衆議院

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第3号 平成22年2月26日(金曜日)

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平成二十二年二月二十六日(金曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 川内 博史君

   理事 阿久津幸彦君 理事 小泉 俊明君

   理事 田中 康夫君 理事 橋本 清仁君

   理事 村井 宗明君 理事 岸田 文雄君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 竹内  譲君

      阿知波吉信君    磯谷香代子君

      加藤  学君    勝又恒一郎君

      神山 洋介君    川島智太郎君

      川村秀三郎君   菊池長右ェ門君

      熊田 篤嗣君    黒岩 宇洋君

      小林 正枝君    中川  治君

      中島 正純君    長安  豊君

      畑  浩治君    早川久美子君

      馬淵 澄夫君    三日月大造君

      三村 和也君    向山 好一君

      谷田川 元君    若井 康彦君

      金子 一義君    金子 恭之君

      北村 茂男君    古賀  誠君

      佐田玄一郎君    橘 慶一郎君

      徳田  毅君    林  幹雄君

      斉藤 鉄夫君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    柿澤 未途君

    …………………………………

   国土交通大臣       前原 誠司君

   国土交通副大臣      辻元 清美君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   国土交通大臣政務官    三日月大造君

   国土交通大臣政務官    藤本 祐司君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  石井  章君     磯谷香代子君

  赤澤 亮正君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     石井  章君

  橘 慶一郎君     赤澤 亮正君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

川内委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内譲君。

竹内委員 公明党の竹内譲でございます。

 私と大臣は同じ初当選、平成五年でございまして、穀田さんも同じ初当選で、昔の中選挙区のときの京都一区で初当選をさせていただきました。大臣に質問をさせていただけるということで、きょうは楽しみにやってまいりました。

 もう大臣の性格も気質もよく存じておりますので、京都弁でおきばりやすという言葉があるんですが、きょうはそんなに気張らぬと、率直に、いろいろな質疑をありのままにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 言うまでもなく、公明党は、その名前のとおり公明正大を旨としておりまして、そしてまた、人間のための政治というのを目指してもう四十五年も前からやってまいりましたし、最近、鳩山総理が人間のための経済という言葉をお使いになって、私どもも大変共感をするところはあったわけでございます。しかし、政権交代もいたしまして野党にもなりましたので、当然、与党を監視するという役割がございます。これはしっかりやらなければいけないというふうに思っております。しかしながら、いいものについては賛成を当然していく。また、足らざるところにつきましては、我々の方でもまた提案もさせていただきたいと思っておるわけでございます。

 最初の所信の質疑ということで、きょうは最初に政治主導についての大臣の見解をお伺いしたいんです。ちょっとかたい話になりますけれども、最初に私なりの政治主導についての考え方を述べさせていただきまして、その後大臣のお考えをお伺いしたいというふうに思っております。

 昨今、民主党の皆さんを中心に、官僚主導に対置する言葉として政治主導ということをおっしゃってきたわけでございますが、そもそも、民主主義国家におきましては政治主導というのは当たり前のことであると私は思っておりまして、何ら目新しいことではない。

 ただ、これが言われるようになった背景には、これまで、やや、政治側が官僚の皆さんに任せていたことが、いつの間にか政治の側がコントロールできなくなってきたのではないか。そういうような事態が多発してきたということがあると思います。また、申し上げにくいことですが、官僚の皆さんの側にも、政治の側のわきが甘いことを見抜いて、少し調子に乗ってやり過ぎてしまったという部分があるのかもしれない、こういうふうに思うわけでございます。

 しかし、いずれにいたしましても、民主主義の本来の原則に戻るというのが政治主導の意味なんだというふうに私は思っておるんです。ただ、政治主導と申し上げても、この世に起きるすべてのことを政治が決めるとか差配するということではないだろうと思うわけであります、もちろん政治あるいは政治家というのは万能でもございませんし。

 そこで、私なりに、政治の基本的役割というのは、今の日本では、議会制民主主義を通じて、国家の枠組み、基本的役割を決定することによって、逆に人々の自由な権利を保障していくということが原点にあったと思うんですね。これが民主主義の歴史であったというふうに思っております。そういうことで、人類のさまざまな政治体制をめぐる実験の中で、そういう意味で、国家と自由の問題が検証され、また修正されたりしながら今日に至ってきたというふうに思っているんです。

 すなわち、自由主義体制であるとか社会主義体制であるとか、資本主義体制であるかあるいは共産主義体制であるかとか、それから、それらのバリエーションとしての社会民主主義とか国家社会主義であるとか、あるいはまた別の角度からいうと、最近、市場原理主義とかいう言葉も使われますし、また福祉国家という言葉も一時使われました。また、小さな政府か大きな政府か、こういう区分けもされてきたわけでございます。

 私が何を申し上げたいかというと、そういう歴史の中で、政治がやるべき分野と官僚に任せるべき分野、そして国民の自由でやっていくべき分野がそれぞれやはりあるんだろうと思うんですね。もちろん、その境界線のところはいろいろあるんですけれども、しかし、これまでの歴史からいうと、国家と自由という問題が政治の非常に重要な問題でしたから、政治主導といっても、国民の自由に介入するということはできる限り慎重でなければならないというふうに思うんですね。

 ただし、自由放任というわけにいきませんから、公正公平な競争の担保であるとか、あるいは国土交通大臣がされているような安全の確保などのさまざまな規制というのは、当然やらなければならないと思います。ただ、問題になるのは、例えば民間の経営とか、そういうところはやはり基本的には民間の責任でやってもらうということで、そこに政治の側がどうしろこうしろというのはできる限り抑制的に考えるべきなんだろう、こういうふうに私自身は思っているんですね。

 そういう意味で、政治主導といっても、政党、政治家がいつも正しい判断ができるわけではなくて、権力の側に立つ者は謙虚に各方面の国民の声に耳を傾けて、慎重な権力行使が求められているというふうに思っておるんです。これが私なりの政治主導の考え方でございまして、まず最初に大臣の御見解を賜りたいと思います。

前原国務大臣 竹内委員にお答えをいたします。

 先ほどおっしゃったように、初当選が同じで、中選挙区定数五の京都一区でございましたけれども、まだ来られていませんが、穀田恵二さん、それから伊吹文明先生、唯一引退されたのが奥田幹生先生でありましたけれども、あのときのトップ当選は穀田恵二さんでありました。

 今の政治主導ということについてお答えをさせていただきますと、私は、自民党の政治というものがすべて悪かったなんということはさらさら言うつもりはありませんし、私の支持者や、さまざまなところに応援に行ったときにも、自民党の政治が果たしてきた歴史的な役割というのは率直に評価をすべきだということは、常々私は申し上げているところであります。

 ただ、一つ二つ変えなきゃいけないことがあって、我々民主党にその役割を任されたとすれば、これは、我々が政権をとったらまた同じことが降りかかってくるわけでありますけれども、政権の座に着けば着くほど官僚との関係というのは密接になってくる。そうなると、政権交代の直後というのは、極めて緊迫した緊張関係にあるわけでありますので、我々としては方向性を示して、そして、それについて役所が、その政治が示した方向性についての具体的な執行案というものを持ってきて、それを施行していく、こういういい緊張感というのがあると思いますけれども、仮に政権交代がなくずっと続いていくと、これは恐らく民主党も同じことになるだろうと思いますけれども、役所とのなれ合いの関係が生まれてくる中で、本来変えるべきものが変えられなくなるということが、私はどうしても生まれてくるのではないかという気がいたします。

 例えば、今回事務次官会議を廃止したということは、これは私は一つの画期的なものだろうというふうに思っております。また、民主党政権がこれから、今も着手をし始めておりますけれども、公益法人の全面的な見直し、天下りの禁止、こういったことは、なれ合いが続くとなかなか、頭の中ではそうだなと思っていても、実際問題できないことになってくるという意味で、私は、この緊張関係というものが一つ大事なことで、それを進めていくことの一つが今委員が御指摘をされた政治主導なんだろうというふうに思います。

 二つ目の意味は、私は、今回このポストにつかせていただき、きょう一緒に座らせていただいている政務三役と議論をする中で国土交通行政を今進めさせていただいているわけでございますけれども、やはり国民に選ばれているのは我々政治家であって、官僚が選ばれているわけではありません。国民主権、憲法にうたわれた主権者は国民であるということを考えたときに、その国民によって選ばれた政治家が物事を決めていくという当たり前の仕組みというものをしっかりと貫くということを、もう一度この政権交代という時期に定着をさせていくということは大事なことなのではないかと思っております。

 その意味では、官僚が悪いのではなくて、政治の側が、緊張感を持ちながら、主権者である国民に選ばれた責務というものを果たしていくことが大事なことなんだろうと思っております。その意味では、いろいろこれから選挙があって、どちらが与党か野党か、あるいはどちらがということも含めて、将来的には非常にわからない面が、見通すのは不透明でありますけれども、いずれにしても、やはり政治が官僚との適度な緊張関係と協調関係というものを持ち、そして主権者である国民に選ばれた国民の目線というものをしっかり持つ中で政治を進めていくこと、これが私が考える政治主導の本質ではないか、このように考えております。

竹内委員 わかりました。

 次の質問に移りたいと思うわけでありますが、私は、特にこの国土交通行政というのは、やはり透明性が高くて、公正で公平な行政をやらなければいけない、そういうことが求められている分野であるというふうに思っておるわけでございます。

 何のための昨年の政権交代であったか。私どもも随分と反省するところはございました。その中で、私自身はこう思っておるんです。これまでのさまざまな、戦後積み上げられてきたやり方に決別してもらいたい。国民目線では、国土交通行政と関係するとかそういうことではなくて、特定の権力者に近い人やコネがあるような人が得するような、そういう不透明な政治とは手を切って、本当に透明で公正で公平な政治をやってもらいたいというふうに多くの国民が望んだんじゃないか、こういうふうに思っておるんです。

 そこで、予算委員会でもさんざん議論になりました箇所づけの問題に、仮配分の問題とも言われますけれども、なるんですが、これはまた後日集中審議をされるということでございますので詳しいことは申しませんけれども、いずれにしても、公共事業が成るか成らないか、それからまた自治体予算などに箇所づけが成るか成らないかということは、業界や団体、地方自治体の方々も大変関心が高い。陳情が増額として反映されれば選挙で有利になるんじゃないか、与党が有利になるんじゃないかという発想がどこかにあったんじゃないかというふうに思うんです。しかし、昨年の選挙を総括していたときに、そういう発想を超える民意が示されたんじゃないかなと私は思っているんです。

 そういう意味で、箇所づけ云々とか仮配分云々とか、そういうことで選挙に勝てる時代はもはや終わったんじゃないかというのが私なりの総括でございまして、そういう意味で、ちょっと踏み込んだ質問になるんですが、前原大臣や馬淵副大臣は、これまでの予算委員会でも、かねて、個別事業を予算配分基準まで国会で明らかにして審議するのが筋とおっしゃっていましたし、私も全く同感だと思うんですよ。だから、今後、やはりその主張を全面的に実現できるような仕組みに変えていきたい。

 これは、与党であろうが野党であろうとか関係なく、やはり協力して、そういう本当に透明性のある国会審議、また、そういう行政というものを実現していくべきだと私は思っておりますので、ぜひこの際、大臣と馬淵副大臣、両方の御答弁をいただきたいんです。突然の指名で申しわけありません。

前原国務大臣 竹内委員にお答えをいたします。

 私も、政権交代の歴史的な使命の中で、国土交通行政にかかわるさまざまな意思決定、政策決定、あるいは税金の使い道の配分決定、こういったものは、できるだけ透明性を確保しなくてはいけないと思っております。

 今回の仮配分の経緯につきましては、党を通じて自治体に流れたりしたこと、極めて遺憾だと私は思っておりますけれども、私や政務二役で目指したのは、今、竹内委員がおっしゃった方向性でありまして、事業計画を示し、そして、今までは予算がまとまったところに示していた事業ごとのいわゆる事業評価というものもしっかり示す。そしてまた、事業計画とは違う形で、予算審議に資するような形での仮配分というものを自治体にお示しする中で、この公共事業の透明性、客観性をできるだけ高めていくという方向性は、私は間違っていなかったというふうに思っておりますし、これからもその方向性は貫いていきたいと私は考えております。

 同時に、例えば、選択と集中ということで、これから重点港湾を絞り込んでいくとか、あるいはスーパー中枢港湾をさらに絞り込んでいくとか、これは長安政務官のもとで今客観的な評価基準をつくってやっているわけでありますけれども、こういった問題は、選ばれたところはいいですけれども、選ばれなかったところについては、なぜ選ばれなかったのかということが私は厳しく問われると思っておりまして、そういう意味でも、客観的な指針をつくっていかなくてはいけないと思っております。

 また、航空行政におきましても、羽田空港がドル箱であることはだれもが認めることであります。私自身が今回このポストにつかせていただいて、政権交代の時期もありますけれども、四本目の滑走路が十月にできる、その増枠分についてはもう決まっていたということは、私個人としては極めて残念なことでありました。

 やはりこの増枠分のスロットというものも、行政のいわゆる裁量ではなくて、より透明な形でそれが配分されるようなメカニズムというものをつくって、そして、今まではともすれば見えなかった仕組みというものを国民の皆さん方にも示していく中で、なぜそういったスロット枠が配分をされたのか、あるいはこの港が選ばれてこの港が選ばれなかったのか、あるいはこの道路の事業に幾ら予算がついたのかといったことができるだけ透明度を持ってわかるような仕組みというものをつくり上げて、定着をさせていきたい。そのことについては、私の本音の部分として、竹内委員にはお答えをさせていただきたいと思っております。

馬淵副大臣 お答えをさせていただきます。

 今、大臣からもお話ございました。また、竹内委員の御指摘のように、私どもも野党時代、予算委員会あるいは国土交通委員会を通じて指摘をさせていただきましたのは、いわゆる恣意的な裁量行政、しかもそれが際限なく行われはしないか、国民の不断の監視のもとに国会が機能すべき、その中で甲論乙駁といった形で議論をするためには、やはり情報を公開していくことは最も重要である、このように私ども指摘をしてまいりました。

 今回、政権交代を機に、前原大臣のリーダーシップのもと、公共事業の実施要領の改定を行い、事業評価につきましては二月一日に公表をさせていただきました。また、今回の仮配分、これにつきましても、事業計画を自治体に御説明させていただくという形で進めさせていただいたものの一つであります。

 今回、さまざまな形で御意見をちょうだいいたしております。大臣からも既に御答弁を予算委員会でもしていただいておりますが、今後さらに透明性を高めるという意味で仕組みをつくっていかねばならないという思いで、政務三役、全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

竹内委員 この問題は、予算委員会でも、基本的質疑の中でも本当に重要な課題として取り上げられましたし、本当に、今後の日本にとっても非常に大きな課題だと思うんですよね。ですから、これからの法案審議もそうですし、それから、今後の二十三年度の予算へ向けて、そういう本当に国民にわかるような、透明性の高い、公正公平な仕組みをぜひともつくっていただきたいと願うものであります。また、我々もこれをチェックしていきたい、このように思うわけでございます。

 次に、これからは個別の審議が多くなろうと思うんですが、きょうは大臣所信に対する質疑ということで、大きな視野でちょっと大臣の御意見をいただきたいと思っております。

 大臣の非常にいい点は、いいものはいい、悪いものは悪いとはっきりとおっしゃるというところだと思うんですよね。そういう意味では、小沢幹事長の政治と金をめぐる疑惑につきましてもはっきり物をおっしゃっているというところは、非常に私は評価しておるんです。

 そこで、この話はもうおっしゃっていますのでさておきまして、コンクリートから人へという中で、これをどういうふうにとらえるか、大きな日本の歴史の中で、また政治と行政の問題としてどういうふうに位置づけるかということは、非常に重要なことだと思っています。コンクリートから人への中で出てきたのが、一つ、子ども手当という問題でありまして、最終的に大臣のお考えを、きょうはせっかくの機会ですので、めったに聞くことがないので、所管外ですが最後に聞いておきたいんです。

 私なりの考えは、いろいろ自民党さんが中心となって戦後つくられてきた日本、それはいろいろな言い方をされています。官僚主導だとか、それから族議員の方と業界が一緒になったトライアングルとかいろいろ言われてきましたけれども、しかし、その中で、公共事業を中心として、とにかく仕事をつくり出してきた、雇用をつくり出してきたことは事実だと思うんですね。雇用の保障をすることによって、社会保障の足らざる部分を代替してきた、これも事実だと思うんですね。

 ところが、ここへ来て限界にぶち当たった。当然、経済の成長の限界、税収の限界、それから国債発行の限界ということで、なかなかこのシステムがうまくいかなくなった。そういうことで編み出されてきた一つのキーワードとして、コンクリートから人へだったと思うんです。ゼネコン業界やコンクリート業界の人からすればいろいろな思いがあるんでしょうけれども、それは一たんおいて、これからの日本は、流れとしてはそういうことなんだろうと思うわけであります。

 ただ、そのときに、出てきた今回の子ども手当というのは、非常に巨大な現金給付ということになります、はっきり申し上げて。世界的に見ても、二万六千円になればもう最高額になると思います、ドイツが二万円ぐらいですし、スウェーデンが一万四千円ぐらいですから。そういう中で、私がさまざまな経済情勢の中で疑問を持つ理由が三つほどあるんです。

 一つは、現実に起きている問題、それは現場の失業の問題でございまして、子ども手当のウイークポイントを実は先日、長妻大臣に私は予算委員会で聞いたんですが、私がそのときに指摘したのは、要するに、雇用を直接的には生まないというところが弱点だと思うんですよね。コンクリート産業は雇用を生んできたことは事実だ、そこが違うところだと思います。

 昨年十二月の失業者数が三百三十六万人で、失業率は五・一%でございますが、失業者数は一昨年に比べて七十一万人ふえた。それから、正規の職員から離職した方々は、八十万人が離職された。その数も一昨年に比べて二十万人ふえておるわけでございまして、私どもの京都でも、本当にそういう厳しさを地元でひしひしと感じておるわけでございます。

 さらに、総務省がこの二十二日に速報値を発表しまして、その中で、十五歳から二十四歳の失業率、しかも、最終学歴が高校、中学、そういう高卒等でくくられる失業者の率が一四・二%に上がっておる。大変な数字でございまして、この調査を始めた二〇〇二年以降で最悪となっているわけでございます。大卒の失業率が八%、短大、高専の失業率が五・九%ということから考えても、一四・二%というのはかなりの異常値でございます。

 そんなことで、非常に世の中、特に建設業を中心として失業者が、特に若い人でふえているという実態がある、そういう危機感を一つ持っているということです。子ども手当がそれに対してすぐに雇用を生まないから、それで心配をしているということが一つなんです。

 二つ目は、今度は世界の潮流をちょっと申し上げたいんですが、社会保障、大体よく言われるのは、三つの型があると。アングロサクソン型でアメリカ流の小さな政府でいくという場合、それから北欧型の大きな政府の場合、それからもう一つは大陸ヨーロッパ型でイタリア、フランス、ドイツと言われているわけでございます。

 もう大臣もよく御存じのように、北欧の場合は、現役の皆さんに職業訓練とか生涯教育とか、いろいろ訓練をしたり教育を施して、非常に失業率も少なくて、経済成長も高成長を図ってきた。アメリカ流のところは、高成長だけれども格差があって、失業率も高い。一方で、ではドイツ、イタリア、フランスはどうだったかというと、意外にこれが現金給付が高いんですね、調べてみたら。

 OECDの調査、実は私どもでいろいろ調査をいたしました。非常に驚いたんですが、ドイツ、フランス、イタリアの場合は、特に年金給付が高いんですけれども、北欧の大体一・五倍から二・四倍ぐらいの水準がありまして、一方で失業率も、イタリアが八・四%、フランス八・九%、ドイツ九%ということで、北欧の二倍近くになっておるわけでございます。

 最近ドイツでは、先ほど申し上げた児童手当を大体最低二万円出しておるんですけれども、これも二万円から、子供がふえるに従ってまだどんどんふえていくんですね。そういう意味で、年金給付も高いし、児童手当も高過ぎて、ちょっと見直しをしたいと。雇用が縮小してしまって財政赤字に苦しんだという反省から、最近はドイツも北欧をまねて、雇用を支える形の社会保障への転換を図ろう、頑張って働くということを前提に、それを支える社会保障をやろうということで、切りかえつつあるようですね。

 だから、世界の潮流がちょっと早く、現金給付から雇用を中心とした、雇用を軸とした社会保障に変わりつつある、こういうふうに思うわけであります。このことは、先日、予算委員会で長妻大臣にも申し上げたんですが、そういう意味で、世界の潮流が少し、大きな現金給付を渡すというところからもう一周早く進みつつあるんじゃないか、このことを申し上げたいんです。

 だんだん時間がなくなってきましたので結論を急ぎたいんですが、そしてもう一つ、最後の理由は、やはり何といっても、御存じのように財政上の問題でございまして、今後、二十三年度どうなるかわかりませんが、赤字国債で二万六千円を出すということでは、やはりこれはちょっとおかしなことになると思いますし、それからバランスが必要だというふうに思うんです。

 また、先ほどの箇所づけの話じゃないですけれども、公共事業を引っ張ってきて選挙に勝とうという時代も終わったと思いますし、また、ある意味、子ども手当で選挙に勝とうというような時代ももう終わりつつあるんじゃないかというのが私の思いなんですよね。

 そんなことで、非常に長くなりましたけれども、大臣の子ども手当に対する考え方を率直に述べていただければありがたいと思います。

前原国務大臣 今、国民のそれぞれの頭の中にある不安というのは、もちろん個人的な不安は別にして、この国の行き先に対する不安というのは、私は主に三つあると思っているんですね。

 どんどんどんどん日本の人口が減っていく、これは寂しい話ですよね。非常に不安になる、人口が減っていくということは。一億二千七百万人が、二〇五〇年には九千万とか九千五百万になっていく、このままいくと。人口減少。二つ目は、少子高齢化。子供は少なくなる、働く人は少なくなる。そのかわり社会保障の世話になる比率がどんどんふえていく。若者のそういったいわゆる公的負担というものが極めて大きくなるだろうというのは、だれが考えてもわかる。そして三つ目は、今委員が最後におっしゃった財政赤字、これをどう解決するか。

 今回の政権交代も、私は、自民党政権がこういった問題に対して明確な指針を出していれば、政権交代は起きていなかったと思うんですね。つまりは、起きた一つの大きな理由というのは、この三つの大きな不安の中で、民主党は一遍も政権をとったことがないけれども一度やらせてみようというのが、私は政権交代の大きなポイントだと思っております。

 そこで、では、この三つの不安を解消するためにどこから手をつけるのか。もちろん、短期、中長期、分けていかなくてはいけませんけれども、この人口減少、少子高齢化、莫大な借金というものをどこから解決するかということを考えたときに、やはりこの出生率の低い現状を何とか改善しないと、この国はもうどうしようもないんじゃないかという思いは、恐らく多くの方が持っていると思うんですね。

 今、出生率が一・三七でありますけれども、これをどうふやしていくのか。これは皆さん方には釈迦に説法でありますけれども、お父さんとお母さんから子供は生まれるわけですから、大体、結婚されない方等いろいろな要素を含めると、二・〇以上の出生率がないと人口は減っていくわけですね。大体二・一とか二・二と言われていますけれども、この一・三七をどれだけ高めていって、今の不安要素のショックアブソーバーにしていくのかという対応策というものの一つとして、我々はこの子ども手当というものを出させていただいたということです。

 どれだけこれから効果が出てくるのか、これはやってみなければわかりません。これは、先ほどヨーロッパで周回おくれだということをおっしゃいましたけれども、フランスなんかでは成功している事例です。子育て支援というものをしっかりやる中で出生率を上げていく。私は、ここに明確な対応策が今までとれていなかったポイントとして、民主党の政策のこの子ども手当というものは核にあるんだろうというふうに思っているわけです。

 したがって、これをしばらくやらせていただく中で、一・三七という出生率が上がっていくかどうかというものを、やはり我々、あるいは国民の皆さん方も検証していただかなくてはいけないし、この三つの不安要素を取り除くまずスタートになるのが、出生率の低下というものをどうやって食いとめて、そして明るさや希望を持てるような社会に変えていくのかということだと思います。ですから、これでなかったら、違う少子化対策、いかに出生率を上げるのかというようなことを、やはりこういった国会の中では私は議論すべきではないかと思っております。

竹内委員 もうほとんど時間がありませんので……

川内委員長 いや、ほとんどではなく、もう時間はありません。

竹内委員 済みません、一言だけ言わせてください。

 先日、長妻大臣にも言ったんですけれども、やはり、子供をつくれない、つまり結婚できない、それから仕事がない、就職ができていない方々が、さっき申し上げたように物すごく今ふえているという事態がある。そういう人にとっては子ども手当が全然関係ないんですよね。だから、むしろここに仕事をつくり出す。

 そういう意味で、先日提案したのは、前の政権からやっている介護というところで、介護報酬をあと十万円ぐらい引き上げてくれと。大体、私どもの試算では、一千億あれば一万円ぐらい上がりますので。今、産業平均よりも十万円ぐらい低くて、ここは非常にニーズはあるけれども、だれも仕事につかない。しかし、あと百万人ぐらいはここで引き上げられる可能性がある。だから、一兆円あれば、五兆円なくても一兆円あれば、ここで一気にそういう方々に仕事を出せるので、そういう雇用政策をぜひともバランスをとってやっていただきたいということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

川内委員長 竹内君の質疑は終了いたしました。

 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 去年の秋、この国土交通委員会で前原大臣に初めて質問をさせていただきました。それから五カ月余りでありますけれども、小さい政党にいることもありまして、これが実は私の国会質問の十四回目になります。前原大臣とはもう四回ぐらい、予算委員会や予算の分科会でやらせていただきましたでしょうか。

 これから国土交通委員会では、JAL、八ツ場ダム、そして公共事業の箇所づけ問題についての集中審議があるということでありますので、こうした案件についてはその機会に譲るとして、きょうは、マンション管理適正化法について取り上げたいというふうに思っております。

 今から十年前の平成十二年十二月一日、このマンション管理適正化法というのが議員立法として可決、成立をいたしました。施行は平成十三年の八月一日ということでありますけれども、間もなくこのマンション管理適正化法という法律ができて十年を迎えるわけであります。

 ちなみに、マンションそのものを対象とした法律というのは区分所有法と言いますので、マンションという言葉が法律用語として初めて使われたのは、このマンション管理適正化法だということが言われております。その立法趣旨、目的について、確認のためなんですけれども、どなたか御答弁をいただけますか。

長安大臣政務官 今、柿澤委員から御指摘のございました、マンション管理の適正化の推進に関する法律、御指摘のとおり、これは平成十二年に成立したわけでございます。

 マンションというのは、多くの方々が一生の買い物として購入をされる。そういう中にあって、長期的に使っていくためには、適切な、また計画的な維持管理を行っていかなければいけないわけであります。そういう意味で、それを行っていくために必要という趣旨のもとにこの法律は成立させられたわけでございます。

柿澤委員 今、長安政務官からお話がありましたとおり、マンションという一生の買い物を、維持管理を計画的に行っていく、そうしたことをある種担保する、そうした目的でこの立法が行われたということであります。

 しかしながら、このマンション管理適正化法が必ずしもマンション住民のために機能を発揮していないというふうに思われる事例があります。これを取り上げて、マンション管理適正化法の運用上の課題についてお話を申し上げたいというふうに思います。

 昨年、社会資本整備審議会が「分譲マンションストック五百万戸時代に対応したマンション政策のあり方について」という答申を平成二十一年三月六日に出しております。大都市部では毎年二十万戸のペースでマンション建設が進んでいる、平成十九年末のマンションのストックでいうと五百二十八万戸、約一千三百万人が既にマンション住民になっているわけです。

 このうち築三十年を超えるのが、平成十九年時点でもう既に六十三万戸に達している。昭和五十六年の新耐震基準策定以前に建てられたマンションは、ここでは百万戸以上ということでありますけれども、民間の不動産情報サービスの東京カンテイなどの調査でいえば、百五十万戸ぐらいに上っているのではないか。そのうち、旧耐震のマンションで建てかえが実際に行われたのは、せいぜい百三、四十件にすぎないということが言われております。

 先ほどの政務官のお話にもありましたが、今やマンションをついの住みかと考えている住民の方が多くおられます。ほとんどかもしれません。国交省が二〇〇三年度に実施したマンション総合調査では、分譲マンションの住民の約五割がそこに永住するつもりであるというふうに回答いたしております。

 こうした状況を踏まえて、現状、マンションが抱えている課題というものをどのようにとらえているか、お伺いをいたします。

長安大臣政務官 御質問にお答え申し上げます。

 マンションの問題については、今委員からお話ございましたマンションの管理ということでさまざまな問題が起こっているのも事実であります。

 先ほど申し上げましたように、計画的なマンションの維持管理を行っていくためには、適切な修繕積立金というものが積み立てられなければなりません。しかしながら、実際、売買の時点において、その金額自体が適切でなかったりというようなことが多々発生していると認識しております。

柿澤委員 まさにこれから触れようとしていた修繕積立金のお話をしていただきました。

 マンションにおける長期修繕計画ということについては、先ほど御紹介をした社会資本整備審議会の答申の中では平成十五年度のマンション総合調査というのを紹介しておりますが、マンションの管理組合の八三%が長期修繕計画を作成している。ただ、二十五年以上の計画期間を持つ長期修繕計画を策定している管理組合は約二〇%にとどまっているという数字が示されております。しかも、長期修繕計画を作成している管理組合のうち、実に八割が管理業者にこの計画の作成を委託しているわけでありまして、実質的に、この長期修繕計画の作成というのはマンション管理業者に事実上任されている状況だと言っていいと思います。

 これは、マンション販売ということ自体が、そもそも建設中に販売が行われて、一体どのぐらいのお金が長期修繕、維持補修にかかるのかということを見通すことがなかなか管理組合としては難しい、管理組合そのものがまだできていないわけですから。こういう状況もあるわけでありますけれども、先ほど、まさに長安政務官が御答弁でお話をされたように、マンションが分譲から長期間たって、長期修繕計画に基づく修繕積立金が大幅に足りなくなるという事態が全国各地のマンションで多々相次いでいる状況であります。しかも、これもどうも分譲の段階から半ばこの状況になることがビルトインされている、こういう状態になってしまっているのではないかというふうに思えてなりません。

 私がお話を聞いた一例を御紹介申し上げます。東京都内、多摩地域のマンションの場合です。平成十九年に竣工をして住み始めたというマンションですけれども、十三階建て、九十六戸、分譲価格帯は三千八百万から大体七千万台という価格帯で販売をされたものであります。

 販売業者から販売に当たって当初提示をされた長期修繕計画は、三十年間の総累計で修繕積立金が大体五億五千万必要だ、こういうことが示されたというふうに聞きました。修繕積立金の毎月ベースの支払い金でいうと、これは各戸ごとの専有面積、広さによるんですけれども、幅がありますけれども、大体八千四百円から一万四千円、八千四百円から一万四千円月々払えば修繕積み立ては大丈夫ですよ、こういう説明を受けたというわけであります。

 この数字は五年ごとに二割ずつ上がっていくということも付記されてはいたということでありますけれども、とにかくイニシャルというか、ランニングコストがランニングを始めた段階では一万円前後、八千円から一万四千円で修繕積み立てをやっていけば大丈夫だということを言われたそうであります。

 ところが、去年、ベランダ等の外周の鉄さくのさび等による取りかえを、十二年おきに、この三十年間で二回行わなければいけないということが判明をしました。それが長期修繕計画に盛り込まれていないということが判明をしました。これを計算してみると、十二年目に二千五百万、そして二十四年目にはまた二千五百万ということで、五千万の追加出費になる、大変だということになったわけです。

 なったんですが、この後なんです。管理組合で一級建築士を雇って全体の計画を精査して、外形上どこがどうなるかということを精査してみたら、現状の長期修繕計画に基づく修繕積立金と比較すると、これから、築後三十二年目、あと二十九年後ですけれども、全体で何と三億四千万円も欠損金が出るということが明らかになったんです。

 この欠損分三億四千万を埋めて正しい額にすると、もともと五億五千万で提示をされていたものですから、総額九億円なんです。月々のベースでいうと、八千四百円から一万四千円ですよと言われていたものが、何と三倍にはね上がって、月々、これも各戸の専有面積によるんですけれども、何と三万円から五万円の修繕積立金を払わなければいけないということが判明をしたということなんです。住宅ローンの月々の支払いにこれが上乗せをされるということになる。管理費も含めると、このマンションの住民の人生設計は、入居早々随分と狂ってしまったということになります。

 今申し上げたような、建物の外周部にある鉄さくがいつかさびついて取りかえなきゃいけないといことは、だれが見ても明らかなことなわけです。そんな、だれが見てもわかるようなファクターを長期修繕計画に盛り込んでいない。これは、半ば意図的とも言えるような修繕積立金の低額操作が行われているのではないかと言わざるを得ません。

 さらに、先ほど申し上げたように、後年度になればもともとの計画に基づく積立金支払いも上がっていく計画になっていて、当初は低く始まって、だんだんだんだんふえていく、いつの間にやらこんなになっていましたという形になってしまう。

 どうしてこういうことをやるのかといえば、ローン返済や管理費を合わせた月々の支払い額を販売時点で低く見せかけて、そしてマンションを売ってしまおうというインセンティブが働いているからにほかなりません。長期修繕計画に基づく修繕積立金の必要規模を小さく見せかける、このような意図的な低額提示による販売手法というのは、マンション販売時に業者によって半ば常態化していると言われております。住み始めて何年もたってから調べてみたら、何倍もかかるということになってしまう。

 マンションの長期修繕計画というのは、この金額に関することというのは、宅地建物取引業法上の重要事項説明に当たる内容だというふうに思います。しかし、こういうことで、半ば意図的な操作ではないかと疑われるような形で販売時の低額提示が行われている。これに対して国土交通省は、調査なり業者に対する指導、対応というものを行っているんでしょうか。

長安大臣政務官 柿澤委員の御質問にお答えいたします。

 先ほど、長期修繕計画についてのお話もございました。この長期修繕計画の標準様式、さらには作成のガイドラインというものを、国土交通省といたしましては、平成二十年の六月に策定させていただきました。その中では、そういった長期修繕計画を五年ごとに見直すといったものも盛り込んでおるわけであります。もちろん、この修繕積立金の額の見直しということもしていかなければならないということも、このガイドラインの中ではお示しさせていただいております。宅建業者あるいは管理組合、管理会社に対して、今後も普及活動をしていかなければならないと思っております。

 さらに、今御指摘のございました、宅建業者が販売時に、修繕積立金の金額を、ある種妥当ではないというか、見かけ上安い金額にしてその場を乗り切るといいますか、売ってしまえばいいじゃないかということに対して取り締まっていくのかどうかというお話でございます。

 これに関しましては、修繕積立金を記載する管理規約の案を示すことというのが、宅建業法の三十五条にルール化されております。さらに、必要な設計図書をマンションの管理組合に交付することが宅建業者の義務ということをマンション管理適正化法の百三条に規定させていただいております。

 もちろん、こういった宅建業法を守らなければ、当然、宅建業法として、業者に対しての指示、さらには業務の停止ということをできるわけでございまして、今後もしっかりと調査を行いながら、そのような不適切な行為が行われた場合にはしっかりと監督指導をしてまいりたいと考えております。

柿澤委員 今申し上げたように、この低額提示が、これはすべてではないとは思いますが、しかし半ば常態化している。今、インターネットのそういう不動産関係のウエブサイトとかを見て、マンション購入者に対するQアンドAなんというのを見ると、そもそも、長期修繕計画の修繕積み立ては低く見積もられている可能性が高いので、疑ってかかってくださいみたいなことが書かれているわけです。

 こういう実態にあるというときに、国土交通省は、その実態そのものを把握し、調査し、そして適切な対策を打つ、二年前の平成二十年の六月にガイドラインを出していることは存じていますけれども、実態の把握という点でどのような形で対応されるか、伺いたいと思います。

長安大臣政務官 今回、建築基準法の改正ということを国土交通省の中でも検討しております。まずは運用で、建築確認の期間を短縮しようということを議論しているわけです。これは委員も覚えていらっしゃると思いますけれども、耐震強度偽装という問題があって、建築基準法の改正を行ったことによることであります。

 この耐震強度偽装とある種似ているような、購入者の方々をだました形で販売をしているということは、これはあってはならないことだと思っております。市場において適正な取引が行われるということを、しっかり我々は指導していかなければならないと思っております。

 委員の御指摘のとおり、そのような修繕積立金が妥当な金額ではないというようなことがあるということでございますので、国土交通省としても鋭意調査をしてまいりたいと考えております。

柿澤委員 鋭意調査をしてまいりたいというお言葉をいただきましたので、大変ありがたいというふうに思います。

 さらに、今、私が例にひもといた東京都内多摩地域のマンション案件では、大変問題のあることが行われています。

 こうした形で、長期修繕計画が疑わしいものだということを管理組合の方々が発見して、再調査をしたい、見直しをしたいので設計図書を出してくれということを言った。マンション管理適正化法上明記をされていますが、設計図書の引き渡しというのは、法律上、管理組合に対して義務づけられているというか、出さなければいけないものになっている。しかし、もらってみた設計図書を見たらびっくりした。何と、その管理業者の標準仕様設計書に基づいて設計をしたということが書いてあるだけ、こういう部分がほとんどだったというんです。

 要は、引用図書を見てくださいと。では、その引用図書を出せ、標準仕様書を出してくださいと言ったら、何度も何度も拒否をして、結局出さずじまい。結果的に、その管理組合の皆さんは、自分たちで二百万出して一級建築士を雇って、そして、さっきの、もともとの積立金より三億四千万円もかかってしまうということを突きとめたわけであります。

 こういう形で、設計図書は出しましたよ、見てみたら、ほかの文書に委託しています、引用図書です、こういうやり方を認めていいんでしょうか、お伺いします。

長安大臣政務官 柿澤委員の御質問にお答えいたします。

 一般論といたしまして、本来、設計図書というのは、取引にかかわった宅建業者から管理組合に対して交付されなければなりません。その事例が今回のことに反するのかどうかというのは、さらに調査を加えなければならないと思っておりますけれども、本来交付されなければならない設計図書が交付されていないという状況であれば、これは、宅建業法の関係法令に基づいて、しっかりと業務が適切に行われるように監督指導していかなければならないと考えております。

柿澤委員 わかりました。

 何か言わずもがなのことをこれから聞くんですけれども、マンション管理適正化法は、マンション管理業者等の行為を規制する法律であるということは明らかであります。しかし、この法律による管理組合及び購入者、居住者の保護ということを国土交通省はどのように考えておられるのか。

 行政庁として、管理組合及び購入者、居住者の利益を擁護する後見的役割を担っているというふうに考えるのか、あるいは、マンション管理業者等の行為を規制することに対する反射的な利益を購入者、居住者、管理組合は得ているだけなのか、ここのところについて確認をしたいと思います。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 先ほど冒頭の質問でお答えいたしましたように、この法律自体は、やはり居住者の方々の権利というものを守る、そのための法律でございます。

柿澤委員 であるとすれば、これは、国土交通省にこうしたマンション管理適正化法あるいは宅建業法に違反をしていると思われるような事例が報告をされた場合は、しっかりと調査をし、対応を行わなければいけないということになると思います。

 今回、事例に取り上げた多摩地域のマンション管理組合の皆さんは、実は、国土交通省の担当者に対しても、今の事実を書いた申し立て書を出しておりますし、前原大臣あてにも上申書という直訴文みたいなものを出しております。前原大臣におかれましては、大変多難な時期に職務に精励をされて敬意を表します、そんな恭しいところから始まって、今の事実をるる書いたものがもう皆さんのお手元に提出をされているんです。

 提出をされて、結果としてどうだったかといえば、全くこの問題については動きをとっていないという実態であるわけでして、そういう意味で、本当に皆さんが今御答弁でおっしゃられたような対応をとっていただけるのかどうか、ぜひもう一度確認をさせてください。

前原国務大臣 一般論といたしまして、マンションの管理主体である管理組合による計画的な修繕が行われるように、まず国土交通省として啓発を行っていく、これが大事でありますし、分譲時点でも購入者が適切な判断ができるようにするための措置を講ずることも大事だと思っております。

 また、今、柿澤委員がおっしゃったような、分譲事業者に対しても、仮に法令に反する行為があった場合には指導監督を徹底するとともに、事業者によりマンション購入予定者に適切な情報提供が行われるように促していくことが我々の仕事だと思っております。

 今お話がありました手紙について、私、まだ目を通しておりません。そんな恭しい前振りがあっての手紙をいただいたというのは記憶にございませんので、また、その具体的なケースにつきましては、資料をいただければ調査をし、適切な対応をとらせていただきたいと考えております。

柿澤委員 最初に申し上げた長期修繕計画の意図的とも思える低額提示、この常態化した状況がこのまま続けば、先ほどまず前置きで申し上げたように、マンションストックというのはどんどんどんどんふえていくわけです。どんどんふえていって、築三十年、そういった大規模修繕が必要なマンションがどんどんふえていく。そうした意味では、問題がどんどんどんどん拡大をしていってしまうということになりかねないという点で申し上げさせていただいております。

 しかも、宅建業法上権限はあるわけですけれども、この意図的な低額提示そのものを禁じて、そして違反したと思われる場合には罰則を科するようなサンクションが、マンション管理適正化法には明記をされていないということが非常に問題だというふうに思っています。

 最初に申し上げたとおり、議員立法でできましたマンション管理適正化法、マンションという言葉を法律用語として使った初めての法律、来年、施行から十年を迎えるわけです。まさにこの十年を機に、建築基準法を見直しているというお話がありましたけれども、このマンション管理適正化法、これから半世紀、百年、まさについの住みかの住まいの安心、安全を保障していくために、ぜひ全面的な見直しの作業を国土交通省の省内等々で行っていただきたいということを最後にお願いしたいと思いますが、御答弁ありますでしょうか。

前原国務大臣 前向きに検討させていただきたいと思います。

柿澤委員 ありがとうございました。

川内委員長 柿澤君の質疑は終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 きょうは、日本航空の問題について質問します。

 日本航空は、会社更生法を適用して破綻せざるを得なくなりました。今、企業再生支援機構による再建が進められていますが、そもそもなぜこうなったのか。再建を進める上でも、改めて経営破綻を招いた原因と責任を明確にすることが不可欠だと私は考えます。その上で、同時に、国民の監視のもとで、安全第一、公共性の確保を基本として進めなければならない、基本的な柱はそう思っているのですが、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。

前原国務大臣 穀田委員にお答えをいたします。

 さまざまな複合的な要因があると思っておりますけれども、まずは、日本航空という会社そのものの体質というものも大きな問題ではなかったか。余剰人員を抱えて硬直的な組織体制であった、また、意思決定が進まないことによって遅延をしたということも、こういった会社更生法適用に至ることになった原因の一つではないかと思っております。

 また、大型機材というものを大量に保有するということで、経営リスクというものが高まってしまっていた。九・一一テロとかSARSであるとか新型インフルエンザ、あるいはリーマン・ショック後の世界の同時不況、こういった大きな需要減を迎えたときに、大型機材を持っていることによるマイナス点というものが大きかったと思っております。

 また、企業のみにその原因を帰するだけではなくて、今までの日本の航空政策あるいは空港政策というものも大きな問題があったと思っています。九十七、弟子屈が閉じられたので九十七になっておりますけれども、あらゆる地域に空港をつくり、そして、それに飛ばすような行政が行われてきたことによる体力面でのマイナスということも、極めて大きかったというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、今回、二兆三千億以上の負債を抱えた会社を会社更生法にして再生をさせる、しかも、企業再生支援機構という半官半民の、いわば国民の税金を使ってのお金で再生をさせるということで、きっちりと今のような問題というものをリセットして新たに再生できる、計画に基づいてしっかりと再生をさせていくことが大事でございます。国の責任としては、空港整備勘定の見直し、空港行政、航空行政を抜本的にパラダイムシフトしていく中で、日本航空のみならず、他の航空産業の競争力強化にも資するような取り組みをしてまいりたい、このように考えております。

穀田委員 企業再生支援機構も、窮境原因について、今大臣からもお話がありましたが、過去の大量輸送時代の構造を引きずって、一、事業構造と、二、組織体制の両面が非効率かつ硬直的で、リーマン・ショックや新型インフルによる世界規模の大きな需要低迷に適時適切に対応できなかった、こう述べています。事業構造の硬直化というのは、大型機材の大量保有や、さらには不採算路線の維持についても指摘をしています。

 JAL再生タスクフォースも、航空産業が装置産業であるがゆえに、大型機材の保有や不採算路線を抱えていたことを窮境の原因と指摘しています。大体同じような指摘ですよね。

 問題は、では、なぜ大型機材の大量保有や不採算路線を維持しなければならなかったのかということが問われる。また、なぜ硬直的な組織体制から抜け出せなかったのかということが問われると思うんですね。

 したがって、その意味では、大臣が三つ目におっしゃった空港、航空政策まで踏み込んで考えてみる必要があると私自身も思います。そこまで踏み込んでこそ、経営危機の原因と責任を明確にしないと真の意味での再建は果たせないだろうと。当座は乗り越えることができても、やはり、どこに肝心な点があるのかということが問われると思っています。

 私自身は、やはり、自民党政権下で進められてきた空港、航空政策のゆがみを指摘せざるを得ない。第一は、日米構造協議などでアメリカの圧力が加わった。これは、公共投資の問題や大型機材の押しつけにあらわれています。さらに二つ目に、財界やゼネコンなどの要望を受けた政治家や官僚の圧力があって、空港整備や路線開設が無秩序といいますか、進められた。そして第三に、そういう圧力を受け入れるいびつな日航経営陣の体制があった。その経営陣のもとでの放漫経営、これを可能ならしめたのは、また官僚の天下りや政治家との深いしがらみなどもあります。

 こう考えてみますと、過去の空港、航空政策のもとで行われてきたしがらみを断ち切ることができるか、断ち切って本当の意味で自主的な再建を進めるかどうかということが問われていると考えますが、この辺についての御見解を改めて問いたいと思います。

前原国務大臣 問題意識は、穀田委員と私はほぼ同じであります。ただ、九十七の空港がありますし、離島航路というのは極めて重要であります。これは生活の足、命のきずなにつながるものでありますので、維持をしていかなくてはいけない。これはまた別個の問題としてやっていかなくてはなりません。

 ただ、他の地方空港については、私は、今まで、つくったんだから飛びなさいというような行政からは転換をしていかなくてはならないと思っております。つまり、無理に飛ばさせることによって航空会社の体力を減らしてしまったということで、撤退する自由、それから参入する自由、こういったものを与えていくことが大事なことなのではないかと私は思っております。

 その上で、私、先ほど予算委員会の分科会でも同じような答弁をさせていただいたんですが、では、地方空港で撤退するところが出てくるんじゃないか、そうなると地域の経済に大きなマイナスになると。三年ぐらいは国も何らかのお手伝いをし、そこに飛んでもらえるようなバックアップ体制はしたいと思っておりますけれども、やはり地域が、さまざまな知恵やあるいは発想の転換、観光誘致、こういったもので、あるいは使ってもらえるようなキャンペーンをしっかりしてもらう中で、あるいは静岡のように、JALの福岡便については搭乗率保証をするということで、飛ばし続けられるような手当てをしているところは、これは地方自治体の知恵としてあるわけであります。

 基本は、航空産業が自由に撤退し、自由に参入できるような自由を与えていくということと、そして、極めて過大な負担をかけている公租公課というものの見直しを行うための、社会資本整備特別会計の空港整備勘定の抜本的な見直しをしていくということが、先ほど委員も御指摘をされた空港政策のパラダイムシフト、航空政策のパラダイムシフト、これは鳩山政権としてしっかりやっていきたいと考えております。

穀田委員 私は、ただ、撤退や参入の自由といっても、その基準は何かという問題があると思うんですね。やはり、公共交通としての足を守る、その点では離島の問題がありましたから、私は、単純に自由という話ではなくて、先ほど述べたように、安全とそれから公共政策、公共交通としての足を守るというのが常にあるんだと思っています。

 私は、大臣が余り触れなかったものですから、アメリカの圧力という問題も、これは極めて重大でして、特に公共事業依存体質の大もとになった例の日米構造協議というのは、対日要求に基づいて四百三十兆円から六百三十兆円に膨らんだ公共投資基本計画が、この空港整備にも大きく影響しております。

 一九九〇年六月二十八日、日米構造協議の最終報告に書かれたアメリカからの対日要望には、総滑走路延長要求というのがあります。一九九五年度の総滑走路延長指標を一九八八年度末から一八%延長する、こういう指摘がされておって、これによって大きな圧力となった。

 「数字でみる航空二〇〇九」を見ますと、八八年度、八十空港、百五十九・九キロメートルから、九五年度には九十空港、百八十一・五キロメートルに、十空港、約二十二キロメートル延長しています。その後も、二〇〇八年度には、先ほどお話があったように、空港が九十七にふえ、滑走路は二百二十・六キロメートルに延長されている。こういう点がやはりあった。

 それから、大型機材の購入の圧力については、これはもうみんなよく知っていることであります。私どもは、何回もこれを共産党として指摘してきたところであります。

 そこで、こういう問題を解決するに当たってどういう立場を貫く必要があるかということについて問いたいと思うんです。

 二月十二日に、平野官房長官は次のように答弁しています。政府としては、より透明性、衡平性を確保しつつ、国民目線に沿った確実な再生を行う、こう述べています。

 企業再生機構による全面的な支援となれば、先ほどお話があったように、さらに国民の税金が投入されることになるわけですよね。したがって、そうなれば国民の理解のもとに進めることが肝心であって、節目節目できちんと国民の納得いく説明が必要と思う。

 したがって、では、そういうあり方と、それから国民目線に沿った確実な再生というのは一体全体何ぞやと、禅問答じゃなくて、問いたいと思います。

前原国務大臣 まず、穀田委員がおっしゃったアメリカの圧力という話でありますが、これはよく言われる議論であります。

 確かに、毎年毎年、アメリカから日本に対する改善要求というものが行われてきたというのは私も存じ上げておりますし、その中身に沿って幾つかの施策が自民党政権下でとられてきたということも私は存じ上げておりますし、この六百三十兆円にふえた公共事業というのも、貿易赤字を縮小させるための日本の内需拡大策として、恐らく、私の記憶が間違っていなければ、宮沢政権のときにとられた施策だというふうに思っております。

 こういう施策というのは、最後は、例えば官僚主導とかそういうことも含めて政治が決めることでありまして、アメリカ悪玉論というところではなくて、それの要求に乗った日本の政治というものがやはり最終的には検証されるべきなんだろう、私はこのように思っております。

 その上で、今委員が御指摘をされました透明性、衡平性を持った確実な再生という、とりようによっては二律背反をするのではないかということでありますが、私は、むしろここは一対でなければいけないと思っています。

 最終的に日本航空の再生というものを企業再生支援機構にゆだねたというのは、半官半民のところでということもありますけれども、そういった、先ほど委員がおっしゃった安全性というのが航空産業では極めて重要でございますので、私的整理か法的整理かで揺らいでいるときに私が実は一番心配をしたのは、政務二役も含めて政務三役で一番心配したのは安全に対する問題でございまして、そのことの一つのポイントとして企業再生支援機構の活用というものが俎上に上ったのも、これまた事実であります。

 なぜこれが選ばれたかという別の理由としては、これは企業再生支援委員会という委員会の仕組みになっていまして、この案件を受け入れるかどうかということについて徹底的にここで議論をされたというふうに聞いております。また、もし企業再生支援機構で受け入れるのであればどういった整理の仕方がいいのかということも、かなり何度も何度も議論がされたというふうに私は伺っております。

 結果的に、プレパッケージ型の法的整理という形をとられたわけでございますけれども、企業再生支援機構が、やはりこの支援委員会で取り扱うからには失敗はできない、国民の税金も使っていく、そして、受け入れるからには確実に再生をさせていかなければいけない。その方策として法的整理という形がとられたわけでありますが、今後、会社更生法に基づいて、今、更生計画が練られているわけでありますけれども、二重のチェックが図られると思っていただければ私は結構かと思います。

 企業再生支援機構がつくった再生計画、これを着実にやっていけば再生できる、こういうことでありますけれども、よりそれを確実に実行させていくために、この更生計画の中で、その再生計画をまた一つ大きなベースとしてどのようなものに、更生計画はそのまま出てくるかもしれません、あるいは深掘りされてくるかもしれない、そういったものは我々が関知するものではありませんけれども、つまりは、裁判所あるいは管財人という方が絡んで計画が出てくるという意味においては、極めて透明性、客観性が高いし、そして、そういった方々の知恵、また独立性の高い企業再生支援委員会の再生計画をベースに再生計画をつくっていくということで、より確実な再生というものが図られるような状況になっている。

 私は、このやり方の中で早くに更生計画をまとめていただいて、そしてその更生計画を日本航空が着実に実行していく、また、政府として、先ほど委員とお話をさせていただいている公租公課の見直しであるとか、足を引っ張っている航空政策を変えていくということの中で、しっかりとした支援をしていくことが大事かと考えております。

穀田委員 私は、この再生を考える上で、では、どこに足を置くかということでいうと、大臣もおっしゃったように、政務三役でもという話がありましたけれども、やはり安全をどうするかということを第一義に置くことが根本だと思うんですね。

 そこで、私、若干その問題について提起させていただきたいんですけれども、では、それの安全性を確保する上でのポイントは何か。

 報道によりますと、日航ジャンボ墜落事故の遺族でつくる八・一二連絡会が、一月十二日に、大幅な人員削減などによって安全運航に支障が出ることのないよう求める要望書を前原国土交通大臣に提出したとしています。

 要望書では、この混乱の中で私たちが遭遇したような事故が起きないか危惧していると指摘し、安全のために必要不可欠な人員と財源をどう確保するのか考えを示していただきたいと求めたとされていますけれども、大臣はどう受けとめられたか、簡潔にお願いしたいと思います。

前原国務大臣 御巣鷹山の事故は私が大学生のときでありまして、非常に鮮明に、そのショッキングだったことを覚えております。また、時間が経過して私がこういうポジションを拝命するに当たりまして、今委員がおっしゃったように、一月十二日でございましたけれども、八・一二連絡会の方々、御遺族の方々にお越しをいただきまして、要望書をちょうだいいたしました。

 やはりこれは一番のポイントだというふうに私は思っておりますし、安全性というものがきっちり確保されなければいけない。これは繰り返し申し上げていることでありますが、最も重視をしなくてはいけないのは安全性でございます。と同時に、会社を再生していくためには、再生計画というものを着実に実行していくということが大事であります。これがベースになった更生計画が仮に承認されれば、それを現実のものとして実行していくことになるわけでございますけれども、では、人数がいれば安全性が確保されるのかといったところは、これは現場の判断というものが極めて大きなものになっていくんだろうというふうに私は思います。

 つまりは、便数を減らすわけですよね、リストラ計画で。日本航空そのものも、こういう整理がされる前に、便数を減らす、路線を減らすということを言ってきた。しかし、それがまだまだ足りないということで、企業再生支援機構がつくった再生計画ではもう少しそれが深掘りになっている、やっていくと。そうすると、人員を削減するということにもつながっていく。

 では、そういった人員削減の中で整備はどれぐらい要るんだろうか。安全性を確保するというポイントは整備が非常に重要でありますし、もちろん、パイロットや地上のスタッフ、そして機内の乗務員、こういった連携というものも極めて大事なことでありますけれども、安全性を確保しながらもリストラをしなくてはいけない中で、どのぐらいを適正規模と考えるかということは、まさに安全性に責任を持つ日本航空がしっかり考えられることだと思っております。

 CEOになられた稲盛会長も、その点を、どのバランスをしっかりとっていくのかということを、労働者の方々、従業員の方々としっかり議論しながら、そういった最適な日本航空再生というものを、安全面というものを最もしっかりと担保しながらやっていきたい、このようにおっしゃっております。

穀田委員 先ほど述べたように、八・一二連絡会は、安全のために必要不可欠な人員と財源、こう述べています。

 また、日航の整備士のOBは、安全のかなめとなる現場の士気低下が非常に心配だ、安全性と労働者の意欲は直結する、マニュアルどおりの作業だけでなく、労をいとわず安全を追求する土壌が急速なリストラで削り取られるようなことは絶対に避けてほしい、こういう声を上げています。

 また、航空労組の連絡会は、一月二十一日の声明で、国民の交通権を守る責任を国が果たすとともに、輸送の安全を第一義的に考え、必要な要員と労働条件を確保することと訴えています。

 私は、安全運航を支えるというのは、やはり、必要な要員と労働条件の確保による労働者のモチベーションがかぎだと思うんですね。その点では、タスクフォースの調査報告書でも、安全運航を支えるのは現場のモチベーションの高さだと指摘しています。さらにその中で、JALで働く人々の特徴として、より航空機に近いセクションにいる人ほど活気があり、目を輝かせて仕事をしている、今や、JALの現場のレベル、若年層職員の多くの給与は、実質手取りレベルでは決して世間相場や同業他社に比べても高くないにもかかわらずである、ここまで分析をしているわけですね。

 先ほど大臣は適正規模という話をしていましたけれども、私は、この問題は現場にありと。結局、安全性を確保しようと思ったら、今述べたように、労働者のモチベーションがなければだめだ。そういう現場の声を聞く以外に、もちろんいろいろやりますよ。だけれども、肝心かなめの問題というのは、再建に当たって、機構としても、また大臣としても、現場の労働者の声を聞くということを大きな柱に据えていただく必要があろうかと思うんですが、その点の御意見はいかがでしょうか。

前原国務大臣 委員がおっしゃったように、働く方々のモチベーションをいかに維持し高めていくかということは最も大事なポイントであり、新たにCEOになられた稲盛会長は、会長就任に当たりまして、できるだけ現場を回り、ひざを交えて、何を考えているのか直接聞き、また私の思いも伝え、彼らが再建させたいと思うような企業風土を築きたい、社員とベクトルを合わせ、これまで以上に心温まる接客と明るいサービスを提供したい、こういうふうに述べられております。

 JALの再生にトップみずからがそういった姿勢で臨まれ、また、そういった方だからこそ、企業再生支援機構から稲盛名誉会長をぜひCEOにという話がございました。

 また、今委員から御指摘のように、再建途上であり、半官半民でしっかり支えていくという途上でもありますし、また、そうでなくても、航空行政を所管している身でございますので、私自身も、チャンスをとらえてできる限り現場の方々と意見交換をさせていただいて、安全を確保していただき、そしてまた仕事に誇りと自信を持ってやっていただけるような、モチベーションを高めていただけるような、そういった意見交換をぜひいろいろな会社といろいろな機会で持たせていただきたいと考えております。

穀田委員 先ほど紹介したJALのタスクフォースは、労働組合についても触れているんですよね。それを見ますと、組合員のほとんどは、いずれも、その職務、すなわち、航空機にお客を乗せ安全に運航する仕事に対して、大変な誇りと忠誠心を持っている、このように触れています。

 もう一つ紹介したいのは、先ほど御巣鷹山の話がありましたけれども、その後も一度、大きなトラブルがありまして、二〇〇五年でしたか、あのときに、柳田氏やそれから畑村洋太郎さんなどを外部有識者ということで、日本航空安全アドバイザリーグループがつくられました。

 その提言でも、今度の提言はこう書いていまして、財務状況が悪化し、資金繰りが厳しくなったときには、安全の本質を理解していないと、安全への投資や取り組みについて、ぎりぎりの線まで合理化してよいような誘惑にとらわれがちである、この警告を発しています。そして、現場のひたむきな努力とモラルの高さが日本航空を支えていることを改めて実感した、安全を保ち利益を上げるのは現場である、日々着実に取り組む姿から伝わる感動を役員、社員で共有することは、社員の連帯や意欲の向上につながるのは確実である、こう指摘しています。

 ですから、私は、大臣が現場の方々と交流していただくことは大いにやっていただく、また、稲盛さんもそう言って歩いておられるということは、ぜひさらに、再建を見届けるまでやっていただきたいわけですけれども、こういう角度での提言を踏まえることが大事だと思うんですね。

 もう一つ、空港関連で、ついせんだってまたニュースになったのが、ちょっと時期はずれましたけれども、安全を無視した小糸工業の事件が明るみになりました。経営陣の反省の弁を見ていますと、大した反省はしていないけれども、納品期限が最優先だったと述懐していることは新聞で御承知かと思うんです。やはり、安全そっちのけでもうけ第一という姿勢を政治と行政がチェックしなければどうなるかという行き着く先を示したと私は思っています。

 私は、JRの福知山事故のときに、当時の社長が自分たちの標語を張って、もうけ第一というポスターまで張ってやっているということを明らかにして、ここに問題があるということを言いましたけれども、やはり、もうけ第一というやり方ではうまくいかないんですね。そのことがすべてだなどというやり方では、人間の命を預かるところでこんなことをやっておったんじゃだめだということを私は改めて言っておきたいと思うんです。

 ですから、私は冒頭にも、この問題についての解決策といいますか、再建に当たって基本的立場を申し上げましたけれども、今述べた、労働者の声を現場に聞く、そういう提言をしっかり踏まえる、そして安全第一という風土を率先してつくっていく、このことが二つ大事だと思っています。

 最後に、やはりその意味では、交通権の確保、さらには税金の投入という視点からしても、先ほどあったように、透明化という問題がありますし、民間任せにせず、安全確保や地域経済への影響なども考慮して、国民的な議論を起こしながら、国民的監視のもとでこれを進めるという立場に立っていただきたいと考えています。

 ですから、その点での決意を最後にお伺いしておきたいと思います。

前原国務大臣 穀田委員から、航空のみならず、小糸工業の件もおっしゃいました。データの捏造、隠ぺい、許されざることでありまして、極めて悪質だというふうに思っておりますし、JR西日本の福知山線事故についてもお述べになられました。

 もちろん、民間企業でありますので、利益を出すということは大事なことでありますけれども、しかし、安全があって信頼があって初めて公器として企業も成り立っていくということだと思いますし、特に、人様の命、安全を預かる国土交通省関連の企業にはそういった意識を徹底していくように、日本航空のみならず、他の事業者にも率先してそういった意識づけを行っていくように、私も努力をしてまいりたいと考えております。

穀田委員 この間、私、予算委員会で、トヨタの問題も大臣と質疑がありまして、やはり安全こそ大事ということを、私の中心的な礎石というところから接近をさせていただいています。

 その意味で、本委員会では、各政党の中で集中審議もしようじゃないかということも提起されています。私はその際に、支援機構それから運輸大臣、かつてのそういう画した時期といいますか、一つの画期の時期ということを担当する方や、現在と元経営陣、労働者代表、そしてタスクフォース、アドバイザリーグループなどをお呼びして、やはり意見を聞くというぐらいのことはしてはいかがかということを委員長に提案して、質問を終わります。

川内委員長 理事会で協議します。

 それでは、穀田君の質疑を終了させていただきます。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四分散会


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