衆議院

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第9号 平成22年3月23日(火曜日)

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平成二十二年三月二十三日(火曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 川内 博史君

   理事 阿久津幸彦君 理事 小泉 俊明君

   理事 田中 康夫君 理事 橋本 清仁君

   理事 村井 宗明君 理事 岸田 文雄君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 竹内  譲君

      阿知波吉信君    石井  章君

      磯谷香代子君    加藤  学君

      勝又恒一郎君    神山 洋介君

      川島智太郎君    川村秀三郎君

      菊池長右ェ門君    熊田 篤嗣君

      黒岩 宇洋君    小林 正枝君

      中川  治君    中島 正純君

      長安  豊君    畑  浩治君

      早川久美子君    馬淵 澄夫君

      三日月大造君    三村 和也君

      向山 好一君    谷田川 元君

      若井 康彦君    赤澤 亮正君

      金子 一義君    金子 恭之君

      北村 茂男君    古賀  誠君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      野田 聖子君    林  幹雄君

      斉藤 鉄夫君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    服部 良一君

      柿澤 未途君    下地 幹郎君

    …………………………………

   国土交通大臣       前原 誠司君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   国土交通大臣政務官    三日月大造君

   国土交通大臣政務官    藤本 祐司君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 北村 隆志君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         下保  修君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  本田  勝君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十三日

 辞任         補欠選任

  石井  章君     磯谷香代子君

  中島 隆利君     服部 良一君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     石井  章君

  服部 良一君     中島 隆利君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一〇号)

 国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)


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     ――――◇―――――

川内委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長北村隆志君、大臣官房技術審議官下保修君及び鉄道局長本田勝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

川内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸田文雄君。

岸田委員 議題となっております直轄事業の維持管理負担金廃止法案につきまして質問させていただきたいと存じます。

 まず、私たち自民党も、第四十五回衆議院選挙、昨年の衆議院選挙の政権公約の中で、直轄事業の維持管理負担金は平成二十二年から廃止すると明記しておりますので、この法案につきましては、基本的な方向については異存はございません。しかし、その上で、気がかりな点が随分ございまして、こういった点につきまして、きょうは大臣に確認をさせていただきたいと存じます。

 まず、この法案の中で、平成二十二年度に限り、特定事業について維持管理負担金を存続させておられますが、特定事業について維持管理負担金、この地方の負担金部分を存続させた理由は何か、お教えいただけますか。

前原国務大臣 岸田理事にお答えをいたします。

 道路と河川、両方ございまして、道路の特定事業というのは、指定区間内の国道の安全かつ円滑な道路の交通に支障を生ずることを防止するために速やかに行う必要がある工事、それと災害復旧でございます。また、河川におきましては、指定区間外の一級河川の災害の発生を防止し、また流水の正常な機能を維持するために速やかに行う必要がある河川管理施設に係る工事、河川の管理のための設備の更新、そして災害復旧が特定事業と定義づけさせていただいているわけでございます。

 それを二十二年度に限りなぜ存続させるのかでございますが、維持管理費の地方負担を廃止することによりまして、国の直轄事業の事業量は減少することになります。平成二十二年度の公共事業予算が前年度からは削減になることを踏まえて、直轄事業の事業量の確保を求める地方の声に配慮し、経過措置として、維持管理のうち特定の事業に要する費用については、平成二十二年度に限り、負担金を徴収するとしたところでございます。

岸田委員 お伺いしました趣旨は、要は、この特定事業、災害等の安全性を確保するために必要とされる特定の維持管理、こういった特定事業の内容に着目しての対応なのか、それとも、後半でおっしゃいました、事業量が減少するのではないか、こういった不安に対して対応する、事業量をある程度確保する、こういった点に着目しての対応なのか、これについてはいかがでしょうか。

前原国務大臣 両方の側面がございます。

岸田委員 両方の側面ということですが、特定事業の内容に着目したのか、あるいは事業量の確保に着目したのか、これは両方ということになりますと、両方の点で、将来に向けてどうなのか、確認をしなければいけない点が出てくるのではないかと思っています。

 まず、災害等の安全性の確保の必要性、こういった内容に着目するというのであるならば、二十三年度からはこの措置は廃止されるわけでありますから、こうした災害等の安全性ということは、二十三年度以降は切り捨てられることになるのではないか。こういった考え方についてどう考えるのか。

 また一方、事業量の減少に対する心配、こうした心配に対する配慮というのであるならば、そもそも、公共事業を一八%も削減している政権がこの部分において配慮する、このアンバランスな点についても考えさせられるところでありますが、そもそも、ここで配慮するぐらいだったら、公共事業の事業量全体の議論の中でもう少し配慮があってもしかるべきではないか、こんなことも思ったりをするんです。いずれにしましても、事業量の確保に着目したのであるならば、事業量を確保するために施した措置によってどれだけの予算が確保されて、そしてそれがどう生かされたか、こういった点について考えなければならないというふうに思います。

 そこで、事業量の減少に対する配慮という側面があるということでありますが、平成二十二年度予算の概算要求段階においては、直轄事業の維持管理について、これは地方負担分は全廃されるということを想定して、要は、概算要求時点では地方負担分はないものとされていたのではないかと思いますが、これはそれで間違いございませんか。

前原国務大臣 その点については間違いございません。

岸田委員 そうしますと、その後、特定事業については地方の負担金を維持するということになったわけですから、その分、当初想定した予算と比べまして、地方からそれだけのお金が返ってくるわけですから、予算が増額したということになると思いますが、そのふえた予算、これは幾らでしょうか。

前原国務大臣 岸田委員にお答えをいたします。

 道路につきましては四百六十二億円、河川については百十七億円でございます。合計しまして五百七十九億円でございます。

岸田委員 五百七十九億円、昨年の概算要求段階では想定していなかった予算が出てきたわけですが、この予算がどう使われたかということについて確認をしたいんです。

 要は、先般来大きな議論になっております公共事業の箇所づけ情報漏えい問題でありますが、公共事業の箇所づけの情報が漏えいしたのではないかというこの問題、情報が民主党にだけ事前に流れていたのではないかという点が問題視されたわけです。加えて、その内容につきましても、あれはたしか二月十日の日に、予算委員会で、まずこれに関する資料請求が行われて、そして資料が提出された。ところが、その資料が民主党に提出された資料と違うのではないかという指摘を受けて、二月の十五日に改めて資料が提出された。こういったやりとりが衆議院の予算委員会で行われたと記憶しております。

 そして、二月の十五日、指摘を受けて出し直した資料を拝見いたしますと、それぞれの予算の数字だけではなくして、民主党の党やあるいは自治体からの陳情の状況についてもその資料の中に盛り込まれていた。そして、その資料を見てみますと、党や自治体からの陳情があった事業、三百八事業のうち、百八十六事業について概算要求時点より増額されたということが指摘をされています。逆に、党や自治体から陳情がなかった事業につきましては、十七事業しか増額されていない、こういった点が指摘をされています。要は、党や自治体からの陳情によって概算要求段階から予算が増額される、こういった力が働いたのではないか、こういった点も問題になったわけです。

 先ほど、今回、特定事業については地方の負担金分を残すということになった、当初、概算要求の段階からそういった措置を行うことによって予算がふえた、その予算が五百七十九億円あるというお答えをいただきましたが、これは、先ほど申し上げました、陳情を受けて増額された分の原資になったのではないかという疑いが出てきますが、それにつきまして大臣はどうお答えになられますか。

前原国務大臣 これは何度もお答えをしているところでございまして、今委員がおっしゃったとおり、特定事業についての地方負担分を残すことによりまして、概算要求時に見込んでいなかった予算が確保されることになりましたので、地方公共団体の要望や事業の進捗状況等を総合的に勘案して、必要な道路事業、河川事業に対して配分を行ったところでございます。

岸田委員 今、総合的に勘案したということでありますが、この五百七十九億円も含めて、こうした予算のありよう、どういった基準で予算を配分したのか。当初は、BバイCを公表する等、情報公開を徹底することによって透明化を図ると言っていたはずでありますが、結果的にBバイCの公表は二月になってからということでありましたので、こういった説明も説得力を持たない。

 こうした直轄事業の負担金を廃止して、増額した予算の使い方も含めて、どうも公共事業の配分のありよう、箇所づけのありようが不透明ではないかというふうに感じますが、それにつきまして大臣はどうお考えになられますか。

前原国務大臣 むしろ透明度を高めるために、十一月に、前政権では近畿に限られていた事業計画というものをすべての地域で公表し、二月の一日に事業評価というものを出させていただいたということでございまして、そういったものとかあるいは用地取得の進捗状況などを含めて、総合的な観点からできるだけ客観性を持って、五百七十九億円やコスト縮減によって生まれてきた経費を割り振りさせていただきました。

岸田委員 透明度を高めるためにおやりになったということですが、結果的に透明度を高めることにつながっていないのではないかということを申し上げているわけです。

 ちょっと別の切り口からお伺いさせていただきたいと存じます。

 今回の直轄事業の維持管理負担金、地方の負担金の廃止の法案について、先ほど自民党の政権公約について触れさせていただきました。一方、民主党の政権公約、マニフェストを拝見いたしますと、「全ての国直轄事業における負担金制度を廃止し、」ということを明記されておられます。

 今回は、地方負担金のうち、維持管理の部分について地方の負担金を廃止するという法案の内容になっていますが、民主党のマニフェストを拝見する限り、将来的には、残された新設そして改築といった部分につきましても地方の負担金をなくす、こういったことを考えておられるんだというふうに理解をしております。

 そこで、現行制度においては、地方の負担、受益者負担の観点から都道府県等がその費用の一部を負担する、こういった考え方に立っていると国土交通省は従来説明をしてきたわけです。まず、今回、地方の負担金の中で廃止するのは維持管理部分だけでありますので、新設、改築部分の負担は残る、結果として、受益者負担の原則は今回の法案の時点ではまだ残るというふうに考えてよろしいのでしょうか。

前原国務大臣 今、岸田委員がおっしゃいましたように、今回地方負担分の軽減になるのは、新設、改築の業務取扱費と維持管理の業務取扱費、そして維持管理の特定事業を外したものについてでございまして、千五百六十九億円の軽減になる。他方、では地方が負担をすべき直轄事業として二十二年度へ残るものは、新設と改築、そして維持管理の特定事業ということになります。二十三年度につきましては、この特定事業の分が外れますので、新設、改築の約五千億円が地方に負担を求める直轄事業となります。

岸田委員 ですから、今回の法案によって結果として、まだ地方の負担分は残るわけですので、受益者負担の原則、これは引き続きまして考え方として残るということでよろしいのでしょうか。

前原国務大臣 先ほど委員が御紹介をいただきましたように、我々のマニフェストには直轄事業の地方負担金の廃止ということを述べております。四年間仮に政権を担ったとして、そして四年間でどのようにそれを見直していくかということを今議論しております。これにつきましては、直轄事業負担金制度等に関するワーキングチーム、これは我が省からは長安政務官が出ましてこの議論をしているところでございますが、二十二年度につきましては、直轄事業負担金制度の廃止への第一歩として、今御議論をいただいている維持管理のうち特定事業に要する費用については残した上で、残りの維持管理を廃止するということにしているわけであります。

 そして、平成二十二年度から二十五年度までという中で、直轄事業負担金の問題は、国と地方の役割分担のあり方や今後の社会資本整備のあり方など、地方主権の実現に関するさまざまな課題と密接に関連をいたしますので、これとの整合性を確保しながら、関連する諸制度の取り扱いを含めて検討を行って、マニフェストに沿って現行の直轄事業負担金制度の廃止とそのあり方について結論を得るということでございますので、明確なお答えとしては、今後どのようなプロセスでこの直轄事業負担金をすべてなくしていくのかということについては、今後の議論にゆだねているということでございます。

岸田委員 私が先ほどからお伺いしているのは、受益者負担の原則の取り扱いについて、今出されている法律の段階でどういう考えに立っておられるのか、これについてお伺いしています。

前原国務大臣 受益者負担の原則というものに立てば、先ほど申し上げたように、平成二十二年度については新設、改築と維持管理の特定事業分のみが受益者負担原則というものが適用されるということでございますが、我々は、受益者負担原則というものも、それはそういった考え方はございますけれども、できるだけ地方に権限、財源を移譲して、そして地域が使い勝手のいいような仕組みに変えていくというのが我々の基本的な考え方でございますので、その過渡期的な考え方として今回の法案を出させていただき、そして、先ほど申し上げたワーキングチームによって平成二十三年度以降についてはさらなる移譲の制度設計を行っていく、こういうことでございます。

岸田委員 直轄事業について、地方負担金全廃に向けてこれから議論を行っていく、そのプロセスについてはいろいろ検討しながら全廃に向けて御努力される、こういったお答えだったというふうに思うんですが、それでは、将来、地方負担金を全廃した段階においては受益者負担原則というのはどうなるんでしょうか。

前原国務大臣 地方に権限が移譲されますので、地方は、みずからの権限、財源の中でどのような事業をやっていくかということをみずから決められるということになります。

 他方、国の直轄事業というものについて申し上げれば、今委員が御指摘のような受益者負担の原則はなくなるわけです。これは予算委員会でもかなり議論になりました。つまりは、自分の負担がなくなったら、とにかく欲しい欲しいということで分捕り合いになるのではないか、こういう意見もあって、それがモラルハザードになるのではないかという意見もございました。

 事業をどのように採択していくのかということについては、先ほど申し上げたように、事業計画あるいはBバイCを含めて透明度のある仕組みの中で事業を決めていくという中で、そういった懸念というものは払拭されるような仕組みを担保していかなければいけない問題である、そのように認識をしております。

岸田委員 今大臣がお答えくださったように、将来、地方負担金が全廃されて受益者負担の原則というものが適用されなくなった場合に、いろいろな結果が予想される、また心配も生じてくるわけです。

 一つは、直轄負担金を全廃した場合に、負担金を払ってでも建設を進めてもらいたいと思っている整備のおくれた地域の声、こういった声に十分こたえられなくなってしまうのではないか、みずから負担してでも事業を進めてもらいたい、こういったインセンティブが働かなくなってしまうのではないか、こういった心配がまず一つあります。

 そしてもう一つが、今大臣からも説明がありましたように、直轄負担金を廃止して社会資本整備の資金面での国への依存度が高まった場合、モラルハザードを生じて地方自治体の陳情合戦が激化するのではないか、こういった心配が出てきます。

 これにつきましては、予算委員会での答弁の中においても、またただいまの答弁の中においても、大臣はそういった心配をお認めになった上で、やはりこうした政策決定の透明化を図るということで努力したいと考えておられるというふうに理解していますが、そういうことでよろしいでしょうか。

前原国務大臣 委員の御指摘のとおりの御理解で結構でございます。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたワーキングチームによって、今後のプロセスと、委員が御指摘をされたいわゆる受益者負担の原則というものがどう取り込めるのか取り込めないのかということも含めて、制度設計についてはしっかりと議論をさせていただきたい、このように考えております。

岸田委員 引き続き議論をしたいということなんですが、その中でぜひしっかりと考えていただきたいのは、自腹で払ってでもインフラ整備をしたいというインセンティブが働かなくなる、一方で、モラルハザードを生じて陳情合戦が行われて物事が決まるようになる。要は、そうなった場合に一体だれがこれを決定するのか、これが大変大きな問題になってくるというふうに思います。

 先ほど指摘させていただきました公共工事の箇所づけの情報漏えいの問題を振り返っても、結局、陳情合戦が展開される、一方で、自分の自腹を切ってでも整備をしたいというインセンティブが働かなくなってくる、結果として、中央あるいは権限を持った人間が物事を決めることになってしまうのではないか。それでは、その物事を決めるのは一体だれなのか。民主党の幹事長室なのかどうか、このあたりが大変気になるところであります。

 そうやって考えますと、要は、こうした、地方主権ということでさまざまな改革を進めようとされている、あるいは手続の透明化を図るということでさまざまな工夫をされているわけですが、結果として、ますます不透明な要因、あるいは、利益誘導というふうに疑われる、こういった要因が増大するということにもなりかねないのではないか。こういった心配につきましては、大臣、どうお考えになりますか。

前原国務大臣 一番初めに岸田理事から、御党も維持管理につきましては直轄事業の地方の負担をなくしていく、こういうお話でございました。そういう意味におきましては、維持管理についても受益者負担の原則がなくなるということでございまして、我々は同じような問題意識を持たなければいけない、そういう認識を今議論させていただいて持ちました。

 と同時に、我々は、新設、改築も含めて将来的には直轄事業の地方負担金をなくしていくというプロセスになっていけば、当然ながら地方に権限、財源はかなり行くわけになりますが、直轄事業としてやるものについては地方の負担はないわけですから、先ほど委員が言及されたようなさまざまな問題、みずからの負担がないためのモラルハザード、陳情合戦、こういったものが生まれてくるわけでございまして、より一層の透明度を高めた事業採択というものが必要であるということはそのとおりでございます。

 我々が今やろうとしている、事業計画そして事業評価を国会に資する形でやっていただくということと同時に、どうすればより透明度が高まる形になるのかということについても、ぜひまた今後この委員会でも御議論をいただき、よりいいものにしていくためのお力添えをいただきたい、このように考えております。

岸田委員 ぜひ大臣には、そういった問題意識をしっかり持っていただいて、これからワーキングチーム等の議論においてもしっかりとリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っています。

 今回、直轄事業の地方負担金のあり方を見直そうとされているわけですが、私は、今の政権、現政権においては、建前としては大変立派なことをおっしゃるわけですが、いろいろ工夫をしたその結果を見てみますと、どうもおかしな結果を引き起こしてしまう、建前と結果の食い違い、こういったものをたびたび繰り返しておられるのではないか、こんなことを感じてなりません。先ほども話に出ました公共事業の予算の透明化を図るということについても、情報提供を行ったわけですが、結果として利益誘導を行ったのではないかという疑いが持たれ、結果として大臣が処分される、こういったことになってしまいました。

 また、昨今、日本航空、JALの再建の問題につきましても、再建について議論が迷走した結果、法的処理という方法を選ばれたわけですが、この法的処理、民事再生法を適用する際に、これは、より透明性を高める、公平性を高める、国民から納得してもらえる方法だということを強調されたわけですが、結果的には今現状どういうことが起こっているのか。法的処理あるいは裁判所の許可がないからということを理由にして再建計画の詳細が全く表に出てこない。要は、ブラックボックスの中で一兆円近い税金が使われようとしている。国会として責任をどう負ったらいいのか、大変大きな問題が指摘をされているわけであります。

 また、今の政権において、高速道路の無料化、これは大きな目玉政策であったはずであります。ただ、無料化につきましても、小規模の社会実験にとどまっている、これが現状であります。

 そして、その中で、従来の料金引き下げのための資金を高速道路の新設にも使える、こういった法案を今度は国会に提出されてこられました。結果、どういうことになるのか。高速道路の無料化どころか料金は逆に上がってしまうのではないか、あるいは、コンクリートから人へと言いながら、結果的には参議院選挙前に着々と高速道路をつくる法案を用意しようとしているのではないか、こういった指摘につながるわけであります。言っていることとやっていることが全く違うのではないか、こういったことを感じてならないわけであります。

 今回、地方負担金の見直しとあわせて、補助金の見直しということにも大臣は手をつけようとされておられます。社会資本整備総合交付金、こうした新たな交付金を用意されているわけですが、民主党としては、その先に一括交付金などというものも視野に入れながら議論をしているということを聞いております。

 こういったさまざまな政策、地方主権という言葉を盛んに使われるわけでありますが、こういった建前と実態の食い違いが生じないか、私は大変心配に思っている、危惧しているところであります。国土交通委員会におきましても、ぜひ、そういった建前の言葉と実態の食い違いが生じていないかどうか、これをしっかりと監視や指摘をしていかなければいけない、このように感じているところでございます。

 幸い、与野党の理事の皆様方の合意を得て、これから引き続きまして集中審議あるいは一般質疑も十二分に時間をとっていただけるということでありますので、しっかりとした議論をその中でやっていきたいと存じます。大臣、ぜひ今後ともこういった声にしっかりとこたえていただきますようよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

川内委員長 岸田文雄君の質疑を終了いたします。

 次に、三ッ矢憲生君。

三ッ矢委員 自由民主党の三ッ矢憲生でございます。

 きょうもまた質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。いつも大臣にばかり聞いていますので、きょうは、せっかく副大臣、政務官もいらっしゃるので、副大臣、政務官にもお伺いしたいと思います。

 法案の質疑に入る前に、これは通告しておりませんけれども、この週末の特に民放の世論調査によりますと、内閣支持率が三〇%そこそこになったという報道が、きのうあたり、かなりされておりました。これについての前原大臣の評価をまずお伺いしたいと思います。

前原国務大臣 三ッ矢委員にお答えをいたします。

 さまざまな要因で内閣支持率が下がっているということは、極めて残念なことでございます。

 我々は、政権交代ということを国民から負託されて仕事をさせていただいているわけでございますので、とにかく焦らずに、しかし着実に税金の使い道を変え、そして、今のさまざまな問題を先送りせずに解決していくという現政権の姿勢というものを、しっかりと国民の皆さん方に一つ一つ成果としてお見せしていく。そういう中で、しっかりと支持率がまた再び上がるように、内閣の一員として努力をしてまいりたいと考えております。

 感想は以上でございます。

三ッ矢委員 政権発足時と比べまして半分以下の支持率になっている。大臣は、この一番大きな原因といいますか理由は何だとお思いですか。

前原国務大臣 これは、さまざまな世論調査等で明らかなように、やはり政治とお金の問題についての国民の不信感というものが極めて大きく影響しているのではないか、私はそういう認識を持っております。

三ッ矢委員 私は、政治と金の話ばかりじゃないと思うんですね。

 この前の委員会で、大臣に、政権交代というのはどういうことだと思いますかということを伺いました。私は運転手がかわるということだと申し上げたのですが、そのとき大臣は、いや、車そのものがかわることだとおっしゃいました。私は、もし車をかえたのであれば、国民が、もうぼちぼち半年たって、この車ちょっとだめなんじゃないかと、これはちょっとリコールを要求しているんじゃないかという気がいたします。

 まあ、これ以上申し上げませんけれども、政治と金だけの問題じゃないということは恐らくよくおわかりだと思うんですよ。そこのところはちょっとしっかりと御認識をいただいて、やはり政策の面でも、きちんとこの内閣、しっかりと対応していただくように、国民のいろいろな意見、批判、これにちゃんとこたえていただくように、しっかり頑張っていただきたいなというふうにまずはエールを送らせておいていただきたいと思います。

 それで、今回のこの法律でございますが、この法改正の意義についてお伺いしたいと思います。

 先ほど岸田委員の方からもちょっと質問がありましたけれども、これまでは受益者負担という考えで、建設費についても、それから維持管理費についても、地方に応分の負担をしていただくということでやってきたわけですが、今回、維持管理費の部分について地方の負担を求めないということにされたわけでございます。

 発端はどこかの知事が、ぼったくりバーからひどい請求書が来た、こういう話だったと思うんですね。それが発端でマスコミの皆さんが非常に大きく取り上げられて、この問題がクローズアップされてきた。私は、正直言いまして、個人的には、中身をしっかりとチェックしていればルールまで変えなくても恐らく済んだはずだと思うんですね。

 どうも、日本だけじゃないのかもしれませんけれども、何か問題が起こりますとルールが悪いんだと。特にテレビに出てくるコメンテーターのような方は、これは構造的な問題だとか、そもそも、こういう規制そのものがおかしいんだというふうなことをよく言われますけれども、まあ、その方が格好いいですからね、いかにも頭がよさそうに聞こえる。だけれども、これをやることによって、ルールを変えてしまうことによって、非常に世の中住みづらくなってしまう。うまくいかなくなってしまうこともある。

 自民党政権時代の話でありますけれども、典型的なのは、私は建築基準法の改正だったと思うんですね。あれなんかは、悪いことをした人は悪いことをした人で、もちろんそのルールはあるわけですから、きちんと処罰をしていれば、ルールまで全体を変えなくても済んだ話だったと思うし、ああいう官製不況というようなことも恐らく起こらなかったんじゃないかというふうに思います。

 今回の問題についても、恐らくそれに似たようなことが起こり得るんじゃないかなという心配をしておるところでございまして、受益者の負担を将来的になくしていく、これは建設の部分も含めてですね。すべて国でやりますよということになりますと、これはすべてが、直轄事業については国のさじかげん一つで全部決まってしまう。今までは、例えば直轄の国道を、地元の人がここに国道をつくってほしい、そういう地元の要望を受けて、そもそも事業の掘り起こしというんでしょうか、これがあったと思うんですね。

 ところが、これは受益者負担というものの原則を撤廃しようということになっているわけですから、そもそも国が決めればいいんだ、直轄事業についてはですよ。そういうことになると、少しまたおかしな方向に行ってしまうんじゃないか。先ほど岸田委員の方からも指摘がありましたけれども、国の方、あるいは特定の政党が利益誘導をしてしまうんじゃないかというようなことだって考えられるわけでございまして、そこの点についてぜひ十分に注意を払っていただきたいなというふうに私は思います。

 これについて、大臣の御感想はいかがでしょうか。

前原国務大臣 根本的な考え方をどう変えていくのか、変えないのかという選択なんだと私は思うんです。

 つまりは、国の直轄事業といえば国がやるべきものですよね。しかし、先ほど岸田理事や、三ッ矢理事が今おっしゃっているように、受益者負担の原則というものを入れて、国が行うべきことについても地方には負担をさせる、こういう仕組みに今まではなってきた。他方で、いわゆる国の補助事業、国からすると補助事業、つまりは、地方が主体的にやる事業でも国がそれに対して負担をしてきたということもあるわけですね。

 地方分権というのは、これは自民党さんも同じように唱えておられるわけです。権限、財源をできるだけ地方に任せて、地方が自由に事業選択をできる、その地域に応じた優先順位をつけての、公共か非公共かも含めての事業選択ができる、こういう仕組みにしていこう。ということになれば、受益者負担の原則よりも、自由度を高めてやった方が、より使い勝手がいいものになってくるのではないかということだと思うのですね。

 大事なことは、今、三ッ矢委員がおっしゃったところで私は大変大事なことだと思うのは、国の直轄事業で地方の負担がなくなりました、となると、陳情合戦が起きたり、あるいは、国が、地方が嫌がることを押しつけるということにもなりかねないわけであって、そこは本末転倒になってしまうんだろうと思うのです。

 いわゆる地方の声もしっかり聞きながら、負担は求めないけれども、何かの事業をやるというのはどこかの地域でやるわけですから、地域の声をしっかり承って、国の直轄事業も地域には負担を求めないけれどもやるという信頼関係と密接な議論というものが必要になってきて、それがしっかりと確立できれば、私は、今委員がおっしゃった点は払拭できるのではないか、そういう思いを持っております。

三ッ矢委員 ぜひそういうことにならないように、これは前にも申し上げたことでありますのでもう繰り返し申し上げませんけれども、賢明な前原大臣のことでありますから、必ず間違いのないように運用をしていただきたいというふうに思っております。

 それで、少し具体的な中身に入らせていただきます。先ほどの岸田委員の質問とダブるかもしれませんけれども、重複を恐れずにお伺いしたいと思います。

 まず、この法律案では経過措置として、二十二年度に限って、特定事業について都道府県等が直轄事業の維持管理負担金を負担することというふうになっております。そこでお伺いしますが、この特定事業に係る地方の負担額が二十二年度予算でどの程度になると見込んでおられるのか、また、この法律案で特定事業を設けることとした理由、これをあわせてお答えいただければと思います。

前原国務大臣 先ほど岸田委員にもお答えをいたしましたけれども、この特定事業というものは道路と河川がございまして、道路につきましては、指定区間内の国道の安全かつ円滑な道路の交通に支障を生ずることを防止するために速やかに行う必要がある工事、それから災害復旧。そして、河川については、指定区間外の一級河川の災害の発生を防止し、または流水の正常な機能を維持するために速やかに行う必要がある河川管理施設に係る工事、河川の管理のための設備の更新、災害復旧ということでございます。

 なお、岸田委員のときにちょっと答弁漏れをしましたけれども、平成二十三年度につきましても、いわゆる直轄事業、この災害復旧というものについては残るということで、我々は今整理をさせていただいているところでございます。

 それから、なぜこれを徴収することとしたのかということでありますけれども、そういった特定事業というものが継続をしているものもあるということと、それから、安全性確保のために速やかに行う必要があるということで、そういう意味でこの特定事業というものをまず設けさせていただいたということでございます。

 それと同時に、この地方負担を廃止することによりまして、国の直轄事業の事業量が減少することになりますけれども、平成二十二年度の公共事業予算が削減となることを踏まえて、直轄事業の事業量の確保を求める地方の声に配慮し、経過措置として、維持管理のうち特定の事業に関する費用については、平成二十二年度に限り負担金を徴収するとしたところでございます。

 なお、特定の事業に要する費用に係る地方負担額は、道路が約四百六十二億円、河川が約百十七億円、合計約五百七十九億円でございます。

三ッ矢委員 少しわかりにくいんですね、特定事業というのは。

 これは長安政務官にお伺いしますが、もう少し具体的に、例えばということで、例示をちょっと幾つか挙げていただければと思うんです。条文だけ読んでいると非常にわかりにくいものですから、ぜひお願いしたいと思います。教えていただきたいと思います。

長安大臣政務官 三ッ矢委員にお答え申し上げます。

 具体的にというお話でございますので、河川と道路に分けてお話を申し上げたいと思います。

 河川に関しましては、災害の防止のために、機能低下した河川の堤防あるいは護岸の延命、機能増加を行う工事ということを基本的に考えております。道路に関しましては、橋梁を含む道路構造物等の安全確保のための工事というものを考えております。

 とりわけ、災害の防止、また利用者の安全確保のために速やかに実施する必要があるということで、今回、特定の事業ということを設けさせていただいたわけでございます。

三ッ矢委員 今のような事業を想定しておられるということであると、これは多分一年で終わらない事業もかなりあるんじゃないかと思うんですね。しかし、この措置は二十二年度限りということになっておるわけですから、もっと時間のかかる事業も、恐らく今例示で挙げられたものの中にはあると思うんですが、これをこの一年限りにされた理由を、今度は馬淵副大臣にお伺いしたいと思います。

馬淵副大臣 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、こうした長寿命化対策を一年で終えられるということではございません。こうした長寿命化対策ということにつきましても、いわゆる直轄事業の事業量の確保を求める地方の声に配慮した結果、経過措置として設けられた措置ということでございまして、一年間で終えることを前提としたということではないことを御理解賜りたいというふうに思います。

 なお、今後、いわゆる高度経済成長期につくられたこうしたインフラに関しましては、すべからく更新時期が到来してまいります。こうした更新時期が到来したものに関しましては、修繕、更新を戦略的かつ重点的な方法というものをしっかりと考えながら推進してまいりたいというふうに考えております。

三ッ矢委員 そうしますと、二十三年度以降も続く特定事業については、何か別途の手当てをされるということでしょうか。

馬淵副大臣 先ほども申し上げましたように、河川並びに橋梁等、こうしたものの更新時期というものが到来する、これについては、別途手当てということより、まず全体、我が国が抱えるインフラの中で、どのようなものがどのような状況で更新時期が到来し、また、補修等がどの規模で発生するかというものも、これもしっかりと戦略的なとらまえ方をして進めてまいらねばならないというふうに考えております。

 こうしたものにつきましては、今後の検討とさせていただくという所存でございます。

三ッ矢委員 わかったようなわからないような、はっきりしない答弁であります。

 それでは、ちょっと大臣にお伺いしたいと思いますが、実は日本のインフラ、道路もそうでしょうし、橋もそうだと思います、堤防もそうでしょう、一番多かったのは、大体、高度成長から八〇年代にかけてだと思うんですね。これが相当老朽化が進んできていて、これから維持管理、補修、場合によっては増改築をしないといけないというものがたくさん出てくると思うんですね。

 それについて、今回の措置が本当に影響がないのかどうか、そこをちょっと私は心配しておりまして、相当費用もかさむと思うんですけれども、公共事業関係予算全般が削減されている中で、そういう老朽化したインフラの補修といいますか修繕等について、今後どう考えていかれるのか。特に、今回のこの維持管理費負担金の廃止、それから直轄事業負担金の全廃によって、こうした事業に影響がないのかどうか、大臣にお答えいただきたいと思います。

前原国務大臣 三ッ矢委員にお答えをいたします。

 三ッ矢委員御指摘のとおり、高度経済成長期に我が国の道路は集中的に整備をされておりますので、建設後五十年を経過する橋梁が現在の八%から二十年後には五一%に急増するということで、今後、補修、更新費用がかなり増加をするという見込みでございまして、それは委員の御指摘のとおりでございます。

 それで、この維持管理について、直轄事業の地方負担金をなくすということでございますが、今の仕組み、これはまあ先生は国土交通省におられたので釈迦に説法なんですが、長寿命化修繕計画というのを策定していただく、こういうことになっております。それで、自治体ベースで申し上げますと、今都道府県で、四十七ございますけれども、策定率は、三十九の都道府県、八三%なんですが、問題は市町村でございまして、市町村は、千七百六十九の市町村の自治体数のうち、五%しかこの長寿命化修繕計画が立てられていない、こういうことなんですね。

 仮に、都道府県に対してこの維持管理をやっていただくということになるわけです。新設とそれから改築のみが国がやる直轄事業ということになって、維持管理については平成二十三年度からはすべて、特定事業を含めてやっていただくということになるわけでありますが、そこは都道府県はかなりの進捗率でこういった策定をしていただいておりますし、問題はやはり市町村なんですね。技術者と金がないということで、そこは都道府県と市町村が御相談をいただきながら、しっかりとそれを計画を立てていただいて、そして国もちゃんとそれはチェックをしながら、全体としての橋梁のいわゆる長寿命化、あるいはこれからは予防ということもやっていかなきゃいけないと思いますけれども、そういったことをまた国も関与しながらやらせていただきたい、このように考えております。

三ッ矢委員 今御答弁いただいたように、相当、老朽化対策ということではお金もかかるし、問題も多いわけですね。中身はよくわかっておられると思うので、これ以上申し上げませんが、市町村等で、これは本当に老朽化対策ができなくて事故でも起こったとか、あるいは災害につながったということになったら大変なことになりますから、ぜひそこのところは遺漏のないように、しっかりと、新しい仕組みを考えていかれる上で遺漏なきを期していただきたいなというふうに思います。

 それから、ちょっと話がかわりますが、これも法律の内容ではないんですけれども、この二十二年度予算から、直轄事業負担金の業務取扱費とあわせて補助事業の事務費補助についても廃止されると。これは何か、ぼったくりバーの請求だけをやめますよと思っていたら、ちゃんとしたバーで飲んでいたのに、それももう全部これからは自前で飲めというような、江戸のかたきを長崎で討っているような気がしないでもないんですが、まず、これを廃止される理由について伺いたいと思います。

前原国務大臣 直轄事業負担金の業務取扱費と公共事業に係る補助金の事務費の廃止については、事務の合理化等を図るために行うとしたことでございます。

 直轄事業負担金の業務取扱費については、全国的に構築された国の実施体制に要する経費を都道府県ごと案分する計算方法が複雑であり、そして都道府県等にとってわかりにくい上、内容の精査、確認に多大な労力が必要となるほか、国においても多大な事務負担を要して効率的ではなかったということは、今までの問題点として挙げられます。

 と同時に、公共事業に係る補助金の事務費について、会計検査院が検査を行ったすべての地方公共団体で不適正経理が二年続けて発覚をしておりまして、制度自体のあり方を見直すことが必要となったことなどを考慮して、廃止ということに至ったということでございます。

三ッ矢委員 不適正経理とおっしゃいましたが、これは具体的にどんな事例があったんでしょうか。ちょっと馬淵副大臣に教えていただきたいと思います。

馬淵副大臣 お答えいたします。

 不適正経理でございますが、これは会計検査院の決算検査報告におきまして、一部の地方自治体において、類型的には三つほどございますが、架空の物品調達などを行っていたり、あるいは、国庫補助事業の対象とならない用務で出張、これは空出張と呼ばれてしまうんでしょうか、職員に対しての旅費を支払っていた、さらには、国庫補助事業を行っていない部署に配属された臨時職員に対して賃金を支払っていたなどが不適正事例として指摘をされているところでございます。

 こうしたものに対して、私どもとしては、これは大変問題がある、このように考えております。

三ッ矢委員 補助事業の事務費、これは、実は私も昔、県に出向していたことがありまして、ここでこんなことを言うのもなんですが、かなりお世話になった記憶があります。これはかなり使い勝手がいいものだったと思うんですが、今、検査院の方から指摘があったというのは、そのとおりだと思いますよ。

 これをいきなり廃止するというのがいいのかどうかというのは、私もよくわかりません、全廃するというのが。これもさっき申し上げましたけれども、中身をきちんと精査して、不正を防止するということからまずやるべきじゃないかと私は思っているんですが、そうじゃなくて、もういきなり全廃だということになると、さっき申し上げたように、ぼったくりバー以外の請求書も全部廃止か、こういうことになるんだと思うんです。

 直轄事業につきましても、これはいろいろ指摘がありました。請求書の中にマッサージチェアを買っているものがあったとか、あるいはアロマセラピーの器械を買っていたとかがありました。ただ、もちろん、それはそれで正さないといけないことだと思うんですけれども、これはよく考えていただきたいのは、私の経験でいいますと、こういうものを買えというのは、現場で管理者と組合が交渉して、組合の方から要求が出てくるんですよ、福利厚生の一環でこういうものが欲しいと。そこは管理者だけの責任じゃなくて、皆さん方の支持母体である国公労連を初めとして、私は、お互いに責任のある話ですから、これは大臣、今回、これを廃止することによってそういうこともなくなるかもしれませんけれども、むしろ内部統制の話だと思うんですけれども、しっかりとこれは目を見開いて、監視と言うとちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、注意をしていただきたいなというふうに思います。

 恐らく、これは日本の社会のいいところ、悪いところが両方あって、なれ合いみたいな面もあったと思うんですよ。この際、これを機会に、そういうおかしなことにお金を使わないようにしっかりと注意をしていっていただきたいな、これは私からも強くお願いを申し上げておきたいと思います。

 それで、業務取扱費の話に戻りますが、業務取扱費の廃止によりまして、直轄事業の事業量それから事業費、例えば、公共事業を今回相当削られる。例えば道路でいいますと、一五%削減ということになっておりますけれども、今回、維持管理費負担金それから業務取扱費の廃止によって、恐らく建設に係る部分は一五%以上減ることになると思うんですね、その部分も公共事業費の中に含まれていますから。それはどのぐらい影響があるんですかね。トータルとしての額がわかったら、教えていただきたいと思います。

前原国務大臣 済みません、先生の今のお尋ねは、業務取扱費に対する地方負担、国庫補助事業の事務費に対する国の負担額という御質問でよろしいですか。

 前者が約七百八十八億円、後者が約七百五十億円でございます。

三ッ矢委員 ということは、約千五百億超ですね。その部分が、実は、今回要求されております公共事業費の中で、建設費からは削られるというふうに考えてよろしいんですか。

前原国務大臣 当然ながら、今の業務取扱費の地方負担がなくなるということに対して、事業量は減ることになります。

三ッ矢委員 そうなんですね。要するに、道路に関して言えば、建設に回る分が一五%よりさらに減ってしまうということなんですね。報道ベースで、一五%道路削減ですよ、こう言っておるんですが、実際には建設に回るのはもっと減ってしまうということでありますので、かなり私は、地方のインフラ整備に関して言いますと、思った以上に影響が出てくるというふうに考えております。

 それで、最後に、これはもう要望にとどめておきたいと思いますが、今回の見直しに当たって、これは先ほど大臣もちょっと触れておられましたけれども、地域主権にかかわるいろいろな課題があると思います。それとあわせて、特に整備がおくれた地域等における社会資本整備を円滑に、着実に実施していただきたい、事業量が減少しないように配慮をしていただきたいなというのと、これも先ほどから申し上げておりますが、陳情合戦のようなことにならないように十分気をつけていただきたい。

 それから、第二点として、先ほどもちょっと申し上げましたが、インフラの老朽化、これに対応した修繕、更新などに支障が出ないように十分に配慮をしていただきたい。この二点を強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

川内委員長 三ッ矢憲生君の質疑を終了いたしました。

 次に、竹内譲君。

竹内委員 公明党の竹内譲でございます。

 直轄事業負担金に関する法案の審議の前に、やはり非常に国民の安全にかかわる問題で私が重要だと思っている問題につきまして、まず質問しておきたいと思います。それは、新幹線の安全運行管理体制についてお伺いしておきたいんです。

 ことしに入りまして、去る一月二十九日に、JR東海の方で、新幹線で、パンタグラフの一部、舟体という部分がボルトのつけ忘れによって外れまして、架線を切断した事故がございました。これは実は非常に運よく大事故になりませんでしたけれども、これが対向車とかとの際に外れたりというようなことになりますと大事故につながっていた可能性もあると指摘されております。

 まず、これまでこの委員会で報告がございませんので、この事故につきまして報告を求めたいと思います。

本田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘の一月二十九日に発生いたしました東海道新幹線新横浜―小田原間の車両ボルトのつけ忘れによるパンタグラフの上部が外れ、架線を切断いたしました。このために、三時間以上にわたり新幹線が運転を休止するという輸送障害が発生いたしました。本件につきましては、即日JR東海に対し文書で警告するとともに、JR東海からは、これは車両ボルトのつけ忘れという原因は判明しておりますので、取りつけボルトの総数の管理とチェックシートの導入等、これを徹底するという再発防止策に関する報告を受けております。

 また、三月三日に山陽新幹線西明石―新神戸間におきまして、走行中の車両のギアケースが損傷いたしまして、二時間以上やはり運転を休止するという輸送障害が発生しております。本件につきましても、翌三月四日にJR西日本に対し文書で警告いたしますとともに、車両基地での調査に立ち会いをいたしました。

 本件につきましては、詳細な原因はまだ判明しておりませんが、JR西日本からは、当面の対策として、ギアケースの油汚損の確認といったことを行うとともに、原因につきましては財団法人鉄道総合技術研究所等とともに調査を行うといったことを報告を受けておりまして、その調査結果を待っておるといったところでございます。

竹内委員 これは私の感覚的な感じなんですが、最近の新幹線は以前よりも揺れが激しい感じがするんですね。最近は自動運行されているようですけれども、非常にスピードが極端に出るところがあったり、またそれを急に減速していかれるのもよくわかりますので、気分が悪くなるということも聞いております。加えて、対向車とすれ違うときの振動が以前よりも大変大きくなっているような感じを持っております。

 実は私、昨年十二月に中国へ行きまして、皆さんも乗られたと思いますが、上海のリニアモーターカーに乗ってきたわけでございます。時速四百三十キロを体感しましたが、その方がまだ揺れがましだな、それに比べても最近の新幹線の方がちょっとひどいんじゃないかという、これはこれまでの感覚でございますが。

 その意味で、新幹線全体の安全運行管理体制は大丈夫か、また、緩んでいないか、しっかりした説明をまず求めたいと思います。

本田政府参考人 新幹線は、何と申しましても我が国の高速輸送体系の基幹をなす交通機関でございまして、かつ、大変多くのお客様に利用されております。

 そういう意味で、営業主体、運行主体でありますJRにおきましても日々十分な安全対策を講じておると存じておりますけれども、私どもも、今回起きました二件の車両故障、それに伴う輸送障害を機に、今後ともJRに対しての指導を徹底してまいりたい、かように考えております。

竹内委員 その関連でもうちょっとだけ申し上げておきたいんですが、新幹線の橋脚や軌道などの老朽化がだんだん進んできていると思うんですね。私が議員になる二十年も前から、補強をどうするんだとかそれに対する新規更新は大変な需要が出るぞとか、いろいろな観点からの話があったと思うんですが、この辺の点検保守体制と今後の補強、またつけかえのスケジュール等があるのかどうか、その辺につきましてお伺いしたいと思います。

本田政府参考人 御指摘のとおり、新幹線につきましても、老朽化した施設というのは多々ございます。

 その点につきましては、各社において計画的に保守あるいは取りかえ、そういった作業を毎年続けておるところでございまして、私どもも可能な限りの支援をしてまいる所存でございます。

竹内委員 新幹線は開業時と比べ物にならないほど今ダイヤが過密しておりまして、本当に大事故が起きてからでは遅い。また、これからJR東海などリニアモーターカーや新幹線を、アメリカにも参入し、持っていこうという大変な意気込みでやっておられるわけでありますから、もしものことがあればそんなことは一遍に吹っ飛んでしまうということになるわけであります。

 最近では、トヨタの米国でのリコール問題もあったわけでございます。そういう意味で、鉄道各社は、万が一にも慢心はないかと、すべての現場で、また総合的な見地から、安全管理体制を何重にも締め直してもらいたいと思います。この点につきまして、ちょっと大臣の決意もお伺いしておきたいと思います。

前原国務大臣 今、竹内委員から御指摘がありましたように、新幹線の安全性というものは極めて大事なことでございます。

 一九六四年に開業して以来、四十五年間になりますけれども、死亡事故は一度もございませんし、平均遅延時間は一分未満ということで、それが日本の新幹線の安全性と、そしてこれから海外に新幹線を輸出していこうという際の大きなセールスポイントになっているわけでございます。

 委員が御指摘のように、それが崩れてしまっては、まずは日本の大動脈としての交通機関としての役割が果たせないのと同時に、国民生活に大きな不安を与え、また、それがひいては経済的な混乱にもつながるということでございますので、先ほど鉄道局長から答弁をいたしましたように、我々としては常に、JRのみならず鉄道事業者に、安全運転そして安全管理を徹底するようにということを申しているところでございますが、そういったものについてもさらに徹底をしていきたい、このように考えております。

竹内委員 それでは、引き続きまして、直轄事業負担金の法案の問題につきまして質疑をしたいと思います。

 私どもも、マニフェストにも書いてありますので、この方向性自体については異論はないわけであります。ただ、選挙のときの大衆迎合ではなくて、改めて冷静にこの法案の背景にある理論、考え方等について議論をしておきたいというふうに思います。申しわけありませんが、細かく通告しておりませんので、大臣でなくても、お答えできる方に答えていただければ結構でございますので、よろしくお願いします。

 若干重複しますが、この直轄事業を、これまでその費用の一部を地方にも負担させていたのはどういう理由かというと、受益者負担の原則であったというふうに理解をいたしますが、再度、これでよろしいですね。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 先ほど来大臣も御答弁させていただいておりますとおり、受益者負担の原則で今まで負担を求めてきたわけでございます。

竹内委員 それで、これまでの負担割合についてお伺いしますが、これまでは新設、改築は国三分の二、地方三分の一、維持管理費につきましては国五・五、地方四・五、こういうふうな割合になっておるわけであります。これまでのことで恐縮ですが、建設と維持管理とで国と地方の負担割合が異なっていた理由というのはどういうことであったかということをちょっとお尋ねしたいんです。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、新設、改築につきましては国が三分の二、地方三分の一、維持管理につきましては国が十分の五・五、地方が十分の四・五という違いがあったわけでございます。

 大まかに申し上げますと、新設、改築というものと維持管理というものでは性格が違います。要は、新設、改築というものは、もともとないもの、あるいは、既存のものであってもそれよりも機能のレベルを上げるというものでございます。一方で、維持管理というものは、既存のものに対して、機能が落ちているものをもとに回復させるという違いがあった。そういう観点から、この負担の割合も違っているということでございます。

竹内委員 若干わかりにくかったんですけれども、受益の割合が違うというふうに考えていいんですか。

長安大臣政務官 今御説明申し上げたとおり、まさに受益の割合というか重みが違うということで、この負担割合の違いになっているということでございます。

竹内委員 そうすると、これまでの理屈でいうと、維持管理の方が受益が多かった、こういうことになりますよね。

 今後、この維持管理負担金をまず廃止する、ゼロにするということでございます。この理屈は、つまり、受益はこれからも地方にはあるけれども負担はしない、こういう考え方でいいんですね。

長安大臣政務官 今回廃止をさせていただいたものにつきましては、受益は発生はするものの負担を求めないということでございます。

竹内委員 いわゆる管理者負担の原則を貫く、こういうふうに考えられるわけでございますけれども、今回、知事会とかいろいろ議論がずっとあって、そのときによく言われたのが、補助国道というのがありますよね、補助国道の維持管理費を、国道なんだけれども一〇〇%地方に負担させていたと。つまり、補助国道については、国道なんだけれども地方に一〇〇%負担させている、管理者は一応地方になっているわけですよね、法定受託事務として。だから、管理者が地方なんだから、逆に直轄事業については、管理者は国なんだから管理者である国が全部持て、こういう議論がかなりあったと思うんですが、こういう背景で間違いないですね。

長安大臣政務官 この間、今委員御指摘の補助国道についての負担の問題というようなものが、声があった、議論があったというのも認識しております。

 そういう意味では、我々、今回の負担金の廃止というものに関しましては、まずは地域主権の確立に向けて、地方が自由に使えるお金を少しでもふやしたいということを重視したわけでございます。今回、これを直轄事業の負担金が廃止される第一歩として、二十二年度から維持管理に関する負担金制度を廃止することとしたわけでございます。

 もちろん、先ほど大臣も御説明申し上げましたように、この直轄事業負担金の問題というのは国土交通省だけが決められる問題ではございません。他省と連携、例えば総務省、農水省、財務省、これはそれぞれから政務官に入っていただく形でワーキングチームを立ち上げて、このワーキングチームに知事会の方にもお越しいただいて、知事会の御意見、地方の御意見を賜りながら、今回、結論を出させていただいたということでございます。

竹内委員 この補助国道の問題は、実際問題としては大きかったと思うんですよね。地方が国道の管理者として全部持ってやっているんだから、それでは直轄事業については地方に持たせるのはおかしいじゃないか、国が持てという一つの理屈だったと思うんですね。

 しかし、そのときにもう一つの理屈立てはできたんじゃないかなと。つまり、受益者負担の原則からいくと、地方の方に、補助国道に国が維持管理費を負担してやる、一〇〇%地方負担じゃなくて国が負担してやる、理屈としてはこういう考え方もあったと思うんですが、そういう議論はなかったんでしょうか。

長安大臣政務官 さすがに委員は論理的な御質問をされますので、まさにそのとおりだと思います。論理的にはそういった考え方もあるんだと思います。しかしながら、今回、私どものワーキングチーム、さらには地方の皆さんとの議論の中ではそういった方向性にはならなかったということでございます。

竹内委員 そうすると、今後一切管理者負担の原則でいく、そういうことでよろしいんでしょうか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、今回の直轄事業負担金の廃止というものは、維持管理部分の特定事業を除く部分についてのみでございます。今後、特定事業の部分、さらには新設、改築の部分についても、これは国と地方の役割分担のあり方、また今後の社会資本整備のあり方、地域主権の実現に関するさまざまな課題と密接に関連する問題でございます。こういったものとすべて整合性をとりながら進めていかなければならないと私ども考えておるところでございます。

 今後も引き続き、そういった整合性をとると同時に、地方の意見も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。

竹内委員 ちょっと角度を変えたいと思うんですが、直轄事業の負担金、維持管理費ですね、岐阜県がちょっとおもしろい調査を行っておりまして、平成十九年度に維持管理費の試算というのをやっております。これも朝日新聞等でも取り上げられておりますので御存じだとは思うんですが、道路につきましては、国道の維持管理費がキロ千六百六十万円、県道がキロ二百二十万円で、国道の維持管理費が約八倍かかっている。それから、河川につきましては、国の河川といいますか、これが千二百五十万円、それから県が管理する河川はキロ四十五万円ということで、県の約二十八倍も維持管理費がかかっている。今申し上げましたように、河川はちょっと大きいですが、道路だけで見ても、国道と県道では維持管理費の水準が違う、八倍というのはちょっと大き過ぎるんじゃないか。

 そもそも論、こんなに国と県で維持管理費が違うものなのかどうか、この辺についてはどういう御認識をお持ちでしょうか。

長安大臣政務官 委員御指摘のとおり、従来から、同じ維持管理をするに当たって、国が維持管理をするのと地方が維持管理した場合の費用が違うじゃないかという御指摘があるのは、そのとおりでございます。

 そういう意味でも、本来であれば、やはり地方主権でございます、地方でしっかりと管理していただくことによって、コスト面もしっかりと見ていただくという方向にこれからなっていかなければならないと私ども考えているところでございます。

竹内委員 直轄事業の維持管理費、全部国で持つというわけですから、こんなに違っていては、どういう算定をしているのかというふうに言われますし、ここは、そもそも論、そこ自体にもぜひメスを入れていただく必要はあるんだろうというふうに思うわけでございます。

 先ほどから議論もございましたけれども、最終的に新設、改築も負担金をゼロに持っていったならば、財源が限られた中では、五千億ぐらいの事業費が減るということになってくるわけですが、これは大変な話ですよね。一兆五千億円ぐらいの総事業のうち、三分の一の五千億円減るとなると、社会資本整備のおくれている地域が本当に大丈夫かどうか。地方では、少々の負担をしてでも直轄事業で整備を進めてほしいという声もあるわけでございます。

 この辺、先ほどの議論と重なりますけれども、改めて、本当にこれは全廃して大丈夫か、その辺の御認識はいかがでしょうか。

長安大臣政務官 これは二面的な考えがあるかと思います。やはり地方の自由に使えるお金をいかにふやすかという観点と、今委員が御指摘のとおり、公共事業のパイ自体が縮小してしまうじゃないかという議論もあるわけであります。

 常々大臣も申し上げさせていただいておりますとおり、人口減少社会、少子高齢化、さらには多額の財政赤字という中で、公共事業のパイが小さくなっていくというのはやむを得ないことでございます。さはさりながら、国民の皆さんに安心して暮らしていただくための社会資本整備が必要であるということは、これは間違いのないことであります。

 そういう意味では、民間の力、資金であったり技術力、こういったものを活用しながらさまざまなインフラ整備を行っていくということで、我々は進めてまいりたいと考えております。

竹内委員 これも先ほどからお話がありましたが、地方の負担が少ないので、安易に公共事業を誘致しよう、そういう危険性もあるわけでございます。阪神高速道路公団とか、民営化される前は各地方において、阪神だけじゃないですけれども、高速道路をつくるのは全部公団が持ってくれるから、地方自治体の負担はないんだというようなことで、安易に誘致しようとした過去があります。結局、その後の世の中の事情の変更で、民営化されたり、地方自治体にも負担がどんとかぶってきたというようなケースも間々あることでございます。それとパラレルには考えられないかもわかりませんけれども、しかし、そういう戒めも持っておかなければいけないというふうに思います。

 また、地方分権に反して、直轄事業に関しては中央集権が強化されてしまうというようなことになってもいけません。それについては、今全体的なことでワーキングチームをつくって、地方分権を進める中で財源も移行しながら考えていくというお答えになるんだろうと思いますけれども、しかし、それに関しても時間がかかりますから、まだ三年ぐらいかかるわけですから、その間、中央集権が強化されてしまうようなことになってはいかぬと私は思うわけでございます。

 いずれにいたしましても、直轄事業、選択と集中を行っていくしかないんだろう、私自身の個人的な感想でございますけれども。いずれにいたしましても、あるべき今後の直轄事業のあり方、地方分権のあり方等をよく考えて、我々もぜひとも意見をどんどん述べていきたいと思っていますし、透明化を図る中で、より皆さんに納得していただけるような公共事業というものをつくっていきたいと思います。また、ぜひともそういう方向でしっかりとやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

川内委員長 竹内譲君の質疑を終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 近年、地方自治体が主体で進める補助事業や単独事業は、地方財政困窮のもとで激減する一方で、国直轄事業はほぼ横ばいであります。その結果、地方財政支出における直轄負担金の割合は増大し、地方財政圧迫の要因となっております。直轄事業負担金制度は、こうした地方の財政状況や事業の必要性にかかわりなく、国が地方に一方的に負担を求めることとなりやすい仕組みになっていまして、見直すべきだと考えます。

 本法案は、国直轄事業負担金制度を全廃する第一歩として、新設、改築を除く維持管理に係る地方負担金を二〇一一年度までに全廃するというものです。国はこれまで、地方が行う新設、改築などの事業については国庫補助の対象としてきたが、地方が行う維持管理は国庫補助事業の対象にしていない。ところが、国直轄事業の維持管理には地方に一部負担させている。これは一方的な仕組みだと言わざるを得ません。

 したがって、直轄事業の維持管理費は、本来の管理者である国の全額負担とし、地方負担金を廃止することは当然である、以上が私どもの本法案についての態度であるということを最初に述べておきたいと思います。

 そこで、きょうは、新政権が理念として掲げているコンクリートから人への公共事業政策の転換をどう進めていくのか、維持管理の面で具体的な議論をしたいと思います。

 私は、昨年二月に予算委員会で、道路橋の維持補修状況について質問しました。リーマン・ショック直後で、外需頼みでなく、内需拡大の政策が求められていました。大型開発事業よりも小規模事業、工事の方が雇用効果は大きくて、不況にあえいでいる地域の中小企業の仕事興し、地域の雇用拡大になることを私は示しました。そして、住民の命、安全、暮らしに密着した小規模公共事業への思い切った予算の投入が必要だと指摘したところであります。そして、社会インフラの老朽化の実態は待ったなしのところまで来ており、維持補修の重要性を強調しました。

 きょうは、まず大臣に確認します。

 これまでの自民党政治のもとでの社会資本整備は、新たな高速道路をつくる、ダムをつくる、空港や港湾をつくるといった新規建設、開発が中心でありました。公共事業予算も新設、改築の事業を中心につけられてきました。しかし、人口減や少子化、財政難という社会経済情勢の変化とも相まって、社会資本整備もある程度まで充足しているもとで、新規建設、開発を中心とした公共事業政策は転換すべき時期に来ていると考えます。

 充足した社会資本のストックを活用した事業への転換、とりわけ社会資本の老朽化などに対応した維持補修を中心とする公共事業政策への転換が求められていると思いますが、その点の認識を伺います。

前原国務大臣 穀田委員にお答えをいたします。

 私は常に、日本には三つの制約要因がある、人口減少、少子高齢化、そして莫大な財政赤字、その中にあって予算の使い道を変えていくことが鳩山政権の大きな目的であり、そして、コンクリートから人へという流れで予算の使われ方も変えていかなくてはいけないということを申し上げてまいりました。つまりは、公共事業を総花的にやってきた今までの政策から転換をして、教育あるいは社会保障、こういったものにより重点的に予算を使った、予算の組み替えというものを行っていかなくてはいけないということを申し上げてきたわけでございます。

 特に、空港、そして港湾、道路、あるいは整備新幹線も入れてもいいのかもしれませんが、さまざまな地域の要望にできるだけこたえようとしてきたということで、新設が主になされてまいりましたけれども、地方空港しかりで、当初の需要予測とは全くかけ離れた需要になってしまっているところも多々あるわけでございますし、港湾についてもそういったことが言えるのではないかと思います。

 そういう意味で、我々としては、選択と集中ということを公共事業の中に取り入れまして、真に必要な公共事業は新規も行っていくけれども、基本的には継続事業、そして、委員の御指摘のあった維持、管理、修繕、こういったところにこれからより重きを置いていく、こういった公共事業政策を推進してまいりたいと考えております。

穀田委員 そこで、維持補修の取り組み状況について聞きます。

 先ほども若干議論がありましたけれども、私は昨年指摘したんですが、長寿命化修繕計画の進捗状況はどうなっているか。とりわけ、おくれていた市町村はどれだけ計画策定を行い、そのための点検活動が進んだのか。結局、いつまでにこれを完了するかという、その展望と見込みをお話しいただきたいと思います。

前原国務大臣 長寿命化修繕計画でございますけれども、これは、先ほど三ッ矢委員にも答弁をさせていただきましたけれども、我が国の道路は高度成長期に集中的に整備されたため、建設後五十年を経過する橋梁が……(穀田委員「そこはわかっているんです、さっき聞きましたから」と呼ぶ)はい。要は、五十年を経過するものが急増するということでございます。

 計画の策定状況でございますが、計画策定自治体数は、平成二十年の四月時点では七十八、現在では百二十二ということで、四十四ふえている。うち都道府県は三十一から三十九にふえ、市町村では四十七から八十三にふえておりまして、計画策定橋梁数は、平成二十年の四月の時点では一万四千六百五十一、これは全体の一一%でございましたけれども、現在においては三万二千六百八十八、全体の二四%になっているということでございます。

穀田委員 先ほども、その経過は、せっかく答弁なさっていましたから、そこはわかっているんですが、今、私、皆さんのお手元に長寿命化計画策定状況という資料をお渡ししています。

 そこで、先ほどは、少し進んでいて五%とありましたけれども、一枚目のところ、団体数ベースでいえば市町村が四%、さらには橋梁ベースでも四%にすぎない。もうちょっと進んでいることを期待しているけれども、問題は、一〇〇%やろうと思ったらどうなるかということでありまして、年間三百以上の自治体が計画策定しないといけない。したがって、年間で、一気に四倍から五倍のペースで進めないといけなくなります。

 先ほども大臣は答弁の際にもお話がありましたが、なぜ進まないかという理由のことなんですが、それと関連して一言申し上げたいと思います。

 総務省の行政評価局からも勧告を受けていまして、自治体側の計画策定、点検が進まない理由は、やはり、予算がないなど、以前に私が指摘したことが解消されていないということが明らかであります。毎日新聞は、「公共事業はどこへ」という特集記事を載せていまして、財政的に実施困難とする理由には、「公共事業予算が減る中、新設より効果が見えにくい維持補修は国の補助も少なく、予算が付かない」という実態があると指摘しています。

 そこで、きょう聞きたいのは、一橋当たり補助金というのは一体全体幾らなのかということをお聞きします。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、点検の費用でございますけれども、例えば平成二十一年度当初予算で申し上げますと、総額で二十四億五千五百万円、対象橋梁数が一万二千二百でございます。これは、単純に割り込みますと、一橋当たりの費用は二十万一千円でございます。この二分の一相当を国費により補助するということとなっております。

穀田委員 つまり、一つの橋当たり十万だということなんですよね。十万で何ができるかというのにみんなが思いをいたさないとならない。つまり、私が言っているのは、額の総額はいろいろ言うんだが、実際の、橋を直したり点検をしようとすると、たった十万円だということなんです。それではなかなか進まぬだろうということですよね。

 ですから、提起したいのは、五年間に一回も点検すらしていない自治体が八割あるわけですね。そのことを昨年指摘して、それが出ているのが資料の一の二枚目であります。今年度は計画策定のための点検に補助費をつけた。それでもなかなか進まない。点検して、問題があれば修繕、補修、あるいは更新しなければならないが、当然それも進まず、放置されているのが現状であります。

 理由はもう一つあって、現実的実施困難という財政の問題に加えて、専門的知見が不足しているためだ。これも実は同じ毎日新聞も指摘しているところであります。また、大臣もそうおっしゃっています。さきの毎日新聞は、次のような声を紹介しております。橋の点検業務を受注したコンサル会社の担当者は、「本来は橋の点検方法や状況が関心の中心のはずなのに、自治体の職員は技術的に理解できていないから書類の形式の話でお茶を濁す。点検をしたとしても、職員が橋の上を歩いて目視で路面を観察しているだけで、橋脚などはほとんど見ていない」、こう指摘しています。

 そこで、その後にこういう点があるので重要だなと私は思ったんです。さらに、道路法では政令で維持補修の技術的基準を定めると明記しているが、いまだに政令がないままだと述べています。維持補修、修繕については新設にあるような技術的基準もない。この事態は改善すべきではないのか、検討を求めたいと思います。

長安大臣政務官 委員御指摘の道路の維持管理ということにつきましては、国、都道府県、市町村、それぞれの管理者が、個々の道路の構造、自動車や歩行者の交通の状況、地形、気象、沿道の状況、こういったものを勘案して実施をしておるところでございます。

 各管理者が維持管理を行う際の技術的なガイドラインにつきましては、学識経験者また道路管理者等の知見を取りまとめて、国として提供もさせていただいております。例えば、平成十六年には、橋梁定期点検要領案であったり、橋梁における第三者被害予防措置要領、コンクリートの塩害に関する特定点検要領など、こういったものを提供させていただいておるところでございます。

 御指摘の、政令で定める、これは道路法の四十二条第二項のことを御指摘だと思いますけれども、これにつきましては、現時点で未制定でございます。

 先ほど、新設のものについては規定があるじゃないかと。多分、道路構造令のことを御指摘されているんだと思います。今般、義務づけ、枠づけの廃止、地方分権という流れの中で、道路構造令につきましても大半を、よほど安全にかかわる部分以外は地方に移譲しようということで進めております。そういう中にあって、維持管理についての政令というものにつきましても、地域主権改革の流れも踏まえながら、政令で定めるべき事項について、引き続き検討してまいりたいと考えております。

穀田委員 国直轄の問題や、それからガイドラインについては知っています。ただ、今言ったように、実際は新設中心のままという現実があるということを指摘しているわけで、今、検討すると言っていましたので、きちんとやっていただきたいと思うんです。私が言っているのは、予算も、それから技術もあわせて、中心はそこに置くという哲学が今必要じゃないかと言っているということを御理解いただきたいと思うんです。

 次に、社会資本整備総合交付金について聞きます。

 これは、地方が自由に使えるというふれ込みですが、維持補修に使えるのか。これまでの補助金と同様に、新設、改築が中心で、修繕に少しだけ使えるという感じのものだと私は思っているんですね。長寿命化修繕計画策定や点検事業、その結果を受けての補修、修繕、更新など、一連の長寿命化の取り組みに使えるようにしてこそ意味があると思うんです。新設中心から維持補修中心に切りかえる姿勢を示すためにも重要です。

 あわせて、三位一体の「改革」に伴う補助金改革で採択基準が引き上げられることによって、大きな事業しか使えなくなったという現実があります。したがって、小さい工事でも使える、維持補修にも使えるようにすべきだ。その二つの点についての見解を大臣にお聞きしたいと思います。

前原国務大臣 国が地方公共団体に助成を行う事業の範囲については、国と地方の適切な役割分担を踏まえて個別に定められてきたものでありまして、今回の交付金化に伴って、この国と地方の役割分担が変更されることにはなりません。しかし、新交付金の制度では、計画の目標達成のため、基幹となる事業とあわせて一体的に行う必要のある事業であれば、これまで補助対象外であった修繕事業も含めて行うことが可能になります。

 なお、維持管理に要する費用につきましては、国と地方の役割分担から、道路法や河川法等により管理主体が負担することとされており、従来と同様に地方公共団体で御負担いただくことになります。

穀田委員 そこが問題でして、つまり補修、改修という事業は、先ほど述べたように、金の方でいうと、例えば橋だって十万円しか出さないぐらい、それがいいか悪いかは別として、全体に小さい工事なんですよ。それが採択基準を引き上げるということは、国がやった指導なんですよ。だから、そこを下げなきゃ、実際には地方自治体が幾ら主体者となってやるといったってできやしないよということを言っているわけですよ。そこをよく考えてもらわないと、言っている話とつくった答弁と少し違うと思うので、そこは考えていただきたい。そうしないと現実の話としては進まないよということは言っておきたいと思うんです。それは多分、前原さんはおわかりかと思うので、まあ、それはいいですよね。

 そういうことを理解していただいたということを踏まえて、次は、車両管理業務の問題について聞きます。

 大臣は、今議論しましたように、維持管理、維持補修が重要だということは既にお認めになっています。それを進める上で、マンパワーが重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。車両管理業務従事者は簡単に言えば点検、パトロールなどに従事する運転手ですが、重要な役割を果たしている。それについて質問します。

 これも、私は昨年、当委員会で取り上げました。国交省や出先機関が発注する車両管理業務で低入札調査対象の入札が相次ぎ、運転手の賃金が生活保護基準以下になっている実態を指摘しました。入札に関して、公正取引委員会から官製談合が指摘され、入札適正化の取り組みが新政権のもとでも点検、検討されてきました。

 談合などあるまじき行為は徹底して是正すべきだということは言うまでもありません。しかし同時に、低価格競争の行き過ぎによるダンピングが横行すれば、公共サービスにおいても質の低下が懸念され、国民に不利益を与える結果を招きかねません。したがって、ダンピングも厳しくチェックをする必要があります。

 大臣にお聞きします。

 地方の工事事務所などが発注する車両管理業務の多くは、先ほどから指摘する維持管理、点検のための業務や、自然災害に対応するために必要不可欠な業務であって、その技術、技能など品質の維持向上が図られるべきだと考えますが、その点は当然ですよね。

前原国務大臣 まず、車両管理業務については、委員御承知だと思いますけれども、昭和五十八年の閣議決定によりまして、技能労務職員等が携わっている事務事業については、民間委託等の合理化措置を積極的に講ずることとし、これらの職員の採用は、公務遂行上真に必要な場合を除き、昭和五十九年度以降行わないものとする、こういう閣議決定によって今があるということは御承知のとおりでございます。

 他方で、今委員が御指摘をされたように、車両管理業務の運転手である車両管理員については、安全、円滑な運行に関する知識、運行区域に係る道路状況など、さまざまな知識、技術等が必要であり、事業者においては、車両管理員の知識、技術等の維持向上が図られるように、研修会の実施など適切な措置が講じられる必要があると考えております。

穀田委員 そこで、昨年度実施した一般競争入札で、多くのベテランが賃金引き下げなどで生活できないと退職を余儀なくされました。その結果、どういう事態が生まれたか。

 発注者である国交省の入札要項には、今皆さんに資料としてお配りしているもの、資料二でありますが、新たに、一年以上の経験者などの要件が加わった。なぜか。それは、見ていただくとわかるんですが、主要な支障事例ということで、これはホームページに出ているんですけれども、「地理不案内による目的地の間違え、到着の遅れ、」さらに、今技能という話がありましたけれども、「技能経験不足等による急ハンドル・急ブレーキ、脇見運転等の危険運転」、それから「技能経験不足等による赤信号無視、道路の逆走等の交通ルールの無視」と、何が知識なのかということになるぐらい、ちょっと、知識以前の問題があるわけでしょう。こういう問題を指摘せざるを得ない。

 こんな事態が生まれているということについて、どうお考えですか。

前原国務大臣 こういったことは、委員が資料で示しておられるように、一般競争入札導入後ということでありまして、これは平成二十一年度発注から全面的に一般競争入札を導入しているわけであります。こういった、今委員が御指摘をされた問題点が起きているということは承知をしております。

 このため、国土交通省としては、車両管理業務について品質確保対策を講じることが必要であると考えておりまして、平成二十二年度の発注から、車両管理員の資格要件として、おおむね一年程度、自動車の運転を業務として行っていた実務経験を義務づけるとともに、事業者において、車両管理員等に対する適切な教育を行うように求めることといたしたところでございます。

穀田委員 それは先ほど私が言ったように、一年以上の経験者などの要件が加わったという話なんですよ。それは最初の方で言っているので、「車両管理業務における品質確保対策について」という指示の文書に書いてあるとおりですよね。それなんだけれども、問題は、そういうことをやらざるを得なかったことは何でか、そういうことが起こっている事態を指摘しているわけですよ。

 予定価格というのは、大体一台当たり四十二万円なんですね。六〇%が低入札基準だけれども、入札価格はそれ以下になっていまして、二十四万から二十五万、中には四四%というのもありまして、十八から十九万です。ここから管理費や燃料代を引いて、運転手の賃金は一日七千円で十四日間というのもあるんですね。これだと、月収が何と九万八千円なんですよね。当然これでは契約社員、非正規雇用だ。これで生活できると思いますか。

 それだけじゃないんですよ。実は、この管理業務というのは、御承知のとおり、先ほど最初に確認したように、台風や地震、大雪などの自然災害に備えて、一たび気象が荒れれば命がけで車を運転しなきゃならない。こうした待遇で命を張ることができるか。どう思いますか。

前原国務大臣 委員御指摘のとおり、一般競争入札が導入されたことによりまして、平成二十一年度発注においては入札参加者が約四倍になっています。平成二十年が三十九者、そして平成二十一年が百五十者ということで、四倍増になっている。平均落札率が約三割低下をしているということで、平成二十年が平均落札率が九三%でありましたのが、平成二十一年は六二%、こういう状況になっております。

 賃金等、事業者の雇用に関する問題につきましては、事業者において関連法令の規定等に基づき決定される事項でございますので、発注者が直接介入することは困難な面がございます。発注者の立場からは、先般取りまとめた災害時における履行体制の確保を含む品質確保対策を実施していくとともに、低入札調査の対象案件について履行体制の確認等を厳正に行うなど、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。

穀田委員 前原さん、私は、その答弁じゃ現実をよく見ていないと思うんですよ。

 だって、四倍になったとか三割低下したって、それは数字の話であって、では実際に働いている人の賃金はどうなっているか。介入で関与できない、そんなことはないですよ。そういう九万八千円程度で命かけろなんということを言えるのかということを言っているんですよ、私は。それはあかん、そんなことをやっておったんじゃ。そういう官僚がつくっている答弁で、実際に入札がふえたと。その入札がふえた会社はどうなったと思いますか。次のときは全部やめていますよ。そういう会社も出ているんですよね。できへんからや、こんなこと。だから、それぐらいひどいという事実をやはり前原さんは見ていただく必要があろうかと思って私は提起したわけですよ。

 小泉構造改革のもとで広がったのは、貧困と格差ですよね。年収二百万円以下のワーキングプアというのをつくったのは、派遣などでの非正規雇用の拡大でこれが生まれた。この車両管理業務も、官製ワーキングプアにほかならないわけですよね。だから、国が率先してそういうのをつくっていいのかということなわけですよ。

 私は、ここの点、ではどうしたらいいか。やはり、必要な業務ならば直接運転手を雇用したらいい。そして、公務員として雇えば何の矛盾もないし、もともと日本は、イギリスやアメリカ、フランス、ドイツに比べ、国民一人当たりの公務員は一番少ないわけですから、私はそこを改善すべきだと率直に思います。

 直接雇用までは時間がかかるというんだったら、郵政だって、亀井大臣は、直接雇用にすべきであるということで大胆な方針を、我々の問題提起に従ってこたえているわけですよね。だから、そういう現実、末端のところは関与できないじゃなくて、末端で起こる事態について目を向けるかどうかということを私は言っている。

 したがって、少なくとも生活できる賃金、労働条件を保障するということは大事じゃないかと思うんです。公共工事の品質確保のためには、今話がちょっと出ましたけれども、下請労働者の適正な賃金を確保する、これは一連の、民主党が公契約法的な法案を準備しているわけですけれども、これもこの車両管理業務に適用したらいい。

 ですから、このまま放置できないという現実を私は提起したつもりであります。その点での何らかの改善策を検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。

前原国務大臣 そこはやはり、共産党さんと我々の立場の違いだと思います。つまりは、公務員としてやるべきことはやったらいいじゃないかというのが穀田委員の御趣旨だと思いますが、我々は、民間でできることは民間でやってもらうということで、委託、そして民間で選ぶときは競争性を高めた入札を行うということで、今後も一般競争入札というのは続けていきたいと思っております。

 ただし、今御指摘があったような問題点については、真剣にその対応策は考える必要があると思います。落札率が大幅に低下しているという実態があるということとか、そのことによって契約内容の適切な履行が図られるのかどうなのか、こういった点がございますので、今後、低入札調査の対象案件については履行体制の確認等を厳正に行って、適切な対応を図っていきたいと考えております。

穀田委員 終わりますけれども、そこで、一つだけ最後に、そこまで言うと余り前の政権と変わらへんのやわ、そこぐらいだったら。適正な入札の問題を見るというだけではだめで、問題は、末端の働いている人、確かに公務員として雇うかどうかについて意見が違うのははっきりしているんです。私は、そうだとしても、せめて賃金はちゃんとしろと言っているんですよ。

 最後に言っておきたいのは、民主党が議員立法を提出し、全会派の賛同を得て成立した公共サービス基本法では、公共サービスの発注者に、「安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする。」と定めているんですよね。これの実施が求められているわけです。

 大体、物品の購入と役務というのを同じ入札のカテゴリーで行うということ自体、私は問題だと思うんです。だから、それは単なる価格だけじゃなくて、総合的評価方式に改めることが最低限必要です。現に、車両管理業務を請け負う団体の社団法人日本自家用自動車管理業協会も、その点の要望書を提出しています。ですから、それらの二つのことを指摘して、質問を終わります。

川内委員長 穀田恵二君の質疑を終了いたしました。

 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、直轄事業に係る維持管理負担金の廃止のための法律、この法案の審議に立たせていただくわけですけれども、直轄事業の負担金のことについては、既に予算委員会の第八分科会、また、その直後にありました予算委員会の仮配分問題、箇所づけ問題に関する集中審議で、何度か前原大臣にお尋ねをさせていただいております。

 国の直轄事業、この負担金がなくなっていく、これは、橋下大阪府知事からは例えばぼったくりバーと言われて、国の事業に地方が有無を言わさずつき合わされる、こうしたものだったわけでありますけれども、これが廃止に向けて動き出すということは大変歓迎すべきことのように思います。

 その一方で、私は、スーパー堤防の事業などを例に挙げてお話をさせていただいてまいりましたけれども、国の直轄事業の負担金がなくなるということになると、本当に地元の負担はわずかで、それによって国の事業が自分の地元で行われるようになってしまう、逆に、自分の負担なしに地元に事業を引っ張ってくる、そのためのインセンティブが今まで以上に働いて、事業量は減るわけでしょうから、ある意味では国に対する陳情合戦がさらに激化をしてしまうのではないか、こういうことを何度かお尋ねさせていただいてまいりました。

 きょうの委員会でも、この論点が出たかというふうに思いますが、こうした懸念に対して、改めて大臣の御所見をお尋ねしたいと思います。

前原国務大臣 予算委員会でしたか、柿澤委員から同様の指摘をいただきまして、その御懸念についてはそのとおりですというお答えをしたことを覚えております。したがって、委員と私は問題意識を共有しております。

 ただし、今回のこの直轄事業の負担金をなくすということの背景は、もちろん受益者負担の原則というものは持ちながらも、しかし、考え方を変えていって、地域ができるだけみずからで事業を決めていくということで、権限、財源を移譲していくという過程にあるんだということをぜひ委員には御理解をいただきたい、このように思っております。

 そして、スーパー堤防のところでもお答えをいたしましたように、地元の負担が少なかったり、あるいはなかったりすると、陳情合戦になったり、あるいは、逆の意味で悪いことは、地域が望んでいないことを国が押しつける、こういうことも出てくるわけでございまして、そういったものを除いていくための国と地方の密接な協議と、そして、必要な事業が採択をされるメカニズムというものをしっかりやらなければ、委員が御懸念をされているような問題が起きると思っておりますので、そういった問題が起きないようにするための仕組みというものを透明度を上げてやっていく、採択をする仕組みも含めて採用していきたい、このように考えております。

柿澤委員 先日の予算委員会のときの御答弁でも、ステップ・バイ・ステップで分権を進めていくんだ、今までそれぞれ個別の事業の補助金ということでやってきたのをもう少し大ぐくりにして、そして個別の補助金のいわゆる混合型みたいなことでやっていくんだ、こういう御答弁をされておりまして、その中で見れば、直轄負担金の廃止に向けたこの法案というのは、一歩前進のその第一歩だというふうにおっしゃっているんだと思います。

 そうであるとすると、これからの公共事業の地方とのかかわりにおける配分のあり方、また、地域主権という言葉にあらわされているような、地域のことは自分たちが自分たちの自前の財源で決めていく、そうした理想とすべきあり方からすると、この先にはどのような改革が待っているのかということについて、前原大臣のお考えをお尋ねさせていただきたいと思います。

前原国務大臣 先ほど委員が引用されたところというのは、社会資本整備総合交付金のところと少し重なっているのではないかと思います。これはまた後ほど御議論されるんだろうと思いますので、それは除いておきます。

 柿澤委員も東京都議会議員をされましたけれども、私も京都府議会議員をさせていただいて、地方議員をやっているときに、これだけおもしろいメカニズムなのかと思ったのは、下水の整備というのは、私が府会議員のころには、建設省が所管する下水と、農水省が所管する下水と、厚生労働省が所管する下水と三つあったんですね。これについてどうやって計算するかというと、いわゆる補助金と、あとは交付税措置で戻ってくるものを含めて、私は京都でありますが、京都市がどれだけ自己負担が少ないかということを計算してやって、トータルのランニングコストとか、あるいはどれがより効率的とか、そういう議論はないわけですね。つまり、金目のこと、しかも導入時の金目のことしかなかなか議論がなされないということに、この制度の問題点というものを私は感じていたわけであります。

 つまりは、補助金とか交付税措置によって事業選択が行われてしまうというところで、例えば会社だったら、その事業、例えば下水道事業なりそういった一つの仕組みを導入するのに、導入費とランニングコストと減価償却とすべて考えて、どれが一番安いかということを考えるのに、この国、地方のさまざまな関与の中でのややこしいやりとりの中で、みずからが一番負担が少ないものを選んでしまって、トータルとしてお金がかかるような選択がなされているというところに私は問題を感じたわけです。

 だったら、こういった問題を払拭するのにはどうしたらいいか。それは、基本的には、できるだけ地域に任せられることは地域に権限も財源も任せて、そして取捨選択の中で、まさに地域の経営感覚の中で事業を選択していただけるような仕組みにしていくべきではないかということで、我々民主党は、将来的ないわゆる基礎自治体への権限移譲、その過程の中での一括交付金、こういったものを投げかけているわけであります。

 今回議論いただいている直轄負担金のいわゆる地方負担の廃止というものについては、これは受益者負担の原則という今までの考え方はありましたけれども、できるだけ地域に事業選択というものをしていただくということの一つのあらわれなんだということで御理解をいただければありがたいと思います。

柿澤委員 私なりに解釈をすると、地域のことについては、地域が自前の財源とまた権限を持って、地元の住民に近いところで決めていく、これがやはり目指していくべきところであると。その先には、これからまた議論が本格化をしてくる一括交付金の話なども視野に入ってくるんだろうというふうに思います。

 そのある種の中間点に位置づけられるのが、これからちょっと取り上げさせていただく社会資本整備総合交付金なのではないかというふうに理解をしておりますが、社会資本整備総合交付金というのは、来年度から、個別の公共事業に対する補助金を廃止なり大変な減額をして、それから、ある種置きかえるというものであります。道路や治水、下水道や住宅など、従来の補助事業を原則廃止する。また、道路財源の一般財源化で〇九年度予算化をされました地域活力基盤創造交付金、また、まちづくり交付金といった既存の交付金も、これは統合して一本化をする。補助金の交付金化という流れに沿ったもので、地方の自由度を高めたというふうに言われております。

 これについて、今の、ここまで議論をしてきた流れに沿った形での改革というふうに皆さんは位置づけておられるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

前原国務大臣 一歩前進だと思っております。ただ、これがすべていいということではありませんし、これからのプロセスとしては、さらなる分権を進めていかなくてはいけないと思っております。

 従来の個別補助金と異なって、地域のニーズに合った各種インフラ整備の自由な選択と、創意工夫を生かしたソフト事業も実施可能な総合交付金として行っているということで、これは今、地方自治体に対してまだ予算が決まっておりませんので、もちろん予算が固まればという前提でありますけれども、例えばこういう組み方、組み合わせができますよということをさまざま事例を挙げて、地方に対して御説明をさせていただいているところでございます。

 ばらばらの今までの事業とは違って一体として使っていただけるという意味では、私は、先ほど申し上げたように一歩前進だと考えております。

柿澤委員 ただ、この社会資本整備総合交付金ですけれども、額の面からいっても事業の交付の決定プロセスからいっても、一歩前進といいながら、余り今までの補助事業のやり方と大きく変わらないんじゃないか、こういう指摘もあります。

 例えば下水道に関する補助金ですけれども、去年の秋、事業仕分けの対象になって、自治体の判断に任せて地方移管をすべきではないか、こういう意見が付されています。これに従った形なんでしょうか、この下水道に関する補助金は、実に九一・六%減の四百九十六億円という予算計上になっているかと思います。

 しかし、この九一・六%減の補助事業分がそのまま、ある意味ではこの社会資本整備総合交付金につけかわっている、こういう見方もできるわけでございまして、政策分野別でいえば、活力創出基盤整備、水の安全・安心基盤整備、市街地整備、地域住宅支援。この水の安全・安心基盤整備六千五百億円、これがまさに下水道事業を含めたものに交付金としてなるわけでございます。

 このような形で、個別の事業補助金をやめたということではある一方で、結局、社会資本整備総合交付金という形で地方自治体が国土交通省に申請をし、そして審査をして、交付の決定を行う。聞くところによると、交付率も基本的に今までの補助事業の補助率を踏襲するんだということでありますので、本当にどこが変わったのかなというふうに思える部分もあります。

 週刊ダイヤモンドの記事では、事業仕分けの仕分け人をやった政野淳子さんという方が、若干これは憤りが感じられるトーンで、仕分けで結論を出したものについて、結局、予算をつけかえて復活をさせてきたということで、ゾンビ化する公共事業と。仕分けてみたけれども、結局、交付金で賄われることは同じじゃないか、ひもつき補助金がなくなったと思ったら、ひもつき交付金に生まれ変わっただけではないか、こういう批判をしているわけでありますけれども、こうした批判の声に対してどのようにお答えになられますでしょうか。

長安大臣政務官 委員の御質問にお答え申し上げます。

 今回、先ほど大臣が御説明申し上げましたように、この社会資本整備総合交付金、これをしたことによってすべて終わったと我々は考えているわけではありません。あくまでもこれは第一歩であります。第一歩の中で、四つの分野に分けて、それぞれの分野の中で予算の流用ができる、今までのひもつき補助金ではあり得なかったことが行えるようになったという意味では、地方の自由度は十分に高まっていると思っております。

 一方で、先ほどの柿澤委員の論理でいきますと、そもそも、この交付金自体、全く色のついていないものでもいいのではないかという御議論かと私は感じたわけであります。全く色のついていないものであれば、逆に言いますと、交付税との違いというものを一体どう見きわめるのかということになってくるかと思います。

 我々、やはり地方にできるだけ権限をゆだねたいという思いであります。一方で、国土交通省の中で、重要な施策についての政策目的というものをある程度達成していきたいということも考えております。その中で、今、政府におきましては、内閣の地域主権戦略室において、この交付金の、一括交付金ということを我々は常々申し上げておりますので、それに向けて今後どのような取り組みをしていくのかということを検討している最中でございます。

柿澤委員 まさに、一括交付金と地方交付税がどう違うのか、これは非常に、総務委員会、私も総務委員会にも所属しておりますので、大きな論点というか、一体どう違うんだろうかということについては、なかなか整理された考え方がないように見受けられます。そういう意味で、この一括交付金化ということがどういうふうに進んでいくかというのは、これは議論が緒についたばかりで、まだまだ見ていかなければいけないというふうに思います。

 ちょうど長安政務官が御答弁に立たれましたので、これも論点としてもう出ていることだと思いますけれども、例の地域主権戦略会議で一括交付金化についてヒアリングを行ったところ、長安政務官が国土交通省を代表して御回答されて、社会資本整備は必要な地域に必要な額を必要なタイミングで配分する仕組みが必要だ、政策誘導的な要素をこの交付金から一切取り去るということはやはりあり得ないんじゃないか、こういうお考え方を披瀝されたというふうに聞いておりますが、この考え方というのは国土交通省全体の考え方ということでよろしいんでしょうか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 恐らく、先日の新聞に載っていた記事を参照されているんだと思います。私が申し上げましたのは、今回、この社会資本整備総合交付金にすることによって十分自由度が高まったはずだ、そういう中で、それをまだ見きわめられない中で、いやいや、何も色のない一括交付金にするんだという議論は乱暴ではないかということを提言させていただきました。

 つまり、各省の中で、例えば安心、安全の分野ではこのぐらいお金を使ってほしい、これぐらい予算を地方として措置してほしいというような政策目的というものがある中で、それに全く関与しないというようなやり方で地方にお金を配るというのが果たしていいのかどうかという観点から、議論しなければならないということを申し上げたわけでございます。

柿澤委員 それは国土交通省としての見解だということでよろしいんでしょうか。

長安大臣政務官 今申し上げましたように、今回の地域主権戦略室での議論につきましては、各省から政務官、副大臣が代表として出ていっているわけでございまして、これは国土交通省として私が出ていったものでございます。

柿澤委員 私が手元に持っているのは東京新聞の三月二十一日の朝刊の記事でありますけれども、これは国土交通省だけではなくて、農水省、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、環境省、どれ一つとっても一括交付金化が望ましいという意見を述べているところはなくて、やはり、自治体の裁量に任せるより、例えば保育や介護については中央集権的な方法の方がなじむというような意見とか、例えばCO2の削減のような環境対策は国が後押しするためコントロールが必要であり、一括交付金化が適するかどうかは疑問である、こういうような意見が次々と出ているわけであります。

 総務省としては、この一括交付金を平成二十三年度からはやっていきたい、こういう姿勢で、たしか地域主権戦略会議の原口プランの工程表に書き込んでいたかと思います。これではなかなか進むことは難しいということになってしまうのではないかなというふうに思いますけれども、今後、この辺の整合性というものをどのように考えていかれるのかということをお尋ねしたいと思います。

長安大臣政務官 各省においてそれぞれの政策目的というものを達成するためにどうしていくのかという意見が、今の記事でございます。

 私、前回のヒアリングに初めて参加させていただいたわけです。あくまでもこれは論点です。これから論点を踏まえて、地域戦略室の中で議論をしていただいて、結論を出していくということでございます。

柿澤委員 続いて、これから出る法案の中身になってしまいますけれども、高速道路会社に投入している高速道路料金値下げのための税金三兆円を高速道路建設費用に流用できるようにする道路整備事業財政特別措置法改定案、これについてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。

 この三兆円については、もともと高速道路の値下げの原資として前政権下で支出をされたものだと思いますが、これについて、急にと言うとあれですけれども、これから高速道路建設の費用として充てることが可能になるような、そうした法整備を進めていくんだということが打ち出されました。この基本的な考え方についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

前原国務大臣 今御指摘をされました高速法等一部改正法案では、利便増進事業のメニューを拡充するということでございます。今までは料金の値下げ、それからスマートインターチェンジというものに使えていたものを、より幅広いものに使っていくということを我々としては決めさせていただきました。

 それについては、地方から要望の強いミッシングリンクの解消、四車線化、それからインターチェンジの設置、こういったものに使わせていただければ、このように考えております。

柿澤委員 民営化会社が建設をしない不採算の道路について、国の直轄事業として建設を続けられる、こういう仕組みが旧政権下で導入をされた。このときには民主党としては、国費を投入しないという政府の方針、また不採算道路は建設をしないという民営化の趣旨、これに反するのではないかということで、批判というか、非常に疑義を呈しておられたのではないかと思います。

 これに対して、今回、投入された国費を高速道路建設に使えるようにする、こういうことになってしまうわけですから、ある意味では、これは旧政権の方針そのままに、逆戻りをする、こういうことになってしまうのではないかと思いますが、どうなんでしょうか。

前原国務大臣 私が大臣に就任をして以降、国幹会議の廃止というものを申し上げました。ただ、この国幹会議というのは、我々が参加をして、我々というのは民主党の議員も、野党時代でありましたけれども参加をして、賛成をして、いわゆる整備計画がもう決められているものがあるわけですね、四車線化のものとか。したがって、そういうものについては整備手法も含めて検討し直し、しかし、国幹会議で決定をされた整備計画については我々はやりますということを申し上げてきたわけでございます。

 そういう意味におきましては、この利便増進を活用する箇所については、既に整備計画が策定済みの箇所のみを対象としているということでございますし、また、社会資本整備審議会における審議やあるいは地方からの意見聴取などを行う中で行っていくということでございます。また、国費が増大するのではないかという批判もあるやに聞いておりますけれども、あくまでも既に債務承継された金額の範囲の中でしかやらないということでございまして、メニューに付加をするということでございますので、そういった懸念もないということでございます。

柿澤委員 しかし、やはりこの事業のスキームを見ますと、国費で高速道路を建設する、こういうことになるのではないかと思います。

 いずれにしても、さらに非常に気がかりなのは、これから計画がもうあるものを対象とするんだということではありますけれども、今後どの路線を建設の対象にしていくのかということについて、私たち国会における議論や議決を経ないで済むような仕組みになってしまっていることです。もう既に出されてしまっている予算の範囲の中で行うことですので、ある意味では国会審議をバイパスしてしまう、こういうやり方になっている。こうしたことについて大変懸念があると思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

前原国務大臣 議決はもう経ているんです。つまりは、国幹会議という今までの、今もあります、まだ廃止法案が通っておりませんので国幹会議というのはあるんです。その国幹会議の中で、野党であった我々も含めて全会一致で決定された計画というものがあって、それをやるということですので、議決をパスしてという指摘は当たらないと考えております。

柿澤委員 実際にどこを事業化していくかということについては、私が申し上げたようなことになるのではないかなというふうにも思いますけれども、いずれにしても、事実上、そういう意味では、これは、国による直轄事業として高速道路の建設を進めていく、こういうことが法案としてオーソライズされる、こういうことになるということで解釈ができるのではないかというふうに思うんです。だから、この法案の審議で取り上げさせていただいたわけであります。

 このような形で、結果として、社会資本整備審議会の恐らく道路分科会なんでしょうか、議論を経てのことだというふうに聞いておりますけれども、いずれにしても、こういう形で、かつて、国費を投入して高速道路の建設、特に不採算な路線を建設することは認められない、こういう主張をされておられた方々が、不採算であるかどうかの判断基準はあるんだと思いますけれども、結果として国費で直轄事業的に高速道路の建設を進める法案を提出するというのが、大変矛盾をしているのではないかなというふうに感じられます。そのことを申し上げておきたいというふうに思います。御答弁ありますか。

前原国務大臣 繰り返しになりますが、新直轄というのは、採算のとれない箇所を国として税金を使ってやる、したがって、できた暁にはその道路は無償で供与される、有料道路にはならないということでございます。

 しかし、これは、今までの償還計画に入っていたものについて切り分けて、国債整理基金につけかえる中でいわゆる利便増進事業としてやられているものでございますし、先ほど御答弁をしたように、もう整備計画が策定済みのものを、国会の審議あるいは社会資本整備審議会の審議において、どれを優先的にやっていくかということでございますし、このお金はもともと償還に充てるものでございましたので、この道路は、つくられたものについては有料道路になります。

 つまりは、新直轄というのは、採算が合わないから税金を投入して、そしてつくったらそれが無償で供与されますけれども、これについては有料道路になるということでございますので、御指摘の趣旨は全く違うということでございます。

柿澤委員 るるお尋ねをさせていただいてまいりましたけれども、大体時間も参りましたので、結びとしたいと思います。

 直轄事業の負担金の廃止に関しては、私どもも、基本的に、この第一歩をしるすという限りにおいて大変歓迎すべきことだというふうに思っております。ただ、その先に、これは地域主権戦略会議全体で取り組まなければいけない課題ではありますけれども、地方に対する税財源の移譲があり、そして、冒頭申し上げた、地域のことについては基本的に地域が自前の財源で社会資本の整備を初めとして行っていく、こうした姿に向けて、さらに、ある種、改革を加速していかなければいけないというふうに思います。

 そういう意味で、今の例えば社会資本整備総合交付金のあり方を見ても、これからの先行きに向けて、どのようにこれが一括交付金化というところまで結びついていくのかなというところには、若干、まだまだ先が長いんじゃないかなというふうな印象も抱いております。その点、期待も持ち合わせながら、一方で、しっかりと皆さんの御議論を注視していきたいというふうに思っております。

 それでは、最後になりました。本当にありがとうございました。

川内委員長 柿澤君の質疑をもって本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

川内委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。

 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

川内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

川内委員長 次に、内閣提出、国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣前原誠司君。

    ―――――――――――――

 国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

前原国務大臣 ただいま議題となりました国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 国土調査は、国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的かつ総合的に調査することを目的として行われるものであり、その成果は、不動産登記行政の基礎的資料として活用されるほか、まちづくりや災害復旧などの基礎となるものであります。

 このような国土調査の重要性にかんがみ、その計画的実施を促進するため、政府は、国土調査促進特別措置法に基づき平成十二年度を初年度とする十カ年計画を策定して事業を進めてまいりました。

 この計画は、平成二十一年度をもって終了することになっておりますが、なお、今後とも国土調査の計画的実施を促進する必要がありますので、さらに、新たな十カ年計画を策定する必要があります。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提出することとした次第でございます。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、平成二十一年度末にその期限を迎える現行の国土調査事業十カ年計画に引き続き、内閣において平成二十二年度を初年度とする計画を策定することとしております。

 第二に、国土調査事業十カ年計画の対象となる国土調査事業として国の機関または都道府県が実施する基本調査に、地籍調査の基礎とするために行う土地及び水面の測量を追加することとしております。

 第三に、都道府県または市町村が、一定の要件を満たす法人に、国土調査に係る調査、測量等を委託することができることとしております。

 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由でございます。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

川内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十六日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十四分散会


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