衆議院

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第4号 平成23年3月23日(水曜日)

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平成二十三年三月二十三日(水曜日)

    午前十時二分開議

 出席委員

   委員長 古賀 一成君

   理事 小宮山泰子君 理事 田村 謙治君

   理事 中川  治君 理事 長安  豊君

   理事 若井 康彦君 理事 福井  照君

   理事 山本 公一君 理事 高木 陽介君

      阿知波吉信君    井戸まさえ君

      石関 貴史君    打越あかし君

      神山 洋介君    川村秀三郎君

      小泉 俊明君    小林 正枝君

      小山 展弘君    古賀 敬章君

      下条 みつ君    玉城デニー君

      富岡 芳忠君    橋本  勉君

      松岡 広隆君    三日月大造君

      三村 和也君    三井 辨雄君

      向山 好一君    矢崎 公二君

      赤澤 亮正君    小渕 優子君

      金子 恭之君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      二階 俊博君    林  幹雄君

      三ッ矢憲生君    竹内  譲君

      穀田 恵二君    中島 隆利君

      柿澤 未途君    下地 幹郎君

      田中 康夫君    中島 正純君

    …………………………………

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   国土交通副大臣      三井 辨雄君

   国土交通副大臣      池口 修次君

   法務大臣政務官      黒岩 宇洋君

   国土交通大臣政務官    小泉 俊明君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         加藤 利男君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  菊川  滋君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  久保 成人君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           中田  徹君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  井手 憲文君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  林田  博君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  本田  勝君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十三日

 辞任         補欠選任

  市村浩一郎君     井戸まさえ君

  糸川 正晃君     橋本  勉君

  沓掛 哲男君     玉城デニー君

  高邑  勉君     松岡 広隆君

  津川 祥吾君     小山 展弘君

  辻元 清美君     三日月大造君

  橋本 清仁君     小林 正枝君

  畑  浩治君     神山 洋介君

  谷田川 元君     打越あかし君

  亀井 静香君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  井戸まさえ君     市村浩一郎君

  打越あかし君     谷田川 元君

  神山 洋介君     畑  浩治君

  小林 正枝君     橋本 清仁君

  小山 展弘君     津川 祥吾君

  玉城デニー君     沓掛 哲男君

  橋本  勉君     糸川 正晃君

  松岡 広隆君     高邑  勉君

  三日月大造君     辻元 清美君

  下地 幹郎君     亀井 静香君

同日

 理事辻元清美君同日理事辞任につき、その補欠として若井康彦君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

三月二十二日

 港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)

 港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)


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     ――――◇―――――

古賀委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの東北地方太平洋沖地震によりまして亡くなられた皆様方に、そしてまた御遺族の皆様方に深く哀悼の意を表したいと思います。また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 これより、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げ、黙祷をささげたいと思います。

 全員御起立をお願い申し上げます。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

古賀委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

古賀委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事辻元清美君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う理事の補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に若井康彦君を指名いたします。

     ――――◇―――――

古賀委員長 内閣提出、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市・地域整備局長加藤利男君、道路局長菊川滋君、住宅局長川本正一郎君、鉄道局長久保成人君、自動車交通局長中田徹君、海事局長井手憲文君、港湾局長林田博君及び航空局長本田勝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福井照君。

福井委員 おはようございます。

 まさに不眠不休の活躍をしていただいております政務三役、大臣以下政務三役に御来臨を賜りまして、本当にありがとうございます。時間を最大限有効に利用させていただきたいと思います。

 私の方からも、今般の災害でお亡くなりになりました方に御冥福をお祈り申し上げます。そして同時に、被災された皆様方にお見舞いを申し上げたいと存じます。そして、現場で不眠不休で救援救助、支援活動、復旧に当たっていただいているすべての皆様方に深く敬意を表させていただき、阪神・淡路の比ではない、長期にわたりますので、ぜひ健康に気をつけて、復興をなし遂げるまでどうか任務を完遂されますことをお祈り申し上げたいと存じます。

 そこで、きょう大臣にお越しいただいたので、どうしても申し上げたいことがございます。この危機に余りにも政治的パフォーマンスが過ぎるという苦言を申し上げたいと思います。これは何を意味しているかは、もう時間もありませんので申し上げません。官邸もそうですし、そして何よりも現場の尊厳を傷つけた某大臣の言動、どうしても人間として許すことはできないわけでございます。批判はしませんけれども、現場がかわいそうでございます。そこで、きょうは大臣から、少なくとも国交省の職員、現場で頑張っている職員に、国民を代表しての感謝と、そして使命感をぜひこの場でおっしゃっていただきたいというお願いでございます。

 私自身も、阪神・淡路のときに、建設省の浪速国道工事事務所長を、毎日毎日ヘルメットをかぶってやっておりました。普通は、現場の職員というのは、現場向きが三分の一、自分の机の上が三分の一、そして上向きが三分の一なんです。ですから、ヘッドクオーターが、大臣の手下が何をやるべきかというのは、その上向きの、報告するとか本省向きとかいう仕事をいかに減らすかということなんですね。現場に一〇〇%、防災、復旧活動に一〇〇%向けさせる、これが使命だと思うんですね。

 ですから、私自身も神戸で体験しました。どう見たって無駄な視察とか、これは勘弁してほしいと思いましたし、当時はまだそういう世論がなかったので、本当に、取材するだけのヘリコプターがぶんぶん回って、もう撃ち落としたいなと思ったこともありました。

 別の機会ですけれども、私自身も、もうちょっと若いときに、災害が起こって斜面崩壊があったので、所長命令じゃなくて勝手にその斜面の上に登って現場の様子を把握したことがありまして、その後、所長に目が飛び出るぐらい怒られました。おれの命令以外に何ということをするんや、そういう身勝手な英雄気取りというんですか、絶対許さぬということで怒られました。それはどうしてかというと、もしおまえに何かあったときに家族にどうやっておれは申し開きをするんだということを言われまして、私は、もう一生その人についていこうと思いましたね。そこまで守ってくれているんだというふうに思いました。

 ですから、厳格な命令関係の中で命を預ける、預かる、そういう関係が我々の世界、建設省、運輸省、国土交通省の世界なんです。それを踏まえて、本当に日々頑張っている職員に、ぜひ大臣からの温かいメッセージをこの場でよろしくお願いしたいと思います。

大畠国務大臣 福井議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 ただいま、御自分の体験を踏まえての御質問を賜りました。私も、特に東北地方整備局あるいは運輸局の皆様方からも報告をいただきましたが、あの十一日以降、昼夜をたがわずというまさに不眠不休の態勢に入りまして、大変な御努力をされておられたことを、私自身、テレビ会議というんでしょうか、映像を通して向こうから報告を受けているわけでありますが、特に感じました。

 当初、東北地方整備局の職員、三千人を超えますが、その方々も被災者なんです。さらには、運輸局の皆さんも被災者でありました。一番最初に次の日に伺ったのは、七割の方の安否は確認できましたが、三割ぐらいは家族の安否がとれない、こんな厳しい情勢も伝えられました。しかし、国土交通省の職員として私たちは責務を全うする、こういう力強いメッセージも伝わってまいりました。頭が下がる思いでありました。

 同時にまた、ちょうど二、三日過ぎたころでありましょうか、この地方整備局あるいは運輸局の方で食料が非常に尽き始めている、一部には、これは私も聞いたんですが、あめとハチみつしかない、今、手元にはない、それでも私たちは職務を全うするという話を伺いました。私たちも、できる限りの職員の皆さんに対する支援をしたい、こういうメッセージも伝えたところでございます。

 その後、皆さんの御努力で、現在、まず第一には、人命救助を第一にしよう、こういう方針を国土交通省として決めました。職員の皆さんの大変な御奮闘で人命救助に当たりました。それから、生活物資を現地に届けるのには、いわゆる道路、そして鉄道、それから空路、そして港、そういうことを整備していこうということで一生懸命御奮闘をいただきまして、少しずつ一つの道筋が見えてきたような感じがありますが、この間の現地の国土交通省の職員、地方整備局そして運輸局の皆さんには心から私も感謝を申し上げたいと思います。

 さらに、きのうの夜も六時から、皆さんにも見ていただきました対策本部を開かせていただきましたが、おとといの日にお二人の方が助けられたというので、最後の一人まで命を守るためにこれからも一生懸命頑張っていこう、こういうことをお互いに確認したところであります。

 いずれにしても、国土交通省の職員の皆さんが、御質問にありましたように、昼夜をたがわず全力で行動していただいたことに対しては、私も心から感謝を申し上げたいと思います。

 以上であります。

福井委員 ありがとうございました。

 地方公共団体の職員は、まず自分の家族、そしてその周辺という、全人格を持っているんですね。ですから、あのときも、兵庫県庁、神戸市役所の人よりは近畿地方建設局の我々の方がよっぽど早く職場に着いて、それでいち早く復旧活動をしました。つまり、家族を捨てて来ているわけですね。

 それで、今回も、日本の救世主になってくださいというメールがありました。まさに、では、あなた行きなさいというふうな本音じゃないんですよね。そこで、もう本当に神仏に手を合わせて、ただ無事を祈っているという姿が透けて見えるということで、ですから、大臣にお願いがあるんですね。一日一人でもいいですから、三千人いますから三千通電話してもらいたいんです。一日一人でいいですから、下の方から、徳山局長からじゃなくて、どこかの出張所の、どこでもいいです、もうとにかく一人ずつ、御家族のどなたかに、大臣である、頑張ってくれてありがとうと、もうそれだけでいいです、五秒でいいですから、ぜひきょうから電話をしていただきたいなと。これはお願いでございます。

 そこで、時間もないので二つの質問を同時にさせていただきたいと思いますが、高知県建設業協会が技術者五十人、オペレーター五十人、バックホー、クラッシャーヘッドも数台、ダンプトラックも三十台ということで、いつでも復旧に協力しますよということで、今待機をしております。全国の建設業協会が、今、東北に向けていつでも発車できますということで、人も機械も、そしてもちろん水も土のうも待っているという状態でございます。

 それは、だれにも感謝されなくても、だれにも見られなくても、コンクリートから人へという標語がもしあったとしても、これは日本のために、日本人のために頑張らないかぬというその使命感だけで今待機をしているんですね。

 ですので、きょうまた、さっき職員向けにやっていただきましたので、全国の五十万事業所、六百万人いるんです、建設業界。その六百万人に向けて、とにかく、この危機だから、建設業界全員で東北、関東の復興をぜひなし遂げてもらいたい、協力してもらいたいというメッセージをぜひお願いしたい。

 それから、済みません、あと四分だけですからもう時間もないので、関東大震災の直後、内務大臣だった後藤新平が、帝都復興院の総裁になって、復興に当たりました、復旧ではなく復興だというコンセプトで。ですけれども、その場合は三千ヘクタールなんですよね。関東大震災は三千ヘクタール。それから、第二次世界大戦の後の県庁所在都市だけの戦災復興土地区画整理事業は二万ヘクタール。今回は、四十万人被災したとして、ヘクタール四十人として、一万ヘクタール整備しないといけないんですね。これは、県事業、市町村事業ではもうできないです。ですから、復興庁でも復興院でもいいんですけれども、直轄部隊を抱える組織にしてもらわないと、もうとてもじゃないけれども復興はできません。

 その事業レベルは、ですから、一万ヘクタールとしても二十兆円かかります、市街地整備だけで。それプラス住宅もありますし、日本が持っている、電力であるとかいろいろなインフラがありますから、ざっと見て、フェルミ推計でいくと、三十兆円ぐらいの投資が必要なんですね。ですので、もう直轄部隊で、元道路公団、元住都公団、いっぱい職員はいますから、直轄部隊でまちづくりの計画から企画立案、事業の発注まで、設計して発注するところまですべてできます。そういう部隊がいるので、それを使っていただいた、復興庁でも復興院でもいいんですけれども、それをお願いしたい。

 それから、奥尻島で、当時のまちづくり系と水産庁系が実は権限争いをしたんですね。それで、水産庁系の事業名称は防災集団移転促進事業ということで、今回と一緒です。ですから、低いところから高いところによいしょと集団で移転する事業、これもあるんですね。元国土庁の、補助率五分の四があるんですけれども、これだけだと、税制もありません。土地区画整理事業というのは、もうすべて、登録免許税まですべてただなんですね。ですので、土地区画整理事業とこういう集団移転等の事業を組み合わせる。

 ということはどういうことかというと、水産庁と農水省の耕地整備と、そして国土交通省の国土基盤づくりのすべての部隊が縦割りを超えてそこに集合して初めて復興の企画立案、事業遂行ができるということなので、これもぜひお願いしたい。

 ですから、大臣には、第二の後藤新平におれがなるんだという決意も踏まえて、先ほどの建設業界全体へのいわば感謝をお願いしたいのと、今後の復興に向けての組織体制づくりへの決意を聞かせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

大畠国務大臣 ただいま福井議員から、御自分の建設省時代の体験も踏まえて、阪神・淡路の対応という経験も踏まえての御発言をいただきました。

 私も、今回の想像を超えるような地震、津波、そして原子力という三つの課題を同時に抱えまして、今後どうするかということで、大変悩みましたけれども、いち早く、建設業関係の皆さんから、全力でやる、ありとあらゆる努力を惜しまないというメッセージをいただきまして、大変心強く思いました。

 そして、現在もそうでありますが、瓦れきの山になっておりまして、これをどのようにして対処するかということで、大変苦難の道を歩んでおりますが、東北地方整備局の方からも、建設業関係の皆さんがいち早く駆けつけて、一生懸命協力していただいている、こういうお話をいただいております。地域の郷土を愛する方々が駆けつけていただいておりますが、私も心から感謝を申し上げたいと思います。

 これから私たち国土交通省としてできることは全部やろう、こういうことで決めておりまして、特に、徳山局長には、いろいろ事務次官とか大臣にこれをやっていいでしょうかなんて聞かなくていい、とにかく、私と事務次官に成りかわって、考えられることは全部やってくれ、こういうふうなお話も申し上げさせていただいたところであります。その状況の中で、建設業の地元の方々が本当にそこと連携をとってやっていただいていることに対しては、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 そこで、先ほど後藤新平先生のお話が出てまいりましたが、私は、今後の課題については、私ども、政府とか各党とかというのを超越して、日本の国をどうつくっていくか、そういう視点に立って物事を考えていかなければならないときを迎えているような感じがいたします。したがいまして、この国土交通委員会の中にも、復興に向けてどのようなことを考えたらいいのか、これは福井先生も含めて、この国土交通委員会にはそういう経験をお持ちの方がたくさんおられますから、その英知を結集して、それを一つの形にしていくということを今やるべきときを迎えているような感じを持ちます。

 したがいまして、御提案をいただきましたが、それを踏まえて私どもも頑張ってまいりますが、ぜひ党派を超えて、このまさに言葉どおり未曾有の災難、あるいはそういう事態に直面して、今、日本の国は、あるいは私たち国会議員は何をすべきかという観点に立って、ぜひ御理解と御協力をいただければと思います。その下地づくりは私も一生懸命頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

福井委員 ありがとうございました。終わります。

古賀委員長 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 まずは、このたびの東北・関東大震災でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さん、また原発等で被害に遭われて避難等をされている皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。また、国交省の職員の方々を初め、あらゆる形でこの被災に、復旧復興に当たっている皆さん方にも心から感謝を申し上げたいと思います。

 本日は、踏切道改良促進法の改正案なんですけれども、やはり冒頭は、短い時間ですけれども、この震災の問題について御質問させていただきたいと思います。

 実は、先週の金曜日にもう質問通告をしておりまして、それから状況が大分変わってまいりました。さらに、大臣の御配慮等もいただきまして、各委員に、交通関係の復旧状況等、こういう資料をいただきました。これによりますと、道路等も大分復旧している、鉄道等も鋭意頑張っておられますし、空港、港湾等も復旧がかなり進んでいる、こういう状況でございます。

 当初は現状もお伺いしようと思ったんですが、これらの復旧をしているその課題、ここが今大変だなとか、ここが今苦労している、それをちょっとお教え願いたいと思いまして、これは局長に調べてきていただいたということで、鉄道、道路、港湾局長それぞれ、その復旧状況、この状況、資料でいただいておりますので具体的なのはもう結構でございます、見通しと課題についてお伺いをできればと思います。

久保政府参考人 まず、鉄道における震災の復旧状況と課題について御説明させていただきます。

 JR東日本会社によりますと、まず新幹線については、施設の点検が終了し、早期復旧に向け、鋭意復旧作業を進めているところでありまして、きのうは東北新幹線の北の方、盛岡―新青森間で運転を再開するなど、順次運転を再開しておりますけれども、南の方、那須塩原までは開通しておりますが、その北、那須塩原から盛岡の間、これの全線の復旧につきましては、被災箇所も多く、少なくとも一カ月以上かかるのではないかと考えております。

 また、在来線についても、順次運転を再開しておりますが、立入調査ができない区間があるなど被害の全容判明にすら至らない区間も残っており、全線の復旧にはまだまだ時間がかかると報告を受けております。

 復旧等に当たるJR東日本会社等の点検、復旧作業が円滑に行われるよう、例えば点検、復旧作業には、復旧現場でそれに必要な車両用のガソリンだとか軽油が当然必要でありまして、これが不足がちとも聞いておりますので、円滑な給油が可能となるような対応とか、その辺を含めて適切に今後とも対応してまいる所存であります。

 以上です。

菊川政府参考人 特に、課題でございますが、今回の地震の場合、実は内陸部はそんなに損傷を受けておりませんでした。したがって、東北自動車道とかあるいは国道四号、これはもう翌日から緊急道路として使えるようになっております。

 一番被害を受けておりますのは太平洋沿岸で津波の影響を受けたところでございまして、私どもの直轄では国道四十五号と国道六号というのがございますが、ここにおきましては、全部で九つですか、橋梁が大きな被害を受けております。ただ、こちらも、やはりこれからの、今行っておりますいろいろな緊急の対応のアクセスとして大変重要な道路でございまして、昨日現在で、国道四十五号につきましても全体の延長の九八%まで通行を確保しているというところでございます。

 また一方で、並行いたしまして三陸自動車道というのを今つくっているわけでございますけれども、こちらの方は、津波による浸水が予想される区域を回避するルートでつくってありましたので、ほとんど損傷を受けておりませんで、今の緊急輸送道路として大きな役割を果たしているというところでございます。

 引き続いて、被災地への緊急物資の輸送に支障が生じないように、幹線道路網の復旧、特に四十五号と六号に全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。

林田政府参考人 港湾施設の復旧状況についてお答えを申し上げます。

 現在、青森県から茨城県に至る地域における重要港湾以上の十五の港湾のうち、宮城県石巻港、茨城県茨城港大洗港区を除く港湾では、一部の岸壁が利用可能な状態に復旧しておりまして、港湾全体として利用可能な青森港を含め十三港において、喫水制限等を受ける施設があるものの、緊急物資の輸送等が可能となっております。

 しかしながら、大船渡港、釜石港の津波防波堤が全壊あるいは大部分が崩壊し、また、仙台塩釜港のコンテナターミナルの岸壁の水際部分が約一メートルほど沈下をする、あるいはまた背後のコンテナヤードの下が完全に空洞化をするといったような、被害が甚大かつ広範囲にわたっております。全面復旧には時間を要すると考えておりますが、今後、災害復旧事業制度などを活用しつつ、できるだけ早期の復旧に努めていきたいと考えております。

高木(陽)委員 今三人の局長から現状と課題ということで、鉄道局長からもありましたように、ガソリン、軽油がちょっと大変だと。これはもうずっと言われていて、それぞれ東北の整備局また運輸局、現場でいろいろと調達を一生懸命やっているんですが、まさにここは政府を挙げて、多分、官邸の方々はその現場の実態をわかっていないんじゃないかな、こういうふうに思うんですね。我が党の井上幹事長も東北なので、現地にずっと入っていました。何度言ってもそれが届かない。タンクローリーで届けるけれども、そこからの先が行かないだとか、マスコミでも報道されていることに対して、一向に現場への手の打ち方が遅いということ、これはちょっと指摘をしておきたいと思いますし、大臣として、閣僚の一人として官邸への現状に対する厳しい指摘をしていただきたいなと思います。

 もう一つは、これは東北自動車道が生きているということで、特に緊急車両を通して物資の補給というのはかなり集まってきた。これをちょっと考えてみたいんですけれども、無駄な道路というのはやはりないんだろうなと。コンクリートから人へ、こういうことを、この間の大臣所信の質疑でも必要なところはしっかりやるというふうに大臣も言われていましたし、まさにここの考え方を、こういう震災になって初めてわかった方々も、特に与党の中にはいらっしゃるんじゃないか。まさに東北自動車道が生きていなければ大変なことになっていた、そう考えますと、まだつながっていないところも全国各地にはあるということで、この点もしっかりと認識をして、高速道のネットワークというのがどんなに重要なのかというのをもう一度御検討いただきたいなと思います。

 続きまして、計画停電というのがずっと行われておりまして、特に首都圏の鉄道、これが、大分よくなってきてはいるんですが、やはりエリアごとの停電がありますと、そこの鉄道の信号または踏切というものが使えなくなることで、そこをとめてしまう、これによって大きな混乱を来しているという現状もございます。例えば、通勤で、朝は行けるんですけれども帰りはとまってしまって帰れないという方、こういう方も現実にいる。

 二十三区にいると、計画停電はほとんどありませんから実感をしていないんですが、ここら辺の現状も踏まえまして、鉄道への影響と今後の課題ということでお伺いをしたいと思います。

久保政府参考人 計画停電について御説明させていただきます。

 東京電力によります計画停電が開始されました三月十四日当初は、確かに、首都圏の鉄道の大半の路線で運休だとか相当な運行本数の削減が行われ、通勤通学の足に大きな影響が出ました。こうした事態が続いた場合には、社会経済上大きな支障が生ずると考えられますので、私ども鉄道局から資源エネルギー庁に対して、鉄道輸送への配慮についての要請を行い、その後、東京電力、鉄道会社と協力しながら、変電所の運用だとかダイヤ編成等の工夫を行ってまいりました。その結果、それぞれの関係者の御努力によりまして、本日までに多数の路線において運行区間とか運行時間の改善が図られてきたところでありますけれども、まだまだ先生御指摘のような課題があると思っています。

 私どもとしても、遠距離通勤者の足を確保するだとか陸の孤島をつくらないなど、職場に行かないと収入が確保できないわけでありますので、生活路線の運行維持という面で鉄道の運行は大変重要なものだと考えておりますので、その運行の確保に今後とも最大限の努力をしていきたいと思っております。

高木(陽)委員 まさに、これは鉄道事業者がいろいろと申し入れをしてもなかなか聞いてくれない、こういう現状がありますので、国交省が前面に立ってこれをやっていただきたい。あと、この夏さらに冷房等を使って電力不足が考えられているということで、ここら辺の通勤の足、特に首都圏は三千万人が移動しておりまして、このことをしっかりと考えないと日本の経済がまさにだめになってしまう、復興しようと思うその原動力の経済がつぶれてしまう、こういうこともしっかりと検討していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 あと、時間が限られて、本当は踏切道もやりたいんですが、せっかく大臣が来られているので、きょうの報道だと、高速道の料金体系の見直しについて、政府・与党に見直していこうという流れがある、二千円をストップしようか、こういう話がございました。

 実は、私、物すごく考えているんですが、この間のときに、社会実験はやめた方がいいですよ、必要なところにお金を出したらどうですか、こういう提案もさせていただきましたし、ここは一気に、二千円だけじゃなくて、これまでやっていた千円の高速、これは経済対策で自公政権時代にやって、四月の一日で本当は終わるはずですから、これもやめる。もっと言えば、これは法改正をしてやらなければいけない部分だと思います。十年間にわたって利用者に還元をしようということですけれども、やはり今財源が厳しいこの復興予算をつくるためにどうするか。二千円だけではなくて千円もやめる、社会実験もやめる。そうしますと、かなりの額が捻出できるわけですね。

 ここら辺のところは、与野党、本当に復興にまず第一だということで政治決断をしなければいけないのではないか。大臣、先ほど、国会議員が今何をなすべきかというふうに自民党の福井議員の質問で答えられておりましたけれども、まさにこういうのを与野党、民主党のマニフェストかもしれません、でもそれもやめる、自公が進めてきた千円高速かもしれません、それもやめるぐらいな決断をしてもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 高木議員の御質問でございますが、私も基本的には同じ考えを持っております。今、私たち国会議員はどういう考えを中心に行動しなければならないのか。まさに、一人は万人のために、万人は一人のためにという言葉がありますが、私たちは、確かに東京に今いて、電気もありますし、水道も出ています。ガスも使えます。しかし、東北に住む方々が、ガスも電気も水道もない、食料もなかなか乏しい、その中で必死になってあすへの道を模索しているわけでありますから、その生活をどう支えるかということに中心を置いて考えるべきときを迎えていると思います。

 したがいまして、今御指摘の高速道路の問題につきましても、きょう、与党あるいはその他の、各党の考え方等もいろいろ把握をさせていただきますが、それを踏まえて、考えるべきときを迎える。そして、今御指摘の土日千円の問題についても、今後どうするかということについては、国土交通委員会の委員の皆さんやさまざまな国民の皆さんの御意見をいただきながら方針を決めるべきだろう、そう考えているところであります。

 御質問ありがとうございました。

高木(陽)委員 本当に土日の千円というのは、経済対策といいながら、また、それは例えば観光の促進だとか旅行しようだとか、いろいろとそういうことに資するという考え方があったと思います。しかし、今の時期に、とにかく、復旧復興をしないで、自分だけ何か旅行に行こうだとか、そういう人たちもなかなか少ないと思うんですよね。そう考えますと、この千円高速もやめてしまうという大きな決断をしていただきたいな、このようにも思います。

 もう時間も参りました。本当に最後に申し上げたいのは、この震災の問題というのは今も現在進行形で、まさにまだ行方不明の方が万単位でいらっしゃる、そういった中で、本当に今できることは何なのか。これは本当に与野党を超えて考えていかなければいけないですし、本当にこれからの財源のことを考えた場合に、ここは国土交通委員会ですから今高速道路料金の問題も言いました。子ども手当もそうだと思います。本当に、民主党の皆さんにとってみれば、マニフェストを逆にやめてしまう、またはとめてしまう、これはつらいことかもしれません。でも、それは多くの国民から支持されることでありますので、そういった点も踏まえて、大臣は国務大臣でもございますので、国交省だけの問題ではなくて、閣僚の一員としてそういった問題も取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

古賀委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は、今回の大震災で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表し、被災者の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。

 私は、今回の踏切道改良促進法の法案については、賛成であるという立場を表明しておきたいと思います。

 今回、震災後初めての国土交通委員会ですから、災害対策、被災者救援で重要な役割を担う国土交通大臣に、短時間ではあるが、ただしたいと思います。

 まず、基本姿勢についてお聞きします。

 未曾有の大災害であるということはもう論をまちません。それだけに、未曾有の災害に対応すべく、救援、復興について、現実をよく掌握し、どうしたら被災者の声にこたえることができるかを中心にして、知恵と力を総動員しなければなりません。今までの法律の範囲内でとやかくでは到底済まされないと思います。

 今回、地震と津波、原発事故の影響もあります。そういう中で、まず避難所の確保に万全を期すことが大事だと思います。あわせて、命からがらで生き延びた方々が避難所やその周辺も含めて生活されているわけで、せっかく生きたのに、これから避難先で命を失うことがないような対処に全力を傾注すべきだと思いますが、大臣の決意のほどを伺いたい。

大畠国務大臣 穀田議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 穀田議員から御指摘いただきましたように、私自身も対策本部におきまして、まず第一に人命救助を中心に全力を挙げようという話を十一日以降してまいりました。国土交通省、六万人の職員がいるわけでありますが、職員の皆さんもそういう気持ちで心を一つにして全力で頑張っていただきました。

 同時に、現実をよく把握すること、現状はどうなっているのかということをよく把握することは、御指摘のように非常に大事であります。そういう意味では、東京にいたのではなかなか現実の状況が把握できませんから、東北整備局等々が大変な努力をして、御自分自身も被災をしながら、家族の心配もありましたけれども、家族と連絡がとれないという状況もありましたが、国の、国土交通省としての責務を果たそうということで、全力で地域における事実の把握に努めていただきました。

 そして、今御指摘のように、まずは避難所というものの対策をしようということで、各所で、自治体の皆さんも大変な御苦労をされながら、避難所の確保をし、そこに避難の方に対してどういう形で支援をするか、こういうことで現在まで努力をしてきたところであります。

 先ほどもいろいろと御指摘を賜りましたが、エネルギー、いわゆる燃料の確保という意味では大変不十分であり、申しわけなく思いますが、さまざまな要因からこういう状況になっておりますが、しかし、燃料あるいは食料、水、そしてそれを運ぶための道路の確保、それから鉄道、飛行場、それから港、それぞれの物資を運ぶためのルートを開こうということで、全力で今日まで頑張ってきたところであります。

 いずれにしても、命を守るというのが私たち国土交通省の一つの大きな使命でありますから、そういう視点に立って、御指摘の点を踏まえて今後とも一生懸命頑張っていきたいと思います。

穀田委員 被災者の避難地における避難所生活を一日も早く次のステップに移行してもらうことが、大臣がおっしゃるように、命を守る上で大切であります。その基本は住む場所の確保です。仮設住宅、公営住宅その他、私は仮住まいということで呼称をしたいわけですが、幾ら必要と考えているのか、端的にお答えください。

池口副大臣 仮住まいの戸数ですが、端的にお答えをします。

 基本的には被災県の方で今必要数を集計しておりまして、最終的な数はまだ確定をしておりません。

 今福島県が発表しているのは、仮設住宅、民間の借り上げ、公営住宅空き家の提供等で、七月末までに県内で二万戸の住宅供給を目指すというのが福島県が発表しておる数字でございます。

 それ以外に我々の方に仮設住宅の必要戸数の要請が来ておる数字でいいますと、岩手県が当面八千八百戸、宮城県が一万戸を当面必要という要請が来ておりますし、栃木県では百四十五戸、千葉県が二百三十戸、長野県が四十戸必要という要請が来ております。

 ちなみに、三月の十三日、発生直後に大臣より住宅生産団体連合会に、まず最初の要請として、二カ月で少なくともプレハブ住宅三万戸を供給できるようにしてくれということで要請を既にしておるということでございます。

穀田委員 では、今どれぐらいの仮住まいといいますか、そういうものを確保しているのか。

池口副大臣 今確保されている数字でいいますと、公営住宅は一万七千戸、あとURの賃貸住宅が二千五百戸ということでございます。それに、先ほど言いました大臣の要請したプレハブが随時追加をされて確保されていくというふうに理解をしております。

穀田委員 総体で幾ら必要なのかということを単に県に一々聞くだけじゃなくて、全体として今の被災者が少なくとも避難所に三十数万おられる、そうしたら例えば何戸の住まいが必要なのかということを考えないと、県もまた市に聞く、市町村に聞く、こんなことをやっておったんじゃ、少なくとも今わかっているのは、避難所におられる方々とその周りの方々も含めて何人おられて、幾ら必要なのかということをしっかり見きわめることが、先ほど大臣がおっしゃったように、現実をよくつかむことじゃないんですか。

 どうも、こういうときに及んで、県がどう言っている、こう言っているだけじゃなくて、今、全体としてこれだけ被災者がいて、避難所にこれだけいて、周りにこれだけおられる、したがってこれだけは必要だというぐあいに話をしないと、例えば公営が一万七千戸、URが二千五百戸、あとはプレハブというような話をしておったんじゃ、みんな、これを聞いておって、自分のところはどうなるんやろうかと思いませんか。そうなるじゃないですか。

 私は、そのことについて言って、やはり県などと言っているのは、借り上げということも提起しておられるようです。私は、国としても思い切って民間賃貸住宅を借り上げ住宅として確保すべきじゃないか。そこが一番、今お話があったように、公営とURでは合わせて一万九千五百しかないわけですよ。そして、プレハブを仮につくるとしても、プレハブ業界に三万戸なんですよ。どないしてそれは数が合うのか。問題は、空き家が一番多いところはどこか、民間住宅なんですよ。そこについて借り上げるということをはっきりすべきじゃないのか。大臣、いかがですか。

大畠国務大臣 穀田議員からの御指摘のように、まず、被災者の方々がどういう希望をされているのか、こういうことを把握することが非常に大事だと思います。

 私自身も、今この委員会でやりとりがありましたような、いわゆる仮設住宅の課題、あるいは公営の住宅についての提供の戸数というのは確認をいたしておりますが、民間の賃貸住宅の情報も集めまして、それで、けさもいろいろ話をしたんですけれども、それをどうやって被災者の人に提示するのか。一つは、被災者向け公営住宅等情報センターというのがきのう開所いたしました。しかし、民間についての情報というのはまだ開設をしておりません。

 したがって、私どもといたしましては、御指摘の民間の賃貸住宅の情報というものについても何らかの形で提示をして、そして、避難された方々が、ここを希望する、こういうことをきちっと意思表示をして、希望するところに入れるような形の体制というのはぜひつくりたいと思いますが、国土交通省としても、職員を派遣して、そこら辺の体制を整備するように努力をしたいと思います。

穀田委員 情報といっても、あるものをやったってあかんわけですよ。要するに、私が言っているのは、その分母となるものをしっかり掌握しつつ、分子となる、つまり、これだけ提供しようという場合に、今言っているのは、副大臣が言ったのは一万七千戸と二千五百戸と、あとプレハブなんですよ。それじゃ足りないと言っているんですよ。その基本的に足りないのを幾ら情報を出そうと言ったって、肝心な情報、これだけありますということがなければ、あるものをしょこしょこ幾ら情報を提供したって、それだけしかないのかという話になるじゃないですか。きちんと、少なくとも、一番大事なのは、民間の住宅を借り上げて、これをどんとやるということで公営住宅にする、これ以外に手はないということを言っているんですよ。

大畠国務大臣 今の御提案についても、ぜひ検討をさせていただいて、対処できるようにしたいと思います。

穀田委員 私は、ぜひ実行してほしいし、それ以外にないと思います。

 それから、福島原子力発電所事故との関係で聞きたいと思います。

 原発事故の二十から三十キロ圏外の自主的に避難している方々も仮住まい支援の対象とすべきではないのか、このことについてお答えいただきたいと思います。

大畠国務大臣 現在、二十キロ圏以内、あるいは二十キロ圏から三十キロ圏というところ、それから三十キロ圏以外というところがございますが、今御指摘の点については、非常に混乱をしておりますが、いずれにしても、現実の状況というものを踏まえてしっかりと対処しなければなりませんが、いわゆる自主的に避難された方々には、受け入れ可能な民間賃貸住宅の情報提供等を強化いたしまして、居住の安定が図られるよう、今一生懸命努めているところでございます。

穀田委員 今お話があったように、聞くと、最初に必ず情報提供になるんですよ。違うんです。情報を提供するというのは、現実にこれだけありますという話なんです。そうじゃないんです。政治姿勢の話をしているんですよ。

 つまり、三十キロ圏外の人たちは何で自主的に避難しているか。何でやと思いますか。この原子力発電所の事故で、危ないと思っているからじゃないですか。それを危なくないとだれが言えるのか。そういう方々に対して、自主的に避難された方々についても支援しますということはどうかと聞いているんですよ。

大畠国務大臣 ここのところは非常に難しいところでございますが、政府としても、何らかの形でその方々に対しても正確な情報が提供できるように努力をしてまいりたいと思います。

穀田委員 情報を幾ら提供したって、これを支援しますという肝心のメッセージがあるのかと言っているんです。そこを検討してくれなければ、情報を幾ら出したって、そんなこと、情報を聞きたいんじゃないんですよ。

 こういう問題について、今我々は、皆さんのお話を聞いていると、いわき市だってそうですやんか。例えば二十キロ―三十キロというけれども、その圏内で、いわき市などは一部分は入っている、市全体は入っていない。では、そういう人はどうするんです。少なくとも、ホウレンソウの問題とか野菜の問題とかを含めて、みんな危ないと言い出したら、被害が及ぶわけでしょう。そういった形で被害が及んで、やはりこれは危ないなと思ったら、みんないろいろするわけじゃないですか。そういう方々が、では、いわき市は、こっち側はあなたは対象ですよ、こっち側は対象じゃありませんよと、そんなことを言えるんですか。そうじゃないほど今東電の問題について不安が広がり、心配が広がり、そういった中で、自主的に避難せざるを得ない。こういう方々に対して、情報を出しますというような話じゃないでしょう。

 必要なのは、情報じゃなくて、どういう立場かということの説明があって、だからこういう情報がありますということなんじゃないですか。その前の段取りを聞いているんですよ。

大畠国務大臣 なかなか、御指摘の点はわかるわけでありますが、今情報が錯綜しておりまして、私は、確かな情報を明確に出すことがまずは一つ大事だと思うんです。

 御指摘の点については、検討させていただきたいと思います。

穀田委員 くれぐれも言っておきますけれども、もちろん、三十キロ圏内とそれら以外のところについてどういう危険があるかとか、それは確かに、正確な情報を出すと言われれば、その点ではそうなんですよ。そうじゃなくて、状況を踏まえてとかいろいろ言うからね。肝心な問題は、現状の原発問題についての状況はそれでいいと思いますよ。あわせて、そういう居住の問題についての支援をしっかりしてほしい。

 最後に、一つ聞きたいと思うんです。

 私、この間、日航問題について何回も質問してきましたよね。先ほど飛行場という話もございました。今、現場は、東北への臨時便対応など、疲労こんぱいの状況と言われているそうです。人手不足解消のために、一つは希望退職された方、二つは整理解雇された方々も含め、緊急時なのだから現場復帰を働きかけるべきじゃないのかということについてはいかがでしょうか。

大畠国務大臣 御質問の点でありますが、いろいろと私も情報を収集させていただきましたが、今回の件で、新たに臨時便として三十二便増便をさせていただいたことは事実であります。その一方で、さまざまな理由から欠航便というのもございまして、三月二十一日には二十四便、それから三月二十二日には三十二便欠航をするということになりまして、全体的には何とかやっておりますが、今御指摘のように、さまざまなことを十分考えなければいけないと思っております。

穀田委員 最後に、今、欠航したからと言うんですけれども、欠航するときに準備していないんじゃないんですよ。整備もするし、やるんですよ。欠航しているといって数字を言うと、三十二便ふやして二十何便減らしたから、何か八しかふやしていない、そんなことはないんですよ。そういうときにそういう話をすること自体が、私は、やはり現場の実態を知っていてそんなことを言うのはちょっといかがなものかと。うなずいておられますから、はっきり言うと、僕はまずいと思います、そういうことについては。

 国民挙げて被災者を救い、復興のために力を尽くそうというときに、人員や物資輸送に重要な役割を果たす飛行機を安全に、しかも多く運航させるのにちゅうちょがあってよいものか。私は、企業としての社会的責任を果たしてもらうべく促す。まして、一〇〇%出資の会社じゃないですか。総動員するのは当たり前だということについて最後に一言だけ聞いておきたいと思います。

大畠国務大臣 以前から穀田議員からは御質問いただいておりますが、いわゆる航空事業、あるいは鉄道事業もそうでありますが、絶対安全というのがベースになるわけであります。したがいまして、今回の対応について、増便等において安全が損なわれることがないように、十分な対応をするように私の方からも指示をしておきたいと思います。

穀田委員 終わります。

古賀委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 未曾有の災害で犠牲になられた方々に、まず心から哀悼の意をあらわしたいと思います。まだ安否が不明な方が一万人以上おられます。一日も早い発見と被災地の復興、一刻も早く進むように、政府並びに国会にも、全力を挙げていくことが必要ではないかというふうに思っております。国土交通省を初め職員の皆さん、連日日夜この復興に向けて大変な努力をされていることに対して、心から労をねぎらい、また、被災地に思いをはせ、さらに頑張っていただきますように心からお願いを申し上げておきたいと思います。

 我が党も踏切道改良促進法には賛成でありますが、冒頭に被災地の問題について質問させていただきたいと思います。今、避難地の問題がございましたが、私からは、まず被災地への物資輸送についてお尋ねをしてみたいと思います。

 今、連日テレビ報道でされておりますように、十三日目を迎えまして、まだガソリン、灯油など燃料不足もありますし、食料については、被災地には届いておりますが、それから先にまだ届いていないという状況にもございます。しかし、今御指摘がありました二十キロ―三十キロ内の屋内退避の拠点の地域でありますが、ここが今大変な状況にあります。食料が届かない、あるいは、コンビニあるいはスーパーに物がほとんどない、こういう状況が続いているわけであります。これは恐らく、今の原発の放射能の問題で民間の車が入らない、こういう状況があるというふうに言われています。

 そこで、今、物資輸送については国土交通省もJRその他民間に協力依頼をされていると思うんですが、特にこの被災地の二十―三十キロ内の輸送体制、ここに、やはりトラック輸送あるいは民間宅配、こういう方々の団体に、各省庁、これはエネルギー庁なり各省またがると思うんですが、やはり輸送確保については国土交通省が関係機関に協力を求めてこれを確実にやらないと、避難した人は支援物資があるけれども、自宅で退避している人、ほとんど避難できない高齢者とか、こういう方々が今、食料も届かないで危機的な状況にあると思うんです。

 ですから、そういうところの、今後の業界団体へどのような連携と、そういう地域にどういう輸送体制をとられていくのか、その点について大臣にお尋ねいたします。

大畠国務大臣 中島議員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 ただいまの物資輸送に関する御質問でございますが、これまで、全日本トラック協会等々の御協力をいただいて食料の輸送等をしてまいりました。

 後半の原子力発電所の周辺地域に対する対応でありますが、御指摘の二十キロ圏から三十キロ圏に当たるいわゆる屋内退避の地域に対する物資輸送でありますが、トラック業者の方々は三十キロ圏外の集積の拠点まで輸送いたしまして、その内部については、自衛隊等が二十キロ圏から三十キロ圏内に対して輸送を担当するということになっております。

 しかし、地域の方からは、なかなか物資が届かない、あるいは近所のお店屋さんにも商品がなくなってきた等々のお話も聞いておりますので、きょうの御指摘を踏まえて、屋内退避されている方々の生活を支えるための対策をさらに強化するようにしていきたいと思います。

中島(隆)委員 特に二十キロ―三十キロ圏内、今、自衛隊とかそういう公的な支援の輸送対応がとられていますが、特にコンビニ、スーパー、こういう店等に物が全く届かないという状況にございます。ぜひ関係機関と連携をしていただいて、そういう圏域の退避者の皆さん方に食料が届くような形の輸送体制を、抜本的にひとつ支援をお願いしたいと思います。

 次に、計画停電による中小鉄道会社への影響でございます。先ほども御指摘がありました。特に都心については指摘がありまして、主要の大規模輸送機関については輸送体制がとられておりますが、ここで指摘されているのは中小の鉄道事業ですね。

 個々に例を挙げますと、神奈川県の江ノ島電鉄というのがあるんですが、ここが第一グループに入って、既に計画停電が入っている。この計画停電の中で、三時間停電だけれども、前の一時間、踏切の態勢、後の復旧態勢、これをやりますと、三時間でありながら六時間運休しなきゃならぬ、一日に二回停電があったときは終日休まなきゃならぬ、こういう実態が訴えられております。そこには沿線に三つの高校がある。もう通学が全くできない、こういう批判が上がっているという状況です。

 そこで、中小鉄道からの要望では、この計画停電を、できればまずは変電設備の送電をぜひ確保していただきたいというのが一つと、それから、どうしても計画停電であれば、やはりこの組分けですね、同じグループに変電所が全部、五つも入っている、だからこの組分けをできないか、こういう訴えがあっているわけです。

 これは江ノ島電鉄一つの例でありますが、中小の計画停電エリア内の交通の確保、このための電源確保、これについてやはり実態を調べていただいて対応が必要ではないかというふうに思いますが、これについての御回答をお願い申し上げたいと思います。

久保政府参考人 計画停電について御説明申し上げます。

 鉄道局より資源エネルギー庁に対しては、鉄道輸送へ配慮をしてほしいという要請を行う一方で、当事者であります東京電力あるいは鉄道会社と調整、協力を続けてまいりまして、変電所の運用の仕方だとかダイヤ編成のつくり方など工夫を行ってまいりました。

 その結果、毎日の関係者の大変な御努力によりまして、多くの路線においては運行区間や運行時間の改善が図られてきているところでありますけれども、今先生からの御指摘のように、一部の中小鉄道におきましては、依然として計画停電の影響による運休が発生しているところであります。これらの路線は、生活路線あるいは高校生の通学の足という意味からも非常に大事な問題だと私どもも認識をしております。引き続き、今後の電力需給も踏まえながらでありますけれども、こういった中小鉄道も含めた可能な限りの運行が確保されるよう努力を続けていきたいと思っております。

中島(隆)委員 中小の鉄道会社についてはそういう配慮がまだまだ不十分であるというふうに言われています。通勤通学、生活に全く支障を来しているわけでありますので、ぜひ、計画停電の内部の組分けも含めて十分関係機関と協議をしていただいて、輸送確保をお願いしたいと思います。

 次に、三点目でありますが、バス事業者への軽油供給の問題であります。

 これにつきましては、被災地内、あるいは被災地外も含めて、今、ガソリン、軽油が非常に不足をしているということで、被災地域については、今、関係機関が総力を挙げて輸送をされています。

 民間のバス事業が、今、区域外、被災地外でガソリン、軽油が足らない、公共交通が運行できない、そういう状況に立っている。もう備蓄があと一日、二日だ、こういう状況になるわけで、これが切れたら公共交通も運行できない、こういう状況にあります。特にこの公共交通機関に対する、被災地内については今抜本化されていると思いますが、被災地外の公共交通の燃料確保については、事業者の連携をして、ぜひこの燃料確保についての対策が必要だと思うんですが、これについての対策についてお尋ねをいたします。

中田政府参考人 軽油の確保の問題についてのお尋ねでございますが、東北地方や首都圏の製油所が被災いたしまして、バス事業者に対する軽油の安定供給に懸念が生じたため、国土交通省といたしましても、被災地や首都圏などの事業者の軽油の確保状況を継続的に把握してまいりました。

 被災地や首都圏の一部事業者につきまして、軽油不足により、今先生御指摘がございましたような運行の継続が困難になったというようなものも出てまいりまして、それにつきましては、資源エネルギー庁に依頼をいたしまして、軽油の緊急供給を行う等、個別の対応をしているところでございます。

 全般的な燃料油の供給状況に対応するために、三月十七日に経済産業大臣が、ガソリン・軽油等の緊急の供給確保と輸送力強化の抜本対策というのを発表されております。これに基づきまして、今、資源エネルギー庁の方で、軽油、ガソリン等の安定供給確保対策に取り組んでおられます。首都圏における軽油、ガソリン等の供給量の回復を受け、バス事業者につきましても、輸送能力が徐々に回復傾向にあるというふうに聞いてございます。

 先生御指摘のように、物資の緊急輸送とともに、地域の足としてのバス輸送の確保も非常に重要でございますので、引き続き、各事業者の軽油確保状況を注視するとともに、必要に応じて関係省庁と連携をして対処してまいりたいというふうに考えてございます。

中島(隆)委員 特に被災地域については、そういう関係各省庁連携をして、ガソリン、軽油等の確保と輸送については体制がとられていると思います。しかし、ここを今御指摘したのは、私は、計画停電区域の、エリア以外で公共交通を支えているバス、ここが燃料不足で動かない、こうなったら、ますます地域のパニック状況、生活が破壊をするわけです。被災地はもちろんでありますが、この計画停電区域内の公共交通のバスの燃料、ぜひこれについても徹底的に実態把握と対応をよろしくお願いしておきたいと思います。

 それでは、あと、ちょっと時間がありませんが、踏切関係の問題で二点ほど質問させていただきます。

 一つは、踏切については、十七年、東武伊勢崎線で事故が起きて、全国三万六千カ所の踏切の総点検をしてこの事業が始まっていると聞いております。これについて出されました調査、約二千カ所ぐらい問題があるということですが、この点検に基づく改善がどのように進んでいるのかをお尋ねいたします。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、平成十八年度に、全国の踏切を対象に踏切交通実態総点検というものを実施いたしました。その中で、緊急に対策が必要な踏切、緊急対策踏切と呼んでおりますけれども、千九百六十カ所を抽出いたしました。

 そして、平成十八年度以降、この緊急対策踏切を対象にいたしまして、一つは、連続立体交差事業などの抜本的な踏切除去対策を従前の五カ年に比べまして二倍以上のペースで、具体的に言いますと七十カ所で、この五カ年で完了する見込みでございます。また、歩道が狭隘な踏切など早期の対策が必要な踏切の中から約千百カ所、これは対象箇所の約九割になりますけれども、これの九割で歩道拡幅などの速効対策というものを完了する見込みにしております。

 平成二十三年度以降、抜本的な踏切除去対策について、直近で、今申し上げましたようなペースと同じぐらいのペースで進めてまいりたいと思っておりますし、歩道拡幅などの速効対策も実施することによりまして、事業効果の早期発現を図ってまいりたいというふうに考えております。

中島(隆)委員 二千カ所のうち七十カ所解消であとは歩道関係ということで、まだほとんど改良が進んでいない状況ではないかと思います。今回の法案は、これをさらに促進するという法案だと思います。

 もう一つ、これは要望だけしておきたいと思いますが、あかずの踏切とかボトルネック踏切、ボトルネックというのは、遮断時間が四十分以上のところですね、こういうところが千四百カ所ぐらいあるんですね。これはまだほとんど改良が進んでいないんじゃないかなと思うんです。

 これらの課題も残っているわけでありまして、この法案が成立をいたしましたらぜひこれらの解消に全力を尽くしていただきたいというふうに要望いたしまして、私の質問を終わりにいたします。

古賀委員長 次に、柿澤未途君。

    〔委員長退席、田村(謙)委員長代理着席〕

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 今回の大震災に当たって、犠牲になられた多くの皆様方に哀悼の意を表しますと同時に、今も被災地で生活を送っている多くの皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、寒い中、現場で献身的な努力を傾けておられる国交省初め自治体ほかの職員の皆さん、関係者の皆さんに、本当に心から敬意を表したい、こういうふうに思います。

 私も、党の災害対策本部を預からせていただいて、三月十四日に被災地に行ってまいりました。緊急車両の通行許可証をいただきまして、物資輸送を兼ねて仙台の方に東北道で北上をいたしました。東北道、その時点で、通行規制がかかっているせいもあって、自衛隊を初めとする車両を除くとがらがらの状況で、これは物資輸送にもう少し活用できないのかな、こういうふうな感想も抱いたわけであります。

 いずれにしても、東北道を通ったもう一つの感想が、この短期間によくこれだけ通行可能な状態に復旧させたな、こういうことでありました。三月十四日でありますので、発生から三日後であります。報道や写真などを見ると、あの東北道も、もちろん海からは遠くて被害はそれほどではなかったと先ほど何か御答弁でありましたけれども、しかし、そういう中でも路面の亀裂などは大変激しくあった、写真で見たわけです。それが、三日たって通行してみると、一部にもちろん段差はありますけれども、しかし、基本的に通れる状況になっていた。この間の懸命な復旧の努力と、また、これだけ迅速に復旧ができるという技術力の高さに、私は大変強い印象を受けたということをまず申し上げたいというふうに思います。

 報道によれば、政府がきょう、月例経済報告閣僚会議に、道路、港湾、住宅、生産設備等の震災による直接の被害だけでも十六兆円から二十五兆円に上る、戦後最悪の被害になる、こういう試算を出すそうであります。そうした中で復旧復興を進めていかなければならないわけです。

 今も、東北道は通っているわけですけれども、しかし、場所によっては、恐らく、橋梁などで、安全性が今の時点では確認をされていないものもあるだろうと思います。そうしたインフラの安全性を早期に点検して、また、復旧に必要な優先順位をしっかりとつけて対処していかなければいけない。

 傷病者に、トリアージといって、けがの度合いを判定して救急救命の優先順位をつける、こういうことがありますけれども、まさに国交省を初めとする持てる力を総動員して、まず、インフラの総点検、インフラのトリアージを進めなければならないというふうに思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

大畠国務大臣 柿澤議員が直接現地に入って支援をし、状況を確認した上での御質問をいただきました。

 私も、亡くなられた皆さんに心から哀悼の意を表しますし、被災をされた皆様方には心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 今御質問いただいた件については、渡辺代表からも電話をいただき、さまざまな観点から御提言等もいただきました。

 今御指摘のように、私ども国土交通省としては、第一に人命救助ということを掲げて努力をしてまいりましたし、そして、人命救助という意味では、命を守るために生活物資を全力で届けよう、そのルートは道路、鉄道、そして飛行機の飛行場、港ということなんですが、鉄道が被害を非常に多く受けたために、道路をまず復旧させよう、そして道路で支援物資を、生活に必要な物資を届けよう、こういう旗印のもとに努力をしてまいりました。

 十四日といいますと、まだ白河地域はかなりの被害を受けておりまして、四車線の通行は不可能でありましたが、そういう職員の皆さんの大変な努力で、とにかく道路を通れるようにする、こういうことで、聞いたところ、現在は白河地域も四車線の道を通れるようになったということで、物資もかなり強力に現地に届けることができるようになりました。

 いずれにしても、これからどうするかということでありますけれども、被災者の皆さんに対する生活支援というのはもとより、これから社会的なインフラをどういう形で復旧させていくのか、それから、被災を受けた方々の地域をどのような形で復興していくのか、大変大きな視点で物事を考え、対策をしていかなければならないと思います。

 この国土交通委員会でもそのような御指摘をいただきましたが、ぜひ国土交通委員会としても、超党派の、経験を持つ方々の知恵を結集していただいて、そういうものを踏まえて、私どももそれをしっかりと受けとめてやってまいりたいと思いますので、柿澤議員におかれましても、ぜひそのような観点からの御提言をいただければと考えております。

    〔田村(謙)委員長代理退席、委員長着席〕

柿澤委員 大変力のこもった御答弁をいただきましたが、御答弁そのものはちょっと一般論の部分もありましたので、インフラ施設あるいは道路、そういったものに関して早急な安全性の点検をして、また、復旧の優先順位をきちっとつけていくことが大事だということを踏まえて取り組んでいただきたいというふうに思います。

 道路、命を守る、そうした観点から復旧を急いだというお話がありました。まさにそうだと思います。

 私も、現地に入りまして、仙台市内を回りましたけれども、基本的に、橋、川や河口のところにかかっている橋は、使えるものでもジョイントの部分に段差ができてしまって、揺れによってちょっとジョイントが外れかかっている、こういう状況で、ことごとく、乗る部分とおりる部分と段差ができているんです。そういう状況でありますので、一つ一つをやはりしっかり点検していかないと、仮に大きな余震等があった場合、二次被害にもつながりかねません。そういう意味で、こうした点検を、本当に全国のリソースをかき集めて早急に行う必要がある、こういう観点からインフラトリアージの御提案をさせていただいたところであります。

 先ほど、政府の試算として十六兆から二十五兆という戦後最悪の数字が本日午後示される、こういう報道を御紹介させていただきました。十六兆、二十五兆、これはもう戦後最悪なわけですけれども、しかし、これでもなお、民間の家財道具等の被害や、あるいは原発にかかわる農作物に関する被害、計画停電による首都圏の被害、こうしたことはカウントされていない。それでなお、最大で二十五兆円という数字が出てきているわけです。大変なものだというふうに思います。

 そして、民間の家財道具という点でいえば、今まさに被災している自治体が最も頭を悩ませているのは、津波による膨大な瓦れきの撤去の問題だというふうに思います。

 私も現地に入りましたけれども、本当に、自衛隊の方が最低限の道を重機でつくって、横に瓦れきを押しのけて道を通していただきましたけれども、しかし、そのわきには、大変な量の横転した車や、あるいは家屋の倒壊した残骸や、そうしたものがうずたかく積もっている状況であります。この撤去を早急に進めなければなりませんけれども、しかし、今、法的な問題がその障害になっている、こういうふうにも言われています。車などは典型的なケースですけれども、これはそれぞれ私有物で、所有権があるわけです。津波で押し流されてそこにあるからといって、後から所有権を主張されるということが可能性としてあるので、自治体として勝手な判断で撤去し廃棄するということがちゅうちょされている、こういうことが言われております。

 また、こうした瓦れきの撤去は、法律上は一般廃棄物ということになりますので、自治体が行うことになるわけですけれども、しかし、市町村の中には津波で壊滅したところもあるわけです。そうしたところの瓦れきの撤去をどう進めていくか。そうしたものが撤去されなければ復旧復興はそもそも手がつけられない、こういうことでもありますので、法的な問題のクリア、これは、早急に、もうきょうにでも結論を出して、自治体、都道府県、市町村に指示を出さなければいけない問題だと思います。

 こうした検討は法務省を中心に今チームをつくって進められていると聞いておりますので、この結論の見通しを含めて、大臣政務官に御答弁をいただきたいと思います。

黒岩大臣政務官 柿澤委員の御質問に答えさせていただきます。

 委員御指摘のように、今回の災害は津波という本当に未曾有の大震災、大災害でございまして、確かに、敷地内からその所有者の所有物が漂着をして移動している、このことから、所有権と撤去の関係性についてどうかという御指摘があることは承知をいたしております。

 ただ、この瓦れきについていいますと、基本的には、これはもう無価値物となっておりますので、この瓦れきの撤去におきましては、これは所有権の侵害に当たらないであろうということ、私どもはそういう評価ができると考えております。

 そのほか、そもそも敷地内から移動したもの、これはその敷地に戻すことも困難であることから、これもまた無価値物であると評価できると考えております。

 そのほか、例えばまだ原形をとどめているものにおいても、これが二次災害や周辺の衛生環境が悪化する要因となると認められる場合は、これを緊急必要に撤去すること自体は所有権の侵害に当たらない、こう考えております。

 いずれにせよ、今、政府におきまして、私ども法務省の小川副大臣を座長とする災害廃棄物の処理等に係る法的問題に関する検討会議が立ち上げられまして、きょうもこの後、午後に会議が行われますけれども、本当に、速やかに指針をお示しして、行政、自治体にこの撤去作業を速やかに行っていただくように努める方針でございますので、御理解いただきますようお願いいたします。

柿澤委員 検討チームは検討チームでいいと思います。しかし、私は、自治体にとっては今の黒岩政務官の答弁で十分だと思うんですよ。遠く離れたものについて、そしてこういう状態の瓦れきについては無価物とみなして撤去をしていいですよ、こういうことを、政務官の答弁をそのまますべての自治体に送れば、ああそうかということになると思いますので、これは、法的な対処を待たずしてそうしたことをぜひ通達されていただきたい、これを望みたいと思います。

 また、こうした瓦れきの撤去は市町村の手に余る。今、自衛隊の方々もやっていただいていますけれども、これを何カ月も続けることは自衛隊はできかねると思います。そういう意味で、国土交通省が持てる総力を発揮して重機を投入し、瓦れきの撤去をやっていくべきだと思いますので、これは答弁を求めていると時間がなくなりますから、国土交通省さんに長期継続的な支援をお願いしたいというふうに思っております。

 時間もなくなってまいりましたので、少し通告の質問ができなくなるかもしれませんが、続きまして、民間ヘリからの物資の空中投下についてお尋ねを申し上げたいと思います。

 今回、道路が通れない、陸上のルートからの物資の輸送ができない、民間の方々も、何とかしたいという思いで、民間のヘリをチャーターして物資の輸送を被災地に直接行おう、こういう方々が多く出てきました。

 そういう中で、皆さんの解釈として、民間ヘリが飛行中に物資を空中から下に投げ落とす、投下をするということは法律でどうも禁じられているんじゃないか、それができない、どうしてそんなことになっているんだ、この非常時にそうした物資の投下ができればもっと助けられるのに、こういう声がいろいろインターネット上で駆けめぐったんです。しかし、法的に見ると、どうもそういうことではないらしい。

 ここははっきりさせておくことが、やはり今後の物資輸送、支援、あるいは次の、どっちにしても災害がなくなるということはないわけですから、場合によって起きる今後の災害のときの活動に資するというふうに思いますので、明確な御答弁をここで法解釈としていただいておきたいというふうに思います。お願いします。

大畠国務大臣 ただいまのヘリコプターからの物資の投下でございますが、従来は文書で通知をしていただくということにしておりましたが、御指摘のように、今回の地震あるいは津波による大被害を受けた地域においてヘリコプターからの物資の投下というのは大変大事な、有力な手段であるということから、十七日でございますけれども、文書による提出ということでなくて、電話によって連絡していただければそれで結構です、こういうふうに弾力的にこの運用を緩和したわけであります。

 したがいまして、これを通知しておりますが、御指摘でございますので、改めてまたこの内容について関係に通知をして、ヘリコプターからの物資投下ができるということを広く知っていただくように努力をしていきたいと思います。

柿澤委員 電話一本でヘリからの物資の投下ができるようになった、これは前進だと思いますが、しかし、その通達がなされたのは三月十七日、三月十一日から六日経過をしているわけであります。私は、これは一つの痛恨事だと個人的には思っております。

 今後、仮にこうした災害に近いものが発生をした場合にこうしたことがないよう、道が寸断されている中で、ヘリから物資をおろせれば、こういう思いで本当に切歯扼腕し悔しい思いをした民間の方々が多くいるということを踏まえて、こうした対応を速やかに政治の決断で行っていくことが大事だというふうに思っております。

 こうした瓦れきの問題、ヘリの問題に限らず、政治の即断即決によって、ある意味では、既成の法体系を踏み越えて緊急時に行わなければいけない判断がたくさんあるはずであります。こうしたことについては、私たちも皆さんを信頼して、ぜひ対処していただきたいというふうに思っておりますので、一人でも多くの命を救うためにこれからも頑張っていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

古賀委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古賀委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

古賀委員長 次に、内閣提出、港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣大畠章宏君。

    ―――――――――――――

 港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

大畠国務大臣 ただいま議題となりました港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 近年、経済のグローバル化や東アジアの経済発展等を反映して、我が国をめぐる国際海上輸送量は大きく増加しておりますが、東アジア諸国に発着するコンテナ貨物が急増していることにより、我が国港湾の位置づけが相対的に低下することが懸念されております。このような状況において、我が国港湾のサービス水準の向上、コスト低減が東アジア諸国の主要港におくれた場合、欧米基幹航路に就航するコンテナ船の我が国港湾への寄港が減少することも想定され、これが我が国の経済に影響を与えるおそれが生じています。

 こうした状況を踏まえ、長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であって、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾を初めとする我が国の港湾について、その運営コストのさらなる低減等を図り、フィーダー輸送網の強化による国内外の貨物の集荷、国際海上コンテナ運送の基幹航路寄港回数の増加を図ることで、これら港湾を利用する背後の産業が今後も国際競争力を維持することができるようにするため、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、港湾の種類について、特定重要港湾を廃止し、長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であって、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾として国際戦略港湾及び国際海上貨物輸送網の拠点となる港湾として国際拠点港湾を追加します。

 第二に、国が行う港湾工事の対象に、国際戦略港湾における一定の国際海上コンテナ埠頭の荷さばき地に係る港湾工事を追加するとともに、国際戦略港湾及び国際拠点港湾における港湾工事の費用に係る国の負担割合を定めます。

 第三に、国際戦略港湾及び国際拠点港湾において、コンテナ埠頭等を一体的に運営する株式会社を港湾運営会社として指定し、運営計画の変更認可その他所要の監督規制を設けることとします。

 第四に、国及び港湾管理者は、港湾運営会社に対して、行政財産である港湾施設を貸し付けることができることとします。

 第五に、地方公共団体等以外の者は、港湾運営会社の株式について、保有基準割合以上の数の議決権を取得し、または保有してはならないこととします。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由です。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

古賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十六分散会


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