衆議院

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第4号 平成24年3月21日(水曜日)

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平成二十四年三月二十一日(水曜日)

    午後一時一分開議

 出席委員

   委員長 伴野  豊君

   理事 小泉 俊明君 理事 小宮山泰子君

   理事 古賀 敬章君 理事 辻元 清美君

   理事 松崎 哲久君 理事 金子 恭之君

   理事 山本 公一君 理事 富田 茂之君

      阿知波吉信君    石井  章君

      奥田  建君    川村秀三郎君

      沓掛 哲男君    熊田 篤嗣君

      黒田  雄君    古賀 一成君

      坂口 岳洋君    高木 義明君

      津島 恭一君    辻   惠君

      中川  治君    中屋 大介君

      橋本 清仁君    畑  浩治君

      向山 好一君    谷田川 元君

      柳田 和己君    吉田おさむ君

      若井 康彦君    赤澤 亮正君

      小渕 優子君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    菅原 一秀君

      橘 慶一郎君    徳田  毅君

      二階 俊博君    林  幹雄君

      福井  照君    望月 義夫君

      竹内  譲君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    柿澤 未途君

      下地 幹郎君    田中 康夫君

      中島 正純君

    …………………………………

   国土交通大臣       前田 武志君

   内閣府副大臣       後藤  斎君

   国土交通副大臣      奥田  建君

   国土交通副大臣      吉田おさむ君

   国土交通大臣政務官    津島 恭一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 長谷川彰一君

   政府参考人

   (消防庁審議官)     高倉 信行君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 和田 充広君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  加藤 利男君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  菊川  滋君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  久保 成人君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十一日

 辞任         補欠選任

  辻   惠君     中屋 大介君

  赤澤 亮正君     橘 慶一郎君

  徳田  毅君     菅原 一秀君

  亀井 静香君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  中屋 大介君     辻   惠君

  菅原 一秀君     徳田  毅君

  橘 慶一郎君     赤澤 亮正君

  下地 幹郎君     亀井 静香君

    ―――――――――――――

三月十九日

 尖閣諸島を初め我が領土領海を守ることに関する請願(柴橋正直君紹介)(第三五三号)

 同(田名部匡代君紹介)(第四二四号)

 同(太田和美君紹介)(第五一〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)


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     ――――◇―――――

伴野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市局長加藤利男君、道路局長菊川滋君、住宅局長川本正一郎君、鉄道局長久保成人君、内閣府大臣官房審議官長谷川彰一君、消防庁審議官高倉信行君及び外務省大臣官房参事官和田充広君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅原一秀君。

菅原委員 自民党の菅原一秀でございます。

 きょうは、都市再生特措法の改正案につきまして質問する機会をいただきました。特に自民党の方は首都圏の議員が少ないということで、おまえやれ、こう言われて、御下命を賜ったところでございます。

 まず、きょうは三月二十一日であります。昨年の三・一一、東日本大震災から一年と十日がたちました。あのとき、午後二時四十六分に大地震が、この東京から四百キロ―六百キロ離れた東北地方で起きたわけであります。ところが、その後、夕方から夜間にかけまして、首都圏で何と五百十五万人、東京、神奈川、千葉、埼玉、一都三県において、これだけ多くのいわゆる帰宅困難者が出たわけであります。

 先般の内閣府の試算によりますと、もし、今このとき、今この論議をしている最中にでもいわゆる首都圏の直下型大地震が起きた場合、帰宅困難者は一都三県で六百五十万人を超えるのではないか、こういう試算が出されているわけであります。

 そういう意味では、この都市再生特措法の改正案はまさに時宜を得たものだ、こう捉えているわけでありますが、一方で、御案内のとおり、各自治体や各地域においては、既に自治体と企業が一緒になって協議会をつくって進んでいるところもある。ある意味では遅きに失すると申しましょうか、もっと早くやってもよかったんではないかな、そういう実感を抱いているわけであります。

 しかも、今申し上げたように、地域で既に協議会をつくっていろいろな対策をやっておりますから、今このとき、国においてこの改正案の中で自治体に協力を求める、企業に協力を求めるということを考えたときに、ある意味では、既に行っている対策とオーバーラップしたり、その辺の平仄が本当にとれるんだろうか、こういう思いを抱くわけであります。

 そこで、まず初めに前田大臣にお尋ねをしたいのは、マグニチュード七・三の首都直下型の地震が起きた場合、こういうふうな想定をされておりますが、つい先般、東大の地震研において、三十年間で何と九八%、直近の四年間でも七割以上、直下型の地震が起きる可能性がある、こういう酒井准教授の論が出ているわけであります。あわせて、ことしの三月、東大地震研の平田教授によりますと、地震の揺れの領域が、今までの中央防災会議における地震の地域よりもより広くなっているんですね。

 このことを考えて、この法の改正に臨むに当たって、大臣はどの程度の地震を想定しておられるのか、まずこのことをお尋ねしたいと思います。

前田国務大臣 菅原委員の御指摘のとおり、権威ある研究機関の研究者から相次いでそうやって御発表、御指摘がございました。非常に緊迫感を覚えているわけでございまして、首都直下型の地震が発生した場合には、首都圏全体で六百五十万程度の帰宅困難者が発生するのではないかというふうにも言われているということでございますが、地震の規模等がどの程度というようなことについては、震度が幾らだとかいうようなことについて今申し上げることはいたしませんけれども、非常に厳しい状況になるだろうということは想定をしております。

 そして、都市再生安全確保計画というものをつくる中で、関係者との連携と協力のもと、備えを進めてまいりたい、このように考えております。

菅原委員 この地震の規模というものが、例えばマグニチュード五なのか六なのか七なのか、それを超えるものなのか、やはりいろいろなシミュレートによってそれぞれ再生法の目鼻が変わってくると思いますし、ぜひこのシミュレートは、この法、そしてまた政府全体においてさらに深掘りをしていただかなければならない、こう思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 そこで、各論に入ります前に、きょうは内閣府の防災担当の後藤副大臣にお運びをいただいております。

 先ほども申し上げましたように、今このときにマグニチュード七程度の地震が起きた場合、例えば、帰宅難民に至る前に、官邸あるいは永田町、霞が関、このいわゆる日本のヘッドクオーターである部分における緊急対応というものができているのかどうか。あるいは、合わせて帰宅難民、その他大勢になってしまうのかどうか。

 都市再生本部をもしつくった場合に、この本部長には内閣総理大臣がなると、この法に書かれているわけでございます。そう考えた場合に、官邸からさまざまな指示、命令を出すということが想定できるわけでありますけれども、実際に日本全国に、あるいはその協議会をつくった場所に、この都市再生法改正に基づくさまざまな計画、あるいは施設の作動、そして避難民の誘導、退避経路の確保、そしてまた退避場所への誘導等々を含めて、この一丁目一番地であるヘッドクオーターが、もしマグニチュード七程度の地震で壊滅状態になるかもしれない、あるいはそうなることも含めて、この点、政府としてどういうような対応をとられているのか、お示しをいただきたいと思います。

後藤副大臣 先生御指摘のとおり、昨年の三・一一の東日本大震災の夜、三月十一日の夜は、五百万人以上の方々がいわゆる帰宅難民としてかなり混乱をし、また精神的にも大きな苦痛を受けたというふうに思っています。

 今回、先ほど前田大臣もお答えになったように、首都直下型の地震の規模がどの程度になるかは別としても、六百五十万人を想定するという形で、この三月は検討会の中間取りまとめを含めて、今いろいろな対応が進められております。

 特に政府の官邸機能がそれぞれの関係省庁また自治体と連携する仕組みは、先生も御案内のとおり、基本的には中央防災無線で、衛星も含めてつながっているというふうに思っております。

 発災時の標準的な初動というのは、先生も御案内のとおり、まず首都直下、いわゆる東京二十三区内で震度五強以上の地震が発生する、またはそれをずれた地域、その他の地域であっても震度六弱以上の地震が発生するとき、また津波警報が発表され、東海地震注意情報発表時には、三十分以内をめどに緊急参集チームが官邸に入り、そしてその後、速やかに全閣僚の部分で協議をし、三十分刻みで、災害対策本部を設置する等々の、首都直下の大地震を踏まえた地震での対応のマニュアルについては、既に御案内のとおり整備をされております。

 今回、先々週の三月九日に、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会中間報告というのが、中間報告ではありますけれども、まとめられております。これは先生、多分御案内だと思いますが、関係省庁のみならず、東京都、茨城県、埼玉県を含めた十二地方団体、さらには民間企業、報道機関も十七機関含めた構成メンバーで、三回集中して議論をし、三月九日に中間報告をまとめ、この夏から秋にかけて最終報告を予定しております。この中でも、先生御案内のとおり、帰宅困難者と言われている方々への情報提供をどうするかということも非常に大きな課題で、章を一つ設けて考え方の整理をしているところであります。

 当然、個別に情報を今は入手できる時代になっておりますが、それ以上に、やはり企業みずから、組織みずからがきちっとしたガイドラインを、それぞれの企業や組織の中でしていただくことも想定しながら、これは今後につながる部分でも当然ございます。また、きょう議論の中心に多分なるでありましょうけれども、一時滞在型施設の問題、また、一斉帰宅というのをある意味では抑制しなければ大混乱になってしまうということ。備蓄も、BCPに基づいてそれぞれの企業や組織が、三日程度の食料品、水も含めた備蓄をしながら、一斉帰宅が起こらないような、これも、それぞれの事業所における帰宅困難者等対策ガイドラインというものを今後それぞれ作成していただいた方がよろしかろうというふうなことも含めた中間報告をしております。

 いずれにしましても、政府のそれぞれの組織の中は、防災無線もさることながら、それもまさに寸断されたときどうするかというのは、今、他の検討会でも議論をしておりますので、いずれ体系的に、先生方にもきちっと御理解をいただけるように、政府としての報告書の集大成をしていきたいというふうなことも考えております。

菅原委員 今、副大臣からるる御説明があったんですが、言ってみれば、都市再生法に基づく種々の論議についての御説明であったように私には感じられました。

 私があえて、きょう国交の大臣、副大臣、政務官ではなく、内閣府の副大臣としてここにお運びをいただいたということは、都市再生法における今回のさまざまな計画、そして施設管理等々に関することはもとより、日本の国の、国家としてのヘッドクオーターである、ここ、半径二キロ範囲のここの部分だけ特別扱いせよという話ではないんです。

 もし首都直下型大地震が起きた場合に、やはり日本全国に、しかも帰宅困難者が二次被害に行き至ることも出てくるわけでありますから、この点は、ここの地域における、このエリアにおけるある意味では特別な対策、防災対策、災害対策、緊急対応対策、情報の受発信を含め、そして帰宅困難者というのは、今お話にもあったように、早くうちに帰りたいとパニックになる避難者を一斉に帰宅させないで、ある意味ではここにとどまらせるという趣旨も当然あるわけでありますから、そう考えると、ここのエリアにおける対策は別途とってしかるべきだと思いますので、この点は指摘をしておきたいと思います。

 副大臣、どうぞよろしゅうございます。

 次に、るるお話があった中で、各自治体との関係についてお尋ねをしたいと思っております。

 今回、六百五十万人の帰宅困難者が出ると内閣府の想定がされております。東京都で三百九十万、神奈川県で百十万、千葉県で八十三万、埼玉県で六十七万、これは夕方六時前後という想定であるようであります。

 そこで、この改正案の中では、都市再生緊急整備地域、北海道は札幌から九州まで六十三地域で、大体七千七百八十三ヘクタールということで地域を指定しているわけであります。既に中央防災会議ですとか、あるいは先ほどお話があった国と東京都のいわゆる首都直下型地震の災害協議会の論議にも、これまでさまざまの対策があった。そして今回、新たに都市再生緊急整備協議会をそれぞれの地域においてつくる。そこには国、自治体、そして都市開発事業者、いわゆるディベロッパー、あるいは鉄道事業者とかビルのテナント所有者、ビルの所有者、あるいはガス、電気、こうした公共公益関係者も入って、その協議会をつくって対応する。

 その柱としては、いわゆる都市再生安全確保施設、備蓄倉庫だとか、避難経路とか退避施設、こういったものを整備して管理する。あわせて都市再生安全確保計画を作成して、避難の誘導だとか、災害情報、交通情報の受発信、あるいは備蓄する物資の提供体制、そうしたことに対する日ごろからの避難訓練、こうしたことも盛り込んでいるわけであります。

 そこで、予算を見たら、都市安全確保促進事業、エリア防災促進事業が三億四千万で、内閣府の方の都市安全確保計画促進事業が一・五億円、合わせてわずか四・九億円なんですよ。

 大臣、各自治体あるいは協議会に対して、国としてもそういう法改正によって、ある意味では努力義務なり、本当は私は努力義務ではなくて義務を課さなければいけないぐらい、企業にだってそうですよ、そういうことを本来やらなければいけない。しかし一里塚でありましょう、今回、わずか四億九千万。これで本当に足りるんだろうか、とても足りやしない、こう思うわけですね。

 こうしたことの中で、例えば東京においても、あの阪神・淡路大震災以降、千代田区では東京駅と有楽町駅の周辺地区帰宅困難者対策地域協力会、こうしたものが制定されて既に八年になるわけですね。ついこの間、新宿の駅前においては、二月三日に、情報提供訓練ということで、超高層ビルの集まる新宿駅周辺で約一万人の方が参加してこの訓練をやった。あるいは渋谷駅も、あそこは御案内のとおり、JRも私鉄も地下鉄もバスも、物すごい首都圏のスクランブルでありますから、こうしたところのターミナル駅の協議会もあって、首都圏を中心に、八つの駅がこうして協議会をつくって既にやっているわけなんです。

 そこで、先ほど申し上げたように、今回の改正案によって新たに協議会をつくると、それは、例えば新宿にもう既にあるのに、もう一個そこにつくらなければいけないのか、あるいはそうでないところのすき間を埋めていくのか。やはり初めて国で、法の改正によってある意味促進をさせるということでありますから、この点、自治体との関係をどういうふうに捉えればよろしいんでしょうか。

前田国務大臣 今委員御指摘のお話、もう既に協議会があるわけですね。ただし、これは新宿区なら新宿区全体をカバーしてあるわけですが、この都市再生緊急整備地域に指定しておりますのはエリアを決めております。

 この考え方としては、そういうエリアの中での駅であったり特定の事業所のビルであったり事業者であったり、そういったところと、そして、もちろん自治体もその協議会の中に入るわけです。さらに、ここに国も入るということで、今までと違う、区全体をカバーするというよりも、帰宅困難者等が出た場合にどこが一番関連して対応してもらえるか、あるいは責任を持つべきかというようなところに狙いを定めて、エリア、それから関連の民間業者というようなところに入ってもらって、しかも、そこに国も入っての協議会、こういうことになるのかなというふうに思います。したがって、議員御指摘のように、自治体のみならず国も入って、そして関連の事業者。

 さらに言うと、予算のお話もありました。四・九億円で足りるのか。こういうような協議会を通じて、情報の共有であったり伝達であったり、どちらかというとソフトといいますか、そちらの方を中心に考えておりますので、差し当たりスタートとしては、緊急に要するところ、四・九億円で何とか対応できるのではないか、このように思っております。

 もちろん、ハードの面については、社会資本整備総合交付金等一・四兆円の中で、都市防災総合推進事業であったり、優良建築物等整備事業であったり、倉庫等というようなことになってくると、建築基準法の中の容積率の緩和の問題であったりというようないろいろなことで対応はできるのかな、こう思っております。

菅原委員 今の大臣の御答弁からうかがい知れることは、今の法改正の論議の中の現状と、地域における協議会のやや温度差といいましょうか、例えば自治体においても、今回の法改正でどうなってしまうんだろうか、義務でもないし努力義務でもない。あるいは、そうした中で私は改めて思うのは、生煮えのままこれをやってしまうと、自治体あるいは協議会、あるいは意思を持って、私はたまたま駅前の一等地に広い土地を持っているから協力しようという方々が非常に混乱してしまう。この辺、仏つくって魂入れずじゃだめですよ。やはりきちっと、戦術、戦略は細部に宿るといいますから、もっと細かに、この点は明確にしていくべきだと思います。

 次に、情報通信の環境についてお尋ねします。

 御案内のとおり、あの二時四十六分の直後から夜、そして翌日にかけてまで、固定電話はもとより、携帯電話も全く不通状態が続いたわけであります。しかも停電という状況の中で、今回、首都直下型。もう桁が違うんですね。あの遠く離れた、何百キロのところで起きた地震でも首都圏があのように麻痺をしてしまった中で、今回、まさに、例えば東京湾でこうした地震が起きるかもしれない、こうした震源地になるかもしれないという中においては、先般の三・一一よりも過酷な環境が生じかねない。

 そういうことを考えますと、どうやって情報を得るのか。大地震があったら、まず皆さんはどうしますか。かみさんをどうするか、旦那は大丈夫か、子供は大丈夫か、家は大丈夫か、寝たきりのおやじは大丈夫かということで、まず安否確認するわけですよ。そうすると、御案内のとおり、スマートフォンが今普及してきたゆえに、それだけで従来の携帯電話さえ音信不通になっている昨今の中、今回、政府と携帯電話事業者と提携してこの対策を講じたという新聞記事が出ておりましたけれども、本当に今の体制で事足りるんだろうか。この点、どういうふうに捉えておるか、御答弁ください。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回提案しております都市再生安全確保計画は協議会が作成するということになりますが、その中の構成員には、地域内で情報通信施設を設置または管理する者が協議会に参加することが可能というような仕組みにしておるところでございます。したがいまして、こうした事業者の皆さん方にも協議会に参画していただき、必要な情報提供体制ですとか情報提供内容等につきまして議論していただいて、それを安全確保計画に反映をさせてまいりたいというふうに考えております。

 その際、先ほど先生から御指摘いただきました安否確認の情報も含めてでございますが、どういう情報内容、コンテンツを出すか。あるいは、実際の話といたしましては、情報通信機器の利用になれていない人がいるといったこと、あるいは停電が起きるかもしれない、そうしたことで情報通信機器が利用できない事態が生じることなども想定いたしまして、そうした場合でも、非常用電源ですとか防災無線等を活用することにより情報提供がしっかり行われるように努めていきたいというふうに考えております。また、鉄道事業者さんの出す発信情報も含めて、適切に対応していきたいというふうに考えております。

菅原委員 これは、国交省の局長に答えてもらうのもある意味では酷だと思うんです。ぜひ政府で、総務省、関係者と綿密に協議をして、もう最悪の事態で、先般、三・一一のときにはこうした通信の七割から八割、受発信抑制をしたんですよ、抑えたんですよ。だから、この点をどういうふうにシミュレーションして、そして事前に国民全体にお知らせをしておかないと、通じないのがある意味では計画によるものだということを知らせてやらないと、余計パニックになってしまう。この点は、ぜひ政府としてお願いをしたい。

 時間がありませんから、あと二点ぐらい聞きます。

 まず、避難場所、いわゆる退避場所の問題であります。

 例えば、これまでの首都直下地震災害対策協議会において、既に国と東京都で協議をして、例えば駅前のターミナル、こうした場所の確保、あるいはデパートだとかホテル、東京ドームのような野球場、映画館、こうしたところに対して、いわゆる民間に退避場所としてのお願いをしているんですが、ほとんど協力体制になっていない。頭でわかっていても、いや、そうはいっても、そのときの警備体制は誰が持つんですか、あるいは自治体が責任をとってくれるんですか、こんな話がやはり出てしまっているんですね。

 先ほど私申し上げたように、自助、共助、公助といいますけれども、行政側だけの、公助の力だけじゃなくて、地域のコミュニティーという共助、そして企業も個人も含めて、まず、みずからがみずからを助けるという努力、こうしたことの意識の醸成を図らないと、これはまさに、本当に理念法といったことに陥ってしまう。この点をもっとしっかり深掘りをして、国民全体の意識を高めなければいけないと私は思っております。

 そこで、万が一、帰宅をしないで、そこの場所に三日間ぐらいいざるを得ない状況のときに、やはり水、食料、毛布等々の備蓄倉庫がどうしても必要になってくる、このことも触れておられます。しかし、例えば駅周辺の一等地に、どうぞ自分のところを倉庫として使ってくださいなんという人が今いますか。まあ、いないわけですね。しかし、そこをしっかり、この法の改正、法の趣旨にのっとってきちっとお願いをしなければいけない。

 そこで、政府としても、今回、いわゆる倉庫の部分に関しては容積率の不算入、これを関係省庁と協議して特例を設けよう、こういうふうにしているんですけれども、これはどれぐらいのボリュームのものなのか。あるいは、特例で容積率を緩和してもらった、しかし、半年たって行ってみたらテナントで使っていたなんということもなくはない。こうしたいろいろなことも考えなければなりませんから、この容積率の不算入の問題だけではなくて、もっともっと、きちっとしたインセンティブをつけて、この備蓄倉庫が本当に駅前あるいは退避場所に確保できるような対策を力強く進めなければ、これはもう絵に描いた餅になりかねません。

 このインセンティブをさらに拡充していくべきだと考えますけれども、この点、いかがでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法案の作成に当たりましては、民間事業者の皆さんからも意見を伺って作成をいたしました。その際、備蓄倉庫については、事業者さんから見ればデッドスペースになるものですから、容積率不算入の特例措置を講じてほしいという強い要請を受けた形で、今回、一定の措置をさせていただいているところでございます。

 備蓄倉庫として用意した床を他の用途に転用することがあってはもちろんいけませんので、これは今回の安全確保計画の中でもしっかり書いて、それを公表する。そして、訓練もこの安全確保計画の中で実施するということにしておりますので、訓練の際には、その備蓄倉庫を実際に開いてみて訓練に充てるといったようなことを通じて、備蓄倉庫が他に転用されるようなことがないようにしていきたい。加えて、今後、制度の運用実態を踏まえまして、必要な支援措置については検討してまいりたいというふうに考えております。

菅原委員 これで終わりますけれども、この法改正によって、まさに戦略、戦術は細部に宿る、この点をきちっと認識して進めていただきたい。

 あわせて、東京都は去年の三月、震災直後に、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例というのをつくったんです。あるいは、木密地域の不燃化プロジェクトチームをつくって、東京の、例えば山手線の外側の木造密集地域なんかの改修あるいは建てかえ、こうしたことを進めているんですが、やはり地権者、住民からすると、頭ではわかっていて総論賛成だけれども、インセンティブが働かないと、なかなかこれが進まないんですね。

 ぜひ、被害の最小化、そして人の命を救うことを考えれば、そういう地方自治体の条例あるいは施策に関しても国の強力なバックアップをお願いして、終わりたいと思います。

 以上でございます。

伴野委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 まず最初に、被災地における高速道路無料化問題について聞きます。

 宮城県議会で、三月十六日、被災地域の高速道路無料化措置の継続を求める意見書が全会一致で採択されています。内容は、一つは、被災地域の高速道路無料化措置を国費により引き続き実施してほしい。二つ目は、被災地の復旧復興に協力しようとするボランティアの車両については引き続き無料化をということです。

 これは壊滅的被害を受けた被災地域の早期復旧復興を実現するために、当然と私は思います。そこで、要望に応えた対応が必要だと思うんですが、いかがですか。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 二点、東北地方の高速道路の無料開放の話、それから、ボランティア車両の無料化についての御質問でございました。

 まず、平成二十三年度の第三次補正予算によりまして、昨年の十二月一日から実施しております無料開放でございますが、大変厳しい財政状況ということで、平成二十四年度の予算としては計上されておりません。

 四月以降の無料開放の扱いにつきましては、特に原発事故による避難者を対象にした支援などについて、現在の措置の見直しを含めまして、今、高速道路会社と検討を進めているところであります。

 それから、ボランティア車両を含む災害派遣等の従事車両につきましては、震災直後から、関係自治体と高速道路会社の協議に基づきまして、無料通行措置を実施してきております。現在は、岩手、宮城、福島の三県で実施しております。

 四月以降のボランティア車両の扱いにつきましては、これまでの利用実績や制度の趣旨などを踏まえまして、関係自治体あるいは高速道路会社で協議を行って、今、検討を進めているところでございます。

穀田委員 大臣、いずれも協議を行っている、そんな悠長なことをよく言うなあと私は思う。被災地の復興というのは緒についたばかりじゃないですか。瓦れきもたくさん残っているとみんな心配しているときに、関係自治体と高速道路会社と協議中だ、利用実績云々かんぬん。そういう官僚的答弁、官僚的と言っちゃ悪いけれども、ようこんなこと言うてるなと、はっきり言って私は思いますよ。だって、被災地の三県の避難者というのは三十万を超えているわけでしょう。そして、被災地や避難者に対する支援は今後も重要な課題と、何回も大臣はおっしゃっているわけじゃないですか。

 そして、ボランティアは要らないのか。そんなことはないですよ。ボランティアはまだまだ受け入れる必要があるし、そのための、被災地復興のための高速道路の料金無料化だったはずですね。これ、三月三十一日が迫っているわけですよ。きょうは何日ですか。二十一日じゃないですか。あと十日しかないんですよ。知らせる必要もあるわけだし、ましてやボランティア車両については、一言もそういう話はせえへんわけやけれども、被災県の要請を受けて、もともと予算措置に関係なく、もちろん高速道路会社と相談する必要はありまっせ、だけれども、無料は大臣の告示に基づいて高速道路会社に実施させてきたものなんですよ。

 したがって、期限切れの三月末も迫っている、そういうことで、やるというぐらい言ってくれなければ立つ瀬がないですよ、各県議会だって。どうですか。

前田国務大臣 一年十日になりますけれども、この間、ボランティアの方々がどれだけ大きな役割を果たしていただき、また被災を受けた方々が勇気づけられたことか、その辺のところは、本当にありがたいことでございます。

 今、道路局長から答えました。もちろん関係者があるわけでございますから、鋭意協議を続けておりますが、ある意味まだ十日もありますので、必ずちゃんとした答えを出してくれと要請しておりますので、もうしばしお待ちをいただきたいと思います。

穀田委員 この問題は、他党からも一番目の話がありまして、それで検討すると言って、あれからもう過ぎてますねんで。こういうときだけはいつも周知期間とかなんとか言って、やるときはどうのこうの言って、こういうのはすぱっとやってくれないと、しかも、そういう方々が新しい年度を含めて、希望してやろうとしている、そういうときじゃないですか。そういうときに希望を与え、次からもやるという話を、大臣がそれこそすぱっと、まだ十日もありますではなくて、十日もあるけれども、さっさとせなあきませんわなというのが筋やと私は思いまっせ。(前田国務大臣「そういう趣旨です」と呼ぶ)では、やってもらうということにします。

 それから二つ目に、本法案について議論したいと思います。

 先ほどもありましたけれども、東日本大震災で、東京初め首都圏で五百十五万人もの帰宅困難者、滞在者が発生したことを踏まえて、首都直下大地震に備えて大都市部の防災対策を強化することはまさに緊急の課題です。帰宅困難者が集中する大規模駅とその周辺を防災エリアとして対策を強化し、自治体やビル所有者、鉄道事業者などが協力して、避難経路や避難場所、食料等の備蓄倉庫を確保するなどは非常に大事なことであって、必要な対策だと思います。そういう立場から、私ども、この法案には賛成したいと思います。

 だけれども、問題は、それを確実に実施するかどうか、実効性を伴うものになっているかどうかということが肝心だと思うんですね。その観点から質問したいと思います。

 法案は、安全確保計画の策定や協議会への参加などは、いわゆるできる規定としています。協議会や安全確保計画の対象となるのは都市再生緊急整備地域だけれども、おのおのの地域は、大規模主要駅があるなど帰宅困難者や滞在者が集中する地域です。当然、防災上も重要な地域であって、大震災発生時には必ず大混乱が起こるということが確実視される地域であります。そういう重要な地域なのだから、安全確保計画の作成は絶対に必要です。だから、できるじゃなくて、きちんと義務づけるべきじゃないのか。それはいかがでしょうか。

加藤政府参考人 お答えします。

 都市再生緊急整備地域は、六十三地域指定されておりますが、これはもともと、都市開発事業等を通じまして、緊急かつ重点的に市街地の整備を図るということでやってきておるわけでございますが、今までのところ、各地域によって都市機能の集積程度には差がございます。したがいまして、大規模な災害が発生した際の想定としても、非常に大きな麻痺が起こるというところもあれば、比較的そうでもないといったようなところもございまして、一律ではないというふうに考えております。

 また、自発的な民間主体の取り組みとしても、例えば東京駅ですとか新宿駅などの駅周辺等の地域単位での防災対策は、任意の協議会等が既にスタートしておりまして、その中でいろいろな取り組みをされているところであります。したがいまして、そうした取り組みを取り込んだ形で、今回提案しております都市再生安全確保計画をつくっていただくということが実際上有効なのではないか。

 したがって、一律に、また画一的に計画の策定を義務づけるのではなくて、今申し上げたような民間主体の動きのあるところを支援した方がより効果的であるのではないかというふうな考え方によるものでございます。

穀田委員 それは誰が考えても意見が違いますよ。そんなふうに誰も思いません。一律的な話をしろと言っているんじゃないんです。

 大体、できる規定だということは、普通皆さんがその内容を見ますと、つくらなくてもいいという印象も受けるんですよ。絶対につくらなければならないと義務づけなければ国民の不安は拭えないわけです。それで、民間に任せておけばというふうな、もちろん、そこがやっていることについては当然いいことですよ。だけれども、では、自分のところの地域はどうなっているという話を多くの方々は知るはずがないじゃないですか。だから、国民の不安はなかなか払拭できないということになるんです。

 では、もう一つ聞きます。

 鉄道事業者や施設所有者を協議会の構成員に加えることができると、これまたできる規定なんですね。では、入らなくてもいいのかとなります。大規模駅や周辺の大規模集客施設には、当然、帰宅困難者などが集中します。その帰宅困難者というのは何なのかというと、鉄道事業者や大規模集客施設の利用者じゃありませんか。その方々を安全に誘導したり、退避場所を提供したり、安全を確保するのは事業者の当然の責務であって、仕事じゃありませんか。東日本大震災のときに、駅のシャッターをおろしたりして利用者を締め出したなんということがあったけれども、とんでもないことです。

 大体、鉄道事業者や施設所有者等については協議会にきちんと入ってもらって、社会的責任を果たしてもらう必要がある。その意味からも参加を義務づけるべきではないのか。いかがですか。

加藤政府参考人 お答えします。

 都市再生緊急整備協議会は、国、地方公共団体が入って組織するものです。したがいまして、ただいま穀田先生がおっしゃられましたように、確かに法律上は、参加できる者として、鉄道事業者ですとか大規模ビルの所有者等を掲げておりますが、これは制度上のたてつけとして、そういう制度構成にはなっておりますが、国も当然入っておりますし、先ほど申し上げましたように地方公共団体も入っております。したがいまして、御懸念のようなことがないように、国としても強力に参加の呼びかけをしていきたいというふうに考えております。

穀田委員 誰がそんなの信用しますかいな。懸念のないって、懸念があったから言っているわけじゃないですか。実際に締め出したところがあったわけでしょう。そういうことをよう言うなと思う。国が入ったからって、民間企業に対しては、それは民間企業がお決めになることですといつも言うてはりますやんか、前田さんは。こういうときだけ、そんな適当な話をしたらあきまへんで。

 やはりそういうお願いベースで言っている限り、帰宅困難者対策を確実に実施できるのかというのは疑問を抱かざるを得ません。だから私はここに実効性があるのかという問題を指摘しているんだということを見ていただきたいと思うんです。

 先ほど、加藤さんは、こう取り組んで進んでいるとかなんとか言っていますけれども、新聞はどう言っているか。首都圏と中部、近畿圏の九政令指定都市と東京二十三区で、そういう協定を交わしたところは八区市の八十三事業者にとどまっていると。日本に何ぼ事業者がありますかいな。ごまんとありまっせ。それがこんな、八十三しかやっていないものを、それでいいんだみたいに話しておったら誰が信用しますかいな。

 だから東京都の条例だって、大規模な集客施設、駅等の利用者保護も努力義務として、一応ここは義務という言葉を使っているんですよ。もちろん法律的には、義務と努力義務とできるとは、大した違いはないとかいろいろあるでしょう。だけれども、できるというよりも、少なくとも責任を求めるという感じがします。ここにやはり基本的な考え方の違いがあるんじゃないかなと私は率直に思います。

 そこで、東日本大震災の余震が相次いで、気象庁も、今後もM七クラスの地震が発生するおそれはある、こう警戒を呼びかけています。そして、首都直下地震でも震度七の揺れが生じる可能性が指摘されていて、何かというとインセンティブ、何かあればこれでできますよというんじゃなくて、先ほど言ったように、本来、そういう方々の安全を守るというのは、人を集めている、それから利用してもらう、そういう人たちの責務だという立場から詰めていかなければならないということをあえて言っておきたいと思うんです。

 次に、実際起こる問題について少し問いたいと思います。混乱の防止、避難経路、退避施設にかかわって、高齢者や子供、障害者などのいわゆる災害弱者対策の問題であります。

 ある自治体の災害時要援護者対策のマニュアルで、視覚障害者の災害時のポイントという項を見ますと、「白杖を使用して周囲の安全を確認する。」と、視覚障害者本人に向けアドバイスをしています。ところが、東日本大震災当日は全体の混み合いが大変だったものだから、視覚障害者は白杖が使えなかった、白いつえを使うことができなかったと証言しているんですね。

 また、聴覚障害者からは、外見からすぐわかるというわけではない、わかりにくい、だから災害時に、耳が聞こえないことを周囲に知ってもらわなければ情報を得ることができないということが述べられています。

 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会では災害弱者対策が議論されていますか。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

長谷川政府参考人 お答えいたします。

 今お話がございました首都直下地震帰宅困難者等対策協議会でございますけれども、障害者、高齢者、妊婦、または乳児を連れた方などのいわゆる災害時要援護者が帰宅困難者となる場合の対応につきましても、もちろん検討の対象といたしております。

 その上で、三月九日に中間報告が取りまとめられておりますけれども、まだ中間報告でございますので、具体的な細かい中身にはなっておりませんが、この中で、例えば、大規模集客施設や駅などにおいては、その施設内の待機に係る案内あるいは安全な場所への誘導手順を検討する際に、災害時要援護者への対応についてもあらかじめ検討しておくこととか、それから帰宅困難者等の一時滞在施設の運営体制を定める際には、やはり災害時要援護者への対応をあらかじめ検討しておくこととか、あるいは帰宅困難者の搬送に際しましては、帰宅困難者の全てを搬送することは現実的ではございませんので、災害時要援護者を中心とした搬送を優先的に検討していくことなどをとりあえず盛り込んでいるところでございます。

 今後、この協議会におきまして、これらの課題に対する具体的な対応についても検討を進めてまいりたいと考えております。

穀田委員 今のお話を聞いてわかるのは、今後の検討課題とされているということが結論なんですよ。

 それで、搬送の問題がありましたけれども、これは当たり前のことなんですね。問題は、搬送というのはいつ起きるか。いいですか。まず救助活動を行います。それらが一旦落ちついてからでないと搬送というのはできないんですよ。だから、この帰宅困難者の原則というのはどういうことかとお聞きすると、まず動かないでくれ、こうきます。そうすると、動かないでくれというときから搬送までの期間をどうするかという問題なんですよ。それはやはり、情報提供や、そういう意味での滞在施設におけるどういう配慮が必要かとか、それから安全対策、先ほどありましたけれども、待機場所への誘導。先ほど私が問題提起しましたように、聴覚障害者、視覚障害者、さまざまな方がおられます。そういうものをしっかりとやらなければならない。

 なぜ議論になっていないんですか。

長谷川政府参考人 この協議会はたしか昨年の九月ごろからやっていると思いますけれども、これまでに何回か会合を行いまして、ようやく最近、中間取りまとめまで来たところでございます。

 そして、今後、例えば帰宅困難者のガイドラインですとか、幾つかガイドラインづくりをしていきたいというふうに考えておりまして、そういった中で具体的な方策等についても検討してまいりたいと思っております、まだ最終報告ではございませんので。

穀田委員 最終報告でない、中間報告だというのは知っていますよ。だけれども、報道などでは、内閣府担当者は「帰宅困難者全体の数が大きいので、まずは健常者の対策をまとめる」という報道まであるぐらいなんですよ。だから私は懸念を提起しているんですよ。

 それで、検討課題だと。それは検討課題なのはわかっているんですよ。どういう議論をしているか。議論をしていないじゃないかと言っているわけですよ。しかも、今の話を聞いていると、先ほどの報道を見ましても後回しという印象を受けるわけですよ。私は、より困難をしょわされている障害者など、災害弱者の視点の立場から帰宅困難者対策を考えるべきだ。少なくとも、同時に対策を考えることこそ基本にすべきだ。

 では、もう一点聞きます。過日実施された帰宅困難者対策訓練では、障害者対策は実施されましたか。

長谷川政府参考人 お尋ねの、二月三日に東京都などが主催しました帰宅困難者対策訓練のことだと思いますけれども、一時滞在施設への円滑な誘導の検証などが行われたとお聞きしております。

 その中では、災害時要援護者を念頭に置いて、例えば外国人に向けた、英語によって、むやみに移動しないことを呼びかけることですとか、あるいは、お話にもございましたが、さまざまな情報提供手段を用いて、高齢者にも活用しやすい手段は何であったかなどを検証するといった項目が訓練されたと伺っております。

穀田委員 何回聞いても、要援護者というけれども、外国人の話とお年寄りの話は出るけれども、障害者の話は必ず出ないわけです。本当にいつも、彼はわざと言っているわけじゃなくて、ないからこういうことになるんですよ。

 中央防災会議の総合防災訓練大綱はどう言っているかというと、災害時要援護者の避難支援訓練として、「災害時要援護者本人の参加を得ながら実施し、」とわざわざ書いているんですよ。しかし、私が、全国でやっているときに実際どれだけ参加しているんだと聞くと、内閣府の防災担当に聞いても、わからないということなんですね。だから、ほとんど行われていないんじゃないかと私は推察します。

 阪神・淡路大震災のときに、障害者に広くアンケートを行って、災害時における障害者への対応を研究した日本障害者リハビリテーション協会は、今後の課題として次のように述べています。九五%の人が避難訓練をしたことがなかった、そして、健常者と障害を有する人々と共同で訓練をする必要がある、こう指摘しているんですね。

 この際、私は、安全確保計画の中に災害弱者対応をきちんと位置づけることが重要じゃないか。あわせて、首都直下地震帰宅困難者等対策協議会の構成メンバーに参加してもらうとか、ワーキングチームをつくり対策を練るとか、こういったことが必要じゃないでしょうか。これは大臣に伺っておきたいと思います。

前田国務大臣 ぜひ検討をさせていただきます。

穀田委員 今後の検討課題みたいにせずに、必ず議論をしてこれは入れると、これぐらいのことを、だって、肝心の当事者の話が聞けない、当事者が入らない。それは全体の会議かどうかというのは別ですよ。見ていると、これ全部、実施する側なんですよ。いわば避難する方々、帰宅困難者の意見をどう反映させるかという観点から物を言っているんです。いかがですか。

前田国務大臣 御趣旨はよくわかりますので、国土交通省限りというわけにはいかない面がありますので、その辺、しっかり協議をさせていただいて、御趣旨のことを取り入れていきたい、こう思います。

穀田委員 趣旨を入れていただくということなので、今後、少しこれは見守りながらやっていきたいと思うんです。

 やはりこれは、平常時にバリアフリーがどれほど進んでいるかということの試金石なんですね。肝心なときにどうなるかという問題なんですよ。そこは指摘しておきたいと思います。

 この法案の問題点、最後に一つ、二つ言っておきたいんです。

 これは、人がたくさん集まる地域の対策を考えたものなんですね。そこで聞きますが、一日当たり乗降人員が二百五十万と日本で三番目、ターミナル別帰宅困難者数が八万五千人と日本で五番目とされる池袋駅は対象になっていますか。

加藤政府参考人 現時点では、池袋は都市再生緊急整備地域に指定されておりませんので、本法案に基づく計画は策定できないこととなっております。

穀田委員 なっていないということでしょう。

 それで、いただいた資料を見ますと、例えば、北千住百五十万人、六位、高田馬場八十八万人、十位、埼玉大宮駅六十万人、十五位、上野駅五十七万人、十六位、これは全部対象外なんですね。

 今お話ししたように、都市再生緊急整備地域のほかにも大規模駅は存在しているわけですね。だから、緊急整備地域内に限定せずに、実際と実情に合わせてエリア防災地域を定めるべきではありませんか。

加藤政府参考人 都市再生緊急整備地域に指定されていない地域についても、都市再生とあわせた避難者、帰宅困難者対策の必要性が高い場合には、新たな地域指定は可能でございますので、それについては、地元の公共団体の意向も踏まえて検討していくことになるものと考えております。

 それ以外の地域については今回の法案の対象にはなりませんけれども、同じように地方公共団体が地域防災計画に基づいていろいろな取り組みを行っておりますので、それについては、今回の施策に倣って、各種の支援方策を講じてまいりたいというふうに考えております。

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

穀田委員 やはり、今の考え方でいくとうまくいかないですよ。

 この法律は、もともと、規制緩和等による大規模な都市再開発を促進することを主な目的にしているんですよ。だから、そのために建築物の安全確保等を目的にした建築基準法の容積率規制などについて緩和策がとられてきたんですね。片や、防災対策を確実に実施しようとすれば、建築物の耐震基準など安全規制の強化が重要になってくる。だから、これまでの規制緩和の方向を変えずに規制的側面の強い防災対策を実施しようとしても実効性は確保されない、ここが最大の問題なんですね。

 したがって、私はやはりこの機会に、大規模地震時の避難者対策や帰宅困難者対策については、災害発生時に確実に機能させるようにするために、災害対策関係法として位置づけた法制とすべきではないかと思うんですが、いかがですか。大臣と言っているんだから、せめて副大臣が答えてくれなくては。

加藤政府参考人 済みません、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 地方公共団体は、災害対策基本法に基づきまして、当該地方公共団体の地域に係る防災計画であります地域防災計画により、当該地方公共団体の住民の安全確保を中心とした防災対策を進めてきたところでございます。

 一方、大都市の交通結節点など都市機能が集積した地域におきましては、その地域の存する地方公共団体の地域の外からの就業者、来街者等が多数存在いたします。また、大規模震災が発生した場合には、人的、物的被害も非常に大きくなるというふうに予想されます。

 したがいまして、今既にございます都市再生特別措置法に基づく、国や地域の民間事業者等も参画した協議会の枠組みを活用して、民間都市開発と連動した施設整備等の対策を講じることが効果的だと考えておりまして、今回、都市再生特別措置法の改正により措置しようとするものでございます。

 また、都市再生特別措置法の目的の改正も、今回あわせて行わせていただいておりまして、都市の防災に関する機能の確保を明示することとさせていただいているところでございます。

穀田委員 どう言おうがこう言おうが進んでいない。そういうことをやって、結果、進んでいないということは先ほど言ったとおりなんですよ。そこの最大のネックは、大型の都市開発を促進するという法律の中に防災を当てはめることから無理が生じているんですよ。

 私どもは、そういう意味でいえば、現実的に処理する必要があるから、実際のエリアの状況を踏まえてやるべきだ、こういうことまで提案しているんですよ。

 ところが、あなた方はどうなっているかというと、都市再生本部がまとめている人口・機能集積エリアにおけるエリア防災のあり方とりまとめという中で、規制手法ではなく、エリア防災への協力に対するインセンティブを付与することで取り組みを促進してもらうとしています。

 結局、実効ある防災対策の手法が問題になっているわけですよ。誘導策、これで少し、何かやってくれたらやります、そういう餌という言い方は悪いけれども、そういうやり方じゃなくて、まず根本的に考え方を変えないとだめです。防災、地域住民を守るということから、国からいえば国民を守るということが必要です。

 最後に、私、一言だけ言っておきたいと思うんです。

 この際、大規模駅だとか大規模集客施設、そういうことが計画される大規模再開発事業の地域については、やはりエリア防災を強化する上で、計画段階から、環境アセスと同様に、防災対策に関する環境影響評価、すなわち防災アセス、こういうものを実施するよう義務づける仕組みが必要じゃないかということを提案して、終わります。

伴野委員長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之です。

 今、菅原委員と穀田委員から非常に大事な指摘があったというふうに思います。同じような観点から何点か質問したいんです。

 この一時間、帰宅困難者という言葉が出ていますが、読んで字のごとく帰宅が困難だというだけじゃなくて、内閣府がどういうふうに定義しているかというのをちょっと調べてみましたら、こんなふうに書いてありました。帰宅困難者対策協議会に資料が出ているんですが、首都直下地震の被害想定における帰宅困難者とは、滞留者のうち、帰宅までの距離が遠く、徒歩による帰宅が困難な人を指すと。自宅までの距離が十キロ以内は全員帰宅可能とされ、十キロから二十キロでは帰宅困難者の割合が一キロ長くなるごとに一〇%増加、二十キロ以上は全員帰宅困難として推定した結果、平日の正午に首都直下地震が発生した場合、首都圏で六百五十万人が帰宅困難者になると推計されている。

 二十キロ以降はもう無理だという前提でこの法案も考えているんだと思うんですが、例えば東京駅を中心に考えると、二十キロというのは、南に行くと川崎以降は行けないんですね、横浜までは行けない。千葉の方に行きますと、市川までは行けるんですけれども船橋には行けない。埼玉の方に向かうと、蕨までは行けるけれども南浦和には行けない。それ以降のところから首都圏に通勤通学されている人たちというのは、もし首都直下が起きれば、全員帰宅困難者になる、そういうふうに考えていいんでしょうか。大臣がいないので、加藤さん。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 ただいま先生から御指摘があったとおり、帰宅困難者の概念は、そのとおりだというふうに考えております。

 ただ、この帰宅困難者のうち、大部分は職場ですとか学校が首都圏にある者で、災害時においてオフィス、学校が安全であれば、これらの場所に滞在することが可能でございます。

 本法案の対象となっている者は、言ってみれば、それ以外の、寄る辺のない来街者等を対象としておりまして、具体的に数字で申し上げますと、首都圏の帰宅困難者六百五十万人のうちの八十万人ぐらいが想定されるところです。東京二十三区に限れば、四十万人と見込まれているところでございます。

富田委員 今の範囲外の人たちに帰宅困難になる可能性があるということを知らせないと、この法案の実効性、まず最初のスタートができないんじゃないかと思うんですね。そこはぜひやっていただきたいと思います。

 先ほど来お話が出ています首都直下地震帰宅困難者等対策協議会の中間報告を読ませていただいたんですが、もともとこの協議会は、東北地方太平洋沖地震により顕在化した帰宅困難者等対策の必要性というところから生まれてきた。その中にこんな文章がありました。

 「帰宅困難者等対策は、一斉帰宅の抑制、一時滞在施設の確保、帰宅困難者等への情報提供、駅周辺等における混乱防止、徒歩帰宅者への支援、帰宅困難者の搬送等、多岐にわたる。また、膨大な数の帰宅困難者等への対応は、首都直下地震による多数の死傷者・避難者が想定される中にあって、行政機関による「公助」だけでは限界があり、「自助」や「共助」も含めた総合的な対応が不可欠である。」これは菅原先生が指摘されていました。

 もう一つ、「首都直下地震を想定した場合には、地域の避難所の受入能力を超える避難者及び帰宅困難者等が発生すると想定されることから、既存の避難所施設とは別に、帰宅困難者等を想定した一時滞在施設を確保することの必要性が明らかとなった。」そういうことでこの都市再生特別措置法の改正に至ったと思うんです。

 そのように考えると、先ほど穀田先生が加藤局長に聞いていましたけれども、もともと都市再生緊急整備地域、全国で六十三指定されていますが、この定義、加藤さんがちょっと言われたんだけれども、「都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として政令で定める地域」だということで、整備が進んでいるところと進んでいないところがあるというふうにおっしゃっていた。

 先ほど、穀田先生は、ターミナル駅でかなり乗降客が多いのに指定されていないと言われましたけれども、私の千葉県では、千葉市に三地域指定されて、もう一つ、柏駅周辺が指定されているんですね。ところが、JR千葉駅周辺は確かに帰宅困難者は出てくるけれども、もう一つ、蘇我駅周辺と千葉みなと駅周辺というのが二つ指定されています。ここで帰宅困難者なんかまず出てきませんよ、まだそんなに整備されていないんだから、これから都市をつくっていこうという地域ですので。逆に言えば、千葉県内だったら、松戸駅とか船橋駅とか津田沼駅とか海浜幕張駅。海浜幕張はメッセもありますし野球場もあります。そういったところの指定の方が必要なのに、先ほど穀田先生が言われたように、そういう大事なところが指定されていない。

 今後、政令で指定は可能だと。それだったら、そういう地域が大事なんですよということをこの法案をつくる際になぜ出さなかったのかと、非常に疑問なんです。後でできますよと言うんだったら、もともとの目的、こういう目的を持って法律を改正しようとしているのに、ちょっと違うんじゃないかと思うんですが、そこはどうですか。

加藤政府参考人 今回の法案の趣旨は、ただいま先生から御指摘ありましたとおり、都市開発事業が行われる見込みがある、あるいは現に行われている、そういう活発な事業活動が行われている地域を緊急整備地域として指定して、その際に、いざというときに備えて帰宅困難者対策もあわせてやっていただこうということで、今回、制度改正をお願いしているわけであります。

 確かに、それから漏れたところについて必要なところがあるではないかという御指摘はもっともでございますが、その際に、それを緊急整備地域の制度で受けとめられるかどうかということは別途検討が必要だと思っております。

 先ほども御答弁させていただきましたが、緊急整備地域の要件を満たすようなところについては、地元の公共団体の皆さんともよく相談をして地域指定をさせていただく、見直しをさせていただくということで対応させていただきたいと思います。

富田委員 今のだと、やはり穀田先生がさっき指摘されていたようにだめだと思うんですよ。整備地域の要件を満たさなきゃ指定しないとなると、本当に帰宅困難者が発生するところが全く白紙状態になっちゃいますよ。

 JR東日本が、三・一一の震災の際、シャッターを閉めてしまった。先ほど穀田先生から指摘がありました。

 JRの方でも反省されて、先週、我が党の首都直下の対策本部に、JR東日本が説明に来てくれたんですけれども、駅の一時滞在場所の提供を検討していると。東京三十キロメートル圏内各駅において、一時的にお待ちいただくスペースを提供したいということで、駅のスペースや誘導方法の検討結果は、約二百駅でスペースを提供できるというふうに報告がありました。この近辺だと、新大久保とか御茶ノ水というのは、駅構内が非常に狭いのでスペースを提供できないけれども、トイレや公衆電話は最大限提供させてもらうというような報告もありました。

 また、主要ターミナル駅へ備蓄品をちゃんと配備する。主要ターミナル駅、約三十駅に配備する。三月末までに、上野、大宮、新橋など十七駅において配備完了だ。東京、新宿駅等についても既存の備蓄品に加えて、想定数を収納するスペース確保を検討中、こういうような報告がありました。

 JR東日本が最大の協力者になると思うんですが、ただ、この二百駅とか三十駅は公表できないのかというふうに担当者に聞きましたら、まだ地元との調整が済んでいないので、現段階では公表できませんということでした。

 この二百駅とか三十駅を中心に、今この法案で考えている協議会をつくっていくという方が実効性があるんじゃないでしょうか。逆に、こういうJR東日本とか、帰宅困難者が本当に利用されているターミナル駅を中心にやっていく方が、緊急整備地域の要件を満たすかどうかよりも大事だと思うんですが、そこはどうですか。

加藤政府参考人 緊急整備地域に当たらないようなところについてどうするかというお尋ねでございます。

 そうした地域においても、今回の法案で提案させていただいております官民連携の協議会ですとか計画作成の仕組みを参考にしていただいて、公共団体を中心として対策を講じていただくことを期待しているということでございます。

 具体の取り組みについては、私どもとしても、社会資本整備総合交付金等を通じて積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。

富田委員 今の加藤局長の件は、こういうふうに理解していいんですか。緊急整備地域に当たらないところでも、この法案を参考にしてもらって協議会をつくる、そういった場合には、その協議会に対して社会資本整備総合交付金の中から何らかの形で支援ができるというふうに理解していいんですか。

加藤政府参考人 そのように考えております。

富田委員 それでしたら、先ほど来から出ています、帰宅困難者等対策協議会の中でずっと進んできている駅前協議会というのがありますよね。幾つかの駅でもう実際に動き出している。ここに対してどういう支援をするのか。また、この法案での指定と駅前協議会、現実に動いているものとの整合性というのはどうやってとっていくのか。そのあたりはどんなふうに考えていらっしゃるんですか。

加藤政府参考人 現在、各地域で取り組まれております自主的な防災活動、そういうものを前提として、今回の法案の中の協議会の中に参画、それを取り込んだ形で安全計画を策定しようというふうに考えております。

 それ以外のものであっても、当然、地域地域の活動は非常に重要なことだと考えておりますので、それは別途、法案とは別建てにはなりますけれども、趣旨としては積極的に支援するということに変わりはございません。

富田委員 法案と関係なしにやっていただくのもいいんですが、帰宅困難者対策は、この法案だけじゃなくて、いろいろな形でできるという趣旨ですよね。うなずいていらっしゃるので、それでいいと思うんですが。

 ただ、各自治体で進んでいる検討状況をどうするんだと、先ほど菅原先生からも御質問がありました。

 例えば、東京都の新宿区は平成二十四年度の予算案で、帰宅困難者対策関連で九千百五十五万ももう計上しているんですね。大震災のときには多くの帰宅困難者が区外から流入し滞留した反省から、一時待機場所の新宿中央公園と新宿御苑に備蓄倉庫やテント、仮設トイレなどを整備する、また、一時滞在施設として新たに二十三カ所の公共施設を指定する、こういうふうに予定されているようです。また、先ほど来お話があった池袋がある豊島区も、新年度予算案で六千二百五十四万円を計上している。新たに水一万人分、簡易トイレ一万袋、簡易ライト三千五百本などを備蓄する。

 こういう地方公共団体の取り組み、この金額と比べて、四億九千万というのは、一体何をするつもりなんだという予算額だと思うんです。先ほど来もその質問が出ていますが、そこはどうなんでしょうか。

吉田副大臣 富田委員にお答えを申し上げます。

 御配慮をいただきましてありがとうございます。大臣が参議院の方へ行っておりますので、私の方から精いっぱいお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、今御質問の四億九千万ですけれども、これは、まずはソフト関係という形で、協議会の開催でありましたり、それに基づきます都市再生安全確保計画の策定、避難誘導方法の確立等という部分で、ソフト的な部分でお金を使っていただきたい。そして、具体的な部分は、先ほど局長も申し上げましたように、社会資本整備総合交付金約一兆四千億円の内数の中で、都市防災総合推進事業でありましたり、また優良建築物等整備事業という形、そういうようなものを使っていただきまして、備蓄倉庫でありましたり非常用発電機、耐震性の貯水槽の整備に対して支援をしていただければと存じております。

 また、今委員御指摘をされましたように、各地方自治体、ある意味先進的に行われているところはたくさんございます。ここにつきましては、私ども国としては、こういう法定という形で、法律を定めさせていただきまして協議会をつくっていただき、そこに国、地方公共団体、民間に入っていただくというところを、まずは核として六十三カ所から始めていき、今それぞれ答弁にもございますように、地方公共団体等から、では、うちもつくっていこう、あそこもつくっていこうということにつきましては、今委員御指摘のように、委員の御地元の千葉県の各駅等々にも広げさせていただければと思っております。

 なお、私どものこの法律のたてつけにつきましては、帰宅困難者、先ほどから数字が出ておりますが、例えば首都圏におきましては六百五十万人と言われております。まずは私どものこの法律におきましては、そのうちの、いわゆる帰る方法がない、帰れないというお方、約八十万人を想定しております。この皆様方に対して、協議会というものが有効に働くようにと。

 それ以外の地域につきましては、例えば東京都でありましたり、もう既に港区は条例をつくられておりますが、業務の地域、学校等、会社等で、今委員の御質問にもございましたように、大前提といたしまして平日の正午ということが前提とされておりますので、まずは何とかそこの部分で、会社なり学校なりで約九割近い皆さん方は何とかとめ置きをしていただいて、私どものこの法律におきましては、今申し上げましたように、本当に帰れない、今距離を言われましたけれども、昼間であっても帰れない皆さん、八十万人を何とかしようということがまず最初の取っかかり、きっかけでございますので、今それぞれ御指摘の点につきましては、これから始めていくということで御理解を賜りますようお願い申し上げたいと思います。

富田委員 今、吉田副大臣の方から、社会資本整備総合交付金をこういうのに使ってもらいたいというのはあったんですが、これはもともと、前はまちづくり交付金でしたよね。この成り立ちからすると、今回の防災の部分だけについてどうやって使うんだ、どういうふうに申請して、それがどういうふうに認められるのかというのは、なかなか難しいと思うんですね。まちづくり交付金からかなり面を広げて、いろいろな形で使えるようになったのが社会資本整備総合交付金ですから、今回のように防災機能強化という一点に絞ったときに、そこだけで本当に使えるのかというのが各地方自治体の懸念だと思うんですね。そのあたりはどういうふうに大丈夫にするのか。局長、どうですか。

加藤政府参考人 各公共団体からは、いろいろ私ども、まちづくり交付金を含めて、社会資本整備総合交付金の使い勝手についての御相談を窓口で承っております。その中で、今回の三・一一以降、防災施策に関してお問い合わせが多いわけでございます。したがいまして、そういう場を通じて普及啓発といいましょうか、いろいろ周知を図ってまいりたいというふうに考えております。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

富田委員 その点は、丁寧に対応していただきたいというふうに思います。

 次に、首都圏の鉄道十二事業者が、帰宅困難者対策で協力を合意したという報道が先日ありました。JRは三・一一の後、一旦全部とめてしまいましたが、私鉄はかなり早い段階で復旧して動き出したところもありますし、今後首都直下が起きたとき、なかなか復旧というのは困難だと思うんですが、この鉄道十二事業者が全員協力してやっていくというのに対して、国交省としても全面的なバックアップをしていただきたいと思うんですが、そのあたりはどんなふうに考えているんでしょうか。

加藤政府参考人 交通結節点周辺の滞留者の行動、帰るかどうかとかいった判断に際して、非常に大きな影響力を鉄道事業者さんはお持ちになっているというふうに考えております。したがいまして、帰宅困難者対策といたしましては、鉄道運行情報の提供ですとか、一緒に避難訓練に参加していただく、あるいは一時滞在スペースを提供していただく、必要な物資の備蓄等に取り組んでいただくということが非常に重要であるというふうに考えておりまして、今先生御指摘のように、鉄道事業者さんの方も、そうした方向でいろいろ検討をしていただいているというのが実情でございます。

 そういう鉄道事業者さんの取り組みを、本法案に基づきます都市再生安全確保計画の中に取り入れまして、計画の取り組み内容を充実させることによりまして、帰宅困難者対策の実効性を一層高めてまいりたいというふうに考えております。国としても、一緒になって計画の策定に当たりたいというふうに考えております。

富田委員 菅原先生からもちょっと指摘がありましたけれども、東京都の各区はいろいろ取り組みをしているけれども、いろいろ問題点を抱えている。その中で、報道ベースですが、こんな指摘がありました。

 非在住在勤者に区民用の備蓄した食料や毛布を本当に提供していいんだろうか、本来は区民のために備蓄していたものなのに提供していいのか、さらに大きな災害があったときに、帰宅困難者に提供してしまって、区民のために使えなくなるんじゃないかというような心配をされている区もある。

 また、区の方からいろいろ事業者に協力を求めても、本来、企業は一時滞在者を受け入れたい気持ちがあるけれども、特に帰宅困難者が受け入れた社内とか事業所内でけがをした場合とか、そういったときに補償問題が起きてくる。そういうのを誰が面倒見てくれるんだ。そういうことでちゅうちょして、なかなか協定が結べないというような指摘もありました。

 こういうことについては、国交省としてはどんなふうな対応を考えているんでしょうか。

吉田副大臣 本当に委員御指摘のとおりでして、いざそのときにどうするのか。こうしてあげたい気持ちもやまやまだけれども、それは誰のものなのか、それはどうなのかと。

 例えば、この震災のときに、あるホテルは全部宴会場をあけて、ある食べ物を出して、毛布を全部出した。私、当時、災害対策特別委員長をやっておりましたので、先生、そのことを国にちゃんと報告、褒めてやってくださいよと。言いましたけれども、それはやはりホテル側からしたら、いや、知っている人は来てもらってもいいけれども、公にして、わっとあふれてくると困るというふうな問題でございます。

 今御指摘されましたように、区民用の備蓄物資の非在住在勤者への提供の可否とか、帰宅困難者に被害が生じた等の補償や責任問題については、正直申し上げまして、簡単に解決できる問題であるとは考えられません。ですから、これらの問題につきましても、これから、国も参画した本法に基づく協議会において十分な議論を重ね、解決策を探ってまいりたいというお答えしか今のところ申し上げることはできません。

 認識、問題意識は共通している、そういうふうにお答えをさせていただきたいと思います。

富田委員 今副大臣がおっしゃるとおり、簡単に解決できないと思うのですが、どうやって各事業所の協力を得ていくかというのは、地方自治体に任せるんじゃなくて、国も積極的に関与していく必要があると思うんですね。

 そういった意味では、森ビルの報道がいろいろな報道機関でされていますが、かなり積極的な取り組みをされている。スペースを提供して、備蓄品も、例えば非常食十万食、簡易トイレ十二万枚、地下倉庫四カ所に五千人が三日間いられるように備蓄しているというような報道もあります。

 こういった協力的な業者さんもいるし、どういった形でこういう協力が可能なのかという情報提供も国の方から、各自治体と協力して事業者の皆さんにする必要があると思うのですが、そのあたりはどんなふうに考えているんでしょうか。

吉田副大臣 六本木ヒルズのエリア内につきましては、今委員御指摘のとおり、帰宅困難者向けにさまざまな準備をされているとお聞きをしております。これは広く流布されているところでございますし、今回の地震発生後にも、比較的円滑にこれらの対応がなされたとも報告を受けているところであります。

 御指摘されましたように、こういう民間事業者のいわゆる先進的な取り組みについては、結果として、他の民間事業者も、そうだ、我々もやろうじゃないかと。今、企業の社会貢献ということも多々言われているとき、やはり災害のときの貢献というのは、一番人間の困っているときに助けていただくということで大切なことですので、優良な取り組み事例を収集すると同時に、こうして都市再生緊急整備協議会というものが開催されていく中で、こういう事例を関係者に提供していくことも重要だと思っております。

 また、私が言うまでもなく、それぞれ震災のときに、今話題にありますように、直下型なのか、先日のように大きな震災があって、その余波で動かなくなったのか、いわゆる場合分けというものもこれから少し考えていかなければなりませんし、それは、平常時であったり、発災時であったり、混乱収拾時以降の各段階と、時系列の部分もまた必要になってくると思います。それらにおいて企業及び行政機関が取り組むべき基本事項とその考え方を含めて、今先生御指摘のとおり、民間の先進事例という先進で終わらずに、これが当たり前になるような方向を私どもも検討していかなければならない、そういうふうに思っております。

富田委員 ぜひよろしくお願いします。

 最後に、日本版シェークアウトについてちょっとお尋ねしたいんです。

 何回か前のこの委員会で、震災の際の、釜石の奇跡の一端をちょっと御紹介させていただきました。防災教育、防災訓練というのは、本当に日常的に、全地域を巻き込んでやらないとなかなか効果がないというのはもう立証されたと思うんですが、今回、アメリカで始まった新たな防災訓練シェークアウトを、三月九日、千代田区が中心にやった訓練の中で実施されたというような報道がされていました。

 同じ時刻に、統一した地震シナリオに基づいて、ドロップ、カバー、ホールド・オンという、身の安全を守るための短時間の統一行動をやろうということで、ロサンゼルスで二〇〇八年に始まった新しい形の地震防災訓練のようですが、首都直下の場合は、同じときにいろいろな状況が考えられるわけですから、今自分がいるところでの訓練というのをきちんとしておかないと、ある地域で単発で訓練をしても、それがそのまま機能するかどうかというのは非常に疑問だと思うんですね。

 そういう意味では、シェークアウトの提唱というのはなかなか意義があると思いますし、実際に三月九日に千代田区で実施されて、二万五千四百四十一名が参加したというふうに報告もあります。これにもう少し国交省の方としても取り組まれて、現実にどういう訓練で、どんな形の取り組みがあったのかというのも調査されて、帰宅困難者対策協議会の方でも出ていましたけれども、ぜひここをリーダーシップを持ってやっていくというのも必要じゃないかと思うんです。

 最後に、それに対する御意見を聞いて、終わりたいと思います。

吉田副大臣 三月九日に日本版シェークアウトが実施されたということ、やはり一度やってみることがいかに大事か。

 実は、私も、地元の事務所のあるところの地域防災リーダーの講習を受けておりまして、一応そういう証書もいただいております。消火器の使い方一つとっても、やるのとやらないのと大きな違いがございます。

 今委員御指摘のとおり、実際なされたシェークアウト訓練、これらのことがどういうふうになされていき、結果としてどうだったのか、子細に私どももしっかり調査をさせていただくと同時に、今回、この協議会が開催されて、地域の防災をともに高めていこうという方々がお集まりなされると、おのずから、では一度、防災訓練、震災訓練、今こういうふうなシェークアウトという形で横のつながり、ネットワークができていくと大きなものになり得るのではないかな、その可能性がある、そういうふうなものである。

 その法案を、今回、こうしてお願いしているということで御理解を賜ればと思います。

富田委員 終わります。ありがとうございました。

小宮山(泰)委員長代理 次に、黒田雄君。

黒田委員 民主党の黒田雄でございます。

 今回、質問をさせていただく機会をいただきました。本委員会では初めて質問をさせていただきますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。

 それでは、まず初めに、防災基本計画に基づく地域防災計画と本法案との関係についてお伺いをしたいと思います。

 我が国では、地震は、全国どこでも、いつ発生してもおかしくないというふうに思います。そして、全国各地で頻発する地震に対して、効果的、効率的な対策は極めて重要な取り組みであるというふうに思いますので、今回のこの法案の意義は極めて大きなものがある、こんなふうに思っております。

 そこで、現在、防災計画の枠組みは、災害対策基本法に基づいて防災基本計画が作成され、この計画に基づいて都道府県、市町村で地域防災計画がつくられ、その取り組みが実施されているところであります。昨年の東日本大震災の教訓を踏まえ、地域防災計画に既に位置づけられ、さまざまな取り組みが地方公共団体でも始まっているところであります。

 そこで、これらの防災基本計画や地域防災計画による帰宅困難者などの防災対策と、本法案において、人口・機能集積エリアにおける帰宅困難者対策などの防災対策の関係がどのようになっているのか、まずはお伺いをしたいと思います。

津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 災害対策基本法に基づく地域防災計画は、同法に基づく防災基本計画に基づいて作成されまして、当該地域全体における災害予防、災害応急対策、そしてまた災害復旧等に関する事項を内容とするものとなっております。

 これに対し、本法案に基づく都市再生安全確保計画は、都市再生緊急整備地域内の滞在者等の安全の確保を図るための計画であり、対象とする地域や計画内容、あるいはまた作成主体などの点で地域防災計画とは異なっております。

 官民の連携によります都市再生緊急整備協議会における検討の中で、各地域防災計画と照らし合わせまして、相互にそごが生じることがないよう、地方公共団体の協力も得ながら都市再生安全確保計画の作成を進めてまいりたい、こう考えております。

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

黒田委員 ありがとうございました。

 地方公共団体でも、地域防災計画、具体的に取り組みが進められているところでありますが、その一体的な取り組み、連携が重要になってくるというふうに思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、都市再生緊急整備地域についてお伺いをしたいと思います。

 今回の改正案では、先ほど来お話にありますように、全国で六十三の地域が指定されている都市再生緊急整備地域において、帰宅困難者対策を明記した都市再生安全確保計画を協議会が作成することができるというふうな規定になっております。つまり、都市の滞在者の安全をしっかり確保するための計画と準備をするということは極めて重要な話でありますけれども、先ほどの質問にもありましたように、できる規定。本来は、この重要性を考えれば、しっかりこの計画を義務づけ、取り組みを強化する姿勢を示した方がよいのではないか、こんなふうに思います。その点について、ひとつ御見解をもう一度お伺いしたいというふうに思います。

 また、この計画が作成された場合には特例措置が講じられることになっております。現在指定されている都市再生緊急整備地域以外の地域でも、あらかじめ対策を講じておいた方がよい地域も多々見受けられるのが実情だというふうに思います。

 私は千葉県であり、先ほど富田議員の質問にもありましたように、千葉県で都市再生緊急整備地域に指定されているのは、千葉市で三つの地域、そして柏市で一つ、千葉県で四カ所という指定でありまして、先ほど富田議員が指摘をしたように、同県には、船橋や松戸を含めさまざまなターミナル駅、まさに帰宅困難者が懸念をされるような、そのような混乱が想定される地域もたくさんあるというのが現状であります。このような指定地域以外の多くの地域でも、大規模地震に対する帰宅困難者対策を充実させておく必要があるというふうに思っております。政府としてこの点についてどう対応していくおつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。

加藤政府参考人 まず、義務づけをすべきではないかというお尋ねでございますが、これにつきましては、既に東日本大震災の前から、新宿とか東京駅といった地域単位で、防災対策のために任意の協議会等が複数設けられております。そこでも活発な活動をされておるわけでございますが、今回の震災を踏まえて、より一層その内容を充実していこうという自主的な動きあるいは意識が高まっているところでございます。

 したがいまして、そうした機を捉えて、今回、この都市再生安全確保計画をつくっていただくということで、できる規定にしておりますけれども、これは先ほども御答弁させていただきましたが、義務づけるより、むしろ、やる気のあるところをうまく引き出して一緒になってつくっていこう、そちらの方がより効果的ではないのかという観点からそのようにさせていただいているということでございます。

 また、もう一点、本法案の対象とならない地域においてもそうした取り組みが今後進められるべきではないか、どうするのだというお尋ねであったろうと思いますが、そうした本法案の対象とならない地域におきましても、今回の法案による官民連携の協議会ですとか計画作成の仕組みを参考としていただきながら、公共団体を中心として対策を講じていただくことも期待をしております。その際には、社会資本整備総合交付金を活用して、各種の支援を講じていきたいというふうに考えているところでございます。

黒田委員 ありがとうございました。

 それぞれの地域一律ではないということでありますけれども、そこはしっかり指導性を発揮していただきまして、具体的に取り組んでいただけるように働きかけていただければというふうに思います。

 次に、帰宅困難者への情報提供、安否確認を含んだ支援についてお伺いをいたします。

 昨年の東日本大震災の際には、首都圏においても多くの避難者、帰宅困難者が発生しました。主要なターミナル駅周辺では大きな混乱となってしまいましたけれども、帰宅困難者対策については、平成二十三年十二月に改定されました防災基本計画において新たな項目として設けられ、対策を講じることが盛り込まれたところであります。

 今回の都市再生特別措置法改正案は、都市再生緊急整備地域内の滞在者などの安全確保を図るために、都市の防災機能を確保することを明示しております。大規模な地震が発生した場合、避難者や帰宅困難者などの安全確保対策を具体化するものとして、これは一定の効果が期待できるというふうに思っておりますけれども、東日本大震災では、首都圏において交通機関の多くが利用できなくなり、自宅まで徒歩で帰宅しようとした人たちが多数あふれました。しかし、都心まで長距離通勤通学をしている人たちにとりましては、徒歩で帰宅をする場合、水や食料、トイレや休憩場所、安全なルートの確保など、多くの点で困難が伴います。

 こうした大規模災害時における支援として、まず、安全な経路を確保し、混乱を回避するために、正確な情報提供のシステムと安全に誘導する仕組みが重要であるというふうに思います。また、家族の安否確認情報は、帰宅者にとりましても、また家族にとりましても、一番必要な情報であろうというふうに思います。

 これらの情報提供の体制、そしてまた安全な誘導についてどのように取り組んでいこうとしておられるのか、お伺いをしたいと思います。またさらに、帰宅者が必要な水や食料などの、具体的な支援する仕組みについて、対応策をお聞かせいただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 ただいま先生、大規模災害時において情報の重要性を御指摘いただいたと思っております。特に、家族の安否確認なんかも非常に重要じゃないかというようなお尋ねであったと思いますが、今回提案させていただいております都市再生安全確保計画の中では、ハード、ソフト両面にわたる取り組みを盛り込むことができるというようにしております。

 その中で、例えばでございますが、帰宅困難者となった方々への家族の安否確認を可能な限りできるようにするために、携帯電話から災害用伝言板へのアクセスが容易になるような地域の無線LANの整備等を行うといった取り組みも一部の地域で検討されているところでございます。また、こうした取り組みを行う情報通信事業者にも本法案に基づく都市再生安全確保計画の作成に参画をしていただきまして、安否確認等のための情報通信基盤の整備を図ってまいりたいというふうに考えております。

 また、避難経路あるいは避難施設への誘導、また備蓄倉庫はどうするのかというお尋ねがございましたが、これは、今回設けます都市再生安全確保計画の中で官民が一堂に会していろいろ協議をしてお決めいただく、それを各実施主体が責任を持って実行に移していただく、そのための訓練も行うということで、内容の充実を図ると同時に、いざというときに備えておきたいというふうに考えております。

黒田委員 先ほども安否確認の質問が出ましたが、昨年の東日本大震災、そして想定される首都直下型大震災、まさに昨年の震災以上の混乱が予想されるわけであります。携帯電話も通信手段も断たれた昨年のあの状況をしっかり教訓にしながら、具体的に情報提供のあり方について取り組む方針についてはお示しをいただきましたけれども、どのような方法をもってその情報が得られるのかというところも広く周知徹底を図る必要があるというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、災害弱者への配慮についてお尋ねをいたします。

 東日本大震災では、多くの高齢者や子供たち、そしてまた障害を持った、ハンディを持った皆さんが津波から逃げおくれて犠牲になりました。首都直下地震のような大規模地震時におけるターミナル駅周辺の安全の確保に当たっても、高齢者や子供、そして障害を持った皆さん、まさに災害弱者が取り残され犠牲になることがないように、特段の配慮が必要だというふうに思います。

 今回の都市再生特別措置法の改正では、その点についてどのような具体的な配慮がなされるのか。先ほど、これから協議会でも検討していくという御答弁があったところでありますけれども、これは具体的に取り組んでいかなければいけない重要な問題だというふうに思います。

 また一方では、帰宅困難者の家族にも、子供や高齢者、障害者といった支援を必要とする災害弱者の存在があります。その皆さんにとっては、やはりそれも同時に心配なところであると思います。昨年の東日本大震災の際にも、子供たちは、保護者と連絡もとれず、保育所や学校に取り残され、親は帰宅困難で家族のもとには戻れず、連絡もとれなかったという事例をよく耳にします。

 そのような意味で、帰宅困難者の家族でもある災害弱者対策、こちらの視点も重要であるというふうに思いますけれども、その点についてどのようにお考えになるか、お聞かせをいただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 災害対策全般については、先ほども内閣府の防災担当の方から御答弁があったとおりでございまして、現在、帰宅困難者対策も含めてでございますが、災害弱者に対する非常緊急時の対応をどうするかということについていろいろ検討が進められておりますので、私どもとしても、その検討結果を得て、必要な対応を適切にとってまいりたいというふうに考えております。

 今回の法案の中で申し上げますと、今回作成いたします都市再生安全確保計画においては、高齢者等に配慮した適切な退避スペースを確保する、あるいはバリアフリーにも配慮した退避スペースへの誘導を検討する、また、これも御指摘いただきましたが、小さなお子さん、乳児ですとか高齢者に配慮した備蓄物資、備蓄物資も、どういうものを用意するか、どのくらい用意するかといったことも含めてでございますが、そうしたことも、今回、安全確保計画の中でお決めいただこうということになっておりますので、その際に、今申し上げたような配慮すべき点がございますので、それに対応して丁寧な計画づくりと実行に努めていきたいというふうに考えております。

長谷川政府参考人 ただいまの御質問のうち、帰宅困難者の残された家族の方の問題でございますけれども、お答えさせていただきたいと思います。

 このような大災害におきまして災害の被害を軽減するに当たりましては、自助、共助、公助の三つの連携が大変大事というふうに考えておりまして、とりわけ帰宅困難者の対策は、自助、共助の部分が重要と考えております。そして、お話しのように外出中に地震に遭ってしまった場合、なかなか帰るのが困難、連絡が困難という状況が起こります。

 このようなケースを想定しまして、まず、日ごろから家族の間で、大地震で交通機関が途絶えて帰宅ができない場合にどういうふうにするのかということをお互いに相談しておくというのが大変大事かというふうに考えております。

 例えば、災害時の子供の安全確保につきましては学校等とあらかじめ確認しておくとか、それから、援護が必要な高齢者につきましては、近所づき合いを大事にして周りの方々の支援をお願いしておくとか、さらには、家族がけがをしたりする要因を減らすために、自宅の耐震化をするとか、あらかじめ家具の固定化をしておくとか、そういった自助あるいは共助の取り組みが大変大事と考えておりまして、私どもとしましても、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。

黒田委員 災害弱者に対する取り組みでありますけれども、まさに混乱している中での対応になりますので、そこはきめの細かい配慮をぜひしていただければというふうに思います。よろしくお願い申し上げます。

 次に、退避施設と避難所の関係についてお尋ねをしたいと思います。

 都市ターミナル駅周辺の帰宅困難者の安全確保のために、今回、この改正案では、オフィスビルのロビーなどを活用して帰宅困難者向けの退避施設を確保するということになっております。一方で、災害対策基本法による地域防災計画でも、小学校などを活用した避難所が定められております。

 首都直下地震のような大きな地震災害が想定される中、当然、そのような災害時には、地域住民の皆さんも避難所に避難をしていく。帰宅困難者も都市にあふれ、実際、地域住民なのか帰宅困難者なのか、その区別が現実にはなかなかつかないんじゃないかというふうに思います。

 そこでお尋ねしたいと思いますけれども、退避施設と避難所との関係がどのようになっていて、そこをどう整理して誘導していくのか。また、退避施設には水や食料などの物資を備蓄する備蓄倉庫も必要になると思いますが、これらの整備についてどのように進めていかれるのか。既存の施設では具体的に備蓄倉庫をどのように確保しようとしておられるのか。そういった点についてお聞きかせをいただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、避難所でございますが、地域防災計画の中で定められております避難所は、当該地域の住民を中心として地域全体に必要なものとして計画をされております。一方で、この法律に基づきます都市再生安全確保計画を活用いたしまして確保いたします退避施設は、緊急整備地域内の滞在者等を対象に計画されるものでございまして、それぞれその性格を異にしているものでございます。

 ただ、いざという場合には、御指摘のように、地域防災計画で位置づけられた避難所と今回の計画での一時退避施設をどううまく運用していくかということが当然課題になってこようかと思いますので、それらについても、あらかじめ、今回の安全確保計画の策定に当たって参画していただくことになっております公共団体ともよく相談をしながら、計画内容を詰めていくことになるものと考えております。

 備蓄倉庫についてのお尋ねでございましたが、これについては、来年度の予算案に、ハード、ソフト両面の防災対策を実施するための補助に係る経費を計上しているということでございますが、それに加えて、備蓄倉庫の建築確認手続において特定行政庁の認定により容積率の緩和を行う特例を設けておりまして、手続面あるいは予算面でも各種の支援措置を講じていきたいと考えております。

 引き続き、必要な手当てについては、まずは実行状況を見ながら検討してまいりたいと思っております。

黒田委員 質疑時間が終了したということでございますので、これで質問を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、田中康夫君。

田中(康)委員 国民新党・新党日本の田中康夫です。

 今回の法律案というものは、まさに三・一一の東日本大震災を踏まえてであろうかと思います。冒頭、言わずもがなでございますけれども、ハードだけを整備してもソフトが伴わねばなりませんし、また、ソフトだけがあっても、そこにハードが伴わねばならないと思います。このソフトとハードという関係は、ある意味では非常にてれこのようなものなのではないか。

 よく思いますのが、災害と一見離れるように聞こえるかもしれませんが、英語とか米語という言葉がございます。ベトナム、あるいは日本も、戦争に敗北、ベトナムは戦争に勝ったわけでございますが、多くの方が亡くなられたわけです。その地では今、英語の映画でありましたり英語の音楽が流れている。ですから、言語というもの、あるいは人的なものは、ソフトのように見えるかもしれませんが、これは結果として、最もその国が理解される、あるいは理解させるというハードなものにもなろうかと思います。

 こうした点で、今回の法律の中で、大規模なビルの所有者やテナント等の中に協議会のようなものを設けて、一旦緩急の際に迅速に対応していこうということでございます。この中で、まず最初に、副大臣がお越しでいらっしゃると思いますのでお伺いをいたしたいと思いますが、消防団のような自主的な防災組織。

 阪神・淡路大震災は、五時四十六分という、夜勤の方以外の多くの方は御自宅で過ごされていたので、全員が無事だった、あるいはたんすの下で息子は下敷きだ、息絶えた、しかし、向かい側のひとり暮らしの足の不自由なおばあちゃんを助けねばと、これは誰に命ぜられたわけでもなく動かれたんだと思います。

 同時に、これがもし阪神・淡路大震災が、例えば七時半というような一時間半ほど後に起きていれば、御主人は満員電車の中、お嬢さんは通学のバスの中、奥様は家で朝食の後片づけをしてテレビを見ている。先ほど来御質問があるように、自分たちの集落の中の家族というユニットが無事であったということがわかれば、その横の見知らぬ方を助けることもできます。しかし、家族が無事であるかどうかがわからねば、横に血を流していらっしゃる方がいても、私たちがあらん限りの誠心をもって手助けするというのはなかなか難しかろうと思います。

 今回の東日本大震災というものは、十四時四十六分という社会的活動が盛んな時間でありましたが、しかし、そこにはやはり、消防団であったり駐在所であったり郵便局であったり、誰に命ぜられるわけでもなく、集落や家族というものを一緒に守っていこうという組織が職住近接であったからこそ、あの中で多くの支援が行われたかと思います。

 そういたしますと、東京だけでなくこうした中核都市のような場所でも、職住が離れているという中において、この協議会というものがより機動的に、有機的に動く上では、今申し上げたような消防団的な発想。

 無論、例えば京王電鉄というのは、先日も、三十秒間電車をとめる。逆に言えば、京王電鉄というのはふだんから大変すぐれた会社で、雪のときにも東京で唯一動くのは京王電鉄であることは、ポイントのところに電気融雪器を独自に設けていらっしゃるという点にあろうかと思います。

 しかし、そうした組織であっても、地震は自然現象ですから、二度と同じ形で起きるわけではございませんので、その意味でいうと、やはり五感を持った人間がそのときどう一緒に動けるかということが大変重要な問題ではなかろうかと思います。

 こうした点において、これらに想定される企業あるいはビルというようなものにおいて、現在あるいは今後、どのようなそうしたチームワークがとれる形の方策をとっていくのか、それが本法案が生きたものになる大変重要な点ではないかと思いますので、この点に関してまずお考えをお聞かせください。

吉田副大臣 阪神大震災のときにボランティアとして本当に活躍をなされた田中議員でございますので、その御質問については、一つ一つ、大層重みのあるものだというふうな形でお答えをさせていただければなと思っております。

 今、消防団のような防災自営組織というお話がございました。今回のこの法律によって、防災という部分で、誰にも邪魔されない、利害得失関係なしにみんなで助け合おうというそういう思い、先ほどから公助であるとか自助、共助とかいう言葉がございます。

 私は、今回の法律ができることによって、みんながまず顔を合わせることができる。隣は誰かわからないじゃなくて、隣はこの人だという、顔を合わせることができる。そしてその中で、お互いの思い、防災に関する心というものを合わせることができるんじゃないか。そして、結果としてそれが、今委員御指摘のような、消防団のような力合わせができるものができていくんじゃないか。先ほどの答弁でも申し上げましたように、おのずと、では一度避難訓練をしようとか、そういうようなことが出てくるんじゃないかなと。

 今委員指摘されましたように、今もう既に、新宿駅周辺、東京駅周辺など首都圏の交通の要所におきましては、民間事業者、地方公共団体等による任意の協議会等も組織され、各主体の役割分担を決めた上で、さまざまな誘導であったり訓練をなされていると聞いております。

 このような任意の協議会は、まさに防災の自営組織のような性格を帯びている。今回、こうして法定という形で法律とさせていただくことによって、地域における防災対策の継続性と同時に実効性というものも、できる限り国が、関与してとか協力してとか命令してではなく、その一員として担保していきたい、そういうふうに考えているところでございます。

田中(康)委員 ありがとうございます。

 と同時に、阪神、あるいは今回も、各企業の中で、例えば津波の警戒があるので、必ずしも津波の予報の数値が伝わっていないところでも、全員屋上に避難しろというようなカテゴリーキラーの店舗もあったわけでございます。

 ですから、そうしたよい意味での、成功事例ではなくて実践事例というようなもの、あるいは、今後このような協議会がつくられていく中で、より有機的に動いているところを他の方々にも知っていただいたりという、法案提出者である国土交通省として、ありきたりの広報でない形で、その後取り組むということをぜひ期待いたしたいと思います。

 続いて、都市再生緊急整備地域というものに関して。

 当面、この法案の対象という形でございます。しかし、全国を見れば、今申し上げたように、人口がふえてきている場所というもの、あるいは、遠隔地から通勤をしている場所というのが個々あるわけでございますので、この整備地域以外にもどのような工程表で広げていくのかというような点に関して、具体的にお考えがあるのであればお聞かせください。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 今回の法案は、都市再生緊急整備地域の中での帰宅困難者対策を対象としておりますけれども、この枠組み、考え方をまず緊急整備地域で確立して、その成果をそれ以外のところにもいろいろ広げていきたいというふうに考えております。

 具体的には、まず法案の形で御提案させていただいておりますが、これを受けた形で実際の都市再生安全確保計画を策定いたします。それ以外の地域にその内容とかつくり方とかいったこともお示しをすることによって、地方都市でも意欲的なところについては、これは公共団体が中心となって取り組まれるということになろうかと思いますが、そうした中でも同じような考え方でぜひとも取り組んでいただきたいということで、いろいろ普及啓発を図ってまいりたいと思います。

 あわせて、その際には、社会資本整備総合交付金の活用についても周知を図ってまいりたいというふうに考えております。

田中(康)委員 こうした問題というのは、やはりよい意味での政治主導でなければ、役所というのは、これは決して後ろ向きなのではなくて、きちんと地域住民の合意を得る、自治体の方々に自主的につくっていただくという方で今まで日本は地域主権、地方分権という言葉が動いてきていますので、大臣、今、途中からお越しでいらっしゃいますが、私は、やはりこれは、まさにポイントの選定ではなく、面的に進めねばならないんじゃないかと思うんですね。

 同時に、このことは、手前みそでございますが、私は、山国で知事のときに、中山間地の集落に手巻き式のラジオと食べ物と毛布というようなものを置く。途中で道路が途絶する場合もございますし、ラジオも電池が切れる場合がありますが、手動で電力をつくればそれでラジオが三十分聞ける。市町村の方々も財源に限りがございますので、こうしたものを、県の予算としてこうした中山間地の孤立になりやすい集落というものに置くことで、それが、点が面的な展開になるということがございました。ですから、この点に関しては、国土交通行政の経験が豊富な前田大臣を初めとして、ぜひ積極的にお考えをいただきたいと思います。

 こうした中で、再度局長の加藤さんにお聞きをいたしますが、鉄道事業者というものをどういうふうにこの中で位置づけていくのか。今回の地震のときに、いささかタイラント的な都知事から叱責を受けて、鉄道事業者がいたく反省をしているというようなことも報じられてはおりますが、現実問題として、公共交通機関である鉄道事業者が、とりわけJR東日本の場合には多くの方から取り組みが指弾される形であったわけでして、この点においては、鉄道事業者というものは、緊急時に、例えばNHKとか日通とか赤十字とか電力会社というものが、国の号令のもと、あるいは自治体の号令のもとに従うという法律が既にあるわけですから、鉄道事業者に関してもこの中でより拘束力のある形が必要でなかろうかと私は思います。この点、まず局長の方からお考えをお聞かせください。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 交通結節点周辺の滞留者の行動に大きな影響を与えるのは鉄道事業者さんであろうかと思っております。したがいまして、鉄道事業者につきましても今回の協議会に参画していただく必要があることから、本法案においては、鉄道事業者を協議会の構成員に加えることができることとしておるところでございます。

 この協議会の場におきまして、鉄道事業者は、地方公共団体等の関係機関との連携のもとで、鉄道運行情報の提供ですとか、避難訓練への参加、必要な物資の備蓄等、帰宅困難者対策に取り組んでいただくことになるものと考えておりますが、国土交通省におきましても、鉄道事業者がそうした観点から帰宅困難者対策に取り組んでいただくように促してまいりたいというふうに考えているところでございます。

田中(康)委員 英語にメンタリティーという言葉とか、態度のアティテュードという単語がございますが、私は、法律が生きたものになる上でこれがとても大事だと思うんですね、その構成要員の。

 釈迦に説法のような話でございます。先ほど、旧京王帝都、京王電鉄が、非常にコンシューマー・イン、利用者の側に立った取り組みを従来からしているので雪のときにも定時運行ができるというお話をいたしましたが、一般的に鉄道というのは、敷くときにはほとんど税金を使うわけでございます。今は、商売というのは、かつて丸井という会社がクレジット機能を入れたときに、欲しいものは今、お支払いは後でという言い方をしたわけですね。つまり、ゲット・ナウ、ペイ・レーターと。

 ところが、鉄道事業者というのはそういう支払いのサイトと逆なんですね。今は大分違う、例外も出てきているかもしれませんが、基本的には、百貨店やホテルを鉄道事業者が経営してもなかなかうまくいかないのは、鉄道というのは税金を使ってほとんど敷いて、そして日銭が入るという世界でございます。ですから郊外に遊園地や野球場をつくるわけでございまして、通勤客がいないときには、逆に都心から日銭を使って行ってくれる方もいる。沿線住民の方というのは、今、クレジットカードもいっぱい使えばマイレージがたくさんついたりポイントがついてくるというのが常でございますけれども、定期券の方は逆に前払いでお支払いをいただくわけでございますから、これは、支払いのサイトという点で商習慣がほかの業種と逆なんですね。

 同時に、駅前に自分の土地がございますから、駅前の、まさにおばあちゃんたちを相手にしていた市場(いちば)という感じの商店ではなく、駅のビルの中に全部組み込んでいってしまうわけでございますから、これは、ともすれば私どもが政権を交代するときに、本来は、今いささか忘れがちでございますが、新自由主義的な顔の見えない数値至上主義ではなくて、顔や体温の見える社会、市場(しじょう)ではなく市場(いちば)という点でいうと、ちょうど鉄道事業者というのは、個々の働いている方は立派な職人の方、マイスターがいらっしゃっても、経営としてはともすれば市場(しじょう)になりがちなのでございます。少なくとも私はそう思っております。

 そして、駅の中で全部オール・イン・ワンで囲い込んでしまうという、半ば囲い込み運動のような形になって地域の集落というものが減退していくものでありますから、ぜひここは、鉄道事業者の方々の災害に関する意識を一緒に変えていく。それが、暗黙知の水面下の中で、先般、駅が混乱すると大変だから、事故が起きる。それは、ホームにいっぱい人が来ればそうかもしれません。しかしそれは、ふだんの朝の通勤時も、ホームから人が落ちないようにきちんと誘導していくということがプロフェッショナルだったわけでありますから、平時のみならず、そうした一旦緩急の際にもそれができる。

 そのためにも、今回の協議会の中に積極的に入っていただき、同時に、一緒に店舗として入られている方々と同じような意識の、プロダクト・アウト、供給側の都合でなく、コンシューマー・イン、消費側の希望ということに根差した活動ができるように、ぜひそれは、私たちは、上から目線なのではなくて、同じ国民として、同じ人間として、同じ思いを、忘れかけていたものを呼び覚ますということが大事ではなかろうかと思っております。

 同時に、もう一点お伺いいたしますが、駅なりで滞留をしていただく場合にどのような備蓄をするのか。

 日本は、災害があっても店舗を焼き討ちにするなどということが絶えてないという、よい意味で慎み深い国民性ではありますが、しかし、一方でそれは、サプライ、御存じのように、日本は、あの戦争も、実は戦闘行為で亡くなられた方よりも栄養失調という中で亡くなられた方が六割とか七割いらっしゃるわけで、これはロジスティクスというものが欠けていた。

 今回もロジスティクスがどうだったかということが多くの方から論評されているわけですから、この協議会をつくる、またこの法案を行う上において、備蓄倉庫の整備であったり、あるいは必要な物資のロジスティクス、供給、まさに兵たんというものをどのようにしていくのかという点に関しては、かなり綿密な、机上の空論でないものを行う必要があろうかと思いますが、この点に関しても、現時点での見解をお聞かせいただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の都市再生安全確保計画の作成、計画に当たりまして予算で四億九千万の手当てをさせていただいておりますが、その中で、安全確保計画の計画策定調査も対象となってございます。

 したがいまして、来街者の員数でありますとか、あるいは用向きですとか、いろいろ、特殊事情というんでしょうか、その地域特性に応じた形で、必要な備蓄の品目あるいは総量等々、備蓄場所も含めてでございますが、変わってこようかと思いますので、そうした点が即地的に効果的なものとなるよう、計画の策定を支援するための予算措置もとっておりますので、それを各協議会の場で活用していただくことを通じて、必要な手当てに貢献できればと思っておるところでございます。

田中(康)委員 この点は、理事に辻元さんもいらっしゃいますけれども、私もあの阪神・淡路のときに、四日後に入りましたので、水だけじゃなくて煮炊きができないと、私は野菜を食べないと比較的口の中が口内炎になりがちなので、野菜ジュースをいっぱい東京から持っていったりしたんですね。その後、家族が亡くなられても、歯を磨かなければ一人で元気が出ませんから、歯磨きであったり、あるいは化粧水であったり口紅というものを、いろいろ友人のつてをたどって企業等から試供品をいただいたのでございます。

 やはりこれも、現場に任せるだけではなくて、現場に、その意味でのマイスターの嗅覚、勘どころのある方がいらっしゃればよいと思うんです。そうでないと、非常に一律的な、いまだに乾パンみたいな話になってきますのでね。

 この点は、国土交通省というのは、一旦緩急あるときに、やはり阪神でも、あるいは今回の東北地方整備局にしても、非常にハードを扱っているように見える部署が、一人の人間として、人間のソフトとして何をするかということができるというところがきめ細かさだと思うんです。

 そういたしますと、この点に関しても、先ほどの鉄道事業者の例ではございませんが、ぜひそうした点を勘案していただければと思っております。

 一点、きょうは、外務省の方に緊急・人道支援課というのがありまして、そちらから。

 今回も海外から多くの支援をいただいたわけですが、日本が海外で何か災害があったときにも支援するということで、外務省はハードの整備をされております。これは私は既に存じ上げておりますが、ちょっとこの点に関して、世界にどういう拠点を設けてどのような対応をしているのかをお話しいただければと思います。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 海外における大規模災害に迅速に対応するため、国際協力機構、JICAは、海外の三カ所、シンガポール、フランクフルト、マイアミにおきまして倉庫を用意しております。そこで、テント、スリーピングマット、毛布、発電機、簡易水槽、浄水器、ポリタンク、プラスチックシートの八品目の緊急援助物資を備蓄しておりまして、海外での大災害があった場合に、この倉庫から送り出すということで対応をしております。

田中(康)委員 ありがとうございます。

 かつてはヨハネスブルクにもあったわけでございます。これは、私が最初、参議院議員になったときに、外務省の方に聞き取りをしたときに、ペルーでかつて大きな地震がございました。御存じのように、ペルーは日本から多くの方が移住され、そこで地道な地歩を固められ、そして親日的な国でございます。では、このときマイアミからどのような支援をしたのかというと、物資としてのハードは調っておるわけでございます。しかし、ここから、民間航空機にマイアミから載せて、ペルーのリマにおいてはJICAの方が現地で受け取る。これはやはり、私は、ビジブルな、目に見える変化になりにくいんだと思うんですね。

 皆さん御記憶があられると思いますけれども、モンゴルの副首相が飛行機で関空にいらっしゃって、多くの毛布を置かれた。被災地にも訪れて直接渡してくださいと言ったら、いや、逆にそれは、私のSPがついたりすれば足手まといになるから、ここでお茶を一杯だけ飲んでお帰りになると。これはやはり、トルコの人が難破船を救った日本に親日的なのと同じように、非常に一人一人の国民にしみ通る感動でございます。

 私は、そのペルーのときに思いましたのは、物資を送るだけでなく、よい意味で日本はサンダーバード隊のような形で、あのとき、チチカカ湖への世界遺産の道路も壊れた、水道が壊れた。日本である意味では青息吐息の地域の土木建設業の方々を日本の専用機で乗せていって、二週間で道路が直る、一週間で水道が直るという形があれば、その後、巨大な予算でODAを進めるという形も、より理解をされることなんだろうと思うんですね。それが、外務省の個々の現場の方は意識としてお持ちであっても、今言ったように、大使が持っていく、あるいは副大臣が持っていくというような形でなく初動が行われてしまうと、せっかくの宝も持ち腐れになっていくんじゃないかと私は思っております。

 これは国内でありますから、より機動的にできるかと思いますが、ぜひこうした、先ほど言った市場(しじょう)でなく市場(いちば)の意識というものを持っていただければというふうに私は思っております。

 そのほかにもいろいろ申し上げたいことがあったんですが、時間が来ましたので、前田さんから最後に、この法案を踏まえてどのような形を日本としてつくっていくのか、お話しいただければと思います。

前田国務大臣 田中議員の、阪神震災におけるボランティアとしての、あの状況の中での体験、さらには知事さんとしての議論をお聞きいたしまして、まさしくこの法律を通じて、これは第一歩と言っていいのかなという感じがいたしておりまして、鋭意これをまたフォローして、いいものにしていきたいと思います。

 加えて一点だけ申し上げますと、まさしく田中議員の御指摘と共鳴するところがありまして、タイのあの大水害のときに、JICAの緊急援助隊の中に、国交省と水資源機構の専門家に現地の状況というものを行って掌握していただいて、直ちに地方整備局を中心にポンプ車を送り込んだんですね。これは非常に大きな効果を果たしました。ポンプも、もちろんでかい能力を持っているのもあるんですが、現地の情報を踏まえて、ホースを人力で移動させる、そういうポンプ車でないとなかなか役に立たないよと。その人力で動かし得る最大のポンプ車を持ち込んだところ、十台で一分間に二十五メートルのプールを排出するという能力を持っていて、非常に劇的な効果を発揮いたしました。あの工業団地のみならず、ほかの団地あるいはアジア工科大学等においても要請されて、その効果を発揮して、この間、タイの総理が来られましたが、随分と喜んでいただいておりました。

田中(康)委員 そのほかにも用意してきたことはございますが、時間が参りましたので。ぜひこの法案が血となり肉となるようにお願いを申し上げたいと思います。

 以上です。

伴野委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利です。

 最初に、本法案と災害対策基本法など災害対策関係の他の法律との関連についてお尋ねをいたします。

 東日本大震災の際、首都圏で起きた大規模な帰宅困難者の問題を踏まえますと、今後予想される首都直下地震などへの対応策を早急に確立すべきであると思います。ただし、災害対策としては、災害対策基本法が既に存在をいたします。本法案では、支援措置の対象になるのが都市再生緊急整備地域に指定された六十三地域に限定されています。災害対策基本法の枠組みを使えば、対象も広がり、あるいは地域防災計画の中に都市部の安全確保の仕組みを組み込むことも可能であったのではないかというふうに思います。

 なぜ都市再生特措法のスキームを使うことになったのか、災害対策基本法との関連はどうなのか、まずお尋ねをいたします。

前田国務大臣 災害対策基本法に基づいて、各自治体において、地域にかかわる防災計画である地域防災計画において、当該地方公共団体の住民の安全確保を中心とした防災対策というのをずっと進めてきたところであります。

 一方、昨年のあの経験というのは、都市機能が集中的に集積している地域においては、その地域の存在する地方公共団体の地域以外から、要するに、お勤めであったり買い物であったり、その他もろもろの、ビジネスもあるでしょうし観光もあるでしょうし、そういった来街者といいますか、来訪者が多数存在しております。大震災が発生した場合の人的、物的被害というのは非常に甚大なものになるということであります。

 ということで、都市再生特別措置法に基づくのは、都市再生特別措置法で指定しております六十三地域というのは、もうまさしくそういった北海道札幌から博多までの非常に集中的な地域というものを指定しているわけでございますから、そういったところにおいて、国や地域の民間事業者等も参画した協議会の枠組みを活用して、民間都市開発と連動した施設整備の対策を講じることが効果的である、このように判断して今般の改正に至ったわけであります。

 なお、この法案に基づく都市再生安全確保計画と委員御指摘の地域防災計画との関係については、相互にそごが生じないように、調和したものとなるように、安全確保計画の作成に関係地方公共団体が参画していただくことになっておりますし、加えて、もちろん国も入るということでございます。本法案の中に両計画間の調和規定も設けることにしております。

中島(隆)委員 この問題については、先ほど来、各議員から指摘をされています。都市再生緊急整備地域の六十三地域だけではこういう災害には対応できないのではないか、こういう御指摘もあっています。やはり地域防災計画という全国的な災害対策があるわけでありますので、先ほどおっしゃったように、地方自治体、あるいは全ての企業、民間を含めて参加するということでありますので、幅広く、そしてまた、緊急に対応が必要なところについてはこの法案の中で対応できるように、ひとつぜひ努力をしていただきたいと思います。

 さて、今回の法改正で、都市再生特措法の目的に、都市の防災に関する機能を確保することが新たに盛り込まれています。この改正点を見る限り、都市部の防災機能全般を網羅しているように思います。他方、都市再生安全確保計画の作成に関する条文を見ますと、大規模な地震が発生した場合における滞在者の安全確保、要するに、地震災害に限定される対応になっています。

 都市部におきましては、大規模地震は言うまでもありませんが、昨年の台風十五号で、多くの帰宅困難者が都内の主要駅に滞留する事態が生じました。台風や集中豪雨でも、都市機能が大きく混乱します。

 そこでお尋ねをいたしますが、今回の改正は、地震以外の台風や集中豪雨といった災害にも対応できる仕組みになっているのかどうか。なっていないとすれば、地震以外の災害への対応も真剣に検討すべきではないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。

前田国務大臣 中島先生御指摘のように、昨年の十五号台風のときにも大量の帰宅困難者が発生しました。このような災害発生時、台風等の場合、水害等の場合にも、避難スペースの適切な確保であったり、あるいは備蓄倉庫の確保等も重要であって、本法案の枠組みでこのような災害に対しても有効に機能し得ることを期待しているところです。

 ただし、洪水というのは、ある程度は発生が未然に予測できるわけですね。それに比べて地震というのは、今のところ突然来るわけでございますから、事前対策というものが洪水の場合なんかとは若干違ってくるのかなという感じもいたします。

 いずれにしろ、洪水等の予測、予報が可能な、そういった場合には、事前の避難や防災施設による防御など事前対策が重要であり、地震における対策とは性格が異なる、こう考えておりまして、都市部の水害については、この法案による対策も含め、ハード、ソフト両面から、さらにいろいろな総合的な対応を考えているところでございます。

中島(隆)委員 特に今の気候状況の中では台風災害も大変な災害が起こるわけでありまして、特に交通であります。私もこの十五号台風で経験したんですが、東京から新幹線で熊本まで帰る途中、鉄道が通行しない。こういう中で、駅の混雑というのが大変な状況を経験いたしました。そういう面では、地震だけではなく、こういう台風災害についても大変な交通困難者がいますので、こういう台風についても十分対応していただきたいというふうに思います。

 それから、昨年十二月に改定されました防災基本計画では、帰宅困難者対策として、むやみに移動を開始しないことを原則として掲げました。東京都と国、民間事業者などで構成する首都直下地震帰宅困難者等対策協議会が三月九日に取りまとめられた中間報告でも、一斉帰宅の抑制方針が強く打ち出されています。そうしますと、企業あるいは事業者、あるいは駅、ターミナルなどに、帰宅困難者が長ければ数日間滞在することになります。民間の協力というのが不可欠であります。

 東京都では、民間企業に対し、従業員の一斉帰宅抑制や、三日分の飲料水あるいは食料等の備蓄を努力義務とする条例案が既に議会に提出されたと伺っています。他方、協議会の実態調査では、三日分以上の飲料水、食料を備蓄している企業は全体の四割程度にとどまっているということであります。

 今後、民間企業の意識改革も含めて強く協力を仰いでいく必要があると思いますが、そこで、国としても民間への協力要請を強めていくべきだと考えます。この点についてどのような方針であるのか、お尋ねいたします。

長谷川政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘がございました首都直下の帰宅困難者等対策協議会でございますけれども、こちらでは、昨年の十一月に、今お話ございました、むやみに移動しないとの基本原則の徹底をということで、一斉帰宅抑制の基本方針という、二ページぐらいの方針を定めてございます。そして、この方針の中では、企業等は、原則として従業員等を事業所内にとどめておくこととし、そのため、三日分の物資の備蓄に努めていただくというようなことになってございます。

 そして、これを具体化するために、今ほどの協議会が三月にまとめました中間報告では、事業所防災計画に事業所の施設内待機を明記することや、備蓄の目安、考え方など、企業などが実施していただくべき内容を整理しているところでございます。

 そして、今後、これをもとにいたしまして、経済団体に加入している企業などの御意見も伺いながら、事業所の帰宅困難者等対策に関するガイドラインを作成するということを考えてございます。このガイドラインを作成、周知することで、企業等の取り組みをまた一層促進していくように努力してまいりたいというふうに考えております。

中島(隆)委員 この問題について、先ほど菅原議員あるいは穀田議員からもありました。特に、この法案そのものが、できる規定という形で非常に緩やかであります。民間協力を求める場合には、やはり義務的な規定にすべきではないかという指摘がございました。特に、今後の民間協力については、意識の醸成等が非常に重要だというふうに思います。特に、今後の民間協力に対する要請あるいは意識醸成について、十分な対応が必要ではないかというふうに思います。

 それから、今回の改正でありますが、都市再生安全確保施設に関する協定制度が創設されます。その対象として退避施設ですが、地域防災計画でも定められております避難所とはどういうふうに違うのか、あるいはどのような施設が想定されるのか、お聞かせいただきたいと思います。

 さらに、民間の事業者やデパートなども対象になるという場合に、これらの施設も安全確保施設として公表されるのかどうか。それから、東日本大震災のときに帰宅困難者を受け入れた百貨店であっても、事前にそのような施設として公表することに対するちゅうちょという報道がありました。民間の施設が退避施設となった場合に、避難者に向けて備蓄する毛布あるいは食料、飲料水などについて助成は及ぶのかどうか、その点も含めてお尋ねをいたします。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 退避施設などについてのお尋ねでございますが、この退避施設は、大規模地震が発生した場合に避難者、帰宅困難者の安全を数日間確保するためのスペースでございまして、具体的には、民間事業者が所有するオフィスビル等のロビー等に設けられるものを想定しているところでございます。

 こうした退避施設につきましては、本法案に基づきます都市再生安全確保計画に記載され、公表されることになっておりまして、事前に退避施設の場所を周知し、円滑な退避の用に供することとしているところでございます。

 また、退避施設について、備蓄についてのお尋ねがございましたが、必要な備蓄につきましては、公共団体が対策を講ずるということが基本であると考えておりますけれども、民間事業者にも可能な範囲の協力を仰いでまいりたいというふうに考えております。

中島(隆)委員 特に避難所あるいは備蓄等については、どういう地域にどういう備蓄があるか、こういう周知徹底がやはり非常に重要だというふうに思います。民間の施設等についても公表、あるいはその施設等についての十分な周知徹底、こういう対応が十分されるように要請をしておきたいと思います。

 次に、今回の改正法で、都市再生緊急整備協議会のメンバーに鉄道事業者を加えることができることになっています。本来は参加義務にすべきであるというふうに思います。

 大震災以降の帰宅困難者対策の柱は、むやみに移動しないといった一斉帰宅抑制方針であることは十分理解できるわけでありますが、他方で強く期待されるのは、鉄道路線の早期運転再開です。

 ところが、東日本大震災のときにも、都内でも最も早く運転再開された地下鉄銀座線に乗客が殺到し、再び運転を見合わせる、こういう状況がありました。台風十五号のときもそうであります。運転が再開された路線の主要駅に乗客が殺到することは大変危険で、二次災害を引き起こす懸念があります。

 JRや私鉄、地下鉄の各路線が連携をし、危険を伴わない形で運転を再開させ、パニックを避けることがどうしても必要であります。鉄道各社によって災害からの運行再開の基準が異なっていて、なかなか難しいとの指摘もございます。

 国交省は、大規模地震発生時における首都圏鉄道の運転再開のあり方に関する協議会を設けまして、報告書を公表しているわけでありますが、今後とり得る対策について、簡潔に答弁を願いたいと思います。

久保政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のように、東日本大震災あるいは九月二十一日の台風十五号では、首都圏を含め多数の鉄道路線が運転を休止しまして、乗客、御利用者に多大な影響、御迷惑をおかけいたしました。

 国土交通省としては、これは先生もお話にありましたが、この東日本大震災等を教訓といたしまして、鉄道事業者とともに、大規模地震発生時における首都圏鉄道の運転再開のあり方協議会を開催し、改善方策について取りまとめております。

 具体的な改善方策としては、迅速かつ円滑な運転再開のため、駅間に停車した列車を、安全が確保できる場合は最寄り駅まで低速で移動させて、そこでお客さんにおりていただく。あるいは、これが非常に問題になったんですけれども、施設の点検、復旧がおくれたということで、交通規制が仮に行われた場合にも通行可能な緊急通行車両を増備する、また、可能な限り運行時間の延長を行って、お客様、旅客が集中しないように情報提供をする等を進めたところでありまして、これの徹底を今後進めてまいりたいというふうに思っております。

中島(隆)委員 次に、帰宅困難者への情報提供の問題であります。

 これは、先ほど質問がございました。特に、一斉帰宅抑制方針をいたしますと、当然、共働きの家庭であれば保育所に預けた子供さんあるいは小学生の子供さん、あるいは自宅に要介護者がおられる方、こういう方々に対する、速やかに情報が確認される方法を求めるわけであります。先ほど答弁ございました、携帯電話、通信も全く遮断をされる、こういうことの中で、電源確保とかいろいろありましたけれども、この情報の提供、どのように対応するのか、もう一度詳しく御答弁願いたいと思います。

長谷川政府参考人 今も御質問にございましたように、一斉帰宅を抑制するということになりますと、発災時には、帰宅困難者の方に必要な情報を入手していただくということが大変大事でございます。とりわけ、家族等の安否確認、こういったことが速やかにできることが帰宅困難者の冷静な行動を確保する上でも大変大事というふうに考えてございます。

 そこで、家族の安否確認ということに関して申し上げますと、これは通信網が生きていないと難しいわけでございますが、それを前提に考えますと、電話による通話はふくそういたしますので、その利用が制限されるということになります。したがいまして、例えば、先ほど来ございますように、携帯電話の災害用伝言板、災害用音声お届けサービス、あるいはパソコンのウエブ一七一などの通話によらない安否確認手段を活用していただくというのが大事かなというふうに考えております。

 さらに、帰宅困難者が求めます情報というのは、それに限らずさまざまなものがございます。こういったものにつきましては、どの程度役に立つのか、いろいろ検討を要すると思いますけれども、例えば、防災行政無線のスピーカー、報道機関への広報を通じたテレビ、ラジオによる情報提供。あるいは、ホームページ、大型ビジョンとかワンセグ。それから、何かデジタルサイネージという電子掲示板があるそうなんですけれども、そういったもの。さらには、停電になったときのことを考えますと、むしろ、例えば掲示板のようなアナログ的な媒体。こういったもので、あらゆる手段を通じて情報を提供していくのが大事かなというふうに考えております。

 そして、先ほど来お答えしております帰宅困難者の協議会でございますけれども、こちらの方では、こういった情報提供について、関係機関の間の役割分担、連携のあり方などについて今検討しておりまして、今後、帰宅困難者等への情報提供に関するガイドラインについても取りまとめてまいりたいというふうに考えております。

中島(隆)委員 時間が参りましたので、最後の質問、帰宅困難者への訓練等でありますが、これも先ほど来出ました二月三日、東京でも一万人の参加でございましたし、その他の自治体でも今取り組まれています。この訓練にもぜひ国も積極的に参加をしていただいて、特に、やはり防災というのはまず備えるための訓練が一番大事だと思いますので、国が積極的に参加をして支援をしていくように、よろしくお願いしておきたいと思います。

 以上、終わります。

伴野委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 今回の法改正は、昨年の震災で都心部における避難者と帰宅困難者が大量に発生したことから提案をされたものだというふうに思います。

 しかし、そもそも立法趣旨の違う都市再生特措法の改正案として提案されることに、いささか違和感を感じるところもございます。首都圏における帰宅困難者の発生は六百五十万人というふうに想定をされており、これだけの規模の帰宅困難者にさまざまな形で対応しようとすると、独自の新法が必要であるようにも思われますし、また、そういう観点からの検討も震災以降進められたのではないかというふうに思うんです。

 そもそも目的の違う都市再生特措法の法改正として今回の法案を提出するに至った、この理由は何であるかということをまず大臣に確認させていただきたいと思います。

前田国務大臣 委員、また今までの議論の中でも御指摘がありましたように、地方公共団体においては、災害対策基本法に基づいて、当該地方公共団体の地域に係る防災計画である地域防災計画というもので、当該地方公共団体の住民の安全確保を中心とした防災対策を進めてきたところであります。

 この災害対策基本法に示されている当該地方公共団体というのは自治体全体に対して網をかけてやっているわけでございますが、昨年のあの経験を踏まえて言うと、やはり交通の結節点である大都市といいますか、そういう非常に稠密に交通機関等も集中している結節点における帰宅困難者ということでありまして、そういったところは、まさしく、この都市再生特別措置法で都市のさらに高度の再生ということを目指していた地域とほぼダブってまいります。そういう意味において、協議会等も設置されていたものですから、そこに、去年の経験を踏まえて、もっと集中的な、しかも有効的な、効果的な対策をしたいということで、この法案の改正ということに至ったわけであります。

柿澤委員 御答弁の趣旨は私も理解しないわけではないんですけれども、しかし、やはりこの都市再生特措法に基づく都市再生緊急整備地域、これを一つの帰宅困難者及び避難者対策に枠を広げる、対象を広げる、こういうことを方策として選んだことによる若干のそごもあるように思うんです。

 もともと都市再生緊急整備地域というのは何のためにつくられたかといえば、世界の都市間競争を背景にして、都市の高度化を迅速に進めるため、具体的なプロジェクトを対象として容積率の規制緩和等のインセンティブを付与する、そういうためにつくられたものだというふうに思います。ですから、そのような具体的なプロジェクトが進行していなかった地域には、実は緊急整備地域の網がかかっていない、こういうところがあるんですよね。

 例えば、池袋がそうであるというふうに聞きました。駅別の乗降客数をランキングにすると、池袋というのは、実は乗降客数三百五十万人で、新宿に次ぐ第二位だということであります。しかし、ここは、交通の結節点でありながら緊急整備地域の対象からは外れている。

 今回の法改正における防災、帰宅困難者、こういう観点での対策の必要性は、緊急整備地域とエリアが必ずしも一致しない、こういうふうにも思いますけれども、この点をどうクリアするのか。緊急整備地域を広げる、こういう対応になるのかどうか、確認をしておきたいというように思います。

津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 本法律は、我が国の国際競争力強化の観点から都市再生を進めている、これは今委員の御指摘のことでありました。

 大都市の交通結節点等において、震災発生時の避難者、帰宅困難者対策を強化することを意図しておりますが、現在、都市再生緊急整備地域に指定されていない地域におきましても、都市再生とあわせた避難者、帰宅困難者対策の必要性が高い場合は、新たな地域指定は可能であります。地元地方公共団体の意向も踏まえて検討してまいりたいと考えております。

 また、本法案の対象とならない地域におきましても、本法案による官民連携の協議会や計画作成の仕組みを参考としていただきながら、地方公共団体を中心として対策を講じていただくことも期待しておるところであります。

柿澤委員 先ほど申し上げたとおり、一日当たりの乗降客数三百五十万人で、全国ランキング第二位、大阪の梅田より多いんです。この池袋が緊急整備地域の対象から外れている。交通の結節点における帰宅困難者対策という点では大きな漏れがあるということだと思いますので、その点、やはり抜かりのないように対応していただく必要があろうかというふうに思います。

 できる規定については先ほど質問もあったようですので飛ばさせていただきまして、次の質問に移ります。

 今回の法案では、都市再生安全確保施設として、備蓄倉庫等の容積率の特例が盛り込まれております。一夜あるいは数日をしのぐため、毛布、水、食料、こうした物資を避難場所にストックしておくことは絶対的に必要だと思います。

 しかし、イメージしてもらえばおわかりいただけると思うんですけれども、五千人が避難すると想定されたような何とかヒルズというのがあったとして、そこに例えば七千人が殺到した。こういう場合、毛布も足りない、水も足りない。こういうときに、避難者に物資を配給するために一体誰がそれを決めて配るのか、処分権者は誰なのかということが問題になるんじゃないかというふうに思うんです。

 先日、この点を国交省にお尋ねしたところ、都市再生緊急整備協議会にビル所有者も入ってもらった、だからこの協議会で合議して決定すればいいんだ、こんな感じのお話だったんですけれども、しかし、そんなことが緊急時にあり得るんでしょうか。協議会には国も地方公共団体も入っている。そして、緊急整備地域内のビルの所有者なんて無数にいるわけです。大災害のときに合議で、五千人想定のところ七千人来た、どうやって配給するか、決められるはずがないというふうに思うんですよ。

 これでは緊急時にワークしないというふうに思うんですけれども、これはどうするおつもりなんでしょうか、お伺いをしたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 災害時、緊急時においては、避難してくる帰宅困難者等に対しまして、備蓄倉庫の物資を速やかにかつ適切に配給することが必要であり、これを的確に判断する主体をあらかじめ確認しておくことが必要だというふうに考えております。

 このため、本法案に基づきまして、国や地方公共団体が構成員となっている都市再生緊急整備協議会において、あらかじめ、災害時、緊急時における備蓄物資の配給等の判断者をまず確認しておきます。確認した上で、これを都市再生安全確保計画に位置づけるとともに、平時におきましては、この計画に基づき避難訓練を行う予定にしておりますので、この訓練を通じて、いざというときに備えて対応できるように、平時から気を配っておくようにしておきたいと思っております。

柿澤委員 こういうのを聞いていると、ちゃんと緊急時のイメージを持てているのかなと少し心配になってくるわけです。

 その点で、実は私は重要な御指摘をいただいたので、法案とちょっと離れますけれども、総務省消防庁にお尋ねをしたいと思っております。

 東京の港区、あるいは私の地元の江東区では、東京湾岸ベイエリアの海沿いに高層マンション群が今次々に建設をされています。この都市再生特措法のもともとのコンセプトの反映である、都心における容積率の緩和の成果物でもあろうかと思います。

 こうした例えば四十階建ての高層マンションの住民は、首都直下型地震のときにどうするのか。高層マンションの管理組合等に聞きますと、広域の避難場所が至近距離にある以外の地域では、地震発生から七日間程度は自宅に残留するよう、今、自治体から指導されているようなんですね。また、首都直下型地震の被害想定では、電力復旧までにかかる時間は大体六日間というふうにされています。これは、震災を受けた最近の震度七という想定を反映していませんので、電力復旧にかかる期間は六日間よりもっと長くなる可能性もあるわけです。

 こういう中で、高層マンションで七日間、自宅残留をして生活を続けるためには、非常用自家発電を適切に利用しないといけない。さもなくば、エレベーターも動かない、食料の配給もできない、そして火災報知器も作動しない、水道ポンプも動かない、下水ポンプも動かないので、水も出ないしトイレも使えない、こういうことになってしまいかねません。

 消防法では、高層住宅に非常用発電機の設置が義務づけられております。ところが、建物内に貯蔵する発電燃料は、消防法十条の規定に基づいて貯蔵できる数量が、事実上、指定数量、軽油で一トン、A重油で二トン未満、こういうふうな量しか貯蔵できないようになっているんです。これでは、非常用発電機をせいぜい四時間から七時間ぐらいしか稼働させることができないんです。数時間で停電をしてしまうのでは、到底七日間も高層マンションで自宅残留などできるはずがないんです。この点、どうするおつもりなんでしょうか、お伺いをしたいと思います。

高倉政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘いただきました、中高層マンションにおける自家発電機用の燃料備蓄の量などに関連する事柄であろうかと存じますけれども、一般的にはこれは軽油や灯油といったものが用いられ、これらは火災危険性が高い物質でございますことから、消防法上の危険物とされております。

 ただ、今、事実上というお言葉がございましたけれども、法令上の整理といたしましては、一千リットル未満でありましたらば、市町村の火災予防条例で規制を行っております。一千リットル以上の大容量の備蓄を行うという場合につきましては、これは消防法令において火災予防上の観点から必要な基準が定められておるところでございます。具体的には、例えばドラム缶でございましたら、千リットル未満の場合には、保存する地域の区画を鉄板等の不燃材料で区画、一方、千リットル以上であれば、耐火構造、コンクリートで区画といったような所定の規制がございます。

 したがいまして、仮に中高層マンション等におきまして自家発電用の備蓄の規模というものを大容量にしていくという場合には、その容量に見合った消防法上の基準を満たしていただければ整備はできるという状況になっております。

柿澤委員 これまでの高層マンションの自家発電施設の設置場所というのは、その隣に大体こうした燃料の貯蔵場所があって、これを物理的に分離するということが十分できていなかった、そういうことが多いんです。結果的に、これ以上の容量を貯蔵するということ、貯蔵所として認めていただくことが事実上できないような構造になっているわけです。その中で七日間、どう過ごせというのか。ここのところについては、建物の構造基準上のさまざまな誘導措置みたいなものもこれから必要になってくるのではないかというふうに思います。

 もう一つお伺いをしたいんですけれども、例えば、四十八階、四十九階建ての超高層マンション四棟から成る芝浦アイランドというのが港区にありますけれども、非常用発電機の燃料消費率を百三十リットル・パー・アワーとして計算すると、停電させずに七日間しのぐには、七、八十トンの燃料が必要になります。この規模の備蓄タンクを設置するのは、やはり敷地の問題や建設費を考えるとなかなか現実的でない。

 こういうときに一つのアイデアが出てまいりまして、すなわち、東京港内の海上で小型船舶に給油を行っている海のガソリンスタンド、給油船を活用するというアイデアが出てきています。これは、全長二十五メーター、幅三メーターの小型タンカーでも百三十トンの搭載燃料、これで芝浦アイランド二つ分の七日間の燃料供給を賄える計算になります。これを使ったらどうなのかというのが一つあります。

 ところが、これも、船舶から給油ホースで陸上に給油するには、陸に係留されている場合には消防法二条二項で防火対象物に当たってしまうので、給油する地点が危険物一般取扱所として認可を受けた場所でなくてはならない。たとえ、運河に面した高層マンションで、そこに係留してホースで給油する、そういう場合でも、そこが危険物一般取扱所でなければ、結局、給油行為そのものが違法行為になってしまうというんですよね。要するに、船からの燃料補給というのは事実上できないということになるわけです。

 こうした点、私は見直すべき部分があるのではないかというふうに思いますが、お尋ねを申し上げたいと思います。

高倉政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘いただきました、軽油や重油といった船舶に積載している燃料をいざというときに使えるようにしていくべきではないかと。大変大事な御指摘だと存じます。

 現行の法令のたてつけにつきましてちょっと御説明させていただきますと、そういった船舶用の燃料を指定数量扱うという場所につきましては、御指摘のとおり、基本的には、消防法上の危険物の取扱所といたしまして、一定の基準を満たして許可をとっておくということが必要になります。しかしながら、災害時等の緊急時におきまして、今回、実は東日本大震災の直後にも事例があったところでございますけれども、緊急時におきましては、そういった許可をしていない場所でも取り扱う必要が生じるということから、制度といたしまして、ただし書きがございまして、所轄の消防長または消防署長による仮取り扱いの承認という手続がございます。これを受ければ、船舶による燃料の給油や船舶からのドラム缶の荷おろし等を行うことは可能となっております。

 このような仮取り扱いの運用につきましては、まさに昨年の三月十六日の時点で、消防庁からその迅速かつ柔軟な対応について通知はさせていただいておりまして、各市町村で適切に対処していただいているものとは認識しておりますが、実際に円滑に運用していただけるようにするためにはやはり整理していかなければいけないんじゃないかというふうに考えておりまして、地震等の災害時において、必要な場合に、仮貯蔵、仮取り扱いという今の弾力的な制度の運用がより迅速、円滑に行われるようガイドラインを作成していくということを目指しまして、二十四年度に運用の実態調査を行いまして、その上で、地震等災害時における仮貯蔵、仮取り扱い時の安全対策のあり方について検討してまいりたいと考えております。

柿澤委員 大変いい答弁をいただいたと思います。ただ、仮取り扱いを緊急時に決裁できるのかという問題も残ると思いますので、そこのところは御留意をいただきたいと思います。

 最後の質問をさせていただきたいと思います。

 森ビルの六本木ヒルズが今回の震災で大変注目を集めました。逃げ込める街として周辺住民の避難を受け入れて、まさに今回の法改正のモデルにもなった事例だと思います。

 森稔会長は先日お亡くなりになられてしまったわけですけれども、震災後にお会いしたときに強調されていたのが制震装置のことでありました。六本木ヒルズは五十四階建ての森タワーがあるわけですけれども、この五十一階にレストランの六本木ヒルズクラブというのがありますが、この六本木ヒルズクラブでは、何と、ワイングラス一個も割れなかったというんですね。オイルダンパーなどを活用した制震装置で揺れを抑えた結果、結果的に全く揺れなかった、こういうことであります。

 高層ビルというと、むしろ長周期地震動によって揺れが増幅されて、立ってもいられないような大変な揺れになる、今回、東京都庁などもそうだったということでありますけれども、こういうことが通例だったと思うんですけれども、こういう制震装置を導入することによって揺れを抑えることができる、こうした効果が実証されたわけです。

 この制震装置というのは、実は、導入に対するインセンティブというのは、私が見る限り、地方自治体の補助制度しか見当たらないようであります。しかし、巨大地震に対応できる都市構造を目指していく上では、こうした制震措置を高層ビル、高層マンションに導入する際の国としての支援措置がやはり必要なのではないかというふうに思います。

 ある種、この点を強調されていた森稔会長の遺言みたいな気持ちでお尋ねを申し上げたいと思うんですけれども、この点について御答弁をいただけたらというふうに思います。

津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 今、委員の方から、高層ビルは長周期地震動が非常に大きいよ、こういう御指摘をいただきました。

 そこで、一部のビルでは、この制震装置の改修等がもう既に行われているところがたくさんございます。また、今後、技術的知見をもとに、必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。

 ただ、支援措置のお話がございましたけれども、限られた財源を有効に活用する観点からは、住宅、建築の耐震改修、まず当面これに力を入れる必要があると考えておりますので、そこは御理解をいただきたいと思っております。

柿澤委員 ありがとうございました。質問を終わります。

伴野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後四時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時四十九分開議

伴野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 内閣提出、都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案に対する質疑は、先ほど終局いたしております。

 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

伴野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小泉俊明君外三名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党及び国民新党・新党日本の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。金子恭之君。

金子(恭)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 今後想定される首都直下地震等の大規模災害が発生した場合に備え、避難者・帰宅困難者対策に万全を期すとともに、豪雨による水害など大都市特有の災害にも対応するものとなるよう、運用に当たっては十分配慮すること。

 二 本法に基づく避難者・帰宅困難者対策の効果が十分発揮されるものとなるよう、都市再生安全確保計画の作成に当たっては、関係地方公共団体の条例との整合を図るなど、関係地方公共団体との連携に十分配慮すること。

 三 帰宅困難者対策の推進に当たっては、新たに建築物の建築を行う場合だけでなく、既存の建築物の活用についても民間事業者の協力を得ながら実現する必要があることを踏まえ、民間事業者の過度な負担とならないよう、引き続き支援制度の検討を進めること。

 四 大規模災害が発生した場合においては、適切な避難誘導や、安否確認情報、災害情報、運行再開見込み等の交通情報など適切な情報の提供が重要であることにかんがみ、これらに留意した都市再生安全確保計画が作成されるよう、関係者との十分な連携を図ること。

 五 備蓄倉庫等について容積率規制の緩和を行った場合には、避難訓練の実施等の機会を捉えた定期的なチェックや、地方公共団体による備蓄倉庫の管理協定制度の普及を図ること等により、他の用途に転用されることのないよう、対応に万全を期すこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

伴野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

伴野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣前田武志君。

前田国務大臣 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして真剣かつ熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の質疑内容や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 大変ありがとうございました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

伴野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十四分散会


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