衆議院

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第2号 平成22年2月24日(水曜日)

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平成二十二年二月二十四日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 川内 博史君

   理事 阿久津幸彦君 理事 小泉 俊明君

   理事 田中 康夫君 理事 橋本 清仁君

   理事 村井 宗明君 理事 竹内  譲君

      石井  章君    加藤  学君

      笠原多見子君    勝又恒一郎君

      神山 洋介君    川島智太郎君

      川村秀三郎君   菊池長右ェ門君

      熊田 篤嗣君    黒岩 宇洋君

      小林 正枝君   斎藤やすのり君

      中川  治君    中島 正純君

      長安  豊君    畑  浩治君

      早川久美子君    馬淵 澄夫君

      三日月大造君    三村 和也君

      向山 好一君    若井 康彦君

      斉藤 鉄夫君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    柿澤 未途君

      下地 幹郎君

    …………………………………

   国土交通大臣       前原 誠司君

   国土交通副大臣      辻元 清美君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   国土交通大臣政務官    三日月大造君

   国土交通大臣政務官    藤本 祐司君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           田口 尚文君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  阿知波吉信君     斎藤やすのり君

  谷田川 元君     笠原多見子君

同日

 辞任         補欠選任

  笠原多見子君     谷田川 元君

  斎藤やすのり君    阿知波吉信君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

川内委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、自由民主党・改革クラブ所属委員の先生方に出席を要請いたしましたが、御出席が現状得られておりません。

 理事をして出席を要請いたしますので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

川内委員長 速記を起こしてください。

 理事をして自由民主党・改革クラブ所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席が得られないようであります。極めて残念であります。万やむを得ず議事を進めさせていただきます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長田口尚文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

川内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中島正純君。

中島(正)委員 民主党・無所属クラブの中島正純でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、大変光栄に思っております。ありがとうございます。

 本日は、八ツ場ダムについて御質問をさせていただきます。

 民主党及び前原大臣は八ツ場ダムの建設中止を訴えておられ、前政権のもとで行われてきたこの事業でありますので、本来、今からお話しする内容を前原大臣に質問すること自体、お門違いなことかもしれませんが、今回、八ツ場ダム事業でさまざまな不透明なことがわかりました。それを全国の皆様に知っていただくためにも、あえて御質問させていただくことを御了承ください。

 まず冒頭、八ツ場ダム問題に関して、地元の皆様の御意思を尊重され、意見交換を重ねていらっしゃる前原大臣に敬意を表します。

 私がなぜ八ツ場ダムのことについて質問をさせていただくことになったかといいますと、この八ツ場ダムについては、今まで民主党の議員の方々がいろいろな不透明なことについて御質問をされてまいりました。一番最近では村井議員も、八ツ場ダム建設地の砒素問題について御質問をされました。

 この八ツ場ダムについては、本当に不透明で疑惑の多い事業であります。私自身もいろいろな黒いうわさを聞くようになりました。それは何かといいますと、八ツ場ダムならぬ、群馬県の地元の議員さんの名前を入れて○○ダム、議員さんの名前を入れたダムの名前と地元の皆様はうわさをされております。実際に、そのうわさは本当に飛び交っております。ですから、私自身、何かこのダムには利権の問題などがあるのではないかということで調査をいたしました。そして、本日、いろいろわかったことについて御質問をさせていただきたいと思います。建設を中止すべきであるということを前提とした質問をさせていただきます。

 それでは、一つ目の質問をさせていただきます。

 昭和二十七年ごろから、この八ツ場ダムの計画の話は持ち上がりました。五十七年間が経過いたしました。しかし、ダムの本体工事はいまだ何も着手されておりません。それなのに、昨年末、平成二十一年末時点で三千四百三十四億五千万円ものお金が既に使われております。八ツ場ダムの総事業費として四千六百億円が計上されておりますが、単純に計算しても、残りは一千百六十五億五千万円しか残っておりません。

 民主党としては八ツ場ダム建設中止をうたっておりますが、前原大臣にお伺いいたします。もし建設を続行しておれば、この残り一千百六十五億五千万円でダムは完成するとお考えでしょうか。

前原国務大臣 中島委員にお答えをいたします。

 中島委員も御承知だと思いますけれども、このダムの建設当初の総工費費用見積もりは二千百億円でございました。改定が重ねられて、最終的に四千六百億円になっているわけでございますが、今後続けたとしても四千六百億円でおさまるかどうかということについては、私は極めて不透明だと思っております。

中島(正)委員 私自身も、到底、一千百六十五億五千万円でダムが完成するとは思えません。本体工事、湖面橋の建設、地すべり対策などなど、これからさまざまな費用が必要になるかと思われます。そうすると、また追加の予算を計上しなければならない状況になるのではないかと危惧いたしております。プラス、下流区域の関連事業などを含めると、もっと膨大な費用を国民の血税で負担しなければならないとも言われております。

 大臣政務官にお尋ねいたします。おおむねで結構ですが、今後もダム建設を続けていくとすれば、下流区域の関連事業などもすべて合わせて、ダム完成には一体どれぐらいの費用が必要となるのでしょうか。

三日月大臣政務官 お答えをいたします。

 まず、ダム事業ですね。今大臣から御答弁がありましたように、ダム事業は当初二千百億円で計画していたものが、現在、総事業費四千六百億円で見積もりをしておりまして、平成二十年度までに三千二百十億円を執行し、平成二十一年度以降で千三百九十億円。これは内訳を申し上げれば、千三百九十億円の内訳は、本体に六百二十億円、そして生活再建関係で七百七十億円、費用を見積もりしております。

 また、水源地域整備計画、これは水源地域対策特別措置法、いわゆる水特法に基づく公共事業関係費で、総事業費九百九十七億円計画をしておりまして、うち、平成二十年度までに五百十三億円使い、平成二十一年度以降、四百八十四億円の費用が必要だということで見積もりをしています。

 また、中島委員から御質問のありました下流都県の事業費、これは総事業費が未確定でございますが、平成二十年度までに四十一億円使っており、その後幾らかかるかということについては未確定ということになっております。

中島(正)委員 わかりました。

 今、私がお手元にお配りしております資料をごらんになっていただきたいんですが、この表は、国交省と群馬県の県土整備部提出資料及び群馬県選挙管理委員会届け出の収支報告をもとに作成しております。膨大な資料でございましたが、これを一つ一つ見比べていって、一覧表にいたしました。

 まずは資料一の方を見ていただきたいんですが、表紙に「八ツ場献金」、八ツ場ダム事業受注者からの政治団体に対する献金の一覧表。これは三年間でございます。最近の直近三年間だけで、群馬県の議員に対して四千九百二十五万円の献金がなされております。

 そして、一枚めくっていただきまして、一番上の項目のところをごらんになってください。左から、代表者名、そしてその右、政治団体の名称、献金企業、金額、年、受注件数、発注元となっております。この一番左の代表者名というのは、群馬県所属の議員の名前でございます。そして、その横に書いてあるのが、その政治団体の名称でございます。そして、八ツ場ダムの受注をしている工事業者のみピックアップしまして、その業者がこの議員たちの政治団体に献金をしている業者のみを記載いたしました。そして、その横には金額が記載されております。そして、その横には受注件数が記載されております。献金をした業者がどれだけ工事の受注をしているかということがわかりやすいように、受注の件数を記載しております。

 次に、資料二を見ていただけますでしょうか。献金企業の八ツ場ダム事業落札状況一覧表ということになっております。これは、事業は、平成十三年度から二十年度分の百万円以上に限る工事の受注の分を記載いたしました。献金については、同じく十八年から平成二十年の三年間分しか記載しておりません。そして、落札率が九五%以上の件数が二百六十四件中百八十件あるということでございます。二百六十四件というのは、この献金をしている企業が平成十三年度から平成二十年度までの間に二百六十四件の受注をしている。そのうち、落札率が九五%以上というのが百八十件もあるということでございます。

 この資料のとおり、群馬県選出の議員に献金をしている業者の工事の受注回数が非常に多いことがわかります。

 さらには、資料二の五ページ目をごらんになってください。番号三十八の南波建設株式会社、これは、群馬県の自民党県議会議員で、自民党群馬県連の幹事長南波和憲議員の奥さんが代表取締役を務める会社です。この会社は、平成十三年度から二十年度の間に二十一回も受注をしております。

 次に、資料二の一ページ目をごらんになってください。番号一のJV受注の中に入っている佐田建設、JV受注なので四社の合計ですが、十八億七千九百五十万円の受注をしております。この佐田建設は、自民党の佐田玄一郎衆議院議員の祖父に当たる元参議院議員佐田一郎さんが設立された会社で、平成十六年四月まで佐田玄一郎議員のお父さんが代表取締役をしていた親族会社です。

 さらには、八ツ場ダム受注業者から、群馬県選出の議員に多くの献金が行っております。

 ここで総務省選挙部長にお伺いいたします。業者から、小渕優子衆議院議員が代表を務める自民党支部と小渕優子衆議院議員と関連が深い自由民主党群馬県ふるさと振興支部には、最近の三年間、平成十八年から二十年の間でどれだけの寄附がなされていたのでしょうか。

田口政府参考人 お答えいたします。

 本日配付された資料と同旨のものを質問通告いただいており、当該資料の政治団体の名称、寄附をした法人その他の団体の名称、金額、年について、群馬県選管で公表された収支報告書の要旨で確認した結果に基づいてお答え申し上げますと、まず、通告のございました株式会社ヤマトから自由民主党群馬県第五選挙区支部に対する平成十八年から平成二十年分までの寄附については、合計すると百八万円となっております。

 また、通告のございました上原建設株式会社ほか二十三の法人その他の団体から自由民主党群馬県ふるさと振興支部に対する平成十八年から二十年分までの寄附につきましては、合計すると七百六十五万円となってございます。

中島(正)委員 それでは、再び総務省選挙部長にお伺いいたします。

 同じく、中曽根弘文参議院議員が代表を務める自民党支部には、最近の三年間、平成十八年から二十年の間でどれだけの寄附がなされていたのでしょうか。

田口政府参考人 お答えいたします。

 配付資料の政治団体の名称、寄附をした法人その他の団体の名称、金額、年につきまして、選管の収支報告書の要旨を確認した結果に基づきましてお答え申し上げますと、通告のございました株式会社日さくほか十の法人その他の団体からの自由民主党群馬県参議院選挙区第一支部に対する平成十八年分から二十年分までの寄附については、合計すると六百四万円となってございます。

中島(正)委員 たびたび申しわけございませんが、総務省選挙部長にお伺いいたします。

 きょう皆様のお手元にお配りしている資料を事前に総務省に確認依頼をしました。この私どもで作成した資料の内容に間違いはないでしょうか。

田口政府参考人 本日配付されました資料の政治団体の名称、寄附または政治資金パーティーの対価の支払いをした法人その他の団体の名称、金額、年につきまして、群馬県選挙管理委員会で公表された収支報告の要旨で確認をした結果につきましてお答えを申し上げます。

 通告のございました株式会社ヤマトなどの法人その他の団体から、同じく通告のございました自由民主党群馬県第五選挙区支部ほか群馬県選管所管の二十一政治団体に対する平成十八年から二十年分までの寄附並びに政治資金パーティーの対価の支払い、収入の状況につきましては、寄附は合計で四千八百三十五万、政治資金パーティーの対価に係ります収入は合計で九十万、両者を足しますと四千九百二十五万円となるところでございます。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 それでは、資料一を見ていただくと、先ほど質問したとおりに、自民党小渕優子衆議院議員の政治団体には、平成十八年から二十年度の三年間だけで、八ツ場ダム工事受注業者から八百七十三万円の献金を受けております。しかし、私たちの調べられたのは政党支部だけの分でございまして、時間と人の問題で、後援会の分が調べられませんでした。ですから、これ以上にもっともっとあると思われます。これは政党支部だけでございます。

 そして、自民党の中曽根弘文参議院議員には六百四万円、自民党の山本一太参議院議員には五百万円、自民党の尾身幸次元衆議院議員には二百五十二万円、自民党上野公成元参議院議員には一千三百七十万円などなど、もっともっと多くの議員が、この一覧表を見ていただければわかるように、受注業者から多くの献金を受けておられます。

 そして、これらの群馬県選出の議員の方々が、こぞって建設推進を訴えておられます。多くの献金をもらっておられるから建設推進を支持しておられるのかと思ってしまいます。また、議員に献金をしている業者の中には、何と六十二回も受注をしている業者もあります。献金業者の大半が複数回受注をしております。

 群馬県選出の議員が多くの八ツ場ダム工事受注業者から献金をもらっている、そしてそれらの業者が複数回受注しているということは、大きな疑念を抱かざるを得ない状況であります。前原大臣は、この状況を聞かれてどのように思われますでしょうか。

前原国務大臣 一般論でお答えをしたいと思いますけれども、公共事業を受注している企業から多額の献金をもらうことはいかがなものかという感想を持っております。

中島(正)委員 さらには、落札率についても述べさせていただきます。

 資料二を見ていただけますでしょうか。平成十三年から平成二十年にかけて八ツ場ダムにかかわる事業のうち百万円以上の事業を請け負った受注業者の中で、さらには政治献金をしている業者をピックアップいたしました。

 自民党議員に政治献金をしているある業者は、受注件数がぬきんでて多い上に、そのほとんどが九五%以上というような異常なほど高い率で落札をしております。この高い率での落札が当然のようなこのシステム、何か特別なからくりでもあるのでしょうか。常識的に考えても不思議でなりません。

 前原大臣にお伺いいたします。この状況を見ると、談合が行われていたと思われても仕方ないような数字だと思うのですが、大臣はどのように思われますでしょうか。

前原国務大臣 中島委員の提出をしていただいたグラフ、表を見ますと、明らかに落札率が高過ぎるという認識を持っております。

 一般論として申し上げれば、談合をすれば落札率は当然高くなります。これが談合が行われていたかどうかということについては、調べておりませんのでその因果関係は明らかではございませんけれども、談合は法律違反でございまして、決して許されるものではございません。

 だんだんと落札率を下げていく努力、一般公開入札の拡大であるとかあるいは総合評価方式の透明化であるとか、こういったものはなされてきているわけでありますが、さらにそういったものを進めて、このような客観的情勢の中で、疑われることのないような仕組みを今後さらに民主党政権ではつくり上げていきたい、このように考えております。

中島(正)委員 通常、入札においては、最低の価格で入札した者が落札者とされます。それなのに、予定価格に極めて近い価格で落札されるのはなぜでしょうか。例えば、この中を見ていただきますと、九九・八二%という数字も出ています。このような数字を出せるのは、それこそ魔法遣いか超能力者ぐらいでないと無理だと思います。

 この入札のシステムについて、国交省の担当の方にお尋ねをいたしました。ここでその仕組みについて御説明をさせていただきたいと思います。(パネルを示す)

 ここにいらっしゃる方々には釈迦に説法かもしれませんけれども、全国の公共事業というのは、ほとんどがこのような状況で落札されております。予定価格というものがあります。これが伏せておられる部分でございます。そして、低入札調査基準価格というものを設定いたします。予定価格に対して、大体八割強ぐらいの価格をこの八ツ場ダムについては設定したそうです。そして、この約二〇%の間で入札を争い合わせるということです。そして、だれでもそうですが、スーパーに行っても安いものを買うのが当然の話です。同じもので値段が違うものであれば、安いものを買うのが人間の心理です。本来であれば、このあたり、低入札調査価格、この一番安いところで競り落とした人になる、事業が決まるというのが当然の話なんです。

 しかし、今回のこの八ツ場ダムの事業については、ほとんどが予定価格の直近、九五%以上というのがほとんどでございます。九九・八二%というのは、普通あり得ない話です。大体、この一番下の価格で競り落とされるのが当たり前の話です。しかし、このような状況になっております。

 そうすれば、どういうことが考えられるかというと、予定価格を一円でも出た業者は失格になります。また逆に、低入札調査基準価格というものを一円でも下回った会社も失格になります。ですから、例えば十社がこの入札に参加したとするならば、九社が失格状態になっているということです。そして、一社だけがぎりぎりのところでひっかかって、この業者が落札するという仕組みになっているのです。本当に正当な入札がなされていたのでしょうか。不思議でなりません。

 前原大臣にお伺いいたします。多くの落札がこのように九五%を超えているというような数字である以上、談合が行われていたと思われても仕方ないような結果をいかが思われますでしょうか。

前原国務大臣 個別の契約については調べてからでないと私は物を言える立場ではございませんが、一般論としては、今委員が御指摘されたように、私も地方議員から国会議員、ずっとこの問題に取り組んでまいりましたけれども、これだけ予定価格に張りついているということは極めて異常でありますし、客観的に見れば、談合が行われていたと疑われるような状況ではないかというふうに思っております。

中島(正)委員 そして、さらにはその契約種別を見てみると、ほとんどが指名入札となっております。

 契約種別には、主に三つのものがあります。指名入札、一般入札、随意契約、この三種類があります。きょう、ここにいらっしゃる方々に、これも釈迦に説法かもしれませんけれども、指名入札というのは、ある一定の会社を集めて指名して、あなた方の中で戦いなさいよということでございます。一般入札というのは、幅広く募集して、そして多くの会社から公募した中で入札を行わせるというシステムでございます。随意契約というのは、あなたの会社がやりなさいといきなり受注の指示が来るというのが随意契約でございます。その中でも、指名入札が異常に多い。そして、中には随意契約もありました。

 非常に指名が多いということに疑問を抱かざるを得ない状況でございますが、この点について、前原大臣はどのように思われますでしょうか。

前原国務大臣 指名競争入札というものが談合の温床というふうに言われていたわけでありまして、また、新たに挑戦する企業の参入障害にもなっていたということであります。

 平成十六年ごろまでは一般競争入札は大体七・三億円以上で行われておりましたけれども、徐々に一般競争入札の拡大がなされてきまして、現状においては、平成二十年から六千万円以上の事業について一般競争入札というのが行われている。今委員が御指摘をされたものについては、それ以前のものだというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、委員が御指摘をされましたように、できるだけ公平、客観性を持った入札制度というものを取り入れて、だれもがチャレンジできるという仕組みに変えていくために、これからもさらなる検討を加えて、そして実施をしていきたいと考えております。

中島(正)委員 このように、非常に納得のしがたい八ツ場ダムの入札結果です。

 大臣政務官にお伺いをいたします。入札はだれの権限によって行われているのでしょうか。

三日月大臣政務官 決まりとしてお答えすれば、会計法十三条及び地方整備局会計事務取扱標準細則第二十二条に基づいて、国土交通省が発注する公共工事等については、原則として、予定価格が三億円以上の契約は地方整備局長が、予定価格が三億円を超えない、三億円未満の契約については事務所長が、入札の執行、契約の締結等の権限を有しております。

 したがって、御指摘のあった八ツ場ダム建設事業に係る入札は、関東地方整備局長または八ツ場ダム工事事務所長が入札を行っております。

中島(正)委員 では、たびたび済みません、大臣政務官にお伺いいたします。

 その現地の事務所長は、本省でいえばどのくらいのクラスの方がつかれているのでしょうか。

三日月大臣政務官 八ツ場ダム工事事務所の事務所長は、本省のポストでいえば企画官クラス、これは、省庁の部局でいえば、大体室長、企画官クラスなんです。警察官をされていた中島委員でいえば、大体イメージしていただければ、県警の部長さんというようなイメージではないかと思います。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 それでは、政官業の癒着があったと思わざるを得ないこの八ツ場ダム工事、地域の方は政治に翻弄されてきて本当に大変な思いをされてきたと思います。それに対する生活再建は、政治の責任としてきっちりと行っていかなければならないと思います。ただ、地域の方は今述べたような事実があることを御存じではないと思います。

 民主党が建設中止をうたっていることについて、今の段階では地域の方は反対をされております。しかし、このような事実がわかれば、このダム建設中止に地域住民の方も賛同していただけるのではないかと強く思います。まさに利権のために建設しようとしているとしか思えません。

 大臣にお伺いいたします。前政権がつくり上げたこの負の遺産に対して、どのように今後対処され、またどのように地域の再生を行っていかれるつもりなのか、お考えをお聞かせください。

前原国務大臣 この八ツ場ダムにつきましては、地元の皆さん方は当初は反対をされていて、しかし、時間の経過とともに苦渋の選択を受け入れられて、ダム推進にかじを切られたわけであります。それは、すべてが下流の方々の安全、治水、そしてまた利水のためを思って決断をされたことでございまして、そういう意味では、私は、地元の方に対しては心からおわびを申し上げ、政策転換の犠牲者だと思っておりますので、真摯に対応していきたい、このように思っております。

 現在、この八ツ場ダムにつきましても、他のダムと同様に不断に検証作業を行っておりまして、ダムによらない治水、利水というものをこれから提示させていただくことになろうかと思っております。

 それとあわせて、先ほど委員が御指摘をされたことで大事なことは、地元の方々の生活再建をどのような形で図っていくのかということでございます。生活再建については、まずは地元の方々の御要望を承るというのが筋でございますけれども、我々としても、地元の方々の御要望があれば真摯に耳を傾けて、ダムによらない生活再建というものをしっかりと議論させていただきながら進めてまいりたい、このように考えております。

中島(正)委員 治水、利水の面から見ても、さまざまな有識者の方々も、この場所にこれだけの大きなダムは必要ないと言っておられます。そして、このようなさまざまな疑惑のある八ツ場ダム建設には、これからも莫大なる血税を投入すべきではないと思いますし、ダムの建設には強く反対をさせていただきます。

 今の民主党政権に対して野党自民党は、政治と金の問題で国会の進行を妨げるような形で追及し、いたずらに時間を引き延ばしております。それを目の当たりにして、私は大変残念に思いました。国民は、国会で与党と野党が足の引っ張り合いをすることを望んでおりません。本来国民のための政策議論をすべき場所なのに、足の引っ張り合いをしていることを肌で感じ、本当に情けなく、見苦しく思っております。

 野党が、特に自民党がこれ以上国会の場で足の引っ張り合いをするのであれば、この八ツ場ダムに絡んだ政と官と業の癒着がもっともっといろいろありますので、国会議員や秘書を大量に投入して本格的な調査チームを組んで、徹底的に明るみにしていくべきだと思いますが、大臣はこの調査チームに関してどのように思われますか。

前原国務大臣 党としてさまざまな形で調査をしていただくということは大変結構なことだと思いますし、政府として御協力できることについては、できる限りの協力をさせていただきたいと思います。

中島(正)委員 それでは最後に、大臣は落札率が極めて異常とおっしゃいました。私たちも本当にそのように思っております。私たちは公正取引委員会に告発でもしたいというふうに考えております。

 そこで、大臣に詳しい調査をお願いいたしますが、どうでしょうか。

前原国務大臣 具体的な数字を挙げてきょうお示しをいただきましたので、省内で過去の、捜査権は国土交通省にはございませんので、どれだけ調べられるかということについての限界があるかもしれませんが、できる限り調査をさせていただきたい、このように考えております。

中島(正)委員 ありがとうございました。

川内委員長 中島君の質疑を終了いたしました。

 次に、村井宗明君の質疑に移ります。村井君。

村井委員 民主党の村井宗明です。

 先ほどの中島議員の質問は、本当に意義が大きかったです。大臣からも、この八ツ場ダムに関する献金企業の極めて異常な落札率、極めて異常というふうに言っていただきました。我々も、余りにもこの八ツ場献金の金額と、そしてこの献金した企業の異常な落札率、ここはしっかりと問題としていかなければならない、八ツ場ダムについてのこの利権を解明しなければならないというふうに思っています。

 それと同時に、きょうはもう一つ、八ツ場ダムで注目されていることについてお話をしたいと思います。

 十二月二十四日、TBSで特集番組が組まれました。八ツ場ダム砒素問題についての特集番組が組まれたのですが、大臣や副大臣はごらんになられたでしょうか。本当にあの番組で、多くの都市部の人が、ダムがつくられた場合、異常な砒素濃度の水を飲まされる。特に、あの砒素問題でいえば、ダムをつくらない限りは取水地では濃度が低い、だけれども、あそこでダムをつくってしまった場合、砒素は水よりも比重が重いわけですから、入り口の砒素が約十二倍から五倍ぐらいになっていて、それがどんどんどんどん流れ込んでいく。そして、秋、冬、春は問題ないけれども、夏の渇水時に、沈殿した非常に砒素濃度の高い水を飲まされることになれば、本当に八ツ場ダムをつくったら、都市部の住民に危険性が及んでしまうという大きな問題があります。

 そして、その中で、これまでのダム建設に関する環境評価のずさんさが的確に示されました。そして、多くの国民が、今、このダム建設にかかわる環境評価のずさんさに注目をしています。

 そこで、私は、一体、全国のダム、この環境評価はどうやっているんだろうか、きっと、国交省が発注しているダムの環境影響評価をするところは、よっぽど公正中立なところでなければならないと思うし、まさかまさか、ダムの建設会社からお金を集めてつくられた財団法人に発注しているということは、あってはならないと思うし、そうではないと期待していました。

 そこで、調べさせていただきました。このダムの環境評価をして、公正中立が最も求められる団体、財団法人ダム水源地環境整備センターは、多くのダム建設会社から合計十億七千万円の出捐、財団法人でいえば出資は出捐というんですが、出捐を集めてつくられた財団法人です。そして、今、順番にその資料を説明していきますが、五年合計百三十三億、何と落札率九八%という異常な数字で仕事をとっていることが本当にいいのかどうか。国交省からは、事業仕分けの話は国土交通委員会ではありませんよと言われたのですが、大臣に最後にその所見を聞き、後半にはもう一つ、クリーニングの別の質問をしたいと思います。

 まず、一遍めくっていただきたいんです。連日、こうやって、八ツ場ダムの砒素濃度については多くのマスコミから注目をされています。先日も、共同通信で全国に、八ツ場ダムの砒素濃度、もう毎月毎月基準値を超えているというのが公表されています。

 もう一枚めくっていただいて、計量証明書をつけさせていただきました。問題となっている貝瀬地域の砒素濃度、この最新のデータでも、一月十四日時点でも出ていたというふうにこの計量証明書は書いてあります。

 そしてまた、もう一枚めくっていただいて、吾妻川の流域図を見てください。まさにこの八ツ場ダムのとめるポイントの入り口は、貝瀬と与喜屋の二カ所です。そして、この貝瀬の濃度、〇・〇一が環境基準なんですが、一体、まあ右側に書いてしまってはいるんですが、実際に三日月政務官にお聞きします。

 この問題となっている貝瀬で砒素濃度は超えているのかどうかと、今後はさらに調査ポイントをふやすべきだと思うんですが、三日月政務官はどう考えておられるでしょうか。

三日月大臣政務官 村井委員が、八ツ場ダム問題、とりわけこの砒素濃度の問題について精力的に調査をしていただいていることに、まず敬意を表したいと思います。

 その上で、貝瀬地点での数値については、お示しいただいたとおりでございます。

 なお、公表につきまして、これは利根川支川、八ツ場ダムが建設される吾妻川においてこの水質調査を行ってきたんですが、昭和五十年代からずっと行ってきたんですが、風評被害というものを恐れて公表されてきませんでした。それを村井委員の指摘により、また十一月十八日の前原大臣の答弁及びその後の指示により、ことしの一月から、これはさかのぼって、毎月行われていた調査の結果について、ホームページも含めて公表をさせていただいているところであります。

 なお、このポイント数につきましても、調査のポイントをふやすべきではないかという村井委員からの御指摘に沿って、現在、ダムサイト付近と貝瀬、与喜屋の三ポイントでダム周辺においては調査を行っているんですが、なお詳細にこの砒素濃度等を把握するために、ポイントを一つ追加いたしまして、調査を来年度から、平成二十二年四月から行わせていただく予定としております。

村井委員 三日月政務官、そして前原大臣の本当に素早い対応のおかげで、こうやって一番ポイントになっているダムの中心部、もちろん、貝瀬と与喜屋の二カ所から流入してきて、貝瀬でオーバーしているわけですからその中心部は一定程度は薄まると思うんですが、そこのポイントをしっかりとって、二つまざった時点での濃度、そして、そこの部分で、今後万が一ダムをつくった場合、そこに水よりも重い砒素が沈殿していくわけですから、そこをちゃんととらなければならないと思います。そういった意味で、調査ポイントをふやしていただいたというのは本当にすばらしいと思います。

 そして、その次のページをおめくりください。このダム水源地環境整備センターの出捐会社リストを配付させていただきました。

 まず、今の前原大臣や政務官は、できるだけダムに頼らない治水というのを掲げておられます。このできるだけダムに頼らない治水を判断するに当たって、環境影響評価は判断基準の一つに含まれるんでしょうか、どうでしょうか。政務官、お願いします。

三日月大臣政務官 今、村井委員から御紹介いただきましたように、私たちは昨年十二月に、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議というものを設置いたしまして、できるだけダムに頼らない治水のあり方について今検討を重ねていただいておりますし、我々も参加して議論をさせていただいております。

 村井委員御指摘のとおり、環境への影響評価というものは、新しい評価軸を策定するに際しても、また個別ダムの検証、再検証を行うに当たっても含まれる。環境への影響評価というものは含まれるものだと存じております。

村井委員 とすれば、まさに今、判断基準の一つに含まれるということは、ダムを建設するか否かの判断基準もある。つまり、そうであれば、この財団法人ダム水源地環境整備センターにダム建設をするかどうかの判断基準の一つを振るわけですから、当然、公平中立性が求められます。まさかまさか、ダムの建設会社からお金をもらってつくられたような財団ではないというふうに期待しているんですが、そこで政務官にお聞きします。

 この表を、特に「確約書」に入れている各建設会社の名前を見ながら、本当にこのダム建設に当たってダム水源地環境整備センターは公平中立な団体でしょうか、どうでしょうか。

三日月大臣政務官 若干補足をいたしますと、さっき答弁いたしました有識者会議におきまして、ことしの夏ごろをめどに、治水対策を考えていくに当たっての実現可能性及び新しい評価軸というものを策定いたします。当然、その中に環境への影響評価というものが含まれるものというふうに私たちは考えております。

 なお、今、村井委員から資料に基づいて御指摘のあったダム水源地環境整備センター、この出捐者にはダム建設を行う会社も含まれております。そして、私たちもいろいろと調べましたけれども、一般的に、調査業務の請負を行う会社、これはコンサルタント会社も民間会社も財団法人もさまざまあるんですけれども、これらの法人等には、今御指摘のあった財団法人ダム水源地環境整備センターに限らず、その出資者や出捐者にダム建設事業に関連する工事等を受注する企業が含まれている場合があります。

 したがって、私たちは、大切なこととして、基本になることとして、その出捐者、出資者いかんにかかわらず、受注であれ発注であれ、そして工事であれ、それが適切に行われること、及び水質に関しても、調査であれ環境への影響評価であれ、それがダム事業を受注しているいかんにかかわらず、公正に行われることが基本であるというふうに考えております。

村井委員 今の質問をもう一個、前原さんに聞きたいと思うんですが、公平中立かというのを大臣に判断していただきたいんです。

 この確約書で、三日月さんはダム建設会社が含まれると言っているんですが、私が調べさせていただいた感じでは、ほとんどダム関連会社です。本当にこのダム建設をするかどうかのかかわる部分で公平中立性が求められるときに、この財団法人はダム建設側とダム建設反対側との間で公平中立な団体と断言できますか、そうでしょうか。

前原国務大臣 この村井議員が提出された資料というのは、私は極めてすばらしい資料だと思います。

 今、政務二役に私からお願いをしておりますのは、国土交通省の公益法人、このお示しをいただいた財団法人ダム水資源環境整備センターも含めてでございますけれども、他の民間企業などでできるものについてはゼロベースで見直していく、こういうことをお願いしております。

 つまり、民間でできることを何で公益法人でやらなきゃいけないんだ。そして、公益法人については、当然ながら天下りという問題がついて回ります。そういう意味で、私は、財団法人道路保全技術センターというものの解散をまず手始めにやらせていただいたわけでございますが、この財団法人ダム水資源環境整備センターも、その点からゼロベースでまず見直しさせていただくということ。

 あと、この資料のすばらしいのは、ダム受注利益企業から出捐をされているということ、そして、理事長、理事、常勤の役員がすべて国交省の天下りであるということ。これは私は許してはいけない団体であるというふうに思っておりまして、これについては、委員の御指摘がありましたので、ほかの企業で代替できるのであれば基本的にこの財団法人は要らないのではないかという観点から、かなり厳しく精査をさせていただきたい、このように思います。

村井委員 前原さんに大分言っていただいたのですが、もう一回、ちょっと三日月さんに戻らせていただきたいと思います。

 一つは、次のページへ行って、契約のところを、一覧表、四ページにわたって書かせていただいています、見ていただきたいんです。ほとんど随意契約なんです。左側を見てわかるように、ほとんど随意契約なんです。全部かもしれませんね、十九年も二十年も。そして同時に、一番右端に出ている落札率を見ていただきたいんです。いやあ、この落札率のすごさ。

 落札率を平均値でとった場合どうなるかというと、合計値で最後の落札率を出す場合とそれぞれの落札率の平均値を出す場合、数学上、どっちでとっていくかによって最後答えは変わるんですが、合計値からいく場合とそれぞれの平均値の平均をとった場合、どっちにしても五年間の平均落札率は九九・六八もしくは九九・四八です。さらに、五年合計で百三十三億六千万円、随意契約で受注しています。

 三日月政務官にお聞きします。本当に、随意契約でこの落札率、今後もこういうふうに続けるべきでしょうか、いかがでしょうか。

三日月大臣政務官 お答えいたします。

 大臣の前に答弁をして、極めて官僚的な答弁をいたしましたが、事実に関する答弁と、また一般的な考え方に基づく答弁であったということで御了承いただきながら、大方針は、前原大臣初め政務三役で統一をしながら、今、進めさせていただいております。

 委員御指摘のように、天下りする元公務員の多さ、そして随意契約の多さ、それによる払わなくてもいい税金を支出していることの可能性。いずれにしても、そういったものをしっかりと見ながら、この財団法人水源地環境整備センターのあり方についても、今大臣が答弁したように、しっかりと見直してまいりたいと思いますし、当然、その中で、随意契約で発注されている発注体制というものについても、しっかりと見直してまいりたいと思います。

 このダムに関する環境評価についても、既に民間企業も入札に参加し得る発注方式に移行しておりますが、これも我々野党時代にいろいろと指摘していましたとおり、企画競争に当たって、その参加に当たってかなり条件が限定的に絞られている可能性もありますので、その点も含めてしっかりと見直しを行ってまいりたいと思います。

村井委員 ダムについての最後のペーパーを、もう一枚めくっていただいて一番最後のペーパーで、役員名簿を見ていただきたいと思うんです。一番最後のここですね。いやあ、常勤役員三人、やはり国土交通省出身。

 次の質問に入る前に、このダムの最後の質問を大臣に感想をお伺いしたいんですが、先ほどちょっとゼロベースでの見直しと言っていただきました。

 今、第二次事業仕分けで、財団法人に対しての、天下り法人についての事業仕分けなども議論がされています。それも含めまして、この財団法人ダム水源地環境整備センターなる組織に、これまで随意契約で百三十三億、五年間、しかも落札率九八%。そして、実際、今その中で、ダムの環境評価について非常に多くの国民から疑いが上がっている中で、この財団などに環境評価を発注し続けることについての大臣の感想、意気込みなどをお聞かせいただければと思います。

前原国務大臣 まず冒頭、名前が間違っておりましたので訂正いたします。ダム水源地環境整備センターということで、水資源と申し上げておりまして、済みませんでした。

 先ほど御答弁したとおりでありますが、まず、他の民間企業等で代替できるものについては、基本的に公益法人でやるべきではないと私は思っております。あとは、道路保全技術センターでも三年間かけて解散するということは、働いている方がおられますので、解散をする場合にそういった方々へのいわゆる転職、こういったものをどう考えていくのかということもあります。

 そういうことも含めて、私は、今見せていただいた資料を拝見する中で、今の二つの点をしっかり留意した上で、クリアできるんだったら、基本的にこの財団法人は私は要らないというふうに思います。そういう観点で、ゼロベースで見直しを省内で進めていきたい、このように考えております。

村井委員 まず、ダムについては本当にありがとうございました。大臣から、まさにゼロベースで、事業仕分け的な形になるのかどうかはともかくとして、ゼロベースで解散も含めて検討していただけるということに、本当にありがたいと思っています。

 次の課題に入りたいと思います。

 今週の週刊ダイヤモンド、馬淵副大臣はごらんになられたでしょうか。衝撃的な記事が出ています。夕刊紙とかじゃないんです、週刊ダイヤモンドです。全国三万二千のクリーニング業者のうち八割が廃業されるだろうという予想。何が起こっているかというと、中身は、見るもきつい国交省批判がずらずらずらと書いてあるわけです。何が起こったのか。

 これが全国ドライ新聞というクリーニング業界の新聞です。ここでもいろいろな問題が今上がっていて、国交省がクリーニング業界にやっている取り締まりについて書いてあるわけです。何が一体起こっているのか、そしてこの取り締まり、捜査、調査が本当にいいのかどうか、妥当なものなのかどうかについて、きょうはぜひお話をしたいと思っています。

 だから、もう一つ、きょうはダム以外に、配付資料二ということで建築基準法とクリーニングについておまとめさせていただきました。

 確かに今、新聞記事で見れば、いや、あのクリーニング屋も住宅地にあった、このクリーニング屋も住宅地にあった。クリーニング屋さんは工業用地にしかつくれなくて、住宅地や商業用地につくっちゃだめなんだという建築基準法になっているんですが、ここにおられる全議員の皆さんにお聞きします。本当に皆さんの選挙区でクリーニング屋さんは工業用地にありますか。それとも住宅地や商業地にありますか。ですよね、住宅地や商業地に普通あるんです。それを建築基準法上、いやあ、工業用地でしか、建築基準法違反になるんですといって、今、次から次へと新聞で、片っ端から住宅地や商業地にあるクリーニング屋さんが上がっているんです。

 さて、一枚おめくりいただきたいんです。さらにこの調査が厳しくなっています。全国三万カ所立ち入りが発表されました。きょくとうさんの名前がちょっと出ているんですが、きょくとうさん以外に、今調査が入ったところは片っ端から違反、違反といってやられています。でも、正直私は、違反じゃないクリーニング屋さんというのを本当にほとんど見たことがないんです。左側できょくとうの社長の会見の記事が上がっています。いやあ、業者の八五%がそんなの言ったら抵触していますよと。そうなんです。

 実際、これが、本当にがちがちにやることで、今、魔女狩りという言葉が上がっています。調査が入ったところはどこの会社でも上がっていく。上がらないところはこういうところなんです。商業地もしくは住宅地に取次店だけあって、工業地に持っていってクリーニングをするようなところだけは上がりづらいんですが、実際、世の中のクリーニング屋さんというもののほとんどは、一部の大手チェーン店を除けば、その場でやっておられるんですよ。

 さて、その次へおめくりいただいて、実態調査を一月二十八日に始めましたという国交省の記事です。同じものがこの全国ドライ新聞でも上がっていて、違反が判明した場合は是正指導をというふうに書いてある。

 今、順番にマスコミがばばっと入っていって、こいつも住宅地にあったといって書かれたらどうするか。廃業するか、もしくは工場地へ移ってくださいと言われる。でも、皆さん、工場地でクリーニング屋をやって商売になりますか、どうでしょうか。ちょっとそこを冷静に考えて、今もっと現実的な対応をしなきゃならないという話をきょうしたいと思うんです。

 その次のページを見ていただきたいんです。六種類のクリーニング溶剤について書かせていただきました。

 石油系溶剤がだめだ、だめだというふうに書いてある。国交省の人から言われました。いや、石油系溶剤がだめなんだから、別の溶剤だったらいいんじゃないかと。ところが、クリーニング屋さん、今回、いろいろな人にも話を聞きました。いや、今まで役所から言われて、ほかの溶剤を使っていたのを石油系溶剤に変えるように言われてやった。具体的に言うと、実は建築指導課じゃなくて、保健所から言われて、ほかの溶剤を使っておられた方が石油系溶剤に移っているんです。

 まず、一番上にあるフロン、もう御存じのとおり、フロンは製造、輸入が禁止されています。それからトリクロロエタン、これも製造、輸入が禁止されました。代替フロンも二〇二〇年に全廃が決定しています。

 そして四番目、今、石油系溶剤が九〇%近いシェアを占めています。正確に言うと、この全国ドライ新聞によれば、八八・二%が石油系溶剤です。

 そして、その次がパークロ溶剤、パークロロエチレンとかと言われるんですが、これは約一〇・二%。ただし、このパークロ溶剤を使っていたところも保健所から言われるんです。いや、これは土壌汚染防止法違反になるから石油系溶剤に変えてくださいと言われて変えるんです。大体、このパークロロエチレンというのは、二十五メートルプールにスプーン一杯ぽんと落ちただけで水質汚染防止法にひっかかってしまうぐらい、本当に扱いづらいんです。

 最後に言うのは、もう一個、ソルカンという、もう本当にシェアが一パーもない珍しい溶剤があるんですが、結局、今、事実上、石油系溶剤とほとんどないソルカン系溶剤以外は、ほぼ制限されて、禁止されているんです。

 そんな中で、馬淵副大臣、本当に今回、住宅地にあるクリーニング屋さん、商業地にあるクリーニング屋さん、ほとんどのクリーニング屋さん、実際は、このパネルにあるように、赤いのが石油系溶剤、青いのがパークロ溶剤です。ほとんど石油系溶剤を使っているのが実際なんです。それ以外のものは事実上使えない。そして、パークロ溶剤は土壌汚染防止法や水質汚染防止法で徹底的に取り締まって、今、さらにシェアを下げて石油系溶剤へ移すように指導しておきながら、住宅地や商業地で石油系溶剤を使っちゃだめだということが本当に現実的なのかどうか。

 そして、後でお答えいただきたいのが、では、この六種類の溶剤のうち、どれを使うのかということをお聞きしたいんです。ソルカン系溶剤と石油系溶剤の二つが残っているというふうに役所が説明しますが、ソルカン系溶剤が何で一%もシェアがいかないのか。

 その次のページをめくっていただきたいんです。「溶剤特性比較表」というのをつけさせていただきました。

 KB値というのが油脂溶解度、つまり、汚れ落ちがこのKB値なんです。ソルカン系溶剤がほとんど使われなかった理由というのは、実は汚れ落ちが弱いからなんです。大手メーカー、チェーン店などは、実はソルカン系溶剤も使うんです。例えば女性がパーティーとか何かのときに着るような、あと、ファッション系の、ドレス系のものとか、本当に繊維の弱いものは、ああいうのはもちろんソルカンで洗うんです。ところが、それ以外のものは、大体、石油系かパークロでやらないと汚れがきちんと落ちない。

 さて、だから、実際ソルカンが今こういう状態になっている中で、まず、馬淵副大臣、一体、住宅地や商業地のクリーニング屋さんに、この六種類の溶剤のうち、どれを使っていただくべきだとお考えでしょうか。

馬淵副大臣 村井委員にお答えをさせていただきます。

 村井委員の問題意識として、昨年七月、さらには十二月、ドライクリーニング業界大手がこうしたいわゆる建築基準法違反にかかわるのではないかという報道を受けて、真摯に取り組んでおられるということも、大変承知しております。

 さて、御指摘の点でございますが、まず、整理をさせていただきたいと思います。

 私どもで現在調査を行っているものにつきましては、これは実態調査ということでございまして、これをもって即座に是正を求めるというものではございません。現在、建築基準法の用途規制におきまして例外許可を行うことが可能とされている、このことにつきまして私どもとしては検討していきたい、こう考えております。

 現状、このドライクリーニングの工場、溶剤がどのようなものが使われているか、消防法の届け出、また、業法におきましては厚生労働省所管となりますので、こういった中で、実態がどのような状況かということをしっかりと把握させていただく、そのための調査を進めておるところでございます。現在、これにつきましてはワーキングチームを設置して、この夏ごろをめどに一定の指針を打ち出してまいりたいというふうに考えております。

 その上で、今、溶剤の御指摘がございました。大変専門的な観点から御指摘もいただきましたが、この溶剤につきましては、私ども国土交通省所管の部分としましては、溶剤を何らか定めるものではございません。溶剤につきましては、いわゆる業法に基づく届け出事項となっておりまして、これは条例で任意に定めているというものであります。

 したがいまして、現在、私どもの所管ではございませんが、厚生労働省において、条例でどのように定めているかの調査、これもあわせて厚生労働省の方にお願いをして実施する等、具体的な検討に向けて今進めておるところでございます。

 こういった観点から、村井委員の大変御懸念の部分、現状をかんがみると、三万社にのぼるような現行ドライクリーニング工場がすべて違反になってしまうのではないか、廃業に追い込まれるのではないか、こういった御懸念の部分につきましては、私どもとしては、建築基準法四十八条に基づくただし書きの見直し、ここも、運用も含めて、現在、調査結果を踏まえて皆様方に周知をさせていただきたい、このように考えております。

村井委員 もちろん、厚労省がやることなのでといっても、残念ながらクリーニング屋さんの多くは、国は国、役所は役所なんです。いや、保健所が石油系溶剤を使うよう言った、今度、建築指導課から石油系溶剤はだめだと言われた。何もないですよと。いや、あれはあれ省で、これはこれ省でと言われても、実際クリーニング屋さんにしたら、国は国、県は県、市は市なんですよ。どれもこれもだめだと六種類全部つぶれてしまったというので、本当に今困っている。

 今、では後で、七月までには対策しますと言っているけれども、実際、三月末に全国調査が公表されてしまうわけです。今現在でも、片っ端からマスコミが入って、こいつも住宅地にあったといってばんばんばんばんやられて追い込まれている中で、私は、三月末の取りまとめよりも先に一定のメッセージを出せないと、大変なことになると思っています。今でも順番に、こいつが違反、こいつが違反といって実際新聞に出ていますよ。

 もし、住宅地で使っても今すぐに違反じゃなくて、具体的な安全対策で是正するんだという政令や通知、通達を出していただくだけで、大分違うと思うんですが、馬淵さん、どうでしょうか。

馬淵副大臣 まず一点、重ねての答弁をさせていただきますが、私どもとしては、この溶剤の制限については所管ではないということを申し上げましたが、一方で、村井委員御指摘のように、大変現場としてはお困りである、こういった観点から、国土交通省としては、厚生労働省、そして消防法の管轄となります消防庁、これら三位一体となってこの問題について連携強化をして取り組んでいくということを進めております。

 したがいまして、私どもは所管でないからということで突き放すのではなく、この問題については、建築行政の立場に立って、三省庁合わせて取り組みをさせていただくということでございますので、御理解を賜りたいというふうに思います。

 その上で、今御指摘ございました、三月末で公表して、それで七月でというお話がございましたが、正確に申し上げると、取りまとめについて一定程度私どもとしては期限を区切っておりますが、夏ごろを目途に指針の策定をさせていただくということでございますので、それ以前に何らかの形で公表なりをするということではございません。あくまで、私どもとしては一定の期限を持って調査を行っております。

 そして、それとあわせて、先ほど来申し上げたように、四十八条のただし書き、これらの運用について取りまとめを行い、皆様方に周知徹底をさせていただく、このように考えております。

村井委員 そこで、四十八条ただし書きという話があったので、次のページを皆さんめくっていただいてよろしいでしょうか。

 ちょっとわかりづらい話だったかもしれません。つけさせていただきました。建築基準法四十八条違反ということになってはいるんですが、建築基準法四十八条は、十五個のそれぞれの項目すべてに「ただし、」というのがついているんです。「ただし、特定行政庁が」云々かんぬんで、それぞれ、環境を害するおそれがないと認め、また公益上やむを得ないとして許可をした場合においては、この限りでないというのが、すべての条項についているんです。つまり、この四十八条ただし書きの解釈によっては、本当に今言っている八割のクリーニング屋、片っ端から上がるようなことがないはずなんです。

 そこで、馬淵副大臣にこの解釈をお聞きしたいと思います。

 先日もちょっと国交省といろいろ打ち合わせをしていたときに、具体的な解釈について何点かおっしゃっていただきました。そこも含めて、具体的にどうすれば建築基準法違反にならないのか、何個かを例示いただくことは可能でしょうか。

馬淵副大臣 現在検討中でございますが、具体的にどのような対策を考えているかということで、現状を申し上げさせていただきます。

 まず、一点目に関しましては、引火性溶剤の保管方法でございますが、これにつきましては、低温で管理、そして、保管容器にアースを設置、屋外に設置または換気装置をつける等の対策、このような対策を設けることによって一つの尺度とさせていただきたい。

 二点目は、乾燥機等の爆発防止策でございます。これにつきましては、静電気モニターの設置、溶剤の冷却装置の設置、静電気が滞留しないよう、溶剤の濃度管理装置の設置、窒素充てん装置の設置、アース設置等の対策、これらを施すことによって一定の尺度とさせていただきたい。

 三点目は、建築物の防火措置でございます。これは、溶剤の保管場所と作業スペースを分離させる、熱源と乾燥機、溶剤の設置スペースの間に一定の距離をとる等の対策、これらが想定されるところでございまして、これら対策を総合的に講じるということでただし書きの解釈とすることが可能であるかということの検討を今進めております。

 以上でございます。

村井委員 馬淵さんにお聞きします。

 ということは、今マスコミなどで上がっている、このクリーニング会社もこのクリーニング会社も違反だといって、どんどん廃業やそれから工場移転に追い込まれていますけれども、今のこの現状と方針を一定程度転換し、石油系溶剤であっても三点の安全対策などを設ければクリアできるという方針転換がされると思ってよろしいんでしょうか、どうでしょうか。

馬淵副大臣 方針転換というよりも、むしろ、この四十八条ただし書きを現状に即した形でしっかりと、そのあいまいさを残さないような形で対応させていただくということでございます。

村井委員 それでは、最後に大臣にお聞きします。

 この問題で、今まさに片っ端からどんどん取り締まり、調査され、国交省がやっていないにしても、マスコミに摘発され、次々と廃業に追い込まれていっている中、本当はそうじゃなくて、国交省は、六種類のものの中で、今、ほかとの調整もちゃんとやる、そして、現状の中でちゃんと安全対策をやればいいという、そういった方針にして、クリーニング屋さんが今後も営業できるようにするべきだと考えるんですが、大臣の感想などをお聞かせいただければと思います。

前原国務大臣 先ほど、馬淵副大臣が答弁させていただいたとおりでございますけれども、村井委員が御指摘をされましたように、建築基準法四十八条のただし書き、この例外規定が具体的にどういうものなのかという運用方針をしっかり策定して、そして、特定行政庁に周知していくことによりまして、現場での混乱が生じないように努めてまいりたいと考えております。

村井委員 ありがとうございました。

川内委員長 村井君の質疑は終了いたしました。

 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利です。

 最初に、建設業の現状に対する認識と今後の対策についてお伺いをいたします。

 現在、建設業とそこで働く方々は、大変厳しい状況にございます。総務省の労働力調査の臨時統計を見ますと、二〇〇〇年に六百五十三万人を数えていた建設業の従事者が、二〇〇九年には五百十七万人に減少をいたしています。十年間で百三十六万人が急激に減少をいたしております。事業所・企業統計を見ても、二〇〇一年から二〇〇六年にかけまして、この期間は景気回復期間ではあったわけでありますが、事業所の数が約六万減っております。

 また、昨年十二月に公表されました平成二十年の建設業構造基本調査の調査結果を見ましても、建設業者一社当たりの平均従業員が三年前と比べまして一一%減少、さらに、総工事数に占めます原価割れ工事の比率が六八・五%、実に七割近くの工事が赤字も覚悟で行われているという驚くべき数字であります。

 建設業は、下請、孫請の重層的な構造で成り立っておりますが、建設業を取り巻く経営環境の悪化は、地域の中小企業になるほど厳しい状況にあるのではないでしょうか。この建設業の現状をどのように認識しておられるか、大臣にお尋ねをいたします。

前原国務大臣 中島委員にお答えをいたします。

 現在、建設業者の数は五十万社余りでございますけれども、年間百万円以上の工事を受注している企業はその五分の二程度ではないかと思っております。

 今回、政権交代によりまして、コンクリートから人へということで、公共投資額は減らし、また、医療、介護、年金等の社会保障、教育、子育て支援、こういったものに、よりお金の配分をしていくということで、公共投資はさらに減ることになります。

 ここで、私がまず委員に申し上げたいことは、地域が疲弊をするのではないかという見方がございますが、これは私は若干偏った見方だと思っております。公共投資は減りますが、子育て支援の子ども手当、それから農業の戸別所得補償、そしていわゆる交付税の増額、あるいは高校の無償化、こういったものをトータルで考えたら、プラスマイナスで考えますと、大体どこの県も地域に落ちるお金というものはプラスになります。

 しかも、公共事業というのは、これは我々で調査をしたところ、地元に落ちるお金というのは公共投資額の約五八%平均であります。つまりは、ゼネコンなんかは東京、大阪に本社があるわけでありまして、地域にお金がなかなか落ちないんですね。そう考えると、鳩山政権、三党連立政権において、地域に落ちるお金はむしろふえたんだということであります。

 ただ、問題は、中島委員が御指摘のように、公共投資が減る中で、建設業の経営は難しくなり、そして雇用というものは大変厳しい状況になる。その点をどう我々は、職業をかえていただくのか、農業、漁業、観光あるいは福祉、こういったものへの職業転換をいかに円滑にしっかりやっていくかということを、成長戦略の策定の中でも大いに議論させていただいておりますし、そういったことをしっかりやっていく中で、我々としては、何とか建設業で働いておられる方々の、全体の意味での雇用というものをしっかりと守っていくための取り組みをしていかなくてはいけない、このように考えております。

中島(隆)委員 今後の財政のあり方、公共工事の見直し方、そして地域の生活再建、この方向についてはわかるんですが、特に建設業というのが六百万人の産業で、雇用の受け皿であったわけですね。それが今回の予算で公共工事が一八%の削減をされる。今言われた予算づけで、かなり新たな産業興しあるいは雇用も出てくる可能性はあるんですが、しかし、やはり公共工事の今後のあり方、これはどうするのか、どのような今後の重点的な政策をとられるのか、その点を、政務官、お尋ねいたします。

長安大臣政務官 中島委員にお答え申し上げます。

 今大臣からお話し申し上げましたように、公共事業というものは、今後、抑制していかざるを得ないというのが現実でございます。そういう中にあって、いかに民間の知恵あるいは資金というものを使ってしっかりとインフラを整備していくか、そういった中で建設業が活躍をしていくことを期待しておるわけであります。

 この平成二十二年度の予算の中におきましても、さまざまな、そういった建設業を後押ししていこうという施策も入れさせていただいております。例えば、一千億円規模のあの住宅エコポイントもそうでございますし、また、建築基準法の運用改善、これはこの間、確認期間が長くなったというような御指摘もございましたので、運用を改善することによって期間の短縮を図っていこうということも目指しているわけであります。そうすることによって、民間の需要の喚起を行っていく。さらには、農林業、観光、介護といった分野へ新たに進出していただく、海外市場への展開ということも積極的に図っていくことも重要だと考えております。こういった海外への展開については、国土交通省の中に設けました成長戦略会議の中でも、今まさに議論をさせていただいておるところでございます。

 公共工事においては、地域企業の適切な評価、さらには実効性のあるダンピング対策を徹底して、下請企業の保護や金融面の支援等についても取り組んでまいる所存でございます。

中島(隆)委員 今度の予算の中にも、今おっしゃったエコポイント、さらには建設業の活力の回復に向けての下請保全、こういうことが盛り込まれております。しかし、先ほど前段に申し上げましたように、箱物、大規模公共工事の見直しが今後なされます。公共工事の見直しが起こるわけでありますが、ぜひ、中小企業の公共事業のあり方あるいは今後の事業の計画、これについては十分配慮をし、取り組んでいただきたいというように思います。

 それでは次に、公契約法の制定についてお尋ねをいたします。

 不況になると、民間、公共の工事を問わず、そのしわ寄せが、施工単価や賃金の切り下げとして、末端の事業者や現場で働く労働者に向けられます。このような状況のもと、とりあえず、公共工事において工事の質と建設労働者の賃金、労働条件の安定を確保するため、公契約法の制定を検討すべきではないかと思います。

 総理の施政方針演説に対する代表質問で、同僚の重野議員が公契約法の制定を求めました。総理の答弁は、賃金、労働条件のあり方は、基本的に労使間で自主的に定めるのが原則であるという答弁でございました。しかし、千葉県の野田市は国に先駆けて、昨年、公契約の条例を制定いたしました。また、野党時代の昨年、民主党、社民党などで、国の公共工事で労働者に支払われる報酬に最低基準を設ける公共工事報酬確保法案の提出を検討してきた経緯がございます。ですから、公契約法の制定に向けてぜひ前向きに検討を始めていただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。

前原国務大臣 委員御指摘のように、建設労働者の賃金、そして労働条件の安定とあわせて、公共工事の質の確保を図ることは大変重要なテーマであると認識をしております。委員が御指摘をされました公共工事報酬確保法案あるいは公契約法というものについては、以下のようなポイントを重視されていると思います。

 まずは、国による賃金規制、あるいは規制する賃金水準の設定、それから建設企業への影響、こういうものが影響として出てくるのではないか、論点があるのではないかと思っております。したがいまして、注意深く議論をしていかなければ多方面に大きな影響が及ぶテーマではないかと思っております。

 委員の問題意識も、ポイントとしては私どもも十分理解をしておりますので、まずは、国土交通省といたしましては、労働条件の安定化のためにできることをやっていこうということで、実効あるダンピング防止対策の徹底ということで、これもさまざまな施策を今取り組みをしております。それと同時に、元下関係の適正化、総合的な取り組みをしっかり実施してまいり、また、御提言をいただいた公契約法あるいは公共工事報酬確保法案の中身も精査をさせていただいて、我々としても検討をさせていただきたい、このように考えております。

中島(隆)委員 注意深く、今後ダンピング等の防止等を図るということでありますが、現状は、労働者の環境というのは大変な状況にございます。公共工事は地域の景気対策、雇用の安定を図る重要な施策でもあります。国民が豊かで安心して暮らすことのできる地域社会をつくるのが公共事業でありますし、公共事業を支える労働者の生活と福祉、公助、これも国の責務であるというふうに考えております。地方がこういう契約法に取り組みつつあるわけですから、国もひとつぜひ前向きに取り組みの検討を始めていただきたいと思います。

 次に、予算委員会でも前原大臣に質問させていただきましたが、社会資本整備交付金についてお伺いいたします。

 この交付金については、ばらばらに支出していた個別補助金を原則禁止することで、自治体にとって自由度の高い総合的な交付金になると説明されています。しかし、公共事業全体が削減する中、実際には必要最低限の整備しかできず、自由裁量が高くなるというより、インフラ整備全体がおくれるのではないかという懸念が自治体の中には少なくありません。

 そこで、補助金、補助事業を原則廃止していくのであれば、地域のニーズを一番把握している自治体との関係を緊密にして、自治体の要望、意見に真摯に耳を傾け、生活に密着をした事業、環境に優しい事業への予算を十分確保しつつ、自治体の自由裁量を尊重する制度にすべきではないかというように思います。前原大臣にこの点についてお伺いいたします。

前原国務大臣 首長を経験された中島議員が具体的に地域の懸念として御発言をされていることは、重く受けとめなくてはいけないと思っておりますが、我々としては、この社会資本整備総合交付金というものが、従前の補助金と比べて、地方の使い勝手はむしろ向上すると思っておりますし、必要な地域に必要なタイミングで必要な額の資金が無駄なく配分されると考えております。また、限られた国の財源を緊急性の高い事業に効率的、効果的に配分する仕組みだと思っておりますし、継続事業に支障が生じないような経過措置も設けさせていただくこととしております。

 以上のような観点で、私は、近い将来には一括交付金というもの、その先にまた権限、財源の移譲というのが行われてくると思いますけれども、その過渡的な、より分権の進んだ交付金だと思っておりますので、どうか、運用に遺漏のなきようにしていきたいと思いますので、首長経験者である中島先生のまたアドバイスもいただきながら、運用については万全を期していきたい、このように考えております。

中島(隆)委員 特にお願いをしておきますが、今後、公共事業、生活に密着した公共事業あるいは環境に優しい事業の予算の拡大をしていただきたいと思います。

 それでは次に、交通政策について質問をいたします。

 香川県高松市のフェリー会社二社が、百年の歴史を持つ宇高連絡船の航路を三月に廃止すると発表いたしました。先日、関係市長が前原大臣とお会いいたしまして、支援の要請をしたという報道を見ました。昨年三月に始まった高速道路料金の大幅割引の影響は無視できないと思います。

 今後、高速道路料金の段階的な無料化や料金の上限制などが進んでいけば、フェリーなどにとどまらず、鉄道やバスといった公共交通機関の経営に大きな影響を与えるものと私も危惧いたしております。また、料金収受部門でも一万三千人の社員がいるとされる高速道路会社の社員の雇用にも影響を与えかねません。

 来年度の社会実験計画で影響を調査するということでありますが、高速道路料金無料化が公共交通機関に与える影響を現時点でどのようにお考えなのか、そして、影響が無視できない場合、どのような対策を講じられるのか、お尋ねをいたします。

馬淵副大臣 中島委員にお答えをいたします。

 質問は二点あったというふうに認識させていただきますが、まず、高速道路の無料化社会実験としまして平成二十二年度に予定しております一千億円規模の無料化社会実験が、公共交通機関に及ぼす影響ということでの認識と対策という質問だというふうに理解をさせていただきます。

 常々申し上げておりますように、私どもとしましては、今回、社会実験ということで、全国高速道路網の中で、まずは地域経済への効果、さらには渋滞、環境への影響、そして他の公共交通機関への影響、これらを検証することを目的として路線区間を選定させていただきました。

 当然ながら、その影響というものは、この社会実験の段階で及ぼすこともあるのではないかということも十分に踏まえながら、今般、一千億円規模ということで、影響が少なくとも考えられる部分ということについては、これを避けながら路線を選定させていただきました。一方で、この社会実験を行いつつ、皆様方の理解を得ながら、その影響というものにつきましては逐次リアルタイムで把握をしながら、次への施策につなげてまいりたいというふうに考えております。

 そして、料金制度についてのお尋ねもございましたが、これに関しましても、私どもとしましては、現行の料金制度が非常に複雑になってしまっている、また、委員の御指摘のように、一律上限千円、土日祝日限定でございますが、これが極めて不平等感の高いものであったということも言わざるを得ないということから、料金の抜本的な見直しも検討しております。

 これについての公共交通機関への影響ということも十分配慮しながら、検討を進めさせていただいております。

 以上でございます。

中島(隆)委員 特に鉄道、フェリーなど競合する交通機関、大変危機的な、非常に反対という立場での主張が多うございます。ぜひ、今後十分検証していただいて、対策も講じていただきたいというふうに思います。

 それでは、関連して、地方の公共交通機関ですが、この十年余りで地方の鉄道、バス路線は大きく減少しました。地方の私鉄でいえば、二〇〇〇年から二〇〇八年まで二十六路線、五百九十五キロが廃止になりました。同様に、乗り合いバスも一九九六年から二〇〇五年まで三千百六十七路線、九万キロが廃止をされております。その要因がすべて規制緩和政策にあるとは言えませんが、採算だけが強調され、地方路線が切り捨てられています。

 一方、六十五歳以上人口が二〇%を上回るような高齢化社会で、交通弱者と言われるお年寄りの足を守る、あるいは地域の再生や温暖化対策としても、公共交通機関に寄せられる期待は大変大きいわけでございます。公共交通機関、とりわけ鉄道、バスの地方路線を推進するには、事業者だけにその責任を求めるのはもはや限界であります。国の積極的な支援が不可欠でありますが、いかがでしょうか。

辻元副大臣 ただいま御指摘の公共交通のトータルなあり方の見直しをしようということで、今、交通基本法の策定を担当しております私の方から答弁させていただきます。

 やはり原因は、マイカーに頼るということもありますけれども、御指摘の規制緩和のあり方の見直しという観点と、この間進んできた都市と地方の格差の問題、それから一つは、財政の制約のある中で国や地方自治体の支援がどこまでできるかとか、さまざまな要因が重なって地域のバスやそれから離島航路などが非常に厳しい状況にあるという認識を国交省の中ではしっかりと持って、そして、どのようなあり方がいいのかを根本から見直していこうという作業を今しております。

 その中で、今回の予算では百九十三億円、地域公共交通活性化・再生総合事業制度を初め、バス、それから鉄道、離島航路などに予算はつけさせていただきました。しかし、これで十分なのかどうかという議論を本委員会でも進めていってほしいなというように思っています。

 といいますのも、これから温暖化の問題が深刻になってきます。その中で、鉄道や乗り合いバスというのが今まで以上に重要になってくるだろう。それから、高齢化が進む中で、先ほどマイカーと言いましたけれども、御自分で運転できない方がたくさん出てくるわけで、そうしますと、本当に、特に高齢化率の高い地方の、それも採算がとれないような路線を廃止するということは、人の命にもかかわると言ったら大げさですけれども、それに近いような状況を招きかねないという深刻さを持っていると思います。

 ですから、バス、それから鉄道、さらには離島航路、それから離島の航空もあります。これをトータルに私たちがどう再生していくのかということを、交通基本法案を、これは民主党と社民党が前政権時代から国会に提出しておりましたけれども、言葉は悪いですけれども、葬り去られてきたんですよ。その法案をつくり続けてきた意味は、総合的な公共交通の政策全体を見直そうじゃないかという趣旨でしたので、野党時代からこれはずっと野党の中で議論してまいりましたので、国交省の中でさらに議論を加速していきたいと思います。

 ちょっと長くなって恐縮なんですけれども、その過程も大事だと思うんですね。これは業者と役所と自治体だけが話し合って済む話じゃなくて、利用者の人たちの意見をどう入れていくかということもとても大事で、その総合的な公共交通を見直すプロセスも変えていこうということで、今国交省の中に、交通基本法案策定に当たっていろいろな方々をお招きしましてのヒアリングをやっております。その中には、業者の方もいらっしゃいますが、例えば、障害者の介護をずっとやっていらっしゃる方からの視点とか、それから実際に離島航路で苦戦されている方々の視点とか、さまざまな立場の方をお招きしましてのヒアリングもやっております。ですから、その決めていくプロセスも、生活者であったり地域の人たちの声もいかに吸い上げていくかという中で見直してまいりたい。

 移動の権利という言葉も出てきまして、衣食住といいますけれども、衣食住だけでは人間は生きていけないと思います。例えば、衣食住で家があっても、お年寄りになって家の中で引きこもりで、独居老人で自分一人で外に出られないということになったら、その人の人生は本当につらいものになります。

 移動というものをパブリックがどこまで保障していくのか。居住の権利というのは、条約も国連でできましたけれども、移動の権利というものをどう考えていくかというような理念の議論も、私はこの委員会でぜひきちんと御議論いただきたい。ただ、権利だけではなく、財政の制約もある中で、どこまで国がやり、そしてどこまでNPOや自治体や地域の方にも頑張っていただけるのか、そういう具体的な議論をこれからしていきたいというように思っております。

中島(隆)委員 時間が経過しておりますので質問を終わりますが、今お話がありましたように、交通基本法にはぜひとも、地域の住民の利用者の声はもちろんですが、危機的状況にある公共交通の維持、再生、これも十分盛り込んでいただきたい。

 残りました並行在来線については、次の機会に譲りたいと思います。終わります。

川内委員長 中島君の質疑を終了いたします。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十六分散会


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