衆議院

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第4号 平成22年3月2日(火曜日)

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平成二十二年三月二日(火曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 川内 博史君

   理事 阿久津幸彦君 理事 小泉 俊明君

   理事 田中 康夫君 理事 橋本 清仁君

   理事 村井 宗明君 理事 岸田 文雄君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 竹内  譲君

      阿知波吉信君    石井  章君

      磯谷香代子君    加藤  学君

      勝又恒一郎君    神山 洋介君

      川島智太郎君    川村秀三郎君

      菊池長右ェ門君    熊田 篤嗣君

      黒岩 宇洋君    小林 正枝君

      中川  治君    中島 正純君

      長安  豊君    萩原  仁君

      畑  浩治君    早川久美子君

      馬淵 澄夫君    三日月大造君

      三村 和也君    向山 好一君

      谷田川 元君    若井 康彦君

      赤澤 亮正君    金子 一義君

      金子 恭之君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      野田 聖子君    林  幹雄君

      穀田 恵二君    中島 隆利君

      柿澤 未途君    下地 幹郎君

    …………………………………

   国土交通大臣       前原 誠司君

   国土交通副大臣      辻元 清美君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   国土交通大臣政務官    三日月大造君

   国土交通大臣政務官    藤本 祐司君

   政府参考人

   (観光庁長官)      溝畑  宏君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二日

 辞任         補欠選任

  石井  章君     磯谷香代子君

  早川久美子君     萩原  仁君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     石井  章君

  萩原  仁君     早川久美子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

川内委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として観光庁長官溝畑宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

川内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸田文雄君。

岸田委員 自民党の岸田文雄でございます。

 大臣所信につきまして、お伺いさせていただきたいと存じます。大臣所信の中の箇所づけ、情報漏えい問題についてでございます。

 この問題につきましては、予算委員会等におきまして、たびたび激しい議論が行われてきました。きのうも激しいやりとりがありました。こうした議論を聞いていて思うことなんですが、今回、国土交通省においては、こうした情報提供を行った、情報漏えいが発生した、こういったことでありますが、そもそも、この情報提供というものは一体何のために行われたんだろうかな、議論を聞いていますと、ますますわからなくなってきたな、そんな感を強くしています。

 大臣は、先週金曜日のこの国土交通委員会での議論の中でも、こうした情報提供は、公共事業の透明性あるいは客観性をできるだけ高めていく方向性を示すものだという答弁をされておられたと記憶しています。また一方、大臣所信、この発言を見ますと、地方公共団体との意思疎通を図るため云々という発言がございました。

 そして、これは後ほど一つ一つ、情報提供のありようについてちょっと確認をさせていただきたいと思うのですが、今日まで国土交通省が行った情報提供、この一つ一つを見ていきますと、こうした情報提供は何のために行われたんだろうか、どうも支離滅裂ではないか、こんな感をますます強くしています。

 そもそも、今回問題になっております公共事業の箇所づけの情報提供ですが、まずは昨年十一月に事業計画というものが公になったと認識しております。その後、一月の段階で、民主党に対して公共事業の箇所づけの情報が示された、提供されたと認識をしています。そして、その後、情報提供ということにおいては二月の一日に、事業評価が情報提供として公になった。そして、二月の九日に十一月の事業計画の改訂版がこれまた公になった。こういった情報提供が行われたというふうに認識をしております。

 この一つ一つの情報提供のあり方についてお伺いしたいのですが、まず最初の、昨年十一月、事業計画というものが情報提供された、このことについて、これは何のために情報提供が行われたのか、そして、具体的にどんな方法で情報提供が行われて、公にされたのか、これについてお答えいただけますか。

前原国務大臣 岸田委員にお答えをいたします。

 まず、自公政権のときの平成二十一年度予算のときには秋口に、十月の下旬ごろから都道府県への事業計画を通知、公表された。そのときは近畿地方整備局のみで試行されたということでございますが、我々は、それをさらに全地方整備局で本格実施をしようということで、十一月中旬から下旬にかけて事業計画を都道府県へ通知、公表させていただきました。

 お尋ねの目的、意図でございますが、事業計画の通知につきましては、直轄事業の進め方について、事業費の一部を負担いただく地方公共団体との十分な意思疎通を図るために、概算要求終了後の秋ごろに、概算要求時点における次年度の直轄事業の予定や事業進捗の見込みなどをお知らせしているわけでございます。

 今年度につきましては、概算要求後の昨年十一月に各地方整備局から各都道府県、政令市に御説明をし、その後、関係市町村等からの照会に円滑に対応することができるよう、各地方整備局のホームページにおいて公表したところでございます。

岸田委員 今の大臣の答弁ですが、ちょっと大臣、意図的にそうされたのかどうかわかりませんが、この情報提供の対応、これは二つに分けて考えなければいけないと思います。

 地方に対して情報を提供する、意思疎通を図る、そうしたすり合わせを行う、これは前の政権においても国家公務員と地方公務員の守秘義務の範囲内で行われてきたことです。こうした調整は前の政権でも行われてきた。そして、それプラス、ホームページで公にするということについては、前の政権においても、近畿整備局においてこうした情報公開は行われていたということであります。それを拡大したということでありますので、何のために情報を提供したのか、これは地方との調整、意思疎通という目的があるんだというふうに思いますが、あわせて公にしたという部分があるということ、この部分について前政権との比較をどう考えるのか、何を目的にしているのか、これをちょっと考えなければいけないというふうに思っています。

 そして、次の情報提供に移りたいと思いますが、ことし一月、これが大変大きな議論の焦点になっている情報提供でありますが、一月の段階で民主党に対して情報提供が行われたということ、これが指摘をされています。

 この情報提供は一体何のために、そしてどんな方法で行われたのか、お答えいただけますか。

前原国務大臣 各地域の要望の取りまとめを行ってきた党側から、二十二年度に向けた検討状況について教えてほしいとの要請がありましたので、地方公共団体と調整などを行うための途中段階の幅を持った数値を仮配分として示す新たな取り組みを説明しておくため、その時点での関係資料を適宜見繕って、中間的な状況説明を行ったものでございます。

岸田委員 今、検討状況を教えてもらいたいと党から要請があったということですが、検討状況を教えて何をするのか、そこまで思いをめぐらすことはなかったんでしょうか。

 何のために情報を提供しなければいけないのか、これについてはどういう認識をお持ちでいらしたか、お教えいただけますか。

前原国務大臣 党側から、各自治体からの要望を取りまとめていただいておりました。もちろん、直接自治体から要望をいただいたものもございますけれども、そういった取りまとめを行っていただいた党側から要望がありましたので、現段階ではという注釈つきで、仮配分としてはこれぐらいのものをということで、適宜資料を見繕ってお渡しをしたということでございます。

岸田委員 途中経過を伝えたということですが、伝えただけで終わりだというふうに思われたのでしょうか。

前原国務大臣 そこが今回、私が鳩山総理から処分を受けたところだと思っております。この資料については、まだ途中段階の仮配分であって、外に漏らしてもらっては困るということをしっかりと調整して、その適宜見繕った資料をお見せするべきであったのが、その点についての意思疎通がしっかり図られていなかったというところが私は問題だったと思って、今回の処分については謙虚に受けとめたいと考えております。

岸田委員 その情報提供は、大臣、副大臣あるいは大臣政務官、いわゆる政務三役の規範に照らして守秘義務違反にはならないという認識でしょうか。

前原国務大臣 今、岸田委員がおっしゃったことについては、政務三役に適用がある、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範のことをおっしゃっているんだと思っております。

 これにつきましては、御指摘のとおり、一般職の国家公務員に対して適用されている国家公務員法と同様の守秘義務が規定をされております。この守秘義務の対象となる秘密とは、一般に知られていない事実であって、ほかに知られないことについての相当な利益を有するもの、すなわち、非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実をいうものと解しております。

 今回、民主党に行われた仮配分の説明資料は、昨年十一月の事業計画通知などで既に公表した情報または公表済みの情報からおおむね類推できるもので、近日中に地方公共団体に説明する予定の情報等を内容にしたものであること、確定的な数値ではなく幅を持って示されたもの、公表しないことにより、地方公共団体における混乱等の防止、国と地方公共団体との率直な意見交換の確保という行政実務上の利益が図られるにとどまるにすぎないこと等を総合的に勘案すれば、実質的な秘匿の必要性が認められず、国家公務員法の規定する秘密に当たるものではないと考えており、守秘義務違反ではないと考えております。

岸田委員 大臣の予算委員会でのやりとりを振り返ったときに、二月の十日の段階まで大臣は、調整が行われる前に公になると、誤解を招くなどにより、国と地方自治体との間の率直な意見交換が行えなくなるおそれがある、提出を控えさせていただきたい、こういった発言を続けておられたと記憶しております。

 二月の八日まで秘匿の必要性はあったのではないでしょうか。当然のことながら、一月の段階では秘匿の必要性があったのではないでしょうか。いかがでしょう。

前原国務大臣 先ほど申し上げましたように、この情報というものは、事業計画において既に公表した情報でございますし、公表済みの情報からおおむね類推できるもので、近日中に地方公共団体に説明する予定の情報等を内容にしたものであること、あとは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、私が答弁をしましたのは、負担の当事者である地方公共団体に十分な説明が行われる前の時点で公になると、地方公共団体に無用の混乱が生じ、国と地方公共団体の率直な意見交換が不当に損なわれるおそれがあるということで、秘密ではなくて、私の判断において不開示情報というものにしておきたいということで申し上げていたわけでございまして、秘密の問題とはまた別個にお考えをいただければと思います。

岸田委員 今大臣がおっしゃったようなおそれがあるというのが、まさにこの秘匿の必要性ではないかというふうに思います。

 また、先ほど来繰り返しておられますが、情報の中身が従来の情報から推定できるではないか、あるいは近日中にオープンになる情報だから、こうした非公知性と秘匿の必要性の具備には当たらないんだという御説明がありましたが、これは、例えば、従来の情報から推定できるというのであるならば、一月に提供した情報は既に公になった情報から推定できるのであるというのであるならば、二月の段階で事業計画の改訂版を発表する必要はなかったんじゃないですか。既にその段階で推定ができるというのであるならば、二月の情報公開は必要がないということになるのではないでしょうか。

 また、近日中に情報が公になるから非公知性も秘匿の必要性もないんだというのであるならば、これは、近日中に発表になる、例えばインサイダー取引等を考えたら、逆に近々発表になる情報ほど価値が高い、こういったケースもあるわけでありますから、近日中に発表になるからこれは秘匿の必要性はないんだ、非公知性はないんだということにはならないのではないかという気がしますが、いかがでしょうか。

前原国務大臣 見解の相違の部分はあるかもしれませんが、不開示情報と秘密の問題を分けて我々は考えていきたいというふうに考えております。

 事業計画である程度の幅を示しておりますし、先ほど岸田委員がおっしゃいましたように、二月の一日に事業評価というものを出させていただいたということ、それに基づいてまたどのような仮配分をするかということになるわけです。

 特に今回は、平成二十二年度の予算を年末にまとめるときには、直轄事業負担金の維持管理費というものは廃止をするという前提で我々は予算計上しておりましたけれども、政府の中のいろいろなやりとりの中で、この一年間、平成二十二年度は残るということになりまして、そういうことも含めた六百億円というお金をさらに事業として配分をするということになりました。

 そういう意味におきましては、この事業計画、事業評価、そして仮配分というものは大筋類推はできるものでございまして、先ほど申し上げたように、非公知性と秘匿の必要性にはならない。しかし、しっかりと地方自治体とコミュニケーションができていない段階でそれが漏れることによって混乱が生じるということを判断して、私の判断で不開示情報にしたということでありまして、あくまでも秘密には当たらないということでございます。

岸田委員 不開示情報と秘密の違い、大変わかりにくい説明を繰り返されておられますが、要は、秘密に当たらないということ。先ほど大臣は非公知性と秘匿の必要性、これを具備していることが守秘義務の対象の情報になるかならないかのポイントだという御説明をされました。この説、大臣のこの主張に沿ったならば、やはり私は今回出された情報というのは守秘義務の対象になる情報ではないかというふうに思っています。

 先ほど、類推できるのであれば二月の情報公開は必要ないのではないか、あるいは近日中発表される情報だから発表していいということにはならないのではないか、こんなことも申し上げましたが、例えば、一月に提示された資料を見ますと、BバイCも資料の中に載っていますよね。国交省でBバイCが公表されたのは二月になってからだというふうに記憶していますが、こういった情報も既に一月出されているということ、こういったことを考えましても、この情報は秘密に当たらないというのはかなり無理な説明ではないかというふうに思っています。

 ちょっと別の方向から一つお伺いしたいと思います。

 今、昨年の十一月、ことしの一月、そして二月に入って事業評価、事業計画の改訂版、四つの情報提供をされたというふうに申し上げましたが、一方で、衆議院の予算委員会に二月の十日、資料を提供されています。そして、二月の十五日に別の資料を提供されています。この予算委員会におきます資料の提出、二月の十日に提出された資料と二月の十五日に提供された資料、これは先ほど申し上げました四つの情報提供の中に一致するものがありますか。どれとどれが合致するものなのか、御説明をいただきたいと思います。

前原国務大臣 二月の十日と十五日にそれぞれ予算委員会に提出した資料の概要をまずお知らせいたしますと、二月の十日に予算委員会に提出いたしました資料は、予算委員会与党理事の指示によりまして、仮配分について最新の資料であり、負担の当事者である地方公共団体に混乱の生じることがない、地方公共団体への説明資料を提出したものでございます。また、一月の民主党への資料につきましては、二月の十五日の理事会の決定に従い、委員会に提出をさせていただいたものでございます。

 なお、二月十日に提出をいたしました地方公共団体への説明資料は、二月十五日に提出した民主党への資料の内容を基本的に網羅し、加えて具体的な事業内容など記載事項が充実しているほか、さらに地方公共団体に負担を求めない業務取扱費を二十二年度事業費の額から控除し、内容を正確にした最新の資料となっております。

岸田委員 要は、二月十日に予算委員会に提出した資料は、二月九日に地方に対して示した事業計画の改訂版だったということだと思います。そして、二月十五日に予算委員会に提出した資料、これは一月に民主党に提出した資料だという御説明だったと理解いたしました。

 私は、それであるならば、大変おかしなものを感じています。大臣は予算委員会に出席をされておられました。予算委員会で議論になり、そして提出を要求されていた資料は、一月に民主党に提出された資料、要は、全国の民主党組織等から寄せられた陳情等が併記された資料、こういった資料を予算委員会に提出してもらいたいと再三野党側が要求してきた、こういった経緯がありました。それを大臣は目の当たりにされていたはずであります。

 にもかかわらず、何で二月の十日、その資料ではなくして、二月の九日に地方に提出した事業計画を提出されたんでしょうか。

前原国務大臣 岸田委員にお答えをいたしますと、岸田委員も大臣等の要職を経験されておられますのでおわかりになっていただけると思いますが、委員会というのは、理事会での協議において、資料提出を政府がその委員会に求められて行うということでございます。

 私も、今おっしゃったように、委員会のやりとりは聞いておりました。しかしながら、与党の理事から、出すべき資料については、先ほども申し上げましたように、仮配分についての最新の資料であり、負担の当事者である地方公共団体に混乱の生じることのない、地方公共団体への説明資料を提出しろということの御指示でございましたので、その資料を出させていただいたということでございます。あくまでも委員会の与党理事の御指示に従ったということでございます。

岸田委員 自分はわかっていたけれども、要求されていたものと違うものを与党の理事が要求したから提出した、そういった説明かというふうに思いますが、これは、提出された予算委員会のメンバーは、当然のことながら、この議論の流れの中で一月の資料だというように受け取ってこの資料を見たんだというふうに思います。

 ですから、後にこれが大問題になって、これは資料が違うのではないか、全国から寄せられる情報と突き合わせてみたら、一月に民主党を通じて提供した情報とは違うんじゃないかという騒ぎになった。結局、放置できなくなって二月の十五日に、本当に要求されている情報を提出することになってしまった。結果として、予算委員会を欺くことになった。こういったことではないかと思いますが、いかがでしょうか。

前原国務大臣 私は、予算委員会で予算案を御審議いただく立場の閣僚の一人でございますので、予算委員会の理事さんの御指示に従うということで、要求をされる資料を提出させていただきました。

岸田委員 与党の理事が指示をしたからそれに従ったということであるならば、これはやはり、予算の審議をお願いする側の大臣として、結果的にこういった混乱を招いてしまったこと、このことについては、全く責任がないというわけにはいかないのではないかという気がいたします。この点につきましても、どうも不可思議なものを感じております。

 そして、冒頭、こういったやりとりを見ておりまして、国土交通省あるいは前原大臣はこの情報提供の中で一体何をしようとしているのか、わからなくなってきたということを申し上げたわけです。大臣は、たびたび透明性、客観性をできるだけ高めていくためにということを繰り返しているわけですが、では、今回情報提供を幾つか行った、要は、事業計画とそして事業評価、こうしたものをあわせて公表することによって、こうした透明性、客観性を高めたということを言いたいんだというふうに思うんですが、これは結果として透明性を高めることになったと自分で評価されておられますか。

前原国務大臣 すべての都道府県の事業について事業計画を出させていただき、これは十一月の末でございますけれども、そして予算審議に資する形で事業評価というものを出させていただいたということで、私は、より客観性、透明性が高まったと考えております。

岸田委員 事業計画と事業評価を両方提出したということですが、結果として、この資料を見たら、予算がいかにつきつつあるかということにおいて、BバイCよりは民主党の陳情の方が大きな重みがあったのではないか、こういった指摘がありますが、いかがでしょうか。

前原国務大臣 民主党の要望だけではなくて、知事さんからも要望をいただいておりますし、これは岸田委員も御地元の選挙区を抱えておいででありますのでおわかりいただけるように、やはり地元の要望の高いところというのは、総合的な判断の一つの大きな材料になると考えております。

 そして、繰り返しになって恐縮でございますが、ことしは特別であります。何が特別かというと、それは、直轄事業負担金の廃止を前提としていたにもかかわらず、一年間、維持管理費の一部が残るということになって、事業計画でお示しをしていたものよりは六百億円余り余分に予算をつけるということになりました。

 したがって、何か要望によってふえたところがあるじゃないかというようなお話でございますけれども、こういう前提がなければ、事業計画の中間値を足したものが、例えば仮配分の中間値を足したものと同じになるわけでありまして、そのいわゆる変化というものがつぶさにわかるようになる。つまりは、いろいろな要望が出たから上がり下がりをしたのではなくて、いかに事業評価というものを前提にしてこの予算というものが決まったのかということを、より見やすくなる形になると私は確信をしております。

岸田委員 お聞きしたかったのは、透明性、客観性が高まったかどうかということをお聞きしたいわけです。

 要は、事業評価に基づいてと今大臣がおっしゃいましたが、事業評価、確かに事業計画とあわせて提出はされました、公にはされました。しかしながら、逆に、今あわせておっしゃいましたが、陳情というのは大変重たい云々とおっしゃいました。こういった総合判断ということなんでしょうが、そのことによって、かえって透明性、客観性は下がってしまったのではないか、そんなふうに思いますが、いかがでしょうか。

前原国務大臣 あくまでも相対的な議論になるかもしれませんけれども、自公政権のときには、具体的な箇所については予算が決まってから箇所づけということで決まってきたわけでございますが、我々はそれを予算編成の十一月の段階から、幅はありますよ、幅はありますけれどもお示しをする、そして事業評価というものもお示しをする。そして、その中でどのぐらいの幅で個別の事業というものが予算がついているかということを、予算が決まってから具体的な箇所づけがされるのではなくて、国会の議論に、幅はありながらも、またそれは仮配分という決まったものではないものであるけれども、大まかな、いわゆるどのぐらい予算がつくかということで議論ができるようになるということにおいては、相対的な議論で大変恐縮でございますけれども、より客観性、透明性が高まる議論が国会の中でできるのではないかと私は思っております。

岸田委員 いろいろ工夫をされたのは事実かと思いますが、結果として、透明性、客観性は下がってしまった。どうも選挙対策、利益誘導だという誤解を招くことになったのではないか、だから大臣は処分されたんではないでしょうか。

前原国務大臣 御批判は甘んじて受けたいと思います。

 私ども政務三役が目指したところと、そして党の要望に従って資料をお見せして、それが県連を通じて事前に漏れたということについては、それは想定外ではありましたけれども、そういうものをしっかりと周知徹底しなかったということで私は処分を受けたんだと思っておりますし、それは謙虚に受けとめなくてはいけないと思っております。

 しかし、そのことを除いた場合、事業計画をすべての都道府県において発表し、そして事業評価というものも出させていただく中で、具体的な事業についても国会で議論していただくということは、私は透明性、客観性を高めることになるのではないかと思っております。

岸田委員 いろいろ考えて工夫はされたんでしょうが、結局、やってみたことについて後から理屈を、取ってつけたようなことを繰り返すがために、どうも話に一貫性がないのではないか、どうも理屈が通らないのではないか、こんなことを感じてなりません。

 そして、昨日総理は、予算委員会でこの問題につきまして、委員会では国土交通省を処分するというような発言だったんでしょうか、その後、マスコミのぶら下がりに対しまして、国土交通省の責任者たる大臣を処分することを検討するという発言をされました。大臣は処分を受けられましたか。

前原国務大臣 けさ、閣議の後に鳩山総理に呼ばれまして、口頭注意を受けました。

岸田委員 総理の方からは、処分の理由につきまして説明がありましたか。

前原国務大臣 ございました。党に対して資料を見せたときに、その取り扱いについて十分な意思疎通を図らなかった、そのことによって混乱を招いたということについての処分だということでございます。

岸田委員 私は、処分の理由がそれだけだとしたら、これは不十分だと思っています。先ほど申し上げました守秘義務の問題を初め、多くの問題をこの問題は抱えています。そういった点は不問に付して、今御説明があった理由だけが処分の理由だとしたならば、大臣の処分は不十分であるというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

前原国務大臣 守秘義務違反については、先ほど議論をさせていただきましたように、不開示情報と守秘義務の対象である秘密とはイコールではありません。不開示情報の部分集合として守秘義務に係る秘密というのがあるわけでありまして、今回は、秘密ではないけれども地方との関係において私の判断で不開示情報にしたということで、決して守秘義務違反でもないし、そして大臣規範にも反するものではない、そう思っております。

岸田委員 守秘義務違反以外にも、今回の一連の騒動の中で、例えば国会の予算の審議権の侵害に当たるのではないかとか、財政法上、財務大臣の承認を得なければいけないという規定、財政法上違反に当たるのではないかとか、あるいは、先ほどありました民主党への利益誘導ではないかとか、予算委員会ににせ資料を出すことになってしまったのではないかとか、さまざまな問題点があるというふうに思っています。

 そしてさらに、この問題、これからもまだいろいろと関心を持って見ていかなければいけない点があると思っています。

 さまざまな理由のもとに公共工事の情報提供を続けてきたわけですが、いよいよこれから予算が成立いたしますと、従来の定義での箇所づけというものが公になります。従来の、その予算が成立した後に出てくる箇所づけが、従来出てきていた情報とどれだけ類似しているのか。これが酷似しているということになったならば、今までは予算委員会の議論の中で、例えば財政法上の手続を経ていないのが仮配分で、手続を経たのが箇所づけだという大変奇妙な説まで出てきたわけでありますが、これは結果として、最終的に出てきた正規の箇所づけが従来の情報と逆に酷似しているということになったら、財政法上の規定を実質的に破ることになってしまうのではないか、こんなことも感じます。結果的に、箇所づけ、どんな情報が出てくるのか、このあたりも大変関心があるところでありますし、これはその時点でまた議論になるのかなというふうに思っています。

 このように、この箇所づけの情報漏えい問題につきましては、本当にさまざまな問題を抱えていると思っていますし、総理大臣の処分が行われたとしても、この処分はそのさまざまな問題のごく一部しかとらえていない、把握していない、こういった処分であるというふうに思っています。ぜひ、さまざまな問題点をしっかりと明らかにして、そしてどういった対応、処分がふさわしいのか、こういったことを明らかにし、その上で来年に向けてどういう対応をしていくのか、これをしっかりと議論しなければいけない問題だというふうに思っています。

 この問題はきのうの予算委員会でも、国土交通省のみならず、農水省でも同じ問題が大きな議論になっている、こんな議論が行われていました。これは、ほかの役所においてもこの問題が広がる可能性はあるわけですし、公共事業だけではなくして、非公共を初めとするほかの予算にも情報提供のありようということで問題を提起することにもなるのでありましょうし、そして何よりも、来年も予算の審議というものがあるわけですから、今、現状どうなっているのか、そしてそれをどう評価するのか、そして来年はどうするのか、このあたりについてしっかり吟味をしなければいけない、議論をしなければいけない大変大きな問題であるというふうに思っています。

 そういったことから、我が国土交通委員会におきましては、与野党の理事合意のもとに、この問題、集中審議をお願いして合意をしていただいている、集中審議をやることが決定をしているところであります。

 大臣あるいは副大臣、大臣政務官、国土交通省の政務三役と言われる皆様方、大変優秀な人材がそろっているというふうに思いますし、大変雄弁に物を語られます。私はいろいろな問題を聞いておりまして、本当に優秀な皆様方がそれぞれの場面においては大変雄弁に物を語り、そしてうまく対応されるんですが、長いスパンで物事を見ると、どうもつじつまが合わない、矛盾をしている、そういった発言があちこちに散見できるのではないか、そんなことを感じています。

 この箇所づけの問題だけではなくして、例えば日本航空、JALの再建の問題、あるいは八ツ場ダム、ダムの見直しの問題、こういった問題においてもそういった部分があるのではないか、このように認識しています。

 この箇所づけの問題とあわせて、日本航空の再建の問題、そして八ツ場ダムを初めとするダムの検証の問題、この三つにつきまして国土交通委員会におきましては集中審議を行う、これは与野党で合意をしているところであります。ぜひ、こういった意識でこの三つの問題についてしっかりと集中審議をしたいというふうに考えておりますので、大臣ほか、政務三役の皆様方にはしっかりとまた御答弁をいただきますようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

川内委員長 岸田文雄君の質疑を終了いたします。

 次に、三ッ矢憲生君。

三ッ矢委員 自由民主党の三ッ矢でございます。大臣初め政務三役の皆様方には、連日御苦労さまでございます。

 政権交代後、間もなく半年が経過しようとしているわけでございますが、その間、国土交通関係もたくさんの問題といいますか課題が出てきております。今ほど岸田委員の方からもお話がございましたが、日本航空の再建の問題ですとか、あるいは八ツ場ダムの問題、さらに今お話のございました箇所づけの問題、また、もう一つあえて言うならば、例えばトヨタのリコールの問題とか、大変たくさんの課題が山積しております。

 我々としては、JALの問題、それから八ツ場ダムの問題、さらに箇所づけの問題について集中審議を理事会の方でもお願いし、合意をいただきましたので、これからこの委員会で充実した審議を行わせていただきたいなということで、大変楽しみにしておるところでございます。

 そちらは集中審議の方でまたしっかりと議論をさせていただきたいと思っておりますので、きょうは大臣に対する所信の質疑ということで、もう少し基本的なことについてお伺いしたいというふうに思っております。

 先日のチリの大地震による津波がございまして、気象庁の方でどうも謝罪をされたというようなことが出ておりました。要するに、過大な警告といいますか警報を予報してしまったということだと思うんです。私は、それは大したことじゃないと思っております。

 私の地元も長い海岸線を持っておりまして、ただ、あの津波の警報が出たときに、やはり沿岸地域に住んでおられる方、皆さん大変心配されたんですね、当たり前の話でありますが。避難勧告も出まして、実際には全員が避難したというわけじゃなくて、警告が出たにもかかわらず数割の人しか避難しなかったという、これはこれでまた問題だと思っているんですが。

 何を言いたいかといいますと、実は、海岸線の堤防、私の地元の例をとって申し上げますと、ちょうど伊勢湾台風あるいはチリ津波、およそ五十年前ですね、そのころにできた堤防が多いんですね。これは、実は耐震化もできていないような堤防がまだございます。

 それで、地元の方々は常々非常に心配をされておられまして、チリ津波はあれでありますけれども、東海地震とかあるいは東南海地震、南海地震、これは今後三十年以内に七割以上の確率で必ず来るであろう、東海地震はもういつ起こってもおかしくないというふうなことで、その沿岸地域に住んでおられる方は大変心配しておる。他方で、五十年も前にできた非常に古い、老朽化した堤防が多くて、本当にこんなので大丈夫だろうかということを常々心配されております。

 それで、前原大臣は、コンクリートから人へ、これを金看板にされておるわけではありますが、他方で鳩山総理は、今度の予算は命を守る予算だ、命を守りたいと何か涙ながらに本会議場でも何回も言っておられました。このコンクリートから人へという話と命を守る予算、これはちょっと私、矛盾しているんじゃないかなという気もしないでもないですね。人の命を守るために必要なコンクリートは、まだまだたくさんあると私は思います。

 この点に関して、まず前原大臣のお考えを伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。

前原国務大臣 三ッ矢委員にお答えをいたします。

 私どもがフレーズで使っておりますコンクリートから人へというのは、別に、コンクリートを全部やめて、すべて人への投資に税金の使い道を変えるという意味ではありません。予算の使い道を、比重をコンクリートから人に変えていくということであります。

 よく私が使う三つの制約要因として、二〇〇四年をピークに日本は人口減少社会に入っている。しかも、二つ目には、少子高齢化が進んで、現在六十五歳以上の人口比率は二二%ぐらいだと思いますが、二〇五〇年には六十五歳以上の方は四〇%程度になっている。しかも、十五歳から六十四歳を生産年齢人口といいますけれども、今六六%ぐらいでありますけれども、これが五二%ぐらいにまで落ちてくる。つまり、働く人がいなくなって、そして社会保障に頼らざるを得ない世代の方々がこれからどんどんふえていく。そして、三つ目には、日本が抱えている長期債務というのは日本のGDPの一・七倍もある。

 これを考えたときに、すべての予算の使い道を見直していかなくてはいけないと。少子化対策をどうするんだとか、あるいは医師不足、介護士不足、施設不足、年金の安定化、あるいは教育、こういったものに対してよりお金を使っていくとすれば、どこか削らなきゃいけない。もちろん、公共投資だけではありません。これから四年間かけて我々がやらせていただくというお約束をしている公務員の人件費の二割カット、これはしっかりやっていかなくてはなりません。

 したがって、我々が申し上げているのは、この今の日本の置かれている状況を考える中で、政権交代があって、その政権交代を契機に、予算の使い道を、コンクリートに使っていたものから人へと移させていただく。すべてではありません。これをコンクリートから人へと言っているわけで、公共投資は残ります。

 例えば国土交通省でいえば、五兆五千八百四十七億円の予算のうち公共事業費は四兆八千五百八十五億円あるわけでありまして、今、三ッ矢委員がおっしゃったような耐震化の問題とか必要な公共事業というものは、できるだけ効率化を図りながらしっかりやっていくということが必要であり、すべての公共事業を否定しているわけではなく、大事な公共事業はしっかりとやっていくということが我々のスタンスでございます。

三ッ矢委員 高齢化が進んでいく、それから子供の数が少なくなっていく、社会保障費がどんどん膨らんでいく、これは日本だけじゃなくて、恐らく先進国みんな、スピードの差はあれ、同じような状況になってきているんだと思うんですね。その中で、身の丈以上の社会保障を手当てしないといけないというような状況になっていくのは、私、もう現実だと思うんですよ。

 今、ヨーロッパでギリシャのことがいろいろ問題になっていますね。財政破綻して、ユーロ圏そのものが崩壊してしまうんじゃないかというような話にもなってきていますけれども、私は、これは結局、先進諸国皆同じ病といいますかに取りつかれていって、ギリシャがヨーロッパの中ではたまたまそういう状況が一番先に出てきてしまった。これから、スペインですとかイタリアですとか、ほかの国も同じような状況になってくるんじゃないかということが言われていますけれども、それに先駆けて日本は、世界で一番高齢化のスピードも速いし、少子化も進んでいる、確かにおっしゃるとおりであります。その手当てをしないといけないというのは事実でございます。

 ただ、しつこいようですけれども、人口は減ろうが高齢化が進もうが、やはりそこに住んでいる人がいるんですね。ですから、その人たちの命はやはり守らないといけない。そのことだけはぜひお忘れなく、必要な対策はきちんと打っていただくように、まずこの点についてお願いをしておきたいと思います。これはもうこれ以上申し上げませんが、私からの要望ということで受けとめていただきたいと思います。

 政権交代、半年たちました。前原大臣は、政権交代とは一体どういうことだというふうにお考えになっているんでしょうか。

 欧米など、言ってみれば成熟した民主主義国家では、政権交代というのは時々起こることですね。私は、政権交代、特に成熟した民主主義国家では、これは車の運転手がかわることだと思っているんです。運転手がかわりますよと。もちろん、運転手さんによって、スピード狂の運転手さんもいるかもしれないし、安全運転をやっていく運転手さんもいるかもしれない。だから、政権交代というのはその運転手がかわることであって、車そのものをかえることではないと私は思っているんです。

 ところが、民主党政権を拝見していますと、何か車そのものをかえようとしているんじゃないかなという気がして仕方がございません。革命ならともかくも、選挙という手段といいますかを通じて政権交代されたわけでありますから、国家の体制そのものを変えているわけではないし。したがって、本来ですと、運転手がかわりましたよ、運転の仕方は違いますということで、これが民主主義国家における政権交代ですということだと思うんですが、どうも車をかえようとしているというような気がして仕方がないのであります。

 これは、日本の民主主義が実は余り成熟していないからなのか、あるいは民主党の皆さんが勘違いをしておられるのか、どちらかわかりませんが、前原大臣は、政権交代というのはどういうものだとお考えですか。

前原国務大臣 車に例えるとより話がややこしくなるかもしれないなと思って伺っておりました。私の感覚では、車もかわるのではないか。乗っている国民は一緒ということで、私は、車そのものもかわっているのではないかと思いますが、余りこれの議論自体に意味があると思いませんので、この車の議論は控えておきます。

 私は、政権交代というのは、政策が変わる、税金の使い道が変わる、そして、特に、これはもちろん自民党も標榜されていたことでありますけれども、国と地方の関係を変えていく、この三つが、政権交代を機に大きくドラスチックにこれから変えていくということになっていくのではないかと思っております。

三ッ矢委員 多少見解の相違もあるようでありますけれども、まだ半年ですから、ぜひ奮闘されるように激励を申し上げたいと思います。

 さて、これは昨年十一月のこの委員会でも伺ったことでありますが、あれからでも三カ月以上たつわけであります。大臣ほか、政務三役の方も、皆さん大分なれてこられたんだと思いますけれども、大臣は、政権交代後半年たって、民主党が言っておられる政治主導、これがうまく機能しているというふうにお考えでございましょうか。また、政務三役と官僚の皆さんとの関係、これが、政権交代した直後と現在とで何か変わったところが出てきているんでしょうか。

 私が聞いている話によると、官僚の中で、非常に忙しく政務三役の皆さんと仕事に懸命に取り組んでおられる方と、今まで忙しかったのに政権交代したら結構暇になりましたと言っている方と、どうも二種類出てきているなという気がしております。

 私は、皆さんが官僚を信用していないのか、あるいは官僚の話を余り聞くと洗脳されるということを恐れておられるのか、どちらかよくわかりませんが、皆さんが政治家として正しい判断をしていただくためにも、官僚の人たちの話もしっかり聞いてほしいなと思っているんです。

 一つ典型的な例を申し上げますと、普天間の話なんかそうだと思うんですよ、私は。あれなんかもうちょっと、経緯をよく知っている役人の話もしっかり聞いて対応していれば、恐らく今日のようなこんな迷走はなかったんじゃないかと思うんですね。今ごろになって、過去の経緯も含めて説明を受けたいなんということを言っているようでは、政治家として正しい判断ができるはずがないと私は思います。

 そういう意味で、官僚というのは、恐らく皆さんが思っておられるより、ずる賢くもなければ、あるいは体を張って抵抗をするというような度胸もないですよ、私、自分の経験からいきましても。結構腰抜けですから、政治家の言うことはちゃんと聞くと思いますよ。ですから、もう少し腹を割って、信用していただいて、しっかりと官僚の話も聞いていただければなというふうに思うんですが、その後、官僚の皆さんとの関係で何か変化はあったんでしょうか。

前原国務大臣 三ッ矢委員は、旧運輸省、そして国土交通省のOBでいらっしゃいますので、だれが暇になったとおっしゃっているのか、またこっそり教えてもらえれば、そこに仕事を集中させていきたいというふうに思っております。

 私は、政策とかマニフェスト、あるいは民主党の今まで積み上げてきた政策というものを、社民党さんや国民新党さんと連携をとりながらやっていくということで、政務三役を中心としての政治主導というのを言っておりますけれども、特に私は野党のときから、役人の皆さん方というのは優秀な方もいっぱいおられるし、また、なぜ役人になったのかということで、国を少しでもよくしたいという使命感でもって役人になられた方がいっぱいおられるというのは、存じ上げております。

 そういう意味では、国土交通省の中に実際入って、そして役人の人と仕事を一緒にしていく中で、国土交通省もその例外ではないということで、一緒に力を合わせてやらせていただいております。

 もちろん、意見の違うところは初めは多々ありました。例えば方向転換でいうと、三ッ矢先生とは違いますけれども、八ツ場ダムの問題を含めて河川は方向転換をするということでありますし、航空行政あるいは他の国土交通行政も見直していくということで、それは、今までやってこられた方からすると、不愉快な思いを当初は持っておられる方々もたくさんおられたと思いますけれども、できるだけ話をして、そして我々の考え方を納得していただいて、私は、今の国土交通省の中では、基本的に一生懸命に、役人の皆さん方の協力もいただいて政策立案、遂行というものがなされているのではないかと思います。

 これはためにする議論ではなくて、本当にOBとして、どういった点が、我々の目が届いていない点も多々あると思います。したがって、忙しいところと忙しくないところ、これは容易に想像できます。例えば、毎日のように顔を合わせる局長と、つい最近まで名前を覚えられなかった局長と、十三も局があればそれは確かにあります。しかしながら、やはり、そういった仕事をしていただくということは大事なことでありますし、暇にしている暇は今の日本にはないと私は思っていますので、そこは、与野党の垣根を越えてOBとしてアドバイスをいただければ本当にうれしいと思っております。

三ッ矢委員 ぜひ、死ぬほど暇な人をつくらないように、死ぬほど忙しく働かせていただきたいと思いますし、もしそういうのを見つけましたら、私も叱咤激励しておきたいと思います。しかし、それは、やはり大臣初め皆さんがしっかりと使いこなしていただかないといけないわけでありますから、その点、ぜひ心してお願いしたいなというふうに思います。

 それからもう一つ、やはり十一月のこの委員会で、私は、政治家が余り細かいところまで口を出すようになってくると、利益誘導のおそれが出てくるんじゃないかということを申し上げました。そのとき大臣はどう答えられたかというと、そういうことのないように十分注意をしていきたいというふうにおっしゃったと記憶しております。

 先ほど岸田委員の方から質問のありました箇所づけ問題、私は、この問題が出たときに、やはり心配していることが起こってしまったなというふうに思いました。大臣はどう言われるかわかりませんが、きのうは予算委員会で、鳩山総理も、やはり利益誘導だとかあるいは選挙に利用したというような、誤解という言葉を使っておられたかどうか忘れましたが、そういう表現をされていたと思います、そういうことのないように、そういうふうにとられても仕方がないようなことがあったんだろうというふうな答弁だったと思いますが、まさにそのとおりだと思うんですよ。

 だから、大臣は、私に対して十一月のこの委員会で、利益誘導のことに関して、絶対そんなことはさせないというふうに言っておられたと思いますけれども、この件に関して、先ほどの箇所づけの問題との関連でどういうふうに思われますか。私に対して十一月に答えられたことと、今こういう問題が起こってしまったことに対して、どういうふうに感じておられるんですか。

前原国務大臣 三ッ矢委員に十一月の段階でお答えしたときに、具体的に詰めていたわけではありませんが、政務三役の間で、どうやって公共事業の割り振りというものを、失礼な言い方ですけれども、今までの政権とは違う形でやっていくのかという議論は、ずっといたしておりました。その一つの結果として、十一月の事業計画の発表と、今まで自公政権では試験的に近畿地整だけ、近畿だけやっておられたと思いますけれども、全部に広げるということと、予算が決まってから公表していた事業評価というものを出して、客観的にこの公共事業にはこれだけの予算がつくんだといったことまでオープンにして、透明度、客観度を上げて議論していただこうということを準備してきたわけでございます。

 その意味では、私は、三ッ矢委員に申し上げたことは、うそを申し上げたつもりはありません。

 ただ、その中で、民主党が要望をまとめたわけですね、自治体からの要望を。そして、民主党からの要望に基づいて、では、それはどうなっているのかということをお示ししたときに、これについてはまだ途中段階のものだしというようなことをちゃんと説明せずに、そしてそれが自治体に先に伝わって、そして、おっしゃるように、あたかも利益誘導のように見えたということについては、私は大変遺憾だというふうに思っております。

 このことを一つの反省材料として、先ほど申し上げた、より透明度の高い、最終的には箇所づけ、予算を御審議いただいている段階においては仮配分、こういったものを定着していくように、また、この国土交通委員会の委員の皆さん方の御議論もいただきながら、どうすれば、いい公共事業の箇所づけというもののあり方が、客観性が保てるようなあり方になるのかということも、皆さん方に我々の試行を一つの材料として御議論いただければありがたい、このように考えております。

三ッ矢委員 大臣、格好よく答えられるんですよね。格好よく答えられるんですけれども、結果は、私は、やはり特定の政党あるいは特定の地域に対して配慮がされた、これは利益誘導だというふうに思いますよ。

 もう一つ言うと、国会の予算審議を活性化させるためとか、あるいはもう少し中身を、審議を充実させるために、そういう資料をこれからは事前に出しましょうという話もあるかもしれません。それはそれで私も反対ではないんですけれども、これは、実は実現するためにはいろいろ問題があります。先ほど岸田委員が触れられた法律上の問題もあるし、それと、国交省だけでおさまらない話になってくるんですね。

 本来、国会で予算を審議するということは、まさにそういうものを全部テーブルの上に出して、皆さん方がやっておられた事業仕分け、あれを国会でやろうじゃありませんか、そういうことにほかならないと思うんですよ。それはそれでいいと思うんですよ、私も。

 ただ、これをやるためには、いろいろさっき岸田委員が言われたようなハードルがございますから、きちんとこれは政府全体として考えないといけない話だと思っておりまして、前原大臣だけが私はやりますよと言っても、なかなか難しいと思いますよ、正直言いまして。

 だから、これは本当に政府全体として考えてもらわなきゃいけない話だし、また、それがいいのかどうか、その点も含めてこれは与野党できちんと議論をして、予算審議の新しいルールということになってしまいますから、余り軽々に、これから我々は出しますよということは言われない方がいいと思います、議論をしましょうということはいいと思いますけれども。むしろ、やはり私は、今回起こったようなことは来年以降二度とやりませんということを言っていただきたい。皆さんは、自民党でさえやらなかったことをやったんですから。いや、これは笑い事じゃなくて、本当にそうなんです。

 いずれにしても、もし予算審議を活性化しようとかいう話であれば、今申し上げたように、やはり政府全体あるいは与野党含めてきちんと議論した上で決める話だというふうに思っておりますので、その点についていかがですか。

前原国務大臣 それは、本当に三ッ矢委員おっしゃるとおり、政府全体で決めなくてはいけないことでありますけれども、ただ、公共事業は大宗が国土交通省でありますし、農水省もある程度ございますけれども、国土交通省がどういうスタンスで臨むかということが、政府全体のスタンスにもかかわってくると思います。

 とにかく、透明度を上げたいという気持ちには全く変わりがありませんので、いいのかどうなのか、あるべき形は何が一番好ましいのか、こういったこともこの委員会でぜひ御議論いただいて、それを参考にさせていただきながら、よりいいものにしていくという努力をしていきたいと考えております。

三ッ矢委員 ちょっと別のことを聞きたいと思います。国土交通省所管の独立行政法人、幾つもありますが、この役員の選任についてのことを伺いたいと思います。

 特に理事ポストですね。政権交代されてからも、幾つかポスト、理事の交代といいますか、あったと思いますが、どのような選考手続で理事を選任されたんでしょうか。

前原国務大臣 独立行政法人の役員公募につきましては、学識経験者など第三者から成る選考委員会による書類選考、面接を実施していただき、選考委員会としての評価結果を任命権者、理事につきましては理事長、監事につきましては大臣に御提示をいただきました。

 その後、理事については、任命権者である理事長と私が協議し、また、国土交通大臣が任命権者である監事については、私自身が候補者を決定した上で、官房長官への協議を経た上で任命をさせていただきました。

三ッ矢委員 政権交代以降、幾つのポストについてこの手続がとられたんでしょうか。公募されているということだと思いますけれども。

前原国務大臣 これは、先生、お尋ねは公募のポスト数ですか。公募は六つでございます。

三ッ矢委員 その六つのポストのうち、選考委員会の選考結果と、理事については大臣は協議を受けられるわけですね、結果が異なったものがあるんでしょうか。

前原国務大臣 結果が異なったものについては再公募をしたということであります。

 もうちょっと詳しく申し上げましょうか。済みません、私の頭の整理も含めて。恐縮でありますが。

 公募対象のポストの選考結果ということでありますが、監事が四名、そして理事が十一名、合わせて十五名でございます。

 正直申し上げまして、これは明らかになっていることですから申し上げますと、私も初めびっくりしたんですけれども、選考委員会があって、面接とか書類選考とかあって、提示されたときに、初め五百何人のうちから絞り込むわけでありますが、それらの十五のポストで、この人を選べというところで出てきているのが幾つかございまして、それがいわゆる役人の出身ということであったのには私は驚きました。そして、もう一度、要は、書類選考を経て面談をした人まで戻して、そして協議をさせていただけるような形にならないかというようなことで、結果として、それが相調わずというところにも再公募をしたりしたということでございます。

三ッ矢委員 大臣は、選考委員会がこの人をということでピンポイントで一人推薦してきた、それが役人出身者が多かったと。なぜ驚かれたんですか。

前原国務大臣 ちょっと数字ははっきり覚えておりませんが、応募した人の五百三十何名かのうち、役人OBが、恐らくこれも三十名ちょっとだったと思いますけれども、絞られてきて、役人の人が優秀な人が多いというのはわかりますよ。わかりますけれども、五百何名いて、役人の人が三十数名しかいなくて、選んできたのが一分の一でほとんど役人経験者というのには、私は驚きました、正直申し上げて。

三ッ矢委員 公募をされた以上、公正なルールに基づいて、人物、識見、能力、あるいは経験、そういうことを勘案して、結果、役人出身の方が多かったのかもしれませんが、私は別に、ルールをねじ曲げてそういう選考が行われたと思っておりません。別に、役人だからそれを採れと言っているわけじゃないんですよ。だけれども、そこを、恣意的と言うと失礼かもしれませんが、やはり余りにも、そういうところに介入して……(前原国務大臣「介入じゃない」と呼ぶ)いや、結果としてそうなっているわけですよ、選考結果と変えちゃっているわけですから。

 ルールがおかしいんだったら、それはそれで変えればいい。そうでなければ、初めから役人のOBは採りませんよと言った方がよっぽどいいと私は思いますよ。まともに公正な手続で選ばれた人を、いや、役人だから、おかしいから差し戻しというのは、そっちの方がよっぽど私は驚きです。

前原国務大臣 これは、国会で延々と議論がされてきた天下りの問題ともかかわると私は思うんですね。

 もちろん、公募から選び込んだ人というのは、それはいわゆるポリティカルアポインティーで選ぶわけですから、そういう意味では天下りに当たらないというのが恐らく三ッ矢委員の御指摘だというふうに思いますけれども、私の立場からして、これは非常に率直に申し上げますと、五百三十何人も応募者がいて、そして役人は三十数名しかいなかった。その中でほとんどが、例えば私が選べる監事ポストというのもあるわけですけれども、それは、最後は、この人ですよということで一人だけ上げてきて、それが役人OBだったという人の比率が多かったら、私はむしろその方が奇異に感じたということであります。

 私の好きな人を選んでくれなんということを言ったわけじゃないですよ。もう一度差し戻してやり直すということをしているわけでありまして、もう少しオープンに、面接をし、そして評価をし直すということをやってくれないと、私からすると、この人だけしかあなたは選べませんよ、大臣、選べませんよ、しかもそれは役人出身と。それは、繰り返しになって恐縮ですが、役人の出身が優秀な人が多いのかもしれないけれども、これは委員とは全然意見を異にしますけれども、私はその方がやはり奇異に感じました。したがって、もう一度やり直してくれと。決して、私がこの人を選べということで選んだ人は一人もいません。

三ッ矢委員 これは、これ以上この問題を議論していても、水かけ論といいますか、見解の相違だということになるかもしれませんけれども、さっきも申し上げたように、天下りとの関係でおっしゃるのであれば、むしろ、そういうポストに公務員出身者はもうつけませんというルールにした方が、よっぽどすっきりしていると思いますよ、余分な期待感も持たせなくていいと思いますし。

 逆に、ちょっと伺いますが、きょう来ていただいていますけれども、観光庁長官、これは、大臣はどういう理由でお選びになったんですか。

前原国務大臣 観光というのは、財政出動を伴わないで経済を活性化させる、成長の一つの大きなかなめの政策だというふうに私は思っております。

 本保前長官は、今まで初代の観光庁長官としてしっかり仕事をしていただいて、その礎を築いていただいたと私は思っております。

 八百三十五万、八百三十七万ということで、おととし、さきおととしでインバウンドが推移をし、去年は、リーマン・ショックの影響もありまして、インバウンドが六百七十九万人まで落ち込んだ。これを何とか開拓していくためには、民間で培った経営能力、馬力、そしてさまざまなネットワーク、人間関係、こういったものを駆使して営業活動をぜひしていただきたい。

 もちろん、溝畑長官のほかにも何人か我々は内々に当たったわけでございますけれども、溝畑長官は、委員も御承知のとおり、大分トリニータというサッカークラブ、フットボールクラブというんですか、初め観客数三人であって、なかなか大分でスポンサーがつかないという状況の中で、観客数平均二万人。そして、地元の企業をみずから回って出資を募って、そして、一部、これは優勝した、ナビスコ杯でしたかに優勝されるというところまで御努力をされた方でありまして、その今までの経営者としての能力、実績、馬力、こういったものに期待をしたということでございます。

三ッ矢委員 この問題は、実は予算委員会で河野委員が大臣に大分質問されていましたので、これ以上言いませんけれども、トリニータを立派に経営されてきたというお話ですけれども、トリニータはもう風前のともしびですよね、債務超過に陥って。

 私は、本来、こういう公のポストですから、先ほどの独立行政法人のポストよりもさらに透明性を持って公平に、こういうポストにつく人は、客観的に見て、能力、識見、人格、経験、どこから見てもおかしくないという方を、むしろこういうポストこそ公募で選ばれるべきだと思うんですよ。

 これはちょっと問題だと思いますよ。お友達を連れてきたとは言いませんけれども、もう少し対外的にきちんと説明のできるような人選、それから選考方法、これをやっていただかないと、だれでもいいんだみたいな話になっちゃって、大臣が自分が判断して能力、識見、人格とも問題ないと決めれば、役所のポスト、どこでもつけられるんだというふうに受けとめられても、これはしようがないですよ。そこは十分注意をしていただかないと、前原大臣御自身に非難といいますか批判が出てくることになると私は思いますので、十分注意していただきたいなと思います。

 そこで、観光行政について、これは河野委員の質問にも大臣もお答えになっていましたが、溝畑長官が、二年ですか、二年の任期で……(前原国務大臣「ミニマムで」と呼ぶ)ミニマム二年ということで選考された。その間に、目標を掲げて、それに向かって実績を上げてもらうんだということを言っておられました。

 長官に伺います。この二年間で、具体的な目標は何を掲げて、どこまで実績を上げようとされているのか、答えていただきたいと思います。

溝畑政府参考人 まず、観光を日本の成長戦略の重要な柱と位置づけまして、財政出動に頼らない成長戦略ということで、重要な柱ということで取り組んでいきたいというふうに考えております。それに当たりましては、関係省庁、地方自治体、民間の皆さんと十分な連携協力のもと、特に今から申し上げます三点について重点的に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 一点目が、訪日外国人旅行者数、これを二〇一三年までに一千五百万、二〇一六年までに二千万、二〇一九年までに二千五百万という目標を掲げております。特に、成長著しい中国を重点的に市場として海外のプロモーションを強化いたしまして、また、受け入れ体制の強化によりまして、目標達成に向けて全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。

 二点目は、休暇の分散化でございます。これによりまして、旅行需要を平準化する、旅行コストを低減する、そして観光にかかわる方々の雇用環境を安定する。それによりまして、観光の需要を全国に浸透させたいというふうに考えております。

 三点目が、我が国は非常に貴重な観光資源に恵まれております。自然、歴史、文化、風土、ファッション、アニメ、映画、スポーツ、このような観光資源を十分にブランド化し、そして十分にマーケティングを行いまして、これを商品化する。そうすることによりまして、例えば、医療観光、そしてスポーツ観光、それからエコツーリズム、グリーンツーリズム、さまざまな世界に誇れる観光商品を構築していく、これが三点でございます。

 そして、四月には、ようこそジャパンにかわります新しいキャッチフレーズをつくりまして、まず、観光を基幹産業として、広く国民の皆さんに観光を浸透させるように努めていきたいと考えております。

 以上でございます。

三ッ矢委員 もうちょっと具体的な、二年間で私はこれをやりますという目標をきちんと言っていただけるのかと思ったけれども、非常に抽象的に、今まで皆さんが言っておられることをそのまま言っておられるので、非常に残念な思いがいたしましたけれども、しっかりと我々また観光行政をウオッチしていきたいと思っていますので。

 それで、もう時間がなくなりましたので、最後に、これは質問ではありません、要望です。

 これから、JAL、八ツ場、それから箇所づけ、この三つの集中審議をこの委員会で持たせていただくわけですけれども、特に日本航空の問題です。これは、我々は実は党を通じても資料をいろいろ要求してきております。ところが、例えば企業再生支援機構がつくっている再建計画、これはまだ我々の手元にありません。見せていただいていないですね。

 ただ、こういう資料は、私は審議の前提になる重要な資料だと思っていまして、ぜひこれは大臣、大臣からも、集中審議の条件とまで言っていいかどうかわかりませんが、前提になる大変重要な資料でありますから、審議を充実させるためにも、そういう資料をきちんと出すように関係先に働きかけていただきたいなというふうに思っておりますので、これは要望として申し上げておきたいと思います。

 終わります。

川内委員長 今の資料の件は、理事会でも協議します。

 三ッ矢君の質疑を終了させていただきます。

 次に、北村茂男君。

北村(茂)委員 自由民主党の北村茂男でございます。

 私は、国会に、国政にかかわって四年半ほどですが、それ以前は地方議会に籍を置かせていただいておりました。そのころから、党は違いますが、前原大臣の国会でのさっそうとした御発言や議論ぶりをよく拝見いたしておりました。立場をかえて言うと、すばらしい政治家がおられるんだな、なぜ民主党になどいるのかなと思ったぐらいでありました。それほど私なりに敬意というか尊敬をしておった一人でもございます。

 しかし最近の、新しい、政権が交代して閣僚になられてからの前原大臣の御発言や言行が、私が今まで抱いていた思いとは若干違うところに行ってしまったのかな、そんな感じがするわけであります。

 敬意を払ってきた一つに、あれほど剛腕と言われる小沢一郎幹事長に対しても毅然と自分の意思を表明してこられたという経過を見ても、私は十分その思いは間違いでなかったと思っていたんですが、例えば八ツ場ダムの中止、廃止はともかくとして、その手法の問題、あるいはJAL問題に対応する、法的整理はしないとの一連の発言の中でのこれまでの経過、あるいは、方向性としてはうなずくところはありますけれども、港湾整備の拠点化といいますか重点化。こういうようなことは地域にどんな影響を与えるのかということを、方向性としてはわからないわけじゃありませんけれども、私は、その手法あるいは目指すところというのは、余り急激なことをして、どんな問題が派生して起こってくるのかということを考えると、どうも最近は、私の思いとは若干違うのかな、こんな思いを抱いております。

 とりわけ、今ほど岸田先生や三ッ矢先生の質疑の中で十分時間をかけて議論のありましたいわゆる箇所づけ漏えい問題に対する対応などを見ると、私の思いは増幅するというか、そんな思いになってくるわけであります。

 私は、この漏えい問題というものを知ったときに、私も実は地方議会の前は国会議員の秘書もしておりまして、この問題がこれまでどんなような経過をたどって、どんな歴史を踏んできたかということは私なりに承知をしているつもりであります。したがって、まさかこんなことが起ころうとは、あれほどすばらしい見識をお持ちの大臣や、三役の皆さんがおられて、こんな問題が起こってくることを予期できないわけがなかった、十分よって起こる事態は想定できたはずだ。想定外だ、極めて遺憾だと言うのであれば、あの賢明な大臣であれば、事前に十分阻止ができたはずだ。できなかったのは、唯一、剛腕民主党幹事長室の指示に反抗できなかった、それがこの結果を招いたのではないかというふうに私は思えてなりません。

 もしもこのようなことが続けば、まさしく党高政低、東と西じゃありません、党が高いところにあって、その傘下に政がある、内閣があると言われかねないと思います。どこかの国に似てきているのではないかと言われるのではないか。私が尊敬をしてきた前原大臣をして、そんなことに屈するような人ではないと思ってきただけに、私の受けたショックは極めて大きい。なぜなら、今民主党におられる官僚出身の国会議員の方で、こんなことはあろうはずがない、もしもこんなことがかつての時代に起これば、大臣の首が一人や二人はすぐすっ飛んで当たり前だということを堂々と言っている民主党の議員もおられるんです。

 今、議論の中で、透明性を高めるためだ、あるいは客観性を高めるためだというようなお話もありましたが、それはだれも否定する者はいません。透明性や客観性を高めるというのは当然です。しかし、そのルートの、いわゆる整備局を通じて、今大臣言われましたように、自由民主党時代も十一月何日ごろには内々に出していたんだ、そして調整をしていたんだ、我々、近畿整備局からさらに全体に広げてやっているんだというお話は、それは一方で私は間違いないことだと思う。それを言っているのではありません。民主党という限られた一政党に、政権を担っているのは、民主党だけのものじゃないんですよ。でしょう。今や、国民の負託にこたえて、日本の政治のすべてを、命運を握って、責任を果たさなきゃいけないんだ。与党だからといって民主党にだけ渡すというのは、その時点でわからないわけがない。

 想定外と言われますが、もしも想定内だったとしたら、どんなことを想定していたんでしょうか。この問題がどんなことになるということを想定しておられたんでしょうか。

前原国務大臣 お褒めをいただいた後、それが崩れてきているので答えやすいわけでありますが、想定外であったわけで、想定内を前提とした質問にはお答えはしかねますので、申しわけございません。

北村(茂)委員 いや、例えば、政党に渡すと三役で協議して、もう知っていたんだと予算委員会で言われましたよね。党に渡すということは合意ができて、わかったと言ったんだと。しかし、それから先に行くということは想定外だったとおっしゃっているんでしょう。

 でも、違うんですよ。二月二日の六時一分から六時二十二分までの会見室でのあなたの大臣会見がありました。記者の質問に対して、あなたはこう答えています。「内示をしているのは地方整備局を通じて各都道府県に内示をしています。そして民主党を通じて各都道府県連に内示をしています。」こう言っているんです。「つまりは党を通じてだけ行っているということではありません。具体的な箇所付けについてはいろいろな要望を承りました。その報道、新聞を見ましたけれども別に直接話があったからどうのこうのではなくて、例えば事業進捗状況が今如何なる状況にあるのかによって、今年は突っ込まなければいけないところと、むしろ突っ込めないところといろいろなところがあります。或いは用地買収が想定されるところとそうでないところ」がある、ばらつきがある、ここまで言っておられるんです。内示という言葉を使って言っておられるんです。

 これで違いますか。したがって、党から行けばどこかへ行けるということは想定外だったのか、本当にそう思っているんですか。

前原国務大臣 今委員がおっしゃったことについては二つのことを申し上げたいと思うんです。

 内示という言葉を使ったことについては、金子前大臣の予算委員会での質問で訂正をさせていただいております。仮配分ということで訂正をさせていただいております。

 二つ目には、今委員がおっしゃった、記者会見のことだと思いますけれども、もう伝わっているという、つまりは、県連を通じていろいろな自治体に話が伝わっていますよということを受けての質問に答えて私が申し上げているんだと思います。私の頭の中では、自治体には整備局を通じて伝える、それが前提で私は物事を考えておりましたので、今申し上げたとおり、いや、自治体には整備局を通じて伝えます、こういうことを申し上げたわけであります。

北村(茂)委員 具体的に申し上げます。

 私どもの地元の新聞です。お渡しすればよかったのかもしれませんが、一月三十日の朝刊です。二十九日に各県連に渡して、それが翌日の新聞、二十九日中に原稿になっているから三十日の朝刊に出ているんです。「国直轄事業の配分固まる 県内の新規はゼロ」「二〇一〇年度政府予算案で、国土交通省の直轄事業の都道府県別配分が二十九日までに概ね固まった。県内で新規事業は行わず、十二年度までに供用を予定している継続事業や災害関連に重点配分する。」「金沢港大水深岸壁の整備費は、今年度の三十二億七千万円を下回る十四〜二十億」と、全部数字も出ているんです。

 馬淵副大臣の御出身の奈良県の新聞にも詳細が出ておるということは、御案内のとおりです。もう既に、出るということは想定内だったんじゃないんですか。知らなかったんですか。これは、阿久津副幹事長ですか、それを渡したときに、口頭でやれよとか、文書は出すなよ、証拠が残るものにするなよとかということで、もう行っているんです。

 それから、市町村長に電話をしているんです、本人が。県連の役員をしている国会議員が電話をしているんです。間違いありませんよ。私は地方が長いんですから、そんなことは全部わかるんだ。だれがだれにどんな電話をしたかは全部わかっている。

 だから、想定外だというのは、私は想定内だったと思う。どうですか。

前原国務大臣 想定外でありました。

 今委員がおっしゃったことは私も、先生は石川県でいらっしゃいますよね、他の県では記者会見までした県連もありましたし、またホームページに載せた議員もいたということでありまして、本当に遺憾でございます。極めて遺憾でございます。

北村(茂)委員 その割にしては処分は口頭注意なんて、軽く済んだじゃありませんか。それでは、国民は皆さん、どういうふうに納得するんでしょうか。処分するという国会でのあの総理大臣の言葉が、口頭注意だったというんです。別に何をしろというんじゃない、こういうものにけじめをつけてこそ信頼が得られるんだと思うんですよ。

 実は、これは後にしようかと思ったんですが、ちょっと話のついでですから、石川県で今知事選をやっています。知事選をやっておるんです。民主党と自民党相乗りです。この選挙に世論調査をかけたんです、地元新聞が。ついでに、参議院の比例選挙はどこへ入れますかというので、おかげさんで逆転をしているんです。我が党は四〇・二、民主党は三四・二。こんな現象が起こってきているんですよ。

 したがって、将来ある前原大臣には、こんなようなことできちんとした対応をしておくことが信頼に値するんだ、私はこう思うんです。今のような最近の答弁、どう聞いておっても、私は本当の田舎者ですけれども、私がかねて抱いていたイメージとは違うということを言わざるを得ないと思います。ぜひ、この後集中審議もあるようですから、我が党としてもしっかりとした議論をしていきたいというふうに思っています。

 時間が進んでしまいますので、地震対応は時間の関係で飛ばします。

 次に、公共事業関連について伺いたいと思います。

 我が国経済は、いわゆるリーマン・ショック以降、完全失業率は五・一から最近の調査では四・九になったということが出ております。しかし、今春卒業予定の高校生の就職内定率がいまだ五五・二%という状況にありまして、雇用環境を含む経済状況は大変深刻な状況にあると思います。

 このような厳しい状況の中でも、とりわけ、民需というものが期待できない地方経済は大変厳しい状況にございます。しかし、長年にわたって地方経済の一役を担ってきたというか、一つの分野を担ってきた公共事業関係業界は、今、瀕死の状態にあります。

 そこで、これまでも小泉内閣当時から、来年度は三%圧縮をして前年度比九七で公共事業をやろう、翌年度も三%の圧縮だよということが確かにずっと続いてきました。したがって、新しい政権だからすべてそこに責任があると申し上げているのではありません。しかし、これまで地方建設業界が果たしてきた役割、機能、そういうものが今喪失をしようとしております。そんなときに、今回の予算で公共事業を農林予算も含めて一八・三%も圧縮をするという予算が提示をされております。これで今どんな事態が起こるかということを申し上げたいのですが、地方経済に与える影響はどう認識をされておられるんでしょうか。

前原国務大臣 先ほど三ッ矢委員にもお答えをいたしましたけれども、今の日本の置かれている状況というのは、私は三つの制約要因があると思っています。人口が減っていく、少子高齢化が進んでいく、そしてGDP約一・七倍の長期債務を抱えているということであります。この制約要因の中で、恐らく先生の地元の石川、能登でいらっしゃいますね、能登半島、医師不足とか、あるいは高齢化が進む中での年金の安定化、そしてさらには介護、そういった施設、こういった要望も極めて大きいものだと思っております。

 つまりは、公共事業あるいは建設業界で見ればそれは委員のおっしゃるとおりかもしれませんが、日本の置かれている全体の状況を考えたときに、どう税金の使い道を変えていくのかということの中で、政権交代で一つのフレーズとして、コンクリートから人へという税金の使い道の配分を変えさせていただいたということであります。

 そして、お尋ねの地域経済への影響ということでございますが、公共事業は減りました。しかし、地方交付税はふえております。そして、子ども手当というものが実際その地域に住む子供さんたちのところに行くことになりますし、農業の戸別所得補償、高校の無償化、そして医療、介護の充実、こういうものをプラスマイナス合わせると、私はその地域に落ちるお金というのはむしろふえると思っております。

 特に公共事業というのは、これはちょっと調べてまいりましたが、石川県における県内歩どまり率、建設部門の生産誘発効果の県内歩どまり率を見ますと、石川県は六六・六一%、そして県外流出が三三・三九%。ということになれば、公共事業の三分の二しか歩どまっていないということなんですね。

 そうすると、こういった地方交付税の増額あるいは子育て支援、農業の所得補償、そういったものは地域に落ちるわけでありまして、現金として落ちるお金というのは、政権交代の新たな予算によって、より多くなった。問題は、恐らく後で委員が御指摘されることだと思いますけれども、雇用、そしてその雇用のミスマッチをどう新たな雇用に生まれ変わらせるかという構造転換、これを予算の使い道を変える中でどうしていくかというところが大きなポイントだと考えております。

北村(茂)委員 そこで、今の大臣のお話にまだまだ申し上げたいことはいっぱいあるんですが、時間がありません。例えば、子ども手当、交付税がふえるじゃないか、農家の補償もあるじゃないか、したがって全体として地方に回る財源はふえるんだよ、こういうお話でありました。また反論したいんですが、それはもう時間がありませんので引き続き伺いますが、それでは、私は、公共事業という側面よりも、社会資本整備のあるべき姿という側面で伺いたいと思うんです。

 例えば、諸外国との整備水準はどうなのか、あるいはまた諸外国と比べて、対GDP比、どれぐらいが公共事業という公共投資としてふさわしいものなのかという意味での認識を伺っておきたいと思います。

前原国務大臣 これは釈迦に説法かもしれませんが、国それぞれによって違うと私は思っています。つまりは、高齢化率がどれぐらい進んでいるのかということもあるでしょうし、そして既存のストックの維持管理費にどれぐらいのお金がかかるかといったところもありますでしょうし、そしてまた、地域地域において、社会保障、教育、どういったニーズがあるかということによっても変わってくる話だというふうに私は思っています。

 つまりは、これだけ莫大な借金がある国でありますので、単純に対GDP比での借金の違う国と日本を、単に公共投資の対GDP比で比較するということは、私は余り意味がないのではないか、人口構成も含めて、そう思っております。

北村(茂)委員 今、地方における建設産業の置かれている状況ということに絞っていきたいと思うんです。

 今大臣からお話もありましたように、地方にあって地方経済の枢要な役割を担ってきた建設産業は、今大変深刻な状況にあります。一つ、私の地元の石川県という次元でだけ申し上げますが、きょう委員長のお許しを得て皆さんに資料を配ろうかと思ったんですが、企業の倒産状況を説明するのに、かかわりのある人も地元はたくさんおりまして、名前を出して議論をしているというのは余りふさわしいことではないかと思って、こんなものを説明させていただきたいと思いますが、地元にある建設工業新聞社が出している毎年の施工高を順位別に並べてある一覧表です。

 十年前の平成十二年の段階で、石川県で土木一式工事と建築一式工事の上位百社、十年前にあった会社の一覧表です。ところが、色刷りにしたのは、今や市場を撤退して今日いない会社です。特に、十年間というスパンでとってみましたけれども、実際はここ五年ぐらいにその大半が集約をしています。もちろん、土木と建築の中には、両方やっている会社もありますから、両方にエントリーしている会社もございます。

 そこで、土木一式工事でいうと、上位百社のうち、ここには載っているんですが、今や市場から撤退を余儀なくされている会社が二十社です。今のこの中にはおりません。そのうち民事再生中は二社ありますから、実際は市場にいないというのは十八社です、百社のうち。順番でいうと、第一位と第六位と第十位と第十四位、十五位、二十位、二十五位、三十一位、三十七、三十九、上位の人たちはもう市場の撤退を余儀なくされております。

 もう一つ、建築で申し上げますと、何と、平成十二年の段階で百社あったものが、今は市場の撤退を余儀なくされているのはそのうち三十四社がおります、三十四社。うち二社が民事再生中です。

 分母が重なりますから、二百社といいますけれども実際は百九十社のうちの、撤退を余儀なくされているのは、大ざっぱに言えば二十社と三十四社ですから五十四社です。百九十から百八十五、六、一つの会社で両方やっている会社がありますので。そんなことを考えると、もう二六、七%の確率で市場撤退を余儀なくされているという状況にございます。

 これも建築関係で申し上げますと、トップ企業の、当時、この時点で第一位だった会社、第七位だった会社、十位、十五、十六、十八、十九、二十二、二十三、二十七、二十八、二十九、三十、三十一、三十二、三十三。県内の施工高の順位です、資本だとか従業員の数だとかじゃありません、施工高の一覧表ですから。

 このようにして、このもう既に建設業界を撤退というのは、きれいごとでいえば、やめましたというんじゃないんです。やめましたと言える方はまだいい方です。倒産、破産、夜逃げ、こういうようなスタイルです。したがって、そこに雇用関係にあった働いている人たちの今の現状は推して知るべしです。こんな厳しい状況下に今あるんです。こんな状況は私のところだけでしょうか。大臣の認識は、全国的にどういう理解をしているんでしょうか。

前原国務大臣 地方においては恐らく、委員の御地元の石川県と同じような状況だと思っております。

 ただ、お言葉を返すようで恐縮でございますけれども、我々政権について半年であります。この十年で二六%、二七%が倒産、破産、夜逃げをしたというのは、これは自民党政権のもとでの企業件数の撤退でございますので、そこは自民党の先生として十分御認識をしてお話をいただければと思います。

 そして、これから一八・三%公共投資を減らす中でどうしていくんだという議論については、これは我々の責任ですから、我々の議論としては、先ほど申し上げたように、地域に落ちるお金はむしろふえるんですと。その中にあって問題なのは、いかに雇用というものを、今おっしゃった、厳しい建設業界から撤退をされる、転職をされる人たちをどうバックアップしていくのか、あるいは転職をされる先はどういう業態についてやっていくのか。我々は、年末まとめた経済成長戦略においては、農業、林業、観光、そして介護、こういったものにできる限り転職をしていただけるようにというような方策も出しておりますし、地域地域で具体的にそういったものを進めていきたいというふうに考えております。

北村(茂)委員 大臣、あなた方の時代にやった話だという話は時々聞かれるんですが、それはやめた方がいいと思う。

 では、大臣、もしもそれがそうだったとしても、政権時代に、いつ倒産したかということを言えば、去年の八月三十日以前だったか後だったかということを考えれば、そうだったかもしれない。しかし、もしも、新政権になったこのような今の予算編成の中で来年、再来年ということを考えたら、どんなことが起こるのかということを申し上げたいために言っているんです。その認識があったら、一年後、二年後の状況を見たら、あなたはどう答えるんですか。

前原国務大臣 そういう御質問だったら、我々の当事者意識としてお答えをしなくてはいけないと思っています。

 つまりは、これから公共投資を減らすわけです。しかし、繰り返しになって恐縮でありますけれども、地方交付税はふやしました、子ども手当、高校無償化、農業の所得補償、あるいはさらなる医療、介護の充実、診療報酬を上げたりとか、そういうトータルの中では地域に落ちるお金はふえます。

 先ほど歩どまり率の話もいたしました。石川県では六六%ぐらいしか歩どまっていないということを考えたときには、今の予算の使い方の中では、まずは前提条件として地域に落ちるお金はふえます。ただ、先生の御質問と同じように、では、建設業としての企業がどう存続していくのかということについては、農業も含めて一八・三%の公共事業費を減らしたわけですから、それは相当厳しくなると思いますし、今ある建設業の数がそのまま推移できると私は到底思えません。

 したがって、これも繰り返しになって恐縮ですけれども、どう転職支援を行っていくのかということはやはり新たにやっていかないと、雇用のミスマッチという問題で地域地域に御迷惑をかけることになる。それは、成長戦略の中でしっかりとバックアップをし、また地域のニーズに合わせた施策を地方公共団体と御相談をしながらやっていく。そのために、二・二兆円といういわゆる社会資本整備総合交付金というものもつくらせていただいたということでございます。

北村(茂)委員 今の説明ではとてもとても。例えば、もう社会不安が起こるような状態が今現実に起こっているんです。したがって、起これば、今地方に配っているお金で何とか救うけれども、それは私らの責任だとやるけれども、今はあなた方がやっていた時代だから、それはすべて私らの責任じゃないというようなことを言われたのでは困ると申し上げているんです。それで、これからことし一年でどんな事態が起こるかといったら、私の今申し上げている数字は、ことし一年はこれに倍か三倍してくると思うんですよ。なかなか自分の意思では市場撤退ができないんです、この世界は。

 それから、もう一つ。私のところは雪国、積雪寒冷地帯です。したがって、年末に首長の皆さん方が、関係業界の皆さんと除雪計画会議をしようということで、業界と会議をするんです。ことしあたりは、うちはできません、もうオペレーターがおりません、うちもだめです、うちは重機がありません、もう処分しましたと。今続出しているんです。もしも雪国で除雪ができなくなれば、生活そのものができないじゃないですか。今そんな事態が起こっているんです。

 したがって、交付税でやっている、子ども手当でやっている、農家の補償をやっているから金が行っているので、公共事業を圧縮してもそれにかわるものが行っているんだからそれは大丈夫、こういうような発想は私は間違いだと思います。

 そこで、時間がありません、もしも答えるんだったら一緒に答えてください。一方で、その量がそういうぐあいに一八・三%も落ち込んでいくでしょう。そこで、今度は問題は質の問題です。せめて少なくなったものの中で質の面でいけるのかというと、その質すら大変厳しい、苦しい状況になっているんです。

 一例を申し上げますと、毎年、農林省と国交省で年に一度、物価版をつくるために人件費等の調査をするんですね。それを設計基準の積算単価にしていくんです。これぐらい厳しくなってくると、みんな雇用が、雇ってもらえるのなら、今までは一万五千円、一万三千円だったものが一万円で仕方ない、八千円で仕方ないというような状況になっているんです。

 例えば公共工事の積算に用いる労務単価の推移で、一例だけですけれども普通作業員、大工だとかとびだとかいろいろあるんですけれども、普通作業員で平成九年度一万八千四十五円だったものが、平成十九年度、十年後では一万二千九百六十六円、率でいうと〇・七二%、三割弱労務単価が落ちているんです。したがって、質の面でも生きられないという状況になっている。働いている雇用の皆さんも所得の確保がままならない。職の確保、さらには所得の確保がままならないということになっている。官民格差なんという状況じゃありません。

 したがって、今民主党政権がやろうとしている公共事業カットということは、単に建設産業のみならず、地域に社会不安をもたらすような結果を招きかねないということを申し上げているんです。どうぞお答えください。

前原国務大臣 詳しいことはまた長安政務官に答弁をお許しいただければと思いますが、先ほど先生がおっしゃったことで、今の地域の現状をどう見ますかということで二六・何%落ちたということで申し上げたわけで、我々の責任を回避するつもりはありません。

 その上で、今委員が御指摘をされたことを答弁いたしますと、そもそも建設業界というのは、今全国で五十万社以上あります。バブルのころでも同じぐらいの数でございました。それが、それこそ先ほどおっしゃったように、自民党政権でも公共事業を減らしてこられましたけれども、数が減っていないということですし、年間百万円以上の完工高を上げている会社は二十万社ぐらいしかないということ。年間百万円ですよ、百万円以上は二十万社ぐらいしかないということを考えたときに、私は、この建設業界のあり方というものは、今の数も含めて、根本的にやはり考え直さないといけないと。つまりは、仕事をしていないと言われても仕方がない。つまり、百万円以下が、あるいはゼロも含めて三十万以上ある、こういうことであります。

 これは北村委員、我々、政権交代が起きて、それは地域の建設業というものだけにスポットを置いて考えれば、公共事業費をふやして、その人たちが単価が切り下げられて苦しんでおられたらかわいそうだという議論はわかりますよ。しかし、他方で、医療、介護、年金、そして少子化をどうとめていくのかというようなさまざまな社会ニーズにこたえていかなければいけない。恐らく能登半島においても、医師不足の問題とかそういった問題、あるいは年金の安定化の問題とか、先生も地元に帰られればいろいろな方からお話を聞かれていると思います。建設業の問題だけではないと思います。しかも、GDPの一・七倍もの借金を抱えていて、しかも、ことしの予算は九十二兆円、税収見込みが三十七兆円、国債発行が四十四兆円、残りはいわゆる埋蔵金などの取り崩しによってようやく予算を組み立ててきた。

 こういう状況の中で、では地域のことをどう考えていくのかということを考えれば、私は、やはり政権交代というのは、先ほどどなたかの質問にお答えしましたけれども、政策を変え、税金の使い道を変えということになれば、今の建設業界のボリュームをそれだけそのまま維持して、この人たちを何とかしろということだけでは、それはなかなか持続可能な政策にはならないと思いますよ。

 したがって、農業、林業、観光、あるいは北村委員の御地元であれば漁業かもしれないし、介護、あらゆるところに転職をしていただく。そして、残る建設業界においては、私もおとつい新潟に行って、今先生からおっしゃっていただいたことと同じことを聞きました。除雪をする会社がどんどん減ってきて困るんだ、こういう話を伺いました。そういうところを、総合的な施策の中でうまく、ミスマッチやあるいは建設業界がボリュームに比べて多い、それをどう是正していくかということは、きめ細かな対応策はやっていかなくてはいけない、このように考えております。

北村(茂)委員 もう時間が余りなくなりましたので、はしょります。ぜひ、労務単価のありようについても、実態とあるべき姿というのをよく検討していただいて、見直しに取り組んでいただきたいと思います。

 最後にもう一点。

 大臣は、よくというか、言われている中に、港湾機能を、スーパー中枢港湾も絞り込むんだ、全国に百三カ所ある重要港湾も四十ぐらいに絞り込むんだということをかねがね言われています。そこで、もう時間がありません、絞り込む基準、何をもって四十として絞り込むのか。もしも絞り込んで、絞った四十港とそれ以外の六十数港はどんな違い、対応を受けるのか。御説明ください。

前原国務大臣 重点港湾の選定に当たりましては、港湾の背後圏や地理的な位置関係等の地域拠点性、これがまず一つです。それから、国際及び国内海上輸送網における拠点としての重要性を示す貨物取扱量実績、こういったことを中心に決めていこうということでありますが、あとは、経営の斬新性、例えば民活をやっていくとかいうことで港の経営そのものを見直していこうということについては、そういった判断基準も設けていかなくてはいけないと思っております。

 いずれにしても、重点港湾に選定された港湾と選定されなかった港湾の違いは、原則として新規の直轄港湾整備事業の着手対象とするか否かでございます。

北村(茂)委員 もう一点伺います、通告してありませんが。

 国土交通省に民主党の職員出身のいわゆる専門調査員なる人は在籍しているんでしょうか。もしも在籍しているとすれば、この方は公務員に準ずる義務を負うことになりますが、その方は民主党の党籍を保有しておりますか、おりませんか。最後に教えてください。

前原国務大臣 通告いただいております。

 昨年十月十九日付で、民主党及び社民党の職員が内閣官房専門調査員として採用され、各府省に配置されております。国土交通省には三名の専門調査員が配置されており、政務三役に対して専門的な知見に基づいて必要な情報提供や助言を行ってもらっております。

 そして、このメンバーは、いわゆる非常勤の公務員、国家公務員でございまして、国家公務員法に基づく守秘義務が課されることになります。そして、こういった者はすべて無給で働いて、無給というのは国から給与を払っていないということでございます。(北村(茂)委員「党籍」と呼ぶ)党籍は、持っているんじゃないですかね。持っていないですか。ちょっと調べて先生にお伝えをしたいと思います。(北村(茂)委員「持っているはずです」と呼ぶ)

川内委員長 よろしいですか。調べて回答すると。

前原国務大臣 では、調べてお答えをいたします。

北村(茂)委員 調べて報告をしてください。お願いします。

 ありがとうございました。

川内委員長 これにて北村君の質疑を終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十三分散会


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