衆議院

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第2号 平成23年10月26日(水曜日)

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平成二十三年十月二十六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 伴野  豊君

   理事 小泉 俊明君 理事 小宮山泰子君

   理事 古賀 敬章君 理事 辻元 清美君

   理事 松崎 哲久君 理事 金子 恭之君

   理事 山本 公一君 理事 富田 茂之君

      阿知波吉信君    石井  章君

      奥田  建君    川村秀三郎君

      沓掛 哲男君    熊谷 貞俊君

      熊田 篤嗣君    黒田  雄君

      古賀 一成君    坂口 岳洋君

      高木 義明君    津島 恭一君

      辻   惠君    中川  治君

      橋本 清仁君    畑  浩治君

      松原  仁君    向山 好一君

      谷田川 元君    柳田 和己君

      若井 康彦君    赤澤 亮正君

      小渕 優子君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      二階 俊博君    林  幹雄君

      福井  照君    望月 義夫君

      穀田 恵二君    中島 隆利君

      柿澤 未途君    下地 幹郎君

      田中 康夫君    中島 正純君

    …………………………………

   国土交通大臣       前田 武志君

   総務副大臣        黄川田 徹君

   国土交通副大臣      奥田  建君

   国土交通副大臣      松原  仁君

   財務大臣政務官      三谷 光男君

   国土交通大臣政務官    津島 恭一君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        関  克己君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  久保 成人君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  長田  太君

   政府参考人

   (観光庁長官)      溝畑  宏君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十六日

 辞任         補欠選任

  畑  浩治君     熊谷 貞俊君

  亀井 静香君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  熊谷 貞俊君     畑  浩治君

  下地 幹郎君     亀井 静香君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

伴野委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省水管理・国土保全局長関克己君、鉄道局長久保成人君、航空局長長田太君及び観光庁長官溝畑宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橋本清仁君。

橋本(清)委員 被災地、宮城三区の橋本清仁でございます。

 本日は、国土交通委員会におきまして質問の機会を賜りましたこと、心から深く感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

 やっとここまで参りました。東日本大震災による被災者支援及び復興支援のための高速道路の無料開放です。

 今までは緊急的に、予算立てをせずに、被災者支援及び復興支援のための東北地方の高速道路の無料開放について、道路整備特別措置法第二十四条に基づき、料金を徴収しない車両として国土交通大臣が指定告示して、速やかに実施していただいておりました。これは本当に被災地としてありがたかったです。しかしながら、この対応はあくまでも補正で予算がつくまでの暫定的な対応でございました。今回、三次補正予算で何とかしていただけるようです。

 発災直後から、各県連、与党、国土交通省に働きかけ、災害対策特別委員会、国土交通委員会、予算委員会で繰り返し提案し続けてまいりました。この委員会においては公明党の高木先生にも御質問いただき、本当にありがたかったですし、他の野党の先生方にも御協力いただき、被災地議員として本当にありがたかったです。

 前田国土交通大臣を初めとする政務三役、大畠国土交通大臣を初めとする前政務三役、国土交通委員会メンバー、そして全国の国会議員の皆様の御協力に心から感謝申し上げます。特に、小泉俊明前国土交通大臣政務官には大変お世話になりました。物すごくいろいろな人に、本当にありがたいなと思っています。

 これから、いよいよ被災地は復旧復興に向けて歩み出します。いろいろな工場の再建、誘致、観光の復活、そしてさらなる発展をしていかなければなりません。そのためには被災地の高速道路について料金を無料化していく、このことが大変効果的であると考えております。

 そこで、三次補正予算による、東日本大震災による被災者支援及び復興支援のための高速道路の無料開放について大臣にお伺いいたします。

前田国務大臣 橋本委員、被災地の御地元で、大変厳しい中で、今述べられたように頑張ってこられたことに敬意を表する次第でございます。

 東北地方の高速道路の無料開放についてでございますが、当時の無料開放によって、例えば断水、停電などの被害に対しても被災証明書を発行したこと、広範囲な対象者に、当初想定を大きく上回った範囲に被災者証明を出したというようなことで、復旧復興の趣旨に反したUターン走行等も出たという問題点もありました。

 そういった課題も生じたということを前提にして、三次補正による措置においては、現行の無料開放の対象路線をもとに、被災地支援については、特定被災区域を参考として対象エリアを絞り込むとともに、料金システムを改良いたしまして、対象路線走行分に限定して、それに限って全車種を対象に無料開放することといたしました。その際、被災証明書等の確認を必要としないような技術的な改良を行っているわけでございます。

 あわせて、観光振興の観点から、復旧工事の行われていない土日祝日には、普通車以下について、ETC限定ではありますが、被災地支援の対象エリア以外も無料開放することとしております。

 引き続き、震災により甚大な被害を受けられた方々への支援と、東北地方の一日も早い復興に努めてまいります。

橋本(清)委員 大臣、ありがとうございます。

 そして、先ほど申し上げましたけれども、今までは緊急的に、予算立てをせず、被災者支援及び復興支援のための東北地方の高速道路の無料開放を道路整備特別措置法二十四条に基づいてやっていただいておりましたけれども、今回の対象以外に、例えば福島のように遠方に避難されておられる方々への対応をしっかりとお願いしたいですし、また、その対応をなさった暁には、手続の方もできるだけ簡易な形でお願いしたいと思います。

 その点について大臣の御所見を伺います。

前田国務大臣 被災地支援の対象エリア内から対象エリア外に避難されているケースのことだと思いますが、そういう方々については、避難の状況を確認した上で、避難先と対象エリアとの間の利用が無料となるように、高速道路会社とともに調整をしながら、今その検討を進めているところであります。

橋本(清)委員 検討なされているということですけれども、できるだけ手続の方も簡易な形でしていただけるとありがたいなというふうに思っております。

 次に、被災地の高速道路無料化が実現した場合、私の県、宮城県で申し上げますと、県の道路公社管理の例えば仙台南部道路、そして仙台松島道路の無料化が大変問題になっておりました。その調整を県知事といたしておりますときに、県管理の仙台南部道路の管理運営主体について、再編の御要望が県の方からございました。これは発災以前から国の方に要望があったわけですけれども、この点について、特に仙台南部道路について、現在どのような方向で進めておられるかについて大臣にお伺いいたします。

前田国務大臣 委員御指摘の、リンク道路を形成している県公社の管理部分のことだと承知しておりますが、私もあそこを通ったことがございます。非常に重要なリンクの中心部分を担っているというふうに考えます。

 まずは直轄国道に指定した上で、例の保有機構が持っている全国路線網の有料道路として東日本高速道路株式会社へ有償移管する、そういう方向で今検討をしております。

橋本(清)委員 どうか県の、被災地のお願いしているような方向で御調整いただけるとありがたいなと思います。

 次に、常磐道山元―相馬間の早期開通について質問させていただきたいと思います。

 そもそも、この高速道路の無料化について提案させていただいたときに地元で言われておりましたのは、被災地の企業が、発災直後、道路も非常に通行困難な状況にあり、特に福島第一原発の事故がございましたから、福島第一原発の事故で海側の道路交通網は通行不能になっていました。そして、福島第一原発の上下にある、例えば自動車の部品工場なんかが上下にあるところはそこで連携を持っていたわけですから、これを南の工場から北の工場に運ぶのに、今まではただ単に北上していればよかったわけですけれども、この震災及び津波、そして原発事故といった複合災害によって、迂回しないとその流れをつくれないという状況で、この地での工場の再建はなかなか厳しいものがある、場合によっては撤退も考えているというお話をいただきました。

 それで、迂回するのに、大体どのぐらいの高速道路の追加料金がかかっているんですかというふうな話を申し上げたところ、五千八百円ぐらい。それは純粋に高速道路のお金だけですから、ガソリン代とか、ほかにもかかっておるわけです。そしてあと、距離を走りますから、さまざま負担が出ていたわけです。

 この点について、被災地の製造業の基盤の回復のためにも、高速道路の無料化、第一原発が冷温停止して、何とか除染などの対応で通れるようになるまでしっかりと対応していただきたいなというふうに思っておりましたけれども、そもそも、東北自動車道とラダー型、はしご型の高速道路網をつくるために、太平洋側の高速道路を建設していただいておりました。この常磐自動車道は、平成二十六年には開通する予定でございました。しかしながら、今回、先ほどから申し上げておりますとおり、第一原発の事故によって福島県の太平洋側の交通が断絶された状態にあります。

 できれば、この常磐自動車道の開通をしっかりと実現していくことが福島再生への大きなメッセージになりますし、また、第一原発を挟んで、南相馬などで頑張って仕事をなさっている、生活なさっている方々に対して、我々は国としてこの地を再びよみがえらせていくんだ、そういった大きな力強い応援のメッセージになると考えております。

 第一原発付近の建設はこの原発の問題がおさまるまでできませんけれども、ぜひとも、その北側にある山元―相馬間、これは平成二十六年の開通という予定でございましたけれども、何とかこの建設、開通を早めていただきたいというふうに感じております。この点について大臣の御所見をお願い申し上げます。

前田国務大臣 今、橋本委員御指摘の、あの沿岸の常磐高速でございますが、私もこの間、南相馬市を訪れまして、今御指摘のようなことを実地に実感をしてきたところであります。

 具体的に申し上げますと、事業中区間のうち、警戒区域外の原町インターチェンジ―山元インターチェンジ間については、五月十六日から工事を再開したところであります。そして、原町インターチェンジ―相馬インターチェンジは平成二十三年度、来年の三月三十一日とまで明確に言い切れるか、ちょっと三月五十日ぐらいになるかもわかりませんが、とにかく二十三年度。そして、相馬インターチェンジ―山元インターチェンジ間は平成二十六年度を供用目標としておりまして、早期供用に向けて最大限の努力をしてまいります。

橋本(清)委員 大臣、ありがとうございます。

 本当にこの道路ができるのかできないのかと地元の方でも心配しておりましたし、また、海側だけでなくて内陸の、私の選挙区でいうと丸森というところですね。角田は亘理から乗って、丸森は相馬の方から乗るといったような形ですから、しっかりとやっていただきたいなというふうに思います。

 いずれにせよ、これから被災地復興特区、そういった面で、税制の優遇によって新規工場の誘致なんかをしますけれども、しっかりとした道路交通網がなければこういった工場の誘致なんかもうまくいきませんから、これからも大臣及び政務三役、国土交通委員会の皆様の御協力を得ながら、被災地の復旧復興に取り組んでまいりたいと思います。どうかよろしくお願いします。

 本日は、ありがとうございました。

伴野委員長 次に、畑浩治君。

畑委員 岩手二区の畑浩治でございます。

 復興に当たりましては、生活、そして産業、雇用の基礎でありますまちづくりの復興、こういうことが一番のかなめとなると思います。

 私自身、党の復興ビジョンチームのまちづくり、土地利用のグループの主査としまして、防災集団移転促進事業の拡充やら、あるいは住宅系、公益系、業務系を一括して全面買収型で整備する拠点市街地整備事業の創設やら、土地利用再編の一元化、あるいは住宅地、農地がまたがっているところを一括して交換するような制度、こういうことを提言しまして、今、補正予算そして法案等は、こういう方向で準備が進んでいると承知しております。このことに、改めて関係各位に敬意を表する次第でございます。

 また、財源につきましては、復興交付金そして復興交付税、こういうことで国が実質全額負担ということにもなったということで、ツールはそろった。そういうことで、地方に対しても施策の全貌が示せるときになっていると思っております。

 あと残った課題といいますのは、実は、個人財産である住宅と宅地、こういうことが若干課題が残されているかなと思っております。被災地の住民は資力がない、お金がないわけです。こういう方々に対していかに公共が支援できるか、こういうことが課題になると思いますが、この点、いかがでしょうか。

前田国務大臣 畑先生も、被災地の御地元、しかも三陸沿岸ということで、新たなまちづくりについても大変な課題をしょっている地域で御苦労されていることを承知しております。また、まちづくり、地域づくりの専門家でもあられるわけで、最後に残った住宅、どういうふうに考えているんだということでございます。

 総論的に言えば、公共で応援できるところは最大限いろいろな形で応援をして、そして個人の負担をできる限り軽くするという考え方で、あらゆる政策を駆使して対応してまいりたい、このように考えております。

畑委員 実は、個人の家、宅地というのはなかなか公共で、支援することは困難なところもありますが、さらなる支援が必要なんだろうなと私は思っております。というのは、市場価格で分譲するとしても、その市場価格をなかなか払いがたい人も多いし、一方、地域の人は実は家が欲しいと思っている方も多いです、こういう状況の中で、つまり、そういう思いを大事にすることが、地域の活性化、そして地域の復興を早めるということになるんだろうと私は思っているわけでございますけれども、いろいろな支障があると思います。

 例えば、事業で造成された宅地を譲渡する場合に、その市場価格を低減することができるのかどうか。あるいは、これは個人財産ですからかなり困難であるとすれば、公共が、自治体がその宅地を持ちながら低減された賃料で、地代で貸すとか、あるいは一つの案としては定借で貸すということにして、定借の保証料を助成するということもあるんだろうと思います。聞くところによると、あの中越地震のときには五年間、地代は減免したということも聞いたことがございます。こんないろいろな知恵を絞るとした場合に、例えば自治体がそういうことを単費でやるのか、あるいは自治体に対してどういう支援ができるのかということも恐らく課題になってくるんだろうと思います。

 そういう中で、今回、復興基金が措置されることになりますけれども、こういうものを使って、こういうものを充当しながら、今言ったような住宅に対する支援、宅地に対する価格低減も含めた支援が可能かどうかということを一つ伺いたいと思います。

黄川田副大臣 お答えいたします。

 畑委員さんには、現場の生の声を真摯にお聞きになっておることに深く敬意を表する次第であります。

 総務省としては、まずもって第三次補正予算において、地方交付税を一兆六千六百三十五億円、加算させていただきました。これはとりもなおさず、復旧復興の事業の地方負担分をゼロにするということで措置されたわけでありますが、お話しのとおり、基金もあわせて措置されております。特定被災地方公共団体である九県が取り崩し型の復興基金を設置することとなる場合について、これまた特別交付税による財政措置を講ずることとしております。

 御指摘、御質問の件でありますけれども、基金を具体的にどのように使うかについては、交付税は使途の制限のない一般財源でありますので、それぞれ復興計画、市町村も計画を立てておりますし、県も復興計画を立てております。これは自治体の判断になるもの、こう思っております。

 中越でもいろいろな措置がされましたので、さまざま自治体の判断があると思うわけでありますけれども、重ねてお話しさせていただければ、地方公共団体が行う補助につきましては公益上の必要性がある場合に認められるということで、必ずや、被災地の現状を見れば適切な判断がされるもの、こう期待しております。

 以上であります。

畑委員 黄川田副大臣もみずから被災者でおられまして、そのような状況は大変熟知した上での御答弁であります。本当に心ある御答弁、ありがとうございます。

 基金、そして基金以外にも、復興交付税という話も今ございました。それ以外に今回、復興交付金というのが目玉なわけでございまして、これはできるだけここでお願いしておきたいんですが、国としては柔軟にこういう公共団体を支援していただきたい。いろいろな制約のある部分はございますが、そこを柔軟に考えていただきたい、このことも改めてお願いしておきたいと思います。

 ありがとうございます。

 次に、交通インフラについてお伺いしたいと思います。

 八戸から仙台の三陸沿岸道路でありまして、これを緊急かつ重点的に整備していただくという方針、この件に奔走した者として、大変ありがたく思っている次第でございます。改めて御礼を申し上げる次第でございます。

 当初は三陸縦貫道等の整備ということで言われておりまして、実は、この三陸縦貫道というのは仙台から宮古まででありまして、宮古から北が三陸縦貫道では読めなかった、まあ、等ということがありますけれども。

 こういう中で、実は、八戸久慈道路あるいは三陸北縦貫も含めて、八戸から仙台まで一括して整備するということで考えるべきであって、その呼称も、これではということで私も提言しまして、今、国交省の方では、復興道路としての三陸沿岸道路ということで言っていただいておりまして、この点も本当に感謝申し上げる次第でございます。

 改めてここで確認というか、伺いたいと思うんですが、所要の手続が終了して、そして三次補正が通ったらということでありますが、事業化される区間は、八戸から仙台までの未着工区間の全区間と理解してよろしいでしょうか。そして、その整備スケジュールもあわせて伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

前田国務大臣 御指摘の区間でございますが、私も何度か沿岸を訪問させていただきました。また、空からもずっとあの様子を見させていただきました。

 釜石だったですか、被災の一週間前に沿岸道路ができて、それが大きく救援にも役に立った。あそこは、二千人近い生徒さんがほとんど犠牲を出さずにあれだけの、みずから逃げるというようなことを日ごろから訓練されて、見事にそれをやったという記念すべきところで、開通したばかりの三陸沿岸道が大きな役に立ったということも実地を見させていただきました。

 今の御指摘の件ですが、結論的に言いますと、三陸沿岸道路の未事業化区間については、第三次補正予算ですべて事業化するように手続中であります。いろいろ、この機能というのは御指摘のとおりでございまして、とにかく命をつなぐ道ということで、三陸、八戸から仙台に至る、ここをなるべく早くつなぐということを大きな方針にしております。

畑委員 大変心強い答弁、ありがとうございました。

 もう一点お聞きしたいんですが、その整備スケジュールというのは、大体どれぐらい以内とお考えでしょうか。そこをちょっとお教えいただきたいと思います。

前田国務大臣 確定的なことは申し上げられませんが、当初、完成は十年ぐらいのスケジュールを考えているようですが、もちろんすべてフル規格で整備するには相当の期間、そして財政的裏づけも必要です。しかし、国道で二次改築までやって使えるようなところはそれをうまく使いながら、新しい三陸道でつないでいかなきゃいかぬところを集中的にやっていくということで、何とか前倒して、年数まではなかなか言いづらいんですが、少なくとも七年ぐらいの間にはつなげようというようなことを省内では申し上げております。

畑委員 ありがとうございました。

 この三陸沿岸道路は、命を守るとかリダンダンシー、そういう防災上の観点という実質的な意味は大前提で、これは大変そういう意義もありますけれども、実は三陸の沿岸の復興を象徴するプロジェクトでありまして、地元を勇気づけるプロジェクトということで岩手県も熱望しているところであります。

 今大臣おっしゃった、使えるところは使って七年程度、これはできるだけ早くつなぎたいということで、大変心強いお言葉だと思っておりまして、ありがたく思っております。

 そうすると、最終形のフル規格というか、自専道で整備するということが最終形だと思いますが、その点もできるだけ早く、かなり財政と期限が大変だと思いますが、十年より何とか前倒して頑張っていただくよう、改めてこの場をおかりして、このこともお願い申し上げておく次第でございます。

 次に、もう一つお伺いしたいと思います。今、津波防災地域づくりに関する法律を国交省で準備されておるわけでございます。

 この中で、盛り土構造物や閘門等の津波防護施設を新たな公物として位置づける、そういうことで整備するということで、大変画期的な法案だと思います。

 実は、ここで一つ問題だというかちょっと気にかかるのは、道路とか鉄道の従来の公物ですと、これをかさ上げして津波防護施設として、つまり兼用工作物となると思うんですけれども、こういう二線堤等にする場合でありますけれども、これは、従来の道路とか鉄道の構造基準からすれば、実はかさ上げは追加的な費用が発生する。構造基準からしてもそこは課題ではないかという議論が出るおそれがあると私は危惧しておりますが、その場合、端的に言うと、そこの国の財政的な補助がどうなるのか、どのようにお考えなのか、その点をお答えいただければと思います。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生御指摘の津波防護施設につきましては、今後、多重防御という観点から整備をすることによって被害を軽減していくという目的で考えており、こういったものの整備に当たりましては、現在、社会資本整備総合交付金で対応できるよう検討を進めているところであり、また、現在、具体的な要件については同じく検討を進めているところでございます。

 こういった対応を積極的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

畑委員 大変前向きな心強い答弁、ありがとうございました。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 本日こうやって議論させていただいて、お話をお伺いした限り、政府の施策として、被災地のために前向きな施策がそろってきたと思います。これまで、全貌が見えないとか、これは遅いことは遅かったという批判は甘んじて受けなければいけませんが、ここまでしっかり検討していただいた。全貌が見えないという声に対しても、しっかり自治体に、そして地元住民に説明ができる内容になったし、ツールはそろったと思っております。

 あとは、これをいかに運用上柔軟にやっていくか。そして、欠けているところは運用上補強していく部分もございますが、しっかりやっていって、被災地の復興をぜひとも加速させていただきたい。

 そして、そのことに改めて被災地議員として敬意と感謝を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、望月義夫君。

望月委員 それでは質問させていただきますが、まず最初に、この委員会の議事運営といいますか、議事進行についてちょっと一言お話をさせていただきたいと思います。

 実は、私のところの筆頭から、私、こうやって原稿をつくってきたんですけれども、この委員会は穏やかにやってもらいたいというような話がございましたので、この原稿はちょっとやめようかなと思うんです。

 やはり一言言っておきたいことは、我々地元に帰りまして、大震災が起きてこれだけたくさんの人が亡くなった、そんなときに委員会をしっかりやっているのか、まじめにやっているのかというような話が実はありました。大臣に聞くということがこれもおかしいんですけれども、そういうようなことで、この間、週刊誌を見たら変な記事があった、あんたたち委員会ではちゃんとやっているのかねと何回も聞かれました。大臣もそんなことを聞かれているんじゃないかなと思いますけれども。

 我々は、やはりこういったときでございますから、誇りを持って一生懸命この委員会で国民のためにやっているんだ、そういう気概を持ってやっていただきたいな、このように思います。それでないと、皆さんの努力というものが、一体どうなっているんだというようなことを言われることになると思いますので、やはりこういったことを、これは週刊誌にそういういろいろなことが書かれて、私だってそれは欠点もあれば不徳のいたすようなところもあるかもしれませんけれども、やはりこういったときこそみんなで与野党力を合わせてやっていかなきゃならないときでございますから、大臣初め委員長、しっかりとそこら辺を心してこの委員会の運営をしていただきたい、それだけ申し入れをしておきます。

 さて、それでは第一に、公務員住宅、宿舎の建設問題、これは財務省の問題になるかもしれませんけれども、やはり国交省の方も若干関係があるということで、質問をさせていただきたいと思います。

 新聞でも何回も書かれましたけれども、財務省は、埼玉県朝霞市の国有地に十三階建ての公務員宿舎をつくる、こういうことでございました。しかしこれは、平成二十一年九月の政権交代以来実施されました事業仕分け、華々しくテレビへ出て、あれも切る、これも切るとやっておりました、無駄を省くと。もちろん、我々は無駄を常に省いていかなきゃならない。

 そういう中でありましたけれども、現在の野田総理が財務大臣のときに、やはりこれは必要なんだからやるんだと。それは震災の後にどうですかということを聞かれたけれども、必要なものだからやるんだ、たしかそう言っていたと思います。

 ところが今回、さまざまな報道とかいろいろなことがあって、十月三日に現場を数分視察して、はい、やめました、こういうようなことでございました。財務大臣に、五年間の建設の凍結をしなさい、そういうようなことだそうでございます。

 そこで、いろいろ聞きたいんですけれども、公務員宿舎の建設の方針が二転三転している。国民からすると、一体どういうような考え方を持ってやっているんだと。だから、もちろん内閣の一員である前田大臣は、このことについてどのようなお考えを持っているのか、これについてちょっと。やはり、すべてのインフラ整備というもの、そういったものについても事業仕分けを大分やられたと思うんですよね。でも、そういったものを凍結していくのか、このように二転三転するようなことがあるのかどうなのか。

 この宿舎の問題にいたしましても、本当に必要な、入らなくてはいけない人の数をしっかりと踏まえて、そうした上で結論を出していないからこんなことになるんじゃないのということを我々指摘されております。必要なものは本当に信念を持ってつくればいいし、それから、そのときそのときの風評とかいろいろなことでやめてしまうというようなこと、こういうことがあってはならない。やはり信念がないのかというようなことになりますので、これについてどういうことか。

 まして今回、そのときの事業仕分けをした蓮舫大臣が、また今度も内閣に入っている。そこら辺の整合性もちっともわからないんだけれども、前田大臣はそのことについてどういうようなお考えか、基本的なことをお伺いしたいと思います。

前田国務大臣 望月委員にお答えいたします。

 まず最初に、委員のあるべき姿といいますか、国会の責任ということについての非常に重い御指摘がございました。これはもう委員全体が共有することだと思います。

 特に当国土交通委員会におきましては、社会基盤、国土交通省が管轄するいろいろな政策課題についての、国民を代表しての御討議をやっていただくわけでございます。当然、社会資本でございますから、全国各地、それぞれ議員のお地元において、その地元の社会経済、生活から福祉から教育から経済から、あらゆるものの基盤をなしているわけでございます。したがって、その地域の即地的な性格が非常に強いわけで、望月議員を初め議員各位は、東日本の大震災のみならず、十二号台風、十三号台風、お隣の二階先生なんかのところは大変な災害、私の地元もそうだったわけですが、望月先生のところも随分と被害を受けられた。議員各位はそれぞれ自分の地元、現場に飛んで、それをここで具体的な形で質疑をしていただける。そういう意味では、私は、当委員会、大きな責任を果たしてきていただいている、このように思うわけですね。

 そして、当委員会のみならず、休会中から、そして始まって以来、震災特別委員会であったり、きのうも郵政特別委員会等においても質疑がございました。そういった意味では、なかなか週刊誌ではとらえられていない真摯な委員の活動、責任ある政策活動というものが行われているということに敬意を表しながら、まず第一問についてお答えをいたします。

 公務員宿舎の建設のあり方については、財務省が開催している国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会というものが基本になっておりまして、その検討が進められているということで、私どももそれを関心を持って受けとめているところであります。

 特に国土交通省ということに限りますと、今もちょっと触れさせていただきましたが、北海道から沖縄まで展開をしているわけでございまして、六万に至る職員というのが陸海空すべての分野でこの基盤を担っております。危機管理を日常やっていると言っても過言ではない、こう思っております。

 したがって、全国にある官署に勤務するために転居を伴う転勤をする職員、災害、事故等が発生した際の道路、鉄道、空港の運行状況の把握及び復旧支援に従事する緊急参集職員、離島、山間僻地の官署に勤務する職員、領海警備など海上保安業務に従事する職員等のため、一定の宿舎は必要である、このように考えております。

 いずれにしろ、この削減のあり方についての検討会において得られた方針に基づいて対応をしてまいります。

望月委員 大臣、そういうような気持ちを持ってしっかりやっていただきたいと思うんですけれども、ただ、このことは財務省の関係ですから余り細かくは言いませんけれども、この凍結によって、もっと早く凍結するというか、そういうことだったらよかったんだけれども、結局、違約金というものが、損害賠償が発生するというようなことを我々聞いております。どの程度か我々もわかりませんけれども、百億以上のお金で建設すると、ある程度始まっているから、違約金を当然払わなきゃならないと思う。

 普通の一般の、何かあって銀行でお金を預かって、それが何か失敗したら、これはもう大変なことになりますよ。失敗した人間が、会社がそれは払わなきゃならない、国民に。これは国民の税金ですからね。そういったものに対する責任をやはり感じないのかどうなのかというのは、我々は、やめましたでいいということじゃないと思うんですよ、実際に。何十億も損失するんですから。そういったものの説明。

 それからもう一つ、これは百億以上のお金があってやめるんだったら、本当に、復興復旧に今一円でも欲しいときに、被災地では金がなくて困っているんですから、そういったものを国土交通省として主張していただきたいなと我々は思うんですけれども、その点についてどう思いますか。

前田国務大臣 今の御指摘のことについても受けとめてやっていかなければならないなと思っております。

望月委員 そういったことについては正々堂々と、総理でもどなたにでも、前田大臣の人柄のまじめさといいますか、そういったことが非常に伝わってきますので、しっかりとそれは言っていただきたい、このように思います。

 次に、平成二十一年九月に発足した、まず鳩山内閣でございますけれども、このとき、我々は非常にびっくりしました。何しろ、コンクリートから人へ、非常にいいロゴですよね。それは、人の命、人を守るということになったら、自動車よりも飛行機よりも電車よりも、金よりも何よりも人が大切だ、これは当たり前のことなんですよ。当たり前のことなんだけれども、何かかたいもの、余り生命というものがないもの、そういったものから人というようなことを言われると、これはいかにも何か非常にいいような、そういうような感じがするわけでございます。

 それからこの二年間の間に、二十一年と比較して約二・一兆円、三割も、公共事業というか、そういうものを削減してまいりました。我が国のインフラの状況を見ると、建設国債というのは大体どれぐらいで償還するかというと、約六十年ですよ。そうすると、一般的に見て大体五十年か六十年がすべてのそういったものの耐用年数かなというふうに思います。そして、そういうことを思うと、建設五十年以上も経過したいわゆる老朽化した社会資本、これはもうますますふえ続ける。私のところに資料がありますけれども、しばらくすると、それこそ、このままいったら日本のすべてのものの五〇%ぐらいになっちゃうんだ、そんなような数字が出てきております。

 今はいいんですよ。そういったものはちょっと控えたらどうだということはいいけれども、我が国土交通省としてはどういう考え方を持っているのか。また、三月十一日の東日本大震災、あるいは九月に発生した先ほどの台風、紀伊半島を中心とした記録的な、我々が考えもつかないような被害がこれからはどんどん出てくる。そういったときに、常に我々はそういったものの改修、改善というものをしていかなきゃいけない。

 こういう状況において、大臣の見解をお伺いしたいと思います。コンクリートから人へというスローガンに対して、大臣はどのように考えておりますか。

前田国務大臣 そういった一種キャッチフレーズで選挙を戦ったというようなときもあったかと思いますね。これは、政治の場において言いたいことは、とにかく人命を大切にしていこう、そのための社会資本整備ということをそういう形で表現したのかなという感じがいたします。

 翻って今の状況、これは、もうとにかく災害に強い国をもう一度つくり直していかなければなりません。そのために必要な予算措置は当然講じていかなければならない、このように思っております。

望月委員 先ほどから言いましたように、全くこの言葉は、私は、ある意味ではまやかしというか、そんなふうに感じてしようがないんですよ、何しろ。そのおかげで、ポピュリズムじゃないけれども、我々の、この国土交通省の皆さんの、国土交通委員会、そういった使命が抑圧されるようなことがないように、しっかりとやはりその仕事を正々堂々とやっていただきたいな、私はこのように思います。

 それで、私たちの国は、やはり他国に比べて、これは数字的なもので、余り時間がないからある一部にしますけれども、我が国なんというのは、要するに、世界の国の国土面積の〇・二四%しかない。しかしながら、地震たるや世界の一割が来る、震度六以上のものは二割以上来ているんだと。こういう国ですから、命を守る、コンクリートより人だと言うけれども、人の命を守るのは一体何なんだ。それはコンクリートに決まっているじゃないか。

 それを、私たちの先代、今回非常に大きな被害を受けて、あれだけ金をかけたのにどうだとか、いろいろなことがありますけれども、しかし、我々の今の時代よりももっと貧しい時代、戦後、お金も何にもない、でも、そういったときに、技術と総合力で営々と税金の中からそれをつくってきたんですよ。そして命を守ってきた。こういうものを、何かのロジックに惑わされてしまう、こんなことが本当にいいかどうか、我々はそういうふうに実は思っております。

 今後も、我々はまだまだやっていかなくちゃならない仕事、そういったものがあると思いますけれども、そこで、真に必要な社会資本とは何かについて、今、社会資本整備審議会及び交通政策審議会で議論が進められているところだと思いますけれども、こういった議論を踏まえずに数字だけ減らしていくという方法、安心、安全な社会を構築していくこの公共事業の必要性について、ちょっと屋上屋を重ねることになりますけれども、大臣のお考えといいますか、決意をお伺いしたいと思います。

前田国務大臣 非常に重い、深い御指摘であろうかと思います。

 特に、社会資本整備審議会のお話が出ておりましたが、ここでも、七月の半ばだったと思いますけれども、三月十一日の大震災をどういうふうに受けとめ、どういう教訓を導き出すかというような議論を有識者の方々が熱心にやってくださいました。結論として導き出されたのが、まさしく、人の命が一番大切だ、命第一、そして災害に上限はないんだという、この二点でございました。

 例えば十二号台風、二階先生のお地元でございますけれども、那智勝浦町、町長さんの奥さんが亡くなり、結婚前の娘さんが亡くなりというあの悲劇の、私もこの間行って町長さんに御案内をいただきました。熊野もうで、熊野大社のあるところですよね。私の地元の十津川なんかから比べると、これはもう本当に穏やかな、こんなところにこんな災害が来るのかと思われるような災害ですよ。町長さんのお住まいになっているおうちの裏の山が一挙に崩れて山津波で押し流されたと。熊野もうでが始まって千年以上はたつわけですが、その間になかったような災害ですから、やはり千年以上に一回とかいうような災害があるわけでございます。

 そういう災害の多い日本において、命第一の基盤整備をやっていく。これは、ハードで幾ら災害を抑え込もうとしても無理な話だろうと思うんですね。そこにやはりコミュニティーがしっかりできていて、非常に進んだ科学技術等もうまく利用して、予知をしっかりやって、ハードとソフトの組み合わせで何とか命を守っていく、そういう地域づくりをしていかなければならないと思います。

 もちろんそこには、経済、雇用、そういったことも含めて、持続可能な国づくり、これが国土交通省において一番目指さなければならない方向だ、このように私は考えております。

望月委員 ちょっと今の答弁について、我々、津波のことについてまたやりたいものですから。後ほどになりますけれども。

 次に、公共事業の削減と地域建設業ということで、比較的、建設をすることについて何か非常に悪意的な見方をして、魔女狩りのような、建設というのは悪いことだな、一時そういうようなことがございました。実は、我々はそれを非常に心配しております。

 公共事業の削減に伴って、地域の公共事業の担い手である各地方の建設関係の会社が疲弊しております。特に十人、二十人の従事員を抱える地域の中核的な建設会社の経営は厳しくて、その数は大幅に減少して、また、ですから建設機械を保有する企業も激減しております。金がないから持てないから、どこかリース、そのときに借りればいいと。そうすると、そういったものも、やはり機械も激減するわけですよ。

 それで、建設業やそれに関連する産業などの公共事業では維持をしてまいりましたが、まず雇用ということで考えてみますと、これは、地域経済や雇用というもので考えると、非常に建設業というものは貢献をしてきたわけですよ。ところが今、こういうような疲弊が続けば、本当に地域経済がおかしくなってしまう、そういう状況にあるのではないか。

 いろいろな人が一時こういうことを言いました。いいじゃないか、建設業がどんどんなくなったって、それは労働移動で、コンピューターのところへ行ってもらったり、それから福祉で人が要るんだから、マンパワーが要るんだから、それをやればいい。そんな簡単に労働移動ができるか。建設業をやっていた人たちが、あしたコンピューターができるか。それから、それは福祉もです。これは、そのためには十年、二十年、三十年かかるんですよ。ところが、建設業のこういったものは、既に日本の国は当時と比べてこの十年の間にはもう半分ぐらい減っちゃっている、そういう状況があるんですね。だから、生活保護なんかがふえているものの一つに、やはりそういったものが実は大きな影響をしているんだというようなことを言う学者もおります。

 それから、我が国の建設投資は四十一兆円で、ピーク時の五二%の現状であります。すそ野の広い建設業者というのは六十万が五十万業者になった。それから、就業員数は七百万が五百万を切った、二百万人の人があぶれてしまった。それは、すそ野が広いから下へ行けばもっと多いんじゃないかと我々は思います。

 例えば世界の趨勢を見ますと、この何年かの間、十年といいますか、一九九六年を一〇〇としますと、現在の日本は約五〇%ぐらいに、半分に減っている。ではドイツでは十年前と比べてどうかというと、その一〇〇を維持しております。それから、フランスは一六五ある。ふえているんです、一・五倍に。アメリカは二〇〇、二倍になっている。それはいろいろなことがあって、橋が落ちたりなんかして、道路もいいかげんだということで、これは実際にこの十年で倍にふえている。それから、カナダは二八七なんです。イギリスに至っては三一三%、三倍以上にふえている。欧米先進国の多くは、やはり、人を守ろう、それから利便性を図る、そういった意味で公共投資を積極的にやっているけれども、我が国の投資スタンスとは全然違う。

 これについて、地震等災害が多いというような我が国がどうしてそういった国に比べて減ってきてしまっているのか。これは逆に、本当だったら、そういう国よりももっと多額の投資がこういったところで優先順位でいったら必要ではないかな、私はこのように思うんです。

 それから、災害時の緊急対応は、除雪、これは毎年あるんですけれども、地域住民の安全、安心の確保も引き受けた建設業者がなくなれば、そういった雪の対策にいたしましても空白地帯が生まれてしまっている。では、そういうようなことだったら、税金を出して国が何とかしてくれるんですかということになってしまうんですけれども、やはりそういうことを考えて、また、今度の東日本の大震災、これは建設業者の地元の皆さんが、やはりそれは、プロというか、そういうことができますから、会社が、社屋が流されても、うちに帰らないで従業員と何とかこの町のためにやろうじゃないかと頑張っているあの姿を見ますと、やはりこういったものを、しっかりとそういう人たちを守ることが国土交通省としての大きな使命でもあるのではないかな、こういうふうに思うんです。

 こういったものについてどのように取り組むおつもりなのか、大臣の御意見を伺いたいと思います。

前田国務大臣 今、豪雪、除雪のお話がございました。

 この除雪の問題、あるいは今回の台風被害、豪雨被害、こういったときに直ちに水防活動に出てきてくれるのも、地域の建設業者の皆さんを主体とするような水防団です。いわゆる大きな河川にはもちろん御承知のように水防団等があるわけですが、高齢化をしてきております上に、なかなかもう人材的にも数がそろわないというような状況になってきております。

 いざというときには、豪雪あるいは洪水、地震であれ何であれ、救出、救援、そして緊急の防災といったときには、やはり地元に本当に密着した良心的な建設業者さんがおられるかどうかで随分と結果が違ってまいります。そういう意味においても持続していただかなければならない、こういうふうに思います。

 そして、委員も御指摘のように、時代が建設よりもむしろ維持管理、更新の時代に入ってきております。これはもう人口の減少、高齢化は避けられないわけでございまして、地域に行けば行くほどそれが極端に進んでまいっておりますから、もう一度維持更新というときには、施設の機能というのが、建設のときには多分、全国一律の基準に従って大きなものをどんどんつくっていった時代だろうと思いますが、今は地域に即して、しかも十年、二十年先に地域の構造がどんどん変わっていくというのも見据えた上で、コンパクト化して維持更新を図っていかなければならない。

 そうなってくると、そこでその維持更新を現実にやっていく主体はどこかというと、地元の建設業者が主体でなければなかなかそういうきめ細かなことはできないのではないか、こういうふうに思うんですね。だから、そういう意味で、地域の優秀な方々が技術も継承して、ぜひそういったことに当たっていただきたい。

 それから、もう一つ委員が御指摘された、マクロの点でいうと半分に減っているじゃないかと。確かに、私も思い出すんですが、九〇年代というのは、例の日米経済摩擦等もあって、あの前川レポートなんかが出て、十年計画で公共事業、最初は四百三十兆円ですか、その次が六百四十兆円というようなことで、どんどん出した時代がありますね。そのときの膨れ上がった体制というものは、やはり今のこの人口減少時代においてそれを全部持ちこたえるということはできないわけですから、そこはある意味淘汰される部分はあると思うんです。

 しかし、いろいろ聞いておりますと、発注のあり方において、本当に優秀な地元の業者が残っていくのかというと、疑問なところもあります。これは今、自民党を初め公明党、あるいは民主党も含めて超党派でその発注のあり方みたいなものをずっと検討されて、御提言もいただくということになっているかと思います。

 そして、ボリューム全体ということになってくると、確かに資金は国には潤沢にはありません。もう借金がこういうことです。しかし、民間にはあるわけです。

 実は、三日ほど前にフランスの運輸・住宅担当大臣が来られました。東北復興の話などをしておりました。お国はPPPが進んでいますねというふうにちょっと聞いてみたら、そうですよと。もう道路なんかも、一カ所で復旧を始めるのではなしに、PPPというシステムを使うと、一挙に四カ所もぼんとやってスピーディーに仕上げることができるんだ、ノウハウが必要なら勉強していただけますよみたいなことを言っておりました。

 私は、この面も、特に地方自治体というのは経営体でございますから、当然その経営体の持っているいろいろな公共施設等を含めて、その資産というものから人材も含めてどれだけの価値を生み出すかという中で、PPPというようなことは大いに活用していただけると思うんですね。それを通じて、民にある知恵とマンパワー、あるいは資金というものも活用すれば、あながち私は、資金不足ということだけで公共事業が少なくなるということにはならない、このように思っております。

望月委員 バランスのとれたしっかりした国土交通行政をしていただきたいな、このように思います。

 次に、復興計画策定の基礎となる海岸堤防の高さの決定の基準、これについて若干お伺いをしたいと思います。

 長くなってしまうのでちょっとはしょってお話をさせていただきますけれども、津波の想定規模を今回二段階に分けた。それで、発生頻度の低い東北地方太平洋沖地震や最大クラスの津波に、堤防などに過度に依存せず、ハードとソフト両面の総合的な対策の確立を求める、一定の頻度で発生すると想定される規模の津波に対しては海岸堤防などの整備を進めていくことを基本とするべきだというようなことを今回お伺いしております。

 それから、海岸における津波対策検討委員会の論議を踏まえると、要するに、百数十年に一度程度で発生する津波の高さを想定し、その高さを今回基準にして防波堤をつくる。それから、それを、海岸管理者が堤防の設計を行おうとしている。今回のように千年に一度の津波が来ればどうなるのか。これは、被災地の皆さんが聞いたら、あきらめろということなのというか、でも、では千年に一度というのがいつ来るかといったら、千年に一度今回来たけれども、次の千年に一度はあした来るかもしれないんですよね。

 それから、先ほど大臣は、災害に上限はないと言っているんですよ。私はそのとおりだと思います。そうすると、金もかかるし、万里の長城をつくるわけじゃないからとこの間国交省の役人が言っていましたけれども、それは、では、そんなところに対応したってしようがないじゃないかというようなことにつながってしまう。これはちょっと考えようだなと。本当に被災地のことを思うと、こういうものが出てきて、そうだねなんというようなことは、ちょっとやるせないなというようなことを私はふと感じたんです。

 今後の海岸堤防の整備方針について、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

松原副大臣 東日本大震災は、御案内のように、大変な揺れがあったのみならず、大きな津波が押し寄せてきたわけでありまして、堤防をはるかに超える高さのものが押し寄せてきて甚大な被害をこうむったということにおいて、委員御指摘のように、極めてこの問題は深刻にとらえなければいけないというふうに思っております。

 そうした中で、私たちはどのようにこれに対応できるかというふうな話をしておるところでありますが、一つは多重防御という観点で、ハードはもちろん頑張るけれども、ソフトもということで、今まとめているところであります。

 中央防災会議専門調査会による報告において、東日本大震災のような最大クラスの津波に対しては、住民の生命を守ることを最優先とし、住民の避難を軸に、土地利用、避難施設、防災施設などを組み合わせて、とり得る手段を尽くした総合的な津波対策の確立が必要とされました。ここはいろいろ議論のあるところだと思いますが、さまざまな、事前にそれを予知できるような設備をつくる、そして避難できるような設備をつくる、そういったものをきちっとやりながら、総合的な津波対策の確立をするということであります。

 また、海岸堤防等については、今回の津波でも、水位低減、津波到達時間の遅延などに効果が見られたところであります。引き続き整備を進めていく上で想定する津波としては、比較的発生頻度の高い一定程度の津波高を対象とすることとされております。これを踏まえ、比較的発生頻度の高い津波に対しては、農林水産省と国土交通省とで設置した海岸における津波対策検討委員会で議論を重ね、本年七月に海岸堤防の高さの設定基準を策定し、この基準に沿って、岩手、宮城、福島三県において海岸堤防の高さが決まったところであります。

 最大クラスの津波に対しては、地域ごとの特性を踏まえ、ハード、ソフト、政策を組み合わせた多重防御による津波防災地域づくりを推進することが必要であり、今国会に法案を提出すべく、検討を進めているところであります。堤防のみならず、他のさまざまなまちづくりを通してこういった津波に強い地域づくりを進めていきたい、このように思っております。

望月委員 松原副大臣とも何回も私は、今までは歯切れがいいのが、今の答弁を聞いていると、何か役所が書いたもの。まさにバランス的にはそれがいいんだけれども、何かちょっと違う。もっと迫力があったような気がします。まあ、それはそれでいいんだけれども。

 役所はいいんですよ。政治家としてちょっといかがなものかなというものが、よく私はインターネットで、これは何回も皆さんお使いになっていると思うんだけれども、今度の震災で、例の田野畑村と普代村の話。これは、田野畑村と普代村があって、普代村の村長かな、たしか今まで過去に二回大きな津波が歴史的に来ていると文献で調べて、では、どれくらいの防波堤をつくろうということになったら、議会では反対されたけれども、十五・五メートルの防波堤をつくったんですよ。そのときには住民から、あの村長、ばかじゃないかと。要するに、こんなにかけやがって、税金を使ってこんな小さい村に何だという話だったそうです、それは。

 今回の津波でどうか。一人だけ亡くなった。それは、津波が来て、海に船を見に行った人が一人亡くなった。それ以外は全員助かったんですよ。ゼネコンから金をもらったんじゃないのか、ああだこうだ、土建屋から金をもらったんじゃないのかと言われたと。ところが、その隣の田野畑村は八メートルの防波堤をつくった。それで、何千人もの方が亡くなったということです。本当に痛ましい事件です。

 ですから、我々が、要するに百年に一度か何十年に一度の防波堤をつくればいいじゃないの、あとはソフトとハードで何とかうまく逃げましょうと言ったって、それがあるとないとで命を守れるかどうかということなんだから、それは、防波堤のきっちりとした、高さじゃなくて、やはりよく検討していただいて、できるところはそれ以上のものをつくっていくんだ、こういう気概が今まさに必要なときではないかな、私はこのように思うんですけれども、これについて、復興計画にこの教訓をぜひひとつ生かしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

松原副大臣 今の委員御指摘の内容も重く受けとめながら、万全な津波防災地域づくりを検討していきたいと思っております。

望月委員 松原副大臣は非常にファイトのある方ですから、そう言ったからには必ずやっていただけるんじゃないかなと期待をしておりますので、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。

 それから、市町村はやはり金がないですから、今こういう時期ですから、財源の手当てというものがめどがつかない、地方自治体の財政が破綻しかねない、そういうことがございますので、ぜひひとつ、海岸堤防の整備がしっかりと進められるように要望しておきたいと思います。

 次に、津波まちづくり。

 これにつきましては、今の防波堤や防潮堤と同じように、高台への移転というものを非常に今回の津波で住民の皆さんは望んでいるわけでありますから、これも費用負担がかかるため、それからまた、住民意見、やはりそこに住んでいたい方とか上へ行きたいという方、でも、やはり全体がまとまっていかなければこれはなかなか成功しないと思うんです、言うことは簡単ですけれども。

 今回の補正予算による支援の充実も考えられているようでございますけれども、この予算で本当に大丈夫かどうか。早急にコンサルタントとかいろいろな人たちを呼んで、今、すべての町でどうしようかということを、五百人ぐらい要るらしいというようなことですけれども、これはもっともっとよく相談ができるような、役所もそういうような人たちが、亡くなった人が多いと聞いておりますので、一体そこら辺はどうなのか。

 それからまた、内陸でも大きな被害を受けた住宅があるが、工法や費用負担などの問題から復旧が進んでいないという状況があるということを聞いております。このような宅地の被害に対しましてどんな対策を進めるか、お聞かせいただきたいと思います。

松原副大臣 今委員御指摘のように、こうした、具体的に言えば高台避難のようなことも含め、合意また費用ということが大きなテーマになってくることはそのとおりだろうと思っております。

 現在、被災地においては、地方公共団体が住民の意向等を十分に把握しながら、高台移転や土地利用の再編などを内容とする復興計画を進めるところであり、国土交通省としても、第一次補正予算で措置された七十一億円の直轄調査費を活用するとともに、御案内のように現地に職員を派遣いたしておりまして、速やかにその作業を進めていきたい、支援をしていきたいというふうに思っております。

 復興計画で高台移転をすることとされた地区については、地方公共団体が中心となって対象地区の住民の合意形成を図りながら具体の事業計画を作成する必要があることから、国土交通省では、第三次補正予算案で防災集団移転促進事業の補助対象に事業計画作成費をも追加し、地方公共団体を支援することといたしております。

 また、同事業の実施に当たって、地方公共団体の負担の軽減を図るため、第三次補正予算案において、戸当たり補助限度額、一千六百五十五万でありますが、この撤廃を盛り込んでいるところであります。

 一方、内陸部における宅地被害については、今般、第三次補正予算案において、盛り土造成地が滑動、崩落した地区に対するための事業として、造成宅地滑動崩落緊急対策事業を創設することといたしております。

 こうした事業を活用しながら、被災地における一日も早い復旧復興に努めてまいりたいと考えております。

望月委員 しっかりやっていただきたいと思います。

 それから、公営住宅でございます、災害公営住宅の供給。

 これにつきましては、第一次補正予算で一万戸、それから今回の三次補正で二万戸を措置される見込みなんですけれども、聞いてみると、どうも用地不足だと。公営住宅が建つというようなところが、やはり避難している方が実際にいるだとか、なかなか用地が手に入らないということで、どうも着工が進んでいないというようなことを聞いております。

 災害公営住宅の建設の促進、及び被災者が希望する場合は払い下げを促進していかなきゃならない。これは、具体化がおくれているというのは、仮設住宅というのが、緊急ですから皆さん入っていますけれども、これは建築基準法上、二年以内には出ていかなくてはならないということになっておりますので、これはもうそれから半年以上たっていますから、本当にこの三万戸というのが残りのあと一年数カ月の間にできるかどうか。

 そういうようなことを次から次へやはり手を打っていかなきゃならないけれども、一体そこら辺についてどうなっているのか、今後の公営住宅の供給についてどういうふうに考えているのか、この辺についてお伺いをしたいと思います。

前田国務大臣 一つは、仮設住宅のおくれ等の御指摘もあったわけなんですが、今、松原副大臣から御答弁させていただきましたように、いろいろ地元事情がございます。支援もしております、専門家も送り込んで。

 そういう意味では、大分おくれていたんですが、ここへ来てやっと計画等が出そろってまいりまして、岩手県においては四千戸から五千戸、宮城県においては一万戸以上の供給計画がそれぞれ示されております。

 県、市町村との情報交換等を行う災害公営住宅連絡会議を開催しておりまして、被災地への地方公共団体、UR職員等の派遣等を行い、早急な整備への支援を行っているところであります。

 加えて申し上げれば、委員もお考えのように、なるべく地元の資源を使うということで、木造というようなこともぜひ大いにバックアップしていきたいなと。そのときには、耐震であり、そしてなるべく断熱のレベルを上げるような、そういうものにしていきたいな、このように考えております。

望月委員 地元の木材等を使っていただければ産業のためにも非常にいいのではないかなというふうに思いますので、そこら辺は、ぜひひとつそのアイデアを入れていただきたいな、このように思います。

 次に、時間がございません、鉄道の復興支援ということになります。

 やはり今回の災害では、もちろん道路、港湾等の社会的インフラは大きな被害を受けました。鉄道も例外ではございません。特に鉄道は、長期にわたって不通になった場合、不便を感じて住民の流出が起こってしまう、それから地域社会の維持がそういうことで困難になってしまうというような状況もございますので、やはり一日も早い復旧復興が必要ではないかな、このように思っております。

 ただ、今回、三セクについては、最終的には全額国の方で、どちらにしてももうからないから三セクにということでつくったんですけれども、もともともうからないところですから、これは復旧というのはなかなか不便だということで、国の方で全額持つよというような話でございます。

 ところが、これは、沿岸を走るJR東日本の六路線、これは現行のルートの変更も含めてやっていかなきゃならない。聞いたところによると、東日本はもうかっているから出さなくてもいいじゃないのという、そんな簡単な話をちょっと聞いたんですけれども、本当にそんなものなのかしら。民営化されたんだから、もうからないところはこの際やめようかなんていうようなことにならないように、やはりこれは、公共交通だと思っていただければ、私は民営化されてもいいんじゃないかなというふうに思いますので、この辺については、三陸鉄道等は復旧費用が約百億以上かかる、そういうようなことを考えてみると、なかなかそういう捻出というのは大変ではないかな、このように思います。

 今度の第三次補正予算に三セク鉄道の復旧支援として六十五億円というようなことが出ておりますけれども、そういうことを踏まえて、支援措置の具体的内容というもの、しっかり手当てが最終的にできているか。それからまた、復旧復興にはお金を出すけれども、その間にやはり人がおります。運転資金の確保に配慮する必要があるのではないかなというふうに思いますけれども、この辺についてはいかがなものかということで御質問させていただきたいと思います。

前田国務大臣 被災地の三セク鉄道、そしてまたJR東日本の復旧復興の御指摘がありました。

 三セクについては、今、運転再開の見込みがまだ全くついていないというのが、いわゆるリアス線といいますか、北リアス線、南リアス線、御指摘のとおり年間の利益が四億円とかそのぐらいのところに被災額が百億円以上というようなことでございますから、これは一度、まずは公的に所有して万般の対応をするということで、第三次補正にもそれを盛り込んだところでございます。したがって、何とか平成二十六年度中には復旧復興するような工程を組んでやってもらおう、このように思っております。

 それからJRにつきましては、確かに東日本はなかなか優良な会社でございます、運転資金までどうかなという感じはあるんですけれども、実際には、まちづくりの中で、先般、南相馬市、あるいはまた石巻あるいは釜石等も回ってまいったんですが、いろいろ期待するところが非常に大きいわけでございまして、いずれにしろ、新しいまちづくりの中心にJRがなっていくと思うんですね。したがって、都市計画事業、市街地開発事業といいますか、具体的には土地区画整理事業等も当然やっていかないかぬわけですから、その中で実質的な支援は相当のところやっていけるのではないか、このように考えております。

望月委員 運転資金というのは、大臣、JRのことを言ったんじゃないです。三セクの方のことでございますから、そこは取り違えないようにお願いします。そこら辺についてはしっかりと対応してください。

 それから次に、先ほどちょっとお話が出ましたので簡潔に質問をさせていただきたいと思いますけれども、三陸沿岸道路等高速道路の早期整備、それが、先ほどありましたように、道路はそれぞれ命の道、この上に土盛りしてありますから、駆け上がって助かった、あるいはまたここを通って避難をした、さまざまな子供たち、たくさんの命が救われたということで、まさにコンクリートが大切だということ。

 私も、あのときにすぐに、仙台空港が開いたときに、あそこから気仙沼までずっと行ってきたんですけれども、それからほかの町もいろいろお見舞いに回ってまいりました。高速道路がある海側と山側とでは、全くさま変わりといいますか、全く何にもない海側と、山の方は大分助かっている。そういうようなことを考えると、本当にそういう意味では命の道なんだなというようなことをつくづく感じました。

 ただ、あるところに行ったら、主張といいますか、怒っておりました。何でもうちょっと、ここから先うちのところまでやってくれればうちも大分助かったのに、おくれてしまって本当に情けないやら腹立たしいやらというようなことでございました。

 やはりこういうことを考えると、ぜひひとつこれは早急に、大畠大臣のときですか、十年以内にこういったものをやる、先ほど、そういうことでなるべく早くやるということでございますので、ここら辺については、やはりそういう命の道というようなこと、さまざまな意味はあると思いますけれども、そういったことで進めていただきたいなというふうに思います。

 ただ、この中でちょっと私気になるのは、民主党のマニフェスト二〇〇九で、インデックスの中で、「道路整備は費用対効果を厳密にチェックしたうえで、必要な道路を造る。」すなわち、よく民主党さんが使ったんですけれども、BバイC、費用対効果といいますか、それに満たないような道路は絶対つくっちゃいかぬよ、そういうようなことで、さまざま見直しといいますか、事業仕分けといったことをしてきたんです、実は。

 そうすると、今まで、それでは防災上にこうだということは、そんなの関係ないよ、費用対効果が悪いじゃないか、BバイCはどうなっているんだというような形で大体下げられてしまってきたんですけれども、今回は、こういうような三陸沿岸道路については、費用対効果を厳密にチェックしてやったかどうか、やりますよということなのかどうなのか。震災が来たからやるということではなくて、これはもう全国的にそれはつながってまいりますから、その辺についてどういうふうにしているのか。要するに、評価方法について、もうこのマニフェストは見直したんだ、そういうことなら別に私はここで質問する必要はないんですけれども、それについて一体どういうようなことなのか。

 それからまた、地方自治体が管理する道路、生活道路、この復旧復興も早期に行わなければならないと思いますけれども、国としてはどのような支援をしていくのか、お聞きしたいと思います。

松原副大臣 前段の三陸縦貫道につきましては、委員御指摘のように、そのことがだんだんと、この道路が急がれて形成されることが地域の皆様の一つの希望と活力の源になるという認識を強く持っておりますので、このことに関しては、国土交通省として、早期につなぐことが重要であり、現国道を活用しながら、全体としての機能が早期に発揮されるよう、復興のリーディングプロジェクトとして三陸沿岸道路整備に全力で取り組むということを改めてこの機会に表明させていただきたいと思います。

 その上で、民主党のインデックス二〇〇九等の見直しということで御質問があったかと思いますが、従来、民主党としては、道路事業の評価に関して、走行時間短縮の便益、費用便益分析、BバイCでありますが、ということを中心に考えてまいりました。しかしながら、道路整備のもたらす効果は、災害時の対応や、命の道としての救急搬送、地域活性化など多岐にわたっており、特に三月の大震災、九月の台風十二号等に伴う豪雨においても、救助救援活動、緊急物資の輸送に大きく貢献したところであります。このため、こうした道路の役割を踏まえ、今後、防災面の機能の評価手法について暫定的に取りまとめ、三陸沿岸道路等の新規事業評価へ適用してまいるところであります。

 今後とも、道路事業の目的、効果に応じては、このインデックス二〇〇九は、今委員おっしゃった費用便益分析、BバイCのほかに、「新たな事業評価方式の策定」ということが項目として並行して載っておりまして、私も先回、九月九日の災害特で御質問に答弁させていただきましたが、「防災面の効果は、現行の三便益、BバイCだけでは十分に評価できないものがある」と。こういったものもこの「新たな事業評価方式の策定」という中に当然入るだろうということで、引き続きこのインデックス二〇〇九に基づいて総合的に進めてまいりたい、このように思っております。

望月委員 次に、東北地方の高速道路無料化、無料開放といいますね、これについてちょっとお聞きしたいと思いますが、これも時間がないので、例えばトラックとか、先ほどもお話がございましたけれども、利用区間ですべて料金がかからないということで、報道でいろいろ流されましたけれども、こういうような仕組みを悪用するふらちな連中がいる。全く情けないことだと思いますけれども、これによってトラックの無料開放は八月で打ち切られることになった。

 しかしながら、これはちょっといろいろ、罹災、被災というような形でいくと、その証明の発行基準を市町村に任せた。国土交通省が高速道路を無料開放するのに被災証明等の発行のいわば統一的な基準をしっかりとつくらないからこんなような結果になったのかしらと思うようなところが、まあ、それは急なことだったから、何しろやりましょうということなのかもしれないけれども、それで本当に、どういうような結果が出ているのか。

 これは、私がNEXCO東日本の調査ということで聞いているんですけれども、罹災、被災証明が七月中旬までに三百五十三万枚、八月末時点で四百九万枚発行されている。

 そうしますと、被災は受けないけれども停電をした、たまたまこちらの町まで断水をした、そういうお宅も全部この被災、罹災証明というのが出ているということでは、これを悪用してというようなことになりますと、本当に東日本大震災の被災者支援の復旧復興のためなのかどうなのか。これは今になってみるとちょっと趣旨に合わないような気がするんですけれども、大臣はどういうふうに思うのか。

 それから、この負担額というのは一体どれくらいになったのか。これも立ち直らせるために我々はいろいろなことを考えてやっているんですけれども、このNEXCOの会社経営に影響はないのか、国として高速道路会社に対して何らかの措置をとるのか、あるいは日本高速道路保有・債務返済機構の返済に影響が出ないかどうか、この辺について。

 それから最後に、自民党、民主党及び公明党の三党の確認書、この関係はどういうふうに考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。

前田国務大臣 まず、御指摘のとおりでございまして、相当の悪用をされ、それがまたテレビに乗ってちょっと全国にネガティブな印象を与えてしまったというところは、まことに残念なことでございました。

 その後、改良を随分しておりまして、例えば料金所での渋滞というのも、当時は手作業でやらざるを得なかったわけですが、そこなんかは今、きちっと自動化できるようにもなってまいりました。したがって、特定被災区域を参考としながら対象エリアを絞り込むということができましたので、こういった料金システムの改修により、対象路線走行分に限定して全車種を対象に無料開放するということになりました。

 あわせて、観光振興もありますし、それから山形、秋田、新潟というのは避難されている方々も結構多いわけでございますから、週末、土日については普通車以下については適用するというようなことになりました。

 それから、どういうようにNEXCOに関してというのは、ちょっと私、その件についてはここではまだお答えできるだけの材料を持っておりませんので、検討しておると思いますが、またこれは後ほど答えさせます。

 三党合意との関係ということでございますが、この無料開放というのはあくまでも東日本大震災の復旧復興に関しての臨時の措置でありますから、三党合意とはまた違うのかな、このように感じております。

望月委員 ぜひひとつ、三党合意というような形の中でしっかりと対策をやっていくということでございますが、これはしっかりと基本的には守っていただきたいな、このように思います。

 それから、観光への風評被害ということで、これは東電側が、今も観光は非常に疲弊しておりますので、二割を差し引いてお支払いするというようなこと。ここ二、三日の新聞で、いや、政府の方が全額払いますよということなんですけれども、これについて一体どんなふうな形になっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

 それから、不要不急というようなことを考えて、不要とは言わないけれども、不急で、何か観光活性化緊急対策事業というのがここにあるんですけれども、休暇取得と外出、旅行促進に向けた企業に対する働きかけ、ポジティブ・オフ。何だかここに書いてあるのは、節電のためのオフ、家やオフィスから離れるオフ、休暇をとるオフ、日常から離れるオフ、自分の心と体をリフレッシュするオフだとかいうのが今回の補正予算に入っているんですけれども、これは今やらなきゃならないことなのか。新年度の予算で十分じゃないですか。

 急いでやらなきゃならないものに何でこんなのが入ってくるのか、ちっとも私はわからないんですよ。向こうの観光をふやすということでやるならいいんだけれども、一体どうなっているのか、これについてお聞きしたいと思います。

前田国務大臣 確かに、観光客が随分と被災後落ちました。特に、インバウンドというんですか、外国からの訪問客については極端に落ちたわけでございます。国内客については割と最近順調に回復しているというふうに承知をしております。そして、外国人客についても、例えば九月で前年比二四・何%と落ち込んでいる。しかしそれは、被災後から比べると、何とかその落ち込みのぐあいというのは、どんどん幅は狭まってきているのかなという感じがいたします。

 それから、この活性化事業、全国的に落ち込んでいる国内観光需要を、着実に今回復はしてきているわけですが、そのための環境整備としていろいろなことを、キャンペーンをやったり何とかかんとか、観光事業のプロモートでございますから、かなり細かい、しかし具体的な施策を講じているということでございます。

望月委員 もう時間でございます。最後に簡単に一つだけお伺いさせていただきたいと思います。

 日本航空の再建状況と格安航空運賃、これについてちょっとだけお伺いしたいと思いますけれども、これは、JAL、我が国の税金を政府から投入していると思うんですけれども、この三千五百億円を何とか回収しなくてはいけないというようなことになっておりますので、これはしっかりと着実に達成してもらいたいな、このように思います。

 そうした中で、JALが何か、LCC、格安運賃の会社をカンタスと三菱商事でやると。これは、たしかこの投資に四十億かかる。こういうような自分のところの首を絞めるようなことを、だって、飛行機を出しているでしょう。それなのにまた格安運賃をやったら、自分のところの客が減るに決まっているじゃない。何かよく意味がわからない。

 それから、それで四十億やって、これは非常に危険ですよ。これは、失敗したらまた税金を投入するんですか。この辺について私は非常に心配なんですけれども、こういったものは、政府は、この再建団体といいますか、こういう状況の日本航空についてどういうふうに思っているのか、最後にここだけお聞かせいただきたいと思います。

松原副大臣 委員御指摘の部分でありますが、御案内のとおり、日本航空、平成二十二年度決算、また二十三年度の一・四半期でも一応の実績を、頑張っているところは御承知のとおりだと思います。

 その上で、世界の航空市場において、低価格運賃を特色とする格安航空会社LCCが急成長を遂げていること等を踏まえ、日本航空は、先生御案内のとおり、LCCのジェットスター・ジャパンを設立すると発表したところであります。

 日本航空からは、ジェットスター・ジャパンに出資することで、同社を活用して効率的に格安航空の分野での事業拡大を目指す一方、日本航空自身の乗員、機材等の経営資源は収益性の高い分野に引き続き集中して投下できることから、再建に支障は生じないと聞いております。

 国土交通省としても、今回の取り組みを含め、日本航空において、安全確保を大前提としつつ、持てる経営資源を有効活用しながら、激化する国際競争の中で確実に再建を進めていただくことが重要だと考えております。

 以上であります。

望月委員 では、まだありますけれども、時間となりましたので、これで質問を終わります。

 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、小渕優子君。

小渕委員 おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。限られた時間でありますので、本日、地元の八ツ場ダムについて大臣に質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず最初に、大臣、質問の通告とちょっと順序は異なるんですけれども、まずこの質問をさせていただきたいと思います。八ツ場ダムの建設の是非につきまして、最終判断はどなたがなされるのでしょうか。

前田国務大臣 もちろん、検討の場の検証というものが出てまいります。それから、有識者委員会におけるそういった検証の結果に対する評価等も参考にして、よくお聞きをして、最終的には国土交通大臣において決める、こういうスキームになっていると理解をしております。

小渕委員 国土交通大臣が決める。前田国土交通大臣が最終決断をされる、それでよろしいでしょうか。

前田国務大臣 例の有識者委員会がつくってくださったスキーム、中間報告ですね、そのスキームによると今申し上げたようなことになっておりまして、国土交通大臣において決めるということになっております。

小渕委員 しつこくて申しわけありません、前田国土交通大臣が最終判断をされるということでよろしいですね。

前田国務大臣 そういうことでございます。

小渕委員 ありがとうございます。

 この八ツ場ダム、中止になるのか継続となるのか、どういう判断がされるのか、その判断によって、もう言うまでもないことですけれども、地元住民の生活というものは大きく変わってくるわけでございます。

 生活が変わる、それだけではありません。地元の皆さん方は、さまざまな思いがある中で苦渋の決断をされ、このダムを受け入れてきた。もう申し上げるまでもないことです。そして、いよいよ完成間近という中、二年前に中止が言い渡され、それでもこの二年間、何とか望みをつないでここまでやってきたわけです。もし仮に中止ということが本格的になった場合、地元の住民の精神的ショックというものは、これはもう想像を絶するものがあると思います。また、これを受けとめるのは、現役の世代、今あの地域に住んでおられる方々だけではありません。過去にさかのぼって、既にお亡くなりになっておられる方々、八ツ場ダムにかかわったすべての方々、やむなくふるさとを後にされた方々、そういうすべての方々がそれぞれに相当のダメージを受けることになるわけであります。

 その判断というものがいよいよ間近に迫っているという中で、地元の住民の皆さんは、まさに前田大臣の一言一句、これを注視しているわけでありまして、きょうのこの質問についても相当に切実な思いで聞いておるわけであります。ですから、きょうの質問に関しては、最終判断をされる責任のある前田大臣にすべてお答えをいただきたいと思っております。

 外野の声は、この最終判断を前にしまして大変大きくなってきています。その多くは、ダムの是非によって何も痛まない方々、そういう方々が随分勝手な言い分をされております。それによって地元の皆様方というのは傷つき、大変失礼に当たるいろいろな声というものもあるわけであります。しかし、ここまで来ました。ですから、一々そんな声に耳を傾けていても仕方がありません。あくまでも私たちは、最終判断をされる前田大臣の答えだけを求めております。そんな住民の心情というものを御理解いただき、すべて大臣から答弁をお願いしたいと思います。

 先日、九月の二十二日、私は、こちらにおられます佐田玄一郎委員とともに大臣のところにお伺いをいたしまして、これまでの八ツ場ダムの経緯、そして地元の声等お話をさせていただきました。その際に私が大臣に、できるだけ早く現地に入っていただきたいということを申し上げたところ、大臣から、十月のできるだけ早い時期に入りたい、そのようなお答えをいただきまして、その言葉のとおり、十月の八日、現場に足を運んでいただきました。このことにつきましては感謝を申し上げたいと思います。

 まず、率直に、現場に入っていただいて、現場を見ていただいて感じたこと、感想をお願いしたいと思います。

前田国務大臣 川原湯温泉街も通ったんですね。現地で直接地元の方にお会いするという機会が得られなかったのは残念でございましたが、随分とにぎわったあの温泉街が今大変な状況になっているということも、つぶさに見させていただきました。

 委員御指摘のように、もう六十年近いわけですね。こういった大きな国策によるダム事業、これによって、地元の方々をこんなにも長く、いわば三世代にわたってその生活あるいは人生までを大きくこれで縛ってきたということについては、本当に、この公共事業の持つ目的は目的として、実際の影響というものについて再度かみしめたところでございます。そして、大澤群馬県知事、高山長野原町長、竹内議長、中澤東吾妻町長、菅谷議長と、また県会議員の先生方もおられました、意見交換もさせていただき、今御指摘のことについて、さらに具体的に、そして厳しい、あるいは重い御意見を承りました。

小渕委員 現地へ早く入っていただいて視察をしていただいたこと、このことについては大変ありがたく思っております。また、意見交換もさせていただいたということも聞いております。しかし、残念だと思っている点もあります。

 これは住民の声と思って聞いていただきたいのですが、大臣初め政務三役は、この十月の八日、午前十時半過ぎに現地に到着をされました。マイクロバスによって最初に着かれたのが、住民の新居が移転する新しい住居が建った打越代替地でありました。そこでバスをおりられて、十分視察をされたと聞いております。その後またバスに乗って、湖面二号橋、この近くでまたバスをおりられて視察をされたこと約五分、バスをおりての視察はこの十五分のみなんですね。

 今大臣からお話があったように、その後県庁に場所を移しまして、知事さん、関係首長さん、県会議員さん、そういう方々との意見交換はしていただきましたけれども、私はもっと現場を見ていただきたかったと思います。特に、先ほど川原湯温泉のお話が出てまいりましたけれども、大臣、それはバスの中からごらんになったと私は承知をしております。

 あの地域は、大臣がおっしゃるように、水没をする地域であります。あの温泉街が丸々移転をしてくることになります。ですから、今営業している温泉宿というものは大変少なくなってまいりました。また、あの地域で商売をされている方も少なくなってきました。移転だけが理由ではなく、廃業に追い込まれた、そうした旅館も数多くあるわけであります。その地域で、今なお大変つらい中でもお店をあけている、旅館を経営されている、そういうところもある中、私は、大臣には、ぜひあの場でバスからおりてその道を歩いていただきたかったと思っています。

 先ほど大臣から、現地の皆さんと話すことができなかった、意見交換ができなかったというのは残念だというようなお話がありました。これは、残念だというレベルの話ではないんですね。私たち地元の人間は、前原大臣のときに私たちの意見を説明いたしました。しかし、ほとんど無視をされてきたわけです。そして、気がつけば、前田大臣で四人目の大臣、四人目の視察を地元は受け入れるわけです。そうした中で、今、住民の皆さんとの意見交換の場がない、得られればいい、残念だというのは、私には余りにも悠長な大臣の御発言のように聞こえてなりません。地元住民の感情というものを考えれば、これは当然のことであります。

 ですから私は、大臣にバスをおりて現場をもっと歩いていただきたかったんです。もちろん、人っ子一人いない町ではないんです。旅館だってあいています。商売をやっているところもあるんです。住民と話そうと思えば、話す努力をしようと思えば、大臣、できないことではなかったと思います。たったの十五分の視察で一体何がわかるのか、そのような声が地元にあったということをぜひ心にとめていただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 大臣は、現地での意見交換の場でも、それ以前からも、東日本の大震災、また浅間の噴火等、想定を超える災害の影響についての評価を受ける、そのようにおっしゃっておられます。このことが何を意味するのかということを地元住民は大変不安に、また不信感を持って、何を大臣は最終的におっしゃりたいのか、そのことを大変不安に思っております。

 私は、このような想定外また予想外の事態を考慮するのであれば、首都圏を守る八ツ場ダムこそ早急に完成させ、流域住民の安全、安心を確保すべきであると考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

前田国務大臣 私が大臣に就任したときが九月の二日でございました。ちょうどそのときに台風十二号が接近しつつあったんですね。

 これは、私自身は、本籍地が紀伊半島の真ん中にある十津川村というところであります。百二十二年前にとんでもない大水害に見舞われたところでありまして、それと似たコースになってきたということで、あの当時、非常に緊張を覚え、警戒をいたしました。結果的には紀伊半島が大変な打撃を受けたわけです。結局、先ほどもちょっとお話をいたしましたが、那智勝浦町、那智の滝、熊野大社のあるところですね。熊野もうでなんというのは千年以上の歴史があるわけですが、その中でああいう災害というのは初めてのようであります。

 ということで、やはり我々が施設計画をやる場合には、必ず前提となる条件を、いろいろな多方面の中から条件を導き出して、その条件に対して施設計画をやっていくということになっているわけなんですが、それが、八ツ場ダムについても今、検討の場で、そういった利水だ、治水だ、やれ基本高水だということで、精緻な計算、比較をやってきていると思うんですね。

 しかし、私、それだけで本当に三・一一の教訓というものを踏まえての評価につながるかという考えがちょっとありましたところに、この十二号というようなもの、さらには十五号がありました。

 そして、七月の半ばに、国土交通関係の社会資本整備の一番基本になる、有識者の諮問委員会といいますか、社会資本整備審議会というのがございます。この審議会において、東日本大震災からの教訓を導き出してくれました。随分と議論をしていただいたようですが、その中が、先ほども御紹介した、命が第一、そして災害に上限はなしということでありました。

 その結果を、その二つの大きな教訓というものを、予断なき検証を重ねてきているわけですが、この二つの教訓を、有識者委員会の中でそういったものも評価をしていただきたいということで申し上げているわけでございまして、そのためのタスクフォース的なものもつくってあります。

小渕委員 地元の住民にとってみますと、二年間検証をやると言われまして、それについて納得してはいませんが、二年、検証結果を待つということで、ことしの秋にその結論が出るということで、それを信じてずっと待ってきたわけです。しかし、秋を迎えたら、今度、新しい検証項目がふえるということを言われる。これは、いつまで地元は結論を待てばいいんでしょうか。

 いろいろな、大臣の新たな項目ということが全くわからないわけではないんです。ただ、大臣になる前も、余りにもいろいろな形で延ばされ延ばされここまで来て、そしてことしの秋になったら、やっと結論が出ると思ったらさらにその項目がふえ、これでは、地元とすると気持ちをもうつないでいけないというような状況になります。

 視察の際に前田大臣は、秋までと言ったのは前任者までの話である、ただ、来年度の予算に反映させるという目標についてはしっかり守ってやっていきたい、そのようにおっしゃいました。また、いつまでとは申し上げないけれども、常識的な限度があるということもおっしゃいました。

 大臣、常識的な限度、これはいつでしょうか。我々の限度はもう過ぎております。

前田国務大臣 知事さん、町長さん、議長さん方にも申し上げた意味は、今までの前任者が申し上げている秋までということを申し上げてきたわけですが、その意味は、二十四年度の予算に反映させるという意味だというふうに私は受けとめております。

 そして、先ほど来申し上げているように、前任者と私とどこがどういうふうに違うのかというと、それはやはり、三・一一の大震災があったということで、この震災の教訓というものは学ばなければ多分後世耐えられないことになるだろうと思う上に、社会資本整備審議会というように、何度も申し上げますが、国土交通省にとっては一番いわば基本的なところで議論をしていただいている有識者の方々の導き出された教訓、これを、新しく何かをやるということではありません、あくまでも今までの中間報告、有識者委員会がまとめてくれたスキームの中で、この教訓に対して調査した結果を委員会に提供するわけです。あくまでも、委員会で議論をしていただく、その材料として提供するということでございますから、今までのスキームを特に変更だとかいうことは一切ないというふうに私は考えております。

 そして、その上で、有識者委員会においても、この教訓もちゃんと頭に入れた上で評価をしてくださるものと思います。その結果を受けて、国土交通大臣が、そういう予断なき検証を重ねた上で来年度予算に間に合うような限度でなるべく早く結論を出すというふうに申し上げているところであります。

小渕委員 大臣、私は、きょうはっきりその期限というものをお示しいただきたいと思っております。いつまで私たちは待てばいいのか、いつ大臣は最終判断をしてくれるのか、これは、地元が本当に心から望んでいる大臣の言葉であります。期限をはっきり、具体的な日程をはっきりお示しください。年内と理解してよろしいでしょうか。

前田国務大臣 実は、今申し上げたようなスキームで、かなり作業が最終段階に入ってきているわけですね。パブリックコメントも今盛んに、もちろん地元を含め、流域のみならず、全国からもいろいろ来ているようでございますね。そういったものも丁寧にちゃんとまとめていく。そして、有識者委員会も開く。

 そして、申し上げた三・一一の教訓をもとにというのは、実は、事務次官をトップとするタスクフォースをつくってありまして、ここは河川局とは遮断をしております。利益相反といいますか、要するに、検討の場というのは地方整備局ですから、そしてその八ツ場の検討の結果というものは、本省においては河川局に集約されてくる、こう思います。

 したがって、その河川局とは遮断して、事務次官のタスクフォース、そのチームで、三・一一の教訓をどういうふうに受けとめるかという、そこは何も、考えたり何とかするというよりも、資料を集めてその結果を有識者委員会に提供するということでありまして、そういうステップが幾つかあって今最終段階に参っているというふうに思いますけれども、常識的には、委員もお考えのように、来年度予算に反映できる範囲でございますから、いつまでということをここでちょっと申し上げるわけにはいきませんが、とにかく反映できる時期までに結論をつけたい、このように思っております。

小渕委員 となると、十一月の下旬ぐらいにはいい答えをいただけるのかなと思ったわけですけれども。

 ただ、繰り返しになりますが、私たちは、二年という時間がとまったような時期を、検証だということで待ってまいりました。もちろん、当然にダムは再開されるというところに望みを託して、地元でそれぞれ頑張ってやってきたわけです。しかし、その間に大臣はころころ変わる、そのたびにまた視察だということで、一からまた人間関係も、その説明も始める。それで、相変わらず、地元との具体的な、まさに住民との意見交換の場というものを持ってこれたわけではない。

 検証期間が二年となる。新しい大臣になるたびに私はこの場に立たせていただいて、その二年という時間を一日でもいいから何とかもっと縮めてもらえないかということを申し上げてまいりました。その都度、その大臣からは、それについては努力するということを言っていただきました。しかし、時間は短くなることはなく、結局秋を迎えた。そしてまた、項目はふえる。その秋というものが延びる可能性はある。

 また、党内からは、二年の検証が終わって、それが納得いかないものであるとすると、検証の再検証だというような声も出てくる。そんなことで先延ばし先延ばしになる。その都度地元は振り回されてくるということなんですね。

 先ほど、大臣が視察をされたときの、地元がどう思ったかということを話しましたが、その一方で、それでもなおかつ前田大臣を信じよう、信じたいと言っている地元の住民も大勢おられるわけであります。最終判断時期をしっかり前田大臣が示す、これが誠意ではないでしょうか。

 十一月、結論を出すということでよろしいですか。

前田国務大臣 小渕先生もよくおわかりのように、来年度予算に反映させる限度というのは、これは年を明けるなんということはあり得ませんよね。まだ私がここでどうこうと言える段階じゃないんですね、ステップからいうと。すべてが終わったということではありません。申し上げているように、パブリックコメントも今盛んにやっているところでございます。有識者委員会というのも開かなければなりません。それからもちろん、事務次官を長とするタスクフォースにも、そこでもまた危機管理の専門家の御意見なんかも聞こうというようなこともあるんですね。

 何もそれは、作業がふえて、それでおくれるということじゃございません、同時並行でやっておりますから。そういう意味では誤解なきようにお願いしたいんですが、ただ、そういったものが出そろって最終的に決断をするということで、その時期は、あくまでも来年度予算に反映し得るまでには結論をつける、こういうことでございます。

小渕委員 最終判断は、前田大臣によって年内に答えを出していただける、そのように理解をし、大臣の誠意を信じたいと思います。

 もう一つ、地元は心配をしている点があります。

 八ツ場ダム中止を最初に宣言されたのは前原元国交大臣であります。その前原元国交大臣は、現在、政調会長というポストにおられます。そうであるとすると、その判断、今回大臣がしっかり最終判断をされたとおっしゃったんですが、どのようなことになるのか、党の方でまた新たな検討の場がなされるというような声も聞かれる中で、地元は大変不信感を持っております。

 九月の十三日に国交省の関東地方整備局が、ダムが最良であるという総合評価を発表いたしました。これを受けて前原政調会長は、事前に説明がなく、極めて不愉快だと発言をされました。この発言につきましても、地元は本当に不信感をさらに増しております。

 この発言の前段として、前原政調会長は、私が中止を宣言し、予断なき検証を行うことで河川の有識者会議をつくって検討してもらっていたと、評価を公表する前に説明を受ける権利があるような主張をされています。これは極めて不適切な発言ではないでしょうか。御自身が国土交通大臣の際に、予断なく検証ということで、まさに大臣のもと、検証ルールも有識者会議のメンバーも、これは御自身で決められて、そして結果が出てきたら、それが自分の意にそぐわないからと、公表前に事前に自分にきちんと説明しろ、そういうことを求めるということは、これは私は、大変不適切な発言である、そのように思います。

 今後、例えば現在、前田大臣のもと、新たに検証項目も追加して、最終判断というか、国交省としての検証結果というものが最終的に出てくるわけでありますけれども、その結果の前に、前原政調会長に事前に御説明というものはされるんでしょうか。

前田国務大臣 今進めておりますスキームは、まさしく前原議員が国土交通大臣のときにつくられたスキームをもとに中間報告もあり、そして有識者委員会というものもあるわけで、これはあくまでも制度として国土交通省内にできた装置でありまして、個人に属するものでも何でもありません。この制度をきちっと踏まえてやってまいります。議員個人個人がそれぞれのお立場でいろいろな発言をされるのは、これはあり得ることだろうと思います。

 そして、御指摘の御質問については、もちろん、政権与党として政策をいろいろ議論する場において正式に何かそういう機会があり、そして私が大臣として意見を述べなければならない場があれば、当然そのときには述べるつもりでございます。

小渕委員 時間が参りましたので以上とさせていただきますが、できるだけ早い時期に、前田大臣によって、当然のことながら、地元の声、そして下流都県の声を十分に考慮された決断がなされるものともう一度しっかり確認をさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、佐田玄一郎君。

佐田委員 引き続きまして、私も群馬県ですから、八ツ場につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 それに先立ちまして、先般、大臣も我が群馬県に視察に来られた。そのときにお感じになったのは、かなりの事業が進んでいる、そういうことだと思います。

 大臣、率直に、大臣も過去において河川局におられた人間として、この進捗状況についてどうお考えになりますか。

前田国務大臣 もちろん、ダム本体については未着工でございますが、いわゆる附帯事業であったり、あるいは工事のための道路であったり、あるいは鉄道の移設であったり、そういったことは随分進んでいるなという印象を受けました。

佐田委員 つまり、本体工事は進んでおりませんけれども、ほかのところの、例えば百四十五号の切り回しであるとか吾妻線の切り回しであるとか、そしてまた住民の方々の移転の問題であるとか、これはもうほとんど八割近く終わっております。

 そういう中において、生活再建という話がありますけれども、大臣のお考えの中の生活再建というのはどういう事業だと思いますか。

前田国務大臣 具体的な事業については、もちろん地元と一緒になって考えていくわけでございますが、東北復興とは性格が違うにしても、やはり持続可能な地域づくりをやってほしいし、また、そのような支援をしっかりやっていかなければならないな、このように思います。

佐田委員 大臣の今の持続可能というお言葉を聞いて、私もそのとおりだと思います。

 持続可能とは、つまり、何百年も歴史のある吾妻地区が、これからも住民の皆さん方が安寧を持って暮らしていけるというのが持続的だ、私はそういうふうに考えています。そのための生活再建事業である。ただ単に資金を配ればいい、そういう問題ではないと私は思っているんです。そして、今までの五十年間の苦しみが今本当に解消できるような、そのための生活再建であります。

 地元に行かれて、大臣、住民の方とお話しになりましたか。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

前田国務大臣 先ほどの小渕委員にもお答えしたわけなんですが、町長さん、議長さんを除くと、現地でバスをおりて、そして現地の方々のところを訪れるという機会が持てなかったものですから、残念ながら、そういう意味での地元の方々に直接お話をお伺いするということはできませんでした。

佐田委員 大臣、それがなければだめなんですよ、はっきり言って。

 首長の方々もいろいろな意見を持っています。うちの知事の方もいろいろな意見を持っています。治水、利水についてもいろいろな考え方を持っています。そしてまた、東京を含めた、埼玉を含めた利根水系の皆さん方の意見も、これからの治水、利水をどうしようかという考え方を持っています。

 しかしながら、その中で、この生活再建というのは地元にとって非常に重要なことなんです。彼らも五十年間にわたって、反対運動もありました、キャサリン台風もあった、そして先般の十二号も、伊勢崎市に大変な被害が同じように起きているんです。そういうことを考えて、利根水系全体の治水、利水、そして国民の生命財産を守るために、仕方なく吾妻の方々は自分たちの先祖代々の土地を供出したわけですよ。

 そういう中において生活再建というのはどういうことか。持続性があると、今大臣、いい言葉を言われました。持続性を考えていくためには今までの経緯があるわけです。その中で、水がなかったら、ダムサイトができて、そしてそこに水が来てダム湖ができなかったら、これは生活再建にならないんですよ、はっきり言って。山の上の方にみんな移転している。そこまで水位が来ることになっているわけです。だから、そこが、例えば川原湯温泉なんかも湖畔の宿になる。そしてお客さん方もたくさん来る。今は逆に、二百年以上続いた宿も、この間も休業しましたけれども、全部ほとんど休業している。お客も全然来ません。

 では、山のてっぺんの方で、水位も来ないところでどうやって生活再建するのか。大臣、お答えください。

前田国務大臣 佐田委員の御指摘のことを、まさしく中澤町長さん、それから菅谷議長さんから、非常に厳しい、しかしまた切実なお話を伺いました。

 という意味では、今、佐田委員が申されたように、そういう湖水を前提の移転計画といいますか、まちづくり計画が行われているということも現地においてさらに確認をした次第でございます。

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

佐田委員 大臣が素直にお答えいただいて、私もそれは正しい判断だ、こういうふうに思っております。

 要するに、ダム湖がなければこれは全く生活再建事業にならないんですよ。移転をしてみても、そして下水道、上水道を整備してみても、今までにずっと水特法なんかでもやってきましたけれども、公民館をつくっても何の意味もないんですよ、はっきり言って。そういうことをぜひこの場で確認していただきたい、私はそういうふうに思っております。

 ただ生活再建を完了する、生活再建を完了すると言う方がいるけれども、ダム湖がなければ、今までの五十年の経緯の中で生活再建なんてあり得ないんです、はっきり言って。継続性もあり得ないんです。こういうことをぜひ本当に御理解いただいて、地元のことをしっかりと、今まで苦労をして、そして利根水系全体の治水、利水のために苦汁をなめてきた方々のことを、じっくりと大臣、考えていただきたい。そして、そのような決断をしていただきたい。心からそれもお願いをしたい、こういうふうに思っております。

 それでは、今までの経緯でありますけれども、今までの中で、前原大臣が二〇〇九年九月に、視察もしない中で中止をされました。そしてまた、そのときには、中止の方向性を持って予断なき検証を行う、こういう発言をされているんですよ。ちょっとこれは、中止を前提で予断なき判断というのは日本語になっているのかなというふうに思いますけれども、そういうことを申し渡された。

 その後に、前原大臣は十二月に有識者会議の初会合を開きました。つまり御自分がつくられた有識者会議を開かれて、その中で、要するにこれからやるかやらないかの判断軸をつくっていく、こういうふうに判断されたわけです。その後に関東地方整備局の方に回っていく、こういうふうなことでありますから、その後にこの有識者会議が、その次の二〇一〇年の夏までに中間報告を出す、その軸に基づいて判断をしていくと。

 我々はそのときにも怒りました。一年後にやって、またその後に判断の基準にのっとって議論をしていくのかと。そうしたら一年以上かかるじゃないか。非常に地元も困惑しました。

 その後に、その次の年に馬淵大臣になったんですね。馬淵大臣は中止を前提とは言わなかったんですね。中止を前提ではなくて、予断なき検証を行う、こういうふうに申されました。大畠大臣もその次に続いて、同じ発言をされました。

 確認いたしますけれども、大臣はこの方向でよろしいんでしょうか。

前田国務大臣 まさしく予断なき検証を踏まえて判断をするということで、大畠大臣、馬淵大臣と同じ姿勢かと、このように思います。

佐田委員 それでは、大臣は、馬淵大臣、大畠大臣の流れの中で、同じ方向性でやるということで今確認をさせていただきました。

 もう一つお聞きしたいことは、大臣が就任をされたときに、非常に地方自治体の意見を尊重するというふうに言われたと思うんですけれども、それは確かですか。

前田国務大臣 一都五県の知事さん方とお出会いをいたしました。ただし、御本人が出られたのは、群馬県知事さん、埼玉県知事さん、東京都知事さんお三方と、あとは副知事さんだったと思います。

 お会いして、御意見をお聞きした上で申し上げたのは、一都五県の流域を代表する首長の方々でございますから、一都五県の知事さん方の一致した御意見というのは非常に重く受けとめさせていただくというふうに申し上げたかと記憶をしております。

佐田委員 これから非常に重要な話なものですから、大臣は河川局におられたからよくわかっていると思いますけれども、今の八ツ場ダムは基本計画も変わっていない、そしてまたなおかつ、そういう中において中止宣言をされてしまった。特ダム法違反だということは以前にも委員会の中で非常に議論をされました。

 ということは、その中で大事なことというのは、利水者や治水にかかわる方々、そしてまた地方自治体の方々の意見が非常に重要であるということをぜひ御理解いただきたい。勝手に中止宣言をしたりすること自体が法的に問題があるということは、これは事実なんです。ですから、その中でしっかりと予断なき検証、本当の意味の予断なき検証をやっていただきたい、こういうふうに思っております。

 そして、その中において一年後に出たのが、前も私は大畠さんに質問させていただきました、この中間報告です。平成二十二年、去年の九月に出た中間報告でありますけれども、これは前原さんがつくった有識者会議が出してきた、いわゆるダムの基準、要するに判断基準となる中間報告であります。これに沿って、関東地方整備局が物理的に、まさにこれこそ予断なくしっかりと判断している、こういうことでありますけれども、大臣は中間報告を読まれましたよね。

前田国務大臣 概要は見せていただいております。

佐田委員 大臣、概要というのも困るんですけれども、この中で、大きな基準は何かということを大臣は御存じですか。要するに、そんなに何点もないんです、この中間報告の中で一番大事なところというのは。

 大臣、大きな基準は御存じですか。

前田国務大臣 利水と、そしてもう一つは治水の安全度、それぞれ比較をやっておりまして、この比較の結果、八ツ場ダムが一番有利であるという結論をつけられた、このように承知をしております。

佐田委員 大臣、それじゃなくて、それは九月十三日の結論なんです。そうじゃなくて、これは去年の有識者会議が判断軸として出してきたものなんですよ。

 きょう河川局長は来ていますか。本来ならここでとめたいんですけれども、時間がありませんから、言いたいことはたくさんありますから、局長、この内容についてちょっとポイントを述べてください。

関政府参考人 今先生御指摘の、「今後の治水対策のあり方について 中間とりまとめ」ということでまとめられてございます。

 この中では、治水あるいは利水、流水の正常な機能という形で項目を分け、それをそれぞれ代替案を検討し、ダムがある場合、あるいはダムがない場合、こういった代替案を複数検討した上で、それぞれの利害得失を十分検討した上で、総合的に評価をしてその案を絞り込んでいく、そういった形で取りまとめられております。

 なお、そのときに、特に財政状況等も考慮し、コストというものを重要視するという評価軸もこの中で示されているところでございます。

 概要については、そのように整理されていると理解しております。

佐田委員 今局長が言ったとおりでありまして、この中に書いてあるのは、要するに、一番大事なものはこれからのコストだと。ダムをつくった場合のコスト、ダムに頼らない場合のコスト、これが一番重要である。

 これは、なぜそういうふうに有識者会議の方々が言っていると思いますか。これは、前原さんがそういうふうに言ったので、それに基づいて有識者会議の方々がコスト、コストとこの中で言っているんですよ、何十回となくこの中でコストと言っているんですよ。やはりコストによるものだな、やはりコストでやらなくちゃいけませんねと書いてあるんです。

 それともう一つは、やはり環境の問題。それと、余り非現実的じゃなくて実現性のあるもの。

 要するに、こういう評価軸をつくって、これに基づいて関東地方整備局が全く予断なく、本当にいろいろなことを考えられた。

 今回、利水においても、富士川から水を引くとか、ちょっとこれは全く非現実的かなと思うんですけれども、これも一兆数千億かかる。そしてまた、治水においては八斗島の近くを河道掘削する、これも一兆円近くかかる。そういうことを、ダムなしで、もうあらゆることを考えたのが関東地方整備局の人たちなんですよ。

 私は、その御苦労は大変なことだった、こういうふうに思いますよ、関東地方整備局の人たちは。こんなに差のあることを何とかすり合わせして、安いコストでできるものはないか、ないかと一生懸命調べたんですよ、整備局の人たちは。ところが、ぎりぎりならいいですよ、全然違うんですから。八ツ場ダムはあと六百二十億で、ダムサイト全部できちゃうんですよ。それなしにそれだけの治水能力、利水能力を得るためには、技術者の人たちは変な考え方を持たないで、まさに本当に数字だけでやってきた。数字だけでやってきたんです。その結果が今度、九月十三日に出ましたけれども。

 要するに、このプロセス。中間報告にのっとって、そしてまたなおかつ、大臣、大事なことは、去年の九月にこれが出て、これにのっとって幹事会というのがあるんです。この幹事会というのは、つまり地方自治体の方々の代表と国土交通省、この場合は関東地方整備局です、こういう方々が議論をする場、これを八回もやっている。この八回の中でいろいろなことがあります。これを私はいろいろ申し上げたいんですよ、基本高水の問題、あらゆること、こういうことも申し上げたいんですが、これは話が長くなるからやめますけれども、こういう中においてやってきた。

 では、このプロセスはだれが決めたか。これは有識者会議なんですよね。大臣、これは間違いないですね。

前田国務大臣 そのとおりだと承知しております。

佐田委員 そこで私が申し上げたいのは、これだけ綿密にやってきた。そして前原さんが自分のそういう有識者会議をつくって、有識者会議がこういうプロセスで判断しますよ、こういう時期までにやりますよ、こういうふうなやり方でやって結論を出しますよ、そして最終的にまた有識者会議が、自分の言った、いわゆるコストであるとか環境であるとか、こういうことをちゃんとやっているかどうかということを検証して決断を出す。このプロセスを決めたのは有識者会議であって、今までの流れなんですよ。これはしっかりと守っていただきたいんですけれども、大臣、大丈夫ですか。

前田国務大臣 今までも申し上げているように、そのスキームというものをきっちりと守ってやってまいりたい、こう思っております。

佐田委員 そういう中におきまして、このたび、九月十三日に、関東地方整備局の方からこういう結論が出てきた。そして、総合的に評価をした場合にダムが一番最良である。

 最良であるということはどういうことかというと、先ほども申し上げましたように、お金がかからない、コストが一番かからないということなんですよ。それは大臣は御存じですか。

前田国務大臣 存じております。

佐田委員 これは、治水においても利水においても検討されております。

 そして今も申し上げましたように、治水につきましては、例えば渡良瀬遊水地の整備、そしてまた遊水地を新たに群馬県につくるとか、埼玉県の水田を水の逃げ場にするとか、すべてにおいてかなりの額、ダムをつくるよりも相当な額の差が出ておるわけであります。そしてまたなおかつ、先ほど申し上げましたけれども、治水においては河道掘削も必要だ。

 利水においては、ちょっとこれは話にならないほどの差がある。これは、つくるのに先ほど言った六百数十億にもかかわらず、利水におけるいわゆる渡良瀬遊水地であるとか、そしてまた富士川から水を引くとか、渋川の地下水を掘るとか、こういうことをやって、全然、もう六百数十億対一兆数千億の差なんですよ。これは御存じですか。

前田国務大臣 存じております。

佐田委員 大臣、それであるならば、もうこれは結論が出ていても全然おかしくないし、だれにも何も異論を挟む余地はないんじゃないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。

前田国務大臣 予断なき検証をやってその結果ということを申し上げている意味は、今委員の御指摘は、検討の場においてそこまで客観的な答えを出してくださっているわけですね。それが今度は、最終的には有識者委員会においてどういうふうに評価をされるかということになってくるかと思います。

 それから、もちろんその間には、検討の場で出された代替案を含めての比較、そして一都五県の知事さんも入った検討の場では八ツ場ダム案が最適というふうに選択をされた、こう承知をしておりますが、それも踏まえた上で、今パブリックコメントをとっておるところであります。これは、これまたこのスキームの中に入っている手続でありますから、そういったこともしっかり予断なく検証をしていただいて、そして最終的には有識者委員会にかかってくるもの、このように承知をしております。

佐田委員 大臣、非常に大事なことというのは、今大臣が言われたプロセスなんですね。

 というのは、小渕委員の方から先ほど話がありましたけれども、みんなそれを期待しているんですよ。吾妻の方々は自分の生活がかかっているんです。あそこに水が来なかったら、ダム湖ができなかったら、どんな生活再建を申し入れたってだれも承知しませんよ、はっきり言って。あれができるという前提でいろいろなことをやってきた。もう五十年もやっているんですから。そういう意味で、ダム湖ができない生活再建なんてあり得ないんです。

 それと、もう一つ大臣に申し上げたいのは、利根水系の問題ですね。

 キャサリン台風のときには、私の住んでいる前橋市も、沼田市も、そしてまた伊勢崎市も大変な水害に見舞われました。千人以上の方々がお亡くなりになりました。貴重な生命がお亡くなりになりました。その反省のもとに利根水系の整備が行われてきたわけであります。そして、いろいろな意味で治水、利水が非常に重要なわけであります。

 大臣、この間の台風十二号のときには、果たしてキャサリン台風のときと同じような被害を受けたんですよ。群馬県の利根水系は、大臣も御存じだと思いますけれども、どこで雨が降ったって、最終的にはいわゆる八斗島というところに集まってくるんですよ。そしてこの間、台風十二号で大変な水害に遭いました。この辺は御存じですか。

前田国務大臣 まさしく、大臣に就任したときにその可能性をいろいろと河川局からも聞いておりましたし、結果として、御指摘のとおり大きな水害になったわけでございます。

佐田委員 つまり、大臣、災害というのは待ってくれないわけですね。したがって一日でも早く、我々の行政目的で国民の生命財産を守る以上のことはないんですよ、はっきり言って。

 マニフェストにあるからやめるんだとか、そんな発言は絶対しないでもらいたいんです。では、マニフェストに書いてあるから国民の生命財産が危機に瀕していいのか、こういうことですから、もっとちゃんとした理屈を言っていただきたい。代替案があるのなら出していただきたい。出していただいて、堂々と議論をするのが正しい方向だと私は思いますよ。大臣もそう思われると思います、技術者ですから。

 だから、そんな何々に書いてあるから、マニフェストに書いてあるからじゃなくて、もしもそういうことで反論したいのであるならば、堂々と代替案はこうです、ああですということを出してもらいたいです、はっきり言って。大臣もそう思いませんか。

前田国務大臣 もちろんパブリックコメントの場もあるわけですから、そういうところに出されるというのも一つのあり方かな、こういうふうに思います。

佐田委員 時間がないんだけれども、大臣、それともう一つ、暫定水利権の問題がいろいろ議論になります。専門的な用語だから、なかなか難しいかもしれませんけれども。

 大臣、これは利根水系においては、特に利水においても、もう水が足りているんじゃないかとか、水がもう余っているんじゃないかと言う方もいらっしゃるけれども、これは水道協会等も調べていただければ結構ですけれども、決して足りているということではないんです。一番最悪のときのことを考えて我々は考えているわけであって、平成になってから、もう数度となく取水制限を行っているんですよね。これはもう大臣も御存じのとおりです。それを聞く必要はありませんけれども、この暫定水利権がもしもなくなった場合は、大臣、埼玉県は三割の水がなくなります。これは御存じだと思います。我が群馬県においては、藤岡市は半分の水道水がなくなります。前橋市でも一割なくなります。

 そういう中において、今度の案で、例えば渋川市で地下水を掘るとか、埼玉県はもう、東京と埼玉の境界線は物すごい地盤沈下を起こしていますよ、はっきり言って。こういうことは御存じですか。

前田国務大臣 地下水くみ上げの影響、大変な地盤沈下を起こしているということも、かつて現場もつぶさに調査をして、よく存じております。

佐田委員 ですから、大臣、私も視察をさせてもらいました。大変な地盤沈下です。技術者からいうと、一センチ、二センチの地盤沈下だって、上にある構造物はもうめちゃくちゃになってしまう。その中において大変な地盤沈下をもう既に起こしている。だからこそ、埼玉の知事さんは、自分の県民のために何としてでも早く八ツ場ダムを完成させていただいて、水を早く供給してもらいたいと。したがって、暫定水利権というのは非常に重要な水利権であるということを大臣は御存じだろうと思いますから、よく認識していただきたいと思います。

 この件についてはまた議論をさせていただきますけれども、きょうはそうではなくて、先ほど小渕委員の方からもありましたけれども、大臣は八日に視察をされて、その中で、来年度政府予算案に反映できるよう、ダム建設の是非の検証の結果を出すと表明されましたけれども、大臣、何で概算要求では決められないんですか。

前田国務大臣 前任者が述べておるのを見ておりますと、二十四年度の予算に反映できるように、秋までにという表現をしていたかと思います。

 要するに、目標は二十四年度予算にきちっと反映させるということにおいて、私もそれをきちっと守りたい、このように思っているわけでございます。

佐田委員 私は、その前の前原さん、馬淵さん、大畠さん、全員に質問させていただきました。その中で、秋までというのは大畠さんは言われましたけれども、予算に反映するとかそんなことは一言も言っていませんでしたよ、たしか。

 もしも予算に反映するのであるならば、秋までにだって決まらないじゃないですか。九月十三日に今度決まって、だからそれにのっとって秋までに決める。今回は概算要求が一カ月おくれたわけですけれども、それまでに出してもよかったんじゃないんですか。

前田国務大臣 昨年の十一月に当時の馬淵大臣が現地を訪問しておりまして、その際に、平成二十四年度予算案に反映できるよう、来年の秋までに検証の結論を得ることを目標とする、このように述べております。

 そして、今御指摘の大臣のお話は、概算要求、もっと早くそこにのせることができるんじゃないかということなんですが、最後のプロセスのまだ途中でございます。パブリックコメントも今やっているところでございます。申し上げたように、有識者委員会に、これはまさしく本当に有識者の方々でございますから、検討の場から上がってきたこと、そしてまた三・一一の教訓、そういうものも提供して、そして高い立場から有識者委員会の方々に評価をしていただく。まだその時間が必要だということでございます。

佐田委員 それでは、大臣にお聞きしたいんですけれども、九月十三日に、いわゆる総合的な評価としてダムが最適であるという結論が出ました。これからパブリックコメントをやっています、そしてこれから本省に対して報告書を出さなくちゃいけない。どのぐらい時間がかかるんですか。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 パブリックコメントはたしか十月六日から始めまして、おおむね十一月四日ぐらいまでさせていただき、その後こういったものを取りまとめていくということでございます。

 そういったことを考えますと、十一月の末から十二月の上旬ぐらいには案ができるのではないか。これは現在進めている最中でございますので、ちょっと明確な時期までは申し上げられません。おおむねそのような時期になるのではないかというふうに考えております。

佐田委員 そうすると、十一月の初めごろまでパブリックコメントをやって、それをまとめて本省まで持っていくということになると、十二月近くになるということですよね。そういうことですね。

関政府参考人 申しわけございません。現在進めている段階ですので、明確にジャストポイントでは申し上げられませんが、できるだけ早くということで、十一月の末ぐらいからできるだけ早い時期にということで、現在、関東の方で進めております。

佐田委員 国土交通省もそうなんだけれども、物事をやるのには納期もあるし、そういう期間があるわけだよね。それは追ってやってきているわけでしょう。それを大臣が、大臣の発言というのは大きいんですよ。十二月はだれが見たって秋じゃないですよ。それが全体的に秋からおくれるということは何カ月かおくれるわけですよ。そういうことに対してどういうお考えを持っているんですか。

前田国務大臣 今、水管理・国土保全局長からお答えさせたとおりでございますが、もちろん、その作業はなるべく早くやるようにさせます。そして、しかし最後の段階でありますので、ここはやはり最終的に遺漏のないようなきっちりとした、スキームにのっとった、有識者委員会の評価も聞いた上で結論を出させていただきたい、このように思っております。

佐田委員 大臣、今スキームにのっとってと言われました。私も先ほど、有識者会議が決めたいわゆるプロセス、スキームを全部守ってくださいねと。そうしたら、大臣はそれでいきますと言った。

 最近になって、この間私どもが大臣のところにお伺いしたときに、たしか九月二十二日にお伺いしています。そのときに、震災の関係もあるので、この評価軸もあるけれども、これも入れさせてもらわないとまずいですよねと。

 それで、これは新聞なんですけれども、うちの上毛新聞の十月五日のものなんですけれども、この中に先ほども答弁された、有識者に評価してもらう装置を省内に設けたと。これがスキーム等を狂わせているんじゃないのですか。

前田国務大臣 スキームの中だと思っております。

 要するに、最終的には有識者委員会において評価をしていただくわけでございますが、先ほど来佐田委員が御指摘のように、検討の場においては、コストであり、環境であり、そういう評価軸があったかと思います。それに、やはり大震災の教訓というものは、検討の場にそれを持っていくわけにはまいりません、スキームからいいまして。しかし、有識者の委員会というのは、まさしくいろいろな分野の非常に見識のある方々がお集まりでございますから、そこに三・一一の教訓という意味で材料を提供するというのは、これは私は国土交通省としてやらなければならないことだ、こういうふうに思っております。

佐田委員 それは大臣、やっぱりおかしいですよ。

 要するに、有識者会議が、自分たちが決めた具体的な評価軸について関東地方整備局でやってくださいよ、こういうふうに言っておるわけでありますから、それを淡々とやっていって、そして本省に報告をし、本省でそれが間違っていないかチェックした後に、有識者会議は新たな判断で判断をするんじゃないんですよ。有識者会議は、自分たちの評価軸、先ほど言ったコストであるとか、環境であるとか、実現性であるとか、そういうものについて関東地方整備局がしっかりやっていたかどうかということを判断するんですよ。例えば、新たに震災のものも全部入れてやりましょうとか、そんなことはスキームには入っていませんよ。

前田国務大臣 もちろん、そういうことがすべて入っているとは私も思っておりません。

 ただし、検討の場で行うべき検討については、きちっと評価軸をそうやって有識者委員会で決めていただいた、それに従って客観的に専門家がやってくださったわけですね。しかし、最終的に有識者委員会が評価するのは、何もその評価軸で有識者委員が評価するとは私は思っておりません。

 なぜなら、有識者委員会のメンバーは非常に見識のある、物事を総合的に判断していただける、それこそ有識者の方々でございますから、そこに、三・一一の教訓という意味においてこんな見方の資料がありますよという資料を提供するということは、実は私は国交省の責務ではないかと。なぜなら、社会資本整備審議会において三・一一の教訓ということを導き出していただいているわけですから、それを踏まえて、省内に設けた事務次官を長とするタスクフォース、そこで必要な資料を、だからそこで判断はいたしませんよ、資料を提供するというだけであります。

佐田委員 大臣、ですから、その中でタスクフォースをつくる。その中には技監とか事務次官、そして有識者会議に対して提言を行っていくという話……(前田国務大臣「提言じゃありません」と呼ぶ)資料を出すということですね。わかりました。私は、こういう新たな評価的なものを入れるということは非常に問題があるんじゃないか、こういうふうに思っているんですよ。

 それで、大臣が言っている、例えばこの資料を渡すときに、社会資本整備審議会が言われたことも含めて入れるということは、新たな評価もつくるということですか。

前田国務大臣 何度も申し上げますが、有識者委員会というのは、やはり日本を代表する、専門の分野も含めて各分野の代表的な権威の方々が集まっておられるわけでございますから、この方々が最終的に評価をしていただけると思うんですね。だから、その評価のあり方というのはあくまでも有識者の皆様方にゆだねられていると思うんです。

 国交省としては、そこに大震災の教訓を踏まえた資料を提供するということはやるべきことではないか、私はこのように思います。

佐田委員 大臣、そこがちょっと見解が違うんですけれども。

 要するに、有識者会議というのはプロセスとそして評価軸をつくるのが役目なわけですよ。その評価軸に忠実にちゃんと、国土交通省つまり関東地方整備局がしっかりと、そういう仕事をその評価軸にのっとってやったかどうかということを、次にパブリックコメントが終わって本省に来てそれを有識者会議が判断するわけです。もちろん有識者会議の方々はそれぞれ優秀な方々で、ちゃんと判断をして、そしてその中で評価軸をつくったわけですから、それの再確認をするということですから。

 大臣、もう時間もなくなってきましたけれども、その中において、私が大臣にお会いしたとき言っていた、これもちょっと突っ込んでお聞きしたかったんですけれども、要するに、三・一一の評価も踏まえた形で判断をしていくというお話を先ほど聞きましたけれども、ぜひ、この有識者会議の考えておられたプロセスと今の判断軸の問題、そして今までの流れ、これを絶対たがえないようにお願いしたいと思うんです。

 なぜか。なぜかというと、大臣、今までの流れの中で、幹事会を含めて八回やったと先ほど言いましたよね。この幹事会では、地方自治体、大臣も地方自治体の意見は重視すると言われた、そういう方々の意見を踏まえて相当に議論をされて、そしてこの結論になってきているわけでありますから、そこで全く無視するようなことはぜひやめていただきたい、こういうふうに思うんです。

 時間がありませんから、それと、私どもは八月二十四日に大会をさせていただきました。利根水系の県会議員の先生方、その治水、利水にかかわる皆さん方、そしてまた吾妻の住民の人たち、千人以上の方が集まって大会をさせていただきました。知事さんも各県、代理も含めまして全員集まってまいりました。そういう人たちが全員で、何としてでも中止撤回をして、一日でも早く八ツ場ダムを完成してもらいたい、こういうように言っているんですよ。

 その中で、この大会においては、八月二十四日でありますけれども、第二回の八ツ場ダム建設推進全体協議会、早く着工、早期完成を求めるということでありますけれども、その中でこういうのがあるんです。「今秋までに国がダム本体工事の中止を撤回しない場合には、訴訟を含め国の責任を徹底的に追求する。また、国に代わり共同事業者である一都五県が所要の手続きを経てダム事業を完成させる。」こういうふうに言っている。ここまで言っているんですよ。それまでに切実だということです。

 治水、利水についても、東京もゼロメーター地帯がたくさんあります。そこが被害を受けたら大変だ。こういうことも含めて、東京都の議員の皆さん方も一生懸命ですよ、はっきり言って。

 そしてその後に、九月二十六日に、各首長さん、県の知事さんたちがこういうふうに申し入れをしております。

 「八ツ場ダム建設が最も有利であることが明確に示された今、」これは九月十三日の判断ですね、「この検証結果を最大限尊重し、一刻も早く対応方針を決定するとともに、平成二十四年度予算での対応を待つことなく、今年度可能な措置を速やかに実施し、直ちにダム本体工事に着手すること。」

 もう一つは、「ダム本体工事の実施に当たっては、この二年間の遅れを取り戻すために予算を集中投資し、基本計画どおり平成二十七年度までに八ツ場ダムを完成させること。」

 もう一つは、「国の度重なる方針変更により、長年にわたり塗炭の苦しみを味わってきた地元住民の意見を真摯に受け止め、国の責任において生活再建事業を早期に完成させること。」これはダム湖を前提とした生活再建ですからね。こういうことであります。

 大臣、これを踏まえて、ぜひ全力で、私は秋までにやれないということは全然承知していませんから、はっきり言って。前の大臣から約束していることなんですよ、秋は。十二月は秋じゃありませんよ。これはぜひ国土交通省も踏まえて、しっかりとこれを意識していただきたい。これは約束を守らなかったということですからね。約束を守らなかったんですよ。納期も工期も守らないということなんですよ。ぜひそれを御理解いただきたい。

 では、そういうことで、大臣の答弁は結構であります。次に、今度はまた全然かわるのでありますけれども、では、大臣、何か御意見があったら簡単に言ってください、今私が申し上げたことに。時間がありませんので、ちょっとだけで結構です。

前田国務大臣 地元を含めて、この数十年にわたって大変な御迷惑をかけてきたということについては、私ども国土交通省としてはまことに申しわけなく思っております。

 今委員が御指摘のことはしっかりお伺いをいたしました。

佐田委員 ちょっときつい言い方ではありましたけれども、大臣も、やはり秋までに結論を出すという約束が守れなかったということに対してじくじたる思いがあるんじゃないか、こういうふうに私は思っております、はっきり言って。そうでなかったら、地元の方々に申しわけないという発言はないと思いますから。本当に苦しんでいますからね、地元の方々。それにやはり治水、利水について、東京の方々も埼玉も群馬県も、まくらを高くして眠れないという状況があるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 それと、時間があと十分ありますけれども、話は全然かわるんですが、道州制特区推進法というのが今あります。

 これは、北海道だけに適用されていることでありまして、法の目的としては地方分権の推進を進める、そしてまた法律の対象となる団体は、現時点では北海道のみであるということ。道からの提案に基づき、権限移譲等を積み重ねていく仕組みを実現している。道の提案に対し、遅滞なく対応することを政府に義務づけている。こういうことなんです。

 簡単に申し上げますと、北海道の地方自治体から、基礎自治体でも結構です、上がってきたものを道議会で可決した場合は、速やかに、こちらの道州制本部の方で、行政改革にしろ、そしてまた地方分権にしろ、これを結論を出していくということが義務づけられているんです、この法律によって。

 これによって、いろいろなことがありますけれども、全部は申し上げませんけれども、いろいろな規制緩和がなされてきました。非常に特殊なんですけれども、三県以上が合併すれば道州になれる、こういう規定もあるわけでありまして、今適用されているのは北海道だけであります。北海道からは数多くの提案がどんどん来ておる。

 その中で、実は今沖縄で行われているのは、二十万円までの免税であるとか、沖縄に行ったときにはいわゆる燃料税の減免を行うとか、そしてまた沖縄に企業が進出するときには、固定資産税の減免であるとか事業税の減免であるとか、こういうことを規定している法律があるんです。その法律にのっとってというわけじゃありませんけれども、北海道のこの道州制特区推進法にのっとって、もう随分前、数年前に、免税店を何とかやってくれと。二十万円までの免税をすることによって、北海道に観光に行って、そこでいろいろな、要するに観光にインセンティブを与えていただきたい。

 特に今、三・一一の中において、北海道は今までいろいろ諸外国の方々も随分来ておったのが、大分少なくなって大変な状況になっている。そういう中において、道議会すべての会派が賛成しておる免税店、こういうことに対して全く審議が行われていないんですね。これについてどういうふうにお考えでしょうか。どなたでも結構ですけれども、大臣、意見で結構です。

前田国務大臣 特に観光関係については、振興の意味を兼ねて、できるだけの対応をしたいと思っております。

 具体的には観光庁長官に答えさせます。

溝畑政府参考人 北海道におきまして観光は極めて重要な産業でございまして、その振興ということについては国土交通省、観光庁も積極的に今まで推進してまいりました。

 議員御指摘のことにつきまして、私ども各種施策を講じておりまして、観光振興という観点からは、例えばインバウンドにおきましては、今回の風評被害払拭のために、地方連携事業ということで説明会に行きましたり、メディア、旅行会社を呼びましたり、あるいは受け入れ環境整備も行っております。また、観光圏という制度を使って、魅力ある観光地づくりをやっております。

 議員御指摘のこの法案についてでございますけれども、北海道の特殊性について国民の皆様の十分な理解を得るということが不可欠であります。また、他地域とのバランス、そしてまた本法案に基づく効果につきまして議論を深めていく必要があるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、北海道の観光振興は極めて重要であると考えておりますので、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えています。

佐田委員 そこで、なかなか議論をされないものですから、北海道観光振興特別措置法案というものをつくらせてもらったんです。これはやはり一つのインセンティブを与えるものだと思っているんです。

 この法律は、観光産業が北海道の基幹的な産業であることから北海道の経済的基盤の確立にはその発展が不可欠であること、北海道が道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律に基づく唯一の特定広域団体であること及び北海道の置かれた特殊な諸事情、国の主導による開拓の歴史を有すること、今なお未解決の北方領土問題が存すること及び独自の文化があることにかんがみ、北海道知事による観光振興計画の作成及びこれに基づく観光の振興を図るための特別の措置等北海道における観光の振興に関し必要な事項を定めることにより、北海道における観光の振興を図り、もって北海道の自立的発展に寄与するとともに、北海道の置かれた特殊な諸事情に対する国民の理解の増進に資することを目的とする。

 つまり、これによってかなり観光にインセンティブが与えられるということであります。しかしながら、道州制特区推進法でやっているにもかかわらず、なかなか議論されない。したがって、こういう根拠法をつくって委員会に出したのに全然議論しない。私は、これは国土交通委員会の怠慢じゃないかと思っています、はっきり言って。まだつるされている。与党も野党もつるしている。ぜひ議論をしてもらって、これを広げていただきたい。

 今は北海道だけしかないじゃないかというお話がありました。この法律は、三県が一緒になったら道州になれますから同じことが言える。うちの県だけやらせろというのは無理です、それは。しかしながら、三県が一緒になればそれは堂々と言えますから、そういうところは言っていただく。今のところは沖縄が施行している。沖縄もいろいろな歴史的な状況があった、戦場にもなった。本当は北海道もなったんですよ、樺太が戦いになりましたから。

 そういうことを考えたときに、法律が提出されておって、つるしているということではなくて、しかも、道議会ですべての党が賛成をしているこういう案件について、国会の責任として、速やかにこの委員会でしっかりと議論していくというのは当然のことだ、こういうふうに思うんですけれども、意見で結構ですから、担当の松原副大臣、どうですか。担当じゃないのか。

奥田副大臣 観光の方の担当は、私、奥田の方の担当となります。

 北海道につきましては、国内、国外の方にとっても大変に魅力的な観光資源を有しているということでもありますし、また、ビジット・ジャパンのやはり中核になる地域だと思っています。

 今、観光庁長官がお答えいただきましたけれども、しっかりと、この魅力の発信、そして風評被害の払拭ということに全力を尽くしてまいりますし、また振興策について、佐田先生初め皆様方のお知恵もしっかりと拝借して、頑張ってまいりたいというふうに思います。

佐田委員 副大臣、今の前向きな答弁、ありがとうございます。

 私はこの観光振興法を出しましたけれども、実は、これは北海道を優遇するとかそういうことじゃないんです、はっきり言って。全体、要するに、いろいろな出てきたものに対して、本当の意味の地方分権、本当の意味の行政改革を進めていくという一つの発端なんですよ。だから一つ一つ、それを崩して、しっかりとした道州制なり行政改革、もちろん、もとの道州制じゃないですよ、行政改革だとか国民のためになるような地方分権がしっかりと進められる、やはりそういうふうな法律というのは速やかに通していただきたい。

 副大臣の今の言葉がありますから、民主党の方々にもぜひ言っていただいて、それで、自民党も一緒になって、一日でも早くこの法律が通るように心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

伴野委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

伴野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。赤澤亮正君。

赤澤委員 質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 前田大臣、大臣御就任おめでとうございます。大臣も私も国土交通省の出身ということで、もとの職場の先輩ということで、胸をかりるつもりで質問をさせていただきます。同じ言葉で話ができるものと期待をしておりますが、過去、私どもとしては、政権交代後、少なからず問題のある大臣がおられて、国土交通行政をかき回して大分国益を損なったというのを率直に感じているところでありますので、少々辛口になる点はお許しを賜りたいと思います。

 大臣が述べられた所信、あいさつの中身について幾つか御質問賜りたいと思います。

 まず、一ページ目にあった「今般の大震災の教訓は、災害には上限がないということであります。」私は、非常に重たい言葉だと思うんですね。上限がない災害から国民を守ろうという決意は、これは相当、並大抵なことでは実現ができないと思います。

 私は、我が国が地震の活動期にある、単に災害大国だというだけじゃなくて、今まさに活動期だということが三月十一日の東日本大震災でわかった以上、やはりコンクリートから人へというのが誤りであったということは、もう既にちょっと認められているような現状があったように思いますけれども、むしろ、公共事業は間違ってもこれ以上は減らすべきじゃない。国土をきちっと安全なものとして国民の生命身体を守っていくためには、公共事業をこれ以上は減らすことはなく、むしろふやしていくべきだ。そうでなければ、今般の大震災の教訓、災害には上限がないと言いながら公共事業を減らし続けて、全く言行不一致になる、私はそう考えますけれども、大臣の所感はいかがでしょうか。

前田国務大臣 赤澤委員の胸をかりて答弁をさせていただきます。

 私が災害に上限なしと言ったのは、私の言葉ではありませんでして、これはあくまでも、社会資本整備審議会において、東日本震災についての総括をしてくださいました。非常に熱心な御議論をいただいた上で、命第一、災害に上限はなしという教訓を導いていただいたわけであります。

 そういった意味で、この二つというものは、今後、国土交通省が防災対策をするにしろ、あるいは社会基盤整備、社会基盤整備は民生、経済、社会活動、あらゆる基盤になるわけですが、特に災害時の防災機能というのは、もちろん防災機能を直接発揮するものもあれば、今回のあの三陸沿岸道路のように、これが一週間前にできたために命を救う機能を大きく果たしただとか、こういった例もあります。社会基盤を整備していく上で常に考えていかなければならない指針だ、こう思っております。

 直接お答えしているような感じじゃないかもわかりませんが、予算的なことについて一切減らさずにというのは、これは国の大きな財政の中での話でございますから、いかに財政、ファイナンスを調達するかというのは幅広く考えていくべき課題かな、こういうふうに思います。

 特に、災害に上限なしということなんですが、先ほども御紹介したんですが、那智勝浦町、現場を歩きました。本当に大変な、言葉もないわけですね、あの町長さん。奥様を亡くされ、そして婚礼間近のお嬢さんを亡くされ、その町長さんがけなげに現地で指揮をとっておられるわけであります。そのときにつくづく思ったのは、本当に、あの町長さんの家が、何でこんないいところにある家がいわば山津波にのまれてしまったのか、こういうことも千年以上の間にあるんだなということをつくづく感じました。

 そこで、ああいう大豪雨による山津波、それから三陸の海津波、これは、瞬時に起こったことではなしに、今の先端の技術、発達したレーダーであり、それをきっちりと受けとめて通信をやる衛星通信システムであったり、それを受けての警戒あるいは避難態勢、そういったことも踏まえて命第一という対応をしなければならないということをつくづく感じたところであります。

赤澤委員 第一問目の答えを聞いて、少々大臣は手ごわいなと私は思いました。その心は、必ずしも聞いていないことについてもかなりいろいろとお話をされて、私自身が胸をかりようにも、何か大臣が私と離れたところで型の演技をやっているという感じがちょっといたしまして、しっかりと私がかけたわざについてお答えをいただく、答えは簡潔にお願いをしたいということを申し上げます。

 引き続き所信について伺いますけれども、「建設産業については、その取り巻く環境がかつてない厳しい状況にあります。国土を守り、生活を支える建設企業の再生や技能・技術の承継等を図り、建設産業の再生・発展に取り組んでまいります。」その取り巻く環境はかつてない厳しい状況にある、だれが責任者か、私は問いたいんですよ。

 政権交代後の大臣で、四年間で削ると言った公共事業をおれは一年で削ったんだと胸を張った大臣がおられました。そういうことをやるとどうなりますか。それで飯を食っている人たちはひどい目に遭うんですよ。

 一つの会社で一八・三%突然売り上げが減ったらえらいことです。日本全国で、特に経済力のない地方ほど、民間の大きなマンションとかがぼこぼこ建設されたりしないような地方は、公共事業は本当に大事なんです。一八・三%も一年で切られりゃ、大臣が胸を張っている横で、経済力のない地方の中小の建設業、それは一八・三%以上に仕事がなくなってばたばたと倒れるということはもう現実のものとなっています。

 これは、人ごとのように「取り巻く環境がかつてない厳しい状況」じゃなくて、政権交代後、コンクリートを目のかたきにする無理解な大臣が出たから建設業界が厳しくなっているんですよ。それが専らの声です。だから、それにこたえてもらわなきゃいけない。なので、公共事業についてやはりこれ以上は減らさないんだという考えをきちっと出してほしい。

 つまり、当時の国交大臣は、一八・三%削ったから次年度以降はもう公共事業は削らなくていいはずだとおっしゃったけれども、そんなことに決してならなかった。完全に読み違えておるわけです。その辺は考えを改めて、きちっと財務省とも闘うところは闘っていただかないと、本当に、地震の活動期にある、災害後もまさに十年以内に首都直下、東海、東南海、南海、三連動の地震も起きるかもしれない。備えが十分にできませんよ。特別な枠をつくってでもそれには対応するぐらいのことをやらなきゃ国民の生命身体が守れないという認識をきちっと持っていただきたい。

 一言申し上げておけば、先ほどの、災害に上限がないというのは私の言葉ではありません、ちょっとあっけにとられました。所信の中に盛り込んで発言されたんでしょう。人の言葉をかりようと、前田大臣は一国の大臣です。自分の言葉として言った以上、綸言汗のごとしということで、ほかの人が最初に言った言葉だから私は責任がないということにはならないです。

 災害には上限がないと言い切った以上、その教訓をきちっと踏まえて、なおかつ、あの東日本大震災で、今、日本は災害、地震の活動期にあることがわかったんです。しかも、さっきから申し上げているとおり、政権交代後のとある大臣が四年分を一気に一年で削った。その結果、本当に建設産業がひどいことになっているんですよ。そのことをきちっと深刻に受けとめて、公共事業はもう減らさない努力をする、そのことはきちっと言っていただきたい。いかがですか。

前田国務大臣 災害に上限なしということについては、私自身もそのようにしんから思っておりまして、しかし、それは私個人の言葉ではありませんよということを言いたかったわけですね。あくまでも、社会資本整備審議会において有識者の方々もそのような教訓を導き出していただいていますよということを御指摘させていただきました。

 もちろん、災害に強い国づくりを目指します。補正予算におきましても、三次補正におきましても、できるだけ国交省の責任を果たすべく、そして、来年度予算においても、先に、災害に強い日本の国、さらにはミッシングリンク等、いや、これはまだ質問を受けていませんね。ミッシングリンク等も含めまして、しっかりと予算も確保させていただきます。

赤澤委員 それでは、高速道路の無料化についてちょっと伺いたいと思います。今、党の幹部からの指示で、道路についていろいろお話を伺えということになっておりますので、高速道路の無料化。

 三党合意、八月の九日だったと思いますが、高速道路の無料化は平成二十四年度予算には計上しないということでありました。我々の立場とすれば、あの高速の無料化は、そもそも四Kと呼んで、ばらまきの象徴としてぜひやめていただきたい、財源厳しい中で。その中でできた合意でありますから、平成二十五年度以降も計上しない、もうあれはやめたという理解でよろしいですか。

前田国務大臣 御指摘のとおりに受けとめさせていただいております。

 就任以来、記者会見等においても、この件、質問をされるたびに、三党合意をしっかり守っていきますというふうに答えさせていただいております。

赤澤委員 少々驚いたのは、事務方に確認したところ、二十五年度以降はまだ議論をしていないんだということをちょっと言っておられたんですが、大臣が今はっきりと、二十五年以降もやらない、やめたと言っていただいたので、大変ありがたく思います。

 それ以外に、実は、被災地の高速無料開放ということをやっておられます。新聞等で報道された、トラック等が被災地の近くからわざわざ被災地まで入ってUターンをして、片足を被災地に入れると高速料金が節約できるということで、少々不正使用も多いというような報道のもとで、今回見直されることにされましたけれども、逆に言えば、これは三党合意に言う高速無料化ではないという理解のもとで継続をされる、そういうことでよろしいですね。

前田国務大臣 委員御指摘のとおりに理解をしております。

赤澤委員 それで、一つだけちょっと伺いたかったのは、やはり制度をつくるときは、最初からうまくいくものにするにこしたことはないと思うんですけれども、やはり時間がない中でということかもしれません。一言大臣から伺いたいのは、不正が多く出るぞというようなことについては、これは事前にわからなかったものなのでしょうか。それとあわせて、今回の仕組みであれば不正はあり得ないということなのか。その二点をお伺いしたいと思います。

前田国務大臣 証明書の発行の主体というのが、当時はたしか市町村等を含めて随分分散されていて、しかも、その評価が必ずしも一定していなかったというように聞いております。それから、渋滞があった、料金所において手作業でやっていたというようなこともあります。

 そういう反省点を踏まえて、今、改良して新しいやり方でスムーズに対応していくということでございます。

赤澤委員 ただ、ちょっと今のは、答えになっているか、なっていないかというのは、被災地に片足を入れれば高速代が節約できるという話については、よく事前に考えれば、これは起きるだろう、制度をこういうふうに仕組めばこういう不正は出るだろうということは私はわかったと思うんですけれども、その点、最初からきちっと今回のように考え抜いた制度にできなかったのはなぜなのか。加えて、今回の制度、見直し後のものであれば不正はないというふうに確信をされているのか。その二点、改めてお伺いいたします。

前田国務大臣 今までの問題は、対象エリアを通過して出ていけばそれだけで無料になるというような形になっていたわけですが、今回はその反省を踏まえて、対象エリアから、要するにきっちりそこは把握できるような制度になってきたということであって、委員御指摘のとおりだと思います。

赤澤委員 では、これは二往復もしましたのでこの程度にしますが、最初のものはやはり考えが足りなかった、もうちょっと練ったものにできればそれにこしたことはなかったという点は、大臣もうなずいておられますので、そういう共通認識でいいのかなと思います。

 それで、先ほど所信のときに聞き落としたことがあるので、そこをちょっと挟んでから、東日本大震災の教訓に入らせていただきたいなと思います。

 所信の三ページに日本海側拠点港の形成ということがあります。私は実は、日本海側の県選出、鳥取県ということであります。山陰と呼ばれる地域であって、なかなか経済発展が、太平洋側あるいは山陽側ほど期待どおりになっていないという思いがあります。

 そんな中で、大臣、ぜひ日本海国土軸といったようなものを形成する。その心は、何も自分の地元だからということではなくて、先進国がアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドであった時代と比べれば、明らかにこれから経済の重心が日本海側に移ってくる。極東ロシア、韓国、中国、台湾といったことですから、相対的に経済が、そして人や物の動きが日本海側にシフトをしてくる。では、そちら側の基盤を整備しようじゃないか。港湾に限らず、旅客輸送も貨物輸送も、そちらの国土軸を整備するということを力強く打ち出していただきたいと思うんです。

 大臣は奈良県の御出身ということで、ある意味中立な立場にあられますので、中立な回答をいただきたいなと思います。よろしくお願いします。

前田国務大臣 持続可能な国づくり、国土づくりということを申し上げておりますが、日本海側の国土軸というのは非常に重要だと思います。

 それは、今委員御指摘のように、東アジアの発展、それを受けとめていくのは日本海側だろう、このように思いますし、加えて、ロシア、そして、北極航路までとは申しませんが、北の方にも相当の資源の賦存があって、ロシア等のあの辺の開発等も進むというふうに見られているわけですから、委員御指摘のとおりだと思います。

 加えて、持続可能ということは、東海、東南海、南海地震といったものが同時発生したときには太平洋岸側の状況がどうなるかというと、想像にかたくないところもあるわけです。日本海側というものの軸がそういった面からも必要であるかな、こう思います。

赤澤委員 真剣に考えていただいているということを感じました。というのは、私は、大臣のお答えをいただいてから、加えて、実は日本海側は地震からも比較的安全な国土軸になります。不幸なことにと言っていいか、とにかく今、我が国の経済は、本当に発展している部分というのが太平洋ベルト地帯とか、東海、東南海、南海ですか、とにかく経済の集中している、経済活動が集中している部分が本当に地震の脅威にさらされているということなので、そういう意味でも、バックアップ機能とかも含めて日本海側をぜひ見直していただきたいということは強く申し上げておきたいと思います。

 東日本大震災の教訓にちょっと入らせていただきますが、ここは、政党の違いにかかわらず、立派に役目を果たしたところは果たしたと積極的に評価をさせていただきたいのは、道路の啓開、復旧については、これはもう本当に及第点以上、見事なものであったと私は評価をしております。

 東日本大震災の後、どちらかというと、被災地に行くと、瓦れきの山は全く撤去されていないが、道路だけはぴかぴかの状態で使えるようになっている。これは本当に立派な仕事をされたなということで、その点について、なぜ道路の啓開、復旧はあれだけうまくいったと大臣が認識をされているのか、お伺いをしたいと思います。

前田国務大臣 一つは、被災が大きかった太平洋沿岸に向けて、まず、南北軸である東北自動車道、国道四号をとにかく直ちに確保するということで啓開に努めたわけです。あわせて、東西のくしの歯、これを早く確保して沿岸部の拠点に啓開するというようなことで、この縦軸の方については、発災翌日の三月十二日には緊急輸送ルートとしての機能を確保いたしました。そして、この縦軸からのくしの歯については、四日後の三月十五日までには十五ルートを確保いたしました。それが救急救命、緊急物資の輸送などに貢献をしたと思います。

 もちろん、地元の建設業協会とあらかじめ災害協定等も結んでおりましたし、東北地方整備局の諸君を初め、地元のそういった建設、国道関係に関係あるところが必死になって頑張ってくれたたまものと、改めて感謝をしているところであります。

赤澤委員 同じ国土交通省出身なので褒めるわけではないんですけれども、やはり大臣の御答弁、一味違うなと思って聞かせていただきました。

 というのは、先ほども最後に地震のことを触れていただきましたし、今も、私が強調したかったのは最後の点なんです。備えあれば憂いなしで、実際、個人情報に絡むので全部は見せてもらえませんでしたけれども、災害協定の中では、各道路の幅ごとに、この地域はこの会社が、そしてサブの会社が二社ぐらいあって、それぞれ、情報を伝達する係、重機を運ぶ係、実際に作業する係、何か起きたらここに集合しろというのを全部決めてあるんですよ。携帯電話も全部入っているものがもうできている。

 その結果、いきなり携帯電話が通じなくなっても、おれの役割からいって重機を運ばなきゃいけないはずだ、おれの役割からいって作業する場所に行かなきゃいけないはずだと動き始めている。これは非常に大きかったと思うんです。そういう意味で、この備えあれば憂いなしは大きな教訓ですし、そのことはきちっと全国的に確実にしていっていただきたい。

 あわせて、ここでもう一度申し上げておきたいのは、公共事業の重要性ですよ。

 私の地元で、車千台が立ち往生した元旦の雪というのがありました。屋根のないところは全部一メートルの雪が積もっているんですよ。その状態で重機も出せないから、スコップを持って車を掘り出しに出てきてくれたのは、地元の中小建設会社の方たちなんですよ。台風十二号で堤防が決壊する。何かことし、私の地元は当たり年で、三月十一日の地震ほどの被害は出ていないのでそこは幸いですけれども、ありとあらゆるものが来ている。このときも、堤防が決壊しかけたときに土のうをつくる機械を持って駆けつけてくれるのは、大手ゼネコンでもなければ他県の事業者でもないんです。地元の中小の建設業。そして、今のくしの歯作戦だって、結局活躍したのは、もちろん国の指揮もよかった、準備もよかったけれども、現場の中小の建設会社の方たちなんですよ。

 そのことをよく理解されて、先ほど所信の中で、その方たちが今大変な苦境にあると。民主党政権は責任なかったと言えませんよ。そこをきちっと認識された上で、事業量を確保していく。そうしないと、この方たちの技術もなくなる、重機もレンタルをするしかない、土のうをつくる機械も手放さなきゃいかぬとなってくるんですよ。地元に企業がなくなれば、いざというときだれも出てきてくれない。ぜひ国土をこんなことにしないでいただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。

 ちょっと言葉の点でこだわるようなんですが、所信の中で大臣が言われた多重防御、津波対策については。私は、ちょっとこの言葉はミスリーディングで、防潮堤といったハードも、一つだけでは津波はとても防ぎ切れない。幾ら避難訓練をしていても、やはり防潮堤等をきちっと整備しておかないとあっという間に津波にのみ込まれる。ソフトもハードも一つではとても十分とは言えないけれども、何とか組み合わせてしのぐというのが今回の教訓だったと思うんですよ。それこそ、日本海側、あるいは、こっちは三陸ですね、三陸を全部十五メートルの防潮堤で囲おうなんというのは、ダムの底に人たちが暮らすようなものですから、とてもできない。

 だから、防潮堤プラス、ソフトの避難訓練等ということからすると、何か多重防御という言葉は、私は、一つでも災害を防げるものを幾つか重ねるように聞こえるので、ちょっとミスリーディングではないかなと。

 この言葉は大臣が選ばれたのではないかもしれませんけれども、むしろ教訓としては、ハードだけでも全く足りない、ソフトだけではましてや足りない、両方を組み合わせてやっていかなきゃいけないというのがまさに教訓であって、その点を本当に国民の間に浸透していかなきゃいけないというふうに思いますけれども、どうお考えでしょうか。

前田国務大臣 委員のお考えのとおりだと思いますね。

 多重防御という中には、河川では昔よくあった、いわゆる二線堤だとかいうのがありますが、三陸においてもそういう考え方が場所によっては出てきているというふうに思っておりまして、可能なところはそういったこともぜひやれたらいいな、こういうふうに思っております。

赤澤委員 それで、そこにこだわるようですが、コンクリートから人へ。私は、午前中の大臣の御答弁を聞いて、ちょっと違和感があった部分がある。

 というのは、コンクリートから人へは、人の命を守る社会資本を重点的に整備しようというような趣旨じゃないかとおっしゃったんだけれども、国民はそう受けとめなかったですね。コンクリートから人は、要するに一言で言えば、公共事業を削って子ども手当をやるとみんな受けとめたんですよ。大臣が言ったような意味でコンクリートから人へが言われていたわけでは決してなくて、意味を途中から差しかえて、これでいいんだということにはならないと私は思っています。

 なので、コンクリートから人へについて、私は、今回の東日本大震災を経て一段と間違いであることが明らかになったというふうに感じますし、政権交代直後の秋口に、事業仕分けで、補正の高速耐震化の予算、たしか千二百億だったと思いますが、削られました。このときにあわせて学校耐震化の予算も千八百億、合わせて三千億、耐震化の予算が削られたと思います。そういうことも含めて、コンクリートから人へというのは誤りであったと私は思いますが、大臣はどうお考えですか。

前田国務大臣 過去の経緯、また、そのときどきの政治としての発言をどう受けとめてどういうふうに広がったか、これは私の検証するところではございませんが、あくまでも今の私の立場としては、これだけの大きな災害があった、多分千年に一度以上というような災害があった、それを素直に受けとめて、後世、我々の後輩たちが、あのときちゃんとその教訓を受けとめて、いろいろな制約のある中で何とか頑張ったなと思っていただけるような対応を、ぜひ国を挙げて、国会を挙げてやっていきたいな、こう思う次第であります。

赤澤委員 だからこそ、私が申し上げたいのは、これから十年、我が国は戦時下にあると思わなきゃいけないと思うんですよ。

 京大の藤井教授が書いた本にそういうことが書いてあるのは、それは何かというと、彼は戦時下とは言っていません、戦時下は私の言葉ですが、三陸沖でマグニチュード八クラスの地震が起きたのは過去二千年間で四回ある、四回が四回とも前後十年で首都直下型地震を伴っている、四回のうち三回は東海、東南海、南海地震を伴っていると。何百年に一度の地震にとって、前後十年の幅なんというのは一瞬ですよ。同時に起きているんです、過去四回中四回。首都直下型地震がこれから十年以内にほぼ確実に来る。

 危機管理の要諦は、最悪に備えよですからね。そして、東海、東南海、南海が連動することも当然想定する。その上で備えなきゃいけないんです。被害者は少なく見積もっても一万人ですよ。多く見積もる人は、二十万人なんと言う人もいる。何かちょっと津波に似たものが起きれば、地下鉄の九割が水没すると言っている人もいる。我が同胞が、十年以内に、ある年に一万人以上、万人単位で命を落とすかもしれないんですよ。一万人以上被害者が出るものは、交通事故でも交通戦争と呼ぶんです。

 大臣にぜひ申し上げておきたいのは、戦時下で、財源が厳しいから、国家的な財政制約があるから、戦争が起きているのに弾が買えません、戦車の燃料が買えません、そんな政治はないですよ。そのことをきちっと認識していただいて、これについては例えばプライマリーバランスから別枠にして、予算をきちっと、復旧復興の予算と同じぐらい確保してでも取り組むぐらいの気概を見せてもらわないと、政治として責任を果たしたことにならない。このことははっきりと申し上げておきたいと思います。

 その上で、私、これもよかったなと思うのは、高速道路のあり方検討有識者委員会、第七回ということで、七月十四日に「東日本大震災を踏まえた緊急提言」というものを出されています。この緊急提言の中で、私は、幾つか見るべき点というか、非常にこれはいいものだと思っているんですけれどもね。

 大臣にお考えを聞きたいのは、この中で、高速道路の整備のあり方、優先順位の考え方について、何かこの提言を受けて今後見直していこうというお考えを大臣がお持ちかどうかを伺いたいと思います。

前田国務大臣 えてして今まで、CバイBというんですか、そういう基準が大きな基準になっているわけなんですが、この提言等においてありますのは、やはり命の道路という観点があるのではないか、このように思っております。

赤澤委員 そのとおりでありまして、それ以外にもいろいろなことが書いてありますが、BバイC偏重、ちょっと先ほど逆におっしゃったかもしれませんが、BバイC偏重がやはりよくないということで、大臣が今おっしゃったようなことはまさにそのとおりで、災害のときに孤立させない、地域を孤立させないための道路整備といった観点を入れていく。そうなると、おのずと優先順位が変わってくると思うんですよ。採算がとれないところでも、この道路だけは整備しておかないといざ災害のときにこの地域が孤立する、そういう観点で、今後、優先順位の考え方を、あるいは事業評価のやり方を見直して、しっかりと政治らしい優先順位の判断をするという決意でよろしいでしょうか。

前田国務大臣 共通のスキームとしてどうするかというのは、議論もまだ省内でやっているわけではありませんが、大きな方針としては、今御指摘のような考え方でやっていこう、とにかく早く命の道をつなごうということを申し上げております。

赤澤委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、公共事業についてはしっかりと事業量を確保していただく、そのことが国土づくり、強靱な国土づくりに大いに資するということ。そしてまた、今申し上げたように、道路についても、優先順位の考え方を改めていただいて、命の道をかなり頑張って整備していただく。ついでに日本海国土軸もあわせてお願いをして、私の質問を終わりにいたします。

 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之です。ありがとうございます。

 私は九三年初当選なんですが、国土交通委員会に所属させていただくのは今回が初めてであります。一度だけ、平成十六年に羽田の再拡張事業の法案が審議されたときに、千葉県の浦安市上空がそもそもの飛行ルートになっておりまして、浦安の住民の皆さんから、とんでもないということで、その声を受けて、一度だけこの国土交通委員会で質疑をさせていただきました。

 当時も、飛行ルートを平成十六年の二月九日に国交省の方で地元に提示していただいたんですが、それまでの地元への説明とかが必ずしも十分ではなかった。地元、当時は千葉県と十四の市町村が一緒に協議会をつくっておりましたが、全地から反対の声が起きますし、千葉県議会でも、とんでもないというような声が起きました。成田の二の舞になるのではないか。ずっと成田闘争が続いてきた地域でありますので、ぜひ地元の声を聞いてもらいたい、地元に対する説明をきちんとしてもらいたい、また、騒音の算定等についても、地元の皆さんが理解できるような形できちんと御説明いただきたいということをお願いしまして、それはそのとおりやっていただきました。

 その上で、余りにも浦安市の上空を低空で飛行するルートだったものですから、浦安の皆さんが署名を集めまして、当時の石川航空局長のところに私も一緒に伺いました。そうしましたら、石川さんは生まれが千葉県木更津でして、私も気になったので、浦安市の航空ルートの下の道をずっと自分で歩いてみた、さすがにこれは、このマンションに住んでいて、この上を六百フィートとかで来られたらたまらぬなということで、真剣に検討しますというふうに約束してくださいました。私は衆議院の予算委員会で三月二日に、そしてこの国土交通委員会で三月十六日に同じ質問をしたんですが、五月二十四日にルート変更を国交省の方で決断してくださって、地元、県、市町村に提示していただきました。

 本当によかったなという思いでずっと見ていたんですが、今回、千葉市の住民の皆さんから、昨年の十月にD滑走路が供用開始したら、今までこんな騒音はなかったのに、いつもうちの上だけで騒音が起きる、南風のときにそういうルートになるということで、特にこの春から大変だったと。節電の影響もあって、夜クーラー等をつけられないから窓をあけていて音がうるさいとか、そういったこともあったんじゃないかというふうに千葉市の職員の皆さんは言っておりましたけれども、ちょっと余りにもひどい。千葉県内で、十カ月で五百二十件も苦情が来たというような数字も出ております。そのうち二百件以上が千葉市だったということで、その問題をまず取り上げたいというふうに思うんですね。

 大臣は、航空行政に関する部分の所信で、「航空分野では、安全運航の確保を大前提としつつ、首都圏空港の抜本的な機能強化、戦略的なオープンスカイ、関空・伊丹の経営統合等の空港経営改革等の施策を推進します。」というふうに述べられております。

 首都圏空港の抜本的な機能強化、戦略的なオープンスカイというのは大事だと思いますので、このとおり進めていただきたいと思うんですが、それが千葉県の住民を犠牲にしてなるような形は、きょうはこの委員会、民主党の先生たちも千葉県選出の先生が多いので、ぜひバックアップしていただきたいと思うんですが、そこはやはり、当時この委員会で議論になったのは、できるだけ騒音は東京湾内に閉じ込める、千葉県に影響を与えないように。羽田なんだから、本来千葉は直接の恩恵を受けませんので、そういったことも議論していましたので、そういう方向でやっていただいているんだなと思っていましたら、残念ながら、そうなりませんでした。

 その後の経過を、資料を見てみますと、平成十七年の九月二日に羽田再拡張後の飛行ルートに関する確認書というのが協議会と国交省との間で交わされています。その確認書の中に、「将来の管制技術等の進展に合わせ検討する事項」という項目が七項目ございました。

 七項目の一番目にこういう記載があります。「南風好天時の千葉・市原方面からの着陸ルートに関し、以下の例を含め専門的立場から技術的検討を行い、千葉市上空への集中を避けることについて」ということで、三つポツがありまして、一つ目として、「LDA進入ルートの位置をずらすことにより、着陸ルートの千葉市上空以外への分散を図ること。」「LDA進入方式の運用を見直し、通過機の陸上における狭い範囲への集中を回避すること。」そして最後に、「海岸線に沿って飛行する視認進入方式を導入し、市街地上空の通過を回避すること。」この三点が明確に書かれていました。

 この十七年の確認を受けて、もう一度、二十二年の三月十九日に同じように確認書が交わされて、その中ではこのような記載がありました。「将来の管制技術等の進展に合わせ検討する事項について」というところに、「国土交通省は、飛行ルートが集中する千葉市や木更津市などにおける飛行ルートの分散化、千葉県内の着陸ルートの更なる高度引き上げ、海上を通過するルートへの移行などのため、管制技術等の進展を図るために必要な予算確保に努めるとともに、航空機機材の技術革新にあわせ、平成十七年確認書及び本確認書で確認した「将来の管制技術等の進展に合わせ検討する事項」を着実に進展させること。」

 こういう合意があるにもかかわらず、実際にD滑走路の供用が始まりましたら、お手元に資料を配らせていただきましたけれども、この資料一の1と一の2は千葉市のホームページから引っ張り出しました。ちょっと見にくいんですが、一の1に飛行ルートが赤い線で二つかいてあります。この赤い線の周りにちょっとピンクがかった地域があるんですが、実際は、この赤い線二つの上を飛行機が全部飛んできてしまう。本当はもう少し幅を持って、一点に集中しないようにということで合意をして、そのとおりやってきたはずなんだけれども、余りにも技術が正確過ぎて、ここに赤い線がちょうど重なる点がありますが、ここがやはり騒音に対する苦情が一番多くなってしまっている。

 これは、今までの、千葉県そして二十五市町村と国交省がずっと協議してきたところからやはり外れてしまうんじゃないかということで、資料一の2を見ていただきますと、「市民意見への対応」というのが出ております。「市民の方から航空機の騒音について苦情が寄せられています。」ということで、二月十六日、関係市とともに、この状況を解消することを含め国土交通省に以下の申し入れをしたところですということで、分散化を図ること、そして深夜早朝は海上でやってもらいたい、管制技術の進展を図り、騒音影響の軽減等の検討を進めること、こういう申し入れをしたというふうに千葉市の方からも説明を受けました。

 これに対して、国交省の方で六月六日に回答されたようですが、千葉市あるいは木更津市の皆さんから見ると、まだ満足のいく回答になっていません。ちょっとぼやけている部分があります。

 その点について、大臣はどういう御認識で、今後どういうふうにされていこうとしているんでしょうか。ぜひ御意見をいただきたいと思います。

前田国務大臣 今までの経緯もお話しのとおりでございます。

 そして、委員のお示しになっているこの赤い線のルート、クロスするところで特に騒音度が高くなっているということで、飛行高度をこのクロスするところで、一方でちょっと上げたというようなこともやっているようですが、それでも余り大きな効果が出てきていないという御指摘なんだろうと思うんですね。

 しかし、ここにお示しのようなことを、まだしっかり技術的にも対応し切れないところはあるかと思いますが、何とか地元の負荷が軽減されるように努めてまいりたい、このように思っております。

富田委員 ぜひ大臣の発言のとおりにしていただきたいんですが、実は、六月六日付の回答書にこういうふうに書いてあります。「内陸部における着陸ルートの分散について」ということで、「千葉県内陸部における飛行ルートに関しては、一部地域に偏りが認められるところであり、平成二十三年四月七日より、北風時の到着経路について改善を図ったところです。」ただ、これは北風の場合なんですね。今問題になっているのは南風で進入してくるときですので、この回答書では、「これ以外の経路に関する騒音改善策についても、検討を続けて参りますので、ご理解をお願いいたします。」と。

 御理解したいんですけれども、実際騒音に悩んでいらっしゃる方は、これからは時期的に北風が多くなりますからいいんですけれども、また来年になれば、春から南風で騒音問題に悩まされるというふうになりますので、ぜひそれまでに、この一の1にある交差する点を少しずらすとか、この下は私の事務所の近くにありますので、本当に市街地なんですね。住宅街になっていまして、もう少し陸側に入ってもらえば山林部分もあります。少しずらせば完全に東京湾側になります。

 ただ、余り奥に入ってしまうと、今度、成田の管制ルートに入ってしまうということで、また事故になってしまっても大変ですから、そのあたりを勘案して、この帯状になっている部分をもう少し集中化しないように、航空管制技術なり、また航空局の方からの指導で、ぜひ具体的に、来年の本当に南風が多くなるときには大丈夫ですよというような指導をいただきたいと思うんですが、もしあれでしたら、航空局長、どうですか。

長田政府参考人 今委員御指摘の点にお答えをさせていただきたいと思います。

 まず北風時の着陸ルートにつきまして、今御指摘のとおり、本年四月七日より、幅を持たせた運用にするということで既に実施をしているところでございますが、御要望は好天時の南風の対応でございます。

 委員今御指摘のように、ちょうど東側が成田の空域に隣接した非常に狭い空域でございます。この空域につきまして、安全性を確保しながら騒音の軽減を図りたいということで、現在、関係自治体の皆様方とも具体的な相談をさせていただいております。

 何とか、経路の見直しなども含めて具体的な対策がとれるように、真剣に関係自治体の皆様方と相談をしてまいりたい。非常に技術的に難しい問題はございますが、何とか地元の皆様方の御理解をいただけるように、少しでも騒音が減るように調整をしてまいりたいと思っております。

富田委員 ぜひ航空局長の答弁のようにやっていただきたいんですが、これは二十五市町村が一緒になって協議会をやっていますので、実際には千葉とか茨城とか、市川、浦安がちょっと突出しているようです。やはりそれぞれの地域で地域の実情も違いますし、それぞれの議会でも取り上げられて、国の方にきちんと要望しろというふうになっておりますから、ぜひ、大臣また航空局長、地元自治体の皆さんの意見も聞いていただいて、次の南風が多くなるときまでに具体的な解決策をお示しいただきたいと思います。大臣、それでよろしいですか。

前田国務大臣 その方向でしっかりやらせていただきます。

富田委員 ありがとうございます。

 次に、私どもの千葉県は、今回の大震災で液状化の被害が本当に多かったところであります。浦安を初めとして県下、大変な被害に遭いました。

 政府の方で、七月二十九日に、東日本大震災からの復興の基本方針というのをお決めいただきました。その中に、「災害に強い地域づくり」の項目のところに次のような記載があります。「大規模盛土造成地が崩れた地区や液状化被害が生じた地区について、所有者個人の支援策の拡充措置を周知・適用する。また、液状化について、負担の軽減にも資するよう、その発生メカニズムを研究し、より安全にかつ低コストで行える液状化対策の技術開発を進め、公共インフラにおける再発防止を図るとともに、道路・下水道等の公共施設と隣接宅地等との一体的な再発防止策を検討する。」というふうな記載がありました。

 では、一体どうするんだというふうにずっと尋ねましたら、やはり個人所有財産に直接国が関与することはできない、そういう意味で、道路、下水道等の公共施設と隣接宅地等との一体的な再発防止策にまず国交省としては取り組みますというようなお話がありまして、資料の二、お手元に配らせていただきました液状化対策推進事業、これを第三次補正でやっていきたいというような御説明をいただきました。

 これはすばらしいと思うんですが、被災地の戸建て住宅で被災を受けた方というのは、なかなかこの説明を聞いてもすっと理解はできないと思うんですね。基本方針でやはりああいうふうに書いてありますから、戸建て住宅に個別の補償はないんだと。被災者生活再建支援法を要件緩和していただいて、できるだけ援助していただくようにしてもらいました。それだけでもありがたいとは思うんですが、一戸建てをきちんと液状化対策して、今までと同じように住むというのはなかなか難しいような状況です。

 そういう中で、今回、第三次補正の中で液状化対策推進事業を創設していただいたというのはすごくいいんですが、このポンチ絵等を見ていっても、道路部分は国が責任を持ってやります、道路に隣接する、宅地にちょっと入ったところも一緒に液状化対策はできますよ、ただ、中は全部個人で負担を持ってくださいというふうに言われたときに、自分たちでそれを本当にできるのかなと。あるいは、これを聞いた地方自治体の皆さんの方で、どこまで自分たちが関与できるんだ、どういう背景でこの制度が創設されてきたんだ、そのあたりについて、まだ関係の自治体に十分な説明は行っていないと思いますので、ぜひ、この制度が設計された背景、また、どういった要件でこの制度が適用になるのかを御説明いただければと思います。

前田国務大臣 確かに、個々の個人所有の家についてというわけにはまいりませんが、今回の液状化対策推進事業というものをうまく応用すればかなりのところまで対応できるんだろう、こう思っております。ただし、この事業の中身について、まだそれぞれの自治体においても御理解はそれほど届いておりません。したがって、こういった補助事業について国交省を挙げて、直接担当者を派遣するなりして理解を広げる。さらにその先は自治体が、住民の方々、災害復旧等もあるでしょう、そういった中でこの事業を有効に利用してもらえるようにしていければな、こう思います。

 もう少し具体的に申し上げると、このポンチ絵では確かに理解しにくいわけですが、立体的に考えると、道路があって、そして私道というものもあって、かなりのところまで住んでいるところの周りに公共が伸びているわけでございますから、そこにこの事業を適用することによって、相当の部分、液状化に対する復旧事業になるのではないか、このように思います。

富田委員 今大臣は、かなりの部分をこれで救えるはずだというふうにおっしゃいましたが、ちょっとこの説明資料を見る限り、都市防災推進事業あるいは都市再生区画整理事業の拡充という形で、今までよりも事業を使いやすくしますよという説明なんですが、例えば、その一番下のハに、「土地区画整理事業を活用しない場合にも、一定規模以上(三千平方メートル以上かつ家屋十戸以上)で、官民一体の取組に対して支援」とあります。

 これだと、単純に考えて、一戸三百平米並みですよね。十戸まとまっていれば支援できる。三百平米の家というのはなかなかない、かなり大きな住宅だと思いますし、それと、かなりのまとまりがないと自治体としては使えないのかなと。

 こういう要件も、多分これから自治体の要望を聞きながら検討されていくと思うんですが、一戸だけぼおんとなった地域もあれば、町、区画全体が液状化した地域もありますし、液状化の態様によっても全然違うところがあると思うんですね。あるところはこの事業が適用できるけれども、ある地域はだめだというふうになると、同じ液状化なのに何なんだ、何か救いようがないのかというような要望も出てくると思うんですけれども、そのあたりは、地方自治体からの要望を国交省としてはどんなふうに受けとめていこうと思っていらっしゃいますか。

前田国務大臣 今御指摘のところはかなり具体的なことであって、これは個々の液状化の被害を受けた地域によって、液状化の程度というか、内容も違うでしょう。それから、町そのものの、どういうような街区になっているかだとか、一戸建ての場合もあるでしょう。

 相当違いがあると思いますので、最終的には、官民一体となってこの事業をやることによって、実は民の負担が相当軽減される、また手間も省けるということになると思いますが、国交省が創設したこの事業を効果的に使うのは地方自治体ということになりますので、地方自治体に対して、最終的にはマニュアルだとかそういうことになるんでしょうけれども、連絡を密にして、使いやすいように指導あるいはともにこれを進めてまいりたい、このように思います。

富田委員 ぜひその点をお願いしたいんです。

 あと、これは交付率二分の一の補助事業ですよね。これだけの震災ですから、各自治体はかなりの負担をせざるを得なくなります。残りの自治体負担である二分の一について、何か手当て等は考えていらっしゃるんでしょうか。

前田国務大臣 自治体の負担もなるべく軽減させるようにしておりまして、この事業そのものはもともと土地区画整理事業等が根っこにあるわけですから二分の一ということになりますが、残りの地方の裏負担については、東日本大震災の復興交付金等も使えるようになっているはずでございますから、結果的には、地方自治体の負担というのは極力最小限にしていきたい、このように思っております。

富田委員 ぜひ、そういう方向で運用していただきたいというふうに思います。

 八月二十六日に、東日本大震災復興対策本部の方で、復興基本方針にのっとって復興施策の事業計画というのを定められました。その中でも液状化対策の項目をわざわざ設けられて、「液状化に関する研究及び技術開発の推進」というふうな項目がありました。そこに、「今夏中に「液状化対策技術検討会議」において、今回の液状化被害の特性や液状化発生メカニズムの確認・解析等、各種の公共施設等に共通する技術的事項をとりまとめ。」「上記とりまとめ結果も受けて、必要な研究及び技術開発を推進。」というふうに具体的に記載がありました。

 これはどういうふうになったのかなとずっと追っておりましたら、八月三十一日付で、液状化対策技術検討会議から検討成果が発表になりました。この検討成果を見ていますと、被害実態の把握をきちんとされた上で、液状化判定法の検証及び発生メカニズムの確認、解析、ここまではきちんとやられたんですが、ちょっとこれだけで本当にいいのかなというような検討結果の報告でした。先ほどお示しした復興の基本方針では、「より安全にかつ低コストで行える液状化対策の技術開発を進め」る、そこまで書いてあるんですね。技術開発を進めると書いてあるんですが、その点はこの検討会議の報告では全く触れていません。

 資料をいろいろいただきましたら、最後の方に、「住宅・宅地」というところに、「有識者の意見や、地方公共団体の地盤の液状化等に対する対応方針を踏まえつつ、工法やコスト削減方策等を含め、公共施設と隣接宅地等との一体的な液状化対策について検討する。」工法とかコスト削減方法を検討すると書いてあるんですね。もう一つは、「住宅性能表示制度を活用した住宅購入者等への液状化関係の情報提供について検討する。」これは二つとも検討で残っちゃっていて、では、これは一体どこで今後やっていくんだと、この資料を見てもよくわかりません。

 そのあたりは、国交省としてはこの検討会議の成果を受けて、今後どういうふうにしていこうとしているんでしょうか。

前田国務大臣 私もちょっとその説明を事前に聞いたところでは、工程表にのっとって、今委員御指摘の復興事業計画の中で書いてある、一番最初に発表された、各施設に共通する技術的事項の検討ということまではこの十月までに何とかなされたというふうに承知をしておりまして、この先の具体的なことについては、これからさらに具体の分野について深めていくということになっております。

 建設技術研究開発助成制度というものを三次補正の予算案で要求しておりまして、そういったところが主体になって、今御指摘のようなことをこれから早急に検討して、それを施設に反映していくというような工程になっております。

富田委員 助成制度をつくっていただくのはいいんですが、先日、新聞報道でしたけれども、民間の方で結構、工法を考えてやっている。個別に名前が出ていましたけれども、例えば竹中工務店さんは、宅地造成の部分に応用できるような液状化対策技術を開拓した。また、戸田建設、前田建設工業、ハザマのゼネコン三社は、早稲田大学と、工事費を二割削減できる方法を開発した。住宅メーカーである住友林業や新日本製鉄は共同で、先端を細くした特殊な鋼管のくいを地中に埋め込み、地盤を補強できる技術を開発した。

 民間の方でチャンスだととらえてこういった開発もされているので、ぜひ、今大臣が言われた助成制度にのせるのか、あるいは国交省の方の研究施設でこういった方たちと連携して、被災者に情報提供していくというのは非常に大事になると思うんですが、その点、どうでしょうか。

前田国務大臣 委員御指摘のことをまさしくやろうとしておりまして、三次補正でこの新しい技術開発のスキームができますと、この制度というものは、まさしく民間、それから大学等、そういったところの技術研究開発についても国が助成をするというような形で連携をしていくということになります。

富田委員 ちょっと大臣も不安げに答弁されている部分があるんですけれども、実は、きのう質問通告した際に、これは専門は地盤工学会の先生たちですから、地盤工学会の先生方の提言を国交省としてどういうふうに受けとめて、どう対応されていきますかというふうにお伺いしたら、提言のどこを言っているんでしょうかと事務方から言われたんですね。どこを言っているんでしょうかって、戸建て住宅の液状化について質問すると言っているんだから、ここからここのページとわかるだろうと言ったんですが、全然とんちんかんなページを指していて、まあ、うちの事務所に対応された方がふなれだったのかもしれませんが。

 我々の党も、液状化対策のプロジェクトチームで地盤工学会の先生方に来ていただいて、やはり一番詳しい。これまでは、大きなマンションとか公共施設はきちんと液状化対策ができてきたけれども、個別住宅については全く法の規制がないので、そこの部分がすぽっと抜け落ちていた。また、液状化対策をするにしても、大きなマンションなら対策費をかけてもペイはするけれども、個別の住宅ではそれは無理だ。また、全くその法規制がないので、新しく住宅を購入する方に液状化についての情報が全く提供されない。そういった問題点をきちんと指摘された上で、幾つか政府の方でも力を入れるべきじゃないかということが地盤工学会の方の提言にありました。

 その中で何点か、これは今後検討をしていく必要があるなと思いましたのは、提言の三十六ページに記載がありましたが、購入予定者が地盤の品質確認ができるように、販売者による地盤の品質説明が専門知識のある技術者によって行われることを義務化する必要がある、ここが必要なんじゃないか。

 そして、地盤品質判定士の制度というのをつくったらどうだ。これからまた制度をつくるというのはなかなか難しいと思うんですが、これは一つ、いい提言だなというふうに思いました。それは、被災を受けた宅地に対する被災宅地危険度判定士というのは各都道府県で認定しているんですね。できた後の判定はされている方がいるので、この人たちの能力を生かして、事前にきちんと説明できるような制度設計をしてあげればこういったことができるようになると思うんですね。これは一つ、いい提言だなというふうに思いました。

 また、この提言の三十七ページには、戸建て住宅に適用できる標準的な地盤液状化の判定法の開発を進めるべきだということで、今回の東京臨海部等での地盤液状化が生じた箇所と生じなかった箇所のスウェーデン式貫入試験のデータ結果を収集、整理して、その予備調査の精度を向上させる必要があると。こういったことは国交省の方で指導すればできると思うんですね。

 こういうふうに開発に関与していただきたいと思いますし、戸建て住宅に適用できる地盤液状化対策工法の開発、ここも、今回被災を受けた人たちから見たら同じようなことにならないようにという意味で、ぜひこういった点も何とか研究対象にしていくべきだと思うんですが、今私が言った三つはどうでしょうか、大臣。

前田国務大臣 富田先生は専門的にこの分野もリードして勉強されておりますので、私の粗末な知識で答弁になるかどうかわかりませんが。

 液状化のみならず地盤の弱いところ、あるいはがけ崩れ箇所等、確かに個別の住宅についてはいささか、私権のところというところで、余り公の規制だとかそういったことがなされていなかったという反省はあります。

 当然、その前提としてしっかりとした調査と基準を設けて判定して、その判定に基づいて、どのような工法がいいのかというぐらいのところまでは地盤工学会等も提言をしてくれているわけですから、こういったことを受けとめて、ぜひ前向きに検討させていただきたい、こう思います。

富田委員 もう一点、お願いなんですが、先日、千葉、茨城、埼玉で被災を受けた市長さんたちが浦安に集まりまして東日本大震災液状化対策自治体首長連絡会議を開かれて、一体として、今後、国交省に申し入れをしていこうというふうに決められたようであります。

 林幹雄先生、谷田川先生の地元の香取の市長さんとか、私は今、習志野に住んでいるんですが、習志野の市長とか、一番被災が大変だった浦安の市長等が中心になって、今後、国交省へいろいろな要望に来られると思うんです。無理なことを全部受けろとは言いませんけれども、やはり被災地の首長としてこの半年、本当に頑張ってこられた方たちの連絡会議ですので、ぜひ要望を真摯に受けとめていただきたいと思うんですが、その点、いかがでしょうか。

前田国務大臣 十三市の首長の方々が、近々国土交通省にも要望に来られるというふうに聞いておりまして、今委員御指摘のとおりだと思います。

 大変な被災を受けた市民の、それを直接自治体の長として受けとめてこられたわけでございますから、真摯にお話を承って、できるだけの協力、支援、連携等をしてまいりたい、こう思います。

富田委員 ぜひよろしくお願いします。

 最後に、あと十五分ほどありますので、住宅政策について大臣の考え方をお聞きしたいと思います。

 所信の中で、住宅に関連するところが二カ所ありました。一つは、「住宅市場の活性化のため、質の高い新築住宅の供給と中古住宅流通・リフォーム市場の整備を進めてまいります。」という点と、もう一つ、バリアフリーの関係のところにあったんですが、「高齢者世帯の増加が大きな課題となっておりますが、高齢者も含めて安心して暮らせる持続可能な地域づくりが重要であると考えており、コンパクトシティやバリアフリーの推進等を図るとともに、高齢者の居住の安定を確保するため、サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進します。」というふうに所信で述べられておりました。

 これをお伺いして、実は、公団自治協の皆さんから先々週要望を受けました。そのときにもいろいろなお話が出てきたんですが、十月十四日付の朝日新聞に、神戸大学大学院の平山洋介教授が、持ち家への支援ではなくて、貸し家政策に今の日本の住宅政策というのは転換していくべき時期なんじゃないかという、かなり長い投稿をされていました。どういったことでこういうものが出てきたのかなと思いまして、この先生は、「住宅政策のどこが問題か 「持家社会」の次を展望する」、こういう本も出されていまして、ああ、ここがもとになって書かれたんだなというのがわかりました。

 この平山先生の指摘というのはなかなか考えさせられるところがありまして、今回の大震災、東北地方は持ち家の方が大変多い。ただ高齢の方が多いので、今後、仮設から出て、同じようにもう一回家を建てるということが本当にできるんだろうか。そこに対して国として支援していくという政策が本当にいいんだろうか。もう一回ローンを組む、今、二重ローンの法案も三党でいろいろ協議してやっていますけれども、やはりなかなか、御高齢の方たちだけの世帯がもう一回家を建て直すというのは大変だと思うんですね。そういったときに、やはり公営の賃貸住宅というのが、これまでの住宅政策と違って、かなり要点を占めるんじゃないのかというのが、今回、この平山先生の投稿のきっかけだったと思うんです。

 この先生がずっといろいろ解説をしてくれたんですが、今まで国交省を含めた政府の住宅政策というのは、やはり持ち家を持つ。持ち家を持つために、戦後、住宅金融公庫が長期、固定、低利の金融をして、持ち家を持ちやすくしてきた。実際に、七〇年代の石油ショック以降は国の住宅政策として、持ち家を持ってもらえば、住宅というのは木材や鋼材など関連産業のすそ野が広い、家が建てば、今度は家の中に家具や家電などいろいろ買いそろえて、景気刺激効果もある。多分、このことでずっと持ち家政策が進んできたんだと思うんですが、これはインフレのときにはいいんですね。住宅の価値が上がりますから、給料よりもその価値の方が上がっていって、もし払えなくなったら、売り払っても借金は残らない。

 ただ、今のようにデフレがずっと進んでいて、給料も上がらない。それでも、いろいろな金利で、最初何年か安い金利で借りられますよというようなことで借りるんだけれども、変動金利が終わって固定になった途端にもう返せなくなる。そういった若い人たちもふえているし、そういうことを考えると、もう少しちょっと、持ち家に対して政策として援助していくんじゃなくて、公共の借家、公営の借家、そういったものをきちんと準備する必要があるんじゃないかということでこの平山先生は提言をされているんですが、こういった考えに対して大臣はどのように思いますか。

前田国務大臣 富田委員の、その平山先生の論を踏まえてのお考えというのは、私も方向性を共有いたします。

 公営の賃貸住宅、それから、今ある持ち家をまた賃貸に出すということを含めて、やはりもっともっとライフステージに応じて賃貸を活用していくということが重要だと思います。そんな意味で流通ということをあえて書いているわけでございまして、そこに込めている意味は、実は、まさしく委員のおっしゃるとおりなんですね。

 要するに、五千七百万戸も持ち家がある。四千九百万世帯に対して、もうとっくに飽和状態なんですよね。その持ち家が、サラリーマンにとってみたら一生の成果としてつくった家が、ローンを払い終えるころには、平均の寿命が二十五年といいますから、産業廃棄物になるわけですよ。こういう住宅政策はおかしいぞということを、私も大臣に就任して以来、省内で強く申しております。

富田委員 何か与党になったような気分なんですが、大臣の答弁、非常にありがたいなと思います。

 持ち家政策に一辺倒ではなくて、やはり貸し家政策にも比重を置いていくべきだと、大臣もそう思っていただけるというのは本当にありがたいなと思うんですが、だとすると、独立行政法人都市再生機構の改革に絡んで、賃貸部門の改革の工程、資料の三として配らせていただきましたが、この工程表でいいのかなと。

 ちょっと色が薄くてよく見えないかもしれませんが、実際、今、高額賃貸物件は譲渡しよう、また地方公共団体とも連携して、地方公共団体に引き取ってもらえるものは引き取ってもらおうというような方向でやっているようですが、現実問題として、都市再生機構の賃貸物件について、この工程表どおり進んでいるんでしょうか。

奥田副大臣 富田議員にお答えいたします。

 今、ことしの七月に示した工程表を参考資料につけていただいておりますけれども、このとおりいっているのかと言われれば、ちょっと一言で言い切れませんけれども、この工程表の三本柱である組織の変革、このことは、組織内カンパニー制度は実行しておりまして、これは一番上の部分です。そして組織の運営ということで、理事会形式という、ガバナンスの強化ということにも取り組ませていただいています。

 賃貸住宅のことについては、一歩ずつ前へ進んでいるという状況ですけれども、ちょっとお褒めをいただく状況ではないかもしれません。

 都市再生という部分については、ニュータウンなどは新たな段階には入らないということで、今ある事業を仕上げていくということに専念をしておりますし、関係法人の整理あるいは都市再生機構自身の人員の削減ということにも真摯に取り組んでいるところであります。

富田委員 都市再生機構の改革は必要だと思うんですね。十四兆円の負債と三千五百億の繰越欠損金がある。そのうち十一兆円分が賃貸部門でできてきている。これをどうにかしなきゃいけないというのは、その問題意識は正しいと思うんですが、今のように、高額物件は売却して、残りの方で何とか事業縮小しながらやっていこうとすると、公団自治協の皆さんもおっしゃっていましたけれども、七十六万戸のうち、ことしの春から家賃値上げの部分が何万戸か出てきました。何年か、家賃の値上げをずっと各党から国交省、財務省にお願いして、とめていたんですけれども、現実問題としてこの春から動き出しました。

 先日、千葉、茨城公団自治協の会合に出させていただいたんですが、そのときに団地の代表の皆さんがこんなことを言っていました。千葉の幸町団地の方は、四十四年住んでいる、建物も傷んでいるけれども、住民も傷んでいるんだ。液状化で地価や家賃は、美浜区ですから下がっています。下がっているのに、なぜ家賃を値上げさせられなきゃならないんだと。これまでの経緯がありますから、それはわかった上でこういう発言をされているんですが。

 また、船橋の若松団地、野田総理の家のすぐ近くです。そこの方は、液状化はすごかった、そうしたら翌日、公団家賃の値上げの通知が来た、二重のショックだと。

 管理の民営化も機構の改革の中でどんどん進んでいます。民営化すると現場で何が起きているかというと、管理会社の主任がどんどんやめていっちゃう、続かない。これまでのノウハウもない、ディスカウントの中でやらなきゃならないから、仕事が大変なので続かない。こんな人に管理してもらっていて大丈夫なのか、コミュニティーも崩れていっちゃうんじゃないかというふうにこの女性の方は言われていました。

 公団にとっていい意見もありまして、取手の戸頭団地、井野団地から来られた方は、今回の地震でも公団の五階建てだけはしっかりしていた、周りが大変でも、やはり公団というのは基盤をきちんとつくってくれているから大丈夫だったというような意見もありました。

 こういった皆さんの意見を伺っていると、やはり高齢者が安心して住んでいける、これは大臣も所信で言われているんですよね、「高齢者の居住の安定を確保するため、サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進します。」と。これじゃなくて、現実に、都市再生機構、今までの公団の住宅の活用方法を図った方が、現在そこに七十六万戸住まわれているわけですから、行政刷新会議のいろいろな見直しとか、これまでの政権交代後の流れがあるのはわかりますが、今、この震災を受けて、やはり老後に不安を持っている方、また障害を持たれて公団に住まわれている方、お母さんとお子さんだけで住んでいる方、そういった本当に弱い立場の方たちが、ここを最後の住みかにしたいと思っている方たちが、その居住の安定が奪われるようなことを国の政策としてやるべきではないと私は思うんですね。一たん決まったからということではなくて、再見直しがここで必要なんじゃないか。

 先ほど大臣も、持ち家政策じゃなくて、やはり借家も大事だというふうに言われた。高齢者の居住の安定を考えるというふうに、全部あわせて考えてくると、都市再生機構の賃貸部分の今後の進め方というのは、もう一回足をとめて、現実に根差したやり方があるんではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

奥田副大臣 富田委員のおっしゃるとおり、居住者の安定に最大限配慮して、この改革、効率化というものもあわせて進めていかなきゃいけないということはごもっともだと思います。閣議決定においても、UR、都市再生機構の改革に当たっての留意事項として示されているところでもあります。

 先ほども賃貸の件について御指摘ありましたけれども、ちょっと数字の点だけ御報告させていただければ、団地の再生で十六万戸、そして土地所有者等への譲渡等は三万戸、そして既存建物を活用したストック活用というものが五十七万戸という参考の数字だけ一応お伝えさせていただきたいというふうに思います。

富田委員 ぜひ、今、公団住宅にお住まいの皆さんが安心して暮らせるように、民主党政権でもきちんとやっていただきたいと思うんです。

 千葉、茨城公団自治協から十月十四日に要請を受けましたら、また部屋の方に、十一月一日に今度は全国自治協で会議をやるので来てくれないかというような案内がありました。あれ、この前行ったばかりなのに何かなと思いましたら、一つは、行政刷新会議のワーキンググループの方で十月十四日に中間報告を出した。その中で、都市再生機構について、「今後の組織形態として政府出資一〇〇%の特殊会社が選択肢としてある以上、まず特殊会社化を検討するよう指摘。」「特殊会社化する上で解決する必要がある課題につき、国土交通省において具体的な検討を進めるべきと考えている。」こういうような中間報告が出たので、公団自治協の皆さんは、これは今までの国交省の方針からかなり踏み込んでいるんじゃないかと、物すごく心配されて各党に要請が来ているんだと思うんですね。

 奥田副大臣の方でもいろいろ今言っていただきましたが、実は、二〇〇六年制定の住生活基本法では、「住宅の確保に特に配慮を要する者」ということで、「低額所得者、被災者、高齢者、子どもを育成する家庭」を挙げて、セーフティーネットの対象とするというふうに示していますよね。これを受けて、いわゆるセーフティーネット法、二〇〇七年に成立しましたが、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、これをセーフティーネット法と呼んでいますけれども、ここでも、今の低額所得者等の皆さんを「住宅確保要配慮者」とわざわざ定義しているんですよね。この法律の主眼は、公営住宅を初めとする公的賃貸住宅及び民営借家の活用による住宅確保要配慮者らの居住の安定である。

 こういうふうに法律で決めているので、この二つの法律の趣旨からいっても、ちょっと今の都市再生機構の賃貸部門の工程表の進め方というのは私は問題があると思いますので、再考する余地があるのかどうか、その点を最後に大臣にちょっとお伺いしたいと思います。

前田国務大臣 今の御指摘を伺っておりまして、私の地元は奈良県なんですが、地方の中都市クラスまで、町の、住宅都市の中心には必ずと言っていいほどURの賃貸住宅があるんですね。できたときには中心になる優良な住宅でありました。そういったところも含めて、住宅都市の空洞化というのが全国各地で起こっております。

 もちろん高齢化、どうしても住宅団地というのはある年齢層だけが、そのときには若々しい年齢層が入るわけですが、構成が余り変わらずに持ち上がって、そして人口が減って空洞化ということでございますから、その町の再生、コンパクト化、もっと若い働き盛りの世帯もそこに賃貸等で入ってくる、そのときの一つの種の住宅になるのではないかという気持ちもしております。

 まだ具体的に方針等を固めたわけではございませんので、余り申し上げることはできませんが、御指摘のことはよく踏まえて、今後の施策を検討してまいりたいと思います。

富田委員 ありがとうございました。終わります。

伴野委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は、日本航空の再建問題について聞きます。

 この委員会で私はたびたび質問してまいりましたが、現在の状況についてどう認識しているかということをまず大臣に尋ねたいと思います。

 先日、企業再生支援機構が、来年九月にも日航を再上場させる方向で検討しているという報道がありました。この企業再生支援機構は、国が半分出資する公的機関で、日航の会社更生中は管財人を務め、みずから三千五百億円を出資しています。三月二十八日に会社更生手続を完了した後も日航の経営再建を主導しています。

 日航グループの営業利益は、二〇一一年三月期に過去最高の千八百八十四億円となりました。大震災で航空需要が落ち込む中でも、四月―六月期の営業利益は百七十一億円の黒字でした。来年、二〇一二年三月期の営業利益の目標の七百五十七億円も、上回ることは十分可能と見込んでいるそうです。

 一二年度の再上場に向け、再建が予定どおり進んでいるというのが経営側の認識のようですけれども、国交省はこの辺のことについてはどう認識されておるか、まず最初に聞いておきたい。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

前田国務大臣 日本航空でございますが、あのような経緯を経て破綻をするというようなことにもなったわけでございますが、それを今、再建の過程で、もちろん債権の放棄等、結果的には回り回って国民の負担もあります。そういったことも含めて、経営再建をここまでやってきた。もちろん、つらい場面が随分続いているわけでございますが、何とか再建のめどが立ったと今の段階で言い切れるかどうかは別にして、ここまでよくみんなの努力でやってきたなというふうに受けとめております。

穀田委員 日航の真の再建にとっても、それから再上場するに当たっても避けて通れないのが、実は訴訟リスクであります。不当解雇をめぐる裁判以外にも、労働組合に対する不当労働行為、管財人らによる整理解雇をめぐるスト権への不当な支配介入事件であります。

 この不当労働行為は八月に東京都労働委員会で認定され、謝罪文掲載命令が出されました。会社側は不服として取り消しを求めて、中央労働委員会に上訴せずに裁判所に提訴している。不当解雇撤回裁判に影響するための、時間稼ぎというこそくなやり方であります。不当労働行為を平気でやるような会社の株を、投資家だってリスクと感じないわけがないということについて、一言言っておきたいと思うんです。

 そこで、公共交通機関である日航の真の再建とは何ぞやということなんです。

 私は、再三にわたって当委員会でも指摘してきました。安全性と公共性の確保を最優先にすべきである、行き過ぎた人員削減や、安全投資など固定費の削減によるもうけを優先して、安全を軽視するようなことがあってはならないと。そして、安全を守ってきたベテランのパイロットや客室乗務員百六十五人が昨年末に不当解雇され、職場では物言えぬ事態が生まれ、労働者のモチベーションが低下し、ミスやトラブルなど不安全事例が頻発していることを告発してきました。

 一九八五年の御巣鷹山の日航機墜落事故の教訓を踏まえて、当時、会長名で、「日本航空全社員はこころを一つにして「絶対安全」の確立を誓います。」さらに、翌年の一月一日に出された同社の広報誌「おおぞら」では、「「絶対安全」の極限に挑戦する」、こう述べています。この絶対安全こそ、再建にとっても必要だと私は提起してきました。

 これに答えて当時の大畠国土交通大臣は、絶対安全の気概が大事だ、絶対安全を原点として、基盤として確立されているかどうか調査すると答弁し、日航社長を国交省に呼んで、人員削減で本来の保安業務に支障が出ていないかを確認するよう求め、絶対安全という原点を忘れないようにしてほしいと要請しています。

 国交省の立入検査では、各職員の労務内容の変化に起因すると考えられるトラブルも発生している、こう報告し、人員削減による労務環境の悪化で安全が脅かされている実態を認め、大臣は、日本航空の取り組みを監視し、引き続き運航の安全確保に万全を期すと言ってきました。

 そこで、前田新大臣にお聞きします。

 前田大臣は、絶対安全の確保についてどのように認識しているか。絶対安全の観点で日航を監視、監督し、安全に万全を期すという立場に変わりがないかどうか、まず聞きます。

前田国務大臣 航空事業であります。しかも、公共的な面も担ってきた日航であります。安全確保がまずは第一の条件だ、こう思っております。

穀田委員 えらい簡単やね。やはりこれは哲学の問題なんですね。また、会社運営の基礎になる問題なんですね。

 これは、公共交通を所管する大臣として、それは公共交通だ、安全が第一だと。問題は、そこから始まって、どういうことがそのかなめをなしているか、礎石をなしているかということについて話を進めたいと思います。やはり安全の根幹というのは、航空の現場で安全を支えている労働者なんですね。その問題について少し聞きましょう。

 先ほど、上場に当たってのリスクという問題も言いました。その際に言いましたが、不当解雇撤回裁判がどうなっているか。先日、九月三十日に、この客室乗務員の裁判に稲盛会長が証人として出廷しました。焦点となっているのは、ことしの二月八日、日本記者クラブでの講演の内容でした。稲盛さんは、解雇した百六十人を残すことが経営上不可能かというと、そうではないのは皆さんもおわかりになると思うし、私もそう思いましたという発言の意味は何かということが問われたわけです。会社側からも原告側からも、さらには裁判長も、この点について尋問がありました。みんな、私ももちろん、だれもが、どう釈明するのか注目していたわけであります。

 驚いたことに、稲盛氏は裁判で、改めて、整理解雇は経理上必要がなかったと証言しました。正確に言うとということで、経営上と言ったけれども、経理上と言い直したわけですね。会社側弁護士に、解雇が不要だったと言いたかったのかという問いに、そうではない、世間にも利益が上がっていると知られている中で整理解雇をやった、利益が出ていた会計上は雇用を維持することは可能だが、更生計画に基づいて、やめるわけにはいかないと証言しています。整理解雇を判断した時点で十分な利益が出て、整理解雇までして人員を減らす必要はなくて、雇用を維持することができたと述べたわけで、整理解雇は必要なかったということなんですね。

 大臣に問いたいと思います。経営トップが整理解雇は必要なかったと天下に公言している。それを無理やり整理解雇を強行した。まさに初めに解雇ありき、このやり方。何の道理もない。大臣は、こんな整理解雇はおかしい、不当だと思いませんか。

前田国務大臣 今の委員のお話を聞いておりまして、その文脈において聞いている限り、いや、本当に、そういうことでいいのかなという疑念は持ちます。

 ただ、日本航空の経営、安全というのも経営との両輪なんだろうと思うんですね。経営が破綻したらJALそのものの存在が問われてしまうことになるわけですから、その経営改革をやってくる過程でこういうことがあったのかなということを思うわけでございます。

 もちろん、今、裁判の過程に入っているんだろうと思いますが、その過程をきちっと見て、国交省として対応すべきところは適切に対応しなければならない、こう思っております。

穀田委員 その文脈だけ見るとって、その文脈もくそもないんですよ。だって、そのことをちゃんと本人は言っているわけやから、文脈を全部見てもろうたら、私が省略して言ったわけじゃなくて、整理解雇にかかわるところについて言ったわけで、全文を見ていただいたからといって内容は変わっていませんよ。つまり、余裕はあったということを言っているんですよ。

 大臣は経営改革にとってと言うんだったら、経営改革に必要だ、つまり、その人たちを処分しなければ成り立たないということだとは言っていないわけですよ。だから、大臣自身が言っておられることからしても、それは成り立たない議論なんですよ。しかも、裁判の証言だからこそこれは極めて重要でして、真実を述べているわけですから、雇用の維持は不可能でないと明確に証言しているわけで、これはおかしいと率直に思います。

 しかも、せっかくその文脈だけと言わはるから、もう少し違う文脈を使いましょう。稲盛会長は、更生計画に基づいて、そういう計画をやめるわけにいかない、こう言っているわけですやんか。では、更生計画には整理解雇なんて書いているのか。一言も書いていないですよ。それで、更生計画はほごにできないと、次はこう言うんですよ。

 私、この間もやりましたよ。銀行とのそんな約束はないと、水留浩一管財人は私の質問に答弁しているんですよ。だから、経営上は何の問題もないということはだれが見ても明らかなんです。

 しかも、経営上で見ても、人件費の削減でも、更生計画に基づく当初目標よりも二百六億円も多く削減しているわけですよ、人件費は。そして裁判で、稲盛氏は、希望退職に応じて更生計画より多くやめたからだろうなんということまで言っているありさまなんですよ。だから、解雇された百六十五人の人件費は十四億七千万円ぐらいにしかすぎないわけです。したがって、人数でも人件費でも削減目標は超過達成しており、解雇する根拠はない。

 だから、トップが言っている、整理解雇することは必要ないという事態にまであったことについてどう思うかということを言っているんです。いかがですか。

前田国務大臣 今、裁判の過程で、もうすぐ結論が出るんでしょうか。その結論を待って国土交通省としての対応を決めたい、このように思います。

穀田委員 本当に情けないという感じがしますね、それは。

 つまり、もし大臣がそんなことを言うたら、裁判の話について影響を与えるかもしれないと危惧されたんでしょう。しかし、裁判で行われている証言についてどう思われるかということを聞いているわけで、少なくとも、余裕はあった、金はあったんだ、会計上も経理上もあったと言っているんだったら整理解雇の四要件自身が成り立たないじゃないかと、論理の問題を言っているんですよ。そういう問題について、厚生労働大臣がそういう所管だなんというわけにはいかないわけですやんか。

 今焦点となっている問題について、そういう証言が出た。不当解雇だと言っている問題について、不当かどうかという話をしているんじゃないんですね。そこまで言っているんじゃないんです。整理解雇の四要件に照らしても、この発言と矛盾するんじゃないか、そう思わへんかということを言っているんですね。そこまで言って、裁判だからというような話じゃ、それは今まで野党にいたときに、また前田さんがさまざまな活動の中で言ってきたことからすると、極めて残念だなと言わなければなりません。

 問題は、不当な整理解雇、しかもベテランねらい撃ち、そして組合への不当な圧力がかけられるもとで、ではどんなことが起きているかということでいいますと、実は自主退職がとまらないんですね。そして人員削減や労働条件の切り下げによる労働環境の悪化は、例えば、展望が持てないということでやめる方が出てきている。したがって、こういうことになりますと、再建にとっても深刻な事態になる。それは、再建に必要な事業の拡大のための人員が不足し、技術的継承ができなくなる可能性まで出てきているわけですね。

 お聞きしますと、副操縦士や訓練生が大量にやめていって、ことしに入ってからだけでも二十五人の副操縦士が自主退職している。これは、あと五年から七年はライセンスを取得して機長として乗務できるめどがないということなどの理由で、LCCや外国の航空会社に転職するなどしているそうです。訓練生も約三十名やめているそうです。客室乗務員も、七月から九月の三カ月間で百二十名が退職。整備でも、ことしになって百名が自主退職。

 ここまで来ると、もう事態は極めて深刻。かつてないことだ。だから、今までこんなふうに、定年でやめていくという人はいたとしても、そうじゃなくて、自主退職でこれだけ大規模にやめるということはみんな聞いたことがないと言っているんですね。それぐらい、みんな驚いているわけです。だから、裁判だからなんという話にはならぬ。

 そこで、私は、航空事業と安全確保に関しての証言についても少し触れたいと思います。稲盛氏は、航空会社のトップとして認識すべき航空事業の安全確保義務の認識がないことが証言で明らかになりました。

 先ほど大臣は一部分という話がありましたから、そっちの方も見ておられるでしょうから、もうちょっと話を広げると、日航は、二〇〇五年のトラブル多発で業務改善命令が出されたことを反省して、社内に安全アドバイザリーグループを立ち上げました。その安全アドバイザリーグループが〇九年十二月、更生手続に入る前に提言を出しました。そこには、「財務状態が悪化した時こそ、安全への取り組みを強化するくらいの意識を持って、「安全の層」を厚くすることに精力を注がなければならない」と指摘しています。これを聞かれても、よく知りませんと証言しています。

 航空法百三条の「事業者は、輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。」というのも、わかりませんというふうに答えています。

 だから、こういう発言、そして証言について率直に、前田大臣は感想をどうお持ちですか。

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

前田国務大臣 安全アドバイザリーグループというのは、柳田邦男さんが座長をされているものですね。

 知らないということについてということになると、それだけ聞くと率直に、ううん、どうかなという感じはいたしますね。

穀田委員 そう思いますやろ。笑い事じゃないけれども、本当にこれはえらいこっちゃなと思いますやんか。

 前に私、航空会社の参考人を呼んだときに、航空法の第一条を知っているか、こう聞きましたが、あそこにも安全と書いているんですよね。そういうのを知らないという人が飛行機を飛ばしているというのは、トップにいるということは、およそどうかと思います。

 そこで、それだけじゃないんですね。稲盛さんは確かに航空の素人と言っているそうです。幾ら素人でも、航空運送事業の経営に携わるんだったら、当然それぐらい知っておらなくちゃならぬ。これはお互いにそう思いますよね。それどころか、今度は稲盛氏は、利益なくして安全なしということを経営哲学として社内に徹底しています。

 実は、企業の理念から安全という文字を消したということについては私は前にも指摘しました。大臣は所信の中でこう言っております。「公共交通の安全の確保は、安全・安心な国民生活を支える上で最重要の課題」だと述べています。そもそも、利益があるなしで安全の確保を云々する発想自身が私は問題だと思います。アドバイザリーグループの提言が指摘するように、財務状況に左右されてはならないはずだと思うんです。

 大臣に聞くけれども、安全の確保というのは利益のあるなしで左右されていいのか。稲盛氏の、利益なくして安全なしという考え方が、公共交通機関、航空運送事業の経営者としてふさわしいものだとお考えになりますか。

前田国務大臣 もちろん安全第一であります。一方で、経営体でありますから、あの御巣鷹山の悲劇があって、安全第一ということでやってこられたわけでしょうが、経営そのものが破綻したというのもこれまた事実であります。

 そういう意味では、稲盛さん、経営者としては非常に秀でた老練の方でありますから、そういう意味で、安全を第一としつつも、いかにして日航の経営をまたしっかりしたものに立て直すかという意味において、もちろん経営幹部の中では、経営の基本である利益というものを強調されたのかなというふうに今お伺いをしておりました。

穀田委員 御巣鷹山の事故以来、安全第一、絶対安全だというのは、これが考え方だと。そのことが、ずっと絶対安全の取り組みが経営悪化をもたらしたわけじゃないんですよ。

 経営悪化の問題については、前に私が言いましたけれども、いろいろな理由がある。その経営悪化のところにメスを入れると言うなら、それはわかるでしょう。利益という議論のときに、利益を出す上でどの点が不利益をつくった問題かということを言うならわかりますよ。しかし、利益を出すというところに安全を対置すべき問題かと言っているわけですよ、私は。違うと言っているんですよ。

 それは、この間の赤字をつくった原因は何であるか、それについて詰めるのは結構です、よろしいですよ。それは私どもも言っているし、組合も言っているし、多くの識者も言っている。それは、航空行政の間違いだとか、それから放漫経営だとか全部ありますやんか。それはだれでも知っていることです。そのことと安全とを対置するところに問題があるということをおわかりになっていただかなければならないと私は思います。

 大体、彼は雑誌で、「利益を出して余裕がなければ安全を担保できるわけがない。」こうきます。それは、片言隻句をとらえてとまた言わはるかもしれんけれども、しかし、それは大事な、問題の中心ポイントです。では、逆に言うと、余裕がなければ安全は担保できなくていいというふうになりますやんか。もし事故が起きて、いや、あれは余裕がなかったからだでだれが納得しますか、そんなこと。そういう問題の対決なんだということ、それぐらい厳しい問題だということなんです。

 それでは、日航の掲げる理念から安全が消えた、文字が消えた。それで、フィロソフィー、稲盛哲学に基づいてどんな社内教育が実施されているか、これについて見ましょう。再建の実務者である管財人は、社員を前に次のように語っています。

 京セラの一兆円の内部留保を超えることを目標としてほしい。誤解を恐れずに言いますけれども、きちんと内部留保して、きちんとした体質を築いて、財政基盤を築いてから安全について語ってほしい。何かというと安全のためにとか、社会的使命とか言いますけれども、これだけの何千億もの人の財産を踏み倒して、人の資産を無駄にして、そんな会社が安全について語っても、残念ながら社会は受け入れられない。まずは京セラと並ぶくらいの内部留保をつくって、同じ品質と同じサービスと同じ安全をどんなリスクが発生しても提供する、それぐらいの会社になってから語るべきではないかと思います。

 こう言っているんですね。こんなことが社内教育で徹底されていて、聞いた社員はどう思うか。これは、もうけを上げることを優先し、安全は二の次でいいんだなと思うんじゃありませんか。

 また、アドバイザリーグループなどが指摘をしている、社員の活気や意欲、自由に物を言える職場、業務のあり方について議論する機会のある職場などは、すべて安全の基盤である、こう言っているんですね。こういった自由な雰囲気にならないということが生まれるんではないでしょうか。

 こういう社内での教育として行われている事実を、国交大臣は、ないしは国交省はつかんでおられますか。

前田国務大臣 直接お聞きしているわけではございませんが、今委員が御指摘のような、そういう社内の雰囲気にならないように経営をしていただくことに期待をしております。

 それと、経営幹部に対しては、恐らく、今までの放漫経営等があって、何度か日航に対しては国交省においても懸念を示していたと思うんですが、結果としてはああいうことになった。そして経営幹部を集めて、管財人なんでしょうか、経営改革をあえて引き受けられた稲盛さんにしてみたら、幹部に対してはかなり厳しい経営改革のあり方ということで、あるいはそういう多少過剰なことを言ったのかなというふうに思うわけですが、決してそんな、あれだけの経営者ですから、航空会社の経営者として、安全を等閑にするなんということはあり得ないと私は信じております。

穀田委員 それは信じるのは勝手ですけれども、下に置かれている方々は大変ですよ。

 それと、そういう事実があるかどうかということについて、私はきのう言っているわけですよ。それぐらい、別に、国交省は調べればすぐわかるわけで、あるかないかぐらい、よくわかりませんがというような話じゃなくて、その話はきちんと聞きましたと。だってDVDが出ているんだから、だれでも見られますよ。私も見ましたよ。見ようと思えば見られるんですよ。それが一貫した流れだ。それこそ、かいつまんで一部だけ言っては困るというようなことを言うんだったらまだわかりまっせ。全部見たらわかりますよ、あれ。こんなひどいことをよう言うているなと、だれかて思いますわな。

 要するに、一兆円近い京セラの内部留保、内部留保というのは利益だけとは違いますからね、それを持ってから物を言え、安全と言うのはその先やというふうな話まで来ているというところまで極端になっているということを私は恐れているわけです。そういうことで安全があるのかということなんですよね。

 では、そういうことで、事実をもう少しやってみましょう。その管財人というのは、例の、先ほど私が最初に述べましたけれども、東京都労働委員会が不当労働行為として断罪したその張本人であるわけなんです。では、現場でどうなのか。先ほど経営幹部でという話がありましたから、では、現場はどうなっているかという話をしましょう。

 現場では、燃料節約のため台風を迂回せず、あらしの中に突っ込んでいくという危険な運航を行うパイロットが出てきています。ある便の機長がフライト前のブリーフィングで発言しています。これは同乗のキャビンクルーも含めて証言していますが、こう言っているんですね。

 きょうはちょうど航路上に台風があります。離陸後二時間から三時間半の一時間半はかなり揺れます。ベルトサインが最大で二十分つくと思いますので気をつけてください。この台風ですが、避けようと思えば避けられます。しかし、迂回すると三十分は余計にかかります。そうすると燃料代が二十万円余計にかかります。そういうことなので、きょうは揺れますが、台風を突っ切っていきます。

 この話を聞いていた乗務員は、冗談かと思いきや、本人は至ってまじめ顔、背筋がぞっとしましたと言っているそうです。私は当然だと思うんですね。

 大臣、もし、直接これがアナウンスされたらどうなりますか。その声が乗っている乗客に聞こえたらどうなると思いますか、突っ込んでいきますと。もしアナウンスされたら、大臣はこの便に乗りますか。

前田国務大臣 仮定のことについて余りお答えしづらいわけなんですが、とにかく安全を第一として運航せないかぬわけでございますから、日本航空にも国土交通省から問うたわけですね。その結果では、運航上の安全を考慮し、適切に運航経路や巡航高度を選択しているということでありました。しかし、そういう御疑念もあることですから、ここはしっかり監督をしていかないかぬというふうに思います。

穀田委員 事実を示しているわけです。

 それで、とにかく安全第一、それはわかりますよ。そうじゃなくて、そういう話は一応あるのだが、現実はこうなっているということを指摘しているわけですね。これは何も私が言っているだけじゃなくて、「選択」という雑誌にもわざわざ掲載されているぐらい、裏をとってみんなやっているわけですよ。

 では、この問題がほんの一部のことかということに少し敷衍して言いましょう。

 社内のエレベーター前に、燃料削除効果が月単位と便名入りで張り出されているそうです。こんなものを張り出されたら、運航乗務員も無言の圧力を感じる、燃料削除のために無理な着陸をしないか心配になる、昔それが原因で事故を起こし、大勢の方の命を失った教訓はどこへ行ってしまったのかという声を上げているパイロットもおられるそうです。

 そればかりじゃないんですね。機内のセールスもノルマのエスカレートが起きていて、乱気流に近づきますとこう言いますやんか、シートベルトをお締めください、私たちも機長の指示で着席しますと言いますよね。このアナウンスが聞こえるというのはだれでも体験しているんですけれども、ところが、セールスのためには機長の指示を出すのをおくらせてくれということまで起きていると言われています。

 ですから、このように安全を軽視し、もうけを優先する稲盛流経営哲学の弊害が現場ではあらわれているということを私は言っているわけです。

 そこで、絶対安全の監視、監督をする国交省並びに、とにかく安全第一と言われている前田大臣として、稲盛会長の利益なくして安全なしという経営哲学が、今日どういう事態を職場で引き起こしているかということを検証すべきではないでしょうか。一片の通達で、やっていると信じますと言うんじゃなくて、やはり公共交通としての絶対安全の徹底を、稲盛会長を呼び出して直接指導すべきではないでしょうか。大臣の見解を伺いたい。

前田国務大臣 前段の、稲盛会長の評価については、もちろん委員はそのように評価をされているわけでございますが、確かに、非常に厳しい日航の経営を引き受けられて、経営体としては何とかここまでよく回復をしていただけたなというのが一つの評価だろうと思いますね。

 一方で、安全第一という面で、委員が御指摘のようなことがずっと続いていくような体質が日航の中に、経営の中にあるとすれば、これはまことに、私としても放置するわけにはいかないと思います。そういったことで、日航に対しても適時適切に監督をしてまいりたい、こう思います。

穀田委員 経営体として利益を回復したというのは、何もそれは稲盛さん一人の力じゃないんですよ。それは、多くの国民が日航は大変だなと思っているでしょうし、何よりも、日航で働いているすべての職場の人たちがこの危機を何とか乗り越えようということで頑張るわけでしょう。それがあったからできたんですよ。利益を生み出しているのは、何も会長が生み出しているわけじゃないんですよ。働いている人たちが生み出している結果なんですよ。しかもそのときに、そういうことをやりつつ、その最大の前提となっている安全問題が危うい事態が起こっている、そこを私は指摘をして、その問題はゆるがせにできないということを言っているわけですよね。

 当時私が問題を提起したときに、大畠大臣も社長を呼んでやられました。これは、当時の絶対安全という考え方でやってくれよと言ったわけですよね。今私が言っているのは、そういう経過のもとで、安全よりも利益優先という形が出ている傾向があるよということを率直に指摘をし、その現場で何が起こっているかと。これは、もしこんなことで事故が起こったら大変になるということまで、起きている事象を明らかにして、そこで指導をと言っているわけですよね。

 ですから、そういう点を私は、改めて最低限呼んで、大丈夫か、あんたの言い方で言うとこれはあかんでと。それは、今までの経営者としての実績は私は知りませんよ。しかし、今の日航における経営実態というのは、もし安全を少しでもゆるがせにする、層を一皮一皮ずつ薄くしながらやっていく利益だとしたら、それはだめだということを言わなきゃあきませんよ。そこを言っておきたいと思います。

 時間があとちょっとしかないので、最後に、東日本大震災の問題について一つだけ質問していきたいと思うんです。

 三陸鉄道の復旧の問題であります。

 私は五月十一日、当委員会で、さらに五月二十四日、東日本大震災復興特別委員会で、三陸鉄道問題について質問しました。私は、地域の足を守る、それから復旧復興の象徴として何とかせなあかんと。私どもの考え方は、公共交通機関としての役割に着目して援助すべきだし、国として、補助率の引き上げによって地方負担の軽減、事業者負担なしの支援を提案してきました。

 当委員会で宮古に視察に行きました。そのときの議論で、私は、復興援助の項目の一つ一つの自治体負担はわずかでも、全部のメニューを行えば自治体負担は膨大になるのではないかという質問をしました。そうしたら山本市長は、地元負担がない形でなければ大変だと。副市長は、今でも現実の投資事業、さまざまできない中で、一層困難になるということで要望しておられました。これらを踏まえて、私は、地元負担がゼロになるという方向での援助をお願いしたいと、改めて要求したい。

 そして、最後にもう一点、その際に、鉄道の線路や軌道設備さらに車両を含め、設備を自治体が保有することを条件にしているけれども、どのような考えに基づくものか、あわせてお答えをいただきたいと思います。

久保政府参考人 三陸鉄道の復旧につきましては、先生御指摘のとおり、私どもでいろいろ検討いたしました。被害規模、事業者の経営状況等を踏まえて、国と自治体が負担を分担して鉄道事業者さんの負担を極力減らすという観点から、第三次補正予算案におきまして、国、自治体の補助率の実質的な引き上げを行う新たな支援制度の創設を盛り込ませていただいたところであります。

 この制度の創設によりまして、三陸鉄道の復旧費用のほとんどを国と自治体が負担することとなり、鉄道事業者さんの負担はおおむね解消されるものと考えております。

 また、御指摘の自治体の負担分につきましては、その軽減を図る観点から、全額、震災復興特別交付税により措置されるものと承知しているところであります。

 また、自治体さんに鉄道の線路や軌道設備を保有していただくということを条件としておりますけれども、今回被災した三セク旅客鉄道の中には、この三陸鉄道のように、復旧費が莫大である一方で、赤字で復旧の資力がない状況にある鉄道が幾つかあります。このため、こうした鉄道を対象に、鉄道事業者さんにかわって自治体が施設を保有し、自治体が積極的に復旧に関与することで地域の足を維持する姿勢を明確にした場合には補助率を引き上げ、鉄道事業者さんの負担を極力なくす、こういうことにしたものであります。

穀田委員 要するに、公共的なものだということに着目してやるということと、前段のものは、実質地方の負担はないということでやるということで理解してよろしいか。そこだけ、最後。

久保政府参考人 今回の東日本大震災に伴います三陸鉄道については、こういう形の支援制度を設けさせていただいたところであります。

穀田委員 終わります。

伴野委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 私は、まず最初に、日本航空の再建、経営問題についてお聞きしたいと思います。

 ただいま穀田議員からも、それぞれ現場の状況を訴えられて質問がございました。私も、重複する点があるかと思いますが、現場の状況を訴えながら、私の視点から質問をさせていただきたいと思います。

 今回の再建計画、日本航空は、三月末に更生手続を前倒しして終了いたしました。この過程については、当初希望退職目標を上回る早期退職、今ありましたように実現をいたしました。早期退職等も実現をし、さらにはパイロット、客室乗務員が百六十五人も整理解雇される、しかも裁判までなされている、こういう状況にございます。先ほど穀田議員からも指摘がありました。その裁判が始まっています。その公判で、百六十人を超える解雇者の雇用継続は可能だった、会長がそういう証言をされているわけでありますから、当然この解雇については不当な解雇であるということが裁判の中で明らかになっているというふうに私は思います。

 特に、労働組合の整理解雇に反対をする争議権確立をするための労使交渉があったそうでありますが、その中で再生機構の担当が不当労働行為の発言をされている。それが東京都労働委員会で八月に認められ、しかもそれが救済命令が出されている、こういうことであります。特にそれは、三千五百億の支援を、これをのまなければ、解雇しなければ支援をしない、こういう脅迫的なことが述べられている。まさに不当労働行為でありますが、こういう事例が行われております。

 そこで、先ほど穀田議員の質問の中で、大臣は、稲盛会長の評価の点について述べられました。その中で、経営についての努力は評価をします、こういうことを先ほど述べられました。しかし、経営の今の実情は、働いている皆さん方の合理化あるいは不当労働行為の上に今の経営があると私は思うんです。

 先ほど来、経営の中身が報告されました。優良路線が廃止されたり、格安路線の経営の問題に取り組まれています。その中でも黒字を出すというのは、一万人以上の皆さん方が、人員整理あるいは自主退職、こういう中で犠牲をして、今、経営があると思うんです。ですから、私は、稲盛さんのコスト主義は、安全の問題で大変危機的な問題があると思うんです。

 そこで、重ねて、稲盛会長並びに今の再建計画にある経営の姿勢、これについてどう感じられるのか、お尋ねしたいと思います。

前田国務大臣 中島委員の今の御指摘、そして穀田委員の質疑の中でも御指摘があったわけで、確かに、一たん破綻まで追い込まれたあの日本航空が何とかここまで経営再建の軌道に乗ってきたというのは、これは関連の、もちろん経営陣のみならず、この中で呻吟されて退職された方も、あるいは受け取り方によっては不当労働行為を受けたというふうに思われる方々も含めて、さらには日本航空を何とか復活させようという国民の意識、あえて日航を選んでくださった国民も随分この間多いと思うんですね。そういうすべての努力で何とかここまで来たのかなと思います。

 しかし、あくまでも航空事業でございますから、やはり安全第一という前提に立って、社内の経営のあり方についても、今御指摘があったようなことをきっちり受けとめて乗り越えてやっていけるように、ぜひ経営努力を果たしていただきたいなというふうに感じておりました。

中島(隆)委員 経営努力はもちろん必要でありますが、その前に必要なのは、職員の安全、雇用確保、そしてお客様の安全、これが優先であります。ぜひそういう視点で対応していただきたいと思います。

 これはもう要望しておきますが、今、不当解雇の労働争議、裁判が起きていますし、不当労働行為の裁判も日本航空は提訴されました。こういう紛争を長く続ける、まあ、これは裁判ですからそれを見なきゃなりませんが、やはり職場の紛争を早く解決して、本当に安全な再建、航空運営ができるように、ひとつ全面的な支援をお願いしたいと思います。

 そこで、さらに私も、職場の現状、労使間の解決をすべき問題、労使だけということではなくて、職場の現状を訴えながら、その対応について御指摘をし、質問をしたいと思います。

 まず一つは、更生計画を大幅に上回る営業利益を上げ、大規模な人員削減が行われています。しかも、新人事賃金制度の導入で大幅な賃金カットも行われています。そういうことによって、職員の将来不安を招き、モチベーションが低下をいたしています。

 それから、先ほど穀田議員からも指摘がありました。今年度に入って、パイロットや客室乗務員、整備士で多くの自主退職が出ております。特にひどいのは、先ほど指摘もありましたが、パイロットの訓練費の予算を削減して中止して、そして優秀なパイロットが、入社した人が次から次にやめていく、こういうことが起こっているんですね。しかも、国立の航空大学校、国税で学んだ優秀なそういう訓練生が退職される、こういう状況にあるわけです。

 それから、もう一つ紹介いたしますと、アンケートで四十代の整備士の人がこのようなことを言っております。苦しい生活の中、将来展望を持てず、仕方なく自主退職をして他社へ移っていく貴重な人材がふえている、このままでは、安全運航を守り、経営再建は実現できないのではないか、こういう心配を現場の職員がアンケートで述べているわけです。

 そして、特に、先ほども穀田さん指摘がありました安全アドバイザリーグループですか、こういう発言の問題。それからもう一つは、これも取り上げられました、日経ビジネスで稲盛会長が、利益なくして安全なし、こういう発言もされ、その哲学がこの経営に生かされているといいますか、それをやられているんではないか、こういうふうに見えるんです。

 ですから、こういう経営者の、トップの姿勢、これをどう思われるのか、再度お尋ねしたいと思います。

前田国務大臣 私は、やはり安全が前提だと思いますね。安全な飛行機でなければ乗客も乗りません。という意味においては、安全第一ということが、航空、これは運輸全般にわたっての一番の基本だろうと思います。

 そういった意味においては、いろいろ御指摘の問題がありましたそういう問題が生じないように、国土交通省として指導監督を行ってまいります。

中島(隆)委員 そこで、この現場の状況、私も先ほど申しましたパイロットの訓練費の問題、あるいはベテラン整備士、機長の退職が続出をしている、そして客室乗務員が、保安要員が少なくて出発前は機内トラブルが多発をしている、こういう御指摘がありました。

 そこで、これは日本航空が二〇一〇年の安全達成状況の資料を出しているんですが、二〇一〇年を申し上げますと、航空事故が一件、重大インシデント、これは要するに重大事故になるおそれがある事件だというのが二件、イレギュラー運航、要するに目的地を変更して帰ってきたという、これが八十一件、お客様のけがが三十二件という、二〇一〇年の安全の目標達成で実績が出ております。

 この数値は過去の数値からすると少ないというふうに当局は言われておりますが、四万一千ぐらいいた従業員が、今三万一千人、約一万人以上減っています。ということは、そういう中でこういう件数のトラブルが起こっている、重大事故発生の可能性もある、こういうことが起こっているわけです。それから、特にひどいのは、やはり労働条件、モチベーションが下がっている、あらゆる労働強化があっているわけです。ですから、私は、このままいくと本当に重大事故に発展しかねない状況であるというふうに思うんです。

 そこで、私も大臣にただしたいのは、改めて、このJALの再建に向けた、安全第一であるかどうか、あるいは今私が指摘したような現状が本当にあるのかどうかを含めて調査、検証すべきではないかと思いますが、その点についてお尋ねいたします。

前田国務大臣 現在のところは、安全運航が確実に実施されているということを確認しながら日本航空の再建というのが更生計画に従って進行しているものと理解をしているわけでございますが、先ほど来の御指摘をお聞きしておりまして、やはり必要とあれば、今まだスキームとしてどうこう持っているわけじゃないわけでございますが、指導監督の責任がありますので、的確に対応してまいりたい、このように思っております。

中島(隆)委員 いや、現状ではそういうスキームがないからということじゃなくて、穀田議員も含めて、私も含めて、これだけ現場の声を、実態を訴えているわけです、報告しているんです。ですから、そういう実情があるわけですから、そういう状況があるかどうか、早急に検証すべきだというふうに思うんです。

 これはなぜかというと、もう御存じだと思います。やはりこんな職場の環境で安全が確保されるかという心配がたくさんあるんです。現場で働いている人がそう思っているんですから。そういう状況だから、直ちに検証をしていただきたいということを改めて。

前田国務大臣 今までの御指摘の趣旨というのはよく理解をいたします。何らかの対応をやってまいりたい、こう思っております。

中島(隆)委員 何らかの対応ということで、対応されるということで理解をしたいと思いますが、ぜひ早急に、今の再建計画が本当に、やはり国民の足の安全、空の安全、そして職場に働く皆さん方が意欲を持って再建に臨めるような環境づくりを、国土交通省所管ですからぜひ支援をしていただきたい、対応していただきたいというふうに思います。

 それでは、次の質問に入りたいと思います。

 次は、ダムによらない治水対策についての質問であります。

 直轄ダム、補助ダム合わせて八十三の事業の検証が今行われています。九月末時点で、事業の中止が五、継続が十で、検証前から中止の可能性が高まったダムを除いては継続という方向が出ております。

 先日私は、二十三日の日曜日ですが、長崎県の石木ダムについて視察をいたしました。これは、もう既に検討主体が継続方針を示しているダムであります。建設継続に疑問を抱く市民の集会であったわけでありますが、その集会でも、治水、利水の両面で、検討主体による検証に強い疑問が出されました。例えば治水では、目標流量が毎秒千四百立方メートルとされているわけですが、近年では最大の雨量でも八百二十七立方メートルにすぎず、余りにも過大評価である、目標水量を設定したダム建設の正当化をしようとしているんではないか、こういう指摘がされておりました。

 それから、川棚川、これは石木川、要するに石木ダムをつくる支流ですが、この本流の方です。本流の方の治水安全度は、上流地域では三十分の一、三十年に一度の雨量を想定した設計であります。ところが、石木川合流点以下ですね、下流域です、ほとんど河口に近い方ですが、ここについては百分の一という安全度の設定がされている。これは明らかに石木ダムをつくるための設定ではないか、こういうことも指摘をされていますし、これは前回の質問でも私は指摘をしたわけです。

 利水もそうです。佐世保市の水道が、一日当たり最大排水量が二〇〇〇年代に入って低下の一途をたどっています。これもグラフが出ています。二〇一七年ごろには現在と比べて二六%増大をする、こういう水需要の予測がされているわけです。これは既にあらゆる報道もされています。今は省エネ、浄化槽を含めて十分の一近くの水量でこの使用ができる、こういうような状況の中で、二六%もふえる、しかも、一七年ですからあと六年ですか、こういう想定で水道事業が認可されているわけであります。

 先ほど、午前中の質問もございました。八ツ場ダムでの検証、今進んでおります。ここでも水の利用問題を含めて議論があっております。やはり検討主体の対応方針決定後の、これから有識者会議の意見を聞いて国土交通相が判断をするということでありますが、私は、この検証、補助ダムについて言いますと、補助ダムの事業主体がやったから、それをすぐ、提出資料が、検証項目がすべて整っている、そのままオーケーだ、こういうことにはならないと思うんです。科学的に根拠を明らかにしながら、そしてまた、計画当初と現在どうあるのか、これの検証を国が十分やるべきであると思うんですが、その点について大臣にお尋ねいたします。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま先生の方から、ダムの検証の進め方ということで御質問がございました。

 ダムの検証につきましては、平成二十二年九月に取りまとめました、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議から提出されました中間取りまとめに沿いまして現在進めているところでございます。

 このうち、治水につきましては、河川整備計画において想定しております目標と同程度の目標を達成することを基本とし、また利水対策につきましては、検討主体は、今回の場合は県になるわけですが、利水参画者に対し、ダム事業参画継続の意思があるかどうか、また、今後、利水の開発量として毎秒何立方メートルが必要か、さらには、利水参画者において水需給計画の点検、確認を要請する、こういったこと、さらには、必要量の算定が妥当に行われているか、こういった検討をした上で進めている。

 また、検討主体におきましては、生活用水の一人一日平均使用水量、これを原単位と呼んでございますが、こういった予測値についても点検を行うなどの対応をされているというふうに承知してございます。

 また、今後、補助ダムの場合は、検討結果の報告を受けた後、国土交通大臣が、中間取りまとめで示します共通的な考え方に沿って検討されたかどうかについて有識者会議の意見を聞き、補助金交付に係る対応方針を決定するということでございます。

 御指摘の石木ダムにつきましては、検討結果が平成二十三年七月二十六日に報告をされております。今後、有識者会議の意見を伺った上で対応方針を決定するという段取りで考えているところでございます。

中島(隆)委員 有識者会議が取りまとめた中間取りまとめの検証ですけれども、学識経験者や関係住民の意見を聞くことということも含まれています。ところが、この十五件、私も報告を得て、資料を見させていただきました。それを見てみますと、識者や住民の意見を丁寧に聞き、検証されて反映されているかどうかというのが、非常に疑問があります。

 というのは、パブリックコメント、住民説明会、水利の利用者に対する照会、あるいは関係自治体への説明等々行われているんですが、事業主体の検討は二回ぐらい開かれています。しかし、その他は全部、住民説明会を含めて一回。私がたまたま行きました石木ダムについては、住民の要求で公聴会が開かれました。六時間ほど開かれたそうです。しかし、反対を主張したけれども、結局は平行線で、聞き取りだけで、そして今言われたように、七月二十六日には継続という結論を出して申請をされているわけですね。

 ということは、現場での検証が余りにも形式的になされているんではないか、こういうふうに思えるんです。特に、住民の声あるいは学識経験者の声も、やはり賛成をする側の声だけではなくて、本当にダムの建設に見識のある方々の意見を聞く、こういう検証でなければならないと思うんです。

 特に、今十五件進んでおりますが、直轄事業も含めてトータルで八十三の事業ですから、今後、この検証結果が国の方にも上げられてくると思うんですが、国はこの検証を徹底的にやっていただきたいというふうに思っております。

 そこで、次にコストの比較でありますけれども、一つは、検証の主体が、ほとんどダム事業を推進する方々が検討会議のメンバーです。ということは、ダムをつくるために要望して、それを決めて実現をする人たちが検証するわけですね。ですから、もうほとんど結果が建設の方向に向かうという懸念があるんですね。

 ですから、私どもは、この検証のあり方については、住民あるいは学識経験者を含めた、そういう方々が十分に反映できる、そういう体制で取り組んでいただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。

 そこで次に、ダムの検証についてもう一つ申し上げておきます。

 特に、二〇一一年以降のダムの建設事業費が三兆二千億あるんですね。補助ダム等の予算もこの中に含まれているんですが、補助ダムは治水も利水も約六〇%以上は国が負担するわけですね。ですから、当然、国費、税金をこの補助ダムにもつぎ込むわけです。ですから、この検証は、国が今後主体的にやる前提としては、私は、無駄な公共工事を削るという趣旨で、やはりこれを徹底的に検証しながら、無駄なダムをやめながら、その財源を今の東日本の復興財源に向けるとか、こういうことが必要であるというふうに思っておりますので、そういう視点でもひとつ検証をしていただきたいと思います。

 それから、次の質問に入りたいと思います。

 川辺川ダムの、ダムによらない治水を検討する場の今後の見通しでございます。

 現在、川辺川ダムについては、中止の方向で、ダムによらない治水を検討する場が国、県、流域市町村で構成をされています。これは五木村の再建計画の検討が先行して行われたために、これも中断をしておりました。しかし、それが再開をされたと聞いております。これも私、昨年の議会でも質問いたしました。これまで検討されてきたわけでありますが、この中期的なダムの治水対策の河川整備計画、それから今検討されている短期、中期の治水対策、これをどういう形で関連づけて進められるのか、そして今、検討の場でどこまで検討が進んでいるのか、それについて御答弁をいただきたいと思います。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生からは二点、生活再建の今後の状況、それからダムによらない治水対策の今後の見通しということで御質問いただきました。

 まず一点目の生活再建でございますが、昨年の七月、五木村の今後の生活再建を協議する場を設置させていただき、国、熊本県、五木村の間で協議を行ってまいりました。

 ことしの六月二十六日に開かれました第五回会議におきまして、五木村の生活再建につきまして、現行の予算制度を活用して整備を進めていくということで、国、県、村の三者の間で、それぞれの役割分担も含めて一定の合意を得たところでございます。今後、この合意に基づきまして、それぞれの役割分担のもとで進めてまいるということで考えているところでございます。

 二点目でございますが、球磨川におけるダムによらない治水対策ということでございます。

 川辺川ダムを前提としない球磨川の治水対策につきましては、平成二十一年の一月から検討の場を熊本県と共同で設置いたしまして、流域内の十二の市町村長さんの参加のもと、これまで九回の会議を続けてまいりました。

 去る九月五日でございますが、第九回が開かれまして、ここにおきまして、地域ごとの状況をより具体的に踏まえ、適切に反映した検討を進めるため、新たに幹事会を設置し、これは副市長さん等のクラスによるものでございますが、具体的に進めよという方向が出されたところでございます。

 今後は、この新たに設置をした幹事会を活用しつつ、できるだけ早く治水対策案がまとめられるよう進めてまいりたいと考えているところでございます。

中島(隆)委員 後段の方を先に答弁されましたが、まず、後で答弁をされたダムによらない検討する場の論議ですが、いよいよ再開をされました。

 この川辺川ダムは、御存じのとおり、八ツ場ダムと同じように、五十年近くの住民の方々の大変な苦渋の選択で、もう既に川辺川ダムの場合は移設のところに全部移られているんですが、人口が激減をして半分以下になっている、こういう状況にございます。

 特に五木村とは、熊本県が五十億の生活再建基金を積んで将来的な生活再建の支援をする、こういうことで合意をされたわけです。ですから、今後は国として、ダムを中止した後の生活再建の支援というのは重要な課題だと思うんですね。

 ですから、これについては、五木村でダム中止を前原大臣が当初言われて、ずっと歴代大臣がその生活再建の支援をすると約束をされているわけですから、ぜひそれは推進をしていただきたい。

 そしてもう一つは、ダムを中止した場合は、五木の再建はもちろんでありますが、その下流にあります、中流、下流、八代海までですが、こういう下流まで含めての治水対策が同時に進まなければならないわけですね。これは一気にはできません。だからこそ今、検討会議ができまして、短期、中期、直ちにやるところ、あるいは中期でできるだけ計画的にやるところ、そして長期にやるところというのが、今後課題があると思うんです。

 ですから、まず、この川辺川ダム問題は、ぜひひとつ五木村の再建の全面的な支援を国がやるということと、あと、下流域の治水対策、ダムによらない治水対策を県と一日も早く協議を調えて、そして直ちにやるところを直ちに着手していただきたい、こういうことを私は強く申し上げておきたいと思います。

 そこで、最後に確認ですけれども、これは歴代の大臣が申されていました、生活再建の法案を準備して提案するという約束をしてきたんですね。これが、質問するたびに、協議が進まないからという理由で答弁ができなかったんです。

 ぜひ、前田大臣、最後にその確認、この生活再建をどういうふうに準備してされるのかを、決意をお願いいたします。

前田国務大臣 今、中島委員が御指摘の、ダムについては八十三事業、すべてに共通する課題であるかな、こう思います。

 予断なき検証を重ねた上で、有識者委員会の評価も聞いた上で最終的に決断をする。そしてそれが、事業を継続するのであれ、あるいはやめるのであれ、いずれにしろ、地元の方々に長い間御迷惑をかけてきたわけでございますから、その再建について万全の措置を講じていくのは当然でございます、直轄であろうとあるいは県事業であろうと。

 そんな意味で、与党民主党においても具体的な法案が今相当のところまで検討が進んでいると思いますが、いずれにしろ、国会においてこの議論をぜひ広げていただき深めていただいて、成案を得させていただきたいな、こう考えております。

中島(隆)委員 では、終わります。

伴野委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 前田国土交通大臣と初めてのこうした形での質疑を行わせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、震災に関連して、地方出先機関のことについてお伺いをしたいと思います。

 震災対応に当たっては、市町村の機能が津波によって壊滅をする状況の中、すさまじい被害の状況を把握し、道路復旧等の緊急対応に奔走したのは、東北地方整備局のスタッフの皆さんだったというふうに思います。

 道路啓開といって、これは災害マニュアルにはない言葉だそうですけれども、瓦れきに埋もれた道路を重機で切り開いて救援ルートを確保する。南北に走る国道四号線を縦軸にして、沿岸の主要都市につながる十五本の横軸を通行可能にするという、徳山東北地方整備局長がこれをくしの歯作戦と名づけたということですけれども、このくしの歯作戦を人命救助のタイムリミットの七十二時間以内を目指して進めていかれた。結果、津波から四日後の三月十五日にはくしの歯作戦がすべて終了したというんですね。

 私も、六月のこの委員会の被災地視察のときに徳山局長にお会いをして、行き帰りのバスの中でいろいろなお話を聞かせていただきましたけれども、大変意気に感じて仕事をされる姿に感銘を受けたという思いがございます。

 今回の震災に当たって東北地方整備局が果たした役割はどのようなものであって、どのような意義があったと考えるか、まず御答弁をいただきたいと思います。

前田国務大臣 柿澤未途先生におかれましては、お父上と随分親しくさせていただいておりまして、たしか何回目かの選挙で北区にお父上と一緒に行ったことを思い出しておったところでございます。

 今御指摘のように、東北地方整備局の対応について随分と御評価をいただいて、面映ゆい思いもしながら、本当に、意気に感じてやる集団でございますから、必死になって頑張ってくれたな、このように思います。

 全国の地方整備局が、発災直後から、時の大畠大臣の統一的な指揮のもとで、二十四時間体制で対応いたしました。過去の大規模災害対応で随分といろいろな経験を蓄積しております、全国の地方整備局の職員から成る緊急災害対策派遣隊、TEC―FORCEと称されております。テクノロジーとエマージェンシーとコントロールというものを組み合わせた言葉であろうと思いますが、このTEC―FORCEを発災翌日には四百名体制で派遣し、三日目には五百名体制まで増強し、迅速に初動態勢を構築いたしました。十月二十三日現在までに延べ一万八千九十四人を派遣しているところであります。

 そして、御指摘のようなくしの歯作戦も講じて救命救急あるいは緊急輸送に貢献したところですが、仙台空港の早期再開というところでも、ポンプ車が最大百二十台集まって、これはもう全国から持ち寄ったわけでございますが、もちろんトモダチ作戦の応援もあったわけでございますが、早期再開、あるいは十市六町の復旧を支援したところであります。

 そのほか、衛星通信車なんかを持ち込んで、通信関係なんかも直ちに立ち上げたというふうに承知をしております。

柿澤委員 御丁寧な御答弁をいただきました。

 このやりとりをお聞きいただいて、私は決してこの震災における東北地方整備局の役割を軽視するものでないということを前提として御理解をいただきたいと思います。

 一方、ところでこうした中央省庁の出先機関は、原則廃止、そして地方移管を進めていくということになっているわけです。ですが、ここまで出先機関改革というのは、はかばかしい成果を上げていないように思います。それどころか、各省庁の政務三役までが、出先機関は必要だ、こういうことを推進委員会で唱えるような状況にもなっている。

 そんな中、野田総理は、今月二十日の地域主権戦略会議で、出先機関の地方移管について来年の通常国会への法案提出を明言し、強い意欲を示したと報じられています。

 地方出先機関の中で、移管リストの中で、予算も人員も、その機能の上でも最も大きく最も重要なのは、二万人の人員を擁して、また全部合わせると八兆円の予算を持つ、この国交省の地方整備局なのではないか、これは衆目の一致するところだというふうに思います。地方整備局の地方移管について積極的に国土交通省は進めていく姿勢であるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。

前田国務大臣 地方整備局も含めて、地方支局の移管というのは地方分権改革の中で決定されてきたわけでございまして、これはもう自民党内閣のときからの議論でありました。そして、閣議決定をされて、今御指摘のように、二十四年度に成案を得るということであったと思いますね。野田総理もそのことをこの間の閣議で特に御指摘があったわけであります。もちろん、国土交通省におきましても、地方整備局の移管というものを前向きに進めてまいりたい、このように思っております。

松原副大臣 今大臣からお話があったように、その推進のための委員会でも、私も出て発言をしたわけでありますが、大前提として、これはきちっと移管するという方針でいくんだということでありまして、しかし、やる以上はきっちりしたものをやろうということでの議論があったというふうに理解をしております。

柿澤委員 そうしますと、国土交通省からは、地方整備局の地方移管について一つのまとまったパッケージが、先ほどの松原副大臣のお言葉をかりれば、きちっとしたものが来年の通常国会に法案提出されるということですから、二〇一四年までに移管をするということが当初の約束であったはずですので、それまでの間に御提示をされる、こういうことで理解をしてよろしいですね。

前田国務大臣 その方向で進めてまいります。

柿澤委員 さて、私たちは、今回の震災は、県という、ある種のサイズの限界というか、逆に、広域的な対処の枠組みの必要性も感じたと思っております。それが逆に東北地方整備局のような機関が大きな役割を果たしたゆえんではないかというふうにも思います。

 ですから、今回の震災復旧、その後の復興に当たってのオール東北、オール日本の取り組みが、私は、将来の道州制への発展につながっていくものだと考えてきました。その趣旨に合致した復興基本法案の対案も、みんなの党として提出をさせていただいたところでもございます。

 ところが、今回、地方合同庁舎について、建設凍結を解除して来年度の概算要求に計上する、こういうことになりました。自公政権時代にいろいろすったもんだして凍結をされた東北地方整備局の入る仙台合同庁舎の建設もこれは入っております。仮に計画どおりに八カ所全部やると、総工費六百億とも言われております。復興財源がないから増税しようと言っているときに、どうしてこういう予算要求をするのかなというふうにも思います。

 こうやって一方で国の出先機関の存在を固定化するような動きをしているということは、先ほどおっしゃられた出先機関の地方移管の方針にまるっきり逆行するものではないかというふうに思いますが、これは、口では言っているものの、結局はどれだけやる気があるのかということにかかわってきますので、この点どう考えているのか、御答弁をいただきたいと思います。

前田国務大臣 国の出先機関が入居予定の合同庁舎の整備については、出先機関改革の検討が進められていることから、平成二十一年十月、概算要求の見直しを行い、二つの基準を出しております。現庁舎の耐震性が低いこと等から整備の緊急性が真に高いもの、出先機関の事務、権限の見直しが行われたとしても入居官署の見直しにより無駄を生じさせないよう対応できるもの、この二つの要件を満たす箇所に限って整備を行うこととしたところであり、当初要求の三十五カ所のうち二十二カ所の概算要求を見送っております。

 ただ、御指摘の東北整備局でございますが、私も、着任後、東北整備局の建物自体も整備局に行って見てまいりました。至るところに亀裂があり、非常に危ないという状況でありますから、あれについては、一の耐震性が低いということにかんがみて、これを、補修といいますか、対象にしてやるということになっておるところでございます。

柿澤委員 ここの点は、先ほど来お話があった、来年通常国会への法案提出、そして二〇一四年までに移管完了、こういうタイムスケジュールにかんがみて言うといささか整合性がないようにも感じられますが、今後もそうした動きについては、私たちはきちっと見ていきたいというふうに思います。

 観光政策についてお伺いをしたいというふうに思います。

 震災以来、さまざまな要因があって訪日外国人の数ががたっと減っているのは、皆さんも御承知のとおりであります。

 私も縁あって東京都ユースホステル協会の会長をやらせていただいていまして、台東区柳橋に隅田川ユースホステルという直営のユースを経営しているんですが、宿泊料が安いので、宿泊者の多くが外国人だったんです。前年の稼働率六割以上だったのが、ことしの前半は、一時やはり二割台まで落ち込んでしまいました。

 政府観光局が発表した九月の訪日外国人数は、前年同月比二四・九%減の五十三万九千人と、震災以来七カ月連続の減少をしております。

 そういう中で、政府は、訪日外国人三千万人、二〇一三年までに千五百万人という目標を掲げているわけです。しかし、そもそも震災前、訪日外国人がどのぐらいいたかというと、二〇一〇年が過去最高で八百六十一万人。過去最高で八百六十一万人ですから、あと二年で、二〇一三年には千五百万人、ほぼ倍増をどうやって達成するんでしょうか。

 私は、実現不可能な目標を掲げて、やるんだ、やるんだ、できませんでしたでは、やはり政府の言葉を国民が信じないということにもなってしまいかねないと思います。そして、訪日外国人の誘致というのは、遊びでも何でもない、日本の経済成長を牽引する極めて重要な国家目標だというふうにも思っております。目標を設定するからには、達成しなければならないもののはずであります。

 その上で、お伺いをいたします。

 政府が設定をする訪日外国人三千万人、二〇一三年までに一千五百万人、この目標は変えずに追求し続けるのか、お伺いをしたいと思います。

溝畑政府参考人 訪日外国人の目標設定についてお答え申し上げます。

 訪日外国人の目標につきましては、平成二十二年六月の新成長戦略、これは閣議決定しておりますが、この中で、将来三千万にするということを政府目標として決定されまして、あわせまして、二〇一三年に一千五百万という中間目標が設定されております。

 他方、二〇一〇年、過去最高の八百六十一万でございましたが、議員御指摘のとおり、今回の大震災によりまして安心、安全のイメージが損なわれたということもございまして、まだマイナス傾向が続いております。ただ、皆さんの御努力で、九月にはマイナス二四・九%、これは実はニューヨークのテロ、タイのプーケットよりも回復のスピードは速いというふうに考えております。特に中国におかれましては、九月がマイナス一〇%台まで回復いたしております。

 委員御指摘の目標の取り扱いについては、この震災後の落ち込みからの訪日外国人の回復状況を踏まえながら判断してまいりたいというふうに考えております。

柿澤委員 変えないという力強い御答弁があるのかなと思いましたが、今後の状況を踏まえながら判断をする、こういう話になりました。

 私は、訪日外国人客をふやすということについては完全に賛成ですし、むしろ積極的に後押ししたいという気持ちを持っております。だからこそ、目標達成のためにはやるべきことはすべてやるというスタンスでないといけないというふうに思います。あれをやったら効果がありそうだけれども、ちょっと難しそうだからそれはやらない、こんなことがあってはならないというふうに思っております。

 そこで、お伺いをいたしたいと思います。

 私、成功例から学ばなきゃいけないと思うんです。まず、シンガポール。二〇一〇年の来訪外国人数は前年比二〇%増の千百六十四万人、観光収入は何と前年比一・五倍の百八十八億シンガポール・ドル、一・二兆円です。人口五百万人、国土面積は淡路島ぐらい、泳げるビーチもない。このシンガポールが、二〇一〇年度の観光収入を一・五倍にした。このことをどのように評価し、その要因をどう分析しているのか、お伺いしたいと思います。

溝畑政府参考人 議員御指摘のとおり、シンガポールの観光収入、二〇〇九年度の百二十六億シンガポール・ドルから二〇一〇年度には百八十八億シンガポール・ドルになっておりまして、約一・五倍。あと、シンガポールに来られた外国人も、九百六十一万から一千百六十万、大きく増加しております。

 この要因といたしましては、シンガポールがアジア国際観光のハブを目指して、ここ数年、MICE戦略、そしてまた、それにあわせまして観光施設の整備、F1の誘致など、積極的な誘致策を展開しております。特に二〇一〇年度大幅に増加した要因といたしましては、シンガポールの国内の二カ所に、宿泊施設、飲食、そしてアミューズメント、エンターテインメント、MICE、そしてカジノ等を含むいわゆる総合リゾート施設、IRが開業されたことが大きいというふうにシンガポール政府観光局から報告を聞いております。

柿澤委員 今、溝畑観光庁長官から御答弁をいただいた、その御答弁にも出てまいりましたが、このシンガポールが観光収入を一・五倍にふやした、この成功の一つの要因として、二〇一〇年にシンガポールで初めて開設をされた、カジノを核とした統合型リゾート、マリーナ・ベイ・サンズ、リゾート・ワールド・セントーサ、この二つの施設を挙げなければならないと思います。

 ライセンスを受けた事業者がカジノの運営を行い、それだけではないんです、リゾートホテル、ショッピング、レストラン、エンターテインメント、コンベンション、ユニバーサル・スタジオがあったり世界最大の海洋水族館があったり、実は、カジノが占める面積は開発面積全体の三%から五%程度しかない。これらが、統合型リゾート、インテグレーテッド・リゾートですから、IRと呼ばれるゆえんであります。

 これらがどれだけの成功をおさめたかというと、国際観光客一人当たりの消費額の内訳として見ると、観光、娯楽の項目、その支出の伸び率は実に前年比で十二倍ということです。こうした統合型リゾートの開業がいかに観光収入の向上に寄与したかということが見てとれるわけです。その結果、二〇一〇年のシンガポールの経済成長率は一四・五%ということで、建国以来最高になっております。

 民主党政権になって設置をされた国土交通省の成長戦略会議では、観光振興策の一つとして、カジノを核とする統合型リゾート、IRの検討もなされたと思いますが、最終報告では、何だか、慎重に検討する、こういう形でトーンダウンをしてしまっております。

 これはなぜかというふうにも思うんですけれども、やはり最初の問いに立ち返って、二〇一三年、一千五百万人、そして将来的に三千万人を実現させるということであるとすれば、これは、震災や原発事故といった、非常にディスアドバンテージというか、非常に不利な状況の中にあって、通常のことをやっていてもこの数字は達成できない目標だというふうに私は思います。しかも、目覚ましい成功例が報告をされている。

 一方で、国交省の成長戦略会議の最終的な報告で慎重な検討を要するということになったのは、青少年への影響とか、いろいろこういうことがあったんだと思いますけれども、しかし、シンガポールで治安や青少年の風紀が乱れたという話は寡聞にして聞いておりません。

 こういうことを踏まえて、まさに目標数値の達成という閣議決定もしているわけでありますから、ぜひそれに向けた決意を、溝畑長官のみならず、また前田国土交通大臣に、今の話を踏まえて御答弁をいただきたいというふうに思います。

溝畑政府参考人 今御指摘の点でございますが、国土交通省成長戦略の答申の結果を踏まえまして、IRにつきましては、議員御指摘のとおり、MICEそして国際観光において効果があるというふうに考えております。そういう事例を研究いたしましたり、日本によるポテンシャルについて我々も研究いたしております。

 ただ一方で、今議員御指摘のとおり、治安維持の問題でございますとか、マネーロンダリング、そしてまた青少年健全育成、こういう政府全体で取り組むべき課題もございます。

 我々といたしましては、きょうこちらの古賀一成先生が会長をされておりますIR議連の動向を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。

前田国務大臣 御指摘のことも踏まえ、また、展示場といいますか催し場、ビッグサイトのようなものをもっともっとMICEとあわせてつくることが、世界のビジネスマン及びそれに付随しての観光客を呼び込むことにもなるというようなことで、このIRというものを進めてまいりたい、このように思います。

柿澤委員 IRを進めてまいりたいという、ここだけ切り取るとそういう御答弁をいただいたので、大変心強いことだなというふうにも思います。

 また、溝畑観光庁長官からは、古賀一成会長のIR議連の動向も踏まえてというお話でありますから、この議員連盟では、もちろん私も役員の一人なんですけれども、今にも議員立法案をつくって国会に提出しようかという一歩手前まで来ておりますので、そういうスタンスで臨んでいただける、こういう御答弁を事実上いただいたのかなというふうに極めて好意的に解釈をしたいと思います。

 経済成長がなければ財政再建だってできないんです。だから私はこれだけこの問題について言っているわけでありまして、そして、このIRから上がってきた収益というのは、まさに被災地復興のための財源としても活用をする、そういうアイデアも今議論をされているわけでありますので、やはり溝畑観光庁長官の今の公職のお立場では両論併記みたいなことを言わざるを得ないのかもしれませんが、観光行政を預かる国交省、観光庁としても、より積極的な踏み込んだ取り組み姿勢をぜひお願いしたいというふうに思います。

 また、先ほど申し上げた二〇一三年までの一千五百万人、そして将来的には三千万人と数値目標を掲げているわけですから、これは、達成できなければ本当は責任を問われなければいけない、首がかかっている、このぐらいの意気込みで取り組んでいただかなければいけない。それがいかに困難かということは私もわかっているからこそ、やれることは何でもやらなきゃいけないということを言っているわけでありますので、この点、ぜひともお受けとめをいただきたいというふうに思っております。

 ちょっと一点質問を飛ばしまして、最後の質問に移らせていただきたいと思います。

 三月九日の国土交通委員会で、私は、東京メトロと都営地下鉄の経営一元化の問題について質問させていただきました。私がかねてから取り組んでいるテーマであります。

 東京メトロは、今や、経常利益七百億円、利益剰余金二千百億円、超優良企業です。にもかかわらず、バリアフリー工事等乗客への還元は不十分、新線建設にも消極的。一方で、子会社を十二社もつくって、メトロから天下った役員に平均一千二百万円もの高給を払っています。

 メトロと都営が併存することで、同じ駅に駅長が二人いる、遠回りして乗りかえなければならない、乗客は乗りかえ運賃を負担しなきゃいけない。都営地下鉄も黒字化している今、都が求める地下鉄の経営一元化を進めるべきではないかと私は考えております。私の質問に対し、当時の大畠大臣からも、一元化というものをどう考えたらいいのか、私なりに研究させていただきたい、こんな答弁もいただいているところです。

 現在、都が求めて、国との間で経営一元化に関する協議を行っていますが、震災発生以来、議論が進捗をしていないというふうにも聞いております。

 そんな中で、震災復興の財源として、東京メトロの政府保有株式を売却することが検討の俎上に上っております。都は、こうした中で、売却される政府保有株の引き受けに積極的な姿勢を見せていて、国が五三・四、都が四六・六の保有割合を、例えば都が五〇・一、あるいは六六・七、三分の二まで買い増すケースなどを検討しているということであります。ちなみに、某金融機関の試算では、実勢価格で都が六六・七まで、三分の二まで買い増すと、国に一千二百八十億円の売却益が入る、こういうことになっているようであります。

 これは、都民の利便性を高めて経営効率を高めるための地下鉄一元化について、非常に重要な局面が来ていると思います。しかし一方で、国がどこか別なところ、例えばどこかのファンドとかに売却をしてしまえば、むしろこの機に一元化は遠のいてしまうということにもなりかねないわけであります。

 これは、売却をされるとすれば、地下鉄一元化の協議を現在している東京都が、優先的な交渉権といいますか、まず真っ先に株式売却の売却先として対象になるはずであると思いますが、この点、国土交通省、また財務省からもおいでいただいていますので、御答弁をいただきたいというふうに思います。

前田国務大臣 今の御指摘のことなんですが、東京地下鉄株式会社法によって、国と東京都ができる限り速やかに株式を売却する、こういうことになっております。この方針に従って協議を進めていくわけなんですが、私はこういう言い方をしているんです、東京メトロは金の卵を産む鶏だと。今でも配当だけで、東京都、国を合わせて九十億あるんですか、それから、国税、地方税合わせて三百二十億か何か、そのぐらい払ってくれているんですね。合わせて年間四百億以上の利益を公共に出してくれている。こんなすばらしい金の卵を産んでくれているわけでございますから、売却の期間というのはまだ何年かあるわけですから、この親鳥が国と東京都とあるわけですから、大いに卵は産んでいただくべきだ、こう考えております。

三谷大臣政務官 十月七日に閣議決定をされました東日本大震災の復興財源の基本的方針においては、「歳出削減及び税外収入による財源確保額が五兆円程度であることを前提に時限的な税制措置を講じる。」とされています。その税外収入確保の方策として、今国土交通大臣がおっしゃられたとおり、法律上速やかに売却することとされている東京メトロ株の売却収入を復興財源に充てることとしています。

 東京メトロ株は貴重な復興財源でもあり、これも国交大臣がお話しになられたとおり、できる限り大きな収入確保となる方法を国として考えてまいりたいと考えています。

 また、国としてはこれまで、国交省、財務省と東京都の間で東京の地下鉄一元化等に係る協議を計四回開催、協議をしており、こうしたこれまでの議論の経緯を踏まえて、東京都ともしっかりと協議をして対応に当たってまいりたいと考えています。

柿澤委員 国及び都に配当及び納税で多額の貢献をしている、金の卵を産む鶏だというお話がありました。それはそうなんでしょうけれども、最終的な受益者であるべきは、やはり利用者であり、国民、都民だというふうに思います。そういう点から考えると、私は、一都民としても思いますし、都政に長らくいろいろとかかわってきた立場からすれば、これは、この機にもし仮に一元化ということが実現できるのであれば、ぜひ積極的に進めるべきことだし、それが必ず利用者の利便性を増すことにつながる、また、東京メトロが上げている今の収益を利用者に今よりも多く還元することにつながるというふうに思います。その点ぜひお含みおきをいただいて、今後、さまざまな協議の場でその方針で進んでいっていただきたい、このことを期待として申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

伴野委員長 この際、前田国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。前田国土交通大臣。

前田国務大臣 先ほどの富田委員に対する答弁で持ち家は五千七百万戸と申し上げたんですが、これは正しくは、住宅ストック全体で五千七百万戸、持ち家ストックは三千三十万戸でありますので、おわびして訂正をさせていただきたいと思います。

伴野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四分散会


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