衆議院

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第7号 平成23年4月13日(水曜日)

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平成二十三年四月十三日(水曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 古賀 一成君

   理事 小宮山泰子君 理事 田村 謙治君

   理事 中川  治君 理事 長安  豊君

   理事 若井 康彦君 理事 福井  照君

   理事 山本 公一君 理事 高木 陽介君

      阿知波吉信君    石関 貴史君

      石田 三示君    磯谷香代子君

      市村浩一郎君    奥野総一郎君

      川村秀三郎君    沓掛 哲男君

      小泉 俊明君    古賀 敬章君

      坂口 岳洋君    下条 みつ君

      高邑  勉君    津川 祥吾君

      富岡 芳忠君    畑  浩治君

      初鹿 明博君    三村 和也君

      三井 辨雄君    向山 好一君

      矢崎 公二君    谷田川 元君

      湯原 俊二君    吉田 統彦君

      赤澤 亮正君    小渕 優子君

      金子 恭之君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      二階 俊博君    林  幹雄君

      三ッ矢憲生君    竹内  譲君

      穀田 恵二君    中島 隆利君

      柿澤 未途君    下地 幹郎君

      田中 康夫君    中島 正純君

    …………………………………

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   国土交通副大臣      三井 辨雄君

   国土交通大臣政務官    市村浩一郎君

   国土交通大臣政務官    小泉 俊明君

   国土交通大臣政務官    津川 祥吾君

   環境大臣政務官      樋高  剛君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           清水美智夫君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     大森 雅夫君

   政府参考人

   (国土交通省国土計画局長)            中島 正弘君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         加藤 利男君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (観光庁長官)      溝畑  宏君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   伊藤 哲夫君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十三日

 辞任         補欠選任

  石関 貴史君     奥野総一郎君

  市村浩一郎君     湯原 俊二君

  糸川 正晃君     初鹿 明博君

  橋本 清仁君     石田 三示君

  畑  浩治君     磯谷香代子君

  亀井 静香君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  石田 三示君     橋本 清仁君

  磯谷香代子君     畑  浩治君

  奥野総一郎君     石関 貴史君

  初鹿 明博君     糸川 正晃君

  湯原 俊二君     吉田 統彦君

  下地 幹郎君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  吉田 統彦君     市村浩一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)


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     ――――◇―――――

古賀委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房建設流通政策審議官大森雅夫君、国土計画局長中島正弘君、都市・地域整備局長加藤利男君、住宅局長川本正一郎君、観光庁長官溝畑宏君、厚生労働省社会・援護局長清水美智夫君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮山泰子君。

小宮山(泰)委員 民主党の小宮山泰子でございます。今期初めて質疑に立たせていただきます。

 まず、法案質疑に先立ちまして、さきに起こりました東日本大地震及び大津波により被害を受けられた皆様の御冥福とお悔やみを申し上げ、また、震災の余震に本当に胸を痛められている方々、御心配の方々と思いを共有し、この復興に向かって頑張っていきたいと思っております。

 さて、都市再生特別措置法でございますけれども、これは平成十四年に立ち上がり、都市再生本部の法定化、都市再生基本方針、民間都市再生事業計画の認定や支援、都市再生緊急整備地域における都市計画等の特例が定められたものであります。平成十六年、十七年、十九年、二十一年とさまざまな改正を進め、使いやすい、また地域の再生のための法律改正をしてまいりました。

 今回またこうやって改正をされるわけですけれども、改めて都市再生の意味、またこの法案の目指すものについて、まず根本的な、基本的なところから大臣の御所見を伺いたいと思います。

大畠国務大臣 小宮山議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 今回、この法律案を提出させていただきましたが、この背景について、御答弁を含めて申し上げさせていただきます。

 小宮山議員御存じのとおり、かつてアジアの中では、日本が経済的にも大変優位な地位を持っておりました。しかし、最近、ソウル、シンガポールあるいは上海、日本の都市あるいは経済力と並ぶ、あるいは超える力を持ち始めておりまして、日本として今の状況の中で何をすべきか、こういうことを考えるときに、昨年六月に新成長戦略というものを定めまして、その中に、地域資源の活用による地方都市の再生、あるいは成長の牽引役としての大都市の再生を実現することが必要だ、こういう道筋を示したわけであります。

 したがいまして、その方針にのっとり、今回この法案を提出させていただきましたが、この法律案により、具体的には、官民連携による都市の再生を促すために、特定都市再生緊急整備地域制度の創設、あるいはまたオープンカフェを設置する場合における道路占用の規制緩和等を盛り込んだところであります。

 このような形で、道路や下水道の利用を含めて規制緩和等の措置をし、さらには金融支援措置を盛り込み、都市の国際競争力の強化、特に、先ほど冒頭にも申し上げさせていただきましたが、アジア諸国の各都市が急速に成長している状況の中で、私たち日本の国の都市の地域を何としてもアジア諸国のそのような注目される都市以上の魅力を持つ町に再生をして、海外からの企業や人を呼び込み、国際的にも競争力を強めることができるような都市をつくりたい、そのような意思を持って、ここに法律案を提出させていただいたところであります。

小宮山(泰)委員 大臣、ありがとうございます。

 この法案審議に当たり、今は復興に専念すべきとの意見もほかの党からございましたが、改めてこの法案を読みながら、一たんは東日本から避難をした企業や、外国資本も多いですが、本社機能を移した方々、また観光客などを含めて、日本がやはり活力があり、そして力強く復興していくためにも、都市の国際競争力をつけていくことは大変重要であり、震災以前よりも、今この法案を審議し、そして採決をし、できればさらにはよりよく活用されることが日本の復興を早める、そして活力をさらに強めるものだと思っております。

 これが早くされるためにも、また法案について質疑をさせていただきたいと思いますけれども、本法案で新規に提案されている道路上の空間利用また下水の取水など、今回の改正で、先に個別具体的プロジェクトや想定される地域があるようにも思われますけれども、この需要の実際の見込み、またこれの効果について具体的にお聞かせください。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今般創設いたします、御指摘をいただきました道路の上空利用の特例ですとか下水の民間利用の特例の適用ニーズにつきましては、法律の施行後、特定都市再生緊急整備地域を選定、指定していく過程の中で具体的に明らかになってくるものと考えておりますが、特定都市再生緊急整備地域に指定される地域は、これは改正案でも規定をされていますが、その規定に照らせば、例えば、具体的に申し上げますと、既に相当程度密度の高い市街地が形成されている中にあってさらなる土地の合理的な利用を図っていく地域であること、また、下水の流量が年間を通じて豊富かつ安定的であるとともに、都市機能が集積し熱需要が大きい地域であること等が考えられるところでございまして、こうした地域特性をかんがみれば、一定の適用見込みはあるものと考えております。

 また、実際に、これについては内閣府の行政刷新会議に対しても経済界から要望が寄せられているところでございまして、今後、国としましても、民間事業者、自治体との連携のもと、実現に向けて努力してまいりたいというふうに考えております。

小宮山(泰)委員 今回、初めての項目でもあります国際化も含めて、その中では、国土が日本は限りがございます。そういった意味で、高度的な利用を効率的にすること。また、下水道の利用というのは公共施設の方でももう既にやっている、これを民間開放すると伺っております。やはりこういった熱の問題、エネルギーの問題に関しましてもさまざまな問題に使わせていただければと思いますし、また、この点の活用に関しましては、国土交通省もそうですが、コンパクトシティーというような、そういった意味で、地域の集約をすることにもつながっていくかと思いますので、この点に関しましては、いい事例がありましたらぜひまたどんどん公表していただければと思っております。

 さて、この法案の中で、にぎわい、交流創出のための民間協定制度、都市利便増進協定制度というものが創設をされますが、これですと、官民連携の推進ということもありますが、さまざまな協定を考えることもできます。

 しかし、これまでも、例えば商店街振興組合法に基づいて、商店街振興組合や商店街振興組合連合会では、街路灯、アーケード、駐車場、物品預り所、休憩所等組合員及び一般公衆の利便を図るための施設の設置及び管理を事業として行うことができるというような、こういったものもございます。ほかの法案等をかんがみまして、こういったものとの違い、また今回の法案を制定することでのメリットをお聞かせください。

加藤政府参考人 お答えします。

 ただいま先生御指摘いただきましたように、今回導入する協定制度については、お話ございましたように、商店街について言えば、商店街振興組合が、例えばでございますが、広場とか緑地ですとかあるいは駐輪場とかベンチといった施設を、管理したりあるいは清掃をやったりといった活動をされているのも私どもは承知しているところでございます。ただ、そうした取り組みを、今回、私どもの制度では、商店街振興組合が存在しないような商店街エリアですとか、商店街に限らず住宅のエリアでも使っていただける制度として都市利便増進協定制度を設けさせていただいたところでございます。

 御指摘のように、商店街でもう既に地域のまちづくり活動が始まっているようなところについては、積極的にそちらを使っていただくということがまずは基本だろうと思っておりますが、足らざるところ、また、例えば近隣のところもあわせてやるといったような場合も当然考えられますし、住宅地エリアなんかもあると先ほど申し上げました。したがいまして、御指摘いただきました商店街振興組合法の活用とも連携をとりながらという意味で、所管する経済産業省とも連携して適切な運用に努めていきたいというふうに考えております。

小宮山(泰)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、現場の方々、また各制度を使う方々が混乱をしないようにきちんと、町のにぎわいや活性化に一番寄与するものが省庁の壁に阻まれることなく情報提供され、適切な選択ができるように、またこの点に関しましても御努力いただければと思っております。

 さて、改めて三月十一日の東日本大震災を考えますと、本当に未曾有の、本当に被害は大きくありました。また、建造物の大半が波に流されてしまった地域などの様子を見ましても、被災地の復興、再生を考えるとき、大都会であるかどうか、人口や都市機能の集約度がどの程度あったかということは抜きにして、都市の再生や町の再生とは何か、どうすればいいのかというのを改めて考えるきっかけになっているかと思いますし、そのためにさまざまな制度、現在ある法律も含め、新しくこれからできる法律も含め私たちは考えていかなければなりません。

 しかし、町というのは、どこにおいても人が集まらなくては、また住めなくてはにぎわいは生まれるものではございません。今回、震災もあって観光がやはり低調になってきた。風評被害も含め、海外からも、また国内も自粛ムードということで非常に人の出入りがない、そういった状況になっているかと思います。今こそ、国交省で進めておりますが、観光庁で進めておりますけれども、観光で日本に元気をつけていく、そういった応援の仕方もあるのではないかと思っておりますので、この点の現状についてお聞かせください。

溝畑政府参考人 今回の震災によりまして、被災地以外を含めまして、各観光地におきまして大変深刻な状況にあるという認識をしております。

 しかし、このような厳しい状況を踏まえながらも、被災地域の皆様への思いやりを十分持ち、そういう中で、例えばイベント、そしてまた文化、スポーツなどの各種行事、そのような観光に関する取り組みを積極的に行うということは、被災地への応援にもなりますし、困難な状況を乗り越えながら、経済を萎縮させずに、今後日本が復興していく上でも極めて有意義であるということから、昨日、そのような旨を各都道府県知事、市長、観光関係者の皆様に広く通知させていただきました。

 議員御指摘の海外のインバウンドについても大変深刻な状況が出ておりますが、震災直後から、外務省と連携をしながら正確な情報提供に努めております。インフラ情報、計画停電、放射線量などの情報をきめ細かく発信させていただいております。また、こういうときこそ直接出向いて、各国の方々に直接意思を伝える、そういう意味で、私、週末から中国に出向いてまいりまして、今後、十分連携をとりながら交流拡大を進めていこうということで、このようなこともこれから積極的に進めていこうと考えております。

 議員御指摘のとおり、復興に当たりましては、観光は被災から新生した地域を支える大きな柱になると思っております。そのときのためにも、関係省庁、地方自治体、民間の皆さんと一緒になって、日本全体の観光産業を守り立てて、観光で日本を元気にするという強い気概を持って取り組んでまいりたいと考えております。

小宮山(泰)委員 長官のいつもながらの行動力、フットワークのよさには感嘆をいたします。

 また、最近思うんですけれども、日本全体で今、頑張ろう日本というキャッチで、その思いというのは私自身も変わりませんけれども、世界では、日本全体が被災という誤ったメッセージが出されているのではないかという懸念もあります。今後は、頑張ろう東日本とか、地域を限定する、特定するなど、そういった言葉遣いも必要な時期に入っているのかなという思いもよぎっております。これから、日本国内外、しっかり観光を進めることによって、地域のすばらしい伝統文化、そして日本のよさというものを御理解いただき、また、消費を拡大し、地域経済の活性化に寄与していただきますようにお願いしたいと思います。

 さて、復興に関してですけれども、町をつくるというのは、白紙からつくるものではございませんが、今本当に、瓦れきや、さまざまな被災のつめ跡が残っている状況でもございます。被災地の瓦れき撤去、廃棄物処理の現場では、専門知識を持っていないボランティアなど、大変さまざまな有害物質もまじるかもしれない、そういった中で作業をされて、頑張っておられます。こういったところにおきましては、やはり分別などの知識をしっかり持った方が率先して後片づけをし、そして、瓦れき撤去を速やかにすることによって次の、町の復興につながると考えますが、この件に関しまして、環境省の指針、また今後の対応についてお聞かせください。

樋高大臣政務官 小宮山泰子先生が今回、震災対策に大変御熱心にお取り組みをいただいております。深甚なる敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 とても大切な御指摘をいただいたと思っております。今回の震災で発生をいたしました倒壊家屋等の災害廃棄物の中には、御指摘のとおり、アスベストなどの有害な廃棄物が混入しているおそれがあり、適正な処理が必要である、このように考えているところでございます。

 三月十九日でありますけれども、震災で発生した災害廃棄物の中のアスベストの取り扱いに関する留意事項を取りまとめさせていただき、関係都道府県に周知徹底を図るなどさせていただいた一方で、被災した住民などへのアスベストを含む粉じんの暴露防止等を目的にアスベスト大気濃度調査を実施することとしており、そのための基礎情報を収集するための予備調査を既に現在実施させていただいているということでございます。また、廃棄物の処理技術に係る窓口の開設や、専門家を現地に派遣するなどの取り組みを行う体制も整備し、実施をしているところであります。つまり、ネットワーキング化をし、実を上げているということでございます。

 今後も、各県に設置をされております災害廃棄物処理対策協議会などを通じまして、引き続き災害廃棄物の取り扱いなどに関する留意事項についてさらに周知徹底を図ってまいりますとともに、私自身、環境省の災害廃棄物対策特別本部長として現地に既に二回調査に入っているところでありますけれども、先生の御指摘を踏まえて、全力を尽くして、円滑かつ迅速、そして適正な処理が行われるように図ってまいりたいと思っております。

小宮山(泰)委員 ぜひ現場とともに、また多くの方が、瓦れきの中には石綿やPCBが入った機器やまた医療器具など、さまざまなものもございます。やはりこういったものを扱うのであれば、ぱっと見たのでは、泥にまみれていたりすると見分けがどれだけできるのか。本来であれば、分別解体をしてやっていけば一番いいんですが、今一遍に流れておりますので、例えばトリアージタグのように、専門家の方が、これは危険だからここはさわらないようにとか、そんなマークをしていくなど、そういったやり方もあるのではないかと思います。

 解体工事というのは、建設業二十八業種の中でとび・土木工事業という業者の扱いを都道府県が登録をするものだと思っておりますけれども、やはりこういった意味では、専門知識をもっと持っている者が、またこの研修を受けた者が必要かと思います。こういった資格について、将来的にはどうなるのか、そんな検討がされているのか、お聞かせください。

大森政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の解体工事施工技士でございます。民間資格として、解体工事に係る専門技術の向上に有意義な資格と認識をしているところでございます。

 先ほどの御指摘、建設業法上の取り扱いというように解釈させていただいて少しお話を申し上げたいと思いますが、法律上は、御指摘のように二十八の業種区分がございます。その業種区分ごとに必要な技術を有する技術者を現場に配置しているところでございますが、解体工事に関しましては業種が設定されていないことから、これに特化した資格制度も用意されていないというのが現状でございます。

 業種区分と資格制度のあり方につきましては、施工実態、そして必要とされる専門技術の動向などを踏まえて、さまざまな観点から検討を進めてまいりたいと思っております。

小宮山(泰)委員 ぜひこの点、また検討を前向きに進めていただければと思います。

 時間がなくなってまいりまして、最後ではありますけれども、ぜひまたこれから、日夜復旧に努力していただいておりますけれども、もう既に異臭が始まっている下水道に関しまして、もっと復旧をしていただきたい。また、日々こうやって頑張っていらっしゃる方々もいらっしゃいます。その方たちには本当に敬意を表させていただきたいと思います。現在の進捗状況を最後に聞かせていただければと思います。

加藤政府参考人 被災状況についてでよろしいんでしょうか。(小宮山(泰)委員「復旧状況と対応、簡潔に」と呼ぶ)復旧状況でございますか。わかりました。失礼いたしました。

 それでは、被災状況については割愛させていただきますが、現在やっている取り組みについて御報告させていただきます。

 処理場がかなり被災をいたしましたが、現在汚水が流入している十一カ所では、仮設の沈殿池を設置いたしましてその上澄みを消毒処理する簡易処理ですとか、あるいはバキューム車によりまして他の処理場へ運搬、処理等によって応急対応を実施しているところでございます。

 また、津波等で被害を受けました雨水ポンプ場二十七カ所も稼働を停止しております。これらのポンプ場についても、必要に応じまして、梅雨入りまでを目途に仮設ポンプの設置等の応急対策を進めているところであります。

 さらに、下水道の管渠でございますが、これも傷んでおりまして、現在までに確認されている被害延長は約八百四十キロでございます。この破損箇所につきましては、仮配管や仮設ポンプ設置等による応急対応を実施しているところでございます。

 今後、できるだけ早期に下水道施設の本格的復旧ができるよう、国土交通省としてもできる限りの支援をしていきたいというふうに考えております。

小宮山(泰)委員 ぜひ、現場に即した、下水道、そして浄化槽も活用して復旧に資する、そういった活動を続けていただきますことを心から願いまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

古賀委員長 次に、佐田玄一郎君。

佐田委員 自由民主党の佐田玄一郎でございます。きょうは、法案並びに災害につきまして質問をさせていただきたいと思います。時間も限られますので、答弁におきましては簡潔にお願いしたい、こういうふうに思っております。

 今回の災害、一カ月たったわけでありますけれども、果たして今どういう状況になっているか、この辺につきましてもしっかりと理解をして対応をしていただきたい、かように思っております。

 ところで、この災害に対しまして、政府におかれましては、緊急災害対策本部、その下に被災者生活支援特別対策本部、その下にまた被災地の復旧に関する検討会議、災害廃棄物の処理等に係る法的問題に関する検討会議、それと災害廃棄物の処理等の円滑化に関する検討・推進会議、また被災者等就労支援・雇用創出推進会議、そしてまた被災者向けの住宅供給の促進等に関する検討会議、こういう会議があるわけであります。

 これはつまりは、こういう会議によって一元的に、かつ体系的に、例えば地方と政府、そして民間、与野党はもちろん、一緒になってすべてを総動員してやる一つの拠点にならなくちゃいけない、こういうふうに思っておるんですけれども、私はなかなかそれが働いていないような気がするんです。もちろん我々の党も、野党の方も、与野党別にして、関係なく、全力で意見を出し合いながらこの難局を乗り切っていかなくてはいけないし、要するに、被災者の皆さん方の安定した生活を確保するために全力でやっていかなくちゃいけない。もちろん原発の問題もそうです、早く終局させなくちゃいけない、全力でやっていかなくちゃいけない。

 そういう中におきまして、私がちょっと気になったのは、これだけのものがある、この中でしっかりと議論をしていかなくちゃいけないにもかかわらず、今回また、復興構想会議というのができるということをお聞きしました。何か、我が党の方にも参加を呼びかけてきている。

 もちろんそれは、いろいろな意味において、どういう立場でやるのかとか、そういうことを考えたときに必要かもしれませんけれども、私の直観として、今の現状をかんがみた場合に、要するに東北並びに福島県の方でまだ一万三千人も行方不明者の方がいらっしゃる、そうですよね。そういう方々の捜索もまだはかばかしくない、そういう状況の中で、果たしてこういうふうな新しい構想で、建築家の方を集めたり、そしてまた有識者の方を集めて、大学の先生を集めて、もっと長期な未来について議論をするというのは、ちょっとデリカシーに欠けるんじゃないか、私はこういうふうに思っております。もっと今やるべきことをしっかりやって、そしてその次の段階に移るというのが筋じゃないかと私は思っているんですね。

 特に、テレビを見ておりますと、住宅の関係なんかも、今非常に皆さん、プライバシーもなかなかなくて、早く住宅に入りたいと言っております。移った方もいらっしゃるようですけれども、現在、本当に居住できる住宅は何戸できているか、ちょっとお聞きしたいと思います。

大畠国務大臣 現在の状況についてお答えを申し上げます。

 佐田議員からの御指摘のとおり、今回の大震災、東日本大震災の対応については、次々とその実態が明らかになるにつれ、私たちの想像を超えている、こういう状況から、スタートのところはまずは人命救助、どのくらいの規模で災害が広がっているかよく把握できなかったわけでありますが、とにかく人命救助から始まりました。そして、まずそのための道路の整備、あるいは鉄道の復旧、飛行場の復旧、それから港の復旧としてまいったわけであります。

 そういう中で、水、食料、燃料の供給を続けてきたところでありますが、次に必要なのは、御指摘のとおり、避難された方々の居住の確保であります。そういうことから、当初、二カ月間で三万戸という方針を打ち出しまして、これではとても足らない、現在、六万二千戸の希望をいただいているわけですから、したがって五カ月間で六万戸つくろう、こういう方針にいたしました。

 現段階で申し上げますと、一万九百八十七戸の建設が、土地も確保して着工に入った、あるいは着工予定、資材を集めて建設の準備に入ったというのが現在であります。百三十地域で一万九百八十七戸ということであります。

佐田委員 大臣、私が聞いているのは、今居住している方、要するに、完全にでき上がって住めるようになった住宅は幾つあるかと聞いているんです。

大畠国務大臣 現段階で完成したのは三十六戸。それから、プラスして申し上げますと、被災者の方に提供可能な住宅として、公営住宅、それからURの賃貸住宅、国家公務員宿舎、雇用促進住宅などで五万一千戸は一応確保いたしました。現在、この確保したところに入る方の希望をとっておりまして、そして提供をしたいと考えているところであります。

佐田委員 大臣、だからそういう努力、例えば港湾であるとか鉄道であるとか、それを復旧させるということも大事ですけれども、まずやらなくてはいけないのは被災者の方々の生活の安定であるということを忘れないでいただきたいんです。

 そして、その中において、今言われたように、もう一カ月たっているにもかかわらず、中に入って、本当に住んでいただいているのはまだ九十七戸、これは非常に問題なんですよ、大臣。ぜひその辺のことを、本当に被災者の立場に立って、一万数十戸の準備をしているのであるならば、一日でも早く、もっと六万戸、七万戸つくれるようにしっかり努力をしていただきたい。地方自治体の方々も一生懸命努力もしておりますし、例えばURであるとか雇用促進住宅、こういうものにつきましてもしっかりと確保をしてやっていただきたい、こういうふうに思っております。

 それと、大臣、一番私が心配しているのは、先ほども質問がありましたけれども、瓦れきの処理の問題。先ほど私は、この瓦れきの処理につきまして、被災者生活支援特別対策本部の下に災害対策会議であるとか検討会議があるわけでありますけれども、廃棄物の中に、小川法務副大臣が座長をやっておったり、きょうは樋高先生がおられましたが、環境大臣政務官が座長でやられておる。

 こういうことではなくて、一元的かつ総合的にやる意味においても、こういう瓦れきというものについては、公物については国土交通省でやりましょう、道路の上をやりましょうとか、田んぼの上は農林省でやりましょうとか、港湾は国土交通。そうじゃないんですよ、これは。では、環境省が本当にこれを撤去できるんですか。私は無理だと思いますよ。これは、本部の方で中心になって、やはり総合的にやらなくちゃいけない、こういうふうに思っているんですけれども、大臣はどういう御見解ですか。

大畠国務大臣 先ほど御指摘を賜りましたが、住居を確保して、早く避難されている方々の生活の場というものをつくるということは非常に大事でありまして、御指摘のとおり、これに力を注いでまいりたいと思います。

 同時に、今御質問をいただきましたが、瓦れき処理というのが私の大変頭の痛いところでありまして、これをどうするか。今御指摘のとおり、これは環境省が基本的にやる、主体的にやるということになっております。

 環境省が本当にそういう形でできるのかという御指摘でありますが、これは国土交通省も全面支援をしておりまして、きのうの段階でございますけれども、基本的な方針というものを、環境省、国土交通省、厚生労働省等々で、総務省も入っておりますけれども、話をしまして、次のような流れでやろうということになりました。もちろん、市町村がこの瓦れき処理を主体的に行うということでありますが、ところが、市町村が、その瓦れき処理に力を注ぐだけの体力というのが残っていないところもございます。ここについては県が対応するということになりまして、それを国がバックアップする、こういう一つの流れができました。

 同時に、御指摘のとおり、瓦れきの中にはたくさんのものがございまして、車も入っておりますし、建物も入っておりますし、それから船舶、動産も入っております。これらが全部かなり混雑しているわけでありますから、これをどうするのか。いわゆる私有財産というのも入っておりまして、許可を得ないで単に撤去していいのかとかさまざまな論議がありましたが、これらについても、全部私の手元に資料を寄せましたけれども、建物についての処理、自動車についての処理、船舶についての処理、動産についての処理の方法についても、一定の基準というものを設けまして、これからさらに力を入れてやっていきたいと思います。

 主体的には、確かにルール的には環境省でありますけれども、やはり国土交通省がかなり力を入れてこの分野についてはやっていかなきゃならない、御指摘のとおり、私どももそのような考え方で取り組んでまいりたいと考えております。

佐田委員 大臣、答弁はできるだけ短目にしてください、時間がないので。

 それで、大臣はそういうふうに努力をされておる。その中におきまして、やはり環境省でやる、または厚生労働省でやる、これは実質的に手がないわけですよね、はっきり言って。その中において国土交通省は、かなり道路の方も整備されている、かなり手がある。

 そしてまた、中には、今言われたように、先ほどの質問にもありましたけれども、アスベスト、これは非常に、要するに基準を決めるだけではだめなんですよ。やはり、アスベストが飛散をしておったり、そしてまた有害物質があったり、そういうものについて、本当にプロの方々が来てやらないと、これはなかなか撤去できないというのが現実であります、はっきり言って。私的財産の問題もある、大臣も今言われましたけれども。それよりも、二次被害を防ぐということが最も大事なことなんですね。二次被害を防ぐ。

 だから、そういう意味においては、例えばその地域の建設関係の方々、忙しいかもしれませんけれども、それであるならば、途中で設計変更して、工期延長して、こっちの災害の方に来てくださいとか、産廃業者の方々にもそうです。解体業者の方々もそうです。そういうふうに、二次被害にならないように、こういう瓦れきになれている人たちをできる限り入れてやっていかなくちゃいけない。

 しかも、くどいようですけれども、一万三千人の方がまだ行方不明なんですよ、大臣。そういうことを本当にデリケートに我々は考えていかなくちゃいけないんです。私が言った中において、そういう業者を使うということと、もう一つ、先ほどの話に戻りますけれども、そういう状況の中で、復興構想会議というのはちょっとデリカシーに欠ける、私はこういうふうに思っているんですけれども、どう思われますか、大臣。

大畠国務大臣 復興構想会議というものについての御質問がございましたが、今、私ども国土交通省としては、とにかくこの大災害に対して復旧、そしてまたそれをどういう形で今後を考えていくかということが必要でございまして……

古賀委員長 ちょっとしばし、揺れておりますね。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

古賀委員長 それでは速記を起こしてください。

 大臣。

大畠国務大臣 先ほどの続きになりますが、私どもとしては、まずは、御指摘のように一万三千人を超える方々がまだ行方不明であるということを考えますときに、そういうことも配慮しながらも、いかにして現在の状況を整理して、そして次のステップに進むか、これも考えていかなければと思います。

 復興構想会議という御指摘でありますが、これはこれとして一方では考えていかなければならないかなと思いながらも、国土交通省としては、現在の被災地の方々の要求にこたえてできるだけの支援をして、そして瓦れき撤去なんかも含めて次へのステップを固めていく、そのために力を注いでいるところでございます。

佐田委員 大臣、これは非常に重要なことで、今、現場を見ておると、ほとんど自衛隊の方が不眠不休で大変な瓦れき撤去に当たられておる。これを見たときに、本当に自衛隊の方々は大変だなと。本来業務じゃないわけですね。それにもかかわらず、お亡くなりになった方もいらっしゃる。それほどまでに真剣に一生懸命やっていて、そして、なおかつ二次被害、これは大変な問題になりますから、それはやはりプロはプロにやらせる。

 要するに、これは環境省でやるんだから我々は関係ないよとか、厚労省の基準でやればいいじゃないか、そういう問題じゃないんです、これは。大変な問題で、先ほどの話じゃないけれども、アスベストだとか有害物質、これによって二次被害が起きる可能性がある。この点をポイントでしっかりと大臣は指示をして、大臣の指示のもとにしっかりやっていただきたい。そしてまた、先ほど言ったいろいろな会議、本部、こういうところが中心になってやらなくちゃいけないんです。我々も協力するところは積極的に協力していますし、これからも全力で与野党なしに協力しますから、はっきりとその辺はやっていただきたい。

 瓦れき撤去は、大臣、もう一つ抜けているのは地方自治体ですよ。本来ならば地方自治体がやらなくちゃいけない。ところが、地方自治体の方には予算がないという場合があるんです。予算に対しては、例えば災害援助法でしっかりとそれをやる、一次補正でしっかりやりますよ、そういうアナウンスというのも大事なんです。これは大臣だけではないけれども、与党として、または政府として、しっかりとそれを言っていかなきゃだめですよ。与野党挙げて、我々も協力していきますから、それはぜひお願いをしたい、こういうふうに思っております。これは答弁は要りません。

 そして、もう一つの大事なことは、やはり原発の問題ですね。

 四月十二日の読売新聞に載っておるんですけれども、「東京電力福島第一原子力発電所から半径二十キロメートル圏外の五市町村について、新たに「計画的避難区域」に設定して避難対象にすると発表した。この地域に住み続けると、放射線量の積算線量が一年間で二十ミリシーベルトに達する可能性があり、健康被害を予防する措置をとったものだ。」こう書いてあるんですね。

 二十キロ圏内、そして三十キロ圏内。二十キロ圏内は退避してくださいということになっていますよね。三十キロ圏内までは屋内退避もしくは自主的退避になっている。こういうことで、ですから二十キロから三十キロ圏内、そして今度は新たに計画的避難区域、こういうことが設定をされて、この計画的避難区域には十一万五千人の方が住んでおられる。こういう方々に対して、住んでいる方々、被災されているその区域の方々、こういう方々が、じゃ、どういうふうに動いていいのかという指針が全くないんですよ。

 ですから、私の言いたいのは、この中で二十キロ圏内、三十キロ圏内の人たちは、我が群馬県においても三千三百人の方が来られています。温泉地にいたり、公的な住宅に入っていただいたり、公的な施設に入っていただいたりしております。そしてまた、その方々に来ていただくときには、被災地には油がありませんから、我々はバスで行って、わざわざ来ていただいて、住んでいただく。これはお互いさまですから、やはり優しい気持ちを持って、被災者の方々が安心して暮らせるように最大限の努力をしておるわけであります。

 しかしながら、こういうときには、やはり会議だとか本部とか中心になるべき組織が、例えば被災された地域と、そしてお世話にならなくちゃいけない周りの地域の方々の要するにつなぎをやったり、例えば、それで避難するというふうになったとしても、大臣、子供さんの教育はどうするのか、自分の仕事はどうなるのか、行った先で住むところはあるのかどうか、仕事はあるのかどうか、いろいろなことが不安なわけですよ。その中に、先ほどの対策本部があるにもかかわらず、ほとんど機能していないのが現実ですよね。各隣県の方々が自主的に、我が群馬県においても隣の福島県やら宮城県の知事さんと直接話していますよ。

 そういうことで、果たしてこれが、要するに本部、会議が機能しているのかどうか、大臣も多分本部の一員になっておられると思いますが、どう思われますか、こういう対応につきまして。

大畠国務大臣 御指摘のように、これまでの対応というのは、次々と明らかになる災害の状況に対してどう対応するかという応急的な対応に追われてきたようにも感じます。そういう中で、御指摘の二十キロ圏、三十キロ圏、あるいは今回新たに計画的な避難地域という地域が設定されましたが、その方々がこれからどういう形で生活をしていくのか、こういう視点での対応というのが今不足していると思います。

 したがいまして、この中で、この方々の立場に立って、新たな避難先でどのように生活をしていくか、これについても、御指摘のように超党派といいますか、いろいろな知恵は出す、それから力もかす、まさにこの件についてはいろいろとお知恵も拝借しながら道筋というものを示していかなければならないと思いますが、その件については不十分であるということは、私もそう感じております。

佐田委員 それで、この新聞によりますと、政府で、避難が必要な期間が数年に及ぶ可能性は否定できないと言っているんですよ。そういうことを言ったときに、被災されている方が今非常に不安になっているんですね。ですから、そういう言葉一つ一つにも、やはり非常に考えて、被災者の方々を安心させるような形でやっていかなくちゃいけないと私は思っております。

 それと、大臣、はっきり言って、具体的に私は前からこれはずっと言っているんです、うちの党でも。そしていろいろな会議の中でも必ず申し上げているのは、これはできないことではなくて、政府が中心となって体系的、一元的に、例えば先ほどの瓦れきの問題だって、地方自治体がやるのであるならば、そしてまた今回の、原発から避難する、退避する、そういう方々の面倒を見る、そういうことも全部地方自治体でやっているんですから、要するに、そのつなぎ役を体系的にしっかりとやっていただきたいんですね。そうでないと、本当の意味の、被災された方々、原発もそうです、そして東北の方々もそうです、そういう方々の本当に安心した生活がこれから将来営めるのかどうか、それに対する不安が非常にこれから増してくる、こういうふうに思います。

 大臣だって茨城県でしょう。茨城県も被災をされ、またなおかつ受け入れもやっておられる、こういうふうにお聞きしておりますので、それはしっかりと考えてやっていただきたいと思いますけれども、そのつなぐということについて大臣はどう思われますか。

大畠国務大臣 御指摘の、各自治体、避難された方々を受け入れている自治体と十分な連携をとって、被災された方々の生活のこれからの道筋というものをきちっと整理してお示しをしなければならないと思います。

 このことについては、受け入れている自治体と十分国も連携をとって、その自治体の、基本的には自治体の皆さんにお世話になるわけでありますが、道筋については、そのつなぎも含めて国としても対応策を示していかなければならないと私も考えております。

佐田委員 大臣、私がなぜこれをしつこく言うかというと、今現在、我々は県と県でやっています。仲介役がないので直接県と県でやっているんですけれども、直接県と県でやって、こういうふうな、例えば自主退避であるとか計画的避難区域であるとか、こういうことをやったときにどういう現象が起きるかというと、きちっとそういう安心を持って退避できないものだから、やはり取り残されるのは本当に弱い方々なんですよ。例えば、子供さん方だとか妊婦の方々だとか、そして要介護の人たち、入院患者の人たち。患者の方々で福島県で亡くなった方もいらっしゃいますよね。

 そういうことを考えたときに、ちゃんと政府が中心となってやらない場合には弱者の方々が被害を受けるということを真剣に考えてもらって、ただ単に会議をつくるとか本部をつくるじゃなくて、しっかりとその中で議論をして、つないで、そして被災者の方々が安心して生活ができるように、大臣、人に任せるんじゃなくて、それは私、国土交通大臣が中心になってやる、そのぐらいの意気込みで私はやってもらいたい、こういうふうに思っております。私は大臣を昔からよく知っておりますから、大変期待しておりますので、それは人に任せるんじゃなくて、おれがやる、そのぐらいの気持ちでぜひやっていただきたい、こういうふうに思います。

 それと、今、経済的な問題、これが大変なんですね。いわゆる風評被害ですよ。国土交通委員会で言うべきことじゃないですけれども、我が群馬県も、大臣のところの茨城県も、栃木県も、みんなそうだと思います。うちの方は、例えばホウレンソウだとかかき菜に、ちょこっとだけオーバーした、それで出荷規制、そういうふうなことで、ほかのハウス物のキュウリだとかトマトまでが三分の一、四分の一になってしまっている。

 先般の猛暑で大変に不作で米も全然とれない、もう農家は大変悲惨な状況になっているということをぜひ御理解いただきたいし、そういうところにおいて、例えばモニタリングポストであるとか、うちの方もおかげさまで解除していただきましたが、こういうことによって、細かくやる、地域的にも細かくやって、そして時間的にも細かくやることによって、安全なものは安全、解除するものは解除するということで、しっかりやってもらわないと、日本の農業が本当に崩壊する、こういう危機にもあるということをぜひ御理解いただきたい。

 そしてまた、なおかつ、これは国土交通に関係しますけれども、先ほども申し上げましたけれども、三千三百人の方を今群馬県で、お世話しておるというか避難していただいております。そういう方々に対して、例えば旅館にいて、例えば五千円のところを二千円は旅館が持っていただいて三千円を県で出すとか市町村で出すとか、そういうことで今暫定的にやっておるわけですね。そういう中において、この旅館だとか宿泊施設が、自粛であるとか、もう一つは計画停電、計画的じゃないんですよね、全然計画的でない停電のせいで全部キャンセルで、うちの方で有名な草津温泉であるとか水上温泉、猿ケ京温泉、がらがらです、はっきり言って。群馬県もそうですし、多分ほかの県の方々もそうだと思います。もうがらがら、ほとんどお客が行っていない。

 そういうことに対して我々はやはりしっかりと対応していかなくちゃいけない、こういうふうに思っていますけれども、要するに、経済に対する打撃、そしてまた地方は農家もだめ、観光業も全然だめ、そして企業も計画停電によって中小零細企業は大変な状況になっている。これについて大臣はどう思いますか。

大畠国務大臣 ただいま、原子力事故に起因する、農業、それからさまざまな形での観光等に対する影響をどう受けとめているのか、こういう御質問を賜りました。私も茨城県出身でありまして、茨城県の農産物も御指摘のとおりの状況もございました。

 まず大事なことは、正確な事実に関する情報を常に把握して、それを公表していくということであります。それと同時に、風評被害というもので、例えば、そういう報道がされますと、茨城県というだけでいろいろと被害を受けたわけでございますが、しかし、事実に基づいて対応していくことが一つは重要だと思いますので、私も構成メンバーの一人として、正確な事実を把握して、それを公表し、それに基づいて対応する、こういうことを強く求めてまいりたいと思います。

 それから、草津温泉というお名前も出ておりましたが、草津温泉を初め各温泉の方々にも大変御協力をいただきまして、避難の方々を受け入れていただいている、こういうお話も聞いております。なお、その費用については、国の方でこれについては負担をするということで、今、最終的にはそういう体制をしいておりますが、いずれにしても、また御指摘を賜りましたので、この風評被害対策について、国土交通省としてもやれる限りやってまいりたいと思うところであります。

佐田委員 では、もう時間が、地震の時間は抜けたと思ったんですけれども、ちょっと最後の質問になると思いますけれども、質問というか申し上げたいのは、四月八日開催の電力需給緊急対策本部に付議された夏期の電力需給対策の骨格の中に、夏期節電対策の具体例として「電力需要ピーク期の家族旅行(西日本などへ)」が挙げられているけれども、うちの県の方から申し上げたいのは、東北、先ほど経済が疲弊していると。そういう中において、こういうことをされると困るということなんですけれども、「東日本大震災により、東北、関東地方の観光地は大きな影響を受けており、宿泊施設は相次ぐキャンセルのため経営が著しく悪化するなど、地域経済は疲弊してきている。」ところでありまして、「早期の震災復興のためには、経済が活性化することが必要不可欠であるが、骨格(案)のような具体例を示すことは、東北地方や関東地方の旅行を控えるべきとの政府の意思表示と理解され、これらの地域の経済を一層疲弊させることにつながる。 よって、今後策定される「夏期の電力需給対策」においては、このような表現は厳に慎むことを強く求める」、こういうことであります。答えはいいです。

 それと、最後になりますけれども、こういうふうに、災害というのは二百年に一度はある。前にも質問しましたように、うちの方の八ツ場の問題で、災害はいつ来るかわかりません。大臣、早く検証結果を、吾妻の方々も苦しんでいますから、八ツ場の件につきましても、災害であります、ぜひ災害対応について早期に結論を出していただきたい。要するに、八ツ場の中止撤回をぜひ早くやっていただきたい。よろしくお願い申し上げまして、終わります。

古賀委員長 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 本日は都市再生法改正案の法案審査でございますけれども、前半は、前回の一般質疑に続きまして、震災関連のことでちょっとお伺いをしたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、前回の質疑でも確認をさせていただきました建材の不足ですね。仮設住宅の方は、大臣本当に頑張っていただく中で、着工がどんどん進み始めた。この進み始めた着工で、資材がそちらにどんどん集中する。これはこれでいいと思うんですね。その一方で、東北地方の建材の工場がかなり被災をしまして、流通がなかなか滞っている、そういうのはどうですかということを聞いたときに、これからしっかり調査をしますという答弁だったんですけれども、その後、どのような状況になっているか、また、その対応についてお伺いをしたいと思います。

大森政府参考人 お答えいたします。

 建設資材の需給の状況につきましては、さまざまな形で情報収集を行っているところでございます。

 現時点での結果でございますが、買い占め等の情報は入っていないものの、合板、電線ケーブル、塩化ビニール管などの一部の資材については、先生御指摘のような震災による工場の被災等によりまして、全国的に入手が困難な状況、やや困難な状況が出てきているということが報告されております。

 このような状況を踏まえまして、既に関係省庁から、例えば合板については林野庁、電線ケーブルについては経済産業省から、製造団体に対して安定供給の要請を行っているところでございます。四月五日に発表させていただきました調査結果によりますと、合板につきましては四月以降には震災前の生産量を確保できる、電線ケーブルも五月初頭にはもとの生産量を確保できる見込みというようにされているところでございます。

 国交省といたしまして、今後、被災地の本格復旧復興に移行していく中で、資材不足の影響が極力生じないよう対応していきたいというように考えております。

高木(陽)委員 きのうも質問通告するときのレクチャーを受けながら聞いたんですけれども、調査をするときに、例えば住宅生産関連団体だとか住宅建設資材生産団体だとか、団体を通じていろいろと情報を収集すると。ところが、現場は大変困っております。

 例えばこれは北海道新聞の記事なんですけれども、「東日本大震災で工場が被災した断熱材、ガラス、合板などの建設資材が品薄になり、道内でも住宅やマンションの建設に遅れが出てきた。」というような状況の中で、「「住宅がいつ完成するかを施主に示せない」。年間約三十軒の注文住宅を手がける札幌の工務店の社長は断熱材がほとんど手に入らず、工事の見通しが立たないことに頭を抱える。通常の工期は三カ月程度だが、「何とか年内には完成させたい」」というふうに言っているらしいんですけれども、現場は大変混乱しているんですね。

 お役所としてみれば現場を全部回るということは無理かもしれませんが、やはりこういう状況、まさに仮設住宅を一気に万単位でつくらなきゃいけないという、そこには集中してどんどん建材が行く。一方で、東日本、特に東北地域じゃないところは通常の工事をしているわけですね。これは経済にも影響を与える。特に、建設関係はすそ野が広いですから、これで影響が出てしまいますと復興にも影響するだろうということを前回指摘したと思うんです。

 ですから、そうやっていろいろと各関係省庁、連携をとってやってもらうということなんですけれども、現場の苦しさというのをもっと感じてもらいたいと思うんですね。まさにそこは、今回の震災、被災者の方々の痛みを感じるとともに、そうじゃない方々も痛み始めているんだ、ここをどうか知っていただきたいと思うんですね。

 その上で、住宅業界、これはどういう影響が出ているのか。今、こういった例をちょっと挙げましたけれども、着工件数がどのような状況になっているかも含めてお伺いをしたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 住宅着工の状況をまず御報告申し上げますが、実は、三月末、被災後の数字は今月末に取りまとめられる予定でございまして、現時点で私どもが持っております数字は、被災前の二月までの結果でございます。

 二月の着工が六万二千二百五十戸で、これは、前年同月比一〇%増、年率換算、季節調整済みで八十七万戸程度という数字になっております。ただ、いずれにしても、三月の数字ということになりますと、恐らく被災地域においては住宅着工の落ち込みも予想されるところでございます。

 全国的に見た住宅の状況ということにつきましては、先ほど建流審の方からも御答弁ございました。

 私どもが経産省や林野庁や環境省と一緒に調査をいたしました緊急調査の結果でも、合板やパーティクルボード、それから御指摘ありましたグラスウールなどについて、注文がかなりふえてきておって、需給はかなりタイトになっているというふうな報告がございました。

 また、例えばキッチンなどの用品などにつきましても、これは、工場が被災したこと、あるいは計画停電の影響で生産量が落ち込んでいるというふうなことから、かなり需給関係はタイトになっているものがあるということでございました。

 ただ、各業界の方の聞き取りによりますと、一部を除きますと、四月から五月の初めにかけて生産量は大体回復をしてくる、それによって需要に見合った供給がなされる見込みというふうに報告を受けておりまして、今御指摘ございました、現場ではそういった混乱もいろいろ起きているということでございます。

 私ども、調査結果は公表いたしましたけれども、そういった今後の見通しにつきましても、各地域においてある程度見通しが立つような格好で、情報の伝達というところについてはきっちりやっていきたいというふうに思っております。

高木(陽)委員 二月の住宅着工が六万二千、前年比一〇%増、これはある意味でいうとすごくいい話だったわけですね。三月十一日の震災以降、この数字は、三月度は今月末に出るということなんですが、多分厳しい数字が出てくるだろうなと。もう少し言いますと、四月度の方がまたさらに厳しいんじゃないかなと思うんですね。ここのところをしっかりと見据えていただきたい。

 こういうときはやはり想像力が大切だと思う。情報というものが集まってきて、まとめる。国交省としてみれば、そうやってちゃんとした正確なデータでやらなきゃいけないとは思うんですけれども、やはりこれは、工場が被災している、実際問題、現場ではそういう声が出ている。そんなときに、いろいろな手を打っていく、これが必要なんじゃないかなと思うんですね。

 何度も申し上げますが、東北の復興は本当に最優先でやっていかなきゃいけないんですが、それ以外のところが、特に小さな工務店なんかは、逆に言ったら、このままいってしまうとつぶれちゃうという可能性さえある。多分、工場がすぐには稼働できないでしょうし、何とか通常の量までいつ回復するのか。四月ぐらいだ、いろいろな話も出ましたけれども、一つ足りないとできないわけですね。トヨタがそうじゃないですか。トヨタが、部品が一つ足りないということで全部の工場がストップしている。こういう現状でいうと、住宅もそうですね、では合板があればできるかというと、そうじゃない。住宅局長のお話、キッチンのいろいろなものも足りないという話も出ましたね。

 だから、ここら辺のところをやはりきめ細かく見て、手を打てるところは打つ。例えば、輸入しなきゃいけないだとか、緊急的に何か手を打つだとか、そういうことも考えていただきたいと思うんです。その点について、大臣、どうでしょう。

大畠国務大臣 ただいま、大変大事な御質問をいただいたと思います。

 高木委員からの御指摘でございますが、資材が不足しているので、例えば、西日本で住宅をつくっているところで、キッチンのセットが一個だけどうしても入らないから完成できない、したがっていつ完成するかわからない、こういう状況が生み出されることは大変問題だと思います。

 であれば、日本国内でそれだけの供給が不足するのであれば、アメリカからでもカナダからでも輸入をしてとにかく対応する、こういうことも大事だと思います。既にカナダやアメリカからも、日本で必要であればそういう資材を日本に緊急に輸出してもいい、こういう申し出も受けておりますので、仮設住宅建設は大変大事でありますが、そのところに集中してそのほかの地域の方々に迷惑をかけることがないように、国土交通省としても目配りをして実態を把握して、そしてきちっと対応がとれるように、私としては対策をとってまいりたいと考えているところであります。

高木(陽)委員 大臣の方からそういう前向きな御答弁をいただきました。しっかりと対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、仮設住宅が今でき始めまして、それ以外にも、各自治体が、公営住宅等の提供または民間の借り上げ等々、いろいろとやられている。仮設住宅の場合は二年間家賃がない、こういった状況の中で、仮設住宅で全部入れればいいです、または公営の住宅に全部入れればいいです。多分、今、これだけ広域の被災者がこれだけたくさんいる中で、原発の問題も今度出てきましたし、そうなってきますと、ちょっと足りないんじゃないかな、そういう思いがあるんですね。

 その中で、民間賃貸住宅へ避難した場合の助成ができないものだろうか、このように思っているんですけれども、自治体によっては対応しているところがあると伺いました。実は、福島県の須賀川市というところでは、住宅が半壊以上で使用不能だった方々で応急仮設住宅に入居できなかった人、生活保護法による住宅扶助を受けていない人、市税等の滞納のない人ということで、民間の住宅に入られた方に助成制度を設けているということですね。

 ここら辺のところはどうなのかなというふうに思いまして、きょうは厚労省にも来ていただいておりますので、この現状及び国の支援、こういうのが可能なのかどうか、これもちょっとお伺いしたいなと思います。よろしくお願いします。

清水政府参考人 お答え申し上げます。

 地方公共団体が応急仮設住宅をつくった場合はもちろんでございますけれども、また、公営住宅を応急仮設住宅のかわりとして借り上げた場合ももちろんでございますが、それ以外にも、応急仮設住宅のかわりとして民間賃貸住宅を借り上げた場合、これらいずれも、災害救助法に基づきまして国庫負担の対象となるわけでございます。最大九割でございまして、地方負担につきましても地方財政措置が講じられるということでございます。

 今お尋ねの福島県の須賀川市の例でございますけれども、今お聞きしまして、被災と被災者の実態を十分把握しておられる市におきまして、もとの住家が使用不能であるといったことを十分認定していただき、また、新たな住家が実態的に必要不可欠である、また公的支援も必要不可欠だというふうにお考えであるならば、市が民間賃貸住宅を借り上げるという形、そういう形になれば私どもの災害救助法の国庫負担の対象となるわけでございますので、そのような形、必要であれば私どもの方から自治体にアドバイスもしてまいりたいと考えてございます。

高木(陽)委員 今のシステムというのは、各自治体がそういう判断をして、それから国から応援をもらうということですね。

 ただ、今回の被災を見ますと、余りにも広域、特に自治体においては、市町村でほとんど自治体の機能を果たせない、そういうような状況がもう現在あるわけですね。

 そんな中で、例えば公明党として、公明党の災害対策本部が官邸の方に申し入れた中で、罹災証明を早く出せ、こういうこともありました。罹災証明が出ないといろいろなこういう応援をいただけないということで、役所がなくなっているわけですから罹災証明が出せない、こういうことがあるわけですね。

 そこからちょっと延長して考えますと、仮設住宅、もしくは自治体が公営住宅を提供、さらには民間を自治体が借り上げるということがスムーズにできればいいですよ。例えば須賀川なんかは、そういう部分では、壊滅的ということじゃないからこういう手を打てたと思うんですね。ところが、これは前回の委員会でも質問しましたが、壊滅的な打撃を受けている自治体において、県が仮設住宅をつくる、募集は市町村でやる、ところが、その市町村に全部つくれればいいですけれども、つくれない場合がある、これは大変ですね、こういう指摘をしたと思うんですね。そうなりますと、県外というのも考えられる。

 そうなってきますと、さっきは仮設住宅、万単位という言い方をしましたが、今、十五万前後ですか、避難所にいらっしゃる。世帯数はもっと少なくなるかもしれませんが、とにかくこの住宅問題は早急に片づけなきゃいけない。

 そうなってきますと、民間の借り上げができるところはいい。そうじゃなくて、中には自分で先に移る人がいるわけですね。自分で移れるから、では、いいじゃないかと。ところが、では、それだったら、ずっと待っていた方が全額家賃をオーケーしてくれる。でも、例えば、寝たきりのお年寄りがいる、家が半壊してしまった、または、家族としてどうしても避難所での生活は厳しい、こういう状況もあるかもしれません。それで、先に借りちゃった人は、損と言ったらおかしいですけれども、公平性の観点からいうとどうなんだろうかな、こういうふうに思うんですね。

 ですから、災害救助法の観点からいうと、では市が借り上げてくださいという話になるんですが、官僚の皆さん方は、法律に基づいて動くというのは当然だと思います。法律以外のことをやれというのは無理だと思います。まさにそういう現実に即応した法律をつくるのが政治家の仕事だと思うんですね。

 ここのところは、公平性という部分、先に借りちゃった、後は自分でやってください、こういうふうにほったらかすのか、それともそういう助成みたいなのを何か入れるのか、それはもう自治体でやってもらうのか、いろいろな問題があるんです。あるんですけれども、ここもやはり考えなきゃいけないんじゃないかなと思うんですね。

 これは厚労省が一応担当なんですけれども、大臣、閣僚としてまさに災害対策本部の中に入っていて、支援は仙谷官房副長官の方でやるという形でしょうけれども、そこら辺のところを、ちょっと、この住宅問題を抱える国交省としてもう一度考えてもらいたいと思うんです。どうやったら本当に全員がちゃんと住宅に入れるのか。多分足りないんじゃないかなと思うんですね。そこら辺、どうでしょうか。

大畠国務大臣 先ほど佐田議員からも御質問を賜りましたが、これまでのこの一カ月を振り返りますと、とにかく緊急対策として、次々と明らかになる事実関係に対してどう対応するかということに追われてきたような感じがします。

 同時に、大規模な形で、とにかく仮設住宅六万戸を建設しよう、こういう方針で進んでまいりましたが、今の御質問のように、個々に、今度は徐々に事実関係に基づいて考えると、今の対応だけでいいのかというところが出てまいります。そして、行政の対応の仕方は公平でなければならない、公正でなければならない、こういうのがありましたので、事実関係として、住民の方々が避難をされ、そして、自分自身の大変な、これまで積み上げてきたものとは別な形で生きていかなきゃならない、こういう厳しい選択を迫られています。

 その中の一つとして、今、例をいただきましたけれども、では、自分で新たにこの町に移り住んでここで新しい生活を始めるか、こういうときに、政府の方の一つのシナリオに沿わないときに、そういう移り住んだときに、では、この方にはどういう対応をしなければならないのか。このことについては、改めて、これまでの流れの中には入らない範疇かもしれませんが、公平公正という意味で問題があるのではないかという御指摘は、私もそのとおりだと思います。

 したがいまして、個々の問題でありますが、それも大変大事な指摘でありますから、それにはどう対応すべきなのか、このことを内部で検討させていただきたいと思います。

    〔委員長退席、田村(謙)委員長代理着席〕

高木(陽)委員 御検討というお話が出ましたので、よろしくお願いしたいと思います。

 阪神大震災の後、被災者生活再建支援法というのが議員立法でつくられまして、そのときも財務省の方は、私的な財産にお金を出すというのはおかしな話だ、こういうふうにずっと言っていたわけですね。ところが、国会でずっと議論して、その中で、住宅が壊れた、私有財産ですから、何でそこに震災のときはやらなきゃいけないんだと財務省は言うんですよ。でも、それはやはりやろうじゃないかということで法律ができていくわけですから。今回の問題も、今ある法律の枠内では外れちゃっている人たちというのは、今回は本当に多いと思うんです。だから、ここを、本当に御検討をよろしくお願いしたいなと思います。

 ちょっと時間が限られているんですけれども、震災の関連でもう一つ。

 これはこれからの話なんですが、特に今回は都市再生ということもテーマになっておりますので、大都市の木造密集市街地、これが大変なんですね、大阪、東京。東京は環状七号線と八号線の間。これは、直下型もしくは東海地震等々がどっと来ますと、一気に、つぶれるだけじゃなくて、多分火災になりますね。大変な状況になる。これはもう前から言われているんですけれども、今回の東日本の大震災を機に、やはり都市の防災も手を打ち始めなきゃいけない。今までも打ってきましたけれども、加速させなきゃいけないと思うんですが、この点についてどういうふうに考えているか、伺いたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘ございましたように、災害に大変脆弱な木造密集市街地の整備改善、これはまちづくりの観点からも大変大きな課題であるというふうに考えております。

 この点はこれまでも、危険な密集市街地の整備というものを進めるために、道路などの公共施設を整備する、あるいは老朽化した建物の共同建てかえを進めるといったような取り組みを公共団体と協力して進めてまいったところでございます。平成十三年時点で、全国で約八千ヘクタール、特に危険な密集市街地があったわけでございますが、二十一年時点でこれが約五千ヘクタールまで減少してまいりましたが、まだまだ解消というところには至っておりません。

 したがいまして、これは、従来の延焼しにくさという、単なるそういった考え方だけではなくて、これに加えて避難のしやすさというものも考慮して区域、目標の設定を行って施策を講じていくことといたしたいと思っておりまして、今申し上げました公共施設の整備などに加えまして、例えば避難経路の確保、それから個別の建築物の耐震、防火改修などといった施策と組み合わせまして、きめ細かい対策を組み合わせて行うことによりまして、こういった密集市街地の安全性の向上、そして危険な密集市街地の解消に取り組んでまいりたい、このように考えております。

高木(陽)委員 きめ細かい対応をよろしくお願いしたいと思うんですが、阪神大震災のときにも、長田区が燃えました。このときに、十六メーター道路でぴたっととまったんですね。やはり道路というのはこういうときに大きいな、こういうことも思いますし、東京、特に今言われた環七から環八の間の木造密集地域のところは、東京も都市計画道路をぴちっとつくると、そういう形で延焼も防げる、または避難もしっかりできる、こういうことになるんですね。

 ただ、今まで政権交代以来、道路は悪だみたいなそういう風潮がございましたので、大臣になられたので、ここはしっかりと方針転換をしていただいて、そういうところもこれから手を打つ。本当に、命を守るということが一番大切だと思うんですね。よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、時間が本当に限られているんですが、法案の方でもちょっとお伺いをしたいと思います。

 今回の都市再生法の改正、今回、国際競争力の強化ということをうたっておるんですけれども、都市の国際競争力の強化、これは具体的にどういうことなんですか。これをちょっとお伺いしたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 都市の国際競争力といいますのは、グローバル化が進み国際的な都市間競争が本格化する中で、海外の企業や人材をその都市に呼び込んでくる力であると言うことができると考えております。この力には、外国語の通用性ですとかマーケットの規模ですとか治安といった要素もありますけれども、市街地整備の面から考えますと、グローバル企業、国際機関、NGO等の国際的な活動の拠点にもなるような魅力のある都市であるということと考えております。

 具体的には、国際空港へのアクセスがすぐれているなど都市の基盤整備が行き届いておって、質の高いビジネス環境を提供する優良なオフィスビルが備わっている都市であることというふうに考えております。

高木(陽)委員 アクセスがいいだとか商業施設がしっかりしているだとか、これまでもこういうことは言われてきたんですね。その中で、今回、特定都市再生緊急整備地域、こういうことを指定するんですけれども、これはどういう条件で指定するのか、それを伺いたいと思います。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと詳細にわたりますが、お聞き取りいただければと思います。

 この法案では、都市再生緊急整備地域のうち、まず、国内外の主要都市との交通の利便性がすぐれていると認められる地域、次に、都市機能の集積の程度が高いと認められる地域、三つ目に、経済活動が活発に行われ、または行われると見込まれる地域に該当する地域につきまして、都市再生本部での検討も踏まえまして、政令によりまして特定都市再生緊急整備地域に指定することとしております。

 具体的なイメージでございますが、まず一番目の要件について言いますと、国際空港、港湾のアクセスにすぐれるなど交通利便性が高く、国内のビジネス拠点となるような都市や国外の世界経済の中心となるような都市との人の往来が容易に可能であるような地域。二つ目の基準、先ほど申し上げた二つ目でございますが、これにつきましては、金融機能等を有するビジネス拠点が形成されていたり、オフィス、商業施設あるいはエンターテインメント施設等の複合的な機能が備わっているなど、都市の機能が充実している地域。三つ目の要素は、先ほども挙げましたけれども、これにつきましては、企業活動が活発で、地域内GDPが大きく、または大幅な増加が見込まれ、我が国の経済全体への波及効果が大きい地域と考えております。

 この具体的な地域としては、例えばでございますが、東京駅、大阪駅周辺は有力な候補であるというふうに考えておりますけれども、地域の関係者の意見を伺う中で、今後の市街地整備プロジェクトの実施の目途ですとか、地方公共団体等の都市戦略の内容も十分に勘案しながら、都市再生本部において指定に向けた検討が進められていくことになるものと考えております。

    〔田村(謙)委員長代理退席、委員長着席〕

高木(陽)委員 今のお話を聞きますと、簡単に言うと東京と大阪なんですよ。空港があって、港湾があって、商業がしっかりしている。それ以外にも、それぞれの地方都市にもあります。名古屋もあるでしょうし、福岡もあるでしょうし、また、札幌だとか、今回被災を受けましたが仙台だとか。

 だから、そう考えますと、これまでも都市再生というのをずっとやってきたわけですね、本部までつくって。今までこの都市再生の施策で国際競争力の強化というのはどうだったんだ、そういうのをちゃんと総括しないと、さあ、これから国際競争力強化ですといって、何がよくて何がいけなかったのか、ここをはっきりさせないといけないと思うんですよね。

 そういった観点で、これまでの施策、どのような効果が具体的にあったのか、これをお聞かせください。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでの効果でございますが、大都市を中心といたしました都市の再生につきましては、都市再生緊急整備地域を指定いたしまして、容積率等の規制緩和措置でございますとか金融上の支援措置、また税制上の支援措置を講じてきたところでございます。

 これらの都市再生関連施策によります効果といたしまして、例えば、都市再生緊急整備地域におけます平成十四年度以降の民間建設投資が、これは見込みを含みますが、約十二兆円でございます。また、経済効果約二十三兆円に達しているというふうに見込んでおります。

 これらの都市開発プロジェクトにより、先ほど東京だけかというお話をいただきましたが、例えば東京の例を挙げますと、駅周辺部では最先端、高性能のオフィスビルが整備され、外国の企業が入居している例も見られるところでございます。

 また、大阪の例も引きますと、大阪駅の北地区におきましては、国内外の人材交流、育成を図り、新産業の創出、雇用創出につなげていく拠点として、ナレッジキャピタルを核として都市開発プロジェクトが進められておりまして、ここの北地区においてもシティーセールスが積極的に展開されているところでございまして、海外企業や研究機関の誘致等の成果が期待されているところだと考えております。

高木(陽)委員 時間が参りましたので、まだまだ聞きたいこともあったんですけれども、一言だけ申し上げたいと思います。

 局長、今いろいろと言われましたね、成果。ただ、どうしてもこれは、お役所の感覚としてみれば、いいことを一生懸命言うんだよね、いいことを。何がだめだったのかということをちゃんと整理しないといけないと思います。国際競争力がプラスになった部分もありますよ。でも、逆に言ったら、どんどんどんどん置いていかれちゃっている。特に空港だとか港湾なんかは、ハブじゃなくなっちゃっているわけですよ。

 そういったところも、これは都市・地域整備局、都市局だけで考えるんじゃなくて、まさに国交省なんですから、そういった都市間競争の場合に、港湾局もあれば、航空局もあれば、それ以外にもいろいろとあるわけですね。そこの連携の中で、本当に都市をどうするんだ、国際競争力をどうするんだ、こういう観点からいかないと、都市局に一つお任せをして、さあ指定していきますよ、こういう形だとなかなか難しいんだろうな、こういうふうに思いますので、今後もしっかりと、そういった観点、チェックをしながらやっていただきたいことを希望しまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

古賀委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は、二〇〇七年の都市再生法の改定のときに質問をしました。当時のことを振り返りながら質問したいと考えます。

 そもそも都市再生政策は、バブル崩壊後の地価の下落などがとまらず、景気低迷のもとで緊急経済対策として始められました。国土政策やまちづくりという視点からではなく、経済対策というのが当時のポイントでした。

 二〇〇一年に小泉首相が就任して市場原理主義的な構造改革路線を推進しましたが、その重要な政策として都市再生政策が進められました。二〇〇二年に都市再生法が制定され、二〇〇七年の改定、そして今回の改定です。民間都市開発プロジェクトの申請を認定する期間を五年ごとに延長してきました。〇九年に政権交代しましたが、都市再生政策は何ら転換されず、継承されています。むしろ、PPPとかいって大手のディベロッパー、民間事業者の直接的関与を強めるなど、より市場任せが進んでいるのではないかと考えます。

 今回、二〇一七年まで延長するということですが、二〇〇二年から十年の間に都市の再生はどう進捗したのか、当初の目的であった都市の高度化、居住環境の向上というのは進んだのか、大臣の所見をまず伺いたい。

大畠国務大臣 これまでの委員会で、平成十四年以降、都市の再生を目指しての動きがあったわけでありますが、それを振り返っての御質問を賜りました。

 私自身も、先ほど高木議員の御質問等もございましたが、これまでどうだったのかというときに、いいことを並べる傾向にあるわけでありますが、何がだめだったのか、こういう視点で物を見ることも必要だとは思います。

 そう思いながらも、今の御質問にお答えしたいと思いますが、これまで取り組んできた中で、全国で六十五の地域が指定されている都市再生緊急整備地域については、この進捗状況の調査を行った結果、地方公共団体の自己評価では、既に目標達成、今後目標を達成する見込みとする地域が八割を占めております。

 また、都市再生整備計画につきましては、千八百九十地区で策定され、社会資本整備総合交付金やその前身のまちづくり交付金により、全国都市再生の重要な手段として支援してきたところでありますが、事業を完了し評価を行った地区が八百二地区でありました。町の来訪者数または町中に住む居住人口などの数値目標のうち、七割が達成されたと報告を受けております。

 そういうことで、そういう意味では一つの成果を上げてきたんじゃないかと考えておりますが、まだまだ不十分な点もありますので、そういうことを考えながら今回の法律を提出し、そして、この法律案を踏まえながらも、さらに前の方に進んでいかなければならない。課題はたくさんあると私も考えております。

穀田委員 先ほど局長もおっしゃっていましたし、今大臣の方からは、数値的な話が随分ありました。

 でも、それではこれで住環境はよくなったのか、住んでおられる人たちが享受されたのかという話は全くないんですよね。共通しているのは、先ほども聞いていて、要するに、投資がふえた、経済効果がふえた、東京駅の周辺の整備が進んだ。こんなのを見ておったって、それは少しは整備は進みますよ、そこに金を投資しているのやから。問題は、そういう中で、本来、住環境の向上ということも掲げていたわけだけれども、国民はそれらを享受するに至ったのかという視点が全く抜けているというところにお二人の話の共通項があると思います。

 私は、二〇〇七年に二つのことを質問しました。今も局長もえらい誇らしげに言っていましたけれども、どこの代表かと私は思うんです。

 一つは、当時も私は、大手不動産会社は収益を二倍にする以上の大もうけをしているけれども、住民の居住環境というのは劣悪化していると指摘しました。例えば、高齢化によって高齢者や低所得者層が安心して住まいを確保するための公営住宅の応募倍率はどうだったかということで、東京都では、九九年度十・八倍、二〇〇四年度二十八・五倍と、公営住宅は一層狭き門になっていました。それから五年たちました。

 そこで聞きますが、直近の東京都の応募倍率は幾らになっているか、あわせて、住民の住環境はよくなったのか、この現状についての大臣の認識、所見を伺いたいと思います。

大畠国務大臣 これまで都市の再生に向けてさまざまにやってきたけれども、その地域に住んでいる人にとっての住環境はどうなのか、こういう御質問をいただきました。

 これも事務局から事実関係について報告を受けたわけでありますが、公営住宅の件でありますけれども、平成二十一年度における公営住宅の倍率というのは、全国で八・八倍、東京都においては三十・五倍、こういう状況である。それから、東京都においても、公営住宅の建てかえや民間住宅の買い取り、借り上げ等により公営住宅の供給は行われている、これも報告を受けました。

 さらに、民間賃貸住宅を活用して高齢者に対する見守りサービスの実施や子育て世帯向けの供給を支援するなど、各地域の状況に応じたさまざまな取り組みが行われている、こういう報告も受けておりますが、国土交通省としてもそのような取り組みを支援しているということであります。

 さらに、今後とも、公営住宅等の供給の促進もあわせ、民間賃貸住宅に居住する方への居住支援を図り、重層的な住宅セーフティーネットの整備に努めていく所存です。

 こういうことでございますが、正直言いまして、全国的に見ても、大都市を含めて地方都市の方に居住の方々の住環境というのは決して前進していないんじゃないか。

 というのは、私の地元の方でも、これまでずっとあったスーパーマーケットが採算がとれないということで撤退してしまって、日ごろ生活の上で必要な日用品が買えない、町中まで行かなきゃならない。そのためには車を使わなきゃならないんですけれども、お年寄りの方にとってはなかなか不自由している。これは一例でありますが、全国的に見ても、御指摘のように、日本の国民の住環境というのは進んでいるのかというと、全体的にはどうもそういう状況にはないのではないか、そんな認識を持っています。

 したがって、国土交通省としても、この法律は法律として出させていただいておりますが、御指摘を踏まえて、できるだけそういう住環境というものが総合的に前進するような対策をとっていかなきゃならない、私はそう感じております。

穀田委員 我々が都市なりそういうものを見る場合に、ビルがどれだけ建ったか、それから外国の人がどれだけ来たかという裏に、そこから追い出された方がいる、さらには居住者の方々がどうなっているか、どっちを見るかという話なんですね。だから、かまどを見るのか、それともビルを見るのかという話なんですよ。私は、かまどを見たい。それが本当によくなってこそ、そのために政治があるはずじゃないのかと思っているからなんです。

 私は、今大臣からお話があったように、率直に言って、住民の居住環境は、よくなったどころか悪くなっていると思います。〇八年のリーマン・ショック後の派遣切りなどによる住宅困窮者の増大など、低所得者もふえ、住まいの確保は容易ではありません。都営住宅などは、先ほどありましたけれども、三十五倍を超える時期もありました。国税庁の調査では、〇五年に九百八十一万人だった年間給与二百万円以下の低所得者は、〇九年には一千九十九万人に増加しました。一方、総務省による状況調査によりますと、年収二百万円未満で公営住宅に入居しているのは約九十七万世帯で、民間住宅には三百四十万世帯が入居している。だから、これらは、地方自治体が公営住宅の新規建設や供給をやめた、とめたということが原因だと考えています。

 私、その際に質問でもう一つ指摘をしたのは、地方では、過疎化が進み、過半数が高齢者の集落、いわゆる限界集落が増加し、消滅が危惧される状況が進んでいるということを指摘し、その一方で、大都市集中、とりわけ東京一極集中が進んでいることを述べました。この都市再生政策が東京一極集中を加速させることになると指摘したわけであります。

 当時の冬柴大臣はこのように言っています。

 東京一極集中はだめだ、これは全部、だれでもそう思うと思うんですね。しかし、昨年ですか、人口が東京でふえちゃっているんですね。十一万五千人ぐらいふえている。そして、それはどこから出てきたか。地方で十一万五千人減っているというようなことがありまして、我々の思いとは違う方向に進んでいるなという感じがいたします。

このように答弁していました。

 そこで、大臣に聞きたい。「東京一極集中はだめだ、これは全部、だれでもそう思う」と言っていたことについて、大臣は現在どう思いますか。

大畠国務大臣 一極集中というものはどういうものなのか。一つは、人口が急速にふえているときには、都市部に人口が集中するということは一つの自然の流れとしてあるのかなと思いますけれども、人口が減少傾向に入ったときに都市部に人口が集中するということは、今、冬柴大臣のときの答弁の御披瀝がありましたが、結局は、地域から人口が都市部に移っている、こういうことのあらわれだろうと思います。そういう意味では、均衡ある日本の国の発展というものを考えたときにどうあるべきなのか、こういうことを考えたときには、御指摘のように、一極集中というのは決して好ましいことではない、私もそう思います。

 これからどうしたらいいのかということでありますが、一方では、アジアの諸国、あるいは世界の国々の状況も考えていかなければと思います。そういう意味では、ソウルでも、あるいはシンガポールでも、あるいは上海でも、そこに人々が住み、人々が未来を考えて動いているわけでありまして、そういう意味では、世界的に見て魅力ある都市をつくるというのも一つ大事なことだと思いますけれども、その一方では、今御質問にありましたように、日本国内のことを考えたときには、一極集中というよりも、地域地域に歴史を踏まえた落ちついた町をきちっと形づくっていく、こういう視点も私は大事だと思います。

 したがいまして、一極、東京にのみ人口が集中するということではなく、各地域に、一つの魅力ある町を地域地域に形づくっていく、そして、十年後も五十年後も百年後も、その地域に一つの文化が伝承され、歴史が築かれ、そしてその地で生まれた子供たちが自分たちの未来というものをしっかりと見据えて希望を持って生きられる、そういう都市を形成していくことが国土づくりとしては大変大事だと私は考えております。

穀田委員 相当未来のこともお話しされました。考え方の一つとしては、それはそうだとうなずけるところもあります。

 そこで、聞きます。

 当時私は、限界集落の問題について聞きました。政府は、調査対象六万二千の集落のうち、「今後十年以内に消滅のおそれがあると判断される集落が四百二十二、十年以降に消滅のおそれがあると判断される集落が二千二百十九、合わせまして二千六百四十一の集落が将来的に消滅するおそれがあるとされております。」一九九九年度の調査時点から二〇〇六年の調査までの間に消滅した集落数は百九十一になっておりますと答えていたわけですね。

 そこで、大臣は、落ちついた町、文化が息づいて五十年後も百年後も、こうおっしゃっているわけだけれども、それじゃこの間、その限界集落は減少したのか、そして、東京一極集中は好ましくないとおっしゃられたが、緩和されたのかと聞きたい。五十年後とおっしゃっていましたから、五十年後の日本の国土、人口の分布はどうなって、東京の高齢者比率はどうなるのか、二〇五〇年の推計についてお聞きしたい。

中島政府参考人 まず、限界集落がその後どうなったかというお尋ねでございますけれども、議員が今言われた数字は十八年度の調査でございます。その次の調査を総務省の方で実施しておられますけれども、現在、数字を精査中ということで詳細を持っておりませんが、いずれも、限界集落も増加し、消滅のおそれのある集落も増加したということになったというふうに認識しております。

 次の点で、私ども、国土の長期展望としまして、その結果を、いずれも二〇〇五年と二〇五〇年の比較でございますが、人口の状態について御説明申し上げます。

 総人口がこの四十五年間で九千五百万人ぐらいまで、二五%ぐらい減ります。そのうち、東京圏も今後人口は減少に転じるわけでありますが、地方の減少の割合が激しいので、相対的な東京への集中の割合というのは結果として高まるということだと思います。さらに、地方を中心に、二〇〇五年時点で人が居住している地域の約二割が無居住化、人がいなくなるというような推計も出ております。

 また、高齢化、六十五歳以上人口も全国的に五〇年に向けて四六%強ふえるわけでありますけれども、こちらの方は東京圏の増加が非常に顕著でありまして、八七%ぐらいふえるだろう、ただ、高齢化率そのものは地方圏が一貫して東京圏を上回るという状態が続く、こんな推計をしております。

穀田委員 ですから、大臣、全体の人口が減少する中でそういうことが考えられなくてはならぬとおっしゃいましたけれども、全体の人口が減少する将来の見込みの中で、大臣も懸念されていた五十年後を考える、五十年後といいますか二〇五〇年、仮に政府が言っている国土の長期展望ということからしましても、二割、二〇%もの無居住化、地域が消滅する。これは大変なことなんですね。五十年後も百年後も文化とか地方があってほしい。そんなことはない、二割がなくなっちゃうんですよ。そういう事態に我々は直面しているというのが、国土交通省の国土計画局で発表されている、国土審議会政策部会長期展望委員会でもこれは言われている。

 ですから、大臣が考えておられる、残したい地方、こうだと言っている、その夢というか希望というものを裏づけるためには、この資料に基づいてどうするのかということが当然問われるわけですよね。

 しかも、東京圏は人口が増加する、こうきた。一極集中の結果だと思うんですね。しかし、先ほど計画局長から報告があったように、高齢者が半数近くを占めると。これは推計ですよ、確かに。でも、日本の姿が想定されているわけですよ。

 先ほど大臣は、こうしたいという希望なり考え方を語られた。実際の想定はこうなっているということからしますと、こういうのでいいのかと。このような想定に対してどう対応しなければならないと考えているのか。つまり、大臣が述べておられる道筋なり展望なりと、これの想定されているギャップがあるわけですね。これをどうするかという問題が問われているわけですやんか。それはどうですか。

大畠国務大臣 今の御指摘でございますが、先ほど国土計画局長から御答弁をさせていただきましたけれども、居住地点の約二割が人がいなくなる、こういうことでございまして、では、大臣が言っている方向性を確保するためにはどうしたらいいのか、こういう御質問でございます。

 私も存じ上げている、集落の一番若い人が七十五歳という地域がありまして、大畠さん、十年もしたらこの地域で住む人はいなくなると。十五軒ほどありましたけれども、確かにそういう実態があると思います。

 では、どうしたらそういう集落を維持できるのかというと、状況としては、林業、農業、そして漁業を営んでいる地域が多いようにも感じます。したがって、この林業、漁業、農業、農林漁業というものをどう再生するか、こういうところに、集落の消滅し始めている地域の実情を改善するための一つのかぎがあると思います。

 したがって、私としては、農林水産業の再生をする、こういうことによって、今地域で起こっている集落の消滅するような流れを食いとめて、そして、一つの文化、歴史を持つ集落を維持するかぎがあるのではないか、そのように感じております。

穀田委員 まず出発は、深刻な問題だという認識が必要だと。それと、今の地方の過疎化を食いとめて、本当の意味で活性化、再生する手だてを打つことが必要だというのはだれでも考えるわけですね。

 問題は、そのためにも、今お話あったように、農業や林業、さらには水産業など、地域の産業の再生、活性化、それから地産地消などの地域循環型の経済活性化、私がこの間何回も主張をしていますように、住民の安全、暮らしに密着した、小規模、維持管理などの公共事業に転換するなど、そこに切りかえる必要がある。ですから、地方の活性化、再生を困難にする大都市集中を加速するような政策ばかり推進していいのか。ここを改めるべきだと思っています。

 そこで、今回の法案で初めて提起された問題について質問します。

 先ほども都市国際競争力の強化ということについてありましたけれども、都市の国際競争力強化というのは、その定義の内容と、なぜこういうことが出されたのかということについて、簡単に。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 都市の国際競争力とは、グローバル化が進み、国際的な都市間競争が本格化する中で、海外の企業ですとか人材をその都市に呼び込んでくる力であるというふうに考えております。

 我が国の都市の地位の低下が懸念される中で、我が国全体の成長を牽引する大都市の国際競争力強化を図ることが喫緊の課題となっているところから、本法案では、都市の国際競争力の強化について、今回、特定都市再生緊急整備地域を設けるなどいたしまして積極的に施策を講じることとしているため、改めて、都市の国際競争力の定義を置くこととしたものでございます。

穀田委員 先ほど来の議論の中で、金融の問題やビジネス拠点や企業全体の波及効果、これに倣っているということですね、その上で。

 要するに、この法律は、今の建前はそういうふうになって、先ほど来の質問の全体の議論を踏まえますと、簡単に言えば、金融などの外国資本の会社、つまり、今ありましたように、外資を呼び込むために都市を高度化して居住環境を向上させるという意味なわけですね。

 今、福島原発事故に関連してこんな記事が出ています。「原発事故に敏感、外資系社員帰国の動き」、読売。「外資系企業 不安感から社員や拠点を移動」、毎日。まさに原発事故の影響が出ています。外資を呼び込もうとしても、こういう事態になるわけですね。

 東日本大震災、原発事故が発生した時点で、様相は一変しています。外資を呼び込むため、誘致するための法案を急いでやるよりも、大震災の復旧復興や原発政策の見直しこそ優先すべきだと私は考えますけれども、大臣の所見を伺います。

大畠国務大臣 ただいまの御質問でございますが、一番最初に小宮山議員からも、こういう大震災の状況の中であるからそれに特化すべきじゃないかという御意見もあるが、この法律案を提案する理由は何かという御質問もいただきました。

 確かに、穀田議員からお話しのように、今は震災対策に全力投球すべし、こういう状況を私も感じておりますが、その一方では、やはりさまざまな形で、今、日本がこの大震災とそれから原子力事故で大変な状況にあり、国際的に、日本はどう動くのか、こういうことが注目されているわけでありまして、そういう意味では、一つのこの法律案をお通しいただいて、日本の国の中の一つの魅力ある都市の再生を図るという動きも私は大変大事じゃないかと。そうでないと、日本の経済はこれからどうなるのかということがかなり論じられ始めておりますので、そういう意味では、一つの指標としてこの法律案をお通しいただいて、日本も魅力ある都市をつくるという動きを始めるんだというメッセージにもなるのではないか、そう考えております。

穀田委員 都市の魅力とか日本の魅力というのはそんなものですかね。私は、震災復興に当たって全力を注いで、そのことを同時に経済の起爆剤にする努力をしているという国が望ましいと思いますね。

 大体、何かというと、この間の港湾法もそうですけれども、結局、外資を呼び込んで活性化しようと。そんなまどろっこしいことをしなくたって、別に経済を下支えすることは可能なんですよ。

 今必要とされているのは、防災のまちづくり。例えば住宅耐震化や住宅リフォーム助成など、それこそ経済波及効果は抜群であることは証明済みなんです。学校の耐震化や公共施設のそういう耐震化、おくれている耐震化を進める方が、一石二鳥でもあるし三鳥でもある。さらに、消防力強化など震災対策体制を強化することが必要であって、大体、港湾でもそうですけれども、国際競争力の強化と銘打ってこの間はやりましたけれども、大港湾時代、スーパー中枢港湾と、大型公共事業に何千億と金を投じてきました。結局、船の来ない港を乱発してつくって、その地域が活性化したか、それで世界が評価したか。評価なんかしていませんよ。だから、こういうところにやはり根本的な問題があるということを指摘せざるを得ません。

 最後に一つだけ聞きます。私は、復興問題について一つだけ聞いておきたいと思うんです。

 都市のそういう被災市街地の復興に際して、無秩序な行為を防止するための建築制限というのはある程度やむを得ないと思うんですね。しかし、私は、現場、阪神・淡路にいまして、復興のための都市計画決定をする際に、いろいろ問題がありました。仮設住宅を建てたが、被災地から遠く、しかもばらばらで、長年培ってきたコミュニティーが失われたりしたとか、ほとんどの住民が六甲山の裏など遠くの被災地外の仮設住宅に移っている間に、神戸市などが住民の意見も聞かずに短期間の間に都市計画決定してしまいました。

 東京新聞が社説で書いていまして、「阪神大震災の際は、被災後一カ月の短期間のうちに、“上”から都市計画決定を急ぎ、住民とのあつれきが長く尾を引いてしまった。今回の大震災は、被災人口も被災面積も桁違いに大きい。あせらず住民が納得するまできめ細かい話し合いをせねばならない。」

 こういう、上からの都市計画決定を押しつけるのではなくということを東京新聞も社説で書いているんですけれども、こういう立場で、私は、住民の参加と合意が必要であると思うし、尊重されるべきではないかと思うんですが、その件についての見解をお聞きしておきたい。

大畠国務大臣 ただいまの御指摘の被災市街地復興推進地域の指定についてでございますが、基本的に私も、御指摘のとおり、この地域の指定については、市町村において、実際に指定するか否かも含めて、住民の方々のさまざまな意向というものを踏まえ、地域においてよく議論をしていただいて、その上で適切に判断していただくことが重要だと考えております。

穀田委員 それは、当然そのことは言うんですよ、どこも。神戸もそう言っておったんです。問題は合意なんですよ。合意が大事なんですね。「あせらず住民が納得するまで」と社説にまで出ているように、本当に納得できることがないと力が出ない。その点は、地方自治の原則も当然そうなんだ。

 あわせて私は、住民合意なしに現実に事業は進まないということを考慮しても、住民の参加というだけじゃなくて合意が大切なんだ、そのことを心してやらなくちゃならぬということだけ言って、終わります。

古賀委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 最初に、東日本地震に関連して何点か質問させていただきたいと思います。

 大規模災害からの復旧に際して公共交通優先の対策を講じることにつきまして、これまで委員会でも要請をしてまいりました。しかし、被害の全容が明らかになる中で、公共交通機関が受ける被害の大きさに改めて私も驚いております。

 日本バス協会の資料によりますと、震災で、岩手、宮城、福島の三県だけで、営業所の社屋などの損壊が三十三棟、使えなくなったバス車両が百四十両に達しています。鉄道では、岩手開発鉄道や福島臨海鉄道では復旧のめどがまだ立っていない、こういう状況にあります。

 それから、第三セクター方式の鉄道でも、復旧に多額の資金が必要だということで重荷になっている、このままでは、操業もできていない、運行していないということで、労働者の雇用問題になりかねないという状況があるということであります。

 それから、中小の鉄道、バス事業、あるいは第三セクターの鉄道会社、これは非常に経営が脆弱でありまして、早期の復旧を図る必要がある。ここに対して、助成対策の拡大、拡充はぜひお願いをしたいわけでありますが、一つ具体的な例として、対策としてこういうのはできないのかというのを質問したいと思います。

 大量のバス車両が喪失している。ですから、国が車両を調達して、復興までの期間、バス事業者に無償で車両をリースすることによって生活路線を維持する、こういう検討ができないかどうか。これについて、三井副大臣の方にお尋ねしたいと思います。

三井副大臣 先生の御指摘のとおり、今回の災害に関しましては、バスそれから鉄道につきましては相当甚大な被害を受けてございまして、また、その中で、関係者の大変な御努力によりまして、順次運行が再開されているところでございます。しかし、いまだに完全復旧に至っておりません。

 とりわけ、バスについては、相当数の車両、今先生から御質問ありましたように百四十台近いバスが喪失しておりまして、現時点では、被災地の状況を見まして運行可能な地域が限られておりますけれども、グループ企業から車両を借り受けまして運行を確保している事業者もあると聞いているところでございます。

 こうした被災地の公共交通機関の運行の早期回復に向け、どのような手法が効果的であるかということを含めまして、被災地の状況を分析して、国として必要な支援について検討を進めてまいりたいと思っております。

中島(隆)委員 今後、被災地は特に、先ほどからありますように瓦れきと復興、当面の課題が最大の課題でありますけれども、今後の復興に当たっては、やはり地域住民の足、交通、特にガソリン、いろいろな問題で、マイカーよりも公共交通の輸送というのが大変重大な課題でありますので、その基盤がないわけですから、特にそういう中小鉄道、バスの事業に対する支援を強化していただきたいと思います。

 次に、地方公共交通の確保に向けて創設されております三百五億円の地域公共交通確保維持改善事業についてお伺いいたします。

 今回の災害を受けまして、新たに補助を申請する案件につきまして、六月末まで締め切りが延長されると聞いておるわけですが、この事業、先ほど指摘いたしましたように、東北、北関東では多くの公共交通機関が被災をしています。予算をぜひ増額して、一刻も早く地方の生活路線を回復していただきたいと思うんですが、この申請の締め切りや事業の予算の適用要件、これに柔軟に対応していただきたいと思いますが、これについてのお考えをお尋ねいたします。

三井副大臣 今先生からの御指摘のとおり、平成二十三年度予算におきまして、新たな事業として、今回の予算で三百億円ということを創設させていただきました。また、今、締め切りの延長期限が六月三十日ということでございますが、これにつきまして、今お話ししたとおり、私どもといたしましても、期限の延長等含めながらこれから検討してまいりたい、特に関係当局ともしっかり協議をしながら進めていきたい、こういうぐあいに考えております。

中島(隆)委員 今年度の予算から三百五億ということで、当初は四百億をオーバーした要求であったわけですが、三百五億ということですけれども、これは全国的な地方公共交通の維持改善であります。特に東北地方の公共交通の再生を考えるならば、当然、今後の復旧予算、補正予算が考えられるわけでありますが、補正予算の中の上積みを、ぜひこの地方交通の改善のための予算の増額あたりを十分検討していただきたいというふうに思っております。

 それでは次に、今回の都市再生の法案についてお尋ねいたします。

 今回提出された法案につきましては、先ほど来質問もされておりますが、民間事業者を利用、優遇して都市開発を進めるものと私も理解をいたしております。もちろん、人口が集中する都市開発、都市機能の整備が不要だとは申しませんが、特に東京への一極集中や都市と地方の格差の拡大が非常に顕在化しております。地方の再生が大きな課題になっているわけです。

 現在の都市再生緊急整備地域に指定されております六十五地域を見ましても、東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏と愛知、大阪だけで四十を占めているわけです。この法律は大都市整備に重点が置かれておりまして、大都市と地方の格差がますます助長される懸念があるというふうに思います。

 そこで、先ほど来指摘もありますが、今回の東北地方の震災、津波、それから原子力発電の事故、これらの復旧復興が今から直面する最大の課題ですが、こういうときに民間事業を優遇して都市開発を今やるのかと、私どもも非常に疑問に思っています。しかし、大臣は、魅力ある都市と国際化ということで御指摘あったんですが、今はやはり都市再生、復興に総力を挙げるべきではないかなと思うんです。その点、大臣にお伺いいたします。

大畠国務大臣 中島議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 先ほどから、こういうことに力を入れるよりも今回の東日本大震災の復興に力を入れるべきだろう、こういう御指摘でございますが、それはそれとして私も感ずるところがございます。いまだに一万三千人を超える方々が行方不明、こういう現実を見るときに、被災された地域の復旧復興に全力を挙げたい、そういう思いもございます。その一方で、日本という国の経済力がかなり今損なわれ始めておりまして、これをどうするのか、このことについても一方では思いをしなければならないと思っておりまして、そういう意味でも、日本の都市の魅力といいますか力というものもまた備えなければと考えております。

 そういう意味で、今回、この法律案の内容等をごらんいただきますと、一つには、本来は自治体が手がけなければならない都市の再生でありますが、非常にリスクもある、こういうことで、民間の力もかりて行おうということが一つ。それからもう一つは、いろいろ規制緩和を行いまして、地方都市の方でも使える規制緩和による再生というものもございます。

 したがって、現在の状況を考えると、被災地の復旧復興に全力を挙げると同時に、このような法律案を通していただいて、日本における経済の中心とも言える都市をしっかりとサポートしていくことも大変大事でありますし、地方都市における活力というものも、この法律案を活用して地域の基盤を築いていただく、こういうことにも寄与しますので、ぜひ御理解を賜りたいと思うところであります。

中島(隆)委員 民間の活力を生かすということも必要でしょうけれども、しかし、特に都市開発となりますと、民間の投資というのは営利ですから、やはり、投資した見返りをどうとるか、そういう投資的な開発が往々にして多いわけであります。これからは、そういうまちづくりというよりも、魅力あるまちづくりは、やはり住みやすい、安全、安心な、そういうまちづくりが必要でありますし、そういう都市づくりをひとつ目指していただきたい。

 特に、東北地方の震災、三十兆円近く、今言われたように二十五兆円ぐらいかかるだろうと言われていますし、それは当面の復旧復興だけでありまして、都市づくり、再生になりますともっとかかると思うんですね。ですから、それだけの資金がかかるわけですから、やはり今後の震災復興をより重点的にやるべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。

 次に、良質の公営住宅の供給についてでありますが、これも一つ、先ほども穀田議員からありましたように、公営住宅がどんどん姿を消しています。募集率が、都市部では百倍を超えるケースというのがあります。例えば、横浜市の日吉の市営住宅の募集倍率は、七百倍を上回っているというふうに言われています。都市再生機構、URの公営住宅等については、近隣の市場家賃に合わせて値上げが行われるということで、居住者の不安を募らせています。都市部についてはどんどんどんどん高齢化が進んでいます。最近の深刻な状況で、賃金、雇用が非常に厳しいということで、低所得者に向けた居住環境の整備というのが非常に待ったなしであります。私は、都市機能の充実ということであれば、やはり良質の公営住宅の供給を進める必要があると考えております。

 そこで、国土交通大臣が認定をされております民間都市再生事業計画で指定された業者が四十一あるんですが、ここで公営住宅の整備に関するものがどの程度存在するのか、これについて、担当局長、お尋ねいたします。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 これまで、民間都市再生事業計画として認定いたしました四十一件のうち、公営住宅として整備を行ったものは、南青山一丁目団地建てかえプロジェクトでございまして、老人福祉施設、保育所、図書館といった公共性の高い施設とあわせて、都営住宅百五十戸を整備しております。

 ただ、公営住宅という意味ではそれ一件でございますが、先ほど申し上げました認定事業四十一件のうちの十一件におきまして、トータルで八千戸余りの住宅が供給されているところでございます。

中島(隆)委員 四十一のうち一カ所、こういうことで、公営住宅は非常に少ないんですが、優良マンションとか、そういう優良なマンションは多いわけでしょうけれども、やはりこれからは、高齢者、低所得者に向けたそういう住宅も必要でありますし、そういう良質の公営住宅の供給にひとつ努力をしていただきたいと思います。

 それから、今回の法案で、都市再生緊急整備地域内での開発事業、特に、市町村都市再生整備協議会、民間事業が参加できるというふうに言われていますが、都市再生整備計画の提案権を与えるというふうになっています。

 ですから、都市開発事業に対する条件が、非常に民間の力が増してくる、飛躍的に高まってくるということでありまして、都市開発が営利目的で、民間事業に大きな権限を与えることによって、乱開発あるいはコスト引き下げ、安全軽視、こういう懸念がされるのではないかなというふうに思うんですが、これについてお答えを願いたい。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 今回導入いたします都市再生緊急整備協議会の構成員となります民間事業者についてでございますが、これは、優良な都市開発プロジェクトを施行するディベロッパーですとか鉄道会社等の公益事業者などを想定しておりまして、その選定に当たりましては、国と地方公共団体が連携して適切に行ってまいりたいというふうに考えております。

 また、都市再生整備計画の提案権を付与することとしております都市再生整備推進法人についてでありますが、これは、財団法人、特定非営利活動法人等のほか、まちづくり会社を加えることとしております。これは、豊富な情報やノウハウを生かして地域のまちづくりを担うことを期待して、市町村長が指定するものでございます。

 これらの方々は、協議会への参画や都市再生整備計画の提案を通じて、責任を持って地域への貢献をしていただけるものというふうに考えておりまして、御指摘のようなことにはならない、つながってこないというふうに考えております。

中島(隆)委員 次に、法案の中で、民間の都市開発に対しまして、財団法人民間都市開発推進機構を通じて新たな金融支援が行われるわけでありますが、資金調達に政府保証を与える、こういうこともなされます。今年度予算で六百億円が計上されているわけです。

 都市開発プロジェクトに対する融資リスクが高いということで、資金調達が困難なために行う、こういうことでありますが、しかし、認定事業者のリストを見ますと、大手不動産、量販店、JRあるいはトヨタ自動車、こういう大企業が名を連ねているわけですね。果たしてこういう大手企業に対して融資や税制などの優遇措置をとる必要が本当にあるのかどうか、民間活力の利用に名をかりた大手企業へのお手盛りにさえなりかねないのではないかというふうに思います。

 こういう資金があれば、東北や北関東、壊滅的な打撃を受けた都市や町の復興に使うべきではないかというふうに思うんですが、この点について改めて大臣の方にお尋ねいたします。

大畠国務大臣 ただいまの御指摘の点でございますが、そういう御意見も伺っているところでありますが、私もいろいろと、地域開発を今後どうすべきか、こういうことを考えたときに、従来はいわゆる行政が中心となってまちづくりというものをやってきたわけでありますが、非常に大規模な資金等もかかるわけであります。そういうことで、民間の資金あるいはアイデアあるいは活力等を最大限に利用しながら町を再開発していく、こういうことを考えたときに、今回の法律案の五年延長、そしてまた付加するところを加えさせていただきました。

 御指摘でございますが、今回の民間の企業のプロジェクトは、公共公益施設の整備を通じて、こういうところにしているわけでありまして、そういう意味では国民の皆さんにも御理解をいただけるのではないかと思いますし、このプロジェクトを完成させたときの効果というものを考えたときに、決してこれは大企業を支援するものではない、まさに地域の再生のためのプロジェクトである、こういうふうに私どもは考えておりますので、ぜひその件については御理解を賜りたいと思うところであります。

中島(隆)委員 時間がありませんので、最後に一点だけお尋ねいたします。

 財団法人の民間都市開発推進機構ですが、これにつきましては、二〇〇九年の十一月に実施されました事業仕分けの第一弾で、まち再生基金の予算計上見送り、こういう結論が出ているわけです。他の基金や貸付事業についても見直し判断が出されています。

 与党の事業仕分けで半ば事業縮小の判定を受けたこの機構に今回新たな融資業務をさせるということ、政府・与党でどのように調整されてきたのか。しかも、この財団には、四月一日現在の役員名簿を拝見いたしますと、常勤役員七人のうち五人が省庁からの天下りです。三人は国交省です。残り二人は金融庁と大蔵省です。

 このような天下りの財団に、事業仕分けで見直し検討がされている中で新たなこういう事業を付与するということですが、これについて見解を述べていただきたいと思います。

三井副大臣 今御質問ございましたように、これまでも民都機構の体制につきましてさまざまな御指摘をいただいていることは、私たちも承知しているところでございます。

 そのような御指摘を踏まえまして、今先生からもお話ございましたように、昨年の十一月一日付で理事長が国土交通省OBから民間の出身者に交代したところでございます。また、先日、大畠大臣から指示を受けまして、さらに見直しをということで、本年の三月三十一日付で国土交通省OBの理事一名が減らされたところでございます。

 また、民都機構の組織体制につきましては、役員を含めまして、業務の内容や量を勘案いたしまして適切に見直しをすることが必要であると考えております。引き続き民都機構に対しましては見直しを求めてまいりたい、このように考えておるところでございます。

中島(隆)委員 時間が参りましたので、最後、大臣にお願いだけ申し上げておきたいと思います。

 地方都市の環境のおくれというのが、私も非常に危機的な状況にあると思います。都市においては安心で快適な都市づくりが必要でありますけれども、特に高齢者のそういう住環境、それから自然災害に対する安心、安全な都市環境づくり、これらにより重点的に取り組んでいただきたいということと、最後には、被災地の復旧復興に、財源も含めてですけれども、全力を挙げていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。

古賀委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 今回の都市再生特措法は、もともと自民党で都市問題対策協議会というのがかつてできたときに、実は初代会長をやったのは私の父親なんです。この法案というのはその流れに沿ってできたものでありまして、東京の国際競争力を高める、都市開発の推進、こうしたことについては私も同意するものであります。

 その上で、幾つかの指摘をしておきたいというふうに思うんです。

 今回の法案では、民間都市開発プロジェクトに対する新たな金融支援というのが盛り込まれています。いわゆるメザニンファイナンス、メザニンとは何だというと、中二階という意味で、政投銀のホームページによると、「従来より金融機関が取り組んできたシニアファイナンスより投資リスクが高い資金です。」こういうことが書かれています。

 二月の予算委員会で、このことについて既に質問をさせていただいて、大畠大臣から御答弁をいただいていますが、大畠大臣はこれを、ミドルリスク部分への長期資金の供給です、こういうふうに表現をされています。ミドルリスクというと、私は都議会議員をやっていましたので、新銀行東京というのを反射的に思い出すんですよ。あれも当初の構想は中小企業のミドルリスクのマーケットをねらったものだった。これは考え方としては私はあり得る考え方だったと思いますけれども、しかし、結果として不良債権の山になって、今や都政のお荷物となってしまっている。

 今や日本は、中小企業融資に占める公的金融の割合が四分の一、とにかく公的金融が市場に占める割合が大変高い国として知られていて、官製金融がいわば肥大化をしているというふうに言うべきだと思うんです。今の御時世だから仕方がない、こういう面もありますけれども、しかし、基本的には、こうした官製金融が民間のマーケットに出張っていくということは、私は望ましいことだとは思いません。そういう意味で、こうやって財団法人である民都機構が都市開発という純粋に民間であるべき事業のファイナンスに関与を拡大していくということについては、私はいささか疑問を感じています。

 民都機構の平成二十一年度補正予算を活用した経済危機対策事業の成果についてお伺いをしたいと思います。

 これは自公政権の末期、麻生政権ですね、リーマン・ショック後の危機対応ということで、国費二千億円、そして民間調達二千億円、合わせて四千億で、従来、開発プロジェクトの着工時点を原則に資金供給を行っていたのを、三年以内に着工するという見通しが立っていれば、民都機構の融資を土地取得時点で土地評価額の最大五割前倒しする、こういうことがこれによって可能になったわけです。

 この補正予算については、正直、現政権の方々は当時はばらまきじゃないかと言って批判をして、反対をしたという立場ではなかったかというふうに思いますけれども、この平成二十一年度の民都機構を活用した民間都市開発プロジェクトに対する金融支援の拡大、これについて、成果はどうだったというふうに評価をしているのか、お伺いをしたいと思います。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成二十一年度補正予算において措置されました経済危機対策を受けまして民都機構が支援した実績は九件でございます。その支援総額は約千百四十六億円、うち国費が約五百七十五億円ということでございます。

柿澤委員 今申し上げたように、四千億という規模を想定してやって予算組みをした危機対策の予算だったわけですけれども、九件、一千百四十六億円、こういうことになっている。しかも、かなり優遇の度合いを増して、土地取得段階で土地取得価格の五割を融資しますよ、こういうことを用意してこういう現状だということを今明らかにしていただきました。

 これは、今質問の流れで申し上げたとおり、現政権にいらっしゃる方々は、かつてはこれを、補正予算、全体としてばらまきではないかということで反対をしているわけですので、この事業についてどう評価しているかということについては、政権の閣僚の方に語っていただかなければなりません。大畠大臣、御答弁をお願いしたいと思います。

大畠国務大臣 柿澤議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 さまざまな政策がございます。しかし、あくまでも、政策というのを実行するためには税金が使われるわけでありますから、国民の視点でどうなのかということを常に精査していかなければなりません。先ほどのこの実績についても、先ほど報告があったとおりでありますが、この実績、内容についても、改めて内容をよく吟味して、その政策の実行の結果というのはどうだったのかというのを、私も改めてよく精査させていただきたいと思います。

柿澤委員 大変いい御答弁をいただいたというふうに思います。

 ミドルリスクということで、今申し上げたメザニンファイナンス、「従来より金融機関が取り組んできたシニアファイナンスより投資リスクが高い資金です。」こういうふうに書いてあるわけです。だからこそ、民間がやらないので、民都機構のようなところが出ていかなければならない、これは一つのロジックだと思いますけれども、しかし、リスクの高いものに出ていくということは、その金融支援が場合によっては毀損をしてしまう、こういうことにもつながる可能性が今までよりは高いということを想定しなければいけないということにもなるわけですので、そういう点で、限られた財政資金の使い方として、十分な精査を行って対処をしていただきたい、こういうふうに思っております。

 もう一つ、先ほど社民党の中島先生からも御指摘がありましたけれども、私は、民都機構といういわば天下り団体がこういう業務を行うことにやはり疑問を持っております。

 これは二月の予算委員会で、先ほどの中島先生とほぼ同じ趣旨で既に質問をさせていただいていますが、民都機構は常勤役員のほとんどが建設省、国土交通省、官僚のOBで占められていて、事業仕分けでも、天下り団体を食べさせるために事業が続いているとか、こういう厳しい御指摘をいただいたところがあります。それにもかかわらず、メザニンで六百億円、こういう話になっているわけですので、これはどうかというふうに、二月の予算委員会で既に大畠大臣にお尋ねさせていただきました。そのときに、八人の役員のうち四人の理事、副理事長、常務理事と、金融庁、大蔵省から一人と、感覚的には多いのではないかということを私も主張してまいりました、こういう御答弁をいただいています。

 今、さまざまな形で国土交通省、旧建設省のシンボルみたいな存在だった方が理事長をおやめになられて、そして理事の一つのポストも明け渡す、こういう形になったということでありますけれども、今後に向けて、この方向性で見直しを続けていくのかどうかということを確認したいというふうに思います。百歩譲って民都機構が果たす役割があるとしても、こういう純粋に民間の経済活動であるべき都市開発へのファイナンスというのは、官僚OBを役員にするより、民間で金融をやってきた人や都市開発に知見を持つ方々を役員に登用して進めるべきだというふうに思います。そうした観点から、大臣の御答弁をこれについていただきたいと思います。

大畠国務大臣 民都機構の今後のあり方について御質問を賜りました。

 私も、前回の予算委員会で柿澤委員から御質問をいただき、実態としてこの理事の数は多いのではないかという率直なお話をさせていただきました。そこで、職員の方が六十名ということでございましたが、六十名で理事がたしか八名だったと思いますが、これについても、そういう意味では多いのではないかということを申し上げました。

 そういう中で、理事を一名まずは減らそうということで減員をさせていただきました。そして、職員の方も今五十七名と聞いているわけでありますが、この民都機構の業務というものを見据えたときに、理事が一名減でありますが、私は、仕事の内容と役員の数というのは適切なのか、さらには役員につく方がどのような力量を持った方が必要なのか、こういう実利主義といいますか、現実を直視した形で役員についてもさらに考えていきたい、そう思うところであります。

柿澤委員 私はこの問題についてはもうちょっと鋭角に取り上げてもいいかなという気もするわけなんですが、きょうはこういうぐらいにとどめておきたいというふうに思います。

 震災関連で、ちょっと二点お伺いをしたいというふうに思います。

 まず一つは、観光庁が今仲介をしている旅館等への避難所からの集団移転の推進についてであります。

 溝畑長官、きのう参議院の国土交通委員会で、震災の影響で全国のホテル、旅館でキャンセルがどれだけ出たかということで、五十六万人分のキャンセルが出たということを明らかにされています。一方で、今、被災地では、避難所の感染症の問題が大変深刻に懸念をされています。

 私、何度もさまざまな場でこのことについて警鐘を乱打してきましたけれども、現地で医療活動に当たっている医療者は本当に深刻な懸念を抱いています。仮設トイレはもう満杯になってしまって、こんなことを聞かせたくはないですけれども、満杯になったものを手でかき出して使っているような状況になっている。そういう状態で、雑魚寝の避難所でたくさんの方が寝泊まりをしていらっしゃることによって、お年寄りや子供たちが、例えばおなかを壊したり吐き気を催したり、こういう感染症の広まりの兆候がもう出ている。

 そうした状況の中で、医療者の方々は、最良の解決策としては、お年寄りを中心に、保養を兼ねて、必ず戻れますからということで温泉旅館等に一時的に集団移転をしていただくのが一番いいんだ、なぜそれをやらないのか、こういうふうにフラストレーションをためた様子で私たちに現場で詰問してくる。このぐらい、やはりせっぱ詰まった状況になっています。

 被災者の一時的な避難先として、宮城、岩手、福島の被災三県以外で、ホテルと旅館、十四万人分用意した。これは大変結構なことだと思いますけれども、ほとんど利用されていないということが言われています。観光庁は、「宿泊施設における県域を越えた被災者の受入体制について」、こういう課長通達を出して、災害救助法に基づいて、一泊三食つき五千円を国が全額負担して、一カ月継続して受け入れてくれればこうした形での受け入れ体制を用意する、こういうふうになっているんですけれども、やはり使われていない。

 観光庁が集約する形になっていることで、被災地ニーズのわかっていない観光庁が間を取り持つことでマッチングが困難になってしまっているんじゃないか、こんなことが言われたり、あるいは、旅館組合を通じてあっせんをするという形になっているので、旅館組合に入っていない民宿やペンションが対象外になってしまっているんじゃないか、こんなふうないろいろな誤解も今生じてしまっているようでもあります。

 被災地の方々の地元を離れたくないという思いが非常に強いということは事実だと思います。身内に行方不明の方もまだまだいたりもするわけです。置いていけない、こういう気持ちも本当にわかります。しかし、込み合った避難所で雑魚寝をして、衛生状態も悪い、感染症のアウトブレークが懸念をされる、被災者の健康にかかわる状況でもあります。仮設住宅の設置も、なかなか順調に現時点では進んでいません。ぜひ観光庁に、引き受けた以上はもう一頑張りしてもらいたいというふうに思うんですけれども、これについて御答弁をいただきたいと思います。

溝畑政府参考人 委員御指摘のように、この大震災後、避難者の方の生活環境をきっちりと向上させる、改善するのは大変重要な課題でございます。そういう意味からも、観光庁におきましては、厚労省など関係省庁と連携をとりながら、今回は県境をまたぐホテル、旅館の受け入れについての制度の運用をさせていただいております。

 御指摘のように、やはりまず大事なのは、被災県そしてまた被災市町村、この皆様の意思というものが十分尊重される、その中で我々が公営住宅、公的施設、さまざまな選択肢の中でホテル、旅館を準備する、このような仕組みを用意させていただいております。今御指摘のホテル、旅館以外の民宿やペンション、こういうものも、有料施設であれば十分に活用は可能でございます。

 現況といたしまして、宮城、福島、岩手とは毎日のように連携をとりながら我々も調整しておりますが、今はやはり県内避難というものがまず大半を占めておりまして、データを申し上げますと、昨日段階で、この三県で県内避難が八千九百五十名ございまして、県外というこの制度を使ったのは二百五十七名、計九千二百七名ということでございます。

 今後、特に福島、宮城を中心に県外避難というのがかなり出てくると思われますが、今議員御指摘のとおり、十分に緊密な連携をとり、よりスピーディーに、円滑に実施されるよう適切に努力してまいりたいというふうに考えております。

柿澤委員 避難所の状況が切迫している、こういう実情にかんがみて、もちろん地元の意向を大切にすることは当たり前ですけれども、しかし、ぜひ積極的にニーズを把握して、そして適切な対応を行っていただきたいというふうに思っております。

 最後に、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、災害復旧法における復旧の考え方についてお伺いをいたします。

 阪神大震災のときの復旧復興の実務に携わった方の体験談を聞くと、やはり予算や制度の制約があって、それに縛られて思い切ったことができなかった、こういう悔恨の情を語られる方がいます。

 先日も、きのうです、総務委員会の参考人質疑で全国知事会の災害特別委員長の泉田新潟県知事が陳述をされておりましたけれども、全国知事会の緊急要請でも、「必要な財源の確保のため、」「不足する国の財源は、日銀の国債引受により対処すべき。」と踏み込んだ提言をしています。ここで財源論に落ち込んで復興にかける費用を惜しむと、将来にわたって禍根を残し、そして日本経済の将来的な成長力にも暗い影を落とすことになりかねない、私はそういうふうに危惧をいたしております。

 この点、ネックになるのが公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法だということが言われています。この法律は災害復旧事業を、原状に復旧するためということで定義をしている。今回津波で壊滅した町は、復旧という考え方にはとらわれない新しい町をつくる発想が必要だ。先日も質疑で御紹介をしましたけれども、菅総理自身が高台居住と言っているように、復興には全く新しい地域全体のつくり変えの発想がある程度は必要になってくる。

 そのときに、予算査定で、この公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の、原状に復旧する、こういう文言が障害になってくるんです。被災した地方公共団体のインフラについて、原状に復旧する場合にのみ国が資金を出すということになってしまう。そんなことはない、断固としてきちっとやります、こういうふうにおっしゃるんでしょうけれども、この条文を取り除かないと、予算査定の際に削られて、基本的には震災以前と同じようなインフラをつくることになって、しかも予算規模全体としては縮小してしまう、それがまさにこれまで災害復旧にかかわってきた方々の苦い悔恨の情なんです。

 インフラ復旧を担う主体である国土交通省は、こうした文言がこうした法文に入っていることについてどう考えているのか、お伺いをしたいと思います。

大畠国務大臣 ただいまの御指摘も、これから事業を進める上で大変大事な御指摘だと思います。

 原則的には、原形復旧というものがベースであるということは聞いているわけでありますが、今回の大規模な災害等の場合に、原形復旧することが本当に最適なのか、こういうことを考えますと、なかなか原形には復旧できないというのもありますし、原形に復旧した場合にはまたそのようなところでいろいろと災害が生ずるということもございます。

 したがいまして、自然災害により公共土木施設に被災が生じた場合には、国庫負担法に基づく災害復旧事業が大いに活用されてまいりましたけれども、今回の東日本大震災においてのこの復旧という意味は、私ども国土交通省としては、国庫負担法による災害復旧事業を、現場と現実というものを直視して、そして適切に活用するようにしていきたいと考えているところであります。

柿澤委員 国土交通省としてはということでおっしゃっていただきましたけれども、これはまた財政当局との折衝の中で、こういう法文になっているじゃないかということになるのではないかと私は非常に心配をしております。我々は立法者ですから、こうしたところを議論すべき主体であるわけでありますけれども、こうした過去の経過を見ると、このような条文に縛られて適切な復旧復興の事業がしっかりと予算を投じて行えなかった、こうした経験談を語る方々もいらっしゃるわけですので、ここの部分について、私たちも当事者として、見直しを行っていく、こうした議論を提起すべきなのではないかということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

古賀委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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