衆議院

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第2号 平成23年3月9日(水曜日)

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平成二十三年三月九日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 古賀 一成君

   理事 小宮山泰子君 理事 田村 謙治君

   理事 辻元 清美君 理事 中川  治君

   理事 長安  豊君 理事 福井  照君

   理事 山本 公一君 理事 高木 陽介君

      阿知波吉信君    石井登志郎君

      石関 貴史君    石森 久嗣君

      市村浩一郎君    糸川 正晃君

      川村秀三郎君    沓掛 哲男君

      小泉 俊明君    小林 正枝君

      小室 寿明君    古賀 敬章君

      下条 みつ君    空本 誠喜君

      高邑  勉君    津川 祥吾君

      富岡 芳忠君    畑  浩治君

      三村 和也君    三井 辨雄君

      向山 好一君    本村賢太郎君

      矢崎 公二君    谷田川 元君

      山口 和之君    若井 康彦君

      赤澤 亮正君    小里 泰弘君

      小渕 優子君    金子 恭之君

      北村 茂男君    佐田玄一郎君

      徳田  毅君    二階 俊博君

      林  幹雄君    三ッ矢憲生君

      竹内  譲君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    柿澤 未途君

      下地 幹郎君    中島 正純君

    …………………………………

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   国土交通副大臣      三井 辨雄君

   国土交通副大臣      池口 修次君

   財務大臣政務官      尾立 源幸君

   国土交通大臣政務官    市村浩一郎君

   国土交通大臣政務官    小泉 俊明君

   国土交通大臣政務官    津川 祥吾君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 中沖  剛君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     大森 雅夫君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         加藤 利男君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  関  克己君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  菊川  滋君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  久保 成人君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           中田  徹君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  井手 憲文君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  本田  勝君

   政府参考人

   (国土交通省政策統括官) 前田 隆平君

   政府参考人

   (観光庁長官)      溝畑  宏君

   参考人

   (株式会社企業再生支援機構常務取締役)      水留 浩一君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  野田 聖子君     小渕 優子君

三月九日

 辞任         補欠選任

  糸川 正晃君     本村賢太郎君

  橋本 清仁君     空本 誠喜君

  畑  浩治君     小室 寿明君

  徳田  毅君     小里 泰弘君

  亀井 静香君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  小室 寿明君     畑  浩治君

  空本 誠喜君     石森 久嗣君

  本村賢太郎君     石井登志郎君

  小里 泰弘君     徳田  毅君

  下地 幹郎君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  石井登志郎君     糸川 正晃君

  石森 久嗣君     山口 和之君

同日

 辞任         補欠選任

  山口 和之君     小林 正枝君

同日

 辞任         補欠選任

  小林 正枝君     橋本 清仁君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

古賀委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として株式会社企業再生支援機構常務取締役水留浩一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房建設流通政策審議官大森雅夫君、都市・地域整備局長加藤利男君、河川局長関克己君、道路局長菊川滋君、住宅局長川本正一郎君、鉄道局長久保成人君、自動車交通局長中田徹君、海事局長井手憲文君、航空局長本田勝君、政策統括官前田隆平君、観光庁長官溝畑宏君及び厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長中沖剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本公一君。

山本(公)委員 おはようございます。

 大畠大臣とこういう立場でいろいろとお話しする機会が来ようとは、ずっと思っておりませんでした。だけれども、きょうは大畠大臣に、私がずっと懸念をいたしておりますことについて問いたださせていただきたい、かように思っております。

 まず、私と大畠大臣は年代が一緒でございまして、誕生日も多分一カ月違いぐらいだと思っております。つまり、お互いが成長をしてきた時代、昭和二十二年から、日本というのは大体右肩上がりでやってまいりました。お互いが子供のころ、多分、鉄腕アトムの世界で、下を鉄道が通って上を自動車が通ってというような都市の未来図みたいなものを随分いろいろなところで見ながら育ってきた。現実に今、そういう世界になってまいりました。

 そこで、まず最初に世代を同じゅうする大臣にお尋ねしたいのは、日本という国は、この六十数年のうちに飛躍的に社会インフラの整備が進んでいって、もう完成したのかどうかという認識が大臣はどの程度おありなのか、ちょっとお尋ねを申し上げたいと思います。

大畠国務大臣 おはようございます。

 山本議員から御質問を賜りまして、まことにありがとうございます。山本議員は昭和二十二年の九月四日生まれ、こういうことでありますが、私は二十二年の十月五日生まれでありまして、そういう意味では、一カ月先輩でございますが、御指摘のように同世代、同じ時代の中で私も生きてまいりました。

 そういう意味では、今、日本の道路というのは大体完成したのかどうか、こういう御質問でありますが、私が子供のころ、たしか小学校の五、六年だったかもしれませんが、国道六号というのがありまして、それまで国道も、コンクリートの道路ではなくて、普通の砂利道といいますか、普通の土に砂利を敷いたような感じの道路でございました。もっと先の方に行きますと、わだちがあり、そして真ん中に草が生えている、こういう状況の国道もございました。

 そういう状況の中で初めて、小学校五年のころだったと思いますが、コンクリートでつくった道路、まさにあれは一万円札を敷いたような道路なんだ、こういうふうな話を当時伺ったことがございました。道路というのはお金がかかるんだな、こういう思いをしておりましたが、その後、鉄道も道路も非常に立派になってまいりまして、その中で高速道路なんかも出てきたわけであります。

 ただ、議員からの御質問でありますが、結局、私は、大分よくなってきたということは事実だと思うんですが、全体的に、日本の地図の中で道路の全体図を見せていただきましたけれども、まだつながっていないところがございまして、そういう意味では、議員からも御指摘のように、まだほぼでき上がったということではない。したがって、全体的な計画の中で仕上げをしなきゃならない、そういう状況だと受けとめております。

山本(公)委員 どうしてこういうことを申し上げたかといいますと、ここ、前原さん、馬淵さん、大畠大臣、それぞれの冒頭の大臣所信、原稿を取り寄せさせていただきまして、ずっと見てまいりましたけれども、実は、今大臣がせっかくおっしゃったけれども、道路の整備のことはほとんど書いてないんです。去年の馬淵さんのときに、経済対策としてミッシングリンクの解消という一行はありました。大臣のところでは、実は、高速道路、料金のことについて二行ほど書いてありました。高速道路整備がまだおくれているから整備をしなければいけないということは、この三代の民主党政権の国交大臣の所信を見る限り、どこをどう読んでも見ることはできませんでした。

 にもかかわらず、民主党さんが政権公約をされた高速道路の無料化、まあ、だれがどう考えても難しい話なんですけれども、大臣は見直すのかどうか知りませんが、とりあえず、四月一日から上限二千円で料金体系を取りまとめてやろうという政策。はっきり申し上げて、この三年間、民主党さんがおやりになってきた高速道路対策というのは、継ぎはぎ継ぎはぎのパッチワークにしかすぎないような気がしてしようがないんです。本当に、この国の高速道路整備がおくれているから、かくあるべしというような、高速道路の根幹になるような政策というか背骨というか、何か見えないような気がしてしようがないんです。

 これは正直申し上げまして、我々自民党政権の一番最後のところで、いわゆる土曜、日曜の千円割引をやりました。これは、鶏が先か卵が先かの責任のなすり合いはしようと思いません。選挙があるからといって、大きな大目標をこっちに置いて、目先のことだけをやるような政策はもうお互いやめませんか。今度の上限二千円も、選挙というものが何か後ろに見え透いているような気がしてしようがないんです。要するに、これをやっていって、後で道路局長に聞こうと思っているんだけれども、何年おやりになるか知りませんけれども、上限二千円でおやりになっていって、新たな、いわゆる完成をしていない高速道路に回すような財源というのは手当てができるんですか。恐らくできない。

 私の地元のことを言って申しわけないんですけれども、JR四国の予讃本線というのがあります。最初の計画では、あれは四国をぐるっと回る鉄道網をつくるという話だったらしいです、戦前。ところが、宇和島というところでとまっています、予讃本線が。そこから先にまだ何十万の人が住んでいるのに、高知とつながっておりません、宿毛とか中村とか。今度は高速道路もまた同じ目に遭うようなことになりはしないかと危惧をいたしております。

 そこで、大臣にもう一つ御確認をさせていただきたいんですけれども、マニフェストの見直しのベストスリーに入るという発言をされたやに聞いております。このマニフェストの見直しということは、真剣にお考えになるおつもりなんですか。

大畠国務大臣 最後の御質問がありましたが、その前段のところが非常に大事だと私も思いますので、二つについてお答えを申し上げたいと思います。

 前段のところは、お互いに当面する対策という形での高速道路の料金のお話をされましたけれども、そういうものはやめたらどうか、そして、日本の将来を見据えた、要するに、各党の考え方で道路行政が大きく制度的に変わるような話じゃなくて、国民の立場に立って将来を見据えた、一つの理念とかそういうものをベースとした道路政策というものをつくろうじゃないか、こういう御質問がございました。

 私も同じ意見でございまして、したがって、現在、高速道路の将来を見据えたあり方について検討する、こういう場を来週中ぐらいにはスタートさせまして、もちろん、これは民主党政権だけで考えるんじゃなくて、自由民主党さんとか公明党さんとかその他の政党さんの話、いわゆる議会での、あるいは委員会での論議を踏まえた形で、確かに将来を見据えるとそうだねという形のものをつくることが大事なんだろうと私は思います。

 したがいまして、これから高速道路のあり方についても、今御指摘を賜りましたけれども、有識者会議というものを踏まえて、さまざまな形で国民の皆さんの御意見も伺うし、あるいは利用している方々のお話ですとか、他の公共交通機関に与える影響ですとか、あるいは各地域の自治体の皆さんのお話を伺ったり、広範な論議を踏まえて、私としては、五、六十年先を見据えての一つの形を、アメリカやヨーロッパでも高速道路がございますが、いわゆる社会資本をどのように活用して地域経済の発展に寄与するか、こんなことも含めて、ぜひ、山本議員の御指摘も踏まえて、頑張っていきたいと思うところであります。

 二点目のお話でございますが、私が記者会見で申し上げましたのは、国民の声というのも私たち、私も大臣をさせていただいておりますけれども、その前に代議士でございます。代議士というのは、地域の声というのを大事にした形で政治を行わなければならない。それが念頭にありまして、世論調査等によると、民主党のマニフェストの中でこういうことは見直した方がいいんじゃないかという、その三つの中に高速道路の無料化も入っている。こういうことがございましたから、そういう国民の皆さんの声というものも踏まえて、見据えて、あるべき姿というものをいろいろと模索してまいりたい。その一環として、今、社会実験を行わせていただいておるわけでありますが、そういうことで申し上げたわけでございます。

山本(公)委員 今、大臣の御答弁の中で、ちょっと気に入らないというか、五、六十年先を見据えて高速道路はどうあるか検討しますとおっしゃいましたよね。ちょっとそれは、余りにも、直接行政を預かっておられる大臣としてはいかがなものかと思います。

 というのが、自由民主党の政権の末期のときに、いわゆる道路特定財源という議論が随分と沸き起こってきた中で、我々、高速道路というのはいかにあるべきかということを一応考えました。そのときの計画が十年ですよ。十年で国の責任においてここまではやり切ってしまおう、そこから先についてはそれぞれの地方なり現場がお考えになっていただこう、十年でいわゆる国の幹線と言われるネットワークは完成をしましょうという計画を我々はつくっている。

 今、大臣、五、六十年と。私らは何ぼになりますか。ちょっとそれは悠長過ぎるんじゃないですか。

大畠国務大臣 私が五、六十年と申し上げましたのは、実は、借金をどうするか、今三十兆円ございまして、この借金返済も考えてやらなきゃいかぬというのが非常に頭にありまして申し上げたわけでありますが、基本的には、十年ピッチで考えていくということは大変大事だろうと思います。

山本(公)委員 借金を考えてとおっしゃるんだったら、二千円はもうやめませんか。本来は、原則は受益者負担なんですよ、高速道路というのは。お互いにもうやめませんか、こんな本当に芽のないような政策は。きっちり受益者負担という原則を守った上で、十年なら十年、ここまでは国の責任において整備をしていきます、そこから波及する枝葉の部分については地方分権、地方主権かどうか知りませんけれども、それぞれの地方がお考えになってください、幹線だけは国の責任において完成をします、そういうような発想の方が私は正しいと思っているんです。

 したがいまして、四月一日から実施をされようとしている二千円、この上限二千円というのは、私どもは反対です。何ら哲学も感じない。まるで統一地方選挙用のお得意の何とか政策かなと思わざるを得ない。なぜかというと、さっきから申し上げますように、将来への展望も何にもない話だから。逆に将来の展望へ手かせ足かせになるような話だから、私どもは基本的に反対ということを申し述べさせていただきたい。

 まだ二週間ほどありますから、もう一回、やめますと言ったらどうですか。このごろのはやりじゃないですか。どこかの、厚生労働省か何かがやめましたとか言っているんだから、やめる勇気というのがあってもいいじゃないですか。よくよく皆さんの声を聞いてやっていただければいいなというふうに思っております。

 ところで、新しい二千円の割引制度について菊川さんにちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、これは、そもそも何で上限二千円という数字が出てきたのか、まずそこから説明してください。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の割引でございますけれども、既に土日に千円というのをやっているわけでございますけれども、現行の割引につきましては、休日に集中する交通を分散する必要があるということ、それから現金利用者の方々に適用がなされていない、こういった課題がありまして、これを改善するためにも、平日にも上限制を適用するということでございます。

 この二千円の額につきましては、現在のデータでございますけれども、高速道路を利用されます観光目的の高速道路利用者の平均利用距離が約七十キロ、これが定価料金で約二千円ということになっております。こういうこと。さらには、利用者の方々へのわかりやすさといったものを考慮いたしまして設定いたしたところでございます。

山本(公)委員 ウイークデーが二千円なんですよね。我々が千円割引するときは、土日に観光客が利用しやすいようにといって土日千円でやったんです。今の、ウイークデーまで観光客がというようなのはちょっと初めて聞いたんですけれども、ただ、平均的に七十キロだ、だから二千円だというような、まあ、腰だめに近いような数字の設定なんだろうと思います。

 それはそれとして、今度この新しい料金制度をやるときに、財源は何を持ってくるつもりなんですか。

菊川政府参考人 財源でございますけれども、高速道路の利便増進事業ということで三兆円の枠が用意されておりますが、これまでに、この利便増進事業、約一兆円の料金割引を実施してきたところでございます。平成二十三年度以降、残り約二兆円、この二兆円の利便増進事業の財源を使って料金割引をしていきたいというふうに考えております。

山本(公)委員 今、残りが二兆円だというお話がございました。

 今度の計画は三年ですか、これは。

菊川政府参考人 二月に公表いたしました当面の料金割引に係る必要額でございますが、現在、高速道路会社とそれから高速道路の保有機構で精査を行っておりますが、全国の高速道路のNEXCOの割引につきましては、利便増進事業を活用しておおむね三年間の割引を実施する予定でございます。

山本(公)委員 菊川さん、元気のいい人だったんだから、もっと大きい声で答弁してください。

 つまり、限られた予算で、三年間だけ実行しようとする今度の割引制度なんだろうと思います。伺うところによると、二兆円で三年間ですから、多分、おおよそ三年で使い切ってしまう話なんだろうと思います。そうした場合に、三年後はどういうことを想定していらっしゃいますか、大臣。

大畠国務大臣 ただいま道路局長からお話をさせていただきましたが、私自身としても、日本の高速道路の今日の、あるいは将来のあるべき姿というものを考えたときに、おっしゃるように、道路をつくるということ、あるいは料金で回収するということ、そしてまた将来はどうするんだということも考えていかなければなりません。

 そこで、私どもとしては、来週から発足をしたいと思っておりますが、その中で検討してまいりますが、いずれにしても、今御指摘のあった土日千円あるいは平日二千円というものでございますけれども、結局、そうすることによって現在の機構というものに入るお金が少なくなる。現金が三兆円あるというよりも、いわゆる借金のうちから三兆円分だけを国の借金の方に自公政権の時代に移された。そこで余裕が出てきた。その余裕で今、土日千円あるいは平日の二千円というものをやろうとしているわけでありまして、三年後はどうするかということでございますけれども、できるだけ土日千円あるいは平日二千円というものがずっと続くことができるような仕組みを何とか私は考えていきたい、そう考えているところであります。

 いずれにしても、機構の抱えている三十兆円というお金をどうやって返済していくか、そこから思考といいますか考える原点があるわけでありますから、そこのところも含めて何とか努力をしていきたい。

 そして、私も茨城県の日立市というところに住んでおりますが、国道六号は渋滞、高速道路はまだ非常にすいているわけなんですね。そういう社会資本を何とか利用できないのか。こういうことで、各地でもそのようなところがあるでしょうから、もともと税金でつくった一千キロについては最初から無料で開放しているということでありますし、今回、無料化は大体二千キロプラスしまして、もともとの一千キロと合わせて三千キロ。そして、夜間あいているところを無料化しようというので、それが一千キロ。夜間の場合でいえば一万キロのうちの大体四千キロぐらいは無料化で、地域経済にどういう影響が出るか、こういうことも社会実験できるわけであります。

 それに加えて、土日千円あるいは平日の二千円ということで地域経済にどれほどの影響が出るのか、そんなことをよく検証しながら、将来にわたって継続できるような制度あるいは仕組みというものをいろいろな、山本先生の御議論なんかも踏まえながら、ぜひ築いていきたい、そう考えているところであります。

山本(公)委員 冒頭申し上げましたように、この国の高速道路体系というのはまだ完成していないんですよ。完成していないにもかかわらず、今大臣のお言葉の中で、借金返済のために料金体系はかくあるべしというようなことが第一義だとおっしゃってしまうと、完成していない部分はもう永久にできないみたいな話になってしまうんです。それを踏まえた上で、新規に、ミッシングリンクの解消を踏まえた上で料金体系というのはかくあるべしなんです。借金を返すためにかくあるんじゃないんです。だから、その辺を踏み違えてしまうと、高速道路なんて完成はしませんよ。

 大臣が予算委員会でよくおっしゃった、ヨーロッパへ行ったらフリーウエーでだあっと走って、あれは無料化するのが当たり前だと。ヨーロッパとアメリカと、もっと言えば韓国と日本の高速道路の違いはおわかりですか。彼らの高速道路というのは、イギリスあたりは六車線ですよ。六車線が六割も七割も占めているんですよ。我が国で六車線の道路というのは、多分何%の世界。大体が二車線。そことヨーロッパの道路、アメリカの道路、韓国の道路と比較して、あっちがただだからこっちもただだ、この発想がそもそも間違えているんです。

 高速道路無料化であるとか割引であるとかいうのは、すべてが完成した後の話なんですよ。完成はしていないんですよ。その辺を間違えないでください。大畠さんは、冒頭申し上げた、私と同じ世代に育ってきた。ある意味からいったら、日本の成長とともに育ってきた世代。その世代がまだ完成していないと言っている、後世に完成の道を開いておかなきゃいけない。今、我々の世代で後世へのその道を閉ざしてしまうということは、我々の世代としてはやはりゆゆしき責任だと私は思っているんです。

 そういう意味において、私は大畠さんに期待しています。前原さんや馬淵さんとは多分違うと思う。違うと思うことを期待したい。道路なんというものは、全部が全部BバイCでやっちゃいけないんですよ。BバイC、効率性を追い求めた結果、当たり前のように、投資効果が高い都市部からどんどんどんどん道路は延びていくんです。結果において、どんどんどんどん、より投資効果が高い地域に都市部がなっていくんです、インフラが整備されて。より地方とは差がつく。気がついてみたら、地方にはそういう社会インフラの整備ももうできませんよということになってしまっている。

 何回も申し上げますけれども、国が整備すべき社会資本整備、特に高速道路、ここまではやりますというのを大臣の時代に出してくださいよ。ここまではやりますよ、一万四千キロのここまではやります、あとの枝葉はそれぞれの地方がお考えになってください、その一万四千キロをやる上においてこういうお金が要りますよ、国民の皆さん方、御理解を願いますというようなものの発想を国交省から出してもらいたいと思うんです。

 最後に、大臣、大畠大臣の時代に、そういう計画を含めて、高速道路は完成させますということをおっしゃっていただきたいなと思います。

大畠国務大臣 山本議員から御指摘でございますが、私も基本的には同じ考えでございます。

 私も元設計部におりまして、きちっと最初の段階から仕上げの段階まで理路整然としていないと精神的に安定しませんので、では、いわゆるミッシングリンクの問題をどうするんだと。ここもちゃんとつなげる形のものまで含めて考えていかないと不十分だと私も思いますから、単なる借金返済だけじゃなくて、建設し終わる、そういうところまで突き詰めた形の一つの未来像というものをきちっと私も仕事をしたい。

 国土交通大臣を拝命するときに、この高速道路の問題と、後ほど小渕議員からも御指摘いただきますが八ツ場ダムというのは、非常に私の脳裏にございました。これをどう地域の皆さんの御理解をいただきながら、御理解いただける形でそれを解決できるか、これが非常に大きな仕事であろうと私も考えております。きょう御指摘いただいたことを踏まえて、この検討の場の中で、そしてまた委員会での御質疑を踏まえて、ぜひ将来展望を示すことができるように努力をしてまいりたいと思います。

山本(公)委員 いついつまでとは申しませんけれども、やはり将来の高速道路建設に対して、完成に対して妨げになるようなパッチワーク的な政策というのはお互いにもうやめませんかということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

古賀委員長 次に、小里泰弘君。

小里委員 自由民主党の小里泰弘でございます。きょうは貴重な質問の時間をいただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、新燃岳噴火関連についてお伺いをいたします。

 御案内のとおり、新燃岳の噴火が長期化をしておりまして、それに伴いまして、旅館、ホテル等の宿泊客のキャンセルを初め、甚大な影響が出ているところでございます。二月二十四日現在で、宿泊客のキャンセルが二万五千人という数字も伺っているところでございます。また、これは風評被害による部分が極めて大きいんじゃないか、そのように見られているところでございます。例えば韓国政府自体がこの地帯への旅行自粛を呼びかけた、そういった話も聞くところでございまして、こういった風評被害に対して、特に海外向け、また国内向けに対してどのような対応をとりつつあるか、お伺いをしたいと思います。

大畠国務大臣 小里議員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 御指摘の風評被害、いわゆる霧島の温泉街等々を含めて風評被害が発生しているという御指摘でございます。国土交通省としても、そういう状況があるということを私たちも把握しておりまして、どういう形でこの風評被害を払拭するか、こういうことで今いろいろと努力をし始めました。

 一つは、国内に対しても、実際のところこうですよ、こういうことを観光庁を中心として情報を流すと同時に、きょうはちょっと韓国の新聞を持ってまいったところでありますが、韓国の新聞にも、コマーシャルといいますか、日本の観光についての記事を載せまして、その中に、ちょっと私、日本語に訳したものを見させていただきます。

 九州にある霧島山では、噴火活動が現在も継続しておりますが、立ち入り規制区域として警戒が必要な区域は、霧島山及びその周辺です。立ち入り規制区域外にあるホテル、旅館、観光施設、ゴルフ場等は通常どおり営業しています。また、風向きによっては一部の航空便の運航に火山灰の影響が及ぶ可能性がありますが、鹿児島空港等の離発着便は通常どおり運航されています。フライトに関する詳細な最新情報は、エアライン窓口にお問い合わせください。

 こういうことで、いわゆる観光地には支障がありませんということをこのような韓国の新聞にも載せ、かつ、韓国のメディア、テレビ等にも、あるいは中国のメディア等にもそういう情報を流して、ぜひ、事実をよく御理解いただいて、来てください、こういう努力をしているところであります。

小里委員 昨年の口蹄疫でもかなりキャンセルが相次ぎました。そこから何とか立ち直って、特に、あと三日後ですか、九州新幹線が全線開業するということもありまして、これに合わせてしっかりまた再起を図ろう、そのやさきの今回の噴火でございました。ダブルパンチで大変な状況に追い込まれているわけであります。大臣の御答弁のとおりに、元気に、平常どおり安全に営業しているということをぜひさらに発信していただきたいとお願いをする次第でございます。

 また、旅館、ホテルのキャンセルに相まって、いろいろな周辺の業界にも影響が及んでおりまして、それに伴いまして、雇用の継続が非常に危ぶまれているところでございます。予算委員会等でも質疑をさせていただきましたが、その中で、新規の雇用だけでなく継続雇用にも十分に注意を払っていく、例えば雇用調整助成金における売り上げ減少要件を緩和もいただいたところでございます。申請に対して円滑に対応していただきたいと思います。

 そして、あわせて、県におきましても緊急雇用創出臨時特例交付金事業に基づく基金というもの、鹿児島県の場合は約百三十億あるそうですが、これをしっかり活用して、継続雇用にも役立てていきたいということでございます。この辺の国によるバックアップをしっかりお願いしたいと思います。

 これは厚労省ですか、お伺いいたします。

中沖政府参考人 先生御指摘の件でございますが、やはり雇用維持につきましては、御指摘のとおり、雇用調整助成金がまず重要でございます。こうしたことから、今般、二月二十二日から、売り上げの減少等を確認いたします期間を三カ月から一カ月と大変大幅に縮小する特例を設けたわけでございます。私どもとしては、今鹿児島県で二十八件御相談を受けておりますので、こうしたものにつきまして、申請が出てくれば速やかに事務処理を行いまして、迅速な対応ができるようにしてまいりたいと考えております。

 また、雇用創出のための基金事業の話でございますが、こちらの方は鹿児島県が実施主体となりまして、三月の二日から、霧島地域雇用安定推進事業として三千五百万円という事業計画額で実施しているところと聞いておりますので、こうした点からも県としての対応を行うということでございます。

小里委員 申し上げましたとおり、ホテル、旅館だけでなくて、周辺の土産物店、タクシー、食品業界を初め、幅広い産業に大変な影響が出ているわけであります。いつかはおさまるわけでありますが、普賢岳の場合も半年ほどで観光客の大体九割が返ってきた、そんな話も聞いておるところでございます。そのおさまるまでの期間を何とか持ちこたえる、将来へつなげていかないといけない、ここにポイントがあるわけであります。どうか引き続きよろしくお願いをしたいと思います。

 続きまして、整備新幹線の関連についてお伺いをいたします。

 昨年末、東北新幹線が全線開業いたしました。そして、今週土曜日に九州新幹線鹿児島ルートがいよいよ全線開業であります。昭和四十八年、いわゆる整備五線の計画決定がなされてから大変長い道のりでありました。財源の壁に阻まれて、あるいは国鉄改革、構造改革の波に翻弄もされた、あるいはまたマスコミの袋だたきにも遭いながら、歴代大変な御尽力をいただいてきたわけであります。歴代の御尽力に対して、改めて敬意を表したいと思います。

 ここからしっかりと新幹線の活用を図っていかなければなりません。例えば、九州における観光客のうち、今は九州内での流動が約五割であります。近畿地方からの宿泊客は一割、中国地方からは五%、国外からは八%ということでございます。まずは、九州新幹線で見れば、全線開業によりまして、近畿圏までの広域的な経済圏、交流圏が形成されるということが期待をされます。さらに、中国、韓国等からの観光客の誘致、これが大きな課題になっていくと思いますが、特にその部分について方策をお伺いしたいと思います。

大畠国務大臣 ただいまの御質問でございますが、確かに、日本全体として中国や韓国の観光客にいかに来ていただくかということは、地域の経済にも大きな影響を与えますし、特に、今御指摘の中国、韓国の日本に来る旅行客の割合というのは大変高いものがございます。これは二〇一〇年の推計値でございますが、韓国、中国、台湾、香港、シンガポール、タイ、ここで外国からのお客さんの大体四分の三を占める、こういうことでもございますし、そういう意味では、いかにして日本で快適に観光していただくか、こういう受け入れ体制を整えることが必要だと思います。

 過日、私も、日本の主な観光地には、日本語だけじゃなくて、日本語、英語、韓国語、中国語、四カ国語の案内表示をして、日本語が全然できないとしても安心して地域を旅行できるような環境をまず整えることが必要だろう、こういうことが一つ。二つ目には、この間もちょっと予算委員会でも申し上げましたが、NHKワールドというのが結構アジアで見られております。したがって、英語版でありますけれども、NHKワールドの中に観光地の主なところをまず出すこと。それから、中国のメディアあるいは韓国のメディアを日本に招聘して、実際に体験していただいて、それを中国や韓国国内のテレビの映像として流していただく、こういう努力が必要だろうと思っております。

 いずれにしても、そういう御指摘を踏まえていろいろと工夫をして、さらに御提言があればそういうものを加えて、努力をしてまいりたいと思います。

小里委員 ありがとうございます。

 ここからいかに利用拡大を図っていくか。宝の持ち腐れにしてはいけないわけでありまして、沿線自治体の努力もあわせて、しっかり利用拡大を図ってまいりたいと思います。

 そこで、整備新幹線全体として見た場合は、決してこれで終わりじゃありません。ここから多くの課題が残っている。特に未着工区間ですね。残る区間、北海道新幹線の新函館―札幌間、北陸新幹線の金沢―敦賀間、そして九州の諫早―長崎間でありますが、この着工見込みについてお伺いをいたします。

大畠国務大臣 ただいまの未着工区間のことでございますが、私どもとして、先ほど山本議員からも御指摘がありましたが、道路と同じように、やはり鉄道もきちっとそういう形で、一つの理念に基づいた一つの流れというものをつくっていかなければならないと思います。

 そこで、着工五条件の一つとして、安定的な財源見通しの検討を深めること。着工の五条件というのは、安定的な財源見通しの確保、収支採算性、投資効果、営業主体としてのJRの同意、並行する在来線の経営分離についての沿線自治体の同意、こういうものが五条件ということになっておりますが、財源の見通しというものが大変大事だと。こういうことで、御指摘の点については、いろいろと現在工夫をして、何とか御指摘の三路線についても、ぜひ着工ができるように今一生懸命努力をしているところであります。

小里委員 御指摘の収支見通しを初め、経済効果等々、総合的な観点から吟味をして、政府・与党でこの三区間についてはしっかりつくっていくということを計画し、また申請も行っているわけでありますから、ぜひよろしく推進方をお願いしたいと思います。

 そこで、御指摘の財源についてでありますが、確かに整備新幹線の歴史、新たな財源を確保しては延伸を図っていくという歴史であったように思います。平成二年の特定財源しかり、平成八年には国と地方で二対一で負担をし合うという新たなスキームをつくりました。平成十二年には公共事業関係費の増額を行いました。そして、平成十六年には特定財源の前倒し活用、二十五年以降の分の前倒し活用ということもやりながら、やりくりをして進めてきたわけであります。

 そういった中で、鉄道・運輸機構の剰余金の問題であります。政府案としては、一兆二千億円を国庫に納付するという案をお示しいただいているわけであります。それをもって年金などの一時的な財源に充てていくということでありまして、ここでもマニフェスト財源のために、本来、国土の成長、発展のために、また地域の振興のために効果的に使われるべき資金が無駄に使われるわけでありまして、そこのところは極めて遺憾に思うところでございます。

 そこで、提案でございますが、既設新幹線の譲渡収入による特定財源というものを毎年七百二十四億円ずつ使ってきております。申し上げたように、平成二十五年から平成二十九年上期までの分を前倒し活用しておりまして、そこから債務が発生をしております。約三千億円残っておるわけであります。この債務をまず返済するために鉄道・運輸機構の剰余金は充当すべきである、そのように考えるところでありますが、大臣の見解をお伺いいたします。

大畠国務大臣 先ほど一兆二千億円のお話がございましたが、馬淵前大臣からのいろいろな引き継ぎの中に、苦渋の決断ということでそういう方針を決断した、こういうことでありまして、基本的な考え方については、私も小里議員の御指摘はよく理解できるところであります。

 いずれにしても、こうした利益剰余金等の活用や、先ほど御指摘をいただきました資金的なことを踏まえて、引き続き安定的な財源の見通しの検討を深めて、そして私は、未着工区間に係る解決に向けて努力をしてまいりたいと思います。

 特に、これを発言していいかどうかわかりませんが、先ほど山本議員からも御指摘がありましたが、BバイCというものですべて仕切ってしまうということでいいのかなという感じがするんです。それが全部つながった場合にはどういう経済効果が起こるのか、資金的にもいろいろと、十分なものが今はありませんから、ある資金で少しずつつくるというのも一つではないか、そういう感じもしておりますので、いろいろときょうの御質問を踏まえて、努力をして工夫してまいりたいと思います。

小里委員 前大臣の苦渋の決断ということでありました。また、現大臣からも、共通の思いを抱くという御答弁でございました。本当になけなしの財源なんですね。ここに気づかなかった我々もまた責任を感じているわけでありまして、ここから何とかこれを有効に生かしていく、その方途を探っていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 関連して、北陸新幹線の高崎―長野間、この建設費の債務があります。ここに九州新幹線等の貸付料が充当されているわけでありまして、この債務残が約一千五百億円あります。この債務の返済には剰余金を充当するという政府案でありますので、ここは評価をしたいと思います。

 さらに、既着工区間が、資材費高騰などによりまして工事費が不足をしております。この工事費増額分、これが約二千六百億円あります。これも貸付料等から充当されております。ここにもこの剰余金を充当すべきであると考えますが、大臣、いかがでありましょうか。

久保政府参考人 御説明させていただきます。

 先生御指摘のとおり、高崎―長野間、これは北陸新幹線の一部でございますけれども、この建設に係る債務の償還のために当時借金をいたしました。これが現在、千五百億円程度ございます。また、既設の新幹線、これも先生御指摘のように、物価高騰等によって増嵩いたしました。これにつきましても、年度末であれば、大体二千五百億円程度の増嵩費用が残った形になります。そういう先生の御指摘は、数字としては今言ったような感じになります。これについて利益剰余金をというお話でございますけれども、千五百億円につきましては、政府案においても、この利益剰余金を活用して対応していこうと思っております。

 利益剰余金の根本的な使い方については、先ほど大臣が方針を御説明したとおりでございます。

小里委員 さらに、既設新幹線譲渡収入というのは、平成二十九年度上期まではこれを整備新幹線の財源に充てるとなっております。ただ、平成二十九年度下期以降の分は常磐新線建設費の利息分の返済などに充当するとなっておりますが、なおかつ、計算をしますと、五、六千億円を整備新幹線の方に使えるんじゃないか、そういった試算が、実は、平成二十一年十一月に民主党の議連に対して出された政府の資料にも入っているわけであります。これはまた御検証をいただきたいと思います。この五千億円でも使える可能性があるということをここでは指摘させていただきたいと思います。

 そこで、未着工区間の建設費を計算しますと、平成二十年十二月に検討された試算では二兆五千億円となっているんですね。北海道、北陸、九州の未着工区間、二兆五千億円。その後の工事費増額分を見ましても、二兆八千億円あれば足りるだろうと思料するところであります。

 そこで、申し上げましたように、既設新幹線譲渡収入の前倒し活用分の債務の返済を剰余金で行った場合、この二十五年以降の特定財源も使えるということになります。これが三千億円であります。北陸新幹線の債務へ充当しますと千五百億円、これも貸付料等がこの債務の返済に当たっておりますので、その分がまた使えるということになります。建設中の工事費増額分の充当、これも貸付料等から支払われておりますので、その分も約二千六百億円が浮いてくるということになりまして、合わせて七千百億円以上であります。

 既設新幹線の譲渡収入、平成二十九年下期以降の分を五千億円使えるとすれば、それに見合う地方負担分二千五百億円がプラスされまして、合わせて七千五百億円が使えます。

 さらに、補助金、今、毎年七百億円使っておりますが、これを八年分と計算すると五千六百億円、それに見合う地方負担分が二千八百億円、合わせて八千四百億円であります。この補助金は平成二十九年度までは既着工区間に使いますので、平成三十年から平成三十七年、すなわち、ことし着工して、十五年工期と見た場合の計算をしております。

 貸付料等の収入を、建設中五区間、これを平成二十三年から平成五十年度分までを使うと、前倒しをしますので、その利息分を引いても約六千億円が使えるという計算になります。合わせますと、締めて二兆九千億円でありまして、ちょうど見合う金額になります。

 さらに言えば、貸付料を二対一の国と地方のスキームの国の分として数えるようにしますと、それは法改正が必要でありますが、さらに地方負担分が加わってきますので、合わせて三兆六千億円使えるという計算になります。

 いろいろな工夫ができると思いますので、ぜひ旺盛な意欲を持って新幹線の延伸を図っていただきたいと思いますが、あわせて大臣の旺盛なる決意をお伺いいたします。

大畠国務大臣 大変詳細にわたって検討をされ、そして御提言を賜りました。

 私自身も、御指摘の三路線については、ぜひとも日本の将来のためにもきちっと形づけていかなければならないと思っておりまして、その財源をどうするかということについては、御指摘の御提言なんかも踏まえて検討をし、ぜひ、何とか将来の日本の子供たちのためにも、また日本人のためにも、一つの大きな基盤というものを築けるように努力をしてまいりたいと思います。

小里委員 札幌から鹿児島まで国土に一本の背骨を通す、その信念のもとに進められてきた整備新幹線であります。これが一本につながって初めて最大の効果が発揮し得るわけでありまして、ぜひその目標に向けまして旺盛にお願いをしたいと思います。

 最後になりますが、川内川、米之津川関連でございます。

 平成十八年の未曾有の大水害を受けまして、あの川を二度とはんらんさせてはならない、そのために、上流、中流、下流の区別なく、それぞれの危険箇所を同時解消していかないといけない、それを期間を区切ってやろうということで、激特事業を採択いただいて、進められてまいりました。さらに、その川内川の中流、中間部に配置をされております鶴田ダム、この再開発事業も進めていただいておりまして、これは、下流を水害から防止するという機能だけじゃなくて、上流の治水の受け皿としても大きな役割が期待をされているところでございます。あわせて、計画どおりの推進をぜひよろしくお願いしたいと思います。これは要望にとどめさせていただきます。

 そこで質問でございますが、残る懸案区間ですね、これは激特にも入っていなかったんですが、上流部、湧水町地区の阿波井堰の改築工事、これがまた九十年来の悲願であります。地域の災害の元凶になってきた最大の箇所でありますが、この改築事業も来年度から着工いただくということで、今鋭意進めていただいております。そこで、来年度着工の阿波井堰改築事業でありますが、この規模、仕様についてまずお伺いをいたします。

大畠国務大臣 御指摘の川内川の平成十八年の豪雨による被害の状況についても、きょうの御質問をいただくということで事務方からいろいろと情報をお伺いしました。大変な水害でございまして、この一つの要因として、御指摘の阿波井堰があった。これは大正八年につくられたものでありまして、そういう意味では、御指摘のように、阿波井堰を改築する、こういうことが必要であります。

 現在の計画では、二十三年度に着手する、こういう計画でございまして、現在の堰の位置のおおむね二百メーター上流に新たな堰を設置する予定としており、その規模、仕様については、堰長約五十メーター、洪水時にはゲートが前に倒れて、堰ではなく普通の川のように水を流すという可動型の堰とすることにしておりまして、ぜひ、御指摘を踏まえて着実にやってまいりたいと思います。

小里委員 阿波井堰の来年度着工内容、また今後の完成に向けての段取り、見通しについて、最後にお伺いをいたします。

大畠国務大臣 来年度の事業内容でございますが、先ほど申し上げましたような計画に基づいて平成二十三年度から着手することにしますが、用地買収あるいは工事用道路をまずは実施していく。その後、河川を切り回すための河道掘削、新たな堰の設置、最後には現在の堰の撤去などを予定しており、平成二十七年度の完成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。

小里委員 通常で考えますと、おっしゃったとおり、来年度は工事用道路、用地買収を行う。二十四年度、通例として、まず片方を工事する、そして二十五年度、片方を工事する。そして、二十六年度に水路をつくって、最後に固定堰の撤去に向かう、大体そんな段取りだろうと思います。よろしいですか。

関政府参考人 お答えをいたします。

 おおむね先ほど先生がおっしゃった工程で進めるということで、まず洪水を流せるようにし、そしてつくり、また反対側に切りかえていく、そういった段取りで進めるということで考えてございます。

小里委員 具体的にその辺の工程が見えてきて初めて地域の人たちも安心しますので、今の御答弁でかなり先が見えてきたと安心していただけると思います。どうぞ今後ともよろしくお願いします。

大畠国務大臣 今の御質問でありますが、少し整理をして、議員の方にちゃんとお答えをするようにしたいと思います。ありがとうございました。

小里委員 どうもありがとうございました。

古賀委員長 次に、小渕優子君。

小渕委員 おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。

 本日は、大畠大臣に地元の八ツ場ダムにつきまして質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 早速ですが、大臣、大臣は二月の十三日に群馬県の長野原町の八ツ場ダムを視察されました。大臣になって初めて八ツ場ダムを視察していただいたわけですけれども、現場をごらんになって、実際現場を見られてどのようにお感じになったか、率直に感想を聞かせていただきたいと思います。

大畠国務大臣 まず、現地に参りまして、ここにダムをつくる予定地ですという川のところにもお邪魔させていただきました。当日は前の日に雪が少し降ったために積雪がありましたが、そこを視察のために関係の方がちょっときれいに掃除していただいたんですが、もう既に、ダムをつくるときの迂回路といいますか導水路といいますか、そういうところも、トンネルができていたというのも見せていただきました。

 それから、地域の方のことで申し上げますと、小学校が既に上の方に移転している、あるいは中学校も移転していた。それから、ダムができた場合の、地域の方々が移転する造成地に既に移転されている。たしか町長さんと議長さんも御自宅を移転されている。特に私が印象的だったのは、お墓も上の方に移転されていた。私も田舎にお墓を持っておりますけれども、大変な御決断でそういうことをされたんだろう、こういうことを感じました。

 したがって、歴史的には今日まで五十八年間かかっているということでありまして、その間、地域の方々にとっては、大変な思いで、このダムというものと一緒にといいますか、接してきた、そういうことを痛いほどよく私としては理解したところでありまして、このダム事業についてさまざまな形で御信頼を失ってしまいましたけれども、何とか私は、知事さんや町長さん、あるいは議長さん、あるいは議会、あるいは住民の方々にも御理解をいただけるような形でぜひ一つの結論を得たい。

 そういう意味で、今、検証作業をさせていただいておりますが、それについてもすべて公開で行い、どういう考えでやるのか、こういうことも地域の方々にも知っていただいた上で、ぜひ、地域の方々にも御理解いただける一つの結論が出るようにさらに一層努力しなければならない、こういうことを感じたわけであります。

小渕委員 私は、昨年の十二月十九日に、八ツ場ダム推進議連一都五県の会の皆様と現地を視察いたしました。そのときに、水没する国道百四十五号線のつけかえ道路でもあります上信自動車道、この九・二キロが開通したちょうどその日でもあったものですから、地元の人間の私でも、随分とでき上がってきたというか、これで随分と住民の利便性も高まるなということを感じたわけです。

 一緒に来ていました一都五県の会の方の一人が、やはり現地を見られて、これだけでき上がっているということ、正直、現場を見てびっくりした、これだけできている状況を見て、それでも中止と言える人の気が知れないというふうに言われました。私もまさにそのとおりだと思います。しかし、現状は、御承知のように、あの一年半前からダム事業というものは全く進んでいないわけです。ダム本体の事業は進んでいないという状況にあります。

 先ほど大臣が、地元の皆さんの信頼を失ったけれども、何とか地元の皆さんの理解を得る形で結論を出したいというようなお話がありました。もともとスタートは、前原大臣から始まっているわけです。あのときに、大臣に就任されて、全く現場も見ない、地元の声も聞かない、そんな中で八ツ場ダム中止を宣言したわけです。地元はもう、本当にはかり知れないほどの衝撃を受けたわけです。

 その後、それでも前原さんが来られるというので、実際、これまでの歩みも知らないだろう、我々の現状も知らないだろうということで、地元の首長を初め、例えば旅館業の方だとかいろいろな方が集まって、それぞれいろいろなお話をさせていただきました。しかし、そのときに前原大臣から得た答えというものは、我々はダムに頼らない治水を目指すんだということであり、それは決して八ツ場ダムを中止する理由にはならないわけであって、それでは地元の人間は全く納得がいかなかったわけです。それから前原大臣の一年間というものは、ほとんど何一つ前に進むことはありませんでした。

 その後、馬淵大臣になって、馬淵大臣も地元との意見交換をしたいというふうにおっしゃいました。しかし、結局、前原さんと対話をしたところで何も進まなかったじゃないか、だから私たちはもう行きたくないんだということで、住民対話は実現できなかったわけです。しかし、そんな中でありますけれども、馬淵さんは、半歩前進、中止の方向性には言及しないということを言われました。

 しかし、今度、党に帰ってみると、岡田幹事長は、それは地元と意見交換をするための馬淵さんの発言だというふうにおっしゃる。そして、片方では仙谷大臣が、あれは馬淵さんの知恵だというふうにおっしゃる。

 大臣は今、信頼が不可欠で、信頼を築いていかなければならないというふうにおっしゃるけれども、これでは地元との信頼もあったものじゃないというような話ではないんでしょうか。地元を振り回すのも、地元を愚弄するのも、私はいいかげんにしていただきたいというふうに思うんです。

 そんな中で、大臣は、信頼が不可欠で、地元の理解と協力がなければ政策を進めるのは難しいとおっしゃる。これからどのように信頼を構築されるんでしょうか。そして、これからも住民の対話というものを望んでおられるんですか。望んでおられるのであれば、なぜ今中止をしているのか、私たちがそこに出ていかないのか、御理解いただいていると思いますけれども、もし住民との対話がなされたとして、大臣は何をお話しされるんでしょうか、お伺いしたいと思います。

大畠国務大臣 ただいま御指摘を賜りました経緯につきましては、私もそのような経緯について聞いております。

 私自身、国土交通大臣になりましたが、先ほど高速道路問題についても申し上げましたけれども、私は、大臣の以前に代議士であります。代議士というのは、地域の方々の理解と協力を得ながら政策を進める、こういうことが大事だろうと思います。そういう意味では、これまでの経過について地元の皆さんが不信を抱く、こういうことも結果として起こってしまいまして、その点についてはまことに申しわけなく思います。

 特に、現地の状況というものを、あるいは御意見を全く聞かずに一つの政策を示すということは、私は、その点については大変申しわけなく思いますし、私自身としては、やはり、どのような政策であれ、きちっと地元の皆さんに御説明をして御理解をいただかなければ、日本の国の事業というのはどんな作業も進まないんだろうと思います。

 そういう意味で、まずは首長の皆さんと先日お会いをさせていただきました。議会を代表する方が議長さん、あるいはそのトップの方が町長さんでありますから、町長さんや議長さんとお話をさせていただきましたが、例えば、私が訪れた後、後日の新聞を見ますと、バスでぐるっと見ただけでわかるのか、ひょっとしたらちゃんと旅館とかお土産屋さんにもちょっと寄ってくれるんじゃないかと思ったけれども、私のお店の前をバスで素通りしてしまった、こういう記事も出ておりました。

 まことに申しわけないなと思いますが、地元の町長さんと連絡をとったところ、まだ住民の方々とお話をする情勢にはないんじゃないか、こういうお話をいただいたものですからお話をしませんでしたけれども、私は、ぜひ地域の皆さんの率直な御意見を、いろいろな御意見があるというのは承知しておりますが、まずは御意見をいただくところから行ってまいりたいなと思っております。

 何事もまず対話がなければ信頼なんかは得られないと思うんです。ですから、できるだけ、私たちの考え方を、こうですということを申し上げるよりも、これまでの御苦労だとか、お墓を移転するためにこんな思いで移転したんだとか、あるいは自分たちが生まれ育ったふるさとをこんな形で、今、新しい国の事業に協力しようとして自宅まで移転したんだとか、そういう思いをまずお伺いするところから始めるべきかなと思っております。

 いずれにしても、対話の問題については、町長さんや議長さんのいろいろなお話をいただきながら、情勢が整えば、ぜひともまずそこから始めたいと思っております。

小渕委員 対話がなければ信頼はつくれないというお話がありましたけれども、私たちは一度対話に臨んだんです。その信頼を崩したのはそちらの方であるわけでありまして、これからどういう情勢が整ってくるかはわかりませんけれども、私たちが対話する前提条件は、中止を撤回していただくこと、それ以外にないと思っておりますので、大臣、そのように御理解いただきたいと思います。

 地元住民に対しての精神補償について質問させていただきます。

 現行法上、公共事業への協力者に対する精神補償の規定というものはありません。しかしながら、公共用地の取得に伴う損失の補償を円滑かつ適正に行うための措置に関する答申におきまして、精神損失に対する補償については、適法な手続により取得する場合においては補償する必要はないとしています。

 しかし、適正な法的手続を経ないでいきなり一方的に中止を宣言され、この状況が一年半にわたり続いている。そしてさらに、最低でも検証結果が出るまでこれは続くわけです。これは明らかに適法ではなく、不適法な手続により地元住民は精神的苦痛を強いられているというふうに思いますけれども、この場合、地元住民に対する精神補償というものが発生すると私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 確かにまだ住民の皆さんとの対話というものは実現していないわけでありますが、地元の町長さん、そして議長さんからも、あるいは地元の県会議員さんからもお話をいただきましたが、これまでの一年半、精神的にも、どうしたらいいんだという、そういう思いがたくさんある、こういうお話を伺いました。

 その精神的な苦痛といいますか、そういうものに対して補償すべきじゃないか、こういうことでありますが、いずれにしても、今、一切の予断を持たずに検証を進めているところでありまして、私は、できるだけ早期にこの結論というのは出さなきゃならないという思いを持っておりますが、その中でいろいろと考えてまいりたいと思います。

小渕委員 全く答えになっていないのではないかというふうに思うわけであります。大事なところは、これはもう適法な手続ではないということです。そんな中で我々が大変な精神的苦痛を強いられているということをもっと十分に御理解いただきたいというふうに思います。

 重ねて御質問させていただきます。地元の自治体に対する措置についてであります。

 この一年半で、国土交通大臣は大畠大臣で三人目であります。地元の大臣視察も三度目であります。ダム中止宣言以来、地元の自治体職員というものは、本来の業務以外に、こうした視察の対応、また各方面への対応、マスコミ対応と、休日や夜遅くまでダム問題というものに忙殺されています。これは、財政基盤の貧弱な地方自治体にとっては大変な負担であると思います。これは、ダム中止の宣言がなければ発生しなかったことです。

 このような地元自治体の著しい財政上の負担増大につきまして措置する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 確かに私で大臣三人目でありまして、地元の方々からすれば、どうなっているんだ、こういう思いだろうと思います。そして、三人の大臣がそれぞれ視察をするということで、地元の方々も、受け入れ態勢をつくるために大変な御苦労がありますし、また、出費もかさんだろうと思います。

 そういう今回の関連の費用の支払いのお話でございますが、具体的な対応については、よく地元のお話をお伺いしながら、できるだけ御負担をかけないように対処してまいりたいと思います。

小渕委員 よろしくお願い申し上げたいと思います。

 今、個人、自治体と来ましたけれども、観光業についての地元の経済への影響について、これについてもあわせて質問をさせていただきたいと思います。

 中止声明から一年半たち、旅館業を中心に、移転の先行きが不透明なため、休廃業をするものが続出しています。御承知のとおり、ダムに沈む町は川原湯温泉という温泉街であります。八ツ場の問題が、地元にとっては決してプラスとは言えない形で、いろいろな形で報道もされています。そんな中で、これも風評被害ではありませんけれども、例えば、町役場においても、またそうした旅館においても、いろいろな形で全国から注目をされたことで、心ない、大変ひどい中傷のような電話がかかってきたり、そのことによって大変評判を下げた旅館というものも数多くあるわけであります。

 私は、こうしたことが地元自治体、地元の観光について大きな影をつくっているというふうに言えると思います。これは、検証結果というものを本当に一日も早く出していただいて今後の道筋を示していただかなければ、もう温泉街というものが成り立たなくなってきているような状況にあります。

 こうした中止期間中の経済的損失についても私はきちんと手当てをする必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 私も大変申しわけなく思いますが、バスの中から川原湯温泉の現状について拝見させていただきました。今、資料をいただきましたけれども、営業中が五軒、休業中が五軒、廃業したところが九軒、こういうことでございまして、大変申しわけなく思います。

 特に、湯かけ祭りというんでしょうか、私も子供のころから新聞でいろいろと見ておりましたが、非常に有名な行事でございまして、ああ、ここで行っていたのかと。ことしも一月の二十日に、毎年やっていたものでありますから、ちゃんと行事はできた、こういうお話も伺っておりますが、この旅館業の方々には大変申しわけなく思います。

 早く検証作業を、一つの結論というものをつけて、どうするのかということを、私自身も努力して、この歴史ある旅館街の再建の道筋というものも示すことが私ども国としても大変大事な責務だろうと思っておりますので、努力をしてまいりたいと思います。

小渕委員 旅館をやめた方々も、決してやめたくてやめたわけではないんですね。やはり二〇一五年にダムが完成するという目標があって、それまでに移転をしてまた開業したいというふうに思いながらやってきたにもかかわらず、ダムがどうなるのかわからないという中でこのまま続けているわけにはいかない、そんな苦渋の選択で旅館をやめざるを得なかった、そんなところがほとんどなわけであります。

 ですから、先ほどから申し上げているように、ダムを中止するという、それがなければこういうことにはならなかったということも言えるわけでありますので、しっかりそのあたりのことには国として手当てをする必要があると思っております。

 先日も大臣の答弁の中でありましたけれども、ダム中止解除となった場合、負担増が発生するということであります。検証の結果、ダム中止を解除しダム建設を再開した場合、休止期間内のコスト増が発生し、それが約五十五億円だというふうに伺っています。工期も三年ほど延期になります。このコスト増分というものはだれが負うのでしょうか。ちなみに、関係六都県では、これはすべて国の責任だから、自分たちは負担する必要はないということで拒否をしています。だれが責任を負うのでしょうか。

大畠国務大臣 ただいまの、継続する場合になったときの検証に伴うコスト増分五十五億円はだれが負担するのか、こういう御質問でありますが、現時点では一切の予断を持たずに検証を進めているということでありますから、一つの結論に基づいた形の推論というのはこの場では申し上げることはできませんが、ただ、私は、やはり国として責任ある立場がありますから、適切に対処しなければならないのではないか、その結論に従って適切に対処しなきゃならないんじゃないか、そう考えております。

小渕委員 今の御答弁ですと、国が責任を負う、国が負うということなのだと思います。

 これまで私は、精神補償について、また観光業に対する手当てについて、自治体に対する措置について、そしてこの五十五億円についてお伺いしました。いろいろなお答えの差はありましたけれども、全体としては国として責任を持っていくということなのだと思います。

 しかし、私申し上げたいのは、民主党政権になって、民主党のマニフェストの中に八ツ場ダムの中止というものが掲げられて、それで初めて八ツ場ダムは中止をされることになったわけです。国が負うということは、八ツ場ダムにかかったこうした中止宣言による余計な費用というものを国民の税金で負担していくということでしょうか。私、それは少しおかしいのではないかと思います。民主党がマニフェストで八ツ場ダムを中止し、一年半このような形でほったらかしたことで使ったお金は、民主党が負担する必要があるんじゃないでしょうか。

大畠国務大臣 御指摘でございますが、いずれにしても、この一年半、さまざまな形で、地元の自治体の皆さんも含めて地域の皆さんにも大変な御迷惑をおかけしていることは申しわけなく思います。

 そして、この八ツ場ダムの問題でいろいろと経費がかさむ、あるいはコストがかさむということもありますが、これらについても、先ほど申しましたように国の責任というのは大変重いと思いますが、いずれにしても、その問題も含めてぜひ私どもとしては検討して、皆さんにも御理解いただけるような結論になるように努力をしてまいりたいと思います。

小渕委員 先ほどから、検討と検証と、皆さんが納得のいく結論をということでありますけれども、全く、地元の人間が聞きましたら、それは一体どういうことなのかと聞きたくなるようなお答えばかりではないかというふうに思います。

 群馬県で県民調査をいたしまして、このダム問題について、建設すべきだと答えた人間は四二・六%、建設すべきでないと答えたのは二一・九%ということで、倍の開きがあるわけです。県民においては、つくった方がいいと言っている人たちが、つくらない方がいいと言っている人の倍いるということ。ですから、中止をしようと言っているのは民主党のみであって、県民レベルでは、これはつくった方がいいと思っている人たちの方が多いということなんです。

 確実に、私は、民主党の責任、判断を間違った民主党の責任というものが大きいと思います。それは検証結果をしっかり待ちたいと思いますけれども、そこはしっかり心に刻んでいただきたいと思います。

 さて、その検証結果でありますけれども、その時期についてお伺いをしたいと思います。

 昨年、馬淵大臣は、十一月に八ツ場を訪れました。その後、十二月の一日に六都県の知事と大臣は会談を行いまして、来秋、ことしの秋よりもさらに早く検証結果を出す努力をする、そのようにおっしゃいました。また、大畠大臣におかれましては、二月の十三日に現地の視察をしていただいた際に、工期が三年延びるということに対して、大変申しわけないというおわびをされました。

 地元にしてみると、結局、この二年間というものは、取り返しがつかない、本当に無駄な時間を費やしてしまったというような思いを持っておるわけであります。大臣は秋までとおっしゃっていますけれども、私たちにしてみますと、秋までといってもまださらに時間があるわけですね。こうした間、一日一日私たちは不安との闘いをしているわけであります。着工から八十七カ月かかるということでありますけれども、私は、一日でも一カ月でも縮める努力をしていただきたいというふうに思っています。

 秋までとおっしゃいますけれども、それは一体いつですか。九月一日だと思ってよろしいでしょうか。また、一日でも縮める努力というものはしていただけるのか、またそれは可能なのか、お答えいただきたいと思います。

大畠国務大臣 現在、検証を進めているところでありますが、秋ごろまでを一つの目標として検証結果を出そう、こういうことで努力をしていただいております。

 今、一日でもというお話がありましたが、私も、現地に参りましていろいろなお話を伺いましたが、できるだけ早く、その検証結果が出るのであれば、前倒しで結論を出していただきたいなという思いを持っております。したがいまして、きょうの御指摘を踏まえて、できるだけ検証結果というのは前倒しでできるようにというようなことは要請をしてみたいと思います。

小渕委員 一日でも縮める努力をしていただくというのは当たり前のことだと思うんですね。地元の気持ちを考えたら、ぜひお願いしたいと思います。

 しかし、秋までといいましても、その秋まで一体何をおやりになっておるのか、地元にとってみると大変不透明です。時間稼ぎをしているようにしか思えないわけであります。最終結論を出すまでの明確な工程表というものをお出しいただくことは可能でしょうか。

大畠国務大臣 今、検証作業を進めておりますが、どのようなことをやっているのかということについては、小渕議員にお届けすることはできます。したがいまして、どういうことを検証しているのか、どういう形でやっているのかということは、ぜひ小渕議員に出せるように努力をしたいと思います。

小渕委員 秋が目標ということでは本当に困るんですね。しっかりおしりの日を決めていただいて、そこまでに結論を出すということでやっていただきたいと思います。そして、その工程表というものもぜひ示していただきたいと思います。

 さて、私たちは、先ほども申し上げたように、三人目の大臣をお迎えいたしました。地元にしてみると、前原さんに関してはもう論外です。馬淵さんに関しては、半歩ですが前進をしていただいたというふうに思っています。その流れをすべて踏襲すると言って、大畠大臣、八ツ場ダムについてはそういうふうに言っていただいたので、少なくともこれまでの大臣に比べれば、地元とすれば、大畠大臣に期待するところは多少ないしあるんです。しかし、四人目の大臣がまた来るんじゃないかと地元は言っています。私たち地元は、もう四人目の大臣をお迎えするつもりはありません。大畠大臣のうちに、この八ツ場ダム問題、結論をしっかり出していただきたい。

 地元が納得のいく結論を出していただく、その決意をお願いいたします。

大畠国務大臣 ただいま、四人目の大臣が来るのではないかということで地元で御心配されているという話でございますが、私自身、この国土交通大臣を一月十四日に拝命いたしまして、冒頭に申し上げましたように、その話を受けたときにまず頭に浮かんだのは、高速道路の課題とこの八ツ場ダムの課題であります。

 したがいまして、いろいろと大変な役職だなという思いはありますが、さまざまな経緯から、受けると決めた限りは、この問題を解決する、こういう決意で今やっておりますので、ぜひ、いろいろな意味での御提言やアドバイス、あるいはさまざまな意味での御指導を賜りたいと考えております。

小渕委員 先ほども申し上げましたように、地元が納得する結論というものはもう中止撤回しかないということを強く申し上げ、そして、またぜひ八ツ場ダム問題について大臣と議論させていただきたい、それをお願い申し上げまして、以上とさせていただきます。

 ありがとうございました。

古賀委員長 次に、赤澤亮正君。

赤澤委員 質問の時間をいただき、ありがとうございます。

 まず冒頭、コンクリートから人へというスローガンは、前原大臣から馬淵大臣に交代したころから余り聞かれなくなったように思いますけれども、民主党はこの旗をおろしたんですか。

大畠国務大臣 私も、地元でもよくこの話をいただきます。

 私自身は、コンクリートから人へというこの言葉というのは、一つの象徴的な言葉でありまして、いわゆる真に必要な社会資本整備、そういう意味での公共事業というものは非常に大事である、そういうことで、それ以外のものについては極力減らして、人間が生活していくための支えというところに予算というものを充当していくべきだろうという、その象徴的な言葉でありまして、いろいろと誤解を生んでいるわけでありますが、私は、コンクリートも人も非常に大事なものでありまして、そういう意味では、旗をおろしたのかということでありますが、基本的な理念としてはそういうものがありますが、私自身、国土交通大臣として、コンクリートも人も非常に大事な要素である、そう考えております。

赤澤委員 コンクリートから人へというスローガンを、真に必要な公共事業はやるという意味を含んだ象徴的な言葉だというのは無理だと思うんですよね。というのは、今まさに、語るに落ちるという言い方は大臣に失礼かもしれませんけれども、大臣自身が御自身のメッセージとして、コンクリートから人へという言葉は一回しか言わなかったけれども、コンクリートも人も大事だということを二回以上おっしゃいました。要するに、大臣が心の中で思っているメッセージをちゃんと伝えようと思ったら、まさに今御自身が一番回数多く語られたように、コンクリートも人もでなきゃおかしいんですよ。

 ということを指摘して、ちょっと掘り下げたいと思うんです。

 真に必要な公共事業をやらなきゃ国民の安全、安心は保てない、この議論は別でやられているので、コンクリートから人への有効性という意味で、景気に及ぼす影響のことをちょっと伺いたいと思うんですけれども、ほとんどのエコノミストが、平成二十三年度予算の景気に与える影響はゼロかマイナスであると評価しているんですよ。その理由を理解しておられますか。

大畠国務大臣 ただいまゼロかマイナスというお話でございますが、私はエコノミストの方々がどういう視点で分析をされたかよく承知はしておりませんが、私自身の考えをベースに申し上げますと、これまで、前回の総選挙の前までは、要するに、人の暮らしが不安だと。今、年金問題もありますけれども、年金問題、あるいは医療の問題、あるいは教育、あるいは介護の問題、さまざまな形で、政府としてあるいは国としてやるべきことが非常に手薄になっているんじゃないか、したがって将来不安がある、こういう御意見を私も代議士として地域で聞いてまいりました。

 したがいまして、年金についてはきちっとしよう、あるいは介護、教育、医療の問題についても手当てをしてほしい、こういう声は非常に多かったわけであります。したがって、そういうところに力点を置いた形の対策をとろう、こういうことでございました。

 それが、ゼロかマイナスだ、こういう御指摘でございますが、安心感を持っていただければ内需拡大にも寄与する、私はそういう思いではありましたけれども、しかし、改めて、経済評論家の皆さんのゼロかマイナスではないかという御指摘については私も率直に受けとめて、そしてどこがどうなのかということを分析しながら対策をしなければならないと思っております。

赤澤委員 人の暮らしに注目をした、将来不安があると。ただ、国民の声を聞くと、一番気にしているのはやはり景気なんですよ。景気がよくなってくれないと生活がよくならぬ、お父さんの給料がふえない、あるいはお父さんが会社をやめなきゃいけなくなる。そこが一番、人の暮らしに着目したときの将来不安の肝だと思うんです。

 そういう意味からいうと、コンクリートから人へを体現するとされる平成二十三年度予算、エコノミストがどういう評価をしているかは、簡単に言えばこういうことですよ。平成二十二年度に続き二十三年度も、乗数効果が確実に一を超える公共事業を大幅に減らした、そういうことです。二十二年度では一八%、二十三年度予算では交付金を除けば一四%削っていますよ。乗数効果が確実に一を超えるもの、景気に効果が大きいものを大幅に削ったんです。それで、コンクリートを削って人に持っていくと称して、少なくとも三、四割が死蔵されてしまう子ども手当をばらまいているんですよ。だから、確実に景気押し下げ効果があるということです。

 それについてどう考えますか。

大畠国務大臣 御指摘は大変重く受けとめなければならないと思いますが、現政権下においても、いわゆる地域における経済を引き上げるために着目したのが耐震化でありますが、住宅ですとかあるいは学校ですとか、そういうところについては耐震化を進めよう、こういうことで、補正予算等々も、あるいは予備費等も講じて、地域における経済対策、いわゆる地域の工務店等が仕事をとれるようなものをつくっていこう、こういうことで努力をしてきたところであります。

 今の御指摘は御指摘として受けとめなければなりませんが、現政権としても、乗数効果、いわゆる投資対効果といいますか、経済に寄与するものについてもいろいろと考えながら予算化をしたところでありますが、それが不十分だ、こういうことについては、御指摘として受けとめなければならないと思います。

    〔委員長退席、長安委員長代理着席〕

赤澤委員 考えながら編成したと言うけれども、私は全く考えていないと思うので、とりあえず二点指摘をしておきます。

 一つは、毎年のように二けた%以上公共事業を削りながら、耐震化に配分すると景気がよくなるか。なりません。景気に大きな影響を与えるのは、マクロで見て総額どれだけが乗数効果一以上のものに投下されているか、それが大事なんですよ。それが一点目です。総額を大幅に削っておきながら、耐震化をふやしたから、そこが人なんですと言って景気がよくなるか。なりません。なので、大臣が注目した人の暮らし、それから将来不安を解消していくという意味では、それに役立つ予算になっていないということ。

 あともう一点確実に言えるのは、現金で給付をすれば死蔵されちゃうんですよ。そういうことでしょう。だからこそ、サービス給付を例えば半分ぐらいにすれば、保育所で働く人の給料になって消費に回る。本当に愚かなことはやめてほしいのは、現金給付に偏重し過ぎるといかに少子化対策に金をかけても失敗するのは、ドイツの例で明らかなんですよ。うまくやっている国は現金給付とサービス給付のバランスがいいんです。そのことをちゃんとやっていただきたい。

 これはもう大臣に申し上げてもせんないところがあって、今、担当の大臣はほかの問題で大わらわでありますから、また別の機会に御指摘したいと思いますけれども、その辺の経済的に見て当たり前のことを当たり前にやっていかないと、景気なんか絶対によくならぬですよ。その辺のことは、大臣としても閣僚の一人なので、ちょっと考えておいていただきたい。

 繰り返しになりますけれども、民主党が編成した平成二十三年度予算よりも自民党が組み替え動議によって提出した予算案の方が景気にプラスであるということは、ちゃんと理解をされましたか。

大畠国務大臣 自由民主党さんからの組み替え動議というものについては、予算委員会等でも見せていただきました。これはこれとして非常に大事な視点で提案をされていると思いますが、私は、さまざまな形で委員会でも真剣な論議を重ね、そして、基本的に、よりよいものができるのであればそのようなことも一つの選択肢ではないかと思いますが、いろいろと自民党さんの組み替え動議についても勉強させていただきたいと思います。

赤澤委員 それで、私がこれは許せないと思うのは、あの自民党の組み替え動議を見て、岡田幹事長、小沢議員の問題もろくに処分できない、これもだらしない話ですけれども、あれを見た途端、また本当にテレビ受けだけをねらって、自民党さん的ですね、公共事業を復活させていますと。その一言で何とか片づけようとするあたり、私、許せないんですよ。

 クライストチャーチの大地震を見ても、あるいは災害のときの代替路をつくるという意味での新規の公共事業にしても、本当に必要なものがまだできていないから、そして景気の効果も大きいから、我々は、一・四兆円、交付金で一兆円、それだけ公共事業を復活させるという案を示して真摯に問うているんですよ。自民党的ですねで、全く協議もしない、説明も聞かないで切り捨てられたことについては本当に憤っていますので、国土交通大臣として、公共事業、きちっとやるべきことはあるとおっしゃったんだから、あの組み替え動議について閣内で真剣に検討してくださいよ。そこについてどう考えておられますか。

大畠国務大臣 御指摘のように、国土交通省管轄の中でいえば、道路にかかる橋ですとか、あるいは、それもいろいろ見せていただいておりますが、まだまだ耐震化がおくれているところがございます。そういう意味では手を入れるべきところがございますので、そういうところは、議員からも御指摘でございますが、十分そういうものを踏まえて行動してまいりたいと思います。

    〔長安委員長代理退席、委員長着席〕

赤澤委員 それで、本当に年始から記憶に残る大きな事件が起きているわけですけれども、最近の事例、これも公共事業あるいは社会資本整備、国土交通分野の重要性を示す例として、年末年始の記録的豪雪、あるいはニュージーランドの大地震があったと思います。言うまでもなく、年末年始の記録的豪雪とニュージーランドの大地震については、とうとい犠牲を払われた方たちがいます。その方たちには心から御冥福をお祈りします。あわせて、被害を受けた関係者に心からお見舞いを申し上げます。さらに、ニュージーランドの大地震について言えば、一刻も早い安否の判明ということを我々は切望するわけであります。

 そこで、大臣に一言いただきたいのは、年末年始の記録的豪雪から国土交通分野についてどのような教訓を得られましたか。

大畠国務大臣 これは、たしか平成十八年も豪雪がございまして大変な思いをいたしましたし、また、各地域にも人的にも被害を与えたことは事実であります。

 私が国土交通大臣を拝命いたしまして、この豪雪に対して、過去の豪雪対策はどのような形で対応したのか、そして今回、豪雪対策について、非常に地域の方からも不十分という声が上がってきておりますから、基本的に日本として豪雪の場合にはどういう仕組みでやるのか。

 確かにいろいろ御指摘いただいていますが、道路を除雪するときに、二台のブルドーザーで除雪したところを一台にすればコストが半分になるじゃないかとか、いろいろなアイデアがあって、それを踏まえて工夫をしたところであります。また、豪雪のときの防雪といいますか、雪を防ぐためのものも、冬と夏場では、夏は下げたり冬は上げたり、こういうことも節約すべきだろうということで、基本的には、予算を下げても実際に影響がないように努力をしたところであります。

 しかし、今回さまざまな形で御指摘をいただいておりますので、豪雪対策については、再度あるべき姿というものをきちっと検証して、考え方を整理することが必要だと私は思っております。

赤澤委員 一言で言ってがっかりしました。聞きたかったのはそういうテクニカルな話じゃありません。

 私の方からぜひ申し上げておきたいのは、私の地元でありましたけれども、道路整備がおくれて迂回路がないことですね。一けた国道ですよ。国境沿いに日本海に沿って走っている九号線、一けた国道に、いまだに高規格道路の迂回路が完成をしていないんですね。山陰道、これを改めAダッシュということで今整備していますけれども、それができていないんです。だから、タンクローリー一台が横向きになってしまうと千台立ち往生した。迂回路の整備がいかに大事かということを教訓として改めて思ってほしい、それが一点です。

 それから、雪害への対応にも、地元の中小を含む建設事業者の力が不可欠である。大手のゼネコンとか県外の企業が、仕事はとりに来るけれども、ふだん事業所は電話一本引いてあるだけで、仕事をとったら帰っていっちゃう、災害のときには出てこない。そういう中で、地元の建設会社の人たちが元気でないと、スコップ一本持って助けに出てきてくれないんですよ。あるいは、重機を持って駆けつけてくれないんです。

 その二つの教訓をきちっと受けとめてもらわないと困るんです。よろしいですか。

大畠国務大臣 ただいまの、道路の整備、迂回路がなかったために一晩ずっと車中で過ごさなければならなかったという国民の皆さんの実態についても、お伺いをしております。この問題は確かに御指摘のとおりだと思います。

 それから、もう一つの、中小企業の皆さん、地域における皆さんが豪雪のときにいろいろこれまでは手伝っていた。しかし、いわゆる工務店あるいは地元の企業の手が徐々に少し小さくなってきて、こういう豪雪のときに十分に支援の手を差し伸べるということができない態勢になっている。これも現実の問題だと思っております。

 この二つについては、今御指摘を賜りましたけれども、改めて私の方からもよく調べまして、何らかの対応策をとるように努力をしてみたいと思います。

赤澤委員 だからこそ、コンクリートから人へなんて言っている場合じゃないですよ、目を覚ましてくださいというお話をしているつもりであります。

 ちょっとお配りできなかったのであれなんですけれども、先月、二月八日の建設通信新聞というので取り上げられた記事があって、実は、これは全国建設業協会が会員企業を中心に調査をした。そうしたら、結論、二十五都道府県の百七十二市町村、数字は特にそれで何か聞くことでもないんですが、二十五都道府県、百七十二市町村に及ぶ災害対応空白地域があった。要するに、二十五都道府県の百七十二市町村で会員企業がないという状態になっている。さっきでいえば、何か災害が起きても、雪で立ち往生している車がいても、プロの重機を扱える、あるいはスコップを持って駆けつける、そういう人がいない地域ということですよ。

 こういう地域に今後どう対応していくおつもりでしょうか。

大畠国務大臣 先ほど、二十五都道府県、百七十二市町村というお話がありまして、ここら辺は支援の手がない、こういう御指摘でございますが、私としても、その実態を把握して、そういう状況にどう対応すべきか、新たな課題として受けとめたいと思います。

赤澤委員 率直な答弁をいただいたので、それはよしとしますが、だから大臣、もうコンクリートから人へはやめませんか。金輪際もう口にされずに、先ほどまさに最初の質問でお答えいただいたように、コンクリートも人もということを連呼して立派な国土交通行政をやっていただきたいと思うんです。いかがでしょうか。

大畠国務大臣 これは一つのキャッチコピー的な形で、先ほど御指摘がありましたですね、キャッチコピー的なものじゃないかというお話でありましたが、私は、一つの象徴的な旗だったと思います。これまでの政府は、公共事業を余りにも重視してきて、人の暮らしというものを余り重視していないんじゃないか、こういう風潮もございまして、一つの課題として、表示として出たわけでありますが、私の基本的な考え方は、先ほど申し上げましたように、コンクリートも人も大事であります。

 そして、公共事業も、すべてのものは必ず劣化しますから、劣化すればこれは取りかえなければなりません。学校でも道路でも、あるいは橋でもそういうものでありますから、それについては、まさに国民の必要性というものを十分認識しながら、総見直しをしながら適切に対処してまいりたいと思いますので、それを口にするか口にしないかということよりも、実質的に私は仕事をしてまいりたい、そう思っております。

赤澤委員 口にはしないが気持ちはそうだとおっしゃったかのような答弁がありました。私は、少なくとも我が国には象徴天皇制という言葉があります。象徴という言葉を余り軽く使ってほしくないんです。本当に国民の安全、安心をきちっと確保できて、なおかつ景気にもいい効果があるような、そういう国土交通行政をやっていただくのに、その仕事のやり方、考え方を象徴する言葉としてコンクリートから人へがいいとは私は金輪際思いませんので、そこは指摘をしておきたいと思います。大臣は実質的にきちっとやっていくとおっしゃったので、今後もきちっと検証させていただきたいと思います。

 次に、ちょっとTPPについてお伺いをします。

 これは私が言っているのではありませんけれども、一部のマスコミの報道を総合すると、当時、大畠経済産業大臣は、政治主導の民主党の閣僚としてはあるまじきことに、就任時の記者会見では経産官僚が書いた原稿をそのまま読んだため、TPPへの参加に前向きな発言を行った。しかしながら、その後、JAの反発などにひるみ、かつ、鳩山前総理がTPPへの参加に反対する議員連盟の重要な役職についたため、鳩山側近としての配慮からもTPPへの参加について急に後ろ向きになったと言われています。

 ひどい言われようで、御本人は極めて不本意であると推察しますが、経産大臣当時、時間の経過とともにTPPへの取り組み姿勢が後ろ向きになったと言われているのはなぜですか。

大畠国務大臣 これは、今御指摘いただいたことは、どなたがそういう論評をしたかよくわかりませんけれども、私自身としては、当時、経産大臣として、韓国の動き等々を見ていまして、経済自由連携というのは非常に大事だ、こういう思いはしておりました。FTAあるいはEPA、こういうものを進める。

 その中で、私は今、国土交通大臣をやっていますから、余り経産大臣時代のことを申し上げるのは控えた方がいいかなと思いますが、ただ、そういう中で一つのTPPというものも入ってまいりましたが、そのTPPの中身というものをずっと精査いたしまして、国の中の、経済界だけでなく国民生活にも大きな影響を与えるものでありますから、十分にそこら辺は精査しながらやることが必要かな、そういう思いを持っておりました。

 ただ、横浜APECでもそうでありますが、世界の流れとして、韓国がその一つの例でありますが、EPAやFTAは大事でありますし、一つの大きな経済のベースとして自由連携は大事だろう、そういう思いを持っておりました。

 今は国土交通大臣でありますから、国土交通省管轄の、先ほどから御指摘いただいた点を一生懸命努力をして取り組んでまいりたいと思います。

赤澤委員 私、若干同情するところがあるのは、一番悪いのはやはり菅総理なんですね。昨年十月一日の菅総理の唐突なTPP参加の検討の所信表明。準備なし、戦略なし、その後の総理のリーダーシップもなしの三ない思いつき外交と私は呼んでいます。国民の不安と混乱、これを巻き起こした。私は、ある意味、閣僚にも本当に迷惑をかけていると思います。玄葉さんも典型的な例です。大畠大臣も私にはそう見えます。

 当初、玄葉さんは予算委員会で何と言ったか。私に向かって、二国間がうまく機能しなくなったからTPPが必要になったということをあなた理解してくださいよと、上から目線でそうおっしゃいました。しばらくたったら玄葉さんは何を言い始めたかというと、まず二国間だ、今はこう言っておられます。言うことががらっと百八十度変わってきた。私は、大畠大臣も似たようなことなのかなと。総理が思いつきで何か言うものだから、善意の閣僚が一生懸命支えようとするんだけれども、中身を聞くと支え切れなくなってくる、これの繰り返しじゃないかというふうに思っております。

 そこで伺いますが、現時点で、TPPへの参加には大畠大臣は賛成ですか、反対ですか。

大畠国務大臣 これは先日の予算委員会でも申し上げましたが、国土交通大臣として、地域における建設企業の状況というのも十分考えなければなりませんので、そのルールづくりに参加するのであれば、きちっと日本国としての地域の実態を踏まえた形での主張というものを展開し、そして織り込むことが必要だと思っております。

赤澤委員 それでは、具体的に伺います。

 昨日の山田俊男委員の参院予算委員会における質問で、大臣はこう答えたんですよ。政府調達に関する協定の適用範囲、基準額などについて、我が国の立場をしっかりと主張し、織り込むことが必要だ。

 政府調達に関する協定の適用範囲、基準額について、我が国の立場とは具体的に何を意味しているんですか。

大畠国務大臣 これはお手元にもひょっとしたらあるかもしれませんが、現在、WTOに日本は加盟しておりますが、これでは、中央政府機関の建設工事等については四百五十万SDR、六億九千万円という規定がありますし、地方政府機関については、建設工事については千五百万SDR、約二十三億円という枠がありますし、その他の政府関係の機関については、建設工事については、これも同じく千五百万SDR、二十三億円という枠がある、こういうことを念頭に置いて申し上げました。

赤澤委員 それでは、適用範囲を広げるとか基準額を引き下げるとかいうことはあり得ない、WTOの今の協定の内容どおりのルールでなければTPPには参加しないということでよろしいですね。

大畠国務大臣 ここのところはいろいろこれからやっていかなければならないと思いますが、基本的には、WTOの一つの基準がありますし、交渉事でありますからどういう形になるかわかりませんが、いずれにしても、私としては、きのう申し上げましたように、地域における建設企業の実態というものを踏まえてルールをつくる、こういうことが大事だと思います。

赤澤委員 典型的な負け交渉になると思います。

 というのは、日米航空交渉、私、現場にいたんです。最後の残された不平等条約と言われた日米航空協定を改定したときの現場の責任者の一人でした。交渉についてはいろいろ学んできたつもりです。予算委員会でも、教訓と言えるものをいろいろな機会に御紹介してきました。

 交渉事をやっていて大事なのは、事前に、譲れないもの、相手が出してきたもの次第でどこまで譲るかをきちっと決めてかかることなんですよ。相手があることなのでここはどうなるかわかりませんという話だと、もう典型的に、まとめたいと思えばずるずるずるずるやられるんですよ。だから、今みたいな話だと、本当に不安はぬぐえないんです。

 もう一度伺いたいと思います。当初、政府調達に関する協定の適用範囲、基準額などについて我が国の立場を守るとおっしゃったのに、では、それはもう絶対に変えない、変えるような事態になればTPPに参加しないんですねと聞いたら、いや、相手のあることですからと。それではだめなんですよ。もう一度答弁をお願いします。

大畠国務大臣 現段階としては、やはりきちっとそういう地域の実態を踏まえて国土交通大臣としては対処してまいりたいと思います。

赤澤委員 それでは、ちょっと時間を早めてくれという声があったので、あと一、二問にさせていただきたいというふうに思います。

 一つ大事なことをちょっと聞いておきたいのは、要は、農業も同じなんですけれども、スローガンだけ、基本方針を六月に出して、具体的な国内対策が出てくるのが十月だけれども、六月にはTPP交渉に参加するか不参加かを決めちゃうと。交渉に参加したら、これはえらい勢いが働くんですよ。手間暇かけた官僚はまとめようとするし、政治的にももうおりられなくなります。交渉に参加する前に国民にきちんと説明を果たして、安心して交渉に臨めるようでなければ交渉に入っちゃいけないと思うんです。

 そこで伺いますけれども、TPP交渉への参加、不参加の決定の前に国土交通分野におけるTPP参加の影響をきちっと試算する、マイナスの影響があるのであれば国内対策の具体的内容と財源を確定する、さらに、国内対策を講じた上でのTPP参加の影響試算を改めて公表して、国民に、安心してください、だから前に進みますということを言ってからでなければ交渉に参加すべきでないと思いますけれども、大臣はどうお考えですか。

大畠国務大臣 私も、今御指摘のように、国の決め事というのは国民の理解というのがなければならないわけでありまして、そういう意味では、どういう形で進むのかということについては、国民によく説明をして理解を得る努力は大変大事だと思います。

 何か予算委員会に出てこいという話でございまして、大変申しわけありませんが、ここで中座をさせていただきます。よろしくお願いします。

赤澤委員 最後に一言だけ申し上げます。

 国民への説明は大事なんです。菅総理の思いつきのために、説明されていないんですよ。農業も同じなんです。対策を打ったのでない、対策がない場合の非常に大きな影響額だけは影響試算で出てきて、それしか国民に示されないから、本当にみんな不安になって議論が深まらない。国土交通分野も同じですよ。そのことをきちっとやっていただかなきゃ、参加、不参加をきちっと決めるということはできない。

 そのことを厳しく申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

古賀委員長 次に、辻元清美君。

辻元委員 民主党・無所属クラブの辻元清美です。本日は、大臣の所信及び交通基本法などを中心に、日本の公共交通のあるべき姿を皆さんとともに考えたいと思います。

 まず初めに、私も、政権交代後、国土交通行政に携わらせていただきました。その中で、私は、国土交通政策は強さと優しさが要るだろうというように考えて進めてまいりましたし、今もそう考えております。やはり今、グローバル化の時代で、このグローバル経済についての賛否は別にいたしまして、国際競争力を一体どのように担保していくかということ、それと同時に、しかし一方、人や国土交通関係で働く人たち、労働者などへの配慮、それから環境、そしてさらには安全に対する配慮、優しさが必要である、そのように考えて進めてまいりました。

 大臣を初め政務三役の皆様は、どういう理念で国土交通行政を進めていくべきとお考えか。また、全体的な日本のグランドデザインを切りかえていく時期に当たっているんじゃないかと私は考えております。グランドデザインをどのようにお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。

三井副大臣 お答えいたします。大臣が今、予算委員会の方においでになりましたので、私から答えさせていただきたいと思います。

 今、辻元委員からお話がございましたように、大臣所信の中に、「現在の日本は、人口の減少と急速な高齢化、厳しい財政事情、激しい国際競争といった大きな課題を抱えております。」このような状況下におきまして、長期的、総合的な観点から日本の将来の明るいビジョンをしっかりと描いていきたいと。それで、大臣がおっしゃっていますように、その基盤を築きまして、国民の命と暮らしを守る、ここは大変重要なことだと思っております。国土行政におきましては、国民の命と暮らしを守るということを進めていきたいと考えているところでございます。

 国民の命と暮らしを守るためには、国土基盤の維持管理、更新を適切に行うとともに、各種の防災あるいは減災対策、耐震対策を進めることが極めて重要であると思っております。このため、現在、地域の活性化や国際競争力の強化とともに国土の保全や暮らしの安全を大きな柱といたしまして、社会資本整備重点計画の見直しを進めているところでございます。

 また、人が社会に生きていく上で必要な人と物の移動にかかわる政策を総合的かつ計画的に推進するためにも、今後の交通に関する基本理念と交通政策の全体像を示す計画の策定等を決める交通基本法を昨日、国会に提出したところでございます。

 これらを通じまして、将来ビジョンを描きつつ、国民の命と暮らしを守る国土行政を戦略的に進めてまいりたいと思っております。

辻元委員 めり張りをどうつけるか、それから、今の実態がどのようになっているかというところをしっかり点検して、その上でどう変えていくかということ、私も現場におりまして、非常に苦戦をいたしました。

 まず、現状をちょっと確認したいと思うんですが、お手元に資料をお配りしております。この資料の「公共投資水準の国際比較」、カラーのものをまず見ていただきたいと思います。

 この右側の、これは皆さんもよく御承知のグラフかと思いますけれども、「一般政府公的固定資本形成のGDPに占める割合」。かつては、一九九六年、十五年前で私、初当選のころなんですけれども、このころは、いわゆる公共事業と言われるものにかけるGDPの割合は、フランスやアメリカやイギリスやドイツという国々の割合を全部足しても、日本の方が多いというような状況でした。それが現在は減少をしてきております。かなり予算というかお金をかけてきたと考えられます。

 そして二ページ目をあけていただいて、今度は白黒の方なんですけれども、「社会資本整備の国際比較」です。

 しかし一方、現状を見てみますと、先ほどから道路の話は出ておりますが、空港にいたしましても、三千メートル級滑走路の本数は、日本は三、韓国は五、イギリスは四となっております。港湾についても、コンテナターミナルの水深十六メートル級の岸壁、日本は六、中国は、大きいですけれども五十、韓国十六、シンガポール二十六。そして公園ですね、緑はどれぐらいかなと。東京二十三区で三・〇、アメリカ・ニューヨークで二十九・一、フランス・パリで十一・八、ドイツ・ベルリン二十七・四、ロンドン二十五・三。非常に予算はかけてきたわけですけれども、一方、町には緑も、なかなか公園も少なかったり、それから競争力を持つ空港や港湾の整備も不十分であった。

 原因は一体どこにあるのか、いかがお考えでしょうか。

津川大臣政務官 お答えをいたします。

 先生の方から資料を御提示いただきまして、欧米との比較というものを出していただきました。よく欧米とこの国の国土の比較というものが出されますが、正直に申し上げますと、欧米にもいろいろございますから、単純に比較できるものではないと思っております。

 ただ、一般的に、やはり我が国は島国でありまして、この国土をつなぐ海峡をいかにつないでいくかですとか、あるいは、いわゆる脊梁山脈によって分断をされている部分が多いものですから、橋梁ですとかトンネルが多い。あるいはまた、地震国でもありますので、そういった耐震性も高めていかなければならない。そういった意味で、GDP比でいいますと、相当多くの公共事業、公共投資を行ってきた割には、残念ながら整備がまだおくれているというのが現状であろうかと思っております。

 そういった中で、大変厳しい財政の状況の中でもございますから、現在、社会資本整備の全体像を示します社会資本整備重点計画の見直しというのを進めているところでございまして、それによりまして社会資本整備の目指す姿を国民にわかりやすく提示をさせていただきますとともに、やはり選択と集中というものが必要となってくるかと思います。そういった視点での計画あるいはその実効性を確保するための手法というものもお示しをさせていただきながら、国民の声を広くお聞きさせていただきながら、社会資本整備重点計画の見直しにつきましてことしの夏までに策定を進めてまいりたいと考えているところでございます。

辻元委員 選択と集中という言葉が出ました。実際、かなり予算は使ってきていますけれども、トータルにグランドデザインを考えてこなかったんじゃないかというように私は思うんですね。

 やはり今、少子高齢化である、それから低成長の時代である、それからエコロジーへの配慮が要る、そして一方、しかしグローバル経済の時代になっているという、この時代の転換点にどういうグランドデザインをかいていくかということ、これをやはり国交政策で示していくことは、私は日本を大きく変えることにつながると思っています。

 さて、そんな中で、もう一方、では公共交通の実態はどうか。最近、公共交通崩壊という言葉も聞かれております。ちょっと幾つかお聞きしたいと思います。

 まず、実態です。

 生活交通の存続危機地域、非常に公共交通が手薄になってきて、住むのがしんどいなとなってきている方々はどれぐらいいらっしゃると今把握されていますか。

津川大臣政務官 私どもの現在把握をする推計でありますが、公共交通が独立採算で成り立つのは、主に人口がそれなりに集中をしている地域でございますから、逆に、人口が集中していない地域というものが、まず公共交通機関がなかなか維持が難しくなってきている地域と考えております。

 さらに、そういった地域に住んでいらっしゃる高齢者の数というものが、二〇〇五年で一千五十万人という数字がございます。今後それがさらに上昇する見込みでございまして、これは推計でございますが、二〇一〇年には一千百二十万人、二〇二〇年には一千三百十万人程度になるのではないかと現在推計をしているところでございます。

辻元委員 一千万人を超えると。日本は先進国と言われているわけですけれども、非常に移動が困難になってきている人たちがふえていっております。

 また一方、自動車で地方なんかは移動しますけれども、自動車で移動できる人、利用できる人と、それからできない方を比べると、外出の機会がどれぐらい制限されているのか、国民の生活に影響してきているという観点からお聞きしたいと思います。

津川大臣政務官 御指摘のとおり、一般的には、高齢者の方々のうち、約六割の方が毎日外出をして、約二割の方が週三、四回外出をされているという調査結果がございます。一方で、地方部におきましては、自家用車を保有していない方の外出機会というものは、保有をされる方に比べまして三分の一程度になるという情報がございます。

 都市交通特性調査、平成十七年に行われたものでございますが、そういったものから推計をいたしますと、特に地方におきまして、自家用車を保有していない方の外出機会が少なくなっているのではないかと判断するところでございます。

辻元委員 最近、買い物難民という言葉も出てきております。どれぐらいいると把握していますか。

津川大臣政務官 これは正確に把握をしているとは若干言いにくい数値ではございますが、経済産業省の試算でございますが、買い物に不自由を感じていらっしゃるという方、いわゆる買い物難民と言われる方が六百万人を超えているという試算がございます。これは大変ざっくりとした計算でありますが、日常の買い物に不便を感じている方の割合、それに六十歳以上の方の人口、こういったものから推計をさせていただいた数でございます。

辻元委員 実は、買い物難民という言葉、最近あちこちで目につくようになりました。これで、非常に買い物の困難な方の例えば食料を見ますと、魚とか野菜とか、いろいろ食べますね、お肉とか。品目別に見ても、買い物難民地域というか、買い物が不自由な人たちの食料の品目数が少なくて、特に高齢者の低栄養化問題につながるというような指摘まで出てきているわけですね。

 もう一つお聞きしたいんですが、毎年バスの路線が廃止、廃線になっているところがふえてきておりますけれども、どれぐらい毎年廃止になっているんでしょうか。

津川大臣政務官 各地で多くの方々が御努力いただいているところでございますが、平成十八年から二十一年までの平均でいいますと、年間約二千キロのバス路線が廃止をされているところでございます。

辻元委員 年間二千キロのバスの路線が廃止ということは、稚内から鹿児島まで大体二千キロですから、その距離のバスが日本の国内から消えていっている。

 一方、実は私、先日ある県に行ったんですけれども、その県には空港は二つあるんです。そして、新幹線も通りました。新幹線が通ったら、空港利用者が減って、赤字がふえているわけです。新幹線が通ったら、在来並行線の赤字がふえているわけです。しかし一方、その県は、バスがどんどん廃止になって、移動困難者が、御高齢の方とか、それから学生、高校生など、学校へ行くのも病院へ行くのも不自由になっている。空港は二つある、新幹線は通ったから便利になると思ったと。しかし、バスがどんどん廃線になっちゃって、便利どころか非常に住みにくくなってきている。

 私は今、先ほどから社会資本整備と生活の実態に即した公共交通の実態のデータを挙げていただきましたけれども、私たちは、これから日本をどうしたいのか、そのためにトータルに、どんなグランドデザインとどんな理念に基づいていろいろな社会資本の整備をし、そして公共交通を立て直していくのかという岐路に立っていると思うんです。今やらないと、私たちの子供や孫の時代になって、二十年、三十年たったときに、すぐかじは切れません。

 ですから、そういう意味でも、先ほどから高速道路、車も高速道路も必要ですよ、一方、公共交通も必要である。それから、飛行場もそうです。今回、関空と大阪国際空港の一体化の法案も出ますけれども、そして、かつ交通基本法も出てくるわけで、ベストミックスはどういう形なのかということを今国会は徹底的にこの委員会で議論をして、孫子の代に、ああ、よかったな、あのとき回答を得てと言えるような仕事を皆さんと一緒にできたらいいなと思っています。

 さて、そんな中で交通基本法。実際に、強さの部分は成長戦略ということで、先ほどの関西空港の問題、それから港をどうするか。これも、働く労働者との関係でどうあるべきか、ここも大事な点だと思いますけれども、港であったり、それから先ほど空港の例を申し上げましたけれども、一方で観光客をどう誘致していくかということで、私たちも、中国から来られる個人観光客のビザの基準の緩和もみんなと一緒にやりました。また、日本の鉄道などインフラを外に出していこうということで、先日、イギリスが日本の鉄道ということで、六千億円分ほぼ契約というような、私もイギリスの副大臣にトップセールスで行きまして、非常にうれしいニュースも出ています。

 ですから、成長戦略的な強さと、しかし一方、交通基本法に代表されるような優しさの部分と、両輪で私たちはやはり進めていかなきゃいけないんじゃないか。

 さてそこで、優しさの部分、交通基本法についてお聞きしたいんですが、この意義と、そしてさらには、伝統的な国もありますが、いろいろな諸外国で既に交通基本法的なるものができております。外国の事例やその効果についてまずお尋ねしたいと思います。

津川大臣政務官 お答えをいたします。

 交通基本法案、今国会に提出をさせていただき、ぜひ迅速なる御議論とまた成立をお願いしたいところでございますが、私どもが参考にさせていただきますまず第一にございますが、フランスがございます。フランスにおきましては、都市部を中心にLRTの推進やコミュニティーサイクルの導入といったものが促進をされているところでございますが、こういったものも、一九八二年に国内交通基本法というものが制定をされたのが、一つ大きな契機になったというふうに考えております。

 また、その中でも特に歩行者優先のまちづくりなども町の中で検討され、歩行者の歩道ですとかあるいは自転車、そういったものを中心にしたまちづくりの考え方、あるいは公共交通の利便性をしっかりとリンクさせて整備していく、こういったことが進められてきたところでございます。

 あるいは、お隣の韓国でございますが、日本と同じように、こういった交通基本法のようなものが必要ではないかということを今議論されているというふうに伺っているところでございますが、ソウルにおきまして公共交通を充実させる施策というものが既に講じられておりまして、バス専用レーンの設定ですとかバスと地下鉄のネットワーク化というものについて、かなり踏み込んだ施策が今とられているところでございます。

 こういった、都市交通の中ではありますが、総合的な交通政策の推進というものにつきまして韓国でも実施をされているところでございますので、こういったものも大いに参考にしながら交通政策を進めてまいりたいと考えているところでございます。

辻元委員 今、フランスと韓国の例がありましたけれども、私も昨年ストラスブール、フランスの先進的なまちづくりと公共交通などのベストミックスというか、非常に先進的な町にも行ってまいりました。ソウルも大きく変わりました。御承知のように、まちづくりでは、高速道路というか高架を取り除いて、清渓川という川を再生する。そしてさらには、公共交通、地下鉄とかバスで非常に移動しやすくしていくということで、エコロジーへの配慮など、非常に進んでいる例を視察してきました。

 そんな中で、日本も、いろいろな地方自治体で、既にそういう取り組みをしているところ、また頑張っていこうというようなシンポジウムが開かれたり、今花盛りです。

 私、一例を挙げたいと思うんですが、皆様に資料をお配りしております。この大きなA3ですけれども、「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会in岡山」というので、昨年の十一月に開かれました。これは、NPO団体が中心になって実行委員会を組んで開かれました。

 右を見ていただきますと、「A.特別セッション」とありますね、市民フォーラムの。二のところに「人と環境にやさしい交通を保障する交通基本法」と。エコノミストの方や、それから事業者の方、国交省からも参加しておりますし、御専門の方など、交通基本法について既に民間レベルでかなりいろいろなところでシンポジウムや学習会が始まっております。これには、自民党の逢沢国対委員長、それから民主党からは三日月議員が参加しておりまして、党派を超えてバックアップしていこうというような姿勢でこの大会は開かれたものと理解しております。

 ちょっとめくっていただきますと目次、分科会でどんな話し合いがあったか。例えば一の「新たな技術を考える」の三番ですと、バスをベースとした新しいバイモーダル交通システムとか、「各地域の取組みから」が二番の取り組みで自転車を取り上げたり、「最新海外事情」で先ほどのフランスとか、それから四番の「交通政策の分析・提言」では、交通権というのはどういうものであるかとか地域の公共交通ワークショップのあり方など、非常に熱心に話し合われました。

 これは、この会だけではなくて、先日私は熊本にも参りましたし、大阪などでも、交通基本法を中心にまちづくりと公共交通を、今まで業者の皆さんに任せてきたことをNPOや住民参加で考えていこうというような取り組みがあちこちで進んでおります。

 さてそこで、交通基本法、これができますと、事業者、自治体、住民、NPOなど関係団体、どういうような協力関係に変わっていくんでしょうか。

津川大臣政務官 御指摘をいただきましたように、今まで、地域の公共交通のあり方といいますと、どちらかといえば、事業者の方々、そして行政が話し合うという構図が多かったかと思います。

 ただ、それだけではなくて、やはりNPO等関係者の方々の御協力というものが非常に重要だというふうに今考えているところでございまして、提出をさせていただいております交通基本法案におきましても、交通に関する国、地方公共団体、交通関連事業者、交通施設管理者、そして住民その他の関係者の方々が連携をし、協働しつつ行わなければならないということを基本理念としているところでございまして、あわせて関係者の連携に関する責務も定めて、これを推進するために必要な施策を国が講ずることを基本的施策として規定をしているところでございます。

 特に、利用者の方々が、まさに御自身の、自分たちの問題として参加をしていただくということ、事業者の方々あるいは行政の方々にも、利用者の視点というものをしっかりと大切にしながら、まちづくりの観点の中で交通政策を考えていただくということが大変重要だというふうに考えておりまして、予算措置の中でも、地域の中で協議会をつくっていただく、その中で話をしていただいたものを支援させていただく、こんなことを推進させていただきたいと考えているところでございます。

辻元委員 今までは事業者主体、もちろん事業者の皆さんにも頑張っていただかなければならないわけですが、自治体、これは非常に重要な役割を担うと思います。それから地域のNPOや、そして国もあわせて。

 今、一つ御紹介したい事例がございます。福岡市は既に条例をつくりました。このプロセスは、住民参加で条例をつくっております。ちょっと御紹介いたします。

 福岡市は昨年三月に、地域住民の生活支援を目的とした交通体系のあり方を示した福岡市公共交通空白地等及び移動制約者に係る生活交通の確保に関する条例を全国に先駆けて制定しました。これは、福岡の都市づくりと交通を考える会というのをまずつくりまして、そこで議論をして、そして条例をつくろうという話になりました。

 この会はどういう会かといいますと、交通を切り口として人が主役のまちづくりを考え、商業者、交通事業者、消費者、商店街など、さまざまな角度から福岡の町を検討することを活動の目的として、そして、みんなで条例をつくろうじゃないかと。二〇〇七年、約四年前の九月から、都合十三回にわたって、学識経験者や国や自治体、それから福祉有償運送事業者、NPOなどですね、都市プランナー、建築デザイナーなど、さまざまな方々を講師に招いて、市民に開かれた交通まちづくり基本条例制定をめざす連続講座なども開きながら条例をつくっていった。プロセスも、市民参加でやっております。

 いろいろな先進的な条例でして、その前文は、「今こそ、市民の生活交通を確保し、すべての市民に健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な移動を保障するとともに、これまでの公共交通事業者の取組を踏まえ、福岡市による「公助」を市民及び市民団体による「共助」及び「自助」並びに公共交通事業者のさらなる「努力」で補い合う仕組みづくりが求められている。」これが前文なんです。地方では既にこのような取り組みが始まっております。

 もう一例御紹介したいんですけれども、京都の京丹後市で、バスが非常に経営が苦しくなった。それで、上限二百円バスというのを自治体中心に事業者の人たちとも話し合ってつくりました。これは、市町村合併で非常に広域になった、そうすると、バスに乗ると、長距離行くと一人千円ぐらいかかっちゃう、これを上限二百円にできないかということを、これも何回も何回も、分かりやすく、使いやすい公共交通ネットワーク実現会議というのを自治体や事業者、住民も集まってつくりまして、そして上限二百円。これは回数券とかが売れて、経営的にも事業者は非常にプラスになっている。これは、住民参加でやっているから、自分たちの公共交通だという意識が生まれる。そういうプロセスも私は大事だと思っております。

 それ以外にも、先ほどNPOの事例が出ておりますけれども、これは茨城県の土浦の事例ですけれども、コミュニティーバスを走らそうと。しかし、乗ってくれる人がいないと、走らせても赤字になってしまいます。そこで、このNPOの事務局の方は、自分たちの足は自分たちで支えないと守れないと危機感を募らせて、利用者を掘り起こすために中心街で青空市やコンサートなどのイベントを開いている。公共交通を復活させることと、町でイベントを開いて町おこしにつなげていく、そういう発想でNPOが活動しているような事例もあります。

 それから、もっとしんどい町では、皆で券をあらかじめ二千円分毎月買おう、それで維持しようじゃないかというようなさまざまな努力が出てきています。

 交通基本法というのは、ひとえにこの法律をつくるというだけではなくて、いろいろな可能性があると思うんですね。そして、既に条例でも出ているし、交通基本法の早期制定をという意見書を準備している県議会もあると聞いております。ですから、私は、もちろん十分この委員会で議論をして、総合的な観点で日本を元気にしていく起爆剤にならないかなと考えています。

 さらに、住みやすい町は人が来たくなる町なんですよ。

 先日、熊本に行きました。熊本駅から阿蘇まで公共交通で行くのは非常に難しいというようなことや、新幹線が引かれるけれども、果たしてこれが町の繁栄につながるかということで、交通基本法の勉強会が熊本で開かれて、私も参加をいたしました。市長もいらっしゃいました。自民党も民主党も、超党派の議員の方もNPOも住民も皆来て、一つのフォーラムをつくって議論をいたしました。ということで、観光誘致にも非常に効果的だと考えております。

 最後に、観光における効果、例えば富山なんかは、LRTを引いて、ポートラムを引いてまちづくりをした結果、観光客が伸びているというような情報も得ているんですけれども、いかがでしょうか。

池口副大臣 今、質問にありました富山ポートラムでございますけれども、これは旧JR富山港線をLRT化したというもので、平成十八年の四月に開業をしております。

 その結果、観光との結びつきですけれども、岩瀬浜には海水浴場とか北前船回船問屋の森家というものがありまして、観光客が集まっているわけですけれども、開通前と後では、平成十四年は二十八万人でありましたけれども、平成二十年度には三十三万人ということになっております。さらに、ほかの資料でいいましては、岩瀬地区の観光客についてヒアリングをしたところ、県外客が半分、県内の人も三七%がリピーターということでございますので、来街者の定着が進んでおるということで富山市の方で発表しております。

 これらについては、まずはポートラムの整備を基軸もしくはきっかけとしまして、岩瀬地区の町並みを直したり、無電柱化をしたり、案内板の設置をしたりということを一体的に行った結果、今みたいな観光振興につながっているというふうに思っております。

辻元委員 日本を元気にする国土交通委員会にしたいと思います。

 終わります。

古賀委員長 次に、中川治君。

中川(治)委員 お昼前、あと一人でございますので、ひとつよろしくお願いします。

 辻元筆頭から堂々たる与党的質問をされました。私も、与党か野党かわからぬような質問にならないように気をつけながらやっていきたいと思っております。ひとつよろしくお願いします。

 高速道路の問題と、それから関西国際空港にかかわる法律の問題についてお聞きをしたいんですけれども、時間の関係上、忘れてはいけませんので、先に要望をしておきたいと思います。

 一つは、設計労務単価の問題と、それから入札の改善の問題でございます。

 我々も、今までずっとこの設計労務単価の問題については申し入れもしてまいりましたし、何回となく話し合いをいたしております。過去十三年間ずっと平均して下がりっ放し。デフレ脱却という今の時点で、私は、政治の意思をしっかり発揮する時期だというふうに思っております。

 お役人の皆さんは、財務省が、いや会計法が、いや予決令が、こういうことでおっしゃるんですけれども、現状は、もう政務三役の皆さんも大変よく御存じのように、日本の建設技能者、要するに建設職人の皆さんの低賃金と劣悪な環境をもう見過ごすわけにはいきません。ぜひ、このことも含めて、設計労務単価の公表がもう近づいておりますから、皆さん方に、もうこれ以上は申しません、ひとつよろしくお願いを申し上げたいということだけ申し上げたいと思います。

 もう一つは、私は前の質問で建設業法の抜本的改正に取り組んだらどうかということを提案させていただきまして、その効果があったのかどうか、馬淵大臣が退任をされる前に、建設戦略会議でしたか、基本的考え方ということを示されました。この置き土産はしっかり大事にして形にしていきたいと私たちも思っておりますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 きょうはあえて資料は提出しておりませんけれども、建設業界というのは、もともとは大体利益率五、六%というふうに言われておりましたけれども、今、それが二%ぐらいに下がってきております。しかし、資本金一千万円以下の企業については何とマイナス一・六%ということで、企業が存在できない。

 しかし、恐らくこういう中小零細企業の中にこそ、建設技能者あるいは日本の次の将来を担う若い技術者、そういう人たち、あるいは職人の皆さんがおられるんだろうと私は思っておりますので、ダンピング防止も必要ですし、地方自治体、これも地方主権の時代ですから、そう簡単に値段を下げるなということは言いにくいんだろうと思いますけれども、政府が率先してダンピング防止を行い、そして本当の意味での適正な価格でできるように、ぜひ改善をしていただきたいと思っております。

 あわせて、もう一つだけお願いを申し上げます。

 いわゆる一人親方の問題でありまして、五十万人とも百万人とも言われております。厚生労働省では転落事故死は減っているということですけれども、一人親方は一切統計に入っていない。国土交通省と厚生労働省がこの問題をどないするかということで本格的に協議に入っていただきたいということもあわせて、もうきょうは要望にとどめておきたいと思いますけれども、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 もう一つは、海上コンテナの輸送にかかわる安全輸送の法案であります。

 前議会のときには一応廃案ということになりまして、今回はとりあえず上程をする項目に入っていない。しかし、御存じのように、この間も少し陳情させていただきましたが、津川政務官の地元のところで、コンテナを運んでいたら、中で塗料がこぼれて延々二十五キロにわたって点々の跡ができた。さあ、これは一体だれの責任かということも含めて明らかにならないと、全く無権利な状態の海上コンテナ輸送の企業と運転手さんの状況が放置されたままであります。

 そしてまた、死亡事故が出るようなことがあれば、恐らくまた無謀運転による犠牲者というような話になりかねませんので、一刻も早く、大変厳しい議会運営というのはよくわかっておりますが、この法案を形にするということについての御努力をお願い申し上げたい、そんなふうに思っております。

 さて、高速道路の問題についてお聞きをしたいと思います。

 私は、二〇〇四年の夏でしたか、池口副大臣なんかもよく民主党の部門会議でやりましたけれども、二〇〇四年の夏は、高速道路民営化をどうするか、我々は、問題だ、反対だということでやっておった時期であります。私はそのときに、恐らくこの委員会、あの辺に立って五時間ぐらい何回かに分けて質問をさせていただきました。

 実は、民営化して六年たちましたけれども、そのときに明らかにしてきたことがほとんど何も改善されていないんじゃないか、あるいはさらに悪くなっているんじゃないか、現状はそんなふうに思えてなりません。

 今、高速道路の無料化の問題について抜本的に見直そうという議論があります。我が党の中でも、気楽に、確かにそうだというふうにおっしゃる方もおられます。私は、無料化のこのマニフェストを絶対変えたらいかぬというふうに申し上げるつもりはありませんけれども、その前にやはり、高速道路にかかわるさまざまな無駄遣い、本当になくなったのか。

 最近の新聞でも、いっとき減った、道路公団のときには七十四ある直轄ファミリー企業、ここに約三百数十人の役人が天下り、そして一般職員も含めれば千百五十九人の道路公団の職員が退職後天下っている、横滑りをして採用されていたということがありました。これについて、では今は一体どうなっているんだろうかということを本当にだれか真剣にきちっと調べたんだろうか。私は、今のところ調べられていないというふうに思います。

 六つの高速道路の株式会社に分かれました。そして、七十の一〇〇%子会社、それからお互いが株を持ち合いしている事実上の一〇〇%子会社が十四ぐらいあるんですか、全部で八十四ぐらいの子会社があります。この会社それぞれが、ひょっとしたらまた子会社をお持ちではないのか。このそれぞれの実態を、資料を出してほしいというふうに言いましたら、とりあえずうちの部屋では断られました。ありませんというふうに言われたんですけれども、要するに、ますます調べにくくなっている。そんなこともあります。

 それから、二〇〇四年のときには、七十四のファミリー企業でたしか千三百億円の剰余金、これは帳簿に出ている剰余金です、これをどうするんですかということを当時の北側一雄大臣にお聞きをしたら、大臣は非常に率直に答弁をいただきました。社会還元させたいというふうにおっしゃいました。しかし、北側大臣もかわられた。そして、次々かわってきて、結局、千三百億円のうち百五十億円ぐらい、二百億円か百五十億円ぐらいは社会還元しようということになっていたんですけれども、それもどうなっているか、さっぱりわからないというふうなことになっております。

 しかも、最近では、高速道路の社長さん、私は思うんですけれども、民営化されてわずか六年、まだ六年です。しかし、関西なんかでは、関経連の役員さんになってはったり、気楽なもんやなあなんて僕はほんまに思うんですけれども。さらに、我々は大手の株式会社なんだから関連会社を持っているのは当たり前だ、そこに天下るのも当たり前なんだと、道路公団のときには言えなかったことが今や堂々と言えるようになっている。もう腹が立ってしようがないわけであります。

 一体、本当に高速道路の無駄遣いというものがないんだろうか。約三兆円の売り上げがあって、そしてそのうち一兆三千数百億円が維持管理費として使われております。この中に人件費も入っております。そういうものについて本格的にきちっと調べ直すということをぜひやっていただきたい。我々のマニフェストの見直しであるとか無料化の検証ということをする前にこれが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

池口副大臣 高速道路の子会社にかかわるいろいろな課題に対して中川委員が積極的に取り組んでいるということについては、ある意味敬意を表しますし、必要なことをやっていただけるというふうに思っております。

 これで中川委員が了解をするというふうには必ずしも思っていませんけれども、現在の整理がどうなっているかといいますと、旧公団時代には、資本関係のないファミリー企業が独占的にいろいろな業務を実施したということで、そこがよくわからない、不透明であるということでの批判があった、一つの批判としてあったというふうに思います。

 この部分をどう改善したかというと、公団の民営化のときに、管理瑕疵や企業信用に直結する業務やサービスエリア業務はグループ内の連結子会社で実施をするということに改めました。連結子会社ということになれば、当然NEXCO等の会社の決算の資料に入ってくるわけですから、それで透明化が図られるし、透明化が図られている中で問題があれば、いろいろ指摘をしながら効率化できるというのが今の整理でございます。

 そういう中で、基本的には民間会社ということなので、最終的には、国土交通省は指導をする立場でございます。そういう意味で、いろいろな問題等、検証は当然必要ですが、検証されたものについては十分指導をしていきたいというふうに思っておりますので、ぜひ中川委員のお力もおかしいただきたいというふうに思っています。

中川(治)委員 確かに、前のファミリー企業のときには、取引が大半であるにもかかわらず、民間企業だということでありました。しかし、それを今度は、資本関係をはっきりさせたからいいんだということでは、要するに、これは料金も含めて国民から預かっているお金でありまして、それの無駄遣いがあるのかないのか、そこに天下りと称してどれだけの給料を、もらい過ぎていないかとか、さまざまなことをチェックすることが大事であります。

 私は、もとの社員の方が子会社に就職するのはあってもいいとは思うんですけれども、それがひょっとしたら、今でも千人以上の方々が役員でなくてもたくさんおって、そしてその人たちが本当にその会社が健全になるように機能しているのかどうか、それも含めてきちっとやらないといけないな、そんなふうに思っております。

 高速道路の問題について、私、前からずっと心配になっている。一度申し上げたことがあるかもしれませんけれども、小泉さんのときには、約四十兆円の借金を四十五年で返すんだ、二〇〇五年から二〇五〇年で四十兆円の借金を返すんだ、こういうのがあの法案の趣旨であります。もう六年がたちました。あと三十九年で約三十兆円を返すということになっております。

 率直に言いまして、これだけ厳しい財政の中で、なぜあと三十九年で三十兆円の借金を返さねばならないのか。だれが決めたのか。小泉さんが決めたときの四十五年ということも含めて、私、余り根拠がないんじゃないかと。むしろ、本当の意味で、では、高速道路、今つくったものも含めて六十年もたないのかといえば、もつんだろうと思います。そんなことも含めて、返済期間をおくらせるということもあわせて検討するということはあってもいいんじゃないか。

 これはもちろん、どの路線を最終的に無料化するとかしないとかいう総合的な判断の中で行うべきことだと思いますけれども、ぜひこの件についても御検討いただきたいということだけ、ちょっと時間がありませんから御答弁は結構ですけれども、我々も検討してみたいと思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 さて、関西国際空港の件であります。

 率直に言いまして、私は、両空港の運営を一体化するということについては賛成だというふうにこの間も申し上げました。しかし、コンセッションにかけるということについては断腸の思いだ、苦渋の決断で賛成をせざるを得ない。

 地元の泉州で、実は、この泉州に空港をつくるというふうに初めて発表されたのは一九七四年です。私が初めて地元の和泉市というところに住みついたのもこの年でございまして、当時二十四歳だった男が還暦の六十歳になるまで三十六年間、関空の問題を、一市民として、あるいは住民運動として、府会議員として、国会議員として、ずっと見てまいりましたので、苦渋の選択だということだけひとつ御理解をいただきたいと思います。

 ただ、この苦渋の選択というのは、大阪泉州にとっては今回が四回目なんです。

 最初の選択というのは、要するに、日本では一九七〇年前後、若い方々もたくさんおられると思いますから御存じないと思いますけれども、日本は空港がない。今みたいに九十九もありません。どこにも空港がなくて、日本の空港が要るじゃないか、それで成田につくろうと。ところが、成田ではもう反対運動が起こって、警察官と市民団体の間で双方に死者が出るというふうなことがあって、そして関西でも、大阪空港で公害裁判、もう空港は出ていってくれということで、周辺市がみんな決議を上げて、裁判でも国は負けて、そして撤去すべきだというふうになったのが一九七〇年前後でございます。

 それでも空港が要るじゃないかということで、関西では、恐らくあのころは亡くなった玉置和郎先生が一生懸命場所を探されたんですけれども、結局、どこにもつくる場所がない。では海上空港をつくろうということになったのがこの始まりであります。

 まず、神戸と兵庫が断らはりました。絶対だめだということでこちらに来たわけであります。私たち地元は堺市から岬町まで九市四町ありましたけれども、全議会が三回も、頼むから空港なんかつくらぬでおいてくれ、あんなものをつくられたら迷惑やということで始まって、それでも国のためにつくらせてやってくれということで、そのときの約束は、公害もない、そして騒音もない、世界一の環境型の理想空港をつくるから、海上につくるからつくらせてくれというのが約束で、我々も、これならしようがないな、もう反対できないなということで、これが一九八二年、空港を受け入れるという決断のときでございました。

 ところが、こういう愚痴をこぼしていたらだめなんですけれども、受け入れたのは七月なんですけれども、十月に中曽根内閣ができました。国鉄民営化ということをなされて、それに勢いづいたのか、翌年、中曽根さんは、関西国際空港民営化、株式会社でつくりたいと。突然、それまでは、公団でつくります、あらゆることを国がバックアップしますから、お願いですからつくらせてくださいと言っていたのが、急に手の平を返さはりまして、地元も金を出せ、株式会社やから、物を言いたかったら出資せぬかいということで、大阪府と、大阪の地元と財界は七百七十一億円ずつ、渋々、しようがないから出そうということになりました。これが二回目の口惜しさ。それでも、もういかにゃしようがないというふうになりました。

 それからその次は、一九九六年だったと思います。二本目の滑走路のときです。あの滑走路が要らなかったんやと言う人、案外多いんですけれども、大阪空港の最高の離発着便は恐らく十四万回だったと思います。しかし、その後、関空ができて、関空で最高にいったのは恐らく十四万回ぐらい、大阪空港も十二、三万回、合計足したら二十数万回の離発着があるわけですから、そういう意味では、もう飽和状態になるかもしれないというふうな状態の中で二本目の滑走路ということになりました。

 そのときにまた上下分離方式という問題が起こりまして、さらに自治体で金を出せ、地元の経済団体もお金を負担せいと。結局、そのときに、二期工事のためにさらに関西の自治体が負担をした総額は二千九十億円でしたか、そして自治体が三百数十億円。要するに、一期と二期を合わせて約四千億円近いお金を負担しているということになっているわけであります。

 私、そのときは府議会議員でしたから、何が腹が立ったかといって、羽田の第三期の三本目の滑走路です。東京のごみの島を東京都から国は三千億円で買い取ったんです。しかし、地元では、空港が欲しかったら金を出せというふうに言われたのでありまして、これが三回目の断腸の思い、苦渋の選択だった。

 今回は、そうして大事に育ててきた関空は、だれがどんな形で今後運営をされるかよくわからないというふうな形のコンセッションにかけられるかもしれないということについては、私は大変心配をいたしております。

 これについては、また法案が出てきたときにきちっとなされるんだろうと思いますけれども、ぜひこういうことも踏まえて、新しい経営を、国が一〇〇%の出資をし、コンセッションで借り手がつくかどうかはわかりませんけれども、その新しい会社の社長は、今までのような形で、国一〇〇%ですから国の方がいらっしゃる、もうこれはぜひやめていただきたいというふうに思っております。

 国から来られた方は、こんなことを言うたら怒られるかもしれません、これは私の完全な予断と偏見ですが、大体航空局、地方回りで出されるときには、羽田へ行った人は出世コース、その次は成田、関空なんかへ飛ばされたら島流し、もうやる気が全然ないんです。

 そういうことで、我々は、国からの出向社員をとりあえずできるだけ減らせと。もう今は物すごい減りました、民間の方をたくさん入れて入れかえましたから。大阪府の職員も、やる気のないやつは帰れということで、大分減らしました。

 いい体制で初めて運営ができかけているところですから、この形をしっかりと守っていけるような運営をやっていただきたい。コンセッションで新しい経営者が来ても、銭さえもうかったらええんやというふうな、そんな経営者であれば御免であります。

 関西地域、関空の周辺というのは、日本で十三の世界遺産がありますけれども、石見銀山も入れれば六つがあるんです。日本じゅうの国宝の六割は関西にあるんです。重要文化財の五割も関西にあるんです。こういうものをしっかりと生かしていけるような、新しい観光開発に真剣に協力してくれるような新しい航空会社の社長を我々は望んでおります。

 ぜひそういう趣旨を踏まえたこれからの取り組みだけお願い申し上げたいということで、一点、何か感想なり決意なりがありましたら、ひとつよろしく。

三井副大臣 中川委員は、今お話ありましたように、三十数年間関空にかかわってきたわけでございますけれども、本当に、これまでの御苦労、そしてまた御尽力されたことに敬意を表したいと同時に、地元の皆さんからさまざまな議論があったわけでございますけれども、まさに今委員がおっしゃるように、コンセッションについては、やはり地元の皆さん、あるいは経済に精通した、そして将来的にオール関空で考えられる、そしてまた国際競争にも打ちかつような人材がやはり必要だと私も思っております。

 いずれにしましても、これまでの経過の中で一・三兆円という借金が現実にあるわけですから、この返済をしていく上でも、しっかりしたバランスシートを築いていく、そういう中ではやはり経営統合が必要だろうということで、先ほど中川委員からもおっしゃっていただきました。私たちも法案の提出を予定しておりますので、ぜひとも中川委員にまた御尽力を賜りたいと心からお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。

中川(治)委員 海上五キロに関西国際空港はあります。今から考えたら、三キロにしておいたらよかったなと。しかし、当時の能力というのは、八十五デシベルを下回るためには海上沖五キロでなかったらだめだったんです。しかし、それからもっといい飛行機が、騒音の少ない飛行機が出ていますから、ひょっとしたら三キロ沖でもよかったかもわからぬし、堺沖でもよかったかもしれないんです。しかし、それは後の祭りで、こんなことであの空港はおかしいと言われると、本当に片腹痛いんですね。

 私は、新政権の最初の事業仕分けにこの関西国際空港の補給金がまないたにのせられた、これを本当に腹立たしく思いました、何を考えておるんやと。要するに、東京周辺の人たちの、この事情を全く知らない人たちが、関空の経営だけを見て、この補給金、無駄だからぶち切ってしまおうか、あるいは、なくすための方向がなかったらこんな金出さないよと平気で言えるような体制であの事業仕分けのまないたにのったこと自体が、私は悪く勘ぐるタイプでございますから、これは絶対財務省の陰謀やというふうに思いました。

 コンセッションも、ひょっとしたら、恐らく財務省が、これから羽田の工事が終わる、そして空港整備も一段落する、この空港特会をあの関空につぎ込まれたのではたまらぬ、だからそれ以外の方法を何とかつくってしまえということではないかなといまだに思っておりまして、そうならないように、皆さん方と一緒に守るべきものはしっかりと守り、発展させるものを発展させるということでやっていきたいと思いますので、これからも言いたい放題申し上げますが、ひとつよろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

古賀委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時二分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時二十分開議

古賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。穀田恵二君。

穀田委員 きょうは、日航の問題について再び質問します。

 さきの予算委員会で、私は、日航の不当解雇、人減らし先にありきということで始められたリストラが絶対安全というものを脅かしている現場の実態について質問しました。それを受けて大臣は、日航と全日空の社長に絶対安全を守るように要請し、立入検査の実施などについて決断しました。

 日航社長からの回答は来たのか、そして立入検査の結果はどうだったのか、これについて御報告いただきたいと思います。

大畠国務大臣 穀田議員の御質問にお答えを申し上げます。

 ただいま御指摘をいただきましたように、さきの予算委員会におきまして、志位委員長並びに穀田議員から空の安全に関する御質問を賜りました。私自身も、その予算委員会の中でお答えをさせていただきましたが、国土交通省として、飛行機も、それから鉄道も、安全というものが大前提のものであろうということから、御指摘をいただきましたように、整理解雇等々で空の安全が確保されているかどうか、こういう視点で、二月の十八日に日本航空の大西社長並びに全日空の伊東社長をお呼びして、空における絶対安全の確立というものを改めて要請し、御指摘をいただいた幾つかの点、私の方では全部で七点ほど指摘をさせていただきました。

 これについて、それぞれの会社で、これは日本航空についての御指摘でございましたが、全日空においてもこのような観点で点検をしてほしいという要請をいたしまして、それぞれ回答を求めるということにいたしました。まだその回答はいただいておりませんが、今、各社でそれについて点検をし、回答をいただけるものと思います。

 なお、立入検査のお話がございました。

 この立入検査のことにつきましても、現在、二月の二十三日から三月の三十一日までを一つのめどとして、日本航空に対する立入検査を実施中でございます。まだその結論は私のところには届いておりません。

穀田委員 取り組みの状況はわかりました。

 それで、私が質問して後も、安全を脅かす事実、実態が現場から寄せられています。

 そこで、資料をお渡ししていますが、その三を見ていただきたいと思います。それには、相次ぐトラブル発生に、会社側も「イレギュラーの連鎖を断ち切ろう!」と通達を出しています。二月十八日付、JAL運航乗員部長の通達であります。

 国交省は、会社からこの通達の報告を受けているでしょうか。もらっていますか。その点についてお答えいただきたいと思います。

本田政府参考人 きょう御指摘の社内通達は、文字どおり社内での通達でございまして、日本航空から特段の報告は受けておりません。

穀田委員 特段の報告は受けていないと。私は、会社側が出している、安全にかかわるこういう情報はきちんとつかむようにすべきだと思うんですね。私どもが労働者の側にお話を聞いてみますと、組合の側からこういった資料については国交省にはお届けしたという報告を私は聞いております、局長のところに行っていたかどうかは知りませんけれども。

 そこで、その次のページを見ていただくと、資料三の次、上からいいますと五枚目ですね。それは二月十四日から二十四日までという限定つきの掲示ですけれども、「揺るぎ無い安全運航のためにまず強く思うこと。「連鎖を断ち切る!」」こういうふうに職場で掲示されているわけです。

 そして、そこでもう一度、その前の方のページを見ていただければわかりますが、実は、イレギュラーの連鎖を断ち切ろうということで、どういう例があるかということを一から十まで書いているわけですね。いろいろな用語があるから、そう簡単には私ども、言われてもなかなかすぐわからないんですけれども、皆さんからお聞きすると、例えば対地、陸に対して接近し過ぎただとか方向を間違っただとか、いろいろありますよ。そういうものが書かれてあって、特に十番目を見ていただきたいんですけれども、これは二月十日、一〇フェブラリー二〇一一と書いていますから、ことしの二月十日だということはおわかりいただけると思うんですね。その発生した成田発ホノルル行きの便ですが、突然風向きが変わって飛行機が揺れ、乗客三人と客室乗務員一名が負傷した事例です。

 事故として今アメリカの事故調査委員会が調査中でありますけれども、これらの十件は報告されているでしょうか。

本田政府参考人 ここに記載しておられます十件は、いずれもイレギュラー運航あるいは今のお話の航空事故等に該当するということから、個別事案については、発生の都度、日本航空から報告を受け、私どもとしては、同社に対しまして、その要因の分析とともに適切な対策を講ずるよう指導をしております。

 なお、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、現在、日本航空に対して立入検査、安全監査を実施しておりますが、この十件に対しての対策の実施状況についても報告を求めるよう対応しております。

穀田委員 今、報告を求めるとありましたし、この立入検査、監査の中で、これら一つ一つの事象についてもしっかり点検してもらうというのは当然だと思うんです。

 私がつかんでいますのは、これらのほかにも、客室乗務員が立ったまま着陸したケースなど、不安全事例が相次いでいると言われています。職場ではこんな声が出されているということであります。

 会社更生法が適用された一年前は、イレギュラーも少なく、お客様も再建頑張れと優しかったのですが、現在は事業改善命令が出されたときとほとんど状況が一緒です。機材故障が多く、一度イレギュラーが発生すると、機材変更等の判断が遅く、セクションごとのコミュニケーションがとれず、お客様に多大な御迷惑をおかけしています。五年前、事業改善命令が出されたとき、機材故障を初め不安全事例が多発してJALの信頼は一気に崩れました。現在の状況はあのときの再来と感じています。大きなインシデントが起きるのではないかとかなりの危機感があります。シニアの方が大量にいなくなり、安全について指摘する人も少なくなっており、不安全事例が起きているのではないでしょうか。精神論だけでなく、キャリアを重んじた格付の是正など、早急な対策が必要だと感じています。

 こういうふうに声が出されています。

 実態は、本当に深刻だと私は思うんです。私は、これから検査に入る際には、一つは、経営者や管理職から話を聞くだけでは実態はわからない、これは、大臣はよく、現場のことということで、何が起こっているかということだとか、仕事をやっている現場が大事だということを常々おっしゃっていますから、そのこととかかわっているわけですが、実際に仕事に携わっている現場の労働者の声を聞く必要がある、ここがどうしても、今ほど大事なときはないと考えていることが一つ。

 二つ目は、これまでも指摘したわけですが、現場では物言えぬ雰囲気がある、こういうことも配慮する必要があると思います。なぜこんなことを言っているかといいますと、ベテランなどがいなくなって技術や経験を聞きたくても聞けない、一方、ミスすれば成績に影響する。

 こんな事例まで出ています。器具を壊したという報告ではなくて、使おうと思ったら壊れていた。自分が壊した場合には当然それは報告というわけですけれども、使おうと思ったら壊れていたという発見がふえている。つまり、後でそれがわかってくるということがふえているということを現場では言われています。

 したがって、こういう事例、状況を踏まえて、大臣が言うところの絶対安全確保のために、国交省は気を抜かずに監視、監督すべきではないかと思っていますが、いかがですか。

大畠国務大臣 ただいまの御指摘でございますが、一つには、現場の声を聞くことが大事だと。それから、何となく物言えぬ雰囲気が強まっているんじゃないかという御指摘でございますが、基本的に、御指摘のように、私は、現場のことは現場の人が一番よく存じ上げておられるんだろうと思いますし、現場を把握しないで安全というのは確保できないだろうと、私も同じような考えであります。

 したがいまして、今の御指摘等を踏まえて、航空会社に立入検査を今行っているところでありますが、この立入検査時に、管理職だけでなく、現場で実際に業務に従事している担当者の方から実情を直接聞く、こういうことが非常に大事だと思います。したがって、そのような形で立入検査が行われるように指示をしたいと思います。

穀田委員 指示を徹底するようにお願いしたい。本田さんからありましたけれども、こういう通達は知らない、こう言うんですけれども、安全にかかわる通達なんかが私のところには入るんだが、大臣のところや局長のところはわからない。こういう現状では、それは一議員がしこしこ走り回って皆さんから要望を聞いて、どうなっていると実態を聞けば出てくる、大臣のところにこういうものさえも届かないというのでは、それはあきませんで、ほんまに。したがって、今の言葉どおりを信じて、きちんと貫徹していただきたいと思っています。

 先ほど述べたように、現場の声で言いましたように、やはり例の五年前の事業改善命令が出たときと雰囲気が似ているという、この感覚を私は大事にせなあかんと思うんですね。現場で働いている人たちが不安に思っているということ、特に大きなインシデントが起きるんじゃないかとかなりの危機感と指摘していることは重く受けとめる必要があると思います。

 次に、日航の更生計画の進捗状況についてお聞きしたいと思っています。支援機構の方に聞きます。

 日航が裁判所の管理から抜け出し、自主再建に踏み出すとした今年三月末がもうすぐ来ます。更生計画の進捗状況はどうなっているか、確認したいと思います。まず、財務状況はどうなっているか、営業利益や出資、リファイナンスなど、当初の計画に比べてどうか、端的にお答えいただきたいと思います。

水留参考人 支援機構の水留でございます。今の御質問にお答えを申し上げます。

 まず、利益でございますが、昨年の四月から本年一月までで累積をいたしました連結での営業利益は、約千六百五十億円を超える見込みでございます。今後、今年三月の期末までの見通しとして、二月、三月で黒字を今見通してございますので、恐らく千七百億円を超える水準の営業利益が本年度末には計上できるというふうに今計画をしているところでございます。

 また、出資に関しましては、更生計画案の認可を受けまして、昨年十二月一日に支援機構が三千五百億円の出資を完了いたしております。

 以上です。

穀田委員 今あったように、利益は相当出そうだということですね。数字を見ましても、連結営業利益は千六百五十億円ないしは千七百億円となるだろうということでよろしいね。簡単に言うと、計画の二・五倍以上に上るということですね。

 そこで、皆さんのところにお渡しした資料、それを見ていてほしいんですけれども、この千六百五十億円というのは、二〇一〇年三月期決算で見ますと、上場企業の四千社中二十位に当たるんですね。トヨタは千四百七十五億円で二十三位、三菱地所は千四百九十億円で二十二位、これの上を行く。運輸関係でいうならば、JR東でいいますと三千四百四十八億円、JR東海は二千九百三十五億円、これに次ぐ、けた違いの利益を上げていることになる。連結営業利益の千六百五十億円というのは、全日空の七百億円を一千億円も上回っていることになる。だから、どれほどすごいことか、千六百五十億円の意味がわかると思います。

 そこで、資料を見ていただきたいと思うんですが、一の「更生計画案の概要」というものを見ていただきます。そうすると、真ん中に「初年度営業黒字の達成」ということに目標があります。営業利益の目標は二〇一一年三月期六百四十一億円、そして一二年三月期七百五十七億円、一三年三月期千百七十五億円、何と一三年三月期の目標までとっくに超えている。

 今度は、資料二というところに表がありますから、見ていただくとわかりますが、利益がなかなか出ていなかったので売り上げがこのとおりだったんですが、ずっと利益が出ていなかったということがおわかりいただけると思います。

 そこで、一〇年八月までは毎月、売り上げも営業利益も右肩上がりというのがわかりますよね。資料二のところで見たらおわかりいただけます。三ページというところに書いていますよね、下に。そこに白いグラフの棒があって、ずっとふえているというのがわかると思います。ただ、売り上げも営業利益も右肩上がりだったが、それ以後は下がってきているけれども、ずっと黒字だと。これほどの利益がなぜ上げられたのか。結局、営業費用が大幅に減少したことが要因だと思うけれども、何を削ったのかということを言ってください。

水留参考人 お答えいたします。

 赤字体質からなぜ大きな黒字が生まれてきたのかというところの御質問として理解を申し上げましたが、まず、本年の営業利益に関しましては、更生会社特有の要素が含まれているということを御説明申し上げたいと思います。

 それは、財産評定という形で、会社が持っている資産の価値の洗いがえというものをしております。その結果として、減価償却費として、コストとして認識される部分が大きく減っている、要は、コストがその部分で減っている、もしくは、年金等々の債務の一括認識をした影響で、毎月毎月に今認識をすべき債務というものが減っているというような効果もあって、更生計画としての要素として、七百億円ぐらいの底上げといいますか、更生要素が加味されているということは御理解をいただきたいと思います。

 それに加えて、では、何が変わったかといいますと、まず、燃油費もしくはそういう部分でありまして、昨年よりもドルベースでの燃油費は上がっておりますが、円高の要素等もありまして、また昨年は大きくヘッジをしている中でヘッジ損を出していたという要素がありまして、今年度はそこが大きく改善したことも含めて、数百億規模の改善要素というのが見込まれます。それを足し上げるだけでも一千億を超える利益の改善要素があるということを御理解いただきたいと思います。

 また、それ以外には、もちろん人件費、さまざまな委託費等のコスト、そういう自助努力の積み上げで現在の営業利益が生み出されているというふうにお考えいただきたいと思います。

穀田委員 では、聞きますが、人件費は幾ら削ったんですか。

水留参考人 具体的に細かい数字を申し上げることはできませんが、規模感で申し上げますと、昨年の一年間に対してことしの一年間、人数で減った部分、もしくは単価、一人当たりの人件費で減った部分を足しますと、五百億円を超える金額規模で減少しております。

穀田委員 だから、まさに人員を削減したことによって生まれたのが五百億だ、簡単に割り切って言うと。まあ、それ以上もあるんでしょうけれども。

 そこで、先ほど言いました左側の欄のところを見ていただきたいんですけれども、資料の一ページ目「更生計画案の概要」の一番左の欄ですね、「徹底した固定費の削減」ということで、一〇年三月末の段階でグループ四万八千七百十四名から、一一年三月末三万二千六百人ということにする。わずか一年の間で三分の一の一万六千人も減らすという計画であって、実際に減らしてきているんですね。

 ですから、結果、今何人減らしてきたのか、そしてグループ全体では何人減らして、運航乗務員は、さらには客室乗務員はそれぞれ何ぼ減らしたのかというのを教えてください。

水留参考人 まず、人員の削減に対する現状の状況としては、御指摘のとおり約一万六千人の削減を更生計画で計画しておったわけですけれども、現状としてはその人数の削減をもう満たしております。要は、一万六千人規模の削減が終わっております。

 その内訳としまして、質問に直接お答えする形ではありませんが、JALインターナショナル、日本航空インターナショナルの社員として、特別早期退職、もしくは今般整理解雇ということもありましたけれども、そういう形でおやめいただいた数が約六千五百名強でございます。それ以外に、連結子会社を連結外、要は子会社を売却したということで、連結の対象人数から外れるという効果が生まれますので、それで削減として効果を及ぼすのが五千人強。それ以外の約五千名ぐらいに関しましては、定年を迎えられる方、もしくは契約の期間を満了される方、自然減と言うとおかしいかもしれませんが、そういう形でおやめいただいているという形になります。

穀田委員 もう一回聞きますけれども、運航乗務員と客室乗務員の数字は出せますか。

水留参考人 先ほどのJALインターの中から減らした人数の内数として、運航乗務員が約千名、客室乗務員が約三千名規模で減らしております。

穀田委員 これがどれほどの意味があるかということで、相当減らしていて、希望退職を募ったわ、その後先ほど整理解雇というのもありましたけれども、その間には、私何回も質問してきましたけれども、人権侵害の退職強要をやる、さらには組合のスト権に介入する不当労働行為をやる、今度、あげくの果てに、今裁判で争われている不当な整理解雇を強行した、こういう流れがあったわけですよね。私は、そういう点でいうと、一気に急激な削減がどんな事態をもたらしたかというのをこの間の予算委員会で明らかにしたところであります。

 それで、では、安全を確保するための取り組みはどうかということについて聞きます。

 もう一度お見せしますけれども、資料一のところに、これは一番下の欄にこう書いていますよね。「安全運航確保」ということを書いていまして、更生計画の中で「計画の実行にあたり安全への配慮が疎かにならないよう、経営陣と現場一体のコミュニケーションを密に図り、適切なマネジメントを通じて安全運航体制を堅持」と位置づけられています。

 管財人である企業再生支援機構の目的や再生支援業務の中に、安全確保について明記されていますか。

水留参考人 機構法においては、さまざまな業種の企業を再生支援するということを前提に法として表記されているものというふうに理解されておりまして、その中に安全という具体的な言葉が入っているかといいますと、入っておりません。

穀田委員 入っていないと。

 では、毎月裁判所に提出する月間報告に、安全の取り組みについて報告していることはありますか。

水留参考人 我々が管財人として日本航空を支援するに当たりましては、安全運航、安全への取り組みというのは大前提としての取り組みというふうに我々は理解してございますので、また、裁判所もそのように御理解されているのではないかと思いますので、月々の報告の中にあえて何か、イレギュラー的な事象があれば当然記述しないといけないと思いますが、これまでそういったことがあったという認識はございませんので、特に記述をしているところはございません。

穀田委員 いろいろ言ったけれども、報告には記載がないと。ところが、あなた方、報告に記載がないと言うんだが、こういうのだけはちゃんと報告しているんだよね。

 私がこの間、二月の十七日に問題にした、絶対安全という哲学がない、これが欠けていると言ったことを既にお聞き及びかと思います。そのときに、今日の新しい会長のもとでJALフィロソフィとして書かれてあると。そこには、後ろの方に安全のことについてちょこちょこっと書いているけれども、大きな二つの柱には書いていないということを私は指摘しました。

 しかし、そこではこう言っているんですね。一年目の本年一月十九日に、普遍的な経営の目的、経営の基本をJALグループ企業理念として制定をした、考え方を変えるに当たっての共通価値基準をJALフィロソフィとして定めたと。こういうことだけはちゃんと書くんですよね。では、これはいつ出したか。これは二月の二十八日なんですね。私が問題提起したのは二月の十七日なんですよ。だから、余り関心を持っていない、国会での議論は関心ないといえばそれまでかもしれないけれども、そういう安全を削ったという問題について指摘した内容については、書いているんだが、そういうものについては触れない、これがここの報告書だということは指摘しておきたいと思うんです。

 今、現実の月間の取り組みについて、月間報告については言いましたけれども、そこで、それは再建に当たって安全運航が最優先されるべきというのは大臣も認めていることであります。だが、実際に再建に当たっている支援機構の目的、業務には、先ほどるるありましたが、交通運輸企業であっても安全を優先するような配慮すべき規定はない、裁判所にも安全運航の取り組みについては報告がない。

 したがって、皆さんにお示ししたこういう更生計画、これが私どもは全部いいなんてとても思っていませんけれども、そういうわざわざ指摘して柱としている内容の中であっても、この間の管財人の再建過程での安全運航についての具体的な取り組みが見られないと私は思います。安全運航が大前提なのは、それは当たり前なんです。そういう中で、どうも財務面で人件費の削減だけを優先させているんじゃないかと言われても仕方がないと思うんですね。

 そこで、副大臣、大臣がおられないので、副大臣にお聞きしたい。ゆっくり言います。

 絶対安全、これは私がこの間改めて提起しまして、それで大臣も絶対安全ということで今臨もうということは言ったわけですよね。その絶対安全を必要とする公共の交通機関を再建させるためには、管財人自身がもっと安全が最優先の課題であると認識しなければいけないのと違うかと私は思うんですが、副大臣の見解をこの際聞いておきます。

三井副大臣 穀田委員が御指摘のとおりでございまして、当然これまでも、議論の中でも、安全運航というのはもう不可欠のものでございます。

 それで、今御質問ありましたように、日本航空におきましても、この更生計画に盛り込まれました施策を確実に実行していく、また目標とされる業績を達成することが当然重要であると考えておりますし、国土交通省とすれば、当然しっかりとした指導監督を行っていく方針でございます。

 以上です。

穀田委員 私、更生計画案の概要の資料を出しました。ほかの、真ん中の方は随分やられているんですよ。それで、こっちの方になるとさっぱり報告がないというのだけは、副大臣、わかっていてほしいと思うんです。

 政府に、この再建の基本方針について改めて聞いておきたいと思うんです。

 企業再生支援機構というのは政府が半分出資する公的機関であります。そして、政府保証のついた資金を使うことができる。それを活用して、今回、日航再建に三千五百億円を使ったわけですよね。いわゆる公的資金の投入と言われています。では、なぜ公的資金を投入するのか、改めて基本問題についてお答えいただきたいと思います。

本田政府参考人 改めてということでありますが、日本航空は、御案内のとおり、日本の国内あるいは日本と世界を結ぶ大変重要な交通サービスを提供しております。このサービスを継続していくためにこうした措置がとられたものと理解しております。

穀田委員 余り準備がないようで。運航を継続させるということですわね。

 問題は、今度の再建というのは、運航をさせながらというのが大事なポイントなんでしょう。だから、当然、安全運航が大前提というのは、それは何回もみんな言うんですよ。ということは、公的資金というのは安全運航のために投入されたということで、我々国民の税金を含めて使っているというのはそういう意味だなということでよろしいね。

本田政府参考人 運航の継続にとって安全は大前提だと考えております。

穀田委員 だから、当然そのために、安全のために入れているんだということですね。

 そうすると、公的資金を投入しているために整理解雇はやむを得ないというような意見もありますけれども、それは間違っていると思うのですね。今、局長もおっしゃったように、安全運航を大前提にして公的資金を投入しているわけでありますし、その安全を支えるのが労働者なんですね。

 大体、企業再生支援機構というのは、雇用の安定等に配慮するということを目的にしているんですよ。そして、雇用に配慮することを強化するために厚生労働大臣を主務大臣に加えたという経過があるわけですよね。だから、そういう意味からいっても、整理解雇というのが公的資金を入れた趣旨とは相入れないということを考え方の根本に我々は据えなきゃならぬと思っています。

 稲盛さんは、この間の質問で私も強調しましたけれども、日本記者クラブでの講演で、「(被解雇者)百六十人を残すことが経営上不可能かといえばそうでないのは皆さんもおわかりになると思います、私もそう思います。」こう言った後で、今回はこの後が問題ですから、「しかし、一度約束をし、裁判所も債権者も、みんなが大変な犠牲を払って、これならよろしいと認めたことを、一年もたたないうちにほごにしてしまう。今までJAL経営者というのは、すべてそうやってほごにしてきたと。そのために、信用ならないんだと言われ続けてきたと。」中略しまして、「一度(再生計画が)認められたものをやめるわけにはいかない。」と述べた。

 要するに、整理解雇は銀行などとの約束だと言っているようだけれども、銀行などが本当にそう言っているんですか。

水留参考人 あくまでも更生計画案の中で認可された更生計画でありますけれども、約束もしくは記述をしましたのは、まず、運航に必要な人員規模への適正なスリム化を行うということと、それを具体的にどれぐらいの人数規模で行うかということが更生計画には記されています。また、それに対して債権者の方々の同意をいただいているというふうになっております。それを守っていこうというのが趣旨でございます。

穀田委員 あなた方が言っている趣旨はそうですけれども、彼が言っているのはそうじゃないんですよね、整理解雇の問題について発言しているわけですから。

 聞いているのは、その計画の確実な実施の中に、整理解雇をしろということを言っているのかと。もう一度聞きます。

水留参考人 個別具体的に整理解雇に対して要望をお聞きしたこともありませんし、先方からそのことについて何かコメントをいただいたこともありません。

穀田委員 だから、そういう約束はないということなんですよ。相手から言われたということはないんですよ。

 だから、こういう形で、百六十人を残すことが不可能かといえばそうでないというのはわかると思う、しかし一度約束をしたからやらざるを得ないんだ、こう聞いたらだれだって、整理解雇を約束しているのか、銀行に言われておどされているのか、こういうふうに思いませんか。そうじゃないということなんですよ。だから、管財人が労働者を退職に追い込むためにおどしに使った、まさにいわゆる方便と言わざるを得ないわけです。

 大体、十一月三十日に更生計画案を認定し、債権放棄もリファイナンスも決定しているのに、その後に整理解雇をしているわけですから、理屈も何もあったものじゃないということを私は言いたい。更生計画にあるのは、今お話があったように従業員数の規模縮小であって、整理解雇することまではやっていないわけでして、約束していないものをほごにするということはできないわけで、まさにとんちんかんな話でしかないということを言っておきたいと思います。

 ですから、改めてもう一度言いますと、百六十人を残すことが経営上不可能かといえばそうでないのは皆さんもおわかりになると思います、私もそう思いますと稲盛さんが認めたとおり、整理解雇の必要性は全くないということを改めて強調しておきたいと思います。

 最後に、副大臣に聞きます。

 日航が真の再建をできるかどうかというのは、今後も事故を起こさずに絶対安全のもとで収益を維持できるかどうかだと思うんですね。航空業界の事業環境を見ていますと、羽田や成田空港の発着枠拡大だとか、オープンスカイとか、LCCの参入など、競争激化は強まるでしょう。こういう中で、事業縮小や後ろ向きの経営方針で真の再建ができるかどうかは疑問です。他社が事業拡張方針を打ち出している中で、事業縮小方針がプラスに影響するとはなかなか考えにくい。これは客観的な問題であって、私どもの考えで言っているんじゃなくて、それはそう思うんだと。

 そこで、企業イメージの低下による顧客離れというのは最大の懸念材料なわけであります。だから、絶対安全を国交大臣が要請するなど安全性への懸念、整理解雇や子会社を丸ごとつぶして全員解雇するなど異常な人減らし、こうしたやり方がリスクとなっていることを自覚すべきなんです。真の再建を果たす上でも、私はこの方針を転換する必要があると考えます。

 ここからもう一度聞きますけれども、必要な事業と人材の確保を前向きに考えて、職場の労働者のモチベーション向上を図ることが大事だ。裁判をやっているうちは新規採用もできない。正常な事業計画に基づく再建こそ必要なんです。したがって、そのために解雇撤回を指導すべきだというふうに考えます。大臣がおられませんので、三井副大臣に最後にお聞きしておきたいと思います。

三井副大臣 穀田委員のおっしゃるとおりでございまして、確かに、これから再生するためには、先ほど立入検査等もございましたけれども、まさにそういう中で、本当に皆さんが、働く従業員の方が本当に真剣になって、労使一体になってやるということが私は重要だと思っておりますし、そういう中で、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、日本航空の確実な再生のためには、やはり安全運航というのは大前提になるわけですから、更生計画案に盛り込まれました施策を確実に実行していくということが必要だと思っております。

 繰り返しになりますけれども、いずれにしましても、しっかりとした指導監督をしていくということを国土交通省としても取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。

穀田委員 絶対安全というものを確保しようと思うと、やはり人材、労働者のモチベーション、これがなけりゃだめだ、それを阻害する事態が急速な首切りによって起こっているじゃないかということをこの間から言っているわけですよ。そういう方針だと真の再建につながらないと。真の再建というのは、安全性と公共性を本当にいかに守っていくかということが最大のポイントだ。その最大のポイントの軸をなしているのは、やはりそういう整理解雇なんかやっておったんじゃできないぞということを言っているわけです。そこを今後また引き続いて議論していきたいと思います。

古賀委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後三時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時開議

古賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 本日は大臣所信に対する質疑ということで、大畠大臣に初めて質問をさせていただきますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

 まず、これはちょっと通告にないんですが、朝からの質疑をずっと聞いておりまして、自民党の赤澤委員の質問のところでコンクリートから人への話が出ました。そのときに大臣が、真に必要な社会資本整備というふうにおっしゃられて、そういうものはちゃんとやっていかなきゃいけないと。この真に必要な社会資本整備というのはどういうものなのかというのをまずお伺いしたいと思うんです。

大畠国務大臣 その御指摘でございますが、私が考えておりますのは、私たちが生活をしている、こういう社会の中で、町の中で生活する場合には、当然ながら、毎日通る道路ですとか、あるいはその道路と道路をつなぐ橋ですとか、あるいはまた子供たちが通う学校、それから、当然ながら、万が一火事等が発生した場合には消防署というのも一つの大事なものだし、あるいはまた警察や役場というのも大事であります。

 当然、そういう私たちが生活をする上で必要な社会資本というものは劣化してくるわけでありまして、そういうものが日本も戦後大分整ってまいりましたけれども、そういう劣化というものに対する対応というのはまだまだ不十分と私も考えておりまして、そういうものは年代とともに強度等も弱くなりますから、いついつこれは取りかえなければならない、こういうことが見えてくるわけであります。

 そういうものをきちっと計画的に改修を進める、それも必要でありますし、きょうもいろいろ御指摘いただきました道路等でも、一部未開通ということでは経済的な効果というものを十分発揮することはできませんから、そういうところを建設していく。トータル的に地域経済に大きく寄与する、そういうところを見定めていくというのが、私は、国民の求める必要という形での社会資本だと考えております。

高木(陽)委員 今の大臣のお話、私も同感なんですね。

 そう考えますと、今、未開通の道路だとかありましたね。例えば首都圏、東京でいえば、三環状道路がまだ完全にできていません。圏央道、外環、そして中央環状と、それぞれやっていますけれども、外環などはずっととまっちゃったわけですね。こういったものを優先的にやるべきであろう。

 さらには、劣化をしてくるというお話がありました。例えば橋梁などは、国交省の方も調べていると思うんですが、耐震化の問題を含めまして、直さなければいけないものだとか、そういったものがかなりたくさんあるはずなんです。税金は限られておりますから一遍にはできないけれども、それを計画的にやらなきゃいけない。

 そんな中で、きょうの質問の本題に入りたいと思うんですけれども、高速道路の料金の問題ですね。

 高速道の料金の無料化については、民主党のマニフェストということで、なかなかそれをおろすわけにはいかないというお立場はあるんですけれども、やはり優先順位のつけ方ということでちょっと考えていきたいなと思うんですね。

 そこで、まずお伺いをしたいのは、高速道路無料化の社会実験というのを民主党政権になって始めました。これのCO2排出量への影響はどうなっているのか。まさに、民主党政権になって、鳩山内閣時代でございましたが、このCO2の排出量を減らしていく、二五%削減ということを銘打ってやろうとしているわけですから、それとの関連性もあるので、この排出量の影響は今どうなっているのか、これをちょっと伺いたいと思います。

菊川政府参考人 お答えいたします。

 現在、昨年の六月から、社会実験、全国で千六百キロほどでございますけれども、始めております。

 この社会実験のデータ、いろいろな分析を今しておりますけれども、高速道路では、まず交通量が約二倍に増加しているという話、それから一方で、実験区間では一部渋滞も発生しているという状況がございます。一方では、高速道路と並行いたします一般道につきましては、交通量が約二割程度減少しているということで、かなり渋滞箇所も解消されているという実態もございます。

 現在、こういった高速道路そして一般道路の交通量であったりあるいは走行速度、さらにはほかの交通機関の輸送量のデータ、こういったものを分析しているところでございまして、これらをもとにいたしまして、今御指摘のありましたCO2への影響についても検証いたしまして、まとまり次第発表していきたいというふうに考えております。

高木(陽)委員 まだまとまっていないわけですね。

 昨年、それをスタートする段階、またはその直後ですけれども、国交省が年間二十五万トン減少するという試算を出して、一方、環境省の方が三十三万トン増加するという反対の結果を出している。これはどっちになるのかなと思って注目して見ていたわけですね。ところが、まだ出ていない。出ていないけれども、この社会実験を続けるわけですね。まずは一たん一年やってみて、それでどうなのかということでやらないと、これはさらに悪化する可能性もあるわけですね。だから、そこら辺のところをちょっと考えていただきたいと思うんです。

 もう一つ、土日の千円。今度は平日の二千円というのをやるわけですけれども、この土日の千円というのは自公政権時代にスタートを切りました。これでもかなり渋滞になっている、土日にかなり混雑をしている、こういった問題もありました。ただこれは、当初スタートを切ったときは経済対策としてやりましたから。

 その中で、この土日のCO2の排出量はどのような状況になっているか、伺いたいと思います。

菊川政府参考人 お答えいたします。

 土日千円のCO2の排出量への影響ということでございますけれども、現在の高速道路の割引、土日千円というのは平成二十一年の春から実施しておりますが、それにあわせて、平日、全車種を対象に、全時間帯で三割引き以上の割引というのも実施いたしております。

 これらの割引によりますCO2の排出量への影響を導入前に予測いたしておりまして、まず、休日千円といいますのは、これは主に新しい需要というんですか、観光需要といったものを中心にこれを喚起するということになりますので、新規需要が出ますから、したがってCO2はふえるだろうと。一方で、同時にやり始めました平日の三割引きといいますのは、これは逆に一般道路から高速道路に車が転換いたしますので、そういたしますと渋滞がかなり減少されるということで、こちらの方はCO2は減少するという想定をいたしておりました。実験を導入する前にこれらを概略で試算いたしておりますけれども、全体として増加量が減少量を上回らないというような試算を得ております。

 先ほど申しましたように、これからまた、これまでの二年間の実績を踏まえまして、無料化の実験の影響もあわせてしっかりと検証してまいりたいというふうに考えております。

高木(陽)委員 これも具体的な数字は出ないわけですね。ただ、昨年の五月の朝日新聞に載っていたんですが、環境省では、土日祝日上限千円の政策によって約二百八十七万トンのCO2がふえると試算しているんですね。

 これは結構重要な問題で、実は、何でこんなことを聞いているかというと、八ツ場ダムが、検証するということでとめちゃったわけですね。検証している間はやっていないわけですよ。とめている。だったら、この社会実験も、または今度やる二千円も含めて、やはりそういういろいろな影響をちゃんと立ちどまって検証するべきなんじゃないですか、今までの民主党のやり方でいったら。大臣、どうでしょうか。

大畠国務大臣 まず、この社会実験、昨年の六月から実験をさせていただいておりますけれども、半年間の実験ということで、社会実験の一つの目標が、先ほど、土日千円というのはリーマン・ショックの経済対策ということで始められたということでありますが、私としては、基本的に、日本の高速道路というものを活用して地域経済を喚起したい。リーマン・ショック対策というのもありますが。私の茨城県の方まで新潟とか秋田の方が来ておられる、大洗の水族館あたりにも大変人が来ておられる。これは、土日千円というものの経済効果だろうと思います。

 土日が非常に込むということから、平日を二千円とすることによって土日に集中することを少し分散して、それがどのような経済効果を発揮するのか、そこも見定めて、せっかく土日千円というもので国民の間にも非常に大きな反響もありましたし、先生の地元もそうだと思うんですが、先生の地元なんかでも非常に経済的な効果というものがあったと思いますので、それを含めてさらに社会実験をさせていただいて、そして、今後の日本の高速道路、いわゆる社会資本を最大限に活用した形で日本の経済にどう貢献するか、こんなこともやはり検討すべきだろうと思うところであります。

高木(陽)委員 検討するのはいいんですよ。検討するためのデータが必要だということなんですね。それがまだ出ていないのに、本来はこの休日千円は終わるわけですよ。終わる予定だった。これも継続する、さらに上乗せをして二千円もやる。検証がないままいくというのはどうなのかなと私は指摘をしているんです。

大畠国務大臣 休日千円というのは二年間の実績というのが積み重なってきているわけでありますが、この原則無料化というものの実験も加えて、半年間ではデータが不十分、こういう感じもありますので、一年延長をさせていただいて、そしてその中でどういう形になるのか、それを十分にデータを蓄積するために継続させていただきたいと考えております。

高木(陽)委員 先ほど冒頭に申し上げた、真の社会資本整備をやらなきゃいけない。そういう中で、お金がいっぱいあればどんどんやればいいんですよ。限られた中で優先順位をつけなきゃいけないというときに、まだ検証もできていないものをさらにやっていこうとする。それよりも、まだつながっていない道路だとか、もっと言ったら、命にかかわる耐震の問題、橋梁の問題だとか、そういうことの方が重要じゃないですかという考え方なんですね、私の場合には。

 ちょっと今度は角度を変えて、平日二千円をやるということで、この財源ですね。これは予算委員会でも各野党の委員からもいろいろと言われたと思うんですけれども、この二千円の財源はどこから持ってくるんですか。

菊川政府参考人 お答えいたします。

 平日二千円などの当面の新たな料金割引の財源でございますけれども、利便増進事業三兆円を使ってやることにいたしておりますが、これまでに約一兆円の料金割引で既に使っておりまして、平成二十三年度以降、残り約二兆円を計画いたしているところでございます。

高木(陽)委員 この利便増進事業というのは、自公政権時代に、道路財源の一般財源化の問題がずっと出ておりまして、そんな中で、ちゃんと還元をしよう、こういった中で、政府と当時の与党が協議をして最終的に結論づけた。十年間それを使いながら利用者のサービスをちゃんと増進していこう、こういう考え方でやってきました。

 しかしながら、それを使って、平日二千円も含めて社会実験等々もこれからもやるんでしょう。そうなってくると、これはもう使い切っちゃうわけですね、三年ぐらいで。使い切っちゃった後、これはどうするんですか。使い切っちゃって、新たにどこかから財源を持ってくるのか、財源がなくなったから、ではそこで打ち切るのか。財源なき後の割引はどうなるんですか。

大畠国務大臣 先ほど道路局長から答弁をさせていただきましたが、そのような考え方で今進めているところでありますが、それではその利便増進事業の財源がこの二、三年で尽きてしまうじゃないか、その後どうするんだ、こういう御指摘でございます。

 実は、私も、国土交通大臣を拝命いたしまして、単なる短期的なものではだめだ、道路事業あるいは高速道路の問題でも、長期的な視点に立って、それを見通せるような構想のもとに進めなければならないんじゃないか、これは御指摘のとおりであります。

 そこで、予算委員会でもいろいろ論議されましたけれども、日本における高速道路、私も、八ツ場ダムと同じように、歴史をいろいろと勉強させていただきました。当初、東名の前に、アメリカの方がおいでになって、日本には道路がない、道路の用地があるだけだ、こういうところから日本の道路の整備というのが始まった。こういうことをいろいろと過去の歴史の文書で読ませていただきましたけれども、そういう中で東名ができた。

 高速道路というものは、非常に経済的に効果がある。それで、日本の国としては、財源がないために、借金をして東名をつくった。当時は、三十年間で償還しようということで、高速道路料金も借金返済のための料金ということで徴収をしていた。三十年はもうたっておりますけれども、しかし、他のところに大きな高速道路網というのが日本に必要だろうということで、次々と計画をしているところでありますが、そういうことから、では、日本の高速道路というのは、料金の問題も含めてもともとどういう考えで今後進めなければならないのか。

 私は、来週ぐらいからはスタートさせたいと思いますが、その中で、今御指摘の三年後以降、どういう形で、高速道路のサービス、料金、あるいは新しいものの建設、そして将来を貫く基本的な考え方でやるのか、これをぜひまとめさせていただきたいと考えているところであります。

高木(陽)委員 私も、もう八年前、九年前ですか、政務官をやらせていただいて、それ以来ずっと公明党の国土交通部会長をやっていますので、高速道路の歴史、特に民営化するときのこの委員会での質疑、当時五十五時間その質疑があったうち、私は五時間半、一人でずっと質問しました。だから、そこら辺のところは認識しているつもりなんです。

 その上で申し上げたいのは、今大臣が言った、ちゃんと検討している、そのとおりだと思うんですよ。では、今までの民主党のマニフェストは検討してこなかったのかという話なんです。民主党のマニフェストで、道路公団を民営化するときに無料化の法案を出しました。それは廃案になった。それをそのままマニフェストに掲げながらずっと来ていた。そして、いよいよ政権をとって、やってみたけれども、もう一回検証しているわけでしょう。

 だから、先ほども申し上げた八ツ場ダムと同じで、八ツ場ダムは検証するまではやらないんですよ。工事に着手してやっておけばいいのに、この二年間ストップしているわけです。検証してからやると言っているんでしょう。だったら、この無料化の話も、ちゃんと検証して、そういう長期のビジョンをつくって、その上でやり始めればいいじゃないですか、中途半端な社会実験なんかやらないで。

 しかも、この社会実験をやっているところというのは地方ですよ。物流には大きな影響はないです。当時、無料化の法案を民主党が出したとき、一年生はもう全然知らないと思いますよ、物流コストが安くなると言った。ところが、地方で実験をやったって、物流コストには反映しませんよ。もっと言ったら、トラック協会を初め物流業者、もし高速道路料金が無料になったら、料金をもっと安くしろ、こういうふうに荷主さんからプレッシャーが来ますよ。そうでなくても今来ているんだから。

 だから、そういったことをちゃんと検証した上でやった方がいいと思うんですけれども、どうですか。

大畠国務大臣 御指摘のように、民主党が、高速道路の原則無料化、こういうものをマニフェストに掲げさせていただきました。

 この前提条件になるのは、御存じのとおり、現在の機構が抱える三十兆円というお金をどうやって償還するのか。それと、マニフェストのバックとしては、一兆三千億ずつ六十年かけて償還する、そうすれば機構というものの借金が返済できるので、現在の高速道路を無料化できる、こういう話で打ち出したわけでありますが、政権をとらせていただいて、多分、私の前々任者の大臣も、一兆三千億を予算化してほしい、こういうことは強烈に要求したんだろうと思いますが、しかし、現実問題、一兆三千億を高速道路無料化のために予算化することはなかなか難しい、こういうことだろうと私自身も推測するところであります。

 そこで、日本における高速道路のあり方について、先生から御指摘いただきますと、全然進んでいないじゃないか、こういうことでありますが、もともと税金でつくった高速道路の千キロについては、最初から無料のまま自公政権時代も使っておりました。そこで今回、地方の方でございますが、トータル二千キロのところを無料化すべきではないかと。

 中央の方は、もう今でも首都高速道路等も非常に混雑しておりまして、これまでの無料実験を待たなくても、混雑するあるいは渋滞する、それは経済的にも大きなダメージになりますから、混雑するところはまずは無料化は無理であろう、私もそう感じております。現に沖縄等でも、そういうことから、自治体の方から、渋滞がひどいのでこれは考え直してほしい、こういう要求も来ておりまして、そういうことで、今度は直すことにしております。

 いずれにしても、そういうことで、日本における高速道路のあり方というものを検証するために、この実験は進めさせていただきたい、そう感じているところであります。

高木(陽)委員 大臣の立場でやめるとはなかなか言えないでしょうからね。

 では、ちょっと角度を変えて。

 この社会実験もそうなんですけれども、さらには、土日の千円、これは自公政権がやったと先ほど申し上げましたけれども、そういったことも踏まえて、これはほかの交通機関に影響を与えているのは確かだと思うんですね。

 そこで、フェリー、バス、これは撤退の動きがあるんですけれども、その実態というものをまずはちょっとお聞かせ願いたいと思います。

井手政府参考人 御説明申し上げます。

 今、フェリーの撤退についてのお尋ねがございました。

 フェリーの航路は、全般的に輸送量が減少しておりまして、厳しい経営の環境にあります。特に本州―四国間の輸送実績につきましては、平成二十一年度の対前年比で見ますと、旅客輸送で二五%減、それからバスや乗用車の輸送で三一%減となっておりまして、減船をしたり、あるいは減便といったことも行われている状況でございます。

 そういった中で、航路の撤退、廃止あるいは休止でございますが、これにつきましては、広島県の呉と愛媛県の松山を結んでおります呉・松山フェリー、それから兵庫県の明石市と兵庫県の淡路市を結ぶ明石淡路フェリーなど、瀬戸内海の航路を中心といたしまして、平成二十一年四月以降で六社六航路が航路の休止あるいは廃止を行っているところでございます。

中田政府参考人 バスの状況についてお答えをいたします。

 路線バスにつきましては、輸送人員が長期的な減少傾向にございまして、その経営は大変厳しい状況でございます。

 例えば、比較的営業成績がよいとされております高速バスにつきましても、経年で比較可能な全国二百七系統の平成二十一年度の輸送人員は、対前年度比で四・八%の減少、直近のデータで昨年四月から十一月までの数字について見ましても、二十年の同時期に比べて五・五%減という低迷した状況でございます。

 こうした状況の中で、平成二十一年度中に完全に廃止となった乗り合いバスの路線は、合計で千八百五十六キロでございます。例えば、福岡の西鉄グループにおきましては、景気の低迷や人口減少による傾向的な収入減少、高速道路料金施策の影響を理由といたしまして、平成二十二年三月以降、高速バス十四路線について撤退、減便等の合理化を実施したほか、一般路線バスについても、二十二年度中に七十・八キロメートルの路線を廃止している。このように、近年、経営環境が非常に厳しい状況でございます。

高木(陽)委員 今、フェリーとバス、それぞれ影響が出ているというお話でした。

 これは、平日二千円になるとさらに影響が出てくると思うんです。特に西鉄バスなんかは撤退の理由として高速料金の問題も挙げていますし、さらに言えば、高速バスで結構収益を出して、そして路線バスあるいはコミュニティーの部分ですね、ここに、赤字ですけれどもそこで踏ん張る、こういうバス会社というのは結構あるんです。だから、そういった部分でも悪影響を与えているのは確かだなと思うんです。

 そこで、もう一つお伺いしたいのは、今度、政府・民主党が一生懸命頑張ってきたんですけれども、交通基本法という法律を出しますね。これはこれで、理念等々を読むとそのとおりだな、いいじゃないかと思うところなんですが、例えば、第三条は「交通の機能の確保及び向上」、第四条は「交通による環境への負荷の低減」、第五条は「交通の適切な役割分担及び有機的かつ効率的な連携」。二十条を読みますとこう書いてあるんですよ。環境問題のことに触れて、「鉄道及び船舶による貨物輸送への転換その他の物の移動の効率化の促進、」。物流はモーダルシフトとして鉄道や船の方にしていこう、そういう基本概念を、民主党もしくは政府がそういうのを打ち出すわけですよ。

 でも、無料化をやっていくということは、トラックを中心とした物流を中心にやっていくということじゃないですか。ここら辺の相反する、一方で交通基本法を出しながら一方で社会実験を進めて無料化を推し進めている、この矛盾について、大臣、どう思われますか。

大畠国務大臣 御指摘の交通基本法でございますが、昨日閣議決定をさせていただいたところであります。中身については、今御指摘のように、さまざまな形で日本国内における交通の利便性というものをきちっと担保しながら国民の生活に資するように努力しようと。

 モーダルシフトでありますが、確かに、できるだけ公共交通機関というものを広範囲にわたって活用していこう。その中にはもちろんバスですとかフェリーも含まれております。同時に、この交通基本法では、そのような形の基本的な理念に基づいてつくられておりますが、今ある、戦後六十五年間の間に諸先輩方が一生懸命努力をしたいわゆる社会資本、高速道路というこの体系をどう使っていくのか。

 確かに、周辺の方からしかやっていないじゃないかと言うんですが、基本的に、立派な道路がある中で、私の地元なんかもそうですが、下の道路は渋滞、上の方は非常に利用率が悪いというところもございます。だから、ここのところをどういう形で利用したらいいのか、これも私は、もう一つ社会実験等で分析をさせていただいて、そして交通基本法という一つの理念に基づいた形の日本全体の交通体系というものをどうつくっていくのか、これは非常に大事な話だろうと思います。

 同時に、過疎化が進むところのバス路線というのが、今でも、いろいろ運行が難しいということで、地方自治体の方が工夫しながら何とか運行しようということで、市営バスですとか、いろいろな補助を出して民間のバスが動いておりますが、そんなことも含めて、日本のこれからの交通体系というのはどうあるべきなのか、この基本法をベースとしながらさまざまな検討を進めたい、その一環としての社会実験と考えております。

高木(陽)委員 大臣の言っていることはすごく理解できるんですよ。理念は立派なんです、理念は。

 実は、前の馬淵さん、そしてその前の前原さんが大臣に就任して最初の大臣所信に対する質疑をやったときも、私、申し上げたんです。陸海空の交通の問題、これをまさに体系的にとらえた上で、では高速道路の物流はどうしていくか、ちゃんと全体像があって初めてそこの位置づけができるんじゃないですかと。そうじゃなくて、森全体をしっかり見ないで、木の部分である高速道路の料金の無料化だけを突出してやるというのはどうなんですか、こういうふうに聞いたんですね。そのとき前原さんは、そうやって全体像もやっていくんですと言いながら、まだできていない。ようやくこの理念ができてきた。だから、そういうものをちゃんと、やはり順番があると思うんですね。

 その中で、例えば、今回の料金制度について、メディアは厳しいですね。もう大臣も読まれていると思うんですけれども。これは大体、社説です。例えば日経新聞は、「財源面の不安など一切、お構いなしの大盤振る舞い」。毎日新聞は、「割引財源は三年で底をつく」「その後、再び値上げできるのだろうか。」。朝日新聞は、「当面の人気取りを優先し、あとは責任を負わないやり口」。読売新聞は、「世論調査でも、多くの国民が無料化は不要と答えている。政府はそうした声を把握しながら、なぜバラマキを続けるのか。」。産経新聞が一番きついかな。「バラマキ政策色が濃い高速無料化は、経済効果自体が疑問視されてきた。フェリーや鉄道など競合交通機関への影響も社会問題化している。」「「ハンドルなき暴走」政策は早く終わらせるべきだ。」。

 こういうような、これはメディアはメディアなんですけれども、実は昨年の十二月に、政府・与党、政策コンテストをやって、元気な日本復活特別枠要望に関するパブリックコメントというのをやっている。いろいろ意見を集めた。そうすると、この高速無料化の社会実験に対して、不必要というパブコメが八七・六%ですよ。だから、国民は求めていない。民主党のマニフェストかもしれないけれども、国民は求めていないんです。求めていないのを、何でそんなにむきになってやるんですか。

 先ほどから申し上げているように、やはり優先順位がある。限られたお金の中で、まだつくらなければいけない道路もあるでしょう。大臣は、コンクリートから人へじゃなくてコンクリートも人もと言われたんだから、ここは大きく転換してもいいんじゃないかなと思うんですが、このパブコメの問題も含めて、どう思いますか。

大畠国務大臣 先ほど、マスコミといいますか、新聞の論調、社説等のお話がございました。

 私も、国土交通大臣になりまして、いろいろ厳しい御指摘がたくさん連日ありまして、時には余り新聞は読みたくないなと思うところもありますが、しかし、しっかりと読ませていただいています。それが一つの地域における識者の声でもありますし、また、国民の声もしっかり聞かなければなりません。

 そういうものを踏まえて、先ほど、いろいろアンケートをとっても、こういうところじゃなくて別なところに使った方がいいんじゃないかという御指摘も私も受けとめております。そういう中で、地域の方では、ぜひやってほしい、この無料化実験の地域の自治体等からはそんな声もありますし、また、土日千円というものも大変大きな効果がありまして、観光地等では、それを当て込んで既に態勢を整えているというところもございます。したがいまして、急にこれをすべて社会実験だからやめてしまうということになりますと、また地域社会は非常に私は混乱するのではないか。

 したがいまして、私としては、この社会実験を、いつまでもやればいいということではないと思うんですが、いずれにしても、今年度、このような形でさせていただいて、高木議員がおっしゃいますように、交通基本法に基づいた日本における交通行政、自動車だけじゃなくて鉄道もフェリーも、あるいはさまざまな形の交通体系がありますが、それをどう位置づけるのか、こういうことを明確にビジョンとして、あるいはシステムとして打ち出していきたい。

 この話は、私は、与党とか野党という話ではないと思うんです。まさに日本の国の将来の国づくりのベースをつくるということでありますから、これは、きょうの御議論、あるいは国土交通委員会での御議論等も踏まえて、しっかりと、野党とも、ああ、そういうことで進むのか、こういうことで御理解いただけるような形のものをぜひつくっていきたいと思います。

高木(陽)委員 今の段階では、野党の方は、ああ、なるほどなと思わないわけですね。

 もう一つは、今、少子高齢社会が進んでいて、特に交通基本法というのはそういうのを意識していると思うんですよ、移動するという。特にハンディを背負った方々。そうなってくると、高速道路というのは、高速バスもこうやって撤退をしていく。そうなってくるとマイカーですね。もう一つは物流。人流の部分でいえば、それはマイカーです。でも、それは高齢者はなかなかできない。そうすると、公共交通、鉄道だとかフェリーだとか船だとかバスだとか、そういうことがやはり大切になる。理念はいいことを言っているんですけれども、どうも、その理念とやっていることがちょっと違うんじゃないのかなと。

 民主党の方々、野党時代は、私たちが逆に与党で追及されました。現場の声をよく聞いていましたよ。すごく、ああなるほどなと、追及されて私たちも反省する部分というのはいっぱいありました。ところが、与党になっちゃうと、先ほどのパブコメじゃないけれども、多くの人たちが、これはもういいよ、それはお金がいっぱいあってただにしてくれるんだったらいいけれども、今、ないじゃないのと。子ども手当だってそうじゃないですか。今の財政で二万六千円は無理でしょうと多くの人たちが思っているから、それはやらなくていいよ、それよりもやらなきゃいけないことはまだあるでしょう、こういう話になっているわけですね。

 だから、民主党はマニフェストを見直すと言っているんだから、党の方は党の方なんでしょうけれども、ここは大臣、政治家として、これはやめましょうと言った方がすごくすっきりするし、いい政策ができるんですよ。だから、ここのところは、今の大臣の立場で、この大臣所信に対する質疑で、社会実験はやめますだとか、もう予算も組んじゃっているし、そうはいかないんでしょうけれども、そこは指摘をさせていただきたいと思います。

 もう時間が限られているので、もう一つ、高速問題じゃなくてホームドアの問題、鉄道局長も来ていただいているので。

 大臣がホームドアの視察もされた。これは本当に重要な問題なんですけれども、なかなかこれの設置が今うまく進まない。現状についてはもう知っているからいいです。鉄道局長に来てもらったけれども、申しわけない。この設置を推進するための課題というのがあると思うんですね。これはどういうものがあるのか、ちょっとここだけ確認をしておきたいと思います。

大畠国務大臣 現状についてはわかっているからいいとのお話がございましたが、私も先日恵比寿駅に設置された立派なホームドアを視察させていただきました。こういう施設が各駅に設置されれば、過日、一月の十六日だったと思いますが、視覚障害の方が残念な事故で亡くなられました。こういうことを防止できたかなと思いますし、また、十年前には、一月二十六日に線路に転落した方を救おうとして韓国の青年と日本人が大変残念ながら犠牲になりました。

 十年たってもできないのか。私は、十年たっても何で新大久保駅にホームドアができないんだ、この観点から、ホームドアについて関係の方から話を聞いたところであります。

 いろいろ理由はあるのでありますが、まずは、できない理由じゃなくてできる理由を考えてこい、こういう話をしまして、それで、ホームドアの設置の推進のための検討会というものを発足させたところであります。

 この中で、御指摘のように、何が原因でなかなか進まないのか、これについても今この検討会の中で論議をさせていただいて、その原因といいますか、進まない障害の部分についてもメスを入れて、国としてできることをやって推進させたいと考えているところであります。

高木(陽)委員 鉄道駅というのはいろいろな障害がありまして、交通バリアフリー法というのが平成十二年ですか、二〇〇〇年にできて、あのとき、ちょうど公明党が与党になって推し進めて、三分の一国がお金を出す、三分の一自治体がお金を出す、そして鉄道事業者が三分の一で、エスカレーター、エレベーター等々をつくっていく、五千人以上の乗降客の駅は全部やろうといって平成二十二年を迎えたわけですね。構造的にできないのがまだ幾つか、御茶ノ水駅だとかが残っているんですが、大半ができた。

 やはりここは一歩踏み込まないとだめだと思うんですね。バリアフリー法ができて、このエレベーター、エスカレーターの設置も、まず鉄道事業者は積極的にやりませんね。やはりお金がかかることはなかなかやらない。自治体もお金が余りないですから、三分の一負担するのはなかなか大変、やらない。だからここは、ホームドアもそういういろいろな補助の形をつくっているんですが、もう一歩踏み込んで国が本当に主導してやらないと、これは多分できないです。大臣もそういう思いがあるんですから。

 逆に、山手線なんかは十年間でつくると言っていますけれども、山手線だけできたって、中央線があるし、埼京線はどうするんだとか京浜東北線はどうするんだとか、民鉄、私鉄は大半がお金が大変ですからなかなかやらない。こうなってくると、やはりここは、財政的な面も含めてもっと積極的にやってもらいたい。

 そのためには、またもとに戻って、千二百億円のこの料金を、無料化の実験をするんだったら、その千二百億円でホームドアをつくる方に、同じ国交省の予算として、道路局はちょっと嫌だなと思うかもしれませんが、それぐらいの政治決断をしてやらないといけないんじゃないですか。もう時間も来ましたので、最後それだけ。

大畠国務大臣 過去に政務官もされて、国土交通省の政策にも精通されておられる大変貴重な御指摘だと思います。

 確かに、三分の一、三分の一、三分の一というのが一つの障害になっている、特に、自治体にとって三分の一を負担するというのは大変だ、こういう声もございます。鉄道事業者の方でもかなりきつきつでやっているところはなかなか出せない、こういう声もございます。

 そういうことも、今、このホームドアに関する検討会をスタートさせておりますが、この中で何とか財政的な問題についてもクリアできるように努力をしていきたいと思います。

高木(陽)委員 終わります。

古賀委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 私は先日、二月二十三日、予算委員会で大畠大臣にお伺いしました内容について、確認を含めて、川辺川ダム問題、五木村再建法案の点について質問させていただきたいと思います。

 先日の予算委員会で、大臣は、川辺川ダムを一つのモデル型として法案化して検討していきたい、こういう御回答をいただきました。そこで、この生活再建法案が今後考えられるわけですが、川辺川ダムの建設中止に伴う協議の結果をベースとして進められるのかどうか、まずそこをお尋ねしたいと思います。

津川大臣政務官 お答えをいたします。

 ただいま御指摘をいただきましたように、ダムを中止した場合に必要な生活再建対策というものにつきましては、現在まさにそれが大きな課題となっております川辺川ダムを一つのモデルケースとして検討していくこととしているところでございます。

 現在、川辺川ダムの生活再建につきましては、昨年の七月に、五木村の今後の生活再建を協議する場というものを設置いたしまして、国と熊本県、五木村の間で生活再建協議を行っているところでございます。

 ここで今協議をされております生活再建協議の進捗状況を踏まえまして法案化も含めた必要な措置を検討してまいりたいというふうに考えているところでございますが、法案によらずとも実施できる措置については、現行法でもできるものについては実施をしてまいりたいと考えているところでございます。

中島(隆)委員 進捗状況を見ながら検討するということですが、協議が調っていないから再建法案を提出するのを見送ったということですかね。その点も再確認です。

津川大臣政務官 まさに今協議中でございまして、それがまとまっていないというのがなかなか法案を具体化できないという点につきましては、御指摘のとおりでございます。

中島(隆)委員 そこで、大臣にお伺いいたしますが、大臣が一月十八日、これは熊日、地元の新聞ですが、インタビューを受けられて答えておられます。その見送った理由について、「大事な視点だが、国会の情勢が厳しく、(法案を提出するかどうか検討する)俎上に載らなかった」、こういう報道が載りました。

 そこで、このお言葉からすれば、提案できない理由が、ねじれ国会で厳しいから、こういうふうに受けとられるんですが、先ほど前段で確認しましたように、今、五木村との協議が調っていないということなのか、それとも国会情勢が厳しいので提案を見送っておられるのか、どちらでしょうか、大臣。

大畠国務大臣 御質問でございますが、確かに国会情勢が非常に厳しいことは事実でございますが、そういうことが念頭にありました。しかし、現実の法案を提出できないという理由については、先ほど答弁させていただきましたように、地元の方の話がまだ煮詰まっていない、これが真の原因でございました。

 私が国会情勢の厳しさを理由にということでありますが、これはそうではない。国会情勢が厳しいことはそのとおりでありますが、生活再建法案の提出に至っていないというのは、地元の話というのがまだ煮詰まっていないということでございますので、それについては訂正をさせていただきたいと思います。

中島(隆)委員 今後の生活再建法案の提出予定の問題ですが、その前に、地元からは、この前の予算委員会でも質問したんですが、政権交代が起きて、前原大臣が現地に行かれて、そしてあの三百人という住民の中で、本当にあの住民の反対の意見の中で、厳しい追及がありました。その中で前原大臣は、通常国会に提出して一日も早く生活再建を進める、こういう約束をされて帰られたんです。一回でだめなら二回も三回も来るよ、ぜひひざを突き合わせて話し合いたい、こういうことまで言われて約束されたんですね。それで、二回見送られているんです。

 しかも、その後、二月四日に、今回の通常国会にも見送られた後、五木村の議会、相良村、両方で政府に陳情に来ておられます。そのときにも、二回連続して見送った、もう信頼をなくしてしまう、こういう強い抗議の言葉がなされまして、やはりダムによらない治水を、現行法で対応できる事業についてはもう先行してやってほしい、こういう強い要望をされました。その後も、二月十八日も、再度、五木村長も、それから徳田村長も来られました。そして、また同じような要望をもう二回もされているんです。

 私、この前も予算委員会で議事録を読ませていただきました。本当に、四十数年間の、もう十八年間裁判をして、反対だったんです。国と県で、もうやむを得ず苦渋の選択をして同意したんだ、ダムができることによった村の再建をしているんだ、しかし、まだそれができていない、だから一日も早くやってほしいというのが現地の要望ですね。

 ところが、今おっしゃったように、協議が調っていない。四回開かれていますが、その経過も私も聞いています。数多くの要求が出ています。しかし、法律ができなければできないのか、あるいは法律ができなくてもできる事業というのはあるんだと思うんですが、その点の法案の見通しとこの事業の進め方について、大臣から決意をお願いしたいと思います。

大畠国務大臣 中島議員からの御質問は非常に大事なものでありますし、当時の前原大臣も、現地に行き、いろいろなお話を伺ったと私も伺っております。法律案ができなければ何もできないということではないと思います。

 したがって、確かに地元の川辺川ダムを一つのモデルとしてやりたいと思ってはおりますが、地元の協議が調わなくても、現在の法体系の中でできることについては進めることが必要だと私も思います。その点については、担当の方とも話をしながら、地元の人のお話を伺いながら、何が現行の法律案でもできるか、これを整理して、できるものについては推進をさせていただきたいと思います。

中島(隆)委員 五木村の状況をちょっと申し上げますと、この計画の出る前は人口が六千人いたんです。今は千三百八十人です。四分の一に減少。子供が百四十三人おったのに、今は七十三人、もうあと五年したら五十人になる。年に四、五人しか子供は生まれない。まさに三十六のうち二十三が限界集落。まさに経済も社会ももう崩壊寸前にあるんだ。こんな状況になって、造成地、代替地に移転するのがおくれて、三百七十世帯がもう流出されているんです。ですから、こんな状況にある。

 それと、もう一つこの川辺川ダムで状況が違うのは、午前中、小渕議員から八ツ場ダムのことがありました。しかし、この川辺川は、二〇〇八年の九月に蒲島知事が白紙撤回で決断されたんですね。その決断がなぜ起こったかというと、やはり四十四年間の、県民、流域住民、ダムによらない検討を進めてきて、そして世論が、八五%がもうダムを中止してもいい、こういう決断になって知事も決断をされたわけです。

 ですから、川辺川ダムは、八ツ場ダムと違って、流域も知事も四十数年間の苦渋の選択でこれだけ決断をされているわけですから、それにこたえて早く法案をつくって事業を推進する、これにこたえるのが国ではないかというふうに私は思うんですが、今後のこの法案の見通し、それから推進についての再度の決意をお願いしたいと思います。

大畠国務大臣 ただいま、ダムにまつわる歴史についてもお話をいただきました。大変重い決断を地元としてされた、こういうことでございました。

 法律については、どういうことも地元の方々の理解と協力がなければ政策というのは進みません。したがって、今、地元の方でいろいろお話し合いをされているということでありまして、その推移を見ながら法律については固めたいと思います。

 なお、法律によらなくてもできることがあるだろうと。特に、前原さんが、また来ますよ、こういうお話をされたということでありますし、過日の予算委員会でも、大畠さんも来ないのか、こういうお話をいただいておりますので、先ほどの御質問を受けて、法律によらないとしても何ができるのかということを、これまでも地元の皆さんのお話も承っておると聞いておりますから、その中で、法律によらない範囲で何ができるのかということを整理して、私も、ぜひ機会を見つけて地元にお邪魔してお話をし、御理解をいただきながら、できることをやってまいりたいと思います。

中島(隆)委員 今、改めて、地元の意向を酌むためにも訪問をしたい、地元に行って話をするという決意をいただきました。

 先ほど、午前中の小渕議員の質問の中でも、対話がないと信頼が得られないということも述べられました。そして、大臣の発言は重いと。前原大臣だけじゃなくて、やはり歴代の大臣の意見を、本当にそれを信頼しているわけです。ですから、八ツ場ダムにはもう三大臣が行っておられるんです。川辺川ダムはまだ前原大臣だけです。ぜひひとつ、今お約束された、現地に行かれて、やはり今の現状を話していただいて、そして前進をさせていただくように強く要望しておきたいと思います。

 それでは、次の質問を行います。

 公共事業、建設業にかかわる問題でありますが、第一点は予算のカットであります。特に今年度、一八%削減されています。四兆六千億、来年度も四・二%の削減です。

 民主党は、二〇〇九年のマニフェストで、四年間で一兆三千億を削減する、こういうふうに掲げているんですが、もう既に、農水省所管の公共事業を含めると、二〇一〇年の一年間だけで達成しているんですね。なぜこのように公共事業のカットに踏み切られるのか、その点についてまず大臣にお尋ねいたします。

大畠国務大臣 ただいまの御指摘でございますが、確かに、平成二十二年度において一・三兆円の大幅削減というものを行ったところであります。地域経済への影響等を考えれば、予算の総額の確保も重要だと私も思います。

 同時に、先ほどいろいろと高木議員ともやりとりをさせていただきましたが、公共事業というのは、やはり私たちが暮らしていく上で大事な部分であります。そういう意味で、社会資本の整備というものは計画的に進めなければならないと思っております。

 私も、国土交通大臣になりましてから、国土交通省として、先ほど山本議員からは、五、六十年先は長過ぎる、こういう御叱正をいただきましたけれども、二〇五〇年のころの日本をどういう国にするのか、そのときの社会基盤というのはどういうものを備えなければならないのか、そういう長期的なビジョンで国土交通省としても考えて、そして短期的なものはその長期的な目標に向かってしっかりとやっていく、こういう構想が必要だろう、私自身もそう考えております。

 平成二十三年度予算というのは、御存じのとおり大変厳しい財政状況の中でありますけれども、地域自主戦略交付金に移行した分も含めて、本当はプラスにしたかったわけでありますが、前年比九六%というものを確保させていただきました。この中で、いろいろと国土交通委員会の中でも御論議をいただいております、国土ミッシングリンクの解消、あるいは予防的な治水対策の強化などを行っていくことが必要だろうと思います。

 今後とも、御指摘を踏まえて、長期的な戦略に基づいてしっかりと重点化して推進できるように努力をしてまいりたいと思います。

中島(隆)委員 次に、社会資本整備交付金の予算の使途の関係で質問させていただきます。

 これは昨年からスタートしたわけですが、当初予算で二兆一千六百七十七億、補正予算で千八百五十四億を計上してあるんです。これは、地方の自由度、使い勝手が飛躍的に向上する、こういううたい文句で実施されているんですが、昨年も、この社会資本整備交付金、額としては、私は、これだけ公共事業予算を削った分は社会資本整備予算を組むべきではないかと思うんですが、非常に不十分だと思います。

 しかし、この使い勝手がいい予算が、やはり、これまでの各地方自治体の意見を聞きますと、社会資本交付金が継続事業の案件に非常に使われている、新規の事業には回せないと。これは予算が少ないからだろうと思うんですが、継続事業以外の案件にどれだけの額が使われているのか、それをちょっと政務官、教えてください。

津川大臣政務官 御指摘いただきましたように、大変厳しい財政制約のある中で、地方自治体も大変厳しい財政状況の中にあるところでございますから、継続事業が終わらない限りなかなか新規事業に手を出せないというのは、まさに御指摘いただいたとおりだと思っております。

 ただ、御案内かと思いますが、この社会資本整備総合交付金につきましては、そもそも、新規事業であるか継続事業であるかは問わずに、自治体で作成をしていただいた整備計画に基づいて実施をしていただくものでございまして、現時点で、今年度、新規事業にどのくらい使われたかということについては、国の方では把握をしていないというのが現状でございます。

中島(隆)委員 事業体として交付されるから把握できないということですが、しかし、地方自治体としては、社会資本整備交付金の制度、あるいは今後のより使い勝手のいい新しい事業を、できるだけ生活に密着した事業をやりたいという希望があるわけですから、予算の獲得、十分な配分とそれから使い方、これを、新規事業にどういうふうに使われているかも含めて今後検証すべきだというふうに思いますので、ぜひこれをやっていただきたいと思います。

 それから次に、公共事業の予算の縮小によって建設業者が非常に衰退をしています。先ほど来、前段にも質問がございましたが、二〇〇一年の数字を比較しますと、建設業者で働く数が百十五万人も減少しているんです。率で二八%です。公共工事がこれだけドラスチックに減少されることが建設業者にどのような影響を与えているのか、まず大臣にお考えをお尋ねしたいと思います。

大畠国務大臣 公共事業予算の縮小が地域の建設業にどのような影響を与えているか、こういう御質問を賜りました。

 地域の建設業、私も地元の方に工務店等の方々もたくさん存じ上げておりますが、まさに地域の経済の担い手であると同時に、地域社会を支える大変大事なお仕事をされていると思います。特に、今回の豪雪等でも、除雪作業について大変御尽力をいただいておりますし、また、地震等のときの災害対策等でも大変な御尽力をいただいていることは私も存じ上げております。

 しかし、建設投資額、特に公共投資が大きく減少する中で、地域の建設業の皆さんが大変厳しい状況に直面しているということも、私もそう思います。

 このような状況の中で、今後の建設産業の再生、発展を図るため、外部有識者から成る建設産業戦略会議というものにおいて、地域社会の維持に不可欠な建設企業の再生に資する地域維持型の契約方式導入など、入札契約制度のあり方を含め、必要な方策について幅広く検討しているところであります。

 検討結果につきましては、今月中に、入札契約制度など四月以降速やかに実施すべき施策を取りまとめ、六月中には全体をまとめて、必要な制度改正等につなげていく所存であります。

 なお、私は機械工学出身でありますが、土木工学の仲間も随分知っております。建設、建築の皆さんもおられます。本当に地域の中で一生懸命頑張っています。厳しい状況でありますが、何とかそういう戦後築いてきた建設技術というものを、後世にといいますか次代に残すためにも、ぜひ私自身も建設産業の再建に向けて努力をしていきたいと思います。

中島(隆)委員 時間が来ておりますので、要望を最後にしておきたいと思います。

 特に公共事業、先ほど来、生活インフラ、地域に必要な事業は当然進めるということで確認をいただきましたし、もう一つ、進め方として、今はダムによらない治水の検証が始まっています。ダム中止も、新しい段階に進まないということで、工事もない。そうすると、新しいダムによらない治水計画も今はまだできていない。だから、このダムによらない治水の検証を早くやって、ダムにかわる地域の公共事業をつくれば新たな公共事業ができるわけですから、ぜひこれを推進していただきたいということです。

 あと、公契約については、前回、一歩前進して答弁がありますので、これも、これは公契約ですから全体の問題ですので、ぜひ公契約ができるように、そしてまた、発注の段階でも十分配慮していただきたいと要望して、終わりたいと思います。

古賀委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、東京における地下鉄の問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。

 これまで、国土交通省、そして財務省、東京都、東京メトロの四者で、東京の地下鉄の一元化等に関する協議会というのを昨年の八月から開催してきました。東京都による地下鉄一元化の推進に関する国への提案要求があったのをきっかけとしたものであります。

 ことし二月三日に第四回目の協議会が開かれまして、都が求めている経営の一元化と、また東京地下鉄株式会社法で定めている東京メトロの早期完全民営化については、協議を続けるということにしておりまして、共同でサービス向上の取り組みを先行させる、こういう結論になったようであります。

 私は、実は東京都議会議員の時代に、二〇〇五年ですが、都営とメトロの一元化というのを当時の民主党の都議選のマニフェストに盛り込もうとして画策をしたことがあります。だが、やはりちょっと組合の批判がありまして、結局はお蔵入りになってしまいました。今、副知事になった猪瀬直樹さんが地下鉄の一元化に取り組んでいて、そのときのことを思い返します。

 東京地下鉄株式会社、東京メトロは、国が五三・四%、都が四六・六%の株式保有をしている特殊会社であります。帝都高速度交通営団という、いわゆる営団から二〇〇四年に民営化されております。この東京メトロなんですけれども、いささかもうけ過ぎなんじゃないかと私は思います。今、売り上げ三千五百億円、そして経常利益七百億円という超優良企業です。利益剰余金は、民営化後、二千百億円まで膨れ上がっている。

 この利益剰余金をため込んで、東京メトロが一体何をやっているか。言ってはなんですけれども、天下りネットワークをつくっているんですよ。そもそも、メトロの役員、社長は運輸省の事務次官からの天下り、常務に運輸省、建設省から一人ずつ、監査役に大蔵省のOB、都からは副社長、元副知事がついています。常務監査役も東京都から出ている。まさに各省と東京都の指定席の天下りになっているんです。

 今、この利益剰余金をため込んで、二千百億円になっていますけれども、これを使って、地下鉄事業とは全然関係のない不動産を一等地に持って、子会社がオフィスビルの賃貸や、また、私の地元の東陽町ですけれども、メトロスポーツという会社をつくってゴルフの練習場の経営をやっているんですよ。こういう、地下鉄事業とは全く関係のない収益事業をどんどんどんどん展開している。そして、この子会社に東京メトロの営団時代からのOBが次々に天下り再就職をしているわけです。

 まず聞きますけれども、東京メトロの子会社というのは幾つあって、役員のうち何人がメトロ本体からの天下りによって占められているのか、伺います。

久保政府参考人 お答え申し上げます。

 東京メトロの子会社は十二社ございまして、常勤役員数は合計四十一名、うち東京メトロ出身者が三十九名、こういう内訳になっております。

柿澤委員 聞いていただいたとおり、東京メトロの子会社十二社は、役員四十一人のうち三十九人までが東京メトロの出身者、私に言わせれば天下りによって占められている。

 その子会社ですけれども、四十一人のうち三十九人、役員はメトロ出身者だということですけれども、役員報酬は平均でどのぐらいの水準に上っているのか、お伺いします。

久保政府参考人 東京メトロの子会社は、施設の保守管理だとか車内の清掃とかを行うアウトソーシング系の会社と関連事業を行う会社がございますけれども、先ほども言いました十二社で、役員の給与は平均千二百五万円となっております。

柿澤委員 一千二百万円ということです。

 ちなみに、この十二社の中に入っていませんけれども、メトロが四四%の議決権を保有する株主で、二十八億円の賃料収入を得ている株式会社渋谷マークシティという、渋谷のマークシティを経営しているいわばビル会社ですね、ここにも社長と取締役の二人が役員で出向しておられて、この役員報酬は平均で千三百九十九万円と聞いております。まさにこれは国と独法との関係、この国土交通委員会でいえば、例えばURとファミリー企業の関係、こういうこととほとんどそっくりなのではないかというふうに思います。

 さらに、これに加えて、最近はこの東京メトロがワンルームマンションの経営に精を出している。民営化された二〇〇四年以降、かつて資材置き場等で保有されていた土地に建てたワンルームマンション、メトロステージ光が丘とかメトロステージ成増とか、こういうワンルームマンションを次々建てているんですけれども、合わせて十四棟もこの五、六年のうちに建設をしているんですね。

 ワンルームマンションというのは、狭い敷地に部屋数が多くて投資の対象にもなりやすい、大変収益性の高いものとして知られていますけれども、要するに、先ほど申し上げたように、東京メトロは今大変もうかっていて、そのお金を使ってどんどんどんどん子会社を通じた収益事業に精を出して、そこにメトロの出身者を役員として再就職させている。その平均給与が一千二百万に上っている、こういうことなわけなんです。

 東京メトロがやるべきことをやった上でこうした収益事業をやるというのであれば、これはあり得るでしょう、民間会社ですから。しかし、これだけもうけているにもかかわらず、東京メトロのバリアフリー率というのは大変低い水準なんです。二〇一〇年三月現在で、首都圏の鉄道会社の一日平均五千人以上利用している駅を見ると、バリアフリー化率、段差が解消されている駅の比率を比べると、小田急一〇〇%、東急九八%、西武鉄道九〇%、JR東日本は八一%、ほぼ八〇%以上の数字です。東京メトロのバリアフリー化率はどうか。六六%です。首都圏の鉄道会社の中で最低の水準なんですよ。都営地下鉄はどうかというと、八一%で、メトロよりよほど高い数字になっているんです。

 さらに言えば、私の地元を走る地下鉄東西線、東京メトロですけれども、混雑率二〇〇%とか二五〇%とかいう、朝のラッシュ時はぎゅうぎゅうの混雑率ですよ。同じ私の地元の豊洲とか東陽町とか住吉とかを走る、運政審の答申十八号の計画路線にもなっている地下鉄八号線の延伸という計画があるんですけれども、こうした新線建設も行わない。こんな混雑ぶりにもかかわらず、民営化したからといって、新線建設はもうしませんよみたいなことを言っている。

 今言ったような混雑ぶりで、恐らく世界の大都市の中でも東京の地下鉄が一番込んでいるでしょう。込み過ぎていて、それこそ、痴漢が発生したり痴漢に間違われたり、こんなことまで、世界的にはほかにはないと思います。このぐらいの混雑ぶりであるにもかかわらず、それを解消するための新線建設も行わない。

 まさに、バリアフリーもやらない、混雑解消のための新線建設もやらない、それでため込んだお金を収益事業、天下りネットワークの形成に使っている。これは何かおかしいんじゃないでしょうか。利用者への還元をしないで、子会社との天下りネットワークをつくり上げ、二千百億円の剰余金を使ったサイドビジネスにいそしんでいる。これについて、国土交通大臣、大畠大臣、どう思うのか、ぜひ聞かせていただきたいと思うんです。

大畠国務大臣 柿澤議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 東京メトロの現在の経営のあり方についての御質問でありますが、本業というのは、人を安全に運ぶということが本業でありまして、今の御指摘、多岐にわたっておりますが、今の御指摘で、バリアフリー率が六六%、非常に低い、他の鉄道事業者が非常によく頑張っているのに、ここのところに、バリアフリーのところになぜお金を使わないのかというお話がございました。

 私も全くそのように思います。先ほどの御指摘もありましたが、国が五三・四%の出資比率、都が四六・六%の出資比率という意味では国も大きな責任があるわけでありまして、本業のところにもっと力を入れるべき、そのように私は感じます。

柿澤委員 力強い御答弁をいただきました。

 こうした利益剰余金はどのようにして形成をされたのかというと、前身の営団地下鉄時代から国と都が二千七百億円ずつ補助金を出して、しかも、路線の大半が山手線の内側という、極めてもうかる場所に特権的に走っているわけです。今や新線建設もしない、利益をため込むだけの今の会社の収益構造になっているわけです。こういうことについて、まさに国と都からお金をもらって建設したインフラを使ってもうけているわけですから、やはり利用者への還元が必要だと思うんです。この利用者への還元の最たるものが、都営との経営一元化だと私は思います。

 都営と東京メトロと二つの地下鉄事業者が併存することで、どのような状況を生んでいるか。同じ駅なのに駅長が二人いる。九段下駅では、壁一つ隔てて隣り合った都営新宿線のホームとメトロの半蔵門線のホームを乗りかえるのに、わざわざ階段を上がっておりなきゃいけない、直接行き来ができない。改札を出て、また改札を通って階段をおりなきゃいけない。メンテナンスや資材調達もばらばら。運賃体系が違う、乗りかえ運賃を払わなきゃいけない、最短距離を行こうとすると倍の運賃を払わなきゃいけない。こういうふうにして、利用者がさまざまなコストを払っているわけです。

 この経営一元化について、私は、ぜひ国も利用者還元の一つのあり方として積極的な姿勢を示すべきだというふうに思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

大畠国務大臣 ただいまの東京メトロ、それから都営地下鉄の一元化の課題でありますが、平成二十二年の八月から平成二十三年の二月までで申し上げますと、東京の地下鉄の一元化に関する協議会、こういうものを設置しまして、いろいろと検討をさせていただいているところであります。

 今御指摘のように、二つの事業体の間で非常に利用者がやりにくい、例えば、どこか工夫すればすっと乗りかえることができるようなところがあるじゃないか、そういうところは、この一元化の前にできることはきちっとやるべきだと私も思います。まず安全に、先ほどのお話じゃありませんが、まず利便性あるいは安全性というものを第一義に考えて対策をすることが必要でありますし、そういう意味では、一元化というものを検討してきておりますけれども、まず、一元化できなくても、今の段階でできる乗客サービスというものは進めることが必要だろうと思っております。

 ただ、いろいろ事務方からお話を伺いますと、都営と東京メトロの間では経営実態というものに大変差がある。都営の方では一兆一千億の長期債務残高というものもありまして、なかなか、そこをどうしていくのか。そういうところも都営の方にも努力してもらうことが必要だという話も聞いております。

 いずれにしても、一元化についての協議会の中に東京都も入っておりますし、東京都の御意見等も含めていろいろ検討しているところでありますが、まずは、今具体的に御指摘いただいた、そういう乗客サービスあるいは乗客の安全というものをできるところからやるということが大変大事だと思います。

柿澤委員 大畠大臣から、一元化の前にやれることをやるということでありましたので、一元化の前ということは、この先に一元化がある、こういうふうに解釈をさせていただきますが、そういう御答弁をいただいたことは大変大きいなというふうに思っております。

 経営状況が違う、こういう話が出るだろうと思って、きょうは資料をお配りさせていただきました。

 累積欠損金が四千億を超えているとか、長期債務が一兆円を超えているとか、こういうことが言われる。メトロの株式が、価値が下がらないようにしなきゃいけない、こんなことまで協議会の場では言われるわけですけれども、これは都営が大赤字の悪い経営をしているかのような誤解を与えると思います。事実は違って、ごらんをいただくとおり、都営は二〇〇六年から経常損益を黒字化しているんですね。しかも、この三角形を見ればわかりますけれども、二〇〇四年から二〇〇八年の、水準はともかく収益の成長のトレンドは基本的に同じなわけです。

 そもそも、営団の設立は一九四一年で都営は一九五八年、十七年差があるわけです。なぜかといえば、営団だけで新線建設のニーズに対応できないので、国が建設免許を譲渡して都営が参入した経過があるわけです。十七年おくれているわけです。

 そういう意味で、今、大畠大臣のお手元に、ちょっとこのグラフを見てくれということで事務方にお渡ししましたけれども、下の方を見てもらいたいんですけれども、TEが都営地下鉄、TMが東京メトロです。要するに、地下鉄というのは、初期投資が物すごく大きくて回収までに時間がかかる。しかし、回収してしまえば安定した収益が上がる、こういうビジネスですよ。

 都営地下鉄は大江戸線という大きな工事をやって七千億も借金をふやした。その返済途上にあって、九年間で五千七百億返しているんですけれども、順調にそれを返済して、まさに東京メトロの後を追っかけて、収益体質をどんどんどんどん改善する途上にあるわけなんです。

 東京メトロのキャッシュフローは一千四百億、都営は六百億と言われていて、合計二千億円ですよ。長期債務は、メトロが八千億、都営が一兆二千億としましょう、合計二兆円。両者のキャッシュフローを合わせれば十年で返済できる計算になるんです。まさに、経営統合を行って、早く、すべての線でこうした債務を解消して、それによって新たな投資を行う、こういう環境をつくっていく。

 私は、大江戸線は環状線ですから、将来的には二十四時間運転をするのがいい、こういうふうに思って、それこそ都議選のマニフェストに入れようとして失敗したんですが、いずれにしても、そのようなためにも経営の一元化が必要だというふうに思います。東京地下鉄株式会社法では、できる限り早く株式売却をする、こういうふうに書かれておりますけれども、メトロ単独で株式上場をしてしまえば一元化の機会を逸してしまいます。都営が黒字化した今、利用者の利便性向上のため、東京の地下鉄一元化を国としても進めていくべきだというふうに、プレゼンテーションを終えて、もう一度求めたいと思いますけれども、大畠大臣の政治家としての御答弁をいただきたいと思います。

大畠国務大臣 いろいろと経営実態について分析をしていただきまして、ありがとうございました。この資料も見せていただきまして、なかなか、初期投資というものがあって、その回収までには時間がかかる、こういう資料も拝見をさせていただきました。

 いずれにしても、さまざまな御意見があるということを私も聞いておりますが、この東京の地下鉄の一元化等に関する協議会という場で、東京都あるいは国土交通省、関係の方々が集まっていろいろと論議をされてこられました。

 柿澤議員からの御指摘というものを踏まえて、この一元化というものをどう考えたらいいのか、私も私なりに研究させていただきたいと思いますし、先ほど御答弁申し上げましたように、その前にやれることをやろう、お客さんがいて初めての公共交通機関でありますから、お客さんの安全に、先ほど六六%というお話もありましたが、それをもっと進める、あるいは乗りかえのときに利便性を上げるとか、そういうことも含めて、やれるところからまずやって、そして同時に、将来どうするかということを私なりに研究させていただきたいと思います。

柿澤委員 私なりに研究をしたいという大変前向きの御答弁をいただいたと思います。

 最後に、東京メトロはもうけ過ぎだ、こういう話をさせていただきました。経常利益が七百億で、剰余金が二千百億円、それを使って子会社を十二社、天下りをさせて、そしてビル事業やゴルフ練習場をやっている。こんな本体事業とは関係のないことを、バリアフリーもおろそかにやっている。こういうことであるとするならば、国は株主なんですから、国の財政は御承知のとおりのような状況なわけですので、国は株主としての権利を行使して、まさに東京メトロに対して配当増の要求をしたらいいと思うんです。

 今、東京メトロの配当というのは、二〇一〇年三月期決算でいうと、一株当たり十四円で八十一億円の配当をしています。七百億の経常利益を出している会社が八十一億円の配当しかしていないということも言えるわけであります。我が党の浅尾慶一郎政調会長が予算委員会でNTTやJTに関して、国としてこれだけ財政が厳しいんだから配当増を要求したらどうか、こういう質問をしたことがありますけれども、私は、東京メトロに対して、国として、株主としての権利として、配当をふやせ、こういうことを要求したらいいと思うんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

尾立大臣政務官 柿澤委員には、本当に熱心にこの経営一元化の問題を研究されていること、心から敬意を表したいと思います。

 その上で、配当増についてのお尋ねでございますが、東京メトロの株主である財務省といたしましては、まず、企業価値の向上、株式価値の向上という観点から、設備投資や財務状況を勘案しながら、安定的そしてまた継続的に配当をしていただくことをずっと注視してきたところでございます。

 その中で、設備投資、安全等に関して、ここ毎年、平均八百億から九百億円の投資をしております。また、財務的には、フリーキャッシュフローは二百億円台で推移をしている中で、平成二十一年度の配当性向は二一・一%で、これは適切な水準を確保しているというふうに理解をしております。

 そういう意味で、今後とも引き続き安定的な、継続的な、そして着実な配当を要求してまいりたいと思っております。

大畠国務大臣 今、回答がございましたが、私もそのように感じますので、よく相談しながら適切に対処していきたいと思います。

柿澤委員 終わります。ありがとうございました。

古賀委員長 次回は、来る十一日金曜日正午理事会、午後零時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二十七分散会


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