衆議院

メインへスキップ



第10号 平成24年6月20日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十四年六月二十日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 伴野  豊君

   理事 小泉 俊明君 理事 小宮山泰子君

   理事 古賀 敬章君 理事 辻元 清美君

   理事 松崎 哲久君 理事 金子 恭之君

   理事 山本 公一君 理事 富田 茂之君

      阿知波吉信君    石井  章君

      磯谷香代子君    奥田  建君

      奥野総一郎君    川村秀三郎君

      工藤 仁美君    沓掛 哲男君

      熊田 篤嗣君    黒田  雄君

      古賀 一成君    坂口 岳洋君

      高木 義明君    津島 恭一君

      辻   惠君    中川  治君

      橋本 清仁君    畑  浩治君

      水野 智彦君    向山 好一君

      森山 浩行君    谷田川 元君

      柳田 和己君    吉田おさむ君

      若井 康彦君    赤澤 亮正君

      小渕 優子君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    徳田  毅君

      二階 俊博君    林  幹雄君

      福井  照君    望月 義夫君

      稲津  久君    竹内  譲君

      穀田 恵二君    中島 隆利君

      柿澤 未途君    中島 正純君

    …………………………………

   国土交通大臣       羽田雄一郎君

   国土交通副大臣      奥田  建君

   国土交通副大臣      吉田おさむ君

   総務大臣政務官      福田 昭夫君

   財務大臣政務官      若泉 征三君

   厚生労働大臣政務官    津田弥太郎君

   国土交通大臣政務官    津島 恭一君

   国土交通大臣政務官    室井 邦彦君

   国土交通大臣政務官    津川 祥吾君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 神田 裕二君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 萩本  修君

   政府参考人

   (外務省国際法局長)   長嶺 安政君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官)            内波 謙一君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            中島 正弘君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         内田  要君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  加藤 利男君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        関  克己君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  菊川  滋君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 中田  徹君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  山縣 宣彦君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  長田  太君

   政府参考人

   (観光庁長官)      井手 憲文君

   政府参考人

   (海上保安庁海洋情報部長)            加藤  茂君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十八日

 辞任         補欠選任

  若井 康彦君     打越あかし君

同月十九日

 辞任         補欠選任

  徳田  毅君     宮腰 光寛君

  竹内  譲君     遠山 清彦君

  穀田 恵二君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  宮腰 光寛君     徳田  毅君

  遠山 清彦君     竹内  譲君

  赤嶺 政賢君     穀田 恵二君

同月二十日

 辞任         補欠選任

  阿知波吉信君     奥野総一郎君

  打越あかし君     若井 康彦君

  黒田  雄君     水野 智彦君

  中川  治君     工藤 仁美君

  橋本 清仁君     森山 浩行君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野総一郎君     阿知波吉信君

  工藤 仁美君     中川  治君

  水野 智彦君     黒田  雄君

  森山 浩行君     磯谷香代子君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     橋本 清仁君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

伴野委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官内波謙一君、総合政策局長中島正弘君、土地・建設産業局長内田要君、都市局長加藤利男君、水管理・国土保全局長関克己君、道路局長菊川滋君、住宅局長川本正一郎君、自動車局長中田徹君、港湾局長山縣宣彦君、航空局長長田太君、観光庁長官井手憲文君、海上保安庁海洋情報部長加藤茂君、内閣府大臣官房審議官神田裕二君、法務省大臣官房審議官萩本修君及び外務省国際法局長長嶺安政君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂口岳洋君。

坂口(岳)委員 おはようございます。民主党の坂口岳洋です。

 本日は、この貴重な御質問の機会をいただきましたことを、まずもって理事の皆さんに御礼申し上げたいと思います。

 台風四号は、我が日本列島に大きな傷跡を残してしまった。そして、その中でも特にまた、被災地、石巻、気仙沼の皆さんは、仮設住宅からまたさらに避難をしなくちゃいけないという非常に苦しい状態。きょうは、特に災害に関しましての質問というものもさせていただければと思います。

 そんな中で、まず質問の前に、この被災地の皆様にお見舞いを申し上げたい。

 そしてまた、我が山梨におきましても大きな傷跡を残していまして、全面通行どめが三カ所、停電した世帯数が二千七百世帯、また、全域山沿いに関して土砂警報が出た。整備局が二十四時間態勢でずっと働いております。整備局の人間と夜半過ぎに電話で話をしましたけれども、ずっと現場に張りついて頑張っている。その件に関しましての質問もきょうはさせていただければと思います。

 羽田大臣、御就任おめでとうございます。私は、羽田大臣のお人柄と、そして知識、リーダーシップ、調整力というものが、この国土交通行政を十分に前に進めることができるととても喜ばしく思っておりますし、ぜひ羽田大臣を先頭に、我が民主党、与党もバックアップをしていくという思いでみんないるというふうに感じているところでございます。

 羽田大臣の所信の中で、子供たち、そしてお孫さんの話がありました。子供たちや孫たちの世代にすばらしい国土を残す、それが私たち政治家の使命である。私は非常に共感をします。そして、その中でもさらにまた、国土交通省の総力を挙げて誇れる国土づくりに邁進したい、その覚悟もお伺いして、私たちが本当にやらなくてはいけないことを示されたと感じました。

 そんな中で、まず一点、お伺いをしたいと思います。

 この大臣の次世代への投資、従来の公共事業に対して新しい理念をお示しになったと僕は思う。この理念に示された背景や大臣の思いというものをもう一度お伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

羽田国務大臣 おはようございます。坂口委員にお答えをさせていただきたいと思います。

 私は、国会議員では珍しいと思うんですけれども、保育士の資格を持っておりまして、青少年の健全育成のための財団にも勤めてまいりました。そういう経験を生かす中で、北は北海道、沖縄の離島、過疎の地域まで当時その財団でめぐっておりまして、やはり、子供たちや孫たちの時代にしっかりとした誇りある国土、日本を残していかなければならないという思いを持ってまいりました。

 特に、災害と共存していかなければならない我が国であります。そこに生まれた宿命というものもございます。そういう意味では、我が国に生まれた宿命を持って、災害というものに向き合い、そして共存していくという考え方を、我々世代だけではなくて、子供たちや孫たちの時代に伝えてもいかなければならないし、今、我々は、子供たちや孫たちの時代にどんな日本を残していくかということを考えながら一人一人の政治家として行動していかなければならないということを常々感じてきたものですから、所信に当たっても一言申し上げさせていただいたところでございます。

 我が国にとって、特に東日本大震災の反省もございます。また、教訓もあると思います。そういう中で、災害リスクと向き合いつつ、国民生活の安全、安心を確保していくことは、極めて重要な課題であります。さらに、既存ストックの老朽化、少子高齢化、グローバルな競争の進展等、我が国が直面するさまざまな課題に的確に対応し、子供たちや孫たちの世代にすばらしい国土を残すということが求められております。

 この実現のために、厳しい財政状況を踏まえた上で、選択と集中の考え方のもとに、コストの抑制を図り、事業内容を精査しつつも、真に必要な社会資本整備を着実に実施していくという覚悟でございます。

坂口(岳)委員 今大臣のお話を聞いて、まさに今まで公共事業というと、報道機関が非常に悪いイメージで言うことが多いんです。少しでも予算をとろうとすると、ばらまきだとか先祖返りだとか、いろいろそういう話が出る。でも、今の話を聞くと、まさに公共事業、インフラ整備こそ、我々のためじゃないんだと。大臣おっしゃるように、現役世代じゃなくて、次の世代のためにやらなくちゃいけない。

 まさにこの委員会の中でも、与野党関係なく、少子化対策、子供たちに対して造詣の深い先生たちもいらっしゃる。やはりその思いというものを、この国交政策の中で一つの横軸としてやるという御決意をお伺いできて、私は、支えてまいりたい、そしてそれを実現させていきたいということをまたさらに感じた次第です。

 また、今大臣のお話の中に、我が国というのはそもそも、地形的にも、そして災害多発というこの二点からも、諸外国、先進国と比べて非常にインフラコストが高くなる。これはもうしようがない。これを否定してしまったら、私たちはこの列島に住めなくなる。その中で、大臣の所信の中にも、災害に強い、強靱な国土づくりというお話があったと思います。その中でも特に、首都直下型地震という具体的な点に関しても触れられている。

 御質問したいんですが、特に、首都直下型地震、東海、東南海、南海沖地震などの大規模災害に対して、国交省としての今後の取り組みをお伺いできればと思います。

羽田国務大臣 首都直下地震、また東海、東南海、南海地震により、広範囲で甚大な災害の切迫性が指摘されておりますけれども、万一こうした災害が発生した際は、発災後の応急対策や迅速な復旧活動が極めて重要だと考えております。このため、災害には上限がないことを認識し、万一災害が発生した場合でも、人命第一との考えのもとで、東日本大震災での経験を踏まえ、地方整備局や地方運輸局など国土交通省の総力を挙げて迅速な対応を行う必要があると考えております。

 具体的には、東日本大震災でも実施をさせていただいたように、ヘリコプターを用いた被災状況の迅速な把握、道路啓開など、人命救助につながる陸海空の緊急アクセスルートの確保、公共施設の緊急的な復旧などを迅速に実施する必要があり、これらの機能を一層強化してまいる所存であります。

 また、今後、首都直下地震や東海、東南海、南海地震を想定し、緊急災害対策派遣隊、TEC―FORCEの活動計画の策定や広域的な防災訓練の実施など、一層の体制強化に努めてまいります。

 さらに、首都直下地震に対しては、安全、安心を確保するため、マグニチュード八級、最大震度七の地震が発生した場合の最悪シナリオを想定した緊急対応計画を策定し、緊急時の体制強化につながる施策については早急に具体化していきたいと考えております。

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

坂口(岳)委員 我が山梨県からは、富士山に関して、国による火山噴火緊急減災対策砂防計画の早期策定、要するに、国でやってもらいたいという要望が上がっております。逆に、県じゃなく国でやってもらいたい。それに関する大臣の見解は。

羽田国務大臣 富士山の火山噴火に伴う土砂災害に対し、被害を軽減するための火山噴火緊急減災対策砂防計画について、中部地方整備局富士砂防事務所が中心となって検討を進めております。

 山梨県を初め関係機関にも御参加をいただいて実効性の高い計画を早期に作成するとともに、事業の実施方法について関係機関との調整を行ってまいりたいと考えております。

坂口(岳)委員 今、私がなぜこういう質問をしたかと申しますと、国と地方というものには僕は役割があると思います。特に、我が県から、富士山に関しては国でやってもらいたい、要は整備局、その砂防事務所でありますが、やってもらいたいという要望が出ているように、まさに大震災において、また、昨年の十二号、十五号の台風において、また、私がここで詳しく申し上げるまでもなく、委員の皆様がずっと御指摘あった災害対策において、僕は、やはり現状の地方整備局等の果たしている役割というのは非常に大きいと思うんです。ぜひ大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

羽田国務大臣 東日本大震災、また、昨日もそうでありましたけれども、全国の地方整備局が、発災直後から、当時の大畠大臣の統一的な指揮命令のもと、二十四時間体制で対応させていただいたところでございます。

 具体的には、過去の大規模災害への対応等で経験、技術を蓄積してきた全国の地方整備局等の職員から成る緊急災害対策派遣隊、TEC―FORCEを発災翌日には四百名体制で派遣、三日目にはさらに増強し、最終的には延べ一万八千百十五人日を派遣し、迅速に初動対応を実施したところであります。

 初動の活動として、発災四日後までに、内陸部から太平洋沿岸に至るくしの歯形に十五ルートを確保するなど、また、震災直後のアクセスルートの確保に貢献するとともに、排水ポンプ車による機動的、重点的な排水により、仙台空港の早期再開等を支援してまいりました。

 また、通信の途絶した沿岸被災市町村に衛星通信車等を派遣するとともに、市町村の要望する必要な物資の供給も、リエゾンという形で寄り添いながら行ってきたところでございます。

 さらに、昨年九月の台風十二号では、紀伊半島を中心に、大雨によって浸水や大規模な土砂災害が発生し、甚大な被害が生じました。これに対して、災害発生直後からTEC―FORCEを派遣し、被災状況を把握するとともに、孤立集落の解消、被災自治体の支援など、最終的に延べ五千百八十五人日を派遣し、積極的に支援してきたところであります。

 このように、地方整備局は、大規模災害時に発災直後から機動力や技術力を発揮し、インフラ復旧など被災地の復旧に大きく寄与してきたと考えており、今後ともこうした機能強化を図っていきたいと考えております。

坂口(岳)委員 大臣から本当に心強い思いをお伺いできました。まさに、整備局の機能を強化し、そして災害に対応する。

 それとまた、今回、三・一一で非常に教訓として思ったことが、市町村、基礎自治体が前線で非常に頑張られたこと。まさにその市町村の思いや経験、意見というものこそ、今後、災害対策に十分これを役立てていくべきだと思うんですが、この点に関して大臣の御意見をお伺いしたいと思います。

羽田国務大臣 委員御指摘のとおり、災害時における市町村長の経験や意見などを国として十分酌み取り、災害対策に役立てていくことは極めて重要と認識をさせていただいております。

 ふだんから地方整備局及び事務所は、地域の課題や防災業務に関して市町村長と意見交換や課題の共有化を行っており、このような機会を通じて、市町村長の災害時の経験や災害対策の課題等を伺ってきたところであります。また、平素より市町村と連携して、国土交通省の持つ専門性や技術を通じて、災害予防や発災時の対応に取り組んできたところであります。

 今後とも、以上の取り組みを一層強化して、市町村の安全、安心に寄与してまいる所存であります。

坂口(岳)委員 大臣から、とても前向き、そしてまた十分に御理解をされていらっしゃる御答弁をいただきました。

 まさに災害を一番前線で知っている全国市長会から、今回、整備局等の出先機関は国でやはりやってもらいたいという正式な意見が出ているんです。まさに広域で重要な役割を有するような道路、河川等も含めて、やはり命を守るものは、今大臣がおっしゃったような専門知識、実力を有する組織、これをこれからしっかり守っていかなくちゃいかぬ、そういうふうに私は考えます。これは私個人の意見ではなく、全国市町村の意見でもあるということ。

 これに対して、今、地方分権議論の中において、出先機関に関してどのような対応をされているのか、これをお伺いしたいと思います。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 坂口先生全て承知の上で御質問されていると思いますけれども、一応一通りお答えをさせていただきます。

 国の出先機関の原則廃止は、補完性の原則に基づき、住民に身近な行政はできる限り地方自治体が担い、国は国が本来果たすべき役割を重点的に担うという、国と地方の役割分担の考え方に基づき進めているものでございます。

 市町村長の皆さんの中に、地方整備局を初めとする出先機関の原則廃止について慎重な対応を求める意見があるのは、特に災害時の対応について、地域住民の生命と財産を守る立場で御心配をされているものと考えております。

 しかしながら、出先機関の廃止といっても、その機能、組織をなくしてしまうわけではなく、事務権限、人員、財源を丸ごと移管して、出先機関の持つ機能をそのまま広域連合などに引き継ぐとの方針のもとで取り組んでいるものであり、現在国が有している出先機関の機能が実質的に維持されるものであります。

 特に、災害時等の緊急時対応として、実動部隊を引き継ぐ広域連合等と引き続き残る国の出先機関が連携し、大規模災害時等の対応が可能となるよう、緊急災害対策本部等が設置された場合に、国の大臣が広域連合等に対し協力指示を行うことができる仕組みを検討しているところであります。さらに、緊急災害対策本部の設置に至らない場合においても協力要請を行うことができるとした上で、当該要請に応諾義務を課す方向で検討しているものであります。

 こうした措置を講ずるなどして、国の出先機関を広域連合などに移管した場合にも、国民の安心、安全を確保することが十分に可能だと考えております。

 以上でございます。

坂口(岳)委員 今、福田政務官の苦悩にゆがむ顔が、本当に温厚な政務官、心にないようなことも多少おっしゃったのかなと。いや、これは個人的な見解ですので。個人的な思いであります。

 命を守るというのは、私はやはり国の仕事だと思う。外交、防衛と並んで、やはり命を守るものは国が責務を負わなくてはいけない。地方分権という言葉の中で、ある意味国が責任を放棄するような、サボタージュというふうに見られるようなことは絶対にないように、まさに最前線にいる市町村が国でやってもらいたいとはっきり話しておりますので、先ほど大臣おっしゃった、整備局と基礎自治体、市町村が両輪となって進んでいくというものを、また今の現状をさらに強化していく方向に私はやってもらいたいと思うところでございます。

 その中で、もう一つ大事な役割、大事な人たちがいる。それが僕は建設産業だと思うんです。この建設産業が非常に大事なんです。

 というのは、三・一一もそうなんですが、例えば真っ先にバックホーを持っていくのは誰か。これはやはり、地元の建設会社の皆さんが自分の命を顧みないで、きのうもそうです、きのうも我が県においては、地元の某会社のメンバーが夜半過ぎに出かけている。そういう中で、この建設産業、業界というのは命を守る上で非常に大事だと僕は思うんですが、今、非常に建設産業は厳しい状態にあります。

 この厳しい状態にある中、まず一点目に御質問したいんですが、今、全国的な建設業の会社数はどのような推移になっているのか、御質問したいと思います。

内田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生のお尋ねにございましたように、地域の建設企業は、地域社会の維持に不可欠な役割を担っていると私どもも考えております。しかしながら、特に地方圏におきましては、建設投資の急激な減少でございますとか、そういう状況によりまして、企業体力の低下、採算性の低下が見られ、かつ、労働者や機械の確保が必要となる災害対応でございますが、それを担える企業が減少してきていると考えております。

 一例を申し上げますと、地方圏、例えば秋田、富山、鳥取、高知、佐賀等では、最近十年間で中規模以上の建設企業の数が半減いたしました。小規模化が進行しております。山梨県でも三四%減少しているという状況でございます。

 また、全国で見ますと、現在は四十八万業者でございますが、ピーク時、これは平成十一年度末でございますが、六十万業者ございました。全国の数でも二割減少している、かような状況でございます。

 以上でございます。

坂口(岳)委員 今、非常に衝撃的な数字を聞きました。僕の想像以上に減少している。我が県はもっと減少しているような感じがした。半減しているところもあると聞いて、僕は非常にびっくりしました。

 まさにこれは、大震災だけではなくて、通常の台風、この四号もそうです。ことしの夏もまた台風があるかもしれぬ。その中で、やはり地元の建設業を営む会社の皆さん、携わる人たちを、もっと私は国としてもしっかりバックアップをしていただきたいのとともに、どうも、地元に帰っていろいろ話を聞くと、建設業というと何だかイメージ悪いんだと。でも、本来、いざとなったときに命を支えてくれるのが彼らであるので、そういう意味では、彼らの立場、また誇り、そういうものをもっと国としても支えていかなきゃいけないのかなと思います。

 特に災害協定というのも、これも各地域十分にやられていると思うんですけれども、今まで以上に業者がいなくなってしまったら、協定を結ぶ先がいない。例えば僕の地元だって、Aクラス、Bクラスがいる。Aがいなくなって、Bもそろそろいなくなってきたら、もうどこと協定を結んでいいかもわからなくなる。

 そういう意味では、いざというときのために、地域の建設業というのは、やはり僕らは一体となってしっかりと支えていかなければいけないと思います。大臣の思い、所信の中にも、建設産業の経営環境の整備、技能、技術の承継を図る、再生、発展に取り組むと力強いお声があります。まさに地方整備局と建設産業というのは、両輪となって僕ら地域の命を守る最も大事なものだと思います。

 最後に御質問をしたいと思います。

 これは、ぜひ全国の建設業を営む関係者に向かっての大臣の思いもあわせてお伝えしてもらいたいんですけれども、災害対策に万全を期すためにも、首都圏から地域まで、これは首都圏から地域なんです。ですので、全国の建設業者とともに、やはりゼネコンさんもそうだと思う。ゼネコンさんも福島に行って、そして今、マスコミではなかなかゼネコンや土建屋さんの話は取り上げないんですが、その陰で一生懸命頑張っている。そういう意味では、全ての建設業に携わる皆さんをしっかり維持していく必要があると思いますが、大臣の御見解をお伺いさせていただいて、質問を終了させていただきたいと思います。

羽田国務大臣 重要な御指摘をいただいたと感じております。

 建設産業は、社会資本の整備や維持、更新の担い手として、さらには地域の防災という観点からも大変重要な役割を果たしているものと認識をさせていただいております。

 このため、厳しい経営環境の中にあっても、地域に貢献する技術と経営にすぐれた企業が生き残り、成長できるよう、入札契約において、災害協定の締結状況等を評価する取り組みを進めております。また、災害応急対応、除雪、パトロール等の地域維持事業を円滑に実施するため、地域の企業に包括して発注する方式の導入を進めているところであります。

 さらに、建設産業を将来的にも地域を支え得る足腰の強い産業とし、省エネや維持更新時代への対応、大規模災害時の対応など、国土・地域づくりの担い手としての役割を果たせるようにするため、現在、外部有識者で構成される建設産業戦略会議において議論をしていただいているところでございます。

 こうした議論も踏まえながら、子や孫の時代に誇れる国土づくりを進めていくため、その担い手となる建設産業の再生、発展に取り組んでまいります。

坂口(岳)委員 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、望月義夫君。

望月委員 おはようございます。自由民主党の望月義夫でございます。

 大臣におかれましては、新進気鋭の新しい大臣で、我が国の国土交通の仕事をしっかりとやっていただきたい、このようにまず御挨拶をさせていただきたいと思います。

 昨日からきょうにかけまして、台風四号の被害が相当出たようでございます。ぜひひとつ、そのことにつきましては、我々も被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げたいし、国土交通省も、いち早く情報を集めてそれに対処していただきたい、このように思います。

 まず、それに関連いたしまして、災害に強い強靱な国づくりということでございます。

 我が国は、三・一一の震災があり、それに関連して、いつ何どきあの地方にまた災害が起こるかもしれない。それからまた、先ほどお話しのように首都の直下型の地震、三連動。

 私の出身は静岡県の清水でございますから、ちょうど東海地震、これも確率でいくと八十数%らしいというようなことで、これはわかりませんけれども、しかし、東海、東南海、南海地震というようなさまざまな説がございます。場合によったら富士山も噴火するのではないかというような情報も入っておりますけれども、まさに、国民のそういった心配というものは極度に達していると思います。そういう意味で、その対応というものが最優先、私たちの安心な生活、安全な生活をするという意味では、やはりこの防災ということは最優先の課題ではないかな、私はこのように思っております。

 そこで、我々自民党は、国土強靱化基本法を六月四日に提出しているわけでありますけれども、羽田大臣も、我が国においては災害のリスクと向き合っていかざるを得ず、災害に強い、強靱な国土づくりを進めることが重要、このように述べている。我々の理念と大臣の理念は、気持ちは一緒だ、このように私は確信をしたわけであります。

 そういうことになりますと、少なくとも、災害が来たら、もちろん一日も早く復旧する、復興するのは当たり前ですけれども、その前に、事前復興といいますか復旧といいますか、そういうような形でできることをやれば、災害は何分の幾つ、何十分の一、場合によったら何百分の一に縮められることがあるということを考えると、まさにそういう意味では、今、我が国の国土を強靱化するということは全く理にかなった大切なことではないかな、私はこのように思っております。

 人口の減少、巨額な財政赤字、さまざまなことがありますけれども、こういう非常事態において大臣はどのような考え方を持っているのか、お聞きしたいと思いますし、それから、我が党が出した国土強靱化法について、大臣の考えをとりあえずお聞かせいただきたいと思います。

羽田国務大臣 東日本大震災の教訓を生かして、強靱な国土・地域づくりを進め、災害のリスクと向き合いながら、今後起こり得る大規模な災害に備えていくことは重要な課題と認識しております。

 国土交通省としても、首都直下地震等の大規模災害に備えるため、住宅・建築物や公共施設の耐震化向上、そして津波防災地域づくり法等に基づく津波対策の強化、発災時における初動体制の強化や緊急輸送ルートの迅速な復旧のための体制整備など、ハード、ソフト一体となった対策に取り組んでいく考えでございます。

 関係省庁と連携しながら、人の命が第一、そして災害には上限がない、このことを踏まえ、東日本大震災の教訓も踏まえながら、真に必要な社会資本整備を戦略的に進め、災害に強い国土・地域づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 自民党さんの出されております強靱化法案、この理念は一緒じゃないかというお話がございました。私も、理念については同じものがあるというふうに思っております。中身については、まだしっかりと読んでいないものですから、今後、審議等もあるかもしれません、その中でしっかりと読ませていただきたいと思います。

望月委員 そのことで我が党の茂木会長が、五月二十三日に、税と社会保障の一体改革の委員会で野田総理に質問をして、野田総理は、真に命にかかわるところのインフラ整備は集中してやっていかなくてはならない、認識は同じです、そういうことで、まさに民主党もそういう形でいるのかなというようなことがここでわかります。

 実際の政策でも、これから私の後に幾つか質問もありますけれども、八ツ場ダムの問題だとか高速道路や新幹線等々、我々が進めてきた公共事業を民主党の皆さんも、そういった命を守る公共事業の大切さというものをやはり共有しているのではないかな、そういうふうに思います。そうなると、コンクリートから人へという理念は変わったのかな、そういうことなんです。

 もちろん、何をおいても、金よりも車よりも何よりも人の命は大切、これはもう当たり前のことであって、誰が言うことでもないんですけれども、そういうコンクリートから人へということで公共事業等のさまざまな予算が減ってきている。そうやって、民主党政権になってから三割方減っている。これをまた今度は、公共事業にしろ、八ツ場ダムにしても何にしても、やめると言ったのが復活している。そういうようなことを考えると、このコンクリートから人へという理念は変わったんだ、このように思いますし、それからまた、今度は公共事業予算の拡大が今まで以上に必要だと思いますけれども、このことについて大臣はどのような認識でございますか。

羽田国務大臣 コンクリートから人へ。

 コンクリートが悪であるということではなくて、経済状況が厳しい中で、やはり選択と集中、効率化等を図っていくということだというふうに思っております。

 人へということであれば、我々民主党は野党時代から、子供の育ち、これに国が責任を持っていくべきだということで、高校の無償化、また、名前は子ども手当から児童手当に変わりましたけれども、この手当の拡充、そして大学も奨学金制度というのを拡充させていただいております。経済状況によって子供たちの教育の機会が奪われるということがないような、子供の育ちに責任を持つということについては大きく予算をふやしてきた、こういうふうに考えておりまして、この姿勢については、理念については私は堅持しているものと思っております。

 ただ一方、やはり人の命が第一であるということ、そして東日本大震災を初め、これだけ多くの自然災害を抱える日本。先ほども言いましたように、これは日本という国に生まれた宿命でございまして、これにしっかりと対応していく必要があるという意味では、真に必要な社会資本整備はしっかりと進めていきたい、こういうふうに考えております。

 公共事業費がどんとふえるような時代ということではないというふうに思っておりまして、選択と集中という考え方、真に必要な社会資本整備を進めていくという考え方はしっかりと持っていかなければならないと思いますけれども、そこにやはり防災という観点をもう一つ加えていく、全国防災ということを加えていく必要があると私は感じております。

望月委員 要するに、悪く言えば、きれいごとを言えば幾らでも言えるんだけれども、結局、少ない予算でどうするのか。では、このまま、民主党政権になって三割予算が減っているんだから、またこれを減らしていくんですかと私は言いたいんですよ。それがもとにも戻らないのに、では、そういうような防災の観点で何をしましょう、これをやりましょうと言ったってできないし、実際に皆さん、八ツ場ダムだって、それから高速道路だって、新幹線だってやるということにしたんですから、これで予算が、今までのままでできると思っているのかどうなのか。ちっとも整合性が合わない。

 私は、今この話をするつもりはなかったんだけれども、何か全然言っていることの整合性が合わないような気がするものですから、もう一度ちょっと、簡単でいいですから、そこだけ話してください。

羽田国務大臣 公共事業費については自公政権のころから、平成十年ぐらいからですか、徐々に少なくなってきた、こういうふうに思っております。

 また、政権交代後、マニフェストには四年間で一・三兆円ほどということだったんですが、政権交代して初代の国土交通大臣である前原大臣、気合いを入れたというか、一気にその目標額を減らしたということでありますが、その後ずっと減ってきているということではない、こういうふうに思っております。

 今回の平成二十四年度の予算も、減ったというふうに言われておりますけれども、いろいろな、一括交付金等を含めて、防災等も含めた額はふえておりまして、実際の公共事業に対する額というのは二十三年度よりも二十四年度、一〇二%になっているということでふえている、こういうふうに私は思っております。

望月委員 一括交付金については、今大臣からそのような問題が出ましたので、また改めて。

 でも、一括交付金が何に使われるか、もう一回よく検証した方がいいと思いますよ。金のないところに金が来たら、それは福祉とか、そういうのに使いたい人たちはどんどんそういうのに使っていく。地域の整備という形の中で出しているものならともかく、一括交付金だと、一体何に使われているかわからない。そういう中で、逆に、人の命を守る公共工事といいますか、そういうコンクリートがないがしろに……。

 それは、私たちの港も道路も、その道路が混雑していたら救急車が行かれない。ですから道路はつくらなきゃならない。それは過疎だからだめだということじゃなくて、税金を払っているから、みんな、そういうことを守っていただきたいというような権利を持っているわけなんですよ。でも、限られた予算ですから、全てやれとは言えませんけれども、少なくとも前年よりそういったものをしっかりと手当てをしなければ、一括交付金が行っているからまあ大丈夫だろうなんて思うようではとてもしようがない、私はこんなふうに思います。

 この問題をやっているとすぐ四十分たっちゃうから、一応、この話はこれぐらいにさせていただきます。

 災害ということで、今、これで災害から一年三カ月たちました。この中で被災地の状況は、さまざまな報道だとか、我々も行って聞いてみて、小さな市町村になると、そういうようなノウハウだとかマンパワーとかいうものは、若い人たちも出たらなかなか戻ってこない。それから、もう出ていこうかというような状況の中で、町の移転の問題とかさまざまなことも、それを取り仕切るような人がいない。

 そういうようなことを考えると、やはり新しいまちづくりというものを円滑に進めていくためには、今まで以上に国の人的な支援だとか、さまざまな情報だとか、技術的な支援が必要になっていくのではないかなというふうに私は思います。

 ただ、被災地の復旧復興の事業に関して、公共事業の縮減という形の中で、先ほども話がございましたが、地元の技術者がいない。それからまた、予定価格と実勢価格とが完全にかけ離れていってしまっているというような形の中で、入札不調が非常に増加して、どうも事業がなかなか前に進んでいないんじゃないか。

 我々も、例えば東海だとか、ほかの地域の皆さんのそういった建設に携わる人から、応援に行ってあげたいんだけれども、地元の業者以外は入札に参加してはいけないとかさまざま、まあ、こういうときは別で、実は、そうやって応援に行きたいんだけれども、いろいろさまざま配慮したかもしれないんですけれども、やる人がいなくて不調になっちゃっている。そういうようなことで事業が非常におくれてしまっているというような話も聞きます。

 それからまた、鉄道の復旧なんかにいたしましても、BRTとかいうような問題で、非常に安い金で、軌道敷とか使わないでもできるような形のものがいろいろ研究されて、出していただいている。ところが、JR山田線だとか大船渡線、気仙沼線、JR東日本からバス・ラピッド・トランジットというようなものが提案されても、自治体と議論が生じて、どうもすれ違いがあって、なかなか実際には前に進んでいない。これでどんどんおくれていったら、復旧復興もままならないのではないかなというようなことがあるんですけれども、そのことについてはいかがですか。

羽田国務大臣 今のお話、BRT等のお話も出ました。

 私も、日曜日に被災地を回らせていただきまして、BRTの現場を見させていただきましたけれども、あのシステムは、安価でもありながら、早く整備ができる。やはり鉄道をもう一回再構築するということになると長時間かかってしまうということもあり、既に学生が通学に支障が出ているというお話なども伺っておりまして、まずはBRTで復旧復興をしていくことが大切なのではないか。そして、これは、いざ日常の災害がまた起こったときには、軌道を外れて一般道も走れるというような利点もございます。

 私は、防災の観点からも、BRTというのは一度使っていただいて、検証していただく必要があるのかなというふうに考えておりまして、これが成功すると、全国で災害に強い公共交通機関という位置づけになるのではないか。

 そして、今回伺ったときに指示いたしましたのは、鉄道に思い入れのある方もたくさんいらっしゃるという中で、地域住民の皆様になかなか御理解をいただけない部分もあるというようなお話も伺いました。一番利用しているのは実は高校生でございまして、通学に利用しているということなので、私は、高校生にぜひ話を聞いたらどうだというようなことも指示を出させていただいたところでございます。

望月委員 次に移りますが、ちょっと時間がないので、幾つか一緒に包括して質問させていただきたいと思います。

 社会資本整備についてでありますけれども、今回の震災と、私のちょっとした地元の経験を言わせていただきます。

 今回、くしの歯作戦といいますか、縦軸ではなくて横軸の道路というのが非常に役に立った。そういうようなこと等いろいろ考えますと、実は、私が一期生で初めて予算委員会で質問したのは今から十五、六年前なんですけれども、そのときに、私たちのところの清水に由比という町がありまして、あそこの地すべりの問題をやったんですけれども、どこの田舎の、どういう地すべりなんだというようなやじもありました。ところが、実はあそこは、東名とバイパスとJRとが本当に狭隘な地域にあって、それがざらっと崩れるとどうなるかといったら、もう日本の運輸の関係のものが全てとまってしまう。

 これを何とかしなきゃいけないといって、それから十年かけて、そういうことを何回も何回も繰り返し話をして事業が始まりまして、まだ、今まさにそれが進んでいる最中だ。本当に、こういったものについては相当な期間がかかる。こういうことになると、やはり目標年次とか目標の量というものをしっかりと決めていかなくてはならないのではないかなというふうに我々は思います。

 ですから、社会資本整備重点計画が平成十五年に作成されたんですけれども、港湾だとか道路だとか、さまざまな分野別計画がこれで一本化されてしまった、そういうことがあるんです。それで、今回、平成二十四年度を初年度とする新たな重点計画が、パブリックコメントが今実施されて、夏ごろ閣議決定される。ですから、皆さん、相当その問題についてはやっていると思うんですけれども、こういうことを考えますと、私は、今度の重点計画の理念というものを考えると、どれくらい、いつまでにやるのかというような数字を出さなければ、絵に描いたぼた餅のような、計画だけ発表してというような形になってしまう。これはやはり、そういうものを今回は打ち出すというようなことを持っているかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。

中島政府参考人 社会資本整備重点計画になります以前は、委員が今おっしゃったように部門別の五カ年計画であります。さまざまな目標とともに、五年間の投資額を明示するという方法をとっておりましたけれども、今の社会資本整備重点計画になりましてからはそういう方法をとらずに、各政策目標を立てて、その政策目標を体現するような数値の目標、アウトカムといいますか、成果目標を中心に、あるいはそれを補完するような数値目標を中心に立てていこうという方針でございます。

 今回の見直しに当たりましては、必ずしもアウトカムがわかりやすい場合ばかりでもないという点を踏まえまして、インプットといいますか、幾らつくるのかというような点も加味しながら、工夫して、今議論しているところでございます。

望月委員 そこら辺の目標年次をしっかり出すということはやはり大切なことです。それがずれるということは、もちろん経済上さまざまなことがありますけれども、そういったものをしっかり打ち出して、国民の安心をかち得るというような信頼の政治をやっていただきたいな、このように思います。

 それから、港のことなんですけれども、今回、港はやはり災害の復旧には非常に役に立った、さまざまな港が大切だということであります。

 港で一つだけお聞きしたいのは、我が国の港というのは、結局、今、釜山だとかシンガポールとかさまざまな、非常に大きな規模というもので国際競争していくということでありまして、日本もスーパー中枢港湾構想というのがありました。

 でも、日本で幾ら大きな港をつくるといっても、そこの十分の一、二十分の一で、とてもそれにかなわないんです。でも、どういうわけかスーパー中枢港湾、スーパー中枢港湾、我が国の二つか三つの港をそれに匹敵するような港にするんだといったって、もう規模だとかさまざま無理なんです。ですから我々は、そういう意味では、ソフトの関係とかそういうもので闘っていく。

 それから、日本は小さい国ですから、さまざまな港、国際拠点港湾というんですか、昔の重要港湾ですか、そういう意味では、今、こういう港全てが力を合わせて、それぞれの地域の独自性を出して、日本全体でそれに立ち向かっていかなくてはならないのに、スーパー中枢港湾に金を投入することによって、ほかの大切な港がみんなどんどん下がっていってしまう。

 我田引水かもしれないけれども、これはもちろん国際拠点港湾の我々の清水においても、あるいは仙台においても、福岡においても、さまざまな地域の特性があって、さまざま大きな港と、東京だとか神戸だとかと力を合わせて外国と闘っているのに、こういうような、同じパイの中で大きなところだけ力を入れて、あとはどうでもいいなんということになったら、何のために東名をつくったり、名神をつくったり、中部横断道をつくったりというような形の中で進めているのか。トータル的に日本がそういうもので世界に勝つんだというようなことなのに、大臣は、そこについてはどういうふうにお考えですか。

吉田(お)副大臣 今委員の御指摘にございましたけれども、まずは、釜山、上海それからシンガポールとの対応という形で二つの港をと。

 今お話ございましたように、だからそれ以外の港の予算を減らして、国際拠点港、バルク港湾というふうな指定はしたけれども対応しないということではございません。だからこそ、かえってそれぞれの港の特質、特性に特化したもの、先生の御地元の清水におきましてはコンテナ埠頭、日本でも有数なコンテナ、そこのところに特化したようなお金の使い方をしようじゃないかという形で、今言われましたように、国際的な闘い、そして国内としてしっかりと闘えるということ、それぞれ合わさったことによって、しっかりと日本全体としてできるようにということでございます。

 財政が厳しい中でございますので、今委員御指摘のございましたように、選択と集中という部分、特化してさせていただくということで今対応しているところでございます。

 以上でございます。

望月委員 若干ちょっと違うと思うんですけれども、私らのところも予算がつくようでございますので、この質問は、とりあえずきょうはこれぐらいにさせていただきたいと思います。

 次に、これはちょっと派生したことなんですが、先ほどコンクリートから人へということで、民主党政権は大分、新名神の凍結解除、四車線化とかさまざまなことを開始していただいて、私は、これは変わったことが悪いじゃなくて、変えなくてはいけないことが変わってきたので、了とするものであります。

 しかし、この問題について、ちょっとこれはわからないんですけれども、民主党政権になってから、事業の責任分担が曖昧となるから合併施行方式は見直すとして、平成二十二年四月に、会社施行方式というような形で方針を発表しました。それで一旦白紙に戻ってしまったんですが、結局また合併施行方式で、自公政権で決定した当初の計画どおりになったんですけれども、何か高速道路の考え方というのがころころ変わって、ちっともよくわからない。

 このことについて、大臣はこれをどういうふうに思っているのか。自公政権でやったときのものがよかったからこうしたんですよと言っていただければ簡単なんですけれども、一体どうして、民主党政権になって一回我々のものを白紙に戻して、また新たに我々がやったものを今度始めるということにしたのか。この経緯というものがちょっとわからないんですけれども、そのことをお伺いしたいと思います。

 それから、その間、二年近くも三年近くも、これで事業が少なかったり、新たなそういう方式を役人の皆さんがそれぞれ一生懸命、じゃあというような形でやって、またもとへ戻るということは、二年三年、時間と金を本当に無駄にしてしまったのではないかな。それから進捗状況も、これでおくれてしまった。

 こういうものについて、大臣、今の大臣がじゃなくて、今までのことについて、そういう反省も踏まえて、これからどうしていくのかということを一言でいいですからお話しください。

羽田国務大臣 従来のいわゆる合併施行方式は有料道路事業と公共事業の責任分担が曖昧であったことから、高速道路のあり方検討有識者委員会の中間取りまとめを踏まえて、ジャンクション周辺などの工事を有料道路事業、その他を直轄事業とすることを基本として、責任分担を明確化した上で事業を実施することにさせていただいた、こういうことでございます。

望月委員 何かちょっと、そこら辺がよくわかっていらっしゃらないのかなと思います。またこれは改めて質問させていただきますが、こういうことがありますから、やはり時間と金をこういうようなときに無駄にしないようにということで、真摯な気持ちでそういうものを扱っていただきたいと思います。

 それから、高速道路五社の社長交代について、私、この間、読売新聞で見たんですけれども、六社のうち五社で社長が今度一気にかわる、それも一期二年ぐらいでかわる。それは半年でかわろうと一年でかわろうといいんですよ、いいんだけれども、かわっている理由が何かよくわからないんですよね。なぜ今回交代させるのか。社長の人事の交代というのはやはり道路行政に非常に大きな影響がありますので、何か不祥事を起こしたのだったら、こういう不祥事があってこの人は首にしました、これなら結構です。それがあれば教えていただきたいと思うんです。

 それともう一つ、このプロセスなんですけれども、読売新聞の二十四年六月六日付で、社長人事は、国交省の政務三役を中心に政治主導で進められた、それから、五月十一日に東日本、首都、阪神高速の三社のトップを呼び、再任しないと通告したのは副大臣だとも報じられているけれども、これは事実なのかどうなのか。

 こういうことで、私は、理由があればいいんですよ。ただ、この間、羽田大臣が記者会見しているのは、抜本的な高速道路の見直し、それから災害とか民間ノウハウとかといろいろ言って、要するに、課題等に適切に対応できるよう、ふさわしい方にお願いすることとした結果だということなんですよね。ところがまた、その記者会見で、これは経営の問題ではないと。経営が悪いからかえたんだというのだが、経営の問題ではないといったら、じゃ何でこの人をかえたんだか、言っていることがちぐはぐで、ちっとも、まあこれは新聞記事の問題だから私はわかりません。

 それから、新東名問題などで業績を上げたと。経営問題で悪いと首にしたならともかく、業績を上げたと言っておいて首にしたというのか、やめさせたというのは、何かそこら辺の意味が曖昧で、詳しい説明を避けているのか。こういうのは好き嫌いでやるんだったら、政務三役だとか副大臣がそういうことで呼び出して、おまえは首だなんて言ったとか言わないとかわからないけれども、こういうことをやったら、民営化の理念、民営化をやって、国ではそういうのは関与しないで、あなた方が一生懸命やって、いい知恵を出してやってくださいと言っているのに、一体、政治主導というのはこういう介入なのかどうなのか。これについてちょっとお聞きしたいと思います。

羽田国務大臣 その当時の各社の社長さんにおかれては、民間の視点に立った経営を進められたというふうに思っております。計画を上回る早期の供用、また、新規路線における費用の縮減、サービスエリアにおけるサービス水準の向上等の成果を上げられるなど、これまでよくやっていただいたということでありますけれども、任期満了を機に、会社には、高速道路のあり方の抜本的な見直し、より一層の民間資金、民間ノウハウの活用、災害への備えといった課題にしっかりと適切に対応できるよう、ふさわしい方々に社長をお願いしたところでございまして、結果、一、二年で退任をお願いする方が出た、こういうことでございます。

望月委員 結果、退任することがと。でも、業績も上げたというような人たち、それは、一人かわったとか二人かわっているのはわかるんですけれども、一期二年ぐらいで、六社のうち五社の社長をかえた。そこら辺のことは、やはり国民は見ていますから、さまざま働いている人たちも見ているから、ここら辺については慎重に、これがどうのということはないけれども、おまえ首だなんというようなことじゃなくてオープンに、ぜひひとつ誰が見ても間違いはなかったんだというようなやり方でやっていただきたい。きょうはこれぐらいにさせていただきます。

 それから、この間のバスの事故は本当に痛ましい事故で、我々自民党は、この間、官房長官のところにいち早く申し入れをいたしました。委員会もあの当時開かれなかったものですから、我が党としても、しっかり取りまとめをして出しました。民主党の皆さんも何かやっているらしいという話を聞いております。ぜひひとつしっかりまとめていただいて、そして、この抜本的な改正をしていかなくてはならないのではないかなと思います。

 ただ、この中で、たくさんあるんですけれども、一言だけ。

 監査体制のことで我が党の平沢議員が質問した際、監査要員が三百二十名ぐらいいて、早急に監査体制を全部やります、そういうことだったんです。でも、よく考えてみると、バスもそうですけれども、トラック、タクシー、みんな合わせますと十万件以上あるんですよ。三百二十名で何年かかるかわからない。なおざりに書類を見ればいいというものじゃない。

 だから、これは強化していただきたいのと同時に、これは、トラック業界で法制化されている、事業者みずからでこういった問題をやらせようというようなことなんですけれども、トラック業界でやったことがうまくいっているのかどうなのか。予算が幾らかかって、どれくらいのことをやっているのか、そういう検証をしたのかどうなのか。十万件以上あるものを、どれくらいの期間でチェックできるのか。それについて、今、あれから大体どれくらいやって、今後三カ月とか五カ月とか一年以内にはどれぐらいのことをやりたいですよでも結構ですから、その目標について教えていただきたいと思います。

奥田副大臣 今の、監査に入る全体のサイクルというものは自動車局長の方から計画としてお話ししていただきます。

 私どもとしても、重大な事故ですので、六月十一日に、十項目の緊急対策を政務が参加しての会議の中で発表させていただきました。そして、安全対策、まだ今、九項目が残った項目として挙げられております。そういったものをしっかりと、検討会を設ける中で具体策にしていこうと、中期的な対策ということで取り組ませていただいているところであります。

 もちろん今の監査体制というものも、引き継がれる重点項目ということに入っておりますので、またしっかりとその対策を打ち出していきたい。個々の提案というものはもう既に出ておりますけれども、事業者やあるいは安全関係の皆さん方が入っての意見の集約として打ち出していきたいと考えております。

中田政府参考人 ただいまの副大臣の御答弁にちょっと補足させていただきます。

 今、望月先生御指摘のように、監査体制の強化についてはいろいろな工夫があると思ってございます。民間の適正化機関のようなアイデアもございまして、そういうことにつきまして、これを取り入れて抜本的な見直しをするということを決定してございます。

 監査体制の充実につきましては、これから専門家の会合も立ち上げまして、早急に実効性のある対策になるように詰めてまいりたいと考えてございます。

望月委員 時間がございませんから、次に、日本航空の経営問題と、我が国におけるLCCの問題をちょっと聞きたいんです。

 私たち自民党でさまざまな会合をやっていまして、航空問題の特別のプロジェクト、努力して皆さんやっているんですけれども、大体出るのは、日本航空はよく再建をして頑張ったなという意見。でも、それだけじゃないんですよね。おかしいな、株券を持っている人は紙っぺらになって、銀行とかさまざまなところには債権放棄をさせて、もちろん人員整理とかいろいろなことをやって努力したけれども、これだけもうかっていて、今後どうなるのか。これから九年間も法人税も払わない、それから、企業再生機構から公的資金の支援を受けたところが、同様に会社更生法手続とダブルでやって、どんどんこれから利益がたまっていく。

 我々はあのとき、日本航空を潰してしまえばいいじゃないかという話もあったんですけれども、我が国は二つ以上航空会社があって競争していくのが好ましいということで、これは助けなきゃいけないということで税金だとかさまざまなものを使ったはずなんです。ところが、このままいったら、多分それが終わるころには、もしかしたら三、四年後には全日空を買収してしまうぐらいの力がついちゃって、こんなことがあるのかと。真面目にやっているところが困難で、そうでない、一回潰れて迷惑をかけたところが、不採算路線とかそういうのも切り捨てて、このままだと。そういうものについて国土交通省はどういうふうに考えているのか、その点だけお聞きをしたいと思います。

 それからもう一つ、LCCなんですけれども、これは今さまざま、LCCは便利で安くていいというようなことがございます。先ほどのバスのことと同じで、今、価格では、航空キャンペーン価格では片道五円とか一円という運賃まで出ていますけれども、本当にこんなことで安心、安全が、バスももちろんそうです、トラックもそうかもしれないけれども、飛行機はもう、一旦事故でも起きたら何百人の人が一瞬にして亡くなるんですよ。こういうような五円だ、一円だなんということで、これについてどういうふうに思っているのか。

 我が国は、割合、安いと消費者のためにいいと言うけれども、諸外国では不当廉売といって、安いのは一番悪い。これはあらゆるところで泣く人が出てき、それからまた、事故とかそういうことが起きる。だから、こういうものについて、安かろう危なかろうではいけないと思うんですけれども、こういう諸外国と比較して、日本の国の今後のあり方。

 それから、LCCを見ると、ほかの国では何割方、まあ半分以上の会社が潰れて、今残っているのはほんの一部だというようなことがあります。こういうような不当に廉価な競争をした場合にはろくなことが起きないじゃないかということで、それについて、安ければ安いほどいいんだけれども、その結果としてどうなるかということが今のバスと同じように見えてきますから、国交省はこれについてどういうふうに思うか、教えていただきたいと思います。

吉田(お)副大臣 航空業界のビジョンについてでございますけれども、我が国におきましては、本邦航空会社同士が切磋琢磨し、健全な競争が行われることが、運賃、サービスの改善を通じて消費者の利益につながり、重要であるというふうに考えております。

 日本航空におきましても、更生計画に従い、着実な再生が図られ、全日空においても、平成二十三年度決算において過去最高益を計上しているということでございます。この二社が切磋琢磨している状況と認識をしているところでございます。

 国土交通省といたしましても、我が国航空業界における公正な競争環境の確保について、今後とも常に監視をしてまいりたいと存じております。

 そして二点目の、LCCの参入のお話でございますが、参入は、訪日旅客の増大、国内観光の拡大等、新たな需要を創出するものというふうなことが期待をされております。

 さはさりながら、今委員御指摘のとおり、安全というものがやはり最大の大前提となるものでございます。ですから、安全については、私どもは、技術規制のあり方等を見直し、LCCに対する支援は引き続き行ってまいりますけれども、しっかりと、この大前提を崩すことがないようにと。

 結果として、その大前提によって市場から出ていかざるを得ないような業者が出てくるということは、これは先ほどのバスの業界とも同じことではないかなと思っております。

 以上でございます。

望月委員 時間が来たのでこれで終わらせていただきますが、今回は非常に時間がなかったものですから一通りのことで、また、今後このことについては……。

 それから、きょう説明員で来ていただいた皆様方、まだほかにやることが幾つかあったんですけれども、大変申しわけない、この次はもう少ししっかりとやらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

伴野委員長 次に、佐田玄一郎君。

佐田委員 自由民主党の佐田玄一郎でございます。

 きょうは、大臣がころころかわるのでありますけれども、その中で、八ツ場ダムにつきまして毎回質問をさせていただいておりますけれども、あえてまた質問をさせていただきます。

 実は、私はその推進議員連盟の、一都五県と一緒になった会の会長をやらせていただいております。そしてまた、小渕優子委員はその中の事務局長をやっていただいている、こういう関係があるわけでございます。

 今申し上げましたように、大臣がころころかわる。最初に前原大臣が、二〇〇九年になられて、中止の決定をされた。マニフェストにあるから決定をした、こういうことで始まったわけでありますけれども、その後に馬淵大臣が、中止を前提とせずということになりました。非常に一喜一憂しながら、地元の方々は大変不安に、そして苦しんでおるわけであります。自分たちの生活設計やら、そして昔からのいろいろな約束事につきましても、本当に大変な状況が今続いております。

 ダム湖を中心とした生活再建を希望している地元の方々から考えると、ダム湖がなければ、その湖水の周りにレストランであるとか、住居であるとか、そしてまた公共施設であるとか、こういうものが全部無駄になってしまう。こういうふうな状況でありまして、ぜひ大臣には御視察をしていただきたいですし、どういう現状であるかということを御理解いただきたいと思います。

 非常に不安に感じております。自分の財産全てをなげうって生活再建、自分の将来に向けての生活をつくろうと大変な努力をしているということをぜひ御理解いただきたいですし、それは自分だけの代ではなくて、まさに、自分の父親、母親、そしてまた祖父、祖母の代に至るまで、長く四十年にわたる苦しみがあったということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 その根底にあるのは、昭和二十二年にキャサリン台風というのが群馬県を襲いました。これによって、一都五県の方々の貴重な生命財産、千人以上の方々がお亡くなりになったという事実があるわけでありまして、現在も、治水、利水においては非常に危険な部分もあるわけであります。そういうことを鑑みて、ぜひとも大臣には御理解をいただきたいと思います。

 先般の記事を見ましたら、大臣が発言をされておるわけでありますけれども、前田大臣の継続的な形で進めていきたいというふうにお話を聞いておりますけれども、八ツ場ダムについての大臣の御所見をまずお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

羽田国務大臣 八ツ場ダムについては、平成二十二年九月に検証を開始し、予断を持たずに行うという基本姿勢のもとで、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議の中間取りまとめに沿って、透明性を確保しながら、一年余りの期間をかけて検証に係る検討を行ってまいりました。

 その結果に対する当有識者会議の御意見を聞いた上で、利根川流域の持つ高い災害リスク、八ツ場ダムの即効性と効果の大きさ、一都五県知事の御意見等を考慮して、昨年十二月に、前田前大臣が対応方針を事業継続と決定したものでございます。

 利根川の河川整備計画については、このような経緯を十分に踏まえるとともに、河川法に定められた必要な手続を経て策定していくことになっておりまして、このことはしっかりと前大臣から引き継がせていただいているところでございます。

佐田委員 大臣、細かいことになるかもしれませんけれども、非常に論点のあるところがありますので、大臣にぜひ御理解いただきたいんです。

 今、有識者会議とありましたけれども、この有識者会議というのは、本来であれば、要するに、前原大臣が中止と言ったことは基本的には特ダム法違反なんですね。どういうことかというと、基本計画ができているダムを中止するということになりますと、これは当然のことながら、利水者であるとか関係地方自治体の議会、そして知事の了解を得なくてはいけない。それを全く得ないでやったということは法律違反、特ダム法違反であるということを、まず、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

 そして、それにのっとって我々も議論しました。そして前原大臣は、今言われました有識者会議をつくる、そういうことで御自分の考えのもとに有識者会議をつくりました。その中におきまして、一年をかけて中間取りまとめができたわけであります。

 この中間取りまとめというのは、基本的には、ダムの一番大事なことはコストだ、こういうふうに書かれています。今度ゆっくり読んでいただければわかると思います。それと環境、あと実現性、こういうことが書かれているんです。これは学者の方々が、要するに、前原大臣が選んだ学者がその有識者会議をつくって、そして中間取りまとめをつくりました。

 それにのっとって関東地方整備局が、その中間まとめに沿って、関係地方自治体の方々と八回の会議を、検討の場というものをつくりまして、その中でいろいろなことを議論させていただきました。河道掘削がいいのか。できるだけコストを少なくして、例えば遊水地をつくった方がいいのか。または地下水を掘った方がいいのか。いろいろな議論がなされました。

 それと同時に、昭和二十二年のキャサリン台風のときのああいう悲劇が起きないように、一番の流量に対する対策を練らなくてはいけないということで、その中で工事実施基本計画というのをつくったわけです。それによりますと、あらゆる計算を試みても、伊勢崎市というのが群馬県にあるんですけれども、伊勢崎市に八斗島というところがある、これが基準点でありまして、ここに二万二千立米の流量が毎秒来た、こういう計算になっておるんです。

 中には、今このダムを反対している方々は、そんなに流量はなかったと言われていますけれども、この八回の検討の場で、日本学術会議、そしてまた学識経験者の方々が数度にわたりこれを計算しましたけれども、全てが二万二千立米前後でありました。したがって、その有効性がまさに証明された。

 その後に、またこれを関東地整から本省に上げた。本省に上げて、本省ではその結果を、結果というのはやはり八ツ場ダムは必要だという結果でありますけれども、これを有識者会議にまた付した。有識者会議では、自分たちが出した中間報告に沿ってちゃんと関東地方整備局がやったかどうかをその中で確認をして、オーケーとなったものですから、それを前田大臣の方に付したわけであります。

 前田大臣は、それを受けて、「八ツ場ダム事業継続は妥当との確認を受けたことを前提にして、担当大臣として、熟慮を重ねた結果、事業の継続との判断をいたしました。」こういうふうに言っておるわけであります。つまり、これは、八ツ場ダムというのは前田大臣のときに必要というふうになったということ。

 もう一つ大事なことは、平成九年に河川法の改正が行われているんです。これは、先ほど申し上げました工事実施基本計画から、これをもっと細密にやろうということで、河川整備基本方針、これは大枠の方針であります。もう一つは河川整備計画でありますけれども、これはもう少し各論に触れたような整備計画を立てていく、こういうことなのであります。

 大臣、大臣も記者会見で言われておるのでありますけれども、前田大臣の路線でいくということでありますけれども、その中に、生活再建法と河川整備計画の二点を踏まえ、本体工事についての判断を行う、こういうふうに申されておるわけでありますけれども、これは間違いないですね。

羽田国務大臣 はい。間違いございません。

佐田委員 ということは、前大臣の前田大臣も申し上げたということでありまして、そしてまた、いわゆる官房長官裁定ということで、生活再建法の提出と河川整備計画、この二つがあるわけでありますけれども、生活再建法はもう既に提出されております。まだ審議していませんけれども、提出されている。

 それと、もう一つの河川整備計画でありますけれども、当然のことながら、そうなりますと河川整備計画の中に八ツ場ダムは入ってくるということになりますよね。大臣、どうですか。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 河川整備計画につきましては、現在、この策定に向けてパブリックコメントを行い、進めているところでございます。

 先ほど大臣の方から答弁をされましたけれども、八ツ場ダムにつきましては、前田前大臣のときに対応方針を事業継続と決定し、こういった経緯を踏まえまして、今後、整備計画を河川法の手続にのっとって策定していくこととしているところでございます。

佐田委員 大臣、決して細かいことをほじくり出すように聞いているわけじゃないので、大臣は、八ツ場ダムに対しては非常に好感を持っていただいておりますから、別に突っ込んだことをしつこく聞くつもりはありません。

 ぜひ御理解いただきたいのは、お答えいただかなくても結構ですけれども、この河川整備計画はどういうことかというと、二万二千立米と先ほども申し上げましたけれども、河川整備基本方針ではそれを、八斗島から下の方は一万六千五百立米を担当して、五千五百立米については上の、ダムであるとか、八斗島よりも山の方、私の方の、群馬県の方で処理をするということになっているんです。今、その中に利根郡であるとか東毛の方のいろいろなダムがあります。藤原ダムであるとか草木ダムであるとか、そういうダムはあるんですけれども、多分、これはまだ千五百ぐらいだと思うんです。ということは、まだ四千ぐらい残っている。

 八ツ場ダムというのは、治水、利水に非常にたけておりまして、そういう意味においては、千立米ぐらいの規模を持ったダムなんです。しかも、群馬県を四つに分けたときに、四分の三はダムがあって治水、利水もできるんですけれども、四分の一、小渕優子さんの選挙区の方なんですけれども、吾妻には治水、利水のためのダムが一つもないという現状がある。つまり、言いかえるならば、そこに集中的に雨が降ったときは大変なことになってしまう、こういうことであります。

 しかも、このダムの有用性は、今、電気の問題、自然エネルギーの問題が取り沙汰されておりますけれども、大きな水力発電もやる。それともう一つは、治水、利水の中で、大臣とうちの県の間に浅間山があるでしょう。あれが昔、数百年前に噴火したときに、群馬県に来ました。それも大変な状況であったわけでありますけれども、そういう治水の効果もあるということでありますから、ぜひこれも御理解をいただきたいと思います。

 話していると時間がもうなくなってまいりましたけれども、大臣は、今年度中に本体工事に移れる努力をしたいというふうに新聞で言っておるんですけれども、これは事実ですか。

羽田国務大臣 本年度中にというよりは、八ツ場ダム本体工事については、対応方針の決定に先立ちお受けした官房長官裁定を踏まえて、利根川の河川整備計画の策定を早急に進める中で、その対応状況を考慮して、担務の大臣として適切に対処する、こういうことでございます。

佐田委員 ですから、大臣、官房長官裁定、つまり法律はもう提出されておる、河川整備計画というのは今言ったとおりでありますから、この中に八ツ場ダムが入るのは当然なわけですよ、はっきり言って。これをやらないわけにいかないわけですから、そういうことをぜひ御理解をいただいて、これはやったとしても全く問題はないんです、工事実施基本計画の中に入っているわけですから。問題はないわけですから、ぜひ大臣の裁断でやっていただきたい。

 それをやらないと、大臣、基本計画というのがあって、二〇一五年までにその基本計画で八ツ場を完成することになっているけれども、ことしの予算は、生活再建が百七億円、そしてまた本体工事の準備の予算が十八億円、これではとてもじゃないけれども二〇一五年には完成しないわけですよ。そうすると、その手続が進まないことになると、またこれが違法になる、こういうことであります。

 地元の人たちは、大臣、今本当に不安がっています。大臣は、今度、継続してやるということで、大変安心して、大臣に対して地元の方々は好感を持っています。何とかお願いしたいということで今言っておるわけでありまして、今までの歴代の大臣も、就任するとすぐに視察に行かれました。視察に行っていただければよくわかりますので、そして、大臣に対しても大変好感を持っていますので、今までの苦しみ、これからどうしたいのかということを、ぜひ大臣の心と耳で聞いていただきたい。

 そういう状況の中で、大臣、いつごろ行けるか、どういうお考えを持っているか、ちょっとお聞きしたいんです。

羽田国務大臣 先般も、就任してすぐに被災地の方にも行ってまいりました。現場主義でいきたいということを国交省職員の皆さんにもお伝えをさせていただいております。

 そういう意味では、八ツ場ダムについても、現地の状況を適切に把握することが必要であるというふうに私も考えております。地元の群馬県知事や長野原町の町長等の御意見をお伺いしながら、現地訪問について検討していきたいというふうに考えております。

佐田委員 もう時間がないんですけれども、ぜひ視察するときに見ていただきたいのは、生活再建という考え方がありますけれども、ダムがなければ生活再建はできないんですよ。見ていただくとわかりますけれども、ダム湖を前提とした生活再建でないと何の意味もないということ、幾らお金を投下しても意味がないということをぜひ御理解いただきたいということで、ちょっとしつこいんですけれども、今月はかなり忙しいと思いますけれども、来月早々ぐらいには行けませんでしょうか。

羽田国務大臣 この視察については、既に指示は出しておりますので、しっかりと、相手方もあるものですから、受け入れ態勢もございますので、そのことも含めて、なるべく早く行けたらいいなというふうには考えております。

佐田委員 長野原町の町長さんも東吾妻町の町長さんも、いつ来ても大臣を温かく、いつでもお迎えするような態勢になっています。住民の方々も、大臣が来るということになれば、全てを調整してでも必ず来ますから、あとは大臣の判断です。

 ぜひ大臣、早急に行きますということを一言言ってください、もう一度。

羽田国務大臣 もう指示は出しておりますので、相手との調整に入っているというふうに私は理解しております。

佐田委員 できるだけ早く、早く、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、稲津久君。

稲津委員 公明党の稲津久でございます。

 通告に従いまして、以下、順次質問をさせていただきます。

 きょうは、特に高速道路それから一般国道等々、道路関係のことに特化して伺いたいと思っているんですけれども、その前に一つだけ伺いたいのは、さきの予算委員会でも、質問通告しましてぜひお伺いしたいと思ったんだが、時間がなくて質問できませんでした。小水力発電についてお伺いしたいと思うんです。

 御案内のとおり、特に農村地域において、千キロワット以下の小規模な水力発電が非常に近ごろ注目を浴びておりまして、エネルギーの地産地消になるということでさまざまな御意見もいただいておりますけれども、そういう意味で注目が集まっています。これは河川とか砂防ダムとかいろいろあるんですけれども、特に農業用水路において、これは設置可能な地点が全国に多数存在するということから、当然、これらの有効活用についての期待が非常に大きいものがあります。

 ただ、しかしながら、これらのことについては、いわゆる河川法の許可手続に関して、農業用水路における通常発電を従属発電並みの手続にぜひ簡素化してはどうか、そのことによってさらに小水力発電の供給が高まるということもあります。

 そこで、この水利権の弾力的運用について、ぜひ大臣にお伺いしたいと思います。

羽田国務大臣 再生エネルギーの普及拡大を図る上で、小水力発電の導入を促進することは非常に重要であると認識をさせていただいております。

 このうち、河川から取水した農業用水のみを活用する小水力発電については、許可手続の簡素化など、これまでもさまざまな取り組みを進めてきており、今後は、許可制度にかえて、新たに登録制を導入することを検討しております。

 また、このような小水力発電について、冬場の取水量を増加しようとする場合には、下流の利水者の取水や河川環境に新たな影響を与える可能性があり、調整が必要となるため、通常の水力発電と同様の取り扱いとなります。ただし、一級河川から取水する一定の小水力発電について、その促進を図る観点から、国土交通大臣から知事へ許可権限を移譲するとともに、申請書類の簡素化を図る予定であります。

 国土交通省といたしましては、このような取り組みを通じて、鋭意、小水力発電の普及拡大に努めていきたいと考えております。

稲津委員 非常に前向きな御答弁をいただいて、よかったなと思っていますが、これは技術的な問題ではないと私は思うんですね。というのは、六次化の話もありますけれども、これは農村の再生に直接つながってくることであろうと。

 農水省の方で、例えばこの小出力発電について、地域ごとに、その可能性を検討しますかといった調査がありました。それで早速手が挙がってきたのが、実に計画も含めて千件余りあるということ。その千件の中に、いわゆる水田地帯においては必ず農業用水路がございますので、このところの小出力発電の施設の設置、それから今御答弁いただいた、それに伴う申請手続等の簡素化は非常に意味のあることだと思っておりますので、ぜひ今御答弁いただいたようによろしくお願いをさせていただきたいと思います。

 次は、交通ネットワークのあり方ということで随時伺ってまいりたいと思いますが、一番最初は、高速道路網の現状についてということでお伺いしたいと思います。

 高速交通、これは当然、つながってこそ意味のある、そういうネットワークであるということ。それからもう一点は、私は、こういったものの整備については、単なる公共事業ではない、こう思っています。これは後ほど質問の中に幾つか出てまいりますけれども、御案内のとおり、今回の東日本大震災を振り返って、やはり高速道路の存在というのはまさに命を守るネットワークである、こういうことを改めて私たち認識できたんじゃないだろうかと思っております。

 現行の高規格道路網の計画というのは、全国からおおむね一時間程度で利用可能になるネットワークの形成ということがございまして、昭和六十二年に策定された第四次全国総合開発計画で、高規格幹線道路、全国総延長一万四千キロメートルということでございますけれども、現状、どこまで整備が進んで、進捗率がどの程度なのかということについてお伺いしたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 高規格幹線道路、今お話ありましたように、全体計画一万四千キロでございます。このうち、ことしの四月末現在でございますけれども、一万二百十八キロが供用いたしております。率といたしましては約七割ということでございます。

 残りの、事業中あるいは未事業化、事業化していないところが全部で三千八百キロほどございますけれども、特に地方部の路線や大都市圏の環状道路、こういったものについて整備がおくれているという認識をいたしております。

稲津委員 御答弁いただいたように、進捗率が約七〇%ということで、残りの三割が今触れられた大都市圏の環状道路の整備ということですけれども、もう一つは、地方の方の路線ということもあると思います。

 我が国の高速道路のネットワークというのが、これまでの延伸で、ほかの先進国に比べて著しく劣っていたという状態からは当然脱していると思うんですけれども、地域によっては都市間の連絡が必ずしも十分でない。それから、今し方のお話のとおり、大都市圏の方はどうかというと、これまた深刻な渋滞などがあって、そういうことを勘案していくと、残りの三割というのはなかなか整備が進んでいっていないというのも私は課題としてあると思うんです。

 これもさきの東日本大震災の話で触れさせていただきますけれども、沿岸部の道路が壊滅的な打撃を受けたのに対して、高速道路がいち早く復旧をして、南北に走る主要高速道路から、今度は東西方向の、被災地に向けて救援物資などが運ばれた、いわゆるくしの歯作戦ですか、こんなふうに高速道路は、繰り返しになりますけれども、災害時のまさに地域の生命線となる、そういう命の道である、こう申し上げたいと思うんです。

 しかし、我が国の状況を考えてみますと、いまだにミッシングリンクの問題が残っております。このミッシングリンクが残っているということでどういう影響があるのか、それからもう一点は、ミッシングリンクを解消する必要性について見解をお伺いしたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 ミッシングリンク、都市部と地方部、それぞれに課題を抱えております。

 まず都市部でございますけれども、環状道路を初めといたしますネットワークがまだ未整備ということでございます。整備途中ということでございまして、都心に用事のない車が流入してくることによって慢性的な渋滞が発生して、そういうことで日常生活あるいは経済活動にいろいろな支障を来しているということでございます。また、災害時の避難、救援にも支障が想定されるなどの課題があるというふうに認識しております。

 一方、地方部でございますけれども、地方部につきましては、ミッシングリンクの存在によりまして都市間の連絡が不十分ということで、広域的な連携によります地域の活性化に支障を及ぼしておりますし、また、災害時には地域が孤立して被害の拡大を招くおそれがある、こういった課題が生じているというふうに認識いたしております。

稲津委員 ありがとうございました。

 そこで、高速道路のことについてさらに質問をさせていただきたいと思うんですけれども、政府が昨年の十二月に、高速道路のあり方検討有識者委員会におきまして、「今後の高速道路のあり方 中間とりまとめ」を発表しました。これを読ませていただいたんですけれども、読んでいく中で、やはり我が国の高速道路における課題というのが明確に幾つか見えてきた。このことが非常に気になりましたので、きょうはこのことについてもさらに質問をさせていただきたいと思います。

 まず一番最初に、都市部における高速ネットワークの課題の認識についてということでお伺いしたいと思うんです。

 都市部における環状道路のネットワーク整備というのがおくれている。結局、大都市への流入ということを考えていきますと、これがボトルネックになって大変深刻な渋滞も招いているということ。それから、ブロックの中心都市間でも、高速道路による代替路がないということがあって、これまた大きな課題が指摘をされているところでございます。

 そこで、特に、首都直下とか南海トラフとか、今後発生が予想される大地震、こういうことがあったときに、緊急車両の通行などに高速道路というのは欠かせないわけですけれども、日常的に発生する渋滞が足かせになる可能性が非常に高い。一方で、東京で考えると、迂回路になるはずの東京外環道の整備も進んでいないということ、これは非常に深刻な問題だというふうに私は思っております。

 国交省によれば、仮に計画の全線が完成すれば、東名から都心環状線に向かうルート、これが全部で一千四百七十通りぐらいになるということでございます。しかし、現在は東名と外環道というのは接続していないから、どのぐらいのルートがあるかというと、大体五ルートぐらいしかない、こう言われています。震災時、高速道での一般車両の通行を禁じても、当然、渋滞していればその解消には時間がかかって、緊急車両の通行を妨げることになる。

 都市部におけるこうしたボトルネックなどの深刻な渋滞、それから、高速道路による代替路がないというこういった都市間の連絡における課題について、では具体的にどう解決しようとしているのか、この点について見解をお伺いしたいと思います。

羽田国務大臣 我が国の都市圏では、環状道路などのネットワーク整備がおくれており、国際競争力を担う拠点としての機能を損ねているとともに、大都市流入部のボトルネック箇所で深刻な渋滞が発生するなど、効率性が阻害されているものと認識をさせていただいております。

 高速道路のあり方検討有識者委員会の中間取りまとめにおいても、大都市、ブロック中心都市におけるネットワークの緊急強化が最優先課題とされたところであり、今後は、この考え方も踏まえ、東京外環など大都市圏環状道路の整備や渋滞ボトルネック対策等による道路ネットワークの強化に取り組んでまいりたいと考えております。

稲津委員 ありがとうございました。

 そこで、今度は、主要な港湾、空港それから鉄道とのアクセスについてお伺いしたいと思います。

 主要な空港、港湾、鉄道からインターチェンジまで十キロ以上のものが、空港では二十八空港中十空港、港湾は二十三港湾中十港湾、それから新幹線の駅でいうと三十六のうち七つあるわけですね。逆に今度は、十キロ以内であったとしても、インターチェンジから空港、港湾、駅までの間に、例えば右左折がある、信号がある、迂回があるとか、こういった問題がありまして、高速道路と主要な空港、それから港湾、鉄道が直結していないことによって物流とか旅客の問題がありまして、非効率性があるということでございます。

 私のおります北海道も、新千歳空港、これは、羽田空港とのことで考えると、日本の中でも大変大事な、空路でいうと大動脈というふうにも言えると思うんですが、一方で、この新千歳空港とつながる高速道路というのは、先ごろは若干よくなってはきましたけれども、しかしながら、鉄路に比べると、空路と高速道路のつなぎというのは余りよくないということがよく指摘されています。

 近い将来、これも直結するということで検討を進められているというふうに承知をしておりますけれども、いずれにしても、高速道路とそれぞれが直結できれば、異なった交通インフラが有機的に連携できて飛躍的に使いやすさが増すであろう、こう考えています。

 この点の課題を早急にクリアしていくべきではないかと思いますが、この点についてはお考えはどうでしょうか、お伺いします。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

羽田国務大臣 我が国の玄関口となる主要な空港、港湾、鉄道駅等の交通拠点へのアクセスを向上させることは、効率的な移動の実現や国際競争力の確保を図る上で重要と考えております。

 現在、主要な交通拠点については、高速道路のインターチェンジからおおむね三十分以内のアクセスが確保されているものの、アクセスルートが混雑している、また、直線的にアクセスすることができないなど、利便性や連結性の面で課題があると承知をさせていただいております。

 そのため、今後、利用者に使いやすいスムーズなアクセスが可能となるよう、現状の再点検を進め、交通の利便性や連結性の向上を図ってまいりたいと思っております。

稲津委員 今までのところでは、主に都市部、それから主要な空港、港湾ということで、そのアクセスについてお伺いしました。

 次は、地方におけるというか、地域のネットワークという視点で、このアクセスが阻害されているという現状を踏まえてお伺いしたいと思います。

 地方の方でネットワークがつながっていないということによって何が起きてくるか。一つは、非常に有効な資源であります観光、観光振興がどうかということ。それから、もう一つ非常に深刻なのは医療の問題です。医療サービスがどういう形でつながっていくのかということです。

 都市間の連絡速度が時速六十キロメートル以下、こういう区間の割合というのは全国で五四%と言われておりまして、もう一方で、三次医療圏に、拠点病院のところに六十分以内に到達できない市町村数というのは全国で三百六十四自治体ある。特に、太平洋側に比べると、日本海側の方が多いんです。

 もう一方では、言われるところの限界集落、これはもう、全国で今、一万を超えていると言われております。

 こうした地域というのは、もともと集落として単独で自立していくというのは難しい。当然、近隣自治体からのさまざまな支援、協力というのが必要になってくるんですけれども、過疎地域で利用者も少ないのになぜ立派な道路が必要なのか、こういうことがたまに指摘をされます。しかし、ある意味では、過疎地域だからこそこうした道路が必要なんだろうと。

 それはどういうことかというと、医療機関が地元に存在していないということ、したがって、医療機関まで行く途中のアクセス道路整備というものが非常に必要であろうということなんです。住民が少ないからといって、切り捨てていくわけにはいかない。

 集落と公共施設、それから医療施設を結ぶ、まさに命綱としての高速道路のあり方、これを考えていく必要があると思いますけれども、この点についての御見解も伺っておきたいと思います。

羽田国務大臣 高速道路ネットワークは、医療へのアクセスや災害への備えなど、命の道とも言われておりますけれども、地域の安全、安心を支えるとともに、地域の観光資源を生かす基盤としても大変重要なものと考えております。

 今後の人口減少社会においては、各地域が役割分担をしつつ施設を共有化するなど、広域的な連携が必要であり、そのための移動性の確保が重要と認識をしております。

 高速道路のあり方検討有識者委員会の中間取りまとめにおいても、国土を保全するネットワーク機能の早期確保が最優先課題とされているところであり、今後は、この考え方も踏まえ、高速道路のミッシングリンクの解消等による道路ネットワークの強化に取り組んでまいります。

稲津委員 ここまで質問させていただいてよくわかったことは、あえて整理するまでもありませんけれども、首都圏における環状道路の整備の問題、これがまず一つあるということ。それから、こうしたことも含めて、都市部の方では、先ほどの港湾とか空港とのアクセスも含めて、そのことがきちんと整備されることによって都市部の国際化というものが非常に進んでくるだろうということ。

 それから、地方の方では、今し方のお話でございますけれども、ミッシングリンクの問題があったりして、やはり高速道路の途切れた区間をどうするのかという課題があります。それがひいては、地域医療を支えたり、あるいは地元の農林水産業や観光というものに非常に寄与していくということがあると思いますので、その点を踏まえた整備等々をぜひやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 次に移ります。

 次はスマートインターチェンジについてなんですけれども、欧米諸国と日本を比べた場合、欧米諸国のインターチェンジの間隔というのは大体四キロから五キロぐらいに一カ所、我が国は大体その倍ぐらいですね。十キロぐらいの間隔だ。この結果、どういうことが起きるかというと、渋滞時に高速道路からなかなか出ることができないとか、それから、アクセスに時間がかかり、効率が悪い。こういったように、高速道路が十分に有効活用できているとはなかなか言いがたい面もあるというふうに私は思います。

 一方で、ETCの利用率の高まりとか、それからETC専用のスマートインターチェンジ、これが通常のインターチェンジに比べると安価に整備が可能であるということもありまして、今後、高速道路のアクセス機能の向上のためには、私は、各地でスマートインターチェンジの導入促進というのが必要かなと思っていますし、もちろん、そういう導入が始まっているということは承知をしております。

 まずお伺いしたいのは、このスマートインターチェンジ導入の経緯、それからその効果についてどのように現在のところお考えになっているか、この点についてお示しをいただきたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 スマートインターチェンジの経緯、それから効果ということでございます。

 今ほどお話がありましたように、我が国の高速道路のインターチェンジの間隔、欧米諸国に比べますと大体倍程度、アメリカとかイギリス等が約五キロぐらい、四、五キロに対して、約十キロということになっております。これを改善するということを念頭に置きまして、また一方で、ETCが随分普及してきているというようなこともありまして、せっかくある高速道路を有効活用する、そして有効活用によりまして地域活性化を図るということで、従来のインターチェンジよりも低コストで整備できるETC専用のスマートインターチェンジの整備というものを進めてまいりました。

 このスマートインターチェンジの整備によりまして、具体的な効果といたしましては、各地から高速道路へのアクセス時間の改善、短縮、それから、利便性の向上によります地域活性化の促進、加えまして、既設のインターチェンジやその周辺道路の安全かつ円滑な交通の確保という効果もあると思いますし、また、災害のおそれのある一般道路の区間を代替するという効果もあるというふうに考えております。

稲津委員 ありがとうございました。

 これは一緒に聞けばよかったんですけれども、それでは、全国で何カ所設置されて、どの程度設置状況が進むと見込んでいるのかということ、それから、ここはひとつしっかりお聞きしたかったんですが、設置するためにどのような手続というか行程を踏まなきゃいけないのかということについて御答弁いただきたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十四年五月末現在でございますが、全国で供用中のスマートインターチェンジは六十一カ所ございます。また、現在事業中という箇所が三十三カ所ございます。これ以外にも、今、地域でいろいろ構想段階、あるいはいろいろな勉強をされているという箇所もございます。

 設置に当たっての手続でございますけれども、まず、関係する地方公共団体が中心となりまして、設置する場所、アクセス道路といったものを含めました構造、あるいは整備効果、こういったものについて検討いたしまして、計画を取りまとめていただきまして、地方公共団体から国に対して高速道路への連結許可の申請をいただく、そしてまた国による整備計画の変更、こういった手続が必要になります。

稲津委員 今御答弁いただいて、供用六十一カ所ということで、これが多いのか少ないのか、いろいろ見方はあると思うんですが、事業中のところも今、三十数カ所という話で、決して多いというふうには思えないわけですね。したがって、ここをどういうような視点で整備していくのかということが私は非常に大きな課題ではないかなと思っています。

 そこで、次なんですけれども、このスマートインターチェンジ導入の当初の目的というのはどういうことだったのか。例えば一つの理由として、通常のインターチェンジに比べると、ETCがなかなか普及していなかった時代のことも含めて、通常のインターチェンジの方が料金徴収に人件費がかかる。それから、建設費が通常のインターチェンジの方が多額であるということ。それから、ETC専用のスマートインターチェンジにすることによって高速道路を有効に活用して、逆に地域活性化とか物流の効率化に寄与する。こういったことを総合的に勘案してスマートインターチェンジというのが導入されてきたというふうに認識をしております。

 これはスマートインターチェンジに限った話じゃないんですけれども、道路に関する公共事業を行うときに、当然これは一定の費用対効果というのを条件にして整備をしていくと思うんですが、そこには、社会便益、交通事故等の安全性に対する寄与だとか、あるいは時間短縮、採算性、このいわゆる費用対効果というのは、ある意味では無駄な公共事業はやりませんよということを前提にしての趣旨だと思うんですけれども、私は、その指標の中に、例えば今回の東日本大震災等々を振り返って、また、今後予想される大きな震災等も含めて考えると、例えば防災という観点、それからもう一点は地域医療、こういった視点も加味すべきではないだろうかな、こう思っているわけです。

 これも私の地元のことを例に挙げて大変恐縮なんですけれども、北海道の話です。北海道は、広域的な拠点になる病院というのが、町の中心部からかなり離れたところに立地しているのが結構あったりして、そこにまたインターチェンジがあるんですけれども、そのインターチェンジから今度は一般道におりて拠点病院に行くまでに、どうしても、インターチェンジとインターチェンジの間の距離があり過ぎるものですから、そのような結果になってしまう。

 それから、都市部で見ても、これは北海道に限った問題ではないですけれども、上下線のどちらか一方にしか進入あるいは出ていくインターチェンジがないということがあったりして、それは通常時の効率性とか利便性を考えてつくったわけなんですけれども、ではこれが非常時にはどうなのかということは、またこれは別な検討も必要だと思うんです。

 そこで、交通量とか周辺の人口、採算性の視点でいけば設置が難しくても、例えば今私が申し上げましたように、災害に関して、その地域が孤立をしないということ、それから、主要な防災拠点に結ばれることでその地域の被災の回復力が高くなる、こういう視点はどうなのかということ。それから、医療の方はむしろもっと深刻で、これはストレートに話が見えることでございます。

 そういったことを勘案して柔軟な事業のあり方ということを考えるべきではないかと思うんですけれども、大臣、この点についてどうでしょうか。

羽田国務大臣 スマートインターチェンジについては、経済的な効果のみならず、防災、医療の視点も重要であり、費用対便益と医療面などのその他の効果を総合的に勘案し、整備を進めてきたところであります。

 また、医療面で高速道路の有効活用を図るため、地域からの要望も踏まえて、救急車専用の緊急退出路の整備も進めております。高速道路のすぐ横に病院があれば、そこに退出路をつくれば飛躍的に時間が短縮できる、こういうこともございます。

 今後とも、現在のスマートインターチェンジの設置要件である採算性や費用対便益に加えて、防災、医療などの多様な効果も踏まえ、地域の状況に合わせて、スマートインターチェンジや救急車の緊急退出路等の整備を柔軟に進めていきたいと思っております。

稲津委員 大変前向きな答弁をいただいて、大きな前進が期待されるんですけれども、ただ、御答弁は御答弁として、先ほど局長からもお話ありましたように、現状、供用されているのは六十一カ所という厳しい現実があります。したがいまして、そこのところを今度は実効性を伴ってぜひやっていただきたい、このようにお願い申し上げたいと思います。

 次に、今度は防災拠点としての道路ということで話を進めさせていただきたいと思いますけれども、一つ目は、緊急時の活動拠点としてのサービスエリアですとかパーキングエリアの整備の必要性はどうかということでございます。

 これも東日本大震災のことですけれども、発災の翌日、まだ工事中だった新東名高速を何台もの消防車両が長い列をつくって被災地に向かっていったと。本来通行するはずの東名高速ですとか国道一号線というのは、これは静岡市内で海岸線を通っているために、地震直後の大津波警報のせいで通行できなかった、このことにあります。

 このように、やはり高速道路には災害時に期待される幾つもの役割がある、私はこのように思っています。また、サービスエリア、それからパーキングエリアも、緊急車両の待機場とか、あるいは救助活動の拠点にもなっていくということで、私は、ここの利用も大いに今後考えていく必要があるだろうと思います。

 ところが、全国のサービスエリアとかパーキングエリアを見たときに、そういった位置づけで設置されているとはなかなか言いがたい状況にありまして、当然だと思うんです。

 例えば、済みません、これも北海道の話で、たまたま非常に目についた話ですので例に挙げさせてもらいますけれども、昨年の十月二十九日に、北海道の夕張インターチェンジ―占冠インターチェンジというのが開通いたしました。開通したことによって、札幌から帯広、本別という地域まで高速道路でつながりまして、北海道の道東自動車道では画期的なことになったんですけれども、パーキングエリアが、実は地名でいうと由仁パーキングエリアと占冠パーキングエリアというんですけれども、この間が約五十キロです。さらに今度は、次のパーキングエリアというのは六十キロ先ということで、非常に間隔がありますね。

 ですから、札幌から帯広までは約二百キロ高速道路があるんですけれども、この間、サービスエリア、パーキングエリアというのは、以上申し上げた数しかない。したがって、ガソリンスタンドも併設していないために、一旦、道東自動車道に入ると、給油ができない。そのために、パーキングエリアには、ガス欠注意という看板が出ております。

 こういった問題を考えていったときに、採算性とかコストの面だけで判断するんじゃなくて、先ほど申し上げましたように、災害時、緊急時に活用できるサービスエリア、パーキングエリア、こうした位置づけも今後私は考えていく必要があるんじゃないかと。もしそういう設計ができたのであれば、こうしたことも具体的にまた解消していくと思うんですけれども、この点についての御見解を伺いたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 サービスエリア、パーキングエリアでございますが、今お話がありましたように、北海道はかなり間隔が広いところがございます。今、高速道路会社で持っております設置基準によりますと、基本的に、サービスエリア、パーキングエリアというのは、休憩施設、あるいは今も御指摘ありましたようにガソリンの給油、こういったものを目的に設置しておりますので、設置基準によりますと、設置間隔は、全ての休憩施設相互間で、標準で大体十五キロ、最大で二十五キロ、ただし、これも利用交通量などを勘案して決定ということになっておりますので、北海道のような場合、かなり長い延長になってしまっているということでございます。

 一方、今お話がございましたように、東日本大震災では、サービスエリア、パーキングエリアが、休憩施設という機能ではなくて、自衛隊や消防の中継基地、あるいは支援物資の中継場所、または救助活動の拠点、こういった形で機能するといった副次的な防災機能を発揮いたしました。

 こういうこともありまして、先ほどからお話がありました高速道路のあり方検討有識者委員会でも、昨年七月に、東日本大震災を踏まえた緊急提言というのをいただいておりまして、ここで、高速道路のサービスエリアなどを、防災拠点としての機能を意識しながら整備すべきではないか、こういった御提言もいただいたところであります。今後の整備に当たりましては、こういった提言も踏まえまして検討していきたいというふうに考えております。

稲津委員 次にお伺いしようと思ったんですが、これは今、一部答弁がありましたので、やめておきます。高速道路の耐震化と防災拠点としての位置づけということで、防災拠点としての位置づけということに若干触れていただきましたので。もし時間があれば、後で耐震化についてもお伺いしたいと思います。

 今、私が、サービスエリア、パーキングエリアの今後の整備に、今のような視点でもって整備したらどうかというお話をさせていただきましたが、今度は、同じような視点で、道の駅についてお伺いしておきたいと思います。

 道の駅は、当然、ドライバーの休憩地ということで、それが主要な整備の目的だったと思うんですけれども、最近、この道の駅を防災拠点にする取り組みが進められてまいりました。これは、国土交通省の北海道開発局が主導しまして、北海道でこれまで既に十カ所程度、食料、簡易トイレ、こういったものを常備した道の駅というのができてまいりました。今年度はさらに二・六倍の二十六カ所にふやすということも承知をしております。沿岸部では津波、内陸部では火山とか台風とか、こういったものに備えていって、国道沿いで住宅地に近い道の駅を選んで整備していくということで承知をしています。

 防災拠点等、整備する内容も拡充をして、倉庫を設けていくとか、道路整備に使う大型照明ですとか発電機ですとか、簡易トイレ、そこに自治体が、食料とか水とか毛布、こういったものを用意して一緒に保管をするというものであります。昨年の三月の震災時に、実際に、北海道の東側の沿岸部で、約四百人が高台にある道の駅に避難をして、ここで寝泊まりをしたということもありました。まさに、災害時に避難場所として道の駅が活用できたわけでございます。

 こうした新たな防災拠点としての道路の活用も出てきているわけですけれども、交通のネットワーク化、それから維持管理を行う面で、道路は国民の命を守る重要な社会インフラ、きょうの私の質問の大きなテーマですけれども、そうなっていくことはもう間違いない、こう思っているわけです。

 そこで、この道の駅を防災拠点とすることの取り組みを行う意義というもの、これをぜひ全国的にも進めていくべきではないかなと思いますが、この点についての見解も伺っておきたいと思います。

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 道の駅でございますが、これも皆さん方に大変評価していただいておりまして、今、全国で九百八十七カ所、やがて一千カ所に近づく、そういうところまで整備が進んでおります。

 この道の駅、道路利用者の方々のいろいろなニーズに対応する施設として整備、利用されておりますが、地震などの災害が発生した非常時には、今お話がございましたように、緊急の避難場所、また各種活動の拠点として利用されるなど、災害時の機能も期待されております。

 特に、平成十六年十月にありました新潟県中越地震、さらに昨年三月の東北地方太平洋沖地震の際には、道の駅が、自衛隊の活動拠点、また住民の避難場所になりましたり、水、食料、トイレを提供する場所ということで使われまして、大きな役割を果たしたところでございます。

 こういった、例えば災害用トイレや非常用電源などの災害時に対応できるような道の駅の機能の拡充につきましては、今お話がありましたように、北海道でも取り組みがされております。例えば北見市のおんねゆ温泉という道の駅があるようでございますが、こういったところでも行われておりまして、今、全国で約百五十カ所の道の駅で防災機能の強化という観点での取り組みがなされているというところでございます。

 今後も、道の駅の設置者であります市町村などと調整、役割分担を図った上で、災害時に対応できる機能の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。

稲津委員 ぜひこれもそのような視点で取り進めていっていただきたい、このように申し上げておきたいと思います。

 時間が大分来まして、あと二問程度させていただきたいと思っていますけれども、次は、木造住宅の密集地対策に関連して、道路整備に国としてどうかかわっていくのかということについて質問させていただきたいと思います。

 首都直下型地震を踏まえて、その被害を想定して、東京都が六年ぶりにさまざまな道路整備についての考えを整理したというふうに聞いております。

 この中で、東京都に直下型の地震が起きた場合にどういうことが起こるだろうと。このことについても東京都である一定程度の数字が出ているんですけれども、最悪の場合、都内だけでも亡くなられる方の数が九千七百人ぐらいだろうと。建物の被害も三十万棟。これは、地震そのものに加えて何が起きるかというと、これも御案内かと思いますけれども、火災が伴うということがやはり最大の危機ですよね。

 東京都の弱点はどこにあるのかなと考えていったときに、木造の家屋が大変多くて、木造住宅の密集地、いわゆる木密が広がっているということ。二十三区の西側とか南西部、それから東部の下町中心に、一万六千ヘクタールですか、山手線の内側の二個分の土地に百五十万世帯の方が暮らしていらっしゃる。この木密を火に強い町につくりかえるのと同時に、いつ地震が来てもいいように地域の防災力を高める、こういうことで大変な御努力をなさっているというふうに承知をしています。

 町のつくりかえというのは、道路の幅を広げて延焼を防ぐ、そういう帯をつくるということでございますし、それから、当然、古い木造の家を改築して今度は燃えにくい住宅にしていくということもあると思うんですけれども、町の燃えにくさを示す指標としては、例えば、広い道路があるとか公園があるとか、それからビルの占める割合が非常に高いとか、そういったものがあると思うんですけれども、全国最多の木密地域を抱える東京都は、先ごろ不燃化特区制度というのをスタートされました。この中にはいろいろなことが書かれているんですけれども、立ち退きの問題とか、延焼防止のための道路を広げていくだとか、それから防災の広場も設置をしていく、いろいろ書いています。

 こういった東京都、あるいはそのほかにも木密のことに関連して自治体の動きがあると思うんですけれども、国としてどのようにかかわっていくのか、この点についてのお考えをいただきたいと思います。

羽田国務大臣 木造住宅密集地域では、首都直下地震等に対して、住宅の耐震性の向上のみならず、火災が発生した際に広範な市街地への燃え広がりを防ぐことが必要であると考えておりまして、このため、地域の実情に応じて延焼遮断帯となる幅の広い道路を整備することが必要であり、御指摘のあった東京都のように、木造住宅密集地域においてプログラムを策定し、これに基づき、延焼遮断帯として機能する道路を優先的に整備していくことが重要であると認識をさせていただいております。

 国としても、東京都を初め、こうした木造住宅密集地域における延焼遮断帯として機能する道路の整備に対し支援していくとともに、御指摘の点については大きな課題と認識しており、現在見直しを進めております社会資本整備重点計画の中にしっかりと位置づけてまいりたいと考えております。

稲津委員 これは最後の質問になります。

 今までの質問とはちょっと違う質問を最後にさせていただきたいと思うんですけれども、道路整備事業に伴う発掘調査についてということで一点お伺いしておきたいと思うんです。

 これは、会計検査院が二〇一〇年の十月に、道路整備事業に伴う発掘調査に当たる自治体の職員の給与、これを国が負担しているのは不適切だということで、国土交通省に改善を求めました。これに対して、地方からは逆に、ぜひ負担の継続は国に求めたいということで、当然、要望が国交省の方にも相次いであるというふうに思っております。

 都道府県道とか市町村道の整備事業であって、それに伴うような発掘の調査であれば、これは自治体が負担するのは当然だと思うんですけれども、国道整備による国の事業に係る発掘調査の人件費を地方が負担するのは、なかなか私も十分な理解ができません。地方が反発しているというのも、それは一理あるかなと思うんですね。

 今後、高速道路の建設に伴って発掘調査も進んでいく、それから、国道等の整備もこれからされていく中で、そうなってくると、当然、埋蔵文化財の保護とか活動に支障が出てくるんじゃないかな、そういう懸念もあるわけでございまして、ここのところについての経緯をお示しいただきますとともに、今、具体的にどういうような議論を進めているのか、また、その議論を進めていく中で、具体的に、ではこういうような措置も講じようとしているというのがありましたら、この点をお示しいただきたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの道路整備事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査の実施におきます教育委員会の職員の皆さん方の給与の扱いでございますが、お話ございましたように、平成二十二年十月に会計検査院から、「統一的な運用を図る必要がある。」との是正改善の処置要求があったところでございます。

 この「統一的な運用」といいますのは、全国の地方整備局の中で、約三分の一の県で給与まで含めて事業者として負担をしていた、それ以外は教育委員会の方で負担していただいていたということでございますが、こういう統一的な運用がなされていなかったということで、処置の要求があったということでございます。

 このために、教育委員会の職員の給与、こういったものを昭和四十六年に通知をしておりますが、この従前の四十六年の通知に基づきまして、道路事業費の負担の対象としないという方針で、今、関係県と調整を進めているところでございます。

 引き続き、会計検査院の処置要求の趣旨を踏まえまして、是正改善を図るように努めてまいりたいというふうに考えております。

稲津委員 恐らく地元の地域においては、発掘調査を事前に行っていくときに、そのことについて地域の中のことを知悉しているとか、あるいは、ではどんな人が要るのかと考えたときに、自治体の職員にそれをぜひやっていただきたい、そういうウエートがかかってくるのは当然だと思うんですね。そこを人件費で全部見るかどうかというのはまた別の問題だと思うんですけれども、これはなかなかそう一筋にいい悪いと言える話じゃないと思いますので、ぜひここのところはよく今後も検討していただきたい、このことを申し上げたいと思います。

 時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。

伴野委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 きょうは、安全問題について羽田大臣に聞きます。

 この間、七人の方が亡くなられた関越道での高速ツアーバス事故、それから航空のトラブルなど、公共交通、運輸事業にかかわる安全対策が焦眉の課題となっています。

 私は、一昨年来、日本航空の再生問題、パイロットや客室乗務員の不当解雇問題に関連して、航空の安全について歴代の大臣に聞いてまいりました。

 まず、例として挙げますと、一九八五年の御巣鷹山への日本航空機墜落事故の教訓を述べた当時の日航会長はこう言っています。「日本航空全社員はこころを一つにして「絶対安全」の確立を誓います。」「「絶対安全」の極限に挑戦する」。この発言を示し、文書を示し、この絶対安全こそ、再建にとって極めて重要な視点だと提起しました。

 当時の大畠国土交通大臣は、絶対安全の気概が大事だ、絶対安全を原点、基点にと述べて、安全に対する認識を披瀝しました。前田前大臣も、安全確保がまず第一の条件だと答弁しておりまして、ほぼ同様の認識と言えるでしょう。

 そこで、大臣の交通運輸の安全全般についての認識をお聞きしたい。

羽田国務大臣 公共交通において、輸送の安全確保、これは最大の使命であると考えております。JR西日本福知山線の事故を受けて平成十八年に成立した運輸安全一括法により、公共交通関係の各事業法において、「輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努め」ると規定されているところであります。

 国土交通省といたしましても、公共交通において輸送の安全確保を最優先の課題として、万全の対応を図っていく所存であります。

穀田委員 羽田大臣は先ごろの所信でも、安全の問題は大前提と言っています。大臣が述べた項目は航空についての項でしたけれども、これは当然、航空だけでなくて、貸し切りバスなど全ての公共交通機関、旅客運送事業に当てはまる。

 つまり、私が言っているのは、法はそうなんですよ、わかっているんですよ。問題は、大臣として、法令の問題についての文書を何か引用して、もちろん最大の使命であることは確かですよ。だけれども、安全というのがどういう位置にあるのかということについての大臣としての見識を問うているわけですよね。その辺はいかがですか。

羽田国務大臣 所信でも述べさせていただいたとおり、安全というのが大前提で公共交通というのは進んでいるというふうに思っております。

穀田委員 もう一つ確認しておきたいと思うんですね。

 今私が述べましたように、歴代の大臣は、絶対安全、それから安全確保が第一条件と。今お話あったように、大臣は、安全が大前提。ということは、事業者だとか経営者にとってどういう意味を持つのかということが一つありますよね。もう一つは、例えば車の場合などでいいますとハンドルを握っている方、また飛行機でいえばパイロットだとか客室乗務員だとか、そういう安全運行を直接担って働いている人にとってどういう意味を持つのかを考える必要が当然あるわけですね。

 そこで、実際は、利益優先、安全ないがしろというのが多くて、労働者にもそれを押しつけるという経営者がいるわけであります。ある経営者は、利益なくして安全なしと言っているんですね。これは、安全ばかり言うな、利益を上げることを優先しろという趣旨で、安全と比べてどちらを優先するのかという発想なんですね。これは私はけしからぬと思っているんです。

 絶対安全だとか、さらには安全確保が第一条件、羽田大臣が言うところの安全大前提という意味は、利益と比較すべきではない。文字どおり利益以前の問題だということを大臣はどう思うのかということをまず一つ聞きたい。

 もう一つは、運輸労働者にとっては、利益云々の前に、安全を自覚し、安全運行できる労働条件、環境が必要になってくる。とりわけ、運行従事者にとっては、乗客の命を預かっている。

 先ほど大臣は、御みずから保育士の経験を述べておられました。そうすると、保育士は子供の命を預かっているわけですよね。比較するのはあれですけれども、それと同様の問題が私はあると思うんですね。

 したがって、運転手や保育士、運転業務にかかわる人だとか安全にかかわる人だとか、保育士などが、過労によって体調不良に陥るような労務管理があってはならない、当然そういうことがあると思う。

 その二つについて大臣の見解をお聞きしたいと思います。

羽田国務大臣 私は、安全の確保が大前提だというふうに思っておりまして、これが実は利益につながっていくんだと。利益なくして安全ではなくて、安全があるからこそ利益がついてくるんだというふうに思っておりまして、やはり安全が第一という考え方で物事は進めていかなければならない、人の命が第一だ、こういうふうに考えております。

穀田委員 労働者の労務管理という問題については余り触れられませんでしたけれども、要するに、安全が第一であると。

 そうしますと、先ほど述べたように、ある経営者が述べている、利益なくして安全なしというのは、これははっきり言って間違っていると私も思いますし、大臣もそういうことだというふうに認識していいかと思うんですね。

 そこで、先ほど言いましたように、なぜ私が労務管理の問題に触れたかといいますと、今、三大臣が述べている安全にかかわるスローガンといいますか、みずからの趣旨といいますか、そういうものについては、事業者や経営者にそれを当然守らせて、安全運行を直接担っている労働者が安全を確保できる労働条件並びに環境を整備することが政府、行政の責任だと私は思うんですね。つまり、安全というものを実行していく上で、働いている労働者はそれを担うわけですから、そこの条件や環境を整備することがなければ担保できないわけですから、そうだと思っているんですね。

 日航は、二〇〇五年のトラブル多発で業務改善命令が出されたのを反省して、有識者を招きまして安全アドバイザリーグループを立ち上げました。そのアドバイザリーグループは、いわゆる更生手続に入る前に、これは何度も私、引用しているんですけれども、大事なので言っておきますけれども、提言を出しています。そこには、「安全への投資や各種取り組みは、財務状態に左右されてはならないのであって、相対的に見るなら、財務状況が悪化した時こそ、安全への取り組みを強化するくらいの意識を持って、「安全の層」を厚くすることに精力を注がなければならない」と指摘しているんですね。

 それだけじゃないんです。実は、更生計画案にすら、私どもいろいろ批判はありますけれども、その中にさえ、「厚い安全の層を後世に継承していく責任がある。」こう述べているんですね。

 ですから、政府というのは、少なくとも安全にかかわる問題についての重要な指摘は守らなければならない、そういう責任があるということを自覚して取り組まなければならぬと私は思っているんですね。それは同意いただけると思うんです。

 そこで、日航は、この九月に再上場を目指して手続を開始しています。営業利益も最高を更新しているし、再生計画は順調のように報道されています。ところが、危惧される事態があると私は思っています。安全運航に影響する人員はきちんと確保されているのか、支障が出ているんじゃないかと思うわけです。

 日航は、ことし四月に、来年から二百人の客室乗務員の新卒者採用を発表しました。私は、四月の当委員会で、問題じゃないかと指摘しました。なぜなら、整理解雇の係争中に新規採用というのはまさしく身勝手じゃないかと。自分たちは事業を縮小して、人手が余っているといって勝手に首を切って、気に入らない労働者を追い出して、今になって人手が不足しているということ自体が問題だということを私は言いました。

 そして、そればかりじゃなくて、今度さらに既卒者を緊急募集し、七月から採用すると。日航社内では五百十人と労働組合に提示されたそうです。一般になぜこれが公表されていないかというと、昨年四月以降、五百七十四人以上が退職しているから、その補充のようなんですね。

 国交省に確認しますけれども、退職者が相当いるというのは事実なんですか。

長田政府参考人 お答え申し上げます。

 日本航空に確認をいたしましたところ、先生御指摘のように各四半期ごとに退職者が出ているのは事実でございますが、その数につきましては、破綻前の二〇〇八年、二〇〇九年当時と比べまして格段にふえている状況ではない、期によって若干ふえたり減ったりしておりますが、二〇一一年になってから格段にふえている状況ではないというふうに聞いております。

穀田委員 どうもあなたの話はわからぬね。五百七十四人という話は事実ですねと聞いているんですよ。言ってごらん。

長田政府参考人 退職者の具体的な数につきましては、航空会社の、個別企業の事項にかかわりますので、全体の数を申し上げるわけではございませんが、大体各期ごとに百名超の退職者が出ているのは事実でございます。

穀田委員 それは、前の数字も含めてはっきりしなかったら、そんなことを言っていたらあきませんわな。

 問題は、事実だとすればこれは大変だということなんですよ。だって、日航の客室乗務員の人数は五千四十五人ですよ。二〇一〇年末に八十四人を解雇して以来、退職がとまっていないわけですよ。昨年四月からことしの三月末までに、人員の一割強に当たるわけでしょう。前期とかなんとかいって、そんな軽々しく扱う問題じゃないんです。

 なぜそういうことを言っているかというと、日航の職場では植木義晴社長が、あなたは期ごとで変わらぬというようなことを言っているけれども、二年間離職率がふえている、特に若い人がやめていると聞いていると、慰留を呼びかけるビデオメッセージまで流されているんですよね。相手がそのぐらい言っているのに、こっちがつかんでいる方は大して変わらぬなんということを言っている。こんなあほなことがあるかと私は思います。

 それぐらい危機感を持って彼はやっているんですよ。慰留を呼びかけるビデオメッセージまで流されているんですよ。今言ったように、二年間離職率がふえている、特に若い人がやめていると言って呼びかけているんですよ。

 この状況は、日航の再生を図る更生計画がそのとおり実施されていないということになるんですよ。更生計画では、赤字路線を縮小するから、それに合わせた形で総枠で人員を削減した。残った路線を運航する人員を確保していたはずなんですよ。その確保していたはずの人員が五百七十四人も退職したら、飛ばせない。こんな事態を生んだことそのものが経営の失策ではないのか。

 個別の企業なんという話じゃないんですよ。国が支援してやっている、そういうことなんですから、きちんと把握して、人数も問題も、せめてそういうビデオになっているとかいう事実も把握しておくべきと違うのかと思うんです。大臣、いかがですか。

長田政府参考人 日本航空におきましては、先生御指摘の更生計画を今実施しているところでございます。

 その中で、現在の人員でもって運航そのものについて支障が生じているという事態とは認識をしておりませんが、いずれにしましても、退職の理由につきましては、それぞれ理由がございますし、会社としても、個人のプライバシーの問題もありまして、全てお答えするのは難しいということでございます。私どもとしては、各企業の個別の雇用問題については、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

穀田委員 個別の問題じゃないと何回も言っているじゃないですか。国が金を出しているんだよ。そこのところが実態はどうなっているか。しかも、争っている。そして一方では、そういうもとで新規の採用もやろうとしている。こんないいかげんな話はないわけで、退職するというのは理由があると思うんですよね。だって、皆さん、過去最高の利益が上がっている、そういう企業の社員が大量にやめていくということ自体が不思議だと思いませんか。

 では、大臣に聞きましょう。なぜこのような事態が生まれているのか。どう思いますか。

羽田国務大臣 日本航空からは、退職理由については個人のプライバシーの問題もありお答えするのは困難と聞いておりますけれども、いずれにしても、個別の企業における雇用関係に係る問題であるため、国土交通省としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

穀田委員 個別の企業って、そこら辺にあるどこかの企業とわけが違う。国民の税金を放り込んでいるんだよ。そして、国策として、これを再生させるということまで決めているんですよ、前の大臣を含めて。そして、それをどうすべきかという議論を国会でしているんですよ。その実態がどうなっているかなどということについて、その理由もわからぬと。やめている人の個別の理由を聞いているんじゃないんですよ。何でこんな事態が起きているかということを聞いているんですよ。そういうことも言えないで、どないして安全を守れるのかと私ははっきり思いますよ。この原因をつかんで是正を指導するというのは当たり前じゃないですか。

 先ほど大臣も、安全第一ともうけ第一とは違うと言っているわけでしょう。もうけ優先のそういう経営がまさに失敗しているということなんですよ。何度も言うように、営業利益が最高を更新したのは、国の支援を受けて、一万六千人の社員を削減するなど大規模なリストラを進めた結果じゃありませんか。余りにも人員を削減し過ぎた。しかも、削減する必要のないベテランを狙い撃ちで強制的に整理解雇したために、職場に不安と不信が広がっているんですよ。だから、若手を中心に五百七十四人も退職せざるを得なくなってしまっているわけです。そこで個別の企業という話をして、何か関係ないみたいなことを言っているけれども、そんなことないんですよ。

 その結果、職場でどういう事態が起こっていると思いますか。現場ではこう言っていますよ。現場は休めず、乗務時間の上限、客乗でいいますと月九十五時間ですよ、それをぎりぎりまで働いてへとへとになっている、不安全事例も重なっていると客室乗務員は訴えているんですよ。これが安全に極めて重要な問題だということの認識がないとしたら、私は、あなたが言っている一番最初の話はうそだと言わざるを得なくなってくる。

 しかも、私、きょう持ってきましたけれども、このような状況を裏書きする会社側の文書があるんですよ。日航の大西賢会長名の、「特別安全キャンペーンの実施にあたり」、こういう文書を出しているんですね。そこには、「この二週間ほどの間に、イレギュラー運航や運航・整備・客室・貨物の各領域において、ヒューマンエラーによる不具合事例、人身事故が発生しています。」ということで、発生事例も事細かく全部出して、これはえらいことだと言っているわけですよ。そして、四月十一日から二十七日までを実施期間として取り組んでいると。

 だから、人減らし、整理解雇の強要が安全を脅かすということになるという認識があるのか。個別企業の問題じゃないんですよ。空の安全にかかわる問題が、人が減らされている、その結果、こういうことが起きている、安全が脅かされる、こういうことについて何の責任も感じないのかということを問うているんですよ。

羽田国務大臣 国土交通省としては、日本航空の運航の安全について、定期的及び随時に行う安全監査等を通じて継続的に監視しており、必要な人材が確保され、安全運航に問題が生じないことを確認しているところでございます。

 航空の安全確保は、航空行政の最大の使命であります。国土交通省としては、同社の運航の安全確保のために、引き続き必要な安全運航体制が確保されるよう、適切に指導監督を行ってまいりたいと考えております。

穀田委員 だから、安全の指導は必要なんですよ。そういうときに何の事態が起こっているかということについて、一人一人のやめた理由を聞いているんじゃないんですよ。それはプライバシーでしょう。だけれども、これだけやめている、しかも、そのことによって安全が脅かされる事態が起きているという話をしているんですよ。それを、あとはどこかの官僚が書いた文章を読み上げて、それで最後の方に安全の問題だけつけ加える、そんならちもない話はだめですよ。

 言っておくと、大畠大臣は当時、日航の社長を国交省に呼んで、人員削減で本来の保安業務に支障が出ていないかを確認するように求めているんですね。そして、絶対安全という原点を忘れないようにしてほしいという要請をしたんです。そして、私どもの質問に応えて行った当時の国交省の立入検査ではどういうことを言っているか。各職員の労務内容の変化に起因すると考えられるトラブルが発生している、ここまで言って、人員削減による労働環境の悪化で安全が脅かされる実態を認めているんですよ。そこまでやったんですよ。今、その事態がさらに起こっているということを私は言っているんですよ。

 だから、官僚が書いた文章を読むんじゃなくて、今の事実に即して日本航空の取り組みを監視するということで彼も言ったんです。そこで国交省が立入検査して、こういう事態だということも警告しているんですよ。ですから、絶対安全、あなたが言うところの安全大前提という立場で日本航空の再建をするということについて言うならば、解雇撤回が不可欠だと私は思います。

 深刻な人員不足、そして客室乗務員を七百十人も大量に新規採用しなければならない状況というのは、まさに二〇一〇年末の八十四人もの整理解雇は必要がなかったことを証明しているじゃありませんか。七百十名も要るんだと言っているんですから。

 解雇されたベテランはすぐにでも乗務できる。そういう意味では、不安もない、解雇を撤回してすぐに乗務させればいい。ですから、そういう問題として扱うのかということが問われているんですよ。国交省として、直ちに現実的対応をとれと指導すべきだと私は思っています。直ちに、解雇した客室乗務員の解雇を撤回して乗務させるよう、指導すべきじゃありませんか。

 前田大臣は、解雇の問題は円満に解決を図ってほしい、その立場で指導したいと答弁しているんですね。大臣も最低限それぐらいのことは言って、この問題、七百十人の新しい採用を計画しているという実態があるんだったら、少なくとも、その解雇はおかしいじゃないか、もとに戻せということを指導するべきじゃありませんか。

羽田国務大臣 今御指摘いただいたとおり、日本航空の整理解雇について、前田前大臣の御見解は承知をさせていただいております。私としても同じ気持ちであります。

 そういう中で、個別の企業における雇用問題にかかわる判断であるとともに、現在、司法の場で争われていることから、その推移を見守りたいと考えております。ただ、前大臣の御見解は承知しておりますし、私も同じ気持ちだということだけお伝えをさせていただきます。

穀田委員 原告団の方々は、やはり今、日本航空が抱えている全ての係争事件の解決が最低条件だということで、この問題の早期解決に向けた指導力の発揮をあなた方に求めているんですよね。これは、単なる個別企業だとか、雇用問題だなどといって済まされない問題があるんですよ。だって、その再建に深くかかわったあなた方が指導してきたんです。あなた方というのは、あなたじゃないけれども、国土交通省が指導してきているんですよ。だから、その責任は極めて重いと言わなければならない。

 しかも、例えば新規採用ということでいいますと、これは二カ月かかるんですね。今、裁判をされている方々がもとへ戻れば、少なくとも今、解雇されているということを不服として争っているわけですから、解雇をやめて戻れば、当然それは五日間でその訓練は終えることができるわけですね。そういう意味からいっても、どういう意味からいっても、これは人だということを私はあえて言っておきたいと思うんですね。

 ついでに言っておきますと、JAL再生タスクフォースは、労働組合の役割についても次のように述べているんですね。組合員のほとんどは、いずれもその職務、すなわち、航空機にお客を乗せ安全に運航する仕事に対して大変な誇りと忠誠心を持っている、タスクフォースでさえこう言っているんですよ。

 ですから、そういう一連の経過の中で、持っている役割、物を言わぬ職場をつくるんじゃなくて、安全には物を言う職場が必要だ、労働組合が必要だという立場も、ある意味ではそれは共通の認識なんですよ。そういったところに踏み込んでやらないと、それは書いたものを読んでいるようではだめですよ。

 だから、書いたものと、あなたの大前提という話がちょっと乖離しているということを後でよく見ていただいて、私は、今こそ、あれこれ条件をつけずに、きちんとした指導をすべきだということを言っておきたいと思っています。

 次に、もう一つ言っておかないとあかんのでやりますけれども、高速ツアーバス問題についてやりたいと思うんですね。

 国交省は、事故を受けて、今夏の多客期の安全確保のための緊急対策を決めています。当面の対策としては、私は必要なことだと思うんです。

 そこで、今後検討すべき内容も早急に行って対策をとっていくべきだと思うんですが、私、この間、参考人質疑のときに最後に言ったんですけれども、この問題の打開のためには、当面、実際にバスを運転する労働者の意見を聞くことが重要だと主張してきました。それなしに、原因究明も再発防止も、今後の対策も立てられないんじゃないかと。

 そこで、タクシーやバス労働者を組織する自交総連が国交省などに提出している要望書について確認したいと思います。

 この要請文書では、「この事故の背景には、規制緩和による貸切バス事業の過当競争激化、運転者の労働条件の悪化がある。」「交通機関にあって安全を担保するのは、直接、安全に運転に携わっている運転労働者である。この労働者の労働条件を改善して、安全運転で生活できる賃金・労働時間を保障しない限り、真の安全は確保できない。」このように述べています。

 さらに、「政府は、この間の交通運輸事業の規制緩和政策を真しに検証し、必要な規制の強化をはかるべきである。」と述べて、六点ほどの要望をしています。この要望について、対応状況を国交省と厚労省に聞きたいと思うんですね。

 簡単に言うと、届け出運賃の違反の是正をせいということだとか、それから、法違反の日雇い、アルバイトを一掃するための指導を強化せいと。それから、低運賃や無理な運行というのは、押しつける旅行業者を指導しろ。高速ツアーバスの監査を強化して、高速乗り合いバス規制の緩和を行わないこと。さらに、交代運転手の配置基準は一日五百キロメートル以下とすること。深夜運行はツーマン化せい。それから、自動車運転者の労働時間の改善のための基準を法制化しろ。

 こういう六つのことを言っているんですが、検討状況についてお聞かせ願いたい。

中田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員から御指摘ございましたように、ことしの六月十一日、「高速ツアーバス等貸切バスの安全規制の強化について」ということを国土交通省として打ち出させていただきまして、その内容の第一として、ことしの夏の多客期の安全確保のための緊急対策十項目を挙げさせていただきました。

 それに加えまして、引き続き検討すべき事項として、参入規制のあり方の検討、運賃・料金制度のあり方の検討、監査体制の強化、処分の厳格化等九項目を具体的に挙げてございます。

 今委員御指摘がございました、自交総連から御要望がございました、届け出運賃の問題、無理な運行がないようにする、監査を強化する、配置基準を定める、それぞれについて今検討を始めてございます。

 特に、具体的に申し上げますと、交代運転手の配置基準の問題は、この事故が起きた当初から非常に問題になってございました。これにつきましては、専門家会合を既に立ち上げて、実は本日、二回目の検討会を実施してございます。この具体的な内容につきまして、早急に結論を出したいというふうに考えてございます。

津田大臣政務官 厚生労働省でございます。

 今、穀田議員から御指摘をいただきました運転者の労働時間にかかわる件につきましては、先ほど国土交通省からもお話がございましたが、高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会、これが、第一回が五月二十九日、第二回が本日行われております。本日の会合の中では、運行距離と乗務時間のあり方について検討がされているというふうに承知をいたしておるところでございます。

 厚生労働省としましても、自動車運転者の労働条件の改善を担当する立場で、労働基準局長をこの会議に出席をさせておりまして、検討会の議論に参画をしているわけでございます。改善基準告示の見直しにつきましては、検討会での関係労使、今、労働者の話も聞けということでございましたが、労働組合はもちろん、使用者側の話も含めて議論をお伺いした上で、国交省と協議をしながら対応してまいりたいというふうに考えております。

穀田委員 現状はわかりました。

 私、この間参考人質疑があったときに質問しましたけれども、一番の問題は、なぜ違反がはびこるのか、違反がとめられないかという問題なんですよね。自交総連の要望の一番目にあったけれども、同じことを言っているんですね。なぜ法違反がはびこるのかということなんですね。今の対応策や答弁を聞いていると、簡単に言うと検討中ということが多くて、法違反を一掃するということはちょっとこのままではできないなというのが実際の率直な感想です。

 この間、事故を起こした陸援隊の聴聞会が行われています。陸援隊は二十八項目の法令違反を認めたといいます。この二十八項目の法違反というのは主にどういったものだったのか、なぜこの法令違反をとめることができないのか、この辺を少し述べてください。

中田政府参考人 今般事故を起こしました有限会社陸援隊に対しましては、事故発生の翌日以降、三度にわたって立入検査を実施しました。

 その結果、点呼の不実施、過労防止に関する措置の不適切、日雇い運転者の選任、名義貸し、営業区域外運送、運行指示に関する違反など、今委員御指摘のように二十八項目についての法令違反を確認し、現在、行政処分に向けた手続を行っているところでございます。

 この事業者に対しましては、平成二十年一月に立入検査を行いまして、点呼の不実施のほか、いろいろな記録の記載不備等九項目の法令違反がございまして、それに対しまして、六月に行政処分を実施したところでございます。その後、同年九月に、その処分した内容の改善状況の確認等を行ったところでございます。

 しかしながら、この二十年九月から今回の事故発生後に立入検査するまでの間、同社の法令遵守の状況の確認を行えていなかったということから、この間に、先ほど申し上げたような多くの法令違反を是正させることなく大きな事故を発生させるに至ったということは、まことに遺憾でございます。

 その意味で、立入検査のあり方について抜本的な見直しを図るとともに、検査体制を充実しまして、実効性のある安全対策を実施してまいりたいと考えてございます。

穀田委員 これは、今言われましたように、今から四年前に立入検査をやって、これはまずいといって処分してやっているんですね。その後行っていないということで、野放しになっているということがはしなくも明らかになった。

 結局、大きく分けて、名義貸しなど事業運営上の問題、そして運行指示書未作成など運行管理上の問題、さらに日雇い労働や過労防止対策の不備など労務管理上の問題など、これは何をやっているかというと、いずれもやはりコストを減らすためにやっているんですね、彼らは。これでは、人の命を預かって運ぶ旅客運送事業者として本当に適切なのかと思ってしまいます。

 しかも、今ありましたように、残念ながらそういうことについて行えていなかった、結果としてそういう事故を導き出したという点でいいますと、法令違反がはびこっているという事態は深刻と言わなければなりません。

 私、この間も指摘しましたけれども、例の〇七年のあずみ野スキーバス事故を受けて国交省が行った重点監査でも、貸し切りバスの六四・六%、ツアーバス事業者の八一%に法令違反が見られているわけですね。規制緩和後、事後チェックでの監査を強化するということになっているのですが、十二万もの事業者を全て監査、チェックするのは困難なんですね。だから、いつも、これから見直しとかいろいろ言うんだけれども、むなしく響くと私は思うんですね。

 確認するけれども、規制緩和して参入者がふえ、事業者がふえるのは想定できていた。それでも事後チェックで法令違反はなくせると考えていたんですか。それはどうですか、大臣。

羽田国務大臣 貸し切りバスについては、平成十二年に施行された改正道路運送法において、需給調整規制の廃止や運賃・料金規制の緩和を行ってきたところであります。これにより、サービスの多様化、運賃・料金の低下など利用者利便の向上が見られた一方、事業者がコスト削減に走り、安全面を軽視するとの懸念の声もあった。

 このために、事後的な監視の充実を含め安全対策の強化を図ってきたところでありますが、今回の事故が発生し、これまでの安全対策の実効性が不十分だったということが明らかになり、極めて遺憾でございます。

 公共交通機関において安全の確保は全てに優先されるべきであり、安全に関する基準の強化や監査体制の強化、処分の厳格化等を検討してまいりたいと考えております。

穀田委員 はっきり言えば、事後チェックで法令違反はなくならないということがはっきりしたということなんですね。

 そこで大臣、当時、こういう問題の規制緩和をするときに何と言ってきたかということなんですよ。

 今大臣はいろいろいい面を言っていましたけれども、当時、政府の行政改革委員会が九六年に橋本首相に提出した意見書の中で、「規制緩和を行うと労働条件にしわよせが生じたり、安全が確保できなくなるというが、この考え方は、短絡的であり、一般の社会では理解されにくい」と言っているんですね。さらに、「安全性の確保は、経営の根幹をなすものであり」「技術的な安全規制によりチェックを十分に行うことで確保は可能」と言っているんですね。さらにもう一つ、「競争がある場合と無い場合とを比べれば、事業者は競争がある場合のほうが安全に力を傾注する」、ここまで言っているんですよ。これが全部違ったということは、もはや今の時点で明らかなんですね。

 実は、この文章はどこから引いてきたかというと、与党の国土交通部門・厚生労働部門合同会議の「高速ツアーバス問題への対応策について」、ここから私も改めて見させていただいた。それは前から出ているんですね。当時の規制緩和がこの問題についてバラ色に描く、これがずっと今まで来ているんですよ。それがうまくいくということが誤りだったという、規制緩和それ自身に対しての深刻な反省と見直しが必要ではないのか。そこはどないです。

羽田国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、公共交通機関において安全の確保は全てに優先されると考えておりまして、安全に関する基準の強化、監視体制の強化、処分の厳格化等を検討しております。

穀田委員 監視の強化、そういう方策を事後に打ってもそれはできなかった。だって大臣、三百二十人しかいてへんのよ、それをやる人は。何ぼあると思いますか、対象は。十二万事業者を超えているんですよ。いつになったらやれるんですか、そんな事後の強化とか監査とか。そういう話を聞いているんじゃないんです。それは失敗だったというのが今日の事実じゃないのかと。だから、問題は、参入規制を初めとしたそういう規制緩和問題について見直して、そういうことをやらぬとあかんのと違うかということを言っているんですよ。

 この間の参考人質疑でも、規制緩和に問題があるとの意見が続出しているんですよ。それは、総務省の調査や事故で明らかなように、安全についての深刻な事態が生まれていることを指摘し、警鐘を鳴らしていると思います。

 規制緩和は問題なかったという立場に立っているんですか。そこをはっきりしてほしい。そういう立場に立っていたら、安全対策も小手先のものに終わってしまう。だから、そこの点が大事だと私は思うんですよ。

 根本は、安全規制について見直しをし、参入規制という問題についての入り口をきちんと締めなかったらえらいことになる。事後のものを幾らやっても、事実上野放しにされ、法令違反がずっと起こり、事故が起こっている。こういう事態が起こっていることからしても、あれが間違いだったということに到達してやらなければえらいことになるじゃないかと言っているんですよ。それはいかがですか。

羽田国務大臣 平成十二年二月に施行されました貸し切りバス事業の規制緩和により、いわゆる需給調整等規制が廃止されたわけでありますけれども、一方で、参入に当たっての安全に関する審査については緩めたわけではないと承知をしております。

 国土交通省では、その後さらに安全対策の強化を図ってきましたけれども、今回の事故発生により、参入時の審査から事後的な監視に至るまでの安全対策全体としての実効性が不十分であったことが明らかになったわけでありまして、安全対策の見直しを行わせていただいているところでございます。

穀田委員 大臣、何回も言うんだけれども、事後の安全対策強化、監査で事故がなくなったのか、なくなっていないんですよ。そして、法令違反は圧倒的にふえているんですよ。法令違反が野放しになっている。事後のチェックが事実上やられていない。だって、そういう違反をした人たちだってもう一回やっているんですよ。

 そういうことを踏まえると、結局のところ、いろいろな後手後手の対策を打ったってだめじゃないかと。参入規制を弱めたことは事実なんですよ。何にも規制を弱めていない、そんなことはないですよ。次にまたありますよ。問題は、規制緩和をバラ色に描いて、安全が強化される、競争が行われればいける、先ほどそう言いましたやんか。「競争がある場合と無い場合とを比べれば、事業者は競争がある場合のほうが安全に力を傾注する」、冗談じゃありませんよ。

 これだって、この間私、言いましたやんか、聞いていたかどうかは別として。仕事量をふやすには価格を下げるしかないんですよ、うちは安全は守れない、今回の関越のバス事故については人ごとじゃない、はっきり言って我が身だと考えていると。つまり、価格を下げる、賃金を下げなければやっていけない、そうしたら安全は守れないと言っているんですよ。

 問題は、ここに、規制緩和というところに最大の原因がある。この問題についての認識を問うて、それは、あなたが言うようにいろいろなことをやったらいいですよ。しかし、根本は、規制緩和という、当時これをバラ色に描いたことは間違いだった、そのことを今もう一度再検討する必要があるんじゃないかと言っているんですよ。それはいかがですか。

羽田国務大臣 運送事業者、公共交通機関においては、安全に関する関係法令を遵守するということは当然の責務でありまして、この法令違反を犯している事業者については市場からの退出を求めていくことが重要だ、こういうふうに考えております。

 今般、緊急対策を行ったわけですけれども、安全に関する基準の強化、監査体制の強化、処分の厳格化に加えて、参入規制のあり方についても検討していきたいというふうに思っております。

穀田委員 参入規制のあり方も検討すると言うからここでおさめますけれども、法令を守る、それから守らない人は市場から退出してもらう。違うんですって。四千何社にふえた人たち、ふえっ放しなんですよ。退出させることはできなかったんですよ。事後チェックを幾らやってもできなかったというのがこの事例なんですよ。

 だから、その法令違反を、法令を守るのは当たり前だ。それが守られない実態を私は告発しているんですよ。なぜ守られないかというと、利益のためには仕方がないと目をつぶっている事態がある、それが今日事故を起こしている。

 あなたはいろいろ前に言って、最後は参入規制という問題も少しは考えると言うから、きょうはこれでやめますけれども、その前段は間違っているという事実を述べたわけですよ。やはりお互いに議論は議論としてやらなくちゃ、何の話をしているのかわからなくなるよ。

 だから、はっきり言って、そういう事後チェック、法規制ということ抜きに、法令を守れ、守れと言ったってだめだった、市場からの退出はやらせることはできなかったんですよ。その根本はやはり規制緩和にありということだけもう一度述べて、終わります。

伴野委員長 この際、委員長として申し上げます。

 安全は輸送業務の最大の使命です。その上で、先ほど穀田委員が御質問された件について、一つの企業の離職者等々を問うているわけではないと私は感じました。その上で、さまざまな変化が、航空業界の現場において安全に対してどういった変化をもたらしているのか、いま一度認識をしていただいて、改めて、安全の確認の上で監督官庁としてどう把握されているのか、次回の理事会できちっと御報告をしていただくようお願いをしたいと思います。

 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 羽田新大臣に、国土交通行政に関する基本的な姿勢を何点かお尋ねしたいと思います。

 最初に、ダム事業の見直しについてお尋ねをいたします。

 民主党政権は、無駄な公共事業の見直し、とりわけ、コンクリートから人へという姿勢でダム事業の見直しに積極的に取り組んでこられました。しかし、できるだけダムによらない治水への転換として始められた八十三ダムの検証は、八ツ場ダムも含め、ほとんどの事業が継続判定となっています。

 現在進められているダム事業の検証は、今後の治水対策のあり方についての中間取りまとめに基づいて実施されていますが、当初から、検証主体がダム建設の実施主体であるということで、コスト比較がダム建設の継続にとって有利になっていること、そして、検証主体による検証報告を最終的に審議する有識者会議がマスコミ以外に非公開なこと等が問題となっております。日弁連も同様な観点から、五月二日に意見書を提出されています。

 大臣は、これらの指摘を踏まえ、ダム事業の見直しの手続を改善されるお考えがあるかどうかをお聞かせいただきたいと思います。

羽田国務大臣 ダム事業の検証については、平成二十二年九月に、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議から中間取りまとめが示され、これに沿って、国土交通大臣から地方整備局や県などの検討主体に対して、ダム事業の検証に係る検討を行うよう指示、要請を行ったところであります。

 八十三のダム事業を検証の対象とし、これまで二十八のダム事業、継続が二十、中止が八でありますけれども、国交省の対応方針を決定してきたところであります。

 ダム事業の検証については、幅広い治水対策案を検討し、さまざまな評価軸による評価を行うなど、予断を持たずに進められてきていると考えており、引き続き、中間取りまとめに沿って検証を進める所存であります。

中島(隆)委員 今申されました中間的な取りまとめで、検証が二十八済んでいるのに、二十が継続、七割以上が継続になっているわけであります。

 そこで、この問題を指摘してきたのは、ダム事業みずからの検証の検討の場、これで本当の見直しができるのかどうかということも再三指摘をしてきました。さらには、検証の場あるいは有識者の会議に市民の意見が十分反映される、そういう意見を聴取する場を与えるべきではないか、こういうことも再三述べてまいりました。

 先日、石木ダムの有識者会議の検証の場では地元の住民が排除される、こういうことも起こりました。マスコミには公開をされているんですが、市民を排除した密室の検証と言わざるを得ません。

 そこで、この検証の場に、あるいは有識者の会議の場に、こういう住民の意見を反映できる場を確保すべきではないかと思いますが、これについて大臣、どうですか。お尋ねいたします。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、本省の方に設けておられます有識者会議の公開についての御質問でございます。

 この有識者会議につきましては、設置に当たり、原則非公開ということで規約を設けているところでございますが、一昨年になると思いますが、報道機関に対して公開ということ、それから議事録についても公開させていただくという形で進めているところでございます。

 それから、広く住民の皆様等の御意見を伺うということに関しましては、これは各県あるいは地方整備局において検討する段階におきまして、いわゆるパブリックコメントを行う等、広く意見を聞かせていただいた上で検討を進めているというふうに承知しているところでございます。

中島(隆)委員 原則非公開ということでありますが、平成十一年に閣議決定された懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針ということで、有識者会議のような合議体も含めて、「審議会等の公開に係る措置に準ずる」とされております。

 ですから、こういう有識者会議もやはり公開が原則であるというふうに思うんですが、再度その点をお尋ねいたします。

関政府参考人 今、ルールについての御質問がございました。この決定に当たっては、いわゆる議事録の公開というものをもって公開に当たるというふうな整理がされているところでございます。

 そして、先ほど申し上げました有識者会議につきましては、報道機関に公開するということとあわせて、議事録を公開させていただくということで透明性を図っているというふうに理解しているところでございます。

中島(隆)委員 議事録公開であれば検討の後でありますし、マスコミに公表、これは当然必要でしょう。

 しかし、ダムの建設に一番かかわる地元の住民の皆さんの意見がどう反映するのか、そこが一番大事ではないかというふうに思います。特に、今回の検証の最終決定の段階で、地元の理解を得るために努力をしなさい、こういうことまで含めて出ているわけですね。当然、やはり地元の意見を聞く、そういう場を私は十分保障すべきではないかというふうに思います。

 時間がありませんので、次に参ります。

 先ほど冒頭、大臣に御答弁いただきましたが、この検証の場というのは、ダムの計画が本当に妥当であるのかどうか、あるいは無駄なダムをなくしていこうという精神で始まっているわけですから、特に、ハードだけではなくてソフト面も含めて、今後のダムによらない治水の方策も含めた十分なる検討をしていただきたいと思います。

 それから、先ほど佐田議員からも質問がありました。八ツ場ダムの事業が継続されることになりましたが、羽田大臣もこの判断を踏襲されるという答弁を先ほどされました。

 その際、官房長官の裁定の一つに、利根川水系の河川整備計画の策定及び基準点における河川整備計画相当目標量の検証が本体工事着工の条件となっていますが、これも踏襲されるのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。それから、利根川水系の河川整備計画の策定状況あるいは今後の見込みについてお尋ねをいたします。

羽田国務大臣 官房長官裁定においては、「現在作業中の利根川水系に関わる「河川整備計画」を早急に策定し、これに基づき基準点における「河川整備計画相当目標量」を検証する。」など二点を示した上で、「八ツ場ダム本体工事については、上記の二点を踏まえ、判断する。」とされているところであります。

 八ツ場ダムの本体工事については、この官房長官裁定を踏まえて、担務の大臣として適切に対処してまいります。

関政府参考人 河川整備計画の策定の状況について、私の方からお答えをさせていただきます。

 利根川の河川整備計画につきましては、去る五月二十五日になりますが、関東地方整備局において、利根川、江戸川において今後二十年から三十年で目指す安全の水準に対する意見募集を開始し、河川管理者から提示した案に対しまして、関係する住民の皆様の御意見を現在お聞きしているところでございます。

 今後、この御意見から得られた論点、それから河川管理者の見解を整理した上で、それらの情報をもとに、学識経験を有する方々や関係都県の御意見をお聞きし、今後二十年から三十年で目指します安全の水準に対応する治水対策に係る目標流量を設定することとしております。

 その上でになりますが、目標流量に対する具体的な施設計画を含む案を提示するなどの段階を経まして河川整備計画を決定することとしているところでございます。

中島(隆)委員 官房長官裁定には、先ほど答弁いただきました整備計画目標流量の検証も含めて今後されるわけでありますが、もう一つの、ダム中止後の生活再建支援法、この国会に法案が提案されておりますが、これも条件になっています。

 先ほど答弁がありましたように、もう既に二十八のダムを検証して、八のダムが中止されています。ですから、今後はその中止されたダムの地域の生活支援も大きくかかわるわけでありますので、この生活再建支援法案の成立に向けても、ぜひ全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。

 それでは次に、去る六月十一日、国交省で、長崎県石木ダムについて事業継続の対応方針が決定されました。本委員会でも何度か石木ダム建設の問題については指摘をさせていただきました。治水、利水の両面でダムの有効性に疑問を呈する指摘は今なお存在し、一番問題なのは、地権者が三十年以上にわたって反対をしているということであります。

 国交省は、対応方針の決定にあわせて、長崎県に対し、「事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」ことを通知しています。

 さて、国交省は、地域に強い反対意見があることを知っているのであれば、地域の理解が得られるような努力をすることを希望するのではなくて、本体工事は地域の同意を前提とするなど、強い姿勢を打ち出すべきではないかと思います。仮に、長崎県が事業を推進するために反対する地権者の土地を強制収用しようとした場合、どのような対応をとられるのか、お尋ねをいたします。

奥田副大臣 中島委員の御指摘の石木ダムにつきましては、今後の治水のあり方に関する有識者会議でダムの機能、有効性ということを中心に御議論いただいたものを踏まえて、私ども政務の間で継続という判断をさせていただきました。継続という判断の中には、ある意味で政治的な、地元地権者の反対の声もあれば、あるいは自治体を中心とした推進してほしいという声もあってのことであります。

 今、土地収用の問題が提起されましたけれども、こういった事業認定というものは、土地を強制的に取得するに当たり、申請事業の公益性の有無を判断する手続ということになります。こちらの方は事業認定庁が、このときにおいては九州地方整備局ということになりますけれども、公正中立な立場で行うものであり、特にこれをしろというものではありません。

 また、特記として、地元の地権者の反対があることは十分に承知しておりますので、そのことを踏まえて、長崎県として、地元としてしっかりと理解を得ることに努力をしていただきたいということを書き加えさせていただいたものであります。

中島(隆)委員 地元では賛成、反対両方の意見があることはわかっているんですが、先ほど申しましたように、この有識者会議が指摘をした「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」、こういう文言を付して検証を回答されたわけですね。最終的に判断をされたわけですが、地元の皆さん方の理解を得る努力をどういう形でされて、今回の決定をされたのか。検討会が指示した後どういうふうにされたのか、そこの点をお尋ねいたします。

奥田副大臣 検討会がされた後というのは、文書による通知でありますけれども、その前にも長崎県として何回か、反対を申し入れている人たちとの間でも話し合いの場を持っております。有識者会議に出てくる前の、事業主体、長崎県としての検証という中でも、地元の公聴会などが開かれておるわけでもあります。

 また、一部テーブルに着いてもらえない方もいるというふうに伝聞で聞いておりますけれども、ぜひ、そういった方ともテーブルに着いて話をしていただく。そういった努力をしていただくことを、当然のプロセスとして私どもは求めているわけであります。

中島(隆)委員 補助ダムですから県が事業主体でありますので、先ほどの強制収用の件も、県の対応を注視する、こういうことで御答弁いただきました。

 しかし、補助ダムでありますけれども、国が二分の一の補助をするわけですね。この石木ダムも、総事業費百八十五億、利水まで入れると二百八十五億です。ダム事業だけ、治水だけでも百八十五億ですから、約百億近くは国が補助を出すわけですね。ですから、やはり国も積極的に、ダムの見直しについては十分地元の、特にこの石木ダムは三十名の方が三十数年にわたって反対されているわけですから、こういう方々の意見を十分尊重しながら、そして理解を求める努力をしながら、解決に向けて努力をしていただきたいと強く求めておきたいと思います。

 それでは次に、ツアーバス事故の規制緩和の問題についてお尋ねいたします。

 事故は、運転手、バス事業者あるいは旅行業者の多くの法令違反が、先ほどもありました二十八項目にわたる違反事業が起こっています。特に運転手個人、一事業者、一旅行社の問題として片づけられない問題であります。

 社民党でも、事故直後から、バス事業に従事する方々などのヒアリングを行ってまいりました。国交省にも申し入れをいたしました。先ほども指摘がありました二〇〇〇年のバス事業の規制緩和が、安全よりも利潤を追求したコストダウンの競争を促進したのではないか。これが大きく問題になり、やはりこの規制緩和そのものを検証する必要があるのではないか、私ども社民党もそう思っております。

 大臣にお聞きしますが、今回のツアーバス事故の背景、要因として規制緩和の問題があると考えますが、大臣、もう一度この関係についてお述べをいただきたいと思います。

羽田国務大臣 バスについては、平成十二年及び十四年に施行された改正道路運送法において、需給調整規制の廃止や運賃・料金規制の緩和を行ってきたところであります。これにより、サービスの多様化や運賃・料金の低下など、利用者利便の向上が見られたということでありますけれども、一方で、事業者がコスト削減に走り、安全面を軽視するとの懸念もあったわけであります。

 このため、累次にわたって安全対策の強化をその当時から図ってきたわけでありますけれども、今回の事故が発生し、これまでの安全対策の実効性が不十分であったことが明らかとなり、極めて遺憾だと言わざるを得ません。

 公共交通機関において、安全確保は全てに優先されるべきであり、高速ツアーバス等貸し切りバスの安全規制の強化を六月十一日に取りまとめたところであります。これに基づき、この夏の多客期の安全確保のための緊急対策を早急に講じるとともに、引き続き、安全に関する基準の強化、そして参入規制のあり方等について検討し、今後、具体化を図ってまいりたいと思っております。

中島(隆)委員 先ほどもありましたように、規制緩和によって、二〇〇〇年から、貸し切りバスだけで二千三百あったのが四千五百近く、高速バスも二百、それから交通運輸を含めると一万社以上を超える、こういう膨大な企業の参入があってきたわけですね。当然、そういう参入があればお互いに、規制緩和をやったために過当競争が起こります。それから賃金のダンピングもありますし、労働コストも下げる。

 そういう中で、もう一つ大きなものは、先ほど指摘されました行政の監査ですね。これも実績で報告されています。この四千五百社を、この前行われたのは二百八十五人ですか、今は三百二十人とおっしゃるんですが、これだけの業者を本当に行き届いた監査ができるのか、こういう大きな問題になっていると思います。

 そこで、もう再三お聞きですので、私は、今後の監査と安全対策についての再度の決意を、大臣から述べていただきたいと思います。

羽田国務大臣 先ほど穀田委員からも大変指摘を受けてきたわけでありますけれども、やはり安全というものが第一であり、人の命が第一であります。参入規制も含めて、しっかりと検討させていただきたいと思います。

中島(隆)委員 先ほど委員長からもありましたように、この問題は重大な問題として、理事会の方でも今後の安全対策を含めて議論されるということでありますので、その中で十分論議をさせていただきたいと思います。

 それから、次の質問です。

 ツアーバスの旅行会社、ハーヴェストホールディングス社は十七万円で運行を発注して、さらに、その業者が千葉県内でバス運行者に十六万円、最終的には陸援隊が十五万円です。通常のこのルートの相場では十八万円であると言われています。この陸援隊の受注が十五万円は赤字だったかもしれませんが、貸し切りバス事業の規制緩和、新規参入の増大は熾烈な価格競争となっております。結果的には、バス事業者の削減コストは安全対策と運転士の人件費に集中してきています。そうすると、価格競争に一定のメスを入れなければ、今後も同じような事故が再発しかねません。

 今回、国土交通省が発表いたしました運賃・料金制度のあり方の検討では、引き続き検討する事項になっておりますが、この運賃のあり方、仲介業者の存在の是非などは急いで議論をすべきではないかというふうに思います。この規制に関する検討はどうされるのか、お尋ねいたします。

中田政府参考人 貸し切りバスの運賃制度に関しましては、現在、この業界におきまして、届け出運賃と異なる、いわゆる実勢運賃による取引が広く行われているということで、現在の運賃制度が十分に機能していないと言わざるを得ない状態でございます。このため、貸し切りバスの運賃については、制度そのものの見直しを検討する必要がございます。

 国土交通省では、平成二十二年のバス事業のあり方検討会から検討を行ってまいりましたが、その検討会でも関係者からは多種多様な意見が出され、また一方、取引実態も極めて複雑であることから、改めまして専門的、実務的な検討が必要とされたところでございます。

 このため、今委員からも御指摘にございました、専門性を有する実務者から成る、貸し切りバス運賃・料金制度を検討するためのワーキンググループをできるだけ早く設置いたしまして、検討を深めることといたしております。

 国土交通省としては、ワーキンググループにおいて取引実態を踏まえた検討を行いまして、貸し切りバス運賃制度の見直しをこれから進めてまいりたいと考えております。

中島(隆)委員 検討を今進められているということでありますが、やはりこれを前倒しで、早くこういう対策をしないと、再度新たな事故が発生しかねないという状況、安全を無視した運行が進められるのではないかという危惧をいたしますので、早急なる検討をお願いしておきたいと思います。

 次に、今回の事故に対する被害者補償の件であります。

 六月十日に予定された被害者説明会が中止になりました。旅行会社のハーヴェスト社は、中止の理由について、説明会は陸援隊が謝罪と補償の説明のために開く会であって、ハーヴェストが単独では説明会をしないと言っています。こういうことでありますが、責任を全てバス事業者にかぶらせようとしているように見えます。また、補償も旅行業法に沿って対応するとしていますが、恐らく保険の範囲内でという意味だろうと思います。

 過日、遺族を含めた被害者の方々が、被害者の会をもう既に結成されました。旅行会社ハーヴェスト社の姿勢はいかに不誠実であるか、旅行会社、バス会社、仲介業者は責任ある対応をとるべきではないかというふうに思います。

 国交省として、この状況を打開するよう被害者の支援をすべきではないかというふうに思いますが、被害者補償に対する業者の不誠実な姿勢をどう考え、どう対応されるのか、お尋ねをいたします。

羽田国務大臣 今回の事故で亡くなられた方々の御遺族及び被害に遭われた方々に対し、関係する旅行会社や貸し切りバス会社が誠実な対応を行うことは当然であります。

 ハーヴェスト社及び陸援隊は五月二十七日に被害者説明会を開催しましたけれども、六月十日に予定されていた説明会を中止するなど、御遺族及び被害者の方々への対応は十分とは言えないと考えております。

 国土交通省としては、従来より、関係事業者に対し説明会の開催等について指導をしてきたところでありますけれども、引き続き、誠意ある対応を求めてまいりたいと考えております。

中島(隆)委員 今回の事故は、七名が亡くなられ、三十八人が重大な被害を受けられる、こういう結果に終わっています。何としても被害者の立場に立って支援をしていただきたいと思います。

 それから、先ほど、今回のツアーバス事故と規制緩和の関係について問題が指摘をされております。特に、国内航空の問題で質問させていただきたいと思います。

 日本の国内でも、低価格航空、いわゆるローコストキャリア、LCCが就航しつつあります。例えば、関西空港と札幌の新千歳空港間で、片道が五千円程度の席もあります。びっくりするような値段であります。

 このLCCの就航に合わせたのかどうか知りませんが、国交省が国内航空会社の要請に応えて、約百項目近い規制を緩和したと聞いております。その中には、乗客が機内からおりる前に給油を可能にするものがあったり、あるいは国交省の審査官が行ってきた機長の昇格試験が航空会社で実施できるようになるとか、今回のツアー事故を振り返れば、安全に関係する規制は、他国の規制がどうであろうが極めて慎重であるべきであると思います。

 国内航空の規制緩和で安全が本当に確保できるのか、対策も含めてお答えをいただきたいと思います。

長田政府参考人 先生御指摘の航空に関する規制の見直しでございますが、これは、航空技術の進歩、あるいはLCCの参入等、航空を取り巻く環境の変化に対応するために今回行ったところでございますが、その前提としてはやはり安全の確保ということでございまして、有識者の会議を設置し、あるいは諸外国の状況も踏まえつつ、安全性の検証を十分行いながら議論しているところでございます。

 まさに、航空の安全の確保は航空行政の最大の使命でございます。国交省としましては、LCCであるか大手エアラインであるかを問わず、航空会社の安全確保のための体制が適切であること等を事業参入時や新規路線の開設時、あるいはその後の監査により、きっちりと確認をしながらやっておりまして、LCCを含めて、本邦航空会社の安全確保については、引き続き、監査等を含めながら万全を期してまいりたいと考えております。

中島(隆)委員 あと二問ほど質問がありましたが、時間がございませんので、最後にお願いをしたいと思います。

 このバスの事故を含め、大変な被害が起こっております。先日、五月十八日の参考人質疑でも、それぞれ事業者の方、バス業者、旅行会社の意見を聞きました。大変な規制緩和である現状が報告をされておりました。

 そこで、私も、先ほど委員長の確認で、さらに取り上げて検討していただきたいと思いますが、これは前回の委員会のときに穀田議員が要望されたと思います。旅行業者、貸し切りバス業者、あるいは現場で働く労働者の方々を招致した参考人質疑をもっと徹底的にやるべきだというような要求が出ております。委員長はそれを検討するということも御回答されておりますので、ぜひ、再度ここで確認をいただいて、参考人質疑を改めてやっていただきたいと思います。

伴野委員長 ただいまの中島委員からの件につきましては、引き続き理事会にて協議させていただきます。

中島(隆)委員 終わります。

伴野委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 羽田雄一郎国土交通大臣、御就任おめでとうございます。

 時間もないので本題に進みたいと思いますが、マンション管理適正化法をめぐる問題を質問いたしたいと思います。

 二〇一〇年二月二十六日のこの国土交通委員会で、マンション管理適正化法成立十年を期して、私の調査に基づく具体的な事例をお示しして、当時の前原大臣に御質問させていただきました。その際、前原大臣からは大変前向きな、よい御答弁をいただきまして、また、大臣の直接の指示により分譲マンションの政策に関する意見募集が行われることともなりました。この三年間、私も数えてみると通算二百三十一回、国会質問を行ってきましたが、最も記憶に残る質問の一つがこれであります。

 国交省は、私が質問で取り上げた分譲マンションの販売時における修繕積立金の低額提示の問題に関連して、その後、標準的な修繕積立金の規模に関する実態調査を行っております。その上で出されたのが、きょうの配付資料にある修繕積立金の目安、平成二十三年四月十九日付の朝日新聞、「マンション修繕 積立額の倍必要 国が目安額を初公表」、こういうものであります。

 それによれば、現在、首都圏の新築マンションの修繕積立金は平米当たり平均九十五円であるのに対して、十五階建て未満のマンションで総戸数五十戸未満の物件だと二百十八円。確かに、まさに倍以上なわけであります。九十五円と二百十八円というと、倍だといっても些少のように聞こえますけれども、これは平米当たりですから、部屋の平米数で掛け算をし、さらに総戸数で掛け算をして、さらに十二カ月を掛け、また三十年間を掛け算すると、これは億単位の違いになってくるわけですね。

 私の質問でも、販売時には月々八千四百円から一万四千円ですよと言われていたのが、一級建築士を雇って調べてみたら、長期修繕計画に盛り込まれていない大規模修繕の必要のある項目が幾つも幾つも見つかって、必要な修繕積立金が何と三倍にはね上がって、九億円必要だということになって、月々三万円から五万円も払わなければいけない、こういうことが判明した事例を紹介いたしました。

 問題は、こうしたことが販売業者によって、マンションを売りやすくするために半ば意図的に行われているのではないか、こういうことであります。修繕積立金の低額提示が、分譲マンションの居住者の長期にわたる人生設計を億単位で大きく狂わせる、こういう要因になることを考えれば、国交省はやはり、目安を公表すればいいというものではない。一平米当たり幾らだと、こんなものを公表するだけではなくて、居住者保護のために、こうした意図的な低額提示の是正に取り組むべきではないかと考えます。その点、どのような取り組みをこの間行ってきたのか、お尋ねを申し上げたいと思います。

内田政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに先生も御指摘のように、国会における御審議を踏まえまして、国交省におきましても平成二十三年四月に、マンション購入の予定者に対して、修繕積立金に関する基本的な知識でございますとか、修繕積立金の額の目安のガイドラインを作成したわけでございます。

 それで、まさに御指摘のように、これは普及されないと意味がないと思っておりますので、ガイドラインをただつくるだけではなくて、マンション購入者に対しまして分譲業者から提示された修繕積立金の額の水準等の判断材料を提供するということにつきまして、分譲業者に対し、本ガイドラインを活用して説明を行うというようなことについて特段の配慮をするように指導したところでございまして、現在もそのようにやっておるところでございます。

柿澤委員 実は、私が申し上げたかったのは、実際に意図的な低額提示を行って、そして居住を始めて、気がついたら億単位も必要な額が違った、こういうケースがあった場合に、居住者の皆さんは一体誰に相談すればいいのか、そして誰がそれを是正してくれるのか、こういうことをお伺いしたかったんです。

 二〇一〇年の私の質問に対しては、分譲マンションの修繕積立金について、宅建業法上、三十五条の重要事項説明で、修繕積立金の額を記載した管理規約の案を示すことがルール化されている、こういう御答弁がありました。つまり、修繕積立金が幾らかということを管理規約の案に入れないと重要事項説明義務の違反になりますよ、こういうことだと思います。

 宅建業法四十七条では、重要事項に該当する事項について「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」は、明文の規定としても宅建業法違反とされております。行為者は二年以下の懲役、法人は一億円以下の罰金、そして宅建業免許の取り消しを伴うものであります。

 だとすると、販売業者が作成する長期修繕計画に基づく修繕積立金について、当然算入されていなければいけないようなマンション中の設備やインフラのメンテナンス、交換費用、こういうものが算入されておらずに大幅な低額提示が行われていた場合、これは不実告知、まさに宅建業法四十七条の違反の要件を満たすことになると思いますけれども、見解はいかがでしょうか。

内田政府参考人 お答え申し上げます。

 個別のケースについては、具体的にるる議論するにはお時間の限りがありますが、一般論として申し上げますと、組合において定める修繕積立金が、マンションの戸数でございますとか規模に照らして、通常必要となることが予想される修繕の規模から見まして例えば大幅に不足することが明白であったり、かつ、それを知っていて説明を行わなかったというような場合は、御指摘のように宅建業法四十七条に抵触する可能性があり、監督処分の対象となり得るものというように考えております。

 以上でございます。

柿澤委員 もう十年来こういう形で、マンション購入時に、修繕積立金の額というのは場合によっては低く見積もられているケースが多いので注意してください、こんなことがマンション購入に当たってのホームページなんかを見ると、QアンドAで出ているわけです。誰もが知っているような、半ば常態化した状況にある。

 こうした中で、今、まさに四十七条違反に該当する可能性はあるということでありますが、しかし、この間、例えば管理組合から指摘を受けた、居住者からの報告があった、こういうことを受けて調査をして、宅建業法のこの四十七条違反ということで処分をした、こういう事例は実際あるんですか、お伺いしたいと思います。どうですか。

内田政府参考人 先ほど申しましたように、不実告知というようにするにも、いろいろな要件があるわけでございます。それを個々具体的に検討する必要があるとは思っておりますけれども、この間というのを御質問があってからということでは、それに該当して処分した例はございません。

柿澤委員 結局、ないんですよ。条文に該当するかもしれない、その可能性はあるといいながら、そこに立ち入って調べたことも、そして適用可能性について真剣に検討したことも私は恐らくないのではないかというふうに思います。

 こうしたことについて、実際に、マンション住民は誰にこのことについて相談を持ちかければいいのか。本当に、どこにもそういう場所がない、こういうことではないかと思いますので、やはりここは、ぜひ国土交通省が一定の窓口の役割を果たす、そういうことでなければいけないと思います。必ず裁判に訴え出て、そして裁判の判決をかち取らなければそうした是正が図られないということでは、いつまでたっても同じことの繰り返しになってしまうように思います。

 区分所有者で構成される管理組合が、販売業者から示された長期修繕計画が妥当であるか、的確であるか、こういうことを判断するためには、当然の前提として、全ての設計図書が管理組合に引き渡される、こういうことでなければなりません。同時に、設計図書の引き渡しそのものは、マンション管理適正化法に基づく法的義務として明記をされています。

 ところが、一昨年の私の質問で明らかにしたように、設計図書の引き渡しを受けたら、当該業者の標準仕様設計書に準拠して設計した、こう書いてあるだけで、じゃ標準仕様設計書って何ですか、出してくださいと言ったら、それは出さない、こういうケースがあったんですよ。結局、肝心な部分を引用文書にして、その引用文書は設計図書には当たらない、こういうふうに主張をして引き渡しを拒絶した。

 これは管理組合との裁判になって、昨年、管理組合の主張が一部認められて、引用図書としていた部分の引き渡しを命じる判決が出ました。その後、東京高裁で原審の判決を維持する形で和解をして、引用図書、いわゆる標準仕様設計書というものの引き渡しが行われることになりました。

 この裁判の結果は、判例として非常に重要なものだと思いますけれども、国交省はこれを把握しておられるんでしょうか、お伺いしたいと思います。

内田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十四年の二月十日に、ことしでございますけれども、管理組合側に標準仕様書の内容につきまして一定の守秘義務を負っていただいた上で交付するということで両者が和解したということを承知しているところでございます。

 以上でございます。

柿澤委員 この判決の重要性は、マンション管理適正化法にいうところの設計図書の引き渡しに関しては、マンション管理適正化法施行規則の百二条において、設計図書に当たるものとして、付近見取り図、配置図、仕様書、各階平面図、構造計算書等々の具体的な図書が列挙されているわけです。設計図書とは、この百二条に記載された名称のものに限るのか、名称は異なってもそれらの内容に該当するものは当たるのか、いわば形式を見るのか実態を見るのか、こういうことが争われたものであります。

 こんなものは実態に即して判断をするのがもちろん当然のことであって、そうでなければ、マンション管理適正化法が予定をする管理組合や居住者の保護などできるはずがない。私の質問に対して、マンション管理適正化法は居住者の権利を守るための法律だと明言しているわけですから。

 こういう当然の内容や行政解釈が既に当時からあったにもかかわらず、業者は結局これの提出を拒否して、そして管理組合は、コストと時間をかけて裁判に訴えてようやくそれを入手する、こうしたことになってしまったわけです。この間、国交省は監督官庁として一体何をやってきたのか、こういう話だと思うんですけれども、これ、御答弁いただけたら伺えますか。

内田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今先生の御指摘のような司法の判断と申しますか、裁判所の和解が行われたところでございます。それにつきましては、マン管法の百三条、あるいは施行規則の百二条というものの精神を司法の場で明快にしたものというように考えておるところでございます。

 したがいまして、私どもも、今回の司法判断を踏まえまして、設計図書の一部の仕様書みたいなものの取り扱いにつきまして早急に対応策を講じてまいりたいというように思っております。

 以上でございます。

柿澤委員 つまり、これは、施行規則百二条の設計図書、列挙されているわけですけれども、こうしたものは名称で見るのではなくて、要するに、設計図書と書いてあるけれども、中身は何にもなくて、ほかの文書から引用しますよ、引用図書は引き渡しませんよ、こんなことではなくて、実態として内実を伴ったものであるかどうかを見て指導監督を行う、こうした方向性に改めていく、このような理解でよろしいか。また、それは施行規則の条文上の変更を伴うものになり得るか。その点、お伺いをしたいと思います。

内田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しましたように、今回の司法判断は、マン管法の百三条あるいは同法の施行規則百二条の精神を敷衍したものというふうに私ども理解しております。したがって、そういう判断を踏まえまして、今後、業者に対する指導等の対応策を講じてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

柿澤委員 内田局長に対しては大変心苦しい物言いになってしまうんですけれども、私がお尋ねをしたのは、一体、この間、国土交通省は監督官庁として何をやってきたのか、こういうお尋ねだったんですね。

 要するに、このマンション管理適正化法の運用あるいは居住者の保護ということについて、国会答弁ではきちっとした御答弁をいただいたかもしれません。宅建業法違反に当たる可能性がある、こうしたことも触れられました。しかし、実態として、監督官庁として、また居住者保護という法の目的を確保、担保する当局者として、一体、この間、そうした実が上がるような行動を行ってきたのか、今後そういうことを行うつもりがあるのか、ここの部分についてぜひ当事者として語っていただきたい、こういうふうに思うんです。もう一度御答弁をお願いできますか。

内田政府参考人 お答え申し上げます。

 この間も、個別の当事者からいろいろ申し立て等がありましたものは事情聴取を行ったり、書類の提出を求めたりしてきたものでございます。

 まさに御指摘のとおり、こういう司法判断でも施行規則百二条の精神の解釈等も示されていることでございますので、こういうことも踏まえまして、今後さらに、より徹底してまいりたいというように思っております。

柿澤委員 マンションという名前が法律の名称についた初めてのケースであるのが、このマンション管理適正化法です。施行から十年経過いたしました。マンションストックはもう五百万戸という時代になっています。

 ますます多くの皆さんが、分譲マンション、集合住宅に住むようになっている。そういう中で、三十年という長期にわたる生活設計の根幹部分において大きな狂いが生じてしまう、しかも、販売業者の意図的な低額提示によってそうしたことがまかり通ってしまうとすれば、これはやはり監督官庁として厳しく指導監督を行うべきことではないかと思います。

 そういう意味で、居住者より、あるいは管理組合より処分の申し立てや情報提供があった場合に、結局、民民の話だといって目をつぶるのではなく、また、司法判断が出なければ介入はできない、こうした姿勢を持つのではなくて、しっかり国土交通省としてその申し立てや情報提供の重要性、真実性を審査し、また、マンション住民や管理組合が泣き寝入りや権利の不当な侵害、こうしたことに泣くことがないよう、まさに真摯な対応を国土交通省として行っていただきたい、こういうふうに思います。

 この点、羽田大臣に、この項目について最後に御答弁をいただきたいと思っております。

羽田国務大臣 従来より、マンション住民等から事業者に関する法令違反等の情報提供があった場合には、速やかにその事業者から事案の内容や経緯など事情を聴取し、事実の確認を行った上で適切に対応しているところであります。

 また、修繕積立金については、平成二十二年二月の委員の御質問を受け、昨年四月にマンションの修繕積立金に関するガイドラインを作成させていただき、不動産業界団体宛てに通知したところであり、その普及を図ってまいりたいと考えております。

 今後も、マンション住民など消費者からの申し立てに対してはよく耳を傾け、所管法令に基づき、厳正かつ適切に対応してまいる所存であります。

柿澤委員 マンション管理適正化法は、単に業者の対応というものを規定する法律ではなくて、マンション住民、管理組合の権利の保護を目的とした法律である、私に対してこうした御答弁をいただいておりますので、それを踏まえた対応を、ぜひ実効が上がる形で取り組んでいただきたい、こういうふうに思っております。

 次に、JALについてお伺いをいたします。

 私の初質問のテーマが、まさに本委員会で、JALの経営破綻の問題でした。その後も厳しい質問を何度もさせていただいてまいりました。

 先ほども出ましたが、JALが順調に営業利益を出して、九月にも再上場すると言われている。確かに、二〇一一年の営業利益は二千四十九億円、最終利益千八百六十六億円、極めて優良な経営状況になっているわけです。よかったよかったということなんですけれども、しかし、JALの売上高そのものは前年比マイナス一千五百七十四億円。売上高は減っているんですよね。

 では、どこでそんな利益が出ているかといえば、もちろんリストラによる人員削減、人件費の削減効果もあったかもしれませんが、これは基本的に、会社更生法の財産評定による減価償却費の減だったり、株式の一〇〇%減資、銀行による債権放棄五千億、こういう支援があってのことだと思います。結果として、JALの有利子負債は、二〇〇八年の一・一兆円から二〇一一年には二千億ちょっとまで減っている。

 こうした債権放棄による利子負担減、しかも会社更生法で株主配当もしなくていい、法人税も負担なし、だから最終利益一千八百六十六億円をたたき出せるんだと思います。一方、ANAは、史上最高となる九百七十億円の営業利益を上げながら、最終利益でいうと二百八十億、JALの六分の一です。結局、政府支援と会社更生法で、ありとあらゆる優遇を受けてこの数字を出しているだけなんじゃないかというふうにも言えると思います。

 その一方で、先ほども言ったように、JALの売上高は減っているんです。日本経済の現状を見れば容易に想像がつくように、市場規模は決して成長はしていない。その中で政府の支援を受けたJALが、ANAをはるかにしのぐ業績を上げている。つまり、自力で経営する会社より政府に助けられた会社の方が得をする。そこで上げた利益でB787を四十五機も買って、ジェットスターを買って、国際線に新規路線を開設し、一方、不採算の地方路線からはあっさりと撤退をしていく。こうやってANAの経営を圧迫する。これでは何のために歯を食いしばって民間企業として経営しているのかわからないというふうに思います。

 それどころか、同じパイの、成長しない市場の食い合いを二社でしているだけなんですから、そのうち、JALがこういうふうになればANAが下がってきて、今度はANAの経営を政府が支援する、こんなことになりかねません。そうでないとするならば、この二社体制が今後も存続をしていけるような市場規模の成長、拡大というものが見通しとして示されなければいけない。要するに、JALも成長する、ANAも成長する、そのためには航空市場のパイそのものが大きくなる、こういうふうなことが展望として示されなければいけない。

 しかし、今の現状でそんな展望を示せることがあるんでしょうか。特に国際線は海外のエアラインとの大変厳しい競争にさらされているわけですから、このJAL、ANAの二社体制というのが、JALが破綻した当初から、本当に持続可能なのかと言われてきたわけです。本当にそれが今後も可能であるのかどうか、ぜひ国交省としての見通しを語っていただきたいと思います。

羽田国務大臣 アジア太平洋地域においては、航空需要の伸びが高く、韓国では二社競合であるのを初め、アジア地域では複数社が競争しております。日本航空の再生計画においては、日本航空と全日空の二社が活発に競争しながら、利用者の利便性を高めていくことが望ましいとされております。

 国土交通省としても、成長著しいアジアに位置する我が国が、アジアを中心に世界の成長を取り込むという成長戦略を達成するために、我が国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っている日本航空の確実な再生を図る必要があると考えております。

 以上のとおり、国土交通省としては、引き続き国際線二社体制が維持されることが航空政策上も望ましく、また可能であると考えております。

柿澤委員 本当にこれは持続可能なんですか。

 政府出資の企業再生支援機構からつなぎ融資三千五百億、出資三千五百億、七千億の公的資金を受けて、さらにあわせて会社更生法の適用を受けて、今後九年間で四千億円もの法人税が免除されることになるのではないかと言われている。

 このような、会社更生法を適用しながら、なおかつ公的資金を投入する、こんな形の経営再生は歴史的に見ても前例がない、破格の取り扱いだと言われています。前例に照らして、こんな形で経営再生を行ったケースがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 私どもで所管しております企業再生支援機構が支援決定を行ったものは二十八件ございますけれども、その中で、会社更生手続と支援手続を併用しているものにつきましては二件、JALとウィルコムがございます。このうち、JALについては融資と出資をあわせて行っておりますけれども、ウィルコムについては債権者間調整だけということになっております。

 それから、上場につきましては、ウィルコムについては既に一昨年の十一月三十日に支援完了をしておりますが、JALについては、現時点ではまだ上場はしていないというのが今の現状でございます。

柿澤委員 会社更生法適用会社で、こういう形で公的資金を受けたケースがあるかどうか、あわせてお伺いをしたいと思います。

神田政府参考人 企業再生支援機構の支援案件ということで申しますと、会社更生手続との併用で、融資、出資をあわせて受けているというのはJALだけでございます。

柿澤委員 ほかのを若泉政務官に。

若泉大臣政務官 柿澤委員にお答えいたします。

 企業再生支援機構がかかわったケースにつきましては、先ほど内閣府から申し上げました。

 日本政策金融公庫と沖縄振興開発金融公庫の融資等について申し上げれば、近年、会社更生法適用後の企業に融資と出資をあわせて行ったケースはないと承知いたしております。

 以上でございます。

柿澤委員 これがどれだけ破格な支援かということが明らかになったと思います。

 ここまでは非常事態で、JALの経営を安定化させることが最優先だったということかもしれません。飛行機が飛ばなくなる、こんなふうに前原大臣はおどかしていたわけですから。私はそれには同意しませんけれども。

 しかし、今、JALはこんな状況になって、そして反面、ANAはこんな状況になった。そして、二社の競争条件は甚だ不平等、市場規模の急成長は見込めない。こんな中で国際線二社体制を今後とも維持して、JALとANAで潰し合いをして、お互いが疲弊して海外のエアラインに負けていってしまうのか。それとも、根本的に日本の航空体制、航空行政を議論して、あるべき姿をビジョンとしてつくり直していくのか。まさにそのような議論を行うべき好機なのではないかと思います。

 あわせて、時間もないので、二問まとめて質問させていただきます。

 再上場に当たって、貴重な提言を私は目にしました。再上場の段階で、この際、ANAにJALの株を買わせて大株主にして、国際競争力のある航空会社と国内のライフラインを維持する航空会社に再編をする、こういうものであります。

 公的資金を受けて経営再建する航空会社の事業拡大を認めない、こういうEUのガイドラインがありますけれども、まさにこういう形で、公的資金を受けて事業再生した会社がライバル会社の経営を圧迫、脅かしていく、こうしたことがないようにしていく上では、縮小傾向の市場の中にあって、こうした形で、競争環境をゆがめないようないわば着陸方法というのが必要ではないかと思います。

 その意味で、九月の再上場に先立って、支援機構の保有株式についてANAに優先買い取り交渉権を与える、こうした対応をとることも一つの考えではないかと思います。

 この点、二つ御答弁をいただきたいと思います。

羽田国務大臣 日本航空の更生計画においては、日本航空と全日空の二社が活発に競争しながら、利用者の利便性を高めていくことが望ましいとされており、日本航空は同計画に従い、着実な再生過程にあるものと承知しております。

 いずれにしても、国交省としては、日本航空と全日空による国際線二社体制が維持されることが望ましいというふうに考えているところでございます。

長田政府参考人 委員御指摘の航空行政のあり方でございますが、日本航空につきましては、不採算路線の存在、あるいは大型機の保有、余剰人員等々の高コスト体質が窮境原因であったということで、今回、更生計画でそれに対応する措置をとっているところでございます。

 それから、今後の航空需要でございますが、確かに、国内需要は今後大幅な伸びは見込めないわけでございますが、大臣が先ほどお答え申し上げましたように、アジア太平洋地域においては航空需要の伸びが期待をされております。そういうアジアの成長を日本に取り込むという観点から、JALとANAの二社でもって競争しながら、航空需要を日本に引き込んでいくということであろうかなというふうに思っております。

 私どもとしては、両者が公正な環境のもとで競争しながら、航空需要あるいは訪日外客等の観光需要を日本に取り込むことによって、今後、成長戦略の実現に寄与していただきたいと考えております。

柿澤委員 今おっしゃったようなことが本当に可能であるのかどうか、これからの推移を見ていかなければならないと思います。

 だとすれば、やはり早くJALにはこうした履いているげたを脱いでもらって、競争環境を平等にして、しっかり競争に入っていっていただかなければならない、このことも申し上げたいというふうに思います。

 終わります。

伴野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.