衆議院

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第11号 平成24年7月25日(水曜日)

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平成二十四年七月二十五日(水曜日)

    午後一時四分開議

 出席委員

   委員長 伴野  豊君

   理事 阿知波吉信君 理事 川村秀三郎君

   理事 小泉 俊明君 理事 辻元 清美君

   理事 若井 康彦君 理事 金子 恭之君

   理事 山本 公一君 理事 小宮山泰子君

   理事 富田 茂之君

      奥田  建君    沓掛 哲男君

      熊田 篤嗣君    古賀 一成君

      坂口 岳洋君    高木 義明君

      高橋 英行君    津島 恭一君

      筒井 信隆君    中川  治君

      橋本 清仁君    初鹿 明博君

      福田 昭夫君    松岡 広隆君

      向山 好一君    谷田川 元君

      柳田 和己君    吉田おさむ君

      赤澤 亮正君    小渕 優子君

      北村 茂男君    佐田玄一郎君

      坂本 哲志君    二階 俊博君

      林  幹雄君    福井  照君

      望月 義夫君    古賀 敬章君

      畑  浩治君    穀田 恵二君

      中島 隆利君    柿澤 未途君

      中島 正純君    中島 政希君

    …………………………………

   国土交通大臣       羽田雄一郎君

   国土交通副大臣      奥田  建君

   国土交通副大臣      吉田おさむ君

   国土交通大臣政務官    津島 恭一君

   政府参考人

   (林野庁次長)      沼田 正俊君

   政府参考人

   (水産庁長官)      佐藤 正典君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            中島 正弘君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         佐々木 基君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        関  克己君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  菊川  滋君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 中田  徹君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  森  雅人君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  長田  太君

   政府参考人

   (観光庁長官)      井手 憲文君

   政府参考人

   (気象庁長官)      羽鳥 光彦君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  鈴木 正規君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月四日

 辞任         補欠選任

  小宮山泰子君     田中美絵子君

  古賀 敬章君     福田衣里子君

  松崎 哲久君     吉田 統彦君

同月六日

 辞任         補欠選任

  田中美絵子君     高橋 英行君

  辻   惠君     初鹿 明博君

  福田衣里子君     福田 昭夫君

  吉田 統彦君     筒井 信隆君

  石井  章君     小宮山泰子君

  黒田  雄君     古賀 敬章君

同月二十日

 辞任

  稲津  久君

同日

            補欠選任

             中島 政希君

同月二十五日

 辞任         補欠選任

  高橋 英行君     松岡 広隆君

  徳田  毅君     坂本 哲志君

同日

 辞任         補欠選任

  松岡 広隆君     高橋 英行君

  坂本 哲志君     徳田  毅君

同日

 小宮山泰子君が理事に当選した。

同日

 理事小宮山泰子君及び古賀敬章君同月四日委員辞任につき、その補欠として若井康彦君及び川村秀三郎君が理事に当選した。

同日

 理事小泉俊明君同日理事辞任につき、その補欠として阿知波吉信君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

七月二十四日

 都市の低炭素化の促進に関する法律案(内閣提出第四三号)

は本委員会に付託された。

七月十日

 気象事業の整備拡充に関する請願(第一五六〇号)は「高邑勉君紹介」を「高橋昭一君紹介」に訂正された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 都市の低炭素化の促進に関する法律案(内閣提出第四三号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

伴野委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの平成二十四年梅雨前線による大雨災害によりお亡くなりになられました方々とその御遺族の方々に深く哀悼の意を表させていただきます。また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りし、委員会として黙祷をささげさせていただきたいと存じます。

 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

伴野委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

伴野委員長 この際、去る六日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更等に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。

 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事小泉俊明君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      阿知波吉信君    川村秀三郎君

      若井 康彦君 及び 小宮山泰子君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

伴野委員長 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長中島正弘君、土地・建設産業局長佐々木基君、水管理・国土保全局長関克己君、道路局長菊川滋君、自動車局長中田徹君、海事局長森雅人君、航空局長長田太君、観光庁長官井手憲文君、気象庁長官羽鳥光彦君、林野庁次長沼田正俊君、水産庁長官佐藤正典君及び環境省地球環境局長鈴木正規君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川村秀三郎君。

川村委員 民主党の川村秀三郎です。

 まず、このたびの北部九州の豪雨の被害を受けられ、また亡くなられた方々に対しまして、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 では、早速質問に入らせていただきます。

 新たな戦略的国土地域政策を推進する議員連盟というのがあるわけでございますが、私もこの一員でございます。このたび、この議員連盟が提言を取りまとめました。大臣にもお届けをしてありますけれども、タイトルは「日本再生計画 ビジョン二〇三〇」となっております。

 我が国を取り巻く環境が大きく転換する二〇三〇年、例えば、団塊世代が後期高齢者に突入して人口構成が大きく変わるとか、あるいは今整備を進めておりますインフラの老朽化がますます進みまして、維持更新費用が投資可能額を上回るといったように、いろいろなことがこの二〇三〇年ごろに起こってくるということで、今からこれに備えていかなくちゃいけない。

 特に、次世代を担う子供のことをまず中心に考えなくちゃいけないだろうし、そしてまた著しく疲弊、衰退している地方を立て直すということを第一に考えなければならないだろうということで、例えば、社会資本整備計画五年、今度の再生戦略も十年ぐらいのタームで考えられておりますけれども、やはりもっと長いタームで考えていく必要があるだろうということで、将来に禍根を残さないように、今から計画的に集中投資をすべきだ。

 こういう基本的な考えに立ちまして、今後どういうものに投資を集中的にすべきか、そしてまた、その投資の水準も提言をしておりまして、具体的な水準として、GDPが毎年三%成長することを前提にいたしますと、三年間で五兆円、二〇二〇年までに四十兆、そして二〇三〇年までに百六十兆の投資を追加するといったことを提言しているわけでございます。

 こうした提言についての大臣のお考え、そして、特に次世代へ向けての投資ということでの大臣の意欲をぜひ述べていただきたいと思います。

羽田国務大臣 ありがとうございます。

 議員連盟から御提言をいただきました。次世代に向けての真摯な御議論をいただき御提言いただいた、こういうふうに考えております。

 次世代に向けては、真に必要な公共投資を着実に行っていって、子供たちや孫たちの時代にすばらしい国土を残すということが極めて重要なことだ、こういうふうに考えております。

 このため、東日本大震災の教訓を踏まえた国民生活の安全、安心の確保はもとより、我が国の国際競争力や地域の産業、経済を支える都市・交通基盤等の形成など、選択と集中の考え方のもと、真に必要な社会資本整備を推し進め、持続可能で活力ある国土・地域づくりに邁進していきたいというふうに考えております。

川村委員 ありがとうございます。

 今お答えいただきましたけれども、やはりこれは、今まさに継続的に取り組まなくちゃいけない、将来に禍根を残さないための、未来への我々の責任だというふうに思っております。

 そして投資水準も、先ほど言った金額、かなり膨大じゃないかと思われるかもしれませんが、平成九年とか十年の水準であって、決して現実離れしたものではないと思っております。そして、こういった対策を講じることで、今我が国が課題としておりますデフレからの脱却、そして経済成長にも大きく寄与すると思いますので、今御決意を聞きましたけれども、今作業をやっておられる来年度予算から着実に実行されるよう、ぜひ国土交通省として、しっかり取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。

 さて、次に入りますけれども、ちょっと地元の問題ではあるんですが、これは全国的にも起こり得る話だということで取り上げさせていただきます。

 私の地元の宮崎市青島に堀切峠というのがあるんです。これは宮崎でも有数の観光スポットでありまして、かつては新婚旅行のメッカとなったところでもありますけれども、実は、この堀切峠の下の海岸に、平成二十二年の十月二十四日に、中国法人が所有していますしゅんせつ船が座礁いたしました。そして、その後いろいろな試みはあったんですけれども、結果として一年九カ月たった今も放置されたままであります。

 このような放置という事態が現在なお続いているということに対して、国土交通省としてこれまでどういう取り組みをしてこられたのか。また、今、長期間放置されたままになって手つかずになっていることの理由、原因をどう認識しておられるのか、お伺いしたいと思います。

吉田(お)副大臣 川村先生の御質問にお答えを申し上げます。

 青島と聞きますと、私の亡くなった兄が新婚旅行で行ったのをふと思い出しまして、亡くなった兄のことを思い出しました。

 このしゅんせつ船の座礁でございますが、平成二十二年十月二十三日、中国に売却をされましたしゅんせつ船が引き船によって曳航されている途中、荒天のために曳航ロープが切断をいたしました。二十四日八時四十五分ごろに、今お話ございました宮崎市日南海岸沖の浅瀬に座礁したということであります。

 国土交通省におきましては、事故直後から海上保安庁が巡視船艇、航空機を投入いたしまして、地元漁協等とも協力しながら油防除作業を行うとともに、同船の所有者は中国の方になっておりますので、在中国の所有者に対し粘り強く指導を実施しました結果、同船の船内に残存していた油については所有者側によって抜き取り作業が行われたところであります。また、地元自治体等による対策会議にも参画をして、油防除方法等についての専門的な知見も活用しながら、全面的に協力をしてまいったところでございます。

 座礁した船体の撤去につきましては、これは船舶所有者が責任を負うべきものであるということでございます。しかしながら、船舶所有者が手配いたしました民間サルベージ会社によって行われました離礁作業がうまくいかず、また台風の影響等で船体が海面下に沈んだこと、それに輪をかけまして、船主責任保険について、当事者である船舶所有者と保険会社の間で保険料を入れた入れないという、日にちがいつだということで争いが生じておりまして、それらの理由で撤去されないまま現在に至っているということを承知している次第でございます。

川村委員 今御説明いただきまして、国土交通省、海上保安庁を初め一生懸命取り組んでいただいてはいるわけでございますけれども、一つの原因、今申されたように、こういう事案に対して救済に当たるべき保険が、ロシアの保険会社が引き受けているんですけれども、事故の前に保険金の入金がなかったということで不成立、契約が成り立っていないということで、保険金の支払いを拒んでいるという問題がまず一つあります。

 こういうことは、これまでの日本近海でのタンカー沈没とか、そういう油濁事故の発生を受けまして船舶油濁損害賠償保障法の法改正も行われて、これは平成十六年ですね、外航船の船主責任保険の加入を義務づけることによって解決されるんじゃないかということでの法改正、手当てがなされたんですが、現実は、今答えられたように、保険がうまく機能しなかったという非常に不幸な事態であります。

 ですから、これも保険加入がしっかりなされていたかということを国交省において、きちんとそういう商慣習も踏まえた上で確認していただければこういうことにならなかったんじゃないかという気がしていまして、この点、やはり国土交通省としての確認が不十分だったのではないかということを思うんですが、この点についてどう思われるでしょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 先生からお尋ねのございましたしゅんせつ船の船主責任保険でございますけれども、一般船舶保障契約証明書の交付申請を受けました北海道運輸局が、保険により填補されます保険金額、それから契約期間等を保険の契約書で直接確認するとともに、船舶所有者の日本代理人から提出されました、保険会社への保険料の振り込みが二〇一〇年十月二十一日に完了した旨の報告書類を確認した上で、翌十月二十二日付で一般船舶保障契約証明書を交付したものでございます。

 しかしながら、保険料の支払いに関しまして、契約当事者である中国の船舶所有者とロシアの保険会社との間で契約の解釈、具体的には、保険会社に保険金の支払いの義務が生じる時期についての契約条項の解釈についての争いが生じたため、現時点においてもなお船主による撤去作業が進んでいないということでございまして、まことに遺憾でございます。

 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、船舶油濁損害賠償保障法に基づく保険の加入のチェック等について、今後とも適切な運用を図ってまいりたいと思っております。

川村委員 せっかくこういう法改正までして、財源的な手当てを保険という形でしようということが、結果として今回の場合は働かなかった。保険が成立するかしないかは全く雲泥の差があるわけですね。今回も、中国の会社は倒産してしまってもはや責任を追及できないような、これは偽装なのかどうかよくわかりませんけれども、そういう実態もあるわけでありまして、こういうことが起こらないように、しっかり今後の対応をしていただかないと困ると思うんですね。それはぜひ要望しておきたいと思います。

 それから、この場所は観光スポットで、非常に観光の名所でもあるんですけれども、同時に、イセエビ、アワビ、サザエと、非常に高級なおいしい魚の好漁場でもあるんです。ここで大変甚大な被害が出ておりまして、こういう場合、水産庁として何らかの救済策はないのか、ちょっと状況と対策をお願いしたいと思います。

佐藤政府参考人 御説明申し上げます。

 ただいま委員の方から御説明ございましたように、この地域はイセエビ等の漁場となっておりまして、地元の漁業者等から漁労活動の障害になっているとの苦情が出ていることは承知しているところでございます。

 しかしながら、先ほど来御説明がありますように、このような事例におきましては、沈没したしゅんせつ船の船主の責任において撤去等必要な対応がなされるべきものでございまして、水産庁の事業の中でこれに対応できるものがないという状況になっているところでございます。

川村委員 今御説明あったように、基本的には、原因者がいるので、当事者間での話し合いが基本ということは理解できないわけではないんですけれども、現実問題として、今申し上げましたように外国の会社である、しかも追及ができないという状況にもなっている。仮に法的措置をとっても費用はかさみますし、たとえ判決を得てもちゃんと執行できるかどうかもわからないということ等から考えると、結局は地元の漁協等は泣き寝入りをしなくちゃいけない、こういう非常に不幸な事態なんですね。

 こういうことがあるということで、今後引き続き何らかの、漁場回復とかいろいろな意味での対策が考えられないのか。この場でいきなりはお答えできないと思うんですが、引き続き検討していただきたいということを強くお願いしたいと思います。

 そして、実は、宮崎はつい最近、この事件の前にも船が座礁したことがあるんです。平成十五年なんですけれども、このときは宮崎の一ツ葉海岸にホンジュラス船籍のタグボートが座礁したんです。このときはぐっと陸の方に押し上げられまして、座礁船が海岸の陸地側に残ったわけです。その場合は海岸保全区域内ということで、所管が県ということになっておりまして、海岸法に基づいて所要の手続をして、県が代替執行として解体処分をしたということなんですね。

 ところが、今回の場合は、限りなく海岸保全区域に接近はしているんですけれども、海岸保全区域ではない。そうすると、一義的に誰がこれを処理すべきかということが必ずしも明らかではないというところがありまして、そういう意味では、ちょっと法の空白地帯ができているんじゃないかという気がします。今、日本の周り、もともと日本は海洋国家ですし、多数の外国船が往来しているわけです。入港もしたりしているわけですが、今後も、今回のようなことは十分あり得ると思うんですね。

 ただ、海洋の話になりますと、国土交通省だけではなくて、先ほど言いました水産庁もある、あるいは環境省もある、いろいろなところが絡んでおりまして、なかなか俺がやるというふうにはなっていかないところがあります。そういうこともあって内閣官房に総合海洋政策本部が発足しているわけですけれども、このリーダーシップのもと、イニシアチブのもとにこういった、ちょうど省庁の谷間に落ちるようなところについて何らかの救済ができるような仕組みをつくっていただく必要があるんじゃないかと思うんです。

 この点、総合海洋政策本部の担当の副大臣は吉田副大臣がやっておられるということで、ぜひお答えをいただきたいのです。

吉田(お)副大臣 国土交通副大臣という立場よりも、今御指摘ございましたように、海洋政策の大臣を補佐する副大臣でございます。官職的にはそういう副大臣職はないそうでございますので、補佐する立場からお答えを申し上げたいと思います。

 今先生おっしゃられましたとおりに、海岸保全区域から外れているということは管理者がいないということでございますので、代執行もできなく、法の空白地帯になっている部分があるということは理解をしているところでございます。

 そういう中におきまして、中長期的な課題として、近年、我が国の領海、排他的経済水域等における海洋資源の開発、海域の円滑な利用調整、環境保全の確保等を図る観点から、この管理主体を定めることが必要という議論がなされてきております。重要な政策課題となりつつあるところでもあります。

 現在、新たな海洋基本計画の策定に向けた作業を進めているところでございますので、先生御指摘のようなことにつきましても、管理の必要性やあり方等について政府部内で議論をしてまいりたい、そういうふうに考えている次第でございます。

川村委員 ぜひお願いをしたいと思います。

 そして、将来的にはそういうことでぜひ検討していただきたいんですが、いずれにしても、本件につきましては、いまだその解決の道筋がはっきりしていないわけであります。地元も、率直に申し上げまして途方に暮れている。地元だけではもうどうしようもないというのが現状なんですね。

 関係府省、ぜひ力を合わせて本件事案の解決に取り組んでいただきたいということを心からお願い申し上げまして、質問を終わります。よろしくお願いします。

伴野委員長 次に、坂本哲志君。

坂本委員 自由民主党の坂本哲志でございます。

 今回、四十五分間の質問の機会をこの委員会でいただきました。委員長初め理事の皆様方、委員の皆様方に心から感謝を申し上げたいと思います。

 九州を襲いました集中豪雨、阿蘇を中心に大変な被害となりました。

 この被害が出ました阿蘇、それに連なります菊池地方、そして今は熊本市になっておりますけれども旧植木町というところ、全て私の選挙区でございます。責任の重さを感じておりますし、当委員の皆様方のさまざまな御指導と御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 と同時に、全国各地からさまざまな形でのお見舞いをいただきました。また、ボランティアの皆様方も駆けつけてきていただいております。感謝を申し上げたいと思います。

 昨日は、台湾政府が熊本県の東京事務所、そして大分県の東京事務所にそれぞれ来られまして、多額のお見舞金を頂戴いたしました。これも、日台間、自民党の先輩たちを中心に長年にわたってその親交を深めてきた結果であるということで、先輩たちに、そして台湾政府に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、質問に移らせていただきます。

 午前中、災害対策特別委員会でもこれはお願いしてきたところでございますけれども、今回の豪雨、かつてない雨量でございました。熊本県分だけで、昨日までの調べで三百四十一億円の被害額が出ております。農業被害が百八十億円、そして公共土木が百三十億円ということでございます。

 集中豪雨というのは七月の十二、十三、そして福岡県の方が十四日でございましたけれども、実質的には七月二日の耶馬溪の豪雨、あるいはそれ以前の雨の降り始めから入っておりますので、激甚の指定に当たりましては、この梅雨期に入ってからの豪雨の被害ということでぜひ激甚の指定というものをお願いしたいところでございます。

 と同時に、地方財政が非常に厳しい中で運営をされているところでございます。やはり今回の復旧は、県、市町村の復旧工事では限界があります。ぜひとも激特事業の採択というものを十分にお願いいたしたいと思っているところでございますけれども、現状でどういうふうになっているのか、大臣にお伺いいたしたいと思います。

    〔委員長退席、辻元委員長代理着席〕

羽田国務大臣 お答えをさせていただきます。

 七月十二日の九州北部豪雨では、坊中雨量観測所において観測史上最大となる、一時間雨量百二十四ミリ、三時間雨量三百十五ミリを観測しております。白川では一カ所で護岸崩壊を確認し、二次災害の発生を防止するために、速やかに応急対策に着手し、十六日に完了したところであります。

 現在、雨量や水位データ等の解析、洪水の痕跡調査、一般被害調査等を実施しているところであります。これらの調査結果等を踏まえ、再度災害を防止するために必要な堤防や護岸の整備、河道掘削などの治水対策や、河川激甚災害対策特別緊急事業、いわゆる激特事業も含め、どのような事業手法がより速やかに対応できるか等について、上流の河川管理者である熊本県と連携調整を図りつつ早急に検討を進め、対策を実施してまいりたいと考えております。

坂本委員 大臣にはいち早く現場視察もしていただきましてありがとうございました。また防災担当大臣、総理、さらには、自民党の方ではいち早く災害対策本部を設けていただきまして、谷垣総裁にも来ていただきました。

 非常に私たちとしても厳しい状況でございますので、激特事業への採択、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 今大臣言われましたように、今回の豪雨、記録的な豪雨でございます。山口大学の気象防災学の山本晴彦教授によりますと、一時間に百ミリ前後の雨量がこれだけ集中したというのは九百五十七年に一度というようなデータが出されております。いわゆる千年に一度ということでございますけれども、しかし、こういう局地的な豪雨は、今後、気象、気候の変動から、私はいつでも起きるものであるというふうに思います。

 そして、今回やはり甚大な被害を出しましたのは、阿蘇を源流といたします白川の氾濫と土砂崩れ、これが多大な被害を及ぼしました。それからもう一つ、阿蘇の外輪山の外の、菊池地方を源流といたします菊池川というのがあります。菊池、そして山鹿、玉名市を通りながら有明海に注ぐ。これも一級河川でございますけれども、こういう河川の上流部での土石流、そして中流部での堤防決壊、さらには下流部での越水、こういったものが一体となって犠牲者が出る、あるいは浸水家屋が出る、農業に被害があるというようなことを引き起こしました。

 そういう中で、やはり私たちが一番心配しておりますのは、人口七十三万の熊本市を貫流いたします白川でございます。この一級河川、白川は、今言われましたように、熊本市内の部分は国の直轄、そして上流部分になりますと、熊本市内も含めて県管理ということになっております。

 そして、この河川整備計画は、昭和二十八年六月二十四日、これは死者四百二十二人を出しました大水害でございましたけれども、この水害をもとに河川整備計画というのがつくられております。基本高水流量三千四百トンというような計算でされておりまして、その上流部分を四百トン、ダムでカットし、残り毎秒三千トンの流量に対して、それぞれ河川改修、掘削、遊水地、そういったもので治水をしようというものでございますけれども、この国管轄の直轄の改修、そしてそれに連なります県管理の改修の進捗率というのがなかなかはっきりしません。それぞれ何%になっているのか、お伺いをいたしたいと思います。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 私ども、今先生御指摘のように、下流区間、市内の部分につきましては国が管理してございます。この区間におきまして、これは平成十七年に河川整備計画を策定し、これに基づいて整備をしているところでございます。

 二十四年度末見込みという数字でございますが、堤防整備について申し上げますと、全体の七七%、約八〇%、それから護岸の整備については三五%、それから河川の掘削、河床の掘削でございますが、これについてはおおむね一〇〇%という進捗状況でございます。

坂本委員 県の方はわかりませんか。

関政府参考人 大変申しわけありません。県の方のデータについては、現在、手元にございません。改めて御説明をさせていただきたいと思います。

坂本委員 申しわけありませんでした。

 国管理の方は七〇%以上ということだそうであります。県の方は多分まだ三割ぐらい、三〇%ぐらいであろうというふうに思います。ぜひ、国、県、それぞれ協力しながら河川改修を進めていただきたいと思います。

 国直轄部分の河川改修のおくれは、これは熊本にも責任があるんです。細川知事の時代に、緑を守るということで、予定しておりました河川改修、大甲橋という大きな橋がありますけれども、その上流部分のスーパー堤防、できませんでした。今再開して工事をやられているところでありますけれども、今回の熊本市の越水につきましては、ちょうどその工事箇所の手前の方から越水したところでございますので、いかに河川工事が必要であるのか、そして、いつ来るかわからない水害に対して、どれだけ早急に対応しなければならないかということを、今回、我々も含めて改めて思い知ったところでございます。

 今言われました、平成十七年に策定されました白川の河川整備計画、今回の雨量でやはり見直さなければならない部分が出てくるのではないだろうかと思います。これまでの整備計画はあくまでも昭和二十八年を基本としてつくられている、そして、その後の水害でまた多少練り直されているというふうに思いますけれども、今後、白川の河川整備計画について、下流部分、そして県管理の中流、上流部分について見直しの予定はございますか。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 その前に、先ほど河川整備計画の策定を平成十七年と申し上げましたが、十四年でございます。訂正をさせていただきます。

 その上で、先生の方から、今回の出水、災害等を踏まえ、河川整備計画の見直しという御指摘をいただいたところでございます。

 現在、白川水系におきましては、長期の目標でございます基本方針をもとに、中期の目標ということで、おおむね二十年から三十年を目標とした河川整備計画を先ほど申し上げました平成十四年に策定し、この進捗を図っているということであります。そういう意味では、今、この中期の目標を目指して治水対策を進めているところでございます。先ほど申しましたような進捗率は、護岸あるいは堤防、掘削等、まだ今後、さらに促進をしなければならない段階にあるというふうに考えてございます。

 また、御指摘のように、今回の豪雨に関しては、非常に大きな被害が出たところでございまして、雨、あるいは実際の水位の状況、あるいは施設の被災状況、こういったものの調査を行い、さらに、河川整備計画の進捗状況を踏まえ、今後一層安全度を上げていくためにはどのように進めるべきかというようなことを検討した上で、新たな河川整備計画の策定の必要性、こういったものの有無も含めて、次の段階に向けての必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

坂本委員 その治水計画、整備計画ですけれども、河川改修だけではどうしても無理があります。やはり上流で一定の水量をカットするダムが必要になってまいります。プラス遊水地も含めて、そういったものをバランスよく河川の中に配置する、このことが一番大事だろうというふうに思います。

 ダムが今、その数多くが検証期間に入っております。先ほどの災害対策特別委員会では、三十二のダムの検証をやって、そして三分の一が中止となったということでありますが、ダムとして必要なところは、これは確実に必要であるわけです。この白川につきましても立野ダムが計画をされておりますので、この進捗を今後ぜひ進めていただきたいと思います。

 お手元にお配りいたしました資料、これは私のところではありませんで、竹田市の被害状況であります。

 竹田市を貫流いたします二つの川があります。玉来川、そして稲葉川であります。稲葉川の方にはダムが二年前に完成をいたしました。しかし、玉来ダムの方は事業検証ということになって、本体着工直前に中止をされて、そして結果的にこのダムは必要であるということで再開されたわけですけれども、工事がなお続いております。ダムがあるのとないのとでは、この赤いところが越水、そして被害地域でございますが、これほど違うということであります。今回大臣も、そして総裁もそれぞれ竹田市に行かれましたけれども、一目瞭然でございますので、このダムの必要性というものをしっかりと認識をしていただきたいというふうに思います。

 その中で、立野ダムといいますのは、ほかのダムに見られない穴あきダムでございます。白川というところが非常に火山灰を含んだ水であるということで、貯水をすれば火山灰がそのままたまってしまうということで、ダムに三つの五メートル四方の穴をあけて、そして平時は普通のとおりに流れる、洪水時に貯留するというようなダムでございますけれども、このダムが検証のまま動いておりません。周辺地区、あるいは買収、こういったものは全て進んだところであります。

 この検証会議というのがどういう位置づけで、いつまでに終わるのか、全く私たちにもわかりません。今、立野ダムについては二回の検証会議が行われた、そしてこの後の三回目を待っているところであるということも聞きます。検証するだけで何もしない、その中でもし水害が起きる、そして犠牲者が出る、これはやはり不作為犯につながるのではないだろうかとも私は思っております。

 このダムの必要性、それから検証会議の位置づけ、そして検証会議のスケジュール、こういったものをはっきりしてもらわないといけないし、さらには、スケジュールが出た後、結論が出た後の行動計画というのもやはり明確に出していただかなければならない。流域の住民の皆さんたちは、ダムができるかできないかで非常に生活への不安感、安心感というのが変わってくるわけでありますので、これはぜひお願いしたいところであります。

 ダムの有用性、必要性、そして検証会議の現状あるいは位置づけ、そして今後の期間短縮、さらには結論が出た後の行動計画、こういった問題について大臣にお答えいただきたいと思います。

    〔辻元委員長代理退席、委員長着席〕

羽田国務大臣 お答えをさせていただきます。

 先ほど言われました玉来ダムの方でありますけれども、国土交通省の対応方針の決定を受けて、大分県では本年度から新たに用地調査に着手するとともに、ダム本体工事のための設計等を実施することとしており、平成二十九年度の完成に向けて、大分県を我々としても積極的に支援していきたいというふうに思っております。

 立野ダムの方については、昭和五十八年に建設事業に着手し、現在、生活再建段階にあり、これまでに用地取得や生活再建に必要なつけかえ鉄道、工事用道路などの工事を進めてきております。立野ダムは平成二十二年度にダム検証を行うこととされ、現在は、生活再建事業を実施するとともに検証を進めているところであります。

 今後、ダム事業の検証を進め、検証の結論に沿って適切に対応していきたいというふうに考えております。

坂本委員 検証はわかりますけれども、いつごろ結論が出るんですか。ある程度のめどが立たないと、やはり河川工事全体にもつながる問題であります。今後、災害復旧をしていかなければなりません。と同時に、河川の整備計画の見直しもしていかなければならない、これは早急にやらなければならないことです。その中にダムが入るのか入らないのかというのは根本的な問題でありますので、その期間も含めてお答えいただきたいと思います。

関政府参考人 立野ダムの検証についての今後の見通しについて御質問いただいたというふうに受けとめております。

 立野ダムにつきましては、先ほど先生御指摘のように、平成二十三年に立野ダムの建設事業の地方公共団体から成る検討の場を設置しております。有識者会議により示されました中間取りまとめに沿って、複数の代替案、治水対策案を検討し、立案、抽出し、そしてパブリックコメントを実施して、いただいた意見について今整理を行っているところでございます。

 今後、治水対策案についての評価軸ごとの、経済性であるとか、その効果だとか実現可能性、そういった意味での評価軸ごとの評価、それから総合的な評価を実施し、これは検証主体は事業主体である九州地方整備局でありますが、ここができるだけ早く対応方針を決定するということで今取り組んでいるところでございます。

 国土交通省といたしましては、九州地方整備局からの報告を受け、有識者会議の意見をいただいた上で対応方針を決定し、できるだけ速やかに検証を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

坂本委員 複数の手法を含めていろいろ検討していると言われましたけれども、私自身は白川の流域に実際住んでいる人間でございます。もう何百年にわたって、改修がどれだけ可能かあるいは不可能か、不可能であるならば、不可能部分をどこで可能にするか、それはダムでしかないというようなことは長年かけて、もうわかっている問題であります。いたずらに時間を要することなく、早急に結論を出していただきたい。

 資料の二枚目でありますけれども、これは大分合同新聞の記事であります。「玉来ダムがあれば」と、市民も市長も怒っているというような記事でございます。

 熊本の場合には、人口七十三万人の熊本市を控えております。しかも熊本市は、市街地の方が白川の河床よりも、河川よりも低くなっている、いわゆる天井川でございます。ですから、一度越水すれば市の中心の機能が全て麻痺するというようなことになりますので、早急な検証、そして結論、その次の対応策をぜひお願いいたしたいと思いますけれども、大臣、もう一回決意をお願いいたします。

羽田国務大臣 私も、ヘリの上からと、そして現場ということで今回ずっと視察をさせていただきました。そういう中で、国管理の堤防が決壊したということは、県管理のところはなかなか、まだまだ崩れているところ等見受けられました。

 そういう意味では、しっかりと検証をしながら、前へ進めるように努力をしていきたいというふうに考えております。

坂本委員 何回も繰り返すようですけれども、ぜひ早急なダムの検証結果、その後の対応をお願いいたしたいと思います。

 それから、今回の被害を一段と大きくいたしましたのは、やはり山間部から流れてまいります流木でございます。大変な量の流木でありましたし、そのスピードも大変なものでありました。そのことによりまして橋梁が幾つも破損いたしました、流されました。同時に、その流木がたまることで、そこからさらに越水して床上浸水、床下浸水を招く、あるいは道路の崩壊を招くというような事態を招きました。

 これまでつくった橋梁につきましては橋桁がやはり必要だったんでしょうけれども、できるだけ橋脚をつくらない橋梁に向けて努力をしていただきたいと思いますけれども、今後の橋梁の計画はどのようになっておりますか。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のように、治水安全度を確保していく上で、いわゆる河川の洪水に対応することのみならず、流木対策というものも極めて重要な要素であるというふうに考えてございます。

 このため、河川にかけます橋梁の技術的な基準であります河川管理施設等構造令においては、その川の規模、状況に応じまして、径間長、ピアとピアの間の長さ、あるいは橋と水面の間の高さ、これを桁下余裕高と呼んでおりますが、この必要なものを確保するということが定められております。

 ただ、河川管理施設等構造令が制定される前の橋梁については必ずしもこの技術的基準を満たしていないものもあり、これについては、かけかえるに当たり、構造令の規定を満たすよう対応しているところでございます。

 御指摘のように、今回の豪雨においても、流木によって橋梁の被害を受けた箇所等がございます。こういったものにつきまして被害の状況の調査を行い、その結果を受け、必要な対策をとってまいりたいというふうに考えているところでございます。

坂本委員 全国的に見ても、リニューアルしなければならない橋梁が三千近くあるというふうなことを聞いております。これから、国土の強靱化と同時に、耐用年数に近づく公共土木施設をどういうふうな形でリニューアルしていくかというのは本当に重要な課題でありますので、技術の進展もうかがわせるような橋梁の構築をぜひお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、砂防の問題に移ります。

 今回、犠牲者を多く出しましたのは、阿蘇の外輪山が二十近くにわたって崩落した、あるいは土石流になったということであります。

 阿蘇は、いわゆる外輪山がすり鉢状のような形で、壁みたいなことで立ち塞がっております。そして、そのすり鉢の底に約二万人の方々が農業を営み、あるいは観光業を営みということで生活しているわけであります。すり鉢状の底に立って周囲を見渡しますと、爪でひっかいたような土石流の跡、山腹崩壊の痕跡が本当によく見られます。それが、二十四人と言われる大きな犠牲者を出しました。この対応策についてどうするかというのはかなり難しい問題でありますけれども、平成二年にも、同じような箇所で、同じような土石流が起きて十数人が亡くなるというような事故があっております。

 砂防につきましては、桜島の土壌と阿蘇の土壌はまた違います。熊本大学あるいは熊本市にあります崇城大学の防災、土壌学の先生たちによりますと、桜島の場合にはそのほとんどが火山灰土壌である、熊本の阿蘇の場合には、上の二メートルぐらいが黒ぼく土といいまして、非常にきめの粗い浸透性のある黒土である、その下に、三千六百年ぐらい前にできたきめの細かい、かたい、水を浸透しない、そういった土壌が広がっている、だから、上の二メートル部分がそのままの形で土石流につながるというような談話を出しておられました。

 被災された方々の話を聞きますと、山林の木が立ったまま流れてきた、そしてそのまま家屋を押し潰したというような証言があちこちで聞かれます。それだけに、土壌も考えながら山林崩壊への砂防対策というのは非常に難しい部分もあると思いますけれども、これはぜひやってもらわなければなりません。

 災害後、九州大学の大学院の先生たちを中心といたします阿蘇土壌調査チーム七人が構成されまして、その研究者の調査研究が始まっております。しかし、それは一年かけて結論を出すということでありますので、私はもう少し早く出していただきたいと思っております。

 この阿蘇特有の土壌に対しての砂防対策。砂防も、普通の砂防、あるいはスリットダム、あるいは砂防をさらにスリット化する、さまざまな工法があると思いますけれども、砂防対策について、この災害を契機に、どういうような方向性を出してこれからやろうとされているのか、お伺いをいたしたいと思います。

奥田副大臣 先生御指摘の熊本県の阿蘇外輪山地帯で、細かなものも入れますと、八十件の土石流、崖崩れの発生を確認しております。特に阿蘇市、南阿蘇村においては、多くの人命も失うという大変痛ましい災害となっておるところであります。

 国土交通省としましては、災害発生状況の把握、そして今後の緊急的な対応を速やかに実施するため、現地に土砂災害の専門家、国総研あるいは土木研究所の技術者、そして地方整備局からはTEC―FORCEを派遣して、技術的な指導と支援を行ったところであります。

 今回の災害においては、御指摘のように、流木による被害の拡大が見られた。その一方、これまでの砂防堰堤の整備された地区においては、流木を捕捉して被害を軽減したということも見受けられます。そのことも踏まえ、流木対策も含めた土砂災害対策を早急に実施すべく、緊急対策を含め本格整備に向けての協議を熊本県と始めているところでもあります。

 一刻も早い安全の確保のために、全力で取り組ませていただきます。

坂本委員 災害関連緊急砂防事業というのがあります。熊本県の方からも既に国の方に申し入れがあり、協議は進んでいるというふうに聞いております。かなりの数に上ると思いますけれども、この採択をぜひお願い申し上げたいと思います。技術的にも非常に難しい部分もあると思いますけれども、ここは人命が常にかかっているところでありますので、ぜひお願いをいたしたいと思います。

 そういうように、砂防の工事、河川の改修工事、あるいは小河川の工事、これからその工事がいよいよ始まります。

 私は、今回の災害の中で、やはり国の機関として本当に頭が下がるのは自衛隊です。頼るべきところは自衛隊。捜索に対しても、あるいはさまざまな道路の整備にいたしましても、自衛隊の皆さん、本当に力強くやっていただきました。

 それとやはり地元の消防、常備消防そして消防団、また一段落した後はボランティア、こういったところには頭が下がる思いがいたします。

 それから、もう一つ忘れてならないのは地元の建設業団体であります。これはやはり、しっかりとした位置づけを持って私たちは見なければいけないと思います。

 阿蘇では畜産が盛んでありましたので、豚が千頭近く土石流にのみ込まれて死にました。それから牛もそうであります。こういった処理はほとんど建設業の方々にやっていただきました。それから市町村道の流木の処理、緊急に生活道路として通さなければならないところ、これも地元の建設業界がやりました。やはり建設業は地域になくてはならないものであるということを、こういう災害があると改めて思います。

 しかし、これが、これからいざ事業の入札ということになると、これまで地域のために活動してきた地元の建設業が、総合評価方式ということで非常に入札しにくくなる、できにくくなるというような事態がこれまでも見られてまいりました。

 私は、ここは災害復旧でありますので、総合評価方式の入札にすれば、手続にしても書類作成にしても通常の指名競争入札の三倍はかかります。時間がかかるばかりであります。ですから、ここは、応急の処置というのはやはり地元を中心に指名競争入札で、そのスピードをもって復旧工事に当たるべきであるというふうに思いますけれども、いかがですか。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 災害により被災されました地域の早期の復旧を図るためには、災害復旧事業の速やかな執行を図る必要があると考えております。このため、国土交通省所管事業の入札、契約手続の実施に当たりましては、透明性、競争性の確保ということは図りつつも、何よりも事業に早期に着手することが重要だと考えております。

 したがいまして、応急復旧などの緊急の必要により、競争手続の余裕のないものにつきましては随意契約を活用するということにしておりますし、ただいま先生の御指摘がありましたけれども、それ以外の復旧事業につきましても、総合評価落札方式ではありましても、提出資料の簡素化等によりまして、例えば入札公告から入札までの手続期間を七週間から約三週間に短縮する、こういったことで、可能な限り手続に要する期間の短縮に努めるということにしているところでございます。

 今後とも、関係各機関と連携いたしまして、復旧事業が円滑に実施されるよう留意してまいりたいと考えております。

坂本委員 そのことを県工事にしても市町村工事にしても、ぜひ指導していただきたい。やはり県は国に倣いますので、市町村は県に倣いますので、これまでと同じような透明性の確保だけということではなくて、やはり非常時でありますので、ぜひ迅速性というものを大切にしていただきたいというふうに思います。そのことを県の方にも市町村の方にも御指導いただきたいというふうに思います。

 続きまして、道路の問題であります。

 熊本と大分を結びます国道五十七号があります。これは、熊本市と大分市を結ぶ、産業面で、あるいは観光面で、そして生活面で非常に大きな役割を果たしている道路でございます。

 この道路の一番の難所は、阿蘇から大分に向かうところの急勾配でございます。先ほど言いましたように、外輪山が立ちはだかっておりますので、この急カーブを越えながら大分の方に向かわなければなりません。そこの一番の難所が滝室坂というところであります。滝室と言うように、非常に急峻で、雨が降れば滝のようになるし、雪が降れば氷の氷室のようになる、そういったところから名前がついておりまして、冬場などはスリップ事故が多く見られますので、乗り上げ地帯というのをわざわざつくっているというような地帯でございます。

 この滝室坂の難所が崩落をいたしました。そして今、交通どめでございます。土石流が発生し、山腹そして五十七号ともどもに全て崩壊してしまったというような状況、手がつけられないような状況になっております。

 その中で、一つこれは国交省の職員の方にお礼を言いたいんです。新聞にも余り出ないんですけれども、豪雨の当時、数台のトレーラーあるいは大型トラックが、大変な豪雨の中で前方が見えない、そして滝室坂が危険であるということで、滝室坂の周辺、近くで待機をしておりました。しかし、国土交通省の職員の皆さんたちが、運転席にいては危険だから運転席から出なさい、避難をしなさいというふうな指導をしていただきました。そして、指導をした十数分後に崩落が起きました。とまっていたトレーラー、トラックは全て谷底に落ちております。現在も落ちております。こういうのは、やはり隠れた、職員の皆さんたちのアドバイスが人命を救ったということで感謝を申し上げたいと思います。

 その滝室坂、非常に重要な場所であります。ですから、まだまだ崩落の危険性がありますので、今、九州地方整備局に聞きましたら、現道復旧はなかなか難しいということで、谷の方に橋梁をつくって開通させるというような工法で今始められているようであります。それができ上がるのが九月ごろになるということであります。九月までということになりますと、あと二カ月ちょっとございますので、農産物の搬送あるいはその他の工業製品の搬送に非常に支障を来すわけでありますが、これはぜひ、時間はかかるかもしれませんけれども、この際やはり抜本的に、滝室坂という昔からの難所中の難所でありましたので、抜本的な改良をお願いしたい。

 同時に、九州地域高規格道路、いわゆる中九州横断道路というのがございます。竹田までは来ておりますけれども、阿蘇の方はまだ調査区間にもなっておりません。将来的にはこの中九州横断道路にもつながるような形の滝室坂の改良、改修をお願いいたしたいと思いますけれども、局長に御答弁をお願いします。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 滝室坂でございますが、今お話がありましたように、今回かなり斜面崩壊あるいは土砂流出がございまして、当日の七月十二日の早朝から全面通行どめをしております。これまで、崩壊箇所の中で、それほど大きくない箇所については応急復旧が終わったわけでございますけれども、一カ所がまだ依然として斜面から流水などが続いております。大きな浮き石が落石するおそれがあるということも確認されております。

 したがいまして、専門家によります現地調査の結果も踏まえまして、今お話がありましたように、崩壊の箇所を回避する仮橋をつくって応急復旧を進めるということにいたしまして、既に着手いたしております。地質調査とか設計等も終わりまして、今、仮橋の下部工工事に着手しているということで、できるだけ早く応急復旧を完了させたいと思っております。九月上旬ごろを目途に通行どめを解除ということで予定をしております。

 また、お話がありましたけれども、この路線は中九州横断道路という地域高規格道路でございます。計画路線でございます。

 今回の災害も踏まえまして、また県ともよく相談しながら、長期的にどういう方向で改修していくかというのは検討を進めていきたいというふうに思います。

坂本委員 菊川局長は我が熊本でもございますし、被災地の菊池市でもございますので、事情は重々おわかりだと思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 河川、砂防、そして国道、道路。それから、それ以外にJRがあります。

 JRは、今、熊本と大分を結びます豊肥本線で百三十三カ所、これは土砂流入あるいは線路の崩壊、そういったものが起きております。それから、久留米と大分を結びます久大線が十五カ所、そして北九州の小倉南区と大分の日田を結びます日田彦山線が八カ所。九州の中央部を通りますJRは壊滅状態でございます。

 この一日も早い復旧が待たれますけれども、JR九州は赤字会社でございます。新幹線が通りまして一部黒字になりましたけれども、なかなか経営が思うようにいきません。しかし、基本的には、民間企業になったがゆえに民間中心で復旧作業をやるというようなことでありますし、もし補助ということでやるならば、全ての部門で赤字でなければならないというような非常に厳しい基準がつくられております。

 私は、これは住民の皆さんたちの足でありますので、あるいは産業の輸送基盤でありますので、ここは国からの助成がぜひ必要であると思います。特にJR北海道、JR四国、JR九州、三島のJRにつきましては特別な御配慮もいただいているところでありますので、国の支援を何としてでもお願いいたしたい、そして、この基準の弾力的な運用というものをお願いいたしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

奥田副大臣 先生御指摘のように、JR九州豊肥線、そして久大線に関しましては、トンネルが陥没するという災害事故、そして橋梁が沈下して、また桁が外れるといった大きな被害を受け、運休をしているところでもあります。

 鉄道事業者が施設の復旧が困難という場合には、鉄道軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助制度がありますが、この制度の適用に当たってはまた一定の要件があるということも、先生も御承知のことと思います。

 国土交通省としましては、JR豊肥線等の被害状況を踏まえ、JR九州の経営状況を勘案し、どのような支援が可能か検討してまいりたいというふうに思います。

坂本委員 その補助に当たっての、一定の基準の弾力的な運用を、これほどの災害でありますので、ぜひお願いを申し上げたいと思います。

 それから阿蘇は、ちょうどこれから夏休みに入って、涼しい地域でございますので、観光面での書き入れどきでありました。しかし、これが一気に暗転いたしました。キャンセルが相次いでおります。もう旅館は泊まれないとか、阿蘇に行く道がずたずたで道路交通さえもままならないとかいうような風評被害が非常に出ているところであります。

 観光庁としては、ぜひそういったものがないように、しかも最近、フェイスブックあたりで必要以上に大きな被害あるいは風評被害に結びついているようでありますので、ここは観光行政としても、書き入れどきでありますので、ぜひ対応策をお願いいたしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

井手政府参考人 お答え申し上げます。

 阿蘇の地域は、観光資源が大変豊かであるばかりではなくて、滞在型の観光の先進地域として地元でも熱心に取り組んでいただいている、大変先進的な観光地域でもございます。

 そういう意味で、いろいろな形で観光庁も今まで支援を行ってきたところでございますが、先生御指摘のとおり、今回の災害に関しましての風評被害の防止、これは当然、夏のシーズンでございますので、とりわけ重要なことであるかと考えております。

 そのため、七月二十日付で、観光庁の方から旅行業協会を通じまして、全国の旅行会社に既に要請を行っております。要請の内容は、この被害の状況の正確な把握に努めながら、また関係の諸機関の最新情報をもとにして、正確な情報発信をユーザーに、つまり旅行者の方にしていただけるようにということを既に措置をしてございます。

 これからも、関係の地元の自治体とかさまざまな交通機関、あるいは諸関係機関の情報、状況を把握しながら対応してまいりたいと考えております。

坂本委員 災害後のということで地域的な質問に終始いたしましたけれども、お許しいただきたいと思います。どうか復旧復興に向けてよろしくお願いを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、畑浩治君。

畑委員 国民の生活が第一の畑浩治でございます。

 本日、党を設立して以来、この新党で初めての国土交通委員会の質問の機会でございます。

 私は、この国土交通行政の分野は、イデオロギーとかなんとかというんじゃなくて、国民生活の安全と快適を支える基盤をしっかりとやる分野だと思っております。各党各会派の皆様と連携しながら、いい国土をつくるために引き続き頑張らせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 さて、冒頭、九州の豪雨で被災された方に対して心よりお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げる次第でございます。

 さて、今回、昨今の事情も考えるにつけ、我が国の公共投資の重要性、こういうことがやはり今一段と明らかになっているのではないかと思います。

 我が国の公共投資の現状、これを水準について申し上げますと、この十数年予算をどんどん減らしましたので、今、欧米諸国と同じぐらいの水準、対GDP比の一般政府公的固定資本形成ということでいえば三%ぐらいであります。ただ、日本列島は、資料もお渡ししておると思いますけれども、これを見てもわかるように、面積分の海岸線、要は、海岸線と面積の比率というデータを出してみて、これで目からうろこが落ちたんですが、断トツの高い数値を持っている。この割合が高い国というのは社会資本整備のコストがかかるというのが有識者の間の常識でございます。

 そういうことを考えますときに、さらにまた、災害の多いような環境でもあるということがあって、この二つの環境がある。こういうことであれば、欧米と同程度の三%ということでは当然立ち行かないということはもう明らかだろうと思います。どれぐらい必要かというのは、これは考え方がいろいろ違うと思いますが、いずれにしましても、現行水準でいいとは思われない中で、どうやっていくか。

 実は私、川村先生も先ほど質問に立たれましたが、新たな国土地域政策を推進する議員連盟の、超党派でございますが、今、幹事長として私も提言をまとめさせていただいたところであります。

 この中では、一つの目安の水準として、一般政府公的固定資本形成の対GDP比でいえば、三%から、五、六%が適当だろうという考え方を示した中で、これをさらに、経済学者が言うには、IGという概念を使いますけれども、これは、先ほどの公的固定資本形成の数値に、公的企業ですね、特殊法人、独立行政法人を含めた政府全体の投資という意味でIGと言っておりますが、これでいうと八%程度が必要であろうというふうに大体言われております。現行、日本はこのIGでいえば四・八%。四・八を八%ぐらいにしなきゃいかぬというのが大体の私の考えであります。それをすぐやるというのが経済学的には一番効果があるんですが、財政制約の中で、すぐにということはなかなか難しいだろうと思います。

 いずれにしましても、政府は二〇二〇年度までに名目で平均三%成長を目標にしておりますので、大体この辺のところを目指しながら八%にふやしていく中で、そして、あとは大体八%ぐらいで平衡していって、二〇三〇年ぐらいを目標に、次世代投資、大臣も言われましたが、今の私たちの世代の責任でございますので、次世代に対する投資を今行っておくべきであろうというのがこの議連の提言の骨子で、改めて私から申し上げますが、そういうことでございます。

 こういうことを踏まえまして、公共投資の重要性について、今申し上げたことも含めて、大臣の所見を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。

羽田国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 地震、また台風、豪雨等が多発する我が国において、災害リスクと向き合いつつ、国土の保全、暮らしの安全を確保することは、重要な政策課題であると考えております。また、成長著しい近隣諸国との厳しい国際競争のもとにある我が国において、国際競争力を強化する、このことも重要な政策課題であります。

 このため、人の命が第一、災害に上限はないという東日本大震災の教訓を踏まえた国民生活の安全、安心の確保はもとより、我が国の国際競争力や地域の産業、経済を支える都市・交通基盤等の形成など、選択と集中の考え方のもと、真に必要な社会資本整備等を進め、持続可能で活力ある国土・地域づくりを推進することによって、子供たちや孫たちの時代にすばらしい国土を残してまいりたいというふうに考えているところであります。

畑委員 大変心強い答弁をありがとうございます。

 昨今の流れの中で、自民党さんも国土強靱化、そして公明党さんも防災ニューディール、そして民主党、あるいは国民の生活が第一も、たまたま超党派でまとめましたが、次世代投資という考え方で、まさにこの部分の投資の必要性については、政治的には考え方がおおむね一致してきているのではないかと思います。予算の部分も含めて、また私たちもしっかりとバックアップしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 そして、実は、このような公共投資を進めるに当たっては、投資水準を定める中長期の見通しというか、そういうものが必要だろうなと思っているんです。というのは、短期で、単年度予算主義でやっていきますと、どうしてもその辺の見通しが示せないし、なかなか長期的なそういう考え方が、財源も含めて厳しいというか出てこないという部分もございます。

 要は、かつては、全国総合開発計画、全総計画とか、あるいは、マクロの経済計画という意味では経済計画がありました。もちろん、こういう計画については、縦割りを助長するとか、数値をフィックスし過ぎて柔軟性がないという問題が指摘されてこうなったというのも知っております。これはもちろん改善すべき点はありますが、いずれにしても、こういうマクロの投資水準を大体見通す、示すような計画、制度が必要だろうと私は思っておりますが、そこのところについて大臣はいかがお考えでしょうか。

羽田国務大臣 社会資本整備、このことについては、長期間にわたるものであることから、議員御指摘のとおり、中長期的な社会資本整備の方向性を示すことは非常に重要であるというふうに考えております。

 このため、現在見直しを進めている新たな社会資本整備重点計画では、五年間の計画期間を超える中長期的な政策課題を解決するための事業、施策の集合体を十八のプログラムとして整理することにより、中長期的な社会資本整備のあるべき姿を提示させていただいております。

 このプログラムにおいて示された事業、施策について、限られた資源をどのような分野に重点的に投資していくのかの判断基準である選択と集中の基準を踏まえ、計画期間における四つの重点目標を定めるとともに、その達成のために戦略的、重点的に実施すべき社会資本整備の事業、施策の概要をお示しさせていただいております。

 なお、社会資本整備重点計画においては、平成十四年度に、従来の事業分野別計画を見直して横断的な重点目標を設定することで、事業間連携の強化を図るとともに、計画内容を事業費ではなくて達成される成果へと転換を図ったところから、投資額については記載していないということになります。

畑委員 実は、まさにその投資額というか、そこの見通しが必要なんだろうと思うんです。

 というのは、私、実務家の方にも聞くんですが、予算が減っていくことは困るんですが、それはそれでやむを得ない部分もあるけれども、その先が、どれぐらいのところで投資水準が平衡していくのが適正なのかというところがなかなか出てこない中でこういう議論をされているのが苦しいという声も聞きますし、これはもちろん地方もそうなんです。

 本当は、あるべき投資水準というのはあるはずなんです、簡単ではないですが。そこをどうやって維持していくかというのを示さないと、かなり不安を持っているというところも地方の実情であります。実は、まさに私のイメージは経済計画的なものなんですが、これは国交省の分野だけに限らないと思いますが、そこの投資水準というか数字の部分を工夫するとして、そこの部分の必要性に対する認識というのをもう一度ちょっとお伺いできればと思いますが、いかがでしょう。

羽田国務大臣 これは、事業分野別計画、これだと縦割りのような形になってなかなか全体的なものが見えなくなるということで、横断的な重点目標を設定することで事業間連携というものを強化したということでありまして、そういう中で、投資額については記載していないということであります。

畑委員 わかりました。大臣のお立場だとこれぐらいだと思います。

 実は、新たな国土地域政策を推進する議連の中でも提言しているところでございまして、要は、個別の事業ごとにかちっとつくるのは縦割りなので、私もおかしいと思います。要は、全体の公共投資というのは経済的な観点からこれぐらいが必要かなというぐらいのレベルが必要かなという思いで申し上げたんです。

 あと、私の経験から言うと、かつてのそういう長期計画というのは、つくったらもう大体それで終わりということだったんですが、恐らく、年度ごとに計画の達成状況を見て、そしてそれの評価、分析を行って、責任の所在をしっかり明らかにして、そして計画の変更を議論するというのを年度ごとにやっていく、そういう手続がビルトインされることが必要で、この点が足りなかったろうと思っておりますので、引き続き、中長期の課題になりますが、いろいろ議論をさせていただいて、またよろしくお願いしたいと思っております。

 さて、次は、被災地の立場からの質問をさせていただきたいと思います。

 これから被災地の立場でいろいろな事業が本格化していくわけですが、その際に、被災地の地元企業をいかに使えるのか、あるいは、こういう中ですから、能力のある企業をできるだけ幅広く使えるかという、この二点が私は重要だろうと思っております。

 それで、これから事業が多くなるということで、現在のところは、防潮堤とか防波堤とか港湾等のいわゆる海洋土木の事業がどどっと出てきて、受注する企業も、もちろん技術的な特殊性がありますから限られているわけです。これから、まちづくりとか道路とか、どんどん出てまいります。

 そういう中で、限られた企業が無理をしてとるということであれば、工事の安全性あるいは円滑かつ迅速な復興事業の実施という意味でもなかなか支障が出るという危惧を持っておりまして、要は、能力のある企業を幅広く使えるような仕組みというか、そういう工夫が必要なんだろうと思いますが、その点、大臣の御見解はいかがでしょうか。

羽田国務大臣 被災地における復興事業の円滑な施工を確保するために、昨年末から、復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会を開催し、多くの能力のある企業を活用する取り組みを講じてきたところであります。具体的には、地元の企業が被災地外の建設企業と協力し、被災地外の技術者や職人を活用できる復興JV制度の試行を開始しているところであります。

 また、市町村の復興まちづくり事業を推進するため、民間事業者の力を活用して設計業務と工事の施工を一括して発注するいわゆるCM方式を導入し、事業のスピードアップと地元企業の活用を図っているところであります。この七月二十日には、宮城県女川町でCM方式による事業の手続が開始されたところであります。

 引き続き、地元企業を活用することはもとより、できるだけ多くの能力のある事業者に復興事業に参画していただくなど、関係者が一丸となって復興事業の円滑な施工を確保してまいりたいというふうに考えております。

畑委員 そういうことで、ぜひとも引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 こういう措置を講じた中で、若干私が問題意識を持っていますのは、実績主義という部分なんです。こういうことをいろいろ講じていただいて、やっている企業については負担がかからないような措置はとっていくということなんだろうと思うんですが、実は、いろいろな企業が、能力があればということはもちろん前提ですが、仕事にしっかり入ってこられるかどうかという部分であります。要は、端的に言うと、この重大時においては、平時と違いますので、過度な実績主義というのは余りやるべきじゃないな、そういう思いを持っております。

 この実績要件、工事の入札参加の際の資格ということで、過去の同種の事業の実績ということが求められるんですが、そこの実績要件の緩和なり、あるいは見直しなり柔軟化なりというところはどのようなお考えでございましょうか。

奥田副大臣 お答えさせていただきます。

 東日本大震災からの一日も早い復旧復興、これは政府にとって最大の仕事、責務であるというふうに考えています。

 復旧復興においては、多くの方々の協力が必要なことは言うまでもありません。しかし、工事の確実な施工、そして品質を確保するということも重要なテーマであり、両立をさせていかなければならないと考えています。

 委員御指摘の、実績要件などで少しの緩和、働きやすい環境、参入しやすい環境というものができないかということでありますけれども、これまで面積や立米数という工事の規模の参入要件というものがありましたけれども、工事難易度が低い工事においては、同種の工事の実績要件について、工事規模を条件から外すなどの緩和措置を実施しているところであります。

 いずれにしましても、多くの方の協力のもと、一日も早い復旧復興に向けて取り組みたいというふうに考えております。

畑委員 まさに実績というのは、これはこれでもちろん通常は必要なんです。私もそれが全く要らないと言っているわけではありませんで、そこは事情に応じてしっかり緩和できるかどうかという問題意識なわけであります。

 例えば岩手県は、平成二十四年度から、施工実績要件は、工事担当公所の意見を聞いて、施工実績要件の全部または一部を付さないことができるものとする、そういうこともやっております。でありますから、岩手県の方がはるかに進んだ形でやっていると思うんです。これはこれで、国としても……。

 というのは、本来、これも言うまでもなく、公共工事受注希望者というのは名簿に載るわけですよね、経審、経営審査をやって、主観点を入れて、それで規模によって。だから、ある程度、全く審査していないわけじゃないんです、その段階でも。

 ただ、実際の工事の入札の段階で、ぎちぎちと、同種の工事と言ってはどうかなという私の思いがあって、そこの部分を緩めるということはあってもいいし、岩手県ではこういうふうにやっていますが、そういうことも含めてやっていただきたいんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。

奥田副大臣 それと、発注者による条件というものもあります。市町村で出すもの、あるいは県単位で発注するもの、あるいは国の直轄という形で出すもの、あるいは事業団という形で出すものもありますけれども、そういった参入規制というものが復興の妨げにならないようにという中で、私どもも随時取り組みをさせていただいているつもりであります。

 例えば、入札不調が多発しましたときには、労務単価といったものが現状と離れているんじゃないかということで、緊急的に新たな労務単価の調査と提示というものをさせていただきましたし、大臣からもお話がありました復興JVという形の新しい形態というものも示させていただいているところであります。

 国はもちろんですけれども、それが地域の発注者の方にもしっかりと伝わるように、今取り組んでいるところでもあります。

畑委員 ありがとうございました。

 こういうふうに申し上げたのは、事業の性格によって、きちっと、ぎちぎちとやるべきものと、緩く考えてもいいものが実はあるんですよね。

 例えば、極端に具体的な話になりますけれども、海洋土木というのは特殊な分野なんですが、そのような分野でさえも、テトラポッドとか消波ブロックというのがありますが、あれ自体は、何も特殊な技術はなくても、陸上のブロックをつくったような業者が、それなりのものをつくれる業者であればできるんじゃないかという声も大体地元企業からあるし、それが合理的だという考えもあるわけです。

 例えばこういう点は、ちょっと具体的な話になって恐縮ですが、いかがお考えでしょうか。

奥田副大臣 テトラポッドというところで、ちょっと限られた部分の話になりますけれども、津波の被害が大きいということで、海岸線、そして消波といった仕事がたくさんあるというのも事実であります。

 東北地方整備局におきましては、消波ブロック製作の工事という部分では、同種の工事の実績要件というのを求めています。ただ、これも、数量あるいは大きさといったところでの要件は設定していない状況であります。異形ブロックという実績がなくても、真っすぐの直方体のブロックの製作実績があればそこの入札への参加ということができるように、柔軟に設定しているところであります。

 ぜひまた事業者の方もそういった意欲を示していただければ、参入の道というものはあると考えております。

畑委員 ありがとうございました。

 この議論はここで終わらせていただきますが、できるだけ柔軟に御対応いただいて……。

 なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、被災地の復興のためには、地元企業が元気になって、地元でやっていくことによってお金が回って経済も活性化していきますので、改めてそのことをよろしくお願い申し上げる次第でございます。

 地元企業という意味で、実は、復興JVのことを若干お伺いしたいと思います。端的には、この適用対象についてお伺いしたいわけです。

 というのは、これもまた地元企業から不安が上がっていまして、当然これは、制度上、地元企業を使えという制度なんですが、よそから大きい企業が入ってくるので使ってもらえないんじゃないかということとか、あるいは、使うとしても、実はここも心配が上がっているんですが、JVというのは大体そういうものですが、大きい企業の言いなりになって、いろいろな条件、取り分とか提携条件とか、こういうところがかなり不利になって、言うことを聞かされてしまうんじゃないかとか、そういうのはちょっと聞くところなんです。

 要は、ちゃんと地元企業を使ってもらえるようなものなのか、その適用対象はどうなのか、そして、そういう一方的な条件を押しつけられないための指導というのはどういうふうなあり方を考えておられるのか、この二、三点をお伺いできればと思います。

奥田副大臣 復興JVを創設した理由というのは、被災地の方で顕著になってまいりました技術者そして技能者の不足ということが工事の進捗あるいは契約に大きな支障を来してきたということを確認しているからでもあります。

 この条件といいますのは、金額の上限が五億円程度という制限はありますけれども、被災地域の地元建設企業を代表者とし、また、同程度の施工能力を有する地域外の施工者とJVを組んで仕事に当たっていただくということで、有資格者の不足というものを補って仕事に当たっていただければという目的で実施しているところでございます。

 各地で登録というものが進んでおりますし、今、ようやくではありますけれども、その結果というものがあらわれ始めているところでもあります。

畑委員 よろしくお願いしたいと思います。

 そこで、一つちょっと答えが漏れたと思うのは、JVで条件面で不利にならないように、大きなところからそういうおかしい一方的な条件押しつけがないようにしっかりと御指導願いたいということについてはいかがでしょうか。

奥田副大臣 JVの方でも、スポンサーJVと、そして協力する参加JVという中で、たまにはトラブルがあったりすることもありますけれども、今回の復興JVというものは、地元企業の方がイニシアチブをとっていただく、そして被災地外から入ってきたJV、子供になるJVの方はそのサポートという役割の中でジョイントベンチャーを組んでいただくという形になっておりますので、その点でまたおかしなトラブルということがないように、お互いの協力をもって事業に当たっていただければというふうに考えています。

畑委員 引き続きしっかりと、行政の方からもそういう指導等、監視もよろしくお願いしたいと思います。

 あと、復興JVなんですが、組む相手なんですが、これは、地元企業と組む場合に、いきなり東京の大きい企業が来るとか、これは民間の契約だから仕方ないんですが、そういう離れたところから来るということよりも、まず段階的に、例えば、地元企業と組む相手が隣接した地域の企業とか、岩手県であれば内陸の企業あるいは県内の企業とか、そういう段階的な提携相手を探すような形が私は被災地の復興で望ましいと思うんですが、そこのところの方針というか指導というのはどのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。

奥田副大臣 JVを組む地域要件というものも、絶対こうだという制限があるわけではありません。ただ、あるとすれば、先ほど言ったように、被災地域の企業をスポンサーとしてJVを組んでいただきたい。その相手方に関しては、例えば東北地方という地域性をもって優先性を持ってもいいわけですし、あるいは幅広く全国から募ってもいいということになるかと思います。

 そういった要件のあり方というのは、先ほど言いましたように、発注者となる団体の考え方というものが中心になりますので、大きな枠を外れない中で柔軟に構成をしていただければというふうに考えています。

畑委員 まさに発注者の立場になるので、発注者において、公共事業の発注者ですから、そういうことを踏まえて適切に地域要件を設定していただきたいなと思います。岩手県なんかも、対象地域要件は補整したり、いろいろそこは柔軟にするというのはやはりやっておりますので、これはどの発注者でも、国交省も含めてよろしくお願いしたいと思っております。

 さて、時間もなくなりましたが、最後、CM、コンストラクションマネジメントについて若干お伺いしたいと思います。

 都市再生機構、URにつきましては、本当に被災地でまちづくりに多大なる御尽力を賜っていること、改めてこの場で御礼と感謝を申し上げる次第でございます。

 これからコンストラクションマネジメントを利用した復興まちづくり事業が進んでいくという中で、これも地元企業の不安なんですが、URの協力企業が仕事をとっていくのではないか、そういう不安が結構あります。

 これは、その制度というのは、もちろん、市町村の代理としてURがコンストラクションマネジャーを選んで、その人がいろいろな組み立てをしながら実際の施工業者を選んでやっていくという二段階の方法であるわけですが、まずそこは、そこのコンストラクションマネジャーの選定方法ですね。URがコンストラクションマネジャーをどうやって選ぶかという部分と、そのコンストラクションマネジャーが施工業者を実際にどうやって決定していくか。そこは、地元業者を活用するという視点がどのようにあるのかというところを含めてお伺いしたいと思います。

奥田副大臣 このコンストラクションマネジメント、CM方式という契約方式も、被災地の復興という中で新しくチャレンジさせていただく形態でもあります。市町村の復興まちづくり事業ということで、この発注業務が大変であるということで、その支援をできればという形で包括的に発注業務をさせていただくということであります。

 そして、ちょうど最初のモデルという形で、宮城県女川町の方で、いろいろな地区、十五地区だったと思いますけれども、そういった地域の復興のプランというものを立てていただくということが七月二十日に示されたところでもあります。公募を開始したということであります。

 このような大規模な事業ということになれば、大きな事業の実績のある企業にコンストラクションマネジャーという形で取り組んでいただきたい、これも事業の規模によって発注者の方が条件として考えていくことであります。ただ、その中に、地元業者を優先的に使っていただきたいという条件が入ってきたり、あるいは、これも新しい試みですけれども、オープンブック方式という中で、コンストラクションマネジャーからどのような形で仕事が枝分かれして発注されていくか、そのことを透明性をしっかりと持ってチェックしていくという試みもされているところであります。

畑委員 ありがとうございました。

 恐らく、コンストラクションマネジャーというのは大きなところじゃなきゃいけないということだと思います。そこももちろん、URの協力企業ありきじゃなくて透明性を持ってやるべきだと思いますが、そのコンストラクションマネジャーが、実際の施工業者、そこはまさに地元企業を大いに使うべきところであると思いまして、市町村の意向を踏まえてそういう地域要件も含めた一定の条件を設定して、市町村の承認を得てやっていくということで市町村の考えが入るんだろうと思いますので、そこのところでしっかりと地元企業を使えるような運用の徹底と指導をお願いしたいと思っております。

 これで時間も参りました。私は、この国土交通行政なり復興ということについて、党派の別とか政局ということはあり得ないと思っているし、そういうことをやる政治家というものは見識を疑いますが、一丸になってここはしっかりやるべき分野と思って私も尽力してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

伴野委員長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之です。

 委員長、定足数は足りていますか。

伴野委員長 大丈夫だと思います。

富田委員 出席率が悪いようなので、ちょっと一言。

 私の方からは、まず、小水力発電の水利使用許可の手続についてちょっと大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。

 再生可能エネルギーを大事にしていこうという流れは誰も反対しないと思うんですが、国土交通省の関係では、河川を管理していますので、水利権の問題が出てきて、そこが一番かかわってくるようになると思うんです。小水力発電はかなりのポテンシャルがあると思うんですが、なかなか地域によって運びが違うということで、ちょっと問題点を指摘させていただきたいというふうに思います。

 環境省の方から来ていただいていますので、まず、環境省が二〇一一年三月に公表されました再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査によりますと、発電出力規模一万キロワット以下の小水力発電の導入ポテンシャル、これは河川部に限りますが、約千三百万キロワット、単純に言うと原発十三基分ぐらいあるという話になるんですが、環境省の方の数値は既存の発電所が含まれているようです。また、経産省の資源エネルギー庁が出力別包蔵水力の試算というのを出しているんですが、これによると、出力規模一万キロワット未満のものは既に約三百五十万キロワット開発されていると。この数値をあわせると、単純計算で約九百五十万キロワット開発余地があるというふうに思うんですが、どうももともとの調査の基準が違っているようなので、環境省として、この一千三百万キロワットというのは既存の発電所を入れているような数字ですので、それを除いて、その後、新たに設置されたり、また出力が増量されたというような施設もあると思いますが、今、一番直近の時点で、この導入ポテンシャルというのはどのように把握されているんでしょうか。

鈴木政府参考人 先生御指摘いただきました調査結果以降も調査を続けてまいっておりまして、昨年度、ゾーニング基礎情報整備事業という形で、既存の開発されている発電所を除くというような形で精度を高めてきているところでございます。

 その結果については本年六月に調査結果を取りまとめて公表しておりますが、その結果を申し上げますと、発電出力一万キロワット以下の小水力導入ポテンシャルは、既発のものを除きまして、設備容量で八百七十四万キロワットということになっております。千三百万キロワットよりは小さくなっておりますけれども、それでも大きなポテンシャルを持っているということでございます。

富田委員 局長、これは確認なんですが、小水力発電は、小さな河川等で、本当に小単位でも発電所を設置しているというところがあると思うんですが、その全部をトータルすると今言われた八百七十四万キロワットの可能性があるということでいいんですか。

鈴木政府参考人 御指摘のとおりでございまして、そういう中で開発可能なものを全て合わせたものが今の数字でございます。

富田委員 環境省はもう結構です。

 今のを前提に、ちょっと国土交通大臣にお尋ねしたいんですが、平成二十四年四月三日の閣議決定で、エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針が決定されました。その中で、水利使用許可について手続の簡素化等が何点か指摘されているんですが、国交省からいただいた資料を見ますと、「二十四年度検討・結論、結論を得次第措置」というようなのがずらずら並んでいるんですね。ことしやるんだということだと思うんですが、どういう形で簡素化に国交省としては取り組んでいらっしゃるんでしょうか。

関政府参考人 先生御指摘の小水力発電に関します水利使用の許可手続の簡素化、円滑化に向けての取り組み状況について御説明をさせていただきます。

 今私どもが進めている中で、特に、もともと水利使用の許可に当たっては、公共の福祉、小水力発電の実行の確実性、河川流量と取水量との関係、あるいは公益上の支障の有無、こういった観点から手続を進めているわけでありますが、こういった中でも、特に事業者に過度の負担をかけることがないよう、これまで、河川から取水した農業用水等、特にいわゆる従属発電等、こういったものについては、簡素化、円滑化の取り組みを推進してきたところでございます。

 具体的に申し上げますと、まず、小水力発電、これは農業用水等を用いたものに関して申し上げますと、平成十七年に、許可申請時に必要となる河川流量あるいは河川の環境等に関する調査、書類等を不要としたところでございます。こういった形で手続の簡素化を図りました。

 また、昨年の三月、農業用水等とその用水を利用した小水力発電の水利使用の両方を、これは国ではなくて知事が許可できるようにということで政令改正を行いました。

 また、昨年の八月になりますが、総合特区法、それから昨年の十二月の東日本大震災復興特区法におきまして、通常必要な国交大臣の認可、あるいは経産大臣、都道府県知事への意見聴取、こういったものを不要としてございます。

 それからさらに、水利使用許可に係る標準処理期間も通常よりも相当程度短い一カ月というような形で進めており、現在、簡素化、円滑化に努めているところでございます。

 さらに、先生御指摘のように、今年度、平成二十四年度検討し、可能な限り速やかに措置するということでございますが、こういったものの中では、登録制の導入といったものも含め現在取り組みを進めているところであり、一層の簡素化、円滑化を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

富田委員 簡素化、円滑化に向けていろいろな取り組みをされているのはわかるんですけれども、ちょっと私の地元の千葉県の事情をお話ししますと、千葉県では、この春、新エネルギーの活用推進により、エネルギーの分散確保、環境負荷の低減及び地域経済の活性化を図るため、新エネルギーの導入・既存エネルギーの高度利用に係る当面の推進方策というのを策定しました。民間事業者や自治体から提案された三十二件のプロジェクトの中から、当面の重点支援プロジェクトを五件選定したというふうに千葉県の方から書類をもらいました。

 その中に、既存施設、水力発電施設の跡地の二次利用を特色とする、房総にある大多喜町が事業主体になるんですが、五十キロワットの小水力発電が選ばれました。その円滑な事業化を庁内横断的に支援していくというふうに千葉県の方では決定されたんですが、先日、この大多喜町の小水力発電で利用される予定の発電機を製作しております千葉県市原市の新工法開発研究所が同市内の田淵川に設置している発電実験装置を見てきました。現場に行きまして、どんなふうにやるのかいろいろ説明を聞いたんですが、その際、同研究所の川本正男さんという社長さんが次のようなお話をしてくれました。

 ちょっと長くなるんですが、この社長のお話ですけれども、大多喜町においては、昭和三十五年まで〇・三四六立米・パー・セコンドという水利権を東京発電という会社が持っていた。ただ、この昭和三十五年に発電所等の施設を町へ譲渡して、水利権を抹消してしまった。一回、水利権がなくなったんですね。

 今回、大多喜町がもう一度この跡地を利用して水力発電をやりたいということで、この研究所の方で一緒に組みまして、今、県に申請をしています。〇・二一二立米・パー・セコンド、以前持っていた分の約七割ぐらいの水利権の許可申請をしているんですが、県がこれを認めてくれないと。

 その認めてくれない状況がどうかということを御説明いただいたんですが、川本さんはこういうふうに言っていました。

 五十年前と気象条件が違うのに、水量の証明をしろと言う。大多喜町の測候所の過去三十年の雨の平均データをもとに、流域面積、降雨量、流域計数〇・七として計算すると、〇・四立米・パー・セコンドの水をとっても何ら問題がないのに、川の水の量をきちんと計測しろということをしつこく言われる。三百六十五日のワンポイントでとるから、そのときの流量を計算したって当てにならないんだ。過去三十年のデータをもとに予測する方が明らかに正しいのに、県は納得してくれない。

 国の指針では自然エネルギーをふやせと言っているのに、過去に認めたものを認めないというのはいかがなものなんだ。この川に今どれだけの水が流れているか証明しろというのは、ちょっと幾ら何でもひどいだろう。国の方針にブレーキをかけないでほしい。過去に認めたものをなぜ認めないのか。温暖化で降雨量は多くなっているんだ。十年間の分を計測するなんてことを言われたら、そんなことはできっこない、ナンセンスだというふうに、視察に行きました私たちに説明をしてくれました。

 この小水力発電は実験装置ですから、川の中に設置されていたんですね。落差八メートルを利用しまして、取水して、発電装置、タービンを回した後は、そのままその水がまた流れていっている。実際に発電所をつくろうというときには、取水口だけは、それは水を取りますから川の中に来るんですけれども、装置は全部陸地に上げて、もう一回川に水を戻しているということで、ほとんど川には影響がない。そういうことなのに何で水量をはかれと言うんだというふうに言われるんですね。

 国交省の方から、許可手続、水利権の法的手続についてのペーパーをいただいたんですが、この中にも、河川の流量資料、どういうふうに流量を調べるかというのでいろいろ書かれていました、取水予定地点の流量とか推定方法とか。ただ、これはなかなか読んでもわかりづらい。ああ、こういうふうにやればいいんだというのがストレートに出てきません。川本所長が言われるように、推測できるデータがあるんだから、そこをきちんととってくれればいいんじゃないかというふうに言われるのはもっともだと思うんですね。

 この河川の流量資料に関して国の方でもう少し明確な指針をきちんと出してあげないと、地域によって、二級河川は県の管理ですから、千葉はだめだけれども、実際、岐阜の方では全く同じようなことがきちんとされているんですね。大臣のお隣ですから御存じだと思うんですが、こういう資料がありました。

 岐阜県の郡上市の石徹白地区、人口三百人、ここでは、地元のNPOが小水力発電事業に取り組んでいる。人口減少に歯どめがかからない中で、地域振興を目指していたが、昭和三十年代までは同地区に小水力発電所が存在していたことから、温故知新という形で小水力発電への取り組みが始まって、二〇〇七年から事業をスタートさせた。この発電所を見に来て、この地域はいいなといって住み込む人もふえてきた。地域おこしにもなっている。

 本当に大事なあれだと思うので、地域によって流量の資料が違うとか県の許可基準が変わってきてしまうというのは、ちょっと幾ら何でもおかしいと思うんですが、大臣、そこはどうですか。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生の方から今、千葉県の大多喜町の例をもとに御指摘いただいたところでございます。

 この大多喜町の例につきましてまず申し上げますと、これは、昭和三十九年に当時の東京電力が水力発電所を休止し、その後、当時持っておりました水利権は廃止され、今日に至っているということでございます。

 そういう意味において、水利権が過去に廃止されていたものを用いるという場合においては、新たな水利権の手続が必要となる、これはやむを得ないことではないかというふうに考えております。ただ、御指摘のように、こういった場合においても、小水力発電の事業者に過度の負担とならないようにしていくということは、私どもも必要なことだというふうに考えております。

 その中でも、今御指摘の流量のデータでございます。

 使用水量の算出の根拠ということで、例えば、取水地点で十年間の実測資料がない場合、こういった場合には、取水地点と近傍観測所、近傍でそういったところがございますので、相関関係から算出されたデータを根拠とすることが、ある種の簡便法でございますが、そういったことも可能であり、また、やむを得ず近傍の観測所で保有するデータが十年分に満たない場合には、もともと持っているデータを使って算出する根拠とするということも可能である。さらには、河川の流況あるいは環境等を踏まえた上で、新たな魚類等の環境調査は省略できる。こういったことを整理いたしまして、国土交通省の地方整備局あるいは都道府県に対して通知をしているところでございます。

 そういった形で、各地方においても、こういったもののチェックといいますか、審査をする場合においての考え方を整理させていただいているところでございます。

 また、近年、小水力発電を推進するため、水利使用の許可申請がふえているということで、こういった許可手続に関する事業者あるいは都道府県の担当者からの質問、相談に対応するということも重要であると考え、ことしの三月から、国交省の私どもの局に発電水利相談窓口を設置いたしまして、こういった対応をより一層進めていくべく対応しているところでございます。

富田委員 関さんが今言われたことがちゃんとやられていれば、大多喜町の問題は多分起きないと思うんですね。

 先ほどの閣議決定の具体的な中にも、小水力発電に係る河川法の許可手続の簡素化の項目に今局長が言っていただいたことが書かれていました。やはりそういったことを地方整備局なり県にきちんと周知徹底していただいて、局長が最初に言っていただきましたけれども、水利権者に過度の負担にならない、何かむちゃくちゃなことを言って小水力発電の普及を阻害するようなことのないように、ぜひ今のお話を徹底していただきたいというふうに思います。

 この小水力発電の件をちょっと勉強している中で、千葉商科大学商経学部の教授を務められている伊藤康さんという方が、「科学技術動向」の二〇一二年五・六月号に「小水力発電の現状・意義と普及のための制度面での課題」という論文を載せられていました。かなりわかりやすい、また緻密なデータに基づいた論文でして、ここでこの先生はこういうふうに言われています。

 「小水力発電は、太陽光発電や風力発電と比較すると、設備容量規模という意味での開発ポテンシャルは大きいとは言えない。しかし、設備利用効率の高さや負荷変動の小ささ、技術的不確実性の小ささといった、他の再生可能エネルギー発電と比較しても優れた性質を持ち、消費地の近くで発電を行う「分散型」の電力供給システムとも親和的であるというメリットを有する。また、地域の水資源に依存していることから、その開発のプロセスで地域の資源・環境を問い直すことが不可欠であるがゆえに、それを通じて地域活性化に寄与することも期待でき、実際に各地域で様々な取り組みが行われている。再生可能エネルギーの中で太陽光発電や風力発電と比較すると注目度は低いが、小水力発電を促進する意義は」大きいというふうに言われています。

 そして、「普及の阻害要因となってきた水利権等に関する手続きの煩雑さは徐々にではあるが緩和されてきたが、小水力発電を十分に促進するには至っていない。」今局長が言っていただいたところだと思うんですが、「水利権に係る手続きが厳格であるのには歴史的経緯があり、また緩和した場合の影響は十分に検証される必要があることは言うまでもない。しかし、今日の日本の電力をめぐる状況を考慮すれば、小水力発電普及の具体的な便益と費用などの問題点を早急に検討し、これまで行われてきた水利利用手続き等の緩和の影響など、様々な規制に関して改めて見直すことが求められている。」というふうにこの論文を結ばれていました。

 本当にこのとおりだと思うんですが、大臣、この小水力発電の今後の課題についてどういうふうに認識されていますか。

羽田国務大臣 再生可能エネルギーの普及拡大を図る上で、小水力発電の導入を促進すること、このことは国土交通省としても非常に重要なことであると認識をさせていただいているところであります。このためには、水利使用の手続のさらなる簡素化、円滑化を図ることが必要であると考えております。

 このため、河川から取水した農業用水等を活用する小水力発電については、許可手続の簡素化など、これまでもさまざまな取り組みを進めてきており、今後は、許可制度にかえて、新たに登録制を導入するということを検討しております。

 また、河川からの流水を直接発電に利用する通常の小水力発電についても、その促進を図る観点から、国土交通大臣から知事へ許可権限を移譲することを検討するとともに、申請書類の簡素化を図る予定であります。

 国土交通省としては、このような取り組みを通じて、鋭意小水力発電の普及拡大に努めていきたい、こういうふうに思っておりまして、実効性が伴うようにしていきたいというふうに思います。

富田委員 大臣、最後の実効性というのが大事だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、ローコストキャリアについて何点かお尋ねしたいと思います。

 長田局長にも来ていただいていますが、今月の三日でしたか、谷田川先生と長田局長と一緒にジェットスター・ジャパンの就航記念式典で成田に行ってまいりました。安く上げるということで、私、式典の四十分ぐらい前に着いちゃいまして、そうしましたら、控室に案内されたんですが、案内された方にずっと放置されて、皆さんがもう式典会場にいるのに、一番最後に式典会場に連れていかれるという、大丈夫かなというようなことも味わったんですが、やはりその日のうちに、夜、新千歳から成田に戻ってくる便が欠航してしまった。十二日ですか、もう一回また同じようなことになった。

 ローコストはいいんですけれども、きちんと定期運航ができないというのはさまざまな影響を与えるようになると思うんですけれども、この二回欠航した原因というのはどこにあるんでしょうか。

長田政府参考人 先生御指摘のジェットスター・ジャパンの件でございます。

 七月三日と十二日の新千歳発成田行きの最終便が欠航することになりました。欠航の理由としては、七月三日はちょうど初便の日でございまして、いろいろな行事が重なりまして、前便までの遅延と、それから、最後に成田から新千歳へ行くときにちょうど成田が非常に天候が悪くなりまして、そこで出発がなかなかできなかった。それから、十二日の場合は、やはり最終の便の前の、成田から新千歳に行くときに、その航空機に若干燃料系統のふぐあいがございまして、それのチェックに一時間ほど要しまして、結果的に新千歳から成田に帰ってくるときのいわゆるカーフューに間に合わないということがわかりましたので欠航になったというふうに聞いております。

 当初のふなれということもあるわけでございますが、ジェットスター・ジャパンにおきましては、今後こういうことがないように、もう少し成田の着時間を早めて、余裕を持った運航体制になるように、この七月二十三日の便より出発時間を変更しております。

 また、空港側におきましても、B滑走路周辺の誘導路整備を現在空港会社で進めております。それが来年の春にできますと、B滑走路の処理能力が上がりますので、なるべく成田からスムーズに航空機が出発できるように、我々管制の方も努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

富田委員 ピーチは関空を拠点に動き出しましたので成田とちょっと違うんだと思いますが、成田はやはり飛行制限時間がありますので、十一時までに戻ってこられないともう諦めて、多分、新千歳からは飛び立たないということだと思うんです。

 夜十一時から朝の六時までの飛行制限時間については、これまでいろいろな動きがあって、近隣の首長さんたちの方からも何とか緩和できないのかというような話が上がっていると思うんです。私も、直接何人かの方から言われました。そこは今後、どういう方向になっているんでしょうか。

羽田国務大臣 成田空港については、内陸空港であるために、騒音等の環境問題に配慮し、二十三時から六時までの間は原則として航空機の離発着を行わないことを開港当初から地元とお約束しているということでございます。

 また、現在、成田空港は、環境対策について真摯に取り組むことを前提に、地元の合意を得て、三十万回化に向けた容量拡大の取り組みを進めているところであります。

 このような状況の中、発着時間の制限の緩和は、騒音のさらなる増加につながりかねないことから、地元の理解を得られるかどうか、十分見きわめる必要があると考えております。

 一方、LCCを初め航空会社から、成田空港の発着時間の制限緩和に関する要望があることは承知をしております。

 国土交通省としては、環境対策の進捗状況や地元の理解の状況を見つつ、慎重に対応してまいりたいと考えているところであります。

富田委員 あと、ローコストの面で、やはり日本の空港は着陸料が外国に比べて三倍ぐらい高いとか、施設使用料も全然違う、こういうコスト高をローコストキャリアを運航している会社の方で言われているようですが、こういうことについては、国交省としては何か取り組みはされるんですか。

長田政府参考人 今先生御指摘のように、確かに、空港の着陸料でありますとかビルの使用料等、そういったものについて、エアライン等々から、諸外国に比べて高いのではないかという御指摘を受けていることも事実でございます。

 このために、私どもとしては、国管理空港につきまして、特に地方航空路線の就航を拡大するという観点から着陸料の引き下げということをやっておりますし、また、成田空港を初め関空、羽田につきましても、徐々にでございますが、事務所賃料あるいはバゲージハンドリング等々の施設の使用料の引き下げということをやっております。

 また、関空それから成田につきましても、既存のターミナルビルを使わないで、むしろ安い専用のターミナルの整備をするということもできているところでございます。

 また、この国会に法案を私どもで出させていただいておりますけれども、例えば滑走路とビルを一体的に経営して、それを民間の知恵と資金の活用によって空港経営改革を徹底的に推進して効率化を進める、そのことによって空港の高コスト体質の解消ということも検討しておるところでございます。

 先生御指摘のように、特に空港の利用者を中心に関係の方々の意見を聞きながら、やはり空港がより便利に利用されるように、コスト削減というものに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

富田委員 新聞報道によりますと、今度、八月からエアアジアがまた成田を利用するようですけれども、施設使用料を下げてくれないと撤退するぞみたいな話も出ていますので、今局長が言われたことをきちんと徹底していただいて、利用しやすいような空港をつくっていっていただきたいと思います。

 残り三分しかありませんが、中田さんにせっかく来ていただいていますからちょっとお尋ねしたいんですが、きょうの毎日新聞朝刊に大きく、「ツアーバス仲介禁止 国交省方針」とどんと出ておりました。これまでのツアーバスに対するいろいろな方針を積み重ねていくとこういうところに行き着くのかなと思うんですが、この報道はどうなんでしょうか。

中田政府参考人 お答えを申し上げます。

 ツアーバスにつきましては、この夏の多客期に向けていろいろな緊急対策を講じてまいりましたが、これに加えまして、ツアーバスという形態につきましていろいろ問題があるということで、これを高速乗り合いバスに一本化するという方針を国土交通省として決めてございます。

 高速乗り合いバスにツアーバス会社を移行させるための制度設計を、今、細部を詰めているところでございますが、その内容として、バス会社が貸し切りバス会社に管理の受委託をするという方式を考えてございます。その内容について、今、パブリックコメントをしてございます。

 その関係で、本日の新聞報道で仲介の禁止等の見出しが躍ってございましたが、これは若干ミスリーディングでございまして、我々としては、バス会社が貸し切りバス会社に委託をすることについて許可に係らしめる、これを再委託するようなことは禁止する、その趣旨がああいう報道になったんだと思います。

 いずれにいたしましても、このツアーバス問題につきまして、構造的な問題、根本的な問題を解決するために、今、最終的な詰めをさせていただいているところでございます。

富田委員 「高速ツアーバスに係る緊急対策の実施状況について」ということで、先日も理事懇で御説明いただきましたけれども、その中で一点だけちょっと確認させてもらいたいんです。

 過労運転防止に係る緊急対策の案の中に、「遠隔地における第三者立ち会いによる点呼等」という項目がありますよね。四月の事故も、金沢の方に行って、向こうからまた夜行で帰ってくる。会社から出ていくときにはバス会社の方で点呼は可能だと思うんですが、遠隔地に一泊するなりして戻ってくるときに誰が点呼するんだ。

 第三者立ち会いによる点呼というのは大事だと思うんですが、これは、どういうふうなスキームを考えて、実際、どんなふうに実効性あるやり方をやろうとされているんですか。その点だけ教えてください。

中田政府参考人 お答えを申し上げます。

 点呼というのは、安全運行管理のために非常に大事な作業でございます。今先生御指摘のように、出発する時点で運行管理者が点呼をいたしますが、行った先では、通常は、電話等による点呼というのが今原則でございます。

 しかし、それでは十分な健康管理ができていないという反省で、今回の緊急対策では、基本的にバス会社の運航管理者が電話で点呼をするんですが、その場合に、ほかの第三者がその点呼に立ち会うということで、本来の点呼を補完する機能を整備していただくことを推奨いたしてございます。

 これはまだ試行的な措置でございまして、そうではなくて、行った先ではちゃんとした点呼を現地の方でやるべきだという御議論もございます。

 その意味で、運行管理制度、特に点呼のあり方について、この問題につきましては専門家を加えた検討会を今やってございますが、この運行管理のあり方については抜本的に見直そうということで、この検討会でこれにつきましても詳細な制度設計を年度内にした上で、遠隔地における点呼の実効性を上げるということをやってまいりたいと考えてございます。

富田委員 終わります。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 きょうは、公共事業と消費税に関連して、少し大臣と意見を交わしたいと思って質疑します。

 消費税増税法案の民主、自民、公明三党の修正合意をめぐって、増税分を大型公共事業の財源とする点に批判の声が上がっています。修正合意の中身を見ると、附則第十八条二項で、「消費税率の引上げに当たっての措置」に関し、「税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、」ということを述べて、「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」、これが加えられています。

 まず、この意味について大臣の見解をお聞きしたいと思うんですね。

 この消費税の税率引き上げに当たって、「財政による機動的対応が可能となる」というのは、増税で機動的対応が可能、つまり財源に余裕が生まれるということなんですね。そこで、「資金を重点的に配分する」とする「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野」というのは公共事業も多く含まれると読めるわけだけれども、そのとおりでよろしいか。

羽田国務大臣 お尋ねの、税制抜本改革法案附則第十八条第二項の「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野」のうち、成長戦略については、現在、新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行等に取り組んでおりますけれども、これらの分野には国土交通省所管の公共事業等が含まれるというふうに考えます。

穀田委員 だから、成長戦略のところでは含まれるし、ましてや防災及び減災等についてはさらに含まれるということだから、今大臣がおっしゃったように、公共事業も含まれるということを確認しました。

 財政に余裕が生まれるということについては、修正協議に参加した当事者である自民党提案者が答弁していますし、さらに、宮沢洋一議員は、消費税増税による税収は社会保障関係に充てられるが、そうなると、その他の経費も楽になり、今までできなかった政策ができる、政府は減災や防災などの成長に向けた政策を決断しなくてはならぬ、こう言っているわけですから、両方の意味が確認されていると思うんですね。

 そこで、では、「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野」というのは具体的に何を指すのかということになりますね。特に、高速道路建設や新幹線の建設、ダム、そして国際戦略港湾など、国土交通省が所管する大型開発事業が含まれるのかどうかお聞きしたい。

羽田国務大臣 御指摘の税制抜本改革法案附則第十八条第二項は、税制抜本改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、その時々の経済状況を踏まえて、成長戦略や防災、減災分野への資金を重点配分するなど、経済成長に向けた施策を検討することとしたものと理解をしております。

 したがって、具体的に「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野」にどのような事業が含まれているかについては、このような考えを踏まえ、今後検討されるというふうに考えております。

穀田委員 今後検討されるではないんですよね。今までずっとやってきている、例えば国土交通省が明らかにしている社会資本整備重点計画の中に、防災だとか減災は盛り込まれておるわけです。ですから、そのことでいいますと、既にそれは自明の理なんですよ。それは入っているというのが普通の解釈なんです。今大臣がおっしゃっているように、そのときに考えるなんという話じゃないんですよ。

 だって、それ自身は、既に自民党はこの問題と関連して国土強靱化計画を法案として出されている。そして公明党も、今、防災・減災ニューディールと称して百兆円やると言っている。大体それで中身は出そろって、案は出ているんです。具体的に何をやるかという問題はありますよ。だけれども、では、経済成長に資する問題として、今まであなた方がずっと言ってきた高速道路建設や、新幹線や、ダムや、国際戦略港湾というのはその中に入るのか、こう聞いているわけだけれども、それは入るのが当たり前なんですよ、理屈からいえば。だから、そのときに考えるなんというような話じゃないということを言っておいて、では、もう少し具体的に聞きましょう。

 道路事業について聞きます。

 その中で、高速道路建設について聞きたいと思うんですね。野田内閣のもとで、この間、凍結とされていた東京外環道、特に関越から東名間のところ、それから新名神の抜本的見直し区間などが復活しているわけですね。

 東京外環道は、有料の高速道路に税金は投入しない、合併施行方式はだめだといって、当時の馬淵大臣が調査費以外は予算をつけなかったわけです。ところが、前田大臣のときになって、合併施行方式でもよい、税金も投入するといって、本格着工の予算も今年度はつけた。

 新名神はどうか。小泉自公政権の時代に、道路公団民営化の際に、三本も要らないといって抜本的見直し区間として凍結された。それが事もあろうに、コンクリートから人へ、このことを掲げた民主党政権が凍結を解除してしまった。

 私はその理由がよくわからぬわけですね。外環道と新名神、それぞれの凍結解除した理由は何か、お答えいただきたい。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 まず東京外環でございます。東京外環の関越―東名でございますけれども、この事業は、首都圏の都心の通過交通を排除する、あるいは防災といったいろいろな効果があるわけでございますが、その事業の必要性を判断いたしまして、平成二十一年の国幹会議の議を経て整備計画を策定いたしましたが、その後、整備手法を検討しておりました。

 今般、地方公共団体、特に東京都になりますが、あるいは有識者委員会、こういったところの御意見も踏まえまして整備手法を確定いたしまして、事業に着手することといたしました。

 それから新名神でございます。新名神の大津ジャンクションから城陽ジャンクション、並びに八幡ジャンクションから高槻ジャンクションの区間でございますけれども、それぞれ平成三年と平成八年に、こちらは国幹審と呼んでおりますが、国幹審の議を経て整備計画が策定されましたが、その後、今御指摘ございましたように、道路公団の民営化の議論の中で、主要な周辺ネットワーク供用後の交通状況などを見て、改めて着工を判断するという方針を国幹会議に報告していたところでございます。

 このため、主要な周辺ネットワークであります第二京阪道路、これが平成二十二年の三月に開通いたしました。この開通後の、現在の名神などの交通状況を確認いたしましたところ、依然として渋滞が緩和していないということ、さらに加えまして地方公共団体あるいは有識者委員会の御意見なども踏まえまして、新名神の必要性が高いという判断をいたしまして事業に着手することといたしました。

穀田委員 手法の問題とか渋滞問題ということで矮小化してはならぬと思うんですよ。大体、名神なんか当時から渋滞していて、そのときに三本も要らないと言っているんですよ。だから、そういう話に矮小化してはならぬということをもう一度言っておきたいと思うんです。

 決め手になっているのは有識者委員会の考え方なんです。そこで、その取りまとめを受けて、あそこの中に大都市圏環状道路やミッシングリンクは最優先でつなぐとわざわざ書いているんですよ。そこから出発していて、とにかくつながなければ、今やらないとという論法をずばっと出しているのがこの有識者委員会なんですね。だから、これまで、費用と便益を精査してとかいろいろ、括弧つきですが、厳格とか言ってきましたけれども、そんなのは関係なくて、高速道路については計画された路線のとおり最優先でやろうということにしたから予算もつけたし、凍結も解除したと言っているにすぎないんですよ。そこは、はっきりさせなあかんと私は思うんです。

 そこで、大都市圏環状道路というのはどういう路線で、その総事業費は幾らか。これまで幾ら使って、残事業費は幾らあるか。東京圏、それから名古屋圏、大阪圏、それぞれ簡単に説明してください。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 三大都市圏の環状道路でございますが、まず首都圏は、首都圏三環状と申しておりますけれども、圏央道、それから東京外環、そして首都高の中央環状線という道路で構成されております。

 名古屋圏でございますけれども、こちらは東海環状道路、そして名古屋二環といった道路で構成されております。

 また近畿圏ですが、こちらは京奈和自動車道、あるいは新名神高速道路の一部、こういったもので近畿圏の環状道路が構成されております。

 また、三大都市圏の環状道路の残事業費と、総事業費もですか。(穀田委員「総事業費と残事業費」と呼ぶ)総事業費はちょっと今手元に……。

 直轄事業の総事業費でお答え申し上げますけれども、三大都市圏、首都圏が約四兆円、名古屋圏が約二兆円、近畿圏が約一兆円でございます。

 残事業としましては、首都圏が約二兆円、それから名古屋圏が約一兆円、近畿圏が約〇・三兆円という数字になっております。

穀田委員 私どもの計算ではもう少し多いわけだけれども、要するに、それでも総事業費が八兆円、残事業でいうと四兆三千億円。私のところで、整備計画区間で計算すると十二兆九千億円、それから残事業は八兆四千億円、あなた方の資料を精査するとそうなるわけです。

 そこで、きょう資料を配付しました。皆さんには白黒で配付したので、ちょっとなかなかわかりにくいかもしれませんが、東京外環道というのは資料の一の一、これは一兆二千八百二十億円。それから資料一の三、新名神の抜本的見直し区間、これは六千八百億円。現在事業中の箇所だけでなく予定路線を含めて、今後、約十兆円の規模の財源が必要になる、これが大都市圏環状計画の事業です。予定路線は加えなくてもこれだけの費用がかかって、さらにプラスアルファがある。それだけでも相当な莫大な額になるということははっきりしている。これは局長もうなずいているから、そのとおりなんです。

 それ以外で、次に国土のミッシングリンクの解消、これは資料二でお渡ししました。この事業ではどうか。これは、もともと、ミッシングリンクの解消となる事業というのは一万四千キロをつくる計画の高規格幹線道路だと認識して間違いありませんね。この点を確認したい。

 そして、この高規格幹線道路というのは、高速自動車国道一万一千五百二十キロメートルと一般国道自動車専用道路約二千四百八十キロメートル、合わせて一万四千キロの事業計画だけれども、進捗状況はどうなっているのか。一一年度末までの供用延長キロ数、残キロ数とその事業費は幾らか。資料はもらっているんですが、これも簡潔に言ってください。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 高規格幹線道路一万四千キロ、今お話がありましたように、高速自動車国道、それから一般国道自動車専用道路、こういったもので構成されております。全体計画は一万四千キロでございますが、ことしの四月末時点で一万二百十八キロが供用いたしております。率にいたしますと、約七割という状態でございます。

 また、高規格幹線道路の今の整備状況でございますけれども、供用中は先ほど申し上げましたように一万二百十八キロでございますが、事業中が今二千六百キロございます。この事業中箇所二千六百キロにおきます二〇一二年度以降の直轄分の残事業は約八兆円という数字になっております。

穀田委員 要するに、今残っているのでいうと八兆円かかるということですね。

 そこで、今、高規格幹線道路、すなわち一万四千キロメートルの事業計画と、それからもう一つありますよね、地域高規格道路計画。これはいつごろつくられましたか。

菊川政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと正確には記憶しておりませんけれども、高規格幹線道路は昭和六十三年前後だったと思います。それから地域高規格道路、今、計画路線ということで指定しておりますけれども、それは平成十年前後であったというふうに記憶いたしております。

穀田委員 これは道路の問題だし、基本問題なので、四全総、五全総という流れの中で、五全総というのは、日本のグランドデザインということの中でできたということですよね。うなずいておられるので、そうだと。

 これは、いずれも約二十年前、バブル期に、当時アメリカのそういう要望に基づいて、六百三十兆円の公共投資基本計画が大もとにあって決められた路線網なんですね。その後、九〇年代後半から二〇〇〇年まで公共事業を景気対策として、予算を湯水のごとくつぎ込んできた。その中で国民的な批判を受け、反省の上に、小泉構造改革のもとで若干、無駄な事業は削るとして予算も削られ始めた。ところが、二〇〇八年には政府の発表した道路中期計画に、小泉総理が白紙だと言った事業計画が復活して盛り込まれた。こういう経過なんですよ。

 このことを捉まえて、民主党の岡田克也議員は小泉総理との質疑で、当時決まっていた九千三百四十二キロメートルの整備計画以外は中止、一万四千キロメートルの白紙、これを当時首相は主張していたのに、復活するのかと厳しく批判したんですね。

 ところが、また再度暗転して、民主党政権になって、コンクリートから人へと公共事業の抑制を進めたにもかかわらず、実はこの高速道路網の計画は残されたままだったんですね。計画はなくならなかったんです。道路だけではありません。新幹線整備網も、七〇年代に計画されたものがいまだにそのまま残っている。ダム事業も同じなんですね。こういう計画の見直しをしないままで、際限のない大型開発事業がいつの間にか復活している。それ自身が大問題だ。

 そして、それに加えて消費税増税のように、増税で余裕ができると、今度は消費税を財源に、成長戦略、防災、減災に資する分野という名前で大型事業を復活させるということではないのか。

 その辺の、政治的な角度での問題の提起についてどう受けとめられるか、大臣にお聞きしたいんです。

羽田国務大臣 税制抜本改革法案附則第十八条第二項においても「財政による機動的対応が可能となる中で、」とされており、まずは財政の機動性を可能にする必要があり、そのために、予算全体の重点化、効率化により、真に必要な施策のプライオリティーを高める等の取り組みを行う必要があります。

 地震、また台風、豪雨等が多発する我が国においては、国民の安全、安心を守ることは重要な政策課題であります。また、経済成長著しい近隣諸国との厳しい国際競争にさらされている我が国においては、経済を支える都市、産業の国際競争力を強化することが不可欠であります。

 これらの諸課題に適切に対応するために必要な社会資本整備を進めるに当たっては、これまで以上に選択と集中を強化するとともに、コスト縮減等を通じた徹底的な効率化を図り、大きな投資効果を発揮するよう努めていきたいというふうに考えているところであります。

穀田委員 私は、二つばかり問題があると思うんです。

 今までの経過というのは、二十年前に計画した内容をそっくりそのままとは言わないけれども、ほぼ同じ形で、四全総、五全総と決めた、日本のグランドデザイン、まあ五全総と言ってもいいと思うんですが、これが復活している。

 当時、民主党は、自民党もそうですよ。自民党の時代だって、これはちょっとやり過ぎだなといって抑えた。それで抑えたのが復活したときに、民主党がそれを厳しく批判して、二十年前に決めたことをまだやるのかと。しかも、二十年前に何で決めたか。地図を見て鉛筆をなめなめ、ここはどうだろう、ここはどうだろうと決めた。そういういいかげんな決め方だったということが、本まで出ているぐらいなんです。それが全て今復活しているという事態になっているんですよ。

 しかも、理屈は、真に必要なと必ず言うんです。そして、もう一つ言うのは選択と集中、二つ目はこれなんです。真に必要なと言って、これはどういう理屈かというと、地方自治体が要求していると言って、今まで費用対効果だとかいうことについて言っていたことをすぐ取り下げて言う。ですから、全く難儀な話だなと私は思うんですね。

 しかも、今、財政難だと言っているんですよ、そして増税だと。こうなりますと、何をか言わんやだと私は思うんですね。国民に財政難だということを理屈にして増税を押しつけて、今度は選択と集中でばらまきをやろうというのは全く許せぬと思うんですね。しかも、大臣は、機動的なという話を必ず出すときに、動かす際の理屈をいろいろ言っているけれども、その文言はやはり違いますよ。

 私どもは、衆議院の特別委員会で共産党の佐々木憲昭議員が、増税分十三・五兆円のうち七兆円は社会保障に使われず、財政赤字の穴埋めや大企業減税に回されるということを指摘して、消費税増税分の全額を社会保障財源化するという言い分はまやかしだ、こう指摘したんですね。岡田副総理は、赤字国債分などに置きかわると。要するに、消費税増税して今まで使っていた分が余る、こういう形のやり方をしようというわけですよ。

 私は、今回の附則で、公共事業に最優先で使うということはより鮮明になったと言わなければならないと思うんですね。消費税増税で新規の大型公共事業の財源とすることは二重に国民を欺くものだと思います。

 私は三月一日の予算委員会で、資料三の新規事業の計画を出しました。そしてそのときに、ダムで三兆八千三百億円、高速道路は三十三兆一千五百億円、整備新幹線は四兆四百億円、国際コンテナ戦略港湾に五千億円、合計四十一兆五千二百億円の莫大な額に上ることを明らかにしました。

 確かに防災などのインフラは必要です。しかし、増税で歯どめなきばらまき、大型開発事業の大盤振る舞いは許されないんですよ。最優先すべきは、やはり国民の命、安全、暮らしに必要な事業は何かということを吟味することが必要なんですね。それは、新規事業を抑制し、私がこのときにも提起しましたように老朽化対策を強化し、維持管理、補修対策が必要なんだと。それは現在の事業費でも可能なんですね。

 私は、消費税増税はストップし、そして公共事業の政策については抜本的転換が必要だということを改めて主張して、きょうは終わります。

伴野委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 実は、私も新名神の話を取り上げる予定でございまして、今、穀田先生の御質問を聞いておりまして、同じようなスタンスからの質問で、先日、予算委員会でも取り上げましたが、賛同できる部分が多々あったという、大変意外なものがございました。

 羽田大臣も御記憶だと思いますけれども、七月十二日の予算委員会で、民主党政権によるコンクリート復権が目立っている、こういう質問をさせていただきました。そのときは、民主党政権になってから着工凍結をした整備新幹線三路線のことを主に取り上げたんですけれども、今回は、先ほどおっしゃられたように、小泉政権のとき、二〇〇三年から足かけ十年凍結をしている新名神二区間の建設再開という、これはいわば壮挙ですね。取り上げたいというふうに思います。

 新名神の大津ジャンクションから城陽ジャンクションの二十五キロ、八幡ジャンクションから高槻ジャンクションまでの十キロ、合わせて三十五キロの区間、これはおさらいですけれども、道路公団民営化委員会での議論を経て、国は、二〇〇三年以降、抜本的見直し区間と位置づけて建設を凍結してきた。何と、それ以来、足かけ十年の凍結を解除するわけであります。

 まず、建設再開を決めたプロセスの正当性の問題があると思います。新名神の凍結区間については、先ほど来申し上げているように、道路公団民営化委員会での議論を経て、二〇〇六年二月七日の国土開発幹線自動車道建設会議、いわゆる国幹会議において凍結が正式に決められています。だとすれば、国幹会議で決めた凍結ですから、もちろん、国幹会議における議論と決定によって解除すべきではないかと思うんです。

 しかし、今回、前田前国交大臣は、ことしの四月一日に、地元の首長さんや国会議員の皆さんを前にして、事務方に指示して今月中にも着工させます、四月一日ですがこれはエープリルフールではありません、この鶴の一声で建設再開方針を決めているんですね。それに従って、四月二十日、確かにその月内に国交省は正式に建設許可をおろしているわけです。

 国幹会議でオーソライズされた建設凍結を大臣の鶴の一声でひっくり返していいんですか。このプロセスの正当性についてどのように考えておられるのか、伺います。

羽田国務大臣 新名神の大津ジャンクション―城陽ジャンクション並びに八幡ジャンクション―高槻ジャンクションについては、それぞれ平成三年、平成八年に国幹審の議を経て整備計画が策定されましたが、その後、道路公団民営化の議論の中で、主要な周辺ネットワーク供用後の交通状況等を見て、改めて着工を判断する方針を国幹会議に報告していたところであります。

 このために、主要な周辺ネットワークである第二京阪開通後の現名神等の交通状況を確認したところ、渋滞が緩和しておらず、加えて、地方公共団体や有識者委員会の御意見などを踏まえて、新名神の必要性が高いものと判断し、事業に着手することとしたところであります。

柿澤委員 大臣、私の質問に全く答えていないんです、それは。

 国幹会議で決めた建設凍結は国幹会議の議を経て凍結解除すべきものなんじゃないですか、それをやっていないというのはプロセスに正当性がないでしょう、こういうことをお伺いしているんです。大臣、お願いします。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、国幹会議に、先ほど御説明申し上げましたように、周辺道路ネットワークの状況を見た上で改めて判断という形で報告をいたしております。

 今回、その後いろいろな検討をいたしまして、先ほど御指摘があったように判断をしたわけでございますけれども、これは、整備計画の主たる部分を変更する場合には国幹会議の議を経るということになっておりますけれども、周辺のネットワークの状況、渋滞状況の検討をするということを踏まえて事業をするということでございまして、主要な、例えば起終点であるとかあるいはインターチェンジとか、そういった部分の変更ではございませんので、国交大臣として御判断をいただいたということでございます。

柿澤委員 今の答弁の御様子を見ていれば、いかに苦しい弁解をされているかということは一目瞭然だと思うんですね。しかも、国幹会議というものは、今も法律に基づいて現存しているんですよ。

 そもそも民主党政権は、法律に位置づけられた国幹会議を、族議員の温床だとして廃止を掲げて、いわば機能停止状態に追い込んで、しかも、それにかわる高速道路の整備計画の決定プロセスをつくらないまま、ここまでずるずる三年間も経過をしているわけであります。

 国幹会議を廃止して、かわりに社会資本整備審議会で高速道路の整備計画を決定していくとして、二〇一〇年の通常国会には国幹会議廃止法案なるものが提出されるはずだったわけですけれども、これはいつの間にかどこかに行ってしまっているわけです。国幹会議の廃止法案というのは一体どうなっちゃっているんですか、お伺いします。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 国幹会議の設置根拠であります国土開発幹線自動車道建設法につきましては、お話ございましたように、平成二十二年の三月に廃止法案を国会に提出いたしましたが、同法案は、同じ年の平成二十二年十二月に廃案となっております。

柿澤委員 いや、なっておりますではなくて、政治の意思ですから、ここはやはり大臣に御答弁いただかなければいけないと思うんですけれども、国幹会議廃止法案、出して廃案になった。どうするんですか。

菊川政府参考人 この国幹道建設法の廃案は今申し上げたとおりなんですけれども、こういった高速道路の事業の進め方、計画の進め方、こういったものの透明化を図るという御指摘は従前から受けておりまして、また、昨年十二月にまとめられました高速道路のあり方検討有識者委員会中間取りまとめでございますが、この中でも、整備計画などの決定、変更に当たっては、プロセスの透明化を図るために第三者の意見を聞く、あるいは地方の意見を聴取する、国会審議への反映を行うプロセスを経ることが必要といった御指摘がされております。今後、これらを踏まえて検討していきたいというふうに考えております。

柿澤委員 何でこれを局長が答弁するのか、全くわかりません。

 まず、今後、高速道路に関する予定路線、整備計画をどこでどう議論して決めていくんですか。先ほど道路局長の御答弁はありましたが、この新名神の着工凍結解除の決定も、もちろん、国幹会議の議を経て行うべき項目であると私は思いますよ。

 それにとどまらず、この高速道路建設に関するさまざまな予定路線あるいは整備計画、こういうことを、これから議論の必要が迫られてくるとして、一体どこで議論し、決定するんですか、お伺いさせていただきます。

菊川政府参考人 今、社会資本整備審議会がございます。ここの中に道路関係のこういった今申し上げたような決定プロセスについて議論をする場を今つくっております。これからでございますが、そこで議論を進めていきたいというふうに考えております。

羽田国務大臣 今言われたとおりでありますけれども、整備計画の決定、変更に当たっては、やはり、プロセスの透明化を図るために、第三者の意見や地方意見の聴取、また国会審議の反映を行うというプロセスを経ることが必要であるというふうに考えております。

柿澤委員 いや、それは法律違反ですよ。高速自動車道法と国土幹線自動車道整備法でしたか、済みません、正式な名称を全部言えませんが、いずれにしても、この二法において、整備計画等の決定において国幹会議の議を経るということが明示されているではありませんか。それをすっ飛ばすんですか。明らかな法律違反だと思いますが。

 もう一度御答弁ください。

菊川政府参考人 今御指摘があったようなところも含めて、この審議会の中でしっかりと検討して方向性を出していきたいというふうに思っております。

柿澤委員 法律に基づいたデュープロセスを私たちは踏まないで決定していく可能性がありますということを、国交省の、なおかつ事務方がこういう形で答弁をされるというのは、大変ゆゆしき問題だと私は思います。なおかつ、国幹会議の廃止をするというのは、二〇〇九年の民主党のマニフェストというか政策集にも書かれていたはずであります。またかという感じもするわけですけれども、結局、いつの間にか全てがうやむやになって、なおかつ逆コースをひた走っている、こういう状況がこの点においても明らかになるわけであります。

 新名神について批判があるのは、名神、京滋バイパスに続いて、同じ区間に三本目の高速を通すのかということがあるからです。このため、必要性と採算性を確認しなければいけないということで、主要な周辺ネットワークの供用後における交通状況等を見て、改めて事業の着工について判断することということになっていたわけです。

 先ほどは、主要な周辺ネットワークの供用後の交通状況を見て、渋滞回数がふえたというような言い方をしていましたが、きょうお配りをしている、書類二枚を出していただいていますけれども、一枚目、「第二京阪全線開通後の渋滞状況」というのは、これは三月二十八日に国交省が出されたものであります。これを見ると、蝉丸トンネル、瀬田西、こういうところで渋滞回数がふえている。少しですけれども、これは確認できると言ってもいいかもしれません。

 ただ、ここに、道路公団民営化委員会で道路公団民営化にかかわられた猪瀬直樹さんがかなり厳しくかみついています。これは麻生政権当時に行われていた土日の千円割引の適用期間中で、交通量の増減にその期間限定の割引が影響を及ぼしている期間ではないか、こういうことが影響しない、平時の定性的な渋滞の増減を比較できるようなデータを出してくれと言って、出してこられたのがこの二つ目なんですよね。

 見てみると、一番左端の茨木―大山崎、二百二十一回から百一回、全線開通後、渋滞回数は減っています。京都東―大津、これは渋滞回数八十二回から七十二回、やはり減っている。ふえている区間もありますけれども、宇治東―瀬田東、四回から三十一回と物すごくふえているように聞こえますけれども、半年で三十一回しか渋滞しないわけです。

 これで本当に、必要性、また利用を十二分にされる、六千八百億を投じる費用対効果が実証されたと言えるんでしょうか、お伺いします。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 今資料を出していただきましたけれども、この新名神の事業再開に当たりましては、第二京阪が通ったのが平成二十二年の三月二十日でございました。これの前後を比較するということで、一枚目の資料でございますけれども、二十二年三月以前の一年間とその後の一年間ということで比較をしてこれは出させていただきました。結果はこのとおりでございますが、確かに、今御指摘がありましたように、ちょうどこれは、この前の一年間もそうでございますし、後の一年間もそうでございますけれども、休日千円というものをやっていた時期でございました。

 そういうことからいうと、では、休日千円をやっていないときはどうなっているんだということで、それ以前の平成十九年と、それから休日千円が終わった後の平成二十三年のデータを比較してお示ししたところでございます。減っているところもあるし、ふえているところもあるということでございますけれども、ただ、この間に経済状況が大変大きく変わっておりますので、そういったことも踏まえて考える必要があると思っております。

 ただ、いずれにいたしましても、一枚目の資料で書いてありますように、全国の高速道路の渋滞回数ワーストファイブというのをこの左に載せておりますけれども、これはワーストファイブとかそういう中に間違いなくこの区間も入っているということで、新名神の必要性というものは変わらないというふうに考えております。

柿澤委員 あえて言えば、私は、究極的に言うと、やるなと言っているわけではないんですよ。しかし、やるからにはしっかりとエビデンスを立てて、しかもデュープロセスを経て決定し、実行することが必要だ。これは、手続の面からも、必要性、採算性の面からも、極めてまだまだ疑問の残っているこういう状況で、鶴の一声で進めてしまう。こういうやり方を事もあろうに民主党政権が認めてしまう。こういう状況になっていることを甚だ残念に思います。

 終わります。

伴野委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社民党の中島隆利でございます。

 最初に、九州北部を襲った豪雨災害についてお尋ねをいたします。

 冒頭に、今回の災害に遭われまして亡くなられました皆さん、また被災された皆さん方に心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 同時に、政府、わけても国土交通省におかれましては、ライフラインの復旧に全力を挙げていただきたいと思います。まず御要望申し上げておきたいと思います。

 さて、今回の豪雨は、私の地元の熊本県を初め、福岡県、大分県などに大きな災害をもたらしました。熊本県阿蘇市の乙姫では、最大時、一時間に百八ミリ、二十四時間では五百ミリを超える雨量を観測いたしました。熊本気象台の発表では、これまでに経験したことのない大雨という表現で警戒を呼びかけました。

 短時間に集中して雨量を記録するのが最近の豪雨災害の特徴でありますが、この特徴の原因を把握し、対策を練らなければ、大規模災害は繰り返されることになるのではないか。しかも、この阿蘇地域だけではなくて、全国でこういう災害が起こりかねない状況にございます。

 そこで、今回の記録的な豪雨の原因について気象庁はどのように考えているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。

羽鳥政府参考人 お答えいたします。

 七月十一日から十四日にかけて、九州北部から本州付近に停滞した梅雨前線に向かって、東シナ海の海上の水蒸気が強い南西風によって持続的に九州に流れ込みました。このため、積乱雲が繰り返し発生し、熊本県を初め九州北部で強い降水域が長時間停滞し、大雨となりました。

 特に今回の豪雨の特徴でございますが、一時間に八十ミリを超えるような猛烈な雨が数時間継続するということが熊本県と大分県を中心に各所で発生した、こういった点が特徴でございます。

 以上でございます。

中島(隆)委員 次に、土砂崩れ対策の問題ですが、犠牲者を最も多く出したのは阿蘇市でありまして、その原因が、斜面崩壊による土砂崩れでした。そして、水を通しやすい火山灰が降り積もった地層構造、そしてさらには、急勾配になった阿蘇外輪山の地形が影響を及ぼしている、こういう指摘がされております。

 それから、先ほど坂本議員からも御指摘がありましたが、一九九〇年の大雨でも土石流が発生をいたしまして十二名の死者を出す、こういう事故も起こったわけであります。

 その際、山による保水、いわゆる治山対策が必要ではないかというふうに考えております。特に、火山灰に杉やヒノキ、人工林は根を張りにくい。しかも、間伐がほとんど行われていない状況であります。一度土砂崩れが起きましたら、その杉、ヒノキがそのまま土砂と一緒に流れて民家を押し流している、そして今回は二十三名の死者を出す、こういうことになったわけであります。

 そこで、必要な対策でありますが、まずは民家に近い傾斜地の杉、ヒノキの間伐を進めるということと、そして、間伐をした後に、地盤が弱い火山灰でも根を張りやすい、そういう広葉樹を植樹し、山の保水能力をつける、こういう対策も必要ではないか、こういうふうに思います。

 それからまた、土砂災害が発生した箇所を見ますと、警戒区域の指定箇所だけではなくて、指定されていないところも今回の事故に遭っています。しかも、特に多いのは、谷合いの沢等については、土石流が住家も押し流し、多くの被害を出している、こういう状況にございます。

 そこで、今後の緊急対策としては、警戒区域指定をしていないところを早急に指定しながら対策を講ずべきではないかというふうに思いますが、この土砂崩れ対策についての考え方をお尋ねいたします。

奥田副大臣 今回の九州地方の豪雨に関しては、土砂災害、特に阿蘇の外輪山地区で多くの土砂災害が発生しました。そしてまた、多くの犠牲者の方が出てしまいました。この地域は、これまでも何度か激しい災害の経験というものがあり、また、整備も進められておったわけでありますけれども、先生御指摘のように、山腹崩壊という形での大きな被害というものも発生しました。

 専門家の方々が入って、助言、そしてまた調査というものをしておりますけれども、これからの新たな整備について、地元の方とも意見を交える中でしっかりと計画を立てていきたい。そしてまた、山の養生といいますか育成といいますか、そういった視点も、中島先生からの御指摘があったということをしっかりと踏まえて、計画をしていきたいというふうに思います。

 そしてまた、さらに、この地域の方は、平地の部分が田畑になっていることが多く、人家の方が斜面の方にあるという特性もありますので、そういった地域の持つリスクというものも、警戒区域指定ということを県の方にしっかりとお伝えしていく中で、地域指定ということも含めて、災害に強い地域づくりというものに資していきたいというふうに考えています。

中島(隆)委員 専門家が入って全地域の調査をされ、今後の対策を立てられるということでございます。

 今回の災害で一つ事例があるんですが、被災を受けた裏山、根子岳の裏側という、南阿蘇ですけれども、この地域は、草原があり、放牧地があり、杉林があり、その中に牧草地をつくって、さらに杉林をつくって民家をつくった、こういうことで、一人亡くなられたんですが、かなり災害を減少させている。これは、長い歴史の、先祖から伝わった地域の安全、防災の対策ではないか、こういう評価をされたところもあるんです。

 今後の対策で必要なのは、やはり、緊急指定して早急にやるということではもうかなり時間がかかると思うんですね。ですから、今後の危険地域については、そういう地域についてはやはりそういう防災対策も含めた対策が必要ではないかというふうに思いますので、ぜひそういう対策をとっていただきたいと思います。

 そこで次に、避難指示の問題についてお尋ねをいたします。

 今回の災害で、熊本市の中心部を流れる白川の一部が氾濫をいたしました。家屋の流失や損壊など、甚大な損害をもたらしました。この白川の一部の氾濫は七月十二日の午前七時過ぎに始まったと言われていますが、熊本市が避難指示を出したのはそれから二時間以上経過をした九時二十分で、避難情報のおくれが指摘をされています。

 市長も会見では市民の皆さん方におくれたことの陳謝をされているわけでありますが、市の危機管理体制が問われる一方で、急激な水撃によって、市の方も、職員を動員して河川に土のうを積んだりあるいは避難所設備を手配したり、情報収集、そういうことをやって情報がおくれた、こういうこともあって避難勧告がおくれたということでありますが、特にこういう集中的な豪雨の中で避難指示をする場合には、自治体に責任があるんですけれども、やはり県や国の協力体制というのが不可欠ではないかというふうに思うんです。特に白川流域では、先ほど指摘もされたように、下流は国、上流は市、国の方にはたくさんのカメラもあり、観測地もある、県の方は非常に不足をしている。そこのところが今回被害が多かったわけですね。

 ですから、そういう面では、国、県の連携による避難体制というのが非常に必要ではないかというふうに思うんですが、その点についてお尋ねをいたします。

羽田国務大臣 白川水系においては、熊本市北区の小磧橋を境に、下流が国ということで、同区間については、水防法に基づいて水位の状況や予測等について熊本県に通知するとともに、熊本市に対しても情報提供を行っているところであります。

 また、白川水系上流で土砂災害が多く発生した阿蘇市等においては、熊本地方気象台と熊本県砂防部局が共同で土砂災害警戒情報を発表し、土砂災害に対する警戒を呼びかけてきたところであります。

 県、市町村に対する災害情報の提供については、これまでも、平素からの情報伝達訓練の実施等により協力して取り組んできたところでありますけれども、今後とも、自治体が行う避難勧告等の発令に資するような迅速な情報提供や協力のあり方について、熊本県とも連携して検討させていただきたいというふうに考えております。

中島(隆)委員 それから、もう時間がありませんので、これは要望しておきたいと思うんです。

 白川はそういうことで今後の対応をしていただきますが、阿蘇地域の今回の避難対策、大変な課題があると思うんですね。気象庁が出したのは、これまで経験したことのない大雨で、警戒を出したのが六時四十五分ですね。ところが、二時から三時、三時に百八ミリ、六時までの四時間で四百ミリ降っているんです。しかも、崩壊は四時五十五分から五時五十五分に終わっているんです。だから、崩壊が終わった後、こんなに大変な雨だという気象庁の発表です。

 地元では、阿蘇市では、二時四十分に警戒の情報を出して、四時には避難勧告を出した、しかし雷と雨で通じなかった、こういう地元の意見も聞いたんですが、これだけ大量に降って、もう過去にないような雨が降るということの気象情報がわかるとすれば、やはり国、県、市町村、自治体に警戒避難体制をとることが必要ではなかったか。

 今回の事故で二十三名が亡くなられているんですが、危険区域ではありますけれども、今後の災害を防止するためには、気象庁あるいは国土交通省、県なり市町村の避難体制をもっと万全にやらないとこんな悲惨な災害を繰り返すことになると思うんですが、これについて、大臣、今後の対応について決意をひとつ。

羽田国務大臣 今言われたことはもっともなことだというふうに思っております。

 大雨が一時間に百ミリ以上、四時間に四百ミリ以上ということでありまして、一時間に百ミリという大雨。私も、行ったときには、避難指示が出まして、一時間に三十ミリから四十ミリと言われる雨が降ったんですけれども、この粒の大きさとバケツをひっくり返したような状況をバスの中で経験させていただいて、この四倍も降ったのかという思いをさせていただきました。

 夜中にその大雨の中で避難をするということもなかなか難しい状況だというふうに思いますし、今後とも、そういうことも踏まえて、しっかりと取り組んでいかなければならないというふうに感じたところであります。

中島(隆)委員 もう時間がありませんので、最後の質問は要望だけにさせていただきたいと思います。

 特に警戒区域の指定について、これも地元自治体との協議が必要だと思いますが、指定がないところで災害が起きているところがたくさんありますので、ぜひ早急に指定をしていただきたいということと、ハザードマップ、これについても徹底していただきたい。

 それから最後に、これは要望だけですけれども、JRの豊肥線それから久大線、いろいろありますけれども、不通になっています。しかし、豊肥線はまさに動脈で、通学、生活道になっています。特に五十七号線の開通についても、ぜひひとつ、できるだけ早く開通に努力をしていただくということをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

     ――――◇―――――

伴野委員長 次に、内閣提出、都市の低炭素化の促進に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣羽田雄一郎君。

    ―――――――――――――

 都市の低炭素化の促進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

羽田国務大臣 ただいま議題となりました都市の低炭素化の促進に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 昨年発生した東日本大震災を契機としてエネルギーの需給が変化し、国民のエネルギー利用や地球温暖化問題に関する意識が高まっている中、低炭素・循環型社会の構築を図り、持続可能で活力ある国土づくりを推進することが重要な課題となっております。とりわけ、建築物や自動車などに由来して多くの二酸化炭素が排出されている都市においては、エネルギー利用の合理化等を通じて都市の低炭素化を促進していくことが現下の特に重要な課題です。

 この課題に対応するためには、都市機能の集約やそれと連携した公共交通機関の利用促進、建築物の低炭素化等の施策を講じることにより、地域における成功事例を蓄積し、その普及を図っていくことが必要であります。また、これらの取り組みを通じて地域経済や住宅市場を活性化していくことが求められております。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、国が、都市の低炭素化の促進に関する基本方針を策定し、その意義や、政府が実施すべき施策についての基本的な方針等を示すこととしております。

 第二に、市町村が、それぞれの地域の実情に応じ、都市の低炭素化を促進するためのまちづくりに関する計画を作成することができることとしております。この計画は、民間を初めとする国民各界各層による取り組みを推進しようとするものであり、病院・福祉施設、共同住宅等の整備により都市機能の集約を図る事業の認定制度や、バス路線の新設、鉄道駅の整備等により公共交通機関の利用促進を図る事業の認定制度を創設するほか、二酸化炭素の吸収源となる緑の保全を推進するための樹木等の管理に関する協定制度、下水熱を活用した熱供給の実施を可能とする特例の創設等を行うこととしております。

 第三に、建築物の新築や改築等に際して、建築物の低炭素化に関する先導的な基準に適合する旨の認定を受けることができることとし、認定を受けた建築物については、低炭素化に資する措置に伴い増大する一定の床面積について容積率制限の対象から除外することとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由であります。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

伴野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十七日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十四分散会


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