衆議院

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第16号 平成21年4月28日(火曜日)

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平成二十一年四月二十八日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 望月 義夫君

   理事 奥野 信亮君 理事 菅原 一秀君

   理事 中山 泰秀君 理事 福井  照君

   理事 山本 公一君 理事 川内 博史君

   理事 後藤  斎君 理事 上田  勇君

      赤池 誠章君    稲葉 大和君

      浮島 敏男君    江崎 鐵磨君

      小里 泰弘君    大塚 高司君

      太田 誠一君    岡部 英明君

      鍵田忠兵衛君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    杉田 元司君

      長島 忠美君    西銘恒三郎君

      原田 憲治君    松本 文明君

      盛山 正仁君   吉田六左エ門君

      若宮 健嗣君    石川 知裕君

      小宮山泰子君    古賀 一成君

      高木 義明君    馬淵 澄夫君

      森本 哲生君    鷲尾英一郎君

      高木 陽介君    谷口 和史君

      穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 一義君

   国土交通副大臣      金子 恭之君

   国土交通大臣政務官    谷口 和史君

   国土交通大臣政務官    西銘恒三郎君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  金井 道夫君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十八日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     浮島 敏男君

  長安  豊君     馬淵 澄夫君

同日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     亀岡 偉民君

  馬淵 澄夫君     長安  豊君

    ―――――――――――――

四月二十四日

 建設不況打開と資材高騰への緊急対策に関する請願(加藤公一君紹介)(第二〇三六号)

 同(馬渡龍治君紹介)(第二〇三七号)

 同(保坂展人君紹介)(第二一四五号)

 新たなタクシー制度の確立を求めることに関する請願(保坂展人君紹介)(第二一四六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)


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     ――――◇―――――

望月委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省道路局長金井道夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

望月委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 きょうは、質疑の機会をいただきました。きょうは、昨日急遽開かれることになりました国幹会議、これについてちょっと質疑をさせていただきたいと思います。

 昨日は、第四回国土開発幹線自動車道建設会議というものが開かれました。私も、この国幹会議、初めて傍聴させていただきました。衆参の国会議員十名並びに学識経験者十名、合計二十名によって開かれる会議でございまして、かつては国幹審と呼ばれたものであります。そこで各委員が議案の説明を受けた後に、それぞれ意見表明ないし質問をされるわけであります。

 昨日の国幹会議での議案は、幾つかございました。五号議案までございました。新たに整備計画を策定する区間について、これが一つ。そして、暫定二車線を四車線化にするということでの変更について、これが二号、三号という議案で、さらには、あと事務的な手続ということで、市町村合併等に伴う整備計画の変更について、これは四号、五号ということであります。

 これらの議案が出され、審議二時間ということでありましたが、私も傍聴させていただいて、驚きました。

 全委員が意見表明をされたんですが、例えば泉信也委員、全く説明がない、妥当性のデータを示していないじゃないか、こういった御意見や、あるいは鉢呂委員、これは先週の金曜日、急な招集だ、本来ならばこれは時間をかけてじっくり審議すべきだ、こういった御意見。また、保利委員からは、正直これではよくわからないと、非常に端的な御意見でありました。また、輿石委員、そもそも国幹会議の設定の仕方がおかしいんじゃないか。小沢委員からも、この国幹会議の持ち方がおかしいと。民間の委員からも厳しい御意見が出ておりました。これは早坂委員、きょうの会議はどう考えてもおかしいと。

 このように、ほとんどの委員の方々、ほかにも山本委員、細田委員、上村委員、皆さんがそれぞれ、説明責任を果たせ、国幹会議が幅広く機動的に開かれ、これを議論すべきだ、国幹会議での議論が十分ではない、こうした指摘をされておられます。

 そして、それに対しては、局長やあるいは大臣も答弁をされておられましたが、大臣御自身が、昨日の国幹会議では、形骸化の指摘がある、これについては検討していかねばならない、このようにおっしゃっておられるんです。

 大臣、まず、昨日、あの二十名の委員の方々が、あれほどまでに国幹会議のあり方、持ち方、開かれ方について否定的な、いや、むしろ、これはそもそもおかしいではないかという意見を出されましたが、これについて、きのうは、それを承ってというお言葉でしたが、今後、そのようなことのないように進められるということでしょうか。端的にお答えください。

金子国務大臣 きのう、国幹会議は様々な御意見が出されました。今の費用便益というのは都会に有利になっているのではないか、今度整備計画に上がった四路線については、都会集中、あるいは全国のバランスを欠いているのではないか、今度四車線化するという路線について、まだほかにもあるのではないか、もっと地方の声を聞くべきではないかというような、さまざまな御意見が出されました。

 それについて、私は、そういう問題、それから国幹会議のあり方、一番の、これは国幹会議ですから議長がおられますが、議長が取りまとめられたその中で強く感じたことでありますが、いろいろさまざまな御意見が出る中で、全体として、きのう決定されたものについては、合格者、これこれの理由でこの人は合格ですという説明はあるんだけれども、まだほかにもあるだろうと。いわば、これからの高速道路の整備の方法について広く全体計画を示して議論してくれよという御意見が中心だったと思います。

 そのほか、先ほど申し上げたように、事業評価の方法、手法がこれでいいのか。中には直轄負担金の話等々の御意見もありましたけれども、そういう問題についても、きのうの案件とは別に、国幹会議のあり方、それから数年に一遍きり開かないというのではなくて、いろいろなやり方があります。懇談会というようなこともあります。

 そういう意味で、我が国全体の高速道路のあるべき姿、あるいは今後の進め方ということについても幅広く議論をしていくように、国幹会議というものを位置づけて、そういう方向で進めたいというのが、きのう、私が国幹会議で申し上げたことであります。

馬淵委員 私も傍聴していますから、お聞きしていますよ。そういう意味不明な答弁はやめてください。

 私が申し上げているのは、国幹会議のあり方が全委員がおかしいと言っているのに、それに対して大臣は明確なお答えがなかったから、この委員会の席で、国幹会議、例えば機会もより短縮する。三カ月に一回でもいいじゃないですか。少なくとも事前に資料を配付して、一カ月に一回、二カ月に一回。そういった決意をお持ちですかと尋ねているんですよ。大臣、お持ちですか。イエス、ノーで答えてください。イエスかノーで答えてください。

金子国務大臣 いや、そんなイエス、ノーで答弁を求められるような話じゃありませんよ。

 それは、国幹会議には議長もおられるわけですから、今私が申し上げた、私も委員がきのう傍聴しているというのを承知の上でしゃべっているわけですから、それは、これからどう持っていくのかということについては、議長もおられることですし、委員もおられることですから、御相談をしながら進めていく。少なくとも、何年に一遍きり開かないということではないんだと。

 きのうも申し上げたのは、できるだけ早くこういう会を再び持ちたいということを申し上げた。それは、傍聴されているんだから聞いていただいているはずです。

馬淵委員 これは国交省が運営しているわけですから、議長は運営されているわけじゃありませんよね。議長は、議長の名で招集されていますが、国交省の運営です。国交省の判断なんですよ。

 昨日は、金子大臣が、ショートノーティスで判断できないという意見がある、そして資料が不足していた、次をできるだけ早く開くという言葉の後に、突然採決ですよ。議決をとる。これは議を尽くしたとは言いがたい。まあ、国幹会議というのはこういうものなのかということで、私は非常に勉強になりましたよ。

 そこで、金井局長、お尋ねします。昨日の四路線、区間四路線が決まりました。これらの予算規模は、総額幾らでしょうか。

金井政府参考人 予算規模、まだ実施計画になっておりませんので正確なものはございません。

 ただ、きのうも資料の中で御説明を申し上げましたとおり、東京外環については、おおむね全体事業費一兆二千八百二十億円、それから東関東道水戸線については、概算事業費全体、おおむね七百十億円、それから名古屋二環につきましては、全体事業費でございますが、約千三百五十億円、それから日沿道、酒田みなと―遊佐につきましては、全体事業費約三百十億円、全体事業費としてはこの程度のものを見込んでおります。

馬淵委員 基本計画の四区間について、環境アセス等、また地方公共団体との意思確認、これは公式ではないけれども、意思確認も行いながら、昨日、整備計画へとこれを格上げしたということであります。

 その概算の事業費は予算化していないということでありますが、概算で現時点でわかることは、今おっしゃっていただいた数値、合わせて一兆五千百九十億円、これだけの事業費の路線が整備計画として決定されたわけであります。

 さて、そこでお尋ねをいたしますが、このような事業計画、まだ予算化されていないということでありますが、少なくとも整備計画として今後国幹会議の議を経て大臣が決定をされるということであります。

 この整備計画に上がったもの、お手元に資料をお配りしておりますが、1をごらんください。これは、昨日国幹会議で配られた資料でございます。ここに整備計画として四路線、1の資料には四路線が表になって載っております。東京外環、東関東道、名古屋二環、日沿道。この四路線のうち、合併施行方式により、事業促進可能な区間ということで、ここには中段に米印で、合併施行方式で三路線、また日沿道は直轄方式、このように書かれています。

 局長の方でお願いします。合併施行方式においてこれら三路線を整備するというのは、どういう手法を言うんでしょうか、端的にお答えいただけますか。

金井政府参考人 合併施行方式でございますが、これは昨日も御説明を申し上げましたとおり、現在、例えば東京外環でありましても、有料道路だけで現在の料金水準で償還をするということは到底不可能でございますので、直轄の事業と組み合わせまして、おおむね用地その他の、最初、直轄事業で用地買収、一部の構造物をつくった後に有料事業者に引き渡しをして、有料道路者が管理するということによりまして、いわゆる有料投資額を減少させまして適切な料金で償還を可能にする、そのようなシステムであると理解をいたしております。

馬淵委員 実は、これは第四回国幹会議ですが、第一回の国幹会議において、当時の佐藤道路局長がこのように述べられております。これは第一回なんですが、「整備計画の決定時、これからは本日を皮切りに、有料道路のグループですが、日本道路公団による整備、あるいは将来、民営化会社ができましたら会社による整備というものと、そして新直轄方式による整備ということで、無料道路として新直轄方式で整備する、こういうふうに分かれるということが、本日を皮切りにこれから予定されるということであるわけでございます。」こう説明されているんですね。

 今、新直轄という言葉が出ましたが、これはいわゆる新直轄、ここで言うところの直轄道路です。これについては税を投入して無料、その他の道路に関しては、これは当時は道路公団、現時点においては道路会社、民営化会社がこれを施行し、そして有料化する、こういう整理をされていたわけであります。これが第一回の国幹会議の中でも道路局長がお述べになられた。

 しかし、今回、この国幹会議というのは、高速自動車国道の建設を決定していく、これを諮っていく場でありますが、そこで合併施行方式、今、金井局長からお話がありました。採算性をかんがみてこれは税を投入するということであります。

 このような形でつくられるということが、今日までは一切議論をされていなかった。少なくとも整理としては、税を投入する場合は無料だ、これが直轄道路、新直轄と呼ばれていました。そして、税を投入しないからこそ有料化道路として、受益者負担ということで高速道路会社が施行していく、つくっていく、こういう整理がなされたはずであります。

 にもかかわらず、今回、合併施行方式でこの高速自動車国道三区間を施行するということについては、これは大きく方針転換したということですか。金井局長、お答えいただけますか。

金井政府参考人 先生御指摘でございますが、従来、御承知のとおり、高速自動車国道は有料道路方式だけで事業をしておりました。一部その中に、例えば出資金であるとか利子補給であるとか国費が入っておりましたけれども、基本的に有料道路事業で高速道路は行うというやり方をやっておりました。

 その中で、民営化の中で、このまま推移しますと償還できないのではないか、後世に大きな国民負担を残すのではないかという議論がありまして、償還を精査しました上で、いわゆる有料道路事業でやる部分、この部分には国費を基本的に投入しない、それから、それで償還できない部分について新直轄事業として無料で行うという整理をさせていただいたものというふうに理解をいたしております。

 なお、高速自動車国道については今申し上げたとおりでございますが、そのほかの一般国道の自動車専用道路でやっております高規格幹線道路については、有料道路にいたすものについては先ほど御指摘の合併施行で、採算分だけ有料投資限度額を投入して、残りが直轄その他の公共事業で実施をするというやり方を従来からとらせていただいた状況でございます。

馬淵委員 それはもう私が先ほど第一回の佐藤局長の答弁で申し上げたように、これは整理されているじゃないですか。方針を転換されたということなんですか。

 では、私、一つ確認しますよ。一般国道に関しては、自動車専用道路、これは合併施行方式はあります。では、高速自動車国道については、過去にありますか。金井局長、端的にお答えください。

金井政府参考人 高速自動車国道については、今までございません。

馬淵委員 ないですね。それは、ずっと政府が、国交省がおっしゃってきた受益と負担の関係があるからだ。これは金子大臣もいつもおっしゃっていたんですよ。受益者の負担、これは当然ながら、その便益を受けているんだと。受益と負担の関係があるからだ。だから、これについては、高速自動車国道については投入しなかったんですよ。それを今回崩されるということでしょうか。

 そこで、金井局長、まず、事実の確認です。合併施行方式で昨日区間決定がなされた三区間、東京外環、東関道、そして名古屋二環、これらについては合併施行方式で行うという決定がなされたということでしょうか。事実関係の確認です。

金井政府参考人 合併施行方式については、事業のやり方でございますので、国幹会議で議決された内容というふうには理解をいたしておりません。

 一方、今御指摘の三路線については、自治体の方からぜひ有料管理にしてくれという強い要望がございました。したがいまして、この先、また自治体の方とも正式な協議をいたしますけれども、自治体の方の御要望、それから高速会社の方の希望、そういったものも勘案いたしまして、最終的にどのような事業計画にするのかということを今後決定させていただければと思っております。

馬淵委員 国幹会議ではこれは決定事項じゃないんですね。整備手法の検討について説明されただけなんです。そして、これについては今後決定するということでありますが、ここでは既に、国幹会議の場では合併施行方式で高速自動車国道を初めてつくることを示しているわけですよ。決定はしていないというお話でした。

 では、確認いたします。昨日路線区間を決定したこの三区間、外環道、東関道、名古屋二環、ここで示されたBバイCについては、有料で計算されているんですか、無料で計算されているんですか。

金井政府参考人 BバイCの算定に当たりましては、その三路線について有料を前提に、したがいまして、交通量の算定において有料道路ということが含まれた計算を行っているということでございます。

馬淵委員 決定はしていないと言いながらも、もう、BバイCがこういう数値になりました、これは説明がありました。昨日も、配られた資料の中にありました。BバイCが、交通需要推計が低下する中で、外環道が二・九、東関道一・五、名古屋二環一・九、こういう形でBバイCが出ましたと。これは整備すべき区間ということで示されているんでしょう。

 しかし、その前提として、BバイCの計算の前提となる交通量に関しては有料道路で計算されているんですよ。有料と無料では全然変わりますからね、配分交通量、料金抵抗によって弾性値で大きく変わりますから。これは有料道路で計算したBバイCを載せて、その上で合併施行方式ということを示して、これはまだ決まっていませんと言っていますけれども、これは決まっているじゃないですか、現実論として。

 国幹会議の議を経て大臣が決定する、国幹会議の決定ですべてが決まるわけではないと昨日も国交省は御説明をされました。これはまさに詭弁ですよ。国幹会議の議を経て大臣が決定する、国幹会議の議の中で、合併施行方式で高速自動車国道を初めて税投入してつくることになるじゃないですか。大きな方針転換じゃないですか。

 今まで、少なくとも、昨日も金子大臣、私のことも言っていただいたようでした、高速道路無料化論に関しても国会でも十分な審議をしたと。いや、十分じゃないですよ。全然御理解いただいていない。受益と負担の関係があるから、このことをずっとおっしゃっていた。受益と負担の関係は、これはみずから国交省、政府が崩して、高速自動車国道をつくろうとしているじゃないですか。

 これは何と呼ばれているか御存じですか。この合併施行方式については、これは薄皮まんじゅう方式などとも呼ばれているんですよ。国の分担はあん、公団あるいは道路会社の分担をまんじゅうの皮に見立てて、つまり、高速道路会社が薄皮の部分だけちょっとお金を出す、あとは大半税金という形でつくる、だけれども、これは道路会社もお金を出しているから有料化、合併施行方式。薄皮方式ですよ、これ。

 これを大きく方針転換したということですかとお尋ねしているんです。金井局長。

金井政府参考人 合併施行方式につきましては、民営化の際にもいろいろ御議論をいただいておりますが、今、薄皮という御指摘がございましたが、投資限度額が一定以上見込めるものを基本に採用するということが今後のルールかなと思っております。

 なお、薄皮という言葉がよくございますけれども、建設費にかかる部分でございまして、管理費は当然有料道路事業の中から支弁されていくものでございますので、今回、三事業について自治体が特に有料という御希望を出されている背景には、この管理費が基本的にかなり有料道路事業で負担をされる、さらに一定部分、建設費についても有料道路事業で支弁できるということで、大幅に公共事業の支出が削減できるということで希望されているものという理解をいたしております。

 なお、委員たびたび御指摘のとおり、高速自動車国道で合併施行方式を投入するのは今回初めてでございますので、そういうことで、国幹会議におきましても、何度も申し上げます、審議事項ではございませんが、こういうやり方をすることが望ましいのではないかということを前提として、少し御説明を申し上げたところでございます。

馬淵委員 これは大きな方針の転換を議案としてではなく説明して、二時間の会議で事前に資料も配らずに、これをしれっと通しているんですよ。これは本来なら予算委員会で徹底的に議論すべき内容ですよ。今年度予算じゃないというお話かもしれませんが、少なくとも方針転換じゃないですか。

 お手元の資料2をごらんください。これは平成十三年十二月十九日の閣議決定における特殊法人等整理合理化計画というものであります。これは、当時の道路公団等の民営化に際して決められたことであります。

 これをごらんいただきますと、この「公団」というのは、日本道路公団、首都、阪神、本四とありますけれども、これらの民営化に際して、「事業」、これは、「国費は、平成十四年度以降、投入しない。」このように閣議決定をされています。事業というのは、当然ながら道路建設であります。閣議決定で平成十三年十二月十九日に決定している。

 この決定を覆すことになるのではないかということで、実は我が党の高山委員が質問主意書を提出しております。これが3の資料でございます。

 高山委員の質問主意書は、これは答弁書だけですので、質問主意書の方だけちょっと私の方で読みますと、これは、今般、二兆五千億、割引のためのお金の投入のことでありますが、そこで高山委員が、民営化されたときの趣旨に沿ってということで、高速道路の建設等を料金収入によって賄っている、しかし、引き下げることと引きかえに道路特定財源を投入するという動きが見られるということで、これは、民営化の趣旨からすれば到底受け入れることはできないものと考えるが、政府の見解を明らかにされたい、こういった質問です。長いので割愛しますが。

 これに対する政府の答弁がここに書いてあるんですね。ちょっとアンダーラインのところだけ読みますと、高速道路の新規の路線の建設や各高速道路株式会社の経営の支援を目的とするものではないことから、民営化の趣旨に反するものではない。つまり、今回、二兆五千億円のお金というのは、これは高速道路の新規の路線建設に使うんじゃないからいいんだ、こういう主意書の答弁を出されているんですよ。

 しかし、先ほどの合併施行方式というのは、まさに新規の道路建設にお金を使うことになるじゃないですか。そうすると、この文言どおりいけば、民営化の趣旨に反することをするということになるじゃないですか。民営化の趣旨に反することをするということは、すなわち、資料2の閣議決定の平成十三年十二月十九日、この閣議決定の趣旨に反することをされようとしているじゃないですか。

 金井局長、お答えください。

金井政府参考人 若干解説いたしますと、民営化の際の議論と申しますのは、いわゆる有料国費という言葉があるのでありますが、いわゆる旧道路公団に、道路公団の意思に反していろいろ国費を入れて、有料の条件を緩和して、それでどこまでも建設をしてしまうと、将来にチェックが働かずに、将来償還が不可能になるのではないかというのが、基本的な民営化のときの趣旨であるというふうに理解をいたしております。

 要するに、その有料主体の自主的判断が働かずに、国がその有料主体にどんどん金を入れ続けて、新しい路線を、どんどん不採算路線をやり続けていったら、将来不採算になって、国民負担になるのではないかという議論で、そういったことで、こういった国費不投入であるとか、そのような原則が決まっておると理解をいたしております。

 国費不投入というのは、そういうことで、有料主体へのいわゆる有料国費の投入は見合わせるべきである、それによって、どこまで投資限度額を出るのか、どういう建設をどこはやってどこはやらないかということを有料主体自体がみずからの責任で判断しろということが民営化の趣旨であるというふうに理解をいたしております。

 例えば民営化推進委員会の報告書を見ましても、建設スキームとして採用し得るケースとしては合併施行が一番上に上がっておりまして、一方、建設スキームとして採用すべきでないケースについては、さっき御指摘のとおり、有料国費を会社の方に入れて建設をする、それは会社の自主性を損なうからだめであるというような御判断であったかなというふうに理解をいたしております。

 したがいまして、今回につきましても、いわゆる有料国費を会社に投入して、償還とかその辺を不透明にしてどんどん建設するということは、厳に慎むべきことということでやっておりませんけれども、合併施行として会社の持ち分を明確にして、残りを新直轄とかそういった公共事業で実施することについては、民営化の趣旨に基本的には反していないのではないか、そのように理解をしているところでございます。

馬淵委員 いろいろ長々答弁されていますが、要は、もともと決めていたことを変えて、国費投入して道路をつくろうという話に変わっているわけじゃないですか。方針大転換ですよ。

 ここに基本計画、今は整備計画に格上げされましたけれども、外環道、基本計画では、建設主体は国土交通大臣または道路会社となっているんですね。今回は、またはじゃなくて、もう両者が事業主体になることになるんですよ。

 このように、基本計画で書いてきたことを変えて、合併施行という今までやったことのない、高速自動車国道でやったことのないことをやろうとしている。それは方針の大転換である。

 もう時間がありませんけれども、金井局長、一点、ちゃんと答えてくださいよ。すなわち、受益と負担の関係は完全に崩れたということですね。受益と負担の関係を、今回は、この三路線三区間については、これは認めない。そのことについては、もう事情は結構ですよ、今回はこの受益と負担の関係ということはもうなくなったんだということでよろしいんですね。

金井政府参考人 今回の三路線につきましても、一般財源化はされたわけでございますけれども、地域の必要性に応じた事業をするということが一つ。それから、有料道路事業を導入する場合には、当然、今御指摘の、需給関係を反映して適切な投資限度額で有料道路事業をするということかなというふうに考えておるところでございます。

馬淵委員 時間が終わりましたけれども、また引き続き予算委員会でさせていただきます。

 ありがとうございました。

望月委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時一分散会


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