。

川内委員 それでは、実際に米軍との連絡調整に当たっているのは防衛省であろうというふうに思いますが、防衛省から米軍との交渉の現状について御報告をいただきたいと思います。

地引政府参考人 お答えさせていただきます。

 岩国飛行場におきます民間航空機の運航再開につきましては、山口県、岩国市等の要望を踏まえまして、平成十七年十月の日米合同委員会におきまして一日四往復の民間航空機の運航が合意されました。また、平成十八年五月の日米安全保障協議委員会の際に発表されました再編実施のための日米のロードマップにおきまして、「将来の民間航空施設の一部が岩国飛行場に設けられる。」とされているわけでございます。

 これを受けまして、米側が作成しました空母艦載機の岩国飛行場への移駐等に伴います包括的な施設の整備に係りますマスタープランにおいて民間ターミナル地域が示され、その内容については昨年五月に地元自治体に対しまして御説明をさせていただいたところであり、現在、日米間で民間ターミナル地域のさらなる具体的な位置等につきまして調整を行っているところでございます。

 以上でございます。

川内委員 済みません、言葉がちょっとはっきりしなくて。まず、一日四往復の乗り入れについては合意というか、できるよということでアメリカから返答が来ている、さらに、いろいろな協議の結果、民間ターミナルの位置などについても示されている、概略、大体そんな理解でよろしいですか。

地引政府参考人 そのとおりでございます。

川内委員 きのう航空局長から私聞いたんですが、昔はこの岩国の空港というのは、東の羽田、西の岩国というぐらいに、昭和三十九年当時は、大臣、僕はきのう初めて知ったんですが、ロンドン便もこの岩国から飛んでいたというぐらいに大変な由緒正しい空港であるということで、当然、地元の自治体も再開を望んでいらっしゃる。ちょうど空港が近辺にない、あるいはエアポケットにあるというような状況であろうと思うんです。

 では、このターミナル建設に向けて実際にどのような手法がとられるかというと、これも米軍再編に絡んでのことでしょうから、これは防衛省がある程度お金を出すというような理解でよろしいんですか。防衛省、どうですか。

地引政府参考人 お答えさせていただきます。

 現在、政府としては、民間航空機の運航再開につきまして、先ほど航空局長さんが御説明されたとおり、山口県、岩国市等の具体的なお考えを聞きつつ、今後の進め方を政府全体として検討していくということでございますので、その中で防衛省が協力できることは協力していきたいというふうに考えている次第でございます。

川内委員 ありがとうございます。

 それでは、次の論点に移らせていただきたいと思います。

 四月十七日に、道路関係業務の執行のあり方改革本部、平井副大臣が大変に御努力をされてお取りまとめになられたという文書が発表されておりまして、冒頭には冬柴大臣の「決意」と題する文書も載っているわけでございますが、この最終報告書について、まず確認をさせていただきたいというふうに思います。

 この中で、道路関係公益法人の改革についてさまざまなことが発表されているわけでございますが、道路関係公益法人五十に対して、政府としてはこのようなことを考えているよ、このようなことを措置していくよということを今幾つの法人に対してきちんと通知をされましたかということを教えていただきたいと思います。

平井副大臣 最終報告書については、四月十七日に取りまとめを行い、十八日には官房長から各局長に対して、所管の道路関係法人に報告書を踏まえた対応を要請するよう通知しました。この通知を受けて、今、最終報告書が五十法人すべてに届いていることを確認しております。

川内委員 それでは、この報告書を、ちょっと文言の解釈に若干迷うところがあるので、一つ一つ確認をさせていただきたいというふうに思います。

 まず六ページ、公益法人に対する定年制の導入。「国家公務員出身の役員の在任は、六十五歳までとする。ただし、理事長その他これに相当する職にある者又は副理事長その他これに相当する職にある者については、七十歳に達するまでとすることができることとする。 なお、当該役員の知識及び経験が法人の業務運営上特に必要であると大臣が認める場合には、この限りではないものとする。」と。

 これは、なお書きがついているんですけれども、大臣、私はこのなお書きは必要なかったのではないか。なぜわざわざこんなことをおつけになられたのか。こういう文書が結局抜け道をつくっていくことにつながるのではないかということを思うわけですが、この疑問に対してどのようにお答えになられますか。

平井副大臣 これは特別なケースでありまして、当該役員が有する専門的知識とか知見がなければ業務運営に著しい支障を来す、つまり、余人をもってかえがたい人という場合に大臣がそれを特別に認めることがあると理解をしていただきたいと思います。

川内委員 国土交通大臣やあるいは平井副大臣は、道路行政というか、土木技術について特に知見や知識を恐らく私どもと同じように有してはいないと思うんですね。私たちは同じレベルだと思います。しかし、国土交通省の道路局の技官の方々というのは、私たちよりは知識や知見を技術については持っていらっしゃるんだろうと思いますね。そういう人たちが、いや、この人は特に知識や経験が豊富なんだ、業務運営上特に必要なんだという主張をされれば、恐らく大臣はそれを否定する例えば知見は持ち得ないというふうに思いますよ。

 だから、七十歳までここでわざわざ認めているわけですよね、上の方で。七十歳まで認めたものを、またなお書きで、さらに、いや、七十歳を超えても認める場合があるよというふうにわざわざ書くのは、私はどうかなというふうに思います。

 これ以上申し上げてもお答えは出ないと思いますし、またさらに……(冬柴国務大臣「一言いいですか。一言だけ」と呼ぶ)変えますか、大臣。

冬柴国務大臣 同じページの4のところを見ていただきたいんですけれども、「道路関係公益法人間での国家公務員出身の役員の兼職は全て解消する。」

 今までたくさんの法人に、非常勤、無報酬とはいえ、名前を残しているじゃないかと御指摘がありましたが、それはやめていただきました。こういうことはしない。

 それから、私は、そういう技術的な知見は全くありません、川内さんよりもないと思いますが、しかしながら、政治判断はできるつもりです。そういう人をそこに入れて、これがどういうふうに社会一般に影響を与えるか、庶民の目線から見てどうかということは、これは判断できる。

 私は、そういう意味では、政治家も二十二年ほどやっていますから、プロだと思っておりますので、そういう観点で、希有な事例かもわからないけれども、しかしながら、そういうことの必要性がある場合もあるという御意見もいろいろありまして、こういうことを入れることを是認したわけでございます。

 しかしながら、一つしかないということでございますので、その点もあわせ読んでいただきたいと思います。

川内委員 大臣、後ろの方に「外部有識者の意見」というのもついているんですけれども、外部有識者の皆さん方の御意見としても、民間で七十歳、八十歳になっても役員をやっているのは創業者くらいだ、年齢制限、任期制限を設けるべきだというふうに御指摘を受けているわけで、これは私の意見ですから聞きおくだけで結構なんですけれども、なお書きは余分であったろうというふうに私は思います。

 さらに、「役員の給与水準の抑制」というところですけれども、役員の給与という言葉が使われておりますが、この給与という言葉にはボーナスが含まれていますかということを教えてください。

平井副大臣 含まれます。

川内委員 それで、役員の定年やあるいは人件費の抑制などについては四項目あって、この四項目について、「役員数及び役員給与の抑制等を図るよう要請する。」というふうに冒頭に書かれているわけでございまして、この四つの項目、定年制、給与水準の抑制、役員数の抑制、役員の兼職の解消については、要請するということは法的な拘束力はない。では、これらをしっかりときちんと実行してもらえるような担保というものは何なんですかということを教えてください。

平井副大臣 大臣の権限は指導監督ということなんです。

 今回の改革報告書のポイントは、パッケージで効力を上げよう、つまり、大臣のバーゲニングパワーは何かといいますと、その法人に対する支出を減らすことなんですよ。つまり、お金を減らして、なおかつ定員とかそういうものを独自に判断していただき、そして最終的には我々の要請を受けてもらうように働きかけるということになっております。

川内委員 済みません、ちょっと忘れていましたが、給与にはボーナスが含まれるということですが、あと、退職金規程で何か抜け道をつくるんじゃないかというふうに、私もちょっと意地がいろいろ悪くなってしまっているものですから、退職金規程についてはどのような、きちんと抑えるよということをお考えになっていらっしゃるかということを教えてください。

平井副大臣 本当に、川内先生のいろいろなチェックで、ありがたいことだと思います。

 やはりこういうものは、我々も抜け道をなくそうということを考えておりまして、今、公益法人に関して言えば、給与規程を発表しているところ、していないところがあるんですよ。今回は、そういうものをちゃんと発表してくれと。それで、削減した上で、理事長の責任において国家公務員から天下りした方々の給与は発表してほしいという要請をしております。

 退職金規程に関しては、過去ずっと下げてきました。今、一般的な基準として、独立行政法人というのは一カ月につき俸給の月額の百分の十二・五を基準とされているところが多くて、それに類する退職金規程をしているところがあるんです。

 今回は、給料を下げますから、当然、それに従って、下がっている退職金からさらに下がるということになると我々は考えております。

川内委員 それでは、次の項目に移らせていただきます。

 「地方整備局等における支出の改革について」、八ページの下の方ですけれども、「広報広聴経費の適正化」の中の三番ですね。広報広聴経費の削減に関して、どうやって削減していくんですかという国民の疑問に対して、「支出の目安となる基準を作成する。」と書いてございます。作成するに当たっては、支出の目安となる基準の考え方というものが最終報告書に示されておりますが、これはあくまでも考え方だと。

 では、具体の目安となる基準については、いつだれがどのように定めて、そして、それをどういう形で地方整備局に示していくのかということを教えていただきたいと思います。

平井副大臣 我々、二月二十二日から取りかかって、全部の法人のヒアリングとかそういうことをやって、正直言って、時間が十分にあったとは言えません。

 外部有識者のヒアリングも引き続きやっておりまして、御意見をいただきながら、最終的にこの改革本部を存置することにしましたので、できるだけ早くそういうものを検討して、つくっていきたいと考えております。

川内委員 それから、時間が余りないんですが、十二ページに「事務所等における支出手続の厳格化」という項目がございます。

 これは、一度私が本委員会で地方整備局会計事務取扱標準細則を取り上げさせていただいて、地方の事務所長さんは、役務などについて、契約をできる権限に上限がないというのは余りにも野方図になってしまうんじゃないでしょうかということも提案をさせていただいたわけでございますが、それで、今後、事務所長等の決裁権限を見直しますということを書いてございます。広報広聴関係を含む役務に係る契約については千七百万円未満に限定する、あるいは、車両管理に係る契約は一億円未満に限定する、物品購入に係る契約は一千万円未満に限定すると。

 この金額が果たして妥当であるかどうかは私もまだ申し上げたいことはいろいろありますけれども、改革本部でこれを取りまとめられたわけですから、それについては私は尊重しますし、敬意を表しますので、お尋ねをさせていただきます。

 「平成二十年五月一日を目途に、以下の措置を講ずる。」ということで、こういうことをやるよと書いてあるわけでございますが、ということは、地方整備局会計事務取扱標準細則を五月一日までに改正するという理解でよろしいかということを教えていただきたいと思います。

平井副大臣 そのとおりでございます。

川内委員 それでは、もうちょっと時間があるので、もう一点だけ聞かせていただきたいと思います。(発言する者あり)午後やりますか。

 では、車両の管理について、午後の法案審議の中でまた、ちょっとこれは時間がかかると思うので、させていただきたいと思います。

竹本委員長 川内君の質疑はこれにて終了いたします。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時七分開議

竹本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 内閣提出、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長榊正剛君、道路局長宮田年耕君、鉄道局長大口清一君、内閣府大臣官房政府広報室長高井康行君、警察庁長官官房審議官深草雅利君及び総務省大臣官房審議官榮畑潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

竹本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鍵田忠兵衛君。

鍵田委員 自民党の鍵田忠兵衛でございます。

 きょうは地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案についてでございますが、質問に入らせていただく前に、非常に冬柴大臣は売れっ子でございまして、質問、答弁も非常に多かったと思います。ですから、きょうは、大臣じゃなしに、大口局長の方にちょっと質問をさせていただきたいと思います。

 大口局長とは私も非常に御縁がありまして、というのは、局長のお知り合いというか友人が私のまた御縁のある方でございまして、奈良の南都七大寺の中の興福寺の住職である多川俊映貫首とお友達なんですね、局長が。私も宝蔵院のやりで非常にその住職と、多川貫首と御縁をいただいておるわけでありますが、昨年、大臣にも奈良へお越しいただいて、多川貫首にもお会いいただいたわけでございます。そういった中で、局長と非常に御縁がありますので、あうんの呼吸でお答えいただきますように、局長、どうぞよろしくお願いいたします。

 そういった中で、大口局長は局長になられる前も鉄道局畑におられて、非常に鉄道について真剣になって今お考えをいただいておると思います。そこで、鉄道の果たす役割というか、鉄道に対する局長の思い、そういったものを語っていただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 鉄道は、国内の各地域地域の人や物と縁を結びながら価値を生み出していくという、国民生活の中でなくてはならない大変大きな役割を演じ続けているというふうにとらえております。

 具体的には、幹線鉄道はまさに物流それから人流の動脈として、それから、都市鉄道はまさに働くサラリーマンを含めたさまざまな通勤通学の方々のいわゆる足の代役として、それからまた、産業立地を促す経済発展の礎として頑張っていると思います。

 それから、きょう法案として先生方に御審議いただく地方鉄道につきましても、まさに、地域における移動手段の確保はもとより、地域の経済的な、まさに自分たちの地域を自分たちでよくしていくあるいは自立していく、これから日本が一億三千万の国が七千万になっていく中で、少子高齢化という問題はございますが、おれたちの町だという意識を持ちながら、これは大変重要な役割を演じる一つの大きな舞台装置ではなかろうかなというふうに考えております。

 そして、忘れてはならないのは、観光立国として私ども今一生懸命やっておりますが、車窓から美しい日本の国土を楽しむ機会を演出する、こういうことにおきましても、我が国が観光立国を目指す上でも鉄道はまさに中核的な役割を演じておりますし、演じ続けるのではなかろうかというふうに期待するところであります。

 いずれにしても、今後とも、鉄道は環境負荷が低いということ、それから高齢者の移動にとってなくてはならないツールであるということ、豊かさを実感できる活力ある生活の実現とか、あるいはゆとりのある、潤いのある地域の自立、そうしたものに役割を十二分に担っていける余地がたくさんあるんだろう、こういうふうにとらえております。

鍵田委員 局長、ありがとうございました。

 さて、この首都東京においては、山手線であったり中央線であったり、JRさんもあって、また地下鉄等々公共交通が非常に発展しておるわけでありますが、地方というのは首都みたいなことがなかなかないわけであります。

 その中で、地域にとっては駅というのはやはり町の玄関、入り口なんですよね。その中で、高齢化が進む中、この鉄道というものは通学通勤、そしてまた通院等病院へ通われる高齢者の方々にとって、日常生活にとっては本当に欠くことのできない足であるということ。そしてまた、省CO2社会の構築のためにも、これは今JR東海さんがエコ出張ですか、ああいうコマーシャルも流しておられますけれども、やはり、これからCO2を削減するためにも鉄道の社会的重要性というのはますます増していくと思うわけでございます。

 また一方、地方鉄道においては、最近、廃止が相次ぐなど大変厳しい経営状況にもあり、また、その維持、活性化は鉄道事業者のみの努力ではなかなか行えないものであると思っております。そういった中で、地方鉄道の現状というものがどうなっているのか、また、それについて国土交通省としてどのようにお考えになっておられるのか、局長にお答えいただきたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 地方鉄道とは、一般に、新幹線あるいは在来幹線それから都市鉄道、そうしたものに該当する以外の路線ということでとらえておりますけれども、運営主体は、JRあるいは一部の大手民鉄、それから地方中小民鉄、それから旧国鉄のいわゆる特定地方交通線を引き継ぎました第三セクター、あるいは整備新幹線の並行在来線ということで生まれてまいりました並行在来線の第三セクター、こうしたものによって大体ネットワークがつくられているかと思います。

 これらのうち、平成十九年度末におけます地方中小民鉄あるいは第三セクター、これは九十二社ございます。そうした九十二社が運営する地方鉄道の利用者数を見てみますと、十八年度では全体で四億三千万人ということで、私ども国民の大体四倍ぐらいの人数の方が年間御利用なさっているというふうに考えられると思いますが、鉄道利用者数の全体から見ますと約二%弱に当たっております。

 一方、これら事業者の経営状況を見ますと、実は、少子高齢化、あるいはモータリゼーションの進展という中で経営の環境は相当悪化しておりまして、十八年度の数値で見ますと、全九十二社中七十三社、割合にしまして実に約八割の事業者が、経常収支ベースでございますが、赤字になっているというような状況でございます。

 私ども国交省として、地方鉄道が地域の暮らし、観光、先ほど申し上げましたようないろいろ重要な役割を担っておりますので、これからますますその維持とかあるいは活性化を図っていく上で、路線ごとに取り巻く状況も多々違うところもあるものですから、沿線のさまざまな関係者が相互に連携しながら、鉄道事業者と一体となって創意工夫を凝らしながらこれからの施策を展開していくことが必要不可欠だというふうに考えております。

鍵田委員 地方鉄道の九十二社中七十三社、約八割が赤字だということ、これは大変な数字だと思うんですね。

 そういった中で、今回この法案を出される中で、地方鉄道に関して法案を提出するねらいというものはどういったものなんでしょうか。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げた厳しい経営環境に直面している地方鉄道がその経営の立て直しを図る上で、大きな課題としては二つあろうかと思います。一つは、少子高齢化により沿線人口が減少する中で、輸送人員の減少傾向にどう歯どめをかけるかという問題、それから二つ目は、全体費用の約半分を占めております、これは経営の圧迫要因というふうに表現してもよろしいんでしょうけれども、線路などの資産の保有にかかるいわゆるインフラコスト、費用をどうするか、この二点が大変大事なポイントかと思っております。

 こうした課題に対応しまして、今回創設しようとしております鉄道事業再構築事業の制度では、地方自治体あるいは地域の支援のもとで効果的な利用促進運動を行うような住民の方々のさまざまな御努力、そうした需要の底上げを図るようないろいろな方々の力を合わせることと同時に、今申し上げたインフラの保有コストを低くするという観点から、公有民営方式による上下分離の事業構造への変更によりまして、資産保有に伴う費用負担を事業者が持つのではなくて、ある意味では地方自治体の保有資産として持っていただくような、そういう仕組みを国としても支援していきたいというふうに考えるわけであります。

 今回の制度の導入によりまして、鉄道事業者と地域が一体となって創意を凝らしながら路線の維持を図ろうとする意欲的な取り組みを促進するとともに、これを通じて、鉄道サービス自体の改善と、鉄道を支えるべく頑張る沿線の地域の振興、これをともに図っていくことができるのではなかろうかなというふうに考えております。

鍵田委員 ありがとうございます。

 鉄道をつくる、鉄道を敷くというのは非常に大変なことなんだと思っております。

 実は、私の曾祖父、大おじいちゃんなんですが、私は忠兵衛で、大おじいちゃんは忠次郎というんですが、その大おじいちゃんが、近鉄の前身の大阪軌道、大軌と言われたその奈良の代表者だったんですね。生駒の山のトンネル、あれを抜くのに大変苦労した、また、大体、鉄道の箱みたいなものを見たことがない住民の方がおられたわけでありますから、そういったものが奈良に来るという中で、なかなか線路を敷くのも苦労したという話を、おやじから、その大おじいちゃんの話を聞いたことがありました。

 鉄道を敷く、これは大変なことであって、今新線をつくるんじゃない、今までできたものをどうやって生かしていくかという、殺すんじゃなしに生かす方法を今考えていただいておるわけでございますが、そういった中で、地方の中小鉄道以外にも、大手民鉄、近鉄線もそうだったと思うんです。枝線の中では大変苦労したものもたくさんあるんじゃないでしょうか。枝線の経営維持は難しいといろいろなところでも聞いております。

 そしてまた、これまでも大手民鉄の枝線について経営分離に至った例もたくさんあるように聞いておりますが、それらのケースでは、地域の鉄道会社が具体的にどのような役割分担をすることによって鉄道として存続することになったのか、この点についてお答えいただきたいと思います。

大口政府参考人 少し具体的にさまざまな例を引きながら御説明申し上げたいと思います。

 大手民鉄の枝線につきまして、枝線というのは本線からちょっと分かれたところでございますが、そうしたところにつきまして、御指摘の経営分離により路線を存続した例は幾つかございます。そして、そのときの大前提としましては、私どもが承知する限りは、沿線自治体や鉄道事業者、こういう関係者がみんなでその存続に一体となって取り組んでいるというところがまず一番のかなめのスキームなのかな、こうとらえております。

 そのために、今申し上げるようなところにつきましては、現地におきまして住民も含めました協議会などができまして、そこで事業形態の工夫とか沿線自治体の財政支援を引き出すとか、地域特性を生かした利用促進などを、必要なところに必要ないろいろな方策を展開しまして、役割分担をしながら存続を図っているという事例でございます。

 例えば、和歌山県のいわゆる和歌山電鉄貴志川線というのがございました。これは、平成十五年に、従来から運行主体であった南海電鉄が貴志川線の廃止の検討を表明したことによりまして、その存続が危ぶまれておりました。このため、沿線自治体が任意で協議会を設置して、そして議論をした結果、地域として路線の存続の意義が非常に高いというような結論に至りまして、存続のための方策が取りまとめられたということでございます。

 具体的には、沿線自治体が鉄道用地を買い取りまして、運行主体に無償貸与するというスキームをまず考えられた。それから、沿線自治体が運行主体に運営費とか変電所の修繕費を補助するということもスキームとして組み込まれた。そして、ここが一つ大事なところなんでございますが、公募によりまして新たな意欲ある運行主体として和歌山電鉄を選定したということでございまして、これは、具体的には岡山で路面電車を運行しております岡山電気軌道というところがここの運行を引き受けたという形になっております。そんなことから存続を図られたということであります。

 それからまた、先生の御地元の近鉄でございますが、伊賀鉄道あるいは養老鉄道というのがございます。これは、経営が悪化していた近鉄の伊賀線、養老線のところから結局分かれたわけでございますけれども、ここもいろいろな存続のための方策がとられております。

 具体的には、近鉄は一種鉄道事業者、つまり、近鉄は下物、インフラも、それから上の運行も行っていたわけでありますけれども、それを三種鉄道という、まさに下物だけを持つ経営形態で近鉄は引き受けまして、車両とか鉄道施設、鉄道用地を保有する。新たに近畿日本鉄道の子会社として伊賀鉄道あるいは養老鉄道を設立しまして、そして伊賀線、養老線を引き継いで、いわゆる上物を運行する、運営する、その運行に専念する第二種鉄道として上下分離を行っている。沿線自治体及び近畿日本鉄道が伊賀線及び養老線に対してその運営費を補助するという形で、現在、いろいろな上下分離を組み合わせながら存続が図られて、地域の足としても残っているというようなところでございます。

鍵田委員 ありがとうございます。

 和歌山の方は、いちご鉄道とかいうものですね。関西の方では非常に人気になって、それから、猫ちゃん駅長でしたか……(発言する者あり)たまちゃん駅長、失礼しました。でも、猫でしたよね、あれは。関西でもニュースなんかで取り上げられて非常に有名になって、お客さんもふえたというような話がありました。

 今お聞きすると、公募でそれがやられた。また、近鉄の方もそうですけれども、やはりそういう形で沿線住民にとっては必要な足となる枝線が残ったということ、これは本当に大事なことだなと思っております。

 さて、これにより、これらの路線の経営の改善や鉄道サービスの活性化等、具体的にどのような効果があったのか、お答えいただきたいと思います。

大口政府参考人 鉄道の一丁目一番地はまさに安全でございますので、安全を担保するという中で、経営分離をしながら経営の改善も図るというようなことで今進んでいるわけであります。

 経営分離をした路線についての具体的な数字をちょっとお話し申し上げますと、今申し上げました和歌山電鉄貴志川線につきましては、今先生御指摘のいちご列車という、地域の特産がイチゴでございますので、フルーツの中のイチゴを取り上げまして、電車の外観をイチゴのように、いろいろな模様もイチゴをテーマにして、いろいろな観光客がそこに来られているという話です。

 それから、貴志川の駅に野良猫がいたんですが、その猫が駅長になりまして、和歌山電鉄の帽子もちゃんとかぶりまして、今や全国からその猫の駅長の写真を撮りたいというので、必ず和歌山駅から電車に乗って撮りに行くというようなことにもなっていまして、駅では猫の駅長をモチーフにしたノートから鉛筆から、そういう商品も生まれているというような状況でございます。

 そんなことで、輸送人員も実は減少傾向にありましたが、十八年度は、対前年比で、こんなに伸びていいのかというくらい、一〇%増加しまして、そういう意味では営業赤字が大幅に縮減されているという、私どもとしては大変モデルになるような路線でございます。

 それから、伊賀鉄道、養老鉄道につきましては、平成十九年の十月に新会社による営業が開始されたばかりであり、営業状態について現時点では具体的な数値はまだ持っておりません。

 ただ、鉄道事業者による経営の合理化に加えまして、「銀河鉄道999」のデザイナーの、忍者の里をモチーフにした忍者列車というのが、鉄道車両のラッピングできちんと描かれていたり、それから、特産品の販売も地域地域で取り組んでおられる、あるいは車内でも一部販売されているということで、輸送人員はやはり回復傾向にあるというふうに聞いております。

鍵田委員 ありがとうございます。

 今回の鉄道事業再構築事業については、中小民鉄の路線に適用対象は限定されているのでしょうか。また、今お聞きしたように、大手民鉄の枝線、今までは違う形でのやり方をやってきたわけでありますが、そうした枝線についての適用をどのように今回のこの法案では考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 鉄道事業再構築事業を実施することのできる路線それから区間につきましては、法案では二条の九号の二において、「最近における経営状況にかんがみ、その継続が困難となり、又は困難となるおそれがあると認められる旅客鉄道事業」というふうに規定しております。単に収支状況が厳しいものであることのみならず、維持存続が困難となっている、あるいは困難となるおそれがあるというような場合を想定しておるということでございます。

 それで、維持存続が困難となっているかどうかを判断するに当たりましては、当該鉄道事業者の鉄道事業全体としての経営状況、これは当然でございます。それから、路線を維持するための取り組み、それから、当該路線をめぐる、これまで住民の方々、自治体あるいは鉄道事業者自体がどう取り組んできたかという歴史的経緯、そうしたものを総合的に勘案して決めるべきものというふうに考えております。

 主に中小民鉄の路線を対象として想定しておりますけれども、大手民鉄の赤字の枝線につきましても、これらを勘案した上で、地域において鉄道サービスの安定的な維持のために積極的に支援していくんだというようなケースにつきましては、その対象とすることが適当というふうに考えられる場合もあろうかと思っております。

鍵田委員 ありがとうございます。

 大手民鉄に関しても、今おっしゃったとおり、やはり全国で大手民鉄というのはたくさんありますけれども、そういった中で、枝線の中では赤字路線がたくさんあると思うんですね。ただ、赤字だけれども、それを廃線にしてしまうとそこの住民が非常に困ってしまう。ぜひ今の大口局長がお答えになったように進めていただければありがたいと思うわけであります。

 さて、その大手民鉄の枝線も含めた地方鉄道全般について、今回の制度を通じた鉄道活性化のための取り組みが進むことはよいことだと思うわけでありますが、このような取り組みを国としてどのように応援していくのか、その点についてお答えいただきたいと思います。

大口政府参考人 予算それから税制特例、地方財政措置を含む総合的なパッケージングによって重点的に支援していきたいというふうに考えております。

 まず、予算面の支援でございますが、これは鉄道軌道輸送高度化補助によりまして、国土交通大臣の認定を受けた鉄道事業再構築実施計画に基づいて実施される再構築事業に対しまして、補助率のかさ上げ、これは五分の一だったものを三分の一にします。

 それから、赤字要件、つまり赤字でないと補助しないというものにつきましては、厳しい経営の中で、まさにいい基調に乗せようとするわけですから、赤字要件を撤廃しまして、かつかつの黒字であっても、その段階から補助を出していくという形にしたいと思っております。

 それから、ソフト事業、特に、いわゆる再生に実績のあるような、コンサルティングができるような、そういうところにコンサルティングしてもらえるような経費も補助対象経費に含めたいというふうに考えております。

 それから、税制につきましては、認定を受けた再構築実施計画に基づいて実施される事業に対して、固定資産税、それから不動産取得税、それから登録免許税等の減免措置を設けることを考えております。

 あと、地方財政措置としましては、起債措置あるいは交付税措置を講じるというように考えております。

 それから、今回の法制度の創設とあわせまして、地方鉄道の再生あるいは活性化に向けて頑張る地域の取り組みを、さらに私ども、地方組織も含めまして、しっかりと応援できるように取り組んでいきたいと思っております。

鍵田委員 大口局長、ありがとうございました。あうんの呼吸でお答えいただけたと思っております。

 さて、私は、前もってお話ししておいたのはその辺なんですが、この法案についてじゃなしに、せっかくでございますので、大臣、最後にちょっと一つ、別件でございますが、質問させていただきたい。

 大臣も御承知、皆さんも御承知だと思うんですが、奈良の平城遷都千三百年のマスコット「せんとくん」で非常に問題提起があったわけであります。ただ、私は考えるに、あの「せんとくん」なんかも、初め見たときは変だなと思ったけれども、今は非常にかわいくなってきたし、また、あの宣伝、PR効果というのは大きかったなと。平城遷都千三百年が二〇一〇年に奈良で行われるというのが、あのマスコットによっていろいろな人に知っていただけた。ある人が試算すると、約十億ぐらいの宣伝効果があったんじゃないかなんと言われているんですが、それはともかくとして。

 来月、中国の国家主席である胡錦濤主席がお見えになります。奈良にも今回お入りいただけるように聞いております。トウショウヘイ国家主席以来、奈良へ国家主席がお見えになるわけでございます。やはり、奈良へお越しになった中で、平城京の、いわゆる平城宮跡の大極殿なんかもぜひ見学をしてもらってほしいわけであります。

 その辺、特に冬柴大臣におかれましては平城遷都千三百年に力を入れていただいておりまして、改めてここでも御礼を申し上げるわけでございますが、平城遷都千三百年事業というのが再来年でございます。あのマスコットで今ちょっとにぎやかになってきたところでございます。もう一度、大臣から、この平城遷都千三百年に向ける国としてのとらえ方、考え方、大臣の思いをお語りいただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

冬柴国務大臣 奈良というのは、我が国の国家が成立した、その歴史をとどめる本当にすばらしい土地だと思います。

 平城遷都は七一〇年ですから二〇一〇年が千三百年ですけれども、聖徳太子をお祭りした法隆寺は六〇七年です。ですから、これは昨年が千四百年ということでございまして、今も法隆寺へ行きますと、当時の金堂あるいは五重の塔等、すばらしい日本の建築技術といいますか建築美、木造建築、仏教建築そして仏像、こういう国宝が物すごく残っているんですね。私は、こういうのは本当に世界に誇るものだというふうに思っています。

 平城遷都はそういうことで二〇一〇年が千三百年ですけれども、これは私は日本国民として、あの大極殿で、その二年後に稗田阿礼と太安万侶が古事記を編さんしているんですよね。そして、七二〇年には日本書紀がそこで書かれているんですね。私は、そういうことを考えますと、日本の成立という揺籃期が、七〇〇年、今から千三百年のいにしえに、こういうところで成立しているんだなということ。

 大極殿は今、文化庁の手によって再建されつつありまして、ちょうど二〇一〇年には完成します。既に二百億円の巨費が投じられているんですが、当時も、もっとすごいものができているんですね。ですから、日本の財力といいますか、その当時の国家としての力というものがすごかったんだなということを今さら思います。

 長くなりましたからあれですけれども、七五二年には大仏殿、大仏が建っているんですね。これは木造建築物としては世界最大ですけれども、この木は山口県から来ているんですね。そして、どうも山口の産だということを教えてもらいましたが、全部ではないと思いますけれども、分析をすればその産地がわかる。私も、十六メートルですから大体五階建て、六階建てに相当するあの大仏を我々の祖先は今から千二百年も前に鋳造した、これはもうすごいことだと思います。

 七五二年に大仏開眼が行われているんですが、これを開眼供養したのはインド人、菩提僊那というインドの高僧なんですね。ですから、その当時から日本とインド、日本と中国は交流が盛んだったということがそれでもわかりますし、七五四年にはあの鑑真大和上が中国の揚州からさんざん苦労して奈良へ渡ってこられたこと。正倉院がたしか七四六年か七年にできているんですけれども、その中には、いわゆるシルクロードを通ってきたさまざまな宝物が今に残っているんですよね。

 私は、いろいろな国へ行きまして、二〇一〇年の、ビジット・ジャパン・キャンペーンの打ち上げの年でございますが、このときには、そういう縁のある国々の国家元首にはぜひ来てもらいたいというふうに思っておりますし、中国へ私が行ったときに、実は揚州でそのことを発案いたしまして、私のそれが実ったのかどうか、胡錦濤国家主席がそういうところが見たいということで、私は、日本と中国の交流の原点は揚州と奈良にあり、こういうことをそこでも言ったわけでございます。

 そういうことで、日本人全体で、国家を挙げてこれはやらなきゃいけない。国土交通省としても、この部分を国営公園とするということで、今手続をとらせていただいておるところでございます。

鍵田委員 大臣、ありがとうございます。

 本当に奈良に対する思いというものを今語っていただいたわけでありますが、どうぞ、この遷都千三百年、成功できるよう、お力添えよろしくお願いいたします。

 最後に、道路の問題で、参考人招致で、奈良の自治体研究会の事務局長ですか、ここへお越しになって、古都奈良には道路は要らないんだとおっしゃったけれども、要ります。奈良は非常に道路が悪いんです。あのとき私もここで聞いていて腹が立ってしようがなかったんですが、参考人としてお見えだったものですからその場では言えなかったわけでありますが、古都奈良には、本当に今道路が全国に比べても非常に悪い県になっております。道路についても、どうぞ大臣、頑張ってやっていっていただきたい、我々もしっかりと応援をさせていただきたいと思っております。

 これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

竹本委員長 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 きょうは、地域公共交通の活性化及び再生法の改正案ということで質疑をさせていただきますが、この法律、昨年施行されまして、さまざまな形で地域の公共交通に対しての手だてが打たれてきたと思うんです。

 地域公共交通といいますと、特に鉄道のことなんですけれども、まず、私自身、生まれ育ちが東京の大田区で、二十三区に生まれ育ちますと、鉄道というのがごく当たり前にある。もっと言いますと、駅というのは歩いていくものだというのが結構二十三区に住んでいる人たちの感覚です。JRもあるし、地下鉄もあるし、私鉄もあるし。そういう感覚からいうと、特に地方の方々は、鉄道に対する利用度というか、その重要性というのはかなり高い。逆に東京都内、二十三区内だと空気のような感じになっていて、鉄道がなくなるという発想はないわけです。

 ところが、地方の方は、経営的な問題だとかそういったことから、どうしても閉鎖、廃止せざるを得ないということで、特に平成十二年度以降ですか、全国で二十五路線、五百七十四・一キロが廃止された。そういうことを考えますと、今後の少子高齢社会、特に地方の方はその少子高齢社会がどんどん進んで、住民の足をどうしていくのか。モータリゼーションで車が発達しているんですけれども、では高齢者の方々は自分で運転をして行けるかどうか、こういった問題もございます。

 そういった中で、今回、昨年施行された法律をさらに改正するという流れの中で、地方自治体を初めとする地域のさまざまな関係者、これが話し合って、その成果を総合連携計画という形でまとめて、それぞれ実現に向けて役割分担などを定める、これは画期的な枠組みであると考えているんですけれども、そういった中で、施行から半年間が経過した今回のこの法律で、鉄道分野において総合連携計画または特定事業の活用というのはどのように進んでいるのか、まずお伺いをしたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 鉄道あるいは軌道のサービス改善、それから私鉄整備計画等に関する内容を盛り込んだ地域公共交通総合連携計画としては、現在までに全国の二十市町村により九件の計画が策定されているところでございます。具体的には、駅舎の新設、イベント列車の運行、バスや海上交通と一体化したICカードシステムの導入など、多岐にわたる内容になっております。

 また、これらに加えまして、協議会の設置準備が進められているところも含めますと、全国で約四十市町村において鉄道あるいは軌道に関する総合連携計画の策定に向けた具体的な検討が進んでいるというふうに承知しているところです。

 一方、地域公共交通特定事業の関係では、富山市が策定しました総合連携計画に盛り込まれましたLRTの整備について、富山市とそれから事業者が共同で軌道運送高度化事業の実施計画を作成しまして、国土交通大臣の認定を申請しました。国土交通省におきまして審査の結果、ことしの二月末に大臣認定を行ったところでございまして、来年の十二月の開業を目指しまして市内電車の一部を環状化するというような事業が進められることになっております。

高木(陽)委員 今鉄道局長から富山のLRTのお話もございました。昨年ですか、国土交通委員会で視察をさせていただきまして、まさにコンパクトシティーにしていく、特に少子高齢社会、その中にあってまちづくりをどうしていくかという観点でのLRTの存在というのは、もう大変重要だと思うんですね。

 そういった中で、今回、特定事業ということで活用しているというふうに伺いましたけれども、この鉄道関係の特定事業としては、既に鉄道再生事業の制度というのがあると思うんです。今回創設しようとする鉄道事業再構築事業とこの再生事業の関係はどのようになっているのか。いろいろと事業というのはそれぞれやるんですけれども、ここら辺の関係をちょっと伺いたいと思います。

大口政府参考人 現行の地域公共交通活性化再生法に位置づけられております鉄道再生事業、これは、事業者が廃止の届け出を行った旅客鉄道事業を対象としまして、沿線の市町村などがその存続を望む場合に、鉄道事業者と市町村等の間で存続に向けた協議を行う場を早急に確保できるように、両者が合意すれば当初の廃止期限を延長して協議を行うことができるというような手続を定めた制度というふうになっております。

 これに対しまして、今般の改正によりまして追加される鉄道事業再構築事業は、廃止の届け出に至る前の旅客鉄道事業でございまして、継続が困難となり、または困難となるおそれがあると認められるものを対象として、鉄道事業者と沿線の市町村等が連携して、地域の支援のもとで事業構造の変更を行うことによりまして輸送の維持を図ろう、それを地域に取り込んでいこうというような法律上の特例を適用するものでございます。

 加えて、この再構築事業につきましては、頑張る地域の意欲的な取り組みを支援する立場から、予算とか税制とか、それから地方財政措置、こうしたものを全部総合しまして、パッケージング的に、重点的に支援をするというような構造になっております。

高木(陽)委員 そこで、局長にまた伺いたいんですけれども、鉄道事業者と地域にとって、この鉄道事業の再構築事業を活用すると具体的にどのようなメリットがあるのか、ここのところをはっきりしないといけないと思うんですね。

 伺いたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 今回創設しようとしておりますこの事業の制度では、地域の関係者が連携して行う効果的な利用促進運動などによって需要の底上げを図る。それとともに、先ほども申し上げました公有民営方式によりまして、上下分離などの事業構造の変更によりまして、資産保有に伴うコスト、いわゆる費用負担を軽減しようというような取り組みについて、法律上の特例と、それから国の予算、税制、そうしたものを重点的に支援するようなことによりまして促進を図ろうというふうに考えております。

 これによりまして、鉄道事業者においては、資産保有のコストが軽減され、それから運行部分に専念することができるということから、運営効率の向上とか、それからサービスの改善に伴う増収を図ることで抜本的な経営の改善が実現する、あるいは安定した経営のもとで路線運営の継続が可能になるというふうなことが考えられるわけであります。

 また、地域にとりましては、住民生活に密着した移動手段としての鉄道を存続させることができるということにとどまらず、運行ダイヤの改善など利用者ニーズに即したサービスの充実が可能となるほか、鉄道を核にしましたまちづくりや駅周辺地域の活性化など、波及効果も相当期待できるのではなかろうかというふうに考えております。

高木(陽)委員 今いろいろとそのメリット等についてお話しいただきましたけれども、この問題だけじゃないんです。

 前回の委員会でも大臣にもちょっと申し上げたんですけれども、せっかくいい制度をつくった、いい事業をやっている、ところが現場がなかなかそれをうまく活用し切らない。特に鉄道事業者にとってみれば死活問題ですから、それぞれの再生事業、再構築事業についてしっかりと認識をして、ああこれは使えるということでやっていくんですけれども、問題は地域ですね。

 自治体を初めとするそういったところに丁寧にこれを伝えていかないと、せっかくこういう形で枠組みをつくっても、まさに仏つくって魂入れずということになってしまいますので、その点も、各地方ごとに運輸局がございますので、しっかりとやっていただきたいと思います。

 今、今回導入しようとしている公有民営方式についてちょっとお話がありましたけれども、これまで活用した例はあるのか、また公有民営方式の導入によって鉄道事業における撤退の自由の原則を修正することになるのかどうか、この点も伺いたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、いわゆる公有民営方式でございますが、これと同様の考え方に基づいて、地方自治体などの支援によりまして線路などの施設の維持管理に伴う鉄道事業者のコスト負担を軽減する取り組みとしては、自治体が土地と線路を保有しまして事業者が支払う利用料を減免するというような形、あるいは自治体が土地を保有しまして無償で貸し付けるというような形、こうした事例はございましたけれども、自治体が土地といわゆる鉄道施設を保有した上で事業者に無償で貸し付けるという公有民営方式という方式は、第三種鉄道事業についても採算性の要件が求められているわけでございますので、鉄道事業法上実施できなかったというところが現状でございました。今回の再構築事業の制度によりまして初めてこれが無償で貸し付けることができる、そういうようなスキームになるわけでございます。

 また、先生お尋ねの退出自由の原則との関係でございますが、今回の再構築事業は、新たに公有民営方式による上下分離を導入することによりまして鉄道路線の輸送の維持を図ろうとするものではございますけれども、あくまでも事業者の自主的な経営判断を十分に尊重しながら、頑張る地域の意欲ある取り組みに対して、だったら国としても制度的に支援していこうというものでございますので、平成十二年の鉄道事業法の改正によって、その後、歩んできている基本的なスタンス、考え方、いわゆる退出自由の原則を修正するものではないというふうにとらえております。

高木(陽)委員 今、公有民営方式のお話をお伺いして、この再構築事業の制度を活用して上下分離が行われる場合、安全の面はどうなるのか。

 まさに、公共交通、鉄軌道の場合には、輸送量が多いために安全性に対してはやり過ぎというのはないと思うんですね。そういった中にあって、例えば軌道の方の安全点検、一方、運行の方は運行の方で、これが分かれるわけですから、ここら辺の安全確保はどのような仕組みを考えているのか、伺いたいと思います。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 二十五日には、あの尼崎の日がまたやってまいりますが、やはり鉄道の一番のかなめは、安心して乗れる、安全の確保でございます。そうした意味からも、今回もそこのところはきちっと対応させていただくようなスキームにしております。

 鉄道事業においては、上下分離をする場合でありましても上下一体の場合と同等の安全水準を確保することが必要不可欠だということで、鉄道事業法ではそのための規定が整備されております。

 具体的には、上下分離が行われる場合には、列車の運行つまり上の運行を行う二種事業者、それから施設を保有する、つまりインフラ部分を持つ三種事業者、そのそれぞれに対しまして、その事業の計画が輸送の安全上適切なものであることを事業許可の基準として、事業許可の際に確認を行うということがまずかなめでございます。

 それから、一定以上、具体的には十年以上でございますが、鉄道事業の安全に関する業務経験を有する者を安全統括管理者として選任の義務づけを行っております。それから、上下の事業者間の連携策を含む安全管理規程をきちんと策定しておくということもまた義務づけられておりますし、その実施によって安全管理体制を構築するということも義務づけられております。

 そうしたことから、上下一体の場合と何ら変わらない安全確保のための規定がきちんと適用されるような仕組みになっております。

高木(陽)委員 鉄道事業の再構築事業の制度を活用して、公有民営また上下分離などの実施の可能性について、これは制度はあるんですけれども、要はそこをやるかどうかですから、その具体的な検討を進めている鉄道、その沿線地域はあるのかどうか。どうでしょう。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の再構築事業を創設させていただいた場合を想定しまして、その活用を視野に入れて地域で検討が既に行われている鉄道としましては、現時点では、鳥取県の若桜鉄道、それから秋田県の秋田内陸縦貫鉄道などのいわゆる転換三セク、転換した第三セクターのほか、福井県の福井鉄道などが私どもの方にいろいろな御相談に来られているというふうに承知しております。

 また、これら以外にも、各地の自治体や鉄道事業者からさまざまなお問い合わせをちょうだいしておりまして、各地の実情に合わせてさまざまな検討が進められているものというふうに承知しております。

高木(陽)委員 今、三つ具体的に進行しているというお話を伺いました。それ以外にもあるという流れの中で、先ほどから出ている安全の問題ですね。せっかく制度をやって、地域にとってある意味では死活問題の鉄道をしっかり守っていく、これはこれで重要なんですけれども、その一方で、安全については、先ほど申し上げましたように、やり過ぎというのはないと思うんです。ですから、システムとしてできているんですけれども、それ以上に、いわゆる鉄道局として、また国土交通省として、安全についてはしっかりと指導をしていただきたいと思います。

 最後の質問にさせていただきます。

 大臣にお伺いしたいと思うんですが、新線の整備、開業が進む新幹線、これはいろいろと政治的な決断もある中で進んでいる。あと、都市鉄道、LRT。そういったものとは対照的に、やはり地方の方では廃止縮小が相次いでいる地方鉄道の分野。ただ、これは冒頭に申し上げたように、私自身も、二十三区で生まれ育って、鉄道がなくなるということは考えられなかったわけですね。ところが、地方ではそれは現実問題として起きてきた。

 しかしながら、この少子高齢社会の中にあって、高齢者の方々がどうやって移動するか、大変な問題だと思います。モータリゼーションの中で、車、今温暖化の問題もありますので、これはこれでしっかりと考えなきゃいけない。特に鉄軌道の場合には環境負荷が小さいということで、鉄道の役割というのはやはり重要だな。そういった中で大臣はどのように考えているのか、最後に伺って、終わりにしたいと思います。

冬柴国務大臣 御指摘のとおり、鉄道は、マイカーに比べまして、二酸化炭素の排出原単位が実にマイカーの九分の一ということで、環境負荷の小さい交通機関でございまして、地球温暖化対策においても鉄道が果たす役割というのは非常に大きいわけでございます。

 特に、地方の鉄道は、いろいろと議論もありましたけれども、運転ができない学童の通学の足として、また高齢者が病院へ通ったりする場合の足として、また通勤、そういうものの足として非常に重要なもので、これはなくすわけにはいかないわけでございます。

 しかしながら、先ほど来申しておりますように、マイカーの方にお客さんをとられてしまって、大変困難でございますが、昨年成立させていただいた法律、また今回の改正法によって、こういうものが守られるようにきめの細かい対策を国としても講じていきたい、そのような決意でございます。

高木(陽)委員 これは要望というか御検討いただいていると思うんですが、今後の交通の問題として、鉄道の場合には、物流以上に人流、人をどう運ぶか、特に公共交通としての地方での役割は大きいというふうに、今、ずっとやりとりでありました。

 今後、日本の中における鉄道の役割、さらには海運の役割、またはトラックを初めとする自動車交通での役割。これは本当に、お互いが縦割り社会の中で、特に国交省の中で局がみんな違うわけですね、それぞれが何とかそこを守っていこうとしてやっていくと、何か整合性がとれなくなってくる。まさに国土交通省という形となって、しかも道路を、今参議院の方で審議しておりますけれども、今後の道路のあり方のことも含めて、そういうことを総合的に、今までも検討されてきたと思うんですけれども、さらに検討を進める中で、大切なのは、国民の皆様方に理解をしていただく、なるほどこうやって今後の交通体系はこうなっていくんだな、こういう安心感を与えていただきたいということを御要望申し上げまして、終わりにしたいと思います。

 ありがとうございました。

竹本委員長 高木君の質疑はこれにて終了いたします。

 次に、川内博史君。

川内委員 午前中に引き続き、今度は法案を絡めて続きをさせていただきたいというふうに思います。

 まず、平井副大臣に午前中の続きでお尋ねをいたします。道路関係業務の執行のあり方改革本部の最終報告書についてお尋ねをさせていただきます。

 平井副大臣、済みません、私はもうこんな小じゅうとみたいなことを言いたくないのですけれども、公益法人の役員の給与について、給与の中に諸手当は含まれているかというのをちょっと確認させてください。

平井副大臣 入っております。

川内委員 ありがとうございます。

 それでは、「車両・車両管理委託の見直し」、十ページのところをちょっと質問させていただきたいと思います。

 これは以前私がやはり聞かせていただいたことで、全国の百三十六の国道事務所、河川国道事務所における車両管理委託の支払い額はトータルで幾らになるんでしょうとお聞きをしましたらば、八十二億だということで、ここに車両管理委託費八十二億円ということで十ページに出ております。

 そこでちょっとお尋ねをさせていただきますけれども、山口河川国道事務所の車両管理委託契約に基づく平成十八年度の支払い額は幾らになりますでしょうか。

平井副大臣 山口河川国道事務所における平成十八年度の車両管理業務委託契約の支払い金額は、約九千万であります。

川内委員 平井副大臣、その八十二億の基礎になる山口河川国道事務所の支払い額は、実は、平成二十年二月二十五日、ことしの二月二十五日に予算委員会に提出をされた国土交通省道路局作成の資料によれば、六千九百七万九千六百十円というのが山口河川国道事務所の支払い額なんですね。ところが、きのう私がいただいた山口河川国道事務所の役務に関する平成十八年度の支払い額では、八千五十七万七千円ということになっている。

 今、平井副大臣が御答弁になられた九千万というのは、もう一つ別な資料に載っている九千五十三万四千九十七円ということで、車両管理委託契約に係る支払い額が現時点で三つあるんですよ。これはどういうことですか。

平井副大臣 先ほど申し上げましたのは、国道事務所における十八年度のトータルの支払い金額が九千万で、このうち、道路整備特別会計から支出した同事務所の車両管理業務委託費は六千九百万円で、残りは治水特会の金額ということになります。

 それで、平成十八年度は、事務所全体で基本月額を六百七十一万円とする契約を結んでいて、これを十二倍すると約八千万になるということで、またこれが報道されたわけでございます。

川内委員 いずれにせよ、そもそもほかの公務員の皆さんというのは多分さまざまに自分で車を運転して仕事先まで行くとかされていらっしゃると思うんですが、国土交通省の出先の事務所においては、さまざまな車に皆さん運転手つきで乗っていらっしゃる。車両管理委託契約は運転してもらうということですから、運転してもらって移動しているというのは、国民の目から見ていかがなものかということで、多分今回の改革案というところに結びついているんだろうというふうに思います。

 そもそも出先の事務所で、午前中の質疑では、金額についてさまざまな上限を設けますよということが書いてあります。しかし、どういう車を買ってもいいよというようなことについて管理する規則みたいなものはあるんでしょうか。

平井副大臣 今までは、そういうものは各地方整備局及び事務所長に委任されていたということであります。一部の整備局においては事務取扱要領を定めているところもあると聞いておりますが、基本的には、各地方整備局において、業務に必要な範囲で効率性、利便性、環境影響を加味して、会計法令上の入札契約手続によって購入しているということであります。

川内委員 ぜひ、その各地方整備局において独自に定めている事務取扱要領を私どもにも参考のために見せていただきたい。またその上で、さまざまに私も提案をさせていただくこともあるかもしれませんので、ぜひいただきたいというふうに思います。

 それから、冬柴大臣、予算委員会で私がこの質問をさせていただいたときに、冬柴大臣は、いや、出先の皆さんは頑張っているから、そんないい車に乗っているわけじゃないと思うよというような御答弁をされた記憶が私はあるんですけれども、もちろん、出先の方々は頑張っていらっしゃるというところまでは私も同感です。頑張っていらっしゃると思います。しかし、運転手さんつきの車で移動することはないのではないかとか、あるいはクラウンにまで乗ることはないのではないかとか、さまざまに、それはなぜかならば税金を使っているからということだと思うんですけれども。

 ちなみに、大臣にも知っておいていただきたいのであえて聞きますけれども、山口河川国道事務所にクラウンは何台ありますか。

冬柴国務大臣 クラウンは三台でございます。そして、一台はセダンタイプですが、二台はステーションワゴンタイプでございます。

 それから、運転手の場合とかいろいろあるんですけれども、河川の場合、特に出水したり災害が起こったりする場合には、職員に運転をさせるとかそういうことはすべきではない。そういうことから、外部から運転手つきで車を用車するというようなことが原則になるわけですけれども、こういうものについては、今申し上げたものについては、ここで保有している車両でございます。

川内委員 ありがとうございます。

 車両管理でもう一つ。

 マイクロバスが八十五台、全国にあって、これは全廃するというふうに書いてあるわけですけれども、そもそもマイクロバスを国道事務所や河川国道事務所が保有できるという何か根拠があったんでしょうか。

平井副大臣 マイクロバスについては、主に現場見学者の移動や大規模な事業説明会等のときの職員の移動等に使用していたと聞いております。

 今回、全廃するに当たって、各車両の管理区域とか走行距離とか、いろいろ全部トータルで加味しまして、考慮しまして、言われたことだけをやるわけにはいきませんので、今回はマイクロバスを廃止しようということに決めさせていただきました。

川内委員 事務取扱要領、さっき地方整備局にそれぞれ任されているという事務取扱要領の中に、マイクロバスとか買っていいよということが書いてあったんでしょうか。

平井副大臣 連絡車ということで、マイクロバス、警報車両等、特殊なものの購入基準は、「事務連絡専用車であって、乗用自動車、連絡車、マイクロバス及びこれらに準ずる車両」ということが、ここの要領、これは東北地方整備局のものですが、書いてあります。これは後ほどお渡しさせていただきます。

川内委員 では、それをまた見せていただいて、もし議論をする必要があれば、させていただきたいというふうに思います。

 それでは、法案に入らせていただきます。

 今回の改正案の内容とは直結しないかもしれませんが、地域の公共交通を担う地方鉄道というのは、ずっと議論が出ておりますけれども、私もとても大事なものであろうというふうに思いますし、地球温暖化対策としても大変有効だと冬柴大臣も強調をされていらっしゃいます。

 自家用乗用車と鉄道のCO2排出量の差は非常に大きい、排出原単位は、鉄道の場合は車の九分の一であるということも、きょうだけでも大臣は多分四回か五回おっしゃっていらっしゃるわけで、そのぐらい地球環境にもいいんだということでございます。

 そこで、ちょっと御説明をいただきたいんですけれども、本年二月に中央環境審議会と産業構造審議会の環境部会が合同で、京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告というものを発表していらっしゃいます。その中に、運輸部門関連としては「公共交通機関の利用促進等」ということで項目が一つ立っておるわけでございますけれども、この項目について簡潔に御説明をいただきたいと思います。

榊政府参考人 運輸部門の自動車単体対策等で、従前二千百万トンの削減を予定いたしておりましたが、さらに三百五十万トンの深掘りをしたいということですとか、渋滞対策等によりまして交通流対策をやるというようなことで、これは従前五十万トンでございましたが、さらに六十万トン以上と。それから、物流の効率化というようなことで七百六十万トンを予定いたしておりましたが、これも六百万トンをさらに追加削減いたしますとか、住宅・建築物の省エネ向上につきましては、住宅、建築物それぞれ百万トンずつさらに深掘りをする、都市づくりについてはさらに九十万トン、こういったような事柄が内容になっていたかと思います。

川内委員 ちょっと私の質問に的確には答えていただいていなかったです。

 私、「公共交通機関の利用促進等」というところを御説明くださいと申し上げていたんですけれども、ここに書いてあることを読めばいいので読みますが、「地域公共交通活性化・再生総合事業により、地方鉄道の活性化など地域住民の移動の確保、都市部におけるLRTやBRTの導入、乗継の改善等を総合的に支援するとともに、従業員の通勤交通について自家用車から公共交通へ転換するように促すなど従業員の通勤、営業、出張に伴う温室効果ガス排出量の低減に向けた取組を強化する。」というようなことが、京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告、これは平成二十年二月八日に中央環境審議会あるいは産業構造審議会の合同部会でまとめられたものであるということでございます。

 これを踏まえて、京都議定書目標達成計画というものが平成二十年の三月二十八日に閣議決定をされているわけでございますが、国土交通省は、中央環境審議会と産業構造審議会の合同部会に対して、十二月七日に意見をおっしゃっていらっしゃいます、ヒアリングを受けていらっしゃいます。そのときの、国土交通省からこの合同部会に対して提出をされた資料がこちらです。平成十九年十二月七日、「国土交通省における地球温暖化対策について」というペーパーでございます。

 ここは確認をしていただきたいんですけれども、京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告あるいはこの最終報告に対する国土交通省の意見書、このどちらにも幹線道路ネットワークの整備という言葉は入っていないということを、まず御確認を局長にいただきたいと思います。

榊政府参考人 実は、御指摘の中環審、産構審の報告書は、今後は強化する施策ということで、いわば深掘りをする施策について取りまとめたということに私ども承知をいたしておりまして、それについて、国土交通省のヒアリング資料においても、私、事務局である環境省、経産省から依頼のあった強化する施策、すなわち、十七年四月二十八日に閣議決定された昔の目標達成計画、それを前提に、さらに深掘りして強化できる施策について中心に取りまとめて、説明をしたということでございます。

 そういった意味で、既存対策について実は網羅的に取り上げていなくて、実は、旧目標達成計画について、幹線道路ネットワークの整備というのは平成十七年の旧計画で既に記載がされておりまして、これは従来より引き続いて実施する既存施策という位置づけでございましたので、そこには盛り込まれていない、こういうことでございます。

川内委員 その新しい京都議定書目標達成計画、平成二十年三月二十八日、「全部改定」と書いてありますけれども、一部改定ではなくて全部改定を閣議決定でしていますが、深掘りをする施策だけを意見を言ったんだと。深掘りをするためのものを出せ、あるいは、今回の改定は深掘りのためのものであるというのは、政府の文書の中にどこか出ていますか。

榊政府参考人 済みません、ちょっと持ち合わせの資料がないのでございますけれども、基本的に、閣議決定が十七年四月二十八日にありました、今般新しく閣議決定をし直しました、こういう形になっております。

 私どもでは、中環審なり産構審の報告書は強化する施策について取りまとめたものというふうに聞いておりまして、ヒアリングされました内容についても、強化する施策を中心に説明をしてくれという御依頼があったので、それについて説明をさせていただいたものというふうに承知をいたしておるところでございます。

川内委員 地球温暖化対策推進本部決定という文書があります。平成十九年十月二日、「京都議定書目標達成計画の見直しに向けた基本方針」と書いてあります。地球温暖化対策推進本部決定ですね。これは国土交通省も入っていますよ。この中に、今回の目標達成計画に向けては強化する施策を主に取り上げるんだというようなことはどこにも書いてないですよ。政府が勝手な言いわけをする場では委員会はないと私は思いますが。

冬柴国務大臣 この二十年三月二十八日の閣議決定は、もちろん私もそこで出てこれを決めているわけですけれども、おっしゃったのは、二十年七月七日、洞爺湖サミットを目前に控えて、なお、これをリードする立場にある我が国において一段の深掘りをしよう、各省、そういうものを出せということがその前にありまして、そしてそういうものを集約して、国土交通省としてももちろん出しました。自動車の単体の改善とか、それから、もちろん高速道路の整備も入るわけでございますが、渋滞対策とか、いわゆるボトルネック踏切の対策とか、そういう、今までずっと、十七年四月二十八日の閣議決定の際にも挙げたものもここへもう一度入れて、ただし、その内容は、数値とかはあらわしておりますが、もちろん深掘りをして、今局長から答弁したようにそういうものを出して、それをまとめたのが平成二十年三月二十八日の閣議決定です。

 ですから、そこの文章にそう書いているか書いてないかは、私、ここで今申し上げるわけにいきませんけれども、特に問題とされる「交通流対策の推進」というところの文章は、平成十七年四月二十八日のもとの閣議決定のときには「円滑な道路交通を実現する体系の構築」というところに書かれていることが、ほとんどそっくり「交通流対策の推進」の中に書かれてあります。順序は入れかわったりしているところはありますけれども、そのときの、私もまだ、つい最近ですから覚えておりますが、深掘りをしてほしいということで言われたもので、それぞれに数値も出した次第でございます。

川内委員 いや、大臣、閣議決定したって、京都議定書目標達成計画を閣議決定したときの地球温暖化対策推進本部の会議の時間は八時二十五分から八時三十五分、十分ですよ。ただ、みんなでこれをやりましょうねということを閣僚の間で確認したと。それは大事なことですよ。

 しかし、私が申し上げているのは、この京都議定書目標達成計画の四十三ページに「環状道路等幹線道路ネットワークの整備」という言葉が入っているわけですね。これは前の京都議定書目標達成計画の中にも入っているのは、私も知っていますよ。しかし、京都議定書目標達成計画の前回の閣議決定のときも、その前段の審議会や、あるいは国土交通省から出した意見の中にこの言葉があったのかどうか。私はちょっとそこまできょうは調べてきませんでしたけれども。

 しかし、きのう私、環境委員会で確認しましたよ、環境省に。高速道路ネットワークを整備すればCO2の削減になるのだ、総量の削減になるのだというような定量的な評価をした日本政府としての検討あるいは検証の結果がありますかとお聞きしたら、環境省は、そんなものはありませんとおっしゃいました。高速道路ネットワークを整備すればCO2の排出量が総量として削減されるのだというような日本政府としての検討、検証の結果はないと。さらには、京都議定書締約国の中で、高速道路ネットワークを整備すればCO2の排出削減につながるというようなことをおっしゃっている国がありますかと聞いたら、そんな国もありませんとおっしゃいました。これは環境省が言ったんです。いや、大臣、いいですか、ちょっと最後まで聞いてください。

 私は、国土交通省が道路整備が必要だということを御主張になられることがよくないと言っているんじゃないんですよ。国土交通省は、道路整備は必要だということを御主張になられる。我々も、整備は必要ですねということを申し上げる。しかし、京都議定書目標達成計画の中にそのことを書くことが果たして妥当なことであるかどうかということについてはしっかりと考えなければならないのではないですかということを申し上げているわけで、だったらば、なぜこの審議会に、提出資料の中に、環状道路等幹線道路ネットワーク、すなわち一万四千キロプラス六千九百五十キロ、二万キロ、高規格幹線道路と地域高規格道路を整備するのだ、それがCO2の排出の削減につながるのだということを堂々と意見の中でおっしゃらないんですか。

冬柴国務大臣 私の方の道路の中期計画を見ていただいたらわかりますけれども、十年目には一千六百万トンのCO2を削減するということを目標に、いろいろ道路整備をやっていますよ。そして、渋滞してアイドリングしている車と六十キロで走っている車がどれほどCO2排出量が違うかということは、学術的には明らかになっているんじゃないですか。それを政府が閣議で全部決めないかぬですか。

 それから、先ほど、閣議決定は何時何分から何分。大体、閣議は十分ぐらいですよ。しかし、その前提として……(川内委員「そんな開き直らないでくださいよ」と呼ぶ)

竹本委員長 ちょっと黙ってください。

冬柴国務大臣 いや、そう言うから言っているんですよ。事実を言っているんですよ。その前提として……(川内委員「だから、事実をここで言っているじゃないですか」と呼ぶ)

竹本委員長 発言中なので、ちょっと黙ってください。

冬柴国務大臣 その前提として、この文章を書き入れるためには、どれだけその下準備を重ねているか。これは何回も何回も会議をやっているんですよ。

 そして、最後の閣議は、閣議決定は、一日に何十件という法案とか政令とか人事とか、そういう案件がありますから、ですから短い時間でやられるんです、週に二回。ですから、その時間であるからここに書かれていることがどうだとかこうだとかいうことにはならないのではないですか。私は、それは疑問に思うから申し上げているわけであります。

川内委員 車単体を取り上げて、六十キロで走っているのとアイドリングしているのとでCO2の排出量がどうだこうだという話をしているんじゃないでしょう。そんなことは私は言っていませんよ。高速道路ネットワークの整備をすることがCO2排出量の総量を削減することにつながるという日本政府としてオーソライズされた見解はないということを申し上げているんですよ。それは環境省が言っている。きのう環境委員会で確認しました。そのようなことを言っている国も、よその国にはないということも確認をいたしました。

 それは国土交通省が、主張として、千六百万トン削減されるのだということを今主張されているというだけの話で、それはきちんと検討、検証して、我々にその論文をしっかり見せていただきたいというふうに思いますが、それが成るまではこの文言は外してもらいたいと思いますし、何回も何回も会議を開いたと、何回会議を開いたんですか。うそをついちゃだめですよ。

榊政府参考人 平成十七年四月二十八日の閣議決定を読ませていただきます。

 円滑な道路交通を実現する体系の構築。交通流の円滑化による走行速度の向上が実効燃費を改善し、自動車からの二酸化炭素排出量を減らすことから、環状道路等幹線道路ネットワークの整備、交差点の立体化、連続立体交差による踏切道改良を推進するとともに、自動車交通需要の調整、高度道路交通システムの推進、道路交通情報提供事業の促進、路上駐停車の対策、路上工事の縮減、交通安全施設の整備といった交通流対策を実施する。これが十七年四月二十八日の閣議決定の文章でございます。

 それで、平成二十年三月二十八日の閣議決定も、交通流対策の推進というところで、交通流の円滑化による走行速度の向上が改善し……(川内委員「だから、それは私が言ったじゃない、これは京都議定書目標達成計画だって」と呼ぶ)

竹本委員長 ちょっと静かにしてください。

榊政府参考人 自動車からの二酸化炭素排出量を減らすことから、環状道路等幹線道路ネットワークの整備というような形で、十七年四月にも、二十年の三月の閣議決定にも、同様に環状道路等幹線道路ネットワークの整備というのがちゃんと記載されております。

 それから、先ほど一万四千キロという御議論がございましたけれども、京都目達計画は二〇一二年が目標でございまして、二〇一二年までにどのような幹線道路が整備できるかということは、現状では、当時ですが、明らかにはなっておりません。

 したがって、高速道路も含めて県道といったような幹線道路の整備をやることによって時速が上がる、時速が上がると燃費もよくなる、こういうことからこういう位置づけになっておるわけでございまして、この幹線道路のネットワークの整備というのは、目達計画上のいわば数量表示がございますけれども、その数量計算をする際の前提となっておるというように御理解いただければと思います。(発言する者あり)

竹本委員長 ちょっと静かにしてください。

川内委員 だから、言っているじゃないですか。審議会でも、何にも言わない。私が申し上げているのは、そもそも全部改定ですからね、全部改定、この閣議決定は、平成二十年三月二十八日は。この改定に向けた基本方針の中でも、全然そんなことは触れられていませんよ。

 基本方針の中にあるのは、「物流の効率化」「交通流対策・公共交通機関の利用促進」。交通流対策というのは何かというと、「都市部におけるLRT等の導入等に対する総合的な支援」「ボトルネック踏切の除去等による渋滞緩和、IT技術の活用、多様で弾力的な高速道路料金の設定などによる交通流対策」。高速道路料金の設定、高速料金については考えますよと言っている。

 高速道路を整備するなどという基本方針にはなってないんですよ。国土交通省が審議会に提出した意見にも、そのようなことは一切出ていないんですよ。それにもかかわらず閣議決定文書に幹線道路のネットワークの整備という言葉を潜り込ませるのは、これはおかしなことではないですかということを私は申し上げている。

 しかも、日本の政府として、幹線道路ネットワークの整備がCO2の排出総量の削減につながるというようなことは言っていないわけです。

竹本委員長 質疑時間が来ております。

榊政府参考人 二十年二月八日には、中央環境審議会地球環境部会、産構審の環境部会地球環境小委員会というところで、目達の評価・見直しに関する最終報告というのが出ております。その中の三という項目。要するに、一は、基本的認識と日本の取り組みでございます。二は、それまでの目達計画の評価でございます。三は、目達計画の見直しに向けた対策・施策の強化という表題でございまして、その対策、施策の強化の内容がずらっとここに、先生が読み上げられたところが掲げられております。

 したがって、ベースに置く施策とそれから強化する施策というのがあって、その施策の強化という項目が、実は二月八日の中環審なり産構審の環境部会から出ている、こういう構造になっておるところでございます。

竹本委員長 交代時間になっておりますから、よろしいですか。

川内委員 一体何を言っているのか、よくわからないですけれども。

 鉄道がCO2の削減を減らすのだとおっしゃっている。一方で、道路はつくるんだと。自動車よりも鉄道の方がCO2の排出量は減るんだよと大臣は何回もおっしゃっていますよね。公共交通機関をこれからこの法案でもしっかり応援していくよということをおっしゃっていらっしゃる。

 これは京都議定書目標達成計画ですからね、京都議定書。この中に、わざわざ道路整備という言葉まで、政府の方針として、なぜかわからないけれども、潜り込ませるのはおかしなことじゃないですかということを私は指摘しているんですよ。

 国土交通省が、道路整備を進めると別な閣議決定文書でおっしゃるのは、それはわかる、自由でしょう。しかし、京都議定書目標達成計画に載せるのは違うんじゃないですかということを申し上げているんですが、大臣、どうですか。ほかに恥ずかしいですよ。

冬柴国務大臣 それは、強化するために二十年にやったけれども、十七年の原点にそこが入っているじゃないですか。

 それから、私は、モーダルシフトで、より環境に優しい鉄道を利用する、バスを利用するということは、それは我々のこれからの必達目標ですけれども、今八千万台近くの自動車が走っているということは現実じゃないですか。その自動車が多くの環境負荷をしているわけでして、それを緩めるために私どもは単体改革も一生懸命やっています。

 しかし、それは鉄道とか船には及びません。及ばないけれども、これが、単体が走る場合の速度を考えれば、それはやはり高速道路をつくって、そしてまた、そういうところは信号ごとにとまるわけでありませんので、そういうアイドリング状態というものも少なくなり、そしてスピードも六十キロで走るのが最も環境に優しいと言われているわけであります、これは閣議決定かどうかは別としまして。

 したがって、そういう意味では、二つの方法があるんじゃないでしょうか。現に日本じゅうに八千万台近い車が走っているという事実を見たときに、これに対して対策を講じなきゃならないんじゃないんでしょうか。

 そういう考えから、こういう閣議決定のときも深掘りのときにも、そういうことを私は発言もいたしたわけでございます。

川内委員 残念です。

竹本委員長 川内君の質疑はこれにて終了であります。

 次に、三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月大造です。

 私も、この地域公共交通活性化法改正案について、特に今回は、鉄道事業再構築事業を付加しよう、追加しようという改正だと承知をしておりますが、質疑に参加をさせていただきます。

 時間はたくさんありますが、聞きたいこともたくさんありますので、端的にお答えいただければというふうに思います。

 まず初めに現状認識をお伺いしたいと思うんですが、この間、同僚委員からもいろいろとお尋ねがありました。現在、地方鉄道の輸送状況はどうなんだ、事業者の経営状況はどうなんだ、特に地方における公共交通の維持困難性について国土交通省としてどのように評価をしていらっしゃいますか。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど地方鉄道の輸送状況を申し上げた中で、九十二社が運営する地方鉄道の中で、相当苦しくなっているというお話を申し上げました。具体的には、八割が収支ベースで赤字であるということ。それで、その中では、やはり地方の人口が現に減ってきているということ、それからマイカーの普及もまた広がっているということ、状況はかなり厳しいものがあります。

 しかしながら、高齢者社会というものの中で、かえって鉄道というものに対して信頼性が戻ってきているということもまた事実でございますので、これをよくよく我々は取り込んでいくというような認識で、今対策を講じようとしているところでございます。

    〔委員長退席、西村(康)委員長代理着席〕

三日月委員 もう一つ現状認識をお伺いしたいと思うんですけれども、整備新幹線の開業に伴ってJRから経営分離された並行在来線の経営状況について、どのように把握をされておりますか。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 並行在来線につきましては、現在、しなの鉄道、それからIGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道、そして肥薩おれんじ鉄道の四社が運行しているところでございます。

 各社とも経費節減あるいは増収努力などの経営努力を続けながら、十八年度の当期損益ベースでございますけれども、具体的に言いますと、しなの鉄道それからIGRいわて銀河鉄道の二社が黒字、そして青い森鉄道と肥薩おれんじ鉄道の二社が赤字という状況でございます。

三日月委員 済みません、私の聞き方が悪かったんです。数字だけなら私でもわかるので、それをどう評価しているかという行政側の御答弁がいただきたかったんですけれども。

 いや、私は、提案理由の説明の中に、大臣がきっちり読まれたんですが、沿線人口も減っている、そして少子高齢化も進展しているし、モータリゼーションも進行してきた、鉄道事業者による利用促進策や合理化努力も限界に達しつつあるというふうに表明されているんですね、限界に達しつつあると。限界に達してそれを超えると、やはり当然のことながら線路施設設備の維持も困難になるでしょうし、人件費削減というものが安全の確保だとか技術の継承というものにも多大なる影響を及ぼしかねないと懸念されます。

 鉄道は一回廃線したら終わりです。それを何とか事前に残せるようなということで今回の策が講じられましたけれども、果たしてそれが有効なのか、安全を守るという観点から本当に大丈夫なのかという観点からきょうは確認をさせていただきたいと思うんです。

 今の御答弁の中で、並行在来線の経営状況でお話がありました。私が数字を見るに、肥薩おれんじ鉄道ですか、これなんかはもうかなり厳しい、危機的な状況にあると思うんです。今回の枠組みの中でも、この並行在来線、整備新幹線開業に伴って経営分離された並行在来線もこの地方鉄道の鉄道事業再構築事業を行う対象会社になると思うんですが、特に、経営分離された並行在来線は貨物が通ったりして、公有民営になった場合の線路使用料を貨物会社からどうするんだという問題もあると思うんです。

 したがって、この並行在来線の問題についてはちょっと取り出して、もちろん、整備新幹線もあるからいいじゃないか、ぜいたく言うなという話もあるのかもしれませんが、しかし、飛び越してしまう地域にとっては大切な地域の公共交通でもあるわけで、この点について踏み込んだ検討が必要だと思うんですけれども、短く御見解をお伺いできれば。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 並行在来線の問題は、一つは、やはり先生がおっしゃいましたように整備新幹線の問題というふうに私どもは理解しております。したがいまして、そのスキームの中でよくよく、さまざまな支援方策もございますので、今後も総合的に対応していくべきであろうというふうに考えております。

三日月委員 ぜひ、経営分離される並行在来線の問題についてもきちんと、しっかりと検討していただきたいと思います。むちゃくちゃな、先のお金をどう持ってきて、前借りして、整備新幹線を引くかということばかりに議論が集中しますけれども、大切な在来線の経営問題についても手当てをしていただくことを要請しておきたいと思います。

 大臣にお伺いをいたします。今の時代の状況だとか要請に対して、この地域の公共交通の活性化、とりわけ今回の鉄道事業再構築という観点からどのように取り組まれるのか。

 私は、この時期、国の持つ理念や哲学、そして法律や予算、ひいては国民の生活というものを変えていかなければならない転換期にあると思うんです。その一つの切り口がこの公共交通をどうするかという問題であり、そのためにこの法律をどう使うのかということにつなげていかなくてはいけないと思うんです。

 三つの切り口から伺います。安全の確保という観点、そして地球温暖化防止という観点、急速な高齢化への対応という観点。安全と地球温暖化と急速な高齢化という観点、三つからお伺いするんですけれども、まず安全の面で。

 先ほど同僚委員から、公有民営が安全に対して支障ないかという確認がありました。私も鉄道事業に従事した経験がありますが、安全をつくるのに、守るのに、多くの人の不断の努力、時として恐ろしいほど単調な作業にも負けない、そして愚直に現場で泥や油にまみれて守らなければならない、こういう作業の積み重ねで安全というのが守られております。それをつくろうと努力されている方が大勢いらっしゃいます。

 そのときに、施設整備に、施設維持にお金がかかるからその部分を取り出してあげて、上下分離で、三種事業者ですか、上を走る人は二種事業者でやればいいという、今回新たな経営支援策としての公有民営方式というのが提案をされておりますけれども、本当にそれだけでいいのかなという危惧を持つんです。

 きのう実は、短時間だったんですけれども、千葉県の総武流山電鉄に視察に行かせていただきました。五・七キロの大変短い鉄道を運行する鉄道会社だったんですけれども、マイレール意識、鉄道員魂そのものです。短い区間なんですけれども、運転され、車掌もいて、駅できちんと安全の見張りもされて、それこそ間接部門の方から現場の作業をされる方までが一体となって、下物を守る人たちも一体になって、このレールはおれらで守っていかなあかんのや、こういう意識を強く持っていらっしゃった会社だと思うんです。下物は例えば市町村が整備します、おれら運転をすりゃいいんや、こういう感覚に陥ってしまうことの危惧を私は覚えるんですね。

 先ほど局長から、規則はあります、例えば安全統括管理者を置くことになっています、体制整備、規定を置くことが義務づけられています、規定される仕組みがたくさん構築されていますなんていろいろありましたけれども、そんなことじゃ安全は守れないんですね。

 この点について、大臣なり国交省当局はどのようにお考えでしょうか。

冬柴国務大臣 間もなく福知山事故から丸三回忌といいますか三年がたちますが、これを契機にして運輸安全マネジメント制度というものを発足させました。これによって、鉄道事業者に対して、我々の方から定時に出向き、そして運輸の安全を統括する人との話し合いあるいは従業員の方との話し合い等々で、そこでやっていらっしゃる仕事、これはもうさっきもおっしゃるように、特に公共交通は安全が第一です、何よりも安全です。したがいまして、事業者のトップから末端の職員に至るまで安全安全ということがどれだけ徹底するかということについて検証をし、そしてまた助言をし、改革を求め、そういうことをずっと今もやっています。

 そういう意味では、地方公共団体が路線だけを所有するとしても、これは運輸の事業者として我々の管理下に入る、そういう意味での管理下に入るわけですから、我々は安全というものについて徹底するようにしていきたい。これは運転をする人は当然のことです、事業者として当然のことですが、施設のみを所有する人に対しても、今言ったようなことをぜひ徹底していきたいと思っております。

三日月委員 理屈じゃない部分があると思うんです。線路上で片手水平挙げをしている人を見ながら汽笛を鳴らしながら運転をすると、ああ、作業が大変やなと。夜中に電車を運転していて駅に着いたときに旅客、お客様の安全を守るためにホームに駅員がいると、ああ、御苦労さんやなと。この一体感が鉄道事業、バスだとかタクシー、船、航空機とは違うんです。一体となって経営をしているからこそ持つマイレール意識だとか鉄道員魂というのがあるので、私は公有民営という経営支援策、選択肢として否定するものではありませんけれども、安易にこちらを選ばれることにならないように、後で議論しますけれども、持っていることに伴って発生するコストを地財措置だとか補助制度だとかで極力支援してあげる、この方策も一方で充実させていくということもしてほしいなと私は思うんですね。

 もう一つお伺いをするんですけれども、鉄道防災について、二年前に私は委員会で例の津山線で起こった落石事故を例にとって、山の管理も含めた治山治水事業もトータルで考えた鉄道防災の仕組みをつくるべきじゃないかという提案をさせていただきました。それぞれ会計も別々だし、それを管理する行政もばらばらだから、それをぜひ一つにする努力をしてほしいと言ったところ、局長も「関係機関と十分相談をさせていただきたい」、大臣に至っては「積極的に検討してまいることをお約束したいと思います。」と随分前向きに御答弁いただいて、実はその後、道路及び鉄道周辺における斜面の安全対策に関する連絡会というものを立ち上げて一年ぐらい検討していただいているんですけれども、今どういう状況にありますか。これは何をアウトプットとして出そうとしていただいていますか。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、平成十八年の十一月に、残念なことですが、JR津山線で発生した落石による列車の脱線事故、これを踏まえまして、これまでに、委員御指摘のように、林野、河川、道路、鉄道分野の関係部局が連絡会を設けまして、六回会議を開催してきております。

 これは定期的にさまざまな情報を共有するというところがポイントでございますけれども、斜面の安全対策に係る事業者間の連携ということで、落石や土砂崩れなどの災害の履歴、あるいは危険な斜面や注意すべき斜面についての共有する情報、それから各分野で進めている防災事業とか治山治水事業、そうしたものの実施箇所とかあるいは実施内容の情報交換、共有化、そうしたものを行っております。また、災害が発生したときの連絡体制のあり方ということで、実際に落石とか土砂崩れ等の災害が発生したときの具体的な情報連絡の体制とか方法、こうしたものを常に確認し合いながら進めている。

 具体的には、そうした各部署から情報が出されたものにつきまして、これは路線を持っている鉄道事業者に同時に同じ情報が、そこにも参加している鉄道事業者に情報が渡されます。これをもとに、どの部分がどういうような状況なのか、共通して危ないところがあるんだなというような、極めてリアルな情報が集積しつつあるということでございます。まだ悉皆、すべて作業が済んでいるわけではございませんが、一つ一つしっかりと地に足をつけながらやっているところでございます。

    〔西村(康)委員長代理退席、委員長着席〕

三日月委員 列車は絶えず動いています。残念なことに、山は割れてきています。一年半もかけて、情報の交換と共有化をやっています、確実に情報は集積されてきていますと、言葉はいいんですけれども、具体的な対策をぜひ出していく時期に来ているんじゃないかと思うんですね。治山治水の事業と、沿線を走る道路や鉄道と一体となって、会計も一つにして、そして斜面の安全対策を行っていくという具体的な取り組みに、ぜひこの間長きにわたって取り組んでいただいているこの会議の成果を出していただきたい。大臣、よろしいですか。

冬柴国務大臣 委員の提案で、私ども早速これをすぐにやったわけです。それで、ただ会議をやっているだけではなしに、そこで確認されたことは周知徹底されて改善されているわけであって、これは途中経過とかあるいは最終報告とかで終わりというものではない、私はそう思っているんです。

 鉄道施設の安全を守るということで、鉄道防災事業費補助等活用しまして、経営の厳しい鉄道事業者に対しても防災対策に対して支援を行うようにいたしておりますし、さっきも局長から詳しく言いましたけれども、山間地を縫って鉄道が建設されている区間というのは特に、ああいう石が落ちたということがありますので、地方公共団体が行う治山治水事業とも連携を図りながら、鉄道周辺の一体的な防災機能の向上にも今努めているところであります。そのような情報交換の場を今のように六回重ねているけれども、それは会議だけやっているわけじゃなしに、そこで情報を集約し、そしてそれに基づいてそれぞれが対策を共同であるいは単独でとっているというのが現状でございまして、私は委員の提案を素直に即受け入れたつもりでございます。

三日月委員 提案を受け入れて行動に移していただいたことは敬意を表したいと思うんですけれども、しかし、例えば山、森林法の二十五条ですか、保安林に指定をして管理をしていくという手法もあるではないかということも提案をさせていただきました。もちろん所管は違うのかもしれませんが、そういうことまで踏み込んで交通機関に隣接する山の管理をどうしていくのかということについて、情報の集積を超えた対策を求めておきたいというふうに思います。

 二つ目、地球温暖化の防止という点で、先ほど来るる議論がありましたが、地域公共交通の維持と活性化を促進する観点から、私は一つの提案として、自治体ごとのCO2削減目標というものを定めてみてはどうか、そういうものが地域公共交通の施策、政策の充実に取り組まなあかんのやというインセンティブにもなるのではないかと思うんですけれども、この点、いかがお考えでしょうか。

冬柴国務大臣 御指摘のとおりでございまして、地域の公共交通につきましては、例えば自動車から路面電車やバスなどの公共交通機関への利用の転換を図るなど、地域の創意工夫により運輸部門のCO2排出削減を図ることが可能であるために、意欲のある自治体が排出の削減目標を設定してCO2の排出削減に取り組む場合に、国土交通省としても、鉄道とバスの乗り継ぎの円滑化事業などによりそうした自治体を積極的に支援してまいりたいというふうに思うわけであります。

 富山のことはよく出るんですが、富山ではそういうふうにLRTを導入し、また今回路面電車との循環をするというようなことが非常によくなりまして、お年寄り、七十歳以上の方で運転免許証を持っている人が、それに乗るんだということで免許証を返納する、その返納することに対して奨励として乗車券を差し上げるというようなことをやっておられる。私はすばらしい試みだと思うわけでございます。そういうことが行われるようなことが非常に大事だと思います。我々もそれを奨励していきたいというふうに思っています。

三日月委員 次に聞きたい質問の一部をとられちゃったんですけれども、奨励だけではなくて、ぜひ国を挙げて自治体ごとにCO2削減目標を定めていこうという枠組みをつくることを私は提案していきたいと思います。いいことをやっている人に別にやめろと言っているわけではありません。

 次に、高齢化への対応についてお伺いしたいんですけれども、まず、警察庁にお伺いします。

 高齢者ドライバーの事故発生率ですね、今大臣も一部触れられましたけれども、どのような推移になっていますか。

深草政府参考人 お答えいたします。

 平成十九年中に発生した自動車及び原動機付自転車の運転者による交通事故のうち、六十五歳以上の高齢運転者が第一当事者となったものは十万二千九百六十一件で、十年前の平成九年中と比較して、約二・一倍となっております。

 また、平成十九年中に発生した自動車及び原動機付自転車の運転者による死亡事故のうち、六十五歳以上の高齢運転者が第一当事者となったものは九百三十件であり、平成十八年中以降は減少に転じているものの、自動車等の運転者による死亡事故がここ十年間で約四〇%減少している中で、十年前の平成九年中と比較して、やや増加しているところであります。

三日月委員 私は、どこかの政府みたいに冷たく前期、後期と分けることはいたしませんが、今、警察庁は六十五歳以上という表現でデータを述べられましたが、七十五歳以上の方々の事故を見ますと、全体として減っているんですけれども、その中にあって、七十五歳以上の方が起こす事故、七十五歳以上の方が亡くなる事故はやはりふえているんです。こういう状況下で、移動制約者、移動困難者への配慮、対応の必要性を国としてどのようにお考えでしょうか。

 私は、この間、移動する権利、どこにいても、どんな状態にあっても、だれでも、どこにでも行けるという、このことを権利として国として付与していこうじゃないかという提案をさせていただいておりますけれども、お金がかかるとか議論がまだ成熟していないということで、現時点では合意に至っていないという状況なんですけれども、私はそろそろ、哲学を変える、理念を変えるという観点から、費用の分担についてはみんなで応分に負担をしていけばいいわけであって、この点についても踏み込んでいくべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 私は、つい最近、この間ですが、小笠原へ行きました。そうしたら、そこはここから海上一千キロ、二十六時間半ぐらい船でかかるんですが、すばらしい観光地があるんですよ、世界遺産に申請しようと言っているわけですから。そこに車いすの方が、おじさんでしたけれども、来ておられました。それで私から、どこから来られたんですか、東京から来ましたと。それで、その人が言うのには、バリアフリーということで、観光地も、私はみんなが行けるところは全部行けるようになっている、ありがたい世の中ですねと言われました。

 そういうことで、障害の方も旅行する権利があります。観光立国推進の中で、どなたも旅行する権利があると私は思っております。その意味で、それはバリアフリーということで、道とか施設とかそういうところを、障害をなくすということとともに、我々はやはり、こういう人たちのために、コミュニティーバスとか乗り合いタクシー、福祉タクシー、こういうようなものをきめ細かくするということも、その人たちに提供することの重要なものがあると思います。

 したがいまして、これに対して、平成二十年度予算におきましても、地域公共交通活性化・再生総合事業というものを創設いたしまして、地域のこのような取り組みに対しても支援をしようということでやっているところでございます。

 そういう形で、我々は、関係予算、地方財政措置、あるいは人材の育成、こういうようなものを通じて、このような高齢者の方だけではなしに障害を持った方々も、生きる権利として、そういう移動の権利というものが十全に果たされるようにしなければならないというふうに思っています。

三日月委員 前回よりは、大臣御自身の御認識として、そういう移動する権利、旅行する権利というものを持っていらっしゃるんだから、それが果たしていただけるようにしていかなければならないという御答弁がありました。前回に比べたらかなりの前進だと思います。

 それを法的にどう担保していくのか。たまたま小笠原に行かれた方はそういうルートを通っていらっしゃったかもしれません。そのこと自体はいいことだと思うんですけれども、しかし、あらゆる方々、まだまだバリアがあり、段差がありということもあります。特に地域の公共交通において、公共の交通ですから、それを取っ払っていくための一つのきっかけになるためにも、法的に権利を付与していくということについての議論を深めていきたいというふうに私は思っています。

 具体的に個別事業についてお伺いをいたしますが、鉄道再生事業について、これは前回の法制定のときに入ってきた事業なんですけれども、これは経営が立ち行かなくなって廃止の届け出が出された鉄道事業が対象でした。これでは事業者と地域の市町村との間で感情が対立することが懸念されて、その後幾ら維持だとか活性化だとかいっても、なかなかその次の取り組みにつながっていかないようなことも懸念されていました。

 今回、鉄道事業再構築事業として、廃止の届け出を出すに至る前に、維持と活性化について応援していける仕組みをつくろうと。しかしながら、平成十二年の鉄道事業法の改正時にあった、事業者の自主性、主体性を尊重する中での、事業者の判断で届け出て廃止をすることができるという部分については残しつつ、この鉄道事業再構築事業の枠組みを提案されておりますけれども、その気持ちですね、その立法趣旨ですね。今回こういうものが提案されるということは、退出自由の原則を前提にされながらも、やはり、そこに至る前に、優先的にこの鉄道事業再構築事業に取り組んでいくべきだということを国交省として発信をし、それを事業者だとか自治体にも周知していくべきものだと私は思うんですけれども、いかがでございましょうか。

大口政府参考人 先生の御指摘のとおりでございます。

 私ども、鉄道事業というのは、明治以来、紆余曲折ありましたけれども、結局、民活、民が主導になってみずからの活力で運営をしてきたという長い歴史がございます。その歴史の中で、現在、では少子高齢化の中でどうしていくのかというところが地方鉄道の抱えている問題でございまして、この点はまさに地域、自治体、住民、それから鉄道事業者、すべてが合力することによってこの活路は見えてくるんだろうというふうに考えているのがこの思想でございます。

三日月委員 もう一点、一年前に成立した法律の施行状況について確認をしたいんですけれども、法制定時の参考人質疑の中で、これは森地参考人だと思うんですけれども、地域公共交通の維持、改善のために重要なこととして四点御提案をいただいているんですね。私、これは非常に含蓄があると思うんです。

 まず一つは、関係者の合意形成。二つ目は、自治体の役割。三つ目は、国の役割。そして四つ目に、都市間の情報交換の仕組み、要は、いろいろな経験だとかデータだとかそういうものを自治体間で交換し合えるような仕組みをつくるべきではないか。既にシステムを立ち上げていただいて、CIVITASですか、提案をいただいている取り組みも御紹介いただきましたけれども、この市町村等の地方自治体における交通政策立案過程をどのように評価されていますか。

 私は、人材のデータバンクをつくったり、あと、さまざまな自治体の取り組み、情報だとか経験だとか、そういうものを蓄積して、いつでも活用できるようなシステムをつくるべきではないかと常々提案をさせていただいているんですが、そのことについてどのようにお考え、取り組みですか。

榊政府参考人 まず、関係者の合意ということでございますけれども、法定協議会を設置、運営させていただくというようなことでございますし、実は法定協議会だけではなくて、バスの関係の協議会とか鉄道の関係やいろいろな離島の協議会というのがございますので、そういったようなものもいわば一緒になって連携、運営していくといったような事柄で関係者の合意を図っていこうということでございます。

 それから、御指摘の自治体の役割ということでございますけれども、基本的に、それまで公共交通について素人の市町村、こういうことかと思いますが、そういったために、地域公共交通に関する専門的な知識、ノウハウと情報が若干不足ぎみだ、こういうことでございますので、昨年度からセミナーとか研修を開催いたしまして、地域公共交通活性化、再生に必要な情報なりノウハウの提供の助言を行ってきておるところでございます。

 さらに、関係機関とも連携して、地域公共交通のアドバイザーリスト、こういったようなものも策定いたしまして、地域公共交通機関の再生についての全国の取り組み事例も、こんな例があるよ、いい事例だよというような形で提供させていただいて対応しているということでございまして、こういったような形で、地域公共交通の活性化、再生に資するような人材育成、ノウハウ、情報提供といったようなことに力を入れて今後ともやっていきたい、こういうふうに思っているところでございます。

三日月委員 もう一つ、今回提案された鉄道事業再構築事業の定義として、法文に「最近における経営状況にかんがみ、その継続が困難となり、又は困難となるおそれがあると認められる」ということがあるんですが、これは、だれがどのような基準と指標で評価、判断することになるんでしょうか。

大口政府参考人 これは私ども、まず輸送人員がどういう状況になっているのか、それからその経営状況が、いわゆる経常損益がどうなっているのか、そうしたこともトータルに含めまして、それから沿線自治体の意欲とかそういうもの全体を含めまして判断したいと考えております。

 判断主体は、地域が自主的に選択していくというところでございます。それを認定するのは私どもでございます。

三日月委員 各地で評価、判断してもらう、それを国が認定するということだと思うんです。

 私は、鉄道会社、鉄道事業、そして路線、それぞれで判断されると思うんですね。この基準でなければならないということは、各地によって違うでしょうから、私は一様に定めるべきではないと思うんです。

 しかし、先ほども局長おっしゃいました、鉄道事業というのは民活でやってきたんだ、そのときに、民活でやってきた鉄道事業者を公共交通の枠組みで協議会に入れるときに何が一つハードルになるかというと、その鉄道会社がどんな経営状況にあるんですかということがなかなか自治体にはわからない。大きな会社として、経常利益で幾ら出しています、どんな列車が走っています、どんな路線がありますということはわかるんだけれども、自分たちの市域を走っている路線だとか、また不動産で幾らもうけてどうのこうのと、鉄道事業としてどんな収益になっていて、この路線を残すことにどれだけの困難性があるのかということについてのディスクローズが、情報公開がまだまだ不十分だと思うんですね。

 したがって、私は、鉄道路線の維持、鉄道事業再構築事業というものは、いいことだと思いますけれども、この評価、検討について、それぞれの地域で広く情報が共有される、もっとわかりやすく評価、検討の一歩が踏み出していけるようなそういう仕組みなり、あと支援体制をつくっていくべきだと思うんですけれども、この点についてどのような認識をお持ちですか。

大口政府参考人 委員御指摘のスキームにつきましては、総合連携計画を関係者が集まりましてつくるときにまさにそのことが課題になろうかと思います。したがいまして、総合連携計画をつくるその協議会の場においてよくよくその情報も公開される、あるいは共有されるというふうに理解しております。

三日月委員 あと二つ、地域の公共交通政策を進めていくに当たって、具体的にどうだろうかと問うてみたいと思うんです。

 一つは、電車優先信号システム、電車走行優先信号、これを導入しませんか。特に路面電車なんですけれども、自動車と一緒に走ることが多い。今、社会実験等が昨年度から行われて、今年度についても調査費だとか社会実験のための費用が一部予算化されたと聞いておりますけれども、もちろん、公安委員会との調整もあるでしょう、整備局、運輸局間の連携も必要だと思います。しかし、定時性、速達性の向上のために、私はこの電車優先信号というものをもう少し導入に向けてさらに取り組みを加速させるべきではないかと思うんですけれども、どのようにお考えですか。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 路面電車は、最近、LRTということで、相当、市民に親しまれるような低床式が多くなってきております。そんなことから、市民生活においても相当受け入れられるような、そういう交通システムになってきておりますけれども、先生御指摘のように、LRTの速達性とか利便性の向上の一環として、そうした優先的にLRTが進行できるというようなことにつきましても、現在、道路交通信号機を管轄する警察庁などの関係機関とか、あるいは鉄道局、私どもの省の中にある都市・地域整備局、道路局、そうした関係部局とよくよく合力しながら、連携を密にして、地域活性化のために一層取り組んでいきたいと考えております。

三日月委員 一層取り組んでいきたいという言葉に期待をしたいと思います。

 もう一つお伺いをいたしますが、運転の最高速度。軌道、特に路面電車。軌道法、これは大正十年に制定された法律で、「朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル」というところから始まるんですが、それの第十四条を根拠といたします軌道運転規則の五十三条を見ると、「車両の運転速度は、動力制動機を備えたものにあつては、最高速度は毎時四十キロメートル以下、平均速度は毎時三十キロメートル以下」と定められています。

 もちろん、安全確保は当然のことだと思うんですけれども、これだけ技術が発達してきた昨今、速達性向上の観点から、地域公共交通、特に路面電車の速達性向上の観点から、この運転の最高速度の制限を緩和すべきだと考えるんですけれども、それを認めてもいいのではないかと思うんですが、技術基準の見直しについての見解、取り組みをお聞かせください。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 明治以来の規則でございますけれども、これはまた現在でも生きている大変大事な安全に関する規則だというふうに私どもはとらえております。

 具体的に申し上げますと、いわゆる車はゴムタイヤでございますので、摩擦抵抗ということから、相当、とまるときまでの距離が短くて済みます。それで、LRTはレールの上を走りますので、制動距離が非常に長くなります。したがいまして、四十という数字は、これはやはり安全の一つの基準なのかなというふうに私どもは現在とらえております。

 ただし、今その規則の中にも、先人たちはきちんとそのスキームをつくっておりまして、他の道路交通と遮断して動かすようにできているならばその限りではない、こう言っているわけです。したがいまして、四十キロを超えてでも運転できるような例は、例えば阪堺電軌というようなところには見られるところでございます。

 以上でございます。

三日月委員 どうしても、路面電車は鉄のレールの上を鉄の車輪で走るので、滑ったりとまらなかったりということで制動距離が長くなるので、四十キロというものを定めていると。先人の知恵であり、努力であるということは私も否定しませんが、しかし、それしか適用できないということではなくて、今おっしゃいましたけれども、遮断されていれば特例として認められるんだと。しかし、路面電車でいくと、なかなか遮断というところまで至れないということもあろうかと思いますので、必ずしも遮断ではなくて、きちんとした審査の上で、安全であることが一定確保されれば、担保されれば、この制限速度についても見直しができるということを、私は必要だという指摘をさせていただきたいと思います。

 最後に、鉄道事業の維持、活性化に向けた方策について二つお伺いをしたいと思うんですけれども、一つは、地方財政措置の充実についてどのように考えますか、特に鉄道に対する。

 まず、去年制定された法律で、BRT、バスラピッドトランジットですか、BRTに対しては、車両をローンで買う、それを地方が起債をして応援するのが認められました、適債だと。一括払いでやる、その場合に地方交付税の特別交付税、これも認められました。一方、LRTの方は、車両を買うときの自治体の支援の起債は認められたけれども、特別交付税は認められていない。バスの路線維持に対しては地方交付税の特別交付税は認められている、交付税措置がされている。しかし、鉄道の維持については、自治体が支援しよう、そのための財源を確保しよう、そのときに交付税措置というのは認められていない。このバランスをどのように考えますか。

 もちろんバスと鉄道、それぞれ違うのかもしれません。鉄道があるだけいいじゃないかと言われることもあるのかもしれませんが、バスに転換するのと同じレベルぐらいの交付税措置の支援、そして、バスと同じだけの、例えば車両を購入するその費用について自治体が支援をする、その起債を認めるということぐらいは、地域公共交通を守る地方財政措置として穴をあけていくべきではないかと私は考えるんですけれども、いかがでしょうか。

大口政府参考人 LRTとBRT、LRTは路面電車、そしてBRTはいわゆるバス型の専用路線を速く走るシステムでございますが、その地方財政措置を比較してみますと、委員御指摘のように、起債措置につきましては、LRT、BRTとも同様の特例措置を昨年十月の地域公共交通活性化法において新設しております。特別交付税については、BRTに対しては地方バス路線確保にかかわる既存の交付税措置を活用するという形で支援を行うということになっております。

 この違いにつきましては、LRT、BRTによる差というものではなくて、もともとの、いわゆる最終的な移動手段としてのバスに対する既存の交付税措置と、それから鉄道に対する既存の交付税措置の差異というふうにとらえているところでございます。

 私ども国土交通省といたしまして、LRT整備に必要な低床式路面電車等の整備について多額の資金が必要ということは事実でございます。また、出費の平準化を図るということで、LRT整備を促進する観点からも、現在お認めいただいているLRTの起債特例措置、これは大変意義があるというふうにとらえておりまして、最大限の活用を図りたいと思っておりますが、今後とも、LRT整備に必要な地方財政措置について、これからいろいろな個別事情もあろうかと思いますので、そうした実態をよくよく勉強しながら、必要に応じて、また総務省とも御相談してまいりたいというふうに考えております。

三日月委員 済みません。私はLRTのことだけ言ったのではなくて、LRTも含めた鉄道の支援のためにこの地方財政措置に穴をあけていくべきではないか、適用範囲を広げていくべきではないでしょうか。地財法五条の公益という部分にこの地方の公共交通を残す、特に鉄道を残すということは当てはまるんではないですか。車両購入についても、そして特別交付税の措置についても適用されるべきではないですか。大臣、大きくうなずいていらっしゃいますが、一言いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 我々も地方における公共交通を守るという大きな喫緊の課題に今取り組んで、このような立法をお願いしているわけでございますので、それをきちっと成就するための手段としてそういう手当ては非常に必要だと私は思っておりますので、機会をとらえて総務省とよく話をして、成就できるように頑張りたいと思います。

三日月委員 冒頭述べました公有民営という仕組みが今回提案をされております。しかし、私は、それぞれの事業者が持ち続けることの安全に対するメリットから、持っていることの負担を減らす支援策も必要だと。例えば固定資産税の減免だとか、こういうことにもより強く臨んでいただきたいということ。これは質問はいたしませんけれども、要望として申し上げて、最後に、今話が出ました地財法第五条の起債特例について、公共交通と同じだけ公益を有する森林、造林公社の問題について、ちょっとお許しをいただいて、一問総務省に対して確認をさせていただきたいと思うんです。

 滋賀県は、二つの造林公社を抱えて一千億の債務を持っていて、今この公社と公庫との間で特定調停が行われて、場合によっては滋賀県が債務の保証、損失の補償をせなあかん。そういうときに、特に滋賀県の場合は近畿の水がめとして下流の自治体も債権者になってくださっているということもあるものですから、これをどう処理していくのかということについて今悩みながら調整をさせていただいている状態なんですけれども、この起債特例の適用について、総務省、短くで結構ですので、現状把握とともに御見解をお聞かせいただきたいと思います。

榮畑政府参考人 ただいまの件でございますけれども、滋賀県の二つの造林公社の関係でございますが、これは大変悩ましい問題であると思っております。滋賀県財政上も大変厳しい状況だろうと思っております。

 ただ一方で、やはり地方財政制度という制度の立て方もございますから、そういう中でどういうような対応ができるか、これは滋賀県庁ともよく御相談させていただかなければなりません。先週から今週にかけてもかなり何回もやっておるところでございますけれども、滋賀県庁、それからそのほかに関係者も数ございますから、そういうような方々ともよく御相談して、今後、できるだけ早く結論をつくっていきたいというふうに考えている次第でございます。

 以上でございます。

三日月委員 ありがとうございました。終わります。

竹本委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は大臣に改正案についてまず聞きたいと思います。

 先ほど来議論になっていますが、私もやはりこの問題が大事だなと思うんですね。つまり、地域公共交通活性化法制定時に今回の追加事項である鉄道事業再構築事業が入らなかった理由は何かということなんですね。先ほど大臣は、維持費にかかるのはわかったということでぽこっと答弁されました。私は、ほんまにそうかいなと思ったんです。というのは、人員削減の合理化努力は限界であるということは既にもう何回も出ているんですね。

 さらに、調査室から配られた参考資料でも、国土交通省が出している人件費と他の費用の割合を見ますと、一九八五年から二〇〇五年まで、施設保有にかかわる経費というのは三八%から四六%、ずっとふえているわけですね。それが去年にふえたわけじゃないんですね。ですから、この危機的状況というのは、先ほど大臣が維持費にかかるのはわかったと言われたから、別にそこで詰めようという話じゃないねんけども、それはちょっと単純過ぎやしないかと。改めて、それが入らなかった理由は何か、大きな点で大臣にお答えいただければ。

大口政府参考人 私の方からちょっとお答え申し上げさせていただきます。

 昨年の五月に成立しました地域公共交通活性化及び再生に関する法律において、鉄道関係では鉄道再生事業の制度を導入させていただきました。これは、廃止届け出が出された鉄道事業の存続に向けて地域と鉄道事業者の議論の場を提供するような、スキームを提供するような、そういうものでございました。

 これに対しまして、この法律の成立のときでございますけれども、地方の鉄道の厳しい経営状況を踏まえて、その維持のために必要な措置、あるいは運行会社の経済的負担を軽減するためのいわゆる上下分離制度の一層の活用、そうしたものについて、この委員会で附帯決議をちょうだいした経緯がございます。

 さらにまた、法律が成立したことを契機としまして、地域の鉄道は最後は地域が支えるというような議論が各地で相当活発になってまいりまして、具体的な支援プロジェクトの検討が進みまして、関係団体、これは日本民営鉄道協会、それから第三セクター鉄道等協議会、こうしたところから強い要望を受けるようになりました。

 これらを踏まえて、国交省といたしまして、交通政策審議会の鉄道部会における地方鉄道の活性化に関する緊急提言をちょうだいしまして、廃止届け出に至らずとも経営悪化が深刻化している路線を幅広く対象とし、存廃議論が浮上する前の段階で国の支援を受けつつ関係者が一体となった取り組みを展開できるような制度を、追加的に、早急に導入すべきというような機運が高まったところでございます。

穀田委員 経過と契機となったことは知っていて、お互いに言っているわけじゃないですか。

 それで、契機になったことを否定しているんじゃないんですよ。もし先ほど大臣が言うような状況認識から出発しているとすれば、その状況はもう七、八年前からあったはずじゃないかということを言っているわけですよ。そこの問題の提起の中心なり核なりをとらまえていただかないといけなかった。

 昨年は倒産したらやった、今後は倒産する前にやろう、それはわかっているんです。そうじゃなくて、そういう状況認識だとしたらちょっとまずいのと違うのかということを言っているんですよね。それは大臣わかってくれますわな。

 問題は、そこからなんですよ。

 結局、私が言いたいのは、最初から規定すべきだったと。その上で、このような事態、つまり経営危機や廃止だとかという事態が生まれる原因が何かということについて、なぜかというと突き詰める必要がある、維持費にかかるのが昨年にわかったでは困るということを言いたいのです。

 そこで、大臣に聞きましょう。

 地方鉄道の経営困難がなぜ生まれ、なぜ拡大されてきたのか。ここについて大臣の見解をお聞きしたい。

冬柴国務大臣 もうこれは三回目か四回目言っていますけれども、何といっても、やはりモータリゼーションの進展で沿線の鉄道利用者が減少しているということが一番大きいと思います。五〇%であったのが、もう八%まで落ちちゃっているんですよね。バスとか鉄道が八%ずつ。二、八、十六ですから一六%になっているんですよ。したがって、これはやはりお客さんが減ったということが一番大きいと思いますよ。

穀田委員 お客さんが減ったって、それは結論であって、当たり前ですがな、そんなこと。だけれども、お客さんが減るようなことについて、何の原因もなしに減ったのかということですわな。やはり、減るような施策をとってきたということがあるんですよ。

 さっきモータリゼーションと言いましたけれども、モータリゼーションといっても、そのことについて、何も車だとかやっただけじゃないんですよ。国の政策自身がまさにモータリゼーションを推進してきたということもあるわけで、それから、地方の疲弊という問題をもたらしたことも事実であって、そういう中にあって出てきた話をやはりそう簡単にしてもらっちゃ困るんですよね。

 そこで、では、具体的にもう少し聞いていきたいと考えます。

 国鉄のローカル線から地方鉄道となった転換鉄道の数と経営状況はどうなっているのかと、先ほどもありましたけれども、整備新幹線の着工に伴ってJRから経営分離された並行在来線の現状について、端的にでいいですから、特徴的な問題点だけ言ってください。

大口政府参考人 端的に申し上げます。

 旧国鉄から転換された路線を経営する事業者は二十二事業者でございます。それから、国鉄改革時に鉄道建設公団が建設中であった地方鉄道新線、これを経営する事業者が十三事業者。合わせまして三十五事業者でございますが、その九割の三十二事業者が経常収支ベースで赤字になっているという状況でございます。(穀田委員「並行在来線は」と呼ぶ)

 失礼しました。並行在来線の数につきましても御説明申し上げます。これは四社でございます。それで二社が黒字、二社が赤字ということでございます。

穀田委員 だから、地方鉄道の多くが国鉄のローカル線からの出発で、独自の経営努力では採算ベースとしては限界があった、それがわかっていながらJR発足時に多くのローカル線がJRから切り離された。大きなモータリゼーション、人が少なくなったというだけじゃなくて、やはりJRが、人がもともとそんなにうんと減ったって、それは減ってはいますよ、でも百からゼロになったわけじゃないんです。その事態の中で、経営努力としてみれば、黒字の部分があって、赤字でも支えていたということがあったからこれは何とかもっておったわけですよね。それはみんな知っているわけですよ。そこははっきりさせなくちゃならぬ。

 したがって、私は、整備新幹線も同様で、建設の際に切り離された在来線も、並行線も経営が困難になっているということがこれで推察できる、総じて言うならば、単純な経営努力ではいかんともしがたい側面がある。ここを、大きな政策の問題と、個別、この間の赤字という問題を含めて、二つの点をやはりはっきりさせる必要があるということなんです。それを言いたいんです。

 そこで、一点だけ。

 整備新幹線着工に伴う並行在来線のJRからの分離はだれがどのようにして決めたのか、そして、これは法的な根拠があるのか。端的に。

大口政府参考人 お答え申し上げます。

 整備新幹線の建設に当たっては、JRの経営に過重な負担をかけて第二の国鉄をつくらせないという観点から、毎回毎回の政府・与党申し合わせにおいて、新幹線の並行在来線は新幹線開業時にJRから経営分離するということにしてまいりました。また、その際には、政府・与党申し合わせに基づきまして、沿線地方公共団体から並行在来線の経営分離についての同意を得るということにしてきているわけでございます。

 並行在来線の具体的な経営分離区間については、平成八年の政府・与党合意において、当該区間に関する整備新幹線の工事実施計画の認可の前に、沿線地方公共団体及びJRの同意を得て確定するというふうにされているところでございます。

穀田委員 長いけれども、要するに、政府・与党合意だ、法的根拠はない、そういうふうに言ってくれればいいんですよ。これは二秒で済む話なんやからね、本当にもう。だから、端的に聞いているんのやから端的にお答えくれたらよろしいんやわ。

 私が言いたいのは、そういう意味で言うと、今日の地方鉄道の経営困難をつくり出した一つの要因がやはり政府・与党合意であるということについて指摘しておきたいと思っています。

 そこで、地方鉄道のコスト構造、調査室資料の九十七ページですが、その資料を見ると、多くの地方鉄道が人件費を削減するなどしても独自には経営が成り立たない事業であることがわかります。また、輸送密度と経常収支率によるグループ分け、これは色が塗ってありますよね。これを見ますと、二千人パー日キロで困難に直面しているということがわかります。

 したがって、特に人口の少ない地方では、国民の足を守る地域公共交通として存続させるには、発想の転換が必要になってきていると私は考えます。今回、公有民営、上下分離方式などが政策化されていますが、その点では当然、私は、地方鉄道の公共性を考えれば、必要な措置だと考えます。

 もちろん、先ほど同僚議員からあった、安全の角度や高齢者の問題や地方自治体としての問題、これは当然あるわけですけれども、私が言いたいのは、そもそも、営利が目的の民間経営に任せていてはいずれ廃止せざるを得なくなるんじゃないかと。これでは国民の足を守ることができない。だから、地方自治体はもちろんだけれども、国として、国民の足の確保、交通移動の権利を保障し得る施策に転換すべき時期に来ているという点が私の哲学であります。

 そこで、この施策にかかる国の予算は幾ら計上しているのか、それで十分と考えているのかについて聞きます。

冬柴国務大臣 端的に申し上げます。

 鉄道軌道輸送高度化事業費補助、二十四億五千万円。これについて、補助率のかさ上げを五分の一から三分の一にするなど優先配分を行って、認定を受けた事業者を重点的に支援しようということが一つ。

 それからもう一つは、平成二十年度予算におきまして新たに創設されました地域公共交通活性化・再生総合事業費補助三十億円。これも十分に活用しながら、めり張りのついた効果を目指して頑張ってまいります。

穀田委員 端的に言うと、十分であるかということについてのお答えがなかったということですね。私は不十分だと。要するに、公共交通を支える重要な柱に、はっきり言ってたったそれだけかということを私は思います。考えてみますと、道路建設の何分の一かいなとふと思いました。だから、もっと国としての責任を果たすべきであるということを言っておきたいと思います。

 そこで、お許しを委員長また理事の皆さんに得ましたので、道路の問題について少し述べたいと。

 その前に、福田首相は、四月十二日午前、東京の新宿御苑で開かれた桜を見る会で、物価が上がるとかいろいろなことはありますけれども、しようがないことはしようがない、これに耐えて工夫して切り抜けていく、それが大事と発言しました。これに対し、貧乏人らは文句を言わずに耐えろと言うのか、平安貴族のように花見をしながら庶民を見下している、こんな首相は見たことがないといった批判が多くの国民から殺到したとある新聞は報じています。

 物価や市場の安定を図ることが政治の重要な役割であるにもかかわらず、最近の物価上昇をしようがないと言った人ごと発言は、首相の資格にかかわるものではないかと私は考えます。冬柴大臣はこの首相の発言をどう受けとめたか、あわせて、最近の物価高についてどのような認識を持っているのか伺いたい。

冬柴国務大臣 月例経済報告等でも明らかになっておりますけれども、原油価格の高騰ということが非常に大きいと思いますが、そのほかアメリカの経済等、そういうものに起因したもの、あるいは中国の輸入品によるいろいろな問題等、生活必需品あるいは食料品というようなものが最近相次いで値上がりをしているということについては、もちろん憂慮しております。

 これについてどうするかということは、もちろん内閣においても十分に検討しているところでございますが、最近の物価高、これは本当に大変なことだと私は思っております。その中でガソリンの問題というものも考えていかなきゃならないことは当然でありますけれども、最近の物価高については私はそのように思います。

 それから、総理はそのようなことを言われたかどうか、私は聞いていませんので、そこにはおりませんでした、報道ではそういうことがあったように聞きましたけれども。

 やはり、それでとまったのではなしに、そういう状態をそれぞれ受けとめざるを得ない、そういう状況にあるけれども、それぞれが耐えて、工夫をして切り抜けていくという、そのような精神状態が大事だということもそれはその中で言われたようでございまして、我々は全員が、これは政府だけでやれることじゃないですよ、これは全員が、生活の問題、何をどういうふうにしていくかということは、それぞれに工夫をしていかなきゃならない問題だとは思います。

穀田委員 先ほど述べた文章の後半もちゃんと私は言ったんです。

 それで、私はそうは思えない。例えばこの間あしなが育英会が、経済格差や物価高騰の維持、母子家庭への影響の調査の結果を発表しています。それによると、物価高でとても苦しくなった二九・〇%、苦しくなった五四・一%で、合わせると八三・一%の方が本当に困っているということを言っておられます。

 私は、憂慮すべきというのは、こういう事態に対して何としても打開しなくちゃならぬという政治の務めを果たすのが必要であって、そのときに、先ほど述べたように、これに耐えて工夫して切り抜けていく、これが大事だ、そういうことを本当にこの人たちに正面切って言えるのかと。私は、そんなことはない、政治の務めはこれを何とかすることにあると私は思うということだけ言っておきたいと思うんです。

 そこで、内閣府、来ていただいていますから聞きたいと思うんです。

 最近の社会意識に関する世論調査で、現在の日本で悪い方向に向かっている分野について、景気や物価についてどういった結果が出ているか述べてください。

高井政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣府が実施しております社会意識に関する世論調査でございます。悪い方向に向かっている分野という設問に対しまして、前回、平成十九年一月の結果と、今回、ことしの二月でございますが、比較をいたしますと、景気を挙げた者の割合は二一・一%から四三・四%、物価につきましては一四・六%から四二・三%、食糧は一三・〇%から四〇・九%と、それぞれ上昇しているところでございます。

穀田委員 明らかなように、やはり四年ぶりにこういうのがトップになっている、景気の問題でね。そして、物価、食糧とも約三倍になったということですよね。だから、相次ぐ生活必需品の値上げなど、暮らしへの不安が広がっている状況は今や国民みんなが認識しているわけですよね。大変だと思っているんですよ。大田経済財政担当相も、この間の三月二十八日の閣議後の会見で、賃金が上がっていない中での物価上昇なのでよい上昇とは言えない、ここまで言っているわけですよね。そういうときにああいう発言をしているようじゃ、ほんまに話にならぬと私は思うんです。

 そこで、ガソリンの問題を言われたので、大臣に聞きたいと思うんです。

 原油高騰などによる物価高が国民生活を苦しめている現状のもとで、もとでですよ、ガソリン価格を再び値上げすることによって国民生活全体にどんな影響が出ると想定しておられますか。

冬柴国務大臣 私は、道路行政を預かる立場でございます。

 その立場で申し上げますと、道路事業につきましては、暫定税率の期限切れに伴いまして、四十七都道府県のうち約四分の三に当たる三十六道府県におきまして道路事業予算の執行を保留し、うち十一府県では道路関係事業以外の事業にまで影響が及んでいる状況にあります。これは総務省調べです。

 建設業界におきましても、今後の見通しが不透明だということで、受注計画が立たない、雇用や人員配置、資金繰りなどに影響が出ているということで、私の方に、四月十七日ですけれども、全国の建設業協会あるいは土木協会等からその結果を、何とか、こういう状況にある。ですから、地域の雇用にもかかわる影響が出てきているということでございます。

 したがって、私は、地方財政とか国民生活の混乱を最小限にとどめる、そしてまた真に必要な道路計画、これは国家百年の計ですから、そういうものにつきまして計画的に進められるように私としては頑張らなきゃならない立場かなというふうに思います。

 ただ、国民生活が大変苦しい中で、ガソリンが、平均すればリッター二十一円七十銭ですか、下がっているということをたくさんの国民が喜び、これを維持してほしいという意見があることも、それも新聞報道ですが承知はいたしております。しかし、我々の子供や孫たちのことを考えれば、その人たちが自信や誇りを持てる、そういう国土をつくっていくことも今を生きる我々の義務だというふうに思いますので、その調整の問題に苦しんでいるわけであります。

穀田委員 国民生活には悪い影響が出ることも確かだということですね。

 ガソリン税の暫定税率を政府・与党は四月の三十日にも復活させる方針を示しているわけですが、これに対して、読売新聞の世論調査では、賛成が三〇%、反対が六一%となっています。この暫定税率の上乗せの復活は、私は前回の質疑でも指摘しましたけれども、現時点からすればないわけですから、それは、客観的には増税になるんだ、だから二兆六千億円の増税になって、国民の多くが物価値上がりなどで苦しんでいるときに追い打ちをかける、そういう形はやるべきでないというのが私の考え方であります。

 そこで、四月一日からの暫定税率上乗せ分廃止によるガソリン価格値下げで、ガソリンスタンドを初め国民生活に大きな混乱をもたらすということで、政府、各大臣は宣伝しました。しかし、ガソリンスタンドそれ自身でいえば、一定の混乱はあったでしょうけれども、さほど大混乱ではなかったわけです。もちろん、先ほどあったように、ガソリン値下げで消費者や運送業者、自動車ユーザーなど国民の多くが喜んだ。相次ぐ商品価格の値上げに不安を感じていた多くの国民が救われる気持ちで歓迎したことも、これまた事実です。

 そこで、ガソリンを再値上げすることで生ずる混乱について、国交省として、どのように想定し、どのような対策を講じようとしているのか、端的に。

宮田政府参考人 結論を端的に申し上げますと、まさにガソリンの流通に関して、どういう見通しになるか、国民生活への直接的な影響について、私ども、責任を持って答えるデータもありませんし、立場にもございませんので、済みません、答えをすることは差し控えさせていただきます。

穀田委員 それはちょっと僕は無責任に過ぎると思うんですよね。というのは、下げるときにあれほど大げさな話をした人たちが、上げるときにどうなるかなんということについて全く想定していない、答えるあれを持っていないと言ったら、それはだめですよ。

 それはやはり、少なくとも国民のガソリンの供給についての話じゃなくて、そこにおいて生じる事態についてはどない考えているかということを聞いているのに、何もないということですか。何も影響はないと言って差し支えないというふうに判断しているということですか。それを一点だけ。

冬柴国務大臣 それは、下がるときもあれだけの影響があったわけですから、上がるときも影響はあると思いますよ。ですから、それを最小限にするように努力しなきゃならないと思いますよ。

穀田委員 それを言わないからいきっているんじゃないですか。そこでいきって言うのは、そっちがいきるんじゃなくてこっちが怒るという話でしょうが。それはどう考えたって、あっちは言わへんのやから。そうでしょう。それは当たり前の常識じゃないですか。

 そこで、あと二、三聞きたいと思うんです。

 政府・与党決定について確認したいんです。道路政策について、必要と判断される道路は着実に実施するということを述べています。これは、大臣が決定に盛り込むよう発言したと報道されているが、事実ですか。端的に。

冬柴国務大臣 事実ではありません。

穀田委員 では、しかし、真に必要な道路整備と同じ意味だと参議院本会議で福田首相が答弁したこと、これはそういう理解をしてよろしいですね。

冬柴国務大臣 私は、真に必要な道路は着実に計画的に整備していくべきである、それは国民すべてのコンセンサスができている、そのように思っています。したがって、それと同じ意味であると思います。必要と判断される道路につきましては着実に整備すると書かれた文言は、一緒だと思っております。

穀田委員 要するに、大臣を含めて政府・与党合意はつくられたと。そうすると、道路中期計画の事業量は十年間で五十九兆円です。そして、政府・与党合意では五年間になると言っている。そうしますと、五年間となると事業量はどうなるのか、計画は今までどおりでよいのだろうかということを普通考えますね。普通考えるんですよ、五年間にすると言うとんのやから。そうすると、首相は中期計画は変わらないと述べている。とすると、具体策としての道路中期計画素案を基本として道路政策を進めるということになるわけですけれども、中期計画は、一万四千キロメートルの高速道路や七千キロの地域高規格道路をつなぐことを中心にしています。政府・与党決定では中期計画は五年とすると書いていますけれども、十年でつなぐ計画を五年に短縮して高速道路をつなぐという意味ですか。

冬柴国務大臣 時系列に整理して考えれば、そういう議論にならないと思いますよ。

穀田委員 そういう議論にはならないと。

 では、次に聞きましょう。

 中期計画は五十九兆円という事業量を決めていましたけれども、政府・与党決定では事業量については明示されていない。しかし、では、五年で五十九兆円を使うという意味でしょうか。そこは少しきちっと述べていただきたいと思います。どういう計画なのか。

冬柴国務大臣 今は道路中期計画があるだけでございまして、それに所要の額は五十九兆円でございます。五十九兆円を上回らないということであります。

穀田委員 五十九兆円を上限とする、それはわかっています。

 今私が質問をしたのは、中期計画は五十九兆円という事業量、つまり、法律の第三条では事業量を定めると書いていました。それを五十九兆円ということを素案として述べておられる。その五十九兆円について、事業量については明示されていないわけですよ。ただし、法律は十年通すということを首相は言っておられる。しかし、十年を五年にすると言っておられる。そうすると、五年で五十九兆円を使うという意味かと。

冬柴国務大臣 これから話し合って決めることでしょう、これから。例年は年末です。ことしの税制改革時にこの道路特定財源制度を廃止し、来年二十一年度から一般財源化するということが決まる前に、その後の問題がいっぱいあるわけでして、暫定税率はどうするのかとか、五年でこれをつくりかえる場合にはいつどういうふうにだれがつくるのかとかいう問題がそこへ出てくるわけでありまして、現時点ではまだそこへ至っていないじゃないですか。

 今私が提案しているわけですから。参議院できょうお経読みしましたよ。私は十年間ということを言っているわけでございますが、それを提案しているわけですから。そして、国会法五十九条で、私はこれを撤回も変更も修正もできないことになっていますから。ですから、それをどうするかということを今から与野党で話し合っていただくわけでしょう。その内容としてどういうことを考えているかと言われたら、我々の政府・与党決定ということをこちらは考えています、ですから協議をしてくださいということを言っているわけです。

穀田委員 単純に言っているんですよ。所管の大臣として政府・与党合意を決めた、十年を五年にすると書いているんですよ。それを議論する際に、当然頭をよぎるわけですやんか。今我々は、五十九兆円という法案を出している、政府としては出しているけれども、では、こういうことになれば、五年となれば、少なくとも、総理大臣、五十九兆円というものをそのまま使うのか、五年間でやろうとしているのかという話を単純に聞いているだけなんですよ、私は。

 だから、それは今後話し合うというんじゃなくて、話し合う場合もそうなんだけれども、では五年で五十九兆円も使うこともあり得るのかということをうちは聞かざるを得ませんね。極めて単純なんですよ。そういう話がよぎった、当然。そういうことがあり得ないなんというようなことはないんですよ、それは法律上あり得るんです。だから聞いているんですよ。

冬柴国務大臣 現在、五年なんてなっていないんですよ、決まっていないですよ。話し合いの結果、将来決まること。我々はそれを決める用意がありますということを言っているわけでして、現在は十年です、十年。ですから、五十九兆を上回らないということ。税収から見たってそうでしょう。

 私はそういうことを言っているわけでございまして、ですから、時系列的に考えてほしいというわけです。話し合いを、成立することを前提にと前文にも書いてあるじゃないですか。その中で並行してやらなきゃならないのは、一、二項の、いわゆる無駄遣いと皆さんに批判されている、これは国民に対して我々は反省を込めて改革をするということでやっています。これは一、二項。三項以降は違うんじゃないですか。(発言する者あり)

竹本委員長 ちょっと黙ってください。

穀田委員 これは国民みんなが注視していまして、結局、与野党がどんな協議をしようが、一般財源化をすると言っているんですよ、首相は。一般財源化するということは、少なくとも道路に全部金は使わないということになるんですよ。そうしたら、財源として十年間五十九兆円使うという根拠自身がなくなるんです。だから、私はしつこく聞いているんですよ、だって税収を全部そこへ使うわけじゃないんだから。そういうことを言っているだけなんですよ。極めて単純な言い方なんですよね。そういうことを言っているだけなんです。それは、一般財源化した場合にそうなるよ、だとしたら幾ら使うのかということについて、五十九兆ではないわなということを言っているだけなんですよ。わかりますやろ。

 最後に一つだけ聞きます。中期計画の見直しは最新の需要推計などを基礎に、こう書いています。これは、高規格幹線道路の一万四千キロの残りの分、評価した二千九百キロメートルについて見直すということなのか、つまり基幹ネットワークの部分だけを見直すという意味なんですか。そこだけ。

冬柴国務大臣 私は、これは参議院で明確に、今工事中のものも全部見直します、それから、今未着工の分は、将来着工できるかどうか知らぬけれども、着工する場合には最新のものでもう一度BバイCもとり直すし、BバイCの基準ももう随分言っていただいたから、それも見直しますと言っているわけだから、そういう新しい尺度で見直しますということを私は明確に言っていますよ。そういうことをします。

穀田委員 だから、最初の五十九兆という話になるわけですよ。見直すということは当然額も含めて検討するわけだから、そういう点は確かなのかということを聞いたわけですやんか。論理の反対ということに、反対の論理をしっかり見ていただかないとあきまへんわなということを述べて、一般財源という問題、それから道路特定財源という考え方、これをよく整理して今後とも議論をしていく必要があるなと改めて実感したということを指摘して、終わります。

竹本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

竹本委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

竹本委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

竹本委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、望月義夫君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・そうぞう・無所属の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。三日月大造君。

三日月委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 地域公共交通、とりわけ鉄道が地球温暖化防止に資することにかんがみ、厳しい経営環境下にある地方鉄道の維持・活性化が図られるよう、総合的、かつ、効果的な施策の実施に努めること。また、上下分離制度等事業構造の変更が適切に導入されるよう、必要な措置を講ずること。

 二 地域公共交通において地方鉄道が果たす役割にかんがみ、鉄道事業再構築実施計画に基づいて実施される取組に対し、鉄道軌道輸送高度化事業費補助金、地方財政措置等による重点的な支援が行われるよう努めること。

 三 地域公共交通の在り方について、市町村、住民、鉄道事業者等による十分な検討がされ、適切な合意形成がされるよう、国は、情報の提供などの環境整備に努めるとともに、地域公共交通の活性化のための政策立案に携わる人材の育成に努めること。また、その在り方について、住民の意見が反映されるとともに、地域公共交通総合連携計画と都市・地域総合交通戦略とが十分に連携し、まちづくり、観光振興等の観点から効果的に機能する施策となるよう体制整備に努めること。

 四 国土交通大臣は、鉄道事業再構築実施計画の認定を行うに当たっては、本法の趣旨に則り、計画が地域公共交通の活性化及び再生を適切かつ確実な推進に資する観点から審査を行うこと。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

竹本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

竹本委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣冬柴鐵三君。

冬柴国務大臣 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 大変ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

竹本委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

竹本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時七分散会


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