衆議院

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第13号 平成21年4月8日(水曜日)

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平成二十一年四月八日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 望月 義夫君

   理事 奥野 信亮君 理事 菅原 一秀君

   理事 中山 泰秀君 理事 福井  照君

   理事 山本 公一君 理事 川内 博史君

   理事 後藤  斎君 理事 上田  勇君

      赤池 誠章君    稲葉 大和君

      江崎 鐵磨君    遠藤 宣彦君

      大塚 高司君    太田 誠一君

      岡部 英明君    鍵田忠兵衛君

      亀岡 偉民君    木村  勉君

      北村 茂男君    佐田玄一郎君

      七条  明君    篠田 陽介君

      島村 宜伸君    杉田 元司君

      長崎幸太郎君    長島 忠美君

      西銘恒三郎君    原田 憲治君

      藤井 勇治君    松本 文明君

      盛山 正仁君   吉田六左エ門君

      若宮 健嗣君    石川 知裕君

      小宮山泰子君    古賀 一成君

      高木 義明君    長安  豊君

      福田 昭夫君    三日月大造君

      横山 北斗君    鷲尾英一郎君

      高木 陽介君    谷口 和史君

      西  博義君    穀田 恵二君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 一義君

   国土交通大臣政務官    谷口 和史君

   国土交通大臣政務官    西銘恒三郎君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            河野 正道君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    川崎  茂君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           坂本 森男君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 増田 優一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     小澤 敬市君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         関  克己君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        藤田 伊織君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 西脇 隆俊君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  和泉 洋人君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         尾見 博武君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月八日

 辞任         補欠選任

  稲葉 大和君     木村  勉君

  小里 泰弘君     篠田 陽介君

  高木 義明君     福田 昭夫君

  森本 哲生君     横山 北斗君

  高木 陽介君     西  博義君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  木村  勉君     稲葉 大和君

  篠田 陽介君     小里 泰弘君

  福田 昭夫君     高木 義明君

  横山 北斗君     森本 哲生君

  西  博義君     高木 陽介君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

    ―――――――――――――

四月八日

 建設不況打開と資材高騰への緊急対策に関する請願(赤松広隆君紹介)(第一四八二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六三三号)

 同(遠藤利明君紹介)(第一八〇五号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一八〇六号)

 建設不況打開・生活危機突破に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一六一六号)

 同(石井郁子君紹介)(第一六一七号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六一八号)

 同(菅野哲雄君紹介)(第一六一九号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第一六二〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一六二一号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一六二二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一六二三号)

 同(重野安正君紹介)(第一六二四号)

 同(園田康博君紹介)(第一六二五号)

 同(辻元清美君紹介)(第一六二六号)

 同(平野博文君紹介)(第一六二七号)

 同(藤村修君紹介)(第一六二八号)

 同(細野豪志君紹介)(第一六二九号)

 同(前原誠司君紹介)(第一六三〇号)

 同(森本哲生君紹介)(第一六三一号)

 同(山口壯君紹介)(第一六三二号)

 同(大畠章宏君紹介)(第一七二六号)

 同(高木義明君紹介)(第一七二七号)

 同(細川律夫君紹介)(第一七二八号)

 同(三谷光男君紹介)(第一七二九号)

 同(岡本充功君紹介)(第一八〇七号)

 同(北神圭朗君紹介)(第一八〇八号)

 同(小平忠正君紹介)(第一八〇九号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一八一〇号)

 同(伴野豊君紹介)(第一八一一号)

 同(三井辨雄君紹介)(第一八一二号)

 東京外かく環状道路対応の方針に関する請願(筒井信隆君紹介)(第一六三四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)


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     ――――◇―――――

望月委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事尾見博武君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長増田優一君、大臣官房建設流通政策審議官小澤敬市君、大臣官房技術審議官関克己君、大臣官房官庁営繕部長藤田伊織君、道路局次長西脇隆俊君、住宅局長和泉洋人君、金融庁総務企画局審議官河野正道君、総務省統計局長川崎茂君及び厚生労働省大臣官房審議官坂本森男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

望月委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長安豊君。

長安委員 民主党の長安豊でございます。

 本日は、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案について御質問させていただきます。もちろん、この法律だけではなくて、住宅政策全般について御議論をさせていただきたいなと思っております。

 その前に、先日、四月二日の朝刊に出ておりました合同庁舎の件についてお伺いさせていただきたいと思います。

 大阪第六地方合同庁舎の整備について、概要はどういったものなのか、また、なぜ今このような庁舎の整備が必要なのかということをお伺いしたいと思っております。先ほど言いました、大阪の橋下知事が、こういった地方分権改革が進む中でこのような合同庁舎を今整備するというのはいかがなものかという記事が出ておりましたので、それについてお伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 大阪第六地方合同庁舎は、大阪市中央区大手前三丁目に建設予定の、延べ面積四万五千平方メートルの国の合同庁舎でございます。入居官署は、近畿管区警察局、近畿管区行政評価局、大阪法務局、近畿公安調査局、大阪航空局、近畿地方整備局を予定しております。

 この大阪地区では、既に四つの合同庁舎を整備しておりますが、築年次が古い第一合同それから第二合同庁舎は、低層建物の増築などを繰り返すなど、国有財産としての有効活用が十分に図られていない状況にございます。

 また、同一官署で複数の建物に分散配置となっていたり、また、地元の自治体より庁舎を借り受けていたりというような官署もあります。それから、複数の単独庁舎、合同庁舎以外があるというようなこともありまして、現在の地区内での庁舎整備状況は、地元の国民の皆様方にとっても、行政サービスを受ける立場の皆様方にとっても不便があるとともに、行政機能の効率的な執行という観点からも問題を抱えているというのが現状でございます。さらに、耐震性能が不足している庁舎もあるということでございますので、こうした課題を早急に解決するために整備を進めていくという段取りになってございます。

 なお、大阪第六地方合同庁舎につきましては、平成二十一年度においては、建設地域内の既存の建物の取り壊し及び敷地調査というものを予定しております。実際の大阪第六地方合同庁舎本体の設計の着手というのは、地方分権の方向性が定まった後の平成二十三年度末ということで、実質三年ぐらい先という見込みでございまして、今後策定される政府の方針に沿って、この計画については柔軟に対応することが可能と考えておりますし、そのとおりやっていきたいと思っております。

 以上でございます。

長安委員 さらにちょっとお伺いしたいと思います。

 現在、事業計画中あるいは進行中のこのような地方の合同庁舎は全国で何カ所あって、また、全体で計画額は幾らかということをお伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 この地方分権改革の対象となったいわゆる八府省十五系統の出先機関が入居予定の新築の庁舎につきましては、全国で三十六件ございます。それで、その整備の全体計画額は約二千億円となっております。

 この国の出先機関等が入居する合同庁舎の整備につきましては、老朽狭隘、古くなったり狭いということの解消のほか、耐震性の確保を図る上でも懸案となっておりまして、適切に整備を進めていく必要があるものと認識してございます。

 また、繰り返しになりますけれども、地方分権改革の対象となりました機関が入る新営庁舎につきましては、きちんと政府の方針にのっとって、必要な計画規模の縮小とか入居官署の見直し等を行いまして、柔軟に事業を実施していくということによりまして、無駄が生じないようにきちんとやってまいりたいと思っております。

 以上でございます。

長安委員 一方で、こういった事業に対して、当該の地方公共団体の自己負担というものはどのようになっているのでしょうか。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 これらの事業に関し、地方負担はあるのかという御質問だと思います。

 大阪第六地方合同庁舎を初めとしますこれらの事業につきましては、国の事務一般を行うための庁舎の整備ということでございまして、地元の地方の負担というのは全くゼロでございます。

 以上でございます。

長安委員 今の御確認で、要は、全く地方負担はないということですね。わかりました。

 ただ、今御説明をお伺いして、今後柔軟に対応するというような御答弁を先ほどいただきましたけれども、さはさりながら、果たして今本当に真に必要な事業と言えるのかというのは、まだ疑問が残るわけです。地方分権改革というのが今、議論の真っただ中でありますので、その中で、中央の出先機関のあり方というのがこの間大きく問われてきたわけです。

 そこで、大臣にお伺いしたいわけですけれども、そういった中で、急いで事業に着手すべきものではないと言えるのではないかと考えるわけですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

金子国務大臣 決して、何かどさくさに紛れて急ぐということではなくて、耐震性といったようなことをやはり十分配慮する。それから、これは決して整備局だけではありませんで、法務省それから警察局等々、他の省庁も入っていく施設でありますから、そこの耐震性。しかも、もし震災等が起こりますと、そこがいわば対策本部になるような場所でありますので、それなりの施設をやはり準備しておくことも国として考えなければいけないんだろうと思います。

 しかし、長安委員御指摘のとおり、地方分権委員会で地方出先機関を再編しろよなということを議論されている真っ最中であることも、よく我々踏まえながらやらなければいけない。この地方分権の今後の進め方につきましては、先般、工程表をつくらせていただきまして、中身はともかくとして、ことしの秋までに、どういう出先機関あるいは分権のあり方をするのかという具体的な案を具体化しようということを政府・与党として決めさせていただきました。

 そことのそごを来さないようにしていきたいということで、これは実は、概算要求の段階で、こういう地方分権推進委員会という議論が一方であるので、どういう概算要求をしていこうかということをやってまいりましたけれども、これは官房長官も、官邸も入ってもらいまして、これは国交省だけの話じゃありませんから、警察も入っている、法務省も入っている。

 ですから、そういう意味で、政府全体としての進め方として、分権委員会の流れを見ながら、しかし一方で、今行われている大阪府について言えば、調査をしていく、土壌の調査、環境調査もやっていくということで、具体的な設計というのは、先ほど答弁がありましたように、二十三年度から行っていく。

 それから、ほかのところもそうでありますけれども、仮にどことどこを一緒にした方がいいよなということができた場合でも、間仕切りをなるべく広くしておいて、そして対応が柔軟にできるような構造のものを考えるということで、今進めさせていただいております。

長安委員 通告していないお話ですが、ちょっとお伺いしたいんですけれども、旧庁舎の、今の庁舎の中で耐震性を満たしていないものというのはどれぐらい、割合でも結構ですけれども、つかんでおられますか。

藤田政府参考人 にわかにはこの場でお答えは難しいんですけれども、十五系統の庁舎の中には耐震性が不十分なものも十分含まれておりまして、ちょっと数字でいいますと、大阪第六合同であれば、耐震性が不足している庁舎の割合は入居する庁舎の中で一二%ということでございます。

長安委員 今の御答弁、一二%が耐震不足ということですね。(藤田政府参考人「はい」と呼ぶ)では、八〇%は耐震は大丈夫ということですね。(藤田政府参考人「そうです」と呼ぶ)さっき、何か耐震が一番の理由だみたいな雰囲気に聞こえたもので、御説明、ちょっとおかしいのかなという気はしますけれども、通告のなかったお話なので、申しわけございません。

 大臣、先ほど御答弁いただいたように、これはまさに百六十億の建てかえの事業ですよね。それに対して、今年度は七千五百万ですか、予算がついているということで、敷地の調査であったりということでございますので、ぜひ、大臣が先ほど御答弁されたように、今後の地方分権改革の議論を見ながら柔軟に御対応いただくのが重要ではないかなと考えております。

 それでは、次は、この法律について御質問をさせていただきたいと思います。もう結構ですので。

 今回の高齢者居住法についてでございます。

 高齢者の居住を考えるときに、高齢者だけを対象とした施策が矢継ぎ早に出されてきているわけであります。しかしながら、コミュニティーという考え方をしますと、高齢者ばかりを集めて高齢者だけのコミュニティーをつくってしまうというのは、私は、ある意味、ひずみが生まれるのではないかなと思っております。

 よく、さまざまな世代、若い世代、子育て世代といいますか、それから働き盛りの世代、お年寄りの世代、そういったさまざまな世代が入ったコミュニティー、ミックストコミュニティーというんですか、そういったコミュニティーを形成する方が、地域づくりを進めていく上で、ある意味、バランスのとれたコミュニティーになっていくのではないかなと思うわけです。

 昨今、核家族化が進んでいるわけです。例えば、子育てをされている若い御夫婦の家庭ですと、子供の、例えば病気の問題であったり、教育の問題であったり、あるいは育て方の問題であったりというのを日々、ある意味、経験がないから悶々とされている。でも、近所にお年寄りの方がいらっしゃれば、いろいろな経験に基づいた助言をもらったり、アドバイスをもらったりというようなことができやすくなるのかなと。

 そういう意味では、そういった、さまざまな世代が一緒に住めるようなコミュニティーづくりが重要だと考えますけれども、大臣から御所見をお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕

金子国務大臣 先ほど、ちょっと耐震で言葉足らずでありましたけれども、現在の耐震というよりも、放置しておけば耐震が悪化していくという意味で、あえて申し上げさせていただきました。

 今の長安委員の御意見は私も大賛成でありまして、高齢者が子育て世代と交流する空間を設置していく、あるいは高齢者向け住宅と一般世帯向けの住宅を一体的に供給するということは、本当に大事なことであると思っております。

 ちなみに、例を一つだけ申し上げさせていただきますと、熊本県の県営健軍団地という、熊本市の五十戸の団地でありますけれども、ここは、一階に福祉施設をつくりまして、そこに子育ての支援のプレールームですとか、それから、高齢者や障害者が通えるデイルームですとか、地域の人たちが交流できるスペースルームですとか、こういうのを併設しているということで、これはもう本当に、非常に評判のいい、活気のある施設なんだそうであります。やはり、今先生まさにおっしゃられたことがこういうところでもう実現されているな、もっと広げられるようにしていきたいと思っています。

長安委員 ありがとうございました。

 一方で、現在、高齢者の八割以上は持ち家に住まれているという現実があります。今後、高齢化が進んでいくと、高齢者の方々はある意味、もっと、例えば病院の近くであるとか駅前とかに、より暮らしやすいところに住みかえということを考えられていくことがふえてくると思います。そのときに、円滑に住みかえができるようにする仕組みづくりを行うことが必要と考えますけれども、御所見はいかがでしょうか。

和泉政府参考人 御指摘の点は全くもっともでございまして、片方で、小さな家に子育て世帯が住んで困っている、片方で、今委員おっしゃったように、そろそろ身体状況がきつくなったのでもっと便利なバリアフリーに移りたい、だけれども大きなおうちをもてあましている、そういったもののマッチングは非常に大事であると思っていまして、平成十八年度から、そういった仕組みをモデル的にやってきております。

 関心は大変強いわけでございますが、まだまだスタートしたばかりで、現実にそういった住みかえをした実績はまだ九十九件でございますが、そういったことを進める場合のさまざまなノウハウ、例えば、耐震診断をしてちゃんとリフォームをする、あるいは、そういったことに乗り込む高齢者の方々に、どういった生活になるのかということを説明するマニュアル、こういったものが成果としてでき上がっております。

 今後は、そういったものを、今、たまたまモデル的な施行でございますので、一つの一般法人がやっておりますけれども、そういったものはビジネスにもなると思いますので、そういったノウハウを開示して、二十一年以降はなるべく広く、そういったものをいろいろな主体がやっていただけるように進めてまいりたい、こう考えております。

    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕

長安委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、住宅市場の活性化と住宅購入者のリスクという問題についてお話をお伺いしたいと思います。

 平成二十一年度の予算案、関連法案が国会を通ったわけで、懸案であった住宅ローン減税も正式に決まって、今まさに住宅を買おうと思っていた方々にとってみると喜ばしいニュースだったと思うわけであります。

 一方で、住宅販売の現場では、年明けから、もう既定のこととして、住宅ローン減税を販売促進のうたい文句に使ってきたという現実があるかと思います。

 年明け、もうはや四カ月がたとうとしているわけですけれども、ここ数カ月の住宅販売の現状と、また住宅ローン減税その他、施策の効果について、現状をお伺いしたいと思います。

和泉政府参考人 御指摘のとおり、今回の過去最大の住宅ローン減税、あるいは長期優良住宅に対する投資減税、加えて言うと、住宅金融支援機構のフラット35で金利優遇期間を延ばす、こういった施策が今後大きな効果を持っていくと思います。

 ただし、現実、足元では、まだそういったものが成立しておらなかったわけでございますので、二月の住宅着工はまだ厳しゅうございますが、そういった効果が効いてまいりまして、幾つか数字を御紹介しますと、首都圏のマンションの売却戸数、これはずっと苦しんでおりましたが、これが本年一月に、三十四カ月ぶりに対前年同月比でプラス、二月には同じくプラス二四・四%、こういった状況が見えてまいりまして、在庫がずっとふえてまいったんですが、在庫も十五カ月ぶりに一万戸を割り込んだということでございます。

 また、いわゆるアンケートで不動産購買指数等をとっておりますが、これも大分改善傾向。加えて言うと、この先の新しい比較的期待できる話題としまして、いわゆる住宅展示場、こういったものに対する来場者数もふえてきているということでございますので、何とかこういった明るい兆しを、一連の対策を早く周知徹底することを通じて、現実の住宅着工なり住宅投資に結びつけてまいりたい、こう考えております。

長安委員 過去最大規模の控除額ですから、当然住宅市場が活性化してもらわないと困るわけでありますけれども、一方で、この住宅減税をきっかけに、住宅購入を検討されてきた方の背中を押すことにはなったわけで、そうなれば、当然景気対策として、また買う側の個人にとっても望ましいことだということは言えるわけです。

 一方で、販売の現場の声を聞きますと、先ほど過去最大規模の控除額というお話が局長からありましたけれども、長期優良住宅の部分を合わせて六百万円の控除額ということですけれども、一方で、今後、その金額を下げていくわけですね。今、長期優良住宅の部分を除くと控除額が五百万円、それが平成二十五年には二百万円まで逓減させていくということになると、今買わないと損ですよと、当然、住宅販売をしている会社は、ある意味、消費者をあおってしまう。さらには、自己資金の少ない、つまり頭金のない方でもローンの借り入れを勧めるなどの例が見られているということを私は聞いております。

 また、一昨日の日経に報道されておりましたけれども、政府・与党で検討中の追加経済対策の中の住宅市場活性化策では、住宅金融支援機構の住宅ローンの融資上限を九割から十割に上げるというようなことが検討されている。つまり、頭金なしで住宅が購入できるようになりますよという話だと思うんですけれども、このような措置をすると当然住宅を購入しやすくなるんだというのは十分わかります。住宅市場の活性化が進むというのもわかります。関連産業の需要を支える効果は期待できるということはもう明らかですね。しかしながら、そういった販売事業者の楽観的な勧誘に促されて、個人が過重な債務を抱えてしまうというようなリスクも当然あるわけです。

 この中でも恐らく、住宅を買われたことがある方は大勢いらっしゃると思いますけれども、住宅を買うというのは、一生に一度の大きな買い物です。一生の、自分が稼いだお金の中で、何にお金を投資するか、消費するかというのは、恐らく、大きいものでいくと住宅、教育、あと老後の生活費、この三つだと私は思うんですね。住宅購入に過度に使ってしまうと、ある意味、子育てのための教育の予算であったり、自分の老後の生活ということを切り詰めてしまうというひずみが生まれてしまうんじゃないかと私は考えております。

 景気対策としての住宅関連施策によって個人に過重なリスクを負わせる可能性について、大臣、国土交通省としてどのように認識されているのか、また、その認識されている問題に対してどのような対応をとられているのか、お伺いしたいと思います。

金子国務大臣 今御指摘いただいた点は大事な点だと認識しております。個人が過剰の借り入れにならないようにということは、大事な点であります。

 昔は、年収五倍論という議論がありまして、年収の五倍借りられる。逆に言えば、年収の五分の一の返済で何とか生活がやっていける、それならば生活が、教育も払って、子供の育児も払ってやっていけるという考え方がありました。

 今は、そこのところの基準を、フラット35につきましては、ローンの返済額が収入に占める割合でありますけれども、年収四百万未満の場合は三〇%以下、それから、年収四百万以上の場合は三五%以下ということを確認する。逆に言えば、歯どめをかけながら、どこの段階までならば住宅ローンの返済に生活が耐えられるだろうかということを確認しながら対応させていただいております。

長安委員 ローンの審査の段階で、ある程度収入に対する返済の割合を決めているという大臣の御答弁で、そこが多分、ある意味きいてきているから大丈夫なんだというお話です。

 でも、実際の現場は、例えば私個人でそれが満たせない場合、そこまで収入がないじゃないかというようなときは、夫婦の収入で審査されるんですね。夫婦で審査されても、例えば妻が子供を産んで仕事をやめてしまうと、どんと割合が上がっちゃう。だから、瞬間風速的にはその基準は満たすけれども、将来的には基準を満たさなくなってしまうというような現実もあるというのは、これは御認識ください。

 ちょっと、次の質問に進めさせていただきたいと思います。

 私、平成十八年の財務金融委員会で、金融商品取引法の審議の際に、我が国における投資教育の重要性について主張してまいりました。先ほど申し上げましたけれども、住宅購入は多くの人にとって人生最大の買い物、投資であります。今回のように税制優遇などといった、言い方は失礼ですけれども、いわばおまけによって過度に意思決定を左右させることは好ましくないと私は考えております。

 住宅ローン減税などの住宅購入支援策について、もちろん悪いということではないんです。しかしながら、販売事業者の勧誘、販売現場で、個人の人生設計、将来のキャッシュフローに関するリスクについて、これまで以上に、だからこそ丁寧に説明することが確保されるような施策を検討する必要があると思いますけれども、御所見はいかがでしょうか。

和泉政府参考人 御指摘のとおり、住宅ローンを借りるときに、例えば変動金利がどうなるかというようなこととか、さまざまなリスクに関する情報は大変重要でございます。これが一点目でございます。

 これは委員御紹介の金商法がベースとなって、金融機関自体は、契約書の中に、例えば変動金利の場合には最悪のシナリオではこうなりますというようなことをかなり書くようになった、まだ字がちっちゃいとかいろいろ問題はございますけれども。

 加えて言うと、消費者が接する窓口というのは、いわゆる住宅の販売事業者がまず税も含めて一番近いわけでございまして、こういった方にいかに正しい情報を差し上げて、そして、その方々が自覚を持って正しい情報を消費者の方々につなげていくか、これは非常に大事なことでございます。

 私ども、住宅金融支援機構などを通じまして関係団体と協力しまして、いわゆる住宅の販売の現場でお客様に接する方々にこうした正しい情報をしっかりとお伝えした上で、なおかつ、その方々が消費者の方々にしっかりと情報を伝えるように、そういった指導もしてまいりましたし、今後ともしっかりやってまいりたいと考えております。

長安委員 さらに、今回、サブプライムローン問題がありましたので、その問題とちょっと絡めてお話をさせていただきたいんですが、今、固定と変動、これは金利ですね。その中で、サブプライムローンを見ますと、全期間固定というのは八・七%です。一方で、プライムローンの方は七〇・三%ですから、七割が固定となっているわけです。日本の場合を見てみますと、平成十八年度で全体の一七・七%が固定、平成十九年度ですと一〇%が固定。要は、固定の部分がどんどん減っていっています。

 もちろん、今これだけ金利が低いわけですから、変動で借りると目先の返済が少なくて済むということが売り文句になりますし、また、購入者の側も、返済が最初こんなに安いんだったら有利だなと考えられる。しかしながら、変動というのは、当然、今後、金利が上がっていけば返済額が上がってしまうわけですよね。さらには、日本が右肩上がりで成長している時代であれば、収入も右肩上がりで上がっていく。しかしながら、現在のような情勢になってくると、確実に右肩上がりとは言えない、下がることもあるということを考えれば、所得が上下するという二重のリスクにさらされてしまうんだと思います。

 そういう意味では、リスクを固定化させるというためには、固定金利が利用される割合をもっとふやしていかなければならないんだと思います。そういう意味では、フラット35、これは住宅金融支援機構がやられているわけですけれども、もう少しシェアがふえていってもいいのではないかなと思います。

 ここはあえて、もう時間に限りがありますので、質問は控えさせていただきます。そういった取り組みもこれからぜひお願いしたいと思っております。

 そして、健全な個人が住宅購入においてこれまで以上に冷静な判断ができるような環境を整備して、その結果として機構のフラットを初めとした長期固定ローンの割合が高まるよう後押しする。そうすることによって、結局は住宅市場の長期的な発展のためにこれは重要な役割をなすんだと私は思うわけですけれども、時間が来ましたので、大臣から最後に御所見をお伺いして、質疑を終えさせていただきたいと思います。

金子国務大臣 どうしても金利が安いということで、これまで民間の変動金利に非常に流れている。ただ、本当にこれから金利が上がってくる段階で大丈夫だろうかという不安は、我々自身も大丈夫かなと。

 そういう意味で、委員御指摘のように、なるべくいろいろな情報を通じて、支援機構によりますフラット35、つまり固定に対応してもらう、あるいは対応していけるように私たちも努力してまいりたいと思っております。

長安委員 住宅ローン減税を景気対策に使うというのは、ある意味、通常の景気対策といって国がお金を何かに使って景気浮揚をさせるというのとはちょっと違って、国が減税をすることによって個人の資金を使わせる。ある意味、レバレッジをきかせて使わせるわけですよね。そういう意味では、今後も慎重な対応が必要ではないかなと私は思っております。ぜひ、国土交通省としても、その辺、今後も慎重に御対応いただければと思っております。

 ありがとうございました。

望月委員長 次に、古賀一成君。

古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。

 まず、きょうは高齢化社会における住宅のあり方というのがテーマでありまして、これからの高齢化社会の進展を考えたときに、本当にこのような体系の法律だけで大丈夫なんだろうか、住宅行政として高齢化社会を見据えて、大きい問題意識あるいは戦略、方向性というものはどう考えておられるんだろうか、こういう点がかねてより、私、大変気になっておりまして、そういう大きなところをまず質問したいと思うんです。

 それで、先月十九日に、群馬県の渋川市で「静養ホームたまゆら」というところの施設の火事が発生しまして、最終的には十人の方が亡くなられた。所管の役所、多々あるわけですけれども、結果として、行政が十分指導、把握することなく、生活保護者を中心に十人の方が亡くなった。そして、葬式をやろうと思ったときに、亡くなった方の写真もなかなか見つけられなかった。

 まだ高齢化社会に、突入はしておるんですけれども、これから二十年、三十年後の高齢化社会というものは、本当にすさまじい高齢化社会になる。世界のトップランナー、まさに未曾有の高齢化社会を日本の社会が経験する。今でも、こういう渋川市のような、身寄りもいない生活保護者がひそかに住んでいて、亡くなったときに遺影の写真もない。現状でこうですから、今後、本当に高齢化の社会における住宅政策の基本をしっかりやっておかないと、二十年後には全国の地方部、過疎地はもとより、大都会においても、かつてのニュータウンと言われたところにおいても高齢者があふれ返る。これは、よっぽど分析をして、戦略を立て、政府一丸となってやらないと、この渋川市のような事件というのはあちこちで起こるということを危惧いたすわけであります。

 そこで、冒頭、大臣にお伺いしたいんですけれども、私、かねてより、高齢化社会はいずれ来ると。そのときに、戦後、絶対的な住宅不足から、日本政府あるいは建設省、国土交通省は、どちらかというと持ち家中心主義というものでずっと政策を立ててきた。住宅金融あるいは建築基準法等々もそういうことではなかったかと思います。その結果として、大都市部においては特にそうなんですが、本当に連担する、平べったく高層化されない住宅地が延々と直径数百キロに及んで関東地方を覆っているということになっているんですね。

 これは高齢化社会と関係ないと思われるでしょうけれども、大いに関係があると私は思うんですよ。人口が疎である、密ではない、そういうことから見て、高齢化社会が大変シビアになってくるというのを踏まえて、今後、賃貸なのか、持ち家なのか、都心部にどうやっていわゆるバリアフリー化した、高齢化した人あるいはその家族が一緒に住めるか、こういったことを真剣に考えていくべき時代だろうと私は思っております。

 これまでの持ち家中心主義、とりわけ一戸建て持ち家中心主義というものが中心だったと思うんですけれども、今高齢化社会になりつつある、あと二十年、三十年後にもっとすごい高齢化社会が来るということを踏まえて、この持ち家優先というか持ち家主義というものを振り返ってどう分析しておられるのか、これを、ぜひこの際お聞きしたいと思います。大臣、よろしく。

金子国務大臣 古賀一成委員と私は衆議院の同期だったと思います。当選されてきたころは、我々は一緒になって、持ち家、持ち家と言って随分、もっと拡充しろ、公営住宅もさることながら、持ち家をとにかく団塊世代、今もう卒業しちゃいましたけれども、団塊世代のためにつくっていこうということで、一緒になって頑張ってやってきたと思います。

 あれから時代がたちましたけれども、量的に、それなりの量というものが一方で確保される反面、大きく社会構造も変わってきたよな、高齢化というのもあるよなと。それから特に、核家族化というんですか、高齢者だけが住むというようなことになってきた。あのぴかぴかだった多摩ニュータウンも今は老齢化タウンになっちゃいましたし、では、これをどうするか、新しく建てるんじゃなくて、タウンとしてどう生き返らせるかといったことも必要になってくるというような、さまざまな新しい課題に我々は直面していると思っております。

 そういう中で、今回は、高齢化した人の住宅をどうするんだ、今持ち家に住んでおられる方、賃貸もされている方もおられますけれども、そういう人たち、住宅、住む家だけではなくて、介護、安心という部分をどうこういう人たちにも受けながら住んでいただけるか、住宅という一つの住みか、これが要るよねと。今回、そういう意味で高齢化の住宅ということで、福祉、今まではどっちかというと、私も先生もそうですけれども、建設省のことばかり考えていたじゃないですか。そうじゃなくて、やはり厚生省もちゃんと入れろ、福祉部門と住宅部門をあわせながら考えていこうという考え方。そして、もっと協力してもらおうということを我々が今やっているという状況だと思っております。

古賀(一)委員 平成二年の私の初当選のころの話がありましたけれども、私はそれ以前から、やはり建設省、縦割りの壁があると。私は、道路局のときも住宅局までのこのこ行って、住宅政策のあり方を、道路局で所管外なんですけれども、こうすべきだ、ああすべきじゃないかと言ったぐらい、実は問題意識を持っておりました。

 それで、今、この持ち家主義、一戸建て、いわゆる個人が土地と家屋を所有するということでここまで大都市圏も外延化をして広がってきた。

 そういう中で、今度は、個人的に、人それぞれどういうことが起こっているかといいますと、サラリーマンとして、田舎から出てきて就職をした。持ち家、持ち家と言うものだから、家を買った。そろそろ、おやじは亡くなって、おふくろも病気がちだ。田舎には家がある。何とか家族を、母を介護したい。こういう話は、実はたくさんあるんです。そして、転勤をさせてほしいと。東京から田舎に、今の会社のままで転勤をさせてほしいという要望が結構あるんですよ。話を聞いたら、私は母にお世話になった、母のもとで、東京の、極端に言うと国立の立派な医療機関の外科部長から、田舎のつまらない小さな施設でもいいから転勤させてほしいと。これはやはり本能だと思うんですよ。

 だから、今は持ち家でローンが残っている、売ろうと思っても、資産価値が大変下がっているから売るに売れない。こういう持ち家主義によって、人口の社会流動性といいますか、例えば、もう退職したから、ふるさとでのんびり自然豊かな中でやろうというのも、ローンが残っている云々で結局首都圏にとどまらざるを得ないという現象は、それは数百万の大きい単位であると思うんです。

 私は、今後、現状としてはそうなっているから、もうそれは今からひっくり返すわけにいかない。しかし、今後、高齢化社会へ向けて、東京にある持ち家、あるいは地方もあるんですよ。これを、持ち家全体をバリアフリー化していくという方向。

 今までの施策を見ますと、百戸以上の大規模公営住宅団地の建てかえに当たっては福祉施設を併設しようとか、一部の分野で高齢化対応をしようという試みは幾つも積み重ねてまいりましたけれども、これでは追いつかないと思うんですね。むしろ今後は、公的部門、政策融資等々の政策がかかわるものは、都心部を中心に、高規格の、非常に、要介護の人でも暮らせる、コミュニティーホールもある、家族も一緒に住める、そういった賃貸の方がいいと思うんです。

 そういうものをつくっていって、東京都にある、八王子とかいろいろなところがありますけれども、もう私も年だ、これを売っ払って、そういう賃貸で家族と一緒に、子供たちと一緒に住める、こういうような受け皿を国策の中心として講じていく、そして、それにあわせて住宅の流動性というか、そういうものを講じていくしかないのではないか、私はこう思います。

 この点、住宅局長、これからの政策展開について、構想があれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

和泉政府参考人 まず一点目は、委員御指摘のとおり、現在、日本の住宅のバリアフリー化の状況は寂しいものがありますので、これはきちんとやっていく必要があると思っています。当然、住宅投資減税で、例のリフォームについても投資型の税制ができましたので、こういったものをてこにやっていく必要があると思っていますし、加えて言えば、住宅単体だけじゃなくて、今御紹介がありましたように、町としても、全体がユニバーサルデザインになるように、これは、二〇〇〇年からいわゆる一連のバリアフリー法制ができましたので、まちづくりにおいても努力する必要があると思っています。

 もう一点は、今るる御紹介のありました、さまざまな流動性の問題。これについては、さっきの長安委員の御質問にもございましたように、例えば、大都市で大きな家を持っている、もしかしたら一部ローンが残っているかもしれない。こういったものを、すぐ売れないかもしれない、だけれども、そういったものを子育て世帯にお貸しして、その家賃収入でローンを返しながら、今委員御紹介のJターン、Uターンをしていく。こういったいわゆる市場を整備していくことが非常に大事でございまして、その限りにおいて、この委員会でもいろいろ議論がございました、例えば既存住宅の評価の問題、あるいは住みかえを支援する情報システムの問題、こういったものをさらに進めていく必要があるかと思います。

 言うなれば、そういうさまざまな個人のライフスタイルの中で、自分が一番ふさわしい場所に、持っている資産をなるべく有効に活用しながら移ることができるような、そういった意味での機能的な住宅市場、こういったことをつくっていくことが一方で極めて大事かと思っていまして、いろいろなホームがございますので、そういったものをさらに進めてまいりたい、こう考えております。

古賀(一)委員 では、住宅局長、今のような、これまでの持ち家を高規格の賃貸に転換していく、当然住宅の流動性が問題になる、そういうことは、方向としては、言葉としてはわかりましたけれども、データベースは構築してあるのか。不動産のネットとどうリンクするかとか、そういう具体的なものは準備されつつあるんでしょうか。

和泉政府参考人 まだ一〇〇%じゃございませんが、いわゆる中古住宅の取引情報をインターネット等で開示して、中古の住宅について不安があるのは幾つかございますが、一つは質がわからないということと、売り買いするときにその値段がふさわしいかどうかについて非常に不安がある。こういったことがございますので、個人情報の保護に注意しながら、こういった場所のこういった条件の物件がこのぐらいで売れましたという情報をインターネットで開示するというようなことは、私どもの土地・水資源局を中心に展開しておりまして、そういったことをさらに進めることによって中古の売買に関する安心感というのは広がっていくんじゃないかと。

 質の問題は、きのう三日月委員から御質問されましたが、既存の住宅の質についてもっとしっかりと評価できるような、幅広いインスペクションの仕組みを広げていくというようなことが大事だと思っております。

 まだまだ一〇〇%じゃございませんが、方向としては、そういった方向に向かって関係者が鋭意努力しているということでございますので、国としてもそういったものを進めてまいりたい、こう考えております。(金子国務大臣「住宅財団の仲介があるでしょう、高齢者の住みかえの」と呼ぶ)

 先ほども御答弁しましたが、既に社団法人を設けまして、大きな家を希望している子育て世帯と、大きな家をもてあましている高齢者の方々のリストをつくって、それをマッチングする、そういった仕組みもスタートしました。まだまだ実績は九十九件でございますが、非常に関心が強い。こういったものを、一つの機関がやるんじゃなくて、そのノウハウをすべてオープンにして、一つのビジネスモデルとして、いろいろな方が参入してそういったものが進化するということについても努力してまいりたい、こう思っております。

 済みません、今、大臣から指示がございまして、追加させていただきました。

古賀(一)委員 きょうは、厚生労働省も来ていただいておると思います。それでは、ちょっとがらっとかえまして、厚生労働省にお聞きしたいと思います。

 そういうことで、何と、二〇〇七年の六十五歳以上は二千七百四十六万人、七十五歳以上が千二百七十万人、これが、二〇三〇年、私が八十二歳、大臣は何歳かあれですが、この高齢化真っ盛りのときに、六十五歳以上が三千六百六十七万人、七十五歳以上が二千二百六十六万人、私もここに入るんですけれども、こういうことになる。

 そして、独居、単身高齢者の実態を見ても、二〇一〇年、来年ですから予測でありますけれども、単身が四百六十六万世帯。単身ですよ。老人が一人、おじいちゃんが一人、だんなさんが早く逝ってしまった奥さんが、おばあちゃんが一人住んでいる世帯が何と四百六十六万世帯。老夫婦、八十歳と八十五歳の夫婦、こういったパターンが五百三十四万世帯。

 そして、その他、恐らく子供が一緒というふうなことでしょうね。これが、二〇一〇年の五百六十九万から、二〇三〇年には六百十七万世帯、こうなっている。九十のおじいさんがおれば、その他というところだけでも、実は息子は六十五とか、老老介護といいますか、こういった世帯。これを全部合わせますと、もう二千数百万世帯が実はこういった世帯になってくるということなんです。

 したがって、これは、今回提案の、あるいはこれまでやられたいろいろな施策がありますけれども、先ほど言いました百戸以上の大規模公営住宅団地に福祉施設を併設しようとか、高齢者向け優良賃貸住宅制度をつくろうとか、促進しようとか、これはこれでいいでしょう。でも、それは全体から比べれば本当に微々たるもので、本当に対応できるんだろうかと。

 こうなると、持ち家、全体をするわけにはいかないでしょう。しかし、持ち家から、そういう必要なものが家族の介護でワンクッション、ここで面倒が見られるという、それが可能な住宅という空間を鋭意全国的に重点的にやっていかない限り、私は、先ほど言ったような、落ちこぼれた、渋川市のあの火事のようなことが全国で今後頻発するのではないかと思う。それは、日本の高齢化社会というよりも、日本の戦後の社会の失敗そのものだと思いますよ。生きてきて頑張ってきた末路が、そういうみんなの涙をそそるような事故に遭うということは、本当によくない。

 したがって、私は最後に述べますけれども、いわゆる持ち家、とりわけ賃貸ですね、こういうものに、新たな高齢化社会へ向けて、まさに今から新しいパラダイム転換の住宅政策を展開すべきときだと思います。

 ちょっと前置きが長くなりましたけれども、厚生労働省にお聞きしたいのは、まず我々が考えるのは、どうしようもなくなった、共働きでお母さんの面倒が見られない、ならば当然施設入居というふうになるんですが、この待機者というものはどういうふうにこれまで推移してきておるのでありましょうか。また、今後の長期的な見通しというものは試算をしておられるのか、お聞きしたいと思います。

坂本政府参考人 待機者の質問に対しまして、お答え申し上げます。

 施設入所の待機者に関連する数字といたしましては、平成十八年三月に全国の特別養護老人ホームの入所申込者数について都道府県が把握した数字を調査、集計したところ、三十八万五千人という数字でございました。

 ただ、この数字につきましては、複数の施設に重複申し込みをしている者であるとか、それから、現在、特別養護老人ホーム以外の施設に入所している人が特別養護老人ホームを希望するという方々もかなり、六割程度を占めておるという事実がございまして、ただし、現時点で特別養護老人ホームへの入所を必要とする方の数を示すものではないとは考えておりますが、今後、都道府県におきましては、施設入所待機者の状況を含めまして住民の介護サービスに係るニーズを的確に把握して、地域の実情に応じまして介護保険事業支援計画というのを定めまして、施設サービス、それから居宅のサービス、それからまた、地域での密着型のサービスを適切に組み合わせた介護サービス基盤の整備を進めていただいているところでございます。

 御指摘の施設の入所の待機者の数につきましては、先ほど申しましたような重複申し込み等、正確な数値の困難な事情も存在いたしますが、市町村あるいは都道府県のそういった計画を踏まえて把握してまいりたいと考えているところでございます。

    〔委員長退席、福井委員長代理着席〕

古賀(一)委員 今の説明を端的に言えば、これだけ高齢化社会の現状が進展しつつある。今後は、本当に日本の社会は大丈夫だろうかというような危機的状況も想定される。そういう中に、施設に入りたい、介護は外でと。介護の社会化とかいろいろ言ってきたわけですよ、国策として。ところが、では、どのくらい施設に入りたいといって待っている人がいるのと聞いたら、実はデータがありませんと。あるのはただ一つ、平成十八年三月の調査によって三十八・五万人という数字が出ておりますと。しかし、これは施設に何カ所も応募した人、申し込んでいる人もいるだろうから、実数はこれでもはかりかねます、こういう話なんです。

 私は、消えた年金五千万もあるけれども、こういうことで、本当に計画的な、体系的な、確信を持った、こういう福祉、介護政策というのは打ち立てられるんだろうかと。

 私はもう一回聞きたいんですけれども、これはもっと、統計データというのは、やはり政策のベースですよ。市町村がやる、都道府県に任せているにしても、統計データはこういうふうにとるんだという指導は、それは本省がしなければだれもしませんよ。東京都が福岡県に命令するわけにいかない。そこはまさに厚生労働省の福祉政策の基幹の数字だと思うんです。これについては、今後、このデータの整備、これはどういうふうに改変、改革、整理しようとしておられるのか、方針はないんでしょうか、もう一度お答えいただきたいと思います。

坂本政府参考人 六十五歳以上の方が介護保険の対象となるわけでございますが、現在、七十五歳以上で要介護の認定率が大体三割程度、そして、六十五歳から七十四歳までが大体一割程度でございまして、トータル、老齢人口の大体二割弱ぐらいが平均的に要介護ということになります。

 その中で、在宅のサービスと施設のサービスをどのように組み合わせていくのがいいのかということは、各地域のいろいろな実情によって変わってくるところでございまして、まず、住宅に例えば在宅サービスを組み合わせて、介護を外づけで対応しているという形で地域の福祉を組み立てるところもございます。したがいまして、各地域ごとにその介護の支援計画を集計した形で、毎期毎期、三年に一遍ずつ計画を組み直して、施設と在宅を各地域において適切に対応する、こういう状況に現在仕組まれているところでございます。

    〔福井委員長代理退席、中山(泰)委員長代理着席〕

古賀(一)委員 それでは、今のお話を聞きますと、そういうデータのとり方、三年に一度ということでやっているので、それでいいんだと。今後新しくそういうデータの集計体系というものをつくる予定はないというように聞こえましたけれども、それでは、今後の加速化する、しかも量が大きい、これは対応できないと私は思いますね。やはりここでもう一度高齢化社会に向けてのいろいろなデータのとり方というものは、福祉行政あるいは厚生行政のベースとして、もっと真剣にしっかりと集約することをやるべきでありますと私は訴えまして、最後の質問に移りたいと思います。

 要は、きょう私が申し上げたかったのは、こういう一部の施行主体、今回は地方住宅供給公社とか国とか都道府県が、その三人の登場人物がこういう施策を打ちましょう、こうなっているんですね。あるいは、優良賃貸制度で今までこう来ました、これを拡大しますと。それで、今度の経済対策で住宅ローン減税というのも出ました。でも、ここで、これから起こる高齢化社会が本当に安心なのかなというのは、イメージが本当にわかないんですね。もっと骨太の大きい高齢化社会に向けての住宅政策のあり方を戦略的に私は議論してほしい、構想を打ち立ててほしいと思います。

 まずは、やはり持ち家ですよね。持ち家はどういうふうに誘導していくか。でも、今ある持ち家を全部、高齢化していくんですから最終的には全部バリアフリー化するかというと、それはある面で無駄なんです。私の父は病気になった、きのうまで元気だったのに。軽い脳梗塞で家にいる。おやじは今、年は九十二だ。では、父のために、二年のために二百万かけてバリアフリー化するかというと、それは負担としては息子にとっては大変厳しいものですよ。

 これからは、やはり持ち家があって、持ち家の中でバリアフリー化とか、そういう高齢化対応をするものもある。しかし、今、七百万戸、家は余っていますからね、全国で。そういうのも踏まえれば、新しくつくっていく、再開発なんかで住宅政策で誘導していく分野というのは、高規格の三世代で住める、つまり共助、自助ができる、そういう賃貸に持ち家を売って転換していく、ここのプールで高齢化社会に柔軟に対応していくというのが僕は一番いいと思うんですよ。世の中、コンパクトシティーという法律も通ったじゃないですか。

 だから、都心部にそういう賃貸があって、そこに、例えばこの三年間、お父さんが亡くなるまでは面倒を見たい、一緒に住もうと。そうしたら、おやじの土地を売って、田舎の土地を売って、一緒に入ってもらう。そこはもう完全にバリアフリー化されて、家族でも介護ができる、こういう住空間を住宅政策が誘導しながらつくっていく。そうしたら、ここがワンクッションできると思うんですよ。そして、そこでもどうしようもないとなったときに、先ほど言った、では、施設で受けましょうということであって。

 私は、施設を整備するというのと、持ち家という、膨大な持ち家に高齢者が今後ふえてくるという現実の中にもう一つ、ワンクッション、高齢化社会に向けて何かの住宅政策がないと、施設であふれる、待機者が何百万人になる、社会不安になりますよ。そういうところがこれからの住宅政策の最大のポイントであって、景気対策のために何でもいいから住宅をじゃんじゃんローン減税でつくるというような時代じゃない。もう差し迫った高齢化社会のために、そういう高齢化社会住宅戦略というものを立てるべきだと私は思います。

 具体的に言うと、これはこの委員会でも一回言ったことがあるんですけれども、要するに、モニターテレビ、モニターカメラがあるでしょう。これは電気屋に行くと、もう千数百円で売っているんです。これを見れば共働きの夫婦も、外でやっていても、携帯電話で、ああ、きょうお母さんはちゃんと冷蔵庫から弁当を出してチンをやって食べている、緊急の場合はこれを押せば、あるいは携帯を押せばすぐ伝わる、トイレは入り口が広くて、車いすで入って、やわらかい輪っぱをかければ電動で持ち上げてくれる、トイレはそこそこ一人でもできる。

 ここなんですよ。これさえ整備をしたそういう住宅というものを供給すれば、私は、田舎の家、あるいは都心の家をかわって、家族でやれるまでやりましょうという一つの方向ができると思う。それを今全然やっていないから、共働き、おばあちゃん、軽度なんだけれども、昼のトイレが行けない、行けないから施設に入れよう、こうなっちゃうんです。

 これは、僕は、日本の人間社会あるいは家族社会から見て、理に合わない。できるだけ家族でできるというものは、そういう住宅の空間ですよ。階段だけじゃないんです、エントランスだけじゃないんです。まさに住んでいるその空間を、日本の技術、IT技術、あるいはその設計、そういうもので大々的に、住宅供給公社がつくるものだけじゃなしに、あなたたちがつくる家も、あなたたちが入居するマンションも、こういうことができるんだということをはっきりと示すことが、私は、これからの住宅需要の開発にもなると思います。

 大臣、もう時間が来たようなので最後に、こういうダイナミックな高齢化社会へ向けての住宅政策を、重点をはっきりさせて大転換すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

金子国務大臣 大変参考になる、またはそういう方向に進められればいいなという気持ちで今伺っておりました。

 そこに行く前の段階で、先生のお地元の福岡だったと思いますけれども、新しく建てるわけじゃなくて既にある団地でありますけれども、今おっしゃったような、老人向けのリフォームをしていく。それに対して地域住宅交付金を使って支援する。これは民間になりますけれども、そういう事業も各地区で行われ始めてきている。そういうものを活用しながら、安心して過ごしていける、将来的には先生がおっしゃられたような、家族との触れ合いというのはやはり大事ですから、そういうことができるようにしていけるようにやってみたいと思います。

古賀(一)委員 時間が来たので、これで終わります。

 以上です。

中山(泰)委員長代理 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。

 早速、質問をさせていただきます。

 ことしの二月二十四日の衆議院予算委員会で、私は、平成十九年度の国の直轄の道路事業の中で、新築あるいは改築の工事が行われている都道府県内に本社がある企業、すなわち、地元企業がどのくらい道路事業について受注できているのか、地元企業の受注割合について質問をさせていただきました。

 これは、昨年六月ごろ道路局に調査をお願いして結果をいただいたものをことしの予算委員会で質問させていただいたわけでございますが、二月二十四日の予算委員会での金井道路局長の御答弁では、国庫債務負担行為事業、負担行為工事を含めて、総額約一兆四千六百億円の新築、改築の道路事業のうち、地元企業の受注額は約四千八百億円である、地元企業の受注割合は約三三%であるということで御答弁をいただいております。

 さらに、最近、国土交通省の方から、平成十九年度国土交通省関係直轄工事の地元企業との契約実績という資料をちょうだいいたしました。これは、道路だけではなくて、さまざまな、すべての国土交通省さんがおやりになっていらっしゃる公共工事の地元企業の受注率をはじいたものであるということでございます。

 平成十九年度国土交通省関係直轄工事の地元企業との契約実績というこの資料を、概略、御説明いただければと思います。

関政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生の方から、平成十九年度国土交通省関係の直轄工事に関します地元契約率に関する調査についてということで御質問がございました。

 これにつきましては、平成十九年度に国で行いました工事につきまして、各工種、すべての工種を基本的に網羅する中で、地元企業、これはその県内に本社を有します企業が受注したものについて、契約件数あるいは契約金額につきまして取りまとめたものでございます。(川内委員「数字も、全体の金額とパーセントだけでいいです」と呼ぶ)

 まず、全工種で申し上げますと、全国での地元契約率は七三%、これは契約件数でございます。それから、金額で申しますと五〇・七%でございます。

川内委員 この新しい資料では、すべての工種で、地元企業の受注率が五〇・七%であると。私が調査依頼をした道路の新築、改築だと、地元企業の受注率は三三%。私が発注したものは国庫債務負担行為の工事を含んでいるわけでございますが、そこで数字が若干違っているのかなというふうに思いますが、これから政府も景気対策あるいは追加の補正も編成をされるやに聞いております。

 そこで、公共工事というのはGDPに直接反映をするわけですが、日本全体としてはそうだけれども、地域の経済というものを考えたときに、地域の経済にどのように公共工事を生かしていくのかという視点で見る必要もある。その場合には、地元企業の受注率がどういうふうになるのかということがやはりそのベースになければならないというふうに思うわけでございまして、今回のこの新たな全工種の調査では、総額一兆九千七百五十億円に対して、地元企業受注率が五〇・七%ということでございます。国庫債務負担工事が入るか入らないかということで、年度によって数字が変動するのではないかというふうに、きのう、レクで御説明をいただきました。

 そこで、国土交通省にぜひお調べをいただきたいのですが、この全工種の調査を、平成十五年度から平成十八年度までの四年度分、可能ならば平成二十年度もいただきたいと思いますが、全工種で地元企業の契約率がどういう数字で変動するのかということをまずしっかり把握をした上で、公共工事の発注につなげていくという必要があるのではないかというふうに思います。ぜひお調べをいただきたいと思いますが、国交省としての御方針をお聞かせください。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど、平成十九年度の契約につきましての調査、全工種についてお答えしたところでございます。これにつきましては、WTOのとき、あるいは一般土木というような形でも調査をさせていただいたところでございます。

 昨年、先生からのお話をいただきまして提出したデータにつきましては、いわゆる直轄国道の新設、改築に係る工事を対象とし、複数年契約については、過年度契約分も含めまして、当該年度に支払いがあればその全体額を計上しているという形で調べさせていただきました。

 さらに、本年の二月二十六日になりますが、民主党の決算・行政監視調査会の方からも地元契約率について資料要求をいただきまして、昨日、先生の方にもお示しをさせていただきまして、そのデータにつきましては、国土交通省関係の直轄工事全体を対象とさせていただきまして、複数年契約工事はその当該年度にということで整理をさせていただいたところでございます。

 それで、国土交通省発注工事につきましては、直轄国道の新設、改築に関する工事だけでなく、維持、修繕といった工事や、または河川あるいは港湾事業に係る工事もございます。ちなみに、平成十九年度の直轄工事の全契約件数は約一万四千件、契約額については二兆円でございます。

 こういったことにつきまして、過去の平成十八年度以前の四年間、こういった数値も示すべきとの御指摘を今いただいたところでございます。これにつきましては、相当の作業量と時間を要します。また、現在、各地方整備局におきましては、平成二十一年度予算の早期発注に向けて全力を挙げて準備を進めております。そういった点から、可能なものから作業を進めさせていただければというふうに考えております。

 よろしくお願いを申し上げます。

川内委員 今行っている仕事も大事な仕事、しかし、過去どういう仕事をしてきたのかということを検証し、そしてそれを経済の成長あるいは経済の底支えにつなげるという意味では、検証作業も大事な仕事であろうというふうに私は思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 さて、それでは、そこで発注をされる公共工事が、本来、契約の内容どおりになっていればそれはそれでいいわけですが、現場で起きるさまざまな出来事によって、設計図書どおりになかなか仕事が進まない、工事が一時中止をする。では、そういうときに費用はだれが見るんですかとか、あるいは、設計変更をする場合に協議がきちんとやられているんでしょうかというようなことが問題になる。というのは、今、一般競争入札で業者さんは非常に激烈なコスト競争をされて仕事を受注される。一日たりとも重機を無駄にできないし、人員を無駄にすることもできない、遊ばすこともできないという状況であります。

 ところが、往々にして現場から聞こえてくる声というのは、なかなか変更協議に応じてもらえないのだというような声が私どもに寄せられております。

 私ども、公共工事を受注される業者さんたちにアンケート調査をしまして、現場でどういうことが起きていますかということをいろいろ教えていただきました。それを実際に工事の現場で管理をされる国土交通省のお仕事に役立てていただこうということで国交省さんに話をしましたならば、実は、国土交通省さんの方でも同じような問題意識を持っていらっしゃって、建設業の皆さんにアンケートをとっているんですと。昨年十一月に、全国建設業協会加盟企業二百八十二社、日本土木工業協会加盟企業百二十六社にアンケート調査を行って、公共工事の生産性の阻害要因になっているものはどういうものがありますかということをお聞きになられたということであります。

 まず、そのアンケート調査の結果の概要について御説明をいただきたいと存じます。

    〔中山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

関政府参考人 お答えをいたします。

 今先生からお話がございましたように、全国建設業協会加盟企業、それから日本土木工業協会加盟企業に対しましてアンケートを実施したところでございます。それぞれ、対象数としては二百八十二あるいは百二十六ということでございます。回答数につきましては、二百二十九、そして七十二ということで回答をいただいたところでございます。

 その中で、主なものについて御説明をしたいと思いますが、いわゆる生産性阻害要因というふうに使っておりますが、今現場において阻害要因となっていることとその改善への方向性ということでございまして、一つは、設計変更関連というものがございます。これは、工期が延びたりあるいは中断したりということでございまして、こういったものの設計変更というものに関する意見をいただいたところでございます。あるいは、工事関連書類につきまして、書類の量が多いというような形での御意見をいただいたり、あるいは人員の確保、あるいは入札契約制度関連等につきまして御意見をいただいたところでございます。

川内委員 現場ではさまざまなことが起きるわけでございますが、私どもが実施したアンケートでは、より具体的にさまざまな御指摘をいただいておりまして、例えば、用地買収の進捗状況によって工事が一時中止される場合がある、これに対しては国交省としてはどのような見解をお持ちかということを教えていただきたいと思います。

関政府参考人 用地買収に伴う点について御質問をいただきました。

 工事の発注時には、工事に必要な用地、これを事前に確保することが基本でございます。仮に事前に確保できない用地がある場合には、工事用地の確保予定時期、これを、入札公告時に示します設計図書に明示し、工事の円滑な実施を図ることとしているところでございます。

 なお、ケースによっては、やむを得ず工事発注後、予定どおりに用地の確保が進まない場合、これはそれぞれ多様な状況がございますが、そういった状況に応じまして、工事の中止、あるいは請負代金または工期の変更、こういった措置を、工事請負契約書に基づき適切に、それぞれ状況に応じまして行うということとしているところでございます。

川内委員 都道府県が実施する同じような工事に比べて、国交省の直轄工事の場合は管理要員を多く求められるという意見がございますけれども、これに対してはどのような御見解でございましょうか。

関政府参考人 今、工事の管理要員という御質問をいただきました。

 工事に従事する技術者の数に関するお尋ねだというふうに理解をいたしますが、技術者の数は、一般的に、工事の種類や規模によってさまざまでございます。先ほどのお尋ねに関しましては、工事の、国と県それぞれの比較対象としている工事がちょっと不明な点もございますし、管理要員の定義も不明な点もございます。ただ、いずれにいたしましても、建設業法において申しますと、例えば、一定規模以上の下請契約により施工する場合についてでございますが、監理技術者を一名配置することが定められております。その他、工事に実際にかかわる技術者の人数につきましては、基本的には受注者の判断にゆだねられているところでございます。

川内委員 たくさんあるんですけれども、最近、国土交通省さんは、ワンデーレスポンスといって、業者さんから何か聞かれたら一日で回答しようねというスローガンを掲げていらっしゃるわけですが、私どもにいただいたアンケートでは、業者にはワンデーレスポンスを求めるけれども、自分たちは返事を全然してこない、逆じゃないかという指摘をされておりまして、それを問いの形で言うと、ワンデーレスポンスであるにもかかわらず発注者の判断に時間がかかる場合が往々にしてあるという指摘があるが、これに対する見解はいかがでしょうか。

関政府参考人 ワンデーレスポンスに関する御質問でございますが、国土交通省発注の公共工事で実施しておりますワンデーレスポンスは、受注者からの問い合わせに迅速に対応するということによりまして、発注者の判断のおくれに起因する工程のおくれを回避しようということを目的としております。

 一方で、工事の特性あるいはそれぞれ工事の該当案件の内容によっては、返答に至るまで時間を要するものも存在するわけでございますが、今後とも、適切な工程管理を行っていくという目的を達成するために、ワンデーレスポンス、こういう考え方を適切に運用して、速やかな判断ができるようにしてまいりたいというふうに考えております。

川内委員 あと、工事書類等について電子納品を進めていると言いながら、同様に紙でも持ってこいということで、二重に納品を求められるという意見がありますけれども、これに対してはいかがでしょうか。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 工事書類等の電子によりますものと紙による二重納品につきましては、受注者の負担になっているとの意見についても承知しているところでございます。改善に向けての取り組みを強化して進めているところでございます。

 今後とも、二重納品にかかります無駄の排除については、指導と徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。

川内委員 さらに、設計図書が現場の状況と合っていない場合においては、本来的には発注者側がその現場の状況と整合するように設計図書を変更していかなければならないというのが通常だと思うんですけれども、しかし、それを受注者側が設計図書を書きかえて、そしてまた費用も受注者側が負担させられているという指摘がありますけれども、これに対してはいかがですか。

関政府参考人 お答え申し上げます。

 現場設計照査費用ということでございますが、設計図書の照査につきましては、契約図書に基づき基本的に受注者が負担すべきものでありますが、その責任範囲の解釈の違いに起因いたしまして、発注者と受注者の見解の違いが生じるケースが存在するということも私ども聞いてございます。

 これに対応しまして、平成二十年度までに、各地方整備局におきまして、設計変更ガイドラインを作成いたしまして、責任範囲の客観的な解釈を示すこと等によりまして、受注者の責任範囲を超えます修正が必要な場合には、設計者に対する修正設計の指示あるいは発注者の負担により設計の変更を行うなどの措置を講じているところであります。今後とも、こういったものの運用により、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

川内委員 これはまた現場のことというよりは、最近、民事再生をした会社とかあるいは倒産した会社が競争参加資格を再度取得して、要するに、借金をきれいにして、会社としては身軽になった、きれいになった、その上でダンピング受注を行っておると。これは、まじめに一生懸命借金を返しながら、そして、従業員を解雇もせず一生懸命教育しながらまじめにやっている会社にとっては、非常に腹立たしいという意見があるわけですけれども、これに対しては国交省としてどのような御見解をお持ちか。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省が発注する公共工事におきまして、会社更生法や民事再生法に基づく手続開始の決定を受けた者が入札に参加するためには、改めて競争参加資格の再申請を行いまして、再度、認定を受ける必要がございます。

 その際、その再申請に係る審査におきましては、資金調達の見通しでありますとか工事の施工体制などについてヒアリングを実施するわけでございますが、その際、競争参加資格の認定におきまして従前よりも有利となることがないように、必要に応じて、認定に係る点数、これは経営事項評価点数ですとか技術評価点数でありますが、これを減ずる措置を講じている、決して有利にならないように留意しているところでございます。

 また、ダンピング受注を排除する観点から、低価格で応札した建設業者の品質確保体制を厳格に審査するとともに、本年四月に、低入札価格調査基準価格の引き上げを行うなどの対策を講じているところでございます。

 引き続き、適切な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。

川内委員 経審だけではなくて、私、これは個人的な考えですけれども、例えば総合評価で入札をするような場合には、基準点は百点ですよね。だから、民事再生をした会社あるいは倒産してもう一回資格認定をとった会社とかは基準点をそもそもちょっと下げるとか、そこからスタートしてくださいというふうにするのも、競争条件を同じくする意味でも、やはり、一生懸命今まで頑張っているところと同じ点数で基準点やりますよというのはちょっと違うんじゃないかなというふうに思うので、そこはまた議論をこれからさせていただこうというふうに思います。

 続けて聞かせていただきます。

 本来発注者側が作成すべき書類を受注者側に作成させているのではないか、監督職員個人の意見で余計な書類をつくらされる、あるいは発注者側のミスを受注者側に押しつける、本来対等であるべき受発注者間の関係が不適切なものとなっているのではないかという指摘がありますが、要するに、役所ですから、めちゃめちゃ強いわけですよね。役所の意見を押しつけられる、泣く泣く役所の言うことを聞かされるんだという御指摘であろうというふうに思いますが、こういうことに対してはどのように対応されるのか。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 受注者、発注者間の関係のあり方に対するお尋ねでございますが、この件につきましては、日常から、さまざまな意見交換の機会を通じましてこういった御意見が寄せられているということは認識しております。一般論として申しますと、いわゆる片務性の存在ということでありまして、発注者と受注者の見解が相違するケースがあるということは承知しております。

 こういったものに対して、今後とも、発注者、受注者対等の原則のもとで、受注者との意思疎通を一層密にしながら、適切に対処してまいりたいというふうに考えてございます。

川内委員 さらに、これは国交省さんがおとりになったアンケートでも多分出ていたと思いますし、私どものアンケートにも出ておりましたが、これは意外と、交通誘導員の経費というのが実は施工業者さんにとっては非常に大きな問題になっていらっしゃるみたいで、それは要するに、設計図書で想定をしている交通誘導員の数と、実際に現場で施工したときの交通誘導員の人数や時間にそごが生じるために、結局、受注者側に負担がいってしまっている。

 具体的には、例えば、交通誘導員の経費に実際には一千万かかったけれども、発注者側の見積もりでは六百万円しか計上がなかった、四百万円は持ち出しであったというような指摘があるわけでございますが、こういうことに対しては、国交省はどのように対応されるか。

関政府参考人 お答え申し上げます。

 一千万かかったところで六百万の計上だったということでございます。具体的内容についてはちょっと不明でございますが、一般論として申し上げますと、積算上、交通誘導員に関する経費につきましては、共通仮設費において交通誘導員の直接的な人件費を積み上げて計上しているとともに、間接的な経費につきましては現場管理費の中で計上しております。

 そういう意味では、当初予定していた人数等から変更が生じた場合には、適切に設計変更を行って見ていく、そういう性格のものであるというふうに認識しております。

川内委員 だから、当初設計図書で見込んでいた人数よりもたくさんの交通誘導員を現場に配置しなければならない状況であった、しかし、なかなか、要するに設計変更に応じてもらえないということだろうというふうに思うんですね。

 そういうことを国交省さんも感じていらっしゃって、昨年から各地方整備局あるいは各事務所の中に設計変更審査会というものを試行的に設置されて、設計変更についてみんなで認識を共有しようね、問題解決に当たっていこうねということをされていらっしゃるというふうに聞いておりますが、審査会の実施の状況について教えていただきたいと思います。

関政府参考人 お答えいたします。

 設計変更審査会につきましては、設計変更に関しまして、受発注者間の円滑な合意形成を図るために、受注者から設計変更の協議があった場合に、発注者の組織全体として対応することにより、適切な意思決定を行うということを意図して設置しているものでございます。

 これにつきましては、昨年末までに、各地方整備局において、このような体制の整備を図りまして、運用を開始したところでございます。今後、実施件数なども含めまして、その運用状況や課題などにつきまして取りまとめた上で、その効果等について把握してまいりたいというふうに考えております。

川内委員 昨年末から始めたところで、まだ実施件数やその内容については把握をしておらないということでいらっしゃるようですから、ぜひ早急に、現状どうなっているのかということだけでも、また後ほど教えていただきたいというふうに思います。

 民主党がいただいたアンケートには、役所の立場が強過ぎて協議になっていないので、役所の判断を押しつけられることが多い、こう業者の方の切実な思いが書き込まれているわけでございますけれども、もちろん、業者の意見は何でも聞いてくださいねということでは決してない。ただし、現場を最もよく知る業者さんたちが、設計図書の不備、あるいは設計図書に準備不足な点があったときに、国交省の職員の方に、これはどうなっているんですか、もっとこういうふうにした方がいいんじゃないでしょうかというような協議を求めてきた場合、その協議には積極的に応じるべきである、そして適切に対応すべきである。

 協議には積極的に応じ、設計変更に至るかどうかについては適切に対応すべきであるというふうに思いますが、審議官、どうでしょうか。

関政府参考人 設計変更に関する御質問でございますが、先ほど申し上げましたが、こういった設計変更に関しましては、日ごろの意見交換やアンケート等からも、私どもも承知しているところでございます。

 これも先ほどお答え申し上げたところでございますが、設計変更ガイドラインを策定したり、あるいは設計変更審査会、こういったものを設置して取り組んでいるところでございます。こういった取り組みを一層進め、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

川内委員 ちょっと、しまったと思ったんですけれども、私が審議官に申し上げたのは、適切に対応するのは、今でも適切に対応されていると思うわけですね。

 業者からいろいろ協議を求められる、あるいは話し合いを求められる、あるいは質問を受けたとき、そういうときには積極的に、まずそれにきちんと耳を傾けよう、その上で適切に対応しましょうねと。ちゃんと業者の話を、変更協議の話を聞くよ、しかし、それは全部、一〇〇%聞くかどうかは、ガイドライン等に基づいて適切に対応しなければならないね、そういう趣旨で御質問しているんですけれども、積極的に業者との協議には応じ、そして適切に対応する、そういうことでいいんですよね。私の趣旨はそういうことですけれども。

関政府参考人 先ほど申し上げました、こういったガイドラインあるいは設計変更の審査会というものは、まさにこういったものに一層取り組んでいこうという趣旨でございます。積極的というか、表現はいろいろあろうと思いますが、前向きに取り組んでいこうということでございます。

川内委員 大臣、先ほどから申し上げているとおり、これから景気対策で公共工事を発注します。しかし、業者さんたちは仕事がないから、やはり一般競争入札で、ぎりぎりの線で入札します。そうすると、一円でも無駄にできないわけですよね。きちっと利益を出せるように、やはり仕事も発注をしていかなければならないというふうに思うんです。

 そういう意味で、業者さんたちから設計変更などを求められた場合、あるいは協議を求められた場合には、それは現場の、国交省の職員の方々もきちんとそれに耳を傾けて、そして業者の言い分がなるほどね、正しいねということであれば、きちんと設計変更をし、その費用を負担するということが必要ではないかというふうに思いますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。

金子国務大臣 設計変更を求めてこられる施工者、皆さんの協議に一刻も早く応じてもらう。その上で、今度は、受注者の責任、これは範囲もあるでしょうから、その範囲を超えるもの等々については、設計者に対する修正設計の指示、あるいは発注者の負担による設計の変更、これをきちっとやらせるように措置を講じておりますけれども、さらにきちんとやらせていきたいと思っております。

川内委員 終わります。

望月委員長 次に、石川知裕君。

石川委員 民主党の石川知裕でございます。

 きょうは、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案について御質問させていただきたいと思います。

 今回の法改正においては、高齢者の今日の居住の安定確保のために、国土交通大臣及び厚生労働大臣が基本方針を定め、それに基づき都道府県が賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標等を定める高齢者居住安定確保計画を定めることができるということになっております。

 今回の法改正のねらいは、住宅政策と福祉政策の連携によって、高齢者が増加するに当たり、バリアフリーなど高齢化に対応できる施設をきちんと確保するなど、高齢者の居住の安定の確保をより推進するためであると思います。

 先ほど、古賀先生と大臣とのやりとりを拝聴させていただきました。確かに、当時は、爆発する人口に対応できるように、とにかくつくれつくれということで住宅をつくっていった。今現在どうなっているのかというと、子供が出ていって、そして高齢者となった御夫婦だけが残る団地が数多く見受けられるようになった、そしてゴーストタウン化しているというような団地が全国で見られると思います。

 また、田舎でも、ちょっと郊外に住んでいた方々が、住居をバリアフリー対応にしていないために、私は北海道なので、なかなか雪おろしも大変だ、雪かきも大変だということで、それであれば駅に近い集合住宅に住んだ方がいい、介護ができるところに移った方がより楽だということが進められているわけであります。

 この高齢者の居住の問題、現在の課題への対処と、そして将来的にどうなっていくのか。それは、ライフスタイルの変化であり、または人口構造の変化であり、そういうものを考えていかなければいけないと思います。

 私は、地元の帯広市というところが、環境モデル都市というのに昨年選定をされました。これは、三十年前、当時の吉村さんという市長が、帯広市というのは将来的に人口が大体二十万人ぐらいがちょうどいい市のモデルだろう、これに合わせて都市づくりを進めていく必要があるということで、帯広の二十万住めるところを森で囲って、帯広の森というものをつくろうということを提唱したそうです。そのときの構想が、昨年、環境モデル都市に選定されるという土台になったと思います。

 この高齢者の住居政策も、やはり、これからどうなるのかということを関係各省庁と連携をしながら考えていかなければいけないというのが大きな課題であると思います。先ほど古賀先生とのやりとりの中でも、そこが一番議論しなければいけないところだろうと思って拝聴しておりました。

 さて、先ほど、群馬県の渋川市の事件、大変痛ましい事件について議論がありました。実際は東京都の墨田区などで生活保護を受けていた方六人が死傷いたしました。近くで処遇できれば一番よいが、都内の施設にあきがない、遠方の施設を血眼になって探したと、墨田区の保護課長さんの言葉が新聞に掲載をされておりました。都内の自治体から生活保護を受けて東京以外で暮らしている方は、千人に上るということでございました。まさにこれは高齢者の方が漂流をしているということになるんだと思うんです。

 先ほど、特別養護老人ホームの待機者の数はどれぐらいだということで、古賀委員の質問に三十八万五千人というお答えがありましたけれども、生活保護を受けておられる方々の近年の増減の動向と、今後どれぐらいふえていくのが予想されるのか、もしくは減っていくのが予想されるのか、厚生労働省からお答えをいただきたいと思います。

坂本政府参考人 生活保護受給者数についての御質問にお答え申し上げます。

 生活保護の受給者数につきましては、平成十七年度は約百四十八万人、十九年度で百五十四万人、それから平成二十一年一月の速報値では約百六十二万人と、増嵩いたしているところでございます。

 今後、生活保護の受給権者数の動向でありますけれども、厳しい雇用情勢等の影響もございまして、例年に比べて増加しているところではございます。将来の受給者数の予測をすることはまことに困難であると考えているところでございますけれども、直近の傾向を見ますと、例年に比べてかなりハイペースの状況で推移しているという状況が現時点で見られるところでございます。

石川委員 その中で、近年の増減の中で、これからふえることが予想されるということでありましたけれども、高齢者の保護世帯の増加というものは、どういうふうに分類をして、その中で高齢者の世帯がどれくらい増加をしているのか、また、今後どうなのか、お答えをいただきたいと思います。

坂本政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、平成十七年からの推移を申し上げますと、二十一年一月の速報値で一二・一%の伸びでございました。そして、高齢者につきましては、同じ時点で一六・六%と、全体の伸びに加えて高い伸び率を示しているところでございまして、現時点では、全体の世帯別の割合としまして、高齢者世帯の割合が四五・二%となっているところでございます。

石川委員 高齢者の特に無職世帯も大変ふえて、そしてやむにやまれず生活保護を受けるという方が大変ふえていらっしゃるんだと思います。

 これからの日本社会は高齢化社会に突入をしていくわけであります。高齢化がピークを迎えるのが二〇四〇年ごろで、六十五歳以上の方が人口比で三七%、三千八百五十万人に達すると予想されているわけでありますけれども、介護を必要とする高齢者の方や、または単身の高齢者も当然増加してくると思われます。

 これからの日本社会、年金の支給額も当然、現行制度においても減ってきているわけで、そして保険料も上がってきている。新しく基礎年金部分を税方式に変更しても、これからも厳しいという状況は変わらないのかもしれません。また、今の状況でいくと、公的年金制度の支給開始年齢が引き上げられておりますし、また、支給額も、先ほど申し上げましたように減少する。退職一時金、いわゆる退職金も二〇〇二年以降減少しているということになっているわけであります。

 きょう、総務省にお越しをいただいておりますが、総務省の家計調査年報、例えば九〇年から最近までを比較すると、高齢世帯、特に無職の高齢世帯でどのような変化があるのか、お答えをいただきたいと思います。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 家計調査でございますが、これは長期の系列がございますけれども、貯蓄のストックの方でまず申し上げますと、高齢の無職世帯というのがございませんで、六十五歳以上の二人世帯というのがございます。これについて申し上げますと、一九九二年の貯蓄現在高が、二人以上の六十五歳以上世帯でございますが、二千三百六十二万円、それから二〇〇七年が二千四百八十一万円ということでございまして、百十九万円の増加でございます。

 それから、負債の方でございますが、一九九二年が二百四十九万円、それから二〇〇七年が百三十六万円ということでございまして、こちらの方は百十三万円の減となっております。

 以上がストックでございますが、もう一つ、フローの方で申し上げますと、こちらの方は高齢無職世帯というのがございます。高齢夫婦の無職世帯の実収入でございますが、これは千円に丸めて申し上げますと、一九九二年が実収入が二十二万九千円でございます。それから、二〇〇七年が二十二万三千円ということでございまして、都合約六千円の減でございます。

 それから、税金等の負担を引きました可処分所得でございますが、一九九二年が二十一万三千円、二〇〇七年が十九万一千円でございまして、こちらの方は約二万一千円の減ということでございます。

 それから、お金の消費の方でございますが、これを消費に回した額、消費支出は、一九九二年が二十二万五千円、それから二〇〇七年が二十三万七千円ということで、こちらの方は約一万三千円の増ということでございます。

 それから、家計の黒字幅でございますが、これは実際赤字ということになるわけでございますが、九二年が一万二千円の赤字、それから二〇〇七年が四万六千円の赤字ということでございまして、この十五年間で赤字幅が三万四千円広がったということでございます。

石川委員 九二年から二〇〇七年で可処分所得の赤字幅が一万二千円から四万六千円にふえた、そして実収入も減っているということでありました。

 この赤字の部分というのは金融資産の取り崩しで埋めていると思うんですけれども、九二年から二〇〇七年で、貯蓄の変化をお答えいただきましたけれども、いわゆる資産の変化、不動産ですとか、そういった実物資産と金融資産、どのように変化をしてきているのか、お答えいただきたいと思います。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 金融資産、実物資産の内訳の変化というのは非常にとらえにくいものでございますが、金融資産の方は先ほど申し上げましたとおりでございまして、全体としてはわずかながらの増加になっておるということでございます。

 それから、実物資産の方は、実は家計調査でとれませんで、もう一つ、全国消費実態調査という五年に一回の調査がございますが、こちらの方で直近の数字しかございません。こちらの方だけちょっと申し上げますと、全体の資産合計が六十歳以上の世帯におきましては五千百六十万円となっておりまして、その内訳といたしまして、金融資産が千百七十七万円、それから実物資産の合計が三千三百八十三万円ということでございまして、約三四%が金融資産、それから六六%が実物資産ということでございます。

 こちらの調査の方では系列がとれませんので、こちらのみで変化がちょっととれませんので、これを御了解いただければと思います。

石川委員 これから、高齢者の方々の資産と、また老後の生活費をどうしていくのかということが住宅政策を考える上で大変大事なことであろうと思っております。

 住宅政策を考える上で、当然、今まで住んでいた家、それは、例えば今の世代ですと、子供を二人から三人産んで、最初は賃貸住宅を借りてアパート暮らしをしていた。そして、お金をためて、頭金のたまったところでマイホームを購入した。そのマイホームから子供たちが巣立っていった。しかし、今まで使っていたマイホームではなかなかバリアフリーが、想定をしていなかったのでそういう対応になっていないだとか、年を経て介護のサービスを受けづらいだとか、では、どうしようといったときに、やはりお金をどうするんだということを一番考えなければいけない。昔であれば、子供から仕送りをもらうということを行っていた家庭も多かったのかもしれないですけれども、これから果たして、賃金が上がっていかない状況でそういうことを行える家庭がどれだけあるのかということを、全体像をとらえていかなければいけないと思います。

 ライフスタイルがこれから非常に変わっていく、また家庭のあり方も変わっていく。ライフスタイルが変わっていくというのは、独身の、私も独身で恥ずかしいですけれども、男性、女性がそのまま年をとって、今までであれば、結婚して、どちらかが亡くなった後も遺族年金だとか、そして金融資産や不動産資産をそのまま引き継いで生活をしていけるということになるんでしょうけれども、そのままひとり身でいく世帯がふえるとなると、今度は、後に財産を渡す人間もいないし、またはほかに頼る方もいない、そういう状況が予想されるのではないのかなと思います。

 そうしたことを踏まえて、これからちょっと質問をしたいと思うんです。

 まずは、住宅を、マイホームを購入したが、しかしながら、今現在の自分の置かれている状況と、そして今後自分が過ごしたいと考えている状況、このミスマッチを解消するために、二〇〇六年、移住・住みかえ支援機構というものをつくって、そうした方々のライフスタイルの変化に対応できるようにということをやってきたわけでありますけれども、当初の目標と現在の達成度、そしてその評価についてお答えをいただきたいと思います。お願いします。

和泉政府参考人 この住みかえのモデル事業の趣旨は、今委員が御紹介いただいたとおりでございます。

 ポイントだけ申し上げますと、要は、持ち家を貸したい高齢者の方々、大きな家を借りたい子育て世帯、これは両方いるわけでございますが、お互いが情報がないということと、一対一で契約すると空き家になった場合に途端に家賃収入が途絶える、こういったことがございますので、できればそういったリストをつくってお互いのマッチングをしよう、これがモデル事業の趣旨でございました。

 これにつきましては、当初は、モデル事業でございますので、一般社団法人の、今委員御紹介の移住・住みかえ支援機構でやってまいりました。もともとこういった、モデルでございますので、幾つという目標はございませんでしたが、委員御紹介の二年半の間に、実際の契約はまだ九十九件でございます。ただし、照会があったのは四千七百六十七件、そういったことでリストに登録したのが千八百四十六件、したがって、今後、ふえてくると思います。

 まだ数字は小さいわけでございますが、このモデル事業の経験を踏まえまして、住みかえを実践した方々の特性、どういった理由でそういうものを行ったのか、あるいは新しく転貸するときに修繕等はどういうことをすればいいのか、あるいはそういったことに乗り込んでくる高齢者の方々に何を説明すればいいのか、こういうさまざまなノウハウが蓄積されましたので、こういったものをベースにしてこのモデルを全国に広げていきたい、こう思っております。

 今後、そういった形で、この移住・住みかえ支援機構に限らず、こういったものはビジネスモデルとして広がっていくように我々も努めてまいりたい、こう考えております。

石川委員 積み重ねてきた、いろいろ蓄積されたノウハウを生かして今後やっていくということでありました。

 今、九十九件の成約ということでありましたけれども、当初、これはあくまでも報道、産経新聞が当時、この移住・住みかえ支援機構をつくったときに、機構側としては年間約百二十件のペースで成約物件をふやして、ビジネスモデルを構築し、民間事業者への普及を図るということが報道されております。二年半で九十九件ということは、当初の約三分の一ぐらいにとどまっているということでありますけれども、当初の目標どおりになかなかいかなかった理由というものを教えていただきたいと思います。

和泉政府参考人 我々、一番大きいと考えているのは、これは機構から聞いた話でございますが、やはり、この制度の意義とかメリットを消費者の方々に十分周知し切れていないということと、まだ登録件数が一千八百件弱でございますので、その限りにおいてマッチングが必ずしもスムーズにいっていなかったということでございます。したがって、これは、言うなれば、鶏が先か卵が先かわかりませんが、こういったものが、経験が積まれて、ともにそのリストがふえてくると、ある時点で相当急速に普及していくんじゃないか、こう思っています。

 確かに、委員御指摘のように、当初の目的に比べれば、まだ実績は不十分だ。ただ、この制度の意義は非常に高いものがあると考えておりますので、今の実績にめげずに頑張ってまいりたい、こう思っております。

石川委員 各地方の住宅供給公社、たくさんあると思うんですけれども、移住・住みかえ支援機構が各地方の住宅供給公社と連携をとってきたのか、また連携をとっているのか、教えていただきたいと思います。

和泉政府参考人 従来は、モデル的にやるというようなことで、マッチングしやすい大都市圏を中心に始めていましたので、委員御指摘の公社との連携というようなことについてはまだ視野に入っていなかった、こう思います。

石川委員 これはなぜそういう発想にならなかったんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

和泉政府参考人 そもそも、これは十八年度に始めたときに、全く新しい発想だったんですね。したがって、まずは、スタートするときに、需要があって、比較的実績が積みやすいエリアで、なおかつ、住宅についても、そういう新しく子育て世帯が入りたいと思ったときに、その質についてある程度信頼性を持てる住宅、こういったことを意識しましたので、やはり大都市圏を中心に。

 しかも、ありていに言えば、ハウスメーカー等の協力を得ながらスタートしたという事実がございますので、その限りにおいて、今委員御指摘のような、もうちょっと幅広くやるということについては、まだ立ち至っていない、そういったことだと思います。

石川委員 これは去年の十月二十八日の朝日新聞の記事なんですけれども、「高齢者の空き家仲介事業、成約ゼロ 横浜市、読み外れ打ち切り検討」という記事が出ております。「不用になった高齢者の自宅を横浜市が借り上げ、子育て世帯に転貸する「住み替え支援モデル事業」が、開始から二年たっても一件も成約に至らない。高齢者と子育て世帯を同時に支援する「画期的な試み」として始めたが、今では事業の打ち切りを検討している。実績ゼロの背景には、ニーズの読み違いがあったという。」というふうに報道がなされております。これは、私は、ニーズの読み違えというよりも、「市内限定で事業とするには無理があった」ということもこの中では書かれております。やはり、幾ら大都市、横浜市といえども、その中だけでそうした住みかえ支援事業を展開していくということに難しさがあったんだと思います。

 再度ですけれども、今後、こうした横浜市やほかの住宅供給公社の方々と何か連携をするような上において、国土交通省住宅局として指導していくのかということをお答えいただきたいと思います。

和泉政府参考人 今の御指摘のとおり、これを広げていくためには、狭いエリアでやったのではマッチングがうまくいかないということでございますので、場合によってはJターン、Uターン等も視野に入れながら、もっと幅広いエリアでそういったことを工夫するということについても検討してまいりたいと思っております。

石川委員 今、ライフスタイルの変化に合わせて住宅を高齢者の方々がどう変えていくのかということについて、住宅支援機構というところが住みかえ支援を行って、そして、若い方々が広い家に住みたいというニーズにこたえる、お互いのニーズが合えばということをやっている、ただし、なかなか行政の連携がとれていないということであったわけですけれども、ぜひ、これから連携をとっていただいて、そうしたニーズにこたえていただきたいと思います。

 次に、これは賃貸住宅の方ですけれども、高齢者の方々が安心して、長期にわたって暮らしていけるようにということで、終身建物賃貸借制度というものがあるわけですけれども、これも、先ほどと同じように、当初目標と現時点での達成度合いについてはどう評価をしているのか、お答えをいただきたいと思います。

和泉政府参考人 今委員御指摘の終身建物賃貸借でございますが、これは、平成十三年度にこの高齢者居住安定法を制定させていただいたときに、普通借家と定期借家の中間に位置するものとして設けさせていただきました。

 もう委員御案内のとおりでございますが、高齢者にとってみれば、終身住めることの保証が欲しい、だけれども、普通借家である必要はない。一方で、高齢者に向けた住宅を供給する方から見れば、せっかくケアの施設等を併設したにもかかわらず、普通借家だったならば、相続されて若い人が入ってきてしまって、そのケア施設が無駄になる。こういった両方の要請を踏まえて、一代限り、終身建物賃貸借というものをつくらせてもらいました。

 現時点で、これは十九年度末でございますけれども、二十二物件、八百四十五戸にとどまっております。

 したがって、これが多いか少ないか、なかなか評価は難しいところでございますが、こういったものにつきましては、終身建物賃貸借、言葉も難しいわけでございますが、そのメリット等について、賃貸住宅のオーナーの方とか、また、入る高齢者の方になかなか十分な理解がされていなかったということが、数が伸びないことの一つの大きな原因かと思っております。

石川委員 これは、全国で二十二件、八百四十五戸ということですから、制度が導入された割には、ちょっと進む度合いが低いのではないかと思います。いろいろな全体の制度を見ながら変えていったり、またはやめるということもあり得るんでしょうけれども、この制度については、七年で二十二件、八百四十五、全国でですから、非常に使い勝手が悪かったということになるのではないかと思います。

 今後、これをどのようにしていくのか、または、もし改善するとしたら目標をどのように置いていくのか、お答えいただきたいと思います。

和泉政府参考人 終身建物賃貸借のいわゆる特性は今御紹介したとおりでございまして、一番効果を発揮するのは、特にオーナーから見ると、単に賃貸住宅だけじゃなくて、支援施設等を併設して、そういったものを一体として使ってもらいたいというケースにメリットがあると思います。

 今回まさに、高齢者居住安定法の改正の中で、高齢者向け優良賃貸住宅の中に生活支援一体型の住宅、こういったものを導入しましたので、そういったことを踏まえて、さらに終身建物賃貸借のメリットが生きるように、オーナーあるいは消費者の方々について、しっかりとその周知徹底なり意義を広く普及啓発してまいりたい、こう考えております。

石川委員 高齢者の住宅を確保する、または生活費をどう捻出していくのかという上において、長期生活支援資金というものがございます。これも不動産を担保に生活の資金を捻出しようということで始まったわけでありますけれども、この制度活用の状況についてお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

坂本政府参考人 生活福祉資金の長期生活支援資金についてお答え申し上げます。

 厚生労働省といたしましては、低所得の高齢者の方々が居住用不動産を活用するための制度といたしまして、都道府県の社会福祉協議会を窓口といたしました長期生活支援資金貸付制度を実施しているところでございます。

 この貸付制度は、平成十四年度に創設されたものでございまして、所有の不動産を担保に生活資金を貸し付けるものでございます。

 平成二十年三月末までに六百八十一件の貸し付けが行われてきたところでございまして、今後とも、この制度を通じまして、居住用不動産を活用した高齢者の方々の生活支援に努めてまいりたいと考えております。

石川委員 この長期生活支援資金なんですけれども、過去の国会でも議論された部分があります。これは生活保護の抑制に使う、そういう方向性を考えているということで議論がなされていたわけであります。

 この長期生活支援資金、財産を、いわゆる不動産を持っているけれども生活保護を受けている、こういう方々にこの制度を利用するように促していくということが、委員会の中でいろいろな議論がなされてきたわけでありますけれども、このライン、どこまでが生活保護を受けられるのか。それとも、やがては生活保護を受けないで、これだけの不動産があるんだから、この不動産を、この制度を利用して自分の生活資金を捻出してくださいというラインというものはどういうところにあるのか、教えていただきたいと思います。

坂本政府参考人 ストックをお持ちの方でフローが足りないという方々に対しての生活保護をどう考えるかという点でございますが、現在の取り扱いといたしましては、この長期生活支援資金貸付制度を使っていただきまして、生活保護の申請をされた高齢者世帯の方々につきましては、この長期支援資金を活用していただいているところでございます。この対象の世帯になりますのは、生活保護の前提であります資産活用をしていただくというその一環で、この貸付制度を利用することを求めているところでございまして、平成十九年度中に百三十五件の貸し付けが実施されたところでございます。

石川委員 今御答弁の百三十五件の貸し付けがなされたということでございました。

 これからの高齢化社会を迎える上で、実際、貯金が、または金融資産が手元に乏しい、ただ、若いころ一生懸命働いて得た不動産はある、こういう家庭が増加をしてくるのではないのかなと思います。

 ただ、そうした中において、不動産を持っていてもなかなか流動性がないということで、自分が資金を必要だと思ったときにも、すぐ売却ができるわけでもない。だから、中古市場の流通をどうしていくのかということも考えていかなければなりません。もちろん、日本の特性として、持ち家志向が強いわけでありますし、また新築志向が強いという部分もありますし、そして、長期に住むということを想定してつくったわけでもないということでありますので、このあたり、これから住宅政策の上においてよく考えていかなければいけないわけであります。

 私も、実は、昔、十年ほど前に、二十三区内でマンションをお持ちの方から御相談を受けたことがありました。その方がおっしゃるには、当時は大体四千万円で買ったマンション、しかし、今は手持ちの貯金がだんだんと少なくなってきている、当時七十ちょっとの方だったと思いますけれども、これからどれぐらい自分が生きて生活できるかわからないけれども、このマンションを担保にして自分の老後の生活資金をどうにか捻出することができないかということを御相談されました。

 その方に、武蔵野市にそのような例があると聞いているけれども、どこかほかの金融機関でこういうことをやってくれるところがないか調べてもらえないかということで、十年前でありましたけれども、御相談を受けたので、調べて、一生懸命奔走した記憶がございます。残念ながら、そのときはなかなかそういう制度を持っている金融機関というものがありませんでしたから、その方には大変残念な報告をしなければいけなかったわけでありますけれども。

 現在、先ほど総務省の方にお答えをいただきましたけれども、やはり手持ちの金融資産というものは恐らく減ってくる、相対的には減ってくる傾向にあるのではないのかなと思います。それは、実収入が減って消費がふえていくという傾向にありますので、当然手持ちの金融資産は減ってくる。では、その後、老後にその手持ちの金融資産が減ってくる中で、自分の老後の資金をどうやっていくのかということが問題になってくるのだと思います。

 きょう、三枚資料をお配りいたしました。その一枚目は、先日、私は東京スター銀行というところに実際にお伺いをして、お話を聞いてまいりました。今の国土交通省やまたは厚生労働省、先ほどお答えをいただきましたけれども、または住宅金融公庫等が行っている老後の生活資金をどう捻出しようかというときに、この民間の担当者からすると、やはりバリアフリーに限定をしたものであるというのは使い勝手がなかなか厳しいというお話でございました。一枚目に書いてあるとおり、やはり生活費、その四項目ある中で一番下を見てもらっても、一つは生活費に捻出をする、その下のところもローンの借りかえということでありますので、言ってみれば、これも生活費に含まれるのではないのかなと思います。

 その中で、リバースモーゲージ、不動産を担保にして、そして老後の資金を、生活費を捻出していこうという考え方があるわけでありますけれども、私も、厚生労働省と国土交通省にこれについてちょっと教えてくれないかということでお願いをしました。それぞれの省の、例えば、先ほど厚生労働省の長期生活支援資金の制度だとか、国土交通省であればバリアフリーに特化したものであるとか、それぞれの省のものをお答えいただいたんですけれども、このいわゆるリバースモーゲージというものは金融商品であるから金融庁にお尋ねをいただきたいというお答えをいただきました。

 今後、このリバースモーゲージというもの、もちろんこれを利用しやすくするということが非常に大切なことだと思いますけれども、なかなか困難なこともあると思います。通常、三つのリスクがあると言われております。一つは長生きのリスク、もう一つは金利上昇のリスク、そして不動産の担保割れ等のリスク等があると思います。

 この管轄は金融庁ということでありますけれども、これらの商品を今取り扱っているのは、二つの民間銀行と、あとはそのほかに、いわゆるハウスメーカーが、自分のところで建てていただいたものに関しては似たような制度を行っていると聞いております。これについて、いろいろ各省庁と連携をとっているのか、または、厚生労働省や国土交通省からこのリバースモーゲージについて研究会等を立ち上げていこうだとか、そういう御相談や連携の連絡があったのかどうか、教えていただきたいと思います。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員からお尋ねのございましたリバースモーゲージにつきまして、御指摘のとおり、一部の銀行等で既に取り扱いを行っておりますけれども、ただいまお話のございましたような、国土交通省あるいは厚生労働省との連携のもとで研究会などを行ったという実績は、これまでのところございません。

石川委員 これから高齢者の住宅政策を考える上で、当然、きょうや、またはきのうの議論にもありましたように、お年寄りの方々が今まで住んでいたところ、これがバリアフリー化していない、またはなかなか不便である。特に、目が悪くなったりだとか、足が悪くなったりして、自分が通う病院に行くのもおっくうになっている。このあたりを改善するためにどうしたらいいかということで、国土交通省、厚生労働省等が、それぞれ自分たちで案を考えてこの状況に対応しているということは挙げられますけれども、今回のこの法案については、国土交通省と厚生労働省で、お互いで、共同で提出をして、そして、都道府県がその計画を定めることができるということが書かれているわけであります。

 この住宅政策、特に高齢者の住宅政策全般において、各省庁とお互い連携をし合っていくことがやはり今求められているのではないのかなと思いますけれども、今後、一つは、高齢者の住宅政策をどうするのかということにおいてどういう連携をとっているのか、また、今回のこの法案で、一応共同提出ということになっておりますけれども、どういった連携をとってきたのか、金子国土交通大臣にお答えをいただきたいと思います。

金子国務大臣 今御指摘いただいてきましたリバースモーゲージというのは、私も非常に関心を持って進めてきているんですけれども、まだなかなか、いろいろな理由はありますけれども、仕組みとしてうまくいかない。これから、御指摘いただいていたような高齢者の住居というものを提供する、あるいは住みかえということを進めていくという上でも、この仕組みというのは、いずれどこかで、もう少し全体として仕組みができるようにしていけないものだろうかと私も問題意識を持って進めております。

 ただ、今のところはまず第一歩でありますけれども、高齢化する、先ほど来数字の御指摘がありましたけれども、恐ろしいぐらい高齢者が単身で住むという状況が出てくる、あるいは夫婦二人だけ。その場合に、元気なうちはいいんですけれども、介護を受ける、あるいは認知の状況になったときにそういうサービスを受けられるような場所ということも、やはり官民挙げて進めていく必要がある、もっとペースを上げていく必要がある。これまでやってこなかったわけではありませんけれども、もっと強力に進めていく必要がある。

 そういう意味で、これは国交省、そういう介護等々あるいは医療のサービスという意味でありますので、厚労省と共管にさせていただいて、これを我々のところがつくる。今まではつくる、つくる、つくるだったわけですけれども、そうじゃなくて、今度できた、介護、医療のサービスもあわせて住宅の場、生活の場というものを提供していこう。同時に、国だけではありませんで、やはり地方自治体にも、それぞれ、どういう形態で住んでおられるのかというのはやはり地域の皆さんが一番よくわかっているわけでありますから、そういう地域の自治体の皆様にも絡んでいこうと。

 余談でありますけれども、先生も、北海道だったですよね、雪国なんですよね。「あゝ野麦峠」の舞台、高根村というところなんですけれども、そこの市が自主的に始めたんです。お年寄りがひとり暮らしになってしまっている。人口がたかだか千人くらいになってしまったんです。それで、もう学校は、小学校も中学校もなくなってしまったんです。子供たちはスクールバスで隣の町に通っているんです。

 そういう中で、雪に閉ざされてしまう。しかし、小さな村ですから、今までは元気な人がいたものですから雪かきをやっていたんですけれども、だんだんだんだん高齢者になってしまうと雪かきも大変だということで、雪の降っている間はあるところに集中して共同生活してもらうんです。仲間と一緒になって住んでもらう。二人一組で、部屋で住んでもらう。

 これは、迎賓館、公民館というよりももうちょっと、村の施設で見劣りのしない、まあまあ住みやすい場所なんですけれども、そこに来てもらって、そして、時々やはり自分のうちへ帰る。仏様がいるからと言って時々は帰って、チーンとお経を上げて帰ってくるというようなのを、豪雪地帯ですから雪の間じゅうやっていて、それで、またお返しするといったような、そういう生活。高齢者に集まってもらって安心して生活してもらうというような、ワンパターンじゃなくて、それぞれの地域でいろいろなやり方があるんだろうなということで、地域にもぜひ、生活の形態、地域事情というものもあわせて考えながら、委員御指摘のような、地域高齢者あるいは住みかえ、実は高齢者だけじゃなくてやはり子育て世代ということも考えていかなきゃいけないと思っていますけれども、そういうのも含めて進めていきたいと思っております。

    〔委員長退席、福井委員長代理着席〕

石川委員 住みかえ支援についても、またはこのリバースモーゲージについても、やはり今後、高齢者の保有資産がどうなるのか、老後の資金がどうなるのかということを考えながら、将来像を見据えてやっていかなければいけないわけであります。その中で、もう時間が迫ってまいりましたので、このリバースモーゲージに関して、土地を重視するという日本の特性からいっても仕方のないことなんですが、マンションにはなかなか適用できないというのがございます。

 今、大体、東京とか大阪でという地域的なくくりが無理だということで、きのうレクでお話があったんですけれども、分譲マンション所有者のうち高齢者の割合というのは現状ではどれくらいなのか、お答えいただきたいと思います。

和泉政府参考人 若干古いデータで恐縮ですが、平成十五年度のマンション総合調査、このケースでは、分譲マンションにおける年齢六十歳以上の世帯主の割合は三一・七%でございました。その前が平成十一年でございまして、そのときの数字が二五・九%ですから、やはり国全体と同じようにマンションにおいても高齢化が進んでいるということだと思います。

石川委員 恐らく、まだまだふえるのではないのかなと思います。特にもう都市部に人口が集中をしているわけでありまして、田舎から出て都会に移って、自分の人生の収入の大半を住宅を取得するということに充てるわけでありますけれども、その住宅を取得した際に、それがマンションの場合、もし、手持ちの金融資産がない、だけれども介護が必要だといったときには、十分にこの分譲マンション所有者のことを考えていかなければいけないのではないのかなと思います。

 そうした点を踏まえて、先ほど金融庁は、国土交通省や厚生労働省からそういったお申し出はなかった、このリバースモーゲージを含めて、今後、高齢者の金融資産、こうしたものに対してどう考えていくのか、将来的にどう補っていくのかということについて、ないということでありました。

 最後に金子大臣に、今後、どういう形で厚生労働省または金融庁と連携をとって、もちろん、中古の住宅市場をどうしていくのかということも同時に考えていかなければいけませんし、住宅住みかえ支援機構の場合は、国が五億円お金を出して、貸し手側にも借り手側にも不安がないように公的な資金をきちんと投入して制度が活用できるということにしているわけでありますけれども、今後、リバースモーゲージにもそういった機構、今ちょっとアメリカも住宅の問題がありまして後退をしているというのが事実でありますけれども、そのあたりも踏まえて、最後に大臣にお答えをいただきたいと思います。

    〔福井委員長代理退席、委員長着席〕

金子国務大臣 このリバースモーゲージ、金融も含めて、あるいは医療、厚生も含めて、さまざまな問題を抱えている。委員先ほど御指摘いただきました、あるハウスメーカーなら、そういうのをやるより自分が建てたものを使ってやれるよねといったようなこと、そういう性能の問題、あるいは、三日月議員がきのう御指摘ありましたけれども、インスペクターを確立するといったような、そういうさまざまな問題をあわせて考えていく必要があるんだと思います。

 ただ、いずれにしましても、そういう問題も含めて、金融庁、厚生省とも連携しながら、何とかうまく制度化できるようにやってみたいと思っております。

石川委員 質問を終わります。ありがとうございました。

望月委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 高齢化が進展する中で、高齢者が安心して暮らせる住まいと福祉を充実させることは、喫緊の課題であります。住まいと福祉の連携を強め、高齢者向けのケアつき住宅の整備などを促進するなど、高齢者対策を充実させることは当然だと考えます。

 高齢者を取り巻く状況は、先ほど来皆さんからもお話ありましたが、群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」の火災で明らかになったように、極めて深刻であります。その実態を踏まえて質疑したいと考えます。

 まず、犠牲となられた十名の方々の冥福をお祈りし、被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 未届けの有料老人ホームは全国で五百七十九施設あると厚労省は発表しています。ただ、北海道では、市町村から百四十七施設の情報が寄せられましたが、実態が老人ホームか判断できないという理由でゼロと回答しておりまして、この五百七十九施設には含まれていません。

 法案では、都道府県は、基本方針に基づき、高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標等を記載した計画を作成する、こうなっています。

 こういう、先ほど述べた未届けの有料老人ホームなどを初めとしたあいまいな施設はどう取り扱うのか。ここで言うところの老人ホームには有料老人ホームも入るということだけれども、未届けの有料老人ホームも入るのか。また、有料老人ホームかどうか判断できない施設はどう取り扱うのか、最初にその点をお聞きします。

和泉政府参考人 まず、きちんと届け出をしていただくことが大事で、それをまず徹底してやることが大事だと思います。そういったことになれば、当然、その老人ホームは今回の計画の中の賃貸住宅並びに老人ホームの中に該当する、こう思っております。まずはきちんと届け出をしてもらう。

穀田委員 そうすると、もう一遍お聞きしますけれども、そういうあいまいなものも含めて入るということですか。もう一度お聞きします。

和泉政府参考人 基本的に、そういったあいまいなものをなくして、居住安定確保計画の中にきっちりと高齢者の方々のいる場所として位置づける、そういうことになります。

穀田委員 私が心配しているのは、そうは言うんだけれども、もちろん、計画の中にはそういうのが入らないので届けさせるということは、当然の施策であります。

 問題は、そういうすきができるということはあるわけでして、今回の法の中心点というのは、住宅と福祉の連携を強めて高齢者対策を強化しようというものであります。やはり今まで、厚生労働省やそれから国土交通省、両方から接近をしているんだけれども、すき間になっているということがあったわけでして、それは必ずしも届け出させるんだということで済む話じゃない。今までだって届け出は必要だったわけで、ただ、しなくても存在し得るという現実があったわけで、そういうことについては埋めることも必要だということを指摘しておきたいと思うんです。

金子国務大臣 渋川の「静養ホームたまゆら」の火災において亡くなられました十名の方、負傷一名の方、本当に心から御冥福をお祈りいたします。

 今、穀田委員御指摘の点について、三月二十三日に全国の特定行政庁に対して、未届けの有料老人ホームの建築基準法令への適合状況に係る緊急の点検の、届け出なさいじゃなくて、緊急点検してくださいということを実施を要請したところであります。

 そういう意味で、きちっと緊急点検の結果を踏まえて、今おっしゃったすき間がないように、厚労省、消防庁との連携強化を強めてまいりたいと思っております。

穀田委員 ですから、それは当然だ、だから、すき間がないようにせなあかんよという話をしたんですね。それはやってくれるということなんですが、くれぐれも、届け出じゃないんですよね、それはしっかり見定める必要があるということを指摘しておきたいと思うんです。

 私は、今回の惨事を通じて明らかになったこととの関係で若干質問します。

 一つは、東京には高齢者を受け入れる施設が満杯であって、極端に不足していることだと思うんですね。メディアの報道でも明らかです。生活保護を受ける高齢者がケアつき住宅を求めても、東京都内には受け入れ可能な施設や高齢者向けの賃貸住宅はなく、一千四百人超の高齢者が他県の施設等に入居させられています。特別養護老人ホームは、先ほど来議論になったように、全国で三十八万人の待機者がいる。東京都は、三万四千人の入所者よりも多い三万七千人が待機している。

 こういう現実について、大臣はどう思われますか。

和泉政府参考人 御指摘のとおり、特別養護老人ホームなどの介護保険施設、これの六十五歳以上の人口十万人に対する定員を比較しますると、東京都は二千二百十九人、全国平均の三千四十九人に比べて低いわけでございますので、その限りにおいて、東京都における高齢者受け入れ施設等がかなり不足しているということは事実だと思っております。

 これにつきましては、今後、こういった法律の改正が認められれば、居住安定確保計画などをつくることになっておりますので、そういった計画も一つの契機として、厚生労働省とも協力して、一気に解消するかどうかは別にしまして、前に進む努力をしなくちゃならない、こう考えております。

穀田委員 入所者よりも待機者が多い、こういう現実なんです。今もお話があったように、今すぐできるかどうかはわからぬがというような話をしているわけだから、これは結構大変だということがおわかりいただけると思うんです。

 ですから、政治論としてどうするかという問題が本当は問われているんですよね。現実の数字を見て、どうしようかこうしようかというのは、それは今、和泉さんがお答えになったとおりのそういう現実が役所としてはあるんでしょう。

 でも、これは、私は、この高齢者施設の絶対量が不足しているという現実、これにしっかり目を向けなくちゃならぬ。だから、他の県の施設を紹介し、生活保護費は、施設のある自治体が受け入れないので、住所を残して区役所が払う。東京都は公営住宅の応募倍率が三十四倍にもなっているわけですよね。だから、公営住宅も足りないわけですね。なぜこんなに絶対量が不足するのか。背景に、公営住宅や老人ホームの供給を事実上抑制する国の方針があると私は思います。

 住宅政策においては、住生活基本法や住宅セーフティーネット法を制定し、住宅に困窮する低所得者や高齢者などに対する公共賃貸住宅の供給を規定しました。しかし、公営住宅の供給目標は、既存住宅の建てかえや入居者基準の引き下げなどによる入れかえが中心でした。

 高齢者福祉の分野ではどうか。

 ここでは、介護保険事業計画に関する国の基本方針で、施設の基準は、介護保険三施設、いわゆる三施設といって、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養病床となっていますけれども、それとグループホームなど居住系サービスの割合を二〇〇四年度の四一%から二〇一四年度には三三%に引き下げることとなっています。さらに、療養病床に関する国の計画におきましても、医療保険、介護保険の両方合わせて三十八万床あったものを一二年度末には十五万床に減らす計画を示している。

 こういういわば土台となっているところでの抑制政策というのはやめるべきと違うのか、そのことが先決だ、その上で必要な公営住宅や特養ホームの供給目標を持つべきじゃないのか、こういう点は、大臣、いかがですか。

金子国務大臣 公営住宅、全国で二百十万戸供給されております。確かに、その応募倍率では東京が全国平均に比べて高いということも事実であります。

 公営住宅の供給について、やはりそれぞれ地域事情がありますし、それから低額所得者の住宅不足を緩和していくということで、地方公共団体が実施しておりますものですから、国としては、地域住宅交付金によりまして、地方公共団体、自治体に公営住宅の整備を支援しております。

 そういう意味で、この法案を通させていただいて、そして、地方公共団体がそういう地域のニーズ、特にこういう高齢者居住でありますけれども、公営住宅の供給を行えるように支援して、住宅セーフティーネットの充実に努めてまいりたいと思っております。

 特養についても、全国的に入所待機者がいるのも事実でありまして、今後とも、公的賃貸住宅、老人ホームの供給促進ということは我々の大きな課題だと思っております。

穀田委員 大きな課題だと思っていますというのはそのとおりなので、問題は、こういう法律をつくって高齢者対策を強めようというときに、その土台となっている現実を見なくちゃならぬのと違うかと言っているわけですよ。

 大臣は公営住宅の話をしましたけれども、公営住宅だけじゃなくて、住宅政策でまず出ている、高齢者福祉の分野でもやはり土台が大きく崩れつつある、それから療養病床に関する国の計画もそうだ。全部見ていると、減らす方向にばかり全部来ている。何かというと、公営住宅の問題についても、地方はそうなんだという話をして、東京だけが特殊みたいな話をするということに大体なるわけですね。僕は、そこは違うということを今言っているわけですね。

 しかも、高齢者対策の強化というんだったら、例えば、やはり住宅、それから福祉、医療、この分野で、高齢者を大切にする、今述べた分野における政策的な転換がどうしても必要だと思いますし、特養ホームの待機者解消などについて言えば、思い切った基盤整備を行う以外にない。これは先ほど局長の方も、これはせなあかんとは言っているわけだけれども、めどがもう一つ立っていないみたいな話、大丈夫かどうかという話をしていましたけれども、抜本的にこれはする必要があるということを言っておきたいと思うんです。

 これと関連して二つ目に言いたいことは、犠牲となった高齢者が生活保護を受けていたわけですが、特に東京都内には低所得者の高齢者を受け入れる施設や住宅が満杯で、今、現実にあきがないということなんですね。

 この間、一月でしたけれども、NHKで福祉ネットワークという番組がありまして、次のように放映されました。夫を週二回おふろに入れる介護を受けるお金のために、妻は夕食を食べない、こういう放映がありました。こういう形の例があるように、少ない年金で暮らしてきた高齢者が、介護が必要になると、利用料が重くのしかかって生活を壊される事態が広がっているわけであります。

 京都地裁の、問題になりました、介護殺人というのがありました。そのときの法廷で裁く裁判官は、裁かれるべきは介護や福祉の制度、こういうふうに指摘したほどでした。

 法案は、都道府県に高齢者向け賃貸住宅と老人ホームの供給の目標を立てるというけれども、この計画の中に主として低所得者向けの対策は考えられていますか。

和泉政府参考人 不足だというおしかりは受けますけれども、低所得者向けとしましては、いわゆる公営住宅、特にシルバーハウジング・プロジェクト、さらに加えて、高齢者向け優良賃貸住宅に関しても、いわゆる低所得者に対しては四万円を限度とした家賃補助等もございます。

 こういった仕組みを計画をつくる中でしっかりと位置づけて、再三大臣から御報告していますけれども、地域住宅交付金というのがそういった事業を進める基幹事業でございまして、二十一年度予算は千九百四十億円。これは全体が縮まる中で、わずかではございますが、平成二十年度に比べて伸ばしておりますので、こういったものを使いながら、公共団体と協力して、なるべく低所得の高齢者の方が安心できるような居住環境の整備に向けて、厚生労働省とも協力しながら努めてまいりたい、こう思っております。

穀田委員 今ありましたように、余り自信なげな報告であるように、きちんと対応できるということにはなっていないということは確かだ。だって、これほどふえていて、この事実が、例えば東京の例に見られるように、低所得者の高齢者がこんな形で出てきている問題がありながら、これにスポットを当てて、これに重点をやっているんですと胸を張って言えないということだけは確かだということを指摘しておきたいと思うんです。

 三つ目に言いたいのは、受け入れる方の問題であります。

 これは、「たまゆら」の側は、高齢者に支給されている生活保護費から入所費用を天引きしていました。建築確認もせずに増改築を繰り返し、迷路になっていた。徘回を防ぐために、部屋から出ないように、かぎや突っかい棒で閉じ込めていた。入所者の虐待があったという話もあります。生活保護費を一括して集め、受給者には家賃または入所費、食費などの経費を差し引いた残りを渡す。待遇が悪いなどの問題のある施設もある。いわゆる貧困ビジネスというものであります。

 私は、若年向けの賃貸住宅の問題で、ゼロゼロ物件、追い出し屋と言われる家賃保証会社の問題を当委員会でも取り上げてまいりました。公的施設が不足している現状がある中で、善意でまじめに取り組んでいるところもたくさんあります。こういったところをもっと支援すべきです。しかし、悪質なところもあるのも事実であります。

 高齢者を受け入れている住宅や施設に関して、実態把握や必要な規制措置、先ほど指示を出したと言っていましたけれども、そういうものが、現実に即した形で調査をし、そしてそのことに着目した実態把握を行い、それに基づく規制の措置をつくるべきではないのかということについて、いかがでしょうか。

和泉政府参考人 まことに遺憾なことでありますが、今回の事件、あるいは今委員が触れられましたゼロゼロ物件等、法の規制の網を抜けて、いろいろな、いわゆる貧困ビジネスが出てくる、これは事実でございます。

 今回、「たまゆら」の事件に関して言えば、これは法を的確に執行して、きちんと届け出させるというようなことがまず第一だと思いますが、そういったことをやったとしてもいろいろな形ですき間を縫ってくる。

 こういったことについては、我々住宅政策を所管する者として、関係部局とも連携しながら、絶えず注視して、そういったものが起きたときについては、できることは速やかにやるというような認識が必要だと思っております。

 そういった意味で、今回、こういった法改正を通じてさらに福祉部局との連携が強化されますので、公共団体の現場におきましても、そういった縦割りを排除して、よく連携して、こういったすき間があったときに、関係部局が協力して迅速な対応ができるように心がけてまいりたいと思っております。

穀田委員 今言った、すき間をつくっちゃならぬということは、そのとおりです。

 私、先ほど触れましたけれども、いろいろな抜け道が必ずあるわけで、問題は、そこからどういう教訓を学ぶかということなんですね。当然、識者もいろいろ言っているように、規制はきちんと強化しなくてはならぬ。だけれども、それだけではだめだというのも多くの方が言っておられる。私はそれらがすべて正しいとは思いませんけれども、基本はやはり公の関与や支援が必要だということなんです。それがあれば、少なくともそういう抜け道はなくなる。それが不足していたり、不十分なところをうまく彼らは、貧困ビジネスをやっている連中は入ってくるわけで、したがって、私は、支援を行う、関与する、あわせて規制を行う、この両面が必要だということだと思っています。

 そこで、今言ったように、住まいを、高齢者に対する支援の施策をふやさなくちゃならぬ。そういうときに、国とUR機構が、今ある住宅を活用するどころか、その土地を売却する、現に住んでいる居住者さえも追い出すなんということを考えている、こういうとんでもない問題があるということを質問したいと思います。

 「七十六歳孤独死 八カ月後の今も家賃」、築四十四年、足立区の旧公団住宅ということで、毎日新聞の昨年七月六日にこういう記事が載っていました。

 記事では、居住者が孤独死した後もURが家賃を金融機関口座から引き落としていたという話でありますが、これは事実ですか。

尾見参考人 お答えを申し上げます。

 今委員御指摘のように、二〇〇八年七月六日の報道にございますように、花畑団地におきまして大変不幸な孤独死事件があったことは事実でございます。

 お答えする前に、こういう場合の手続について……(穀田委員「いいから、事実だけ言ってくれれば」と呼ぶ)わかりました。

 今回の場合に、相続人を確認するのに大変時間がかかりました。相続人の方の確認ができるまで、家賃相当額に当たるものをちょうだいしていたことは事実でございます。

穀田委員 いろいろ言いわけしているけれども、死んでからも八カ月にもわたって取っていたということは事実だということでありますね。もう情けない話、こんないいかげんな話があるのかと、私は怒りに、憤りにたえませんよ。なぜこんなことが起きるかと。

 それは、相続人がどうのこうのと言っているんだけれども、結局、事態は、いかにURが高齢者の居住者に対して配慮していないかという象徴的な出来事だと思うんです。私は、住宅と福祉の連携というんだったら、やはり福祉的観点が不足していたとして謝罪されなくちゃならぬ事態だと思うんですね。普通、そうですよ。そんなことを、理屈をあれこれ言ったって、そんなことは、まず、取っていたことに対してごめんと言うのが当たり前でしょうが。そういうまず謝りがないんだから、ここは。わかりましたやろ、大臣。うなずいていただいたとおりです。

 先ほど「たまゆら」の問題で述べたように、まさに東京は高齢者の住まいが不足しているということが事実です。

 今、尾見さんからお話があった花畑団地ですけれども、団地自治会の昨年の調査では、居住者は、七十歳以上の方が五三%、六十歳以上では八〇%を超えていると。新聞でも指摘されているように、まさに、いわゆる限界集落団地ともいうべき実態であります。

 一九六四年に入居が開始された、全体で八十棟、住居戸数は二千七百二十五戸の大規模団地であります。ところが、今では、入居者は約千七百戸弱、千戸以上が空き家になっています。九八年に、老朽化による建てかえ計画で新規入居募集が停止されたからであります。以来、十年たっても、建てかえもされずに、新規入居もない、バリアフリー化などの大規模な改修が行われたわけでもない。まさに意図的に放置されたままになっているというのが現実であります。

 一体、どうして放置しているのか。時間がないので、端的にお答えをいただきたい。

尾見参考人 できるだけ端的にお答えはいたしたいと思いますが、きちっと御説明をさせていただかないと、放置ということではないというふうに思っておりますので、それで申し上げます。

 まず、この団地については、三十年代の団地については建てかえをしていくという方針のもとに、平成十年に建てかえをするというふうな方向づけをいたしました。そのためには、居住者が移転するための空き家を確保する必要がありますので、募集停止を行いました。その間に建てかえの検討をしていたわけでありますが、我が国の、日本の経済社会が大きな曲がり角に来ました。少子高齢化が進展するというような中で、将来の住宅需要等についてこのままいけるのかどうか、そういう問題が出てまいりました。

 花畑団地につきましては、東京都内の団地でありますが、足立区の中の最北端にあるバス便の団地でありまして、従来と同じように全面的な建てかえをしていくことができるのかどうか、そういう検討をしてきたわけであります。

 それで、そういう過程の中で、全体の世の中の変動の中で、再編みたいなことについて考える必要があるという政府の行革の御方針などもございましたので、一部を建てかえて、既存のものは継続管理として活用していく、そういう組み合わせの団地として着手をしていこうというふうに方針を決めて、昨年の九月に地元に御説明に入った、こういうことであります。

 さらに、その間につきましては、建てかえるということが前提になりますので、安全、安心のための修繕とか、そういうもの以外は基本的に抑制するというようなことで、リニューアルについても、あるいはバリアフリーについても一部しか行ってきませんでしたし、外壁修繕とか防水も一部しか行ってこなかった、こういうことは事実でございます。

穀田委員 だから、要するに、十年間そういう形で結局のところ放置してきた、こういうことを、それを放置してきたと言うんですよね。わからない人だな。

 再生とか再編とか言っているという計画でいいますと、やはり居住者の方々が何と言っておられるのかということなんですよ。修繕すれば百年ももつ計画だと。しかし、今お話があったように、若干の、手すりを直したり、そんなのをやった程度で、ほとんど直していない、言ったとおりなんですね。十年間ずっと黙ってやっていたという事実が残っただけだと。だから、今、現に住んでいる居住者の意向に関係なくて、団地を縮小し、売却すると決めたというのが現実なんです。

 花畑団地は、千四百戸もの住宅を売却、解体する計画を進めているわけです。そこで、現に住んでいる居住者の住宅も確保されない。今お話があったように、解体する方と残す方があるわけだけれども、継続する棟に移っても、高齢者がエレベーターもない四階、五階に住まざるを得ない。高齢者の住宅のリニューアルも行われていない。

 例えば、二〇〇四年に、高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針というところで国土交通省は方針を出していますけれども、地域におけるコミュニティー形成及び世代間の交流に寄与するようURなどに指示しているわけですね、しているんですよ。ところが、それもやられていない。だから、とにかく、そういうのをまとめて言えば放置と言うんですね。それが一般常識なんです。

 そこで、私は改めて、再生事業については全面的に見直すべきだ、大もとにある再編方針というのはやめるべきだと思っています。したがって、今、雇用促進住宅の廃止決定は見直すことが、我々運動しまして、決まっていますが、同じように、派遣切りなどで居住するところのない労働者などに貸し出すべきだ。こういう全般的な大きな変化をもたらすべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。

金子国務大臣 今あるものであいているものについて、公営住宅あるいは雇用促進住宅も含めてなるべく職を失った方々に使っていただくというようなことは、今の景気の中で進めてまいりました。

 ただ、今の特定の団地についての状況は、私は全く事情がわかりませんものですから、一度話をしっかり聞いてみたいと思っています。

穀田委員 一度話を聞いていただくということでありましたので、私は本当はそのとおりだと思うんです。やはり居住者の意見もよく聞いてもらって、この十年間、尾見さんが言うように、実際には大したことをやらずに、まともなリニューアルもやってこずにやってきた。しかも、今どき、皆さん、建てかえでなくして、こっちに移してくださいといって、四階、五階に新しい、今まで住んでいたところから上へ上がって、エレベーターもなしでどないして暮らせますかいな。そういう点を言っておきたい。

 私は、最後に、高齢者が安心して暮らせる住まいと福祉を充実させるということをうたい文句にした法律が、今これでできようとしているわけですね。一方で、国交省が関与するUR住宅では、高齢者の声を聞かずにないがしろにする、まさにこれを是正することが法案の試金石だということを言いたいと思うんです。高齢者の住まいと福祉の充実というのであれば、まず国が率先してやるべきだ、現に住んでいる高齢者の住まいを改善することこそ大きな一つと位置づけてやるべきだ。

 したがって、私は、今述べました花畑団地の問題でいえば、現居住者の住宅の確保、二つ目に、バリアフリーを主張するならまずエレベーターの設置を、そして三つ目に、住宅のリニューアル、四つ目に、若者の新規入居などによる、そういう世代間の融合。

 もともとの国交省の方針をここでこそ実行すべきだということを述べて、質問を終わります。

望月委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

望月委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

望月委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

望月委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、福井照君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び国民新党・大地・無所属の会の五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。後藤斎君。

後藤(斎)委員 後藤斎でございます。

 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、お手元に配付してありますので、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 高齢者の居住の安定の確保の促進のためには、住宅分野と保健医療・福祉分野との連携に加え、金融分野等の関係分野との緊密な連携も重要であることから、関係省庁においては、それぞれの施策の連携強化に努めること。また、地方公共団体の関係部局においても施策の実効的な連携・調整が図られるよう、地方公共団体に対し、情報提供、助言などの支援を行うこと。

 二 既存住宅が適切に評価されるよう、鑑定・評価制度の改善・整備を図るとともに、優良な既存住宅への改修の促進、その流通の拡大に努めること。

 三 都道府県の高齢者居住安定確保計画の策定に当たり、地域における福祉・介護行政の主体である市町村の意見が適切に反映されるよう、基本方針等において明確化すること。

 四 持家を所有しない高齢者のみからなる障がい者、要介護者世帯など、居住の安定を図る必要が特に高い世帯について、居住状況等の実態把握に努めるとともに、適切な配慮がなされるよう基本方針等において明確化すること。

 五 高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅など、高齢者のための民間賃貸住宅制度の簡素化を図るとともに、地方公共団体及び関係民間事業者と連携しながら、高齢者にとって分かりやすく、使いやすい制度への改善を図ること。

 六 生活保護受給者等の低所得者に対して、高齢者向け賃貸住宅や老人ホームの供給など、住まいのセーフティネットの強化に努めること。

 七 賃貸住宅の供給の促進に当たっては、高齢者及び子育て世帯が適切な家賃負担で住み続けることができるよう、既存住宅のバリアフリー・耐震改修等によるストック活用に重点を置くとともに、家賃補助制度の充実について検討すること。

 八 今後の住宅政策の見直しに当たっては、将来の人口・世帯数の減少と世帯構成の変化を踏まえるとともに、地域経済の活性化等の観点からの検討を行うこと。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

望月委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

望月委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣金子一義君。

金子国務大臣 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様方、また委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 大変ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

望月委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

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望月委員長 次回は、来る十日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時八分散会


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