衆議院

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第2号 平成21年11月18日(水曜日)

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平成二十一年十一月十八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 川内 博史君

   理事 阿久津幸彦君 理事 小泉 俊明君

   理事 田中 康夫君 理事 橋本 清仁君

   理事 村井 宗明君 理事 岸田 文雄君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 高木 陽介君

      阿知波吉信君    石井  章君

      加藤  学君    勝又恒一郎君

      金子 健一君    神山 洋介君

      川島智太郎君    川村秀三郎君

      菊池長右ェ門君    熊田 篤嗣君

      黒岩 宇洋君    小林 正枝君

      高井 崇志君    橘  秀徳君

      中川  治君    中島 正純君

      中野渡詔子君    長安  豊君

      畑  浩治君    早川久美子君

      本多 平直君    馬淵 澄夫君

      三日月大造君    三村 和也君

      向山 好一君    森山 浩行君

      谷田川 元君    山本 剛正君

      若井 康彦君    赤澤 亮正君

      金子 一義君    金子 恭之君

      北村 茂男君    古賀  誠君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      野田 聖子君    林  幹雄君

      斉藤 鉄夫君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    柿澤 未途君

      下地 幹郎君

    …………………………………

   国土交通大臣       前原 誠司君

   財務副大臣        峰崎 直樹君

   国土交通副大臣      辻元 清美君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   国土交通大臣政務官    三日月大造君

   国土交通大臣政務官    藤本 祐司君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  佐藤 直良君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  金井 道夫君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  前田 隆平君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十八日

 辞任         補欠選任

  石井  章君     金子 健一君

  神山 洋介君     山本 剛正君

  中川  治君     本多 平直君

  中島 正純君     中野渡詔子君

  若井 康彦君     高井 崇志君

同日

 辞任         補欠選任

  金子 健一君     橘  秀徳君

  高井 崇志君     若井 康彦君

  中野渡詔子君     森山 浩行君

  本多 平直君     中川  治君

  山本 剛正君     神山 洋介君

同日

 辞任         補欠選任

  橘  秀徳君     石井  章君

  森山 浩行君     中島 正純君

    ―――――――――――――

十一月十八日

 外環道の青梅街道インターチェンジ計画に関する請願(木内孝胤君紹介)(第二二七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

川内委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省河川局長佐藤直良君、道路局長金井道夫君及び航空局長前田隆平君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんでしょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

川内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井宗明君。

村井委員 民主党の村井宗明です。

 政権交代後初の国土交通委員会で前原大臣に質問できることを光栄に思います。そして、今、どんどん前政権とは違う新しい取り組みをしておられる大臣には本当に心から敬意を申し上げますとともに、大臣が今進めております八ツ場ダムの見直しについてお聞きをしたいと思います。

 きょうは、皆さんに資料を配らせていただきました。

 八ツ場ダムの砒素隠ぺい問題が新聞やテレビなどで最近報道されるようになりました。このことについて、きょうはちょっとお聞きをしたいと思っています。

 新聞に出ているのは、八ツ場ダムで基準値を大きく上回る砒素が検出されていたにもかかわらず、長い間、ダム事業が中止になるおそれがあるからという理由もしくは風評被害があるからなどという理由で、国民の安全性にも重大な影響を与えるにもかかわらず、ずっと非公表にされていたのはなぜだろうかということに関心が集まっています。

 きょうここでお話をしたいのは、新しい事実として、この水質調査の取りまとめをしていたのが天下り法人であったということについて質問したいと思います。

 資料一枚目のところで、おおよそのことを書いてきました。

 何と、平成六年から環境基準を上回るようなものが起こっていたのに、公表されていなかった。そして、平成十八年には、一回一回の調査では基準値を百倍上回るのも出ていた、年平均ですら基準値を十二倍も上回っていたにもかかわらず、なぜか公表されなかった。三点目、この八ツ場ダムの環境影響検討業務は、すべて財団法人ダム水源地環境整備センターという天下り法人に随意契約をしていた。四点目、その天下り法人には、七人、国土交通省から天下り。五点目、そこの落札率は何と九九・四二%、こんな異常な数字が上がっていた。そして、このダム水源地環境整備センターという団体は、一応公平中立に、推進か反対かとまるかも含めて公平中立に検討するのが仕事であるはずなのに、何とこの財団法人は、ダムを受注し建設しなければならないという工事会社から資本を出してもらってダム推進のためにつくられた財団法人だったというところが大きな問題だと私は思っています。

 次のページをおめくりいただいたらいいと思います。こうやって、朝日新聞、もちろんそれ以外の多くの新聞でもこの問題は大きく取り上げられ、テレビなどでも報道されています。

 まず、一点目の質問をしたいと思います。

 今回は、マスコミが独自で入手し、先行して公表されていった経過がありますが、マスコミが報道されてから、その次のページのような数字が私ども国会議員の手元にすらようやく来た形になっていますが、今後は、八ツ場ダムについて、水質が環境基準値を超えた場合は、たとえ国交省が推進してきたダムに不利になったとしても公表すべきだと思うんですが、どうお考えでしょうか。

前原国務大臣 村井委員にお答えをいたします。

 情報というものは国民にすべからく提示をしていくということが大事なことだと考えておりまして、今委員の御指摘のありましたように、今後はできる限りこういった情報について開示をしていきたい、このように考えております。

村井委員 一問目は八ツ場についてだけお聞きしましたが、実は、国交省が推進している全国のほかの事業でも同じようなケースがあるのではないかと私は思っています。

 今回、八ツ場ダムは大臣が中止も含めて見直しの方向へしておられますが、国交省が進めようとしている事業であったとしても、もしその事業推進に不利になったとしても、環境基準を上回った場合は、包み隠さず、隠ぺいせず、公表するべきだ、特に調査してわかった時点ですぐに公表するべきだと思うんですが、ほかの事業についてもどう思われますでしょうか。

前原国務大臣 御指摘のように、同様に情報公開をしっかりしていきたいと考えております。

村井委員 まさしくそこが、前原大臣になられて、本当に今までと違う、隠ぺいせずに国民に堂々と公開していく新しい政権になったなと、本当に多くの国民は感心しておられると思います。

 そして、次のページへ行きたいと思います。

 吾妻川の砒素濃度について。ようやくこの資料が出てきたわけです。今まで、税金をかけて調査をしていたにもかかわらず、なぜか公表されなかった。そして、この配った数値というのは、あくまで年平均なんです。それ以外も単独の資料で、取り扱い注意と書いてあるので、マスコミの皆さんのカメラが回っておる前で出してはだめなのかもしれませんが、こうやって一個一個の調査結果を見ると、何と、そのときに環境基準の百倍を超えるようなものまでどんどん出ていて、なぜ公表されなかったのかということを私は本当におかしく思うんですが、大臣が今後は公開されるということなので、ぜひその後、記者さんなどもこの資料を手に入れて公表していただけたらと思います。

 そして、資料三、次のページへ移らせていただきたいと思います。

川内委員長 村井君、なぜ公表されなかったのかと思うんだったら聞かないと。

村井委員 はい。

 では、委員長のアナウンスがありました。大臣、ぜひ。なぜ公表されなかったと思われますか。どうでしょうか。

前原国務大臣 村井委員の質問なのか川内委員長の質問なのかよくわかりませんが、今までどういった経緯で公表されてこなかったのかということは、内部でしっかりと調査をさせていただきたいと考えております。

 いずれにしても、今後、鳩山政権においては、しっかりと情報公開をしてまいりたいと考えております。

村井委員 ぜひ、そうやって調査していただきたいと思います。

 実は、私が国交省に聞いたときは、いや、これが漏れると八ツ場ダムが建設中止に追い込まれるからではなく、風評被害を恐れるからですと言われたんですが、本当はどうなのかはわからないんですが、ぜひ内部で調査してください。

 そして、この資料三。では、この水環境影響検討業務、ここからは新聞になかった話なので新しい話なんですが、実は、これを調べてみると、ある財団法人、しかも、とんでもない天下り法人に丸投げをしていた、しかも、随意契約で発注をしていたということです。

 これは平成十八年の分だけ資料に出させていただきましたが、その次のページをおめくりいただいてわかりますように、資料四のところへ行きます、平成十六年から、実はもっとさかのぼってでも同じように、五年間しか一応資料の保管義務がないという国交省の言い分、本当かどうかよくわからないんですが、とりあえず、そういう名目のため、五年分しか出せませんと言われたのでこうなっていますが、それよりも前から、どうやらこの財団法人が随意契約で受注をしておられたようです。

 さて、その資料四を見ますと、平均落札率九九・四二%、聞いたこともないようなとんでもない落札率となっています。本当に不思議です。そして、その右側、天下りを受け入れた数、国交省から何と七人も天下っているわけです。

 さて、平成六年の時点ではまだこの業務があったかなかったかよくわからないようですし、このダム水源地環境整備センター、一体、ほかのダムでも同じようにここが全部随意契約で請け負っているのかどうかは、今後、国交省で調査をし、そして公表していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

三日月大臣政務官 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、平成六年の時点でこの八ツ場ダム建設事業の環境影響検討業務がどのような形で行われていたのかということについては、残念ながら確認はできておりません。ただ、全国における環境影響検討業務をこのセンターがどのような形で請け負っていたのかということについては、現在調査中です。昨日夕方、通告をいただいて以降、鋭意検討してまいりましたが、現時点ですべてまだ確認ができておりません。

 今までわかったところでは、御指摘のとおり、かなり多くの部分をこの財団法人ダム水源地環境整備センターが請け負っております。ただ、一部民間の企業も研究所も請け負っているところがあります。すべてこの特定の公益法人が請け負っていたという状態ではないんですけれども、いずれにいたしましても、この結果が取りまとめられた以降、速やかに情報を公開してまいりたいというふうに思っております。

村井委員 少なくとも今回は、この八ツ場建設が中止に追い込まれるかどうかの大きな議題であった砒素隠ぺい問題、水環境について発注した業者が非常に不透明な、そして不自然な形であった。だから、これをきちんと今後見直すと同時に、八ツ場ダム以外でも同じくこの業者、正確に言うと天下り法人に発注し続けることがいかがなものかということをきちんと私は見直していただきたいと思いますし、ぜひ、三日月大臣政務官がおっしゃられたように、後日ちゃんと公表していただけたらと思います。

 さて、次の資料五へ参ります。

 きょう問題となっている八ツ場ダム砒素隠ぺい問題にかかわっていたこの天下り法人の役員名簿です。理事長の方を見てみると、元国土交通省河川局長、常勤理事三名、それぞれみんな元国土交通省の方です。

 さて、政務官にお聞きしたいと思います。この理事長の年収は幾らでしょうか。そして、常勤理事の年収はお幾らだったんでしょうか。

三日月大臣政務官 お答え申し上げます。

 当該財団の理事長と常勤理事の年収というお尋ねだと思いますが、当該法人の理事会の議決を経て理事長が定めました役員の給与の支給に関する規程によって役員給与の年収額の上限を試算いたしますと、理事長が千七百三十九万円、理事におかれては千五百九十万円となりますが、実際の額は、これを超えない範囲内において理事長が当該理事の職務内容等を考慮して定めることとしております。

村井委員 まさに、千七百三十九万円もいただいておられて、本当に国民にとって重要なもの、国民の命や健康にかかわることを公表しなかったということは、私はいかがなものかと思います。

 そして、大臣に質問したいと思います。

 本来、この水環境検討業務というのは、国民に公表しながら、水質環境調査をちゃんと検討し、公表し、そして国民の生命財産、命を守ることが義務である、そういう仕事を振っているわけですが、そこの常勤四人全員が国土交通省の天下りであることは私は非常に不自然だと思いますし、大臣は、今後もこの財団法人、四人とも全員が天下りであるべきだと思いますか、どう思われますでしょうか。

前原国務大臣 まず、この財団法人ダム水源地環境整備センター、村井委員が提出をされた資料四でございますけれども、随意契約でずっと行われている。初めは、競争性なしということで特命随意契約という形で仕事が行われていて、我々が野党のときに民主党が、特命随意契約はやめるべし、会計法上の競争入札に付すべきであるということを国会で指摘して、そしてこういった公益法人も含めて会計法上の競争入札というものが適用されることになったのであります。

 しかし、まだまだ脱法といいますか脱法的な行為が行われていたのは、競争入札の条件を、ハードルを高くして、結果的にこういった財団法人しか仕事がとれないという形にして、村井委員が示されている競争性ありの随意契約、つまりは、ここしかとれないような条件を付して、そして結果として随意契約になっている、こういうケースが、この財団のみならず国土交通省所管の公益法人には多々見受けられます。

 我々は、この政権では、まずはこういった他の民間企業と競合して入札に入るようなものについて申し上げれば、まず、競争条件というものを、公益法人に有利にならないような競争条件にまず見直していくということと、そもそも、民間企業ができることを公益法人が民間企業と競争して仕事をとらなきゃいけないのかどうなのかということで、こういった公益法人についてもゼロベースで見直していくということをやっていきたいと思っております。

 あわせて、今御質問のありました天下りについては、これは鳩山政権ではなくす、あっせんも含めて全部なくすということでありますので、今後については、もちろん公務員制度改革をやらないと、早期勧奨退職に基づいた天下りが行われていて、これをなくすということになれば、今の役所の人たちのいわゆる雇用をどうするかという問題もありますので、そういった公務員制度の改革をしっかり行った上で、しかし天下りはなくしていくということで、今御指摘のようなこういったことは民主党政権では今後一切あり得ないということは、断言をさせていただきたいと思います。

村井委員 私も前原大臣と本当に考えも近く、そして大臣のその行動を本当にすばらしいと思います。

 その上で、ちょっと今の話に加えてお聞きしたいと思うのが、企画競争入札というものなんですが、実はこれで、本当に実態を調べてみると、企画競争入札ですといいながら、一般競争入札と違い、実際財団法人にしか発注しない。今回の八ツ場も、実は、ことしの分は今までの随意契約ではなく企画競争入札に変わったんですが、実際、なぜかこの天下り法人しか入札に入ってこないわけです。

 さまざまな企画競争入札を現場の業者に聞いてみると、いや、実際、企画競争入札というのは、値段でやり合う一般競争入札と違って、企画書で決めるんだと。企画書で決めると、国土交通省のOBそして決定権者の元上司が理事長などをやっているところが必ずとってしまって、実際は勝てないんだ、だから民間企業は参入してこないんだということをよく聞きます。

 私は、なぜか天下り法人、特に、その判断する担当者の元上司が天下った法人が圧倒的に勝っていくこの企画競争入札なるものを見直していかなければ、こういったものが次々と、その企画競争入札なる名目をつくりながら、今後もこういった財団が次々と仕事をとり、仕事をとっては国交省の有利になるような情報の隠ぺいなどをするおそれがあると思うんですが、大臣はどう思われますでしょうか。

前原国務大臣 これも委員御指摘のとおり、企画型の競争入札あるいは公募型の入札、あるいは総合評価方式と言われるもの、すべて見直していかないといけない、このように思っております。

 つまりは、特命随意契約はだめだということで、それが変わっていったのはよかったんですが、いろいろな条件をつけたり、あるいは決定プロセスが不透明である、あるいは恣意的に点数を高くして、これは総合評価方式なんかで見られるパターンでありますけれども、結果として、天下りを受け入れている公益法人や株式会社が仕事をとっているケースというのが多々見受けられます。

 特命随意契約から企画競争に変わったんだということですべてがよしということではないと思いますので、今御指摘のあったことも含めて、すべての入札方式の透明性、公平性を高めるための取り組みをしっかりやっていき、また、委員会でしっかりとそれについての評価をしていただきたい、このように考えております。

村井委員 今大臣がおっしゃられた入札改革をされると、本当にまじめにやっておられる民間の建設会社からは、拍手喝采、そして大臣すばらしいという声が必ず起こると私は確信しています。

 天下りを受け入れなければ企画競争入札には参加したって意味がない、結局その部下がどこの企画書がいいかを判断している今の現状を、ぜひ大臣は直す改革をやり、そして今の民間の建設会社も天下り財団法人と十分公平に戦っていける、そういう入札改革をしていただきたいと思っています。

 民間企業の方が安く出しているのに、実際、総合評価方式といいながら高い天下り法人に発注するだとか、その天下り法人が実際仕事をせずに、その安い入札で参加してきた民間企業に、とった後、そのまま間で中抜けをして丸投げをするような、こういったことはあってはならないと思います。

 そして、次のページへ行きたいと思います。資料六です。

 財団法人ダム水源地環境整備センター、これは財団法人なので出資じゃなくて出捐というんですが、どこがお金を出してつくられた財団なのかを調べてみました。「確約書」という下のところを見てわかるように、まさにダムを建設する企業がダム建設の理論武装のためにつくった財団法人ではありませんか。これで、八ツ場ダム、本当に公平に水質調査などができるのでしょうか。私は本当に疑問に思いました。

 そして、ずらっと並べたこの様子、まさに、日本のありとあらゆるダム建設受注企業が集まってつくっている。この財団法人に、本来、公平中立で、ダムをつくるかどうかも含めて客観的に水質調査をするはずだった仕事を随意契約で委託していく。これは本当に公平なんでしょうか。

 例えば、裁判では検事と弁護士がいます。裁判官が検事と兼任するということは、これは不公平と言えます。もちろん、このダム事業においても、賛成派のこういった会社の方々、そして賛成派の国土交通省の天下りの方々、その一方で、反対をしてきた住民、両方の声を公平中立に判断する調査機関が必要であるはずなのに、その調査機関、随意契約で受けた調査機関が、一方のこういったダム受注企業からの多くのお金、何と、合わせて十億七千万円もらってできている財団法人。これが公平なのか中立なのかということです。野球に例えれば、巨人と中日で試合をやっていて、審判が幾ら公平にやっていますと言っても、巨人の全選手からお金をもらっている審判には信頼は集まりません。

 私は、このダムの水源の環境調査を公平中立にやる機関がダム建設受注企業からこれだけお金を集めてつくられているということが非常に不公平だと思うんですが、どう思われますでしょうか。

馬淵副大臣 村井委員にお答えいたします。

 こちらへ御提出いただきました資料六、この財団法人への出捐金の会社のリストということでございます。

 昨日御通告をいただきまして、当省といたしましても、中身についてということで確認をさせていただきましたが、本日現段階で、詳細については、この御指摘の資料を見て、今確認をさせていただいた次第でございます。

 この出捐金、御指摘のように、ゼネコンあるいはコンサルタントということで出資者が募られております。こうした基本財産を出捐金という形で出されたゼネコンあるいはコンサルが受注企業であるかということにつきましては、現時点において調査をさせていただかなければならないと思いますが、まず一点申し上げられることは、御指摘のような形で、万が一、特別利害関係者とする者がこうした形で深くその基本財産にかかわるようなことがあれば、これは当然ながら、その随意契約などの過程において何らかの疑義が指摘されてもいたし方ない部分であることを承知しております。

 しかしながら、こうした公益法人に関しましては、先ほど大臣が御説明させていただきましたように、抜本的な見直しということも今後図ってまいりたいと思っております。また、今次におきましては、こうした受注に関して、公益法人であろうが民間企業であろうが、公正性をしっかりと確保、担保しながら調査業務を行わせるということが私ども省としての基本的な方針でございますので、御指摘の部分につきましては今後も維持向上に努めてまいりたいというふうに考えております。

村井委員 馬淵さんにさらにお聞きしたいんですが、少なくとも、一方の野球チームの選手全員からお金をもらっているような審判員は、審判としては不適格だと思います。

 私は、今後もこの財団法人に事実上の随意契約で発注し続けて、もちろん、この財団法人がこういったダム受注企業からお金をもらい、ダム建設のための理論武装をする団体として存在し、そこがさまざまなロビー活動などをするのは勝手だと思うんですが、少なくとも、ダム受注企業の資金によって成り立ったところに公平中立な検討業務を委託するということは非常におかしいと思います。

 そういった意味で、ぜひ今後、ここだけとは限らず、この八ツ場以外の発注も、もっと公平中立、透明な発注の仕方を検討していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

馬淵副大臣 これも先ほど申し上げましたように、この財団のみならず、我が省が所管いたします公益法人に関しましては、抜本的な見直しに政権として取り組む、そして、大臣の御指示のもと、この見直しに今取り組んでおるところでございますので、この財団ということでの特定のものではなく、抜本的な見直し、そして改革に取り組ませていただくことを皆様方にお伝えしたいというふうに思います。

村井委員 そうしたら、最後の資料七へ、一番最後のページです、おめくりいただいたらと思います。

 前から八ツ場ダムは天下りの聖地だということをよく聞いていたんですが、実際、八ツ場ダムにどれだけ国交省から天下りをしているのか、調べさせていただきました。いやあ、驚きました。確かに、多くのマスコミの方々が八ツ場ダムが天下りの聖地だと言っている事実、本当にこうやって数字で見てみると、何と、この五年だけで九十三人も天下っている。まさしく天下りダムというふうになっていたわけです。

 私は、この八ツ場ダム、こうやって次々と天下りをしていることは不自然じゃないのかというふうに思うんですが、大臣は、この八ツ場ダム受注関連企業の会社に片っ端から天下っているこの現状について、どうお感じでしょうか。

前原国務大臣 今までのこういう官と民のいわゆる癒着構造というものは、断ち切らなければならないと考えております。

 民主党政権、鳩山政権におきましては、公務員の再就職については、府省庁によるあっせんを直ちに禁止して、また、官民人材交流センターによるあっせんも特定の場合を除いて一切行わない、こういった方針で臨んでまいりたいと思っております。

 今後は、こういう天下り、事業をやる上で、その事業を行っている会社等に天下りをすることがないような仕組みをしっかりと行っていきたいと考えております。

村井委員 この八ツ場ダムは、三つの特徴があります。一つは、圧倒的な、八ツ場天下りダムと言われるぐらい天下りが多いこと。二点目は、まだ今取りまとめをしている最中なんですが、本当に新聞の一面を飾るようなぐらい政治献金がすさまじく多い、八ツ場政治献金ダムであるということ。三点目が、政治家が経営している会社に余りにも受注の多い、政治家企業受注ダムであるということ。この三点の特徴のうち、きょうは、天下りの部分だけを挙げさせていただきました。

 最初、この全体の話の総括に大臣にお聞きしたいと思うんですが、八ツ場ダム砒素隠ぺい問題。まさしく、国土交通省の天下りが大事なのか、国民の命が大事なのかが、今真剣に問われています。大臣は、国民の命が大事だと思いますか、それとも国土交通省の天下りが大事だと思いますか。どちらが大事だと思うか、お答えください。

川内委員長 前原大臣、時間が来ておりますので。

前原国務大臣 当然、国民の命が大事だと考えております。

村井委員 ありがとうございました。

川内委員長 次に、田中康夫君。

田中(康)委員 元祖脱ダム宣言の田中康夫でございます。

 民主党・無所属クラブの一員であります新党日本代表として、本日は、国土交通大臣である前原誠司さんに主として御質問を行いたいと思います。

 私は与党の一員ではございますが、大変に憂うべきは、現在、国土交通行政、とりわけ治水のあり方、あるいは日本航空の行方ということに関して、全国津々浦々の国民が疑心暗鬼を抱いていらっしゃる。のみならず、真っ当に働く国土交通省の職員の方々が意気消沈されている。そしてまた、日本航空の心ある社員の方々も同様に疑心暗鬼と意気消沈に至っている。

 イギリスにブリティッシュ・エアウェイズという会社がございます。ツーレターコードがBAと書きまして、かつて国営企業であったときに、非常に親方日の丸と同じような状況、すなわち、BAをイギリスではやゆして、ブラッディーオーフル、血が流れるほどに恐ろしい航空会社の状態と言いました。

 これに対して、サー・コリン・マーシャル、現在はロード・コリン・マーシャルでありますが、この方は、高等学校を出られた後、クルーズライン、例えば北極等へ出かける豪華客船のパーサーを務められた後、アメリカに渡って、ハーツとエービスのレンタカー会社のCEOを務められました。

 そして、そのブラッディーオーフルなブリティッシュ・エアウェイズに関して、恐らくは前原誠司さんも尊敬なさるであろうマーガレット・サッチャー女史が、三顧の礼を尽くして、このコリン・マーシャルにBAの経営に携わるようにと言いました。そして、彼は見事に、まさに家庭的でありながら、フレンドリーでありながら、コンシューマーにオリエンテッドなBAという会社へと生まれ変わらせました。

 この彼が通常述べていたことが、クリエイティブコンフリクト、つまり創造的な葛藤の議論をしようということであります。本日は、あるいは御列席の委員諸氏からすると、与党の一員としてかなりクリエイティブコンフリクトな質問であるというふうにとらえられるかもしれませんが、それは、まさに心ある国土交通省の職員や多くの国民、そして日本航空の社員のため、その思いで御質問いたします。

 まず最初に、治水のあり方、ダムならずに治水のあり方でございます。

 先ほども村井委員が御質問された八ツ場ダム、また熊本県で計画されている川辺川ダム、この二つのダムに関して、前原さんは就任当初に中止ということを明言されました。この根拠をまずはお聞かせください。

前原国務大臣 長野県知事として脱ダムに大変手腕を発揮された、その知事としての姿勢、また実績に、まず心から敬意を表したいというふうに思います。

 田中委員も御承知のとおり、現在、日本に、堰堤の高さが十五メートル以上、いわゆるダムという定義になるものは二千八百九十余りございます。また、それに加えて、新たなダムとして建設をされているもの、あるいは予定をされているもの、これは導水路事業も含めてでございますけれども、百四十三あるわけです。そのうちの二つが川辺川ダムであり八ツ場ダムであるということは御承知のとおりだというふうに思っております。

 我々は、政権交代によって、このダムによる治水あるいは今までの治水方法を根本的に見直していかなくてはいけない、このように考えております。その大きなポイントは、これは道路もあるいは空港整備も港湾整備も同じなんですが、これからは無尽蔵に公共投資にお金をかけられるような状況ではもはや日本はない、日本の財政状況を考えたときには、今までのようなやり方はもうできないという認識があります。

 一つは、人口減少の社会に入っており、また少子高齢化が極めて速いスピードで進んでいるということ。ということは、今の日本を考えたときには、公共投資よりは、いわゆる少子化対策とか、あるいは社会保障、年金や医療、介護、こういったものによりお金をかけなくてはいけない状況に日本は置かれているんだということ、そして、あわせて、日本は今までにとてつもない莫大な長期債務を抱える国になってしまったということであります。GDPの約一・八倍もの長期債務を抱えるに至った。つまりは、無尽蔵に公共投資をこれからできるような状況ではもはや日本はないという中で、河川についても見直しを根本的にしていかなくてはいけないということを我々は政権交代によって訴えてきたわけでございます。

 したがって、できるだけダムに頼らない治水というものを行っていかなければならない。ダムがすべて悪いというわけではありません。ダムでなければできない治水というものもあろうかと思いますけれども、ダムをつくれば、底に砂がたまって、それをしゅんせつするということにもなりますし、また、砂がたまることによって土砂が海に供給されなくて、海岸の侵食なんかが起きるケースもあるということ。

 そしてまた、先ほど申し上げたように、二千八百九十ものダムというのは、いずれ補修や更新をしていかなくてはいけないという状況が生まれてくれば、つくればつくるほど、またその維持、メンテナンス、そして更新にお金がかかるということでありまして、そういう意味で、できるだけダムに頼らない事業を行うということを我々は行っていきたいと思っております。

 では、なぜ、その中で川辺川ダムと八ツ場ダムというもの二つをまず中止にしたのかということでございますが、すべてこれから検証してまいりますけれども、我々は、一つのアセスメントとしてやはり時間を入れていかなくてはいけない、このように考えております。

 つまりは、社会状況が変わるのに、例えば八ツ場だと五十七年間、そして川辺川ダムだと四十三年間、つまりは、社会状況とか他の状況が全く変わっているのに、五十七年たってもまだでき上がっていない、四十三年たってもまだでき上がっていないというのは、これはどう考えても異常である。そういう意味では、まず、この二つの事業を入り口として中止させていただく中ですべてのダム事業の再検証を行っていくということで、この二つを中止ということにさせていただきました。

田中(康)委員 しかし、計画ができてから何年もたっているものはたくさんございます。そして、象徴的だとおっしゃいましたが、なぜこれだけ、前原さんのおっしゃった方向性というものは私も賛同するところであります、しかしながら、なぜ、少なからぬ方々がこの問題が混迷しているとおっしゃるのか。

 私は、これはあえて申し上げると、プレゼンテーションの手順というもの、すなわち戦略性というものに大きな反省すべき点があったのではないかと思っております。すなわち、この二つのダムをやめますというふうにおっしゃいました。現地をすぐに訪問するとおっしゃいました。しかし、現地の方は、来てもお話し合いには応じられないとおっしゃいました。すると、現地の方の御理解をいただくまで法的措置はとらないというふうにおっしゃいました。しかし、その後、やはりこのダムは二つともやめるのだという言い方をされております。

 実は、ダム問題というのは河川のあり方で、ダムの建設予定地の方だけの問題ではございません。すなわち、本来、国内の最も大事な安全保障というのは水でございます。今、月に水があるというお話が出てきましたが、水がなければ人類も生物も生存いたしておりません。

 これはきょうは譲りますが、水源地というものの森を、現在、多国籍企業というものが買い占める形が起きております。これこそ国内の大きな、ゆゆしき安全保障問題でありまして、私は、ましてや地下水法というものが今もないということに大きな危機感を持っておりまして、これは、中川秀直さんを初めとする超党派の方々と、この問題にきちんと取り組むべきだというふうに考えております。

 すなわち、今大きな問題は、ダムをつくればそこに公民館や道路をつくってくれますと言ったから、ダム予定地の方は皆、最初は反対でございました、しかし、時間がかかると賛成になっていかれるというのは、すなわちこれは、河川局の予算で道路も公民館も直していきましょうというこの予算体系を変えるということが、本来、鳩山由紀夫政権がレジームを根底から変えるということなのではないかと思うんですね。すなわち、ダムの予定地だけではなくて、上流、下流、中流、すべての方々にとっての河川でございます。なぜ迷走したのかというと、私はこうした点があろうかと思います。

 同時に、もちろん前原さんは既に十分御承知であられようと思いますが、何年確率、百年確率というような言葉がございます。新潟県には、刈谷田川というところに刈谷田ダム、それから五十嵐川というところに大谷ダムというのがつくられ、これは百年確率の雨に耐えられるダムであるというふうに、ある意味では胸を張っていたダムでございますが、残念ながら二〇〇四年の豪雨の際に、このダムの操作の手順の問題があり、護岸が決壊をし、多くの人命が損傷されました。

 しかしながら、例えば、前原さんがまさに一国民として義憤を感じられる発言をなさったJR西日本の経営効率至上主義のもとで事故が起きたときに、これは多くの方が業務上過失致死等に問われたことでございます。しかしながら、河川が決壊しても、河川管理者が業務上過失致死に問われたことは寡聞ながら私は存じ上げません。唯一の例外は、「岸辺のアルバム」のドラマで、皆様御存じの、多摩川の狛江市のところが決壊したときに、これはいわゆる刑事ではなく民事として河川管理者の責任が問われただけでございます。

 すると、こうしたことをどう変えていくのか。今、何年もたっていらっしゃると言いました。しかし、きょう公明党の高木さんもお越しでいらっしゃいますが、平成十二年、ちょうど私が知事になる二〇〇〇年の、私が知事になる二カ月ほど前に、当時の自由民主党と公明党と保守党は、長きにわたって進んでいない公共事業を見直そうということで、二百七十九挙げられました。これは当時政調会長であった亀井静香さんのイニシアチブのもとであったと思います。このときですら、採択後五年以上経過していまだに着工していない事業、あるいは完成予定を二十年以上経過して完成に至っていない事業、このように明確な、多くの国民にわかる基準を設けた上で見直しを行いました。

 残念ながら、マニフェストに書いてあるから二つのダムが挙げられる。しかし、ではそのマニフェストに二つを載せた根拠は何なのかということは、論理的な意味においてさらなる検証が必要であろうかと私は思っております。

 むしろ、この八ツ場ダムに関して申し上げれば、前原さんも御存じの今本博健さんという京都大学の名誉教授がおられます。私ども新党日本の運営委員でもありますが、彼は本来ダムによる治水ということを目指されてきた教授で、歴代の河川局長や河川局の多くの課長は彼の教え子であります。しかし、彼は、いつの間にか、本来ダムをするということは大外科工事である、しかし、外科工事が何十年行われていないと。医療崩壊の医療機関ですら、医師が一時間遅ければ、その間に点滴やマッサージをするはずだと。しかしながら、河川の予算は、皆さんも御存じのように、一平米機械を使えばしゅんせつができる掘削というような形が、維持修繕の費用の中に入っていますので、多くの現地機関の人件費と一緒になっているので、適度なしゅんせつも行われていないというような状況であります。

 本来、このダム問題は、ダムをつくるつくらないだけではなく、そうした河川行政のあり方を問うものになっていかねば、単なるモグラたたきで終わってしまうと。そのモグラたたきを、八ツ場ダムと川辺川ダムという最も象徴的な、最初からアイガー北壁を登るようなことをしたのでは、そのほかのトレッキングコースのようなダムはぬくぬくと建設されていくということでございます。

 補助ダムに関して少しお聞きいたしたいと思います。

 補助ダムというのは、皆様御存じのように、都道府県営のダムでございます。

 その前に、実は、今本博健さんと、「週刊SPA!」で私が特集をした中で、最もわかりやすい例は、八ツ場ダムは七割工事が完成したわけではございません。総事業費の七割のお金を使ってなお取りつけ道路の一〇%に満たないものが完成しただけでございます。すると、恐らくは、どんな、微積分はまだ習っていない小学生でも、残りの三割のお金で取りつけ道路の九割と、そしてダムの本体と、あるいはそのほかの周辺整備ができるという方程式があるとするならば、私はこれこそ、長嶋監督ではなくても、メークミラクルであろうというふうに思っております。ということは、極めてテレポリティクス的ではなく、よい意味で論理的に、視覚的に国民の方々にお示しをしたときに初めてこの問題が問われる。

 あるいは、伊勢崎市の基準点で、過去五十年で最も雨が降ったときに、それでも堤防の上から四メーターの余裕があり、そして八ツ場ダムができてもその場所では水位がおよそ十三センチ下がるだけにとどまるというこの二つの事例を示すだけでも冷静な議論になろうかと思います。

 補助ダムに関して、すべてのダムを見直されるというふうにおっしゃっていますが、前原さんはこの都道府県営の補助ダムに関してはどのようにお考えでありましょうか。

前原国務大臣 都道府県が主体となって実施するダム事業を国が強制的に中止させる法令上の権限はないと考えております。河川法の第七十九条の二、地方自治法第二百四十五条の七、あるいは補助金交付の執行停止という観点からも、都道府県が主体的に実施する事業について国が強制的に中止させる法令上の権限はないと考えております。

 したがいまして、基本的には補助ダム事業については各知事の御判断を尊重するということを申し上げているわけであります。

 しかしながら、先ほどるる御説明しましたように、根本的に考え方、発想を変えなければ、国民からお預かりした税金の使い道という観点から考えますと、今までのような河川整備あるいはダム建設を行うわけにはいかないという認識をしっかりと地方にも持っていただくということは大事なことだと思いますので、そういったことをしっかりと都道府県知事とのコミュニケーションの中で図っていきたいというふうに考えております。

 したがいまして、場合によって個別の事業の進め方について知事と御相談をさせていただくこともあろうかと思っております。

田中(康)委員 私が脱ダム宣言を出しましたのは、緑のダムというような環境原理主義なのではございません。すなわち、都道府県のダムあるいは直轄事業の国のダムのいずれも、国が総事業費の七割を負担いたします。ですので、今まで大きな公共事業は地域にとって得策であると言われてきました。しかしながら、ふたをあけてみますと地元の負担が三割である。先ほど言いましたように、国の負担七割もこれは国民全員の借金でございます。総事業費の八割は、おおむね東京や大阪に本社があるゼネラルコントラクター、ゼネコンに支払われるわけでございます。すなわち、地域は三割を負担しながら、地域の経済のために直接還流される金額は二割である。であるからして、これは参議院の本会議の代表質問でも私述べましたが、すなわち、巨大な公共事業は地域を潤すどころか、地域から東京へのバキューム現象だということでございます。

 そして、先ほど、大きな外科手術が三十年、四十年、ダムができれば安全だと言いながらダムができていない、マッサージや点滴はどうしたのだと。すなわち、ダムをやめればいいのではございません。治水のあり方として、護岸の補修であったり、森林整備であったり、遊水地であったり、危険地域の家屋を移転することであったり。

 そして、残念ながら各省庁というものは、あるいは各部局というものは、自分のところの予算の大きさで仕事をはかるところがございます。しかし、河川局の予算で取りつけ道路等も行うのであれば、逆に例えば橋を無橋脚にする。一キロくらいの橋は今無橋脚になります。このことで河川は安全になります。これを、道路局ではなく河川局の予算で橋をつくり、維持修繕は道路局が行う。あるいは、危険地域の家屋を移転することは大変すそ野の広い経済効果がございます。これも河川局で行うというような発想の転換を行う、これこそは政治主導でなくてはできないかと思います。

 ただ、そうした中で、今前原さんは、都道府県がつくるものに関して国として口を挟むことに限界があるとおっしゃいました。しかし、これは国民全体の税金が投入されているわけでございます。ましてや河川は、一部のダム建設予定地だけでなく、あるいは流域の方だけでなく、そこの水やその河川、その景観というものは社会の共通資本でございます。

 前原さんは会見で、国が補助金を出す都道府県のダム計画に特段私から異論を申し上げることはない、ダム建設の入札手続をやめてくれというようなことを私どもから申し上げるつもりはございませんというふうに述べられております。今の御答弁もそれに沿った形かと思います。

 しかし、国のダムだけでなく、例えば香川県の小豆島には内海ダムという計画もございます。これはもう摩訶不思議なダム計画でございまして、わずか全長三キロの川で、既にそこにはダムがございます。そして、本来洪水が起きているのはその別当川という川ではなく、横に並行している川、あるいはその支流の問題でございます。しかし、ここにダムをつくると言っております。

 鳩山由紀夫さんも公共事業チェック議員の会のメンバーでありまして、私とともにこの場所に幾度か訪れ、この場所に新たなダムをつくる必要はないということをおっしゃっております。しかし、過日、香川県知事が大臣室にお越しになられたときに前原さんは、これは県の判断を尊重するというふうにおっしゃっております。これもまた新たな、防衛問題に加えての内閣不一致と言われることを私は案ずるわけでございます。

 のみならず、例えば、川辺川ダムはやめようと言っている蒲島郁夫さんの熊本県にも、天草に路木ダムという、これも私は今本名誉教授と視察をしておりますが、この河川流域に居住の住居はございません。しかしながら、治水のダムでございます。なぜ治水のダムになるかというと、小さな、丘を越えたような、小高い里山のような山を越えた向こう側の集落にこの川からあふれるという論理になっております。そして、川辺川ダムは国のダムだからやめようとおっしゃっている熊本県知事は、このダムの計画を続行されております。

 長崎県にも石木ダムというのがございます。これは、川棚川というところの一部の支流、しかし、これは全流量の九分の一でございます。ここにダムを設けると河川が管理できるという不思議な話でございます。

 あるいは、私の長野県において、私はダムによらない治水ということで、さまざまな先ほど申し上げたような、堤防のかさ上げであったり橋脚のかさ上げであったり、あるいは遊水地であったり、そうした形で、関東地方整備局から、諏訪湖に流れ込む二つのダム計画を棚上げした上での河川整備計画というものの承認を得ましたが、そのためには多様なプログラムを立てる必要がございます。

 しかし、浅川ダムという長野県のダム、これは長野市の上流にございますが、ダムができても下流域の洪水は防げないというふうに国土交通省から出向していた当時の土木部長も言明をした不思議なダムなのでございますが、これらを皆いずれの自治体も進めようとしております。そして、大変残念なことには、地元の民主党の方々も、あるいは多くの場合、連合の方々も、これらのダムを推進しようとされております。

 しかし、これは中央からの上から目線なのではなく、河川というものが皆の共通資本であるならば、そして、ようやく達成をしたこの政権交代によってコンクリートから人へということに多くの方が期待をされているときに、この補助ダムに関しても国の税金を、先ほどの公明党や自由民主党や保守党のころに亀井静香さんがつくったような基準同様な形で一たんとめる必要があるのではないか。そして、ただダムをやめるだけでなく、それにかわる河川整備のプログラムというものの、河川のあり方をまずは民主党がきちんと示す、そしてその中で地域密着型の公共事業になるように行っていくことが私は肝要であろうかというふうに思います。

 改めてこの点に関して御見解をお聞かせください。

前原国務大臣 改めての御答弁で恐縮でございますけれども、我が国は法治国家でございまして、おっしゃっている趣旨については、内容的には賛同できる部分も多々あるわけでありますけれども、河川法、地方自治法、あるいは補助金交付、こういった観点から限界があるということは御理解をいただきたいと思います。

田中(康)委員 前原さん、もちろん私たちは法治国家に生きています。しかし、法律はだれがつくったのでしょう。日々、本来、脳の中で考え、進化をしていく、至らなさを改めるにしくはなしの人間によってつくられている。過去における、無論、その段階では英知を集めたかもしれない、公務員の方々や政治家の方々によってできた法律が至らないならば、変えることこそが本来政権交代に国民の方々が望まれたことなのではないでしょうか。

 法律に書いてあるからできませんという形になると、現在はシビリアンコントロールでございますが、前原さんが恐らく私よりもはるかに造詣が深いでありましょう、まさに戦略性なき日本陸軍の悲劇であったりあるいは責任感なき日本海軍の悲劇というものを法律上の規定がないからとめられないということと一緒になるのかと思います。

 この点に関しては、ぜひとも馬淵さんも辻元さんも同じチームワークとして、至らない法律を一緒に変えていくということによって、そしてそれは、先ほど言ったように、三割払って二割しか地元に落ちないのでなく、地元でまさにできることを地元がやることで地域に人々が戻り、地域の公共事業の従事者といいますか土木建設業の方々は全国五十二万社、家族を入れれば二千万人でございます。これをなんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革のときは四割近く減らした。四割減らしたから、この方々が福祉に行くのか、介護に行くのか、有機農法に行くのか、サービス業に行くのかの工程表も示さなかった。そのことを、公共事業の中においても維持修繕ということできちんと安心、安全をつくれるということを示すべきではなかろうかと思います。

 続いて、JAL再生タスクフォースチームに関してでございます。

 前原さんは、今までの自民党政治の枠組みでのあり方委員会というものは一たん白紙に戻すと就任会見でおっしゃり、また、破綻が絶対にあってはならない、法的整理はしないとおっしゃいました。今までの行政の継続性を断ち切るというその心意気は、心意気自体はある意味では賛同される方もあろうかと思いますが、ただし、その場合には、それを上回るアウトカムというものが出されなければ、税金を投ずるわけでございます。

 残念ながら、十月三十日の「フジサンケイビジネスアイ」は、日航再建、タスクフォース案白紙、傷深めた一カ月の迷走というふうに記してございます。残された時間はそれほどないとおっしゃった前原さんであるにもかかわらず、司令塔不在の日航再建は迷走してしまったというふうに記しているわけでございます。

 そして、十一月二十一日の週刊ダイヤモンドも、タスクフォースチームの置き土産、JALにのしかかる十億円、資金繰り、リストラ、年金問題、問題はいまだ一つも解消していない、一カ月の大騒動の末、残ったのは十億円の請求書と信用不安、前原誠司国土交通大臣の拙速さは否めない、これは記事なのでございます。

 前原さんは、まさにこのチームも不眠不休で働かれたとおっしゃっております。辻元さんも御尽力されたかもしれません。しかし、あらを探すのがマスメディアということではなく、これは多くの方々が、日本経済新聞を初め、この一カ月、そしてさらに、今回そのチームが出した内容もお蔵入りしてしまったことで、さらにつくると言っていると。

 国営企業ではございません。民間企業に対して前原さんはこのチームをつくるといってチームを送り込み、そしてそこには百人ほどの人々も入れるのだということもおっしゃいました。なぜこんなに一生懸命やって悪く言われてしまうのか。このチームをつくられた、設置、タスクフォースチームは私が任命した任意のグループですというふうに、十月二十九日、調査報告書を受け取っての会見でおっしゃっていますが、その認識でよろしいのでしょうか。

前原国務大臣 お答えをいたします。

 随分偏った情報で物をおっしゃっているという気がしてなりません。あらを探すのがマスコミの仕事だということではないということでありますが、偏ったところだけの意見で物をおっしゃっているとしか私は今拝聴していて思えませんでした。

 まず、事実が幾つか間違っています。私は法的整理はしないということは一切言っておりません。私が申し上げている破綻というのは、つぶれてなくなるという意味の破綻ということはありませんということでありまして、法的整理はしないと言ったことは全くありません。

 それと同時に、私が内閣で国土交通大臣を拝命したのは九月十六日です。そして、JALが再建案を持ってきたのが九月二十四日です。つまりは、八日間で、JALが出してきた再建案が本当にそれが実現可能なのか、あるいは中身として正しいのか。これは、だれが大臣になったって、それを信じて、そしてそれに基づいてお金を出すということであれば、今までの政権と同じように、ちゃんとしたいわゆる検証もないまま税金を出し続けて、結果的に延命策を講じて、そして体質改善が図れなくて、より問題を深みにはまらせるということの繰り返しだと私は思っております。

 したがって、今回のタスクフォースに私がお願いをしたことは、事業再生あるいは資産査定のプロの方にお願いをして、徹底的にJALの今の経営状況を調べてくださいと。つまりは、JALから出されたものを信じろと言われても、信じられない。だから、JALが出してきたものを徹底的に検証するために、私は、今まで産業再生機構などで活動されてきたいわゆる事業再生あるいは資産査定のプロの方々にお願いをして、本当のJALの病状はどうなのかということを調べてもらうということをお願いしたわけであります。

 したがって、悪くなったとか、あるいは先延ばししたとか、そういう批判は全く当たらない。事実認定からまずしっかりしてもらって質問してもらいたい、そのことを申し上げたいと思います。

田中(康)委員 今のはフジサンケイグループのメディアにきちんと載った内容でございますから、その内容が間違っているということになると、国土交通省として、フジサンケイグループに対してしかるべき措置をとらねばならないというお話にもなってまいります。これは、複数のメディアが皆懸念をしていることでございます。メディアのみならず、多くの経済評論家の方々も。

 前原さんは、ずるずるとお金を出し続けないようにしようとおっしゃった。そのために御自分のお友達であられる方々を、冨山和彦さんを初めとしてメンバーに選ばれたといいます。冨山さんを初めとする方々の行状に関してもいろいろな報道はされておりますが、今そのようなお話がありましたし、時間もありませんので、今回は少し差し控えはいたしますが、しかし、前原さん、タスクフォースチームが、一カ月、そして日本航空に十億円の請求を出していると複数のメディアが言っている、その報告書というものがなぜ公表されないのでございましょうか。

前原国務大臣 経緯をちゃんと勉強してから質問していただきたいというふうに思います。

 このタスクフォースに私がお願いしたのは、今どういう経営状況なのかといったことを徹底的に分析をして私に報告書を出してくださいということをお願いいたしました。そして、それと同時に、タスクフォースが再建をやるという前提に立って、どういった再建案というものが考えられるかということを出すように私はお願いをいたしました。そして、その結果として出てきたのが、私的整理という枠組みでございました。

 しかし、この私的整理については、今言われておりますように、年金の積み立て不足の問題とか、あるいは果たして本当にリストラがちゃんと進んでいくのかどうなのかということとか、あるいは金融機関が私的整理の場合のいわゆる債権放棄というものに合意をするのかといったさまざまな不確定要因というものが出てきた。

 私は、この航空産業というのは、私がこの間ずっと一番気にし続けてきたことは一体何かというと、人々の命を乗せて飛行機は飛んでいる、この今の経営状況の中で、いろいろ報道をされている中、誹謗中傷もいっぱい出ている、何が真実かわからないというような状況の中で、私が一番心配したのは、事故が起きること、事故が起きて、そして人の生命、そういったものにかかわるような問題が起きたら大変だということでありました。

 したがいまして、この航空産業の特殊性というものを考えた場合には、私的整理でどうなるかわからない不安定な状況が続くよりは、より公的な関与というものが望ましいのではないかということを私はタスクフォースに申し上げ、そして、公的関与の中でどういった解決策があり得るかということで、十月の中ごろにできた企業再生支援機構というものの活用を報告としてタスクフォースは出してきた、こういうことであります。

 では、企業再生支援機構というのは一体何なんだということを調べていただければ、みずからされた質問の答えはおのずと出てまいります。

 つまりは、企業再生支援機構というのは、菅副総理のもとにある機構でございますけれども、これは独立性の高いものであります。政府がJALを引き受けてくれとかいうようなことは言えません。半官半民で出資をしてできているのがこの企業再生支援機構。一兆六千億円というお金は国も出しているけれども、地方の金融機関なんかも出している。したがって、国がJALをやってくれなんということを押しつけることはできない。あくまでも企業再生支援機構が独自の判断をすることであります。

 今、企業再生支援機構は、このJALからの申請を受けて、みずからのデューデリジェンスというのを行っている、資産査定というのを行っている。そして、その資産査定を行った上で、どういった再生計画を行うのかどうなのかという判断をしてもらうことになっています。この機構に任した以上は、タスクフォースの案もありますよ、しかし、これが表に出ることによって機構の判断というものをゆがめてはいけない、こういう判断をいたしまして、我々はタスクフォースの案というものを今表に出していないということでありまして、機構に任した以上は当然の判断であると私は思っています。

田中(康)委員 どうも、前原さんの御認識というものは、恐らく首をかしげている委員諸氏もいらっしゃいます。前原さんは、国土交通大臣として、この五名の方に委嘱状をお渡しされているわけですよ。そして、しっかり維持し発展していくための再建計画でなければならない、それをつくってほしいと言っているわけでございますよ。そして、これらの方々はボランティアで働いたと豪語されておりますが、これらの方々の移動の交通費というものは国税から支払われているわけでございます。

 にもかかわらず、この報告書というものが公開されず、前原さんは受け取られた後、複数の方々の証言によれば、これは大事なものなので金庫におしまいになるといって金庫にしまわれている。これは、私は、鳩山由紀夫さんが掲げるフェアであってオープンであるという政権を著しく毀損するものなのではなかろうかと思っております。

 そして、仮にそのプランが、プロフェッショナルの方々、再生実務を行ったプロの方々に日本航空の中に入ってやっていただくと言ったんです。なぜそのプランが公表されず、そして、そのプランが、逆に言えば企業再生支援機構が即座に行うのでなく、またさらに一月まで一カ月余をかけて、二カ月近くをかけて行うのか。この間にもさらなるつなぎ融資は出てくるわけでございます。これは、藤井裕久大臣も、では、今後、こうしたつなぎ融資を国税で行っていく場合に、きちんと当初予算、補正予算で計上するのかという内閣としての威信の問題にもこれはかかわってくる大事な問題でございます。

 そして、先ほどの十億円というものを仮に日本航空が払った場合に、株主代表訴訟が起きれば、これは一体だれが責任をとるのか。前原さんの声がけで始まったことでございます。五名を選んだだけだとおっしゃるかもしれませんが、二十名近い方々も日本航空の中に入られるとおっしゃいました。この日本航空の中に入られた方々は、経営共創基盤という、とかくのお話がある冨山和彦さんの会社の方々であったり、プライスウォータークーパーズの方々であったり、その委員になられている方々の所属の場所の方が入られている。これこそ、今まで我々が糾弾をしてきた不透明な談合の随意契約というものと同じ状況ではなかろうか。そして、代表訴訟が起きた場合に、一体だれが責任をとるのか。これは、私は、独占禁止法の優越的地位の濫用というものを行ったというふうに風聞が立てられてもいたし方ないようなお話かと思っております。

 そして、一体、今後いつまで私たちの血税を払っていくのか。私は、個人的には、よい意味での法的整理というものを行って、日本の航空がよりよい意味での切磋琢磨の競争になる必要がありますし、その一例としては、例えば、アメリカにおいても、ユナイテッド・エアラインズは、民主党は多くの連合の方々の支持を得られておりますけれども、一九九四年にESOP、エンプロイー・ストック・オーナーシップ・プランという形で、今まで働いていた方々が皆自分たちも身を切って、労働者によってユナイテッド・エアラインズは再建をしたというような形もございます。

 幾らつぎ込めばよろしいのかということ、一体いつまでにこれで再生されるのかという点に関してお答えをいただきたい。そして、なぜいまだ血税を投じた報告書が公表されないのか、この点に関してもお知らせいただきたいと思います。

 そして、トップは経営責任が問われる、しかるべきときにみずから出処進退を判断されるというふうに西松遥社長との会談後述べられております。

 残念ながら、ロイターは、JALの問題はあくまでも国土交通省の問題と主張されるような部署もあると言っています。

川内委員長 田中さん、申し合わせの時間が過ぎておりますので、手短にまとめてください。

田中(康)委員 しかし、これは国土交通省の問題ではなく、私は、この判断をトップダウンでなさった前原さんみずからが胸に手を当て、今後、さらに日本の消費者のために、勤労者のために御尽力いただくことを願って、質問を終わります。いずれ、この問題等に関しては、改めてお聞きをいたしたいと思います。

前原国務大臣 答弁の機会をいただきたいと思います。短くやります。

 まずは血税。血税は投入されています。タスクフォースに出された金額は、これはまだ予定でありますけれども、交通費というのは、一カ月間で全員に対して払われる交通費は五万三千二百六十円でございます。それ以上の税金は彼らに払うことは全くありません。したがって、基本的にボランティアでやっていただいたということであります。

 繰り返しになりますが、一カ月の間で、つまりは年末には資金ショートが起きるということで、政権交代でこのJALの問題を引き継いだ。しかし、JALの経営実態がわからない中で、では、その対応策をどう考えるかということになった場合、だれが担当者になったって、JALの今の経営状況をつぶさに、みずから納得できる範囲で調べ上げるということをやるのが王道じゃないですか。

 それをだれが選ぶのかというところに問題があると言われれば、それは私はいろいろ判断があると思いますけれども、産業再生機構で実績を積まれて、そして、いわゆる資産査定、そして計画設定のプロである方々がしっかりやられた中で、それで計画を出してもらった。しかし、その計画をやるかどうかという判断は国土交通大臣である私が下して、私的整理ではなくて企業再生支援機構というものにゆだねるのがいいのではないかという報告書を、言ってみれば私が促した、公的関与の方がいいということを申し上げたわけであります。

 したがって、今おっしゃってきたことについては、また時間があれば何度でもやらせていただきたいというふうに思いますけれども、JALを再建させるというためには、まずはJALの経営実態をしっかり調べるというのは、だれが大臣になったってやらなければいけないことだったということはしっかりと申し上げておきたいと思います。

川内委員長 これにて田中康夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 議員になって初めての質問になります。委員長を初め各委員の皆さん、よろしくお願いいたします。

 私の質問時間が割り当て二十分でございますので、質問の項目を順に追って質問させていただきます。

 さて、前原大臣以下政務三役におかれましては、就任以来、新たな政策の指針を打ち出し、あるいは日本航空の再建という難題に精力的に取り組んでおられることに、まず敬意をあらわしたいと思います。

 特に、前原大臣、馬淵副大臣、三日月政務官におかれましては、就任早々、九月二十六日、川辺川ダム現地を視察され、地元住民と関係市町村の皆さんと直接お会いになり、懇談をしていただきました。まず、心からお礼を申し上げたいと思います。

 本日は、ダム建設事業のあり方の見直しについて質問をさせていただきます。

 民主党のマニフェストには、コンクリートではなく人間を大事にする政治を掲げられ、川辺川ダム、八ツ場ダムの建設中止、時代に合わない国の大型直轄事業を全面的に見直すと明記されております。

 公共事業、とりわけダムの建設事業をなぜ今見直さなければならないのか、そして見直しに向けての決意を、大臣と、連立パートナーの社民党から副大臣になられております辻元副大臣にお伺いしたいと思います。

前原国務大臣 先ほど同僚委員の方に申し上げたことをもう一度申し上げて恐縮でございますが、御質問でございますので、短く答弁をさせていただきたいと思います。

 日本が置かれている状況というものは、人口減少、少子高齢化、そして莫大な借金と、今までどおり、河川整備もどんどんダムをつくり続ける、あるいは道路も港湾も空港もと、こういった公共事業をずっとやり続けるということはもはや不可能であろう。しかも、今までつくった工作物の維持管理、更新、こういったもので将来的には手いっぱいになるのではないかということが言われております。

 したがいまして、今までの方針を転換して、できるだけ河川整備についてはダムに頼らない河川整備を行っていく。我々が初めて次の内閣というものを民主党でつくったときの、私は初代の社会資本整備の担当でありましたけれども、公共事業基本法や緑のダム法案というものをつくる中で、トータルで、河川あるいは山、そういうものを全体的に見る中でいわゆる洪水対策を行っていくということ。

 特に、ダムで水をためると水がよどみますし、水質も悪化をいたしますし、砂がたまることによってしゅんせつもしなきゃいけない。あるいは、海岸に砂が流れないことによって海岸の侵食というものも起きる。トータルのコストを考えれば、やはりできるだけダムに頼らないものがいいのではないか。こういうことで見直しというものを表明させていただいた次第でございます。

辻元副大臣 私は、本委員会を初め、国土交通省の行政そのもの、全体が見直される一つの曲がり角に来ているのではないか、その中にダムも位置づけられていると思っております。

 戦後、日本は、高度成長があり、そして高成長の時代もございました。しかし、今は経済状況も変わってきている。それと同時に、公共事業を、その中でつくり続けてきたというあり方そのものを、日本の全体のグランドデザインをかき直す中で一つ一つ丁寧に点検していく時期だというように考えております。

 ダムにつきましても、最初は、ダムに頼って治水をしていくという時代は確かにあったと思います。しかし、皆さんの御地元でもそうだと思いますけれども、このダムは必要なのかとか、また、果たして利水や治水のためにつくっているんだろうかというようなことが多々指摘され、そして、必要ないんじゃないかという声を上げる自治体の長もたくさん出てきたんです。

 きょうは、田中さんもそうですが、中島委員も八代の市長として、川辺川ダムの御地元でさまざまな問題に取り組んでこられたと思います。私が住んでおります関西でも、淀川流域、滋賀県の嘉田知事が出てきて、この方は水の御専門です。そして、橋下知事も財政的な面で指摘され、近畿圏でも、地元の人も巻き込んで、ダムが必要かどうかを見直していこう。川辺川でもそうです。そういうような状況も出てまいりました。

 そういう意味で、私は、すべてのグランドデザインを見直す一環として、ダムに頼らない治水であったり、それから、今までの税金の無駄遣いをきっちりとここでただしていくという大きな視点を持ってこのダム問題に取り組んでまいりたいと思っております。

中島(隆)委員 ただいま大臣、副大臣から、公共工事の見直しの決意を述べていただきました。

 その中でのダムの見直しについてでありますが、アメリカやEUでは、河川再生のためにダムの撤去が始まっています。今後、日本も早急に河川基本法等を整備して、ダムによらない治水対策によって新たな河川整備を行う新たな公共工事を私は計画すべきではないかと。そういう点に立って進むとすれば、この見直しも含めて、あるいはダム撤去も含めて、国や地方あるいは住民が一体となって、地域の持続的な再生に向けてダム見直しを、そういう観点に立って見直すべきではないかというふうに思っております。ぜひそういう観点に立って見直しをしていただきたいというふうに思います。

 次に、私の地元、熊本県の川辺川ダムについて質問をいたします。

 川辺川ダムは、中止を前提に、ダムによらない治水対策を検討する場が設置をされております。大変重要な機会である一方、その構成が国、県、関係市町村となっております。

 過去、淀川水系流域委員会では、ダム建設を推進する学者、あるいはダムに依存しない治水を推進する学者、さらには流域住民も含めて、約六百回に近い会議が重ねられたと聞いております。また、河川法で定められた河川整備計画の策定においても、首長だけでなく、学識経験者や関係住民の意見を聞くことが手続の中でうたわれています。

 川辺川ダムのダムによらない治水対策を検討する場は、今後の治水対策のあり方のモデルになるのではないかと思います。そうであれば、この検討する場に、あるいは今後予想される他のダムのケースにおいても、ダムに反対あるいは賛成を含めた学識経験者や流域住民の参加を求めることが必要ではないかというふうに思います。そういう観点に立ちまして、大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。

前原国務大臣 先般、川辺川ダムを視察したときには、中島先生にも御同行いただきましてありがとうございました。そこで最後に知事を含めて意見交換をさせていただいた場に先生も同席をしていただいておりましたけれども、現在は、ダムによらない治水を検討する場ということで、流域の首長さんが中心でございますけれども、関係者にお集まりをいただきまして、球磨川の新たな治水対策に対する合意形成を進めさせていただいているということでございます。

 当然ながら、この検討する場における議論の成果というものは、今後、球磨川水系の河川整備計画の原案に反映をさせていかなければいけないと思っております。そして、この整備計画をつくるときは、これは改正河川法の趣旨の住民参加にのっとって、まさに委員がおっしゃったように、地域の方々、これは賛成、反対も含めてですね、あるいは専門家の方々にも入っていただいて議論する場を設けさせていただくということは、当然考えていかなければいけないと思っております。

中島(隆)委員 今の答弁でございますが、河川整備計画に入っての議論は当然そういう対応をしていただきたいと思います。現在設置されているダムによらない治水を検討する場、今、設置されて五回目です。今後も進むわけでありまして、全国のモデルになり得る検討会でありますので、ぜひその場にも、あの人吉で大臣が回答されておりました、御用学者だけではなくて、本当に治水の見直しの権威のある、そういう学者も考えていきたい、こういう御答弁でございますので、ぜひひとつそういう位置づけで検討をお願いしたいというふうに思います。

 次に、建設中止の際の生活再建事業の継続と補償措置の法制化についての見通しについてお尋ねをいたします。

 川辺川ダムと八ツ場ダムのケースでも大臣が既に表明されておりますが、事業の中止の決定の際には、生活再建事業を継続すること、関係者への補償を行うこと、そして当該地域の振興を図っていくこと、この三点をダム建設事業を中止する際に絶対に不可欠だと考えております。

 大臣は公共事業の中止に伴う補償法案の国会提出を示唆されておりますが、この検討がどこまで今進んでいるのか、お尋ねをしたいというふうに思います。

前原国務大臣 今までの枠組みというのは、公共事業は一たん始まったらとまらないということでありまして、とまることを想定していません、中止をすることを想定しておりません。したがって、中止をした場合の措置についての法律も含めての規定、そういうものがないというのが今の状況であります。

 先ほど、八ツ場の話が村井委員、田中委員からも出ておりましたけれども、川辺も含めて、あるいは他の今後見直していくダム建設も含めて、やはり一番御迷惑をおかけするのは当該住民の方々だと思っております。この方々に責任は全くないわけでありまして、政策変更で多大な被害をこうむられる、こういった方々の立場に立つことは当然だというふうに思っております。

 したがって、今まで進めてきた公共事業をやめるに当たっては、当該地域の生活再建対策というものをしっかりと考えて、必要であれば法的措置もとるということで、今、国土交通省の中で検討しているところでございます。

中島(隆)委員 特に、視察をされて、川辺川ダム、あるいは五木の皆さんと懇談されて御承知かと思いますが、ダムを中止した後の生活再建事業あるいは地域振興がどうなのか、それが非常に住民の皆さんの不安の最大の課題であります。早急にこの課題について取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、田中議員が質問されましたが、道府県が建設主体で国が補助金を支出しています、いわゆる補助ダムについてお伺いいたします。

 大臣が今年度の事業について知事の判断を尊重すると表明されて以降、住民の間でも賛否が分かれているようなダムであっても、言葉は悪いようですが、駆け込み的にダム建設を進めている事例が存在をしています。先ほど指摘がありました熊本県の路木ダムの本体工事入札、あるいは長崎県の石木ダムの事業認定申請などがそれであります。路木ダムについて言えば、大臣もことしの二月に提出された質問主意書で問題点を詳細に指摘され、懸念を抱かれております。

 県営ダムの建設については、地方分権の観点から、大臣も大変苦慮されていると推察をいたします。しかし、県営ダムとはいえ、国が補助金を支出しているダムで入札をして工事に着手いたしますと、見直しが非常に困難になるという状況にございます。大臣のこの問題についての所見をお尋ねしたいと思います。

前原国務大臣 これは田中委員にも答弁をさせていただいたことと同趣旨になって恐縮でございますけれども、現状においては、法律で、県が行われる、国からすると補助事業、補助ダムにおいて、国が何らかの権限を行使してとめる法体系にはなっていないということでございます。

 ただ、直轄事業にいたしましても補助事業にしましても、河川の整備のあり方を根本的に見直していくということを、できる限り私はいろいろな首長さんにお会いするときにもお話をさせていただいて、できる限り賛同していただきたい、このように思っておりますし、賛同していただいて、むしろ決定を延ばしていただける、先ほど中島委員から話がありました駆け込みということの逆のケースも出ているわけでございまして、そういう意味では、我々は補助事業については、意見を申し上げることはあっても、基本的には地方の御判断ということになろうかと思います。

 ただ、もう一点だけ簡単に申し上げますと、これから分権の論議というのが出てまいります。例えば、関西の、京都の山田知事、滋賀の嘉田知事、大阪の橋下知事の皆さん方からは、流域連合ということで、道州制なのか広域連合なのかは別にして、分権の議論の中でこの直轄、補助というものの仕分けの見直しもすべきではないかという話もありますし、当然ながら、そういった分権議論の中で今のような、我々は直轄事業の補助金制度はなくすということをマニフェストにも書いて、今段階的にこの見直しをやっているわけでございますので、分権議論の中で今のこうした仕分けについては見直していくということは御理解をいただきたいと思います。

中島(隆)委員 しかし、百四十三ダムをすべて見直す、それは補助ダムの八十七も含めてですけれども、これも来年度以降、工事が進むわけです。やはり国の予算も投じるわけですので、十分この対応もお願いしておきたいと思います。

 時間がございませんので、最後に一点だけ、簡単に質問いたします。

 荒瀬ダムの撤去の支援についてでありますが、これにつきましては、電力ダムで、県が前知事で決定をして、十億を投じて、もう撤去する直前であったわけです。しかし、予算が五十三億足らないとして蒲島現知事はこれを凍結、そして存続を表明したわけです。地元は五十三年、ダムに苦しんできました。これを撤去して清流を取り戻したい、こう願っているわけです。

 これらのダムが、先ほどありましたように二千八百から二千九百のダムがあるわけで、今後老朽化が進みます。ぜひ、この老朽化、撤去すべきダムの撤去の支援策、工法、あるいは国の支援策等について今後検討すべきではないかと思いますが、大臣の見解をお尋ねいたします。

前原国務大臣 今委員が御指摘されたことは、方向性としては私は非常に理解のできる中身でございますけれども、現時点においては、河川管理者みずからが設置したダムについてはみずからが行うということでございます。

 他方、発電をするとか、あるいは利水者が設置した許可工作物のダムについては、現状においてはみずからの負担で撤去していただくということになっているわけでございまして、例えば、許可工作物だけで七千百九十あるわけですね。荒瀬ダムというのはその一つでございまして、仮に将来的にそういったものが出てくるときに、ではだれがそういった撤去を行うのかということは、少し大きな視点で考えていかなくてはならないと思っております。

 ただ、私は、委員のおっしゃったことについては中身としては理解できる部分もありますので、少し内部で勉強をさせていただきたい、このように考えております。

中島(隆)委員 それでは、質問時間が来ましたので最後でございますが、荒瀬ダムは日本で初めての撤去の事例でございます。今御指摘のとおり、今後出てくる可能性があるわけで、ぜひ今後の課題として、モデルとして検討していただきますようお願い申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

川内委員長 中島君の質疑は終了いたしました。

 次に、岸田文雄君。

岸田委員 おはようございます。自由民主党の岸田文雄でございます。

 まず冒頭、前原大臣、副大臣、そして大臣政務官の皆様方、改めて、御就任、お喜びを申し上げます。大変激しい選挙の後ではございましたが、大臣を初め皆様方が日本国の政権を担われるわけであります。ぜひ国民のために大いに頑張っていただきますよう、我々からもお願いを申し上げなければいけないというふうに思っていますし、我々も国民のために言うべきことを言っていかなければいけない、そういった思いでおりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 九月十六日に新政権は発足をいたしました。そして、きょうは十一月十八日でありますので、それから二カ月以上がたちました。私は、この二カ月を振り返りまして、本当に長かったなということを感じています。

 そして、その間、前原大臣におかれましては、大変意欲的に新しい政策あるいは政策転換、次々と発言をされ、発表されてこられました。先ほど来話が出ておりますダム計画の見直しですとか、それ以外にも、国幹会議の廃止、東京外環道あるいは高速道路四車線化工事の凍結の話ですとか、あるいは補正予算の執行停止、さらには概算要求の出し直しなんというのもありましたし、日航の再建の問題、高速道路の無料化の問題、さらには空港整備勘定の見直し、そして羽田空港のハブ化の話、こういったこともありました。

 本当に次々と発言をされまして、政治家の意欲という意味では評価する向きもあるわけでありますが、ただ、政策を大きく転換するというようなことを発言あるいは発表される際には、私は、政治家というものは、特に謙虚さあるいは丁寧さ、こういったものが必要だというふうに思っています。

 政権がかわった、そして大臣が新しい政策を発表する、そのことによって国民一人一人の未来が大きく変わったり生活が振り回される、こういった影響が出る。これは事例に事欠かないわけでありまして、こういったことを考えますと、やはりこうした大きな政策転換においては、政治家たるもの、謙虚でなければいけない、そして丁寧でなければならない、こういったことを強く感じています。

 そしてさらに、こうした大きな政策転換、新しい政策、こういったものが、国会が開かれていない間にどんどんと発せられる。国会におきまして十分に説明を聴取することができない、議論することができない、あるいは追求することができない、こういった状況が続く中にあって、新しい政策がどんどんと発表される。こういった状況が続くということは、やはり大きな問題ではないかなと強く感じていたところであります。

 ようやく、政権発足から二カ月以上たち、本日から衆議院の国土交通委員会におきましても本格的な議論が始まりました。我々は、この二カ月分しっかりと議論をしなければいけないということで、きょうもしっかりと大臣に思いを、考えをお伺いさせていただきたいと思っています。

 時間の方は十分とは言えませんが、きょうは五人質問者を並べまして、具体的なテーマについてもそれぞれ深く掘り下げさせていただきたいというふうに思っておりますが、そのトップバッターとしまして、私の方からは、マニフェストあるいは公共事業、こういった切り口で少し大きな議論を大臣にさせていただき、お話を伺わせていただきたいと思っています。

 まず、マニフェストですが、このマニフェスト、選挙における約束、これは大変大切なことだと私も思っています。そして、選挙の結果を受けてマニフェストを実行する、実現する、このことも大変重要なことだというふうに思っています。

 ただ、だからといって、マニフェストの中身、選挙に勝ったからといって自動的にそれを実行するというだけでは済まない、自動的に実行するということによってさまざまな混乱も生じる。選挙後のいろいろな動きを見ていましても、いろいろな場面で感じるところであります。

 例えば、先ほど来話が出ております八ツ場ダムの建設中止の話でありますが、この八ツ場ダムの建設中止を大臣が表明された、大きな反響が起こっています。そして、大臣は、地元の一都五県の知事さんとの話し合いの中で、再検証をするというようなことを表明された、こんなこともありました。

 また、例えば高速道路の無料化の話にしましても、マニフェストに掲げて選挙を戦われた、そして選挙に勝たれた、新しい政権ができた。この政権においては、高速道路の無料化についても、社会実験を行うという形で概算要求を行う、こういった形をとっておられます。

 こういった姿を見ていて、例えばマニフェストというものは、つくる際に、もちろん十二分に検証されて、議論されて、しっかりとした論拠に基づいてつくられたと私は当然思っています。しかし、八ツ場ダムの問題において、いま一度再検証するということをおっしゃった。高速道路の無料化の問題についても、社会実験をとりあえずやってみる、六千億の予算を計上する、こういったことをおっしゃっている。

 これは、実際マニフェストを実行しようとする段階において再検証をする、あるいは社会実験をする、そういったことであるならば、そもそもマニフェストをつくる際の論拠というのは不十分だった、論拠が乏しかったということをみずから認めるということにはならないんだろうかと素朴に感じるところですが、そのことにつきまして大臣はどうお考えでしょうか。

前原国務大臣 大変いい観点から御質問をいただいていると思います。八ツ場の問題と高速道路の無料化の問題、それを例としてマニフェストの検証ということで御質問いただきました。

 先ほどから何人かの委員にお答えをしておりますように、八ツ場ダムと川辺川ダムというのはマニフェストに盛り込みましたけれども、それは入り口として、その二つを含めて百四十三の事業の見直しを行っていくということでございまして、別にこの二つだけを、違う言い方をすると、やり玉といいますか、それを象徴にしたわけではございません。

 この二つを選んだ最大の理由というのは、先ほどもどなたかの委員のときにお答えをしましたけれども、八ツ場で五十七年間、そして川辺川ダムで四十三年間、しかも、八ツ場は初めは二千百億円ぐらいの建設総額の見積もりでありましたけれども、現時点において四千六百億円に膨れ上がっております。また、川辺川ダムについては、当初三百五十億円でございましたけれども、現在、川辺川ダムは本体工事にはかかっておりませんけれども、二千二百億円以上のお金がかかっている。しかも、川辺川については、利水とそれから発電というものも加わった多目的ダムであったわけでありますけれども、農業利水からは撤退をし、そして水力発電からも撤退をするということで、多目的ダムではなくなっているわけであります。

 そういう意味では、この二つを一つの入り口として、我々はダム全体の事業の見直しをさせていただくということでございます。

 知事との話のときに再検証を申し上げたのではなくて、私は、同日ではございましたけれども、記者会見で八ツ場も再検証させていただくということを表明させていただきました。

 それは、マニフェストをつくったときの論拠が乏しかったからではもちろんなくて、住民の方々、何の罪もない方々ですよね、地域住民の方々、御迷惑をかけている方々との話し合いの糸口がなかなか持てないということをぜひ打開したいということの中で、じゃ、そういったテーブルに今着いていただいていない方々がテーブルにのっていただく、そういったきっかけとして八ツ場ダムについても再検証のテーブルに着かせていただく、それも、予断なく、アリバイづくりのための再検証ではないということを表明した上で、何らか対話のテーブルにのっていただけないかということで再検証を持ち出したということを、ぜひ議員には御理解をいただきたいと思います。

 高速道路につきましては、これはマニフェストにも段階的にということを明示しておりますし、また、原則としてということを書いてございますのは、これは阪神高速、首都高速については今までどおり料金は取らせていただくということで、すべてを無条件に無料化するということをマニフェストに書いたわけではございません。

 そして、我々は、前政権がやっておられたETCの千円割引、これも一つの社会実験だと思っておりまして、この社会実験というものを参考にさせていただいております。このことによって、例えばフェリーとか鉄道とかバスとかに影響が出ております。こういった前政権でやられたETC千円というものも参考にさせていただきながら、CO2の問題とか、他の交通機関の影響とか、あるいは混雑ぐあいとか、そういうものをさまざま検証させていただきながら、ファーストステップとして、まずは来年、第一弾目の社会実験を行わせていただき、そしてまた、それを皆さん方がやられたETCの社会実験とあわせて総括をし、また新たな社会実験を行っていく中で段階的に国民の周知を得る中でやっていくということでございまして、これは当初から予定をしていたことであるということは御理解をいただければと思います。

岸田委員 今お答えをいただきまして、まず八ツ場ダムの再検証につきましては、マニフェストの論拠が乏しいというのではなくして、話し合いの糸口として、テーブルに着くために再検証を行うという御説明でありました。

 再検証する中身ですが、私は、報道等で聞いておりますのは、治水、利水について再検証するという発言を大臣がされたというふうに思っていますが、それで間違いないでありましょうか。

前原国務大臣 そのとおりでございます。

 例えば、今、八ツ場ダムのお話をされておりますので申し上げますと、カスリーン台風というのが戦後すぐございましたけれども、あの被害が利根川水域で出たということを前提に、八ツ場ダムも含めた河川整備計画というのがつくられたと聞いております。しかし、伊勢崎の八斗島というところの一つのポイントにおいては、計画高水については、毎秒一万六千五百トンというのが計画高水と言われているもので、そして、二百年に一度ということの中で基本高水というものがつくられているわけであります。これは毎秒二万二千トンということでございます。今の八ツ場ダムが仮にできたといたしましても、二万二千トン毎秒というところにはいきません。したがって、あと幾つかダムをつくらなきゃいけないとか、さまざまな河川整備をやらなきゃいけないとかということなんですね。

 ここは、私は、こういった国土交通委員会という場、あるいは国会の場で、これからぜひ虚心坦懐に議論していかなくてはいけないと思うのは、例えば、二百年に一度という洪水に対応するという考え方、あるいは計画高水、基本高水という考え方、それによると永遠にダムをつくったり河川整備をやっていかなきゃいけないということ、それは今の日本の置かれている制約条件で本当にできるんだろうかということなんですね。したがって、そういった所与のものをすべて見直す中で、できるだけダムに頼らない利水、治水というものをやはり考えていかなきゃいけない。

 今、治水のことを主に申し上げましたけれども、特に利水は、利水計画が立てられたというのは、大体、人口もふえている、あるいは経済成長率も高い、あるいは節水の技術がまだまだないというようなときにできたものでございますので、当然ながら見直していかなくてはいけない。そういう意味で、そういった現時点における資源をどう生かすか、あるいは、社会状況を考える中で治水、利水をどう考えるか、そういった観点からすべてのダムについて検証を加えていくということでございます。

岸田委員 大臣から御丁寧な御答弁をいただいているのはありがたいことなんですが、私がお伺いしたかったのは、治水、利水の中身ではなくして、治水、利水について再検証するという御判断をされたと聞いていますが、そのとおりでしょうかということをお伺いしたわけです。

 そして、再検証の中身が治水、利水であるならば、話し合いをするために治水、利水の再検証をするということ、これは的外れではないかというふうに私は思っています。そもそも、本当にマニフェストの論拠がしっかりしたものであるならば、それをそのままお示しすれば、説得力がある論拠であるならば、それを示せば済むのではないかなというふうに思うわけです。

 それに加えて、地元の皆さん方と話し合いをする際に、治水、利水を再検証するというのはちょっと的外れだと感じたのは、先日、私も、八ツ場ダム、現地に行ってまいりました。長野原町あるいは東吾妻町、町民の皆さんの話も聞かせていただきました。現地も見させていただきました。その際に、多くの方々からいろいろな話を聞かせていただきました。

 昭和二十年代、このダム構想がスタートした時点、あの時点は、地元の方々は、やはり当然のことながら反対一色だったわけであります。自分の父親が、この関係者がやってくると散弾銃を持ち出して抵抗した、こんな話まで聞かせていただきました。

 こうした時代を経て、しかし、その後、さまざまな災害あるいは首都圏における生活水の問題等々、さまざまな議論が行われて、地元の方々としては、流域の何千万という方々の生命とか財産にかかわる問題であるならば、さらには生活がかかっているのであるならば、我々は、みんなのために、多くの方々のために自分たちを犠牲にしてこのダム計画について前向きに考えていかなければいけないのではないか、そうした苦渋の判断をされたという切実なる思いを聞かせていただきました。

 こういった方々の思いというのは本当に重たいものがありますし、我々政治家としてしっかり受けとめなければいけないわけでありますし、そして、こういった方々が将来の生活の不安を感じている、それに対してしっかりとこたえていかなければいけないということだと思います。

 その際に、治水、利水を再検証する、これは確かに大切なことでありますが、地元の方々からしてみれば、治水、利水は流域の多くの方々にかかわる問題であって、自分たちにとって一番切実な問題は、治水、利水ではなくして生活再建、これからどうなるか、こっちの方ではないかなというふうに思うんです。地元の皆さん方と話し合うために再検証したいというのであるならば、そっちを再検証する、それが筋ではないかと思いますが、それはいかがでしょうか。

前原国務大臣 大変いい御指摘だと思います。

 私もいろいろなダムの建設予定地に行かせていただき、残念ながら、八ツ場については、町長さん、高山町長さんや東吾妻町の町長さんや議会の皆さん方、知事を含めてお会いはいたしましたけれども、地元住民の方々との意見交換というのはまだできておりません。

 繰り返し申し上げているように、この方々には何の罪もありませんし、むしろ初めは、今、岸田委員がおっしゃったように、だれもが反対をされて、そして、むしろ旗を立てて徹底的に反対運動を行ってこられた。しかし、時間がたつにつれて、いろいろな分断作戦もあったんでしょう、あるいは、一人町から離れていき、二人離れていきということで、町が寂れていく中で将来展望が描けないということで、まさに下流の地域の方々の安全、そして利水のために苦渋の選択をしていただいたというのは、私は、岸田委員のおっしゃったとおり、一〇〇%そのとおりのことだというふうに思っております。

 ただ、ちょっと、これは御理解いただけると思うんですが、私が中止ということを申し上げております。やはり中止という前提では会えないということをおっしゃっているわけでありまして、中止かどうかということは、まさに河川整備を見直していくということと密接不可分なわけであります。

 したがって、八ツ場ダムも含めて、治水、利水の再検証を行う中で、先ほど申し上げたように、予断を持たずに、アリバイづくりのためにやるのではないということになれば、それは、上流の皆さん方が下流域の皆さん方の治水、利水のために頑張っていただいているという気持ちは本当によくわかるんです。

 川辺でも、五木村の体育館に三百人ぐらいの方が集まられて意見を伺いましたけれども、皆さん、今、岸田委員がおっしゃったようなことをおっしゃるんですよ、村長さんも含めて。つまりは、我々は下流の方々のことを考えて苦渋の選択をしたんだということなんですね。であれば、まずは下流の方々を説得できるような、より説得できるような再検証をやって、そして、その下流の方々のために頑張ってこられた当該地域の方々にも納得をいただけるのではないか。

 それと同時に、岸田委員がおっしゃったように、あるいは先ほど中島委員にもお答えをしたように、今までの公共事業というのは一度始めたらとまらない、とまったときの補償措置というものをしっかりと考えて、そしてまた、テーブルにのっていただけるのであれば、どういうまちづくりを一緒にやっていくのか。今は、ダム湖ができるという前提で生活設計を立てられているんですね。だから、ダムができないということになったら、本当に今大変困っておられると思いますし、私は余り時間を本当にかけちゃいけないと思っております、この方々の生活のためにも。

 そのことを考えるならば、テーブルに着いていただくためには、皆さん方が下流の方々のことを思っておられるのであれば、再検証というものをやらせていただくということで、何とかそういった思いに少しでもおこたえをいただけないかということで申し上げたわけでございます。

岸田委員 そして、大臣、地元の方に会っていただくためにということで再検証を表明されたわけですが、その後会えていませんね。なぜ会えていないと思いますか。

前原国務大臣 いろいろなルートでぜひお会いをさせていただきたいということはお願いをしておりますけれども、現時点においてはお話し合いをするには至っておりませんが、引き続き、ぜひお話し合いをさせていただきたいということについては、いろいろな形でお願いをしてまいりたいと考えております。

岸田委員 いろいろな形でお願いをされるということですが、恐らく、お願いをされるだけでは状況は変わらないのではないかと感じています。

 私自身感じるに、まず、基本的なところで、先ほど田中理事の御質問の中にもプレゼンテーションの手順というような表現で触れられた部分があったと思いますが、今回の件について、マニフェストに掲げてあった約束、これに基づいて中止という決断を表明されたわけですが、大きな政策転換においては、こうした決断とあわせて、丁寧な説明と、しっかりとした手順を踏み、そして代替案というものも責任を持ってつくる、こういったものがセットになってこそ、やはり多くの方々の理解が得られるのではないかなという気がいたします。

 今回、決断の部分だけ余りに、暴走とは言いませんが、先行してしまって、あとがなかなかついてこなかった。このあたりに対するやはり住民の方々の不満とか不安とか不信とか、こういったものがあるのではないかというふうに思います。

 ぜひ、お願いはしっかりして、しっかりしなければならないんでしょうが、この地元の皆さん方の思いをしっかり酌み取っていただいて、大臣の今までの国会における発言もいろいろと見させていただきました。

 予算委員会ですとかあるいはかつての建設委員会で、いろいろとこうしたダムについても議論をされておられますが、その際に、住民の意思を聞いて判断するとおっしゃった、そういう仕組みをしっかりやっていただきたいというふうに思いますですとか、あるいは、いろいろなものをこれから住民の方々と相談もしながら検討するというのが筋ではないですかとか。

 あるいは、地元の声というのは大切にされてきた大臣ですので、ぜひ大臣には地元の声をしっかりと受けとめていただかなければいけないと思うんですが、そのために、ぜひ具体的に、大臣の方が積極的に工夫をしていただかなければならないのではないか、こういった謙虚さや丁寧さが大切なのではないか、政策転換にはこういったものが大切なのではないか、こんなことを改めて思っています。

 そして、もう一つ、高速道路の無料化の話にも触れさせていただきました。

 まず、高速道路の無料化という政策については、その後、マニフェストに掲げられた政策についていろいろな世論調査が行われています。いろいろな世論調査の中で、高速道路の無料化は余り評判がよろしくないのではないか、反対の声が随分多いのではないかという指摘があります。

 高速道路の無料化について社会実験を行うということでありますが、この社会実験を行った後、政策判断としてやはり無料化を中止する、こういった判断というのはあり得るんでしょうか。

前原国務大臣 今、岸田委員が御指摘をされたように、我が党が掲げたマニフェストの中で最も評判が悪いのが高速道路の無料化ではないかというふうに思っております。しかし、私は、これは幾つかの誤解と、そして我々のいわゆる説明不足からきている点が多いのではないかと思っております。

 つまりは、先ほどもどなたかの委員にお答えをしましたけれども、全部無料になるんじゃないかというような思いを持っておられる方がおられるとか、いきなり無料にするのではないかというような思いを持っておられる方、あるいは、前政権、自民党、公明党の政権で進められたETC千円で影響が出た交通機関の方々、私の部屋にもいろいろな業界の方々あるいは首長さんも含めて陳情に来られます。ETC千円でこれだけの売り上げが落ちたんですよというような、鉄道、バス、あるいは内航汽船、フェリー、こういった方々もたくさんおいででございます。

 例えば、この社会実験は、そういったものも、せっかくETC千円もやられて、私はこれは一つの社会実験として非常に参考になると思っておりまして、これも参考にさせていただきながら、他の交通機関への影響というものをしっかり勘案する中で、段階的な社会実験をちゃんとやっていくということをお見せしていけば、私は安心をしていただける面があるのではないかと思います。

 また、我々が今、これは馬淵副大臣を中心にさまざまな社会実験のプランを立てていただいておりますけれども、現段階におけるシミュレーションにおいてはCO2は下がるということになっております。それは、他の交通機関への移転も含めたもので、まだあらあらなので表にしておりませんけれども、今の我々の試算ではCO2は下がるのではないかというふうに思っておりますし、また、無料化すれば逆に混雑して不便になるんじゃないか、こういうような方々もおられるわけでありますが、当然ながら、そういったところには我々は無条件で無料にするというつもりはありません。

 それも社会実験の中で、ここは無料にした方がCO2排出量も減る、あるいはいわゆる一般道の混雑が転嫁できるというようなプラスの面が出てきたり、あるいは、無料にしたら渋滞になるんじゃないかという都市部については、ちゃんと社会実験では、ある程度料金を取りながら、現実的にやっていくんだなということがお示しをできれば、こういった不安というものはだんだんと解消されていくのではないか、このように考えております。

岸田委員 丁寧な御答弁、大臣の人柄があらわれているのではないかなとは思いますが、私に与えられた時間は限られておりまして、ぜひ私の質問に端的に答えていただきたいと存じます。

 私が質問させていただいたのは、この高速道路の無料化、この社会実験、中止はあり得るか、要は引き返すことができるかどうか、それをお伺いいたしました。

前原国務大臣 やんわりとお答えをしたつもりなんですが。社会実験をしていけば、今否定的な方々の比率は下がっていくということでございますので、中止は考えておりません。

岸田委員 この高速道路の無料化の問題、時間も限られておりますので、少しまとめて申し上げさせていただきたいと思いますが、これは、いろいろな他の政策、いろいろな考え方との整合性において、いろいろな無理があるのではないかなと私は思っています。

 例えば、交通体系全体のバランスを考えた場合、現在の日本の国の全国の交通体系というのは、高速道路は有料であるということを前提にしてさまざまな交通機関も料金を設定しているわけでありますし、運行を行っているわけでありますし、そしてフェリー等も路線等を考えている、こういったところであります。その中で一つだけ無料という、一部分だけ税金で賄ってしまおう、無料化しようということになった場合のバランスという意味で一つ問題が出てくるのではないかとか、それから、あと、大臣は先ほど温暖化対策との整合性や、温暖化ガスは削減されるというふうにおっしゃいましたが、このあたりもいろいろな議論がありますので、ぜひ大臣にこれは丁寧に聞いていただきたいというふうに思います。

 高速道路が無料化されることによって、一般道路からこうした高速道路に乗りかえてくる、こういったことが当然想定されるわけですが、それ以外にも、他の交通機関からの乗りかえも当然あるわけでありますし、さらに、無料化によって新規に加わる、新規の自動車の走行を誘発する、こういった状況もあるわけですから、そこまで考えるとどうなんだろうか。

 さらには、こうした他の交通機関から自動車へのシフトがあるということを考えた場合に、モーダルシフトという考え方、環境の分野において大変重要な考え方ですが、これに逆行するのではないかとか、この辺もぜひ丁寧に見ていただかないと、何か一部の数字だけでこれは大丈夫だという簡単な話ではない、これは強く感じますので、これはしっかりと考えていただかなければいけないというふうに思います。

 それから、これはそもそも負担の話ですが、高速道路を無料化していく、大臣から今御説明があったように、段階的であるとか全部無料化するわけではないということではありましたが、しかし、無料化を進めるということになったならば、その部分を中心に従来の高速道路の債務をどう負担するのか、それから日々の維持管理費をどう負担するのか、こういったことについてどう考えるのか。これは、税金で賄うということになったならば、財政再建との絡みにおいて問題が出てくるのではないか。

 では、その点について、大臣、どうですか。

前原国務大臣 簡潔にお答えいたします。

 マニフェストの中では、この高速道路無料化を行うという中での財源は示してございますけれども、先ほど委員からも御指摘があったように、国民全体が不安を感じているという事業でありますので、社会実験をしっかりやって、その影響評価を行っていくという中で最終形を決めていきたいというふうに思っておりますので、先ほどの財源等の問題についても、社会実験でどういう最終形にしていくのかということを、社会実験を通じて決めてまいりたいと考えております。

岸田委員 その負担の問題についても、例えば維持管理費一つとっても、これから老朽化していく高速道路は、維持管理費がはね上がることが当然予想されます。我が国より先行しているアメリカやドイツにおいても、無料であった高速道路も維持管理費の膨大な膨らみに対応するために有料化を進めていく、こういった傾向もあるわけでありますから、それに逆行するような動きをしているということも、財政との絡みにおいて考えていただかなければいけないと思います。

 いずれにしましても、財政との関係、環境対策との関係、あるいは日本全国の交通体系との関係、こういった中で本当にこれがバランスのいい政策なのかどうか、これをひとつ考えてもらわなければいけませんし、何よりも、先ほど来大臣が社会実験、社会実験というふうに繰り返されておられますが、社会実験によって、例えば他の交通機関、フェリーを初めとしてさまざまな交通機関に影響が出ています。廃業に追い込まれている事業者も随分と出てきています。国の社会実験、国の実験で自分の会社をつぶされたというのでは、これはもう死んでも死に切れないわけであります。

 これはぜひ、社会実験などという軽い言葉で説明するのではなくして、この実験が実行されることによって、多くの国民の仕事や生活がかかっているわけですから、もっと真剣に、社会実験についても、例えばもっと具体的に早く国民の前に示す、そして、どのぐらいのスケジュールでどんなことをやるのか、この具体案をしっかり明らかにする、そういったことをしないと、国民もみずからの生活や仕事を防衛する自己防衛の準備もできないわけであります。政府の社会実験で自分たちの生活がずたずたになったなんて悲鳴が実際今起こりつつあるわけですから、こういったものについてしっかりこたえられるように、しっかりとした責任のある対応をぜひお願いしたいというふうに思っています。

 時間の方、ちょっと済みません、あと五分になってしまったので、こうした政策転換においては謙虚さと丁寧さが必要だ、再三繰り返していますが、この点についてぜひ申し上げさせていただきたいと存じます。

 大臣、あと五分少々しかないので、では、簡潔に一言お願いします。

前原国務大臣 答弁の時間をいただいてお言葉を返すようでまことに申しわけないんですが、今影響が出ているのは、自公政権のときにやられたETC千円で問題になっているわけでありまして、ですから、それは、私どもは大事な社会実験の材料として考えさせていただこうと思っております。そして、内航汽船、他の交通機関への影響というものも勘案した上で社会実験をやらせていただく。

 もう一つ、財政負担のこともありますけれども、我々は、高速道路の料金を下げることによって、物流コストなどが下がる、移動コストが下がることによってのいわゆる経済波及効果というものももちろん考えているわけでありますので、トータルでこの問題は国民に理解していただけるように努力をしていきたいと考えております。

岸田委員 私が申し上げたのは、経済効果だけではなくして、交通体系のバランスですとか、環境ですとか、財政ですとか、ぜひ丁寧に考えていただきたい、そういったことであります。

 それで、最後にちょっと、もう時間がなくなったので時間の許す限りお伺いしたいと思いますが、新政権は、コンクリートから人へということを盛んにおっしゃいます。公共事業ということについても、所信の中で大臣は、真っ先に公共事業のあり方について触れておられます。

 公共事業について、例えば、平成二十一年度の補正予算の執行停止においても、この執行停止九千百六十九億のうち八千八百十六億が公共工事の停止ということになっています。実に九六%が公共事業ということです。あるいは二十二年度の概算要求においても、国交省の要求、全体では七千六百三十四億のマイナスということになっていますが、非公共の部分でプラスがありますので、結局、公共の部分だけ逆に八千百五十七億のマイナスということで、特に深掘りがされています。

 こういったものを見ておりまして、公共事業について、特に集中的にこういった予算の見直しについても触れておられるのではないか、そのように思いますが、公共事業に対する考え方について大臣にお伺いしたいと思うのです。

 時間が限られておりますので、一つお伺いしたいことは、大臣は、参議院の委員会での質疑において、自民党の委員からの質問で、国土交通大臣というのはインフラ整備についてしっかりと考えるべきだという質問を受けて、自分は確かに国土交通大臣だけれども国務大臣でもあると。国務大臣であるから、財政再建、こういったものについてもしっかりと考えていかなければいけない、そう思っているということを言っておられました。

 そういった発言があったものですからちょっとお伺いするんですが、前原大臣にとって、日本の国の財政再建、どのように考えておられるのか、それとの公共工事の関係、これについてお考えをお聞かせいただけますか。

前原国務大臣 先ほど、別の同僚委員の御質問にもお答えをしたのでありますが、人口が減っている、少子高齢化が進んでいる、莫大な借金がある。先ほど委員御自身もおっしゃったように、高速道路のみならず、今までのインフラ整備の維持管理費というのはどんどんどんどんこれから膨れ上がっていくことになります。

 そうしたときに、国民からお預かりしている税金をどこに重点的に配分するかということを考えたときに、私は、少子化対策、社会保障、あるいは教育、そして環境、あるいは食料自給率やエネルギー自給率を高めるといったところにできる限りお金を使っていくべきではないかというふうに思っております。

 もちろん、国土交通省所管の産業分野の育成というのも大事な仕事でありますけれども、全体の今の日本の置かれた状況と日本の財政の制約要因というものを考えると、今申し上げたようなところにやはり主にお金を使っていくということにならざるを得ないのではないかというふうに考えております。

岸田委員 日本に課せられた制約条件、人口減少、少子高齢化、そして大変な財政状況、こういった三つを挙げておられるわけですが、それとの公共事業の関係を考えた場合、確かに公共事業というのはしっかりと見直して精査しなければいけない、これは当然のことだと思うんですが、日本に課せられている財政の状況、GDPの一・七倍という莫大な借金があります。そして、今の政権も、実に概算要求、要求ベースで九十五兆円を超える要求をされております。その中での公共事業、国土交通省の要求でも、二十二年度四兆九千億程度の要求であります。これは、全体の中での公共事業の規模というのはかなり限られているのではないか、公共事業は精査しなければいけないといっても、これを何か削っていけば日本の財政再建は果たせるのではないかという錯覚、まやかし、これに陥ってはならないのではないかと思いますが、それはどうでしょうか。

前原国務大臣 大変いい御指摘だと思います。

 国土交通省だけの予算を見直しただけでは、国全体の予算配分は大きく変わりません。ほかの省庁の無駄は徹底的に削っていかなくてはいけないというふうに思っておりますので、私は、国土交通大臣あるいは内閣府担当の大臣として、自分の所管については、全体の中での予算配分をどう変えるかということで行動させていただいた、ほかの大臣も同じような思いで行動していただきたいというふうに思っております。

岸田委員 時間が参りましたので、また次の機会に譲りたいとは思いますが、公共事業についても、今、大臣は、無駄を省かなければいけない、そういった発言をされました。公共事業の役割ということを考えた場合に、確かに、こうしたインフラを整備しなければいけないという役割とあわせて、経済効果というものは当然あると私は思っています。雇用ですとかあるいはさまざまな需要を創出する、あるいは地域における格差を解消する、こうした役割はしっかりあると思っていますので、こういった役割についてどう考えるかということを考えた場合に、公共事業、単に数字を減らせばいいというものではないというふうに思っています。

 そして、何よりも、公共事業というものは額を減らすところに集中してばかりいていいんだろうか、公共工事の質というもの、安かろう悪かろうというのでは、これは国民の大切なインフラをこれから維持することはできないわけでありますから、公共工事、この量と質、これはともにしっかり考えていかなければいけない大きな課題を持っています。

 どうも、ややもしますと、公共工事の見直し、額の見直しばかりが、どれだけ削ったということを誇らしげに言うような風潮があるわけですが、大切な国民のインフラの質をこれからどう維持していくのか、この厳しい財政の中でも質を保持するためにはどうしたらいいのか、入札のあり方等々、いろいろなところで工夫しなければいけない問題でありますので、ぜひこの点につきましても、丁寧に、謙虚に大臣に対応していただきたいと存じます。

 本当に限られた時間ですが、いろいろ議論を通じて思うこととして、やはり他の政策との整合性とか戦略性とか、こういったもの、あるいは新しい政策を発表する際に、説明ですとか手続ですとか、あるいは代替案ですとか、こういったものについて丁寧にしっかり示していくとか、こうした政権がかわり新しい政策を打ち出していく際に、やはり政治家として、謙虚さと丁寧さ、これだけは失ってはならないのではないかと強く感じております。

 ぜひ、大臣にそういった思いでこれからしっかりと国土交通行政を担っていただきたいというふうに思っています。また次の機会にしっかりと議論をさせていただきたいと存じます。

 ありがとうございました。

川内委員長 岸田文雄君の質疑は終了いたしました。

 次に、三ッ矢憲生君。

三ッ矢委員 おはようございます。

 前原大臣以下、政務三役の皆様方、就任二カ月でございますが、まことにおめでとうございます。これまで大変な意気込みでいろいろな課題に取り組んできておられることに対しては、心から敬意を表したいというふうに思っておる次第でございます。

 きょうこれまでの質疑を聞いておりまして、どっちが与党なのかどっちが野党なのかよくわからないという面がありまして、まだ二カ月で、きょうは国土交通委員会最初の質疑ですから、まだ我々もマインドがなかなか変わっていない。逆に、与党というか、政府の皆さんも含めて野党マインドが抜け切れていないというような気がいたしております。できるだけ早く我々も野党マインドをしっかりと身につけるように頑張ってまいりたいなというふうに思っておるところでございます。

 まだ二カ月ですから、しばらくは温かく見守っていこうかなと思っておったんですが、次から次へといろいろな問題が出てきて、しかも予算も目前に迫っておるわけですから、きょうは特に喫緊の課題、その前に、実は前原大臣の基本的な姿勢といいますか、ここら辺についてちょっとお伺いをさせていただいて、その後、具体的な質問、航空問題を中心にやらせていただきたいなというふうに思っております。

 最初に、民主党政権、官僚支配の排除、政治主導でいくんだということで政権をとられたわけでございますが、政府の中に入られて、政と官の関係ですね、これは前原大臣は本来どうあるべきとお考えなのか、大臣のお考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

前原国務大臣 若干国民の中で誤解をされている面もあるかもしれませんけれども、官僚が悪だと思ったことは一度もありません。やはり、政治が意思、そして指針をしっかり示して、そして官僚がそれに協力をしながら行政を遂行していくということが大事だと思っておりますので、お互いが協力し合う関係にある、このように私は認識をしております。

三ッ矢委員 中に入られて、そのとおりにいっているというふうにお思いでしょうか。

前原国務大臣 大臣を引き継がせていただいた金子先生がこの委員会においででございますけれども、実は、金子前大臣の事務の秘書官を私は今政務の秘書官にしております。ですから、もし本当に官僚を徹底的に排除するのであれば、前の自公政権のときの大臣の事務秘書官を政務秘書官にするということはなかったと思います。やはりその人の能力とか識見とか、また役所のあり方を含めて、私はずっと野党でございましたので、もちろん国土交通省のお役人の方、存じ上げている方は何人かおられますけれども、皆さん方のようにずっと与党にいたわけではありませんので不案内だというのがございます。

 そういう意味では、やはり中のことを知っている方にも協力いただいて、我々の考え方をしっかりと実行していただくということで今御協力をいただいておりまして、大変私は頑張っていただいている、こういう認識を持っております。

三ッ矢委員 我々が野党になりまして、部会等に説明に来ていただく。実は、役所の方は細かいところまで説明してくれる。あるいは、もっと言いますと、方針、この部分について聞きますと、いや、それは政務三役でお決めになっているのでお答えできませんというのが多いんですね。実際に、では政務三役の皆さんがどういう方針を考えておられるのかということは、記者会見をテレビで見て初めて知るというようなことを言っておられる方もいまして、私も実は役人を長いことやっておったのですが、少なくとも今の段階で国土交通省に残っていなくてよかったなと私は思っております。

 ぜひそこのところは、これから時間もかけてということだと思うんですけれども、私はやはり政治家は役人を使いこなさないといけないと思いますよ。それは、官僚支配と皆さん言われていましたけれども、私は、そうじゃなくて、政治家がしっかりしていればそんなことは絶対起こり得ないんですよ。残念ながらしっかりしていない方もおられたのかもしれませんが。

 そこのところは、役所は、何のために公務員に皆さんがなっているのかというと、別に天下りがしたいからとかそういうことじゃなくて、やはりもうちょっと高い志を持って公務員になっているんです。その人たちのモラールとかやる気をそがないように、むしろこれを、大いに能力を活用していただくような方向でしっかりと連携をとっていただきたいなと思います。残念ながら今の段階ではそうなっていないということを申し上げたかったのですが、ぜひそういう方向で御努力いただきたいなというふうに思います。

 それと、いま一つ、今の問題との関係でちょっと気になっていますのは、政務三役の方が御自分たちでお集まりになって、いろいろ会議をされたり方針を決めたりされている。こんなことはまさかないと思うのですが、まさか政務三役の方が自分で電卓をたたいて細かい数字までチェックしてやっているというようなことはないと思うのですが、もしそんなことをやっているのであれば、これは私は、政治家がただ官僚化しているだけの話であって、そんなわざわざ選挙に出なくて、公務員試験を受けてくれればいいんですよ。そういうことだと思います。

 もう一つ、ちょっと心配していますのは、いろいろ細かいところまで三役の方が、政治家がチェックしているというようなことになってきますと、まさかそんなことはないと思いますが、利益誘導のおそれが出てくる可能性があるんじゃないか、そこを危惧しています。

 この二点、政治家の官僚化と利益誘導、これについてはどういうふうに対応というかチェックされていくのか、もしお考えがあれば伺いたいと思います。

前原国務大臣 運輸省におられた三ッ矢先生のお話というのは、私は非常に説得力があると思っております。

 大事なことは、一番初めに申し上げたように、官僚は悪ではないし、ましてや敵対をする関係ではない、政治家がしっかりと方針を決めて、そして官僚と協力しながら行政を進めていくということに尽きるんだろうと思います。

 先生の御指摘について、私は謙虚に耳を傾けなきゃいけない、さきの岸田委員の話じゃありませんが。思うのは、この二カ月の間、やはり初めはよくわかりません。したがって、政務三役だけが集まって政策決定をしていたという時期もございました。しかし、今は政策審議室というものをつくりまして、八名、今、残念なことに一人亡くなられまして七名でありますけれども、役所の方にもその政策審議室に入っていただいて、そして政策決定を一緒にやっているということで、そういう意味では役所の中の風通しはかなりよくなっているんではないか、このように考えております。また、役所の方々の力もかりなければ回っていかないというのは、まさに先生がおっしゃるとおりだというふうに思っております。

 そういう意味では、徐々に徐々に、我々、変になれるといけませんけれども、なれつつあって、そこは任せる、決めるところは決めるというようなめり張りが徐々につき始めているんではないかと思いますので、今までそういう不満というものが先生の耳に入っているとすれば、それは改善をしていかなくてはいけないことだろうというふうに思います。

 あと、利益誘導というのは、これは絶対あっちゃいけないことだと私は思います。それをしっかりと正していくということが我々の一丁目一番地だと思っておりますので、しっかりそこは大臣として監督をしていきたい、このように考えております。

三ッ矢委員 うまくやっていただきたいと思います。

 事業仕分けの話に移りたいと思うのです。

 この間から事業仕分けが毎日毎日テレビに出てくるものですから、一生懸命やっておられるなというパフォーマンスは非常にいいんだと思うんですが、どうも私ども、テレビを見たり新聞を読んだりして、どういう基準で仕分けをやっておられるのか、どういう方針なのか、よくわからない点があるんです。しかも、各省が出された概算要求の中身をチェックして仕分けをしているわけですから、私は、本来は各所管省庁が概算要求を出すということは、責任を持って自分たちに必要な事業を要求していくんだということで出されたわけですから、それをまた、まないたの上にのせて、必要か必要じゃないかとか、言ってみれば外野がああいう仕分け作業をするというのは一体どういうことなんだろうかと。これは大臣も二、三コメントされていたやに伺っております。

 まず、事業仕分けのチームの仕事とそれから各省の大臣初め政務三役の方々との関係がどうなっているのか、私もよくわからないものですから、もしおわかりだったら教えていただきたいと思います。

前原国務大臣 私は、この事業仕分けというのは非常に高く評価をしております。

 初めてのことですので、事業仕分けになじむテーマが事業仕分けに入っているかどうかという議論は確かにございますし、私も記者会見等で、例えば河川整備とかあるいは道路整備という国土交通省の、おられた三ッ矢先生に釈迦に説法ですけれども、根本のところを事業仕分けするというのは一体何なんだという思いもございましたけれども、例えば一つ一つの、根本の事業じゃなくて、細かい事業とかあるいは機構とか基金とか、そういうものについてのチェックというのは、本当に、むしろ助かっているという思いを私は持っております。

 例えば、おとついやっていただいた事業仕分けで大変よかったなと思うのは、UR都市機構の出資金の問題。これは、UR都市機構が住宅をつくって、そして老朽化して建てかえる、建てかえたら家賃が高くなる、家賃が高くなったら今まで住んだ方が入れない。その家賃補助を行っているんですけれども、家賃補助だけだったら十億程度で済むようなものを、例えば四百億以上の出資金で出して、それは、継続ということで、役所の説明はわからなくもないんです。その方が継続されて安心されるということなんですけれども、毎年毎年三百億も四百億も出資していくというようなことは、これは事業仕分けしていただいて大変よかった、私はこのように思っております。

 そういう意味では、いろいろな御意見はあると思いますし、また、始まったばかりでありますけれども、私は、この事業仕分けというのは高く評価をしておりますし、今後も続けていくべきことではないかと考えております。

三ッ矢委員 きのうでしたか、関西空港の補給金の話が仕分けの対象になっていて、凍結ということを仕分けチームの方では言われたと思うんですね。今ちょっと馬淵副大臣がおられませんが、馬淵副大臣は、とんでもないというようなことを、とんでもないと言ったかどうか知りませんけれども、言葉は正確じゃないですが、やはりこれは必要なんだというようなことを言われたやに伺っておりますが、これは事実関係はどうなんでしょうか。

前原国務大臣 馬淵さんのお話をしましたけれども、また、記者会見については私も存じておりますけれども、これはまた先生の方がお詳しいと思いますが、関西三空港のあり方を根本的に見直さなきゃいけないというのは、そのとおりだと思うんですね。そういう意味で、結論を先送りしたまま補給金を出し続けるということについて、仕分け人の方は、ちゃんと決まるまで補給金は出すべきではないということを決められたわけです。

 補給金を今回の予算で出すかどうかというのは、最終的にはこれは閣僚折衝になりますし、政治の判断で決めますけれども、問題の視点はやはり正しいと思うんです。つまりは、早くこの関西三空港のあり方、特に有利子負債を一兆一千億円以上抱えている関空をこれからどうするんだということを決めないままにずっと出し続けることについて、ノーを言われたという仕分けについては、我々は高く評価しているということでございます。

三ッ矢委員 私は、この仕分けの話は、やはり所管省庁の存在意義そのものも問われている問題だと思っているんですよ。

 それで、恐らく、仕分け作業が終わった後、また各省庁と今度は財務省とやるんですかね。要するに、今やっていることというのは、本来ですと各省庁の担当者と財務省の主査なり主計官がやっていることを公開の場でやっている。しかも、対象事業はだれが選んだかといったら、財務省が選んでいるわけですよ。しかも、主計官なり主査なりがいて、結局、財務省がおぜん立てした舞台の上で、彼らもなかなか今まで切り込みにくい項目もあったと思うんですけれども、それについて、いわば外圧利用で削っていこうということを演出しているだけにすぎないんじゃないかなというふうに思います。

 むしろ、やはり各省の大臣が頑張って、本当に必要な事業はしっかりと確保していくんだということを、仕分けの結果がどうあろうが、しっかりと主張していただきたいなと思います。それはお願いにとどめておきますけれども、そういう仕事が政務三役の皆さんのお仕事だと私は思うし、何のために概算要求をつくって事業の必要性を訴えてこられたのかというのがわからなくなりますから、しっかりしてほしいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 ちょっと話はかわります。

 大臣、この二カ月間のいろいろな発言等を伺っていまして、いろいろなことをたくさんおっしゃる。我々もついていくのが大変なんです。やり方として、最初にアドバルーンを上げられて、周囲の方とか関係者の方のいろいろな反応を見ながら徐々に修正していくというやり方をどうもお好みなのかなというふうに私には見えます。ただ、これは、先ほど来八ツ場ダムの話とかあるいは高速の無料化の話の関係でも出ていましたけれども、大臣の発言によってすごく影響を受ける人がいっぱいいるわけですね。

 これについては、実は大臣が御自分の所信の中で、これは公共事業についてのお話ですけれども、公共事業については、国民にとって本当に必要なものかどうかをもう一度見きわめ、国民の安全を守り、我が国の国際競争力を強化する上で真に必要なインフラ整備を戦略的かつ重点的に進めてまいりますとおっしゃっています。その上で、治水、空港、あるいは道路等について、予断を持たずに再検証する、また、迷惑をこうむる地域住民の皆さんに対して、丁寧に説明し、御意見を賜り、合意を得る努力を積み重ねていくと言っておられます。

 これまでの大臣の、先ほど来話が出ております八ツ場ダムの中止宣言、あるいは羽田空港の二十四時間ハブ空港化の話、私は、ちょっとこれは所信の中で言っておられることに反しているんじゃないかなというふうに思うんです。本来ですと、きちっと検証した上で結論を持って、その検証した内容を説明していくというのはわかるんですけれども、そうじゃなくて、最初にぼんと結論を言って、後で再検証しますよ、こういうふうな、どうも順番が逆になっているような気がしてしようがないんですが、その点についてはいかがですか。

前原国務大臣 委員の御指摘については、そういった思いを持たれているということについては、しっかりと御指摘をいただいたということで承りたいというふうに思っております。

 例えば八ツ場ダムについて申し上げると、中止という方針は示させていただきましたけれども、では、法的に中止ということになると、当然ながらこれは流域の自治体、当然ながら直轄事業でありますので国会の議決、こういったものが最終的になければ、八ツ場ダムの法律としての中止ということにはならないわけでございます。そこはまさに、こういった委員会、国会の場でしっかり議論をいただく中で、いわゆる国権の最高機関である国会でお決めをいただくということでございますので、しっかりさまざまな観点から御意見を言っていただいて、そして最終的に決めるという方策がとられると思っておりますので、その流れで、我々は、当然ながら、話し合いというものをしっかり行いながら決めさせていただきたいと考えております。

三ッ矢委員 私が申し上げたかったのは、この所信の中で言っておられる二点なんですね。一つは、予断を持たずに再検証すると言っておられること、もう一つは、地域の住民の方々の意見を十分にいただきながら合意を得る努力を重ねていく、この二点なんです。そこをぜひ忘れないでやっていただきたいなということであります。検証のやり方とか、これはいろいろあると思いますが、少なくとも、関係者に対する説明とか合意形成とか、これだけはきちんと丁寧に、本当に丁寧にやっていただきたいなというふうに思っております。

 その関係で、実は先般、十一月十日に我々も八ツ場ダムを見に行ってまいりました。先ほど岸田委員の方からもお話がありましたが、地元の皆さん方と、これは二つの町の町長さん、議会の関係の方、それから地域の利害関係といいますか関係する住民の方々とも意見交換をいたしました。その中で、これだけはどうしても委員会で確認してくれないかということがありましたので、お伺いしたいと思います。

 前原大臣は、九月十七日に、野党のときに何度も何度も八ツ場ダムについては視察をして、地元の方々あるいは当該自治体の方々とお話ししてマニフェストにした、しっかりと話を伺った上で党のあり方を決めたとおっしゃっています。

 これに対して、ぜひ地元の皆さんが聞いてくれと言われたのは、いつどこでだれと話をしたのか、自治体と話をされたと言われているけれども、話をした覚えは自分たちはないと。これは皆さんの言葉をそのまま伝えているんですが、単に民主党寄りの一人か二人と話をしただけではないのか、地元住民のほとんどは話し合ったことはないと言っている、ぜひそこを確認してくれというお話がございましたので、もし御記憶であれば答えていただきたいと思います。

前原国務大臣 これはもう明らかにしておりますけれども、私は八ツ場には選挙前に伺ったことはございません。ただ、鳩山当時幹事長も含めて、何度も、特に群馬県選出の議員が足を運んでいろいろな方々とお話を伺う中で、最終的にいろいろな見地から検討を加えて決めた、こういうことでございます。

 もし可能であれば、だれがいつ行かれたのか、そして、特に現総理がいつ行かれたというのは恐らく記録に残っておると思いますし、また、さまざまな議員が視察に行っていると思いますので、できるだけ調べて、約束されてきたんですから、それは委員にお伝えをしたいというふうに思います。

三ッ矢委員 私も請け負った以上は責任がありますので、ぜひ、できるだけ詳しい、だれがだれにいつどこで会って、どんな話、話の中身までわかると一番結構なんですが、そういう記録があればお出しいただきたいと思います。

 ちょっとまた話をかえますが、高速道路の無料化の話を一点お伺いしたいと思います。

 これは社会実験として六千億要求されていますね。六千億円といいますと、今の高速道路の料金収入、これは首都高、阪高を除いた料金収入の大体三分の一ぐらいだと思います。これは、社会実験と言うには非常に規模が大きいですね。どういう路線を選んで実験されようとしているのか、もちろんまだはっきりしていないわけですが、恐らく、そんなに混雑しているところからやっていこうということにはならないと思うんですね。そうすると、路線延長としては実は三分の一以上、すいているところから選びましょうということになると、六千億円かけてやるわけですから、四割とか五割とか、そういうスケールの実験になると思うんですね。

 これは、さっきから、フェリーですとかあるいはトラック、バス、鉄道、我々も実はヒアリングをしました、業界の方からも。特に、路線をどういうところを選ばれるかということにもよるんですけれども、下手をするとこれは即死する、実験で即死をしてしまうというようなところも出てくるんじゃないかというので、大変心配をされております。

 この六千億の中にそういう方々に対する対策というんでしょうか、これも盛り込まれているんでしょうか、お伺いしたいと思います。

前原国務大臣 先ほど岸田委員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、我々は、自公政権で行われたETCを使った土日千円あるいは深夜割引、いろいろな複雑なことをやっておられますけれども、これは一つの社会実験として有効に活用させていただこうというふうに思っております。また、その影響が出た業界から、先生方も陳情を受けておられるでしょうし、我々も要望を受けているということでございます。したがって、ETC千円によってどこがどう影響を受けたのかということは、あらかた我々認識をしております。

 したがって、当然ながら、その影響というものを勘案した上で社会実験を行っていくということにさせていただきたいと思いますし、六千億がすべて無料化とか料金を引き下げることによって必要となる金額ではなくて、六千億の一部は、そういった影響の出る他の交通機関に対するいわゆる措置についても、この六千億からある程度は使わせていただくということを考えております。

三ッ矢委員 報道によりますと、政府は、マニフェスト実現のための予算規模を圧縮しよう、縮減しようという方針を固めたというような報道がございます。関係省庁の副大臣らによる作業部会を今週内ですかに発足させて予算圧縮を目指すんだと。

 私もこれは正しい方向だと思うんですよ。事業仕分けをするのであれば、既存の事業だけじゃなくて、マニフェストの仕分けもしたらいいですよ。ぜひやっていただきたいと思うんですが、これは事実ですか、週内に発足させて検討するということが決まったというのは。

前原国務大臣 事実でございますが、担当は馬淵副大臣ですので、馬淵副大臣から答弁をさせていただきます。

馬淵副大臣 マニフェスト主要事項に関するヒアリングというものが実施されます。近々にでございますが、一両日中で、こうしたマニフェスト項目につきまして、内閣府また各関係省庁、御相談をさせていただくということになっております。

 今委員の御指摘の六千億円の中身につきましても、現時点で検討し得る最大の部分につきましてはしっかりとお話をしてくる、そういった状況でございます。

三ッ矢委員 これもぜひ、マニフェストの仕分けという意味でしっかりと対応していただきたいなと思います。

 私は六千億も要らないと思っているんです、正直言いまして。藤井財務大臣も、実験で六千億というのは、これはちょっと額が大き過ぎるんじゃないかというようなことをおっしゃっていましたし、さっきも言いましたように影響が非常に大きいですから、ぜひここは慎重にやるべきだと思うし、そもそも無料化が必要かどうかということも含めて検証する必要があると思っております。そこも踏まえて対応していただきたいなというふうに思います。

 ちょっと時間がなくなってきましたので航空問題に移りたいと思いますが、大臣は、日本航空の経営不振の最大の原因は何だというふうにお考えでしょうか。

前原国務大臣 いろいろな要因があるんだろうと思います。

 直近でいいますと、やはり昨年秋以降のリーマン・ショックに端を発する世界同時不況ということで、委員御案内のように、JALだけではなくて世界じゅうの航空会社が営業収益が落ちているというのは御承知のとおりだというふうに思いますし、また、新型インフルエンザというものもその原因の一つに挙げられるのではないかと思います。

 ただ、私がJALの問題をずっと見ていまして思いますのは、やはり国内的な要因というのもかなり大きいのではないかという気がしております。

 よく二社体制ということでJALとANAを比較されるわけでありますけれども、この比較がいいかどうかというのも議論があります、相対的なものでしかありませんので。

 ただ、やはりこの二つを比較しても、高コスト体質というものは極めて顕著でございますし、時代の流れに対応できていないような、例えば大型機材というものの保有比率が高いといったこともありますし、あるいは給与、待遇、こういった面でのコストアップというものも大変大きいのではないかというふうに思います。また、これも相対的な比較で恐縮でありますけれども、ANAはホテル事業を売却して、そして、かなり配備がおくれていますけれども787という新たな機材を導入して、燃費の改善、あるいは新たなコスト削減というものを先行投資してもやろうといったことが、おくれてきたということも大きなポイントだと思います。

 また、空港整備特会で今まで九十七空港をつくり続けてきた、そして国のある意味での指示によって不採算路線を飛ばされてきたということもその理由の一つではないか。いろいろな理由が考えられるのではないかと思っております。

三ッ矢委員 この原因をきちんと突きとめてこれを除去しない限り、再建はおぼつかないと思うんですよね。

 今お答えいただいたように、確かに短期的要因としては、去年からの景気の問題それからインフルエンザの問題等あると思います。ただ、これはみんな同じ話ですから。アメリカのメガキャリアも全部赤字です。アメリカのメガキャリアも、これは実は、多分全社ですね、一度チャプターイレブンが適用になって身ぎれいにしてから再出発しているんですけれども、やはり赤字になっている。ヨーロッパも、今航空界の再編が、嵐が吹き荒れていると言ってもいいような状況だと思います。

 今この状況の中で、実は黒字を出しているキャリアというのは、いわゆるLCC、ローコストキャリアですね、アイルランドのライアン航空とか、あるいはアメリカのサウスウエストとか、そういうところしかないんですね。今まで優等生だったシンガポール航空とか、あるいはエミレーツ、この辺も赤字になっています。

 私は、日本航空の赤字の最大の原因は、短期的な赤字じゃなくて積もり積もった赤字ですよ、これはやはり世界のそういう潮流に乗りおくれたことだと思っています。

 確かに、テレビとかマスコミでは、余計な地方空港をいっぱいつくって、そこに無理やり飛ばされて赤字が膨らんでいったんだというような話もされます。ただ、私は、それは本質的な問題じゃないと思う、これは全日空も同じですから。それこそ相対的比較の問題かもしれませんけれども、片っ方は同じようなことをやっていて赤字が小さくて、片っ方は大きいわけですから。やはり、そこのところは何が違うのかということをしっかり見きわめていただかないといけないと思うんですね。

 日本航空の再建は、一つ、基本的に国民の皆さんが不思議だと思っている点があると思うんですよ。これは一民間企業の話ですよね。これについて公的資金をつぎ込むとか、公的支援をやりますよと。今、先ほどのタスクフォースの話は別にしても、企業再生支援機構にお願いをして、政府を挙げて助けようということになっているんですが、どうして日本航空が事業を停止するというようなことになったらまずいんでしょうか。もちろん、離島の路線とか国民生活にとって不可欠な路線もありますから、そういうところを維持しないといけないというのはわかるんですが、それ以外で、何で、どうしても残さないといけないというのはどういう理由なんでしょうか。

 基本的な国民の疑問だと思いますので、お答えいただきたいと思います。

前原国務大臣 これも委員の方がお詳しいと思いますけれども、路線でいうと約六割ですか、そして搭乗者数でいうと約四割強、これを、日本の空、国内便あるいは国際便を含めてJALがカバーしているということであります。

 したがいまして、私が申し上げ続けてきたのは、JALが飛ばないような状況になったときには、かなり日本の経済、人の行き来というものに大きな影響が及ぶのではないかということで、我々は、そういう意味では、私企業でありながらかなり公共的色彩の強い企業だというふうに思っております。年間の旅客数は約五千万人でありますし、国際線は七割、先ほど申し上げたように国内線は約四割ということで、そういう意味では、地域、日本の経済に直結をする。しかも、大手二社しかいません。その一つで、JALが、世界でいうと、路線でいうと第十二位。全日空は、済みません、釈迦に説法ですね。

三ッ矢委員 先ほど、法的整理をしないと言った覚えはないと大臣はおっしゃいましたので、別にその道をとれと言っているわけじゃないんですけれども、やはり選択肢の一つとしてあり得る、一回全部身ぎれいにして出直すというのも一つのやり方だと私は思うんですよ。私もそれが望ましいと言っているわけじゃないんですけれども、それも一つのやり方だというふうに思います。

 ただ、それをやっていく場合には、日本航空の再建だけやっていたらいいということじゃなくて、日本の航空界をどう再編していくのか。これから世界に伍して日本の航空業界が戦っていかないといけないわけですから、ただ公的資金をつぎ込んで温存してしまいました、これでは国鉄の二の舞になってしまいますから、それではだめなので、やはり国土交通省として、日本の航空業界、航空界をこれから競争力を高める、つけるために一体どういう方向へ持っていくのか、それをきちっと大臣以下の皆さんで勉強していただいて、それをまず出した上で、日本航空はやはりこういう面で必要なんですということをきちっと言っていただかないと、今世界で第何位ですよとか、国際線の割合が日本ではこれだけですよと言ってみても、私は始まらないと思います。

 そうじゃなくて、日本の航空業界はこうあるべきで、したがって、日本航空を残してこういう役割分担をしてもらうんだということをきちんと説明していただく必要があると思っていまして、そうじゃないと国民の納得がなかなか得られないと思います。

前原国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 どういう整理をするかということは、企業再生支援機構に今ゆだねているわけでありますので、企業再生支援機構というものがどういう御判断をされるかということを尊重しなくてはいけないので、私が予断を持って今何かを申し上げるということは差し控えたいと思います。ただ、五閣僚で確認をしたように、飛ばない状況がないように、国として、企業再生支援機構が支援決定を仮にするまでの間、しっかり支えていきたいと思っております。

 同時に、企業再生支援機構というのは最長三年間で企業再生を行うわけなんですが、まさにそれから先の航空産業をどう描くかということがないと、また同じようなことを繰り返すし、ひょっとすると、日本の航空会社、ANAもほかの会社もまた同じような状況になっていく。つまりは、外的要因というものをどうとらえて、日本の航空業界をどう変えていくのか。

 ですから、オープンスカイ、羽田の二十四時間ハブ空港化、あるいは空港整備特会の見直し、あるいは、今観光庁で前倒しで取り組んでいる、二〇一六年までに日本に対するインバウンドの観光客を二千万人にする、今の倍以上にしていくというようなさまざまな積極的な戦略をあわせてやらないと、議員がおっしゃるような、ただ単に身ぎれいにしても状況が変化がなければまた同じようなことになるというのは、まさに御指摘のとおりだと思います。

三ッ矢委員 今のお答えの中でちょっと空整勘定の話が出ましたので、空港整備勘定、これを見直しされると言っています。これはどういう方向で見直しをされるのか。これは、航空会社に対する支援ということを基本に見直しをされようとしているのか、あるいは別のねらいがあるのか、どういう見直しをされようとしているのか、お教えいただきたいと思います。

前原国務大臣 これはまた、しっかりと決まった段階で国会に御提示をしたいというふうに思っております。今、財務省と詰めている段階でありまして、特会になりますので、政府全体としての特別会計の改革というのは恐らく再来年になると思いますので、それに合わせて今見直しを行っております。

 基本的にどういったところを大事にしていきたいかと思っているのは、空港整備勘定があるために空港整備が今までやられてきたという点は否めない事実だというふうに思います。ここは切り離すということをしっかりやっていきたいと思いますし、それによって、先ほど空港整備特会を見直すということを申し上げた一つのメリットは、やはりJAL、ANAにしても、年間一千億円以上の空港使用料を払っているわけですね。これは経営に対しては相当重荷になっているというふうに私は思います。

 どの程度かということは別にして、方向性としては、やはり新たな空港整備というものについては抑制をし、切り離し、そして世界的な競争力を強化するためのそういった空港使用料の引き下げの方向性で見直していくということが大事だと考えております。

三ッ矢委員 確かに、九十七の空港を営々と築き上げてきて、そのまま、特会があったからそういうことになったんだと、これはわからぬでもないんです。

 ただ、現状の空整勘定の中身を見てみますと、空港整備に使われている部分というのは、羽田の今の拡張の話と、それから以前にやった羽田の借金返しですね。プラス、地方の空港の、多少手直しというんでしょうか、それが空港整備としてはあるんだと思うんです。残りは維持管理費なんですね、ほとんどが。

 万が一、これを規模を縮小して着陸料を下げましょうということになると、恐らく維持管理費が足りなくなっちゃう。ではそれはどうするんだといったら、一般会計から真水をつぎ込みましょうと。結局、税金でエアラインを助けるということになっちゃうんですよ。そう思われませんか。

前原国務大臣 しっかり固まった段階で委員にも御説明をさせていただきたいと思いますが、今おっしゃったようには我々は考えておりません。もちろん、維持管理にはお金がかかるし、この維持管理も、事業仕分けにかかって圧縮しろということにはなっているわけでございます。もちろん圧縮できる面については圧縮していくということでございますが、そういったことではない形での空整特会、整備勘定の見直しということをやっていきたいと考えております。

三ッ矢委員 もう時間がなくなってしまいましたのでこの辺で終わりますけれども、JALの再建問題、それから今の空整の問題、あるいは、ちょっときょうは聞けませんでしたが、ハブ空港の問題ですね。航空に関しては大変いろいろな課題がたくさんございますので、私は、できれば別途時間をとっていただいて集中審議でもしていただくように、委員長にお願いを申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

川内委員長 ただいまの申し出については、後刻理事会で協議します。

三ッ矢委員 どうもありがとうございました。

川内委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

川内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。佐田玄一郎君。

佐田委員 それでは、質問をさせていただきたいと思います。

 午前中に引き続きまして、各委員からも八ツ場につきましてはるる言及をされたわけでありますけれども、私の場合は群馬県出身ということもありまして、地元の方々の意見、そして長野原、東吾妻以外の近隣の方々、そしてまた利根水系の方々にもいろいろと意見を拝聴してまいりました。

 言うまでもありませんけれども、利根水系というのは、我々の地元では、利根川というよりも坂東太郎と呼びまして、どういうことかというと、いわゆる日本の中の川の長男であります。坂東太郎というふうな呼び方をさせていただいております。これは一都五県にまたがる大変な流域面積を有しておりまして、大変な影響を受ける方々がおられるわけであります。

 今回の件につきましては、長野原町、五十七年間にわたりまして大変苦労して、お互いに、隣同士がけんかをしたり、先ほどのお話にもありましたように銃まで持ち出してけんかになってみたり、そういう中におきましても、水没をする川原湯や横壁そして川原畑、長野原、そしてまた近隣の地域の皆さん方が本当に大騒ぎになって、悲しい思いをして、やっとの思いで今回、いわゆるダム湖の完成を前提として、生活再建を行うという条件のもとに補償活動も行われまして、最終的には、反対をされた方々も、都市部の、いわゆる一都五県の下流部の皆さん方の治水そして利水のためにはやむを得ない、こういうことで先祖代々の土地を供出して、きょうがあるわけであります。

 そういう意味におきましては、私も視察に何度も行かせていただきまして、前原大臣はたしか九月二十三日に視察に来ていただいた。そしてまた、その後には、一都五県の方々、私も数度にわたりまして現地を視察させていただきました。現地視察というよりも、私の場合は、子供のときからあの近辺のところには何度も行ったこともございますし、そして、地域の皆さん方の大変な御苦労も承ってきたわけであります。

 そういう中におきまして、今、工事の状況としましては、用地取得も七八%、家屋の移転も七六%進んでおりまして、つけかえ道路も、行っていただくとわかるんですけれども、百四十五号、そしてまたJR、これは断崖絶壁の上の方にほとんどできています。そして、そこに橋梁を渡してある。こういう構図になっていますから、ダム湖がないと、その上には一本松地区というのがありまして、この地区にはもう移転されている方々も相当います。町長さんも移転しているという話であります。つまり、物すごい断崖絶壁の上にみんな移転していますから、ここに湖ができないことになれば大変な状況になる。そして、何よりも、今までこの五十七年の間に、最終的に、要するに都市部のため、治水、利水のために仕方ないということで、近隣のところ、例えば中之条であるとか原町であるとか、そしてまたもっと遠くの埼玉県であるとか、もう移ってしまわれた方も相当いらっしゃいます。

 そういう方々の感情、私は行ってみましたら、聞いてくれということで、先祖代々の土地、お墓も全部移しました、こういうふうな本当に切々たる説明があったわけであります。私も現地を見まして、断崖絶壁のところに家があるわけですから、幼稚園もそこにあるわけですよ。そうすると、ダム湖ができないと、これは断崖絶壁のところに暮らすことになるわけですから、危険きわまりない、こういうこともあるわけであります。

 そういう中におきまして、視察に来ていただきましたけれども、大臣は住民の方々にお会いすることはできなかったという。そしてまた、その中で、私は住民の方に聞いたんですけれども、住民の方に言わせると、要するに、来ていただいたんですけれども、大臣が、大臣に就任されたときに、現地視察もしない、代替案もない、そういう状況の中で、大臣になって二時間くらいでこれは中止だというふうな発言をされた。これに対して大変怒っているんですよね。

 そしてまた、大臣が来たときには知事等にもお会いしていただきましたけれども、大臣は、今の状況として、今後住民の理解を得たいというふうに言われているんですけれども、今後住民との対話はどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

前原国務大臣 地元の佐田委員におかれましては、いろいろ地元の方の御意見を伺っていただき、またこういった場で伝えていただいていること、本当に感謝を申し上げたいと思います。

 先ほどから何度か同僚の委員の質問にもお答えをしておりますが、地元の住民の方々は何の責任も瑕疵もないわけでございまして、政策変更に関して大変な御迷惑をおかけしていることを本当に申しわけなく思っております。

 私といたしましては、知事、そして地元の長野原の高山町長さんや東吾妻町長さん、あるいは議長さんにはお会いをして意見交換はさせていただきましたけれども、まだ現場の住民の方々にはお話をさせていただいていないということでございまして、できるだけ早い時期にお会いをし、生活再建案、ダムによらなければ、どうこの地域が繁栄をしていくべきなのかというような話、こういったことも含めてぜひお話し合いを持たせていただきたい、このように考えております。

佐田委員 ここに、これはもう報道で発表されておりますけれども、地元の方の意見ということで、町長さんからは、とにかくショックだと。中止の通達を一方的に地方に送って、それで終わらせるのではないか。ダム事業がなくなれば、今まで積み重ねてきた生活再建の約束もうそになる。それにかわる交換条件を持ってこなければ、我々は応じられない。何らかの生活再建案が提示され、それをもとに協議した上で判断をすると思っていた。初めから聞く耳を持たないということ。そうですかと受け入れるわけにはいかない。八ツ場ダムの建設は地元と国との約束だ。地元に何の連絡もなしに中止とは納得できない。納得のいく説明を求めたい。地元の声を聞いたと言っているので、国の約束を遵守してほしいという意向を伝えたい。こういうことを長野原の高山町長は言っております。

 また、ある温泉の、これは川原湯といって何百年も続いている温泉地でありますけれども、この経営者の一人は、二〇一〇年末には移転を完了するという目標で住民も進んできた。来月にも代替地に移転する人たちもおり、時間的なゆとりはない。中止となれば、住民は分断生活を強いられる。地元の接触が全くないので、どう対応したらいいのかわからない。まず先に新たな生活再建案を提示するべきだと。

 まず、大臣、大臣として、何で住民の方々は話し合いになかなか応じてくれないんだとお考えですか。

前原国務大臣 今、るる地元の方々の御意見を佐田委員からお聞かせいただいたわけでございますけれども、若干感覚の違いというのがあるのかなと思いましたのは、私は、中止というものを前提に発表させていただきました。なぜそういう中止というものに至ったのか、あるいは再検証もさせていただくということを申し上げておりますので、その説明をさせていただきたいというふうに思っているわけでございますが、今の地元の議員でいらっしゃる先生のお話を伺っていると、それよりも、先ほど岸田委員がポイントがずれているとおっしゃったことにもかかわってくると思うんですけれども、じゃ、ダムをつくらない場合の生活再建のあり方というものを示せというようなお話を一足飛びでやらせていただいてもいいのであれば、私は、ぜひそういったことも前提にお話をさせていただきたいという思いでおります。

 今のところ、中止ありきでは会わないということをおっしゃっておられますので、予断のない再検証のプロセスにも入れさせていただく中で住民との話し合いを持たせていただきたい、このように考えておりますけれども、今御指摘をいただいたことも踏まえて、新たな視点、岸田委員がおっしゃっていた、ずれているんじゃないかということも含めて、我々なりの意見を申し上げるべきなのか、あるいは、そういうことも含めてお話し合いに応じてくださいというお願いをすべきなのか、その点についてはしっかりと考えていかなくてはいけないと思っております。

佐田委員 今、図らずも大臣の方から、予断を持たずにというお話がありました。この言葉はこれから質問の中にもまた出てこようかと思いますけれども、予断を持たずに話し合いをするということであるならば、確かにマニフェストの中に中止というものが入っていたとしても、やはりそれは白紙にして、まずとにかく話し合いから始めようというのが筋じゃないかな、こういうふうに私は思っております。

 それと、また、このお二人目の、名前を挙げるわけにいきませんけれども、生活再建案を早くしてくれないと、時間的な余裕はもうないんだ、こう言っているんですよ。この辺は、時間的にはいつごろ、要するに、再検討して、新しい生活再建案というものが出る予定なんでしょうか。

前原国務大臣 今のところ、ダムによらない治水というのは、では、利根川水系としてはどういうものを御提示できるのかということを、先ほど別の委員にも申し上げましたけれども、根本的な考え方の見直しも含めて行っていきたい。これは、何も利根川水系だけではなくて、ほかのダム計画についてもそういう考えでいるわけでございます。

 年末の予算編成のときには、これから継続をする事業と、あるいは立ちどまって考えて検証する事業に分ける作業を年末までには、予算編成の中ではやっていかなくてはいけないというふうに思っておりますが、ただ、今先生から御提案というか御提起をいただきましたように、生活再建をダムに頼らないという前提で議論していいということであれば、我々は、それはまた別の話としてぜひお話はさせていただきたい、このように思っております。

 いずれにいたしましても、一番御迷惑をかけているのは地元の住民の方々でございますし、先ほど委員がお触れになったように、ダム湖を前提とした生活再建というものを考えておられた、そのダム湖がないということになったときに、長引けば長引くほど御迷惑をかけるのは地元の方々でございますので、もしそういった、ダムに頼らないという前提で地域振興をともに考えろ、あるいは意見を出せということであれば、またそれは前向きに検討させていただきたい。時間を余り置くべきではない話なのではないか、そういう思いを持っております。

佐田委員 大臣、それではちょっとまずいんですよね。

 要するに、白紙に戻して、知事さんたちもそう言っていましたけれども、まず予断を持たず、そして白紙で話し合って、その辺からもう、すべての治水、利水の問題も含めて、そして生活再建も含めて、住民の方々と話し合っていく、こういう謙虚な姿勢じゃなければ、今の大臣の言っている話では、これはもう中止ありきですよ、変わりませんよ、予断を持たずということじゃありませんよ、もうそれは最初から中止は決まっているんですよ、その後を話せばいいじゃないですかと。だから住民は話さないわけですから。

 今後の対応はどうされるんですか。

前原国務大臣 再検証のプロセスを予断を持たずにやらせていただいて、そして、我々の、できるだけダムに頼らない治水というものの御理解をいただくということを考えているわけであります。その再検証について、予断を持たずに、アリバイづくりで再検証をやるということではないということを申し上げているわけでございます。

佐田委員 だから、大臣、再検証ということについても、あらゆることを再検証しなくちゃいけないわけですよ。私が先ほど申し上げましたように、大臣の言われたのは非常に漠としていて、何を言われているのかよくわからないんです、その辺が。

 私の言っているのは、もう既に先ほど申し上げましたけれども、長野原、東吾妻、その辺からもう出られちゃっている方もいるわけですよ、はっきり言って。そして現在、断崖絶壁の危険なところにお住まいの方もいらっしゃるんです。そして、お墓も移っちゃっているんですよ。そういう中で、中止をまず考えてから、では議論しましょうでは、話が始まらないんですよ。

 では、具体的にどういうふうな検証をされるんですか。それは、ダムは中止だということを前提に置いて検証するんですよと今言いましたけれども、知事さんたちはそう受けていませんよ。新聞の記事を読んでいれば、要するに、再検証をするということは、撤回というところまではいかないけれども白紙の状態で大臣は議論してくれるのかな、地元の新聞にはそう書いてありますよ。

 どういうふうな検証をされるんですか。

前原国務大臣 言葉じりをとらえて大変恐縮なんですが、断崖絶壁というのは、要は、代替地に移られた方でありまして、代替地というのは、自民党政権でやられていた安心な代替地でありますので、そこは断崖絶壁や危険な場所ではありません。

 それと、これは委員がおっしゃるとおりでありますけれども、昔、あの地域は土葬だったそうですね。土葬のお墓を掘り返してまで、おっしゃったようにお墓の移転をされたということを、これは長野原の高山町長さんからも私は伺いました。そういう意味では、本当に地元の皆さん方には御苦労をおかけしてまことに申しわけない、政策変更によって御迷惑をおかけしているということは大変申しわけないという思いでございます。

 再検証の中身というのは、利水、そして治水についても行っていくということになります。

 利水については、もともとが、一九七〇年代、八〇年代というものについては、水需要が増大をしていく、そして人口も増加をしていく、経済成長率も高い、こういう前提で水需要予測というのがなされていたわけでございます。もちろん、今首都圏ではまだ人口減少社会にはなっておりませんけれども、いずれ日本全体の趨勢と同じように人口減少社会になるし、もちろん経済的にも発展し続けなきゃいけませんけれども、昔のような高度経済成長にはならない。

 そしてまた、水洗トイレに代表される、あるいは洗濯機に代表されるように、節水というものがかなり行き渡るようになってきた。何か話を聞きますと、水洗トイレは、一番多く使われていた時期からすると、今四割ぐらいの水しか要らなくなっているというような状況でございまして、そういう意味では、水需要というものは計画当初よりは相当低くなっているのではないかと思っておりますし、また、そういった指標も多々出されているところでございます。

 また、治水につきましても、我々が考えておりますのは、先ほど同僚委員の御質問にお答えをいたしましたけれども、今の利根川水系の計画であれば、八ツ場ダムを仮につくっても、あと幾つもダムをつくらなければ基本高水という形になっていかないということでございます。

 中央防災会議なんかでは、二百年に一度あるいは千年に一度の雨だとどういう被害が起きて、そして千年に一度の洪水のときは八斗島ではどれぐらいの洪水になるかというような話があります。つまりは、どのぐらいのタームでその洪水を考えるのか、遊水地、堤防強化、あるいは今あるダムの、カスリーン台風以降でもかなりのダムが利根川水系にはつくられているわけでありますけれども、その維持改修あるいは機能強化、こういったもので対応できないかどうなのか、そういったことをすべて検証するということを申し上げているわけでございます。

佐田委員 今ちょっと問題のお話があったんですけれども、確かにあの地域は土葬なんです。私もお聞きしました。そして、要するにそのお墓を移転しました。

 そのときに、大臣、これは余計な話かもしれませんけれども、地元の方々が言っているので私が申し上げたいんですけれども、大臣は、九月二十三日に来られて、中止だと言われたでしょう。あれは非常にショックなことなんですよ。九月二十三日というのは彼岸の中日なんですよね。彼岸の中日に来て、我々がお線香を上げているときに来て、中止。先祖代々の方々が物すごく苦しんできた、そういうことに対してデリカシーがないですし、非常識だ、こういう話がありましたけれども、大臣、いかがですか。

前原国務大臣 それはもう、おっしゃるとおりだと思います。その日に伺ったことについては、まことに申しわけなかったと思います。

 地元の方にはお会いできませんでしたけれども、抗議文を地元の代表の方から読み上げられまして、私はその抗議文をいただきましたけれども、その抗議文の中には、今委員がおっしゃったような、要は、きょうは何の日かわかっているのかといった同趣旨の文がございまして、その点については、まことにデリカシーがなかったということでおわびを申し上げたいと思います。

佐田委員 それと、断崖絶壁は、前の自公の与党時代の……(前原国務大臣「代替地だということを申し上げたんです」と呼ぶ)代替地ね。断崖絶壁ということは、それは大臣も認めてくれると思うんです。早くこれを解消しないと大変なことになるということは事実でありますから、その辺のこともしっかりと考えていただきたい。

 だから、私の言っているのは、ダムをつくらずに、ダムによらない治水もそうですし、ダムも必要なんですよ。確かに、取水量が減ってきて、利水の量が減ってきているのは私もよく知っています。であるからこそ、それを管理する、例えば水道の管理者であるとか、農業用水、工業用水、発電、こういうことにつきましても、県であるとか利水者の方々がちゃんと話し合って、これは必要と認めて言っておるわけであります。

 だから、その中で、例えば今まで利根水系の中で、戸倉ダムであるとか栗原川ダムであるとかは、水需要がなくなってきました、だからこれは要りませんねということで知事さん方が言ってきて、これは中止になっているんです、はっきり。

 その中にあって、一番最終的になった八ツ場ダム。これは、知事さん方が、一都五県全部が、何としてでも必要だといって陳情しているんですよ。これは御案内のとおりでしょう。だから、そういうところも踏まえて我々は考えていかなくちゃいけない。

 例えば、八斗島の高水の問題、私もこれは聞いています。これは昔のキャサリン台風、御説明させていただきますけれども、昭和二十二年、そんなに昔じゃありませんよ。二百年スパン、例えば外国によっては千年スパンで考えるところもあります。日本の場合は二百分の一ですから、二百年に一度です。今大臣の言われたとおり、高水は二万二千立米・secですよね。だから、一万六千五百はそこから処理しなくちゃいけない。でも、これはまだできていませんよ。その上流については、五千五百処理しなくちゃいけない。だから大臣は、それを全部処理するにはダムはもっともっと必要じゃないか、こう言われたんだと思うんですね。

 私は、そういうことじゃないと。治水の原点は、やはり何といったって一センチでも十センチでも水位を下げるというところにあるんですよ。しかも、雨の降り方というのは、いろいろなことがあるんです、いろいろな降り方がある。例えば、キャサリン台風のときみたいに一部分に降る場合もあります。全体に降る場合もある、偏って降る場合もある。いろいろなことを想定してやるんです。

 できる限り、もちろん、大臣の言われるように予算もあります。予算との絡みで、ダムをつくったり、そしてまた河川の拡張をしてみたり、いわゆる引き堤ですね、そしてまた、導水路をつくってみたり、ため池をつくってみたり、あらゆる方法があるんです。しかしながら、常に国民の生命財産を守るために、治水のために全力で日々やらなくちゃいけない、こういう現実があるんですよ。

 全体で考えるつもりはありませんか、ダムを含めて。

前原国務大臣 まさに先生がおっしゃるようなことを再検証の中でやらせていただくということを申し上げているわけであります。

 私は、また言葉じりをとらえて申し上げるようで恐縮でございますが、だからダムが必要だと申し上げているのではなくて、先ほど委員が言われたように、基本高水が二万二千トン毎秒、そして計画高水が一万六千五百トン毎秒、この差をどう埋めるか。一万六千五百というのは今のダムや堤防の強化で吸収できるということですけれども、では、あとの基本高水までの差をどうするか。言ってみれば、こういった差がダムをつくり続ける理屈になっている。こうなると、ずっとつくり続けなくてはいけないということになるので、このあり方そのものを含めた検証。

 それから、先ほどカスリーン台風のお話がございましたけれども、それ以降も含めて、かなりの数の直轄ダムあるいは県がつくられるダムというのができ上がっております。それをどう考えるのかということと、あとは、八ツ場ダムの建設のコストがかさんでいることによって、堤防強化の予算がどんどんどんどん減っていっている。先ほど委員がみずからおっしゃったことでありますけれども、どんな雨の降り方をするかわからない、まさにそのとおりなんです。これからどんな雨の降り方をするかわからないということになれば、八ツ場ダムの上流に降った雨については八ツ場ダムで洪水調節ができるけれども、ほかのところで集中豪雨が降ったときには、それは逆に言えば対応できないということも理屈としてはあり得るわけですね。

 そういう意味で、水域全体としてどう洪水管理をしていくのかということを、委員がおっしゃったようなことも含めてしっかりと再検証させていただきたいと思います。

佐田委員 だから、大臣が言われている、例えば八斗島から上の部分について、要するに、五千五百立米の差があるんだから、これは相当なダムをつくらないとだめですねと。

 ただ、大臣、今まで、江戸時代からも、例えば江戸の地域にはいろいろなため池をつくってみたり、導水路をつくってみたりやっているわけですよ。それは水害の反省のもとに、あらゆること、それはもちろん江戸時代だって財源、財政はあるわけですから、その範囲内でこれをやらざるを得ないわけですよ。

 だから、私は、そういう意味におきましては、大臣、ぜひ知っていただきたいのは、キャサリン台風の場合は、そのときには私の生まれ故郷も水害に遭いました。荒砥川であるとか粕川というのが全部はんらんしました。だから、八斗島までじゃないんですよ。

 八斗島からは、導水路だとか、いろいろな治水対策をやっています。それより上のところで集中豪雨があったものだから、キャサリン台風はそれの上でダムができちゃったんですよ。ダムができたということはどういうことか。水没しちゃったんですよ、伊勢崎市なんというのは。伊勢崎市とか昔の佐波郡、佐波伊勢崎というところ、ここはもう大変な惨状になりまして、ほとんど水没しちゃった。今でも行きますと、そこは私の昔の選挙区だったんですけれども、要するに、伊勢崎市の、昔の佐波郡というところに行くと、家の上にみんな舟をつるしてあるんです、全部。

 そういうふうな状況の中で危機管理もしておるわけでありまして、ぜひその辺のことを御理解いただきたい。八斗島から上、下じゃないんですね。全体に、どこに降るかわからない。

 だから、要するに、全体の水位を下げるということになれば、これはダムが一番有効なんです。そうでしょう。支流に行ったら、支流の中は細い川も大きい川もあるわけですから、その中で水位も変わってくるんですよ。ダムであるならば全体的に水位を落としていく。こういうこともぜひ御理解いただきたい。

 それともう一つ、治水はぜひ、大臣も決して全部ダムをやめると言っているわけじゃないわけですから、だから、それは全体的な治水。大臣、よく頭に入れていただきたいのは、これは取り返しのつかないことになるんですよ。我々国会議員、政治の最大の役目は、何といったって国民の生命と財産を守ることですよ。確かに予算も大変大事かもしれませんけれども、これは大変なことなんですよ。ダムにおけるBバイCもありますけれども、そうじゃないんですよ、これは。人の命はお金にかえられないんですから。こういうことをしっかりと考えていただきたい。

 それと、大臣、これを議論し続けたらずっと続きますから、ぜひお聞きしたいことは、何か地元の方がテレビを見ておったら、大臣に就任して二、三時間で八ツ場ダム中止という発言をされましたが、その根拠は何ですか。

前原国務大臣 きょう午前中の他の委員にもお答えをいたしましたけれども、野党であった我が党が、もともとは、次の内閣というのができたときに、私が初代の次の内閣の社会資本整備の担当でした。そのときはまだ国土交通省ではありませんで、建設省と運輸省に分かれていた、国土庁もありましたけれども。そのときに、できるだけダムに頼らないということで、公共事業基本法あるいは緑のダム法案というものを取りまとめさせていただいたわけでございます。

 その流れの中で、一つ一つの河川のあり方をしっかりと検証していこうということで、私自身は八ツ場には選挙前には伺っておりませんけれども、私自身も川辺には何度か行かせていただきましたし、他のダムの建設予定地には足を運んで現地視察をし、また、いろいろな方からお話を伺ったりということもさせていただきました。

 また、この八ツ場については、我が党の、当時幹事長であったと思いますけれども、今の鳩山総理も現地視察をされまして、利水そして治水、さまざまな観点から総合的に判断をし、我々としては、五十七年たっているということも大きなポイントでございましたけれども、中止ということを川辺川とともにマニフェストに書かせていただいたということでございます。

佐田委員 つまり、大臣は、その前に、その当時の鳩山幹事長が行ったのは、去年のたしか八月でしたよね。そうだと思うんですけれども、私におととい電話がかかってきましたよ、地元の住民の方から、ぜひこれを言ってくれと。

 それで、先ほどと同じような話なんですけれども、これは一つの例で、そのときの鳩山幹事長が来られたそうです。そのとき会った人は、要するに、長野原の町長さんと議長さん、東吾妻の町長さん、三人が陳情したときに、二分間それを陳情したそうです。それに対する答えは、鳩山さんは、今の鳩山総理は、我々が政権をとったら中止だ、こういうふうに言ったそうです。にべもない。こういうことだそうでありますので、お伝えをしておきたいと思います。

 それで、話は本題に戻りますけれども、マニフェストにあるから、マニフェストに入れてあるからこれは中止なんだよと、一回も現地も見ないで大臣は言われたわけですよね、中止だと。

 私は、大臣は非常に民主的で、そして公平公正にやられている方だと思います。しかし、大臣、よく考えてみてください。今、例えば高速道路の無料化の問題もそうです。これは余り筋がよくないねと先ほど発言されましたけれども……(前原国務大臣「そんなこと言ってない」と呼ぶ)言っていない。

 いずれにしろ、では、マニフェストにあるから中止するということは果たしていいのかどうか。私は、非常に危険なことだと思いますよ。

 政党としていろいろな政策を練って実行に努力をするというのは結構なことですよ。しかしながら、そういう中で、今、これは議院内閣制ですからね。要するに、内閣、大臣ですから、内閣は国会に連帯責任を負っているわけですから、国会に責任を負うわけですから、むしろ国会の方が上位なわけですよ、国民の代表なんだから。そこで結論を得て決めるわけですよ、大臣は。

 マニフェストに決まっているから決めるんですよ、それはまさに議会制民主主義、国民の代表としての国会の議会制民主主義も冒涜するし、それで今言った議院内閣制も無視してやるわけでありますから、果たしてこれは独裁につながると思いませんか、それをどうしてもやるというんだったら。

前原国務大臣 これは委員の後の質問を先取りした答弁になるかもしれませんが、本体工事の中止ということは明言をしておりますけれども、特定多目的ダム法に基づいての中止の手続には入っておりません。

 これは二つ大きな意味がございまして、一つは、今、長野原、東吾妻で行われている生活関連の事業、例えばつけかえ道路とか、そういうものは続けさせていただこうと思っております。よくテレビに出ますよね、T字形の、何か高いところに。あれを皆さんダムだと思っておられるんですが、あれはつけかえ道路。先生は地元なのでよく御存じだと思いますけれども、あれは完成をさせる。つまりは、特定多目的ダム法で中止というものを言ってしまえば、要はそういった生活関連そのものも全部とまっちゃうことになりますので、それは行っておりません。

 そして、まさに二つ目の理由は、今委員がおっしゃったことの答弁になるわけでありますけれども、最終的に決めていただくのは国会です。つまりは、特定多目的ダム法に基づいてこの八ツ場ダムを正式に中止する、法的に中止するかどうかということは、これは国会での議論を経た上で行われるということになるわけでございます。

佐田委員 大臣、大臣は今内閣におられるわけですから、確かに民主党の議員でもあるわけですけれども、マニフェストにあるから、一回も視察もしていないで、住民の前で、要するに、中止ですよ、これは中止なんですよ、そう言うことが果たして長野原や東吾妻の住民の心をはかっていますか。

 きょう、地域主権というのが新聞に載っておりましたけれども、地域主権じゃないでしょう、地域切り捨てじゃないですか。みんな、かなり怒っていますよ。そういうことも踏まえて、よく大臣も理解していただきたい、自分の立場というものがあるわけですから。

 それに、今、特定多目的ダム法のお話が出ましたけれども、これについては大臣はどういうふうなお考えを持っているんですか、特定多目的ダム法。

 特定多目的ダム法四条四項に、これはもう御存じのとおりだと思いますけれども、きょうは質問を一応通告しておりますけれども、「国土交通大臣は、基本計画を作成し、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事及び基本計画に定められるべき、又は定められたダム使用権の設定予定者の意見をきかなければならない。この場合において、関係都道府県知事は、意見を述べようとするときは、当該都道府県の議会の議決を経なければならない。」

 要するに、この多目的ダム法を履行するべく何か行動をされていますか、大臣は。

前原国務大臣 手続については、今委員が法文を読まれたので、そのとおりでございます。

 最終的に、法律として八ツ場ダムの特定多目的ダム法に基づく中止措置というのは以上のような経過を踏まえなければ決まらないということでございまして、本体事業の中止ということは表明をさせていただいておりますけれども、この特定多目的ダム法に基づいて手続がとれるように、今後、関係者とさらに話し合いを詰めていきたい、このように考えております。

佐田委員 先ほども申し上げましたけれども、十月十九日に一都五県の知事さんたちが長野原のダムの視察を行いました。このときに共同声明も出されているんですよね、知事さん方が。そして、その次の日に前橋市で大臣に会われているんです、たしかそうだと思いますけれども。十月の二十七日ですね、会われたのは。

 これは、知事さん方が視察をされた後に共同声明を出しております。ちょっと読ませていただきますけれども、「平成に入って以降において六回もの渇水に見舞われ、中でも平成八年には夏冬合わせて百十七日もの長期の取水制限が実施されている。仮にその時に八ッ場ダムが完成していたとすれば、取水制限日数を百日減少させることができる。」つまり、十七日ですよね。

 全部を読むと長くなりますからポイントだけ申し上げますけれども、「政権が交代しても、国土交通大臣が利根川の治水・利水の安全性の向上を図る責務を有する河川管理者であり、国がそれを実現するための施設である八ッ場ダムの事業主体であることに変わりはない。 このような責務を有する国土交通大臣が、今般、八ッ場ダムを中止する理由や関係都県の治水・利水の安全性の確保について何の代替案を提示することもなく、一方的に「建設中止」のみを表明したことは、あまりにも無責任な行為であり極めて遺憾である。」

 その次のパラグラフで、「さらに、八ッ場ダムに係る地元住民は、長きにわたる国の働きかけにより、下流都県のために苦渋の選択として八ッ場ダム建設を受け入れ、六年後に完成するダム湖を中心とした生活再建を切望しているにもかかわらず、国は、このような地元住民の意向を全く無視し、頭ごなしに中止を押し付けようとしている。このような姿勢は、新政権が掲げる「国民の生活が第一」という方針と全く矛盾している。」

 まさに、国民の生活が第一、地域主権とは全くかけ離れている、こういうふうに言っているんですけれども、これについて大臣はどう思いますか。

前原国務大臣 共同声明の中には、幾つか事実関係としてこれから議論をしていかなくてはいけない点があると思いますけれども、ただ、先ほどから申し上げておりますように、最終的には、法律として、特定多目的ダム法として八ツ場ダムを中止するということについては、一都五県の知事あるいは議会の議決、そして最終的には、国の直轄事業でありますので、国会での議論を経ての議決というプロセスを経なくてはいけませんので、そういったプロセスを経るべく努力をしてまいりたいと思っております。

佐田委員 ですから、今言われたように、大臣もやはり国会のあらゆる議論の中で決めていかなくちゃいけないと言われました。それが民主主義ですよ。マニフェストにあるからとめる、もう中止ですと。一般の民主党の先生方が、マニフェストにあるから我々はこの方向で頑張るんだ、これならいいですよ。中止なんだと。大臣なんですよ。大臣の立場なんですから、これはぜひ理解をしていただきたい。心の中で中止にしたいというふうに思っても、大臣なんですからね。そういう立場を考えていただきたい。

 そして、この多目的ダム法の中で、実は、八ツ場ダムはもう、例えば、一都五県、群馬県、千葉県、埼玉県、東京都、全部県議団も視察しています、はっきり言って。来ているんですよ。どういうことかというと、議決も何もしていないわけです。つまり、中止にしようと思ったときには、こういうふうな形で、この特ダム法の四条四項に従って、あらかじめ都道府県知事に理解いただき、都道府県知事は、もう言うまでもありませんけれども、議会の了解を得て、そして返事を返しているわけですよ。

 実際、この手続で中止になった、先ほど私が言っているように、大臣も言いましたよ、水の利水が少なくなりました、利水が少なくなったから、都道府県の首長さん方も、もう水はちょっと要らないね、では戸倉ダムとか、戸倉ダムは治水ですけれども、戸倉ダムであるとか栗原ダムはちょっと凍結しておきましょうとなっているんですよ、ちゃんと正式な手続をとって。

 前原大臣は大臣なんですから、ぜひその辺は法を遵守して、もしもそういう気持ちがあるならば、まず第一、地方自治体、一都五県の知事さんを説得する気持ちはありますか。

前原国務大臣 繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、先ほどから委員が読んでいただいております特定多目的ダム法四条の四項、まさにそのとおりでございます。

 したがって、法律としてダムを中止する、事業を中止するということになった場合には、治水関係者の意見聴取ということで、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉各県、それから東京都、そして議会の意見を聞かなくてはいけませんし、また水道になれば、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、あるいは藤岡市や、あるいは北千葉広域水道企業団、印旛郡市市町村圏事務組合、いろいろなところの御意見を伺って、そして国土交通相として国会にお諮りをし、そして国会の議決を経て、最終的に法律として事業は中止をするということでございます。

 あくまでも私は、これはおしかりを受けているわけでございますけれども、本体工事の中止を宣言させていただいて、法的にその手続にこれから入るということで御理解をいただければありがたいと思います。

佐田委員 ですから、私は別に怒っているわけじゃないんですけれども、大臣、手続をしっかりやってほしいんですよ。この法律に「あらかじめ、」と書いてあるんです。あらかじめの前に中止と言ったら、それは地元の人たちを非常にないがしろにしているということなんですよ。まずとにかく話し合いましょうというところから始めれば話は進んでいったんですよ、今の現状を見ていただければわかるんですけれども。

 大臣、それと、言っておきますけれども、これは、もしもこういうふうな形で中止、大臣は今度概算要求にのせませんでしたね、本体工事のは。のせないと言っていましたよね。そうなってくると、今度は、基本的には暫定水利権がなくなるわけですよ、自動的に。ところが、暫定水利権は安定水利権で残すというふうな発言を大臣はされているんです。これは非常に矛盾しているんですよ。制度がおかしいなんという変わったことを言う人がいるんですよね、中には。

 これは要するに、暫定水利権は、大臣もよく御存じのとおり、ダムができるという前提においてこれはやっているわけで、八ツ場ダムだけじゃないんですよ。ほかのたくさんのダムがまだあるわけです。利根水系の方にもダムがあるわけです。そのダムをつくるときには、もちろん国もお金を出しましたけれども、利水者、治水者の方々が出しているわけです。水特法もあるんです。そういうふうな形で出しておるわけでありますから、では、ダムができなくてもお金は、要するに水はもらえるんですねといったら、今まで使った、要するにダムでお金を出した人たちには全く不平等じゃないですか。どう思いますか。

前原国務大臣 どこでの発言を佐田委員が引用されているのか、ちょっと私はわかりかねますが、私がそれを申し上げたのは、長野原で大沢知事、高山長野原町長さんたちとお話をしたときに申し上げたことだと思います。それでございますね。(佐田委員「そうです」と呼ぶ)

 それを申し上げた背景というのは、今まで新潟の清津川とかあるいは四国の細川内ダムとか、要は、暫定水利権を設定していて、そしてダムがつくられなくなったものも安定水利権として移行したこともあります。だから、そういうことも含めて我々としては考えていく準備がありますということを申し上げたわけでございます。

佐田委員 大臣、それはやはり利水者のいろいろな意見を聞かなくちゃいけないと思うんです。例えば、農業用水であるとか工業用水であるとか土地改良区で相当お金を出している人もいらっしゃるんだから、漁業関係、内水面の方々、あらゆるそういう方々の意見も聞いていかなくちゃいけない、調整していかなくちゃいけない。これは非常に重大なことなんです。

 私も、ちょっと時間がなくなってまいりましたから、ぜひ、委員長、これは集中審議をお願いしたいと思うんですけれども、どうですか。

川内委員長 何の集中審議ですか。

佐田委員 八ツ場ダムについての集中審議を提案させていただきたいと思います。

川内委員長 ただいまの申し出については、理事会で協議させていただきます。

佐田委員 委員長、どうもありがとうございました。この後、また委員長にちょっとお話があるんですけれども、実は先にそれを、確約をとらせていただいたんです。

 ぜひ、大臣、これは確認していただきたいんですけれども、これから大臣としての立場として、地元にもしも行くようなことがありましたら、本当に地元のことをまず考えて、いろいろなことを申し上げたかったんですけれども、例えば中止した方が安上がりだとか費用がかかるとか、いろいろな考え方があります。

 ただ、一つだけ要素があるんです。大臣、これは大事な要素ですよ。生活再建ですよ。大臣は生活再建を続けると言っているでしょう。ダムによらない生活再建なわけでしょう。そのダム湖がないわけですよ。今、地元を見ていただくとわかる。休憩所やいろいろな宿泊所、そしてまたダム湖ができることを考えて、あらゆることでやっているんですよ。そういう方々の気持ちを逆なでするようなことは絶対にしないでいただきたい。神経を使ってきめ細やかにやっていただきたい。これはどうですか。

前原国務大臣 地元の佐田委員の御意見というのは、私は大変貴重で傾聴に値するお話だというふうに思っております。

 繰り返し申し上げておりますように、地元の方々には何の罪も瑕疵もありません。政策変更によって御迷惑をおかけしているわけでありますので、真摯に、今おっしゃったことも含めて、地元の方とはお話をさせていただければと思っております。

佐田委員 大臣、ぜひそれはお願いしたい、こういうふうに思っています。

 もう時間もありませんので、川内委員長、川内委員長は民主党なんだけれども、委員長ですからね。委員長というのは平等な立場で、本来ならば、議長と一緒で、党籍を抜いてもいいぐらいの立場なんですよ。いや、本当ですよ、これは。聞いてみてください、うそだと思ったら。そのぐらいに中立性が要求されるポストなんです、委員長というのは。

 委員長は、十月二十一日に八ツ場を視察されましたよね。その中で、こういうことを言われて、これは新聞に書いてあるんです。長野原の町長さんに、関係自治体や住民がどう考えているか、参考人質疑をやるべきだと考えていると。

 委員長、参考人質疑というのは、理事会で決めて委員会で決めることじゃないんですか。委員長が決めることなんですか。

川内委員長 お答えしていいですか。(佐田委員「いいですよ」と呼ぶ)

 まず、それは新聞記事でございますので、正確に申し上げれば、与野党の協議が調えば、地元の皆さんの意見をぜひ国会でお聞きしたいと私個人としては考えていますよということを申し上げました。

 さらに、佐田議員、質疑の時間がもう過ぎておりますから申し上げておきますけれども、私は民主党所属の委員長でございますが、議事の運営については公正を期すことをこの委員会の冒頭でも申し上げております。

佐田委員 では、時間がもう過ぎちゃっているので簡単に申し上げますけれども、そういうことを言うことによって、要するに、ダムの、撤回を主張している人たちに圧力をかけていると言っているんですよ。要するにこういうこと。我々は国会に出ることは仕事ですよ。一般の人たちに参考人に出てもらったらどうですかなんて言ったら、それは一つのおどしですよ、委員長。よく考えてもらわないと困りますよ、これは。

 それともう一つ……

川内委員長 佐田さん、余りにも決めつけたことをおっしゃられると、それは……(佐田委員「言われた人がそう言っているんです」と呼ぶ)

 そんなことはないですよ、出たいとおっしゃいましたよ。

佐田委員 それともう一点。

 非常に地元のことを思いはかっているという委員長が、委員長がですよ、国土交通省の、完成図を撤去したんだよ。撤去したの。ちょっと、どうかしていると思いませんか。逆なでしているよ。

川内委員長 何が撤去したんですか。

佐田委員 完成図です、完成図。ここに書いてあるんだ、撤去したって。展示場だよ、展示場の。完成予想図が入ったパネルを撤去したって書いてあるんです。

川内委員長 新聞の記事をもとに質疑をされても困りますので。

 これにて質疑の時間は終了いたしました。

 次に、赤澤亮正君。

赤澤委員 自由民主党の赤澤亮正でございます。

 今回、国土交通委員会で初めて質問の時間をいただきまして、本当にありがとうございます。

 まず、前原大臣、そして川内委員長、副大臣、政務官の皆様、御就任、まことにおめでとうございます。

 私は、自由民主党の一員として質問いたしますが、基本的な姿勢として、我が自由民主党、今回の衆議院選挙、過日の選挙で、国民の皆様から下野を命じられたということは紛れもない事実であります。しっかりと反省をして、党を立て直していかなければならない、再生していかなければならない、そういう強い思いを持っておりますが、一方で、自由民主党が立ち直ることを期待するという国民の皆様の声は七割を超えるという報道もございます。

 そういうことで、私の理解は、国民の声は、現時点で自由民主党に政権を任せるわけにはいかないけれども、民主党を勝たせ過ぎたのでしっかりと検証をしてくれ、野党としてしっかりとした検証を頼む、これが国民の皆様の声だと思っております。その声にこたえるために、きょうはいろいろな検証をさせていただきたい、そのように考えております。

 まず最初に、若干前の質疑と重なる部分はあるかもしれませんが、マニフェストについてお話をさせていただきたいと思います。

 私の問題意識というのは、どうも民主党の皆様は、英国をお手本にするということでありますけれども、その都合のいいところはかなり取り入れるけれども、英国内でも指摘をされている問題点とか、あるいはその魂の部分については思いが至っていない場合が結構あるんじゃないか。

 これはいろいろな機会に物の本などでも書かれていますし、大臣も読まれたことがあるかなと思うんですけれども、イギリスのアンソニー・バーチという人が「代表」という本を書いています。その中で書いておりまして、この文言はかなり流布しているもので、「歴史が示すところでは、選挙の公約は勝った政党が政権についてからの行動については貧弱な指針である。状況は変わり、それにより計画も修正されなければならなくなるのが常である」と。民主党の皆様がお手本にされている英国の非常に知られている本の中でそのように書いてある。

 これについて大臣はどのようなお考えを持たれますか。

前原国務大臣 運輸省御出身の赤澤議員から御質問をいただくこと、中身の深い議論ができると思って喜んでおります。

 今おっしゃったことについて、私は基本的に議員の認識と一緒でございます。私どもは、マニフェスト至上主義に陥ってはいけないというふうには思っております。

 ただ、マニフェストを掲げて三百八議席をいただき、そして民主党を中心とする内閣が今できているのも事実でございますので、それはバランスをとりながら、私はこういう言い方をしております、基本的にマニフェストを実行していくんだということであります。

 先ほどから、八ツ場ダムの話、そして高速道路の無料化の話がかなりマニフェストの絡みで御質問をちょうだいしているところでありますけれども、今、佐田委員にお答えをいたしましたように、本体工事の中止は宣言をいたしましたけれども、特定多目的ダム法に基づいて、関係自治体、あるいは最終的には国会の、これは予算でありますので、予算というのは国会で御議論をいただかなければ予算がつかないわけでありますので、最終的には国会の議決が必要になります。

 そういう意味では、マニフェストに書いたことをどのように、いろいろな関係自治体や国会の議論を踏まえて着地点に着くのかといったところを、我々がマニフェストに掲げたことを中心としながらやっていくということになろうと思います。

 また、高速道路の無料化にいたしましても、これは何度も御答弁をさせていただいておりますように、社会実験をやらせていただく中で、国民ができるだけ納得していただき、理解が得られるような、そしてまた他の交通機関への影響というものを勘案しながら行っていくということで、何も、マニフェストに書いたことだから、ばんとすべてすぐやるよということではないということだけは御理解をいただきたいと思います。

赤澤委員 今、丁寧に御説明をされたわけでありますし、次に聞こうと思ったことについてもあらかじめお答えいただいたようなところもあるんですけれども、しかしながら、今おっしゃったようなことは国民の皆様にしっかりは伝わっていない。

 端的に申し上げて、非常に有名になっているのは、八ツ場ダムの中止を表明する際に大臣が、マニフェストに書いてある、こうおっしゃった。その一言で、地元の住民は大変切り捨てられたように感じているし、私は、今のアンソニー・バーチのような言葉、勝った後の指針としては選挙公約というのは貧弱な指針なんだ、状況により修正していかなきゃいけないんだと。これが、自分も賛成であるとおっしゃるのであれば、八ツ場ダムについても再検証が必要と判断された時点で、マニフェスト、すなわち公約の修正の必要性をはっきりと宣言をして、白紙から再検討を始めるのが地元住民のため、国民のためであると私は考えます。

 やはり民主党の皆様は、手本としておる英国の肝心の問題点とされる部分とか魂の部分を忘れているんじゃないかと私は非常に強く危惧をするものであります。

 いろいろとお答えをいただいたので、マニフェストについてはこれぐらいにさせていただきたいと思いますが、指摘にとどめますけれども、マニフェストを選挙後に振りかざすことは抑制的にしなければならないという歴史の教訓、あるいはイギリスでの、本国での議論といったものもありながら、マニフェスト信仰が高じて、マニフェストは国民との契約であると総理がみずから宣言をされた以上、それが守れなかった場合には、国民との契約違反の責任をとって、私は、国会を解散し、国民の審判を受けるべきであると考えております。これについては本来鳩山総理に申し上げる点であると思うので、この場では指摘するにとどめさせていただきます。

 次に、行政刷新会議の事業仕分けについてお伺いをいたします。

 私の承知しているところでは、国土交通省関連が約五十項目、ちょっと切れるぐらいだったと理解をしております。その国土交通省関連についての評決結果は、廃止あり、予算計上見送りあり、見直しを行う、全額国庫返納あり、予算要求の縮減ありということで、私もかつて、太田光の私が総理になったらというテレビに出て、道路整備にかける熱い思いを語ってくれと言われて出たところ、道路特定財源の無駄遣いの証人喚問を行います、こう言われて、評論家から次々つるし上げられた、五分間つらい経験をした覚えがあります。あの事業仕分けを見ていると、そのときの記憶がよみがえってまいります。極めて何か似たような、テレビ番組のような結論が続々出てきているというふうに私は感じます。

 概算要求の提出に当たり、前原大臣も、要求大臣ではなくて査定大臣として能力の限り厳しく要求を査定されたはずであると思うのに、この評決結果はまことに意外なものであると私は思います。閣僚の中からも、事業仕分けの結果どおりになるとは限らないといったような、半分悔し紛れみたいな言葉も聞こえてまいりますし、総理の口からも、事業仕分けは今回限りといったような発言も聞こえてまいります。率直に言って、一体何のためにやっているんだという感じが私はします。

 今申し上げたすべての点を踏まえて、前原大臣が、事業仕分けの結果について、特に国土交通省の関連に限っていただいて結構であります、あるいは事業仕分けの意義について、評価なり感想なりをいただけると大変ありがたいです。

前原国務大臣 今の御質問については、午前中、同僚の議員にもお答えをいたしましたが、私は大変高く評価をしております。

 もちろん、五十ぐらいでしたか、うちの事業仕分け項目というのはありまして、それに道路整備事業とか河川整備事業とかいう役所の根本の事業そのものを事業仕分けするというふうに書いてあったときには、一体何をするのかという思いは確かにございました。四十八項目ですね、ありましたけれども、ただ、現実に事業仕分けをされていく中で、我々が気づかなかった視点などを国民の目線でしっかりとチェックをしていただき、御判断をいただくということは、私は、掛け値なしに大変ありがたいというふうに思っております。

 例えば、議論になりました関西空港の補給金の凍結にいたしましても、後で申し上げますけれども、凍結するかどうかは別にして、ただ一兆一千億余の有利子負債がある関空をどうするんだということが明確にならないまま今まで来ている、それをちゃんとしないとこの補給金というのは無駄金になるんじゃないかという指摘はまさに正鵠を得た指摘だというふうに思っておりまして、そういう意味では、私は事業評価、事業仕分けというものについては大変高く評価をしているところでありますし、続けてもらいたいと思っております。

 ただ、最終的にはこれは行政刷新会議に戻して、そして内閣として閣議で決定するまでは、また当然ながら各省間交渉もあるわけでありますので、では、関空の話で補給金凍結評価をするのかというと、評価はするけれども、では、ことし凍結するかどうか、これはまた違う問題だということは申し上げたいというふうに思っております。

赤澤委員 今の最後の部分も含めて、私は非常にわかりづらいお答えだったように思うんです。

 それはなぜかというと、国民の皆様の目線で指摘をいただいて大変ありがたいというような筋のお話だったと思うのですが、それは国民の生活が第一、あるいは国民の目線というものを大事にしてきた民主党から指名を受けて閣僚の立場にあられる前原大臣、あるいはそこに副大臣お二人、政務官三人、その方たちが事前に概算要求するに当たって考えなかったことなんですか。そんなことは省の外に出る前に当然考えていただいた上で、なるほど立派なものが出てきたということを、そういう要求を出すのが皆様の仕事ではないですか。

 私は、閣僚としてそういう意味では矜持を持って、指摘されたことについてはきちっと答えられる、そういう要求を出していただきたい。なるほどごもっともですね、それじゃ素人と変わらないと思います。なので、ぜひ来年度の要求からは、あの評決の結果というのは、いや、見事な要求だ、これ以上削れるところはないということにしていってもらわなければ、本当にプロセスばかりが膨らんで、テレビ番組のようなものが続くというふうに思います。

 私は、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 阪神・淡路大震災において高速道路の橋脚が横倒しになった恐ろしい光景というのは、もうここにおられる皆さんの目に焼きついていると思います。また、全国で約五万ある緊急輸送道路にある橋梁、橋ですね、全国で五万あります。緊急輸送道路にあるということです。そのうちの何%ぐらいが、数にして幾つが大規模な地震により落橋、崩落のおそれのある橋梁とされているか。

 これは昨日、国土交通省の官僚の方にもお話をしたので、大臣のお耳にも届いているかもしれません。今申し上げます。全体の四%に相当する約二千の橋が、大地震があったときには落ちるおそれがある、倒壊するおそれがある。これはもうはっきりと宣言をされて、今どうか知りませんけれども、かつては国土交通省のホームページに全部、二千の橋の名前が出ておりました。私の地元の境水道大橋も含まれております。

 私にとっては、大地震の際にそのような現場において国民が犠牲になることはとても我慢ができません。国の事業のおくれによって人命が失われるのは許されないことであるというふうに感じます。その点について前原大臣は我慢ができるのか、本当に簡潔で結構でございます、お気持ちを聞かせてください。

前原国務大臣 そういう橋が放置をされてきたということ自体に私は問題があると思いますし、できる限りそれについては手を入れていくべきだ、新設を抑制してでも維持管理にもっと力を入れていくべきだというように思います。

赤澤委員 今の御答弁に私も賛同するものでありますが、あわせて私は、にもかかわらず新設についてもしっかりと財源を確保してやっていくべきだというふうに私は思いますけれども、あわせて、コンクリートから人へは選挙用のスローガンとしては有効でありますけれども、これを信じて政策を進めることは、私は国民のためにはならないと思っています。

 新規の道路をきちっとつくる予算も確保すべきだという点について今からちょっとお話をしますけれども、地震があって台風がある国の道路整備であり、港湾整備であります。しっかりとしたコンクリートで国民の生命、身体、財産を守るという意味があります。人とコンクリートをさも対立するかのように扱うのは、私は選挙用のスローガンとしては有効かもしれないけれども、為政者がまさに直視しなければならない現実は、コンクリートが多くの人の命を守るということであると思います。

 前原大臣にとってはどちらが真実でしょうか。

前原国務大臣 このコンクリートから人へということを使い始めたのは私自身であると自負をしております。かなり前から、地元の街頭演説をするときの街宣車の看板にはコンクリートから人へと、中央から地方へということを私は書き続けてきました。

 それは何を意味するかというと、別に公共事業がすべて悪ということではありません。しかし、税金の使い方として、人口も減ってきた、少子高齢化が進んでいく。今二二%ですか、六十五歳以上の方の人口比率は。生産年齢人口は六六%、しかし、これがだんだんだんだん逆転をしていって、二〇五〇年までに生産年齢人口は五一%まで落ちる。六十五歳以上の方の比率は四〇%になる。人口は、今のままいったら二〇五〇年には九千五百万人ぐらい。

 だったら、今何が日本にとって一番プライオリティー高く税金を使うべきなのかということを考えたときには、それは少子化対策であり、医療、年金、介護、教育あるいは農業の自給率向上、あるいはエネルギーの自給率向上、こういったものにしっかりお金をかけるべきではないか。

 この今の置かれている状況を考えたときに、税金の使い道を変えるという意味では、コンクリートから人へというのは、私は選挙のスローガンではなくて、日本の政治が取り組まなくてはいけない、まさに本質をついた議論だと思っています。

赤澤委員 私は、そこは本当に大臣とは考えが違うなというふうに思います。コンクリートが多くの人の命を守る、さらには経済の発展、観光の振興、地域活性化と、ありとあらゆる恩恵を国家国民にもたらすにもかかわらず、欧米先進諸国並みに公共事業を減らせという議論がここ十年以上まかり通ってきたことは、私は、実は国の将来を危うくすると思っているんです。そこはもう率直に、自公連立政権のもとにおいても、この面では私の考えが誤った方向に道が進んできたなと実は考えております。

 そういう意味で、党内でも、私は常にその点は反対であるということを言ってきておりまして、地震も台風もほとんどないようなヨーロッパの国々と日本の公共事業を比べることはナンセンスだ、欧米諸国と比べて地震や台風のある国である日本の公共事業の単価が高くて、加えて絶対額も多いことというのは、これはもう当たり前じゃないか、そうでなければ国土や国民を守れないということをずっと党内で言ってまいりました。

 そういう意味では、現時点で民主党政権がさらに、私の考える前政権からのちょっと誤った点を、私の正しいという方向ではなくて、さらに全体規模を削っていこうというふうに見えるのは、本当に憂慮にたえない点です。

 欧米諸国と比べて地震や台風のある国である我が国においては、公共事業の単価がそういった欧米先進諸国より高くて全体の規模も大きいということについて、国土や国民を守るためにはしようがないという点については、前原大臣はどのように受けとめられますか。

前原国務大臣 自民党の政治というのが長く続いてきたんですね。赤澤議員も自民党の議員としてやってこられた。私は、先ほどの二千カ所の崩落の話とか、そういったことをでは今までの自民党の政治としてどう総括されるのかといったことを、やはりここはしっかりと党内で御議論されるべきだと私は思いますよ。

 それで、私は、今回、民主党が勝ったと思っていないんですよ、正直申し上げて。やはり、自民党の政治の延長線上では、このまま日本が行ったら大変なことになるというところが限界を超えて、よく言われましたよね、自民党には不満があるけれども、民主党には不安があると。不満が不安を超えたんですよ。だからこそ、受け皿として我々が選ばれたと思っていて、我々は積極的に選ばれたとは、本当に掛け値なく私は思っておりません。

 人口が減ってくる、何で一・三七まで少子化をほっておいたんだ。あるいは、高齢化が進んでいくことはわかっていたのに、医者は足りない、看護師は足りない。年金制度というのは、百年安心と言ったところもあったけれども、百年安心と思っている国民はいないですよ。そして、借金は国のGDPの一・七倍、一・八倍にも及んでいて、新規のものができないというような状況になってきている。

 他方で、では、コンクリートはこれからもつくり続けるとおっしゃるけれども、今までつくった道路、高速道路や県道、市道を入れて、毎年毎年維持管理費がどのぐらいかかっているか。二兆二千億かかっているんですよ。もっともっとこれからかかっていくし、それから、首都高や阪神高速あるいは名神、そういったものの更新時期も来る中で、どうやってこの日本の国をマネジメントしていくのかということを考えたら、大変な状況だというふうに私は思いますよ。

 そういうやはり共通認識を持って、我々は、この日本がサステーナブル、持続可能な国家運営ができるように税金の使い道を変えていく、見直すべきは見直すということが国民に期待をされていることだと私は思いますので、赤澤議員が違うとおっしゃるのであれば、私は、それが民主党と赤澤さん的自民党との違いなんだろうというふうに思います。

赤澤委員 前原大臣のおっしゃったことに私も理解できるところもあるけれども、与党の、大臣の答弁はそれだとだめだと私は思います。

 それはなぜかといえば、冒頭申し上げたとおりなんですよ。自民党は党内できちっと反省をしなければならない、そのとおりです。しかしながら、私は、あるいは自由民主党は、現職の議員は国民を代表して選抜されてきています。検証する、その役割を担っています。国民が欲しい答弁は、民主党は自民党よりもうまくやると言ったから任せたわけですから、自民党の方に悪い点がある、自民党の中で議論してください、それでは答えになっていないんですよ。私は、その辺は今の答弁だとだめだと思います。

 民主党の方できちっと橋梁についても、では、どれだけの予算を確保されているんですか、その二千の橋について。今おっしゃったからには、二千の橋について、新しいものをつくるのはやめて、そういう方にお金を使うんだ、では幾ら予算を確保されているんですか。当然、その問題に気づいて、大臣はしっかりとそこに予算をつけておられるんでしょうね。いかがですか。

前原国務大臣 一年でそんなに全部できるわけないですよ。(赤澤委員「いや、だから、来年はどれだけつけているんですか。どういう計画なんですか」と呼ぶ)それは後で、それは事前通告がなかったから答えません。

赤澤委員 それじゃ政治主導でも何でもないじゃないですか。コンクリートから人へと言って、大地震のときに崩落のおそれのある橋があることをわかっていて、それについてちゃんと予算をつけていない、あるいはその説明ができなくて、本当にコンクリートから人へ全力でやっているんですか。大臣として当然知っておるべきことでしょう、それは。私は、その辺はきちっとやっていただかなきゃいけないと思っております。

 そして、もう一つ、先ほどおっしゃったことに少し反論させていただきたいけれども、中央から地方へとおっしゃった。そのとおりになってないですよ。そのお話があったので、私はそのことを先にさせていただこうと思うけれども、今回の概算要求、開通時期が近いもの、こういう話ですよ。三年以内。主にそこに当たるのは何かといったら、三大都市圏の例えば環状道路、首都圏中央連絡道とか、そういうものですよ。圏央道とかああいったものが、都会の道路が三年以内でできるように優先順位を上げてやってきているのが入ってくるんですよ。

 鳥取県を初めとする地方の道路は、ようやく二年ほど前に、自公連立政権が地方切り捨て批判を反省し、しっかりと地方の道路も整備しよう、鳥取県の山陰道も十年以内でと、こういうようなことです。優先順位からいって、人口の少ないところの道路整備というのは後回しにされてきた。紛れもない事実です。

 その状態で、三年以内で優先順位を上げてやってきたものは完成できる、そこを集中的にやりましょうと。後回しにされてきた部分、これはほとんど地方の道路です。全く、整備がさらにおくれてしまう。それは、大臣がおっしゃっている中央から地方へに合っていないと私は思います。むしろ、都市の環状道路の整備はきっちりやるけれども、地方はさらに待っていなさい、こういうことに数字がなっているんですよ。その辺について、一体どのように考えられるのか。

前原国務大臣 先ほどの予算がどのぐらいかということについては、しっかり調べて、後でお伝えをいたします。

 もう一つは、赤澤委員のおっしゃることで、私は伺っていてそのとおりだなと思ったのは、自民党に対する評価はもう下ったんですね。それについて今さら言っても仕方がないというのはおっしゃるとおりです。だから、今、日本の抱える問題を解決すべき立場にいるのは我々ですから、我々がしっかりやっていくということはこれから申し上げていきたいというふうに思います。自民党の批判をしたって何も生まれない。それはもう、おっしゃるとおりですよ。

 その上で、中央から地方へということを私は、私はというよりも、私も含めた民主党が申し上げているのは、権限、財源をできるだけ地方に渡していくということであります。ただ、赤澤委員の御質問を先取りすることになるかもしれませんけれども、だったら、経済力の弱い地方は、経済が弱いために税収がなかなか集まらないような地方はどうするんだという話は当然ながら出てくると思います。後で質問される徳田委員も同じような思いを持っておられると思います。そういうものについては、私は、再配分機能というのは国がしっかり持って、しかし、権限、財源はできるだけ地方に移管していく。

 そうすれば、赤澤委員がおっしゃった、例えば赤澤さんが権限、財源が移譲された地域の首長さんか道州の長に仮になられたときには、道路が大切だとおっしゃるのだったら、それは、その地域の皆さん方の思いがすべてあるのだったら、トップになられて、まさに地域が決めるんですから、道路を中心にやられたらいい。それはすべて地方が決めること。私は、そういう意味で中央から地方へということを申し上げております。

赤澤委員 私は、結論において先取りして言いましたけれども、あたかも都市の優先的に整備されてきた道路だけが整備を急いでもらえる、三年以内。十年待っていなさいと言われた道路については、予算が大幅に減らされる。後で数字を挙げますけれども、現にそうなっています。地方から見れば、何で五年以内じゃないんだ、十年以内じゃないんだ、そういう思いについては、決して納得ができないという点は指摘をしておきたいと思います。

 それから、道路や橋梁の維持管理、耐震化予算の充実を初め、道路がいまだつながっていない地方における緊急医療へのアクセスですね。

 第三次医療へのアクセスというのは、これは、心筋梗塞とか脳溢血のときに三十分以内で第三次医療に到達できれば命が助かるが、一時間になってしまうと格段に落命する率がふえる、こういうことです。そういった意味で、道路は命の道と言っていい、あるいは災害時の代替路としても命の道と言っていい。そこに住んでいる一人一人にとっては、まさに、地方であっても、自分の地域の道路というのは命の道なんです。

 私の地元について、もう一つちょっと指摘をしておきたいのは九号線ですね。一けた国道ですよね。しかも、海沿いを走っています。本当に国境を走っている道路と言っていいです。いまだに、島根県、山口県まで含めて、供用率は二〇%台だと思います。何か一朝有事のとき、どこかから難民が流れ着いたとき、今のままだと明らかに自衛隊は速やかに国境線、海岸線を通って展開することができません。

 そういう状態にあって、そこの道路を、先ほどの大臣のお話だと、新規事業については圧縮する方向で、そして維持管理中心に、こんなことでありますけれども、日本の道路のネットワークというのは、そういう、ある意味国防の観点も含めて、全くでき上がっていない。今の時点で新規つくるのをやめようなんというのは暴論であると私は感じていますし、もう一つどうしても指摘をしたいのは、九号線、これはバイパスができていないので、県外の大型トラックが今の九号線をびゅんびゅん走るんですね。

 加えて、バイパスがないので、鳥取県というのは軽自動車の利用率があるいは保持率が国民一人当たり一番多い県です。一人一台ぐらいの感覚で持っています。そうすると、地元の方の鳥取ナンバーの軽トラックが、そして県外の大型トラックがびゅんびゅん行き交って、ちょっと事故が起きれば、必ず地元の方の軽トラックがぺしゃんこになって即死をします。そういう事故が割と頻繁に起きるんです。

 私は、これを見るたびに本当に胸がつぶれる思いで、国の道路整備、しかも、やるべき海岸線に沿った一けた国道が全然つながっていない。日本海の時代と言われる時代にそういう現状で、そんな形で地元の人が命をどんどん落としていく。こういった状況で、新規の道路整備というのはもうおくれていいんだ、十年以内開始あるいは完成なんという道路については優先順位が低いんだ、こういう判断をされては、地元の人間にとっては全く納得ができないというふうに感じるものであります。

 道路が命の道である点について、自公連立政権時代から私は繰り返し言ってきたつもりなんですけれども、公共事業について今申し上げたような方向で、三年以内のものは優先的に予算確保、それ以外のものは優先度が低い、新規事業についても抑制、こういった中で、今申し上げたような問題をすべて抱えている、命の道の整備を待っている、そういう方たちについて、大臣としてはどのように感じられますか。

前原国務大臣 また同じ答弁になって恐縮ですが、鳥取県も含めて人口減少、過疎化が今非常に大きな問題になっています。日本全体でも、二〇〇四年をピークに人口が減っていっている。しかも、少子高齢化が急速に進んでいって、これは恐らく鳥取もそうだと思いますけれども、医師や看護師あるいは介護をする人が足りない。あるいは、高齢者が入るさまざまなケアつきの施設、特別養護老人施設等の施設が足りないという問題もあろうかと思います。そういったものにも対処しなきゃいけないし、あるいは、議員の地元は農業というのは一つの基幹産業だと思いますけれども、あるいは漁業もそうでありますけれども、一次産業というものをしっかりと復興させていく中で食料自給率を上げていかなくてはいけない、さまざまな問題があるわけです。

 しかも、先ほどから申し上げているように、借金だらけのこの国で、では一体どういった事業をやっていくのかというと、それは、今委員おっしゃるようにすべてやれればいいですよ、やれれば。でも、やる財源がないという中で、どこに優先的に配分をしていくのかということを考えていかなくてはならないわけであります。

 一つだけ、事実関係で申し上げておきますと、新規事業をこれから未来永劫全然やらないということは申し上げておりません。新規事業については、来年度については見送って、そして、いわゆる事業評価も含めて、今後どういうやり方でやるかということも含めてまた進めていくということでありますので、新規事業がこれから全部とまってしまうということではありません。

赤澤委員 ここはもう考えがどうも違うようなので、本当に思いをお伝えするということ以外なかなかないわけでありますけれども、平成二十二年度の概算要求について、公共事業の予算は概算要求時点で一五%削減、仕上がりとしては恐らく二〇%。道路については、もう要求の時点で二割削減といった形になっております。仕上がりはさらに削られる可能性がある。

 私は本当に、先ほども申し上げたとおり、大地震のときに落ちるような可能性のある橋がある、あるいは道路もつながっておらない、こういう状態で、規模自体を落としていく、暫定税率廃止、高速道路無料化、そういったことで財源をどんどんどんどん減らして、規模自体を落としていくということに、正面から反対であります。しかも、その削り方についても反対であることは既に申し上げたとおりであります。

 鳥取県について言えば、優先度が低いものの最たるものという扱いを受けたんでしょう、これはほかの地方でも多々同じような事例があると思うので、ほかの委員からも御指摘があると思いますが、平均的に見た場合、道路の概算要求は全国的に二割前後削られている。直轄、補助ともにそういうものだと私は承知をしておりますけれども、鳥取県の場合、全体で四割から五割の削減となっております。合計では前年の五一%から六三%、改築でも六七%から八三%、そういったことで、さらにこれから削られる可能性もある。

 端的に申し上げれば、自公連立政権のもとで、ようやく十年以内に海沿いの一けた国道九号線がバイパス全通するというような計画が公表されたにもかかわらず、今のままだと、端的に言って財源は半分、完成は二十年後といったことになる。この辺については本当に、その道路ができることで企業誘致とか地元の経済の活性化、観光振興、ありとあらゆる希望をかなえたいというふうに思っている地元の声が非常に強くあるということについては、ぜひ御認識をいただきたいと思います。

 あわせて申し上げれば、地元について、ありとあらゆる民主党が掲げられた原則が当たってまいります。原則として新規事業は行わないという新たな方針でありますから、山陰道と並ぶ鳥取県中部の住民の悲願である北条湯原道路、これの小鴨―関金間、平成二十三年度を目指していた事業化も、これも遅延を余儀なくされるであろうということであります。また、事業箇所数の二割削減というのもありました。新たな方針のもとで、昨年、新規採択された事業の休止の可能性も懸念されております。

 本当に地方にとっては不安なことばかりであって、これまで後回しにされてきたという道路整備がさらに後回しにされるということで、とても我慢できるものではない。私は、本当に党内で、地方の議員、民主党にも多々おられると思うんです。よくその辺について大きな声が挙がってきて軌道修正が図られるような議論にならないものだなと、正直なところ不思議に思っております。

 これまでるる述べてきましたとおり、道路整備のおくれている地方にとって、道路はまさに命の道であります。特に、県内の主要道路もいまだに完成してもらっていない多くの地方の道路整備について、完成まで時間がかかるものや新規の事業は後回しというのは、これは私にとっては、もう地方にとっての無慈悲な弱い者いじめというふうに思えます。ぜひ、弱い者いじめはやめていただきたい。

 とにもかくにも、地方にとって死活問題となる県内の主要道路の整備、これは、全国において仕掛かりの状態です。鳥取県だけではありません。およそ手つかずというものはほとんどないはずです。その着手したもののいまだつながっていない命の道、これをつなげることは、私は、国家の最優先の使命の一つである、最低限の義務である、こういうふうに考えます。

 自公連立政権のもとでも、採算を重視し過ぎて都市部の道路整備優先の嫌いがあった。これは私は大問題だと思う。先ほどから申し上げているとおりです。民主党政権のもとで、開通時期が近いものを優先する新たな方針が打ち出されたことで、さらなる地方切り捨てにつながるものとして憂慮にたえません。

 この話題は繰り返しになるので、もう一度だけ聞きたいんですけれども、着手したもののいまだつながっていない命の道、これをつなげることは、私は、国家の最優先の使命の一つであって最低限の義務だと思っています。その点について、重ねて大臣の見解を伺いたいと思います。

前原国務大臣 着手したものはやりますよ。それは継続してやる。しかし、繰り返し申し上げているように、全体の財政状況が厳しくて、そして、何に集中的に投下をしていくかということの中で、少子化対策や社会保障、教育にお金を、より力をつけていくということで、ある程度の予算の削減というのは御理解をいただきたいと思います。

赤澤委員 そこで、ぜひ大臣に着手の意味というものについて思いをはせていただきたいと思うんです。

 今の役所の定義によると、例えば山陰道、これはもう山陰を全部カバーする、鳥取、島根、山口。ところが、彼らは事業を呼ぶときに、区間を区切って何とか道路と名前をつけて、例えば、その道路の中のごく一部、十キロぐらいの区間を東伯中山道路とか、いろいろな名前をつけてやるわけです。そのときに、それを新規事業の着手と彼らは呼ぶんですよ。

 そうすると、日本の山陰の海岸線をずっと通る一本の道路、細切れな整備が進んでいます。細切れだから、なかなか利用されません。一部料金を取ったり、いろいろなことをしています。だけれども、これを全部つなげて、しかも、それが中国縦貫道とか山陽道とか、そういうのにつながって初めてネットワークの意味があるんです。

 そういう意味で、国土のきちっとしたネットワークを完成する、それにはもう着手しているんだという認識をぜひ持っていただきたいし、国土交通省が便宜的にやっているような、数キロずつの道路を何とか道路と呼んで、それをこれから新たに事業着手する、それは新規だからもうやらないということを今決して言ったのではないということについては、ぜひ確認をさせていただきたいと思います。

前原国務大臣 いずれにしても、限られた予算の中で事業評価というのをしっかりやって、どういった事業をやっていくかということは、また決めさせていただきたいと思います。

赤澤委員 少なくとも、国土交通省の、細かい数キロ刻みで何とか道路と名づけて新規事業の着手と呼ぶようなやり方でいくということではなかったというふうに私は理解をさせていただきたいと思います。

 そして、もう一つお尋ねをしたかったのは、国土交通省が道路の採算性を判断するときに用いていた基準、これは不適切であるということについては、前政権のときから私もかなり議論をさせていただきました。大臣も御案内のことだと思います。

 実は、三つしか要素として考えていない。交通費の縮減、交通時間の短縮、そして交通事故の減少です。国交省に聞くと、その三つがダブりがなく、数値化できる、ある意味では便利だからそれにしていますというような答えが返ってきます。私は、これは全く不十分だと思っています。

 先ほど申し上げたように、交通時間の短縮ということだけで言えば、三十分と一時間、それで到達できるというのは一対二の違いしかないのかもしれません。しかしながら、三十分で第三次医療にアクセスできる、これは命が助かるんです。一時間かかる、これは命が落ちるんです。そこは一対二では断固としてないんですよ。その辺のことをきちっと踏まえて、命の道の価値をきちっと採算の判断の中でも取り入れる、あるいは観光振興の効果とか、それ以外にも多くの開発による効果とか、そういったものが出てきます。

 一つ例を挙げれば、パリのエッフェル塔なんてものは、つくったときに採算性を考えたら、あんなばかなものは絶対つくれなかったと思いますよ。しかしながら、今、観光資源としての効果はどうですか。あれを見るために世界じゅうから物すごい数の人が、観光客が来ている、そのことで物すごく潤っているんです。その辺の判断をきちっとやるというのは、私は政治家の仕事だと思っています。

 なので、今の採算性の三大要素、これでは全然足りない。極力適切な結果が出るような新たな基準をきちっとつくっていただきたい。そしてまた、その基準だけにこだわることなく、政治家として、この道路は整備すべきだ、命の道だ、そういう判断もぜひ大臣にきちっとしていただきたい、私はそのように思います。いかが考えられますか。

前原国務大臣 今の御指摘については、理解できなくもありません。走行時間短縮便益、走行経費減少便益、交通事故減少便益、この三つで果たしていいのかと。命の道あるいは観光振興、そのダブりがある、ないという議論はありますけれども、今の御指摘については、この三要素でいいのかということについては、少し省内で検討をさせていただきたいと思います。

 一つだけ、この場をおかりして、一分以内であれしますけれども、命の道ということをおっしゃっている。これは私は野党のときに、道路特定財源の議論を聞いていたときに非常に奇異に感じたことがあるんです。もちろん命の道は大事、そして、そういうものをつくっていくということは大事でありますけれども、しかし、困っている人たちがいる。そして、それについてより早く対応するんであれば、むしろ、公明党さんなんかがよく言っておられるドクターヘリとかそういうものを、これの予算は道路をつくるよりかなり少なく済みますよ。

 ちょっと調べさせてもらったんですよ、鳥取県にドクターヘリがあるか。消防防災ヘリコプターが一機だけ、これにようやく二〇一〇年から医療機器を充実する。そして、先ほど九号線の話もありましたが、九号線というのは京都から出発していますよね。鳥取、兵庫、京都で、また別のドクターヘリの共同運航を開始するということで、鳥取のドクターヘリというのは、今のところは消防防災ヘリの兼用で一機しかない。例えばこういうものにも力を入れていくということで命を救っていくということも大事ではないかなというふうに思いました。

赤澤委員 道路をつくらないために、まさに今のように、あたかも役人のようにいろいろな理由を考えられるのは結構なんでありますけれども、私は、それに全然とどまらない。

 では、大災害が起きたとき、このときに代替路としての道路というのは何とかヘリというので代替できるんですか。規模が全然違いますよ。その辺の、いざ災害が起きたときの救援物資を運ぶ、そういったたぐいのことを本気でやろうと思ったときに、あるいは、さっきも申し上げた自衛隊の速やかな展開、国境に沿って、海岸線に沿って展開する、そういったことをやるときに、本当にヘリを整備したりそういうことでカバーできるのかというと、私は、やはり安定的な、目的を達成するという意味で、道路についてはしかるべき検討があって、きちっと整備をしていただきたい、そのように思っております。

 時間が大分なくなってきましたので、あと一つ、二つ伺いますが、大臣に大きな話でお願いしておきたいのは二点です。

 一つは、港湾整備。私の地元にも境港があります。そして、今本当に元気で、毎年貿易額が例えば二割、三割といったような感じでふえている港はどこに多いかというと日本海側なんですね、舞鶴であるとか境港であるとか。これは当たり前のことで、これまで先進国が貿易の相手方であったものが、アジアや極東ロシア、これが相手になってくるわけですから、物の動きは当然のことながら日本海の方が中心になってきます。太平洋側や山陽側よりは日本海で陸揚げをして、そして整備をした道路や鉄道で物を運ぶ、このことが効率的にいい。物が動くときに境港に入れば、ビジネスマンも当然ついてきます。

 いろいろな意味で、日本海の時代には、人と物が本当に日本海側で動く、日本海国土軸といったようなものをしっかりとつくっていただくこと、これをぜひお願いしたいと思うんです。そういうことを言っても、なかなかぴんとくる方が必ずしも多くないのが、まだ現状かなと思いますが、間違いなくアジアの時代においては絶対にやるべきことだということで、そこはぜひお願いをしたい。

 それから、もう一つ。道路についてもう一つ言っておけば、鳥取砂丘があります。鳥取県は鳥取砂丘が名物で、県外の方は、ナシとそれ、あるいはマツバガニと鳥取砂丘ぐらいしか知らない方が多いかもしれませんが、米子にある皆生温泉のおかみは道路整備をすごく求めるんです。何でか。今のままだと、百キロ弱しかないのに二時間半ぐらいかかるんですよ。そうすると、鳥取砂丘を見たいお客は皆生温泉に泊まってくれません。二時間半片道でかかるものは、それはもう見どころを少しでも多く一定の時間の中に見たい観光客にとっては排除されちゃうんですよ。だから……

川内委員長 赤澤君、申し合わせの時間が過ぎておりますので、質問があるなら手短に。

赤澤委員 はい、わかりました。

 なので、道路による観光振興という観点、それから日本海の時代という観点、大臣のお考えをぜひ述べていただきたいと思います。

馬淵副大臣 事業評価の件だけ申し上げますが、まさに費用便益のあり方、これはもう当然ながら抜本的な見直しを加えますし、さらには、これらを踏まえた事業評価の仕組みそのものを年内にはしっかりとまとめ上げて、また改めて皆様方に御提示をさせていただきたい、そのように考えております。

前原国務大臣 限られた予算の中で選択と集中というものを港湾も道路もやっていかなくてはいけませんし、どの地域からも御要望をいただいている中で、客観的な基準をつくる中で、やるべきことはしっかりやるということで双方とも臨んでまいりたいというふうに思っております。

赤澤委員 終わります。ありがとうございました。

川内委員長 次に、徳田毅君。

徳田委員 自由民主党の徳田毅でございます。

 本日は四十五分のお時間をいただき、私からは、航空問題、そして離島振興について特に質疑をさせていただきたいと思いますが、その前に、政権発足して二カ月、そうした中で、幾つかやはり疑問に思うもの、問題に思うものというものがあります。こうした質疑の前に、大臣に対して、大臣として、また一人の政治家として、幾つかちょっとお伺いさせていただきたいと思います。

 まず一つ、先ほど佐田委員の方からお話があった件であります。委員会の時間、申し合わせの時間を過ぎているというのがありますが、これは自民党の持ち時間でありまして、それを時間だと言ってやじるのも、委員長が一方的に打ち切られるのも、これはいかがなものか。私の時間がなくなる、これは私にとっては残念なことですが。

 そして、新聞の報道について、そうしたことで議論できないということでありますが、私の方も、やはりこれは大変大きな問題ではないかと思います。

 二十一日に川内委員長が八ツ場ダムの視察をされて、展示物がダムの完成を目指しているのは不整合だということで看板を撤去された、完成予想図を。二十三日の午後には、国交省の三日月大造政務官から、地元の心情を考えた場合、現時点でやんば館の展示内容を変更する必要はないとの指示を受けて、また展示をもとに戻したという記事があります。

 これは、政務官にお伺いしたいと思いますが、事実ですか。

川内委員長 三日月政務官、事実関係をはっきり説明してあげてください。

三日月大臣政務官 事実でございます。

川内委員長 いやいや、それは事実じゃないでしょう。おれが撤去をしたと言ったんだよ。

徳田委員 これからこの国土交通委員会で委員長のもとで議論をさせていただくわけですから、そして、中立性を持ってこの議事の進行を行っていただく委員長がこういうことをされるというのは、私は不適切だということを思いますが、大臣はどのように思われますか。

前原国務大臣 川内委員長は、国土交通委員会の委員長でいらっしゃいますけれども、それと同時に、民主党所属の国会議員として、今回は鹿児島一区で当選をされたわけでございますので、そういうお立場もあって、また、我々が今、八ツ場の問題でいろいろと注目を浴びている、バックアップをする意味で、これは公正中立な委員長ではなく民主党所属の議員として視察に行っていただき、バックアップをしていただいているんだという認識を持っております。

徳田委員 視察に行かれたのが、委員長としてなのか、民主党の所属の国会議員として行かれたのかどうかわかりませんが、しかしながら、この八ツ場ダムの問題については再検証を行う、中止がまだ決定したわけではなく、あくまでも前原大臣が中止の意向を示したということでありまして、私は三日月政務官の行動が適切だというふうに思います。

 私は、これからまた、国土交通委員会の委員長としてそうした行動については慎んでいただきたいということを思います。

 次に、鳩山総理の偽装献金問題であります。

 このことについて長くここで私は議論をしようとは思いません。しかしながら、やはり故人献金や偽装献金問題、または、もし、総務省に対して寄附金控除証明書の申請をし、交付を受けているということであれば、これを返還したのか、また、これを用いて税金の還付を受けたかどうか、これは物によっては還付金の詐欺になります。さらには、七千二百二十六万円の所得を税務申告していなかった。これは脱税にもつながりかねない。

 きのうの本会議の席では、民主党の方から物すごいやじがありました。しかし、これは政治のあるべき姿としてやはり問われなければならないこと、自民党としては、野党としてこうした問題を追及しなければならないのは当然であります。

 そうしたことについて、大臣として、鳩山総理のこの問題について、または対応についてどのようにお考えかをお伺いしたいと思います。

前原国務大臣 自分の非はもう認めるところは認められて、真摯に国民に対して説明責任を果たそうとされていると認識をしております。

徳田委員 一国の総理のことですし、国民も説明責任を果たしたと思われていないという声が多いのは事実であります。国会を通して、やはりそうしたことを国民の皆様にしっかりとお示しいただきたいということを思います。

 さらには、先日の予算委員会において、赤松大臣のパーティーの問題がありました。これは我が党の小里泰弘議員が質問に立ち、これは大臣規範にひっかかるのではないか、触れるのではないかと。赤松大臣の方からは、これは小規模だからと。どこをもって小規模なのかはわかりませんが、この件についても大臣にお伺いしたいと思います。

 小規模だったらよいと思われるのか。これは大臣規範にひっかかっていないのか。ひっかかっていないとするならば、大臣自身もこれからされる予定があるのか。お伺いしたいと思います。

前原国務大臣 私の予定は未定でございますが、一番初めか二回目の閣議だったと思います。大規模なパーティーは自粛するようにという話が閣議の中でございまして、みんな一様に首をかしげていた。大規模ってどのぐらいのパーティーなんだろうかということで、みんな首をかしげていたというのが事実でございます。

徳田委員 ありがとうございました。

 やはりこうした問題についても、政権がかわって、民主党がどのような政権運営をされるのか、各大臣に問われているんだということを思います。私は、こうしたことはやはり自粛していただきたいということを思います。

 もう一件、今私は国対にいるんですが、国対の方から十八日に党首討論の申し出がありまして、民主党の方から見送るという話がありました。

 私は、党首討論というのは、二大政党の代表が、これからのこの国のあり方、ビジョン、さらには重大政策について、公の場でしっかりと直接議論を行い、そして国民の皆様に明確にお伝えすべきだということを思います。

 前原大臣も、代表時代には当時の小泉総理と闊達な議論を交わされておりました。私は、これはやはり政治家の義務であって、また代表としての義務であって、こうしたものを党利党略で見送るというのはいかがなものかということを思います。もちろん、法案の成立に向けてということは大事でありますが、それを理由に党首討論を見送る、これは本来許されないのではないかな。

 民主党さんが主張されているように十一月三十日で国会を閉めるというのであれば、今申し入れをしている二十五日が最後のタイミングではないかと思いますが、この件についてもお伺いさせていただきたいと思います。

前原国務大臣 私も、七カ月程度の代表時代に三度、小泉総理と党首討論をやらせていただきました。非常に、やはり与党の中心である総理と野党第一党の党首が議論を交わすということは、委員がおっしゃるように、とても大事なことではないかというふうに思っておりますので、一般論としては、できるだけ開催をして議論を闘わせるべきだというふうに思っております。

 今回の件については、どういう背景で、委員のおっしゃるように、会期の問題なのかどうなのかよくわかりません。それはまさに国家基本委員会の場で、国会の場でお決めいただく問題ではないかと思っております。

徳田委員 大臣に見解をお伺いすることではないかもしれませんが、民主党の代表まで務められた大臣でありますので、基本的な姿勢としてお伺いさせていただきました。

 それでは、航空問題についての質疑に入ってまいりたいと思いますが、まず最初に、JALの経営再建問題であります。

 これは大臣も就任された直後から大きな関心を示され、そうした中で、これまでにいろいろな動きがありました。タスクフォースを結成されて、今現在はそのタスクフォースの方からの報告が上がり、そして企業再生機構にということでありますが、まず最初に、このJALの経営再建問題、JALそのものの経営についてであります。

 航空業界というのは、確かに、世界の情勢、原油の高騰や、またテロや、SARS、今は新型インフルエンザ、さまざまな要因によって大きく左右される。損益がマイナスの九百億だとか二百億とか、大きな単位に見えますが、全体売り上げとしてはJALでは二兆円ぐらいですから、純利益率というのは大体二%ぐらいの厳しい業界なんだということを思います。

 しかしながら、今これだけの厳しい状況に経営的にはなってきた。これには、各要因だけではなく、やはり自助努力としてJALもそういうことが必要だったということを思います。それにはJAL自体の構造的な原因があったのではないかと私は思いますが、大臣はどのようにお考えですか。

前原国務大臣 これは先ほど三ッ矢委員と議論をさせていただいたことで、繰り返しになって恐縮でございますが、今委員がおっしゃったように、外的要因というのも非常に大きかったと思います。特に、去年の秋以降のリーマン・ショック以降の世界同時不況、あるいは新型インフルエンザ、これは日本のJALやANAだけではなくて、海外のメガキャリアもかなり赤字の会社が多いということで、外的な要因というのが非常に大きかった面もあろうと思います。

 ただ、これは委員が御指摘をされたことに私も同意するわけでありますが、やはりJALの自助努力というものが足りなかったのではないか、経営の努力というのが足りなかったのではないか。リストラの怠り、機材変更、時代に合った航空産業になるための先を見越した努力というものが、全日空と、比べるというのは相対的なものでしかありませんけれども、全日空がホテル事業を全部売って、そのお金で機材の変更をやって、そして燃費改善やあるいは小型化に対応していこうとしていたものに比べても、かなりおくれてきたのではないかと思います。

 また、親方日の丸的なところで、これは内部の方々から漏れ伝わってくることでありますけれども、最後は国が助けてくれるんじゃないかというような甘えのようなものもあるのかもしれません。

 政府の空港整備特会で九十七の飛行場をつくり続けてきたという要因もこれあり、さまざまな要因の中で今の経営状況に至っているのではないか、このように考えております。

徳田委員 九月二十四日の話でありますが、大臣が、法的整理については現時点では一切考えていない、とにかく自立再生というものをしっかりやってもらうということを発言されています。

 再生の方法というのは幾つかあったと思いますが、まず最初に法的整理という可能性を否定されたのはどうしてですか。

前原国務大臣 これは午前中に申し上げましたけれども、破綻ということは考えていない、私の定義をする破綻というのは、つぶれてなくなることであるということを申し上げたわけでございます。

 後で御質問があろうかと思いますけれども、九月二十五日にタスクフォースを五名指名して、そして、二十四日に出されたJALの再建計画の中身が、果たしてそれが再建可能なのかどうなのか、実行可能なのかどうなのかということがわかりませんでした。同時に、JALの今の経営状態というのは一体どんな状況なのかということがわからなかったものですから、事業再生あるいは資産査定の専門家にお願いをして徹底的に調べていただくということで、調べていただいた結果として今私が得ている感触では、自立再生は可能であるというふうに私は思っております。

徳田委員 私は、法的整理というのは大変、破綻というか、そういう危機的状況を迎える可能性はあるものの、経営責任または株主の責任、そうしたことが明確になる。

 今回、JALをなぜ守らなければならないのか。それは、あくまでも航空ネットワークの維持のためであります。航空ネットワークを維持する上で、JALが六割ぐらいの飛行機を飛ばしている、だからこそ守らなきゃいけない。

 しかしながら、高コスト体質やそうしたものを残して運営させるというのは、今まで国も支援はしてまいりましたが、残していくというのも問題でありまして、私は、そうした可能性も最初から考えるべきだったのではないか、いろいろな選択肢を残しておくべきだったのではないかなということを思います。

 そして、二十五日には五名の方を指名されてタスクフォースを結成されたということでありますが、少し不可解に思ったのは、そのタスクフォース自体の位置づけであります。

 資産の査定や、いろいろ経営についてのアドバイスなどを行うのかもしれませんが、このタスクフォースが各金融機関に二千二百億の債権放棄を求めていた。金融機関に債権放棄を求めるということは、金融機関にとっては、預金者への責任であったり、株主代表訴訟というリスクも問われるものであります。

 果たしてこのタスクフォースに、それまで、金融機関に求めるほどの権限があったのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

前原国務大臣 これはよく記者会見でも聞かれました、この人たちの位置づけというのはどうなのかと。

 これは、私が辞令を交付して、いわゆる大臣の辞令で委嘱をした。つまりは、JALの資産査定と再建計画をまとめてほしいということを彼らに委嘱し、そしてこの委嘱をした五人の方をJALが受け入れてくれた。JALが受け入れるという形で、したがって、JALが協力して、何か二十五階か何かに部屋を借りて、そしてJALの社員の方も入られ、外部の公認会計士やあるいは弁護士の方々も入られ、そして資産査定や再建計画づくりをやられていたというように認識をしております。

 その中で、求めたということは、私はそれは事実ではないと思っているんです。

 つまりは、十月の終わりに私に対して報告をしてくださいということをお願いしていたわけです。つまりは、次のステップに移るのにはどういう形式がいいのかということで、報告をする、あるいはタスクフォースなりの再建案というものを私に提示していただくということになっておりました。

 十月の中ごろから何度か中間報告を受けておりました。その中に、今議員がおっしゃるように、金額は定かではありませんし、覚えていたとしても今ここの場で申し上げるつもりはございませんけれども、金融機関への債権放棄というものもありましたし、あるいは、年金の積立金がこれだけ不足をしていますね、こういった話もありました。

 その中での、私的整理を模索されていた面もありますけれども、なかなか金融機関の債権放棄の問題は、まさに今委員が御指摘をされたような問題も生じてくるし、ましてや私的整理で年金を処理しようというのは並大抵のことではないということで、公的関与というものを前提とした調査報告を出してほしいということを私がタスクに申し上げて、タスクから出てきた調査報告が企業再生支援機構というものを活用するというものであった、こういうことでございます。

徳田委員 今の話では、公的関与を前提としたということでありますが、それでは、このタスクフォースの結果を見て何を判断されたのか。では、最初から企業再生支援機構というのは選択肢にあったと思いますが、その確信を得るために報告を十月末にもらいたいということをやられているわけですか。

前原国務大臣 まず、二つ整理をしていただかなくてはいけないのは、私が九月十六日に国土交通大臣を拝命いたしました。その八日後にJALが再建計画を持ってこられた。その中身が果たして実行可能なのかどうなのかということが、正直申し上げてわかりませんでした。そして、これが本当にやれるような体力なのか、体質なのかということがわからなかった。ですから、事業再生、資産査定の専門家である私の知り合いにお願いをして、これは産業再生機構なんかで活動されてきた方々にお願いをして、徹底的に、JALが一体今どういう経営状況なのかということをできる限り客観的に調べてください、そうでなければ私は国土交通大臣として判断ができないという思いを持ったわけです。

 したがって、JALから言われたままの再建計画を、ああ、そうですかというわけにはいかない、自分なりに納得して、JALの今の経営実態というものを調べてもらって、その上ででなければ、次にどういう再建計画をしていいのかというのがわからなかったものですから、それで、私はタスクにお願いをして、約一カ月間かけて資産査定とタスクなりの事業再生計画をつくっていただいたということでございます。

 もう一つは、企業再生支援機構ができたのは十月の中ごろでございまして、九月の終わりには企業再生支援機構というのは活用できなかったということでございます。

    〔委員長退席、橋本(清)委員長代理着席〕

徳田委員 大臣が、JALから持ってきた再建計画については信用できないというか、どうなのかなと。(前原国務大臣「わからない」と呼ぶ)わからないと思われた。その上で、タスクフォースについては、しっかりと調べてきてほしい。それはそういう意味で、最初のプレスリリースでも、大臣のそういう思いがあって、国土交通大臣直轄の顧問団として送り込んでいるわけですね。

 今、受け入れられた、JALに受け入れていただいたということでありますが、これは、JALとしても、大臣に言われて断れるわけはないわけです。自分たちでやってきて、これは大臣がそういう意向を示されて、では、大臣が指名された五人を送り込むよと。では、JALが断れるかというと、断れない。

 一部の新聞の報道では、このタスクフォースのコストについては十億以上かかっているという話もあります。それは、事前に通告してあるんですが、どれぐらいかかったのか教えていただけますか。

前原国務大臣 五人はボランティアです、五人はボランティア。私が委嘱して、お願いをした方々です。

 五人の方々がマックスで百名ぐらいの方を使っているという話です。その方々はもちろん仕事がありながら、公認会計士とか弁護士さんとかそういった方々を使ったということをやって、そこはJALとそういった個人的な契約ですので、我々は知る立場にないというか、聞いておりません。

 先ほど田中委員に申し上げましたけれども、五人はボランティアで、五人に対して国土交通省からこれからお支払いをする一カ月余りの交通費は、総額で五万二千円余りです。

徳田委員 五人はボランティアということでありますが……(前原国務大臣「五万三千二百六十円です」と呼ぶ)五万三千円でも五万二千円でもいいです。

 五人はボランティアということでありますが、それ以外のところにはお金がかかっている。これはJALが支払っている。ということは、JALと契約を結んだということになります。五人自身の労働についてはボランティアかもしれませんが、では、五人が関連する会社が利益を出したということはないんですね。JALとそういう契約を結ばせたということはありませんか。

前原国務大臣 私は五人に資産査定をお願いしたわけであって、それから派生するさまざまな契約とかいうものについては一切私は関知しておりませんし、指示もしておりません。

徳田委員 五人はボランティアかもしれませんが、では、五人が指定した会社と契約を結ばせたかもしれないということはありますね。

前原国務大臣 それは、何らかの雑誌か何かで今書かれているということは聞きましたけれども、その雑誌についてはまだ私も見ておりません。

徳田委員 雑誌に書かれていた、それが事実かどうかは私もわかりません。ただ、事実が知りたい。そして、事実であったとすれば、大変問題なことだと私は思います。

 それはなぜかといいますと、大臣からタスクフォースを送り込むと言われて、これはJALは断れないわけです。そして、五人の方が責任者となった。五人の方がどういう会社を使い、どれぐらいの人数で、ではどれぐらいかかるよと。もう言い値そのものをJALは全部受けなきゃいけないわけです。

 この五人の方はボランティアだ、交通費は五万幾らだと言われても、この人たちにはそういう巨額の契約ができる、JALからお金を引き出せる、権利が発生しているわけですから。そのお金の権利については、私は大変問題だと。しかも、これは大臣直轄の顧問団なわけですから。そして、大臣が判断をするために送り込んだもの。

 私は、このことについて、雑誌の記事はどうあれ、明確にしていかなければならない問題だというふうに思います。

 さて、それでは、タスクフォースが再建計画案を出されましたが、その最終報告などについてはまだ報告もされておりません。報告されたんですか。(前原国務大臣「報告を受けています」と呼ぶ)それは公表されましたか。(前原国務大臣「公表しません」と呼ぶ)公表はされない。公表されない理由はどうしてですか。

前原国務大臣 一部憶測記事も含めて、タスクフォースがまとめた私的整理の案あるいはJALの今の経営実態についての数字が書かれております。

 これは、タスクフォースを含めて、JALが私的整理をみずからやるということであれば、それは公表していいのかもしれませんが、現段階においては、調査報告によって企業再生支援機構に申請をするということになって、今、その申請を企業再生支援機構が受理して、そして資産査定を行っている段階でございます。それの資産査定とかあるいは再建計画に予断を持たせてはいけないということから、公表を差し控えているということを御理解いただきたいと思います。

    〔橋本(清)委員長代理退席、委員長着席〕

徳田委員 いま一つ理解ができないんですが。

 私の持ち時間が大分減ってきまして、この後、離島振興などについても少し触れてまいりたいものですから、あと一、二点だけにさせていただきたいと思います。

 まず一つ。全く違う話になるかもしれませんが、大臣は十三日の大臣所信の中で、全国に九十七もの空港が整備され続けてきたという実態があるという表現をなされました。これは、あたかも無駄な空港があるというようにも聞こえるんです。不採算の空港という表現もされています。それでは、不採算の空港というのは無駄なのか。

 それでは、具体的に、全国九十七の空港がありますが、どの空港を無駄だと言われているのか、教えていただきたいと思います。

前原国務大臣 大臣として、ここが無駄だと思いますということは、口が裂けても言えないということは御理解いただけると思います。

 ただ、空港整備特別会計、今の整備勘定の中で空港をつくり続ける仕組みにあって、九十八つくったんですね、九十八。そして一個は、北海道の弟子屈だったと思いますけれども、廃港になっております。今九十七あるということでございまして、ここまでつくり続ける必要があったのかというふうに思っているのは、率直なところ、あります。そして、大臣の立場でなければ、こことここは、別に二つという意味じゃないですよ、こことこことここはでもいいですけれども、については、ちょっと合点がいかないなというようなところはございます。

 ただ、恐らくお聞きになりたい視点というのは、徳田議員の選挙区にある離島。離島というのは船で行くかあるいは飛行機で行くかしかないわけであって、離島というものについての空港は、私は極めて重要だと。これは徳田議員がおっしゃるから申し上げるわけではありません。離島の空港というのは極めて大事だと思っている。だから、これは、前政権からも離島については特段の配慮をしてきたわけですね、予算的に。現政権でも、この離島の空港への補助は続けます、大事だと思うから。それについては御理解をいただきたいと思います。

徳田委員 私が奄美出身であるということで、離島について御配慮をいただいていることは大変ありがたいんですが、ただ、九十八あると言われた空港、それはどこも、地元の要望があって、それこそ地域住民からすれば、地域の振興のために不可欠だという思いでつくられたものが多いんだということを私は思います。

 私は、大臣としてどの空港だということは言えないと言われましたが、それでは、こういう表現も最初からするべきではないのではないか。それはそうです、具体的に言えないのであれば。

 国民から、無駄な空港がある、では、松本空港などはよく言われますが、JALが撤退をする。でも、松本空港の周辺の人たちが本当に困っているのは事実です。それを、では、どこの空港が無駄だと。不採算の空港をつくり続けてきたと言われたわけですから。

 では、不採算の空港が悪いのか。公共交通機関として、まあ離島などからすれば特にですが、ライフラインでもあります。民間にできないことを行政や政治が補っていく、それは当然のことでありまして、では、不採算の空港だから閉めればいいのか、つくらなければよかったのか。そのことについてはどう思われますか。

前原国務大臣 不採算の空港があるというのは事実ですよね。それは議員も認められますね。

 不採算の空港が全部悪いと言っているわけではないんです。さっき申し上げた離島なんというのは、海がしけたら船が行けないわけですから、それこそ、先ほどの赤澤議員の話じゃないけれども、救急が出たときどうするんだという議論があります。

 したがって、不採算イコールすべて無駄だということではありませんが、私は、今申し上げたように、九十七の空港はやはりつくり過ぎだという思いを持っているというのは事実であります。変わりません。

徳田委員 わかりました。

 済みません、私の持ち時間があと十分になりまして、十分間の中でどうしてもちょっと聞きたいこともあるものですから。

 ただ、航空問題については、まだまだ議論しなければならないことはたくさんあろうかと思います。三ッ矢委員の方からも集中審議の申し出があったかと思いますが、そうしたことをしっかりと行っていただきたいということを委員長にもお願いさせていただきたい、理事会の方にもお願いさせていただきたいと思います。

川内委員長 理事会で協議します。

徳田委員 離島振興についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず最初にちょっとお伺いしたいんですが、さきの衆議院選挙、民主党は、マニフェスト選挙と位置づけられて戦われました。先ほどの大臣の言葉では、できるだけマニフェストは実行していくということでありました。鳩山総理は、マニフェストは国民との約束、契約だということを申されました。

 その前提でちょっとお伺いをしますが、実は、奄美において民主党さんが奄美版マニフェストというものをつくられました。ローカルマニフェストです。これは、ローカルとはいえ、川内委員長は県連会長でありますからそのことはよく御存じだと思いますが、その内容について大臣は御存じでしょうか。

前原国務大臣 不勉強で申しわけありませんが、存じません。

徳田委員 これは、当時の民主党の選挙対策委員長の赤松先生が奄美に来られて、そして、党として奄美の郡民に約束したものなんです。

 中身については、奄振予算を継続する、補助金を交付金化する、ガソリン税は廃止して、これは暫定税率分だけではなく揮発油税分すべてを撤廃する、五十四円引き下げる、航空運賃の大幅値下げ、いろいろあります。そのほかには、農家の戸別所得補償や奄美の国立高等機関、電線の地中化、ブロードバンド一〇〇%とありますが、この幾つかについては国土交通省で所管するものであって、そして、奄美について約束していただいたマニフェストについて大臣が御存じじゃないというのは、私は極めて無責任ではないかと。

 無責任ではありませんか。大臣はどう思われますか。

前原国務大臣 きょう、一番初めての一般質疑で、そういったマニフェストがあるということを教えていただきましたので、今後、予算審議の過程とかで議論するときには、しっかり勉強しておいて、議論がかみ合うようにさせていただきたいと思います。

徳田委員 ローカルマニフェストで、川内委員長が、いや無責任じゃないよと首を振られたのはなぜなのかなと。聞いているわけではありませんが、なぜなのかなと。

 島民といたしましては、そうしたものを、マニフェストとしてお約束されて、政権が交代した中で早速取り組んでいただきたい。島の現状を考えれば、私は、この四年間というのではなく、一日でも早くこれは達成していただきたい。これは政党間の対立を超えて、島の現状を考えれば必ず実現していただきたい、やはり島民の夢みたいなものであります。

 これは、長年こうした問題について、例えば揮発油税を撤廃していただきたい、多くの航空運賃が高いというのは、自民党の中でも話し合われてきました。私たちが政権を担っているときに、こうしたことが今まで実現できなかったのは反省すべき点ではありますが、大きく民主党に対して期待しているものであるのも事実です。ですから、このことについてしっかりと取り組んでいただきたい。

 なぜこのようなことが問題になるかといいますと、奄美の今の経済状況です。実は、奄美の所得というのは、今平均所得が百九十一万三千円。全国平均は二百九十二万ですから、これだけ厳しい状況だ。有効求人倍率はこの九月の時点で〇・二七、完全失業率は八・三二です。これは奄美にかかわらず、全国離島はそれぐらい危機的状況にあるのではないかということを思います。

 そこで、大臣にお願いしたいことがありますが、奄振予算などについてであります。

 多分、公共事業などについての予算は、二十一年度の当初予算より大幅に減らされているということであります。国土交通省では、沖振、北海道、離島、奄美、そして内地と五つに分ける。また、その一方では、河川や港湾、道路、そうしたものに分けて、その縦横のマトリックスの中で予算を調整していくのではないかということを思います。

 そこで、全体的に公共事業予算が減らされたとしても、奄美においてはこれぐらい厳しい状況だ、全国離島もそうです、北海道や沖縄に行ってもです、そこは経済的に大変厳しい状況であるというのは間違いないんだと思います。それを全体枠として同じような割合で引き下げられたら、それは大変なことになります。民主党さんが公共事業を減らすという大方針を掲げられているということはわかりますが、大変厳しい地方、離島、そうしたことについても同じ割合で減らされたら困るということを申し上げたい。

 もしそのようなことをされるのであれば、その前に、やはり隗より始めよという言葉もありますので、それこそ政務三役の地元から減らしてもらいたい。当然の話です。生まれたときから高速が通り、道路が整備され、飛行機が飛び、そういう地域ではないんです。しかし、そういう地域に住んでいても地域の発展を願っている。今、現時点でも極めて厳しい状況にあるわけですから、そういうことも御検討いただきたいということをお願いしたいと思います。

 それともう一点、民主党さんは高速道路の無料化というものをマニフェストに掲げられました。離島からすると、航路が人の移動、物の輸送、そうしたものにおいて同じ役割を果たしているんだということを思います。

 今、ガソリン価格なども一リットル百六十円とかするんです。なぜそれぐらい高くつくかというと、やはり輸送にお金がかかる。先ほども申し上げましたが、平均所得が百九十三万円ぐらいですから、そうした中で高い物価を強いられているというのが実情です。

 もし、全国的に高速道路を無料にされるのであれば、私は、こうした航路についても同じように考えていただきたい。このたびの概算要求を拝見させていただきますと、航路の補助、そうしたものについては四十億ぐらいだと聞いておりますが、それでは決して十分とは言えません。十分とは言えないということであります。

 このことについて、大臣はどうお考えでしょうか。

前原国務大臣 この間、離島振興協議会の方々が陳情に来られまして、今委員がおっしゃったことと同じ趣旨で、何で陸地は高速道路を無料化するのに、我々は全く恩恵を受けることができない、何らかの対策を考えてほしいというお話でございました。

 先ほどの委員の御質問にもかかわってくるんですが、現在、概算要求の段階では、我々は前年度と比べて一四%減の概算要求を出しておりますけれども、奄美振興関連予算の概算要求で申し上げると、非公共は、概算要求は前年と全く一緒です。そして、公共についてはマイナス九%ということで、全体が一四%マイナスということを考えたときには、先ほど委員のおっしゃったことも含めて、マイナスになっているので余り偉そうなことは申し上げられませんが、他の下げ方と比べると抑制をしたものになっている、非公共については前年並みの予算を確保している。

 そういった中で、ぜひ読み取っていただければありがたい、このように思っております。

徳田委員 時間が迫っております。最後に一つだけ。

 前原大臣は所信において、海洋国家としての復権の必要性について述べた上で、排他的経済水域の有効な活用のために離島の保全及び管理を的確に行うということを述べられました。

 離島を保全していくためには、やはり人が安心して住める島をつくっていくということが重要なんだと思います。そのことについて大臣としてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

前原国務大臣 これも、私は委員と同じ考え、方向性で物事を考えていると思いますが、離島というのは、そこから二百海里の排他的経済水域を、主権を守ってくれているわけでありまして、そういった価値をやはり予算案にも付加しなくてはいけないということで、他の予算の下げ幅に比べて目配りをさせていただいているということでございますし、また、離島の離島でございますけれども、南鳥島それから沖ノ鳥島、これについてはしっかりとやはり保全をしていかなければいけないということで、これもまた別個に予算を計上させていただき、日本の主権を守る。

 陸地でいうと大体世界第六十位でございますけれども、排他的経済水域を入れますと世界第六位になる。日本の主権をしっかり守るために努力をしていきたいと思っておりますので、離島を選挙区にされている徳田委員のまた格段のお力添えもお願い申し上げたいと思います。

川内委員長 三日月政務官から補充の答弁を求められておりますので、許します。

三日月大臣政務官 申しわけございません。先ほどやんば館についての御質問があって、言葉足らずでしたのでちょっと補足の答弁をさせていただきます。

 十月二十一日、現地視察をされました川内議員から御指摘を受けて、十月二十二日、八ツ場ダムの工事事務所と関東地整の判断で展示物の一部撤去が行われました。しかし、地域の住民の皆様方の御心情と、いまだ住民の皆さんとの話し合いができていないという状況を勘案いたしまして、政府の判断といたしまして、十月二十三日にもとの展示物の状態に戻させていただいたという経緯でございます。

徳田委員 時間が来ましたので終わりたいと思いますが、最後にもう一度申し上げます。

 あの島民に出したローカルマニフェストも、マニフェストはマニフェストで、約束です。このことについては何が何でも守っていただきたい。航空運賃は引き下げる、ガソリンは五十四円引き下げる、電柱の地中化も、そうしたことを含め、これは政党を超えて取り組んでいかなければならない問題。それを、宿題と言われましたので次にまたお伺いさせていただきたいと思いますが、どうか積極的に取り組んでいただくことをお願い申し上げて終わります。

 ありがとうございました。

川内委員長 徳田毅君の質疑が終了いたしました。

 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 前原大臣が就任されて二カ月、ようやくこの国会で議論ができるということでうれしく思いますし、また、この国のために、また一人一人の国民のためにプラスになる議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 先ほど赤澤委員のところで、限られた予算を選択的に集中していくんだ、こういう話がありまして、命の道路、命の道の部分でドクターヘリの話を言っていただきました。

 我が党がずっと推進してきたドクターヘリを、これは全国展開、全国配備をしていかなければいけないということで、実は、六月の補正予算で、地域医療臨時特例交付金ということで三千億円、これを計上いたしまして、それぞれの地域でさまざまな二次医療圏の枠内でどうやってやっていくかと。これはまさに地方主権、地方分権で、それぞれの地域でいろいろな計画を立てていた。

 ところが、政権交代がなされまして、民主党がこの補正予算、三兆円弱を執行停止をいたしまして、その結果、この特例交付金もストップとなりました。その結果、これは岐阜県と宮崎県ですけれども、予定していたドクターヘリが来年度というか、ことしからですね、これが導入されなくなりまして、こういった部分でも、これは前原さんの、国土交通省の所管じゃないんですけれども、まさに内閣として、そういった執行停止の部分も含めてしっかりとチェックをしていただきたい。

 まさに道路でできない部分を、そういった命を守るためにドクターヘリをやるというのであれば、その分を、厚生労働省がストップをかけるということでやったんでしょうけれども、ここのところを連携を密にしていただきたいという、これは要望です、回答は要りません。

 その上で、朝からずっと質疑が続いておりまして、高速道路、JAL等々、それだけ問題が大きいということだと思うんですね。

 その中で、まず、昨日、会見ですか、報道で私も知ったんですが、概算要求に出されているこの高速道路の無料化六千億円、これは削減を示唆されているというようなお話をニュースで見まして、この真意いかんということでお答えいただきたいと思います。

前原国務大臣 マニフェスト関連予算の目玉として我が省が取り扱うものに高速道路の無料化の社会実験というものがございますし、二十二年度の概算要求で約六千億円の概算要求をしておりました。

 これについては、見直しもあり得るということの総理また財務大臣のお考えの中で、我々も協力できるところは協力をしていくということで対応していきたいと思っております。

 ただ、その六千億が幾らになるかというのがわからないものですから、一応、これだけ減らされた場合は社会実験をこう変えよう、これだけ減らされた場合はこう変えようということで、いずれにいたしましても、与えられた予算の中で高速道路無料化の第一弾としての社会実験をやらせていただきたい、このように考えております。

高木(陽)委員 民主党はマニフェストで、「高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る」と。これまでも、大臣そして馬淵副大臣等々がいろいろと会見だとかさまざまな場所で述べておられて、一つは、「流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。」もう一つは、「産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。」さらに、「高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。」

 これはこれでいいと思うんですが、これまでの質問でも出ましたけれども、世論調査ですね、やはり国民の声には私たち政治家は敏感でなければいけない。そういった中で、この世論調査の結果を見ますと、どのマスコミを通じても皆反対論の方が強い。この結果について大臣はどのようにお考えか。

前原国務大臣 この高速道路無料化については、まだ国民に我々が意図していることが十二分に伝わっていないと思っております。

 例えば、全部が無料化になる、ただになるという認識を持たれている方もおられます。そうなった場合には、今ある長期債務三十五兆円余りをどうするんだという議論も出てくるでしょうし、また、維持管理費についてはどこからお金を出すんだという疑問もあると思います。また、特に都市部は込むんじゃないか、あるいは、鳩山さんは国連で二五%CO2削減をすると言ったけれども、むしろCO2がふえるんじゃないか、さまざまな観点からの国民の不安といいますか懸念というものが出されているんだと思います。あるいは、他の交通機関への影響もですね。

 そういうものを、我々は、しっかりと社会実験をしていく中で、国民に対して説明責任を果たしていこうと思っています。しかも、自公政権のときにETC千円という社会実験もやられていますので、それに対するさまざまな影響、プラス面、マイナス面の影響が出てきております。そういったものも参考にさせていただきながら社会実験をやっていけば、私は、おのずと国民の理解というものがどんどんと高まっていくのではないか、そういう認識を持っております。

高木(陽)委員 今、国民に対する説明責任を果たしていく、もちろん果たしていただきたいと思うんですが、それ以上に国民というのは結構敏感に反応しているんだろうなというふうに思うんですね、結構この本質をわかっているんじゃないかと。

 もうこれは釈迦に説法かもしれませんけれども、素朴な疑問がまず消えていない。

 高速道路の経緯は、三十年代、東京オリンピックの前ですね、これは、財政が厳しい中、財源のない中で高速道路をつくるときに、公団を設立して、借金をして料金で返していこう、こういうシステムができた。ただ、長い間の中で、やはり効果的でないつくり方をしたという部分もあったでしょう。四十兆円にも上る借金をして、二〇〇〇年代初頭、小泉内閣のときですけれども、民営化をすると。これも大変な議論になりました。ここの委員会で、この民営化の法案、さらには民主党が提案をした高速道路無料化の法案も審議をしました。

 そういった中で、高速道路というのは、民営化した高速会社が既設の路線の管理、新規の建設を行う、債務と路線管理は通行料で賄いましょう、これはいわゆる受益者負担ですね。この受益者負担が崩れるのではないかな。乗らない人もいるわけですね。特に、公共交通しか利用できないような高齢者、さらには、車を持っていても、乗っていても、これはよく言われる、十人に一人しか高速道路を使っていない。

 では、そういう人たちが負担をしなければいけないのかといった話の中で、実は、これも大臣はいろいろなところで言われているかもしれませんが、二〇〇九年五月二日付週刊東洋経済、インタビューに答えられましたね。「高速道路の無料化をいの一番に始める方針だと聞いています。」という質問に対して、大臣は、まだ当時大臣じゃないですけれども、「私自身は無料化には反対だ。料金を半分とか三分の一にするのはいいが、受益者負担で債務を返済していく仕組みを壊すのはよくない。モーダルシフトに反するし、環境面でもマイナスだ。ほかの交通機関、特にJR貨物、JR四国は大きな打撃を受ける。JR九州や北海道も相当厳しくなる。私は党代表の時代から無料化はいい案だとは思っておらず、見直しを進めようとした。」こういうふうに答えられている。そのとおりだと思うんですね。

 ところが、大臣になられて、いわゆる一転このマニフェストを推進する立場になられて、どこでどう変わったのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

前原国務大臣 九月十六日に鳩山さんからいわゆる委嘱状というんですか、受けたときに、野田委員は大臣をされたのでおわかりだと思いますが、総理から何々をやれと書いてあるんですよね。こういったことを仕事としてやってくださいと。一番上に、段階的な高速道路無料化というのが書いてありました。

 今委員が読まれたことについて私は否定するつもりはありませんし、また、そういう考え方を持っておりました。しかし、マニフェストを掲げて選挙をやって、そしてそれを推進する立場に任命をされるということになったわけですので、逆に言えば、私が持っていた懸念をできるだけ国民にわかりやすく、社会実験を通じて懸念を払拭してもらえるという意味においては、手前みそかもしれませんが、適任なのではないかとすら私は思っております。

 したがって、社会実験を徐々に国民に理解を得られるようにしていく。繰り返しになって恐縮ですけれども、ETC千円で、自公政権でやられたいろいろな検証も使わせていただきます、これはもういい社会実験をやっていただいたと思って。そういう中で、他の交通機関への影響とかもしっかりはかりながらやっていく。

 ただ、五月何日でしたか、私がその東洋経済のところで間違っていたのは、今我々がやろうとしている社会実験のシミュレーションでは、もちろんこれはまだ机上の数字でありますけれども、CO2は減るということで、そこはCO2がふえるという断言をしていたと思いますけれども、今我々がやろうとしている社会実験のシミュレーションではCO2は減るということになっております。

高木(陽)委員 政治家というのは言葉は大切だなと思うんですね。過去いろいろなところで発言をされる、また、委員の皆さん方もいろいろなブログだとか公に発言される場面があって、ところが、いざそういう立場に立ってみると、なかなか言葉と自分がやろうとしていることと矛盾をする場面がある。これは、そういう場面は多々あるかなと思うんですけれども、もう一つ、マニフェストというのがかなり今回の選挙でも注目されて、マニフェストだからというところでいきますと、なかなか苦しいんだろうなと思うんです。

 そこで、きょうは辻元副大臣もいらっしゃっているので、ちょっとお伺いしたいんです。

 社民党のマニフェストで、この高速道路無料化の件に関して、こう書いてあるんですね。「民営化された高速道路各社に料金割引分を税投入し、」税金ですね、「効率化や営業努力と関係なく料金保証をする政策は、交通モード間の不公正な競争をもたらすものであり、受益者負担原則や地球温暖化対策、環境問題、財源問題、モーダルシフトや総合交通政策との整合性、地域生活交通への影響、地域雇用等の観点から問題があります。」こうやってマニフェストで指摘されているんです。

 この件に関して、高速道路関係は副大臣は馬淵副大臣が担当だというふうに伺っておりますけれども、政務三役一体としてやっておりますから、辻元副大臣、この社民党のマニフェストとの関連、どういうふうに考えられるのか。

辻元副大臣 社民党は非常に慎重な立場です。ですから、私は厳しく社会実験をチェックしていく役だと思っております。

高木(陽)委員 社会実験をチェックするだけじゃなくて、社会実験というのはどこまでやってその実験から本当の政策実行に移るのか、ここもやはり興味深いところなんですけれども、今の段階ではいつからというふうには断言できないんじゃないかなと思うんですね。

 あともう一つ、経済効果の部分、これをちょっとお伺いしたいんです。

 国総研の試算で二・七兆円の経済効果があるというんですけれども、これは高速道路だけの部分じゃないかと思うんですね。高速道路においての料金が無料化した場合に、そこでの交通量だとか。ところが、それに関連して、無料化で、急ぐ価値や必要のない人、そういう車、そういうのも高速道路に入ってくる可能性がある。そうしますと、一方、急ぐ必要のある人というのは、逆に渋滞になって不便になる。経済効果はマイナスになるわけですよ。

 道路だけじゃなくて、やはり国土交通省というのは、先ほどから何度も出ています、離島航路の部分もありますし、いわゆる空、航空もありますし、鉄道もある、バスもある、こういった経済効果というのはどのように考えているのか、ちょっと伺いたいと思います。

前原国務大臣 これは高木委員のおっしゃるとおりです。今までの国総研の試算というものは、高速道路の無料化のみに限られていて、全体の公共交通を含めたものではなかったわけでありまして、今我々が社会実験としてのシミュレーションをつくっているのは、他の交通機関へのプラス面、マイナス面の影響、こういうものを含めた便益というものをしっかりとつくり上げて御提示をしなくてはいけない、このように考えております。

高木(陽)委員 そのシミュレーションというのは、大体いつぐらいに発表できそうですか。

前原国務大臣 まず、便益計算というのは少しお時間をいただかなくてはいけませんが、予算計上をするわけです。予算計上のときに、どこは料金を取り続ける、あるいは、どこは料金は取らない、どこは引き下げをする。したがいまして、そういったものは、年末までには皆さん方にはお示しができるのではないかと思っておりますし、その前に、さまざまな当該自治体、それから関係公共交通機関、そういったところへ御相談をしながら固めていきたい、このように考えております。

高木(陽)委員 自公政権時代に土日の千円高速というのをやりまして、これはこれで経済対策という観点から導入しようと。それで、経済効果の部分もあったと思うんですが、その一方で、これは私たち政権を担ってきた側として見れば、高速道路はそうやって安くなったけれども、その分でいわゆる悪影響になったところというのも出たのは確かですね。ここのところも総合的に判断していただきたいというんです。

 これはもう国交省の方にも、それぞれの団体の人たちがいろいろと、陳情というんですか、報告というかヒアリングというか、やられたかもしれませんけれども、例えば高速バスですね。この高速バスが、大手十四社の運送動向、お盆期間八月六日から八月十八日まで、これを見てみると、輸送人員は前年に比べて減少、特に四国、九州の中距離運行が大きく減少。もう一つは、高速道路の渋滞により多くの路線で定時運行が困難となった。ある意味でいうと、書き入れどきで逆に減少してしまった。これはかなりの痛手ですね。

 これも大臣御存じのように、バス会社というのは、身近な、地域で運行している路線バスはかなり苦しいところがある。逆に、この高速バスによって黒字にして、それを還元して、公共交通としての地域での足、これを守っているという場面がある。ところが、そのドル箱である高速交通がやられた場合には、地域の交通をある意味で廃止していく、縮小していく。国交省の政策としてコミュニティーバスというのがありますけれども、これも限界があると思うんですね。

 こういった点については、今後社会実験でいろいろとやるんでしょうけれども、このバスに対する対策というのは何か考えておられるのかどうか。

前原国務大臣 今、高木委員が御指摘をいただきましたように、ETC千円による影響というものが高速バスでは出ております。輸送人員については総じて減少傾向ということで、特に九州、四国方面で大きく減少しております。それから、高速道路の渋滞によって定時運行が困難となった路線がある。それから、進入レーン混雑により利用困難となった休憩施設、サービスエリアとかパーキングエリア、こういったものがあったということでございます。

 こういった影響を受けて、どのような形態がとり得るのかということについて、我々社会実験の中にはしっかり取り入れていかなくてはいけないと思っておりますし、何よりも高速バス会社の方々にお約束をしているのは、シミュレーションについては事前に御相談させていただくということを皆さん方にお話をし、またその御意見をいただく中で、今委員のおっしゃったような対応策というものも、必要であればしっかりと取り入れていきたい、このように考えております。

高木(陽)委員 一つの政策をやるときに、その政策だけを見てしまうと、そこはプラスだなと。ところが、それによってマイナスの部分がある。これもしっかりとフォローアップするというのが大切であるなと思うんですね。私たちも、公明党も政権に十年いて、そういった点で反省する点もいっぱいあるんです。いろいろと政策を打った、ところが、セーフティーネットが逆に崩れてしまっただとか。そういった部分で、いわゆるパッケージでやらなきゃいけないということを御提案申し上げたいと思います。

 もう一つ、これは御回答は要らないんですけれども、これも聞かれていると思いますが、JR関係もかなり高速千円で影響が出た。これはモデルでいろいろと調べたそうなんですけれども、JR東日本からお伺いした数字なんですが、高速道路の利用者数というのが土日祝日でプラス三六・〇%、鉄道利用者数というのがマイナス六・六%。

 逆に、高速道路に新規に誘発するという、下でずっと走っていた物流が上に行って、速くなって、コストが安くなって、料金も安いから、こういう話はずっと言われていますね。ところが、今まで鉄道を利用していた人が、やめて、それで、では車で移動しよう、こういうのが、新規誘発率は二四%という数字も、一応試算で、モデルで出ているんです。

 そうなってきますと、先ほど大臣がCO2の話をされました。まさに、鳩山内閣が二五%、二〇二〇年目指して削減をしていこうというこの流れの中で、多くの人たちが思っているのは、逆行するんじゃないかと。まさにこの数字、新規誘発ですね。今まで車で移動している人たちが、いわゆる下を通っていたのが高速道路に移っただけだったら、車自体は変わっていない。ところが、ふだんは乗っていないけれども、こっちの方が安いから、ただだからということで乗りかえて、みずから、または家族で移動する場合がありますね。これがふえているんじゃないかという指摘もありますから。

 こうなってくると、このCO2というのは逆にふえる可能性の方が高いんじゃないかと思うんですが、ここら辺のところはどう考えているのか。

前原国務大臣 また我々の試算というものを実際に社会実験が始まったときにはしっかり御提示しようと思います。

 要は、どういったところでCO2が減っていくかということについては、もちろん今、高木委員がるるおっしゃったような、他の交通機関からどう移るのかといったことをトータルに考えなきゃいけませんけれども、やはり主流は高速道路を走っている車なんですね。その車が、平均スピードが上がる。つまり、一般道を走っていたものが上に上がってきて、渋滞が起きたときは逆に平均スピードは下がるわけでありますけれども、トータルとしてはやはり平均スピードは上がっているんですね。そうするとCO2が減るということの中で、我々としてはCO2の削減というような、社会実験のシミュレーションとしては出させていただいているということでございます。

高木(陽)委員 モーダルシフトという言葉が先ほども出ていましたね。その中で、交通体系というのは何も高速道路だけじゃない、まさに先ほどから出ている鉄道もあり、または船もあり、そして航空機もある。自動車も、逆に言えば、マイカーという乗用車があれば、物流のためのトラックもあれば、バスもあればと。いろいろな形の組み合わせの中でまさにCO2のことを考えた場合に、やはり車よりは鉄道や船の方がCO2は少ないわけですね。そうですね。トラックも、トラック協会を初めすごく頑張って、いろいろな形で、車をかえたりだとか、CO2を減らす努力もされてきている。

 そういうような中で、高速道路に余りにも、もっと言えば車に光が当たり過ぎているというか、そこばかりの政策がぐっと出ているので、総合的な物流そして人流の考え方、これをしっかりとまとめた上で、では、この高速道路無料化というのは位置づけられるんだというふうにしないといけないんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

前原国務大臣 これも、高木委員の問題意識と私はほぼ同じです。

 今、辻元副大臣を中心にやっているのが、交通基本法の議論をしています。これはどういったところをポイントにしているかといいますと、これから少子高齢化が進んでいく中で、若い方は車の運転ができますけれども、車を運転できない方、特に御高齢の方が多くなるということになった場合に、車社会になって公共交通が寂れていけば、病院に行くこともできない、あるいはデイサービスセンターにも行けない、こういう状況が生まれてきますので、こういった公の足をどう確保していくのかということ。

 そしてまた、同時に、環境問題を考えたときのモーダルシフトというものをどうすれば誘発していくのかということも、今、我々としては法案として検討を始めたところでございます。

 これは、来年の通常国会ということにはなかなかならないと思います。再来年ぐらいの通常国会になると思いますけれども、この高速道路の無料化の実験も、まず来年が第一段階で、再来年が第二段階ということになりますので、いろいろと我々が行っていった実験結果が出てくると思います、プラス面、マイナス面。幾ら配慮してもやはりマイナス面というのは出てくると思いますね。

 そういったものを踏まえて、そして先ほど話をした辻元副大臣を中心にまとめている交通基本法というものを、最終段階で、いわゆるうまく出口が合うような形で、今委員のおっしゃったようなトータルとして交通機関をどう見れるかという仕組みもつくり、そして社会実験もそれに合わせたものにしていくということで努力をしていきたいというふうに思っています。

高木(陽)委員 そうなりますと、全体的な交通体系というのがある、またつくっていく、また社会実験もやっていく。その結果、いわゆる高速道路を無料化したのはマイナスだという結論が出た場合、出る可能性だってあるわけですね。その場合は、このマニフェストは撤回するということでいいんですか。

前原国務大臣 先ほど、CO2の話とか、あるいは社会実験を段階的にやっていくという話をさせていただきまして、私は、国民の理解も、またそういった皆さん方がやっていただいたETC千円という社会実験も踏まえながら、プラスマイナスというものをしっかり踏まえて、そして交通基本法というのを出していく中でやっていきますので、そのようなことにはならない、こういうふうに思っております。

高木(陽)委員 今の大臣のお立場から見ますと、なかなかマニフェストを今の段階で撤回する可能性があるとは言えないと思うので。ただ、現実論として、そこは丁寧にやっていかなきゃいけない。まさに最初の質問のときに申し上げた世論調査で国民が否定的なのは、何となく感じているわけです、これはまずいんじゃないかなというところですね。それは国民の、説明が足りないということだけじゃなくて、感じているものというものをしっかりと認識していただきたいなと思います。

 もう一つ、この高速道路の無料化問題で大きいのは、今三十兆円そこそこですか、三十兆円程度のこの債務をどうするか。やはり税金で返すしかないんですね。税金で返すとなると、これも仄聞するところによると、六十年間に債務をつけかえて借金して返していく、こういうことだそうなんですが、ということは国営化ということですか。

前原国務大臣 我々のマニフェストには、高速道路を無料化した場合にはこれだけのお金がかかりますということは出しておりますけれども、繰り返しになって恐縮でございますが、前政権がやられたETC千円の社会実験というものを踏まえて、段階的にやっていくということになります。

 そして、概算要求では六千億の無料化実験ということですが、これはどうも圧縮をするということになって、社会実験の規模は小さくなるというふうに思いますけれども、三十五兆円を超える債務があるわけでありまして、これをどういうふうにしていくのかということは、社会実験の最終形が固まった段階で、今の一・七兆円の料金収入がどのぐらいまで減るかということにもなります。その段階で、社会実験を踏まえて、この三十五兆円の借金をどのように償還していくのかということについては決めてまいりたいと思っておりますし、これは高木委員御承知の上で御質問されていると思うんですが、少なくとも阪神高速と首都高速は存在し続けますので、そういう意味ではすべて国営化するということではないということであります。

高木(陽)委員 阪神と首都高の方はそのまま料金を取る、これは渋滞の問題もありますからね。

 その一方で、旧道路公団の三社と本四、ここのところが、将来的に、民主党のマニフェストが言っているように無料化になった場合に、道路の維持管理、これだけで年間六千億ですか、かかる。これは収入がないわけですから、借金返しとは別にこの維持管理はどうしていくのか、この点についてはどうでしょうか。

    〔委員長退席、橋本(清)委員長代理着席〕

前原国務大臣 これは釈迦に説法かもしれませんが、今の高速道路会社というのは、道路はつくります、道路はつくるけれども、借金をしても、最終的にできれば、保有機構がすべて道路も借金も含めて買い取ってくれるということで、リスクはありません。パーキングエリアとかサービスエリア、あるいは今議員が御指摘をされたような維持管理というものがメーンになってくるわけでございまして、そういう意味では、会社として維持管理というものをやり続けていただくということになろうかと思います。

 大事なのは、その財源はどうするのかということでございますけれども、一・七兆円の収入でやっているものを、我々の最終形では、ではどのぐらいその一・七兆円が減っていくのかということの中で、そのあり方、会社の形態を含めて、それは恐らく法案という形になるのかもしれませんが、提示をさせていただきたいと思います。

高木(陽)委員 民営化をするときに、民営化委員会というのを政府の方がつくりまして、第三者を入れていろいろと議論をした。それをもとに、また国会でもかなり長時間にわたって審議をしまして、私は、五十時間この委員会で審議したときに五時間質問した覚えがございまして、それぐらいやはり大きな話なわけです。

 逆に、仮に阪神と首都高は残りますけれども、結果的に、無料化していって、国がある程度かなりの関与になった場合には、国営化もしくは昔の公団みたいな形になる。これはこれで、今の民主党政権として、国営化委員会か、そういうぐらいつくってやらなければ、社会実験も含めてもっとオープンにしながらやっていかなければいけない話じゃないかなと思うんですね。

 もう一つ大きな問題は、雇用の問題なんですね。

 無料化をする。無料化をしますと、インターの料金所がなくなるわけです。これはこれで便利になるといいますけれども、実は、料金収受員というのが、これは全国、東と西と中、一社五千人だというふうに伺っています。この人たちというのは地域の雇用なんですね、それぞれ。かなり田舎にも料金所がありますから。そうなりますと、一万五千人に及ぶ雇用の問題というのも出てくるかなと思うんですが、この点についてどのように考えているか、お伺いしたいと思います。

前原国務大臣 委員御指摘のように、料金収受員、これは正規、非正規含めてでございますけれども、三社合計で一万五千人余りということになります。この方々の雇用については、当然考えていかなければなりません。

 繰り返しになって恐縮でございますが、社会実験をしていく上で、どういったところが無料化になるのか、あるいは料金を取るのかということについて、まず第一段階目でそれを提示させていただきますので、その場合、こういった方々の雇用対策というのは、あわせてしっかりと取り組みをさせていただきたいと考えております。

高木(陽)委員 この高速道路料金問題だけでも本当に時間が足りないぐらいで、時間が限られているので次の質問に移りたいんですが、これはまたこれからも、概算、どれぐらい予算で削られるのか、削るのか、またその後の具体的な社会実験の方法、これもまた提示していただいた後でしっかり議論を進めていきたいと思います。

 これも先ほどからずっと出ている八ツ場ダムの問題ですね。大臣も、マニフェストに書いてあるということで発言されてから、なかなか大変な状況かなとは思うんですが、まず、この八ツ場ダムが五十数年間ずっとつくられずに来た、またはいろいろと住民との交渉であった。

 その中で、平成七年、地元の自治体、これは今、東吾妻町になりまして、吾妻町長と群馬県知事と建設省、国ですね、建設に関する基本協定が交わされました。当時の政権というのは、自民党、社会党、さきがけの政権で、当時、さきがけの代表幹事は鳩山総理で、政調会長は菅副総理で、前原大臣もさきがけの衆議院議員であられた。

 住民は国と契約した、変更するのであればそれなりの手続、説明があってしかるべき、政策変更のプロセスが余りにも乱暴だというふうに、私たちも現場に行っていろいろと伺ってきました。

 契約を交わしたときの連立政権の中心者のお一人であった。政権がかわったからといって一方的に変更していいのかどうか、この点についてどうでしょうか。

前原国務大臣 私は九月二十三日に現地に伺いまして、その前日に、山口代表を初め公明党の視察団が行かれて、現地で意見交換をされたということは伺っております。

 私も、実は、九月二十三日に伺ったときに現地で同じ指摘を受けました。これは、一年生議員であったからとかいうことは一切言いわけになりません。自社さ政権でそれにかかわったということは事実でありますので、そのことは潔く認めて、そして、そのことについて、その一員であったのに、今は政策変更をする中で、八ツ場ダムの中止、本体工事の中止と言っていることについての御批判は、私は甘んじて受けなければいけない、このように思っております。

 これも、きょうたびたび申し上げてきたところでございますが、その後、民主党ができて、初めて次の内閣というものができたときに、私は、ちょうど十年前でございますけれども、初代の次の内閣の社会資本整備担当大臣をやらせていただき、そしてダムに頼らない治水ということで、公共事業基本法案、あるいは緑のダム法案、こういったものをまとめたわけでございます。

 したがって、さきがけのときの批判は甘んじて受けながらも、その後、民主党が結成された後に今のような考え方を十年間かけて積み上げてきて、そしてマニフェストに載せさせていただき、政権をとった後に今その実行に移しているということで、御理解はいただけないかもしれませんが、御理解をいただきたいというふうに思います。

高木(陽)委員 なかなか理解はできないですけれども。

 もう一つ、大臣が知事の皆さん方とお会いになられたときに、再検証するというお話をされた。再検証するということは、どこかで検証しているわけですね。前原大臣が、もしくは民主党が、マニフェストに掲げて八ツ場をとめるというときに、何らかの検証をしたと思うんです。その検証のデータというのは出せますか。

前原国務大臣 これは参議院の予算委員会でも、脇委員だったと思いますが、脇委員から御指摘があって、それについては出させていただきましたし、そのベースになっている資料はいっぱいあります。

 つまりは、繰り返し申し上げますが、十年間、党として、ダムに頼らない治水ということで、私もさまざまなダムの現場を視察してまいりましたし、ダムだけではなくて、例えば諫早湾の干拓事業とか、あるいは中海の干拓事業とか、そういった公共事業と言われるものの考え方を党としてまとめてまいりましたので、そういった資料というのはたくさんございます。

高木(陽)委員 先ほどからの質問の中で、大臣は、大臣に就任するまで八ツ場に行かなかった、ところが、民主党はよく見ていたんだよというお話もありましたが、これは、私どもが現地の町長さん、また、町、自治体等にも確認をしたんですが、実は余り行かれていないかなと。

 地元の石関衆議院議員、これは去年、二十年の七月二十五日、現地調査、十三時から十五時。二十年の八月十八日に鳩山当時幹事長が行かれる、このとき石関衆議院議員が同行。昼食時に懇談会をするんですが、この昼食会場で、旅館の経営者の方と、地元の方お二人、一人はダムの推進派、一人はダムの反対派。ところが、幹事長が来るとの連絡は両町にはなく、情報を得て両町長が駆けつけ、要望書を手渡した。このとき、秘書の方からは、あいさつは一分以内にしてくれと言われた。会場に入る前に十分から十五分ぐらいその町長は待たされて、あいさつは一分以内と限定され、要望書を読み上げる時間もなかった。あいさつの後、鳩山さんからはよくわかりましたとの話があって、これも二分程度。町長のお話では、一分で何がわかるかと。

 やはり丁寧さが必要かなと思うんですね。さっきから何度も出ていた、やはり、大臣と地元の方々、自治体の責任者だけじゃなくて、本当に、移転をされた方、または移転をしないで反対をされている方、いろいろな方々がいらっしゃる中で、これはしっかりと、現地に何度も足を運ぶのは大変かもしれませんが、そういうことをやるべきじゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。

前原国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。

 先ほど佐田委員から、地元の議員として貴重な御指摘を多々いただきました。これも繰り返しになって恐縮でありますが、現地の方々は何も悪くないんですね。悪くないどころか被害者でございまして、そういう意味では、丁寧かつ何度も誠意を持ってお話をさせていただくということが大事だと思っております。

 残念ながら今まだお会いをさせていただくことがかなっておりませんが、私はいつでも何回でも行くつもりでおりますので、ぜひそういった機会をつくるための努力をこれからもしてまいりたいと考えております。

高木(陽)委員 厳しい言い方ですけれども、その罪のない住民の方々が苦しい思いをしたというのは、今までももちろんいろいろと悩んできた、でも、今回本当に大きな悩みにぶつかってしまったのは民主党のこのマニフェストだったわけですから、ここは本当に丁寧にやっていただきたいなと思います。

 本当に時間が限られているんですが、きょうは峰崎副大臣と山井政務官にも来ていただきました、JALの問題で。

 このJALの問題をお伺いするのに、もう時間が限られているので、先ほどから何度かありましたタスクフォースの報告書。これは、今査定を再生機構がやっているから、予断を持たずにやってもらうために出さない方がいいと言ったんですが、実はもう、御存じかもしれませんが、今週号のアエラに載っているんですね。「前原大臣肝いりのタスクフォースが作成した報告書をアエラが全文入手した。公表が見送られたいわくつきの資料である。その驚くべき内容とは――。」ということで、写真が載っているんです、写真が。

 わかります、大臣の言っている、今そうやって公開してしまったら、まさに今査定している、いろいろな金融機関だとか当事者がいる中で、どうだああだとなってしまうという。

 ところが、多分、再生機構が再建案をつくる、いろいろと査定をして、これは公表するでしょう。しないと、いろいろな公的資金の注入だってできませんから。そのときに、多分、タスクフォースはこうだったということを出しますよ、比較される。比較されるわけですよ。そうすると、そのタスクフォースの査定よりも再生機構は甘いだとか、いろいろな比較がされる。そっちの影響の方が大きいのではないかなと思うんですが、それはどうですか。

前原国務大臣 まさにその危険があったから出さなかったということなんですね。何で漏れているか私はよくわかりませんが、我々の判断として、企業再生支援機構に申請をしているということですから、予断を持たずにやってもらいたい。

 企業再生支援機構には、それは内々、資料は当然ながら行っているはずであります。もちろん、それを参考にされるか参考にされないかは機構の御判断でありますけれども、機構の判断に予断を与えないために、今まさに委員おっしゃったように、比較されますからね。だから、そういう意味で出してこなかったということについては、御理解をいただきたいと思います。

高木(陽)委員 きょうの一番最初、村井委員の質問のときに、八ツ場の話がずっと出ていたときに、大臣は、情報というものはすべからく提示するもの、こういうふうに言われたんですね。

 だから、ここら辺のところ、私もマスコミ出身だからよくわかるんですけれども、これは絶対おもしろいです。再生機構が出したときに同時に出す、また売れますよ、こっちの方は。比較したがりますから。

 そういうようなものがあるんだという、本当に、筋論は大臣の方が正しいと思います。でも、そういうものまで包含して考えながらやるのが、まさにこの航空行政全般を預かる大臣の仕事じゃないかなと思いますので、これは一応御提案というか御要望というか、考えておいていただきたい。

 その上で、きょうは副大臣が来られて、お待たせして済みません。

 これは、結果はまだ出ていません、仮定の話です。もし、これが再生機構の判断として公的資金を注入しなければいけないとなったときの、そのメーンとしての政投銀ですから、財務省が管轄している中で、財務省はどのようにとらえているのか、これをまずお伺いしたいと思います。

峰崎副大臣 お答えいたします。

 このつなぎの融資が必要になってくるという、その条件は当然いろいろ我々としても確認をするわけでありますが、やはり一番大切なことは、年金問題というのは国民の皆さん方から見て大変注目をされています。と同時に、公的資金、場合によってはこれが返ってこないこともあり得る。そうしたときに、この国の大変貴重な財源がまさか企業年金のところに行くことを、何とか我々としては、まずいなということで、私たちは、融資の際にはそのことをきちんと、どんな形であれ担保しなければ融資ができませんよ、こういうことをやはり条件としてつけていかなきゃいかぬ、こういうふうに判断をしているところでございます。

    〔橋本(清)委員長代理退席、委員長着席〕

高木(陽)委員 十一月十日に、菅副総理、そして藤井大臣、長妻大臣、前原大臣、平野官房長官が、「日本航空の再建のための方策について」ということでサインをしている。まさに今副大臣がおっしゃられた、「国民目線に立って確実に進める。」と。やはり国民感情ですね。

 公的資金が、つなぎ、そしてさらに次の段階になって、まさに注入しなきゃいけないといったときに、ただ、昔、金融機関に公的資金が注入されました。これは、金融システムを守る、こういった発想ですが、これまで、一企業にこうやって公的資金を注入する、こういう話というのはありましたか。副大臣、どうですか、今まで。

峰崎副大臣 一企業に対して政策投資銀行がこういう形で融資をした事例というのは、実は、前政権のときの六月に、そこにおられます前国土交通大臣ほか、これも官房長官と当時の財務大臣がたしか申し合わせ事項をつくられて、そして一千億円、そのうち六百億円が政投銀、八割がいわゆる信用保証つきですね、政府の方で。そういう形で出された経過があるやに私は記憶をしております。

 その意味で、そのときの、ある意味では結果がどんな形になっていたのかということも含めながら、我々は、前政権の同じような轍を踏まないように、何とかこれから担保、保証といいますか、そういったものをしっかりさせなきゃいかぬ。これは我が藤井大臣も常日ごろ言っているところでありますし、それがやはり国民目線だというふうに私たちは判断しているところです。

高木(陽)委員 年金の問題が副大臣の方からも出ました。それで、山井政務官にちょっとお伺いしたいのです。

 厚労省としてみれば、年金は守る側ですな、基本的立場は。その上で、このOBの人たちと話し合いを、今、西松社長がし始めた。三分の二のオーケーをもらえばそれで決着がつきます。しかし、なかった場合、特別立法という話がいろいろとちらほら出ている。ここら辺のところは、法律をつくって財産権たるその年金の受給権をいわゆるカットしていくという、これについてどのようにお考えか。

山井大臣政務官 高木委員にお答え申し上げます。

 まず何よりも、御存じのように、この企業年金、減額の場合には三分の二の受給者の賛同が必要でありますから、その努力を最大限やっていただきたいと思います。

 そして、まだ新しい法律を出すかどうかということも決まっておりませんので、それは判断する状況にはないと思いますが、やはりこれは財産権の侵害という部分がありますので、このことについては、私たち厚生労働省としては、その法案をつくるのかどうか、そういうことも含めてこれから議論をしていく必要があると思います。とにかく、これは初めてのケースになりかねませんので、やはり年金の不安を拡大することがあってはならないと考えております。

高木(陽)委員 厚労省としてみれば、今政務官のお話になったように三分の二が前提で、ただし、これは時間が限られているんですね。再生機構が多分、間もなくというか、一つの結論を出したときに、年が明けて来年の三月まで、また、つなぎ融資で何とか三月までもたせようという流れですから、それ以降の形をつくらなければいけない。

 そうなってくると、本当に政投銀を含めていわゆる公的資金がどんと入る、一方で年金が減額されるかどうか。ここら辺の決着というのは、もう法案、これはまだ再生機構の方が結論を出していないから今は言えないけれども、出た瞬間に素早くやらないと、これは本当に日航はすっ飛びますよ。ある意味で言うと年金もすっ飛んでしまう。そういった部分のスピード感が必要だというふうに私は思っているんですが、前原大臣、どうでしょうか。

前原国務大臣 私を本部長とする日本航空再建対策本部というのをつくりまして、辻元副大臣が事務局長で、各省の副大臣に入っていただいておりまして、そこは厚生労働も財務も、ここにおられる峰崎副大臣にも入っていただいて、あるいは厚生労働省は長浜副大臣に入っていただいて、今おっしゃったようなスケジュールも含めて想定をしながら、準備をしているところでございます。

高木(陽)委員 時間が参りました。本来であればこのJALの問題をもっと丁寧に質問もしたかったのですが、やはり時間が限られております。改めてこのJAL問題についてはこの委員会で集中審議を要求したいと思いますので、お取り計らいのほど、委員長、よろしくお願い申し上げます。

川内委員長 理事会で協議させていただきます。

高木(陽)委員 どうもありがとうございました。

川内委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 共産党の穀田恵二です。

 八ツ場ダムについて、私も一言申し上げたいと思います。

 私どもは、早くから一貫して、無駄と環境破壊の計画として多くの団体と協働し、国会でも地方議会でも中止を求め続けてまいりました。その際に、中止に当たっては、地域住民が受けた困難を償うなどの観点から、国と関係自治体などが地域住民を交えた地域振興のための協議会をつくり、住民の生活再建や地域振興を図ることを義務づける法律を制定することを要求してきたところであります。

 新政権は、地元住民や関係者の疑問や不安に一つ一つ答え、ダム中止への理解と合意が得られるように丁寧に手を尽くすこと、民主的プロセスが必要だというのが私どもの立場であります。改めて求めるものであります。

 そこで、きょうの一連の質疑を聞いていて考えました。半世紀以上、国の施策に翻弄されてきた水没地区住民の苦難は、想像に余りあります。長い反対運動の末、苦渋のダム受け入れを決断し、一刻も早い地域再建を願った住民の中から、国の政策変更によって暮らしが左右されることに怒りの声が上がることは当然であります。

 問題は、地域住民に苦渋の選択を迫り、苦しめてきたのはだれかということであります。それが大事なんですね。五十数年間も、やはりダム建設ありきと強行してきた自民党政権じゃないかということを私はあえて言わせていただきたい。

 もともと、住民の皆さんは、大反対運動を展開してきました。それに対して国は、下流域の首都圏の水需要の増大や洪水対策の必要性を振りかざして、いわゆる説得というものをやってきたわけであります。しかし、九〇年代には既にバブルが崩壊し、首都圏への人口集中もとまり、水需要予測も過大だということが明らかになっていたなど、社会経済情勢が大きく変化していったにもかかわらず、ダム建設ありきを強行し続け、苦渋の選択を迫った。それが間違いのもとであったということについて、私は指摘しておきたいと思っています。

 そこで、きょうはその議論は、私どもの考え方はそういうことだということをお伝えして、きょうは公共事業の見直しについて少し質疑をしたい。

 新政権の発足と同時に、公共事業のあり方について、大臣は、また内閣は、コンクリートから人へということで全面的見直しを公言しています。先ほどもありましたし、大体、一連の言っているのは、すべてのダムの事業の見直しを初め、河川整備、さらには道路整備、空港整備、港湾、新幹線、まちづくり関係等々の公共事業について、新規建設の原則停止、事業量の抑制による予算減額、縮減、費用便益評価方法の見直し等による事業の再検証などを進めようとしておられることは御案内のとおりです。

 そこで、これは、新政権としては、これまでの自民党政権のもとでの公共事業政策を転換しようとするものだと考えます。きょうは、では、従来の自民党政権が進めてきた公共事業をどのように総括し、どのように転換しようとしているのかについて聞きたいと思います。端的に、まず、自民党政権時代の公共事業政策について、何が、どこが問題だと考えているのか、お答えいただきたい。

前原国務大臣 今、社会資本整備の特別会計ということになっていますが、もともと十五の中期整備計画があったんですね、道路あるいは河川。つまりは量ありきで、そして必ずそれを使い切るということで、財政状況がどうであろうが、あるいはほかに予算を重点的に使うべきではないかというものがあろうが、とにかく道路はつくり続ける、空港、港湾をつくり続ける、河川整備をやり続ける、こういったところに私は大きな問題があったんだと考えております。

穀田委員 これは、私はなぜ変えなければならないかという哲学の問題だと思うんですね、根本問題だと思うんです。ですから、私は今大臣がおっしゃったことは当たり前のことだと思っているんですけれども、私はやはり、社会経済情勢の変化も顧みず、公共事業というものをもうけの対象としてやる、そして、ゼネコンの要請に従って、一方では族議員という政治家が、国交省を初めとする官僚を使って、あるいは使われているのかもしれませんけれども、公共事業を利用して食い物にしてきたというのがこの自民党政権下における現実だと思うんですね。ですから、この大もとを断ち切ることが必要だ。

 そこで、おっしゃるように、この物事の出発点というのは何だったかと考えますと、例えば、八〇年代後半には、日米構造協議によりアメリカから要求された公共投資基本計画、さらにはこれを背景に計画された全国総合開発計画、いわゆる全総などは、形の上では確かに廃止されたり変更されているんだが、計画のもとで具体化された大型事業の計画は、やはりこの際にきっぱり廃止、そしてもう白紙に戻す必要がある。具体的に言うならば、一万四千キロの高速道路計画だとか、私は何度も国会で質問してきたんですけれども、海峡横断道路を含む地域高規格道路の計画などでそれがあります。

 自公政権は、そういう意味では、私の質問に対して、少し手直しはする、でも根本は変えないと。ですから、新たに計画された国土形成計画にはそのまま残っているというのが現実なんですね。これらを一たん廃止、白紙にする、必要なら一からやり直す、そこまで踏み込むべきではないんでしょうか。その辺の問題が今問われていると私は思うんですが。

前原国務大臣 穀田委員から答弁は短くという御意向でございますので、できるだけコンパクトにお答えをしたいと思いますが、先ほど穀田委員もおっしゃっていただきましたが、我々は、量、質、そして評価方法、これを根本的に変えていくということであります。

 これは、評価方法を変えていけば、先ほど同僚委員の御質問に答えましたけれども、費用便益のあり方も見直していくということになったときに、当然ながら、帰結として、延々と道路をつくり続けるということにはならないというふうに思っておりますので、そういった取り扱いについては、評価のあり方を見直すということになるとおのずと結論は決まってくるということを御認識いただければと思います。

穀田委員 そこで、私は、今その大もとにある計画を、おのずとと言うんだけれども、実際には、残っている問題として、国土形成計画については相変わらずずっとあるぞと。これを一から見直す、そういうことになるのかということを、おのずとと言われると、おのずとそうなるといって理解してもいいのかどうか、極めて微妙なものですから。

前原国務大臣 今、河川のみならず道路も含めて、再検証のプロセスにのせているわけです。そして、事業評価方法のあり方も今決めているという段階でありまして、そういったものが定まってくれば、おのずと次に来るのがどういったことなのかということを申し上げているわけであります。

穀田委員 ですから、私はきちんと、その意味では一から見直すという、ある意味では結論先にありきではないことは事実です。でも、根本問題がそこにあるんだということをやらないと、新政権としての決意が疑われるということだけは言っておきたいと思います。

 そこで、具体的に少し話を進めたいんですけれども、天竜川ダム再編事業と海岸侵食対策について聞きたいと思います。

 今進めている百四十三カ所のダム事業を見直すということですけれども、先ほども出た八ツ場ダムを中止するという議論の中で、あとどれだけ事業費がかかるかとか、それから、継続する方が安くつく、いや、やめた方が安いなどという議論があります。しかし、こういう議論のやり方は、何が何でもダム建設ありきで公共事業を進めてきたこれまでの自民党政権のもとでの議論だと私は思うんですね。今や、議論の立て方が違う。そうせなあかん。本当に必要かと。将来の日本と、国土と国民の暮らしにとってどうなのかということを考えてこそ、抜本的見直しの意味があると思うんです。

 今言った天竜川ダム、何で言ったかというと、ダムをつくれば将来どうなるのか、その参考となる既設のダムがどうなっているかを見たいからなんです。

 皆さんにお渡しした資料を見ていただければ、一ページ目が、その八つのダムというのが再開発・改造事業となっている。理由は治水機能の増強であって、大体、おおむね五十年から六十年たっているものであります。この中にある天竜川ダム再編事業、佐久間ダムがどうなっているかということを、先日、私は調査に行ってまいりました。そして、佐久間ダムから天竜川河口の海岸にある中田島砂丘まで調査してまいりました。

 何に注目したかというと、砂です。天竜川は長野県の諏訪湖から遠州灘まで二百十三キロあって、中央アルプス、南アルプスからの大量の水とともに土砂をこの平野と遠州灘に運んできているわけですけれども、戦後、多くのダムができることによって、このダムに土砂が堆積しています。

 一方、近年、遠州灘では海岸侵食が進んでいる。それが資料の四ページ目、五ページ目であります。これは大臣、今、カラーのものを見てくれということでお渡ししていると思うんですけれども。四ページ目、五ページ目の資料ね。大臣には直接前にお渡ししているはずです。(前原国務大臣「ええ、白黒ですけれども」と呼ぶ)私はちゃんと事務方にカラーを渡しておいてくれよと言ったのに、ほんまにせいないな。それで、その資料の四ページ目、五ページ目が砂丘の分と侵食されている地域の図であります。

 そこで見たらわかるんですが、中田島砂丘というのは有名でして、二十年前には、四つも五つも山があって、砂がこうあったわけですね。だから、海へ出ようと思うと、その砂を、山を越えなくちゃならぬ。えらい遠いなという話になっているぐらい、子供たちが遠足に行ったときには、すごい遠いところに来たというので、海へ出るのも大変というところだったそうだということを地元の方々が言っていました。今は、そんな面影はみじんもありません。なぜこれほどまでに海岸侵食が進んだのか。地元の人たちは、今何とかしなければ砂丘そのものが消えてしまう、まさに緊急事態だとおっしゃっていました。

 そこで、国交省として、次の点をどのように認識しているか、確認したい。

 一つは、海岸侵食の重大性、緊急性をどのように考えているか。二つに、海岸侵食の主要な原因は何か。三つに、海岸侵食防止にどのような対策を立て、実施し、その費用は幾らかかっているか。

三日月大臣政務官 穀田委員にお答え申し上げます。

 今おっしゃったように、ダムをつくることによって流れる土砂が減り、かつ、そのことが海岸侵食にもつながってくるということも含めて、ダムの効果や影響について再評価を行おうというのが、今の前原大臣を先頭にする国土交通省のダム行政に対する考え方でございまして、ぜひ、そういった観点も含めてしっかりと見直しの議論を、再評価、再検証の議論を進めてまいりたいというふうに思います。

 中田島の砂丘のこの侵食については、まず、この浜松篠原海岸ですか、これが、確認できる航空写真で検証しましたところ、昭和三十七年から平成十六年の四十二年間に、堆積傾向の区間が約八・四キロある。八・四キロについては堆積をしてきています。ところが、一方、汀線、いわゆる砂のたまっている線ですね、これが最大で二百十メートルも後退するような区間が約二・七キロあるというようなこともあります。

 したがって、こういう砂丘及び海岸の侵食の問題は重大かつ緊急の問題だと私たちも位置づけて、今状況を注視し、なお、この区間においては、静岡県においても、侵食から海岸線を保全するため、侵食防止対策を実施しておりまして、全体の事業費は、平成十八年度から平成二十二年度で約二十一億円という形になっております。

 なお、この原因について、これが二つ目の御質問だったと思うんですけれども、原因については、この天竜川の流域については、中央構造線や糸魚川―静岡構造線が通り地質が脆弱なため、土砂生産が活発、いわゆる川で土砂がたくさん流れる。もうこれも釈迦に説法だと思うんですけれども、それがダムによりせきとめられることによって土砂の流れがとまり、そして、そのことで海岸に流れるのが減り、そして波で侵食されるという影響もあろうかと思います。

 ただ、この発生要因については、さまざまな要因が複合的に作用しているというふうに私たちは考えております。しかし、この天竜川においては、回りくどくて済みません。天竜川においては、佐久間ダム等の電力ダム等の構造物による天竜川からの流下土砂量の減少や海岸構造物、例えば馬込川の導流堤等による漂砂の遮断等により海岸線が後退していると考えられると私たちは考えています。

穀田委員 原因ははっきりしているんですよ。要するに、とめたから砂がたまっている。それはだれが考えたって事実なんですよ。それをあえて、あろうかと思いますとか、ああだこうだと言わずに、それこそ、土砂が減り、そのことも含めて見直ししているんだ、だからそれにふさわしく、原因はこれだと言えばいいんですよ、そんなことは。地元の人はみんな知っているんだから。

 そこで、天竜川ダム再編事業の目的と内容について、簡単に概要を一言言っていただきたい。

三日月大臣政務官 お答え申し上げます、短く。

 天竜川は、今申し上げたような地形の特徴があるものですから、土砂生産が活発です。生産された大量の土砂により、遠州平野の扇状地を形成してきた河川です。

 この天竜川再編事業、いわゆる天竜川のダムの再編事業については、天竜川中下流部の洪水防御を目的として、既設の発電専用ダムである佐久間ダムを有効活用して、新たに洪水調節機能を確保しようというのが目的であります。

 内容につきましては、佐久間ダムの発電容量の一部を買い取るとともに、恒久的な堆砂対策として、堆積した土砂対策として、土砂バイパスを整備することによって、洪水調節容量の安定的な確保と、土砂移動の連続性を確保して貯水池の保全を図る事業でございます。

穀田委員 聞いている人はさっぱりわからぬと思うんだけれども、要するに、ダムに堆積する土砂を吐き出す、そのことによってダムの機能を守る、そういうふうに言ってくれなあかんわけ。簡単に言うとそういうことなんです。あなたのところの整備計画だとか基本計画にそう書いているんだから、回りくどい話をせぬとずばっと言わなくちゃ、三日月さん。それこそ、書いたものを読んだらあかんで。要するに、ダムのたまったものを流してダムの機能を守るとともに、それを流すことによって海岸侵食を抑制しようということなわけでしょう。そういうことですよね。確認したと。

 だから、ダムをつくったことが海に土砂が流れないようにした原因だということは、これはそのことからも明らかなんですよ。大体、再編事業の目的のところに、おたくのところの整備計画だとか整備基本方針に、要するに、堆砂対策を実施することによって土砂を移動させる、そして海岸侵食の抑制を図るということを書いているんだから、そういうことでしょう。

 そこで、佐久間ダムというのは、実はできたのが一九五六年。美和ダムは五九年。いずれも五十年を超えているんですね。ダムを建設して五十年もすれば、土砂がたまって貯水などダムそのものの機能も低下し、それだけではなくて、土砂を海に流す自然の営みも遮断をして海岸侵食などの被害を及ぼす、その被害のために再開発や改造をしなければならなくなる。海岸侵食の防止対策なども考えれば莫大な費用が要るんだということなんですよ。ただつくって、そこの周りをどうするかというんじゃなくて、五十年たったらもう一度やらなあかんということに大きな金がかかるということを見ていただきたいんです。そこなんですよ、肝心な点は。ダムというのは、一たんつくればどうなるかということの基本がある。

 しかも、そのダムというのは幾らたまっているかということで、皆さんに資料をお配りしたところであります。それがどういうふうになっているかというと、二枚目の、佐久間ダム、堆砂率九八%。そして、その次の資料に、佐久間ダムにどれだけたまっているか。今たまっている砂の量は、一億二千万立米近くたまっている。簡単に言うとそうですが、「実績堆砂量」とありますね、この資料には平成十八年と書いています。約一億一千九百万立米たまっている。

 それはどういうぐあいの量になるかというと、先ほど示した地図、伊良湖岬から御前崎まで百十キロぐらいあるんですよ。ここの区間に百メートルの幅で高さ十メートルの砂浜ができる、それぐらいたまっているということなんですね、この量は。わかりますか。ここの海岸全部に百メートルの長さ、高さが十メーター、これだけの砂がたまっているということなんですよ。だから、どれだけのものが今たまっているかというのは大変なことがわかると思うんですね。

 しかも、それは、この堆砂率というのは九八%とありますように、もともと、この資料にあるように、計画堆砂量、百年でたまる量が実は一億二千百万立米という計画なんですね。それがたった五十年で満杯になる、こういう実態をこれは示しているんです。だから、どれほど大変な事態が生まれるかということをこの機会に認識せなあかんということを私は言いたいわけですね。わかりますね、三日月さん。

 そこで、それでは一体どれだけの量を流せばこの海岸の侵食をとめることができるのか、どういうふうにお考えですか。

三日月大臣政務官 お答え申し上げます。

 この佐久間ダム、発電等で大変目的があり、日本の高度成長を支えた、そういう意味で意義のあるダムだったと思うんですけれども、今委員が御指摘されたように、土砂がたまり、下流に流れずに、そのことが海岸に対する影響を与えたということの歴史をしっかりと踏まえながら、現状を私たちも確認をし、今後の対策をとってまいりたいというふうに思っています。

 その意味で、海岸侵食を防ぐために天竜川からどれぐらいの土砂を供給する必要があるのかということについては、国交省が平成十四年に行った学識経験者等から成る検討委員会の計算結果では、四十万立方メートルというふうに推定をしております。

 ダムの下流の支川から十万入って流れますから、差し引き三十万土砂が流れればその海岸侵食を食いとめることができるのではないかというふうに推定をしており、今回行う対策で、天竜川のダムの再編事業により、年間二十万立方メートルの土砂をバイパスで流していこう。そうすると、計算していただければわかるんですけれども、十万少なくなります。その分が足りないんですけれども、その分を静岡県等で行っていただいております海岸侵食対策事業等々で食いとめていきたいというふうに思っております。

 ただ、このことでは足りませんし、そもそも、平成十四年の学識経験者による計算結果というものが本当にどうなのかという視点の検証が必要ですから、委員の指摘も踏まえて、ぜひ、私たちとして、この海岸線だとか河床高の変化量をしっかりとモニタリングしながら、これまでとってきた対策がよかったのか悪かったのかということの検証も行ってまいりたいというふうに思っています。

穀田委員 数字上はそうなんだけれども、今度は、どんなものを流すかという問題があるんですよね。

 そこで、私、天竜川に、漁協に行ってきました。そうしたら、アユは海から上ってこないわけですね、当然、遮断するわけだから。そういうことで、漁協は、上ってくる調査だとかそれから場所だとかいうことでいろいろな活動をしているわけです。

 天竜川というのはシルト粘土が多くて濁りが長く続くために、アユのえさであるこけが付着する石に泥がまずがばっとついちゃう。その泥をアユが食べるために、他の川のアユよりも胃袋が大きいというんですね。そこまで被害が出ているんです。だから、栄養がないために小ぶりで、成長していない。だから、ダム再編事業について、土砂を流すのは、漁協の方も、海岸全体のためや川をよくするということでそれは当然だと言っているんですけれども、そういうときに、やはり質の問題もあるということもぜひ注目していただきたいと思うんです。

 今ありましたように、約四十万を流そうというのに対して三十万しかない。昔、ダムのなかったころは、国交省の中部関係の方々が言っておられるように、百三十万立米流しているんです。天竜川というのは自力では流しているんですよ、ダムがなかったころはね。今や、十万とかゼロとかという事態ですよね。それを三十万にして、十万足りない、下の方で五万つくるというような話をしているわけだけれども、だって、養浜というんでしょう、浜を養うというんですよね。それもさっぱり流れてしまって全然役に立たないという現実があります。

 ですから、本当の意味で、これはやはり、緊急に事態を打開するための本格的な再検討をする必要があると思うんです。その上で、今言ったような形で、対策をする上ではいろいろな方々の意見をしっかり反映させる必要があるというふうに私は考えています。

 最後に、時間がありませんからあれですが、今るる述べてきましたけれども、私は、ダム事業の見直しを進める上で、また検証をする上で大事なことは何か。それは、その一つは、費用便益評価について言うならば、過大な需要見込みを排除することはもちろんのことだけれども、すべてのデータを情報開示することは当然であります。これが一つであります。もう一つは、何度も私は取り上げてきたんですけれども、自然破壊などのマイナス効果を評価対象に追加することをぜひ実現すべきだと思うんですね。

 BバイCというんだけれども、これまで自公政権は、数値化するのが難しいとか環境影響評価をやっているからなどとごまかしてきました。しかし、先ほど紹介したように、ダムは一たんつくればさまざまな弊害を将来にわたって及ぼすわけです。五十年、百年という単位で出てくるわけですよ。したがって、負の遺産を孫子の代まで引きずることは明白だ。したがって、将来にツケを残す負担も加味して、こういうものを評価しないとあかん。

 だから、そういうBバイCのところにマイナス評価、そして、しかも河川というのは、今度の河川法の改正で環境という問題も新たに入ったわけですよね。そういう角度からしっかり評価すべきだと思うんですが、最後に、その辺の大臣の見解をお示しいただきたい。

前原国務大臣 今委員がお話をされた中央構造線の、私は天竜川に行っていませんけれども、上の日本海側の黒部川、このいわゆる連携排砂という出し平ダム、これは見に行ったことがありますけれども、たまった砂を連携排砂するわけですね。これで富山湾に汚れたヘドロを含めてかなり流れて、漁業関係者に大きな影響が及んでいるというようなことを私も見に行ったことがあります。そういう意味では、委員がおっしゃったことについて、私は全く同意をいたします。

 したがって、ダムに頼らない治水というものの一つは、今は、砂がたまって海岸侵食があるということと同時に、ためると、やはり水がよどんで水質が汚濁をしたりするんですね。そういうものも含めて考えなきゃいけないということで、議員のおっしゃったことも含めての再検証というものをしっかりやっていきたい、このように思っております。

穀田委員 終わります。

川内委員長 穀田恵二君の質疑が終わりました。

 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 前原大臣、御就任まことにおめでとうございます。みんなの党の柿澤未途でございます。

 私の国会での初質問が、かねてから尊敬し、また御指導いただいてきた前原大臣であるということは、大変感慨深い思いを感じております。また、たまたまなんですが、ことし一月に亡くなった私の父親の追悼式がきょう外務省で営まれておりまして、その日に私が国会での初めての質問をさせていただくということも、大変感慨無量の思いであります。

 前原大臣、まず、JALの問題について御質問させていただきたいと思うんです。

 先日、十一月十日に五大臣の確認書が発表をされましたが、その第一として、「我が国の航空ネットワークを形成する上で重要な役割を果たしている日本航空の再建を、国民目線に立って確実に進める。」と書いてあります。この「国民目線に立って」という文言は、こういう文書にはいささか似つかわしくないというか、おやっという文言でありまして、逆に言えば、それだけ特別の思いを込めてこの「国民目線に立って」という言葉を入れられたんだと思います。その意味で、私自身も、国民目線に立って、この日本航空の再建をめぐるさまざまな問題を取り上げてまいりたいと思っております。

 午前中の質疑からこのJALの問題は取り上げられていますけれども、きょうは、実は、東証の株式市場でJALの株価が終わり値で百円を割ってしまいました。午前中から相場がだんだんだんだん下がってきて、午前の終わり値は九十六円、午後も結局余り反発することなく九十八円ということになりました。

 この百円割れというのは非常に大きな出来事でありまして、年金などを運用するいわゆる機関投資家などの投資対象から、百円を割ると外れてしまうという可能性が出てまいります。そういう意味では、百円割れを起こすと連鎖的に株価の下落が続いてしまう可能性がある。そういう意味では大変深刻な事態だと思いますが、この日航の現下の株価の動向について、前原大臣の所見がありましたらお聞かせください。

前原国務大臣 初当選された柿澤未途議員の初質問に初答弁をさせていただくということで、非常に光栄だというふうに思っております。

 私は常に申し上げているんです、記者会見でも。株の上がり下がりに一喜一憂はしないということでいきたいと思います。

 この五閣僚の確認のポイントは一体何なんだということを申し上げると、一つは、これは融資なんです、つなぎの融資。このつなぎの融資を、最終的には、今は裸で日本政策投資銀行を中心にお金を出しますけれども、法的な措置によって、将来的には公的ないわゆる担保をつけますよということが一つと、もう一つは、「国民目線」と書きましたのは、やはり年金なんですね。JALの高過ぎる年金というものを維持するために公的資金が使われるということは国民の理解が得られない、こういうことでございます。

 この五閣僚の確認でつなぎ融資が行われることになるわけでございますので、私は、今の株価の上がり下がり、一喜一憂はしないということで御理解をいただきたいと思います。

柿澤委員 株価の問題に一喜一憂しないということはわかりました。しかし、これを取り上げさせていただいたのは、実は、申し上げにくいんですけれども、この間のこの日本航空の経営再生を目指しての前原大臣の発言が、いささか揺れ動いている感がございます。そのことが影響して、この株価の動きにつながっているのではないかというふうにも感じられるからでございます。

 きょうの日本航空の株価の百円割れを受けての各社、ロイターですとかの報道では、午前中の田中理事の国土交通委員会における質疑において、前原大臣が、法的整理をやらないとは言っていない、こういう答弁をされた。これを受けて、法的整理の可能性が出てくるのではないか、これからの日航の経営再建の先行きが不透明になった、こういうことをマーケットが嫌って、日航の株式を売却するという動きが加速をしたというふうに報じられております。

 九月二十四日、タスクフォースができる前ですけれども、前原大臣は、新旧分離や法的整理は全く考えていない、こういう趣旨の発言をされているはずです。先ほども、破綻は絶対にあってはならないが、法的整理はしないとは言っていないというふうな発言をされておりましたが、九月二十四日の新旧分離や法的整理は全く考えていないという発言と、午前中のこの委員会での御発言との整合性についてお伺いをしたいと思います。

前原国務大臣 二つのことで申し上げたいと思いますけれども、一つは、私の申し上げていることは変わっておりません。つまりは、破綻ということは考えていない。では、その破綻というのは一体何なんだといったときに私が申し上げたのは、つぶれてなくなることということを申し上げているわけであります。つぶれてなくなることというのは一体何かということになれば、それは清算ということを意味するわけでありまして、そういうことにはならない。

 ということは、逆に言えばどう考えるのかということを言えば、午前中の田中委員の質問については、私の真意は全く何も変わっていないということであります。

 もう一つは、では、再建を今どこに任せているのかといったときに、機構に行っているんですよ。機構に任せているんです、企業再生支援機構。これは、国が独立した機関である機構に任せた以上は、機構が再建をするかしないかということを資産査定をした上で決めるんです。国が決めることではないということですね。つまりは、機構がどういう判断をされるかというところで、すべてが、そこから再建計画がどういう形で行われていくのかが始まるということであります。

柿澤委員 タスクフォースの話にちょっと移りたいと思うんですが、九月二十五日に、国土交通大臣、前原大臣のまさに直轄の顧問団として、タスクフォース、五人のメンバーで発足をいたしました。その後、日本航空の資産査定と経営再建計画の立案ということで鋭意活動されて、十月二十九日に調査報告書を出されて、その活動を一応終えたということになるんだと思います。

 このタスクフォース、立ち上がったときには鳴り物入りだったと思うんですね。日航を再生させる、本当に、再生請負人、こういうイメージで立ち上がったものだというふうに、私は印象としては持っております。

 しかし、結果として、公表もされない報告書を最終的に大臣に提出して、いわばさっさと解散をして、最終的な再生のタスクは支援機構にげたを預けてしまった、こういう成り行きになっているわけでありまして、最初の立ち上がりのあの派手なスタートはどうなっちゃったのかなという印象を、私は国民目線から見て禁じ得ない部分がございます。

 そういう意味で、まず、調査報告書が公表もされておりません。このタスクフォースのこれまでの活動について、前原大臣はどういう御評価をされて、どのように総括をされておられるか、お伺いしたいと思います。

前原国務大臣 結論から申し上げれば、大変よくやっていただいたというふうに思っています。

 九月十六日に大臣に就任をして、九月二十四日に日航から再建計画が出されてきた。しかし、その再建計画は本当に実行可能なものなのか、中身が再建にたえ得るものなのか、さっぱりわからないという中で、事業再生や資産査定の専門家を委嘱して、徹底的な資産査定をやってもらい、そして彼らなりの再建計画をつくっていただいたということでございます。

 その中で、きょうも何度か御答弁をさせていただいておりますけれども、数字は申し上げませんが、タスクの基本的な案というものは、JALの再生は十二分に可能である、そして私的整理もでき得る、これが中間報告で私が受けたことでございますけれども、幾つかの問題というか、先行きに対する懸念というのが生まれたのも事実であります。それは、一つは金融機関による債権放棄というものを前提にしているということ、そして、年金についてOBの方々の同意が得られる、こういった前提条件に立っての再建計画であったわけで、果たしてこれでやり得るのかなと。

 資産査定はしていただきましたよ。どういう今状況なのか、JALがどういう状況なのかということについては、JALの自己申告ではわからなかったようなJALの実態というもの、そして、タスクなりの再建計画をつくっていただく中で、どういう方向でいくべきかということはよくわかりました。ただ、JALがタスクの案どおりの私的整理にいくことについては、金融機関との債権放棄の問題やあるいは年金などの問題で、そんなに簡単にいかないだろうなと。

 つまりは、公的関与をかませなければ、なかなかこれは大変なんじゃないかなという中で、公的管理というものも視野に入れた考え方で報告書を出してもらいたいということをお願いし、そして、タスクが出してきた中身というのが、企業再生支援機構の活用、こういうことであったということでございます。したがって、その調査報告に基づいて、今、企業再生支援機構に支援申請をしている。

 そして、なぜ、先ほど公表もされない再生計画ということを言われましたけれども、これは、高木委員は御理解をいただいての御発言を先ほどされていましたけれども、今は機構が再建計画をまとめるということで、比較をされることになりますので、このタスクの案は封印をして、現時点においては出さないということで御理解をいただきたいと思います。

辻元副大臣 私も一緒にこの日本航空の再建問題に取り組んでまいりました。一言申し上げたいんですけれども、この経過なんです。

 前政権から引き継ぎました。引き継いだ折には、金子前大臣も御苦労なさったと思います。ずっといろいろな銀行も融資を続けてきていたわけで、ことしに入ってから政府保証もつけるというようなこともございました。ですから、その間に年金問題やさまざまな問題を日本航空自身が解決すべきであるということは、どなたも共通認識だと思うんですね。

 そのときに、前政権から引き継ぎましたのは、日本航空から見せていただく再建案なんです。そして、政府の中に有識者会議を設置して、その有識者会議でも御協議いただくということだったわけです。

 しかし、私たちは、その出てきたもの、例えば個人でもそうですよ。連帯保証人になるとかお金を貸してあげるというときに、あなたのところ、ほんまに大丈夫なの、出してきてくれたけれども、もうちょっとしっかり中を見せてもらわぬと、しっかり見せてもろうた上で再建案つくりたいわ、当たり前の話やと思うんです。それが前政権から引き継いだときだったんです。

 ですから、出てきたものを有識者の皆さんにお見せして議論していただくという、もうちょっと踏み込みたいと。そのときに、では、踏み込む先の人たちが第三者機関をつくって自分たちでやりますというのもよくございます。しかし、自分のところでまた第三者機関をつくると、これはこれでいろいろ問題もありますので。

 ですから、私たちが、これは人選のこととかプロセスでは御議論があると思いますけれども、その段階では機構もございませんでした。ですから、やはり中をどなたかに客観的にしっかりと見ていただいた上で、みんなで支援の策を練っていくのがいいのではないかというようなことなんですね。一歩一歩なんですよ。

 そして、タスクに頑張っていただいた後に、支援機構というのがその後できて、そして融資の機能も持っているわけです。多機能を持っています。ですから、これは支援機構にお預けしてやってもらうのがいいのではないかというところまでやっと来れたんです。

 ですから、私どもは、この支援機構の厳格な査定とそして再建策をきっちりと、政府としても出るまでの間しっかり、安全と安定的な運航をしていただかないと困るので、サポートしていこうということで、五大臣の申し合わせを出したということです。

柿澤委員 二十分の質疑でこれだけ長く答弁されるとなかなか困ってしまうんですけれども、いずれにしても、御認識はわかりました。

 しかしながら、タスクフォースに関して言うと、これまでの経過の中で、あえて言えば、報道ベースですけれども、五人のメンバーが直接執行役に入って経営再建をやるんだということがかなり初期の段階で報道されたり、いろいろとある種の疑念を持たれるような報道があったのも事実です。

 現在も、ボランティアだということで、メンバーの方々は精力的に行っていただいたという一方で、そのもとで査定などに当たったスタッフのことについては、総額十億円に上る請求書がJALに届いていて、この取り扱いをめぐってJALは頭を抱えているとか、こういうことが言われているわけでありまして、この間の議論が本当に適切に行われたのかどうかということについては、いささか気になる部分もございます。

 また、先ほど、アエラで報道された調査報告書の、まさに実物が写真で写っているわけですけれども、実は、このタスクフォースのサブリーダーの冨山和彦さんというのは、朝日新聞社の監査役をやられているということでもありまして、これが漏れた経過というのはどういうことなのかなという風評も、メディアの中では飛んでいるやに聞いております。

 こういうことがあって、なおこのエフォートが非常に価値のあるものだったということになるためには、これからの支援機構の再生計画を策定するに当たって、この知見が有効に活用されて、そして、しっかりと日本航空が再生をするということが確実なものになっていかなければいけないと思います。しかし、この支援機構による資産査定と、再生計画の策定と、再生計画を立てて、やる、やらないの意思決定も含めて、支援機構の独自の判断にゆだねられているということであります。

 この点についてはどういう見通しを持っておられるのか、お伺いします。

前原国務大臣 現時点におけるJALの再生については、支援機構の資産査定を行っての支援決定待ち、こういう状況でございますので、それまでの間、飛行機が飛ばなくなることがないような政府としてのバックアップ体制を五閣僚で確認しているわけでございます。

 それから、これは三ッ矢委員にもきょうお答えをさせていただきましたけれども、三ッ矢委員は運輸省におられてより詳しく御存じでありますけれども、仮に再建計画でうまくいって、若干、若干と言ったらいけないですね、身ぎれいになったとしても、これはやはり日本の航空戦略というものをどう描いていくかというものがないと、私はまた同じような状況になってしまう可能性があると思っております。ただ単にこの企業再生機構が支援決定した、JALがそこでリストラをしたり、あるいは機材の購入を変更したり、あるいは年金もうまくいった、仮にですよ、そうなったとしても、問題の解決では全くないということであって、その先の日本のいわゆる航空戦略、あるいは空港戦略、それから観光戦略、オープンスカイ、ハブ空港化、空整、整備特別会計、こういったものも含めて全体的な見直しをしっかりやっていくということが大事だと認識をしております。

柿澤委員 最後にもう一問だけ。

 先ほど、つなぎ融資、政投銀のことに関して、高木委員の質疑の中で峰崎財務副大臣が、今回のつなぎ融資は返ってこない可能性もあるという趣旨の御発言をされました。これは大変大きな発言で、こういうことが前提となってつなぎ融資が行われるなどということはあってはならないというふうに思いますけれども、これから、まだ額も決まっていないようでありますし、時期も決まっていないようであります。

 このつなぎ融資が行われるに当たって、回収する見込み、また、これが最後になるのかどうか、また資金ショートを起こして、資産査定をやっている間に資金繰りが行き詰まってしまうというようなことがJALに関して起きないかどうか、こういうことについて、前原大臣のお考えを聞きたいと思います。

前原国務大臣 日本政策投資銀行というのは株式会社であります。ただ、国が一〇〇%株を持っているということでございますが、株式会社にはかわりありませんし、金融機関はお金を貸したら利子をつけて返してもらうというのが当然のことだというふうに思っております。

 五閣僚の確認においても、先ほど、一番初めに柿澤委員の御質問にお答えをしたように、現時点において、この支援機構の決定があるかどうかという段階までの間、政府としては飛ばないようなことにならないようなバックアップをしていくということで、つなぎの問題について……

川内委員長 大臣、時間が過ぎておりますので、短く。

前原国務大臣 済みません。つなぎがされる。しかし、それについての担保を法的な枠組みとして検討していく。年金についてもそうだということでございますので、今後、この五閣僚の確認の中で適切に対処するということで御理解をいただきたいと思います。

柿澤委員 終わります。

川内委員長 柿澤未途君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五分散会


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