衆議院

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第9号 平成23年4月20日(水曜日)

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平成二十三年四月二十日(水曜日)

    午後一時二分開議

 出席委員

   委員長 古賀 一成君

   理事 小宮山泰子君 理事 田村 謙治君

   理事 中川  治君 理事 長安  豊君

   理事 若井 康彦君 理事 福井  照君

   理事 山本 公一君 理事 高木 陽介君

      阿知波吉信君    磯谷香代子君

      市村浩一郎君    糸川 正晃君

      川村秀三郎君    沓掛 哲男君

      小泉 俊明君    小林 正枝君

      古賀 敬章君    坂口 岳洋君

      下条 みつ君    高邑  勉君

      中後  淳君    津川 祥吾君

      富岡 芳忠君    畑  浩治君

      三村 和也君    三井 辨雄君

      向山 好一君    矢崎 公二君

      谷田川 元君    今村 雅弘君

      金子 恭之君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      馳   浩君    林  幹雄君

      三ッ矢憲生君    森山  裕君

      竹内  譲君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    柿澤 未途君

      下地 幹郎君    田中 康夫君

      中島 正純君

    …………………………………

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   厚生労働副大臣      大塚 耕平君

   国土交通副大臣      三井 辨雄君

   国土交通副大臣      池口 修次君

   国土交通大臣政務官    市村浩一郎君

   国土交通大臣政務官    小泉 俊明君

   国土交通大臣政務官    津川 祥吾君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  宮島 俊彦君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     大森 雅夫君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  林田  博君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十日

 辞任         補欠選任

  石関 貴史君     磯谷香代子君

  橋本 清仁君     中後  淳君

  赤澤 亮正君     森山  裕君

  小渕 優子君     今村 雅弘君

  二階 俊博君     馳   浩君

  亀井 静香君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     石関 貴史君

  中後  淳君     小林 正枝君

  今村 雅弘君     小渕 優子君

  馳   浩君     二階 俊博君

  森山  裕君     赤澤 亮正君

  下地 幹郎君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  小林 正枝君     橋本 清仁君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)


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     ――――◇―――――

古賀委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房建設流通政策審議官大森雅夫君、住宅局長川本正一郎君、港湾局長林田博君及び厚生労働省老健局長宮島俊彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川村秀三郎君。

川村委員 民主党の川村秀三郎です。議題となりました高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律案について御質問いたします。

 この法案の提案理由にもございますが、団塊の世代の高齢化等もありまして、今後、高齢者の急激な増加が見込まれております。特に、高齢者単身そしてまた夫婦のみ世帯の急激な増加ということが見込まれております。衣食住といいますけれども、住まいはまさに生活の基本、またかなめでもあるわけでございまして、高齢者向けの住まいの確保、そして、高齢者になりますとそれにプラスして、見守りでありますとか、介護、医療、そういったケアの必要性が飛躍的に高まるわけです。

 まず、こうした状況を踏まえまして、高齢者の住まいと、それから生活の質を高めるためにどういうふうに取り組んでおられるのか。住まいの形態はいろいろございます。持ち家もあれば公営住宅に入居されている方もありますし、一般賃貸あるいは介護福祉施設等の施設に入られているとあるわけですけれども、ぜひ、その全体的なお考え、ビジョン、全体像をお伺いしたいと思います。これがまず一点でございます。そして次に、今回の法改正は、そうした全体のビジョンの中でどういうふうに位置づけておられるのか。そして、従来の施策からどういうふうに大きく転換しようとしているのか、いわば進化をしようとしているのかということをまず国土交通大臣にお聞きしたいと思います。

 また、この法律は国土交通省と厚生労働省の共管ということで、両省が連携して進められるということですので、高齢者の住まいとケア、こうした基本的考え方を厚労省の方からも、副大臣お見えでございますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、ぜひお答えいただきたいと思います。

大畠国務大臣 川村議員の御質問にお答えを申し上げます。

 今の御質問は三点ほどあったと思いますが、最初に、現在の日本の高齢者の単身あるいは高齢者世帯の現状というものはどうなのかということをいろいろと調査させていただきました。二〇一〇年から二〇二〇年にかけて、この十年間で、高齢者人口が二千九百万人から三千六百万人にふえるであろう、高齢者の単身それから夫婦世帯では、現在一千万世帯でありますけれども、これが一千二百四十五万世帯にふえるであろう、こういう状況にあります。

 さらに、住まいの状況はどうかといいますと、日本では、全高齢者における介護施設、高齢者住宅等の定員数の割合で申し上げますと、施設系が三・五%、住宅系が〇・九%となっております。福祉が非常に進んでいるデンマーク等では、施設系が二・五%、住宅系が八・一%となっております。イギリスにおいても、施設系が三・七%、住宅系が八%と非常に高い状況でありますし、アメリカでも、施設系は四%、住宅系が二・二%と、日本よりもこの住宅系というところが非常に充実しているわけであります。

 こういう背景の中で今回この法律を提出させていただきましたが、これは、高齢者の幅広いニーズに応じて、高齢者の皆さんが安心して暮らせる住まいと生活環境というものを提供することが今重要である、こういう背景から、住宅のハード面、これまではどちらかといいますといわゆるバリアフリーというものを考えておったわけでありますけれども、福祉施策と連携しながら、家族形態や所得、高齢者の心身の状況などに応じて、高齢者の方々が必要とする生活支援サービスや介護サービス、あるいは医療サービスが受けられるような環境を整備していきたい、こういうことから今回法案を提出させていただいたところであります。

 御指摘のように、先ほどの御質問にもございましたが、今回は国交省と厚生労働省と連携をして対策をとろうとしているわけでありますが、厚生労働大臣とともに、基本方針を策定して、住宅政策あるいは福祉政策の連携のもとにこの施策を展開してまいりたいと考えております。

 先ほども一部御回答申し上げましたが、ハード面だけでなくソフト面というものを私どもも重視していきたい、そういうことから、高齢者の暮らしを支える住宅、それから生活環境の提供を行い、高齢者の皆さんのニーズに対応した住まいを提供したいと考えてこの法律案を提出させていただきました。委員からも御質問を賜りましたが、急速に高齢化が進んでいる中で、私たち日本の中で、今日の日本を支えてきた高齢者の皆さんが安心して住み続けられるような環境の充実に努力してまいりたいと考えているところであります。

大塚副大臣 お答えをさせていただきます。

 高齢化が一層進展する中で、ひとり暮らしの高齢者の増加や要介護度の重度化が進む中で、介護が必要になった高齢者の皆さんが住みなれた地域で自立して生活していくこと、そのためには、高齢者向けの住まいの確保にあわせて、その住まいにお住まいいただく中で、介護サービスなどが一体的に提供されていく必要があると思っております。厚生労働省といたしましては、そのことを地域包括ケアシステムという概念でとらえておりまして、その整備が必要だと思っております。

 今申し上げました地域包括ケアシステムは五つのポイントがございまして、医療と介護と予防、そして生活支援サービス、住まい、この五つがポイントになっておりますので、この五点目の住まいの点で、今回委員会で御審議いただいております高齢者住まい法と関連があるわけでございます。厚生労働省といたしましては、この高齢者住まい法とあわせまして、介護保険法等の改正案を提出しているところでございます。この介護保険法の改正案の中では、今申し上げました地域包括ケアシステムの概念の中で、二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設等の在宅サービスの強化を目指しております。

 今後とも、国土交通省と緊密に連携をいたしまして、これらの介護サービスと高齢者向け住宅を組み合わせた仕組みを広く普及させていただきたいと考えております。

川村委員 どうもありがとうございます。

 今、大畠大臣、そしてまた大塚副大臣からお答えをいただきました。この法律は、国土交通省と厚生労働省の共管ということで、両省が連携をして進められる、非常にいいことだというふうに思います。特に、国交省の施策の対象となる高齢者、そしてまた厚労省の対象となる高齢者、これは二つの客体があるわけではありませんで、対象は一人の高齢者ということなので、やはり高齢者の立場に立って、その目線で、これは大変大きな一歩だと思いますので、ぜひ今後とも、省の垣根を越えて、連携して頑張っていただきたいなということでよろしくお願いをしたいと思います。

 さて、今回の改正で、いわゆる高円賃、高専賃、それから高優賃、これを廃止する、そしてサービスつき高齢者向け住宅に一本化する、こういう内容になっているわけですね。そして、従来なかったサービスつきという要件を課して一本化するということですから、ちょっと聞いた限りでは、切り捨てられる部分があるんじゃないかという懸念をちょっとするんですが、そのあたりはどうなっているのかということ。

 それからまた、高齢者居住支援センターが廃止になります。これも法文から見る限りは後退したかに見えるわけでありまして、これまで行われてきた債務保証など、実態上、心配はないのかということも感じるわけであります。

 そしてまた、こうした改正によって、本当に高齢者向けの住宅供給量、これが減ることはないのか、数量的な目標としてどういうふうに取り組まれているのかということをお答えいただきたいのと、これまで家賃低減など、低所得者向けの配慮ということもなされていたと思うんですけれども、こうした今の諸点にお答えをいただければと思います。

市村大臣政務官 川村委員の質問にお答えします。

 もう委員も御存じのように、現行の高齢者住まい法には、高齢者円滑入居賃貸住宅、これが高円賃でございます、及び高齢者専用賃貸住宅、これが高専賃でございますが、この登録制度並びに高齢者向け優良賃貸住宅、これが高優賃でございますが、この認定制度のほか、高齢者居住支援センターの指定制度が設けられているところでございます。大変わかりにくい制度であるということ、一言で申し上げれば、そういう制度でございました。ですので、この制度を廃止するということに今回なりました。

 しかし、一方で、今委員がお尋ねいただきましたように、では、廃止した結果、供給ができなかったり、サービスの質が落ちたりするのではないかという御懸念の点でございますけれども、これに関しては、一言で申し上げれば、そういうことにならないということであります。むしろそれを、そういうわかりにくい制度だったものをしっかりと一本化して、ソフト面、ハード面、両面からしっかりと立て直していこう、これが今回の法律の改正の大変大きな肝であるということでございまして、御懸念の件はないということでございます。

 また、つけ加えて、高齢者居住支援センターの指定制度につきましても、近年は民間の家賃債務保証業者がふえまして、当該指定制度の意義が大変希薄となっておりますことから、今回、廃止をすることになります。これにつきましても、今申し上げましたように、民間の方でそれを受け入れるということにはなってきています。だから、決してこれによって質が下がったり供給量が減るということではなくて、むしろ質を高め供給量を上げていくということのために一本化するという意味でございますので、どうぞ御理解いただければ幸いでございます。

川村委員 家賃の関係もちょっと抜けておりましたけれども、引き続きやられるようなことを聞いておりますので、ぜひその配慮は続けていただきたいと思います。高齢者住宅については、冒頭の大臣の御説明の中でも諸外国に比較して不足しているということでしたので、ぜひこの量的な拡大のフォローアップということを、この法律の改正を機に頑張っていただきたいなというふうに思います。

 さて、今回の東日本大震災でございます。心からお悔やみとお見舞いを申し上げるところでございます。

 この被災の中で、高齢者の問題も大変深刻でございます。住まいを失った高齢者が多数おられまして、避難所などで十分な治療とか介護が受けられない。健康状態あるいは病状が悪化をして、せっかく津波から逃れられたのに、お亡くなりになる方も多いというふうに聞いております。今、既に仮設住宅などの建設が始まっております。仮設住宅への優先入居、これに限らないわけですけれども、高齢者の住まいの確保への配慮、対応はどうなっているのかというのがまず一点ございます。

 そしてまた、これは緊急の仮設住宅ですから、本格的な復興の中では、まさに今回の法改正で導入されますサービスつき高齢者向け住宅を被災地域ではさらに加速させるような、例えばのアイデアですけれども、促進するための特区でありますとか、あるいは上乗せの助成をしていくというような特段の措置を講じるべきではないでしょうか。

 大変不幸な災害ではあったわけでありますけれども、これを機に、単なる復興ではなくて、まさに壊滅的状況になっているわけですから、白地に絵をかくことも可能なわけですね。ですから、東日本を高齢者対策の先進地あるいはモデル的な地域にするという目標で、特段の特別措置をまた講じていくということも大事ではないかというふうに思っております。ですから、そういうことについての国土交通大臣のお考えをお聞きしたいのが一点でございます。

 それからまた、厚労省にもお聞きしたいんです。

 このたびの大震災において、被災された高齢者の方々は大変困難な状況にあるというふうに理解をしておりますが、こういう高齢者に対して、どういう対応、そしてまた配慮をなされてきたのか。そして、先日も、仮設住宅とあわせて、ケアの拠点施設を設けるという報道もお聞きをしました。そういう意味で、こういった高齢者の問題にどう対応されているのか、今後の方針もあわせてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

大畠国務大臣 ただいまの御質問にお答えを申し上げたいと存じます。

 一つは、今回の東日本大震災の被災地において、再建する場合にどんな理念で行うのか、こういう御質問でございました。

 御指摘のように、これまでと同じように復旧する、もとのようにつくるということでは、今回の大震災で多くの命が失われたわけでありますから、地震あるいは津波に十分耐えられる強い町をつくらなければならないというのは当然でございます。それに加えて、御指摘のように、お年寄りが大変多く被災しているわけでありますから、この高齢者の方々に対する配慮というものも十分考えて復旧復興をしていかなければならないと存じます。

 特に、仮設住宅については、優先的なというお話がございましたが、この件については県あるいは地元自治体の方でも十分考えながら対応されると推測しておりますが、いずれにしても、各県や自治体のそのような動きをしっかりと私たちも支援してまいりたいと存ずるところであります。

 また、これをどのような形で今後この法律案等も含めて考えるかということも御質問の中にはございましたが、これについては、厚生労働省とも連携をとりながら、要介護高齢者等に対するサポートセンターを設置する、仮設住宅だけをつくるのではなく、そのようなサポートセンターの設置も必要だろうということで、各県とも協力して、厚生労働省とも連携して対応していきたいと考えております。

 それから、次の段階として、恒久的な住宅というものを考えていかなければなりませんが、地方公共団体が整備する災害公営住宅に、社会福祉法人等とも連携して生活支援施設を併設したり、あるいは、今回この法律案で提案をさせていただいておりますが、サービスつきの高齢者向け住宅を一体的に整備する、このようなことも大変大事だろうと考えております。

 いずれにしても、厚生労働省あるいは地元の社会福祉法人や医療法人等とも連携を強化しながら、被災地における高齢者の皆さんが安心して移住できるような住環境を、地元の自治体とも協力しながら推進してまいりたいと考えているところであります。

    〔委員長退席、田村(謙)委員長代理着席〕

大塚副大臣 今回の大震災に当たりまして、高齢者の皆さんにどのように対応してきたかという御下問が冒頭にございました。簡単に御報告をさせていただきます。

 多くの方々が介護施設やあるいは御自宅で被災をされました。その結果、四月十八日現在で、他の施設に受け入れをしていただいた方々が約二千八百人でございます。現地に支援に入っていただいている介護職員の皆さんが約六百人でございます。

 こうした中で対応を進めておりますが、御下問のございましたサポートセンターにつきましては、今大臣からも御答弁がありましたが、仮設住宅やその周辺地域を含めまして、高齢者の皆さんに対して、デイサービス等の居宅サービス、生活支援サービス、あるいは総合相談を受ける窓口として設置をする方向で考えております。

 あわせて、復旧期の特別養護老人ホーム等の介護施設の代替施設として、宿泊施設や学校等を当面借り上げることなどによりまして、福祉仮設住宅を応急仮設住宅とあわせて設置することも検討させていただいております。被災しました特別養護老人ホーム等の再建につきましては、激甚災害指定による補助率のかさ上げ等の法的、財政的措置を検討いたしております。

 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、今回、被災地において、これからの日本の新しい高齢者対策、あるいは高齢者の皆さんに対する政策実現の一つの先駆的位置づけにもなり得るという思いで私どもも対応をさせていただいております。

川村委員 ありがとうございます。

 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる住まいを確保する、これはまさに新成長戦略の中に盛り込まれていることでございます。この機に思い切った措置を講ずべきと考えますので、引き続き御検討いただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。終わります。

田村(謙)委員長代理 次に、福井照君。

福井委員 自由民主党の福井照でございます。

 最初に、市村政務官の方からこの法案の趣旨について御紹介いただきたいと思いますが、選挙区でいろいろ戸別訪問とかミニ集会とかをしておりまして、個人的にも両親のこともございまして、共管にしていただいた、そして行政のすき間を埋めるこの法案については、本当にありがたいなということでございます。

 特養とか老健とかグループホームとかに入るにはまだ要介護度が低くて、だけれども、もう生活破綻しているわけですよね。戸別訪問をして独居老人のうちなんかを訪問しますと、もうごみだらけですよね。片づけることができなくなるんです。そして、おふろとかお台所の火を消すのを忘れたり、危なくてしようがない。そういう方々に入っていただく住宅をソフトつきで、見回りつきで整備していただく、本当にありがたいなということでございます。

 一方、高齢者だけ受け入れるという人もいますけれども、普通の賃貸住宅は、やはり、生活破綻していますから、では、おじいちゃん、おばあちゃんだけでどうぞ入居してくださいというマーケットはなかなか存在しないわけですね。そういう意味でも本当にありがたいなと思いますので、改めまして、住宅行政担当の国交省と介護担当の厚生労働省、もとはといえば内務省、同根なんですけれども、そのすき間を埋めるこの法案の趣旨について、もう一度整理していただきたいなと思います。

市村大臣政務官 福井委員の質問にお答えします。

 福井委員はこの分野に大変お詳しい方でいらっしゃいますので、釈迦に説法になるかもしれませんが、改めてこの法律の趣旨についてごく簡単に申し上げますと、御指摘のように、国交省と厚生労働省にまたがっていた、この二つの省にまたがって高齢者の住宅というのは供給をしてきたわけですけれども、それぞれにいい部分もあったんですが、なかなか一体的なものでなかったがために、いろいろ課題もあったということでございます。

 特に、国土交通省の供給しております高齢者の住宅というのは、例えば段差をなくすとか、こういうハード面にかなり重点を置いた供給をしてきたのではないかというふうに私は思いますし、また、厚生労働省さんの供給してきたものにつきましては、例えば有料老人ホームといったものは、よく指摘されておりましたけれども、例えば認知症になったりとかして一番サービスが必要になるときに、出ていってほしい、こういうふうな形もあったというふうに私は思っております。

 こうした、いい部分もあったんですけれども、またそういった課題もあった。こういうことを、まさに今委員御指摘いただきましたように、二つの省が力を合わせて、高齢者の住まいをどう考えていくのか、ついの住みかをどう考えていくのか、こういう観点から今回の法律はできているというふうに私は認識をしておるところでございます。

福井委員 ありがとうございました。

 そこで、大臣、配らせていただいた紙の二ページ目をちょっとごらんいただきたい。白黒の、同潤会と書いたのがございまして、関東大震災に別にこだわるわけじゃないんですけれども、震災後の建築行政の我が日本民族の一番いい事例としてちょっとごらんいただきたいのは、いろいろ書いていますけれども、キーワードは五つ目の丸の二行目なんです。「様々な住戸タイプ」。表参道に同潤会アパートがありましたから、ごらんいただいたと思うんですけれども、あのアパートは実は、若い単身用の部屋もあるし、年寄りのお二人用の部屋もあるし、五、六人用の部屋もあるしということで、まさにさまざまな住戸のタイプがそこにあったんですね。ここなんですよ。

 その後、多摩ニュータウンとか港北ニュータウンとか、高度経済成長で、まさに同じような世代を収容したニュータウンができたものですから、建築行政というのはそういうものだというふうに皆さん思い込んでいるんですけれども、実は、私たちの遺伝子の刷り込みというのはここにあるんですね。やはりダイバーシティーなんですよ。多様性こそ都市計画の命、肝であるということなんです。加えて、娯楽室、児童遊園、食堂、当時ですから共同浴場、理髪室、コミュニティーの人々が寄ってくる施設もそこに配置をして、一つの集落として、村落共同体としてそこで住んでいただいたというのを、関東大震災の後、東京じゅうにつくったんですね。

 三ページ目が大臣がおつくりになった紙ですね。まさにこの法案が目指そうとしているコミュニティー、サービスつき高齢者向け住宅があって、その一階に診療所、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、デイサービスセンターがあるということで、まさに多世代が交流するし、二十四時間見守っていただけるし、住みなれた町で暮らすことができるということなんですね。

 まさに、多様な住まいのあり方、だけれども、後ほどまた東北の話もさせていただきたいんですけれども、もともと日本民族の持っていた村落共同体としてのあり方、まさに大家族が基本で、物理的な、部屋はもともとのうちと高齢者住宅というのは少しは離れているかもしれないけれども、しかし基本は、精神的には大家族だ、こういう住まい方をやはりもう一度復元するということを多分大臣は目指していらっしゃるんだろうなということを拝察申し上げて、この法案が期待どおり働けばどのようにコミュニティーの形成、維持ができるのか、大臣としてどのように期待されているのか、御紹介をいただければと思います。

    〔田村(謙)委員長代理退席、委員長着席〕

大畠国務大臣 福井委員から、関東大震災のときの復興のアパートメント、江戸川アパートメントというところには、娯楽室、児童遊園、食堂、共同浴場、理髪室だと非常に多彩な形で住戸タイプが用意されて、言ってみますと、日本の伝統的な地域のコミュニティーというものをそのまま維持しながら対処できるようなところをつくった、こういう発想も今回の法律案の高齢者のための政策については必要じゃないか、こういう御質問をいただきました。

 実は、委員からの御質問をお伺いしておりまして、十五年ほど前に私もスウェーデンの方に行きまして、いろいろとお話をいただいたことがあります。高齢者の方々の一つの住まいでありますが、一階のところは普通のレストランがありまして、そこに食事のときには来る。近所の方もそのレストランに来る。その横の方には絵画教室がありまして、近所の若い方々も子供さんも来て、そこで絵を習っている。お年寄りの皆さんもそこに行って一緒に絵を習っている。実に、コミュニティーといいますか、子供さんから若い方世代もみんな入りまじっているのが普通の社会なんだと思います。そういう意味では、そういう状況も加味しながらの、コミュニティーの一環としての高齢者の住居というものをやはり考えていかなければならないという思いを持っております。

 したがいまして、私どもも、決して建物をすべて高齢者の皆さんだけの住宅にするというのではなく、若い方や子育て世代の住宅についてもあわせて整備したり、あるいは保育所等を併設するということも可能でありますし、いろいろとこの委員会での御質疑等も踏まえて、今委員から関東大震災以降の一つの江戸川アパートメントというものを例示していただきましたけれども、そのような形のものをつくることが私たちとしても一つの目標となると思いますので、十分参考にして実施をしたいと考えているところであります。

福井委員 ありがとうございました。

 そこで、東北でこの法案をもとにした高齢者住宅を、一戸、二戸じゃなくて、絶対たくさんつくっていただきたいなという趣旨でまず政務官の方から整理をしていただきたいのは、まず、国が直接民間に補助できるという画期的な法案になっておりまして、これもありがたいんですけれども、そのつくる者が、全国的には民間ディベロッパーもあるし建設業者もあるでしょうけれども、今回の震災地域、被災地域においては、どのような方がこの法案、法律に基づいて高齢者住宅をつくっていただけるのかというイメージをちょっと御紹介いただきたいと思います。それは社会福祉法人か医療法人か、これは三井副大臣に答えていただいた方がいいかもしれませんけれども、恐らくそういうことなんだと思いますが、被災地域における事業主体のイメージをちょっと御紹介いただければと思います。

市村大臣政務官 お答えします。

 今御指摘いただきましたように、今回の東日本大震災における対応として、今は仮設のことが課題になっておりますが、恐らく今後は復興住宅をどうしていくかということも課題になってまいると思います。そのときに、今回の法改正によります制度は生かせる余地は十分にあると私も思っておるところでございます。

 特に、今御質問いただきましたように、今回の被災者、かなりの部分が高齢者の方である可能性が高い。なぜこれが言えるかといいますと、もともと、そもそもの高齢化率が高い地域であるということでありますので、恐らく被災者の中の比率としては高齢者の方が占める割合が高いだろうと。であれば、このサービスつきの高齢者住宅供給ということが大変生きてくると思います。そのときに、先ほど大畠大臣からもありましたように、単に高齢者の方だけがお住まいになるということではなくて、まさにまちづくりの観点から、このサービスつき高齢者住宅を拠点として、一つの大きな核としてまちづくりをしていくという観点もあるんだろうと思います。

 そのときに、では、だれがサービス主体になるのかという御質問もありました。そのときは、やはりいろいろな角度からの多様な参入があっていいと私は思います。医療の分野からの参入、介護の分野からの参入、また住宅供給者からの参入と、いろいろな分野からの参入が大変期待されるところだというふうに思います。

 また、もっと具体的に申し上げますと、例えば、民間事業者が主体になりまして、地元の社会福祉法人等に生活相談サービスを委託するケースとか、社会福祉法人等が主体になって、民間の住宅事業者が建設した住宅を借り上げて事業を展開するケースなどが想定されるわけであります。また、地域の実情に応じたものが供給されますように、新築のみならず、既存ストックの改修によるものに対しても支援措置を講じるほか、都道府県が策定します高齢者居住安定確保計画におきまして、地域の実情に応じた登録基準を設定することも可能としておるところでございます。

 こうしたことを通じまして、地域の特性や高齢者のニーズに応じた住宅の供給を促進し、安心して暮らすことができる住まいの確保を実現してまいりたいと思うところでございます。

福井委員 ありがとうございました。

 それで、まとめて大臣に、被災地域においてこの高齢者住宅を、後ほどいろいろお願い申し上げますけれども、全面的に、具体的に、例えば省内にチームをつくるぐらいの、そしてその対応するチームを県庁、市役所につくるぐらいの支援体制をぜひつくっていただいて、だから、主体が民だからわしは知らぬということではないと思うんですね。国が主導してこの高齢者住宅を、仮設住宅も急ぐ、だけれども、同時についの住みかも来月、再来月から、この法案が通ったらつくり始める準備をするというぐらいの勢いでなければ、まさにきょう審議している意味がないし、まさにそれを待っているわけなんですね。

 どうして待っているかというのが一ページ目でございまして、お配りしたのが、上が、高齢化率が高い。これはもうだれが見たってそんなことを聞くまでもないということなんですけれども、実は、六十五歳以上の高齢単身者世帯の割合は全国平均よりも低いんですね。そして、高齢者夫婦の世帯も全国平均よりも低いんですね。つまり、都会が失った大家族というのがまだ岩手、宮城、福島には存在していて、まさに、先ほど申し上げた大家族、理想的な日本人社会、日本人家族というのがそこに存在するんだということだと思うんです。

 そういうふうに評価して、ですから、先ほど申し上げましたように、たまたま部屋がそこのうちの中の一階じゃないけれども、高齢者住宅の部屋は少し物理的に離れるけれども、まさに大家族が一緒に暮らしているのと同様の高齢者住宅とその支援する施設、サービスをいかに組んでいくかということの、実験場と言っては失礼ですけれども、最初につくる、法案を適用する場所としては、まさに実は最適だったんじゃないかなということを、このお配りした表から読み取っていただければなということでございます。

 そして今、お配りはしていませんが、政務官がちょっとおっしゃいましたけれども、特養とか老健とかグループホームとかいう施設系と、それから今までの高専賃、高優賃という住宅系との割合を見てみますと、この三県、岩手、宮城、福島はすごく低いんですね。全国平均から比べて、住宅系が圧倒的に低いんですね。施設系は平均よりもあるんです。特養とかは全国平均よりもあるんです。だけれども、住宅系が少ないんですね。

 それは逆に、確かに大家族だから少ないというふうにも言えるし、しかし、つくる人がいなかったというふうにも評価できるし、これは今からつくり始めての評価にまちたいと思いますけれども、そういう現状、要するにそのサプライがなかったという現状があったということですので、むしろ大家族の文化、日本民族の文化が残っているところで圧倒的に、怒濤のように進めていただく施策として、今、十分の一補助、そして一戸百万円を限度とするという補助金の仕組みに御提案の法律がなっているわけです。

 もともと再開発系の補助というのは、機械室とか廊下とか、要するに共用部分を町と考えて、公共施設と考えて補助金を出すという仕組みになっているんです。ですので、補助金は入るけれども、民間の施設というものに対してはもともと四百三十兆円の公共事業外だったんですからね、この再開発事業というのは。なので、補助率がすごい低かったんです。

 しかし、これを公共施設と言わずして何と言うんでしょうか。高齢者住宅こそまさに公共施設だということになれば、この十分の一というのは、国交省と財務省との今までのその歴史を飛び越えて、まさに二分の一とか三分の二とかという補助率でつくるべきものではないかということを踏まえて、まあ、いきなりそこには行きませんから、今回の被災地域にあっては特別に、復興がなし遂げられるまでは少なくとも十分の一は三分の一とか、十分の一は二分の一とかという補助率を、きょうはそこまで議論が深められませんけれども、近い将来、ぜひそれを含めた特区なりモデル事業なりを仕組んでいただきたい。そのために、国のチーム、県のチーム、市のチーム、我々の行政の世界が主導する仕組みというのをぜひ大臣主導でつくっていただけないかなということを含めた、モデル事業というのを考えていただけないかなということ。

 そして、近々できます災害復興公営住宅、このつくり方も、高齢者が多いわけですから、被災者の皆さんが高齢者が多いので、この高齢者の居住の安定確保に関する法律が目指している住宅をまさにそこに実現するんだということを、この被災地域の中でぜひやっていただきたいなということ。

 いろいろ申し上げましたけれども、被災地域の中でこの法律をどうやって生かしていかれるのか、大臣の御決意をぜひ承りたいと思います。

大畠国務大臣 福井委員、元建設省出身でありますし、この分野については非常に精通をされているというのがただいまの御質問の中でも拝察されるわけでありますが、御指摘のように、日本のよき文化といいますか風土といいますか、そういうものがまだ東北地方には根強く残っております。それが今いただきました資料等でも拝察できるわけでありますけれども、このような風土の中のいいものをこれからも続けていかなければと思います。そういう発想あるいは思想を持ちながら今回の法律案の実施に当たっては考慮すべきである、こういう点については全く私も同感であります。

 同時に、今回の法律案では、直接行政が主導的にやるわけではありませんが、だからといって、自由にやっていいよというようであれば、何も法律は要らないじゃないか、こういう話でありますが、全く私も同感でありまして、このような法律で一つの方向性を示すということは、国の方で一つの考え方というものを持ちながら、民間の力を活用しながらそのようなものを実現していくというのは当然でございます。

 したがいまして、その東北地方のコミュニティーというもののいわゆる文化や歴史というものを踏まえた形でのコミュニティーを維持しながら、どう実現するか、こういうことでありますから、その形態については、当然、国の方でも十分注視をしていきたいと考えているところであります。

 なお、この補助率についても今後考えるべきじゃないかということであります。私もそのように思いますが、いずれにしても、御指摘をいただいて、またいろいろと検討をして、今御質問いただきましたような形で、東北のよき伝統や歴史というものを踏まえたコミュニティーがしっかりとこの法案で培っていけるように努力をしてまいりたいと考えるところであります。

福井委員 ありがとうございました。

 次に、町全体、そして町を守る施設のつくり方、設計指針について、最後にお伺いさせていただきたいと思います。

 まず、一番わかりやすいのは防波堤ですね。港湾技術研究所のレポートによれば、釜石の防波堤が遡上の高さを、二十メーターを十メーターに、半分にした、そして防波堤自身が壊れることによって、自分が壊れることによって人間を守るという車と一緒ですね、エネルギーを四割減衰させたというレポートがございます。

 我々が習った海岸工学の津波というのは、波長が数十キロ、百キロぐらいあって、じわじわと上がってじわじわと下がっていくんだというイメージなんですね。つまり、設計がタックルするべきものは高さであって、エネルギーではなかったんですね。今回はエネルギーなんです。貞観の津波と同じで、マスが、体積が全然違うんですね。しかも、斜流もあったので、エネルギーに対抗しなければならないというのが、今回初めて土木の世界が経験したことなんです。ですので、防潮堤自身は高さでいいかもしれませんが、防波堤は、今までの高さ対応からエネルギー対応へと、全く根本から物づくりの設計思想を変えなければならないと思います。

 一方、町の受け方の方は、これはもういろいろ議論がありますけれども、奥尻島は、先日も申し上げましたけれども、半分高台、半分平面に残ってということなんですけれども、その平地に残った方も水産庁の補助事業でかさ上げしてもらっているんですね。かさ上げもあり得べし、そして土地区画整理事業もあり得べし、防災集団移転で高台に行くのもあり得べしなんですが、いわばその事業の元金といいましょうか原資、これはまちづくりだと種地を買収するといいますが、事業主体が土地を買収して、それをまとめて道路にしたり公園にしたりするんですけれども、今回の場合は余りにもたくさんの土地が海没しているわけですね。地盤沈下で海没している、そして水没している。それは国に寄附してくださいということになっているわけですよ、海没民地は国に寄附だと。今回それを絶対に言ってほしくないわけです。

 雲仙・普賢岳ですと、事業用地として危ない土地だということの減価、そして堆積した土砂を取る費用を減価して、平均一〇%から三〇%ぐらい、従前の評価額から少し減らして、だけれども用地買収して、それが生活再建の原資になったわけですので、それも考え、そして、何とサルコジが、暴風雨シンシアというんですけれども、台風が来て完全に水没した土地を一〇〇%の従前価格で買い上げたんですね。サルコジですらやっているんです。

 ですので、今回は、この前の質問でも申し上げましたけれども、何千ヘクタール国がまず買い上げて、それを区画整理で集約換地をして公共用地にする。そして、それを原資にして、防災集団移転かあるいは区画整理で地域の中で移転していただく、生活再建に使っていただくということがなければ、これだけ何にもなくなって、そして今回の場合は分子と分母の関係が違いますから、奥尻島、玄界島と全然違いますから、一億二千七百万人分の数十万人というけたになりますので、一件当たりお支払いできる義援金も、そして事業費も少なくなるわけです。

 今回の復興の肝は、三井副大臣のチームで今やっていらっしゃると思うんですけれども、国が、地盤沈下の結果海没したところは海没とみなさないで、一〇〇%従前価格で買い上げるということをまず宣言すれば、皆さん安心できると思うんですね。それをここで言っていただければもちろん百点満点なんですが、役所はそれはできませんから、今のところ役所はできないとしか言いようがないんです。ですので、まさに政治主導の大臣として、それは検討します、あるいはやりますということをぜひこの場でおっしゃっていただきたいと思います。

 まず防波堤の話は港湾局長から、そして土地の買収の話は大臣から御答弁いただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

林田政府参考人 お答えを申し上げます。

 福井委員御指摘のとおり、独立行政法人港湾空港技術研究所の分析によりますと、釜石港の湾口の津波防波堤が一定の効果を発揮したという報告がございます。実際の現地の調査報告によりましても、防波堤のない湾では津波高さが十二・五メートルから十八・三メートルというような記録がございます一方で、湾口防波堤があります湾内では八・一メートルから十一・七メートルにとどまっておりまして、防波堤の存在によりまして津波高さが大きく減少をしたというふうに推測できると思っております。

 今後のことでございますが、防波堤や防潮堤の効果、港湾の被災状況などを精査した上で、施設整備といったようなハード面だけではなく、被災地のまちづくりといったものの考え方を踏まえまして、避難計画などのソフト面を含めて、港湾における総合的な津波防災対策について、防災にかかわる有識者、専門家の方々に御議論をいただいた上で、早急に基本的な方向性を取りまとめていきたいというふうに考えてございます。

大畠国務大臣 ただいまの福井委員の御質問でございますが、私も現地に行きまして、ちょうど満ち潮のときでありましたが、地面のところに海水があふれているという状況を見てまいりました。さらには、ちょうどヘリコプターで現地の上空を通ったわけでありますが、海岸のところの防波堤等が破壊されておりまして、水田等にも海水が侵食しているという状況を見せていただきました。

 これをどうするのかということであります。

 今議員から御指摘いただきましたが、海面に没したところは国に寄附するというのがこれまでの通例といいますかルールであったということでありますが、これは私は、そのルールは、多少であれば、何か侵食して海がこちらへ来たというのであれば、そういうことも考えられるかもしれませんが、とにかく三陸全体が四十センチ、六十センチ、七十センチ地盤沈下してしまった、こういう状況の中で、そのような従前のルールというものを適用するということにはならないんじゃないか。

 したがって、御提案のように、国が買い上げるということも大事な視点でありますから、私としては、そのような考え方に基づいた形での対応がとれるように努力をしてまいりたいと思うところでありますが、これも、復興構想会議とかいろいろな場がありますので、私としては、今議員から御指摘のような考え方で進めるべきじゃないかな、そう現時点では考えているところであります。

福井委員 ありがとうございました。終わります。

古賀委員長 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 本日は、高齢者の居住安定確保法の改正案ということで質疑をさせていただきますが、冒頭、やはり震災関連のお話をさせていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、仮設住宅でございますが、昨日も大臣が、ぶら下がりの会見ですか、テレビのニュースでも流れておりましたけれども、この建設状況ですね。

 国交省の方は鋭意努力してやっておられると思うんですけれども、県の方、またはそれぞれの市町村、用地確保の現状もなかなか厳しいようにも思えるんですけれども、建設状況と、その課題、どういったことが問題になっているのか、そこら辺のところをまずお聞かせ願えればと思います。

大畠国務大臣 仮設住宅の建設の状況はどうなっているかという御質問を賜りました。現時点での状況を御報告申し上げたいと存じます。

 現在、まずは仮設住宅を建てる場合には用地の確保が重要でありますが、岩手県では一万二千戸、宮城県でも一万戸、福島県でも四千戸、合計二万六千戸の建設にめどが立っているわけであります。この用地が確保されているわけでありますが、これを建設するためには、市町村が土地をおおよそ当たりまして、県がそこを確認しまして、発注することが必要であります。

 現在までのところ、一万六千二百四十三戸の着工予定及び着工済み、着工済みが一万二千六百五十二戸でございまして、予定が三千五百八十一、ここまでは積み上がったわけでございます。しかし、これから用地確保済みの二万六千戸、あるいは五月末までに三万戸の建設を進めるためには、四月いっぱい、遅くても五月の第一週ぐらいには三万戸を含めて発注していただかなければなりません。

 そういう意味で、資材不足が背景にあるのじゃないかということでありますが、現在のところ、私どもとしては、三万一千戸分の資材が五月六日までにそろう、こういうことでありますから、私どもとしては、四月末に三万戸の発注をしていただければ五月末には三万戸建設ができると考えているところであります。

 なお、どこに課題があるのかという御質問もありましたが、一つには、各自治体も震災対策で大変な手間がかかっておりますので、住宅関係に十分手が回らないんじゃないか、あるいは県の方も対応で人手が足らないんじゃないか、こういうお話もいただいておりますので、国土交通省から県あるいは市町村に、現在、二十四人であった体制を四十五人にふやしまして、この仮設住宅の建設に向けての実務がされるように強化をしているところでございます。

 いずれにしても、過日、三県に参りまして、担当の土木部長さんあるいは知事さんにも、一日も早く、避難者の方々のプライバシーが守られて、そして御自分の人生をこれからどう進めるか、こういうことを考えることができるように、用地が確保できたところについては発注をしていただきますように強く要請してまいりました。

 したがいまして、私としては、必ずやこの四月いっぱいをめどとして三万戸の建設を発注していただけるものと考えておりまして、そうなれば五月末には三万戸の建設が可能となり、今避難所で生活をしている方々に提供することができると考えているところであります。

高木(陽)委員 五月末までに三万戸ということですね。今現在、避難所で生活をされておられる方が十三万人を超えておられる。そうなってきますと、最終的には七万戸という数字が出ておりますけれども、五月末まではそれでいいと思うんですね。問題はその後だと思うんです。

 まさにその用地の問題、今大臣の方からずっとお話をいただきましたけれども、これは、前々回ぐらいですかね、質問をさせていただいたときに、発注は県がやる、募集は市町村がやる、こういうような形の中で、そこの被災をされた市町村の住民の方々は、自分の地域から余り離れたくない、こういう要望があるわけですね。そうなってきますと、用地が自分の市のところにあればいい。ない場合には、その市を離れる、または内陸部に行く、こういう問題が出てくると思うんですね。三万までは確保できましたけれども、問題はそこから後の四万ですね。この市町村のニーズと用地確保のずれ、こういうのがこれからさらに出てくると思うんですね。

 さあ、ここでどうするか。ここのところは、国がやるというよりも県と市の話し合いだとは思うんですけれども、やはり当事者同士はなかなか難しい。しかも、目の前では十三万人の方々があの過酷な避難所で生活をしているということですから、ここのところのずれをどのようにしていくかということも含めて、これは局長で結構ですが、お答え願いたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、応急仮設住宅の建設を進めていくためには、まず用地の確保が第一の課題になるわけでございます。

 用地選定、これは各県が市町村の協力を得て行っております。その際には、今委員も御指摘ありましたように、各市町村とも、被災者の御要望ということもあって、まず住みなれた地域、被災地の周辺での用地を確保してほしいという御要望が非常に強いというふうに聞いておりまして、現在の用地確保というのは、一部を除きますと、基本的には被災した市町村の中でというのが大変多くなっておるところでございます。

 ただ一方で、今回の被災の規模というものを考えますと、被災地域内での用地確保というのはこれから難しくなっていくということは当然想定をされるわけでございまして、宮城県などでも既に、いずれは内陸部で用地の確保が必要になるというような考え方を示されているところでございます。

 私ども、各県で市町村とも調整をしていただきましたが、これは当然、被災者にも理解をいただくというプロセスが必要になるというふうに考えております。ただ、その際には、お話がございましたように、国としても、一刻も早く避難所から出ていただくというような観点から、応急仮設、これは仮設でございますから、仮設の住宅にお移りいただくために、場合によってはこういった離れたところというのもある程度やむを得ないんじゃないかというような考え方は今でも県にも示しております。そういった国のプッシュといいましょうか、バックアップというようなことも行いまして、各県そして市町村で必要になります仮設住宅の建設を急いでまいりたいと思っております。

 なお、一部の市町村では、用地確保が進んでいるにもかかわらずなかなか県の方で発注していただけないというようなお話で、御要望いただいたところもございます。そういったところにつきましても、とにかく用地が確保できて住宅を供給できるところについてはもうどんどん発注していただいて住宅を供給していくんだということを県に要請して、一刻も早く応急仮設住宅の供給を促進していくということで取り組んでまいりたいと思っております。

高木(陽)委員 今局長の方からもお話ございましたけれども、用地確保の問題、国交省の方から、国の方から二十四人派遣をして、それを四十五人にすると。県そして市町村の、自治体の方はかなり疲弊をしている中で、そういったことでしっかりバックアップをするということは大切だと思うんですね。

 ただ、そこに住みたいという住民の、被災者の方々の願望、そして首長を初めとする当該自治体の願望、一方で、県の方とすれば、一刻も早く、ほかのところかもしれないけれども移ってもらいたいという現実の問題、ここはやはり、コーディネートするのも国がやらなきゃいけないと思いますし、それが果たして職員だけで大丈夫なのか、もっと言えば、政治的な判断、こういったことも、政治家がかかわっていかないといけない問題も多分五月以降は出てくるんじゃないかなと思うんですね。そこら辺のところもしっかり認識をしていただいて、適切な対応というか、政務三役の方々も含めてやっていただければなと思うんです。

 なぜこんな質問、この仮設住宅をずっとしているかというと、土曜日でしたか、マスコミの報道でもありましたように、避難所約一千カ所でアンケート調査をやった。

 そうすると、そのアンケート調査の中で、回答があったのは三割、あと残る七割近くは回答していないわけですよ。でも、その三割の回答の中でも、この一カ月間おふろに一回も入っていない、例えば自衛隊が派遣されて応急のおふろをつくったりしますけれども、それさえもないというところが十六カ所もあったというんですね。これはもう悲惨な話ですね。プライバシーがないというのもだれでもわかっているんですけれども、それ以上に、着のみ着のままで逃げてきて、そして一カ月間おふろも入れない。しかも、体育館のようなところでずっと寝泊まりをしている。

 これは何とかしなきゃいけない。何とかしなきゃいけないと思って、ようやく三万戸まで来たけれども、残る四万戸がまだ残っている。夏を迎えますね、六月から七月。しかも、東北電力管内も電力がかなり不足していますから。特にああいう体育館なんか、空調設備がないですから、そういうところで過ごさなきゃいけない。そうでなくても、二次災害というような形で震災後に亡くなられている方々が出始めている。これは本当に命の問題なんですね。

 だから、ここは、だれがいいだとか悪いじゃなくて、できることをやるしかないんですが、用地の問題、ここは、えいやというようなところも必要になってくるのではないかなというところもしっかり御認識をいただいて、取り組みを御要望申し上げたいと思います。

 さて、法案の方の質疑に入りたいと思います。

 今回、高齢者の居住について安定的に確保するということなんですが、今の課題、そして将来の課題ですね、高齢化が進む中でどうやっていくのか、そういった問題認識について、まず大臣にお伺いをしたいと思います。

大畠国務大臣 先ほど、これは要望だけしておくというお話でありましたが、一カ月もふろに入っていない人がいる、これが十六カ所という話でありますが、大変申しわけなく思います。

 これについては、観光庁長官とも話をして、まず、アンケート用紙みたいなのをつくって、一日日帰りで温泉に行きませんか、バスぐらいは仕立てて、そして名前と、日帰りを希望する、一泊を希望すると書いてもらって、それを集めて、それで、その避難所の人全員が、一気には行けませんけれども、二、三日に分かれて温泉に行くことができるような態勢をとろう、こういう話をしています。

 いろいろお話を伺うと、避難所でみんなが同じだから、自分だけがというので、大分遠慮されているというような話もお伺いしました。したがって、全員が行けるんだからといって、そういうアンケート用紙みたいな形で希望をとって、バスで家族そろって、温泉の方も受けてくれるという話のところがたくさんあるわけですから、そういうことがとれないか、こういう話をしておりまして、一カ月もふろに入っていないという方がぜひそういう形でせめておふろに入っていただけるように、それについては努力をしていきたいと思います。

 それから、高齢者の現状、そして今回の法律案に対する課題ということでありますが、先ほどからいろいろ御質問を賜りましたけれども、日本において、高齢者の単身あるいは夫婦世帯の増加というのが背景にございます。同時に、国際的に見ても、日本における住宅系の、高齢者の方々が利用できる住宅というのが不足している、こういうのが国際的にも分析をされております。

 したがいまして、今回のこの法律案によりまして、ぜひ高齢者の方々が居住できる住環境を整備しよう、それも、単なる箱を、家を提供するだけでなく、生活支援のサービスあるいは介護サービス等が必要となっている方も多いわけでありますから、それらのサービスが付加できるような環境をつくっていこうということで、厚生労働省とも連携をとりながら、今回の賃貸住宅の供給の促進ということをこの法律案で進めようとしているわけであります。

 従来、バリアフリーという形でやってきた経過もございますが、それに加えて、生活支援のサービスというものをしっかりと整えた形の住環境を整備していこう、こういうことでございまして、今後とも、日本における高齢者向けの賃貸住宅の環境というのは十分でなかったということを反省しながら、この法律案でより推進をしたい、そのようなことで対応しているところでございます。

高木(陽)委員 今回の法改正、前回もありましたけれども、いわゆるハード面だけじゃなくてソフト面もしっかりとサービスの部分をやっていこうという、それは大切なことだと思います。ただ、高齢化の進展というのは、すごいスピードがあるわけですね。果たしてこれだけで十分なのか。完璧じゃなくてもまず第一歩進めなきゃいけない、そのとおりだと思うんですね。ただ、高齢者の方々はそれなりにどんどんどんどんふえていって、そしてそこでいろいろ大きな課題にぶつかっていく。

 実は、前回の平成二十一年の法改正で策定することになりました都道府県の高齢者居住安定確保計画、実際問題、自治体がしっかりとやっていただかなきゃいけないんですけれども、この策定状況はどうなっているのか。また、その策定の実績が少ないというふうにも聞いておりますけれども、その少ない理由、これをお伺いしたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成二十一年の法改正によりまして、都道府県が高齢者の居住安定確保計画を策定できるという制度改正が行われたわけでございます。二十一年度に制度が創設をされまして、現時点での策定済みは、群馬、東京、神奈川、大阪、熊本の五都府県でございます。

 各公共団体の取り組み、遅いわけでございますが、計画制度の創設時期、これは高齢者対策でございますから介護保険制度など高齢者に対するサービス制度と当然リンクをしてくるわけでございますが、介護保険制度は三年ごとに見直しが行われるということで、その時期とずれたということが一つポイントだというふうに各県の方からは指摘を受けておりまして、介護保険制度の制度見直しと並行して計画を策定したいという回答が大変多くなっております。

 平成二十三年度に介護保険制度の見直しが行われるわけでございますが、この二十三年度には、十九県が今策定予定、さらに十三道県が策定する方向で検討中ということでございまして、順調に進みますれば四十程度の都道府県で策定がされることになるというふうに期待をいたしているところでございます。

高木(陽)委員 介護保険との兼ね合いの中で策定がちょっとずれ込んだという今の御答弁でございましたけれども、それにしても四十程度ということで、まだやっていないところがあるわけですね。検討もしない。ここら辺はどうなのかな、その県は高齢者がいないのかな、そういうふうに思ってしまうわけですね。やはり、法律をつくって、その後、いわゆる魂が入らないとだめだと思うんですね。そういうのを、やはり住宅局としては、各県の住宅関連部局との連携の中でしっかりとアドバイスをしたり指導したりしていただきたいなと思います。

 その上で、今回、サービスつきの高齢者向け住宅、これまでの高円賃、高専賃そして高優賃がなくなって一括になるんですけれども、具体的な違いは一体何なのか。これまで、高優賃等々でいろいろとやってきた、高専賃でもやってきた、高円賃でもやってきた。それぞれの特徴があるんですけれども、その違いを教えていただきたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、高円賃、高齢者円滑入居賃貸住宅でございますが、これは、高齢者であることを理由として入居を拒むことはしませんという賃貸住宅でございます。また、高専賃は、このうち、専ら高齢者にお貸しをいたしますというものでございまして、都道府県知事の登録を受けることができる住宅でございます。高優賃は、バリアフリー化をされておりまして、都道府県の認可を受けまして整備費の一部等につきまして補助ができるという仕組みになっているものでございますが、いずれも、先ほど来大臣も御答弁申し上げておりましたけれども、住宅という箱、ハードの方に着目をしてつくられた制度でございます。

 高齢者向けの住宅の供給というのが次第に進んでまいりまして、ハードだけではなくてソフトと一体となって高齢者の暮らしを支える、そういったシステムが必要になるということで、今回のサービスつきの高齢者向け住宅は、ハードとソフトを一体にして暮らしを支えるような住まい、住環境を整備するということで、これまでの施策から転換をいたしたものでございます。

高木(陽)委員 このサービスつき高齢者向け住宅の登録基準、最低床面積が二十五平米。二十五平方メートルが広いのか狭いのか、いろいろと論議はあると思うんですけれども、その根拠は何なのでしょうか。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 当然、高齢者が安心してお住まいをいただくということでございますから、ハード面についても一定の基準が必要になるというふうに考えております。面積につきましては、住生活基本計画に定めております単身者の最低居住面積二十五平米というものを原則にして、原則二十五平米以上というふうにいたしているところでございます。

 一方で、当然、住宅事情は地域ごとにかなり大きな差がございます。したがいまして、例えば居間や食堂、台所などを共同利用するということを前提にしまして、共用部分に十分な面積をとるというようなつくりをする場合につきましては、専用部分は十八平米以上としても構わないということを考えておりますし、また、地域の実情に対応するため、先ほど御質問のございました、都道府県が定めます高齢者居住安定確保計画に別の基準を定めることもできるということにいたしております。

 こうしたことによりまして、地域ごとの差というものは柔軟に認めてまいりたい、このように考えているところでございます。

高木(陽)委員 こうやって二十五という一つの基準が出ますと、各自治体というのはそれが金科玉条のごとくなるわけですね。

 今局長のお話のありました、地域事情によって違う。まさに都心の場合は、それなりにスペースがないというところで、それでいいでしょう。ところが、地方に行った場合には、それまでずっと働いているころ過ごしてきた、そういった住生活がある。そういったところが、いよいよ高齢者になって、こういうような高齢者用の住宅というふうになったときに、その地域としてすごく狭くなっているとかですね。

 だから、基準は出さなきゃいけないんでしょうけれども、ここら辺はもっと臨機応変にできるように。だから、最低基準というんですけれども、最低基準というと大体最低しかつくらないというのが今までの役所の流れでしたから、ここら辺のところも、各都道府県、計画も立てながら今後やっていく中で、しっかりと、チェックというか、見ていただきたいなと要望しておきたいと思います。

 続いて、サービスつき高齢者向け住宅の中で、状況把握のサービスだとか生活相談サービスというのが今回加えられる中で、その内容として、福祉・介護制度、介護保険制度がありますけれども、それの関係はどのようになっていくのかも含めてお伺いをしたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 高齢者の方々が安心して暮らしていただく住まいであるということのためには、高齢者の方々の身体機能の衰えというものに対応いたしましたサービスが適切に行われることが必要であるというふうに考えております。

 とりわけ、今お話がございました状況把握サービス、安否の確認、いわゆる見守りサービスのようなもの、あるいは、暮らしの中でいろいろ相談事を受けてもらえるようなサービス、生活相談サービスといったものは、高齢者の住まいということでは必須であるというふうに私ども考えているわけでございます。この場合にも、こういったサービスの提供を行う場合につきましても、当然、高齢者の立場に立って親身にお話しいただける方にやっていただくということを期待いたしておりまして、提供者は、社会福祉法人や医療法人の職員や、例えばヘルパー資格を持っておられる方などといたしまして、福祉、介護や医療分野の方々との連携を求めることといたしておるところでございます。

 また、今回この登録制度におきましては、提供されます介護や医療につきましても登録事項といたしまして、高齢者に対しまして適切に情報提供を行うということを義務づけているところでございます。

 こういった取り組みによりまして、御指摘の、福祉、介護あるいは医療といったものと連携をとりましたサービスつきの住宅の供給の促進を図ってまいりたい、このように考えております。

高木(陽)委員 まさに今回の法律、前回もそうでしたけれども、厚労省との共管という形になりまして、福祉と住宅は重要な問題だと思うんです。

 また震災の話に戻らせていただきますが、仮設住宅も、管轄は厚労省ですね。ところが、つくるのは国交省です。発注は県です。募集が市町村ですね。まさに縦割りの中で、住民にとってみれば何省であってもいいんですよ、ちゃんとやってくれれば。ここをしっかりと押さえるために、まさにそこが政治だと思うんです。

 先ほど、ずっと仮設住宅の質問をして、最後に次の質問に入ったときに、大臣もちょっとお話しになられたおふろの話。結局、現地の状況をだれが一体把握しているのかというのが一番大きな問題だと思うんです。内閣府が中心となって災害対策本部で、現地本部に東副大臣ですか、行かれて、ところが、結局、そういう一千もの避難所の実態を本当に把握していない。これが大きな問題なんですよ。

 これは、例えば、では自公が政権を持っていてそれが本当にできたかというと、それはわかりません。民主党が政権を持っていたからできなかったとか、そういうことじゃないと思います。でも、この一カ月を振り返ってみると、やはり現場の一番の状況というものをどうやって把握するのか。

 まず第一義的にはといいますと、市町村なんですよ。市町村が崩壊しているから県なんですよ。でも、その第一義が成り立っていない。第一義というと、枝野官房長官が、東電の責任の問題のときに、第一義的には東電に責任があります、こういう言い方をして、ある意味では逃げたみたいな言い方になった。そうじゃない。やはり国というのはこういう危機的状況のときには全責任を負うんだというところで乗り込んでいかなきゃいけないんです。

 その中で、心配しているのは、さっき、五月以降の四万戸をどうするんだという質問とともに、ではこれが全部移ることができましたと。でも、これは仮設ですから基本的に二年ですね。阪神のときは五年ぐらいかかったんですか。でも、いつか出ていかなきゃいけない。若い方々、雇用も大変ですけれども、そこを何とか、復興の計画の中でそれができてくる、できてくるのはいいです。ところが、高齢者の方々は雇用もないわけですよ。そういう中で、ではどこに移るんだと。

 仮設住宅二年、どこに移ればいいのか。まさにこれはこれからの復興計画で考えなきゃいけないんですけれども、高齢者の居住の安定という今回の法律なので、震災の場合はさらにもっと悲惨な状況ですから、被災地における高齢者の居住安定、仮設の後どうするのか、これをちょっと伺いたいと思います。

大畠国務大臣 御指摘のように、仮設住宅の後に住んでいただく場をこれからつくらなければならないというのは、そのとおりであります。

 現在、地方公共団体が供給する災害公営住宅の整備ということを進めなければなりませんが、この法律案でも提起しておりますけれども、単に住宅だけでなく、いわゆるデイサービスとか、あるいは高齢者向けのさまざまな生活支援というものを併設するなどという配慮が必要だろうと私は考えております。

 また、先ほど福井議員からも御指摘いただきましたけれども、単なる高齢者だけの地域というものをつくるのではなく、若い人も一緒に地域に住めるようなところも考えなければならない、このような話もいただいたところであります。現在、このようないわゆる地域のコミュニティーというものを、一つ新たなものをつくることができるように、単に一角だけ高齢者向けの住宅をつくればいいというんじゃなくて、そこのところが、地域のコミュニティーというものを踏まえた形で、災害公営住宅というのが整備できるように努力をしてまいりたいと存じます。

 いずれにしても、今御指摘のように、被災地の高齢者の方々は大変な状況にありますから、一日も早く仮設住宅にお移りいただけるような環境を、御指摘のように、国としても一生懸命努力しろ、こういう話でありますから、やります。同時に、その次のステップについても見通しながら進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

高木(陽)委員 時間が参りました。

 これまで震災関連で何度も質問してきて、大臣及び副大臣、そして政務官を含めた政務三役、また国交省の局長を含めた各職員の皆さん方、本当に一生懸命やっていると思うんです。そういった現場の痛みもわかってくれている方々だと思います。

 ただ、あえて一言申し上げれば、やはり一番大切なのはトップなんですよ。菅総理が本当にそういう痛みをわかっているのかなと。いろいろと会見だとか、会見も一方的だった、テレビの会見。さらには、言った言わないという発言が出てくる。たった二人しかいないところの発言が、一たん出てきて、それは違いましたみたいな言い方をしているわけですよ。ただ、これは本当に、言葉というのはやはり魂の発露ですからね。そこのところを、これは大臣に言ってもしようがないかもしれないけれども、閣僚だから、閣議等も含めて、やはりトップである総理の姿勢、気持ち、こういうものをしっかりとただしていただきたいということを要望しまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

古賀委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は、まず仮設の問題について、一言最初に質問します。

 この間、国交委員会の質疑で、仮設住宅建設の問題について再三私は質疑してまいりました。また一方では、各党・政府合同会議というのがありまして、そこの中で私は、仮設住宅の建設に当たって、岩手県住田町の地元産材を使っての建設、そして値段も安いということを紹介し、この取り組みを広げるべきだと主張しました。大臣は早速、地元産材の活用が大事だと指示したと聞いております。

 私は、その材料の問題と同様に、建設の担い手と地域経済の活性化に関連して提案したいと思います。

 福島県から次のような要望が寄せられています。

 県とプレハブ協会と、災害時の協定によって仮設住宅の発注をしている。プレハブ協会からは大手業者に発注し、地元業者は、二次、三次、四次と下請でピンはねされている。県に対して業者の実態を知らせると、そうした事実を認めている。県は、発注しているプレハブ協会に、地元優先、ピンはねを是正するよう要請している。

 こういった声が私どもの関係者から寄せられています。

 宮城県では、同様の事態に対して、供給促進に向けて、みずからの建設事業実施を希望する市や町でも発注できるように、仮設住宅の提供事務の一部を市や町に委任することで地元業者への発注やピンはねをできないようにしている。すぐれたやり方として、大事じゃないかと私は思ったんですね。

 こういう点を他県にも指導して、地元業者に発注できる、そのことによってまたピンはねを阻止する、そしてまた地元経済の活性化に資する、こういうことが必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

川本政府参考人 まず初めに、事実関係の方だけ先に御説明をさせていただきます。

 委員今御指摘のとおり、応急仮設住宅につきましては、基本的に、各県がプレハブ業界と災害時の協定を事前に結んでおりまして、それに沿ってプレハブメーカーに対しまして県の方が発注をするというのが一般的なやり方になっております。

 大量に迅速に供給するということではある意味そういう部分はやむを得ないと思っておりますが、各県とも、今委員の御指摘ございましたように、地元業者を使う、それによって地域の雇用あるいは地域の産業を活性化するという観点から、公募するということをスタートさせております。一番最初にやりましたのは福島県でございまして、これはもう公募手続は終わりまして、今、選定に当たっているということでございます。これに続いて、宮城県、岩手県もそういった公募手続をやっていくというふうに聞いております。

 なお、宮城県で行います市町村への委託の分は、今申し上げました地元業者公募分に限る、大量に供給する必要があるという観点から、プレハブメーカーとの契約については基本的に県の方でやりたいというような御意向だというふうに承っております。

 いずれにしましても、私どもも、大臣から御指示を受けて、各県の方には、いろいろなやり方がありますという御紹介はしているところでございます。

大畠国務大臣 ただいま穀田議員から、このような情報が寄せられたが、こういうお話であります。基本的に、こういうときにピンはねなんというのはおかしな話でありますから、ピンはねをするというような仕組みではなく、まさに私としては、現在、これまでの一つの発注ルートというのがありますが、柔軟に、それも、被災者、いわゆる避難者の方々の立場に立って、一日も早く仮設住宅を建設することが大事であります。

 したがって、県の方々も一生懸命頑張っておりますが、基本的には、地方自治体の、市町村の方々が一番切実なんですから、このところが発注できるような形というのは大変大事なポイントだと私は思っております。

穀田委員 一番大事なポイントだと思うんです。私は、市町村で直接仕事をできるようにすることがかぎだと思っているんです。これは、地元の状況を一番よく知っているわけですから、下から積み上げていくことが大事であって、私が何度もこのことを言っているのは、復興にかかわる考え方もそこなんだというのは、哲学の問題だと思うんですね。そのことがまた今後の復興や経済のあり方にとっても極めて重要な礎石となる、こういう立場から言っているということを御承知おきいただきたいと思います。

 そこで、次に、高齢者の対策、住まいのあり方についてですけれども、また被災地の高齢者の問題なんですが、被災地の復旧復興までに、現在直面している問題を直視して、必要とする生活支援の実行が求められていると考えます。

 今、被災者、高齢者の置かれている現状はどうかということでいいますと、この間、日経新聞に、「多重被災」ということで、「行き場失う高齢者」というのが出ていました。そこによりますと、各地の特養ホームなど介護施設も閉鎖され、国が緊急避難措置として定員オーバーを認めたことで、残った施設に高齢者らが集まり過ぎた、受け入れを断られる人も続出した、こう報道して、さらに、一般の避難所でのケアは難しい、「看護師らが配置された「福祉避難所」はごくわずか。行き場がなく、自宅にとどまる人も多い。」「避難所のたらい回しは各地で起きている。」と述べています。

 そこで、被災地での医療や介護、介助の必要な高齢者の被災者の実情をどのようにつかんでいて、どういう援助策をとっているのか、厚労省に聞きます。

宮島政府参考人 お答えいたします。

 まず、被災地における状況でございますが、これについては、介護施設の高齢者の状況把握、それから被災地へケアマネジャーを派遣いたしまして高齢者の状況を把握する、それから医師、看護師が戸別訪問を行う、被災地の市町村からの医療ニーズの聞き取りなどを行っております。

 そして、こういったニーズに応じまして、まず、介護施設が壊れてしまったというようなところでは、これは二千八百人の受け入れをほかの施設でお願いしました。この中には、福島原発に伴う受け入れが千五百名入っております。それから、全国から介護職員を六百六十人ほどお願いして現地で働いてもらっている。あるいは、避難所でもホームヘルパーが介護報酬を受けられるですとか、巡回診療を行っていただく。あるいは全国的には、日本医師会や日赤などの医療チームが現地に入っていただくというようなことでの支援を行っているところでございます。

穀田委員 こう聞くと、必ずこれをやっていると言うんですよ、大体パターンは同じで。それはわかっているんです。

 問題は、この報道にあるように、その対策で十分だという認識かということなんですよね。現場で起こっている事態に対処し切れていないことが問題じゃないのか。これをやっている、これをやっている、それはいいんですよ。それを否定しているわけじゃないんですよ。

 問題はやはり、私が、被災後の最初の委員会の質疑で、せっかく地震や津波などから逃れたのに、二次災害という形で命を失うことがあってはならないと指摘しました。この新聞はさらに、「大地震から助かった命が失われている。」「震災関連死は百人以上になるのではないか」と報道しているんですね。

 だから、避難所は、地域単位で実情に合わせた簡易の医療・福祉避難所、介護施設をふやすべきじゃないのか。これについて、厚労省。

大塚副大臣 お答え申し上げます。

 まず、問題意識、そして現状直面している課題についての認識は、委員と全く同じでございます。そういう中で、震災から被害に遭われずに助かった方々をさらなる被害に遭わせないために最善を尽くすという意味では、十分に対応しても十分過ぎるということはないと思いますので、引き続き全力で対応させていただきます。

 その中で一つ御報告を申し上げますと、災害時に一般の避難所では生活に支障を来すことの多い高齢者や障害者などの要援護者の方々のために設置される避難所として、福祉避難所というものがございます。これは、援護の必要な高齢者等に対して介護員等が配置され支援が行われますほか、要援護者に配慮したポータブルトイレ、あるいは手すりや仮設スロープの設置等によるバリアフリー化等、こうしたことが行われる福祉避難所であります。これは、事前に各地に設置をされておりまして、東北三県で二百八十八カ所が福祉避難所に事前に指定されておりました。

 発災後、被害が極めて大きく、避難所の設置箇所数もかなりの数に上りましたので、高齢者等多くの要援護者が避難生活を送っている中で、福祉避難所に指定されていない避難所においても、パーティションによる間仕切りをするなど、要援護者に配慮した支援を実施するなどの工夫をさせていただいております。

 あわせまして、仮設住宅を現在建設している中で、先ほど他の委員の方の御質問のときにもお答えを申し上げましたが、国土交通省とも協力をしまして、仮設の介護のサポートセンターなども設置をしてまいる方針でございます。

穀田委員 今、大塚さんおっしゃいましたけれども、事前に二百八十八、つまり、宮城百七十七、岩手七十四、福島三十七と用意しているんですよね。では、その二百八十八が全部機能しているかどうかというと、多分二百八十八はつかめていないんですよ。

 だから、数値は、これだけありますよというのはわかっているんですよ。では、それが本当に、この事態に及んで、事前に用意していたわけだからうまくいきました、これは今機能してまっせというようなことはなかなか言えないんですよね。では何ぼ機能してんねんというと、これは答えられないでしょう。だと思うんですよ。やはり、それはそれで、私が今、この避難所が大事だと言っているのは、さっき言ったように、被災地は実態がどうなっている、したがって避難所はこう体制をとる必要があると。

 そこで、次は、今言ったように、仮設住宅においては、もう介護は今ありましたように、もう一度正確に聞きますと、私が言おうとしているのは、介護と医療の施設の併設を同時に行うべきじゃないのかと。その辺を詳しくちょっと言ってください。

大塚副大臣 お答えを申し上げます。

 被災地におきまして、仮設住宅に住む高齢者の皆さんの安心した日常生活を支えるために、仮設住宅の建設にあわせまして、高齢者の皆さんに対して、繰り返しになって恐縮でございますが、主に介護を中心にしたサポート拠点を設置することに加えまして、当面の診療体制を確保するため、地域の実情に応じて仮設診療所を設置することも大変有効であると考えております。したがって、仮設住宅の建設にあわせまして、介護を中心としたサポート拠点とともに、医療を中心とする仮設診療所の整備が進むように、被災県とともに、しっかりと予算対応も含めて努力をさせていただきます。

穀田委員 やっていただくと。つまり、介護と医療ということでいうと、サポートセンターと仮設診療所みたいなものですよね。ただ、仄聞すると、やはりそれの件数が、今ありましたように、先ほど副大臣は十分過ぎることはないと言っていましたから、どの程度の計画なのかというのを今後またさらに詰めていきたいと思いますし、私は、現実を見て今後ともやっていきたいと思うんです。

 そこで、今回、法案関連として一つ提案したいのは、大臣にお聞きしたいんですけれども、今言ったのは、避難地と、それから避難所と仮設、こうきましたよね。次の段階の問題なんですけれども、当然、復興公営住宅をつくる上で、デイサービス施設等を併設し、新しい町をつくっていく上でも、地域の福祉、介護拠点とすべきでないか。この点、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 穀田議員からの御指摘でございますが、公営住宅をつくるときの要点は何かということであります。

 確かに、高齢者の方々も大変多い状態がございますから、単に公営住宅をつくるだけでなく、今御指摘のデイサービスセンターという施設等も含めて生活支援をしていくということが大変大事でありまして、高齢者に配慮した環境を整備していくことは大変重要な視点だと考えております。

穀田委員 それはぜひやっていただかなければならないと思っています。

 次に、このサービスつき高齢者住宅と有料老人ホームとの違いを簡単に説明していただきたい。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 有料老人ホーム、これは都道府県知事への届け出制度があるものでございますが、高齢者が入居しまして、食事や介護などのサービスを提供するといった施設でございます。

 サービスつきの高齢者向け住宅、基本的に住宅でございまして、賃借権が基本になっているということで、それにサービスが付加をされるという仕組みになっております。事業者が任意に登録できる制度でございますけれども、いわば居住者あるいは入居者の保護という点について付加をいたしまして、それから、設備面等につきましても一定の基準を設けまして、安心してお住まいをいただけるような制度として深掘りをしたというのが一番適切な表現ではないかと思っております。

 両者の違いということについていいますと、規模や設備については、有料老人ホームは、ガイドラインはございますが、基準はございません。今回のサービスつき高齢者向け住宅については、規模やバリアフリー等について一定の基準を定めております。

 特に、今申し上げました契約という面につきましては、有料老人ホームの場合には利用権が大変多くなっておりますが、一方で、今回お願いをしておりますサービスつき高齢者向け住宅は、賃借権か、これ以外の場合につきましても、賃借権に準じる、例えば長期入院なんかの場合に退去が強制されることがないようにしたというようなことで、居住者の保護を強めているということ。それから、事業者の遵守義務として、前払い家賃の保全措置を定めているほか、工事完了前には前払い家賃を取っちゃいかぬというような受領禁止の措置などを定めております。こういった意味で、居住者保護を強めているということが言えるのでないかと思っております。

 さらに、今回の住宅、五年ごとの登録ということにいたしておりまして、事業者に対する監督についてもしっかりできるような形で措置をさせていただいたところでございます。

穀田委員 違いの中でいうと、利用権と賃借権、ここをどうしても分けておかないと、しっかりつかんでおかないとあかんなと私は思っているものですから、そこはそのとおりやっていただきたい。

 そこで、食事の提供や介護など、入居者の必要に応じて十分なケアが受けられるのか、サービスの質をどのようにして担保するのかということについてお聞きします。

市村大臣政務官 穀田委員にお答えします。

 今回のサービスつき高齢者向け住宅につきましては、高齢者のニーズに応じまして、事業者の工夫により多様なサービスが提供されることが重要であります。このため、事業者がみずから、または提携する事業者が提供するサービスについて登録をし、情報提供することにより、高齢者が選択できるようにしております。あわせまして、サービスの内容や費用につきまして、入居前にあらかじめ書面をもって高齢者に説明することを義務づけることとしております。

 また、加えまして、社会福祉法人や医療法人の職員等により生活相談サービスを提供することを義務づけていることから、高齢者の心身の状況やニーズの変化に応じまして、必要なサービスの提供につきまして、介護保険制度の利用も含め助言するなどの措置がとられると考えております。

 これらの措置や、福祉、住宅両部局による行政の指導監督を通じまして、介護や医療と連携しました、高齢者が安心して暮らせる住まいの供給を促進してまいりたいと存じます。

穀田委員 要は、言葉で言うと、確かに、書面もあるし、それから、両省がやるんだ、こうくるんですよね。問題は、ほんまにこれは住み続けられるのかという問題が一つあるわけですよね。

 もう一つは、やはり要介護度が実際上がった場合、当然、お年寄りですから変化しますよね。そういったときに、より手厚い介護が必要となる。そういったらば、自己負担がふえるんじゃないかとか、そのときに対応をきちんとできるのかとか、そういう問題が当然予測されるわけですよね。だから、字面ではない問題がこれはさまざまに起こってくるわけです。

 しかも、当然指導対象になる、こうくるわけだけれども、やはり一番大事なのは、実際に出かけていってきちんと調査して指導しなければ、今言ったことは、確かに文章上ではそうなっているし法案上もそうなっているんですけれども、そういうことがやられることが担保されるというのは、実際に調査に行き、そして指導して、事業者任せにしないということが当然のことだと私は思うんですよね。

 そこで、新しいサービスつき高齢者住宅の家賃の月額、並びに食事の提供などのサービスと合わせた支払い額は一月にどの程度と国交省は想定していますか。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 サービスつき高齢者向け住宅につきましては、高齢者の多様なニーズに対応できるように、家賃やサービス費用の水準も含めまして、さまざまなものが供給されるというふうに認識をいたしております。

 具体の家賃ということになりますと、住宅の立地、規模、設備などによりまして大きく異なるわけでございますけれども、昨年度、試行的に予算制度でこういった事業につきまして支援を行っております。そのときのデータでは、家賃につきましては、一番多かったゾーンが平均で五万円から七万円程度というところでございました。

 当然、地域や高齢者御本人の介護度によりまして負担の総額が異なってまいりますが、仮に、家賃が五万から七万の真ん中の六万というふうにいたしますと、サービス費は大体二万円ぐらい、それから月々の食費は四万円程度、これに介護保険の自己負担分が必要になるということではないかと思っております。

 所得の低い方に対しては、サービスつきの住宅につきましては、例えば既存ストックを改修して提供していただく。これは、新築ということになりますとある程度コストが加わるということでございますので、既存ストックの改修でやれるようにするというようなこと。それから、都道府県が策定します高齢者居住安定確保計画に即していなければいかぬわけでありますが、それによります基準も柔軟にやってもらうというようなことから、家賃の低減化が図られるように誘導してまいりたい、このように考えております。

穀田委員 今、皆さんお聞きになったと思うんですが、想定額でいうと六万円、そしてサービスが二万円ぐらい、食費が四万。これだと、合わせて十二万は最低要る。こうなりますと、中程度の所得層の高齢者を対象にしていることになるというのはだれの目にも明らかだと思うんです。

 問題は、先ほど局長が一生懸命、低いところにと言って予防線を張っていましたけれども、そうはいっても、低所得の高齢者は入れないことが予想される。低所得者向けのケアつき公営住宅をふやすべきじゃないか、これが私の一貫した主張なんですよね。現状、どうなっているのか、どのような目標を持って取り組んでいるのか、これを報告されたい。

大畠国務大臣 低所得者向けのケアつき公営住宅というのはどういう状況にあるのかという御質問を賜りました。

 確かに、年金で生活をするということを考えますと、国民年金でいいますと四万円、満額でも六万六千円ですから、そういう意味では、先ほどの指摘のようなところにはなかなかお金を払えないということであります。

 そういうことで、厚生労働省と国土交通省との連携によりまして、高齢者向けの公営住宅に生活援助員を派遣して安否確認や生活相談を行うシルバーハウジング・プロジェクトというものを実施してきており、平成二十一年度末現在では、八百六十九団地、二万三千二百九十八戸で展開をさせていただきました。

 また、公営住宅の建てかえ等によりまして、福祉施設等の生活支援施設を併設して、地域の福祉拠点としての団地整備が進められているところであります。公営住宅等の公共賃貸住宅団地では、平成二十一年度末現在で、千七百七十一施設の高齢者や障害者、子育て世帯を支援する施設が併設されているところであります。

 議員御指摘のように、低所得者向けのそのような体制というのも大変大事でありますから、今後とも、低所得者の安心して住居できる公営住宅の整備を進めてまいりたいと考えております。

穀田委員 調査室からも資料をいただきまして、そこにも、国土交通省からの、高齢者向け賃貸住宅のハード・ソフトのあり方調査という資料が出ていまして、そこの中に、今お話あった二万三千二百九十八戸というのは書いているんですよね。

 これはやはり、そんなに進んでいないということなんですね、この程度だと。大体、高齢者の低所得者は何ぼいるのかということを考えますと、およそ進んでいないということになると思うんです。

 今回のサービスつき高齢者住宅というのは、十年間で約六十万戸の目標なんですよね。これは、民間に協力を得てつくる数字です。一方、公がつくらなければならない低所得者向けのケアつき住宅の建設の目標がないというのでは、それでは高齢者全体を対象にした施設の前進は図られないということを指摘しておきたいと思うんです。

 実は、そういう合間を縫って、すき間を縫って、私、〇九年度にもこれを質問しましたけれども、「たまゆら」のような事故が起きました、未届け有料老人ホームがはびこって、大きな事故になるということに。

 ですから、では今回のような施策で「たまゆら」のような施設はなくなるのか、また、「たまゆら」のような未届け有料老人ホームの改善は進んだのかということについてお聞きします。

大塚副大臣 お答え申し上げます。

 未届けの有料老人ホームの状況について先に御報告申し上げます。

 平成二十一年三月十九日に「たまゆら」において発生しました火災以降、そうした施設についての実態把握を定期的に行っております。最新のデータは昨年の十月三十一日現在でございますが、未届けの有料老人ホームに該当し得る施設は二百四十八施設であります。一昨年の定期調査の際には四百四十六施設でございましたので、二百ほど減少はいたしております。

 なお、ことしの十月末時点で第三回の調査をする予定でございます。

 こうした未届けの有料老人ホームができる限り少なくなるように、老人福祉法に基づく届け出の促進、指導の徹底を図ってまいりたいと思っております。

川本政府参考人 委員の御指摘のように、こういった未届け有料老人ホーム、行き場のない御老人を集めるような施設というものは、これは私どもが申し上げるまでもなく、当然、できるだけ減らしていかなきゃいかぬ、なくしていかなきゃいかぬということではないかというふうに思っております。

 そういった意味で、今回のサービスつきの高齢者向け住宅の供給といったようなことで、供給の層をできるだけ厚くしてまいりました。いろいろな形で高齢者のニーズに応じた住まいの提供、この点については、先ほど委員の方からは、低所得者向けの公営住宅の供給についてももっと力を入れるべきという御指摘もいただきました。それもあわせまして、全体として、高齢者がお住まいいただけるにふさわしい住宅、そして生活環境の整備を進めていくことによりまして、安心して暮らせる社会の実現というものを図ってまいりたい、このように考えております。

穀田委員 私が一番最初に、きょう仮設住宅の次に質問したときに、行き場のない高齢者、行き場を失う高齢者ということを指摘しました。この最後の問題も、行き場を失っている高齢者がいるわけですよね。

 それで、私が質問した当時は、たしか六百近くの施設が掌握されていたと思うんですね。そのときに、当時の金子大臣というのは、届け出が問題じゃなくて、緊急点検でなくしていくということを言ったわけですね。だから、地道に努力することは当然必要なんですけれども、問題は、ではそれらの事態の根本に何があるのかということに目を向けなければ、いずれにしても、調査をして、それはやめなさいというのまではできても、次から次へと出てくるわけですよね。

 その根本に、前回も指摘しましたが、私のキーワードは、行き場がないという問題なんですよ。そういう高齢者を大量に生み出している大もとを変えることが必要だ。これまで、公営住宅の建設を抑制し、特別養護老人ホームの建設も、さらには在宅サービスも抑制し、高齢者の住まいの安心を脅かしてきた、これがこの間の実態だ。先ほど、立場はいろいろ違いますけれども、反省をされていたわけですが、こうした政策を転換して、国と地方自治体の責任で、もう一度言いますけれども、低所得者の高齢者向けの公営住宅の整備、それから特別養護老人ホームやケアハウスの整備をすること、このことこそ必要だと思う。そのことを最後に大臣に一言賜れればと思います。

大畠国務大臣 穀田議員からの御質問をお伺いして私も思い出したわけでありますが、憲法第二十五条に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということがございます。そういう意味では、現在の御指摘の点というのは大変大事な点でありまして、住むところというものをどうきちっと担保していくのか、こういうことについては、穀田議員の御指摘を踏まえて対応していくことが大変大事だと考えているところであります。

穀田委員 終わります。

古賀委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 今回の法改正は、これまで答弁がありましたように、高円賃、高専賃、高優賃といった制度が廃止されまして、登録制によるサービスつき高齢者向け住宅に一本化されるわけであります。

 過去、例えば、高齢者優良賃貸住宅の目標数を十一万戸と定める閣議決定が行われました。そして、約三万五千戸にとどまっている現状にあります。今回の法改正によりまして、良質の高齢者向け賃貸住宅の確保にどの程度の効果が期待されるのか、これについてお答え願いたいと思います。

大畠国務大臣 中島議員から御質問をいただきました。今回の法改正で、良質な高齢者向け住宅の確保はどのくらい期待できるのかという御質問でございます。

 先ほども委員会の質疑の中で御報告を申し上げさせていただきましたが、現在の日本の高齢者向けの住宅系の状況というのはどうかというと、〇・九%でございまして、施設系については三・五%ということでヨーロッパとほぼ肩を並べているわけでありますが、住宅系というのは非常に少ない、こういうのが実態でございます。

 したがいまして、今回の法律案で、ぜひ高齢者向けの住宅というものの供給を促進いたしまして、二〇二〇年度をめどに、高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合を欧米並みに三%から五%程度まで引き上げたい、こう考えておりまして、これによりまして、十年間で高齢者向けの住まいを六十万戸供給することに相当する、こう考えているところであります。

 この実現に寄与するためには、高齢者住まい法改正によりサービスつき高齢者向け住宅の登録制度を創設して、平成二十三年度予算において、三百億円、約三万戸に相当する予算を確保するとともに、税制、融資制度も措置しており、これらにより、国土交通省成長戦略の定める目標を達成したいと考えているところであります。

中島(隆)委員 大臣には、質問した後、後段、最後に要望を申し上げたいと思います。

 日本社会は高齢化の真っただ中にあります。高齢者向け住宅の確保は、介護保険や老人福祉の充実とセットでなければならないと考えております。御承知のように、特別養護老人ホームへの入居希望者が現在四十二万人を上回っております。しかし、特養老人ホームの整備はなかなか進まず、提出されている介護保険法改正案では一時猶予されておりますが、介護療養型病床の廃止が打ち出されております。周知のとおりであります。高齢者向けの良質な住宅の確保を進めなければなりませんけれども、他方、特別養護老人ホームの整備、あるいは介護療養型病床の廃止の撤回、そして、高齢者の八割以上が住宅を保有している現状ではあります。

 そこで、きめ細やかな在宅介護の実施など、介護政策の見直しあるいは充実が不可欠だと思うんですが、この点についてのお考えをお尋ねいたします。

宮島政府参考人 この高齢者の居住安定確保法とあわせまして、今国会では、厚生労働省の方で、介護サービスの基盤強化のための介護保険法の改正案を提出しております。その中で、地域包括ケアを目指すということで、二十四時間対応の訪問サービスの創設でありますとか、あるいは、在宅ケアを充実するために、介護職員によるたんの吸引とか経管栄養、こういったものもできるようにするということで、高齢者の住まいの確保にあわせて、在宅サービスの充実をするということをこの中で措置しております。

 あわせまして、御指摘の特別養護老人ホームなどの整備でございます。これにつきましては、平成二十一年度から二十三年度までの三年間、補助金のかさ上げも行いまして、目標としましては十六万人分を整備するということで進めております。また、介護療養病床でございますが、これは、二十四年三月までに老健施設などに円滑に転換してほしいということでございますが、転換が進んでいないという実態も踏まえまして、これは期限を六年延長するということでございます。

 介護保険、老人福祉施策、高齢者の住まいの整備など、総合的な対応を進めていく必要があると思っております。

中島(隆)委員 今、特養関係では十六万戸ということでありますが、四十二万人が待機、入居希望者だということでございますので、これについては、この待機高齢者の皆さん方が入所できるような対応を今後お願いしたいというふうに思います。

 それから、療養型についても、延長されましたが、これについて、やはり撤回をしながら拡充していくように強く求めておきたいと思います。

 次に、一本化されるわけでありますが、サービスつき高齢者向け住宅の通常の家賃に加えまして、提供されるサービス料が上乗せされるだろうというふうに思います。先ほど穀田委員から出されまして、生活、食料費を入れるとおおよそ十二万。ということは、非常に高くなるわけでありますが、入居される高齢者は、恐らく介護サービスを必要とされる方が非常に多いというふうに思います。

 そこで、介護サービスは外づけであります。入居者の多くは、家賃に加えて介護利用料、特に要介護度の大きい人は介護利用料の負担が多いということになるというふうに思います。入居者の方については、収入要件が、ある人はいいんですけれども、低所得の人が大変苦しいという状況になるというふうに思います。

 それと、もう一つは、入居後に要介護度が上がる、あるいはだんだん高齢化して要介護度が上がるということになりますし、さらには、重病になられる方もあるでしょう。あるいは、伴侶が亡くなられる、それから年金収入が半減をする、こういうケースが当然想定されると思います。

 そこで、事業者が今回やるわけでありますが、収益向上のために、家賃が払えなくなる場合、要介護度の上がった入居者を退去させるとか、あるいは、施設の回転率を上げるために大量の介護難民が生まれるのではないか、こういうトラブルが予想されると思うんですが、これらについてどういうふうに対応されるのか。

市村大臣政務官 中島委員にお答えいたします。

 まず、先ほどの穀田委員からの質問もありましたように、平均した家賃でございますけれども、昨年、試行的にやったことがありまして、家賃については大体五万から七万ということでありましたし、先ほど御指摘いただきましたように、さらなるサービスをつけ加えますと、月十二万ぐらいだろうということであります。

 特に低所得者向けの住宅ということに関しましては、既存ストックの改修によるものへの支援のほか、都道府県が策定する高齢者居住安定確保計画に基づく登録基準の柔軟化等により、家賃の低減化を図ろうということでやっておるところでございます。

 しかし、そういうことで努力をしながらも、残念ながら、今御指摘がありましたように、収入の減少等によりまして入居者が退去せざるを得ないようなトラブルが発生したときどうするかということでございますが、こういう場合は、都道府県が必要に応じて他の適当な賃貸住宅等へ円滑に入居するために必要な助言や援助を行うということとしておりまして、このようなことを通じまして、高齢者の居住の安定を図ってまいりたいという所存でございます。

中島(隆)委員 問題は、高齢者の福祉サービス、あるいは、サービスつきということでございますので、そういうトラブル、あるいは退去等が起こらないように、ぜひ指導をお願いしたいというふうに思います。

 次に、今回のサービスつき高齢者向け住宅ですが、要件を備えた施設には、新築、改築工事費に一戸当たり百万円を上限に補助金が出るなどの支援が行われます。建設、不動産産業からは、この制度に高い注目を浴びているという報道がされております。

 他方、この高齢者向け住宅で提供されるサービスとは、安否確認と生活相談、そして福祉サービスとされておりますけれども、介護保険によって提供されるサービスとは非常に異なっております。介護については外づけのサービスということになるわけでありまして、やはり、先ほど来指摘もされておりますが、包括的な介護でなければならないわけでありますが、その点を、入居者に対する周知の徹底をしなければ、サービスつきということで非常に誤解が生じるのではないか、トラブルが起こるのではないかというのが予想されます。新改築に高い補助金がつくわけでありますので、補助金目当ての参入、あるいは提供するサービスが、うたい文句と異なる、質の悪いものが出てくるケースも想定されるのではないかというふうに思います。

 そこで、都道府県が報告徴収や立入検査を行う、あるいは登録取り消しや処罰もできる、こういうふうになっているんですが、入居される方が高齢者であるだけに、事業者側の丁寧な説明なり、あるいは都道府県による監督の強化など、高齢者の権利の擁護のためにそういうスキームが大変重要ではないかというふうに思うんですが、この点の対処についてお考えをお尋ねいたします。

市村大臣政務官 お答えいたします。

 今、中島委員からもありましたように、今回さまざまな制度を用意しておるところでございますが、高齢者が安心して暮らすことができますよう、今般のサービスつき高齢者住宅の登録制度におきましては、入居者保護の観点からの登録要件や登録事業者に対する遵守義務を設定するとともに、登録主体であります都道府県知事による監督処分についても定めているところでございます。

 具体的には、暴力団員等の登録申請は拒否するとともに、竣工前の家賃等の前払い金の徴収の禁止、権利金、礼金の受領禁止、家賃等の前払い金を受領する場合の根拠や返還ルールの明確化、前払い金の保全措置の実施を登録要件とすることによりまして、退去時の前払い金の返還問題によりまして高齢者の皆様が困ることがないようにするほか、入居者の長期入院を理由としました事業者からの一方的な解除も禁じているところでございます。

 また、登録事業者の遵守義務としまして、誇大広告の禁止、登録事項の公示、入居契約締結前の登録事項の説明などを義務づけまして、具体的に提供されますサービスの内容は入居者に事前に十分に示されるほか、入居契約どおりのサービスの提供も義務づけておりまして、入居者の保護を図っているところでございます。

 さらに、登録事業者が登録基準や遵守義務に違反する場合に備え、都道府県知事によります報告徴収や立入検査、是正指示、登録取り消しといった監督処分についても定め、これらの措置により、悪質な業者などを排除し、高齢者の保護を図ってまいる所存でございます。

中島(隆)委員 特に、都道府県だけではなくて国の方の監督強化等、高齢者の権利擁護について、今後の対応を十分強化していただきたいと思います。

 次の質問については穀田議員の方からも質問されておりますが、特に私も指摘しておきたいのは、無届けの有料老人ホーム、これが、以前は六百件あって、先ほどの答弁では二百四十カ所程度になったということでありますが、今後もこの無届けの有料老人ホーム対策が必要ではないかというふうに思っておりますので、これについても、ひとつ今後指導徹底を図っていただきたいと思います。

 それでは次に、今回の法改正で、都道府県から登録を受けた事業者が公営住宅をサービスつき高齢者向け住宅として使用できるというふうになっております。

 しかし、都市部の公営住宅の整備が進みますと、特に応募倍率が三けたに達するところもございます。公営住宅を登録住宅として使用することによって、公営住宅への入居を希望する低所得者の方々が公営住宅を利用できなくなる、そのような事態が想定をされるのではないかというふうに思います。

 そこで、公営住宅を事業者が登録住宅として使用する場合、賃貸料がどの程度に設定をされるのか、その点についてお尋ねいたします。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 この法案におきましては、公営住宅の事業主体であります各地方公共団体が必要であると認める場合におきましては、公営住宅をサービスつきの高齢者向け住宅として使用させることができるという規定を置いております。

 これは、各地方公共団体が、当然、今御指摘ございましたように、その地域の住宅事情に応じまして、公営住宅等の必要性、公営住宅として提供することの必要性とバランスをとって運用していただくということになろうかと思っております。公営住宅が圧倒的に足らずに、公営住宅の供給が必要な場合に、その公営住宅をあえて高齢者向けの住宅として事業者に提供する必要があるのかどうかという点について、各公共団体で適切に判断をしていただきたいというふうに考えております。

 その場合、ではどれくらいの料金で貸すのかという御質問でございますが、これは、基本的には各公共団体が考えていくということになるわけでございます。

 公共団体の公営住宅を使っていただくということになりますと、事業者と入居者の間の家賃というところにつきましては、公的な住宅を使っていただく、使わせるということでありますから、当然、不当に高額になるようなものというのは排除できるというふうに思っております。法律上も、都道府県が策定をいたします高齢者の居住安定確保計画に照らして適切でなければ登録を受けられないというふうにいたしておりまして、公営住宅を使うような場合につきましては、家賃につきましては比較的低廉な形で提供がされるものというふうに期待をいたしております。

中島(隆)委員 公営住宅の中の空き部屋とか空き住宅を活用して事業者に高齢者住宅を委託する、こういうことになると思うんですが、公営住宅の中に、そういう住宅と併設するということになれば、格差の問題が非常に問題になると思いますので、これについては、やはり高齢者の住宅並みの家賃なりあるいは対応、これを慎重にやっていただきたいというふうに思います。

 それから最後に、高齢者居住支援センター制度が廃止をされます。これは、民間で家賃債務保証の市場が整ってきたというのが理由でありますが、民間にすべてこれをゆだねた場合に、債務保証を必要とする高齢者が保証を受けられないトラブルが出るのではないかというふうに思いますが、廃止しても大丈夫なのか、その点についてお尋ねいたします。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のように、高齢者居住センターにおきましては、これまで、高円賃につきまして、入居する高齢者などに対しまして家賃債務保証を行ってまいりました。今回この制度を廃止いたしますのは、今委員も御指摘がございましたように、民間による家賃債務保証等も相当ふえてきたということもございます。また、実は、高齢者などに対しましては、NPO法人などが行います家賃債務保証というものも大分ふえてきたりしております。したがいまして、私ども、この家賃債務保証業務を廃止することによりまして、高齢者の賃貸住宅への入居について支障が生じるというようなことは想定をいたしておりません。

 ただ、御指摘ございますように、実施状況というのは、マーケットの状況もございますので、これを注視いたしまして、必要に応じて適切な措置というものは常に検討していくということにいたしたいというふうに思っております。

中島(隆)委員 それでは最後に、冒頭大臣に質問いたしましたが、特に、十年間で高齢者向け六十万戸という目標を設定するということを言われました。業界向けの住宅政策ではなくて、高齢者が安心して居住できる介護サービスあるいは福祉サービス、これらがある程度高齢者のために十分に備わったような住宅にする必要があると思うんですね。

 特に私が指摘したいのは、やはり低所得者に向けての住宅確保というのが非常に重要だと思います。その点について、最後、大臣に決意をお願い申し上げます。

大畠国務大臣 ただいまの御指摘でございますが、私も、住む方にとってふさわしい住宅を供給するというのが視点でございますから、今御指摘のことを十分踏まえながら推進してまいりたいと存じます。

中島(隆)委員 終わります。

古賀委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案ということでございますが、経過を見ますと、もともと昨年、平成二十二年八月二十九日の総理指示がベースにあってこの法案の検討が進められてきた、こういうふうに理解をしております。今回、いろいろと事前のレクに当たって国土交通省さんがお示しになられた「高齢者住宅施策について」、こういうところにも、八月二十九日に、「孤立化のおそれがある「高齢単身・夫婦のみ世帯」支援について」、これについて記載がなされております。

 ちょうどそのとき、公営住宅団地の南芦屋浜シルバーハウジングLSAというのを見に行って、菅総理が、介護保険法の改正に当たって高齢者のひとり暮らしや夫婦だけの世帯向けに新たな生活支援策を追加する、こういう方針を明らかにしているわけであります。ちょうどそのころといいますと、いわゆる所在不明の高齢者、亡くなられていたのに届け出がなくて、百二十歳、百五十歳過ぎても生きているということになっていた、こういう高齢者の問題が次々と明らかになっていた時期です。

 この状況の中で、総理が視察の現場でいきなりいわば見守りサービスを介護保険にくくり込むような話をされて、正直ちょっとびっくりしたんですね。介護保険財政の現状からすると、介護の必要がない高齢者をサービス対象にくくり込むということになると、これは大変厳しい話のはずであって、このときは私だけがそう思ったわけではなくて、「孤立のおそれある高齢者の支援を介護保険で 首相指示」、こういう見出しで朝日新聞も報じているんですけれども、あたかも、この法案というのは、今まで介護保険の対象でなかった、要介護者ではない、こういう方々を介護保険でサービスを提供する、そういうものであるかのように受けとめられる、そういう経過もあると思うんです。

 この八月二十九日の総理指示とこの法案との関係というのを明らかにしていただきたいというふうに思います。

大畠国務大臣 ただいま柿澤議員から御質問をいただきました。この法律案と平成二十二年の八月二十九日の総理指示との関係はいかに、こういう御質問であります。

 確かに、平成二十二年八月二十九日に、御指摘のように、阪神・淡路大震災の災害復興公営住宅団地を総理が視察されました。その際、介護保険改革として、厚生労働省を初め関係省庁に対して次のような指示がされたことは事実であります。一つは、介護保険の基本目標に孤立化のおそれのある高齢単身あるいは夫婦のみ世帯の生活支援を追加するとともに、二つとして、高齢単身あるいは夫婦のみ世帯を支える新型サービスの全国普及として、二十四時間地域巡回・随時訪問サービス、見守りつき高齢者住宅や住みかえ支援、それから認知症支援ということが示されたわけであります。

 今回の法改正でございますが、創設するサービスつき高齢者向け住宅は、住宅のハード面でのバリアフリーを条件とするだけでなく、ソフト面での見守りサービス、生活支援サービスを条件として、高齢者世帯の孤立化を防ぎ、安心して暮らすことができる見守りつき高齢者住宅を制度に取り込んだものであり、今回の法律案、総理の指示に沿ったものであります。

 ただ、冒頭に御報告を申し上げましたとおり、現在の日本のこの施設というのは、どちらかというと住宅系というよりも施設系に偏っておりまして、欧米に比べますと住宅系が非常に少ないというのも事実でありまして、いずれこのような状況を改善することが必要でありましたから、国交省としても、二〇二〇年までに三%から五%程度に住宅系を引き上げることが必要だろうと考えております。したがいまして、このような形で法律案を提出させていただいたわけであります。

柿澤委員 今、最後に大畠大臣が認識として語られた、施設系はあるけれども、住宅系のこういった高齢者に対する住まいの確保というのが日本の場合は不足をしている、まさにそれは問題意識としては私もそのとおりだというふうに思います。

 今回の法案並びに平成二十三年度の予算においてさまざまな施策が講じられていますけれども、基本的な考え方の方向性として、既存の住宅ストックを高齢者向けに整備、改修をして、それを高齢者向けのサービスつきの住宅として活用することで、こうした基盤、資源をふやしていこう、こういう視点が感じられるわけでありまして、この点は大変正しい方向だと私は思っております。

 ただ、孤立するおそれがある高齢者の支援というのがもともとの総理指示の趣旨であったとすると、例えば、ずっと言われてきた問題として孤独死の問題というのがあると思うんです。

 私も都議会議員をやっていたころに、都営住宅で、身寄り頼りのない方が、独居の高齢者が、だれも知らないまま亡くなっていて、何週間も経過してから、何カ月も経過してから見つかる、こういうケースが多々あった。これは公営住宅に限らない話だと思います。そのときに一番驚いたのは、こうした孤独死の実態ということについて、実はだれも把握をしていないということです。福祉局が調べるのか、住宅局が調べるのか、こんな話になってしまう。福祉政策と住宅政策のすき間に落ちている、こういう感じがするわけです。

 孤立のおそれがある高齢者の支援ということになるわけですので、この孤独死ということの実態について、国土交通省あるいは政府は調査したり把握なりをされているのかどうか、お伺いをしたいと思います。

市村大臣政務官 柿澤委員にお答えいたします。

 柿澤委員も今おっしゃいましたように、孤独死に対します明確な定義というものはどうもないようでございまして、したがいまして、全国的な統計も存在していないということのようであります。

 ただ、孤独死に近いということ、そういうふうな考え方だろうということで、ちょっとした数字がございまして、ここで申し上げますと、東京都監察医務院によりますと、東京二十三区内におけるひとり暮らしの六十五歳以上の自宅での死亡者数は、平成十四年の千三百六十四名から、平成二十年度は二千二百十一名と、六年間で一・六倍の増加。また、UR賃貸住宅におきまして単身の居住者がだれにもみとられることなく死亡したケースは、平成十一年の二百七人から、平成二十年度には六百十三人と、九年間で三倍の増加となっております。

 こうしたことから考えますと、いわゆる孤独死というものは増加傾向にあるというふうに認識をしているところでございます。

柿澤委員 孤立のおそれのある高齢者の支援といいながら、実際に孤立状態の中で亡くなっていく方がどのぐらいいるかということを調査も把握もできていないということは、私は一つ課題だというふうに思います。

 この問題の背景には、先ほど申し上げたように、一体この孤独死等々の問題についてだれが責任を持って対処する省庁であるのか、どこであるのか、これが実は判然としてこなかったということがあると思います。そういう意味で、今回の法案というのは、この問題について国土交通省が一定のコミットを、もちろん厚生労働省と共管なんですけれども、しかし主管官庁としてコミットをするということだというふうに思いますので、私はこれは国土交通省が調査、把握を行うべき課題だということになるのではないかというふうに思っております。

 さて、今回のサービスつき高齢者住宅では、登録条件として、安否確認、生活相談サービスを提供することとされております。いわば見守り人というのを置かなければいけないということであります。この見守り人というのは管理人ではいけないということでありますけれども、そうすると、どのような資格を持って、どのようなサービスを提供できる人を想定しておられるのか、伺います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のように、高齢者が安心して暮らしていただく、そういったための住まいということにつきましては、高齢者の方々の身体機能の低下というものに対応いたす、そして緊急時についても適切に対応できるというようなことが大変重要だと考えております。

 このため、今回のサービスつきの高齢者向け住宅の登録基準といたしましては、安否確認や生活相談サービスの提供を義務づけることとしておりますが、その際にも、それがちゃんとできる人でなきゃいかぬというふうに考えておりまして、提供者につきましては、社会福祉法人や医療法人の職員やヘルパー資格を持っておる方などとすることによりまして、福祉、介護や医療分野との連携というものの確保にも努めてまいりたい、このように考えております。

柿澤委員 ここの部分、本当に適切な見守りが行われているかどうかということをきちんと担保することがこの制度の実効性の本当に大きなかぎだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 先ほど来いろいろお話が出ているとおり、このサービスつき高齢者住宅というのは、介護サービスを必要とする高齢者であるとか、また住んでいるうちにそうしたものが必要になってくる、そういう方が多く住むと思われます。そこで思うのは、やはり有料老人ホームの話です。東京でいえば例えば足立区であるとか、有料老人ホームがどんどんどんどん立地をすると、いわばよその区の人がやってきて地元区の介護保険財政を圧迫する、こういうことになってしまうわけです。結果的に、こうしたことが一つの要因になって、有料老人ホームの総量規制をやるようなことにもなったわけです。

 私は、こうしたサービスつき高齢者住宅というのがどんどん広がっていくといいと思っています。非常にいいと思っていますけれども、東京にいると特に痛切にそう思いますが、しかし、有料老人ホームと同様に、サービスつき高齢者向け住宅の増加が地元自治体の介護保険財政を圧迫することになりかねない。それが、地元自治体においてサービスつき高齢者住宅の増加を喜ばないとか歓迎しない、数を制限しよう、こういうことにつながりやしないかということを懸念している部分もございます。

 サービスつき高齢者住宅については登録は都道府県ということになるわけですけれども、介護保険財政はもちろん基礎自治体、区市町村ということになるわけで、そこの部分のそごの中で、先々これが利用されれば利用されるほど、サービスつき高齢者住宅が広がれば広がるほど、この問題が生じてくるのではないかと思いますけれども、その件についてお考えをお伺いしたいと思います。

大畠国務大臣 柿澤議員からの御指摘でございます。この制度を推進することによって介護保険財政を圧迫するのではないか、こういう御指摘でございます。

 今回の法案に従ってサービスつき高齢者向け住宅というものが社会的に広がることによって、どういう影響が出るのかということでありますが、基本的に、高齢者の心身の状況というものに応じて必要な生活支援サービスや介護、医療サービスが提供されることは大切でございますが、必ずしも全高齢者に対して介護サービスが直ちに必要になるとは受けとめておりません。したがいまして、都道府県の住宅部局と福祉部局が協力して策定する高齢者居住安定確保計画のもとに供給され、介護保険関係の施策とも調和した形で制度が運用されると考えております。

 なお、介護保険につきましては、高齢者の数が急増することを踏まえ、必要な検討が厚生労働省においてなされていることと考えておりますが、サービスつき高齢者向け住宅については、適切な形で供給され、必要な介護サービスがなされるよう、厚生労働省と緊密に連携して都道府県の高齢者居住安定確保計画の策定を支援していく所存でございます。

柿澤委員 さて、今の答弁のとおりになるかどうか、これはなかなかそうはいかないんじゃないかという気が私は非常にいたします。特に、行き場のない高齢者の方、穀田委員の御質問でもあったと思いますけれども、こういう方々は、やはり行き場を探して広域的に動くことが多いわけです。結果的に、今までその市、その区の住民でなかった人が流入をしてきて、その区の介護保険のサービスを利用するということが顕在化してきて、これを民間等々に任せて受け入れていると大変なことになってしまうということで、そのうち地元自治体が規制をかけ始めるようなことが起きるんじゃないかと、私は非常に危惧をいたしております。

 そうしたことをどのように解決していくべきか。もしかすると、介護保険制度の方を見直して解決していくべき部分もあるのかもしれません。そうした部分については、今回こういう時期で、なかなか法案審議に時間もとれない、ここから間もなく、数分後には採決が行われるという状況でありますので、なかなか議論が深まりませんが、しかし、今後介護保険法そのものを改正するという議論の中で、国土交通委員会と厚生労働委員会が連合審査をやるとか、こういうことがやはり必要になってくるんじゃないかな、こういうふうに思います。

 さらに、先ほど家賃水準の適正なイメージについていろいろと議論がありまして、大体十二万だ、一切合財ですけれども、リビングコストとしてこんなものになるだろうというような話がありました。この部分については割愛をさせていただきますけれども、有料老人ホームとのアナロジーでいえば、もう一つ気になるのは前払い金の問題です。

 今回の法案では、前払い金というのは、将来的に払う家賃の前払いとしてしか認められない、こういうことにはなっているわけでありますが、有料老人ホームにおいて入所一時金の取り扱いというのが大変大きなトラブルのもとになっている、こうした状況の中、前払い金ですよと言葉だけ変えて同じようなことが起きてしまえば、これは元も子もないわけです。

 そういう意味で、私は、前払い金というのがあくまで前払いとして正当化できるような額の水準でなければならないというふうに思うんですけれども、その観点からすると、この前払い金というのを、上限額を設けるべきだ、場合によっては例えば月額の家賃の何倍というところまでにすべき、そういうことを考えなければいけないというふうに思いますが、そのことについて御答弁をお願いしたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 家賃の前払い金の問題につきましては、今回のサービスつき高齢者向け住宅におきましては、まず権利金や礼金といった不明確なものについては、これは受領を禁止することといたしております。また、前払い金を受領する場合には、家賃等の月額や想定居住月数などという根拠を明確にしていただくということといたしております。

 これまで、私どもも、昨年度試行的に予算措置でやってまいりました事例を見ましても、高齢者の方の方から、入居時にできるだけ一括してまとめた金額をお払いになりたい、後々毎月家賃を払うというのはできるだけ減らしたいという御要望もあるというふうに聞いておりまして、前払い金をやっちゃいかぬとか、余り厳しく何カ月以内とするのはなかなか難しいと思っております。

 今申し上げました家賃についても、先ほど御答弁申し上げましたように、都道府県の高齢者居住安定確保計画で一定の水準というものが決められるといたしますと、前払い金についてもある程度リーズナブルな形におさまっていくのではないかというふうに考えております。

柿澤委員 最初はそういって始まって、結局同じことになっていく、こういうことのないようにぜひお願いをしたいというふうに思います。

 最後に、先ほど申し上げたとおり、私は、これは既存の住宅ストック、集合住宅等を改修して、それをサービスつき高齢者向け住宅に活用していく、こうした視点が非常に大事だというふうに思っております。

 そういう意味でいうと、最近の不動産市況を見ますと、私は東京ですけれども、特に首都圏などでは、集合住宅が空き家になっているような状況が郊外では非常に大きくなっています。そうしたところを、私は、一部の区市町村を一つのモデルにして、先ほどの介護保険財政の圧迫の問題が生じるわけなんですけれども、しかし、こういうサービスつき高齢者住宅を進めることによって、例えば、マンション等のオーナーさんもメリットがあって、一方で行き場がなかった高齢者の住まいも安定をする、こうしたことを一つ地域を指定してモデルで進めていくような考え方があってもいいのではないかというふうに思っております。

 その中で一つお伺いをしたいのは、今、首都圏の空き部屋の状況というのがどうなっているか、これをお伺いしたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 首都圏の空き家でございます。

 まず、埼玉県では、空き家が三十二万戸、そのうち委員御指摘の集合住宅、これが二十二万戸。このうち、賃貸用の物件は十九万戸でございます。うち集合住宅が十七万戸でございますから、賃貸用の集合住宅の空き家は十七万ということになります。千葉県では同様に賃貸用の集合住宅の空き家が十七万戸、東京都では同様に四十七万戸、神奈川県では二十四万戸という数字になっております。

柿澤委員 ですので、新たにこのサービスつき高齢者住宅という非常に新しくて立派なものを建てるというイメージではなくて、こうしたストックを活用していく、またその推進のためにこんなにいい結果が生まれるということをある意味では示していくために、私は、地域限定のモデルみたいなものを考えていくことが望ましいというふうに考えております。最後にそれを要望として申し上げて、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

古賀委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古賀委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、長安豊君外六名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合、みんなの党及び国民新党・新党日本の七会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。福井照君。

福井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 東日本大震災の被災者に対し、応急仮設住宅を早急に整備するとともに、高齢者が多いなどの地域の実情を踏まえ、被災者の住まいの確保について、万全を期すこと。

 二 東日本大震災の復興に当たっては、生活支援施設、福祉・医療施設、公営住宅、サービス付き高齢者向け住宅を一体的に地域の福祉拠点として整備するなど、高齢者が住みやすい地域をつくる取組を、国として総合的かつ具体的に支援していくこと。

 三 高齢者の住生活の安定を図るためには、住宅施策と福祉・保健医療施策との連携が重要であり、制度を運用する地方公共団体の関係部局が実効的に連携できるよう、情報提供、助言等の支援を積極的に行うこと。

 四 高齢者のニーズに対応したサービス付き高齢者向け住宅の供給が的確に行われるよう、社会福祉法人や医療法人等、様々な事業主体の参画を促すこととし、必要な情報提供、助言等の支援を行うこと。

 五 サービス付き高齢者向け住宅の整備に当たっては、低所得の高齢者も利用可能となるよう、既存住宅の改修や公有地を活用した供給が促進されるよう努めること。

 六 高齢者のための住まいの確保に当たっては、若年層、子育て世帯等を含む多世代の居住者による地域コミュニティが形成されるよう、総合的な取組を推進すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

古賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

古賀委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣大畠章宏君。

大畠国務大臣 高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、本委員会において真剣な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決していただきました。深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の質疑内容や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝申し上げます。

 大変ありがとうございました。

    ―――――――――――――

古賀委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

古賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四十六分散会


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